イヴ・サンタクロース「月に叢雲、花に風」 (62)
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。
以前のお話に戻る場合はSS wikiを通ってください。
http://ss.vip2ch.com/ss/%E3%80%90%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%80%91%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%8F%E3%81%96%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
前回
榊原里美「危ない橋を渡る」
榊原里美「危ない橋を渡る」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398758619/)
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─ 前回のお話 ─
・モバP、4人目の妹を手に入れる。
・榊原里美が○○プロのアイドルとなった!
・祝!○○プロアイドル20人達成!
─ 事務所・社長室 ─
モバP(以下P)「社長、お呼びでしょうか」
社長「ああ、まぁ言わなくても分かっていると思うが」
P「ええ、アイドルが20人にたどり着いたということですね」
社長「私的には達成するにはもっと遅いかと思っていたがそうでもなかったな」
P「いい出会いが多かったおかげです。皆、いい子でいいアイドルに輝けます」
社長「ほう、それは何故だ?」
P「入ってすぐに既にいるアイドルと仲良くなれる明るさがあります。もちろん、仲良しごっこではなく互いに叱り、褒め、高めあう仲間となっています」
社長「ふむ、いい傾向だ」
P「これからの方針はいかがなさいましょうか」
社長「そうだな、しばらくはこのままがいいだろう。30人までは来るとキミの負担がデカいのは見なくても分かる」
P「そうですね、休みを切り詰めるのは承知の上でしたが、睡眠まで削るのは効率が悪いですからね」
社長「睡眠まで削るのは私だけでいい。最近は飛行機がベッドだ」
P「それは物凄いですね・・・」
社長「だがキミが逸材だと思う素材を見つけた時は採用してもいい。このさじ加減はキミに任せるとしよう」
P「分かりました。現状維持だが、あわよくば・・・って事ですね」
社長「プロデューサー、上を喰らうというのはそれだけの覚悟や犠牲が必要なのだ。だがアイドルを犠牲にせず高みへと進ませるには我らの血肉が必要だ」
P「もちろんです。私は社長についていきます」
社長「ありがとう。今後の方針としてはプロダクションランクが上がるまでは現状維持。マネージャーが1人でも雇えるまでは辛抱だ」
P「分かりました」
─ 事務所・事務室 ─
千川ちひろ「どうでしたか、社長のお話は」
P「いつもより空気が厳粛で肩が竦んでしまいました。社長の期待はこう・・・肌に刺さるモノがありますね」
ちひろ「ふふふっ、それだけプロデューサーさんが築けた頑張りと結果が嬉しいんですよ」
P「あまり実感は出来てないですけどね。忙しいせいかな」
ちひろ「そうですよ。プロデューサーさんが自分の評価を出来ない分、私たちがちゃんと評価してあげますから」
P「ありがとうございます」
ちひろ「そーいや、プロデューサーさんはしばらくアイドルのスカウトは控えるのですか?」
P「どうでしょうか、頭数を増やしたいのは山々ですが」
ちひろ「一旦、年齢を並べてみますか。それでどこの必要な年齢が見えるかもしれません」
P「そうですね」
12:1人
