アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。
以前のお話に戻る場合はSS wikiを通ってください。
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前回
杉坂海「七転び八起き」
杉坂海「七転び八起き」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387075546/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1387903588
─ メモ帳 ─
藤居朋 19歳
注意度:極高 長年の歳月が原因
備考:一番焦ってる。本人は忘れているが逆レ○○未遂。
五十嵐響子 15歳
注意度:高 そもそも惚れてるか不明。奥さんという肩書きに憧れを持ってる様子
備考:現状一番若いため、何がなんでも阻止。
並木芽衣子 22歳
注意度:極高 一緒に撮影のために2人っきりで移動しすぎ?
備考:ライバルがいるのをあまり気にしないため、場所さえ選ばなくなっている。
相原雪乃 22歳
注意度:中 ○○プロ、そしてPの最初のアイドルとしてのこだわり?
備考:自分がどういう立場なのか理解しているため、正直ここに書くほどの人ではない。
イヴ・サンタクロース 19歳
注意度:小 そもそも恋愛願望とかはないっぽい
備考:ボディタッチが頻繁のため勘違いされそうなため記述。
若林智香 17歳
注意度:極高 原因は不明
備考:こちらが考え事や落ち込んでるとキスしてくる模様。もしかしてただのキス魔?
梅木音葉 19歳
注意度:高 Coプロで置物にされているのを献身的にサポートしたのが原因と思われる
備考:相原雪乃同様、立場を理解している。が、今日デートすることになっている。
杉坂海 19歳
注意度:中の上 お互い死にかけの状態でキスしたのが原因と思われる
備考:立場を理解している。どちらかと恋愛というより信頼寄り。
早坂美玲 14歳
注意度:小 大和亜季の暴走による早坂美玲拘束事件を救出したのがキッカケと思われる
備考:響子より若いが、彼女の場合はイヴ同様ボディタッチ(?どちらかと犬のようにじゃれてるだけ?)のため注意度は低め
─ 事務所・事務室 ─
千川ちひろ「なんてもの書いてるんですか!?」
モバ(以下P)「すいません、一度書き出しておこうかと思って。やっぱり文字で見れるってのはどういう観念でも大事だと思うんですよ」
ちひろ「それにこの書き方!まるで研究用の動物を観察したようじゃないですか!!」
P「おぅふ・・・、言われて見ればそう見えてしまう・・・」
ちひろ「まぁ、一歩間違えれば事務所が破綻しますからね・・・それでも!アイドルの皆さんがこうやってプロデューサーさんに想いぶつけて来てるのですから!ちゃんと返事してあげないと!」
P「そうなんですよねぇ・・・いや、でももしかしたら今までの行為が全部セクハラパワハラに捉えられて俺を辞めさせようと考えて・・・」
ちひろ「んなわけないでしょう!?アナタが辞めたらそのメモ帳に書いてない人たちまで辞めますよ!」
P「そうなのかなぁ・・・」
ちひろ「そうなんですっ!考え方が破綻してますよ」
ちひろ「しかし・・・パッと見た感じ8人ですか。モテモテじゃないですか、高校や大学でもこんな感じで?」
P「いえ、全く。雪乃さんをスカウトするまでは女っ気は従妹しかありませんでしたよ」
ちひろ「従妹・・・、朋ちゃんですね」
P「いえ、そr」
社長「ちょっとプロデューサー君いいかな?社長室に来てくれ」
P「あ、社長。分かりました、ちひろさん、この話はまた今度で!」
ちひろ「はい、しっかり叱られてください!」
P「えぇぇぇ・・・!!?」
ちひろ(従妹→朋ちゃん→「いえ」?「いえ」=否定?・・・朋ちゃんは従妹じゃないってこと?なーんかひっかかるなぁ)
─ 社長室 ─
P「社長、どのようなご用件でしょうか?」
社長「プロデューサー君、キミは今このプロダクションのランクに不満はないか?」
P「無いと言えば嘘になりますが、身の丈には合ってると思います」
社長「ふむ、私とは逆だな」
P「と言うと、社長はまだ上に行ける考えでしょうか?」
社長「ああ、キミの働きだけじゃない、プロダクション全体の底力と団結力もある。瞬く間に上位プロダクションと肩を並べるだろう」
社長「だが同時に、キミと千川君の2人に負担が行き過ぎてるような気がしてな。早めにプロダクションランクを上げて、新しいスタッフを雇いたいのだ」
P「なるほど」
社長「そこでだ。更にキミに対する負担が大きくなるが、新人アイドルのスカウトを命じたい」
P「スカウトですか?」
社長「ああ。しばらく20人以上のアイドルをキミ1人で面倒見ることになるだろうが、私も極力手伝おう」
P「目標人数は何人でしょうか?」
社長「30人だ」
P「・・・・・・」
P(やはりアイドルを多くし、いち早くプロダクションランクを上げる戦法に出ないといけない状態になっているのか・・・?)
