【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★9【安価】 (1000)
・艦娘×提督の学園もの
・全然艦隊とか関係ありません
・エロ、グロといった描写があるかもしれません
・なんかドロっとしているかもしれません
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前スレ
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★2【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★3【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★4【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★5【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★6【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★7【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★8【安価】
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ヒロインまとめ(○はエンド艦娘、次回登場は不可、○付いてない子は出せます)
【一周目】
電(幼馴染)
浜風(娘)
あきつ(後輩)
足柄(先輩)
○青葉(同士)
【二周目】
大和(管理人)
○不知火(親友)
飛鷹(教師)
五十鈴(転校生)
北上(同居人)
【三周目】
雷(クラスメイト)
球磨(スラッガー)
間宮(バイト先の店長)
○那珂(超人気アイドル)
阿武隈(義妹)
【四周目】
陽炎(幼馴染)
川内(学生であり怪盗)
卯月(妹分)
榛名(後輩)
○暁(妹)
【五周目】
初春(宇宙人)
叢雲(↑のライバル)
長門(ながもん)
響(帰国子女)
山城(元カノ)
BAD。
【六周目】
千代田(義妹)
吹雪(親友)
赤城(大食いチャンピオン)
由良(後輩)
古鷹(フライフェイスとオッドアイの演劇の天才)
BAD。
【七周目】
比叡(記憶喪失・幼馴染)
○漣(家政婦)
明石(近所のお姉さん)
大井(クラスメイト)
レ級(クラスメイト)
【8周目】
○明石(義姉)
鈴谷(同居人)
文月(姉)
熊野(財閥令嬢・崩壊寸前)
白露(クラスメイト・電波)
【9周目】
○潮(従妹)
村雨(幼馴染)
鳳翔(先生)
朧(後輩)
武蔵(応援団長)
【10周目】
深雪(親友)
曙(従妹)
大鯨(母)
翔鶴(弟の彼女)
瑞鶴(弟の彼女)
いまここ、BAD確定。
まーどっちにしてもあれじゃ足りんかったけどさー
続きは次の埋めの時ね
風呂
乙乙
前スレでも言ったけど、badだったらbadだったで次回以降再登場のチャンスがあるのに
なんでそこまでイライラするのかが分からん
>>24
かといって次もし曙選ばれても非難するんだろ
>>26
なんでそれを俺に向けて言うのかが分からない
安価の内容で話が進んでるのになんで非難しなきゃいかんのか
>>32
>badだったらbadだったで次回以降再登場のチャンスがある
なんでまた曙取るんだよみたいな雰囲気になるだろ?
今までのスレの流れみてたらそうなることはわかるはず
>>40
お前がそう思うんならそうなんだろう(ry
キャラが選ばれるのも安価、話の流れが決まるのも安価
そういうスレなんですよここは。雰囲気もくそもない
じゃあ安価指定で曙以外のキャラとってね
はい終わり
提督「……曙」
曙「兄貴…」
俺の声に、曙が顔を上げる。
真っ赤に腫らした顔を。期待に輝かせた瞳を。
だから、言う。
提督「…ふざけてんじゃねーぞ」
曙「……え?」
瞳が、色を失った。
その表情は絶句―と、まさにそう形容するしかない。
提督「俺が一番助けて欲しいと思ってた時に、お前は俺を蹴落としたじゃねーか」
提督「そんなお前が――今更、見捨てない?側にいる?…何言ってんだよ」
曙「違う、それは――」
提督「…一番欲しい時には蹴り落としておいて、やっと落ち着いたのにわざわざ思い出させるのかよ、お前は」
曙「…違う、…違うの、あたしは、兄貴を」
それでも何か言葉を紡ごうとする曙に、優しく言う。
提督「……あのな、もう良いんだよ、俺は変わらなくて」
提督「無理なんだよ、もう」
曙「……兄貴――」
提督「だから、お前も諦めろ、これ以上構うな」
怒りは、もう不思議と湧いてこなかった。
言うなれば、ただの確認だ。
俺はこのままの俺でしかないと、それだけの。
そのまま、振り返る。
曙を見ずに、リビングの扉へと。
曙「…何で、何で逃げるのよ!クソ兄貴――!」
最後に、曙の罵声が飛んだ。
…クソ兄貴、か。そっちの方が似合ってるな、やっぱ。
ポケットからスマホを取り出す。
連絡先から、通話。目的の人物は、数コール程でそれに応じた。
「ああ、翔鶴」
「そう、返事を聞きたくてな」
「――――…ああ、嬉しいよ」
「…そうだ、そういえば」
「妹さんの連絡先、教えてくれないか?」
「……ん……その、お前の好きな物とか、そういうの…聞けるかなと」
「…誂うな、不器用なんだ」
クソはクソのまま、もう変わることは無いし、それでいい。
だったら、その中で楽しめるだけ楽しもう。
今更、あがく必要なんて無い。
【BAD END】
瑞鶴の連絡先ゲットして、そこからさらに瑞鶴も頂いちゃうんだろう
んじゃあ一人目>>+4
いきなりすごいのきたなwwwwwwwwww
伊58(未亡人)
二人目>>+4
皐月
仲良し小学生
隼鷹(お嬢な同級生)
3人目>>+4
一言にお嬢と言っても色々あるからな
皐月
仲良し小学生(提督くんは男の子と勘違い)
わろた
翔鶴(兄 性別男)
4人目>>+4
4人目 蒼龍(担任)
ラスト>>+4
皐月
ボーイッシュ小学生
踏み台安価↓
安価取っちゃったから仕方ないね
一つだけ異議を唱えるなら「艦娘」じゃないよなってとこだけど
伊58(未亡人)
隼鷹(お嬢な同級生)
翔鶴(兄)
蒼龍(担任)
ビスマルク(留学生なお姫さま)
別にこのままでもいいけど前回みたいに明らかに敬遠されるキャラ作るのは正直なあ
最安価していいっすかね?
普通に面白いと思うけどな俺は兄翔鶴
まあ確かに選ばれにくいかもだが
そりゃ考えるだけなら楽しいけどその結果0だし
3人目>>+4
皐月
ボーイッシュ小学生(提督は性別を勘違い)
とりあえずスレタイにある「艦娘」に反するっていう理由も付けて再安価賛成するわ
見てみたかったんだけどなあ……
無理なら再安価して下さってかまいません
無茶ぶり失礼しました
未亡人だから何の問題もないですよ?
