梅木音葉「据え膳食わぬは男の恥」 (76)
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。
以前のお話に戻る場合はSS wikiを通ってください。
http://ss.vip2ch.com/ss/%E3%80%90%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%80%91%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%8F%E3%81%96%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
前回
イヴ・サンタクロース「月に叢雲、花に風」
イヴ・サンタクロース「月に叢雲、花に風」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399260148/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399811664
─ 前回のお話 ─
・イヴがちょっと大胆になった。
御三家と呼ばれるプロダクションの1つ、Coolプロダクション。
所属するアイドルはどれもレベルが高く、2年連続でシンデレラガールを生み出す実力もある。
今回のお話はここ、Coolプロダクションの異変から始まる・・・。
─ Coプロダクション・事務室 ─
CoolP(以下CoP)「りんちゅぅぅぅわぁぁぁん!!!」
渋谷凛「Coプロデューサー、朝からうるさいよ?」
CoP「そう言っても、僕ってば夢の中でまで凛と過ごしてる人間でさぁ・・・!!」
凛「そんな下品な顔してるとこうだよ」ゴリッ
凛(あっ、加減間違えた)
CoP「のぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
凛「ご、ごめんCoプロデューサー。力入れすぎた」
CoP「た、たまにこういう所があるから、お前はかわいいのさ・・・いたたた・・・」
凛「可愛くないよ・・・////」
和久井留美「CoP君、高校生にセクハラしていると貴方のお仕事増やすわよ?署名とか」
CoP「いやですぅ!やりたくないですぅ!!」
留美「だったら真面目にやることね」
凛(むっ・・・)
凛「でもさ、私をこんなに輝かせてずっと親身になって戦ってくれたCoプロデューサーを無下には出来ないな」
留美「凛ちゃん、貴女は一度、人の上に立った人間なのよ?模範となれる人間にならないとすぐに寝首をかかれるわ」
凛「・・・・・・」
留美「・・・・・・」
CoP(うわぁ・・・なんか目と目の間にバチバチ電気が通るのが見えるぅ!!)
CoP「そ、そういえば俺、シャッチョーに呼ばれてたんだったっ!!(嘘)行ってくる~♪」
凛「あっ、ちょっと!!」
留美「待ちなさい、CoP君!!」
CoP「待てない!変えない!振り向かない!!」
凛「あ、行っちゃった」
留美「ここまではいつも通りね。でも、凛ちゃん・・・貴女・・・」
凛「・・・・・・」
─ Coプロダクション・社長室 ─
CoP「兄者!しばらく隠れさせてくだせぇ!!」
Co社長「誰が兄者だ、私は社長だぞ!!}
CoP「知ってます」
Co社長「知っているならよろしい」
CoP(チョロいんだよなぁ・・・)
Co社長「またアイドルに尻追われてるのか」
CoP「そうなんですよ~、普通逆ッスよねぇ」
Co社長「お前の日ごろの行いのせいに決まってんだろう。ボディタッチを気にしないスタイルは例え暴力だとしても恋愛感情を沸かせる」
CoP「DVがそうだって?」
Co社長「まぁ、そういうことだ。おっと、ちょうどいい、聞きたい事があったんだ」
CoP「はて?そんな事は知りませんが、ってか恥ずかしいだろそんな質問!!」
Co社長「まだ質問もしてないだろう!!」
CoP「知ってます」
Co社長「知っているならよろしい」
CoP(コイツ、口で勝てるのか・・・?)
CoP「んで、質問とは?」
Co社長「渋谷のことだ。どうしている?」
CoP「はい、今は仕事を控えさせ、傷心を癒している最中です」
Co社長「本当に大丈夫なのかね」
CoP「彼女はまだ若いですがプロです。バネのように戻ってきますって」
Co社長「だが心配だな、神崎の時とは大きく違うからなんとも言えん」
CoP「そうですね、神崎は元々ビジュアルやミュージックビデオなどで売ってきた事もあって売り方を変える必要がありませんでしたが・・・」
Co社長「何か良い案はないか?」
CoP「私としては~・・・そうですね、新たな風を入れるのが一番と考えますね」
Co社長「だが、先日新たにアイドルを入れたばかりだぞ?」
CoP「もちろん、アイドルを入れるのは変わりませんが・・・、こういう手でどうでしょうか・・・?」コソコソ
Co社長「ふむ・・・」
─ ○○プロ・事務所・事務室 ─
モバP(以下P)「はっくちゅんっ!!」
千川ちひろ「風邪ですか?ここの所空気は冷たいですからね」
P「いや、多分ホコリが鼻に入ったんだと思います。体の調子はバッチリですし」
ちひろ「本当にそうですか?普段から怪我病気ばっかりのプロデューサーさんが言っても説得力ありませんし」
