前川みく「猫も杓子も」 (71)
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。
以前のお話に戻る場合はSS wikiを通ってください。
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前回
成宮由愛「鳶に油揚げを攫われる」
成宮由愛「鳶に油揚げを攫われる」 - SSまとめ速報
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─ 前回のお話 ─
・Cuプロの涼宮星花がモバPに怪しい目線
・雪乃さんが病気っぽいのでしばらくお休み
相原雪乃が休養を取ることを発表して3週間ほど日を跨いだ。
2週間目にて雪乃さんの検査の報告があったが、いまだ病気が確定しない。
だが医者の言葉を信じるならば単純にストレスによる体調不良だろう。
雪乃さんにはしばらく事務仕事と候補生のコーチをやってもらうとしよう・・・。
─ 事務所・事務室 ─
モバP(以下P)「え゛」
社長「まぁ、そんな顔するな。こういう場に顔を出しておく事でキミの無実も晴らせるというものだ」
P「確かにそうとは言えますが・・・」
社長「それに他のプロダクションのプロデューサーも来ると聞いている。下手に動くよりは一緒にいたほうがいいだろう」
P「・・・そうですね。プライベート気味に話していれば問題はないかもしれませんが・・・」
社長「それではよろしく頼むよ」
P「分かりました・・・」
P(社長から明後日、とあるパーティーに出るように指示された。主催者は社長の知り合いらしく俺が行く事自体には何ら問題はない)
P(だが、そのパーティーは俗に言う【婚活パーティー】であった。俺のここの所の男女関係に関するミスをリカバリーするために絶対行っておけというのが社長の言い分だ)
P(恋人いるのにそんな所に行くような奴はよほどのプレイボーイしかいない。つまりと俺は恋人なんかいない!と見せるためだ)
P(先日のCuプロの涼宮さんとのコンタクト的にも行っておいた方がいいのは確かである)
P(しかし、そんな上手く行くとは思えないが無言でいるよりはマシだと思う。でも芽衣子のプロポーズとかを考えると・・・うーん)
─ 事務所・事務室 ─
P「 」ズーン
千川ちひろ「今度は何やらかしたんですか?座ってる事務イスがギシギシ言ってますよ?」
P「いえ、やらかしてはいないんです・・・」
ちひろ「???」
P「明後日、パーティー行かされるんです・・・」
ちひろ「・・・嫌味ですか?」
P「婚活の・・・」
ちひろ「あー・・・なんというか、ご愁傷様です」
ちひろ「そこで良い人見つけて、すぐにでも結婚したらいかがですか?」
P「・・・・・・」ジー
ちひろ「急に上の空になっても・・・え、後ろ?」
藤原肇「おはようございます、ちひろさん」ゴゴゴゴゴゴゴ
ちひろ「ほへぇっ!?おおおおお、おはようございます!!」
肇「Pさんもおはようございます」
P「おはよう」
肇「一体、何をお話になられたんですか?」
ちひろ(ここで話をなかった事にされたら・・・問題は広がる一方なのでは・・・!?よし!!)
ちひろ「プロデューサーさんが婚活パーティーに行くそうです。せっかくそういう場に行くのだから結婚相手を探してみては?というお話をしたんですよ」
肇「へぇ・・・Pさん、それは本当なのですか?」
P「婚活パーティーに行くのは本当なんだ・・・」
肇「・・・・・・」
ちひろ(あっ、肇ちゃんがPさんの後ろに回った・・・)
肇「ダメですよ、Pさん。女の子の想い・・・無碍にしては」ギュー
ちひろ(肇ちゃんが座ったプロデューサーさんを後ろから抱きしめてる・・・!?)
P「あ・・・ぅ・・・」
肇「なぜですか?」
P「何がだ・・・?」
肇「“私たち”の想いを受け取らずに・・・なぜそのような場に行くのですか?」
P「社長命令だからだよ・・・」
肇「・・・・・・それだけですか?」スリスリ
ちひろ(肇ちゃんがプロデューサーさんの下腹部を撫でてる!?それ以上下に行くとマズいですよ!!?)
P「うぐっ・・・」
肇「答え・・・られないのですか?」
P「違う・・・」
肇「?」
P「横っ腹痛い・・・」
肇「あっ・・・・・・」
ちひろ(そーいえばお腹殴られてましたね・・・全治1ヶ月半ほどでしたっけ?)