社長「どうだ、受けてくれるか?」
P「分かりました。やってみます」
社長「・・・間違えて、オトさないようにな?」
P「うっ・・・!?」
社長「さっきの話とメモを覗いたがずいぶんモテてるそうじゃないか」
P「あ、あれは!?」
社長「彼女らも仕事を終えれば普通の女性だ。色恋沙汰に体を預けたい事もあるだろうが、それを抑えてアイドルという立場になってもらってるのだ。不満解消のためのデートぐらいなら、見逃しておく」
P「・・・・・・」
社長「だが、彼女らの未来を担ってるのはキミだ。あくまでプロデューサーの立場に徹するように」
P「承知いたしました」
P&社長(大丈夫かな・・・)
─ 事務所・事務室 ─
ちひろ「どうでした?」
P「釘刺されたのと同時に新人をスカウトしろ、との事でした」
ちひろ「ん?」
P「俺の顔見て「矛盾してね?」って言いたいのは凄く分かりますけどね・・・」
ちひろ「まぁ、それよりも・・・」
P「「よくこんなネガティブ野郎がスカウトやれて、かつモテてやがるんだ」ってことですよね」
ちひろ「え、ええ・・・(そこまで尖った言い方はしないけど)」
P「俺だってこの仕事にこだわり持ってます、スイッチ入ればかっこいいPさんになれますよ・・・なれますよ・・・なれますよ・・・(セルフエコー)」
ちひろ「うーん、私はかっこいいPさんを見たことありませんからね」
P「なんとか見せてあげたいです。最近の事のせいで自信ないですけど」
ちひろ「・・・うーん」
P「・・・うーん」
ちひろ「(話変えよう)そーいえばプロデューサーさんは今日、早上がりですね」
P「はい、今日は予定を入れてまして」
ちひろ「先ほどのメモには音葉ちゃんとデートとありましたね、遊園地とかですか?」
P「んと、デートに関しては音葉に任せてしまってるんです。なのでどこに行くとかは知りません」
ちひろ「へぇ・・・だから時間を多く取れるよう・・・」
P「いえ、今日アパートから引越しするんです」
ちひろ「引越し?初耳ですよ」
P「社長と従妹である朋にしか言ってません、響子や芽衣子の耳に入ったら手伝うって言って聞く耳持ってくれなさそうですし」
P「何より問題を発生させたようなアパートにいつまでも居たくありませんよ」
ちひろ(そーいえば、水漏れの事故があったような・・・)
P「それに今の俺じゃ大きな荷物持てませんからね」
ちひろ「あっ」
ちひろ(こないだの休みの時に太い枝が腹に刺さって以来、プロデューサーさんは“また”キツいコルセットを腰に巻いている・・・)
P「業者が察してくれたのか、見取り図書いてくれれば後日配置を手伝うって言ってくれましてね」
P「早めに帰って、家具を置く見取り図を書いて業者に提出しないと。年末ですしね、早めの行動が大事ですよ」
ちひろ「なるほど」
P「マンションですよ。賃貸じゃない、初めての自分の家です」
ちひろ「あら、ではテンション下げちゃったのはごめんなさい」
P「はははっ、引越しだって思い出したら少しウキウキしてきました♪」
P「かえっりたーい♪かえっりたーい♪暖かい我が家が待っている♪」
ちひろ(いつもこんな感じならいいんですが)
P「おっと、そろそろ時間だ。仕事行ってきまーす」
ちひろ「行ってらっしゃい」
─ 撮影スタジオ ─
P(今日は撮影スタジオにてイヴ、音葉、由愛のグラビア撮影。イヴに関してはクリスマス直前のため、より良いショットを撮らないといけないため俺がお呼ばれした、ということである)
「イヴちゃん、いいよー!もっと胸張って、口元に指置いてー!」
イヴ・サンタクロース「こーですかー?」
「OKOK!」
イヴ「こーでもいいですかー?」
「うーん、それなら舌出してくれる?」
イヴ「はーひ」
「ベリグッ!!」
P(イヴの撮影した写真の枚数は500枚近く行くだろうか?今までにない枚数が撮られているのは確かだ)