>>184 ごめんね
伊58(未亡人)
隼鷹(お嬢な同級生)
初風(面白い同級生)
蒼龍(担任)
ビスマルク(留学生なお姫さま)
以上です
お付き合いいただきありがとうございました
色々申し訳ありませんでした
でも埋めネタくらい投下させちくり~
男はだめでも男の娘はよかったのだろうか。むしろそれがいいのだろうか。未亡人は素敵なのではないだろうか。PIYOPIYOエプロンが似合うのではないだろうか
流石に男にするのは勘弁してくれ
以上
11周目プロローグ投下じゃ
【プロローグ】
美しかったのだと思う。
一本一本が際立った、風に流れる金髪も。
幼いながらに強気を感じさせるつり目の瞳も。
花咲き乱れる春の野原、ほんの一週間程の、秘密の場所。
その真ん中で笑う、俺の記憶の中の彼女は、美しかった。
『…お姫さま?』
『そうよ!』
誇らしげに胸を張る彼女に、何を馬鹿な、と、幼い俺が笑う。
そんな俺へ、彼女は不満そうに口を膨らませた。
『ほんとなのに!』
『だって、お姫さまなんて、絵本の中にしかいないよ』
『…ほんとなの!』
両手を振って、身体全体で彼女は怒りを表した。
可愛いなあ、なんてことを思っていた気がする。
『…んー…ならさ、――ちゃん』
『なに?』
『…ほんとにお姫さまなら、それをしょーめいしてよ!』
『しょーめい…』
俺の言葉を受けてしばし考え込んだ彼女。
そしておもむろに、小さな手でバッグの中を漁り始める。
『はい!』
『……なにこれ?』
『わたしの家に伝わる、もんしょーなの!』
『もんしょー?』
『これはね、すきな人にあげるためのものなんだよ!』
『あげて、どうするの?』
『あげた人と、けっこんするの!』
『…けっこん!?』
『そう、だから――――』
「いい加減起きるでちー!」
キンキンと響くような甲高い声。
一面の花畑が、ふっと消える。
その代わりに映し出されたのは、寮母の大きな顔。
「……ゴーヤさん」
「やーっと起きたー」
「ふぁぁ…何時っすか、今」
「はい、よーく見るといいよ」
差し出されたスマホの液晶に映った文字。
『08:21』
「はあっ!?」
「…だいたい、ゴーヤが此処にいるって時点でおかしいって事に気付くべきだよ」
「ちょ、ま、え!?」
「今日は始業式でちよー」
「やっべぇ!着替えねーと!」
「ご飯、どうするの?」
「すんません!食ってる暇ないっす!」
夢の余韻などあったものではない。
はいはい、とゴーヤさんが笑って部屋を出て行く。
大湊学園―その学園寮。
ここからなら、走れば5分もあれば校舎に着く。
決して広いといえない部屋のあちらこちらを荒らしながら、俺は制服を引っ張り出していた。
「……あ」
その時、目に入る。
机の上に置いた、いかにも高級そうな箱。
『――けっこんするの!』
金髪の少女の証明が。
箱の中身が何なのかは、わからない。
この箱の鍵を持っているのは彼女だ。
『――いつか、開けてあげるからね!』
『その時は――』
「……結局、なんだったんだろうなぁ、これ」
小さな見かけに反して重いその箱を手に取る。
昔から色々な事を試してみたが、ついぞこの箱が開くことはなかった。
「つーか、お姫さまの紋章ってなぁ」
あれは、俺の夢なのだろうかと。
今となっては、そんな事すら思う。
日本有数の有名な別荘地。
あの場所は、あれからも何度か足を運んだ。
もちろん、秘密の花畑へも。
だけど、彼女はいなくて。
「…しっかし俺も、名前覚えてねえってのは…」
自分の記憶力のなさと薄情さを嘲笑う。
「……ん?」
そして気付く。
同じく机に置かれた物に。
大きすぎず、小さすぎず、そんな絶妙なサイズのお握り2つと、たくあん。
『朝ごはんはちゃんと食べてくだち ごーや』
「……ゴーヤさん」
お節介な寮母の顔を浮かべた。
心の中で、ありがとうございます、と頭を下げる。
『08:34』
「げっ!?」
が、時計の長針がすぐにそんなしんみりとした気持ちを吹っ飛ばす。
たくあんを口に突っ込み、鞄と、ラップに包まれたお握りを持って部屋を駆け出した。
「なるほど、寝坊ね」
「そんな感じだよ…あーへとへと」
「…ふぅん、それでほっぺたにご飯粒付けたままなのね」
「え、嘘っ!?どこっ!?」
「ここよ」
ぴっと指で俺の頬を突いた初風。
その指先には、確かに米粒。
「はむっ」
「!?」
そして初風はそれを躊躇いなく口の中へと突っ込んだ。
「良い塩加減じゃない」
「…いや、お前それは…」
「…?何か変な事したかしら?」
「……あー…いやさ…なんつーか」
「ああ、別に私は提督くんの頬に付いたご飯粒を食べたかった訳じゃないわ、勘違いしないで」
「…ん、そりゃわかってんだけどな、ただ誤解される行動を――」
「提督くんの汗が染み込んだご飯粒を食べたかったの」
「尚悪いよ!?」
無表情を崩さず、初風はそう言った。
…いや、心なしかドヤ顔か。
「そうそう、『良い塩加減』って言うのはね」
「そんな説明いらねぇよ!」
「あら、残念」
そう笑った初風は、どこまでも澄まし顔。
こうして見るととても大人しそうな美少女だ。
ああ、見るだけならな。
見るだけなら超一級品の美少女だ。
「そうだ、提督くん」
「どうした?」
「ちょっと嗅いでいい?」
「……」
「…沈黙は肯定?」
「引いてたんだよ馬鹿!」
「失礼ね、馬鹿ではないわ」
「そう言いつつ顔を寄せるな!」
ただし喋ると色々とヤバい。
それが俺の友達、初風である。
…友達なんだよなぁ、これ。
「…最近、心なしか提督くんが冷たいような気がするわ…倦怠期?」
「…本当に理由が思い当たらないのか…」
「………じー…」
「…見つめるな」
「…思い当たらないわ」
「うん、お前凄えわやっぱ」
「そんなに褒めても母乳は出ないわ、だから提督くんの」
「よし、ちょっと本気で黙ろうか、初風」
「残念」
ふぅ、と一つ息を吐いて、初風が壇上に向き直った。
どうやら、そろそろ始業式が始まるようだ。
その揺れる銀色の横顔は、思わず見惚れてしまう程に美しく。
何でこいつの中身こんなんなんだろう、と俺もまた溜息を吐いたのだった。
「…っと、失礼」
「…申し訳ありません」
始業式が終わり、それぞれに与えられた教室へと向かう人の波。
その中で肩をぶつけてしまい、咄嗟に謝る。
「…ってあれ、隼鷹さん?」
「……は、はぁ…そう…ですが?」
隼鷹。
多分この学園に通う者ならば皆知っている、そんな有名人。
それは彼女自身の事ではない。
彼女の家の事。
超有名な資産家、その一人娘。
「……あの?」
「ああ、ごめん…えっと、教室、そっちじゃないよ?」
俺と正面からぶつかった―即ち、俺とは反対方向へと歩いていた隼鷹さんに言う。
「え?」
「んーと、クラス分けで一緒のクラスだったの見たからさ」
「C組からは、向こうの棟なんだ」
「あ、そうなんですか…そりゃ…こほん、それは、知らなかったです」
「…ご丁寧に、ありがとうございます」
「良いって良いって、よろしくね」
「…はい、それでは」
言うと、急ぎ足で俺の前から離れていく。
彼女にはその立場故か、声を掛ける人が絶えないという。
…目当てが、彼女なのか、それとも彼女の背景にある物なのかは知らないが。
だからなのだろう。
「…なんか、ガードが固いよなぁ」
「はい?」
「…ああごめん、何でもない、こっちの話」
反応したのは、隣にいた初風。
「…私は提督くんに対してはいつでもゆるゆるよ、むしろノーガード戦法と言っても過言ではないわ」
「聞いてねぇよ!?」
…ああ。
大違いだ。隼鷹さんとは。
俺は大きく肩を落としたのであった、まる。
「蒼龍です、新人でまだ慣れないことも多いんだけど…みんな、一年間よろしくね?」
「はい!せんせー彼氏いますかー!?」
「ええっ!?えっと、その…」
学期始め、初めてのHR。
新人教師―蒼龍は、クラスから飛ぶ情け容赦の無い質問に困惑していた。
因みに彼氏はいないらしい。やったぜ。
因みに89らしい。何とは言わないが。
因みに―
「私はね……うーん、触って確かめてみる?」
「…なあ、心を読むなよ」
「失礼ね、読心術は出来ないわ、読唇術は出来るけど」
「…文字でしか伝わらんぞ、そのボケ」
つーか読唇術出来るのかよ、何者だお前。
「ユーキャンよ」
「だから心読むなって!」
それにしてもユーキャンってすげえ。
いや、えっと…それで、何の話だっけ。
そう、蒼龍先生についてだった。
「大学卒業して教員免許取ってすぐ、此処に伝手で拾ってもらって」
「教師が足りないから、一年目なのに担任という称号を貰ったらしいわ」
「……」
もういいや、説明ありがとうね、初風。
「…まあ、新人だったら、ちゃんと助けてあげないとなー」
……そう、そして仲良くなりあわよくばめくるめく禁断のアバンチュール…あの大きな胸は俺の…」
「変なモノローグ入れてんじゃねえよ!」
「てへ」
無表情のまま、初風が舌を出した。
可愛い。じゃない。黙れ。
「えーと、ですね!」
そんなやり取りをしていると、蒼龍先生が大きな声を上げ、注意を引く。
「皆にも自己紹介をしてもらおうと思うんですけど、その前に…転校生を紹介します!」
えー!?
