【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」五月雨「その31です!」【安価】 (1000)

艦娘がショタ提督を攻略していくスレです。
登場艦娘は全員ショタコンになるのでキャラ崩壊が激しいです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521566862

前スレ

【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」響「その27だよ」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」葛城「その28!」【安価】
【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」葛城「その28!」【安価】 - SSまとめ速報
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」雷「その29よ!」【安価】
【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」雷「その29よ!」【安価】 - SSまとめ速報
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」リットリオ「その30です!」【安価】
【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」リットリオ「その30です!」【安価】 - SSまとめ速報
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★1周目:普通の少年
秋月
春雨
鈴谷
足柄

鈴谷END

★2周目:見た目は子供、中身は大人の25歳
朝潮
五月雨
舞風
瑞鶴

朝潮・瑞鶴END

★3周目:記憶喪失
島風
如月
名取
五十鈴

島風・如月END

★4周目:虐待を受けた少年
川内

呂500
扶桑

川内END

★5周目:薬で子供になった32歳
球磨
間宮
多摩
陸奥

球磨・間宮・多摩END

★6周目:天然
朝雲
榛名
鳥海
隼鷹

榛名END

★7周目:生意気
雲龍
白露
大和
長門

白露END

★8周目:タイムリープ&見た目は子供、中身は60歳の20歳(異世界出身)

伊58
浜風
衣笠

浜風・曙・衣笠END

★9周目:幽霊
不知火
伊19

龍驤

龍驤END

★10周目:両親死別の鎮守府育ち
天津風
大鳳
伊401
瑞鳳

伊401END

★11周目:見た目も中身も子供っぽい26歳
夕張
明石
あきつ丸
磯風

夕張END

★12周目:幸運体質の男の娘
時雨
山雲
大淀
秋月

秋月END

★13周目:世話焼き(ダメ艦娘製造機)
敷波
文月
青葉
春雨

青葉END

★14周目:捻くれ者&前科持ちの19歳
長門
綾波
翔鶴
加古

翔鶴END

★15周目:800歳の不老不死
阿武隈
天津風
武蔵
舞風

天津風END

★16周目:60年後から送り込まれた未来人
金剛
磯風
五月雨
龍鳳

磯風END

★17周目:超恥ずかしがり屋&見た目は幼い箱入り息子18歳
北上
大和
三日月
妙高

北上・妙高END

★18周目:変幻自在の少年
春雨
葛城
加賀


春雨・響・葛城END

★19周目:セクハラ大好きエロ少年
扶桑
天龍

リットリオ

雷・リットリオEND

★20周目:女性不信の21歳
五月雨
大和
阿武隈
由良

五月雨END

★21周目:深海棲艦と人間のハーフ
鳥海
木曾
那珂
瑞鳳

瑞鳳END

★22周目:クローン
大鳳
赤城
照月
リベッチオ

大鳳・リベッチオ・照月END

★23周目:ドジで失敗ばかりだけど真面目な23歳

鬼怒
舞風
金剛

舞風END

★24周目:300歳の宇宙人
ビスマルク
グラーフ・ツェッペリン
不知火
Z3

不知火END

★25周目:感情を抑え込んだ少年
雲龍
大和
伊勢


暁END

★26周目:めんどくさがりだけど要領が良い22歳
那珂
那智

卯月

嵐END

★27周目:何でも出来るツンデレ超能力者
能代
荒潮
吹雪
長良

吹雪END

★28周目:大好きな兄を目指すブラコン少年
足柄
酒匂
夕立


酒匂・電END

★29周目:フリーター&浪人し続けた弟想いの25歳
U-511
ビスマルク
長門
加賀

長門END

★30周目:平行世界へ自由に移動出来る少年
ポーラ

ヴェールヌイ
アイオワ

ヴェールヌイEND

★31周目:深海棲艦が派遣した子供スパイ
鬼怒
ローマ
名取
阿賀野

阿賀野・鬼怒END

★32周目:艦娘達の幼馴染20歳
親潮
比叡
三隈
朝雲

三隈END

★33周目:深海棲艦の心臓を移植した少年
ビスマルク
山雲
利根
グラーフ・ツェッペリン

山雲END

★34周目:無口で引っ込み思案な人見知り
摩耶
ウォースパイト

加賀

朧END

★35周目:妻を亡くした寡男24歳
大井
ビスマルク
木曾
望月

大井END

★36周目:前世の記憶を持つ中身は50歳の転生者25歳
Z3
朝雲
大和
夕立

大和END

★37周目:やたらポジティブな馬鹿少年
天龍
風雲
加賀
山風

山風END

★38周目:何でもこなすけどマッチョに憧れる同性愛者21歳
神通
皐月
木曾
卯月

皐月END

★39周目:先祖代々伝わる少年忍者
加賀
夕立
秋雲
朝雲

朝雲・夕立END

★40周目:艦娘達の記憶の化身
龍田
木曾
文月
ビスマルク

ビスマルク・木曾END

★41周目:料理の天才20歳
三日月
松輪
卯月
神風

松輪END

★42周目:ギャグ補正が強すぎるトラブルメーカー
狭霧
羽黒
速吸


※現在、潮ENDが確定

システムについて
※読むのが面倒な人は『艦娘の行動を安価で指定して、ショタ提督に好かれるようにする』と考えていただければ大丈夫です。


上旬コミュ→中旬コミュ→下旬コミュの計3回です。毎回艦娘が取る行動を安価で決め、ショタ提督に懐かれるようにするのが目標です。

期間が入れ替わる(上旬→中旬→下旬→上旬…)ごとにコンマで登場艦娘を決めます。最大値の艦娘が行動権を得ます。

ショタ提督には好感度と信頼度が設けられています。好感度は0から、信頼度は50からスタートします。

信頼度は変化が無い限りリザルトには表示されません。


信頼度は基本的に変化はありませんが、ショタ提督が嫌がったり怖がるような展開になってしまうと減少します。

信頼度が0になってしまうと、その艦娘は解体されて鎮守府から追放or憲兵に更迭されてBADENDになってしまいます。

信頼度は増加させることが出来ません。

なおBADになった場合はコンティニューして続行しますが、BAD対象となった艦娘は1ヶ月分(計3回)コミュが取れなくなります。

好感度も下がりますのでご注意下さい。ただし信頼度は50に戻ります。

好感度がMAX50まで貯まった状態で再度コミュを取ると無事HAPPYENDです。


※好感度MAXヒロインがいる状態で好感度40超えヒロインが登場した場合について

好感度40以上のヒロインの告白イベント時に、乱入コンマ判定が追加されます。

これを踏んでしまうと強制的にコミュが終了してしまいます。

なお別のヒロインも好感度MAXになった場合、MAXヒロインのうち1人でも最大値が出れば即ENDです。

ハーレムを目指す場合は、MAXヒロインが増えるほど難易度がUPしていきます。


※R-18安価・信頼度に関わる安価について

R-18安価は全て安価下にします。ただし小ネタ安価時は例外とします。

R-18安価については“提督の行動時”にも上記のルールが適用されます。

信頼度に関わる安価が最大値だった場合、実行するか否かを反転コンマ判定(厳しめ)します。

成功で実行(さらに反転コンマ判定)、失敗で踏み止まり自動的に2番目に高いコンマの行動安価を採用します。失敗確率の方が高めです。

1度信頼度に関わる安価を取った場合、実行コンマ時点で失敗した時も含めて1ヶ月間(コミュ3回分)全て安価下にします。


※その他注意事項

コンマ判定(反転含む)時、00は10もしくは100とします。

上旬中旬下旬最初の艦娘コンマ、提督と艦娘の行動安価、コンマ判定時(上昇度低~特大を決める部分)は反転コンマとします。

好感度上昇コンマ(一の位に上昇度をかける部分)は従来通りです。

ショタ提督or艦娘の行動安価や、ヒロインを決める際の艦娘安価での連取りはNGです。好感度上昇コンマ判定等、数字のみが関わる場合はOKです。


※小ネタ安価について

本編終了時に小ネタ安価を取ることがあります。

その時に周回指定が無ければ、こちらで小ネタにあった周回を決めさせていただきます。

同一艦娘の似たような内容の小ネタor前回と同一周での連続エロ小ネタは、最低でも小ネタ5回分以上間隔を空けていただければ幸いです。
(例:前回『○○とお花見』→今回『○○とピクニック』、前回『□□とエッチ』→今回『□□と▽▽エッチ』等はNGとさせていただきます)

また、似た内容の小ネタが範囲内に複数含まれていた場合、その中で1番先に書かれている小ネタの反転コンマのみ判定対象とさせていただきます。

エロ小ネタにつきましては、本編で1度でも艦娘安価で選ばれたことがある艦娘でお願いします。ENDを迎えたか否かは問いません。

尚、エロ小ネタは別板の小ネタ専用スレにて投下いたします。他の小ネタにつきましては、従来通りこの板のスレで投下いたします。

あまりにも支離滅裂な内容は安価下とさせていただきます。また、小ネタの内容は『本編の設定を踏まえた世界観』が主軸となるようにしていただけると幸いです。パラレルワールドに分岐させるかどうかはこちらで判断させていただきます。


※ショタ提督の設定について

ガチショタ→合法ショタ→安価ショタ→ガチショタ……のサイクルを繰り返していきます。

安価ショタに関しては、その名の通り安価で提督の設定を決めます。

http://ss.vip2ch.com/jmp/1422605769

読者の方々がWikiを作成して下さいました。
こちらもご参照下さい。

23:00~0:00頃開始予定です。

始めます。まずは告白(笑)パートからです。

曙「………」

曙(……でも、潮が決めたことなら、私からは何も言えない)

曙(だけど――)

潮「……それじゃ」

曙「……潮」

潮「……何?」

曙「……後悔は無いのね?」

潮「………」コクリ

曙「……分かった。ならもう止めない。今の潮、すっごく……カッコ良い顔してるから」

潮「……ありがとう、曙ちゃん。じゃあ、行って来るね?」スッ

ガチャ…

曙「……しっかりやんなさい!」

潮「………」ニコッ

バタン…

曙「………」

曙(――辛くなったらいつでも投げ出しなさい。アレの相手なんて1週間持てば良い方なんだから)

狭霧「……お願いだからこのまま潮ちゃんだけ駆け抜けt」

曙「アンタはちょっとくらい潮の心配しなさいっ!」ポカッ!

狭霧「痛っ!?」

潮「………」

潮(執務室……今まで散々騒ぎに巻き込まれたり、提督の行動に頭を悩ませられてきた場所だけど……)

潮(今はもう、そんな負の感情は湧き出て来ない。むしろどことなく清々しい気分すら感じる……)

潮(人間が本気で覚悟を決めた時って、こんな心情なんだ……私艦娘だけど)

潮「……ふふっ」

潮(自分で軽口言って笑えるくらいなら心配いらないよね。じゃあ……)スッ

ガチャ…

潮(どんな敵よりも強くて大変な……ラスボスと、戦わないと……!)



┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……



潮「……っ!」

潮(扉を開けた瞬間、凄い威圧感が……!これって……!?)

「……よく来たな」

潮「……!」















ショタ提督「フゥーーーーーーーーッハッハッハッハッハッハ!貴様が俺の生贄となる小娘k」

潮「ラスボスという表現をしたのは私ですけど、そんな無理に魔王みたいな振る舞いしなくて良いですから」

ショタ提督「最後まで言わせろよ!潮姉ちゃんが微妙に死亡フラグチックなことしてたからノったのにさー!」ブーブー

潮「死亡フラグも何もありませんよ。ただ提督の相手をする為の覚悟を再確認してただけですから」

ショタ提督「ちぇっ、空気読めよなー」

潮「提督に言われると私の全てを否定された気分です」

ショタ提督「うはwwww辛辣過ぎワロタwwww」

ショタ提督「とまぁ冗談はここまでにして。潮姉ちゃんが1番乗りか~。ずっと足止め状態だったから他の姉ちゃんが追い抜くかと」

潮「息をするようにメタ発言しますね」

ショタ提督「ギャグなんてそんなもんだろ。作者がこんにちはしてないだけマシだ」

潮「はぁ……」

ショタ提督「いやーおめでとさん!ついに好感度50だなー!ここまで長かった!やっとこさ俺に告りに来たんだろ?」

潮「違います」

ショタ提督「またまたぁ。好感度50ってことは俺も姉ちゃんもお互いに惚れこんでる状態なんだぜ?」

潮「少なくともこの周は違います」

ショタ提督「えー?まだ意地張るのかー?」

潮「提督こそ私に恋愛感情を抱いてますか?」

ショタ提督「当たり前じゃん」

潮「嘘ですね」

ショタ提督「どーしてそう言い切れるんだよ」

潮「態度が普段と変わらないからです」

ショタ提督「おまいう」

潮「……そもそもこんな雰囲気で告白なんて出来ると思いますか?」

ショタ提督「まぁ無理だな。逆にこんなお互い冗談言い合ってる状況で『お前が好きだ!』とか言い出したら、それこそ新手のギャグだわwwww」

潮「でしょう?この42周目は終始こんなノリと勢いだけで成り立ってるわけですし、今更シリアスとかラブロマンスなんて絶対あり得ません」

ショタ提督「……姉ちゃんも普通にメタいこと言うようになったよな」

潮「提督の影響です」

ショタ提督「まぁそうなんだけどさ。でもこれ告白パートだからさ、それっぽいこと言ってもらわんと終わらないんスよね」

潮「……元より承知済みです。提督……」

ショタ提督「んあ?」
















「これから貴方を傍でずっと監視します。そしてまともな男の子にしてみせます」


「かつてこれほど犯罪予告&変態発言染みた告白が今まであっただろうか、いや無い(反語)」














潮「……提督」

ショタ提督「部下から告白されると思ったらストーカー行為兼逆光源氏計画暴露だったでござる」

潮「私は真剣ですよ?」

ショタ提督「尚タチ悪いんですがそれは」

潮「提督の普段の行動と比べれば何億倍もマシです」

ショタ提督「ぐっ、痛いとこ突くな」

潮「鎮守府で統計を取っても満場一致で私の意見に賛成してくれると思います」

ショタ提督「そうか~?1票くらいは俺に」

潮「あり得ません」ズバァ

ショタ提督「言い切るなよ。ちょっと悲しくなるじゃんか」

潮「自業自得という言葉をご存知ですか?」

ショタ提督「馬鹿にするな!それくらい知ってるわ!」

潮「あ、そうでした。提督の頭の辞書に『自業自得』はあっても『自重』は無かったんでしたっけ」

ショタ提督「やっぱ好感度50なだけあるわ。以心伝心じゃね?」

潮「不名誉ですけどね」

ショタ提督「照れるなって」

潮「いい加減母乳で口を塞ぎますよ?」

ショタ提督「うっ、それは勘弁してくれ。あの量飲むの地味にキツいんだよ」

潮「なら少しは常識的な行動を取って下さい」

ショタ提督「なぁ本当は曙姉ちゃんが変装してるんじゃないの?さっきから言葉にトゲがあるんだけど」

潮「提督と過ごしていたら誰でもこうなりますよ」

ショタ提督「何それ怖い」

ショタ提督「……ぷっ」

潮「……ふふっ」

ショタ提督「あははははははははははははwwwwww」

潮「……くすくす♪」

ショタ提督「何かさ~、さっきも言ったけどムードも糞もないなwwww」

潮「だって提督ですし……ふふ」

ショタ提督「あっ言ったな~?その気になれば超好少年演じられんだぞー?」

潮「まさか!そんなこと天地がひっくり返ってもあり得ませんって!」

ショタ提督「確かに地球は滅亡するな」

潮「どうせ提督がまた壊すんですよね?させませんけど」

ショタ提督「いや、この世の因果のバランスが保てなくなって最初に地球が犠牲になるだけだけど」

潮「………」

ショタ提督「………」

潮「……くすっ♪」

ショタ提督「あはははは!やっぱ俺達はこうでないとな!付き合いたての恋人みたいなイチャイチャは似合わんわ!」

潮「恋人じゃないです。あくまでも監視役ですよ」ニコッ

ショタ提督「でも四六時中一緒にいるんだろ?ぶっちゃけ似たようなもんじゃん。潮姉ちゃんだってさっきモノローグ的な感じで言ってたろ?」

潮「まぁそうなんですけどね……ふふっ」

ショタ提督「……なぁ潮姉ちゃん」

潮「何ですか?暴走するなら全力で止めますよ?」

ショタ提督「ここから爆発オチはねーよwwwwそうじゃなくてさ、俺をまともにするのは無理ゲーだぞ?」

潮「それを何とかするのがヒロインの役目ですから」

ショタ提督「どっちかってーと主人公の役目な気もするけど、どーでも良いか。どうせ次の場面でまたハッチャけるぞ俺?」

潮「阻止するか、それが無理でもしっかり突っ込みますから安心して下さい」ニコッ

ショタ提督「メンドーなクソガキだぞ?」

潮「手のかかる子ほど可愛いと言うじゃないですか」

ショタ提督「そうか!なら俺可愛いから好き放題しても」

潮「でもおいたはダメですよ?」

ショタ提督「うっす」
















「俺のボケに付いて来られるか~?初っ端から飛ばしていくからなー!」


「もうっ……どさくさ紛れに逃げ出そうとしても、目を離すつもりはありませんからね?何をしでかすか分かりませんから!」














――好感度50/50……

6ヶ月目:中旬


ショタ提督「はぐはぐはぐはぐはぐっ!」

潮「……何をそんな必死に食べてるんですか?」

ショタ提督「ふぁひひほひひふぁっへんふぁほ!」

潮「日本語で喋って下さい」

ショタ提督「ばくばくばくばくっ!んぐっ!見りゃ分かんだろ!焼き芋だよ焼き芋!」

潮「ですからどうして焼き芋を必死に頬張ってるんですか?」

ショタ提督「え?あー『何を』ってそういう……食欲の秋以外に理由あるか?」

潮「だと思いました。それでも一応は聞いておかないと」

ショタ提督「がつがつがつがつっ!ごくっ!あれからマジで24時間一緒にいるんだもんな~」

ショタ提督「仕事中はもちろん風呂から寝る時まで隣にいるとかぶっちゃけ夫婦じゃないの」

潮「それくらい油断出来ないからですよ。提督なら片手さえあればどこでも地球を滅亡させることが出来ますし」

ショタ提督「あー最初の最初にやらかしたアレか。あの時はちょぉぉぉぉぉぉぉっとキレただけだって」

潮「普通の人間はキレたくらいであんなことしません」

ショタ提督「俺は普通じゃな……うっ」

潮「何ですか?食べすぎでお腹でも壊して……ハッ!」

潮(焼き芋……食べ過ぎ……ギャグ……まさか!)

ショタ提督「……で、出るぅっ!」カッ

潮「っ!」つガスマスク カポッ

ショタ提督「おふぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」ブバーンッ!

ショタ提督「おぉぉぉぉぉぉぉっ!屁で空飛んでるぞ俺!やっぱ焼き芋とくりゃこれだよなぁぁぁぁぁぁ!」ブブブブブブブブブブ

潮「………」シュコー

潮(ですよね。このオチしかありませんよね。さて、提督を追いかけるのが先か……)




全艦娘(速吸除く)「」ピクピク

速吸(E:ガスマスク)(……鎮守府中に広がった強烈な臭いを消して瀕死状態の皆さんを救うのが先か、ですね)シュコー




↓1狭霧のコンマ 好感度:38.5/50
↓2羽黒のコンマ 好感度:31.5/50
↓3速吸のコンマ 好感度:40/50<リーチ!>
↓4潮のコンマ 好感度:50/50<END開放……>

反転コンマが最大の艦娘が行動します
なお潮が最大値の場合は即ENDです

狭霧「………」グイグイ

羽黒「………」グイグイグイグイ

速吸(無言で潮ちゃんがいる方向に押し合う狭霧ちゃんと羽黒さん……見苦しいですねぇ)

潮(貴女も人のこと言えませんよ速吸さん)

速吸(心を読んだ挙句脳内に直接語りかけてこないで下さい)

ショタ提督「俺の彼j」

潮「監視役ですから。良いですね?」

ショタ提督「アッハイ」


今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただいありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

23:00~0:00頃開始予定です。

始めます。

羽黒「これでENDですね!」

妙高「違います」

羽黒「潮ちゃんは無事司令官さんと結ばれたんですね!」

那智「まだ終わってないだろ」

羽黒「もう少しでリーチに届いちゃうところでしたよ~」

足柄「貴女のターンでしょ」

羽黒「次の43周目はどんな司令官さんでしょうか~?」

妙高「……羽黒」

羽黒「ヒロインも誰が選ばれ」

那智「いい加減現実逃避するのはやめろ」

羽黒「………」

足柄「戦わなきゃいけないのよ、現実と」

羽黒「……SSに現実も何も無いよ、足柄姉さん」

那智「……やっぱり提督に毒されてるな、お前」

羽黒「ふえっ!?そ、それはダメ!潮ちゃんや狭霧さんの二の舞になるのだけは……!」フルフル

羽黒(正気を保たないと……!あの司令官さんと過ごすなんて一種の拷問だもん……!)




ショタ提督「どいつもこいつも辛口評価で俺氏涙目wwww」

潮「と言いつつ草生やしてるじゃないですか。もうっ……あ、提督の行動は直下で」

ショタ提督(つーか潮姉ちゃんも『二の舞』とか言われてんだけど良いのかねぇ)

羽黒「はぁ……」

羽黒(やっぱりあの世界に永住したら良かったかも……どうせ司令官さんはまたおかしなことを……)チラッ

羽黒「……あれ?」

潮「………」シュバババババババ

羽黒(潮ちゃんが1人で書類整理してる……目で追いつけないほどの高速で)

潮「……提督なら出撃中です」シュバババババババ

羽黒「あ、そうなんだ……えっ出撃?」

潮「はい。ず~っと座りながら仕事してイライラしたストレス解消目的で」

羽黒「……すっごい今更ですけど、司令官さんって『設定上』は普通の男の子では?」

潮「その前にギャグ補正が……っと、このまま私達2人だけで喋り続けると別スレになりますし提督視点に移りますね」

羽黒「あっそれはちょっと心の準備g」

・・・÷

ショタ提督「な~んて言い合ってんだろうな今頃……うるぁっ!」つ100tハンマー ブンッ!バキィッ!!

重巡棲姫「ごっふぁ!?」ヒュゥゥゥゥゥゥ… キランッ★

装甲空母鬼「何コイツ!?21周目提督に兄弟っていたっけ!?」

ショタ提督「うるせぇんだよ!耳元で喚くなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」つロケットランチャー ズガガガガガガ!

装甲空母姫「おげぇっ!?」撃沈 ブクブク

空母棲姫「ぶぎゃっ!?」轟沈 ブクブク

ショタ提督「あーまだまだ殴りたんねー!おいもっと硬い奴いねーのかよ!」ゴゴゴゴゴ!

泊地棲姫「ヒッ!?ならどうぞこの飛行場を!」グイグイ

飛行場姫「ちょっ押さないでよ仲間売る気!?」

ショタ提督「オルルルルルァ!!(巻き舌)」ドカッバキッ!!

飛行場姫「ごはぁっ!?」撃沈 ブクブク

集積地棲姫「あぐぉっ!?」轟沈 ブクブク

泊地棲姫「い、1発で!?しかも他の奴巻き込んでるし!?」

ショタ提督「っだぁぁぁぁ!!こんなんじゃちっともスッキリしねぇぇぇぇぇ!!おいそこのお前!!」

泊地棲姫「ひゃ、ひゃい!?」ビクゥッ!!

ショタ提督「俺さぁ、デスクワークばっかで今すんげームカムカしてんだよね。何かこう裏ボス級に強い奴いねーの?」ゴゴゴゴゴ

泊地棲姫「」ガクガクガクガク

泊地棲姫(こ、こいつヤバい!!21周目提督とか他の奴らよりヤバい!!本能がそう告げてる!!)

ショタ提督「どうせ不死身だろ?ストレス発散にちょっくらサンドバッグになってほしーんだけd」

深海棲艦「い、嫌ああああああああああああああああああああ!!死にたくないいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」ドビューン!!

ショタ提督「あっ!逃げやがったあいつら!?おいゴルァ!!敵前逃亡とかお前それでも艦これの敵キャラかボケェ!!」

ショタ提督(イージス艦)「逃がすか!うおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」ドガガガガガガ!

深海棲艦「ひえええええええええええええええええええええええええええええっ!!」

・・・÷

潮「相変わらず平常運転ですね。でもどうせ提督はいくらやられても黒焦げ程度で済みますし、資源節約の為にもうしばらく戦ってもらいましょうか」シュバババババババ

羽黒「………………………………………………………………」



羽黒(敵が可哀相になってきました……いえ、今までの周でも似たような展開はありましたけど……)

直下

羽黒「……どうしたら良いかな?」

潮「お好きにどうぞ。大事になりそうなら私も出動しますから」

羽黒「……えっと、じゃあ敵を庇うのって大丈夫?流石に哀れ過ぎて」

潮「大丈夫じゃないですか?提督だって今まで私達や味方を巻き込んで好き放題してましたし」

羽黒「………」

羽黒(潮ちゃん、ここまで冷静な性格だったっけ……?やっぱり司令官さんと密接になるとこうなっちゃうのかなぁ……)

羽黒(って考え込んでる場合じゃないよ!早く助けに行かないと!)ダッ

・・・÷

ショタ提督「オラオラオラー!隠れてないで出て来いやぁー!」つ超重力砲 ズババババババ!

チュドォォォォォォォン!!

駆逐棲姫「きゃああああああああああああああああ!?」撃沈 ブクブク

駆逐古鬼「嫌あああああああああああああああああ!!」撃沈 ブクブク

ヲ級「逃げても逃げても追って来るんだけど!?」

防空棲姫「ねぇこれってもしかして詰んでる!?」

ショタ提督「勝てば良かろうなのだあああああああああああ!!」つジャンボガン ドガガガガガガガガ!

ズガァァァァァァァァンッ!!

レ級「ぎゃああああああああああああああああああああああああっ!?」撃沈 ブクブク

戦艦棲姫「ひゃああああああああああああああああああああああッ!!」撃沈 ブクブク

ショタ提督「あはっ★た~のし~♪このまま全員ぶっ飛ばしてスッキリしてやるぜええええええええい!」つ熱戦銃 バリバリバリ!

深海棲艦「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

「そ、それ以上はやめて下さーいっ!」ズドーン!

ショタ提督「へっ?うぎゃああああああああああああああああああああああああッ!!」チュドーン!

北方棲姫「だ、誰っ!?」クルッ

羽黒「はぁはぁ……」

ヲ級「……は、羽黒!?1隻とはいえ援軍まで!?」

羽黒「ち、違います!私は……えっと、今回は貴女達の味方です!」

深海棲艦「……え?」

羽黒「し、司令官さん!いくら敵相手とはいえやり過ぎです!ゲームバランスのことも考えて下さい!」

深海棲艦(突っ込むとこそこなの!?)

ショタ提督(黒焦げアフロ)「いっでええええええええええええええええええええ!?何すんだゴルァ!?」プスプス

深海棲艦(しかも砲撃食らって生きてるとかおかしい!!)

羽黒「艦これは俺TUEEE系ゲームじゃありません!それ以前に司令官さんがやりたい放題だと私達の立場はどうなるんですか!?」

羽黒「提督が生身で海に出て敵をなぎ倒すなんて聞いたことありませんよ!?」

ショタ提督「んなこと言ったら21周目提督とかマッチョ提督とかはどうなんだよ!!あいつらだけ暴れて良いとかひいきだろひいき!!」

羽黒「えっ!?そ、それは……そうかも」

ショタ提督「そもそもこれSSだから!ゲームじゃないだろjk!!」

羽黒「うぅ……」

深海棲艦「言いくるめられないでー!!」

ショタ提督「つーかギャグで一々マジレスしてんじゃねーよ!っがぁぁぁぁ!何か余計イラついてきたー!」ズゴゴゴゴ!

羽黒深海棲艦「ヒッ!?」ゾクッ

羽黒深海棲艦(さっきよりオーラが濃く……!?)

ショタ提督「俺のストレス解消を邪魔するなら全員まとめてぶっ飛ばしてやるっ!!」つ超巨大ミサイル グイッ

羽黒深海棲艦(そんなのどこに隠し持ってたの!?)

ショタ提督「いっくぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

深海棲艦「きゃああああああああああああああああああああああっ!!助けてええええええええええええええええええええ!?」

羽黒「――ッ!」


反転コンマ判定:オチは?

01~49:ショタ提督「あーすっきりした♪」
羽黒&深海棲艦の状況:壊滅 ×1.0
50~98:羽黒「言っても聞かないなら殴るしかねぇ!」
提督の吹っ飛び先:鎮守府 ×1.5
ゾロ目:潮「はいそこまで」
潮の提督制止力:MAX ×2.0

直下

ショタ提督「……何で俺が悪役みたいになってんだ。主人公だぞ主人公」

羽黒「あ、貴方みたいな鬼畜な子は主人公失格ですっ!」

潮(私も少し前まではあんな感じだったっけ。懐かしいなぁ……)

80→08:ショタ提督「やろう、ぶっころしてやる」


ショタ提督「食らえええええええええええええええええええええええッ!!」

アグロ(わ、私が司令官さんを攻撃して……!)ガシャッ!

リコリス棲姫「アンタも早く逃げないと死ぬわよ!!」グイッ!

羽黒「きゃっ!?ひ、引っ張らないで下さい~!照準が定まらなk」

ミサイル「」カッ

羽黒深海棲艦「あっ」



,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
           ,,-''"  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-
          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"

         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,

      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~

               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i

                 .i|          .|i
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i

               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ


潮「……?」チラッ

潮「……あー」

潮(羽黒さん、提督を止める……いや、深海棲艦を守るのに失敗しちゃったみたい。提督を砲撃してここまで吹っ飛ばそうとしたのは良い考えだけど、こういう時は思考する時間も0ですぐ行動しないと)

潮(特に提督が危険物を持ってる時は高確率で爆発オチだから……考える前に動かないと間に合わないよ?)

潮(……そういえば、今回は地球が滅亡するほどでもないし犠牲は羽黒さんと深海棲艦だけみたいだから……う~ん、スルーで良いよね。多分羽黒さんは提督が回収してくるだろうし)


羽黒「」大破 チーン

深海棲艦「」撃沈 ゴボゴボ

ショタ提督「っはあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!あースッキリしたああああああああああああああ!」パァーッ! ←満面の笑み

ショタ提督「やっぱたまにはこーして発散しないとなー!ストレスは皆の敵!」

ショタ提督「しかし羽黒姉ちゃんが敵側に回るとはびっくりしたなぁ」チラッ

羽黒「」

ショタ提督「……味方を撃つのはアレだけど敵のことを思いやれる良い奴だったよ、羽黒姉ちゃん。俺、羽黒姉ちゃんのことは2、3分くらいは忘れないから……安らかに眠」

羽黒「勝手に殺さないで下さい!それに2~3分って短すぎませんか!?そもそもあぁでもしないと司令官さんを止められなかったんですっ!!」

ショタ提督「おーもう復活したか。意外と早いな」

羽黒「………」ガクッ

羽黒(……やっぱりスルーすれば良かったかも)

ショタ提督「人生なんて成功と失敗の繰り返しだ。失敗してもそこから学べば良し」キリッ

羽黒「………」ジトー

ショタ提督「あらやだ凄い嫌な物を見る目」


羽黒の状況もといショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

アグロおおおおおおおおおおお

>>48
また誤字……何度もすみません。『アグロ→羽黒』です。

5×1.0=5
31.5+5=36.5/50


羽黒「………」トボトボ

潮「お帰りなさい。バケツなら用意してありますよ」

羽黒「……用意周到ですね」

潮「ここからでも大爆発が見えましたから」

羽黒「……曙ちゃんからも聞いたと思いますけど、司令官さんの傍にいるのはやめた方が」

潮「良いんです。もう決めたことですから」ニコッ

羽黒「………」

羽黒(潮ちゃん……)

ショタ提督「そうだぞー!潮姉ちゃんは俺の恋b」

潮「監視役です」

ショタ提督「……監視役兼ストーカーだからな!」

潮「ストーカーは余計です」

ショタ提督「大差ないだろ」

潮「提督の普段の行いが悪いからです」

ショタ提督「えー?俺ほど完璧な美少年はいないと思うぜ?」

潮「寝言は寝て言って……寝言に失礼でした。妄想は夢の中でお願いしますね?」

ショタ提督「うっわ、もはやクソ提督って言わないだけで曙姉ちゃんと同じじゃんか」

潮「それが嫌なら今すぐ普通の男の子に」

ショタ提督「だが断る」

潮「ですよね分かります」

ショタ提督「今度は漣姉ちゃんかよ」

潮「……ふふっ」

ショタ提督「……ははっww」

羽黒「………」

羽黒(あ、あれ?意外と良い雰囲気に……)

羽黒(いやいやいや!あの司令官さんとそんな友達みたいに話すなんて……)

潮「貴女も好感度50になればこうなるんですよ?」

羽黒「ひぃっ!?想像しただけで鳥肌がぁ……!」ゾワワ

ショタ提督「おいコラどういう意味だ」

6ヶ月目:下旬

飛行機「」ゴォー

乗客「ワイワイガヤガヤ」

ハイジャックA「動くな!」つ銃 ジャキッ

乗客「え?」

ハイジャックB「この飛行機は俺達が支配した!このまま○○に向かうぞ!」

乗客「うわああああああああああっ!?」

ハイジャックA「動くなっつってんだろうが!殺すぞ!」バンバン!

乗客「ヒッ……!」

ハイジャックB「あの腐った奴ら……!俺達をぞんざいに扱ったことを……」

乗客「……っ」ガクガク

ハイジャックA「後悔させて――」

ショタ提督(5)「おーハイジャックだー!」ヒョコッ

父「うわっすげぇ本物じゃねえか!」ヒョコッ

母「まさか旅行帰りに生で遭遇するとは思わなかったわねぇ♪」ヒョコッ

ハイジャックA「――やる……は?」

ショタ提督「あれって銃だよな!映画やアニメでしか見たこと無かったわ!モノホンは結構黒光りしてんだなー!」スッ

ハイジャックB「っ!?触るなクソガキ!」バンッ!

ショタ提督「ぐはっ!」

乗客(あっ!男の子が犠牲に……!)

ショタ提督「いでえええええええええ!?頭がああああああああああ!?」ピューッ!

ショタ提督「何すんだよ!幼気な子供が銃見ただけで脳天打ち抜くとか容赦なさすぎだろ!」

乗客「!?」

ハイジャックAB「ファッ!?何で生きてんだコイツ!?」

父「はぁ?銃で撃たれた程度で死ぬわけねぇだろjk」

母「つーかこの飛行機どこに向かってんのよ?」

ハイジャックA「ど、どこってさっき言っただろ!○○……」

ショタ提督「おもっくそ関係なさそうな谷に突っ込もうとしてるけど」

ハイジャックB「え?そんなバカな……うわああああああああマジだああああああああああ」

乗客ハイジャックAB「ああああああああああああああああああああああ」

チュドォォォォォォォォォンッ!!

ホワンホワンホワン…

ショタ提督「つーことがあったっけな~。いやーあん時は全員真っ黒焦げで大変だったわwwww」

潮「たかが日常パートなのに長い回想ですね」

ショタ提督「これでも省いた方なんだがな。んで結局乗客は俺ら含めて全員無事でハイジャックもタイーホ!やっぱ悪いことはするもんじゃないなー。正々堂々生きないとなー!ガハハハハ!」

潮「……提督ってその場にいるだけでシリアスを全力でギャグに持っていきますよね」

ショタ提督「当ったり前じゃんか!鬱?死亡フラグ?そんなもん俺がぶっ飛ばしてやんよ!」

潮(存在すれば全てギャグ方向に……もしかして提督は使い方次第で救世主になる可能性が)

ショタ提督「人を物みたいに扱ってんじゃねーよ!」

↓1狭霧のコンマ 好感度:38.5/50
↓2羽黒のコンマ 好感度:36.5/50
↓3速吸のコンマ 好感度:40/50<リーチ!>
↓4潮のコンマ 好感度:50/50<END開放……>

反転コンマが最大の艦娘が行動します
なお潮が最大値の場合は即ENDです

狭霧「良い勢いですねぇそのまま50まで突っ走っちゃって下さい側近の座は譲りますのでっ!」グググ…!

羽黒「いえいえ私なんかにはもったいないですよ狭霧ちゃんこそ潮ちゃんと一緒に姉妹で司令官さんを支えてあげて下さいっ!」グググ…!

速吸「……いい加減諦めたらどうですか?」

狭霧羽黒「むしろ諦めたいんですよッ!!」グググググ…!




ショタ提督「HAHAHA醜い争いだなぁ」

潮「その原因が何言ってるんですか」

ショタ提督「手厳しい!んじゃ姉を売った挙句まだ自分だけ助かろうとしてる狭霧姉ちゃんに一言」

潮「狭霧……?いえ、知らない子ですね」

狭霧「酷いっ!?」ガーン


今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

23:00~0:00頃開始予定です。

始めます。

羽黒「」

足柄「真っ白になってるわね」

那智「逃げ切れると思っていたがまさかの展開にショック死したか?」

羽白「あばばばばばばばばばばばば」

妙高「……羽黒?大丈夫?」

羽白「……夢です」

那智「は?」

羽白「これは夢なんです……目が覚めたら潮ちゃんがゴールして私は助かってるんです……」

足柄「現実逃避はやめた方が良いわよ。後が辛くなるだけだから」

羽白「」ガタガタガタガタ

那智「震えても結果は覆らないぞ」

羽白「………」

妙高「……ま、まだ39で止まる可能性は0ではないわ。諦めちゃダメよ、羽黒……!」

羽黒「……そ、そうですよね。ここから何とか1上昇で済むことだってあり得ますけどね」

足柄「ゾロ目が出て50まで一気n」

羽白「」バターン!!

妙高「羽黒ー!?」



ショタ提督は……

ショタ提督「直下」

羽黒「ああぁぁぁ……」トボトボ…

羽黒(足が重いです……悪魔の門がすぐそこまで近づいていると思うと……)

ショタ提督「……ャャヤッフーーーーーーーーーーーーー!」ビシューン!

羽黒「……へ?」クルッ

羽黒(今、司令官さんが凄い速さで向こうに……)

潮「バグって変な所に行かないで下さいよー?」

羽黒「う、潮ちゃん。これは……?」

潮「あ、羽黒さん。あれは提督がBackwards Long Jumpしてるんです」

羽黒「ば、ばっくわーずろんぐじゃんぷ……?」

潮「分かりやすく言うと……」

ショタ提督「……ッフーーーーーーーーーーー!」シュタッ!!

羽黒「きゃっ!?」

潮「……随分早いですね」

ショタ提督「おう!やっぱケツワープ便利だわ~wwww一瞬でこの辺飛び回れるしwwww」

ショタ提督「今だって隣町のコンビニ行って来たんだけどさ、周りの奴の目がビビりまくったのかすげー飛び出てたなwwww知ってる奴なら日常光景だろwwww」

潮「TAS御用達の技を実際に行える人を私は数人しか知りません」

ショタ提督「むしろ俺含めて数人いるってのがヤバいよなマジで」

羽黒「……あぁっ!もしかしてマリオの……!」

羽黒(よりによってアレですか!?確か速度を溜めて凄い勢いでどこかに吹っ飛んでいく……)

潮「それより提督、駐屯地に持って行く書類は片付いたんですか?」

ショタ提督「あ、忘れてた。ちょうど良いしケツワープで持ってって来るわ!よっと」つ封筒 ヒョイッ

ショタ提督「壁に背をつけて~……ヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤッフーーーーーーーーーーーーーー!」シュンッ!!

羽黒「あ、また消えました……」

潮「1度失敗して壁に嵌ったことがあったんですけど、それでも懲りない辺りは流石としか言えません」

羽黒「………」



羽黒(司令官さんの好感度もTASさんなら操れるんでしょうか……低い方に)

直下

羽黒「……!」ピーン!

羽黒(閃きました!司令官さんのこの技を使えば……!)

潮「どうせ失敗しますよ」

羽黒「心を読んだ上に希望を砕かないで!?」

ショタ提督「……ッフーーーーーーーーーー!所要時間10秒!楽ちん楽ちんちん!」

潮「下品ですよ」

ショタ提督「ちんちんなんて小学生男子なら普通に言いまくってるだろ」

潮「138億歳が何言ってるんですか」

ショタ提督「俺は歳を取らないから良いのだ!」

羽黒「……っ!」

羽黒(妙高姉さんが言ってたように……僅かな可能性にもかけます!)

羽黒「あの、司令官さん!」

ショタ提督「んぁ?羽黒姉ちゃん?いつからいたの?」

羽黒「えっと、最初の行の……ってそんなことは良いんです!今の技、一体どこまで行けるんですか?」

ショタ提督「俺に不可能は無い」キリッ

羽黒「ということは宇宙にも行けちゃうんですか?」

ショタ提督「当たり前じゃんか!その気になればデータの裏側も」

羽黒「本当ですか?誇張してませんよね?」

ショタ提督「何おう!?さては信じてないなー?よし分かった!なら今からプロキシマb行って来るから目ぇ見開いてろよ?」

潮「……!」

羽黒「はい!しっかり見てます!」

ショタ提督「よーっし!せーのっ……ヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤッフゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーッ!!」シュンッ!!

羽黒「………」ニヤッ

潮「……提督を上手くその気にしましたね」

羽黒「えへへ♪そうでもしないと『さては俺のことを遠ざけようとしてるだろ』ってバレちゃいますから♪」

潮(……なるほど。これが足柄さんが言ってた羽羅黒さんですね)



反転コンマ判定:提督の吹っ飛び先は?

01~49:スーパー提督ブラザーズ
提督の居場所:プロキシマb→42周目鎮守府 ×1.0
50~98:スーパー提督ギャラクシー
提督の居場所:プロキシマb ×1.5
ゾロ目:提督&潮RPG2×2
提督の居場所:過去 ×2.0

直下

35→53:提督、宇宙を冒険する。


プロキシマb

ショタ提督「……ゥゥゥゥゥウゥウウウウウウウッ!到ちゃ~く!」シュタッ!

ショタ提督「おーここがプロキシマbかー……って熱っ!?体が焼けそうなほど熱いんだけど!?」ジタバタ

ショタ提督「そーか!これが潮汐ロックってやつか!あぢいいいいいいいいいいいいい!?」ジタバタ

ショタ提督「せめて熱いとこと寒いとこの中間に飛んで来たら良かったー!?」

ショタ提督「つーか太陽デカッ!?しかも真っ赤で何か気持ち悪い!!」

ショタ提督「動物見当たらないし植物は……真っ黒だし!?エグいな色々!?」

ショタ提督「あーでも気温さえどうにか出来たらここ別荘……いや別惑星にして良いかもな!」

ショタ提督「ほらどうだー!見たか羽黒姉ちゃん!ケツワープに不可能はないって……」クルッ

シーン…

ショタ提督「………」

ショタ提督「って俺だけここ来ても意味ねーじゃん!!羽黒姉ちゃんに今の光景見せないと……」

羽黒『あーどうせ近くに移動しただけですよね?無理に見栄張らなくて良いんですよーwwww』

ショタ提督「とか言って煽られるじゃねーかよ!!くっそー!俺としたことが超馬鹿だった!!」ダンッ!

ショタ提督「今すぐ戻って羽黒姉ちゃんも一緒に……」

ショタ提督「………」

ショタ提督「……いや、折角来たんだからもーちょい観光してくか。こんなとこ普通は来たくても無理だしな」

ショタ提督「ふぃ~……」



地球

潮「……思いっきりくつろいでます」つ双眼鏡

羽黒「ふふっ、作戦成功です!」

潮「あ、でも羽黒さんがいないと意味ないことには気づいたみたいですよ。『俺だけここ来ても意味ねーじゃん』って叫んでますし」

羽黒「……色々突っ込みたいんですけど、よく双眼鏡でそこまで分かりますね」

潮「今更です」



提督の居場所もといショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

羽黒「2以下2以下2以下2以下2以下2以下2以下2以下2以下2以下2以下2以下2以下2以下2以下……っ!」ブツブツ

潮(……諦めが悪いですね)

羽黒( ゚д゚)

『76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 00:52:42.39』

羽黒( ゚д゚)

『00:52:42.39』

羽黒( ゚д゚)

『39』

人人人人人人_
>  9  <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

羽黒( д)  ゚ ゚

狭霧「9×1.5=13.5wwww36.5+13.5=50wwww」

狭霧「EwwwwNwwwwDwwww開wwww放wwww」

狭霧「残念でしたねwwww私だけ安全圏wwwwっうぇwwwwっうぇwwww」

羽黒( ºωº )

速吸(羽黒さん、ショックで白目向いて死んでますね)

潮(……やたら草生やして煽ってる姉失格さんは次が自分の可能性を考えないのかな)

ショタ提督「羽黒姉ちゃん仲間入り~。やったね潮ちゃん!仲間が増えr」

潮「それ以上言うと口の中に母乳突っ込みますよ」

ショタ提督「めんごめんご」


今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

23:00~0:00頃開始予定です。

始めます。まずは告白(笑)パートからです。

9×1.5=13.5
36.5+13.5=50/50 END開放……


潮「堕ちましたね(確信)」

羽黒「え?どうしたの?」

潮「……逃げ切れませんでしたか、羽黒さん」

羽黒「逃げ切れ……あっ、ひょっとして」

潮「………」コクリ

羽黒「……そう、なんだ」

潮「リーチまで突き破ってここまで到達するのは予想外でしたけど」

羽黒「………」

潮「……羽黒さん?」

羽黒「……これも運命なんですね」

潮「はい?」

羽黒「どれだけ足掻こうとしても、どうしても司令官さんから逃れられない……」

羽黒「諦めないとダメなんですね。逃げてばかりいないで……」

羽黒「司令官さんに、立ち向かわないと……乗り越えないと……!」

潮(そうそう、私もあの時こんな風に決意して……リーチ時の描写が無いせいで唐突に感じますけど)

ショタ提督「……ャャャヤヤヤッフゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーッ!!地球よ!私は帰って来た!」シュタッ!!

潮「あ、提督。お早いお帰りですね」

ショタ提督「まーな。ひとしきり向こうの異星生活を堪能してきたとこだ!」

潮「そうですか」

ショタ提督「心底興味無さそうだな。まー別に良いけど。んで羽黒姉ちゃん!俺のケツワープが本物って……ん?」

羽黒「………」

ショタ提督「覚悟を決めた顔をしてらっしゃる」

潮「……既視感を感じませんか?」

ショタ提督「分かってるよ。あれだろ?さっきのケツワープで好感度数値がバグって上限値までぶっ飛んだんだろ?」

潮「当たらずとも遠からずですね」

羽黒「……司令官さん」

ショタ提督「おう。愛の告白なら常時受け付け中だぜ!」
















「これから私も潮ちゃんと一緒に貴方の傍にいます。監視役として……貴方を真っ当な人に変えてみせます!」


「うわぁーハーレムイベントのはずなのに全く嬉しくない不思議ぃー。告白どころか案の定変態発言です本当にありがとうございました」














羽黒「私は真剣です」

ショタ提督「知ってるよ。目の奥に炎見えてるもん」

潮「つまり私もそんな感じだったんですね」

ショタ提督「お前の場合は後ろに炎が見えてた」

羽黒「私、もう逃げません。腹黒いこともしません。真正面から司令官さんに立ち向かいます!」

羽黒「そして必ず……貴方を普通の男の子に」

ショタ提督「もういいってそのくだりは。つか立ち向かうって何よ?俺ラスボスか何かか?」

ショタ提督「潮姉ちゃんといい羽黒姉ちゃんといい好感度MAXのヒロインが取る行動じゃないだろ」

潮「普段の行いを省みて下さい」

羽黒「何をどう間違っても『素敵!抱いて!』とはなりませんよ」

ショタ提督「そこまで言ってねーよ!このSS全年齢対象!アダルティーなやつはR板!」

潮「それ言い出したら私の母乳はどうなるんですか?」

ショタ提督「あれはエロさの欠片も無いからセーフ」

羽黒「話を逸らさないで下さい!」

ショタ提督「抱いて発言した痴女が何言ってんですかね」

潮「人類を何度も滅亡させてる提督よりはマシです」

ショタ提督「それ言われると返す言葉も無いっス」

羽黒「と・に・か・く!そういうことですから!良いですよね?」

ショタ提督「何か妙高姉ちゃんみたいになってるし」

潮「もちろんです。数が多ければ多いほど監視しやすいですし提督の行動も抑制出来ます」

ショタ提督「流石正妻!サラッと愛人認めるとか心デケェ!」

羽黒「愛人じゃありません。監視役です」

ショタ提督「どこぞのかつらテロリストか」

潮「そして正妻じゃなくて監視役です」

ショタ提督「こっちもか。いや~モテる男は辛いぜwwww」

潮羽黒「………」

ショタ提督「おい無言やめろ俺が滑ってるみたいじゃねーか。せめて突っ込んでくれよ」

潮羽黒「言わなきゃ分かりませんか?」

ショタ提督「やっぱ良いです」

ショタ提督「………」

潮「………」

羽黒「………」

ショタ提督「……ッカァー!相変わらずムードもひったくれもねー!!」

潮「ですからこの周でラブロマンスは」

ショタ提督「もういいってそれは!」

羽黒「第一、この司令官さんに恋愛感情を抱くとなると相当血迷ってるレベルですよ」

ショタ提督「腹黒くなくなった代わりに堂々と毒づくようになったな」

羽黒「監視役がそんなんじゃダメですもん」

ショタ提督「……アグロの癖に」ボソッ

羽黒「誤字ネタはやめて下さい」

ショタ提督「ははっ気にしてたのか。これと羽羅黒どっちがマシなあだ名だろうなwwww

羽黒「……砲撃で口を無理やり閉じてあげましょうか?」

ショタ提督「おっやんのか?全力で返り討ちにすんぞ?」

潮「なら私は2人まとめて叩き潰しますね」

ショタ提督「……プッ!だはははははwwwwww」

羽黒「……ふふっ♪」

潮「……くすっ♪」

ショタ提督「やっぱ俺このノリの方が良いわwwww顔赤くして照れるとかぜってー無理wwww」

羽黒「私もです。この距離感こそ司令官さんと私達ですよね」

潮「それにこっちがモジモジしても提督ならその展開を壊しちゃいますよね?」

ショタ提督「おう!ギャグにイチャコラなんていらねー!」

羽黒「……結局私も毒されちゃったなぁ」ボソッ

ショタ提督「え?何だって?」

羽黒「それ聞こえてて言ってますよね?」

ショタ提督「バレたか」

羽黒「これくらい予想出来ないと監視役なんて務まりませんから」

潮「………」コクコク

ショタ提督「うなずいてんじゃねーよ!でも嫌ならやめてもいいんだぜ?」

潮(手遅れでしょうけどね)

羽黒「大丈夫です。もう決意は固まりましたから」ニコッ

ショタ提督「……そーでっか」

羽黒「はいっ♪」
















「これからは潮ちゃんと共に、貴方の好き放題にはさせませんからね!」


「ほう?やれるもんならやってみろ!俺を手なずけるのは鬼の裏譜面★10よりムズいぜぇ?」


(これで戦力2倍……少しは楽になりそうです)














――好感度50/50

※次はリザルトです。

ショタ提督「………」

潮「………」

羽黒「………」

ショタ提督「……なぁ」

潮「はい」

羽黒「どうかしましたか?」

ショタ提督「トイレまでついて来ることないだろ」

潮「提督ならその隙に逃げ出したり」

羽黒「言葉では言えないような下品な騒ぎを起こしそうですから」

ショタ提督「で、中入って俺を監視すると?」

潮「はい」

羽黒「はい」

ショタ提督「冗談抜きで変態扱いすんぞコラ」

潮「変態ではありません」

羽黒「監視の為なら仕方」

ショタ提督「なくないわボケ!こちとら腹痛くて漏れそうなんだよどけって!」

潮「信用出来ません」ジトー

羽黒「本当に腹痛なんですか?」ジトー

ショタ提督「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!よし分かった!なら今すぐここで腹ん中のうんこぶちまk」ズボングッ

潮羽黒「すいませんでしたどうぞお入り下さいッ!!」サッ!

ショタ提督「最初からそうしろって!あー出るうううううううううっ!」ガチャバタンッ!!

潮「………」

羽黒「………」

<っはぁぁぁぁぁぁぁ♪間に合ったぁぁぁぁぁぁぁっ♪

潮「……もう少しで鎮守府が口では言えないことになるところでした」

羽黒「流石に今回は私達に非がありますね……ですが油断出来ません。司令官さんがちゃんとトイレから出て来るまで待機です」

潮「ですね」

<うぅ~、普通ハーレムって女2人で1人の男を取り合うもんだろ?それがこの体たらくじゃ俺悲しいわぁ

潮「あり得ません」

羽黒「あれだけ騒ぎ起こしてよくそんなこと言えますね。正気ですか」

<相変わらず辛辣過ぎワロエナイ



<え?リザルト?うんこ中くらい勘弁してくれよ~……ほらよ!

狭霧:38.5/50『潮姉ちゃんから勘当されそうになっててワロタ』
羽黒:50/50『変態2号。腹黒いことばっかするからだぞ』
速吸:40/50『このままリーチで粘るか、いっそ50まで跳ね上がるか……アルティメットチョイス!』
潮:50/50『変態1号』

狭霧「か、勘当って……」

潮「え?どちら様ですか?」

狭霧「」

漣(自業自得なんだよなぁ)

7ヶ月目:上旬

ショタ提督「たまには大真面目に作戦会議でもすっか!」

潮「………」←正s……秘書艦

羽黒「………」←愛z……監視役

ショタ提督「こほん……では次の海域突破の戦術について話し合いたいと思います。何か意見のある方は」つ眼鏡スッ&クイッ

火の精霊「はいっ!」スッ

ショタ提督「では火の精霊さん」

火の精霊「深海棲艦なんてまとめて燃やしてしまえば良いと思います。私こう見えて軽く1兆度くらいの炎作れるんですよ!」フンス

ショタ提督「良い案ですね。他は?」

農家のおじさん「ほい」スッ

ショタ提督「では農家のオジサマ」

農家のおじさん「最近雨が降らなくて野菜が全然育たなくてなー、力強い深海棲艦が手伝ってくれりゃあ捗るべ」

ショタ提督「なるほど、参考になりますね。他は?」

面白黒人「ハイハーイ!」スッ

ショタ提督「では面白黒人さん」

面白黒人「戦争なんて悲しいことすんのはノンノン!艦娘も深海棲艦も俺達と一緒にフィーバーしようぜ★」

ショタ提督「平和を愛する素晴らしい意見ですね。他は?」

サソリ「………」スッ

ショタ提督「ではサソリさん」

サソリ「」つ『超巨大サソリが深海棲艦をバッサバッサ切りまくっている絵』 ズイッ

ショタ提督「ふむ……少々残酷ですが、戦術としては悪くありませんね。他は?」

信濃(未実装)「はい」スッ

ショタ提督「では信濃さん」

信濃(未実装)「いっそのこと深海棲艦も味方に引き込むのはどうでしょうか?特別な能力を扱える提督に頼めばワンチャンあると思います」

ショタ提督「SSどころか艦これそのものを否定しそうですが良い案ですね。他は……」

潮「……提督」

ショタ提督「ん?何?今作戦会議中だから用事なら後に」

羽黒「この際おじさんと黒人と未実装艦娘には突っ込みませんが、この面子は何なんですか?」

火の精霊「ふぇ?」キョトン

サソリ「………」

潮「いくら何でも人外を混ぜるのはダメでしょう。そもそも精霊って何ですか?」

ショタ提督「俺の知り合いだけど」

羽黒「そんなわけ……いや、もしかして138億年生きている間に?」

ショタ提督「おう。人間長く生きてりゃとんでもない超常現象に巡り合うもんだ」

火の精霊「ちなみにこの子私よりも年上なんだよね~。初対面の時は周りを黒焦げにするほど驚いちゃった!」

潮「……会議が終わったらお帰りいただいて下さいね?」

ショタ提督「わーってるよ。どうせ一発キャラだし続投はないだろうから安心しておk」

羽黒(それフラグ……いえ、どうせ司令官さんのことだから)

ショタ提督「フラグは壊す為にあるもんだ!」羽黒(と返すに……あーやっぱり)

↓1狭霧のコンマ 好感度:38.5/50
↓2羽黒のコンマ 好感度:50/50<END開放……>
↓3速吸のコンマ 好感度:40/50<リーチ!>
↓4潮のコンマ 好感度:50/50<END開放……>

反転コンマが最大の艦娘が行動します
なお潮or羽黒が最大値の場合は即ENDです

狭霧「逃wwwwげwwww切wwwwりwwww成wwww功wwww」

潮「………」

狭霧「NDK?wwwwNDK?wwww」

潮「………」イラッ

狭霧「私38.5wwwwリーチですらないwwww」

潮「………」ピキッ

狭霧「m9(^д^)プギャーwwwwwwww」

潮「」プチッ














狭霧「」轟沈 チーン

潮「ふぅ……」シュゥゥ…

羽黒「姉相手に容赦ありませんね」

潮「何の話ですか?綾波型は現在7人しか実装されてませんよ?」

羽黒「………」

潮「私はやかましいイ級を炭化しただけです。それにどうせ提督が傍に置いてあれば勝手に生き返りますから」

羽黒(よっぽど

ショタ提督「だから物扱いすんなって」

速吸「………」

速吸(……あ、そういえば私失恋したことになるんでしたっけ。エピローグどうしましょう……)


というわけで、もはや何が何だか分からず提督がただ好き放題していた42周目は幕を下ろしました。

ショタ提督「好き放題したのは安価と読者のお陰だけどなwwww」

……それでは艦娘安価に移りたいと思います。

ショタ提督「おいスルーするなや」

※このレスではまだ安価を取りません。

恒例の注意事項です。


※今回登場した艦娘(狭霧、速吸)はNGです。

※今回ENDを迎えた艦娘(潮、羽黒)はNGです。

※今までにENDを迎えた艦娘(>>4-8をご参照下さい)もNGです。

※深海棲艦もNGです。

※浦風は安価下にします。

※名前が違う同一艦は、同じ周に2人登場させることは出来ません(例:大鯨と龍鳳)。
ただし周を変えれば登場可能です(例:2周目でU-511、5周目で呂500)。
また、連続で登場させることも出来ません(例:響が出た次の周でヴェールヌイを登場させる)。

※反転コンマで判定します。


次の>>1のレスからスタートです。

1人目

↓1~↓5で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※1:03までに安価が埋まらなかった場合、それまでの安価で反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

1人目:加賀(69→96)
2人目

↓1~↓5で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※1:04までに安価が埋まらなかった場合、それまでの安価で反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

2人目:愛宕(26→62)
3人目

↓1~↓4で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※1:06までに安価が埋まらなかった場合、それまでの安価で反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

3人目:由良(29→92)
ラスト4人目!

↓1~↓5で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※1:07までに安価が埋まらなかった場合、それまでの安価で反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

4人目:コマンダン・テスト(37→73)

というわけで43周目ヒロインは
加賀(18周目、29周目、34周目、37周目、39周目より再登場)、愛宕、由良(20周目より再登場)、コマンダン・テストとなります。

幾多の再登場を経験した加賀さんは今回こそ勝利まで辿り着けるか……由良は20周目での失恋を乗り越えられるか……
そして初登場の愛宕やコマンダン・テストはいきなりENDまで到達出来るのか……
今回も白熱の試合が見られそうです。そういえば加賀さんと愛宕はショタ提督系の薄い……いえ何でもありません。

それではエピローグ&オープニングを書いてきます。今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
出来る限り早く完成させますので、それまでお待ちいただけると幸いです。
43周目については構想が出来上がっていますので、オープニングを書く時間さえ確保出来れば何とかなりそうです。

本編更新の頻度はもちろん、小ネタが全く投下出来ず申し訳ございません。まだまだ時間がかかりそうです。

ではまた次回の更新でお会いしましょう。

エピローグ、投下します。先に謝っておきます、ごめんなさい。

ショタ提督「お約束とは言ってもさー、わざわざ父ちゃん達に挨拶しに行く必要あるか?」スタスタ

潮「当然です」スタスタ

羽黒「これからは四六時中一緒にいるんですから、そのことはきちんとご両親に報告しておかないと」スタスタ

ショタ提督「やっぱ恋びt」

潮羽黒「監視役です」

ショタ提督「へいへいそーゆーことにしとく。言っとくけどな、父ちゃんと母ちゃんもかぁ~なぁ~りヤバいぜ?」

潮「とっくに覚悟は出来てます」

羽黒「でないと『挨拶に行きましょう』なんて提案しません」

ショタ提督「あっそ。なら良いけどさ。後悔すんなよ?」ニヤッ

潮「しませんって」

羽黒「司令官さんが鎮守府に着任したこと以上の不幸はありませんから」

ショタ提督「おう言ってくれるじゃねーか。なんならここで決着つけるか?」

羽黒「暴れるというのならフルパワーで止めますよ?」

ショタ提督「よしその喧嘩買っ」

ズガァァァァァァァァァァァァァンッ!!

潮羽黒「!?」

ショタ提督「……やっぱやめた。それどころじゃないっぽいwwww」

潮「……提督。まさかまた地球割ったんですか?」

ショタ提督「今のは俺じゃねーよwwww」

羽黒「ですが突然爆発音が起こるなんて司令官さんが何かやらかさない限り……」

ショタ提督「あれ見ろあれwwww」スッ

潮羽黒「え?」クルッ

父「よくも俺のへそくり使いやがったなああああああああああああああああああああああッ!!」つ機関銃 ズガガガガガガ!

母「アンタこそ今月無駄遣いしたでしょうが!キャバクラなんか行きやがってえええええええええええええええええええッ!!」つバズーカ ズガァァァンッ!

ショタ提督「wwwwwwwwwwww」

潮「………」

羽黒「………」

ショタ提督「また派手な夫婦喧嘩だなwwww相変わらずくだらねぇ理由wwww」

潮「……早速頭痛がしてきました」

羽黒「……私もです」

潮羽黒(覚悟していたとはいえ、アレと話さないといけないんだ……)

ショタ提督「逃げるなら今の内だけど」

潮「……いえ、そんなことはしません」

羽黒「司令官さんと深く関わるなら、避けては通れない道ですから」

ショタ提督「強情だなお前ら。まー良いや、このままじゃ話進まないしちょっと止めて来るわ」ダッ

潮「あっ、提督!」

父(on 戦車)「せめて買うならつまらん通販のダイエット器具じゃなくて役に立つもん買えやゴルァァァアアアアアアアアアアアアアア!!」ズガァァァァァァァン!!

母(on UFO)「うっさいわね!!上司との付き合い(笑)で金飛ばすよりマシでしょうがああああああああああああああああああ!!」バリバリバリバリバリ!

ショタ提督「うぉーい父ちゃん母ちゃーん」ノシ

父「あ゛ぁん?部外者は引っ込んでろ!!」

母「邪魔すると殺すわよ!!」

ショタ提督「おい自分のガキの顔すら忘れたのかアンタらは」

父(on ガンダム)「知るかボケ!そこどけやうらああああああああああああああああああああああッ!!」つビームサーベル ブンブンッ!

母(on マジンガーZ)「てめぇは私を怒らせたあああああああああああああああああああああああああッ!!」ゴォォォォォォォッ!!

