村上巴「隣の花は赤い」 (83)
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。
以前のお話に戻る場合はSS wikiを通ってください。
http://ss.vip2ch.com/ss/%E3%80%90%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%80%91%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%8F%E3%81%96%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
前回
藤原肇「井の中の蛙大海を知らず」
藤原肇「井の中の蛙大海を知らず」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1392/13921/1392130626.html)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396134464
─ 前回のお話 ─
・藤原肇、○○プロに入社
・プロデューサーという仕事はモテる模様
─ 事務所 ─
村上巴「・・・・・・」ジュースゴクー
藤原肇「あの、Pさん」
モバP(以下P)「ん?どうした?」
肇「Pさんのために湯呑みを作りました。ぜひ使ってください」
P「おー、ありがとう。大事に使わせてもらうからね」
肇「・・・・・・」
P「・・・・・・」
肇「レッスン行ってきますね」テレテレ
P「行ってらっしゃい(気まずい)」
巴「・・・・・・」ポテチパクー
並木芽衣子「ねぇねぇプロデューサー!次の大きな仕事がラスベガスだって聞いたんだけど本当!?」
P「そうだよ、カジノ巡りだ。日本でもカジノを作るかどうかって今議論になっているから、話題先取りってヤツだな。バニー着るから珍しくセクシー系で攻められるぞ?」
芽衣子「やったー!プロデューサーだーいすき!!」
P「お、おう(気まずい)」
芽衣子「プロデューサーが一緒にいられるのはいつなの?ずっと?」
P「芽衣子と一緒に動くのは二日目の昼から三日目の朝までだな。それ以外はテレビ局の女性スタッフと一緒に行動してもらう」
芽衣子「分かった!ダブルベッドと教会予約しておくから待ってるよ!」
P「バッ、バッカモーン!!」
芽衣子「えへへ♪」
巴「・・・・・・」ケータイポチー
五十嵐響子「Pさん!お弁当作って来たんでぜひ食べてください!」
P「これはまたずいぶんと手の混んだこと・・・」
響子「Pさんと絶対に会える時に出来立てをプレゼントしたくて・・・」
P「ありがとう(気まずい)」
響子「ホントだったら心臓だって、処女だって、身体全部あげたいのに・・・」
P「へ?」
響子「あ、いえ!なんでもありません!!お仕事いってきまーす」
P「・・・最近の高校生は贄の概念でもあるのだろうか・・・(現実逃避)」
P(だ、ダメだ。こんなんじゃいずれ大きな間違いを犯す・・・、気持ちを改めないと・・・)
巴「・・・ふむ」
成宮由愛「巴ちゃん・・・どうしたんですか?」
巴「・・・Pはモテるのぅ」
由愛「そうですね。でも・・・Pさんに恋した人たちは皆・・・強く輝くアイドルになってるのも事実」
巴「恋の力は凄いが、なぜこうもPに恋する輩が多いんじゃ」
由愛「それは・・・分かりません」
巴「ウチはパっと見、アレかと思ったんじゃが」
由愛「アレ?」
巴「『隣の花は赤い』」
由愛「『隣の家の芝は青い』・・・じゃないんですか?」
巴「そうとも言う。ともかく、Pに恋する人を見てて、羨ましいからPに恋するという流れではないかと見ている」
由愛「すごく・・・寂しい理由ですね」
巴「じゃが、そうでも理由付けしないと納得がいかん。正直、異常な光景じゃ」
巴「互いにギスギスすることなく、Pに好意を向けて、それを公表できる空間」
由愛「聞いてるだけなら素敵な空間だけど・・・」
巴「・・・ウチは二人の女の尻を追いかけた男の末路を知っとる」
由愛「?」
巴「車に轢かれ、そのまま電柱に激突。頭は車と電柱の間に挟まれ飛散」
由愛「ひっ・・・」
巴「由愛、すまん。脅すつもりはなかった」
由愛「でも・・・」
巴「そうじゃ、Pの行く末は同じかもしれん」
由愛「そうならないように・・・私たちが見てないと・・・」
巴「そうじゃな。ここまで来ると、Pも選ぶ事自体が死に直結する可能性があるやもしれんのぅ」
P「巴、由愛、ちょっといいか?」
巴「なんじゃ?」
由愛「はい、大丈夫です」
P「今日はレッスンだったけど、変更だ」
二人「?」
P「Paプロにお邪魔しにいく、そこにお前たちと海を連れて行きたい。どうかな?」
巴「異論はないぞ」
由愛「はい・・・大丈夫です」
P「よし、決まりだな」
由愛「でも、どうして急に」
P「実はさっき電話でな・・・」
~ 10分前 ~
Pipipipi...