P「ほげっ・・・!」
ちひろ「それでも不死鳥のように戻ってくるプロデューサーさんは凄いっちゃ凄いですが」
P「あ、アイドルのためなら瞬間回復能力だってあるんですよ・・・(遠い目)」
ちひろ「っと、もうそろそろお仕事の時間では?」
P「本当だ・・・えっと、今日はテレビ局を3件回って皆の仕事振りの確認と今後の日程の決定、それと・・・雑誌のグラビアのための営業と・・・んで、戻って事務仕事で終わりですかね」
ちひろ「それなりに詰め込んでますね」
P「1つ1つが1~2時間かかると思えば、ですけど。御三家はもっと大変なんでしょうね」
ちひろ「一応、あちらはプロデューサー、マネージャーが複数いるみたいですし、同じぐらいでは?」
P「・・・彼らを上回らなくては勝ち残れないか・・・」
─ テレビ局1 ─
杉坂海「では、次のクイズです!」
P(この撮影はお昼の情報バラエティ番組。お昼の番組はどうしても視聴者は主婦層が多く男性アイドルや芸能人の起用が多く、女性アイドルはあまり見ない。そこを突いた形で真面目で人当たりの良い海を採用した)
海「この商品、一体何に使うものなのでしょうか!お答えください!」
タレント「えっ、ヒントヒント!」
海「そうですね・・・料理に使うものです」
男性アイドル「分かった!これ、作った料理を掬うモノでしょ!」
海「うーん、やりたいことは近い!」
男性アイドル「近い・・・」
タレント「分かった分かった!これフライパンに付けて、作ったソースをかけるんでしょ!!」
海「っ正解!!!」
タレント「やったぁ!!」
男性アイドル「えっ、ソースだけなの?」
海「いえいえ、他にもお肉を焼いた時の油を捨てたりするのに使われるそうです」
男性アイドル「あー、なるほどー!」
P(真面目ゆえに男性アイドルとの間にきちんとした距離を感じて安心して見れるという男性アイドルの盲信的なファンに対しても考慮している)
P(まぁ、海に心配する事はあまり無いと思うけど、こうやって仕事場に顔を見せるのは大事だと思うからね)
「お昼のニュース入りまーす!!」
P「海、お疲れ様。後半もその調子で頑張ってくれ」
海「了解だよ。Pさんはもう終わったのかい?」
P「ああ、先にこっちのディレクターの方たちと話し合ってたんだ。もしかしたらゴールデンにウチから何人か出せるかなと思ってね」
海「へー、ゴールデンだと他の事務所の子と被らない?」
P「そこがどうなってくるか分からないからね~・・・他の事務所で特にゴールデンに入れていかないといけない人がチラホラ見えてきたからね」
海「ああ、なんだっけ。渋谷凛ちゃんがゴールデンの番組でしか採用できなくなったってヤツも関係あるの?」
P「そうそう。渋谷凛がシンデレラガールになったおかげで出演料が上がってどこも渋谷凛を雇うお金が出せない!って泣いてる」
P「今までずっと出てたラジオ番組も降板したらしいしね。表向きは渋谷さんが忙しくなった、だけど実際は渋谷さん1人で赤字になるから」
海「・・・なんかシンデレラガールになるのってデメリットなんじゃない?」
P「良くも悪くも晒し上げだからなぁ・・・」
P「でもその代わり、お金が出せるゴールデン番組では渋谷さんは引っ張りだこなんだよ。どっこいどっこいだね」
海「ふーん、じゃあさっきのゴールデンの番組の話だとウチのアイドルと凛ちゃんが共演することもありえるんだ」
P「なるべくぶつけたくはないけどな」
海「逃げてるわけではないんだよね?」
P「当然。勝てない試合はするもんじゃないし、俺たちの立場はまだ仕事を選べる方さ。地道な方法を繰り返すしかない」
海「ウチはPさんに委ねるよ。商売の方の知識はそんなにないからさ」
P「任されました♪」
「後半はいりまーす!!」
海「んじゃ、行ってくる」
P「行ってらっしゃい、俺は桃華の方に行ってくるよ」
海「そっか、またねー」
─ テレビ局2 ─
P(車で移動して約1時間半、今度は地方局にやってきた)
P(今の時間は桃華が料理番組のアシスタントで撮影をしている・・・)
櫻井桃華「えっと、ここでバターを入れて・・・」
料理人「おっと、一緒にレーズンも入れてね」
桃華「分かりましたわ」
P(撮影は順調だが、桃華の額にはやや汗が見えている。実はこの料理番組、七日分をまとめて1日で録画するという荒業を見せているのだ)
P(そのため、四日目用の録画辺りからボロが出てくるのだ。桃華には汗以外にも腕の疲労が見える)
P(だが、意外にもこの方法は番組のファンにも桃華のファンにも好評である。理由は・・・)
『間違い探しみたいで楽しい』
『前日の料理がカメラの見える範囲に置いてあったりしてクスリと来る』
『最終日の桃華ちゃんが必死に頑張ってる姿がグッとくる』
P(アイドルにファンが付くのは何も美貌とか肉体美、声音だけではない。その人の人柄や経歴にもある)
P(桃華には後ろに櫻井グループという大きな財閥があるにも関わらず、自分の力だけで成し遂げようとする根性があり、それが魅力になっている)
P(俺もそれをかなり評価している。元Cuプロというやや後ろめたいモノもあるが、それをも跳ね除ける努力をこの○○プロに入ってから積み上げてきた)
桃華「これを・・・電子レンジでチンッですわね」
Pipipipi...
P(ん?SNSからのコメント?)