羽黒(乗ってるロボットが古いです)

ショタ提督「言っても聞かないかー。ならしゃーない……いい加減頭冷やせえええええええええええええええええええええええええええッ!!」つ原子核破壊砲 ズババババババ!

父「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!?」ビシャーン!

母「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」ビシャーン!

潮(あ、消滅しちゃった)

ショタ提督「……ふぅ」シュウゥゥゥ…

潮「……良いんですか?両親葬っちゃいましたけど」

ショタ提督「問題ナッシング。こんくらいしないと止まらねーし」

羽黒「……やっぱり親子ですね」

ショタ提督「はっはっは!そう褒めるな!」

羽黒「褒めてません」

ショタ提督『そんで数分後、改めて俺の実家』

父「いや~俺としたことがついついヒートアップしちまったwwww」

母「とっくに着いてたなら言いなさいよwwwwそしたら喧嘩なんかやめてもてなしたのにwwww」

ショタ提督「言っても聞かなかった結果が↑の消失オチなんですがそれは」

父「ちげぇねぇwwww」

母「やっぱいい歳こいて喧嘩なんてするもんじゃないわwwww」

父母「がははははははwwwwwwww」

潮(……あぁ、まさしく提督のご両親です)

羽黒(消えたご両親はもちろん、既に原型すら無くなってた家がいつの間にか復活してますし)

父「えーっと、潮ちゃんに羽黒ちゃんだったか」

潮「あ、はい」

母「何をどう血迷ったらこんな馬鹿息子を好きになるの?」

ショタ提督「馬鹿息子ってアンタらの血ぃ受け継いでこうなったんだぞ俺はwwww」

潮「いえ、恋人として来たわけではありません」

羽黒「監視役として、司令官さん……42周目提督君が変なことをしないか見張り続けることを報告しておこうかと思いまして」

母「……提督」

ショタ提督「何?」

父「潮ちゃん達がここに来たってことは好感度50になったってことだろ?何でイチャついてねーんだよ」

ショタ提督「あくまでも監視役だからだってさ。俺は色々な意味で意地張ってるとしか思ってないけど」

母「でもまーアンタに恋する女なんてこの世界どこ探してもいないわよ」

ショタ提督「親が言う言葉かよおい」

父「同感だwwwwこいつに惚れるとか自殺したいとしか思えねえわwwww」

ショタ提督「それ以上言うと蜂の巣にすんぞコラ」

母「やれるもんならやってみなさいよwwww」

父「何なら返り討ちにしてやろうかwwww」

ショタ提督「……さっき俺に消滅させられた雑魚の癖に」ボソッ

父母「あ゛?」ギロリ

潮「いいから話を進めて下さい」

羽黒「一々煽り合って喧嘩してたらエピローグが終わりません」

ショタ提督父母「オウフwwwwサーセンwwww」

父「んでさ、潮ちゃん達は疑問に思わなかったか?」

潮「何がですか?」

母「どうしてあんなギャグ補正で滅茶苦茶出来るのか、よ」

羽黒「思いましたけど気にしたら負けだと考えてました」

ショタ提督「だろうな」

父「これには深い理由が無くてだな」

潮「無いんですね」

母「だって『遺伝だから仕方ない』の一言で片付くもん」

羽黒「遺伝ですか……遺伝!?」

ショタ提督「そーだけど」

潮「ギャグ補正って遺伝で身に付くものなんですか!?」

父「それも含めてギャグってことだ」キリッ

母(迫真のモノマネ)「クソ亭主は決め顔でそう言った」←CV.早見沙織

父「誰がクソ亭主だって?」

羽黒「だから喧嘩しないで下さい」

父「あぁすまん。このクソ主婦が言ってる通り、俺達は先祖代々ギャグの血を受け継いできた」

母「おい誰がクソ主h」

ショタ提督「話進まねーから静かにしてて」

潮「ギャグの血って……」

父「確か最初は……人類が生まれた辺りから既に補正持ちの奴がいて、そっから子孫残すたびに補正が遺伝して強まっていった」

羽黒(初っ端から突っ込み所満載ですね)

ショタ提督「あー確かウホウホ言ってたサルっぽい群れの中にそんな奴いたな」

父「流石138億歳。伊達に長生きしてねーな」

ショタ提督「あたぼうよ!」

潮(何で提督が138億年生きたことを知ってるかはもう聞きません)

母「そんでもって補正持ちの先祖がどんどんガキ作って、気がついたら現代まで受け継がれてたって感じね」

潮「………」

羽黒「………」

父「あっ今『取ってつけたような雑い設定だな』とか思っただろ」

潮「むしろそれ以外ありますか?」

母「無いわね。私もそう思うし」

父「同感だ」

羽黒「右に同じく」

ショタ提督「上に同じく」

父「でもしゃーない。ギャグなんて真面目に考えるだけ無駄だからな!」

母「それにこいつの遺伝子は最高傑作なのよ?今までの一族でもここまでぶっ壊れた補正持ちはいないわ!」

父「はっきり言って俺達以上だ。こいつに本気出されたら正直キツい」

ショタ提督「何それ初めて聞いたんだけど」

父「だってお前にそれ言ったらぜってー威張り散らすだろ」

ショタ提督「当然!」

母「なら言わないでしょ普通。ガキに馬鹿にされる親とか悲しくなるし」

潮「貴女方が普通を主張すると全力で意義を申し立てたくなりますね」

ショタ提督「母乳ぶっ放す姉ちゃんが言っても説得力無いぞ」

羽黒「あの時は本当に驚きました。もっと驚いたのは、あんなことがあった後でも何事も無く過ごしてる私達ですけど」

ショタ提督父母「そこだッ!!」ズビシ!

潮羽黒「はい?」

父「俺らの遺伝のすんげーとこはそこなんだよ!」

母「受け継がれしギャグ補正……最も恐ろしい効果。それはすなわち!」

ショタ提督「自分だけでなく周りにもギャグ補正が働くことだったのさ!」

父母「ジャンジャジャーン!今明かされる衝撃の真実ゥ!」

潮「………」

羽黒「………」

ショタ提督父母「あらやだ蔑むような目」

ショタ提督「そこは『な、何だってー!?』って返してくれなきゃダメっしょwwww」

潮「……呆れて物も言えないだけです」

母(迫真のモノマネ)「ノリ悪いわね~wwwwそんなんじゃダメよwwww」←CV.洲崎綾

羽黒「……私達が散々かき回されたのは」

父「大体こいつのせい」

ショタ提督「正直すまんかったwwww」

潮「でも反省してませんよね?」

ショタ提督「そらそーよ。俺が反省というものを学んだらこの周超地味になってんぞ」

母「でもぉー、アンタ達が今も無事に生きてられるのはぁー、こいつの補正がアンタ達にも影響してたからだったりぃー」

羽黒「ギャル風に言わないで下さい。気持ち悪いです」

ショタ提督「……前に妙高姉ちゃん化してるって言ったけど違ったわこれ。この辛辣さは那智姉ちゃんだ那智姉ちゃん」

潮「そもそも提督……42周目提督君の補正のせいで私達が巻き込まれて酷い目にあったんですけど」

父「それはあれだ。こいつをあんたらのとこに押し付けた特別学校に文句言え」

羽黒「この際聞きますけど、どうして42周目提督君は提督を目指そうと思ったんですか?」

母「ダーツ」

潮羽黒「へ?」

父「何だよダーツも知らねーのか?」

潮「それくらい知ってますよ」

羽黒「ダーツと提督に関連性が見出せないだけです」

ショタ提督「そんなの簡単!回想入るのもダルいから手短に言うと……」

父「提督の将来の夢が決まらない!」

母「なりたい職業も特にない!」

ショタ提督「ならダーツ投げてぶっ刺さった職業目指しちゃおう!」

父母「こーして投げたダーツは『提督』と書かれたゾーンにグサッと刺さり、晴れて提督を目指すことになりましたとさ!」

ショタ提督「めでたしめでたし!」

潮「………」アタマカカエ

羽黒「………」アタマカカエ

潮羽黒(そんなテキトーなノリで決めたんですか……まぁ大方予感はしてましたけど)

ショタ提督「でも勉強が大変でさーwwww入試は基本問題は何とかなったけど応用でつまづいたんだわwwww」

潮「……でも合格したんですよね?」

ショタ提督「おう。じゃなきゃ今こうして提督やってないからな」

羽黒「どうせ『悩んでて机に頭ぶつけたら都合良く天才的な閃きが思い浮かんで全問正解』なんてオチでしょう?」

ショタ提督「流石愛人!まさしくその通り!」

羽黒「愛人じゃなくて監視役です」

父「まさかの主席合格!あん時は祝いに祝ったなー。親戚先祖総出でパーティしたもんだ」

母「お陰で家が破裂しそうな勢いだったけどね」

潮「そうなんですか……え?先祖?」

父「あぁ。じいちゃんばあちゃん曾じいちゃん曾ばあちゃんは当然として」

母「そのまたじいちゃんばあちゃん更にじいちゃんばあちゃん……」

羽黒「ちょっと待って下さい。全員生きてるんですか?」

ショタ提督「あれ?言って無かったっけ?」

潮「初耳ですけど」

父「補正持ちの奴はどう足掻いても死ねなくてな。最初は焦ったらしいが今は開き直ってのんきに長寿生活楽しんでるんだわ」

母「この前だって山奥に住んでる1番最初のご先祖様に会いに行ったけど『最近の空気は汚染が酷くて吸えたもんじゃねーな』とか言ってピンピンしてたわね」

ショタ提督「そもそもギャグ世界の住人が歳取って死んだらダメだろjk」

羽黒「自然界の掟に真正面から逆らう方がよっぽどダメだと思いますが」

ショタ提督「マジレスとかwwww」

父母「ないわーwwww」

潮羽黒「………」イラッ

父「とまぁ茶番はここまでにして。こんなダメ息子にも家に連れて来られる女が出来たのはめでたいしな」

母「これはお祝いやろなぁ」

潮「結構です」

羽黒「ご報告したらそのまま帰る予定だったので」

父「遠慮すんなって!」

母「今車出してくるから待ってなさいな!」

潮羽黒「いえ本当に結k」

父母「ガハハハハハハwwwwww」ビシューン!

ショタ提督「光の速さで走ってったな」

潮「………」ガックリ

羽黒「………」ガックリ

ショタ提督「何だよ~。折角父ちゃん達が祝ってくれるのに露骨に落ち込むなよ~」

潮「……もう半年分の精神力を使った気がします。やっぱりアクが強くて……」

羽黒「……でもめげません。司令官さんをまともな子にしないと……!」

ショタ提督「まだ言ってんのかよ。いい加減諦めろって~。俺を真人間にするとか因果を覆すよりしんどいぞ?」

潮「………」

羽黒「………」

ショタ提督「……はぁ。ま、それでもしぶとく食らいつくならどうぞご勝手に」

潮「……はい、勝手にします」ニコッ

羽黒「……もう決めましたから」ニコッ

ショタ提督「へへっ、とんだ物好きもいたもんだな」ニコッ

潮「……ふふっ♪」

羽黒「……えへへ♪」
















「これからもずっと監視しますから……覚悟して下さいね?」


「貴方を普通の男の子に出来るまで……諦めませんから!」


「良いだろう。その挑戦……しかと受け取ったぁ!」
























父(on 車)「何強引に良い話みたいにまとめようとしてんだ」キキィーッ!ガチャッ

ショタ提督「あ、バレた?wwww」

潮羽黒「!?」

母「車用意出来たからとっとと行くわよ!」

潮羽黒「えっ今ので終わりじゃ」

ショタ提督「ほい」ドンッ ←後部座席に押し込む

潮羽黒「えっ」ポスッ ←押し込まれた

ショタ提督「うちの父ちゃんクレイジータクシーより過激な運転だけど死にはしないから大丈夫だ!」

潮羽黒「そ、それって……」

父「よーうし!んじゃ隣町の美味いレストランまでぶっ飛ばして逝くぜええええええええええええええええええええええい!」ブルルーン!

母「信号?標識?交通法?そんなの破る為にあるのだあああああああああああああああああああああああああ!」

潮羽黒「や、やっぱり降りm」

ショタ提督「ひっさびさの父ちゃんの運転!みwなwぎwっwてwきwたwwwwwwwwwwww」ガチャ ←ドア閉まる!もう逃げられない!

潮羽黒「」

父「ヒャッハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」つハンドル ギュルギュルギュルギュルッ

ギュオオオオオオオオオオンッ! ギュラギュラギュラギュラギュラ! ゴゴゴゴゴゴゴゴッ! ズドンッ!ギュウウウウウウウウウンッ!

潮羽黒「嫌あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」

速吸「………」

速吸(今頃、潮ちゃんと羽黒さんは提督さんの実家に行ってるんだよね……)

速吸「……ふぅ」

速吸(私、結局必要無かったみたい……覚悟まで決めたのに、意味無かったかも……)

速吸「………」

速吸(だけど、あの2人なら……提督さんを任せられる)

速吸(きっと、私が隣で見守るよりも……良い方向に導いてくれるはず)

速吸「……っ」プルッ

速吸(そう。これで良い……これで良いの……)

速吸「……っ!」プルプル…!

























速吸「あああああああああああ良かったああああああああああああああああああああああああああああッ!!」涙ブワッ!

速吸「このまま潮ちゃん達と同じ道を歩むことになったらどうしようかと思ったよおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」涙ドバドバ

速吸「そりゃ覚悟決めたからといって提督さんの監視なんて辛いに決まってますよう!絶対酷い目に遭いますし!それが回避出来るなんて!」

速吸「これほどの幸せはありませんよ!やったああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」ドバドバ

速吸「あぁダメ!嬉しすぎて涙止まらない!うわああああああああああああああああああああああああああああい!!」ドバドバ

速吸「ばんざあああああああああああああああああああああああああああああああああああああい!!失恋最高ですううううううううううううううううううううううう!!」ドバドバ

ギュルルルルルルルルッ! ガコガコガコッ! ガタガタガタガタッ!

<あぁ今吹っ飛びました!?吹っ飛びましたよね!?

<降ろして下さい!死にたくないですうううううううううっ!

<こんくらいで死ぬわきゃねーだろ!もっと飛ばせー!

<まかせろー

<人引いてスライスしちゃダメよー?

<ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?×2

速吸「潮ちゃあああああああああああああああああああああああああああん!羽黒さああああああああああああああああああああああん!」ドバドバ

速吸「ご愁傷様です!私を助けてくれてありがとうございましたあああああああああああああああああああああああああっ!」ドバドバ

速吸「やったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」ドバドバ





潮・羽黒 HAPPY END……?

潮羽黒「こんな終わり方ありなのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

ショタ提督「あり。だってギャグ補正がヤバ過ぎる周だもの★」

自分でも書いていて何だこれと思いました。ただ個人的に今周は書いていて凄く楽しかったです。
オープニングはもうしばらくお待ち下さい。

オープニング、投下します。

――――


――――――――


――――――――――――




「………」

「………」

「……やっぱり、怖いの……?」

「……当たり前だろ」

「自業自得でしょ?」

「それは、そう……だけど……」

「……大丈夫。僕も、一緒に……謝るから、ね?」

「うぅ……」

「あーもう!ここまで来てグズグズしない!約束したでしょ?今日こそ謝りに行くって!」

「………」

「………」

「……はぁ。貴方達って、本当にどうしようもないわね」

「うぐっ……」

「くっ……」

「今までの行いが最低だったんだから、ちょっとくらいは良い所を見せないとね?ほら、さっさと歩きなさいっ!」

「……分かってるよ」

「………」コクリ

「……♪」ニコ…




「……あれ?」

「あの子達は……」

「……あっ」

「え?貴方達は――」




――――――――――――


――――――――


――――

――――


――――――――


――――――――――――




「………」

もう、誰も信用しない。信用してはいけない。

今度は、絶対に……騙されない。

「………」

希望を抱くことなんか……馬鹿な子がすること。

最初から、そんなものは……捨てちゃえば良い。

「………」

また裏切られるなんて、そんなの……嫌。

あんな辛い、悲しい、痛い、そして……憎しみを募らせる思いは、もうしたくない。

「………」

これは、ワタクシだけの気持ちじゃない……

きっと……いや、間違いなく……全員の気持ち。

「……新しい提督、ですか」

「……“あんなことになった”のを知ってる癖に、どうして着任させようと思ったのかしらね」

「分かりません。ですが……拒否は出来ません」

「……まぁ良いわ。誰が来たとしても……」チラッ

「……えぇ」

「……うん」

「……はい」








≪絶対に……心を許そうとしてはダメ。深海棲艦と同じ……いや、それ以上の……“敵”だと思え……ッ!≫








――――――――――――


――――――――


――――

――オープニング


「………」スタスタ…

(……もうすぐだね。思ったより近くて良かったよ)

「………」

(43周目鎮守府……今日からここで、僕は……)

「……あっ」ピタッ

大淀「………」

(……大淀さん、だったよね。う~ん……声をかけるしかないんだけど……)

「………」

(……悩んでいても仕方ないか。ここで僕が足を止めるようなら、着任しても上手くいかないもんね……)

「……あの、すみません」

大淀「……何ですか?子供は立ち入り禁止ですよ?」

「いえ、僕は……こういう者です」つ身分証明書 スッ

大淀「………」スッ

大淀「……ッ!43周目、提督……!?」

ショタ提督「……はい」

大淀「……っ!」ギリッ

ショタ提督「………」

ショタ提督(やっぱり、名前で気づいちゃうか。もちろん、僕も隠そうとしているわけではないんだけど……)

大淀「……今すぐ消えて下さい」ギロッ

ショタ提督「……!」

大淀「と言ったところで……どうせ、無理なんでしょう?」

ショタ提督「……ごめんなさい。それは出来ません」

大淀「……執務室の場所は分かりますよね?まぁ、この程度のことも知らないようなら、無能中の無能ですけど」

ショタ提督「大丈夫です。しっかり勉強してきました」

大淀「……勝手に行って下さい」

ショタ提督「分かりました。ありがとうございます……お時間を取らせて、申し訳ありませんでした」ペコッ

大淀「………」

ショタ提督「……では、また」スタスタ…

ショタ提督(……大淀さん。本当にごめんなさい……だけど、僕が……!)

ショタ提督「………」スタスタ…

天龍「………」

龍田「………」

ショタ提督(……皆、顔色が悪い。それに……)

夕立「………」

時雨「………」

ショタ提督(まるで敵と向かい合ってるみたいに、険しい表情……)

金剛「………」

榛名「………」

ショタ提督(理由は、間違いなく……だけど……)

青葉「………」

衣笠「………」

ショタ提督(僕は、その為に来たんだ。皆を……)

翔鶴「………」

瑞鶴「………」

ショタ提督「………」ピタッ

ショタ提督(……っと、考え事してる間に着いたね)

ショタ提督(執務室……今日からここで、僕が毎日を過ごす……)

ショタ提督「………」コンコンコンコン

ショタ提督(だけど、皆にとっては――)

ショタ提督「……失礼しますっ!」カチャッ








ショタ提督(――“また”新しい“提督”と過ごす日々が始まることに……)

ショタ提督「本日着任することになりまし……」

シーン…

ショタ提督「………」

ショタ提督(誰もいない……まぁ、そうだよね。歓迎されるわけ……ないもんね)

ショタ提督(でも、これは想定内。問題は……どうやって僕が着任したことを知ってもらうか、だよね……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……1人ずつ、部屋まで挨拶に回るしかないか。こんなことの為に、皆を呼んで来てもらうなんて……出来ないもんね)


――

ショタ提督(まずは空母の皆から。えっと、一航戦の部屋は……)スタスタ

ショタ提督(あっ、ここだね。ふぅー……よしっ!)コンコンコンコン

加賀「………」ガチャ

ショタ提督「……初めまして。本日ここに着任しました、43周目提督です」ペコッ

加賀「……っ!」

ショタ提督「この度は挨拶に回ろうと……」

加賀「……今すぐ出て行きなさい。目障りだわ」

ショタ提督「………」

加賀「聞こえなかったかしら。早く目の前から消えてほしいのだけれど」ギロリ

ショタ提督「……申し訳ございませんでした。失礼します」スッ…

加賀「………」バタンッ!

ショタ提督(……警戒されてるね。無理もないけど……きっと、“そうだと思っちゃう”だろうから……)

ショタ提督(だけど……顔だけは知ってもらわないと。ここで働くからには、最低限それだけは……!)

――

ショタ提督(次は重巡の皆。ここから1番近いのは……高雄型の部屋だったっけ)

ショタ提督(きっと、高雄さん達も……でも、避けることは出来ないよね)

ショタ提督「………」コンコンコンコン

愛宕「……はい」ガチャ

ショタ提督「……初めまして。本日ここに着任しました、43周目提督です」ペコッ

愛宕「……43周目、提督……貴方、まさか……」

ショタ提督「……はい。きっと、貴方が想像している通りだと思います」

愛宕「……申し訳ないけど、今すぐどこかに行ってもらえないかしら?」ギロリ

ショタ提督「………」

愛宕「もう、私達に提督は必要ないわ。余計なお世話なのよ」

ショタ提督「……申し訳ございませんでした」

愛宕「……ふんっ!」バタンッ!

ショタ提督「………」

ショタ提督(……提督は必要ない、か。これは……かなり時間がかかりそうだね)

ショタ提督(……次の部屋に行こう。ここで立っていても、何も解決しないから)スタスタ…


――

ショタ提督(次は軽巡の皆、か……やっと半分だね)

ショタ提督(でも、ちゃんと全員の部屋に挨拶して行かなきゃ。いい加減な気持ちはダメ)

ショタ提督(誠意を持って、皆と話さないと……!)コンコンコンコン

由良「……はい」ガチャ

ショタ提督「……初めまして。本日ここに着任しました、43周目提督です」ペコッ

由良「………」

由良(43周目提督……ということは、まさか……)

由良「……関わらないでほしいです。提督であるなら、猶更……!」ギロッ

ショタ提督「………」

由良「話はそれだけです」バタンッ!

ショタ提督「申し訳ござ……あっ」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……ここまで僕を嫌うということは、きっと……それだけ、傷が深いんだね)

ショタ提督(でも、無理もないよ。話に聞いた分だと……こうなって、当然だから)

――

ショタ提督(……ここで最後か。水母の皆が住んでいる部屋……)

ショタ提督(もう、どんな反応が返ってくるかは想像出来るけど……やるしかない)

ショタ提督(自分でそう決めたし、約束もしたんだ……!)コンコンコンコン

コマンダン・テスト「………」ガチャ

ショタ提督「……初めまして。本日ここに着任しました、43周目提督です」ペコッ

コマンダン・テスト「提、督……それに、43周目……」

ショタ提督「………」

コマンダン・テスト「……ッ!」ギロリ

ショタ提督「……!」

コマンダン・テスト「……また、ワタクシ達を……っ!」

ショタ提督「……違います。僕は……」

コマンダン・テスト「もう……“提督”とは、顔を合わせたくもありません……!」バタンッ!

ショタ提督「っ!も、申し訳ござ……うっ」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……ダメだった。これで全員から……拒絶されたことになる、か)

ショタ提督「………」クルッ スタスタ…

ショタ提督(でも……良いんだ。嫌われていても、そこから皆に信頼されていけば……)

ショタ提督(僕はその為に来たんだ。この鎮守府の皆の――)









加賀(……あの名前、顔つき……間違いないわ)

愛宕(新しい提督が来るだけでも、すっごく嫌なのに……)

由良(まさか……よりによって……!)

コマンダン・テスト(……ワタクシ達は、また……いえ、このままじゃダメ!もう、絶対に――)
























――トラウマを消して、支えてあげる為に。辛い過去を乗り越えて、また元気になってもらえるように……!


――信用しない。何があっても……疑い、怪しみ、嫌ってやる……!誰が“提督”なんて……信用するもんか……!














こうして、何か辛い過去を持つ艦娘達と……その闇から艦娘達を救い上げる為にやって来たガチショタ提督の……


……辛く苦しい、鎮守府生活が始まりました。

今回は40周目と同じ特殊な形式の進行となります。
そして36周目や40周目ほどではありませんが、時系列が今までの周と少しだけズレています。
歴代提督については一部登場させることが出来ません。現時点で言えるのは『初期……1周目から20周目前後』の提督は登場可能です。
細かい注意点等はまた改めてアナウンス致します。

23:00~0:00頃開始予定です。
今回は安価の内容によっては若干アレンジしたり展開を少し変えて描く場合があります。
安価を取っていただいている方には申し訳ありませんが、ご容赦いただければ幸いです。

始めます。

1ヶ月目:上旬


ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(この書類は今日中に、こっちは明後日までに、後は……)


五月雨「……っ」

視界に入るだけでも吐き気がする。

この鎮守府に提督がいるというだけで……もう、負の感情しか湧いてこない。

阿賀野「………」

今からあいつの傍まで近づかないといけない……

それだけでもう、心が擦り切れそうだというのに……

五月雨「……どうします?」

聞くだけ無駄なのは分かっている。そんな希望を抱くだけ……自分を苦しめるだけだ。

でも……少しくらい、現実から目を背けていたい。

阿賀野「……行く、しかないよね」

五月雨ちゃんの、もはや死んだような目を見れば……言葉の意味の裏を読み取ることなんて、私でも出来る。

けれど、どうせここで逃げても……向こうから、こっちに接触しようとするはず。

時間稼ぎにしかならないなら……早く済ませて、すぐに立ち去るべきだ。

五月雨「……です、ね」

阿賀野「……開けるよ?」

五月雨「………」コクリ

ガチャ…

ショタ提督「……!」クルッ

五月雨「………」

阿賀野「………」

ショタ提督「五月雨さん、阿賀野さん!お帰りなさい!出撃、お疲れ様ですっ!」ペコッ

五月雨(……心にもない労わりはいらないよ)

阿賀野(どうせ、私達のことなんて……都合の良い奴隷か、ストレス発散道具としか考えてない癖に……)

五月雨「……戦術的勝利です」

阿賀野「ですが深部の敵は逃しました」

ショタ提督「いえいえ!戦果よりも、無事に戻って来てくれることが1番――」

五月雨「っ!」ギロリ

阿賀野「………」ギラッ

ショタ提督「――っ!」

五月雨「……それだけです」

阿賀野「ではこれで」

ガチャ バタンッ!

ショタ提督「………」

ショタ提督(……失敗、しちゃったかな。ううん、いきなり信頼してもらうなんて……そんなことは出来ないし、してはいけない)

ショタ提督(次からは、もっとかける言葉を慎重に選ばないと……少し言葉を間違うと、皆を一層傷つけてしまうことに……!)



五月雨「………」スタスタ

阿賀野「………」スタスタ

五月雨(どうせ、上辺だけの言葉で……私達を油断させようとしてるに違いないよ)

阿賀野(……そんな罠に引っかからない。もう、騙されないから……私達は、アンタのおもちゃじゃない……!)



↓1加賀のコンマ 信頼値:0/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:0/50
↓3由良のコンマ 信頼値:0/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:0/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(……皆を刺激するのは良くない。それは分かってる)

ショタ提督(だけど、僕を提督として信用してもらう……それが目的じゃない)

ショタ提督(もちろん、信用してもらえるに越したことはないけれど……それだけではダメ)

ショタ提督「………」スッ…

ショタ提督(僕は皆を救う為に来たんだ。壊れてしまったかもしれない心を……)

ショタ提督(……もう1度、元通りにする為に……!)

ショタ提督「………」スタスタ…

ショタ提督(……遠くから。皆の様子を、遠くから見れば……)

ショタ提督「………」ピタッ…

ショタ提督(いや、怪しまれれば本末転倒だよ。それこそ、余計信用を失うことに……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……でも、僕は……皆を救いたいと思うと同時に……役に立ちたい)

ショタ提督(提督なら、皆の……艦娘のサポートは、当たり前のこと)

ショタ提督「……!」スタスタ…

ショタ提督(……せめて、僕が出来ることは……全部、してあげたい)



愛宕は何をしていた?

直下

※今回は行動順が入れ替わり、40周目に近い進行形式となります。『艦娘→提督→コンマ』で進行させていただきます。
ただ、極度に進行が遅れたり辻褄合わせが困難になった場合は、もしかすると40周目と同形式の進行にするかもしれません。
今のところはこれで進行致します。ややこしくて申し訳ございません。

ショタ提督「………」スタスタ…

ショタ提督(やっぱり、皆……僕を警戒している。いや、そんなレベルじゃない)

ショタ提督(殺意がこもっている感じさえする……今にも誤射のフリをして、撃たれてしまいそうなほど……)

ショタ提督「……?」キョロキョロ

ショタ提督(そういえば、鎮守府中を歩いたせいか……執務室から随分離れちゃった)

ショタ提督(ここは……間宮さんのお店か。誰かいるかな……あっ)

愛宕「………」モグモグ

ショタ提督(愛宕さん……)


愛宕「………」モグモグ

……思えば、疲れた時にはいつもここに来ていたかも。

甘い物を食べれば、少しだけ……ほんの少しだけ、嫌なことを忘れられるから。

愛宕「………」モグモグ

自室でさえ、気が休まることがなかった。常に身構えてないといけない。

“あんな奴ら”に、私達のプライベートなんて……無かったもの。

愛宕「……美味しいわ、間宮さん」

間宮「……良かった。あ、でもお代わりは……」

愛宕「良いの。1杯だけでも十分だから……」モグモグ

お食事はもちろん、こうしたおやつでさえ……全員に提供出来るほどの余裕が無い。

だから、間宮さんや鳳翔さん達の……台所で、いつも頭を抱えている姿を……何度も見て来た。

愛宕「……っ!」ギリッ

愛宕(……ダメ。嫌なことを考えちゃ……今だけは、何もかもを忘れて……)

愛宕「………」モグモグ


ショタ提督「………」

ショタ提督(……おやつを食べている時でも、顔が強張ったまま)

ショタ提督(きっと、今まで……まともに休憩出来る時間すら……)

ショタ提督(それに間宮さんも、凄くやつれてて……このままじゃ、いつ倒れてもおかしくないかもしれない)

ショタ提督「………」

ショタ提督(何とかしてあげたい……でも、僕はまだ警戒されている状態。隣に立つだけで、距離を置かれてしまうほど)

ショタ提督(そんな状況でも……今の僕に、してあげられることは……)



提督の行動

直下

ショタ提督「……っ」フルフル

ショタ提督(いや、ダメだ。ここで無理に愛宕さんと会って、返って嫌な思いをさせてしまったら……)

ショタ提督(今の皆は、本当に心がいっぱいいっぱいなはずなんだ。そんな所に、僕が入り込んでしまえば……)

ショタ提督「………」クルッ

ショタ提督(1度出直そう。せめて戦果報告や演習みたいに、顔を合わせても不自然じゃない状況でないと……)スッ…

「待って!」

ショタ提督「……え?」

妖精「………」

ショタ提督「妖精、さん……?」

妖精「……引き留めてごめんなさい。でも、その……」

ショタ提督「………」

妖精「……貴方は、愛宕さんや皆を……何とかして、立ち直らせようとしてるんだよね?」

ショタ提督「……うん。その為に来たからね」

妖精「私達も、それに協力しようと思って」

ショタ提督「……!」

妖精「私達はずっと、この鎮守府の様子を見て来た。その間に、傷つく皆のことも……」

ショタ提督「………」

妖精「……黙って見ているだけしか出来ない。でも、皆の心のケアは提督にしか出来ない……」

妖精「諦めかけたその時、貴方が来てくれた。それで……思ったの。これが最初で最後のチャンスだって」

ショタ提督「………」

妖精「大丈夫。私達は……皆と違って、心を脅かされていない。元々相手にもされてなかったからね」

妖精「だからこそ冷静な判断も出来るし……皆は私達のことを信頼しているし、警戒もしていない」

ショタ提督「あ……!」

妖精「だから、貴方の力になれる。この状況だって、貴方1人では厳しいかもしれない。けど……」

妖精「私達と一緒なら、何かが変わるかもしれない。皆のことを……元気にしてあげられるかもしれない!」

ショタ提督「……妖精さん」

妖精「……私達は人数も多いし、皆の傍にいても嫌がられることはない。だから……貴方に、どう動けば良いかの助言することが出来る」

妖精「それでいて、貴方にしか出来ない皆の心のケアをしてもらえれば……!」

ショタ提督「……なるほど。ありがとう……そういうことなら、一緒に頑張ろう。皆を救う為に……!」

妖精「……!」パァッ

ショタ提督「だけど、今の状況じゃ……僕が店に入っても、愛宕さんはすぐに出て行っちゃうかも」

妖精「……確かに。でも、それならこうすれば……」



反転コンマ判定:妖精さんの作戦は?

01~49:妖精さん経由で間宮券を渡す
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:妖精さんと一緒に間宮券を渡す
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:いっそ間宮喫茶&鎮守府の食事事情を解決する
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

37→73:まだ出会ったばかり。つまり……


ショタ提督「……大丈夫かな」

妖精「確かに、少し思い切った方法だけど……」

妖精「貴方が1人で飛び込むよりは、間違いなく可能性がある」

妖精「もちろんそれだけじゃないよ。私がいることで……提督への警戒が、幾分か和らぐかもしれない」

ショタ提督「………」

ショタ提督(確かに、僕だけで行うよりは……愛宕さんが離れてしまう可能性は低くなる)

ショタ提督(ただ、妖精さんに“これ”を渡してもらうよりは……少しリスクが髙くなる)

ショタ提督(……でも、僕は……)

ショタ提督「……分かった。それじゃ、行こう」

妖精「………」コクリ

ショタ提督(……愛宕さんに会う方を選ぶ。負担はかけるわけにはいかないけれど……)

ショタ提督(……妖精さんが言っていたように、皆の心は……提督である僕じゃないと、救えないから……!)


愛宕「……ごちそう様でした」

間宮「お粗末様でした」

愛宕「じゃあ、私はこれで…………ッ!」

間宮「どうしまし…………っ!」

ショタ提督「………」

愛宕「……何しに来たんですか?私、言いましたよね?」

愛宕「どこかに行ってって。なのに……また来たんですか?」ギロッ

人がささやかな喜びを感じている時に……

やっぱり、こいつは……私達を……っ!

間宮「………」

妖精「……愛宕さん」

愛宕「……え?」

愛宕(妖精、さん……!?どうしてこんな奴と……)

ショタ提督「……あの、これを渡したくて」スッ

愛宕「……!」

愛宕(それって、間宮さんのお店の……)

妖精「お店の前で迷ってたみたいだから、私がつれて来たの」

妖精(こう言っておけば、私が無理に同行させられた~みたいな誤解はされないはず)

愛宕「………」

妖精さんが嘘を言ってるようには思えないけど……こいつのことは信用出来ない。いや、するに値しない。

きっと、こいつが1人で来ていたとしたら……迷わず、この店を出ていたと思う。

愛宕「……っ!」

だけど……どうせこいつは、妖精さんにまで猫を被っているに違いない。だって、私に券を渡そうとすること自体が信じられない。

これをやるから今まで以上に道具として働け……そう言いたいのかしら。

愛宕「……いらないわ」

ショタ提督「……え?」

妖精「……!」

愛宕「妖精さん。こんな奴のことを気遣う必要はないわよ?」

間宮「……同感です」

妖精「いや、私はただ……」

愛宕「あなたから受け取った物を使うくらいなら、三日三晩食事を抜いたほうがマシね」ギロリ

ショタ提督「……っ」

愛宕「妖精さんも、早くその場を離れて身を守ってね?提督なんて、いつ誰をストレス発散に使うか分からないんだから」スタスタ

ショタ提督「あ……」

妖精「………」

間宮「……で、何か御用ですか?」

ショタ提督「……いえ、お店の邪魔をして、申し訳ありませんでした」スタスタ…

妖精「ま、待って……!」

間宮「………」フイッ



愛宕「………」スタスタ

最悪……もう、本当に最悪よ……!まさか、ここまで嫌がらせに来るなんて……!

やっぱり、あいつは……私達に休みを与えないつもりね。あんな遠回しな嫌がらせまでして……

愛宕「………」

愛宕(だけど、どうして妖精さんはあんな奴と口を聞いたのかしら……)

愛宕(確かに妖精さんは今までも特に被害は無かったけど、提督の酷さを知ってるはずなのに……)

愛宕「………」

愛宕(……考えるだけ無駄ね。どうせ提督なんて……酷い奴しかいないもの)

愛宕「………」スタスタ



愛宕の信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

1×1.5=1.5/50


ショタ提督「………」

妖精「その……ごめんなさい。あそこまではっきり拒絶されるとは思わなくて……」

ショタ提督「………」

妖精「……うぅ」

ショタ提督「……ううん、僕こそごめんね?」

妖精「え……?」

ショタ提督「僕が早とちりしたせいで、妖精さんを巻き込んじゃって」

妖精「う、ううん!そんなことないよ!むしろ早とちりは私が……」

ショタ提督「……やっぱり、少しずつじゃないとダメなんだ。焦ると皆を余計傷つけることになっちゃう」

妖精「………」

妖精(私が余計なことを言っちゃったせいで……)

ショタ提督「だから……次はもう少し、踏み込み過ぎないようにすれば良いんだ」

妖精「……え?」

ショタ提督「僕はまだ警戒されている。いや、凄く嫌われている」

ショタ提督「だからこそ……僕が皆を大切に思っていることを、少しずつ……行動と態度で示していけば良い」

妖精「………」

ショタ提督「だけど、その為には……皆がどんな考えを持って、どんなことにトラウマを抱えているか……正確に把握して、慎重に動かないといけない」チラッ

妖精「……!」

ショタ提督「……頑張ろう。妖精さんと僕で……皆を救おう」ニコッ

妖精「……うんっ!」




愛宕「……ということがあって」

摩耶「マジかよ!あいつ……!」ギリッ

高雄「妖精さんを騙して、そんなことを……」

鳥海「姉さん達も気をつけてね?提督なんて、いつ、何をしてくるか分からないんだから」

摩耶「分かってるよ。いざとなったら解体覚悟でぶっ飛ばしてやる」

高雄「……子供だからといって、甘く接してはダメね」

愛宕「………」

愛宕(でも、今までは『提督』に事務的な会話以外は全くしなかった妖精さんが、自分から関わろうとするなんて……)

愛宕(……いえ、ただの気まぐれね。そうに違いないわ。あんな奴らに心を許したら最後だもの……!)ギリッ

今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
今月からは更新頻度がまた著しく低下すると思います。土日のどちらかに更新するのも厳しくなりそうです。
ただ、更新出来そうな日はもちろん生存報告は適時行いますので、それまでお待ちいただけると幸いです。

投下速度自体も遅くなりがちですみません。それではまた次回の更新でお会いしましょう。

あと疑問なんだけど16週目で艦娘にとって提督は生き甲斐であり
それを失うと廃人状態になるって設定があった気がするんだけど
この周の艦娘は何でその生きがいであるはずの提督を拒絶するほどになっているのに廃人になってないの?

22:30~23:30頃開始予定です。

>>221
ご指摘ありがとうございます。
確かに16周目で描いた通り、艦娘にとって提督は生き甲斐であり、提督が着任しないまま長期間放置されると精神崩壊してしまいます。
ただ、1度でも提督が着任していた場合は精神崩壊することはありません。
22周目の回想でも描きましたが、提督着任後に艦娘が精神崩壊しないのは、提督が1度着任している状態から「提督が元気でいてくれている時」か「艦娘全員が納得出来る形で提督と別れた時」のどちらかです。
現時点ではあまり詳しく言えませんが、この鎮守府の艦娘の場合は「艦娘全員が納得出来る形で提督と別れた時(=嫌な提督が解雇された)」に当たります。少し無理矢理な感じもしますが……
そして補足ですが36周目のコネ鎮守府でも描いた通り、提督のことを嫌っていても「心のどこかで提督を慕う気持ちがある(=提督を嫌っていても命令を聞いてしまう)」ので、仮にブラックな提督が着任した場合でも余程のことが無い限り精神崩壊しませんし、暴動も起きません。ただ、稀に憎しみや愛情が上回って暴走することがあります。
今回の場合は憎しみが強まっており(理由は後々描きます)、暴動まではいきませんが提督を本気の本気で嫌っている状態です。ただ、正当な命令・指示等はギリギリ聞く理性も残っています。

……長文になってしまいすみません。正直、素で設定を忘れていたり勘違いしていることがありますので(30周目の時も8周目提督の設定を間違えてしまいました)、矛盾点や疑問がありましたら今回のように挙げていただけると幸いです。
43周目の設定も今までの描写と極力矛盾が出ないようにしたつもりでした。混乱させてしまって申し訳ありません。

始めます。

1ヶ月目:中旬


ショタ提督「よいしょっと……」つ書類 スタスタ

妖精「……大丈夫?」

ショタ提督「うん。この量なら、僕でも持てるからね」

天龍「……!」

くそっ!嫌な奴と鉢合わせしちまった……!

朝からこんな汚物を目にするなんて、まるでついてねぇな……

鹿島「……っ」

提督が鎮守府にいるというだけで嫌な汗が噴き出てくる。

それが……こんな間近にいるとなれば、嫌悪感が私の体中を支配する。

ショタ提督「あ……金剛さん、榛名さん。こんにち……」

天龍「……気安く名前を呼ぶんじゃねえ」ギロッ

鹿島「……目を合わされると、非常に不愉快です」ギロリ

ショタ提督「……ごめんなさい」

妖精「ま、待って!この子は何もしてないのに、そんな言い方は……」

天龍「……こいつの肩を持つのか?」

愛宕さんが言っていた。こいつは……妖精にまで嘘をついて、都合良くこき使っているらしい。

まさか、何か弱みを握られて……あり得ない話じゃない。仮にそうだとしたら……!

妖精「そういうことじゃなくて……!」

鹿島「……貴方、妖精さんにまで手を出すおつもりですか?」

今まで私達を散々苦しめてきた“提督”。そんな奴に……常識なんて、持ち合わせているわけがない。

だとすれば、妖精さんでさえ……ストレス発散の玩具として、使われていたとしたら……

体が小さくて、力も弱い……私達以上に、危険な状況に追い込まれて……!

ショタ提督「……え?」

天龍「おい。俺達の大事な仲間……妖精に何かしてみろ。絶対に許さないからな?」ギロッ

鹿島「その気になれば、艤装なんて付けなくても……」ギロリ

妖精「だから……っ!」

ショタ提督「………」

鹿島「………」スタスタ

天龍「……チッ」スタスタ

妖精「……うぅ」

妖精(私達が訴えかけても、全然耳を貸してくれないなんて……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……皆)


↓1加賀のコンマ 信頼値:0/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:1.5/50
↓3由良のコンマ 信頼値:0/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:0/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

名前覚えてないわけじゃないよね…?

>>229
すみません!描く人物変更したのに提督の台詞変えるの忘れてました!
提督の台詞内の金剛と榛名は天龍と鹿島です、はい……度々申し訳ありません。


妖精「はぁ……」

ショタ提督「………」

妖精「私が一緒にいても、全然話を聞いてくれない……あそこまで『提督』への憎悪が大きいなんて……」

ショタ提督「いや、それは当然だよ。あんなことがあった後じゃ……」

妖精「確かにそうなんだけど、貴方に罪は無いのに……」

ショタ提督「……ううん、良いんだ」

妖精「え……?」

ショタ提督「僕が嫌われていても、それは構わない。極端なことを言えば、僕のことはずっと嫌っていても……それでも良い」

ショタ提督「僕自身が、皆に好かれることが目的じゃない。だって……」

妖精「………」

ショタ提督「皆を救うこと。過去の辛い記憶を少しでも和らげて、傷ついた心を元に戻してあげること……」

ショタ提督「その為に、僕は来たから」ニコッ

妖精「……貴方は、それで良いの?」

ショタ提督「うん。それに、妖精さんのお陰で……僕が把握していなかったことも、知ることが出来た」

ショタ提督「ありがとう。君がいてくれれば、きっと……皆を助けられるよ」

妖精「………」

妖精(話を聞く分だと、この子はやっぱり……“あいつ”への責任を感じて……)



愛宕の行動

直下

ショタ提督「………」スクッ

妖精「……どうしたの?」

ショタ提督「……この前、愛宕さんに不快な思いをさせちゃったでしょ?もう1度、謝りに行こうと思って」

妖精「あ……」

ショタ提督「だけど、迂闊に動き回ると……他の皆を、また不快な気持ちにさせてしまう」

ショタ提督「最低限、愛宕さんとだけ……ほんの少しの間だけ会って、謝りたいんだけど……」

妖精「……!ちょっと待ってて、他の妖精仲間に調べてもらうから!」

ショタ提督「……申し訳ないけど、お願い……しても良いかな?」

妖精「任せて!皆を助けたい気持ちは、私達も同じだもの!」タタタ…!

ショタ提督「……ありがとう、妖精さん」


屋上

愛宕「……はぁ」

愛宕(空、曇ってるわね……せめて快晴なら、少しは心が穏やかになったかもしれないのに……)

時々、こうして屋上に来ると……嫌な気持ちを和らげられる。

やっていることは、ただの現実逃避だけど……それでも、何もしないよりは……

心の疲れを取ることが出来る。だけど……

愛宕「………」

曇っている日、雨が降っている日、嵐の日……こんな時は、気分が良くなることはない。

それどころか、猶更嫌な気分になってしまう。

愛宕(……まるで、今の私を表してるみたい)

そう。おどろおどろしく、今にも雨が降りそうな空……

正に今、憎しみに満ちている私のような気がして……

愛宕「……っ」

でも、私の心が晴れることはない……きっと、いや、絶対に。

もう、無理なのだ。これ以上……信用したり、希望を抱くのは。

愛宕「……馬鹿みたいね、私」ボソッ

愛宕(今までそうしてきて……何度も壊され、潰されたじゃない……)


ショタ提督「………」

妖精「……愛宕さん、たまに屋上に行っては……悲しそうな顔をしてる」

妖精「特に、今日みたいに曇りの日は……一層、気分が悪そうになって……」

妖精「私達が声をかけても、『何でもないの。ちょっと考え事』としか言ってくれなくて……」

ショタ提督「……そう、なんだ」

ショタ提督(愛宕さんが何を考えているかは……僕には分からない。けれど……)

ショタ提督(きっと、辛さ、悲しさ、憎しみ……心を締め付けるようなことを考えている、はず)

ショタ提督(もちろん、確証はない。それを知るのは……愛宕さんしかいないから)

ショタ提督(だからこそ……慎重に行動しないといけない。例え妖精さんがいてくれたとしても、警戒が和らぐとは思わない方が良い)

ショタ提督(あくまでも、僕が自力で皆と話さなければならない。そう考えて動かないと……)


提督の行動

直下

ポタ… ポタ…

愛宕「あ……」

愛宕(雨……まぁ、この天気なら……いつ振ってもおかしくなかったわね……)


妖精「あっ!振って来ちゃった!」

ショタ提督「……!」

ショタ提督(雨……どうする?このままだと、愛宕さんはこっちに……)

ショタ提督(1度部屋に戻るか、このまま話しかけるか……)

ザーザー

愛宕「………」

ショタ提督「……?」

ショタ提督(……戻らない?雨に濡れても、そのまま立っているなんて……)

妖精「ど、どうしよう!?愛宕さんこっちに来ちゃう!?覗いてたのがバレちゃうよ!?」アタフタ

ショタ提督「………」

ショタ提督(愛宕さん……今の僕に出来ることは……)

ショタ提督「……妖精さん。すぐに戻るから待ってて!」ダッ

妖精「えっ、あ、提督!?」


ザーザー… ザザー…

愛宕「………」

愛宕(……私達には、お似合いの天気ね)

雨が激しくなる。髪はもちろん、服もどんどん濡れていく。

だけど、屋内に戻る気は無い……いや、気力が出ない。

冷たく、それでいて激しい……そういえば、私がこんな風に泣いたのはいつだったか。

愛宕(……覚えてないわね)

もはや怒りと憎しみばかりが込み上がる。悲しさなんて……いや、それどころか……

笑顔も、無くなってしまった。今の私には、もう……

愛宕(……負の感情以外、抜け落ちて……)

スッ…

愛宕「……え?」

ショタ提督「………」

愛宕「……ッ!」ギロッ

またこいつね……この前も、私の休憩を邪魔して……!

こうやって、物思いにふけることすら……許さないというの……!?

ショタ提督「……風邪、引きますよ?」

愛宕「……貴方に関係ないでしょ?それとも何?道具に風邪を引かれたら困るのかしら?」

ショタ提督「……違います」

愛宕「………」

ショタ提督「愛宕さんに、辛い思いをしてほしくないからです」

愛宕「口では何とでも言えるわ。お世辞なんて気持ち悪いだけよ」

愛宕(どうせこいつも、私のことなんて玩具としか……)

その傘だって、私を叩く為に用意したのかもしれない……いえ、きっとそう。

こんな奴が、私達を心配なんて……するわけがない。提督なんて、自分のことばかり考えてる奴で……

ショタ提督「………」

愛宕「………」ギロリ

ショタ提督「……ごめんなさい」

愛宕「……ほら。やっぱり貴方も」

ショタ提督「でも、お願いです。僕のことはどう考えていても……例え、殺意を抱くほど嫌っていても良いので……」

ショタ提督「どうか、傘だけは……受け取って、もらえませんか……?」

愛宕「……!」

頭を下げた……?たかが傘のことくらいで……?

こいつは一体……何か、裏で企んでるんじゃ……

そう言いながら、後から『傘をやったのは僕だ』なんて言いながら、恩着せがましく……

愛宕「………」


反転コンマ判定:愛宕はどうする?

01~49:そのまま立ち去る
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:黙って受け取る
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:一応お礼を言って受け取る
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
投下量&速度が落ちてしまい申し訳ありません。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

お待たせしてすみませんでした!小ネタを投下します!

『見守る会の子育て奮闘日記』
※本編と同一世界です。前作『大スクープ!見守る会のお宝映像大放出!』の後日談です。


大会場

ワイワイ ガヤガヤ

1周目提督「ここに来るのも久しぶりだね~!」

5周目提督「だな~。最後にここに来たのいつだったっけ?」

2周目提督「確か……11スレ目のカラオケ以来だったか」

9周目提督「懐かしいね~……ところで、見守る会の皆は何をするつもりなんだろう?」フワフワ

10周目提督(あ、今日は霊体で来たんだ)

14周目提督「招待状だか何だかで来てみれば……妙に大がかりな設備が追加されてるみたいだな」

16周目提督(そういえば、21周目提督君がいないような……)キョロキョロ

17周目提督「……楽しみ、です……///」モジモジ

フッ…

20周目提督「……?急に照明が消えたけど……」

23周目提督「何か始まるのか?」

25周目提督「………」

26周目提督(ダルいからとっとと初めて……)ダラーン

34周目提督「……///」ドキドキ

幕「」ズズズ…

歴代提督「……!」

歴代提督(あれは……大画面?)










『それでは今から上映を開始しまーす!』










歴代提督(一部除く)「!?」

15周目提督「む?」

33周目提督「……?」

ブーッ

3周目提督「じょ、上映!?ここって映画館にもなるんですか!?」

7周目提督「そ、そんな話聞いたことないぞ!?」

12周目提督(あ……周りが暗くなって……)

15周目提督「何かの催しかのぅ?」

17周目提督「………」オロオロ

フッ…

18周目提督「あっ、始まったみたいだよ!」

――

ザバァァァァンッ! ヒュゴオォォォォォッ!

『嵐の海。艦娘はもちろん、深海棲艦でさえ立っているのがやっとの程……その中に、嵐の真っただ中を進む者がいた……』

戦艦棲姫「うぐっ……」ヨロヨロ

戦艦棲姫(凄い、嵐……しかも、私の体はボロボロ……不死身とはいえ、結構キツいわね……)

戦艦棲姫(でも……あんな奴ら、どうせ私のことなんか……役立たずとしか……!)

ズオオオオオォォォォ…!

戦艦棲姫「……?ッ!?」

戦艦棲姫(つ、津波……!?今の私じゃ、避けられな……)

バシャアアアアアアアアアアンッ!

戦艦棲姫(うあぁぁぁぁ……ッ!)

『彼女を襲う大津波。なす術もなく、彼女はそのまま飲み込まれてしまった……』

『そして数時間が経ち、嵐が治まった朝……ある浜辺で、とある事件が起こる』

21周目提督実家鎮守府(以下・実家鎮守府)

21周目父(以下・提督)「くぁーっ!朝の浜辺は良いもんだなぁ~!さて、今日も1日頑張……ん?」

戦艦棲姫「………」大破

提督「あれは……まさか深海棲艦!?いや、それにしては弱ってるようだし……」

戦艦棲姫「………」

提督「……お、おい。大丈夫か?」

戦艦棲姫「……ううっ」

戦艦棲姫(に、人間……それにその服装は……私、とことんついてないわね……)

『大破……人間でいう重傷を負った戦艦棲姫……』

提督(って大怪我してるじゃないか!?放っておいたら死ぬぞ!?)

提督「仕方ない!艦娘達にはぶっ飛ばされるかもしれないけど……鎮守府まで背負って行くか!」

戦艦棲姫「………」

提督「待ってろ!すぐ手当てしてやるからな!」タッタッタ…

戦艦棲姫「………」

『彼女に手を差し伸べる1人の男性。そう、これこそが運命の出会いなのであった。彼らが後に――』














21周目提督『――僕、21周目提督を生んでくれるわけなのですっ!』ドーンッ!














<~♪ ※OP曲(曲はご想像にお任せします)

――

4周目提督『ひゃうっ!?えっ……ふえぇっ!?に、21周目提督君が……飛び出して来て……!』

5周目提督『おぉ~凄いな!まさかの3D対応か!いやそれどころじゃない!画面の前を立体映像が踊ってるぞ!?』

8周目提督(どこかで聞いた声のナレーションだと思ったが……21周目提督だったのか)

6周目提督『わぁ~!21周目提督君や瑞鳳お姉ちゃん達が画面で騒いでる~!見守る会のお姉ちゃん達も~!』キャッキャ

7周目提督『すっげぇ……!はっぱ隊やアイドルの真似事した時よりもパワーアップしてる……!』

38周目提督(21周目提督君、頑張って男らしい声を出そうとしたんだね……やっぱりあどけない少年ボイスだったけど)

21周目提督『そしてお父さんとお母さんは結婚して、しばらくは2人仲良く暮らしていました!そして……』

提督「………」ソワソワ

瑞鳳(実家鎮守府・以下艦娘全員)「提督~、もう少し落ち着いたら~?」

提督「いや、だけどさ……」

瑞鳳(戦艦棲姫さんが妊娠したかもしれない……それで病院に調べに行ったんだけど……)

瑞鳳(深海棲艦に、人間の妊娠を調べる道具が使えるのかなぁ……?)

戦艦棲姫「ただいま~」ガチャ

提督「お帰り!で、どうだった!?」ワクワク

戦艦棲姫「……おめでたでした♪」

瑞鳳「……!」

提督「おおおおおおおっ!本当か!?よっしゃぁ!ついに俺達にも子供が……!」

戦艦棲姫「ふふっ♪貴方が頑張ってくれたお陰ね♪」

提督「おうっ!伊達に毎日セッk」

瑞鳳「はいストップそれ以上は言っちゃダメ!」

提督「っと、すまんすまん!だけど、子供かぁ……」

戦艦棲姫「えぇ♪私達の、ね……♪」

21周目提督『この日、お母さんが妊娠しました!今から10年と半年前の出来事だよ!』

21周目提督『そしてお母さんの妊娠が分かった日から半年後……』

病院

21周目提督(0)「おぎゃああああああああああああっ!おぎゃああああああああああああああああっ!」

助産師「見て下さい!元気な男の子ですよ!」

戦艦棲姫「はぁはぁ……こ、この子が……私達の……!」

提督「あぁ、そうだ!お前が頑張ってくれたお陰だ……!ありがとうな……!」

戦艦棲姫「貴方こそ……ずっと手を握ってくれて、ありがとう……!」

提督戦艦棲姫(この子が、俺〈私〉達の息子……だけど……)チラッ

21周目提督「びえええええええええええええええええええええんっ!」

助産師(それにしても声大きすぎっ!両耳塞いでも聞こえてくるんだけど!?)

提督戦艦棲姫(肌が真っ白……どう考えても戦艦棲姫〈私〉の遺伝だよな〈だよね〉これ)

21周目提督「おぎゃああああああああああああああああああああああああああああっ!」

助産師(ああああああああああああああッ!?耳が!部屋が!!機材が壊れるううううううううううううううッ!!!)

――

『おぎゃああああああああああああああああああああああああああああっ!』

歴代提督(一部除く)「うわああああああああああああああああああああっ!?」

5周目提督「み、耳が潰れるうううううううううううううううッ!?」

6周目提督「か、怪獣さんの鳴き声みたい~……!」

14周目提督「うるせええええええええええええええええええええええッ!?」

23周目提督「お、音が大き過ぎ……あだッ!?」ズデンッ!

24周目提督「あぁっ!?に、23周目提督さん!大丈夫ですか!?」

31周目提督(っく……!音響兵器の訓練も受けたとはいえ、これは……っ!)プルプル

39周目提督(お、おおおおお音を消す忍術は……うぐぅっ!?耳から爆音が突き刺さるでござる……っ!)



9周目提督「う、うわぁ~……大会場の壁が割れちゃいそうなほどの声だね……」フワフワ ←幽体だから平気

15周目提督「ここまでの大音量は久しぶりじゃのぅ。最後に聞いたのは戦時中の銃や爆撃機の音じゃったな」←不老不死だから平気

27周目提督(……咄嗟に超能力で自分の体を弄って聴力を下げたけど、早く周りの音を操る能力を作らないとヤバいっ!)←超能力で何でもあり

33周目提督「21周目提督君、生まれた時から凄かったんだね……」←この程度ならまだまだ平気

――

21周目提督『分娩室が壊れちゃう程の産声を上げて、僕が生まれ……えっと、お父さん、お母さん、病院の皆さん、迷惑かけちゃってごめんなさいっ!』

21周目提督『それから僕は実家鎮守府で、お父さんとお母さんや見守る会のお姉ちゃん達に育ててもらうんだ!』

実家鎮守府

21周目提督「あぶあぶ……」

ヲ級「ぐふっ///」ボタボタ ※鼻血

レ級「ごふぅっ!?///」※吐血

カ級「……可愛い♪」ナデナデ

提督「自慢の息子だからな!」

戦艦棲姫「というか私の血が流れてるから半分は貴女達と同じ種族よ?」

ヲ級「ハッ!?じゃ、じゃあ21周目提督君は私達の兄弟に……」

瑞鳳「いや何でそうなるの!?」

レ級「違うよヲ級!半分同族ってことはむしろ私達の子供ってことじゃないかな!?」

カ級「……落ち着いて。その理屈だと、“例の奴ら”とも血が繋がってることになるよ?」

ヲレ級「えぇっ!?あんな残虐な奴らに大事な息子は渡さないから!」

提督戦艦棲姫「違う!俺(私)達の子供だ(よ)!」

21周目提督「ふえっ……」ジワッ

提督戦艦棲姫見守る会「あっ」

瑞鳳那珂(た、大変!?この子が泣いちゃったら、また部屋にヒビが……!)

21周目提督「うぅ……」ウルウル

レ級「ご、ごめんね!?うるさかったよね私達!ほ~ら泣き止んで~?ベロベロ……バァッ!」

21周目提督「………」

ヲ級「えっとえっと……あった!楽しいおもちゃだよ~?」つガラガラ カランカラン

21周目提督「……!」パァッ

提督「よしチャンスだ!抱け!」

戦艦棲姫「えっ、皆見てるのに……しかもこんな昼間に……///」ポッ

提督「違ーう!息子をだっこしてやってってことだよ!」

戦艦棲姫「ふふっ、冗談よ。ほ~ら、よちよち、泣き止んで~?」ユサユサ

21周目提督「ん……♪」

カ級「……泣き止んだみたい」

提督「せ、セーフ……」

戦艦棲姫「1度泣くと被害が凄まじいことになっちゃうから……」

ヲ級「……明石と夕張に頼んで、防音育児室みたいなの作ってもらう?」

レ級「あ、それ良いかも」

瑞鳳「むしろ必須だよ~……このままじゃ、部屋がいくつあっても足りないもん」

那珂「あ、あはは……」

21周目提督「えへぇ……♪」

21周目提督『そんなこんなで、僕は皆にお世話してもらって……気がつくと、1年が過ぎてたんだ』

21周目提督『普通の子供は歩いたり喋れるようになるまで時間がかかるみたいだけど……えへへ♪僕はすぐだったの!』


21周目提督(1)「……♪」

提督「まさか目まで赤くなるとはな~」ナデナデ

戦艦棲姫「よっぽど私の血が濃かったのかしら?」ナデナデ

瑞鳳「でも、見た目は人間の男の子だよ?」

那珂「肌が白くて髪の毛も真っ白なことを除けばだけど……」

21周目提督「……ん」ゴロン

提督「お、寝返りか?」

21周目提督「んっ、んっ……」パタパタ

戦艦棲姫「そういえば、人間の子供だと……そろそろハイハイの時期だったっけ」

提督「何だって!?じゃあ提督はここから1歩進化しようとしてるのか!?」

鳥海(し、進化は言い過ぎだと思いますけど……)

21周目提督「……っ!」ググ…!

提督「よし!後もう少しだ!」

戦艦棲姫「頑張れ!頑張れ!」つビデオカメラ

木曾(どこから出したんだよそれ!)

21周目提督「………」スクッ

提督「うおっ!?て、提督が!提督が立ったぞ!?」

瑞鳳「本当に!?いやでもさっきハイハイしようと……えっ、まさか最初から立ち上がろうとしてたの!?」

木曾「……提督って確かまだ1歳だよな?」

戦艦棲姫「ふふっ……深海棲艦は人間とは違うもの。こういうことがあってもおかしくないわ♪」

那珂「な、なるほど……」

21周目提督「……お父さん、お母さん!」

提督「!?」

鳥海「しゃ、喋りました!今、確かに喋りましたよ!?」

戦艦棲姫「深海棲艦だもの♪」

提督「お前……でも納得出来てしまうのが悔しいなぁ!」

ズドドドドドドド!

ヲ級「提督君が立ったって本当!?」

レ級「まだ1歳だよね!?」

カ級「……凄い」

戦艦棲姫「……貴女達もどんな耳してるのよ。別室にいたのに即駆けつけてくるなんて」

ヲ級「提督君のいるところに……」

レ級「私達がいる!」

カ級「………」コクコク

提督「さ、流石っスね……」

21周目提督「あー!ヲ級お姉ちゃんだー!」ダキッ

ヲ級「!?!?!?///」

レ級「ファッ!?」

カ級「……しゃ、喋った……!?」

瑞鳳「あー、うん。さっき立ち上がったと思ったら、提督達のことをお父さん、お母さんって」

レ級「嘘でしょ!?立ってるだけでも凄いのに!」

21周目提督「レ級お姉ちゃんもいる~!」ダキッ

レ級「くぁwせdrftgyふじこlp;@:!?///」ブシュウウウウウウッ!

