【安価とコンマ】剣と魔法の世界で生き延びる その15 (1000)

このスレは安価やコンマで、剣と魔法な世界を生き延びていくスレでした
無事に本編を終え、おまけイベントまで行えるのもご参加くださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございます
亀更新、深くは考えていない行き当たりのため、途中で色々変わってしまうかもしれませんがご容赦を

1スレ目:【安価とコンマ】剣と魔法の世界で生き延びる - SSまとめ速報
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~簡単な当スレの解説~

※ストーリーそのものは1~10スレ目で完結済です
※キャラクター詳細や歩んだ道のり等は、過去スレをご参照ください
※1000ボーナスや残ったゾロ目チケットを消費してのおまけのイベントがメインのスレとなります
※多分、これが最後の筈?
※これまでのおまけは以下の通り

EX1【戦いを終えて~~深紅の令嬢との約束~~】
EX2【戦いを終えて~~帝国皇女姉妹の冒険~~】
EX3【戦いを終えて~~聖国新米衛生兵の奮闘~~】
小イベ『綺麗綺麗しましょ』
EX4【戦いを終えて~~帝国皇女と王国騎士の触れ合い~~】
EX5【戦いを終えて~~帝国恋愛模様~~】
EX6【戦いを終えて~~帝国第二皇子の初体験~~】
小イベ『歌うことは心の豊かさ?』
EX7【戦いを終えて~~帝国恋愛模様・今と過去~~】
EX8【戦いを終えて~~帝国メイド長と可愛いコ達~~】
EX9【戦いを終えて~~帝国兄妹の旅行~~】
EX10【戦いを終えて~~聖国・愛の祭り~~】
EX11【戦いを終えて~~かつての帝国皇女姉妹~~】
EX12【戦いを終えて~~三国教育事情~~】
EX13【戦いを終えて~~帝国第三皇子と大切な人達~~】
EX14【戦いを終えて~~帝国第一皇女に迫る闇と王国騎士~~】

・このスレは参加して下さる皆さんのおかげで成り立っています
・行動選択、多数決以外でのゾロ目は基本的になんらかのボーナスがつくと思います(状況的に奇数より偶数ゾロの方がいい結果が多いです)
・判定は通常判定と特殊判定がありますが、基本的に差はありません。特殊判定はゾロ目チケットが使えないだけです
・ゾロ目の中でも00はハイパークリティカル。確実にプラス傾向のイベントになります
・頻繁に安価とコンマ判定が飛びます
・質問には答えられる範囲で答えます
・特殊判定は判定内容により、高コンマがよかったり低コンマがよかったりと変化します
・コンマ結果は全て運です。誰かを責めたりせずに楽しみましょう。自分を責めるのもやめましょう。ある意味ここが一番大事です
・おまけのイベント等は、その都度安価募集。多数決とコンマを用いて採用します
・処理している情報量が増えた&想定外なこと乱舞の為、数値を間違えることが多々あります。お許しください
・抜けている判定などがあれば、ご指摘をお願いします

こんばんはー
また誘導前に前スレが埋まってしまい、書きあがり次第次スレを建ててそのまま投下しようと思いましたが、
予定よりも時間が作れず、もう少しだけかかりそうなので先に生存報告をしておきます……
うまくいけば明日の夜か明後日の夜には投下できると思います
そして前スレの一夜傾向コンマ判定結果は以下の通り

特殊判定結果    
(前スレ>>993>>994

マックスとキアラの一線越え、どんな具合?
(基準値以下でゆったりソフト。基準値以上でしっかりしっぽり。ゾロ目で……?)


1マックス

50>27(好きだからこそ、ちゃんと接したい!)

※基準値を下回った為、マックスは一線後はまた節度を保ちたいようです

2キアラ

50>39(わ、私にも呪術がかかっていたのかな……///)

※基準値を下回った為、キアラは一線後はまた節度を保ちたいようです


※キアラの値がマックスを上回った為、キアラがほんの少し押していくようです
※二人とも基準値を下回った為、一夜の後にまたプラトニック思考に戻りそうです

……ある意味らしいと言えばらしいのですが、なかなか塩梅に苦労したかも
ちょっと数値以上にキアラが攻めちゃっているかもしれないけど、ご了承ください

こんばんはー
凄まじくぎりぎりだけどなんとか間に合ったかな?
前スレの続きから、マックスとキアラの一夜を投下していきます

「失礼、します……」


控えめなその言葉とともに、皇女の手がゆっくりと伸ばされる。
しかし目指されるのは硬くそそり立つ肉棒。

以前とある事件から兄のモノを目にしてしまったことはあるが、その一度きり。
こうして改めて男の象徴を目にすることは初めての経験だ。
それもここまで雄々しいものなど……


(キ、キアラちゃんが俺のものを……!?)


そして顔を紅潮させているのは皇女だけではない。
触られる側の騎士も負けず劣らず、顔を染め上げていた。
無理もない。色々とあり、皇女と恋仲になったはいいが……
彼女の清純さは筋金入りだった。ふしだらな行為には、絶対に溺れない確信があった。

そんな皇女が、自分を助ける為とはいえ。
顔を真っ赤にしながら、触れてくれている。
この悦びは、何と例えればよいのか?


「ふぁ……!?」

「ふぉぉ……!?」


竿の中心部に、そっと癒しの魔力を帯びた皇女の手が触れる。
それだけのことで、双方からは短い悲鳴があがった。
互いに何もかもが未経験なのだから、当然と言えば当然ではあるのだが。


(熱い、大きい……)


第一皇女として……ではなく、キアラ自身の趣味である読書によりある程度の性知識はある。
しかしあくまでそれは文面的なもの。挿絵と目の前のこれは全くもって似つかない。
彼女は知る由も無いが、コレの大きさは相当なものなのだ。
当のマックスもマックスでそれを知らない。
数多くの少女達を屈させてきた第三皇子のそれを目の当たりにしてしまった為なのだが、
とにもかくにも、男としては非常に恵まれたものであるのは間違いない。


「う……おぉ……」

そんなものに、皇女の小さな手が触れている。

王国騎士マックスは、皇女キアラの手が大好きであった。
すべすべと柔らかく、穏やかな温もりを与えてくれる優しい手。
繋いだ手を、いつまでも離したくないと思ったのも一度や二度ではない。
その手を、今自分が独占している。彼女とは縁遠いけがらわしい場所に触れさせてしまっている。


なんという背徳感だろうか。
なんという昂揚感だろうか。


自分の意思とは無関係に脈打ち、血液はより集まっていく。


(えっと、確かこうして……)


皇女も硬さを増していく肉棒の変化を感じ取る。
しかしこれはいやらしいことではなく、治療のためなのだ。
呪術に関しては深い知識を持たないが、そのほとんどは相手をじわじわと苦しめていくものが多い。
これもその類ならば、おそらくは局部を呪い性欲を増大させるもの。
発散しようと思えばしばらくまともな行動はとれなくなるし、我慢をすればこの騎士のように苦しみ続ける。
素早く治すには魔力で呪術を払いつつ、同時に増大した分の性欲を吐き出させることが近道だろう。

襲おうと思えば、マックスはキアラを押し倒せた。
純粋な腕力と体格では圧倒的な差があるのだから当然だ。
それでも彼は、自分が苦しむことを理解して欲望を押さえつけた。
その意思の強さと優しさに、キアラは小さく笑みを浮かべる。
真面目で真っ直ぐな、そんな彼だからこそ……


「キ、キアラちゃ……んぉっ!?」

「大丈夫、です。こうすると、良いのですよね……?」


細い指が、ゆっくりと曲げられていく。
そのまま少しだけ力を加え……そしてまた弱め。
幾度かその感触を確かめるような動きをした後に、掴み切れない大きさのそれを掌全体で包み込む。
そしてやがてそれは、上下へとゆっくり動いていく。


(う、嘘だろこれって……!?)


男としてあまり情けない姿は晒したくない。
その意地はあったものの、マックスは目の前の光景に興奮せずにはいられなかった。

知識はあるが経験はない。それ故のたどたどしい手つき。
羞恥に染まった表情。
可憐で無垢な皇女に、自分のブツを扱かせているという背徳感。
そして絡められた指の滑らかさと温かさ。

いけないことだと頭で理解していても、男の性からは逃れることはできない。
どれだけ声を噛み殺し、思考を無にしようと思ってもそれは叶わない。


「あっ……」


小さく漏れる皇女の声。
先端部から零れだした、透明な先走りがぬちゃりと絡み付いたのだ。
隠しようのない、快楽を得ているという証。
その状態でなおも優しく扱かれ続ければ、それはいやらしく粘つく音をたてる。
上げては下げて。根元から天辺まで指が移動する度に、どんどんと先走りは溢れ出てきた。
それは潤滑油ともなり、上下運動をより効率の良いものへと変えていく。


「ふぅ、……はっ……マックスさん、これ……」


粘つく音に指を覆うそれは、未だ男を知らない筈の皇女の身体にも徐々に熱を持たせていく。
自分が今、何をしているのか。
相手がこの後、どうなるのか。
それが、わかるからこそ。



「ま、まずいって、それは……!」

「もうすぐ、なのですね……?」


焦ったような呻き声。
彼の限界が近い。そして、呪術の方も。
暗将ルーシオの呪術は確かに強力ではあるが、基礎魔力ではキアラが上だ。
そして心優しい彼女の癒しは、聖国の血を持たずともそれに匹敵する程の力を発揮する。


(これで……!)


指先から迸る魔力が、闇の呪術を浄化していく。
奥底までより強く確実に。呪術が再構築されないように迅速に。
――溜まったものを、吐き出せるように。
終の一撃と言わんばかりに、扱く勢いは増すばかり。
そして……


「お、お!? おおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!?」

「ひゃっ!?」


騎士の叫び声と共に、その欲望はあっけなく放出される。
溜まっていたのか、それとも呪術の影響か。
濃密で量の多い精液は皇女の小さな手の中には収まりきらずに辺りへと飛び散った。
手に、床に、自分に。


「あっ……!?」


――愛しい皇女の顔と、服にまで。


「……っ!!!」


――穢した。自分が。あの天使のような子を。


ぞわり、と身体の奥底から何かが噴き出てくる。
自分の汚らわしい欲望を皇女にぶちまけてしまったという強烈な罪悪感……
それに混じり、抑えつけられない感情が渦巻いている。
城塞暮らしの中、こっそりと読んでいた騎士と姫の官能小説の一節。
今まさに自分は、それと同じことをしたのだ。


「こ、これが……男の人の?」


当の皇女は驚いた表情こそ浮かべているが、そこまでの嫌悪の感情は感じない。
不思議そうに顔に飛び散った精液を指で掬い上げ、しげしげと見つめているだけだ。

騎士にはその光景が、酷く淫猥なものに見えた。
目の前の全てが、何もかもがどす黒い欲望を際限なく呼び寄せる。


「はぁ……はぁ……キアラちゃん、ありがとう」

「もう、大丈夫だからさ……」


息を荒げ、なけなしの理性を働かせて騎士は距離を取ろうとする。
今ならまだ、ギリギリ引き返すことができる。
小説の中の騎士も、そうしていたではないか。
結局あの騎士と姫はどうなったのだろうか。読み終わる前に炭にした今となっては知る術もない。


「マックスさん、でも……まだ、そんなに苦しそうにしているじゃないですか!」

「こ、これは……!」


しかしこれは夢のような現実であり、空想の小説ではない。
皇女に詰め寄られた騎士は、逃げ場を失う。
彼女の指摘通り、一度吐き出しただけでは治まらないとその硬度は失われていない。


(違う、違うんだキアラちゃん! これはもう、呪術なんかじゃなくて……!)


もし、王国騎士マックスが根っこから欲に塗れた青年であったならば……
まだ呪術が残っていると。もっと強く搾りだして欲しいなどと口走って。
口で咥えて貰ったり大きな胸で挟んで貰うなど、思いつく限りの夢想を叶えようとしたことだろう。
彼自身、性欲旺盛な若者だ。今も心のどこかでその願望は持っている。

しかし彼はそれができない性分だった。
咎められることも多い、自分でも煩悩は強めだという自覚はある。
それでも、本当に真剣な場では……彼は、欲を捨てて真っ直ぐに突き進む。
聞く人が聞けば、損な性格と言われるかもしれない。
或いは色々な意味で馬鹿正直か、愚直か。


「……マックスさん」


そして帝国皇女キアラは、そんな彼の真っ直ぐなところに惹かれていた。
落ち込むことはあれど、常に明るく前向きに困難に立ち向かう姿を見てきた。
初めて出会った時は、その外見を少しだけ格好いいかもと思ったりもした。
しかし今は、彼の内面に惹かれているのだと。そう断言ができた。

騎士の誓いの剣を受け取り、皇女としての返事をした。
公にはしていない、秘密の恋人。
果たして自分は、しっかりと恋人をこなせているのだろうか。
培ってきた己の価値観。正式な契りを結ぶまでは清い関係であるべき。


……本当に?


恋人とは、伴侶とは、お互いを尊重し支え合うものではないのか?
彼は果たして、自分が望む男女の在り方を全て受け入れてくれているのか?


――違う。

――ならばどうして、彼は今もこんなに苦しそうなのか。



「――まだ、呪術が解けていないようですね」

「――もっと、もっと。一杯出して、楽になってください……♪」


気がつけば、キアラは自分でも信じられない声色で、普段の自分ならありえない言葉を口にしていた。
きっと自分の顔は今までで一番赤いのだろうと、どこか他人事のような考えも浮かんでしまう。
そんな皇女が前を見れば、やはり同じく顔を染め上げた騎士が絶句している。
無理もないだろう。淑女たらんとしていた皇女には、あまりに似つかわしくない甘さを含んだ声。
理性を働かせねばと思えど、既に限界間近であった彼にはあまりにも刺激が強すぎた。


「……っ」


騎士の喉が音を鳴らす。
この距離では、きっと聞かれてしまったことだろう。

厳しい鍛錬の果てに、魔導騎士に至りこそすれまだ未熟。
そんな自分でも、既に股間部分の呪術が払われているということは魔力を察知すればすぐにわかる。
天賦の才を持つ皇女が、これに気がついていないわけがない。
そうなると、今の発言の真意は……


「ほ、本当なのかい……?」

「……えぇ。まだ、残っています……」


改めて聞いてみても、応えは変わらず。
竿が軽く一撫でされただけで、全身が震えそうになる。

きっとこの誰よりも優しい少女は、自分の為に逃げ道を用意してくれている。
いや、自惚れでなければ彼女自身の逃げ道でもあるのかもしれない。
これは、呪術を治す為の行為なのだから仕方がない、と。


(俺は……)


感情がごちゃまぜになる。
本当のことを言ってしまえば、今すぐにでもキアラを抱きたくて仕方がない。
しかし彼女の性分を少なからず知っているからこそ、自分の欲望で穢したくない。
ああ、しかしもうその顔も服も手遅れなことになっている。
用意された逃げ道は、本当にただの逃げ道なのか。
控えめな皇女の、精一杯の合図なのではないか。

憧れの女の子に、恋人に、こんな真似をさせてまだ怖気づくのか。

騎士として、男として。正しい行為とはなんなのか。

わからない。わからない……


唯一、確かなことは。


――自分は、この少女を大切にしたい。


この感情だけだ。


「キアラちゃん……」

「マックスさん……」


二人の顔が近づく。
朱色は隠せない。息が荒くなっていることも隠せない。
煩い心臓の音も、聞かれてしまっているのではないか。

お互いに、身体を蝕む呪術などもう残っていないことは理解している。
あえて身体を何かに蝕まれているというのなら、それはきっと情欲。
それも理解して、二つの影はたどたどしく近づいていく。


そしてたっぷりと時間をかけて、マックスは触れる程度にキアラを抱きしめる。


「あっ……」


キアラの口から、小さな声が漏れる。
拒絶されるかもしれない。そう覚悟を決めての騎士の抱擁に対する反応は、彼の想像以上に穏やかなものだった。
そして皇女の細い腕もゆっくりと背中へと回されていく。

愛しい皇女を見下ろせば、潤んだ瞳に何かを期待するような口元。
自分の騎士を見上げれば、熱意の宿る瞳に再び鳴らした男らしい喉元。



――やがてどちらからともなく顔は寄せられていき、初めての口付けが交わされる。



「ん……」

「ふ……」



――ついに、してしまった。
初心な二人の脳内では、同じ言葉が思考を埋め尽くす。
しかしそれも一瞬の事。人の欲望は、不意に大きく燃え上がる。


「ちゅっ……んっ……!」


軽く触れあっただけの唇。まだ足りない。
少しだけ啄んでみる。まだ足りない。
この感情をどう発散すればいいのか、方法がわからない。


「んぁ……」


頭の奥底が痺れるような感覚。
本の知識だけでは、わからないこと。
足りない。もっと知りたい。
気がつけば互いの唇を求めて撫で合い、吸い合っている。
どうしたらいいのか、わからない。
只々、この想いだけは伝えたい。
もどかしく、未熟。されど求めずにはいられない不思議な口づけ。
それは二人の口まわりが唾液まみれになるまで、止まることはなかった。


……

「キアラちゃん、俺は……」


ようやく唇を離し、息を荒げながらもマックスは理性の稼働に必死だった。
ずるずると、ずるずると深い沼に引きずり込まれているような錯覚。
穢れを知らない皇女の身体はしかし、男を惑わし吸い寄せる魅惑の存在。
これだけ唇を貪った。本来であれば許されないことだ。
だというのに、もっともっと触れたいと思わずにはいられない。



「……マックスさん。我慢はしないで?」

「え?」

「……然るべき時まで清くあれ。これは確かに淑女の心構えの一つだけれど」

「――相手のことを考えられないのも、淑女としてはいけないことですから……」



そんな極限状態で。
皇女は顔を赤らめながら、消え入りそうな声でそう呟いた。
そしてそのまま、自ら寝台へと倒れ込む。


「っ……」


これは、そういうことなのか。
何度目になるかわからない程に喉を鳴らしたマックスは、自分の理性が崩れ去っていくような音を聞いた。
あの誰よりも貞淑なキアラ皇女が、自分の目の前でこれ以上ない程に無防備な姿で寝ている。
きっと彼女も恥ずかしいのだろう。顔の朱はこのまま抜けないのではないかと思う程。
キスの影響か、少しだけ荒くなった息に合わせるように上下に動く豊かな丘。
なにもかもが、暴力的過ぎた。
呪術などなくても、痛いくらいに股間の肉棒は脈打ちそして硬さを更に増していく。


「キアラちゃん……っ!」


ここまでされては、我慢にも限界がある。
たまらず彼女に覆い被さりその顔を見れば、上気した中にもやはりまだ不安の色が見て取れた。


「い、いいんだな? さ、触っちゃうからな……!?」


我ながらなんとも情けない声だと思いつつも、マックスは再度確認を取る。
くどいと思われてしまうかもしれないが、どうしてもここは確かめなければならない。
彼女は優しい。その優しさに甘えて、嫌がるようなことはしたくないのだから。





「――や、優しくお願いしますね……?」




羞恥に染まった顔。しかしそこに拒絶の意思は無く……
柔らかな天使のような笑みと共に、騎士の腕を引き寄せた。





……

「んっ……!」


服の上から、おそるおそると掌で皇女の身体がなぞられる。
たったそれだけのことでも、キアラの身体は小さく跳ねた。
兄や頼りになる保護者には、抱きしめられたこともある。
全くもって男性に触れられたことはないとは、言えない。


「だ、大丈夫キアラちゃん?」

「はい、平気で、すぅ……!」


だというのに、これはどういうことなのか。
恥ずかしさとむず痒さの混ざった感覚。
年齢不相応な修羅場を潜ってきた騎士の大きな掌が、自分の身体に触れている。
それを服越しに感じるだけで、こんなにも身体が反応してしまうなんて。


(お、大きい……やっぱり、キアラちゃんの大きいよぉ!?)


そして触れる騎士もまた、未知の感覚に思考を掻き乱されていた。
知ってはいた。だがこうして直接触れることは当然初めての事。
普段は本人の性格からかあるいはメイド長の指示か……
ドレスを着ていても、そこまで激しい主張はされていない。上から被さるフリルショールの影響もあったかもしれない。
しかしこうして寝そべり、触れていると改めて彼女が豊かなものを持っていることがわかる。
服を内側からしっかりと突き上げ主張してくる魅惑の果実。
触らずには、いられない。


「あっ、はぁぁ……!」


少し強さを増して、掌全体で胸を揉んでみる。
それでも掴み切れない大きさ、そして柔らかさに騎士の思考はさらに熱せられていく。
そしてそれは皇女も同じこと。
経験したことのない感覚に身体を震わせ、思わず漏れてしまった声を隠すように手で口元を隠す。

そんな仕草すらが愛おしくて。


「キアラちゃん、顔見せて……声も、聞かせてくれ……!」

「や、恥ずかしい……!」


どんどんと箍が外れていくのがわかる。
胸に触れゆっくりと指を動かせば、その度にキアラは反応を示す。
必死に声を堪えつつも、どうしても身体はよじれてしまう。
ぎしりと軋む寝台の音に合わせて、その着衣が少しづつ乱れていく。
ちらりと見える透き通るような肌の色を見れば、もう抑えられない。


「ん、んぅっ!?」


隙間から侵入してきた手に、より一層強い反応が示される。
がっつき過ぎたかとは思うが、もうマックスにも余裕はなかった。


「ま、待ってマックスさん……!」

「あっ! ご、ごめんよ。俺……」




「――灯り、消してください……」



その言葉を聞いた瞬間、マックスは男から獣となる。
燭台で揺らめいていた炎は、荒い息にかき消され……
それは次に、彼を受け入れんとする皇女へと向けられた。


……

灯りを失った部屋に、小さく衣擦れの音が響く。
元々薄暗い作りになっている館であり闇は濃いが、完全なものではない。
マックスはただただ、薄らと見えるその光景に興奮していた。


「ん……」


確かに今、自分は抑えきれない欲望の前に大切な少女の服を脱がそうとしている。
だがその彼女が、こちらが何かを言う前に背中を浮かせてくれた。
その意図は、経験の無い騎士でもわかる。

――脱がせやすいように

言葉も無く行われた行為だが、ますます感情が昂ぶるのがわかった。
自らはしたなく脱ぎ捨てるでもなく、身を固くしてこちらを苦戦させるでもなく。
淑やかに密やかに相手をたてる。その心遣いが実にキアラらしいと、嬉しくもなった。


「そんなに、見ないでマックスさん……暗くても恥ずかしい……」

「む、無理だよキアラちゃん。だって……!」


薄暗いからこそ、そこに見える色はより強烈だ。
元々部屋に籠りがちだった影響だろうか、本当に白く美しい柔肌。
彼女の衣服をゆっくりと剥ぎ取り、その肌の色が増えていく背徳的な興奮。
恥ずかしいと口にし身体を震わせながらも、決して隠そうとはしないでその肢体を晒してくれる愛しい皇女。
これに抗える男などいるのだろうか?


「こんなキアラちゃん、俺、もう……!」

「あっ……やぁ、んっ……!」


ついに服を全て剥ぎ取れば、そこには幾度も夢想した立派な胸が姿を現す。
薔薇の意匠がこらされた純白の下着に包まれたそれは、この世の何よりも美しいと思えてしまう。
以前、事故で見てしまった時の赤い下着もそそられるものがあったのは認めるが……
この優しい少女にはこちらの方が似合っていると、素直に思えた。


「こんな、服だけじゃなくて下着まで、こんな……!」

「へ、変でしたか……?」

「似合ってるよ! ああ、俺なに言ってるんだろう……もう、もう……!」

「ふふ……」


素直に思ったあまり、思わず口にまで出してしまう。
もっと気の利いたことを言いたい。落ち着いてしっかりと彼女をリードしたい。
そうは思っても、それができない。ただ欲の強い童貞と思われてしまっただろうか。
ただただ、彼女が少しだけ嬉しそうな顔をしてくれたのには救われた。




(マックスさん、白薔薇の花言葉は知らないかな……?)



身体に触れられる恥ずかしさとは別の意味で頬を染める皇女の真意に、騎士は気がつく余裕も無い。
下着越しに愛撫し、上質な生地の感触にさえ指がぴくりと反応してしまっている。
言葉通り、本当に余裕が無くなっているのだろう。


(私も、こんな感覚初めて……)


誰かの真似では無く、自分の想いを密やかに伝えたい。
白薔薇を選んだ皇女は、後ろ手で静かに下着の留め具を外してみせた。

「う、おおおぉぉぉ!?」


抑えつける拘束具を失った瞬間、騎士の眼前に双乳が飛び出してくる。
記憶の大部分を失ったが、この奇跡のような産物は頭の奥底に焼き付いていた。
圧倒的な大きさに、慎ましく可愛らしい桜色の先端。
あの日見てしまった果実が、今こうして目の前でふるりと揺れている。
自他共に巨乳好きを認めるマックスにとっては、完全な止めの一撃だ。


「キアラちゃん、キアラちゃんっ!」

「んあっ!? あふぅっ!?」


たまらず両の掌で鷲づかみにされる皇女の乳房。
零れ落ちるその大きさもさることながら、たっぷりとした柔らかさは並ぶものなどない感触。
手の動きに合わせるようにその形はいくらでも形を変えてしまう。
しかし指を押し返すような弾力も併せ持ち、名残惜しくも手を離せば元の形へと戻る。
そして再び揺れ動き、漏れ出る嬌声と共に男を誘うのだ。


「ごめ、ん……! 俺、止まれない……!」

「キアラちゃん、やっぱり最高だよ……! 何もかも……!」

「はぁっ……! んっ、マックス、さん……!」


むしゃぶりつき、捏ねまわし、先端を激しく吸いたてる。
言葉に嘘は無い。本当に自分には勿体ない子だとマックスは思う。
それでも、止まらない。止められない。


「あっ!? やっ、ふあぁん!? ま、待って……! 変な、声がっ……はぅっ!?」

「キアラちゃん、もっとキアラちゃんの声聞きたい……!」

「だめぇ……! んくっ! こ、こんな……はしたない……嫌わない、で……!」

「なるかよ! こんな可愛いキアラちゃん、ますます好きになっちまう……!」


飽くことの無い胸は、いつまでも揉んでいられる。
しかし胸だけじゃない。全てが愛おしいという想いを伝える為に、マックスの片手はするりと下へとおりていく。


「はぁ、はぁ……ここも、ここも……!」

「やぁ、おなか……!?」


王国のどんな高級な生地でさえも、この素晴らしい肌の触り心地には敵うまい。
胸とはまた違う柔らかさと触り心地。綺麗な下腹部を優しくさすりながら、さらに下へ下へ。
瞳を潤ませ真っ赤な顔で息を荒げる愛しい彼女に、再び慣れないキスをすることも忘れない。
全身が自分を惑わしてくる。それでも、それに負けて肉欲のままにだけは動きたくない。
どれだけ理性が砕け散っても、譲らない騎士の誓いが根底にあった。


「んむ……マックスさん……!」


真っ直ぐに揺るがないその想いは、しっかりと皇女にも届いている。
激しい中にも、確かに感じられる優しさ。


(身体が、熱い……溶けちゃいそう……)


貴族連中の求愛に一切靡かず、色事は溺れてはならないものとして育ってきた皇女の価値観。
勿論今も羞恥の感情は強いが、それだけではない。
自分がこんなにも真っ直ぐに愛され、求められている。
なんと、幸せなことだろう。


男女の知識は、最低限あればいいと思っていた。
自分には、まだ早い。誰か素敵な人が現れたら、ゆっくりと時間をかけて関係を深めて行けばいい。
キアラは生まれて初めて、その選択を少しだけ後悔した。

こんなにも愛されて。こんなにも身体が熱くなって――彼を求めてしまっている。
自分だけが、この愛を甘受してしまっている。
お互いを支え合うべき男女が、これではいけない。
自分ももっと彼に、愛を伝えたいのに。
深い知識を拒んでしまった故に、手での処理しか知らない。
この育ち過ぎた胸を擦り付けるという手もあるかもしれないが……
今や完全に主張している自分の乳首が、彼の鍛えられた胸板で押し潰されようものなら、どうなってしまうかわからない。
わからないが、きっと自分の方がより強い快楽を得てしまうだろうと、キアラは結論付けた。
せめて今の自分ができる、騎士への想いを伝える手段は何かないのか?


(あ……)


そう考えた時に、かつて見てしまった淫夢の記憶が蘇る。
思い返してもあまりにも恥ずかしい、普段の自分であれば絶対に真似できないような内容だ。
しかし、それでも――あの夢で自分を優しく抱いてくれたのは、黒髪の青年ではなかったか?
こうして、目の前で自分に愛を注いでくれている騎士と、同じ……


(マックスさん……)


淑女らしからぬと。
皇女らしからぬと。
そんなことはわかっている。一体自分の顔はどこまで熱くなるのだろうか。


(でも――私も、ちゃんと伝えたい。この想いを……!)


既にここまでで、恥ずかしい姿も見られて声も聞かれている。
恋人ならば、いつかは見せねばならないもの。それが少しだけ早まった程度なのだと。
芯は強い第一皇女は、覚悟を決めてみせる。


「んっ、は……ごめん、ごめんキアラちゃん……! 俺……!」

「ふ、ぁ……い、いいんですよマックスさん?」

「私……こんなに激しく誰かに求められたの……初めてです」

「それにマックスさんは何も悪くありません。だって……」

「え?」


ゆっくりと、キアラは身体を起こす。
そして徐に自らのスカートに手をかけると、一気におろして端の方へと追いやってしまった。


「キ、キアラちゃ……!?」



「――だって。あなたに触れられているだけで、こんなに私の身体は悦んじゃっているんですよ……?」



童貞のマックスには、刺激の強すぎる光景が飛び込んでくる。
上下共に服を脱ぎ捨てた華奢な第一皇女の肢体。
下着は揃えてあったのか、やはり上品な白薔薇の意匠が彼女の魅力をより引き立てる。

しかしそれ以上に、皇女のどこか艶めいた言葉と……
何よりも純白の下着からつぅっと垂れる蜜が、あまりにも衝撃的過ぎた。

「見て、マックスさん……」


顔は暗がりでもはっきりとわかる程に紅潮している。
わかりきっている。あの皇女が、こんな真似をして恥ずかしくないわけがない。
それでも、おそらく彼女からの勇気を振り絞った『お誘い』は破壊力がありすぎた。


「キアラ、ちゃん……」

「さっきマックスさん、言ってくれましたよね……?」

「はしたない私でも、嫌いにならないって」

「も、もちろ……っ!?」


頷こうとして、マックスは鼻奥すらが強烈に熱を持ったことを自覚した。
お誘いはまだ終わっていない。下着に皇女の細い指がかかる。
そしてそれはするりと脱げたかと思えば、スカートの横に投げ出されてしまった。


「わ、私も……! 私もマックスさんと同じ……! あ、あなたが……っ!」


次の句は中々告げられることはなかったが、マックスには全てが理解できた。
理解できたと同時に、この光景を脳に焼き付けて生涯忘れまいとも決意していた。

完全に生まれたままの姿になったキアラ。
彼女は両脚を抱き寄せたかと思えば、ゆっくりとその脚を左右に開いてみせたのだ。
そんなことをすればどうなるか、誰でもわかるだろう。
貞淑なキアラらしからぬ、あまりにも大胆過ぎる誘惑。
彼女の脚の付け根から、目が離せない。

――まさに彼女を体現しているかのような、慎ましい僅かばかりの金毛

――下着から溢れる程の、男を惑わす淫猥な蜜

――皇女の指で少しだけ拡げられた、蜜を生み出す穢れ無き桃園

全てが、目から脳へと襲いかかる。
心の奥底で、やはりどこかまだ勇気が持てなかった――最後の一線。
それをまさか……



「――あなたが、大好きです! だから、だから……!」


「い……挿れ……て、くださ……い! あなたの、ものを……!」


「我慢、しないで……! 私も、もうしないから……!」


「お願い、します……! ――マックスさん!!!」



キアラは強く、強くその名を呼んだ。
今度は夢とは違う。絶対に忘れない為にも。

そしてマックスは、皇女の覚悟と気持ちを受け取る。
これは、独りよがりの想いのではないのだと。
互いが互いを求めているのだと、改めて教えてくれたその想いに報いる為にも。
しっかりとした動きで、皇女の細い腰を掴んでみせる。


「い、挿れるよ、キアラちゃん……!」

「うん。来て、マックスさん……」


ゆっくりと、ゆっくりと騎士の腰が押し進められる。
とっくに一度吐き出した自分の精液と新たな先走りで滑ったそれは、十分な程の滑りを持っていた。
加えて溢れ出た蜜もまた動きの手助けとなっている。


「う……ぁ……!?」


つぷりと先端が秘裂に飲み込まれ、未知の快感が肉棒から全身へと駆け巡る。
このまますぐに押し込み、貫いてしまいたい衝動に駆られてしまう程の圧倒的なものだ。
しかしそれは、お互いの顔を見つめ合うことでギリギリ踏み止まる。
愛しいこの子に、苦痛は与えたくない。いつもと同じく、柔らかい笑顔を浮かべていて欲しい。
騎士の実直さは、最初から変わらない。何よりも大切な子だからこそ、優しく扱いたい。


「んっ……!」


背中に細い腕が回される。
膣口がきゅうきゅうと締め付けるが、先端を呑みこみ……幹も通過し、やがて根本までに達した。
強烈な締め付けだが、膣内は温かいうねりで違う心地よさが押し寄せてくる。


「なん、だ……これ……これが、キアラちゃんのなか……気持ち、良すぎる……!」

「っはぁ……はぁ……! わ、私も……私も、気持ちいいかも……」

「マックスさんが、優しくしてくれたから……」


今にでも果ててしまいそうな快感の中で、マックスはキアラとの接合部に目をやる。
そこには蜜とは異なるもの……彼女の純潔を奪った証である一筋の赤い血が垂れていた。


「ああ、俺……本当にキアラちゃんと……夢みたいだ……っ!」

「ふふ……今度は、夢じゃありません。 現実に、マックスさんと一つになっています……」


少し気になる口ぶりではあったが、柔らかな微笑みを見せられてはそれも吹き飛んだ。
もう、一線を越えてしまったのだ。ならば後にやるべきことは唯一つ。


「マックスさん……私、今……とっても幸せな気分です……」

「ああ、俺もだキアラちゃん! 絶対に、絶対にこれからも、幸せにしてみせるからな……!」


新たな誓いを刻み込むように、腰が突き入れられる。


「んああああぁぁぁ!」


あくまで、ゆっくりと。お互いが今日という日を思い出せるように。
先端近くまで引き抜き、また静かに根元まで。
騎士の突き進む性格らしからぬ、実に丁寧な抽送だ。
キアラはその優しさに笑みを浮かべながら、より強くマックスの身体を抱きしめる。


「だい、じょうぶ……マックスさんの、動きたいように動いて、いいんですよ……?」


耳元で、そう囁きながら。



……

「キアラちゃん……! く、ああぁぁ……!」

「あっ、あぁっ……! マックスさん、マックスさん……!」


騎士は誓いを立てていたが、もう腰の動きを抑えられなくなっていた。
自分の一物は、小柄な彼女の膣中には負担になるだろうと、わかってはいても。
囁かれた言葉。そして自分の欲望さえ優しく受け止めて慰めてくれる彼女。
膣内もまさにそれを体現するかのように、全てを包み込んで時折きゅうと締め付けて快楽を与えてくれる。
自慰などとは比較にならない、あまりにも甘美な刺激。
マックスは夢中で腰を動かしてしまう。


「ごめん、ごめん……! 俺、俺……!」

「いいのっ! 私、うれし……ふあぁ!」


憧れの皇女と自分は、今一つになっている。
彼女を犯して、自分と言う存在を奥底に刻み付けている。
そしてキアラは、これを受け入れてくれている。
あんな真似をしてまで、受け入れてくれている。

幸せで幸せで、仕方がない。
自分などがここまで幸せになってよいのだろうか。
そんな疑念も、すぐさま吹き飛んでしまう。
腰を動かすたびに淫猥な水音が響き、目の前で誘惑の果実が誘ってくる。
たまらず吸い寄せ、腰の動きはどんどんと早まってしまう。


「キアラちゃん、俺と、俺とこれからも……!」

「はい……! マックスさん……!」


指と指を絡め合う。他の場所でも繋がっていたい。
離したくない、離れたくない。
二人の気持ちは同じだった。

そして……


「ぐ……! やば、もう……っ!」

「あ、ああっ……! 私も、きちゃ、う……!」


「「うあああああああああぁぁぁぁぁっ!!!」」


二人の一際大きな声は、ほぼ同時にあがった。
しかし騎士は、寸でのところで快楽の奔流を放つ前に引き抜いていた。

圧倒的な解放感と共に吐き出された大量の白濁液が、皇女の身体を穢しつくす。
体力に自信はあった筈の騎士はそれだけで寝台に沈みこんだ。
無論、生まれて初めての絶頂を経験した皇女も同じく。

しかしその手は繋ぎ合わされたまま。
荒い息を吐きだし続けながらも、見つめあうことだけはやめない。

精根尽き果て……それでもその場には、館に似つかわしくない甘い空気が流れ続けるのであった。


……


――

――


……


キアラ「ん、んぅ……///」フルッ…

マックス「ご、ごめんキアラちゃん……大丈夫?」ヨロ…

キアラ「ん……大丈夫、ですよ?」ニコリ

キアラ「マックスさんこそ、大丈夫ですか……?」

マックス「え?」

キアラ「……呪術」ボソリ

マックス「え? あ、勿論大丈夫さ! キアラちゃんのおかげで……」


ポス…


マックス「え?」

キアラ「……ごめんなさい。いくらなんでも、これを呪術のせいにしてはいけないですよね」

キアラ「その……わ、私もちょっとだけ呪術にかかったのか、途中で変なことを言ったりしちゃったりしたかもしれませんけど!///」ワタワタ

マックス「わ、わかってるよ! 俺も呪術のせいであれだったかもしれないけど……///」

キアラ「――マックスさんが大好きというのは、私の本当の気持ちです」

マックス「キ、キアラちゃん……///」ギュ…

キアラ「……マックスさん」

マックス「な、なに?」

キアラ「私を何度も助けてくれて、ありがとうございます」

キアラ「でも、私も帝国の第一皇女……戦わねばならない時もあるということを、知りました」

キアラ「だから……あまり私の為に無茶をしないで?」

キアラ「私も、頑張るから。二人で、一緒に……ね?」ニコリ

マックス「あ、ああ……!」ギュゥゥ!

キアラ「……///」

キアラ「で、でも、やっぱり今日のことは秘密にしてくれませんか……?」

マックス「ええ!?」

キアラ「や、やっぱり恥ずかしいよぅ……! ローズさんに怒られちゃうぅぅぅ……///」プルプル

マックス(枕に顔埋めるキアラちゃんも可愛い……///)

マックス(夢みたいだけど、現実なんだよなこれ……)

キアラ「……」

マックス「……」



特殊判定
↓1~2コンマ二桁

奥手同士がゆっくり染まってだんだん箍が外れる感じって難しい……
判定をとったあたりで今日はここまで
一線を越えた二人ですが、もう少しだけイベントが続きます

本日もありがとうございました!

こんばんはー
少しだけですが、マックスとキアラのその後のイベントを進めて行きます

――
特殊判定結果

1皇女との関係、報告どうする?

65>50

※基準値を超えたため、報告決定!


2マックスの恐怖

70>04

※基準値を下回った為、マックスは堂々とするようです


※正面からの報告決定!


――


マックス「……」

マックス「やっぱり、男としても騎士としても……いい加減はっきりしないとな」

キアラ「え?」

マックス「俺は、キアラちゃんが好きだ」

キアラ「///」

マックス「この想いを、そろそろちゃんと周りの人にも伝えないといけないなって……」

マックス「そりゃあ、確かにローズさんは怖いけどさ……」

マックス「でも、それぐらいで俺はキアラちゃんを諦めたりなんかしない!」ギュッ!

キアラ「マックスさん……」

マックス「本当は、ちゃんと報告してからその……こういうこともすべきだったとは思うんだけどさ」ポリポリ…

キアラ「ううん、私も、その……///」カアァ…

マックス「だ、だけどさ、キアラちゃんの膣内が気持ち良すぎて、危うく中で出しかけたりもして……///」

キアラ「あうぅぅ……/// た、確かに赤ちゃんまでいくと本当に大変だったかもしれないけど……!」

キアラ「は、恥ずかしいから、あまりそういうことは言わないでくださいっ……!」ボフン!

マックス「ご、ごめんよぉ!?」ワタワタ



マックス(今日が本当に、奇跡みたいな日なんだ……)

マックス(流石に今度こそ、色々済んでからじゃないとまずいよなぁ……)


キアラ(ああ、言えない……初めてで、あんなに……///)

キアラ(これ以上はしたない子って思われたくないし、今度こそ色々済ませてからがいいよね……?)


マックス「……///」

キアラ「……///」

マックス「と、とにかく! 俺は決めた! 俺はやるぞ……!」


……

――

――

……


……後日


【帝国・アベルの城塞】



アベル「マックス、調子はどうだ?」

マックス「ご心配をおかけしました! ですが、もう大丈夫ですよ!」

アベル「そうか。ならばいいが、お前も全く無茶をする……」ハァ…

アドルラン「しかし、妹を守ってくれたのだろう? 本当にありがとうマックス君!」

カイン「あいつらが影でこそこそしていたのに対応が遅れたのは、完全に僕らの落ち度だからね」

カイン「まさかお前に助けられるとは思わなかったけどなぁ……礼を言うよ」

マックス「あはは、俺も不意をつかれちまったんで、皇子達が駆けつけてくれなきゃ危なかったかもしれません」

アベル「しかし部隊はほぼ壊滅、将のルーシオもしぶとくはあったが傷を負っていた」

アベル「あれだけの人数を相手に、キアラを守りながら立ち回るとは……本当に強くなったなマックス」

マックス「へへへ、まだまだですけど……少しはキアラちゃんを守れる力が身についたならよかったです!」

キアラ「……///」

カイン「しかし強くなったといえばキアラ、お前も随分と腕を上げたんだな?」

キアラ「え?」

カイン「あいつの呪術は得体が知れなかったからね。どこにどんな影響を及ぼすのか把握するのも苦労する筈なのに」

カイン「まさかたった一日で完治させるとは恐れ入ったよ」

アドルラン「カインの目のように、局所的なものならばそこに触れ続けなければ治せないものもあると言うしなぁ……」

キアラ「そ、それは……う、運が良かったんですよ///」アセアセ

マックス「そ、そうそう!///」アセアセ

アベル「?」

アベル「ところで、快復の報告はありがたいんだが……」

アベル「マックス、妙に緊張していないか?」

マックス「!!」

マックス「……」

マックス「その、実はですね……皇子達に、ご報告したいことがあるんです」

カイン「ん? ルーシオ達ならもう全員教会に送り込んで後始末もしておいたぞ?」

アドルラン「暗将以外の案件ということだろうか?」


マックス「……」スゥー…




マックス「――不束者ではありますが」

マックス「騎士マックス、第一皇女キアラ様とお付き合いをさせていただくことになりましたっ!」





皇子ズ「「!?」」




特殊判定
↓1コンマ二桁

マックスの試練その1

妹を可愛がるアベルの不満


75>40-10(部隊の一員)-10(キアラ守り抜き)

※基準値を下回った為、関門突破!

――



アドルラン「おお、おめでとう二人とも!」パチパチ!

カイン「へぇ……ちょっと驚いたけど、まあわからないでもないかな」

マックス「あ、あれ?」

アドルラン「マックス君、妹をよろしく頼むぞ!」バシバシ!

マックス「あてて!? い、いいんですかそんなあっさりと!? もっとこう……」

アドルラン「うん? 惹かれあったのならば、なにも問題はないだろう?」

カイン「前の温泉での様子や会話内容からして、確かにキアラはお前の好みに全部当てはまってるしな」

カイン「あのキアラが受け入れたってのは少し驚いたけど、昨日の件を考えれば仕方がないかもね」

カイン「別に身分も気にする必要はないだろうよ。僕らだって、一般的な皇族のそれとはずれているんだからさ」

マックス「あ、ありがとうございます!?」バッ!

マックス「……」チラ…

アベル「……そう警戒するなマックス」

キアラ「……」ドキドキ

アベル「確かに、俺はキアラとフィーアに下らぬ縁談を持ち寄ってくる貴族は嫌いだ」

アベル「強行策で来たら、この手で切り捨ててやろうとも思っていた」

マックス「……」ブルッ…


アベル「……だが、お前なら信じられるよ」フッ…


マックス「!!!」

アベル「ルーシオの件だけじゃない。聖国でも、お前は身を挺してキアラを救ってくれた」

アベル「お前には卑しい心も欲もない。ひたすらに真面目で真っ直ぐな、信頼できる騎士だ」

アベル「……妹を、キアラを頼んだぞ?」ポン



マックス「は、はい!」ビシ!

マックス(よ、欲はかなりあったけど、折角認めてくれたから黙っておこう……)ダラダラ…




アドルラン「いやぁ、嫌な事件の後にこんなめでたい報せを聞けるとはな!」

アドルラン「キアラはとても優しい子だし、マックス君も真っ直ぐな男だからな」

アドルラン「これはこのまま、結婚まですぐに突き進んでしまうかもしれないな!」ハハハハ!

カイン「どうだろうねぇ? こいつ、童貞の臭いがするしキアラはそういったこと嫌ってるし……」

キアラ「カ、カイン兄様っ!///」ワタワタ

カイン「おっと、すまなかったね。まあ見ての通りだ。お前の煩悩が暴発しないことを祈るよ」ククク…

マックス「…………」ダラダラ

キアラ「だ、大丈夫です! マックスさんなら!」アセアセ

アベル「しかし、いくら昨日の件があったからと言ってもキアラが即座に受け入れるとは考えにくい」

アベル「かなり前から、お互いに気にはなっていたのか?」

キアラ「は、はい。ですので、その……前から一緒におでかけをしたりは、していました///」

マックス「他にも、料理を習ったりとか……///」

カイン「はっ、これが青春ってやつなのかな?」

カイン「……エメリナがいなかったら、僕は君を切り刻んでいたかもねぇ」

マックス「ひぃっ!?」

カイン「冗談だ。だが流石にキアラにまで先を越されていたら、僕の精神が持たなかった可能性はある」

アドルラン「はははは! そんなところで張り合おうとするなカイン!」

アドルラン「大切な人からの想いに気付くのにかかった時間なら、私が突き抜けて負けているぞ!」

アベル「兄様、それは誇ってはいけないことですよ……」

アベル「ところでマックス、俺や兄様達は見ての通りお前とキアラの仲にとやかく言うつもりはないんだが……」

マックス「……ええ。わかっていますよアベル皇子」コクリ

アベル「……お前なら大丈夫とは思うが、健闘を祈る」


……

――

――

……

【帝国・メイド長の私室】



マックス「……」ドキドキ

キアラ「……」ドキドキ






ローズ「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!





アイナ「……」オロオロ

スミレ「……」オロオロ


マックス「……ローズさん。俺は、本気です」


ローズ「……」



特殊判定
↓1コンマ二桁

短いですが判定を取ったあたりで今日はここまで
改めて思うと、マックスもアベル達の義弟になるんですね
城塞メンバーの関係図が凄いことに……

本日もありがとうございました!

渦中のマックスの視点だと
義兄:アドルラン・カイン・アベル(加えてアドルランは現皇帝でアベルは上司)
義姉:ヒバリ・ルーシェ・エメリナ・エリス・アーシャ・ロウル・シア・パトラ・ティア(+パトラは上司)
義妹:フィーア
義父:ギルバート
義母:フローレン(+ノワール)

だいたいアベルのせいだけど義姉が多すぎる()
ところで、アドルラン兄様ってヒバリルーシェと一線越えた描写あったっけ?

こんばんはー
それでは今日も少しだけですがゆったり再開です

>>52
アドルラン達はまだ一線を越えてないです
元々の性格と状況もあり、変わらぬ日常を過ごしつつゆっくり接近していくでしょう
自由安価で飛んでこなかった影響ですが、指定されていたら結構難産だったかもです

マックスの試練その2

滾る保護者ローズの選定

40>27-10(キアラ守り抜き)

※基準値を下回った為、関門突破!

――


ローズ「……」ゴゴゴゴ…


ローズ「……ふー」フッ…



一同「「!!」」



ローズ「ついに、この日が来てしまったのネ……」

ローズ「マックスちゃんも、そしてキアラちゃんも……一時の気の迷いではないわネ?」

マックス「……」コクリ

キアラ「……」コクリ

ローズ「そう……」

ローズ「本当に、いつの間にか大人になっちゃってもう……」

ローズ「……」ゴシ…

ローズ「二人が覚悟を持って決めたことなら、アタシは何も言うことはないワ」

ローズ「子の成長を見守るのが保護者の役目」

ローズ「でも、子がいつか親離れをするように……親も子離れをしないといけないの」

キアラ「ローズさん……」

ローズ「マックスちゃん?」

マックス「は、はい!」

ローズ「昨日の件は聞いているワ。この子を守ってくれたことにはお礼を言うけど……」

ローズ「これから先、もっと大変なことがあるかもしれない。それでも、変わらずこの子を守ってくれる?」

マックス「勿論です!」

ローズ「――いい返事ヨ!」ニッ!


ローズ「キアラちゃんとフィーアちゃんが、アタシの天使なのは生涯変わらないワ」

ローズ「だから、二人を傷つけるような輩がいれば容赦はしない」

ローズ「でも、アタシも一人の人間。いつでもどこでも、この子達を守ることはできないの」

ローズ「あなたは、まだまだ強くなれる。唯一無二の、この子の騎士としての成長を楽しみにしているワ!」

マックス「はい……!」グッ!

キアラ「私も、もっともっとローズさんみたいになれるように頑張ります!」グッ!

ローズ「ふふ……」

ローズ「アベル様達に、アタシ……後に残るのは、あの人かしら?」

マックス「……」ブル…

ローズ「無理に行く必要もないとは思うけど……その目は、行く気ネ?」

マックス「はい。ちゃんと、男としての筋は通したいので」

ローズ「……頑張りなさいヨ!」バン!



……




ローズ「……争いの日々の中で出会った若い男女が恋人同士になる……」

ローズ「青春ねぇ……」



アイナ「で、でも驚いちゃったなぁ……」

スミレ「ええ。まさかキアラ様とマックスさんがお付き合いなされるとは」

アイナ「キアラ様もフィーア様も、あまり興味がない様子だったのに……」

スミレ「やはり、マックスさんの真っ直ぐなところに惹かれたのでしょうか?」

アイナ「ああ、確かにこの前の城塞の修復の時も頑張ってくれてたもんね」

スミレ「鍛錬をご一緒したこともありますが、ボクの爪にも怯まない勇敢さもありましたね」

アイナ「ふむふむ、キアラ様はそういう人が好きだったんだねぇ……」


ポロポロ…



アイナ&スミレ「「!?」」


ローズ「おう゛っ……おう゛う゛う゛う゛……」ポロポロ…

スミレ「ロ、ローズさん!?」アセアセ

アイナ「あぁ、やっぱり無理してたんだ……」ホロリ…

ローズ「し、仕方がないでしょぉぉ……アタシは、あの子の保護者だもの……」ポロポロ…

ローズ「あの控えめなキアラちゃんが、自分で決めたことなのヨ……?」

ローズ「あの子の選んだ道を、祝福、して、あげなきゃ……」ポロポロ…







ローズ「――でもやっばり予定より゛も早ずぎだっておも゛っぢゃう゛のよお゛お゛お゛ぉぉぉぉ!」ボロボロボロボロ!







アイナ「ああ、ローズさんのお化粧が崩れちゃう……!」ワタワタ

スミレ(……願わくば、フィーア様に相応しいお相手は遅れて現れて欲しいです)


ローズ(雄)「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉん……!」ダバダバ!

アイナ「ああ、完全にお化粧が……ほぼローゼンさんになっちゃった」

スミレ「……しばらくお仕事は、ボクとアイナさんで頑張りましょう」

アイナ「そうだね……ローズさんも一頻り泣いたら、落ち着いてくれるだろうし」

スミレ「ええ。でも、皇子様達とローズさんを説得したとなると残りは……」ブル…

アイナ「キアラ様とマックス君、大丈夫かなぁ……」



……


――

――

……

【帝国・ギルバートハウス】



フローレン「ちょ、ちょっと聞こえなかったわぁ……」

フローレン「キアラ、もう一度言ってみなさいな?」

キアラ「で、ですから。このマックスさんと、お付き合いをさせていただくことになりました///」

マックス「……」ドキドキ

フローレン「お付き合いってあなた……流石の天才の私もこればかりは読めなかったわぁ……」ビックリ

フローレン「ふぅん……」ジロジロ…

マックス「……」ドキドキ

フローレン「まあ、ギルバートというこの世で一番の男を私が手に入れてしまっている以上?」

フローレン「他の女は誰であれこの人よりも下の男で妥協するしかない運命だけどぉ……」チラ…

フローレン「まぁ……その辺のつまらない貴族よりはずっといい妥協ラインじゃないのぉ?」

マックス(貶されているのか、褒められているのか、どっちなんだろう……)

マックス(いや、この人もだけど本当に問題なのは……)





ギルバート「……」




マックス(さ、流石に帯剣してないからすぐにばっさりやられたりは……)

マックス(ああ、駄目だ! この人素手でも人間じゃない強さだもん!?)ブル…

マックス(だ、だけどそれがなんだ! 俺……達は一度この人を越えているんだ!)

マックス(堂々と……もし、殴られるとしても正面から受けるっ!)グッ!

キアラ(マックスさん……!)


ギルバート「……」



特殊判定
↓1コンマ二桁

マックスの試練その3

強者を求める皇帝の期待

40+15(最終戦での一撃)>50

※基準値を上回った為、関門突破!

――


ギルバート「――ふん!」ボッ!



キアラ&フローレン「「!?」」



マックス「うおぁっ!?」

マックス(が、顔面は流石にまずいってぇ……!? そこは腹辺りにしてぇ!?)



――『フレアミラージュ』発動――



ユラ…


マックス「あ、あぶねえええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」バクバクバクバク!

ギルバート「クク……やはり、やりおるな王国騎士よ」ニヤリ

ギルバート「覚悟を決めておらねば、その動きはできぬ」

キアラ「だ、大丈夫マックスさん!? お、お父様何を!?」

ギルバート「なに、そやつを試したまでよ」

ギルバート「たとえ帝国が実力主義で無くなったとしても、我は変わらぬ」

ギルバート「腑抜けた輩や、我を主張せぬお前につけ入り甘い汁を吸おうなどという輩なら殺すつもりだったが……」

ギルバート「以前も感じた通り、この騎士は見た目に反してなかなかやりおる」

ギルバート「あの緑髪の将同様、粗削りだが……砥ぐに値する牙持つ強者よ」

ギルバート「ふふふ……アベル達といい、なかなかどうしていい相手を見つけてきおるわ……」

キアラ「お、お父様……それじゃあ……!」

ギルバート「うむ――我が名において、認めよう」



マックス「よ、よかったぁぁぁぁ……」ヘナヘナ…

ギルバート「……む、気を抜くと死ぬぞ?」

マックス「え?」



ギルバート「流石に試す相手に追撃まではしかけぬが……」

ギルバート「――忘れたか? 我が拳の力を」



――『覇道拳』――
優勢取得時、与える劣勢を常時3にする←

――『皇龍の構え』――
優勢判定を得た時、敵が防御行動を取った場合は攻撃を分散し、1×3に変えることができる←


ギルバート「幻影を突き抜けた闘気はまだ二つ残っているぞ」


ドゴォ!


マックス「ぐほぉ!?」


ズドォ!


マックス「おふぉ!?」


ドシャァ…


キアラ「マ、マックスさん!?」

フローレン「あなた、容赦無さすぎよぉ……」


――『王国の未来を担う者』――
戦闘時、敵のレベルが自身より高い場合、常時補正+30
このスキルを持つ限り、劣勢を受けられる回数を3にする
さらに補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行う


マックス残耐久3-2 = 1



マックス「うぐぐ……じ、実戦だったら死んでいますね、確かに……」グググ…

フローレン「っ! 驚いたわぁ。よく立てるわねぇあなた……」

マックス「キ、キアラちゃんを守る為にも、このくらいじゃへこたれてられませんから……!」

ギルバート「ク、クク……!」

ギルバート「――ますます気に入ったぞ。アベル達以外にも、まだまだ楽しめそうな者は多い……」

ギルバート「――マックスよ。我が娘キアラと共に、今後も励むがよい」

マックス「は、はい! ありがとうございます!」

キアラ「マックスさん! まずは回復回復……!」パアアァァ!

マックス「あ、ありがとうキアラちゃん。実は結構無理してるんだよね……」フラフラ…


ギルバート「ククク……」

フローレン「手加減してたけど、この人の拳を受け止めきるなんて……」

フローレン「ふぅん……」

フローレン「ま、やっぱりギルバートには敵わないけど、キアラ……あなたには、お似合いかもねぇ……」


……

――

マックスが全ての関門をクリアしたあたりで、今日はここまで
補正があったとはいえ、マックスはやはり運がいいかも
この後もう少しだけやりとりがあった後、おまけ14終了となります

そして次のおまけ15は、まさかの隠しボス2体との戦闘
2体ともストーリー展開で出番を失った存在ですが、多少理由をつけての戦闘となります
まあ本来の出現条件が『クラウスの死亡+王国健在』と『シュタイナーとの和解成立』だったんでそりゃ出てこれないです
(片方はおそらくほぼ負けず、片方は勝っても負けても無問題)

戦闘は、万が一戦っていた場合の状況を再現して戦います
隠しボス1(弱)→純粋なアベル隊のみ(皇族支援無し)
隠しボス2(最大徒党)→最終決戦仕様(アベルの覚醒スキル+皇族支援有り)

おおまかな流れは考えていますが、先に戦ってみたい方を挙げていただけると助かります
本日もありがとうございました!

こんばんはー
遅くなりましたが、おまけ14終了まで投下したいと思います

そして隠しボスは王国側となりました
(弱)で固定になってしまうのも実はストーリー展開が理由かつ、絶対に覆せない結果があるためだったりします

――

【帝国・街道】



マックス「いてて……」サスサス…

キアラ「もう、お父様もだけどマックスさんもあんな無茶を……」

マックス「いや、覚悟は決めてたつもりなんだけどさ」

マックス「いきなり顔面に加えて3回分の打撃は完全に想定外だよ……」

マックス「……でも、へへへ……」

キアラ「?」

マックス「――これで、俺とキアラちゃん……ちゃんと、恋人になれたってことだよな///」

キアラ「……はい///」

マックス「みんなの言う通り、俺はまだまだ未熟だけどさ」

マックス「もっともっと、色々と成長して……絶対にキアラちゃんに相応しい男になって見せるよ」

マックス「絶対にな……!」グッ!

キアラ「私も、色々未熟者ですよ?」

キアラ「だから……慌てないで。二人で、一緒に頑張りましょう?」

マックス「ああ、そうだな。二人で一緒に……」


ギュ…


マックス「……///」

キアラ「……///」




マックス(どうしよう。あんなことをしちゃったのに、やっぱりこうしておてて握るだけで幸せすぎる///)

キアラ(ああ、マックスさんの温もりを感じると記憶が蘇って……///)

マックス「ゆ、ゆっくり行こうな! ゆっくり!///」

キアラ「は、はい! ゆっくりと行きましょう!///」


マックス(掴んだ幸せ……)

キアラ(この手は……)




二人((絶対に、離さない……///))




……


――

――


【帝国・アベルの城塞】



マックス「ただいまもどりまし――」



ロウル「ニヤニヤ」ニヤニヤ

マックス「うおぅ!?」ビク

キアラ「ロ、ロウルさん? 口で言わなくても……///」

ロウル「いやはや、アベルさんから聞いた時には驚きましたよぉ」ニヤニヤ

ロウル「まさか、お二人がねぇ」ニヤニヤ

キアラ「あぅ……///」

マックス「くぅ、俺だって身分とか実力とか、色々足りてないとは思うけどさぁ……!」

ロウル「いやいや、何を仰りますかマックスさん」

ロウル「マックスさんの性格は知っていますし、実力だってもう将軍級でしょう?」

ロウル「むしろどんどん見せつけて、しつこい貴族連中の心圧し折っちゃってくださいよぉ」ニヤニヤ

マックス「み、見せつけるって……///」

キアラ「恥ずかしい……///」

ロウル「おぅおぅ、初々しいことで」ニヤニヤ

ロウル「……でも、おめでとうございます」

ロウル「キアラ様も、ずっと苦労してきたんです。そろそろ幸せを掴まないといけませんからね」

ロウル「責任重大ですよぉ、マックスさん?」ポン

マックス「わ、わかってるって! この先何があろうと、俺はキアラちゃんの為に生きる!」

ロウル「この先、何があろうともですか……」ニヤリ…

ロウル「それじゃあ、お熱いお二人は早速中に入ってもらいましょー!」バッ!

二人「「?」」



ガチャ…


パトラ「マーックスッ!!!」ズドドド!

マックス「うぎゃああああぁぁぁぁ!?」ポーン!