P「あたたたっ・・・は、肇が心配するような事はないさ」
肇「本当ですか?」
P「当然だよ・・・先日の涼宮星花との接触から○○プロとCuプロのファンから俺に対する疑いの目が現れ始めたんだ。その対処としての婚活パーティーだ」
ちひろ(Cuプロの涼宮星花ちゃんと恋愛報道がありましたね。少しでも善の行動するとすぐ誇張して表現するマスコミ・・・今はファンの方だけでなく我々も踊らされた状態・・・厄介です)
肇「何もなければいいのですけど」
P「大丈夫だって。他社とは言え他の同業者も来ると聞いたんだ、仕事の話ばっかしてると思うよ」
肇「その言葉・・・信じてますからね」
ちひろ(肇ちゃんはレッスン場へと向かっていきました)
P「あ゛ぁ゛・・・気が乗らないなぁ・・・」
ちひろ「肇ちゃんになんなに言い寄られてしまっては気が滅入りそうですね」
ちひろ(でも○○プロとしてはプロデューサーさんにはアイドル全般と結ばれて欲しくないんですけどね。どうしても問題が発生してしまいます)
P「うーん・・・少しでもこのパーティーに行く際に気持ちを柔らぐ方法はないだろうか・・・」
ちひろ「他のプロダクションのプロデューサーも来るんですよね?」
P「はい、先ほどSNSでPaプロのプロデューサーが行く事を確認しています」
ちひろ「試しに聞いてみては?」
P「・・・言われてみればそうですよね。ライバルと言えど立場は似たもの同士、何か良い方法が教えてくれるかもしれません」
P『PassionP様 おはようございます。先日はお世話になりました○○プロのPです。明後日行われる△△で行われる婚活パーティーに参加されるとお聞きし、私も上からの命令で参加することになりました。』
ちひろ「ずいぶんとお堅い文を書いてますね」
P「そうでしょうか、これでもチャラそうな感じがしますが」
ちひろ「Paプロのプロデューサーとは仲が良かったですよね?」
P「親しき仲にも礼儀あり、です。こればかりは譲れません」
ちひろ「分かりました♪では続きを打っていきましょう」
P『私も上からの命令で参加することになりました。そこでお聞きしたいのですが、芸能界で生活する人間として婚活パーティーではどのような立ち振る舞いを考えていますか?』
P『教えていただける範囲でいいので教えてもらえると助かります。それではよろしくお願いします。 P』
ちひろ「普通の業務連絡でこんな事書くのもねぇ・・・」
P「わかってますよ・・・うぅ・・・」
メールダヨ!フェイフェイダヨ!
P「返ってきましたね。ってか、業務用のケータイなのにCuプロのヤオさんの着ボイスが・・・」
ちひろ(イタズラで変更したのを忘れてました・・・)
PassionP(以下PaP)『堅い長い』
P「ぶっ」
ちひろ「ほらぁ、言った通りじゃないですかぁ!」
P「えぇっと、じゃあ・・・」
P『ごめんなさい、急な参加で何も考えてなくて・・・先輩に聞きたいなーと』
PaP『どうせCuの涼宮の件を払拭しろ、と強引に入れられたんだろ?』
P『合ってます。ここだけの話ですが』
ちひろ「同業者の方はあのような事件に理解がありますね」
P「味方・・・にはならなくていいから手は出さないで欲しいですね」
リアルタイム遭遇やったー!