P「電話だ。相手は・・・CoolPさん?どうしたんだろう」
P「お電話ありがとうございます。○○プロダクションのPです」
CoolP(以下CoP)『おー、ハロハロー。愛しのPちゃんおひさー、っであだだだだだだ!!加蓮!いだい!やめでぇ!!』
P「はぁ・・・お久しぶりです。そちらも元気そうで」
CoP『ちょっと元気すぎて、Pちゃんの声聞いただけで前屈みになr、ってああああああああああ!!!奈緒、小指小指!!』
P「それで、ご用件は?」
CoP『ごめんごめん、ジャックに会ったことある?』
P「ジャック?聞いた事ありませんね」
CoP『あー、じゃあ分からなくて当然だ。ジャックってのはPaプロのとあるプロデューサーの通称なんだけどさ』
P「Paプロの?」
CoP『そうそう、うちのCoプロのアイドルじゃ到底出せないエッチな表情が似合うアイドルが多いPaプロの・・・、でああああいぃぃぃぃl!!!凛ゴメン!ゆる、あがががが!!』
P(怪しい単語使わなければいいのに・・・)
CoP『ハァハァ・・・まぁ、そこのプロデューサーがどうしてもお前さんと会いたいんだってさ』
P「私にですか?」
CoP『もちろん自分のところのアイドルを連れていくといいよ。あそこは色々とアグレッシブだし』
P「はぁ・・・」
CoP『ってか、ひどいよねぇ。僕の恋人であるPちゃんを奪おうだなんてジャックも、でいだだだあだだああああ!!!トライアド腹ちねりぃぃぃいいいいいいいい!!!!?』
P(いつ俺はアナタの恋人になったんだ、俺はそのケはないぞ)
CoP『そ、そういうことだから、今日行ってあげて』
P「え゛!?今日!?ちょっとどういうことですか!?CoPさん!!?」
P(その後、ツーツーという音と共にCoPさんの音信は途切れた)
~ ~ ~ ~ ~
P「・・・というわけだ」
巴「大丈夫なんか?」
由愛(首を縦に振る)
P「実はこの業界入ってからPaプロのプロデューサーは会った事がないんだよね。いい機会だし、会ってみたい。一応、以前からおいでおいで言われてたんだけどね」
巴「ふむ、まぁ友達がいないわけでもない。大丈夫じゃろう」
由愛「巴ちゃんに海さんがいるなら・・・大丈夫です」
P「OK、さっそく向かうことにしよう」
─ Paプロ・入り口 ─
一同「「ほぇぇぇ・・・」」
杉坂海「PaプロもPaプロですっごいねぇ・・・」
巴「じゃなぁ・・・」
由愛「はい・・・」
一同が思わず呆気に取られてしまうのも無理もない。
以前、智香と共にCoプロへお邪魔しに行った時に智香がCoプロのビルを写真に撮っていたので、皆にはその大きなビル全貌を知っている。
だが、このPaプロはまた違う方向で違う。和の豪邸、早い話がお屋敷なのだ。
それも広大、いや超広大。ホームページによるとその土地全貌は東京ドーム4つ分以上はある。
敷地内には森はあり、川があり、アスレチックあり、キャンプ地あり・・・。
プロダクション全体がまさしくある種のアミューズメントパークのような感じである。
P(こりゃ迷ったら帰れなくなりそうだ・・・)
巴「ウチの家以上じゃぞ、これは」
P「だよなぁ・・・、一応関東だよな、ココ・・・」
由愛「はい・・・圧倒されてしまいそうです・・・」
?「あれ?村上巴ちゃんに杉坂海さん、成宮由愛ちゃん!○○プロの方ですね!ようこそ、Paプロへ!」
P「そういう貴女は高森藍子ちゃん?」
巴「高森藍子・・・Paプロのエースの1人・・・」
高森藍子「知っていただき光栄です!さぁさぁ、こちらへ。ジャックさんがお待ちですよ!」
P(CoPさんも行ってたけど、ジャックって人の名前なのかな・・・?)
─ Paプロ・多目的室 ─
ワイワイガヤガヤ・・・。
P「あれ、人がいっぱいいる、カメラまで・・・」
藍子「はい、今日集まって頂いたプロダクションは30社、集まったアイドルは68名に登ります」
P「え!?今日は何かあるのかい!?」
藍子「えっと・・・もしかして、聞いてませんか?」
P「う、うん。CoプロのプロデューサーがPassionプロダクションが呼んでいる、としか」
藍子「んーと、あとでジャックさんが説明してくれるよう、掛け合っておきますね」
P「ごめんなさいね」
藍子「いえいえ、CoPさんの破天荒さは私たちも知ってますから」
【まもなく上演です。撮影する場合ライトをOFFにして行なってください】
P「?」
由愛「PVでも・・・あるんでしょうか・・・」
藍子「座って見ててくださいね、あやめちゃんの勇姿を!」
P(藍子ちゃんはすぐさま部屋を出て行ってしまった、あやめ?もしかして、あの浜口あやめちゃんか?)
P(そして、部屋の明かりは消え、まっくらになる・・・)
デンデンデンデンデン・・・♪
P(太鼓をベースにしたイントロが流れてきた・・・)
デン!
P(イントロが終わるのと同時にステージにスポットライト、そのライトの中心には女の子がひとり、印を結んでいた。あれ、これどこかで見たことあるような・・・)
由愛「Pさん・・・あやめさんです」
P「ああ、確かに。あのお団子ヘアーは間違いない・・・」
由愛「かっこいいです・・・」
デケデケデケデケデンデン!!!
P(曲が激しくなってきた。すると同時に男女二人の別の忍者が現れ、あやめちゃんを囲うように迫っていく)
巴「なんじゃ・・・あやめはドスを持っとらんのか・・・」
P(言われて見れば、後に現れた忍者二人は刀を持っているが、あやめちゃんは持っていない)
デン♪デン♪デン♪
P(曲のインパクトに合わせ、謎の忍者はあやめちゃんに持っている刀で斬りかかる。あやめちゃんはスレスレで避けていき、届きそうな攻撃は腕で捌いていた)
P(凄い。殺陣はアイドル業だけでなく、俳優業やCGグラフィックス業界などでも取得を推奨されており、実際にウチのプロダクションでも亜季ちゃんと伊吹に特訓させているが、それよりもはるかに殺陣ひとつで世界が成り立っている・・・)
海「あっ!!」
P(海が思わず声を出してしまうようなえげつない刀の振り方であっても、華麗に避けるあやめちゃん・・・)
ギンッ♪
由愛「キャッ!?」
巴「・・・・・・っ」
海「ひっ・・・」
P(思わず、ウチのメンバーが全員が声を出してしまった。謎の女忍者の刀を小手で防ぐという一歩間違えば大怪我間違いなしの行動もなんなくやってしまう・・・)
バシッ!ズバッ!!
P(そのまま女忍者の腕を掴み、引き寄せる・・・あれは・・・エルボー!?)
巴「一匹殺したか・・・」
P(ひるんだ女忍者から刀を奪い取り、首目掛けて切り上げ!相手の女忍者は吹っ飛び、ステージ裏へと消えてった)
ガン!!ガン!!ガンッ!!
P(だが終わりではなかった。まだ男忍者が残っていた)
P(彼とあやめちゃんは鍔迫り合いを繰り返し、なんともハラハラする戦いを繰り広げている)
ガギンッ!!
由愛「あっ!!」
P(男の斬撃により、あやめちゃんは手持ちの武器を弾かれる!)
ゲシッ!
P(だが、その場でバク転をし、相手の剣を弾く・・・)
ザスッ!!
P(そして、着地と同時に踏み込み、男のミゾ目掛けて正拳突き・・・!決まった!!)
バタッ!!