男ですか!?女ですか!?
かっこいい人がいい!可愛い子がいいな!
歓声に包まれる教室。
それを鎮めようと、蒼龍先生は二度、ぱんぱんと手を叩いた。
「静かに!では、入ってきて貰います!」
「ビスマルクさん――!」
扉が開く。
最初に見えたのは、窓から入ってきた風に靡く綺麗な金髪。
そして、教室の中程に座っていた俺を射抜いた、強気なつり目。
「ああ――」
唇が、喜色に歪んだ。
「――提督くん」
教室の視線を一身に受けたその少女。
彼女が向かった先は、教壇ではなく。
俺の席の前。
心底嬉しそうな声が漏れた。
呼んだのは、俺の名前。
『お姫さまだって…』
『…んー…ならさ、――ちゃん』
『もんしょー?』
『…けっこん!』
花畑。
咲き乱れた花、その真ん中で、一層美しく輝く少女。
彼女の影が重なった。
「ビスマルク――」
「…ビスマルク、ちゃん」
「――うんっ!」
勝手に漏れた、彼女の名。
知らず、俺はその子に手を伸ばした。
彼女も、俺の手を取った。
ああ。
やはり彼女は、美しかったのだ。
【プロローグ 終】
プロローグ終わり
続きはやる気と時間があれば明日
うむ、中日3タテ、うむ
始める
さっきのスレは・・・うん、やっぱり>>1は修羅場に飢えてたんやな
>>299 なんだろ、いいネタだと思ったんだけどね、私じゃ料理出来んかったね(ガッカリ
【4月1週】
初風「…提督くんが既に取られていたとは」
提督「違う、あれは違うんだ、いいか」
…流石に。
あれを始業日にかましてしまった日には。
学校中の噂の種である。
しかもビスマルクが否定しないし。
初風「酷いわね、これじゃ愛人にしかなれないじゃない」
提督「そういう事じゃないと思うよ」
初風「セフレ?」
提督「もっと悪いわ!」
…けれど、初風の対応は変わらない。
それは果たして、良いことなのかどうなのか。
初風「肉奴――」
提督「ストーップ!」
コミュ対象 23:47に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 **0/500
蒼龍 **0/500
ビス **0/500
初風「提督くん」
提督「…んあ」
初風「真面目なお話をしましょう」
提督「……えー…」
昼休み、机にごろんと転がっている俺に話しかけてきたのは初風。
しかも会話の出だしがこれなもんだから、正直断りたい。
…まあ、やることもないしなぁ…。
提督「……んしょ、っと…で、何だって?」
身体を起こし、向き直る。
初風は、そんな俺を真っ直ぐに見ていた。
初風「ええ、真面目なお話をしたいのよ」
提督「…どうせ真面目じゃないんだろう、知ってるぞ」
初風「失礼ね、たまにはまともな話をするわ、私も」
提督「…そうか」
自分でたまにってつけてる時点でもうどうかと思うが。
…まあいい。
初風「恋愛についてのお話よ」
提督「……ぐぅ」
初風「こら」
提督「…ごめん、もうまともな内容が想像できない」
初風「…いいから最後まで聞きなさい」
初風「…そうね、まず…この時期の恋愛ってね、空に浮かぶ月や星を掴むような物だと思うの」
提督「……へー」
初風「…はぁ…まあいいわ…それはね、遠くから見ると、とっても綺麗に見えるのよ」
初風「輝いてて、綺麗だなって」
提督「…ふんふむ」
初風「でも…近付いて、初めて気付くの」
初風「でこぼこでくすんだ、その表面にね」
提督「……つまり、うん、どういうアレだ?」
初風「外見だけで騙されないでね、ってことよ…一般的なアドバイスだけどね、ちょっと迂遠だったかしら」
提督「…ああ、もしかして…ビスマルクの事か?」
初風「そう、小さな時に―って話は聞かせてもらったけどさ、変わってないとは限らないじゃない」
初風「…ま、その点…提督くんの近くには、いつも自分を曝け出している私がいるんだから、そっちに恋してもいいのよ?」
…確かに仲良くなってそいつの色んな事に気付いて幻滅する、ってのはよくある話だが。
こいつみたいに最初から理性をかなぐり捨てているのも違う気がするぞ。というかお前はどこまで本気なのかわからない。
ふむ――
>>+4
A.はいはい、アドバイスありがとよ。
B,はいはい、愛してるぞ。
C.いや、お前には関係ないだろう。
A.はいはい、アドバイスありがとよ。(*1.0)
提督「はいはい、アドバイスありがとよ、友人A」
初風「…絶対真に受けてないでしょう、提督くん」
提督「んなことはない、身に染みた」
初風「…まあ…良いわ、こういうのって、刷り込みが大事だから」
提督「は?刷り込み?」
初風「毎日学園寮に忍び込んでビスマルクさんは悪だと提督くんの耳元で囁き続けてみるわ」
提督「やめてくれませんかねぇ!?」
初風「ふふ、半分冗談よ、本気にしないで」
提督「半分本気じゃねーか!」
初風「でも、本当にちゃんと付き合う人は選ばなきゃダメよ?」
提督「…そもそも何でお前にそんな事を言われにゃならんのだ」
初風「だって私ほら、提督くんの……アレだから」
提督「頬を赤らめて視線を逸らすな!誤解されるだろうが!」
初風→ *35/500
今日はここまで、明日はゆっくりやると思います
お付き合いいただきありがとうございました
尻も尻、打線も打線 まー切り替えてけ、勝ち越しゃいい
1時間後くらいに始める
【4月2週】
ビスマルク「提督くん」
振り向けば、上機嫌のビスマルク。
ビスマルク「この問題、教えてくれないかしら?」
提督「ああ、勿論」
笑顔で頷くと、教室の至る所から舌打ちが聞こえた。
はっ、妬むな妬むな。
………?