キアラ「マックスさーん!?」

パトラ「全くこの子ったら……! いつの間にキアラさんに手を出したの!?」

パトラ「いいですか? 確かに私はあなたに騎士としての心得を説いてきたつもりです」

パトラ「でもっ! 私がアベルさんに手を出してしまったことまでは、真似なくていいのっ!///」

パトラ「あなたはもっと、節度ある行動をですね……!」

マックス「ち、違いますパトラ将軍!」ムクリ

マックス「俺だって、軽い気持ちじゃありません! 誓いの儀もした、本気なんです!」

キアラ「は、はい! 実は、以前からマックスさんとは、その……///」

パトラ「……ふふ」

マックス「え?」

パトラ「あなたの口からそれが聞けて満足だわ」

パトラ「あなたは確かに、ちょっと煩悩が多いところはあるけれど……」

パトラ「根は誰よりも真面目。私の誇れる部下よ」ナデナデ

マックス「あ、パトラ将軍……///」

パトラ「……キアラ皇女。至らぬところも多い部下とは思いますが」

パトラ「彼は決して、あなたを裏切ることはありません。王国将の名にかけて、約束致します」ザッ

キアラ「ええ。私もマックスさんを信じています……///」

パトラ「ありがとうございます。……よかったわねマックス?」ニコリ

マックス「は、はい!」

パトラ「ただ……ちょっと問題もあるのよね……」

二人「「えっ!?」」

パトラ「だって、考えてみて? キアラさんとお付き合いしてそのまま結婚となると……」




パトラ「――マックスが私の義弟になっちゃうでしょう?」




二人「「」」


キアラ「あ、そうです。パトラさんはアベル兄様と……」

パトラ「え、ええ。今はまだですが……行く行くはそうなれたら……///」テレテレ

マックス「パ、パトラ将軍が、俺のお義姉さん……!?」



~~~


マックス「パトラお義姉ちゃん、ここ教えてー!」

パトラ「もう、仕方がない子ね。ここはこうして……」ムギュ!

マックス「



パトラ「――なに変な想像をしているのマックス!」ギリギリ!

マックス「いてててて!? ほんの一瞬だけ頭を掠めただけですよぉ!?」

パトラ「はぁ……キアラさん、本当にこの子でよかったの……?」

キアラ「え、ええ。マックスさんもその、男性ですし。仕方がないですよ」

マックス「キアラちゃぁん……」ジーン…

パトラ「マックスの場合、普通の子よりも特に煩悩が強いと思うのだけれど」ヤレヤレ

パトラ「……まぁ、義理兄妹の問題で色々考えてしまう気持ちはわからないでもありません」

マックス「で、ですよね!?」

パトラ「……マックス、その頭を落ち着かせてよーく『お義姉さん』の言うことを聞きなさい?」

マックス「は、はい!?」ビシ!

パトラ「このままだと、私はあなたの義姉になります」

マックス「はい!」

パトラ「そして私にとってキアラさんは義妹になります」

マックス「はい!」

パトラ「……あなたがキアラさんと別れても、キアラさんは私の義妹です」

マックス「あ、あれ?」

パトラ「……」

パトラ「……やれやれ。こういうことよマックス?」


ガチャ!


アベル「ん、おお戻ったか――義弟よ」ニヤリ

カイン「遅いぞ、義弟」

アドルラン「はははは! 『家族』の食事の用意はできているぞ!」


マックス「」


アーシャ「おかえりなさい。お義姉さんに今日の出来事を教えてくれますか?」ニコリ

シア「お義姉ちゃんも聞きたいな~」ポヤポヤ

ティア「お、義弟の懺悔を聞くのも、義姉の務めなんですよね……!?」ワタワタ

エリス「マ、マックス! ご飯の後は、お、お義姉さんと鍛錬をしましょう!?」ワタワタ


マックス「」


エメリナ「お、お義姉ちゃんが二人の為に夜のご奉仕を教え――」モガモガ!

ルーシェ「駄目です、絶対……! 悪影響……!」ググググ!

ヒバリ「あははは……ま、私はみんなのお姉さんっていうのはあまり変わらないかなー」

ヒバリ「ちょっと残念だけど、今まで通り頼ってくれていいからねー?」


マックス「」


フィーア「家族が一杯って、幸せですよね!」ピョン!





フィーア「――マックス義兄様!」キラキラ





マックス「」ファー…


キアラ「マックスさん!? しっかり!?」ユサユサ!



パトラ「あら、思ったよりショックが大きかったみたいですね?」

ロウル「わざわざ私が匂わせて、パトラさんからしっかり教えてあげたのにですかー?」

ティア「ロ、ロウルさん! やっぱりこの悪戯はちょっと過ぎたのでは……!?」オロオロ

エリス「なんだか、凄く恥ずかしかったです……/// マックスさんの方が年上なのに……」

ロウル「えー? でも本当にそうなるかもしれないんですよぉ?」ニヤニヤ

ロウル「今の内から慣れて貰おうという、私なりの思いやりだったのにぃ」

アベル「まぁ、誰であれ衝撃は受けるだろうな……」

カイン「改めると、僕らの関係がとてつもなくややこしいことになっているからねぇ……」

アドルラン「はははは! だが私は嬉しいぞ! 本当の家族とは昔の関係に戻れ……」

アドルラン「今、友たちとも家族になれているのだからな!」ハハハハ!

フィーア「私も驚いちゃったけど、マックスさんなら信じられます!」ピョン!

フィーア「ここのところ、ずぅっとキアラ姉様を守ってくださっていたようですし!」

キアラ「あはは、やっぱりフィーアちゃんには色々気がつかれてたかな……?///」

アベル「確かに言われてみると、結構前から一緒に行動していたものな……」

アベル「やれやれ、マックスが真面目な男でよかったとつくづく思う」

アベル「――妙な男だったら氷結粉砕していただろうからなぁ」ヒュオオォォ…

マックス「」ガタガタ

マックス「はっ!?」

キアラ「あ、よかったマックスさん帰ってきた!」

アベル「ふふ……すまなかったな。文句があればロウルに言ってやってくれ」

マックス「い、いえもう大丈夫です! 確かに言われてみるとそういえばって驚きましたけど……」



マックス「俺はキアラちゃんを絶対に幸せにしてみせると、きょうだいの皆さんの前で宣言するっ!」バッ!



一同「「おぉー!!!」」パチパチ!

キアラ「///」

マックス「そして……皆さん、これからもどうかこのマックスをよろしくお願いします!」ペコリ


チョンチョン


マックス「ん?」



ノワール「――ええ、よろしくね? 私のこともお義母さんって呼んでくれるのかしら?」ニコリ



マックス「」ファー…

キアラ「マックスさーん!?」ユサユサ

アベル「ふふ、頑張れよマックス?」


――


EX14

戦いを終えて~~帝国第一皇女に迫る闇と王国騎士~~


おしまい

――

――



EXイベント15-1


【戦いを終えて~~王国の深淵・五竜の研究理由~~】




――

帝国・聖国・王国……


かつて争いを繰り広げた三国は、激しい争いの果てに和平を結ぶに至る。


各地で新たに台頭しようとする者、暗躍しようとする者……

そういった者も決して少なくはない。

だがしかし、戦争を生き抜いてきた者達はこれらも鎮め、平和の為に尽力してきた。


――


ルーシオ「うわあああああああ! マークス『新婦』っていったじゃないかあああぁぁぁ!?」ジタバタ!

留学帝国兵「はははー、どこかで見た顔だと思ったらルーシオ将軍じゃないですかー」ムキッ!

留学帝国兵「聞きましたよー? 聖国の、ティアちゃんみたいな衛生兵の子に酷いことしてたんですってー?」


留学帝国兵「――マークスさんと一緒に叩き直してやるから覚悟しろ」ボソリ


ルーシオ「嫌だー! 離せ―!?」ジタバタ!


ガシ!


ヘリング「案ずることは無い……」ムキィ!

ヘリング「マークスシンプノオシエハスバラシイカラナ」


ルーシオ「」ガタガタ



リーナ「……確かに、被害者はでていますが」

アルフ「元々は、我が国の者が呪術を過剰に排したことが原因だ。彼も、そういった意味では犠牲者だ」

マークス「お任せください! 必ずやあの少年を光の道に連れ戻して見せましょう!」ムッキィ!


――


全てが全て上手く行くわけではない。

しかし、それでも彼らは日々を生き抜いていく。

再び、争いに満ちた世に戻さないために。

それは険しい道のりだ。

だが諦めることも、投げ出すことも無い。

かつてない苦難を乗り越え、育まれた絆があるのだから。

そして……かけがえのない愛も。


――


アイナ「珍しいね、エリスちゃんが私達に相談だなんて」

エリス「その……エメリナさんだと、私が耐えきれない可能性が高いので……///」

エリス「エメリナさんから、エメリナさん以外にその……『夜』のご相談で適した人を伺ったんです///」

アイナ「え、夜って……アベル様と何かあったの!?」ガタ!

スミレ「……アベル様は優しい方です。エリスさんを手酷く扱うとは思えませんけど」

エリス「は、はい/// その……もう……///」モジモジ

アイナ「わあぁぁ///こっちも恥ずかしくなっちゃうね……」

アイナ「で、でも、ローズさんだって負けてないんだから!」フンス!

スミレ「ええ。ですが今は、エリスさんのご相談から。何があったんです?」

エリス「その……先日お出かけした際にわかったんですけれど///」

エリス「アベル様……わ、私のお尻に……///」カアァァ!

アイナ「あ、お尻ならスペシャリストのスミレちゃんがいるから安心してエリスちゃん!」グッ!

スミレ「ちょ、ちょっとその言い方はやめてくださいよアイナさんっ!?」ガターン!


――


愛する者と結ばれたい。

愛を育み、子を持ちたいという者が現れ始める。

戦時中では、思っても口に出せないことを今は誰でもできるようになった。

戦争は終わった。

平和な世は、確かに訪れているのだ。




しかし……



――


【???・???】



ゴポポポ…



元王国大臣「くく……」

元王国大臣「くくくく……!」



元王国大臣「ああ、もうすぐだ。もうすぐこの耐え難い生活から解放される……!」



元王国大臣「もうすぐ、もうすぐですぞ……」




元王国大臣「――もうすぐ、夢が現実のものに……!」


元王国大臣「くくくくくくく……!」

元王国大臣「三国和平とやらに浮かれた馬鹿共には、もう止められん……!」



ゴポ…


ゴポポポ…


――



深い、深い闇は……


深淵の闇は、まだ潜んでいた……



……


――

おまけ15導入部が済んだあたりで、今日はここまで
正直真体ギルバートすら余裕持って倒せた上にさらにレベル上がったアベル達なんで、苦戦はしないでしょう(白目)
まだ前回のダメ押しクリティカルの補填に悩んでいますが、そろそろ考えないと……

本日もありがとうございました!

こんばんはー
今日も今日とて少しづつ再開です

――


スカーレット「さあ、もう逃げ場はありませんわよ!」ヒュパン!



腐敗貴族兵達「「」」ドサドサ…

腐敗貴族「ひええぇぇ! い、命だけはお助けおぉぉぉぉ……!」ガタガタ


スカーレット「ええ、この場では殺しません。全てを吐き出させるまではね」

スカーレット「――悪事のことも、精液も、何もかもを出しきりなさい!」ギュパン!


腐敗貴族「ンギイイイィィィィィィィィン!?///」ドピュピュピュピュピュ!

腐敗貴族「」ドサ…


スカーレット「陛下、一団を全員屈服させて捕縛いたしましたわ」ビシ!

クラウス「すまないなスカーレット将軍」

クラウス「こちらも、館に囚われていた奴隷は全て解放したのだが……」


奴隷少女1「クラウス様……///」ギュ…

奴隷少女2「ん……///」ギュ…


クラウス「どうしたものか、私から離れようとしないんだ」

クラウス「辛い思いをしてきただろうし、怯えているのはわかるのだが……」


スカーレット「ふふ、陛下の人望ですわね?」

クラウス「?」


――


三国で、少なからず闇の芽はあった。

被害が拡大する前に、それを摘み取ってしまう。奮戦する者達は迅速だ。

白帝竜の悪用を企てた者も、信徒を洗脳していた司教も、影で蠢いていた暗将も。

その野望を砕かれてきた。

中には、変わった運命を辿った者もいるが……


――

……

――


【帝国・白帝領域】


サク「キュルルーン!」モシャモシャ



マックス「……改めて、すごい光景だよなぁこれ」

フィーア「サクちゃんは大きいですけど、本当は大人しくていい子なんですよ!」ピョンピョン!

キアラ「ところでフィーアちゃん、今日はどうして私達をここに?」

カイン「なんか嫌な予感がするんだよねぇ……」

フィーア「こほん、それはですね……」

フィーア「先日、マックスさんのおかげで事なきを得ましたけど、キアラ姉様を狙う悪い人がいましたよね?」

カイン「ああ、あの餓鬼ね。今頃は死ぬよりきつい地獄をみているだろうさ」ククク…

マックス「まさかあんな子供が、実は帝国将だったなんて驚きですよ……」

カイン「僕はお前がキアラと付き合っていたことがやっぱり驚きだけどねぇ……」

マックス「そ、それを言ったらカイン皇子こそ、いつもエメリナちゃんにべったりじゃないですか!」

マックス「俺黙ってましたけど、それも結構驚きなんですからね?」

マックス「しかもあのダボダボメイド服がカイン皇子のしゅ――」

カイン「よーしマックス、八つ裂きにされたくなければ少し黙ろうなぁ?」ググググ!

マックス「むぐぐぐ!」

キアラ「ふ、二人とも落ち着いて、ね?」アセアセ

フィーア「仲良しさんですね!」ピョン!

カイン「誰がだよ……! で、話を戻そうか」

マックス(あ、ずるっ!)

フィーア「そうでした! マックスさんもローズさんも、いつでも姉様のお傍にはいられません」

フィーア「もしかしたら、まだ姉様を狙う悪い人がいるかもしれません!」

フィーア「ですので、私考えました! 私も姉様や兄様をお守りするために……」


フィーア「――サクちゃんに乗って、上空から帝国に悪い人がいないか探るんです!」

フィーア「――カイン兄様にはサクちゃんだけひっかからない特別な結界を用意してもらうので大丈夫です!」フンス!


カイン「流石の僕でも無理なものは無理だからな!?」

キアラ「フィーアちゃん、危ないことはやめて!?」

マックス「まずこの竜が帝国中を日頃から飛び回るのは一般人生きた心地しないんじゃないかな!?」

フィーア「あれれ?」

サク「キュル?」


カイン「まったく……前の我儘通り、この領域周辺だけ結界に穴を用意してやっただろう?」

カイン「散歩は自由にできるんだからそれで我慢しなよ」

カイン「フィーアがそんな危ない真似しなくても、僕や兄さんにアベル達も警戒は強めているんだ」

キアラ「そうだよフィーアちゃん。もし警戒するにしても、今まで通りでいいんじゃないかな?」

マックス「キアラちゃんは、今度こそ俺がきっちり守ってみせるからさ!」

フィーア「うーん……姉様達にそう言われてしまうと、お流れにするしかないです」

サク「キュルン?」

カイン「……まあ確かに、こいつがいつ空から襲ってくるかと思うと悪事を働く連中も気が気じゃないだろうけどね」

キアラ「本当に大人しい子だけど、戦うとすごく強いんだもんね……」

マックス「前の様子からするに、キアラちゃん達のお母さん……魔女フローレンでもきっつい相手なんだろ?」

サク「キュルー!」ドヤ!

カイン「だろうねぇ。まあ正面からやって勝てるのは父さんと義母さん……」

カイン「あとはアベルとエリスくらいかな? ……結構いるのがすごいな」

サク「キュルーン…」ショボン…

サク「キュ……キュキュキュー!」パタパタ!

マックス「うおっ!? 急にどうしたんだ?」

キアラ「小さく羽ばたいてるけど、何か伝えたいのかな?」

サク「キュ、キュキューン!」ミテミテ!

カイン「ん、これは……?」

フィーア「あ、わかりました!」ポン!

フィーア「どれだけ強い相手がいても、私にはこの翼があるもん! ですね!」ピョン!

サク「キュキューン!///」ホクホク

マックス「フィーアちゃんすげぇ……」

カイン「こいつの反応からして、多分正解だね……」

キアラ「でも、確かに流石のお父様達でも空は飛べないもんね」

サク「キュルン!」ノッテノッテ

フィーア「これは、それを見せてあげよう! だと思います!」

フィーア「折角ですから、キアラ姉様もカイン兄様も、マックスさんもお散歩を体験してみましょう!」ピョンピョン!


一同「「え!?」」


……


――

……



サク「キュッキュー」バサァ!バサァ!


マックス「うおおぉぉ……低めって言っても結構高いぞ!?」ギュ…

キアラ「凄い景色だけど、ちょっと怖いかも……?」ギュ…

カイン「……普通に手を握り合うんだねぇ」

マックス「あ、これは……///」

キアラ「……///」

カイン「落ちる心配はないよ。流石は風を操る竜と言ったところかな」

カイン「こいつ、飛びながら独特の気流を生み出している。落ちそうになったら勝手にこっちに身体が押し戻されるよ」

フィーア「そうだったんですか!? 流石サクちゃんです!」

サク「キュルル!」ドヤ!


バサァ! バサァ!


フィーア「やっぱり、風が気持ちいいですね!」

カイン「ああ、確かに普段じゃなかなか味わえない風だね」


ズ……


サク「……キュ?」

フィーア「あれ、どうしたんですかサクちゃん?」

サク「キュ……キュ?」キョロキョロ…

サク「キュルー……?」カシゲ

マックス「い、一体どうしたんだ?」

キアラ「何か探している……いや、警戒しているのかな?」

カイン「……気流を突き破る程の大きな攻撃が来たら、僕達も落ちるだろう」

カイン「しかしそれこそ、お前達の連携でもなければここまでそんな攻撃は飛んでこない」

カイン「キアラ、魔力は感じたか?」

キアラ「い、いえ全く。見晴らしもいいですし、穏やかな天気だとしか……」

マックス「うん、地上の方にも怪しい奴はいないですよ」ジー…

マックス「こいつの勘違いじゃないですか?」

サク「キュ……」

フィーア「……サクちゃんは、変装状態でもアーシャ姉様の正体に気がつく程に鋭い感覚を持っているんです」

カイン「そいつが思わず警戒して……でも伏兵も魔力も無い。そうなると考えられるのは……」

カイン「……」


……


――

――


【帝国・アベルの城塞】



アベル「サクが警戒を……?」

カイン「ああ。僕らじゃ感じ取れない何かを感じ取ったんだと思う」

カイン「あれが警戒する程となれば、危険性はあのクソ餓鬼の比じゃないだろうと思ってさ」

カイン「この僕がまた後手に回るのは癪に障るし、一応アベル達にも警戒して貰おうと思ったんだ」

アベル「……竜にのみ感じ取れた、警戒すべき気配か」

アベル「まさかとは思うが……」

カイン「――同種の存在」

マックス「ど、同種って……また竜がってことですか!?」

カイン「ああ。野生の魔物程度は一薙ぎにできる以上、警戒するならそれくらいの域だろう」

マックス「で、でも王国のドラゴンは全部で五体……」

マックス「赤帝と蒼帝はアベル皇子達が、黒帝は俺やパトラ将軍達で、白帝はこうして今ではフィーアちゃんに懐いている」

カイン「そしてあの後バーンズに確認を取ったけど、金真竜は父さんが切り刻んで山に埋めたってさ」

アベル「確かに、五体の内四体は葬った。王国の竜は全て倒したと言えるが……」



カイン「――そもそも、どうして王国の竜は五体ってわかったんだ?」

カイン「――元々が実験生物、他にもいた可能性はないのか?」

マックス「そ、それはないと思います。あの日、聖国は宝物庫からほぼ根こそぎ奪って行ったって話でしたし」

マックス「スカーレット将軍も多くの腐敗貴族を尋問したそうですけど、どの貴族も竜は5体しか存在しないと口にしたそうですし」

カイン「むむ……それじゃあ一体?」

アベル「……竜は五体。しかし、竜の『力を持つ』者なら、スミレがいる」

カイン&マックス「「!!」」

アベル「あの子は優しい子だ。何があっても、あの力を悪用することはないだろう」

アベル「だがもし、スミレと同じように竜の力を埋め込まれ、悪用するような者がいるとすれば……」

マックス「っ!」ゾクッ!

マックス「ちょ、ちょっとクラウス様とスカーレット将軍に報告に行ってきます!」ダダダダ!

カイン「だがアベル、金真竜と適合性の高かったスミレは確かに強いが……」

カイン「本人も言っていたが、どう足掻いても本体程の力は持てない」

カイン「金よりは格下とはいえ、白帝が紛い物を警戒するかな?」

アベル「……何事も起こらなければいいんだが」


……


――

――


……


【王国・王城】



クラウス「――そうか。ありがとう」

クラウス「しかし、今のところそのような報告は挙がっていないな」

アベル「そうでしたか。お騒がせして申し訳ありません」

マックス「す、すみませんアベル皇子。一人で突っ走っちゃって……」ゼェゼェ…

パトラ「まったく、全速力で城塞内を走っているから何事かと思ったじゃない……」

アベル「いや、マックスの気持ちはわかる。白帝竜が異例なだけで……」

アベル「竜の力が人に向けられた場合、その脅威は計り知れんからな」

アベル「パトラもそう思ったからこそ、こうしてついてきたんだろう?」

パトラ「え、ええ……」

スカーレット「ふふ、しかし……」

スカーレット「また腕を上げましたわね、お二人とも?」

スカーレット「あなた達がいれば、王国騎士団も安泰ですわ」

クラウス「うむ。我々も鍛錬は重ねているが、だからこそ差を痛感するよ」

スカーレット「ちょうど腐敗貴族の取り締まりや強襲も増やして、兵共々実戦経験を積んではいるのですが……」

スカーレット「ほぼ全員、ワタクシの一撃で沈んでしまいますの」

スカーレット「この点からしても、現時点で王国に竜の力を宿した兵士はいませんわ」

スカーレット「先日も、結構な腐敗貴族を躾……尋問したのですけど」グイッ!


調教貴族「ぶひぃん!?」ドサ…


一同「「!?」」

スカーレット「ほら、アベル皇子達もお越しになっているのですよ?」グリグリ

スカーレット「あなたの持つ情報を、全て吐きだしなさいな? 吐かないと踏むのを止めますわよ?グリグリ

調教貴族「ぶひっ! ほ、ほんとうに私めごときでは、もう知っていることがないのでございます!」

調教貴族「役に立たないこの豚を、どうか踏んで躾けてくださいませぇ!」

スカーレット「……」グリッ!

調教貴族「ぶひょっ!?」ビクン!

クラウス「……スカーレット将軍、自室待機」ハァ…

スカーレット「そんな、陛下!?」


パトラ「……この光景も少し王国の闇の気がしてきました」ガクリ

マックス「し、仕方がないですよ。スカーレット将軍ですし……」

アベル「クラウス王、だいぶお疲れだな……」

スカーレット「くぅ……あなた、本当に隠し事はないのですね?」

スカーレット「アベル皇子がこうしてお越しになっている以上、可能性は0ではない筈……」グリグリ

調教貴族「ふぉっ! ……そ、そもそも五竜などという危ない物に手を出すものが、少ないのです……!」

調教貴族「あんなもの、宝玉に封印している状態で砕いてしまえばよかったものを……!」

アベル「……そういえば、ふと気になったのですが」

アベル「王国の五竜。これはいつ頃から封印されていたのですか?」

クラウス「何時から……それは少し難しいな」

スカーレット「……少なくとも、私が陛下に忠誠を誓う前」

スカーレット「愚かな前王の時代から、竜の存在は耳にしたことはありましたわ」

クラウス「私が国王となったのも、急な話だったな。前王は突然崩御したのだ」

クラウス「その頃には既に宝物庫に封印されていた筈だが……」

クラウス「……もしかすると、大臣であれば詳しいことを知っていたかも知れないな」


調教貴族「おお、そうです!!」


一同「「!?」」

調教貴族「大臣様は、竜を封印して保管することを特に推しておられました!」

調教貴族「反対する貴族も多かったのですが、流石に大臣殿に逆らうわけにも……」


アベル「王国の大臣……」

アベル「今はどこに?」

クラウス「それが……あの日、天使の襲撃があってから行方がわかっていない」

クラウス「おそらくはもう……」

アベル「……」

アベル「……嫌な胸騒ぎがする」

マックス「え?」

アベル「パトラ、マックス」



アベル「――念の為、戦いの準備を整えておいてくれ」



……


――

――

【聖国・教会付近】


キメラ1「ガアアアア!」

キメラ2「グルアアア!」

聖国民「ひっ!? な、なぜ神の御加護がある我が国にこのような!?」



――『断罪の一閃』発動――



アルフ「はあっ!」ズバア!



キメラ1「」ドサ…

キメラ2「」ドサ…



キメラ3「ギ、ギィ!?」ダッ!


ダァン…!


キメラ「」グシャ…


リーナ「ふぅ……」


聖国民「おお……アルフォンス様、エカチェリーナ様……!」

リーナ「ご無事ですの!? はやく避難なさって!」

アルフ「魔道隊! 周囲の警戒をしつつ結界を展開せよ!」

リーナ「私と兄上の護衛は不要です! 民の安全を最優先にお願いしますの!」

アルフ隊&リーナ隊「「はっ!」」バッ!



アルフ「まさか、魔物の襲撃を許すとはな……」

リーナ「……兄上、この襲撃をどう思います?」

アルフ「この程度の魔物が、聖国を覆う結界を破れるとは思えぬ」

アルフ「――これは、聖国内から湧き出していると見るべきだろう」

リーナ「ですわね。そして、この姿には見覚えがありますの……」

リーナ「これは――王国が生み出した魔物ですわ」

アルフ「そうなると、考えられるのは……」


……

――

【聖国・???】


元王国大臣「クククク……!」

元王国大臣「いよいよですぞ……!」


ゴポポポポポ!


……

――

隠しボス1戦前まで進んだ辺りで今日はここまで
明日か明後日には戦闘開始となると思いますが、まあこちらは気楽に構えて大丈夫です
なおクリティカル補填はやはり思いつかなかったので、ゾロ目チケット1枚にしようかと思います
戦闘の保険に持つもよし、短い話ならこのスレ内で追加のおまけで挟むこともできるかな?

本日もありがとうございました!

こんばんはー
それでは今日も少しだけですが再開です
ちょっとだけコンマ判定ありです

――

……

【帝国・アベルの城塞】


アーシャ「聖国に、王国の脅威の可能性が残っている?」

アベル「ああ。俺の取り越し苦労であるならそれが一番ではあるんだが」

パトラ「しかし、あの大臣は地位と富への執着心が相当でしたからね……」

パトラ「以前アーシャさん達が捕縛した腐敗貴族、あれも聖国に攫われてから白帝を捕まえています」

アーシャ「なるほど……改心したと見せかけ、聖国の方で同様のことをしている可能性もあるわけですね」

マックス「王国にそれらしい奴がいないんじゃ、残るは帝国か聖国だ」

パトラ「そして二国を比較した場合、聖王シュタイナーを失った聖国は大幅な弱体化をしています」

パトラ「帝国は皆さんご承知の通り、ギルバートさんがある意味で健在ですからね……」

ロウル「消去法で聖国しか潜伏できる場所もないわけですね」

マックス「あの国の人達……過激な人もいたけど、やっぱり優しい人たちも多いんだ」

マックス「大臣の嘘を見抜けないでいる可能性はあるかもな……」

ティア「それに、アルフォンス様もエカチェリーナ様も普段はお忙しい身です……」

ティア「聖国の復興、結界の再作成に時間を割けば……攫ってきた人の一人を深く追求はできないかも……」

シア「は、はやく確認しに行きましょう~!?」ワタワタ

ロウル「やれやれ、念の為すぐに装備は整えられるようにしてはありましたけど!」ザッ!

エリス「相手が誰であれ、ようやく落ち着いた世界を乱させることは許せません!」チャキン!

フィーア「その通りです!」

キアラ「わ、私達も用意をしてきます……!」

ノワール「……待ちなさい二人とも」

フィーア「え?」

ノワール「現時点で、聖国に脅威が存在することは確定していません」

ノワール「そう思わせておいて……帝国か、王国が狙われる可能性も無いとはいいきれませんよ」

キアラ「う……確かに」

アベル「はい。ですので……」

ノワール「ふふ、わかっていますよアベル」

ノワール「――私とこの子達。アドルランやカイン、ローズ達もいます。こちらのことは心配しないで?」チャキ…

アベル「すみません母上。何事もなければ、すぐに戻りますので」

ノワール「そうなることを祈っていますが……万一の時はみんな、気をつけるのですよ?」

一同「「はい!!」」

ティア「……」



特殊判定
↓1コンマ二桁

――

ティア(レベル15)の勇気

75>35

※基準値を下回った為、アベル隊の一員ですがお留守番

※戦闘経験は積めませんが、むしろ今回はそっちの方が安全かも

――


ティア(わ、私もアベル様の部隊の一員……)

ティア(頑張って、アベル様をお助けしないと!)

ティア(でも、でももし、本当に恐ろしい敵が現れたら……)

ティア「……っ」ブル…

ノワール「……ティアちゃん?」

ティア「は、はい!?」

ノワール「いつでも危険な場所に赴くことが、全てではありませんよ」

ティア「え?」

アベル「その通りだ。ティア」

ティア「アベル様……」

アベル「戦って敵を倒すことが全てじゃない」

アベル「何かあった時の備え、そして帰るべき場所を守る者も必要だ」

ティア「あ……」

アベル「頼めるか、ティア?」

ティア「は、はい!」グッ!


……

――

――


【聖国・転移地点】



シュイン!


アベル「っ! これは……!?」



魔物の残骸「」



マークス「ぬおおおぉぉぉ!」ドゴォ!

マークス隊「「神から授かりし肉体の力を見よっ!」」ムキィ!


魔物達「「ピギャアアア!?」」グシャア!


アベル「マークス神父!?」

マークス「ん? おお、アベル君達ではないか!?」

マークス「なんという幸運! 神よ、感謝致します!」グッ!

ロウル「マークスさんマークスさん、今はそれよりも状況を教えてくださいよ!」

エリス「とはいえ、この状況をみれば……」


魔物「シャー!」バッ!


エリス「ふっ!」ズバン!

魔物「」パカッ…

エリス「嫌でもわかってしまいますけど……」

マークス「うむ。実は少し前から、聖国内に魔物が沸き始めていてね」

マークス「幸い、強さはそれほどでもないのだが……出処と正体に問題があるのだよ」

アーシャ「……王国の魔物が、聖国内部から出現しているのですね」

マークス「うむ……。嘆かわしいが、この騒動を起こしているのは人間であろう」

パトラ「ますます大臣が怪しいわね……」

マックス「くそ、どこにいやがるんだ……!?」


フワ…


ロウル「……?」

ロウル「……」クンクン…

ロウル「この魔物の臭い、かなり独特で嫌なものですね」

ロウル「ですが、この魔物が人為的に拡散させられているなら……」

ロウル「一番臭う場所が、諸悪の根源ではないでしょうか?」

アベル「なるほど。すまないロウル、嫌な臭いらしいが探れるか?」

ロウル「ふふん! まっかせてくださいよ!」パタパタ!

ロウル「とりあえずまずは、あっちの方角ですよ!」クンクン!

シア「ちゅ、中央の方です~……」

アベル「よし、行くぞみんな!」

アベル隊「「はい!」」

マークス「我々も向かいたいところではあるのだが……」


魔物「シャー!」バッ!


マークス「ふん!」ズドォ!

魔物「」ボギィ!

マークス「弱めとはいえ、戦えない民を襲う可能性があるこの者達を野放しにはできぬのだ……!」

アベル「いえ、民を守ることこそが本来一番に為すべきことです。こちらこそ申し訳ないのですが、お任せしても?」

マークス「うむ、任せてくれたまえ!」ムキッ!

マークス「アルフ様とリーナ様も部隊を率いて戦っておられる」

マークス「この程度の相手には、遅れはとらないよ!」

マークス隊「「落ち着いたら、自分達もそちらに向かいますので!!」」ムキムキムキ!

アベル「こ、心強いな……」

アベル(彼らは闘士なのか、衛生兵なのか……どっちなんだろうなぁ……)


……

――

――

……

【聖国・聖都中央】


アルフ「リーナ、状況は!?」ズバ!

リーナ「部隊の皆さん頑張って魔物を倒してくださっていますの!」ダァン!

リーナ「各居住区の結界も生きていますから、この程度の魔物なら通すこともありませんわ……!」ダァン!

アルフ「やれやれ……ヘリング司教の一件があってから兵や自分自身を鍛え直さなければ、危ないところだったかもしれぬ」ズシャ!

アルフ「どうやら魔物は散開し、全てを討ち取るには時間がかかるかもしれぬが……」

リーナ「逆に、一度に襲ってくる数は大したことありませんの!」ダァンダァン!

リーナ「問題なのは……」


バババ!


魔物の群れ「「グオオオオオオ!」」


――『断罪の一閃』発動――


アルフ「ふん!」ズガァ!

アルフ「どう見ても、その魔物がここから湧き出ていることだな……!」




アベル「アルフ! リーナ! 無事か!?」



アルフ「ア、アベル皇子!?」

リーナ「どうしてここに!? と言いたいところですけど、助かりましたわ!」

ロウル「うっわ、ここですよここ! すっごい臭います!」

シア「お、お怪我はありませんか~!?」

アルフ「ああ、問題ない。どうやら、既に事情は把握してくれているようだな」

リーナ「武装状態のアベルの隊が来たなら、もう勝ったも同然ですの!」

アルフ「……」

リーナ「兄上?」

アルフ「……この奥に、おそらく今回の騒動の首魁がいるだろう」

アルフ「魔物ごと、この手で断罪してやりたい」

アルフ「だが……何故か、嫌な気配を感じるのだ……」タラリ…

パトラ「……私達は、ある程度敵の正体を掴んでいます」

パトラ「そしてそれは、王国の負の遺産……竜の力を宿している可能性もあるのです」

リーナ「なっ……!?」

アルフ「なるほど、あれが相手では、私が竦んでしまうのも道理か……」

アルフ「……アベル皇子」

アベル「わかっている。俺達も、それを討ちにここまで飛んできたのだ」

アルフ「君達には、幾度となく助けられるな……」

アルフ「……武運を祈る」スッ

アベル「ああ……」

……

――

――


【聖国・地下空洞】


ズガガガガ!


魔物の屍山「「」」ドッサリ


エリス「……」チャキン…

パトラ「……次は誰が刺されたいですか?」チャキン


魔物達「「グゥゥ……!?」」ブルブル…

魔物達「「キャインキャイン!」」ダッ!


マックス「こわぁ……魔物達もそりゃ逃げるよ」

アーシャ「本当に一体一体の力量はそれほどでもありませんからね」

ロウル「でも、逃げ出したところで……」チラ…



<ダンザイノイッセンー!

<キャイィィン…



シア「ご冥福をお祈りします~……」

アベル「雑兵は気にする必要もないな」

アベル「さて……」ジャリ…



アベル「――姿を現して貰おうか」

アベル「――王国の大臣よ?」






王国元大臣「く、くぅ……!?」



アベル「お前が使役している王国の魔物は、聖王達の監視から逃れたものなのだろう」

アベル「それ故、白き魔力による強化もされていない」

アベル「この程度では、聖国を陥落させることはできないぞ?」

王国元大臣「ぐ……まさか……」

パトラ「……観念しなさい、大臣」チャキ…

マックス「王国は聖国の奇襲を受けた……」

マックス「だからって、似たような手を使っていいってわけでもないぞ!」チャキ!

元王国大臣「き、貴様らは……!」

パトラ「たとえあなたが、竜の力をその身に宿していたとしても」

パトラ「勝ち目はないと思った方がいいですよ?」


アベル隊「「……」」チャキン…


元王国大臣「……」

パトラ「何か弁明したいことがあれば、それは陛下の前でお願いします」

パトラ「……聖国でも偽りの償いをしていた貴方に、酌量の余地があるとは思えませんが」

元王国大臣「……くく」

パトラ「何がおかしいの?」

元王国大臣「相変わらず……クラウスも、その臣下も馬鹿ばかり……!」ククク!

元王国大臣「何故、私が五竜の研究をしていたと思うかね?」

元王国大臣「何故、私が嘘とはいえ聖国に謙ってまで生き永らえたと思うかね?」





元王国大臣「――全ては、この時のためだっ!!!」バッ!





巨大魔法陣「……」キィィィィィン!

巨大な宝玉「……」ゴポポポポポ!



アベル「なっ……あれは!?」




元王国大臣「さあ、ちょうど良い『生贄』も現れましたぞ!」

元王国大臣「今こそ――復活の時でございます!」




元王国大臣「――我が主君! コーネリアス様っ!!!」



パリィン!



ゴゴゴゴゴゴゴ!


???「グオオオオオオオオオオオオ!」ズルルルルル!




ロウル「うっぷ……!?」

パトラ「コ、コーネリアスですって……!?」

マックス「そんな、馬鹿な!? だって……!」

アベル「まさか……!?」

パトラ「――暗愚王コーネリアス……前国王です!!」




元王国大臣「ふはははははは! 暗愚なのはクラウスの方ではないか!」

元王国大臣「コーネリアス様の望みは、永遠の命! 永遠の王になられるべきはあのお方しかいないのだ!」

元王国大臣「生物をより強靭に作り変え続け、五竜は生まれた……!」

元王国大臣「そしてその五竜から吸い取った力を取り込んだコーネリアス様はまさに、究極の存在に――」




腐竜コーネリアス「グオォォォォ……」ボタ…ボタ…

元王国大臣「ひぇっ!? な、何故……!?」

腐竜コーネリアス「わしは……死なぬ……滅びぬ……」ボタボタ…

腐竜コーネリアス「だと、言うのに……何故だ……癒えぬ……渇きが……!」

腐竜コーネリアス「もっと、金を! 物を! 女を……!」




腐竜コーネリアス「――生命をよこすのだあああぁぁぁぁぁぁぁ!」ギュパッ!




元王国大臣「ひ、ひえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」ガタガタ!


――『暴食・満たされぬ者』発動――


★★『暴食・満たされぬ者』★★
生物と遭遇する度に発動。対象者によりその効果は変わる
ネームレス敵兵
確定捕食。そのレベルの半分を自身に加算する
ネームド敵兵
戦闘を行い、勝利後の逃走を阻止できた場合捕食。そのレベルの半分を自身に加算する
魔物
確定捕食。そのレベルの半分を自身に加算し、コンマ判定で一部スキルを奪取する
五竜
コンマ捕食判定。成功時にそのレベルの半分を自身に加算し、コンマ判定で一部スキルと耐久値を奪取する
既に討伐されていた場合は確定捕食し、そのレベルの1/3を自身に加算し、コンマ判定で一部スキルと耐久値を奪取する


元王国大臣:レベル10

※確定捕食・腐竜コーネリアスのレベルが10×1/2=5上昇





腐竜コーネリアス「グルオオオオオオオオオ!」

元王国大臣「ひっ、ぎゃっ……!?」グチャア!


ガリボリ…ガリボリ…



アーシャ「な、なんてこと……」

パトラ「これが、前王の成れの果てだというのですか……」

マックス「うっぷ……だ、大丈夫かロウルちゃん!?」

ロウル「え、ええなんとか……」ヨロ…

ロウル「今まで嗅いだこともない腐敗臭……風に乗って、サクさんがこれを感じ取ったんですかねぇ……?」

エリス「っ……身体のあちこちから、ぬるぬるとした気持ち悪いものが生えています……」

パトラ「骨格だけは五竜に近しいのかもしれませんが、どうしてこんな醜悪な姿に……」

シア「……」

シア「雷火隊と、同じです……」

シア「一人の人間に、過剰な力を与えてしまえば身体は崩れ去ります……」

シア「ましてや、自然の摂理に反する行いをすれば……」

アベル「絶えず腐敗し崩れる身体。しかし五竜が持つ強靭な生命力で易々と死ぬことも許されないのか……」

アベル「あるいは……この世への未練なのか……」



腐竜コーネリアス「足りぬ……足りぬぞおおおぉぉぉぉぉぉ……!」グパァ…



アベル「理由はわからんが――こいつを世に放つわけにはいかない!」バッ!




――戦闘開始!!!

隠しボス1・腐敗王国の腐敗竜が現れたあたりで今日はここまで
本来の条件下で戦う場合は少し手ごわかったかもしれませんが、これは不完全な状態です
何よりアベル達が異次元な強さに到達しちゃってるのが……

本日もありがとうございました!

ドラゴンゾンビ…炎弱点…開幕ブッパしたら誘爆全滅…うっ頭が!?
ここの>>1が世界樹ユーザーだし、もしかしたら本当に炎カウンター仕込んでるかもしれないし、天使達は来ない方が安全やね
ここに来てまさかのゾンビ見せるわけにもいかんし

こんばんはー
遅くなってしまった為、今日の更新はお休みです……
あと>>118さん、当てないでおいてください(白目)
とりあえず先に、↓1コンマ二桁であれば次が少し楽になるかもしれないアーシャ判定を

それとさらに↓1~5辺りでゾロ目チケットの使用方法を自由安価で
隠しボス2に備えてストック、このスレ内で収まる小イベントに使うなどどちらも可能です

こんばんはー
ここで高コンマをさらりと持って行けるアーシャの胆力よ(白目)
それではチケットストック状態で、コーネリアス戦をゆるゆる始めて行きます
下手をしなくてもすぐ決着つくかもです。何しろこの状態だと大ボス勢の中では脆いので……

未知の敵に対するアーシャの観察眼

95(どんな敵であれ、みんなを守る為に戦術を考えるのが私の役目です!)>85

60>

※第一基準、第二基準を超えた為、アーシャが強敵に怯まず冷静に完璧な対処!

※隠しボスとの戦闘時、敵の動きを見抜いてスキル発動を最良のタイミングで自動で指示してくれます

※第二基準を超えたため、隠しボス2軍にも適応+有利な状態から開戦

――


腐竜コーネリアス「おおおぉぉぉぉぉぉ……!」



フシュウゥゥゥゥ…



アベル「五竜が、まだまともな生き物に思えるな……」

アーシャ「アベル、少しいいですか?」

アベル「どうしたアーシャ?」

アーシャ「これまで以上の異形の怪物。迂闊に攻め込めば何が起きるかわかりません」

アーシャ「まだ少し距離がある今の内に、できる限りの戦い方を考えましょう」

アベル「そうだな……アーシャ、君の目から見てあれはどう映る?」

アーシャ「そうですね……」

アーシャ「敵は腐敗した竜。おそらく『身を守る術を持たない』でしょう」

アーシャ「しかしアベルの先程の言葉通り『竜の生命力でしぶとい』可能性はあります」

アーシャ「そしてこの強烈な臭いは『私達への複数の弱体』となりそうですけど……」

ロウル「むぐぐ……! こんなこともあろうかと、用意しておいてよかったですよ……!」ゴソゴソ…


――『勇躍する黒騎士団の証』発動――


ロウル「はい、皆さんお揃いの口元を覆えるマスクです! ノワールさんのものを参考に、私が改良を加えてみました!」

ロウル「通気性はいいですけど、珍しい薬草を配合してあるのでこれで毒だろうがあの嫌な臭いだろうがもう聞きませんよ!」パタパタ!

アーシャ「ふふ、ありがとうロウルちゃん。これでだいぶ楽に動けますね」シュルリ

アーシャ「後は……」


フシュウゥゥゥゥ…


アーシャ「この嫌な空気……」

アーシャ「安全の為に『炎系統の技は使わない方がいい』かもしれませんね」

アーシャ「引火してボン!ということになるかも……」

マックス「ひええぇぇ!? お、俺大人しくしておきますぅ!?」


※カウンター事前察知。マックス『フレアミラージュ』封印


アーシャ「本質が竜ならば『激しい攻撃を繰り返す』可能性があります」

アーシャ「敵がしぶといのであれば『出し惜しみ無く最初から全力で短期決戦』に持ち込むべきでしょう」

アーシャ「特にアベル。 『あなたの一撃が一番鍵を握っていると思いますよ?」

アベル「ああ。みんなも、わかったな?」

アベル隊一同「「はい!」」




腐竜コーネリアス「ふしゅううぅぅぅぅ……!」ズルズル…!




シア「き、来ましたよ~!?」

パトラ「……この手で、王国の闇を完全に絶ち切ってみせます!」ジャキ!

アベル「よし! 行くぞ!」



――戦闘開始!!!

エリス「アベル様の行く手を遮る者は、全て切り崩してみせます!」チャキンチャキン!


――『終剣・五煌』発動――


エリス「はああぁぁぁぁぁ!」タタタタ!

マックス(そ、そうかエリスちゃんの剣は複合属性だから引火の危険性もないのか)

マックス(いいなぁ、俺も……)

マックス(……ん? そういえば俺の剣って……炎の剣なのか??)


コーネリアス「おぉ……?」ググ…


コーネリアス「――女、女じゃっ! 若い――極上の女じゃああぁぁぁぁぁぁ!」ジュルジュルジュル!

エリス「えっ!?」ゾク!


――『色欲・柔肉求める触手』発動――

★★『色欲・柔肉求める触手』★★
敵に女性がいる場合、奇襲とは異なる先制1劣勢を仕掛けその人数×50自身のレベルを上昇させる
さらに相手に人数×50の常時-補正をかける
女性が防御行動を取った場合、そのスキルの耐久値を倍削る
このスキルは嫉妬・生者への猛襲よりも優先されて発動する

※腐竜コーネリアスのレベルが5×50=250上昇し先制攻撃



ゴパァ!



エリス(っ!? 腐肉の中からも気持ち悪いものが……!?)

アベル「エリスッ!?」

エリス「さ、触らないでくださいっ……!?」キィィィン!


――『聖衣・双煌』発動――


聖衣カウンター判定
↓1コンマ二桁

コンマ42<50

※カウンター失敗、劣勢判定のみ無効化。

※色欲の効果により聖衣倍増破壊2→0

――


エリス「はあっ!」ズバ!

触手「」ボシュウゥゥ…

コーネリアス「おおおお……!?」

アベル「エリス、大丈夫か!?」

エリス「は、はい……!」

エリス(こ、怖かった……)ブル…

エリス(焦って魔力量を間違えてしまうなんて……これじゃあもう、回復に回す魔力は……)

パトラ「なんとおぞましい……元々堕落した王とはいえ、ここまで堕ちるものですか……!」


コーネリアス「おぉ……おぉ……!?」

コーネリアス「わしを、拒んだというのか……娘よ……?」

コーネリアス「――王の中の王! 王国の支配者たるわしを、受け入れぬというのか!?」

コーネリアス「許せぬ……憎い……!」ゴゴゴゴ…

コーネリアス「――若い身体がっ! 肉がっ! 妬ましいっ……!」

コーネリアス「この世のものは全てわしのもの……その生命も、寄越すのだあああぁぁぁぁ!」グオオオォォ!


――『嫉妬・生者への猛襲』発動――

★★『嫉妬・生者への猛襲』★★
戦闘開始時、敵にカウンター不可の1劣勢を5連続で与える
さらに優勢取得時、判定表から劣勢判定を除いた連続攻撃を仕掛ける
この効果は1ターンに一度のみ
真竜の剛爪を奪取していた場合、そちらの発動が優先される


シア「こ、これは……! 皆さん、防御の構えを~!」

アーシャ「ええ! アベル、お願い!」

アベル「どこまで防げるか……!」キイィィィン!


防御判定
↓1~5コンマ一桁(連取あり)

1撃目:0→劣勢!アベル黒氷装でガード! 以後劣勢コンマ一桁0で追加防御!
2撃目:1→劣勢!アーシャ霧氷影陣でガード! 以後劣勢コンマ一桁3、6、9で3回まで回避!
3撃目:1→劣勢!アーシャ流麗なる剣技でガード!
4撃目:偶数ゾロ目による完全ガード!
5撃目:8→劣勢!ロウル弓兵の隠し刃でガード!(カウンターは不発)

――

ズガガガガガガガ!


アベル「くっ!?」

――黒氷装・霧氷影陣!!!――


アベル「なんだ、この竜の攻撃は……!?」パキパキ…

アーシャ「竜というよりも、本当にただの怪物ですね……!」ヒラリ


コーネリアス「妬ましい……軽やかに動く、その身体ああぁぁぁぁぁ!」グオン!

アーシャ「っ! しつこいですよ!」ギャリィン!

コーネリアス「おおおぉぉぉ……!」ビュオン!

ロウル「っとぉ!? うわぁ、動いている相手なら見境なく襲うみたいですねぇ……」

コーネリアス「おぉ……!?」



コーネリアス「――わしが、造らせた……実験生物の、余りか……?」




ロウル「っ……知りませんね! 私はアベルさんの副官のロウル! ただ、それだけですよ!」シャキン!

触手「」ズパ!

コーネリアス「おおおぉぉぉ……!?」

ロウル(あの気持ち悪いのは、いくら斬っても意味が無さそうですね……)


コーネリアス「おおおぉぉぉぉ……!」ボタボタ…!

アベル「よし、動きが緩くなった!」



【アベル隊】
1アベル:レベル609
2エリス:レベル704
3アーシャ:レベル370
4ロウル:レベル342
5シア:レベル379
6パトラ:レベル322
7マックス:レベル274

『勇躍する黒騎士団の証』によりさらに10×7=+70
『王国槍将の鼓舞』によりさらに10×7=+70


アベル隊合計レベル:3140

――『変幻自在の指揮』発動――
――『勇躍する黒騎士団の証』発動――

※攻撃状態→無双状態へ
※敵の攻防指定補正無効化
※敵全体攻撃及びそれによる補正無効化
※弱体補正無効化

【アベル隊:耐久】基礎2+5=7
『真麟の双剣』:耐久1
『誓いの指輪』:耐久1
『エタニティツリー』:耐久1
『誓いの指輪』:耐久1
『王国の未来を担う者』:耐久1

【アベル隊:防御】残:3

『黒氷装』:防御0(劣勢コンマ一桁0で追加防御)
『聖衣・双煌』:回復防御0(敵カウンター無効)
『セイクリッドヴェイル』:回復防御2(一度だけ確定カウンター優勢後、敵に-30&防御強化無効)
『流麗なる剣技』:回避0
『霧氷影陣』:回避0(以後コンマ一桁3の倍数で3回まで回避)
『弓兵の隠し刃』:防御0
『グングニルドライヴ』:回避1(使用後、スキルを無視し敵耐久値1減)

【状況:??】
【無双状態】
アベル隊レベル総計:3140
総残耐久:7
総防御:3

VS

【王国の闇】
【攻撃状態固定】
腐竜コーネリアス:レベル1255
★★『腐敗の暗愚王』★★
三すくみ不利、敵の王国指定スキル、奇襲及び罠を無効化
このスキルを持つ限り、受けられる劣勢回数を9とし、永続攻撃状態を維持する
さらに敵を常時防御状態にし、常時-50の補正をかける
また補正差が50以上であったとしても25まで軽減し戦闘を行う

※レベル差極大、弱体無効化、五竜のいずれも捕食不可、弱体も無効化の為数値逆転不可

※『腐敗の暗愚王』の効果により補正25の状態で戦闘を続行

コンマ25以上で優勢
コンマ24以下で劣勢

↓1コンマ二桁

コンマ97

――アベル隊優勢!



コーネリアス「もっと、もっとだ……!」ズルズル!

コーネリアス「わしを、癒せ……! 捧げよ……!」


パトラ「……ええ、捧げましょう」チャキン…



ズドォ!!!



コーネリアス「があああああぁぁぁぁぁ!?」ビチャッ!

パトラ「あなたを、眠らせる一撃を!」

コーネリアス「はあぁぁぁぁ……!? わ、わしを……!?」

コーネリアス「ゆ、許さぬ……このわしの命を奪おうなどという者は……」

コーネリアス「この世に、あってはならぬのだぁぁぁぁ……!」グオン!

パトラ「っ!」

――『憤怒・異形の鉄槌』発動――

★★『憤怒・異形の鉄槌』★★
戦闘時、常時補正+150
自身が劣勢判定を受けた時、相手にも劣勢を返す
さらにコンマ一桁が1か9の場合、威力を倍増させる


エリス「させませんっ!」バッ!

コーネリアス「うっ……!?」

――憤怒のカウンターを無効化――



タン…!


アベル「――貴様こそ、この世にあってはならぬ存在だろう!」キィィィン!

パトラ「あなたは既に死した身です。しっかりと眠らせることこそが、騎士としての敬意です!」グオングオン!

マックス「俺は、覚えているからな! あんたの、数々の横暴っ!」


三人「「くらえええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」ブオン!



コーネリアス「!!??」

――『黒氷葬』発動――
――『無双三段』発動――
――『ファイナルストライク』発動――


アベル(アーシャの見立てでは、この腐った身体は再生をしているようだ……)

アベル(ならば、凍らせてそれを阻害するっ!)


アベル「であああああ!」ガキィィィン!


コーネリアス「があああ!? わ、わしの身体……おおぉぉぉぉ!?」パキパキ…


パトラ「ありがとうございますアベルさん! 凍って固まった肉なら、貫きやすいですっ!」ガオン!

コーネリアス「ぐあっ!?」

パトラ「……王国の民の怒りも受け取って、眠りなさいっ!」ズドン! ドガァ!

コーネリアス「ぐぼぉぉぉぉ……!?」ボタボタ…!



マックス「――あんたじゃ、絶対にクラウス様は越えられないっ!」ゴォォォォ!

マックス「俺の怒りも、くらいやがれえええぇぇぇぇぇ!」ブオン!




ドガアアアアアアア!



マックス「や、やった……! 綺麗に頭に打ちこんでやった……!」

マックス(……爆発するかと思ったけど、アーシャさんが間違えたのかな?)

エリス(マックスさんの剣、よく見てみるとあれは……?)


マックス剣「」ボキン

マックス「あ」

ロウル「だーかーらー! マックスさんは少し加減を知ってくださいよ! ほら、予備の剣です!」シュッ!

マックス「ご、ごめんよぉ!?」パシ!

マックス「でも、これで……」


コーネリアス残耐久:9
ガードスキル:無

黒氷葬威力3+無双三段威力1×3+ファイナルストライク威力3

9-3-3-3=…





コーネリアス「」ボロボロ…


ドスゥゥゥゥン…


――勝利

――『傲慢・永遠の渇望』発動――


★★『傲慢・永遠の渇望』★★
自身の耐久値が0になった時、発動
追撃中の場合はそれを確定停止させ、耐久値1の状態で復活する
この効果は4回まで発動し、発動する度に自身に常時+30補正を加える




アーシャ「っ! 気をつけて!」バッ!

シア「まだ、嫌な気配が残っていますよ~!」

マックス「うぇっ!?」バッ!



コーネリアス「お、オオォォ……」ズルルルル…

コーネリアス「ワシは、死なぬ……わしは……不滅ノ…王……!」ズルズル!




パトラ「な、なんて執念……」

アベル「永遠の命を求めていたと言っていたが……」

アベル「欲に取りつかれてしまった王の姿か……」

ロウル「死にかけ……いや、もう死んでいるんですよね? ちょっと面倒ですねぇ」チャキ!

エリス「気を抜かず、何度でも打ち倒しましょう!」


――戦闘続行!!!

コーネリアスが蘇生を繰り返し始めた辺りで今日はここまで
大体五竜が全員帝国で死亡するか住み着いたのが悪いんです(白目)
なおアーシャによって回避された瘴気はこちら

★★『充満する瘴気』★★
戦闘時、敵に常時-50の補正をかける
王城内での戦闘時、2ターンに一度魔物の補充を行い捕食に移行できる
さらに敵が火炎属性の行動を取った場合、それを無効化し敵に劣勢を与える

元々は完全に王国内での対スカーレット将軍スキルな辺り、本来コーネリアスが戦う状況を察してあげてください
正直五竜捕食しててもアベル達が強すぎるんだけど(白目)

本日もありがとうございました!

こんばんはー
それでは再生コーネリアス戦の続きから再開です

コーネリアス「許さぬ……ワシを滅ぼそうナド、許されない……!」ボタボタ…

コーネリアス「わしはフメツ……王国そのものであるワシガ滅びてはナラヌのだ……!」


――『怠惰・動かぬ王』発動――

★★『怠惰・動かぬ王』★★
2ターンに一度、自身の耐久値を1回復させる(基準値以上にはならない)
また捕食に成功した時は、自身の耐久値を2回復させる


コーネリアス「……!?」グググ…

――『黒氷葬』発動!――

※『怠惰・動かぬ王』を無効化


黒氷「」パキパキ…


ロウル「お? アベルさんの氷が上手い具合に傷口が塞がるのを防いでいますね!」

アーシャ「やっぱり、アベルの攻撃が有効だったようですね」

エリス「これなら、まだまだ斬りこめそうです!」

パトラ「ええ。大きな体躯ですから、すぐには難しいかもしれませんけど……」チャキ!

マックス「回復できないってんなら、勝ち目はありますよね!」

シア「み、皆さん油断は駄目ですからね~?」


アベル「……眠れ、異形の王!」キィィィン!

コーネリアス「おの、れ……! わしを、誰だと思っておるノダ……!」

コーネリアス「わしは、絶対の王……! 全てを得るべき王ナノダ……!」グオォォォ!


コンマ25以上で優勢
コンマ24以下で劣勢


↓1コンマ二桁

コンマ13

――アベル隊劣勢!


コーネリアス「グオオオオオオオォォォォ!」ドパァ!

アベル「むっ!?」

ロウル「き、気持ち悪い奴ですね本当に……!」

エリス「ア、アベル様! そのぬるぬるしたものにはお気をつけください!」

アーシャ「アベル!」

アベル「……ああ、大丈夫だ!」スゥ…


――『霧氷影陣』発動――

※劣勢を回避


ユラリ…


コーネリアス「ぬぅ……!?」


アーシャ「それは幻影ですよ」

アベル「よし、攻撃後の隙が――」


触手「」ドパァ!


アベル「っ!? 連続して……!?」


――『嫉妬・生者への猛襲』発動――

※優勢取得による追撃


エリス「アベル様っ!」ダッ!


――『ツバメ返し』発動――
★『ツバメ返し』★
戦闘時、常時補正+20
敵から追撃を受けた時、3回まで反撃を行う
1回目は確定、2回目以降は判定成功で追撃劣勢を回避し、相手に劣勢を返す


※初回確定追撃カウンター


ギィィン!


エリス「こんな、もの……!」グググ!

エリス「お返しですっ!」ギャリィン!


コーネリアス「グアアアアアア!?」ブシャアア!


コーネリアス残耐久

1-1= 0

――『傲慢・永遠の渇望』発動――



コーネリアス「ウゴオオオォォォォ……!」ズルズル…!


エリス「そ、そんな! 確かに返せたのに……!」

アベル「すまないエリス、助かった!」

マックス「あ、でもさっきより身体が一層崩れてませんか……?」

アーシャ「再生を凍らされていますし、もはや執念で立ち上がっているのでしょう」

ロウル「それなら、立ち上がる気力が無くなるまでやるしかないってことですね……!」



コーネリアス「ムダダ……! わしは、不滅の王なのダカラ……!」

コーネリアス「滅びることなど、ナイ……!」



コンマ25以上で優勢
コンマ24以下で劣勢


↓1コンマ二桁

コンマ25

――アベル隊優勢!


コーネリアス「ワシハ、滅びることのない命ヲ手に入れタ……!」

コーネリアス「これまでも、コレカラも、金を物を女ヲスベテワシが……!」

コーネリアス「全て、スベテ永遠にワシのもの……!」グオン!



ドシュ!


コーネリアス「があああぁぁぁぁぁ!?」ブシャアアア!


ロウル「おー、やっぱそんな姿でも目を射られるのは痛いんですねぇ」チャキ


コーネリアス「」ドスゥゥン…


ロウル「そのまま眠って欲しいところではあるんですけど……」


――『傲慢・永遠の渇望』発動――


コーネリアス「オ、おおォォォォ……!?」グジュグジュ…

コーネリアス「み、ミエヌ……ミギガ見えぬ……!?」

コーネリアス「ナゼナオラナイ? 誰か、ワシを癒せ……!?」グジュジュ…

コーネリアス「王が……ヨンデオルノダぞ……!?」


ロウル「し、しぶとすぎませんか……?」

パトラ「いえ。効いてはいる筈です」

パトラ「どんどんと、元々歪な姿がさらに崩れていますからね……」

パトラ「……」チャキ…



コンマ25以上で優勢
コンマ24以下で劣勢


↓1コンマ二桁

コンマ23

――アベル隊劣勢!


コーネリアス「ウボオオォォォォ!」グジュグジュ!

コーネリアス「タリヌ……そうだ……イノチ……!」

コーネリアス「もっと、もっと命をヲヲヲヲヲヲヲ……!」ジュズズズズズズ!


マックス「うっげ……!? なんでこいつ、こんな姿でそんな速く突進できんだよ……!?」

マックス「アベル皇子、気をつけ……」


――『霧氷影陣』発動――


コーネリアス「オオオォォ!?」スカッ…

アーシャ「……こうも同じ手にかかってくれるとは」

アベル「限界が近い、ということだろうな」

コーネリアス「オオオオォォ!」ジュルルルル!

エリス「さっきと同じ、それなら……!」チャキ!


ツバメ返し判定
↓1コンマ二桁

コンマ04

――ツバメ返し不発!


コーネリアス「オ……」ゾク…

コーネリアス「オオオオォォォ!」ジュズズズ!


エリス「っ、私から攻撃対象を変えた……!?」

アーシャ「エリスちゃんの反撃を警戒する知能は残っていたようですね……!」

アーシャ「でも……狙った相手が悪いです」


パトラ「ふううぅぅぅ……」チャキン…


――『グングニルドライヴ』発動――



パトラ「 つ ら ぬ け え え え ぇ ぇ ぇ ぇ ! ! ! 」ガオォォォン!



コーネリアス「グギャバアアアアアア!?」グジャアアア…!


ビチャビチャ!

ビチャ!


マックス「おぅぅぅ……すっげえ飛び散った……」ブルブル



――『傲慢・永遠の渇望』発動――


コーネリアス「オ……オ……」ズゾゾゾゾ…



マックス「なのになんでまだ動けるんだよ……!?」

アベル「いや、次で終わりだろう」

マックス「え?」

ロウル「見てください……」



コーネリアス「イ、イヤジャ……シニタク……ナイ……」ズル…

コーネリアス「ワシ……ハ……オウ……オウコクノ……」ズル…

コーネリアス「クニニ、タミノタメニ……ツクシテ……キタ……」ズル…

コーネリアス「ワシハ、ツクシタノダ……ミアウモノ……エルベキ……」ズル…

コーネリアス「カネモ……オンナモ……」ズ…

コーネリアス「タリヌ……ミタサレ、ヌ……」グチャ…


エリス「もう、私達が何をしなくても……」

アーシャ「ええ。もう自重も支え切れていない。このままでも彼は……」

シア「苦しみの中で死んでしまいますね~……」

パトラ「……あなたは、道を違えてしまった」

パトラ「あなたにも、寄り添ってくれる人がいれば、何かが変わっていたのでしょうか?」

コーネリアス「オオォォ……」グジュ…


パトラ「……」

シア「……」


最終判定(アベル隊勝利確定)

コンマ25以上で???
コンマ24以下で???


↓1コンマ二桁

コンマ97

――アベル隊優勢


パトラ「……これで、最後です」チャキ

シア「神よ。どうかこの人を……お救いください……!」ギュ…


コーネリアス「ワ、ワシハ……ワシハ……!」ドロリ…


シア「安らかに……!」キィィィィン!


???「……」キィン…


シア「……え?」



ズドオォォォォォォォォン!



コーネリアス「オ、オォォォォォォォォォ……!?」ジュワアアア…






コーネリアス「オ……ォ……」ジュワワ…



コーネリアス(なんと、癒される光……ああ、これで、眠れるのか……)




ボシュウゥゥゥゥ…



パトラ「っと……す、凄いじゃないですかシアさん!?」

シア「え、え?」

ロウル「いやぁ、さっきから魔力を溜めている様子でしたから何かしそうとは思いましたけど!」

アーシャ「まさかあんな凄い光魔法を使うだなんて、驚きました」

エリス「シアさんも、鍛錬でさらにお強くなられたんですね!」キラキラ!

マックス「くぅぅ、最後は俺が決めたかったけど……」

マックス「……なんだかあの前王も最後にちょっとだけ……救われた顔してたように見えました」

マックス「流石、聖国のシスターですねシアさん!」

アベル「ああ、止めを任せてしまってすまないな」

シア「え、え~っと……確かに、用意はしていたんですけど~……」

シア(でもそれは……カウンター用だった筈なのに……???)

シア「で、でも。これで勝てたことは間違いないんですよね~?」

アベル「ああ」

パトラ「王国の闇を晒すようで心苦しいですが、急いでアルフさん達の報告に向かいましょう!」


――勝利!!!

隠しボス1コーネリアスがボコボコにされて消滅したあたりで今日はここまで
珍しくアベル隊のコンマ運が悪めでなおこの結果とは……(白目)

この後は少しやりとりを挟んだ後、そのまま隠しボス2軍との戦闘になります
こちらはコーネリアスとは真逆に、本編で出現した場合でも奇数ゾロを3連打くらいしない限りは揃わない最大徒党状態での戦闘になります。
コンマの出目次第では、アベル達が負ける可能性も……ある、かな?

本日もありがとうございました!

こんばんはー
……寝堕ちてしまい申し訳ありません
とりあえず次のパートの表題までを投下しておきます

――


~~



元王国大臣の暗躍、そして前王コーネリアス討伐の報せは瞬く間に広まった。

聖国の地下深くで恐ろしい怪物が目覚めようとしていたことに、聖国の民は驚きを隠せない。

それを討ったのが、かつて聖王シュタイナーの命を奪ったアベル皇子一行であることも含めて。

僅かながらに残っていた聖王の仇を討つべきという一団も、この一件で気勢を削がれる。

王女エカチェリーナが誇らしげに友であると改めて語り……

聖国軍を纏め上げる総帥であるアルフォンスまでもがその武勲を讃えれば、当然の結果だろう。

そして王国への風当たりが強くなるかと思えば、それもなく。

報せを受けすぐさま飛んできた現国王クラウス自らが、聖国民に深い謝罪の意を示したのだ。

聖王が王国を一度壊滅に追いやった事実は今や民も知るところであり、後ろめたさを感じている者も多い。

そんな中での国王の自らの謝罪。そしてアベル皇子達と共に真っ先に脅威を穿った将軍パトラの功績。

その真摯な姿は聖国民の心にも響き、必要以上の波風を立てることもなかった。

王国と違い、今回は被害が出る前に討伐されたという事実も大きいのだろう。



元々は王国を襲い五竜を奪った我々が悪い、いや管理や大臣への警戒が不十分だった我々が悪い……

聖国と王国の長が互いに譲らずに謝罪を繰り広げる姿は中々に珍しいものとして映る。

しかしそれは同時に、今度こそ……聖王シュタイナーも死の際で願った三国の本当の平和に近づいているように見えた。

その架け橋となったのは、帝国の皇子なのだから。


神もきっと、お喜びになられているだろう。


生来の気質を失ってない聖国の民は、次々にそう口にした。

聖国を想いすぎたが故に行き過ぎてしまった聖国の光は倒れ。

力こそが全てであると人の身を超越した帝国の武も倒れ。

そして王国のかつての闇も倒れ、次なる王は光に満ち溢れているのだから。



討ち取った魔物の処理や結界の修復、家屋の修繕なども全て三国が協力して行うことに、反対する者は誰も現れなかった。


……

――


――


【聖国・民家】


カイン「まったく。アベルの奴なんで僕まで駆り出すかなぁ」キイィィン!

カイン「しかし王国の前王が第六の竜になっているなんて……」

カイン「それをあっさり倒すあいつらも、大概だけどねぇ……ほら、これで結界は前より丈夫だよ」

聖国少女「ありがとう、お兄ちゃん!」

カイン「別に、この程度……」

カイン「……僕は、王国や聖国の人間に礼を言われる立場の人間じゃないんだよ」

聖国少女「……帝国の人だから?」

カイン「ああ……ちょっと前までは、この国の兵士だって沢山殺しているんだよ?」

カイン「だから――」

聖国少女「……でも、今はこうして私達のお家を直してくれてる」

聖国少女「お兄ちゃんも、後悔しているんでしょ?」

カイン「っ……」

聖国少女「大丈夫。悪いことをしても、それを悔いる気持ちがあれば神様が……」

カイン「ふん、子供が偉そうに僕に神を説くな……」スタスタ

聖国少女「あっ……! また来てね、お兄ちゃん! 今度はお礼にお茶を淹れてあげるから!」フリフリ

カイン「……機会があればね」スタスタ




カイン「まったく、調子が狂うな……」

クラウス「カイン皇子。こちらだったか」

カイン「クラウス王……何か僕に御用ですか?」

クラウス「……カイン皇子の眼の話はアベル皇子達から伺っている」

クラウス「王国の暗部、それは今回の前王コーネリアスの――」

カイン「昔のことです。今はこうして視えるようになった」

カイン「それに繋がりを持っていたのは母さんだし、あなたに落ち度はないしその前王も今度こそ死んだ」

カイン「そんな顔をされるくらいなら、前を向かれた方がいいと思いますが?」

カイン「なにしろ今回の件で、どうあれ王国の大きな負の遺産は無くなったわけですからね」

クラウス「そうだな……その通りだ」

クラウス「――先程の少女も、カイン皇子に前を向いて欲しかったのだと思うよ」

カイン「っ! これはなかなかどうして、嫌らしい国王様だ」クク…

カイン「ええ、僕もわかってはいるんです。時間はかかっても、あの子に相応しい男になるつもりですよ」

クラウス「これは申し訳ない。お詫びはどうすればいいかな?」

カイン「それじゃあ、王国製の魔法薬を一本貰いたいですね。結構こき使われているので」

クラウス「お安い御用だ。私も、作業を手伝おう」ポン


……

――

――


【聖国・火葬場】


スカーレット「ああ、嘆かわしい!」シュボッ!

魔物の山「「」」メラメラ…

スカーレット「あの愚かな王に大臣が、ここまで腐っているとは思いませんでしたわ……!」

マックス「いやー、実際に腐ってましたし……あれは多分しばらく忘れられませんね……」

キアラ「帝国にまで被害が無かったのは良かったですけど、大丈夫だったんですかマックスさん?」

マックス「え? ああ大丈夫大丈夫。俺も結構大きな一撃与えられたんだぜ! こうやって、どーんって!」

キアラ「もう……マックスさんが無茶をした姿が目に浮かびます」

フィーア「でも、アベル兄様達も一緒ですから大丈夫だった筈です!」

フィーア「もし剣が折れちゃっても、きっとロウル姉様がすぐに渡してくれますもの!」ピョン!

マックス「フィーアちゃん見てたの!?」ガーン!

フィーア「いえ?」キョトン

キアラ「……また剣、折っちゃったんですね」

マックス「はい……」ショボーン…

スカーレット「魔力を宿す必殺の一撃は、技の威力が大きすぎると武器が耐えきれないのです」

スカーレット「それはつまりマックス、あなたにもワタクシを越える大きな才能が眠っている証拠でもあるのですよ?」

マックス「え、そうなんですか?///」テレテレ

スカーレット「……あなたの良い点でも悪い点でもある、常に全力の癖を制御できれば、ですが」

マックス「難しいなぁ……あ、そういえばスカーレット将軍。一つ質問をしてもよろしいですか?」

スカーレット「なんですか?」

マックス「俺、スカーレット将軍に鍛えられて炎の魔法が少し使えるようになったんですけど……」

マックス「その、コーネリアスの奴は火に対して誘爆する状態で、危なくて使えないかなーって思ってたんです」

マックス「でも実際は誘爆することも無く、あいつの頭に必殺の一撃を撃ちこめたんですけど、俺の剣の属性ってなんなんですかね?」

スカーレット「ふむ……引火性の瘴気を纏っていたのですか。つくづく嫌らしい点…」

スカーレット「しかし、あなたの制御不能な全力を出しても引火しなかったということは……おそらく、複合属性ですわね」ピシ!

マックス「え!? お、俺もしかして複数の魔法を操れる才能までっ!?」

スカーレット「事実ならかなり稀有な事例です。聖国の者以外で複数の魔法を操る才に恵まれる者はほとんどいませんからね」

マックス「おぉ……! でも、出そうと思ってもこうして火しか出せないんだけどなぁ」ボッ!

スカーレット「……考えられるとすれば火の素質を持つあなたに、誰か強大な魔力を持つ者が気がつかずに魔力を分け与えた可能性かしら?」

スカーレット「親族以外でも、波長が合えば手を握り合うことで魔力の譲渡が成立することも――あ」チラ


マックス「~~っ!?///」ボッ!

キアラ「~~っ!?///」ボッ!


フィーア「だ、大丈夫ですか!? 一気にお顔が真っ赤に!?」ワタワタ


スカーレット「あらあら……」

スカーレット「最悪な報せの後に、これは嬉しい報せかもしれませんわね……?」ペロリ…


……


――

――


【聖国・王宮】


アドルラン「アルフ、これはここに置いておけばいいのかな?」

アルフ「ああ、頼む。本当にすまないな、何から何まで……」

ネスト「いやはや、俺達も王国内には派遣されてあちこち探ってましたけど……」

ネスト「流石に王国のやばいやつが聖国に隠されてるってのは見抜けませんでしたねー」ヨイショ

リーナ「元はと言えば、王国の方々を攫った兄上のせいですの……!」ドン!

アルフ「我々も彼らが以後も聖国に住みたいと言い出したことに、さほど疑念を持たなかったからな……」

リーナ「国王様はああは言っていましたけど、王国だってまだまだ大変な筈ですの」

リーナ「というより聖国王女としては、どうしても天使の件を引きずります……復興は進んでいますの?」

ネスト「完全に、とは言えませんけどねー。でもかなり進んでいますよ」

ネスト「クラウス様は武力こそそこそこって感じですけど、本当に民のことを考えていらっしゃいますからねぇ……」

ネスト「正直、帝国にも欲しいなーなんて思っちゃうくらいですよー」

アドルラン「はははは、私もクラウス王に追いつけるよう、もっと精進せねばな!」

ネスト「あ、いえ、アドルラン様に不服があるわけじゃないんですけどー!?」アセアセ

リーナ「ええ。わかっていますの。国王様も、そしてアドルランもその手腕は確かですわ」

アルフ「今や国を統べる者として一番未熟なのは、我ら兄妹だからな」

アルフ「兄さんや神に頼りすぎた、自業自得ではあるとは思う」

アドルラン「アルフ……」

アルフ「――しかし、私は神や民に贖罪せねばならぬ身だ」

アルフ「たとえ時間がかかり、お前達に至らぬまでも……最後の時まで、尽力することを誓おう!」

アドルラン「うむ、その意気だ! 共に国の為民の為に頑張ろうじゃないか!」ガシ!

アルフ「ああ!」ガシ!


ネスト「なんていうか、俺の勝手な想像なんですけどねー?」

リーナ「なんですの?」

ネスト「多分、三国は平和になりそうな気がするんですよねー」

ネスト「……クラウス様もアドルラン様も、そしてアルフォンス様も、なんか似た匂いがするんですもん」

リーナ「……わかりますの」


……

――

――

【聖国・教会】


子供1「王国の悪い竜を倒してくれた騎士様だって!」

子供2「マークス神父も認める、凄い人だって!」

子供3「ほんとだ! マークス神父よりも大胸筋があるみたい!?」

ワーワー!

パトラ「ちょ、ちょっとみんな落ち着いて……!?」モミクチャ

マークス「うむ、パトラ君は子供達に大人気だな!」

ロウル「どの国でも子供に懐かれるっていうのは、本当に才能だと思いますよ」

ロウル「それにしてもマークスさん達もお疲れ様でした。かなり動き回ったんですよね?」

マークス「はっはっはっ! あのくらい、日課の運動量にもならないよ」

マークス「今回は本当に君達が来てくれて助かったよ」

マークス「だがやはり、君達に頼りすぎは良くないからね」ムキ!

マークス「今度は、私一人でもその悪しき竜を倒せるまで鍛えねばならないなっ!」ムッキィ!

ロウル「いや……倒せはしましたけど、あんな生き物一人で戦える人なんて……」

ロウル「……ギルバートさんくらいですよ」

マークス「そうか。ならばそこを目標に――」

ロウル「駄目ですって! 聖国が第二の帝国になりかねませんよ!?」

ワーワー!


エリス「一時はどうなることかと思いましたけど……」

アーシャ「終わってみれば、より一層三国の繋がりが増した気がしますね」

アーシャ「王国の大きな脅威もなくなり、聖国もこれからより穏やかな国になる筈です」

アーシャ「……こうなると、帝国が遅れている気がしますね。私の家に限らず駄目な貴族は多いですし」

コソコソ…

アーシャ父(な、なぜここにアーシャが……!?)ガタガタ…

アーシャ母(折角聖国に亡命してきたのに……!?)ガタガタ…

シャナ(いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ! は、はやく逃げないと!)ガクブルガクブル…

シャナ(アルフォンス様と懇意になれば、アーシャも今度こそ手出しは……)ジャリ…


エリス「っ! 敵襲!?」ヒュパン!

柱「」ガス!

三人「「「」」」ピタァ!


エリス「ち、違いましたか。どうにも嫌な気配を感じたのですが……」

アーシャ「エリスちゃん、流石に教会内で投剣は危ないと思いますよ?」

子供4「わあ、こっちのお姉ちゃんも凄いや! 今のもう一回やって!」キラキラ!

アーシャ「ほら、よからぬ異文化交流が……」ヤレヤレ…

アーシャ「……」チラ…

ヒビ柱「」

アーシャ「……平和が、一番ですよね」スッ…


……

――

――


【聖国・聖都】


アベル「ふぅ……」

ティア「お、お疲れ様ですアベル様……!」

ティア「これ、聖国の湧水です。どうぞ……!」スッ…

アベル「ああ、ありがとうティア」ゴクゴク…

アベル「すまない。やはり地理に疎い分、どうしても手助けが欲しくてな」

ティア「い、いえ私にできるのはこれくらいですから……!」ブンブン!

ティア「アベル様達が恐ろしい敵と戦っているのに、私は何もできず……」

アベル「いいんだ、ティア」ナデナデ

アベル「むしろ、今回はティアは来なくて正解だったかもしれないしな……」

ティア「えぇっ!?」ガーン!

アベル「なんというか……あの姿を見たら、ティアは多分大泣きをしていたと思う」

ティア「……」ゾクリ…

ティア「で、でも他の皆さんは戦われたのですよね!?」

ティア「私だって、アベル様の部隊の一員です。き、きっと耐えてみせます……!」

アベル「……」

アベル「……ティア、耳を」

ティア「え?///」

アベル「……」ゴニョゴニョ…

ティア「――ひやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 怖いよおおおぉぉぉぉぉぉぉ!?」ガタガタガタ!

アベル「だ、だから言っただろう……俺も今後、あれを上回る怪物には遭遇しないだろうと断言できるぞ」

ティア「うぅぅぅ……」ギュウウゥゥゥ…

アベル「あー……すまない。やはり容姿を教えるのも止めておくべきだったな」ナデナデ

ティア「くすん……」


シア「あ~! アベルさんがティアさんを泣かせています~!?」

シア「駄目ですよアベルさん~、そういうことをしちゃあ~!」

シア「だ、誰かを虐めたいなら……わ、わた……///」プシュー…

ティア「シ、シアさん! 教えてください! どうやったら怖い生き物が怖くなくなるのですか!?」

シア「え、ええ~!? な、なんで私に聞くんですか~!?」

ティア「だって、怖い竜にシアさんが凄い一撃を放って跡形も無く蒸発させたって……」

ティア「……あ、どうしよう……なんだかシアさんまで怖く思えてきた……!?」ガタガタ!

シア「ぬ、濡れ衣です~!?」ワタワタ!

アベル「ははは。まあ、シアの方がティアよりも胆力はあるかもな」ナデナデ

ティア「うぅ、私も頑張らないと……」ショボン…

シア「うぅ、私だって怖かったんですよ~?」

シア「でも、何とか救われて欲しいっていう気持ちもあって~……」

アベル「それで光の柱でずどん! か」

シア「もぉ~! アベルさんがいぢわるです~!」プンプン!










シア(……あの時、確かに光の魔力であの人は蒸発した)

シア(その直前、私は確かに感じたんです……)




シア(――私とは異なる、もっと大きな光の力を……)








――



EXイベント15-1


【戦いを終えて~~王国の深淵・五竜の研究理由~~】


おしまい


――

――



EXイベント15-2


【戦いを終えて~~聖国の光・極光降臨~~】




――

と、今日はここまでで……
一応戦後処理でアベル隊と皇族が集まっている状況の為、次の戦いにティアも参加させることはできたりします
(残念ながらいてもいなくても戦況変化はないのですが)
以前の高めの基準値を乗り越えたアーシャが指示を出してくれますが、この隠しボス2戦は最後にして初めての状況での戦闘ともなります
アーシャのヒントを頼りに、最適解の戦略を皆さんに出してもらう安価が飛んでしまうかも(白目)
(そもそも最大徒党で戦うことを想定していない敵の為、こちらが予期せぬ現象が起きてしまう可能性があるためです……)

本日もありがとうございました!

――

こんばんはー
再開する前に、少しお詫びがございます
もうすぐ戦闘なのでデータベースを再度確認したところ……

ボス戦、ティアの有無で序盤の戦局が変わることがわかりました(白目)

開幕姉妹連携を使えば強大な攻撃+補正を得られ、ティアの差は無くなるのですが……
もっと言うと、前スレでギルバート戦分のレベルアップ判定でアベルとエリスがクリティカル出したのも大きいかったです(白目)
(なお、クリティカルの恩恵はあったわけですが、既に宣言している通りゾロ目チケットは獲得です)

我ながらどうしてあんな設定にしたんだと思いますけど、そもそも徒党組まない前提だったんです(白目)
もしかすると更なる見落としがあるかもしれないため、隠しボス2軍には予定より早めに降臨してもらいます


というわけで、姉妹連携があればやっぱり行かなくても大丈夫だけど一応ティアの処遇(なお、この戦闘は勝っても負けても死亡はありません)

※ティア、連れて行く?
↓1~3多数決


――

――

……

【聖国・王宮客室】



リーナ「皆さん、今日は本当にありがとうございました」ペコリ

アルフ「まさか日を跨いででまで協力していただけるとは……本当に、感謝の言葉しかない」ペコリ

カイン「聖国兵が天使に頼って腑抜けていたってのは本当なんだねぇ……被害は小さいけど細かくかさんでいるじゃないか」

カイン「想定より各所の結界損傷してるし、この僕がこなきゃ明日どころかもう何日かかかったと思うよ?」ドヤ!

アドルラン「こらカイン! すまないな。弟は最近、結界作りに結構なこだわりと自信を持ち始めてしまって……」

リーナ「いえ、その自信は自惚れではなく本物ですの。本当に助かりますの……」

アルフ「やはり、兄さんの力は絶大であり……我々は、それに頼り切ってしまった」

アルフ「ふっ……少しは鍛え直したつもりだったが、まだまだ足りないな」

リーナ「鍛え直したのがまず肉体だったのも問題ですの! 魔法も大切ですの!」

アルフ「そ、そうだな」アセアセ

アルフ「とにかく、王国と帝国のトップを宿泊させるには些か不十分かもしれないが……」

リーナ「どうか、我が家と思ってゆっくりくつろいで休んでくださいな!」

アベル「ありがとう二人とも。明日には予定通り、全ての箇所の修繕を終えられるよう頑張るよ」

リーナ「いえ、既に今日でも十分過ぎるんですの……」

アルフ「そもそも腐竜を地下で仕留めて貰わねば、より甚大な被害が出ていただろうからな」

アルフ「本当に大したもてなしもできないが、今日の疲れだけでもとってくれるとありがたい」

アドルラン「なに、まだまだ私の体力は余っているぞ?」

アドルラン「どうだいアルフ、ぐっすり眠れるよう少し軽く汗を流してみないか?」

アルフ「ほう……悪くない提案だ」ウズウズ

リーナ「兄上、自重してくださいなっ!」ガシ!

カイン「兄さんもだよ!」ガシ!

アドルラン&アルフ「「!?」」ガーン!


……

――

――


……


スカーレット「へ、陛下……どうして入口の前で仁王立ちなさるのです……?」ジリ…

クラウス「スカーレット将軍、客室待機!」ビシ!

スカーレット「そんな陛下っ!?」ガーン!

スカーレット「べ、別に殿方を味見しにいくわけではありませんわ」オロオロ

スカーレット「本当に、今日は別に昂ぶれるものも見つけられたので……」

クラウス「昂ぶる?」

スカーレット「はい。……確かに、あの大臣と前王の件は王国の更なる汚点となったでしょう」

スカーレット「どころか、話を聞く限りではワタクシや部下達だけでは、それを止めることすら叶わない……」

スカーレット「自分の未熟さも、改めて痛感致しました」グッ…

クラウス「スカーレット将軍……」

スカーレット「ですが」

スカーレット「不幸中の幸いにも、またアベル皇子達に助けて頂いた。聖国の街の被害も、明日には直せる」

スカーレット「結果論ですが……王国と帝国、聖国がこうして協力して復興をすることになったのです」

スカーレット「王国の汚名を削ぐのは骨が折れるかもしれませんが、ワタクシはどこまでも陛下をお助け致します」

クラウス「ああ。宜しく頼むよ」

スカーレット「それに……マックスにも大きな期待を寄せていますのよ?」

クラウス「ああ、それは私も同じくだ。彼の成長はめざましい」

スカーレット「ふふ、それに……」

クラウス「それに?」

スカーレット(……あの様子では、まだワタクシ達には秘密なのでしょうね)

スカーレット「いえ、それにあの子は多分なかなかのイチモツを――」

クラウス「スカーレット将軍、即刻客室待機!」ビシ!

スカーレット「まだ言い切ってもいないのに御無体なっ!?」ガーン!


……


――

――


……


ネスト「んじゃ、俺達は念の為外の警護続けておきますよ」

アベル「ネスト、お前達も休んでいいんだぞ?」

ネスト「いやいや殿下、この聖国ってのは何が起きるかもうわかりませんからねぇ……」

ネスト「だって天使に洗脳司教に魔物に竜に前国王がぜーんぶこの国にいたんですよ?」

ネスト「こっからさらにとんでもない奴が出てきたらどうするんです?」

アベル「……確かに改めて聞くと随分と混沌としているな」

ネスト「でしょー? まあ、殿下達なら誰に奇襲されても大丈夫そうですけどね」

ネスト「さすがにクラウス様とリーナ様はそうもいかないでしょ」

ネスト「今、この王宮には三国のトップが固まっているわけですし、化け物じゃなくても新たな勢力はいるかもしれない」

ネスト「念の為ですよ、念の為。それに職業病なんですかね、動いてないとおちつかないんですよ」

アベル「……わかった。いつも苦労をかけるな」

ネスト「いえいえなんのその」

アーシャ「カイン様の結界もあるし、本当に無茶はしないでほどほどにしてくださいね?」

ネスト「わかっていますって。あ、そうだアーシャさん……」ゴソゴソ…

ネスト「折角なんで、これ渡しておきますね」スッ

アーシャ「これは……眼鏡かしら?」

ネスト「ええ。以前聖王や皇帝陛下の強さを計測するのに使った魔道具の改良品です」

ネスト「俺が持ってると、またついつい無茶しちゃうかもしれないんで!」

ネスト「アーシャさんなら俺よりも冷静な判断できるでしょう? じゃ、そういうことで!」シュタ!

アーシャ「王国の魔道具……」スチャ…

アーシャ「あら、意外とかけ心地いいですね?」

アベル「おお、似合っているなアーシャ」

アーシャ「あ、ありがとうアベル……///」

アーシャ(……聖国はもう何が現れても不思議ではない、ですか……)


……

――

――


ティア「えい、たぁ……!」ヒョロヒョロ…

シア「ティ、ティアさ~ん? どうしてさっきから杖の素振りを~?」

ティア「わ、私もアベル様の部隊の一員です……!」

ティア「皆さんよりもずっと劣る私は、やはり寝る間を惜しんで鍛錬をしない、と……!」ヨロヨロ…

シア「ああ、気をつけてくださいね~!?」ワタワタ

ティア「ふぅ……ふぅ……私だけ、安全な場所でアベル様達のお帰りを待つなんて嫌です……」

ティア「エリスさんやパトラさんは無理だけど、同じ聖国のシスターとしてシアさんには追いつき――」



シア「……」←レベル379

ティア「……」←レベル15


ティア「ど、どうしてですかー!?」ガーン!

ティア「だ、駄肉のせいなのですか!? やっぱりこの駄肉のせいなのですか!?」ビタン!

シア「ああ、そんなに強く叩いちゃ駄目ですよ~!? わ、私だってその……結構大きいですし~///」タプン!

ティア「ううぅぅぅぅ……」ショボン…

シア「大丈夫大丈夫~……」ナデナデ

シア「アベルさんは、戦いを基準に考える人じゃありませんよ~?」

シア「だからそんなに、無理に急いで強くなろうとしなくてもいいんです」

ティア「シアさん……」

シア「さ、今日はもう寝ましょうよ~? 明日もうひと頑張りする為にも、睡眠は大切ですよ~」

ティア「そう、ですね……」



ティア(……私は、アベル様が好き。でも、シアさんや城塞の皆さん……カインさん達だって、大切なんです)

ティア(深い絶望を味わった私を、救い出してくれた帝国の皆さんに……少しでも、お力になりたいのに)

ティア(ああ、神よ。どうか、どうか私の願いを……)

ティア(私も、皆さんと共に歩めるような……)






キィィィィン…




……


――

――


【???・???】



アベル「うっ……?」

アベル「ここは、一体……」キョロキョロ

アベル「俺は確か、聖王宮の客室にいた筈だが……」

アベル「こんな場所は見たことが無いぞ……?」




ダレカー!?



アベル「む!?」



……



アベル「……これはどういうことだ?」

エリス「私達全員、この不思議な場所にいつの間にかやってきたのでしょうか?」

アーシャ「記憶が曖昧ですし、連れてこられた……という可能性の方が高そうですね」

ロウル「うえぇ!? わ、私ちゃんと警戒してたのに……」

シア「ん~……でも、聖国のどこかだと思いますよ~?」

パトラ「確かに幻想的な光に溢れ……どことなく神聖な雰囲気はしますけど」

マックス「なんというか、人の住む場所って感じでもないですよね?」

キアラ「うん。物語の中に出て来そうな不思議な場所……」キョロキョロ

フィーア「うーん、安全な場所とわかれば探検してみたいのですが……」ウズウズ

カイン「やめときなフィーア。これは、かなりの異常事態だよ」

アドルラン「ああ。王宮内の全員、というわけではない。アベルに近しい者だけが集められているようだ」

カイン「正しくはアベルの隊と兄妹。帝国を一網打尽にしようと考える聖国の敵か?」

ティア「わ、私も……アベル様の隊に含まれたんだ……」

ティア(ちょ、ちょっとだけ嬉しいなんて思ったら不謹慎だよね……)

アベル「……ネストの勘が当たったのか?」

アベル「とにかく、みんな集まって警戒しよう。何があっても、すぐに対応できるように――」


ミシ……


アベル「っ!?」


キイイイイイイィィィィィィィィン!!!




一同「「うっ!?」」



聖なる球体「……」フヨフヨ…



アベル「な、なんだあれは?」

カイン「くそ、眩しいっ……!?」

シア「こ、この光は……」ゾク…

ロウル「っ!」ピクン!

ロウル「皆さん気をつけて! 何か、大きな力が近づいています!?」ピョコピョコ!


ズズズズ…





ザバアアアアアァァァァ!



現界水天・リーヴ「……」



ゴオオオォォォォォ!




現界炎天・エリュウ「……」




ゴゴゴゴゴゴコ!


現界地天・ファラー「……」



ビュゴオオオォォォ!



現界風天・カミラ「……」



アベル「こ、こいつらは……!?」



ズウウゥゥゥン…




聖なる球体「……」フヨフヨ…


現界四天「「……」」



エリス「あれは、姿形は違いますけど……この、魔力……」ゴクリ…

ティア「て、天使様……!?」ワタワタ

シア「で、でももう聖王様もヘリング司教も……!?」ワタワタ

カイン「おいおいおい、なんの冗談だいこれは……!?」

アドルラン「あの巨体に四方を囲まれたか……」

キアラ「しゃ、喋らないけどこれは……」

フィーア「場所がわからないと、逃げようもありません……!?」

マックス「ど、どうしましょうアベル皇子!?」

アベル「……みんな、構えろ!」ジャキン!

ロウル「やっぱりそうですよねぇ。これは、歓迎している威圧感じゃありませんし……!」チャキ!

パトラ「攻撃をしてこなければよし。攻撃して来れば……穴を開けますっ!」ジャキン!

アーシャ「まさか、こんな早々に使うことになるなんて……!」スチャ!


※未知の敵に対するアーシャの完璧な対応により、能力公開


――

聖なる球体:レベル3000
【スキル】

★★『穏やかな光』★★
四天が生存時、あらゆる攻撃と異常を無効化する
四天がいなくなった時……

★★『神域戦闘』★★
敵の通常スキルを全て封印し、常時防御状態にし、常時-255の補正をかける
さらに敵に聖国関係者がいた場合、基礎レベル-255の補正をかける


現界水天・リーヴ:レベル555
【スキル】
★★『神護の四将』★★
