【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★11【安価】 (1000)

・艦娘×提督の学園もの
・全然艦隊とか関係ありません
・エロ、グロといった描写があるかもしれません
・なんかドロっとしているかもしれません

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前スレ

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】
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ヒロインまとめ(○はエンド艦娘、次回登場は不可、○付いてない子は出せます)


【1周目】

電(幼馴染)         
浜風(娘)          
あきつ(後輩)         
足柄(先輩)          
○青葉(同士)   



【2周目】

大和(管理人)       
○不知火(親友)      
飛鷹(教師)        
五十鈴(転校生)       
北上(同居人)       


【3周目】

雷(クラスメイト)       
球磨(スラッガー)      
間宮(バイト先の店長)   
○那珂(超人気アイドル) 
阿武隈(義妹)        


【4周目】

陽炎(幼馴染)        
川内(学生であり怪盗)  
卯月(妹分)         
榛名(後輩)         
○暁(妹)           


【5周目】


初春(宇宙人)
叢雲(↑のライバル)
長門(ながもん)
響(帰国子女)
山城(元カノ)

BAD。


【6周目】


千代田(義妹)
吹雪(親友)
赤城(大食いチャンピオン)
由良(後輩)
古鷹(フライフェイスとオッドアイの演劇の天才)

BAD。


【7周目】


比叡(記憶喪失・幼馴染)
○漣(家政婦)
明石(近所のお姉さん)
大井(クラスメイト)
レ級(クラスメイト)

【8周目】

○明石(義姉)
鈴谷(同居人)
文月(姉)
熊野(財閥令嬢・崩壊寸前)
白露(クラスメイト・電波)


【9周目】

○潮(従妹)
村雨(幼馴染)
鳳翔(先生)
朧(後輩)
武蔵(応援団長)


【10周目】

深雪(親友)
曙(従妹)
大鯨(母)
翔鶴(弟の彼女)
瑞鶴(弟の彼女)

BAD。


【11周目】

伊58(未亡人)
隼鷹(お嬢な同級生)
○初風(面白い同級生)
蒼龍(担任)
ビスマルク(留学生なお姫さま)


【12周目】

阿賀野(いつもニコニコガチサイコストーカー)
瑞鳳(いじめられっこ)
龍驤(陰陽師)
睦月(おなちゅー)
翔鶴(従妹で居候な部活の後輩)


いまここ。

C.………でも、龍驤じゃなんか心配だなぁ……。(*0.5)


……うーん。

…本当にこいつで大丈夫なのだろうか。

龍驤「…何や?そんな微妙そうな目でこっち見て」

……。

負けそう。

なんか強いやつにあっさり負けそう。

龍驤「おーい、こらー」

提督「…まー、頼りにしてます」

龍驤「…せめてこっちに目ェ合わせて言えや」

提督「だって龍驤だし…」

龍驤「それが本音かこらぁ!」

提督「いででででででで!」

…結局。

危機が迫っているなんてそんな緊張感は、俺達には無かったのだ。

でも、それくらいが丁度いいのかもしれないな、と。

龍驤「…ったく、この龍驤サマをなめたらあかんで」

提督「…イマイチ頼りないんだよなぁ、何か」

龍驤「まだ言うかこの!」

提督「すんませんっ!痛い痛いっ!」

そんな事を思うのは、きっと、この関係が心地良いから…なのだろう。



龍驤→  283/500



【7月3週】


提督「……あぢい」

翔鶴「お兄さん、部活ですよー、部活」

提督「…あづいから休もう」

翔鶴「…まだ夏休み初日じゃないですか」

提督「…知らん、俺はこんな時は弓を射るんじゃなくてクーラーの下で寝ていたいのだ」

翔鶴「………お兄さん、私、怒りますよ」

提督「……ほ、ほう…お、怒ってみろよ、怖くなんかねーし」

翔鶴「…え、えーと……」

翔鶴「……ぷ、ぷんぷん丸…?」

提督「………しゃーない、部活行くかぁ」



コミュ対象 00:55に一番近いレス


阿賀野  **0/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    *87/500
翔鶴    *88/500

今日はここまで
いやこんなに早く1000まで行くと思ってなかったねん
お付き合いいただきありがとうございました


今回の埋めネタ
10周目のネタは正直分量がやばくなりそうで使えないというアレ


>>+4




A.誰かとあふたー、というお話。(艦娘併記、BADの周は曙のみ可)


さて、彼らはあの後どうなったのか。
きっと幸せに暮らしていることでしょうね。




B.記憶と苦悩、というお話。(比叡)


『ああ、比叡くんの記憶は私なら戻せるよ――』
猫を吊るした不思議な医者が言ったその言葉。
『そう、ある部分まで彼女の脳を巻き戻すのさ』
その解決方法は、比叡を消すということ。
この学園に入ってからの彼女を、丸々消してしまうということ。
確かに、自分は元の比叡に戻って欲しかった。
だけど、その為に今の彼女を殺すのか。
それとも、このままにして以前の彼女を見殺すのか。
どちらの比叡も、僕にとっては…。
どちらかを選べ、なんて――
『提督は、女の子みたいですねー』
『…提督くんは、優しいですね』
愛するどちらかを、殺しましょう。
選択権は、貴方に有ります。



C.素直な彼女、というお話。(五十鈴)


めっちゃイチャイチャするだけ。

わざわざ曙を選ぶ辺りアレよね
そんじゃ本編始める



睦月「しっかしー」

提督「うん?」

睦月「変わり映えしませんよねー」

夏休みだというのにー、と間延びした声で睦月が付け加えた。

提督「…まぁなー」

そんな俺達がいるのは、やっぱりファミレス。

最近ファストフード店はすっかりご無沙汰である。

睦月「なんかこー…どがーっと!日常に変化がほしーです」

提督「どがーって言われてもな…」

どんな変化だよ。

何かむしろこう奈落に落ちてる感じするぞ。

ただ…変化が欲しいってのは、わかる。

今でこそ訳の分からない陰陽師に振り回される俺だが、1年の頃はそんな事を考えていたような気がする。

…今では変化なんていらねーと思っているけどな。

提督「そういや、龍驤の奴あんまお前には話しかけねーのな」

睦月「…んー…ですねー」

4月のあの場には睦月もいたし、協力者を押し付けたのもあくまで俺達ふたりだったのに。

睦月「…多分、龍驤さんは気付いたんじゃないかなと思うにゃー」

提督「気付いた?」

睦月「睦月が嫌だなー、って思ってたの」

提督「…嫌だ…ってのは、その、ああいう事に巻き込まれるのがか?」

睦月「そうだにゃー」

変わらぬ力の抜けた声が答える。

睦月「…睦月は、なんだかんだ言って…今の生活が好きだから」

睦月「…結局、今のままがいいんだにゃー」

提督「どがーっとした変化はいらねーのかよ」

睦月「にゃは、そんなもんだにゃー…睦月はわがままなのですよーっと」

日常を丸々変えるのでなく、その日々にスパイスが欲しいだけだと。

ドリンクバーで注いできた慣れない様子のコーヒーを啜りながら、睦月は言った。

提督「…贅沢な奴だなぁ」

睦月「女の子ですからー」

睦月「…提督くんだって、今の日常、好きじゃないのかにゃ?」

提督「…んー……」

今の日常、ねぇ――――


>>+4

ミス


>>+4

A.…まあ、不満はないな。

B.…ああ、好きだ。

C.……目の前にいるのがもうちょっと…。

B.…ああ、好きだ。(*1.5)


睦月と過ごす日常、か。

彼女が言うように、変わり映えのしない日々。

生産性なんて無い、ただの繰り返し。

意味のない会話。

提督「…ああ、好きだ」

俺は、それが好きだ。

意味なんて無くていい。

ただ消化するだけの日々でもいい。

こうして睦月といるのが、好きなのだ。

睦月「おおー、直球ですな、睦月ちょっとドキッとしました」

提督「か、勘違いしないでよね!睦月に言ったわけじゃないんだから!」

睦月「…キモいにゃー…」

提督「……はい」

知ってました。

ごめんなさい。

睦月「でも…良かった、提督くんもそう思ってくれてて」

睦月「睦月の片思いだったらどうしようかと思ってたよ」

提督「何言ってんだ、そもそも楽しくなければ今こうしてねーっつの」

睦月「おおぅ、なるほど正論ですにゃー」

笑う睦月。

その後、結局ドリンクバーだけで3時間程粘ったのであった。

すまんな店員。



睦月→  192/500

202じゃねーか、言われて気付いたわ


【睦月―その1】


繰り返す毎日。

その中で大きなウェイトを占めるのは、間違いなく彼との時間。

何をするという訳ではない。

ただの繰り返し。

駄弁って、笑って、適当な所で切り上げて。

勉強が出来ないな、とか。

お金が無いな、とか。

毎回、そんなどうでもいい話題を延々と話すのだ。

そんな事が、睦月にとっては何よりの幸せ。

大事な日常。

「…ただ、ちょーっと最近おさいふがピンチだにゃー…」

…この前パフェを頼んだのが悪かったのだろうか。

今度からはドリンクバーだけにしておこう。

そんな事を思ったのでした。

201じゃねーか、言われて気付いたわ >>1の頭はボロボロ

【7月4週】


提督「……ふ」

龍驤「…なにわろとんねん」

提督「…感じるぜ…悪い風をな…」

龍驤「は?」

提督「…今日も妖気に惹かれて、この街を悪いものが包んでいく…」

龍驤「………」

提督「……龍驤、ツッコんでくれよ関西人だろ」

龍驤「…ウチのツッコミにも限界ってもんがあるわ」





コミュ対象 01:51に一番近いレス


阿賀野  **0/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    201/500
翔鶴    *88/500



市民プール。

夏真っ盛りの今、此処は当然と言わんばかりに人の群れで賑わっていた。

この暇人共が、他に行く場所ねーのかよ。

俺?ねーよ、悪いか。

睦月「……泳げないにゃー、これじゃあ」

提督「…全くだ、もうこれ銭湯だろ」

プールの中も混み合っていて、正直泳ぐとかそんな行動を取る方が空気読めてない人みたいである。

ただぬるい水に皆身体を浸しているだけ、プールとは何だったのか。

「…おっと、ごめんなさい」

提督「ああ、すいません」

などとボーっとしていたら身体を当ててしまった。

娘を連れたお父さん風の人に頭を下げる。

………仕事の休みに来てるんだよなぁ、あれ。

泳げないプールに明らかに不満気の娘。

そのご機嫌を取るように、背中に娘を乗せてお父さんは人の波を頑張って泳いでいる。

提督「…大変だ」

睦月「だにゃー」

平坦な身体を、フリルの付いたパレオの水着で覆った睦月が同調する。

…正直すげー子供っぽい、言わねーけどさ。

睦月「でも、ああいうの…憧れるにゃー」

提督「男の背中に乗って馬車馬のように働かせる事…か?」

睦月「…提督くん」

提督「わりーわりー」

睦月がはぁ、と大きく溜息を吐く。

睦月「…何か…いかにも、平凡!って感じじゃないですか」

提督「…平凡、ねぇ」

…確かに、まぁ…平凡と言えば平凡なのかもしれない。

休日、家族サービスをするお父さん。

…ただ…ああなりたいかと言われると…。

そんな事を思うのは、俺がまだ学生だからなのだろうか。

睦月「ふつーが一番、ですよー!」

睦月「提督くんも、そう思いません?」

提督「…うーん…」

普通、ねぇ――


>>+4

A.俺はビックになるんだよ。

B.可愛い奥さんがいるなら、それも悪くないかな。

C.……クク…そうしたいのは山々だが、俺の封印されし妖気がそれを阻むのだ…。

B.可愛い奥さんがいるなら、それも悪くないかな。(*1.5)