P(男は倒れ、BGMはゆるやかなモノとなる。おや、あやめちゃんが・・・こちらを向いて・・・一礼。どうやら終わったようだ)
由愛「楽しかったです・・・とても・・・興奮しました」
巴「あのあやめとやらは中々の実力者じゃな。ウチの若造を鍛えてやって欲しいくらいじゃ」
海「いや~・・・いいもん見れたね」
P(だが、俺はどうにも既視感が拭えなかった。いや、アレンジされているんだろうけど、どこで見たっけなぁ・・・)
藍子「○○プロの皆さん、いかがでしたか?」
由愛「はい、とっても素敵な劇を見せてもらいました。ありがとうございます・・・」
藍子「こちらこそ♪では、ジャックさんが呼んでいるので、こちらへどうぞ」
─ Paプロ・事務室 ─
藍子「ジャックさん、連れてきました」
ジャック?「おぉ~おぉ~、やぁっと来たかー。待ちくたびれたぜー♪」
P「あれ、その服装・・・」
ジャック?「ふふふっ!」
ダンッ!シュバンッ!!
P(バク転の後に捻りながらの回転ジャンプ!!)
ジャック?「よっと!」
P(キレイな着地の後、自慢げに口を大きく開けて笑う)
ジャック?「改めて自己紹介。俺の名はPassionP、通称ジャックだ」
PassionP(以下PaP)「さっきの劇であやめに襲い掛かる忍者の1人を演じてた。どうだ~?うちの子たちの実力は?」
P(あっ・・・!!)
P「そういうことか・・・だからジャックか・・・」
PaP「お、名前の理由は分かったか」
巴「Pよ、分かったのか」
P「ああ、みんなはジャパンアクションクラブって知ってるか?」
由愛「分かりません・・・」
巴「聞いたことないのう」
海「ごめん、ウチも」
P「早い話がアクション俳優を育てる会社なんだ、スタントマンとかも」
PaP「ははっ、今は名前が変わっちまったからな!Japan Action Clubの頭文字をとってJAC、ジャックだ」
P「と、そうなるとアナタは・・・」
PaP「そそ、JACの出身だ。元々はアクションスター目指してたんだがな、教える方が身に合ってたみたいだ」
P「だから、さっきの劇は・・・」
PaP「日光江戸村、大忍者劇場!俺とあやめの思い出の地だ。知っててくれて嬉しいぜ、あそこの劇をベースにしたやつだから分かりやすかったろー」
P「やっぱり」
P(最初の印を結ぶシーンは印象的だからなぁ・・・俺もよく覚えてる)
PaP「んでよ、さっき藍子から聞いたが、今回何も知らされずにCoPに行け言われたんだって?」
P「あ、はい。その通りです」
PaP「あんのお馬鹿、腹抓られる前に用件全部言えっての」
P「あー、周知の事実なんですね、アレ」
PaP「ああ。CoPは昔からああやってオシオキ受けてた。今となっては『コミュニケーションの一部だっ!』って止める気ないみたいだがな」
P「それで、今日呼ばれた理由は・・・」
PaP「おっと、アイツのせいで忘れるところだった。今日呼んだのは撮影があるからなんだ」
P「撮影?」
PaP「おう、さっき劇をやった部屋にはたくさんの人がいただろ?」
P「ええ。中には見覚えがある人がいたのですが」
PaP「あれ、全部中小のアイドル事務所のアイドルとそのプロデューサーやマネージャーだ」
P「ん?でも、なんであんなに集めたんです?」
PaP「そんなもん、俺らのライバルを増やすためよ」
P「ライバルは減らすもんじゃ・・・」
PaP「違うねぇ、俺らPaプロは燃えてぇのよ。心の奥底からのバーニング!弾けろパッション!これが俺らの、あっ、勝負魂ぃ~!!」
P「な、なるほど。だから私たちも」
PaP「そういうことだ。単純に○○プロと戦いたい、それだけよ」
PaP「だが、○○プロは絶対防御、城壁の如し堅実的なプロダクション、サシで勝負をするのは多分断られるだろうしな」
P「あはは・・・申し訳ない」
PaP「んで、たくさんのプロダクションとそこのアイドルを呼んで、アイドル運動会と題してイベントを行うつもりだった」
P「えぇ!?」
PaP「もちろん、Paプロとしての実力を見せるためでもあるが、同時に新しいアイドルたちが日の目を浴びてほしい、そう思ってここの社長が考えたんだ」
P「はは~・・・それで・・・」
PaP「それで、是非とも○○プロに参加して欲しくてな。コネ持ってるCoPに頼んだが、半分失敗したかぁ」
P「・・・」チラリ
由愛「?」
巴「む?」
海(手を振る)
P「撮影まで後どれぐらいあります?」
PaP「ざっと、20分だな」
P「分かりました。お待ちください」
─ Paプロ・廊下 ─
P「みんな、この後撮影があるのは聞いたな?」
巴「うむ」
由愛「はい・・・」
海「そうだけど・・・」
P「これは契約していない仕事なんだ、だから断ってもいい」
海「なるほどね、早い話が飛び入り参加になってしまうと」
P「ああ。俺の売り方ではあるが、堅実的に他と被らない・・・すなわち比べる対象を近く置かない売り方で今までこの地位を勝ち取ってきた」
P「だが、今回のは大きく違い、まずは格上のPaプロが主催しているイベントであるということ」
巴「ふむ」
P「そして、俺達と同レベルまでのアイドルが何十人か」
由愛「はい・・・」
P「つまり、俺らが確実に比べられるという場面になるということだ」
P「今まで比べられるタイミングはフェスティバルやドリームLIVEの時のみ。そうやってメリハリを付けることでファンの人たちに飽きられずに楽しんでもらってた」
P「すなわち、このPaプロのイベントに参加するようなマネはあんまり前例はない、未知数というわけだ」
海「あんまりないってことはあるんだね、一応」
P「個人レベルのはな。前に朋がチャレンジLIVE参加しただろ?あれもそうだし、ゲリラLIVEはやってないわけじゃない。そうじゃなきゃ765プロに芽衣子1人で勝つなんて奇跡は起こってないからな」
海「ふむふむ。つまり、今回は個人レベルじゃないから参加しないって事が選択肢にあるのね」
P「ああ、一度許してしまうと次々イベントの参加を要求されてしまうからな」
巴「でも、何故イベントに参加しない?」