ファン『桃華ちゃんのエプロンってどこで売ってるんですか?今度コスプレで使いたいんですが』
P(桃華はアニメ顔負けの風格にアニメ顔負けの声を持っている、非常に色んな層から人気があるもんだ)
P『スタッフさんが製作したものです評判がよければ販売を検討します』
「休憩はいりまーす」
桃華「Pちゃま、お疲れ様ですわ」
P「はははっ、俺は見てただけさ」
桃華「今日はこの後まだまだ仕事が続くのでしょう?終わる時間は何時ですの?」
P「どうかなー・・・今日は多いからな。事務仕事も考えると22時に終わればいいだろう」
桃華「なら、先に言っておきますわ。お疲れ様です」
P「ん。受け取っておくよ」
桃華「ところでPちゃま、次のお暇はいつですか?」
P「ん・・・と、分からないなぁ。先週は確かに亜季ちゃんと一緒にサバゲーやりに行ったけど、次は特にないかな・・・?」
桃華「タイミングよく休みが重なれば私のお家に来ませんか?」
P「桃華の?どうしてまた」
桃華「お父様が私の活躍を見て、どうしてもお会いしたいと申し出たのですわ」
P「ふむ、まずい・・・立派なスーツなんてないぞ?」
桃華「普段通りの格好で構いませんわ。今来ているスーツがむしろ好ましいかもしれません」
P「むー、分からんなぁ・・・TPOに合った服じゃないと俺の心が崩れそうだ」
桃華「では、私の執事に頼んでスーツを借りましょう」
P「それで頼む」
桃華「ふふっ、ではまた」
「休憩あけまーす!!」
P(桃華は疲労で重くなった腕のままアイドルの姿に戻っていった)
P(しかし桃華のお父様か・・・もしかしたら俺は桃華に関して問題を起こしててそれに関する罰を・・・?いやああああああああああ)
─ テレビ局3 ─
P(ここでは撮影は特にはない。だが、編集された映像を確認する作業がある。意図せずとも自分のアイドルにマイナスになる部分を削る作業がある)
『きゃぁぁあーー!!!』
P「あー・・・ここの響子のワイプ外してもらえますか?」
編集「はーい。確かに驚く顔にしては驚きすぎですよね」
P「顔ひとつで女の子は見え方が変わりますからね、少しでも違和感を感じたら外してもらいます」
編集「了解です。では、次のパートですが・・・」
P(今日の編集さんはかなりの手早い方だった。おかげでややカツカツだった時間配分に余裕が出来た)
P(と言ってもお茶でも飲んで、少し雑談する程度の時間だが)
「あれ、○○プロのPさんじゃーん」
P「塩見周子さん?仕事場で会うのは初めてだね」
塩見周子「おーっす、ってちょっと馴れ馴れしいかな、まぁいっかー」
P「塩見さんは撮影?」
周子「そそ。ちょっと長引いちゃってね、でもそのおかげかねぇ、こうやって色んな人に会えるのは」
P「はははっ、一期一会を大切にね。そうだ、ジュースとかお菓子奢ろうか?」
周子「おっ、太っ腹じゃん♪賄賂とかじゃないよねー?」
P「敵に塩を送っても、今の立場なら瞬殺だと思うよ」
周子「そっかなー?あ、あたしはそのココアがいいな」
ピッ、ガコン!
P「そっかなー?って疑問にする辺りをあんま詮索するのもなんだけどさ、あの噂は関係ないよね・・・?」
周子「うーん、気になるの?」
P「まぁね、下から上に行こうとしている人間としてはあの噂は少々ショッキングすぎる」
周子「じゃあココアのお礼で話してあげる。これオフレコね?」
P「ああ、分かった」
周子「多分、噂は凛ちゃんのことでしょ?」
P「ああ、その通り。なんだか良くない噂は聞いてる」
周子「尾ひれがついてるかもしれないけど、噂のおおよそは合ってるよ」
P「渋谷さんが仕事を選ばざるを得なくなった、今までの仕事場からは手を引く形にってのが私の知ってる範囲だよ」
周子「大体合ってるよー・・・あたしらは『Coプロダクションから2人目のシンデレラガールだー!!』って当初は喜んでたよ」
P「神崎蘭子に続く新たなヒロインだものなぁ」
周子「蘭子ちゃんは基本的にモデル、MV(ミュージックビデオ)、PV(プロモーションビデオ)・・・あとはブログかな?それらを主体にしてた」
P「蘭子ちゃんのブログ見たことあるけど、難解だったなぁ・・・解読は出来たけど」
周子「あっ、読めたんだ。蘭子ちゃんに教えておくねー、あんまり居ないんだよ読める人」
周子「まぁ、基本的に元から金がかかる仕事を主体にしてたからねー、だから変わらず今まで通りが通用したのが蘭子ちゃん」
P「だが、渋谷凛は違った」
周子「うん。凛ちゃんはその足でラジオとかゲリラLIVEとか一生懸命仕事を見つけて、少しずつスタッフやファンとの絆を獲得していった」
周子「蘭子ちゃんみたいに魅せるだけでファンが集まったんじゃなく、自ら歩み寄って自分の立場を得たの」
P「だが、シンデレラガールになった事により出演料が莫大に上がり、今までお世話になった仕事場から突き放された」
周子「そういうこと。CoPさんはただでさえ学校がおろそかになってる凛ちゃんの負担を減らそうと思って出演料とか上げたんだけど、代償として・・・」
P「皮肉だなぁ、皆に望まれてシンデレラガールになったのに仕事場からは望まれない存在になったということか」
周子「そのせいでね、一度心が折れたんだよ。ファンレターって一度ダンボールにまとめられるじゃん?」
P「そうだね、まずはスタッフで内容を確認して、安全なヤツをダンボールでまとめておくーってのがセオリーだね」
周子「それさ、凛ちゃん一度ライターで燃やそうとしたんよ」
P「は?」
周子「『コイツらのせいで!』って、ダンボールに火をつけた」
P「Oh...」
周子「当然、CoPさんが止めたけどね・・・その後はずっとみんなに慰められてた」
周子「んで、現在は傷心休業中。と言ってもすぐ復帰させるとは思うけどね」
P「ふむぅ・・・シンデレラガールもハイリスクハイリターンか・・・」
周子「まぁ、これ以上は追加料金かなー」
P「いや、十二分に凄い情報だよ・・・」
周子「他言無用、ね?バレたらあたしが怒られるし」
P「ん、分かってる」