提督「そうだなぁ」

もう一度、お父さんを見る。

やっとプールの端まで辿り着いたようで、大きく肩で息をしながら娘と話していた。

提督「…可愛い奥さんがいるなら、あんな生活も悪くないかな」

睦月「おりょ、贅沢ですにゃー」

提督「良いじゃないか、そのくらい望ませてくれよ」

睦月「…まーたしかに、睦月もかっこいー旦那さんが欲しいにゃー」

提督「だろ?」

そこで睦月は一度俺から視線を外して、水面を見た。

睦月「…て、てーとくくん、みたいなっ」

提督「……へ?」

ざばー。

言って、そのまま水に頭を突っ込む。

提督「て、おい、睦月ー!」

そのまま、人混みの方へと潜水しながら泳いでいく。

提督「危ねーぞこらー!」

……先程の言葉は。

果たしてどういう意味だったのだろうか。



睦月→  232/500

>>1の頭はボロボロ


【8月1週】


提督「……なあ、龍驤」

龍驤「何や?」

提督「…陰陽師ってさ」

龍驤「うん」

提督「負けると脱げたりするの?」

龍驤「…………何言うとんねんこのアホは…」

提督「いや、あの、違うんだって、何だろう、なんつーかさ」

龍驤「そんなエロゲみたいな事あるわけないやろ」

提督「…しかし例え脱げたとしても龍驤じゃサービス不そぐっ!?」

龍驤「……そのまま寝ててええで」

提督「ぐぅ…」




コミュ対象 02:36に一番近いレス


阿賀野  **0/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    247/500
翔鶴    *88/500



阿賀野「きらりーん!」

提督「……おごえっ!?」

それは、近所のコンビニまで歩いていた時のことである。

今日の昼飯は何食おうか、そんな事を思っていたのだ。

当然、後ろから人が飛んでくることなど予測しているはずもなく。

思いっきり前のめりにバランスを崩した。

提督「阿賀野ォ!」

阿賀野「なーにー?」

掛け声だけでわかる、その犯人。

悪びれる様子の一切ない無邪気な笑顔の乳女に、とりあえず怒鳴ってみた。

…効果は無かった。

提督「…はぁ…何してんだ、お前」

阿賀野「んー、歩いてたら提督くん見つけたの!」

提督「そうか、お前は俺を見つけるとタックルするのか、素晴らしいな」

阿賀野「それほどでもー」

照れた風に髪を弄る阿賀野。

…素でやってるのかおちょくってるのか、よくわからん奴だ。

阿賀野「提督くん、お昼ご飯買うんでしょ?」

提督「そうだな、…って、よくわかったな」

阿賀野「それじゃ、折角だし阿賀野と一緒に食べようよ!」

提督「……昼飯?」

阿賀野「うん!」

提督「………」

昼飯か、別に今日は家に帰ったって一人で食う事になるし構わんけども…。

どうにも、財布の中身が不安である。

さて――


>>+4


A.悪い、金が無い。

B.いいぞ。

C.……やめとくよ。

C.……やめとくよ。(*0.5)


…うん。

やめとこ。

提督「……やめとくよ」

阿賀野「えー…?」

明らかに不満そうな様子を隠そうともしない阿賀野。

悪いとは思うが、節約しなければならない部分もある。

阿賀野「お金ないなら出すよー?」

提督「…それは…いや、悪い」

…一瞬揺られてしまった。

しかし、流石にそれは悪い…というか情けない。

阿賀野「ねー、提督くん」

提督「ま、そういう訳で…またな、阿賀野」

阿賀野「あ………もー」

とりあえず、これ以上この場にいるのも―と、足早にコンビニへと向かう。

幸い、後ろから追ってくるようなことは無かった。

――――――――――――

阿賀野「……睦月ちゃんとは行くのになー」

阿賀野「……そっちにはお金使うのになー」

阿賀野「……睦月ちゃんは、ダメだもんね」



阿賀野→  *39/500



【8月2週】


翔鶴「………くー」

お盆。

山に囲まれた親戚の家。

その縁側、影になった場所で、翔鶴が寝ている。

聞こえるのは、扇風機の音と蝉の声。

そして、静かな寝息。

ほんの少しだけ汗が見える首筋。

夏真っ盛りだというのに、褪せぬ真っ白な肌。

息に合わせて盛り上がる身体。

提督「………ああ」

すげー寝起きドッキリしてぇ!

「……息子、何か間違ってんぞ」

提督「あ、母さん、油性ペンある?」

「……やだこの子鬼畜」




コミュ対象 03:08に一番近いレス


阿賀野  *39/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    247/500
翔鶴    *88/500

流石に寝よう
明日は昼間やるかも
お付き合いいただきありがとうございました

あーこの流れは完封かなつまんねーと思いながら見てたらいつの間にか寝てた
そしたらやっぱり完封だった、たまには予想覆してみせろや
始めます



蝉の声が響く、田舎の山中。

墓へと伸びる細い道を、俺達はのろのろと歩いていた。

提督「…ひぃっ!何か変な虫がっ!?」

翔鶴「…お兄さんったら」

ぷしゅー。

目の前を飛ぶ変な虫は殺虫剤を撒かれて地へ堕ちた。ナムサン。

提督「ったくー…これだから嫌なんだよ、此処」

翔鶴「良いじゃないですか、自然って感じで」

提督「自然ねぇ……ふん、自然保護なんて必ずしも良いことじゃねーな」

こんな植物と虫と野生動物達の楽園なんて保護したところで俺にもたらすメリットは想像できない。

いっそ開発してしまえ、綺麗な舗装道を作れ。

翔鶴「やさぐれてますねぇ、何か」

提督「だいたい、翔鶴は嫌じゃねーのかよ」

翔鶴「嫌…ですか?」

提督「そう、普通嫌がるだろ年頃の女の子は!」

そう噛み付いた俺に、翔鶴は笑顔を崩さないままで答える。

真白いワンピースを着て麦わら帽子を被った彼女は、何だかいつもよりも大人びて見えた。

翔鶴「そんなことはありませんよ」

翔鶴「ちゃんと虫除けだってしてますし、さっきみたいに殺虫剤も持ってますし」

翔鶴「それに……」

そこで初めて、言葉を少し濁して。

翔鶴「…お、お兄さんとの、お出かけですから」

頭に被った麦わら帽子を忙しなくいじりながら、続けた。

提督「…変な奴、墓参りだろ、ただの」

翔鶴「それでも、です」

提督「………」

恥ずかしそうに髪や帽子を手で何度も触りながらも、向けた視線は逸らさない。

なんだか、俺のほうが恥ずかしくなってくる。くぅ。

翔鶴「…毎年こうしてお兄さんとお墓参りに行くのは、私の楽しみだったんですよ?」

翔鶴「昔はお兄さん、俺についてこーいなんて言って…ふふ、今より男らしかったです」

提督「……成長したの、ほっとけ」

遂に、俺の方が先に目を逸らしてしまった。くそう。

…そういや、昔からあの親戚の家に行くとこいつといつも遊んでたっけ。

ふむ――――


>>+4

A.……今度どっか出かけるか、ちゃんとしたところに。

B.…さっさと行くぞー。

C.何となく恥ずかしさを誤魔化してみる。

C.何となく恥ずかしさを誤魔化してみる。(*1.0)


………。

提督「…ていっ!」

翔鶴「きゃっ!?」

翔鶴の頭の上、日に照らされた黄金色の麦わら帽子を奪い取る。

そしてそのまま傾斜のある山道を少し駆けて、振り向いた。

提督「はっは!討ち取ったりー!」

翔鶴「…何してるんですか、全く」

もう、と翔鶴が呆れた風に溜息を吐く。

何となく、そんな彼女を見て思い浮かぶ光景。

『…てーいっ!』

『きゃぁっ!?もう!おにーさん!』

明らかに風ではない人為的な力で靡くスカートと、その下に見えた真っ白なワンピースと同じ色の下着。

………。

…まあ、俺も昔よりは進歩したのか…それとも、何も変わっていないのか。

提督「ほれほれ、返してほしかったらこっちまで来いよ、翔鶴!」

翔鶴「…はあ、…お兄さん、首の所に虫が」

提督「嘘ぉっ!?」

慌てて振り返る。

しかし何もいない。

提督「…ほへー…」

良かった、と間抜けに安堵の息を付いていると、後ろから俺を掴んだ暖かい感触。

翔鶴「はい、捕まえましたよ、おにーさん」

もう一度、振り返る。

その先で、俺の服を控え目に掴んだ翔鶴が、子どもっぽく笑っていた。

提督「………わ、わー…捕まっちまったー」

翔鶴「ふふっ」

今度は、誤魔化す方法も無く。

俺は、ただ曖昧に笑うことしか出来なかったのだった。



翔鶴→  165/500



【8月3週】


龍驤「……キミなぁ」

提督「持つべきものは友だな、龍驤!」

俺の前に大量に積み重ねられた教科書やら問題集やらの山。

龍驤さんが有り難くも貸してくれたそれらを、必死こいて俺は写している。

提督「これぞ…夏休み、だな!」

龍驤「……あー…そーかい」

とても微妙な表情で龍驤が答える。

…いやほんとありがとうございます。

提督「あ」

龍驤「…んー?」

提督「龍驤、此処間違ってるぞー…全く、しょーのないやつだぜ」

龍驤「……キミ心の底からムカつくなぁ…」



コミュ対象 23:38に一番近いレス


阿賀野  *39/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    247/500
翔鶴    165/500



睦月「……歩きづらいにゃー…」

提督「慣れねーもん着てるからだろ」

俺達の住む街にとっての、夏の一大イベント。

人、それを夏祭りという。

何てことはない。

出店があって、花火を打ち上げるだけだ。

なのに、アホみたいに混む。

お前ら他に行く場所ねーのかよ。ねーよな、俺もだ。

さて。

そんな中、睦月がやたら歩きづらい歩きづらいと文句を言っている。

勿論人混みのせいというのもあるのだろうが、最大の原因はその格好だろう。

睦月「何ですかその言い方!せーっかくおめかしして来たのにー!」

青を基調として、花の模様をあしらったシンプルな浴衣。

そして、しっかりと履いた下駄。

…そりゃ歩きにくかろうよ。

提督「……まあ、おめかししたっつーのは、認めよう」

睦月「なにゆえ上から目線!?」

提督「…その…普通に可愛いと思うし」

睦月「………にゃ」

…やっと言えた。

会った時から言うタイミングを図っていたのだが、どうにも難しいものだ。

がやがやと煩い喧騒の中で、何故か立ち尽くす俺達。

…慣れない事をするもんじゃねーのは俺もだな。

そんな俺の視界の端に、睦月がス、と手を差し出す。

睦月「……あの…」

小さな身体を緊張したように少しだけ伸ばして、上目遣いで俺を見る。

……む――――


>>+4


A.なんだお嬢ちゃん、お小遣いが欲しいのかい?