三すくみ不利、敵の聖国指定スキル、奇襲及び罠、自身へのマイナス補正を無効化
このスキルを持つ限り、受けられる劣勢回数を5とし、永続攻撃状態を維持する
また補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行う
神と共に戦闘時、神への攻撃を全て無効化する
また自身が戦闘不能となった時は神のレベルを250増加させ撤退する

★★『ゴッドティアーズ』★★
戦闘時、常時補正+50
戦闘開始時、レベル250以下の敵を強制的に戦闘不能(負傷判定有)状態にする
追撃として敵に回復、防御、回避、カウンター不可の耐久値減少攻撃を2連続で与える
さらに敵の攻撃状態時の補正及び回避、逃走スキルを全て無効化し、
敵に常時-50の補正をかける

★★『アシッドフラッド』★★
戦闘時、常時補正+50
戦闘開始時、敵の通常装備を全て破壊する。装備の破壊に成功した時、敵の基礎レベル-30
さらに敵に常時-50の補正をかける

★★『ヒーリングミスト』★★
自身及び他の四天の耐久値が4以上減った時に一度だけ発動
対象の耐久値を4回復させる。また追撃中の場合は強制的に終了させる

★『慈悲の一閃』★
優勢取得時、コンマ一桁が3、6、9の時、3劣勢を与える

★『神徒の威光』★
敵を常時防御状態にし、常時-100の補正をかける
さらに敵に聖国関係者がいた場合、基礎レベル-100の補正をかける


現界炎天・エリュウ:レベル555
【スキル】
★★『神護の四将』★★
三すくみ不利、敵の聖国指定スキル、奇襲及び罠、自身へのマイナス補正を無効化
このスキルを持つ限り、受けられる劣勢回数を5とし、永続攻撃状態を維持する
また補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行う
神と共に戦闘時、神への攻撃を全て無効化する
また自身が戦闘不能となった時は神のレベルを250増加させ撤退する

★★『ライジングノヴァ』★★
戦闘時、常時補正+50
戦闘開始時、レベル250以下の敵を強制的に戦闘不能(負傷判定有)状態にする
追撃として敵に回復、防御、回避、カウンター不可の耐久値減少攻撃を2連続で与える
自身の耐久値が0になった時、判定を行わず敵に貫通する6劣勢を与える
その際、敵の防御及び回復行動の耐久値、付加効果を全て削り取る

★★『ギガフレア』★★
戦闘時、常時補正+200
自身は防御行動を取れなくなる
優勢を防がれた時、スキルを無視して敵耐久値を1減少させる

★★『クロスブレイズ』★★
優勢取得時、貫通能力を付与した追撃をしかける
追撃に成功した時、与える劣勢を2倍にする

★『慈悲の一閃』★
優勢取得時、コンマ一桁が3、6、9の時、3劣勢を与える

★『神徒の威光』★
敵を常時防御状態にし、常時-100の補正をかける
さらに敵に聖国関係者がいた場合、基礎レベル-100の補正をかける

現界地天・ファラー:レベル555
【スキル】
★★『神護の四将』★★
三すくみ不利、敵の聖国指定スキル、奇襲及び罠、自身へのマイナス補正を無効化
このスキルを持つ限り、受けられる劣勢回数を5とし、永続攻撃状態を維持する
また補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行う
神と共に戦闘時、神への攻撃を全て無効化する
また自身が戦闘不能となった時は神のレベルを250増加させ撤退する

★★『アースパニッシャー』★★
戦闘時、常時補正+50
戦闘開始時、レベル250以下の敵を強制的に戦闘不能(負傷判定有)状態にする
追撃として敵に回復、防御、回避、カウンター不可の耐久値減少攻撃を2連続で与える
自身の耐久値が減少する時、コンマが奇数であった場合はダメージを半減させる(小数点切り上げ)
さらに相手に劣勢を与える

★★『ガイアフォートレス』★★
戦闘時、自身の耐久+1
敵の全体攻撃、対象変更スキルを全て無効化し、攻撃を引き受けて仲間を守る
また自身の耐久値が減少する時、コンマが偶数であった場合はダメージを半減させる(小数点切り上げ)

★★『グラビティプレス』★★
戦闘時、2ターンに一度発動
敵全体に1ターン行動不能の状態異常を与える
その後判定表に20の補正を加えて劣勢無しの攻撃判定を行う

★『慈悲の一閃』★
優勢取得時、コンマ一桁が3、6、9の時、3劣勢を与える

★『神徒の威光』★
敵を常時防御状態にし、常時-100の補正をかける
さらに敵に聖国関係者がいた場合、基礎レベル-100の補正をかける


現界風天・カミラ:レベル555
【スキル】
★★『神護の四将』★★
三すくみ不利、敵の聖国指定スキル、奇襲及び罠、自身へのマイナス補正を無効化
このスキルを持つ限り、受けられる劣勢回数を5とし、永続攻撃状態を維持する
また補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行う
神と共に戦闘時、神への攻撃を全て無効化する
また自身が戦闘不能となった時は神のレベルを250増加させ撤退する

★★『フィアフルストーム』★★
戦闘時、常時補正+50
戦闘開始時、レベル250以下の敵を強制的に戦闘不能(負傷判定有)状態にする
追撃として敵に回復、防御、回避、カウンター不可の耐久値減少攻撃を2連続で与える
劣勢判定時、コンマ偶数であった場合は劣勢判定を回避する

★★『セラフィックブリーズ』★★
戦闘時、自身及び同行している全ての天使の基礎レベルを+30増加させる
さらに劣勢判定時、コンマ一桁が3か9の時、劣勢判定を回避する
また戦闘勝利時、敵の死亡及び逃走を防ぎ確定捕縛する

★★『テンペストフィールド』★★
戦闘時、敵の通常スキルを全て封印し、常時-50の補正をかける
さらに3ターンに一度、判定値50で相手のスキルを無視した耐久値減少攻撃を行う

★『慈悲の一閃』★
優勢取得時、コンマ一桁が3、6、9の時、3劣勢を与える

★『神徒の威光』★
敵を常時防御状態にし、常時-100の補正をかける
さらに敵に聖国関係者がいた場合、基礎レベル-100の補正をかける

アーシャ「これ……は……」ゾク…

アーシャ「……アベル、みんなよく聞いてください」

アーシャ「これは『腐竜とは比較にならない』相手です」

アーシャ「こうして話している途中にも『開幕連続攻撃を被弾』するかもしれません」

アーシャ「なにより『敵はそれぞれが巨大な難敵』であり『各個を撃破していく必要がある』でしょう」

アーシャ「これだけでも『戦闘が長引く』のは必至、『予想外に攻撃を受け続ける』ことも十分覚悟しなければいけません」

アーシャ「そして、あの浮かんでいるだけの球体は『今のところ害意は無い』ようですけど……」

アーシャ「何が起きるかわかりません。『どの敵から倒して行くのか』をしっかり考えた方がいいですね」

アーシャ「私も的確な指示を出せるように頑張りますけど……」

アーシャ「……」

アーシャ「おそらく『エリスちゃんとパトラさんの奥義だけは、温存しておいた方がいい』気がします……」

一同「「……」」ゴクリ…


アベル「……正体が誰であろうと、関係ない」

アベル「――俺達は、生き抜いてみせるっ!!!」




――戦闘開始!!!

隠しボス2の軍勢が降臨したあたりで今日はここまで
正直模擬戦を試していないので結果がどうなるかはわかりません(白目)
結局のところやっぱりコンマ運が全てだと思います
味方陣営のスキル等はこちらも再度確認してまた後日。ティアはこの戦闘で使えるスキルは持っていません

本日もありがとうございました!

これ、もしかしてシュタイナー作じゃなくて本物ってことかな?(白目)
とりあえず開幕の連続攻撃はアベルが耐えるとして、
1・まずは姉妹の紅刃を開幕でファラーに投げる。こいつだけ耐久6かつ仲間を庇うので先に落として敵軍レベルを下げる
シュタイナーの時と同じならこれでリーヴの回復が割り込む前にファラー撃破可能な筈
2・次はエリュウ。ギガフレアとクロスブレイズのコンボで生かしてたら一番やばい奴。ノヴァはロウルでガード
リーヴの回復があっても必殺攻撃で迅速に落としたい
3・次はカミラ。ターン経過で耐久削りも邪魔だが万一負けた時の確定捕縛が怖すぎる
2種類の回避はエリスとロウルがそれぞれ防げる筈
4・最後にリーヴ。回復使い果たしてるだろうし耐久削りも無いから最後に回していいと思われる
5・球体が変化。強さはレベル4000+補正(基礎レベルはパパン以下だから多分あっても750くらい?)と思われる
前に単体ではパパンより弱いと言われてた気がするので、ここまで来れば勝てる筈
エリュウとカミラにどんだけ削られるかでかなり状況変わりそう

こんばんはー
申し訳ありませんが、今日の更新はお休みです……
今日は改めて現状のアベル隊の能力を公開、最後にこれらを踏まえて討伐準備を考えていただけたらと思います

アベル:レベル609
【スキル】
★『不撓不屈の第三皇子』★
このスキルを獲得時、その時点の基礎レベルを2倍にし、以後のレベルアップ判定に補正を加える
さらに好感度100以上に達した者が現れる度、自身の基礎レベルを10増加させる
戦闘時、常時補正+20。さらに敵との補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行い、
敗北判定時、劣勢状態で復帰する。この効果は一度の戦闘で一度しか発動しない
重大な決戦において、味方の持つ一部★スキルを自身のスキルに加えることができる
かつ最終決戦時、周囲の味方の人数×10自身のレベルを上昇させ、さらに人数分の耐久値を手に入れる

★『黒氷麗剣』
戦闘時、常時補正+15
優勢判定を得た時、敵の回復行動と回避行動を無効化する
劣勢判定を受けた時、次の敵の攻撃に-10の補正を与える

★『黒氷装』
劣勢判定を受けた時、一度だけ発動
劣勢判定を無効化し、以後防御状態時補正+20の効果を得る
発動後の劣勢判定値の一桁が0の時、劣勢を無効化する

★『黒氷葬』★
優勢取得時、一度だけ発動可能
敵に3劣勢を与え、敵の★を含む回復、再生スキルを無効化する

エリス:レベル704
【スキル】
★★『終剣・五煌』★★
戦闘時、常時補正+60。攻撃状態時さらに補正+50
敵の所持する通常防御、回避、回復系スキル効果全てを貫通し無効化する
また優勢取得時、コンマが偶数であった場合は★スキルも貫通する必中攻撃となる
優勢取得時、そのまま敵に対し判定表から劣勢判定を除いた連続攻撃を仕掛ける
この効果は優勢を防がれても発動するが、1ターンに一度のみ

★『我流・絶煌閃』★
追撃優勢時、一度だけ発動可能
優勢取得時、敵に軽減を無視した4劣勢を与える

★『ツバメ返し』★
戦闘時、常時補正+20
敵から追撃を受けた時、3回まで反撃を行う
1回目は確定、2回目以降は判定成功で追撃劣勢を回避し、相手に劣勢を返す

★『聖衣・双煌』★
劣勢判定を受けた時、二回発動。発動の度に以後常時補正+10の効果を得る
判定を無効化し、攻撃状態を維持したまま次の判定を行う
その際再度判定をとり、50以上の時は相手に劣勢を返す
さらに★スキルを含む敵のカウンタースキルを無効化する

★『真麟の双剣』★
戦闘時、自身の耐久値を1増加させ、常時補正+30
追撃発生時、成功率上昇かつ敵スキルによる追撃防御、妨害を無効化
さらに自身に対する不利な状態異常を全て無効化する

★『鏡反掌』★
敵が判定を無視した3劣勢以上を与えるスキルを使用した時、一度だけ発動可能
受ける劣勢を1まで軽減し、残りの数値の半分を相手への劣勢として返す

★『誓いの指輪』★
戦闘時、常時補正+10に加えて自身の耐久値を1増加させる
さらに敵との補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行う
自身が一人で戦闘を行う際、敗北判定時に劣勢状態で復帰し、確定逃走が可能となる
このスキルを持つ者は死亡判定が発生しない

『皇族崩し』
皇族が相手の場合に限り、常時補正+10

アーシャ:レベル370
【スキル】
★『変幻自在の指揮』★
防御状態時及び逃走判定時、補正+40
敵が複数人への攻撃スキル所持していた場合、そのスキルを封じる
さらに常時補正+20の効果を得る
戦闘時、味方が複数人いる時のみ特殊な『無双状態』となることが可能
攻撃状態時補正及び防御状態時補正を全て常時補正として扱い
さらに敵スキルの攻防状態指定効果を全て無効化する

『広域戦闘術・錬』
防御状態時、補正+10
さらに城塞行動時に『団体鍛錬』が選択可能になる

★『流麗なる剣技』
戦闘時、常時補正+20
劣勢判定を受けた時、一度だけ劣勢を回避し防御状態へ移行する

★『ドラゴンケープ』
防御状態時、補正+20
敵が人外の存在の時、さらに補正+20

★『霧氷影陣』
アベルと共に戦闘時のみ発動
戦闘時、常時補正+5
一度目の劣勢を確定防御
以後の劣勢時、コンマ一桁が3、6、9の時、劣勢判定を3回まで回避する



ロウル:レベル342
【スキル】
★『勇躍する黒騎士団の証』★
戦闘時、味方に対するマイナス補正、奇襲、罠を全て無効化する
マイナス補正を無効化した場合、常時補正+20の効果を得る
奇襲を無効化した場合、仕掛けてきた相手に2劣勢を与える
さらに一定のレベル以下で戦闘不能となる効果も無効化し
無効化した後に自軍全体の基礎レベルを10上昇させる

★『銀狼の絶対援護』★
敵が判定を無視した2劣勢以上を与えるスキルを使用した時、そのスキルを無効化し
さらに劣勢判定を相手に与える
また敵が回避、防御、回復行動スキルを発動した場合、次ターン敵に-30の補正をかける
自軍のスキルで敵の行動を防いでもこの効果は発動する

★『先見掃射』★
味方が複数人いる時のみ発動
戦闘時、常時補正+20。敵の持つ★を含む回避スキルを無効化する

『警戒散策』
散策時に同行している場合、マイナス判定を起こす人物との遭遇を回避し、友好的な人物との遭遇率を上げる
また低確率で道具を入手する

★『弓兵の隠し刃』
戦闘時、常時補正+10
さらに劣勢判定を受けた時、一度だけ判定を無効化し、
次ターン、敵に-30の補正をかける

シア:レベル379
【スキル】
★★『セイクリッドヴェイル』★★
戦闘時常時補正+40、防御状態時はさらに+25。劣勢判定時、二回まで劣勢を無効化
次のターン敵に-30の補正を与えて防御状態時の補正を無効化する
さらに一度だけ、味方がいた場合はさらに優勢判定を獲得

★『咲き誇る魔杖』
戦闘時、常時補正+15
さらに一度だけ、★を含む敵の回避、逃走スキルの発動を無効化する

★『エタニティツリー』★
戦闘時、常時補正+30し、自身の耐久値を1増加させる
1ターン中に2劣勢以上の攻撃を受けた時、判定終了後に受けた値の半分耐久値を回復する
この効果は4回まで使用でき、回復不可以外のスキル以外で妨害されない

★『聖女の祝福』★
敗北判定が出た場合、一戦闘につき一度だけ、確実に拮抗状態で復帰する
この効果で復帰した時、常時補正+50を加える
さらに負傷判定時、怪我を緩和させ中傷まで留める

★『堕ちた聖女』★
聖国指定のスキル、状態異常攻撃を無効化する。
さらに味方全体に対しての★を含む回復不可の特殊異常攻撃も完全防御する
上記に加え、地天及び聖王による行動不能スキルも完全防御する

★『誓いの指輪』★
戦闘時、常時補正+10に加えて自身の耐久値を1増加させる
さらに敵との補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行う
自身が一人で戦闘を行う際、敗北判定時に劣勢状態で復帰し、確定逃走が可能となる
このスキルを持つ者は死亡判定が発生しない


パトラ:レベル322
【スキル】
★『グングニルドライヴ』★
戦闘時、常時補正+30。攻撃状態時さらに補正+40
自軍の耐久値が減らされた次のターンの攻撃時、与える優勢を2にする
さらに一度だけ確定で劣勢を防ぎ、スキルを無視して相手の耐久値を1減らす

★『清廉なる剛槍』
戦闘時、常時補正+20
敵が防御状態の時、さらに補正+20

★『王国槍将の鼓舞』★
周囲に味方が存在する時、味方全体のレベルを+10
自身が一人で戦う時、自身のレベルを+20
さらに劣勢判定を受けた時、攻撃状態を維持し戦闘時常時補正+10の効果を得る
この効果は劣勢を防いでも発動する(3回まで)

★『ぺネトレイトアサルト』★
戦闘時、常時補正+25
優勢判定を防がれた場合、敵の使用したスキルの使用回数を2倍減らす

★『無双三段』★
優勢取得時、一度だけ発動可能
敵に1×3劣勢を与え、敵に常時-50の補正をかける

★『天竜穿』
戦闘時、敵に自身よりレベルが50以上高い者がいた場合
常時補正+30の効果を得る

マックス:レベル274
【スキル】
★『王国の未来を担う者』★
戦闘時、敵のレベルが自身より高い場合、常時補正+30
このスキルを持つ限り、劣勢を受けられる回数を3にする
さらに補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行う

★『フレアミラージュ』
劣勢判定を一度だけ回避する
発動後、敵の回避、カウンタースキルの成功率を半減させる

★『ファイナルストライク』★
期待の新人の未完の必殺剣。
優勢取得時、万能属性による3劣勢を相手に与える
このスキルはカウンターを受けつけず、敵の耐久値を確実に減らせる時のみ発動する
発動後自身の武器は粉々になり、自身に-100の補正をかける


ティア:レベル15
【スキル】
★『ふりしぼる勇気』★
戦闘時、敵のレベルが自身よりも高い場合に発動
戦闘開始直後に限り、戦闘補正を互いに±0の状態として補正差敗北を無効化する
さらに判定無視攻撃を受けた場合、自身の耐久を1残し逃走判定に+50の補正を得る

『帝国兵団の天使』
帝国兵の死亡判定を無くし、中傷までに留める
復帰した帝国兵は常時+15の補正を得る


キアラ:レベル327
【スキル】
『心優しき軍師』
戦闘時、常時補正+15
防御状態時、さらに補正+10

★『光癒結界』
戦闘時、常時補正+20
劣勢判定を三回まで無効化する

★『白炎の突剣』
戦闘時、常時補正+20
優勢取得時、次ターン敵に-20の補正を与える

★『ロードオブヴァ―ミリオン』★
戦闘中、一度だけ発動
優勢取得時、敵に4劣勢を与える
★を含む防御、回避、回復行動を相手が取った場合、
その耐久値を全て削り取り、貫通分の劣勢を与える

★『濃紅の鋭棘』★
フィーアとの連携後に発動
自身の基礎レベルにフィーアの基礎レベルを加算
戦闘時、常時補正+100
さらに敵の防御スキルを無効化する

★『溢れ出る魔力の奔流』
戦闘時、常時補正+5。自身のスキル全てに敵の妨害を阻止する★効果を付与する
またこのスキルを持つ限り、補正差が50以上であったとしても30までに軽減し戦闘を行う
さらに自身のレベルの半分以下の敵全てを行動不能(戦闘参加不可)にする

フィーア:レベル298
【スキル】
『天衣無縫』
自身に劣勢判定が発生する時、判定コンマが偶数かゾロ目だった場合は劣勢判定を回避する
『瞬速の変り身』
敵のカウンタースキルの成功率を半減させる
『研ぎ澄まされる刃』
戦闘時、常時補正+5
優勢判定を防がれる度に、補正を+5ずつ加算する

★『無音変化』
逃走判定が確実に成功する

★『皇帝に届きうる刃』
戦闘開始直後、敵に確定で劣勢を与える(奇襲とは異なる)
またこのスキルを持つ限り、補正差が50以上であったとしても30までに軽減し戦闘を行う
さらに戦闘時、ネームレス敵兵の存在を全て無視して敵将のみへの攻撃が可能となる

★『白風の短剣』
戦闘時、常時補正+20
劣勢判定を受けた時、一度だけ確定回避を行う

★『舞い踊る蝶』
戦闘時、常時補正+10
『天衣無縫』が発動する度に、さらに常時補正+10を加えていく
この効果は『天衣無縫』が無効化されても発動する

★★連携奥義『死滅に至る紅刃・改』★★

キアラが共にいる時、一日一回のみ使用可能。射程100
『皇帝に届きうる刃』系スキルと『紅蓮の大炎槍』系スキルの発動を破棄することで発動
敵が複数の場合、攻撃対象を選択可能。戦闘不能にした対象を除外してから戦闘開始する
対象を戦闘不能として尚耐久値が残っていた場合は余波として残った敵にも劣勢を与える
このスキル発動後、結果に関わらずフィーアは影隠状態に移行する
キアラのスキルに『濃紅の鋭棘』を加えた状態で入れ替わり戦闘を続行する

戦闘開始直後、敵に確定で6劣勢を与える(奇襲とは異なる)
このスキル発動時、敵の通常防御、回避、回復スキル全てを無効化する
★防御、回避、回復、戦闘復帰、耐久上昇
などの相手スキル耐久値を全て削り取り、貫通分の劣勢を与える
敵スキルの耐久値を全て削った場合は、劣勢無効化以外の補正付加効果も無効化する
貫通後に敵がさらにカウンタースキルを発動した場合、その成功率を70減少させる

※影隠状態※
自身は戦闘から離脱した扱いとなり、いかなる攻撃の対象にもならなくなる
キアラと共に行動時、援護として無効化されない常時補正+40及び『無音変化』の使用が可能となる

アドルラン:レベル325
【スキル】
★『第一皇子の信念』
三すくみ不利及び敵の帝国指定スキルを無効化
このスキルを持つ限り、劣勢を受けられる回数を3にする
また補正差が50以上あったとしても35までに軽減し戦闘を行う

★『天昇月閃』★
優勢取得時、一度だけ発動可能
敵に3劣勢を与え、さらに追加判定を行う
コンマ50以上でさらに敵の耐久値を1削る

『逆風の大剣』
自身が劣勢判定を受けた時、再度コンマ判定を行う
コンマ40以上であった時、相手にも劣勢を与える

『白銀月閃』
戦闘時、常時補正+10
敵の人数が自軍より多い時、 自軍の合計値に自身のレベル×(敵軍人数-1)を加算する

★『泰然自若』
敵が連続攻撃を仕掛けてきた時、受ける劣勢合計値を1に留める

★『不退の盾』
劣勢判定を受けた時、一度だけ発動
劣勢判定を無効化し、防御状態へ移行。さらに以後防御状態時補正+25の効果を得る

★『弛まぬ刃』
戦闘時、常時補正+15
さらに自身へのマイナス補正を無効化する


カイン:レベル236
【スキル】
『全てを薙ぎ払う暴風』
敵の人数が自軍より多い時、
自軍の合計値を自身のレベル×敵軍人数に変えることができる

『風神の闘衣』
奇襲を無効化し、奇襲をしてきた者に劣勢を与える
戦闘時、常時補正+10
劣勢判定が発生する時、判定コンマ一桁が7、8、9の場合は劣勢判定を回避する

★『雷閃』
優勢取得時、コンマ一桁が0だった場合与える劣勢を2にする

★『天崩嵐』★
優勢取得時、一度だけ発動可能
敵に3劣勢を与え、敵を強制的に防御状態とする
さらに次の攻撃時、敵は★を含む全ての防御、回避スキルをとれない

★『風神剣』
戦闘時、常時補正+15
奇襲をしてきた者に劣勢を与える
さらに敵が一人であった場合、常時補正+15の効果を得る

★『やすらぎの風』
自身以外の味方が存在する時のみ発動
戦闘時、敵の特定コンマ時の増加ダメージ攻撃を無効化する
さらに味方全体の負傷判定を一段階緩和させる

『不撓不屈の第三皇子』により
部隊味方人数11人:基礎レベル+110、耐久値+11!
アベルレベル:609→719

アベル隊:719+704+370+342+379+322+274+15+327+298+325+236=4311
『勇躍する黒騎士団の証』によりさらに10×12=+120
『王国槍将の鼓舞』によりさらに10×12=+120

=アベル隊レベル総計:4551


【アベル隊】戦闘補正合計+805(姉妹連携後915)

アベル:合計補正…55
『不撓不屈の第三皇子』補正+20
『黒氷麗剣』補正+15
『黒氷装』補正+20

エリス:合計補正…170
『終剣・五煌』補正+110
『ツバメ返し』補正+20
『真麟の双剣』補正+30
『誓いの指輪』補正+10

アーシャ:合計補正…105
『変幻自在の指揮』補正+40
『流麗なる剣技』補正+20
『ドラゴンケープ』補正+40
『霧氷影陣』補正+5

ロウル:合計補正…50
『勇躍する黒騎士団の証』補正+20
『先見掃射』補正+20
『弓兵の隠し刃』補正+10

シア:合計補正…120
『セイクリッドヴェイル』補正+65
『咲き誇る魔杖』補正+15
『エタニティツリー』補正+30
『誓いの指輪』補正+10

パトラ:合計補正…145
『グングニルドライヴ』補正+70
『清廉なる剛槍』補正+20
『ぺネトレイトアサルト』補正+25
『天竜穿』補正+30

マックス:合計補正…30
『王国の未来を担う者』補正+30

キアラ:合計補正…70(連携後170)
『心優しき軍師』補正+25
『光癒結界』補正+20
『白炎の突剣』 補正+20
『溢れ出る魔力の奔流』補正+5

フィーア:合計補正…30(連携後特殊補正40)
『白風の短剣』 補正+20
『舞い踊る蝶』補正+10

アドルラン:合計補正…15
『弛まぬ刃』補正+15

カイン:合計補正…15
『風神剣』補正+15

情報はこんなところかな?
ボス軍の能力は昨夜の通りです。なおレベルは既にカミラの恩恵を受けた状態となっています

これらを踏まえてお手すきの方は『球体と4体の天使の倒す順番』などをお考えください
なお必ずしもアーシャの策に乗っかる必要も無く、姉妹の連携を温存し開幕からエリスやパトラで攻めることも可能です

例:水天から降臨順に倒す など

後日、多かった順番で戦闘を開始します
それではよろしくお願いします

カミラの能力これロックス隊捕まえたやつか
地味にアドルラン兄様が連撃耐性あるからエリュウの追撃はさほど怖くないけどやっぱガード越しに削られるのはきついな
>>209に加えてエリュウ殴る時はアドルラン+カインの必殺連携で一気に6ダメ与えて倒そう。ギガフレアの説明見る限り防御不能ならこれもリーヴの邪魔入る前に倒せる
カミラを殴る時はアベルの黒氷で3ダメに回復阻止。エリスの追撃入れば2ターンで落とせる
最後にリーヴが回復余らせて残るけどコンマ偶数ならエリス奇数ならパトラさんが2回分削れるからあとはサンドバッグにして毟り倒す
これでマックスのFストも温存しつつ割と被害抑え目で四天処理できるかと

こんばんはー
……>>209で既にガチガチかと思えば>>222がさらに容赦ない(白目)
おそらくこれがほぼほぼ最適解と思われますので、こちらを採用させていただきます
それではいい加減に戦闘開始!

――


アーシャ「では、これを天使と仮定した場合ですが……」

エリス「水天は、以前私が帝国で対峙したものとほぼ同等の力を感じます!」

パトラ「それが4体……被害を抑えて迅速な各個撃破が要求されますね」

アーシャ「敵の攻撃を耐えきったあと反撃を叩きこむのがいいでしょう。その適任は……」チラ

フィーア「出番ですね!」ピョン!

キアラ「いつでも備えておきます……! でも、あれは直線上しかできません」

キアラ「一撃を放てるとしても、どれか一人だけが限界ですよ」

アーシャ「狙うのは、守りが堅い地天からお願いします」

アーシャ「次に、一度アベルが苦汁をなめている炎天を。これはお二人に迅速に倒して頂きたいと思います」

アドルラン「む、私達か? 大役だが、心得たぞ!」ドン!

カイン「ふふん、僕を選ぶなんて見る目があるね」

カイン「確かにあの炎を纏うやつは、他と比べて構えに隙が見える。一気に叩きこんでやるさ」

ロウル「万が一の時は、私にお任せください!」パタパタ

アベル「残る水か風、どちらを狙うかだが……」

マックス「個人的には、水天にはいい思い出ないんだよなぁ」

シア「うぅ、本当の天使様は争いを好まない筈なのに~……」

ティア「聖書に語られる内容が確かなら、リーヴ様は癒しの力と争いの道具を破棄させる力をお持ちの筈です……!」

エリス「確かに、偽物もそういう動きでしたね。そうなると、風天の方が何をしてくるかわからない怖さがあります」

アーシャ「狙いは風天。様子をみつつアベルの黒氷で回復を防ぎつつ、これの撃破を狙いましょう」

アーシャ「残った水天は、戦闘経験のあるエリスちゃんを主軸にすれば他よりも倒しやすいかもしれません」

アーシャ「あの球体が気がかりではありますが……」



四天「「……」」ゴゴゴゴゴゴ!



アベル「もう時間もないか……! 今の作戦でいくぞみんな!」

アベル隊一同「「はい!!!」」



――作戦開始!!!

聖なる球体「……」キィン…

四天「「……!!」」バババ!

シア「き、来ます! 皆さん備えてください~!?」キィィィィン!



――『ゴッドティアーズ』発動――
――『アシッドフラッド』発動――
――『ライジングノヴァ』発動――
――『アースパニッシャー』発動――
――『フィアフルストーム』発動――


ズゴオオオオオオオォォォォォォォ!!!


パトラ「っ……あの、忘れもしない日よりも遥かに……!」バッ!

フィーア「アベル兄様っ!」バッ!


アベル「う、うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

アベル(あの初めて四天に遭遇した日……! 忘れるものか……!)

アベル(俺は……みんなを守ってみせるっ!!!)キィィィィン!

ティア「ひ、ひいいぃぃぃぃ!?」カタカタ…

アベル「ティア、俺から離れるな!」ガシ!

ティア「は、はい!?」



――

『不撓不屈の第三皇子』により
部隊味方人数11人:基礎レベル+110、耐久値+11!
アベルレベル:609→719


四天四連撃:威力合計値8

『不撓不屈の第三皇子』耐久11

11-8=3

――




アベル「おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」ガガガガガガ!

シア「アベルさん、無茶は駄目ですよ~!?」

アベル「ぐううぅぅ……!」

ティア「ア、アベル様……!?」


シュウウゥゥゥゥ……


アベル「っ……はぁ! 耐えきったぞ……!」ダン!

四天「「……っ!!」」

ティア「アベル様……」

アベル「ティア、無理にあれを倒しに行かなくてもいい……」

アベル「たとえここから動かずとも、敵の動きを教えてくれ。頼めるか?」

ティア「!! はいっ!」グッ!

ファラー「……」ゴゴゴゴゴ…

アーシャ「全員、構えをなおすつもりのようですね」

アーシャ「でも……!」スッ…



キアラ「いくよ、フィーアちゃんっ!」ゴオオオオォォォォ!

フィーア「はい、キアラ姉様っ!」チャキ!





――連携奥義『死滅に至る紅刃・改』発動!!!――




シュッ…



神聖なる球体「……」ピク

ファラー「……」ゴ…




キュオォオオオオオオオ!!!


ファラー「……!!??」

――

『神護の四将』+『ガイアフォートレス』

現界地天・ファラー残耐久6
死滅に至る紅刃威力6

6-6 = 0


――




ドガアアアアアアアァァァァァン!



ファラー「」ガラガラガラ…

神聖なる球体「……!」キィン…!

リーヴ「!?」アセアセ

エリュウ「……!」メラメラ!

カミラ「……」スッ…


フィーア「やった! やりましたよ!」ピョンピョン!

キアラ「うん! でも、まだ……!」

アベル「あ、相変わらず凄まじい……フィーア、後は援護を頼む!」

フィーア「かしこまりましたっ!」スゥ…

――

※戦況変化

※地天ファラー撤退

???軍レベル総計:3000+555+555+555+250=4915
戦闘補正合計:400



――『変幻自在の指揮』発動――
――『勇躍する黒騎士団の証』発動――

※攻撃状態→無双状態へ
※敵の攻防指定補正無効化
※敵全体攻撃及びそれによる補正無効化
※-補正無効化

【無双状態】
アベル隊レベル総計:4551
【アベル隊:耐久】残:11
【アベル隊:防御】残:14
【アベル隊:攻撃】補正895


ファラー撃破→次ターゲット『現界炎天・エリュウ』
残耐久:5


レベル差:-364
スキル補正:+495

495-360=+135

※『神護の四将』の効果により、補正差を30まで軽減し戦闘続行

コンマ20以上で優勢
コンマ19以下で劣勢

↓1コンマ二桁

コンマ04

――アベル隊劣勢!




エリュウ「……!」ゴオオォォォォ!


アドルラン「くっ、なんと凄まじい炎……!」

カイン「防御の構えは薄いくせに、こいつ……!?」ジリ…


エリュウ「……」キュオオォォ!


カイン「っ、しまった!?」


アベル「カイン兄様っ!」バッ!


――『黒氷装』発動――

劣勢判定を無効化


ドオオォォン!


アベル「くっ……!」パキパキ…

カイン「す、すまないアベル。助かったよ……!」

アベル「いえ……っ!?」


――『ギガフレア』発動――

――耐久値に対する直接攻撃


アベル「ぐおおぉぉぉぉぉぉ!?シュウゥゥゥ…

アドルラン「アベルっ!? 身を守っても熱が身を焦がすのか……!」

エリュウ「……」グオッ!


――『クロスブレイズ』発動――

――貫通追撃



アベル「こ、こいつ……!?」

アベル(王城の炎天とは、比較にならないほどの攻撃性……!)

バッ!


エリス「アベル様っ!」


――『ツバメ返し』発動――

※初回確定追撃反射



エリス「またアベル様を傷つける様な真似は、許しません! であああああぁぁぁぁ!」ギャリィン!


エリュウ「……!?」ズガァ!


※エリュウ残耐久:5→4

※アベル隊残耐久:11→10


エリス「ふぅっ……!」スタ!

アベル「すまないエリス!」

エリス「お気をつけくださいアベル様! 次も、うまく返せるかは……」

アドルラン「ならば次は、私がアベルを守ってみせよう!」ジャキン!

カイン「さっきの炎を見る限り、追撃を防げても最初の一撃だけで焼かれる!」

カイン「アーシャの作戦通り、一気に沈めたいところだね……!」


コンマ20以上で優勢
コンマ19以下で劣勢

↓1コンマ二桁

コンマ52


――アベル隊優勢!




エリュウ「……」ゴオオオオオオ!



キアラ「また、炎を……!」

アーシャ「守りを貫く炎。やはり厄介ですが……」

ティア「エ、エリスさんの方に向かってる……?」

ロウル「さっき返されたんで、警戒したんですかね。もっとも……」


カミラ「……」ビュゴオオ!


マックス「うおわああぁぁぁぁぁ!? やばい、このままだと挟まれますよ!?」


リーヴ「……」ジッ…


ティア「リーヴ様のような人も、回復のタイミングを狙っているみたいです……!?」


シュッ!


カミラ「……っ!?」キィン!


フィーア「や、やっぱり当たりませんよねこの風じゃ……!」ユラリ…

シア「に、逃げて速く逃げてください~!?」ワタワタ

パトラ「フィーアさんなら大丈夫それに、今の一撃は……!」



リーヴ「っ!」ピク!

エリュウ「っ!」ピク!



アーシャ「仲間が予期せぬ位置から攻撃を受ければ、警戒します」

アーシャ「――その一瞬の隙は命取りですよ!」


アベル「でああああ!」キィィィィン!

エリス「はあああぁぁぁぁ!」ブオン!



エリュウ「っ……」ギィン!


グラ…



アドルラン「――今だ、カインっ!」ダダダ!

カイン「ああ、二人とも跳べ! 一気に決めるよ!」ゴオオオオオオオ!


――『天崩嵐』発動――



エリュウ「っ……!?」ズババババババ!

カイン「どうだい、僕の風は! すぐには切り刻めずとも、お前の身動きくらいは封じられるぞ!」


ダン!



アドルラン「――受けよ、我が剣っ!!!」グオオオォォ!

エリュウ「……!?」


――『天昇月閃』発動――


――


エリュウ残耐久4-『天崩嵐』威力3-『天昇月閃』威力3

= 0


――




ズバアアアアアアアアン!!!



エリ/ュウ「」



ズゥゥゥゥン…


メラメラ…


リーヴ「!?!?」アセアセ

カミラ「っ!」バッ!


カイン「よっし! やったな兄さん!」

アドルラン「これで二体目。この調子でいきたいな!」

アベル「ええ。ですが……!」

――『ライジングノヴァ』発動――


メラメラメラ!


ゴオオオオオオオオ!


カイン「こ、これは!?」

アドルラン「倒した筈の相手の魔力が一段と大きく!?」

アベル「やっぱりこいつもこの技を……! だが、今の俺は一人じゃない!」




――『銀狼の絶対援護』発動――




ロウル「雷火隊とは違うようですが、やっていることは同じですね!」バッ!

ロウル「爆発して正面を焼き払う気なら、その前にこの手で爆発させてやりますよ!」

ロウル「試作の爆弾矢ですが、受け取ってくださいっ……!」ギリギリ…シュパン!


ドス



ドゴオオオォォォォォォォン!



エリュウ「」プスプス…



カイン「じ、地面ごとアイツを吹っ飛ばすってなんて無茶な……」

アドルラン「しかし助かったぞロウル君!」

ロウル「へへ、言ったでしょう? いざという時はお任せくださいって!」

ロウル「でも今のはあんまり多様できない矢なんですけどね。距離が無いと皆さんが危ないですし」

アベル「そもそも自爆をするような奴はあいつぐらいだろうがな……」

ロウル「私はまた援護に……っ!」ピク!



カミラ「……!」ゴオオオォォォ!


テンペスト判定
↓1コンマ二桁

50>08

※基準値を下回ったため回避!

――


ロウル「さ、下がってください皆さんっ!?」バッ!

皇子ズ「「!?」」ババッ!



ズゴオオオオオオオオォォォォ!



カイン「っなんて局所的な嵐だよ……!?」

カイン(あの球体の光で思うように動けないが、この嵐も似たような力を持っている……)チラ…

アドルラン(炎の天使が倒れてから、あの球体の光が増したような?)チラ…

アベル(やはり、あの球体はこの天使達の元締めなのか……?)チラ…


ロウル「っと! ご無事ですか!?」ザッ!

アベル「ああ、ロウルの声で助かった!」

カイン「そよ風のようにみせて、時々嵐になる……まさに風の体現者ってか……!」


カミラ「……」スッ…


アドルラン「今の一撃をかわしたからといって、そのまま退いてはくれそうにないな」

アドルラン「アーシャ君、次は……!」


アーシャ「そのままお願いします!」

パトラ「私達は、この天使をおさえておきます……!」ギィン!

リーヴ「……!」キィン!




※戦況変化

???軍レベル総計:3000+555+555+500=4610

※エリュウ撤退→次ターゲット『現界風天・カミラ』
残耐久:5


コンマ20以上で優勢
コンマ19以下で劣勢

↓1コンマ二桁

コンマ48


――アベル隊貫通優勢!



カミラ「……」ビュオオオォォ!

カイン「うおおおっ……!?」ズザザザ…

アドルラン「ち、近づけぬ……!」ググググ…



タタタタ…!



エリス「風の結界の破り方は、シアさんで学ばせて貰っています!」ダァン!

カミラ「っ!?」



シア「エリスさんとの鍛錬、本当に生きた心地がしないんですよね~……」ブルブル…

ティア「うんうん……」ブルブル…



――『フィアフルストーム』発動――


エリス「――切り開きますっ!」


――『終剣・五煌』発動――

――フィアフルストームを貫通


ズバアア!



カミラ「っ……!」

エリス「アベル様!」スッ!

アベル「ああ!」キィィィィィン!


――『黒氷葬』発動――



ガキィィィィィン!


カミラ「……!」パキパキパキ…!


――

カミラ残耐久:5-『黒氷葬』威力3= 2

――


カミラ「……」ヨロ…


エリス「――まだですっ!」グオン!


真麟の双剣による追撃

コンマ10以上で追撃優勢

↓1コンマ二桁

コンマ17

――アベル隊追撃優勢!


エリス「せやああああぁぁぁぁ!」ズバア!


カミラ「……!!!」



――『ヒーリングミスト』発動――



リーヴ「……!」パアアア!

マックス「あ、こいつなんかしようとしてる!?」

シア「この力は、回復の力ですよ~!」

ティア「カミラ様みたいな人の窮地を、助けるつもりです……!」

キアラ「……大丈夫。アベル兄様の氷なら!」


――『黒氷葬』発動――


――回復行動を無効化


回復霧「……」フワアァァァ…

カミラ「……」ソワソワ


キィィィン…


回復氷「」ボトボト…


カミラ「!?」

リーヴ「……!?」

リーヴ「……!?」オロオロ…

パトラ「す、すごく狼狽えている気がするわ……」

マックス「へへん、ざまあみろ!」

アーシャ「よし、ここまでは作戦通りですね……!」

アーシャ(あとは……)


神聖なる球体「……」フヨフヨ…


――

※カミラ回復不可。残耐久:1

――

軍勢の約3/4が壊滅したあたりで今日はここまで
もう少し被害を受けるかと思ったんですが、やはりアベル達のスキルが揃い過ぎているのと作戦の的確さが……
カミラは脱落寸前、ようやく間に合った回復も妨害されたリーヴはここから奮闘できるのか?

本日もありがとうございました!

こんばんは―
そういえば言われてみるとドラクエ7チックなことに……
でも特に狙ってやったわけでもないんですよ。まあ剣と魔法の世界なら被ってしまうこともあるということで(汗)
瀕死のカミラ戦からゆるりと再開です

――


カミラ「……」ヨロ…

カミラ「……」チラ…


リーヴ「……!?」アセアセ

マックス「アベル皇子! 多分今がチャンスですっ!」

フィーア「兄様! あと一押しですよ!」



カミラ「……っ」グッ!

カイン「っと、気をつけろアベル!」

アドルラン「仲間からの援護も諦めて、最後の攻勢に出る気か!」

カイン「手負いの奴ほど厄介だからね。気を引き締めろよ!」

アベル「ええ、わかっています!」



コンマ20以上で優勢
コンマ19以下で劣勢

↓1コンマ二桁

コンマ65

――アベル隊優勢!


カミラ「……!」ビュゴオオォォォ!

アベル「っ、守りの風も全て攻撃に回して来たか!?」

カイン「風なら僕に任せな!」


ゴオオオオオオオ!



カイン「っ……くぅ……!」ズズズ…

カイン(くそ、風の鋭さに差がありすぎる……!)

カイン(僕が最も得意とする魔法で、こんなにあっさりと押されるなんて……)

カイン(ああ、くそ。やっぱり僕は世界を知らずに強者ぶっていた、道化じゃないか)

カイン(でも、この風なら……)

カミラ「……」ゴオオオォォォォ!

カイン「く、はは! 正面から撃ちあいに応じてくれたのは感謝するよ……!」

カイン「僕のプライドを砕きたかったのか、それとも君にも風使いの意地があるのかな……!?」ズズズズ

カイン「――でもね、仲間がいる時はそんなもの投げ捨てた方がはやいんだよ!」バッ!


エリス「カイン様! 援護します!」バッ!

シア「私もいますよ~!」バッ!


エリス&シア「「上級風魔法っ!!!」」ゴオオオオォォ!



カミラ「っ……っ!!!」ググググ…!


ビュゴオオオオオオオオ!



カミラ「」フワァ…



シア「あれは、倒れた……んですよね~?」

エリス「お、恐らくは?」

カイン「助かったよ。いくら風の体現者とはいえ、君らの力も加われば突き破れるレベルだと見切っていた」

カイン「だからこそ僕があいつを誘い出す為に前にだね……」

アーシャ「カイン様? まだ戦いは終わっていませんよ?」

カイン「わ、わかっているよ!///」


――

カミラ残耐久 0

――

※戦況変化

???軍レベル総計:3000+555+750=4305

※カミラ撤退→次ターゲット『現界水天・リーヴ』
残耐久:5
回復:0(カミラに使用→妨害されたため)

――



リーヴ「……!?」オロオロ


ファラー「」チーン…

エリュウ「」プスプス…

カミラ「」フワァ…


アベル「……まさか、本当にこいつが最後に残るとは」

フィーア「私、水天さんだけはあまり好きになれません!」プンプン!

キアラ「う、うん。私もちょっと水天だけは……」

マックス「そりゃそうだ! 二人とも水天のせいで大変な目にあったんだからな!」

パトラ「ええ、その通り。かくいう私も……水天にはやりたいことがあるのだけれど」


リーヴ「……!?」オロオロ


ロウル「いや、こと水天には皆さん恨み募ってません?」

カイン「帝国に来た奴もだけど、さっきこいつも腐食水放ってきたしな」

アドルラン「姿は違うが、同類ということか……」チャキ…

アーシャ「アベルの氷が残っていれば、水を用いた回復はまだできないでしょう」

エリス「――三度目の正直です。 切 り 刻 み ま す 」


リーヴ「……!?」ブンブン!



シア「な、なんだか嫌がっているような~?」

ティア(ああ、リーヴ様、神様……お許しを……)オイノリ



コンマ20以上で優勢
コンマ19以下で劣勢

↓1コンマ二桁

コンマ21

――アベル隊優勢!



リーヴ「……!!!」バッ!

アベル「む、心なしか雰囲気が変わったか?」

ロウル「そりゃあ、このままじゃ殺られる! って誰もが思いますよねぇ!」


リーヴ「……!」ザバアアアアアア!


アベル「ふん!」キィィィィン!


パキパキ!


リーヴ「っ……!」ザアアア!

アーシャ「流石に、攻撃範囲は広いですね……!」バッ!

パトラ「ええ、ですが……豪雨で視界が悪くなれば!」


ドスゥ!


リーヴ「……!?」ガク…


フィーア「や、やっと一本入りました!」ユラリ…

フィーア「私だって、あの日よりも成長しているんですよ!」ピョン!


エリス「流石ですフィーア様! 私も……!」


真麟の双剣による追撃

コンマ10以上で追撃優勢
↓1コンマ二桁

コンマ39

――アベル隊追撃優勢!

※リーヴ残耐久5→3

――



エリス「せりゃあああ!」ズガァ!

リーヴ「……!」ブシャア!


アーシャ「いい感じですよエリスちゃん!」

アーシャ「みんな! あの球体に注意しつつこの水天を取り囲んでください!」

シア「あ、そうですよ~! また逃げ出しちゃうかもしれないんですね~!」

シア「その時は、またこのお花の杖の力でぐるぐる~ってしちゃいます~!」



リーヴ「!!??」ワタワタ



カイン「恨むなよ? 一体だけとはいえ、普通じゃない力を持っているのは間違いないんだ」

アドルラン「油断はしない。全力でいかせてもらうぞ!」


グルーリ…


リーヴ「……」

リーヴ「……」チラ…


神聖なる球体「……」フヨフヨ…


パトラ「せやあああああぁぁぁぁ!」


コンマ20以上で優勢
コンマ19以下で劣勢

※リーヴボッコの可能性が高いためまとめて判定
↓1~3コンマ二桁

コンマ82、82、85

――アベル隊完全優勢!!!


ドゴォ! ズガァ! ガキィン!


ズシャアアア!


リーヴ「……!」ズタボロ

リーヴ「……!?」ハッ!

パトラ「――今こそ、陛下への誓いを果たす時です!」ブオンブオン!




ズドオオオオオオオオオ!!!



リーヴ「」ポッカリ…

――

リーヴ残耐久 0

――


リーヴ「」バシャァ…

パトラ「や、やった……! やりましたよ……!」グッ!

パトラ「皆さんのお力添えがあってこそですが、私はついにあの日を乗り越えました……!」ジーン!

フィーア「やりましたね、パトラさん!」パチパチ


ティア「」カタカタ…

シア「し、仕方がないんですよ~」ギュッ…

シア「お二人は以前、水天リーヴからかなり酷い怪我を負わされていますからね~……」

アドルラン「しょ、少々やりすぎな気もしなくはないが……」

アベル「だが、これで……!」


神聖なる球体「……」フヨフヨ…

神聖なる球体「……」フヨ…

神聖なる球体「……」



キイイイィィィィィィィィン!



一同「「!!」」



※戦況変化
※四天全滅
――『穏やかな光』――
四天が生存時、あらゆる攻撃と異常を無効化する
四天がいなくなった時……


※ ※ ※ ※ ※ ※ 警告 ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


       ―― 極 光 降 臨 ――


※ ※ ※ ※ ※ ※ 警告 ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


バサァ…!



白き女神「……」バサァ…!



アベル「ひ、人の形になった……!?」

マックス「おっぱ……お、俺を惑わそうったってそうはいかないからな!?」アセアセ

シア「あ、あの光はまさか……」ブルブル…

ティア「神様、なのですか……?」ブルブル…

アーシャ「っ……!」スチャ!

――

白き女神:レベル4000
【スキル】
★★★『激光』★★★
三すくみ不利、敵の聖国指定スキル、奇襲及び罠、状態異常、自身へのマイナス補正を無効化
このスキルを持つ限り、受けられる劣勢回数を5とし、永続攻撃状態を維持する
さらに戦闘開始時に判定を行い、聖王家に属する者を戦闘から強制排除する攻撃を行う
また補正差が50以上であったとしても15まで軽減し戦闘を行う

★★『神域戦闘』★★
敵の通常スキルを全て封印し、常時防御状態にし、常時-255の補正をかける
さらに敵に聖国関係者がいた場合、基礎レベル-255の補正をかけ――



ボン!


アーシャ「っ! 皇帝陛下に匹敵するレベルです……!?」

アドルラン「なんだと!?」

カイン「いや、このとんでもない魔力は確かに……!?」


女神「……」スッ…



キィィィィィィン…


★★★『平定の光』★★★
敵味方の全ての戦闘時補正を0にする



エリス「うっ……!?」ガクリ…

パトラ「ち、力が……!?」ガクリ…

キアラ「た、戦おうっていう気持ちが……」ガクリ…

ロウル「弱らせる光じゃない……上手く言えませんけど、本来の状態に戻されたような……!?」

女神「……」パアアアア…


★★★『届かない祈り』★★★
聖国関係者の★を含む回復関連スキル、戦闘復帰スキルを全て使用不可能にする


フィーア「ま、また何かしています! これは一体……」

シア「……!」ピク!

ティア「……!」ピク!

シア「か、回復魔法の発動を許さないおつもりのようですね~……」

シア「……」




――『堕ちた聖女』発動――

★『堕ちた聖女』★
聖国指定のスキル、状態異常攻撃を無効化する。
さらに味方全体に対しての★を含む回復不可の特殊異常攻撃も完全防御する
上記に加え、地天及び聖王による行動不能スキルも完全防御する




カアアアアアァァァ!


女神「!?」



シア「――私は、裁かれても構いません」

シア「祈りは神様に捧げるもの……でも、私はもう世界の平和よりもアベルさんの無事を願うようになってしまった」

シア「――私は、ただ祈るだけです。誰にでもなく、私自身がアベルさん達の傷を治したいって……!」キィィィン!


――『届かない祈り』を無効化――


女神「……!」

ティア「わ、私だってそうです……!」

ティア「私もシアさんも、もう……神様じゃなくて、アベル様のものなんです!」

シア「そうですよ~! たとえ神様がお相手でも、アベル様の為ならば~!」


シア&ティア「「――私達はアベル様の雌奴隷なんですからっ!!!」」



一同「「」」

女神「…………」エェー…



フィーア「ど、どうされたんですかロウル姉様!?」ワタワタ

ロウル「あの白い人が変な音波放ったんですよー? 気にしなくていいですからねー」ミミフサギ


――最終戦開始!!!

最終戦まで突入したあたりで、今日はここまで
これがおまけも含めて、正真正銘アベル達最後の戦いとなります
被害も少なく、また前衛組が奥義を残している為アベル達は大きく有利です
しかしこの戦いはこれまでの戦いで最も『運』がカギを握っています
……だから運がいいとこれさえボコボコにしかねないんですけどね!(白目)

本日もありがとうございました!

まさかの本物の神様が相手って言うとんでもない状況なのに二人の爆弾発言の前に全て吹っ飛んだwでも耐久5しか無いし
>> さらに戦闘開始時に判定を行い、聖王家に属する者を戦闘から強制排除する攻撃を行う
これ見る限りもしかしてシュタイナーと和解した場合のボスだったのかな?
リーヴの反応見る限り本編のことは全く知らない=別人のしかもなんとなく善玉な感じだけど本来の戦闘の流れが気になる

こんばんはー
それでは最後の戦いですがぼちぼち進めて行きましょう

>>274
お察しの通り、シュタイナーと和解していた場合は聖国神がラスボス予定でした
その場合は神の性格も異なり、シュタイナーを意のままに操っていた黒幕
助っ人で聖王兄妹全員参戦、シュタイナーはレベル550+判定で生存四天追加の強力助っ人に……
とか考えていましたが、シュタイナーもアルフォンスもあまりにも突き抜け過ぎたんです(白目)

アベル隊レベル総計:4551

戦闘補正:『平定の光』により無効化
特殊補正:『死滅に至る紅刃・改』+40


VS

白き女神レベル:4000

戦闘補正:『平定の光』により無効化


※『激光』の効果により補正差を15まで軽減


――



女神「……」



一同「「」」


シア「や、やりましたよ~!///」カアァア!

ティア「動揺している、今が好機ですよアベル様……!///」カアァア!



アーシャ「え……? さ、作戦だったんですか!?」

マックス「て、てっきり本気で言ってるかと思いましたよ!?」マエカガミ!

カイン「確かに、僕も前に経験したことのある衝撃は受けたけどさ……」チラ…




女神「……!」プンプン!



シア&ティア「「あ、あれ!?」」

ロウル「そりゃ怒りますよねぇ!? 神様かどうかはともかく、聖国関係っぽい人ですもん!」

エリス「そ、そういう愛の形があることも学びましたけど……///」

パトラ「流石に、人前で声高々に宣言するのは……///」

アドルラン「うむ……///」

キアラ「貞淑さに、欠けていると思います……!///」


シア&ティア「「」」


女神「……」ゴオオオオォォォォ!

アベル「ひ、光が一層激しくなったぞ!?」

アベル「やはりあれか、彼女達に対する扱いへの殺意かこれは!?」アセアセ

アーシャ「わかりません! わかりませんけどアベルもみんなも気をつけて!」

アーシャ「少しでも気を抜けば『とんでもない痛手』を受けかねません!」

アベル「ああ、わかっている。この光――やらねば、やられる!」ジャキン!


コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ12


――アベル隊劣勢!



女神「……」バッ!

アベル「む、距離を取って翼を広げた……?」


キュイイイィィィィィィィン……!


アベル「っ……」ゾクッ!

アーシャ「――みんな、散って!!!」バッ!


アベル隊「「!!」」ババッ!



ズドオオオオオォォォォォン!



――『光弾・スターバスター』発動――

★★★『光弾・スターバスター』★★★
優勢取得時に発動
敵の回復、防御、回避、カウンター全てを確定貫通し優勢を得る
さらにその値は優勢時のコンマ一桁の値で変動する
威力計算:1×(コンマ一桁×1/2(小数点切り上げ))回の攻撃

コンマ12→1×1=アベル隊1被弾!


ドオン! ドオン! ドオン!



ロウル「ひええええぇぇぇぇぇ!? な、なんですかこの攻撃!?」

アドルラン「く、避けきれぬか!」ググ!


――『不退の盾』発動――


ドオン!


盾「」パラパラ…


アドルラン「な、なんとか防げたが一発で私の盾が破壊されるか……」

シア「これじゃあ、結界でもなんでもどんどん削り壊されちゃいますよ~!?」

カイン「お前達のせいでもあると思うぞ!? くそ、エリスの魔法をさらに性質悪くした感じか!」

キアラ「防御の余裕はありません……! はやく、攻め込まないと……!」


コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ07

――アベル隊劣勢!


★★★『光弾・スターバスター』★★★
優勢取得時に発動
敵の回復、防御、回避、カウンター全てを確定貫通し優勢を得る
さらにその値は優勢時のコンマ一桁の値で変動する
威力計算:1×(コンマ一桁×1/2(小数点切り上げ))回の攻撃

コンマ07→1×4=アベル隊4被弾!



女神「……」キュイイイイィィィン!


ズドオオォォォォ!



キアラ「は、速い!?」

キアラ「ぼ、防御を……!」キィィィィン!



――『光癒結界』発動――


ドオン! ドオン! ドオン!


キアラ「う、く……!?」ビキビキ…


パリン…


キアラ「……!」


フィーア「っ、いけませんキアラ姉様っ!?」ユラ…


――『白風の短剣』発動――


ドオン!


フィーア「きゃあっ!?」


短剣「……」カラカラ…


キアラ「フィーアちゃん、大丈夫!?」

フィーア「は、はい! この程度平気です!」グッ!

フィーア「でも、これは……」ゾクリ…

マックス「く、くそ! 二人とも俺の後ろに下がって! 隙を見て、一発全力で殴ってやらぁ!」ジャキン!



コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ48

――アベル隊優勢!



女神「……」キュイイイィィィィン!


ズドオオオオォォォォォ!


アーシャ「くっ……! とてつもない強さですが……」

アベル「ああ、逆に言えば『あいつの攻撃はひたすらにあれを撃つだけ』のようだな……!」

エリス「全ての防御を削り取る、連続して放てる光弾なら確かに他の技は不要そうですものね……」

ロウル「でも、どんな攻撃も種がわかれば……!」


女神「……」キュイイィィィン!




バッ!



マックス「――もらったぁ!」ブオン!

女神「!?」


――『ファイナルストライク』発動――


マックス「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!」


女神「……!」キィィィィィン!


――『メビウスバリア』発動――

★★★『メビウスバリア』★★★
自身の耐久値が減少する時、ダメージを1/3まで軽減する(小数点切り上げ)
さらに★を含む敵の攻撃の威力倍増、カウンタースキルを無効化する


ファイナルストライク威力3→1


ギュキィィィィィン!


マックス「あっ……!? く、そ……結界か!?」ギチギチ…

キアラ「マックスさん!? 危ない!」

マックス「――キアラちゃん達は、俺が守るんだ! であああああ!」ググ!

女神「っ!」ズバッ!

マックス「よ、よし! 少しだけだけど入ったぞ……!」

ロウル「そしてやっぱり壊れるマックスさんの剣! 今度ちょっと個別に請求書きりましょうかねぇ!?」ブオン!

エリス「――ですが、お見事です!」ダン!


追撃判定

コンマ25以上で追撃

↓1コンマ二桁

コンマ86

――アベル隊追撃優勢!


白き女神残耐久:5→3


――


エリス「ここまで暴力的な光ではありませんが……!」キィィィィン!

エリス「お母さんとアベル様が宿してくださったこの魔力の剣も、負けません!」ズガアア!

女神「……!」

エリス(っ……!? 斬る瞬間、魔力を拡散された! これじゃあ、本来なら勝負を決められる攻撃も……!)チラ…

アーシャ(やはり、そういうこと……。奥の手は、温存して!)コクン!

エリス「っと!」バッ!


マックス「な、なんて硬いんだよあいつ……!?」

エリス「ええ、ですが退くことはできない以上……」

パトラ「攻め続けるしかありませんよね……!」ジャキン!

ティア「ふえぇ……皆さん、もしもの時は私を肉盾にしてください……!」ポロポロ…

シア「私も~……」

アベル「そんなことはしない! 硬いようだが、攻撃は通る! みんな諦めるな!」

一同「「はい!!」」



コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ86

――アベル隊優勢!


女神「……」キュイイイイィィィン!


ズドオオオオオオ!



カイン「はっ! 大層な威力だけど、少しは目が慣れてきたよ!」

アドルラン「アーシャ君の布陣は見事だな。これならば相手も攻撃を完全に密集させることはできない」

カイン「固まってたら本当にあれは回避不能の強烈な攻撃になってるだろうからね……」

ロウル「こうしてばらければ、少しは敵の注意も散漫になって……」



エリス「せりゃあああああ!」ダダダ!

女神「っ……!」バッ!

エリス「――今です!」


タン!



シア「や、やぶれかぶれですよ~!!!」ブオン!


女神「!?」ゴガァン!


アーシャ「は、入った!」

フィーア「あのシアさんが、まさか杖で殴りかかってくるとは流石に予想できなかったようです!」


女神「……」サスサス…

女神「……」チラ…

シア「ひいいぃぃぃぃ~!? 裁かれます~!?」ガタガタ!



パトラ「――させませんっ!」


追撃判定

コンマ25以上で追撃

↓1コンマ二桁

コンマ94

――アベル隊追撃優勢!


白き女神残耐久:3→1


――


女神「……!」グルン!


パトラ「っう!?」ガキィン!

パトラ「ふふ、私の追撃を防ぐとはなかなか……!」ギギギ…




パトラ「――でも、私以外の人に背中を見せましたね?」




ティア「え、え~い!」ブオン!


女神「!!??」ガン!


ティア「や、やっちゃったやっちゃったーっ!?」ピュー!

アベル「ティア!? シアみたいな無茶はしなくていいぞ!? いそいでさがれっ!?」アセアセ

ティア「は、はいいぃぃぃ!?」ブルブル


ティア(で、でも今……なんだか、手応えを感じました)

ティア(わ、私でも頑張れば……?)グッ!



マックス「あ、あのティアちゃんがあいつに一撃を……?」

キアラ「……」コオォォォォ…

マックス「キアラちゃん、もしかして?」

キアラ「う、うん。ティアさんも頑張りたい様子だったから、フィーアちゃんと連携の時に使う肉体強化魔法を全力で……」アセアセ

フィーア「ティアさん、多分明日は筋肉痛です……!」

ロウル「今負けたら、明日は来ないんです。やれることは全て出し尽くしましょう!」バッ!


コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ13

――アベル隊劣勢!

★★★『光弾・スターバスター』★★★
優勢取得時に発動
敵の回復、防御、回避、カウンター全てを確定貫通し優勢を得る
さらにその値は優勢時のコンマ一桁の値で変動する
威力計算:1×(コンマ一桁×1/2(小数点切り上げ))回の攻撃

コンマ13→1×2=アベル隊2被弾!


――



女神「……!」キュイィィィン!



ズドオオオォォォォォ!



アーシャ「っ、急に狙いをこちらに!?」

アベル「アーシャ!?」


ドオン! ドオン!


――『流麗なる剣技』発動――

――『霧氷影陣』発動――



アーシャ「くっ……!?」バッ!

アドルラン「大丈夫かアーシャ君!?」

アーシャ「ええ、なんとか。でも……」

折れた細剣「」シュウゥゥ…

アーシャ「ご覧の有様です。身をかわす為の霧氷も一瞬で掻き消されてしまいましたね……」

カイン「どんな防御も少しもったらいい方、結局僕らが取るべき行動はあいつと同じ……」

マックス「ひたすら攻め続けるしかないってことですよね!」


コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ96


――アベル隊優勢!


ドオン! ドオン!


アベル「確かにその翼で魔力を集めて光弾として撃ちだす技は厄介だが……」



タタタ!


アベル「ふっ!」グオン!


女神「!」グルン!


アベル「――死角を増やしているのも事実!」



ロウル「――いっけええええええぇぇぇぇぇぇぇ!」バシュン!



女神「!!」



ドスゥ!



女神「」


――


白き女神残耐久:1→ 0


――



女神「」シュウウウウゥゥゥゥゥ…



ロウル「や、やった……!」

ティア「や、やった……!?」

シア「や、やっちゃいましたね~……」ブルブル…

――『ふっかつ』発動――

★★★『ふっかつ』★★★
自身の耐久値が0になった時発動
自身の耐久値を完全回復させて戦闘を続行する
このスキルの発動はいかなるスキルでも妨害できない
……





コオオオオオオオオ!




ティア「っ、この魔力は!?」ゾクッ!

シア「光が集まっていきます~!?」

カイン「油断するな、まだ終わってない!」



カッ!



女神「……」スタッ…



マックス「お、おいおい嘘だろ!? 傷が全部塞がって……!?」

キアラ「魔力も、減った様子がありません……」タラ…

フィーア「振り出しに戻されてしまったのですか……!?」ワタワタ

アドルラン「いや、こちらは武具も魔力の消耗も激しい……!」

ロウル「ええ……あの光弾を捌き続けることも難しいですねぇ……」

アーシャ「……それでも、確かに今、あの存在は一度倒れました」

エリス「回復魔法によるものなら、必ず魔力が底を尽く筈です!」

パトラ「もしかしたら、平気なふりをしているだけの可能性もありますね!」ジャキン!

アベル「……俺達は、生き抜くことを諦めない! みんな、怯まずいくぞ!」バッ!

一同「「はい!!」」


コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ30


――アベル隊劣勢!


女神「……」バサァ!



アドルラン「むぅ、またあの構えに入るつもりか!?」



キュイイィィィィン!


ドオン!

カイン「馬鹿の一つ覚えだね。いくら強力でも――」


キュイイイイィィィィン!


カイン「なっ――!?」


――『連星・ダブルスターバスター』発動――


★★★『連星・ダブルスターバスター』★★★
『ふっかつ』発動後、スキル変化
優勢取得時に発動
敵の回復、防御、回避、カウンター全てを確定貫通し優勢を得る
さらにその値は優勢時のコンマ一桁の値で変動する
威力計算:1+1×(コンマ一桁×1/2(小数点切り上げ))回の攻撃

コンマ30→1+1×1=アベル隊2被弾!


ドオン!


カイン「こいつ発射弾数を増やしやがった……!?」

カイン(まずい、不意をつかれて……!)


――『弓兵の隠し刃』発動――

――『グングニルドライヴ』発動――


ロウル「な、なにしてんですかカインさんっ!? うわっとぉ!?」バギィン!

パトラ「こ、これはかわすだけで精一杯ですね……!」チリ…!


カイン「す、すまない助かったよ……」

ロウル「あっぶなぁ……収束音が微妙に違って嫌な感じしたんですよ……」ハァ…

ロウル「あーあ、私の短剣も綺麗におしゃかですよ」ボロ…

ロウル「しかし流石、パトラさんの槍は耐えきったようですね」

パトラ「僅かに軌道を反らすのに使っただけですからね。それでも焦げ付きが……」

パトラ(もう、防御には使えない。仮に折れる時は、あの天使の身体に突き刺して折ります……!)

戦闘途中ですが、今日はここまで
かなり消耗が激しいですが、まだアベル達は有利な状況と思われます
現在のアベル隊の防御残値は

【アベル隊:耐久】総耐久10
『不撓不屈の第三皇子』:耐久2
『真麟の双剣』:耐久1
『誓いの指輪』:耐久1
『エタニティツリー』:耐久1
『誓いの指輪』:耐久1
『王国の未来を担う者』:耐久1
『第一皇子の信念』:耐久1

【アベル隊:防御】残:5
『聖衣・双煌』:回復防御2
『セイクリッドヴェイル』:回復防御2
『フレアミラージュ』:回避1

最も奇数ゾロ、コンマ09、19、29などを連続して取ると吹き飛ばされる可能性もありますが(白目)

本日もありがとうございました!

こんばんはー
しぶといのはごめんなさい、しぶとい大ボスが好きな私の好みが前面に出てます(白目)
白き女神は一応、ゾロ目チケット無消費で倒せた場合は少しだけご褒美?的なものの用意はありますが……
コンマ次第では、アベル達が吹き飛ばされる可能性も十分ある筈です

それではゆったり戦闘再開です

女神「……!」キュイイィィィィン!


アーシャ「攻撃が激しくなったということは、相手も追い込まれている可能性が高いです!」

アーシャ「パトラさん、エリスちゃん! こちらももう、出し惜しみは無しでお願いします!」

パトラ「ええ、心得ています! 我が槍、このまま折れはしませんよ!」バッ!

エリス「私も、機を見て全力で叩きこみます!」バッ!


シア「マックスさん、防御はまだできますか~?」

マックス「は、はい。あの攻撃じゃ、一回使えればいい方だと思いますけど……」

シア「十分ですよ~。皆さんの消耗も激しいですし、いざという時に備えますよ~!」パアァ!

マックス「はい!」

ティア「うう、でもますます激しさを増した攻撃……さっきよりも、守るのは厳しいです……」ブルブル…

キアラ「でも、諦めません……!」

アドルラン「ああ! 諦めなければ、いつかは活路が見つかるはずだ!」




コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ93

――アベル隊優勢!



ズドオオオォォォォォ!



アベル「く……っ!」バッ!


女神「……」キュイイィィィン!


アベル「次弾か……!」

アベル「……」


ドオン!


アベル「うおおおおぉぉぉぉぉ!」ゴロゴロ


ティア「アベル様、危ないっ!?」



女神「……!」キュイイィィィン!



アベル「――ふっ、当然……無様に転がり次の回避が出来ない俺を狙うだろうと思ったよ」

アベル「敵将へのトドメ……勝負を決めるために少し急き過ぎたな!」




バッ!




パトラ「はああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ズドォォォ!

女神「!?」ガクン!

パトラ「アベルさんが身を危険に晒してまで作ってくれた好機、逃しませんっ!」ブオン!

パトラ「結界が大きな技の威力を減らすなら……手数で補うまでです!」


――『無双三段』発動!!!――


★『無双三段』★
優勢取得時、一度だけ発動可能
敵に1×3劣勢を与え、敵に常時-50の補正をかける


パトラ「でりゃあああああぁぁぁ!」ズギャア!

女神「っ!!」

パトラ「もう一発ぅぅぅぅぅぅぅ!」ドゴオオォォ!

女神「……っ!!!」ズザザザ…



追撃判定
コンマ25以上で追撃
↓1コンマ二桁

コンマ02


追撃失敗……

白き女神残耐久:5→2

――


パトラ(三段、しっかり手応えを感じました……!)

パトラ(このまま四段目を……と言いたいところだけどっ!)バッ!


ドオン!


パトラ「っと!? 危ない。そう容易くはやらせてくれませんよね……!」

アベル「ありがとうパトラ。パトラならあの隙に一撃を入れてくれると信じていたぞ」

パトラ「もう! それは嬉しいけど、無茶をし過ぎですよアベルさん!?」

マックス「いやパトラ将軍も今かなり危なかったですよ!?」

フィーア「乙女は、時に大胆にです! パトラさんの今の大胆さ格好良かったです!」キラキラ!

アーシャ「ええ、ここは分が悪くても攻めたてる時……!」

エリス「パトラさんの攻撃で、確実に有利になっています! この勢いに乗って……!」



コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ58


――アベル隊優勢!



女神「……」キュイイィィン!



ズドオオオオオォォォ!



カイン「くそ、流石にしんどくなってきたなぁ……!」ゼェゼェ…

アドルラン「はははは! だらしないぞカイン!」

アドルラン「この者を倒したら、また私と一緒に鍛錬だな!」

カイン「はっ、まずはエメリナと一緒にゆっくり休ませてほしいね……!」


ドオン! ドオン!


カイン「~~~っ! こいつぅ! また僕を狙いやがってぇ!?」

アドルラン「はははは! 戦場で勝った後の話をするなど、本来ならば慢心でしかない行為だからな」

アドルラン「――だが、先程のアベルのように少しは攻撃の誘導には役立ってくれたようだな!」


女神「……」キュイイイィィィン!




ドッ!



女神「っ……!?」



キアラ「私だって、帝国皇女です……!」

キアラ「フィーアちゃんとの連携だけじゃない。私だって、一人でも攻め込めるんですよ!」


マックス「おぉ、キアラちゃんの白炎の突剣かっこいい!?」

パトラ「関心している場合じゃないでしょマックス!」



追撃判定
コンマ25以上で追撃

↓1コンマ二桁

コンマ07


追撃失敗……


白き女神残耐久:2→1

フィーア「……」スゥ…


女神「……!」グリン!


フィーア「き、気づかれました!?」シュタタタタ!


ドオン!


フィーア「あ、危ないところでした。折角キアラ姉様に合わせようと思ったのに……」ショボン

キアラ「フィーアちゃん!? 大胆過ぎるのも多分ローズさんに怒られちゃうよ!?」ワタワタ

アベル「できれば本当に二人には大胆さを控えて欲しいんだがなぁ!?」ハラハラ


女神「……」


ロウル「でも、もう一押しって感じですね!」タタタ!

アーシャ「ふふ、たまには私達も大胆になった方がいいのかしら?」タタタ!

アベル「おい!?」


コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……

↓1コンマ二桁

コンマ27

――アベル隊劣勢!

★★★『連星・ダブルスターバスター』★★★
『ふっかつ』発動後、スキル変化
優勢取得時に発動
敵の回復、防御、回避、カウンター全てを確定貫通し優勢を得る
さらにその値は優勢時のコンマ一桁の値で変動する
威力計算:1+1×(コンマ一桁×1/2(小数点切り上げ))回の攻撃

コンマ27→1+1×4=アベル隊5被弾!





女神「……!」キュイキュイキュイイィィィィン!!



ティア「!!」ゾクッ!

ティア「だ……駄目!? みんな、逃げてええええぇぇぇぇぇぇぇ!?」



アーシャ「しまっ……!?」

ロウル「誘い込まれ……っ!?」




ドオン! ドオン! ドオン! ドオン!


エリス「させませんよ、絶対に!」キィィィン!


――『聖衣・双煌』発動――


シア「全力の結界です! どうか、もってください~!」キイイイィィン!


――『セイクリッドヴェイル』発動――



ドオン!


マックス「って俺にも来たぁ!? 回避ぃ!?」


――『フレアミラージュ』発動――



ズドオオォォォォン…



エリス「くぅ……!」ズザザ…

シア「ふぅ、ふぅ……!」ガクッ…

アーシャ「あ、ありがとう二人とも……」ハァハァ…

ロウル「死ぬかと思いましたぁ……」ハァハァ…


カイン「まずいな、もう防御が……!」

アドルラン「こうなっては仕方がない。これ以降は『鍛えた我が身で耐えるしかない』ぞ!」

アベル「くっ……!」


コンマ35以上で優勢
コンマ34以下で劣勢
コンマ奇数ゾロ目で……
↓1コンマ二桁

コンマ81


――アベル隊優勢!



アベル(みんなもう、魔力も武器も体力も限界だ……!)

アベル(そんな状態で、あんな攻撃を受けさせるわけには……!)




アベル「――絶対に! 断じて! させてなるものかああああぁぁぁぁぁぁ!!!」ダダダダ!



カイン「おい、アベル!? ああもうあの馬鹿はっ!」ダダダダ!

アドルラン「ははは! そう言いながら真っ先に動いているじゃないかカイン!」ダダダダ!

カイン「兄さんもねぇ! こうなったらいちかばちだ!」コオォォォォ!

女神「……」スッ…

アベル「俺に狙いを定めたか……!」

アベル「例え刺し違えたとしても……!」ジャキン!


女神「……!」キュイイィィィン!


アベル(くっ……! 間に合わないか……!?)


カイン「――おいアベル、僕の風をうけとりなっ!」ゴオォ!


ビュウウウン!


アベル(こ、これはカイン兄様の追い風!?)


アドルラン「――後ろは気にするな! 我が名にかけて、守り抜いてみせよう!」

カイン「――気にせず、思いっきりやってやれ!」



女神「!?」キュイイィィ…


アベル「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!」



ザシュッ!


女神「……っ……」



――


白き女神残耐久:1→ 0


――



女神「」パアアァァ…

フィーア「や、やりました! 今度こそ――」



アベル「――まだだっ!」




パアアアアアアアァァァァ!




――『ふっかつ』発動――


★★★『ふっかつ』★★★
自身の耐久値が0になった時発動
自身の耐久値を完全回復させて戦闘を続行する
このスキルの発動はいかなるスキルでも妨害できない
このスキルは戦闘中2回発動する




女神「……!」バサァ!バサァ!


カイン「そ、んな……!?」

アドルラン「またしても……!?」

ロウル「そんなの、反則でしょう……!?」

シア「あ、あぁ……」ブルブル…

ティア「アベル、様……!」ガタガタ…

パトラ「く、何度蘇ろうと! 何度も貫いてみせます……!」ガクガク…

キアラ「駄目ですパトラさん! 無理矢理な動きで、もう身体が……!」

マックス「くそ、集まれ俺の魔力……! もう一発、もう一発撃てれば……!」

エリス「何度、切り崩せば倒れるのですか……」

アーシャ「……限界、ですね」



アーシャ「――敵も同じく」



一同「「え?」」



女神「……」ハァ…ハァ…

女神「……!」グッ!



カイン「はは、効いてはいたってか……?」

フィーア「でも……」

アベル「……俺達の歩みは、無駄ではなかった」


アベル「――同条件なら、己の信念を強く持った者が勝つ!」


一同「「!!」」

アベル「どうか、あと少しでいい」

アベル「――みんな、力を貸してくれ……!」


一同「「……勿論!!!」グッ!



女神「……」

女神「……」スウウゥゥゥゥ…


――『エネルギーシフト』発動――

★★★『エネルギーシフト』★★★
『ふっかつ』を使い切った時、スキル変化
判定表そのものに+5の補正を加える
エネルギーシフト中は『運命確定』のスキルは使用できない
優勢取得時、与える優勢値を放棄しエネルギーを溜める




ズゴゴゴゴゴゴ…!



シア「この、感じは……」

アベル「力を溜めているのか……」

アーシャ「ならば、やることは唯一つですね……!」



一同「「――その隙を狙って叩く!」」



コンマ40以上で優勢
コンマ39以下で劣勢


↓1コンマ二桁

コンマ16

――アベル隊劣勢!

女神チャージ:1

――


女神「……」ギュオオオオオ!


ロウル「あれは絶対に、ヤバいやつですよね!?」バシュバシュ!


カキンカキン!


矢「」ボシュゥゥ…


ロウル「あああああ、もう! わかってはいましたけど結界邪魔ぁ!」



ズゴゴゴゴゴゴ!



キアラ「あ、あれ? でもまだ力を溜めている……?」

シア「聖王様も、あれに似た力を使っていましたけど~……」

アベル「まだ溜めるということは……」

シア「た、溜まりきったらどうなっちゃうんですか~!?」ワタワタ

エリス「なんとか、溜まりきる前に……!」ジャキン!


コンマ40以上で優勢
コンマ39以下で劣勢


↓1コンマ二桁

こ、これは凄い……!?(白目吐血)

コンマ33


奇数ゾロ目


――『運命確定』発動――

★★★『運命確定』★★★
戦闘時、奇数ゾロ目が出現した際に発動
確定で相手への優勢攻撃となり、その攻撃は全貫通6優勢となる
00以外の偶数ゾロ目が出現した際は、判定を無効化し再度判定を行う


白き女神ゆうせ……


★★★『エネルギーシフト』★★★
『ふっかつ』を使い切った時、スキル変化
判定表そのものに+5の補正を加える
エネルギーシフト中は『運命確定』のスキルは使用できない ←


――『運命確定』不発!!!――

戦闘時ゾロ目:アベル隊の確定優勢+エネルギーシフトチャージ解除!


――


アベル「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!」バッ!


女神「……!」ガキィィィィン!


アベル「くっ……!」

アベル(強力な攻撃を放つ前の結界……! まるで本当に、あの日のシュタイナーとの戦いのようだ……!?)


女神「……」ギュオオォォ…



アベル「――だがっ!」ググググ!



女神「!?」アセアセ

アベル「俺達は、あの時に神の奇跡とやらを乗り越えた!」



アベル「――今度も、同じことをするまでだっ!!!」バリィン!


女神「…………っ!!!」ズバァ!



タタタタ!



エリス「はああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」





※ゾロ目によるエネルギーシフト解除成功

※判定表-5


追撃判定

コンマ25以上で追撃

↓1コンマ二桁

コンマ95


――アベル隊追撃優勢!!!




エリス「これがっ!」キイイィィィィン!


エリス「私の、全力っ!!!」キィィィィィィン!



エリス「アベル様の前に立ち塞がる者は――誰であれっ! 切り崩して見せますっ!!!」カッ!



女神「……!」ゾクリ…


――『メビウスバリア』発動――




エリス「―――――  絶  煌  閃  !  !  !  」ブオン!





★『我流・絶煌閃』★
追撃優勢時、一度だけ発動可能
優勢取得時、敵に軽減を無視した4劣勢を与える


――『メビウスバリア』を無効化――





ズガアアアアアアアアアァァァァァァ!



――



白き女神残耐久:5

優勢威力:1

追撃絶煌閃威力:4


5-1-4 = ……





――



女神「……っ……」


女神「――見事、です……!」グラ…



ドシャアアァ…



――勝利!!!

まさか、まさかチャージ中の僅かな弱体の隙を綺麗に奇数ゾロ目で射抜いて、
そのまま文句無しの高いコンマを決めるなんて……っ!
聖国関係で猛威を振るった奇数ゾロ目が勝因となるなんて、いやなんでしょう
私としてもこれ以上ない展開に、非常に混乱というか驚いていますがなんにせよ……

隠しボス・聖国の女神軍 完 全 撃 破 !

いや、まさか本当にチケットも使わずに勝ってしまうなんて……(白目吐血)
戦後のやりとり、役目を失ったチケットのイベント化などやることはありますが、それはまた後日

本日もありがとうございました!

こんばんはー
遅くなりましたが、とりあえず最後まで投下できればと思います

アベル「や、やったのか……!?」

エリス「持てる力の全ては、ぶつけました……!」

アーシャ「身体が光になって消えていない。もう、再生もできないとなれば……」

マックス「か、勝ったんだよな? 勝ったんだよな!?」



アベル隊一同「「や、やったああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」



ロウル「――って喜びたいんですけど」






ロウル「――この人、最後に喋りましたよね???」


女神「」ビクン


ロウル「私の耳は誤魔化せませんよ~? それに今、身体も反応したから生きてますねこれ」ピョコピョコ

カイン「なんだって!?」

パトラ「死んだふりをして、不意討ちをしかけるつもりだったのね! やはり頭にこの槍をっ!」グオン!


女神「」アセアセ


女神「……」ムクリ…






女神「……っ……○▽■×☆★~」




ロウル「騙されるかぁ!!!」クワッ!

ロウル「意思疎通できるんなら、会話してくださいよ!」

アベル「……そうだな。このままではパトラが刺し違えてでも頭に槍を突き立てかねん」

パトラ「お任せを!」ジャキン!

女神「……」ダラダラ…

女神「……」




女神「……迂闊でした。しかし気がつかれてしまった以上、仕方がありませんね」フゥ…



一同「「!!」」


女神「……見事でした。アベル皇子とその仲間達よ」

女神「四天も私も本気だったというのに、まさか人の子達に敗れようとは……」

アベル「やはりあれは四天だったのか。そしてシュタイナーのものと違い、霧散しなかったということは……」

アベル「――信じられないが、本物の四天。そしてそれを束ねていたともなれば……」




女神「……はい。聖国の者達からは『神』と呼ばれている存在です」





一同「「!!??」」ザワ!

シア「え、えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ~!??」ガーン!

ティア「ほ、ほほほ本当に本物の神様……!??」ガタガタ!


女神「ふふ、そう怯える必要はありませんよ」

女神「神という呼び名は、いつの頃からか人の子達がそう呼び始めただけのこと」

女神「私にはこの世界を作る程の力もありませんし、いつでもどこでも誰かに祝福をもたらすこともできない……」

女神「ただ少し長く生きただけの、この世界の住人の一人に過ぎませんよ」

カイン「にわかには信じられないね……」

アドルラン「それにあの力は、まさしく人智を超えた域だったように思うが……」

アベル「……リーナが言うような、普段は姿を見ることのできない精霊の類と思えばいいのか?」

女神「そうですね。光の精霊……これが、私の存在を示す言葉として相応しいでしょう」

アベル「何故、俺達にここまでの死闘をさせた?」

女神「……」


女神「――あなた達の存在は、以前から知っていました」



一同「「!?」」


女神「……あの日。聖国での決戦のことも見ていたのです」

女神「聖王シュタイナー……彼の行き過ぎた行為を止められなかったことは、本当に申し訳ありません……」フカブカ…

シア「そ、その~……神様? 聖王様は神様の声を聞いて政を……」

ロウル「そういえば確かに、本当にこうして神様が実在するならあの聖王様があそこまで暴走することもなかったのでは?」

女神「……先程も述べた通り、私は決して全知全能の神というわけではないのです」

女神「私達のような存在は、人の子の信仰に大きく依存しているのです」

ティア「私達の……?」

女神「呼び方はともかく、私が在ると信ずる想いが強ければ、私達は確かにそこに在れるのです」

女神「そして彼……聖王シュタイナーは、誰よりも私や天使の存在を信じて祈りを捧げていました」

女神「本当に、大気中をあてもなく彷徨っていた私の声が届く程にね……」

マックス「う、嘘じゃなかったんだ……」

アベル「だが、それならば何故?」

女神「簡単なことです。私という存在が、日に日に弱まり……彼に声を届けることもできなくなってしまったのです」

アーシャ「どういうことでしょう? 信仰の力は聖国であればまさに絶大なものとなっていそうですけど……」

女神「……聖国の民は、かつて私が望んだように穏やかで平和な生活を続けていました」

女神「ですが王国と帝国、三国の戦争が起きた時に多くの者は口に出さずとも理解してしまった筈です」

女神「――神など本当にいるのか? 何故、苦しんでいる者全てを助けてくれないのか? こんなにも、祈っているのに」

女神「前聖王が倒れ……若き聖王となったシュタイナーはまず結界を張り巡らせ聖国の守りを固めました」

女神「……何もできない神よりも、目に見える行動で民を守る聖王に信仰が集まるのは当然でしょう?」

シア「聖王様と、神様の同一視……」

女神「あの仲の良い兄妹の信仰心は本物でした。ですが、だからこそ信仰はますます彼らに集まり……私と言う存在は弱くなったのです」

女神「そして私の声が届かなくなったシュタイナーは……私が全ての行為を黙認しているのだと思うようになってしまった」

女神「ますます力を身につける聖王に集まる信仰。そしてそれを妬み、民達を操り信仰の対象を自身へと向けさせた司教……」

女神「信仰を失い続け、もはや私も四天も、誰もあなた達に介入ができない程になってしまった……」

アドルラン「……アルフも口にしていたな」

アドルラン「聖国が信じていたのは、兄なのか神なのかと……」

カイン「ま、シア達が希少って言われてたくらいだ。本当に実は聖国の信仰心はとっくの昔に歪んでいたのかもねぇ……」

シア「……」

ティア「……」


女神「変わり果てていく聖国を見るのは、とても辛かったです……」

女神「そんな時。あなた達は聖王シュタイナーを止めてくれた」

女神「あの時の私にできたのは、彼をなんとか人の形に戻して家族と僅かでも話す時間を作る程度のこと」

女神(そしてどうか昔の心を取り戻して欲しくて、今も縛ってしまっているのだけれど……これは、黙っておきましょう)

女神「私には止められなかった彼を、あなた達は止めてみせた」

女神「そして、今回は王国の悲しき王の成れの果ても止めて聖国を救ってみせた」

女神「かつて争った筈の三国の者が協力して、聖国の復興に力を尽くしてくれた……それが、とても嬉しくて」


女神「――だから、この光景を実現させてくれた最大の立役者であるあなたに」

女神「――アベル皇子に、会ってみたかったのですよ」


ロウル「わーお、なんですかアベルさん? モテモテじゃないですかぁ~?」ウリウリ

アベル「どうしてそうなるロウル!?」

フィーア「流石アベル兄様です! 神様公認だなんて、やっぱりアベル兄様はすごいです!」ピョンピョン!

アベル「いや、だからだな……」

アベル「とにかく! 仮に俺達に会いたくなったのだとして! あそこまでの攻撃は必要だったのか?」

パトラ「そもそも先程の話では、信仰心が足りないから弱り果てていたのではないですか?」

女神「……悲しいことに、聖王が倒れたことで信仰心が戻り始めたのですよ」

女神「そして、あなた達からは直接強い祈りの力を貰いましたからね。おかげでこうしていられるわけです」

シア「わ、私達ですか~!?///」

ティア「た、確かにお祈りしましたけど、どうかご内密に~!?///」

女神「ええ、勿論」






女神「――最初に私に言い放った言葉には、流石に絶句しましたけど」





シア&ティア「「」」


女神「みんな仲良く平和に……私はただ、この想いを広めたかっただけなのです」

女神「やがて同調してくれた人たちが国を造りだしていき、今に至りましたけど……」

女神「――何か大切なものを守るのに、どうしても力は必要なのです」

女神「あなた達が、今後聖国に限らずこの世界を平和で穏やかなものにしてくれるのか?」

女神「その力を見定めたいという想いもあり、こうして力を使い降誕した次第ですよ」

アベル「……なるほど」

アベル「一応念の為に聞きたいのだが、シアとティアの件は……」オソルオソル…

女神「はい。流石にちょっと怒っちゃいました。非道な行為は駄目ですからね、絶対!」プンプン!

アベル「それは……」

女神「……ふふ、大丈夫ですよ」

アベル「え?」

女神「四天を苦も無く退けられる時点で、この世界の平和を守っていくには十分な力を持つ筈です」

女神「でも、もしかしたらいずれ……底知れぬ悪意に出会うかもしれない」

女神「それを知ってもらう為にも……私は、本当に全力を尽くしました」

女神「だというのに、あなた達は誰一人として諦めなかった」

女神「そして……私を完膚なきまでに打ちのめした」

女神「あなた達がみんなを鼓舞し、協力し、支え合う姿。とても、素晴らしいものでした」

女神「だから、この子達のあの発言も私の動揺を誘う為の作戦であると見抜いて――」

シア「……///」カアアアア!

ティア「……///」カアアアア!

女神「……」

女神「…………?」チラ…

アベル「……」コクン

女神「…………」

女神「…………昔、民達に伝えた言葉にこんなものがあります」




女神「――そこに、愛があればいいんですっ!!!」カッ!



シア&ティア「「ゆ、許されました~!!!」」パアアアァァ!



カイン「……許されたのか?」



女神「……手荒な真似だったとは思います」

女神「ですが、私達にとっても想像以上の収穫……」

女神「きっとこれから、世界はよりよく変わっていく。そう感じさせてくれました」




女神「――あなた達のこれからに、幸あらんことを」フゥ…




サアアァァァ…




アベル「うっ……?」

パタ…

パタ…

アベル「み、みんな……!?」

女神「眠っただけですよ」

女神「――起きた時、あなた達はこの場所での出来事を全て忘れていることでしょう」

アベル「!!」

女神「それでいいのです。本来私達は、世界に干渉しすぎてはいけない」

女神「聖国も、世界も……きっと、私達に頼らずともいい世界になる」

女神「あなた達が生み出す、これからの新しい世界……」

女神「私達はどこかで、ずっと見守り続けます……」