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17:2人
18:1人
19:5人
21:1人
22:2人
ちひろ「19歳が一番多いですね・・・」
P「・・・なんででしょうねぇ・・・」
ちひろ「プロデューサーさんの好みがそれくらいの年とか!?」
P「んな・・・ぎりぎり未成年の子を狙うなんてそんな卑劣なことはしませんよ」
ちひろ「そういう言葉が出る時点で怪しいですねぇ?」
P「どう答えればよかったんですかね・・・」
ちひろ「まぁ、ともかく・・・実はですね、私の先輩が自分の子をアイドルにしてくれ!って頼みに来ましてね」
P「あ~・・・年齢層が気になるということですね」
ちひろ「そういう事です。被っている年齢だとプロデューサーさんもプロデュースしづらいかもしれませんし」
P「ちなみにおいくつですか?」
ちひろ「14歳ですね、通う中学校ではオヤジギャグを言う美少女として通ってるらしいですが・・・」
P「お、オヤジギャグ・・・」
ちひろ「どうですかね、美少女なのはアイドルとして問題ないとは思いますが・・・」
P「なんだか聞いた限りだとマスダオカダのオカダケイスケのアイドルバージョンに成りそうとしか・・・」
ちひろ「お話だけでも聞いてもらえませんか。仮にもお世話になった大学の先輩でして・・・」
P「まぁ、こればかりは会って話してみないと分かりませんからね・・・ちひろさんのお顔をなんとか立ててみましょう」
─ 事務所・会議室 ─
小松伊吹(○○プロの会議室はアイドルたちの憩いの場。普段なら占いとか雑誌を見てる子で集まるんだけど・・・)
藤居朋「第1回19歳だけの女子会議を開くわ!!」
伊吹「ともー、なんで19歳だけなの?」
朋「よくぞ聞いてくれたわ!ここにあるのはICレコーダー!アタシの今日のラッキーアイテム!」
伊吹(ちょっと物騒だよね、そのラッキーアイテム)
ちひろ『19歳が一番多いですね・・・』
P『・・・なんででしょうねぇ・・・』
ちひろ『プロデューサーさんの好みがそれくらいの年とか!?』
P『んな・・・ぎりぎり未成年の子を狙うなんてそんな卑劣なことはしませんよ』
ちひろ『そういう言葉が出る時点で怪しいですねぇ?』
朋「これは改めてウチのアイドルを年齢順に並べ直した時のちひろさんとPの会話だわ」
伊吹「これでどうしろって言うのさ」
朋「分からない?Pはギリギリの未成年を狙うと公言したのよ、口に出たということは考えたことがある!つまり・・・」
伊吹「つまり?」
朋「Pは心の奥底では19歳という手を出したくても出せない!そんなギリギリのラインに心ドキマギさせてるのよ」
梅木音葉「なるほど・・・確かにPさんは15歳以下の響子ちゃんや桃華ちゃんと触れるときはどちらかと兄の風貌を見せ、女性を扱うには少し砕けすぎたコミュニケーションを取っています」
朋「対して、アタシたちはどちらかとやや丁寧に扱うことがある。これはすなわち・・・」
P『んぁ・・・ダメだ、朋・・・俺は成年でお前は未成年だ・・・。これ以上、俺を本気にさせないでくれ・・・お前は俺を本気にさせられる、だけど世界がそれを許してくれないんだ・・・』
朋「ってことなのよっ!!!分かった!?」
西島櫂「ああ、うん、そう・・・(も、もしかして朋ってあたしより変態なのか・・・?)」
イヴ・サンタクロース「はーい☆」
音葉「脈あり、ですね。Pさんの高くなる鼓動が今にも聞こえてきそうです」
伊吹「ってか、なーんでアタシまでこの女子会議に入れられてるんだ」
朋「だって、伊吹はPの家に行ってエロ本読んだ時、顔真っ赤にしてPの布団に入ってたじゃない」
伊吹「あ、あれはあんなエロいモノ見せられて頭の中が沸騰しちゃったんだよ!!////布団は・・・なんだろ、たまたまかな」