期待しかしませんよ~♪
PaP『涼宮とは付き合ってるのか?』
P『いえ全く。初対面の方を助けただけなのですが、それが偶然涼宮さんだったという』
PaP『それじゃあ堂々としてるといい』
P『それはそうなんですが、こんな状態で婚活パーティーに行っても色々と不便になりそうで』
PaP『それなら1人アイドルを連れて行くといい。俺も何度か試しているがアイドルを連れていくと仕事で婚活パーティーに来たんだなと思われるようだ』
P『なるほど、ありがとうございます。試してみます』
PaP『それじゃあ明後日にまた会おう』
ちひろ「ふぅ、内部秘密を話してしまうのかなとヒヤヒヤしましたよ!」
P「今のどこにそんな話が・・・」
ちひろ「何も躊躇いのなく涼宮さんの話を出してるじゃないですか!?」
P「あっ・・・」
ちひろ「もしかしたら今後、有用となる手札になるかもしれなかったのに・・・」
P「やらかしたぁ・・・」
ちひろ「もう・・・まぁマイナスにはならないからこれ以上何も言いませんが」
P「それにしても・・・アイドルかぁ・・・この婚活パーティーは20歳以上とあるので連れて行くアイドルも20歳以上になりますね」
ちひろ「となるとウチのプロダクションには3人いますね。“19歳はいっぱいいます”が!!」
P「たまたまですよたまたま・・・。二十歳越えは雪乃さんに芽衣子に亜季ちゃんか・・・」
P(雪乃さんは休養中。芽衣子は俺にプロポーズしているために、そんな彼女を婚活パーティーに連れて行くなんて鬼畜な事はできない。いや行かせて俺以外の男に興味を持ってもらうのもアリか?)
P(いや下手なイザコザを起こすものではない、となると・・・)
P「亜季ちゃんにしか頼めないか・・・」
ちひろ「亜季ちゃんは明後日は仕事ナシではありますが、学校ですね」
P「パーティー自体は夕方頃です。もしかしたら協力を仰げますね、メールしてみましょう」
P『亜季ちゃん、明後日の放課後以降は空いていますか?』
亜季『答えはYesであります。授業終わり次第真っ直ぐ家に向かうであります』
P『それじゃあ、もしよければでいいんだけど俺とパーティーいかないか?』
亜季『パーティーでありますか。大統領になった気分になれますかな?』
P『鉄狼の混沌じゃないぞ、ガチのパーティーだ』
亜季『なんであってもP殿の命令とあらば、この大和亜季はどこへでも駆けつけるであります!』
P「よし、亜季ちゃんが付いてきてくれるぞ」
ちひろ「あれ、このメール・・・」
P「?」
ちひろ「婚活が抜けてますね」
P「しまった・・・またやらかした・・・」
2日後・・・。
婚活パーティーと言えど、我が○○プロの社長が取りつけたレベル。
ドレスコードなどが必要だった。俺はいつもより高めなスーツ、亜季ちゃんには青い煌びやかなドレスを着てもらっ・・・
亜季「こ、こ、こ、ここが飢えた狼の戦場でありますか・・・」
亜季「P、P殿っ!わ、わ、私はその・・・恋愛に関しては一度も戦場に出たことがありません!!」
亜季「ご、ご教示をぉっ!!」
P「無理、俺も分からない」
あんまり言うのもなんだが時たまガニ股になる亜季ちゃんを見てると本当にごの人選で大丈夫だったのかと不安になる。
ちなみに前日に亜季ちゃんにはちゃんと婚活パーティーだという事は伝えてある。
断ってもよかったのに・・・。
~ 前日 ~
亜季『こ、婚活パーティー!?』
亜季『私がですか・・・?』
亜季『ままままま、まだ早いでありますよね・・・?』
藤居朋『あれ、亜季さん何唸ってるの?』
亜季『えっと、実はP殿からパーティーに誘われまして』
朋『へぇ・・・なんで?アタシでもいいのに』
亜季『(朋殿、顔が怖いであります)それが婚活パーティーだったらしくて私に白羽の矢が立ったというか・・・』
朋『納得。19歳ばっか取ってるからよ、あのバカP・・・それで亜季さんは行くの?』
亜季『いやぁ、お断りしようかと思っているのであります』
朋『ダメよ、行ってほしいわ』
亜季『なぬぅ!?』
朋『亜季さん、いて座だったわよね?仕事運の欄に物事のキャンセルは最悪の展開になる、ってあるわ』
亜季『たかが占い・・・』
朋『それに考えてもみてよ。もしそこでPが結婚相手作ったことを考えてみて・・・』
亜季『・・・・・・』
朋『私たちはどうなる?』
亜季『私たち・・・でありますか?』
朋『たぶんだけど、雪乃さんが八つ当たりのレッスンするのは確定でしょ?』
亜季『ひっ・・・』
朋『その量は今までの比にならないでしょうね』
朋『それだけじゃないの・・・おそらく私や美玲ちゃんも大暴れするわ』
亜季『・・・・・・マズい』
亜季(とP殿を監視するため躍起となって来たわけでありますが・・・)
ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・
亜季(P殿とはぐれてしまいました!)