「はーいイヴさん休憩でーす!交代で由愛さんと音葉さんが入りまーす!」
イヴ「ふぅ・・・疲れましたぁ!」
P「お疲れ。スポーツドリンク持ってきたよ」
イヴ「わぁ、ありがとうございます!プロデューサー!」
P「この後まだまだ続くだろうけど、頑張ってね」
イヴ「もっちろんですぅ!この後はブリッツェンも一緒に写真撮るんですよー!」
ブリッツェン「ブンモー!」
P「おおう、ブリッツェンも撮影メンバーに入ってたか!」
イヴ「ブリッツェン分の給料も入るんですよー♪これで買えるプレゼントの量も増えますぅ!」
P「頑張ってな、ふたりとも♪」
イヴ「はーいっ☆」
ブリッツェン「ブモー」
梅木音葉「Pさん・・・おはようございます」
成宮由愛「(首を縦に振る)」
P「おはよう♪」
由愛「今日はなんだか・・・嬉し・・・そう」
P「はははっ、分かっちゃうかな?今日は幸せなんだー」
由愛「幸せ・・・ふふっ、こっちも嬉しく・・・なっちゃいそうです」
音葉(Pさん・・・私とのデートをそこまで・・・)
P「今日は2人とイヴが終わるまで一緒にいるから、皆が満足行くまで付き合ってあげられるよ」
由愛「はい・・・頑張ります・・・」
音葉(満足行くまで・・・付き合ってくれる・・・?)
P「おっと、スタッフに次の撮影プランを聞かれてるんだった!困ったら呼んでくれ」
2人「分かりました」
結果、困るようなことは一つも起こらず、スタッフさんの頑張りによって予定より早めに終わった。
─ ワゴン車 ─
音葉「今日は・・・ワゴン車なんですね」
P(音葉は助手席に座り、こちらを眺めるように見ている)
P「ブリッツェンがいるからな、さっき借りてきたんだ。まぁ・・・」
由愛「すぅ・・・」
イヴ「ぐー・・・」
ブリッツェン「フゴッ・・・」
P(後部座席をすべて横に倒してベッドにし、互いを枕にするように寝ている)
P「みんな寝ちゃったし、丁度良かったかな」
音葉「皆さん・・・すごく頑張りましたからね・・・吐息が満足感と安心に満ちてます・・・」
P「良かった、いい仕事を提供できて」
音葉「ふふっ・・・」
P「確か・・・伊吹はまだラジオ収録前で女子寮にいるはず。後ろの皆は女子寮に預けちゃいましょう」
音葉「・・・その後は・・・」
P「デートですよ?」
音葉「・・・ふふっ」
─ 小道 ─
P(イヴと由愛、ブリッツェンを女子寮の仮眠室に寝かせ、俺と音葉さんは事務所からちょっと離れた小道にやってきた)
P「音葉、こんな所で良かったのか?」
音葉「ええ・・・買い物などは、いつでも出来ます・・・」
P「? じゃあ、なんでここに?」
音葉「歩いていて気付きませんか・・・?足元に散らばる落ち葉の音が、葉を無くし木々の間を大胆に通る風の音が」
P「・・・なんだか物寂しく感じるな」
音葉「だからこそ・・・」
ギュッ
音葉「・・・こうやって、人の温かさが強く感じられるのです・・・」
P(ハァッ!?音葉さんが腕に抱きついてきた!?肩に頭を預けにきて、指を絡めるように手を繋いできた)
P「た、確かに温かいな」
P(ま、まずい。油断してた!一応、音葉は変装してるけど・・・、音葉が恋人だと勘違いしないようにしなくては!!)
音葉「・・・Pさん」
P「な、なに?」
音葉「Pさん♪」
P(アカン、カワイイ)
音葉「フフッ・・・」
P(何がカワイイって身長が同じくらいだから考え事して下を向いてる俺の顔を見るのに覗き込まないといけない、それを覗き込む仕草と嬉しさでちょっとトロンとした目が・・・)
P(普段、物静かで凛々しい感じの音葉がギャップある可愛さを見せてる)
P(・・・・・・俺だけにこの笑顔が・・・)
P「そ、そそそそそそこに焼き芋屋があるなぁ!食べていこう!!////」
音葉「あっ・・・(手を引かれてます・・・)」
P(まずい、まずいって!朋とかが甘えるのとはワケが違うわ!殺しにかかってる!!)