朋「とりあえず、あたし達、19歳組は誰でもチャンスがあるってことよ!アタシたちは全員抱きつけばPは照れるのは確定!それじゃあ解散!」
イヴ「・・・だって、ブリッツェン♪Pさんは私ぐらいの人が好みなんだって~☆」
ブリッツェン「ボォォ・・・」
イヴ「え?『やるなら早めの方がいい』?そうなのかなぁ」
ブリッツェン「ボゥボゥ」
イヴ「えへへ、頑張りますぅ☆」
ブリッツェン「ブモ」
イヴ「はーい☆まずは抱きついてみまーす」
─ 事務所・事務室 ─
イヴ「Pさ~ん♪・・・ってあれ」
P「桃華、次の仕事の方なんだが、北に行くルートと西に行くルートがある。どちらがいい?」
桜井桃華「Pちゃまが選んでくださいまし、異論はありませんわ」
P「そうもいかん。伝手で聞いた話ではなるが、北はCuとCoの集団がいて、西はCuの井村雪菜が率いる精鋭とCoのミステリアスアイズがライブツアー中だ」
桃華「つまり、どちらに行ってもゲリラLIVEを挑まれる可能性があると?」
P「そうだ。こないだPaプロのイベントに参加したおかげで挑まれる可能性が高くなっている。一心不乱に○○プロのアイドルとして頑張ってきた桃華に心配はしないが念のためだ」
P「それに桃華は元Cuプロ、報復がないとは言い切れない」
桃華「分かりましたわ。わたくしは北に行きますわ!」
P「北か・・・」
桃華「井村雪菜さんがいると周りのアイドルが武器そのものになると言っても過言ではありません。1人で戦うのは無茶ですわ」
P「OK、北ね。秋田、青森、北海道の順で撮影が入るな。俺が居なくても大丈夫か?」
桃華「もちろんですわ。心配ならウチのSPをつけますわ。いかがなさいましょう?」
P「桃華が守れる人数なら何人でも、だ。あと、3日目ぐらいには顔は出せると思う」
桃華「楽しみにしてますわ♪」
P「ふぅ、まずは桃華の分は終わりっと」
イヴ「・・・・・・」
P「次は・・・ってイヴ?どうしたんだ?」
イヴ「え?あっ、なんでもありませーん!!」
P「どうしたんだ、あの子」
桃華「はて・・・?」
イヴ「失敗しましたぁ・・・お仕事中に入るのはダメですねぇ~・・・」
ブリッツェン「ヴォー」
イヴ「え、『お仕事終わりを狙え』って?うーん、午後10時くらいには終わってるかな~?」
ブリッツェン「ブモ」
イヴ「分かりました~♪ブリッツェンのアドバイスもらっちゃいますぅ~」
数時間後・・・。
イヴ(午後10時になりました~。ほとんどのみんながお仕事終わって帰っちゃったり、会議室で雑談していますぅ~)
イヴ「さてさて、Pさんはどこにいますか~・・・」
P「・・・になっちゃってね」
大和亜季「分かります!資源に・・・」
イヴ「亜季さんと話してますね~、これなら問題なく・・・」
亜季「ところでP殿、選び終わりましたかな?」
P「ん?なんぞ?」
亜季「ケッコンであります。誰を選んだか決まったかーという話であります」
P「ああ、うん。決まったよ。ってかしちゃった」
イヴ「!?」
亜季「おー、早いですな。誰を選らんだのでありますか?」
P「ユウバリを選んだよ。ずっと一緒に頑張ってきたからね」
イヴ「!?!?」
イヴ(P、Pさんがけ、結婚してたなんて~・・・!?)
イヴ「ショックですぅ・・・グスン」
亜季「ずいぶん通な所を選びましたな、普通ならもっと・・・」
P「流石に亜季ちゃんがいるからヤマトとかを選ぶのはちょっと・・・」
亜季「うっ、なんか気恥ずかしいであります////」
P「って、ん?あれはイヴ?」
亜季「おーいイヴ殿、ってアレ?」
イヴ「・・・・・・」テクテクテク
P「帰っちゃった、どうしたんだろう」
亜季「疲れているのではないでしょうか。やはり我が○○プロの切り札、雪乃殿に並ぶ活躍をしていますからな」
P「そうだけどね、イヴだってまだまだ女の子さ。無理はさせられない」