亜季「Pどのぉ・・・た、単独行動は死亡率をあげるであります・・・どこー?」
「おっ!?」
亜季「?」
「キミかわいいね~!」
「こんなところに来るなんて将来考えてるの?」
亜季「えっ、あっ・・・ふぇ・・・?////」
「かっわいい♪」
「ねーねー、飲みにいかない?」
亜季「え、あ、ご、ごめんなさいー!!」
亜季(それに・・・さ、さっきからナンパが激しいでありますっ!!)
P「あー・・・亜季ちゃんとはぐれちゃったか・・・。どうしよ、この会場はちょっと広いからなぁ」
?「あっれ~?よく見たら○○プロのプロデューサーじゃない?」
P「あなたは片桐さん・・・それとPaPさん」
片桐早苗「おっひさしぶりー、あの時はありがとねー」
P(うお、すごくお酒臭い!それにあの時って・・・あっ、運動会の時か)
P「いえいえ、お気になさらず。私なりに出来ることをやったまでです」
早苗「かったいわねー、そんなんだとモテないでしょー?」
PaP「それがソイツはモテてるらしくてな」
早苗「えー?あははははっ!すっごいじゃない!おねーさん驚きよー!」
PaP「すまんな、今日はアイドル片桐早苗は休業中だ。お酒飲ませてやりたくてな」
早苗「そーよー、普段はいっそがしくてお酒のんでらんないのよー」
P「はははっ、仮にもあらゆる年齢層に人気の警察系アイドルですものね」
早苗「皆の見本は大変よー、今日はただのアラサー、かたぎりさなえでーす♪かーっ、シャンパンうまっ!!」
PaP「今日は結局ひとりで来たのか?」
P「ウチの大和と一緒に来ています・・・ただ、その大和とはぐれてしまって・・・」
PaP「あー、ドンマイ。しかし、大和亜季か・・・意外な人選だな。こういう場には並木芽衣子の方が得意ではないのか?」
P「並木にはどこかに身を固めるなんて姿は似合いませんよ。結婚相手にはパイロットや船の船長が似合います」
PaP「この会場にはそんな人がいそうだけどな」
P「まぁ、そうですが」
P(言えない・・・芽衣子からプロポーズされてるなんて言えない・・・)
PaP「まぁいい、だが俺の目から見ても大和亜季はまだマイナーなアイドルだ。相手がアイドルと知らずにナンパされてるのではないか?」
P「あっ・・・」
亜季「P殿ぉっっっ!!」
PaP「噂をすればなんとやら」
亜季「P殿、ここ怖いでありますっ!目がっ、獣の目しかないでありますぅ!」
P「あー、よしよし・・・ごめんな、目を離しちゃって・・・」ナデナデ
亜季「うぅ・・・来るんじゃなかったであります・・・」
P「はははっ、今日は我慢して、ね?」
亜季「う゛う゛・・・」
P(亜季ちゃんはしばらくの間、俺の胸や肩をポカポカと叩いてた。かわいい)
PaP「キミがミリタリーアイドル、大和亜季か。PaプロのPaPだ、よろしく」
亜季「よ、よろしくであります」
早苗「よろしくねー亜季ちゃん。私とは初対面よね?」
亜季「元警察のアイドルの片桐早苗殿でありましたね。大和亜季であります」
早苗「ミリタリーアイドルねぇ・・・あたしと組んでみない?」
亜季「私と片桐殿で、でありますか?」
早苗「そうよー、このまま機動隊アイドルユニットとしてやっていけない?」
PaP「バカか、ライオットシールド持ったアイドルなんて売れるわけないだろ」
早苗「今までの例がないアイドルよー?いけるかも」
亜季「平均5kgの盾を持ったまま踊るのですか・・・」
P「俺なら腰痛める」
早苗「あっはっはっ、体弱いわねー」
PaP「こないだ階段上っただけで膝痛めてたじゃねーか」
早苗「うっ」
─ ちょっと離れた所 ─
CoolP(以下CoP)「ねーねーるーみん」
和久井留美「なんでしょうか?」
CoP「なんでPちゃんは僕の所にこないんだろうね?」
留美「今までの行いを考えたら普通でしょうね」