いつまでたっても隣からの舌打ちが止まない。
不審に思ってその音がする方向を見る。
初風「…………チッ」
提督「お前かよ!?」
初風「何?」
提督「…いや…いいよ、もう」
ビスマルク(ヤーパンのオワライってよく分からないわねー)
コミュ対象 22:25に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 *35/500
蒼龍 **0/500
ビス **0/500
――教室
初風「提督くん、あーん」
提督「……何故口を開ける」
初風「あー」
食事中、馬鹿みたいに口をぱかっと開く初風。
…いや、真に馬鹿か。
寮で支給される業者の弁当など別にくれてやっても構わんのだが…。
提督「……やらん」
初風「えー」
相手がこいつであろうと、流石に白昼堂々あーんは恥ずかしい。
というか、毎度毎度思う。
提督「なあ、初風よ」
初風「どうしたの?」
提督「…お前、どこまで本気でやってるんだ?」
初風「本気?」
提督「…その言動」
初風「全部本気よ?」
提督「……すると、まるでお前が俺の事を好きなようなんだが」
初風「概ねその認識で合ってるわ」
変わらぬ無表情で、飲むヨーグルトを啜る。
…昼飯のお供としてそれはどうなんだ。
提督「でもさ、確か出会ってからずっとそんな感じだよな、お前」
だとすれば、こいつは最初から俺が好きだったという事になるのだが。
初風「良いじゃない、恋は突然なのよ」
提督「…あのなぁ」
初風「それとも、提督くんは私の事が嫌い?」
提督「……」
いきなりそんな事を言われても――
>>+4
A.嫌いではないが、そういう感情は。
B.わからん。
C.顔だけは好きだ。
A.嫌いではないが、そういう感情は。(*1.0)
提督「…別に、嫌いじゃないけども」
提督「そういう感情があるかと言われると…何とも言えん」
初風「残念、振られちゃったわね」
もぐもぐと、無表情で弁当を頬張りながら初風が言う。
……。
いや、やっぱり絶対本気じゃないだろこいつ。
提督「…なあ、初風」
初風「何かしら?」
提督「…その和風の弁当に、飲むヨーグルトって…合うか?」
初風「微妙ね」
提督「……そうか」
…結局、あまりにも無反応なので。
俺の方から話題を逸らしてしまった。
…わからん。こいつだけはわからん。
初風→ 101/500
【4月3週】
ゴーヤ「……~♪」フンフーン
提督「なあ、友人A」
「…何だよいきなり」
提督「…ゴーヤさんって何歳なんだろうな」
「3×って寮の資料に書いてたぞ」
提督「……見えるか?」
「…いや、見えねーけど」
提督「…制服着てても違和感無い気がする」
「流石にそれはちょっとキツ――」
ゴーヤ「………」ジロッ
「…くないよなあ、ホント、若々しいよ」
提督「だよなぁ」
ゴーヤ「……~♪」フンフーン
コミュ対象 23:13に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 101/500
蒼龍 **0/500
ビス **0/500
――教室
ビスマルク「Gu…じゃなくて、おはよう!提督くん!」
提督「おはよう、ビスマルク」
ビスマルク「いい朝ね」
提督「ああ、そうだな」
ビスマルク「…………」
提督「…どうした?」
明るく話していたというのに、突然黙りこむ。
一体どうしたんだろう、と一歩近づく。
ビスマルク「………足りないっ!」
提督「…ちょ!?」
その瞬間、強い力で思いっきり抱き締められた。
昔よりも数段柔らかくなった身体が、俺に押し付けられる。
ビスマルク「何で昔よりもよそよそしいのよー!」
提督「い、いや、俺達もその…年取ったし、こういうのは控えるべきでは無かろうか!?」
ビスマルク「折角会えたのにー…」
提督「と、とりあえず一旦離れよう、な!」
肉付きの良い身体を無理矢理引き離す。
彼女は、不満そうに唇を突き出していた。
ビスマルク「…私の事、嫌いになったの?」
提督「そういうわけじゃないけど…あの」
ビスマルク「私は、あの誓いの事…ずっと、忘れてなかったのに」
ビスマルク「…だから、ずっと貴方を探してた」
ビスマルク「やっと見つけて…やっと、叶うと思ったのに」
提督「……」
…とても、会うまで名前も忘れてたよ、とは言えねぇ。
勿論、花畑の少女自体は、ずっと俺の記憶に残っていたけれど。
ビスマルク「……でも、…しょうがないわよね、それも」
ビスマルク「…あれから、凄く時間も経ったし……忘れちゃうわよね、普通」
―こんなにもしがみついてた私の方がおかしいのよね、と。
彼女が、寂しげに笑った。
俺は――――
>>+4
A.いや、俺もずっと忘れられなかった。
B.……覚えてたけど、そこまでは気にしてなかったかも。
C.………まあ、子どもの時の約束だし。
C.………まあ、子どもの時の約束だし。(*0.5)
提督「…まあ、子どもの時の約束だしね」
俺だって、夢で見る程に覚えていたし。
こんな可愛い子に成長してて、驚きもしたけれど。
それでも…じゃあ今すぐに、ビスマルクとの約束を果たせるか?と言われると…。
……正直、何とも贅沢な話ではあるが。
ビスマルク「そっか……そうよね」
溜息半分、そんな様子で、彼女はやはり寂しげに笑う。
…むしろ、こんな彼女が俺にこだわっていたという方が意外だ。
俺なんかより良い男はいくらでもいるだろうに。
ビスマルク「…んーとさ、提督くん、だったら…」
提督「ん?」
ビスマルク「…えー…こういう時って、なんだっけ」
ビスマルク「…そう!トモダチから始めましょう!」
真っ直ぐ、彼女が俺に手を伸ばす。
提督「……」
ビスマルク「…あれ?違う?」
提督「……いや…そうだな、うん、友達から、な」
言って、その手を握った。
それに彼女は、今度こそ満足気に微笑む。
…ああ。
……にしてもやっぱすげー贅沢だなあ、俺。
ビスマルク→ **1/500
【4月4週】
蒼龍「ですから――って、聞いてるの皆!?」
提督「………」
蒼龍先生の授業は、基本的に緩い。
具体的に言えば、あんまり怒らない。
そんな訳で。
蒼龍「もー!」
…皆が好き放題である。注意してもそれが優しいのですぐに元に戻る。
…可哀想に。
蒼龍「…もういいです」
そんな中でも、授業を続ける先生。
…健気で可愛い。
蒼龍「……」ハッ
提督「………」
目が合う。
蒼龍「………」ニコニコ
蒼龍先生を見ていただけなのだが、どうやら真面目に授業を聞いてくれている子と思われたらしい。
先生が満面の笑みを浮かべて微笑んだ。
可愛い。
コミュ対象 00:08に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 101/500
蒼龍 **0/500
ビス **1/500
――学園寮・私室
提督「がー…何時だ今…」
休日。
窓から差し込む朝日に照らされて、目が覚める。
起き出して時計を見る。
『6:30』
提督「………こういう時に限って無駄に早起きしちまうんだよなぁ」
ぱたん、と、ベッドに再び倒れる。
…こうして俺はめでたく二度寝を決め込むのであった。
――――――――――――――
『……は……く』
『…ビス…ク…んは…く』
『…ビスマルクさんは悪』
提督「はっ!?」
初風「あら」
提督「……初風…?」
何か不穏な電波を流し込まれているような気がして再び目が覚めた。
時計の短針は、9を少し回った所。そして、枕元にある初風の顔。
提督「…お前…どうしてここに?」
初風「ゴーヤさんに言ったら、入れてくれたの」
提督「……俺のプライバシーは?」
初風「さぁ?」
提督「………それは良いとして…何やってたんだ、お前」
初風「ビスマルクさんは悪だという刷り込みをひたすらしていたわ」
提督「ホントにやってたのかよ!?」
初風「…まあ、流石にそれは本題じゃないけど」
提督「当たり前だよ!そんな物の為に休日起こされたら溜まったもんじゃねえよ!」
初風「提督くん」
提督「…なんだ」
初風「街まで遊びに出かけましょう」
提督「……街?…いや、だったら外出届が」
初風「此処にあるわ」
提督「……」
相変わらず行動の全く読めない友人が、平坦な表情で紙を差し出した。
それは確かに外出許可証。…これ、確か3日前までに申請しないとダメな筈だが。
一体どういうつもりだろうか――
>>+4
A.……よくわからんけど、どうせ暇だし。
B.……やだよ、寝る。
C.…とりあえず叩き出しておく。
A.……よくわからんけど、どうせ暇だし。(*1.5)
……よくわからんけども。
…どちらにせよやることないしなぁ。
折角外出許可証まで用意してくれたことだし、付き合ってやるか。
提督「わかった、行くよ」
初風「……提督くんがデレた」
承諾の返事に、初風が両目を見開く。
提督「…何故驚いているんだお前は」
初風「やっと素直になったのね、嬉しいわ」
提督「……勘違いするな、暇なだけだ」
初風「ふふっ、テンプレね、でも嫌いじゃないわよ」
………。
…猛烈に行きたくなくなった。
提督「…そういや、何処に行くんつもりなんだ?」
初風「新しい下着が欲しいの」
提督「…………」バサッ
やっぱり行かないって決めた。
布団を被る。
初風「…ビスマルクさんは――」
提督「結局それかよ!」
……その後とりあえず、出かけはした。
ランジェリーショップに入ることだけは、全力で拒否したが。
初風→ 204/500
【初風―その1】
恋をしたことはあった。
おそらく容姿のお陰だろうが、一時だけ所謂『お付き合い』というのもしたことはある。
……結果は散々だったが。
…有り体に言えば、ドン引きされた。
それというのも、昔から感情表現が下手で。
人との距離が上手く測れなかったのが原因である。
どうにも、私の言動は人から見るとおかしいらしい。
…思ったことをあまりに正直に出し過ぎている、と。
……。
つまり、何が言いたいのかと言えば。
提督くんはいつも私を変だ変だというけれども。
…彼の方がよっぽど変だと思う。
それだけ。
【5月1週】
隼鷹「…………」ボー
提督「…………」
いつも窓の外見てるよなぁ、隼鷹さん。
…何か面白いものでもある?