P「アイドル戦国時代と言われたこのご時勢だからな。アイドルに貴重性がまったくないんだよ。テレビ点ければとりあえずどこかにアイドルいるし」
P「あの人に会って見たい!!って気持ちを膨らませてあげないと、ライブとかのリピーターにはなってくれないからな」
由愛「じゃあ・・・今回は出ないんですね・・・」
P「ところがどっこい」
3人「?」
P「みんな、あの会場には誰がいた?」
海「あやめちゃん?」
由愛「アイドルの・・・みなさん?」
巴「カメラじゃな」
P「そう、多分テレビ局のカメラだ」
海「じゃあ、もうあやめちゃんの舞台は映ってるんだね!」
P「そう考えるとテレビ上ではあやめちゃんだけが注目され、既に分はPaプロにある。つまり今ここにいるアイドルたちだけで人気投票をするとなると・・・」
海「ほぼ100%が浜口あやめちゃんの票になる!」
P「そういうことだ。つまり、俺達が出ても、元から減るモノは少ないということだ」
巴「つまり・・・浜口あやめを代表するPaプロの票をどれだけ奪うことが出来るのか、ということ・・・」
P「うん。今までの通例を徹底的に守るか、取れる票を奪える時に奪うか・・・その判断はお前達に委ねよう」
由愛「Pさん」
P「ん?」
由愛「出ましょう・・・」
P「由愛!?(乗り気な性格ではないと思ったんだが)」
由愛「先ほどのあやめさんの演技を見て、負けてられないと思いました・・・いずれ大激突するなら・・・勝てる時に勝っておきたいです・・・」
P(なんというか・・・若いというか・・・)
巴「Pよ、ウチも賛成じゃ」
P「ん。巴はそんな気はしてた」
巴「我が○○プロに弾丸を送りつけた事を後悔させてやろう!」
P「海は?」
海「ん?ウチは・・・まぁ、参加するかな」
P「あんまり乗り気じゃないな」
海「Pさんがネガティブじゃない日って何か起こりそうだし・・・」
P「ひどいっ!」
3人「はははははっ!」
海「でも、普段のネガティブなPさんだからこそ、絶対に間違った選択はしないって安心できてた自分もいる」
P「海・・・」
海「不思議だね、あははっ!まぁ、巴も由愛もやる気マンマンだし、ウチも一肌脱ごうかな!!」
P「・・・それじゃ、みんな参加でいいね?」
巴「おう!」
海「うん!」
由愛「はい!」
─ Paプロ・事務室 ─
PaP「おっ、選択肢は固まったかな?」
P「ええ」
P「ジャックさん・・・勝負しましょう」
PaP「・・・ハッハー!!そうこなくっちゃ!!藍子っ!!」
藍子「お呼びですか?」
PaP「○○プロの衣装を用意してやれ!今日は大ゲンカよぉ!!」
藍子「はいっ!!」
─ Paプロ・広場 ─
P(Paプロにはとても大きな広場がある。大きさを言葉で表すなら陸上競技場並み、というかトラックがあるから陸上競技場そのものだな)
─ Paプロ・陸上競技場 ─
P(これでよし)
P(集まった人間はテレビ局の人間合わせて200人強に行くか行かないか)
P(だが、先ほどTwitterやFacebookを眺めた所『□□ちゃん出るらしいから行くわ』などの単語を見かけたため、このイベントは部外者立ち入り禁止というわけではない様子)
P(ここでウチのアイドルたちを見に来てくれる書き込みがあると嬉しいが)
海「よっ、Pさん」
P「・・・」
海「明後日の方向向いて、どうしたんだい?」
P「・・・ブルマなんだな」
海「あっはっはっ・・・うん。ちょっと恥ずかしいかな」
P「似合ってるぞ。海は髪が長いからな、普段からビキニとかがよく合うし、チョイスとしては悪くないかも」
海「じっくり見すぎだって」
P「ごめん、今日は仕事モードだからこんな調子かも」
海「・・・ホント、Pさんどうしちゃったんだ?一周まわって怖いよ」
P「・・・なんでだろうね」
海「呪われたんじゃない?」
P「ひぇっ・・・」
海「変な声出さない。・・・っと、巴と由愛も来たようだよ」
P「もしかしてアイドル全員ブルマなのか・・・?」
由愛「Pさん、見ないでください・・・////」
P(由愛は巴の後ろに取り憑くかのように隠れてしまっている)
巴「P、ブルマなんぞ初めて着たぞ」
P「そりゃ俺の世代でも見たことないもの。足が寒そうだなぁ・・・」
巴「うむ・・・足が正直出過ぎじゃ」
P「あとでタイミング見計らってタオルケット借りてくるよ、それまでは3人とも我慢してくれ」
由愛「こ、これでテレビ映るんですか・・・?」
P「そうだね。あんまり言うのもなんだけど、おみ足好きな人も多いから需要は高いはず」
由愛「うぅ・・・Pさんのバカ」
P「お、俺のせいじゃないよ」
由愛「Pさんのバカ、Pさんのバカ、Pさんのバカ・・・」
P「どうしろって言うんだよ・・・」
海「とりあえず満足するまで言わせておきなよ」
PaP「おっ、カワイイ子ちゃんに囲まれてるなぁ!」
P「おっと、ジャックさん」
PaP「おうよ、衣装が同じでも他の所のアイドルだと、こう・・・新鮮でより一層可愛く見える!」
巴「『隣の花は赤い』というヤツじゃ」
PaP「あれっ、『隣の家の芝は青い』じゃないの?」
巴「そうとも言う」
由愛(巴ちゃん、それハマってるの・・・?)
PaP「ははっ、ノリが良くて結構!この後、開会式やって、そこから順に種目が行なわれる。参加は自由だが、事前に申告してくれ」
海「自由参加・・・」
PaP「自分が得意だと思った所、自分なら活躍できると思った所、自分でも出来そうだと思った所に出てくれ」
由愛「はい、ありがとうございます」
PaP「それと・・・P」
P「なんでしょう?」
PaP「あとで話がある、スタッフのテントの所まで来てくれ」
P「分かりました。あとタオルケットあります?」
PaP「んなもん、プロダクションの中に山ほど転がってるから持ってけ」
日野茜「これより!Paプロ主催!第一回アイドル運動会を開催します!!!!」
─ 第3種目 50m走 ─
由愛「Pさん・・・こっちこっち」
P「おう!さてと、海はそろそろかな・・・」
P(第1種目と第2種目はタオルケットを取りに行ってたから見れなかったけど、うちからは誰も参加してなかったからよかった・・・)
パァン!!