CoP「えー?僕はPちゃんが欲しいからアタックしただけなんだけどなー」
留美「はぁ・・・CoPさん、仮にも○○プロと敵対してるのよ?」
CoP「むぅ」
留美「こないだの○○プロへの攻撃は無駄に終わった。現在は八神さんは○○プロに受け入れてもらえてるらしいみたいだけど」
CoP「なんでやー!すーことかマキノンは良くて、僕はダメなんだー!」
留美「上の人間だからよ、やったことには責任持ちなさい」
CoP「はーい・・・ちぇっ」
─ パーティー会場・中心 ─
PaP「Pはこの後はどうするんだ?お酒も飲まず、立ってるだけじゃないか」
P「そうですね・・・軽く食事を取って、顔見知りに挨拶したら帰るとしましょう」
早苗「それならさっき、会場の前の方でFF局のディレクターいたけど」
P「あれ、あの人結婚してましたよね?」
早苗「全力で浮気なんじゃない?ま、いい最後を迎えるとは思えないわね」
PaP「そうだな。あとは・・・Cuプロの連中には会ったか?」
P「いえ、まだ会ってません」
PaP「それなら会わない方がいい。別にCutePが悪いってやつではないが、今は・・」
?「今は・・・なによ?」
PaP「げっ・・・CuteP」
CuteP(以下CuP)「ゴツいPaPがいるとわっかりやすすぎるのよ」
P「アナタがCuteプロダクションの・・・」
CuP「そういうこと。あんたが○○プロのプロデューサーね、よろしく」
P「よろしくです」
P(凄い美人・・・Cuプロのプロデューサーって女性だったんか・・・)
P(って、あれ?そーいや確かCuプロの佐久間まゆがプロデューサーとデキてるなんて話聞いてたけど、この人とではないのかな)
CoP相変わらずクールじゃない
CuP「にしてもPaP、今さー私の悪口言ってなかった?」
PaP「言ってない。お前には言ってない」
CuP「じゃあ、何に言ったのかなー?」
PaP「関係ねーよ」
P「えっと・・・」
CuP「おっと、そうそう。セイちゃーん!」
P(セイちゃん?)
「はーい!・・・P様っ!!!」
P「涼宮さん!?」
涼宮星花「P様、お会いできて光栄ですわ!」
P「元気そうでなにより・・・確かここは20歳未満は・・・」
星花「大丈夫ですわ、なんたってこのパーティーはお父様の会社の傘下の方が開いているのですわ」
P「あ、そういう・・・」
亜季(マズイであります!涼宮星花とのコンタクトがこんな所で起こってしまうとはっ!!)
亜季(れ、連絡しておく方がいいのかなぁ・・・)
CuP「この人でいいんだね・・・?」コソコソ
星花「はい、そうですわ。わたくしの想い人その人です」コソコソ
P「CuPさん?」
CuP「ああ、ごめんね!ウチのセイちゃんがアナタに助けられてからその事ばっか言っててね、内容確認してた所なのよー!」
CuP「改めて言わせてもらうね。ありがとうございます、涼宮星花が怪我なくいられたのはアナタのおかげです」
P「いえいえ、誰かが大変な目に合ってるといてもたってもいられないので」
星花「それでも、P様は命の恩人ですわ」
CuP「ふふっ、結構懐いてる感じね。そうねー、後でセイちゃんと2人っきりで話してくれないかしら?」
P「え、あ・・・っと、そうも行きません。最近、このコンタクトで色んな人から悪意ある目で見られるようになりましたし、互いにデメリットを回避するためにも2人っきりの行動は避けるべきです」
星花「むぅ・・・」
CuP「うーん、じゃあVIPルームを借りる形ならどう?」
P「え゛?」
PaP「止めとけCuP、問題を引っ掻き回しすぎるとお前も泥沼行きだぞ?」
CuP「そうも行かないわ。乙女の願いを叶えるのはプロデューサーとしての勤めよ」
P「2人とも・・・!」
早苗「別にいいんじゃないの?」
PaP「片桐、そうも行かないんだ。プロダクション間の問題になっている以上、業界全体暗黙のルールが増えるかもしれん」