周子「噂をしっかり知ってたPさんだから言っただけだからね?分かってるー?」
P「当然さ。あ、そうだ、今度CoPさんに一緒に飲もうって言っておいてよ」
周子「もち。そろそろあたし行くよー、じゃーねー」
P(塩見さんはあげた缶を飲みながら去っていった。しかし、渋谷さんの噂は本当だったか、ふむ)
P(渋谷さんは見かけた事しかないけど、仲間を大事にしたり今居る場所に思い入れするタイプなのだろう・・・)
P(人の振り見て我が振り直せ。上を狙う立場となった以上、下手に仕事を長くやらせるのは避けた方がいいのかな・・・)
P(ひとまず次の仕事場に行きながら、頭の中で新たなプランを考えていた・・・)
─ 雑誌会社 ─
P「これとこれを見開きで使って、これをコラムの挿絵で使いましょう」
編集「ウチとしてはこちらを使いたいのですが、どうですか?」
P「確かに伊吹のセクシーさが見えますがあの子の本質は底なしの元気です。使うなら表紙の一角ですね」
編集「分かりました、それではこんな感じで?」
P「OKです、これなら問題なさそうです。ですがこれを使うとなるとこちらの写真を外してこっちのプールでの写真の方がいいと思います」
編集「そうですかね?」
P「選択された写真に方向性が皆無ですからね、可愛く映る、かっこよく映るのは当然ですがバラバラなのはダメかと」
編集「そうきますか、ではコラムのページではこのような組み合わせではどうでしょうか?」
P「そうですねー・・・」
P「ふぅ、ちょっと熱くなったな・・・」
P(伊吹のグラビア写真を選別する仕事だったが、相手の持つ伊吹のイメージと俺のイメージが違ったために少々時間を食った)
P(だが今回のは自信がある。互いの切磋琢磨する会話によって選りすぐりの内容となっている、伊吹をもっと売り出せるだろう)
P(さて、時刻は・・・午後7時か)グゥゥ
P「あっ・・・やべっ、今日まだ水とお茶しか飲んでなかったんだった」
P(事務所に戻る際にスーパー寄って惣菜でも買って来ようかな・・・)
「あら?そこにいるのは・・・」
P「あっと、アナタは八神マキノさん?」
八神マキノ「はじめまして、かしら」
P「そうですね、以前Coプロにお邪魔させていただいた時はお留守のようでしたし」
マキノ「そのようで。留美さんから話を聞いてるわ、悩み多そうな青年だって」
P「はははっ、私はもう青年なんて年じゃないよ。一応20歳は過ぎてるから成年ではあるけど」
マキノ「ここで会ったのも何かの縁、一緒にお食事でもどう?」
P「えっと、流石にマズくないですか?同じ事務所ならまだしも、違う事務所の男女が出会ったらパパラッチに見つかった時のリスク高いですよ?」
マキノ「そこら辺は分かってるつもりよ。ちゃんと映像系の対策は考えているの」
P「変装で誤魔化すのですか?」
マキノ「そうよ、でもね・・・」
P「ブーツ?それと・・・ジャケット・・・」
マキノ「ちょっと待ってて、トイレで着替えてくるわ」
P(しばらくして・・・)
マキノ「おまたせ、これならどう?」
P「わ、わお・・・」
P(多分、ブーツは厚底ブーツ、身長を誤魔化している。そして着たジャケットやハーフパンツ・・・肩に届く髪をひとつにまとめて・・・)
P「すごいな、ウチの亜季ちゃんに見えるよ」
マキノ「これなら論理的にも問題ないでしょう?」
P「わざわざ眼鏡を外しているわけだしね・・・すごく印象変わる」
P(確かに日の落ちた今の時間ならこの格好で歩いてもプロデューサーとアイドルが“仕事帰り”だという印象は取れる・・・)
マキノ「それではP殿、さっそく行くであります。目標はレストランであります」
P「声真似まで・・・!?」
マキノ「ふふっ」
P「だ、だけど俺は2人きりで食事なんか」グゥゥ
マキノ「あら?食事なんか?」
P「・・・////」
マキノ「P殿、腹が減っては戦はできぬ、であります♪」
P「ちくしょう、亜季ちゃんが言いそうな事言いやがってぇ・・・」
─ ちょっと高級なレストラン ─
P(俺はブツブツと言いながらも亜季ちゃん(仮)の手に引かれてとある有名なレストランにやってきた)
P(八神さんは何を狙っているんだ・・・?ちょっと注意してコミュニケーションを取ろう)
P「八神さ・・・」
マキノ「今は亜季ちゃん、であります、P殿」
P「ぐぬぬぬ・・・亜季ちゃん・・・何食べる?」
マキノ「私はこのパスタとジンジャエールを頂くであります」
P「OK、俺はピッツァを何枚か注文するかな」
マキノ「お酒は飲まないのでありますか?士気に関係する以上飲まない手は無いであります!」
P(お酒飲んだら正常な判断が出来なくなるかもしれない、ここは避けておこう)
P「ごめんね、逆流性食道炎がやっと治ったばっかりだからお酒は飲めないんだ」
マキノ「なにっ・・・?」
P(あっ、想定外って顔してる)
マキノ「・・・・・・そうでしたな!P殿は健康に気遣う戦士でありましたな!」
P(顔引きつってる・・・)
マキノ「P殿・・・、私の顔に何かついているでありますか?」
P「いや、別に・・・」
マキノ「・・・・・・」
P「・・・・・・」
マキノ「・・・・・・」
P「・・・・・・」
マキノ「このキャラ、疲れるわね・・・」
P「無理しなくてもいいのに・・・」
マキノ「・・・食事を取ったら、何故こんな事しているか話すわ」
P「了解しました」
P(約24時間振りの食事、薄いピッツァではあったが今の体にはかなりの癒しになった。すごく美味しかったし)
マキノ「チュル・・・んっ・・・」
P(物凄い丁寧に食べる亜季ちゃんっぽい人・・・普段の亜季ちゃんならもうちょっとがっついているが)
マキノ「・・・あむっ・・・」ファサァ
P(それに食事中に髪の毛が気になるのか耳に髪をかける仕草をする・・・亜季ちゃんの姿をしているのに、亜季ちゃんではあまり見かけない仕草を見せる・・・)
P「不思議だわ・・・」
マキノ「・・・あら、そう」
P(思わず口から漏れてしまったが八神さんはまんざらでもない顔をしている・・・なんで俺と食事取ろうと考えたんだろうか・・・)
P「ごちそうさまでした」