亜季「そうですな。よしっ、ここは私が頑張って・・・」
P「亜季ちゃんも俺から見たら女の子だよ、十分に働いたら、十二分に休め」
亜季「あぅぅ・・・」
─ 女子寮・浴室 ─
イヴ(Pさんが・・・Pさんがぁ・・・)
イヴ「っ・・・ひっく・・・う゛ぅ・・・」
ガラララ・・・
伊吹「あー、今日もつっかれたー♪体が妙にむずむずしちゃってさ、いつもの1.5倍は踊ってたよ」
音葉「気持ちは・・・分かります。私も風と声がハーモニーを奏でる時は・・・不思議と体が動き出してしまいます」
伊吹「あははっ、なんていうの?アーティスト魂ってやつ?」
音葉「体が・・・覚えてしまっているんでしょうね・・・」
伊吹「そうそう♪あ、イヴお疲れー・・・って」
イヴ「グスッ・・・うぅ・・・」
伊吹「ちょちょちょっ!?なんで泣いてるの!?」
イヴ「ふぁ、Pさんがぁっ!!Pさんがぁっ!!」
伊吹「Pさんがー!じゃ分からないよ!もっと詳しく」
イヴ「・・・ひっく、Pさんが・・・結婚していたんです・・・」
伊吹「えっ?」チラッ
音葉「・・・・・・妻のオトミです♪」
伊吹「・・・イヴ、こういうこと?」
イヴ「違うんです、Pさん、ユウバリって人と結婚してたんですぅ~・・・」
音葉「・・・・・・」バキッドシャグキッ
伊吹「ギャー!?音葉のナニカが滅茶苦茶になる音が聞こえたぁぁぁっ!?」
翌日・・・。
─ 事務所・会議室 ─
音葉「第1回緊急女子会議です!」
杉坂海「あれ、女子会議ってこれで第7回目じゃなかったの?」
音葉「緊急の女子会議なので1回目です」
海「あ、そういう・・・」
亜季「でも緊急になるような事ってありましたかな?」
相原雪乃「私には「特に来てくれ」と言われた以上、来たわけですが」
海「緊急なのにこの5人しか集まれないのも残念だね」
音葉「事務所以来の・・・一大事です・・・他の方を待っている時間はありません」
音葉「それでは、証言者の方・・・お願いします」
イヴ「・・・はい。昨日・・・Pさんが結婚しているのを・・・この耳に聞きました・・・」
一同「!?」
海「う、うそでしょ?」
雪乃「・・・・・・」
亜季(あ、あれ・・・?もしかして・・・あのゲームの話が勘違いされて・・・)
亜季「あ、相手の方の名前は分かるのでありますか・・・?」
イヴ「・・・ユウバリという方でしたぁ・・・」
亜季(ジャックポット!!これはマズいであります!!早急にP殿の弁護をしなければ私の命も危ういであります!!)
亜季「あn」
雪乃「そのユウバリという方はどこにいるのでしょうか・・・?」ユラァ
亜季(Oh!No!!)
イヴ「分かりません・・・でも、亜季ちゃんも一緒にいて・・・」
雪乃「亜季ちゃん、アナタは知ってたのですか?」
亜季「ぇへっ!?ま、まぁ、そうなりますが・・・(は、覇気が・・・)」
雪乃「・・・そうですか・・・」
亜季「でもそれはゲーm」
雪乃「行きましょう、Pさんの所に行けばすべてが分かりますわ」ユラァ
亜季(Oh!馬耳東風であります!!)
雪乃「場合によってはそのユウバリという方の血肉で紅茶をいれることになりますわ・・・」
亜季(絶対飲みたくないであります)
─ 事務所・事務室 ─
P「あっと雪乃さん、ちょうどよかっt、っておわっ!?」
雪乃「Pさん、ちょっとお話が」ゴゴゴゴゴゴゴ
海「・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴ
音葉「・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴ
イヴ「グスン・・・」ズズズズズ
亜季(わ、私も覇気を出しておきましょう・・・)
亜季「・・・・・・」
亜季(って出せるかぁっ!!!)