早苗「えー、何が起こるって言うのよ」
PaP「恋愛に発展しないにしろ男性プロデューサーと女性アイドルの組み合わせすら禁じられる可能性がある」
早苗「確かにそうかもしれないわねー。でもこの問題を起こしたのは○○プロのP君なんでしょ?」
CuP「まぁ、そうよねぇー?」
P「・・・・・・」
早苗「ズバッと言ったら?話聞く限りだけど、そこの涼宮ちゃんはアナタの事好きなんでしょ?」
星花「はいっ、その通りですわ!」
P「ぁぅ・・・」
P(心のどこかではありえない!ってずっと思ってたのに一気に崩れた音がしたよ・・・)
早苗「その想い、受け取るにしても振るにしても男の甲斐性でしょ?2人っきりになれるんだから自分の思いぶつけちゃいなさいよー」
PaP「はぁ・・・このバカ警察官・・・」
CuP「ふふん、警官さんの意見ももらえたんだからセイちゃん、VIPルーム取っておいで」
星花「分かりました」
CuP「それじゃあ、ウチのセイちゃんをよろしくね、Pチャン」
P(会話がやや蚊帳の外だったのが辛い・・・どうしよう、涼宮さんの想いぶつけられて断れる気がしないよ・・・)
CuPがまさかの女性とは
─ VIPルーム ─
星花「いかがでしょうか、素敵な衣装でしょう?」
P「そ、そうだね。とても厳かで目を奪われそうだ」
P(亜季ちゃんはPaPさん・・・というか片桐さんに預かってもらい、俺は涼宮さんと一緒にVIPルームへ)
P(だから完全に2人きり。何が起こっても誰も知らない、二人だけの秘密にはなる)
P(だが、俺は涼宮さんと一緒になるべきではないんだ。立場的にも、称号的にも)
星花「ここにある家具はイタリアの有名な───」
星花「レイアウトもお父様の同期の方が───」
星花「今日の服もP様に───」
P(でもダメだ・・・焦って涼宮さんの言葉が聞こえない・・・)
星花「P様?」
P「はいィ!!な、なんでしょうか?」
P(焦る思いに涼宮さんの声が正気に戻した)
星花「わたくしと居てつまらないでしょうか?」
P「そんな事は決して・・・」
星花「先ほどからP様は明後日の方向を向いてますわ」
P「うぐっ」
星花「そんなにわたくしと一緒になるのが嫌でしたか・・・?」
P「そんな事はない・・・でも」
P(既にプロポーズ等受けている身で言うのもなんだが、女の子から好意をぶつけられるのはいつだって嬉しい)
P(でも・・・俺はそういう立場に立ってはいけないんだ)
P「俺は・・・まだプロデューサーでいたい」
星花「・・・・・・」
P「女性からの愛情は嬉しいのは確かだよ。涼宮さんは可愛いし、真面目な印象を受ける」
P「そんな女性から、好きだと言われて嬉しくない男性はいないよ」
星花「それなら・・・」
P「今の俺は男性である前に・・・プロデューサーなんです。職業だけど、その職業はどうやら同業者と結ばれちゃいけないんだ」
星花「では・・・この瞬間だけでもただの男性に戻ってくれませんか?」
P「無理ですその判定をするのは第三者ですよ、俺にはその権利はない」
星花「なら・・・」
P「?」
星花「多少強引でも・・・!」
P「おわっ!!」
P(涼宮さんに押し倒され、ふわりという感触が背中にひっついた。後ろはソファだったみたいだ)
星花「P様、わたくしはアナタをお慕いしていますわ・・・」
P「会って数日しかないじゃないか・・・なぜそれが言い切れる?」
星花「略奪愛にでも目覚めたのでしょうか・・・ね?」
P「略奪・・・?」
星花「相原雪乃さんと何度も戦わせていただきました」
P「ええ、話は聞いています。相原いわくゲリラ的なLIVEバトルだったと」
星花「相原さんはわたくしとアナタをお会いしないよう食い止めてたようです」
星花「でもそれは逆効果、邪魔をされればされるほどアナタが愛おしくなる」