那珂「あ、凄い勢いで鼻血噴射してる」

ヲ級「」

鳥海「ヲ級さんは気絶してます……」

木曾(こいつら……)

21周目提督『ハイハイを通り越して、すぐに歩けるようになったんだ~!しかも言葉も話せるようになったの!』

21周目提督『今でもはっきり覚えてるんだよね~!あぁ、懐かしいなぁ~♪』

――

38周目提督「流石21周目提督君だね」クスッ

2周目提督(それで納得するのか……)

10周目提督「1歳の頃かぁ……覚えてないなぁ」

11周目提督「そりゃそうだろ。むしろ覚えてたら大した記憶力だと思う」

27周目提督「………」フイッ

22周目提督「……27周目提督君?どうしたの?」

27周目提督「な、何でもない!///」

19周目提督(……はは~ん、なるほど。さては覚えてるな~?)ニヤニヤ

――

21周目提督『それから僕はお父さん達やヲ級お姉ちゃん達から色々なことを教わったんだ!』

21周目提督『1番印象に残ってるのは、やっぱり戦い方かな?そのお陰でお姉ちゃん達と一緒に戦えてるもん!』


21周目提督(2)「………」ジー

提督「ぐぬぬぅ……!」グググ…!

戦艦棲姫「……えいっ」グッ

提督「どわっ!?あ~、やっぱり深海棲艦は強いな~……」

戦艦棲姫「まぁ、こればっかりは種族の差だから……」

21周目提督「……ねぇねぇ!てーとくもやりたい!」

提督「ん?腕相撲か?いいぞ!ドンと来い!」

21周目提督「やったー!」

戦艦棲姫「……手加減してあげてね?」ボソッ

提督「言われなくても」ボソッ

21周目提督「お父さん!早く早く!」

提督「分かってるって。こうして手を握って、ひじを床につけて……これでよし!」

21周目提督「わぁ~!」

戦艦棲姫「それじゃ、私の合図でスタートよ?」

提督「おう!」

21周目提督「うんっ!」

戦艦棲姫「ようい……始めっ!」

21周目提督「えいっ!」グイッ

提督「おふっ!?」ズシャーン!

戦艦棲姫「!?」

21周目提督「やったー!てーとくの勝ちー!」キャッキャ

提督「………」

戦艦棲姫「………」

提督(……な、なんつー力だ!?全く歯が立たなかったぞ!?)

戦艦棲姫(……まさか、こんなところにまで私の血が……)

21周目提督「もっかい!もっかいやろ!」

戦艦棲姫「……え、えぇ。今度はお母さんとしよっか?」

21周目提督「うんっ!」

提督「そ、それじゃいくぞ~?」

21周目提督「よーし!」

戦艦棲姫「………」

戦艦棲姫(もしこの子が私に勝てば、かなりの力を持つということに……)

提督「ようい……始め!」

21周目提督「おりゃー!」グイッ

戦艦棲姫「あうっ!?」ズシャーン!

21周目提督「わーい!勝ったー!」キャッキャ

提督「……お、おい」

戦艦棲姫「……うん」

提督戦艦棲姫(やだ、俺〈私〉達の子供……強すぎ……っ!)

21周目提督「ねぇねぇ!もっかい!もっかいやろ!」

提督「ウエッ!?そ、それは……」

戦艦棲姫「これを何回も繰り返したら、流石に腕が持たないかな~って……私不死身だけど」

21周目提督「え~?そんなぁ……」シュン

提督戦艦棲姫「うっ」ズキッ

提督戦艦棲姫(ざ、罪悪感が……誰か!誰か代わりに提督と腕相撲してくれる人は……)

ヲ級「あ、提督君」

レ級「腕相撲してたの~?」

21周目提督「あー!ヲ級お姉ちゃんとレ級お姉ちゃんd」

提督戦艦棲姫「いたあああああああああああああああああああああああッ!」

ヲレ級「お゛ぅっ!?」ビクッ

21周目提督「ふえっ!?」ビクッ

21周目提督『そこから僕は見守る会のお姉ちゃん達と腕相撲をしたんだけど……結果は皆の予想通り、かな?』

ヲ級「負けた」

レ級「負けた」

タ級(見守る会・以下全員)「負けた」

飛行場姫「負けた」

空母棲姫「負けた」

港湾水鬼「負けた」

21周目提督「とりゃー!」グイッ

リコリス棲姫「へぶっ!?」ズシャーン!

提督「」

戦艦棲姫「」

21周目提督「えへへ~♪また勝った~!」

ヲ級「……えっ、何これ」

レ級「提督君、こんなに強かったの……!?」

駆逐棲姫「力だけなら私達と引けを取らない……いや、私達以上じゃ……」

戦艦棲姫「……そんなに?」

カ級「だって、姫クラスに楽々勝てるくらいだから……」

提督「ま、マジか……」

21周目提督「ねぇねぇ!もっかい!もっかいやろ!」

リコリス棲姫「ま、待って、今の衝撃で腕が痺れて……」

――

歴代提督「………」

7周目提督「に、2歳でこれか……」

12周目提督「えっと、21周目提督君は今10歳……だよね?それくらいだから……」

25周目提督「……8年で、そこまで強く……」

26周目提督「化け物だな」

30周目提督「マッチョの7周目提督君とどっちが強いんだろう?」

32周目提督「あ~、確かに気になるかも」

37周目提督「すっげー!21しゅうめていとくって赤ちゃんの時からつよかったのかー!」キラキラ

――

21周目提督『でもね?この時はまだ、僕の力が強いことしか分からなかったんだ』

21周目提督『僕が鍛え始めたのは、それからちょっと後の話で……』


21周目提督「おっ買い~物♪おっ買い~物♪」

提督「……流石に子供に荷物は持たせられないよなぁ」

戦艦棲姫「そうよね……例え私達より力持ちだとしてもね」

レ級「あはは……」

ヲ級(当の本人はすっごく持ちたがってたけど……)

21周目提督「えへへ~♪」

キキイィィィィィィィッ!

「酔っ払い運転だぁーっ!」

「こんな夕方にかよ!?」

提督戦艦棲姫ヲ級レ級「え?」クルッ

ブウウゥゥゥゥゥゥンッ!

21周目提督「ふぇ?」クルッ

ドガアアアアアァァァァァンッ!

提督「……ッ!?」

戦艦棲姫「……!?」

ヲ級「あ……」

レ級「……ッ!」

「うわぁー!子供が引かれたー!?」

「救急車!救急車を呼べーっ!」

提督「……嘘、だろ……?」ガクガク

戦艦棲姫「そ、そんな……!」ガクガク

ヲ級「て、提督君が……!?」

レ級「っ、あ、あの車……ッ!」ギリッ
















21周目提督「痛……ちょっと擦りむいちゃった」

提督戦艦棲姫「……へ?」

ヲ級「……えっ」

レ級「よくも提督君を!車ごとぶっ飛ばして……え?」

「……く、車がへこんでる」

「しかも子供は無事!?うっそだろお前!?」

提督「て、提……督……?」

21周目提督「なぁに?」

戦艦棲姫「え、えっと……本当に擦りむいただけ、なの……?」

21周目提督「うんっ!これくらい何ともないよ~?」

ヲレ級「」ポカーン

――

歴代提督「」ポカーン

14周目提督「……マジかよ」

9周目提督「恐るべし、深海棲艦の血……」

33周目提督(……僕なら無傷、いや、仮に擦りむいてもすぐ治っちゃうかな)

24周目提督「異種族の遺伝子を受け継ぐだけでここまで……」

12周目提督「トラックに乗った運転手が逆に大怪我しちゃってそう……」

27周目提督「それは自業自得だな。飲酒運転なんてするからだ」

――

21周目提督『この後、一応医務室で見てもらったんだけど……やっぱり異常なし!』

21周目提督『そしてしばらく経ったある日……僕が鍛えることになる、決定的な日が訪れるんだ』



21周目提督(3)「わ~い!」バシャバシャ

ヲ級「……まさか海の上を走れるなんて」

レ級「半分は私達と同じとはいえ、ここまでとはね……」

21周目提督「ヲ級お姉ちゃ~ん!レ級お姉ちゃ~ん!こっちこっち~!」バシャシャシャシャ

ヲ級「ちょ、ちょっと待って……!」

レ級「提督く~ん!速すぎ…………ッ!?て、提督君!そっち行っちゃダメ!」

21周目提督「え?どうして……」クルッ







ヲ級(※見守る会とは別人)「……ん?」

レ級(※同上)「子供?」







21周目提督「あれ~?ヲ級お姉ちゃん達がもう1人いる~!」

ヲレ級「……っ!?」

21周目提督「こんにちは~!」ノシ

ヲ級(敵)「何で人間が水上を歩いて……」

レ級(敵)「長いこと海を荒らして来たけど、こんなことは初めてかなぁ」

ヲ級「提督君!早く戻って来て!」バシャバシャ

レ級「あいつらは敵だよ!」バシャバシャ

21周目提督「わ~い!」バシャシャシャシャ

ヲ級(敵)「……どうする?」チラッ

レ級(敵)「う~ん……向こうの私達が男の子を助けようとしてるみたいだし、よく分かんないけど……敵っぽいし殺っちゃおっか♪」ガシャッ

ヲ級(敵)「……だよね」ガシャッ

21周目提督「そっちのヲ級お姉ちゃん達も遊ぼ……え?」

ヲレ級「提督君ッ!」バシャバシャバシャッ!

ヲ級(敵)「……!」つ艦載機 パシュパシュ!

レ級(敵)「死んじゃえ~♪」ズドドドドドッ!

ズガアアァァァァァァァァァァァンッ!!

21周目提督「――ッ!?」

ヲレ級「提督くううううううううううううううううううううううううううんッ!!」

シュウウウゥゥゥゥゥ…

ヲ級(敵)「……所詮は人間。艦娘にすら及ばない」

レ級(敵)「だね~。さて、次はあいつら…………ん?」

21周目提督「……うぅ」ヨロッ バシャン…

ヲ級(敵)「……っ!?砲撃を受けたのに五体満足で済むなんて……」

レ級(敵)「……ふ~ん。ただの人間ってわけじゃなさそうだね」

レ級「くっ……あいつらぁ……っ!」

ヲ級「……今は提督君を助けるのが先!」

レ級「……っ、ご、ごめん。提督君!大丈夫!?」

21周目提督「ぁ……っぐ、はぁっ、はぁっ……」

ヲ級(服がボロボロで、体にも傷が……!)

ヲ級「すぐに鎮守府に連れて帰るから……!」ヒョイッ

レ級「急がないと……提督君が……!」

21周目提督「ごほっ……」

バシャバシャバシャバシャ…

ヲ級(敵)「……良いの?裏切り者達を逃がしちゃって」

レ級(敵)「良いの良いの♪どうせあんな奴ら、私達でなくても誰かに無残に沈められるだろうから♪」

――

歴代提督(一部除く)「っ!」ガタッ

26周目提督「落ち着け」

32周目提督「だ、だって!21周目提督君が……!」

25周目提督「ど、どうしよう……!?」アセアセ

15周目提督「冷静になるのじゃ。これはあくまで“過去の映像”じゃぞ?」

17周目提督「あ……」

11周目提督「……そういやそうだった」

33周目提督「それに“今の”21周目提督君は元気だよ。だから大丈夫」

7周目提督「……ごめん。取り乱した」

8周目提督「これだけ鮮明な立体映像なら無理もない」

1周目提督「21周目提督君……」

――

21周目提督『僕は敵のヲ級お姉ちゃん達に襲われちゃったんだ。しかも、出会っていきなり攻撃されて……』

21周目提督『でも見守る会のヲ級お姉ちゃん達がいてくれたお陰で、僕は何とか一命を取り留めたんだ……』

実家鎮守府

21周目提督「………」

提督「提督……!」

戦艦棲姫「そんな……よりによって、敵の深海棲艦に撃たれるなんて……!」

ヲ級「……ごめんなさい」

レ級「私達がついていながら……」

提督「……いや、君達は悪くない。深海棲艦の血を受け継いでるからと慢心して……」

戦艦棲姫「提督を海で遊ばせた、私達のせい……でも、こんなことって……!」

カ級「はぁはぁ……お、お待たせ……!」タタタ…!

ヲ級「……カ級?」

レ級「それは……バケツ?」

カ級「………」コクリ

提督「でも、提督は半分は人間の体で……」

カ級「……やってみる価値はあります」

戦艦棲姫「……!」

カ級「提督君は……絶対に死なせません……!」つバケツ スッ

バシャア…!

21周目提督「……とぇ~い!元気100倍!21周目提督~!」ピョンッ!

全員「!?」

21周目提督「ありがとうカ級お姉ちゃん!それに皆!もう大丈夫!バケツの力で完全復活だよ~!」スタッ!

21周目提督「いや~まさかいきなり砲撃してくるとは思わなかったよ~!死ぬかと思っちゃった~!」

全員「」ポカーン

21周目提督『この時、僕の体もバケツで治ることが分かったんだ~!』

21周目提督『体の傷はもちろん、破れた服も全部元通り!ふふっ、お母さんの血の力のお陰だね~!』

――

歴代提督「………」

6周目提督「わぁ~!アンパンマンみた~い!」キャッキャ

14周目提督「深海棲艦の遺伝パネェ」

5周目提督「バケツもバケツで相変わらず凄いよなぁ」

37周目提督「おおおおおおおっ!よくわかんないけどすっげええええええ!」キラキラ

――

21周目提督『それから僕は、また同じようなことにならないように……ヲ級お姉ちゃん達から護身術を教わるんだ』

提督「……護身術か」

ヲ級「………」コクリ

戦艦棲姫「う~ん……あの子をまた危険な目に遭わせることに……」

レ級「流石に実弾は使わないよ。でも、また狙われた時に……せめて逃げ切ることが出来るくらいの術は教えておきたいと思って」

カ級「あの子は幸い、力が凄く強いですし……足の速さもズバ抜けています」

ヲ級「陸で暮らしていても、鎮守府がいつ狙われるか……私達がいる限りは大丈夫だけど、万が一1人の所を襲われたら……」

提督「………」

戦艦棲姫「………」

21周目提督「……僕、やりたい」

提督「え……?」

21周目提督「てーとくが強くなれば、お父さん達は安心なんだよね?」

戦艦棲姫「………」

21周目提督「大丈夫!今度はあんなことにならないから!」

ヲ級「……提督君」

21周目提督「お願い!てーとく、お父さん達のそばで隠れてるだけじゃなくて……」

21周目提督「ヲ級お姉ちゃん達と一緒に、悪い深海棲艦をやっつけたい!」

提督「………」

戦艦棲姫「………」

ヲ級達「………」

提督「………」チラッ

戦艦棲姫「………」コクッ

提督「……分かった」

21周目提督「……!」

戦艦棲姫「提督に駄々こねられちゃ、私達でも止められないもの」クスッ

21周目提督「じゃあ……!」

提督「……実弾無しとはいえ、念には念を入れてバケツはたっぷり用意しておく」

戦艦棲姫「私も手伝うから……この子を鍛えましょう。2度とあんなことにならないように」

21周目提督「お父さん、お母さん!」パァッ

ヲ級「……了解です」

レ級「うんっ!じゃあ早速鍛錬メニューを考えないと!カ級!任せたよ!」

カ級「………」コクリ

提督「でも、絶ッ対に!無理はするなよ?」

戦艦棲姫「傷だらけで運ばれた時は本当にびっくりしたんだからね?」

21周目提督「もちろんだよ!よーうし!強くなるぞー!」

21周目提督『こうして、皆に協力してもらいながら……僕は訓練に励んだんだ』

21周目提督『とはいっても、いきなり実践からじゃないよ?まずは室内で出来ることから始めたんだ』

ヲ級「えいっ!」つボール ブンッ

21周目提督「っ!」サッ

レ級「やぁっ!」つボール ブンッ

21周目提督「っ!」サッ

戦艦棲姫「……はっ!」つボール ブンッ

ポコッ!

21周目提督「あたっ!?うぅ~、またぶつかっちゃった……」

戦艦棲姫「ボールをよく見て?貴方の素早さなら、決して避けられない速度じゃないはず」

21周目提督「素早さ……てーとくの……そっか!分かった!」

・・・÷

21周目提督「本当だ~!速さを意識したら、他の物が止まって見えるようになったよ~!」シュババババババ

ヲ級「……見えない」

レ級「こ、これが速過ぎて目で追えないってやつ!?」

戦艦棲姫(……ちょっとアドバイスしただけでこれだなんて。この子、戦う才能あるんじゃ……)

21周目提督「あはははは~♪」シュババババババ

――

16周目提督「……凄い。残像すら見えないよ」

23周目提督(俺なら3歩目ですっ転んでそうだ……)

31周目提督(……凄すぎて参考にならない)

9周目提督(普通に目で追える……幽体だからかな)

――

21周目提督『そしてボールが全く当たらなくなってからは、いよいよ演習形式での特訓!』

21周目提督『実際に海の上で訓練を始めるんだ~!』

瑞鳳「……本当に大丈夫なの?」

明石「はいっ!実弾が飛ぶのではなく、ペイント弾が放たれるように改造しておきました!」

夕張「とはいっても、これは提督君の模擬演習専用の艤装だから……間違って出撃の時に装備しないでね?」

那珂「オッケー!」

鳥海「でも、いくらペイント弾とは言っても、子供にぶつけるのは……」

21周目提督「大丈夫大丈夫!普通の人よりは丈夫だもん!」

ヲ級「……いざとなれば私達がバケツを使う」

レ級「ご両親からも許可を貰ってるし、早速始めちゃおう!」

木曾「……分かった。じゃ……いくぞ、21周目提督っ!」ガシャッ!

艦娘達「……!」ガシャッ!

21周目提督「よーうし!頑張るぞー!」

カ級「……演習開始!」

瑞鳳「……っ!」パシュパシュッ!

21周目提督「っ!」ビシュンッ!

瑞鳳「……え?てー君は……」キョロキョロ

21周目提督「こっちだよ!ていっ!」ポカッ

瑞鳳「うあっ!?」中破

瑞鳳以外「瑞鳳(さん)!?」

21周目提督「……あ、あれ?」

鳥海「て、提督君!今の、どうやったんですか!?」

21周目提督「え、えっと、軽~くポカッって叩いただけだけど……」

ヲ級「もしかして……力が強すぎて、手加減してるつもりでも凄い破壊力に……?」

レ級「あー納得!」ポンッ

木曾「……嘘だろ」

21周目提督『それで結局、艦娘のお姉ちゃん達だと装甲が薄すぎるから……見守る会のお姉ちゃん達が担当してくれることになったんだ』

21周目提督『本当は僕が艦娘のお姉ちゃん達との演習に慣れてからの予定だったんだけどね……あはは』

――

39周目提督「うむむ、流石は21周目提督殿でござる!」

14周目提督「あははで済ませるなよ」

20周目提督「……幼い頃から凄く強かったんだね」

4周目提督(……僕も、あんな風に川内さんを守れたら……)

――

21周目提督「っ!」シュバシュバシュバ!

駆逐棲姫「速っ!?」ズドンズドン!

北方棲姫「全然当たらないよ~!?」

空母棲姫「……そこっ!」パシュパシュッ!

21周目提督「あうっ!?」ビチャビチャ!

装甲空母姫「やるわね、空母おばさん」

空母棲姫「誰がおばさんよ!提督君、方向を変える時に僅かに隙が出来てるから、そこに気をつけて?」

21周目提督「うん、分かった!こうだね!」ビシュッ!

重巡棲姫「えいえいっ!」ズドンズドン!

21周目提督「っ!っ!とりゃー!」ポカッ

重巡棲姫「うぐっ!?」中破

21周目提督「あっ、ご、ごめんなさい!つい……」

重巡棲姫「良いの。どうせ私達は不死身だし、これも提督君を強くする為だから!」

レ級「そうそう!遠慮なく攻撃してきちゃって!」

21周目提督「皆……ありがとう!それなら……はっ!」ビシュッ!

レ級「おっと!危ない!」スッ

ヲ級「……攻撃後の隙も危険」パシュパシュ

21周目提督「ひゃうっ!」ビチャビチャ

艦娘達「………」←見学中

艦娘達(どうしよう。提督君も見守る会の皆も反応や攻撃が素早すぎて参考にならない)

21周目提督『こうして演習を積んで、どんどん強くなっていくのを実感出来たっけ。懐かしいなぁ♪』

21周目提督『それで、見守る会のお姉ちゃんの攻撃を確実にかわせるようになってからは……深海棲艦の艤装の勉強もしたんだ!』

21周目提督『もちろん、実践訓練も続けながらね!』

21周目提督(5)「え~っと、これは……こうするんだっけ?」つ艦載機(ヲ級) カチャカチャ

ヲ級「うん。この構造だと、小回りが利く代わりに……」

21周目提督「……なるほど。つまり、こうなってるから……ここが弱点で……」

・・・÷

レ級「どうせなら深海棲艦や艦娘達の特性も勉強しちゃう?」

21周目提督「うんっ!」

レ級「了かーい!まずは艤装を背負ってる時の水上移動なんだけど……横に慣性が働くから……あ、慣性って言うのはね?えっと~……」

21周目提督「ふむふむ……なるほど~!」

・・・÷

21周目提督「お父さん!」

提督「ん?どうしたんだ?」

21周目提督「見て見て~!艦娘のお姉ちゃんや見守る会のお姉ちゃん達のことを勉強してたら、確認テストで100点取っちゃった~!」

提督「マジで!?」

ヲ級「……この子、凄く呑み込みが早いです」

レ級「深海棲艦の血を継いでいるせいか、私達のことや艦娘の知識をどんどん吸収しちゃって」

提督「……なら試しに提督適正テストも受けてみるか?」

21周目提督「やってみるー!」

提督(一般人なら運だけでも3割は超えない……もしこれで4割以上取れば適正ありということに……まさかそれは無いよな?)

21周目提督「あらら、半分しか出来なかったよ~……」

提督「うっそだろお前!?」

ヲ級「……この子、戦いの才能だけじゃなくて……」

レ級「提督になれる素質も持ってたなんて……!」

戦艦棲姫「……提督」

21周目提督「なぁに?」

戦艦棲姫「貴方……お父さんと同じ、『提督』になりたいとは思わない?」

21周目提督「え?」

提督「……良いかもな。提督が『提督』になれば、その鎮守府の艦娘達をお前が守ることが出来るぞ!」

21周目提督「本当に!?それなら僕、提督になるね!」

21周目提督『とまぁこんな感じで、お父さん達に勧められて『提督』を目指すことにしたんだ!』

21周目提督『勉強と演習の両立はちょっぴり大変だったけど、後で勉強も演習みたいに素早くやれば良いことに気づいた後はどんどん進んじゃったな~♪』

――

3周目提督「戦いと勉強を両立するなんて、とんでもないですね……」

5周目提督「多分21周目提督しか出来ない芸当だろうなぁ」

7周目提督(筋肉ムキムキの俺は……いやダメだ思い出すな俺!)フルフル

11周目提督「深海棲艦の血万能過ぎるだろ!何かちょっと羨ましくなってきた!」

――

21周目提督『そして2年くらい経った頃かな~?いつものように海の上で訓練していた時に……』

21周目提督『あの時僕を襲った、例のヲ級お姉ちゃん達がやって来たんだ……』

21周目提督(7)「っ!」シュバシュバシュバッ!

駆逐古鬼「くっ!」ズドンズドン!

21周目提督「てやぁー!」ポカッ!

駆逐古鬼「あうっ!?」大破

深海海月姫「そこっ!」ズドンズドンッ!

21周目提督「っ!」シュバッ!

深海海月姫(さ、避けられ……)

21周目提督「こっちだよ!やぁー!」ポカッ!

深海海月姫「ひうっ!?」大破

ヲ級「……提督君、すっかり強くなっちゃったね」

レ級「うんうん!もう私達でも手がつけられないほどにね!」

カ級「ここまでくれば、いつ他の深海棲艦が攻めて来ても大丈夫……」

見守る会(むしろ私達が提督君から戦術を学んでるレベルだしねぇ……)

「……この役立たず」

「囮役にしても弱すぎるもんね~」

21周目提督「次はこう……え?」クルッ

見守る会「……!」クルッ

ヲ級(敵)「………」

レ級(敵)「………」

イ級「……っ」大破

21周目提督「あれは……別のヲ級お姉ちゃん達……」

ヲ級「……っ!」

レ級「……気づいた?」

ヲ級「………」コクリ

カ級「あいつらは……あの時、提督君を襲った……!」

ヲ級(敵)「……?あれ、こいつは……」

レ級(敵)「あっ!何年か前にズタボロにした奴だ!」

ヲ級「……っ」ギリッ

レ級「あいつ……!」

21周目提督「……ねぇ、そのイ級は……どうして傷だらけなの?」

イ級「………」

ヲ級(敵)「……お前には関係ない」

レ級(敵)「雑魚は黙ってなって。何なら今度こそ殺してあげようか?」

21周目提督「………」

ヲ級「……野良深海棲艦に始末させるつもり?」

21周目提督「っ!?」

レ級「あーこいつらならやりそう。仲間であろうと用済みなら容赦なく捨てる奴らだもんね」ギロッ

ヲ級(敵)「……それがどうしたの?」

レ級(敵)「もしかして邪魔するつもり?ならそこのガキと一緒に沈めてあげようかな~?」ガシャッ!

21周目提督「………」

ヲ級「……提督君は後ろに」

21周目提督「……ううん、大丈夫」

レ級「え……?」

21周目提督「僕なら大丈夫。ヲ級お姉ちゃん達は……そこで待ってて」

ヲ級「………」チラッ

レ級「………」コクッ

ヲ級「……分かった。でも、危なくなったらすぐに……」

レ級「助太刀するから!」

21周目提督「……ありがとう、皆」

21周目提督(あんな弱ってるイ級を、他の深海棲艦に……そんなこと、させるもんか……っ!)ゴウッ!

見守る会(あ、これは提督君怒ってるな~。あいつらも命知らずだねぇ)

ヲ級(敵)「海の上を立ってるのは凄いと思うけど……」ガシャッ

レ級(敵)「所詮人間のガキ。私達に敵うわけないんだよね~」ガシャッ

21周目提督「………」グッ

ヲ級(……構えに隙が一切無い)

レ級(あれだけ特訓すれば、ねぇ?)

21周目提督「……もう1度言うよ。イ級に酷いことするつもりなの?助けてあげないの?」

ヲ級(敵)「……しつこい」

レ級(敵)「あーめんどくさい。とっとと殺しちゃお♪」

イ級「っぐ……逃げ、て……!」

21周目提督(……大丈夫。僕が絶対に助けてあげるから!)ニコッ

イ級「……!」

21周目提督「……それなら仕方ない。いっくぞー!」ビシュッ!

ヲ級(敵)「ッ!?き、消えた!?」

21周目提督「……!」スッ

ヲ級(敵)「っ、う、後ろ……!?」

21周目提督「遅いよっ!てやぁーっ!」ガスゥッ!

ヲ級(敵)「うああああああああああああああっ!?」ヒュウゥゥゥゥゥ… キランッ★

ヲ級(あーあ、提督君を怒らせたから……)

レ級(敵)「を、ヲ級!?くそっ!こいつ……!」

21周目提督「動きに無駄が多いっ!はぁーっ!」バキィッ!

レ級(敵)「ぐああああああああああああああっ!?」ヒュウゥゥゥゥゥ… キランッ★

レ級(あいつらに攻撃のチャンスさえ与えないなんて、あの時と立場が真逆だね~)

カ級(……いい気味)

21周目提督「ふぅ……大丈夫?」

イ級「……うぅ」

21周目提督「酷い怪我……早く治さないと!」

カ級(……深海棲艦は不死身だけどね)

21周目提督「僕が鎮守府まで連れて行くよ!ほら、捕まって?」

イ級「……っ」ギュッ

21周目提督「よーうし!いっそげええええええええええええええっ!」ビシュウウウウウン!ズダダダダダ!

イ級「~っ!?」

ヲ級「行っちゃった……私達も行かないと……!」バシャバシャ

レ級「あ、イ級が提督君の速さについていけなくて宙ぶらりんになってる」バシャバシャ

カ級(……ふ、不死身だから大丈夫、うん)バシャバシャ

21周目提督『強くなった僕の前には、あのヲ級お姉ちゃん達は敵では無かったんだ!』

21周目提督『そしてイ級を保護した後は鎮守府に戻って、すぐにバケツをかけてあげたんだ』

――

24周目提督「……これが21周目提督君が飼っているイ級との出会いだったんですね」

33周目提督「そんなことがあったんだ」

10周目提督「だから21周目提督君に懐いてたんだね」

――

実家鎮守府

21周目提督「えいっ!」つバケツ バシャー!

イ級(……傷が治ってる)キラキラ…

21周目提督「これで大丈夫なはずだけど……どこか痛いところはない?」

イ級「………」フルフル

21周目提督「良かったぁ……これで一安心だね」ニコッ

イ級「……ねぇ」

21周目提督「何かな?」

イ級「どうして……僕を助けたの?」

21周目提督「え?」

イ級「僕のことなんて……放っておいても、良かったのに」

21周目提督「そんなことないよ!今にも死にそうだったでしょ!」

イ級「いや、深海棲艦は不死身だから……」

21周目提督「そんなの関係ないよ。例え不死身でも、痛みだって感じるし……悲しみだってあるんだから」

イ級「……でも、僕は君の敵」

21周目提督「敵……?」

イ級「人間や艦娘と深海棲艦は……敵同士。敵である僕を助けたところで、君に何のメリットも……」

21周目提督「う~ん……」

イ級「………」

21周目提督「……助けたかったから、じゃダメかな?」

イ級「え……?」

21周目提督「だって、さっきの君は……凄く辛そうな目をしてたから」

21周目提督「それで、あんな酷いお姉ちゃん達に怖い思いをさせられるくらいなら……僕が助けて、一緒にいてあげたいって」

21周目提督「そう思ったからじゃ……いけない、かな?」

イ級「………」

イ級「……っ」ジワッ

21周目提督「……!」

イ級「……怖、かった」ギュッ

21周目提督「………」

イ級「あいつらは……僕を、捨て駒としか……考えてなくて……!」ポロポロ

21周目提督「……うん」

イ級「いつも……囮として……攻撃、され続けて……!」ポロポロ

21周目提督「……うん」ナデ…

イ級「痛くて、悲しくて……それで、捨てられる時は……」ポロポロ

イ級「野良深海棲艦として……他の奴ら、から……また、的にされるって思ったら……すっごく、怖くて……っ!」ポロポロ

21周目提督「……うん」ナデナデ

イ級「ぐしゅっ……ひっく……うぅっ……!」ポロポロ

21周目提督「……もう大丈夫。僕が守るから……絶対、そんな目に遭わせたりしないから……ね?」ナデナデ

イ級「えぐっ……うあぁっ……!」ポロポロ

バタンッ!

見守る会「提督君っ!」

21周目提督「……!」クルッ

ヲ級「はぁはぁ……提督君、早すぎ……」

レ級「1人だけ先に行っちゃうんだもん!追いかけるのに苦労したよ~」

イ級「ヒッ……!」ビクッ

21周目提督「え?」

イ級「……っ」ガクガク

カ級「……そのイ級、もう大丈夫?」

イ級「や、やだ……!」ガクガク

21周目提督「……!」

21周目提督(もしかして……)

21周目提督「……うん。イ級はもう、バケツをかけたから大丈夫だよ」

ヲ級「……良かった」

21周目提督「だけど……まだ、心の傷は残ってるみたい」

イ級「……っ」ガクガク

レ級「……あー、確かにね。あんな扱い受けてたんじゃ、私達のような深海棲艦のことがトラウマにもなるか……」

カ級「同時に、艦娘達もね」

21周目提督「………」ナデナデ

イ級「……っ」ガクガク

ヲ級「……少しずつ、乗り越えていくしかないね」

レ級「だね。それまでは……提督君」

21周目提督「どうしたの?」

カ級「……この子の傍にいてあげて。きっと、この子は……提督君しか、安心出来る存在がいないから……」

21周目提督「……もちろんだよ。助けてあげたからには、責任を持って……イ級を守ってあげないとね!」ニコッ

イ級「………」

21周目提督『そして僕は、提督になる為の勉強や戦闘訓練を続けながら……ずっとイ級と一緒にいてあげた』

21周目提督『最初は見守る会のお姉ちゃん達のことも怖がってばかりで、僕の傍を離れられなかったんだけど……』

21周目提督『僕が特別学校に入学する頃には、まだぎこちないけど……見守る会のお姉ちゃん達とも話せるようになって……』

21周目提督『僕がずっと隣にいなくても、何とか過ごせるようになったんだ。僕は別にイ級と一緒でも困らないんだけど……』

21周目提督『……特別学校には、イ級を連れて行ってあげることは出来なかったんだ』

21周目提督(8)「……いよいよ今日だね」

提督「あぁ。勉強、よく頑張ったな」ナデナデ

戦艦棲姫「提督なら大丈夫。勉強だって得意だし、入学してからも授業に楽勝でついていけるわ」ナデナデ

21周目提督「そうかな?えへへ~♪」

ヲ級「……体に気をつけてね?」

レ級「大っぴらには会えないけど、こっそり様子を見に行くからね~♪」

21周目提督「うんっ!寮の部屋も海が見える所だし、来てくれたら歓迎するね!」

カ級「……ありがとう」ニコッ

瑞鳳「てー君。学校で暴れちゃダメだよ?」

21周目提督「大丈夫だってば!いっぱい訓練したもん!」

那珂「いや、でもたまに回転が止まらなくなって……」

21周目提督「あうっ」

鳥海「ふふっ……応援してますから、ね?」ニコッ

木曾「21周目提督なら心配ないさ。提督はもちろん、俺達で育て上げた立派な男だからな」ナデナデ

21周目提督「うんっ!」

イ級「………」

21周目提督「……ごめんね?でも、部屋に深海棲艦がいると……大騒ぎになっちゃうから」ナデナデ

21周目提督「本当は、君も一緒に連れて行ってあげたいんだけど……」ナデナデ

イ級「……大丈夫。僕、待てるから……」

21周目提督「……!」

イ級「まだ、提督以外の人は怖いけど……でも、何とか頑張るから……!」

21周目提督「……ありがとう。卒業したら、僕が着任する鎮守府に連れて行ってあげるからね?」ナデナデ

イ級「……うん」

21周目提督「……あっ、もうすぐ入学式が始まる時間だ!じゃあ、そろそろ行くね?」

提督「おう。頑張って来いよ?」

戦艦棲姫「お父さんに負けない、立派な提督になってきなさい!」

ヲ級「自主練は怠っちゃダメだよ?」

レ級「夜中に模擬実習しに行くからねー!」

カ級「………」ノシ

瑞鳳「勉強ばかりじゃなくて、ちゃんとお休みも取ってねー!」

那珂「学食のご飯食べ過ぎちゃダメだよー!」

鳥海「提督君なら、きっと出来ます!」

木曾「しっかりやって来い!」

21周目提督「うんっ!皆、行って来まーす!」バシュウウウウウウン!ズダダダダダ!

提督「……行っちゃったな」

戦艦棲姫「……自分の子供が、敵対組織に行くなんて……複雑な気持ちね」

提督「今更何言ってんだ。お前はもう、俺達の仲間じゃないか」

戦艦棲姫「ふふっ、冗談よ♪私だって、提督が貴方と同じ道を歩むことになって……嬉しいもの」ニコッ

提督「……あいつなら、きっと凄い提督になる。俺はそう信じてるさ」

ヲ級「艦娘達よりも強くて」

レ級「執務だけじゃなくて戦闘もこなす」

カ級「化け物提督?」

提督「いやそういう意味じゃ……そういう意味になるか。提督だもんな!」

全員「あはははは!」

――

21周目提督『こうして、僕は晴れて特別学校に入学して……』

17周目提督「……凄かった、です……///」モジモジ

22周目提督「21周目提督君も、中々凄い人生を歩んできたんだね……」

7周目提督(でも他のもっと凄い経歴の提督を知ってからだと、これでもマシに思えるから困るんだよなぁ)

シーン…

8周目提督「……ん?」

38周目提督「どうしたんですか?」

8周目提督「いや、21周目提督のナレーションが途絶えたきり、話が進まないと思ってな」

29周目提督「……そういえば、続きが始まらないな」

28周目提督「どうしたんだろう?マシントラブルかな……?」

プシューッ!

歴代提督(一部除く)「!?」

21周目提督「2年の学習期間を終えた後、21周目鎮守府に着任することになったのでしたー!」ピョンッ!

歴代提督(一部除く)「うわぁっ!?に、21周目提督(君)!?」

レ級「私達もいまーす!」ピョンッ!

ヲ級「……こんにちは」

歴代提督(一部除く)「ヲ級(さん)にレ級(さん)も!?」

33周目提督(舞台下で待機してたんだね)←驚いてない人

15周目提督「なるほど、舞台の下はこうなっておったのか」←同上

9周目提督(気配がするとは思ってたけど、ずっと隠れてたんだ)←同上

21周目提督「どうだった~?3周目鎮守府が作った特大リアル3D立体音響タイムテレビの映像は!」

36周目提督「……やっぱり3周目鎮守府が作ったんだね、このテレビ」

ヲ級「……リハーサル上映の時は、私達も心臓が飛び出そうになったっけ」

レ級「部屋全体が映像内の光景になって、触れないことを覗けば本物みたいな立体映像が周りで動き出すんだもん!凄すぎるよね!」

37周目提督「おう!すっげーよな!何かヤバかった!」キラキラ

35周目提督(37周目提督君、多分意味が分かってないんだろうなぁ……)

6周目提督「うん!一緒に踊りたくなっちゃったよ~♪えいやぁって!」

ヲ級「……やっぱり可愛い///」ホッコリ

レ級「あー6周目提督君癒されるわぁー///」ホッコリ

5周目提督「ははっ、相変わらずだな~。今回の招待状は、これを見せる為だったのか」

レ級「うんっ!この前、私達見守る会の誕生秘話を語った時に時間の関係で言えなかった……」

ヲ級「21周目提督君の子育てエピソードを、改めて話そうと思って」

21周目提督「それで皆に内緒で準備したんだよ~?」

2周目提督「……それがこの大迫力の映画上映か」

12周目提督「一体、どうやって作ったの……?」

レ級「えっとね~、まずシアター改造やタイムテレビの提供が3周目鎮守府の明石達でしょ?」

ヲ級「創作映画の監督・演出・編集・構成は全部私達が受け持って……」

21周目提督「ナレーションが僕!」

26周目提督「よくそんなメンドーなことしようと思ったな……」

ヲ級「だって、誕生秘話を話した時に……この話を聞きたがってた子がいたから」

レ級「それなら全力でご要望にお応えしようと思いまして!」

1・4・6・10・12・17・18・32・34周目提督「……!」パァッ

19周目提督(心当たりある奴らが見るからに嬉しそうな顔してるな)

21周目提督「えへへ~♪頑張っちゃった!」

39周目提督「にしても、幼き頃から戦闘訓練に励んでいたのでござるな……」

21周目提督「うんっ!強くなりたかったからね!」

23周目提督「そういえば、今も訓練を続けていなかったか?」

21周目提督「もちろんだよ!油断すると体が鈍っちゃうからね、トレーニングは怠らないようにしてるよ?」

1周目提督「じゃあ、もしかして……21周目提督君は今も強く……」

レ級「ご名答♪21周目提督君が初めて鎮守府に着任した時より、今の方が強くなってるんだよね~」

ヲ級「……ちなみに私達も」

11周目提督「おいおいマジかよ」

13周目提督「どれくらい強くなったの~?」

レ級「うんとねー、簡単な比率で言えば……訓練開始時の21周目提督君の強さが1だとするでしょ?」

レ級「それが21周目鎮守府着任時が100、今は……多分500くらいまで成長したんじゃないかな?」

14周目提督「」アゼン

31周目提督(……死に物狂いで訓練しても、僕じゃ絶対追いつけないだろうな……)

ヲ級「私達は最初が1だとすると……今は350くらい?」

32周目提督「つ、強い人の集まりだー!?」

レ級「あ、でも私達の比率と21周目提督君の比率は数字が同じでも強さは違うよ?」

ヲ級「深海棲艦の基準と、21周目提督君の基準なら……後者の方が1000倍は強いかな」

37周目提督「???」ポリポリ

30周目提督「えっとね?21周目提督君もヲ級お姉ちゃん達もすっごく強いってことだよ!」

37周目提督「おぉっ!そうなのか!?すっげええええええええええ!!」キラキラ

レ級「また見たいリクエストがあったらどんどん言ってねー!」

ヲ級「何でも作るから、ね?」

1・4・6・10・12・17・18・32・34周目提督「本当!?」ニパッ

ヲ級「ぐふっ……い、一気に9人の笑顔は破壊力が……///」

レ級「ごふっ……み、右に同じく……///」

1周目提督「えっと、じゃあ……」

4周目提督(ほ、他にみたいのは……えっと……)

6周目提督「えっとね~?どうしようかなぁ~?」ニコニコ

10周目提督(これ、単に普通の映画を見ても凄いことになりそう……!)

12周目提督「う~ん……急に言われると……」

17周目提督「……///」モジモジ

18周目提督「21周目提督君の子育てがOKなら、他は……」

32周目提督(……三隈姉さん達には言えない。絶対に俺の子供の頃の映像を流してとか言うに決まってるもん!)

34周目提督「………」⊃⊃⊃ アセアセ

ヲ級「ふびゅっ!?///」鼻血ブシャー!

レ級「ごはぁっ!?///」吐血

1・4・6・10・12・18・32周目提督「わああああああっ!?だ、大丈夫~!?」

17・34周目提督「……!?」オロオロ

ヲ級(か、可愛い男の子達が笑顔や困り顔で慌てたり喜ぶ姿……///)ドクドク

レ級(あぁっ……し、幸せ過ぎて死にそう……///)プルプル

21周目提督「わっ!大丈夫?ちょっと待っててね!僕が鎮守府まで運ぶから!よいしょっと!」グイッ

21周目提督「えっと、ヲ級お姉ちゃん達を鎮守府に連れて行ったら、すぐに戻ってホールのお掃除するから!ちょっとだけ待ってて~!」ビシュウウウウン!

ヲ級「ふにゅぅ……///」プラプラ

レ級「うにゃぁ……///」プラプラ

33周目提督「……嬉しそうに引っ張られてるね」

5周目提督「相変わらず平常運転だな~」







ヲ級「こ、これにておしまぁ~い……///」プラプラ

レ級「私達の次回作にご期待下さぁ~い……あるかは分からないけど~……///」プラプラ

21周目提督「急げぇ~っ!」ズダダダダダダ!

長らくお待たせしてしまい、本当に申し訳ございませんでした!
小ネタを書く時間が中々取れず、いざ時間があってもスランプや他のことをしていたりで進みませんでした。
そして相変わらずの長い量ですみません。ですが何とか完成させることが出来ました。
21周目を確認したりで極力矛盾が出ないようにしました。お気に召さない内容でしたら申し訳ありません。

それでは本当に久々の小ネタ安価を取りたいと思います。ただ、次の完成も未定です。
必ず完成させますので、それまでお待ちいただけると幸いです。

小ネタ安価
↓1~↓5で反転コンマが最大の安価採用

19:00~19:30頃開始予定です。
途中で休憩を挟むと思います。

始めます。

87→78:かなり警戒しつつも……


ショタ提督「………」

愛宕「………」

……頭を下げて、傘を差しだしたまま……微動だにしない。

こいつは一体、何を考えて……

愛宕「………」

自分がずぶ濡れになっていても、私に傘を渡そうとしている。

そうまでして、私の油断を誘うつもりかしら。

ショタ提督「……お願い、します」

愛宕「………」

愛宕(……このまま睨んでいても、時間の無駄ね。早く視界から消えてほしいし)

愛宕「………」スッ

ショタ提督「……!」

愛宕「………」

結局、私が出した結論は……こいつを遠ざけること。

後で恩着せがましく言われたら……言い返してやれば良い。

ショタ提督「……ありがとうございます。受け取ってくれて……」

愛宕「………」

ショタ提督「……では、僕はこれで……」

ショタ提督(……傘を受け取ってもらえた。少し……ほんの少しだけ、警戒を解いてくれたのかな)スタスタ…

愛宕「……はぁ」

愛宕(やっと出て行ったわね。全く……傘を受け取らなかったら、いつまでいたのかしら)

傘の外を激しく振り続ける雨を眺めながら、少しだけ考えてみる。

やはり私に貸しを作る目的……それとも……

愛宕「……っ!」フルフル

愛宕(油断してはダメ。そう思って……今まで、何度も……っ!)ギリッ…!



愛宕の信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

5×1.5=7.5
1.5+7.5=9/50


ショタ提督「………」つタオル フキフキ

妖精「……大丈夫?」

ショタ提督「うん。これくらい……へくちっ」

妖精「そのままじゃ風邪引いちゃう!早くお風呂に……!」

ショタ提督「ううん。これくらいなら、しばらくすれば乾くよ」

妖精「でも……」

ショタ提督「……ダメだよ。例え男湯の時間に入ったとしても……」

ショタ提督「万が一、皆が勘違いして入って来たら……」

妖精「……確かに、今の皆なら間違いなく『浴室に覗きに来た変態』だと受け取っちゃうだろうけど……」

ショタ提督「それに、皆は今までずっと……辛い思いをしてきてるんだ」

ショタ提督「これくらいで、僕が参っていたら……皆を救えない」

妖精「………」

ショタ提督「……ありがとう、心配してくれて。でも、僕なら大丈夫だから」ニコッ

妖精「……提督」

妖精(……私も、この子を見習わないと。この子は、本気で皆を助けたいんだ……なら、私だって……!)



愛宕「………」

高雄「あら?お帰……その傘、どうしたの?」

愛宕「……あいつに無理やり持たされて」

高雄「えっ!?雨が降ってきたとは思ったけど……あいつ、屋上まで来てたの!?」

高雄「何か嫌なことされなかった!?もしそうだったら今すぐ抗議しに……」

愛宕「ううん、大丈夫」

高雄「そうなの?なら良いけど……」

愛宕「………」

あいつの考えていることが分からない。

いきなり傘を渡してきたと思ったら、頭まで下げて……

愛宕(……変な奴ね)

仮に、私に嫌がらせをするつもりが無かったとしても……

こんなことぐらいで、アンタへの印象が変わるはずがない。

いや……変えない。絶対に……変えるものか。

愛宕(もう、騙されないんだから……!)ギリッ…!

1ヶ月目:下旬


ショタ提督「……いただきます」

妖精「……お弁当?」

ショタ提督「うん。お母さんに……はむっ」

妖精「でも、食堂は…………あっ」

ショタ提督「んくっ……そういうこと。鳳翔さん達に、僕の分のご飯を作ってもらうわけにはいかないから」

妖精「そこまで考えて……」

ショタ提督「もぐ……皆を助けたい。けれど、負担も最小限にしたい」

ショタ提督「そう考えて……僕が皆と過ごすのは、仕事時間中だけ」

ショタ提督「それ以外は、極力……皆にゆっくり休んでもらいたいから」

妖精「……本当に、長い時間をかけるつもりなんだね」

ショタ提督「うん。信用を失うのは簡単だけど、失った信用を取り戻すのは難しい」

ショタ提督「特に皆は、何度も信用しようとして……それを壊されてきた。裏切られてきた」

ショタ提督「それなら、元に戻すことも……絶対に急いではいけない」

妖精「………」

ショタ提督「もし、良ければ……ついてきて、くれるかな?」

妖精「……もちろんだよ。相棒同士だもんね?」

ショタ提督「……ありがとう」

妖精「………」

妖精(むしろ、ついていくしか……無いんだよね。頼みの綱は……もう、この子しかいないだろうから……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:0/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:9/50
↓3由良のコンマ 信頼値:0/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:0/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

夜ご飯食べてきます。20:45~21:30頃再開予定です。
妖精が実質もう1人の主人公ポジションになってしまいました。今後も提督と共に登場させていく予定です。

再開します。

ショタ提督「………」カキカキ

妖精「……何か手伝おうか?」

ショタ提督「大丈夫だよ。1人で片づけられる量でも、1日にこなすノルマには届いてるから」カキカキ

妖精「………」

妖精(本当なら、秘書艦にも手伝ってもらうことが前提の量なのに……)

ショタ提督「……今の皆に、僕のお手伝いはさせられないよ」

妖精「……うん、それは分かってる」

妖精(そう、理解はしてる。今までも、皆……ロクな奴が……)

ショタ提督「……ただ、ずっとこのままというわけじゃないよ」

妖精「え……?」

ショタ提督「さっきも言ったけど、信頼を取り戻すのは難しい。だけど……」

ショタ提督「少なくとも、僕を『提督』として扱ってくれるようになったら……少しずつ、皆との距離を近づけて行こうと思ってるんだ」

妖精「………」

ショタ提督「今の僕は、皆の反応を考えると……きっと『近寄りたくない奴』としか思われていない」

ショタ提督「だから、この距離感を間違えると……もう、僕のことを絶対に信用して……いや、違う」

ショタ提督「皆が心を、完全に……閉ざしてしまう」

妖精「……っ!」

ショタ提督「そうなってしまえば、きっと僕は……この鎮守府にいられなくなると思う」

妖精「………」

ショタ提督(だからこそ、慎重に行動しないといけない。この前の傘も、1歩間違えれば……僕が愛宕さんを監視していた、そんな誤解を与えてしまうことになりかねないから……)



愛宕の行動

直下

ショタ提督「………」カキカキ

妖精「……何もしないでいるのも時間がもったいないし、皆の様子を見て来るね?」

ショタ提督「……いつもありがとう」

妖精「気にしないで。私も貴方も目的は同じだもの。じゃ、行って来ます……」スッ


妖精「………」トテトテ

妖精(とは言ったものの、どこに行こうかな……とりあえず、今いる場所の近くで……)

「……さない?」

「……わね」

妖精「……?」

妖精(これは……高雄さん達の声?ドアが微妙に開いてるせいか、中の声が……)

愛宕「これ以上、ここに提督がいる状況が耐えられないもの」

摩耶「だよな。本当に気が休まる時がなくて参っちゃいそうだ……」

妖精「………」

鳥海「あの少年……『提督』を追い出すとなると、相応の手段が必要になりますよ?」

妖精「ッ!?」

妖精(お、追い出す……!?それって……!)

高雄「そうね……艦娘がただ不満を訴えるだけじゃ、上層部も全然取り合ってくれないし……」

摩耶「証拠も無いからな……クソっ!あいつ……ここに居座る気か……!?」

愛宕「それに多少のことをしでかしても、子供だから甘く見てもらえるかもしれないわ」

高雄「やりにくいわね……事件を捏造するのも難しいし……」

鳥海「何とかして、第三者が見ても『提督』が私達に何か悪いことをしている状況を作り上げられれば……」

妖精「……っ!」タタタッ

妖精(た、大変……!あの子に知らせないと……!)


ショタ提督「……そんなことがあったんだ」

妖精「はぁはぁ……ど、どうしよう!?あの目は本気だった!きっと皆は、貴方のことを……」

ショタ提督「………」

妖精「あっ、でもこの話は誰にも知られてないことになってるんだっけ……うぅ……」

妖精「私が勝手に聞いて、それを提督に伝えたことにしても……やっぱり、警戒されちゃうよね……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……これは想定内。『提督』のことを嫌っている皆なら……僕を追い出すことを、考えないわけがない)

ショタ提督(だからこそ、これは……かなり慎重に動かないと。少しでも判断を誤れば……きっと、皆との溝が深く……)



提督の行動

直下

妖精「……!そうか!その手があったんだ!」

ショタ提督「……でも」

妖精「……?」

ショタ提督「そんなことをしたら、まず間違いなく愛宕さん達に怪しまれる」

妖精「それは……」

ショタ提督「僕を追い出す計画をしていた時に、狙ったかのように視察担当者が来たとしたら……」

妖精「………」

ショタ提督「………」

妖精「……でも、そうするしかないよ」

ショタ提督「………」

妖精「ここで貴方が追い出されてしまえば、全てが手遅れになっちゃう」

妖精「私達だって、貴方が来てくれたことは……奇跡だと思ってる」

ショタ提督「……!」

妖精「それなのに、貴方がここを離れてしまったら……もう、取り返しがつかなくなるかもしれない」

妖精「それだけは絶対に避けたいの!怪しまれても、私が全力で責任を被れば……きっと何とかなる!」

ショタ提督「……妖精さん」

妖精「お願い……!貴方だけが頼りなの……!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……やるしかない、か)

ショタ提督「……うん、分かった」

妖精「……!」

ショタ提督「妖精さんに責任を押し付ける気は無いけれど……確かに、このまま僕が離れるわけにはいかない」

ショタ提督「少し……いや、かなり怪しまれるかもしれないけど……大本営に連絡してみるね?」

妖精「……ありがとう。そして、ごめんなさい……無理を言って」

ショタ提督「ううん、気にしないで」

妖精(皆を助けられるかもしれないのはこの子だけ……皆、ごめんね……でも、許して……!こうするしかないの……!)


反転コンマ判定:愛宕達の反応は?

01~49:案の定凄く怪しむが……
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:少し怪しむ
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:本当に偶然だと信じる
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

すみません!前半が少し抜けていました!


ショタ提督「………」

妖精「あぅ……」オロオロ

ショタ提督「……僕が追い出されなくなるようにするだけなら、何とかなるかもしれない」

妖精「……え?」

ショタ提督「僕達の力では無理でも……大本営の力を借りられれば……」

ショタ提督(憲兵さんに鎮守府調査の依頼をしたり、大本営全体で新任提督の定期査察をしてもらえば……)

――ここから↑の『妖精「その手があったんだ!」』に続きます

※このレスのコンマは無効でお願いします

66:決してあり得ないことではない


憲兵「……ふむ」ジー

愛宕「………」スタスタ

高雄「………」スタスタ

摩耶「………」スタスタ

鳥海「………」スタスタ

艦娘達「………」スタスタ

ショタ提督「……どうですか?」

憲兵「……出撃状況良し、指導能力良し、特に問題はありません」

ショタ提督「……ありがとうございます」

愛宕(……どうしてこんな時に視察官が来るのよ)

高雄(しかも定期的に来ることになるなんて……)

摩耶(何でこのタイミングなんだよ!クソがっ!)

鳥海(……偶然とは恐ろしいものです)

ショタ提督「………」

ショタ提督(少しだけ日をズラしたけど……露骨に怪しんでいる人はいなさそう、だね)

ショタ提督(……良かった。妖精さんは、万が一僕に疑いがかかったら自分のせいにすると言ってくれていたけど、それは何としても避けたかったから……)

憲兵「……ところで、艦娘達の暴動は大丈夫ですか?」

ショタ提督「暴動……」

憲兵「はい。既にご存知だとは思いますが、この鎮守府の艦娘は以前から……」

ショタ提督「……大丈夫です。少なくとも、今は」

憲兵「……そう、ですか。また来月お伺いしますが、何か問題があれば……すぐご連絡下さい」

ショタ提督「はい、ありがとうございます」ペコッ

愛宕「………」

愛宕(これであいつを追い出す計画は……ほぼ達成不可能になったわね)

憲兵がいる状況で不祥事を起こす『提督』なんてまずいない。

そんなことをすれば、すぐに更迭されてしまうからだ。その光景は今まで何度も見て来た。

愛宕(でも、それより……)

私達が事件を捏造することも不可能になってしまう。憲兵がいる限り、不自然な行動を起こせない。

だけど、これは偶然。あの会話は誰にも聞かれていないし、あいつはもちろん……妖精さんも不自然な動きは見せていない。

愛宕(……とことんついてないわね、私達)

しかし、裏を帰せば……憲兵が視察に来る限り、あいつも迂闊なことは出来なくなる。

そういう意味では、私達への安全が……ほんの少しだけ、保障されたのかもしれない。



愛宕の信頼値 コンマ一の位×2.0 上昇

直下

妖精「愛宕さんだけ飛び抜けてる……」

愛宕「凄く上がったわね~。どうしてかしら~?」

コマンダン・テスト「ショタ提督といえば貴女だからじゃないかしら?」

由良「………」←前回失恋したので少し焦る気持ちがある

加賀「………」←もう後がないが顔に出さないようにしている

ショタ提督(……ここでは普通なんだね、皆)


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:00~23:00頃開始予定です。
小ネタが完成しましたので、専用スレにて投下致します。
小ネタ安価は本編更新終了後に行う予定です。

始めます。
リザルトが長くなってしまったので、2回に分けて投下します。

9×2.0=18
9+18=27/50


43周目提督実家

ショタ提督「……ただいま」ガチャ

母「……おかえり。お疲れ様」

ショタ提督「ありがとう。よいしょっと……」ドサッ

母「その書類って、やっぱり……」

ショタ提督「うん。今日はもう鎮守府にはいられないから、ここで片づけようと思って」

ショタ提督(定時になったらすぐに家に戻る。ほとんどの提督なら、鎮守府に住み込みで働くだろうけど……)

母「……無理しちゃダメよ?」

ショタ提督「大丈夫。それに、皆の方がよっぽど辛い思いをしてるから……」

ショタ提督(僕はそうはいかない。皆は提督がいるだけで、苦痛になってしまう)

ショタ提督(皆の心を癒すには、負担は最小限に……となると、最低限の時間しか鎮守府にはいられない)

ショタ提督(だから、それ以降は家で仕事をするしかない。とは言っても、書類の処理くらいしか出来ないけど……)

母「………」

ショタ提督「……お母さんも」

母「……!」

ショタ提督「体調は大丈夫?どこか痛んだりしない?」

母「もうっ、何年前の話だと思ってるの?この通り、ピンピンしてるでしょ?」

ショタ提督「……そう、だね。だけど、少しでも具合が悪くなったら……すぐに言ってね?」

母「……ありがとう、提督」ナデナデ

ショタ提督「ん……」

母「………」

母(本当に、良い子ね……でも、私のあの時の言葉が……この子の重荷になっていたとしたら……)

愛宕「………」

あいつは……事あるごとに、私達に関わろうとする。

最初はどうせ、私達に暴言を吐いたり……

ストレス発散の為に、暴力を振るって来るかと思ったけれど……

高雄「……どうすればあいつを追い出せるのかしら」

摩耶「憲兵が来るとなると、あまり派手な動きは出来ないしな……」

鳥海「裏を返せば、向こうからもあまり変なことをしづらくなるということでも……」

愛宕「………」

愛宕(一体、どうして……)

着任してからも、あいつはこちらに嫌がらせをするような素振りを見せない。

何かを企んでいるようにも見えない。

いや、裏で黒い考えを持っているかもしれない。

愛宕(……けど、やっぱり……表面上は……)

高雄「……愛宕?」

愛宕「……え?」

摩耶「どうしたんだよ。さっきから難しそうな顔して」

愛宕「あ……その、あいつのことを考えて……」

鳥海「まさか、何かされたんですか!?」

愛宕「いや、そういうわけじゃ……ない、けど……」

高雄「なら良いけど、変なことされたらすぐに言うのよ?」

愛宕「……えぇ」

……本当に、何なのよ。

あいつは何がしたいのよ。私達を……いや、私を惑わせて……

混乱したところで、本性を見せるつもりかしら……

愛宕(……それとも、いや、そんなわけ……)フルフル

甘い考えを思い浮かべそうになり、頭を振る。

騙されちゃダメ。これまで、何度も……何度も何度も、何度も裏切られてきたじゃない。

愛宕「………」

愛宕(そう。提督なんて、皆……)

酷い奴。最低な奴。実際、そんな奴らばかりだった。

でも、あいつは……

愛宕「……っ」

愛宕(だから、甘い考えは捨てなきゃ……捨てなきゃ、ダメ……!)



1ヶ月目までの評価

加賀:0/50『……目障りだわ』
愛宕:27/50『……本当に、変な子ね』
由良:0/50『……早く、いなくならないかな』
コマンダン・テスト:0/50『もう、信用しませんから……!』

――愛宕の警戒心が少し和らぎました。

2ヶ月目:上旬


ショタ提督「………」ペラッペラッ

妖精「……何してるの?」

ショタ提督「先月分のお給料が、どれだけ入ったのか調べてるんだ」

ショタ提督「それによっては、資材追加を申請するか……出撃や演習を重視するか、今後の方針が変わるからね」

妖精「なるほど……仕事熱心だね。今までの奴らとは大違いだよ」

ショタ提督「ううん、そんなことないよ。提督なら、やって当たり前のことをしているだけで……」

タタタ…!

ショタ提督「……え?」チラッ

大淀「……ッ!」バッ

ショタ提督「わっ!?」パタッ

妖精「お、大淀さん!?」

大淀「……どういうつもりですか」ギロリ

ショタ提督「えっと、どうし…………っ!」

ショタ提督(そうか!大淀さんは、きっと……“あのこと”を……!)

大淀「……まさか、勝手に鎮守府のお金を」

ショタ提督「……違います。僕はただ、収入を確認して今後の方針を……」

大淀「余計なことをしないで下さい」キッ

ショタ提督「………」

妖精「お、大淀さん!この子はそういうつもりじゃ……」

大淀「……万が一、不審なお金の動きがあった場合……相応の抵抗をさせていただいますから」スタスタ…

ショタ提督「……はい、分かりました」

妖精「……提督」

ショタ提督「良いんだ。僕なら大丈夫……それより、後で改めて大淀さんに謝りに行かないと……」

妖精「………」

妖精(どうして……どうして、前の奴らが酷かったからって……提督まで、こんな……)

妖精(だけど、皆の気持ちも痛いほど分かるだけに……本当に、どうすれば良いか……分からないよ……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:0/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:27/50
↓3由良のコンマ 信頼値:0/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:0/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

妖精「……はぁ」

ショタ提督「……大丈夫?」

妖精「何とか……いや、私の心配してる場合じゃないでしょ!」

ショタ提督「……そう、だね。皆のことを……」

妖精「じゃなくて!提督だよ、提督っ!」

ショタ提督「え?」

妖精「毎日、ずっと殺意の籠った視線を突きつけられて……それに、刺々しい言葉も浴びせられて……」

妖精「私だったら、途中で職場に行きたくなくなっちゃいそうなレベルだもん……」

ショタ提督「………」

妖精「なのに、ずっと皆のことばかり考えて……本当に、申し訳ないよ……」

妖精「相変わらず、皆は提督に心を開いてくれないし……」

ショタ提督「………」

妖精「でも、ずっと見て来た私達にとっては……皆が提督を信頼出来なくなるのも、理解出来る。理解、出来てしまう……」

妖精「目の前で、皆の為に頑張ってくれている人がいるのに……でも、皆はその誠意を信じられなくて……」

ショタ提督「……妖精さん」

妖精「……ごめん。こんなこと言ってたって、何も解決しないよね」

ショタ提督「ううん、愚痴を言うのも大事なことだよ。心の靄を取り除かないと、どんどん締め付けていっちゃうから……」

ショタ提督「僕で良ければ、いつでも聞くよ。大丈夫、何でも話してね?」ニコッ

妖精「……提督」

妖精(うぅ、良い子過ぎる……この子なら、本当に……皆を……)



由良の行動

直下

ショタ提督「………」チラッ

妖精「……どうしたの?」

ショタ提督「いや、後もう少しで出撃組が帰って来ると思って」

妖精「あ……由良さん達の……」

ショタ提督「うん。さっき無線で連絡を聞いた時は、このままのペースで大丈夫だって」

妖精「………」

ショタ提督「……妖精さん?」

妖精「いや、ね……あの状況で、よく提督の指示を聞いてくれてるなって……」

ショタ提督「うん。皆、演習や出撃の時は指示通りに動いてくれるんだ」

妖精「でも、嫌々だったり?」

ショタ提督「……そう、だね。憎しみの籠った目をしてたから、きっと……」

妖精「はぁ……やっぱり」

妖精(でも、一応でも指示を聞いてるなら、ピンチになることは無さそう……)

ピーッ! ピーッ!