巴「皆、足に自慢があるのぅ、中には変なのもいるが」
前川みく「みんにゃー!みくの体操着姿はどうにゃー!?」
ファン1『はよ走れー!!』
ファン2『競技に全力を出さないなんて・・・失望しました。みくにゃんのファン辞めます』
ファン3『今度差し入れにマグロ送っておくよー!』
みく「にゃー!!!!!ひどいにゃーーーー!!!!」
ファン一同『ははははははっ!!』
P(あれはトリプルN芸能社の前川みく・・・ついこないだ繁華街でゲリラLIVE専用アイドルなんて言われてたのに、固定ファンをガッチリ掴んでいたんだな)
財前時子「あぁ、もう!汗まみれだわっ!!!」
ファン4『時子さまー!!汗かいた姿も素敵ですぅ!!』
ファン5『踏んでくださーい!!!』
時子「うっさいわね!!こんなところにまで暑苦しいのよ!!この豚!あとで処刑!!」
ファン一同『・・・最高・・・♪』キュンキュン
P(財前時子・・・新規プロダクションの中では頭1つ抜きん出たアステリズムエンターテイメント社のアイドル・・・あれは素だな、だが素のアイドルにファンが付くのは強力だぞ・・・)
由愛「Pさん・・・もうすぐ海さんです・・・」
P「なにっ!!」
P(海がスタートに並んだ。相手は・・・まったく無名のアイドル二人と日野茜か・・・)
由愛「相手はあの茜ちゃんです・・・」
P「ああ、“熱血”と言えば?と言われて浮かぶ人物1位に輝いたアイドル。当然、運動神経は抜群だろうね」
由愛「海さんは勝てますか・・・?」
P「正直、分からない。海も運動神経は良いと思うんだが・・・」
茜「さぁさぁ!勝負ですよ!ボンバー!!」
海「負けるつもりはないよ、茜ちゃん」
茜「いいですねー、ライバルがいてこそ私はさらに燃え上がる!!どーんと来い!!」
海(もう虎視眈々って感じ・・・、この子だけでものすっごい熱気を感じる)
P(その後、すぐにスタートの合図が鳴り響いた。海に期待してなかったわけではないが、やはり日野茜の運動神経は恐ろしいものだった)
海(くっ、やっぱり茜ちゃんすごく早い!Paプロは彼女よりも足の速い子いるらしいけどさ!)
茜「うぅぅぅぅぅううう!!だぁぁぁぁぁああああああ!!!!」
海(まだ加速するの!?追いつけない!!)
P「うみー!!頑張れぇぇ!!!!」
由愛「うみさーん!!」
巴「おどりゃあ!負けんでないわー!!!」
海(みんなが応援してくれてるんだ、負けてられ・・・)
ガシッ
海(うぇっ・・・?)
P「海っ!?」
由愛「海さんっ!?」
巴「・・・・・・」
P(転倒し、海はビリになってしまった)
海「ゴメン、みんな・・・」
P「転んじゃったんだ。仕方ないよ」
由愛「そうです・・・次、頑張りましょう・・・」
海「うん・・・。ちょっと擦っちゃったから消毒してくるよ」
P「1人で行けるか?」
海「大丈夫だって、歩けるんだし」
P「そうか・・・」
巴「のぅ、P」
P「ん?」
巴「海さんのさっきのレースは隣のヤツに足をひっかけられて転んだんじゃ」
P「本当か?」
巴「間違いないのぅ」
P「まぁ、偶然というか、事故じゃないか?」
巴「そう思えん足の出し方じゃけぇ、人を怪我させる動きじゃ」
P「・・・うーん、断定はできないけど、巴も気をつけてくれ」
巴(首を縦に振る)
─ 第4種目 パン食い競走 ─
由愛「とどかない・・・んーっ・・・!」
P「由愛、もっと膝を伸ばせ!」
由愛「あむっ!!」
由愛(取れました・・・♪)
P(謎の犯罪臭がするぞ、パン咥えた由愛)
─ 第5種目 障害物競走 ─
及川雫「あれー?絡まってしまいましたー」
P(ネットに絡まってるのはPaプロ一の巨乳と言われた及川雫、なぜこの種目に出たし)
巴(・・・・・・)イラッ
巴「・・・フンッ!・・・フンッ!」
P(なぜか巴がものすごい張り切ってる!ダントツ1位だ!)
─ 第6種目 大玉転がし ─
P(個人競技がいくつか終わり、次は大玉転がし)
P(この競技には3人とも出場している。巴や海は心配してないが、先ほどの巴の言葉から由愛が心配である)
P(・・・いや、“海”限定で襲い掛かってくる可能性も否定はできない)
海「よし、次の人頼んだよ!!」
P(だが無事に海の出番の時は何事もなく事が進んだ)
龍崎薫「巴お姉ちゃん、もえてるね!」
巴「そうとも。勝負事なら手は抜かん」
薫「かおるもがんばるー♪」
巴「ついて来い、龍崎!」
薫「おー♪」
P(巴もまた安全に事が進んでいた。Paプロの友達がいると言っていたが龍崎薫の事だったようだ)
由愛「よろしく・・・お願いします・・・」
片桐早苗「ええ!お姉さんにまっかせなさーい!!」
P(由愛はPaプロの片桐早苗さんとペアになり大玉を転がす。片桐さんは元警察という事もあり、正義感ある女性だと聞く。多分大丈夫だろう・・・)
P(個人種目ではないし、敵意を向けられるなんてことは・・・)
早苗「由愛ちゃん、もうすぐ出番よ!」
由愛「は、はい!」
早苗「玉は結構な速さでって・・・由愛ちゃん危ない!!?」
由愛「へっ・・・?」
ドシーン!!
由愛「・・・あうっ!」
早苗「ちょっ、由愛ちゃん大丈夫!?」
由愛「は、はい・・・ちょっと・・・背中ぶつけてしまいました・・・」
早苗「ちょっとぉ!!入れ替わりの時は気をつけなさいよ!!・・・ってあれ?誰もいない」
P(くそっ、観客席から列の中が見にくい!由愛になにがあったんだ!?)
大玉転がしが終わって、どうなったかだけ聞いたが、前の走者が由愛を玉で押しつぶしたらしい・・・。
海&巴「「由愛っ!!」」
由愛「大丈夫・・・です・・・早苗さんが犯人捜してくれるって・・・」
海「そうじゃないよ!由愛は怪我してない!?」
由愛「・・・はい・・・・・・」
巴「さっきのヤツか?いやしかし・・・」
P「・・・確信が得られない以上、下手に報告できないな」
巴「誰が狙われとう分からん。次ウチが狙われたら間違いなく○○プロが標的じゃぞ」
P「・・・そうだな」
巴「どうした、さえん表情じゃのう」
P「いや、なんでもない。笑顔を忘れずにな」ニコ
巴「・・・・・・うむ」
P(2度じゃ・・・偶然だよな・・・?)