星花「あの方と勝負を刻む度に・・・得られる者がアナタだと思うと心が跳ね上がるのです」
星花「わたくしを守ってくれた王子様が・・・いつかわたくしの横に立ってくれると思うと・・・」
P(涼宮さんは俺の胸に顔うずめた、ものすごくこそばゆい)
P「LIVEバトルで・・・誰かと雌雄を決したところで、俺を手に入れることはできない」
星花「でも・・・ライバルは減らせます」チュッ
P「うぇぃ!?」
P(鎖骨にキスされた、彼女の目はトロンとしつつも弦を限界まで張ったクロスボウが目の間にあるような緊迫さが備わってた)
P(ガチの目。一瞬でも油断すれば俺という人間は殺され、獣にされる・・・)
P「涼宮さん・・・?」
星花「せいか、とお呼びください。せめて、この時間だけでも」
P「せ・・・星花さん・・・」
星花「ふふっ、今ココでバイオリンがあれば、もっと素敵な空間にできますのに」
P(まずい、どんどん押されている・・・!肉体的にも精神的にもこのままだと戻れなくなるぞ・・・)
P「星花さん、落ち着いて。ゆっくり体を起こしてくれ」
星花「そうはいきません、ダイタンにいかせてもらいますわ♪」
P「っっっっっ!!」
P(そ、鼠蹊部で鼠蹊部を擦られてる!?)
星花「・・・っふぅ・・・ふふっ」
P(これってほとんど俺の体で自慰行為しているようなもんじゃないか!!)
P(このサキュバスどうにかして止めないと!VIPルームとは言え人が来る可能性だって0じゃない!)
P「星花さん!」
ナデナデ
星花「ふぁあ・・・」
P(なにやってんのおれェ!?頭撫でちゃったじゃないの!?)
星花「さながら今のわたくしは発情した子猫ですわね・・・んっ」
P(彼女の頭は俺の胸に預け、その頭にはこちらの手が優しく添えられている)
P(たぶん女子向け漫画ならこれだけで漫画のメインイベントが終わりそうなのに、それに加えて彼女は俺の下半身の中心から太ももにかけて甘い声をそっと漏らしながら・・・っていやいや!)
P「って冷静に状況判断している場合じゃない!」ガバッ
星花「・・・ぁ////」
P(起き上がると同時に彼女に覆いかぶさるように抱きしめちゃったけど、ここで気絶させる!!)
星花「・・・この子猫を・・・食べちゃってください♪」
P(絞め技で・・・!)
「にゃあああああぁぁぁぁぁ!!!猫ちゃん食べちゃダメにゃあああああああああああああ!!!!」
星花「ふぇっ!?」
P「っ!?前川みく!?」
P(なんとタンスの中から・・・トリプルN芸能のみくにゃんが飛び出してきた)
─ ─ ─ ─ ─
P(うにゃーうにゃーと叫ぶ前川さんを宥めて、俺は彼女をイスに座らせた)
P「それで・・・どうしてあの中に隠れてたのかな?」
前川みく「事の始まりはこうにゃ・・・」
─ トリプルN芸能社 ─
NNNP(以下NP)『おいてめぇ前川ッ!!なんでまた業績落としてるんだ、アァ!?』
みく『ご、ごめんなさいにゃ・・・』
NP『謝ればいいってもんじゃねぇんだよ!お前ここのアイドルの自覚あるのかっ!!』
みく『うぅ・・・ごめんなさい・・・』
NP『・・・・・・』
みく『ごめんなさい・・・です・・・』
NP『ちっ・・・前川、おら受け取れや』
みく『この紙は・・・?』
NP『自分磨きで行って来い。今のアイドルは疑似恋愛が主体だ、男性の扱い能力あげてこい』
みく『わ、分かったにゃ!!』
みく…ナイスよ……
みく「・・・というわけで単身ここに突撃したはいいものの、いるのは野獣ばかりにゃ・・・」
P「あぁ・・・ウチの亜季ちゃんもナンパされたって言ってたっけ・・・」
みく「疲れたみくはこの部屋で休んでたにゃ」
P「よく入れたね、というかそもそもこの会場は20歳未満は立ち入り禁止だったはずだけど・・・」
みく「みくの顔を見たら仕事の人と勘違いされたにゃ」
P(あーうん、そうだよね・・・PaPさんとかがアイドル連れて来てるもんね)