…という入りは、流石に皮肉過ぎるな。
…いい天気だね。
…曇ってるな。
提督「………うーん…」
ちょっと声をかけてみたいと思ったが。
…どうにも、会話とは難しい。
コミュ対象 01:13に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 204/500
蒼龍 **0/500
ビス **1/500
自分でもよーわかんねーの
面白いって表現難しすぎんよ
休憩
――教室
ビスマルク「…ニホンの文化はやっぱり難しいわね」
提督「…どした?」
ビスマルク「いえ、結婚について調べていたら、ちょっとね」
提督「……?」
そう言って彼女が見せてきたのは、雑誌の1ページ。
…というか何を調べとるんじゃ君は。
提督「…どれどれ…」
ビスマルク「この『ミツユビ』っていうものを付いて相手のご両親に挨拶しに行くんでしょう?」
提督「んー、ちょっと言い方は古めかしいけど…」
ビスマルク「…本当だったのね」
まさに戦々恐々、そんな顔で、恐ろしい文化だわ―と彼女は漏らした。
提督「恐ろしい?」
ビスマルク「だって、指を3本に減らすんでしょう!?」
提督「……違う、ビスマルク、誤解してるよ」
ビスマルク「……?」
…まあ、言葉の形をそのまま取ればそうなってしまうかもしれないけれど。
日本語は難しい。
ビスマルク「へぇ…お辞儀の事を、そういう言い方をするのね」
提督「はは、確かにちょっと難しいかもね、この言い方だと」
ビスマルク「ちゃんと覚えたつもりでも中々難しいわねー…」
ふぅ、とページを捲る。
ビスマルク「…わー……綺麗じゃない」
開かれたページに載っていたのは、結婚式の写真。
和装の花嫁衣装を身に包んだ女の人が微笑んでいる。
ビスマルク「んー…ウェディングドレスに憧れてたけど、これも悪くないかもしれないわね」
ビスマルク「ねえ、提督くんはどっちが良いと思う?」
提督「…え?…あ、そうだな――――」
>>+4
A.…どっちも似合うと思う。
B.やっぱり、ビスマルクには洋装だな。
C.……和装も似合うと思うよ?
B.やっぱり、ビスマルクには洋装だな。(*1.5)
提督「…うーん、確かに和装でも似合うと思うけどさ」
ビスマルク「けど?」
提督「やっぱ、ビスマルクには洋装だよ」
金髪がよく映える、白のドレス姿を思い浮かべる。
…うむ、やっぱりそっちの方が良い。
提督「…ま、あくまで俺の主観だけどね」
ビスマルク「…そっか、じゃ、結婚式は向こうで挙げましょう?」
提督「………」
ビスマルク「…冗談よ、…にしても、少しはちゃんと反応してくれても良いじゃない」
ビスマルク「そんなに魅力がないのかって、自分に自信が無くなりそうだわ」
提督「…ごめん」
ビスマルク「もう、謝らないでよ」
ビスマルク「でも……」
提督「ん?」
ビスマルク「貴方の好みが知れたから、一歩前進かしらね」
言って、彼女は本を閉じ、ひらひら手を振って去っていった。
……。
……はぁ。
……あんな事言われてドキドキしないわけないじゃないか。
…案外、自分は役者のようである。
ビスマルク→ 109/500
【5月2週】
ゴーヤ「…お仕事いっぱいでち……」チラッ
提督「…………」カリカリ
ゴーヤ「……誰か手伝ってくれないかなぁ?」チラッ
提督「…………」カリカリ
寮、自習室での出来事である。
そう、自習室!
ゴーヤ「……はぁ、大変だよぉ……」チラッ
だから、自習室!
提督「…すいません、勉強の――」
ゴーヤ「ほんと!?提督くん、ありがとうでち!」
提督「…………」
…話しかけた瞬間。
俺は手伝いを承諾したことになっていた。
何が何だか分からないが、俺にもわからなかった。
コミュ対象 02:32に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 204/500
蒼龍 **0/500
ビス 109/500
今日はここまで
お付き合いいただきありがとうございました
0ってもう普通だね(ゲッソリ
初風が風邪で休んだ。
蒼龍先生に聞けば、そんなに酷い物では無いということであったのだが――
『提督くん 助けて』
そんなLINEの文面を目にした以上、無視するわけにもいかず。
わざわざ女子寮まで訪ねてきたのである。
…ここまで辿り着くまで、女子からの好奇の視線がキツかった。一応しっかりとゴーヤさんに事情は説明したのではあるが、それでも。
さて、扉を軽くノックしてみたが反応はなく、試しにノブを回してみれば――
提督「……不用心だな」
回った。防犯意識ゼロである。…いや、もしかしてこれを気にかける余裕も無いほど辛いのか?