P(その後、第7から第9の種目は由愛を見ていると海と巴が肩に力を入れていたので4人で傍観していた)
早苗「ほらほらっどうしたどうした!」
茜「うぅ!ボンバァァァアアアア!!!」
P(特に騎馬戦はやらなくて良かったなと思う)
P(Paプロの運動できるメンツが強すぎる、下手に出ればテレビ的にも養分になるだけだ。それに・・・)
時子「はっ!?私に勝負を挑むなんて愚かね。たっぷりとその体に刻んであげるわ」
みく「うにゃー!!動けないにゃあああああ!!!」
P(財前時子が奪ったリボンで対戦相手である前川みくを縛っている、いやそれ得点にならないから)
─ 第10種目 綱引き ─
藍子「巴ちゃん、今回は仲間です」
巴「高森じゃな、手を抜くことはせんないな?」
藍子「ええ、当然です。頑張りましょう!」
P(参加者全体を2つに分け、そのメンバーで綱引きが行われる。この競技には巴のみ参加している、正直ひとりにしたのは心配だ)
P(その後、すぐにスタートの合図であるパァン!という音が鳴り響いた)
由愛「巴ちゃん!・・・頑張って!」
海「巴ー!へばるんじゃないよっ!!」
P「ともえぇぇっ!!」
「「「せぇーのっ!!」」」
巴「うぎぎぎっ!!」
藍子「ううううううっ!!」
巴(こちらの力が負けているか!引っ張られてる!)
由愛「巴ちゃんのチームが負けてます・・・!」
海「よしもっと応援しよう!」
P「とー!もー!えー!」
巴(皆の前で負け姿を晒すのは・・・!)
藍子「巴ちゃん・・・ネバギバーですよ!!」
巴「んんんっっ・・・!!!」
パァン!パァン!
P(終了の合図が鳴る。巴側のチームは負けてしまった)
藍子「ざ、残念です・・・」
巴「むぅ・・・残念じゃ・・・」
みく「きゃあああああぁぁぁぁぁっ!!」
巴「へっ・・・?」
ズシッ・・・!!
藍子「巴ちゃんっ!?」
P「!?」
由愛「巴ちゃんっ!!」
海「ああもう、ウチ見に行ってくる!」
P「頼んだ!」
P(前川みくが転倒し、巴の上にのしかかった!前川が犯人!?いや、あの悲鳴はガチの悲鳴だ。後ろから押されたのか?)
P(PaPさんの所に行こう。やはり俺達は狙われてるのかもしれない!)
みく「だ、大丈夫ですか!!?」
巴「・・・・・・かはっ、ぜっ・・・ぇ・・・」
藍子「巴ちゃん!深呼吸してください!」
巴「す、すすすー・・・」
海「巴!?くそっ、胸を打ったか!背中さすってやるからちゃんと息して!」
みく「あわわわわあわわわわ・・・!!」
巴「ぜぇっ・・・はぅ、はぅ、はぅ・・・」
海「そうだ巴。ゆっくりと深呼吸だよ」
藍子「タオル持ってきます!」
巴「はぁっ・・・すぅ・・・はぁっ・・・けほっけほっ!」
海「よし、ちゃんと息できたね」
巴「・・・ありがとうございます」
海「生きてれば安い!・・・それよりも」チラッ
みく「み、み、みくは悪くないよ!」
みく「ほら、見て!背中に靴跡が!」
海「蹴られた?」
みく「そうだよ!みくのかわいい背中に向かって蹴りいれてくるとかひどいよ!・・・ニャ」
海「誰か蹴った相手の顔を見てないか?」
時子「見たわよ」
海「ホント?」
時子「横顔だけだけど、ものすごく陰気な顔だったわ。あれは豚の価値もないわ、最低のクズの顔ね」
海「もっと詳しく!」
時子「残念だけど、私が見たのは横顔だけよ。蹴った後、すぐに逃げてったわ」
海「ちくしょう、逃げられた・・・」
巴「すぅ・・・はぁ・・・(息が整わない・・・)」
─ Paプロ・運営のテント ─
PaP「おっと、来たか」
P「ジャックさん、単刀直入に聞きます。うちのアイドルにけしかけているのはPaプロですか?」
PaP「おいおい・・・俺たちは勝負事が好きなだけであって人を怪我させるような真似はしねーぜ」
P「・・・・・・」
PaP「もしかして、既に怪我させられたか?」
P「ええ、うちの杉坂が転倒させられ、膝に擦り傷を負っています。原因は50m走の時に足を引っ掛けられたの事」
PaP「偶然という可能性は?」
P「その後の大玉転がしの時に隣にPaプロの片桐早苗さんがいるにも関わらず成宮のみが大玉で押しつぶされるという事がありました」
P「そして先ほどの綱引きの時には他のアイドルを突き倒し、村上が下敷きになっています」
P「これは間違いなく的確に我が○○プロのアイドルが狙われています」
PaP「3種目だけじゃ判断できるわけねぇだろ、他にも怪我してるアイドルがいるんだし・・・って言いたいんだけど」
P「?」
PaP「実はここに呼んだ理由なんだがな、○○プロが参戦したという情報を聞いて飛び入り参加したプロダクションがあるんだよ」
PaP「名前は数65プロダクション」
P「すうろご?変な名前ですね、765プロを模倣でもしたのでしょうか」
PaP「アイドルは1人、マネージャーも1人の全体で2人だけのプロダクション。公式Webページはおろか、連絡先の電話番号すらない」
P「いかにも怪しいですね」
PaP「今回のイベントはアイドルであれば参加条件がないんでね、まさか狙い撃ちされるとは思ってなかった」
PaP「怪しすぎるってインターネットで調べたが、まったくの情報ナシ、顔写真もねぇ。一応、株式会社の形式は取ってるが資本金がわずか50円」
P「50円!?」
PaP「会社立ち上げが1週間前。どうみても急ごしらえで立てたプロダクションだ。怪しいとかそういうレベルじゃない」
P「・・・・・・そこが我々を狙っている可能性があると」
PaP「否定はできない。運営でも見張ってるし、片桐が何かあれば止めると意気込んでいるが・・・」