妖精「きゃっ!?」

ショタ提督「っ!?無線だ!もしもし、こちら43周目提督です!」ピッ

『っぐ……こちら、由良……!』

ショタ提督「由良さん!?どうしたんですか!?」

『はぁっ……深部まで進んだら、敵に囲まれて……っ!?』

妖精「!?」

ショタ提督「えぇっ!?指示では確か、中部海域で撤退をお願いしたはずでは……!?」

『っあ!?な、長門さん!至急、支援艦隊を……お願い、しま……うあっ――』ツー ツー

ショタ提督「っ!?もしもし!?由良さん!?もしもし!?」

妖精「ど、どうしよう!?まさかこんな緊急事態になるなんて!?」

ショタ提督「……っ!」

ショタ提督(焦るのはダメだ!ここでの判断ミスが、皆の死に繋がる……!)

ショタ提督(どうする!?今、動ける皆に出撃してもらうか……他の鎮守府に応援を頼むか……早く決めないと……!)



提督の行動

直下

ショタ提督(……いや、こちらのミスで余所に迷惑をかけるわけにはいかない!)

ショタ提督(僕達で何とかしないと……!)

ショタ提督「……っ!」カチッ

妖精(館内放送スイッチ……もしかして……!)

ショタ提督「緊急放送!ただいま無線により、出撃艦隊が指定海域深部で敵の襲撃に遭っているとの連絡が入りました!」

ショタ提督「これより至急支援艦隊を組み、出撃艦隊の救護に向かいます!」

ショタ提督「現在、出撃可能な皆さんは、どうか艤装を装備して波止場に集合して下さい!可能なら、全員集まって下さい!」

ショタ提督「どうか、お願いします……!」ピッ

妖精「き、来てくれるかな!?いや来てくれないとまずいんだけど!」

ショタ提督「……皆を、信じるしか……!とにかく、僕も波止場に……!」ダッ

妖精「待って!私も行く!」


波止場

ショタ提督「はぁはぁ……!」タタタ…!

妖精「最低でも、艦隊を組める6人さえいてくれれば……!」

ショタ提督「うん、せめて6人いれば……あっ……!」

妖精「……!」

大和「………」

長門「………」

妙高「………」

羽黒「………」

吹雪「………」

綾波「………」

妖精(いた……!ギリギリだけど……)

ショタ提督(良かった……6人、いてくれた……!)

ショタ提督(これで支援艦隊を出せる……由良さん達を、助けられる……っ!)

大和「……急に呼び出して、どういうつもりですか」

ショタ提督「事情は放送で言った通りです!どうか、出撃艦隊を……!」

長門「……どうせ、お前の誤指示だろう?」ギロッ

綾波「………」ギロリ

ショタ提督「………」

妖精「違うよ!由良さん達が命令を無視して……」

妙高「……信用出来ません」

妖精「どうして……!」

吹雪「今までずっと、『提督』のせいでピンチになってきたじゃないですか……」キッ

羽黒「それで私達の命令無視、ですか?もう少しマシな嘘をついて下さい」ギロッ

妖精「そんな……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(やっぱり、疑心暗鬼になってるか……でも、今はそんなこと言ってる場合じゃない……!)

ショタ提督「……お願いします!」ガバッ!

大和達「……!」

妖精「っ!?」

妖精(ど、土下座……!?)

ショタ提督「後でどのような処分も受けます!ですから、どうか……今だけは、出撃艦隊を……由良さん達を、助けて下さい……!」

大和「……無様ですね。地面に頭をつけるだなんて」

ショタ提督「………」

長門「……仕方ない。こいつのミスが原因で、大事な仲間を失うわけにはいかないからな」

妙高「……そう、ですね。行きましょうか、仲間を助けに……」

ショタ提督「……ありがとう、ございます……っ!」

綾波「ですが、帰還後……覚悟していて下さいね?」

羽黒「もし、私達や仲間が沈むようなことがあれば……本当に、ここから追い出しますから……!」ギロッ

妖精「……っ!」

ショタ提督「………」

長門「……行くぞ!」

大和達「はいっ!」

バシャバシャ…

ショタ提督「……っはぁ!良かった……!本当に……!」

妖精「良くないよ!どうして、そこまで……土下座なんて……」

ショタ提督「……命令無視も、元を辿れば……僕が皆の信頼を得られていないからだよ」

ショタ提督「だから、僕が責任を取らないといけない。本当は、土下座では済まされないくらいのことだけど……」

妖精「……っ」

妖精(提督……貴方は、本当に……)


反転コンマ判定:由良達の状態は?

01~49:全員大破
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:由良組大破、大和組中破
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:由良組大破&中破、大和組小破&無傷
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

※今回以降、1番下に『直下』等が書かれていなかった場合、何レスかに分けて投下すると考えていただければ幸いです。

85→58:しっかり育てた強い艦隊で何とか勝てるレベル


ショタ提督「……っ!」

妖精「………」

妖精(ずっと祈ってる……確かに、由良さん達のことは心配だけど……)

妖精(でも……提督は悪くない。それなのに、土下座までするなんて……)

バシャバシャ…

ショタ提督「あ……!」

妖精「……帰って来た、みたい」

由良達「………」大破

大和達「………」中破

ショタ提督「……無事に帰って来て下さり、本当にありがとうございます……!」

大和「………」ギロリ

長門「……私達でさえ、かなり苦戦した」

妙高「この意味が……分かりますよね?」キッ

ショタ提督「……はい。僕が正確な指示を出せていなかったからです」

妖精「っ!」ズキッ

羽黒「もう少し遅ければ、私達……皆……!」

吹雪「もしそんなことになれば、どう責任を……!」

ショタ提督「……申し訳、ござ――」

由良「……待って」

ショタ提督「――え?」

阿武隈「……今回は、その……私達が、原因……だから」

ショタ提督「……!」

妖精「あ……!」

大和「……どういうことですか?」

加古「だから、その……私達が、勝手に判断したせいで……」

長門「勝手に、判断……?」

熊野「えぇ。あんな奴の指示に従わなくても、こんな敵なら倒せるだろう……と、過信してしまって……」

綾波(……まさか、本当に……命令、無視……!?)

吹雪(こいつに無茶な指示を出されたわけじゃなくて……自主的に……?)

扶桑「……悪いのは、私達です」

山城「今回のことについては……こいつに責任は無いわ。あくまでも、私達が勝手に……」

大和「……そうなんですか?」

ショタ提督「………」

妖精「そ、そう!だから提督は悪くなくて……!」

長門「君に聞いているんじゃない。こいつに問いかけているんだ」

妖精「……っ」

ショタ提督「……確かに、由良さん達が僕の指示した内容以外の行動を取ったのは事実です」

由良達「……っ」

ショタ提督「ですが、そのようなことになってしまったのは……僕がしっかり、敵の危険性や撤退する必要性を教えていなかったせいです」

由良達「!!」

妙高「………」

ショタ提督「今回の件は、僕の責任です。どんな罰やペナルティでも受け入れます」

大和達「………」

由良達「………」

由良(何で……こんなことをした、私達を……)

どうして、庇うの……?私達が、勝手に自己判断して……

無茶をしたから、悪いのは全面的に……こっちなのに……

それどころか、まるで自分が全て悪いような言い方を……

妖精「………」

妖精(提督……)


由良の信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
それでは小ネタ安価を取って終了したいと思います。

小ネタ安価
↓1~↓5で反転コンマが最大の安価採用

ちょっと前に>>1がネタに詰まったら新スレやるかもって言ってたけど何するんだろ?
このスレはまだまだ続いてほしいがそれとは別に気になる

22:00~23:00頃開始予定です。

>>361
今の所はまだ未定です。
ただ、現在のような鎮守府が舞台の話はもちろん、何か他の形式の話(所謂現パロ?)も候補に入るかもしれません。

始めます。

7×1.5=10.5/50


ショタ提督「………」

妖精「………」ドキドキ

長門「………」

本当なら、こいつのミスを理由に鎮守府から出て行って……いや、それは無理だとしても……

何かしらの罰を与え、ここから離れる可能性を僅かにでも上げようと思っていた。

大和「………」

だけど、由良さん達の話を聞いて判断するとしたら……今回は、全面的に出撃組に非があることになる。

もちろん、全指揮を担うこいつに責任が無いことにはならない。

ならない、けど……こればっかりは……

長門「……今回の件は、主に出撃組の命令無視が原因だ」

大和「はい……なので、貴方への責任追及は不問にします」

ショタ提督「……!」

妖精「……!」パァッ

由良達(……長門さん、大和さん)

長門「ただし、これだけは忘れるな」

ショタ提督「………」

大和「もし、今回の事故が貴方の不注意や、誤指示により引き起こされたものだとしたら……」

妙高「………」ギロリ

羽黒「………」ギロリ

ショタ提督「……本当に、申し訳ございませんでした。以後、このようなことは起こさないよう、全力を尽くします」

ショタ提督「そして、今回の件につきましては……寛大な処置をして下さり、本当に……何とお礼を言えば良いか、分かりません」

綾波「………」

吹雪「………」

長門「……私達からはこれだけだ」

大和「……早く視界から消えて下さい」

ショタ提督「……本当に、ありがとうございました……!」スタスタ…

妖精「あっ、ま、待って……!」タタタ…!

由良「………」

今まで、あそこまでまともな……いや、模範的な態度を取った提督はいなかった。

しかも、今回は……私達の、命令無視によって引き起こされた、事故……

もしかして、こいつは……“あいつ”や、他の奴らとは――

由良「――っ!」フルフル

由良(いけない……心を許したら、また……っ!)

確かに、今回のことは私達に非がある。だけど……だとしても……

あいつが私達を騙す為に、一時的に猫を被っている可能性だって……

由良(……絶対に、信用しちゃダメ。むしろ、隙を作らないようにしないと……)

『提督』に貸しを作ってしまえば最後。そのことを引き合いに出され……ずっと言いなりにされる。

どうせ、こいつも……“あいつ”らと同じ。特に、“あいつ”……同じじゃないわけが、ない……!

だからこそ、今回のような事故は……失敗だ。それも、最悪に近い……

由良(……2度と、こんなことが無いようにしないと。弱みを握られるような失態は、絶対に避けないと……!)

2ヶ月目:中旬


いつもの喫茶店

23周目提督「……なるほど。そんなことが……」

ショタ提督「……はい」

14周目提督「俺も人のことは言えないけど、それでも……最低だとは思う」

5周目提督「だよなぁ。俺からすれば考えられないぞ、そんなこと!」

19周目提督「おいおい、スケベで変態な俺でもそこまでしないぞ!?鎮守府の金使うとか普通に横領じゃんか!」

ショタ提督「………」

15周目提督「うぅむ、原因は“そいつ”だとしても……更に“その元凶”も、また難儀な性格じゃのう」

4周目提督「………」

4周目提督(もしかして、その人って……昔、話で聞いたような……)

9周目提督「昔の人……いや、家柄が厳格な所ほど、そういう傾向は強いだろうけど……だとしても、ね……」

11周目提督「そういや、こーゆー奴ってストレスや嫌なことから逃れようと何かに依存する傾向があるらしいな。代表例が酒だっけか」

ショタ提督「………」

2周目提督「……何も、全てを背負い込むことはないからな?」

ショタ提督「……え?」

20周目提督「そうだよ、43周目提督君。辛い時は、いつでも僕達に相談してね?」

8周目提督「愚痴を言うだけでも、幾分かは気分転換になるはずだ」

ショタ提督「いえ、そんな……」

16周目提督(……この時代でも、未来でも……やっぱり家庭環境に問題がある所は中々減らない、か)

ショタ提督「むしろ、ごめんなさい……こんな、僕の話ばかり聞いてもらっちゃって」

7周目提督「気にすんなよ!友達じゃんか!」ポンポン

18周目提督「そうそう!困った時は、いつでも言ってね?出来る限り力になるから!」

ショタ提督「……ありがとう、皆」

妖精「………」

妖精(ここの子達の鎮守府の皆は……良い提督に恵まれたんだ……)

妖精(でも、私達の所は……この子が来てくれる前まで……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:0/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:27/50
↓3由良のコンマ 信頼値:10.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:0/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

妖精「……あの子達は、良き提督として頑張ってるみたいだね」

ショタ提督「うん。でも……良い提督ばかりが着任するとは限らないのが、中々辛いところだよね」

妖精「……ここ、みたいに?」

ショタ提督「………」コクリ

妖精「………」

ショタ提督「……でも、大丈夫」

妖精「……!」

ショタ提督「僕が絶対に、皆の心を……救ってみせる」

ショタ提督「皆が負ってしまった、心の傷は……必ず、癒してみせるから……!」

妖精「……提督」

ショタ提督「………」

妖精「……ごめんね、苦労をかけちゃって」

ショタ提督「良いんだよ。むしろ、ありがとう。僕に協力してくれるだけでも、凄く嬉しいよ」ニコッ

妖精「……うん」

妖精(……2人、いや、私達と貴方なら……乗り越えられる。少なくとも、私は……そう、信じてる……!)



加賀の行動

直下

加賀「………」スタスタ…

加賀(まさか、長門さん達が……)

数日前の出撃で、出撃艦隊が危機的状況に陥ったらしい。

しかし、同じく出撃し、彼女らを助けた長門さんや大和さんが……

加賀(あいつの失態を、許す……だなんて……)

耳を疑った。あの厳格な2人が、あいつに情けをかけるだなんて……

最初は、あいつに何らかの方法で脅されたのかと思ったけれど……

加賀「………」

どうやら違うらしい。2人が言うには、出撃組が自ら命令を無視したことが原因らしい。

念の為、脅されてしまったのかを聞いてはみたけれど……出撃した娘達が、自ら発言したらしい。

加賀(……いや、それよりも……)

あいつは、出撃艦隊の失態を責めるどころか……自らのミスだと言い、罰を求めたのだという。

今までの『提督』なら、間違いなく私達を責めたはず……

加賀(……何を考えているのよ、私)

こんなことで思考を巡らせていたら、また同じ過ちを繰り返してしまう。

もう、決めたのだから……どんなことがあったとしても、あんな……人間の皮を被った、悪魔達のことなんて……

タタタ…!

加賀「……?」チラッ

烈風妖精「……っ!」タタタ…!

加賀(あれは……妖精?でも、今は建造も開発もしていないはず……)

烈風妖精「……!」スッ…

加賀「……っ」

加賀(執務室に、入った……?そういえば、あの子達は最近……あいつとよく話しているような……)

加賀「………」

烈風妖精「はぁはぁ……!」タタタ…!

妖精「烈風ちゃん!何かあったの?」

ショタ提督「……?君は、烈風の妖精さん……?」

烈風妖精「さっき、空母の部屋を見回ってたんだけど……物騒な会話が聞こえてきて……!」

妖精「ぶ、物騒……!?」

ショタ提督「………」

烈風妖精「確か、軽空母の…………ッ!」

ショタ提督「……どうしたの?」

烈風妖精「……扉の向こうから、加賀さんが覗いてる……」ヒソヒソ

ショタ提督「……!」


加賀「………」

加賀(もし、あいつがあの子達に変な真似をしたら……)

加賀(その時は、例え命令に背いたとしても……あの子達を守らないと……)ギロリ


妖精「……うっ、凄く睨んでる」ヒソヒソ

ショタ提督「……扉ということは、僕の真後ろだね?」ボソッ

烈風妖精「………」コクリ

妖精「どうする……?このまま、烈風ちゃんの話を聞くと……」ヒソヒソ

烈風妖精「私達の立場が悪くなるのは良い、けど……提督が、今まで以上に不審に思われちゃうのは……!」ヒソヒソ

ショタ提督「………」

ショタ提督(このまま話を聞けば、妖精さん達を通じて……多かれ少なかれ、皆の情報を得ていることを加賀さんが知ることになる)

ショタ提督(僕自身は、どう思われても良い。例え一層嫌われたとしても、皆が過去を乗り越えてくれるなら……それでも構わない)

ショタ提督(でも、妖精さん達はそうはいかない。僕のせいで、妖精さん達にまで良くない疑いがかけられてしまうのは……)

ショタ提督「………」

妖精(……やっぱり、凄く悩んでる)

烈風妖精(うぅ、これって私のせい……だよね。何とかしなきゃ……!)


反転コンマ判定:提督達が考えた方針は?

01~49:当たり障りのない内容で誤魔化す
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:あえて加賀に呼びかけ会話を試みる
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:包み隠さず話を聞く。ただし妖精がフォローしつつ
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

70→07:無難に


ショタ提督「………」

烈風妖精「……ごめん、提督。ここは……少しだけ、嘘をつかせて?」ヒソヒソ

ショタ提督「……え?」

烈風妖精「……えっとね!今月、軽空母の皆の出撃数が少ないかな~と思って!」

ショタ提督「……!」

妖精「……!」

ショタ提督(……そうか。嘘をつくって……)

妖精(そういうこと、なんだ……でも、今はこうするしか……ないよね)

ショタ提督「……ごめんね?出撃や演習の回数を考えると、どうしても正規空母の皆を優先させることになっちゃって」

妖精「……そういえば、駆逐艦と軽巡の皆のバランスも考えてくれてる?」

ショタ提督「……うん。もう1度改めて編成を考えるよ。忙しい中ありがとう、意見を言いに来てくれて」

烈風妖精「ううん、大丈夫大丈夫!」


加賀「………」

加賀(見る限り、あいつがあの子達を虐めたり……暴行する様子は無さそうね)

今まで、あの子達……妖精に手を出した奴はいない。

けれど、あの子達は……私達と違って、攻撃による防衛手段を持たない存在。

そんな彼女達が、例え子供とはいえ……人間に殴りかかられてしまえば、どうなるかは……

加賀「………」

加賀(……念の為、もう少し監視しないと。『提督』は……ストレスが溜まれば、どんなことにも手を出しかねないわ……!)

幸い、私がこうやって待機していれば……最悪、艤装が無くとも取り押さえられる。

あんな人間の子供に、艦娘が負けるわけがない。いざとなれば、すぐに飛び出して……!


烈風妖精「……まだ睨んでる」ヒソヒソ

妖精「相当用心深いね……」ヒソヒソ

ショタ提督「だけど、それは妖精さん達を心配してくれているからだよ」ボソッ

烈風妖精「うん、それは分かってる……」ヒソヒソ

妖精「……分かってる、けど……」ヒソヒソ

ショタ提督「………」

ショタ提督(やっぱり、僕のせいで妖精さん達に迷惑をかけてしまっている……)

ショタ提督(ごめんなさい、妖精さん……僕が至らないばかりに……!)



加賀の信頼値 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

7×1.0=7/50


烈風妖精「……行ったみたい」

ショタ提督「………」

妖精「……大丈夫?」

ショタ提督「え……?」

妖精「ずっと後ろで睨まれて……辛かっただろうなって……」

ショタ提督「……ありがとう。僕なら大丈夫だよ」

妖精「……本当?」

ショタ提督「うん。それに、今は僕のことより……」チラッ

烈風妖精「……!」

妖精「あ……」

ショタ提督「……話して、もらえないかな?」

烈風妖精「……うん。えっとね、軽空母の部屋から……『いつか、あいつを力づくで追い出してやろう』って」

妖精「……っ!」

ショタ提督「………」

烈風妖精「………」

ショタ提督「……ありがとう。言いづらかったことを、伝えに来てくれて」ニコッ

烈風妖精「………」

妖精「………」

烈風妖精(提督だって……この子だって、皆からここまで言われて……辛くて、悲しいはずなのに……)

妖精(絶対に、弱音を吐かない。それでいて、ずっと皆のことを考えて……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……僕が追い出されても、次に着任する人が……良い人だったら、まだ安心出来るんだけど……)

ショタ提督(万が一、今までと変わらない人だったとしたら……僕の――)

ショタ提督「………」フルフル

ショタ提督(……いけない、そんな考え方はダメだ。僕はその為に来たと言っても、過言ではないんだから……!)



赤城「……妖精さんと、ですか」

加賀「……えぇ」

赤城「はぁ……一瞬、異常性癖だと疑いましたが……」

加賀「……少なくとも、そのような兆候は見られなかったわ」

赤城「……決定的な弱みを握れば、憲兵が見ていない裏で……追い出す口実にもなったんですけどね」

加賀「……同感だわ」

さっき監視した時は、特におかしい点は見当たらなかった。

だが、それは……あいつが真っ当な人間という結論にはならない。

偶然、本性を見せていなかっただけかもしれない。あるいは……

加賀(……私の監視に、気づいていたのかもしれない)

どちらにせよ、こんなことで……あいつを信用したりなどしない。

もう、あんな目に遭うのはお断りなのだ。今まで、それで何度も……

加賀「……っ!」ギリッ

加賀(見てなさい……貴方の化けの皮、必ず剥いでみせる……!)

加賀(これ以上、ここにいさせるのは……耐えられないもの……!)

2ヶ月目:下旬


居酒屋

「………」

「……ワシは、間違っておったのか」

「………」

「あんな……あんなことに、なるなんて……」

「……お前は、子供を何だと思ってるんだ」

「……っ、お前だって……!」

「お前と一緒にするな。確かにワシは、あいつを自分と同じ道に進ませた」

「けどな……あいつはワシが無理矢理“やらせた”んじゃない」

「……!」

「あいつは……“自分から進んだ”んだ。選んだんだ……!そして、見事にやり遂げた」

「………」

「自分で決断したんだよ。だから……強くなった。あいつは、己を乗り越えたんだ」

「……っ!」ギリッ

「……今更、お前にどうにか出来る問題じゃあるまい。だが……お前は1つだけ、良いこともした」

「………」

「支援してやったんだろう?お前が……自らの過ちを認め、同じ失敗を繰り返さなかった……それだけでも、少しは成長したんじゃないか?」

「お前の罪は消えない……が、その子はきっと、お前に感謝してるだろうよ」

「………」

「くぅーっ!俺なら絶対全力で可愛がるけどなぁ~!つうかそんな風に上から押し付けたらそりゃーねじ曲がるだろ。どうしてもっと愛してやんないんだ!」ダンッ!

「お前は溺愛しすぎなんだよ!」

「………」

(……ワシ、は……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:7/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:27/50
↓3由良のコンマ 信頼値:10.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:0/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

18:00~19:00頃開始予定です。
途中で休憩を挟むと思います。

浦風を登場させられない理由に関しましては、以前にも言った通り広島弁が書けない為です。
浦風好きな方には申し訳ありません。

始めます。

ショタ提督「………」マジマジ

妖精「……出撃海域のチェック?」

ショタ提督「うん。もう2度と、あんなことが無いようにしないとね。えっと、ここから先の海域は……」マジマジ

妖精「………」

ショタ提督「……?どうしたの?」

妖精「……何も言えなかったのは分かってた」

ショタ提督「え?」

妖精「あそこで、貴方が抵抗したら……立場が悪くなるのは、分かってた……分かってた、けど……」

妖精「でも……やっぱり、あそこまでしなくても……ましてや、土下座なんて……」

ショタ提督「………」フルフル

妖精「う……」

ショタ提督「……皆の指揮を任された提督に、ミスは許されないよ」

ショタ提督「特別学校でも、何度も言われたんだ。出撃は、常に艦娘達は死と隣り合わせだって」

ショタ提督「もちろん、普通は大破した時点で撤退すれば沈むことはない。だけど……」

妖精「……“無理に進軍すれば、味方が危機に晒されてしまう”」

ショタ提督「………」コクリ

妖精「でも!あれは由良さん達が命令を無視して……」

ショタ提督「……皆の信頼を得られていない、僕の責任なんだ。皆のせいじゃないよ」

妖精「……っ」

ショタ提督「……前にも言ったけど、僕自身が嫌われているのは良い

ショタ提督「でも……最低限、“提督として”は、信頼されないと……この前のお陰で、それに気がつくことが出来たんだ」

妖精「………」

妖精(……何も言えない、そして、何もしてあげられない……そんな自分が無力で、悔しい……悔しいよ……!)



由良の行動

直下

ショタ提督「……これで良し、と」

妖精「……終わったの?」

ショタ提督「うん。後は編成を考えるだけ。これは家でじっくりやるとして……」スクッ

妖精「……見回り、だね?」

ショタ提督「皆のコンディション管理も、提督の仕事だからね」

妖精「………」

妖精(毎回、罵声に近い言葉を投げかけられるのに……それでも、諦めないなんて……)


由良「………」フキフキ

あれ以来、演習も出撃も……基本的には、指示通り行動している。

また、同じようなミスを犯してしまえば……今度こそ、どうなるか……分からない。

由良(……奥も拭かないと、ね)フキフキ

艤装の手入れだって、あいつにだけは絶対にやらせない。

あいつが……あいつらが……『提督』が触れるだけでも、悪寒が走る。

由良「………」キリキリ… カンカン…

本当なら、明石さんや夕張さんにやってもらうのが1番だけど……

生憎、今は別の娘の艤装を点検中……だとしたら、自分でする以外の選択肢は無い。

由良(……あいつにだけは、貸しを作っちゃいけない……!)

既に1つ、大きな貸しを作ってしまっているようなものだ。

これ以上、あいつに弱みを握られてしまえば……想像するだけでも、恐ろしい……いや……

由良(……憎い。憎くて、たまらないよ……っ!)


妖精「……艤装の整備してる」

ショタ提督「……みたい、だね。他の長良型の皆は……今は遠征中か」

妖精「でも、やっぱり……険しい表情……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(明石さん達は、他の皆の艤装の点検をしてるはずだから……自分で点検して……)

ショタ提督(いや、多分それだけが理由じゃない。僕の予想が間違っていなかったとしたら……)

ショタ提督(きっと、僕に点検されるのは……嫌だから。これが大きな理由……だと思う)

妖精「……どうする?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(声をかけた方が良いか、このまま何もしないか……)



提督達の行動

直下

ショタ提督「………」

妖精「……!」

妖精(……いや、いつもこの子にばかり任せてちゃダメだよ)

妖精(私だって、皆には元の優しい娘達に戻ってほしいから……!)

妖精「……私が行ってみる」

ショタ提督「……え?」

妖精「私なら、由良さんも話しやすいと思うから……それに……」

妖精「少しでも、提督は良い子……ううん、良い『提督』だって……分かってほしいから……!」

ショタ提督「……妖精さん」

妖精「……ダメ、かな?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(確かに、妖精さんの方が……皆は、僕の時よりも対応しやすいはず)

ショタ提督(ただ、愛宕さんの時は……やっぱり、まだ信用してもらえなかったけど……)

ショタ提督(……今回は、違うかもしれない。よし……!)

ショタ提督「……それなら、お願いしても良いかな?」

妖精「あ……うん!任せて!」スッ…

ショタ提督(……ごめんね、妖精さん。迷惑をかけちゃって……)

由良「………」キュルキュル

由良(ここはこうして、こっちは……はぁ、やっぱり自力だと大変ね……)

妖精「……由良さん」

由良「……え?」クルッ

妖精「………」

由良「……妖精さん?」

妖精「えっと、その……近くを通ったから、何してるのかな~と思って……」

由良「………」ジー

妖精「………」

由良(……そういえば、妖精さん達は……最近、あいつと……)

どうして、あんな奴と行動するかは分からない。

弱みを握られているのか、外面だけは良くして騙しているのか……

どちらにしても、今の妖精さん達は……今までと違って、あまり――

由良「………」

妖精「……由良さん?」

由良「……ねぇ、1つ聞いても良いかな?」

妖精「う、うん……」

由良「どうして……あいつといつも一緒なの?」

妖精「……!」


ショタ提督「……っ!」

ショタ提督(やっぱり、不審に思って……)


妖精「それは……」

由良「………」

――信用出来ない。あいつと行動を共にしているだけで……どうしても、嫌な感情しか湧き出て来ない。

もし、あいつとグルだったのなら……

それだけは信じたくない、けど……あいつ側につくのだとしたら……

由良「……返答次第では、妖精さん達のことも……信用、出来なくなるかも」

妖精「っ!!」

由良「……答えて」

妖精「あ、う……」


ショタ提督「……っ」

ショタ提督(妖精さん……!どうしよう、僕のせいで……!)


由良「……どうなの?」

妖精「………」



反転コンマ判定:妖精の答えは?

01~49:妖精「………」
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:妖精「……お仕事、だから」
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:妖精「……信頼、出来るからだよ」
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

42→24:沈黙は肯定とも取れるし、あるいは……


由良「………」

妖精「………」

妖精(どう、しよう……何も言えない……何も思いつかない……)

妖精(頭が真っ白……何か……何か、言わないと……!)

妖精「……そ、その」

由良「………」


ショタ提督「………」

ショタ提督(……ダメだ。これ以上は、妖精さんの信頼が……僕が飛び込んで、何とか説得――)


由良「……ううん、やっぱり言わなくて良いよ」

妖精「……え?」

ショタ提督(――!?)

由良「どうせ、あいつに弱みを握られたり……脅されてるんでしょう?」

妖精「っ!?」

由良「………」

一瞬、あいつと妖精さんがグルだと……そんな馬鹿らしいことを考えてしまった。

自分で自分を責めてやりたくなる。今まで、ずっと私達を支えてくれた妖精さん達が……

自分の意志で、あいつ側につくなんて……考えられない。考えてはいけない。

由良「……安心して。私達なら、あんな奴……艤装を付けてなくたって、一捻りだから」

妖精「そ、そうじゃなくて……」

由良(……あいつは、やっぱり……妖精さんにまで……)

小さくて無力な妖精さんのことだ。きっとあいつから、何かしらの手段で……脅されたとしか、考えられない。

今まで、妖精さんにまで手を出した奴はいなかったけれど……ついに……

妖精「て、提督はそんな人じゃ」

由良「ううん、大丈夫。分かってるから、ね?」

妖精「だから違……」

由良(……私達の仲間に手を出すというのなら、絶対に許さないから)

由良(この前の、命令無視だって……どうせ、外面を良くして……私達を騙すだけ、なんでしょう……?分かってるんだから……!)ギリッ…


ショタ提督「………」

ショタ提督(……妖精さんについては、何も無くて良かった。けれど……)

ショタ提督(……由良さん。それほどまでに……)



由良の信頼値 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

7×1.0=7
10.5+7=17.5/50

妖精「………」

ショタ提督「……ごめんなさい。僕のせいで……」

妖精「……ううん、提督のせいじゃない。私があの時、何も言えなかったから……」

ショタ提督「………」

妖精「………」

ショタ提督「……本当に、ごめんなさい」

妖精「だから提督のせいじゃ……ううん、そうだね。お互い、ミスがあったということで……」

ショタ提督「………」

妖精「……先はまだまだ長そうだね」

ショタ提督「……そうかもしれない。でも、僕は諦めるつもりはないよ」

妖精「……!」

ショタ提督「決めたから……約束、したから……」

ショタ提督「必ず、救ってみせるって……!」

妖精「……提督。元を辿っても、貴方に責任は……」

ショタ提督「………」フルフル

妖精「あ……」

ショタ提督「それは違うよ。僕が何とかしないと、いけないんだ……」

ショタ提督(“あの人”が間違ってしまったのなら、僕が代わりに……艦娘の皆を……!)

妖精「………」

妖精(……もし、私が提督だったら……1度は、ひっぱたいてやってるところだけど……)

妖精(この子は違う。優しい……とにかく、優しくて……そして、強いんだ……)
・・・÷
由良「……ふぅ」

由良(やっと終わった……結構、時間かかっちゃったなぁ……)

窓を見ると、もう夕日が沈んでいく。

その間、私はずっと……艤装を整備していた。

由良(……でも、出撃するより……気が楽かな)

自室で作業するということは、必然的にあいつと顔を合わせずに済む。

それだけでも、精神的な負担は……皆無とまではいかなくとも、大幅に減る。

由良(……それにしても、妖精さんは……何を理由に、脅されてるのかな……)

『提督』は非道な奴ら。私達のことなんて、都合の良い道具としか考えていない。

だとするなら、どんな酷いことをしているか……色々と、予想出来てしまう。

由良(……憲兵が視察に来ている以上、派手なことは出来ない。けれど、裏を返せば……)

私達が、あいつの動かぬ証拠を握ることも……難しくなる。

けれど、それを抜きにしても……妖精さん達からは、虐待の跡や辛そうな素振りは見受けられない。

由良(まさか、あいつは……本当に、何もしていな――ッ!!)フルフル

思考が間違った方向に進みかけて、慌てて首を振る。

この期に及んで、信用しようなどと考えるなんて……私は、本当に……ッ!

由良(……そんな気持ちは捨てなきゃ。『提督』なんて、信用に値しない奴らばかりなんだから……!

2ヶ月目までの評価

加賀:7/50『……もし、妖精に手を出すようなことをすれば――』
愛宕:27/50『何もしてこないなんて……一体、何を考えて……』
由良:10.5/50『――許さないから』
コマンダン・テスト:0/50『ワタクシ達と、関わらないで……!』

夜ご飯食べて来ます。21:30~22:00頃再開予定です。

再開します。

3ヶ月目:上旬


妖精「……酷いでしょ?」

ショタ提督「………」コクリ

ショタ提督(建物のあちこちに傷跡が……きっと、今までの提督が……そして、“あの人”も……)

妖精「壁や柱の傷はマシな方。もっと酷い時は、窓ガラスが何枚も割れて……」

ショタ提督「……扉が微妙に歪んでるのも」

妖精「……うん。今までの奴らのせい」

ショタ提督「………」

ショタ提督(改めて見ると、本当に痛々しい。皆は、こんな環境で……ずっと……)

妖精「もちろんここより酷い鎮守府だって、探せばあるのかもしれないけど……」

妖精「一般的な鎮守府と比べれば、ここだって……十分……」ギリッ…!

ショタ提督「………」

ショタ提督(……まとまったお金が入ったら、リフォームした方が良いかもしれない)

ショタ提督(こんな……過去の爪痕が残ったままじゃ、皆は……ずっと、心を塞ぎこんだまま……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……だけど、それだけじゃダメだ。見た目だけを変えたとしても、本質は変わらない。だからこそ――)

ショタ提督「……僕、もっと頑張るから」

妖精「え……?」

ショタ提督「出撃で戦果を稼ぐことはもちろんだけど……それ以上に、皆を辛い過去から救い上げて……」

ショタ提督「ここを、皆が安心して過ごせる場所に……変えてみせるから……!」

妖精「提督……」

ショタ提督(――中身を……皆の心を治さないといけない。それが出来るのは、僕しかいないんだ……!)


↓1加賀のコンマ 信頼値:7/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:27/50
↓3由良のコンマ 信頼値:17.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:0/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

ショタ提督「………」スッ…

妖精「……?」

ショタ提督「この傷が沢山あるってことは……それだけ、皆も傷ついたってことだよね?」

妖精「………」コクリ

ショタ提督「皆は、バケツを被れば体の傷は治るけど……心の傷は、そうはいかない」

ショタ提督「この橋田の傷だって……上から塗料のようなものを塗って、傷を見えなくしたとしても……傷そのものが、消えるわけじゃない」

妖精「………」

ショタ提督「それは僕達人間だって、同じことなんだ。誰かに虐められたり、殴られたら……」

ショタ提督「体の傷は、時間が経てば治るかもしれない。見かけでは、虐められていたことが……分からないかもしれない」

ショタ提督「……だけど」グッ…

妖精「……!」

ショタ提督「心の傷は……中々治らない。もしかすると、一生……痛み続けるかもしれない」

ショタ提督(……お母さんだって、そうなんだ。“あの時”のことを、ずっと……今も思い悩んで……!)

妖精「………」

ショタ提督「皆は……その心が、何度も……何度も何度も、傷つけられて……ずっと、痛み続けている」

ショタ提督「だからこそ、一刻も早く……治してあげないといけない」

妖精「……だね。精神崩壊まではいかないだろうけど……このままじゃ、ずっと……提督のことを、信用出来ないまま……」

ショタ提督「……妖精さん。頑張ろう……僕達の手で、皆を……」

妖精「……うんっ!」



コマンダン・テストの行動

直下

ショタ提督「……あっ」

妖精「どうしたの?」

ショタ提督「あそこ……」スッ

妖精「……!」


コマンダン・テスト「………」


妖精「コマさん……」

ショタ提督「確か、今日は出撃も演習も無かったはずだけど……」

ショタ提督(散歩、かな……愛宕さんも、屋上で物思いにふけっていたことがあるし……)


コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(もし、私の所属する鎮守府が……フランスだったとしたら……)

何度も考えた。もし私が、“初代の私”のように……フランスで過ごしていたら……

少なくとも、こんな酷い境遇では無かったはずだ。自由も何もなく……

ただ奴隷のように扱われ、逆らおうものなら……懲罰という名の、理不尽な暴力を受ける。

コマンダン・テスト「……っ」ギリッ

コマンダン・テスト(どうして……私達が、こんな目に……!)

私は海外艦。だとしても、それは“初代”の名と魂を継いだだけ……

“この私”自身は、日本で建造され……ずっと、日本で暮らしてきた。

そのせいで……こんな、痛くて、辛くて、苦しい……最悪な暮らしをさせられた。

コマンダン・テスト(……こんな所に、生まれたく無かった……ッ!)

フランス……いや、どこの国かどうかも関係ない。

他の鎮守府で、平和そうに過ごしている……別の私。

それが、羨ましくて……憎くて、たまらない。やり場の無い怒りが、込み上がってくる……!

コマンダン・テスト「……っ」

コマンダン・テスト(もう、嫌……!提督なんて、いなくなってしまえば良いのに……!)


ショタ提督「……苦しそうな表情をしたまま、椅子から動いていない」

妖精「……やっぱり、愛宕さんの時と……同じ、かな」

ショタ提督「……だと思う。少なくとも、リラックスしているようには……見えないから」

妖精「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(僕には、コマさんが何を考えているかは分からない)

ショタ提督(けれど……きっと、何か苦しい気持ちになっている……僕には、そう見えた)

ショタ提督(どうしようか……このまま何もせず見ているか、声をかけに行くとしても……警戒しているコマさんに、どう接するか……)



提督達の行動

直下

コマンダン・テスト「コマらなくて良かったわ……」

加賀(まだ序盤とは言え、このペースでゴール出来るのかしら……)

由良(失恋は何としても避けないと……)

愛宕(中々出番が回って来ないわね……このままじゃ追いつかれちゃう……!)



ショタ提督(早く皆を助けないと……救わないと……!)

妖精(私、提督に次いで出番が多いような……い、良いのかな?あはは……)


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
ここからは日常パートのリクエストを募集したいと思います。
ただ、今回はリクエストしていただいた内容を、こちらが作った設定と矛盾しない程度にアレンジすることが多くなるかと思います。
安価を取って下さっている方には申し訳ありませんが、その点はご容赦していただけると幸いです。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

いつも数々のリクエスト、ありがとうございます!始めます。

ショタ提督「……やっぱり、何か会話した方が良いよね」

妖精「……現状、それしか出来ないのが辛いけど」

ショタ提督「ううん。焦っちゃダメなんだ。ゆっくり、ゆっくり……時間をかけて、皆の不安を取り除かないと」

妖精「………」コクリ


コマンダン・テスト「……はぁ」

コマンダン・テスト(こんなことを考えていても、無意味なのに……)

毎日毎日……同じことを考えては怒りを募らせ、自己嫌悪に陥る。

理想を……いや、幻想を抱いたところで……現実は、変わりはしないのに。

むしろ、そんなことをするほど……現実に失望するだけなのに。

コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(こんな所で活動する破目になった、自分の運命を呪いたい……)

『艦娘』として生まれた以上、鎮守府に住み……海の平和を守る為、戦い続けなければならない。

もちろん、人間となって海を離れることも不可能ではない……が、そんなことは……

コマンダン・テスト「……っ」ゾクッ

思わず身の毛がよだつ。ある意味、私にとって……死ぬよりも苦痛な道。

ケッコンカッコカリ……あるいは、婚姻……こんな制度、誰が考え出したのかしら。

こんな酷い制度のせいで、望まぬ形で結婚を強いられる艦娘だって……

妖精「……まだ考え込んでるね」

ショタ提督「……やっぱり、昔のことを悩んで……」

妖精「十中八九、それしか……」

ドォーンッ!

ショタ提督「……え?」

妖精「……爆発音?」

コマンダン・テスト「……?」

コマンダン・テスト(何、今の音…………ッ!?)ビクッ

ヒュルルルル…!

コマンダン・テスト(演習の流れ弾……!?まずい、こっちに……!)ダッ

ショタ提督「っ!?こ、コマさんが走って来――」

ドカッ!

ショタ提督「――うっ!」バタッ

妖精「て、提督!?」

コマンダン・テスト「っ、ご、ごめんなさ…………っ!」

コマンダン・テスト(こいつ……どうして、このタイミングで……!)ギリッ…!

ショタ提督「痛た……」フルフル

妖精「大丈夫!?」

コマンダン・テスト「……!」

その瞬間、私の頭の中に……ドス黒い考えが浮かび上がる。

このままこいつを見捨てて走り去れば、流れ弾がここに直撃して……

演習組の“過失”という形で、こいつを――


反転コンマ判定:コマンダン・テストが取った行動は……!?

01~49:――いや、どうせこいつがいなくなった所で……
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:――ダメ!妖精さんまで巻き込んじゃう!
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:――いや、流石にそれは……あぁもうっ!
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

17→71:妖精さん“は”信頼している


妖精「……あっ!砲撃がこっちに……っ!」

ショタ提督「え……っ!?」

コマンダン・テスト「……っ!」

コマンダン・テスト(妖精さん!?貴女までここに……!?)

急いで黒い思考を振り払う。こいつだけなら、どうするか分からなかったが……

妖精さんが傍にいるというのなら……そんなことは言っていられない。

一刻も早く、助けないと……例えこいつを救うことになったとしても……!

コマンダン・テスト「……こっちです!」ガシッ タタタ…!

ショタ提督「うっ……!」グイッ!

妖精「こ、コマさん!」

コマンダン・テスト「いいから早く来て下さいッ!死にたいんですか!?」グイグイッ!タタタ…!

ショタ提督「こ、コマさ――」

妖精「きゃっ!?か、肩から落ち――」


ズガァァァァァァァァァァンッ!!


ショタ提督「うわぁっ!?」

妖精「ひうっ!?」

コマンダン・テスト「……っぐ!」

シュウウウゥゥゥゥ…

ショタ提督(……あ、危なかった……!もう少しで、直撃……っ!)

妖精「た、助かったぁ……」ヘナヘナ

コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト「……大丈夫?」

ショタ提督「……はい。助けていただき、本当に……」

コマンダン・テスト「……“妖精さん”」

ショタ提督「……!」

妖精「あ……」

コマンダン・テスト「もう……よく見たら、演習じゃなくて自主訓練じゃない。全く、ここに誤射するなんて……」チラッ

そもそも、こいつがここにいる時点で……演習ではない。となると、必然的に自主訓練中ということになる。

でも、そのせいで……こいつはともかく、妖精さんを巻き込む事故に繋がるところだった。

いくらイライラしているからといって、こんなミスをするなんて……!

コマンダン・テスト「……後で注意しないと」スッ…

妖精「え、えっと……ありがとう、コマさん!」

コマンダン・テスト「……いえ、怪我が無くて何よりです」

ショタ提督「……コマさん!僕のことも助けていただき、ありが――」ペコッ

コマンダン・テスト「………」スタスタ…

ショタ提督「――とうござ……あっ……」

妖精「……っ」ズキッ

こいつからのお礼なんていらない。むしろ……言われたくもない。

こいつなんて、助ける気など無かった。私が助けようとしたのは……妖精さんだけなのだから。

むしろ、こいつは……いや、ダメだ。負の感情に振り回されれば、さっきの訓練組と同じことになりかねない。

妖精「………」

妖精(うぅ……提督のこと、まだ敵だと思ってるのかな……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(やっぱり、僕のことを、助けてくれようとしたわけじゃ……ない、か)

ショタ提督(だけど、例え妖精さんの為だったとしても……コマさんは、僕を助けてくれた)

ショタ提督(僕のことを、見捨てなかった……それって、きっと……!)


コマンダン・テストの信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

9×1.5=13.5/50


ショタ提督「う~ん……まずは瓦礫を可能な限り、片付けないと……」

妖精「………」

ショタ提督「その後、砲撃で抉れた場所の修復を依頼しないと……それから、皆のケアもしっかり……」

妖精「……ねぇ、提督」

ショタ提督「どうしたの?」

妖精「さっき……コマさん、私のことだけを心配してたけど……」

ショタ提督「……そう、だね。きっと、僕のことは……眼中に無かったのかも」

妖精「………」

妖精(それだけなら、まだマシだと思う。コマさんの、さっきの目は……)

妖精(明らかに、提督を邪魔な物として見てたような……これって、もしあの時……)

妖精(私が提督の傍にいなかったら……提督だけが、あの場にいたとしたら……)

妖精「……っ」ゾクッ

ショタ提督「……大丈夫?もしかして、さっきの恐怖がまだ……」

妖精「え?あ、ううん!大丈夫大丈夫!これでも皆の艤装や装備作ってるんだよ!むしろ威力を確かめられて安心したくらい!」アセアセ

ショタ提督「そう?なら良いけど……」

妖精「………」

妖精(まさか……流石にそんなこと、無い……よね……?)


コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(事情を聞いたら、本当に……偶然のミス、ですか)

少しだけ……ほんの少しだけ、あいつを葬ろうと……意図的に誤射をした可能性も考えた。

けれど、それが過失じゃなくて……意図的だと発覚すれば、私達に重い処罰がかせられる。

コマンダン・テスト(……だけど、さっきの誤射は……妖精さんも巻き添えに……)

そう。あの時、あいつの傍には……妖精さんがいたのだ。

それを考えれば、意図的にしろ偶然にしろ……やはり、失敗して正解だったと言える。

もし、流れ弾が直撃していれば……例え過失だとしても、大事な仲間まで失ってしまうことになったかもしれない。

コマンダン・テスト「……っ」ゾクッ

コマンダン・テスト(それは、ダメ……!ただでさえ、あいつのことでストレスを抱えた状態なのに……!)

そんな状況で、誤射した人が『仲間殺し』のレッテルを貼られてしまう。

こうなってしまえば……既に色々と限界な私達なら、ストレスの臨界点を超えて……!

コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(……それもこれも全て、『提督』のせい。あいつらさえいなければ……!)ギリッ…!

3ヶ月目:中旬


いつもの喫茶店

曙(8周目)「……貴方も苦労してるのね」

ショタ提督「そんなことないよ。皆と比べれば、僕なんて……」

翔鶴(14周目)「ですが、その……43周目提督君の所の、私達は……」

五月雨(20周目)(同じ私なのに、そこまで追い詰められてるなんて……)

ショタ提督「でも、僕は皆を救わないといけない。何があっても……たとえ、僕自身が嫌われたとしても……」

北上(17周目)「も~、そうやって必要以上に気張っちゃダメだよ?」

鈴谷(1周目)「そうだよ。君まで……その、向こうの私達みたいになっちゃったら……」

ショタ提督「……ありがとう。でも、僕なら大丈夫。本当に辛いのは、皆だから……」

川内(4周目)「……無理はしないでね?」ナデナデ

ショタ提督「ん……」

青葉(13周目)「う~ん……私達が直々に説得すれば、少しは改善されるでしょうか……」

龍驤(9周目)「いや~、それは逆効果やろ。多分“アンタ達は恵まれた環境だからそんなこと言えるのよ!”とか……」

如月(3周目)「“そっちの私達も、どうせ提督に騙されてるに決まってる!”って返されちゃうわよね……」

ショタ提督「………」

朝潮(2周目)「こればかりは、43周目提督君の言う通り……時間をかけて、ゆっくり信頼を得てもらうしかなさそうですね……」

春雨(18周目)「せめて、43周目提督君が良い子だって分かってもらえれば……」

ショタ提督「いや、僕は良い子なんかじゃ……当たり前のことをしてるだけで……」

雷(19周目)「ううん。そんな状況でも、向こうの私達のことを気にかけてくれてるんだから……十分良い子よ!」ナデナデ

ショタ提督「あ……」

舞風(23周目)「そうそう!私達から見ても、貴方は凄く優しくて……強い子だよ?自信を持って!」ナデナデ

ショタ提督「……皆、ありがとう」

ショタ提督(皆の手……温かいな……)



妖精「………」

妖精(ここの皆は……あの時、励ましてくれた提督の子達に幸せにしてもらって……)

妖精(……私達の鎮守府の皆だって、昔はこんな笑顔だった。だから……絶対に、皆の笑顔を取り戻さないと……提督と一緒に……!)


↓1加賀のコンマ 信頼値:7/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:27/50
↓3由良のコンマ 信頼値:10.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:13.5/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

短くてすみませんが今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
まだしばらくは更新が出来ない(更新頻度が低い)状況が続きそうです。お待たせして申し訳ありません。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

今週の更新はお休みさせていただきます。
申し訳ありません。

今週の更新もお休みさせていただきます。
申し訳ありません。

18:30~19:30頃開始予定です。途中で休憩を挟むと思います。
投下速度が遅くなりそうですが、お付き合いいただけると幸いです。

始めます。

妖精「………」

ショタ提督「……妖精さん」

妖精「……え?あ、何かな?」

ショタ提督「ここ最近、いつも以上に考え事してるみたいだけど……」

妖精「………」

ショタ提督「……もしかして、僕がどこかで致命的なミスを」

妖精「ううん!それは違うよ!そういうことじゃないから!うん!」アセアセ

ショタ提督「それじゃあ、何か悩みが……」

妖精「えっと、その……皆、全然提督のことを信頼してくれないなぁって……」

ショタ提督「……それは仕方ないよ。皆だって、今も苦しんでいるはずだから」

妖精「………」

妖精(……ごめん、提督。本当は、この前のコマさんのことを考えてて……)

妖精(何度思い出しても、あの時のコマさんの目は……明らかに、提督に殺意を抱いて……)

妖精(もし、あの場に私がいなかったら……私が提督と一緒に、行動してなかったとしたら……)

妖精「………」

妖精(……考えすぎ、だと思いたい。けれど、皆が今までどんな仕打ちを受けてきたかを知っている身としては……)

妖精(私が予想した、怖い可能性も……完全に否定することは出来ない)

妖精「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……何にせよ、妖精さんにまで必要以上に負担をかけるわけにはいかない。最終的に、僕が何とかしないといけないことだから……!)



コマンダン・テストの行動

直下

ズドーン!

ショタ提督「……!」

妖精「この音は……演習場?でも、今日の演習はもう終わったはず……」

ショタ提督「……自主訓練、かも」

妖精「あ……」

妖精(そうだよ……この前も、自主訓練してる皆の流れ弾で……)

ショタ提督「……念の為、様子を見に行こうか」

妖精「………」コクリ


コマンダン・テスト「……っ!」ズドンッ!

ズバシャアアアアアアンッ!

コマンダン・テスト(……外れ、ね)

部屋にいると、この前のことを考え込んでしまう。そしてまた、嫌な気分になってしまう。

そう思って、1人で訓練してみたけれど……やはり集中することが出来ない。

どうしても、あいつへの憎しみ……いや、それ以上に……

コマンダン・テスト(……もし、あの時……あいつが死んでいれば……っ!)ズドンッ!

ズバシャアアアアアアンッ!

コマンダン・テスト(……また、外したわ……)

……ダメ。どうしても集中出来ない……!

砲撃に意識を向けようとしても……あの時のことや、あいつに対する苛立ちが……!

コマンダン・テスト(……元はと言えば、全部“提督”のせいなのに……!)ズドンッ!

ズバシャアアアアアアンッ!

コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(これで5発目……くっ……!)ギリッ

あいつら“提督”のせいで、私の艦娘としての能力にまで……いや、それは違う。

あいつらへの憎しみのせいで……攻撃中でも、理性をコントロール出来なくなって……!

コマンダン・テスト「……っ」


妖精「……!」

ショタ提督「……コマさんだったのか」

妖精「………」

妖精(……ダメ。どうしても、この前の光景が……)

妖精(少なくとも、今のコマさんは私達に気づいていない様子だけど……って、仲間を疑うようなことを考えるのは……だけど……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(見たところ、砲撃を全て外している。皆はもう、初心者レベルは卒業したほどの練度のはず……)

ショタ提督(となると、やっぱり……予想が間違っていなければ、僕に対するストレスか……)

ショタ提督(今のコマさんの表情は、いつも皆が僕に向けるそれと同じだから……)



提督達の行動

直下

妖精「……どうする?」チラッ

ショタ提督「う~ん……」

妖精(この前のこともあるし、本当は部屋に戻ってほしいけど……)

ショタ提督「……このまま気づかれないよう、様子を伺おう。覗いてるみたいで申し訳ないけど……」

ショタ提督「可能なら、そこからコマさんと接触して……何か、僕に出来ることをしてあげたいから」

妖精「……うん、分かった」

妖精(提督なら、やっぱりこう言うよね……せめて、流れ弾が来ないよう……コマさんの後ろ側に回って……)


コマンダン・テスト「はぁはぁ……」

コマンダン・テスト(10発撃って、当たったのは1発……)

この前の流れ弾事件が無ければ、ここまで外してはいなかったはず……

でも、どちらにしても……完璧に集中して、1発も外さないような精度は……

コマンダン・テスト(今の……いえ、この鎮守府の私達には……)

こんな状況で、落ち着いて攻撃なんて……出来るわけがない。

戦闘中は、“敵を倒すこと”に全神経を使うから……まだ、何とか応戦出来ている。

けれど、襲撃の恐れのない鎮守府内では……どうしても、“提督”への負の感情が……

コマンダン・テスト「……っ!」ズドンッ!

ズバシャアアアアアアンッ!

コマンダン・テスト「………」ギリッ…!

コマンダン・テスト(私達をこんなにした……あいつらが憎い。あいつらのせいで……)

私達は、演習すらもまともにこなせない……余裕のない状態になってしまっている。

しかも、それをあいつらは……何もかも、私達のせいにする。

その度に、何度……本当に、何度誤射で殺してしまおうと思ったか……ッ!

コマンダン・テスト「………」


ショタ提督(……ここから見ても、動きの乱れ具合が良く分かる)

妖精「………」

ショタ提督(だけどそれは、皆が未熟なわけじゃない。むしろ、本来なら難しい海域でも突破出来るほどのはずなんだ)

妖精「……見るからに疲れてるね、コマさん」

ショタ提督「……うん。今までのストレスが、実戦での心理状態に……影響が現れているのかもしれない」

ショタ提督(そう。コマさん達の状況を考えれば、戦闘に集中しろと言うのが……無理な話なんだ)

ショタ提督(それだけ、ずっと……責められ、罵倒され、辛い思いをし続けてきたのだから……)



反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:コマンダン・テスト、提督達に気づくが……
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:コマンダン・テスト、そのまま自主訓練を終える
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:コマンダン・テスト、提督達に気づき……
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

46→64:気づかない


コマンダン・テスト「………」スッ…

コマンダン・テスト(……これ以上訓練しても、仕方ないわね)

コマンダン・テスト(どうせ……外してばかりだから。それに……)

コマンダン・テスト「………」バシャバシャ…

コマンダン・テスト(……考えるだけ無駄、か。どうせ私達は……あいつらにとって、道具でしか無いのだから……)


ショタ提督「……!」

妖精「あ……終わったみたいだね」

ショタ提督「………」

妖精「だけど、皆で演習した時より……疲労困憊して……」

ショタ提督「……演習の時は、お互いに愚痴を言い合って、ストレスをある程度軽減することが出来るからね」

妖精「……!」

ショタ提督「でも、1人でいるということは……ストレスを全て、自分で受け入れることになってしまう」

ショタ提督「だからこそ……コマさんは、きっと……訓練中も、ずっと……」

妖精「………」

妖精(今までも、何かをする度に……皆は、あいつらから罵られて……)

妖精(……うん。私も同じ立場なら、演習に身が入らないかも……あいつらへの、憎しみばかり募らせて……)

ショタ提督「………」

妖精「………」

ショタ提督「……さて、どうしよう。このまま部屋に戻るか、声をかけた方が良いか……」

妖精「……提督。ちょっと……」スッ

ショタ提督「……どうしたの?」

妖精「えっとね、ここは私が……」



コマンダン・テストの信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

夜ご飯食べてきます。21:30~22:30頃再開予定です。

再開します。

3×1.5=4.5
13.5+4.5=18/50


コマンダン・テスト「……はぁ」

コマンダン・テスト(あいつらからは罵倒されて、演習も満足にこなせなくて……何の為に生きてるのでしょうか。私達は……)

今まで、あいつらからまともな扱いを受けたことが無い。

何をする、いや、させられるにしても……最後には必ず、何かしら暴言が飛んでくる。

場合によっては、手が飛んで……

妖精「……あの」

コマンダン・テスト「……!妖精さん……どうしたの?まさか、あいつに何かを……」

妖精「いや、そうじゃなくて……はいっ」スッ

コマンダン・テスト「……何、これ」

妖精「間宮さんのお店で使える券。さっき、貴女が1人で訓練している所を提督が見かけて……」

妖精「それで、頑張ってるコマさんに……その、何て言えば良いか分からないけど……お礼?じゃないよね、えっと……」

コマンダン・テスト「……っ!」キョロキョロ

妖精「っ!」ビクッ

コマンダン・テスト(……あいつ)

まさか、黙って演習していた所も見られていたなんて……!

やはりあいつは、私達が裏切らないように……常に監視して……

しかも、こんな物で……私を釣ろうとまで……!

いや、それどころか……妖精さんを、そんなことに働かせて……!

コマンダン・テスト「……それは受け取れません」

妖精「う……」

コマンダン・テスト「この際、あいつに伝言を……いえ、やめておくわ」

コマンダン・テスト「貴女だって、あんな奴ら……“提督”と、話したくもないですよね?」

妖精「………」

妖精(……ごめんなさい、提督……私、また……失敗しちゃった……)スッ…

コマンダン・テスト「………」

あいつは、妖精さん達にまで刃を向けているかもしれない。

今まで、そんなことをする奴はいなかったけれど……今回は子供。

子供は常識に囚われない部分がある……だからこそ、大人以上に……何をしでかすか、分かったものじゃない。

コマンダン・テスト(……万が一の時は、私達が……妖精さん達を守らないと……絶対に……!)

3ヶ月目:下旬


――某所

「………」


「……大人しいですね」

「えぇ。今は症状が落ち着いてるみたいよ」

「にしても、提督に就いている人がここに入れられることになるのは……」

「珍しい、わね。大抵は無職か未成年、もしくは極普通の……」


「……ぁ」


「……え?」

「今、声が……」


「あ……あぁ……」プルプル

(何で……何で、こんな……っぐ!)

「……あああああああああああああああああああああああッ!!」


「「っ!!」」


「うぐううううううううううううっ!はぁはぁ……うぅ、あ、があああああああああああああああああッ!!」


「わ、わぁ……言ってる傍から騒ぎ始めましたね」

(これは……また“アレ”ね。もう何度目かしら……)


「うぐううううううううううううっ!あああああああああああああああっ!」

(苦しい……!苦しい苦しい苦しいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!)

(どうして俺がこんな目に遭わなきゃなんねえんだよおおおおおおおお!ぐうううううううううううううッ!!)

「うがああああああああああああッ!ああああああああああああああああッ!」


「……この様子だと、仮に治ったとしても……スリップしちゃいそうですね」

「それ以前に、この人の場合は……原因がありすぎるのよ……治療だけじゃなくて、カウンセリングも受けてもらわないと……」


「ぐがああああああああああああああああああああああああああああああッ!!は、早くくれ!くれぇっ!ヤ――」



↓1加賀のコンマ 信頼値:7/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:27/50
↓3由良のコンマ 信頼値:10.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:18/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

ショタ提督「………」ガチャ

妖精「……お疲れ様」

ショタ提督「……ありがとう。よいしょっと」ドサッ

妖精「いつもながら、沢山の書類だね……」

ショタ提督「秘書艦がいない分、僕が全部やらないとね」

妖精「……せめて、私達の体がもう少し大きければ……」

ショタ提督「妖精さんが気に病むことはないよ。僕が自分で選んだ方針だから、ね?」

妖精「……うん。それで、やっぱり老化で出会った皆からは……」

ショタ提督「……いつも通り、かな」

妖精(やっぱり……)

ショタ提督「君はもちろん、他の妖精さん達と会話していても……皆から、凄く警戒されてるんだ」

ショタ提督「僕が嫌な目で見られるのは大丈夫だけど、他の妖精さん達に申し訳なくて……」

妖精「それこそ提督が気に病むことは無いよ!私達だって、貴方を信頼してるからこそ……一緒に行動してるから」

ショタ提督「……ありがとう」

妖精「……でも、前に烈風ちゃんと話し合った時は……加賀さんから、凄く睨まれてたもんね……」

ショタ提督「………」

妖精「何とか、加賀さん達の認識を……“私達が提督にこき使われている”じゃなくて、“私達が信用出来る良い提督”という方向に変えられれば……」

ショタ提督「……そう、だね。段階を踏んで、着実に……!」



加賀の行動

直下

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
更新頻度が著しく下がってしまい申し訳ありません。まだ安定した更新は難しそうです。

そこで更新が出来るだけ滞らないように、ふと時間が空いて少しだけ更新出来そうな時にあえて予告をせず1~2レスだけ投下するようにします。
そこで安価を取っていただいたら、また時間が空いた時にそれを反映させて1レスほど投下します。
今回のようにまとまった更新が出来る時や、艦娘安価等の時は従来の通り予め予告致します。
ややこしい言い方で申し訳ございませんが、もし1~2レスだけ更新されていれば、「ほんの少しだけ書く時間があった」と考えていただければ幸いです。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

妖精「……そういえば」

ショタ提督「どうしたの?」

妖精「さっき、武蔵さん達が一部屋に集まって何か話してたっけ……」

ショタ提督「何か……?」

妖精「うん。念の為、立ち聞きしようと思ったんだけど、他の皆の目があるから……」

ショタ提督「……ううん、いつもありがとう。皆の様子を知らせてくれて」

妖精「……私達には、こんなことしか出来ないからね」

ショタ提督(……話、か。皆の状況を考えれば……多分、良い話では無い……よね)

バターンッ!

ショタ提督「……!?」クルッ

妖精「……え?」クルッ


加賀「………」スタスタ

……相変わらず、あいつの尻尾を掴めない。

妖精の皆と話している時も……表面上は、特に問題行動を取っているわけでもない。

あいつは……今までの奴ら以上に、本性を隠すのが上手いようだ。

加賀(……それに加えて、憲兵まで……)

そう。あいつが駐屯地に連絡して以来、定期的に憲兵が視察に来ている。

こうなると、私達の行動にも制限がかかる。迂闊なことをすると、最悪……解体されかねない。

もっとも、本来ならあいつ自身も下手な真似をするとただでは済まないはず……だけど……

加賀(……隙を見せないのなら、むしろ憲兵がいた方が好都合……か)

あいつが裏で行動することに長けていれば、事実上私達の行動だけが監視されている状態になる。

言ってしまえば……憲兵の監視を免れつつ、私達の暴動を抑制し……

“提督”だけが、好きに行動出来ることになってしまう。

加賀(……そんなこと、させない……させてたまるもの、ですか……!)ギリッ

あいつは今、私達だけでなく……妖精達にも接触している。

万が一、妖精にまで手を出そうものなら……私達よりも弱く、抵抗する力を持たない仲間に刃を向けるというなら……

最悪、解体覚悟で……私達の手で、あいつを殺――

「――!」

「――!?」

加賀「……?」

加賀(騒ぎ声が……執務室?まさか、ついに犠牲者が……!?)