提督「初風ー、生きてるかー?」
初風「……けほっ」
返事は、小さな咳。
ベッドの上で、デコに冷えピタを貼った初風が苦しそうに寝ている。
提督「…初風?」
……もしかして、いきなり悪化したとか…。
こんなことなら、先に誰かに言えばよかっただろうか。後悔が頭をよぎる。
提督「………ん?」
が、その時、ベッドの側の壁に目立つように貼られた紙に気付いた。
『王子様のキスで起きます はりーはりー』
提督「………」
提督「……元気じゃねぇか!」
ぺしっ。
冷えピタの上からデコを叩く。
初風「……酷いわ、提督くん」
苦しそうだったそれは途端に無表情になり、開かれた両目が俺を捉えた。
提督「…うっせ、心配したんだぞ」
初風「ふふ、心配させるような演技をしていたもの」
提督「……あのなぁ」
初風「…ごめんなさい、少し調子に乗りすぎたわね」
提督「……全くだ、本当に悪い時に信用してもらえなくなるぞ」
初風「それでも、貴方に心配して欲しかったの」
…っ、全くこいつはこっちまで恥ずかしくなるような事を平気で…。
初風「…そうだ、提督くん」
提督「…なんだよ」
初風「これから本当に寝ようと思ってるのだけど……良かったら、手」
眠るまででいいから―と、初風が布団の下から白い小さな手を見せた。
>>+4
A.…わかったよ。
B.…元気そうだし、別にいいだろ。
C.…そんなに人肌恋しいなら、ゴーヤさんでも。
A.…わかったよ。(*1.5)
提督「…わかったよ」
その手を、そっと握る。
熱があるのは本当なのだろう、俺の手よりも、いくらか温かい。
初風「……ん」
提督「…ちゃんと寝るまでいてやるから、安心していいぞ」
初風「……ふっ」
提督「…?」
初風が、不敵に口角を上げた。
初風「…提督くん、私は確かにこれから寝ると言ったわ」
提督「そうだな、…で?」
初風「でも、その寝る時間までは名言していないわ!…げほっ」
提督「……つまり?」
初風「…ごほっ、私が起きている限り提督くんの手を味わえるから絶対寝な――げほっ!」
提督「…アホ、結構悪そうじゃねーか、はよ寝ろ」
ギラギラと見開いた瞼の上に、空いている左手の掌を被せる。
初風「………わかったわ」
やはり本調子でないようだ。
それから程なくして、初風は規則的な寝息を立て始めた。
提督「…病気の時くらいおとなしくしとけっつの」
さて―と立ち上がろうとする、が。
提督「…………」
手が離れない。
物凄い強く握られている。
………。
…結局、もう一度初風が目を覚ますまで俺はこの部屋にいることになってしまったのだった。
初風→ 288/500
【5月3週】
提督「…風邪治ったか?」
初風「お陰様で、前よりいいくらいよ」
提督「そりゃ良かった」
初風「…提督くん」
提督「ん?」
初風「……ありがとう、ね」
提督「…いいさ、気にすんな」
初風「……凄く、嬉しかった、来てくれて」
提督「だ、だから…そんなに気にすんなよ、照れるだろなんか」
初風「お礼に私の身体を貪っていいわ」
提督「………そうか…」
台無しである。
コミュ対象 02:00に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 288/500
蒼龍 **0/500
ビス 109/500
――教室
初風「………」グニー
初風「………」ムニー
提督「…………」
休み時間。
隣の席の初風が、何か頬をむにむにといじりながら鏡に向かって変顔を作っている。
…変な顔だ。
提督「何してんだ?」
初風「……はひ?」ムニー
提督「ぷっ」
手で頬を伸ばしたままの顔で、初風が俺の方を向いた。
思わず笑いが漏れる。
初風「……」
提督「……いや、すまん…で、何やってんだ?」
初風「…笑顔を作っているのよ」
提督「笑顔?」
初風「そう」
もう一度、ぐにぃ、と頬を持ち上げる。
それを鏡で見てから離し、溜息を吐いた。
初風「…私、あんまりうまく笑えないじゃない」
提督「そうか?特に気にならないけど…」
初風「私も…気にしてなかったんだけどね」
初風「……気にするようになったのよ」ボソッ
提督「…?何か言ったか?」
初風「…別に、何でも無いわ」
初風「……ねえ、提督くん」
提督「ん?」
初風「…難しいわね、こういうのって」
提督「……そうかな」
初風「ええ、少なくとも私にとっては」
初風「…提督くんは、嫌い?」
提督「…何が?」
初風「無愛想な女の子」
…ふむ――――
>>+4
A.…ま、表情は豊かな方が。
B.初風は、どんな顔でも。
C.よしよし。撫でる。
C.よしよし。撫でる。(*1.0)
―いや、無愛想でも良いと思う。
―初風は無愛想なんかじゃない。
……ふーむ。
提督「…よしよし」
…結局、何も言う事が浮かばなかったので。
とりあえず撫でてみた。
うわ髪すっげーさらさら。
初風「……何をやっているのかしら」
提督「撫でてる」
初風「とても嬉しいので、もっとやって欲しいわ」
提督「…そうか」
初風「でもね、提督くん」
提督「ん?」
初風「誤魔化し方、下手よ」
提督「……すまん」
初風「…ま、いいけどね、別に」
提督「………」
初風「手、止めない」
提督「…うっす」
初風→ 298/500
今日はここまで
短くてごめん
今日は21時くらい
井納の11勝目見とけよ見とけよ~
【5月4週】
「…で、お前ビスマルクちゃんとどうなってんの?」
提督「…なんにもないぞ、友人A」
「……マジかよ」
提督「…いや、そりゃ俺だって意識はするけどさ」
「…もしかしてホモとか?」
提督「違うから、逃げるな!」
初風「……男になる方法…」カタカタ
提督「ググるな!」
コミュ対象 21:42に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 298/500
蒼龍 **0/500
ビス 109/500
――私室
提督「………ぐぅ…」
身体がだるい。
思い返すは、寮母の言葉。
『…うーん、風邪だねー』
『今日は休みって連絡はしておくから、ゆっくり休むんだよ』
…移された。とは、流石に言えんか。
しかし情けない。日頃の体調管理には気を付けていたというのに。
…まあ、なってしまったものは仕方ない。
提督「……寝よう」
薬も飲んだ。今できることはそれだけだ。
布団に体重を投げ出せば、すぐに意識は闇へと落ちていった――――
――――――――――――――
『……提督くん?』
声が聞こえる。
…誰か、部屋にいるのだろうか。
熱と眠気でぼやけた意識が、少しずつクリアになってくる。
『…寝てるのね』
この声は、初風?