B.…その手を、無言で握って歩き出した。

C.……ていっ。ペシー

C.……ていっ。ペシー(*1.0)


提督「………」

とりあえず弾いてみる。

乾いた音とともに、睦月の手が揺れた。

睦月「にゃっ!?」

提督「……ふっ」

睦月「なんで笑ってるんですかー!」

提督「ああいや、綺麗にぱちーんと音が鳴ったなと」

睦月「…提督くん」

提督「………すまん」

どうしてこう俺は恥ずかしがり屋なのか。

もうこういう時誤魔化し方だけを考えてるねいつも。

ベ、別に友達と手を繋いで夏祭りくらいはいまどきの高校生なら普通…普通のはず。

…ああ、無理無理、絶対無理だこれ。

そんな風に頭の中でぐるぐる思考を回していると、急に掌に伝わる体温。

睦月「……で、ではー…行きましょー!」

提督「…お、おう…そう、だな」

強引に俺の手を引いた睦月の掌は、じっとりと汗ばんでいて。

少しだけ、自分の情けなさを恥じた。



睦月→  317/500



【睦月―その2】


「……綺麗だにゃー」

「…そうだな」

暗い、大きな夜空に、大輪の花が咲く。

周りで上がる歓声、少しだけ煩わしい硝煙の匂い。

でも、全部全部、睦月の意識には入らない。

まるで身体の全部の神経がそこに移っちゃったみたいに、握った右手だけに意識が集中している。

空に咲く安っぽいありきたりな花も、今の睦月にとってはただの背景だった。

遂にその花からこっそり視線を切って、横に並んだ彼を見る。

彼の目は、無邪気に夜空のキャンバスを捉えていた。

「……綺麗、だにゃー…」

「…ん?…ああ、そうだな」

繰り返した言葉に、不思議そうな風でもう一度彼が頷く。

睦月が見ていたのは、彼の瞳。

瞳に映った、大輪の花。

それが、夜空に咲く物よりもずっと魅力的に見えたのは。

きっと――――



【8月4週】


提督「夏休みがー…終わるー」

翔鶴「…むー…」

むすーっと、これ見よがしに翔鶴が頬を膨らましている。

先週からずっとご不満顔である。

というのも――

翔鶴「…私も行きたかったです、夏祭り」

提督「だから、悪かったって」

これである。

部活から帰って翔鶴が気持ちよさそうに寝ていたので、起こすのも―とそのまま放っておいた所。

帰ってきてからずっと不機嫌だ。

翔鶴「埋め合わせを要求します、お兄さん!」

提督「…どこに行きたいの?」

翔鶴「…えっと…ど、どこでもいいです」

……どこでもいいのか。

よくわからんやっちゃ。

提督「…まあ、考えとく」

翔鶴「はいっ!」



コミュ対象 00:24に一番近いレス


阿賀野  *39/500
瑞鳳    344/500
龍驤    234/500
睦月    317/500
翔鶴    165/500

ちょい休憩、コンビニまで行ってくる
結局翔鶴もう一体育ててないや、何かねー…

一旦乙

ちなみに龍驤234でなく283じゃね?

>>231
そこに気付くとは…やはり天才か
最近頭ボロボロすぎんだよなぁ
再開



龍驤「……死ねばいい、って思うねん」

提督「は?」

気絶し、倒れた人。

深海棲艦に憑依されていたそれを見て、龍驤はつまらなそうに呟いた。

龍驤「…そりゃー…ウチは仕事でやっとるからな、助けたるけどさ」

龍驤「はっきり言って、ウチ個人の考えで言うなら…死ねばええと思うわ」

―こんな奴、と吐き捨てるように。

ピクリとも動かない人間を指して言った。

提督「…いきなりどうしたよ」

龍驤「自分の思い通りに事が運ばないからって、簡単にこんなもんに頼ったんや…自業自得やろ」

提督「…そりゃ…お前からしてみればそうかもしれんがよ、本人は」

龍驤「……ウチがこうして対処せんかったら沢山の人に迷惑かけるんやで?」

提督「…違うだろ、論点はそこじゃない」

どうしたって思い通りにならなくて。

何に縋っても思い通りにしたくて。

そんな時に、力をチラつかせられたら。

そこに手を伸ばしてしまうんだ。

提督「弱いんだって、普通の人間は」

龍驤「…ウチにはよーわからんわ、そういうの」

龍驤「自慢じゃないけどな、昔からウチは努力だけは人一倍してきた」

龍驤「どうにかならんことがあったら、どうにかしようと一生懸命頑張った」

龍驤「…せやから、こういう楽しようとする奴は大嫌いなんや」

ふん、とやはりつまらなそうに鼻を鳴らす。

提督「龍驤」

龍驤「……すまんな、ただの愚痴や、気にせんでええ」

龍驤「…最近多すぎるもんでな、どうにも気分まで暗くなるわ」

提督「………」

龍驤が、いつもの笑顔に戻る。


>>+4


A.……間違ってるよ、お前は。

B.…皆、お前みたいに出来るわけじゃない。

C.…どうしようもないことだってある。

C.…どうしようもないことだってある。(*1.0)


提督「…どうしようもないことだってある」

例えば、瑞鳳のように。

自分が望んだって、変えられないことだって。

龍驤「…はん、どうしようもない、なぁ」

龍驤「……結局、それにしたって自分で線を引いとるだけやん」

提督「そうかもしれない、でも…」

龍驤「あーええて、もうええ…すまんかったな、変な話題振ってもうて」

提督「……龍驤」

龍驤「…もうええから、ウチにはわからん言うとるやん」

提督「…わかったよ」

手を振って、やめろと促す龍驤。

その様子を見て、思ったのだ。

こいつは、縋らなかったんじゃなくて、縋れなかったんじゃないか、なんて。



龍驤→  308/500



【龍驤―その2】


日常に過ごして、思った事は。

結局、自分は向いていなかったのだという事。

それは、小さな頃から過ごしてきた自分にとっての日常のせいだろうか。

厳しい修行をして、ただ陰陽師となるためだけに生きてきた。

「……向いてへんねんやろな、根本的に」

だから、そう結論づけた。

学生の真似事をしてみて、掴めたのは人の心のよくわからなさ位だ。

「…ま、あと半年ちょいで終わりやしな、この仕事も」

ぱん、と頬を張って気合を入れる。

この仕事をしてきて楽しいと思ったことなんて――

「………ありゃ?」

…楽しいと思ったことなんて。

あいつと過ごした時間くらい、だ。

無為な会話、馬鹿らしいこと。

それをあの時、確かに楽しいと思った。

「…………いやいやいや、ないないない」

頭を思い切りぶんぶんと振る。

ああ。

やはり人の心はよくわからない。

だって、自分の心さえもよくわからないのだから。




【9月1週】


夏休み、終わる。

その知らせを聞いて泣いたのは俺だけではないはずだ。

こんなに苦しいのなら、夏休みなどいらぬ!

そうだ、休みなどなければいい。

毎日が学校ならば、こんな苦しみを味わう必要など無いのだ!

提督「……くく……」

睦月「…何気持ち悪い笑い方してるのですか」

提督「…法を変えよう、睦月」

睦月「目標がデカイ!?」






コミュ対象 01:42に一番近いレス


阿賀野  *39/500
瑞鳳    344/500
龍驤    308/500
睦月    317/500
翔鶴    165/500



屋上、1人になりたいと思ってやってきたこの場所で。

提督「…何でお前が来るんだよ」

阿賀野「えー?」

フェンスに寄りかかって空を見ていれば、いつの間にか隣にこいつが立っていた。

…タイミングの悪い奴である。

阿賀野「それで、どうしたの、そんな思いつめた顔して」

提督「ん、ああ…」

質問に質問で返すな、と言いたいところではあったが、どうせまともに相手なんざしてくれはしないだろうし。

提督「…色々、悩みがあんの」

何といったものか―考えて、結局無難な言い方になる。

阿賀野「悩みー?なになにー?」

提督「…お前はいいよなぁ、脳天気で」

悩みなんて微塵も感じさせない笑顔と乳―は関係ないか。

こほん。悩みなんて微塵も感じさせない笑顔の阿賀野を、羨ましく思う。

実際、言葉を濁したわけではなく、これは本心だ。

色々―その言い方が一番適切であろう。

将来のことだったり、今の事だったり。

色んな悩みが混在して、何に悩んでいるのか自分でもよくわからない。

阿賀野「だーいじょうぶ!なんとかなるってー!」

提督「…すげー無責任なのな、お前」

乳を揺らしながら、阿賀野が胸を張る。

…ちょっと乳見過ぎだな俺。

阿賀野「あのさ、提督くん」

提督「ああ」

阿賀野「…阿賀野は、いつでも提督くんの味方だよ?」

阿賀野「だから、いつでも頼ってね?」

提督「……」


>>+4


A.…気が向いたらな。

B.…すっげー頼りねぇ。

C.…ありがとな。

A.…気が向いたらな。(*1.0)


提督「…気が向いたらな」

阿賀野「よし向こー!」

提督「……はぁ」

どこまでも脳天気なやつだ。

本当に頭の中のネジが何本か緩んでるんじゃないかこれ。

提督「…とにかく、まぁ、どうしようもなくなったら頼るさ」

阿賀野「…うーん…どうしようもなくなれー!って言うのは流石に不謹慎だねー」

提督「それに気付いてくれて助かるよ」

とりあえずそのくらいの常識は残っているらしい。

提督「…っと、そろそろ時間か」

阿賀野「あれ?まだ早いよ?」

提督「ああ、日直で先生からダンボール運べって頼まれてんだ」

阿賀野「へー…手伝おうか?」

提督「いや、そりゃ自分でやるさ」

阿賀野「そっかー…がんばれ!」

提督「おう、サンキュー」

軽く手を挙げて、屋上を後にする。

阿賀野は、扉を閉めるまでずっと俺に向けて手を振っていた。





阿賀野→  *85/500

ここまで
お付き合いいただきありがとうございました



【9月2週】


提督「うーむ」

龍驤「何や、変な顔して」

提督「…昼飯の弁当にさぁ」

龍驤「弁当?」

提督「オムライスが入ってて」

龍驤「はー…豪華でええやん」

提督「…旗が立ってる」

龍驤「……キミの趣味?」

提督「違う、母親の趣味だ」

龍驤「…変なのは、親子通してなんやねぇ」

提督「俺は普通だろ!」




コミュ対象 21:44に一番近いレス


阿賀野  *85/500
瑞鳳    344/500
龍驤    308/500
睦月    317/500
翔鶴    165/500



俺にとって、睦月という少女は一体どんな存在だったのか。

そう問われれば、友達―なのだと思う。

少なくとも、俺はそう思っていた。

だからこそ、戸惑うのだ。

校舎裏、人気の無い場所。

そこで告げられた言葉に。

睦月「……提督くん」

睦月「…もーいっかい、言います」

睦月「好き、です…睦月は、提督くんの事が」

人生で初めて他人から告白を受けてみて。

そこにあったのは、喜びではなく戸惑いだった。

簡潔に言って、どうすればいいかわからない、という状況。

睦月「えと……」

何も言わない俺を不安に思ったのか。

睦月が俺の表情を伺うように背を伸ばす。

提督「あ、ああ…」

かろうじて答えられたのは、そんな短い言葉。

…睦月が?なぜ?いつから?どうして?

相変わらず、困惑という思考に支配された脳内は、ぐるぐると忙しなく回っている。

…答えは、出せるか?

俺は、この少女を、睦月を。

どういう風に、思っている?