P「すいませーん!焼き芋くださーい!」
音葉「美味しいです・・・寒さがスパイスになってます・・・」
P「ホント美味しい、焼き芋って秋のイメージあったけど、冬でも結構イケる・・・」
音葉「ただ・・・」
P「ただ?」
音葉「だいぶ陽が傾いてきました・・・今にも落ちそうです・・・」
P(時刻は午後5時・・・あと数分すれば辺りは真っ暗になる)
P「この後はどうするんだ?音葉にデートプラン任せちゃってるし、あまり考えてなかったが」
音葉「・・・実は、ここでPさんと触れ合いたかっただけで・・・」
P「うーむ・・・」
P(“今日はここで終わり!”、なんて言ったらせっかくお互いに時間を作った意味はないし)
P(だからと言って、何か食べに行きましょう、買いに行きましょうって言うと仕事ないのに帰ってくるの遅い!って雪乃さんがちょっと怒るかも・・・)
P(うーん・・・音葉は今、変装はしている。カラオケとかは・・・いやダメだ、食事に行くより時間が掛かりそうだ)
P(・・・ボーリングとか?・・・いやもっと時間がかかる上に腹に致命傷を受けて、現在治療中の俺にはキツすぎる。激しい動きはダメだ)
P(それに俺はこの後、引越し作業の・・・ん?そうか、その手なら時間を多く使わず、一緒にいる時間も得られる)
P「音葉、俺の家に来ないか?」
音葉「えっ・・・・・・」
P(お腹の怪我があるから、音葉にお皿とかの陳列手伝ってもらおう。女の子ならではの美的センスってのもあるし)
音葉「・・・・・・」
P(あれ、変な事言った・・・?)
音葉「・・・・・・」
P「音葉?音葉さーん?」
音葉「・・・・・・はい////」モジモジ
P(ハッ!?・・・デート→自宅・・・ってああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?どう見ても営みコースじゃねぇかぁぁぁぁあああ!!?)
─ マンション前 ─
P(マズい、マズすぎる)
音葉「・・・・・・はぁ・・・////」
P(さっきから腕に抱きついてる音葉さんの吐息とか心臓の鼓動とかヤバイ!!何がヤバイって一歩歩くたびに加速してる!)
音葉「今日・・・引越しだったんですね・・・////」
P「う、う、うん!」
P(だよなー、引越しだから、引越し祝いとかあるよなー。俺は音葉さんしか呼んでないでしょー、2人っきりで祝うだろー、俺少しお酒入るだろー、そのままベッドインだろー)
P(アカンでしょ)
音葉「・・・んんっ////」
P(音葉は位置ズレを直すように体を揺らし、よりがっしりと腕に抱きついてきた。胸の感触とかもうワカンネー、このPとかいう奴死んだ方がいいんじゃない?)
音葉「Pさん・・・」
P「ど、どうしたの?」
音葉「・・・・・・」クシクシ
P「・・・ッ!?」
P(こちらの肩に首や鼻、頬を擦り付けてきた!?発情、発情ってやつなの!?)
・ ・ ・ ・ ・ ・
音葉「Pさん、あれ、引越し用の運搬車では・・・?」
P「あ、あれ?おかしいな」
P(今日の午後3時には荷物を部屋に搬送し、仕事終了という流れだったはず。今は午後6時ちょっと前、引越しは完了してるはず・・・)
「依頼者のP様ですね?」
P「あ、はい」
P(俺の顔を見るなり、作業服を来た若者がこちらにやってきた)
「実はP様以外にもここに引越してくる人が4件ありまして、大変混雑してしまったんです」
P「ああ、なるほど」
「P様の引越す階が最上階だったのもありまして、2時間以上の遅延がありました。申し訳ありません」
P「いえいえ、そんな大混雑の中仕事をこなしてくれたのです、感謝します」
「ホントすみませんでした!・・・おや、もしかして奥様の方でございますか?」
音葉(奥様・・・?)
P(アカン、ここでアイドルの梅木音葉です!なんて言ったらすぐさま口コミで広がる・・・さらに引越しという世間一般におめでたい事をやっている・・・どう見ても音葉さんとオイタすると勘違いされる!)
P「・・・・・・」
P(そ、即答するんだ!)