女神「――ありがとう」



サアアアァァァ…



アベル「」パタ…



……

――

――――
―――
――



【聖国・客室】


アベル「うっ……?」

アベル「何か、妙な夢を見ていたような……?」

アベル「誰かと、戦って……く、駄目だまるで思い出せん」フルフル

アベル「……」コキコキ…

アベル「むぅ、外傷も無いとなるとやはり夢だったのか?」

アベル「それにしては随分と生々しかったような……」



ヒラリ…



アベル「ん?」

アベル「なんだ、この羽は……?」ヒョイ


※アベルは『祝福の羽飾り』を手に入れた!


『祝福の羽飾り』
一度だけ、特殊判定を含む全てのコンマ結果を
内容確認後に00に変更することができる



アベル「……?」

アベル「なんだかわからないが……祝福、というのだろうか」

アベル「温かい何かを感じるな……?」フワ…

アベル「落とし主がいるかもしれんし、それまでは俺が預かっておこう」スッ…

キャアアアアアアアアア!?




アベル「ティ、ティア!?」



ダダダ! ガチャ!



アベル「ティア、大丈夫……か……?」



ティア「う、腕が、腕が何故かすごく筋肉痛なんです~!?」ナミダメ

シア「ああ、やっぱり昨日重い物を持ち過ぎたんですよ~!」ワタワタ!

シア「うう、回復魔法も内側には効果が薄いですし、筋肉痛くらいは我慢ですね~……」

ティア「ううぅぅぅぅぅ……ふ、普段から運動をしていない私への神罰なのでしょうか……」ナミダメ

アベル「……」


アベル「神、か……」




――


EXイベント15-2

【戦いを終えて~~聖国の光・極光降臨~~】


おしまい


――

隠しボスおまけが終了したあたりで今日はここまで
なおギルバートと女神軍が衝突した場合を考えている方が上にいたので、私も気になり少しぶつからせてみましたが……
大惨事になりました(白目)本当に本編でぶつからなくてよかった……

そしてこれで、予定されていたイベントは全て終わって結婚式やエピローグに流れる予定でしたが……
チケットが余った状態で女神軍に勝ってしまった為、それを消費してあと一つだけ小イベントをやろうかなと考えています
現在の予定は

エリス結婚式→その夜の孕ませ→エリス妊娠中のほかヒロインとのアベル達の絡み→3年後エピローグ

となっています。小イベントを挟みこむ場合は、どのあたりかも書かれると助かります
なお、イベントを無理に起こさずこのままエピローグに向かうことも可能ですのでその時はイベント無しと書いていただければ
↓1から大体5個くらい意見がでればいいかな?

本日もありがとうございました!

乙です
3年後エピローグ前後でマックスとキアラの結婚式(と初夜)は可能でしょうか?
>>4の候補にあったしっかりしっぽりと、伏せられているゾロ目結果内容が気になっていたので、あの後色々と性知識を学んで……みたいな感じを

乙です!
俺もマックスとキアラの結婚式と初夜見たいです!

乙です
皇帝vs女神少し気になるけど、折角綺麗に勝てたしギルバートがやられちゃうのはちょっと見たくないってのあるな……
なので本番は無くてもいいけど、ヒバリルーシェの皇妃になる為の特訓とか見たいかも
裏でアドルランも女の子の扱い勉強してるとなお良し。ここも幸せになって欲しい


自分も第一皇子組の一幕見たいかな。多分3年後ならもう皇帝と皇妃になってるだろうからその前のタイミングで

こんばんはー

皆さん想像以上に案を出してくださって本当に感謝です
↓従来通り1~5の範囲で多数決コンマ決定をしようかと思いましたが
マックスとキアラの>>370が偶数ゾロと>>371で一票
アドルラン組の>>372>>373が偶数ゾロという同票かつ偶数ゾロというね(白目)
こういった場合はゾロ以外の票のコンマを基準にしますので、僅差ですが>>372のコンマが上
そのため最後のイベントは『アドルラン組の頑張り』にしようかと思います。範囲外でも希望の方がいらっしゃいますし
余裕があれば両採用としたかったのですが、このスレの残り容量(この二人は致すまでに時間かかりそう)
マックス達が綺麗にプラトニック思考に寄ったためいい案が思い浮かばないといった問題からどうかご容赦を(土下座)
ちなみに>>4のゾロ目は初めてでドハマりでした。二人の性格から考えて、むしろ回避できてよかったなと思ってます(白目)

希望されている方も多いようですので、アベル達以外のくっついた組は全員子供の判定を後日取りたいと思います
あと軽くできそうなのは意外と人気者のサク(雌です)、帝竜やめるってよイベントと皇帝VS女神くらいかな?

とりあえずアドルラン達の話はエリスの結婚式前にやるのが一番かと思いますので、少し考えておきます
そして今日はお茶を濁す感じですが、流れ的に一番やりやすい小イベント、皇帝VS女神を(もの凄い巻きですが)始めようと思います

――EXイベント15-2 おまけ――


【女神と四天、その後】


……


女神「……これでアベル皇子達から私達の記憶は消えた筈」

女神「武器も直して回復もしましたし、あの戦いも夢の中のことだったと思うでしょう」

女神「問題は……」チラ…




ファラー「……」イジイジ…

リーヴ「……」オチコミ…

カミラ「……」ヨシヨシ

エリュウ「……」ムスッ…



女神(こちらの想像以上に容赦なく叩きのめされたあの子達……)

女神(私などを慕いついてきてくれて、今回も迷惑をかけてしまいました)

女神(労いもかねて、なにかできることはないものでしょうか……)


エリュウ「……」ムカムカ…


女神(ああ、特に戦闘力には自信を持っていたエリュウの不服そうな態度……)


エリュウ「……!」ハッ!


女神「ん、どうしたのですかエリュウ?」

エリュウ「……!」ババッ!

女神「……敵の数が多すぎた? いえ、彼らは皆で協力することの大切さを理解して……」

エリュウ「……!」フンスフンス!

女神「……せめて同人数以下で? エリュウ、それはもう試練では無くただの無益な争いですよ?」

女神「そもそも、人の子で私達を少数で相手取れる存在など……」

エリュウ「……」ビシ!

女神「……え?」


女神「――アベル皇子のお父さんは一人でいきがっているから物事の正しさを伝えるべき、ですか?」


エリュウ「……!」ドヤ!

カミラ「……」ダメダメ

エリュウ「……」カチタイ!

女神「う~ん……」


女神(確かに、帝国の皇帝ともなれば戦争を引き起こした一因)

女神(私達の力を知ることで、立ち止まる機会にはなるのでしょうか?)


……


――

……そして……


【???・???】



ギルバート「……ここはどこだ?」

ギルバート「我は確か、鍛錬をしていた筈だが……」


コオオォォォ…


ギルバート「……」ピク

ギルバート「――この気配、聖国の者か」

ギルバート「我の命を狙うか? 受けてたとうではないか。姿を現すがいい」チャキン…


バババッ!


水天リーヴ「……」

炎天エリュウ「……」

地天ファラー「……」

風天カミラ「……」

白き女神(ああ、つい呼び寄せてしまいました……)

白き女神(エリュウを満足させるためにも、今度は私も最初から戦いましょう)

白き女神(いかに皇帝といえど、たった一人で私達に取り囲まれては戦意も……)



真体ギルバート「ふはははははは! 面白いっ! 感じたことの無い魔力……アベル達以来、楽しめそうではないかっ!」←レベル4004



女神(……え?)←レベル3000

四天「「」」←レベル総計2220

エリュウ「……」ハッ!

エリュウ「……!」ブンブン!

女神(た、確かに総合的には私達が勝っていると思いたいけれど……)

女神(な、なんでしょうこの感じたことの無い気配は……)



一応開幕判定コンマ

↓1コンマ二桁

拮抗する先制攻撃

『真・黄龍剣』VS『ゴッドティアーズ』ほか四天連撃

01~50:四天先制
51~99:ギルバート先制

コンマ98

51~99:ギルバート先制

――



ギルバート「これくらいは、耐えられるか!?」ブオン!


――『真・黄龍剣』発動――


ファラー「……!」バッ!


ファラー残耐久:6
真・黄龍剣:威力4

6-4=2



ガガガガガ!


ファラー「……っ!」

ファラー「……///」コンドハタエキレタ!

リーヴ「……!」バッ!

――『ヒーリングミスト』発動――

ファラー残耐久:2+4=6


リーヴ「……///」マニアッタ!


女神(よかった、あの子達も心の傷が――)



ギルバート「――ぬるいわっ!  砕 け 散 れ ぃ !」


★★★『極破・七星剣』★★★
真・黄龍剣の判定後、発動
このスキルは全てのスキルにおいて最優先で発動される
敵に回復、防御、回避、カウンター不可の耐久値減少攻撃を7連続で与える
さらに敵の通常装備をすべて破壊し、そのスキルを封印する



ファラー「!?」


ファラー残耐久:6-極破・七星剣威力7 = 0



ズガガガガガガガガ!!!


ファラー「」ウワアアアアアァァァァァン…


パラパラ…


四天「「」」

女神「」

ギルバート「ぬおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!」ブオンブオン!


ギルバート「人で無い者には、我が剣をかわす術も思い浮かばぬかっ!?」グッ…



ギルバート「――去ねぃっ!!!」ズギャアアアアアア!


★★★『極波・七星剣』★★★
極破・七星剣の判定後、発動
敵全体に対して、判定を行わず★スキルも貫通する7劣勢を与える
全体攻撃が封じられていた場合、いずれかの対象に判定を行わず負傷判定を2段階増加させた貫通7劣勢を与える



リーヴ残耐久5-7 = 0

エリュウ残耐久5-7 =0

カミラ残耐久5-7 =0


エリュウ「……!!??」

リーヴ「……!!??」

カミラ「……!!??」


ドガアアアアアァァァァン!


女神「」



エリュウ「……!」ギリィ!


★★『ライジングノヴァ』★★
戦闘時、常時補正+50
戦闘開始時、レベル250以下の敵を強制的に戦闘不能(負傷判定有)状態にする
追撃として敵に回復、防御、回避、カウンター不可の耐久値減少攻撃を2連続で与える
自身の耐久値が0になった時、判定を行わず敵に貫通する6劣勢を与える
その際、敵の防御及び回復行動の耐久値、付加効果を全て削り取る



ドゴオオオオォォォォ!


ギルバート「む!? ぬぅん!」コオオオオォォォォ!


★★★『金剛闘気』★★★
戦闘時、常時補正+255
敵が攻撃状態の時、さらに補正+100
劣勢判定を受けた時、敵が永続貫通スキルを持たない場合は受ける劣勢を全て無効化
永続貫通スキルを有する場合、劣勢判定を8回まで無効化する
さらに自身の耐久値が減少する時、全てのダメージを半減させる(小数点切り上げ)

『金剛闘気』耐久8-ライジングノヴァ威力6= 2


ギルバート「……ほう、少しはやるようだな」ムキズ


エリュウ「」

エリュウ「」

エリュウ「」チーン…


女神「」



女神(今、目の前で何が起きたのでしょうか……???)

ギルバート「残るは貴様一人か。我が剣を受けてまだ倒れぬ様は称賛に値するが……」

ギルバート「それはアベル達も同じこと。さあ、貴様は我を満足させられるかっ!」ダン!


女神(くっ……!?)キィィィィン…


★★★『平定の光』★★★
敵味方の全ての戦闘時補正を0にする


ギルバート「ぬっ……ふふ、この程度の光では我が勢いを止めきることはできぬな!」


双方補正無効

真体ギルバート:レベル4004


VS


白き女神:レベル4000


補正±0



女神「……」

女神「……」




女神( な ん で 一 人 で 私 と 互 角 な の こ の 人 )



一応初回だけ判定

コンマ50以上で優勢
コンマ49以下で劣勢

↓1コンマ二桁

コンマ94

――ギルバート優勢!



ギルバート「ふはははははは!」ズドドドドド!



女神(と、とても人の子とは思えません……)

女神(とにかくまずは身の護りを固めないと)キィィィィン!


★★★『メビウスバリア』★★★
自身の耐久値が減少する時、ダメージを1/3まで軽減する(小数点切り上げ)
さらに★を含む敵の攻撃の威力倍増、カウンタースキルを無効化する




ギルバート「 我 が 拳 に 小 細 工 は 効 か ぬ わ っ ! ! ! 」グオン!


★★★『覇道拳』★★★
優勢取得時、与える劣勢を常時3にする
この攻撃は固定値であり、軽減できない


――メビウスバリアを破壊――


パリーン!


女神「え」



ドゴオオオオオォォォォ!



女神「……!?」ギュルルルルル…!


白き女神残耐久:5→2



女神(こ、このままでは存在を抹消されかねません!?)

女神(ずるいですけど、ちょっと私もこの力を勝手に沢山使っちゃいましょう!)


――『運命確定』発動――
――『運命確定』発動――
――『運命確定』発動――



ギルバート「むっ!? う、うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!?」


ドオンドオンドオンドオンドオンドオン!


★★★『覇帝の見切り』★★★
自身に対して2劣勢以上の攻撃を受けた時、その攻撃を記憶する
同名攻撃を受ける時、以下の判定を行う


ギルバート「ふはは、まだまだぁ!」グオッ!


――『運命確定』発動――
――『運命確定』発動――
――『運命確定』発動――


女神(か、かたすぎるぅ……!?)キュイイイィィィン!

強引な運命改変の末……




ギルバート「ふぅ……ふぅ……やりおるわ……!」ザッ!

女神「……」ゼヒュー…ゼヒュー…

女神(もう、禁じ手を使うしかないですね……)キィン!


――『エネルギーシフト』『エネルギーシフト』――


――女神チャージ完了!――



グオン…グオン…グオン!


女神(私が無事に帰るためにも、勝たせてもらいます!)



カッ!!!





★★★『神罰・インフィニティバースト』★★★
『エネルギーシフト』2回チャージ後、スキル変化
判定表そのものに+20の補正を加え、優勢取得時に発動
敵対者全員の回復、防御、回避、カウンター全てを確定貫通し9優勢を得る
以降、毎ターン判定表に+5の補正を加えながらこの攻撃を繰り返す






ズゴオオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!!



ギルバート「ぐわああああああぁぁぁぁぁ!?」プシュゥ…



女神(よ、よし! やりすぎてしまいましたけど、これで帰れ……)



ズン!


★★★★『譲れぬ信念』★★★★
自身の耐久値が0になった時、発動

追撃中の場合はそれを確定停止させ、耐久値1の状態で復活する
復活後、自身にカウンター、耐久減少攻撃、2劣勢以上無効の能力を付与する
その後判定表そのものに補正+35を加え戦闘を続行する
このスキルは一度しか発動しない



ギルバート「見事な一撃だ……!」グググ!

ギルバート「――だが、我はまだ死ねぬのだ……!」

女神「!?」

ギルバート「我は、どのような無様な姿でも生き続けねばならぬ……!」

ギルバート「強者がそれを望んだからだけではない……」

ギルバート「――まだ見ぬ、強き我が孫と戦うその日までは、絶対に死ねぬっ!!!」クワッ!


女神「……っ!」

――『神罰・インフィニティバースト』!!!――


ギルバート「――見切ったわぁ!!!」パアン!


復活後、自身にカウンター、耐久減少攻撃、2劣勢以上無効の能力を付与する←

インフィニティバースト:威力9 ……無効化
以降、毎ターン判定表に+5の補正を加えながらこの攻撃を繰り返す←


※白き女神、詰み状況により確定敗北



ギルバート「さあ、我が心の臓を止められるものなら――」


女神「もう帰ります本当に失礼しましたああああぁぁぁぁぁ!!!」ピューン!


ギルバート「む!? 死合から逃げるなどありえんぞぉ!?」クワッ!


――

勝者:ギルバート


おまけエキシビジョン
おしまい

――

はい、というわけでラスボスVS隠しボスのエキシビジョンが終わったあたりで今日はここまで
……そもそもお互いが戦うことを全く想定していなかったのですが、詰みが発生するのは予想外でした(白目)
一応アベル達をより全滅寸前まで追い込んだのは白き女神の方なのですが、彼女にギルバートを倒すことは不可能……ある意味三すくみ?
まあそもそもギルバート戦のアベル達のコンマ運が非常に良かったのもやはり大きいと思います
マックスとキアラは……何か思いつければ、少しは補正を考えてみます

本日もありがとうございました!

こんばんはー
予想外の女神人気とサク人気
申し訳ないですが、今日の更新はお休みです……

とりあえず先に判定を↓1~4で取っておこうと思います
なお女神戦の戦利品の祝福の羽は、判定結果公開後に使用宣言があればその部分を変えられます
(なお、00クリティカルは時や場所によっては突き抜けすぎることもあるとお伝えしておきます)

祝福も考慮して先に判定結果公開

サク(♀)、帝竜やめるってよ。どうなるの?

1:人間の真似具合

25<
50>42(姿の変化に問題は無し。でも語尾とかが……)

2:どうやって人間に?

01~50:王国の封印宝玉+聖国天使技術の合作、精巧着ぐるみ的なボディー
51~85:王国の妖しい魔道具研究を有効活用。一定時間の変化が可能に
86~00:女神様が願いを叶えてくれたのか。いつでも人←→帝竜チェンジ可能に

コンマ89…女神様が願いを叶えてくれたのか。いつでも人←→帝竜チェンジ可能に

3:外見は?
年齢:((コンマ二桁+一桁)×2。最低保証10歳)ゾロ目は自由選択
身長:50が平均。以下で背が低く以上で高く

コンマ80

(8+1)×2=18歳

50<80(背は結構高め)

4:胸の大きさは?

コンマ14(エメリナと全く同じ)

01~20:無、貧乳。ちっぱい(フィーア10、エメリナ・人型サク14、ロウル20) ←ココ
21~40:微、美乳。慎ましおっぱい(フローレン24、エリス40)
41~60:普乳。大き目もこの辺(ルーシェ41、ヒバリ55、アーシャ60)
61~80:豊乳。揉み心地抜群(アイナ70、ノワール71、パトラ・スミレ80)
81~94:巨乳。埋まりたい大きさ(シア85、キアラ87、ティア94)
95~99:爆乳。凄いけど身体への負担大きそう(スカーレット98)

00:断崖絶壁。虚無(リーナ)

イメージとしてはロウルからさらに胸を削いで背を高くした感じかな……?
なお髪は白のロング、瞳の色は青を想定していたのでこれはティアに近いかな
性格はこちらである程度固めていたものを使用させていただきます
ここは00にしたいという方は祝福使用宣言お願いします

本日もありがとうございました!

こんばんはー
遅くなってしまいましたが、ほんの少しだけ投下します
まさかの絶壁派の祝福。後ほど使用判定を多数決で行います
胸だけ00が絶壁なのは、ある意味で奇跡の産物だからです
なお他のタイミングでの00の例をあげますと

エリスお尻判定→00:妊娠しててもお尻なら……///
ヒロイン達の子供判定→00:双子確定
フィーアの成長判定→00:誰もが振り返るダイナマイトレディ!

などです。他にもいくつか判定はあるかもしれません

――小イベント『平穏を願う白帝竜の奇跡』――



【帝国・白帝領】



サク「キュルル……」フワァ…


白帝竜サクは、探して貰った住処で陽の光を浴びていた。

先日は妙な風を感じたが、今はそれも感じない。

世話になっている第二皇女達が急遽飛び出していったとなると、また彼女の兄達が何かを解決したのだろう。

つくづく、人間離れした人間達だと思う。

まあ、そのおかげでこうして惰眠を貪れているとも言えるわけで、感謝はするが。


サク「キュル……」


ああ、しかし。

仮にも帝竜筆頭の自分がこんな体たらくでいいのだろうか?

ここでの暮らしは快適だ。

穏やかな風が吹き、草も沢山生えている。

陽の光はこうして心地が良いし、その気になればいつだって大空に飛び立つことができる。


サク「……」


今の生活に満足していないわけがない。

だというのに、この感情はなんなのか。

……わかっている。それが何なのか。


サク「キューン……」


今の自分は、自由ではあるが牙を抜かれてしまった。

今更どこかの国を襲うつもりは毛頭ないが、それでも帝竜の誇りが鈍っている自覚はある。

自分が金真竜を除けば最強の竜であるという誇り。それを日に日に失っている。

かわりに芽生え続けるのは、おかしな感情だ




――あの子と、もっと一緒にいたい。遊びたい……




帝竜にあるまじき感情だ。どころか、段々と思考が人間に寄って行っているかもしれない。

それもこれも、あの子が自分に楽しげに色々なことを報告してくるからだ。

本当に嬉しそうで、楽しそうで……



人間なんて、王国の貴族達のような連中ばかりだと……羽虫程度の認識だった筈なのに。

その認識を、彼女達は覆してみせた。

蒼帝を打ち倒すどころか、食用としてしまう強さと大胆さ。

不覚にも捕えられてしまったあの大量の縛鎖の魔法陣を一瞬で理解し、破壊してみせた博識さ。

そして危険を顧みず自分を助けて、無垢な笑顔で受け入れてくれた優しさ……

何か、何か自分にできることはないのか?

背に乗せ飛ぶ程度、造作もない。いつでも出来てしまうことでは、礼にはならない。

先日は何故か城塞の鍛錬場を吹き飛ばして欲しいと頼まれたが、ほとんどあの姉妹の奥義で破壊されていた。


サク「キュー……」


今もそうだ。きっと、あの兄妹はまたせわしなく働いているのだろう。

また何か手伝えないのか?

だけれど自分は帝竜。圧倒的な力で、敵を蹂躙する存在。

それしか、知らない。何かを壊すことしか、できない……

あれだけ誇っていたこの身体が、疎ましい。

建物の中に入れないから、この前みんながはしゃいで集合していた時も、窓をがりがりするしかできなかった。



――ああ、もしも願いが叶うならば……


――落ち着いた時間が過ごせるなら、最強の力なんていらない


――平和に、そして私も楽しくみんなと過ごしてみたい……


――もっと、もっと自由に生きたい……!



――あの子達と、同じ姿で……!





ピカッ!





サク「――キュッ!?」ガバ!


女神「はぁ……はぁ……」ボロボロ…

女神「なんとかあの人の記憶も消せた筈ですし……」

女神「もう、帰りましょうみんな……」


ファラー「……」ズーン…

エリュウ「」

リーヴ「……」マックラ…

カミラ「……」コクコク!


女神「でも、やはり確信できました……私達のような存在がいなくても大丈夫」

女神「人の子達は、強く逞しく立派に生きていくでしょう……」

女神「つ、疲れましたし、しばらくまた聖国のすみっこで眠りましょうね……」フラフラ…

カミラ「……」コクコク

カミラ「……?」

女神「え、気配の違う風を感じる……?」

女神「真下?」



バッ!




サク「キュルルーン!」ガブゥ!








女神「あああああああああっ!!!?」ブチッ!

カミラ「!?」オロオロ




サク「キュ? キュー?」キョロキョロ…

サク「キューン……?」キノセイ?


女神(あ、危ない危ない……気を抜いて少し実体化していたのですね……)スゥ…

女神(本能的に巣に見知らぬ外敵の気配を感じたのでしょうか、この子は……)

女神(……ん? もしかしなくてもこの子は、シュタイナーが操っていた王国の?)

女神(何故、帝国領で……もしかして、これもアベル皇子達が……?)

女神(ふふ、みんな仲良く平和に……彼らなら、本当に実現してくれそうですね)

女神(様子が気になりますけど……正直、一刻も早く帝国領から飛び立ちたいです……)

女神(あなたも、もう自由なのです。あなたのこれからにも、幸あらんことを……)フゥ…



サク「キュ……?」ウトウト…



女神(良し、これで私のことは忘れている筈……今のうちです!)ピューン!

カミラ「……」チラ…



サク「……」ムニャムニャ…



カミラ「……」ピューン!



サク「……キュ……?」モシャ…



サクの口の中in女神の羽「……」キラキラ…



サク「キュ……」モシャモシャ…




ゴクン…




ピカアアアアアアアァァァァァァァ!!!




……


――

――――
―――
――






???「キュピー……キュピー……」


サアアァァァ…


???「んっ……きゅ……?」


???「きゅ~~~~っ……!」ノビー!


???「きゅぅ……」フゥ…

???「……」

???「……?」キョロキョロ

???「……??」

???「……きゅ?」グッ…

???「……」チラ…


人間の手「……」


???「……」

???「…………」

???「…………」パタパタ

???「…………」ブンブン!


ダダダダ!


大きな池「……」


???「……!」バッ!




白髪の少女「……」


白髪の少女「きゅーーーーーーーーーーーーーん!?」




――その日、私はこれまでの竜生の中で一番の叫び声を出したと思う――


――いや、いつのまにか人になっていたのだから、人生一番の叫び声?――


――賢い私の頭は、この夢のような状況でも下らないことを考える余裕はあったらしい――



……


――

サク人間化に驚いたあたりで今日はここまで
人間になれた理由的に、女神の力を得やすいおまけ戦闘からそのままの流れで持ってくることにしました
なお、余談ですが白帝竜のスキルに実はあったりしたこんなもの↓

★『バーストストリーム』★
戦闘時、自身に貫通能力を付与する
優勢取得時、初撃のみ与える劣勢を3にする
以後優勢取得時のコンマが0、4、8の時、与える劣勢を3にする

そもそも00以外ではアベル達はぶちぎれ白帝竜と戦闘確定→肉を食うか装備品化でしたし、
その後のフィーアイベで再登場した時もアーシャが偶数ゾロ速攻封印破壊成功していなかったらお別れもあり得たこの子が
まさか最終的に人にまで至るなんて全く想定していませんです(白目)
そしてそんなサクの胸を14→00(絶壁)にするのに祝福の羽飾りを使いますか?

↓1~3コンマ多数決

本日もありがとうございました!

こんばんはー
間が空いてしまいましたが、サク人型化イベントの続きから始めて行きます

――

……


フィーア「ふぅ、聖国の修繕が早く終わって良かったですねキアラ姉様!」

キアラ「そうだね。でも、何か忘れているような気もするんだよね……」

キアラ「ティアさんも何故か、あの技を使った後のフィーアちゃんみたいに腕を痛めちゃってるって話だったし」

フィーア「確かに痺れは残りますけど、私は転がりませんよ?」

キアラ「何があったんだろう……?」

フィーア「う~ん? とにかく、大事がないならば何よりです!」

フィーア「王国の悪い竜も倒されて、サクちゃんにもいい報告が出来そうです!」ホクホク

キアラ「いい報告……なのかな? ん、誰かいる……?」




白髪の少女「……」




キアラ「ティアさん……じゃ、ない?」

フィーア「背が高くてロウル姉様みたいだけど……だ、誰でしょう?」


白髪の少女「ん……?」






白髪の少女(葉っぱ三枚)「おぉ、フィーアにキアラ! 待ってたんだきゅ!」





キアラ「きゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ!?///」

フィーア「あわわわわわ……!///」

白髪の少女「きゅっ!?」オロオロ

フィーア「って、あれ……? その鳴き方に眼の色……もしかしてサクちゃんなのですか!?」

キアラ「ええっ!?」

サク「そうそう! 起きたらこんな姿になってたんだきゅ!」コクコク

キアラ&フィーア「「!!??」」

キアラ「……は、葉っぱ付きで!?///」

サク「とりあえず、人間は服を着ないと捕まるということを賢い私は知ってるっきゅ」

サク「伊達に貴族見てないっきゅ。さすが私!」ムフー!

キアラ(その格好も捕まっちゃうよ……? この辺りに服はないから仕方がないんだけど……)

フィーア「と、と、とりあえずどうするべきでしょう!?」グルグル

キアラ「ま、まずはちゃんとした服を着よう!?///」



……


――

――


そして……


サク「動きやすくていい感じだ。ロウル礼を言うっきゅ」

ロウル「私のお古で申し訳ないですが……」

ロウル「……で、お二人とも? 本当のところ誰なんですこの人?」

フィーア「だから、サクちゃんですよ!」ピョンピョン!

キアラ「私も信じられないんですけど……」


――『エアプレッシャー』発動――


グシャアア!


ロウル「おうっ!? って、この力は確かに……」

サク「私も驚いている。まさかこんなことになろうとは……」

サク「だが、しかし。これからの世界を穏やかに暮らすなら、こちらの方が都合がいいかもしれないな」

ロウル「……まあ、私も種族的には謎が多いですし、竜種なんてもっと謎だらけですから何でも否定はできませんけど」

ロウル「サクさん、賢いとは思っていましたけど結構流暢に、そして思ったより硬い喋り方ですねぇ?」

サク「姿が変われど私は白帝。威厳は保ちつつけなければならないだろう」

サク「王国貴族共の会話、それにキアラとフィーアが持ってきてくれた本で、人間の言語はもう完璧に学習した」ドヤァ

ロウル「ほぇ~……さ、流石は白帝竜と言うべきですか。とんでもない学習能力です」

サク「ふふ、もっと褒めてもいいきゅ……あ」

ロウル「……さっきも気づいていたんですけど、びみょ~に元の鳴き声が漏れていません?」プルプル…

サク「わ、笑うな! 仕方がないだろう、私でもこんなことは想定外っきゅ!」

サク「慣れない人間の、それも威厳のある喋り方をするなんて息が詰まるっきゅ! これは自由を求めるが故の心の叫びっきゅ!」プンプン!

ロウル「……大前提として、本当になんで白帝だけ鳴き声が可愛い感じなんでしょうね?」

サク「知らないっきゅ……///」

フィーア「サクちゃん、私達の前では楽にしてていいんですよ!」ピョン!

サク「うぅ、ありがとうフィーア……でも、これからどうするっきゅ?」

キアラ「そうですね……まず、白帝竜という存在が謎な上にこれが起きたら人間になっていた……これをどう説明するべきなのか?」ウーン…

ロウル「アベルさん達は元より、関係ありそうな方々も交えた方がよさそうですねぇ……」



……

――

――

……



フィーア「――というわけで、サクちゃんがこんな姿になってしまったのです!」


サク「お久しぶりです陛下。それに深紅の令嬢」ペコリ


クラウス「」

スカーレット「」

ロウル「私達じゃこのとんでもない現象が説明できないので、王国のご協力を頂きたく……」

クラウス「いや……すまないが、これは我々でもどうしようもないぞ???」コンラン

スカーレット「じゅ、順を追って考えましょう陛下……」アタマオサエ

スカーレット「まず、王国の五竜は腐敗した貴族連中の産物……」

クラウス「そして先日の聖国での一件を鑑みるに、前国王コーネリアスも絡んでいた……」

クラウス「そのコーネリアスは第六の竜として生き永らえており、それを討った数日後に白帝竜が人間に……?」

キアラ「つ、つまり……!?」

クラウス「……さっぱりわからない」ガクーン…

スカーレット「戻って貴族連中を再度締め上げてはみますけども……」

スカーレット「あまり、望む回答は得られないと思った方がいいですわね」ハァ…

フィーア「そう、ですか……」

クラウス「すまない。こうも立て続けに迷惑をかけたばかりか、なんの役にも立てないとは……」

フィーア「いえいえそんな!?」ワタワタ

クラウス「……白帝竜、今はサクでよかったかな?」

サク「ん……その通り」

クラウス「サク……君にも本当に、すまないことをした。前国王も絡んでいるとなれば、言い逃れの出来ぬ王国全体の由々しき問題だ」

クラウス「元の姿がわからぬ程の実験をされ白帝となり、そして今更にまたその姿を変え……」

クラウス「この世の生命の理を捻じ曲げ、それを正すこともできない無力な我々を許してくれ……」フカブカ

サク「……」フルフル

サク「私はこれでも、色々な人間の貴族を見てきた」

サク「自分の欲求を叶えたい人間。死にたくないから詫びをいれる人間。身の程を弁えぬ野心を持つ人間……」

サク「けれどあなたは、そうではない。私を竜であると理解しながら、そうして接してくれている」

サク「以前、不覚にも私は囚われた。それをこの子達に救われたが……あなたも、私が帝国に住まうことを許してくれたではないか」

サク「そのおかげで、私はこうしてフィーア達とのんびり暮らせている。感謝こそすれ、恨みは無い」

クラウス「……! そう、か……」

スカーレット「……驚きましたわ。まさか、ここまでの知性を持っているだなんて」

サク「それから、私は今の姿を気に入っている。無理に原因を探す必要もない」

スカーレット「そう……ですが、あなたの様な存在をこれ以上生み出さない為にも、私達は動き続けますわ」

クラウス「ああ、それだけは誓おう。時間はかかるだろうが、誰にも誇れるような王国にしてみせる」

サク「……その時は、いずれまたお邪魔しよう」フッ…


……


――

――

……

サク「きゅーーーーーーーーっ! 疲れたっきゅ!!!」ゴロン…

キアラ「お、お疲れ様。えっと、ただのお水だけど飲む?」サッ

サク「いただくっきゅ……」ゴクゴク…

サク「きゅぷ……王様と大貴族を前に変な声出さないようにするのは本当に一苦労だっきゅ」

フィーア「あはは、でもサクちゃん凄かったです! 本当に雰囲気というものがありました!」

ロウル「んー、でもあのお二人は本来のサクさん知ってますよ? 無理しなくてもよかったのでは?」

サク「さっきも言ったけど、あの二人は権限で私を王国で飼い殺すこともできた筈っきゅ」

サク「世話になったのは間違いないし、そういうのは大切にするべきだと私は思うきゅ」

ロウル「り、律儀ですねぇ……」

ロウル「でもやっぱり王国上層部の人でも原因がわからないとなると、お手上げですかね?」

フィーア「サクちゃんが今の姿を嫌がっていないというのは、嬉しいですけど……」

キアラ「どうしてこうなっちゃったかは、やっぱり気になるよね?」

サク「きゅー……それは、確かに」

サク「もしまた元に戻っちゃうなら、今の内にフィーア達とどこかに遊びに行きたいっきゅ」ソワソワ

サク「あ、あとこの前みんなが楽しそうに集まって何かしていたのにも混ざりたい!」ソワソワ!

フィーア「え、いいんですか!? わーいわーい!」ピョンピョン!

フィーア「それじゃあ早速、おでかけしましょう!」キラキラ!

ロウル「わー! 待って待って! 街中で突然白帝に戻ったらどうするんです!?」

サク「きゅ!?」ガーン!

キアラ「おでかけしたい気持ちはわかるけど、もう少し調べないと……」

キアラ「とりあえず、次を考えてみよう?」

キアラ「サクちゃんは王国で造られて、宝玉に封印された状態で力を吸われていたんだよね?」

サク「うんうん」コクコク

キアラ「そしてその後、天使の襲撃で聖国に。ここであのシュタイナーさんに操られちゃう……」

サク「思い返しても、とんでもない男だったきゅ」

サク「単純な力量差で赤と黒と蒼は大人しく負けを認めてすぐ従ったのがいけないっきゅ!」

サク「私達が全員で挑めば、聖王にも勝てた筈っきゅ!」プンプン!

ロウル「んー、でもあのとんでも聖王様のこと。最初に赤を従えて、次にその赤を横に置いて黒を……って順番に行ったのでは?」

サク「……その通りだきゅ。おかげで私も真竜も押し負ける形で渋々と……」グムム…

サク「私以外の帝竜が、ちょっと知性に欠けていたのもまずかったっきゅね」

フィーア「え?」

サク「あいつら、血の気が多くて優雅さにも欠けていて……力が増したのは確かだったから、余計調子に乗ったんきゅよ」

サク「私達全員にあんな強力な術をかけ続けるなんて無理なんきゅから、機を窺えばよかったのに……」

ロウル「まあまあ、そこら辺がサクさんが知性ある白帝の所以なんじゃないですか?」

サク「え、そう? 照れちゃうっきゅ///」ムフー!

ロウル(……その残る帝竜を食べちゃった私達からすると、できれば知性低かった方がありがたいんですよねぇ……)

キアラ「うん。私が考えたのは、その術が残っていてこの姿になったんじゃないかなって」

キアラ「強力な戦力、だけど人とは異なる姿。聖国の人を安心させるために、いつか姿も人になるような術をかけていたとか、どうかな?」

ロウル「おおっ!? なるほど、そうなると……」

……

――

――

……


フィーア「――というわけで、お二人にもご相談したいのです!」


サク「久しぶりだな聖王家の者よ」


リーナ「」

アルフ「」


キアラ「やっぱり、そういう反応になっちゃうよね……」

ロウル「私もまだ驚いてますしねぇ……」

サク「知っているとは思うが、私は以前聖王シュタイナーより得体のしれない術をかけられた」

サク「もしそれが原因でこの姿になったのであれば、この術の効力の時間がわかるのではないか?」

アルフ「い、いや……私はそんな術を使ったとは聞いていない」

アルフ「そもそもいくら兄さんでも、竜を人に変えるなどという魔法が使えるとは思えないが……」

サク「……ふむ、聖国が誇る智将でもわからないか」

サク「……あ」




サク「――すまないアルフォンス、お前の試験結果は私以下だったものな……」




アルフ「うぐおはああああっ!!??」ゴッパァ!

リーナ「兄上―――――!?」ユサユサ!

ロウル「なんでわざわざこの人の一番の傷口を抉るんですかサクさん!?」

リーナ「私も抉られてますの……そして、残念ながら揺るがぬ事実なので反論もできないんですの……」ガクリ…

リーナ「……こほん、とにかく。驚きましたけれど、私から回答しますわ」

リーナ「世の中には私達の知らない魔法も沢山ありますから、一概に聖国が無関係とは言い切れませんけど……」

リーナ「少なくとも、いくら兄上といえどあれだけの天使を使役している状態で、竜を人に変える未知の魔法を使う余裕はない筈ですの」

リーナ「ですから術の後遺症という線は薄いですわね。それこそ、神のごとき魔法でなければ姿を丸ごと作り変えるなんて無理ですの」

サク「そうか……」

リーナ「……ところでサクさん? 見たところ原因究明はしたいようですが、嫌がっているわけでもありませんのね?」

サク「ああ。私の望む平穏な暮らしにはこちらの方が都合がいい。フィーアと外に遊びにいけるかもしれないしな」ソワソワ

リーナ「……その、人間の姿はあなたが望んだ姿なのですか?」

サク「……確かに、人間の姿ならばと願ったことはある。そして……おぼろげだが、こういった姿になりたいとも///」

リーナ「つ、つまり……」ゴク…

サク「まず、白帝たる私である以上、優雅に流れる白い髪は欠かせないだろう? それに知的な青い瞳もだな」

リーナ「そ、そうじゃなくて……」ソワソワ…

サク「?」

リーナ「その……」




リーナ「――む、胸の大きさも望んで……?」チラ…





サク「ん?」ペタン…


サク「……ああ、これか? そうか、人間は大きいものを好むのだったな?」




サク「――私に言わせれば、胸など戦いの邪魔になるだけだ。なにより風の流れを邪魔するなど論外!!!」クワッ!

サク「できるならこの僅かな膨らみさえちぎって投げ捨てていたかもしれないっ!!!」



リーナ「サクさんっ! 私達これからいいお友達になれそうですの!!!」ガシィ!

ロウル「うんうん! ですよね! 被弾面積だって小さくなりますもんね!」ガシィ!

リーナ「原因はわかりませんけど、聖国はあなたに協力は惜しみませんわ!」グッ!

フィーア「わーい! リーナさんのご協力があれば、これで聖国にも遊びに行けるかもしれません!」ピョンピョン!

リーナ「ふふ、謝罪の意味もありますけれど……私、友達への協力は惜しまない主義ですの!」エヘン!





キアラ「」カタカタカタ…




一同「「あ」」

サク「ご、ごめんきゅ!? キアラは特別大丈夫っきゅ!?」アセアセ

サク「ちぎらないっきゅ!? そんなに怖がらないで欲しいっきゅ!?」アセアセ

リーナ「……きゅ?」

サク「……あ」

リーナ「ふふふ、そちらが本来のあなたなんですのね? 無理をしなくてもいいんですのよ?」

リーナ「友達の前でくらい、もっと砕けて楽にするべきですの!」

サク「リーナ……」

リーナ「……あと、兄上とも仲良くしてくれると嬉しいんですの」

アルフ「」ブクブク…

サク「わかったきゅ。弟の方からは別に何かされたわけでもないし……」


サク「――いつか私が勉強教えてやるのも吝かじゃないっきゅ!」


アルフ「」ゴボォ!

リーナ「友達でも時には遠慮というものも必要なんですの!?」アセアセ

サク「きゅ? 人間は難しいっきゅ……」


……


――

――

……


フィーア「原因はわからないままですけど、サクちゃんが受け入れてもらえて嬉しいです!」ピョンピョン!

サク「人間も捨てたものじゃないっきゅね。どうなることかと思ったけど、なんとかなりそうな気がするきゅ」

ロウル「皆さん、若干思考放棄してる気もしましたけどねぇ……」

ロウル「まあ、サクさんが強烈な殺意を出すわけでもなく、フィーア様がこれだけ親しげにしているのも大きいとは思いますけど」

フィーア「えへへ///」





キアラ「……」コソコソ…





サク「ああ、だからごめんきゅキアラ……」アセアセ

サク「あれはあくまで私個人の、竜的な立場での意見だっきゅ……」アセアセ

キアラ「う、うん。私もごめんね?」スッ…

キアラ「……」

キアラ「い、一応確認しておくけど、私以外の人のちぎっちゃ駄目だからね……!?」

サク「こ、心得ているきゅ!」ビシ!

サク「それにしても、やっぱり人間は不思議な生き物だと思うきゅ」

サク「王国で封印されていた頃は、視界に入る奴全部薙ぎ払おうと思っていたのに……」

サク「今は、全然そんな気にならないっきゅ。それどころか、一緒におでかけしたくてたまらないっきゅ……!」ソワソワ

サク「キアラの考えも違ったみたいだし、そろそろいいっきゅか!?」ソワソワ!

キアラ「う、うーん……どうしよう?」

ロウル「王国のお二人でも、聖国のお二人でもわからずじまい……」ムムム…

ロウル「……」

ロウル「切り札は残しつつ、もしかしたらな人を当たって見て駄目ならいいんじゃないですかね?」

フィーア「それって、もしかして……」

ロウル「ええ、多分ご想像の通りですよ」


……

――

――


……


フィーア「――なのでお母様、何かわかりますかっ!?」


サク「これでもう蜥蜴呼ばわりはできないな!」ドヤア!


フローレン「天才にも限界があるって知ってるかしらぁ!?」ビターン!

フローレン「な、何よこれぇ……まず、竜っていう存在が常識外れなのよぉ……?」

フローレン「それが挙句、前触れも無く人になったですってぇ……!?」


キアラ「やっぱり、お母様でもわからないか……」

ロウル「提案しておいてなんですけど、この世に分かる人がいるわけないですよねぇ……」


フローレン「ま、まぁ? この私を頼ると言う選択は褒めてあげるけどぉ……」

フローレン「……」ジー…

フローレン「一応、姿を変えるという魔法はあることはあるのだけれど」

フィーア「えっ!? そんな魔法まであるのですか!?」

フローレン「ええ。でもあれは幻影魔法の一種で、自分の周りを薄い魔力で覆って姿を偽る仕組みなのよぉ」

フローレン「だからある程度魔法の知識がある者なら、気配で察することができる」

フローレン「魔法に疎くても、流石に直接触れれば気がつく。そんなつまらない魔法でねぇ……」

フローレン「見たところ白帝からはそんな魔力は感じないし……」

フローレン「ほんっと、どうやったのかしらねぇ? 小細工無しに、あの巨体を作り変える魔法なんてありえるのぉ……?」

フローレン「……」

フローレン「…………」

フローレン「いや、それよりも……」




特殊判定
↓1~2コンマ二桁

1これでハンデ無し! サクの真の学力は如何に?(最低保証38)

サク(人型):96
=96点(人間よ、これが人の及ばぬ竜の叡智だ……きゅ!)

2元はレベル510。魔力とか殺気とか抑えられるの?

13(ほぼほぼ遮断可能。歴戦の戦士には感づかれるかもしれないけど、一般人には絶対にばれない)

――


判定をとったあたりで今日はここまで
……なにこの白帝すごい(白目)
この後はアベル隊+???とのやりとりを経て小イベント終了
アドルラン達のイベントになる予定です

本日もありがとうございました!

こんばんはー
遅くなりましたが、サクイベント最後まで投下していきたいと思います

――

……



フローレン「嘘……でしょぉ……!?」ワナワナ…


96点答案「……」ジャジャーン!


フィーア「す、すごい!? サクちゃん凄いです!?」

サク「おぉ、前の時に正解した場所は全部覚えていたけど、今度は他も出来たみたいだな」

サク「これもキアラの教本のおかげかな」

キアラ「私が持っていったのは普通の本だよ!?」

ロウル「本当にとんでもない学習能力なのだと、改めて見せつける結果になりましたねぇ……」

フローレン「い、いくら教本を読ませたからって、一度やった試験だからってこんな!?」

フローレン「ちょっと気になってやってみたらとんでもない結果にんってしまったわぁ……」

フローレン「あなた、本当にこの世界支配したりしないでしょうねぇ?」ジトー…

サク「そんな面倒なことはしない。支配など、自由の対極ではないか」

サク「しかし、見たか私の賢さを! ただの蜥蜴にこんな真似はできまい!」ムフー!

サク「ただの獣ではない、知恵を持つ白帝竜の――」

フローレン「……」イラッ

フローレン「ふぅん、でもぉ? こことここ、ああそれとここも間違えているわよねぇ……?」ニヤリ

サク「ぐ……!?」

フローレン「一度やった試験で、知恵を自慢する白帝が満点を取れないのねぇ?」ニヤニヤ


フローレン「――キアラとアーシャは初回満点だったのにねぇ?」ニヤニヤ!


サク「ぎゅぅ……!?」ガーン!

フィーア「お母様! アベル兄様もほぼ満点でした!」ピョンピョン!

フローレン「1点の差はとてつもなく大きいのよぉフィーア? むしろ99点こそ一番詰めが甘いお馬鹿さんの称号がぴったりよぉ」

フローレン「ま、それはさておき。上には上がいることをよぉくその蜥蜴頭に叩きこんでおきなさぁい?」

サク「あ!? また蜥蜴呼ばわりしたな!?」プンプン!

フローレン「おっと、ここで暴れることは許さないわよぉ?」

フローレン「第一……」

フローレン「……」

キアラ「お母様?」


フローレン「あなた、そのなりで強さはどうなっているのかしら……?」

フローレン「前に見た時の、竜の威圧感というものは感じなくなったけれどぉ……」

サク「……ふんっ!」ブン!


机「」バキャア!


フローレン「」

サク「この姿になってから少し試してみたが、別に力が衰えたということはないらしい」

サク「ご覧の通り、この程度ならば片手で捻り潰せる」

フローレン「……いいこと教えてあげるわぁ」

フローレン「人間はこういう時、弁償するのよぉ……?」ピキピキ!

サク「!?」ガーン!

フローレン「まったく、知性があっても常識は完璧じゃないみたいねぇ……」ハァ…

ロウル「そりゃあ人間の常識は人間にしか通用しませんし」

フローレン「まあ机は置いておくとして、これは本来結構由々しき事態よぉ……?」

フローレン「人のなりをした竜。でも力はそのままどころか抑えられるようになっているってこれ……」

フローレン「ギルバートがいる限り安泰だけど、他国なら要人の暗殺も容易にできちゃうんじゃないのぉ?」

フローレン「ほんとどうなっているのかしらこの竜?」ジー…

サク「力を見せびらかさず、抑えるということは私も最近覚えたことだ」

サク「普段は凪。有事に際に一陣の風となり薙ぎ払う。これで余計な力も使わずに済む」

サク「これはフィーアの立ち回りを参考にしただけだが」

フローレン「なぁんでそんなところまで学習しちゃうのよぉ……」ゾク…

ロウル「接する機会の多かった皇女お二人の影響を見事なまでに受けていますねぇ……」

フィーア「えへへ、サクちゃんも私とお揃いなんですね!///」ピョン!

キアラ「わ、私は特に何もしていないけど……///」

フローレン「頭痛くなってきたわぁ……」ハァ…

フローレン「とりあえずフィーアにキアラ、ペットの面倒はちゃんと見ること。わかったわねぇ?」

フィーア「サクちゃんはペットじゃなくてお友達です!」フンス!

サク「きゅん……///」ジーン…

フローレン「……ん?」

サク「何か?」シレッ



……


――

――


……


サク「きゅーっきゅっきゅっきゅっきゅ! あいつの悔しそうな顔は収獲だったきゅ!」ホクホク

ロウル「そりゃあ悔しいというか、色々な意味で愕然とすると思いますよ」

ロウル「今でこそ大丈夫でしょうけど、操られている時からこの知能と隠密性があったらたまったものじゃなかったですね」

サク「深く考えたことはなかったけど、これでフィーアやキアラを守りやすくなったきゅ?」

フィーア「え?」

サク「賢い私は知ってるきゅ。貴族はフィーアやキアラみたいな子を特に狙うっきゅ!」

サク「フィーア達に助けて貰ったこの命だきゅ。今度は、私が守るばんだっきゅ!」フンス!







ローズ「――その言葉に、偽りはないわネ!!??」バッ!






サク「きゅ!?」


ドォン!


ローズ「この子が……言われてみると、確かに白帝竜の面影がどことなくあるわネ」

サク「ロ、ローズさんだっきゅ……」ジリ…

ロウル「私が呼んでおいたんですよ。これからを考えたら、避けては通れない人ですしねぇ」

ローズ「そう怯えなくて大丈夫ヨ?」

ローズ「あなたの正体や、変化した理由なんて細かいことはどうでもいいのヨ」

サク「え?」


スタ!


アイナ「そうそう! ちょっとわけありな程度、帝国じゃ普通なんだから!」

スミレ「既に、ボクという似た存在がいるわけですからね」

スミレ「最初聞いた時は驚きましたけど、金真竜の一部を組み込まれた人間のボクは、一部の姿形を変えられる」シャキン!

アイナ「逆に考えれば竜の一部じゃなくて本体なら、その全身を逆に人間に変えることもできても不思議じゃない……」

スミレ「そういうことですよねローズさん?」

ローズ「ええ。スミレちゃんみたいな子が増えたと思えばなんの問題はないワ!」



ローズ「しかも天使達を守ろうと考えるだなんて、ますます同じだし、ほうっておけないわネ!」

サク「あ、ありがたいっきゅけど、そんなに軽くて大丈夫っきゅ?」

スミレ「大丈夫ですよ、サクさん」

スミレ「こんなボクでも、温かく迎えてくれる人達がここには沢山いるんですから」

アイナ「私はスミレちゃんが大好きだからね。きっとサクちゃんのことも好きになると思うよ!」

ローズ「うんうん、アタシもそんな気がするワ!」

ローズ「それじゃあサクちゃん? 天使達を守る心づもりがあるのならば、当然直属メイドか執事を目指すのよネ!?」

サク「え?」

ローズ「さあ、どっちを着たいかしら!?」

サク「い、いや。私はロウルの服――」

ポン…

ロウル「……」フルフル…

サク(えぇー……もう二択で決定なんきゅか!?)



アイナ「サクちゃん! 一緒にローズさんみたいになれるよう頑張ろう……!」ゴスロリー!

スミレ「白帝の細身の身体が人になっても反映されているみたいですね。ボクの服の方が動きやすいのでは?」シツジー!



サク「……そ、それじゃあスミレの方でお願いするっきゅ。まだ動きやすそうだし……」

ローズ「わかったワ。やったわねスミレちゃん! ますますお友達が増えた感じネ!」

スミレ「はい。まさか白帝竜とこんな関係になるとは思いませんでしたけど……少し、嬉しいかもしれません///」

アイナ「あー、また選ばれなかったかぁ……。ローズさんのこの服、可愛いのになぁ」ヒラヒラ




ロウル「さ、流石ローズさん。気にすることなくあっという間に新しい執事を生み出してしまいました……」

キアラ「でも、サクちゃんに執事の服は似合いそうかも……?」

フィーア「これで、サクちゃんともっと一緒にいられる時間が増えるんですね!」ワーイ!




ローズ「――さて、役職も決まったし次ネ。さっきの言葉に偽りが無いか、試してみるワ!」パチン!



サク「!?」ゾクッ!


ザッ!




アベル「あ、あれがあの白帝竜なのか……?」

アーシャ「ロウルちゃんから報せは聞いたけど、やっぱり驚きね……」

エリス「ティアさんとロウルさんを足して割ったような方になっていますね?」

ティア「うぅ、なんて羨ましい身体……!? あ、でもご奉仕を考えると……」ゴニョゴニョ…

パトラ「…………王国騎士は、うろたえません」クラクラ…

マックス「し、しっかりパトラ将軍! これ現実ですよ! 抓っても痛いですもん!?」ギュゥ…!

シア「もしかしたら、フィーアちゃんと仲良くしていたから~……」

シア「もっと仲良くなれるようにって、神様が奇跡を起こしてくれたのかもしれませんね~」ポヤポヤ

アベル「そんな馬鹿なと言いたいところだが、確かに神の奇跡でもなければ説明できない域だな……」



サク「ぎゅっ!? アベル達だっきゅ!?」ズザザ!



マックス「あ、鳴き声に随分と面影が」

パトラ「信じられませんが、本当に白帝竜なのですね……でも、それにしては?」

ティア「アベル様を、怖がっている? だ、大丈夫ですよ。アベル様はとても優しくて……」



サク「こ、この姿になったんだから、もう絶対に私のことを食べたりはしなっいっきゅよね!?」プルプル…



一同「「」」


サク「な、なんで黙っちゃうきゅ!?」ガーン!

サク「食べないっきゅよね、アーシャ!?」

アーシャ「な、なんで私に念入りに聞くんですか!?」

サク「だってアーシャ、助けてはくれたけど私の食べないでって懇願には無反応だったきゅ!」プルプル

アーシャ(……ああ、あの時のあの怯え方はそういう……)ポン

アーシャ「ええ、大丈夫ですよ。もし元の姿に戻っても、食べたりはしませんよ」ニコリ

サク「助かったきゅ……。本当に、アベル達が蒼帝を食用に解体しているあの光景はまだしっかり記憶に残っているっきゅ……」

アベル「その、なんだ……すまなかったな」ペコリ

サク「もういいっきゅよ。とにかく、見ての通り私は賢い白帝竜サクだっきゅ」

サク「これから――」



ローズ「――天使達を守り切れるか、アベル様の部隊と模擬戦をしてもらうワ!」



サク「」


……

――

――

サク「きゅーんきゅーん……!」タンコブ

フィーア「ああっ!? サクちゃんの頭が大変なことに!?」ガーン!

キアラ「痛そう……今、回復するからね」パアア…

サク「ひどいっきゅ! 私はただ今後ともよろしくって締めようと思ったのに!」

サク「模擬武器でも、白帝でも、痛いものは痛いっきゅよ!?」ヒリヒリ…

サク「特にパトラ! これ絶対たんこぶできてるっきゅよ!?」

パトラ「ご、ごめんなさい。私もちょっとまだ混乱していて、竜相手なら全力をと……」

ローズ「うーん、竜は多数を相手にする時に手強くなるって聞いたんだけど……」

スミレ「ええ。単純に、皆さんの力が竜のその力を上回ったんだと思います」

アイナ「本当に、みんな凄く強いよねぇ……マックス君もいつのまにかすっかり歴戦の戦士って感じだし」

マックス「へへへ……///目標の為なら、俺は努力は惜しまないんで!」

サク「前も思ったけど、本当にとんでもない強さの部隊っきゅ……」

スミレ「ふふ、でもサクさん? いい経験ができたとは思いませんか?」

サク「きゅ?」

スミレ「金真竜だとか、白帝竜だとか……王国の戦争兵器として扱われた存在も、こうして人間に負けてしまうんです」

スミレ「兵器なんかじゃない。そして、この人達はそんなボク達を受け入れてくれる……それはとっても嬉しくありませんか?」

サク「……そ、それは確かにそうっきゅけど……///」

サク「……」



バサァ!



サク竜人形態「――私はスミレほど踏ん切りはつかないっきゅ! 白帝の誇りは失っていないっきゅ!」ジャキン!

アベル「っ! 白帝の翼と爪!?」

アーシャ「スミレちゃんと同じように、部分変化が可能なのね……!」

サク「受け入れてくれるのは、本当に嬉しいっきゅ。これからはみんなとも一緒に遊べると思うと、すごく嬉しいきゅ!」

サク「……だけど! よってたかって虐められて負けたままは、白帝の誇りが黙ってないきゅ!」

サク「フィーア達を守る力の証明の為にも、今度は王国騎士道精神でいくっきゅ! 一対一を所望するっきゅ!」ゴゴゴゴ!

ロウル「う、確かに私達では厳しいかもしれませんけど、それは……」チラ…


スッ…


ノワール「――もう、みんな酷いですよ? お母さんも楽しい話題には混ぜて欲しいわ」

アベル「母上!?」

ノワール「今の話の流れから察するに、何故だか人の姿になってしまった白帝竜を一人で打ち倒せばいいのかしら?」

ノワール「私も最近運動不足だったかもしれないし、たまには動かないとね……!」シャキン!

サク「」

エリス「強者との一対一の真剣勝負……これ以上ない鍛錬ですね!」

エリス「ノワール様との模擬戦の次はぜひ私とも!」ジャキンジャキン!

サク「」



キュウウウウゥゥゥゥゥゥゥン……!


――

【王城・メイド研修室】


サク「きゅーんきゅーん……」サンレンタンコブ

エリス「ご、ごめんなさいサクさん。つい、熱が入ってしまって……」アセアセ

サク「人間怖いっきゅ……」プルプル…

アイナ「いやぁ本当に一人でも戦えるノワール様とエリスちゃんって凄いね……」

スミレ「ええ。ボクも竜の力に頼らずとも戦えるようになりたいです」

スミレ「とはいえ、アベル様達が王国と聖国の厄介ごとを片づけてくださったことにより、より平和は近づいた筈です」

アイナ「うんうん。これからは、もっと平和的な力でフィーア様達を支えられるようにならないとね……!」グッ!

サク「平和的な力?」

アイナ「うん。……実はローズさん、近いうちにメイド長の辞職も考えているの」

スミレ「ボク達も理由の一端ではあるのですが、最近は優秀なコが多いから後進に道を譲りたいとも仰っています」

アイナ「サクちゃんがフィーア様達を守るって言ってくれて、多分ローズさんも嬉しかったんじゃないかな?」

サク「きゅ? ……それはもしかすると私が次のメイド長になって二人を守る立場に抜擢されたということっきゅか?」

サク「きゅる……/// ちょ、ちょっと照れちゃうっきゅけど――」


スミレ「――メイド長の座はそう甘くはありませんよ?」パン!


サク「!?」ビクゥ!

スミレ「まず、ボクもかつて苦労しましたけどテーブルマナー」スッ…

スミレ「これを、どう食べます?」

サク「え? こうやって普通に――」ヒョイ

スミレ「ああやっぱり! 手で掴んで食べちゃ駄目です! ちゃんとこのナイフとフォークを使って!」

サク「きゅ……きゅ!?」グルグル

アイナ「あはは……やっぱり。ローズさんも、多分知識はあっても絶対苦手だから指導よろしくって言われてたの」

アイナ「――先輩として、私も頑張らないとね!」ゴゴゴゴ…!

スミレ「そして、先輩はボク達だけではありません」

ルーシェ「ん……、あれが、白帝竜……? ちょっと、私に似ているかも……?」

エメリナ「い、いいなぁ……! あんなに背が高くて綺麗で……!」

ヒバリ「……ねぇルーシェ? 何度目かわからないんだけど、なんで私は定期的にこのメイド服を着させられてるのかな!?」

サク「!?」ビクゥ!

スミレ「彼女達もそれぞれの分野で優れた力を持つ方達です」

スミレ「最低限の作法を覚えたら、炊事に洗濯は勿論のこと書類の整理に警邏その他諸々をですね……」

サク「」



サク「フィーア! キアラ! 助けてきゅーーーーーーーん!?」

キューン!

キューン…

キューン…



――
小イベント
『平穏を願う白帝竜の奇跡』


おしまい

――

――



小イベント

『次期皇帝と二人の妃の奮闘』



先に特殊判定
↓1~2コンマ二桁

1ヒバリの頑張り

85>59

※基準値を下回った為、真面目な妃としての勉強中

2ルーシェの頑張り

85<93

※基準値を上回った為……?

※軽くですが、少しだけ描写追加

――


アドルラン組の判定を取った辺りで今日はここまで……ルーシェェェ!?
ま、まあ今までの判定結果的にヒバリもだいぶルーシェのお世話になってたし、
たまにはということなのかもしれませんね(白目)

本日もありがとうございました!

こんばんはー
遅くなりましたが、おまけのおまけでサクダイジェストとアドルラン組の話を少し投下していきます

『サクのローズ試験・ダイジェスト』
~~第一試合・アベル隊~~

サク「や、やるしかないっきゅ! 白帝竜の誇りぃ!」ゴゴゴゴゴ!

★『顕現する筆頭』
三すくみ不利、敵の王国指定スキルを無効化
さらに戦闘時、攻撃状態を解除されない
またこのスキルを持つ限り、受けられる劣勢回数を5にし、
補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行う

★『最強種の意地』★
最後の一体となった時、発動
戦闘時、自身に常時補正100を加える
さらに自身に対する弱体補正を無効化する

★『真・蹂躙する者』
戦闘時常時補正+30
敵対象が複数の場合、自身の基礎レベルを(敵人数-1)×180上昇させる


サク「アベル達はティアを含めて8人! 私の力はその分増大するっきゅ!」ゴゴゴゴ!


サクレベル:510+180×7=『1770』テテーン!

サク「これで――」

アベル隊レベル:609+704+370+342+379+322+274+15=『3015』テテテテテテーン!

サク「……あれ? い、いやまだっきゅ!?」アセアセ


★『エアプレッシャー』
戦闘時、敵を常時防御状態にし、常時-50の補正をかける
さらにネームレス敵兵を全て封殺する

★『フェザースコール』
戦闘時、敵に常時-30の補正をかける
また優勢を取得する度、追加で常時-15の補正をかける
さらに劣勢判定時、コンマが0、4、8の時、劣勢判定を回避する


サク「この風と私の飛び交う羽の前に、満足に戦えるかっきゅ!?」


アーシャ「おっと……! これはみんな、位置取りに気をつけて!」バッ!

ロウル「羽による目くらましですか。でもこれくらい……!」バッ!

――『変幻自在の指揮』発動!――
――『勇躍する黒騎士団の証』発動!――
無双状態&弱体無効!


サク「きゅーん!?」ガーン!

サク「で、でもまだこれがあるきゅ! 風は時に癒しの力を持つっきゅよ!」

★『ホワイトウインド』
劣勢判定を任意の時に2回まで無効化し、その際に自身の体力を残体力分回復させる

アベル「悪いな。戦いとあれば本気を出させて貰う。――黒氷葬!」ガキィィィン!

サク「さ、寒いっきゅー!?」ガタガタ

サク「はっ!?」ゾク…!

パトラ「でりゃあああああああ! 帝竜最強であろうと、私は退きません!」グオングオン!


パトラ「 無 双 三 段 ! ! ! 」

ガン! ゴン! ドゴオ!


サク残耐久:5-3-3= 0



サク「きゅーーーーーーんっ!?」プクゥ…


フィーア「ああっ!? サクちゃん!?」ガーン!

~~第二試合・黒妃ノワール~~


サク「キアラのおかげでたんこぶも治ったし、今度こそ勝つっきゅ!」

ノワール「お手やらかにね?」


ノワール「――私もあれから少し修行をし直して、少しは強くなったつもりだけれど……」←レベル590

ノワール「――もうおばさんですからね。あまり期待はしないでね?」チャキ…


サク(さ、寒気がするっきゅ……でも、一人相手なら私にもまだ分が――)


★★『氷影の暗殺者』★★
三すくみ不利、敵の敵国指定スキル、奇襲及び罠、自身へのマイナス補正を無効化
このスキルを持つ限り、劣勢を受けられる回数を3にする
さらに補正差が50以上であったとしても30まで軽減し戦闘を行い、
敗北時は負傷判定を一段緩和し確定逃走を行う

自身が一人で戦闘を行う時、敵の戦闘時の補正及びレベル増加を全て無効化する←
また敵の基礎レベルが自身より150以上下の場合、戦闘に自動勝利する



サク(あ、これほんとに冷気を感じるっきゅ……)ブルブル…

サク(でも、軽装で守りは薄そうだきゅ。それなら……!)スウウウウゥゥゥ!


★『バーストストリーム』★
戦闘時、自身に貫通能力を付与する
優勢取得時、初撃のみ与える劣勢を3にする
以後優勢取得時のコンマが0、4、8の時、与える劣勢を3にする


サク「私の必殺の疾風弾、受けてみるっきゅよ!」ビュゴオオオオオォォォォォ!

ノワール「っ!」


★『絶零装』★
戦闘時、常時補正+10。劣勢判定を二回無効化
発動後の劣勢判定時、コンマ一桁が8か0の時、劣勢を無効化する
また★を含む敵のカウンターを無効化する

★『霧氷幻影』★
戦闘時、常時補正+10
劣勢判定時、コンマが奇数の時劣勢判定を4回まで回避する
全ての回避行動後、初回の劣勢を確定防御


ノワール「……! 零装を破りますか。流石ですね」

ノワール「――でも、次からはそう易々と当たるつもりはありませんよ?」ヒュオオオオ…

サク「あ、当たらないっきゅ!? どういうことっきゅか!?」アセアセ


★『黒死の氷刃』★
戦闘時、自身に常時補正+30.敵に常時-30の補正を与える
優勢判定を得た時、敵の回復行動と回避行動を無効化する
さらに判定値が奇数の場合、与える劣勢値を2にする


ノワール「――そこです!」ズガッ!

サク「痛いっきゅーーーーー!?」タンコブ…


……


~~第三試合・メイドエリス~~


サク「アーシャがいない今なら、私の風圧で思うように立てない筈っきゅ! これで……」


エリス「くっ……! 確かにこれでは上手く攻撃体勢が……!」グググ…←レベル704(現人類№2)


サク(……小細工も力づくで捻じ伏せてきそうなんできゅけどこの子?)

サク「で、でも私だって――」


エリス「はああああぁぁぁぁぁ! 風ごと切り裂きます! ――終剣・五煌!」カンツウコウゲキ!


ズガン!


サク「痛いっきゅー!? 私の風を強引に突破するなんてそんな……」タンコブ2



エリス「 追 撃 の 絶 煌 閃 ! ! ! 」ズガガガガガガ!



サク残耐久:5-1-4= 0


サク「キュウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!??」タンコブ3

サク「」


パタ…


フィーア「サクちゃあぁぁぁぁぁぁぁぁん!?」ガーン!



『ダイジェスト終了』

『次期皇帝と二人の妃の奮闘』

――


【帝国・王城執務室】


アドルラン「そうか、サク君は馴染めているのか」

ヒバリ「うん。アーシャ曰く、最初からどことなくこっち寄りだったらしいからね」

ヒバリ「なんで人間の姿になったかは結局わからなかったみたいだけど……」

ヒバリ「当の本人や、フィーア様達が嬉しそうだし、あれでいいんじゃないかな?」

アドルラン「はははは! 時間が出来たら、是非私も会いに行きたいな!」

ルーシェ「見た目、は……私を、もっと、大人にした感じ……?」

ルーシェ「でも、サクさん……、お片付け、下手です!」プンプン!

ルーシェ「とりあえず隅っこに追いやるのは片づけじゃありません!」

ルーシェ「むしろ余計に散らかっているまであります!」

ヒバリ「ルーシェの指導に半泣きの声出してたねあの子……」

アドルラン「ううむ、その気持ちはよくわかる……」ウンウン…

ルーシェ「アドルラン様?」

アドルラン「なんでもないぞルーシェ?」アセアセ

ヒバリ「あ、あとあの子さ、頭はすっごくいいみたいなんだけどね?」

ヒバリ「だからといって、書類のしまう場所の効率化とか利便性をかはまだなかなか考え付かないみたい」

ヒバリ「なんでか私もメイドに混じって指導することになっちゃたのは驚いたけど……」

ヒバリ「これはこれで新鮮かもね。私も基礎からやり直している感じがするし、自分の糧にもなっている気がするの」

アドルラン「流石、ヒバリは真面目だな」

ヒバリ「そりゃそうよ。私は他の子達みたいに、突出した何かを持っているわけじゃないしね」


ヒバリ「――いずれアドルランの……皇帝の奥さんになるなら、私にはまだ足りないことだらけだもの」グッ…


アドルラン「ヒバリ……」

ルーシェ「ヒバリさん……」

ヒバリ「ルーシェもいてくれるから、ものすごい安心感はあるよ?」

ヒバリ「でも、ルーシェに甘えっぱなしってもの嫌だしさ。私も色々と頑張りたいんだ」

ヒバリ「アドルランを支えられる……帝国の人から見ても、アドルランに相応しいって思われるような、そんな女になりたいの」

ヒバリ「ま、大変だってのは重々承知だけど……期待しててよねアドルラン!」

アドルラン「ああ、勿論だとも! 私こそ、次期皇帝として相応しい存在になれるよう努力せねばな……!」グッ!

ルーシェ「……」


……

――

――


【帝国・ヒバリの自室】


カリカリ…


ヒバリ「ふぅ。よし、これでこの辺の知識も定着したかな?」

ヒバリ「後でアーシャの時間が空いてたら、手伝って貰うのもいいかなー」

ヒバリ「他に必要そうなことといえば、やっぱり法絡みだよねぇ……」パラパラ…

ヒバリ「今までの帝国の法なんかじゃ駄目。かといって完全な自由も駄目……」

ヒバリ「アドルランやみんなが望む帝国を作るためにも、法律はしっかりと考えないとね」

ヒバリ「しかし本当に、ギルバート様時代の法律全書薄いなぁ……」パラ…

ヒバリ「実力主義一辺倒だったから仕方がないんだろうけど、ほぼ0から考え直さないと……」

ヒバリ「アドルランが頭を悩ませているのは、やっぱり旧時代を望む自称強者達の存在と略奪……」

ヒバリ「無闇な暴力、窃盗はやっぱり重めの刑にした方が……」

ヒバリ「……」

ヒバリ「そもそも法を定めるのが、皇族とその周囲の者達っていうこの前提も不味いかもなぁ……」

ヒバリ「アドルランなら大丈夫だけど、いつか酷い皇帝が生まれた時に法律を好き勝手に変えられたら困るし」

ヒバリ「もっと根本的に考えないと駄目だね。一気に全部解決しようと思っても無理なんだし……」カリカリ…

ヒバリ「何事も基盤は大事だから、焦らずしっかり考えて……」カリカリ…

ヒバリ「……法律以外にも、覚えることやること沢山あるけど、アドルランの帝国のために頑張らないと……!」グッ!


コンコン…


ヒバリ「ん、開いてるよー?」


ガチャ…


ルーシェ「失礼、します……」

ヒバリ「あれ、どうしたのルーシェ?」



ルーシェ「ヒバリさん、最近ずっと忙しい、です……」

ルーシェ「普段のお仕事だけじゃなくて、休みの時も、ずっとお勉強ばかり……」

ルーシェ「無理しすぎ、よくない、です」

ルーシェ「紅茶淹れましたから、少し休憩、しましょう?」

ヒバリ「お、悪いねルーシェ! ちょうどそろそろ一休みしようと思ってたところなのよ」パタン



……


ヒバリ「うん、ルーシェの紅茶はやっぱり美味しいね。ちょっとお砂糖多めなのも嬉しい」

ルーシェ「私は、まだまだです……。でも、ありがとうヒバリさん」

ヒバリ「これでまだまだって、メイドの道も険しいわよねぇ……」

ヒバリ「ルーシェすら苦労するんじゃ、私なんかどうなっちゃうのかしら?」

ルーシェ「ヒバリさんなら、大丈夫、です!」グッ!

ヒバリ「あはは、ありがとねルーシェ。でも、私もいつの間にか料理の腕が錆びついちゃっててさぁ」

ヒバリ「せめて勉強なら―って思ってたけど、この前の試験は思ったよりも間違えちゃ……」

ルーシェ「」カタカタ…

ヒバリ「もう、そんな泣きそうな顔しないの! あれから頑張って、少しはできるようになったんでしょ?」

ヒバリ「ルーシェが人一倍頑張り屋さんなのは知ってるからね? 大丈夫、ルーシェならいつかきっとできるよ」ナデナデ

ルーシェ「ヒバリさん……」

ヒバリ「……風の噂で聞いたんだけど、あのサクが96点取ったっていうし」ボソ…

ルーシェ「!?」ガーン!

ヒバリ「ね、負けてられないでしょ? 二人揃って頑張ろうよ!」

ルーシェ「は、はい!」

ヒバリ「アーシャも100点だったしねー。同じ貴族の娘としては、こっちにも負けてられないや」

ヒバリ「これが一段落ついたら、今度はあっちにも手をつけた方がいいかなぁ……」

ルーシェ「……」

ルーシェ「ねぇ、ヒバリさん?」

ヒバリ「ん?」


ルーシェ「ヒバリさんは、凄い人です」

ヒバリ「や、やめてよルーシェ! そんないきなり言われたら恥ずかしいって!///」

ルーシェ「今もこうして、アドルラン様をお助けしながら、色々なお勉強を頑張っています」

ヒバリ「これくらいは、そんな凄いものでもないと思うよ? 単純に私が足りていないってところが多いせいだしね」

ルーシェ「それなら、私も、同じです……」

ヒバリ「いやいや、ルーシェこそ色々なこと卒なくこなしてるじゃない?」

ルーシェ「……上には、上がいます」

ヒバリ「んー、それはそうかもしれないけどさ。少なくとも私から見れば羨ましいところ沢山あるんだけど?」

ルーシェ「……私も、ヒバリさんが羨ましいです」

ヒバリ「え?」

ルーシェ「アドルラン様の為に……それも、子供の頃からずぅっと思い続けて……」

ルーシェ「当時のアドルラン様は、誰もが見捨ててしまうような子だったって……」

ヒバリ「……うん。アドルランも、辛かったと思う」

ヒバリ「でもね、アドルランはどんな逆境でも絶対に諦めなかったの」

ヒバリ「本当に無茶ばかりして、怪我も一杯して……」

ヒバリ「でも、あのひたすらにまっすぐな姿に……あの頃から、私は惹かれていたんだと思う」

ヒバリ「私は、アドルランもやればいつか出来る子だって信じてたしね!」エヘン!

ヒバリ「まあ、私達の想いにここまで気がつかないってのは、流石に想定外だったけどさ」アハハ!

ルーシェ「……ヒバリさんは、優しすぎます」

ルーシェ「昔からずっとアドルラン様を見て支え続けてきて、私が割り込んでも文句の一つも言わないで……」

ヒバリ「え? だってルーシェもアドルランが好きなんでしょう?」

ヒバリ「確かにアドルランは大切だし、私も何度もアピールはしてきたけどなかなか通用しなかった」

ヒバリ「だから別にアドルランはあの時点で誰のものでもなかったんだし、ルーシェが来てもなんの問題もなかったでしょ?」

ルーシェ「……ヒバリさん、アドルラン様のこと大好きなんですよね?」

ヒバリ「そ、そりゃもちろん///」カアア…

ヒバリ「――でも、今は同じくらいルーシェも大切よ?」ギュッ…

ルーシェ「あ……///」

ヒバリ「……アドルランと同じ頑張り屋さんで真っ直ぐなあなたを、嫌いになるわけないじゃない」ナデナデ

ヒバリ「とにかく、私に遠慮なんかしなくていいのよ? これから一緒にアドルランを支える仲なんだしさ!」

ヒバリ「むしろ、これからも迷惑かけかねないけど、ルーシェこそ許してね?///」

ルーシェ「……ヒバリさん///」



ルーシェ「でも……」

ヒバリ「もう、ルーシェは心配性ねぇ。悩みは全部吐き出しちゃいなさい?」

ヒバリ「お姉さんがどーんと受け止めてあげるからさ!」

ルーシェ「……」

ルーシェ「ヒバリさんは……」

ヒバリ「うんうん」






ルーシェ「――アドルラン様との時間がなかなか作れない今に、満足しているのですか?」




ヒバリ「ん?」

ヒバリ「……」

ヒバリ「あ、ああー、そうか。言われてみれば確かにそうなのか」ポン

ルーシェ「え?」

ヒバリ「いや、長年アドルランと一緒にいたせいなのかな……?」

ヒバリ「あまり今の状況に違和感が無いと言うか、いつも通りだなぁって」

ヒバリ「仕事は大変だけど、アドルランの元気な姿や声は毎日目に出来るし、特に不満はないかなぁ」

ヒバリ「でもそうだね。今度なんとか時間作って、三人でお出かけできるようにしようか?」

ルーシェ「あ……」

ヒバリ「ごめんねルーシェ。ルーシェはもっともっとアドルランと一緒の時間を堪能したかったんだね」

ルーシェ「あの、その……!」ワタワタ

ヒバリ「大丈夫! 私もちょっと本気出して、アドルランの書類ぱっぱと片づけるからさ!」

ヒバリ「それじゃ、期待しててねルーシェ!」ダッ!

ルーシェ「あ……!」



ルーシェ「……」



……

――

――


【王城・ルーシェの私室】


――違うんです、ヒバリさん――


ルーシェ「っ……!」



――私は、ヒバリさんが羨ましい――



ルーシェ「ふぅっ……!」



――本当に、アドルラン様のことを考えて、頑張れるあなたのことが――



クチュ…


クチュ…


――アドルラン様の為なら、どんなことも耐えられるあなたのことが――


ルーシェ「ん、はぁ……っ///」



――私は、あなたみたいに立派じゃない。今の時間に、どこか不満を覚えてしまっている――


ルーシェ「ごめん、なさい……!」クチュ、ジュクゥ…!


――あなたが頑張っている間に、私はこんなことに時間を費やしてしまっている――

――本当に、ごめんなさい――



ルーシェ「あ、ああ……///」グチュグチュ!

ルーシェ「アドルラン様、いつか、子供……必要だから……んうぅ!」キュッ!

ルーシェ「はぁっ……はぁっ……! その、準備も、大切な、こと……!」クリクリ…

ルーシェ「これは、必要なこ、と……あっ、イッ――っ!!!」プシャアアア…!



ビクンビクン…



ルーシェ「はぁー……はぁー……///」クテ…

ルーシェ「また、こんなに……///」

ルーシェ「――アドルラン様……ヒバリさん……ごめんなさい……///」


……


――

途中ですが今日はここまで
なんとなくルーシェはこれまでの判定結果から考えるに、
頑張って頑張ってひっそり溜め込んで時々それが爆発するような子に思えます

本日もありがとうございました!

こんばんはー
今日もゆったり再開です

修羅場が無いのはやはり、大元のキャラシートでいい子が多いのが最大の要因かと思います
エリスはアベルへの忠誠心から修羅場補正-30かけていましたが、補正を飛び越えていれば嫉妬深くなっていた可能性も
……まあその大事な判定が偶数ゾロ目だったんですけどね!(白目)

――


……後日……


アドルラン「では、すまないがアルフ達との会談に行ってくるよ」

アドルラン「いつもすまないが、留守を頼む」

ヒバリ「ええ、任せておいて!」

ルーシェ「行ってらっしゃい、ませ……!」



パタン…



ヒバリ「やっぱり、聖国は大変な状態みたいだね」

ルーシェ「王国の前王が、竜化して潜んでいた……誰でも、驚きます……」

ヒバリ「それをあっさり蹴散らしたアベル様達は本当に凄いよね……」

ヒバリ「私ももう少し鍛えなきゃとは思うんだけど、なかなか時間がね」

ヒバリ「元々がアドルランの補佐前提で考えてたせいもあるんだろうけど」

ルーシェ「アドルラン様、も……まだまだ、鍛錬、足りないって頑張ってます……」

ヒバリ「その時間分の書類が主にこっちに回ってくるんだけどねー」

ヒバリ「ま、今に始まったことじゃないし、別にいいんだけどね」

ヒバリ「――さて!」パン!

ルーシェ「!?」

ヒバリ「こうなることを見越して、実は今日の分の仕事は昨夜終わらせておいた!」エヘン!

ルーシェ「す、すごい……!?」

ヒバリ「ねえルーシェ。今日はゆっくり、アドルランとどこに出かけるか計画を練らない?」

ルーシェ「ヒバリさん、もしかして、そのために……?」

ヒバリ「まぁね。ルーシェもだいぶ悩んでるみたいだったしさ!」

ルーシェ(うぅぅ、ヒバリさん本当にごめんなさい……!)




ヒバリ「ほら、パトラ達から色々本も借りてきたんだ」ドサ!

ヒバリ「後はなんでかローズさんが新品なのに捨てちゃってた本とか!」ドサ!

ヒバリ「勿体ないよね。不良品だったのかな?」

ルーシェ「箱詰めにして、捨てる……?」

ルーシェ「……っ!」

ルーシェ「ヒ、ヒバリさん! こっちの本は、私が整理しておきます……!」

ヒバリ「あ、そう? ふふ、本当にルーシェは整理整頓好きだよねぇ」

ヒバリ「……わ、私ももう少し頑張ろうとは思ってるからね?///」アセアセ

ヒバリ「ただアドルランと一緒にいると、ついつい一緒になって色々見ちゃうというか……」

ルーシェ「むぅ。片づけてから、ゆっくり思い出の品を眺めるべきです……!」プク…

ヒバリ「たはは、面目ない。そ、それじゃあ私はこっちの本を後で見やすいように分けておくね」

ルーシェ「お願い、します」ペコリ…


タタタ…



ルーシェ(ローズさんが、箱詰めにして捨てる新品の、本……)ゴクリ…

ルーシェ(エリスさんの話なら、前はこの箱の中に……え、えっちな本が……///)

ルーシェ(そしてアベル様をぺろぺろして、アベル様にぺろぺろされた……///)カアァァ!

ルーシェ(わ、私はそんな大胆なことはまだできないけど……)

ルーシェ(も、もう少し軽くて、私でもできそうな本があれば……///)

ルーシェ「……」






ルーシェ(――で、できればアドルラン様とヒバリさんから、あまりえっちな子って思われないような……程よいのが欲しい///)




パカッ!




特殊判定
↓1コンマ二桁

ローズが廃棄したスカーレット将軍からの贈り物

←刺激弱 50 刺激強→
(コンマ50最良)

コンマ26(-24)

※軽めの品物を発見!

――


箱「……」ゴチャ…


ルーシェ(……ローズさんでも、捨てる時は、雑です……)ムス…

ルーシェ「……」ドキドキ…

ルーシェ「あ……」


ヒョイ…


『清楚な淑女下着~~裏に潜ませる妖艶さ~~』

『思春期青年との接し方。初級編』

『露出をしなくても殿方を落とす10の方法』


ルーシェ「……」ゴクリ…

ルーシェ「……」パラパラ…

ルーシェ(あれ? 思ってたより、平気かも……?)

ルーシェ(これくらいなら、私でもできそう……)パラパラ…

ルーシェ(ふむ、ふむ……)

ルーシェ(……! この本、正しいです……!)

ルーシェ(前に海で、学んだけど、アドルラン様は過度な露出は、お嫌いです……!)

ルーシェ(……服はそのまま、下着姿でゆっくりと誘惑……?///)パラパラ…

ルーシェ(自分に、合った下着を選ぶ……背伸びは駄目……)フムフム…

ルーシェ(白い下着で、清廉さを演出……)

ルーシェ(でも、刺繍に紛れ込むように生地の薄い部分も……///)カアァァ!

ルーシェ「……」ピラ…

ルーシェ(白い下着なら、普段の、私だけど……)

ルーシェ(た、多分、これじゃ駄目なんだ……!)グッ!

ルーシェ(ちょ、ちょっとだけ、冒険をしないと……!)



ルーシェ(他にも、色々載ってる……)ペラペラ…

ルーシェ(……ん、でも、これはメイドとして普段から……)

ルーシェ(……そうか、私、普通の人とはちょっと立ち位置が違うんだ……)ガクリ…

ルーシェ(ほ、他にあまり恥ずかしくないような……)ペラペラ…

ルーシェ(ん……? し、新婚さんに必需品……!?)ガタ!

ルーシェ(ま、まだ結婚、してないけど……///)

ルーシェ(あ、赤ちゃんと、一緒……/// 今の内から、準備、大切です……///)

ルーシェ(いざ……!)


ペラ…



『口下手なあなたも大丈夫! 黙ってお誘い 『是/非』枕!!!』



ルーシェ(く、口下手でも大丈夫……!?)キラキラ!

ルーシェ(ど、どんな枕なのかな?)ドキドキ


『夜の営みをしたいときは是であるという面を向けるだけ!』

『口では言っていないので、周りからも気づかれにくい!』



ルーシェ「……」

ルーシェ「…………」


ルーシェ「~~~~~~~~っ!?///」パタパタ!



ヒバリ「ルーシェ? どうしたの?」ヒョコ!


ルーシェ「ぴいいっ!?」ビクーン!


特殊判定
↓1~2コンマ二桁

1ヒバリの察知

63>ヒバリ夜レベル34

※基準値を上回った為、ヒバリ理解できず!

2ルーシェの決行

01~50:やっぱり誘ってることには変わりないじゃない……!///
51~00:こ、これなら……!

コンマ51

51~00:こ、これなら……!

※ルーシェ作戦決行!

※決行した為、後ほどアベル達にも少し影響が出るかも……?

――


ヒバリ「ん、何読んでるの?」

ルーシェ「ひゃわ……こ、これは……!?」

ヒバリ「なになに? 枕の本? えーと、生地の色は桃色で……」

ヒバリ「あー、もしかしてルーシェもお裁縫とかに興味あるの?」

ルーシェ「!?」

ヒバリ「私もそこそこはできるつもりなんだけどねー」

ヒバリ「やっぱり周りだとキアラ様とロウルが飛び抜けちゃってるから霞んじゃうんだよね」アハハ

ルーシェ(……ヒバリさん、この本の内容に気がついていない……?)

ルーシェ(――い、今のうち!)シュパン!


ヒバリ「あれ? もういいの?」

ルーシェ「は、はい。やっぱり、おでかけの本、気になります……!」アセアセ

ルーシェ「こっちは、あまりいい本はなかったです……!」アセアセ

ヒバリ「そう? こっちはパトラ達から借りたものだから、王国の名所とか一杯書かれてるから――」



ルーシェ(口に出さずとも、意思表示ができる……)

ルーシェ(――控えめに、アドルラン様に想いを伝えられる……!)



ルーシェ(―― こ れ で す っ ! ! ! )ゴゴゴゴゴゴゴ!




……


――

――

……



ルーシェ「――ので、こんな枕を作りたいんです……!」バン!


ロウル「……ルーシェさん、お疲れなんですか?」


ルーシェ「ロ、ロウルさんなら色々な生地も、お裁縫道具も持ってるって……!」

ロウル「まあ、アベルさんの為に色々と用意はありますけどね?」

ロウル「でも、その……なんですって?」

ロウル「よ、夜のお誘いの是非を枕に刺繍するって……///」

ロウル「どこでそんな知識手に入れちゃったんですか///」

ルーシェ「あぅ……///」

ロウル「大方、王国というかスカーレットさんなんでしょうけど……」

ロウル「そんなにその……アドルラン様をお誘いしたいんですか?///」

ルーシェ「は、はい……///」

ルーシェ「その、最近は特に、もう、我慢が……///」モジモジ…

ロウル「おぉぅ、あのルーシェさんがこんな真っ赤に……」

ロウル「でも、私も少しその気持ちはわかります」

ロウル「な、なんか面と向かって自分の想いをぶつけるって色々な意味で恥ずかしいですものね///」

ルーシェ「……///」コクコク!

ロウル「特に私達……というかアベルさんなら大丈夫なんですけど、アドルラン様は真面目過ぎるところもありますからね」

ロウル「こっちから攻勢に出るというのも、悪くないでしょう」

ロウル「よし! ルーシェさんの頼みとあらば、私も一肌脱ぎましょう!」

ロウル「可愛くて寝心地もいい最高の枕をご用意しますよ!」グッ!

ルーシェ「あ、ありがとうございます……!」ペコリ!

ルーシェ(あ、あとは下着を買いに行って……///)



ロウル「さてさて、どの生地にしましょうかね……」ゴソゴソ…

ロウル(しかし、枕で想いを伝えるという発想はありませんでしたね)

ロウル(……)


追加特殊判定
↓1コンマ二桁

お誘い枕、アベル隊にも導入する?

85<93(わ、私も使ってみたいですね……///)パタパタ

※エピローグ、アベル隊ヒロインズの子供誕生率に追加補正

――

短いですが、判定を取った辺りで今日はここまで
……帝国の未来は皇子皇女が沢山いるかもしれませんね(白目)
(ルーシェが綺麗に51以上のため、ヒバリ共々こちらにも補正入るので)

この後はアドルランサイド→本番はない筈だけど三人ベッドイン→とある判定で終了
その後エピローグに向かっていく流れになるかと思います

本日もありがとうございました!

こんばんはー
更新停滞して申し訳ないです……
なんとか明日には再開できると思いますので、よろしくお願いします
そして先に判定も取っておきます
↓1コンマ二桁

こんばんはー
間が空いてしまいましたが、少しづづ再開します

お誘い枕、アベル隊にも導入する?

85<93(わ、私も使ってみたいですね……///)パタパタ

※エピローグ、アベル隊ヒロインズの子供誕生率に追加補正

――


ロウル「……い、いいかもしれませんね」

ロウル「あまり口にしてお誘いというのも恥ずかしいですし……///」

ロウル「それに逆にお断りができるというのも、いいかもしれません」

ロウル「アベルさんのあの体力なら、私達まとめて相手にしても平気そうですし……」

ロウル「もし、もしその勢いを疲れた私に一人に向けられでもしたら……///」

ロウル「~~~~~っ!///」プシュー…!

ロウル「だ、駄目です/// ぜぇったい帰って来れなくなりますね……///」パタパタ!

ロウル「まあ、優しいアベルさんのことです。私達が疲れている時にそんな無茶をするはずもないですけどねぇ」

ロウル「……」

ロウル「れ、連日あえて『非』の字を見せ続けることでアベルさんを焦らすこともできるのでは……!?」ピコーン!

ロウル「うんうん、やっぱりなかなか面白そうな枕ですよ!」

ロウル「よし、ルーシェさんと私達の分、張り切って作っちゃいましょう!」グッ!

ロウル「さてさて、そうなるとまずは……」ゴソゴソ…




……


――

――

……

【聖国・聖王宮】


アルフ「――では、この方針で行くとしよう」

アドルラン「ああ。これならば両国の関係もより改善される筈だ」

アルフ「すまないなアドルラン。わざわざ出向いて貰って」

アルフ「本来であれば私が帝国に向かうべきなのだが……」

アドルラン「ははは、なにこれくらい」

アドルラン「聖国も先日の件で混乱は収まりきっていないのだろう? ここで君が聖国を離れるのは得策ではない」

アルフ「そう言って貰えると助かるよ……」

アルフ「王国も事後処理に追われていると聞くが、やはり件の腐竜王の存在は大きい」

アルフ「大元はそれを招き入れたとも言える兄さんだ。少数とはいえ、風当たりが強くなっているのも事実」

アルフ「私とリーナに出来ることは、ただ誠意を持って贖罪を続け、これ以上民に不安を与えないことだけだ」

アドルラン「困ったことがあれば、言ってほしい。微力だが、力になろう!」ドン!

アルフ「ふふ、次期皇帝が微力なわけがないだろう?」

アルフ「……そう言えばアドルラン?」

アドルラン「ん、どうした?」

アルフ「お前が二人の女性を妻にするということは既に聞いたが……」

アドルラン「……///」ポリポリ…

アルフ「それは大変喜ばしいことだと私は思うし、神も祝福を授けてくださることだろう」

アルフ「それでふと、気になったのだが……」







アルフ「――彼女達とはもう愛を深め合ったのか?」ズイ!






アドルラン「!?」ゴフッ!


特殊判定結果(>>526

アドルラン、内心どれだけ溜まってるの?

40>35(全く性欲がないわけじゃない。でも、大切に想っているからこそ抑え気味)


※基準値を下回った為、次期皇帝の実直さは筋金入りのようです


――


アドルラン「と、突然何を言いだすんだアルフ……!?」ゴホゴホ…

アルフ「す、すまない。そこまで慌てるとは思わなかった」

アルフ「いやな、私に勝るとも劣らぬ程にお前は時間があれば鍛錬鍛錬という男だろう?」

アドルラン「まあ、否定はできないかな……」

アルフ「そんな男が、突然二人も妻にするというんだ。驚かないわけがないだろう?」

アルフ「私と似ているようで、実は内心では女性に飢えていたのかと、今後の私の観察眼を養うためにもだな」

アドルラン「ん、んんっ! べ、別に私はそこまで飢えていたわけではないぞ!?」

アルフ「なんだ、そうなのか。となるとやはり私と同類か……」

アドルラン「まったく。そういうアルフこそ、そろそろ身を固めるべきなのではないかな?」

アルフ「はははは! 今の私の言葉を聞いていなかったのか? 飢えていないお前と同類……私も女性には然程興味がないんだ」

アドルラン「だ、大丈夫なのか?」

アルフ「今の私が為すべきことは贖罪であり、そういった点からも結婚などは当分先のことだろう」