わざわざ来てくれたのか。
起きて迎えたいが、戻ってきたのは半分どこかへ飛んでいるような意識だけ。
身体は何かに包まれたように重く、動かない。
『……苦しそう』
心配そうな声。続いて、右手にひやりとした感覚。
『…手、熱い』
『……私の、移しちゃったのかしら』
…段々と、重かった瞼が軽くなってくる。
やっと起き上がれそうだ。
『提督くん、寝てるの…よね?』
そんな時、声が明らかに近くなった。
鼻先に、吐息が触れる。
『……卑怯、なのでしょうね、きっと』
『…でも…』
はっきりし始めた意識が、顔の近くに気配を捉えた。
こいつ、まさか――
>>+4
A.動かない。
B.気合で起きる。
C.寝返りを打つ。
C.寝返りを打つ。(*0.5)
ごろん。
重い体を、壁の方へと思いっきり転がした。
『あっ……』
『……はぁ』
背中から、溜息が聞こえる。
『…寝てても、貴方は貴方ね、ほんと』
『……』
それから、初風は俺の冷えピタを交換して、何やらを枕元に置いて帰っていった。
扉が閉まる音を確認してから、すっかり覚醒してしまった身体を起こす。
提督「……何置いてったんだろ」
気になったものの、何てことはない。
常温の経口補水液と、朝に飲んだ薬。
寝る前、ゴーヤさんが後で夜の分も届けると言っていたが…なるほど、初風に任せたのか。
提督「……?」
それらを手に取ると、経口補水液のペットボトルを重石代わりにしていたらしい紙が、ひらりと落ちる。
提督「……なんだこりゃ」
拾い上げてみればそこには。
『ばーか』
とだけ、書かれていた。
初風→ 319/500
【初風―その2】
「………私、何しに行ったのかしら」
最初は、心配だから様子を見たくて。
ゴーヤさんに鍵を貰いに行ったら、ついでに薬渡してきてと言われて。
彼の顔を見たら、全部忘れていた。
それどころか、動けない彼に――
「………はぁ」
寝返りを打ってくれてよかったかもしれない。
もしあのまま触れていたら、この比ではなく自己嫌悪していたと思うから。
…いつか。
いつか、ちゃんと正面から、起きている彼と。
【6月1週】
蒼龍「…………」クー
提督「…………」
今日の中間テストの監督官は、蒼龍先生。
テストが終わり、ふと先生の様子に目をやってみると、寝ている。
物凄いぐっすり寝ている。
蒼龍「…………」ニヘー
しかもなんかだらしなく笑っている。
おーい先生、時間見なよ時間。
蒼龍「………」ハッ
そんな俺の願いが通じたのか、蒼龍先生の目が開いた。
蒼龍「…………」キョロキョロ
蒼龍「…………」ホッ
そして時計に急いで目をやり、まだ時間が来ていないことを確認。
安堵の息を吐いた。
かわいい。
コミュ対象 22:43に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 319/500
蒼龍 **0/500
ビス 109/500
提督「前から、気になってた」
ビスマルク「…はひ?」
食堂。ビスマルクがうどんを慣れない手つきの箸で啜っている。
提督「ビスマルクって、何で日本に来たの?」
ビスマルク「ずずっ…んぐ…うーん、何でって言われてもね」
私の意思じゃないし、細かいことはわからないわ、そう言ってまたうどんを啜る。
提督「ビスマルクの意思じゃない?」
ビスマルク「…うん、まあ…私、結構難しい立場だったから」
提督「立場って…お姫さまじゃなかったのか?」
わざとその言葉を選んで言ってみると、彼女は苦笑した。
ビスマルク「…やめてったら、もう」
ビスマルク「…まあ、確かに家自体はプロイセンから続く名家だから、広く言うのなら…そんな感じ、だけどね」
提督「…じゃあ何が難しかったのさ?」
ビスマルク「……お母さんがね、元々使用人だったのよ」
提督「……なるほど」
ビスマルク「あの時の私はそんな事知らなかったし、実際に自分をお姫さまと信じて疑わなかったけどね」
食べかけのうどんのつゆに、箸を投げ出す。
ビスマルク「…あの頃は、誰も相手にしてくれなかったのよ、お母様以外は」
提督「だから、日本に?」
ビスマルク「ちょっとした旅行だって、お母様は言ってたけどね」
今ならわかるわ、その理由も―再び彼女はうどんを啜り始める。
ビスマルク「……だから、嬉しかった」
ビスマルク「…貴方に会えて、嬉しかったの」
提督「……そっか」
ビスマルク「…私はね、あの約束、ちゃんと覚えてるし…忘れるつもりも無いからね?」
私の騎士様、と、彼女は俺に向けてウインクをする。
提督「…そういう柄じゃないよ」
ビスマルク「むー…私、そんなに魅力無いのかしら?」
うどんを口いっぱいに頬張って、不満そうに彼女は俺を見た。
>>+4
A.…いや、十分魅力的だと思う。
B.魅力的だから、困ってる。
C.…そんなことないよ、皆、ビスマルクの事…。
A.…いや、十分魅力的だと思う。(*1.0)
提督「…いや、ビスマルクは十分魅力的だよ」
ビスマルク「…ホントかしらね?」
彼女が俺に向けた瞳に込められたのは、疑惑。
ビスマルク「『シャコージレー』って言葉があるじゃない、この国には」
提督「な、違うさ、ホントに思ってる」
ビスマルク「だったら―」
ビスマルク「…だったら、もうちょっと、応えてくれても良いのに、私の気持ち」
提督「……それは」
ビスマルク「……ごめんなさい、今のは少し意地が悪かったわね」
気付けば、対面の彼女の皿に盛られたうどんは既に無くなっていた。
提督「ビスマルク、その」
ビスマルク「…5限、移動教室よね?」
提督「…あ、ああ」
ビスマルク「そ、じゃ、急がないと」
トレイを持って、返却口へと向かうビスマルク。
俺は、そんな彼女の背後に無言で並んだのだった。
ビスマルク→ 178/500
最近全然書くことが思い付かねぇからいつもに増して書くのが遅い すまんな
風呂
再開
ネタというかモチベがの
最近リアルで悪い事ばっか起きる
【6月2週】
ゴーヤ「………♪」パシャパシャ
「…………」
提督「…………」
「…なあ、提督」
提督「…どうした、友人A」
「……ゴーヤさんがプールで泳いでるな」
提督「そうだな」
「何で水泳部の練習に混じってるのかも気になるが……何でスク水なんだ?」
提督「…わからん」
「…あの人、3×…」
提督「…深く考えるな」
提督「……似合ってるだろ?」
「…似合ってる…けどさ、こう、なんというか」
提督「ゴーヤさんじゅうななさい、な?」
「…そうか…そうなのかもしれないな」
コミュ対象 00:35に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 319/500
蒼龍 **0/500
ビス 178/500
提督「…そろそろ本格的に梅雨入りかぁ」
ビスマルク「ツユ…ああ、雨季ね」
提督「そうそう」
パラパラと雨が落ちる、学園寮までの帰り道。
その中を、ビスマルクと並んで歩く。
提督「しかしさ、ビスマルク」
ビスマルク「なに?」
提督「慣れない国に来て、その上この学校、全寮制だろ?」
提督「苦労とかしてないか、色々」
ビスマルク「…まあ、正直、戸惑うことは今でも沢山あるわ」
ビスマルク「でも、皆優しいから助けてくれるし…」
それに何より―と、傘を少しだけ上げ、その顔を俺に見せて、彼女は言った。
ビスマルク「貴方がいるからね」
提督「………そ、そうか…」
…何でこう、ここまで直球なのだ。
こっちの方が恥ずかしくなる。
ビスマルク「苦労も、なんだか素敵なものに思えるの」
ビスマルク「外国まで好きな人を追って来る―なんて、歌劇みたいな恋じゃない」
ビスマルク「……ま、相方役の人がすこーしだけ不満だけど」
途端に半眼になり、彼女が俺を見つめる。
提督「……ごめん」
ビスマルク「あはは、いいわよ、別に」
ビスマルク「でも、最後はハッピーエンドの喜劇にしてみせるからね!」
言い終わると、彼女は傘を畳んだ。
提督「ビスマルク?」
何を、と言いかけて、視界に広がる滑らなかな金髪。
俺の傘に入った彼女。
ビスマルク「…だから、うん、このくらい許してね?」
提督「………」
雨は、止む気配も無く。
無理矢理入ってきた彼女の半身、傘で覆われていない場所に、水滴が落ちた。
>>+4