P「み、皆さんどうしたんですか?(敬語)」
雪乃「Pさん、貴方は・・・結婚してたんですね?」
P「へっ?してないですよ、恋人なんて作ってる暇はありませんしね」
海「嘘はよくないね、ユウバリって人と結婚してたんでしょ?」
P「ユウバリ?・・・プッ、あはははっ!!」
音葉「何がおかしいのですか?」
P「それゲームのキャラだよ」
一同「へっ?」
亜季(マズいであります)
P「今やってるゲームでね、キャラクター1人を選んでケッコンする事が出来るんだ。んで、俺のプレイだとユウバリってのが選ばれたんだ」
P「紛らわしくてゴメンね。・・・って、亜季ちゃんいるなら説明してあげてほしかったな」
亜季「え、えっと、その・・・」
P「このゲームは亜季ちゃんの方が詳しいから、いろいろと・・・」
雪乃「あ・き・ちゃ・ん?」
亜季「ひぃぃぃっ!?」
海「すぐに言えなかった理由は?」
音葉「・・・・・・」
亜季(雪乃さんの勢いに押されてぇ・・・)
雪乃「どうしたんですか亜季ちゃん?」ニッコリ
亜季「り、理不尽だぁぁぁぁぁぁあああああっ!!!」ダッ
海「あっ、逃げたっ!!」
音葉「・・・追います」
雪乃「今日は全員レッスン10倍ですわ!!」
イヴ「Pさん、本当に結婚してないんですか~・・・?」
P「あははは・・・俺はもうちょっと無理かな。みんなをもっと上に成長させて、俺の後を引き継げる人が現れるまでは」
イヴ「そうですかぁ~・・・では、レッスン行って来ます☆」
P「ん、行ってらっしゃい」
イヴ「私の勘違いで良かったですぅ~・・・」
翌日・・・。
─ 事務所・事務室 ─
喜多見柚「第1回お菓子のための女子会議、わぁーっ!!」
榊原里美「ほぇぇ・・・」
大原みちる「あーっ、もうお腹減ってきてしまいました!!お先に、モグモグムシャムシャ」
イヴ(『昨日の事は水に流せ』とブリッツェンからアドバイスを貰いましたぁ♪気分を甘いものでスッキリしちゃいますぅ!)
柚「というわけで明日のここで皆でお菓子持ち寄って食べようって思ってるんだけど、何持ってくるのカナー?」
里美「私はマカロンですぅ、あとプリンも持ってきますぅ」
柚「アタシはピョッキーとーマシュマロとークッキーとーそれからそれからー」
みちる「パン屋の娘としてあまーいパンをいっぱい持ってきたいのですが・・・皆さんがお腹いっぱいになるのを避けてココアラスクとアップルパイだけで!」
柚「そーいえば明日は肇ちゃんと響子ちゃんも参加するって。確かゴマ団子とか持ってくるって言ってたカナ」
里美「ゴマ団子ですかぁ・・・うぅん、美味しそうですぅ」
みちる「イヴさんは?」
イヴ「えっと、私はデニッシュペストリーを作ってきます~」
柚「デニッシュペストリー?」
みちる「ほ、本当ですか!?デニッシュ作れるんですかっ!?」キラキラ
イヴ「そうですよ~自宅でよく焼いてたんです~」
みちる「んふー♪本場のデニッシュを楽しめるんですねー!すでにヨダレが・・・」
柚「ミッチーがここまで惹かれるってことはパン?」
イヴ「はい、こっちだと菓子パンの一つです~」
みちる「パンの半分がバターで出来ていると言っても過言ではないパンですよ!甘いジャムやチョコレート、惣菜パンとしてはグラタンやミートソースなどを入れる例が・・・」
里美「ほわぁ・・・これまた甘そうですねぇ」
柚「ミッチーの話が長くなりそうだから置いといて、イヴさんはそれでいいの?」
イヴ「はいっ、お仕事であまーいマンゴーソースやブルーベリージャム貰ったのでそれを使って作ってきます~♪」
─ 女子寮・イヴの部屋 ─
ブリッツェン「モー♪」
イヴ「『甘そうな匂いだ』って?えへへっ、今日はデニッシュを作っていますぅ♪」
イヴ「明日はみんなとお菓子パーティーするんですぅ!」
イヴ「今日はその下ごしらえ・・・って、そうだ!Pさんの分も作ってあげましょう~」
ブリッツェン「ボー♪」
イヴ「絶対喜んでくれますぅ♪」
翌日・・・。
─ 事務所・事務室 ─