アルフ「それにリーナとも話し合っている最中だが、兄さんも聖王の地位には興味を持っていなかったからな」

アルフ「いっそのこと、聖国から聖王という存在を無くしてしまおうかという案も出ているんだ」

アドルラン「それはまた随分と思い切ったものだな。しかし確かに、これまでの聖国は聖王に傾倒しすぎていた面もあるか」

アルフ「その通り。だから私が結婚できずとも、さほど聖国に影響はでないのではないかと思っているよ」

アルフ「……無論、今しばらくは私かリーナのどちらかが聖王の座につき、ゆっくりと根幹を変えていく必要はあるだろうがな」

アルフ「だから、私や聖国のことは気にしなくていい。今はお前の方だぞアドルラン?」ズイ!

アドルラン「きょ、今日は随分と食いついてくるな……!?」アセアセ



アルフ「王国も聖国も、まだまだ処理することは多い」

アルフ「それは帝国も同じこととは思うが……決定的に私達の国とは違う点がある」

アドルラン「?」

アルフ「――お前やアベル皇子達の盤石さだよ」

アルフ「お前は元より兵や民からの信望は厚かったというだろう?」

アルフ「それにアベル皇子達の功績を考えれば、王国も聖国も帝国に大きな恩がある状況だ」

アルフ「そして圧倒的な武力も保有し、万が一にも少数の反乱分子程度では今の帝国は揺るがない」

アルフ「ここでお前が新たな皇帝となり、加えて結婚もするとなれば……いよいよ帝国は安定すると思うのだがな」

アドルラン「そ、そんなに上手くいくものだろうか?」

アルフ「大丈夫だ。聖国もそうだが、今しばらくはまだ国の柱となる存在は必要であり、お前にはその資質は十分にあるよ」

アルフ「そして結婚して妻が二人となれば……民はおそらく、新たな皇子か皇女の誕生を楽しみにすることだろう」

アドルラン「うむむ……そういうものなのか?」

アルフ「めでたい報せは人々を喜ばせるものだ。ましてやそれが、国の中心人物ならばな」

アルフ「だからこそ私も、少し気になったのだ」

アルフ「しかしその反応からするに、結婚は決めたがまだ愛は深め合っていない……」

アルフ「――まさかとは思うが、望まぬ結婚だったのか?」

アドルラン「そんなことはない!」ダン!

アルフ「!!」

アドルラン「す、すまない」スッ…

アドルラン「……そんなことはないんだ」

アドルラン「……私も、全くそういう欲がないわけではない」

アドルラン「どころか割と最近になってから、自分にもそういった欲求があるのだと改めて認識できた」

アルフ(逆に言うとやはり最近までは鍛錬一筋か……)

アドルラン「ただ、その、なんだ……///」モジモジ…

アルフ「ん? どうしたアドルラン。珍しく歯切れが悪いぞ?」

アドルラン「改めて、自分の欲と向き合ってわかったのだが……」ゴソゴソ…






ネコミミ「……」スッ…






アドルラン「――どうにも私は一般的な人とは異なる性癖の持ち主だったようでな///」テレテレ

アルフ「待て待て待て待て!? まるで意味がわからないぞ!? なんだこれは!?」ガーン!





アドルラン「こ、これは以前……ヒバリがつけていたものなのだがな?」

アドルラン「これをつけた彼女を見て、私は何故か心がざわめいたんだ」

アドルラン「それだけじゃない。普段とは異なる水着やドレスを着た彼女達にも心を揺さぶられた!」

アドルラン「果ては彼女達に限らず、可愛らしい装束を纏ったロウル君すら持ち帰りたい衝動に駆られて……っ!」クッ…!





アドルラン「間違いない――私は、普段見慣れた姿とは違う姿に興奮を覚える特殊性癖の持ち主だったのだ……!///」




アルフ「……」

アルフ「…………」

アルフ「アドルラン、神の教えにこんなものがある」

アルフ「――そこに愛があれば問題ない!」ダン!

アドルラン「し、しかし大丈夫だろうか?」アセアセ

アルフ「確かに、お前の公務の荷物の中からその得体の知れないブツが出てきたことには私も混乱したが……」

アドルラン「さ、流石に部屋には置いておけないんだ。ルーシェに掃除されて見つかったらと思うと……///」

アルフ「だからといって私に見せられると、代わりに私が混乱するんだがな……」

アルフ「私にはよくわからないが……つまりはアドルラン、こういうことか?」

アルフ「お前が選んだ女性二人は大切な人ではあるが、長く共に在りすぎて性欲を向けにくい」

アルフ「しかしだからこそ普段と違う姿になられると、興奮してしまう」

アルフ「そんな自分が彼女達を穢してしまわないか、或いは自分が軽蔑されないか……これを気にしているのか?」

アドルラン「は、恥ずかしながら……まさにその通りだ……///」

アドルラン「彼女達は、本当に私には勿体ないくらいに素晴らしい女性だ。返しきれない程の恩もある」

アドルラン「告白も……本来であれば私がすべきところを、彼女達からさせてしまったんだ」

アドルラン「ならばせめて、その……夜の誘いくらいは、私からと思ったこともあるんだぞ?」アセアセ

アルフ「……そして自分の性癖を再認識、言い出しにくいと」ハァ…

アドルラン「うむ……それにやはり、正式な婚姻前には不味いという思いもある」

アルフ「ならばすぐにでも式を挙げればよいではないか? 私達も全力で支援するぞ?」


アドルラン「それはありがたいが、やはり色々と問題があってだな……」

アルフ「問題?」

アドルラン「ああ。まず、帝国の情勢だ」

アドルラン「確かに王国や聖国と比べた場合、帝国は比較的落ち着いていると言える」

アドルラン「しかし当然、現状に不満を持たないものも0ではない」

アルフ「……そういえば、先日そちらから暗将隊が送られてきたな」

アルフ「しかしあれはどちらかといえば、我が国が生み出してしまった産物だ」

アルフ「それにあの実力であれば、お前達ならば楽に制圧できるだろう?」

アドルラン「……仮に制圧できたとして、そもそも争いが起こらない状態になってから式は挙げたいんだ」

アドルラン「ヒバリは、私の補佐や事務的な仕事が多い。荒事はあまり得意ではないんだ」

アドルラン「ルーシェは私とも組手をしてくれるが、本当は臆病で繊細な子だ。根っから戦いたがる子ではない」

アドルラン「現状への不満が残っている状態で、私ではなく彼女達が狙われたら……それを考えると、な」

アルフ「ふむ……」

アドルラン「それに、真っ先にめでたい報せを国に流すならアベルやカインの方が先だとも思うんだ」

アドルラン「……私が、もっと昔からしっかりしていれば、避けられたかもしれない出来事」

アドルラン「私の弟達は、あまりにも苦難の時間が長かった。その分、今からでも……」

アルフ「やれやれ。長兄というものは、国が違えどあれこれ悩む生き物らしいな」

アルフ「だがアドルラン、確かにお前の考えも理解できるが……」

アルフ「――二人の妻を大切に想っていることは、間違いないんだろう?」

アドルラン「それは勿論、聖国の神にも誓おう!」

アルフ「ならば、進め」

アルフ「式を挙げるのを遅らせるのは別に構わない」

アルフ「だが、今一度彼女達と触れ合う時間は設けてみるべきだと、提言しておこう」

アルフ「大切な人であっても……距離を取り続けていると、いつの間にか手の届かない場所に行ってしまうからな」

アドルラン「アルフ……」

アルフ「安心しろアドルラン。お前が選んだ女性達ならば、お前が多少変な性癖でも受け入れてくれる筈だ」

アルフ「自信を持って臨め。次の公務の時は、良い報せを期待しているぞ?」フッ…

アドルラン「……ああ! ありがとう!」グッ!


……

――

――


……数日後……

【帝国・王城】



ピシャーン!


ゴロゴロゴロ…


ヒバリ「ひゃー、本当に酷い嵐だね……」

ヒバリ「確かにこの天気じゃ、あんまり寝付けないかもしれないけど……」チラ…


ルーシェ「……」ドキドキ…

是非枕「……」フカフカ


ルーシェ「……こ、好機、です!」フンス!

ヒバリ「『雷怖いからアドルランと一緒に寝よう作戦』って……大丈夫かなぁ?」

ヒバリ「ルーシェはまだ通用するかもしれないけど、私別にこの程度は平気っていうかいい大人だし……///」

ルーシェ「だ、だって……!」ワタワタ

ルーシェ「アドルラン様と、い、一緒に、寝よう、なんて、普通に、言えません……!///」カアアァァ!

ヒバリ「そ、そりゃ私もそうなんだけどね……?///」

ルーシェ「も、潜り込めさえすれば、あとは、こっちのもの、です……!」

ルーシェ「わ、私とヒバリさんで、アドルラン様を左右から、押し潰します……!///」

ルーシェ「こう、むぎゅっと……!///」

ヒバリ「……わ、私もあんまりそっちの知識深くないんだけど、ルーシェの考えはわかったよ///」

ヒバリ「わ、私はまだそんなに急がなくてもいいかなーって……///」アセアセ

ヒバリ「ルーシェが我慢できないなら、ルーシェ一人でも――」

ルーシェ「だ、駄目……!?」ワタワタ

ルーシェ「ヒバリさんも、一緒じゃなきゃ、駄目です……! 色々な、意味で……!」ブルブル…

ヒバリ「うー……覚悟を決めなきゃ駄目かなこれ……」

ルーシェ「だ、大丈夫……!」グッ!

ヒバリ「な、なんか枕抱えてアドルランの部屋に行くのなんて、子供の時以来だよ……」ギュ…

普通枕「……」

ヒバリ「でもルーシェの枕、なんだか可愛いね?」

ルーシェ「ロウルさんに、無理を言って、作ってもらいました……///」

ルーシェ「こ、これで……!///」ゴクリ…


コンコン


ルーシェ「――アドルラン様?」



……


――

――


……


【王城・アドルラン私室】



アドルラン「……///」ドキドキ…


ルーシェ「……///」ドキドキ…

ヒバリ「……///」ドキドキ…




アドルラン(ど、どうしてこうなった……!?)

アドルラン(確かに外の嵐は酷いが、まさかヒバリまで……)





アドルラン(大きめとはいえ、この寝台で三人は少々狭い……)

アドルラン(そして私が中央部分ともなれば、必然的に……///)


ムニュ! モニュ!


アドルラン「……///」カアアァァ…!

アドルラン(い、いかん……!)

アドルラン(アルフはああは言ってくれたが、やはり男としては……)



ルーシェ「……」ドキドキ…

ヒバリ(こ、これまずいってルーシェ……!?///)ドキドキ…


是非枕「……」


ルーシェ「……っ!」



特殊判定
↓1~3コンマ二桁

うわあああああぁぁぁぁぁ!?(白目射出)
油断していたら久々の開幕ゾロというか、いや本当にもう凄いとしか……
女神の祝福無くともこれだもんなぁ(白目)

主従川の字ベッドイン、どうなる?


1アドルラン(性欲抑え目の為-補正有)

コンマ22

 2 2


偶数ゾロ目: 弾 け る 第 一 皇 子

※エピローグ時、ヒバリ&ルーシェ妊娠確定(白目)


2ヒバリ

92(……私だって、女なんだからね?)>85

※基準値を超えた為、アドルランに……?

※アドルランの判定により妊娠→出産済確定


3ルーシェ(是非枕により大補正有)

85>17+50(……や、やっぱり無理です恥ずかしいっ……!///)

※勝負に出ましたが、基準値を下回ってしまった為、手を出せず……

――


判定を取ったあたりで今日はここまで。アドルランは本当に要所要所で綺麗に荒ぶるから困ります
……流石にがっつり本番描写はできませんが、偶数ゾロ目が出てしまったので簡易ですが少し描写有になります(白目)
そしてまさかのイケイケルーシェだけはブレーキというのが、ある意味ルーシェらしいかも?


本日もありがとうございました!

こんばんはー
遅くなりましたが、少しだけ投下していきます
最後のまとめての判定はどのあたりで取るべきかなぁ……

――



――頭の奥が、痺れてしまう――


ルーシェ「っ……」ドキドキドキドキ…


――自分は、我慢のできないはしたないメイドだという自覚はある――


ルーシェ「……ぁ……」


――それを自覚した上で、秘密の道具まで用意して、この場に臨んだのに――


ルーシェ「ぁぁぁ……///」カアアァァ…



――最後の一歩が、踏み出せない――


――大好きな人に身体を密着させているというだけで、もう何も考えられない――


ルーシェ「ん……///」ギュ…

アドルラン「……///」




ルーシェ(ふわあああぁぁぁぁぁ……/// アドルラン様の匂いが……///)ドキドキ!

ルーシェ(腕、逞しくて……!/// こんなに……///)コスコス…

ルーシェ(これだけ、で……おかしく、なっちゃいそう、です……///)コスコス…

ルーシェ(どうしよう、こんな状態で、だなんて……無理……です///)クチュ…

ルーシェ(まずは、アドルラン様の逞しさに慣れないと……///)

ルーシェ(きょ、今日のところは……)クル…



非枕「……」ノー!



アドルラン(ル、ルーシェが寝苦しいのか身体を私の腕に……///)

アドルラン(い、いかん! 彼女は怖がってここにやってきたのだ。落ち着くんだアドルラン……!)




左腕に感じる柔らかな感触と温もり。
うなされているのか、その身体は小さく擦り動いている。
その動きにあわせて少女の身体の起伏を嫌でも感じ取ってしまう。
着崩れてしまった夜着からは、ちらりと可愛らしい下着までもが覗いてしまっている。


「っ……」


小さく喉を鳴らしてしまったかもしれない。
節度を心がける第一皇子としては、見てはいけないという思いはある。
しかし震える少女の着衣を正し、落ち着かせるために軽く抱きすくめるためにも、そちらを向く必要がある。
少しだけ。
細身のルーシェだ。本当に軽く腕を回す程度でいいだろう。
そう考え、右腕をまわそうとするが……


「――ねぇ、アドルラン?」

「っ……ヒバリ、起きていたのか?」


長年の親友から声をかけられ、それができなくなってしまう。
そして改めて自覚する。
右腕は、左腕以上にしっかりとヒバリの腕が回されていることに。


「――私も、全く無知ってわけじゃないんだ」

「――アドルランなら、わかるでしょう?」


落ち着いた、しかしどこか艶を含んだ声が部屋に響く。
まさか。一瞬頭を過ぎった考えを即座に打ち払う。
彼女は育ちの良い……それでいて自分よりも下の存在を見下さない、本当に高貴な女性だ。
当然、教養もある。貴族の娘として弁えるべきこともわかっている筈だ。


「――わ、私だって、女なんだよ?」


耳元で囁かれたその言葉は、第一皇子の全身を震わせるには十分過ぎた。
僅かに言い淀んだそれは、彼女もまた羞恥の感情を覚えていることの証明でもある。
自分だけではなく、彼女も緊張をしているのだと安堵できる反面……
そんな彼女が勇気を振り絞り、我慢の限界と差し迫っているという状況をつきつけてくる。


「ヒバ、リ……」


耳から侵入してきた言の葉は、そのまま頭の中を掻き回す。
ここでどう接するのが、正しい行動なのか。それが即座に判断できない。
豪胆で通っているアドルランも、こればかりはどうしようも無く焦りを覚える。


(ル、ルーシェはまだ動かないのかな……?)


そして焦りの感情を持っていたのは、当のヒバリも同じこと。
元々彼女もアドルランとの長年の付き合いのせいか、結婚の願望はともかく初夜は焦るつもりではなかった。
しかし自分よりも先に、何かと世話をかけてしまうルーシェが限界寸前の様子だった。
共に同じ主人、アドルランを支えて行動を共にしてきた身。
臆病な癖に頑張り屋で、放っておけない子。妹の様にすら思えるルーシェを手助けしたいと思ってしまった。


(ど、どうしよう。ルーシェが動いてくれないと私も動き方が……)


彼女たっての願いで、共にこの一夜に臨んだとはいえ。
ヒバリの夜の知識は、決して深いものではない。
名門の貴族出身であるが故……というよりも、過保護な父親の教育方針のせいではあるのだが。
とにかく、その方面の知識ではルーシェの方が上手なのは事実。
そんな彼女が、両側から男を挟み込んで誘惑するなどという作戦を立案したのだ。

勿論、流石のヒバリもその意図はわかる。
同時に追い込まれているルーシェのなりふりの構わなさも。
いよいよ今日、さらに一歩踏み込むのかな……そう覚悟を決めていた。
たとえ正しい流れに関する知識が不足していても、両側から迫る……
つまりは反対側のルーシェの動きがわかるため、それを参考にすれば大丈夫という認識だった。


(おーい、ルーシェー?)

(……あぅ、あぅ……)


だが、彼女はまだ動かない。
予定では交互に攻める手筈だったのだが……
不思議に思い、反対側のルーシェをちらりと見やれば、暗がりでもわかる程に赤面した彼女の顔があった。


(あっ……あー……)


その顔だけで、ヒバリは事態を察した。
ルーシェとは共に過ごした時間も長い。
当然、彼女が本来は控えめな性格であることも、怖がりなことも知っている。

あの顔は、駄目な時の顔だ。

ヒバリはそう確信した。
どれだけ我慢できず、勢いよく攻めようとしても、本質は変わらないのだ。
彼女にこれ以上の無理強いは酷というものだろう。


(さて、そうなると……ど、どうしようかなこの状況?)


この土壇場で竦んでしまった彼女を責めることはしない。
しかし冷静になって考えるとなかなか危ない状態であると、ヒバリはどことなく他人事のようにそう考える。
片や、妙な事は口にせず腕に縋るだけの見た目清楚な女の子。
対するこちらは、もう自分が無知な女ではないと口にしてしまっている。
もう、後に引くことはできない。だというのに、知識があまりにも不足している。
ひっそりと、詰んだような状況だ。


「ほ、ほら。アドルラン……」

「ま、待ってくれヒバリ。ルーシェが……」

「ルーシェなら大丈夫だよ。ん……」



それでも、言葉通りまるで無知というわけでもない。
相手に対して、最大の敬愛の感情表現としての口付けくらいは知っている。
そして自分も、いい加減にこれくらいは……そう思っていた行為でもあった。


「ん……んっ……!」

「んむ……!」


技量は無い。触れて軽く食む程度のもの。
しかしそれでも、それはお互いにとって大きな前進には違いなかった。


「ヒバリ……」

「っは……ねぇ、アドルラン……?」


離れた口から、熱い吐息が漏れる。
次いで紡がれる言葉は、彼女の黒髪と同じく実に艶のあるもので。


「――このまま、続きしちゃう?」

「――っ!?」


背筋が震える。
彼女の言葉通り、自分も決して無知ではない。
数多の女性に手を出した弟程ではないが……最低限の知識は備えていると自負できる。
この言葉の意味も、彼女が何を望んでいるかもわからないわけがない。
そして……

己の股間部分に、既に血液が集中していることにも、気がついていた。


「ヒバリ……」

「アドルラン……」


お互いが顔が熱くなっている自覚を持っている。
ここまで来てしまえば、本当にもう引き返すことは……



「んぅ……」


「「!!」」



そこに割りいってきたのは、少女のくぐもった声だった。


「ル、ルーシェ……んぉっ!?」

「はむっ! んっ……んじゅっ……!」


顔の向きを変えたアドルランの唇が、突然奪われる。
誰が、などとは考える必要もない。この場にはもう一人しか残っていないのだから。
そしてそれは、先程のものよりも深く、淫らな水音が漏れる代物でもあった。


(う、うわぁ……キ、キスってああするのが正しいんだ。勉強しないと……)


ようやく動いてくれた相方の情熱的な口づけに赤面しつつも、ヒバリはその光景から目が離せない。
相変わらず真っ赤に染まったままだが、一心不乱に舌を絡めようとするその姿は、どこか愛らしく見えた。


「はぷっ……あ、ああぁぁぁぁぁ……!?」

「「ルーシェ!?」」


だが、それだけでルーシェの顔はさらに赤く染まり果てた。
何事かと心配になるが、それは杞憂に終わる。



「ご、ご、ごめんなさいアドルラン様、ヒバリさん……!」

「わ、割りこんじゃったのに、でも、でも……!」

「や、やっぱり――恥ずかしい……!」



心底申し訳ないといった表情で、しかし顔は赤くしたまま。
両手をぱたぱたと動かしたかと思えば、思い出したように枕を拾い上げてそこに顔を埋没させる。
一呼吸置いたかと思えば、その枕の面を確認した彼女はおずおずとその枕を差し出した。







『非』







「ぷ……あはは! うん、頑張ったねルーシェ。やっぱりまだ無理はしちゃ駄目ってことだよ」


それを見たヒバリは小さく笑うと、あやす様にルーシェの頭を優しく撫でる。
間に挟まれた第一皇子は、少し混乱しつつもその様子を見守った。



……


――

――

……


ルーシェ「ほ、本当にごめんなさい……///」プルプル…

ヒバリ「もう、だから慌てる必要は無いって言ったのに」ナデナデ

ルーシェ「ヒ、ヒバリさんだけでも……」プルプル…

ヒバリ「い、いやそれもちょっと……///」カアァ…

ヒバリ(私、ルーシェみたいにあんな凄いキスまだできないし……///)ボソ…

ルーシェ(あ、あれは……///)ワタワタ


アドルラン「……」


ヒバリ「あ、アドルランもなんかごめんね……!///」アセアセ

ヒバリ「私、その……さ……///」

アドルラン「い、いやいいんだ二人とも。私こそ、軽率だったかな……///」

アドルラン「はは……」ドキドキ…

ルーシェ「……あ……」

アドルラン「!?」ドキッ!


アドルラン股間「……」モッコリ…


ヒバリ「きゃ……!?/// アドルラン、それって……///」

ルーシェ「……///」

アドルラン「……す、すまない。最初にヒバリに囁かれた時から実は……もしかして、と期待してしまってな……///」

アドルラン「もう少し自制心はあるつもりだったんだが、私も所詮は男ということかな……」

ヒバリ(あ、あれがアドルランの……)ゴクリ…

ルーシェ「あの、アドルラン様……」


ルーシェ「ごめんなさい、私……」ショボン…

アドルラン「ルーシェが謝ることはない」ナデナデ…

アドルラン「その……さっきのあれも、だな……次は、もっと……///」

ルーシェ「~~~~っ///」パタパタ!

ヒバリ「あはは、失敗しちゃったけど……少しは、私達の気持ちもわかってくれたかな?」

ヒバリ「まあ、見ての通り私は技術が足りてないし、ルーシェは恥ずかしがり屋なんだけどさ……」ポリポリ…

アドルラン「……いや、私も未熟だよ。それを聞いても、まだ衰えてないからね……」ギンギン!

ルーシェ「ご、ごめんなさい……! せ、せめて手で……!」ムギュ…

アドルラン「ぬおっ!?」ビクン!

ヒバリ「わっ/// あ、ああやって握るの……?///」

アドルラン「ふぐ……お、落ち着いてくれルーシェ、大丈夫だ……」ソッ…

ルーシェ「あ……」

アドルラン「……君達を、ここまで追い込んでしまったのはやはり私の責だろう」

アドルラン「だが、私は君達を傷つけたくなかった……それだけは信じて欲しい」

ヒバリ「アドルラン……」

アドルラン「……だが」

アドルラン「――もう、お互いの気持ちも確かなようだ。今度は……私も抑えきれる自信はないぞ?」

二人「「あ……///」」

アドルラン「……とはいえ」

ルーシェ「?」

アドルラン「私も未熟だが、やはりヒバリとルーシェにはまだ早いのではないかという不安も……」

ヒバリ「だ、大丈夫だからアドルラン! も、もっとちゃんとアドルラン悦ばせられるようなこと勉強するから!」ズイ!

ルーシェ「わ、私も……! つ、次はこちらの面を向けて……!」アセアセ

アドルラン「うーむ……私ももう、我慢が難しそうだ。しかし二人に負担をかけないようにするにはどうすべきか……」

アドルラン「むむむ……」

アドルラン「――はっ!?」ピコーン!




アドルラン「――ならば、三人で共に勉強すれば怖くないぞ!」ポン!


二人「「!?///」」


アドルラン「うむ! 困ったときは協力しあうのが一番だからな! 我ながら妙案だ!」ハハハ!

ヒバリ「ま、待ってアドルラン///」アセアセ

ヒバリ「流石の私も、それが普通じゃないってことはわかるよ……!?」

ルーシェ「……///」コクコク

アドルラン「しかし、ヒバリ。やはり君は淑女として育てられてきた影響か、やはりこういったことにはまだ疎いのだろう?」

ヒバリ「そ、それは……もうっ!///」

アドルラン「そしてルーシェは、勉強はしているようだがやはり恥ずかしい」

ルーシェ「はい……///」コクリ

アドルラン「かく言う私も、特別優れていたり知識を持つわけではない」

アドルラン「――私のこの想いを、しっかりと二人の身体に刻み込むには些か不足しているだろう」

二人「「……!」」ゾクゾク…!

アドルラン「だからこそ、三人で……深く愛し合える日の為に、勉強をするのはいい手だと思ったのだがな」

アドルラン「お互い、何をされるかわかっていれば恐怖も薄まるだろう?」

ヒバリ「そ、それはそうだけど……///」

アドルラン「ルーシェとは、普段からこうしてもう少し深く接するべきかな?」ギュッ…

ルーシェ「はわぁ……!?///」ボッ!

アドルラン「そ、それにだな……///」

アドルラン「――この際だから、私も包み隠さず言ってしまおう」




黒ネコミミ「……」ジャーン!

白ネコミミ「……」ジャーン!




二人「「!?」」

アドルラン「わ、私の性癖の理解をしてもらう為にも、勉強は必要だと思うんだ……///」



おまけ特殊判定
↓1コンマ二桁

判定を取ったあたりで今日はここまで
この後もう少しだけやり取りの後、次はアベルとエリスの結婚式となります

ヒロインズの妊娠判定等ですが流れに合わせてエピローグ直前に取るか、近いうちに先に判定→公開して女神の祝福を使うか否か
どちらにすべきか少々悩んでいます。こっちの方がいい、あるいはこの時ににという考えがある方は、ご意見お願い致します

本日もありがとうございました!

こんばんはー
綺麗に意見が割れてしまっていますが、同票の時はコンマ採用がこのスレ……
そして00が飛び出ているので、先行判定とさせていただきます
……実は先行でヒロインズの子供だけは取っておかなければ不味い事態にも気が付きましたので、ちょうどよかったかも……
第一段階の妊娠状態ならともかく、出産しているとなるとその子達の名前が必要でした(土下座)
赤ん坊の括りにすることもできますが、やっぱりここまで来たら一瞬の出番でも名前はつけてあげたいなと……

今日の更新はお休みさせていただきますが、↓1から自分のレスを含めていくつかコンマを拾っていきたいと思います
(祝福使用が考えられる重要なもののみ。ちなみに昨日のおまけ判定はヒバリとルーシェのネコミミ許容判定で二人とも許容の結果です。
 ほどほどに量が多いため、無理に埋める必要もありません)

どれだけ子供が生まれているかはわかりませんが、さしあたってアドルランとヒバリの子の名前はお手すきの方がいらっしゃれば案をお願いします
全員生まれた場合は……その時考えましょう(白目)
それではよろしくお願いします

おつおつ
さてエリス・ヒバリ・ルーシェは確定として他は何人産まれるかな

ヒバリの子供については男なら『セッカ』女なら『カエデ』とかどうだろ
(由来はヒバリ科と同じくスズメ目に属するセッカ科・カエデチョウ科から)

こんばんはーってウボァー!?(白目射出)
また開幕ゾロ目っていうかよりによってぇ!?

1:ヒロインズ妊娠&出産済判定(キアラはプラトニック思考と前のゾロ目相殺で補正-20、アベル隊は枕効果で補正-15)

・エリスは女の子(アリス)確定の為除外。ヒバリは子供確定、ルーシェは妊娠確定済のため性別のみ
・コンマ偶数で女の子。奇数で男の子。ゾロ目確定早期出産(エリスと同速)
・00で双子。性別は多数決決定
・第一基準25(3年後に妊娠中)第二基準50(3年後に子供生まれてる)
・ついでに高コンマ程妊娠欲求大(フレーバー)
>>567より

1キアラ:
コンマ11

 1 1

奇数ゾロ目=男の子早期出産確定!


やりやがったなマックス(白目)

ちょっと混乱状態ですが、今からほかのコンマを拾って表をまとめたら、アドルラン小話終了まで投下しようと思います

――どうしてこうなった(爆発四散)

少々お待ちくださいっていうか判定結果これ全部私の首締まってる!?

1キアラ:
コンマ11

 1 1

奇数ゾロ目=男の子早期出産確定!


2アーシャ:38>35…女の子出産確定!

3シア:46>35…女の子出産確定!
4ティア:94>35…女の子出産確定!

5ヒバリ:39…男の子出産確定!
6ルーシェ:35…男の子妊娠確定!

7パトラ:64>35…女の子出産確定!

8エメリナ:83>50…男の子出産確定!

9ロウル:42>35…女の子出産確定!

10アイナ:82>50…女の子出産確定!
11スミレ:94>50…女の子出産確定!


2:各イベント特殊判定結果

1エリスお尻判定

コンマ44

 4 4

偶数ゾロ目:堕ちちゃいました……///

※アベルに完全に開発されてしまったようです(白目)

2お祖父ちゃんになったギルバート。流石に落ち着いた?

75≧75
※基準値と同値の為、多少丸くなれど変わらず。孫との試合を夢見てまだ強くなる

3フィーアの3年後の成長。コンマ二桁目身長、一桁目胸部。0(無成長)~9(急成長)で判定

コンマ09

身長:0(ほぼ変わらず)
胸部:9(大好きなお姉様と一緒)


※ 犯罪臭しかしない合法ロリ巨乳に成長したようです(白目)



…… ど う し て こ う な っ た

処理すべき事柄が最後の最後で雪崩れてきました(白目)
とりあえずエリスの結婚式と結婚初夜にかなり時間を費やしかねないので、その間に皆さん子供の名前お願いします(バック宙土下座)
ちょっと落ち着いたら再開します

特殊判定結果(>>559

58>50

※基準値を超えたため、二人ともネコミミ許容!

――


ヒバリ「こ、これ……前に私が酔った勢いでつけたやつ……///」カアァァ…

アドルラン「そ、その通りだ……///」

ルーシェ「ふ、二つあるのは……」ゴクリ…



アドルラン「――私は、君達の普段とは違う姿に特に興奮を覚える、特殊性癖の持ち主だ!!!」クワッ!



二人「「!?」」

アドルラン「もし……それでも構わなければ……」


ヒバリ「く、くくく……!」プルプル…

アドルラン「ヒ、ヒバリ?」

ヒバリ「馬鹿だね、アドルランったら」スッ…




黒猫ヒバリ「にゃ、にゃー……!///」



アドルラン「」


クイクイ…


アドルラン「!?」ハッ!



白猫ルーシェ「にゃ、にゃんにゃん……?///」



アドルラン「」


アドルラン「」ムクムクムク!


ルーシェ「ひゃわぁ!?」ズザ!

ヒバリ「す、すごい。前よりも効果あるみたいだね……///」カアァァ…


アドルラン「――はっ!?」

アドルラン「い、いかん! 鎮まるのだ私……!」グググ…!

アドルラン「……ふぅ」

ヒバリ「も、もう。反応してくれるのは嬉しいけど、そんなに辛いなら……///」

ルーシェ「お、お口でなら……///」レロォ…

アドルラン「い、いや。今日は止めておこう……」スッ…

アドルラン「さっきも言ったが私も君達も、もう少しばかり準備がいる」

アドルラン「特に、初夜というものは大切だからな」

ヒバリ「ま、まあ、そうだよね……///」

アドルラン「しかし、二人ともありがとう。私のこの性癖も普通に受け入れてくれるのだな……」

ヒバリ「もうっ! 何年アドルランと一緒に過ごしてきたと思ってるの!」パシパシ!

ヒバリ「この程度でアドルランが喜んでくれるなら、尻尾も辞さないよ!」

ルーシェ「わ、私も……もっと勇気をもって、次は……」クルリ

是枕「……」

ルーシェ「ア、アドルラン様と、一緒になりたい……///」

アドルラン「ああ。私も、君達にこの想いを刻むその日を心待ちにしているよ」

ヒバリ「待っててアドルラン! すぐに知識取り入れるからね!」フンス!

ルーシェ「いざとなれば……アイナさんと、エメリナさんもいます。こ、怖くないもん……!」グッ…!

ヒバリ「わ、私はもう少し初歩の方からちゃんと勉強したいかなーって……」アハハ…

ヒバリ「……」チラ…


ネコミミ「……」


ヒバリ「……ねえアドルラン?」

アドルラン「ん?」

ヒバリ「そのさ……」




ヒバリ「――初夜の時は、ネコミミとドレス、どっちがいい?///」



アドルラン「」




……

――

――

……


ロウル「え!? あの枕使えなかったんですか!?」

ルーシェ「ご、ごめんなさい。私が、緊張しちゃって……///」

ロウル「いやいや、それは仕方がないですよ」

ロウル「私だって、面と向かってアベルさんに抱いて欲しいなんて……」

ロウル「それこそ、よっぽどの状況にならなければ言えませんからね///」

ルーシェ「で、でも、進展はありました……!」グッ!

ルーシェ「あとは、私が、勇気を持てれば……!」

ルーシェ「この面を、表にしてみせます……!」っ是

ロウル「ええ。応援していますよ! ところで、ヒバリさんの方はどうなんです?」

ルーシェ「ヒバリさんは……」チラ…



エメリナ「××××で×××とか、アドルラン様はお好きなのではないでしょうか!?」

アイナ「いや、アドルラン様は硬派な方だからね……×××に×××をして……」

ヒバリ「ちょ、ちょっと何言ってるかお姉さんわからないなぁ!?」ダラダラ…

ヒバリ「ちょ、誰か助け……あ、スミレ! ちょっと――」



スミレ「――から、お尻は清めておく必要があります///」

エリス「……///」カアァァ…

スミレ「そもそも、大切な人に抱かれるとなれば、お尻に限らず全身を清めるのは当然ですけどね///」



ヒバリ(あ、駄目だ。あっちも多分踏み込んだら駄目なやつだ)


エメリナ「ヒバリさん! ご奉仕の基本は舐めることですし、これは猫にもぴったりです!」

アイナ「作戦名は雌猫――」


ヒバリ「ルーシェェェェェェェ! 助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」




ロウル「……な、なんだか大変そうですね。いつの間にかエリスさんも混じってますけど」

ルーシェ「全ては、アドルラン様のためです……!」



ルーシェ(ルーシェ、頑張ルーシェ……!)グッ!


――


『次期皇帝と二人の妃の奮闘』


おしまい


――

――



EXイベント16


【戦いを終えて~~君に永遠の誓いを~~】




――

――


【帝国・アベルの城塞】


アベル「……」カリカリ…

アベル「ふぅ……」トサ…

アベル「さて、次は」


スカッ…


アベル「ん?」


書類箱「」カラッポ


アベル「驚いた。この箱が空になったのは随分久々な気がするな」

アベル「……」

アベル「それだけ、帝国も落ち着いてきたということなんだろうか?」

アベル「或いは、今日が偶々なのか……」

アベル「……」チラ…

アベル「まだ、昼前か」

アベル「鍛錬、という気分でもないな」

アベル「……最近は、アドルラン兄様もヒバリとルーシェを連れての外出が増えていると聞く」

アベル「あのアドルラン兄様も、ようやく動き始めたということなのだろう」

アベル「俺は……」

アベル「……」

アベル「――よし」



……


エリス「おでかけ……ですか?」

エリス「公務ではなく、アベル様と二人っきりで……?///」

アベル「ああ。エリスの予定が空いていればだが……」

エリス「あ、空いています! 空いていなくても空かせます!」

アベル「そ、そうか。それなら……一緒に、見に行かないか?」



アベル「――前に渡した指輪とはまた違う、誓いの指輪を」



……

――

イベント導入まで進んだあたりで今日はここまで
……いくらなんでもこんなに産まれるのは想定外です(白目)
マックスはヤっちゃったし、エリスも夜レベル2の子だったのに大変なことになってるし、フィーアはこれ視覚の暴力だし……
おそらく全員の子の名前は集まらないと思うので、こちらでもなんとか考えておきます
なお、もう必要も無さそうな状態ですが、それでも祝福の羽を使いたい方がいらっしゃれば場所指定してお願いします

本日もありがとうございました!

子供達の名前もこrだけ多いと考えるの確かに大変ですね
とりあえずマックスとキアラは名前の意味が共に最高と光だから
強い光→輝き→バベルくん、とかかね

少しだけど浮かんだのは

キアラ息子:アル(由来は>>611で言われてた最高+光から、このシリーズでたまに話題に挙げられるファイアーエムブレムシリーズに登場する『至高の光』の異名を持つ魔法『アーリアル』から)
ロウル娘:フェリ(由来は狼繋がりでフェンリルから)
シア娘:マリナ(いつぞやの予告変換ミスのシアトルマリナーズさんから浮かんだ)
ティア娘:アクア(なんとなくシアとティアの名前には関連性を持たせてみたかったので『アクアマリン』から+ティア=tear=涙から水要素)

こんばんはー
皆さん子供たちの名前想像以上に真剣に考えてくださって本当にありがとうございます……
ほぼ喋れないんで、呼びかける程度でしか使えないのが申し訳ない
こちらもなんとか案をひり出せたら、後ほどまとめて決定安価を出したいと思います

そしてほんの少しだけですが、次の判定部分までだけ投下しておきます

――


……


【帝国・帝都】


エリス「あの、アベル様……?」

アベル「なんだ?」

エリス「ゆ、指輪は以前に素晴らしいものを頂いて……///」

エリス「今も、大切に持っています///」

エリス「この上、さらに指輪を頂くなど……」オソルオソル…

アベル「……あれは、俺からエリスに対しての誓いだ」

エリス「え?」

アベル「……結婚というものは、一方の想いだけでは成立しないだろう?」

エリス「は、はい」

エリス「……」

エリス「…………」

エリス「そ、そうです!? 嬉しさのあまり忘れていましたけれど……」

エリス「私からもアベル様に誓いの指輪を贈らないといけなかったのですね!?」オロオロ

エリス「ど、どうしよう。貯金、足りるかな……」

アベル「く、はははは!」

エリス「アベル様!?」

アベル「安心しろエリス。エリスがあれと同じ指輪を買う必要はないよ」

エリス「で、でも」アセアセ…

アベル「誓いの指輪には二種類ある。これから探しに行くのは、もう一つの方だ」

エリス「もう一つ?」




アベル「――式の途中で、互いの指輪を交換してはめるだろう?」




エリス「~~~~~っ///」ボッ!



アベル「その指輪は、お互いがこれから身につけ続けるものだ」

アベル「だから、これは二人でこれならばと思うものを選ぶべきだと思うのだが……」

エリス「も、申し訳ありません。私、結婚式についてそこまで深い知識は無くて……///」

エリス「えっと、アベル様が私の指に。私がアベル様の指に指輪を?」

アベル「ああ。そうなるな」

アベル「もっとも、俺も聖国式の結婚式にそれほど深い知識を持つわけではないのだが……」

エリス「結婚式……」

アベル「ああ……」





アベル「――随分と、待たせてしまったな。エリス」ギュ…





エリス「アベル、様……///」

アベル「ようやく、少しは帝国も落ち着いてきた」

アベル「王国の最後の負の遺産も、打ち倒した」グッ…

アベル「俺もいい加減に、我慢の限界なんだ」

アベル「――エリスが欲しくてたまらないんだよ」ギュゥゥ…

エリス「あぁ……本当、に……」ウルウル…

アベル「……」ギュゥ…

エリス「うれ、しい……!」ギュゥ…!

アベル「……指輪を買ったら、式の手順も勉強しよう」

アベル「色々とあったが、今度こそ本当に……一緒になろう」

エリス「はい……っ!」


……


――

――

……

【帝国・宝飾店】


エリス「……」ソワソワ

アベル「エリス、もう少し落ち着いても大丈夫だと思うぞ?」

エリス「だ、だって……///」

エリス「いよいよなんだって思うと、なんだかふわふわしちゃうんです///」

アベル「ん……そこまで喜んでくれるのは、嬉しいんだがな///」

アベル「今はまず、指輪に集中しよう」

アベル「エリスなら、どんな指輪でも似合いそうだがな」

エリス「結婚指輪は、常時身につけるのですよね?」

エリス「私は、以前の誓いの指輪も身につけたいのですが……///」

アベル「確か、重ねてつけるのも問題はなかったとは思うが……」

アベル「それなら、大きさに気をつけるべきかな」

アベル「エリスの指は細いとはいえ、複数の指輪をつけるなら細めの指輪の方が邪魔にならないだろう」

エリス「そうですね。アベル様との誓いの指輪、ずっとつけていたいです……///」

アベル「俺はあまり派手なものは苦手なんだが……エリスは何か希望はあるか?」

エリス「私もアベル様と同じですので、落ち着いた指輪の方がいいかもしれません」


エリス「あ、あと幾つはめてもアベル様の指に負担がかからないものがいいですね!」ポン!


アベル「俺の指? 元々傷は多いし、エリスの方が……」

エリス「だ、だって……」アセアセ






エリス「私、アーシャさん、ロウルさん」

エリス「それにシアさんとパトラさんにティアさん」

エリス「――6人分となると、片手の指だけじゃ足りません!」

エリス「――つまり、一つの指に6人分の指輪をつけるのですよね?」



アベル「」



エリス「この辺りの指輪だと、6つもつけるとアベル様の指が曲がらなくなってしまいますし……」



アベル(……エリスに結婚式の知識を語る前に、俺の常識が無かったなそういえば……)

アベル(一夫多妻、それもここまでの人数も中々いないことだろう)

アベル(流石の聖国も複数人の結婚指輪の正しいつけ方は教えていないだろうし、やはり纏めてつけるのだろうか?)

アベル(だが……)


エリス「あ、そうだ! 落ち着いてきたなら、皆さんにもまずは誓いの指輪を贈らなければいけませんね!」


アベル(エリス……君が、こんな俺でも受け入れてくれる心の持ち主で、本当によかったと思うよ)シミジミ…



特殊判定
↓1コンマ二桁

エリスの許容。やきもちはある?

83(皆さんも、私とシアさんと同じ婚約指輪にすべきだと思います!)>50

※基準値を超えたため、躊躇いなくお揃いチョイス

――

判定を取った辺りで今日はここまで
個別に誓いの指輪を渡すシーンの描写は難しそうですが、しっかり均等な愛の誓いになりそうです
この後はもう少しやりとり→式本番→結婚初夜の予定です
なお、二人の式は身内だけの挙式のみとなっていますので、控えめなものです

あと結婚初夜の内容なのですが……
先日の判定でエリスのお尻が偶数ゾロ目を出してしまい、少々困惑状態です
こうなると式後の一夜でアベルが容赦無いということになってしまいますが……

1・結婚初夜だししっとりゆっくりエリスを抱く。お尻もほどほどに
2・結婚初夜だからこそアベル欲望解放でエリス堪能

ちょっとどちらの傾向がいいかだけご意見うかがいたいです

本日もありがとうございました!

こんばんはー
更新途絶えてしまって申し訳ないです……
なんとかデスマーチが終わったので、明日には再開できるかと思います
今日はとりあえず、沢山の案を頂いた子供達の名前を決めておこうと思います

男の子
キアラ:バベル、アル、キックス、アックス、ラックス、シャイン
ヒバリ:セッカ、ハルト、ハルカ、クラウディ
ルーシェ:ルード、プラチナム
エメリナ:ジェイド

女の子
エリス:アリス(確定)
アーシャ:ソフィア、シャル
シア:オリヴィア、シル、ジル、マリナ
ティア:アリアンナ、ルティ、ティル、アクア
パトラ:アトラ、ルトラ
ロウル:アルル、ウルル、フェリ
アイナ:ローナ、ツヴァイ、ツェン
スミレ:リンドウ 、リリィ

量が尋常ではありませんが、上記表を参考にそれぞれ名前を選んで頂ければと思います
表以外にいい案があるという方は、新規名の記載でお願いします

それでは↓1~5あたりで多数決安価(票分散の場合はコンマ)

ついでに↓1コンマ二桁でロウルの子の耳と尻尾判定

キアラ:シャイン
ヒバリ:セッカ
ルーシェ:プラチナム
エメリナ:ジェイド

女の子
エリス:アリス(確定)
アーシャ:ソフィア
シア:オリヴィア
ティア:アクア
パトラ:レスカ(パトロール→レスキュー。野暮ですが他の候補流石に安直な気が)
ロウル:フェリ
アイナ:ツェン
スミレ:リリィ

男の子
キアラ:アル
ヒバリ:セッカ
ルーシェ:プラチナム
エメリナ:ジェイド

女の子
エリス:アリス(確定)
アーシャ:ソフィア
シア:オリヴィア
ティア:アリアンナ?
パトラ:アトラ?
ロウル:フェリ (コンマ合計値)
アイナ:ローナ(コンマ合計値)
スミレ:リリィ
――

ロウルの子、耳と尻尾は?

偶数:無し
奇数:有り

コンマ21

奇数:有り

――

これであってるかな?
確かにエピローグ時に個々に取った方がよかったかもですね(白目)
ほぼ決まった状態ですが、パトラのみ新しい名前の『レスカ』が出ているため、変更を希望される方がいれば

本日もありがとうございました!

こんばんはー
それではゆったりと再開していきます
式の途中まで進めればいいなぁ

――

エリスの許容。やきもちはある?

83(皆さんも、私とシアさんと同じ婚約指輪にすべきだと思います!)>50

※基準値を超えたため、躊躇いなくお揃いチョイス

――


エリス「アベル様、やはりここはお揃いのものにすべきだと思うのですが……」

アベル「う……同一のものが見つかるか、少し怪しいところがあるな」

エリス「お店の場所は覚えていますので、私のものと同じものを用意できないか交渉できないでしょうか?」

アベル「それしかないか。だがエリス、今は……」

エリス「あ、そうでしたね。今は……///」

アベル「都合のいい指輪があればいいんだが……」キョロキョロ…

エリス「あっ」



銀の指輪「……」テン!



エリス「アベル様、こちらの指輪などはいかがでしょう?」

エリス「これなら、アベル様の指にいくつもつけても余裕がありそうです!」

アベル「はは、普通はそんなつけ方を想定していないだろうがな……」

アベル「しかし過度な宝飾も無く落ち着いた、いい指輪だな」

アベル「俺の件を抜きにしても、これならばエリスの鍛錬の邪魔にもならないかな」

エリス「そうですね。これなら剣を握る時や拳打の時も……」

エリス「……」

アベル「エリス?」

エリス「……敵を殴り飛ばすなら、先端に尖った宝石をつけた指輪の方が或いは?」

アベル「それはやめてくれエリス!?」ワタワタ

エリス「ふふっ! 冗談ですよアベル様」

エリス「いくら私でも、大切な指輪をそんな使い方はしません」

エリス「本当に、本当に大切なものなんですから……///」

アベル「ああ……」



……


――

――

……


【帝国・街道】


エリス「……///」モジモジ

アベル「エ、エリス。そう嬉しそうにしてくれるのは嬉しいんだが……///」

エリス「申し訳ありません。ですが、こうして目前に迫っているのだと思うと、どうしても……///」

アベル「それは俺も、わかるがな……///」

エリス「こっ、このままでは、式本番で私は意識を失ってしまうかもしれません///」カアアァァ!

アベル「安心しろエリス。流石に予習の時間はある」

エリス「助かりました……」ホッ…

アベル「詳細はまた後ほどマークス神父に確認を取るべきだが……」

アベル「俺が調べた限りでは、用意や段取りにはかなりの時間を要するようだ」

アベル「マークス神父は任せてくれたまえと快諾してくれたが、俺達も出来る限りは尽くそう」

エリス「はい!」

アベル「そして準備が整った後の問題は列席者だ。これに関しては……」

エリス「その……あまり大勢の方に見られると私、恥ずかしさが……///」

アベル「俺もだよ。気心のしれた身内や友人だけに絞った方が色々な意味でいいだろう」

エリス「それだけでも、なんだかどきどきしちゃいますね……///」

アベル「司式者はマークス神父が担ってくれるというのは、俺達からすれば気が楽だな」

エリス「進行を担当してくださるということは、いざとなればマークスさんを頼れば?」

アベル「式の開始宣言や全体の流れはともかく、俺達だけでどうにかしなければいけない部分もあるぞ」

エリス「……」ゴクリ…

アベル「まあ、そう身構える必要もない。俺が入った後に、エリスが入る」



アベル「――その後、列席者と共に祝歌の斉唱だな」



エリス「せ、斉唱……」ゴクリ…

エリス「私やアベル様も、歌う必要があるのですね?」

アベル「ああ……ここも、かなり緊張するな」

エリス「でも、大丈夫です! アベル様の歌声は私もロウルさんも大好きですから!」フンス!

アベル「や、やめてくれ/// どうにもこそばゆいというか、俺の柄じゃないだろう?」

エリス「うぅ、ではアベル様は、式では歌ってくださらないのですか?」ショボン…

アベル「歌う歌う!」アセアセ!

アベル「だがやはり、恥ずかしいものは恥ずかしいんだよ……///」

アベル「そもそも俺があの環境下で歌を歌うようになったのも、エリスのおかげだしな」

アベル「エリスも歌の心配はないだろうし、俺が覚悟を決めて歌えば問題はないだろう」

エリス「私も、そこまで自信はないのですけど……シアさんみたいに歌えたらなぁ」

アベル「ああ、シアが時間を見つけてはあちこちで歌い方を教えているとは聞いたが……」

アベル「……」

エリス「……」

アベル「もしかしなくとも、俺達のため……なんだろうな」

エリス「沢山の方々に、支えられての結婚式なのですね……///」

アベル「そうだな……」

アベル「俺は、ここに至るまでずっと誰かに支えられて生きてきた」

アベル「それを考えれば、結婚式も誰かに支えられて行うというのも当たり前なのかもしれないが」

アベル「各方面のその尽力を無駄にしない為にも、俺達もそれに応えられるようにならねば……」

アベル「……エリス、戻ったら――少し、歌の練習につきあってもらえるか?」

エリス「はいっ!」

エリス「その、私は結婚式の流れも教えて頂けると……///」

アベル「……やはり、今からでもマークス神父に段取りを教わった方がいいか」

アベル「先日の騒動から、多忙でなければいいのだが」

アベル「……」ドキドキ…

エリス「アベル様?」

アベル「いや、予習にしてもやはり、エリスとの結婚式が間近と思うとな……///」

エリス「私も、同じ気持ちです……///」

エリス「ゆ、ゆっくりでも、しっかり積み重ねましょう?」ギュ…

アベル「ああ、そうだなエリス」ギュ…


……

――

――



……そして……



【聖国・マークス教会】


ザッ…



アルフ(ついに、この日が来たか……)

リーナ(長かったような、短かったような。私まで感慨深い気持ちになってしまいますの)

アルフ(アベル皇子の希望で、あまり大々的なものではない……親族と友人のみの式とのことだったが)

リーナ(私達も友人として列席させてくれたこと、本当に感謝しますのアベル)

アルフ(それに……)チラ…


ギルバート「……」ゴゴゴゴゴ…

バーンズ「へ、陛下。もう少し気を鎮まらせた方が……」コソコソ…

フローレン「まったく、認めたくないけど……ギルバートったら今日を愉しみに待っていたそうよぉ……?」


アルフ(まさか、彼らまでとは)

リーナ(もうあえて何も言いませんけど、バーンズは鎧は脱いでも絶対に兜だけは脱ぎませんのね……)


クラウス「……スカーレット将軍」

スカーレット「陛下、ご安心ください。ワタクシ今日は淑女として、参列させていただきますわ」


アルフ(三国の長達が、国を留守にして一同に会する……本来であれば、あまりに無謀な行為)

リーナ(事前に各国に優秀な聖国兵を送って結界を張り巡らせておいたとはいえ、警戒は必要ですの)

アルフ(この祝福の日を狙う愚か者がいれば、誰もが断罪に動くとは思うが……)


アドルラン「ついに、この日が来たのだな……」

アドルラン「アベル達を祝うのは当然だが、私達も少し参考にしたいところだな」

ヒバリ「うん、そうだね……///」

ルーシェ「こっちも、ドキドキします……///」


カイン「やれやれ、まさかあいつが一番乗りとはねぇ……」

カイン「まあいいさ。兄さんの言う通り、これを参考にしてエメリナとの式はもっと凄いものにしてやる」

エメリナ「カイン様……///」


キアラ「だ、大丈夫。正装はしてきたし、歌の練習だって……」ドキドキ…

サク「落ち着くっきゅキアラ、絶対大丈夫だから! むしろ私がこんなところに招かれて大丈夫っきゅ……?」

フィーア「大丈夫です! サクちゃんも大切なお友達ですし!」

フィーア「アベル兄様とエリス姉様の結婚式……もうすぐ始まるんですね///」ドキドキ…


ノワール「うっ……」ポロ…

ノワール「いけませんね、まだ式も始まっていないというのに……」ゴシ…

ローズ「仕方がありません。ノワール様とアベル様の境遇を考えれば当然のことです」

ローズ「……それにしても、私はこの格好で大丈夫だったのでしょうか? 口調には最大の注意を払いますが……」

アイナ「エリスちゃんとアベル様に、確認はとれているから大丈夫です……!」グッ!

スミレ「お二人にとって、馴染みがあるのはローズさんですから。参列も、それでお願いしますとのことです」

ノワール「ふふ、アベル達らしいですね」



ロウル「……」パタパタ…

アーシャ「ロウルちゃん、尻尾がせわしないけど大丈夫?」

ロウル「す、すみません。やっぱりちょっと緊張しちゃって」

パトラ「無理もありません。アベルさんとエリスさんの結婚式……万が一の粗相も許されませんからね」ドキドキ…

マックス「俺はとりあえず、声を抑えることに全力を尽くそうと思います……」コソコソ…

ティア「だ、大丈夫ですよマックスさん……! シアさんと、あれだけ練習したじゃないですか……!」

シア「頑張りましたよ~……!」

シア「全ては、この日のために……!」グッ…!

シア「……」



シア「――そ、そして私達の場合は、後々のことも考えて、ですね~……///」




ヒロインズ「「……///」」




マックス(アベル皇子、全員と式を挙げるって羨ましいけど大変そうだよなぁ……)




ガチャ…



一同「「!!」」




マークス「――お待たせしました」ピシッ!




一同((ちゃ、ちゃんと服を着ている……!?))ガーン!

マークス「……」ツカツカ…



参列者一同「「……!」」バッ!







マークス「――これより、アベルさんとエリスさんの結婚式を開式致します」






一同「「……」」




コツ…


コツ…




正装アベル「……」ドキドキ…







コツ…



コツ…




アベル「……」スッ…




マークス「――続いて、エリスさんの入場です」




コツ…



コツ…





ドレスエリス「……///」





コツ…



コツ…



アベル「……」スッ…

エリス「……///」ギュッ…


コツコツ…



アベル&エリス「「……」」ピシ!



マークス「……」ニコリ



マークス「――それでは皆様」




マークス「――祝歌の斉唱を!」バッ!




一同「「!!」」グッ!



おまけ特殊判定
↓1コンマ二桁

シアの奮闘、その効果は?

71>50

※基準値を超えたため、全員歌唱力上昇!
※自覚しているものは声を抑え、惨劇回避!

――


――♪


~~♪


アベル(よ、よかった。この空気ならば……)

エリス(私達も合わせて……!)

アベル「~~♪」

エリス「~~♪」


リーナ(よ、よかった……よかったんですの……!)ポロポロ…

リーナ(いけません、まだ途中なのに泣いては……!)グシ…

リーナ「~~♪」

ティア「~~♪」

シア「~~♪ ~~♪」

マークス「……」ウンウン…!

マックス(アベル皇子、エリスちゃん……)パクパク

マックス(俺、こうして小さくしか歌えないけど……本当に、おめでとうございます!)

ギルバート(……この空気を壊す、無粋な真似はせぬ)パクパク

ノワール(ごめんなさいアベル。しっかり歌えない母を許してね?)パクパク

ローズ(あの子達のことを考えると、もっと練習しないとな……)パクパク



……


マークス「……」スッ…

マークス「神は、慈悲深きものです」

マークス「その教えには様々なものがありますが……」

マークス「お二人や、参列者の皆様にはこの教えこそが、相応しいでしょう」



マークス「――そこに、愛があればいい」



マークス「国の違い、年齢の違い、種族の違い……」

マークス「それらは愛の前には実に些細なものです」

マークス「愛こそが、この世界で不変にして最も優れたもの」

マークス「これからも、変わらぬ愛を追い求め続けるのです……」スッ…



一同「「……」」スッ…



マークス「……」オイノリ…


式の途中ですが、今日はここまで
そして先に、とある判定も取っておこうと思います

特殊判定
↓1コンマ二桁

本日もありがとうございました!


こんばんはー
それではゆるりと再開します

――


神への祈りが捧げられる。




「――アベルさん」




そして少しの間の後、ゆっくりと神父の声が教会に響き渡った。




「あなたはエリスさんと結婚し、彼女を妻としようとしています」

「誠実な家庭を作り、夫としての分を果たし常に妻を愛し、敬い、慰め、助け……」

「健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も……」

「――死が、二人を分かつまで」

「その命の灯が続く限り、常に愛に満ち、あなたの妻に対して堅く節操を守ることを誓いますか?」



「――誓います」



まずは、新郎の誓い。



「――エリスさん」


「あなたはアベルさんと結婚し、彼を夫としようとしています」

「誠実な家庭を作り、妻としての分を果たし常に妻を愛し、敬い、慰め、助け……」

「健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も……」

「――死が、二人を分かつまで」

「その命の灯が続く限り、常に愛に満ち、あなたの夫に対して堅く節操を守ることを誓いますか?」



「――はい、誓います」


続いて、新婦の誓い。


「よろしい」

「それでは、二人のこの誓いの印として……」



「――指輪の交換を」



神父の言葉に、式場の空気がさらに昂ぶったかの様な錯覚を誰もが覚える。

新婦の持つブーケが預かられ、そして純白の手袋がするりと外された。


「……」


誰もが息を呑む。

静かに光る銀色の指輪。

新郎が手に取ったそれが、ゆっくりと最愛の少女の左手薬指にはめられた。

そして、今度は新婦から新郎へ。

慈しむような手つきで、優しく指輪がはめられる。




「――今、二人を隔てるものは無くなりました」

「――ここに、誓いの口付けを」



純白のヴェールが、ゆっくりと上げられていく。

露わになる、紅く染まった……しかし、これ以上無い程に幸せそうな新婦の顔。

それを見つめる新郎の顔もまた紅いが、やじを飛ばす様な輩は一人としていない。

見つめあう二人。

既に深い仲となっているが、今日のこれはいつもとは意味合いが違う。

やがて新郎は少し屈み、新婦もそれに応え……




――互いの唇に、誓いの証をおとす



このまま、いつまでも重ねていたい。より深くまで繋がりたい……

そんな欲望は今は抑えて。

二人の唇は、名残惜しげに離れていく。



「――神よ。この者達に祝福を……」


新郎新婦の手が重ねられ、そこに神父の手も重ねられる。

これから先の、神の祝福を願って。






「――列席者の皆様っ!!!」





「ここに!!!」





「アベルとエリスが、神と証人の前において、夫婦となったことを宣言致しますっ!!!」





神父の一際大きな宣言を受け、式場はまさに祝福の色に包まれる。
さらに歓声と拍手。
それを一身に受ける新郎新婦は少しばかり困惑気味だが、その表情は晴れやかだ。


「エリス……」

「アベル様……」


互いの名を小さく呼び、腕を組んで二人は歩き出す。

ゆっくりと踏みしめる、純白の道。



「おめでとう、おめでとう……!」



感極まったのか、王国騎士が寄越すやたら多い花の雨に彩られながら。


新たな夫婦は、生涯、忘れることの無いであろうこの日を噛みしめる。


……


――

――


……


【マークス教会・外】


アベル「こ、これは……」

エリス「皆さんが先に出られるというのは聞いていましたけど……///」




列席者一同「「おめでとうっ!!!」」シャー!



アベル「ほ、本当に米を浴びせるんだな……///」パラパラ…

エリス「聖国では、馴染みある行為だそうですけど……///」パラパラ…

アベル「むぅ、教会の外に出たからか、みんな少し遠慮が無くなっているような?」

エリス「カイン様とか、にやにやしながらこちらを見ています……///」

アベル「ありがたいが、やはり恥ずかしいものだ……///」

アベル「このまま、お前を抱えて走り去ってしまいたくすらあるが……」チラ…

アベル「最後に、まだエリスはやることが残っているんだったな?」

エリス「は、はい///」



青薔薇のブーケ「……」キラキラ!



エリス「スカーレット将軍とローズさんが、秘密裏に用意してくださっていたこの綺麗な薔薇の花束……」

エリス「花嫁となった私が投げて、これを一番最初に掴めた人が、次に結婚できる。とても大切な花束です///」ギュ…

エリス「……」ゴクリ…




女性陣「「!」」ピク!


女性陣「「……!」」ザザザ!



アベル「い、一部の眼の色が変わったような?」アセアセ

エリス「これは……」ジリ…

エリス(力を込めすぎて、折角の青薔薇が散ってしまっては大変です)

エリス(ここは、本当に天に運を任せて軽く投げましょう……!)



エリス「……えーい!」フワッ…




女性陣「「!!」」





特殊判定結果
ウエディングブーケは誰の手に?(>>659

01~10:ティア
11~20:シア
21~30:キアラ
31~40:フィーア
41~50:ヒバリ(一桁偶数)&ルーシェ(一桁奇数)
51~60:エメリナ
61~70:アイナ(一桁偶数)&スミレ(一桁奇数)
71~80:パトラ
81~90:ロウル
91~00:アーシャ

コンマ45

41~50:ヒバリ(一桁偶数)&ルーシェ(一桁奇数)
奇数:ルーシェ

――



青薔薇ブーケ「……」ヒュウゥゥ…




ポス…




ルーシェ「……え?」キャッチ!

ヒバリ「や、やったじゃないルーシェ!」グッ!

ルーシェ「え? え?」

ヒバリ「花嫁が投げたブーケを受け取れた子は、次に結婚できるんだってさ!」

ヒバリ「――ね、アドルラン?」



ルーシェ「―――!?///」ボッ!

アドルラン「……う、うむ///」

ルーシェ「~~~~~っ!?///」パタパタ!

ヒバリ「あははは、ルーシェ知らなかったの?」ニヤニヤ



エメリナ「うぅ、神様の前だから、無欲で無ければいけなかったんですね……!」ガクーン!

カイン「そう気を落とすなエメリナ」ポンポン

カイン(アベルが結婚して、この流れなら兄さんも近いうちに式を挙げるだろう)

カイン(第三皇子と第一皇子が続けてメイドと結婚したなら、僕もその流れに乗れる……!)グッ!

カイン「――僕達だって、すぐに……///」ボソリ…

エメリナ「!?///」ボッ!



ノワール「……」ニコニコ…

フローレン「……あなたの鉄面皮が、こんなあっさり崩れるなんて驚きだわぁ」

ノワール「我が子の結婚式ですよ? あなたもすぐに、こんな顔になってしまうのでは?」ニコニコ…

フローレン「ふん、どうかしらねぇ……少なくとも、あなたよりは引き締まった顔にしてみせるわぁ」

ギルバート「……」ワクワクソワソワ…

バーンズ「……陛下が、一番影響を受けているかもしれません」

フローレン「あなたぁ!?」ガーン!


クラウス「いや、いい式だったな」

クラウス「私にはまだ相手もいないし、結婚など夢のまた夢だが……」

クラウス「少しばかり、憧れを覚えてしまったかもしれないな」

スカーレット「ええ、それで良いのですよ陛下」

スカーレット「ああっ! しかし今回の式……!」

スカーレット「真紅の薔薇こそが一番と思っていましたが、今回は貴方が正解だったようですわね?」

ローズ「エリスちゃんなら、似合うのはあっちだと思ったのヨ」

スカーレット「ええ、流石は薔薇にお詳しい……」

スカーレット(でもキアラ皇女には、白薔薇! 今度は譲りませんわよ?)

アイナ「エリスちゃん、幸せそうだなぁ……///」

スミレ「青い薔薇の花言葉は、まさに彼女には相応しいですね」

アイナ「見とれてブーケを受け取り損ねちゃったけど……! 私達だってローズさんといつか!」

アイナ「あ、でもその時は薔薇のブーケ、何色がいいかな……///」

スミレ「……薔薇に拘らなくても、ほかの花でもいいかもしれませんね」

スミレ「たとえば、そうですね」




スミレ「ボクは……百合の花も結構好きなんです」




アイナ「え?/// スミレちゃん、やっぱり私生やした方がいいの? それとも貝――」

スミレ「!?」

スカーレット「ちょっとお二人とも詳しいお話を――」



クラウス&ローズ「「 や め な さ い ! 」」



キアラ「エリスさん、本当に綺麗……///」

フィーア「はい! でもアベル兄様達を見ていたら、ブーケを掴めませんでした……」

サク「ご、ごめんきゅ。まさかあれに、そんな大切な意味があっただなんて……」

フィーア「いえ、大丈夫です! やっぱりアベル兄様のような素晴らしい方は、簡単には現れないという神様のお告げですね!」

フィーア「それに、結婚式を挙げるなら私よりもまずキアラ姉様です!」ピョン!

キアラ「ちょ、フィーアちゃん!?///」アセアセ

フィーア「ですよね、マックスさん!」クルリ

マックス「えっ!?///」

マックス「いや、それは……///」モジモジ…

キアラ「……///」モジモジ…


マックス(アベル皇子はカッコいいし、エリスちゃんはすげえ綺麗だし……)

マックス(お、俺とキアラちゃんも、あんな格好で、こうやって……?)ドキドキ…



キアラ「……///」ドキドキ…


フィーア「あれ?」キョトン

サク「……人間という生き物は、色々難しそうっきゅ」





キアラ(……少しだけ)



キアラ(少しだけ、あのブーケが欲しかったな……なんて///)



マックス「?」


ロウル「あーあ、取れませんでしたねぇ。あのブーケ」

アーシャ「ふふ、そうは言うけどロウルちゃん?」

アーシャ「あなたの反応速度なら、跳べば取れたと思いますよ?」

ロウル「だ、だって! なんだかそんな本気出すのも恥ずかしいですし!///」

ロウル「――それに、今はエリスさんのあの幸せそうな顔を見ていたい気分ですしね」

シア「そうですね~。本当に、幸せそうでこっちも幸せになってきます~」ポヤポヤ

パトラ「し、しかし本当に大丈夫なのでしょうか?」アセアセ

パトラ「元はと言えば私の意思が弱いことが起因ですが、いずれ私や皆さんもアベルさんと結婚するというのは……///」

ティア「わ、私も色々と不安はありますし、エリスさんに申し訳ないとは思うのですが……」




マークス「――そこに愛があれば問題ない!」



一同「「!?」」


マークス「先程も言ったが、これが神の教えだよ」

アルフ「アベル皇子なら、矛盾しているかもしれないが……限られた人数の中で、節操を守ることだろう」

リーナ「ええ。そして、あなた達もきっとそうでしょう?」


ヒロインズ「「……///」」


アルフ「しかし、私も久々にいい式を見れた気がするよ」

リーナ「ええ。友人としての祝福は勿論ですが、きっとこれは聖国全体にもいい影響をもたらしますの!」

リーナ「あ、そうだ! もし良ければ、いつかあなた達もここで式を挙げてみては?」

マークス「おお、それはいいですな! このマークス、いつでも待っているぞ!」


ヒロインズ「「~~~~っ!?」」パタパタ!





???「……」ガサ…




ネスト「ふー……どうやら、なんとか平穏無事に式を終えられたようだな」

ネスト「……殿下、それにエリスちゃん。本当におめでとう」パチパチ

斥候部隊1「いやぁ、二人とも幸せそうですねー……」

斥候部隊2「本当なら、俺達も教会内で祝いたかったけど……」

ネスト「それは俺もだ。だが、殿下達の為に俺達は存在するんだ」

ネスト「万が一もあっちゃいけない。どんな時も警戒を怠らない」

ネスト「こういう時だからこそ、俺達が頑張らないといけない」

ネスト「そして、俺達はこれからもっと忙しくなるぞ?」

ネスト「――殿下のことだから……多分、早いうちに子供ができちゃうだろうし」

斥候部隊1「そ、そうか! 子供を人質にとる卑劣な輩が!?」

斥候部隊2「隊長! 俺達もっと精進します!」ビシ!

ネスト「ま、そういうことさ。気が抜ける時間なんて、そうそうこないぞー?」








女神「……」ニコニコ

四天「「……」」パチパチ








ネスト「……なーんか、ぼんやりと教会の上にどっかで見たようなデカブツが見えるしなぁ……」ダラダラ…

斥候部隊達「「あ、あれやっぱ見間違いじゃないんですね……」」ダラダラ…

ネスト「いや、うーん……なんなんだろうなぁ……?」



……


――

式を終えた辺りで、今日はここまで
この後は少しやりとりを挟んで、結婚初夜となります

少し前にあがっていましたが、子供たちの名前を募集こそすれ、このスレは続編は無くこれで最後の予定です
子供たちの成長の想像の余地を残したいという私の我儘でもあります
そしてまさかの新作期待は凄く嬉しいのですが、このスレのキャラクター達に私自身愛着わいちゃっているから難しいかも……
時間もなかなか安定しませんし……
もし仮にあるとしても、亀更新かつ似たようなファンタジー世界でしょう。アベルが皇族だったので、今度は逆に平民が姫を求めるとか?

本日もありがとうございました!

こんばんはー
同一世界、別太陸……難しそうだけど、ファンタジーの定番ではあるんですよねぇ……
とりあえず、初夜直前まで投下しておきます

――

……


マークス「――さて!」

マークス「無事に二人の結婚式を終えることができましたが……」

マークス「列席者の皆様には、簡単なものですが食事会のご用意もあります」



サク「食事……?」バッ!

フィーア「サクちゃん、気になるんですか?」

サク「……流石に、この姿で地面に這いつくばって草を食べるわけにはいかんきゅ」

サク「機会があれば、色々と知識は吸収していくに限るっきゅ!」


ガヤガヤ…


アーシャ「私達は、どうします?」

ロウル「言わずもがな。アベルさんとエリスさんは早く二人きりにしてあげるべきでしょう」

ロウル「あの様子からして、もう結構我慢しているんじゃないですかねぇ?」ニヤニヤ

シア「そうなんですか~?」

アーシャ「ふふ、流石エリスちゃんと同じく一番付き合いの長いロウルちゃんですね」

ロウル「まあ、それほどでもありますかね!」パタパタ!

ロウル「折角ですから、私があのお二人の昔話で食事会をそれとなく盛り上げてみましょうか」

パトラ「大丈夫ですか? 許可も取らずに……」ジトー…

ティア「で、でも気になります……」ソワソワ

ロウル「あはは、私だって節度は守るつもりですし、笑い話は私にも飛び火しちゃいますからね」


ノワール「……」コソ…


ロウル「……勿論、ノワールさんにもちゃんと昔のアベルさんのお話しますから、出てきてくれて大丈夫ですよ?」

ノワール「それを聞いて安心しました」ガサ!

ノワール「本来であれば、私やギルバートが語るべきだというのに……」

ロウル「それは仕方がないですよ……さ、そうと決まれば行きましょう!」


……

――

――

……


アベル「重ねて、申し訳ない……」フカブカ

マークス「いや、構わないよ。元々君達の要望通り、式は最低限のものにしてある」

アベル「本来ならば、来賓をもてなす為にまだまだ次の段取りがあったのは承知しているんだが……」

マークス「安心したまえ。こういった形式も過去より存在しているからね」

マークス「こうして結ばれた二人、それを噛みしめるために二人きりになりたいという者も多いんだ」

エリス「そう、なのですか……///」

マークス「本当に、二人ともおめでとう。神も必ずや大いなる祝福を授けてくれるだろう」



マークス「――そして私からも細やかだが、君達の友人として贈り物をさせてもらおう」



アベル「え?」

マークス「君達のそのタキシードとドレスは、そのまま差し上げよう」

エリス「い、いいんですかっ!?」

マークス「ああ。そのドレスはとてもよく似合っているし……」

マークス「以前、わざわざ帝国にまで持ち帰る程だったんだ。エリス君も気に入ってくれたのだろう?」

エリス「は、はい///」

アベル「マークス神父……何から何まで、本当にお世話になります」

マークス「私こそ礼を言おう。あの日、君と拳で語り合ったからこそ……今の私も在るのだ」

マークス「そして乱れてしまった聖国を正し、私の教会で式を挙げてくれた」

マークス「本当に、感謝するよ」

エリス「マークスさん……」

マークス「さて、そろそろ行きたまえ。城塞への帰還陣も、既に用意してあるよ」

マークス「ドレスは踏むと危ないからね。部屋に戻るまでは、アベル君がしっかりと助けてあげるんだぞ?」

アベル「ええ、もちろん」ヒョイ

エリス「ひゃっ……///」フワ…



ローズ「――今よ! 激写するワ!」キュイイィィィン!


アベル「ロ、ローズさん!?/// それにあれはエリスの母君の魔道書!?」

エリス「私がローズさんに無理を言ったんです/// 余裕があれば、今日という日を記録してくださいって///」


パシャア! パシャア!


アベル「だからと言って、この状態をそんなに記録されるのは……///」カアァ…

アベル「急いで戻るぞエリス……!///」タタタ!

エリス「……はい///」


……


――

――

……

【アベルの城塞・アベルの私室】



シュイン!



アベル「流石マークス神父、用意がいいというか……俺の部屋に直送か」

エリス「あ……」





ダブルベッド「……」ズドーン!





アベル「……本当に用意がいいな」

エリス「……」ゴクリ…

アベル「……エリス」

エリス「は、はい!?」



アベル「――この場で、今一度誓おう」

アベル「――神でも誰にでもなく。エリス……君に、永遠の愛を」チュッ…




エリス「あっ……///」

エリス「――もちろん、私もです///」

エリス「この身も心も、アベル様だけのもの。あなたに、永遠の愛を誓います……」チュッ…

エリス「いつまでも、いつまでもお傍に……」チュッ、チュッ…

アベル「……マークス神父は、俺達のことをわかっていたんだろうな」チュゥ…

エリス「え?」

アベル「式の最中の誓いの言葉……あれは本来の聖国式であれば、神に誓わせるものの筈だ」

アベル「彼はそれをあえて口にせず……誰に誓うかを濁して聞いてくれたんだよ」

エリス「そういえば……」

アベル「それでも……一度や二度では足りない。エリス、何度でも誓うよ……」チュッ!

エリス「ん、私も何度でも、何度でも誓います……!」チュッ!

アベル「エリス……」

エリス「アベル様……」


純白の花嫁の華奢な身体が抱きしめられる。
このまま……それも悪くないが、今宵は止まることなどできはしない。


「ああ、本当に……綺麗だ、エリス」


抱き寄せながら、もう片方の手で頬を撫ぜる。
今日という日の為に普段はしない化粧で仄かに彩られた顔は、妙に大人っぽく見える。
しかしくすぐったそうにはにかむ彼女の顔は、やはり年相応の愛らしい少女で。


「エリス……」


この少女が自分の妻になったのだと思うと、それだけで舞い踊ってしまいそうだ。
自分には勿体ない、しかし手放したくないと願い続けた大切な少女。


「もう、ヴェールは必要ない。俺達を遮るものは、何もない……」

「アベル様……」


めくりあげたヴェールはそのまま取り払われ、結われていた髪もほどかれる。
さらりと流れる彼女の金色の髪は、本当に純白のドレスによく似合うと心の中で幾度も称賛を送ってしまう。


――ああ、こんなにも素晴らしい子を。


――今から俺は、自分の欲望で染め上げてしまうのか。


僅かな躊躇い。
だがそれ以上に、この少女を深く深く愛したいという欲求が渦巻く。

――そこに愛があればいい。

神の言葉すら免罪符として、アベルはゆっくりと顔を近づける。
そうすればエリスも迷いなく顔をあげ、再び唇が触れ合う。
そのまま軽く触れ合わせる優しい口付けを幾度も繰り返しながら……


「エリス……愛している……」

「アベル様……愛しています……」




「だが――今日の俺は、もう加減もできそうにない」





「このまま――君を孕ませてしまいたい」




「っ……!?」



ちろりと舌先をのぞかせながら、ついに皇子は最大の欲望を口にした


初夜直前までにいったあたりで今日はここまで
そしてしばらく、書き溜めの時間を頂きたいと思います
以前の多数決よりアベルも遠慮無しです

そしてこの後はエリス初夜→妊娠発覚→各ヒロインズとの夜になりますが、
おそらくその都度時間がかかるかと思いますので、内容に期待はせずに気長に待っていただけると助かります(白目)
なお順番は勝手ながらとある理由から
アーシャ→シア&ティア→パトラ→ロウルを予定しています

本日もありがとうございました!

名前もだけど、それぞれの子供達の髪と目の色がどんな組み合わせになるのかも気になるね
ちなみにそれぞれ
アリス:黒髪&金髪翠目(アベル目の色設定無し)
ソフィア:黒髪&黒髪(アーシャ目の色ry)
フェリ:黒髪&銀髪赤目
オリヴィア:黒髪&ピンク髪(シアry)
アトラ:黒髪&緑髪(パトラry)
アリアンナ:黒髪&白髪青目
セッカ:金髪&黒髪黒目(アドルラン兄様ry)
プラチナム:金髪&白髪碧目+緋目
ジェイド:金髪&栗髪(どっちもry)
アル:黒髪&金髪(どっちもry)
ローナ:赤髪&茶髪(どっちry)
リリィ:赤髪&青髪薄紫目

こう見ると目の色まで決められてるキャラって案外少なかったのね

こんばんはー
とりあえず生存報告です……
他と並行して考えていたら想像以上に時間がかかってしまいました
今週中には投下できると思いますので、もうしばらくお待ちください……

エリス以外の他ヒロインズのおおまかな流れも考えていたのですが、上でシチュ案を考えてくださっている方もいらっしゃるようなので、
やっぱり募集をかけた方がいいのかな?
既に並行書きしている為、完全採用というものは難しいかもしれませんが、とりあえずまだ自由の利くアーシャは少し募集してみようと思います
お手すきの方は、案をお願いします
(エリス妊娠発覚後、しばらく動けないエリスに代わって……とまず先に迫るのがアーシャの基本流れです)
あと髪色と瞳の色も判定取った方がいいですか? 本当にフレーバー中のフレーバーですけど
(当初の予定では、女の子は髪色は母親譲り、瞳の色が父親譲り。男の子はその逆の予定でした)

生存報告乙です
変態枠と常識(純愛)枠でセットだと良いかも
アーシャ&ロウル、シア&パトラ、
ティア&エリス(アベルとティアで大惨事性界大戦繰り広げた後身重な体で二人を正気に戻して癒すとか)
正直なるべく複数名のプレイにした方が書きやすくもあるでしょうし

こんばんはー……
すみません寝落ちてました(白目)
予定より凄まじく遅くなり、今週内かも怪しいですが、
アベルとエリスの一夜を投下しておきます

――


『孕ませる』


この言葉が、どういった意味を持つのか。
少し前までの少女であれば、まるで理解ができなかったことだろう。

帝国を変えるため、そして仕える主君を助ける為。
城塞で数年間暮らしてきた少女達はそればかりを考え、動いてきた。
敵を倒すための武力。味方の被害を減らす為の知略。情報収集に奇襲の対策。
性知識など使う場面もなかったのだから、当然なのかもしれない。


だが、今はもう違う。


十分過ぎる程の力を身につけ、ついに目標は達した。
心の奥底で幼少期より募らせていた恋慕の情は、主君や大切な友人達にも受け入れられた。
幾度か肌も重ねてきた。主君の為に、そういった知識も必死に取り込んだ。
もう――無知な少女ではないのだ。


「勿論、エリスが嫌だと言うならば止める。……抱くことを止めることはできんがな」


敬愛する主君は、余程相手が強く望まない限りは手荒な真似はしない。
こうして再度了承を求める辺りが、彼の性格が出ていると言えるだろう。


「アベル様……」


しかし、その言葉を受けて花嫁姿の従者は喉を鳴らす。
主君の言葉に偽りはないと断言できる。
それでも、その振る舞いに胸の高鳴りが抑えきれなくもあった。

孕ませずとも、抱くことは止められない。
その言葉を裏付けるかのように、その吐息は既に荒さを含んでさえいた。
ドレスと同じく純白の上質なスーツの上着は少し乱暴に投げ捨てられ、
首元を飾るタイも片手で取り払われ、既に鍛え抜かれた胸板が顔を覗かせている。

決して慣れない白い服に耐えきれないからではなく、そこには確かに男の欲望が見て取れた。
冷静で、慎重で、考えが読めない男。そう言われるが、本当はこうして燃え上がることもある。
普段はそれを隠すようにするが、今はそれも出来ない程に……これまで以上に、欲している。

『孕ませる』

この言葉が、どういった意味を持つのか。



「――わ、私も……アベル様の赤ちゃん……欲しい、です……!」



かつてまっさらだった少女は、意味を理解してその言葉を口にする。

きっと今の自分も、相手に負けず劣らず息を荒げてしまっているのだろうという自覚はあった。
自分から赤ん坊をせがむ、孕まして欲しいと懇願するのは恥ずかしいとも思う。
それでも。
これは主の望みだからではなく――自分の意思でそう思ったからこそ。


羞恥の混じった、しかし幸せそうな笑みを浮かべながら、エリスもその決意を口にする。




「エリス……」


愛らしい花嫁の言葉に、情欲はより駆り立てられる。
今度は唇に軽く触れるだけではない。


「んっ……んぅっ! あっ…ふぁ……っ、は、ぁ……ぅんっ……!」


一度や二度ではとても足りない、降り注ぐ口づけの雨。
その一つ一つを受ける度に、エリスは小さく声を漏らした。

額。

瞼。

頬。

あますことなく、慈しむかのように次々に落とされていく。


「っ、アベル様ぁ……」

「ふふ、そう急くな」


あえて外されていた唇が、切なげに強請る様な甘い声を紡ぎだす。
こちらにもちゃんとくださいと恥ずかしげに差し出される唇を食みながら、アベルは小さく笑みを返した。
それは時折、友人達にも見せる嗜虐を含むものだ。


(ああ、私……本当にこの後、アベル様に孕まされちゃうんだ……)


僅かばかりの恐怖と、圧倒的な多幸感。
愛する人に、これほど求められることのなんと幸せなことか。
こうも愛されては、本当に自分は今日孕まされるのだという強い確信すら持ててしまう。
一体自分はこの後、どうなってしまうのだろうか?
舌を絡め取られながら、エリスの身体は小さく歓喜に打ち震える。


「まだだ。まだ足りない……」

「ん、んぅ……!」


舌が解放されたかと思えば、耳や首筋にまで口づけは及ぶ。
くすぐったさに身を捩りでもすれば、その捩った先までもが狙われる。


「本当に、綺麗だ……」

「んっ、あぁっ!?」


そして雨は、ゆるりと下へ下へと。
純白のドレスから覗く、むき出しの肩へと辿りついた。
今度はさらにさらに強く。舌先で撫ぜてやりながら強く吸い付く。


ドレスに負けぬ白く穢れの無い場所に、紅い華が咲いた。





「あっ……駄目、です……痕が、のこ……あ、やぁ……!?」


細やかな抗議を無視して、肩口に続いて今度は胸元に紅い華。

以前、浴場で抑えきれなくなったこの主従はその時もこうして痕を残す真似をしていた。
あの時はまだ、その時では無かった。誰かに気がつかれることもなかった。二人だけの、秘密の刻印。
式を決めてからは、当然に自重した。
清廉な花嫁の装束とはいえ、肩や胸元などは肌が露わになっているからだ。
刻印も、鍛錬の傷も見せるわけはいかない。
互いに抑えて抑えて過ごしてきた。


「……残す、刻む。エリスは、俺だけのものだ……」

「あっ、ふぁっ、ああぁぁっ……!」


だがこうして夫婦の契りを交わした今ならば、もうその必要もない。
遠慮なく、愛と独占の誓いの証を印すことができる。

唇が吸いつき、離れる度にエリスの身体はぴくりと反応する。
彼女はもう細やかな抵抗すらしない。
先程の抵抗も口だけのもの。エリス自身、主君から賜るこの所有者の刻印は気に入っているのだから。


「絶対に、離さない……」

「はい……」


いくつも刻まれた紅い印。
それでもまだ足りないと、再び互いの舌が絡み合う。
己の舌を吸われれば、吸い返し。
また吸いかえされたなら、こちらも負けじと。
流石にここに痕は残せないが、それでも二人はお互いの唇を貪り合う。

息苦しささえ覚えてしまうほどの、濃密な口づけ。
どんどんと身体は熱を持ち、欲望を滾らせる。
式の誓いだけではまだ足りない。
この繋がりこそが、何よりも雄弁に物語る二人の誓い。
揺るがぬ愛の誓いだ。


「はふぅ……アベルさま……」

「蕩けた顔も素敵だぞ、エリス」


つぅっと繋がる唾液さえも、アベルは舌先で全て掬い取る。
この素晴らしき花嫁を穢したくもあり、穢したくもない。
相反する感情に挟まれながらも、その手が止まることはなかった。


「あっ、やぁ……」


未だ余韻で蕩けていたエリスが、短い悲鳴をあげる。






アベルの手は、ゆっくりとだが純白の布地の上からエリスの胸を愛撫し始めていた。
折角のドレスに余計な傷みが入らないように……
そして愛しい人を焦らす為に、本当にやんわりとした手つきで。


「エリス、気持ちいいか?」

「ふっ……んっ、くすぐ、ったいです……!」


僅かに左右に振られる首。
あえて焦らしているのだから、当然即座に快楽を得ることはできない。
それをわかっていながらの、あえての問いかけ。
短く、そうかと返しても動きは変わらず。
おそらく胸の頂があるであろう場所を探り当てても、指先でほんの少しだけひっかく程度。
確かに刺激は与えられるが、微々たるものに過ぎない。


「やっ、んぁぁ……! アベル、様……どう、してぇ……!?」


少し明確な抗議の声。
だがそれにアベルは小さくくつくつと笑うのみ。


「可愛いぞ、エリス……」

「んっ!?」


布越しに先端を小さく虐めていた指は、不意に矛先を変える。
ドレスの胸元、申し訳程度に主張する谷間の間にそれは侵入した。
しかし最初こそ身体を反応させるも、それもまた快楽には程遠い。
せめて、差し込まれた指を動かしてくれたならば。


「アベルさまぁ……」


エリスの身体はふるふると震え、瞳の潤みが増してくる。
あからさまに焦らされている。それは未だ知識が完璧とはいえない彼女でもわかることだった。
このままでは、はしたなくもっと縋ってしまうかもしれない。
現に、自分でもどこから出しているのかわからない程に媚びた声が出ている。

そして、主はそれこそを望んでいるのだということも、理解できてしまった。

緩い愛撫により、エリスの芯は甘く疼いている。
これから、どうなるのか。
孕まされるまでに、何をされるのか。
無知ではなくなったが故に、女の情欲が燃える。
激しい口付けが、それに反するような愛撫が、自分の肌に熱をもたらし昂ぶらせていく。
もっともっとと、理性が焼かれ焦がされていく。

それでも、生まれつきか。あるいは聖国のドレスに身を包んでいるからだろうか。
幾度肌を重ねようとも、エリスは羞恥の感情を忘れない。
度を越えた愛の形を理解こそすれ、真似をすることはできない。
清く正しく、自分はただ愛する人と共に在れればそれが一番幸せ。
それが、エリスという少女であった。


「エリス――どうしてほしいのか、言ってごらん……?」

「っぁ……」


耳元で囁かれ、ぞくりと身体が震えあがる。
ああ、やはりそういうことなのか。

結婚した夫婦とは、互いを想いあう存在。そして支え合い、分かち合う存在。


――欲望も、互いでぶつけ合わなければならない――




改めて口にするのは恥ずかしい、はしたないという思いが無いわけではない。
しかし彼が望んでいるのは、正直な自分の気持ちの吐露だ。

上質な生地と共に、胸がそっと撫ぜられる。
これでは、足りない。お互いに。
答えを待つアベルも表情は余裕を見せているが、呼吸の乱れまでは隠しきれていない。
本当は、孕ませる為により激しく責めたいのだろう。
だがそれでは駄目だ。
夫婦として、エリスからも己を求める言葉を聞かねば。
孕ませる了承は得たが、まだそれだけだ。
彼女自身の気持ちを、欲望を、曝け出して欲しい。


「……っ……」

「ん?」

「……もっと、触れて欲しいです……」

「ドレス越しじゃなくて、私の身体に直接、アベル様の手で……っ」


耳まで紅くしながら、しかしエリスはやがてしっかりとその言葉を告げる。
相手が望んだからではなく、自分も望んでいる。
対等な関係の確認のためにも、必要な言葉だ。


「ああ」

「んぅ……」


薄い笑みを浮かべたアベルは満足気に頷くと、その手をエリスの背中へと回す。
愛用のメイド服と比べれば、背中の露出の激しいドレスだ。
指先が軽く素肌に触れるだけで、エリスは甘い声が漏れてしまう。
まだまだ、これからより激しくなるのだとわかっていても。


「エリス、折角だが脱がしていくぞ?」

「は、はい」


花嫁の身を彩る純白の装束が、後ろ手で緩められる。
一気に脱がされることはない。惜しむように、ゆっくりと。
壊れ物を扱うように、丁寧に。


(これは、なんとも言えんな……)


そしてアベルは、気付かれないように小さく喉を鳴らした。
今まで幾度もエリスの服を脱がせてきたものの、今日ほど興奮を覚えたのは初めてかもしれない。
無垢な花嫁のドレスを、時間をかけて剥ぎ取っていく……
これから自分の色に染め上げていくのだという、倒錯的な欲望。
それをより強く実感できるからだろうか。

背中が緩められれば、必然的に胸元も緩んでいく。
やがてはらりと、花嫁を守る壁の一つは力なくはだけてみせた。




ドレスの下には、やはり清楚な純白のビスチェ。
普段の下着とは異なる、細やかな刺繍の刻まれたものだ。
このままこの姿のエリスを眺めつづけるのも悪くないと思えてしまうほどに、これも彼女によく似合う。


「あっ、アベル様……」

「わかっているよ、エリス」


だが、少し虐めが過ぎたか。
お互いの身体は熱を持ち、下半身は早く早くと疼きを訴えてくる。
力任せにしてしまわないよう、細心の注意を払って美しい下着も押し下げられていく。


「んっ、ぁっ……」


純白から肌の色が覗き、続けて鮮やかな蕾が顔を見せる。
ゆっくりと下げられた下着はその先端に少しだけひっかかった後に、あえなく陥落。
少し勢いよく、ふるりと慎ましいながらも美しい乳房が曝け出された。


「エリス……本当に君は、どこもかしこも綺麗だ」

「アベル様、恥ずかし……あっ、やっ……んぅぅっ!?」


アベルは躊躇うことなく、形の整った綺麗な胸を直接愛撫する。
両の手で優しく揉み回し、舌先で乳首を嬲り、わざとらしく音をたてて吸い上げる。


「んぁ、はぁ……ふっ、ん……アベル、さま……んいっ!?」


潤んだ瞳も、甘い吐息も、恥ずかしげに捩られる身体も……
何もかもが愛おしく、アベルは責めを緩めることなく胸全体を口に含んだかと思えば、軽く歯を立てる。
少し強めの刺激に驚いたようではあるが、その声もすぐに甘いものへと変わっていく。

愛おしい、大切な少女。
それが今日は、いつも以上に愛おしく……そして淫らに見える。
清楚なドレスを完全には崩さず、しかし魅惑的な胸を晒して顔も蕩けているせいだろうか。
普段肌を重ねる以上に、どこか陶酔しかねない魔力がこのドレスには宿っているとでもいうのか。


「はぁっ……あっ、アベル様、わたし……」


そしてそれは花嫁のエリスも同じこと。
少し憧れをおぼえてしまった、聖国の純白のドレス。
こんな淫らな行為に耽る為に用意されたものではなく、頭のどこかで後ろめたさが生まれる。
しかしそれ以上に、だからこそより深く深く、愛の沼に嵌まれるのではにかという期待感も生まれてしまう。
純白のドレスは、何物にも染まっていないことの証明。