「Pさん、どうかされましたか?」
P「・・・か、か、か、家内のオトミです・・・ぅ」
音葉(か、家内!)キラキラ
「そうでしたか!本当に今回は申し訳ありませんでした!」
音葉「・・・いえ、大丈夫です。今日はありがとうございます」
P(い、い、い、い、い、い・・・言っちまった、親戚って言えば良かったのに・・・終わった・・・)
音葉「・・・?」
P(引越し業者の方々は帰っていた)
─ Pの部屋 ─
音葉「最上階・・・ロフトが付いているのですね・・・」
P「そ、そうですよ・・・ははっ・・・」
音葉「Pさん」
P「なんですかー・・・?」
音葉「ベッド・・・ひとつなんですね」
P「そーですよー・・・」
P(吐きそう・・・新居なのに)
P「あ・・・音葉・・・食器棚にお皿入れておいてくれるかな・・・?」
音葉「はい、分かりました」
P(外の空気を吸うついでに・・・今の内にお隣にご挨拶しておこう・・・)
─ ???宅 ─
ピンポーン♪
「はい、どなたでしょうか?」
P「あ、私、隣に引越してきたPと申します」
「あ、お待ちください。開けますね」
ガチャ
「はーい」
P「あ、初めまして。改めて隣に引越してきたPと申します」
「わざわざありがとうございます」
P「こちらは粗品ですが・・・」 つ【京都の八つ橋】
「あら~、京都の方で?」
P「いえ、仕事で各地を回ることが多いので・・・」
「なるほどー」
?「お母さん、どなた?」
「この方?隣に引越してきたPさんだって」
P「あれ、キミは・・・」
?「あっ、あの時の」
「あら、お知り合い?」
─ イヴと知り合った日・オペラ会場 ─
『おららーPさんよー、もう始まっちゃうぜー?』
P『ちょっ、待ってくださいって!俺、走れないんですって!』
『時間は待ってくれないぞー?せっかくオペラに連れてきたんだから、始まる瞬間に忙しなく入りたくないだろー?』
P『分かってますって』
P(この日はよくお世話になっている撮影チームの方がオペラ鑑賞するとの事で、俺も同行させてもらっていた)
『お~いってちゃ~うぞ~』
P『待ってっ』
ドンッ!!
?『キャッ!!』
P『あだだだっ!!ご、ごめんね!!いつっ・・・!』
?『こ、こちらこそすみません!前を見てなかったもので・・・!』
『あ~、Pさん女の子泣かしてる~』
P『泣かしてません!・・・ごめんね!大丈夫?怪我してない?』
?『だ、大丈夫です。いま・・・帰るところでしたから』
『先に席に座ってるからねー』
P『分かりました!・・・ホントごめんね、服汚れちゃった?』
?『いえ・・・お構いなく!』ダッタッタッタ...
P(彼女は走って施設の外へ出てしまった。なんだか凄く悲しい顔をしていたのが脳裏に残った)
・ ・ ・ 。
P「・・・という事があったんですよ」
「あら、まぁ」
P「今からでも遅くないならクリーニング代出したいと思ったんですが」
?「気にしないでください!」
P「あ、はい・・・」
「保奈美ちゃん、そんなキツい口調じゃPさん怖がっちゃうわ」
西川保奈美「・・・ごめんなさい」
P「はははっ、怒られたり叱られてるのは慣れてますよ」
P「それより、キミがなんであの時、悲しんでいたのか教えてくれませんか?」
保奈美「アナタがそれを聞いてどうするんですか?」
P「ふふっ、実は私は・・・」
─ マンション前 ─
藤居朋「はーっ、Pも油断してるわよねー。もう既にウチのお母さんに合鍵渡してあるとか」
朋「ウチのお母さんが泥棒母だったらどうすんの、って話よ!まったく・・・」
小松伊吹「んで、朋が鍵預かったってこと?」
朋「そうよ、当然じゃない。アタシは従妹よ、恋人よ?当然じゃない♪」
伊吹(大事なことらしいので2回言いました)
朋「伊吹ちゃんは仕事じゃなかったの?」
伊吹「それがさー、スタッフの方でインフルエンザが流行っちゃったからお休みになったんだって」
朋「ふーん、だから付いて来たのね」