イヴ(な、なんだか入れない雰囲気がしてます~)
P「─────、お断りしています」
P「いいえ、断固として許可しません」
P「許しません、ウチのアイドルをそんな行為をさせるわけにはいきません」
P「仕事がなくなってもいいのかって?そのままその言葉をお返しします」
P「この会話はすでに警察とネット上に流しています。では、さようなら」
ちひろ「お疲れ様です」
Pipipipi
P「あ゛~・・・緊張した・・・」
ちひろ「でも、これでアイドルの体だけを狙う輩はこの事務所を狙うことは少なくなるでしょうね」
Pipipipi
P「そういうものですかね・・・。私的には『この事務所と関わるな』と仕事が本当に減りそうな気もしますが」
ちひろ「大丈夫ですよ、アイドルの相手はテレビ局ではありません。ファンの皆さんですよ?」
Pipipipi
P「ファンの皆さんに誠意込めて行動すれば、今回の過激な行動は栄光に変わる・・・か」
ちひろ「そうですよ、プロデューサーさん♪あのうっさい電話は私に任せて、気を入れ替えてください」
P「分かりました。ちょっと気疲れしたのでお昼寝してきますね」
イヴ「えっと・・・あのぅ・・・」
ちひろ「あら、イヴちゃん。もしかして今の見てた?」
イヴ「なに・・・やってたんですかぁ?」
ちひろ「あ~・・・実はね、イヴちゃんや響子ちゃんに枕営業させろ!っていう最低の野郎がいてね・・・」
イヴ「まくら?」
ちひろ「・・・正直に言った方がいいかもしれませんね・・・その・・・性行為で仕事を得ること」
イヴ「性行為って・・・アレですよねぇ。エッチのこと・・・」
ちひろ「・・・気にしなくても大丈夫よ。私もプロデューサーさんもそんな事させません」
ちひろ「それに、今の電話は警察の協力の下、ネットの生放送で垂れ流ししてあるの。今頃、あっちでは電話は鳴りやまないわ、警察が押し寄せてくるわで泣いてるでしょうね」
イヴ「本当に・・・?」
ちひろ「そりゃそうですよ。この業界じゃ有名なくらいの強姦魔よ。今まで証拠が出なくて警察が泣いてたけど、これでとっとと死んでくれればいいですねぇ」
イヴ「!?」
ちひろ「・・・と、口が汚かったですね。おほほほほ・・・」
イヴ(プロデューサーさんは陰ながら私たちのために戦ってました。例え醜い相手でも)
イヴ(今は寝かしておきましょう)
イヴ(でも・・・絶対お返してあげたいですぅ~♪成功させたいです~♪)
イヴ(ただ今日の失敗はPさんの分のデニッシュを取っておくのを忘れたことですぅ・・・みちるちゃんに全部食べられちゃいました・・・)
イヴ(次こそは・・・!!)
イヴ「Pさん、肩揉んであげま────」
伊吹「えー、階段から落ちたのー?」
P「うん、大きな資料持ってる人が階段上ろうとしててね、コケそうになってたから助けたら俺が落ちた」
伊吹「それで右肩を捻挫ねぇ・・・自分が助けられる立場になってどうするの」
P「申し訳ない」
イヴ(肩・・・触らない方がいいですねぇ・・・)
イヴ「PさんPさん!ドラマの役もらえそうなんですぅ♪一緒に────」
P「え゛・・・マジ?」
村上巴「マジじゃ。ハワイの音楽祭に呼ばれたんじゃ」
P「・・・すっげぇ・・・巴が真摯にアイドル稼業に力を入れてきた成果だな!」
巴「うむ!Pよ、ウチはまだまだ進むぞ!!」
P「おう、それに応えてやるさ!」
イヴ(えぇ・・・あぅぅうう・・・)
イヴ「Pさん、一緒にお散歩に行きま────」
P「ぬおおおおおお・・・・・・」
ちひろ「Pさん、ごめんなさいごめんなさい!!!」
P「1年半前のドリンクってぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
ちひろ「本当にごめんなさい!!!なんでもするから許してください!!!」
P「だったらトイレのドアあぁけぇぇってぇえええええ」
ちひろ「はいィ!」
イヴ「・・・・・・グスン」
イヴ(な、何から何までうまく行かないです~、どうしちゃったんでしょう・・・)