P「自分の身を守るのは自分、と」
PaP「そういう事だ。参加して欲しいと頼んだのに、こんな結果になってしまってごめんな。今度、違う形でお詫びする」
P「・・・・・・」
P(だが、一体誰が俺たちを狙っているんだ?○○プロダクションが恨まれる理由は大概『戦える回数が少ない』という事ぐらい、根っから嫌われる事はよほど無い・・・と思いたい)
PaP「なぁ、お前さんならどうするよ」
P「どうするって・・・」
PaP「お前もプロデューサーなんだろ?自分のアイドルを守るために何かないのか?」
P(・・・そうだった。俺はプロデューサーだ、普段は自分の貞操ばっか守ってるけど本当に守らないといけないのはあの子たちだ)
P「ジャックさん、手伝ってもらえませんか?」
PaP「おうよ、やれることはなんでもやろうじゃないの」
~ 昼休み ~
由愛「巴ちゃん・・・落ち着きましたか・・・?」
巴「あぁ・・・なんとか・・・」
海「この後病院で検査してもらおう。思いっきり胸打ったんだし骨が折れてても不思議じゃないよ」
巴「こんなもん唾つけとけば・・・いたっ・・・」
由愛「ダメです・・・動いちゃ響きます」
巴「くそぅ・・・」
海「辛かったらすぐに言ってね・・・んで、Pさんは何やってるんだ?」
PaP「あー、あー、マイクチェック!」
海「ジャックさん?」
PaP「みなさーん!申し訳ありませんが、持ち物検査です!先ほどの綱引きの時に『前の人のポケットに入っていたモノが足に刺さった』との報告がありました」
藍子「もし競技中に大きな事故に発展してしまったらテレビ的にも映せなくなるので」
早苗「危険物を身に付けていないかチェックします!カバンの中も一応見せてくださいね」
P「これでうまく行けば・・・」
海「あ、Pさんおかえり」
P「ああ、ただいま。それよりも巴は大丈夫か?」
巴「・・・ちょっと響く」
P「まじかよ、病院直行だな」
巴「めんどうじゃのう、まぁ、明日はわが身じゃが」
P「そゆこと、我慢してくれ」
海「それで、持ち物検査って?」
P「持ち物検査はあくまで手段だ、怪しいやつを炙りだす」
海「もしかしてアイドルを1人1人虱潰しに確認していくの?」
P「そういうこと。もし俺たちを狙ってるヤツが危ない凶器とか持っていたら大変だろう?」
海「ナイフとかで切られてからじゃ遅いもんね」
しばらくして・・・。
ガヤガヤガヤガヤ
PaP「はい、大丈夫です」
藍子「確認できました、大丈夫です。後半も頑張ってくださいね」
早苗「はいっ、はいっ、はいっ、おっけよー」
藍子「ふぅ、だいぶチェックが終わってきましたね」
早苗「でももし危険物持っていたら、これから出るわよ?」
藍子「えっ、なんでですか?」
PaP「もし刃物などの危険物を持っているなら、いきなり発見されるような事はしないだろう、って事だ」
早苗「私が犯人なら終わった人に危険物預かってもらって検査受けるわよ」
PaP「ありえるな。だが、どこのどなたか知らないだけで、何人かは犯人を見ているんだ」
「嫌にゃああぁぁぁぁ!!」
PaP「なんだ!?」
みく「そんなもの預かれるわけないにゃ!っていうかさっき蹴った人でしょ!!」
女「あぁ!?てめぇどの口が言えんだよ、このクズ!!とっとと受け取れよ!」
みく「ぜったい嫌!!」
女「また蹴られてぇのかっ!」
みく「人を平気で傷つけるような人には屈しないにゃ!!」
PaP「日野っ、浜口っ!いたぞ捕まえろ!!」
女「チッ!見つかった!!」
みく「助かったにゃ・・・」
浜口あやめ「ニンッ!」
茜「トラァァァァイッッ!!」
女「アァ!ちくしょう!」
あやめ「忍者は足の速さも自慢なんです。ニンッ!」
茜「ジャックさん、がっちり捕まえておきました!」
PaP「でかした!大声でナイフを堂々と出していれば・・・ってお前のプロデューサーは?」
女「はっ、知らない」
PaP「知らないって事はないだろ、数65プロダクションのアイドルが」
女「あたしんとこ、出来たばっかのプロダクションなの。名前なんてまだ覚えてないしぃ」
女「っていうかさ、アンタみたいなでっかいところのプロダクションで殺人事件が起こったら素敵だと思わない?アタシ、明日新聞の一面飾れるわ!」
早苗「・・・ジャック君、これ囮よ!!」
PaP「・・・○○プロがまずい!!」
海「あっちの方が騒がしくなってきたよ、犯人見つかったのかな」
由愛「誰も傷つかない方が・・・いいですから・・・」
海「はやく見つかって欲しいって?」
由愛「はいっ・・・」
巴「同感じゃな」
P「だといいんだけど・・・こっちに襲い掛かってきたらどうしよう・・・」
海(ん?ネガティブに戻った?)
P(ダメだダメだ、後ろ向きに考えるな!『なるようになる』!俺がしっかりしないと)
PaP「おぉい!○○プロ!!」
由愛「ジャックさんが走ってきました・・・」
海「血相変えてどうしたんだろう」
PaP「犯人は・・・!」
巴「Pぃ!!後ろじゃ!!」
P「っっ!!!」
ガスッ!!
男「ちっ!あと数センチだったのに!」
P「そう何度も腹手術したくないからね・・・っ!!」
P(危なかった・・・!ナイフを持った男が俺の腹目掛けて突き刺してきた!!なんとか手で押さえる事は出来たけど、これからどうする!?)
巴「P!」
P「逃げろ!!」
巴「っ・・・」
P(俺がここでこの男の腕を離してしまったら、俺を殺した後に巴たちに襲い掛かる・・・ジャックさんが近くにいるとは言え、安全は確保できない!)