………――――――


>>+1-5

A.…好き、なのだろうけど――

B.…時間が欲しい。

C.…あまり、そういう風には。

B.…時間が欲しい。(*1.0)


…ああ。

こんな頭で答えを出せるわけがない。

今だって、ぐるぐる色んな物が回っている。

好きかそうでないか、そんな簡単な二択すらはじき出せない。

提督「…あ、あのさ」

睦月「は、はいっ!」

提督「…時間…くれないか?」

睦月「…時間、ですか?」

提督「もう少しだけ、考えさせて欲しい」

提督「納得できる、答えを出したい…から」

卑怯な言い方だとはわかっている。

睦月「そう、…ですね、それが、いいですよ!」

だって、こう言えば睦月はきっとそう言うと思ったから。

それでも、軽々に答えなど出せやしない。

…臆病、なのだろうな。

恥ずかしそうに笑う睦月を見て、俺はそんなことを考えていた。




睦月→  334/500  

17だけ上昇か…多数決の時の上昇量計算ってどうやるんだっけ?

>>303 多数決でA選んだ人の中央値


【9月3週】


提督「…あのさ」

翔鶴「はい?」

手入れを中の弓に意識を集中させながら、翔鶴が声だけを俺に向ける。

提督「もしさ」

翔鶴「ええ」

慣れた手付きだ。

目を瞑ってでも手入れが出来る―そう言われたって、納得してしまいそうなほどに。

今度俺のもしてくれないかな。

提督「俺がクラスメイトに告白されたって言ったら」

ぼきっ。

…何か、してはいけない音がした。

翔鶴「こここここくはく!?ですかっ!」

提督「…ごめん、冗談」

翔鶴「ほっ…って、ああ、弓が!?」

…相談相手には、不適切なようである。




コミュ対象 22:23に一番近いレス


阿賀野  *85/500
瑞鳳    344/500
龍驤    308/500
睦月    334/500
翔鶴    165/500




休日。

適当にブラブラしながら買い物でもするか、とふらり歩いていた商店街。

その中で――

阿賀野「やー!」

変なのに会う。めんどくさい。

提督「阿賀野、回れ右」

阿賀野「はいっ!」

元気良く答えて、言う通りに回れ右。

俺が言うのも何だが、大丈夫かこいつ。

よし、とそれに背を向けて歩き出す。

阿賀野「ってこらー!」

そんな俺の背中に抱きつくようにして歩みを妨害する阿賀野。

ああ、背中に、背中に乳が押し付けられて振り払えないっ!

…くそう、負けた。

提督「…それで、どうした」

離れろと軽く身体を振ると、阿賀野は素直に手を退ける。

阿賀野「んー…提督くんを見かけたから挨拶しようと思って!」

提督「そうかそうか、挨拶は重要だもんな」

阿賀野「うん、重要だよ!」

提督「では…こほん、こんにちは阿賀野、また学校で」

阿賀野「こらー!」

提督「ぐえっ」

もう一度背を向けて歩こうとすれば、今度は襟を後ろから掴まれて首が締まった。

阿賀野「挨拶だけなのー!?」

提督「…お前はそれ以上の何を求めているというんだ」

阿賀野「もっとこー…この偶然巡りあった事を祝して一緒に買い物とかー」

提督「……一緒に買い物ぉ?」

阿賀野「…凄くいやそーで阿賀野しょっくー」

提督「……うーむ」

阿賀野と一緒に買い物とかめちゃくちゃめんどくさそうだ。

うーむ―――――


>>+4


A.面倒だが、たまには。

B.…そうだな、折角だし服でも見てもらおうか。

C.……嫌じゃ。

B.…そうだな、折角だし服でも見てもらおうか。(*1.5)


提督「…そうだな」

阿賀野「え?」

提督「折角だし服でも見てもらおうか」

丁度俺1人のセンスじゃ不安だったところだ。

今時の学生としてのセンスが期待される阿賀野に付き合ってもらうのも悪くない。

阿賀野「わー…意外」

提督「何だよその言い方」

阿賀野「別にー、そっかそっかー、服かー」

提督「ふっ、俺もそろそろしまむらの鎧から解き放たれる時だと思ってな」

阿賀野「…それで今度はユニクロ?」

提督「……何故わかった」

阿賀野「よーし!この阿賀野さんに任せなさい!」

提督「…まあ、うん、頼りにしてる」

…と、張り切って出かけたのはいいのだが…。

阿賀野のセンス、微妙に古かった。

ああ、もうユニクロでいいや。



阿賀野→  127/500



【9月4週】


提督「秋か」

龍驤「…せやな」

だからなんだ、という目で此方を見つめるのは龍驤。

いや、俺としてもそれ以上の感想なんてものは無い。

…しかし、求められれば応えてしまう。それが俺のポリシーでカリスマ。

提督「…スポーツの…秋、だな」

龍驤「……せやな」

…ああ。

あんまり応えられなかった。

いかん、もっと、もっとこう具体的な…。

提督「そういえば最近の阪神…」

龍驤「…………」

提督「……ごめんなさい」

睨まれた。

…どうにも、不適切な話題だったようで。



コミュ対象 23:06に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    344/500
龍驤    308/500
睦月    334/500
翔鶴    165/500



提督「………ごほっ」

ああ、どうにもならん。

季節の変わり目、何となく半袖でいることを貫いていたのが原因だろうか。

俺は風邪だった。完膚なきまでに風邪だった。

翔鶴「…お兄さん…起きてますか?」

提督「…あー…起きてる」

部屋に入ってきたのは、学校から帰ったばかりなのだろう、制服姿の翔鶴。

右手に買い物袋をぶら下げている。

そのまま近づき、ベッドの側に立って、その袋を漁り始めた。

翔鶴「飲み物、大丈夫ですか?」

提督「…ありがとう」

翔鶴「ポカリとアクエリアス、どちらが良いですか?」

提督「……ぽかり」

翔鶴「はい、どうぞ」

丁寧に飲み口を開けてから、翔鶴が俺に常温のスポーツドリンクを差し出す。

翔鶴「何か食べられそうですか?ゼリーとか買ってきましたけど」

提督「…ん、軽いものなら…でも、塩気のあるもの食べたい」

翔鶴「そうですか、では…お粥でも作りましょうか」

提督「……あーんしてくれるか?」

翔鶴「ダメです、ちゃんと食べて下さい」

提督「…ちぇー」

軽口を飛ばせる辺り、朝よりは元気になったようだ。

温いスポーツドリンクを傾けると、少しだけ身体も軽くなった風な気がした。

翔鶴「では、体温測りましょうか」

提督「…ナースみたいだな、翔鶴」

翔鶴「ふふ、苦しい所はありますか、提督さん?」

そんな言葉に、翔鶴は珍しくノッてきて、体温計を片手に笑顔を浮かべる。

…――


>>+4


A.…ナースさん、股間が…。

B.苦しくはないけど…手でも握ってて欲しいかな。

C.……その姿が、本当に天使のように見えたのだ。

A.…ナースさん、股間が…。(*0.5)


提督「…ナースさん」

翔鶴「はい?」

提督「…苦しいです」

翔鶴「え?ど、どこがですか?」

提督「その……」

指で、下腹部を指す。

提督「ここが…熱くて…」

翔鶴「…………」

途端に、翔鶴の顔が変わる。

温度の無い瞳が、俺を見つめた。

提督「…な、ナースさーん」

翔鶴「…元気みたいですね、無駄に」

提督「あのー」

翔鶴「…お粥作ってきますね、できたら呼ぶので、起きて食べに来て下さい」

提督「えーと」

翔鶴「…あ、もう一本のポカリ、ここ置いときます」

提督「………」

ばたん!

強い力で閉められた扉。

………。

……お粥出来るまで、寝るか。

ぐー。



翔鶴→  197/500



【10月1週】


翔鶴「…………つーん」

提督「…いやほんとすんませんした」

翔鶴さん、ご機嫌斜め。

下ネタはどうも嫌だったらしいです。

提督「…その、翔鶴のお陰で元気になれたしさ」

翔鶴「……お兄さんなんて知りません」

翔鶴「…心配してたのに」

提督「……ごめんなさい」

翔鶴「………ダメです、もうちょっと怒ります」

提督「そんなぁ…」



コミュ対象 23:55に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    344/500
龍驤    308/500
睦月    334/500
翔鶴    197/500


横須賀中央病院。

俺達の街にある最大の病院と言っていいそこは、当然以前から知っていた。

…地下がある、なんて話は生憎知りやしなかったけれど。

受付で地下にお見舞いに行きたいと言えば、最初は当然怪訝な色を見せられた。

だが、龍驤に貰った紹介状を出せば―診察室の奥、地下へと続くエレベーターへと案内してくれた。

そのエレベーターの中、1人呟く。

提督「……本当に、なんつーか」

龍驤の事は、現実で。

俺の日常の後ろにも、色んな物が潜んでいたのだと。

そんな事を思い知らされたのだ。

提督「…お」

ポーン、と軽い音。

目的地に着いたことを知らせるエレベーターの合図。

提督「……っ」

まず、降りて思ったのは、暗さ。

昼間にも関わらず、やけに薄暗い。

光の届かぬ地下の廊下は、まるで世界から切り離された空間のようで。

リノリウムの床に響く自分の足音だけが、やけに大きく聞こえる。

つい振り返った背後で、エレベーターが再び地上へと昇り始めていた。

提督「…ええと…瑞鳳の部屋、は」

…とにかく、進むしか無いか。

感じた不気味さを振り払うように、強引に歩き始める。

一歩を踏み出す度に動く自分の影すらも、少しだけ怖かった。

提督「………ここ、だな」

幸いにも、目的の部屋はすぐに見つかった。

エレベーターのある場所から幾程も歩かぬ内に見えたネームプレートには、しっかり彼女の名前が書かれていて。

提督「…瑞鳳、今、大丈夫か?」

こんこん。二度、病室の白い扉を叩く。

返事は無い。寝ているのだろうか。

…起こしてしまうかも―とも考えたが。

もう一度扉を叩いてから何の反応も無いのを確認して、俺は扉に手をかけた。

瑞鳳「……………」

………そして、その先。

彼女は、起きていた。

しっかりと開かれた瞳。

けれど、その中には何も無い、ただの空洞。

『…2度目、しかも…今回は憑依やったから、な』

龍驤の言葉を思い出す。

希薄だった。死んでいるのだと言われれば納得してしまいそうな程に。

久しぶりに見た彼女は、ただ生きているだけだった。


提督「瑞鳳」

瑞鳳「…………」

反応は、無い。

ベッドの上、上半身だけを起こした彼女はただ壁を見つめている。

まるで、俺が入ってきたことになど、微塵も関心を示していないかのごとく。

いや―気付いていないのかもしれない、単純に。

提督「瑞鳳」

もう一度、名前を呼ぶ。

瑞鳳「……………?」

今度は、ゆっくりと首を動かした。

…夏休み前の彼女の顔を、そんなに詳細に覚えているわけではないが。

以前よりも頬がこけ、明らかにやつれている。

その顔全体が、陰に包まれているかのように。

瑞鳳「……あ…」

そして、空洞が俺を捉える。

数瞬遅れて表れたのは、怯えか恐怖か、そんな色。

瑞鳳「…………やだ」

提督「…ず、瑞鳳?」

瑞鳳「…やだ、…やだ、やだっ」

瑞鳳「……私、やだ、こんなの、嫌、で」

声も、動きも小さい。

首を小さくふるふると振るだけで、声に至っては耳を澄まさないと聞こえない程だ。

でも、彼女は俺に明らかに怯えて、拒絶していた。

瑞鳳「…何で、皆、裏切って」

瑞鳳「信じてたのに、私、信じてたのに」

瑞鳳「なんで、やだよ…こんなの、もう、やだよ…」

空洞から、一筋、水が溢れる。

瑞鳳「……私、いらないんだ」

瑞鳳「…私なんて、いらないんだ」

提督「なあ、瑞鳳、何を――」

瑞鳳「…だって、しあわせになれないもん」

瑞鳳「誰も、私の事…誰も、誰も…」

…彼女が、何を言っているのかはわからない。

だけど、ただただ、彼女は悲しそうに見えた。

何かに怯えて、何かに縋りたいように見えた。

…俺は――

>>+1-5

A.俺には、お前が必要だ。

B.…ただ、見ている事しか出来なかった。

C.……帰ろう。

C.……帰ろう。(*0.5)


…立ち上がる。

瑞鳳は、まだ泣いている。

空洞から流れる雫は、ひたすらにベッドのシーツを濡らしていた。

掛ける言葉、そんな物は無い。

だって、何を言えばいい?