マキノ「ごちそうさま。初めて来たけど正統派って感じね。美味しかったわ」
P「初めて来た・・・?」
マキノ「この店は黒川千秋に教えてもらったお店よ。さすがはお嬢様ね、聞いて正解だったわ」
P「確かに美味しかった。満足出来ました」
マキノ「さ、て、と・・・そろそろ言った方がいいかしら?」
P「八神さんが何故こんな事をしているのか、不思議でしょうがなかった」
P「キミは諜報活動を特技とし、言い換えれば情報を集めるのが得意なアイドルだ。何か聞き出してきたりするのは不思議ではないけどね」
マキノ「そうね、貴方の情報通りで諜報活動は私の特技で生きがいでもある・・・でも私はアイドルよ?」
マキノ「例え“1人”で戦う場面だとしてもファンを魅了してみせるわ」
P(まさかと思うが・・・)
P「渋谷凛が関係あるのですか?」
マキノ「・・・答えられないわ。って言っても察することができる内容ね」
P「そうですね」
マキノ「しばらくセルフプロデュースを要求されているの。そこで思いつくことをやってみようと考えたのよ」
P「もしかして・・・変装をするアイドルにでも?」
マキノ「ご名答。他のアイドルに化けられるアイドルならバラエティなら引く手数多と考えたのよ、モノマネ芸人って息長い人多いでしょ?」
P「言われてみれば確かにそうですが」
マキノ「そこで丁度良く貴方を見かけた、ってところよ」
P「でも、私にそのことを言っても大丈夫なのですか?仮にもライバル会社ですよ?」
マキノ「貴方の一般的評価は真面目さと一度関わった事から手を引けないお人好しな所よ」
P(うぐぅ・・・否定できない)
マキノ「貴方のことを悪用しようとは考えてないわ、貴方の目で今の私がどう見えるかだけ伝えて欲しいの」
P「見えるかって・・・」
マキノ「今の貴方の目から見て、大和亜季のモノマネは成功しているかどうか、よ」
P「・・・そうですね、亜季ちゃんに似てますよ」
マキノ「それが聞ければ大満足よ」
P「それだけなのですか?」
マキノ「それだけよ。私、アイドル八神マキノの新たな可能性を業界人はどう評価するか・・・そんなところよ」
P「ふむぅ」
マキノ「貴方がいいなら今後も手伝って欲しいわ」
P「え゛?」
マキノ「今回みたいに私が誰かに成りきって一緒に食事を取るだけよ。貴方の事務所にマイナスになるような事はしない、約束するわ」
P「・・・・・・」
P(いやいや、どうなんだ・・・確かに俺はCoプロのアイドルに接触してたことある。音葉がその結果として移籍してきたが、それはあくまで音葉がひとりで辛そうな顔をしていたからだ)
P(あちらから接触してくると考えると『お前はこうやればいいように使えるんだろう?』という印象さえ見受けられる)
P(いや・・・前例があるから手伝ってくれると考えたのか?八神さんは論理的に攻める人間っぽいしな・・・)
P(どうしたものか・・・)
P「・・・・・・互いの会社にとって余計な詮索はしない、いいね?」
マキノ「それでいいわ、報酬はまた別の機会に考えておくわ」
P(口約束ではあるが、お互いに情報を言わない事を約束に八神さんのお手伝いをすることにした)
それからして、俺は時間を見つけては八神さんのお手伝いをした・・・。
八神さん本人がモノマネをして一緒にご飯食べる・・・言い換えればほぼデート。
忙しさから誰かと食事を取る事なんて少なかったから気分的には悪くなかった。
マキノ「プロデューサー、お疲れ様でーっす!!」
P(跳ねた髪、茶髪、明るい挨拶・・・)
P「Paプロの本田未央か・・・確かに似てるなぁ・・・」
マキノ「明るいキャラは意外といけるわ。普段の自分とはまったく違うんだもの、意識しやすい」
P「なるほど、身長も近いし私としては見ごたえありました」
マキノ「これは私のレパートリー行きね」
P「ただ明るいだけにも見えますからね・・・仕草とかも覚えるといいかもしれません」
マキノ「分かったわ」
マキノ「プロデューサー、飲み物いかがですか?えへへっ」
P「・・・・・・」
マキノ「・・・・・・」
P「誰だか分からない・・・えっと、ツインテールとしっとりした目線・・・」
マキノ「Cuプロの今井加奈のつもり、どうかしら?」
P「あー、言われればなんとなく分かります。でも今井さんってツインテールをゴムじゃなくてリボンで留めてますよ?」
マキノ「ふむ・・・そうきたか・・・なるほど」メモメモ
P(メモる姿は間違いなく今井加奈ちゃんだ)
マキノ「おっはにゃ~☆」
P「これは一瞬で分かった。トリプルN芸能の前川みくだな?」
マキノ「これは分かりやすいわね、彼女のキャラはたとえ下のランクのプロダクションの人だとしても侮れないわ」
P「確かにそうだと思います。ただいじられキャラなので、どうしても他の人にカメラを奪われるというか・・・」
マキノ「そこまでマネできるかしら・・・」
P「無理にやらなくてもいいかと」
マキノ「そうね、八神マキノの演じる前川みくでいいものね」
そんな行動を行なっていって・・・とある不安が浮かんだ。
P(あれ、マキノさんのモノマネを知ってるのは事務所と俺だけなんだよな・・・)
P(つまり・・・マスコミ側からすると俺はとっかえひっかえに他のプロダクションの子とデートしていることに・・・?)
P(マズい!!全く関係ない事務所にまで迷惑をかけてしまう!!)
P(次出会った時に、止めてもらうよう頼もう)
─ ○○プロ・事務所 ─
P「・・・・・・」ズーン
梅木音葉「・・・どうかしましたか、Pさん」
P「えっ?・・・ああ、うん」
P(どうしようどうしよう・・・でも・・・音葉に八神さんとデートしてるなんて言ったら刺されても許されるレベルだ・・・)
P「いや・・・ちょっと心配事がね・・・」
音葉「・・・いつも通り・・・ですね」
P「ははっ・・・そうだね、いつも通り・・・」
P(ダメだ、せめてこのいつも通りを守らないと・・・)
P「じゃあ、仕事行ってくるね・・・」
音葉「・・・・・・」
音葉(オーラが違いますね、鼓動が焦っている・・・?)