イヴ(みんなが私の邪魔してるんでしょうか~・・・そんなわけないですよね)
イヴ(運が悪いのかなぁ~・・・)
イヴ(どうしましょ~~・・・)
─ LIVE会場 ─
イヴ(気分が落ち込んだまま、私は相手の顔もよく見ずゲリラLIVEを受けてしまった)
イヴ(結果は・・・・・・当然、敗北です)
イヴ「はぁ・・・・・・」
イヴ(このままじゃ、Pさんに幻滅されちゃう・・・でも、やりたい事が全部上手くいかないよぉ・・・)
?「イヴ・サンタクロースさん♪」
イヴ「はい・・・?」
?「はじめましてぇ、でいいのかなぁ?」
イヴ「はい。初めましてです~、えっと・・・井村さん」
井村雪菜「うふふ、よろしくねイヴちゃん」
イヴ「井村さんはどうしてここに~?」
雪菜「井村さんだなんてぇ、せっちゃんでいいですよぉ?」
イヴ「でも年上の方にはぁ・・・」
雪菜「ざんね~ん、私は17歳でイヴちゃんの2歳も下なんですよ!」
イヴ「えっ、すごいです~・・・」
雪菜「私のメイクはピカイチです!メイクひとつで5歳若返らせますし、10歳年を取らせることだってできますよぉ?」
イヴ「だからえっと・・・せっちゃんはすごく大人っぽく見えたんですね~♪」
雪菜「私のプロデューサーが大絶賛してるんですよ!菜々ちゃんも智絵理ちゃんも私がメイクしてあげてるんですぅ!」
イヴ(菜々ちゃんと智絵理ちゃん・・・確か、総選挙の時のトップクラスに名を連ねるアイドル・・・)
P『Cuプロで本当に一番気をつけないといけないのが井村雪菜さんだ。どれぐらいヤバいかと言うと総選挙でCuプロのアイドルの名前があったらその後ろにカッコで井村雪菜って書いて覚えておいた方がいいレベルだ』
桃華『井村雪菜さんがいると周りのアイドルが武器そのものになると言っても過言ではありません。1人で戦うのは無茶ですわ』
イヴ(あれ・・・?)
イヴ「あの~・・・もしかして今LIVEした相手って・・・」
雪菜「私ですよぉ?やっぱりボーっとしてたんですね」
イヴ(や・・・)
イヴ(やっちゃいましたぁ・・・・・・)ダラダラダラ
雪菜「どうしたのイヴちゃん」
イヴ「い、いえ~なんでもないんですぅ」
雪菜「でもちょっとショックでしたよ」
イヴ「え?」
雪菜「せっかくイヴちゃんと勝負できるーって場面だったのに、当のイヴちゃんは上の空だったんです」
イヴ「あぅ・・・ごめんなさい~」
雪菜「何か悩みごとでもあるんですかぁ?」
イヴ「・・・・・実は・・・」
イヴ(私は今あるPさんへの悩みについて正直に話しました)
雪菜「なるほどぉ、恩返しがしたいのですね♪」
イヴ「そうなんです~!でも、やろうとしてもタイミングが悪くてぇ・・・」
雪菜「月に叢雲、花に風・・・ことわざ通りの結果ですねぇ・・・」
イヴ「月にむらまさ、はないちげ?」
雪菜「月に叢雲、花に風!ですぅ。よいと思ったことをやると邪魔が入ってしまう、長続きしないという言葉ですぅ」
イヴ「うぅ・・・このまま上手くいかないんでしょうか~・・・」
雪菜「そーですねぇー、私ならその雲さんも風さんも味方に付けちゃいますね♪」
イヴ「味方に?」
雪菜「どんな問題が出ても自分にとって良い事にしちゃえばいいんです!月だって雲がかかってぼんやり見えたら幻想的ですし、花は風に負けてしまうか弱さを持つからこそその輝きを皆が目に焼き付けますぅ」
イヴ「良い事に・・・」
雪菜「大切な人との時間が作れないなら・・・その分をバネにして目一杯甘えちゃえばいいんです」
イヴ「・・・・・・」
イヴ(目一杯甘える・・・)
雪菜「イヴちゃん、良いアドバイスになったと思うんだけどどうかな?」
イヴ「はいっ!まだモヤモヤがあるけど、何か光が見えた気がします~!」
雪菜「うふふ、それは良かったですぅ!」
イヴ「こうしちゃいられない!今すぐ会ってきます~♪」
雪菜「あ、ちょっと待ってください!」
イヴ「?」
雪菜「私の魔法のメイクで後押ししてあげますぅ♪」