どんな事を言って、彼女に向きあえばいい?

彼女のことなんて、俺には何もわからないのに。

何もわからないから。

時間を置くのだ。

ただ、それしか出来ないから。

提督「……また、来るよ」

きっと、聞こえてなんていない。

そんな事は、俺にだってわかっていた。

啜り泣く声だけが、背後で響いていて。

病室の扉を開ける。

視界に広がった廊下は、さっきよりも暗く見えた。





瑞鳳→  378/500

休憩
ちゃんと意見を取り入れたので一発ではならんよ
あとたとえ選択肢から消えても続行するよ



【10月2週】


秋。

その日はまさに秋という日だった。

身体を撫でる、肌寒い風。

それをやけに寒く感じる日だった。

提督「…さみーなぁ」

翔鶴「…風邪、ぶり返したんですか?」

提督「……いいや、そういうのじゃない」

翔鶴「……?」

…心の中を、覗けるような。

そんな機械が、欲しかった。





コミュ対象 01:24に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    378/500
龍驤    308/500
睦月    334/500
翔鶴    197/500

龍驤だね
すまん、眠いです
ここまでにさせてください
お付き合いいただきありがとうございました

まあ正直下○の方が楽だからそうしたいけどさ
始める


『…ちっと待っときや』

いつもの放課後の見回りの途中、急に神妙な顔になった龍驤。

彼女は俺に来るな、とだけ言って、その姿を消した。

提督「……トイレか?」

…とりあえず、思い当たることはそのくらいしかない。

まあ生理現象なら仕方ねーか、と大人しく待っていたのだが、龍驤は一向に姿を現さず。

提督「…遅い」

便秘か、とか言ったらぶん殴られそうだけど。

路地裏にひとりポツンと取り残された俺は、やることもなく。

手慰みに弄っていたスマホの充電を10%程消費したところで、やっと後ろから声がした。

龍驤「……あー…すまんかったな、手間取ってもうた」

提督「ああ、別に―――っ!?」

思わず、言葉を失う。

片足を引きずって此方に歩いてくる彼女の服は擦り切れ、肌の見える部分にはほぼ傷が付いていた。

提督「お、おい!?」

龍驤「…うっさい、あんまり大声出さん取ってくれや、頭に響くから」

提督「……いや…そうじゃなくて、どうしたんだよ!?」

龍驤「…だーから、大声出すなっちゅーに」

立ち上がった俺に構わず、龍驤が地面に転がる。

龍驤「……大物やった」

提督「…大物…って、深海棲艦…か?」

龍驤「…ああ…遂に、姫まで顕れるようになったわ」

提督「姫…?」

龍驤「…ただの分類や、分類…そう呼ばれる大物がおるってだけや」

龍驤「ちゅーても、ここまでやられたんは…ちっと誤算やったね」

提督「…ああ、そうだ!傷!とにかく病院に…!」

龍驤「…治癒の術を使うから、平気や」

提督「……そんなものまであるのか」

龍驤「…ま、長い歴史が色々積み重ねて来たんよ」

龍驤「せやけど、これ使っとる間は動けんからな…その間、ちっと周り見とってや」

提督「あ、ああ…」

毎度の如く札を天に掲げれば、光が龍驤を包んだ。

痛々しい生傷に、光の筋が入り込んで行く。

龍驤「……沿岸再開発、だいぶ進んだみたいやな」

提督「…ああ、埋め立ては終わって、大規模ショッピングモールの建設に移ったって、ニュースで」

提督「……それが原因、…だよな?」

龍驤「ああ、せやろな」

提督「…だったら」

龍驤「…ん?」

提督「だったら、これからはずっとお前はそんな風に戦うのか?」



龍驤「…大丈夫や、今回はちょいと不覚を取っただけやから」

提督「今回はそうなのかもしれないけど…」

提督「でも、毎回毎回そんな強い奴とやってたらよ、もしかすると今回より酷い結果になることだって」

龍驤「……つっても、それがウチの仕事やからな」

提督「…仕事じゃなくてさ、もっとこう…」

龍驤「ああ、キミは心配せんでええ」

龍驤「…もう、ここらでキミの仕事は終わりや」

提督「え?」

龍驤「だいぶこの街の地形やらなんやらも覚えたしな」

龍驤「こっから先、流石にキミを巻き込むわけにはいかんから」

提督「…終わり、って」

龍驤「…そのままの意味、今まで協力ありがとうございました、や」

提督「………」

龍驤「……というか、迷惑や、はっきり言って」

龍驤「今のウチの姿を見てわかったと思うけど、正直これからキミを守りながら戦える程の余裕は無いかもしれん」

龍驤「せやから…ま、そういうことや」

提督「………」

言外に。

邪魔だ、と言われているらしい。

勿論、言わんとすることはわかる。

けれど…それでも、自分に出来る事を探してしまう。

…傷だらけのこいつを見て、1人にさせたくないと思ってしまう。

……――――――



>>+1-5


A.嫌だ。

B.……俺に、何か出来ることは――

C.……わかった。

A.嫌だ。(*1.5 最低値401)


提督「嫌だ」

龍驤「はぁ?」

何を、という表情を浮かべる龍驤。

畳み掛けるように、俺は続ける。

提督「…1人にさせたくない、お前を」

龍驤「……何言うとんのやいきなり、アホか」

龍驤「いいか、ウチはキミよりずっと強いんや」

提督「…知ってるさ」

龍驤「せやったら――」

提督「それでも」

提督「…それでも、1人にさせたくない」

頼って欲しいとか、そんな傲慢な事は言えないけれど。

ただ、側にいたかった。

目を離してしまえば、いつの間にか消えてしまいそうなこの少女の。

龍驤「……アホか」

提督「…アホで良いさ」

龍驤「……とりあえず、顔、近い」

提督「と、わ、悪い」

龍驤「……死んでも、知らんで」

提督「…大丈夫、俺は天才陰陽師だからな」

龍驤「は、死ぬ間際でもその減らず口を叩けるか試してみたいもんや」

回復が終わったらしい龍驤が立ち上がる。

その右手を、俺に差し出した。

龍驤「…せいぜい死なんよーに、な」

提督「お前こそ」

龍驤「……ホンマどっからくるねんその自信…」

俺は、しっかりと手を取った。

龍驤は、笑っていた。



龍驤→  401/500



【龍驤―その3】



「…………うあー」

人の気持ちはよーわからん。

あいつの気持ちは本当にわからん。

そして、自分の気持ちが一番わからん。

本来なら、あり得ない事。

協力にしたってそう、もう少し早めに打ち切るべきだった。

なのに、ここまで引っ張って。

その上、まだ協力したいと言ったあいつの言葉を、あろうことか受け入れてしまった。

結局、単純な話で。

あいつが側にいる時間を、自分は捨てたくなかったのだろう。

そんな自分の気持ちが、わからない。

「…つーか」

「……わからんふり、なんやろなぁ」

ただのひとつの知識くらいには知っていて。

自分には縁が無いと思っていた気持ち。

それを認めたくないというか、認めたら何となく悔しいというか。

「…………………」

…まぁ。

恥ずかしくて、どうしてもその言葉を口には出せなかったけれども。

龍驤に関しては詰め込みすぎて端折りすぎて全然書きたいように書けてないというか、なんかごめんなさい
もうこいつだけ1000くらいにしとけばよかった


【10月3週】


提督「……」キリッ

提督「……」スチャッ

翔鶴「……………」

「ね、ねぇ…翔鶴さん」

翔鶴「…はい」

「…提督先輩、何でさっきから弓持って変なポーズの練習してるの?」

翔鶴「…つ、強くなるため…らしいです」

「…………」

翔鶴「……い、いえ…私もさっき聞いて言われたことをそのまま言っただけですから」

「………そう」

提督「……うーん」

提督「……このポーズのほうが強そうかな」チャキッ

提督「…いやこの構えが」スッ



コミュ対象 23:20に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    378/500
龍驤    401/500
睦月    334/500
翔鶴    197/500


わあ、と。

弓道場の至る所から歓声があがる。

文化祭、我が弓道部は広報と宣伝の為に弓道場を開放していて。

そこには、沢山の人が詰めかけていた。

目的は――

翔鶴「…………」

翔鶴が弓を引く。

二射目も、最初と同じように的のど真ん中へと突き刺さる。

もう一度、湧き上がる歓声。

中には、口笛を吹いたりする者までいる。

…だから、入場制限くらいかけろと言ったのに。

翔鶴「…………」

そんな中でも、全く集中を切らさぬ翔鶴の第三射。

やはり、先の二つと同じように真ん中へ。

残心の後、大きく観客へ礼をすれば、また歓声が湧いた。

弓の腕と、容姿。

二つの理由で選ばれたこの役目であったが、どうやら大成功のようだった。

中学時代からやっていた弓道、名を知られていた彼女目当てにやってくる客。

その容姿を聞きつけて一目見ようとやってくる客。

どちらも盛り上がっていた。

…盛況なのは結構だが、俺としては全く面白くない。

まるで翔鶴がただの見世物のようで、非常に腹立たしい。

……なんてことを思うのは、俺の小さな嫉妬心だろうか。

提督「…こんな事やったって、部員は増えねーと思うんですけどねぇ」

「しかしだな、まずはこうして認知度から上げていくのが大事だと思わないか?」

提督「……そうかもしれねーっすけど」

隣、男子部の部長にちょっと毒を吐いてみれば、正論で返される。

そりゃそうだろうさ、弓道部員を増やすならまずは知ってもらわなきゃいけないと思うよ。

でも、それで翔鶴目当ての奴なんかが入部してきた日にゃ――

翔鶴「お兄さん」

提督「…お、ああ、どうした?」

翔鶴「…いえ、えと…その…もし…お暇、なら」

何かを言いたそうに、翔鶴が手を擦り合わせる。

…ふむ――


>>+4

A.…ああ、さっきの、いい演技だったぞ。

B.……えーと…どうした?

C.……文化祭、一緒に回るか?