音葉「柚さん・・・」
喜多見柚「おーっ?どうしたのー?」
音葉「ちょっと・・・お借りしたいものが・・・」
柚「んー?」
─ 和食レストラン ─
P(八神さんは先に到着していた)
マキノ「るるっるる~ん♪あっ、プロデューサーこっちこっち」
P「八神さん、こんばんは・・・」
マキノ「ダメダメ、そこの君っ、顔をあげてっ」
P「ウチの芽衣子ですね」
マキノ「これは分かりやすいわね、身長も同じだから?ただ胸のサイズはちょっと違うが、違和感あるかしら?」
P「そこまでは・・・」
マキノ「・・・元気ないわね」
P「いえ、ちょっと不安になってまして・・・」
マキノ「どうしたの?」
P「この特訓がマスコミに見られているかもしれないと思うとね・・・」
マキノ「あら、その程度ならすでに根回し済みよ?」
P「はたして本当かな・・・?」
マキノ「本当よ?」
P「信じられないね、証拠もない。それに・・・」
マキノ「それに?」
P「よくよく考えれば万が一、被害が出たとしてもアナタを含めCoプロには被害がなく、私とそのモノマネをしていた相手のプロダクションにしか影響はいかない」
マキノ「・・・・・・」
P「キミは何が狙いだ」
マキノ「・・・・・・狙いなんてないわよ?」
P「・・・」ジー
マキノ「はぁ、分かったわ・・・ここでは言えないわ、付いてきて」
P「了解」
─ 路地裏 ─
P「それで・・・何がしたかったんだ?」
マキノ「そうね・・・先に報酬を渡しておこうかしら」
P「報酬?確かに前にそんなこと言ってたような」
マキノ「・・・これよ」
バサッ・・・。
P「なっ!?」
P(彼女は少し躊躇った後、上着を勢いよく脱いだ。芽衣子っぽい服装の下からは淡い青色のブラが見えた)
P「何をやっているんだ!キミは仮にもCoプロのアイドルで・・・!」
マキノ「さぁね、私の目的は貴方を虜にすること。それ以上の目的はないわよ?」
P「や、やめろ」
P(彼女は前留めのブラのホックを外し、自ら纏う服を肌蹴させた・・・でも大事な部分はうまく隠れていて、『誘惑』の2文字が全身で体現されていた)
マキノ「それに、すでにマスコミには勘づかれていると先ほど仄めかすように言ったわよ・・・?Coプロがそれをわざと抑えてる状態・・・」
P(嘘だろ・・・つまり・・・)
マキノ「貴方は私に手を出す以外、逃げ場はない」
P「うぐっ・・・」
P(俺がマキノに手を出さなかった場合、スキャンダルとして大きく報道される・・・)
マキノ「ほら、貴方が理性を放棄し、目の前の女に食らいつくだけですべてが解決する」
マキノ「本能のままに・・・体が求むままに・・・」
P「でも・・・俺は・・・!」
マキノ「据え膳食わぬは男の恥よ?」
「へぇ・・・・・・」
マキノ「誰っ・・・!」
P「お、音葉・・・?」
音葉「Pさん・・・もう大丈夫です」
マキノ「梅木音葉・・・どうしてここが!!」
音葉「ずっとPさんの後を追ってきました。食事にまで気にするPさんが外食を繰り返すなんておかしいと思ってました」
音葉「深刻そうな横顔を見て、不安になったので・・・何かあると思って正解でした」
マキノ「でも残念ね、私とこの彼が結ばれるのは決定済み・・・それ以外を社会が許してはくれないわ」
音葉「はたしてそうでしょうか・・・」
マキノ『すでにマスコミには勘づかれていると先ほど仄めかすように言ったわよ・・・?Coプロがそれをわざと抑えてる状態・・・』
P(音葉の手元には柚が自らの毒保護者から身を守るために使っていたICレコーダーがあった)
音葉「貴女の下劣な発言は・・・この機械に録音済みです」
マキノ「なっ・・・!!」
P「本当か!?」
音葉「・・・これをテレビ局に持っていけば・・・風よりも早く世界中へと貴女とCoプロの悪評は轟くでしょう・・・」
マキノ「っ・・・Coプロの裏切り者が!!!」
音葉「私を見てくれた人は、心を見て手を伸ばしてくれた人はPさんと○○プロの仲間たちだけです・・・Coプロの人間ではありません・・・」
マキノ「くそっ、その録音機さえなければ!!」
?「そうでもないですわ」
マキノ「!?」
P「雪乃さん・・・それに亜季ちゃん!!」
相原雪乃「間一髪でしたわね、Pさん」
大和亜季「音葉殿から上層部のピンチと聞いて救援に来たであります」←無理やり雪乃に連れてこられた
マキノ「相原雪乃・・・大和亜季・・・だが、人だけ来たところで・・・!」
亜季「これとこれを見て、その口が開けますかな」
P(亜季ちゃんの手元には衛星放送をキャッチするアンテナのようなもの・・・あれは、軍事用の指向性マイク!!)