伊吹「Pさんの家でしょー、しかも新しいとこでしょー?面白そうじゃん」
伊吹「面白そうなんて言っちゃったけど、急にお邪魔したら厄介なんじゃない?」
朋「大丈夫よ、今はPは怪我人。そんな状態で引越し後の処理ができると思う?」
伊吹「あ、なるほど。お皿とか電灯とかお腹周り使いそうなモノばっかりだから代わりにやってあげるってことなんだ」
朋「ふふっ、Pの伊吹ちゃんに対する好感度が上がるかもしれないわねー」
伊吹「や、やめてっ!・・・っていうか彼女面してるのに、あたしのPとの交流許していいの~?」
朋「今日のタロット占いは「ストレングス」の正位置。その意味は強固(きょうこ)な意志。あたしの彼女としての位置は揺るがないわ」
伊吹「響子(きょうこ)?」
朋「響子ちゃんじゃないわ!カチカチの方の強固よ!」
伊吹「分かってるって」
朋「でもさ・・・」
早坂美玲「ガルルルル・・・」
朋「なんで美玲ちゃん着いてきたの?」
伊吹「さぁ?」
美玲「う、ウチのなわばりを増やすためだッ!決してPの家に行きたいわけでは・・・」
朋(あ、これ敵だわ)
伊吹「はははっ、Pが「俺の縄張りに入るんじゃねぇ!」って襲ってきたらどうする~?」
美玲「そそそそ、それはッ!噛み付いて・・・いや、引っ掻いて・・・違うなぁ・・・のしかかって理解させるッ!!」
伊吹「Pのこと触りたいのぉ?」
美玲「ち、違うッ!断じて違うぅ!!」
伊吹「顔まっかにしてカワイイねぇ」
美玲「うるさいッ!!////」
─ P宅 ─
ガチャ・・・
朋「おじゃまs・・・」
伊吹「どうしたの、朋」
朋「女性の靴・・・」
美玲「ひぃ!?アイツめ、やっぱり女を連れ込んで・・・!」
伊吹「あれ、この靴・・・」
朋「行くわよ、伊吹ちゃん、美玲ちゃん!」
美玲「ガルルルル!!!」
伊吹「ちょっと待ってぇ!!」
─ P宅・リビング ─
朋「アンタね、Pをたぶらかしたおん・・・な・・・」
音葉「?」
伊吹「音葉!?なんでこんなところに」
美玲「うぉぅ・・・ウチの苦手な相手だ・・・」
朋「なんで音葉ちゃんがここにいるのよ!?」
音葉「??? 私はPの妻のオトミですが」
伊吹「妻って・・・」
美玲「つま?つまってアレだよな、つま、妻・・・妻ぁっ!?」
朋「・・・・・・冗談じゃないわっ!!」
音葉「・・・冗談?私はPさんの奥さんですよ?」
美玲「ガルルル!!」
伊吹「なにがなんだか・・・」
朋「Pが何を口滑らしたか分かんないけど!妻である証拠はあるの!?」
音葉「・・・・・・」
朋「はっ、何も言えないじゃない!これはアタシの方が妻にふさわしいってことよね!!」
音葉「・・・ギリッ」
伊吹「でも何がふさわしいの?」
朋「ふふふっ!Pは几帳面で生真面目なのよ、だから引越し用のダンボールには色によるマーキングが施されてるの」
音葉「・・・・・・(赤、青、緑・・・確かにありますね)」
朋「それで青は水に関するもの、緑は寝具や服が入ってるわ」
美玲「赤は?」
朋「趣味の箱よ!そして赤の箱の底には~・・・」
朋「じゃ~ん!え~ろ~ほ~ん~♪」
伊吹「(○゚∀゚)ブハッ∵∴」
美玲「は、ハァッ!?////」
音葉「・・・////」
朋「ふふっ、夫の趣味を理解し、許容することが妻である証のひとつじゃないかしら~?」
音葉「うぐっ・・・」
伊吹「ってか、Pはエロ本読むんだ、へぇ~」
朋「って、よく見たら新作じゃない。いつの間に買ってたのよ」
伊吹「見せて見せて♪」
美玲「き、気になる・・・」
音葉(Pさんの趣向、気になります・・・)
【高身長の大人しい子とツンデレチックな子とみんなより小さい子と活発そうな子が卑劣な男によって一斉に絶望へと落とされているシーン】
朋「・・・////」チラッ
伊吹「へ、へぇ・・・////」チラッ
美玲「えっ、えぇっ・・・!?////」チラッチラッ
音葉「・・・じー////」チラリ
朋(これって・・・)
美玲(ウチ・・・ウチらなのか!?)