B.……えーと…どうした?(*0.5)


提督「……えーと…どうした?」

翔鶴「…いえ…その…」

「ああ、翔鶴さん」

翔鶴「…はい?」

はっきりしない態度の翔鶴に聞き返すと、割って入ってきたのは部長。

「さっきの、まだ見たいって人がいるみたいなんだ」

翔鶴「え?」

「いや、ここ結構狭いから、どうしても入れない人が出てね」

「…それで…午後からも良かったらもう一回演技して欲しいなと思うんだけど…」

提督「ちょ、部長」

「…どうかな、翔鶴さん?」

翔鶴「………はい、問題ありません」

「いやー、助かるよ!ありがとう!」

提督「…ちょっと、翔鶴にも都合が…」

翔鶴「…大丈夫ですよ、お兄さん」

心配しないで下さい、と笑う翔鶴は。

やはり、何か言いたげな瞳をしていた。

…けれど、きっとこいつはこの頼みを断れないだろうから。

提督「…そうか、無理はするなよ」

翔鶴「…はい」

言えたのは、これだけだったのだ。



翔鶴→  205/500



【翔鶴―その1】


「…………ふっ!」

弓を射る。

慣れた動作。

何度も、何度も昔から繰り返してきた動作。

矢が、的に刺さる。

それを確認して、まず瞳を動かした先は。

「……お兄さん」

小さく口の中で、慣れ親しんだ呼称を呼ぶ。

彼が見ているのは、的に刺さった矢。

『凄いなぁ』

口が、そんな風に動いた気がした。

……。

弓道場の至る所で上がった歓声よりも。

私にとっては、その言葉が嬉しかった。

2本目の矢を取る。

それが少しだけ急ぎ気味の動作になっているのに、自分でも気づけなかった。



【10月4週】



提督「……ふぃー…」

龍驤「…寒そうやなぁ」

提督「…今年は異常気象じゃ、もう寒いなんて」

龍驤「毎年こんなもんやろ」

提督「…そんなもんかね」

龍驤「……ん」

提督「……?何だ?手?」

龍驤「…ウチも寒い」

提督「……ああ、暖かい缶コーヒーでも買ってこようか?」

龍驤「何でそーなんねん!」

提督「……?」



コミュ対象 00:24に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    378/500
龍驤    401/500
睦月    334/500
翔鶴    205/500

風呂
関係無いんだけどやっぱりグリエルって至宝だわ




睦月「…あの」

提督「……おう」

睦月「にゃは…えっと、ごめんなさい」

気まずさを誤魔化すように一つ、睦月が笑う。

…というのも。

俺は睦月に早く返事が欲しい、と呼び出されたのだ。

…まあ、当然か。

ここまで引っ張って、まだ返事を考えてない、などとは。

誰が思うであろう。

睦月「な、なーんか急かしてる、みたいだけど…」

睦月「…もうそろそろ、答えは固まったかなって、思ったのです」

睦月「も、勿論!絶対に言って欲しい、ってわけじゃー……ない、けど」

答え。

俺がずっと考えていた事。

…それは――――



>>+1-5


A.睦月の告白を受け入れる。

B.まだ、時間が欲しい。

C.……ごめん。

ア艦これ

A.睦月の告白を受け入れる。(*1.5 最低値401)


…睦月が隣にいる、日常。

それはきっと、俺にとって何より代えがたい、そんな物で。

提督「…睦月」

睦月「…は、はいっ!」

提督「お前に告白されてからさ、一ヶ月くらい…全然、話してなかったよな」

睦月「……?…そ、そうですね」

提督「…何かさ、…すっげー寂しかった、その間」

睦月「はえっ?」

提督「…寂しくて、考えたんだ」

提督「……何が足りないのか、って」

一歩、踏み出す。

それに睦月が身体を固くした。

俺より、かなり小さなその身体。

無遠慮に、抱き締める。

睦月「……え!?」

提督「…お前が、隣にいないから」

提督「…だから、きっと寂しかった」

睦月「あ、あのあの!?…あの、えと、つ、つまりー…」

提督「俺も好きだ、睦月」

提督「…こんな俺で良ければ、付き合って欲しい」

睦月「………」

提督「……む、睦月?」

反応が無い睦月を見る。

その瞳は、溢れんばかりに潤んでいた。

睦月「……提督くぅん……」

提督「…な、何で泣くんだよ」

睦月「…う、嬉しくてっ、嬉しくて、よく、わかんないにゃー……」

提督「……変な奴」

ぽん、と頭に手を置く。

それに、睦月が涙を拭って濡れた手を重ねた。

…それは冷たいのに、何処か暖かかったのだ。



睦月→  401/500



【睦月―その3】



日常における、何よりの幸福。

そんな事を聞かれて、恋と答えるのは、あまりにも普通だろう。

ありふれていて、誰でも答えそうなそんな答え。

でも、それはきっと悪いことなんかじゃない。

皆がそれを幸せだって思うから、皆がそう答えるんだ。

普通で、ありきたりで、どこにでもある。

そんな幸せ。

睦月は、それを掴みました。

「………にゅふふー…」

「…変な顔」

「…にゅふふー…」

「…聞いてねえし」

…ああ。

睦月は幸せです。

どこから見ても、どこを取っても。

普通に、ありきたりに、どこにでもあるように、幸せです。

「…ね?提督くん?」

「…お前は俺に心を読めというのか」

「です!」

「胸を張るな胸を、無いぞ」

「…これから成長するんだにゃー…」



【龍驤―特殊1】



「…去ねっ!」

深海、と。

その名を冠する鬼へ、思い切り札を叩き込む。

それは、光の粒となって、天へと昇っていった。

「……はぁ」

…今日は、無駄に消費が多い。

使わなくていいような道具まで持ちだしてしまった。

「…ストレス発散」

きっとわかっている目的を、口にしてみる。

ではそのストレスはどこから来たのだろうか。

『あ、龍驤―』

『いや、実はな―』

……。

「………けっ」

疲労の溜まった身体を、乱暴に地面に投げ出した。

ああ、やはり。

自分の気持ちなんて、わからない。

今まで、1人で戦うことが当たり前で。

そのままでいいと思っていたのに。

「何が、1人にさせたくない、や」

「…約束くらい、守らんかい」

…今、隣に誰もいないこと。

それに、どうしようもなく腹が立った。

盛り上がって参りました



【11月1週】



提督「……むむ」

睦月「…?なんですかー?」

提督「…いや…睦月と登校するのが久しぶりでさ」

睦月「ふっふー、もしかして軽く感動でもしちゃったのかにゃー?」

提督「…すっげーちんちくりんだこいつって思った」

睦月「………うがー!」

提督「わ、こら!来るな!噛むな!」






コミュ対象 01:31に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    378/500
龍驤    401/500
睦月    401/500
翔鶴    205/500




翔鶴「…ふぅ」

提督「……どしたよ、翔鶴」

翔鶴「わっ、お兄さん」

弓道場の隅。

地面にぐるぐると指で模様を描きながら俯く翔鶴。

そんな彼女に声を掛けると、びくっと身体を跳ねさせた。

翔鶴「……いえ、何でもありませんよ」

提督「…つってもなぁ」

よいしょ―とは言わないが。

その横に、どかっと腰を下ろす。

提督「…何か最近、溜息が多い気がしてな」

提督「悩みでもあるのか?」

翔鶴「………」

俺の言に、少しだけ翔鶴の表情が陰る。

翔鶴「…何でもありませんよ」

一拍置いて紡がれたのは、先程と同じ言葉。

提督「……そうか」

…そろそろお兄ちゃんに相談してくれなくなる時期か。

そんな事を考えると、少しだけ寂寥が胸に湧く。

…だが、それも普通…いや、むしろ少し遅いくらいか。

………仕方ない。

提督「…ま、何か力になれることがあれば、いつでも言ってくれ」

翔鶴「………はい」

再び立ち上がる。

思いの外、短い休憩になってしまった。

さて、練習に戻るか―と、歩き出した時。

後ろから、翔鶴が俺を呼んだ。

翔鶴「……お兄さん」

提督「…ん?」

翔鶴「……これは、仮に―そう、あくまで仮のお話です」

提督「…あ、ああ」

翔鶴「……私が、もしお兄さんの従妹じゃなくて」

翔鶴「…もし、貴方の…友達で」

翔鶴「…私が、貴方に告白なんて、したら…えっと…ど、どう返事してくれますか?」

提督「んー……よーわからん話だが――

>>+4

A.…受けるんじゃないかな?

B.…全然、想像できない、ごめん。

C.…きっと、俺じゃ釣り合わないな、はは。

C.…きっと、俺じゃ釣り合わないな、はは。(*1.0)


提督「…そりゃあ…きっと、俺じゃ釣り合わないな」

翔鶴「え?」

提督「翔鶴にはもっと良い人が見つかると思うよ」

あれだけの観衆に囲まれて尚、堂々とした彼女。

その隣に自分がいる姿など、想像すらできない。

寂しいが、あくまで親戚という関係があるからこそ、彼女と俺は仲良く出来ているのだと思う。

翔鶴「…お兄さん」

提督「つまりな、翔鶴」

提督「そんだけお前が魅力的だ、ってことだよ」

提督「…だから、何に悩んでるかは知らんけどさ」

提督「うん、お前の魅力ならなんとかなるって!」

…我ながら、すげー適当な助言。

しかも言うだけ言って去る。

…最悪の相談相手である。

翔鶴「……他の誰か、なんて…意味、無いんです」

提督「…ん?」

翔鶴「…ああ、いえ…何も」

翔鶴「…ごめんなさい、変な事を」

提督「いやいや、俺こそ適当ぶっこいて悪かった」

提督「…でも、翔鶴は本当に魅力的だと思うぞ?」

翔鶴「……ありがとうございます」

翔鶴「…嬉しい、です」

嬉しいと言いつつも。

やはりその表情に浮かべた曇りは、晴れぬままであった。

…深刻な悩み、なのだろうな。

……もうちょいまともに考えろよ、俺のアホ。



翔鶴→  270/500



【11月2週】


睦月「……ふんふんふふ~ん♪」

提督「ご機嫌だなぁ」

睦月「それはつまり!睦月の手が提督くんの手に包まれているからです!」

提督「…あったけーのな、お前の手」

睦月「…にゅふー、ぽかぽかですよー」

提督「俗に言う子ども体温か」

睦月「にゃんですとー!」

龍驤「……仲、ええなぁ」

提督「…そうかね?」

龍驤「…手、か」

提督「……ん?」

龍驤「…いいや、何でもあらへん」





コミュ対象 02:10に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    378/500
龍驤    401/500
睦月    401/500
翔鶴    270/500



睦月と付き合い始めても、世界が劇的に変わるわけじゃない。

世界は変わらず回っているし、空の色は青色だ。

変わるのは、俺達の間の小さな関係。

例えば、手を繋いで登校したりだとか。

昼飯の時の互いの距離が、少しだけ縮まったりだとか。

そんな事だけが変わって。

そんな事だけで、幸せだったんだ。

睦月「はい、提督くん、あーん」

提督「……睦月、ここ、教室、おーけー?」

睦月「…あーん!」

提督「…ひあいずくらするーむ、おーけー?」

睦月「…あーん!!」

提督「あー…Hier ist……むぐっ!?」

口に何かおかずを突っ込まれた。あ、美味しい。

睦月「ふふん、力作ですよー」

提督「……んぐ、うん、美味いなこの唐揚げ」

睦月「甘酢ソースが決め手だにゃー」

提督「そうか、勿論お前のお母さんが作ったんだろ?」

睦月「……ソース混ぜたもん」

提督「はいはい、偉い偉い」

もうなんかヤケクソである。

教室でイチャつくカップルなんて死ねばいいと、俺も思っていた時期があったよ、うん。

…あー俺幸せ。皆にもわけてあげたい。

でもほら、それは出来ないからさ、せめて見せてあげるよってか、ウザいな俺。

睦月「…提督くんはー…いまいち、前と変わらない気がするにゃー」

提督「…変わらないって?」

睦月「なんかー…あんまり、付き合ってるっぽくない、というか…」

提督「…ふむ」

難しい要求をする。

これでも確実に距離を縮めているじゃないか。

だというのに何だその言い草は。

提督「…じゃあ逆に、付き合ってるっぽいって何だよ」

睦月「そ、…それは…色々あるじゃないですかー!」

…うーむ…何をしろっつーのさ――


>>+4


A.あーん、し返してみる。

B.よくわかんねーからほっぺたをひたすらむにる。

C.……わからん、飯食おう。

A.あーん、し返してみる。(*1.5)