愛する人に、あなたの色に染め上げて欲しいという意味があるということは学んでいた。


(アベル様の、色……)


愛する彼の色は、純白の対極に位置する漆黒。
子供の頃から、彼の色が大好きだった。
激化する戦いに備え編み出した己の魔法剣も、無意識の内に彼の色合いを真似ていた。

冷酷な仮面を被る、黒衣の青年。
しかし少女にとっては、たとえ黒くともその存在は煌めいて見えた。


(アベル様色になってしまうには、どれだけ染め上げられるのでしょうか……?)


純白が、漆黒に。
灰色では済まない程に染め上げられる――愛されるなら。
自分は果たしてどうなってしまうのだろう……?

胸を弄られながら、その身体はさらなる興奮を抑えることはできなかった。





「アベル、さまぁ……」


ぞくりと身体を駆け抜ける、更なる深みへの期待感と興奮。
変わらず胸を捏ねくり回す主人へ、哀願のような声が漏れた。


「っと、すまないな。痛かったか?」

「い、いえ。気持ち、いいです……」

「そうか。それならこのまま……じゅっ、んぷ……!」

「んぅぅっ!? やぁ、違うんですぅ……!?」


既に散々弄られた乳首は淫らに色づき、ぴんと主張をしている。
そこを再度強く吸われれば、当然にエリスの身体は跳ね上がった。
偽りの無い、確かな快楽を感じている。
それでも、他ならぬエリス自身が気がついていた。

自分の身体は、もっともっと強い刺激を欲している。
まだ暴かれていない、この純白のドレスの下で悶えている秘所。
羞恥の感情は強い。それ以上に自分は求めてしまっている。

この疼きを、止めて欲しい。

もう、待ちきれない。

もうとろとろと蜜を垂れ流している、はしたない自分を……

この身体を、満たして欲しい。

奥の奥まで染め上げて。



――孕ませて欲しい。




「アベルさま……もうっ……」


準備はできています。その言葉は、どうしても恥ずかしくて口から出てこない。


「ふっ……」


しかし、顔を更に紅くして懇願の眼差しを寄越すだけの愛しい人の想いに、夫は短く笑って応える。
まだまだ彼女が恥ずかしがり屋であるということは、重々承知している。
本人の口から直接聞きたい気持ちも無くはないが、虐め過ぎて泣かせてしまうのもいただけない。
何より、我慢の限界なのは自分もなのだから。


「まったく、俺の花嫁は随分といやらしい子だな?」


口ではそう言いつつも、アベルは少し困ったような笑みを浮かべていた。
彼とて、自覚はある。
まさしくこのドレスと同じ純白とも言えた少女を、こうも変えてしまったのは……
間違いなく、自分の欲望を抑えきれなかったせいなのだから。


(ああ、俺はどこまでも卑しいんだろう)



そしてそんな少女を、これから更に堕とそうとさえ思ってしまっているのだから。




「あっ……」


お望み通り、名残惜しげに口が双丘から離れていく。
そして両の手は、白いドレスの内側にするりと潜り込んでいた。


「ド、ドレス、脱がないと……!?」

「いや、もう少し。もう少しだけ待ってくれエリス」


慌てふためく少女の静止は、あっさりと止められた。
するりと内腿を撫でながらアベル自身も聖域へと乗り込まんとする。


「ア、アベル様っ!? そこはっ……」


より強い静止もやはり無視され、エリスの顔は羞恥に染まりきる。
主人の黒髪の一切が視界から消えた。
どこにと言えば、考えるまでも無い。自分の着ているドレスの内側だ。
優しく手で撫ぜられる内腿と、時折触れる髪の毛が実にこそばゆい。
だが今はそれを気にしている余裕も無かった。


「い、いけませんっ……んぅぅ!?」


広げられた脚を閉じようとするが、それをするとアベルの頭を挟むこととなってしまう。
心底恥ずかしく、本来であれば両脚でもって対象の頭蓋を締め付けるくらいはしたかもしれない。
だが悲しいかな。純白のドレスに護られていた聖域に踏み込んできたのは、この世で最も愛する人なのだ。
抵抗は弱弱しく、為すがままにされてしまった。


「ああ、エリス……こんなに濡れて、ドレスの中はエリスの匂いで一杯だぞ?」

「やぁ……言わないでください……!」


見えていないとわかっていても、エリスは小さくいやいやと首を横に振る。
恥ずかしい報告など聞かずとも、自分が今どれだけ期待して蜜を零しているかなど理解している。
上品な純白の下着も既に多量の愛液を啜り、薄く透き通って内側が見えてしまうほど。
その中心が指で押された瞬間、確かな水音と押し殺した嬌声が部屋に響き渡る。


「ふぁ……! アベルさまぁ……!」


エリスは堪らず身を捩るが、しかし熱い視線は潜り込んだ主人へと向けられる。
翠の中には隠しきれない期待と欲望の色が浮かんでいた。
不意に秘所に感じる解放感、見ずとも彼が下着を抜き取ったのだということがわかる。
いよいよなのだと、固唾を呑み……



「ひあうぅぅっ!?」



その瞬間に、悲鳴と共にエリスの身体は大きく跳ねあがった。
予測した、期待した刺激とはまるで違うものが襲ってきたためだ。




「ちょ、ちょっと、アベル様……!?」

「なに、熱そうだったから少し冷ましてやろうと思ってな?」


エリスが驚くのも無理はない。
期待に濡れそぼった秘所、そして可愛らしい肉芽に対してアベルは息を吹きかけたのだ。
それも、自身の氷の魔力を操作した少しひんやりとしたものを。


「それ、だめです……んっ、んうぅぅ……!?」


ここにきて、まだお預けをされ。
しかし敏感な場所に感じたことのない刺激を受けてエリスはひたすらに悶え続ける。
脚を閉じようにも、いつの間にか両膝を押さえつけられていてそれもできない。


「やぁ……アベル様ぁ……!」


なんとか起き上がり抗議をしたいが、ぞわりとする刺激を受け続け思うようにいかない。
どろどろのぐずぐず、どうしようもないくらいに蕩けきり熱を持っているのがわかる。
はやく、はやく……いつまで我慢をすればいいのだろう?


(切ない、よぉ……)


お腹の奥がきゅうっとなるような感覚。
頭が、身体が。何もかもを忘れ去って、ただただ愛しい人と繋がりたいと叫び続ける。
羞恥心は、どこかへと置き去りにされていた。


「んじゅっ……」

「んああああぁぁぁっ!?」


そんな時、冷風に焦らされ続けた秘所に突然舌が這わされ、強く舐めあげられる。
不意の一撃、そして冷やされたせいか余計に熱く感じる舌の感触にエリスは思わず軽く達してしまう。
思わず口元を手で覆い隠すが、もう声は抑えきれなかった。

じゅるじゅると、大仰にいやらしい音を響かせながらアベルの愛撫は止むことは無い。
伸ばされた舌は肉をかき分け、奥へと潜り込んで無遠慮に蠢く。
ようやく求めていた刺激を受け、止め処なく溢れ出る愛液。
次々に溢れだすそれを、彼は飽きることなく啜り続けた。

純白の花嫁装束の中、聖域内で堪能する淫猥な光景と甘露はアベルにもいつも以上の劣情をもたらしていた。
口では愛する少女より優位に立っている風を装っているが、彼とて状況は似たようなもの。
すでに己の下着は先走りでぬめりきり、とうに使い物にはならなくなっているが、それはひた隠す。

舐め啜るたびに、いつまでも初心な反応をしてくれる少女の反応をまだまだ楽しみたい。
そして……



より深く――これまで以上に、その身体に愛を刻み込みたい故に。


「んぅ! あ、ああぅっ……! やぁ!? ふあっ! あぁっ……ぁはっ……っ」


ただでさえ蕩けきった場所を念入りに解され、エリスはもう声を抑えることも身体に力を込めることもできなくなっていた。
くたりとした肢体、霞がかかったようにぼんやりとする頭。
荒い息の中に感じる、確かな甘さ。
もう、お互いの準備は完全に出来上がっているだろうと言える状況。
それでも、まだアベルは動かない。
いつのまにかエリスがドレスの裾を掴み持ち上げ、より乱れる準備を無意識にしていたとしても。


彼女の全てを愛するために、もう少し――手を出しておきたいところがある。


「ん、あ……ひゃんっ!?」


蕩けきった状態から、一気に覚醒状態へ。
今、自分は何をされたのか?
それを理解するのには少しだけ時間を要した。


「アベル様、そこは……」


エリスは小さく首をふるふると振る。
ああどうしてこの人はこうも意地悪をするのだろう。
とっくに準備ができて、もう待ち焦がれているのに。
未だ前には指も触れず、よりよって後ろを責めてくるなんて。


「前に言っただろう? いつか、こちらも楽しみにしていると」


少しだけ恨めしげな視線を浴びつつ、アベルは小さく笑いながら指を動かす。
男を惑わす蜜壺よりも下、柔らかな尻肉の奥には可愛らしい穴が隠れていた。
アベルがそっと触れたのは、本来であれば生殖行為には一切使わない場所だ。


「ひぅ……んん……!?」


アベルの指は溢れ出る愛液ですぐさまに粘り、図らずも丁度良い潤滑油代わりになっている。
その状態でエリスの肛門の周りを優しく撫ぜる。
こそばゆさに加えて、排泄の為の穴に触れられているという羞恥にエリスは身を硬くする。
しかしその反応にアベルは違和感を覚えた。
何度かたまたま触れてしまった時は、もう少し良い反応が返ってきた筈だ。これは……


「不意を突いたつもりだったんだが……エリス、俺がこうするとわかって――備えていたな?」

「っ!!」


ぴくりと身体が反応を示す。言葉よりもわかりやすい肯定だ。
事実、エリスは以前のアベルの言葉からいつの日かこういうことをされる覚悟は決めていた。
そして幸か不幸か、身近に後ろの穴を既にメイド長に弄り倒されている竜の力を持つ少女もいる。
全ては主人の為に。如何なることにもその信念で突き進み、彼女は成長してきた。
たとえそれが、自身の理解の範疇を逸脱したものであっても、その知識を取り込んできたのだ。


「そ、その……スミレさんから、少し教わって……」

「ほう?」



「ア、アベル様も以前に私のお尻を触られていたので……ちゃ、ちゃんと清めてありますからご安心下さいっ!!!」



半ばやけになった様子で、しかしはっきりと真っ赤な顔でエリスはその事実を伝える。
このドレスを着る際に、一際念入りにいつも以上に身体を清めてはいたが、それは後ろの穴とて例外ではない。
友人からの指導を受け、こうなることも想定されていたのか滑りをよくする為の油まで貰っていた程だ。
さらには恥ずかしいけれど、少しだけ自分で……弄ってみたりもした。
とても正直には話せる内容では無く、エリスはただ黙ってアベルに身体を任せるのみ。


(でも、よかった。これでアベル様も……)




「――そうか。なら、俺も遠慮はしなくていいんだなエリス?」

「っ!?」




一瞬感じたのは、開いてはいけない扉を開いてしまったのだという――恐怖。



「ん、んあああああああぅっっ!?」


それはすぐさま――快感で塗り潰された。


「え……ぁ……!?」

「ふふ、思った通り……いい声だ、エリス」


とても自分の口から出たとは思えないような大きくはしたない声。
手で口元を強く押さえても、もう声を出してしまったという事実が消えることも無い。
耳元で囁かれる主人の言葉にさえ、混乱してしまう。


(うそ……今、私のお尻……)


なんのことはない筈だ。指の本当に先端が門を潜り抜けただけ。
自分でも、なんとかそこまではやってみせた筈なのに。
その時とは比べものにならない快感が、エリスの全身を襲っていた。


「ぁっ……ま、待ってアベル様……ちゃんと、頂いた油がぁっ……はぅ……っ!?」

「安心しろエリス。俺もああして用意はしてある。まぁ……この溢れるエリスの蜜のおかげでそれも不要そうだがな?」


ちらりと目だけで小瓶の存在を報せはするが、アベルがそれに手を伸ばすことは無い。
彼の言葉通り、そんなものを使わずとも自前の愛液だけで十分に滑りはよくなっているようだ。
しかも、次から次へと湧き出てくる。小瓶の容量よりもきっと多いことだろう。
突き付けられた現実にエリスは顔を背けたくなるが、それも叶わない。
ゆっくりと、しかし絶え間なくつぽつぽと尻穴を刺激してくる指の感触に、全神経が集中してしまう。
何度も出し入れをされた影響なのか、気がつけば指は更に奥へと入り込んできていた。


「だ、めぇ……指、抜いてくださ……あっ……」

「ん? そうか。それじゃあ抜くぞ?」


存外素直に、アベルは肛門からゆっくりと指を引き抜いていく。
本当に、ゆっくりと。


「あっ!? あっ、あっ、あぁっ……んっ、駄目ぇっ……!?」


しかしそれは、エリスの新たな快楽の引き金となった。
指の圧迫感に混じって感じていた、もどかしさ。
ゆるゆると与えられていた腸内への刺激。
通常ならありえない、侵入し蠢いてくる異物。
そして、それの排泄に伴う解放感。


「あっ――ぃ――!?」


アベルの指がちゅぽっと音を立てて全て引き抜かれると同時、エリスの身体は大きく跳ねた。
全身の力が抜けた様子で、荒い息を吐き出す彼女のその様子は……
紛れも無く、少なからぬ快楽を受け取ったことの証明でもあった。





「はぁっ……ぁ……い、今のは……」

「どうだったエリス? 次はもう少し奥まで行ってみようか?」

「えっ!?」


そんなエリスの後ろの穴に、休む間もなくアベルの指が再び挿入される。
先程よりも滑らかに動くそれは、一気に前回よりも奥地へと到達してみせた。


「あ、ふっ、はぐぅ……!?」


さっきよりも、太くて長い。

エリスは異物が変わったことを、腸壁で敏感に感じ取ると同時に悟った。
自分の時と、どうしてもこうも状況が異なるのか。
答えは実に単純なものであり、エリスとアベルとでは指の大きさが異なるからだ。
双剣を振るい勇猛に戦うエリスも、こうして寝台に寝かされている様はどこからどうみても華奢な少女でしかない。
たゆまぬ鍛錬を積んでなお、その指は白く細く滑らかで少女らしい。無骨なアベルの指とは大違いだ。
おそらくは、先程の指はあれでも小指だったのだろう。
では、この指はどれだろう?


「ん゛っ!? ひ、ぁ……ふ、うぅぅ……!?」


それを考えるよりも先に、エリスの思考が再び快楽で塗り潰される。
今、弄られているのは後ろの方だというのに。
前の方から、切ないほどに愛液が撒き散らされる。


「どうだ、エリス。今、こちらからお前の子宮に触れているぞ?」

「ぁひっ!? しょん、な……ふああぁぁあぁっ!?」

「これから、ここを一杯にしてやる。俺が、エリスを孕ませるんだ」

「んひぃ……!? っは……アベルしゃま……これ、らめぇ……!?」


アベルの言葉通り、エリスの腸壁越しに彼は子宮を優しく叩いていた。
指の腹で、撫でていると言った方が正しいか。
とても緩やかな、間接的な愛撫。


「ひっ、ふぁっあ……はう゛ぅぅ!? どうして、らめなの、らめなのに……きちゃ、うぅぅぅ……!?」


前は弄られていない。だというのに、お腹の奥底が疼いて仕方がない。
壁越しに大切な場所を撫でられている。本来の用途ではない場所に指を入れられて。
こんなのはおかしいと、エリスは襲い来る快楽を否定しようとする。
しかし否定しようすればするほど、その場所に意識が向いてしまう。
こりゅこりゅと腸と子宮を刺激する指の感触が、もう頭に焼き付いて離れない。


「やら、やれす、きちゃ、あっ……!?」


「んっ、イっ――~~~っ!!??」


そして、アベルの指が曲げられ、再び子宮を刺激されたその瞬間。
エリスは、前や胸を刺激されていないというのについに達してしまう。
取り繕うにも、噛み殺したかのような嬌声は聞かれてしまっている。
そしてきつく締まった肛門は、直接彼に絶頂の報せを送っていることだろう。


(そん、な……私、お尻でぇ……)


興味が全くなかった……そう言えば、嘘になってしまう。
だがしかし、初めての後ろでの絶頂は、エリスに並々ならぬ衝撃と快楽をもたらした。




「アベル、様……今のは……っ」

「ふふ、やはりエリスはこちらが弱いみたいだな?」


なんとか顔だけ起こして見れば、アベルは口の端を少しだけ吊り上げていた。
彼の腕から滴り落ちる雫を見れば、自分が改めて尻穴で絶頂を迎えてしまったのだと見せつけられるようだ。
今のは、たまたま。
そう言い逃れしたかったエリスではあるが……


「だが、俺もそろそろ限界なんだ。こちらはまた今度、ゆっくりと……」

「んにぃぃっ!?」

「おっと」


仕舞いだと言わんばかりに、指が再び引き抜かれる。
その瞬間にエリスの身体も再び跳ね、漏れ出る嬌声も抑えることができなかった。
挿れられ、抜かれ、そのどちらもが違う種類の快楽をもたらす。
この有様では、もう言い逃れもできないだろう。


「ふふ、可愛いぞエリス」

「やらぁ……これ……」


ばれている。お尻の穴で気持ちよくなってしまったことが。
教わる時に、癖にならないように気をつけてくださいと忠告は受けていたがもう手遅れかもしれない。
結婚を経て、一つの障壁を乗り越えたはいいが違う壁も乗り越えてしまったのだろうか。
口では嫌がりつつ、自分の肛門が切なげにひくついてしまっていることを、エリスは自覚していた。


「……もう少し、解しておくか?」

「え? やぁ、だめ、だめです……!? やめ……あっ!? んふぅんんんんんっ―――っ!?」


そして、気が変わったのかアベルの指は三度エリスの菊穴を穿つ。
さんざんに弄られたせいか、エリスの身体の強張りもなくなりそれはぬぷぬぷと奥まで呑みこまれていく。
さらにはもう片方の手はは焦らされた前へと伸び、二本の指が蜜壺に挿されて掻き回す。
とどめだと言わんばかりに、充血し膨らんだ豆が思いきり吸い上げられた瞬間、エリスの身体は今日一番の反応を示した。
背を仰け反らせ、浮き上がった身体は意思とは無関係にがくがくと震える。
ぐちょぐちょと掻き回される膣からは止め処なく愛液が幾度も撒き散らされ、肛門は指を咥えこんで離そうとしない。
強烈な快楽。少女の身には余るほどだが、そこに苦しみはなかった。


「ひどいです、アベルさま……」


しばらく余韻でくたりとしていたエリスだが、身体を起き上がらせるなり少しだけ口を尖らせる。
虐めぬいた少女の股から顔を上げたアベルと目が合うと、そのまま口づけをして抱きついて見せる。
紅に染まりきったその顔には、幸福と情欲に満たされた蕩けた笑顔しか浮かんでいなかった。


「私ばっかり、気持ちよくなるだなんて……駄目です、そんなの……」

「――ふ、夫婦ならっ、アベル様と、一緒に……気持ちよく、なりたいです……!」

「っ……そうだな」


身体を擦りつけるように甘えてくるエリスに、いよいよアベルも自分の限界を悟る。
自分でもできる限り、これから長い一夜になっても大丈夫なようにといつも以上にエリスの身体を昂ぶらせてきたつもりだ。
もう少しとも思ったが、こんな可愛らしい顔を見てしまってはもう駄目だ。
ゆっくりと口づけを落とすと同時に、互いは強く抱きしめ合う。

二人を遮るものは、もう何もない。




……


純白のドレスは胸元を曝け出し、優雅なスカートはたくし上げられてその機能を果たしていない。
清純とは真逆、淫らな格好となってしまった花嫁。
しかし向かい合う夫婦の顔には、笑みが浮かんでいた。


「エリス……挿れるぞ?」

「は、はい」


エリスのお腹の上に、ぴとぴとと猛り狂ったアベルの肉棒が当てられる。
まさにはち切れんばかりであり、こんな状態でも確認を取ったのはアベルの優しさか。


(こ、これからあれに、アベル様に、赤ちゃんを……)


孕ませる。その意思の象徴のような姿に、エリスは覚悟を決める。
愛する人が、自分の他に誰かを何人愛していようとも構わない。
だけれども、メイドの身分でありながら欲深くなった自分にも、譲れないものはできていた。
誰よりも先に、愛する人の赤ちゃんを産みたい……家族の時間を過ごしたい。
それは、幼くして過酷な運命を背負った少女の心からの願いだった。


「エリス……」


横たわるエリスの脚が開かれ、アベルはより密着した姿勢となる。
そしてどちらからともなく両手を重ねあわせると、彼女の顔の両側へと持っていかれる。
自然と合わさる、二人の視線。


「アベル様……きて、ください……♪」

「ッ……エリス!」


潤んだ瞳で見つめるエリスに頷き――アベルはそのまま一気に最奥までを貫く。



「っあああぁぁぁあああぁぁっ――!? ぁ……ふぁ、ぁ、ぁあっ……!」


エリスの身体が幾度目かわからない程に跳ね、ふるふると震える。
膣内も挿入と同時にきつく締め付けたかと思えば、すぐに緩めてみせた。
まだかまだかと待ち望んでいたエリスの身体は、挿入だけでも軽く達してしまったようだ。


「っぁ……もうしわけ、……っまた、私だけ……」

「まだだ。まだ夜は始まったばかりだぞエリス?」


またしてもアベルよりも先に気持ちよくなってしまったことに罪悪感を覚えるエリス。
しかしアベルは気にした素振りも見せず、優しいキスをして慰める。
そう。一度や二度の絶頂程度は誤差の範囲。
これからまだまだずっと可愛がるのだから。
にやりと笑うアベルは、ゆっくりと腰を動かし始めた。


「ひぁっ! ふぅっ……ぁぁん、あぅ! あっ……気持ち、いい……♪」


熱く柔らかいエリスの内側は、きゅうきゅうとアベルを締め付けながら絡みつく。
それも当然にアベルを昂ぶらせるが、それ以上にエリスの表情と声が大きい。
内だけでなく外からも、男を悦ばせる。




「アベルさまぁ……いい、の……! もっと……っぁ……もっと……!」


努力家で、純真で、一切の穢れを知らなかったエリス。
そんな彼女がこうして自分の下で乱れて、もっともっとと自分を欲している。
純白のドレスを纏った美しいこの少女を、自分の手で染め上げているというこの背徳感。
そして、紛れも無く彼女は――自分だけのものなのだという、至高の悦び。


「エリス、エリス……っ!」

「んぁ……! アベルさま、アベルさまぁ……!」


腰が止まらない。
このまま、いつまでも繋がっていたい。
独占欲が意外と強いことを、アベルは自覚している。
誰にも渡す気はない。
愛する少女に、最後の愛の証を刻み込まねば。
誰よりも先に、愛の結晶を。それは彼女も強く望んでいることなのだから。


「アベルさま、だいすきです……! アベルさまのあかちゃん、ほしいの……!」

「ああ……俺もだ……!」


緩急をつけて動かされる身体。下半身の水音だけでなく、お互いの口からも水音は止まらない。
飽きもせぬ甘い口付け。上も下も、繋ぎ合った両手も離れることはない。
お互いの身体を、お互いに知り尽くす。
ただの主従から夫婦となる二人は、より相手を知ろうとさらに繋がりを深め続ける。


「あぁぁっ! んぅ、はぁ……っ! ふあっ、あぁぁっ! んあああああぁぁぁっ!」


握られた手の力が、強くなる。
声もより艶めき、エリスも無意識の内に腰が動き出して締め付けも強くなっていく。
やはり先に限界を迎えるのは彼女の方か。察したアベルも動きを速め、より激しく膣内を抉りこむ。




「ひっ、あ……らめ、またい、イッ……っぁ―――――!?」

「く……! まずは一発目だ……! 出すぞエリスっ! 俺の子を……孕めっ!!!」

「あ゛っ、イ……んぅぅぅぅ―――~~~~~~~~~♪」




繋いだ手は離さないまま、エリスの身体が大きく張りつめる。
同時にぎゅっと収縮してみせたエリスの膣内に、アベルは言葉通りに無遠慮な焼けるような精液を流し込んだ。
すでに達していたエリスにとっては追い討ちとなるようなものであり、彼女の痙攣はしばらく続いた。
お互いが達し、これほどの量の精液を注いだのだ。
本来であればここで終わるだろうが、今日は何よりも特別な日だということはお互いがわかっている。
荒い呼吸を少し整えると、二人はどちらからともなく口付け、舌を絡ませあってお互いを確認し合う。


「お腹に、アベル様がとぷとぷ入ってきているのがわかります……赤ちゃん、できたかな……?」

「……わからないな」

未だぴくりと反応するエリスの頭や身体が、優しく撫でられる。
大切な少女を慈しみ――再度、高みへと引き上げる細やかな愛撫。


「んっ!? あ……また、大きく……」

「まだ、わからない。エリスの中を満たすまでは……な?」


アベルの言葉に、再び顔の熱を自覚するエリス。
しかしそれを断る道理も無く、恥ずかしげに目を反らしつつもこくりと首を縦に振った。
その様子を満足そうに見つめると、アベルは手を彼女の後ろにまわし抱きしめながら再びキスをする。




「んむ……アベル様……」


ただ唇を重ね、舌を絡め合う。
これだけの行為だというのに、どうしてこうも安心し、そして色々と期待してしまうのか?
それはわからないが、エリスは夢見心地だった。
愛する人と上も下も繋がり、こうして抱きしめられる。
これ以上の幸福が、この世に存在するのだろうか?


「あかちゃん……」


いや、存在するからこそ、今宵はまだまだ続くのだ。


「ああ、エリスの子ならきっと可愛い子だろうな」

「あ、ふあああぁぁ!?」


そしてとろんとした心地よさは再び淫らなものへと変わっていく。
繋がったまま上体を抱き起され、その際に膣内も掻き乱されたのだ。
アベルのものは一度出した後だと言うのに、先程よりも固く主張している。


「あっ……ん……」


思わず漏れた嬌声は再びキスで塞がれ、エリスもそれに応えつつ身体を動かす。
さっきよりも、より深く。抱き合いながらお互いが触れ合える、対面座位。


「んむ……ちゅ……んっ!? ふきゅっ!? ふっ、ああ、んあああああんっ!?」

「言った筈だ……そう簡単に、眠らせない……終わらせない!」


ゆったりと舌を絡め合っている最中、突然アベルの腰が激しく打ち込まれる。
先程より深く……それは、体内の状況にも当てはまる。
最奥をとちゅりと突かれ、エリスは堪らず叫ぶと同時にアベルに抱き縋った。


「ひゃうっ!? らめ、れす……これ、らめ……!? ひあ、ああぅぅうああぁっ!?」


しかしそれでどうにか緩和できるということもなく。
先程よりもアベルの責めは苛烈となっていた。
抱きしめられていて、身体を捩らせ逃げることは叶わず。
綺麗な形の胸も胸板でぎゅうと押し潰され、腰の動きにあわせて擦れれば甘い痺れをもたらしてくる。
それだけでなく、まわされた両腕は時にエリスの身体を動かし、揺さぶってくる。
ただ下から突き上げるだけではない、異なる方向からの刺激に慣れる程の経験をエリスはまだ積んでいない。
瞬く間に、もう次の絶頂を迎えようとしていた。


「はぅ……! ま、ってアベルさま……! わたひ、まださっきのがぁ……きゃうぅぅっ!?」

「エリス……!」


容赦ない責めに、再びエリスの身体は達してしまう。
一緒にという想いからなのか、同時に中がより強く締め付けるが、アベルはこれを食いしばって耐え抜く。
そして耐えながらに、エリスへの責め手を緩めることもしなかった。




「はぁっ……! らめ、らめなんれすアベルさまぁ……!?」


エリスは目で止まってくれと懇願する。
しかし彼女は気がついていない。
顔は蕩けきり歓喜に染まり――悦ぶ身体は子宮を降ろしているということに。


「ほら、エリス……わかるか? 今、俺のものが突いているのが」

「んひぃ……♪ らめぇ、これ、アベルさまにとんとんってぇ……♪」


元々体躯差がある二人だ。
かつてない快楽に身体が反応し、ここまで子宮が降りてくれば容易にそこを突くことができる。
少し激しさを控え、とはいえ突きだされる動きの度にエリスの身体はぞくりと反応を示す。
今、自分が小突かれている場所こそが、赤ちゃんの部屋なのだ。
そしてゆっくり動いている今でさえも、奥を叩かれているということがわかる。
扉を軽く叩く時のような、控えめなものでこの心地よさ。
もし、また激しく突かれたら、どうなってしまうのか?


「いひ……アベルさまの……♪」

「……まだだ」

「ひっ、ぐぅ!? そ、そっちはらめれすぅぅぅぅ……!?」


そう考えていた隙を突かれたのか、アベルは後ろの穴にまたしても指を滑り込ませた。
堪らずエリスは喘ぐと同時に、意識が飛びかねない程の刺激を受ける。
前戯の時とは違い、より激しく掻き回されていることも大きい。
しかしそれ以上に、今は既に前でアベルの逞しい一物を受け止めているのだ。
薄い肉壁越しに、二つの異物が擦れあう。


「あ゛っはぁ……ひぐ、はっ……おなか、くるしいのに……!?」

「すまないエリス。だが……こうするとどうだ?」

「ん゛っ!? んうう゛うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♪」


ずぷりと、指が根本まで呑みこまれる。
そしてそれが蠢けば、降りた子宮がまたしても裏側から柔らかく愛撫される。
前後の穴から大切な場所を異なる刺激で弄ばれる、倒錯的な快楽。
恥じらい以上、抗い難い快楽の前に、エリスはただただアベルを抱きしめることしかできない。


「こりぇ、らめれふ……わたひ、おかひく……♪」

「エリス……愛しているよ」

「わ、わたひも、あべるひゃまとはなれたくないれす……♪」


呂律も怪しくなってきたが、それでもエリスはアベルに抱きつきながらキスをせがむ。
頭が真っ白になりそうではあるが、この上ない幸せ。
自分の心も身体も、悦んでいるのがわかる。
離れたくない。離したくない。
それを主張するように、エリスの前後の穴もアベルを捕えて離そうとはしなかった。


「ああ、俺も――絶対に離さない」


それに応えるように、アベルは力一杯エリスを抱きしめる。
そして――その勢いのまま、エリスの身体に腰を打ちつけた。





「あ……♪」


びくりと、エリスの身体が反応する。
合わせるように、その口の端からはだらしなく涎が零れ落ちた。
今の一突きで、またイってしまった。
そしてきっとこの直後、またイってしまうのだと、彼女は本能で悟った。


「エリス……!」


ぐっとアベルの腰にも力が込められる。
膣内の奥の奥。本来は容易には届かない子宮も、待ち焦がれ降りてきている現状。
突かれる度に子宮口はくにゅくにゅとした奥底の感触をアベルに伝えてはいたが、彼はそこで止まることをしなかった。
前と後ろから可愛がり、愛する少女を快楽で染め上げた。
そして孕ませるという野望を為すために、その逃げ場の一切を塞いだのだ。
ぶちゅりと異なる感触、奥底のさらに奥。子宮内まで到達し、さらにその壁までをも貫いた。
既に先に注いだ精液が入ってはいるようだが、心もとない。
確実に、孕ませる。





「いくぞ……! 孕めっ! 孕めエリスっ……!!!」


「んああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――!?」

「おくに、おくにアベルさまの、きてるぅぅぅ……!?」

「――アベルしゃまのあかちゃん、できちゃううぅぅぅぅ! ひ、あ、ふああああああぁぁぁぁぁぁ――~~~~~~っ!!!?」


エリスの両腕が、アベルから離れる。
奥底に直接注ぎ込まれる精の奔流の前に、絶叫に近い嬌声とともに幾度も身体を跳ねさせては抱きつく余裕も無い。


「ぐっ……!」


代わりに、尋常ではない射精を続けながらも食いしばったアベルが、その身体を離すまいと支えていた。
くたりと力なく倒れ込むエリスを抱きとめると、その身体を優しく横たえた。
正直な所、アベルはまだまだ出したりない思いがあった。
奥底に解き放ったが、果たしてこれでエリスは妊娠できたのだろうか?
しかしそれ以上に、やはり無茶をさせてしまったエリスが気がかりであった。


「大丈夫か、エリス?」


ゆっくりと引き抜けば、ごぽりと精液が溢れ出る。
我ながらとんでもない量を出したものだと思うが、それを受け止めてくれた彼女が愛おしい。
労うかのように頭を撫でて、汗で張り付いてしまった金の髪をやんわりとどけてあげる。


「……アベル様」


程なくして、エリスはぼんやりとしつつも、視線をアベルにあわせて少しだけ唇を突きだした。
彼女の願い通り、荒々しさは控えた優しく丁寧な口づけを贈れば、嬉しげに喉を鳴らした。
本当に、愛おしくてたまらない。
そう思うと再び下半身に熱が戻ってきたが、アベルも流石に控えるべきと――



「――今度は、私から……♪」



その言葉を聞いた瞬間、アベルの理性は完全に吹き飛んだ。




……


「ん、あ、あっ……♪ いかが、ですか、アベルさま……♪」

「最高だよ、エリス……っ!」


その後も、二人はお互いを愛し続けた。
騎乗位でアベルの上に跨ったエリスが、自ら腰を落とすこともあった。


「ん、きゅっ、ふぁぁ……♪」

「ふふ、あまり無理はしなくていいぞエリス?」

「ん、でも……ふやぁ!?」

「――俺が突きあげたくなる気持ちを、抑えられないからな?」


そしてアベルも腰を突き動かし、下から幾度となくエリスの子宮を蹂躙する。
この時に放たれた欲望もまた、子宮をこじ開けての直接攻撃であった。



……


「ん……♪ また、後ろぉ……♪」

「……そんなに尻を振って俺を惑わさないでくれ」


「――我慢ができなくなる、だろっ!!!」


「んあああああぁぁぁっ!? お、おひりにあべるひゃまがぁ……♪」


幾度目かに体位を変え、本来はエリスの好みではない後背位となった時、二人はさらに一線を越えた。
ふるふると揺れるエリスの愛らしい桃尻を眺めているうちに、アベルは目的の一つを見失ったのだ。
後ろへの挿入では、子供は絶対に孕めない。それはわかっているのだが。
どうしたことか……いや、間違いなく自分が今日エリスの尻を弄り倒したことが原因ではあるのだが。


「ごりゅごりゅって、アベルひゃまがおひりぃ……♪」

「う、ぐ……! これは、また……!」


受け入れられるか少々不安な行為ではあったが、杞憂だったようだ。
自分が愛するエリスの全てを味わいたいと思ったように……
エリスも愛する人からの愛は全て受け入れたいと思ったのだろうか?
痛みもないのか、甘ったるい声で悦んでくれる少女の姿を見ていると、アベルももう止まれなかった。


「エリス、エリス……!」

「んふぇぇ……♪ これ、らめぇ……♪ らめなのに……おひりきもちいいよぉ……♪」


両者の間に、未知の快感が突き抜ける。
子供を作る為ではない、快楽を貪るだけの行為。
挿入する速度はゆったりとしたものだが、だからこそより長くそこにあるものを感じられる。
そして引き抜かれる度に、エリスの身体はびくびくと悦びに打ち震える。
お互いに言葉はないが、もうわかっていた。
純白の花嫁は、愛する黒い皇子の手で堕ちてしまったのだということを。
それを悔いも咎めもせず、二人は底なし沼のような快楽に身を委ねていく。

ただ、この愛し合いは一点だけ問題があった。



「あ……」


短く、エリスの切なげな声が漏れる。
最早尻での絶頂に抵抗も薄くなってきた筈だが、アベルはその声を聞き逃さなかった。


「どうしたエリス? やはり苦しかったか……?」


顔を赤らめ、後ろからの快楽に身を捩らせるエリス。
しかし彼女は続けて口を開いた。


「お尻から圧迫されていたら、アベル様から頂いた赤ちゃんの素が……」


それを聞いてアベルもようやく合点がいった。
確かにたっぷりと子宮に注いだ精液が、時折外へと零れだしているではないか。
こんな行為をすれば当然の結果ではあるが、エリスの瞳は実に寂しげだ。


「だめ、戻さないと……アベル様との、赤ちゃんが……」


なんとか零れる精液を押し戻そうとするエリス。
しかし後ろから突かれ、体力を消耗している彼女は片手を自らの股に持っていくことも辛そうだ。
そしてそうしている最中にも、溢れだす愛液と混じって精液が外へと出てしまう。


「やぁ……」


哀しみさえも混じってきた声に、アベルはそっと後ろからエリスを抱きしめた。


「アベル、様……」

「……安心しろ、エリス」


そして彼は後ろから引き抜くと同時に、抱えたエリスの身体をひっくり返してみせた。


「んああぁぁ♪ ア、アベル様……?」


その瞬間にまた軽くイってしまったことを誤魔化す様に、突然体位を変えられたエリスはアベルの顔を見つめる。



「――零れた分だけ、また注いでやるからな」



「―――――~~~~~~っ♪」




耳元でそう囁かれた瞬間、エリスはその全身を震わせて悦びを表す。
そしてエリスの顔の横で、再び二人の手がどちらからともなく繋がれる。
これは、今日の最初の体位だ。


「さぁ、エリス。もう一度……」

「はい、アベル様……♪」


二人の夜は、まだまだ終わることはない……


……


――

というわけで、アベルとエリスの結婚初夜でした。
まだこの後少しやりとりととある判定が残っていますが、それはまた明日に
長らく間が空いてしまい本当に申し訳ありませんでした

こんばんはー
それでは、イベント最後までと次の導入部まで投下できればと思います

――




……


トチュ…トチュ…


エリス「ん、ふぅ……///」

エリス「んっ、んぅぅ~~っ!///」ビクンビクン!

エリス「ふぁ……///」クテ…


アベル「っ……」ヌポ…


トロォ…


エリス「あっ……お腹、もう一杯……///」ポッコリ…

エリス「アベル様で、一杯です……///」

アベル「流石に、やりすぎてしまった気もするが……///」ポリポリ…

アベル「エリス、大丈夫か?」

エリス「はい、私……とっても幸せです///」

エリス「赤ちゃん、できたかなぁ……///」

アベル「ああ。もし出来ていなくとも……また近いうちに、な」ナデ…

エリス「んぅっ!?」ビクン!

アベル「エリス!?」

エリス「あっ/// らめ、アベル様……お腹、撫でられたら……///」トロ…

アベル「……」ムラァ…

アベル「こうか、エリス?」ナデ…ナデ…

エリス「あっ、あっ、あふぅ……!?///」フルフル…

アベル「まだまだ、欲しいのかエリス……?」ギシ…

エリス「あっ……///」


アッ…


アァー…!



……

――

――――
―――
――




エリス「ん、んぅ……?」ゴシ…

アベル「……おはよう、エリス」

エリス「ひゃ!?」

アベル「……すまない。俺も箍が外れたのか、途中で力尽きて眠ってしまったらしい」

アベル「繋がったまま意識を手放すなど……」

エリス「……///」カアァァ…

エリス「……」

エリス「…………」

アベル「エリス?」

エリス「私達、これで……夫婦、なのですよね?///」

アベル「あ、ああ///」

アベル「こんな俺だがエリス、どうかこれからもよろしく頼む」



エリス「……っ……」




エリス最終特殊判定

↓1~2コンマ二桁

最後にも決めていくエリスの強さよ……
――
主従から夫婦へ。エリスの変化

1愛する人の呼び方

01~60:「アベル様はアベル様です!」
61~94:「ア、アベル……さん///」
95~00:「あ……あなた///」

コンマ95

95~00:「あ……あなた///」


2周囲への羞恥心

81>50

※基準値を上回った為、まだ二人きりの時だけ

※普段は一個下の呼び方に

――


エリス「……」スゥ…

アベル「エ、エリス? 本当に大丈夫か?」オロオロ…

アベル「やはり俺が無茶をさせすぎたのか? すまない――」




エリス「――大丈夫ですよ」


エリス「あ……あなた?///」テレテレ




アベル「」


エリス「っ~~~~~!」パタパタ!

エリス「申し訳ありませんっ! い、一度だけ、呼んでみたくて、その……///」

エリス「お許しください、アベル様――」

アベル「エリスっ!」ガバ!

エリス「ひゃっ!?///」

アベル「……もう一度頼む」

エリス「ふえぇ!? や、やっぱり恥ずかしくて、その、アベル様にも……///」

アベル「……そうだな。そろそろ様付けも止めてほしいんだが」ニヤニヤ

エリス「そ、そんなぁ……!? 私はメイドであり……///」

アベル「もう俺の妻だ」ズイ!

エリス「あぅ……/// わ、わかりました……///」

エリス「ア、アベル……さん?///」

アベル「……違う、エリス。さっきのだ」ズズイ!

エリス「お、お許しを~!? まだ心の準備が~!?」ワタワタ

エリス(でも、いつかはちゃんと……ね、あなた……♪)

アベル「……」ジー…

エリス「うぅ……///」

アベル「……」ジジー…

エリス「そ、そんな目で見つめてくるのは、ずるいですよ……///」

アベル「むぅ……仕方がない。では、せめて俺と二人きりの時ぐらいは頼めないか?」

エリス「……わ、わかりました。私も、できればいつでもちゃんと呼びたいですし……///」

アベル「ありがとう。愛しているよエリス……」ギュ…

エリス「はい、私もですよ――あなた///」

アベル「……エリス、もう一回だ」ガバ!

エリス「も、もう! 少しだけ時間をください!///」

エリス「そ、それよりも! もう朝です……!?」ワタワタ

エリス「色々と朝の準備もしなければなりませんし、それに……」チラ…


乱れたドレス「」


エリス「このドレスも、ちゃんと綺麗な状態に戻さないと……///」

アベル「そうだな。大切な品だし……」


アベル「――いつかまた、夜だけ着て貰うのも悪くない」


エリス「っ!?///」

エリス「も、もう! いけませんよ!」

エリス「噛みしめていたい幸せな時間ですけれど……自堕落になってしまってはいけません!」

エリス「まずはお洗濯を……」フラ…

アベル「おっと!」ガシ!

エリス「あ、あれ? 身体に力が入らない……」ヨロ…

アベル「すまない。本当に無理をさせたな……ほら」ヨイショ

エリス「え?」

アベル「動けないなら、俺が足になろう。前みたいにおぶさってくれ」

エリス「ええっ!?///」

アベル「あ、それよりも抱き抱えた方がいいか?」

エリス「~~~~っ!///」


……

――

――


【城塞内・廊下】


……


キアラ「よいしょ……」

マックス「朝の仕事って、一応片付いたのかな?」

キアラ「うん。エリスさんやアーシャさんのお話だとこれで最後の筈ですよ」

キアラ「外の警戒はフィーアちゃんがやってくれてるし、後はこのお水を運んでお仕舞です」


――アベルとエリスの心配は杞憂であった――

――元々、城塞内の仕事は分担制――

――結婚式の翌日だ。気を遣わせ、誰もがアベルとエリスに日課の雑務をさせる気はない――



マックス「それにしても、アーシャさん達がみんな寝坊っていうのも珍しいなぁ」

キアラ「珍しいというよりも、初めてかも……?」



――ただ、気配りをしたアーシャ達にとって誤算であったのはアベルとエリスの一夜が想像以上に長かったことである――

――流石にまだ始まっていないだろう……改めてお祝いの言葉を伝えに行った女性陣は軒並み被害を受ける――

――扉越しでも内容が確認できてしまうような、深い交わり。濃密な雄と雌の匂い――

――慌てて部屋に戻るが、どうしてもその内容を想像して眠ることができなかった――

――いつか、自分もそうなるのかと思うと……期待や、不安の感情が渦巻く――

――悶々とし続けた彼女らも朝の仕事には間に合わず、結果として被害に遭わなかった二人が代役を務めることになったのだ――



ガチャ…



マックス「ん?」


アベル「ん? マックスとキアラか。おはよう」

キアラ「お、おはようございますアベル兄様!」

マックス「おはようございます!」

マックス「……と、エリスちゃん?」

エリス「は、はい!? おはようございます!」オブサリ

マックス「ちょ、何があったんですかアベル皇子!?」

アベル「なに、まだエリスが眠そうだったから俺が背負っているだけだ」

アベル「昨日の疲れが出てしまったのかもしれないな」

エリス「だ、大丈夫です!もう自力で立てますので!?」ワタワタ


ストッ…


エリス「ん……///」ピクン!

アベル「おっと。無茶をするなエリス」ササエ

アベル「すまないが二人とも、エリスの代わりの仕事を頼めるか?」

キアラ「は、はい! もう済ませていますので……///」

マックス「?」

キアラ「アベル兄様とエリスさんは、今日はゆっくりとお休みください///」

アベル「すまないな。そうさせて貰うとしよう」

エリス「も、申し訳、ありません……///」フラ…


スタスタ…


キアラ「……///」

マックス「キアラちゃん、どうし……!?」


――言葉を続ける前に、マックスは絶句した――

――先程エリスが降り立った位置に、よろよろと肩を借りて去っていく先に点々と……――

――『何か』が零れ落ちていたのだ――



マックス「こ、これって……///」

キアラ「……///」


――それが何かわからない程、二人は無知では無かった――

――果たしてどれだけの量を注がれたのか。向かう先はおそらく浴場だろう――


マックス「……///」ゴクリ…


――これは、掃除をすべきか否か。混ざり合った液体は、エリスの蜜も含んでいる――

――かといって、キアラに任せるのはどうなのだろう。当然だがアベルの精液でもあるのだから――


キアラ「……///」


――エリスはその出で立ちとは裏腹に、今や帝国が誇る最高の剣士の一人――

――常に鍛錬を欠かさず、体力もつけている筈の彼女がまともに立てなくなるまで愛された――


マックス「……///」ドキドキ…


――彼女は、胸の大きさを除けば皇女のキアラに近しいものがある――

――流れる様な美しい金の髪。低めの身長。華奢な身体――


マックス(もし、キアラちゃんも同じくらいのことをされたら……)


――マックスの中で、金髪少女二人の姿が重なってしまう。――

――零れ落ちた情事の結晶が、理性を崩して男の欲求に訴えかける――

――愛する人を、より深く愛した時……どんな表情を浮かべてくれるのか――

――普段の彼であれば、股間を殴りつけてでも抑え込もうと努力しただろう――


マックス「……///」チラ…

キアラ「……///」チラ…


――しかし、頬を紅潮させた愛しい皇女の顔を見てしまったのは不味かった――

――きっと彼女も、この零れた痕を見て想像してしまったに違いないと察する――

――足腰が立たなくなる程の、深い深い愛し合い……それが、どれほどのものなのか――


マックス「キ、キアラちゃん……」ドキドキ…

キアラ「は、はい……」ドキドキ…


――そっと、皇女の手を握る――

――抑えられない。拒絶されるかもしれない。それでも――

――炎槍で貫かれても構わない。その覚悟を決めて、騎士は動く――



ギュ…


――皇女がその騎士の手を振り払うことは、なかった――



……

――

――

【城塞・浴場】


エリス「ん……!///」トロォ…

アベル「……だ、大丈夫かエリス?」アセアセ

アベル「はき替えたばかりの下着がこんなに……」グッショリ…

エリス「はぁ、ぁ……た、垂れてしまっていないか不安です……///」

アベル「流石に大丈夫だと思いたいが……」

エリス(アベル様に背負われた時に、また気持ちよくなってしまったなんて言えません……///)

エリス「……こ、これとドレスは、私が責任を持って洗っておきますので///」

エリス「アベルさま……アベルさんは――」

アベル「……」

エリス「ア、アベル、さん……?」

アベル「……」ジー

エリス「~~~っ!/// あ、あなた?///」

アベル「なんだ、エリス?」ニコリ

エリス「で、ですから、これは私が責任をもちますから、あなたは……」ワタワタ

アベル「――服だけではなく、嫁の身体も綺麗にしないと不味いだろう?」ニュル…

エリス「ん、んぅぅ!?///」ピクン!

アベル「これは、また新しく湧き出たエリスの露だろう……?」ペロリ…

エリス「~~~~!///」カアアァァ!

アベル「……俺も、汗をかいた。前のように背中を流してくれるか?」

アベル「――終わったら、俺もエリスの背中を流そう」

エリス「は、はい……///」ポォー…


アベル(ああ、俺はきっと……)

エリス(ああ、私はきっと……)




二人((もう、この人と離れては生きていけない……))


――


EXイベント16


【戦いを終えて~~君に永遠の誓いを~~】 おしまい


――

――


ラストイベント


【戦いを終えて~~その後の帝国・愛しき人達との日常~~】


――

――――
―――
――



その後、帝国第三皇子アベルとそのメイドの結婚が正式に帝国中に広められることとなった。

アベル皇子に皇位を継ぐ気がなく、また元々は妾の子と蔑まれてきた彼のこの一報は、
然程大事にはならないだろうというのが当人の予測であった。

しかしながら実際には帝国は沸き立った。
宣戦布告をし、仲間を率いて正面からかつての皇帝ギルバートを打ち倒して見せた彼の評価は以前とは違う。
特に圧倒的なまでに貧民街と帝都の住民からは祝福され、変わりつつある帝国騎士団も宴を開いた程だ。

一部の帝国貴族達は、権力の足掛かりにしようとしていた皇子の結婚には落胆するも、すぐに立ち直った。
本命は第一皇子。これまで以上の縁談が、次々に舞い踊ることとなる。

それを見越していたかのように、第三皇子アベルの結婚に続きなんと第一皇子アドルランも正式な結婚を表明する。
しかも二人を同時に妻にするという。帝国異例の平等な一夫多妻の容認。

一方は帝国貴族の中でも有数の力を持つ名家の黒令嬢。
彼女の父親はその報せを受け一日中号泣すると同時に、待たせすぎだと第一皇子に少しだけ不満の声を漏らしたという。
これにより貴族達はこの家を僅かばかりに妬むものの、第一皇子が順当に力有る貴族を妻に迎え入れたという事実は大きかった。
一夫多妻なら自分達にもまだ可能性はあると、彼らの野心が変わるにはまだ時間を要しそうだ。

そしてもう一方は、素性のわからぬ白少女。
快活な黒き令嬢と比較すると随分と大人しい娘であり、明らかに異なる二人を妻とした第一皇子の行為に誰もが疑問符を浮かべる。
しかし、三人が並んで笑う姿は実に喜ばしい光景でもあり、惜しみない祝福に包まれた。
メイドという少女の本来であればあまりに不釣り合いな身分も、既に第三皇子の事例があるために然程問題にされることもなかった。
これを見越して、あえて第一皇子は結婚を先延ばしにしていたのではないかという噂も飛び交った。

そんな熱気が冷めやらぬ時に、第二皇子のカインも正式な結婚を発表。
続け様にもたらされる吉報に帝国民のほとんどは沸き立ち、貴族達の気勢は削がれていった。
相手はなんと第三、第一皇子に続いてやはりメイドの少女。

本来、メイドという身分は主人にそういった想いを抱いてしまうことさえも禁ぜられている。
だがこうして帝国の皇子全員がメイドと結ばれたという確か事実があれば、それはもはや形骸化する。
また退位直前、前皇帝ギルバートは正式にメイドは帝国の強者として認めてその給金を跳ね上げてもいた。

もはや帝国において、かつてのメイドと今のメイドは違う。
ただ主人に奉仕し、雑務をこなすだけの存在ではない。
やがて庶民達からは皇族との結婚も夢ではない、一つ上の箔がつく憧れの職業となっていった。

しかし帝国民が何よりも驚いたのはメイドという職の躍進ではなく。
小さなメイドを抱き寄せながら、心の底から幸せそうな笑みを浮かべる第二皇子の姿であったという。
人が変わったように民の為に働く彼にも、多くの祝福の言葉が届けられたという。


皇帝ギルバートの退位から始まった激動の帝国の変化。
決して反発がなかったわけではないが、確かに帝国は変わっていった。
王国と聖国との正式な同盟。
奪い奪われ、長き争いの時は終わり新たな時代へと移りゆく。
かつての帝国と比べると、想像もつかないような穏やかで平和な時。

そんな中で、また新たな吉報が帝国にもたらされようとしていた。

アベル皇子の妻、エリスのご懐妊。

あまりにも早い報せ。
アベル皇子は手が早いと民や騎士団が口々に噂したが、事実である以上彼は何も言えなかった。
そんなことよりも、愛する人が二人の望み通りに妊娠した。
これから愛する、守るべき家族が増えるその悦びに誰よりも喜んだ。

そしてそれは、後に続けて彼の妻となっていく女性達も同じこと。
彼女達は親友の妊娠を喜ぶと同時に……あることを考え始めるのであった。


……

――

最終イベント導入が済んだあたりで、今日はここまで
この後は少しやりとりの後、連続して残りのヒロインズとの一夜になると思います
エリスはちょっと無駄に長くなってしまった感があるので、残りはもう少し綺麗にまとめられたらいいなぁ……

本日もありがとうございました!

こんばんはー
遅くなりましたが、少しだけ再開です
カインは本当に序盤の超壊滅コンマからここまで持ち直すとは私もまったく予想できなかったですねぇ……

――


【帝国・アベルの城塞】



アベル「……すまない、もう一度頼めるか?」

エリス「……アベルさんとの赤ちゃん、出来たんです///」

アベル「っぉ……おぉ……っ……!」フルフル…

アベル「ありがとう、エリス……!」グッ…

エリス「えへへ……///」

エリス「本当にあの日、孕んじゃったんですね///」サスサス…

アベル「……///」

エリス「本当に、夢みたいです……///」

アベル「ああ……」

アベル「……だが、喜んでばかりもいられないな」

アベル「これで俺も、父親となるんだ」

アベル「産まれてくる子には、苦労をかけたくないからな」

アベル「これまで以上に、より一層働かねば!」

エリス「わ、私も……」

アベル「いや、エリスはしばらく無理をするな」

アベル「何がどうお前の身体や子供に悪影響を与えるかわからん」

アベル「未だに続けているメイドの業務は勿論、城塞の当番も全て休め」

エリス「……///」ジー…

アベル「……当たり前だが、俺も夜は自重するよ///」

エリス「お尻ならとも思ったのですが……」

エリス「ま、また後ろからお腹を圧迫されるのは駄目かなって……///」

アベル「当然だ。とにかく、しっかりと気をつけるんだぞ?」

エリス「はい!」

エリス「えへへ……///」ニマニマ


……

――

――


……


アベル「――ということで、しばらくはエリスは休業させることにした」

ロウル「おぉー!? エリスさん、もうお母さんになるんですねぇ……」シミジミ…

ティア「聖国式の検査をしましたので、間違いはないです。順調に育っていますよ」

シア「今の内から、色々と準備しておいた方がいいかもしれませんね~」

アベル「そういえば、二人が検査をしてくれたんだったな。ありがとう」

シア「いえいえ~」

ティア「赤ちゃんが産まれる時も、微力ですがお手伝いさせていただきます……!」

アーシャ「これは、私達にも帝国にとってもいい報せですね」

パトラ「ええ。ここ最近はアドルラン皇子とカイン皇子のご結婚もありましたからね」

パトラ「本当に、少し前までの情勢からは想像もつかない……平和で、素晴らしい時代だと思います」

ロウル「とりあえず、真っ先にすることはエリスさんの鍛錬具を全て没収するところからですかねぇ」

アーシャ「流石にエリスちゃんも、今ばかりは鍛錬を自重すると思いますよ?」

アーシャ「結婚式以来、ますます幸せそうにしてアベルの赤ちゃんを欲しがる素振りを見せていたんですから」

ティア「これからを考えると、お腹を覆えるドレスとかも必要になりますね」

シア「あと赤ちゃんを寝かせられるちゃんとした場所や、お洋服も必要ですね~」

ロウル「裁縫ならばお任せあれ!」パタパタ!

パトラ「アベルさん、あなたも出来る限りエリスさんの傍にいてあげるべきですよ?」

パトラ「いざ、という時に傍にいてあげるのも父親の務めですからね」

アベル「ああ。しかし……」

アーシャ「今も続けているあなたとエリスちゃんの警邏は、私達が引き継ぎますから大丈夫」

ロウル「まあ、アベルさん達ご兄弟が立て続けにご結婚なさって色々と大変なのも知っています」

ロウル「私達では手が周りきらない署名が必要な案件などは流石にこなして貰う羽目になりそうですけど……」

アーシャ「逆に言えば、それ以外は任せてください。二人の負担は極力減らして見せるわ」

シア「公務で疲れちゃったら、早く言ってくださいね~?」

ティア「すぐに、治療いたします……!」

アベル「みんな、ありがとう……」


……


――

――


……



アーシャ「……さて、アベルはちゃんとエリスちゃんのところに戻ったかしら?」

ロウル「足音はちゃんとエリスさんの方に向かっていますから、大丈夫ですね!」

パトラ「エリスさんの年齢で妊娠というのも、負担と不安が大きいでしょう」

パトラ「それを和らげるためにも、アベルさんには頑張っていただかないと」

ロウル「いやぁ、でも本当……結構驚きましたよ」

ロウル「どんな赤ちゃんが産まれてくるのか気になりますね」ワクワク

シア「全力で色々とお手伝いしますよ~!」ワクワク

ティア「私もちゃんと手引書を読んで勉強し直さないと……!」

アーシャ「とりあえず当面は、さっきの案の通り」

アーシャ「アベルとエリスちゃんの仕事は極力私達で片づけましょう」

パトラ「警邏は、少し気をつけた方がいいかもしれませんね」

パトラ「過去の王国でもあったことですが、祝い事で浮かれている国は狙われることもあります」

パトラ「今の聖国は大丈夫とは思いますが、王国の腐敗貴族や帝国の反勢力の存在までは否定しきれませんからね」

ロウル「んー、でも何故か不思議と大丈夫な気もするんですよねぇ……?」

パトラ「?」




……その頃……



シュイン!


バーンズ「……陛下。どうやらエリスがアベル皇子の子を身籠ったそうです」

ギルバート「……」




ギルバート「くくく……もうすぐ、もうすぐか……!」

ギルバート「10年……いや、あの二人の子なら5年でいけるか!」

ギルバート「我も今一度鍛え直さねばな!」ブオンブオン!

ギルバート「アドルランとカインも順調な様子……ふふ、滾るな……!」ブオンブオン!







ギルバート「――この逸楽を邪魔をする者は、全て我が塵にしてくれよう!!!」ブオォォォン!




ドガアアアアァァァァン!



フローレン「ちょっとあなたぁ!? 家の方まで斬撃飛ばすのはやめてぇ!?」


……

――

――

……


ネスト「いいな、お前達?」

ネスト「帝国皇族が揃ってご結婚なさるという、帝国にとって大いにめでたい今の情勢」

ネスト「必ず、よからぬ輩は出てくる。出て来なくても、出てくる覚悟で任務にあたれ!」


斥候部隊「「はっ!!!」」シュバ!


ネスト「いやぁ~……結婚式から然程月日が経っていないのに妊娠って、アベル様も手が早いなぁ」

ノワール「ふふ、そこはギルバートに似てしまったのかもしれませんね」スッ…

ネスト「っと、これはノワール様。失礼を……」

ノワール「ふふ、楽にして? 警戒任務もそこまで気負わなくて大丈夫ですよ」

ネスト「いやいや、こんな時だからこそ万が一もあっちゃ駄目でしょう?」

ネスト「アベル様達がようやく掴んだ幸せ。壊させやしませんって」

ノワール「ありがとう。でも大変なのは、むしろこれからかもしれませんね……」ハァ…

ネスト「え?」

ノワール「正直な所、私ももうすぐおばあちゃんなのかと思うと、年甲斐も無くはしゃいでしまいそうなのだけれど」ウズウズ

ネスト(多分、この世界のどこにもこんな綺麗なおばあちゃんはいないだろうなぁ……)

ノワール「ここは、ぐっと堪えるべきです……」グッ…

ネスト「堪えるって……何をです?」

ノワール「……先程も言った通り、アベルの手のはやさはギルバート譲りかと思います」

ノワール「そしてあの人は、その……///」

ノワール「――孕ませると誓ったら、本当にその晩に孕ませるような人でしたからね///」

ネスト「」

ノワール「アベル、そしてエリスちゃんが安静にしている間に、あの子達が考え付いてしまいそうなこと……」

ノワール「それらを鑑みると、近いうちにどんどん孫が増えそうな気がするのですよ」ワクワク

ネスト「」


……

――

――

……

【アベルの城塞・とある部屋】


シア「今のうちから赤ちゃん用の沐浴場所も用意しておきましょう~」パタパタ!

ティア「あ、赤ちゃんの肌に優しい毛布も……!」パタパタ!

シア「お洋服関連はロウルさんにお任せするにしても~……」

ティア「やっぱり、揃えておくべき道具は色々ありますね……!」



ガチャ!



フィーア「シアさん、ティアさん! いらっしゃいますか!?」ピョーン!

サク「フィーア、飛び込む必要はないと思うっきゅ」



シア「あれ? フィーアちゃんにサクさん慌ててどうしたんですか~?」

ティア「……そういえば、今日の朝はどちらに?」

フィーア「そ、それがですね……」

サク「問題ありそうなのは、こっちなんだきゅ」スッ



マックス「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ドゲザズリー!




ティア「きゃああああぁぁぁぁぁ!? マ、マックスさん!?」ドキドキ…


キアラ「……///」モジモジ…


シア「い、一体何が……?」

キアラ「その……///」ゴクリ…







キアラ「――に、妊娠しているかどうかの検査をお願いします///」カアアァァ…!




シア「」

ティア「」

フィーア「」

サク「」



マックス「俺は、俺はなんてとんでもないことをしてしまったんだあああぁぁぁぁっ!!!」ズリズリズリ!



……

――

――


【アベルの城塞・アーシャの私室】


アーシャ「……」カリカリ…

アーシャ「よし……」コト…

アーシャ「あらかた片付きましたね。あとは……」


予定表「……」ビッチリ


アーシャ「これで、アベルとエリスちゃんの負担は減るはず」

アーシャ「エリスちゃんの仕事はほぼ補えているし、メイド専門の技能は……」ウーン…

アーシャ「やっぱりローズさんにお任せするべきかしら?」

アーシャ「でも最近は、自ら業務時間を減らしているとも聞くしお忙しいのかも……」

アーシャ「やっぱり、ここも私達で補うしかなさそうですね」

アーシャ「幸い、私もお掃除には結構自信があるし……」カリカリ…

アーシャ「ふぅ……」

アーシャ「……」

アーシャ「…………」

アーシャ「問題なのは……」



おまけ特殊判定
↓1コンマ二桁

エリス休業中、アベルの夜の相手って……

25>17

※基準値を下回った為、くじではなくアーシャ独自決断!

※みんなへの報告が事後になります

※これにより、間接的に……

――


アーシャ「ア、アベルの夜のお相手ですよね……///」

アーシャ「本当に今のエリスちゃんとアベルは幸せそうで、邪魔はしたくない」

アーシャ「でも、アベルだって若い男性。愛しいエリスちゃんを長期間抱けないとなると、溜まってしまうでしょう……」

アーシャ「ちゃんとエリスちゃんのお仕事をお休みにさせていたし、アベルもエリスちゃんに無茶なことをするはずもない」

アーシャ「……」

アーシャ「よく考えましょう。エリスちゃんが抜けた穴を塞ぐ為に、何が大事か」

アーシャ「まず、エリスちゃんに代わり前衛を担えるパトラさんは欠かせない。彼女にも負担をかけることはできませんね」バツ!

アーシャ「同様にロウルちゃんも、警戒には必須……身重のエリスちゃんが狙われでもしたら大変だわ」バツ!

アーシャ「シアさんとティアさんは回復の要だし、赤ちゃんに関する知識もちゃんと持っているみたいだし外せない……」バツバツ!

アーシャ「……」

アーシャ「…………」

アーシャ「………~~~///」パタパタ!







アーシャ「 必 然 的 に 私 が ア ベ ル の お 相 手 を し な き ゃ 駄 目 じゃ な い ! ? 」ガーン!





アーシャ「そ、そんな……///」

アーシャ「で、でも……///」ゴクリ…


アーシャ「――や、やらなきゃ!///」グッ!


……

――

まさかのアーシャ単独先行になったあたりで今日はここまで
少しやりとりを挟むかもしれませんが、その後アーシャとの一夜になります
流れは以前挙がっていた物の中に、当初のこちらの予定に近いものがあったのでそれを使わせていただきたいと思います

なお、お気づきかと思いますがマックスとキアラはこの時点でまだ式を挙げてないんです(白目)
後ほど、必然的に彼らのイベントも少し挟まります

本日もありがとうございました!

こんばんはー
やはりこのままやりとりも込みでアーシャとの一夜に入ろうと思うので、またしばらく書き溜め時間を頂きたいと思います。
そしてその内容に関して、判定を忘れていたので取っておきましょう
アベルとしては『プレイの一環』として行います(これまでのアベルの性格的に鬼畜過ぎるのはあれなので)

ペットプレイ、どの辺りでアーシャが折れるか?

※できればゾロ目はやめてほしいです

↓1コンマ二桁

こんばんはー
すみません、連日の暑さの影響かPCがイってしまい生存報告すらままなりませんでした……
ほぼほぼ完成はしているので、土曜日の夜には投下できるかと思いますので、よろしくお願い致します
(明日はおそらく来れないです……)

なお、キャラクターの身長に関しましてはある程度は考えていましたが
実は一部の子の正常位の時とか身体的負担が相当キツイことになっていたりします(白目)
皇子三人はアドルラン190↑、アベル180↑、カイン175(筋肉とかもこの順番)
女性陣は140~165(ロウルは高めで170)サクは唯一コンマで100+80の180
ちなみに三皇子の身長が下がるのに比例して各嫁メイド達の身長も下がっていたりします

こんばんはー
予告しておきながら昨日は寝堕ちてしまい本当に申し訳ありません(土下座)
非常に間が空いてしまいましたが、アーシャパートの投下を行いたいと思います
なおコンマ25のため、アーシャは
アーシャの羞恥心

11~30:最終段階一歩手前までオーケー///

となっていました。
おかげで少し二人の変態度数が上がってしまったかも……

――


「……すまないアーシャ、もう一度言ってくれないか?」


夜遅くに部屋を訪ねてきた親友に、思わずアベルは聞き返す。
無論、彼女の声はよく通るし聞き取れないことなどは基本的に無い。
それでも聞き返してしまったのは、その内容があまりに突拍子もないものだったからだ。


「で、ですからアベル。エリスちゃんがおめでたで、しばらくは無理ができない状況ですよね?」

「ああ」

「だから、しばらくエリスちゃんの代わりに私達もより一層頑張ろうという話になったんです」

「ああ、ありがとう」

「そして、エリスちゃんに代わってしばらくは私がアベルの夜のお相手をしようかと」

「……」

「わ、私なら何をされても構いませんし、もし妊娠しても影響は少ないでしょうし……」


僅かに目を伏せ、頬を赤らめるアーシャ。
しかしすっと差し出された彼女の手には、とあるものが握られていた。


首輪である。


首元を飾る宝飾の類ではない。
上流階級の者達が、自身の飼育する動物の所有権を主張する為につける代物……
つまるところ完全なペット用だ。

既にアベルも、どこかで親友が誤った性癖を拗らせてしまったことは理解している。
だがどうにも理由の一端は自分にあるようで、彼女が少し変わった性癖の持ち主だからといって嫌いになることもない。
これも彼女の一面。
歪んだ両親と姉に囲まれ、弱者を踏み躙る強者の家の娘として育てられながらも心は喪わなかったアーシャ。
冷たい瞳に震え、獣のように扱われたいというのは、彼女の境遇から来る贖罪の感情の一つなのかもしれない。
だから、それはもう気にしない。
だが。


(……俺は、そんなに性に奔放だと思われているのか?)


アベルは内心、凹んでいた。
アーシャは優しく聡明だ。本当にエリス達のことを考えた結果、この結論に達したのだろうと察せられる。
しかしこの結論に達する前段階は、つまり自分が身を差し出さねば手当たり次第に妊娠させまくる男として認識されていることと同義。
流石にそこまで無節操ではない……


(いや、アーシャ達全員に手を出している時点で、間違ってはいないのか……)


否定をしたかったが、口にしたところで確実に言い負かされるだろう。


(それに……)


改めて、己を見つめ直す。
それと同時に、アベルに黒い欲望が静かに渦巻いた。
自分自身で、気がつかないふりをしていた欲望。
何を今更。事の発端でもある一夜にも確かに抱いていた欲望ではないか。


――愛する人達を、孕ませたい――


毎度一夜でそう都合よくいくとは勿論限らない。
それでも強欲な皇子は、確かにその欲望を持っていた。

それを自覚した彼は、小さく口の端を吊り上げ――目の前の愛する人の為に『仮面』を被る。



「……アーシャ」

「!!」


普段よりも、少し低く冷たさを意識した口調で彼女の名前を呼ぶ。
自惚れでなければ、きっと彼女も……
声に反応して小さく身体を震わせる反応は――期待の表れ。
アベルだけでなく、アーシャもまた密な一夜を焦がれているという証でもあった。


「それを俺に寄越すということは……覚悟はあるんだな?」

「は、はい」


少々手荒な真似はしてことがあるが、首輪をつけたことはない。
隷属の証。その者を縛り付ける存在。
貴族の家の娘という、生まれながらに枷をつけられたアーシャ。
彼女は姉と両親と決別し、その枷から解き放たれた筈だ。
そんな彼女に、傾向が違うとはいえ別の枷をつけてしまって大丈夫なのか。


「私は、アベルになら……」


そんな感情も、期待を寄せるアーシャの姿の前に吹き飛ぶ。
首輪による枷など、今更微々たるものだ。
己の野心を遂げる為に巻き込み、そして今のこの状況……
結婚という、その人の後の人生を縛り付ける枷もつけてしまっているのだから。
その枷を幸福に満ち足りたものにできるか否かは、アベル次第だ。
そして、この首輪の枷もそれは同じこと。


「……いいだろう」


彼女の全てを受け入れる。その覚悟は済ませてある。
首輪を、枷を、冷たい視線を望むのならば。
存分にそれに応えてこそ、この首輪も彼女にとって幸せな枷となる。
アベルは小さく息を吐きだし、改めて念入りに仮面を被りなおす。


――果たしてどこまでアーシャが動物扱いに耐えられるのか?――


頭を過ぎった嗜虐的な考えに、思わず口の端が吊り上る。
意外とアーシャの性癖は、自分の性癖も満たしているのではないか?
才女を自分の足下でペットとして扱うともなれば、満たされる征服欲は大きい。
子供を孕ませるということも、見方を変えれば征服欲の一つではないか?
考えを巡らせ、これからの行為を『普通』のものとして扱う。
そうすることで、仮面は以前よりもより黒く染まったものとなる。
願わくば、彼女がこれを悦んでくれるように。


「……首を出せ」


低い声に、躊躇いなくほっそりとした首が差し出される。
まわされた手にさらりとした黒髪が触れ、アベルにも妙な興奮をもたらした。
ああ、今から自分達は一見すると普通ではないことをするのだという、背徳感。
それを顔には出さず、淡々と首輪が巻かれ……

そして、小さな金属音と共にそれはアーシャの装備品となった。

今この時、彼女はアベルのペットとなったのだ。




「いい格好だな、アーシャ」

「あ……」


首輪に繋がるリードを握りしめながら、アベルが笑みを浮かべればアーシャの顔は熱くなる。
くいと軽く引けば、自然とアーシャの身体は四つん這いの姿勢となった。
既にこの時点で屈服しているように見えるが、アベルは再び思考を巡らせる。


(さて、ペット扱い……本当にそれをなぞればいいのか。アーシャの限界はどこなのか……)


流石のアベルとて、いくら仮面を被ろうともそちら側の知識は完璧ではない。
ただ相手を腰砕けにする手なら覚えはあるのだが、意外にも少し常識から脱したものはまだ勉強の余地がある。
おそらくは知識を叩きこんでくれた母が真っ当であったのも原因の一つであろうが。
これから先も愛する人たちを満足させるためにも、より深い世界に踏み入る必要があるとアベルは感じ取っていた。


(挑む相手が未知であれば、段階を踏んでいくのが定石か)

「……よし。これで君は俺のペットだ。ペットなら主人の命令には悦んで尻尾を振るな?」


コクリと首が縦に振られるのを見て、アベルはまずは軽めのものから試してみる。


「……アーシャ、お手」

「わぅんっ!」

「っ!?」


風切り音すら聞こえた気がする。
アベルが差し出した手には、気がついた時にはアーシャの手が重ねられていた。
一切の躊躇いの無い、圧倒的な速度。
およそ人に対して出す命令ではないというのにこの反応速度。
間違いなく、この事態を想定して修練を積んでいなければできない芸当だ。


(アーシャ……)


思わず頭を押さえそうになるが、なんとか堪える。
努力家で頭のいい彼女のこと、きっとこれもしっかりと勉強したのだろう。
そういえば王国で、そちら側の御用達のような本を贈ったりもした。
きっとあれを熟読したに違いない。
ともなれば、小手先だけでは通用しないだろう。


(――アーシャ。君が、ペットの扱いに恥ずかしさを覚えるのはどのあたりかな?)


知らないうちに、アベルは笑みを浮かべていた。
アーシャの望みを叶えるための仮面。
しかしそれはやはり同時に、アベルの嗜虐的な欲求を叶える仮面でもあった。


――彼女が羞恥に悶える姿を見てみたい――


どろりとした欲望を自覚しながら、アベルは次に期待を寄せるアーシャを見下ろしてみせる。
首輪に繋がれた気品と教養のある女性……普通のペット扱いではもう照れてはくれないのだろう。
これをより、辱めるにはどうするべきか。



「……ペットが服を着ているというのも、妙な話だな?」

「!!」


告げられた言葉に、アーシャの肩はぴくりと震える。
アベルからは次の句は告げられなかったが、その意味を察っしろということなのだろう。
つまりは、手を貸してやることもしない。自分の意思で服を脱げと、そういうことだ。
見下ろすアベルの視線は冷ややかで、それでどことなく期待を含んでいる。


「は、はい……」


それに射抜かれながら、アーシャはゆっくりと動き始める。
首輪にリードがあっては、普通の服では上手く脱ぐことはできない。
しかし今着ている夜着は緩やかなもので、肩から紐を降ろせばそのまま脱ぎ去ることができる。
特に考えてはいなかったが、今日これを選んだのも、首輪を意識してのことだったのか。
アベルからの視線と自分の底に眠る欲求に赤面しながらも、その手は止まることはなかった。


「ほう……」


アベルから時折漏れる声が羞恥心を煽り、動きを僅かに鈍らせはする。
何も知らない者が見れば、皇子に首輪を繋がれながら自ら下着を脱ぎ去ろうとしている娼婦か何かだ。

貴族の令嬢がするには相応しくない行為。
だからこそ、二人の中の劣情はどんどんと増していった。
『アーシャ』という個を受け入れ、どこかで歪んでしまった自覚のある性癖に応えようとしてくれる彼が愛おしくて。
優しく優雅で博識で、憧れさえ抱いていた彼女が自分の意のままに痴態を曝け出してくれて、興奮しないわけがない。


「あの、アベル……」


おずおずと声をかけるも、返答はない。
当然に下着も何もかもを脱ぎ去り、生まれたままの姿になれということなのだろう。
わかってはいたが、やはりいざとなると身震いをしてしまう。
彼に脱がされるのとは違う、自分の意思で見られながら脱ぎ捨てるというのは非常に羞恥心を煽ってくる。
しかしここで止まるわけにもいかず、アーシャはまずは上の下着を取り去る。


「んっ……!」


ふるりと揺れる美しい乳房は、見る者の目を惹きつける。
大きすぎず、小さすぎず。絶妙なそれはどこか品の良ささえ感じさせる美しさを持っていた。
しかしその先端部分が、早くも尖りはじめていることを本人は自覚していた。
視姦され、そしてこの後に期待するだけでこの有様。
顔から火が出そうなほどに恥ずかしいが、そこに感じる視線がさらに身体を昂ぶらせる。


(ああ、見られている……! アベルにももう、絶対気がつかれています……!)


ぞくりと身体を震わせれば、合わせるように胸も揺れる。
その一挙一動を見られていると思うと、ますますアーシャの身体は悦びに震えるのであった。



そして当然、ここで終わりではない。
しばし揺れる胸を楽しんでいたようだが、アベルの視線はその下へと向いている。
今脱げばどうなるか……
それはアーシャも重々承知の上だが、しかし脱がねば延々と視姦されて夜が明けてしまうだろう。
意を決し、下腹部を覆う下着にも指をかける。
黒地の面積の少ないそれは、左右を紐で結ぶ代物だった。
解くのは然程難しくなく、すぐさま片方がその役目を失い布は大きくめくれてしまう。


「っ……」


それだけで……いや、おそらくは最初から感づかれていただろう。
それが既に水分を含み始めていたということに。
もう一方も解かれて床に力なく落ちれば、もうアーシャの身を守るものは何も残されていない。


「……濡れているな」

「あぅ……」


まじまじと股を視姦され、アーシャは思わず顔を背けたくなる。
しかし首輪を繋ぐ紐を引っ張られ、それは許されない。
ただ純粋に秘所を見られているという恥ずかしさもあるが、前戯も無く濡らしている自分という存在が恥ずかしいのだ。
それこそまさしく躾のなっていない犬かなにかだ。
それがわかっていても、身体の熱が抑えられない。
上から下へと送られる視線だけで、声が漏れてしまいそうになる。


(アベルの視線を、凄く感じます……)


どうしようもなく恥ずかしく、しかし嬉しいという感情がが渦巻く。

染みついてしまった貴族の教養でもあるが、アーシャは無意識でその身体の美しさを保つことを心がけている。
無駄な肉は無く、しかし女性らしさは失わず。
所作にも気をつかい、細剣を扱う腕や踏み込む脚はすらりと美しく。
しかしそうして完成されてしまった身体だからこそ、自身の能力同様に突出した存在には及ばないことが密やかな悩みでもあった。
ある程度はあるとはいえ、抱擁力を具現化したかのような聖女の豊満な胸には届かない。
愛らしい耳や尻尾もなければ、彼女程に腰に括れがあるわけでもない。
愛されついに子を授かった少女のように、抱きしめやすい華奢な見た目というわけでもない。
そんな自分の身体を、愛する男がこれでもかといわんばかりに視線を寄越してくれるのだ。
性癖を抜きにして、求められているということは女としてただただ嬉しい。


(……あれ?)


――今自分は、どっちを悦んだのだろう?
ペットとして扱われたいのか、それとも一人の女として見られたいのか。
一瞬だけ、それが揺らいでしまった気がする。
しかしそれも些細なこと。
きっとこの後は以前と同じように、獣のごとく後ろから激しく突かれるのは変わらないのだから。
それを期待してしまうと、太腿までたらりと愛液が垂れてきた。




「……よし、それじゃあ行くとするか」

「え?」



だからこそ、アベルの言葉はあまりにも予想外であった。
呆気にとられ思わず聞き返してしまうが、アーシャはそこで確かに見た。
アベルが意地悪い笑みを浮かべているのを……



「い、行くって何処へですか?」


応えを待つが、返ってくるのはくつくつという笑いのみ。
博識で通るアーシャも、言葉の真意が掴めずに困惑する。
今の時間は皆も寝静まる頃合い。どこかの店が開いている確率は低いだろう。
そもそも自分はアベルの望み通りに服を全て脱ぎ去った状態だ。
一度脱がせて、また着させて何処かへ向かう? それはないだろう。
それでなくとも昂ぶったこの身体では、下着をなおしてもすぐに濡らしてしまう。
どう考えても、この状況下でどこかへ向かうというのは愚策だろう。



「決まっているだろう? ペットには適度な運動……散歩も必要だ」



なんでもないと言わんばかりに告げられたその言葉に、アーシャは絶句する。
手元にあるリードがわざとらしくくいと引っ張られ、それが冗談ではないと念押ししているようだ。
散歩。確かに飼っている動物であれば必要なことではある。
しかしまさか、全裸に首輪というこの状況で、人間に散歩をさせようというのか?


(お前はもう本当に、人間じゃなくて俺のペットだと……そういうことなのアベル?)


飛躍したペット扱いに、思わず身震いしてしまう。
だがその視線は非常にぞくぞくとするものであり、身体の内が熱を持っていくことがわかる。
ここでこれを断ってしまえば、今後ともペットの様な扱いをしてくれなくなるかもしれない。
恐怖と羞恥の感情が無いと言えば勿論嘘だ。
その感情以上に、逸楽を求めてしまう。それだけのこと。


「わ、わかり、ました……」

「……よし。四つん這い……と言いたいところだが、怪我をされても困る」

「特別に、二足で立つことを許してやろう」

「ありがとう、ございます……」

「――ただし、手は行儀良く背中の後ろで組んでおくんだぞ?」


耳元で低く囁かれ、アーシャは朱に染まると同時に激しく混乱する。

二足、人間の尊厳を許されたのは僥倖……いや果たして本当にそうと言えるのか?
なまじ残っている方が、より無様で屈辱的な格好なのではないか?
四つん這いであれば、正面から誰かが来ても胸部や秘所を隠すことはまだできる。
しかし手を背中側で組まされては、もう隠しようも無い。全てが見られてしまう。
どちらにせよ誰かに見られたならば、ある意味で生涯に幕を降ろすと言っても過言ではないだろう。
ならばまだ、四つん這いの方が愛する人以外に身体を見られずに済んだのではないか?
才女の頭脳はあれやこれやと考えるが、正解が導き出せない。
導き出したところで、結局は主人の許可が無ければ意味が無いのだが。


「よし、いい子だアーシャ。楽しい散歩に行こうな……?」


逆らうこともできず、アーシャは背を向けて手を組んだことを見せる。
そのまま背中を優しく撫ぜられ身体が反応してしまうが、無理もないだろう。
半ば本番をお預けされて、熱は上昇を続けるばかり。
そんな状態で外に出れば、どうなってしまうのか……
まさか、このまま外で……?

頭が沸騰してしまいそうな程の熱で、正常な思考ができなくなってくる。
繋がれた動物は、ただただ主人に従って部屋を飛び出すことしかできなかった。

……


「はぁっ……はぁっ……」


アーシャの荒い呼吸音は、時間と共に大きくなって行った。
今、自分は全裸に首輪という人間の尊厳を投げ捨てた格好だ。
身体を隠すことも許されず、全てを曝け出して城塞内の廊下を歩かされた。


「興奮しているのか? 音を抑えないと、ロウルに聞かれてしまうかもしれないぞ?」

「っ!?」


後ろから囁かれ、息を呑む。
手は組んだまま。口を押さえることもできない。
静かな夜の散歩は、確かに呼吸の音さえよく聞こえてしまう。
いくら気心が知れた仲とはいえ、こんな姿を見られれば軽蔑されてしまうだろう。


(あぁ、アベル、アベル……っ!)


何よりも救えないのは、この状況に言いようのない興奮を覚えている自分自身だとアーシャは自らを内心罵る。
いつ誰に見られるかわからない恐怖。その中で、アベルだけが後ろからずぅっと視線を寄越している。
彼には震える尻も、徐々に量を増して垂れ流す愛液も、全て見られてしまっているだろう。
正面に回り込まれれば、触れられてもいないのにひどく主張している乳首もばれてしまう。
夜風で冷えたせいだと言い訳をしたいところだが、とてもそれだけで説明できる状態ではない。


「どうした? 散歩は楽しくないのか? 尻尾があれば、悦んでいるかどうか俺にもわかるんだがな」

「んっ!? んんぅぅ……!?」


不意に尻肉が割り広げられ、中心に指を埋められる。
あまりに突然のことに声をあげそうになるが、アーシャは唇を噛みしめてこれを堪える。
以前、筆の先端を埋め込まれ尻尾のようにされた経験がなければどうなっていたことだろう。
まさか今日も尻尾を生やされるのかと身構えるが、どうやら違うらしい。
性的な興奮を与えつつ、望む域までは与えない……待てという、躾をされているのだろうか?


(どうにかなってしまいそうです……アベル、どうか……)


心中でねだっても、主人がそれに応えてくれることはない。
やわやわと尻を撫で、時折軽く叩かれるのみ。はやく進め、という催促なのだろうとアーシャは判断する。
『ご褒美』が欲しくてその指示に従って歩を速めれば、時折自分の息とは違うぱた、ぱたという音が聞こえ始めた。
もう見なくてもわかる。自分が溢れさせているはしたない雫が、脚を動かす度に点々と地面に痕を残しているのだ。
拭き取りたい。でもわかっている。それが許されないことくらい。


「くくっ、いやらしいなぁアーシャは……」


嘲笑に、ますます身体は熱くなる。
痕跡を残さないためにも、はやくはやくと動いてようやくアーシャは気がついた。
この先は……


「ア、アベ――」

「どうしたアーシャ。もうすぐ城塞の外だぞ? 散歩なんだから、しっかり外に出ないとな?」

「ああ、誰かに見られるのが恥ずかしいのか。それなら、逆にこう考えればいい」

「――自分が何も視なければいいんだとな」


言うや否や、アベルは黒い布を取り出すとアーシャの視界を塞いで見せた。
アーシャは何もできない。夜目に慣れつつあったところに、漆黒の帳。
第二皇子と同じく、人は視覚を奪われるとその他の感覚が鋭くなる。
肌に感じる感じる視線も、冷気も、何もかもより強く。



「アベ、ル……!?」


視界を覆われ、身体は自由には動かせず、当たり前だが逃げ出すこともできず。
息をますます荒げながら、アーシャはいよいよ混乱の極致にいた。
命を預かる者として、冷静に策を考えて状況を判断しなければならない……
そうは言うが、いくらなんでもこんな事態はアーシャの想定の範疇を逸脱している。

不意により肌寒くなったということは、本当に外に出てしまったのか。
かつてよりは平和になった今だが、まるで警邏の兵がいないわけでもない。
こんな姿を、アベル以外に見られてしまったら恥ずかしさのあまり死ねるのではないか。
そう思うも、こうして目隠しされてしまっては、果たしてどれだけの人間にこの痴態を見られているかもわからない。
後ろから感じる、たまらなく好きな視線に神経が集中してしまい、他の人間にまで気が回る気もしない。


「ほう、今日はなかなか涼しい風が吹くな。草木も程よくそよいでいる」


耳を傾ける余裕はない。自分の心音と呼吸が煩すぎる。
誰かに見つからないようにと、頭から発せられる命令も限られてくる。
しかしこの状態では、どこに向かえばいいのかもわからない。
アベルがその気になって首輪を強く引っ張れば、それだけで自分はその場所に縛り付けられてしまう。


(ああ、主人に逆らうことも出来ない。望みのまま、行きたい場所に行くことも許されない……)

(まさしく、ペットの扱いです……だけど、アベル……!)


アーシャの中で、興奮とは違った感情が急速に育ちあがる。
それは、紛れもない恐怖の感情だった。
学友であるが故に。彼に憧れ、時折見せる冷たさに惹かれたが故に。
アベルがまだ、この後に何かを企んでいるのだということは嫌でも察することができた。
そしてそれはきっと、既に限界寸前の自分には耐えきれないことであろうことも。


「夜の散歩は気持ちがいい。なぁアーシャ?」

「は、はい……」


思わず、声も震えた。見えずとも、アベルが意地の悪い笑みを浮かべているのがわかった。


「どうしたんだ? そんなに震えて」



「――あぁ、用を足したいのか? ならそこの樹の根元にするといい」

「俺が、しっかりと飛び散らないように見守っておくからな?」



その言葉は、残酷な程にしっかりと耳に入りこんできた。
それと同時に、アーシャの中の何かが砕け散った。


「っ、お、お願いアベル……どうか、どうかっ、それだけは……っ!」


嗚咽を漏らしながら、アーシャは自身の目元が熱くなるのを自覚した。
幼少期、家族の教育のせいもあり並の責め苦では泣くこともないと自負していたが……
こうも容易く打ち砕かれるかと、アーシャは自身に落胆する。
そればかりか、アベルのペットを望みながらそれを遂行しきれないという情けなさ。
色々な感情がぐちゃぐちゃに混ざり合うが、それでもアーシャの心の底からは叫び声が聞こえていた。
それだけは止めてくれ。彼の前で粗相だけはしたくない。
アーシャという『人間』の理性が、獣の欲を抑えこんで泣き叫ぶ。


「アベル、お願いです……っ!」


こんなにしおらしく、心の底から懇願したのは何時以来だろうか。
彼の前では、きっと初めてかもしれない。
それを感じ取ったのは、アベルも同じく……


「……アーシャ」


アーシャからは見えることはないが、アベルは笑みを浮かべていた。



「ふっ……少し意地悪が過ぎたかな?」


その笑みはすぐに消えると同時に、申し訳なさそうなものへと変わる。
そして詫びながらに結び目を解き、目隠しを外していく。


「……え?」


布が取り払われた瞬間、思わずアーシャは間の抜けた声を出す。
そこは冷たい風の吹く野外などではなく、彼女も知る場所であった。
見覚えのある浴場――城塞内の一部だ。


「ど、どうして……」

「……君の願いに、俺は出来る限り応えたつもりだ」


後ろから言葉と共に吹きつけられる冷風に、アーシャの肩が反応する。
そして瞬時に理解した。外に出たように感じたのは、アベルが調整した氷魔法を使っていたということを。
本来のアーシャであれば違いに気が付けたかもしれないが、極限の羞恥心は判断を鈍らせていた。
ほっと安堵するが、何故アベルがこのような真似をしたかまではわからない。


「少し、俺の予想以上に君が突き進むから困惑したが……」

「幸いにも君も野外排泄などは耐えきれないようで、安心したよ。あれは中々勇気がいるからな」

「万が一にも……君のそんな姿は誰にも見せたくない。だから少しばかり芝居をさせてもらったが……」


後ろから、低い声と共にぬるりと手が動かされる。


「そもそも、君の身体を見知らぬ連中に見せるということも、俺は我慢できそうにない」

「あっ……! アベル……!?」


いつの間にやら、アベルの手には泡のついた手拭が握られていた。
薄布越しに、緩やかにアーシャの腹部が撫でられる。
いくら野外排泄の危機が去ったからといって、全裸で首輪の格好なのは変わらない。
彼女に逃げ場は無く、無遠慮な動きに抗うことは不可能だ。


「っぁ、んっ……なに、を……!?」


気を緩めたところに、予期せぬアベルからの泡を伴った優しい愛撫。
ようやく触れられた悦びから、泡に紛れて再び愛液が滴り落ちるが、それを気にする余裕は無い。
状況の変化に、頭が追いつかない。


「どうだ? アーシャ?」


具合を聞いてくる声が、また意地悪い。
あえて敏感なところには触れず、その周りだけを撫ぜている。
それでいて自分はしっかりと感じてしまっている。それがわかるのが恥ずかしい。
勿論アベルもその反応を察しておきながら、こんなことを聞いているのだろう。
アーシャはただその身を震わせることしかできなかった。




「ペットの身体をしっかり洗うことも、飼い主の責務だと思ったのだがな」


小さく笑いながら、アベルは手を休めることはしない。
アーシャも頭でそういうことかと理解はするが、緩急のついた快楽の前に思考はあまりに無意味。
ごしごしと洗われつつも性感帯を刺激されるこの状況では、何も考えられない。


「短いとはいえ散歩は散歩だからな。念入りに洗わないとなぁ……」

「ひゃっ!? アベ、ル……だめですっ……そこぉ……!」


妙にこなれた手つきで、柔肌の上をアベルの手は踊るように移動していく。
本来であれば、背中を擦られた程度でこんな声は出さない筈だとアーシャは自負している。
しかし自分でやるのとは大違い……アベルの手が別の目的も持っているのは明らかだが、
それを抜きにしても気持ちが良いというのが正直な感想であった。


(身体が、熱い……)


ついさっきまで野外で冷えているつもりだった身体は、すぐさま熱を取りもどした。
羞恥の熱だけではない。アベルの手が滑った箇所は明確に熱を帯びてきている。
この泡に媚薬の類が混ぜ込んであると言われても、信じてしまうだろう。
身体の汚れが落とされ、ゆっくりとそれを染み込まされているかのような錯覚。
取り戻した熱はすぐに本来以上のものとなり、身体の芯から熱をもたせていく。


「はぁっ……アベルゥ……!」


「どうしたアーシャ? まだ背中と腕だぞ?」


熱にあわせるように、息も荒くなっていく。
まるで本当に発情した犬のようですらあるが、アーシャはそれを抑えることができなかった。
布越しに感じる無骨な指。大好きな人の掌。
それを感じる度に、甘い声が出てしまう。
主人に媚びる、動物の様に。


「まだ、これはつけておいた方がいいか? ここは、なかなか洗いにくいんだがな」

「きゅ、ふぅ……!?」


そして指は首の方へと伸ばされた。
背後から首に指をかけられるなど、本来であれば死を覚悟して同然の状態。
しかしアーシャには、これさえも予想だにしない快感となった。
首輪の隙間に少し強めに差し込まれた指が、程よい圧迫感と存在感を主張してくる。
紛れも無く、彼は今ここにいる。
こんな近くにいる。そう思うだけで、嬉しくなってくる。
首だろうが、背中だろうが、腕だろうが……
身体のどこを触られても雌の反応をしてしまう。
はしたない、恥ずかしい、それでも嬉しい。
何があろうとも、愛する人が傍にいるだけで嬉しいというのは、従順なペットと同じなのか?