武蔵「……いい加減、こちらも我慢の限界なんだ」ギロッ

長門「これ以上、お前の好きにはさせない……」ギロッ

ショタ提督「………」

妖精「………」


加賀「……!」

加賀(武蔵さん、長門さん……それに、他にも……)


ショタ提督「……もしかして、僕がまた何か不都合を……」

天龍「違う。お前に最終通告しに来たんだよ」ギラッ

木曾「憲兵がいない今なら、実力行使に出られると思ってな」ギラッ

妖精「じ、実力……!?そんな!提督は何も悪いことは――」

長門「妖精、今は君に話しているんじゃない。こいつに話しかけているんだ」グイッ

ショタ提督「う……」

妖精「――ッ!て、提督……!」

武蔵「……どういうつもりだ?憲兵まで呼び寄せて……何を企んでいる?」

妖精「……っ」ビクッ

長門「答え次第では、私達も……全力で、抵抗させてもらう」

木曾「下手なことを言えば……命の保証はしないぞ?お前らの、今までの仕打ち……もう、とっくに我慢の限界を超えてるんだよ……!」ギリッ…!

ショタ提督「っぐ……」

ショタ提督(……予想していた、最悪の事態……ついに、起こってしまったか……!)

天龍「黙ってないで何か言えよ。俺達を散々奴隷のように酷使するような奴に、人権なんか……ねえんだよ……!」ギロリ

武蔵「大方、私達の行動を制限しつつ……自分は裏で好き放題しようとしていたのだろう?違うか?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(憲兵さんを呼んだのは、確かに……皆の反乱を、防ぐ為……これについては、否定のしようが無い……)

ショタ提督(だけど、僕が好き放題だなんて……そんなことは一切、考えてない……けど、今の皆に説明しても……)

ショタ提督(……きっと、信じてもらえない……くっ、どうする……!この状況を、打開する方法は……)

妖精「………」ガクガク

妖精(どう、しよう……私達の、判断ミスだ……!まさか、こんなことになるなんて……!?)

妖精(このままじゃ、提督が殺されちゃう……!?でも、本当のことを言っても……納得してもらえないよ……!)

妖精(どうしよう……どうしようどうしよう、どうしよう……!?)


加賀「………」

血の気の多い人達が、あいつに詰め寄っていたらしい。確かに、武蔵さん達の言い分は……私も同感だ。

ただ、その横で……妖精の娘が、怯えてしまっている。今にも泣き出しそうな顔で……震えている。

そして、あいつも……恍けたような顔ではなく、本気で……何かを考えているようにも見える。

もちろん、あいつがどうなろうと、知ったことではないけれど……

加賀(……こんな空気では、妖精が気の毒ね)



提督達or加賀の行動

直下

※今回は提督側か加賀側か、どちらが行動を起こすかを選択出来ます。度々方式を変えて申し訳ございません。

17:30~18:30頃開始予定です。
途中で休憩を挟むかもしれません。

始めます。

加賀「……はぁ」

加賀(あいつへの追及を止めることになるのは嫌だけれど、妖精を助けないと……)

武蔵さん達の見幕は、妖精が泣きだしかねないほどに凄まじいことになっている。

流石に、何の罪もない妖精が……この状況の中で、皆からの威圧に震えて……いや……

元を辿れば、あいつのせいで震えているのは……何とかしないといけない。

加賀「………」


武蔵「……あくまでも黙秘を貫くつもりか」ギロリ

長門「都合の悪いことは黙っているのか。相変わらず、卑怯な奴だ」ギロリ

ショタ提督「………」

妖精「………」プルプル

妖精(何とかしなきゃ……提督が追い出されちゃったら、今度こそ……)

妖精「……わ、私が――」

加賀「……やめなさい」ガチャ

ショタ提督「……!」

ショタ提督(加賀さん……?)

妖精「――え?」

武蔵「……加賀?」

長門「今は取り込み中だ。それに、場合によってはこいつを……」

加賀「貴女達の気持ちは理解出来るわ。私だって、“提督”には……今も憎しみしか抱いていないもの」ギラッ

ショタ提督「……っ」

天龍「だったら……」

加賀「だけど、傍にいる仲間……妖精まで怖がらせるのは、どうかと思うけれど」

木曾「……!」

妖精「か、加賀さん……」

武蔵「……そう、だな。軽率だった」

長門「お前の言う通りだ。すまない、場所とタイミングが悪かったな」

加賀「……妖精が私達に恐怖心を抱いてしまえば、艤装の運用に支障が出てしまう」

加賀「それだけでなく……改造や、妖精にしか出来ないことを……してもらえなくなる」

天龍「……悪い。もっと冷静に考えるべきだった」

木曾「すまなかった。お前を怖がらせるつもりは無かったんだ」ナデナデ

妖精「いや、そうじゃなくて……」

妖精(怖がってたわけじゃなくて、憲兵を呼んだことをどう説明するか……慌ててただけなんだけど……)

ショタ提督「………」

加賀「ただ……武蔵さん達が言っていた理由は、私も同感よ」

ショタ提督「っ!」

妖精「あ、ぅ……」

武蔵達「………」

加賀「もっとも、妖精を怖がらせるわけにはいかないから……言う気が無いのなら、すぐにここから出て行くわ」チラッ

武蔵達「………」コクリ

加賀「それとも、何か正当な理由があるのかしら?私達全員が納得出来るほどの……筋が通った、目的が」ジッ…

ショタ提督「………」

加賀「………」

あるわけがない、あるはずがない。

どう考えても、さっき武蔵さん達が言っていたような理由しか……考えられない。

けれど、武蔵さん達がやっていたことを……私の都合で、無理にやめさせるわけにはいかない。

私はあくまでも、妖精を助けようとしただけだ。つまり、彼女さえ怖がる心配が無ければ……

……こいつを弾劾したいのは、同じ気持ちなのだから。

加賀「………」

ショタ提督「………」

妖精「………」

妖精(さ、さっきは加賀さんに遮られ……いや、そんな言い方は良くないよね。私を守ろうとしてくれたんだし……)

妖精(でも、言い出すタイミングが……うぅ、ここが最後のチャンス……い、言わなきゃ……提督を、守らなきゃ……!)


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:妖精「……あ、あのっ!実は私が――」加賀「……言いたくないようね。もう良いわ」
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:妖精「……あ、あのっ!実は私が提案したことなの!」
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:妖精「……あ、あのっ!実は私が――」ショタ提督「……分かりました。お話します」
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

27→72:妖精、ナイスフォロー


妖精「……あ、あのっ!実は私が提案したことなの!」

ショタ提督「……!」

加賀「……え?」

武蔵「……どういうことだ?」

妖精「えっと、その……こうすれば、提督が何か悪いことしようとしても……憲兵に止められるでしょ?」

妖精「だから、皆も安心して暮らせるかな~……と思って……」アセアセ

妖精「あっ!皆の行動を制限する為じゃないよ!むしろ守ろうとして……」アセアセ

長門「……本当なのか?」

妖精「う、うん……」

天龍「……妖精はこう言ってるが、どうなんだ?」

ショタ提督「………」

木曾「……おい。聞いてるのか?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(妖精さん……僕の為に……)

ショタ提督(本当なら、僕が真実を話すべきなんだ……それは分かってる、けど……)チラッ

妖精「……!」

ショタ提督「……!」

ショタ提督(妖精さんが、僕への警戒心を減らす為にしてくれたことを……無駄に出来ない……!)

ショタ提督「……はい、妖精さんが言った通りです。僕は彼女の提案を採用し、憲兵に連絡しました」

加賀「………」

武蔵達「………」

ショタ提督「………」

妖精「……っ!」ドキドキ

加賀「……彼女がそう言ったのなら、仕方ありません」

武蔵「……あぁ。妖精の提案なら、それを蔑には出来ない」

ショタ提督「……!」

妖精「あ……!」パァッ

長門「なるほど、そういうことだったのか……」

天龍「だったらどうしてそう言わないんだよ」

ショタ提督「それは……」

天龍「お前に聞いてねえよ。妖精に言ったんだ」ギロリ

ショタ提督「……っ、ごめんなさい……」

妖精「……む、武蔵さん達が……怖くて……」

木曾「あぁ、やっぱりか……」

加賀「はぁ……次からは、“場所とタイミングを考えて下さい”」

武蔵達「……分かった」

妖精「………」

妖精(“提督を疑うな”、とは言ってくれないか……ううん、まだ無理だよね……)

加賀「………」スタスタ…

武蔵達「……ふん」スタスタ…

ショタ提督「………」

妖精「……提督」

ショタ提督「……ありがとう。そして、ごめんなさい……僕の為に、嫌な役目を押し付ける形になっちゃって」

妖精「ううん、良いの。前にも言ったでしょ?“いざとなれば私が全責任を被るから”って」

ショタ提督(……妖精さん)

妖精「……ただ、さっきは何とか誤魔化したけど……また同じことがあったら、今度はどう言い訳するか……」

ショタ提督「……だね。何とか、皆に……せめて、“提督”として最低限、信用されないと……!」

妖精「………」

妖精(……脅迫に近い真似をされても諦めないなんて……君は、どうしてそこまで……)

妖精(いくら“あいつ”が原因の1人だとしても……)


加賀の信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

8×1.5=12
7+12=19/50


実家

ショタ提督「……ただいま」ガチャ

母「お帰り。今日もお疲れ様」

ショタ提督「うん、ありがとう。さて、この書類は1度部屋に……」スタスタ

母「………」

母(提督……毎日、真面目に仕事して……でも……)

母(あの子の話を聞く限り、艦娘の皆からは……その、ずっと睨まれてばかりで……)

母「………」

母(……やっぱり、私があの時言った言葉が……あの子を苦しめて……)

母(あの子に、“あの人”のことを……)

ショタ提督「……ふぅ。これで良し……」スタスタ

母「あ……」

ショタ提督「今日のお弁当も美味しかったよ。いつも忙しい中、無理をさせてごめんね?」

母「……ううん、大丈夫。元々私が言い出したことだもの。さぁ、夜ご飯も出来てるから、一緒に食べましょう?」

ショタ提督「うん。あ、お皿運ぶのも手伝うね?」タタタ…

母「………」

母(……ごめんね、提督。確かに私は、貴方に“優しくなってほしい”と言ったけど……)

母(その言葉のせいで……貴方に負担をかけてしまうことになっているのだとしたら……)

母「……っ」


加賀「………」

“憲兵が来るようになったのは、私が提案したから”……妖精は、そう言っていたけれど。

やはり私の中には……あいつが裏で、何かを企んだり……関わっているとしか、考えられない。

妖精のことは信頼している。決して彼女を、疑っているわけではない。

加賀(……でも、どうしても……完全に信じることが出来ません)

もしかすると、妖精は……あいつに脅され、嘘をつかされているかもしれない。

あるいは、彼女が言っていること自体は本当でも……あいつが騙し、そちらへ誘導した可能性もある。

加賀(……何にせよ、あいつの動向には気をつけないと)

あいつは……“提督”は、非道なことも平気で行う奴らだ。

あいつの前に着任した奴……恐らく、あいつの――

加賀(――、名前と顔つきから考えれば、ほぼ間違いなく……)

どうせあいつも……“前任者”と同じ道を進むに決まっている。

忘れるものか。“あいつ”は……前任者である“あいつ”は、私達の目の前で……ッ!

あんな……あんな、最低な行い……それだけじゃない。私達だって……!

加賀「……っ」ギリィ…ッ!


3ヶ月目までの評価

加賀:19/50『裏で妖精のことも……それに、どうせあいつは……ッ!』
愛宕:27/50『……今月は、あまり顔を合わせなかったわね』
由良:10.5/50『あいつと顔を合わせないだけでも、幾分か気が楽に……でも、憎しみは消えない。絶対に……!』
コマンダン・テスト:18/50『“提督”さえいなければ……こんな苦しみ、味わわずに済むのに……!』

4ヶ月目:上旬


ショタ提督「………」スタスタ

ショタ提督(実家と鎮守府が近くて良かったよ。もし鎮守府に住み込みなら……夜以降も、皆に負担をかけてしまうことになる)

ショタ提督(もちろん、皆と話す為には顔を合わさないといけないんだけど……だからといって、1日中ずっとだったら……)

ショタ提督「……きっと、今以上に……嫌われていただろうな、僕……」ボソリ

ショタ提督(1時間もかからず通える距離には、本当に感謝しないと……)

霞「ぁ……」

曙「……っ!」ビクッ

満潮「うぅっ……」

ショタ提督(さて、今日も頑張……ん?あれは……霞さん?それに曙さんに満潮さんまで……)

ショタ提督(……そうだ。昨日、最初の演習艦隊に編成したんだっけ。もうすぐ始業時間だし、それで準備して……)

ショタ提督(この状況でも、仕事をこなそうとしてくれるなんて……皆には、本当に……頭が上がらない)

ショタ提督(本当なら、ここで一声かけたいけど……)

ショタ提督「……あの――」

霞「ふ、ふぐぅ……っ!」ジワッ

曙「う、ぁ……」プルプル

満潮「……っ」ウルウル

ショタ提督「――!」

霞「ご、ごめんなさい……!いつもクズなんて言って、ごめんなさい……!クズは私です……ぐすっ……えぅっ……私こそ、クズです……ガラクタです……!」ポロポロ

曙「……なさいクソ提督って言ってごめんなさいクソ提督って言ってごめんなさいクソ提督って言ってごめんなさいクソ提督って……」ブツブツ ※ハイライトオフ

満潮「う、うわぁぁぁん……!ぐすっ、うぅっ……!やだぁ……!たたかないでぇ……!なぐらないでぇ……!」ポロポロ

ショタ提督「………」

ショタ提督(……きっと、“あの人”や……今までの提督から、暴行を受けて……話そうにも、こうなってしまう)

霞「ひっく……もう、クズなんて言わないので……解体しないで、下さい……お願いです……許して下さい……!」ポロポロ

曙「クソ提督って言ってごめんなさいクソ提督って言ってごめんなさいクソ提督って言ってごめんなさいクソ提督って言ってごめんなさいクソ提督って言って……」ブツブツ

満潮「うえぇぇぇん……!えぐっ、えぐっ……!ごめんなさい……!もう、生意気言いませんからぁ……!ぐしゅっ……!」ポロポロ

叢雲「ちょっと、何の騒ぎ……ヒッ!」ビクッ

ショタ提督「……叢雲さん。その、これは」

叢雲「い、嫌ああああああああああああっ!申し訳ございません!私みたいな役立たずが生きていて申し訳ございません!なので解体だけは許して下さいッ!」ガバッ ※土下座

ショタ提督「………」

ショタ提督(……一先ず、皆が落ち着いてから……改めて、館内放送で連絡しないと)

ショタ提督(皆…辛い状況の中、無理をさせて……ごめんなさい。必ず、僕が皆の心を……救ってみせるから……!)


↓1加賀のコンマ 信頼値:19/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:27/50
↓3由良のコンマ 信頼値:10.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:18/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

妖精「……今朝の様子、見てたよ」

ショタ提督「……うん」

妖精「霞ちゃん達は、元々接し方が厳しい方だから……」

ショタ提督「……今までの提督から嫌われて、酷い扱いだったんだよね?」

妖精「………」コクリ

ショタ提督「それで、あんな……“提督”を、怯えるように……」

妖精「……こんな言い方もどうかと思うけど、最初は皆歯向かってたの。何か言われても、めげずに言い返して……」

妖精「だけど……貴方が着任する前の、“あいつ”が……」

ショタ提督「……そう、なんだよね。“あの人”が……」

妖精「……殴ったり、蹴ったり、酷い言葉を投げつけたり……最後の方には、完全に怯えるようになってしまって……」

ショタ提督「………」

妖精「……“上司に失礼な態度を取るな”とか、“口の聞き方に気をつけろ”とか、向こうにも言い分がある内容なら……まだ良かったんだけどね」

妖精「あいつらは……自分がまともに活動出来ていないことを棚に上げて、散々酷いことを……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……霞さん達だけじゃない。この鎮守府の皆が、そうやって……辛い環境の中で、ずっと過ごし続けて……)

ショタ提督(……だからこそ、僕が来たんだ。皆の心を傷を……少しでも癒して、過去を乗り越えてもらう為に……!)



愛宕の行動

直下

妖精「……あっ、愛宕さんだ」

ショタ提督「え?」

妖精「ほら、あそこ……」

ショタ提督「……!」

ショタ提督(あそこは……この前、コマさんが座ってた場所……)


愛宕「………」

愛宕(……どういうつもり、なのかしら)

あいつは……あれからも、私達に酷い態度を取ることが無い。

今までの奴らなら、1ヶ月もしない内に……本性を露わにしていた。

どいつもこいつも……私達を都合の良い道具として、散々酷使してきた。

愛宕(……だけど、あいつは……そんな素振りは、見せないわよね……)

何度もおかしいと思った。それこそ、どうせボロを出すはずだと思っていた。

けれど、実際は……いつも私達のことを労わる言葉をかけ、無理を言うことも無い。

それどころか、私達が睨んでも……暴言を吐くどころか、謝罪するほどだ。

愛宕(……まさか、これまでの奴ら以上に……裏の顔を隠すのが、上手いのかしら……)

最初はそう考えた。どうせいつか、私達に本性を見せ……刃を向けると。

けれど、未だそのような一面を見せない。

まさかとは思うけれど……あいつは、本当に私達を――

愛宕「――そんなわけ、ないわよね」

愛宕(信じちゃダメ……今まで、そうやってきて……何度も裏切られたじゃない……!)

また、同じ過ちを繰り返すのは……お断りだ。

何度も信じようとし、その度に裏切られてきた。もう、信じるのも嫌になった。

それなのに、私は……また、自分を傷つけるようなことを……

愛宕(……信じても無駄。信じようとするだけ……無意味、なのよ……)


ショタ提督「………」

妖精「……屋上の時みたいに、また……何か、考え込んでるみたい」

ショタ提督「……きっと、僕への憎しみだと思う。そうじゃなかったとしても、今までの……」

妖精「……だよね。今の状況じゃ……そうとしか、考えられないよね……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……声をかけるべきか、そっとしておくべきか……)

ショタ提督(でも、このままじゃ……愛宕さんの心を、救うことが出来ない。何もしないままでは、現状は……変わらない)

ショタ提督(……やっぱり、声をかけるべき……なのかな。でも……)


提督達の行動

直下


※夜ご飯食べてきます。21:30~22:30頃再開予定です。

再開します。

ショタ提督「………」

ショタ提督(いや、ここで立ち止まっていると……いつまで経っても、皆を助けることは出来ない)

ショタ提督(少しずつでも……歩み寄っていかないと。最低でも、“提督”として……信用してもらわないと……!)

ショタ提督「………」スクッ

妖精「……話しかけるんだね?」

ショタ提督「………」コクリ

妖精「そっか……出来る限り、私もフォローするね」

ショタ提督「……ありがとう」


愛宕「………」

愛宕(一体、あいつは何を考えて……もしかして、こうやって混乱させることも……私達への嫌がらせ、かしら……)

考えれば考えるほど、ストレスと怒りと憎しみ……負の感情が募っていく。

それを分かっていながら……私の頭は、勝手に思考を広げ始める。

愛宕「……はぁ」

愛宕(こんなこと、初めてだわ……ここまでボロを出さない“提督”がいたなんて……)

一見、ただの子供……でも、“あいつ”の面影は、はっきりと表れている。

だから、あいつが……まともな“提督”なわけがない。そう、まともなわけが……

愛宕「……っ」フルフル

愛宕(だから、ダメって言ってるでしょ!どうして……今まで、何度も裏切られて……)

ザッ…

愛宕「……っ!?」クルッ

ショタ提督「……愛宕さん」

妖精「………」

愛宕「………」

愛宕(こ、こいつ……どうして、このタイミングで……!?)

ショタ提督「あの……大丈夫ですか?」

愛宕「……何がよ」

ショタ提督「何か、考え込んでいるみたいだったので……もしかして、悩みが……」

愛宕「……アンタには関係ないでしょ」ジロッ

ショタ提督「……すみません」

妖精「………」

妖精(あぁ……やっぱり、愛宕さんはまだ……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(いや、まだだ……もう少しだけ、粘って……!)

ショタ提督「……僕に出来ることがあれば、何でも言って下さい」

愛宕「……え?」

ショタ提督「愛宕さんの為……いや、艦娘の皆さんの為なら……全力を尽くしますから!」

愛宕「………」

愛宕(……そんな上辺だけの言葉で、私を騙せると思ったのかしら)

愛宕「……心にも無い励ましは結構です」

妖精(うぅ……やっぱり、辛辣……)

ショタ提督「……違います。僕は本気です」

愛宕「……え?」

ショタ提督「僕は……本当に、貴女のことが心配なんです」

愛宕「……!」

愛宕(こいつ、いきなり……何を言い出すかと思えば……)

ショタ提督「……確かに、言葉だけでは何とでも言えるかもしれません」

愛宕「………」

ショタ提督「だけど、僕は……皆さんを、助けたい……力になりたい……!」

ショタ提督「そう考えて、ここで活動しています。これが僕の本心です。心から、そう思っているんです……!」

愛宕「………」

ショタ提督「ですが、心の中の証拠は……出せません。言葉と行動でしか、伝えられません」

ショタ提督「なので……僕からは、愛宕さんに……“信用してほしいです”としか、言えません」

愛宕「………」

妖精(提督……)

ショタ提督「……それとも、やっぱり……僕のことは、信用出来ませんか?」

愛宕「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(今の僕から言えるのはこれだけ。後は、愛宕さんに……信じてもらうしかない)

ショタ提督(例え、ここで拒否されたとしても良い。今回がダメなら、また次の機会に……)

愛宕「………」

妖精「………」ドキドキ


反転コンマ判定:愛宕の対応は?

01~49:愛宕「……どうせ、その言葉も……嘘なんでしょう?」
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:愛宕「……私のことは、放っておいて下さい」
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:愛宕「……どうして」
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

63→36:まだ心を許していない


愛宕「……どうせ、その言葉も……嘘なんでしょう?」

ショタ提督「……っ!」

妖精「っ!!」

愛宕「今まで、私が……何度、騙されてきたか……知ってるの?」

ショタ提督「………」

愛宕「何度も……新しい提督がつく度に、抱いていた希望が……ぐしゃぐしゃにされてしまう気持ちを……」

愛宕「悲しくて、辛くて、それで……憎くて、たまらない……そんな気持ちを……」

愛宕「アンタなんかに、分かるはずがないじゃない!」

ショタ提督「………」

妖精「あ、愛宕さ……」

愛宕「どうせアンタも、“あいつ”の――」

妖精「ッ!愛宕さん!」キッ

愛宕「――ッ、よ、妖精、さん……?」

妖精「……はっ!?」

妖精(し、しまった!つい……)

愛宕「……ッ!」クルッ!タタタ…!

ショタ提督「あ、愛宕さん……!」

タッタッタ…

ショタ提督「………」

妖精「……ごめんなさい」

ショタ提督「……ううん、ありがとう。僕の為に……怒ってくれて」

妖精「……貴方は“あいつ”と違う。愛宕さんこそ、提督のことを……何も知らないのに……」

ショタ提督「……良いんだ。愛宕さん達は、そう考えても……仕方ないよ。いや、むしろ……」

ショタ提督「そう考えて、当然だから……」

妖精「提督……」

ショタ提督「……愛宕さんには、また……次に顔を合わせた時に、謝るよ」ニコッ

妖精「………」


愛宕の信頼値 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

10×1.0=10
27+10=37/50


愛宕「……っ!」タタタ…!

愛宕(何よ……何よ何よ、何よ……!どいつもこいつも、私を苦しめて……!)

愛宕(私が何をしたって言うのよ!どうしてこんな目に遭わなきゃいけないのよ!?)

愛宕(もう、何もかも……嫌なの!“提督”とは、金輪際……関わりたく――)ガッ

愛宕「――キャッ!?」ガンッ!

愛宕「うぐ……っ」バタッ

愛宕「………」




――はぁ?胸はデカい癖にオツムは小せぇんだなお前。とっとと出撃して来い!


――あぁ?提督に逆らうってのか?今すぐ慰安婦にしてやろうか、てめぇ?


――糞が!お前らが無能なせいで解雇じゃねぇか!どうしてくれるんだよ!?おい!聞いてるのか!?


――うっせぇ!俺が何しようと勝手だろうが!このっ!


――どいつもこいつも俺のことを馬鹿にしやがって!殺してやる……てめぇら全員殺してやるッ!アヒャヒャヒャヒャヒャ!




ショタ提督「……さん、愛宕さん……!」

愛宕「……うぅ」

妖精「気がついたみたい!良かったぁ……!」

愛宕「……ここ、は」

ショタ提督「医務室です。さっき、倒れた愛宕さんが見えたので……急いで運んだんです。近くにいた皆さんに手伝ってもらいました」

ショタ提督「治療担当の妖精さんによれば、少し休めば治るそうです。本当に安心しました……!」

愛宕「………」

愛宕(そういえば、さっき……走ってる途中、足を滑らせて……壁に頭をぶつけたような……痛っ!)ズキッ

ショタ提督「安静にしていて下さい。高雄さん達には、既に連絡しておきましたから」

愛宕「………」

妖精「……あの、大丈夫?泣くほど痛む……?」

愛宕「え……?あ……」ポロポロ

愛宕(……さっきまでの、夢……私が今まで、受けて来た……屈辱……)

ショタ提督「……申し訳ございません。僕がしっかり、見ていれば……こんなことには……」

愛宕「………」

愛宕(……こいつは、倒れた私を……運んだの?あんなことを言って、走り去った私を……助けたの?)

愛宕(それだけじゃない。今までも、私達に……私に、あれだけ邪険に扱われてきたのに……それでも、こっちのことを気にかけて……)

ショタ提督「……愛宕さん?」

愛宕「………」

愛宕(……あぁ、私は……また、同じ過ちを繰り返すのかしら……ずっと、憎んでいたはずの“提督”を――)





――今度こそ信用したいと思う、私がいる……

――愛宕の警戒心がかなり和らぎました。

4ヶ月目:中旬


繁華街

妖精「愛宕さん、怪我が大したことなくて……本当に良かったよね」

ショタ提督「うん。高雄さん達からも、凄く怒られちゃったよ。“愛宕を死なせたら、どうしてくれるんだ”って……」スタスタ

妖精「……でも、びっくりしちゃった。まさか愛宕さんが……貴方のことを、庇うなんて……」


愛宕『えっと、今回のことは……私が悪いの。勝手に走って、転んじゃっただけだから……提督は悪くないわ』


ショタ提督「……うん。確かに、あの時は……僕も驚いたよ」

妖精「やっと、提督と私達の行動の成果が出てきたのかな?この調子でいけば、他の皆からも……!」

ショタ提督「そうだね。愛宕さんのことももちろんだけど、いずれは皆を……」ピタッ

ショタ提督「………」

妖精「……どうしたの?駐屯地に忘れ物?」

ショタ提督「……ううん、何でもないよ。行こっか」スタスタ

妖精「……?」チラッ

妖精「あ……」


父「そーら、肩車だ!」

子供「わー!高ーい!」キャッキャ

母「振り落とさないでよ?」

父「分かってるって!そぉーら、飛行機だー!ブルンブルーン!」タタタ…!

子供「あはははっ!僕、空飛んでるー!もっともっとー!」


妖精「………」

妖精(……そっか。提督……前に聞いた話だと……)

ショタ提督「………」スタスタ

妖精「………」

妖精(だから、少しだけ悲しげで……それでいて、心配するような表情をしたんだね……)

妖精(……私も頑張らないと。提督だって、一生懸命……皆の為に、頑張ってくれてるから……)

妖精(私も、全力で力になってあげないと……!それで、提督と一緒に……皆を助けないと!)グッ…!


↓1加賀のコンマ 信頼値:19/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:37/50
↓3由良のコンマ 信頼値:10.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:18/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

愛宕「やっぱりショタ提督と言えば私よね~♪」

由良(私、最下位……でも大丈夫、まだ巻き返せる……!)

加賀(……ちょっと待って。私、また負けるんですか?)

コマンダン・テスト(愛宕、貴女ばかりに先へは行かせませんよ……!)


妖精「……本編の皆もこうだったら良いのにね」

ショタ提督「………」


今回はここまでです。長い時間お付き合いいただきありがとうございました!
投下頻度&投下速度が落ちてしまい申し訳ございません。ただ、急用が入らない限りは明日も更新出来そうです。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

16:00~17:00頃開始予定です。
途中で休憩をはさむと思います。

hazimemasu.

すみません、日本語入力になってませんでした!
始めます。

ショタ提督「………」カタカタ

妖精「……パソコンで何してるの?」

ショタ提督「資料作りだよ。現在の皆の実力と、鎮守府の規模を打ち出して……大本営に送るんだ」

ショタ提督「こうすれば、今の現状を伝えて……必要に応じて、色々な援助を受けられるからね」

妖精「………」

妖精(それって本来、秘書艦や大淀さん達がやることなんだけど……でも、提督はそれを分かった上で……)

ショタ提督「……よし、完成。後は送信……っと」カチッ

妖精「……お疲れ様」

ショタ提督「ありがとう。調べてみたら、今まではこの鎮守府から資料が全然送られて……いや、作成すらされていなかったみたいなんだ」

妖精「……っ」

妖精(あいつらが、そんなこと……するわけがない。いつも荒れてばかりで……皆を奴隷のように……!)

ショタ提督「……ここを受け持ったからには、今までの遅れを……僕が取り戻さないとね」ニコッ

妖精「提督……」

ショタ提督「よし、次はこっちに書類を……いや、先に皆の様子を伺いに……う~ん……」

妖精「………」

妖精(……皆、早く気づいて。提督は……この子は、“あいつ”なんかとは違う……正反対で、凄く良い提督なんだって……!)



由良の行動

直下

応急修理女神妖精(以下・女神妖精)「……あの」ヒョコッ

ショタ提督「……女神の妖精さん?」

妖精「女神ちゃん!珍しいね、貴女がここに来るなんて……どうしたの?」

女神妖精「それが……由良さんが、私達に――」

ショタ提督「……!」

妖精「……!?」


由良「……良い?あいつが変なことをしようとしていたら、すぐに私達に連絡してね?」

妖精達「え、えっと……」

由良「“提督”なんて、何をするか……分かったものじゃないから、ね?」

妖精達「………」

妖精達(そうは言っても、私達は提督と協力してるんだよね……ど、どうしよう……)

由良「………」

数日前、愛宕さんが倒れたと聞いた。その知らせが耳に入った時は、真っ先に絶対にあいつの仕業かと思ったけれど……

愛宕さん本人は、それを否定している。あくまでも自分のせい、だと言っているらしい。

でも、そんなわけがない。あいつが無関係だなんて……そんなこと、あり得ない……!

由良(……きっと、裏で愛宕さんを……恐喝したに違いないよ。あいつらなら、そんなことも……きっと、平然とやるはず……!)

妖精達「……あの」

由良「大丈夫。いざとなれば、私達が守ってあげるから。少しでも危険を感じたら、すぐに話してね?」ナデナデ

由良「仲間を傷つけるなら……例え子供でも、容赦しないから」キッ

妖精達「………」


女神妖精「――こんなことになっちゃってて……」

妖精「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……由良さん)

妖精(……由良さん。この前は、私のことを疑ってたけど……)

妖精(今度は、私達全員に……助けようとしてくれる、その気持ちは嬉しいけど……逆なの)

妖精(提督は……この子は、由良さん達の為に……一生懸命、ずっと頑張ってるのに……!)

女神妖精「……どうすれば良いかな。私達が事情を説明しても、きっと……今の由良さんには逆効果になりそうで……」

ショタ提督「う~ん……」

妖精「………」


提督達の行動

直下

妖精「………」

妖精(本当は、こんな提案なんて……したくない、けど……提督を守る為……!)

妖精「……提督、女神ちゃん。ここは由良さんの話に合わせるしか……」

女神妖精「……やっぱり、現状ではそれしかないよね」

ショタ提督「……ごめんなさい。妖精さん達にまで、負担を……」

妖精「だから、提督は気にしなくて良いの!私達から協力を申し出たんだから!」

女神妖精「妖精さんの言う通りだよ。私達だって、皆を助けたい気持ちは一緒だもの」ニコッ

ショタ提督「……ありがとう、2人共」

妖精「じゃあ、どうやって由良さんに納得してもらうか、だけど――」


由良「………」

妖精達「………」

妖精達(うぅ、空気が重いよ……女神ちゃんはどこかに行っちゃうし……)

由良「……っ」ギリッ…

由良(妖精さん達は……私達が守らないと……!)

妖精さん達は、基本的に無力だ。一般人どころか、子供でも……殴りかかられたら、どうしようもない。

つまり、あいつに脅されたら最後……皆は、あいつの奴隷に……私達と同じ立場になってしまう。

幸い、今までは妖精さん達に興味を示す奴はいなかった。けれど、子供となると……そうはいかない。

由良(……下手な大人より厄介、か)

子供は虫でも花でも道具でも、すぐにいたぶったりイタズラして……見るも無残な姿にしてしまうことがある。

そんな子供が、妖精さん達に……同じ気持ちを抱いてしまえば、大変なことになってしまう。

それだけは、何としても……最悪、殺してでも……!

女神妖精「……由良さん」

妖精達「……女神ちゃん!」

由良「……何?」

妖精達「いつから抜け出し……」

女神妖精「……!」スッ

妖精達「……!」

妖精達(手を出して……もしかして、“今だけは黙ってて”ってこと……?)

女神妖精「提督の不審な行動についてだけど……1つ、提案があるの」

由良「提案……?」

女神妖精「私が代表して、提督の死角に潜んで……私達や由良さん達に変なことをしないか、監視すれば……」

由良「……!」

妖精達「……!」


ショタ提督(……女神の妖精さん。こんなことを任せてしまって……ごめんね……!)

妖精「……!」

妖精(女神ちゃん、そのまま……何とか、由良さんを納得させて……!)


女神妖精「私達の連絡網なら、すぐにでも鎮守府中に情報を行き渡らせることが出来るから……」

由良「………」

妖精達(め、女神ちゃん……)

女神妖精「……!」パチッ

妖精達(ウインク……!もしかして……)チラッ


妖精「……!」ノシ

ショタ提督「………」


妖精達「……!」

妖精達(なるほど、そういうことだったんだ……!)

女神妖精「……どうかな?もちろん、言ったからには、しっかりやり遂げてみせるよ!うん!」

由良「………」

女神妖精(……お願い、納得して……!)


反転コンマ判定:由良の反応は?

01~49:由良「……まさか、もう……脅されていたり、しないよね?」
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:由良「……分かった。そういうことなら、よろしくね?」
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:由良「………」
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

54→45:まだまだ疑っている


由良「……まさか、もう……脅されていたり、しないよね?」

女神妖精「……!」

妖精達「……え?」


妖精「……なっ!?」

ショタ提督「………」


由良「………」

女神妖精「……どうしてそう思ったの?」

由良「……もう、既に……あいつに酷い目に遭わされたりしてないかと思って」

こんな、最も考えられる可能性を思いつかなかった……自分自身に苛立ちを感じる。

今、こうして私達が会話している時よりも前に……

あいつが手を出していたかもしれない、なんて、最初に考えないといけないのに……!

妖精達「そんなことないよ!まして脅されたりなんて……」

女神妖精「……!」スッ

妖精達「……っ!」

女神妖精「……それは無いよ。少なくとも提督は、私達に敵意を抱いている様子は無い」

女神妖精(うん、嘘はついてない。提督は敵意なんて抱いてないし……むしろお互いに協力してるからね)

由良「……本当?」

女神妖精「………」コクリ

由良「……なら良いけど、危なくなったらすぐに言ってね?」

由良(“提督”なんて、いつ、何をするか……分からないから……)

女神妖精「……うん」

妖精達「………」


ショタ提督「………」

妖精「由良さん……」

ショタ提督(……やっぱり、僕はまだ……“提督”として、信用されていない)

ショタ提督(このままだと、由良さんはずっと心に闇を抱えたまま……)

ショタ提督「………」フルフル

ショタ提督(……いや、焦ってはいけない。地道に、少しずつ……皆に歩み寄っていかないと)


由良の信頼値 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

10×1.0=10
10.5+10=20.5/50


女神妖精「……ふぅ」

妖精「女神ちゃん……」

女神妖精「……何とかやり過ごせて良かったよ」

ショタ提督「………」

女神妖精「私達が提督と協力していることを知られたら……」

妖精「ほぼ間違いなく、皆が提督に詰め寄るか……私達も、皆から敵視されかねないから……」

ショタ提督「………」

女神妖精「私達が敵視されるのは、まだ良い。提督さえいてくれるなら、私達も……何とか、対策を取ることが出来るからね」

女神妖精「でも、提督が追い出されたりしたら……」

妖精「……っ」ゾクッ

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(これ以上、妖精さん達に……負担をかけるわけにはいかない)

ショタ提督(妖精さん達だって、過去に……辛い環境で過ごしてきた、被害者なんだ……!)

ショタ提督(……僕に協力してくれる、妖精さん達の為にも……早く、皆の心の傷を癒さないと……!)


由良「………」スタスタ…

由良(妖精さん達は私が守らなきゃ……あいつの手から、守らなきゃ……)

あいつは“提督”。私達を、奴隷……いや、道具のように扱う……非道な人間。

そんな奴が、妖精さんにまで手を出そうとしている。それだけは避けないと……!

私達が、守らないと……!もう、あいつの好きには……

由良「………」ピタッ…

由良(……でも、あいつは……以前、私達が独断で出撃して、ピンチになった時……私達を責めなかった)

由良(それどころか、自分が悪いと言い出して……罰を受け入れるとまで……)

由良「……っ」キッ!

由良(今、私は……何て馬鹿なことを……!)

あいつは……“提督”だ。私達のことなんて、ストレス発散道具としか考えていない。

今までもずっと、酷いことばかりされてきた……なのに、私は……

一瞬でも、あいつを信用しようとする真似を……!

由良(……騙されちゃダメ。“提督”なんて……皆、酷い奴なんだから……)

由良(……もう、信用しちゃ……ダメ、なんだから……)


――由良の警戒心が少し和らぎました。

4ヶ月目:下旬


演習場

瑞鳳(21周目)「………」ジトー

瑞鳳「………」ギロリ

那珂(21周目)「………」

那珂「………」ギロッ

鳥海(21周目)「………」ジトッ

鳥海「………」ギラッ

木曾(21周目)「………」

木曾「………」ギロリ

名取(21周目)「………」オロオロ

名取「………」ギロッ

電(21周目)「………」アセアセ

電「………」


21周目提督「えっと……演習はもう終わったのに、お姉ちゃん達だけで2戦目に突入しそうな勢いだよ~……」

ショタ提督「……ごめんね。無理言って、演習を頼んじゃって……」

21周目提督「いや、それは全然大丈夫だよ!困った時はお互い様だもん!けど……」


瑞鳳(21)「……提督のことを信用しない、いや、それどころか……あんなゴミを見るような目で見るなんて、どういうこと!?」

瑞鳳「……うるさい。恵まれた環境のアンタには、一生分からないことよ」

那珂(21)「あんなに一生懸命な提督なのに、睨みつけるなんて……同じ私なのに、なんて酷い……!」

那珂「……ふん。部外者は黙っててよ。こっちの気も知らないで……」

鳥海(21)「……前任者までの方と、今の司令官さんは別人じゃないですか。どうしてそこまで……」

鳥海「黙って下さい。あまり無駄口を叩くなら……同じ私相手でも、今すぐ沈めますよ?」ギロリ

木曾(21)「自分達の指揮官を信用せずして、よく艦娘を名乗れるな……どういうつもりだ?」

木曾「うるせぇ。俺からすれば、お前らの方がイカれてんだよ……よくあんな屑野郎共を信用する気になれるな?」ギラッ

名取(21)「え、えっと……提督は、その……悪い人じゃ……」オロオロ

名取(体の半分が深海棲艦?今すぐ殺せば良いのに……同じ私でも、こんな頭が悪い名取もいるんだ……)

電(21)「そ、そっちの司令官さんは……悪い人じゃないのです。あんなにしっかりとした指示を……それに、いつもお仕事を頑張って……」アセアセ

電「貴女に理解してもらうつもりは無いのです。どうせ“あいつ”だって、裏の顔を隠してるだけ……」


ショタ提督「……本当に、ごめんなさい」

21周目提督「……ううん、43周目提督君が謝ることじゃないよ。だって、そっちのお姉ちゃん達だって……元々は――」


↓1加賀のコンマ 信頼値:19/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:37/50
↓3由良のコンマ 信頼値:20.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:18/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

妖精「……そんなことがあったんだ」

ショタ提督「うん。21周目鎮守府の皆と、この鎮守府の皆が喧嘩しちゃって……」

妖精「あー……ここの皆はピリピリしてるから……」

妖精(それも全部、あいつらのせいなんだけどね……)

ショタ提督「……向こうの鎮守府の皆は、凄く幸せそうだったよ」

妖精「みたいだね。実際、提督の知り合いの子達は……皆、まともな提督だし……」

ショタ提督「……本来、鎮守府はそうあるべきなんだ。こんな……艦娘の皆が、死にそうな目で過ごすところじゃ……無いんだ」

妖精「その通りだよ。ただでさえ、皆は出撃で辛い思いをするんだから……鎮守府は、皆の憩いの場じゃないと」

ショタ提督「………」

ショタ提督(だから僕は、それを目指す為に……実現する為に、ここにやって来た)

ショタ提督(皆を、苦しみから……救い上げて、ここを……皆が安心して暮らせる鎮守府にする為に……)

妖精「……でも、提督も無理しちゃダメ」

ショタ提督「……え?」

妖精「貴方が倒れてしまえば……きっと、無理矢理追い出されるかもしれない」

妖精「プレッシャーをかけることを言って、申し訳ないんだけど……」

妖精「……この鎮守府の、私達の命綱は……貴方だけ、だから……!」

ショタ提督「……うん、分かってる」

ショタ提督(妖精さん達だって、今も苦しんでいる……だから僕が、助けてみせる……必ず……!)



愛宕の行動

直下

トゥルルルル…

妖精「……?」

ショタ提督「ん?電話か……」カチャッ

ショタ提督「もしもし、こちら43周目鎮守府です」

妖精「………」

ショタ提督「はい、43周目提督です。どうされましたか?もしかして、こちらが何か失態を……」

ショタ提督「……え?そうですか。早とちりして申し訳ございません。それで……」


愛宕「………」スタスタ

愛宕(……あの子の目的は、一体……)

今までの奴らは、着任から数ヶ月経った頃には……既に本性を露わにし……私達を酷使してくることが大半だった。

けれど、あの子は……一向に、非道な一面を見せようとしない。

愛宕(……いや、違う。そうじゃなくて……)

そもそも、“非道な一面を持っていない”……?

少し前の私なら、こんな可能性は考えなかった。考えようとしても、すぐに否定したと思う。

愛宕「………」

私は、また……同じ過ちを犯し、傷つくことになってしまう……のか?

それとも、今度は……本当に……

愛宕(でも、それは……)

怖い。今まで、何度も……希望を抱いては、裏切られてきた。

それなのに、私はまた……“提督”を、信用しようとして……

「……そ、そんな!?」

愛宕「……?」

愛宕(今の声……執務室……妙に大きな声だったけど……?)スッ…

ショタ提督「命令違反した艦娘を解体、だなんて……!」

妖精「っ!?」


愛宕「……ッ!!」

愛宕(か、解体……何を……)


ショタ提督「いえ、確かに暴動を防ぐことは重要ですが……」

妖精(だ、大本営が……そんな命令を……)


愛宕「……っ」

愛宕(電話、してるみたいだけど……この話し方からすると、相手は大本営……)


ここの鎮守府の評判が悪いことは、既に知っていた。

あの子が憲兵と話していた時も、それらしい内容の話題を……耳に挟むこともあった。

でも、だからって……こんな、強硬手段を取るなんて……!

ショタ提督「……いえ、ここの艦娘は、命令違反なんて起こしていません!」


愛宕「――!」


妖精「……!」

ショタ提督「はい。確かに、全員が私に対し……辛辣な対応を取っている。これは事実です」

ショタ提督「ですが……どの艦娘も、指示通りに動いています。命令違反となるような行為はしていません」

ショタ提督「対応こそ、そちらの仰る通りではございますが……彼女らは皆、今までの過去と戦いながら……必死に、役目を果たそうとしているんです!」


愛宕「………」

愛宕(あの子……大本営相手に、嘘を……それに……)

愛宕(いつも、あんなに酷い態度だった私達のことを……庇って……!)


妖精(……あっ)チラッ


愛宕「………」


揺曳(愛宕さん……今の話を聞いて……)

ショタ提督「……はい。ですので、解体は必要ありません。お心遣い、感謝致します」

ショタ提督「はい、はい……はい、ではまた……」カチャ

妖精「……あーびっくりした。まさか、大本営がそんなことを言い出すなんて……」

ショタ提督「うん、本当にね……だけど、何とか納得してもらえたよ。少しだけ、嘘をついちゃったけど……」

妖精「……由良さん達の独断行動だよね?でも、今のは嘘をついてくれて……本当に、ありがとう……!」

妖精「もう少しで、大切な仲間を失うところだったよ……」

ショタ提督「ううん、僕はここの提督として、当然のことをしたまでだよ。大本営の人々には、申し訳ないけどね……」

妖精「……でも、今の提督の対応……私以外にも、見てくれた人がいるよ」ボソッ

ショタ提督「え?あ……」チラッ


愛宕「………」


ショタ提督(愛宕さん……ドアの前に……)


提督達or愛宕の行動

直下

ショタ提督「……愛宕さん」

愛宕「っ!」ビクッ

愛宕(あ……見つかっちゃった……)

ショタ提督「……もしかして、来てくれたんですか?」

愛宕「え……あ、その……」

妖精「………」

愛宕「……どうして」

ショタ提督「え?」

愛宕「どうして、嘘をついたの……?」

ショタ提督「……!」

愛宕「命令違反行動……由良ちゃん達が、前に……」

ショタ提督「……こうしないと、皆さんを守れなかったからです」

愛宕「守るって……私達は、今まで……睨んだり、罵倒したり……嫌われても、おかしくないようなことを……」

ショタ提督「……愛宕さん」

愛宕「………」

ショタ提督「貴女は何も悪いことはしていません。むしろ、僕のことを嫌うのは……当然のことです」

ショタ提督「今までに……“あの人”や、前任者の人々から……辛い思いをさせられてきたんですから」

愛宕「でも……」

ショタ提督「……嬉しかったです」

愛宕「……!」

ショタ提督「愛宕さんが、こうして……僕に、話しかけてくれて……」ニコッ

愛宕「っ!」

愛宕(……そんな、笑顔……今まで、1度も……どの“提督”からも、見せてもらったこと……)

愛宕「……提、督……」

ショタ提督「……!」

妖精「……!」

ショタ提督(今……提督って……!)

妖精(愛宕さん、やっと……提督のことを……!)


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:愛宕「……っ!」ダッ
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:愛宕「……ありがとう、ございます」
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:愛宕「……っ」ジワッ
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

74→47:照れ隠しとはまた違う……


愛宕「……っ!」ダッ

ショタ提督「あ、愛宕さん……!」

妖精「えっ!?」

タタタ…

妖精「……走って行っちゃった」

ショタ提督「………」

妖精「う~ん、まだ完全に信用してくれたわけじゃないか……でも、1歩前進だね」

ショタ提督「……うん。愛宕さんから、僕に話しかけてくれた。言い換えれば、憎んでいた“提督”に……自分から話しかけた」

ショタ提督「凄く前向きに考えれば……愛宕さんは、過去を乗り越えようとしている」

ショタ提督「同時に、僕のことを……“提督”として、信用しようとしてくれている……!」

妖精「ようし!この調子で、他の皆も救っちゃおう!私と貴方なら、きっと……いや、絶対に出来るよ!」

ショタ提督「……そうだね。頑張ろう……!」


ガチャ バタン!

愛宕「……っ!」

愛宕(……ダメ。あの子と……提督と、合わせる顔が無いわ……!)

今まで、“あいつら”と同じだと思い込んで……散々、文句を言ってきた。

“どうせ、こいつも同じだろう”と……勝手に決めつけて、嫌い続けてきた。

でも、実際は……大本営相手に、嘘をついてまで……私達のことを、守ろうとしてくれて……!

愛宕(……私は、何てことを……っ!)

裏の顔なんて無かった。本性なんて言っていた自分が馬鹿だった。

あの子は……私達がずっと望み続けた、“まともな提督”……

いや、それを通り越して……“理想の提督”……!

愛宕(……この前、妖精さんが怒ったのは……そういうこと、だったのね……)

愛宕(妖精さんは……きっと、最初から……あの子のことを、見抜いていて……)

愛宕(だとしたら、私は……凄く、酷いことを……)


愛宕の信頼値 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

3×1.0=3
37+3=40/50≪--リーチ--≫


愛宕「………」

高雄「……大丈夫?」

愛宕「え……?」

高雄「貴女、さっきからずっと……上の空じゃない。何かあったの?」

愛宕「………」

高雄「ハッ!まさか、あいつから嫌がらせを……」

愛宕「……違うの」

高雄「え?」

愛宕「そうじゃない、の……私は……あの子に、酷いことを……」

愛宕「ずっと、私達の為に……頑張ってきてくれた、のに……」

高雄「……貴女、まさか……あいつのことを、信用しようとしてるわけじゃないでしょうね?」

愛宕「……っ」

高雄「………」

愛宕「……あの子は、悪い子じゃないわ」

高雄「ッ!自分が何を言ってるか分かってるの!?」

愛宕「……だって、あの子が今まで……私達を、酷使したことが……ある?」

高雄「それは無いけど……きっと、本性を隠してるだけで……!」ギリッ

愛宕「……違う。あの子は、そんな子じゃない……!」

高雄「愛宕……!」ギロッ

愛宕「あの子……提督こそが、私達がずっと願ってきた……理想の……」

高雄「……本当に、どうしちゃったのよ」

愛宕「………」

高雄「……はぁ。とにかく、今日は早く寝て頭を冷やしなさい。ぐっすり眠れば、自分が混乱していたことを自覚出来るはずよ」

愛宕「………」

愛宕(高雄……違う。提督は……“あいつら”とは、違う……違う、のよ……)

愛宕(でも……提督は、どうして……そこまで、私達のことを……)

愛宕「……っ」ギュッ…



4ヶ月目までの評価

加賀:19/50『……最近、あいつと顔を合わせる機会が少ないわね。お陰で少し気が楽だわ』
愛宕:40/50≪--リーチ--≫『ねぇ、どうして貴方は……そこまで、してくれるの……?』
由良:20.5/50『信用しちゃダメ……“提督”は酷い奴、なんだから……』
コマンダン・テスト:18/50『……今月は、出撃以外であいつを見かけなかったわね。良かった……』



――愛宕の警戒心がほぼ無くなり、心を開こうとしています。

夜ご飯食べてきます。22:00~23:00頃再開予定です。

再開します。

5ヶ月目:上旬

ショタ提督「この書類は今日中に終わらせて、次に出撃と演習の編成を……その後は……」カキカキ

妖精「………」

妖精(ずっと皆のことや仕事のことばかり考えてるけど……提督、家では休んでるのかな……?)

妖精(せめて、私が書類仕事を手伝ってあげられれば良いんだけど……)

ガチャ…

ショタ提督妖精「……!」

大井「……っ」ビクビク

球磨「………」

多摩「………」

ショタ提督「あ……おかえりなさい。遠征、お疲れ様です」

大井「ぁ……は、はい……」

球磨「……大井はお姉ちゃんの後ろに隠れてて」

大井「………」スッ…

妖精「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(大井さん、最初に会った時から……霞さん達と同じように、僕を怖がって……)

多摩「……今回も無事成功したよ」

ショタ提督「……はい、分かりました。ご報告、ありがとうございます」

大井「……っ」ビクビク

ショタ提督「……大井さん。その……」

大井「ひっ……!ご、ごめんなさい!提督の指揮に文句を言ってごめんなさいっ!」

球磨「……大井を怖がらせないで」ギロリ

ショタ提督「う……」

妖精「……っ」ズキッ

多摩「妹を虐めるなら……上官相手でも、容赦しないからね」ギロリ

ショタ提督「……申し訳ありません」

球磨「……ほら、行こ?」

多摩「お姉ちゃん達が守ってあげるから、ね?」

大井「………」コクリ

スタスタ…

ショタ提督「………」

妖精「……大井さんは、今までの奴らに殴られたトラウマが残ってて……その、球磨さん達は、それで大井さんを守ろうと……」

妖精(球磨さんと多摩さんに関しては、語尾が取れてしまうほど……真剣に……)

ショタ提督「うん、分かってる。だからこそ……何とか、大井さん達に……“提督”として、信用してもらわないとね」

ショタ提督(そして、最終的には……トラウマを乗り越えて、元の大井さんに戻ってもらえるように……頑張らないと!)



愛宕「………」

愛宕(……やっぱり、真面目に仕事して……球磨ちゃん達から睨まれても、しっかり受け答えして……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:19/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:40/50≪--リーチ--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:20.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:18/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

ショタ提督「……ふぅ」

妖精「お疲れ様」

ショタ提督「ありがとう。残りは家で片付けるとして、次は編成を……」

妖精「……ねぇ」

ショタ提督「……どうしたの?」

妖精「提督……ちゃんと休んでる?」

ショタ提督「もちろんだよ。体調管理も仕事の内だからね」

妖精「本当に……?」ジー

ショタ提督「うん。早寝早起きは心がけてるけど……」

妖精「………」

妖精(……うん。嘘を言ってるわけではなさそうだね)

妖精「……皆のことを考えてくれるのは、私も嬉しいけど……」

ショタ提督「……?」

妖精「休憩もしっかり取ってね?毎日の働き振りを見てると、その内倒れないか心配で……」

妖精(まだ12歳なのに、皆からは罵倒されて……その上、働き詰めで……精神的にも、物理的にも辛そうだから……)

ショタ提督「大丈夫だよ。僕が倒れちゃったら、皆のことを助けられなくなるから……」

ショタ提督「それに、妖精さんがいてくれることが、本当に助かってるんだよ?」

妖精「……!」

ショタ提督「こうして、話すことも出来るし……一緒に対策を考えることも出来る」

ショタ提督「それだけでも、僕にとっては……凄く心強いんだ」ニコッ

妖精「………」

妖精(提督……貴方は、本当に……)



加賀の行動

直下

ズドーン!

ショタ提督「……?今の音は……」

妖精「演習場の方からだよね……」

ショタ提督「確か、演習の時間はまだのはずなんだけど…………あっ」


加賀「……ふっ!」ビシュッ!

ズガァァァァンッ!


ショタ提督「……加賀さん」

妖精「いつぞやのコマさんの時みたいに、自主訓練してるみたい」


加賀「……っ!」ビシュッ!

ズガァァァァンッ!


ショタ提督「……凄い。全弾命中してる」

妖精「………」

妖精(確かに凄いけど、やっぱり……どことなく、表情が暗いような……)

妖精(砲撃も、まるで親の仇を討つかのように…………んん!?)


加賀「……っ!」ビシュッ!

ズガァァァァンッ!

加賀「………」

加賀(……試しにやってみたけど、結構ストレス発散になるわね)

演習時に使う的に、あいつの顔写真を貼り付けてみたけれど……

あいつへの憎悪を、惜しげなく攻撃に注ぎ込むことが出来る。

そのお陰で、どの攻撃も百発百中。未だ1発も外していない。

加賀(……普段から耐えている屈辱と憎しみを……弓に込めるっ!)ビシュッ!

ズガァァァァンッ!

加賀「……ふぅ」

加賀(これは赤城さん達にも教えましょう。皆もあいつへのストレスを抱えていますし……)


妖精「………」

ショタ提督「……どうしたの?」

妖精「……加賀さん、的に提督の写真を貼りつけてるみたい」

ショタ提督「……えっ?」

妖精「道理で命中率が高いわけ、か……きっと、提督へのストレスを……写真と的にぶつけてるから……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(蛾蛾さん……そこまで追い詰められていたなんて……)


提督達の行動

直下

蛾蛾wwwwwwww

行動はそのまま見守るで

>>586
またミス……すみませんでした。蛾蛾→加賀です、ハイ。

今回はここまでです。長い時間お付き合いいただきありがとうございました!
今のところの予定では6月中は土日のみ更新(時間があれば平日1~2スレ)、7月はほぼ1ヶ月間更新が難しいと思います。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

ショタ提督「………」

ショタ提督(ここは……声をかけない方が良いかもしれない)

ショタ提督(妖精さんが言っていることが、正に今の加賀さんに当てはまるとしたら……)

妖精「……どうする?」

ショタ提督「……様子を見よう。声をかけるにしても、自主訓練が終わってから……かな」

妖精「……うん、分かった」

妖精(今の加賀さんに声をかければ、最悪……攻撃がこっちに飛んで来そうだもんね)


加賀「……ふっ!」ビシュッ!

ズガァァァァンッ!

加賀「………」

加賀(あぁ……写真ではなく、あいつを本当に……こうしてやれたら良いのに……)

それでも、やるとやらないとでは爽快感が桁違いだ。

今まで溜めに溜め込んでいる、あいつへの怒り、憎しみ、殺意、憎悪……

全てを込めた渾身の一撃を、写真が貼られた的に……思い切り叩きつける。

加賀「……っ!」ビシュッ!

ズガァァァァンッ!

加賀「………」

やはり、写真とは分かっていても……擬似的に、あいつへの恨みを晴らしたかのような錯覚を覚える。

写真と的が跡形も無く散っていく様は、言いようもない快感が湧いてくる。

ただ、ここまでしないと、自分のストレスを管理することが出来ないというのも……

加賀(我ながら、異常よね……正気の沙汰では無いわ)

だが、これも全て……あいつら、“提督”が元凶なのだ。

奴らのせいで、私達は……ここまで、傷つき……苦しみ、歪み……!

加賀「……ッ!」ビシュッビシュッ!

ズガァァァァァァァァンッ!!

加賀「はぁはぁ……」

加賀(……やはり、憎い……“提督”が、憎い……!今すぐにでも、吹き飛ばしてやりたいほどに……!)


妖精「う、う~ん……実力がつくのは良いことだけど、動機が……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(ここからだと、よく見えないけど……明らかに、攻撃に力が籠っているように感じられる)

ショタ提督(しかも、それは……僕、いや、“提督”に対する……憎しみの気持ち)

ショタ提督(でも、それを否定してはいけない。皆は、それほどまでに……辛い思いをしてきたから)

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(だけど、このままじゃ……過去に縛られたままだ。今も……過去の記憶に、囚われたままだ……)

ショタ提督(今の僕に出来ることは……)


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:加賀、提督に気づくが……
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:加賀、そのまま自主訓練を終える
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:加賀、訓練が終わった直後に提督に気づき……
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

40→04:一発だけなら誤射かもしれない


加賀「……?」グググッ…

加賀(……どこからか、視線が……)チラッ


ショタ提督「………」

妖精「………」


加賀(……ッ!!)ゾワッ

ビシュッ!

加賀「っ!?」

加賀(し、しまっ……!?)


妖精「……っ!?」

ショタ提督「……!」

ショタ提督(あ……今、加賀さんと目が合っ――)

妖精「だ、ダメっ!」ドンッ!

ショタ提督「――わっ!?」バタッ

ズガァァァァァンッ!!

ショタ提督「……!?」

ショタ提督(か、壁が、窓が……いや、僕が立っていた場所が、抉れて……)

妖精「……っ」ドキドキ

妖精(あ、危なかったぁ……っ!もう少しで……提督が……)

加賀「………」

加賀(……あいつに見られていると気づいた時の嫌悪感で、手元が……部屋を見る限り、助かったみたいだけど……)

加賀「………」

加賀(……いっそ、あのまま死んで――)

加賀「………」フルフル

――いや、そんなことになれば……傍にいた、妖精まで巻き込んでしまうところだった。

だが、もし……あいつが今、たった1人で佇んでいたとしたら……

加賀(……喜んでいたかもしれないわね)

誤射……すなわち、過失と判断すれば……私達の罪も、少しは軽減されるだろう。

もちろん、無罪放免とはいかないが……この鎮守府の“提督”の普段の様子を、他の艦娘が証言してくれる。

そうすれば、更迭は免れなくとも……いずれ、この場所に戻って来られるはずだ。

加賀「……っ」ギリッ…

加賀(……また、嫌な気分になってしまったわ)

あいつを葬るチャンスを逃してしまった……やり場の無い怒り。

同時に、妖精を巻き込まずに済んで良かったと思う……安堵の気持ち。

そして、“あいつの視線を感じた”というだけで、手元が狂ってしまう自分の未熟さを……思い知ってしまった、悔しさ。

加賀「………」

加賀(……これも全て、あいつらのせい……あいつらさえ、いなければ……)


妖精「大丈夫!?怪我は無い!?」

ショタ提督「……うん。僕なら大丈夫」

妖精「良かったぁ……」

ショタ提督「……ありがとう、助けてくれて。でも、よく気がついたね……早すぎて、僕じゃ反応出来なかったよ」

妖精「伊達に皆の艤装を弄ってないからね……ってそんなことより、これ……」

ヒュウウゥゥゥゥ…

ショタ提督「……後で修理してくれる業者に連絡するよ」

妖精「………」

妖精(まさか、加賀さん……本気で、提督のことを……誤射と見せかけて……?)

ショタ提督「………」

ショタ提督(加賀さん……)


加賀の信頼値 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

2×1.0=2
19+2=21/50


加賀「………」スタスタ

加賀(……あいつが生きているということは、きっと……私の誤射を脅して……)

あいつなら……“提督”なら、それを脅しの種として……私を、奴隷のように扱うかもしれない。

今までの奴らが、まさにそうだった。少しでもミスをすれば、溢れんばかりの罵声を浴びせ……

同時に、暴力を振るわれることも珍しくなかった。

加賀(……それだけじゃない。もっと酷い脅しも……)

ショタ提督「……あっ」ピタッ

妖精「……!」

加賀「……っ!」ピタッ

ショタ提督「………」

加賀「………」

妖精「………」

妖精(……もし、加賀さんが提督を……本気で殺そうとしているのなら……)

妖精(その時は、私達が総出で守らないと……!例え皆から、敵だと思われたとしても……!)

加賀「……もしかして、部屋を壊したことの追及?」

ショタ提督「……いえ、違います」

加賀「じゃあ何かしら。これをネタに、私を脅し――」

ショタ提督「……ごめんなさい」

加賀「――!?」

妖精「っ!?」

妖精(て、提督……!?)