提督「………」

目の前の、自分の弁当。

その中の一つ、卵焼きを摘む。

提督「…ほれ」

睦月「……?」

提督「あーん」

睦月「……あーん…んむ」

割合大人しく素直にそれに睦月が口を伸ばした。

ゆっくりと咀嚼し、大きく喉を鳴らす。

睦月「…うん、美味しいです!」

…どうやら、満足なようである。

しかし…。

提督「…これ、付き合ってるっぽいか?」

睦月「にゅふー、重要なのは気持ちですから」

提督「気持ち?」

睦月「提督くんが、そういう風に睦月に歩み寄ってくれたことが何より重要なんです!」

提督「……わっかんねー」

…まあ。

こうして、一歩一歩詰めていくのが。

俺達らしいのかもしれない。

睦月の笑顔に、そんな事を思ったのだった。



睦月→  461/500



【龍驤―特殊2】


…なあ。

それは、ウチに見せつけとるんか。

………そんな事を思った。

馬鹿らしい思考だ。

何処までも幼稚だ。

幼稚で、ひとりよがりで、自己中心的な。

教室で昼飯を食べるのを、ずっと見ていたのは自分なのに。

その責任を、相手に押し付けていた。

押し付けなきゃ、おかしくなりそうで。

…わからない。

自分の気持ちなんて、わからない。

わかったのは、ふたつ。

この気持ちの強さと、自分の我儘さ。

…ああ。

どこからだろう。

どこから、自分はこんなに弱くなったのだろう。

誰の支えもいらないように、過ごしてきたのに。

或いは。

…ずっと、誰かを必要としていた気持ちを隠していただけなのだろうか。



【11月3週】


提督「寒い」

翔鶴「この時期の弓道場は辛いですねぇ」

提督「…うーむ、暖房を付けて欲しい」

翔鶴「…意味ないと思いますけど…」

提督「床暖房!」

翔鶴「…なるほど、そう来ましたか」

翔鶴「ですがとりあえず…その、練習、始めませんか?」

提督「……床暖房ができたら考える」

翔鶴「………」ガシッ

提督「…わーまって引っ張らないでー」ズルズル




コミュ対象 02:48に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    378/500
龍驤    401/500
睦月    461/500
翔鶴    270/500

流石にそろそろ眠い
今日はここまで
お付き合いいただきありがとうございました

すまんな、もう弓道については書きません、すっぺいんってレベルじゃないねもう
始めます

ヒヤウィゴー



翔鶴「……はあ」

あれから。

家でも、翔鶴は浮かない顔をすることが多くなった。

原因は、やっぱり教えてはくれない。

ただ、何でも無いと曖昧に笑うばかり。

人とは不便な物だと思う。

こんな時、苦しんでいる彼女に何も出来ないのだから。

彼女の心の内を、何一つ理解することが出来ないのだから。

提督「…なあ、そのさ…そんなに悩んでるんだったら、せめて少しくらいは話してくれないか?」

翔鶴「………ごめんなさい、…こんなあからさまに落ち込んで、不快にさせたでしょうか」

提督「そういう事じゃない、ただ、心配なだけなんだよ」

翔鶴「…ありがとうございます」

でも―と、続ける。

翔鶴「……お兄さんには、お兄さんだけには、相談出来ません」

提督「…どうして」

翔鶴「………っ」

俺の言葉に、翔鶴が唇を噛む。

その僅かな沈黙の後に、小さく漏らした。

翔鶴「…言ってしまえば」

翔鶴「言葉に出してしまえば―」

翔鶴「……きっと、止まらなくなります」

提督「……止まらない?」

翔鶴「…ごめんなさい、変な言い方をして」

話はこれで終わり、とでも言いたげに。

翔鶴が、俺から視線を外した。

その言葉の意味は、良くわからない。

…わからないが――



>>+4


A.…それでも、聞きたい。

B.…そこまで言うなら、触れないでおこう。

C.…まぁ、気が変わったらいつでも相談してくれ。

A

時間安価狙いの潜水艦が潜んでいるのか本当に人が少ないのか

A.…それでも、聞きたい。(*1.5)



提督「…それでも」

提督「それでも、聞きたい」

翔鶴「…………」

どんな話なのか、なんて。

聞いてみなければ、何もわからないのだ。

翔鶴「………ごめんなさい」

けれど。

やはり翔鶴は、そう小さく謝るだけで。

翔鶴「…やっぱり、言えません」

提督「……そうか」

半ば予想していたその答え。

結局、何もわからずに。

膨れ上がるのは、疑問ばかりであった。




翔鶴→  338/500  




【翔鶴―その2】


押し込めた気持ち。

言えない言葉。

もう、それに意味は無い。

お兄さんは、睦月さんと付き合っているのだ。

そこに私が入る隙間はなく。

だから、気持ちに意味は無い。

だって、実ることはないから。

実るのを夢見て、ただ腐っていく気持ちなど。

…意味は、無いのに。

「……お兄さん」

そんな意味の無い気持ちを、いつまでも捨てられなくて。

むしろ、今になって溢れそうになっている。

いっそ。

何もかも、忘れてしまいたかった。



【12月1週】


師走。

寒い。

超寒い。

袖の先から出した掌が凍りそうだ。

提督「……手袋買おう、今度」

睦月「むしろ、今まで持ってなかったのですかー?」

提督「…サイズ小さくなってなぁ」

睦月「なるほどー…じゃあ、今週末にでも」

提督「ん、アドバイス頼む」

睦月「ピンク色が似合うと思います!」

提督「…もうちょっとおとなしい色にしてくれ…」





コミュ対象 22:40に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    378/500
龍驤    401/500
睦月    461/500
翔鶴    338/500

しょうかく

この人数でキャラ安価まで持っていけば確実に各1人ずつ取れるんだけどなぁ


病院。

暗い部屋。

虚ろな彼女。

提督「………」

瑞鳳「………」

以前来た時と、何も変わっていないように思える、その場所に。

また、俺は立っていた。

しっかりと目を開いているはずなのに、何にも捉えていない瞳。

彼女はやはり、俺の来訪には気付かない。

提督「…瑞鳳」

瑞鳳「………?」

だから、なるだけ優しく名前を呼ぶ。

…以前の彼女について、看護師さんは。

「発作のような物」だと言っていた。

基本的に虚ろにぼーっとしているだけの彼女が、時折起こす発作。

もし、また彼女が俺を見てその発作を起こしたのなら。

あの時偶然それが起こったのではなく、…その発作の原因が、俺だということになるのだろう。

あの怯えた色は、俺に向けていた物だということになるのだろう。

…そして、その予想は。

瑞鳳「……ひっ…」

当たって欲しくないその予想は、的中することとなる。

提督「瑞鳳」

瑞鳳「…や、やだ…嫌」

提督「…なあ、瑞鳳」

足を踏み出して、近付く。

身動きの殆ど取れないベッドの上で、瑞鳳が必死に身を引いた。

提督「…何で」

瑞鳳「………裏切るから」

瑞鳳「……皆、裏切るから…」

瑞鳳「…貴方だって、変わらない」

瑞鳳「……やだ、私は…私はもう、こんな世界にいたくない」

瑞鳳「……誰も、…誰も私に…」

提督「…俺は、お前を裏切ったりなんて!」

瑞鳳「……………」

そこで、瑞鳳の意識が明らかに飛んだ。

瞳が、ただの空洞に戻っている。

…俺は――

>>+1-5

A.瑞鳳を抱き締める。

B.……帰ろう。

a

やったね睦月ちゃん!ライバルが増えるよ!

A.瑞鳳を抱き締める。(*1.5 最低値401)

―瑞鳳。

俺は、彼女の事をあまり知らない。

知っているのは、卵焼きが好きだとか、実は結構おっちょこちょいだとか。そんな、浅い事だけ。

だから、彼女が何を恐れているのか。彼女が何を考えているのか。

…いくら考えても、それはわからなくて。

でも、それでも――

提督「……瑞鳳っ!」

瑞鳳「……」

消えてしまいそうな、虚ろな彼女を抱き締めた。

思いっきり、力を込めて。

お前は必要なんだと伝えるように。

まるで、何処かへ行ってしまう瑞鳳をこの場所に引き止めるように。

提督「…俺は、お前を裏切ったりなんかしない!」

瑞鳳「…………嘘」

返ってきたのは、短い拒絶。

空洞が、俺を見た。

瑞鳳「…嘘だ、だって、貴方は私を裏切ったもの」

提督「そんな事は…!」

瑞鳳「皆、私をそうやって騙して裏切るの」

瑞鳳「…誰も、誰だって、私を」

提督「……嘘なんかじゃない!」

瑞鳳「……もういい、もう、いいの」

瑞鳳「…私は、やっと、全部諦められるの」

瑞鳳「…それで――」

言いかけた瑞鳳の口を。

自分の唇をぶつけるようにして、塞いだ。

提督「良い訳、あるかよ……俺はまだ、お前に返事もしてなかったのに」

…脳裏に浮かんだ、無邪気な笑顔の少女。

その顔に、ごめん、と一言呟いて。

提督「勝手に諦めないでくれよ、瑞鳳…」

提督「…必要なんだ」

提督「他のだれでも無くて、お前が」

提督「…だって―」

あの告白の答えは、きっと俺の中で既に決まっていたから。

睦月の告白にあれだけ悩んで、結局曖昧な答えを出したのは。

提督「…俺は、瑞鳳が好きだから、好きになったから」

提督「お前に、ここにいて欲しいんだ――」

虚ろな空洞に、色が灯った。


瑞鳳→  401/500

素直に2レスにすべきじゃったか、しかしなぁ
お風呂

一旦乙

提督「俺も睦月が好きだ」→提督「瑞鳳の事が好きだったんだよォ!」
これはクソ提督ですわ(歓喜)

そういえばどっかで「ヒロインは先に告白したほうが負け」ってのを聞いたことがある



【瑞鳳―その3】



ずっと、沈んでいた意識。

暗い、暗い場所に、沈んでいた意識。

それは、乱暴に掴まれた。

そのままゆっくりと沈んでいこうとしたのに。

無理矢理に、引き上げられて。

『嘘なんかじゃない』

『…裏切ったりなんかしない』

『…瑞鳳が、好きになってたんだ』

「……ていとく、くん」

真剣だった。

目の前の彼は、どこまでも。

……そうだ。

…信じてあげられなかったのは、もしかして。

私の方だったのかもしれない。

あの時だって、事情も聞かずに。

「…信じても、いいのかな」

もう一回だけ、信じてもいいのかな。

もう一回だけ、信じさせてくれるのかな。

彼は何も言わず、私を抱く手に、もっと力を込めた。

「…痛いよ、提督くん」

声が、震える。

痛くて。その痛みが嬉しくて。

私を必要としてくれるその手が、嬉しくて。

…私は。

まだ、ここにいたい。

幸せに、なりたい。



【睦月―特殊1】


放課後、珍しく1人での帰り道。

少しだけ、寂しい帰り道。

…瑞鳳さんのお見舞いだって言ってたっけ。

ぶー。睦月も誘ってくれてもいいのに。

睦月だって瑞鳳さんの事は心配してるのににゃー。

…瑞鳳さん、夏休み前から、ずっと見てないなー。

また、龍驤さんのあの難しい話絡みなのかにゃー。

…………。

…一言くらい、どうなってるかって話してくれてもいいのに。

なーんか、仲間外れみたいで…むー。

瑞鳳の好感度計算してなかった


【12月2週】



睦月「づほちゃん、どうでしたか?」

提督「………少し、良くなったみたいだ」

睦月「そですかー、うんうん、それは良かったです!」

睦月「学校には来られそうですか?」

提督「…もうちょっと、時間がかかる、かな」

睦月「ですかー…じゃあ、今度は睦月もお見舞い行きたいです!」

提督「……そう、だな」

提督「…きっと、その方が瑞鳳も喜ぶよ」

睦月「♪」




コミュ対象 00:48に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    468/500
龍驤    401/500
睦月    461/500
翔鶴    338/500