ちひろ『八神マキノさん・・・全て聞かせていただきました』
P(そして雪乃さんの手にはマイクと接続されたカメラ付きのタブレット端末・・・そこからはちひろさんを代表する我が○○プロのメンバーが勢ぞろいで映っていた)
雪乃「この映像と音声はすでにネットワークのオンラインストレージに保存しております。たとえ機器を破壊しようと証拠はすでに残っています」
マキノ「くそ・・・私がしくじるなんて・・・!!」
雪乃「ふふっ、美味しい紅茶を飲みながら聞かせてもらいましょうか。なぜこんな事をしたのか・・・」
亜季「嫌でも連れていくであります」
マキノ「っ・・・!!」
P「音葉・・・ごめんなさい!」
音葉「・・・・・・」
P「俺は独りでに行動してた。そのせいで皆をピンチに追い込んでいた」
P「あと数分遅れていたら、本当に・・・」
音葉「Pさん」
P「なんだ?」
音葉「私が聞きたいのは・・・謝罪の言葉ではありません」
P「え?」
音葉「ただ一言、お礼を言ってくれれば私は自分の行動が正しかったと言えます」
音葉「私もまた・・・今回のように貴方の勝手なお人好しで救われた人間です・・・」
音葉「貴方の行動が正しいとは言えません、ですが間違っているとも言えません・・・」
音葉「だから・・・」
P「分かった」
P「音葉・・・ありがとう」
音葉「はい・・・」
音葉「まっすぐ帰りましょう・・・皆が心配しています」
P「そうだね・・・」
~ 数日前 ~
CoP『マキノン!マキノン!いるかい!?』
マキノ『大声で呼ばなくても分かるわ。貴方の声は響きすぎなのよ』
CoP『素敵な声だろー?これで沢山のアイドr』グリッ
CoP『ギャー!!!まだ何もしてないのにぃ!!!』
マキノ『どうせ下ネタに持っていくのでしょう?』
CoP『うげ、バレてるし』
マキノ『それで、何の用かしら』
CoP『ふっふっふっ、マキノンにはこのCoプロの未来を左右する重要な任務を与えるでぃ』
マキノ『重要な任務?』
CoP『そうとも、この任務こそCoプロを導くガン』グリッ
マキノ『アニメのネタはいいから、早く言って頂戴』
CoP『ふぅーふぅー、意外と痛い・・・マキノには○○プロのプロデューサーを籠絡してほしいんだゾ』
マキノ『どうして?』
CoP『残念だけど、凛ちゃんの救出でこのCoプロは手一杯だ。おそらくアイドルだけで○○プロに戦っていける気がしない』
マキノ『弱腰ね、仮にも御三家と崇められてる所のプロデューサーとは思えないわね』
CoP『僕だってこんな事言いたくないさ、Paプロではないけど新進気鋭のプロダクションとはドンドン戦ってみたい』
CoP『だけど今の状態で○○プロと戦えるとは思えない、ましてや今伸び率のいいトリプルN芸能にさえ負けるかもしれない』
マキノ『それで、どうしたいのよ』
CoP『Coプロの傘下として○○プロを入れたい。ウチで動いているアイドルの内、伸び率の悪い子は○○プロで育てて、良い子はCoプロで働いていく』
マキノ『野球の1軍、2軍みたいなものね』
CoP『そーいうことー♪○○プロはね、堅実的に行動しているのと同時に着実にファンを増やしているの』
マキノ『つまり?』
CoP『少ない仕事で最大限の利益を得る技術とスタッフが欲しい』
マキノ『なるほどね、私を通して○○プロのプロデューサーを意のままにしたいと』
CoP『社長を狙ってもいいけど、マキノンはやっぱり若い方がいいでしょー?』
マキノ『?』
CoP『いやぁ、籠絡って言うからにはセッ』グリッ
マキノ『貴方の想像も残念だけど、私は生娘よ!』
CoP『ま、ま、マジで・・・?諜報活動LOVEって言ってるからてっきりガッツリ』グリッ
マキノ『それ以上言うと首を掻っ切るわよ・・・?』
CoP『それはご勘弁。でもよろしくねー、Pちゃんが子分になるとか今からでもワクワクすっぞ』
マキノ『はぁ・・・度し難いな・・・』
─ ○○プロ・会議室 ─
マキノ「これで全部よ・・・」
亜季「本当でありますか?」
マキノ「本当よ!こんな恰好させて嘘なんて吐かないわよ!全裸の方がマシよ!!」
ちひろ「イヤーワタシノコスプレグッズガヤクニタチマシタナー(棒)」
P(八神さんはちひろさんの以前来ていた裸エプロンに加え、猫耳とカチューシャ、手首にはハートのデコレーションをした手錠・・・ニーソとガーターベルトを付けているが下着は上と下共になし・・・)
P(おまけで言うと元々ちひろさんは自分でも小さいサイズを着ていたため八神さんが着るとサイズがさらに一回り小さい・・・)
マキノ「こ、殺せ!!胸が飛び出ちゃうじゃない!!下もほとんど見えてるのでしょう!!?」
ちひろ「どうでしょうね、プロデューサーさんに見てもらっては?」
マキノ「や、やめろ!!今までの変装の何十倍も恥ずかしい!!!」
ちひろ「いいじゃないですかーかわいいのにー」
P(ものすっごくちひろさんがノリノリ。そりゃそうか、自分も同じ目に遭ってるもんね・・・)
P(ちなみに俺は見届け人をやっているが女性の裸がうんぬん言われて、会議室の隅っこから対角線の隅っこでやってる尋問眺めてるだけです、見えても視認できません)
ちひろ「そうだ、尻尾もつけません?それとそれと~・・・」
マキノ「何をする気・・・!?」
パシャ!!
ちひろ「写真撮影しちゃいましょうかー」
ちひろ「ふふっ、可愛い顔してくださいねー?」
マキノ「止めろ、止めて・・・!!」
パシャパシャ!!