「――なぁ、アーシャ」

「は、はい!?」


そんな時、不意に声がかけられた。




「俺は、君に応えたいと思う」

「だが、君の望みに必ず全て応えられるわけではない」

「……俺は、どうあれ人を物の様に扱うことは好きじゃないんだ」

「ふぁ……!?」


撫で擦るような動きから、揉みこむような動きへ。
脇の下を通り、伸ばされた両腕は胸に触れたかと思えば下降。
腰回り付近で、しっかりと組み合わさった。
両腕の自由は聞くが、体躯で勝るアベルにこれをされては逃げ場はない。
手を離れた首輪の紐はだらりと床で水分を含んでいくが、それを気に留める者は誰もいない。


「アベル……っ」


背後から抱きすくめられ、彼の身体の逞しさを感じずにはいられない。
残念なことに彼は着衣の状態のため、その身体を直接感じることはできないのだが。
それでも下腹部の疼きが、どんどんと激しくなる。求めている。


「……俺は、強欲……いや、傲慢な男だ」

「そ、そんなことはありません。アベルは……」

「君の望みに応えたい。そう言っておきながら、俺は自分の我を……欲望を押し通したいとも思っている」

「欲望、ですか?」

「ああ……君の望みを全否定しかねない、酷い欲望さ」





「――俺は、アーシャをペットとしてではなく、一人の大切な女性として扱いたい」

「そして――君も孕ませてしまいたいと思っているんだぞ?」





耳元で囁かれ、言葉そのものが媚毒のようにアーシャの身体に浸透していく。
首輪で、腕で、身体全体で……逃げ場無く捕えられた獲物。
ここに欲望という名の愛が加われば、どうなってしまうのか。想像に容易い。


「アベ、ル……」


身体も声も震える。
それは歓喜からか、恐怖からか。
アーシャは城塞で暮らしてきた年数で言えば、古参の二人には劣る。
それでも、軍学校で共に学び過ごした時間はあるし、数年も共に暮らせばアベルの人となりも十分わかる。

自分だけじゃない。多くの人が彼を支えてきたが、核となったのはアベルの意思があったからこそ。
彼は、為すと決めたことは投げ出さない。為し遂げるまで投げ出さない。
そんな彼が、エリスと同じく自分まで孕ませると宣言したのだ。


(私、も……)


きっと、近いうちに。
自分もエリスと同じになるのだ。
……嬉しくないわけがない。




「……エリスちゃんは?」


それでも、それを遠ざけようとしてしまうのは何故なのか?


「……普通に考えれば、俺は刺し殺されても文句は言えないだろう」

「だが、俺の気持ちの全てに偽りはない。エリスも、アーシャも、生まれてくる子も、等しく愛するよ……」


肩に、軽く口付けたかと思えば吸い上げられる。
まだだ。まだこれは、待っている。


(私の、言葉を……)


手が腹から脇腹へ、そしてそのまま太腿へと移動していく。
触れるか触れないか、そんな絶妙な位置を、ひたすらにゆっくりと撫でまわす手に、眩暈を覚えてしまいそうになる。
大切な場所には、一切触れていない。
意地悪で、優しくて、いやらしい手だ。


「ふふ、アベルはなんだかんだで子供好きですものね……」

「あまり、そういったつもりはないんだが?」

「……子供が欲しいなら、コウノトリさんが連れてきてくれるかもしれませんよ?」


自分にも少し突き刺さる冗談を言ってみるが、当然手は止まらない。
より際どい位置を優しく撫ぜるだけ。
空いたもう一方の手は、やんわりと胸を揉みしだき始める。


「その冗談は笑えないな。やはりペット扱いをしないと駄目か?」

「んぁぁあっ……んぅ、そ、そんなことは、ありません、けど……っぁ!」


会話をしつつも乳首をこりこりと刺激し、アベルの責めは緩むことが無い。
アーシャ自身、アベルの子を産む……正しくは、アベルとの結婚を望んでいないわけがない。
貴族の人形同然だった自分が、生まれ変わるような道を示してくれた大切な人……
自分が決意した時には大切な友人を恋人としており、諦めかけたというのに愛してくれた。
こうしているだけでも、既に幸せだと言うのに。
どうして自分は、最後の一言を言えないのかアーシャにはわからない。
ペットを望んでいるのも……大元は、彼の視線が欲しいからだ。
聞かれるまでも無い。全身が貴方を欲しているのだと。
相手もこうして、もう待ちきれないと言わんばかりではないか。
ここで首を縦に振って、了承するだけで……
きっと、お互いが幸せになれる筈なのに。


「では、何故だ……?」


問いに答えることはできない。
アーシャ自身が、わからないからだ。
エリス以外……ロウルにシア、パトラやティアを結果的に出し抜いたからだろうか?
確かに申し訳なさはあるが、彼女達のことだ。
少し羨ましがられるか、またくじ引きを用意するか……
おそらく、そう酷い結果にはならないだろうと予想できた。
一人の男を巡る多数の女達という構図では、極めて稀な一例だろう。
これも、愛する人の人徳のおかげか。



「……」

「……」


しばらく、無言のまま時が流れる。
しかし全くの無音というわけではない。


「んっ……んぅぅ……! ふぅ、ふぅ……くぁ……!」


どれだけ思考を巡らせようとも、緩やかな愛撫だけでアーシャの身体はとっくに出来上がっていた。
今日の夜の始まりからしてお預けを続けられた身体は、既に限界を超えている。
欲しいのに、遠ざけてしまう。
その理由を理解したい。頭ではそう思っても、身体はそうもいかなかった。


「あっ、あっ、あぁっ……!?」

「おっと、俺の欲望を肯定するか否定してくれるまでは、逃がさないぞ?」


火照った身体はしっかりと抱きとめられ、首輪以上の拘束力と興奮をもたらしてくれる。
愛する人の抱擁に比べれば、無機質な首輪のなんと味気ないことか。
ゆっくりと、ゆっくりと……
決して強くはない言葉と行為で、アーシャの中の何かが削り取られていく。


(あつい、ほしい、アベルが……)


熱にうかされ、アーシャは彼の手を掴んで秘部へと招こうとすらした。
しかしそれは叶わず、相変わらず足の付け根で意地悪を繰り返すのみ。
思考が乱される。何も考えられない。


(赤ちゃん、アベルの……)


乳首を嬲る彼の指先に、どうしても意識が集中してしまう。
転がされる度に悶えて、それでいてもっと激しくと望んでいる自分もいる。
理知的な軍師は、その思考が武器だ。
その武器が、快楽で塗り潰されていく。
じくじくと全身が疼く。これ以上されれば……


「……」

「あっ……!?」


そんな時に、急に刺激が無くなれば誰もが驚くだろう。


「……」


アベルは無言で愛撫を終えていた。
それは己の欲望諦めたのか、或いは絶頂の寸前で止める意地悪なのか。
判断ができないが、もはやアーシャにとってどちらでも答えは変わらない。




「――おねがい、アベル……!」



……



――


「んっ、んあ゛あああぁぁぁぁぁぁ!?」



真夜中の浴場に、大きな女性の喘ぎ声が響く。
普通の部屋よりもより響いて聞こえるが、その原因は場所だけではない。
ただただ、純粋にアーシャの喘ぐ声が……
普段の品の良さを感じさせない程に、乱れたものだったからに他ならない。


「ま、まって、まってアベルッ! ん、んぐっ、んう゛うぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」


そして品が無いのは、その姿勢もだった。


「これ゛、深いですっ……! 奥まで、アベルが奥までえ゛ぇぇぇぇぇぇ!?」


アベルの欲望と、アーシャの欲望。
二つの欲望を満たす為なのか、アベルはアーシャを四つん這いにさせてすぐに刺し貫いた。
十分過ぎる程に解れきったそこは、ぬぷりと深い一撃も飲み込んでみせた。
まるで獣の交わり。しとやかな夫婦の一夜ではないだろう。


「まだだ、まだもっと、アーシャを……!」

「あ゛っ!? 腕、ひっぱら……ふぐ、んあぁあぁぁぁぁぁぁ!」


それでも、二人は幸せだった。
四つん這いで叫ぶ姿は、貴族らしからぬ姿だ。
だが貴族の檻を壊し、アーシャという個人を見せることができているという幸福感がある。
女の敵だという自覚を持ちつつ、だからこそ己の手中から離したく人には常に全力の愛を注ぎたいとアベルは願う。
激しく荒々しく、獣のように愛する人の奥底に愛と欲望の印を刻めるのは至高の悦びだ。




「っ、そろそろ、一回出すぞ……っ!?」

「ん゛っ、く、ん――――~~~~~~っ!?」




通常よりも深く挿入された状態で、アベルの欲望がアーシャの身体に注がれていく。
ともすれば、雌ならば誰もが屈服しかねない程に雄々しく容赦のない膣内出しだ。


「あっ……あぁっ……」


だからこそ、それはアーシャにとっては望んでいる、たまらないものだ。
視線を合わせられない難点はあるが、こうして愛されつつも獣のような交わいは、嫌いではない……
いや、大好きなのだと。
アーシャは自分の性癖というものを、改めて理解するのであった。


「ふぅ……ふぅ……」

「よかった、です……アベル……」


アーシャの四足として支えていた腕が、くたりと折り曲げられる。
崩れ落ちた彼女の身体は、幸せに震えていた。







「……まだだぞ、アーシャ?」

「え? っ!? あ、はあああぁぁぁぁあ゛あ゛ああぁぁぁぁ!?」


そんなアーシャに、再びアベルは挿入を再開した。
終ったと油断し弛緩した身体。
絶頂を迎え敏感になっている上、腕が曲がった分より高く彼に尻をみせつける格好になってしまった。
そんな状態でより激しく突かれれば、よがり狂わない道理はない。


「ま、待ってぇ!? まだイッ゛!?」


子宮を容赦なく突かれ、その度にアーシャの身体はビクビクと反応する。
容赦のない、まさしく欲望の獣のようなアベルを前に、アーシャはようやく理解した。
何故、自分は望んでいるにも関わらず、彼から離れようとさえしてしまったのか?


(こ、こんなっ、はげしいっ……♪)


何のことは無い。確実に自分の予測を上回るであろうアベルの苛烈な責め。
それを冷静な頭が警戒して、身を守ろうとしていたのだ。
だが今となってはもう時間切れ。
アーシャの身体は、愛を持って蹂躙され続ける。


「あ゛っ! あぅっ! アベ、ル……ァ!」

「アーシャ、もっと……!」

「んぐぅぅ!?」


アベルは精液を吐き出しながらも、動きを止めることが無かった。
吐き出されながら、すぐに体内でかき混ぜられ、突き上げられ、擦り込まれていく。
膣壁に、そして子宮に、アベルが馴染ませられていく。


「んうぅぅぅぅ!? ま、待って、待ってアベルっ!?」


制止の願いも虚しく、アーシャは突かれ続ける。
深く、深く、刻み込まれる。
乱暴な様でいて、愛を感じられる。
圧倒的な愛欲が、何もかもを塗り潰していく。


「君のここは、俺を咥えこんで離そうとしていないぞ……!?」

「だ、だって、アベルと離れたくなんか、ないですもの……♪」

「でも、もう少しだけ……」

「ああ、まだまだ、これからだアーシャ……っ!」

「ちが、待ってえぇぇぇぇぇぁぁあああああ゛あ゛あ゛あぁぁ!?」


お互い、声を抑えようなどという考えは無くなっていた。
誰にも見せたくない痴態も、二人の間だけだったら問題ないのだから。
二人しかいないこの世界なら、存分に獣に身を堕とせる。


「アベル、アベル……!」

「アーシャ……!」


二頭の獣は、なにものにも邪魔されることなく、いつまでも存分に愛を貪りあうのであった……



……


――

というわけで、アーシャとの一夜でした
この後のやりとり及びマックスの処遇などはまた後日
そして次はティア&シアの予定です
(こちらはほぼ内容が決まってしまっているので、次に内容募集があるとすればパトラになります)

本日もありがとうございました!

客観的に考えて貧民街時代にはエリスやロウルに
むしろ羞恥心とか以前の段階でさせてたんじゃないかね
アベル本人は危険が無いように下心一切無しで

……お風呂でロウルがアベルに当時を思い出して挑発する感じでやったら
双方元々そういう空気だったところに燃料投下しちゃって燃え上がるとか有りかも

こんばんはー
短いですが、いくつか次に必要+おまけの判定を取りたいと思います

なおアベルの野外排泄発言は、>>801さんの仰る通り暗黒街時代の経験からです
濁していますが、劣悪な環境下では止むをえないため、三人とも経験済み
(なお流石にアベルは直接は見ていません)
流石に現在は全員羞恥心を身につけているため行いませんが、
緊急事態となった際、アベルとエリスとロウルはアーシャよりも行動が早いでしょう

――――
―――
――



……翌日……



アーシャ「……///」ビクンビクン!


ロウル(アベルさん、何してるんですか……」)ヒソヒソ…

アベル「いや、その、だな……」アセアセ

シア「だ、大丈夫ですかアーシャさん~?///」

ティア「回復した方がいいと思いますけど……///」

アーシャ「んっ……/// 大丈夫です……」ビクン!

アーシャ「た、ただちょっと、あまりに激しく動き過ぎて足腰に力がですね……///」ビクン!

パトラ「無理はいけません。アーシャさんもしばらく休んでください///」

パトラ「幸い、まだ私達でも仕事は回せる筈ですから」

ロウル(……お風呂の方からずーっとアベルさんとアーシャさんの声聞こえてたのは、黙っておきましょう///)

ロウル(多分、私以外には聞こえてはいないでしょうし……アーシャさんの名誉の為でもあります)

ロウル(……これは、アーシャさんも妊娠してしまいそうな予感がしますよ?)

アーシャ「アベル、申し訳ないけど支えてくれるかしら……///」

アベル「あ、ああ。勿論だ!」スッ…

シア「それじゃあ、今日のアドルランさんへの報告は私とティアさんが代わりにしておきますね~」

ティア「あの箱に入っていた書類をお渡しすればいいんですよね?」

アベル「そうだが、本当にすまないな……」

シア「いえいえ~」

ティア「その、実は私達もちょうどアドルラン様達にご報告したいことがありましたし……」アセアセ

アベル「?」

シア「ア、アベルさんにはまた後で教えますね~?」アセアセ

シア(キアラさんが妊娠、それも多分エリスさんと同時期だなんて、まだアベルさんには言えませんよ~……)

ティア(アベル様、キアラ様を傷つけられて聖王様への敵意が跳ね上がったといいますし……)ドキドキ…

ロウル「とりあえずアベルさん、今はアーシャさんを。他の仕事も私達でやっておくので」グイグイ!

アベル「あ、ああ。わかったよ」

アーシャ「ごめんなさい。すぐに体調を戻す様に努めますね」


……

――

――



……


アーシャ「……」ギュ…

アーシャ「……きっと、原因はみんなにばれていますよね///」

アベル「……アーシャ、本当にすまない」

アーシャ「いえ、私も少しあなたの本気を見くびっていました……///」

アーシャ「私も、もう少し頑張らないといけませんね///」

アベル「……」

アベル「……一応聞いておくが、何をだ?」

アーシャ「ふふ、ペットに決まっている――そう言いたいところですけど」

アーシャ「今まで通り、色々なことですよ」

アベル「?」

アーシャ「……あなたの隣にいる為なら、私はどんな努力も惜しみませんよ?」

アベル「アーシャ……」

アーシャ「だ、だから、ですね……///」モジモジ…

アベル「ど、どうした?」






アーシャ「ア、アベルが望むなら、今から街路樹に片足をあげながら――」





アベル「望まんっ!!! あれは俺も少しやりすぎたかと反省している!」

アーシャ「あらあら」クスクス

アーシャ「私も、あんなに恥ずかしいとは思いませんでしたよ」


アーシャ「……すごく、ドキドキもしましたけど」ボソリ…


アベル「な、何か言ったか?」

アーシャ「いいえ、何も?」

アーシャ「さ、アベル。もう少しだけこの肩を……///」ピト…


……

――

――

……

【帝国・王城執務室】


ヒバリ「あれ? 今日はアーシャが来る予定じゃなかったっけ?」

シア「その~、実はアーシャさんお疲れのようでして~」アセアセ

ティア「代わりに、私達が……!」

アドルラン「そうだったのか。アーシャ君はなんでもこなせる分、無茶をしがちだからな」

ルーシェ「適度な休憩、必要、です……」

シア「そうですよね~。甘いお菓子とお茶があれば尚良しです~」

ティア「でも、まずはお仕事を済ませてからですね。……至急の案件も出てきましたし」アセアセ

アドルラン「む?」

ヒバリ「アベル様のところが至急の案件って、それかなり大事なんじゃないの!?」

ルーシェ「……っ!」

シア「大事……う~ん、方向性は少し違うんですけど、確かにそうかもしれませんね~」

アドルラン「……」ゴクリ…

ティア「その、ですね……」

シア「……」

シア(アーシャさん、あんなになるまで……///)

ティア(もしかしたら、エリスさんに続いてアーシャさんも……?///)

シア(……ん?)

シア(んん~……?)



特殊判定
↓1~3コンマ二桁



1:ウエディングブーケを獲得したルーシェの奇跡

82>75

※基準値を上回った為、エピローグ時妊娠→出産に繰り上げ!

※ヒバリと同時に妊娠したようです


2:周りが振りまく幸せ色欲ムード。シスターズは……

59+10×3(エリス+アーシャ+ヒバリ)+追加10(ルーシェ)

= 9 9 ( 大 爆 発 ! ! ! )>75

※アベルが完全に二人がかりで襲われます

※ティアの方は妊娠願望を加味すると振り切ります(白目)


3:長兄、マックスどうするの?

75>14(おお、めでたいじゃないか! よかったなキアラ!)

※基準値を大きく下回り、長兄は特に気にしていないようです

※次回判定時、マックス判定緩和

――

判定を取ったあたりで今日はここまで
相変わらず祝福の羽は残っているのですが……使わなくて大丈夫そうですね(白目)
(3番目は00だとガチでマックスぼこられるので)

ルーシェは以前ウエディングブーケボーナスの話が挙がっていたので
結構高めの基準にしましたが、乗り越えてこれで全員出産に(白目)
そしてアベル、これはどうしようかなぁ……

本日もありがとうございました!

こんばんはー……
すみません、書き溜め期間入る前に無断で長期空けてしまい申し訳ありません……
完全に私事の問題で、書き溜めもできていない状況です(土下座)
かなり遅れましたが、まずは夜前までの部分を投下していきます

――


シア「……」ジー…

ヒバリ「ど、どうしたの?」アセアセ

シア「……」ジー…

ルーシェ「……///」プルプル…

シア「……お二人とも、なんだか動き方がいつもと違うような~?」ジー…

ティア「言われてみると、確かに……」ジー…

ヒバリ「!?」アセアセ

ルーシェ「!?」アセアセ

アドルラン「や、やはりそう見えるかな?」

シア「はい~。なんだか、歩きにくそうと言いますか~……」

ヒバリ「そ、そんなことないよ!? 私もルーシェも――」




アドルラン「やっぱり、私が二人に無茶をさせてしまったのだな……!」グッ…!

アドルラン「昨夜、あれだけ待ってと懇願されたのに私は劣情に負け――」



ヒバリ「わーっ!? わーっ!!? わあああぁぁぁぁぁぁぁ!?///」バタバタ!

ルーシェ「アドルラン様っ! 言わなくて大丈夫っ!?///」バタバタ!



シア「」

ティア「」

アドルラン「し、しかしだな。大丈夫だと言ってはいたがこうして気がつかれてしまったんだぞ?」

アドルラン「幸いにも二人は優秀な治療師だ。状況をしっかり説明して最善の治療を――」

ヒバリ「だ・い・じょ・う・ぶ、だからっ!///」

ヒバリ「立てないって程じゃないからっ! はい、この話もうおしまいっ!///」

ルーシェ「い、今は、シアさん達の、お話です……!///」

アドルラン「そ、そうか……」

シア「」

ティア「」

シア(こ、これはそういうことですよね~///)

ティア(アベル様だけじゃなくて、アドルラン様もしっかりしてるんだ……///)

ティア(……エリスさんにアーシャさん、ヒバリさんとルーシェさん……)

ティア「……」ムラ…



ヒバリ「ほ、ほら! 大切な話があるんでしょ?」

ヒバリ「私達のことなんて後々!」

ルーシェ「はい……!」コクコク!

シア「え、えっとですね~……」

シア(……意外と皇族の方も自由になさっているようですし、大事ではなかったのかも~?)

アドルラン「……」ゴクリ…



シア「実はですね、キアラさんがご懐妊なされまして~……」オソルオソル…



ヒバリ「……え?」

ルーシェ「……!?」

アドルラン「おお、めでたいな! よかったなぁキアラ……」


ティア(アドルラン様の反応が思っていたより明るい!?)ガーン!

シア(流石にヒバリさんとルーシェさんは驚かれていますけど……)

ティア(この反応は、つまり……)




ティア(――皇族にとっては、子供が沢山できることは喜ばしいことっ!!!)グッ!




ティア(と、いうことは……?)

ティア「……///」モジモジ…

シア(アベルさんの子供が増えても、認められる可能性が高い……)

シア「……///」モジモジ…

ヒバリ「ふ、二人とも顔紅いけど大丈夫? って、まぁそりゃそうだよねぇ……」ハァ…

ヒバリ「アドルランからあんなこと聞かされた後に、キアラ様の妊娠報告なんてねぇ……」

ルーシェ「……アドルラン様、原因の一部、です」ムス…

アドルラン「す、すまない」アセアセ

アドルラン「しかし、驚いたな。まさか妹に先を越されるとは……」

アドルラン「私も今までの遅れを取り戻さんと、二人とより――」

ヒバリ「だ・か・ら! あれとかそれは人様に言っちゃ駄目! わかったアドルラン!?」

ルーシェ「三人だけの、秘密……!///」アセアセ

アドルラン「そ、そうだったな。すまない、今の言葉は忘れてくれ」

ティア「は、はい……///」

ルーシェ「でも、本当、驚きです。……マックスさんが?」

シア「そのようです~。本人にそのつもりはなかったそうでして~……」

ティア「キアラ様は気にしていないようですが、マックスさんを気遣ってまだ黙っているそうです……)

シア「でも、流石にこれは下手をすると国際問題ですからね~……」ブルブル…

シア「アドルラン様には、報告しておかないと不味いかなって~……」

アドルラン「いや、マックス君なら軽はずみな気持ちでは致していないだろう」

アドルラン「それにキアラもあれで芯の強い子だ。本気で嫌なら相応の行動を起こしているだろうからな」

アドルラン「二人が合意の上で結ばれ、運よく子供が出来た。何も問題はないと思うがなぁ」

ヒバリ「いやいや、シアの言う通り結構な問題だって……」

アドルラン「子が出来てしまうのはそんなに不味いのか? 君とルーシェもやはり……」オソルオソル…

ヒバリ「い、いや私達はむしろ楽しみだよ!? もう子供の名前までいくつか考えちゃってるくらいだもん!」アセアセ

ルーシェ「ヒバリさん、気が早い、です……///」

ルーシェ(……でも、アドルラン様との、赤ちゃん……)

ルーシェ(楽しみ、だな……)サスサス…

ルーシェ(……私とアドルラン様の色が混ざったら、白金の子……?)ムムム…

ヒバリ「と、とにかく、私達は大丈夫! キアラ様が不味いってのは、その……」

ヒバリ「キアラ様はまだ、正式な結婚前だし、その……ローズさんがね?」

アドルラン「……言わんとすることはわかるが、私は当人達の気持ちを優先したいな」

アドルラン「報告、感謝するよ。この件は、いずれキアラ達の口から改めて聞いてみることにする」

ティア「そ、そうですね。それがいいと思います」

シア「それでは、私達はそろそろこの辺りで失礼致します~……」ササッ…


……

――

――

……


シア「……///」ドキドキ…

ティア「……///」ドキドキ…

シア「……///」ドキドキ…

ティア「……///」ドキドキ…

シア「…………ヒバリさんと、ルーシェさんも、でしたね~///」

ティア「はい……///」

シア「皆さん、思ったよりも開放的というか、なんというか~……///」

ティア「もしかしたら、お二人もいずれご懐妊の可能性が……?」

シア「十分にありえますね~///」

ティア「そう、ですよね……」

ティア「……」

ティア「ねえ、シアさん?」

シア「はい~?」




ティア「シアさんは――アベル様の赤ちゃんが欲しいって思ったことはありますか?///」




シア「~~~~っ!?///」ボッ!

ティア「わ、私は実は……結構前から、あったんです」

ティア「そうは言っても、最初は赤ちゃんを望んでいたというより、その過程だったのですが///」

シア「?」

ティア「赤ちゃんできちゃうくらい、アベル様に朝まで無遠慮に犯されちゃう過程が……///」モジモジ…

シア「な、なんてこと考えちゃっているんですか~!?」ワタワタ

ティア「……でも」

ティア「エリスさんがご懐妊されて、エリスさんもアベル様も本当に嬉しそうで……」

ティア「わかるんです。きっと生まれてくる子は、二人や周りの人からも愛されて穏やかに成長していくって」

ティア「そして……温かな家庭を築いていく」

ティア「……おこがましいですけど、私もアベル様と……平和な家庭、築いてみたいなぁって……///」

シア「ティアさん……」

シア「……わかりますよ~、その気持ち」

ティア「!!」

シア「アベルさんは、時折いぢわるですけど、そんなところもいいんですけれど~……」

シア「本当に人の嫌がることはしない人です。無意識でも、誰かを気遣える、優しい人……」

シア「きっと、どれだけの子供が産まれても……みんな、可愛がってくれるって、断言できますよ~」

シア「そして、そんな暮らしは……きっと、とっても幸せなんだろうなぁ~って///」ポヤポヤ

ティア「で、ですよね……! アドルラン様の反応を見る限り、皇族の方にとっては子供はむしろ喜ばしい存在……!」

ティア「そ、そこでですね? 実はシアさんに折り入ってお願いがあるのですが……」


……

――

――


……数日後……

【帝国・アベルの城塞】


ロウル「エリスさんとアーシャさんはお休み、パトラさんは警邏……」パタパタ

ロウル「そして何故かマックスさんにシアさんとティアさんも不在って……!」パタパタ!

ロウル「流石の私もちょっと手がまわり切らないですってぇ……!」

ロウル「くぅ、パトラさんが戻るまで耐えきれれば……!」


ゴンゴン!


ロウル「ってあぁっ!? こんな時に来客ですって!?」アセアセ

アベル「待てロウル。応対ぐらいは俺がする。お前も少し休んだ方がいい」

ロウル「うぅ、ごめんなさいアベルさん……」ショボン…

アベル「気にするな」ヨシヨシ



……

ガチャ…

アベル「すまない、遅れたな」

帝国兵「あ、アベル様!?」アセアセ

帝国兵「お忙しい中、申し訳ありません! 実はアベル様宛に小包が届いておりまして……」

アベル「俺に? 差出人はわかるか?」

帝国兵「はい。どうにも聖国の者のようですが、念押しで急ぎの届けが指示されていましたので」

アベル「これは……すまない、助かった」

帝国兵「いえ! それでは失礼致します!」ビシ!




アベル「……この差出人は、ティアの父君」

アベル「一体中身はなんだろうか? 妙な胸騒ぎがするが……」ゴソゴソ…


謎の小瓶「……」チャプ…


アベル「」

ヒラ…


手紙「……」

アベル「……」スッ…

アベル「……」ペラペラ…

アベル「……」

アベル「…………今日の夜辺りから、もう警戒はしておいた方がいいかもしれんな」ダラダラ…


……

――

おまけ特殊判定
↓1~2コンマ二桁
――

1ティア父からの救援、精力増強剤(2倍)使う?

25>16

※基準値を下回った為、アベル使用せず!


2夜の襲撃、アベルの身に迫る危機

アベル:夜レベル99
ティア:夜レベル100(欲求により最大状態)+シア夜レベル56×1/2(本来受身のためサポート)=128

差…-29(アベルに-補正)

勝敗基準値50

01~21:アベル勝利
22~00:シスターズ勝利

コンマ16


01~21:アベル勝利!!!



判定を取った辺りで今日はここまで
使わないのかよと思ったら勝っちゃうのかよ!?(白目)

そして長く留守にしておきながら、今度は書き溜めの為にまたお時間頂きます
もうすぐ終わりだというのに時間かかって本当に申し訳ないです
本日もありがとうございました!

こんばんはー……
本当に続けて報告もせずに空けてしまい申し訳ありません……(土下座)
私事でかなり時間を作るのが難しい状況でして、重ね重ね申し訳ないとしか言えませんです……

まだ見てくださっている方が残っているか怪しいですが、ティア&シアのパートだけ投下しておきます

――


「……」


コトリと小さな音を立てて、薬瓶が棚にしまわれる。
義父からの救援とも言える代物だったが……
こうして夜を迎えるまで、アベルは使う気がおきなかったのだ。

かつての兄のように、薬に手を出さざるを得ない者もいることだろう。
しかし自分は非常に恵まれた身体に、それなりの技術を持っているという自負がある。
だがそれ以上に、使う気がおきなかったのは自分を慕ってくれる少女達の存在。
6人も手を出し、それぞれの幸せを誓った身だ。
そのうちの一人さえ薬に頼らなければ満足させてやれないのでは、今後が話にもならない。


「さて……」


普段は気弱な態度だが、夜は中々に積極的な彼女のこと。
恐らくは今夜か明日には来るだろうと当たりをつけて、こちらの準備は万端。
以前もかなり消耗したとはいえ、一応は満足させてやることはできた筈。
抜かりはない。今度は油断も慢心もしない。

じいと見つめる時計の針が、宵の刻を示す。

今日はこないか?
そうは思うが、気を抜いて眠ることもできない。
完全な寝込みを襲われては、流石にひとたまりもないだろう。
来ないなら来ないで、それは問題ない。
寝ずの番は慣れたものであるし、こうして気を張り待ち構えるというのも久しい。
平和な時に少し弛んでしまった節もあり、かつての感覚を錆びつかせないのに丁度いい。
流石に、かつての野生の獣や賊と同等の警戒をしているなど、当のティアには絶対に言えないのだが。

静かな時を刻む音だけが響く自室でそんなことを考えていた頃……


「っ!」


こんこんと、実に控えめに扉が叩かれた。


「……開いているぞ」

「し、失礼します……!」


やはり来たかとアベルが入室を促せば、遅れて少し震えた声が返ってきた。
準備を整え、予想通りの展開だ。


「わ、私も失礼しますね~……?」

「なっ……!?」


ただ一つだけ誤算があった。
部屋にやってきたのはティア一人ではない。

もう一人の聖職者、シアも一緒だったのだ。

普段であれば穏やかな気分になれる彼女の間延びした声も、今ばかりは少し聞きたくなかった。




深夜に男の部屋を訪ねる聖職者……
既にこの時点で問題が発生しそうだが、気にするべきは彼女達の格好だろう。
ティアは上品な絹製だが薄く丈の短いネグリジェ。ほとんど身体を隠せていない。
そしてシアはほぼ下着……いや、下着と呼ぶのもおこがましい何か。
あえて言うなら、紐だろうか。大切な箇所をギリギリで覆い隠しているといいたいところだが、
豊満な彼女の胸は収まり切らず、ちらちらと淡い色の輪が見え隠れしてしまっている。

そして追撃として、揃って桃色の枕を大事そうに抱えている。
言い逃れなどできない。彼女達が何を願ってここを訪れたかを察せない人間はいないだろう。


「っ……」


覚悟を決めていた筈のアベルは思わず言葉を失い、たらりと汗が伝った気もした。
普段は控えめな二人が、あまりにも扇情的な格好でこうして目の前にいるのだ。
経験豊かとはいえ、それでも目を奪われたというのは揺るぎ無い事実。
そうしているうちに二人の聖職者はゆっくりと部屋に入ると、やがて寝台に腰を下ろした。


「シア、ティア……」


確認するように、二人の名前を口にする。
何故ここに、などとは言えない。
格好もだが、軽く息を吸うだけで仄かな湿り気と石鹸の香りがわかる。
準備を念入りにしていたのはあちら側もだ。


「アベル様……」


可愛らしく、ティアがこてんと肩にもたれかかる。
するとすぐに倣うようにシアも反対側の肩にもたれかかった。
ふわりと広がる柔らかな匂いに温もり。
アベルも欲望が首をもたげてくるのを自覚するが、まだ動くことはしない。


「……二人でそんな格好で来るとは、驚いたな」


ただ一言、正直な言葉だけは口にする。
淡々と、焦りの感情などまるで見せずに。


「そ、その……折角買った水着でしたし、喜んで貰えるかな~って……」


顔を真っ赤にしながらもシアが返す。
恥ずかしげに身を捩れば、それだけで色々とはみ出てしまっている。
やはり下着ではなかったか。しかし時期外れの水着となるとまさか以前のあの時に……?
色々な感情が混ぜこぜとなるが、確かに淫猥なシアの姿に惹かれている自覚がアベルにはあった。


「私……以前、アベル様を満足させられないまま意識を無くしちゃって……」

「一人じゃ、不安だったんです。だから、私に一番近いシアさんと一緒ならって……!」


首の向きを変えれば、やはり紅くなったティアが応える。
一番近いというのは、体型的な意味合いだろうか。
同じ聖国出身者の穏健派でもあり、頼り易かったのもあるのだろう。
しかしわかってはいたが『一緒』という言葉に内心アベルは震える。
前回、ティアの体力を奪いきったのは運も味方していた筈だ。
ティア一人で消耗するというのに、ここにシア――意外と性には積極的な彼女も加わるとは。


(だが……逆に言えばまだ二人程度、ではあるか)


今更、後に退くわけにもいかない。
彼女達も覚悟を決めてここに来ているのだし、これ以上待たせるのも無粋だろう。
予定外ではあるが、この程度はまだ苦境の内に入らない。
アベルも覚悟を決めて、ゆっくりとその身体を動かし始める。




「あ……」


少女達の声が重なった。
アベルが両腕を広げ、二人をまとめて抱きしめたのだ。
それぞれが片腕だけのため、熱い抱擁とはならないが……
それでも彼女達は嬉しそうに身体を委ね擦りつける。

両手に花という言葉があるが、まさに今がそれだろう。
柔らかな極上の肢体、人肌のぬくもり、髪から香る甘い匂い。
このまま絡み合い、溺れてしまいたいと誰もが思うだろう。


「んっ!?」

「やぁぁっ!?」

「おや、これはこれは……」


しかし、アベルの行動は速かった。
二人を抱き寄せた余韻もそこそこに、そのまま無遠慮に彼女達の下腹部に同時に手を伸ばしたのだ。
ティアの下着の中に手を入れ指を蠢かし、シアの方はまだ触れてやらずに紐をぐいと引っ張ってやる。
それだけで、可愛らしい喘ぎ声がアベルの両耳を楽しませる。
互いが密着しているからこそ、その声も実によく聞こえる。


「まだ触れる前から、こうも準備ができているとはな。どれだけ期待していたんだ二人とも?」


それは、悶える二人にも同じこと。
低く呟かれたアベルの言葉が耳に染みわたり、頭の中を掻き回す。
はしたないとは思いつつも、今宵に期待していなかったと言えば嘘になる。
そうでなければ、こんな格好で部屋を訪ねるわけもない。


「くぁ……んぅ! そ、そんなことはぁ……!」

「アベルさんが、触れるからぁ……!」


それでも、聖職者の意地なのか。
すぐにそれを認めようとはしない。
そんな真似をすればどうなるか、わかっている筈なのに。
いや……わかっているからこそ、二人はそれを期待していた。


「認めてしまえ。二人とも、俺にこうされたかったんだろう?」

「ん゛ぅ!?」


冷たい風で、どこか愉しげにアベルは言葉と共に責めを強める。
蜜を零すティアの秘裂をなぞっていた指をいきなり差し込んだかと思えば、爪の先で皮をめくり、
昂ぶった様子の豆を少し強めに擦ってやることも忘れない。


「あぅ、あっ……! だめぇ、そんなにくいこませないでぇ~……!?」

「そんな紐を用意していたのはシアだろう? 流石の俺も少し意識が飛んだぞ?」


対してシアの方はまだ触れてやらず、より激しく紐を食いこませるばかり。
水着としての機能は元々皆無だが、アベルの手で好き放題にされたそれは、本当にただの蜜を含んだ紐だ。
引っ張れば引っ張る程、新たな蜜を供給する。
シアの抗議を気にすることも無く、紐はまだまだ弄り回された。




(これは、想像以上の濡れ方だな……)


両手で愛しい二人を嬲りながら、内心でアベルも二人の乱れぷりに驚く。
二人同時と言うこの状況も少し特殊ではあるが、アベルとしてはやっていることは実は変わらない。
ティアは最初から激しい責めを望む節があり、また後々のことを考えれば先手を打って余力を削ぎたい思いもあった。
シアはああして焦らした方が、口ではいぢわると文句を言ってくるが実は悦んでいるということを知っている。
左右の責めを微妙に変え、それぞれが満足できるように責めているつもりではあるのだが……
それを考えても、今日の二人はどこかが違う。
今でこそ乱れる二人ではあるが、本来は控えめだ。
彼女達が勝負をしかけてきたのも、何か理由があってのことだろう。


(……愚問だったか)


そしてすぐに答えは見つかった。
エリスを徹底的に堪能し、孕ませて。
いずれ子供が産まれるというのに、欲望はおさまらなくて。
アーシャまで孕まさんと、後のことを考えずに獣のように交わった。
全員を愛する覚悟は勿論あるが、それでもやはり彼女達側から見れば、扱いの差を感じてしまうのだろう。
アベルは個人的な感情から、正妻と妾の関係が好きではない。
愛するならば等しく、そこに差があってはならない。
エリスとアーシャを見た二人が、何を想ったのか?
そしておそらくは……いずれ、パトラとロウルも。


(……)


自分には勿体ない程の少女達が、子を為したいと思う程に慕ってくれる。
それは男冥利に尽きると同時に、強烈に支配欲も満たす。
そしてなんの因果なのか、この二人はティアの言うように近しいのだ。

純粋で心優しく、聖国の良い面を体現したかのような聖職者。
それでいて男を惑わす豊満な胸を備え、被虐趣味という似た者同士。
もちろん彼女達の身体や心に傷を残す真似はしたくない。
それでも二人の昂ぶる心と身体、その欲求を満たす為ならば仕方がないのだと。
僅かばかりの理論武装で、仮面を被る。


「やれやれ、お前達のせいでこんな有様だぞ?」


漸く手の動きを止めたアベルは、わざとらしく水音をたてながら手を上にあげる。
それだけで聖職者らしからぬ淫らな様を突きつけられているようで、二人の顔は紅くなる。
だが、責めは止むことは無い。


「見てみろ、指どころか掌まで濡れてふやけたかもしれんぞ?」

「あっ……」


言葉通り、アベルの両手は二人の甘露でしとどに濡れていた。
ぬめり指先を光らせるそれがなんなのかは、口に出さずともわかる。
それを見せつけるように、羞恥に染まった二人の眼前で揺れ動かす。



「…………」

「……ん……!」


言葉はない。
しかし、自らの乱れた証を突きつけられた二人はどちらからともなく、どこか蕩けた瞳でその指に舌を伸ばした。


「んちゅ……ちゅぅ……」

「ちゅぷ……ぺろ……」


アベルの指にたっぷりとついた愛液を、二人は綺麗に舐めとっていく。
決して美味い代物ではないが、しかし彼はそれを望んでいる。
それに舐めとりさえすれば、残るのは指だけだ。
かの従者はこれを舐めるのが好きだと言うが、それはこの二人も同じようだった。
およそ普通の人間であればしない行為だが、だからこそ相手にも悦んで貰える。
そして自分達も、何か満たされた気持ちになってくるのだ。


(薬湯で清めておきましたけど、今度はもっと用意しておいた方がいいですかね~……?)


アベルの傷痕の残る指を丁寧に舐めあげながら、シアはもう『次』を考える。
回復魔法は便利ではあるが、使い手は少なく施せる治療も完全なものではない。
薬草や傷薬といったものが廃れないのもそれが理由である。
勿論重傷ならば即座にそれ相応の手当が必要とはなるが……
例えば指先を切った程度のものであれば、口に薬を含んでこうするだけでも効果があるだろう。
治療を名目に、いつでもこうして大好きな人の指を舐められる……
それはこの上なく幸せなことだろう。


「んぢゅ……んっ、むっ……!」


そうした夢想をしているうちに、ティアはより大胆に指への奉仕を行っていた。
舐めとるという行為は既に終えており、今や指全体に吸いつき掌や甲の方にまで舌を這わせている。
はしたないと言われても仕方がない行為ではあるが、彼女は止まれない。


(アベル様、の……ごつごつしてて、太くて……!)

「っぉ……!?」


喉奥まで咥えこんだのか、ぬろりとした感触にアベルの口からも声が漏れる。
遅れて彼は指への奉仕を命じたのは失敗だったかと後悔するが、もう遅い。
舐めとられた愛液に代わり、今度はティアの唾液で手全体がぬれそぼっていた。


「ん、んぅ……」


喉から指を戻したかと思えば、今度は爪先が舌でこそばゆく撫ぜられる。
彼女が指を何に見立てて奉仕しているかは、アベルとシアの目から見ても明らかだった。
普段のティアを知る者であれば、想像もつかないような淫靡に蕩けた顔つきで指を舐めしゃぶる……
彼女の特別な一面を見られるというのは嬉しいものがあるが、同時に身震いもしてしまう。


「あむっ……」

「ま、待てシア! お前まで……」


呆気にとられていたシアも負けていられないとばかりに指を咥えこもうとして、阻止される。
彼女は少し不満そうな表情を浮かべるが、制止は少し遅かった。



「アベル様……もっと、ご奉仕をさせてください」



蕩けきった聖女は、笑顔でそう言ってのける。
優位に責めていた筈が、次は自分が責められる番だとアベルは認識せざるをえない。
そして、今は以前とも状況が異なるのだ。


「わ、私だってご奉仕しちゃうんですからね~……?」


少し張り合うように、もう一人の聖女も名乗りをあげた。


……

――


薄暗い部屋の中で、聖職者の身体を好きにする。
字にすれば帝国の暗将とやっていることは同じだが、実際の光景は大きく異なる。
鍛えられた青年の身体に清らかな白い肢体が絡み付き、それは彼女達が望んで行っていること。
受身なのは、男の方だ。


「ど、どうですかアベルさん? 前よりも、大きくなったと思うんですけど~……」

「あ、ああ……」


恥ずかしいといった感情はかなり残っているのだろう。
ぎこちなく、紅くなりながらもシアは奉仕をやめるという選択肢を除外していた。
寝台に腰掛けたアベルの背中から抱きつくようにし、その豊かな胸をこれでもかと押しつける。
普段着ではわかりにくいが、確かにより魅惑的に成長した果実の感触にアベルは生返事しかできなかった。
仮に大きさが変わっておらずとも、こんな真似をされて意識しないわけがない。
ただ抱きつくだけでなく、時折自ら動いてこすりつけてくれば、その先端の感触もわかる。
当のシアもこの行為だけで胸に快楽を感じて甘い吐息を漏らし、それはそれでアベルの理性を崩してゆく。


「こっちも、しっかりご奉仕しますよ~?」


そして背中にもたれるようにしながら、白い手は前へと回された。
既にそそり立っているアベル自身に指を絡め、ゆっくりと動かされる。
これだけでも十分過ぎる快楽だが、それだけではない。


「んふぅ、んっ、んぐ……っ!」


ティアはアベルの脚の間に跪くような格好で、指と同じように性器への奉仕を行っていた。
軽く咥えただけだが、時折見上げてくる表情とくぐもった吐息は劣情を煽る。
以前よりもさらに上手く的確に弱いところを責められれば、アベルの意思とは無関係に射精感も煽られる。


「テ、ティア……!」

「んふ、ひもひひいでふは?」


びくりと反応を示せば、彼女は咥えたまま嬉しそうに目を細めて奉仕の速度を上げた。


「こっちは、どうですか~?」

「く、ぉ……シア、待て……!」


それに合わせるようにシアの胸はより強く押し付けられ、擦り上げる指の動きも速くなる。
二人がかりの奉仕の前に、アベルも声を抑えきれずにただ堪えるのみ。
気を抜けば、このまま全てを二人に委ねてしまいそうな快楽だ。
自分が受け身、二人にされるがままの状況になっているということは受け入れざるをえない。
だがこのままただ自分だけが快楽を甘受してしまうというのは、己の求める在り方に反する。


心のどこかに、やはり彼女達をいぢめてみたいという嗜虐的な欲求もあったのかもしれないが。


押し寄せる快楽に耐えつつも、アベルはゆっくりと手を動かす。
奉仕に夢中な二人は、それに気がつくこともない。



「ふっ……!? ん、やぁぁ!?」


突然の痺れるような感覚に、ティアの身体が跳ね上がる。
アベルの手はいつの間にかティアの胸元まで滑らされており、ぷくりと膨らんだ頂を摘み上げたのだ。


「あっ、駄目、です……! 今は、私がぁ……!」


か弱い抗議の声があがるが、たわわに揺れる胸を捏ねまわし尖りきった乳首を指の間で挟み転がせば、
身体を仰け反らせながらティアは堪らず口を離して嬌声をあげてしまう。


「あ……」


切なげな表情を浮かべた理由はどちらのものか。
奉仕を再開しようとするティアだが、その度に更に激しく胸を虐め抜くアベル。
悦びつつもいやいやと身体をくねらせ逃げようとする少女の小さな身体を、
脚を少し閉じることで逃げ場を無くしてやることも忘れない。


「……どうしたティア? 奉仕が止まっているぞ?」


そして追撃と言わんばかりに言葉責めもしてやる。
止まって欲しいのがアベルの正直な思いではあるのだが、彼女にはこれが有効なのもまた確かなこと。
事実目の前のティアは瞳に涙を浮かべつつもなんとか奉仕を再開しようとしている。
これはこれでいいものだが、まずは再び攻勢に入ろうとアベルも指先に力を込め始めた。


「ご、ごめんなさ、あっ、あっ!? やぁ、そんなに揉まないで……!」

「ふふ……」


どこまでも指が沈んでいくティアの胸は、アベルを飽きさせることはない。
ティアも胸を弄られることで明らかな快感を得て、見えない場所では既に蜜で床を汚している。
少し乱暴かと不安がよぎる程の力を込めても、返ってくるのは甘い声。
自分の股の間で、愛らしい少女が涙を浮かべ、涎と汗に愛液まで撒き散らす……
いけないことだと思う反面、満たされてしまう。


「……奉仕ができないなら先に達してしまうか、ティア?」

「んっ、ま、まっ―――っ!? んゅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ―――――ッ!?」


再度咥えこもうと意識がそちらに集中した瞬間を狙って、強めに乳首を弾いた瞬間にティアは達した。
誤って歯を立てないようにするためか、咄嗟に口を離して開かないようにしたのは彼女の本来の優しさだろう。
それでも抑えきれていない嬌声に、アベルは静かに満足そうな笑みを浮かべる。


「っ……!?」

「もぉ、いぢわるしすぎも駄目ですよアベルさん~?」

「シア!?」


しかしそれを狙っていたのか、背後から少し責めるような口調でシアが囁いた。
彼女の双丘はアベルの背でぐにゅりと潰され、先程よりもさらに密着している。
そしてその細い指が、アベルの先端で先走りの汁を弄っていた。
ティアの口が無くなったことで、彼女の指は全体を責められるようになっていたのだ。




「アベルさんだってぇ、気持ちよくなってくれているんですよね~……?」


ゆったりと囁かれる言葉に合わせるように、指の動きも非常にゆっくりとしたものだ。
しかし唾液と先走りでぬめるそこをゆっくりと扱かれ、敏感な先端も時折刺激されるというのは、
なかなかの快楽をもたらす。勢いはないが、着実に昂ぶらされると言えばいいのだろうか。


「っ……シア、今日は随分と……」

「……私だって、アベルさんに喜んでもらいたいもん。こっちのお勉強だって、少しはしたんですよ~?」


言葉を遮り、シアは緩やかな奉仕を続けていく。
やはり拙さは残るものの、彼女の場合はその落ち着いた声も武器の一つとなっていた。
それに呑まれれば、なかなか本来の調子に戻ることはできなくなる。


「ティアさんほど、上手くはできないかもしれないけど……」

「ぐ、ぉぉ……!?」


緩やかに続く刺激。
しかしある種の緩急がついた奉仕に、アベルは敏感に反応を示す。
このままでは、程なくして射精させられるという予感があった。
股座で絶頂の余韻に浸ってはいるようだが、ティアもいずれは起きることだろう。
そして仕返しと言わんばかりに、今度は喉奥まで呑みこんでくるに違いない。
シアもそうだが、ティアの場合でも相手の得意とする状況に持ち込まれるのは不味い。


(俺も、まだまだ甘いみたいだな……)


少しばかり持っていた自信も、もう役には立たない。
二人がかりでこの有様では、いつか全員を同時に愛することは本当にできないだろう。
この緩く甘い奉仕も悪くはないが、この後を考えるとまだ余力を残しておきたい。


「……シア」

「はい? っあ!?」


だからこそ、迷いは無かった。
片手はティアに備え、もう一方の手を素早く背後のシアへと回してみせる。


「ん、んんぅ……!?」


背後を取り、胸が惜し潰れる程の密着状態……
先程はいきなり胸を弄られるティアの姿を見て少し震えたものだが、シアには余裕があった。
これだけくっついていれば、同じ手で奉仕を妨害されることはない。
逞しい背中に潰されているだけでも気持ちがいいのは隠せないが、すぐには達しない筈……そう考えていた。
事実アベルといえど、この状態で胸への愛撫を強行するということは難しい。シアの考えは間違ってはいない。


「や、あ、あぁぁ!? だ、だめぇぇぇ~!?」

「何が駄目なんだ? シアも奉仕が止まっているということは……気持ちいいんだろう?」


意地悪いアベルの言葉に、シアの顔が染まり上がる。

アベルの片手は、シアの尻肉を揉みしだくと同時に指先が穴に埋まっていた。


「あっ、ふぁ……はぅぅ……」


胸とは違った心地よい柔らかさの尻が、ゆっくりと愛撫される。
深い挿入はないが、尻穴をつぷつぷと刺激されるだけでシアの身体は悶え跳ねた。
意識がそちらに集中してしまい、気がつけば手の動きも止まってしまう。


「……そう言えば、以前こんなことを言ったな」

「ん、ふっ……んぅぅ……?」

「カイン兄様をはぐらかす為だったが――後ろの穴に挿入したと」

「~~っ!?」


思い出し、そして顔は見えずともきっと小さく笑っているだろうアベルの顔を考え、シアがぴくりと反応する。
そして無意識のうちに肛門もきゅっと閉まったことをアベルは見逃さない。


「俺も経験が無いわけではない。シアが望むなら、嘘を真実にしてしまうことも吝かではないんだがな?」



くつくつと笑いながらも、尻を穿つ指を休めることはない。
入口周りと浅い部分だけだが、それでも男の指が抜き差しされ、時には折り曲げられる。
既に一般的な聖職者の道からは踏み外してしまった自覚があるシアも、この提案は素直には受けられない。


「だ、だめですぅ……このうえ、お尻までだなんてぇ……」


ふるふると首を振る代わりに、頬がアベルの背中に擦り付けられる。
背中越しに感じる精一杯の抗議に、アベルは薄く笑うと指を引き抜いた。
素質はありそうだと思うが、無理強いはしたくない。


「ん、んあぁん……♪」

「くく、そう言う割には、随分と艶っぽい声だが?」

「も、もぉ~! こうなったのも全部、アベルさんの責任なんですからねぇ~!?」


しかし言葉でいぢめることは忘れずに、同時にアベルはひっそりとシアの手を後ろに下げておく。
一度小休止を挟まなければ、昂ぶった自分の下半身はすぐに暴発することだろう。
このままシアを側面に戻し、胸を愛撫して主導権を取り戻せば――




「アベル様のいぢわる……」

「な、ティア!?」



そう考えた矢先、アベルの股座には少しだけ唇を尖らせたティアがいた。
予想していたよりも、随分と速い復活だ。
慌てて再びティアへの愛撫を再開しようとするが、今度は彼女の方が一手早かった。


「え、えぇいっ!」

「ぬおぉっ!?」


揉み潰されるよりも速く、ティアは身体ごと前へと踏み入る。
そしてアベルの腕を払いどけるや、着実に限界の迫っているアベルの肉棒をその豊満な果実で挟みこんでみせた。




極上の柔らかな感触が押しつけられ、それだけで達してしまいそうになるのをアベルは必死に耐える。
先程の仕返しのつもりなのか、ティアは己の胸を両手で押し潰し、より強く挟み込んで射精を狙う。
そして奉仕を続けながら、光の宿った青い瞳はアベルではなくその後ろのシアを見ていた。


「わ、私一人では駄目かもしれないので、シアさんも……!」


何を、とまでは口にしなかったがそれだけでシアも頷いてみせた。
まさかの事態にアベルが制止をかける前に想像もつかない機敏さでシアもアベルの正面に回り込む。
その顔は相変わらず恥ずかしそうであるが、どこか悪戯めいた笑顔でもあった。


「アベルさ~ん? あんまりいぢわるばかりすると……私達だって、怒るんですよ~?」


その口ぶりに怒りの感情は見えないが、彼女もティアに並ぶようにアベルの股の間に身をおさめる。
機能していないも同然の紐をずらせば、固く尖った乳首と共に豊満な胸が改めて大きく震えた。


「っ……」


思わずアベルも生唾を呑みこむ。
自分が知る少女達の中でも、最大級の大きさを誇る二人が惜しげも無く胸を曝け出しているのだ。
育てる、弄りやすいといった面から小ぶりな胸が好みのアベルではあるが、決して豊乳に魅力を感じないわけでもない。
目の前で揺れていれば当然弄り倒したくなるし、柔らかな感触もいつまでも楽しんでいられる。


「それじゃあ、私も失礼しますね~?」


よいしょと、シアも自身の胸を持ち上げながらアベルににじり寄る。
これから何が起きるかなど、三人ともがわかっていた。
ティアはすすっとお互いが動きやすいように位置を変え、シアを迎え入れる。
シアもそれを受け、ちょうどティアと対面になるような位置に移動する。
これは不味いとアベルの脳も警鐘を鳴らすが、視界から飛び込んでくる光景に目を奪われ反応が鈍る。
経験豊富なアベルも、この光景は初めてのこと。
甲乙つけがたい特大の柔肉が眼前にあり、それは彼女達の呼吸だけでも上下して男を誘惑する。


そして。


「「んしょ……」」

「っぉ……!」


息の合った動きで、左右から挟み込むと同時に肉の布団でアベルのモノを擦り上げた。
特大の果実で包み込まれてなお埋まりきらず、時折先端を覗かせる姿に、二人の聖女は頬を染めつつも目を輝かせる。
ああ、なんて逞しいのだろう。
これがこの後、自分達の中に出たり入ったりするのだと思うと、身震いが止まらない。
この後も可愛がってもらう為……
そして、たまにはいぢわるの仕返しもしてみたいと、二人は容赦なくアベルを責めたてる。


(こんな駄肉でも、アベル様に悦んで頂けるなら……悪くないかも♪)


口で咥えていた時以上の反応に気を良くして、ティアは胸の動きをさらに速めていく。
嫌いでしかなかったこの大きな胸も、今ばかりは感謝の感情しか湧いてこなかった。


(……もっと甘いものを食べたら、もっと大きくなって悦んで貰えるのでしょうか~?)


そしてそれは、シアも同じく。
二人は実にうっとりとした表情で共同奉仕を続けていく。

「くっ、はあぁ……!」

「アベル様、いかがですか……?」

「痛かったりしたら、言ってくださいね~?」


上目遣いで極上の快楽を与えてくる二人の聖女。
しかしそれに文字通りに挟まれているアベルにとっては、堪ったものではなかった。
荒い息しか吐き出せず、二人の問いにも満足に答えてやることもできない。
責め手だった筈が、少しでも気を抜けば立場が入れ替わる。
いやただ入れ替わっただけではない。与えられる快楽に何も考えられなくなるなど、敗れているも同然だ。


「あ、アベル様今震えた? ここが良いのですか?」

「それとも、こっちですか~?」


目敏く弱いところを見つけ出すと、ティアは嬉しげにそこを責めたてる。
圧倒的な包容力と柔らかさだけでなく、谷間から顔を覗かせる先端にも躊躇いなく口付けを落とす。
そして間髪入れずにシアの舌も伸ばされる。
時折四つの固い蕾もこすりつけられ、種類の違う波状攻撃はいとも容易くアベルの忍耐力を削り取った。


「あむっ」


「う、ぐ、おおおおおぉぉぉぉぉぉ……!?」


「ん、んむぅぅ!?」


幾度目かの刺激で、実にあっさりとアベルは谷間とティアの口の中で弾けた。
不甲斐ないという気持ちが湧くが、それさえもすぐさま新たな快楽で塗り潰される。


「んぐ、ん、んむ……!」


苦しげな表情は一瞬のこと。
吐き出された濃い精液を口内で受け止めたティアはすぐさま全てを吸い上げようという姿勢を見せる。
射精中の新たな刺激に、アベルの腰は震える。
それでもティアは止まらない。決して美味でもなければ飲みやすいものでもないそれを、最後の一滴まで求める。


「けほっ……! あ……!」


しかし、望んだことが必ずしも実現できるわけでもない。
精液を飲み下すのに手こずり、口の中の精液量が限界を迎えた時ついに口を離してしまう。
必然的に口から溢れ零れ落ちる白濁した粘液。
そして吸われていた勢いそのままに、まだ飛び散る残滓が彼女の顔を穢してみせた。


「あ、ああぁ……」


穢されながら、彼女は飲み切れなかった後悔と、染め上げられる被虐の悦びの狭間で震えていた。
その姿は実に淫らで、そそるものがあった。
節操がないという自覚はあったが……
アベル自身の意思とは無関係に吐き出したばかりのそこは早くも硬さを取り戻しつつあった。
これで次になんとか挽回するしかないかと、アベルは動き出そうとする。

「す、凄いです~……それじゃあ、次は私の番ですね……?」

「んおぉっ!?」


しかし、呼吸を整えるよりもはやく今度はシアが先端を咥えこんだ。
相変わらず乳圧による快楽に加え、射精直後の先端を舌先でくすぐられて耐えられよう筈もない。


「ま、待てシア……! まだ……!」

「やぁですよぉ~? わ、私だって、その……」


ごにょごにょと口籠ってしまうが、それを誤魔化すように再び吸い付く。
その姿と与えてくる刺激に、もはやアベルに体裁を保っている余裕は微塵も残ってはいない。
されるがままに震え、柔らかな胸の感触に溺れ、滑らかな舌先に悦ぶばかり。


「待ってくださいシアさん、私まだ、ちゃんとご奉仕できてないです……!」


そこに、染められた顔もそのままにティアも入り込んできた。
先程飲みきれなかったのが悔しいのか、より強く胸で圧迫して快楽を与えてくる。


「ティ、ティアさんはさっきやったじゃないですか~!? 次は私ですよ~!」


それに負けじとシアもぐいと胸をさらに寄せ上げ、アベルを刺激していく。
受けてティアもさらにさらに激しさを増して。
どこか張り合っているようにすら見える光景に、アベルの思考は放棄寸前までに追い込まれる。
これは天国か地獄か?
愛しい聖女達が、自分を求めて股座で可愛らしい勝負をしているのだ。
狙っているのが自分の精液などでなければ、なんと微笑ましく嬉しい光景だったことだろう。
耐えなければと思ってはいるのだが、射精直後の敏感な状態であること……
そして、挟みもたらされる快楽があまりにも大きすぎた。


「ん、んぐぅぅぅぅぅ~~~っ!?」


再び呆気なく、今度はシアの口の中で果ててしまう。
涙目で口をもごもごとさせているシアが気がかりではあるが、それを羨ましげに見つめるティアの姿が映った。
言葉には出さないが、舌先をのぞかせているのは分け与えてくれという合図なのだろうか?
しかしシアは表情を歪めたまま首を横に振り、ゆっくりゆっくりと喉を鳴らしていく。


「んっ……! んん……! ん……んあぁ……」

「大丈夫かシア……?」


なんとか飲み干した様子だが、まだ苦しいのか問いには首を縦に振るだけにとどまった。
ティア程には精飲が向いているとは言いにくいようだ。
いや、ティアが天賦の才を持ってしまっていただけなのかもしれないと彼女の方を見れば、目が合った。


――次は、また私にお恵みを――


言葉は無くとも、彼女が次を望んでいること。
そして今度こそ飲んでしっかりとした奉仕をするのだという気概を感じ取れた。
彼女は思わぬところで行動力を見せるということは知っていたが……
流石にこれ以上は身が持たない――アベルは身の危険を感じていた。

このまま推移すると、口淫だけでお互いが飲んだ飲まないで幾戦か勃発する。
果たして自分は耐えきれるのか、見栄を張らずに薬に手を出しておけばよかったか?
二度に渡る射精で思考の一部が掻き混ぜられている状況でも、アベルは必死に考えた。



(――いや、二人が本当に望んでいることを為すまでは、このまま倒れるわけにはいかん!)



溺れてしまいたい共同奉仕。
しかしそういうわけにはいかないと、アベルは己を奮い立たせる。
程なくしてティアがまた吸いついてくることだろう。
それでは泥沼だ。
一対一ならおそらくは勝てるだろうが、それでは意味が無い。
二人同時に相手にして満足させてやれてこそ、この夜に意味はある。


(――形振りを構っている暇はないな)


結論は、実に迅速に導き出された。
少し手荒かもしれないが、この二人ならそれを受け止めてくれそうだとも思えたのだ。
考えをまとめたアベルは、行動も素早かった。


「アベル様、次は――ふぁあああっ!?」

「ティアさ――んああぅっ!?」


二人の聖女が次の奉仕を始めるよりもはやく、両の手は愛液の源泉を無遠慮に蹂躙していた。
少し乱暴に突き入れられ、ばらばらに動かされる指はぐちゅぐちゅと今日一番の淫らな水音を部屋中に響き渡らせる。


「――随分と、好き放題にしてくれるじゃないか二人とも?」


寝台から降り、彼女達と目線を合わせ、低く冷たい声を出しつつも笑ってやる。
身震いする様も気にすることなく、蠢かせる指を止めることも無い。
濃紫の眼に魅入られ動けなくなった二人は蕩けた息とくぐもった嬌声しか出さなくなっていた。
これでもかと掻き回された秘所から溢れ出る水音は、昂ぶっていた二人の熱を現実へと引き戻す。
制止を振り切って大胆な真似をしてしまった恥ずかしさと相まって、己が淫乱な聖女だと咎められているようにすら思う。
今更はしたない声を抑えたところで、新たに溢れ出る蜜の前には何もかも無意味なのだが。


「さっきの言葉を返すなら、俺でも怒ることはあるし――容赦をしなくなる時だってあるんだぞ?」

「「んうっぅ!?」」


二人同時に、蜜穴からじゅぽりと指が引き抜かれる。
それだけで二人ともががくがくと震えて淫らに揺れた。
軽く達したのかくたりと力を失った身体は、必然的にアベルが受け止める格好となった。


「――覚悟はいいか?」


二人を両腕を広げて抱き止めながら、耳元で囁く。
それはこれまでに聞いた、どんなアベルの声よりも酷く冷たく――魅力的に聞こえた。


「「は、はい……♪」」


二人の聖女は、それを揃って悦びとして受け入れる。


怖い……その感情が無いと言えば嘘になる。
だが今は自分は一人では無い。二人いれば奉仕もしやすいし、耐えることもできる。
仮に組み伏せられたとしても、一方を相手にしている最中にもう一方は少しは休める。
だからこそ、これからもたらされるであろう快楽を、全力で受け止めようと聖女達は決心する。
両腕を広げての抱擁が、とても心地よい。
ここから、どういう扱いを受けるのか――


「「……え?」」


仲良く受け入れた二人は、仲良く困惑した声をあげた。
いつの間にか、自分達の両腕が後ろに回されている。
それだけならまだいいのだが、どうにも動かせない。
強めに動かそうとすれば、何かが食いこんでくる。


「こ、これは……」

「二人とも、男に抱きしめられたからといって――簡単に気を許すとそうなるぞ?」


シアはその正体に感づき口にしようとするが、そこに冷たいアベルの声が割って入ってくる。
彼は二人を抱きしめると同時に二人を後ろ手で縛っていたのだ。


「や……!? これ、荒縄ですか!?」

「いつの間に、いえ、そもそもどこから……!?」

「縄は二人の趣味嗜好に合わせて元から寝台の下に用意してあった。
 その束縛は、暗黒街では割とよくある手だ。俺もされたことがあるし、仕返したこともある」


淡々と告げられる言葉に、二人の背筋が震えあがる。
何でもないと言った様子ではあるが、まるで気がつくことができなかった。
もし、本当に彼が悪しき心の持ち主だったらと思うと、震えずにはいられない。


「さて……本番といこうか」


その言葉で、聖女達はさらに震えがる。
未だに何が起きたのか理解しきれず、頭は混乱したまま。
激しい愛撫で身体の力は抜け、手は荒縄で封縛された。
困惑、恐怖……そして淫靡な期待を寄せる様な、混ぜこぜの感情のまま喉を鳴らすことしかできない。


「まずは、シア」

「ひゃあぁ!?」


そして間髪を入れずに、縛られたままのシアが抱き抱えられる。
これはこれで恥ずかしいけどいいかも、そう彼女が思った頃にはすぐに寝台の中央に仰向けで寝かされていた。
少しだけ頬を膨らませて細やかな抗議をしてみるが、次の瞬間にはティアも抱き抱えられている。
なんだただ寝台に移動させただけかと思えば……


「え?」

「きゃっ!?」

シアは、己の上が塞がれたのがわかった。
てっきり隣に寝かされでもするだろうと思ったティアが――『うつ伏せ』の格好でシアの上に被せられたのだ。
然程重くないとはいえ、腕を縛られティアが折り重なっていてはシアは思うように動けない。
逆にティアもうつ伏せで手を縛られていては思うように動けないし、何よりも背後にはアベルがいるのだ。
動けるわけがない。

「いい格好だぞ二人とも?」


折り重なる聖女の脚を掴み、互いに負担の少ない位置に導いてやるが、優しさはそこまで。
アベルはそのまま脚を割り開いて、聖女二人が互いの蜜を混じらせながら股を濡らしあう様をじっくりと観察し始めた。


「いや、いやあぁ……恥ずかしい……!」

「そんなにじっくり、みないでくださいぃぃ……!」


完全に予想だにしていなかった展開に、二人は涙を浮かべながら恥ずかしがる。


「「んっ!?」」


そして身悶えすれば、お互いの身体が擦り付けられあって互いの新たな刺激となる。
既にここまで昂ぶり続けてきた身体にとっては、この程度の刺激も大きなものだ。
それで悶えれば、同じことの繰り返し。傍から見れば、男を誘うように揺れ動いているように見えなくもない。
見えずとも、アベルの顔がどんどんと迫っていることが二人にはわかった。
吐息が触れるだけで、全身にぞくりと痺れるような感覚が訪れる。


「「ふあ、ああああぁぁぁぁあぁぁぁ!?」」


そして同時に舌で舐めあげられた瞬間、重なりあった身体は見事に捩りあった。
周りをなぞり焦らすようにしたかと思えば、躊躇いなく秘裂を割り開いて蜜が掬い上げられる。
かと思えば膨らんだ肉豆も嬲られ、軽く歯を立てられもする。


「「ああんっ!? だめ、だめですってばああぁぁぁぁ!?」」


悶える聖女達の声が重なった。
羞恥心はとっくに限界を迎え、しかしそれでも身体の奥底はずっと待ち焦がれている。
彼女達は、涙目で訴えかける。


「……そろそろいくぞ、二人とも」


そして今度は焦らされることもなく、望み通りに肉棒は二人の蕩けきった泉へとあてがわれた。
互いの身体を愛液でどろどろに濡らし絡み合う聖女の痴態に、アベルの余裕も無いに等しい。
だからこそ彼は、まとめて相手をする道を選んだ。



「「ん゛ん゛っ!?」」


ぐじゅりと、二人の重なり合った貝の狭間にアベルの凶悪な剣が刺し込まれる。
挿入されていないというのに、重なり擦れあっていた身体にさらに強く硬く擦ってくる存在が現れたとあっては、
感じる快楽もこれまでの比ではない。
脳を焼き切られてしまうのではないかと思う程の、焦熱の快楽。


「っぁ……! もう、もう我慢できません……! アベル様の逞しいおちんちん、私の膣内に挿れてくださぁい!」


そして、先に決壊したのはティアの方であった。
彼女は何もかもを投げ捨て、懇願する。
真下の憧れの人や神に聖王、あらゆる人から見放されても構わないという想いがあった。

――それでもこの人だけは、きっと自分を見てくれるのだから。


「っ、ならば、まずはお前からだティア!」

「んぐ、んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


そしてそれを受け、アベルも狭間から抜き取るや否や容赦なく深々とティアの身体を刺し貫いた。
今の彼女はうつ伏せの格好、縛られ後ろから容赦なく突かれるその様は家畜同然と言われても不思議ではない。
それでも、間近でその顔を見ていたシアは思わず羨望の感情を向けてしまっていた。

――ああ、なんて淫らでそして幸せに蕩けた顔なのだろう?

縛られた状態でも快楽から大きく仰け反り嬌声をあげるティア。
彼女が動けばシアの刺激となるが、これに腰を動かすアベルの動きが加わればそれもシアへと伝わっていく。


「だ、めぇ……! ティアさん、動かないでぇぇ……!」


言っても無駄だということはわかっていても、言いたくなる。
寵愛を受け、どろどろに蕩けた彼女の顔を見つめながら。
無遠慮に奥底までを突き上げられ、女の悦びを芯まで刻みこまれる衝撃のおこぼれを感じながら。
はやく私にもと切なくひくつかせても触れて貰えず、手を縛られていては自分で慰めることもできない。


「……アベルさん、いぢわるしないでぇ~……!」


あまりにも酷すぎるお預けに、シアの声は半泣きとなっていた。


「ふっ!」

「はっ、へぇ……? は、はああぁぁぁぁぁぁぅぅぅぅん!?」


そしてそんな顔を見せられたアベルは、大きく腰を引いたかと思えば今度はシアを一息で貫いた。
待ち焦がれていたものを最奥まで一気に叩きつけられ、泣き顔はあっという間に堕ちたものへと変わっていく。


「あんっ……! ひどい、アベル様、まだぁ……!」


そうしているうちに、今度は途中で抜かれてしまったティアが切なげに催促をする。
シアが悶える刺激でやはり快楽は感じているようだが、身体の中が満たされなければ意味がない。


「……んちゅ、ん!」

「ひゃいっ!? やっ……ティアさん……!? そこ、あっ、舐めないでぇ!?」


より長く挿れてもらうにはどうしたらいいか。
それを考えた彼女が導き出した答えはどうやら先にシアが達することらしい。
突かれる悦びで震えるシアの首筋に舌を這わせ、予想外の快楽を与えて彼女の限界を誘う。


「……そう急くなティア。すぐに、挿れてやるっ!」

「あ、あああぁぁぁぁぁぁぁんっ!?」


予想外の光景を少し眺めていたいとも思ったアベルだが、より欲求が強そうなティアを再び貫いてやる。
程なくしてシアがまた切なそうな顔をすれば、また入れ替えて。
聖女の食べ比べは、幾度となく繰り返される……


……


――


……


「あっ、あっ、あああああ――――ッ♪」


幾度目かの交わいの中で、ティアの膣内にアベルの精液が吐き出される。
体格で勝る彼に覆い被さるようにされ、気がつけば下のシアから脚を絡められている。
どう足掻いても逃げ場の無い、上から子宮に叩きつけるように吐き出される男の欲望。
太く大きい彼の逸物は子宮の口もこじ開け、奥底を満たす様に射精を続けていた。
戦争の中で、聖国の治療師にはこうして凌辱された者も少なからず存在している。


「んああぁぁぁぁ♪ きてる、きてるのぉ♪ 今、私のなかにぜったいアベルしゃまのあかちゃんできちゃったああぁぁぁぁ♪」


しかしティアは心底嬉しそうに、それを受け止めて全身で喜びを表現していた。
体力は使い果たし、もう限界の筈なのに、嬌声と共に悶える彼女を、シアは羨ましそうに見つめる。
赤ちゃん。愛する人の子供。
最初はそれほど望んでいなかった筈だが、周りが幸せそうになっていくのを見ると……
つい自分もと思ってしまうのは、人間の性なのだろうか?


「あ、アベル、さん……私も、もっとください……♪」

「ああ、勿論だシア!」

「んう、んううぅぅぅぅぅぅぅ―――♪」


普段よりもより濃い、三人分のむせ返るような愛と欲望の臭い。
濃密過ぎるそれは、どれだけ理性的な人間であっても抗うことはできない。
二人ともやり過ぎた程に愛したのだ。それでもアベルは当初の目的を見失い、止まれないでいた。
それは縋りつくような聖女達も同じこと。
離れたくない。いつまでもこうしていたい。
退廃的な、聖職者が持つべきではない感情。


「ぐっ……出すぞ、シアの膣内にも……!」

「はい……! 出して、私も、アベルさんの赤ちゃ―――んんんんんぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♪」


しかし、彼女達は敬愛する神の教えの一つを反芻していた。

――そこに愛があればいい。

ああ、ならば何も問題ない。
今このひと時は間違いなく愛で溢れているのだから。
きっと神もお許しになることだろう。
それなら――もっともっと、乱れてしまってもいいのだろうか?


「はぁ……はぁ……アベルひゃまぁ、もっとぉ……♪」

「わたしも、おねがいしますぅ~……♪」


幸せに蕩けきる聖女達の顔を見れば、まだまだ皇子の欲望も燃え上がる。


「――今日は眠れないと思え」

「「~~~~ッ♪」」


重ね合わせた聖女達の左右から手を入れ、至高の柔らかさの中に埋める。
そしてその中から紅く染まった蕾を探り当て、四つをまとめて擦りあげてやる。
それだけで呂律も怪しくなっていた二人の身体は跳ね上がり、再び準備が整い始める。


神聖にして淫らな営みは、聖女が完全に力尽きるまで繰り返されたという……


……

――

聖女パート投下終了です
状況的に10月半ばまで更新不安定になる可能性が高いですが、エンディングまでは必ず行くことは誓います
残り僅かですが、お付き合い頂ける方は最後までよろしくお願い致します
この後はやりとり→マックス判定→パトラパートの予定ですが、
(かなり)以前にお伝えした通り、パトラパートの展開等を一応募集しておきます
必ずその通りにできる保証が全くないのが申し訳ないですが(白目)
なお現時点での展開は『パトラ、疲れ気味のアベルにマッサージ』→『色々あってむらむら』→『アベルからお返しマッサージ』→『アベルスイッチ』
になっています

それではまた後日

おつおつ これは時間かかっても仕方ない、素晴らしかった

パトラパートの案としては、この後のマックス判定でアベルやパトラにバレる&(パトラ偶数ゾロ目とかで荒ぶって『よくやり遂げましたマックス!』みたいにはっちゃけない限りは)婚前に孕ませたということでパトラによるマックス折檻を前提として

アベルをマッサージで癒す→『マックスにはああ言ったものの、内心キアラを羨ましく思っている自分がいる』と孕ませ要求→しっぽりとイチャラブ
でどうだろ?
アーシャ(ペットプレイ)・シスターズ(SM)と来てさらにロウル(クンカクンカ)が控えているわけだからここらで真っ当なイチャラブを挟みたい

復活本当に待ってました
今回のパートもエロくて最高でした
パトラパートについては>>858でも書かれてるようにキアラ妊娠の報告を聞いて、羨ましさからの焼きもちとか先を越されてしまった焦りとかで積極的に妊娠しようと頑張るシーンで

(残りレス数も少なくなって書き込み控えようかとも悩んでいましたが、いっそ次スレを建てても歓迎します
余ったスペースは気が向いたときにアベルたちや子供世代の後日談等のオマケを投稿する場とか次回作のキャラ案や世界設定を投げたり議論する場として利用したりとか)

こんばんはー
短いですが、判定取得部分まで進めておきます

――――
―――
――



……



ティア「あ……あ……♪」ドロドロ…

シア「だ、大丈夫ですかティアさん~?」ヨロヨロ…

アベル「シア以上にねだってきたからなぁ……」フラ…

アベル「流石に、俺も少し休みたい……」

シア「もう朝ですよ~……?」

シア「本当に寝かしてくれないだなんて、いぢわるです~……」

アベル「――だが、それを二人とも望んでいたんだろう?」クイ

シア「あ……///」カアァァ…

シア「は、恥ずかしいので黙秘です~……///」

アベル「今更だと思うがなぁ……」

アベル「まずシアの場合、あの水着を称する紐はなんだ?」

シア「あ、あれはですね~!?」アセアセ

アベル「……できるなら、俺の前以外ではあまり大胆な格好はしてくれるなよ?」

シア「は、はい! もちろんですよ~!」

シア「とりあえず、あれはまたしばらく封印して……あれ?」カクン…

シア「た、立てない……」プルプル…

アベル「……すまない。やはり無理をさせすぎたか」

シア「気持ち良すぎて、夜の間は平気だったんですけど~……///」

シア「私でこれだと、ティアさんもきっと辛いかも~」

ティア「あ……/// アベルしゃまのあかちゃん……///」

シア「……これは、皆さんにも言い逃れできないですね~……」

アベル「……だな」ハァ…


アベル「しかし、求めてくれるのは男としては嬉しいが……」

アベル「昨夜は二人とも、随分と積極的だったな?」

シア「だ、だって~……///」

シア「エリスさんにアーシャさん、あんなに幸せそうだったんですよ~?」

ティア「あかちゃん、ほしぃぃ……///」ムニャ…

アベル「……///」

シア「それにルーシェさんとヒバリさんもしっかりとなさっていたようですし~」




シア「その上キアラちゃんも妊娠してただなんて知ってしまったら――」



アベル「……なんだって?」

シア「あ」

アベル「今、とんでもないことを聞かされた気がするんだが……?」

シア「と、とにかくティアさんも私もアベルさんの赤ちゃんが――」


グチュリ!


シア「んあああぁぁぁ!?///」ビクン!

アベル「シア、正直に話さないと……」グチュグチュ…!

シア「あ、あっ♪ そん、な……また……///」

アベル「今後はシアだけ手のみで――」

シア「話しますからお慈悲を~!?///」


……


――

――

……


【帝国・王城】



マックス「」ガタガタガタガタ!

キアラ「え、えっと……」オロオロ…


ギルバート「……」

フローレン「……」

ノワール「……」

アドルラン「その、だな……」

アベル「……」チラ…

パトラ「……」

ローズ「……」


マックス「」



おまけ特殊判定
↓1~3コンマ二桁


キアラの妊娠に対する一部の人々の反応(前回のアドルラン補正あり)
ローズのみ保護者補正-30

1アベル
85>63(思うところはあるが、俺は人のことを言う資格が無い……)
※基準値を下回った為お咎め無し!

2ローズ
55>30(天使も大人になってしまったのネ……)
※基準値を下回った為お咎め無し!

3パトラ
95(マックス、一から叩きなおしますか……?)>85

※基準値を上回った為お咎め決定!

※しかしアドルラン+アベル+ローズの三連援護には勝てません

――

判定公表した辺りで今日はここまで
ローズ以外は大丈夫かと思えばまさかのローズクリアからのパトラ基準値超えってマックス……
主だった面々(+ギルバート)に容認された為、マックスはそこまで酷い目には遭いませんが、
これによりちょっとだけイベントも起きます

……しっかり描写いれとこうと思うとこのスレ内で収まるかすごく不安になってきました(白目)
最悪>>860さんのようなスレの使い方をしてしまう羽目になるかも……

本日もありがとうございました!

こんばんはー
更新が飛び飛びで申し訳ないですが、とりあえずパトラ導入少し前までの判定まで進めたいと思います

――


ローズ「…………」フゥ…


マックス「」ビックン!


ローズ「天使も、完全に大人になってしまったのネ……」

マックス「え?」

ローズ「そう怯えないの。あなた達の仲は、もう認めた筈ヨ?」

ローズ「確かに、あまりにも早すぎるって思いが全くないわけでもないのだけど……」

ローズ「……それを言うと、ここにいる若干名の方も問い詰める必要があるしネ」

ローズ「これが、どこぞの男の手によるものだったらもう、地の果てまで追いかけてぶちのめしてる」

ローズ「でも、あなた達はお互いを想って……つい昂ぶってしまった、そういうことなのよネ?」

キアラ「あ、あぅ……///」

マックス「その……///」

ローズ「……それなら、アタシがとやかく言う権利はないワ」

ローズ「でも、どうかこれだけは約束して頂戴?」


ローズ「――お互いと、そして子供は何があっても大切にすること。わかったわネ?」


マックス&キアラ「「は、はい!」」

ローズ「……いい返事ヨ」ニコリ

ローズ「それじゃあ、アタシは先に退散させてもらうわネ?」タタタ…


バタン…




<ウオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォン! オヴ、オヴゥゥゥゥォォォォ……!

<ローズサン!シッカリ!
<オケショウガイッシュンデクズレタ!?





一同((やっぱり無理はしていたんだな……))



マックス(ローズさん……その約束は、絶対に違えません!)グッ!

キアラ(今のうちから、赤ちゃんの為の勉強も始めないと……!)グッ!



アベル「……やはり、ローズさんは大人だな」フゥ…

マックス「ア、アベル皇子……」ブル…

アベル「まあ、確かに俺も最初聞いた時には驚いたよ……」

アベル「ローズさんと同じくだが、相手次第では確実に俺も斬り捨てていたと思う」

アベル「だが、マックス。お前は俺達と一緒に苦難を乗り越えた仲間の一人だ」

アベル「確かに調子のいい面もあるが、根は真面目な男だということは俺もわかっているさ」

マックス「アベル皇子……」ジーン…!

アベル「大方、膣内に出す前に引き抜けば大丈夫とか短慮なことをしたんだろう? それは無意味だからな」

マックス「!?」ドキィ!

ノワール「ええ。とはいえ、それは多分キアラも知っていたのではないですか?」

キアラ「!?///」ドキィ!

マックス「えっ!?///」

アベル「はぁ……キアラも心のどこかで望んでいたということなら、俺ももう何も言えん」

アベル「……そもそも、俺にマックスを責めることは不可能なんだがな」

アドルラン「はははは! そうだな、私も責める気は毛頭ないが不可能な立場だなぁ」

マックス「え? え?」

アベル「……婚前、という問題は確かにあるんだがな」

アベル「…………エリスはキアラよりも年下と言えばわかるだろうマックス?」

マックス「あ、あぁー……」

ノワール「本当にこの子はもう……」

ノワール(……でも、孫が沢山見れそうなのはちょっと楽しみです)ソワ…

アドルラン「ルーシェもキアラとそう変わらない歳だからなぁ」

アドルラン(猫のように甘えてくるルーシェに我慢ができず私も理性を飛ばしたからな……)

アドルラン(二人の夜を聞く無粋な真似はできないが、きっとマックス君も似た状況だったのだろう)

アベル「そういうわけだマックス。斬り捨てることはしないが……」

アドルラン「男として、責任はとらないといけないからな?」

マックス「も、勿論です!」ビシ!

マックス「……でも正直、殺されると思っていました」ブル…

アドルラン「ん?」

マックス「アベル皇子の言う通り、俺とキアラちゃんはまだ正式な式を挙げていない。それなのに……」



ギルバート「……恥ずることはない、マックスよ」ズン…!



マックス「!?」ドキィ!

ギルバート「我が実力主義の名の元に帝国を治めていたことは理解しておろう?」

マックス「は、はい」

ギルバート「……アベルとエリスの式には参列したが、それは強者たるアベル達の望みであったからだ」

ギルバート「我が敗れる以前は……挙式前からの子供なぞよくあること。そもそも挙式せぬことも多々あった」

マックス「……え?」



ギルバート「――欲しい女があれば、己が力で手に入れるのだっ!!!」クワッ!



マックス「結婚も実力主義!?」

フローレン「そうよぉ? 相当力の差を見せつけてやらないと大変なんだからぁ」

フローレン「貴族達は建て前や損得で動くからまだ温いけどぉ……」

フローレン「たとえば兵士達の結婚とかは特に荒れるわぁ。文字通りの略奪婚よぉ?」

フローレン「男から花嫁奪って勝ったと思ったら、その花嫁に殺されることも……」

マックス「」ガタガタ!

フローレン「ちなみに私とギルバートはしっかり式を挙げたし、とっても平穏なものだったわぁ。当たり前だけどねぇ?」

ギルバート「誰か一人ぐらいは乗り込んでくるかと期待したのだがな」

フローレン「まあ私にはギルバート以外の男なんて考えられないから、ぜぇったい略奪婚は無理でしょうけどねぇ……」

ギルバート「近年ではこの傾向も減ってきてな。不甲斐ない者が増えたものだと思ったが……」


ギルバート「――形こそ違うが、お前のキアラをなんとしてでも自分のものにしたいという強き意志は感じたぞ」


マックス「」


ギルバート「キアラもあの魔力であれば、並大抵の男は捻り潰せるであろう」

フローレン「そもそも結界張って挿入できないようにしてやるって手もあるしねぇ……」

ギルバート「キアラがそれをしなかったということは、お前は強者として認められたのだマックスよ」

キアラ「お、お父様? マックスさんが弱い強いとかじゃなくて、私は……///」

ギルバート「絶対に手に入れたいモノの為に練磨する……それに相応しくなるまで己を鍛える」

ギルバート「これが出来る者は、紛れも無く強者よ。我の拳にも怯まなかった点も評価できるがな……」クク

マックス「あ、ありがとうございます……」

ギルバート「だが、婚前の子程度で狼狽えるな。己は帝国皇女を孕ませた強者なのだと誇るがいい!」

マックス「」

フローレン「そうよぉ? 上手くいけばアベルのとこより先に産まれるかもしれないし……」

フローレン「皇族で一番最初に子供作ったとかアベルの自慢を封じられそうねぇ。キアラもよくやったわぁ」

キアラ「お、お母様、私そんなつもりじゃ!?///」

ノワール「フローレン……」ハァ…

アベル「俺もそんな自慢はしませんよ……」

フローレン「なによぉ? それじゃああの人に認められたエリスを孕ませてやったぞって自慢かしらぁ?」

ノワール「フローレン。前にも言いましたけど、子供ができるというのはそういう問題ではなくですね……」

ノワール「それとマックス君? ギルバートの理論は極端だけれど、私も覚悟と誇りは持つべきだと思いますよ?」

ノワール「――自分が親になるのだという、次代の命を育んでいく覚悟と誇りをね」

マックス「覚悟と、誇り……」

ギルバート「……ふむ、見どころはあるがまだ青くもあるか」

ギルバート「ならば仕方がない。一つ教えてやろう」ガシ!

マックス「うぇっ!?」メキメキ…!



ギルバート「我も、妻がいる状態でノワールの痴態に歯止めが効かなくなり一夜にして孕ませた過去がある。気にすることはないのだ」

ギルバート「そう、ただの一夜のつもりがあやつの普段決して出さぬ声と揺れ動く――」



ノワール「ギルバートオオォォォォォォォォォォォ!!!///」ヒュオオオオォォォォォォォ!



ギルバート「ぐああああああぁぁぁぁぁぁ!?」パキパキ…!

フローレン「あなたぁぁぁぁぁ!? 色々な意味でおのれノワールウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」ギリギリギリ!


一同「「」」


……


――

――


……


アベル「……文字通り嵐が去って行きましたね」

アドルラン「う、うむ……///」

マックス「」

アドルラン「はは、私も色々と驚いたがしっかりしたまえマックス君」ユサユサ

マックス「――はっ!?」

アベル「もう嵐は収まったぞ。あまり聞きたくない内容だったのはわかるがな……」

アドルラン「とにかく、だ。私やアベルは勿論、父上も母上も君とキアラの子を否定はしていない」

アベル「年齢の問題は先に言ったが、婚前というのも確かに帝国では珍しくはなかったんだ」

アベル「……式後に、というのはあくまで俺個人の考えだからな」

アベル「俺も一歩間違えば、戦中にエリス達を孕ませていたかもしれんしな……」

アドルラン「うむ。結局のところは、当人達の考えが一番大切だ」

マックス「……」

キアラ「……」

アベル「さて、二人とも。改めて問う必要もないとは思うんだが」

アドルラン「一応、聞いておこうか」

アベル「母上も言っていたが――覚悟はあるな?」

マックス「……はい!」コクリ!

キアラ「私も……!」コクリ!

アドルラン「うむ! ならば良し! 呼びつけて悪かったな!」

アベル「……お前達なら、大丈夫だろう」

キアラ「アベル兄様……」

アドルラン「ははは! むしろ覚悟を決めなければいけないのは我々も同じことだからな!」

アベル「そういうことだ。しっかりと前を見て進め、二人とも」

マックス&キアラ「「はい!!!」」



アベル「……そういうことだ。いい加減、何か喋ったらどうだパトラ?」



パトラ「…………」



マックス「パトラ将軍……」

キアラ「パトラさん……」

パトラ「…………」

パトラ「……」ハァ…

パトラ「キアラさんのご両親にご兄弟に保護者、そしてご本人が認められているなら……」

パトラ「私にも、何も言えるわけがないじゃないですか……」ヤレヤレ…

マックス「パトラ将軍――」




パトラ「でもっ! 王国騎士マックスに対して王国将パトラとしてもの申すっ!!!」クワッ!




一同「「!?」ビクッ!



パトラ「マックスあなたねぇ!? 仮に、仮にキアラ皇女の方からお誘いがあったのだとしても!」

パトラ「そこはぐっと堪えなさい!? 前から言っているけど、あなたは少し欲が表に出過ぎなの!」

マックス「すみませんでしたぁ!?」ドゲザァ!

パトラ「それも違うっ! 額を床に擦り付けても、もうあなたがキアラ皇女を妊娠させて父親になる事実は変わらないの!」

パトラ「あなた、この事の重大さをちゃんと理解できていますか!?」

マックス「はい! 絶対にキアラ皇女と産まれてくる子は幸せにしますっ!」ビシ!

パトラ「んん、それはいい返事なのだけれども!」

パトラ「ああ、もう! ギルバートさん達が少しずれているせいで別の問題に気がついていないのね!?」

アベル「べ、別の問題?」

パトラ「アベルさんまで……」ハァ…

パトラ「いいですか? 確かにキアラ皇女のご両親達には認められて、あなたも覚悟はある。それはいいでしょう」

パトラ「でも、それは少なからず私達と彼らに面識と理解があるからです。マックスの在り方を知っているからです」

アドルラン「うむ。マックス君ならキアラを任せても大丈夫だと思うが……」




パトラ「――王国の無名騎士が帝国皇女を婚前に妊娠させた。これ、王国側で流れたらとんでもないですよ?」





アベル「」

アドルラン「」

マックス「」

キアラ「」


パトラ「……私も口に出して寒気がしてきました」ブル…

パトラ「実際は、もう誰もが認めてしまい問題ないことなのかもしれません」

パトラ「でもマックスを知らない人からすれば、さっき私が言った言葉通りなんです」

パトラ「あなたがもう王国で並ぶものがいない程の将にまで成長していても、それはまだ私達や騎士団の仲間しか知らないの」

パトラ「陛下にわざわざ、弁明させるつもりですか? この騎士はもう立派な将だから問題ないと」

マックス「そ、それは……」

パトラ「まあそもそも、どんな立派な騎士の肩書を持っていてもいきなり皇女を妊娠させるのが不味いでしょうけど……」

アベル「待てパトラ。それなら俺も……」

パトラ「残念ですけど、アベルさんとマックスでは事情は大きく異なります」フルフル

パトラ「アベルさんはそもそも皇子ですし、王国でもかつての四天の撃破等で英雄視されています」

パトラ「対してマックスは、どれだけ頑張っていても現時点ではまだよくてアベル皇子の部下の一人、そう認識されるでしょう」

パトラ「この子がどれだけ努力を重ね、死線を潜り抜けてきたかはまだ表に出ていない。当然、キアラさんとのなれ初めもです」

パトラ「もし、陛下以外……私やアベルさんがこれは問題ないことなのだと説明しても難しいでしょう」

パトラ「むしろ下手に弁明すれば、邪推されかねません。事実は違っても、無名騎士と皇女はあまりにも不釣り合いなのです」

マックス「……」

キアラ「……」

パトラ「何か帝国の弱みを握った、或いは逆に王国が取り込まれるかもしれない。帝国の罠なのか」

パトラ「婚前の皇女を妊娠させるなんて常識外れ過ぎる。国王や将の任命責任なのではないか……誰がどう言われるかもわからない」

パトラ「……そしてそれは、生まれてくる子にまでつきまとうかもしれない」

マックス「!!」

パトラ「腐敗貴族……いえ、あえてここでは人間というけれど。その醜さや陰湿さはあなたもよく知っているでしょうマックス?」

マックス「はい……」

キアラ「……」

パトラ「……」