今日はここまで
これでよっぽど低いコンマが出ない限りづほちゃんが500でしょう
お付き合いいただきありがとうございました

今日忙しくてさ、とてもじゃないけど野球の時間には間に合わなかったんだけど…予告先発見て勝ったなと思うじゃん?
何で無得点やねん、アホか
まー安価は好きにしてくれ、後埋めネタはまだ厳しい
始めます




瑞鳳「…あー」

雛鳥に餌を運ぶ親鳥とは、こんな気持ちなのだろうか。

瑞鳳「あむっ」

フォークの先に刺さった林檎を咥えた瑞鳳を見て思う。

漏れ聞こえるシャリシャリとした音が心地良い。

そんな音に刺激されて、何となく俺もカットした林檎を一つ口に運んでみた。

横須賀中央病院、4F、一般病棟。

彼女と俺が今いる場所だ。

瑞鳳「……美味しいなぁ、りんご」

提督「全くだ」

さっき食ってみた物が、結構美味しかった。

間をおかずに2つ目に手を伸ばす。甘い。

瑞鳳「あー!お見舞い品なのにー!」

提督「…んぐ、いいか瑞鳳、これは元々俺が買ってきたものだ」

瑞鳳「…りんごー」

提督「…わかったわかった、ほれ」

瑞鳳「やたっ!…あむっ」

…もう少し時期が早ければ、梨でも良かったか…俺が食いたいだけだな。

そんな事を考えながら。

空になった、果汁が少し付いている皿を脇に置く。

瑞鳳「ごちそうさまでした」

提督「…お粗末様でした、剥いて切っただけだけどさ」

提督「………それで」

瑞鳳「…うん?」

提督「…退院、いつ頃だって?」

瑞鳳「んー…と、後もうちょっとって、お医者さんが」

提督「…そうか」

元々、彼女に外傷は無かった。

故に、根にあった問題さえ解決すれば、すぐに退院出来る。

…だけど、俺はそれを恐れていた。

ああ、瑞鳳が回復するのはいいことだ。

色んな遅れや影響もあるだろうけど、そんな物は今から取り戻していけばいい。

でも。

…退院して、今の俺と睦月の関係を彼女が知ってしまえば。




―だったら、さっさと別れれば良い。

頭の中で、声がする。

…わかってる。わかってるさ、そんな事。

実際、切り出そうとだってした。

……だが、何て言えば良い?

『お前の告白を受けたのは、あの時瑞鳳がいなかったから』

『…あくまで、友情の延長線上でしかなかったんだ』

…睦月との関係を、変えずに満足してたのは。

…自分から、詰めようとしなかったのは。

ずっと、心に引っかかっていた未練のせいなのだと。

…全て言えば、いいのだろう。

………。

勇気が無いだけなんだってのは、わかってる。

引き伸ばせば引き伸ばすほど辛くなるってのも、わかってる。

―嫌われたくないんだよな、お前は。

…もう一度、声がした。

………わかってる。

…わかってるんだ。

瑞鳳「……提督くん?」

提督「…あ、ああ」

瑞鳳「…元気ない?」

提督「…いや…入院着の瑞鳳も見納めなのかと思うと…」

瑞鳳「……どーいう性癖なのよ」

提督「はっは」

色んな物を隠して、無理矢理に笑みを作る。

こんな時でも簡単に笑顔が作れる自分に、少し嫌気が差した。




瑞鳳「…………ねぇ」

提督「…ん?」

その時、瑞鳳の声が一段低くなる。

瑞鳳「…………」

提督「…どした?」

瑞鳳「………自分で、一人でさ」

瑞鳳「心のなかに、色んな物を抱えても」

瑞鳳「…良くはならないよ、きっと」

提督「……」

瑞鳳「…私は…相談できる人が、いなかっただけだけど」

瑞鳳「…そしたら、どんどん、重くなるから」

瑞鳳「抱えてたものが、重くなって、動けなくなって」

瑞鳳「だから…」

提督「……瑞鳳」

瑞鳳「…言って欲しいな」

瑞鳳「抱えないで欲しいな」

瑞鳳「……それとも、私じゃダメ、かな?」

提督「……」

弱くて、醜悪な心。

保身のための建前で、本音を隠した心。

…それを晒すのは、怖かったけれど。

…きっと、晒すチャンスは今しかない。

提督「……瑞鳳、聞いて欲しい話がある」

瑞鳳「うんっ」

地下にいた時よりも、少し色味を取り戻した瑞鳳が満足気に頷く。

縛った髪が、頭の動きに従ってひょこりと揺れた。

提督「…俺は――――」



――――――――――――――――


瑞鳳「……そっか」

俺の話に、瑞鳳は怒りも笑いもせず、ただ黙って相槌を打っていた。

全部話し終わってからも…やはり、ただ、そう短く言っただけ。

瑞鳳「…睦月さんと、付き合ってたんだ」

提督「……ああ」

瑞鳳「…それで私にも、あんなことしたんだ」

提督「…………ああ」

瑞鳳「…あくまで睦月さんの事は、友達としか思ってないんだ」

提督「…………」

瑞鳳「…提督くん」

提督「………ああ」

瑞鳳「ばか」

ぺし。

一生懸命に伸ばしたか弱い手が、俺の頬を打った。

痛くはなかった。

だけど、痛かった。

提督「…ごめん」

瑞鳳「謝るのは、私じゃないよ」

提督「………」

瑞鳳「睦月さんがそう言われたら、どんな気持ちになると思う?」

提督「…………」

瑞鳳「…提督くんは、酷いね」

提督「………」

酷い。そうだ。

俺は酷いことをした。いや、している。今も。

瑞鳳「…でも、偉いね」

提督「………え?」

言われるなんて思っていなかった言葉に。

思わず、声が出た。

瑞鳳「酷いことをしたって、ちゃんと自覚して―どうしようって、悩んでる」

瑞鳳「それだけでも偉いよ、よしよし」

さっき、俺の頬を叩いた掌が。

今度は頭の上で横に動く。

強制500、現状維持、END消滅



提督「…瑞鳳、何を…」

瑞鳳「……私から言えるのは、一つだけだよ」

瑞鳳「…提督くんの気持ちを、もう一回だけ考えて?」

提督「……気持ち?」

瑞鳳「そう、私が好きなのか、それとも、睦月さんが好きなのか」

提督「それは――」

既に出ている、と言おうとして、口を瑞鳳の手で遮られる。

瑞鳳「…だーめ、もう一回、ちゃんと考えて」

瑞鳳「提督くんは…私にあれを言った時」

瑞鳳「あんな状況だからだ、って…えっと、何て言えばいいのかな、補正?みたいなものは無かった?」

提督「…補正?」

瑞鳳「…うん、私があんなだったから…同情した、とか」

提督「そんな事は――」

瑞鳳「無い、って言い切れる?」

提督「…言い切れるさ」

思わず視線を逸らして言ってしまったその言葉に、瑞鳳が一つ、溜息を吐く。

瑞鳳「……提督くん」

瑞鳳「…貴方が睦月さんの告白を受けたのは、本当にただ何となくとか…そんな理由?」

瑞鳳「貴方は、睦月さんの事を友達以上に何とも思ってなかったの?」

提督「……」

瑞鳳「……自分の気持ちに気付くって、凄く難しいと思うよ」

瑞鳳「…私も、そうだったから」

瑞鳳「でも…それをわかった上で、提督くんに言うよ」

瑞鳳「私に気なんか遣わなくていいから、提督くんの気持ち―聞かせて欲しいな、って」

提督「……瑞鳳」

俺は。

俺は――――



>>+1-5


A.瑞鳳が好きだ。

B.…今すぐには…。

C.………………睦月。

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★12【安価】
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410883415/)

次スレ
睦月ルートもちゃんと考えてたからね
そういや天使引退しちゃったなぁ…結婚のニュースとダブルでショック

A.瑞鳳が好きだ。(500 ED解放)


提督「…瑞鳳が、好きだ」

提督「…同情だとか、そんなんじゃない、絶対に」

提督「お前が、好きなんだ」

…向き合って。

出てきた答えは、やはり変わらない。

瑞鳳が好きだ、という事。

瑞鳳「……そっか」

短く、それに答える瑞鳳。

一瞬喜色を見せたけれども、すぐにそれを引っ込める。

瑞鳳「…じゃあ、ちゃんとそれを…睦月さんにも、言わなきゃね」

提督「…………」

瑞鳳「…提督くんが思ってるように、嫌われるかもしれない…いや、きっと嫌われる」

瑞鳳「それに、怒って、色んな事を言われるかもしれない」

瑞鳳「…でも、言って」

瑞鳳「…貴方がやったことを、受け止めなきゃダメだよ」

瑞鳳「酷い事をしたって、思ってるなら…尚更」

瑞鳳「自己満足かもしれないし、相手にとっては、そんな事意味ないのかもしれないけど」

瑞鳳「…提督くんは、睦月さんに謝らなきゃ」

提督「……」

瑞鳳「……ごめんね、偉そうに言って」

提督「…良いよ、その通りだ」

瑞鳳「…あのね、提督くん」

提督「…うん」

瑞鳳「…一つだけ、覚えておいて欲しいの」

瑞鳳「私は、貴方の側にいるよ」

瑞鳳「…だから、大丈夫!」

にこっ、と瑞鳳が柔らかく笑う。

…久しぶりに見た、そんな笑顔。

提督「……瑞鳳」

その笑顔を見ると。

大丈夫。

そんな、ただの気休めのような言葉さえ―何よりの救いに思えたのだった。



瑞鳳→  500/500

龍驤ルートだって考えてたから…いやマジで まあこっからブレたら流石にNTRくらいしか展開もねーがな
…安価方式変えるとは言ったけど、結局納得できる方式なんて無い気がするねぇ


【12月3週】


…クリスマス。

そんな行事が見えてくる、この時期。

街は、学校は、どうしたって騒いでしまう物だ。

悪かった期末テストなんて、ゴミ箱に放り込んで。

クリスマスの予定について話したり、逆にクリスマスに予定がないと嘆いたり。

翔鶴「…お兄さんは」

提督「ん?」

翔鶴「クリスマス…睦月さんと?」

提督「……ああ…」

提督「…そうなる、のかな」

言葉は、曖昧に濁した。

此処で違うとはっきり言ってしまうのも、不自然だろう。

翔鶴「…そうですか」

提督「…翔鶴は?」

翔鶴「……暇…ですよ、生憎」

提督「そっか…誰か、誘えばいいのに」

翔鶴「…………遅れますよ、学校」

翔鶴は、何も答えずに。

ただ、早足で俺を少し追い抜かしていっただけだった。



コミュ対象 01:35に一番近いレス


阿賀野  127/500
瑞鳳    468/500
龍驤    401/500
睦月    461/500
翔鶴    338/500

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