─ 事務所・事務室 ─
イヴ「ただいま帰りましたぁ~♪」キラキラ
朋「イヴちゃん、おかえりー♪」
みちる「おかえりなさーい」
P「おう、イヴか。おかえり・・・って、うお?」
イヴ「どうかしましたか、Pさん?」キラキラキラ
P「おおおおおおお・・・・・・どうしたんだそのメイク・・・」
イヴ「せっちゃん・・・井村雪菜さんにやってもらいました♪」キラキラキラ
P「あの井村さんに・・・でもこれは・・・」
P(息を飲むレベルの魅力だ・・・見惚れる・・・いや、吸い込まれる・・・)
イヴ「あはは、Pさんってばそんなに見つめちゃ照れちゃいますよ~♪」
P「え、あ、うん・・・」ガシッ
朋「ちょっとぉ、Pったらイヴちゃんの肩掴んで何やろうとしてるのかしらね」ジー
みちる「ものすっごく熱視線を送っていますよ、あれ食パンが焦げるレベルですよ」ジー
朋「P、どうしたの。あんたそんなプレイボーイじゃないでしょ?」
P「分かってる分かってるけど・・・」
P(ヤバい、イヴにキスしたいキスしたい・・・なんで、どうして、誰か答えて!吸い込まれるぅ!!)
イヴ「Pさん♪」
P「あ、れ・・・?」
朋「ちょちょちょちょ・・・!何キスしようとしてんのよ!!」ガシッ
みちる「ダメですよ!キスするたびに胃炎起こしてるPさんが自らキスしたら入院モノですよ!!!」ガシッ
イヴ「あー!止めちゃダメですぅ!」
P「朋、みちる、そのまま止めておいてくれ!なぜだか知らんがイヴに吸い込まれてるんだぁ!!」
朋「なぜってなぜよ!!」
みちる「多分、井村さんのメイクのせいですよ!!」
P「なにぃ、やはり井村雪菜さんのメイクは本物だっ!!」
朋「井村雪菜!今度あったらPを間接的に誑かした罪でコテンパンにしてあげるんだから!!」
イヴ(月に叢雲、花に風・・・。今の状況なら、朋ちゃんとミッチーちゃんが私にとっての雲さん風さん・・・)
雪菜『私ならその雲さんも風さんも味方に付けちゃいますね♪』
イヴ(なら、私はどんな状況でも相手にプレゼントを送っちゃいますぅ♪)
イヴ「えいっ♪」チュッ
P「むごっ!?」
2人「「あぁぁぁぁ───っ!!?」」
終わり
以上です。読んでくれた方はありがとうございます。
「月に叢雲、花に風(つきにむらくも、はなにかぜ)」とはよいことには邪魔が入りやすく、長続きしないというたとえです。
似た言葉に好事魔多しって言葉もありますね。
今回はすごくあっさりに仕上がってしまいました。
自分でも驚いてます。
さて、次回は
・梅木音葉「据え膳食わぬは男の恥」
を予定しています。
ではまた。
チラ裏&アンケート
今回は艦これネタが入っていました。多分、客層は似てるのでちょこっと入れても大丈夫かなーと思って入れました。
次回で一応、○○プロのメンバーがタイトルになるのが一巡します。
さて、アンケートです。
Q.タイトル名のキャラクターに関して2度目の使用はアリか?ナシか?
1.アリ
2.ナシ
3.どっちでもいいからあのアイドルを出してくれ!
1がしか無さそうなので2巡目の使用もアリで物語を書いていきたいと思います。
他の事務所組も積極的に出せればいいなぁ・・・。
ちなみに来月の19日で当SSシリーズが一周年経ちます。だからと言って何かやるわけではありませんが。
では次々回ですが
・矢口美羽「釣鐘に提灯」
・並木芽衣子「箸にも棒にも掛からない」
・成宮由愛「鳶に油揚げを攫われる」
のどれかで行きたいと思います。
ではまた。
>>56
ミス 逆でした。
×矢口美羽「釣鐘に提灯」 → ○「矢口美羽「提灯に釣鐘」
前回のお話が過去スレに行ったので誘導です。
榊原里美「危ない橋を渡る」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1398/13987/1398758619.html)
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