ショタ提督「加賀さんの演習を、邪魔してしまって……そのせいで、あんなことになってしまって……」

加賀「……何の、つもり……?」

ショタ提督「部屋の修理費は、僕の給付から出します。この度は、本当に……申し訳ございません」

加賀「………」

ショタ提督「演習で消費した燃料と弾薬も、全て補給します。もちろん、その他の罰も全て僕が受け……」

加賀「………」

加賀(こいつ、は……どうして……)

加賀「……いえ、結構です」

ショタ提督「……!」

妖精「……!」

加賀「……修理費は、私が負担します。罰も……ありません」

ショタ提督「………」

加賀「……次は気をつけなさい」クルッ

スタスタ…

ショタ提督「……ありがとうございます」

妖精「……貴方は、本当にそれで良いの?」

ショタ提督「え……?」

妖精「一歩間違えれば……死んでたかもしれないんだよ!?それなのに、提督が謝るなんて……」

ショタ提督「………」フルフル

妖精「……!」

ショタ提督「もし、あの時……誤射にしろ、本当に殺そうとしていたにしろ……」

ショタ提督「どちらにしても、加賀さんは……皆は悪くないよ。皆は、それほどまでに……悲しい出来事を経験してきたんだから」

妖精「だけど……!」

ショタ提督「……妖精さん。守ってくれてありがとう。君が……君達がいてくれる限り……」

ショタ提督「きっと、何とかなる。どれだけ時間がかかったとしても……いつか、皆は……笑顔を取り戻してくれる」

ショタ提督「僕は……そう信じてるから」ニコッ

妖精「………」

妖精(提督……私には、出来ないよ……“あいつ”の為に、約束の為に……そして、皆の為に……)

妖精(そこまで、強く信じて……やり遂げる、のは……)


加賀「………」

加賀(あいつは……私を責めなかった。それどころか……自らが謝罪するなんて……)

今まで、そんな奴は……誰1人として、いなかった。

皆、自分の失敗を私達のせいにして……そして、私達のミスは……容赦なく、責める奴だった。

なのに、あいつは……全部、自分自身のせいにして……

加賀「……っ!」フルフル!

加賀(いいえ、騙されてはダメ……!所詮、本性を隠しているだけなのだから……!)

今まで、何度も裏切られてきた。信用しようとする度に……辛い現実を突きつけられた。

もう、同じ苦しみを味わいたくないのだ。どうせ、あいつらは……私達のことなんて、奴隷としか……!

加賀(もう、信用しないと……決めたのだから……!馬鹿なことを考えてはダメ、私……!)


――加賀の警戒心が少し和らぎました。

36周目:大和END(大和の呪い解除)
40周目:ビスマルク・木曾END(ドイツの呪い解除)

加賀「……」
加賀「やりました(ガッツポ」

18:00~19:00頃開始予定です。
途中で休憩を挟むと思います。

始めます。

5ヶ月目:中旬


ショタ提督「次はこの仕事を終わらせて、家に帰るまでにこっちの仕事を……」スタスタ

妖精「………」

妖精(……私には、声をかけてあげることしか出来ない。小さい体だから、仕事を手伝ってあげることも難しい)

妖精(それでも、貴方は……私を気遣ってくれる。優しい言葉をかけてくれる)

妖精(私は……貴方の心の支えに、なれてるのかな。貴方の負担を……和らげることが、出来ているのかな……)

ショタ提督「………」ピタッ

妖精「……どうしたの?」

ショタ提督「……ううん、何でもないよ。ごめんね?急に立ち止まって……」スタスタ…

妖精「……?」チラッ

妖精(……あっ)


鳳翔「………」ジャージャー

間宮「………」カチャカチャ

伊良湖「………」ゴシゴシ


妖精「………」

妖精(厨房で洗い物をしてる……そう、か。提督の話通りだと……)

妖精(だから、一瞬……向こうを見て……この前の、家族で遊ぶ光景と似た……)

ショタ提督「……妖精さん?」

妖精「あ、うん。今行くね……」タタタ…

妖精(……私には、想像することしか出来ないけど……きっと、提督は……複雑な気持ちを抱いて……)


鳳翔「……今、こちらを見ましたよね」

間宮「……はい」

伊良湖「凄く……不快でした」

鳳翔「全く……一体、いつまでここに留まるつもりでしょうか」

間宮「いい加減、更迭されるか……悪事が発覚して、逮捕されてしまえば良いのに……」

伊良湖「今までの……そして、最後にここを去っていった人のように……」


↓1加賀のコンマ 信頼値:21/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:40/50≪--リーチ--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:20.5/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:18/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

ショタ提督「………」カキカキ

妖精「……ねぇ」

ショタ提督「……どうしたの?」

妖精「私……役に立ててる、かな?」

ショタ提督「役に……?」

妖精「だって……私は、貴方が皆から酷く当たられていても……見ていることしか出来ない」

ショタ提督「……!」

妖精「貴方が目の前で、苦しい思いをしていても……何も出来ない」

ショタ提督「………」

妖精「この前だって……」

ショタ提督「……そんなことないよ」

妖精「……!」

ショタ提督「あまり自分を責めないで。妖精さん達は……僕にとって、凄く心強い存在だよ」

ショタ提督「皆を助ける為の相談を聞いてもらえたり、妖精さんを通じて皆と話をしたり……」

妖精「………」

ショタ提督「何よりも、こんな僕について来てくれる……それだけでも、何とお礼を言えば良いか……分からないくらいだよ」ニコッ

妖精「提督……」

ショタ提督「……ちょっと、偉そうだったかな。ごめんね?」

妖精「………」フルフル

ショタ提督「……ありがとう」

妖精(……そうやって、私を励ましてくれる。その言葉は……凄く、凄く嬉しい)

妖精(だからこそ……心配になる。貴方は、今も気を抜けない状態が続いて……)



由良の行動

直下

妖精「……あっ、そういえば」

ショタ提督「……何かあったの?」

妖精「えっと、さっき皆の部屋の見回りをしてた時――」


由良「……はっ!」

長良「っと!中々やるね……やっ!」

由良「ふっ!姉さんこそ……」


妖精「――こんな感じで、空手……いや、組手していて……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……普通なら『どうして急にそんなことを?』と思うかもしれない。でも、皆なら……)


長良「いつもはあいつらへの悔しさを走って発散してたけど、これはこれで気分転換になるね……やっ!」

由良「っ!でしょ?だからこうして……誘った、のっ!」

長良「くっ……地味に防御しづらいところを……」


ショタ提督(やっぱり、そう。“提督”への憎しみを……運動で発散して……)

妖精「………」

妖精(相変わらず、そういう動機なんだ……もう何ヶ月も経ってるんだけどなぁ……)


由良「………」

1人で黙々と演習しても良かったけれど、今日は姉さんに協力してもらうことにした。

こうして対人形式の訓練なら……1人でいる時よりも、あいつのことを考えずに済む。

……以前なら、そう思っていた。けれど、今は……少し違う。

由良「……はっ!」

由良(……何となく、爽快感が……あまり、無いような……)

あいつへの苛立ちをぶつける。そう思っていたけれど……

今までよりも……それこそ、訓練や敵への攻撃で発散していた時よりも……あまりスッキリしない。

由良(……どうして、私は迷っているの?あいつは、憎い……最低な奴……そうに決まってる……)

由良(だけど……今は、そこまで……苛立ちを感じなくなってる。どうして……)

由良(……やっぱり、命令無視した時の……いや、だから騙されちゃ……っ!)

長良「……由良?どうしたの?」

由良「……え?あ、ごめんなさい。続けるね……やっ!」

長良「おっと!今のは遅いよ!たあっ!」

由良「……っ!」


妖精(うぅ……やっぱり、まだ信用してもらえてない……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(今、一瞬だけ……由良さん、動きが止まったような……)

ショタ提督(体調が悪いのか、それとも……いや、決めつけで行動するのはダメだ。よく考えないと……)


提督達or由良の行動

直下

ショタ提督「………」

ショタ提督(……間違った行動を取ってしまえば、由良さん達を更に傷つけることになってしまう)

ショタ提督(となると、やっぱり……慎重に動いた方が良さそうだね)

ショタ提督「………」チラッ


長良「はっ!やっ!」

由良「んっ!ふっ!」


ショタ提督「……妖精さん。ちょっとだけここを離れるね?」

妖精「え?」

ショタ提督「確か、冷蔵庫にスポーツドリンクがあったはずだから……」

妖精「……!了解、行ってらっしゃい」

ショタ提督「……ありがとう」タタタ…


長良「はぁっ!」

由良「っう……!」

長良「あっ!ご、ごめん!大丈夫!?」アセアセ

由良「う、うん……腰に当たっただけだから……」

由良(……今までなら、こんな……こんなミスは、しないのに……)


ショタ提督「………」スッ

妖精「……まだ、直接は渡せなさそう?」

ショタ提督「……うん。由良さんが、今、どういう心情なのか……はっきり分からないからね」

ショタ提督「確実なのは、僕のことを完全に信用……いや、過去を乗り越えていないことだけ」

ショタ提督「その状態なら……今はこうするのが、最適だと思ったんだ」

妖精「……まぁ、そうだよね。これが1番無難……か」

ショタ提督「……部屋から少し離れよう。由良さん達が、このドリンクを受け取ってくれるかどうか……」スッ…

妖精「うん。見届けないとね」スッ…

由良「……!」チラッ

長良「……どうしたの?」

由良「……あれ」スッ

長良「……スポーツドリンク?どうしてドアの傍に……」

由良「………」

由良(考えられる可能性は3つ。1つは妖精さん、もう1つは姉妹の誰か、そして最後は……)

恐らく、あいつが持って来たのだろう。それしか考えられない。

ただ、妖精さんや姉妹の皆なら……間違いなく、私達に直接渡してくれるはず。

となると、残された可能性は……

由良「………」

長良「う~ん……どうする?何だか怪しいよ……?まさか、あいつが嫌がらせに……!」

由良「………」

以前までの私なら、『拾わない』と即決で判断しただろう。

けれど、今は……少し、本当に僅かだが……迷う気持ちもある。

どうせ“提督”は酷いことしかしないという気持ちと、私達の命令無視を庇ったあいつなら、という……

由良「………」


妖精「………」ドキドキ

妖精(拾ってくれるかな……?)

ショタ提督「………」


反転コンマ判定:由良はどうする?

01~49:やっぱり拾わない
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:拾おうとはするが……
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:拾って飲む
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

08→80:少しずつ信用してきてはいるが……


由良「………」スッ…

長良「っ!?な、何してるの!?危ないよ!」


ショタ提督「……!」

妖精「あ……!」パァッ


由良「……っ!」ゾクッ!

由良(い、今……私は、何をしようとして……!?)ガクガク

あれだけ『信用するな』と、心に誓ったはずなのに……また、同じ失敗を犯そうとしていた。

そんな自分に嫌気が差す。私は……まだ、無意識の内に……

あいつらを信用しようと、していたのか……!?今まで、そうして……傷ついてきたというのに……ッ!

由良「………」サッ…


妖精「……っ!」ズキッ

妖精(一瞬、ドリンクに手を伸ばしてくれたと思ったのに……また、手を引っ込めて……)

ショタ提督「………」


長良「……ねぇ、本当にどうしたの?こんな怪しいドリンクを、拾おうとするなんて……」

由良「……ごめんなさい。私も、今……自分で自分が、信じられないことをしようとしたことに気がついて……」

長良「……喉が渇いてるなら、私がジュース買ってあげるから。こんな物を飲んだら、お腹壊しちゃうよ」

由良「………」コクリ

由良(……信用しちゃダメ。心を許しちゃダメ……!)

もう、同じ過ちを繰り返さないと決めた。決めたはず、なのに……

私は、また……自分から、傷つくような真似を……!

由良「……っ」グッ…


妖精「うぅ……また失敗しちゃった……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……出会ったばかりなら、拾おうともしなかったかもしれない。ドリンクに気がついても、無視したかもしれない)

ショタ提督(だけど、今……確かに、手を伸ばそうとしてくれた。拾おうとしてくれた)

ショタ提督(由良さんは……まさに今、自分の過去を……心の傷と、向き合おうとしている……)

ショタ提督(過去を乗り越えようと、頑張ってくれているんだ……!)


由良の信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

夜ご飯食べてきます。22:00~22:30頃再開予定です。

再開します。

7×1.5=10.5
20.5+10.5=31/50


長良「でも、このまま置いとくのも邪魔だしな~……後で捨てようっと」

由良「え……」

長良「どしたの?」

由良「……いや、何でもないよ」

長良「……?」

由良「………」

由良(少しでも、『もったいない』と思ってしまった自分が憎い……)

由良(あいつは……私達のことを、労わろうなんて気持ちは……無い、はずなの……)

由良(絶対……いや、多分……だって、“提督”なんて……そんな奴、ばかりで……)




――軽巡の分際で口答えしてんじゃねぇ!雑魚が!


――戦艦どころか重巡も仕留められねえだと?おい、手ぇ抜いてんじゃないだろうな?


――うっせぇんだよ!ふざけたこと言ってると沈めるぞゴルァ!


――おい、何だその目は?上官を侮辱してんのか?何とか言えや!


――糞ったれが……!次もこんな戦果だったら犯すぞ!聞いてんのか?あぁ!?




由良「……っ」ギリッ…!

由良(……そう。いつだって、あいつらは……私達のことなんて、道具としてしか……見てなかった)

由良(ずっと……酷い扱いを受けてばかりだった。八つ当たりで殴られることも日常茶飯事だった)

由良「………」

由良(……でも、あいつは……今まで、そんな素振りを見せたことが無い)

由良(私達が命令を無視した時だって……むしろ、自分自身を責めたほど……)

由良(こっちがどれだけ嫌悪感を露わにしても……私達を、労わってくれた……)

由良「………」

長良「……由良?」

由良(……私、やっぱり……馬鹿、なのかな……今まで、あれだけ酷い目に遭わされたのに――)






――また、“提督”に……希望を抱こうと、してるなんて……

――由良の警戒心がかなり和らぎました。

5ヶ月目:下旬


食堂

全艦娘「……いただきます」

鳳翔「……はい、召し上がれ」

間宮「……今回も、お代わりが用意出来ました」

伊良湖「………」

全艦娘「………」モグモグ…

赤城「……最近、やっと“まともな”食事が出来るようになりましたね」

武蔵「……あぁ。少し前までは、文字通り“最低限”の飯しか与えられなかったからな」

大和「これも全て、“提督”が資金を牛耳っていたせいですよね」

全艦娘(愛宕除く)「……っ!」ギリッ…!

加賀「………」

赤城「ですが、現在は……お代わりが出来るほどに、安定しています」

大和「はい。なので、非常に癪に障りますが……この点については、認めざるを得ません」

武蔵「……事実とは、時に残酷なものだな。奴の手柄だということを、受け止めねばならない」

赤城「……同感です」

加賀「………」

加賀(あいつのお陰……認めたくないけれど、こればかりは事実……)

加賀(でも、だからといって……あいつを信用してはいけない……)

加賀(……そう思っていても、食事に関しては……少し、ほんの少しだけ……評価に値する、かしら……)





愛宕「………」モグモグ

愛宕(こうして、まともにご飯が食べられるようになったのも……あの子のお陰なのよね……)

愛宕(やっぱり、私の今までの認識が間違って……現に、私達の生活も……劇的に良い方向へ……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:21/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:40/50≪--リーチ--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:31/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:18/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

妖精「提督~!聞いて聞いて!」

ショタ提督「……妖精さん?」

妖精「さっきね、食堂で皆が『まともにご飯を食べられるようになったのは提督のお陰』だって言ってたよ!」

ショタ提督「そうなの?」

妖精「うんっ!まぁ、実際にはもっと辛辣な感じだったけど……でもでも!これって提督が皆に信用され始めたってことだよね!」

ショタ提督「………」

妖精「何だか、自分のことのように嬉しいよ~!やっと提督の努力が実ってきたんだ~って!」

ショタ提督「………」

妖精「……あんまり嬉しそうじゃないね。あっ、もしかして、今……疲れてて話す気分じゃなかったり……?」

ショタ提督「……ううん、そうじゃないよ。ありがとう、妖精さん。皆の様子を伝えてくれて」ナデナデ

妖精「ん……♪」

ショタ提督「嬉しくないわけじゃないんだ。皆から提督として信用されるのは、僕も凄く嬉しい」ニコッ

ショタ提督「だけど……僕の本当の目的は、そうじゃないんだ」

妖精「……分かってる。皆が自分の過去を乗り越えられること、でしょ?」

ショタ提督「………」コクリ

妖精「でもね?皆が提督を信用するってことは、1番のトラウマ……『提督は酷い奴しかいない』という先入観を、取り除けるんじゃないかな?」

ショタ提督「……!」

妖精「だから、提督が皆に信用してもらえることだって……皆が過去を乗り越えることに繋がると思う」

妖精「あくまでも、私の推論だけど……でも、少なくとも、私はそう思ってる」

ショタ提督「……ありがとう、妖精さん。君にそう言ってもらえると……自信が湧いてくるよ」ニコッ

妖精「こちらこそ。いつも皆の為に、ありがとう……提督」ニコッ

ショタ提督(……妖精さんの言う通りだ。この調子で頑張らないと……!)


コマンダン・テストの行動

直下

ブツブツ…

ショタ提督「……?」チラッ

妖精「今の声って……」チラッ


コマンダン・テスト「………」ブツブツ…


ショタ提督(……コマさん?)

妖精(何か呟いてるみたいだけど……)

ショタ提督「………」チラッ

妖精「………」コクッ


コマンダン・テスト「……どうして、あんな奴の話が……」

最近、周りであいつの話題が挙がることが多くなった。

もちろん、内容は悪口が殆どではあるが……

コマンダン・テスト(……あいつを評価する声も、極稀に……)

そう。決してあいつを信用しているわけではないが……

時折、あいつの振る舞いや成果を……僅かに評価する、そんな意見も耳にする。

すわなち、騙されている人がいるのだ。本性を巧みに隠した、あいつの……見せかけの態度に……

コマンダン・テスト「……っ」ギリッ…

コマンダン・テスト(皆は……馬鹿なの?今まで、散々酷い扱いを受けてきたでしょう……!)

特に、愛宕や由良は……あいつの話題が出ても、今までのように話に入らなくなった。

それどころか、愛宕は……高雄によれば、あいつを庇うような発言をしたらしい。

コマンダン・テスト「……まさか、あいつに脅されて……?」

そうとしか考えられない。愛宕が……いや、私達艦娘が、あいつを評価するだなんて……

恐らく、あいつは自分の不評が気に入らず……手近な艦娘を脅し、情報操作をしようとしたに違いない。

“提督”なら、それくらいのことは躊躇いも無くやるだろう。それほどまでに、外道な奴なのだから。

コマンダン・テスト「……許せません」

コマンダン・テスト(仲間をそんな風に“使う”だなんて……!)


妖精「……え、えっと、食堂では本当に提督を褒めて……」

ショタ提督「……ううん、僕なら大丈夫だよ。無理しないで、ね?」

妖精「……ごめんなさい」

ショタ提督「……歩きながら呟いていたのは、そういうことだったのか」

妖精「………」

妖精(……どうして、なの……?貴女だって、今……まともに生活出来ているのは、提督のお陰なのに……)

妖精(もちろん、皆がどんな仕打ちを受けてきたかは知ってる。だけど、皆は……この子が、どれほど頑張っているかも知らないのに……)



提督達の行動

直下

愛宕(武蔵さんの呪いが怖いわね……早くゴールしないと!)

由良(ここからが正念場だよね……リーチまで到達しても、また失恋しちゃうのは……でも……)

コマンダン・テスト(最下位ですけど、流石に3位までは上がれますね)チラッ

加賀「……っ」ゾクッ

加賀(……こ、このままでは、また……何とかしないと……これ以上、呪いと弄られるのは……!)


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
急用が入らなければ、明日も更新出来ると思います。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

15:30~16:30頃開始予定です。
途中で休憩を挟むかもしれません。

始めます。

コマンダン・テスト「………」ブツブツ

スタスタ…

妖精(あ、階段を上って……)

ショタ提督「………」ジッ…

ショタ提督(……意識が呟きに集中している。足を踏み外さないといいけど……)


コマンダン・テスト「……何とかして、追い出したいけれど……」スタスタ…

そう思うことは何度もあった。しかし、あいつは一向にボロを出さない。

憲兵が視察に来ている時はもちろん、それ以外も……表面上は普通の“提督”として振る舞っている。

こうなると、中々あいつを更迭に追い込める証拠が掴めなくなる。

コマンダン・テスト(今までも、あそこまで本性を上手く隠す奴は……)

少なくとも、あいつが初めてだ。かつての奴らは、必ずこちらに刃を向けた。

憲兵が来ている時だけは、普通に振る舞っていても……普段は私達に、最低な態度を取ってばかりだった。

それなのに、こいつは……一体、いつになったら仮面を――

ツルッ…

コマンダン・テスト「――ッ!?」グラッ…

コマンダン・テスト(し、しまっ……足を滑らせ……!?)

妖精「あっ、危ない!コマさんが……!?」

ショタ提督「っ!」ダッ!

ショタ提督(このままじゃ、コマさんが……!せめて僕がクッションに……!)

ショタ提督(間に合って……っ!)ザッ…!

ズデーンッ!

コマンダン・テスト「きゃっ……!?」

ショタ提督「っぐ……!」

妖精「提督っ!コマさんっ!」ダッ

コマンダン・テスト「うぅ、痛……くない?どうして……それに、何だか柔らかい……」

コマンダン・テスト(こんなところに、マットなんて…………っ!?)チラッ

ショタ提督「う、ぐ……コマ、さん……大丈夫、ですか……?」

コマンダン・テスト「……何で、ここに……」

ショタ提督「……階段で、足を踏み外す姿が……見えた、ので……っく!」ズキッ

妖精「だ、大丈夫!?思いっきりコマさんの下敷きに……」

ショタ提督「う、ん……何とか……うっ!」ズキズキ

ショタ提督(今の衝撃で、背中を痛めたかも……でも、何とか……間に合った……!)

ショタ提督「……良かったです。コマさんが……無事、で……」ニコ…

妖精「………」

妖精(提督……自分を犠牲にして、コマさんを……)

コマンダン・テスト「………」


反転コンマ判定:コマンダン・テストの反応は?

01~49:コマンダン・テスト「……まさか、監視していたんですか?」
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:コマンダン・テスト「……ありがとう、ございます」
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:コマンダン・テスト「……どうして、こんなことを……」
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

69→96:言うべきことは言います


コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(……こいつに借りを作ってしまう、なんて……)

あの時、足を滑らせていなければ……いつも通り、階段を上って……

そのまま、部屋に帰っていたかもしれないのに……

よりによって、こいつに……隙を見せるような、失態を……

ショタ提督「……っ!」ズキズキ

妖精「……もしかして、背中が痛むの?」

ショタ提督「ううん、大したことじゃ……っく」ズキズキ

コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(だけど、こいつに助けられたのは……事実。本当は、こんなこと……言いたく、ないけど……)

コマンダン・テスト「……ありがとう、ございます」

ショタ提督「……!」

妖精「あ……!」

コマンダン・テスト「……お陰で助かりました」

ショタ提督「……いえ、怪我が無くて何よりです」

妖精(コマさんが、提督にお礼を……!)パァッ

コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(でも、このことを後でネチネチ言われそう……私の馬鹿……っ!)

これで、またあいつから……文句を言われる種を増やしてしまったことになる。

どうせ、都合が悪くなった時に……このことを持ち出して……

コマンダン・テスト「………」チラッ

ショタ提督「………」ニコ…

コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(……本当に、何を考えているんでしょうか……)


コマンダン・テストの信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

6×1.5=9
18+9=27/50


医務室

ショタ提督「………」

妖精「……これで良し。軽い打ち身で良かったよ。後はしばらく安静に、そして痛みが引いても激しい運動は控えてね?」

ショタ提督「……うん、ありがとう」

妖精「……ねぇ、提督」

ショタ提督「どうしたの?」

妖精「あまり……自分を犠牲にするようなことは、やめて……」

ショタ提督「……!」

妖精「あの時、もし……首の骨を折ったり、大怪我していたら……本当に、どうしようかと思って……」

ショタ提督「………」

妖精「こうして、私が治せるくらいの怪我で済んだから良いけど……最悪、命を落とし――」

ショタ提督「……ありがとう、妖精さん。でも、僕は……さっきの選択を、後悔していないよ」

妖精「――え?」

ショタ提督「僕が下敷きになったお陰で、コマさんが……皆が、これ以上傷ついてしまうようなことを……回避出来たんだ」

妖精「……!」

ショタ提督「確かに、そのことが原因で僕は怪我をしてしまったけど……だけど、それでも良いんだ」

ショタ提督「僕は、皆が過去を乗り越えられるようにする為に来た。だから、皆のことが最優先だよ」

ショタ提督「その過程で、僕が傷ついてしまっても……約束したから。皆を、絶対に……救ってみせる、って」ニコッ

妖精「……提督」

ショタ提督「………」

妖精(……ふぅ。やっぱり、提督の決意は揺るがないみたいだね。なら、私は……私に出来ることで、最大限、力になってあげないと!)

妖精(……そして、いつか“あいつ”や他の“前任者”に会うようなことがあれば……引っぱたいてやんないと!)




コマンダン・テスト「………」

コマンダン・テスト(……あの時の、笑顔……)

今まで、あんなに優しい笑顔を見せる奴は……いなかった。

皆、怒っていたり、常にイライラしていたり……とにかく、まともな表情を見たことが無かった。

万が一、さっきのようなことがあれば……私を助けるどころか、『何してるんだ』と罵って……けど、あいつは……

コマンダン・テスト「………」フルフル

コマンダン・テスト(いや、希望を抱いてはダメ。そうやって、何度も……傷ついてきたじゃない)

もう、2度と信用しないと決めたのだから。

ずっと、怪しみ……憎み続けると、決めたのだから……!


5ヶ月目までの評価

加賀:21/50『……どうして、私を責めなかったのかしら』
愛宕:40/50≪--リーチ--≫『ねぇ、どうして貴方は……そこまで、してくれるの……?』
由良:31/50『もう、信用しないって……決めたはず、なのに……』
コマンダン・テスト:27/50『例え、助けられたとしても……信用、してはダメ……!』


――コマンダン・テストの警戒心が少し和らぎました。

6ヶ月目:上旬


「………」

「……まだ、悩んでいるんですか?」

「……当たり前だろ。ワシは……取り返しのつかないことを……」

「………」

「あいつは今も、あそこで……苦しんで……全部、ワシのせいで……」

「………」スッ…

「……!」

「……確かに、貴方は……“あの子”の気持ちを考えず、自分の考えを押し付けてしまいましたね」

「……っ」

「ですが……それを今、悔やんでも……どうしようもありません」

「………」

「……前を向いて、進むしかないんです。あの子が……まさに今、頑張っているように……」

「……ワシに、そんな資格があるのか?」

「分かりません。それは私が決めることではありません……が、私は……決して、貴方を見捨てません」

「……!」

「今まで、2人で歩んできたじゃないですか。ここまで来たら、最後までお付き合いしますよ」

「何せ、私は……貴方の妻、なのですから……」ニコッ

「……すまん。っぐ……すまん……っ!」

「………」

(あの子は……本当に、立派です。もし、育ち方が間違えていなければ……)

(“あの子”も、同じようになっていたのでしょうか……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:21/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:40/50≪--リーチ--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:31/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:27/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

ショタ提督「………」

妖精「……背中、大丈夫?」

ショタ提督「え?うん。もうすっかり治ったよ、ありがとう」ニコッ

妖精「良かった……まぁ、1週間以上経っても治らないなら、今すぐ病院に行ってもらうところだけど」

ショタ提督「あはは……」

妖精「……皆、少しずつだけど……心を開いてくれてるのかな。徐々に提督への態度が……皆、丸くなってきてるような気がする」

ショタ提督「……正確なことは、僕には分からない。でも……」

ショタ提督「いずれ、皆が立ち直ってくれる……少なくとも、僕はそう信じて行動するだけだよ」

妖精「………」

妖精(本っ当に、良い子だなぁ……今時、こんなに綺麗な心を持つ人がいるとはね……)

妖精(それに引き替え、あいつらは……まして“あいつ”とは……この子と、本当に――)

妖精「………」フルフル

妖精(……いけない。私までイライラしたら、皆に悪影響を与えちゃう。そしてそれが……)チラッ

ショタ提督「……さて、残りの仕事も仕上げないと!」カキカキ

妖精(……結果的に、提督が辛い思いをしてしまうから……)



加賀の行動

直下

ズバシャアアアアンッ!

ショタ提督「……!」

妖精「この音って……」


加賀「……っ!」ビシュッ!

ズバシャアアアアンッ!


妖精「やっぱり……しかも前と同じことしてるし」

ショタ提督「前……もしかして、的に僕の写真を……」

妖精「みたいだね。はぁ……この前、提督を殺しかけたこと、忘れてるのかな……」

ショタ提督「………」


加賀「……!」ビシュッ!

ズバシャアアアアンッ!

加賀「………」

加賀(おかしい……この前の時より、明らかに精度が落ちて……)

あいつの写真を貼り、日頃のストレスをぶつける……

前回はそのお陰で、命中率が飛躍的に上昇した。なのに……

同じ方法で、今回も自主訓練してみれば……何度弓を放っても、外してばかり。

加賀「……!」ググッ…!

加賀(そんな、はずは……!現に前は、これで百発百中……)

――……ごめんなさい。加賀さんの演習を、邪魔してしまって……そのせいで、あんなことになってしまって……

加賀「……っ」ビシュッ!

ズバシャアアアアンッ!

加賀(また、外すなんて……っ!)ギリッ

おかしい。どうしてここまで……当たらない?

練度はもうかなり高くなっている。実践経験も、それなりには積んだと言えるだろう。

体調も……身体的には、特に問題は無い。だとしたら、残る可能性は……

加賀(……私自身の、心の乱れ?)

それしか考えられない。すなわち、その理由も……あいつということになる。

私達が心を乱すとしたら、あいつしか考えられない。けれど……

加賀(……今は、それほど苛立ちを感じない。演習で発散しているから、でしょうけど……)

加賀(……とにかく、このままでは……あいつから、また嫌味を言われそうね。何とか、命中率を上げないと……)


妖精「……何だか、前回と比べて……外しまくってるね。調子悪いのかな」

ショタ提督「………」

ショタ提督(加賀さん……やっぱり、僕への苛立ちで……)

妖精「……っ!」

妖精(いや、ちょっと待って。攻撃を外すということは、流れ弾がこっちに飛んで来る可能性が上がるってことだよね!?)

妖精(これって、提督を避難させておいた方が良いんじゃ……)


提督達or加賀の行動

直下

加賀「………」

加賀(……一度、写真を外してみましょうか)

もしかすると、写真を通じて……私が苛立ちを感じ、返って心の乱れを作り出しているのかもしれない。

仮にそうだとしたら、本末転倒だ。ストレス発散のつもりが、自分を追い詰めることになってしまうだなんて……

加賀「………」スッ…

加賀(もし、これで命中率が元に戻れば……写真のせい。戻らなければ……)


ショタ提督「……!」

妖精「あ、加賀さん……写真を外してる。やっぱり、これはいけないことだって、気づいてくれたのかな?」

ショタ提督「………」


加賀「………」ペリッ

加賀(……これで最後ね)

的を沢山用意していたせいで、少し時間がかかってしまったけれど……

ようやく、全ての写真を芳賀氏終えた。今まで通り、何の変哲も無い的だけが視界に広がる。

後は、私の命中率がどうなっているか……

加賀「………」ググッ…!

加賀(……いつもの私を思い出すのよ。余計なことを考えず、敵を倒すだけ……)

加賀「……っ!」ビシュッ!


妖精「……放った!」

妖精(流石に、もうこっちに飛んで来ないよね……?でも、念の為に警戒しておかないと……!)ジッ

ショタ提督「……!」

ショタ提督(加賀さん……ここからだと、よく見えないけど……どことなく、迷っている顔だったような……)



反転コンマ判定:加賀の命中率は?

01~49:元に戻る(百発百中)
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:6~7割程度
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:先程までと変わらず外し続けてしまう
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

98→89:そこそこ元に戻るが……


ズガァァァァンッ!

ズバシャァァァァンッ!

ズガァァァァンッ!

ズバシャアアアアンッ!

加賀「………」

加賀(ざっと6、7割程ね。さっきよりは間違いなく当たるようになったけれど……)

確かに、写真を剥がしてからは……それなりに命中するようになった。

けれど、百発百中とまではいかない。以前までの水準には戻っていない。

加賀(……どうして、かしら。写真は無くなったのだから、それに対する苛立ちは感じないはず……)

やはり、普段からの憎しみが影響しているのだろうか。

そうだとしたら、一応の説明はつくが……それでも、納得出来ない部分がある。

加賀(……前回よりも、命中率が下がった原因……)

何故、写真を貼りつけた状況で……前回と今回で、命中率が落ちてしまったのか。

そして、写真を剥がしても……命中率は、完全には元に戻らなかった。

ここから考えられる可能性は……

加賀「……っ」

加賀(まさか……状況に関係なく、あいつのことを考えて……)

加賀「っ!」フルフル

加賀(そんなことをしても、集中出来なくなるだけ……!余計なことを考えるな、私……!)

加賀(こんな状況が続けば……いずれ、まともに攻撃することすら……!)

加賀(今までは、“提督”のことに苛立ちを感じても……ここまで、命中率が上下することは無かったのに……!)


妖精「……結構命中してたね」

ショタ提督「………」

妖精「でも、どうしたのかな……急に頭を抱えだしたけど……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(理由は分からない、けど……やっぱり、今の加賀さんは……凄く、辛そうで……)


加賀の信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

8×1.5=12
21+12=33/50


加賀「………」スタスタ

加賀(まさか、私は……あいつらのせいで、艦娘としての能力まで……)

他の誰かが、今の私の心境を耳にすれば……甘えや慢心等と、馬鹿にするだろう。

実際に、あいつらからも……散々罵られ、暴言をぶつけられてきた。

そのせいで、私は……出撃の度に、憎しみ、怒り、苦しみ……全てを募らせてきた。

加賀(……全部、あいつらが……あいつらが悪いのよ……そのせいで、私は……ずっと……!)




――燃料食うだけ食って敵も倒せませんってか?おい、ふざけてんじゃねぇだろうな?


――潜水艦も撃破出来ないでどうするんだよ!腕や足を無くしてでも倒して来いや!


――それなりに期待しているだぁ?部下の癖に舐めた口聞くんじゃねぇ!


――無能の癖に体も許さねぇとか、お前、自分の立場を分かってるのか?


――ガラクタの分際で……!チッ、轟沈時にかかる費用がタダなら、今すぐにでも……!




加賀「……っ」

加賀(ずっと……屈辱だった……!空母の弱点や、特性も考えず……乱暴に酷使して……!)

加賀(自分のミスでさえ、私達の責任だと押し付けて……!)

加賀「………」

加賀(……けれど、あいつは……そんな真似、1度もしたことがない)

加賀(それどころか……過失とは言え、私が殺人未遂に近いミスを犯した時も……私を責めなかった)

加賀(むしろ、全て自分のせいだと言い出すほど……)

加賀「……っ」グッ…

加賀(……あいつは、違う……?今までの、外道な奴らと違って……)

加賀(本当に、私達のことを……考えて、くれている……?)

加賀「………」

加賀(……どうするべき、なの?私は――)






――もう1度、“提督”を……信じるべき、なの……?

――加賀の警戒心がかなり和らぎました。

6ヶ月目:中旬


駐屯地

憲兵1「……なぁ、あそこの様子はどうだ?」

ショタ憲兵「えっと、43周目提督君が着任してからは……特に問題も無く、安定した戦果を稼いでいるみたいです」

憲兵1「そう、か……やっとまともな鎮守府になりそうだな。これで艦娘達も安心出来るだろ」

憲兵2「先輩、何の話ですか?」

憲兵1「ん?いや、な……着任する提督が、何故か酷い奴ばかりな鎮守府があるんだよ」

憲兵2「あ、知ってますそれ!確か『呪われた鎮守府』なんてあだ名が付いた43周目鎮守府のことですよね!」

ショタ憲兵「そうそう。本当に呪われてるとしか思えないんだよね……」

憲兵2「そんなに酷いんですか?」

憲兵1「お前がここに来る前……それこそ10年以上前から、そんな状態が続いていたんだ」

憲兵2「……ま、マジっスか?」

ショタ憲兵「うん。思えば、1番長く着任していたのは……」

憲兵2「ショタ憲兵先輩が言ってた、43周目提督とか言う人ですか?」

憲兵1「いや、違うぞ。その子は最も新しい提督ってだけで、1番じゃない」

ショタ憲兵「着任期間が1番長いのは、43周目提督君の1つ前の提督だよ」

憲兵2「そうなんスか。それって、やっぱ戦果だけは優秀だったとか?」

憲兵1「……当たらずとも遠からず、だな」

ショタ憲兵「僕も詳しくは知らないんだけど、僕達憲兵が視察に来ている時は……問題を上手く隠してたみたいで……」

憲兵2「あー……俺達は明確な証拠が無いと、中々動けませんもんね~」

憲兵1「にしてもありゃ酷かったなー。前の提督が解雇されたのは、今から3年前の話なんだが――」

ショタ憲兵「………」

ショタ憲兵(僕がここに来た時から、『いつ暴動が起こってもおかしくない鎮守府』と噂されていたほどだっけ……)

ショタ憲兵(でも、その前任提督も……話に聞いた通りだと、“例の事件”がきっかけで……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:33/50
↓2愛宕のコンマ 信頼値:40/50≪--リーチ--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:31/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:27/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

今回はここまでです。長い時間お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

25周目の親の鎮守府だった所かもしれない

21:30~22:30頃開始予定です。

始めます。

妖精「……呪われた鎮守府」

ショタ提督「……え?」

妖精「ここのあだ名。着任する“提督”が、酷い奴ばかりだったから……」

ショタ提督「……あちこちで、そんな名前で呼ばれたってことだね?」

妖精「………」コクリ

ショタ提督「……呪われた、か」

妖精「……私も、別の鎮守府の立場だったら……そう呼んでたかも」

ショタ提督「……!」

妖精「本当に、ここは……呪われているとしか、思えなくて……」

ショタ提督「………」

妖精「他にも、立地が悪いせいで見放された――」

ショタ提督「……これからは、違う」

妖精「――!」

ショタ提督「そんな、悪い流れは……断ち切ってみせる。終わりにしてみせる」グッ…!

妖精「………」

ショタ提督「皆を救って、ここを……皆が笑顔でいられる鎮守府に、僕が変えてみせるから」ニコッ

妖精「提督……」

妖精(……この子がいれば、ここは……“希望の鎮守府”に変わる。必ず……!)



加賀の行動

直下

ショタ提督「……さて、そろそろ執務室に戻って次の編成を考えないと」スタスタ

妖精「………」

妖精(さっき出撃と演習の指揮を終えたばかりなのに、もう明日のことを……)

妖精(提督、ちゃんと休んでるのかな……本人は大丈夫だって言ってくれてるけど、やっぱり心配……)

妖精「……あっ」

ショタ提督「……どうしたの?」

妖精「………」スッ

ショタ提督「……!」


加賀「………」スタスタ… ※中破


ショタ提督「……加賀さん」

妖精「………」

妖精(入渠しに行くみたいだけど、心なしか……表情が暗い。いつものように、被弾を提督のせいにしてるのかな……)


加賀「………」

私達空母が被弾し、中破以上に損傷した時は……帰還する度に、罵声を浴びせられた。

でも、あいつは……私達がどんなに惨敗で、戦果を稼げなかったとしても……

絶対に、文句を言わない……それどころか……

加賀(……本気で心配、してくれていて……優しくて、温かい言葉を……)

加賀「……っ」

今までなら、考えられない待遇……“あいつら”は、こんな風に……ゆっくり入渠なんて、許さなかった。

バケツを被せられ、精神が疲労困憊していても……問答無用で出撃させられる。

でも、彼は違う。私達を、道具ではなく……人として、扱う……理想的な振る舞い。

加賀(……少し前までの私なら、“本性を隠しているだけ”と考えていたと思うけれど……)

あの言葉……穏やかな笑顔は、嘘に思えない。

実際に、彼の態度に……苛立ちを感じることは、ほぼ無くなった。

やはり私は……あいつを、“提督”を……また、信用し始めてしまっている……

加賀(……私は、どこまで馬鹿なのかしら。また、裏切られる可能性だって……いや、まず間違いなく……)

加賀(……裏切られる、のに……)


ショタ提督「………」

妖精「……どうする?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(今の加賀さんからは、いつものような……僕への憎しみを、感じない)

ショタ提督(いや、正確には……以前と比べて、どことなく……穏やかになっているような気がする)

ショタ提督(もちろん、これは僕の予想でしかないけれど……)


提督達or加賀の行動

直下

ショタ提督「……ん?」

妖精「……提督?」

ショタ提督「………」ジッ


加賀「………」トボトボ


ショタ提督「………」

ショタ提督(加賀さんが持っているタオル、ボロボロで……破れかかっているような……)

ショタ提督(それに、他の道具も傷んでいて……とてもじゃないけど、これだと……)

ショタ提督(満足に体も洗えない。入渠と言っても、本当に体を治すだけ……)

ショタ提督「……ごめんなさい、妖精さん。少しだけ、ここを離れるね?すぐに戻って来るから!」ダッ

妖精「え?あっ、提督……行っちゃった……」


加賀「………」

加賀(1番最初に使っていた、このタオル……それに、他の物も……もう、かなり傷んでるわね……)

本音を言えば、新しいタオルや……入渠用の道具も、新しい物を購入したかった。

けれど、“あいつら”にそんなことを言えば……どんな反応が返って来るかは、想像に難くない。

だからこうして、ボロボロになってしまっても……同じ物を、使い続けて……

ショタ提督「……加賀さん」

加賀「……!?」

妖精(っ!?て、提督!?戻って来たと思ったら、加賀さんの所に行くなんて……それに、手に持ってるのは……)

ショタ提督「……あの、もしよろしければ……これをお使い下さい」スッ

加賀「……これって」

ショタ提督「……購入しておきました、入渠用のタオルと……その他、入浴用品……そして、バケツです」

ショタ提督「入浴用品の選別は妖精さんにお願いしました。男性の僕が選んだ物は使用しづらいかと思いましたので……」

加賀「………」

妖精「………」

妖精(……なるほど。そういうことだったんだ……少し前に、私達で買い物した時の……それで、取りに戻ってたんだね)

ショタ提督「その、加賀さんが持っているタオルや他の道具が……痛んでいると思い、新しい物を持って来ました」

ショタ提督「そして、バケツについてですが……加賀さんにお渡ししておきます」

ショタ提督「使うか使わないかは、加賀さんの裁量にお任せします」

加賀「………」

ショタ提督「あくまでも、僕は加賀さんが最も休息出来ることが重要だと考えています。なので、こちらが指示することではありません」

ショタ提督「……余計なお世話でしたら、申し訳ございません」

加賀「………」

妖精「………」

妖精(……提督、随分と踏み込んだね。でも、ちょっとリスキーな気も……)


反転コンマ判定:加賀の反応は?

01~49:黙って受け取る
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:加賀「……ありがとうございます」
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:加賀「……どうして」
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

86→68:既に拒否しないところまで……


加賀「……ありがとうございます」スッ

ショタ提督「……!」

妖精「……!」

加賀「その……ちょうど、取り替えたいと思っていました、から……」

ショタ提督「……お役に立てて何よりです。受け取っていただいて、ありがとうございます」ペコッ

妖精「………」

妖精(気を遣ってあげた提督の方がお礼を言うなんて……まぁ、あの子らしいけど)クスッ

加賀「………」

加賀(こいつは……貴方は、本当に……)

今までの奴らなら、絶対にしなかったであろう対応と断言出来る。でも、こいつは……

こんなところにまで、気にかけてくれていたなんて……

加賀「……っ」

ショタ提督「……加賀さん?」

加賀「……失礼、します」クルッ

ショタ提督「あ……」

スタスタ…

ショタ提督「………」

妖精「……加賀さん、随分丸くなってたね。提督のこと、少しは信用してくれたのかな」

ショタ提督「……分からない。でも、僕が持って来たタオルを……受け取ってくれた」

ショタ提督「加賀さんは……きっと、今……過去を乗り越えようとしている」

妖精「……!」

ショタ提督「その手助けとして、僕が役に立つことが出来たのなら……こんなに嬉しいことはない、かな」ニコッ

妖精「………」

妖精(……お人好し過ぎて、いつか悪い人に騙され……いや、この子なら事情を聞いた上で慰めちゃいそう)


加賀「………」スタスタ

加賀(思わず、受け取ってしまったけれど……)

加賀「………」

加賀(……今度こそ、信用しても……けれど、それは……)

加賀(もし、また……裏切られて……っ、考えがまとまらない……!)

加賀「……っ」


加賀の信頼値 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

6×1.5=9
33+9=42/50≪--リーチ--≫


ガチャ

赤城「……?」

加賀「………」ホカホカ

赤城「……お帰りなさい」

加賀「……赤城さん」

赤城「何ですか?もしかして、あいつから何か嫌味を……」

加賀「……もし」

赤城「……“もし”?」

加賀「もし、私が……また、提督を信用したいと思っていたら……」

赤城「っ!?」

加賀「……どう、感じ――」

赤城「加賀さんっ!」ガシッ!

加賀「きゃっ!」

赤城「あいつに脅されたんですか!?くっ……!私達が命令通りに動くからって、いい気に……!」ギリッ…!

加賀「い、いえ!そうじゃなくて……その……」

赤城「………」

加賀「………」

赤城「……まさか、本気なんですか?」

加賀「……私自身、まだ……決心がついたわけでは、ないんです。ただ……」

加賀「あいつは……提督は、今までの奴らとは違う……そう、思うことが多くなって……」

赤城「正気に戻って下さい!私達、今までずっと酷い目に遭ってきたじゃないですか!」

加賀「………」

加賀(……提督。貴方は……本当に、私達のことを……ずっと、考えて……)

加賀(もし、今度こそ……信用出来る、まともな提督だとしたら……私は、“あの時”……誤って、誤射した時……酷い態度を……)

加賀(……謝らないと。提督に、誤射のことを……しっかり、謝罪しないと……)

加賀(だけど、もし……私達のことを、騙そうとしているだけ、だとしたら……)

加賀「……っ」

加賀(……私は、どうすべき……なの……?どうしたら、良いの……?)



――加賀の警戒心がほぼ無くなり、心を開こうとしています。

6ヶ月目:下旬


ショタ提督「次の出撃はこの編成で、演習の編成は……」スタスタ

加賀「………」コソッ

加賀(……物陰から、様子を伺っているだけじゃ……何も進歩しない)

加賀(頭では、分かっていても……その先から、進めない……そんな自分が、嫌になるわ……)

妖精「………」ジー

・・・÷

ショタ提督「そういえば、あっちの書類も今日中に片付けないと……」カキカキ

愛宕「………」ジー

愛宕(……提督。貴方は……どうして、そこまで……)

愛宕(“あいつ”と……全然違う。まるで正反対で……)

妖精「………」チラッ

・・・÷

妖精「……ということが、最近よくあって……」

女神妖精「う~ん……今までの傾向から考えれば、提督暗殺の隙を……」

烈風妖精「いや、でも……加賀さんも愛宕さんも、ちょっと前までのように嫌悪感を出してるようには……」

瑞雲妖精「……どちらにしても、2人が以前とは違う行動を取り出してることに変わりないね」

妖精「うん……でも、私達が聞こうにも……」

応急修理要員妖精「……はぐらかされるのがオチ、だよね」

三式弾妖精「仮に事情を話してくれても、それを提督に伝えると……」

彩雲妖精「皆の話を、勝手に提督に筒抜けにすることになるから……余計に拗れちゃいそうなのが怖いよね」

妖精「……とりあえず、2人の動きが怪しいことは、提督に伝えておかないと」

烈風妖精「だね……あの子は、私達にとっての……そして、艦娘皆にとっての……救世主だもの」

女神妖精「あの子がいなくなってしまえば、今度こそ……ここは、永遠に呪われた鎮守府になってしまう……!」

妖精達(何が何でも、あの子を……提督を、守らないと……!)グッ…!


↓1加賀のコンマ 信頼値:42/50≪--リーチ--≫
↓2愛宕のコンマ 信頼値:40/50≪--リーチ--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:31/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:27/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

今回はここまでです。お付き合いいただいありがとうございました!
今月は更新がほとんど出来なくなりそうです。まとまった更新が出来そうな日は改めて連絡致します。
また、空き時間が出来た場合は1~2レスだけでも更新出来るようにします。
適時生存報告は行いますので、それまでお待ちいただけると幸いです。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

今週の更新は難しそうです。申し訳ありません。

今週の更新も難しそうです。お待たせして申し訳ありません。

今週の更新も難しそうです。お待たせして申し訳ありません。
来週くらいからはまた更新が再開出来そうです。

22:30~23:30頃開始予定です。
遅れそうな場合は再度連絡致します。

始めます。

ショタ提督「……え?加賀さんと愛宕さんの様子が?」

妖精「………」コクリ

ショタ提督「……何となく、僕もそう思っていたんだ」

妖精「……!」

ショタ提督「出撃終わりの時も、今までより……少しだけ、話し方が柔らかくなったような気がしたんだ」

ショタ提督「それに、仕事中も……時々、どこかから視線を感じることが多くなった。もちろん、妖精さん達以外の、ね?」

妖精「………」

ショタ提督「もちろん、視線だけで皆の気持ちは分からない。でも……」

ショタ提督「少なくとも、加賀さんと愛宕さんからは……睨まれるようなことは無くなった、そんな気がする」

妖精「……うん。それは私達も思ってた」

ショタ提督「……2人は、きっと……今も、過去を乗り越えようと……苦しんでいるんだ」

妖精「………」

ショタ提督「だからこそ、僕は……出来ることがあるなら、何でもしてあげたい」

ショタ提督「でも、加賀さん達だけに意識を向けるわけにもいかない。他の皆は、2人以上に……」グッ…!

妖精「………」

ショタ提督「……だけど、絶対に……皆を、過去から救い出してみせる」

ショタ提督「それが、僕の……“提督”としての、役目だから……!」

妖精「………」

妖精(……大丈夫。この子なら……きっと、いや、必ず……皆を、過去の柵から解き放ってあげられる……!)



由良の行動

直下

妖精「……あっ」

ショタ提督「……どうしたの?」

妖精「………」スッ

ショタ提督(広場?もしかして、また誰かが自主訓練を……)

ショタ提督「……!」

ショタ提督(いや、違う。あれは……)


夕立「………」グッ…!

由良「……夕立ちゃん」


ショタ提督(……由良さんと、夕立さん……)


夕立「……今日、あんまり敵を倒せなかった」

由良「……仕方ないよ。今回の奴らは、かなり強かったから」

夕立「そんなことない。これも全部、あいつが……!」

由良「……!」

夕立「あいつが、いつも……私達に、酷いことばっかり、するから……!」

夕立「それで、私達は……艦娘としての、実力さえ……発揮出来なくなって……っ!」ギリッ…!

由良「………」

由良(夕立ちゃん……)

今までの、いや、少し前までの私なら……迷わず夕立ちゃんに賛同していただろう。

実際に、私も……同じ苦しみを味わってきた。同じように思うことも、数えきれないくらいあった。

由良「……っ」

由良(でも、今は……)

あいつのことを、心の底から……憎んでいない自分がいる。

あれだけ、“提督”に酷いことをされてきたというのに……

それでもなお、“提督”を……あいつを、信用しようとしている私がいる。

由良「………」ナデナデ

夕立「……!由良、さん……」

由良「……大丈夫。大丈夫だから……」ナデナデ

夕立「………」

由良(……ダメだな、私。こんなことしか、してあげられない……)

かけるべき言葉が見つからない……いや、違う。

言葉をかけてあげたくても……今の私には、この娘を励ます資格なんて、無い。

この娘や、私自身が嫌い続けていた……“提督”に、また……

由良「……っ」


妖精「……慰めてあげてるのかな」

ショタ提督「………」

妖精「そういえば、今日の出撃は……あまり戦果が稼げなかったんだっけ」

妖精「……あっ、提督や皆を責めてるわけじゃないよ!?えっと、その……」アセアセ

ショタ提督「……ううん、良いんだ。これも、僕の指示が上手く出来ていなかったせいだから」

妖精「……提督」

ショタ提督(……由良さんと夕立さんが何を話しているかは、ここからでは聞こえない)

ショタ提督(でも、1つ共通点がある。それは……2人共、今日の出撃メンバーで……後は妖精さんが言った通り)

ショタ提督「………」


提督達or由良の行動

直下

由良「………」ナデナデ

夕立「ん……」

由良(何とか、夕立ちゃんを励ましてあげたいけど……)

今の私が何を言っても、上辺だけの言葉になってしまう。

苦労を共にしてきた娘に、嘘はつきたくない。

由良「………」ゴソッ…

由良(……これしかない、か)

本当は、辛くなった時に使おうと思っていた……間宮券。

でも、この娘を慰めることが出来るなら……その為に使った方が良い。

何より、今の私に……この券を使うなんて、出来ない。したくない。

由良「……夕立ちゃん。間宮さんのお店、行こっか?」

夕立「え……?でも、券が……」

由良「私のがあるから大丈夫だよ」

夕立「そんな、悪いよ……」

由良「良いの。持ってても、使うことが無かったから……気にしないで、ね?」

夕立「……由良さん」

夕立(苛立っている私の為に……本当に、あいつらとは大違いだよ……)

夕立「……ありがとう」

由良「………」

由良(……ごめんね、夕立ちゃん。こんな形でしか、貴女を励ましてあげられなくて……)


ショタ提督「……!」

妖精「あ、由良さん達……どこかに行くみたい。手に持ってるのは……間宮券?」

ショタ提督「………」

妖精「う~ん、お店に会いに行ったら、ずっと前の愛宕さんの時みたいになりかねないよね……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(今、僕が由良さん達に会いに行けば……険悪な雰囲気になってしまうかもしれない)

ショタ提督(だけど、このまま……由良さん達に、何もしないでいるのは……)

ショタ提督「………」


反転コンマ判定:提督達の行動は?

01~49:それでも謝りに行く
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:2人が間宮喫茶を出てから、個別に対応
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:↑のつもりが間宮喫茶を出た時で鉢合わせ
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

84→48:由良は比較的丸くなっているが、夕立は……


ショタ提督「………」

ショタ提督(いや、ここで後回しにするのはダメだ。ちゃんと2人に謝らないと……!)

ショタ提督「……もう1回、謝って来るよ」

妖精「……!」

ショタ提督「今回の出撃の結果は、僕のミスが原因なんだ。もちろん、皆が帰還した時にも謝ったけど……」

ショタ提督「やっぱり、“提督”として謝罪するだけじゃダメだ。“僕個人”としても、謝罪しなきゃ……!」

妖精「……分かった。じゃ、いつも通り、私も付き添うね?」

妖精(提督がこう言う時は、きっと……返って嫌われるリスクも承知の上のはずで、決断したはず)

妖精(それなら、私達も……最大限、提督のフォローをしないとね!)

ショタ提督「……ありがとう、妖精さん」

妖精「それはこっちの台詞」ニコッ


夕立「……うん、美味しい」

由良「……良かった」

由良(……これで、夕立ちゃんが少しでも元気になってくれれば……)

夕立「……ありがとう、由良さん。その、私の為に……」

由良「だから、気にしなくて良いの、私がしたくてしてることなんだから、ね?」

夕立「うん……」

由良「………」

カランコロン…

由良「……!」クルッ

夕立「っ!?」ビクッ

ショタ提督「………」

妖精「………」

由良(え……何で、あいつがここに……!?)

夕立「………」ギロリ

ショタ提督「……由良さん、夕立さん」

夕立「……何しに来たの」

妖精「えっと、さっき2人が落ち込んでるのを見かけたから……提督が、2人に話したいって」

由良「………」

ショタ提督「先程は、僕の指揮が原因で……あんな結果となってしまって、本当に……申し訳ございませんでした!」ペコッ

由良「……!」

夕立「………」

ショタ提督「僕のせいで、由良さんや夕立さん達に……負担をかけてしまって、申し訳ございませんでした!」

夕立「……それを言う為だけに、わざわざ顔を出したの?」ギラッ

由良「………」

妖精「……ううん、提督は……本当に、2人に謝りたくて、ここに来たんだよ」

夕立「ふん。折角甘い物を食べてたのに、アンタの顔を見たせいで……」

ショタ提督「……申し訳、ございません」

夕立「………」

由良「……っ」ズキッ…

由良(……え?今、私……どうして、胸が痛んで……)

ショタ提督「ただ……皆様が無事に、鎮守府に戻って来てくれて……本当に、安心しました」

夕立「っ!」

由良「……!」

ショタ提督「指揮を誤った、僕が言えたことではないのですが……戦果よりも、皆さんの命が最優先です」

ショタ提督「皆さんが無事に帰還する……どんなことがあっても、これだけは守ります」

ショタ提督「それが、“提督”として……そして、“僕自身”が、最も重要だと考えています」

夕立「………」

由良「………」

由良(……こいつ、は……どうして、そこまで……)

ショタ提督「……時間を取らせてしまって、すみませんでした」

由良「あ……」

夕立「……どうせ、上辺だけの言葉のくせに」ボソッ

妖精「……違う」

夕立「……!」

妖精「提督は……あの子は、本当に……2人のことを、心配して……!」

ショタ提督「妖精さん……」

妖精「……ごめんなさい」

ショタ提督「……ううん、ありがとう」

スタスタ…

夕立「……何よ、あいつ。そんなことで、私達の所に……それに、妖精さんまで……」

由良「………」

由良(……私、は……)


由良の信頼値 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
ここからは比較的安定した更新が出来そうです。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

8×1.0=8
31+8=39/50


ショタ提督「………」

妖精「………」

妖精(また考え込んでる……でも、あの子だから、皆のことを心配して……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(加賀さんに愛宕さん。そして由良さん達……)

ショタ提督(皆、少しずつ……辛かった過去を、乗り越えようとしている)

ショタ提督「………」ギュッ…

ショタ提督(……妖精さんの話によれば、皆が心を閉ざしてしまったのは……)

ショタ提督「………」

妖精「………」

妖精(提督……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(だからこそ、僕が……何とかしないといけない)

ショタ提督(僕でなければ、ならないんだ。だって、皆を最も辛い目に遭わせてしまったのは……)

ショタ提督「……妖精さん」

妖精「……!」

ショタ提督「さっきはありがとう。僕のことを、庇おうとしてくれて」

妖精「……だって、皆は……提督が、こんなに頑張ってるのに……それを、知らないのに……」

妖精「イメージだけで……“提督”というだけで、否定するなんて……」

ショタ提督「………」

妖精「だけ、ど……皆は、それほどまでに……今までの奴らに、酷いことを……」

ショタ提督「………」スッ…

妖精「あ……」

ショタ提督「ごめんなさい……妖精さん達にまで、負担をかけてしまって」

妖精「……ううん、私こそごめんなさい。こんな時に、弱音を吐いて……」

ショタ提督「良いんだよ。むしろ、皆や妖精さんが怒るのも無理はない。いや、当然だよ」

妖精「………」

ショタ提督「だけど、僕が……必ず、何とかしてみせる。皆や妖精さんを、この苦しみから……解放してみせるから」

妖精「……ありがとう。本当に……ありがとう……っ!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(妖精さん達の心も、限界に近かったんだ……だからこそ、僕が……妖精さん達のことも、救わないと……!)


6ヶ月目までの評価

加賀:42/50≪--リーチ--≫『私は……どうすれば、良いの……?』
愛宕:40/50≪--リーチ--≫『ねぇ、どうして貴方は……そこまで、してくれるの……?』
由良:39/50『……私は、また……“提督”を、信用しようとして……』
コマンダン・テスト:27/50『……そう。信用してはダメ……』

7ヶ月目:上旬


青葉「……っ!」ガリガリ

青葉(憎い……憎い憎い、憎い……ッ!)ガリガリ

青葉「……っ、はぁはぁ……!」

青葉(あいつらの、ありとあらゆる不祥事が書かれた……記事……)

今まで、何度記事を書いて世に出してやろうと思っただろう。

今まで、何度奴らの悪事を暴いてやろうと思っただろう。

今まで……何度、助けを求めようと……思っただろう……

青葉「………」

青葉(……でも、それは叶わなかった)

奴らがこんな記事を目にしようものなら……何をされるか、分かったものじゃない。

良くて暴力、最悪……戦果減少覚悟で……

青葉「……っ」ギリッ…!

青葉(いや、それより前に……こんな記事、処分されて……)

あいつらのことだ。自身の不味いことが書かれている可能性がある記事を……見過ごすわけがない。

私が何かしている度に、部屋に押し入って……確認される。

そして、今は……下手な動きをすれば、憲兵に誤解されてしまう。

青葉「……ッ!」ビリビリビリッ!

青葉(こんな紙切れ……何の役にも立たない!結局、私は……いや、私達は……)

青葉(何も出来やしないんです……ずっと、この苦しみが続くだけ……なんです……)

青葉「………」クシャ…


↓1加賀のコンマ 信頼値:42/50≪--リーチ--≫
↓2愛宕のコンマ 信頼値:40/50≪--リーチ--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:39/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:27/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます

愛宕「………」

愛宕(あの子は……今まで、ずっと……私達の為に、頑張ってくれて……)

私達が……いや、私がどれだけ憎しみをぶつけても……

文句1つ言わず……それどころか、私達を庇って……大本営に、嘘を……

愛宕「……それだけじゃない。あの時……」

倒れた私を、医務室まで……それも……

“戦力を残しておく為”じゃなく、純粋に……“私を助ける為”……

愛宕「………」

愛宕(……私は、今まで……あの子に、酷いことを……)

思い返してみて、自分のしてきたことの……罪深さを知る。

私は……あの子に、顔を合わせる資格なんて……無いだろう。

愛宕(……だけど)

せめて、謝罪したい。許してもらえなかったとしても……

とにかく、あの子に……今までの謝罪と、感謝を……伝えたい。

そして……もし、あの子が私にまともに対応してくれるなら……

愛宕(……聞きたい)

どうして、私のような……酷いことをしてきた奴に……あそこまで、優しくしてくれたのか。

どうして、そこまで必死に……私達のことを考え、行動し続けてくれたのか。

愛宕「………」




――特殊多数決

1.提督に会いに行く

――信頼値50確定 END開放

2.まだ、心の整理がつかない

――信頼値上昇コンマ判定へ

↓1~↓5

――提督に会いに行く


愛宕「………」スクッ

愛宕(ここで、あの子に会うことを躊躇っていたら……ダメ)

愛宕(後になればなるほど……あの子と顔を合わせることが、難しくなってしまうから)

愛宕「………」スタスタ

愛宕(……皆、ごめんなさい。でも、私は……)スッ

ガチャ…

愛宕「………」バタン…

愛宕(もう1度……提督を、信じることに……決めたから)

愛宕「………」スタスタ…

愛宕(提督……!)タタタ…!



ショタ提督「………」カキカキ

妖精「………」

妖精(今日も、提督は……いつも通り、顔色変えず……仕事して……)

提督はいつも、私達や艦娘皆の為に……精神をすり減らしながらも、ずっと頑張ってくれている。

なのに私達は……私は、提督の力になりたくても……ほとんど、傍で見ていることしか出来ない。

ショタ提督「……よし、この書類は終わり。次は……」

妖精「………」

私が何度謝っても、あの子はその度にこう言う。

“僕なら大丈夫。本当に辛い思いをしてきたのは、皆や……妖精さん達だから”

妖精(……だけど、提督だって……ずっと、皆から……辛く、当たられてきて……!)

妖精(貴方だって、かなりのストレスを抱えてるはずなのに……!)