伊吹(どー見てもこの4人・・・)
音葉(・・・ちょっと強烈すぎます)
四人(アカン)
─ 西川宅 ─
P「わざわざあげてもらってスミマセン」
「いえいえ、まさかPさんが○○プロのプロデューサーだなんて・・・」
P「よくプロデューサーにしては若いなんて言われますから。それで西川保奈美さん」
保奈美「は、はい」
P「なんであの時、悲しい顔をしていたのか、教えてもらえるかな?」
保奈美「えっと・・・」
P「言えないことだったら無理して言わなくもいいからね」
保奈美「その、遠い世界なんだな、って益々思ってしまって・・・」
P「遠い世界?」
保奈美「私はずっとオペラ歌手になりたい、って思ってきたんです。親にも応援してもらって、歌の教室には行ったんですが、自分の思う像とはどうしても違ってしまって・・・」
P「それで遠い世界、と」
保奈美「その日は有名な歌手の方が来てくれる日だったので、たぶん・・・Pさんもそれでお呼ばれしたと思うですが」
P(そういえば取引先の人がそんなこと言ってたような・・・)
保奈美「その方の歌を聞いて・・・凄いって気持ちと同時に、私の今の頑張りは本当にオペラ歌手になれるのかって不安に・・・」
P「ふむ」
P「キミは今すぐオペラ歌手にならなきゃいけないのかな?」
保奈美「え?」
P「夢と目標と願望を混合する人がよくいるけどさ、それらを叶えるための道ってひとつしかないの?」
保奈美「それは・・・考えたことないです」
P「オペラ歌手とは違う職業になったらゲームオーバーなのかな?」
保奈美「そんなことは・・・!!」
P「理解しているじゃないか」
保奈美「・・・・・・」
P「私はキミをアイドルとしてスカウトしたい。手当たり次第ってわけじゃないよ?偶然の出会いもあるけど、キミのように夢に向かって悩み苦しんでいても、歩こう、先に進もうとする人にファンは付いてくる」
保奈美「アイドル・・・」
P「こんな聞き方もしてみようかな。アイドルとオペラ歌手の共通点あげてみてくれないかな?」
保奈美「・・・・・・」
保奈美「・・・ステージの上に立って・・・」
P「ステージの上に立って?」
保奈美「・・・聞いてくれる人、見てくれてる人を・・・魅了する・・・」
P「うん、その通り」
P「最近のアイドルと言えばさ、歌も歌えるのがナンボだし、違うのは音楽の方向性だけだよ」
P「それに私から見たら、キミの持つオペラ歌手のイメージが足りないと思う。保奈美さんが歌の教室に行っただとか、有名な人の歌聴いた、とか歌の事しか言ってないよね?」
保奈美「あっ・・・」
P「私の恩師の教えなんだけどさ、「会話や言葉は目で見ろ」って言われてちょっとイメージ付くかな?」
保奈美「目で見ろ・・・」
P「どんな歌手も歌だけで勝負してないよ、体全身で物語を伝えてるんだ。身振り手振り、ダンス、劇、いろいろね」
P「保奈美さんにはアイドルという仕事を通じて、人にモノを伝える力を得て欲しい。そうすればキミのオペラ歌手への道は開けるはずだよ」
保奈美「・・・・・・」
P「なんてね♪スカウトでしかないから蹴っても・・・」
保奈美「や、やります!アイドル!」
保奈美「私はずっと、どうしたらいいんだろうって悩んでたんです。でも今、Pさんに言われて頭の中で少しイメージが付きました・・・ずっと頭の中で浮かび上がらなかったのに」
保奈美「もしかしたら、私に一番足りなかったのは・・・意見を言い合える相手だったのかもしれません」
P「褒められてるのかな?んー、どんな仕事でも1人じゃできないってことだよ。言われて初めて理解できることもある」
保奈美「そうですね」
P「では、お母様、娘さんのアイドルへの道は許可してくれますか?」
「私はその子が自分の正しいと思って選んだ道を進んでくれればそれで結構です」
P「誤った道になんて進ませません。安心してください」
P「よっこい・・・しょっと、では、資料を持ってきますね。親の承認書とかいろいろあるんで」
保奈美「あ、Pさん」
P「はい、なんでしょう」
保奈美「Pさんの部屋に行きます。なんだか立つのが辛そうだったんで」
P「あ~、うん。こないだお腹にぶっとい枝が刺さっちゃってね・・・」
保奈美「ええ゛!?」
P「気にしないでいいよ、私は・・・この一人称はもういいか、俺はアイドルのためなら体張るってスタンスなんだよ」
保奈美「よ、よく今まで生きていけましたね」
P「自分でも不思議に思うよ」