P「でもなんでタンスの中に?」
みく「えっと・・・それは・・・それは・・・」ウルウル
P「え・・・なんで泣いて」
みく「なんでここに来るヤツはみんなえっちするにゃぁぁああ!!」
P「Oh...」
みく「最初は誰かが来て隠れちゃったにゃ!それはみくが悪いにゃ、でも猫も杓子も交尾って盛りすぎにゃ!!」
みく「おかげでタンスの中から出れないし、終わったと思ったら次のカップルが入ってくるし・・・」
みく「みくには刺激が強すぎにゃ・・・うぅ・・・」
P(そして涼宮さんの子猫を食べる発言を勘違いして飛び出してきた、と)
P「ああ、うん・・・なんかごめんね?」
P(思わず、謝罪の言葉が飛び出る)
P(でも出てきてくれてありがとう前川さん。君がいてくれなければ今頃、俺はいろいろと酷い事になってたと思うよ・・・)
P(星花さんはというと・・・)
星花「ぷいっ」
P(なんかふて腐れてる。でも自業自得というかなんというか)
みく「ひっく・・・うにゃぁ・・・」
P「このハンカチ使ってください。あとで捨てちゃってもいいから」
みく「ありがとうにゃ・・・」
P(でも15~6歳だったよね、この前川さんは・・・この年でそんな情事を見せられたらストレス障害や最悪フラッシュバックを起こしかねない)
P(この子のプロデューサーは何やってるんだ!)
P「前川さん、君は帰った方がいいよ。俺が裏口から出れるよう案内します」
みく「そうするにゃぁ・・・もうここにいたくないです・・・」
P「ん。じゃあ、移動しようか」
─ スタッフルーム ─
P「この部屋から外に出れるみたい。変な人に捕まる前にまっすぐ帰ってね」
みく「うん。・・・やっと新鮮な空気が吸えるにゃ・・・」
P「ちゃんとリフレッシュしてね?何かあれば俺が出来る限り協力するから」
P(実際俺も加害者みたいなもの、いざと言う時にちゃんと断れるようにならないとね)
みく「うん、それじゃあ・・・」
「まえかわぁぁぁぁぁああああ!!!!」
クズなNP来たか……
P(後ろから鼓膜が破けそうなくらいの大声で叫ばれる!なんだあの趣味悪い紫色のスーツは・・・)
NP「前川ァ!!ここにいたかっ!!!」
みく「みく、もうここにいるの嫌にゃぁ!」
NP「・・・・・・」
みく「NPチャン、でもどうしてここにいるの?」
みく「NPちゃん・・・?」
P(NPと呼ばれた人は俺の前に立った)
P「NPさん、早く前川さんを・・・がはぁっ!?」
星花「P様っ!!」
P(え?なに?いきなり右ストレート・・・?)
P「かはっ・・・あ゛ぁぅ・・・!?」
NP「ウチの前川に手ェ出しておいてただじゃおかねぇからなっ!!このクズ野郎!!!!」
次回に続く
ちょっ続くの!?
>>52ミスりました……正しくは
えっこの話次回に持ち越しなの!?
以上です。今回はここまでです。
読んでくれた方はありがとうございます。
ちょっと長く+gdgdになりそうだったので前半後半で分けることにしました。
後半の内容は私の趣味で書ける部分があるので早めに書きあげられそうです、待っててくださいね。
「猫も杓子も(ねこもしゃくしも)」とは誰も彼も、どいつもこいつも、という意味です。TOKIOの曲に「どいつもこいつも」ってありますね。
さて、次回もとい後半は
・片桐早苗「登竜門」
を予定しています。
次回新規登場予定 : 高峯のあ 佐藤心
ゲーム本編では柑奈ちゃんが登場してますね、19歳組好きとして当然のごとく1枚は確保しました♪
ではまた。
チラ裏
のあさんとシュガーハートの台詞回しが難しすぎィ!!!!
筆が全然進まないヨォ!!
乙よ……
よっし!のあにゃん登場確定で大満足!!
過去作リンク
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期待!!