PaP「片桐ぃ!防犯用の器具を早く!!」
早苗「今スタッフに頼んだのよ!!」
PaP「P!今助けるからな!」
男「来たらコイツの首を掻っ切る!!」
PaP「くそっ、あと何秒か早く着いてれば・・・」
P「なんで俺らを狙う!」
男「覚えてないのか!?お前が刑務所に送ったヤツを!」
相原雪乃『キャアーーーーーーーー!!!』
暴漢『はっはぁ!アイドル事務所に張り付いてれば、いつか1人でアイドルが出てくると思ってなぁ!?』
暴漢『ここでお前さんを殺せば、俺も一躍アイドル級の人気ものよぉ!』
P「雪乃さんを襲ったあの暴漢か!」
男「あいつは俺の兄貴だ!お前よって逮捕されてから俺と妹の人生は大きく変わった!」
男「後ろ指は指され、アイドルファンを騙るやつらにはリンチを食らい、食事はまともに取れねぇ!」
男「お前らのせいだ!だから俺はお前を殺す!○○プロごとだ!」
P「ただの逆恨みじゃないか!!」
男「女をただのおもちゃにしているやつには言われたくねぇ!」
P「誰がおもちゃにしている、だ!人の命をおもちゃにしているのはそっちじゃないか!!」
P「大体、いきなり現れてナイフで襲ってくる辺り、兄貴と変わらないね!」
男「あァ!?」
P「あなたの兄さんもこんな風にアイドルの命狙った後、俺をナイフで刺してきた」
男「だったらこの手を離してとっとと殺されろ!!」
P「嫌に決まってんだろ!!」
ゴンッ!!!!
由愛(Pさんの見事な頭突きが相手の方の顔面にヒットしました・・・)
男「きゅぅぅぅ・・・」
PaP「取り押さえろ!!」
由愛(その後、すぐに警察によって二人の男女は連行されていきました。突風のように現れては去っていく、そんな人たちでした)
巴「もしもし親父か?頼みたいことが・・・」
由愛(あれ、巴ちゃん?誰に電話してるんですか・・・?)
巴「Pよ、安心せい。今親父のコネで奴らの罪を重くしてもらうよう頼んだ」
P「・・・複雑だよ。知らず知らずに恨まれてたなんて」
巴「知らぬ相手の恨みなんぞ気にしてたらキリがないわ」
P「そりゃ・・・そうだけど」
巴「さっきのPはかっこよかったぞ、いつもああやってガツンと言える姿勢でおれば良い」
P「・・・ありがとう」ダラー
P「って鼻血が・・・」
巴「ぷっ、ははははっ!隣のハナは赤いってそういう意味じゃないわっ!!」
P「笑うなよ、巴・・・はははっ」
この後、無事に運動会は続けられた。
フォークダンスとか鈴割りとか昔を思い出す種目がいっぱいあったけど
我ら○○プロダクションのメンバーはマスコミ陣に追いかけられ、途中で抜ける事になってしまった。
厄介事を持ってきた側の人間としてしょうがないのかな。
Paプロとはまた違う機会に戦うとしよう。その時はプロデューサー、アイドルどちらも全力注ぎたい。
P「それにしても・・・よく株式会社作る案が浮かんだなぁ・・・あの人たち」
誰かが後ろで指示を出しているのだった!・・・なんてね
終わり
乙
朝からいいモン読ませてもらったよ
以上です。読んでくれた方はありがとうございます。
「隣の花は赤い」他の人の持ち物や環境は何でもよく見えて、うらやましく思うこと。
もしくは、他人の持つ珍しいものをすぐに欲しがること。
今回は前者を物語の全体に張り巡らせています。
あと、今回は相原雪乃「転ばず先の杖」
相原雪乃「転ばず先の杖」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1372/13720/1372071540.html)
のお話を少し噛んでいます。読まなくても大丈夫なようにはしたつもりです。
さて、次回は
・西島櫂「恋は思案の外」
を予定していたのですが、その前に
・成宮由愛「目から鼻へ抜ける」
を行います。その次の回に
・西島櫂「恋は思案の外」
・早坂美玲「能ある鷹は爪を隠す」
を予定しています。
ではまた。
村上巴(13)
http://i.imgur.com/MRVry4X.jpg
http://i.imgur.com/QVivrPw.jpg
藤原肇(16)
http://i.imgur.com/dUTfIsq.jpg
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並木芽衣子(22)
http://i.imgur.com/2q760U9.jpg
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五十嵐響子(15)
http://i.imgur.com/ArUs8XM.jpg
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成宮由愛(13)
http://i.imgur.com/88N8iC5.jpg
http://i.imgur.com/AZmamPu.jpg
杉坂海(18)
http://i.imgur.com/3kR0G6J.jpg
http://i.imgur.com/I0OJkWk.jpg
高森藍子(16)
http://i.imgur.com/C0H5VaO.jpg
http://i.imgur.com/SWazpai.jpg
浜口あやめ(15)
http://i.imgur.com/xyT3e4U.jpg
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日野茜(17)
http://i.imgur.com/NX3is9D.jpg
http://i.imgur.com/AbYhBde.jpg
前川みく(15)
http://i.imgur.com/yUbpS6m.jpg
http://i.imgur.com/eOtY37v.jpg
財前時子(21)
http://i.imgur.com/tRBf3rx.jpg
http://i.imgur.com/Jo0NK83.jpg
及川雫(16)
http://i.imgur.com/EvdZgtE.jpg
http://i.imgur.com/jRqAj92.jpg
龍崎薫(9)
http://i.imgur.com/wdQ5VP7.jpg
http://i.imgur.com/YHYaBQq.jpg
片桐早苗(28)
http://i.imgur.com/x1AM1BI.jpg
http://i.imgur.com/OY80kLX.jpg
だいぶ久しぶりじゃね?今から読むわ楽しみ
画像の方、ありがとうございます。
>>71
前回の投稿は2月の上旬でした、1か月半振りになりますね
次回はそこまで長い内容ではないので早めに投稿できそうです。
ちょっとしたアンケート
次のうち○○プロに入って欲しいアイドルは?
1.榊原里美
2.浅利七海
3.矢口美羽
4.そんな事より□□ちゃんを出してくれ(□□は自由)
参考資料 現在の○○プロ分布 Cu:5人 Co:6人 Pa:7人
4
Cuを補充したい…奥山さんで
あと、○○プロの所属名簿があると嬉しい?
みちるとか朋ちゃんみたいに題名に名前でてる子は思い出せるけどそれ以外の子が覚えてるか怪しい…
Cu枠なら柳さん(元看護師)かみんなが大好きフェイフェイダヨー
Co枠だと古澤さん(元怪盗)
Pa枠なら外人枠増加でメアリーさんかキャシーさん
諺に基づいた話にするなら変に増強するより移籍で接するってのも…んがぐぐ
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