パトラ「……私も、あなたとキアラさんの仲を裂きたいわけじゃないの」

パトラ「本当なら、素直におめでとうと言ってあげたいの……」


パトラ「でも、それでも。お互いの立場を考えて、どうか一歩踏み止まって欲しかった」

パトラ「普段のあなたなら、きっとぎりぎり頑張れたとは思うのだけれど」

キアラ「マ、マックスさんは悪くないんです! 私が……!」

マックス「違う! 俺が……!」

パトラ「……」フゥ…

パトラ「さっきも言いましたけど、もう事実は変わらないんです」

パトラ「それなのにぐちぐちとごめんなさい。でも、改めてマックスにはちゃんと理解して欲しかったから」


パトラ「……さて!」パン!


一同「「!?」」


パトラ「お説教はここまでにしておきましょう。事実は変わらない以上、ここからどうするかが大事ですからね」

マックス「パ、パトラ将軍……?」

パトラ「さっき挙げた問題は、大半がマックスが無名扱いされる点と婚前妊娠という点にあるわ」

パトラ「つまりこれさえ解消すれば……今度こそ、あなた達を邪魔する者は誰もいなくなります!」

マックス「ど、どうやって!?」

パトラ「幸いにも、まだキアラさんの妊娠を知る者は少ないですからね」

パトラ「強引な手ではありますけど――今から筋を通してしまえばいいんですよ」

キアラ「?」




パトラ「――まずマックス、近いうちにあなたのご両親、陛下にも正直に報告すること!」

パトラ「――そしてキアラさんが大変かもしれないけど、生まれる前にすぐに挙式しなさい!」



マックス「」

キアラ「」


パトラ「またそんな顔をしないの! アベル皇子とアドルラン皇子もよろしいですか?」

アドルラン「うむ、そうだね……確かに我々も認識が甘かったやもしれん」

アベル「あのドレスも圧迫感があるからな。お腹の子のことを考えると迅速に動かざるをえんな……」

アベル(……俺も用意を急ごう)

マックス「ま、待ってくださいパトラ将軍!? その、俺の実績とかの問題は――」

アドルラン「いや、そちらの問題は楽に片付くと思うぞ?」

アドルラン「なにしろ私達と共に父上と戦った勇敢な騎士だからな!」

アドルラン「それに、以前の暗将ルーシオの件もある。帝国から正式に君が皇女を守り抜いたことに対する謝状も贈るべきかな?」

アベル「だとすれば、ヘリング司教の一件も使えるでしょう。マックスがキアラを救ったのは間違いない事実だからな」

パトラ「騎士団の方にも、天使襲撃の際にあなたが頑張っていたことをそれとなく広めさせた方がいいかしら?」

マックス「ちょ、ちょ、ちょ!? いくらなんでも――」

パトラ「……安心なさいマックス。私は嘘の情報なんて絶対に流さないから」

アドルラン「君がキアラを守り抜いてくれたことに感謝している気持ちも、勿論本当さ」

アベル「あの日、お前は燃え盛る街で天使にも怯まず騎士として動いていた。それを否定することは誰であれ俺が許さん」

パトラ「――もっと堂々と胸を張りなさいマックス。あなたは、少し急いてしまっただけ」

パトラ「――皇女様と結ばれたって不思議ではない、立派な実績はもう持っているんだからね?」

マックス「お、俺……」

ピト…

マックス「え、キアラちゃん!?」

キアラ「……私がマックスさんのことが大好きだという気持ちにも、偽りはありません///」

キアラ「お腹の子のことも。だから……///」

マックス「あ……///」デレ…

アベル「……本当に、お前が俺の部隊の一員でよかったよ」

アベル「お前以外がそんな顔をしていたら、考えるより先にやっぱり叩き斬っていたかもしれん」グググ!

マックス「ひぇっ!?」

アドルラン「はははは! まあ落ち着けアベル!」ガシ!

パトラ「うーん……先程ギルバートさんと同意見になってしまうかもしれませんけど、もう少しこの子は自信を身につけるべきかも?」

パトラ「王国騎士はいつでも毅然とした態度で物事に取り組むのです。となると……」

パトラ「――皇女様との色に溺れてしまった心身を今一度鍛え直してあげる必要もありそうですね!」ジャキン!

アドルラン「鍛錬なら、私もご一緒させてもらおうかな!」

アベル「……俺も手を貸そう」

マックス「!?」

マックス(いや、でも……キアラちゃんに、俺の子に誇って貰えるような父親になるには……!)



マックス「――お願いします!!!」バッ!


……

――

――

【帝国・鍛錬場】


アドルラン「はっはっは! いい動きだぞマックス君!」ブオン!

マックス「重っ!? でもまだまだぁ!」ギャリィン!




キアラ「だ、大丈夫かなマックスさん」ハラハラ…

アベル「アドルラン兄様も鍛錬に熱が入ると周りが見えなくなるからな」

アベル「だがマックスも十分に強くなった。心配する必要はないだろう」

アベル「むしろキアラ、俺はお前の方が心配だぞ? 身体は大丈夫なのか?」

キアラ「はい、今のところはまだ実感もないんですけど……」

パトラ「無理は禁物ですよ。エリスさんと同じく、今の内からしっかりと身体を休めておかないと」

キアラ「そう、ですね。色々と準備も必要でしょうし」

アベル「俺もこの鍛錬が終われば手伝――」

パトラ「アベルさんはまず、シアさんとティアさんの方に戻ってあげてください」ハァ…

パトラ「あえて何も言いませんけれど、あの様子ではとてもお仕事は無理です」

アベル「……」ダラダラ…

パトラ「先程は公務で来られなかったカイン皇子に諸々の報告は私がしておきますから」

パトラ「あの様子だと、マックスの鍛え直しはまだまだアドルラン皇子がなさってくださいそうですしね」

アベル「すまないな、パトラ……」

パトラ「いえ」

キアラ「カイン兄様は、認めてくれるかな……」ドキドキ

パトラ「恐らくは大丈夫だと思いますよ。仮に否定されたとしても……」

キアラ「はい。私の口で、兄様を説得してみようと思います!」



パトラ(……)



……


――

――

……

【帝国・執務室】



カイン「ははーん、そういうことかい……」

カイン「しかしまさか君の口からこんな報告を受けるとは予想外だよ」

パトラ「それは、どういう意味です?」

カイン「君はどちらかと言うと外を警邏しているイメージが強いからねぇ」

カイン「てっきりアーシャかシア辺りが来るかと思ったけど……」

パトラ「生憎と、エリスさんをはじめアーシャさんとシアさん、それにティアさんも今はちょっと……」

パトラ「ロウルさんもお忙しい状態ですので、代理で私が」

カイン「ふぅん……」

パトラ「しかし、流石カイン皇子と言うべきでしょうか。凄く落ち着いていらっしゃいますね?」

カイン「ふん、僕を誰だと思っているんだい?」

カイン「昔の僕ならともかく、今の僕ならキアラの妊娠程度じゃあもう驚かないよ」

カイン「マックスの奴が欲望に正直だってのは、前の温泉で察してたし」

パトラ「そうですか……」




パトラ「――ところで、何故先程からエメリナさんは一言も発さずにカイン皇子の膝の上なのですか?」




エメリナ「!?」ドキィ!

カイン「べ、別にいいだろう彼女をどうしようが僕の自由だぞ!?」アセアセ

パトラ「……そうですね。失礼致しました。それでは、私はこれで」スタスタ…




カイン「……あ、危なかった。エメリナ、流石に執務室でしようとするのは不味かったと思うよ……」ドキドキ…

エメリナ「で、でも……/// 予定よりも早く終わって、二人きりの場所になったんだと思うと……///」

カイン「やれやれ……彼女がしっかりノックをする人間でよかったよ本当」ハァ…

カイン「しかしまさか、キアラがねぇ……」

エメリナ「驚きました……」

カイン「僕はいつ自分が下半身丸出しなのがばれるかと冷や冷やして、それどころじゃなかったけど……」

カイン「改めて考えると、なんかマックスに負けた感じがして悔しいかもしれないなぁ」

エメリナ「……///」クイクイ

カイン「ん?」



エメリナ「――わ、私はいつでも準備はできていますよ?///」クパァ…

カイン「エメリナ……///」



……


――

――

……


パトラ「……」カツカツ…


パトラ(多分……ですが。あのお二人も恐らくは……)

パトラ(なんだか少し、いやらしい臭いもしましたし……///)

パトラ(皇族という地位、年齢を考えれば……世継ぎを積極的に作ることは当たり前なのかもしれない)

パトラ(それでも、まさかマックスがキアラさんを……)

パトラ(……あの子も私にとって義弟になるのよね)

パトラ(私もいつか、アベルさんと……)

パトラ(……)

パトラ(いけない、もっとしっかり自分を保たないと)

パトラ(マックスにはかなりきつく言っちゃったし、私もしっかりと踏み止まらないと!)グッ!

パトラ(シアさんははぐらかしていましたけど、ティアさんはうっとりと赤ちゃんの名前を考えていましたからね……)

パトラ(おそらくは、そういうことでしょうし、こちらも覚悟を決める必要はあるでしょう)

パトラ(そうなるとアベルさんの部隊で動けるのは私とロウルさんのみ……)

パトラ(仕事の穴埋めをしっかりとしなければならないという意味でも、私は自分をしっかりと律さないと)

パトラ「……」



パトラ「――……妊娠中はできませんし、その間アベルさんをずっと我慢させるのも……」ボソリ…




パトラ「――っ!?///」カアァァ!

パトラ「いけない、しっかりしなさいパトラ!?」パン!

パトラ「……」

パトラ(……エリスさん達は勿論、今朝のシアさん達も……幸せそうだったな……)



おまけ特殊判定
↓1コンマ二桁

――

――
パトラさーん!(白目)

清廉な騎士パトラの屈強な理性

15>12

※基準値を下回った為、理性の敗北!

※アベルからのお誘いではなく、パトラの積極性に変化します

※この後マッサージ中に色々昂ぶってしまいそうです



判定を取った辺りで今日はここま……なんかこのスレ15パーセント確率をよくぶちぬかれている気がします(白目)
マックスにああは言ったけど、周りの様子とかで我慢しきれずに……な流れかな?
なお王国への報告はパトラパート後となります

本日もありがとうございました!

エリス:純愛……なんだけど初めてなのにお尻完全開発されました
アーシャ:露出ペットプレイ
シスターズ:説明不要
ロウル:クンカクンカ確定
パトラ:理性敗北(←NEW!!)

コンマさんから『純愛はさせるけど純粋な甘々イチャラブなどさせるものか』という鉄の意志が伝わってくる

こんばんはー
パトラパート用意までまたお時間を頂きますが、
その直前までを投下しておきます
おまけ判定一つありです

――


パトラ「……」

パトラ「…………」

パトラ「………………///」



パトラ「――っ!?///」カアァァ!




パトラ「い、いけないっ! 何を考えているの私は!?///」ブンブン!

パトラ「貴族は節度も守るもの! こんな体たらく、許されない……!」

パトラ「そう、落ち着くのよパトラ……」スーハー…

パトラ「マックスにあれだけ言ってしまった私が模範をしめさなくてどうするの!」パン!

パトラ「私は誇りある王国騎士にして貴族! いつ如何なる時もそれを忘れては駄目……!」

パトラ「そう、冷静に考えれば今は一番気を引き締めないといけない時……」

パトラ「帝国三皇子のご結婚、新しい帝国の夜明けを感じさせる祝祭……」

パトラ「だからこそ、狙われないとも限らない。それこそかつての実力主義派の転覆の危険性がある筈です」

パトラ「皇子達は勿論、エリスさん達が戦えない今は確実に防衛力が下がっている」

パトラ「可能性は低くとも、万が一にも備えてこそ。私だけはきっちりと自分を律し、皆さまをお守りしなくては!」グッ!





パトラ「――エリスさん達が復帰したら、大丈夫かな……///」ボソリ…




パトラ「――って、だから私は一体なにをぉぉぉっ!?///」ブンブン!

パトラ「煩悩退散! すぐに鍛錬してこの邪念を払わないと……!」



……

――

――

……数日後……


ロウル「うーん、わかってはいましたけど……」

ロウル「エリスさんとアーシャさんだけでなく、シアさんとティアさんも安静にしておいた方がいいですねぇ」

ロウル「特にティアさんはまだ歩きにくそうですし」

アベル「……う、うむ」ダラダラ

パトラ「アーシャさんは大丈夫って言っていたけど、彼女もつい無理をしかねませんからね」

パトラ「もうしばらくは私とロウルさんで仕事をしておこうと思います」

ロウル「キアラ様も大変ですけど、あちらはフィーア様とローズさん達がついていますからねぇ」

ロウル「あとは肝心のマックスさんですけど……」チラ…


マックス「」チーン


ロウル「……相当に扱かれたみたいですね」

アベル「マックス自身も望んだことだったんだが……」

パトラ「流石に私とアベルさん、それにアドルラン皇子に連日鍛錬漬けにされた疲れが出てしまいましたね……」

ロウル「流石に今日はお休みした方がいいですって……要安静者一名追加っと」

アベル「そうだな。この後のこともあるし、マックスの気持ちは十分に伝わった」

アベル「あちらへの報告が満足に行えるよう、しっかり休んでもらおう」

パトラ「しかし、気がつけばアベルさんの部隊で自由に動ける人も残り僅かです」

パトラ「ここは私が――」


ロウル「――ああ、パトラさんも今日はゆっくりしていて大丈夫ですよ?」


パトラ「え?」


ロウル「斥候部隊の皆さんも動いていますし、今日は処理する書類も少ないですしねぇ」

ロウル「パトラさんも働き詰めでは疲れちゃうでしょう?」

パトラ「そ、それはロウルさんもでしょう? ロウルさんこそ今日はお休みに……」

ロウル「……」




ベーコンエッグ「……」テーン!

焼きたてパン「……」テーン!

新鮮野菜「……」テーン!

温かいスープ「……」テーン!




ロウル「……アーシャさん達と比べると簡素な朝食で申し訳ないと思いますけども」

ロウル「昼食や夕食の用意と、ああ後買い出しやお掃除もお願いすることになっちゃいますよ?」

パトラ「……お掃除だけしておきます」ショボン…

ロウル「あはは、まあそんなに落ち込まないでくださいよパトラさん」

ロウル「私だって程々に作れるんですから。いつか上達しますって!」

アベル「そうだな。失敗を恐れずに、何度も挑んでは改善していけばいい」

アベル「確かアーシャの話では、少々火力が強すぎるんだったか?」

パトラ「は、はい……」

パトラ「料理は火力と、スカーレット将軍のお話にあったのに……!」

ロウル「……あの人の話を全て正面から受け止めるのは危ないと思いますよ?」



パトラ「――でも、実際にスカーレット将軍のお料理は超火力なのに美味しいそうなんですよぉっ!?」



アベル「あ、あぁー……そういえば、あの人意外にもチョコレートは美味かったな……」

ロウル「ふざけている時と真面目な時がありますし、料理もそういうことなのでしょうか?」

アベル「謎だな……」


パトラ(うぅ、このままでは私だけ子供に手料理を振舞えない……こ、子供っ!?///)


パトラ「うあああああぁぁぁぁぁぁ!?///」

アベル「落ち着けパトラ!?」

ロウル「大丈夫、大丈夫ですって!?」



……

――

――

……


パトラ「……はぁ。結局ロウルさんに任せてしまうことに」ガクリ…

アベル「何故か俺まで休むように言われてしまったぞ……」

パトラ「それはロウルさんが正しいですよ」

パトラ「アベルさんもマックスとの鍛錬でお疲れでしょうし」




パトラ「――ここ数日、随分と夜に頑張られたようですからね?///」マッカ!





アベル「ん゛んっ……!」ゴホンゴホン!

パトラ「疎い私ですらわかってしまう程なのですから、相当だと思いますよ?」

アベル「い、いや俺は……」

アベル「……否定は、できないな……」

パトラ「まったく。マックスとは立場が違うとはいえ、あなたも少しは節度を心がけてくださいよ?」

パトラ「あなたが体力自慢なのは知っていますけど、どれだけ強い人にも休息は必要です」

パトラ「それに、エリスさんの中に宿っている新しい命……父親になる覚悟だけでなく、立ち振る舞いも大切ですからね」

パトラ「子供には強く逞しく、そして頼れる親の姿をみせてあげたいじゃないですか?」

パトラ「立派な両親がいるということは、その子の大きな支えにもなるんですから」

アベル「そう、だな……」

パトラ「ええ、そうです!」フンス!

パトラ「だから今日はアベルさんもお休みです。ゆっくりと身体を休めることも仕事だと思って!」

パトラ「……あ」

アベル「どうしたパトラ?」

パトラ「私もお休みなら、折角だから……」


……

――

――



【アベルの私室】



アベル「本当にいいのかパトラ?」ゴロン…

パトラ「ええ。ただ寝るだけよりも、マッサージを加えた方がいいんじゃないかなって」

パトラ「まあ、私も大した腕ではありませんし、最近やってなかったから鈍っているかもですけどね」

アベル「いや、以前のパトラのマッサージはなかなかよかったぞ?」

アベル「……迷惑でなければ、頼めるか?」

パトラ「お任せください。それでは、やっぱり一番負担が来ているであろう場所を」



グリッ!



アベル「おっ!?」

パトラ「駄目ですよー? まだ若いのに腰を痛め続けるお父さんだなんて」グッ…! グッ…!

アベル「っぉ……!」

パトラ「あ、そうそう。勉学に励まれるのも素晴らしいですけど、アベルさんは時々背中が丸くなっていますよ?」

パトラ「読み進めているうちにのめりこんでしまうというのは、気持ちがわかりますけど、ね!」グイ!

アベル「ぜ、善処する……!」

パトラ「思った通り、身体はだいぶお疲れのようで……」

アベル「め、面目ない……」




パトラ(……でも、この硬さは疲労のせいだけじゃない)

パトラ(……鍛え抜かれた男性の、アベルさんの身体……)ゴクリ…

パトラ(……)



おまけ特殊判定
↓1コンマ二桁

理性敗北パトラ、羞恥心の方は?

81(わ、私なにをして……!? でも止まれない……///)

※色々せめぎ合っているようですが、理性は敗けています

※高い羞恥心の為、勢いで妙なことまではしないようです

――

判定を取った辺りで今日はここまで
更新不安定ですが、またしばらくお時間頂戴したいと思います
この値だと少し落ち着いた一夜の感じかな……?

本日もありがとうございました!

報告も無くこれほど長く音信不通にしてしまい、誠に申し訳ございません……
なんとか戻ってこれましたので、リハビリしつつ来週には再開できればと思います
ほとんど人も残られていないとは思いますが、もし残られている方は、今しばらくお付き合いお願い致します

申し訳ありません、諸事情でさらに立て込み投下遅れそうです……
今年のうちには投下できるかと思いますが、重ねて申し訳ありません

こんばんはー
私事でとんでもなく間が空いてしまいましたが、パトラパートを投下していきたいと思います

「……」


悟られぬように、女騎士は小さく喉を鳴らす。
既に突きつけられたことではあるが、自分は浅ましい女だと自嘲したくなった。
騎士として。貴族として。
口癖のようにそう言い続け、誇れる部下にもきついことを言ってしまったというのに。
自分も所詮、愛してしまった男の前では一人の女に過ぎないのかと痛感した。


「本当に、硬いですね」

「そ、そうか」


ぐいと指を押し込めば、みっしりと繊維の詰まった感触が返ってくる。
鍛え抜かれた男の肉体。
時に自分を抱きしめ、屈服させてしまう強い雄の身体。
服越しに触れているだけだというのに、身体の奥底が熱くなってしまうのは何故なのか。


「……これは、思ったよりも強敵かもしれませんね」

「――上を、脱いでいただいてもよろしいですか?」


気がつけば、パトラの口からはするりとその言葉が出ていた。
普通のマッサージであれば、服を着たままでもできはするのだが、
脱がなければ満足にできないマッサージというものも勿論存在する。


「こんなこともあろうかと、いい香油を用意しておいたんです」


なんでそんな物を用意していたのか。問い詰められても問題はない。
香油は身嗜みで使うこともあるし、湯に混ぜることもある。
木の実や花々、混ぜ込むものにより心を落ち着かせたり、身体を柔らかくしたりと効果も様々だ。
決して、いかがわしい目的の為に用意したわけではない。


「ほら、香りもいいでしょう? これでアベルさんの身体もしっかり解してさしあげますからね」


少しだけとろりとした香油を指に垂らしてみる。
微量でありながらも、それは非常に滑りが強いものであると誰でもわかるだろう。
服を着ていては、確かにこれは使えない。


「すまないな。少し、待ってくれ」


衣擦れの音の後、アベルの上半身が晒される。
傷痕の多い、戦士の身体だ。


「その……失礼、します」


断りをいれてから、アベルに跨る格好となる。
騎馬騎士団を率いるパトラからすれば、こういった格好になることは珍しいことではない。
しかし今跨っているのは馬では無く、幾度か肌を重ねた帝国の皇子だ。


「っ……」


完全に意識しないということは、できない。
それでも努めて冷静に、施術を続けていく。


「やはり、お疲れのようで。どうですか?」

「んっ……気持ち、いいぞ」


香油を纏った指が、ぬるりと広い背中全体に這わされる。
日常ではなかなか経験することのできない、不思議な体験。
皇族ではあるが、所謂貴族の生活を過ごしてきたわけではないアベルは勿論のこと、
貴族ではあるが、騎士として実直に励んでいたパトラも手慣れているわけではない。


(香油を使うだけで、こんなにも変わるものなのね……)


仄かに香る花の匂いに混じり、男の臭いまでもが鼻腔を刺激する。
触れて撫でまわす指先は、男の逞しさをより一層感じてしまう。
これは不味いと、騎士の理性が訴えかける。


「さ、さあ。腕も解していきますね?」

「わかった」


逃げるように、背中から腕へ。
片腕ずつを持ち上げ、最初は優しく。
そして徐々に力を込めて扱いてやれば、こちらも疲労の様子が感じ取れた。


「まあ、腕まで? どれだけ身体を酷使なさっているのかしらねアベルさんは?」

「むう、少しの書類作業でがたつくほどやわでは、っ、ないつもりだったんだがな」


探りながら時折強めに押せば、押し殺してはいるが隠しきれていない声が漏れる。
存外にこの皇子の全身は疲労が溜まっているのは間違いないようだ。
でもそれは、本当に常日頃の激務からくるものだけなのか?
……考えるまでもない。
ここ連日の部隊の様子を見ていれば『夜』に何が行われているかは明らかだ。
昔ならばともかく、今は真っ当な知識を得てしまった。
深紅の令嬢の部屋に招かれた新兵が、翌朝には枯木のようになっていた意味も、今なら理解できてしまう。


(何を考えているの、パトラ)


邪念、それもとびきりのものが理性を侵食していく。
振り払おうと、今やるべきことに集中しようとすれば、それさえも裏目になってしまう。
神経を集中させた指先は、彼の腕の逞しさをより強く意識させる。
ああ、この腕で彼は剣を振るい、多くの少女達を抱きしめてきたのだ。


――自分も、そのなかの一人だ。


国王に忠誠を誓った身でありながら、あろうことか横恋慕をしてしまった。
抱いてはいけない想いだと自制していたというのに、この皇子は複数人に手を出していて。
歯止めが効かなくなり、自分も想いを打ち明けてしまい……そして、堕とされた。
初めてだったのに。つい最近まで、ろくに正しい性知識もなかったというのに。
自分の方が、年上だったというのに。
安易に色欲に負けてはならない。それは正しい騎士の姿ではない。
それでも、受け入れて貰えた。
どうしようもない程に嬉しかったことを、今でも鮮明に思い出せる。



(私は……)


だからと言って、自分は騎士を辞めたわけでもない。
当然だ。自分は国王に槍を捧げたのだ。
清廉な先祖の誇り、正しい貴族としての務めも果たさねばならない。


(私は、皆とは違う……)


いくら皇子に抱かれた女の一人だとはいえ、彼女達と釣り合うこともない。

メイドの少女は幼少期から共に在り続け、彼をずっと支え続けてきた子だ。
敬い愛した人の為にはあらゆる努力を怠らず、そして人一倍に心が広い。

軍師の学友は様々なことに精通し、貴族としての教養も備えている。
彼の為にと、彼女が今も新たな知識を得続けていることを知っている。

狼耳の弓兵も幼少期から彼を支え続け、今では副官の地位にある。
軽口の裏には確かな信頼があり、彼女と話している彼は実に愉しそうだ。

いつも穏やかな聖女は、彼に初めて協力してくれた異国の者。
その場にいるだけで空気を和ませてしまいそうな彼女は、しかしその魔力で彼の命を救っている。

争い事が苦手なもう一人の聖女は、儚げな見た目とは裏腹に芯が強く、そして魅惑の肢体を持つ。
元は捕虜だったせいか少々従順過ぎる気配もあるが、ひたむきとも言えるだろう。

皆、自分が持っていないものを持っている。
愚直に槍を振るうだけの自分とは違う。
気の利いた軽口も叩けない。かと言って男性を誘惑するような甘言も持ち合わせていない。


(アベルさん……)


だからと言って諦めることもできない。
なんと欲深いのかと自分自身を罵りたいが、どう取り繕っても想いを抑えきれない。
こうしてその身体に触れているだけで、自分の奥底が熱を持つのがわかる。
施術すればするほど、指先にその逞しさを感じてしまう。
また強く抱きしめられたいと、女の部分が疼く。


「っ、はぁ……」

「パトラ?」

「すみません、大丈夫、です」


思わず漏れた艶めいた吐息を誤魔化す様に、指先に再度力を込めていく。
王国騎士として。貴族として。
欲に負けて流されるなどあってはならない。
今はただマッサージに集中しなくてはならないと、邪念を振り払う。


(本当に、逞しい身体……)


しかし払えど払えど、触れたそばから欲は渦巻くばかり。
元から崩れ気味であった騎士の理性は、自覚を持ったまま急速に崩れ去って行った。




(落ち着け、落ち着くんだ)


パトラが悶々としている最中、その下に寝そべるアベルもまた理性を保とうとしていた。
相当に疲労が溜まっているらしい己の身体。
それを解してくれているパトラには感謝するが、どうしても彼女を意識せずにはいられない。
跨った彼女の熱を衣服越しに感じ、背に触れる指は直接その熱を伝えてくる。


「くっ……ぉ……」


柔らかく撫でられたかと思えば、少し力を込められて扱かれる。
心地良いと思っていたところに、腕を押されると堪らず声が漏れた。
痛みを感じるということは疲労の証明でもあり、本当に自分でも気がつかない内に疲れていたのだろう。

腕に続いて肩や首にも手が伸びてくる。
こちらもするりと撫でられたかと思えば、不意にぐいと押さえられる。
僅かな痛み。しかし指が離れればほぅと思わずため息が勝手に漏れてしまう。
首の付け根に鎖骨上部。ぐいぐいと指の圧を感じるが、それがまた心地良い。


「ん、ふっ……!」


こちらも相当に凝っているのか、パトラの指先に込められる力もなかなかに強い。
うつ伏せの状態で、鍛えられた騎士が皇子の首に対して自重を加えつつ圧迫してくる……
状況だけを見れば、慌てふためく者も出てくるかもしれない。
だが当の皇子はそれを気にしない。限りなく無防備な状態を晒してでも、彼女のことを信頼しているから。


「っ……」


だからこそ、アベルは理性を保とうとする。
その信頼する彼女からの善意の整体、自分の性欲で穢してしまってはあまりに失礼。
腕や背に触れる指の感触だけでも心をざわつかせるが、先程から上からくぐもった声まで降ってくる。
原因は自分の凝り固まった筋肉であり、彼女はそれを解そうとしてくれているだけ。
断じて誘ってなどいない。
わかっているのだが、耳をくすぐるその声はどうしても騎士の淫らな姿を連想してしまう。

そして首元を力を込めて押す影響なのだろう。
体重を加える為にパトラの身体は僅かに前のめりな格好となる。
そして指が離れると同時に彼女の身体も元の位置に戻る。
その度に、ゆっくりと引き締まった臀部が背中に触れてくる。
微かな触れ合いだというのに、それは確かに主張をしていて……


(抑えろ……!)


本当に節操がないとは思うが、ゆっくりと情欲が下腹部に溜まっていくのを感じる。
うつ伏せ故に気がつかれることもないが、気を抜けば勃起してしまうかもしれない。
全く持って情けないが、愛撫でもない行為に……パトラの身体の一部だけで欲情していることになる。
多くの少女達に手を出し、兄からは色事に秀でているとまで言われた自分がこの有様とは。
少なからず夜の技量に自信を持ち、愛する彼女達を満足させてやれるよう頑張ろうと常日頃から考えるアベルにとって……
初心な少年のような反応を示す今の自分は、ただただ恥ずかしくあった。


「っは……本当に、全身お疲れのようで……!」

「ぉ……そのよう、だな……!?」


パトラはそれを知らず、変わらず施術を続ける。
疲れている原因のほとんどが情事によるものだと知られたら、軽蔑されるだろうか?
いや彼女のことだ。もう察せられているかもしれない。
流石にそんな状態で、まさか今も欲を溜めこんで行っている最中などとまでは気がつくまいが。




――ああ、しかし。
うつ伏せのまま、アベルは内心で言い逃れる言葉を模索する。
自分も大概だが、パトラも不用心が過ぎるのではないか?
転嫁。責任のなすりつけ。
恥ずべき行為だが、しかし実際どうなのだと気を紛らわせるように考えを巡らせる。

以前、パトラは言っていた。
自分のマッサージは部下にも好評であったと。
まさか部下にも、一人一人こうして親身に施術していたのだろうか?
いや、仮にしていなくとも鍛錬は共にしてきているだろう。
新米のマックスですら彼女との鍛錬を経験し、その胸部に視線を集中させているのだから。

彼女の振るう槍の威力は凄まじい。
薙ぎ払い、穿ち、時には投擲すら辞さない豪胆さが、それを後押ししている。
自分の知る女性の中では、文句なく最も『鍛えられた』人だとアベルは評価するだろう。
よく鍛錬を共にするエリスも強者ではあるが、彼女の場合は魔力の恩恵も大きい。
体質や環境と言った問題もあるだろうが、真正面からの腕力勝負ではパトラに勝つことはできない。
騎士として、パトラの身体は完成されている。
貴族の身でありながら、だ。
アーシャという例外もいるが、彼女も戦闘は主にその戦術眼に重きを置いている。
しなやかな身体と細剣で敵をいなし、敵を翻弄しつつ鋭い一撃をいれるスタイルだ。
パトラの場合、このしなやかさに加えて、どこか逞しさも備えているのだ。

こうして自分の身体を圧してくる指は細身ではあるが鍛錬の痕が滲み出ている。
腕は女性らしい細さを有しながら、しかし鍛え抜かれて余計な脂肪など一切存在しない。
そして跨られると改めて感じるが、ふとももから足首にかけては特にしなやかに鍛えられている。
おそらくは馬を駆る騎士故にここまで引き締まるのだろうが、それを差し引いても実に見事なものだ。
当然腹部も無駄なく、腰は見事なまでに括れている。
それでいて胸の二つの膨らみは大変に実っている。四肢の削いだ分が集結したのかと馬鹿な考えさえ過ぎる。
さらに言えば先程から感じる臀部の温もり。今まであまり気にしていなかったが、こちらもそそられる丸みだ。


(……)


真面目に彼女の騎士として鍛え抜かれた身体を評価しようとしてもどうしても雑念が入ってしまう。
だが実際問題、どれもが事実である以上どうしようもない。
非常に端的にまとめてしまえば、パトラは優秀な騎士であり、
そして、出るとこは出て括れるべきところは括れるという男を……
いや最早同性でさえ目で追ってしまうような、本当に完成された身体であると言わざるをえない。

さて、そんなパトラとの鍛錬を彼女の部下達は、果たして本当に煩悩なく打ち込めていたのか?
胸は見まいとしても、肢体が魅惑的ともなればどこか別の場所を見てしまうのではないか?
機能性を重視する彼女はスカートはあまり履かないと言っていたから、下着に惑わされることは少なそうだが……
むしろ鍛錬の汗で身体に張り付いた服の方がより扇情的なのではなかろうか。

あの激しい槍撃の前では煩悩ごと吹き飛ばされる可能性もある。
そもそもかつての王国の腐敗が色濃く残る最中で、あれだけ高潔な姿を見せる将軍がいればまず畏れ敬ってしまうか。
実力も人望も人格も備えているとあらば、おいそれと穢すような真似もできなくなるだろう。
事実マックスも胸への熱視線こそ送っているが、純粋に将として尊敬の念を抱いていた。


(俺は……)


そんな彼ら騎士団の長を。
間違いなく魅惑的に映ったであろう美しき高嶺の花を。
自分は、手折ったのだ。
自分にも過ぎた相手だとは思うが、欲してしまいそして受け入れられたのだ。
男として嬉しくないわけがない。
そして自分はやはり帝国の皇子なのだと実感させられるほどに――独占欲が強い。
気を紛らわせようと巡らした思考は、いつの間にか彼女への欲とその部下達への嫉妬になっていた。



――

……


「っ、すまないパトラ。もう少し、肩の方も頼めるか?」

「は、はい。大丈夫ですよ」


ゆったりとした施術の時間。
しかしそれは、いつの間にかどこか色を含んだものへと変化していた。


「っ……は……」

「ふっ……んっ……」


時に浅く。時に深く。
吐き出される男女の息は、じわりじわりとその場の空気を変えていく。
どこにもやましいものはない。凝りを解そうとすれば思わず力は入るし、解される側も反応を示して当然だ。
しかし二人は、身体を重ねた仲だったのがいけなかった。
その逞しさを。
その痴態を。
お互いに記憶しているからこそ、頭の片隅で吐息がそれと結び付けられてしまう。


「はっ……はぁ……!」


パトラのなけなしの理性は限界寸前であった。
抑えようにもいつの間にか息は荒くなり、指先は施術と共に彼の逞しい身体を求めている。
この向きで触れたいのではない。
背に腕を回す様に――抱きしめるように触れたい。


――自分も触れられたい。


自分を律さねばと常々考えてきた。
部下にも説教をしてしまった。
帝国はめでたい状況であるが故に、気を引き締めなければならない。
騎士として、貴族として、皆の模範であらねばならない。


それでも。


この身体はもう、女の悦びを知ってしまっている。


はしたない、はしたない。
恥ずかしい、恥ずかしい。
感情がごちゃ混ぜになる中で、必死に踏み止まる。
せめて羞恥の感情だけでも保てているだけ上等なのでは?
いやそもそも劣情を抱いている時点で、救いようがないのでは?
自問自答をしても、何も変わらない。

自分はいつから、こんな駄目な女になったのだろう。
王国に、国王に槍を捧げたのではなかったか。
今からでも、この想いを断ち切るべきなのではないか。


――どうか、幸せな道を歩んでくれ


その仕えるべき王の言葉が、背を押してしまう。
自分の幸せを、王も望まれているのだ。


ならば、なんの問題があるのだろう?

考える、考える。
色々な問題から、羞恥の感情は強い。
それでも、この疼いた身体はもう制御できそうもない。
真下から立ち昇る、濃密な男の香もそれを加速させる。

自分の幸せ……いつだったか夢想した、ありふれたものだが確かに幸福な生活。
両親が、祖先がそうしてくれたように、自分も子供に教えを説いて……


(アベルさんと、私の子供……)


きっと、とても賑やかなことになるのだろう。
沢山のきょうだいと共に色々なことを学び、育っていく。
父親は忙しくても、きっと我が子の面倒を投げ出さないだろう。
自分が生まれ育った国の転覆を幼い頃に思い立ち、そして長年をかけてついに実現した人なのだから。


(欲しい……エリスさん達だって、あんなに……!)


この人を慕う人は多い。それはわかる。
自分も彼に魅了され、今こうして頭がどうにかなってしまいそうなのだから。
自分は彼女達とは違う。それもわかっている。
だけどそれがなんだと言うのか。


(マックスも……私も、私だって……!)


崩れかけた理性に、欲望の波が止め処なく押し寄せる。
身体の奥底から、無尽蔵に溢れてくる。
ああ、これは気のせいなんかではない。
子宮が疼く。彼の子との幸せな生活を欲している。


止めろ、止めろ。


理性が訴える。
もし、もしも。
これが今よりも過去であれば、踏み止まれたのかもしれない。

しかし、身の回りでは次々に幸せな報せが続いている。
自分が望んでいるささやかな夢を、彼女達は既に手にしている。
いかに貴族と言えど、己の幸せを願うなというのは酷だ。


欲しい、欲しい。


純然な欲望。
それは理性の壁を突き破り、押し流すには十分過ぎた。
同じくして抑えきれなくなった愛蜜が服を濡らすが、もはやそれも些細なこと。
今からさらに恥ずかしい、はしたない真似をするのだから。


「――アベルさん、では次は前の方を」


ああ、ついに口走ってしまったという後悔の感情は当然にある。
下の身体がびくりと反応した以上、きっと相手も驚いていることだろう。
それでももう、止まることはできない。

騎士にあるまじき振る舞いをしながら、不退の誓いだけは貫く自分に、
パトラは小さく自虐的な笑みを浮かべた。

いくら相手が鍛えられた成人男性とはいえ、この体勢での不意討ち。
馬から降りる要領でさっと腰を浮かせつつ、パトラは焦がれる男の身体をひっくり返す。


「パトラッ!?」


突然の出来事にアベルも反応が遅れ、為す術も無く体位を変えられた。
まさか前までマッサージの対象とされるとは思っていない。
加えて嫉妬の混ざった女騎士の肢体への欲情から、既に自分の身体が反応を示していることもわかっていた。
そんな状況下でひっくり返されれば、どうなるか。
節操がないことの自覚はあるが、まさか施術中にこんな反応をするとは誰も思うまい。
ここ数日の夜の生活について多少の苦言で済まされたが、これはどうだ。
清廉な女騎士ならば、今度こそはしたないと彼女の部下と同じように説教を受けてしまうだろう。
むしろそれで済めば恩の字、彼女の善意に対して欲情したとなれば粛清されても文句は言えない。


「うっ!?」


しかし言葉より先に、身体にはとろりと香油が垂らされた。
腕に、胸に、腹に。先と同じ要領だ。
それがパトラの手で、引き伸ばされていく。
自分の身体がぬめり、その上をついと指が滑っていくのは実にこそばゆい。
しかし同時に、真面目な彼女が念入りな施術をしようとしているのだと思うと、申し訳なさが出てくる。


(俺は何を考えているんだ……)


ゆるりと動く彼女の手に、余計興奮を覚えてしまっただなんて言えるわけもない。
これ以上彼女に失望されない為にも、自分を律さなくてはならない。
アベルは滑らかな誘惑から逃げるように、思考を外へと飛ばす。

その時は、彼にしては珍しく自分のことだけで精一杯だった。
ただただ自分の失態、善意を踏み躙る欲情を鎮めることに集中していた。
だから、気がつけなかった。


自分の身体が、パトラの身体が、香油以外の何かで濡れていることに。


(本当に、私はどうしてしまったのかしら……)


指先に伝わる立派な胸板の感触が、心地よい。
こんな真似をしておきながら、自分がこの身体に劣情を抱いてしまったことは悟られたくない。
だから、自分の股が彼の腹に触れる前に、多めに香油を垂らした。
滑りも匂いも、これで少しは誤魔化せるだろうと画策して。
そう。自分の有様を偽った。
清く正しくあるべき自分が、正規の用途の香油を言い訳に使った。


(……違うわね。マッサージを提案したその時から、もう私は……)


惚れてしまった弱みと言えば、それまでではあるが。
それでもパトラは、せめてアベルの前では正しい姿で振舞っていたかった。
僅かとはいえ彼よりも長く生き……彼の生き方に、思うところもあるからこそ。

ぬちりと香油が小さな水音を立てる。
それだけだというのに、妙に淫らに聞こえてしまうのは何故なのか。

皇子も騎士も、己を律そうとばかり考える。
官能の誘惑に耐え、この人の前では抱いてくれているであろう人物像を崩すまいと抗う。
まさか最初の触れ合いだけで、どちらもが意識してしまっているなどとは思い至らない。
いっそ正直に打ち明ければ、楽になるというのに。



「んぅ……!」


そして、先に限界が来たのはパトラの方であった。
同僚、城塞の仲間、そして部下……
幸せな報せにより体内で燻っていた火種は驚くほどに燃え盛ってしまった。
相も変わらず頭の冷静な部分は自分を御そうとするが、もうどうしようもない。


「パトラ……!?」

「ごめん、なさい、アベルさん……!」


何に対する謝罪だろう。
清廉な騎士に相応しくないことをしているからか。
彼の身体を癒すつもりがそれどころではなくなってしまったことか。
浅ましくも彼の腹部に股を擦り付けていることか。


「ん、んぁ……っぁ……!?」


もう、施術どころではなくなっていた。
アベルに跨ったまま、パトラはゆっくりと腰を前後に揺らす。
香油が染み込んでくるが、気にもならない。


(ここ、ちょうどアベルさんのものが当たって……♪)


香油と愛液とが潤滑油となって、服越しでも脈打つ熱を感じられる。
彼の身体を利用して自慰をしていると言われても、否定はできない。
はしたない女だと、幻滅されるだろう。
それでも……




「っ、すまないパトラ……ッ!」

「ん゛ぅっ!?」




構わない。
そう考えた矢先に、衝撃と共に下腹部に甘美な刺激が奔った。
予期せぬそれは快楽に忠実になりつつあったパトラを、軽く絶頂させる。
何が起きたのか。
深く息を吐きだしパトラが現状を把握しようとする頃には、再度身体に痺れが訪れる。


「アベル、さん……っ!?」

「ぐ……!」


漏れだす呻き声。
それ以上に押し付けられた硬いものが、何よりも雄弁に男の興奮を証明していた。
腰を掴み、怒張したそれを着衣状態のままで突きつける……
直接の挿入ではないが、双方に大きな刺激だ。

男と女は、互いに勘違いを続ける。
自分が『先に』欲に負けた浅ましい存在であると思いこむ。
実際はほぼ同時に負けていたのだとしても……


……


「あ、あっ……!」

「パトラ……」


その絡み合いは、静かで穏やかな……それでいてひどく淫らなものであった。
遠慮がちに行われていた着衣越しの愛撫も、すぐに我慢ができなくなった。
これもどちらから脱ぎ捨てたのか、二人にはもうわからない。
ただただ肉欲に負けて、駄目だと思いつつもそれに抗うことができなかった。


「ん、んちゅ……ん……」


深く交わされる口づけも、そこまで貪るものではない。
どこか許しを請うような、それでいて思考を蕩かすには十分な甘さを持っていた。
負い目から少し引いてしまうのか、しかしだからこそ以前とはまた少し違う刺激となる。


(これ、好き、かも……)


激しく求められ、快楽に溺れてしまうのもいい。
だがこうして、罪悪感を抱えながらゆっくりするのも悪くないと、パトラは考える。
勿論申し訳ない気持ちはある。
あるのだが、こうしていつまでも甘く緩い快楽に浸け込まれるのも捨てがたかった。


「ごめんなさい、アベルさん……」

「謝るな、パトラ」


一方がすまなそうな表情を浮かべれば、相手も浮かべる。
根にある真面目さから来る反応なのだろう。
たとえどちらが先だったにしろ、こうして互いの身体を求めているのであれば謝罪など無意味なのだから。


「アベルさんの……っ、疲れを、癒そうと、したの、にっ……こんな、ぁああぁっ!」

「俺こそ、パトラの善意に対して、こんな……っぉ……!」


互いに謝罪はする。
しかし身体を動かすことは止めようとはしない。
男の身体も女の身体も、実に魅力的だった。
後ろめたさから遠慮をすれど、それは完全なものではない。
中途半端に求め続け、それが逆に快楽を増大させていく。

そしてそれは、どこか用意された逃げ道のようにも思えた。
自分は完全な快楽の虜にはなっていない。
獣のように求めていない。自分はまだ、理性ある人間なのだと。
ゆっくり、ゆっくりと。静かに沈んでいく快楽の泥濘。
そんな最中で、パトラはそこから這い出ようとももがいていた。


(だって、私は……)


いくつも逃げ道はあった。
しかし不退を誓う王国騎士の生き方をしてきたからこそ、彼女は一歩を前に踏み出す。
ただの謝罪だけでは、きっといつまでもこの調子だ。
このゆったりとした快楽もいいが、それを享受し続けるわけにもいかない。



「っ、善意じゃ、ないですよ……! 私、心の中で……みんなを羨ましいって……っ!」


幻滅されてもいい。正直に打ち明けようと、全てを吐き出す。
それに合わせるように、アベルを呑みこんだまま腰が大きく動かされた。
角度が変わり新たな刺激となる。
堪らず零れる嬌声にのせて、本当の想いも出しきってしまおう。
パトラの腰の動きは、徐々にはやくなっていった。


「私も、アベルさんに触れたい……! 私も、アベルさんとの子供、できればいいなって……!」

「パトラ……」

「本当に、ごめんなさい……っ、私、……っ……!」


思わず涙が零れそうになる。
少し前までなら、きっとこんなことにならなかったのに。
いつの間にか自分は、腐敗貴族と同じように欲望に忠実になりすぎている。
真面目で清廉な騎士と評してくれる彼の期待を、こんな形で裏切ってしまうことになるとは。


「……」

「アベル、さん……?」


そんなパトラの頭が、優しく撫でられた。
それはそのまま頬にそえられ、指で滲んだ涙も拭い去る。


「……そこまでパトラに想われているというのは、男としては嬉しい限りなんだがな」

「で、でも、私は誇りある騎士で貴族で、それがこんな……!」

「騎士も貴族も、まずは一人の人間だ。その程度で恥じることはないと思うぞ?」

「っ」


冷酷な皇子の顔などではなく、薄い笑みを浮かべたアベルの顔を見た瞬間、
パトラは自分の頬の熱を再認識する。
添えられた手の熱とは違う、内側からやってくる熱。
嘘偽りの無い言葉なのだと、根拠もないのに信じさせてくれる。


「パトラはこれまで、自分を犠牲にしてきた。もっと、正直に生きていいんだ」

「ふふ……」


そしてかけられた言葉に、思わず笑いが漏れてしまった。
彼の本心からの言葉を笑ってしまうのは失礼だとは思う。
そう言ってくれるのは、救われた気もする。
それでも、この優しく逞しい皇子が。
自分のような一将にそんな言葉をくれたのかと思うと、苦笑せずにはいられなかった。


「パトラ?」


笑みの理由がわからないでいるようなアベルの頭を、
パトラはその胸に抱き寄せると同時に撫でていた。



「お、おい!?」

「ありがとう、アベルさん。でも……」



「――それは、あなたにこそ相応しい言葉だと思いますよ?」



どういう意味だという返しは予測できた為、胸に埋めたまま封殺する。
胸の中で身じろがれると少しこそばゆいが、そこは耐えて頭を撫で続けた。
まるで子供をあやすように。


「アベルさんは、私よりも辛く険しい道を歩んできました」

「私達を率いて、ついに悲願を達成されてからも……まだまだ、歩みを止めることは無い」

「きっとこれからも頑張り続けるのでしょう。その最期の時まで……」

「だから、あなたこそもっと正直に生きて、幸せになっていいと思いますよ?」


慈しみすら感じさせる声音だった。
そして彼女の言わんとすることも理解できたが、それをそのまま受け取れるわけでもなく。
少し名残惜しいが、谷間から顔を上げたアベルは反論する。


「……俺はもう、十分に幸せだと思うが?」


これはアベルの本心だった。
確かに辛いことも少なくはなかったが……
あの戦争を、大切な人を誰一人欠くことなく生き延びることができた。
きょうだいとの仲は昔に戻り、母も帰ってきた。
王国と聖国とも繋がりが持てた。
どこかで少しでも何かが狂っていれば、こんなに幸福な結末は迎えられなかった筈だ。


「そう、ですね。では言い方を変えましょうか。――アベルさんは、もっと欲を出していいんですよ?」

「何?」

「あなたは、優しい人。だからいつも、誰かを優先して動いて……あまり、自分の欲を口に出さない」

「それは……」

「以前のデートの時、本当はお酒を飲みたかったと打ち明けてくれたりはしましたけどね?」


くすりと笑うパトラの表情は、朱に染まってこそいるがどこか包容力を感じさせた。
アベルにも思い当たる節は無いわけでもない。
大切な彼女達や家族。自分の願いが叶った今、支えてくれた彼女達の願いは極力叶えさせたかった。
自分がこれ以上ない幸せを感じてしまっているからというのも大きいのだろう。
それをパトラは、今この時になって口にしている。
お互いに生まれたままの姿になり、曝け出している。内面の問題も隠すなと……
恥ずかしいならば、遠慮してしまうならば、自分には正直に打ち明け――甘えてくれということか。


「ふっ……」


以前も、パトラの口から言われたことがある。
元々面倒見の良い彼女だが、あえて言うなら皇子の自分を甘えさせたいことこそ、彼女の欲なのか。
なるほど、ありがたい話ではあるが……アベルとて少なからず男としての意地がある。
望みは叶えたいが、こればかりは快諾はしかねる。

――正直に欲を出していいのならば、お言葉に甘えさせてもらおうではないか。



「悪いが、パトラ。俺ほど欲深い人間も、そうはいないぞ?」


きっと今、自分は黒い笑みを浮かべているなとアベルは確信する。
確かに自分よりも他者を優先したことが無いとは言い切れない。
だが結局最後は、自分は欲望のままに彼女を抱くのだ。
欲深いから、諦めきれない。
欲深いから、少女の優しさに甘えてしまう。
欲深いから、手放したくないと独占し、嫉妬の感情さえ持ってしまう。


「パトラが俺を気遣ってくれるのはとても嬉しい。さっきのマッサージも、とてもいい」

「あ、ありがとうございます……」

「だから――今の俺の欲を言えば、そんなパトラを俺も労いたいというところかな?」

「ひゃっ!?」


アベルの口の端が吊り上るのを見ると同時、パトラは短い悲鳴をあげた。
先程まで使っていた香油を、秘裂と太腿に垂らされたのだ。
先に使っていた香油は互いの身体で揉まれ適温かつ少量が馴染んだ状態となっていたが……
ここにきて追加の、それもこんな場所に垂らされては察せざるをえない。
施術のためではない。最初から、快楽目的の……


「アベ、アベルさ……んぅっ!?」


香油をたっぷりと塗したアベルの両手が、パトラの引き締まった太腿にそえられる。
真似事のようであるが、労いたいという言葉の現れなのか。
指は筋肉の流れにあわせるように動き、そして優しく解すかのように蠢く。
それはそれで心地良いが、既に火のついていたパトラには少々物足りない。


「あ、あぅ……! アベル、さん……!」

「ほらみたことか。俺もだが、パトラもだいぶ疲れが溜まっているんじゃないのか?」


それは否定できない。だがそれ以上に、解れることよりも身体の奥底の疼きが気になってしまう。
もはや取り繕えているとは思えないが、それでも淫らな欲望に負けていることには恥ずかしさを覚える。


「んぅ……!」


太腿全体を一撫でにした両手の指先が、僅かに動く。
滑らかに動くそれは、少し強めに脚の付け根を圧しながら揉むように動いた。
これの刺激だけでもパトラはその身を震わせるが、直後に違った意味でもその身体を震わせることになる。


(やだ、これ、あそこ、ひろげられて……!?)


アベルの指が動くたびに、脚の付け根が揉まれていく。
それに合わせるように、濡れそぼった秘裂も左右に開かれるのだ。
身体の構造上当然のことではあるが、直接性器を愛撫される以上の恥ずかしさがそこにはあった。
香油のせいではない、ぬちりとした音もそれに続く。
強めに押されればより一層割り開かれ、焦がれる膣内まで曝け出しているのは想像に容易い。
香油に混じり滴る蜜も何もかもが、愛する人に見られてしまっている。

これが初めて、というわけではないというのに。
未だに慣れないというか、羞恥心が消え去ることはない。
自分も少しは深紅の令嬢に教えを乞うた方がいいのではないか?
彼女の持論では殿方を満足させるのも淑女の務めらしいが、清廉な騎士ではないのでは?
ああ、もうどちらが正しいのかわからない。
それでも今、確かに言えることもある。


「ん、んぅ……っ! も、もっと、アベルさんのしたいようにして大丈夫ですよ……?」


既に浮ついた思考で、それでも余裕なフリをしてみせる。
既に見てきた、彼の愛する少女達は完膚無きまでに腰砕けにされていた。
それが彼の本当の欲望なら、まだ満足していないのではないか。
自分はまだ大丈夫だから、もっと激しく扱っても問題ない。



「――いいえ、違いますね」



そう考え、パトラは首を静かに横に振った。
人に正直になるように言っておきながら、自分はいつまで逃げるのか。
貴族である前に、騎士である前に、一人の女として……



「もう、私が我慢できません。だから来てください、アベルさん……♪」



――愛する人の前では、正直でいたい。
真っ赤になりながらも、精一杯の勇気を振り絞り、パトラは自分の手を動かす。
香油と愛液に濡れたその指は、それだけでもいやらしい。
そんな指が、自らの秘所を割り開いて見せつけてくる。
直接曝け出されたそこは、ひくひくと男を今か今かと待ち受けているようだ。


「っ、パトラ……!」

「ん、んううぅぅぅぅぅぅぅ……♪」


もう少し、焦らす様に……そそられた脚の愛撫を続けたい気持ちもあった。
しかしあのパトラが、自ら股を開いて誘ってきた。
この事実が、アベルの欲を大きく煽った。
彼女の望み通りに、一息で真正面から貫いてやる。


「くっ……おっ……!?」


迎え入れるは濡れそぼった媚肉。
一突きする度に、もっと奥へと挿れたくなってしまう。


(俺が、欲を我慢している、か……)


誘われ、挿入し、より強い欲にとりつかれる。
自覚はなかったが、パトラの言葉は正しかったのか?
すぐに射精すことはすまいと食いしばりながら、アベルは口を開く。



「っ、は……っ! パトラは、欲を、見せては……っ、くれないのか……!?」

「んっ……っ! わたしは、今日、最初からっ……、欲に、負けてしまっていますよぉ……!」


突かれる度に胸を揺らし乱れるパトラの姿は、およそ普段の姿からは想像つかないだろう。
アベルだけが見ることを許される、彼女の秘密。
顔を染めながら、快楽に負けている……敗北とも言える言葉を口にする様は実に愛おしい。


「アベルさんっ、わかります……? わたし、いまっ、一番奥、アベルさんに、何度も突かれてぇ……♪」

「ああ、わかるよ……っ!」


体内から痺れるような快感がパトラの全身を駆け巡る。
荒い息を吐き出すアベルも、パトラの最奥をこつこつと責めている感覚がよく伝わってくる。
子宮を一突きする度に、きゅうきゅうと絞めつけてくるのだ。
言葉をかわす最中に、気を抜けば思わず吐き出してしまうだろう。


「あなたとの、赤ちゃん欲しくて……こんなに、子宮降りちゃって……!」




「――ずっと、ずっと前から、私……妄想してたんです……!」



「っ!?」


深く甘い吐息と共に、パトラはその身体をアベルに預ける。
豊かな乳房が押し潰される感触と有様は実に魅惑的だが、今はそれよりもその表情に目を奪われる。
凛とした騎士の鑑である彼女が、自分のすぐ傍でこうまで蕩けている。
そして、本当に自分との子を求めてくれているのだとわかる程に、用意の整った子宮。
男として昂ぶらないわけがない。




「――私も、孕ませて」




そしてトドメの一撃と言わんばかりに、パトラはアベルの耳元で熱っぽく囁いた。
彼女らしからぬ程に、酷く甘く淫らな言葉。


「……っ! わかっ、た……っ!!!」

「あ、あ、きてる、きて……んぅぅぅ――――――ッ!?」


欲の極致とも言える言葉に、アベルは白旗の代わりに未だ濃さを失わない精液を吐き出す。
それでもなおも収縮を続けるパトラの膣壁は、一滴残らず搾り取ろうとしているようだ。


「あ……♪ アベルさん、まだ……」


ふるふると身体を震わせながらも、パトラはまだアベルを離さない。
誇りある姿を取り繕うことをやめた彼女は、どこまでも貪欲になっていた。


……

――


「ん、ん……ふぁ……あ!」

「パトラ、大丈夫か……?」


二つの影は、まだ重なり続けていた。
抱きしめ合っていたかと思えば、パトラがアベルに跨り腰を振ることもある。
どちらかが絶頂を迎えれば、しばらく休んで……またゆるゆると動き始める。
激しさこそないが、部屋は確かに情欲の匂いで満たされていた。


「アベルさんこそ、大丈夫です、か……?」

「あ、ああ……」

「ごめんなさい。これじゃあ、あなたを余計に疲れさせてしまいますね……」


そうは言うが、ゆっくりとパトラの腰は動き続けていた。


「……明日の業務に、支障が出ない範囲で自重しますから、もう少しだけ……!」


ゆったりとした交わいは、捨てきれないパトラの真面目さからくるものであった。
アベルの精力と体力を考えれば、アーシャ達の二の舞になる可能性が高い。
騎士たる者、節度を守るべし……
欲望のままに子供を求めても、完全には理性を捨てきれていない。
やはり根っから真面目な騎士なのだと、思わずアベルは笑みを浮かべてしまう。

そんな彼女が、淫らな姿を晒してでも自分の子供をこうして求めてくれているというのも……
堪らないものがある。


「パトラ、そんなことは、気にしなくてもいいんだぞ?」

「いえっ、こんな痴態をお見せしてますけど……誇りはまだ少し、残ってます!」

「――アベルさんが、私を壊れるまで犯したいというのなら、受け入れますけどね?」

「……いや、そんなことはしない」


悪戯な笑みを浮かべるパトラに、アベルは降参する。
彼女は、自分に対しては騎士の姿を忘れて乱れてくれる。
自分もパトラの前では、どこまでも欲望をぶつけてしまうのもいいのかもしれない。


(……あまり、節操のない姿を見せたくない筈なのにな)


しかし、どうしてだろう。
パトラの前では、少しだけ節度ある皇子の姿を保ちたくなってしまうのは。
今更手遅れな気もするが、なかなかこの感情を捨てることはできない。
……隙を見せれば、本当に甘えてしまう恐れがあるからだろうか。
アベル自身、理由はわからない。


「明日からは、ちゃんと騎士に戻りますから……! 今は、赤ちゃん……!」

「……明日以降も今みたいに乱れてくれていいんだぞパトラ?」

「やめてください、恥ずかしい……!」


それでも、彼女は馬の代わりに男に跨り続ける。
清廉さと淫猥さを併せ持つ騎士の痴態。休みを挟みながらならなおのこと萎えようもない。
下から存分に彼女の表情を楽しみながら、アベルも彼女に応えるべく腰を深く突きだした。


しっとりとした夜は、まだまだ明けることはない……


……


――

というわけで、パトラパートでした。
更新停滞、本当に申し訳ありませんでした……
次回よりまた少しづつ更新できていければいいなと思います。
(この後はロウルの前に、マックスの報告イベントが入ります)

今年は色々と大変な年でしたが、皆さんもどうかご自愛を
予定以上に長引いてしまいましたが、来年度もどうかよろしくお願いいたします
先にコンマ二桁↓1~3で判定をとりつつ、一足早いですが締めの挨拶をさせていただきます。

皆さん、良いお年を!

あけましておめでとうございます
そして開幕からうわああぁぁぁ(白目吐血)
と、とりあえずいい気つけになったと考えましょう
判定結果公開を含むマックスハウス前まで投下していきます

三連特殊判定結果

1理性が負けても節度はあるパトラ将軍

93>85

※基準値を上回ってしまった為、まさかの足腰立たず!

※マックスの挨拶まわりに同行できず、ロウルの負担も増大!


――

……


パン…! パン…!


パトラ「あっ、あっ……!///」

アベル「パトラ……!」

パトラ(気持ち、いい……///)

パトラ(アベルさんに抱きしめられて、突かれて……///)

パトラ(駄目、これ以上は明日に支障を……っ///)

パトラ(でも……///)



ギュゥゥ…!



パトラ「アベルさん、もっと……///」

パトラ「――私も、あなたとの子を……♪」

アベル「ああ……!」グッ……!



パトラ(騎士として、貴族として……)

パトラ(本来なら、止めておくべきなのに……)





パトラ(――今の、そしてこれからの幸せは、手放したくない……///)ギュ…



……

――

――――
―――
――




パトラ「ぁ……♪」ドロドロ…


アベル「だ、大丈夫かパトラ!?」アセアセ

パトラ「は、はひ……///」



パトラ(やってしまった……///)



パトラ「んぅ……♪」トロォ…

パトラ「もう少し、お待ちを……♪」

パトラ「すぐに、支度を……」ググ…


ペタン


パトラ「あ、あれ?」アセアセ

アベル「無理をするなパトラ。すまない……」

パトラ「い、いえ! 私こそあんな……///」

パトラ「私もう、色々な意味で騎士失格です……///」

アベル「そんなことはない。とにかくしばらくは休んでくれ」ポン

パトラ「うぅ……申し訳ありません。これでは陛下へのご報告も……」

アベル「マックスの件なら、こちらでなんとかしておく」

アベル「とりあえず今はまず身体を拭くべきかな。すぐに戻る」タタタ…

パトラ「……///」




パトラ「……赤ちゃん、できたかしら?///」サスサス…



……

――


――


……


【帝国・メイド長私室】


ロウル「――ので、もう早めにマックスさんとキアラ様のことを王国に伝えようかと」

ローズ「そうネ。今ならまだ、国民からも結婚初夜に妊娠させたと思われなくもないし……」ンギギ…

アイナ「ローズさん落ち着いて」アセアセ

スミレ「帝国と王国の今後にも関わりかねませんからね。ボクも急いだ方がいいと思います」

ロウル「ええ。折角王室直通転移陣もあるわけですしね」

ロウル「そういうことですので、今日はキアラ様は不在になるかと思います」

ロウル「出発の準備とか諸々は私がやっておきますので……」

ロウル「あ、でもあっちの仕事が先ですかねぇ……」ポツリ…

ローズ「……ロウルちゃん、随分と忙しそうネ?」

ロウル「あ、いえそんなことないですよ?」ブンブン!

アイナ「私達でよければ、お仕事手伝うけど……」

ロウル「いえいえ! 大丈夫ですって全然!」

スミレ「……そういえば、パトラさんはどうされたのですか?」

スミレ「マックスさんのことを気にかけていましたし、てっきり彼女も同行するかと……」

ロウル「あ、あー……その、ですね?」

ロウル「私は全然平気なんですけど、パトラさんの方が仕事疲れでちゃったみたいで!」アセアセ

ロウル「ですので私が代わりにこうして動いている次第ですよ」

ロウル「まあアベルさんの副官の私にかかれば、あの仕事もこの仕事もぱぱっと解決ですって!」

ロウル「それじゃあ、失礼致します!」スタタタ!


バタン!


ローズ「……」


アイナ「ロウルちゃん、忙しそうだね……」

スミレ「パトラさんがお休みといいますが、確か残る部隊の皆様も……?」

ローズ「……」

ローズ「こう立て続けにとなると、アベル様の手がすごく早いと見るべきネ」ハァ…

スミレ「!?///」

アイナ「え、え? それってつまり、そういうことなんですか!?」

ローズ「あの子達、みんなアベル様を慕っているワ」

ローズ「エリスちゃんが妊娠して、あれだけ幸せそうにしていたら……乙女としてクるものがあるでしょう?」

ローズ「一人増えたら私も私もって、どんどん勢いは増していくものヨ」

スミレ「ではパトラさんも……///」

ローズ「騎士も人間だもの。それに真面目な子ほど色々溜め込みやすいし……」

ローズ「誰にもそれを咎めることはできない。天使の件はアベル様とロウルちゃんに頑張ってもらうしかないワ」

ローズ(でもロウルちゃんも、溜め込み過ぎなければいいんだけど……)

スミレ「そういえば、私達はともかくローズさんはキアラ様に同行されないのですか?」

ローズ「ふふ、キアラちゃんもフィーアちゃんもアタシの天使だけれど……」

ローズ「残念ながら本当の親子じゃないの。あまりアタシがでしゃばるのもよくないワ」

ローズ「……あと挨拶している最中にお化粧崩れそうだしネ」ムグググ!

スミレ「な、なるほど」

アイナ「……」

アイナ「えっと、それじゃあローズさんは今日はお休みなのかな?」

ローズ「え? ええ、そうネ。今のところは急ぎの仕事はないけど――」


ギュゥ…


ローズ「っ!?」

アイナ「――ごめんなさい、ローズさん。でも、みんながって思うと、もう……///」スリ…

ローズ「アイナちゃん……」

スミレ「……っ」

アイナ「……」テマネキ

スミレ「!!」


ピト…


スミレ「ボクも、です……///」ギュ…

ローズ「スミレちゃんまで……」

ローズ「……」ギュ…

アイナ「///」ドキドキ…

スミレ「///」ドキドキ…

ローズ「……明日以降の仕事もすぐに片づけるわヨ」

ローズ「――三人ずっと部屋から出て来なくても、誰も文句を言えないくらいにネ」

アイナ&スミレ「「は、はい!///」」


……

――

――

……

【帝国・アベルの城塞】


ロウル「ローズさん達へ報告はしておきましたよー」

ロウル「他の仕事も片しておくんで、アベルさんとマックスさんはキアラ様をお願いしますね?」

アベル「すまないロウル。色々と押しつける格好になってしまうが……」

ロウル「なーに言ってるんですかアベルさん。このくらいなんともないですよ!」

マックス「その、ごめん。元はと言えば俺がしっかりしていれば……」

キアラ「い、いえ! 私の方が……!」

ロウル「はいはい、これから挨拶なんですからもっと堂々と!」

アベル「キアラも無理はするなよ? いつも以上に身体は大切にするんだぞ」

キアラ「心得ています。でも、私もしっかりとご挨拶はしたいので」

マックス「キアラちゃん……」

アベル「俺も落ち着いたら、改めて挨拶に回らねばな……」

マックス「あれ? そういえばパトラ将軍は?」

ロウル「あー、パトラさんはちょっとお疲れ気味なので休ませてあげた方がいいかと」

ロウル「まあそもそもマックスさんのケジメの挨拶ですし、アベルさん同伴で十分でしょう?」

マックス「そ、そうだよな。よし、行くぞ……!」グッ!

キアラ「うん!」

アベル「俺もいなくても平気だとは思うが、一応な」

ロウル「もう用意は済ませてあるんで、転移陣の方からすぐに向かえますよ」

ロウル「まああんまり気張りしすぎないで、いつも通りで頑張ってくださいよー」フリフリ


ガチャ…パタン…




ロウル「……」

ロウル(今朝の様子からして、アベルさんとパトラさんは……)

ロウル(あれだけ元気だったパトラさんがああなるんです)

ロウル(きっとアベルさんに好き放題されちゃったんだ……)

ロウル(パトラさん綺麗で胸も大きいですし、当然ですよねぇ……)

ロウル(エリスさんもアーシャさんも、シアさんもティアさんも……)

ロウル(……アベルさんとの、子供)

ロウル「……」フルフル…

ロウル「何を考えているんですか、私は」

ロウル「私はアベルさんの副官で、あの人を支えるのが仕事なんです」

ロウル「皆さんが動けない今こそ、私が頑張る時です!」フンス!

ロウル「皆さんの分の仕事をして! 皆さんが元気あふれる様なお食事も作って!」

ロウル「それから、エリスさんやアーシャさん達の赤ちゃんのお世話もいつかは……」

ロウル「えっと、まずはどれから手をつけましょうかね……」





ロウル「――頑張ったら、アベルさんも撫でてくれるかな……」ポツリ…




ロウル「うん。私は、多くは望まない。それだけで、十分です」グッ…

ロウル「……」

ロウル「……よし! アベルさんのコートで気を引き締めてから、お仕事頑張りますかねぇ!」


……

――

――

……


【王国・謁見の間】


クラウス「これはアベル皇子にキアラ皇女。ようこそ王国に」

クラウス「慌ただしく大したおもてなしもできずに申し訳ない」

クラウス「マックスもよく戻った。時間があれば、騎士団の方にも顔を出して欲しい」

スカーレット「事前に連絡をくだされば、ワタクシ達も相応の用意を致しましたのに」

アベル「いえ、お構いなく。私達の方こそ突然申し訳ありません」ペコリ

アベル「実は、早急にお伝えすべきことがありまして……」

クラウス「む!?」ガタ!

スカーレット「!」キッ!

アベル「ああ、いえ。戦争のような大事ではないのでご安心ください」

アベル「……いや、ある意味では大事なのですが」

クラウス「?」

アベル「……詳しくは、こちらの二人から」スッ…

キアラ「……」ドキドキ

マックス「……国王陛下。騎士マックスより、ご報告致します!」バッ!





マックス「――この度、帝国第一皇女キアラ様との結婚を誓いましたっ!!!」



クラウス「」



キアラ「もう、お腹の中にマックスさんの子もいるので、近いうちに……///」



クラウス「」

クラウス「」

クラウス「」

特殊判定結果


2自国の期待の新人の爆弾発言。国王の精神力は?


15≧15(国王といえど人間です。 大 混 乱 )


※基準値と同値のため、クラウスパニック!

※代わりにスカーレット将軍が落ち着きます


――


クラウス「ま、待ってくれマックス……」ヨロ…

クラウス「今私はとてつもない報せを受けたとおも……」

クラウス「いや、キアラ皇女の方が重大だった気がする……」グルグル

クラウス「申し訳ないキアラ皇女。もう一度お願いできるだろうか……?」

キアラ「……///」カアアァ!

キアラ「その、もうマックスさんとの子供もいるので、正式に契りを――」




クラウス「スカーレット将軍! 私の首を惨く刎ねてくれっ!!!」



一同「「!?」」ギョッ!

スカーレット「な、なりませんわ陛下! お気を確かに!」ガッ!

クラウス「気は確かだ!」

クラウス「ああ、なんということだ……!」

クラウス「確かに報告はあった。優秀な新人がいると……!」

クラウス「若く才もあり、努力も欠かさない誇りある騎士がいると……!」

クラウス「少しばかり女性の胸部に興味を持ち過ぎていること以外は期待できると……!」

マックス(俺、先輩達からそんな報告されてたんだ……)

マックス「ってそうじゃなくて、クラウス様申し訳ありません!?」

クラウス「君の年頃なら、それも普通のことなのだろう!」

クラウス「生憎と私は未熟で忙殺されている故か、その気持ちを理解してやれないが……」

アベル(……クラウス王も適齢では? 王国の後継ぎも問題が……いや、今はそれどころではないか)


クラウス「しかしだからと言って、婚前にあろうことかキアラ皇女を襲うとは……!」

キアラ「あの……!」

クラウス「責任を取ろうとするのは見事な姿勢ではある!」

クラウス「だがしかし、王国騎士としては最良の対応とは言えない……!」

マックス「っ……」

クラウス「どうして、一歩踏み止まることができなかったのだマックス!」



キアラ「クラウス様っ!」



クラウス「!!」ピク!

キアラ「マックスさんは、悪くないんです。これは……私が望んだことだから!」

クラウス「!?」

マックス「キアラちゃ……」

キアラ「それに、襲われてもいません。マックスさんにはいつも優しくしていただいて……」

キアラ「この命を、救って頂いたこともあります」

キアラ「だからクラウス様。詫びるべきは、私なのです」

キアラ「王国が誇る騎士を、私が奪ってしまったのです……」

マックス「そ、そんなことない! あれは俺が……!」

クラウス「……と、とりあえず、同意の上ではあったという認識でいいかな?」

キアラ「はい!」

クラウス「そうか……少しは救われた気分だよ……」ホッ…

クラウス「とはいえ、やはり式の前に妊娠というのは……」ムムム…

スカーレット「……よいではありませんか、陛下」

一同「「?」」

クラウス「スカーレット将軍……」

スカーレット「……陛下。ワタクシも陛下に謝罪をしなくてはなりません」

スカーレット「ワタクシは今この報せを受けて――凄く、嬉しいのです」

スカーレット「この二人が仲睦まじく王国にお忍びで来ていたこと、知っておりましたもの」

スカーレット「あまり広めるべきではないと独断で判断致しました。申し訳ございません」ペコリ

クラウス「!!」

アベル「!!」

スカーレット「確かに、マックスの行為は万人が受け入れるものではないかもしれませんわ」

スカーレット「でも……」

スカーレット「この子は真っ直ぐで、ワタクシとの鍛錬にも臆さず魔法の才も開花させました」

スカーレット「以前の魔法剣の話を聞く限り、キアラの魔力の一部が無意識に譲渡されてもいます」

マックス「え!?」

キアラ「///」

スカーレット「キアラの膨大な魔力は普段は抑えてある。それでいてそうなったのは……」

スカーレット「――キアラが心から安堵し、気を緩め……そして長い間お互いの手を握り続けたからですわ」

キアラ&マックス「「~~~っ!?///」」ボッ!

アベル「ほう……」

クラウス「そ、それほどまでに……」

スカーレット「ワタクシが会った時には、実に初々しい姿でした」

スカーレット「二人は、しっかりと愛を育んでいたと思われます」


スカーレット「……」

スカーレット「淑女たるもの、その身は清くあれ」

キアラ「え?」

スカーレット「いつか結ばれる殿方の為に大切に純潔を守り……そして初夜を迎える」

スカーレット「レディーとしての相応しい姿、とは言われていますわ」

スカーレット「婚前妊娠はこれに相応しくない。でも、それは伝統であると同時に古びた習慣でもあります」

スカーレット「夢半ば……姦計にはめられ、無数の男に凌辱されるよりはずっと良い筈です」

クラウス「……っ」

スカーレット「全身の穴を塞がれ、注がれたくもないものを注がれていく」

スカーレット「なまじ誇りがあれば、容易く楽になることもできない」

スカーレット「自分が殿方の精液が好物なのだと。これは自らが望んでいることなのだと思い込み自我を保つ」

スカーレット「ならば相手を搾り尽くして、その隙に全員の首を刎ねてやろうなどと……」

スカーレット「血染めの赤薔薇と化してしまうよりも、ずっといいのです……」

スカーレット「キアラ、あなたは子を宿そうと……無垢な白薔薇のまま」

キアラ「スカーレット将軍……」

スカーレット「マックス」

マックス「は、はい!」

スカーレット「この白薔薇、誰かに手折らせてはなりませんよ?」

マックス「勿論です!」ビシ!

スカーレット「うむ。いい返事でしてよ」

スカーレット「……陛下。お聞きになられた通りです」

クラウス「ああ……」

クラウス「……すまなかった。私もあまりのことに少々混乱してしまったが……」

クラウス「二人の気持ちが通じ合っているのであれば、私が口を挟める問題でもない」

クラウス「私自身、まだ落ち着けてはいないが……出来る限りのことはしよう」

クラウス「マックス。これから先も、困難が待ち受けることだろう」

クラウス「だが、そうして道を決めたのであれば……必ず貫き通すのだぞ?」

マックス「はっ!」


……



クラウス「……では、すまないが私も色々とやることが出てきたからな」

クラウス「これで失礼させて貰うよ」スタスタ





スカーレット「流石の陛下も驚かれたようですわね」

スカーレット「しかし陛下のお立場と国際問題を考えればそれもやむなしです」

アベル「流石に自身の打ち首を言い出した時には驚いたが……」

アベル「部下を処刑するより、部下を育てられなかった自分に責を感じるのはクラウス王らしいな」

マックス「うぅ……」

スカーレット「若くして誠実で責任感の強い陛下だからこそ、我らも忠誠を誓えるのです」

スカーレット「さて、ワタクシも将としては手放しには褒められませんが……」

スカーレット「個人的には、拍手いたしますわ。お二人とも、本当におめでとう」パチパチ

マックス「あ、ありがとうございます!」

キアラ「あの、スカーレット将軍、先程のお話は……」

スカーレット「え? ああ、さっきのは例え話ですのよ?」

スカーレット「ワタクシは産まれた瞬間に母乳ではなく精液を欲したほどの――」

アベル「……スカーレット将軍、キアラの前ではできればお控えを」

キアラ「///」

スカーレット「あら、これは失礼」

スカーレット「何にせよ、そこまで深刻な騒動にはならないでしょう」

スカーレット「むしろ王国と帝国の友好の象徴となるくらい、燃え盛る愛を見せつけてくださる?」

アベル「そうだな。下手なことをするより、そうした方が邪推する輩も減るだろう」

マックス「が、頑張ります!」

スカーレット「騎士団……はもう少し後ですわね。まずは陛下が落ち着かれてから」

スカーレット「そういえば、ご両親には?」

キアラ「あ、私の父と母、それに大切な人達からもう祝福の言葉は頂いています」

マックス「俺の両親には、この後報告しに行こうかと……」

スカーレット「それがいいですわね」

スカーレット「……間違いなく、陛下以上に取り乱されそうですが」

アベル「俺も状況次第では援護に回るつもりです」

アベル「あとは――」

――

特殊判定結果


3混乱必至なマックス家への挨拶。援護担当は誰?


コンマ11

 1 1


奇数ゾロ目:ギルバート


※マックス家は平民の家です
※キャル(キアラ)の正体も知りません
※結婚+妊娠でも驚きでしょう。そこに皇帝もやってきます

――


ズズズズズ…!


スカーレット「っ!?」ゾク…!

アベル「こ、この気配はまさか……!?」

キアラ「ど、どうして……!?」

マックス「え? え? えぇっ!?」ガタガタ



ズドドドドドドド!




ギルバート「ほう、面白い。こうして王国と繋がっておったのか」ザッ!



一同「「」」

ギルバート「む……そこにおったか。丁度良い」

ギルバート「フィーアとロウルの言っていたキアラの報告とやらはまだ終わっていないようだな……」

ギルバート「我もこの若造の家には少々興味がある。しばし同行させてもらおう」



一同「「」」



マックス(……ど、どうしよう……)ガタガタ!



……

判定結果を公表したあたりで今日はここまで
……うん、三連全部で低めの確率のを全部射抜くってどうなっているんでしょうね(白目)
そして先に別の判定も↓1~2コンマ二桁で取っておきます

どう足掻いてもこのスレ内で終わりきらない為、もう1スレ建ててしまいそうですが、そちらの案内は後日
本年度も更新が不安定になってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします
本日もありがとうございました!

はい

こんばんはー
だいぶ遅くなりましたが、投下できるぶんだけ投下していこうと思います
そしてまたコンマが……

――

……

【王国・街道】


アベル「……」ドキドキ…

キアラ「……」ドキドキ…



ギルバート「……ふむ」ズン…ズン…



マックス「……」ドキドキ…

ギルバート「王国の守備は堅牢と聞いていたが、この程度ならば我一人で崩せるな」

マックス「!?」

アベル「……父上、現在まともな騎士達は各地に散っているのです」

アベル「やはり腐敗した貴族は、しぶといようですからね」

ギルバート「なるほど……」

ギルバート「……そういえば、マックスよ」

マックス「は、はい!?」ドキィ!

ギルバート「お前の家は、貴族の家系ではないのか?」

マックス「あ、はい……」

マックス「俺の家は、特別何かがあるわけではありませんよ」

マックス「王国では、ただの平凡な一般家庭に分類されると思います」

ギルバート「……何故、騎士を目指した?」

マックス「……俺はもっと子供の頃から、この王国が嫌だったんです」

マックス「貴族が偉そうにして、国王もろくでもなくて、本当に腐っていた」

マックス「いつか、俺が立派な騎士になって民達を守るんだって……」

マックス「子供心に、そう思ったんです」

キアラ「マックスさん……」

ギルバート「……そうか」


マックス「でも、結局王国を立て直してくれたのはクラウス様」

マックス「それにパトラ将軍やスカーレット将軍、本当の貴族達です」

マックス「現実はそう甘くはないけれど、それでも俺は……」

マックス「それでも俺は、この志を曲げるつもりはありません!」

マックス「そしてキアラちゃんのことだって、守れるような立派な男に……!」

キアラ「ふふ、もう何度も守ってくれたのに……///」

マックス「あ、いや……///も、もっと! もっとだよ!」

ギルバート「……誇るがいい」

マックス「え?」

ギルバート「このギルバートが認めよう。お前は、強者だマックス」

マックス「え!? いやいやでも、俺なんてまだまだで……」

ギルバート「確かに、今はまだアベル達には及ぶまい」

ギルバート「だが……」

ギルバート「……ならば言い方を変えよう」

ギルバート「お前は強者の素質を持っている。それを胸に、精進を続けるがいい」

マックス「は、はい!?」ビシ!

アベル(父上……)

キアラ(思った以上に、お父様もマックスさんを認めてくれているのでしょうか……)ヒソヒソ…

アベル(ああ。実際マックスは本当に強くなった。それに――)




マックスハウス「……」




マックス「あ」

マックス(やっべ!? 話してたらいつの間にか着いてた!?)ガーン!

ギルバート「ほう、あの家か」

キアラ「は、はい。以前一度だけお邪魔しましたが覚えています」

アベル「なんだ、挨拶は済ませていたのか?」

キアラ「いえその、ちょっと色々あって変装してと言いますか!?」ワタワタ

ギルバート「……そうか」

特殊判定結果

1ギルバートの自重(>>967

80>75

※基準値を上回ってしまった為、正面突破!

――


ギルバート「――ならば今回は、正々堂々と臨むべきだ」ゴゴゴゴゴ!

ギルバート「わかったなキアラ?」

キアラ「は、はいっ!?」ビクゥ!

ギルバート「魔力の封印を解くのだ。ありのままのお前を、こやつの両親に見せるのだ」

ギルバート「無論、我も隠さぬ……!」フシュゥゥゥゥ…!



アベル「」

マックス「」


キアラ「……っ」

キアラ(ど、どうしよう……)

キアラ(でも、ご挨拶はちゃんとしないと。今度はキャルじゃなくて、キアラとして)

キアラ(マックスさんにばかり真っ直ぐなことをさせちゃ駄目。私だって……!)


スッ…


キアラ「こ、これでよろしいでしょうか父上!」ゴオオオォォォォォ!

ギルバート「うむ……」

ギルバート「では、いくとしよう」


マックス「」

アベル「……」ポン…


玄関扉「……」ドキドキ…

ギルバート「……」スッ…




バキャア!


【王国・マックスハウス内部】



マックス父「な、なんだ!?」

マックス母「扉が壊されたの!?」

マックス父「むぅ、魔物か!? 母さん下がっていろ!」

マックス父「来るならば来い! どんな相手だろうと母さんは私が守ってみせるぞ!」チャキン!

マックス母「あなた……///」ポッ…



バキャバキャ…


ズウゥゥゥゥゥン…







真体ギルバート「――む、加減を間違えたか?」←レベル4000オーバー






キアラ「だ、駄目ですよお父様!?」ワタワタ!

アベル「挨拶前に玄関を破壊するのは非常識かと!?」ワタワタ!


マックス父「」

マックス母「」


アベル「あ、固まっているお二人がマックスのご両親――」

ギルバート「……」チラ

マックス「」コクコク!

ギルバート「……」




ギルバート「……失礼した。我が名はギルバート。本日は急ではあるが挨拶に――」



マックス父「」

マックス母「」


ギルバート「……?」

アベル(……当然の反応だろうな)

キアラ(ごめんなさい……!)

マックス(父さん母さん、駄目な息子でほんっとごめん……!)


……

――

――――
―――
――



……



マックス両親「「はうあっ!?」」ハッ!

マックス「あ、よかった! やっと気がついた!」

マックス父「マ、マックス!? よく帰ってきた……ではなくてだな!?」

マックス母「すぐに逃げるのよ! さっき、とんでもない怪物に――」



ギルバート「……」チョコン



マックス両親「「」」


キアラ(お父様! もっと覇気を抑えてください……!)ヒソヒソ!

アベル(身体も極力動かさず! 備品まで破壊するわけにはいきません!)ヒソヒソ!

ギルバート(ぬうぅ……)グググ…


マックス両親「「」」

マックス「……うん、驚かせちゃってごめん」

マックス「でも、どうしても伝えないといけないことがあるんだ」

マックス父「つ、伝えたいこと?」

マックス母「そ、それとあの恐ろしい人が関係あるの?」

マックス「ああ。実は――」




キアラ「待って、マックスさん」スッ




マックス「!!」

キアラ「まずは、私から」

マックス父「君は……」


マックス父「そうだ、格好や髪型は違うけどその雰囲気と声はまさか……?」

マックス母「もしかして、キャルちゃんなの?」

キアラ「はい。以前は大変お世話になりました」ペコリ

マックス父「いやいや、こちらこそ……」

マックス父「……」ゴクリ

マックス父「この魔力の感じは、もしかして君が……?」

キアラ「ご、ごめんなさい。これでも抑えるようにしているのですけど」

キアラ「……本当の私を知って頂く為に、あえて今の状態をお見せしています」

マックス母「キャルちゃん……」

キアラ「……」フルフル…

キアラ「申し訳ありません。キャルは、仮初の名と姿なのです……」



キアラ「――私は、帝国第一皇女キアラ」

キアラ「――この度、正式な挨拶の為に参りました」ペコリ



マックス両親「「!?」」ゴフゥ!



マックス父「て、帝国第一皇女って……キャルちゃんが!?」

マックス母「で、でも確かにそれならあの貴族のような振る舞いも納得が……」

マックス父「……」

マックス母「……」

マックス父(うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!? わ、私はなんという態度をとってしまったんだぁ!?)ガタガタ!

マックス母(ど、どうしましょう!? そうとは気がつかず、かなり砕けた対応をしたような!?)ガタガタ!

マックス父「マ、マックス……?」チラ…

マックス「……ごめん、黙ってて」

マックス「あの時は……まだ付き合っていなくてさ。俺のただの片思いだったんだ」

マックス「父さん達を安心させたくて、嘘をつこうとして、キアラちゃんが手助けしてくれて……」

アベル「……お前そんなことをしていたのか?」

マックス「あ、すみませんアベル皇子!? でも――」アセアセ


マックス両親「「アベル皇子!?」」ガタ!


マックス「あ」

マックス父「ど、どどどどど……」

マックス母「お、落ち着きましょうあなた!? 深呼吸よ!」スーハー!

マックス父「そ、そうだな母さん……!」スーハー!

マックス母「え、えっと……キャルちゃん、がキアラ様で? そちらの黒髪の方が?」オソルオソル…

アベル「大変失礼を……私は帝国第三皇子アベル。キアラの兄にあたります」

アベル「ご子息には私も大変お世話になっており……」フカブカ…

マックス父「あ、これはどうもご丁寧に……」フカブカ…

マックス父「しかしアベル皇子と言えば王国の英雄――」

アベル「それは買い被り過ぎです。クラウス王や王国騎士達……」

アベル「そして彼が奮戦していたのを、私達は少し後押ししたに過ぎませんよ」

マックス「アベル皇子……」

アベル「……さあ、マックス。あの日のように、勇気を持ってご両親に伝えるんだ」

マックス「っ、はい!」



マックス「――不肖、このマックス!」





マックス「――この度、帝国第一皇女キアラ様との……け、結婚の報告に参りましたっ!」






マックス両親「「!?」」ブホォォ!


マックス父「け、結婚!?」

マックス母「キャル……キアラ様と、あなたが!?」

マックス父「いや、その……確かに私達も、キャルちゃんとの結婚は大賛成だったんだが……」

マックス母「流石に状況が一変しているというか……」チラ…

アベル「……わ、私を危惧しなくても大丈夫です。既に二人の仲は、私も認めておりますので」アセアセ

アベル「勿論、父も」

マックス父「父……?」ギギギ…

マックス母「も、もしかして……」ギギギ…



ギルバート「む? もう一度名乗らねばならぬか」

ギルバート「我が名はギルバート。――そこのキアラとアベルの父親である」



マックス両親「「」」ウボァ!


マックス「だ、大丈夫か二人とも!?」ユサユサ!

キアラ「か、回復魔法を使った方が!?」オロオロ

マックス父「ごほ……だ、大丈夫だ……!」ヨロ…

マックス母「キアラ様との結婚が本当なら、当然のことだものね……!?」ブルブル…

マックス父「そう、最初に少しは覚悟できていた。だから耐えられるぞ……!」プルプル…

アベル「流石、マックスのご両親だ……」

アベル「――マックス。このままあちらのこともお伝えした方がいいと思うぞ?」

マックス「は、はい!」




マックス「――あともうキアラちゃんのお腹の中には俺達の子もいますっ!」

キアラ「……///」




マックス父「マックスお前いくつ爆弾を持ってきたんぼえぇぇぇぇぇ!?」ビチャア!

マックス母「あなたあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

キアラ「か、回復ーーー!?」パアアァァァ!

アベル(当然の反応だ……)

アベル(しかしこれは流石に、大丈夫だろうか?)


……

――

特殊判定結果

2マックス両親の耐久力(>>968

コンマ72

-15(結婚)-30(妊娠)-15(皇帝)-10(自重無)

=2

※かなり瀬戸際ですが耐えきりました!

――

……


マックス父「マ、マックス……」ヨロ…

マックス母「あなた、婚前の皇女様を……」ヨロ…


アベル(す、凄いな。なんとか耐えきったようだ……)


マックス「……うん、二人が言いたいことはよくわかるよ」

マックス「クラウス様やパトラ将軍、スカーレット将軍からも言われたからさ」

マックス父「当たり前だろう……」ハァ…

マックス母「確かに、あの子とマックスが結婚して孫もできればって……私も考えはしたけども!」

マックス父「そこまで真っ直ぐに突き進まずとも……」ガクリ…

マックス「……いいや、俺はこのまま進むぜ!」

マックス両親「「!?」」

マックス「このまま、絶対にキアラちゃんを幸せにできるような男になってみせるんだ!」

マックス父「マ、マックス……!」

マックス母「でも、そんな……キアラ様は……」チラ…

キアラ「様は無くても大丈夫ですよ。だ、だって……」



キアラ「――もうすぐ……お義父様とお義母様になられるのですから///」ポッ…



マックス両親「「んぅ!?///」」



マックス父「……///」テレテレ

マックス母「……///」テレテレ



ギルバート「……」



耐えきった為、追加特殊判定
↓1~2コンマ二桁

追加特殊判定結果

意識を保ち続けた為、援護者(ギルバート)との語らい

1マックス父の酒レベル(酔いやすさ)
38(少しだけ強め。マックスが酒を飲めないのは少し残念)

2マックス母の酒レベル(酔いやすさ)
54(大体平均的。飲めないことはないけど、マックスもいるから酒は避けがち)

――

追加判定をとったあたりで今日はここまで
と思ったのですが、残りが凄く微妙なことに……
少し早いですが、次スレの用意をしてこようと思います
少々お待ちください

次スレ(今度こそ最終スレ)になります
【安価とコンマ】剣と魔法の世界で生き延びる その16 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1610290527/)

さて、残り数レスですが

本来このスレで終わらせる(それももっと早く)予定だったので、1000ボーナスは考えていませんでした

ですが色々と予定外なこともあり、時間もかかってしまいました
それでもこのスレを見限らないで下さった方々がいたこと、本当に感謝の念しかありません

誠に勝手ながら、Rパートはロウル以外の各ヒロインが一つの区切りという形で行ったため難しいですが……
もし、他になにか望まれるような小イベントがあれば、今度こそ最後の1000ボーナスとしたいと思います
(無論、無しも可能です)
それでは、このスレは埋めて頂けると助かります

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