カチャ…

ショタ提督「……?」クルッ

妖精「……!」

愛宕「………」

ショタ提督「……愛宕、さん?」

妖精「………」

愛宕「……提督。少し……ほんの少しだけ、良いですか……?」

ショタ提督「……どうしたんですか?もしかして、僕がまた失敗を……」

愛宕「いえ、そうじゃなくて……その……」

妖精「………」

妖精(最近、あまり提督に敵意を抱いているようには見えなかったけど……)

妖精(だとしても、油断は出来ない。隙を見て提督を始末しようというのなら、全力で守らないと……!)

愛宕「………」

ショタ提督「……えっと」




愛宕「……今まで、ごめんなさい」スッ…




ショタ提督「……!」

妖精「……!?」

妖精(ど、土下座……!?)

ショタ提督「あ、愛宕……さん……?」

愛宕「貴方に、酷い態度を取り続けて……本当に、ごめんなさい……!」

愛宕「謝って済む問題じゃないけれど……私には、これしか言えないの……!」

愛宕「ごめんなさい……ごめん、なさい……っ!」

ショタ提督「か、顔を上げて下さい!それに、どうして愛宕さんが謝るんですか!」

愛宕「……え?」

妖精「……!」

ショタ提督「愛宕さんが、僕のことを警戒するのは……当然のことです」

ショタ提督「それに、愛宕さん達は……ずっと、辛い思いをしてきたんです」

ショタ提督「だから、愛宕さんは何も悪くありません。悪いのは、皆の信頼に値しない……」

愛宕「………」

ショタ提督「……未熟な、僕ですから」

愛宕「……提督」

妖精「………」

妖精(提督……やっぱり、自分のせいにして……)

愛宕「……貴方は」

ショタ提督「……え?」

愛宕「貴方は……どうして、そこまで……優しいんですか……?」

妖精「……!」

ショタ提督「………」

愛宕「どうして……こんな、最低な私達の為に……そこまで、してくれるんですか……?」

ショタ提督「………」

愛宕「……もしかして、“責任”を感じて……?」

ショタ提督「……!」

妖精「っ!?」

愛宕「………」

ショタ提督「………」

妖精(愛宕さん、貴女何を言って……!?)

ショタ提督「……確かに、それが無いと言えば嘘になります」

愛宕「………」

ショタ提督「ですが、それ以上に……僕が“救いたい”と、考えたからです」

愛宕「っ!」

妖精「………」

愛宕「……でも、やっぱり……そんな……本当に……?」

ショタ提督「……はい」

愛宕「……提督」

ショタ提督「……何ですか?」

愛宕「……厚かましいかもしれませんけど……話して、くださいませんか……?」

愛宕「どうして、私達のことを……そこまで、考えてくれるようになったのか……」

ショタ提督「………」

愛宕「どうしても、気になって……分からなくて……!」

愛宕「どうして、貴方が……こんな私達に、手を差し伸べてくれるのか……分から、なくて……!」

ショタ提督「……それは――」



妖精「………」

提督が愛宕さんに語りかける、その内容……

私はかつて、この子が来たばかりの時に……話してもらっていた。

そして、愛宕さんが感じる葛藤……その理由も、身に染みて分かっている。

そう。あれは……今から10年以上前。

まだ、提督も生まれていなくて……この鎮守府も、新築だった頃のこと――

提督が“提督”を目指した理由は、彼の父親にある。

何故なら、その父親もまた……かつては“提督”として、この鎮守府で活動していたから。

けれど、そいつの態度は……酷いものだった。史上最低のブラック提督だった。

でも、話はそれだけで終わるわけじゃない。彼がどうしてこうなったか、そして……

提督がどうしてこの地にやって来たのかは、この子の話通り……もっと遡らないといけない。


――43周目父・実家

祖父「いいか?お前はワシと同じ提督になるんだ!」

父「………」

祖父「ワシの息子なら、誇り高き軍人にならなければならない!」

父「………」

祖父「お前が軟弱者だとしたら……ワシの今までの経歴に、泥を塗ることになる」

父「………」

祖父「お前も知っているだろう。ワシは既に引退した身だが……軍人として、人生の大半を海軍に捧げて来た!」

祖父「だからこそ、ワシの血を継ぐお前にも……同じ道を歩んでもらわねばならん」

父「……嫌だ、と言ったら?」

祖父「今すぐ喝を入れてやる。そんな情けない息子に育てた覚えはないからな」ギロリ

父「……チッ」

祖母「貴方。無理強いは良くありません」

祖父「お前は黙っていろ!何があっても、こいつは提督として……」

父「………」

父(糞が!どうして将来の道まで決められなきゃなんねえんだよ……畜生……っ!)ギリッ


提督の祖父は……所謂、社会的地位が高い故に頭の固い人だった。

だから、自分と同じ道に歩ませて……提督の父親に、自分の職業を……間接的とはいえ……継がせたがった。

けれど、彼のやり方は間違っていた。上から押さえつけるように言い聞かせ……

そのせいで、提督の父親は……性格が歪みきってしまった。人としての優しさを、ほとんど無くしてしまっていた。

そして提督の父親は……“彼”は、海軍学校に入る為の勉強を強制的にさせられる。

何度嫌だと訴えても、その度に睨まれ……口論にすらならないまま、意見を封じられる。

彼の鬱憤は溜まり続け、その晴らす先は……“彼女”に向けられる。


父「やってられねえんだよ!糞ったれが!」ダンッ!

母「お、落ち着いて……」アセアセ


提督の母。彼とは幼馴染で、幼稚園からの付き合いらしい。

彼は、中学生くらいまでは……それなりに学校生活、いや、青春を楽しんでいた。

提督の祖父も、まだ幼い息子に対しては……そこまで厳しく叱りつけることはしなかったらしい。

しかし、彼が高校生になった途端……形相を変え、提督になれと怒鳴りつけるようになる。


父「あんの糞親父が……!俺が何度やりたくないっつっても、すぐにキレやがって……!」

母「えっと、その……大丈夫だよ!ほら、私がいるから……ね?」

父「……母。お前だけだよ、俺の話を聞いてくれるのは……」

母「………」

母(この人には、私がいないとダメ。傍で支えてあげないと……!)


彼と彼女は、中学生時代から交際している。故に悩み事は、よく顔を合わせて話していたという。

けれど、彼はこの先……どんどん腐っていく。人としての良心も、失っていく。

それに対し、彼女は……不幸なことに、困っている人を放っておけないタイプの性格で……

それが恋人なら、何でもしてあげたくなる……献身的な女性だった。でも、このせいで……


父「聞いてくれよ……親父の奴、本当に糞で……」

母「うんうん、そっか……辛かったんだね……よしよし」ナデナデ


彼は彼女に依存し、そして……彼女はより、傷ついていくことになってしまう。

そして迎えた海軍学校入学の日。幸か不幸か、親の遺伝を受け継いでいた彼は……試験に合格。

しかし、その代償として……高校時代の青春のほぼ全てを、勉強に費やしてしまった。


祖父「ほほう、やれば出来るじゃないか。流石はワシの息子だな」バシバシ

父「……触るんじゃねえよ」

祖母「………」

母「……おめでとう、父君」

父「……ちっとも嬉しくねえけどな」

祖父「……おい。女にうつつを抜かして、勉強が疎かにでもなったりすれば……」ギロリ

父「黙れ糞親父。てめえだって艦娘……いや、部下と結婚してガキ孕ませたじゃねえか」

祖父「ぐっ……!」

鳳翔(祖母)「………」


そう。彼の母親……すなわち、提督の祖母こそ……軽空母・鳳翔さん。

かつて、提督が鳳翔さんを見て……複雑な表情をしていたのは、きっと……祖母の鳳翔さんを思い出していたからだと思う。


祖父「……チッ。とにかく、在学中は極力会わないようにしろ。特に、性交渉なんて……もっての他だからな?」

母「せ、せい……!?///」

父「おい、母に何聞かせてんだセクハラ親父。とっとと失せろ」

祖父「……卒業までは我慢しろ。妊娠なんてしたら……分かってるな?」ギロリ

父「……チッ」

母「……///」

鳳翔「貴方……」

祖父「うるさい。行くぞ!」ズカズカ

鳳翔「……ごめんなさいね、母ちゃん」

母「い、いえ……///」


こうして彼は、海軍学校に嫌々入学することになる。

でも、元々“提督”になるのを嫌がっていた彼が、まともに勉強をするはずがなく……

父「あぁっ!何で俺がこんなこと……っ!」ダンッ!

母「飲み過ぎだよ……それに、未成年の飲酒は……」

父「うっせぇ!酒でも飲まないとやってらんねえんだよ!」

母「……もう」


海軍学校在学中も、やはり彼は彼女とよく会っていた。

顔を合わせる度に、出てくる言葉は愚痴ばかり……それでも、彼女は……


父「うぅ~……糞親父さえいなけりゃなぁ……」

母「………」クスッ

母(父君、何だかんだでお義父さんの言うこと、聞いてるんだ……)

母(それに、私に愚痴をこぼすってことは……信用、されてるんだよね……)ニコッ


彼が祖父の言うことを聞く微笑ましさ、自分が頼りにされることで刺激される母性……

そして、幼馴染であることも合わさり……彼女は、彼と過ごす時間を……悪くないと思っていたらしい。

けれど、それが……また1つ、大きな事件に繋がることになる。


父「っあぁっ!畜生!畜生っ!」ダンッ!

母「またそんなに飲んで……何があったの?」

父「んなもんテストの点がゴミだったに決まってんだろうが!だから嫌だったんだよ俺はぁっ!」

母「お、落ち着いて……」

父「うっせぇ!おい、お前も飲め!ほら!」ズイッ

母「だ、ダメだよ……私、まだ未成年だし……」

父「俺の酒が飲めないってのかぁ!?」

母「そんなこと言われても……」

父「あーもうめんどくせぇ!うらぁっ!」グイッ

母「んんっ!?んくっんくっ……ぷはっ、あうぅ……///」

父「……なぁ、俺のこと、慰めてくれよ……そうでもなきゃ、やってらんねえんだよ……」

母「うぅ……慰める……?どうやって……///」

父「……んなもんこれしかないだろぉ~!」ガバッ!

母「きゃっ!?ちょ、ちょっと……あっ……ん……///」


彼は酔った勢いで、彼女は酔いで正常な判断が出来ない内に……2人は一線を越えてしまう。

そう。この出来事がきっかけで……彼らの周りは、一層……狂いだしていく。

父「………」

母「………」

父「……ノーカンだ」

母「え……?」

父「昨日あったことはノーカンだ。良いな?」

母「………」

父「……おい」

母「……う、うん。分かった……」


翌朝、混乱した彼らは……その場で、昨晩の出来事を無かったことにした。

でも、現実はそうはいかない。彼らの……いや、彼が犯した罪は……


母「………」

父「……嘘、だろ?」

母「……これが証拠」スッ

父(妊娠検査薬……陽性……こんな、こんなことって……!)ガクガク

母「………」

父「……堕ろせ」

母「……えっ」

父「聞こえなかったか?中絶しろって言ったんだよ」

母「そ、そんな……」

父「俺はまだ未成年なんだぞ!?ガキなんて育てられるわけないだろ!」

母「……い、嫌っ!」

父「お前……っ!」

母「だって、この子は……この子には、何の罪もないじゃない!私達の都合だけで、この子の命を奪うなんて……!そんなこと、出来ないよ……!」

父「じゃあどうするんだよ!俺に子育ての余裕も金もねえぞ!?」

母「うぅ……」


口論の末、彼らの子供は……彼女の両親の元で、しばらく面倒を見ることになった。

そう。まさしく、その子供が……後に生まれる、43周目提督。私が共に行動している、最高の提督。

けれど、提督は……望まないままに、生まれてきた。特に父親からは……余計な存在としてしか、考えられていなかった。

今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
今回のシリアスパートもかなり長くなりそうです。もしかすると、更新数回に跨ぐかもしれません。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

そして彼は彼女の両親……提督から見れば、母方の祖父母の所に向かう。

未成年の妊娠は、それこそ人によっては激しい嫌悪感を抱くもの。彼女の両親も例外ではなく……


母方祖父「………」

母方祖母「………」

父「………」

母「………」

母方祖父「……どうして避妊をしなかったんだい?」

父「……その、酔った時のことで……あまり、覚えて……」

母方祖母「………」

母「……ごめん、なさい」

母方祖父「はぁ……仕方ない。こうなってしまった以上、子供の面倒はしばらく僕達が見ることにしよう」

父「………」

母方祖母「……でも、父君が海軍学校を卒業するまでよ?」

父「え……」

母「……分かってる。そこから先は、ちゃんと私達で育てるから……本当に、ごめんなさい……!」

父「………」

父(やっぱり、ずっとは無理か……安全日なら、こんなことにならなかったものを……!)ギリッ


この出来事が12年と半年前。それまでは彼女は実家で暮らし。

その間、彼は1人で日々を過ごすことが多くなるが……


父「んぐっんぐっ……ぷはっ!畜生!どうしてこうなんだよ……!」ダンッ!

父「くっそぉ……っ!やりたくもねえ勉強させられて、いらねえガキまでくっついてきて……!」

父「どいつもこいつも俺を苦しめやがって……っ!」ギリィ…!


彼は以前よりも酒に溺れ、より悪い方向へ進んでゆく。

彼女が提督を妊娠したことが、皮肉にも……彼を一層、人間的に腐らせる原因になってしまった。

祖父「……っ」ギリッ

鳳翔「………」

祖父「あんの馬鹿息子が……!ワシがあれだけ忠告したというのに……!」

鳳翔「……血は争えないもの、ですね」

祖父「……!」

鳳翔「私も、貴方に……似たようなことを、されましたから」

祖父「……っ」

鳳翔「……ふふっ。怒っているわけではありませんよ?」

祖父「………」

鳳翔「私自身は、貴方と出会えて……共に人生を歩めて、良かったと思っています」

鳳翔「ですが……あの子は、どう思っているでしょうか……」チラッ

祖父「………」

祖父(……ワシは間違っていない。そうだ、間違っていないんだ……あいつが全部悪いんだ……!)

祖父(ワシの顔に泥を塗るようなことをした、あいつが……!)


彼女の妊娠は、当然彼の両親にも伝わっていた。

けれど、祖父もまた……彼と同じ過ちを犯していたらしい。

そのせいか、意外なことに……祖父は彼に、妊娠については激しく叱責するようなことはしなかった。

そして、半年が経ったある日……

ショタ提督(0)「……うえぇぇぇぇぇぇんっ!」

助産師「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」

母「はぁっ、はぁっ……この子が……」


提督の誕生。出産費は全て、彼らの両親が負担したらしい。

町外れの小さな病院で、提督は……この世に、新しく生を与えられた。


ショタ提督「うええええええええええんっ!うえええええええええええんっ!」

母「ふふ……可愛いなぁ。私と、あの人の……」

母(……大丈夫。何があっても、この子のことは……私が守る。絶対に……!)

ショタ提督「うええええええええええええええんっ!」

助産師「………」

助産師(こういう時って、お父様が駆け付けてくるものなんだけど……お仕事で忙しいのかなぁ)


彼女の出産に、彼は立ち会わなかった。

理由はもちろん、彼が提督……子供を望んでいなかったから。

ただそれだけの理由で……彼は子供の誕生にさえ、顔を見せなかった。


トゥルルルル…

父「あぁっ!?うっせえんだよ!電話線引っこ抜くぞ!」

『こちらは○○病院です。たった今、奥様が破水を……』

父「知るか!こちとらめんどくせぇ学校生活でイラついてんだよ!」

父「少しは俺の自由にさせろよ!糞ったれが!」


その後、提督は彼女の両親の元で……2年間、育てられた。

けれど、その間も……彼が彼女の実家を訪れることは、片手で数えるほどだったらしい。

そして、同時期……彼が海軍学校を卒業する時がやって来る。

もちろん、成績は最下層クラス。何度も留年の危機に遭いながら、ギリギリで卒業出来たようなものだったらしい。


父「……長かった。やっとか……」

母「……おめでとう、あなた」

ショタ提督(2)「……おと、さん?」

母「えぇ。お父さんはね?頑張って……提督になる為の学校を、卒業したのよ?」ナデナデ

ショタ提督「てー、とく……?」

父「……わざわざ連れて来たのかよ」

母「だって、この子も……お父さんがいないと、寂しいでしょ?」

父「……チッ」

ショタ提督「………」

母「これからは一緒に暮らすんだから、ね?」

父「………」

父(こいつらのせいで、俺の金が減るなんて……たまったもんじゃねえぞ……!)ギリッ

ショタ提督「………」ジー

母「………」ナデナデ

母(……もう少し、この子に……優しく、してほしいんだけど……今言っても、怒らせちゃうだけだよね……)


元々、勉強や祖父へのストレスを彼女にぶつけ……ある種、彼女に依存していた彼にとって……

今の彼女達は、ただの邪魔者。彼はもう、酒や煙草……その他、褒められたことではない趣味にしか、興味が無かった。
















そして、彼が担当することになった鎮守府こそが……私達が過ごしてきた、43周目鎮守府。




今では『呪われた鎮守府』と噂されるほどに……着任する“提督”が、酷い奴ばかりだった場所。




彼が“提督”となる前……まだ、提督が生まれる前から……既に、その呪いは始まっていた……














この鎮守府が建設されたのが20年前。思えばあの時は、まだ皆が希望に満ち溢れていた。

新しくやって来る提督を、今か今かと待ち望んでいたのを覚えている。


加賀「……もうすぐ、ですね」

愛宕「えぇ♪どんな提督かしら~?」

由良「楽しみです……♪」ニコニコ

コマンダン・テスト「優しい方だと良いのですが……」

妖精「………」ニコニコ

妖精(ふふっ。皆、待ちわびてるなぁ。私も同じ気持ちだけどね)クスッ


当時は私も、初めての提督を迎えることに期待を抱いていた。

けれど、そんな夢は……すぐに打ち砕かれることになる。


ガチャ…

43周目ヒロイン「……!」クルッ

妖精(来たっ!)

初代提督「………」

43周目ヒロイン「……?」

妖精「……!?」

加賀(えっ……この人、なの?)

愛宕(何だか、怖そうな顔の人だけど……)

由良(……い、いや、人を見かけで判断するのはダメだよね)

コマンダン・テスト(きっと、物腰は柔らかくて穏やかな……)

妖精「………」

妖精(……何だろう。嫌な感じがする……)

初代提督「……おい、お前ら。何突っ立ってんだ?」ギロリ

43周目ヒロイン「!?」ビクッ

妖精「っ!」

加賀「な、何を……」

初代提督「そうやって立ち話してるのが時間の無駄だって言ってんだよ。とっとと出撃しろ」

愛宕「きゅ、急に言われても~……」

由良「それに、編成や戦略を練らないと……」

初代提督「うるせえッ!」ダンッ

43周目ヒロイン「ッ!」ビクッ

妖精「……!」

初代提督「お前らはただの人の形をした船だろ!俺に口答えするんじゃねえ!」

コマンダン・テスト「……っ」

初代提督「オラッ!すぐ出撃して来い!編成なんざどうでも良いんだよ!」

初代提督「逆らうなら解体するぞ?」ギロリ

43周目ヒロイン「………」スタスタ

初代提督「よしよし!そのまま海でドンパチ暴れて来い!」

初代提督(こっちは金さえ稼げりゃ良いんだ!その為だけに必死に勉強してきたからな!)

初代提督(海の平和?深海棲艦?んなもん知ったこっちゃねえ!)

妖精「………」

妖精(よりによって、こんな奴が……!)


最初の奴は、単純にお金を稼ぐことしか考えていなかった。

戦果だけしか見ていない。深海棲艦達と戦って、傷ついていく皆のことなんて……眼中にない。

ただ、自分に逆らえない奴隷を手に入れたも同然……といった感じだった。

けれど、そんな奴が長く“提督”でいられるわけがない。

憲兵達が視察に来ている時に、ボロを出すか……あるいは……


初代提督「離せっつってんだろ!?」グググ…!

憲兵「お前はもう解雇と通告されただろう!」グイッ

初代提督「何でだよ!ちゃんと出撃させてるだろうが!」

憲兵「最低限の戦果すら稼げず、資材追加の要請だけの奴はここにいられない!」

初代提督「まだ1000万も稼いでねえんだよ!?離せよ……くそぉぉぉぉぉっ!」

43周目ヒロイン「………」

加賀(ようやく……)

愛宕(私達の疲労もお構いなしの……)

由良(地獄のような出撃の日々から……)

コマンダン・テスト(解放、されるんですね……!)

妖精「………」

妖精(良かった……皆、無茶な出撃でボロボロだったから……)

妖精(こいつが解雇されて、本当に良かった……!)


奴は更迭された。この時は、皆も私達も……一安心した。

そして、次こそはまともな“提督”が来てくれると……誰もが思った。

けれど、現実は違った。皆は、まだまだ……同じ苦しみを味わい続けることになる。

加賀「……次は、普通の人だと良いのですが」

愛宕「さ、流石に2人連続は無いはず……」

由良「で、ですよね!」

コマンダン・テスト「今度は、常識のある人が……!」

妖精「………」

妖精(資料が後で渡される以上、着任するまでは……待つことしか出来ない)

妖精(最初が最初なだけに、どうしても身構えちゃう……)

ガチャ…

43周目ヒロイン「……!」

妖精「……!」

二代目提督「……やぁ、こんにちは」ニコッ

43周目ヒロイン「………」ホッ

加賀(良かった……)

愛宕(今度は……)

由良(まともそう……)

コマンダン・テスト(安心しました……)

妖精「………」

二代目提督「君達とは初めましてだね。僕は二代目提督。今日から“提督”として……」スタスタ

愛宕「……?」

二代目提督「よろしくね?おっぱいちゃん♪」モミッ

愛宕「っ!?」ゾクッ

妖精「ッ!」

妖精(こ、こいつは……!)

加賀「……愛宕さんから離れなさい!」バッ

二代目提督「おや、これは失敬。あまりにも豊満な胸部装甲だったものでね」ニヤッ

由良「……セクハラですよ」

二代目提督「もちろん承知の上さ。でも、僕に逆らえば……分かってるよね?」ニヤリ

コマンダン・テスト「……っ!」

二代目提督(やっぱり写真より実物だね。さっきの感触も格別だよ)

二代目提督(さっきのはお手並み拝見だけど、その内……体も使わせてもらおうかな?ふふ……)ニヤリ


2人目は……皆を、ただのセクハラ対象としか見ていない、変態だった。

けれど、やっぱり奴は解体という言葉をチラつかせて……事あるごとに、皆に猥褻行為をした。

二代目提督「さて、今日はどの娘にしようか……」

天城「……っ」スタスタ

浜風「………」スタスタ

二代目提督「……よし、君だ!」ムニッ

浜風「っ!」

天城「……や、やめて下さい!浜風ちゃんが……」

二代目提督「逆らうと解体だよ?」

天城「う……」

二代目提督「ん~、そろそろおっぱいやお尻も飽きてきたなぁ……そろそろ体の関係も持ってみようか?」

浜風「……い、嫌っ!」

二代目提督「解体するよ?」

浜風「う、ぅ……!」

天城「あ、貴方……っ!」

二代目提督「あ、憲兵に言うのは無しね。バラそうとしたら解体するよ?」

「……誰が解体する、だと?」

二代目提督「もちろんこの娘達…………え?」チラッ

憲兵「抜き打ちで視察に来てみれば……随分と醜いことをやっているようだな」

二代目提督「っ!?こ、これは違うんです!ちょっとしたスキンシップというか!」アセアセ

憲兵「私もこの目で確かめた。それに……この娘達が立派な証言人だな」チラッ

浜風「………」

天城「………」

二代目提督「……くっ」

妖精「………」

妖精(助かった……憲兵が来るのが、もう少し遅かったらと思うと……)ゾクッ


そして彼も、憲兵に隙を作り……更迭されていった。

この時点で、皆や私達は……“提督”に対し、不信感を抱き始めていた。

でも、この程度では終わらない。こいつらと同じような“提督”が、何度も着任して……

私達から、希望を奪っていく。皆の心を……壊して、壊して、壊しつくしていく……

――


三代目提督「俺に逆らうのか!?」バキッ!

加賀「あぐ……っ!」バタッ

赤城「加賀さんっ!」


――


五代目提督「お前らなんざ金儲けの駒でしかないんだよ!」

愛宕「……っ」

摩耶「お前……っ!」

五代目提督「あ?何だよ、その反抗的な目はぁ!?」ドカッ!

摩耶「がっ……!」バタッ

愛宕「摩耶っ!」


――


八代目提督「これはこれは良いケツをお持ちですなぁ」モミモミ

由良「んぅっ……!」

五十鈴「ちょっと!妹にセクハラは許さないわよ!」

八代目提督「おっこっちの胸もいいな~」ムニィッ

五十鈴「いぅっ……!」


――


十代目提督「逆らうと解体すんぞ?嫌なら早く俺に処女をよこせ!」

コマンダン・テスト「う、うぅっ……!」ジワッ


――



新しく来る奴らは、誰もが最低な奴ばかりだった。

解雇されて、『次の“提督”こそは』……そう思う度に、皆は辛い思いをさせられてきた。

そんな日々を過ごす内に、皆の精神は……限界に近づいていった。


……この話を提督にした時も、やっぱり……辛そうな表情だったっけ。

それだけ、皆のことを……第一に、考えてくれていて……

こんな酷い状況が5年も続いた……もう、何度奴らが解雇されたかも覚えていない。

その中でも、特に印象に残っているのが……提督の父である“彼”と……、

その1つ前に、今から15年前……ここに着任し、5年間活動を続けた……ある“夫婦”の存在。


「……何だ何だぁ?どいつもこいつもヘロヘロじゃねえか」

「本当!これで深海棲艦と戦えるわけぇ?」

加賀「………」

愛宕「………」

「ガッポリ稼げるから“提督”になってみれば、とんだ糞鎮守府に当たっちまったもんだな」

「全くよ!これでどうやって稼げっていうのかしら!」

由良「………」

コマンダン・テスト「………」

「でもまぁ、お前らには金鶴として死ぬ程働いてもらうからな?」ニヤッ

「覚悟しときなさいよ?」ニヤッ

妖精「………」

妖精(また、か……今回は“金”か……しかも、夫婦だなんて……)















25周目父「これで俺達の生活は安泰だな!」

25周目母「私達は億万長者!こいつらを使っていれば遊んで暮らせる!」

25周目父母「もう最高!あ~っはっはっはっは!」















男は提督、女は海軍関係者……提督補佐とでも言うべきか。

こいつらも、金儲けの為に皆を酷使し……時には皆に、暴力も振るった。

こんな奴らが、5年も居座り続けた……皆は、心も体も一層疲れ果てていって……

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
まだもうしばらく回想は続きます。毎度のことながら長くてすみません。
既にお気づきの方もいたかと思いますが、この鎮守府の正体は、かつて25周目提督の両親が着任していた鎮守府でした。
>>679で正解を言い当てられた時は、正直かなり驚きました。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

そして、彼らが解雇された後……ついに、“彼”がやって来た。

今までも酷い奴らばかりだったけど……彼はその中でも、史上最低の男。

奴らの悪い部分を、全て寄せ集めたような存在……それが彼だった。



加賀「………」

愛宕「………」

由良「………」

コマンダン・テスト「………」

妖精「………」

妖精(もう、皆は限界まで追い詰められている……もし、次の“提督”が……また、酷い奴だとしたら……)

妖精(皆は……“提督”のことを、信用出来なく――)

ガチャッ!

43周目ヒロイン「……っ!」

妖精「――!」

父「………」バタンッ!

妖精「………」

妖精(見るからに、不機嫌そうな顔……あぁ、ダメ……また……っ!)ギリッ…!

父「……チッ。新しい提督が来たってのに、挨拶の1つも出来ねえのかよ」ギロッ

加賀「………」ギロリ

愛宕「………」ギロッ

父「あ?何だよその目は。俺に何か文句でもあんのか?」ズカズカ

由良「………」ジトッ

コマンダン・テスト「………」ギラッ

父「何とか言えやゴルァッ!」グイッ

愛宕「う……!」

妖精(愛宕さんッ!)

父「お前……調子乗ってんじゃねえぞ?こっちだってなぁ、好きで提督になったわけじゃねえんだよ!」

愛宕「っぐ……!」

加賀「っ!愛宕さんを離しなさい!」

父「誰に向かって口聞いてんだテメエ!」ガスッ!

加賀「がっ……!」バタッ

妖精(か、加賀さん!)

父「おい。よく聞け。てめえらなんざ、その気になればなぁ……今すぐにでも路頭に迷わせることだって出来るんだぞ?」

由良「……脅しのつもりですか」

父「違う、警告だ!け・い・こ・く!俺に逆らった奴は……皆解体して、ここからたたき出してやるからな?」ギロリ

由良「……最低ですね」

コマンダン・テスト「……同感です」

父「あぁ!?今何って言った!?」ガスッ!

由良「うぅっ……!」バタッ

コマンダン・テスト「あっ……!」バタッ

妖精(由良さん、コマさんっ!)

父「チッ……何で俺がこんなことしなきゃなんねえんだよ!糞ったれがぁっ!」

妖精「………」


夢も希望も、何もかもが打ち砕かれた……

もう、この鎮守府は……こうして、滅んでいく運命なんだ……

頭の中には、絶望という言葉しか……思い浮かばなかった……

それからと言うものの、やはり予想通り……私達の生活環境は、劣悪という言葉が相応しいものだった。

皆はもう、覚悟を決めていたのか……それとも、既に希望なんて捨て去ってしまっていたのか……

もう、あいつに期待なんてしていなかった。艦娘としての本能……“提督を慕う”気持ちも、憎しみが上回っているほどだった。


父「んぐっんぐっ……ぷはっ!」ダンッ!

大淀「……朝から飲酒だなんて、本当に執務をこなす気があるんですか?」

父「黙れ!」バキッ!

大淀「うっ……!」バタッ

父「俺が稼いだ金で何しようが勝手だろうが!兵器の分際で指図すんじゃねえぞ!」

大淀「……!」ギロッ

父「あ?何だ、逆らうのか?何なら今すぐ解体してやろうか?それとも娼婦が良いか?」

父「いや、こんな貧相な女なんざキャバクラでも雇われねえか」

大淀「……っ」

父「糞ったれが!どいつもこいつも俺に命令しやがって!」

父「だから俺はもう、誰の言うことも聞かねえんだよ……これでもかってくらい好き放題してやる……!」

大淀「………」


本当に、あの子の父親と知った時は……何かの間違いじゃないかと思った。

それほどまでに、彼の行いは酷いものだった。

皆のことは、金鶴・セクハラ対象・ストレス発散のサンドバッグ……とにかく、人として扱っていなかった。

そして、彼の被害者は“彼女”達にも及び……

父「っあぁ!」バァンッ!

母「……お、お帰りなさい」

ショタ提督「あー、おと、さん……!」

父「んだよ。亭主が帰って来てやったってのに、風呂も飯もねえのかよ!」

母「それは……最近、帰らない日が続いたから……まさか、急に……」

父「口答えすんじゃねえっ!」バキッ!

母「うっ……!」バタッ

ショタ提督「お、おか……さん……!」

父「……チッ!もういい!寝る!」ゴロン

ショタ提督「あ……」

父「ぐがー……」

母「………」フラッ…

ショタ提督「だ、大丈夫……?」

母「……うん。提督、お父さん、もう眠っちゃったみたいだから……お喋りは、また今度にしてあげてね?」ナデナデ

ショタ提督「………」コクリ


提督にも、彼女にも……酔って帰って来ては当たる日々が続いていた。

提督達は、安いボロアパートに住んでいたらしい。理由は、あいつが提督達にお金を使おうとしなかったから……

そして、あいつの態度は更に悪化していく。そう、これはまだ序の口……

父「がぁっ!今日も大負けじゃねえか!」ガンッ!

朝潮「……壁に当たらないで下さい」

父「黙れ!」ガスッ!

朝潮「ぐっ……!」バタッ

大潮「姉さん!」

父「糞ったれが!今日だけで10万溶かしたぞ!あの筐体どうなってんだ!」

父「畜生……!こうなったら今日もあそこで……!」

大潮「またあんなお店にお金をつぎ込むんですか!?」

父「俺の勝手だろうが!文句あるなら解体すんぞ!」ギロッ

大潮「そんなことすれば困るのは貴方ですよ!大した戦果も稼げず、今だってギリギリの癖に!」

父「うるせえ糞ガキが!」バキッ!

大潮「あぐっ……!」バタッ

父「てめえらが敵を倒さねえからだろうが!上官に責任を押し付けるなんて許されると思うのか!?」

父「もし次も同じことほざいてみろ……お前みたいな奴がいなかろうと、金さえあれば変わりなんざいくらでも“作れる”からな」ギロリ

大潮「……っ!」


解雇されない程度にしか戦果を稼げていない……それなのに、皆を見下して……奴隷のように扱う。

しかし、それでも一般的な職業よりも多くの収入を望める提督業……

彼は鎮守府運営の為に資金を使うことはせず、全てを私利私欲の為に使い潰した。

そう。だからこそ……この鎮守府は、まともな資金も残らず……提督が来る前、傷んだままだった。

父「聞いてくれよ~!嫁が子育て手伝えってうるさくってなぁ~!」

「え~?そうなの~?かわいそ~う」ナデナデ

父「こっちはお前らの為に金を稼いでやってるんだぞ!なのに家に帰ってやれば文句ばっかり!」

父「子育てなんかより辛えんだよ!どいつもこいつも俺を束縛しやがって!

父「いい加減嫌気が刺すんだよ!そんな可哀相な俺を慰めてくれよぉ~」

「うんうん、父君はかわいそうですね~。こんなにお金稼いでるのにね~」ナデナデ

父「そうなんだよぉ~。火事でも起きてあいつら2人共死んじまえばいいのになぁ~」


彼女は子育てを頑張っているというのに、あいつは……いかがわしい店で、お金を使い込んでいた。

更に、その店の店員……また別の女性に、依存していた。


トゥルルルル…

父「あぁっ!?誰だよ、こんな時に……」ピッ

祖父『おい。ちゃんと提督としてやっていけてるか?」

父「……電話してくんじゃねえぞ糞爺が!」

祖父『おい、その態度は何だ!?親が息子を心配して電話してやったんだぞ!?』

父「うるせぇんだよ!これ以上俺に関わるんじゃねえ!」

父「こちとら好きで提督になったんじゃねえ!親父は俺の人生を縛り付けて楽しいのか!?いい加減にしろよ!」

祖父『いい加減にしろ!誰に向かって口を聞いて――』

父「2度とかけてくんじゃねえぞ糞爺ッ!」ピッ

「誰から~?」

父「ウチの親父だよ。あいつも頭固くってさ~!今までずーっとあいつに怒鳴られてきた!それがもう辛くって~……」

「よしよし、あたし達は父君の味方だからね~?」ナデナデ

父「うぇへへ……」


どうせ、お金を払っている間の関係であるにも関わらず……店員の口車に乗せられ、一層お金を浪費していった。

お酒と女とギャンブル……この時点で、もう救いようがないように思えるけれど……

あいつは、まだまだエスカレートしていく。この程度では……終わらなかった。

父「畜生!」バァンッ!

母「……っ」ビクッ

ショタ提督(4)「あ、お父さん……」

父「どいつもこいつも無能のガラクタばっかりかよ!あいつらロクに戦果も稼げねえで俺に文句言いやがってぇ……!」

母「……ご、ご近所の方が起きちゃうから、静かに……」

父「うっせぇんだよ!」バキッ!

母「うぁ……っ!」バタッ

ショタ提督「お母さん……!」

父「チッ……」

ショタ提督「………」

父「……何だよ?俺に文句あるのか?」

ショタ提督「え……ううん、そうじゃない、けど……提督って、どんな仕事――」

父「だったら今すぐ出て行け。ここは俺が買った家だ。俺がどうしようが勝手だろ」

ショタ提督「――!」

父「俺が嫌ならすぐに出て行け。そこで転がってる女と一緒にな」ギロリ

母「うぅ……」

ショタ提督「お父、さん……」

父「糞が……!」ゴロン

ショタ提督「………」

母「……っ」ムクリ

ショタ提督「お母さん……」

母「……ごめんね?こんなところ、見せちゃって……」

ショタ提督「えっと……」


あいつは提督に、父親らしいことなんて……全くしたことがなかったらしい。

むしろ、悪影響を及ぼすような行いばかり……

けれど、提督は歪まなかった。むしろ、あいつとは正反対の……凄く良い子に育った。

その理由は、やっぱり……


母「……お父さん、ちょっと疲れてるだけだから」ナデナデ

ショタ提督「………」

母「大丈夫。お父さん、今は怒ってるけど……本当は、提督のことを……大切に思ってくれているはず」

ショタ提督「………」

母「もちろん、私もね?」ギュッ

ショタ提督「あ……」

母「怖かったね?よしよし……もう大丈夫。大丈夫だから……」ナデナデ

ショタ提督「………」

ショタ提督(お母さん、あったかい……)

母「………」ナデナデ

母(この子を、あの人のようにしてはいけない……何があっても、私が……この子を、まともに育てないと……!)


彼女……お母さんが、愛を注いでくれていたからだと思う。

もし、彼女がいなければ……提督はきっと、あいつのように……

ショタ提督「……ん」ムクリ

母「っ!」グシグシ

ショタ提督「……おはよう、お母さん」

母「……うん、おはよう、提督」ニコッ

ショタ提督「何してるの?」

母「え?あ、その……ちょっと、朝ご飯をこぼしちゃって……」

ショタ提督「………」チラッ

ショタ提督(……お弁当箱?それに、ご飯とおかずが散らばって……)

母「………」

母(……お弁当、まさか……叩き落されてるとは、思わなかったな……)

母(一生懸命、作ったんだけどな……お仕事、大変だろうから……)ジワッ

母「……っ」グシグシ

母(いけない……!提督に泣き顔、見られてないわよね……?こんなところ、この子には見せられない……!)

ショタ提督「……ねぇ」

母「……なぁに?」

ショタ提督「どうして、お父さんは……あんなに“辛そう”なの?」

母「……っ!」

ショタ提督「………」

母「………」

母(この子は……あの様子を見て、そう感じたのね……怒ったり、怖がったり、悲しむわけじゃなく……)

母(……純粋に、あの人を“心配してる”んだ……)

母「……お父さんはね?昨日も言ったけど……ちょっとだけ、疲れてるだけ」ナデナデ

ショタ提督「疲れて……?」

母「うん。だから、周りが見えていなくて……つい、怒っちゃうのかも」

ショタ提督「………」

母「だけどね?提督は……そうね。今のお父さんのような人でも……親切にしてあげてほしいの」

ショタ提督「親切……」

母「そう、親切。親切ってわかる?」

ショタ提督「えっと……他の人の気持ちを考えて、優しくしてあげる……こと?」

母「うん、正解。人にはね?誰だって、ダメなところがあるけど……それを受け入れられる人は、中々いない」

母「皆、自分のダメな所に気づかないで……周りの人の、ダメな所ばかりに怒るの」

ショタ提督「………」

母「でも、どんな人にだって良い所はあるし、その人が怒っていたりダメな所も……何か理由があるはず」

ショタ提督「……!」

母「提督は……他の人の、ダメで弱い所を……受け入れられて、そして……」

母「良い所を褒めてあげて、その人を元気にしてあげられるような……」

母「優しくて、温かい人になってほしいかな。それで……お父さんのような、疲れて怒っちゃう人を……」

ショタ提督「………」

母「……救ってあげて」

母(きっと、私じゃ……無理、だと思うから……)

ショタ提督「……お母さん」

母「………」

ショタ提督「……うん、分かった。頑張る!」ニコッ

母「……良い子ね」ナデナデ

ショタ提督「えへ……♪」


提督の、底が見えないほどの優しさは……きっと、彼女のこの時の言葉がきっかけになったのだと思う。私も、最近……初めて、提督から聞いた。

本人も「お母さんと約束したから」と言っていたけれど……この話をしてもらって、間違いなくそうだと確信した。

けれど、提督が優しい子になっていく一方で……あいつは、反対に……

父「………」プスッ…

父「ふぃ~!生き返るなぁ~!やっぱ疲れた時はこれだぜ!煙草なんざ目じゃねえや!クヒッ、ヒヒヒヒッ!」

父「あ~っはっはっは!世界がバラ色に見えてきた!ヒャー!ゲヒャヒャヒャヒャ!」

霞「……えっと、その……」

父「んぁ?これはこれは霞ちゃん!どうしたんですかぁ~?」

霞「……っ」ゾクッ

父「今の俺はすっごぉーくご機嫌だから、何でも話してみろ!」

霞「あ、ぅ……」

父「ほらぁ~?それとも、話せないことかぁ~?」ニヤリ…

霞「ヒッ!う、うぅっ……!」ダッ

父「何だ~?変な奴だな~!いよーっし!この勢いでまた一儲けするかー!」

父「今なら勝てる気がする!待ってろよ~3番馬ちゃ~ん!ガハハハハハハ~!」


あいつは……ついに、犯罪行為に手を染めてしまった。

私も、直接目撃したことはないけれど……時々、ゴミの中に……

いかにも危険な雰囲気を漂わせる、袋や……不自然な注射器が、捨てられていて……

それだけじゃない。あいつのギャンブル依存症や……アルコール依存症も、更に悪化していった。
















――そして、あいつは……ついに、最大の事件を引き起こしてしまう。




――皆の、“提督”への信用を……完全に断ち切ってしまい……




――凄まじいトラウマを植え付けてしまった、最悪の事件を……














あいつが着任して、7年が経った……ある日のこと。

今でも忘れない。いや、忘れられない……忘れたくても、頭から離れない……

事の始まりは、あいつにかかってきた……1本の電話だった。


父「………」プスッ…

父「ア~ッヒャッヒャヒャヒャヒャ!天にも上るような心地よさ!」

父「これ考えた人天才だわー!あー楽しい!幸せ!世界が回るぅ~!」

トゥルルルル…

父「ん~?電話~?誰でしょうかね~っと!はいもしも~し!」ガチャッ

祖父『……調子はどうだ』

父「……は?」

祖父『だから、仕事の方はどうだと聞いて……』

父「………」

祖父『……父?おい、父?』







父「かけてくんなって言っただろうがああああああああああああああああああああああああああああッ!?」







祖父『ッ!?』

父「まだ分かんねえのかよ糞爺があああああああああああああああああああああああッ!?」

祖父『お、おい!落ち着け!?」

父「うっせえええええええええええええええええええええッ!殺すぞ!?今すぐ殺すぞ!?いや殺す!殺してやるからなあああああああああああああッ!?」バキィッ!

祖父『う、うわ――』

父「あんの野郎がああああああああああああああああああッ!まだ俺に命令する気なのか!?いい加減にしろよおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」


祖父からの電話で、あいつは……完全に発狂状態になってしまった……らしい。

直接、見たわけではないけれど……確実だと言える。

何故なら、この話は……第一目撃者から聞いたから。いや、正確には……


父「うがあああああああああああああああああああああああああああああッ!!」ジタバタ

愛宕「……っ!」ガクガク…


第一“被害者”である……当時、秘書艦だった……愛宕さんから、聞いたから。

愛宕「な、何……これ……!?」

父「うわあああああああああああああああああああッ!ああああああああああああああああああッ!」

愛宕(違法薬物を使ってることは知ってたけど……よりによって、書類を持って来いと言われた時に……こんな場面に出くわすなんて……!)

愛宕(ど、どうしよう!?今すぐ警察に……でも、そんなことしたら……私達、全員……こいつに……ッ!)

父「………」ピタッ

愛宕「……え?」

愛宕(きゅ、急に静かになったけど……)

父「……めろ」

愛宕「……!」

父「俺に命令するのはやめろ!おい!だからやめろって言ってんだろおおおおおおおおおおおおお!?」

愛宕「ッ!?」

父「どいつもこいつも俺をコケにしやがってええええええええええええええええええッ!!」

愛宕(ま、まさか……幻覚が、見え――)

父「糞がああああああああああああああああああああああッ!殺してやる!皆殺しにしてやるううううううううううううううッ!!」バッ

愛宕「――!」

愛宕(な、ナイフ!?ダメ!逃げないと……)

父「おいッ!!」

愛宕「っ!」ビクッ

父「お前……今、俺のことを睨んだな?馬鹿にしたな?また命令しようとしたな?」ユラリ…

愛宕「あ……あぁ……!」ガクガク

父「……殺してやるぅっ!」ダッ

愛宕「ひっ!?い、嫌ぁっ!」ダッ

父「うらぁっ!」バッ






ザシュッ…!

愛宕「ッ!?」

愛宕(う、腕を切られ……痛っ!?痛い!痛いよぉ……っ!)

父「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

愛宕「っぐ……うぅっ……!」ダッ

父「逃げんなよぉ……殺してやるんだよぉ……全員よぉ……ッ!」ダッ

愛宕「だ、誰か助けてえええええええええええぇッ!?」

加賀「何の騒ぎですか!?」

由良「愛宕さんの声!?」

コマンダン・テスト「どうしたんですか!?」

愛宕「はぁっ、はぁっ……!」

父「殺してやるぅ!殺してやるよぉっ!」

加賀「っ!?あ、あいつ……刃物を……!」

由良「目の焦点も合ってません!」

コマンダン・テスト「あ、愛宕!?左腕から血が……!?」

愛宕「嫌っ!嫌あああああああああああああああっ!」

加賀「……とにかく!まずは愛宕さんを助けないと!私があいつを抑えるから、貴女達は愛宕さんを!」ダッ

由良「はい!」ダッ

コマンダン・テスト「……!」ダッ

父「どいつもこいつも俺に指図しやがってええええええええええええええッ!!」ブンブンッ!

加賀「やめな、さい……っ!」ガシッ!

父「うぐっ!?離せ!離せよおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」グググ…!

加賀「……ぐっ!?」

加賀(艦娘の私が抑えてるのに、ここまで抵抗出来るなんて……!)

由良「愛宕さんッ!」

コマンダン・テスト「大丈夫ですか!?」

愛宕「ぜぇぜぇ……な、何とか……!」


この時、愛宕さん達は……気がついていなかった。

狂ったあいつを止めること、そして愛宕さんを助けることに必死で……











母「………」スタスタ…

憲兵「………」スタスタ…


すぐ傍に、別の影が近づいていたことを。

憲兵「なるほど。愛妻弁当を……」

母「いえ、そんな……」

母(……きっと、いらないって怒られるだろうけど……でも、やっぱり……)

憲兵「………」

憲兵(抜き打ち視察に来てみたら、ここの提督の奥さんに出会うとは……)

憲兵(いやしかし、ここは『呪われた鎮守府』と呼ばれるだけあって……提督の不祥事が絶えない)

憲兵(幸い、この奥さんは前任者と違ってまともそうではあるが……とにかく、油断は禁物だ)

憲兵(今のところ、ここでは特に問題は起きていないが……隠すのが上手いだけの可能性が高い。だからこそ抜き打ちで――)

「嫌ああああああああああああああああっ!?」

「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

憲兵「――!?」

母「い、今の声って……!」ダッ

憲兵「っ!?ま、待って下さい!」ダッ

父「殺してやるっ!殺してやるううううううううううううううッ!」

加賀「うっぐ……!」グググ…!

父「うらぁっ!」バッ!

加賀「あっ……!?」

加賀(こ、拘束を解かれ……!?)フラッ

父「死ねええええええええええええええええええええええええええッ!!」バッ

加賀「っ!」

加賀(や、やられ――)












母「あ、貴方!?何をやって……」タタタ…!

加賀「――え?」

加賀(わ、私の前に……誰かが……!?)

父「……ッ!?」ビクッ






――ザクゥッ…!

母「が、はぁっ……!?」バタッ

愛宕「……!」

加賀「……っ!?だ、大丈夫ですか!?」

由良「……え?」

コマンダン・テスト「……お、女の人が、刺され……!」

父「……は、母……?」

母「ごほっ……うぐ……っ!」ドクドク…

憲兵「危険ですから戻って……ッ!?お、おい!お前!何をやっている!?」

父「ッ!?け、憲兵!?」

加賀「しっかりして下さい!きゅ、救急車!救急車を!」

由良「っ!は、はい!」ダッ

憲兵「これは現行犯逮捕だぞ!大人しくしろ!」ガシッ!

父「や、やめろ!離せ!どいつもこいつも殺してやるんだぁッ!」

憲兵(っぐ……!こいつ、異常な力だな……!まるで筋力のリミッターが外れ……ん?リミッター……こいつまさか!?)

母「う……はぁっ……!」ドクドク…

母(……ま、まさか……刺される、なんて……思わ……な、か……った……)

母「………」ドクドク…

加賀「と、とにかく止血をしないと!?でも刃物が……こういう時、どうすれば……!」

憲兵「刃物は抜くな!出血が酷くなる!」グググ…!

父「がああああああああっ!うがああああああああああああああああああッ!」

父(糞おおおおおおおおおおおおおおおおッ!ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!)

憲兵「大人しくしろ!この……っ!」グググ…!

愛宕「………」ガクガク

愛宕(こんな……こんなことって……!)




その後、あいつは……後からかけつけた憲兵隊と警察に拘束され、現行犯逮捕された。

傷害罪や殺人未遂罪はもちろんのこと、違法薬物所持、使用……それに関連する刑罰が言い渡された。

けれど、薬物依存があまりに重度だった為……専門の病院に送られ、治療を受けることになった。

もちろん、刑が無くなったわけではないから……治療後は刑務所に入ることになる。


そして、刺されてしまった彼女は……病院に搬送され、一命を取り留めた。

けれど、この事件がきっかけで……愛宕さん達は、完全に……“提督”に対し、信用を失ってしまった。

今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
シリアスパートはもう少し続きます。毎度のことながら長くて申し訳ございません。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

そして、あいつが逮捕されたことは広く知れ渡り……

当然“彼ら”も知ることになる……


祖父「………」プルプル

鳳翔「………」

祖父「……糞ッ!」ダンッ!

鳳翔「………」

祖父「あいつ……親の顔に泥を塗るようなことを……!」ギリッ

鳳翔「……貴方」

祖父「しかも、ただ解雇されただけじゃない……薬物に、手を出しただと……!?」

祖父「ふざけるなッ!ワシは息子をこんな屑に育てた覚えはない!」

鳳翔「………」

祖父「折角ワシがお前を提督まで育ててやったというのに……それを、こんな形で……!」

鳳翔「………」

祖父「こんな、形で……」

鳳翔「………」

トゥルルルルル…

祖父(……こんな時に誰だ。いや、まさか……マスコミか……?)ガチャ

祖父「……もしもし」

『……ほらな、言った通りになっただろう?』

祖父「っ!その声は……」

4周目祖父『……しばらく振りだな、43周目祖父』

祖父「……4周目祖父」

鳳翔「……!」

4周目祖父『ニュース、見たぞ。ついに限界を超えたんだな、お前の息子は……』

祖父「……あんな馬鹿息子なぞ、知ったことか」

4周目祖父『まだそんなこと言ってるのか!?あいつは、お前のせいで歪んだんだ!間違った道に進んだんだよ!』

祖父「……っ!」

4周目祖父『お前が、子供のことを……いや、子供の気持ちを考えず……自分の理想ばかりを押し付けて……!』

4周目祖父『その結果、お前の息子は事件を起こし……あろうことか、お前の義理の娘さえ刺すことに繋がった!』

祖父「………」

4周目祖父『だからあれほど言っただろう!?子供の人生は、子供が自分で決めるものだと!』

4周目祖父『親はあくまでも、色々な選択肢や道があることを“伝えてやる”だけで……“束縛せず、全力で手助けしてやる”ものだと!』

祖父「……お前、だって……孫を……」

4周目祖父『またそれか……ワシは確かに“提督になって女性恐怖症を乗り越えてこそ男だ!”とは言ったが……』

4周目祖父『“絶対に提督になれ!それ以外の道は許さん!”等とは、一言も言っていない!』

祖父「……っ」

4周目祖父『……分かっただろう?お前の教育方針は……大部分が間違っていたんだよ』

祖父「………」

4周目祖父『……ワシからはこれだけだ。起きてしまったことはどうしようもない。これから、お前が何をすべきか……よく考えろ。じゃあな』カチャッ

ツー… ツー…

祖父「………」

鳳翔「……どなたからですか?」

祖父「……4周目祖父だ」

鳳翔「まぁ……」

祖父「……思いっきり怒鳴られた。ワシがあいつにしてきたことは全て間違っている、とな……」

鳳翔「………」

祖父「……お前は、どう思う?」

鳳翔「……!」

祖父「ワシは……あいつの教育を、間違っていたのか……?」

鳳翔「……正直に、言って良いんですね?」

祖父「……あぁ」

鳳翔「分かりました。では……その通りです」キッ

祖父「……っ」

鳳翔「貴方は、いつも……あの子に“提督になれ!”と、ずっと言い続けていましたよね?」

鳳翔「例えあの子が嫌がっていても……別の道に進みたがっていても……」

祖父「………」

鳳翔「貴方は、一切聞く耳を持たず……自分の理想だけを押し付け、まるで道具のように命令した」

鳳翔「だからこそ、あの子は……貴方からの愛を受けることが出来ず、きっと……艦娘や母(はは)ちゃんにも、貴方と同じような態度を……」

鳳翔(人を愛することを知らないから。それは、父親に……愛されたことが無いから……)

祖父「………」

鳳翔「……ですが、貴方だけの責任でもありません」

祖父「……!」

鳳翔「私も、また……あの子を助けてあげることが、出来ませんでした」

鳳翔「貴方が怒鳴っている傍でも……見ていることしか、出来ませんでした」

祖父「……!」

鳳翔「あの子が可哀相だと思っていても……心のどこかで、“貴方を恐れる”気持ちと……」

鳳翔「“息子が提督になってくれると嬉しい”気持ちが……あったんです」

祖父「……っ」

鳳翔「でも、それは間違いだった。貴方に殴られたとしても……あの子を守るべきだった」

鳳翔「母親として、支えてあげるべきだった……」ジワッ

祖父「っ!」

鳳翔「……だから、私も……ダメな母親、なんです……」ウルウル

鳳翔「息子が、父親に……過剰に、厳しくされていても……見ていることしか、出来ない……」ウルウル

鳳翔「私は、母親……失格、です……!」ポロポロ

祖父「……糞ッ!結局……全部、ワシのせいなのか……糞ぉ……っ!」

鳳翔「………」ポロポロ

トゥルルルルル…

鳳翔「……!」

祖父(……っ、今度は誰だ……)ガチャッ

17周目祖父『おいおい聞いたぞ!?お前の息子が殺人未遂犯したんだって!?』

17周目祖父『だからあれほど言ったじゃないか!子供には全身全霊をかけて愛情を注いでやれって!』

17周目祖父『それこそ毎日ほっぺに熱いキスしてやるくらい……』

祖父「………」

17周目祖父『ん?おーい、聞こえてるかー?』

祖父「……17周目祖父」

17周目祖父『おぉ、一瞬通話が切れたのかと思ったぞ!電話取ったなら話してくれよ!』

祖父「……ワシは、どうすべきだったんじゃ?」

17周目祖父『へ?そらもうあれよ!いつも口酸っぱく言ってたじゃんか!』

17周目祖父『子供は親にとっての宝だ!かけがえのない存在なんだ!だからこそ、全力で愛して……可愛がってやる!』

祖父「………」

祖父(全力で愛し……可愛がる……)

17周目祖父『他の奴は知らないけど、少なくとも俺はどう考えてるぜ!』

祖父「……そう、か」

17周目祖父『あぁそうだ!お陰でウチの孫は素晴らしい子に……』

祖父「お前の孫自慢は聞き飽きた。こんな時までやめてくれ」

17周目祖父『うわっ辛辣だな。息子の育て方間違った奴に言われるとキツいぜ』

祖父「……っ」

17周目祖父『でもまぁ、お前の息子は確かに歪んだかもだけど……お前の一人息子だ。繰り返すぞ?お前にとっての!ただ1人の!大切な!息子なんだ!』

17周目祖父『晴れて釈放されたら……今からでも遅くない。今度こそ……たっぷり愛情を注いでやれ。いいな?』

17周目祖父『息子だけじゃないぞ~?確かお前にも孫がいたよな?間違っても同じ過ちは繰り返すなよ?せめて孫は最初から可愛がってあげなさい!爺さん同士の約束だ!』

祖父「………」

17周目祖父『とまぁ俺から以上だ。どうせ4周目祖父からもとっくに説教食らってるだろうし。じゃあな!また一緒に飲もうぜ!』カチャ

ツー… ツー…

祖父「………」

祖父(息子や孫に、愛情を注ぐ……)


提督の話によると、“彼ら”の友達から……喝と励ましの電話が来たらしい。

そして、このことは……提督が“提督”に慣れた、1つの要因になる。

そして、彼女が病院に運ばれたことを知った提督は……小学校を早退して、病院に向かった。

まぁ、当然だよね。あいつならともかく、お母さんが怪我したのなら……大急ぎで駆け込むよね。


ショタ提督(9)「お母さんッ!」ガチャッ!

母「あ……提督……」

ショタ提督「大丈夫!?大怪我したって……」

母「……ううん、大したことないわ。怪我はね……」

ショタ提督「……え?」

母「それよりも……心の方が、痛むかな……」

ショタ提督「心……?」

母「………」

母(今まで、この子の前ではあの人の悪口を言わなかったけど……もう……)

母「……私、お父さんに……刃物で刺されちゃったの。お腹をね」

ショタ提督「……っ!?」

母「それだけじゃない。お父さんは……私達に隠れて、他の女の人の所に行ったり……」

母「お金を沢山無駄遣いして……最後は、危ないお薬にまで……手を出しちゃったの……」

ショタ提督「危ない、お薬……?」

母「学校で習わなかった?麻薬や覚せい剤は使っちゃダメって。そのお薬のこと」

ショタ提督「あ……」

母「……私、疲れちゃった。今まで、ずっと……お父さんのことを……あの人のことを、傍で見守ってきたけど……」

母「ずっと、殴られて……お弁当を作っても、投げ捨てられて……挙句の果てには、お腹を刺されて……」ジワッ

母「でも、それ以上に……私だけじゃなくて、艦娘さん達や……提督にまで、迷惑をかけるなんて……!」ウルウル

母「……もう、無理よ……我慢してきたけど……もう、耐えられないよ……!」ウルウル

ショタ提督「……お母さん」

母「ぐすっ……ごめん、ごめんね……?貴方の前では、泣かないって……思ってたんだけど……」ポロポロ

母「もう、限界なの……ひっく……ごめんね?情けないお母さんで……ごめんね……ぐしゅっ、えうっ……!」ポロポロ

ショタ提督「………」


きっと、彼女はこの時……本当の意味で、あいつに“幻滅”したのだと思う。

いや、私達からすれば、むしろしない方がおかしいとは思うけど……提督のお母さんは、“強かった”だろうから……

ずっと、耐え続けて……提督の為に、我慢に我慢を重ねて……

提督が、あいつと同じような奴にならないように……あいつと違って、まともに育つように……

ショタ提督「………」

ショタ提督(お母さん、確か……こう言ってたよね……)


『提督は……他の人の、ダメで弱い所を……受け入れられて、そして……』

『良い所を褒めてあげて、その人を元気にしてあげられるような……』

『優しくて、温かい人になってほしいかな。それで……お父さんのような、疲れて怒っちゃう人を……』

『……救ってあげて』


ショタ提督「……!」

ショタ提督(……そっか、分かったよ。お母さんが、僕に言いたかったことの……本当の意味が……!)

母「……っ」ポロポロ

ショタ提督「……僕が代わるよ」

母「……え?」

ショタ提督「僕が、お父さんがしちゃったことを……しでかしちゃったことを、しっかりと償うよ」

母「な、何を言って……」

ショタ提督「それに“提督”というお仕事も、お父さんを見てたら……どんなお仕事か、ちょうど気になってたところだから」ニコッ

母「……!」

母(もしかして、この子……ずっと前に言った、あの言葉のことを……?)


そう。提督はこの時、彼女の言葉を思い出し……あいつがしでかした事実を、冷静に受け止め……

それにより、深く傷ついた皆を……自分が責任を持って、フォローすると決めた。

ショタ提督「僕……“提督”になるよ。それで、お父さんの代わりに……艦娘の皆を、助けるから」

母「……提督。確かに私は、優しい子に育ってほしいと言ったけど……貴方が責任を感じることは……」

ショタ提督「………」フルフル

母「……!」

ショタ提督「だって、親子だから。お父さんが失敗しちゃったなら、子供の僕が助けてあげないと」ニコッ

ショタ提督「親子って、そういうものでしょ?子供だって、出来ることはあるし……お父さんやお母さんを、助けることだって……出来るはずだよ」

母「だけど……」

ショタ提督「……うん。確かに、お父さんは……酷いことをしてしまった」

ショタ提督「お母さんのことを怪我させちゃったり……艦娘の皆にも、迷惑をかけてしまった。僕も、絶対にしてはいけないことだと思ってる」

母「………」

ショタ提督「だけど……誰にだって、間違いや失敗はあるよ。もし、その人が何か間違った行動を取ってしまったとしたら……」

ショタ提督「それを怒ったりするんじゃなくて……誰か1人でも良いから、受け入れてあげて……一緒に正しい道を歩めば良い」

母「……!」

ショタ提督「優しく寄り添って、ゆっくりでも良いから……間違った道を、正していけば良い」

ショタ提督「お母さんが言いたかったことって、こういうこと……だよね?」

母「………」

母(この子は、本気……あの人を幻滅するんじゃなく、ありのままを受け入れて……)

母(しかも、傷ついた艦娘さんの皆のことまで、思いやって……救おうとして……!)

ショタ提督「……大丈夫。お父さんがしでかした……いや、間違ってしまったことは……僕が必ず、何とかするよ」

ショタ提督「そして、艦娘の人達を……絶対に、救ってみせる。約束するよ、お母さん」ニコッ

母「……っ」ジワッ

母(この子は……まだ幼いのに、こんな……こんな立派になって……!)

母「………」

母(だけど……もし、私のあの時の言葉が……この子を、束縛していることになったとしたら……)


私はきっと、この時のことがきっかけで……あそこまで、周りの人々のことを心から思いやれる……優しい子になったのだと、確信している。

提督は、彼女の言葉を胸に……ずっと、頑張ってきてるのだと思う。

私には……いや、私達には……出来ない。あそこまで、自分が辛い思いをしても……相手のことを、思いやるのは……

そして、彼女が退院した後……提督は特別学校入学に向けての勉強を始めることになる。

しかし、お金はあいつがほぼ使い果たしていた為……特別学校の学費を払うことは、難しかったという。

提督自身は、そのことは後で知ったらしい。でも、そんな時に……“彼ら”がやって来て……


ショタ提督「……お母さん」カキカキ

母「……どうしたの?」

ショタ提督「特別学校の学費……やっぱり、僕が毎朝早起きして新聞配達すれば……」

母「子供がお金のことを気にしないの。絶対に何とかするから、貴方は勉強を頑張りなさい」

ショタ提督「……うん、ありがとう」カキカキ

母「………」

母(とは言ったものの、本当はかなり厳しいのよね……生活費を切り詰めれば、入学金くらいは無理して払えたとしても……)

母(その後の学費となると、毎日パートで稼いだとしても……)

母(それに、父親が犯罪者である以上、この子が将来就活した時……間違いなく、企業からの印象が……)

母(そう考えると、お金と勉強能力さえあれば確実になれる提督を目指すことは合理的。だから、何としてでもお金を用意してあげないと……!)