ちひろ「この写真をバラまかれたくなければ・・・分かってますね?」
マキノ「・・・何をすればいいのよ」
ちひろ「マスコミに対し、今回起こした問題を無かったよう依頼すること」
マキノ「・・・分かったわ」
雪乃「それと・・・追加していいですか?」
マキノ「!?」
雪乃「今後、私たちのレッスンに参加してください」
亜季「・・・・・・ひぇっ」
雪乃「なぜ亜季ちゃんが驚いているのですか・・・?」
亜季「なんでもありません!!」
マキノ「レッスン?それだけでしょ、別にいいわよ」
雪乃「アナタ方、Coプロは技術が欲しいと言ってましたし、レッスンを通して盗めるものはどうぞ盗んでください」
マキノ「なら、片っ端から盗んでやる。そのレッスン受けるわ」
雪乃「ただし、その服装でお願いしますわ」
マキノ「 」ガーン
亜季「アチャー」
ちひろ「そーですねー・・・では、一回レッスンに来るたびに写真1枚ずつ返してあげますね。スタンプカードみたいなものですよ(ゲス顔)」
マキノ「で、でもまだ3枚・・・!」
ちひろ「そんなに言うならもっと撮ってあげますー」パシャパシャ
マキノ「嫌ぁぁぁぁぁぁあああああ!!誰かぁぁぁぁぁああああ!!!」
[八神マキノが裸エプロンしに遊びに来るようになりました]
P(八神さんの悲鳴を聞いた後、頭を冷やすために俺は屋上に出た)
─ ○○プロ・屋上 ─
P「はぁ・・・今日の失敗は引きずりそうだ・・・」
P「音葉はああ言ってくれたけど、どう考えても俺の過失未遂はデカい・・・」
P「おそらく社長の耳にも届いているだろう・・・反省文、書こう・・・いっぱい・・・」
P「ゴクッ・・・はぁ・・・」
P(飲んだコーヒーは糖分高いのに・・・傷口に塩を塗りこむように痛みが身に沁みていく・・・)
P「俺がロボットならいいのに・・・。うつつを抜かすように仕事していって、成果を出せる・・・そんな」
「私は嫌ですね・・・」
P「っ・・・音葉・・・」
音葉「私は・・・貴方と感情を共にしたいです」
P「・・・・・・」
音葉「どんなに辛いことも、一緒なら乗り越えられます。嬉しいことなら、嬉しさは倍になります」
音葉「今日の失敗は反省して、次のステージに行きましょう・・・。私たちの戦う場所はたくさんの歓声の中にあります・・・」
P「そうだね・・・俺の仕事は人を助けるだけじゃないんだ・・・」
音葉「それに・・・」
P「それに?」
音葉「Pさんは据え膳食わぬは男の恥だなんて言葉で釣られる人じゃないと思ってますから・・・」
P「っ・・・・・・」
音葉「あれは・・・八神さんも助けようとして慌ててたんでしょう・・・?」
P「そう・・・なのかな・・・?」
音葉「そうです・・・私は信じてますから・・・」
P「・・・なんでそうも信じられるんだ?」
音葉「だって私はPさんの・・・」
「奥さんですから・・・」
Pはその深夜、色々と身の危険を感じて反省文を20枚書いてきたという・・・。
終わり
以上です。読んでくれた方はありがとうございます。
「据え膳食わぬは男の恥(すえぜんくわぬはおとこのはじ)」とは女性側から言い寄ってるのを受け入れないのは、男の恥だということです。
はたして現代でこのことわざが通用するかどうかは知りませんが。
今回はテーマはどこの立場であっても悩みは絶えないと言う事です。
たとえ凛ちゃんがシンデレラガールになっても常に戦う場所があるということですね。
さて、次回は
・並木芽衣子「箸にも棒にも掛からない」
その次の回に
・矢口美羽「釣鐘に提灯」
・成宮由愛「鳶に油揚げを攫われる」
のどちらかを予定しています。
を予定しています。
ではまた。
>>67
コピーまたミスってしまいました・・・。
×矢口美羽「釣鐘に提灯」 → ○「矢口美羽「提灯に釣鐘」
です。
~ おまけ ~
マキノ「お・・・おかえり・・・なさいませ・・・っ!!!////」
P「た、ただいま・・・俺が事務所に戻った時は隠れてもいいんだよ?」
マキノ「ま、まだ慣れない・・・!!!」
P「そりゃ・・・その手のお店でも見ないレベルの恰好してるからね・・・」メソラシ
柚「あっ、Pサンだ。おっかー♪」
P「ただいま。八神さんにタオルケットでもかけてあげてくれないかな?」
柚「えーっ、雪乃サンに怒られたくないよー」
P(怒られるレベルなのか・・・)
P「んー・・・じゃあプロデューサー命令だ。八神さんに半纏とタオル持って来て」
柚「しょうがないナー」
マキノ「はっ・・・私に恩を売る気?」
P「・・・Coプロを簡単に許す気はないけど、人を辱めてまでやり返そうとは自分では思わない」
P「お人好しだと言われても女の子を泣かすような事はしたくない」
P「Coプロには違う形でやり返させてもらうヨ」
マキノ「敵に情けをかけて、寝首をかかれるのは貴方よ?実際、私は首を狙ったのよ?」
P「内股で言われても迫力ないなぁ」
マキノ「なっ・・・////」
P「確かに私はまだ貴女に狙われた事を反省しているし、まだ引きずってる」
P「でもね、険悪なのは上の人間だけでいいんだよ。アイドル同士は事務所の垣根を越えて仲良くなってほしい」
マキノ「とことんお人好しね、上を狙えば狙うほど敵は増えるわよ?」
P「そうだねぇ・・・」
マキノ「まぁいいわ。この調子ならSランクどころかAランクに到達するかも分からなそうだし、なんで上はここを狙ったのかしら」
P「さぁ?何か面白い案でも求めてたんじゃないかな?」
マキノ「面白い案ね・・・じゃあ、試しに聞いてみましょう」
P「なんだい?」
マキノ「この裸エプロンをどうにかする方法、教えて頂戴」
P「どうにかって・・・」
マキノ「あの相原雪乃を思考を掻い潜って、恥ずかしい思いをせずに済む方法・・・教えて頂戴」
P「うーん・・・」
マキノ「出てこないの?」
P「いや、無くはないんだが・・・」
マキノ「?」
P「普段から裸族になれば恥ずかしくないんじゃないかな?」
マキノ「!?」
後日、八神マキノがPaプロの十時愛梨と話していたという目撃談があったらしい・・・。
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