─ 廊下 ─
P「あ、そうだ。保奈美さんも普段通りの喋り方していいよ?」
保奈美「え?」
P「俺はプロデューサーだけど、偉いってわけじゃない。畏まった喋り方はさっきので終わり」
保奈美「でも」
P「敬語も禁止。キミがアイドルとして歩く以上、俺はキミのパートナーになんだから、ありのままのキミを受け止めるよ?」
保奈美「・・・わかったわ。よく気付いたわね、Pさん」
P「んー、カン?」
保奈美「カンって・・・」
保奈美「さっきのPさんの話聞いて、ちょっと驚いたわ」
P「ん?身振り手振りのこと?」
保奈美「違う、Pさんのこと」
P「俺か?」
P『ごめんね!大丈夫!?』
保奈美「あんなに勢いよく謝ってきて、この人大丈夫なの?って思ってた」
保奈美「でもちゃんと話すと、結構凄い人なんじゃないかって」
P「褒めすぎ。嬉しいけど、俺はまだまだ未熟」
保奈美「ふふっ、男子三日会わざれば刮目して見よって本当だったのね」
─ P宅 ─
P(なんだかスカウトが上手くいった。やはり仕事に対してスイッチが入ると自分でも見違えるみたいだ)
P(保奈美さんを部屋に入れちゃうことになるけど、さすがに新人アイドル、すなわち後輩が現れたら音葉さんも変なことはできないだろう・・・)
P「あれ、靴増えてる」
保奈美「結婚されてるの?」
P「いや、全く(断言)」
保奈美「女の子の靴がいっぱいね。それじゃあ、彼女?」
P「いません(必死)」
P「ただいまー?」
「キャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
P「な、なんだ!?」
美玲「変態!ヘンタイ!HENTAI!!////」
音葉「・・・・・・////」←美玲を抱きしめてる
伊吹「あ、アタシ・・・Pに・・・?」
P「何がどうなってるの!?」
朋「P!この本のことがしたいの!?したいのね!?」
【女の子4人まとめて(ry】
P「朋、またお前俺のエロ本を!?」
朋「アタシはいつでも準備オッケーだけど流石に美玲ちゃんを巻き込めないわ!!」
音葉「いえ・・・夫の願いを叶えるのも妻の役目です」←美玲の服を脱がそうとしている
美玲「うぎゃぁぁぁぁああ!?見るなぁ!?ぎゃあああ!!?」
朋「うぐっ!!先を越されるなんて!!」←美玲のスカートを脱がそうとしている
美玲「プロデューサー!!見るなっ!!あっち向けッ!!!!!」
伊吹「ぼーっ・・・」←火照ってる
P「 」バタッ
保奈美「え、ちょっと!?Pさん?え、どうしたのっ!?」
後日、西川保奈美の資料は整い、無事アイドルになった。
が、担当のプロデューサーが超繊細な人だと知ってしばらく悩みの種になったとか・・・。
終わり。
以上です。読んでくれた方はありがとうございます。
「男子三日会わざれば刮目して見よ」とは日々鍛錬する人が居れば、その人は3日も経つと見違える程成長しているという意味です。
今回のテーマはスイッチのON/OFFです。
仕事に真面目な人はその時になれば変わってしまうんだって事を意識して作ったつもりです。
今回のお話が『相原雪乃「転ばず先の杖」』を見てないと頭傾げる部分があったり、
クリスマスのネタを入れてしまったのでこの日まで出さないと違和感あるなと思ってかなり端折ってしまいました。
あんまり活躍してないので次回の最初の方にも保奈美ちゃん出します、はい。
さて、次回は
・喜多見柚「渡る世間に鬼はなし」
です。その次の回に
・大原みちる「牛を馬に乗り換える」
・藤原肇「井の中の蛙大海を知らず」
のどちらかを予定しています。
さて、この事務所はあと何人集まるのでしょうか・・・(行き当たりばったり)
ではまた。
チラシの裏
間違えて2ちゃんねるの携帯電話ゲー板の方に全文投稿してしまいました(汗)
お恥ずかしい・・・。
Jane Styleもとい専用ブラウザのタブを切り替えてなかったのが原因です。
SS投稿する皆さん注意してくださいね、でないと夜眠れなくなります(苦笑)
前スレが過去ログの方に移ったので誘導
杉坂海「七転び八起き」
杉坂海「七転び八起き」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1387/13870/1387075546.html)
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