コンコン…

ショタ提督「……?」

母「あら?お客さんかしら?こんな家に珍しいわね……は~い」パタパタ

ガチャ…

母「……!」

ショタ提督「……あっ」

祖父「………」

鳳翔「……こんにちは」

母「お義父さん!それにお義母さんも……」

ショタ提督「……おじいちゃん、おばあちゃん」

鳳翔「突然お邪魔してすみません。母(はは)ちゃんの体の具合が心配で……」

母「あ、お陰様でこの通り……」

祖父「……それだけじゃない。今日は……謝罪に来たんだ」

母「謝罪、ですか……?」

ショタ提督「……?」

祖父「……すまなかった。全て……ワシの責任だ」スッ…

ショタ提督「……!」

母「っ!?お、お義父さん!どうして土下座を……」

鳳翔「……申し訳、ございませんでした」スッ…

母「お義母さんまで……か、顔を上げて下さい!私なら大丈夫ですから!」アセアセ

祖父「いや、ワシは許されないことをしてしまった!ワシがあいつの育て方を間違えたせいで、君にまで迷惑を……!」

母「そんな……」

鳳翔「私もです。あの子にちゃんと寄り添ってあげられていたら、こんなことには……!」

ショタ提督「……!」

ショタ提督(“寄り添って”……)

母「えっと……」

祖父「ワシらにして欲しいことがあれば、何でも言ってくれ!」

鳳翔「どんな無茶なことでも良いんです!どうか……どうか、償わさせて下さい!」

母「きゅ、急に言われても……」

祖父「本当に、何でも……ん?」チラッ

祖父(あれは……特別学校受験用の参考書?じゃあ……)クルッ

ショタ提督「……おじいちゃん?」

祖父「………」

祖父「……43周目提督」

ショタ提督「……?」

祖父「お前は……“提督”を目指してるのか?」

ショタ提督「……うん。お父さんがしでかしちゃったことの、責任を取る為……」

ショタ提督「そして、今もそこで苦しんでいる……艦娘の皆を、助ける為にね」

祖父「っ!そ、それは……誰かに言われたからか?」

ショタ提督「違う。僕が自分で、そう決めたんだ」

鳳翔「……!」

祖父「……あいつの責任を、お前が感じることはない。元はと言えば、ワシが……」

ショタ提督「……いや、そういうわけにはいかないよ」

祖父「……!」

ショタ提督「僕はお父さんの子供だから。お父さんが失敗したのなら、子供の僕が何とかしてあげないと」

ショタ提督「親が子供を助けてくれるように、子供だって親を助けてあげたい。親子って、そういうものだと思うんだ」

ショタ提督「それに……今も辛い思いをしている艦娘の皆のことも、助けたい。お父さんがしてあげられなかったことを……」

ショタ提督「僕が代わりに、“しないといけない”……ううん、それ以上に……“してあげたい”と思ったから」

ショタ提督「これが“提督”になりたい理由じゃ……ダメ、かな?」

祖父「………」

鳳翔「………」

母「………」

母(2人共、目を見開いてる……そうだよね。あの人の息子とは思えない言葉だもんね……)

鳳翔(……貴方)チラッ

祖父(……あぁ)コクッ

祖父「……分かった。そういうことなら……特別学校の費用を、全額負担させてほしい」

ショタ提督「……!?」

母「えぇっ!?そ、そんな!悪いですよ!」

祖父「いや、孫が“自分の意思で”提督になる為に頑張ってるんだ。祖父母として、協力しない理由は無い」

鳳翔「……私も同意見です。お願いです、協力させて下さい!」

母「で、でも……」

祖父「ワシは……息子には、酷いことしかしてこなかった。そのせいで、多くの人に……迷惑をかけてしまった」

祖父「でも、同じ過ちを繰り返すわけにはいかない……だから、せめて……」

祖父「孫には……いや、孫の為に……何か、してやりたい……祖父として、“手助け”してやりたい……!」

母「………」

鳳翔「あの子には出来なかったけれど……貴方には、今からでも……!」

ショタ提督「………」

母「………」

祖父「……頼む」

鳳翔「お願いします……!」

母「……えっと、それじゃ……お願い、しても……良い、ですか?」

祖父「っ!ありがとう!任せてくれ!言ったからには、きっちり全額支払う!」

鳳翔「ありがとう、ございます……!本当に……!」

母「い、いえいえ!お礼を言うのは私達の方です!こちらこそ、本当にありがとうございますっ!」ペコッ

ショタ提督「……ありがとう。おじいちゃん、おばあちゃん」ペコッ

ショタ提督(これで……皆を、救ってあげられる……いや、それは僕の努力次第か)

ショタ提督(だけど、絶対に……鎮守府に行って、助けてあげるから。だから、待ってて……必ず、僕が行くから……!)

祖父「………」

鳳翔「………」

祖父(……4周目祖父、17周目祖父。お前達が言いたかったのは……こういうこと、だよな……?)

鳳翔(もう、同じ失敗はしません……せめて、この子だけは……ちゃんと、祖父母として……向き合います……!)



“彼ら”の罪滅ぼしという形ではあるけれど……これで、学費の問題は解決した。

そして提督は、その後もしっかり勉強を続けて……入学試験に合格。

そこから3年の月日を経て……特別学校を卒業し、晴れて“提督”となった。

ただ、卒業生徒が着任する鎮守府は特別学校がランダムで決めるから……どこに着任するかは、運が強く絡むんだけど……

提督は、幸い……43周目鎮守府に着任することに決まった。

そして、この子は……43周目提督は――

今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
長かったシリアスパートは次回で終了予定です。毎度のことながらすみません。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

妖精(――この鎮守府にやって来た。皆を救う為に……)

ショタ提督「――ということがあったんだ」

愛宕「……っ」

ショタ提督「………」

愛宕「……そう、だったんですね……」

ショタ提督「………」

愛宕「それ、じゃ……私達は……私は、貴方に……最低な、態度を……」

ショタ提督「そんなことないよ。皆は……」

愛宕「勝手な思い込みで、貴方に……酷いこと、ばかり……っ!」ガクガク

ショタ提督「………」

ショタ提督(愛宕さん……)

愛宕「……ごめん、なさい……謝って済むことじゃない、けど……本当に……ごめんなさい……っ!」ガクガク

ショタ提督「………」

妖精「………」

愛宕「あの事件の時に、あいつに……奥さんと、子供がいることを知って……」

愛宕「それで、貴方が……ここに来た時、名前を聞いて……あいつの息子だって、分かって……」

愛宕「その瞬間……どうせ、こいつも父親と同じで……最低の男って……!」

ショタ提督「………」

愛宕「でも、それは……私の、偏見で……貴方は、歪んでしまった私達の為に……ずっと、一生懸命で……!」

ショタ提督「……愛宕さんは、いや、艦娘の皆は悪くありません。原因は、僕のお父さんや……今までの“提督”で……」

愛宕「やめてっ!励まさないで!これ以上優しくしないで!」

愛宕「話を聞いて分かったの!私は……貴方に、合わせる顔が無いって……!」

愛宕「貴方に、温かい言葉をかけてもらう資格なんて……無いんだって……!」

ショタ提督「………」

妖精「………」

妖精(確かに、愛宕さん達の態度は……辛辣で、厳しいものだった)

妖精(でも、提督は……そうは思っていない。ずっと行動を共にしてきたからわかる。今だって……)

ショタ提督「………」スタ…

愛宕「っ!?こ、来ないで!」

ショタ提督「愛宕さん……」スタスタ…

愛宕「私は、貴方に……許されないことを……!」

愛宕「だから、慰められるなんて……許されることじゃないの……!」

ショタ提督「………」スタ…

愛宕「私は、貴方に……優しくしてもらっちゃ、ダメ――」





ショタ提督「………」ギュッ

愛宕「――っ、あ……」





ショタ提督「……愛宕さん」

愛宕「………」

ショタ提督「もう、抱え込まなくて……良いんです」ギュウッ

愛宕「……っ」

ショタ提督「僕は……愛宕さん達のことを、最低だなんて……そんな風に思ったことは、1度もありません」ナデナデ…

ショタ提督「むしろ、辛い経験をしていても……ずっと、頑張ってくれている……強くて、尊敬出来る人達だと思っていました」

ショタ提督「それに、僕の方こそ未熟で……ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした」

愛宕「……うっ、うぅっ……」ジワッ

ショタ提督「だけど、僕は絶対に……愛宕さん達に、あんな思いは……させません」

ショタ提督「皆さんの日常や、幸せは……僕が守ります。守ってみせます!」

愛宕「……ぐすっ……ひっく……!」ポロポロ

ショタ提督「……愛宕さん」

愛宕「……っ」ポロポロ
















「僕は、何があっても……愛宕さん達の傍にいます。力になります。これからも、ずっと……!」














愛宕「……っ、うあぁぁっ!うわぁぁぁんっ!」ギュウッ

ショタ提督「……!」

愛宕「辛かったよ……怖かったよぉ……っ!」ポロポロ

愛宕「こんな、憎しみばかりの日々が……永遠に、続くのかって……!」ポロポロ

ショタ提督「……はい」ナデナデ

愛宕「あいつらも、皆……酷いこと、ばっかりで……!」ポロポロ

愛宕「それで……それ、で……えぐっ……!」ポロポロ

ショタ提督「……はい」ナデナデ

愛宕「もう、何もかもが怖くて……憎くて……!」ポロポロ

愛宕「人としての心も、無くなっちゃいそうで……っ!」ポロポロ

ショタ提督「……はい」ナデナデ

愛宕「ぐすっ……うぅっ、ぁああああっ……!」ポロポロ

愛宕「うわぁぁぁぁん……!うぐっ、うぅっ!うわぁぁぁぁぁんっ!」ポロポロ

ショタ提督「……大丈夫、大丈夫ですから……」ナデナデ

愛宕「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」ギュウッ

ショタ提督「………」ナデナデ




妖精「………」

妖精(最後に、愛宕さん達が涙を見せたのは……いつだったかな)

妖精(もう、遠い昔のようで……忘れかけていたけれど……)

妖精(提督は……この子は、愛宕さんの涙……失いかけていた、人間らしい感情を……取り戻してくれた)

妖精(この子は、愛宕さんを……いや、この鎮守府を……救ってくれた……!)

愛宕「………」グシグシ

ショタ提督「……落ち着きましたか?」

愛宕「……はい。その、ありがとうございます……」

ショタ提督「……お役に立てて何よりです」ニコッ

愛宕「………」

妖精「……私が、ずっと提督と一緒にいた理由……分かったでしょ?」

愛宕「……えぇ。ずっと疑ってた私が……本当に恥ずかしい。今すぐ昔の自分を引っぱたいてやりたいくらいよ」

ショタ提督「ですから、愛宕さん達は悪くありません。原因は……」

愛宕「分かってます。でも、どうしても……自分のことが許せないんです」

ショタ提督「………」

愛宕「……それで、あの……」

ショタ提督「……?」

愛宕「こんなこと、本当は……言う資格、無いのかもしれませんけど……」

愛宕「……私も、貴方がやろうとしていることに……協力、させてくれませんか……?」

ショタ提督「……!」

妖精「それって……」

愛宕「……まだ、心を閉ざしている艦娘は沢山います。かつての私のように……」

ショタ提督「………」

愛宕「でも、私は……提督に助けられた。救ってもらえた……!」

愛宕「だから、今度は私も……皆のことを助けたい。そして……」
















「提督から、受け取ったものを……貰えたものを……一生をかけて、返していきたいから……!」














ショタ提督「……!」

妖精「……!」

愛宕「………」

妖精「あの、それって……」

愛宕「私は……提督から、沢山のもの……」

愛宕「優しさ、愛情、信愛、思いやり……本当に沢山の、温かい気持ちをもらってきた」

愛宕「だから、それを……返したい。今度は、私が……提督の役に立ちたい……!」

妖精「……それを、一生?」

愛宕「………」コクリ

ショタ提督「………」

ショタ提督(愛宕さん……)

愛宕「一生とはいっても、恋人だとか、そんなことは言いません。いえ、言えるような立場じゃありません」

愛宕「ですが……せめて、貴方から受け取ったものを……返させて下さい……!」

愛宕「貴方の、力になりたいんです……どうか、お願いします……!」

ショタ提督「………」

愛宕「………」

ショタ提督「……僕は、“皆”を助ける為に……ここに来ました」

ショタ提督「なので、愛宕さんだけを見ることは……愛宕さんのことだけを、大切に思うことは……出来ません」

愛宕「……っ」

ショタ提督「でも、それは……“今はまだ”出来ないんです」

愛宕「……!」

ショタ提督「いずれ、皆が笑顔を取り戻して……ここが、呪われた鎮守府じゃなく……」

ショタ提督「幸福な鎮守府になった時……僕が皆を、救うことが出来た時……」チラッ

愛宕「あ……」

ショタ提督「その時は……愛宕さんのことを、1番大切にします。いや、させて下さい……!」

愛宕「……!」パァッ

ショタ提督「……今の僕には、こんな返事しか出来ません。申し訳ありません」

愛宕「……いえ、それでも……嬉しい、です……!まさか、受け入れてもらえるなんて……!」

妖精「………」

妖精(皆のことを助けたいが故に、特定の誰かだけを大切には出来ない、か……)

妖精(だけど、愛宕さんの告白を聞いて……提督は、未来で付き合うことを選んだ)

妖精(答えの先延ばしではなく、ちゃんとした“約束”……本当に、貴方は……)

妖精(どこまでも、艦娘思いで……優しくて……)

妖精(それでいて、愛宕さんのことも……大切に考えて……)

妖精「………」クスッ

ショタ提督「……妖精さん?」

妖精「……ううん、提督らしいなぁって」

ショタ提督「……?」

妖精「……愛宕さん」

愛宕「え……?」

妖精「提督を泣かせたら、その場で妖精総出でお説教するからね!」

愛宕「……えぇ。肝に銘じておくわ」ニコッ

ショタ提督「えっと……」

妖精「あ、ごめんごめん。邪魔しちゃったね。とにかく、私は応援するってこと。ふふっ」

ショタ提督「……ありがとう、妖精さん」

妖精「お礼を言うのはこっちの方だよ。愛宕さんを、これほどまでに救ってくれて……ありがとう」

ショタ提督「……ううん。提督として、当然のことをしたまでだよ」ニコッ

愛宕「………」

愛宕(提督、それに妖精さん……私達が知らない間に、ここまで信頼し合っていたなんて……)





ショタ提督「……愛宕さん」

愛宕「……はい」
















「これからは……改めて、よろしくお願いします!」


「……はい。全員全霊をかけて、力になります!皆の為……そして、貴方の為に……!」





――信頼値:50/50



――パアァ…ッ!



――[パシュンッ…!]:50/50
























――シュパッ…!



――“好感度”:50/50




7ヶ月目:中旬


愛宕「………」ガチャ

ショタ提督「お帰りなさい、愛宕さん」

妖精「どうだった?」

愛宕「………」フルフル

ショタ提督「……そう、ですか」

妖精「やっぱり、いきなり状況が良くなることはないか」

愛宕「……ごめんなさい。皆に『提督は悪い人じゃない』と話したら……」

妖精「猛反発を受けた、と」

愛宕「………」コクリ

愛宕(少し前の私もそうだったとはいえ、あそこまで頑なに提督のことを認めようとしないなんて……)

愛宕(……ただ、中には提督のことを信用しようとしている人もいるから、徐々に皆の憎しみも落ち着いてはきているみたいだけど……)

ショタ提督「……焦るのはダメです。時間をかけて、ゆっくり……皆の信頼を得られるよう、努力しますから」

ショタ提督「そして……必ず、皆を……!」

愛宕「……提督」

妖精「ね?この子……43周目提督君は、どこまでも艦娘思いで、優しさの塊なんだよ」

ショタ提督「そんなことないよ。僕は提督として、当たり前のことをしているだけで……」

ショタ提督「それに、大本営の人達にも……愛宕さん達を守る為に、嘘を……」

愛宕「……!」

愛宕(あの時の……!)

妖精「あれは大本営が極端なことをしようとしたのが悪いから、提督が責任を感じることは無いよ」

ショタ提督「………」

愛宕「……ありがとうございます。本当に……そこまで、私達のことを……!」

ショタ提督「いえ、こちらこそ。僕のことを信じて下さって、ありがとうございます」

愛宕「………」

愛宕(本当に、あんな奴の息子とは思えないわ……何もかもが正反対だもの……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:42/50≪--リーチ--≫
↓2愛宕のコンマ 好感度:50/50≪--END開放--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:39/50
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:27/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます
ただし愛宕が最大値の場合は、その時点でENDです

愛宕「やっぱりショタ提督と言えば私ね~♪」ホクホク

由良(リーチは確定……うぅ失恋だけは避けないと……!)ドキドキ ←2回失恋の危機にある人その1

加賀(何としてでも次で決めないと……このままじゃ、私単独の呪いに……!)ガクガク ←2回失恋の危機にある人その2

コマンダン・テスト(微妙に蚊帳の外ね、私……)


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

23:00~0:00頃開始予定です。

始めます。

ショタ提督「……次の編成はこれでよし、と」

妖精「後は遠征の行程だね」

ショタ提督「それはもう半分以上済ませておいたから、まずはこっちの書類を……」

愛宕「………」

愛宕(私は……ううん、私達は……本当に馬鹿)

愛宕(こんなに一生懸命で、健気で、優しい……願い続けた、理想の提督なのに……)

愛宕(心を閉ざして、上辺だけで判断して……この子のことを、苦しめて……)

ショタ提督「後はこっちの……愛宕さん?」

愛宕「……え?」

ショタ提督「大丈夫ですか?先程から辛そうな表情を……もしかして、体調が……」

愛宕「あ、いえ!そうじゃなくて……その……」

妖精「………」

愛宕「今までの、私の提督への態度を思い出して……」

ショタ提督「……前にも言いましたが、愛宕さんは何も悪くないんです」

愛宕「………」

ショタ提督「ですから、自分を責めないで下さい。僕は、愛宕さん達が笑顔でいてくれることが……」

ショタ提督「目指している目標であり、1番の幸せなんです」ニコッ

愛宕「……提督」

愛宕(……そう。そうよ……提督は、こんな私のことも……見捨てず、救ってくれた)

愛宕(落ち込んでる場合じゃないわ。少しでも、皆に提督の優しさが伝わるようにして……提督の力にならないと!)



由良の行動

直下

烈風妖精「……あの、ちょっと良い?」ヒョコッ

ショタ提督「……!」

愛宕「……烈風の妖精さん?」

妖精「あっ、烈風ちゃん。また何か不味いことが……」

烈風妖精「ううん、そうじゃないんだけど……むしろ逆で……」

愛宕「逆……それって……!」

烈風妖精「とにかく、広場に行ってみて。こればかりは、3人に見てもらわないと……」

ショタ提督「………」チラッ

妖精「………」コクッ

愛宕「………」コクリ


由良「……じゃあ、貴方達は……」

漣「………」コクッ

朧「……うん」

三隈「……えぇ」

鈴谷「………」

伊168「………」

伊19「………」


ショタ提督(……珍しい組み合わせだ)

妖精「………」

愛宕「……!」

愛宕(この娘達って、提督を信頼しようとしてる……!)

漣「だって、あの子が来てから……明らかに職場環境が良くなったというか、ブラック脱出みたいな感じだし……」

朧「……悪い人じゃない、のかなって」

由良「………」

三隈「あの子は、きっと……私達の、最後の希望……だと思いたい、です」

鈴谷「熊野達は全然分かってくれないけどね……」


ショタ提督「……!」

妖精(……逆って、そういうことだったんだ)

愛宕「………」


由良「……それじゃ、もう……疑って無いってこと?」

伊168「……完全に信用しているかと言われると、まだだけど……」

伊19「でも……イク達のこと、酷使しないし……ずっと、労わってくれるから……!」

由良「………」

今の私と同じような心境になっている人達に、話を聞いてみたけれど……

返ってくる答えは、やっぱり私と同じ。心の中で、まだ迷っている。

心を許すのは怖いけど、疑う気持ちも薄れてきて……

由良「……っ」ギュッ

由良(私は……どう、したいのかな……結局、あいつを疑ってるのか……)

由良(それとも、提督を……信じたい、のか……)

答えを求めていてもダメ。それは分かってる。分かってはいる。けど……

どうしても……何か、決定的な……何かを求めている。求めてしまっている。

由良「………」


ショタ提督(……由良さん)

妖精(由良さん……提督のことを、信じようとして……?)

愛宕「………」

愛宕(……これって、チャンス……なのかしら。今なら、提督のことを……あの娘達に、理解してもらえるかもしれない……!)


提督達or由良の行動

直下

※提督達が行動する場合、3人全員ではなく提督、妖精、愛宕の中から個別に指定していただいても大丈夫です。

由良「……!」チラッ


ショタ提督「……っ!」

妖精(あっ、目が合っちゃった)

愛宕「……!」


由良「………」

由良(提督……それに、妖精さんや愛宕さんまで……)

今までの私なら、すぐに『監視』という発想に至っただろう。

けれど、今は……そうじゃない。悪い印象よりも……

むしろ、心配してくれている……そんな、昔のような……幻想を……

朧「……由良さん?どうかし……あっ」

鈴谷「うわっ!?いつからそこに……」

ショタ提督「……ごめんなさい」

妖精「その、盗み聞きしてたわけじゃ……いや、こっそり聞いてる時点で盗み聞きか」

愛宕「……由良ちゃん」

由良「愛宕、さん……」

由良(そういえば、さっき……提督のことを、良い子だって……)

愛宕「……!」

愛宕(由良ちゃん達から見つけられたのは予想外だけど、むしろ絶好の機会……!)

愛宕「……あのっ、聞いて!」

由良「え……?」

三隈「……何ですか?」

愛宕「その、貴女達は……提督のことを、その……信用しようとしているのよね?」

由良達「………」コクリ

ショタ提督「……!」

愛宕「じゃあ、ちょうど良いわ!少しだけ……少しだけで良いから、私の話を聞いて……!」

由良「………」

由良(さっきと同じ話……?でも、それならわざわざここで改めて話す必要はない、よね……)

愛宕「その……由良ちゃんは、一度……命令違反をしてしまったこと、あるわよね?」

由良「……っ」

由良(……どうして、今……そのことを……)

愛宕「でも、提督は許してくれた。それどころか、提督の方が……謝罪した」

愛宕「それに加えて、土下座までして……支援艦隊を出してくれた」

由良「……っ!?」

由良(ど、土下座!?そんなことを……)

漣(えっ、マジ……?)

朧(命令違反のことは知ってたけど、土下座のことまでは……)

愛宕「その時、既に1度……貴女は、提督に救われている……」

由良「………」

愛宕「でも、由良ちゃんが知らない裏で……貴女はもう1回、救われてるの」

由良「……え?」

ショタ提督「……!」

ショタ提督(もしかして、あの時の……)

愛宕「……随分後になって、大本営から電話がかかってきたの。命令違反した艦娘を解体しろ、とね」

愛宕「もちろん、ここで言う命令違反は由良ちゃんのことだけじゃなく……普段の素行が悪い、私達も含まれるわ」

由良「っ!?」

三隈「そ、そんな……!?」

鈴谷「嘘……」

妖精「………」

愛宕「でも、提督は……大本営に嘘をついてでも、私達を守ってくれた。守り通りてくれたわ」



愛宕「“ここの艦娘は、命令違反なんて起こしていません!”」

愛宕「“彼女らは皆、今までの過去と戦いながら……必死に、役目を果たそうとしているんです!”」



ショタ提督「……!」

由良達「……!」

愛宕「そう、強く言い放ってね」

由良「………」

伊168「……知らなかったわ」

伊19「………」コクリ

妖精「……提督は、皆からの憎しみを受けながらも……ずっと、頑張って来たんだよ?」

妖精「皆の笑顔を取り戻したい……その一心で……!」

由良達「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(愛宕さん、妖精さん……)

由良「………」

由良(提督は……私が知らない間に、そんなことまで……してくれていて……)



反転コンマ判定:由良の反応は?

01~49:謝罪する
信頼値上昇:小 ×1.0
50~98:謝罪+お礼を言う
信頼値上昇:中 ×1.5
ゾロ目:あまりの申し訳なさに……
信頼値上昇:大 ×2.0

直下

51→15:素直に謝ります


由良「………」

由良(……今の話が本当だとしたら、私は……)

愛宕「………」

由良達「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(皆……)

由良「……ごめんなさい」

ショタ提督「……!」

愛宕「……!」

妖精「………」

由良「私達のことを……助けてくれて」

ショタ提督「……いえ、提督として、当然のことをしたまでです」

ショタ提督「それに、命令違反については……僕が由良さん達の信頼を得られないほど、未熟だったんです」

ショタ提督「なので、由良さん達が責任を感じることはありません。僕が未熟なばかりに、申し訳ありませんでした」

由良「……っ」ズキッ

由良(どうして……どうして、提督が……謝るの……?悪いのは、私達なのに……!)

漣「………」

朧「………」

愛宕「……提督は、こういう子なの。誰よりも……それこそ、自分自身よりも……」

愛宕「私達のことを、心の底から考えてくれる……優しい子なのよ」

由良「……!」

三隈「………」

鈴谷「………」

妖精「由良さん達が今、ここに立てているのは……提督が頑張ってくれているお陰なんだよ?」

妖精「その事実を……せめて、この子を信用しようとしてくれている……貴女達だけは、忘れないで」

由良「………」

伊168「………」

伊19「………」

由良「……本当に、ごめんなさい……」

ショタ提督「ですから、由良さんに責任は……」

妖精「………」スッ

ショタ提督「……!」

妖精「………」フルフル

ショタ提督(……妖精さん)

由良「………」

愛宕「………」

愛宕(由良ちゃんの、今の気持ちは……きっと、少し前の私と同じ)

愛宕(だからこそ、由良ちゃんが……この子に、どんな思いを抱いているかは……手に取るようにわかる)

愛宕(……でも、そこからどうするか……後は貴女次第よ、由良ちゃん)

由良「………」



由良の信頼値 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

※リーチ確定です

今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

23:00~0:00頃開始予定です。

始めます。

8×1.0=8
39+8=47/50≪--リーチ--≫


由良「………」

名取「……由良ちゃん?」

由良「……姉さん」

名取「どうしたの?顔色悪いよ?まさか、あいつに……」

由良「………」フルフル

名取「そうなの?じゃあ、何で……」

由良「……あの子は」

名取「え……?」

由良「あの子は……悪い子じゃ、無い……」

名取「……っ!?」

由良「ずっと……私達が待ち続けてきた、願い続けてきた……」

名取「そんなわけないよッ!!」

由良「………」

名取「あんなに……あんなにあんなに!私達に酷いことをしてきた……あいつの息子なんだよ!?」

名取「そんな奴が、まともなわけ……!」

由良「……でも、あの子が来てくれてから……私達の環境は、どんどん良くなって……」

名取「信じちゃダメ!どうせ……上辺だけだよ!最後には皆、私達を道具のように……!」

由良「………」

由良(……やっぱり、姉さん達は……そう言う、よね……)

由良(でも、私は……提督を、あの子を……信じたい……いつしか、そう考えるように……)

由良「……っ」グッ…

由良(……だけど、今まで……私は、あの子に……酷い態度ばかり取ってきた。顔を合わせる度に、棘のある言葉ばかり浴びせてきた……)

由良(今更、そんな掌返し……許される、わけが……っ!)




――由良の警戒心がほぼ無くなり、心を開こうとしています。

7ヶ月目:下旬


鈴谷「だから、あの子のお陰で私達は……!」

熊野「希望など捨てなさい!どうせまた裏切られて、私達が傷つくだけですわ!」

最上「そうだよ!今までのことを思い出して!あいつらは、僕達のことなんか……!」

三隈「ですから、あの子は例外で……!」


愛宕「………」

愛宕(……部屋を覗いてみれば、やっぱり……)

――

曙「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」ブツブツ

潮「……この状態の曙ちゃんを見ても、そんなこと言えるの?」

漣「だからあの子は違……」

潮「2人共酷いよ!妹があいつらにここまでされたのに、まだあんな奴らのことを信じようとするの!?」

朧「潮……私も最初はそう考えてたけど、提督は……あの子だけは……」


妖精「………」

妖精(提督のことで、言い争いになって……)

――

伊58「……正気、なの?」

伊168「………」コクリ

伊8「ずっと、酷使されてきたのに……」

U-511「……っ」ギリッ…!

伊19「……あの子は違うのね。私達のことを、ずっと労わってくれて……」

伊14「だったらどうしてあんな出撃ミスが起こるの!?」

呂500「そうだよ!どうせ戦果が出せない私達のことを、傷つけようとして……!」

伊168「だからそれは……」


ショタ提督「………」

ショタ提督(……僕は、まだまだ皆の信用に値する提督じゃない)

ショタ提督(だけど、ここで焦れば……皆を尚更、不安にさせてしまう)

ショタ提督「……!」グッ…!

ショタ提督(大丈夫。愛宕さんは……僕のことを、信じてくれた)

ショタ提督(落ち着いて、じっくり時間をかけていけば……!)


↓1加賀のコンマ 信頼値:42/50≪--リーチ--≫
↓2愛宕のコンマ 好感度:50/50≪--END開放--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:47/50≪--リーチ--≫
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:27/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます
ただし愛宕が最大値の場合は、その時点でENDです

加賀「………」

あれからずっと悩み続けてきた。考え続けてきた。

あの子のことを……提督のことを……

加賀「………」

加賀(……あの子は、私が部屋を壊した時も……)

私を一切叱ることなく、むしろ……自分自身が謝罪した。

今考えてみれば……あの時の私の態度は、最低と言って良いだろう。

それなのに、提督は……私を責めなかった。

加賀「……っ」

加賀(あんな……あんな酷いことを言ったのに……)

そう。私は……提督に、今までしてきた行いを……謝罪したい。

そして……今度こそ、信じたい……

加賀「………」

加賀(そう、考えていても……怖い)

今までのトラウマが邪魔をする。

あの子の元へ行くのが……怖い。怖くて、たまらないのだ。

かつては憎悪で溢れていた気持ちも……今は恐怖が支配してしまっている。

加賀「……っ」

加賀(……提、督……)




1.それでも足を踏み出す

――信頼値50確定 END開放

2.恐怖と後悔で足が震える

――信頼値上昇コンマ判定へ

直下

すみません、この一文を忘れてました!

1を選んだ場合は反転コンマ90~98で愛宕が邪魔します
2を選んだ場合は再度判定します

このレスのコンマは無効でお願いします。

加賀「やった……ついにやったのね、私……っ!」ウルウル

加賀(18周目)「おめでとう……!」パチパチ

加賀(29周目)「………」パチパチ ←自分自身が失恋した事実は消えないので複雑な気持ち

加賀(34周目)「長かったわね……本当に……!」パチパチ

加賀(37周目)「別の私とはいえ、嬉しくてたまりません……!」パチパチ

加賀(39周目)「これで呪い呼ばわりされることもなくなるわ……!」パチパチ













由良「」

由良(ど、どうしよう……このままじゃ、私……!)ガクガク


短くてすみませんが今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
18周目から連敗続きの加賀さんがついにENDに!こちらとしても感慨深いものがあります。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

――それでも足を踏み出す


加賀「………」

加賀(……ここで、踏み出さないと……私は、ずっと……)

このまま、過去の記憶に囚われていれば……信じたいと思う気持ちが、また……

憎悪で、塗り替えられてしまうかもしれない。

“提督”を信用しようと思うことさえ……2度と、出来なくなるかもしれない。

加賀「……っ」

加賀(……行か、ないと……!そして、謝らないと……!)

震える足を前に出す。今、諦めてしまえば……全てが終わる。

だから、私は前に進まなければならない……

どれだけ、過去の恐怖と憎しみが湧き上がってきたとしても……それでも……!

加賀「………」スッ…

加賀(……赤城さん。皆……ごめんなさい。私は……)

ガチャ…

加賀「……っ!」バタン…

加賀(例え、周りから愚かな奴だと思われたとしても……)

加賀「………」スタスタ…

加賀(……あの子を……提督を、もう1度……信じることを、選びます……!)

ショタ提督「………」

妖精「少しずつだけど、提督を信じようとしてくれる人が……増えてきたね」

愛宕「えぇ。でも、まだ誤解してる人達も……」

愛宕(……でも、少し前までは……私もそうだったのよね……)

ショタ提督「………」

妖精「……提督。あまり思いつめないでね?」

ショタ提督「……え?」

愛宕「私が言えることではありませんけど……提督に責任は一切ありません」

愛宕「ですから、自分を責めるのは……」

ショタ提督「……ありがとう、妖精さん」

妖精「………」

ショタ提督「愛宕さんも、心配して下さり……ありがとうございます」

愛宕「………」

ショタ提督「ですが、皆さんが僕のことを信頼出来ないのは……僕がまだ未熟で、信頼するに値しない……ということです」

ショタ提督「皆さんが誤解しているのではありません。あれだけのことを経験してきたのなら、むしろ当然の対応なんです」

妖精「……提督」

愛宕「……っ」

愛宕(私は……今まで、こんなに優しい子のことを……)

ショタ提督「なので、少しでも皆さんから提督として信用してもらえるよう、僕が全力で……」





ガチャ…

ショタ提督「……!」クルッ

妖精「……え?」クルッ

愛宕「……?」クルッ

加賀「………」

ショタ提督「……加賀、さん?」

加賀「………」スタスタ…

ショタ提督「……あの」

加賀「………」スタ…

ショタ提督「……もしかして、僕がまた何かミスを……」

妖精(……何をする気だろう。まさかとは思うけど、提督に危害を……)ジッ

愛宕(……加賀さんは、確か……この子の話を聞いても、あまり反発しなかった方だったかしら。でも、どうしてここに……)

加賀「………」スッ

ショタ提督「……!」

妖精「っ!?」

愛宕「……!」

加賀「……申し訳、ございませんでした」

妖精(ど、土下座!?急に何を……)

愛宕「………」

愛宕(……そう。そういうことね……)

ショタ提督「……顔を上げて下さい。加賀さんは僕に土下座するようなことは何も……」

加賀「そんなことありません!私は……今まで、ずっと……最低な態度ばかり……っ!」

ショタ提督「………」

加賀「あの時だって……!一歩間違えれば、貴方が死んでいたかもしれないのに……!」

加賀「それでも、貴方は自分を責めて……私に謝罪した!私が悪いのに……貴方が謝罪した……!」

加賀「それなのに、私は……憎しみだけで、貴方が悪いと考えて……あんな、あんな酷いことを……!」

加賀「ごめんなさい……!許してくれとは言いません!だから、せめて……謝らせて下さい……!」

加賀「ごめんなさい……本当に、ごめんなさい……っ!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(加賀さん……あの、誤射のことを……そこまで思いつめて……)

ショタ提督「……顔を上げて下さい」

加賀「……!」

ショタ提督「あの事件は、加賀さんのせいではありません。僕が加賀さんの演習を邪魔してしまったせいです」

ショタ提督「ですから、加賀さんが責任を感じることはありません。むしろ、僕こそ……申し訳ありませんでした」

加賀「………」

妖精「……はぁ」

妖精(相変わらず、お人好しというか……提督らしいけどね)

愛宕「………」

加賀「……どう、して」

ショタ提督「……!」

加賀「どうして……貴方は、そこまで……優しいんですか……?」

加賀「どうして……そこまで、私達のことを……考えて、くれるんですか……?」

愛宕「………」

加賀「私は……貴方に、ずっと……酷い態度を……」

ショタ提督「………」

愛宕「……知りたいですか?」

加賀「え……?」

ショタ提督「……!」

愛宕「提督が……この子が、どうして“こうなった”のか……知りたいですか?」

加賀「………」チラッ

ショタ提督「………」

愛宕「私は既に、この子から聞きました。そして……気づいたんです」

愛宕「どうして、私は……今まで、この子のことを……憎いと思ってたんだろうって」

愛宕「どうして、私は……この子の優しさに、気づいてあげられなかったんだろうって」

加賀「………」

妖精「私は最初から気づいてたけどね」

愛宕「うぐっ……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(愛宕さん……妖精さん……)

加賀「………」

加賀(……こんなこと、私は……言う資格、無いのかもしれないけれど……)

加賀「……教えて、下さい」

ショタ提督「……!」

妖精「………」

加賀「この子のことを……教えて下さい……!」

加賀(この子の、優しさの理由が……知りたい。どうして、そこまで私達のことを考えてくれるのか……)

加賀(それを知って、心の底から……この子のことを、信じたい……!)

愛宕「……話して大丈夫ですか?」

ショタ提督「………」コクリ

愛宕「ありがとうございます。では……心して聞いて下さい。結構長くなりますよ?」

加賀「……はい」

愛宕「さて……どこから話しましょうか。まずは――」




愛宕さんの口から伝えられた内容。それを聞いて……私は、絶句した。

この子があいつの息子ということは気づいていたけれど……まさか、あいつは……

この鎮守府に来る前から、それほどまでに酷い男だったなんて……

それどころか、この子や母親にも……凄く迷惑をかけて……!

でも、この子は……母親からの言葉を、しっかり胸に刻んで……

一切歪まず、まっすぐに……純粋に育って……

あいつの代わりに……あいつが私達に与え続けた傷を、癒す為に……

この場所に来て、私達から文句を言われ続けても……

私達の為に……その為だけに……ずっと、頑張って……!

それを知らずに、私は……あんな、最低な態度を……!




愛宕「――というわけです」

加賀「………」

ショタ提督「………」

妖精「分かった?この子が、生まれた時から苦労を重ねて……それでも、皆の為に尽くしてくれてることが」

加賀「………」

加賀「……っ」ジワッ

ショタ提督「……!」

加賀「っう……!」ウルウル

愛宕「………」

妖精「………」

加賀「ぐすっ……ごめんなさい……!」ポロポロ

ショタ提督「………」

加賀「ごめんなさい……えぐっ、ごめんなさいっ……!」ポロポロ

加賀「私は……何も知らないで、貴方のことを……っ!」ポロポロ

ショタ提督「………」

加賀「謝って、済む問題じゃない、けど……でも……うぅっ……」ポロポロ

加賀「ごめんなさい……今まで、辛辣な態度や酷い言葉ばかり投げかけて……ごめん、なさい……っ!」ポロポロ

ショタ提督「………」

加賀「うぐっ……ひっく……!」ポロポロ

ショタ提督「………」スタスタ

愛宕「……!」

妖精「………」

ショタ提督「………」スタ…

加賀「ぐしゅ……えっぐ……ごめんなさ――」ポロポロ











ショタ提督「………」ダキッ…

加賀「――!」

ショタ提督「……何度でも言います。加賀さんが責任を感じることは……無いんです」ナデナデ

加賀「………」

ショタ提督「加賀さんは……皆さんは、ずっと……辛い思いをしてきたんですから」

ショタ提督「僕のことを、信用出来ないのは……当然のことなんです」

加賀「………」

ショタ提督「……僕が至らないばかりに、申し訳ありませんでした」

ショタ提督「ですが、これからは……いや、これからも……!」

加賀「………」

ショタ提督「加賀さんや、皆さんの為に……頑張ります」

ショタ提督「今まで、苦しい状況で……傷ついた加賀さん達を、救う為に……!」

加賀「……っ」

ショタ提督「……今の僕はまだ未熟なので、これくらいのことしか出来ません」ナデナデ

ショタ提督「ですが……いつか、皆さんが笑顔で過ごせる鎮守府に……変えてみせます……!」

加賀「……うぐっ、うぅっ……!」

ショタ提督「……もう、大丈夫です。加賀さんを傷つける人はいません」ナデナデ









「僕がいます。どんな時でも、傍で支えますから……!」









加賀「……うあぁぁぁっ……!えぐっ、ぐしゅっ……うわぁぁぁぁん……っ!」ポロポロ

ショタ提督「………」ナデナデ

加賀「ひっく……うぅっ、うあぁぁぁっ……!うわぁぁぁん……ぐすっ、あぁぁぁ……っ!」ポロポロ




愛宕「……流石ですね、提督」

妖精「少し前の愛宕さんも、まさにこんな感じだったけどね」

愛宕「……はい。あの時も、あの子にこうしてもらったお陰で……心の闇が、全て取り払われたような気がしました」

妖精「………」

妖精(それにしても、あの加賀さんが子供のように泣きじゃくるなんて……ちょっとレアかも)

加賀「……お見苦しい所をお見せしました」グシグシ

ショタ提督「いえ、そんなことは……」

愛宕「……この子の優しさの理由、分かりましたか?」

加賀「……はい。今までの私に、喝を入れたいくらいです」

愛宕「ふふっ……そんなところまで、私と同じなんですね」

加賀「………」

ショタ提督「愛宕さんや加賀さんは悪くありません。未熟な僕のせいで……」

加賀「そんなことはありません。提督を信用出来ず、辛辣な態度ばかりの私が……」

ショタ提督「ですが……」

加賀「………」

加賀(どこまでも、私達のことを思って……だからこそ、私は……)

加賀(提督の力になりたい。私に出来ることの全てを……提督に、捧げたい……!)

加賀「……提督。私……決めました」

ショタ提督「……え?」

加賀「もしかすると、既に……愛宕さんから、同じことを言われたかもしれませんが……」チラッ

愛宕「……!」

妖精(……ははぁ、なるほどね)

ショタ提督「………」

ショタ提督(それって……)

加賀「……提督」








「今まで、貴方が私に与えてくれた優しさ……その恩を、一生をかけて……返します。いえ、返させて下さい……!」








ショタ提督「……!」

愛宕「……同じことって、そういう意味なんですね」

加賀「………」コクリ

妖精「………」

妖精(提督、持ち前の優しさで2人の女の子の心を掴んじゃったかぁ。でも、この子なら納得かも)クスッ

加賀「……勝手なことを言っている自覚はあります。でも……!」

ショタ提督「……加賀さん」

加賀「……!」

ショタ提督「ありがとうございます。その気持ちは、凄く嬉しいです」

ショタ提督「ただ……僕は、皆さんを救う為に……ここにいます」

加賀「………」

ショタ提督「なので、その……加賀さんだけを見ることは、きっと……出来ないと思います」

ショタ提督「それに、加賀さんが言っていたように……僕は既に、愛宕さんからも……同じ気持ちを受けました」

加賀「………」

ショタ提督「だから、その……愛宕さんとの、約束を破るのは……でも……」

加賀「………」

加賀(……やっぱり、無理……ですよね。こんな頼み、おこがましいですよね……)

ショタ提督「………」

妖精(あっ、いつも以上に険しい顔になってる。こんなこと、今まで1度も無かったもんね。悩むのも無理ないか)

愛宕「……提督。もしかして……いや、もしかしなくても……悩んでますよね?」

ショタ提督「……!」

愛宕「私との約束を破るわけにもいかない。でも、加賀さんの気持ちを蔑にするわけにもいかない……」

愛宕「それで、板挟みになってるんですよね?」

ショタ提督「………」

愛宕「でも、大丈夫ですよ。私なら、提督に2人目の想い人が出来ても気にしませんし……むしろ、歓迎しちゃいますから」ニコッ

ショタ提督「……!?」

加賀「……!」

妖精(言っちゃった。爆弾発言しちゃったよ、愛宕さん)

ショタ提督「あ、愛宕さん……」

愛宕「ここの私達は、ずっと……“提督”への信頼の気持ちを、忘れていましたけど……」

愛宕「本来、私達艦娘は……提督を無意識の内に慕います。つまり、複数の艦娘が……同じ人間を好きになることは、珍しくないんです」

ショタ提督「………」

加賀「………」

愛宕「だからこそ、提督と艦娘は重婚可能ですし……私達も、後から他の人が自分の好きな人に告白しても……それほど抵抗を感じません」

愛宕「だって、仕方ないじゃないですか。本来、私達はそういう考え方ですし……」

愛宕「貴方は私達に、その“大事な気持ち”を……思い出させてくれましたから」ニコッ

ショタ提督「……愛宕さん」

加賀「………」

妖精「………」

妖精(ちょっと前までは、提督を睨みつけてたのに……成長したなぁ、愛宕さん……)

愛宕「はいっ!そういうことなので、提督は加賀さんの気持ちをしっかり受け止めてあげて大丈夫です!」

愛宕「もちろん、最終的な判断は提督次第ですけどね」ニコッ

加賀「うっ……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(やっぱり、僕はまだ未熟だ……今だって、愛宕さんに助けられたから……)

ショタ提督(本当なら、僕がしっかり判断しないといけないのに……)

ショタ提督「……!」グッ…

ショタ提督(でも、裏を返せば……愛宕さんは、僕のことを信用してくれているから……助け船を出してくれた)

ショタ提督(愛宕さんが、僕を信頼して……選択肢を、与えてくれたんだ。それなら……)クルッ

加賀「あ……」

ショタ提督(……ここからは、僕が……責任を持って、選ばないといけない……!)

ショタ提督「……加賀さん」

加賀「………」

ショタ提督「僕のことを、そこまで信頼して下さって……ありがとうございます」

加賀「………」

ショタ提督「ですが、僕は……やっぱり、未熟で……信用に値しない提督だと思います」

加賀「……え?」

ショタ提督「さっきの、愛宕さんからの言葉……それを聞いたからこそ、答えを出すことが出来ました」

加賀「……!」

加賀(それって……!)

ショタ提督「……加賀さん」

加賀「は、はい……!」

ショタ提督「愛宕さんの約束を破ることは出来ません。ですが、全てが終わったら……愛宕さんと同じように……」

ショタ提督「加賀さんのことも、大切にします……特別な人として……!」

加賀「……っ!」パァッ

愛宕「……ありがとうございます、提督」

ショタ提督「……え?」

愛宕「加賀さんの気持ちを……受け止めてくれて」

ショタ提督「………」

愛宕「私も、加賀さんの立場なら……きっと、同じことを言ったと思います」

ショタ提督「……!」

愛宕「だからこそ、加賀さんの気持ちも分かるんです。提督が私と加賀さんの両方を選んで……正直、ホッとしました」

ショタ提督「……愛宕さん」

加賀「……提督、あの……ありがとうございます!」ペコッ

ショタ提督「……こちらこそ、ありがとうございます。こんな僕のことを、そこまで高く評価して下さって」

加賀「……これからは、私も……愛宕さんと一緒に、貴方の力になります……!」

加賀「貴方がずっとしてくれたこと……今度は、私が提督に……返していきます……!」

ショタ提督「……加賀さん」

妖精「………」

妖精(愛宕さんが容認してくれたお陰で、凄く綺麗に収まったね)

妖精(でも、もし愛宕さんが違った答えを出していれば……きっと、提督は……)

妖精「………」フルフル

妖精(いや、そんなことを考えても仕方ないよね。提督と愛宕さんと加賀さんが3人で結ばれた……それで良いんだから)ニコッ

妖精「……加賀さん」クルッ

加賀「……?」

妖精「愛宕さんにも言ったことだけど……提督を泣かせたら、妖精総出でお説教するからね!」

加賀「……はい。気をつけます」

妖精「よろしい!これから先は、ちゃんと3人仲良くね?」ニコッ

ショタ提督「……うん」ニコッ

愛宕「もちろんですよ。言いだしっぺですから」ニコッ

加賀「……はい」ニコッ



加賀「……提督」

ショタ提督「……加賀さん」
















「これからは、愛宕さん共々……よろしくお願いしますね?」


「……こちらこそ、よろしくお願いします」


「あ、でも私の方が先約ですからね~?」





――信頼値:50/50



――パアァ…ッ!



――[パシュンッ…!]:50/50
























――シュパッ…!



――“好感度”:50/50



次はリザルトです。

ショタ提督「………」カキカキ

加賀「………」

愛宕「……どうしたんですか?」

加賀「いえ、その……私達が、今まで……普通に過ごすことが出来ていたのは……」

加賀「提督が……あの子が、私が知らない裏で……頑張ってくれていたから……」

加賀「そう思うと……ますます、どう接して良いか分からなくて……」

愛宕「……まぁ、それは私も思いました。でも……」

愛宕「私達に出来ることは、提督の負担を……少しでも、軽くすること」

愛宕「つまり、皆が提督のことを信頼するように……一緒に働きかけること」

加賀「……!」

愛宕「逆に言えば、こんな形でしか……あの子の力に、なってあげられない……」

愛宕「そう考えて、自分の無力さが嫌になったことはあります」

加賀「………」

加賀(確かに、私達は……あの子から、多すぎるくらいの……優しさを貰った)

加賀(それを、ただ手伝うだけで……返すことには……)

愛宕「でも、それでも……私達は、せめて自分が出来る精一杯のことを……していくしかありません」

加賀「……!」

愛宕「……頑張りましょう、加賀さん。あの子の願いを……達成する為に……!」

加賀「……はい。皆が笑顔でいられる鎮守府……何としてでも、実現させましょう……!」

妖精「………」

妖精(私達妖精を覗けば、まだ2人だけど……それでも、あの子にとっては……凄く心強いはず)

妖精(……大丈夫。この調子なら、あの子が目指している鎮守府に……必ず、なる……!)

ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(愛宕さんと加賀さん……そして、皆の為にも……もっと、頑張らないと……!)



7ヶ月目までの評価

加賀:50/50≪--END開放--≫『これからは、一生をかけて――』
愛宕:50/50≪--END開放--≫『――貴方から受け取ったものを、返します……!』
由良:47/50≪--リーチ--≫『今更、やっぱり信用したいだなんて……そんな我儘、許されるわけ……っ!』
コマンダン・テスト:27/50『………』

8ヶ月目:上旬


由良「………」ジッ…


ショタ提督「……申し訳ございません」

愛宕「いえいえ!これくらいのことはさせて下さい!」

加賀「そうです。むしろ、まだ足りないくらいです」

ショタ提督「………」

ショタ提督(これくらいの書類なら、僕1人で持てるけど……)

ショタ提督(愛宕さんと加賀さんから、あそこまで『持たせて下さい!』と言われたら……)

ショタ提督(それを断るのは、悪い気がしたけど……でも、やっぱり……う~ん……)


由良「………」

由良(最近、愛宕さんと加賀さん……提督の傍にいることが、多くなったような……)

由良(もしかして……提督のことを、信用……)

由良(でも、あの2人だって……私と同じように、提督に酷い態度を……)

由良「……っ」

由良(……いや、むしろ……何も行動出来ない私より、立派なのかも……)

由良(だけど、今更……掌を返すようなこと……許されるわけが……!)

由良「………」


妖精「………」ジッ

妖精(由良さん、さっきから提督達のことを見てるけど……)

妖精(もしかして、この前の話を聞いて……)


↓1加賀のコンマ 信頼値:50/50≪--END開放--≫
↓2愛宕のコンマ 好感度:50/50≪--END開放--≫
↓3由良のコンマ 信頼値:47/50≪--リーチ--≫
↓4コマンダン・テストのコンマ 信頼値:27/50

反転コンマが最大の艦娘と交流を試みます
ただし愛宕or加賀が最大値の場合は、その時点でENDです

愛宕「ゴ~ルイ~ン♪」

加賀「やっと……やっと苦労が報われたわ……!」

コマンダン・テスト「残念……次に期待ですね」

由良「」

由良「」


















由良「」

由良(20周目)「……仲間ね」ポン

由良「」


こうして、艦娘思いの提督が奮闘し、加賀さんが報われ由良さんが悲劇の記録を達成した43周目は幕を下ろしました。
続いて艦娘安価……と言いたいところですが、時間が時間なので今回はここまでにさせていただきます。
遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
次回の更新は艦娘安価のみとなります。近日中に(早ければ本日夜に)行う予定です。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

19:30~20:30頃に艦娘安価を行う予定です。

始めます。
安価を取った後、もしくは途中で次スレを立てます。

恒例の注意事項です。


※今回登場した艦娘(由良、コマンダン・テスト)はNGです。

※今回ENDを迎えた艦娘(愛宕、加賀)はNGです。

※今までにENDを迎えた艦娘(>>4-8をご参照下さい)もNGです。

※深海棲艦もNGです。

※浦風は安価下にします。

※名前が違う同一艦は、同じ周に2人登場させることは出来ません(例:大鯨と龍鳳)。
ただし周を変えれば登場可能です(例:2周目でU-511、5周目で呂500)。
また、連続で登場させることも出来ません(例:響が出た次の周でヴェールヌイを登場させる)。

※反転コンマで判定します。


次の>>1のレスからスタートです。

1人目

↓1~↓5で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※19:42までに安価が埋まらなかった場合、それまでの安価で反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

1人目:鹿島(24→42)
2人目

↓1~↓4で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※19:46までに安価が埋まらなかった場合、それまでの安価で反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

2人目:あきつ丸(88)
3人目

↓1~↓4で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※19:50までに安価が埋まらなかった場合、それまでの安価で反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

3人目:夕雲(26→62)
ラスト4人目!

↓1~↓5で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※19:53までに安価が埋まらなかった場合、それまでの安価で反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

4人目:伊400(39→93)

というわけで44周目ヒロインは

鹿島、あきつ丸(11周目より再登場)、夕雲、伊400となります。
初登場組3人はどのような活躍を見せてくれるのか、33周振りに再登場を果たすあきつ丸は前回以上の見せ場を作れるのか……!
こちらとしても期待が深まります。

それでは次スレを立ててきます。

立ててきました!

【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」瑞鳳「その32!」【安価】
【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」瑞鳳「その32!」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1535367799/)

それでは今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
エピローグや次周の構想は既に出来上がっていますので、書く時間さえ確保出来れば近日中に投下出来ると思います。
エピローグはこちらのスレに投下しようかと考えていましたが、分量がどれほどになるかがまだ分からないので……一先ず今の所は次スレに投下する予定です。
こちらのスレは埋めていただけると幸いです。ただ、エピローグ投下時に残りレスが十分余裕がある場合は、こちらに投下すると思います。

エピローグとオープニングは出来る限り早く完成させますので、それまでお待ちいただけると幸いです。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

予想以上に予定が立て込んでしまい、まだエピローグ・オープニングの投下は難しそうです。申し訳ありません。
今週を過ぎれば少し落ち着くと思いますので、もうしばらくお待ちいただけると幸いです。

コテハンが変わっていますが>>1です。
SS速報VIPが復旧したみたいで良かったです。長らくお待たせしてしまい申し訳ございませんでした。
速報が落ちている間はおーぷん2ちゃんねるにて一時的に進行していました。
しかし復旧後にはここに戻る予定でしたので、以降はこちらで今まで通り本編を進行させていただきます。
ここを使い切り次第(埋まり次第)、32スレ目に移ろうかと思います。

↓は一時的に進行していたスレのURLです

【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」瑞鳳「32……出張版?」【安価・コンマ】

※上記では43周目エピローグと44周目オープニング、その序盤まで進行致しました。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

伊400(そもそも私達は建造された時から人格があったっけ……じゃあ艦娘は人間ともロボットとも違うのかも)


「やっぱり巨大ロボでしょ!」

「いや、私達みたいな感じの方が良いって!」


伊400「……?」

伊400(工廠から声が……明石さんや夕張さんの怪しい叫び声ではなさそうだけど……)チラッ


天龍「ロボットと言えばデッカいのが王道だろ!」

白露「え~?アトムみたいに人間型でも強いロボットがいるでしょ~?」

木曾「巨大ロボは男のロマンじゃないか!」

瑞鳳「いや貴女も私達も女でしょ。それにやっぱり今の可愛いままが……」

ショタ提督「………」


伊400「………」

伊400(何だか討論してるみたい。でも、巨大ロボって?)


皐月「何でさ~!大きかったらその分パワー出るじゃん!」

響「いや、小さい体に技術を凝縮した方がより細やかな動きが出来るはずだよ」

摩耶「折角提督がロボットなんだし、ここはでけー奴で暴れてもらおうぜ!」

熊野「戦いは力だけでは勝てませんわよ?無駄は省くべきですわ」

ショタ提督「………」

明石「いや~見事に意見が分かれたねぇ」

夕張「ほんとほんと!試しに“提督を戦闘用に強化するならどうしたい?”って質問したら、まさか本気の討論会になっちゃうなんて」

明石夕張「まっ、その気になれば提督を戦闘可能にするなんて容易いけどねっ!」フンス

ギャーギャー キョダイロボダー イヤワタシタチミタイナー アーダコーダ

ショタ提督「………」


伊400「……!」

伊400(提督を戦闘用……!?そういえば、余所でも自ら出撃してる提督もいるけど……)

伊400(肝心の提督は黙り込んだまま……いや、それとも自分が戦闘に出た時の状況をシミュレートしてたり……)

伊400(う~ん……どうしようかな。このまま黙って見てるべきか、私も会話に混ざるべきか……)


伊400の行動

直下

伊400「………」

伊400(とりあえずは止めた方がいいかな。どうするにしても、まずは提督が納得するかどうかだし……)

伊400(何より提督の意見を聞かずに話が進んじゃうのはダメだよね)


巨大ロボット派「ロボットが戦うならデカくないとダメなんだよ!」

艦娘派「いーや私達みたいな人間型の方が良いに決まってる!」

ギャーギャー ワーワー

夕張(……何か両者共にヒートアップしてきてない?)

明石(まさか皆ここまで拘るとは……)

明石夕張(これは面白くなってきた!どっちに転んでも美味しい展開!)ワクワク

ショタ提督「………」

伊400「……あの~」ガチャ

論争組「ギャーギャー!」

ショタ提督「……伊400様」

明石夕張「しおんちゃん?」

伊400「いや、伊400(いよんひゃく)じゃなくてしおんで良いですよ?正式名称だと何だかむず痒いですし」

ショタ提督「いえ、私のメモリにはそのようにプログラムされていますので」

伊400(あだ名の方が落ち着くんだけど……いやそんなことより!)クルッ

伊400「皆さん!提督をどう強化するかを話し合うのを悪いとは言いませんけど……」

論争組「ワーワー!」

伊400「提督の意見を聞かずに一方的に話を進めるのはどうかと思います!」

論争組「……え?」ピタッ

明石夕張(ちょっ、今良い感じに盛り上がってたのに!)

ショタ提督「……私の意見、でございますか?」

伊400「はい。提督、このままだと周りの勝手な判断で改造されるところだったんですよ?」

ショタ提督「それは問題ありません。私は皆様のサポートを目的として開発されましたので」

ショタ提督「戦闘用への改造・出撃命令が出されたのなら随時遂行致します」

伊400「それはそうかもしれませんけど、こういうことは提督が“自分の意思で”決めないと!」

論争組「っ!」

論争組(そういえば、提督の気持ちまで考えてなかった……)

ショタ提督「自分の意思、でございますか?私はアンドロイドですので、人格は存在しません」

伊400「……それでもです!純粋なお仕事の指示はともかく、それ以外のことで言いなりになるのはダメです!」

ショタ提督「………」


反転コンマ判定:提督の反応は?

01~49:「いえ、命令に従うことこそがアンドロイドの役割ですので」
関心度上昇:小 ×1.0
50~98:「どうしてダメなのですか?」
関心度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:「………」
関心度上昇:大 ×2.0

直下

84→48:まだまだロボット


ショタ提督「いえ、命令に従うことこそがアンドロイドの役割ですので」

伊400「………」

伊400(うーん、やっぱりまだ理解してもらえないか……だけど……)チラッ

論争組「………」

伊400「色々意見があるのは分かりますが、まずは提督の気持ちを優先してあげて下さい」

伊400「提督はきっと、どんな命令でも聞いてくれると思いますけど……裏を返せば……」

伊400「酷い言い方になりますけど、私達の対応次第では……奴隷と変わらない扱いになりかねません」

論争組「……ごめんなさい(すまなかった)」

明石夕張「えーちょこっと改造するだけ……」

伊400「………」ジトッ

明石夕張「さーせんっした」

ショタ提督「伊400様……」

伊400「……提督。貴方が“自分の意志で”私達と共に海で戦いたいと言うなら、提督の意見を尊重します」

伊400「ただ、“私達の命令で”戦闘に参加するのは……やめて下さい」

伊400「私は提督に、命令を聞くだけの機械になってほしくないんです」

ショタ提督「………」


ショタ提督の関心度 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

4×1.0=4/50


工廠

明石「………」カチャカチャ

夕張「………」カチャカチャ

ショタ提督「」←シャットダウン・開頭状態

明石「……提督の意思、かぁ」

夕張「いくら優秀な学習型AIとはいえ、そこまで発達してないはずだけど……」

明石「………」

夕張「………」

明石「……夕雲ちゃんやしおんちゃんから散々言われたけど、これでも真っ当な科学者としての興味もあるのよね」

夕張「そうそう。だから提督が自我を持つかどうかも凄く気になるし……」

明石「………」チラッ

夕張「………」

明石夕張「早速色々強化しちゃいましょうかぁ!」キラーン!

明石「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」シュバババババ!

夕張「どりゃあああああああああああああああっ!」シュバババババ!

明石「AIから身体まで全てをバージョンアップ!」シュバババババ!

夕張「戦闘云々は一先ず保留で、まずは人間に近づけることに重点を置く!」シュバババババ!

明石夕張「いいぞいいぞこの感じぃ!ぐふ、グフフフフフフフフフ……!」


今月のリザルト:1ヶ月目

鹿島:14/50『香取型練習巡洋艦2番艦と登録されています』
あきつ丸:0/50『特種船丙型揚陸艦と登録されています』
夕雲:13.5/50『夕雲型駆逐艦1番艦と登録されています』
伊400:4/50『潜特型潜水空母1番艦と登録されています』

2ヶ月目:上旬


明石「というわけでAIを強化しました!」

夕張「今までの思考パターンはそのままに、メモリ容量を尋常じゃないほど増大!更にネット機能も追加しました!」

ショタ提督(Ver 1.03)「………」

タシュケント「……見た目はそのままだね」

明石「一気にバージョンアップしたら面白味がありませんからね」

夕張「こういうのは出し惜しみするくらいでちょうど良いんですよ」

明石夕張(というのは建前で、本当は一気に強化するのが大変で休憩したいだけだけど)

ガングート「AIの強化とは言うが、記憶はどうなっているんだ?」

ショタ提督「問題ありません。以前までのデータの引き継ぎは完了しております」

明石「あ、ちゃんとデータはオリジナルのままですよ。コピペじゃありませんから!」

夕張「流石に私達もそこまでマッドじゃないですしね。至って善良な科学者ですから!」フンス

ガングート(自爆騒動の話を聞いてからだと、とてもそうは思えないがな)

タシュケント「で、強化って結局どんな感じなの?」

ショタ提督「はい。地球上のあらゆる場所でも無線機能が使用可能となりました」

ショタ提督「よって皆様との通信はもちろん、専用回線によりインターネットと接続することも可能です」

明石「こうすればネットであらゆる知識をリアルタイムでググることが出来ます!」

夕張「執務への応用はもちろんのこと、人間らしさを得るには持ってこいです!特にネットは人間の感情が渦巻いて……」

タシュケントガングート「どう考えても悪影響しか無いよね(無いだろう)!?」

ショタ提督「………」ピピッ

ショタ提督「このような場面に合致した単語……“テラワロス”……周囲の状況に対し喜色を表す……」

タシュケントガングート「やめて(やめろ)!!」


↓1鹿島のコンマ 関心度:14/50
↓2あきつ丸のコンマ 関心度:0/50
↓3夕雲のコンマ 関心度:13.5/50
↓4伊400のコンマ 関心度:4/50

反転コンマが最大の艦娘が行動します

今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
残りは埋めていただけると幸いです。それではまた次回の更新でお会いしましょう。

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