A.…詰めないと、濡れるよ。
B.…まぁ、そのくらいなら。
C.………恥ずかしい。
A.…詰めないと、濡れるよ。(*1.5)
提督「…詰めないと、濡れるよ」
ビスマルクが入ってきた方とは反対の右側に、少しだけ身体を動かす。
はみ出た肩に、傘をつたって雨が落ちた。
ビスマルク「…ありがと、提督くん」
すっぽりと覆われた、ビスマルクの身体。
提督「………」
ビスマルク「………」
学園寮までの道、会話は無かった。
ただ、一つの傘の下で二人、歩くだけ。
小さな俺の折りたたみ傘に入る彼女の手には、高級そうな白い傘。
きっと、俺達は周りからは奇妙に見えたかもしれない。
だけど。
ビスマルク「ねえ、提督くん」
提督「…ん?」
ビスマルク「…もうちょっと、詰めていいかしら?」
提督「…うん」
…たまには、濡れるのもいいかもしれないと。
俺はそんな事を思っていたのだった。
ビスマルク→ 179/500
【6月3週】
提督「初風、ちょっといいか?」
初風「ええ、いつでもどこでもいくらでも良いわ」
提督「…自販機にジュースでも買いに行かないか?」
初風「間接キスチャンスね、やったわ」
提督「…久々に全開だな、お前」
初風「むしろ直接していいかしら、今」
提督「…やめろ」
コミュ対象 01:26に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 319/500
蒼龍 **0/500
ビス 179/500
今日はここまで
スローペースでほんとごめん
お付き合いいただきありがとうございました
教室の窓を、軽い音とともに水滴が叩く。
また雨が強くなったのか、そんな事を考えながら外を見つめていた。
ビスマルク「雨がお好き?」
提督「…どうだろうなぁ」
ビスマルク「なーによ、たそがれちゃって」
提督「大人っぽくていいだろ?」
ビスマルク「ええ、素敵よ…まあ、貴方は何をしていても素敵だけどね」
提督「……くー…」
ビスマルク「ふふ、勝った」
…何の勝負だ。
ここで「お前も素敵だな、ビスマルク」とでも言えれば俺の勝ちなのか。
言えないけど。
ビスマルク「失礼するわね、初風さん」
主のいない隣の席に腰を降ろして、椅子を俺の方へと寄せる。
そして、外へと同じように視線をやった。
ビスマルク「…雨、止まないわねー」
提督「そうだなぁ…」
ビスマルク「………」
ビスマルク「……ねえ、提督くん、覚えてる?」
窓の下、水溜りの大量に出来たグラウンドを見ながら、言う。
提督「うん?」
ビスマルク「…小さい頃、あの花畑で遊んでた時…一日だけ降った、雨の事」
提督「……雨――」
思い返す。
春の夕立。鮮やかな花弁を濡らす水。
さっきまで晴れていて、傘なんて持っていなかった俺たちはびしょ濡れで。
ビスマルクの綺麗な白い服も肌も、泥で汚れて。
けれど、馬鹿みたいに水溜りに足を突っ込んだりなんかして、俺達は笑っていた。
提督「…あったなぁ、そんな事も」
懐かしさと幼さに、思わず笑いが漏れる。
それは、彼女も同様。
鼻から小さく息を漏らして、笑みを作った。
ビスマルク「あの日はお母様に怒られたわ、珍しく」
楽しい、幼い記憶。
彼女との記憶。
それは、俺にとって――
>>+4
A.今もまだ鮮やかに、捨て切れない気持ちと共に刻まれていた。
B.…いつしか、どこか遠い物となっていた。
C.やはり、楽しい物だった。
C.やはり、楽しい物だった。(*1.0)
やはり、楽しい物だった。
夢で見るほどに焦がれていたのだから、当然かもしれないが。
ビスマルク「提督くん」
提督「…ん?」
ビスマルク「…また、遊んでみる?」
眼下、グラウンドを指差していたずらっぽく笑う彼女。
提督「…やめとくよ」
ビスマルク「あら、残念だわ」
提督「前みたいにビスマルクの綺麗な身体を汚しちゃ、悪い」
ビスマルク「………」
提督「…どうした?」
ビスマルク「…不意打ちだわ」
提督「はは、これで引き分けかな」
…あー恥ずかしい。
慣れない事はするもんじゃない。
ビスマルク→ 262/500
【ビスマルク―その1】
約束。
大事な、大事な約束。
お姫さまじゃない事なんて、本当はずっと昔からわかってた。
皆私を見て、意地の悪い顔で囁いてたから。
『妾の子』って。
意味はわからなかったけど、意図はわかった。
あんな顔をして言う言葉が、いい言葉なはずがないから。
でも、耐えられた。
お母様が、いつも私を励ましてくれたから。
私の味方は、お母様しかいなかった。
そんなお母様も、心を患ってしまって。
逃げるようにやって来たこの国で、私は泣いていた。
咲き乱れる花の中で、みっともなく叫んでいた。
弱々しく笑う病床のお母様が、あのままいなくなってしまったらどうしようって、そんな不安で押し潰されそうで。
『……ねえ、大丈夫?』
『どこか、痛いの?』
あれは、きっと偶然でも奇跡でもなく、運命なんだと思いたい。
歌劇の中の世界のような運命なんだって。
初めて、お母様以外で私を心から『ビスマルク』って呼んでくれた人。
「……大事な、約束」
綺麗な細工は施された鍵を、胸に抱いて。
確かめるように、私はそう呟いたのだった。
誤字は脳内修正してくれ 書き込み押した後にいつも気付くんや
【6月4週】
初風「あ、傘忘れちゃったわー」
提督「そうか、濡れろ」
初風「…ふぅ、そこまでして私の濡れ透けブラがみたいのかしら、提督くんは」
提督「そんなもんを見せたいのなら運動部棟にでも濡れたままで行け、大人気だぞきっと」
初風「……冷たいわ、いつもにまして冷たいわ」
提督「…お前の手に持ったその傘が見えなきゃまともに相手するんだけどな」
初風「…なるほど」
初風「ねぇ、貴方」
「は、初風さん!?…な、ななな、なんしゅか!?」
初風「傘あげるわ」
「…ほえっ!?ま、マジすか!?あ、あざす!」
初風「……ふぅ、あー、傘忘れちゃったわー」
提督「…あのなぁ……」
初風「これで入れてくれるでしょ?」
提督「……やっぱ読めねぇわ、お前」
コミュ対象 23:45に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 319/500
蒼龍 **0/500
ビス 262/500
――教室
初風「好きよ」
初風「貴方が好き」
初風「…結局、率直に言うのが一番早かったのよね」
放課後の教室。
皆がいなくなるまで少し待っていて、なんて言葉。
まるで、これから告白するみたいだな――
その予想は、的中することになった。
提督「…ま、待て待て、なんだ、いきなり」
初風「……告白よ」
提督「…いつものおふざけか?」
初風「失礼ね」
初風「…おふざけじゃないわ、ついでに付け足すなら、いつものだって本心」
提督「………」
初風「だって、いつまで経ってもちゃんと見てくれないもの」
窓から差す日が、初風を照らす。
ようやく現れた久しぶりの太陽。
逃げるようにそれを見た。
提督「……なあ、初風…」
初風「…返事を、して欲しいわ」
けれど、彼女は許さない。
短い言葉で、逸しかけた視線を制す。
提督「…返事って」
初風「なんでもいい、拒否するというのなら、それはそれで構わないわ」
初風「だけど、返事をして欲しい」
初風「…思ったことでいいの、私の言葉を聞いて、最初に思ったことで」
…俺は――
>>+1-5
A.好きかも、しれない。
B.……ごめん。
C.…時間が欲しい。
A.好きかも、しれない。(*1.5 最低値401)
提督「…好きかも…しれない」
初風「……」
初風「…嬉しいけれど、はっきりしないのね、相変わらず」
提督「…お前が思ったことを言えって言ったから」
初風「だとしても、こういう場合はもう少し色を付ける物でしょう」
提督「…例えば?」
初風「それを自分で考えなさいって言ってるの」
提督「…悪い」
初風「はぁ…何で貴方を好きになったのかしらね」
提督「それは…俺も知りたいな、初風に好かれる要素なんてあったのか?」
初風「気付いたら好きだった、恋愛なんてそんな物でしょう?」
初風「…だから、さっきみたいなはっきりしない言葉でも…嬉しいのよ、思わず饒舌になるくらいにはね」
初風「後、貴方が妙に落ち着いてるのが凄くムカつくわ」
提督「…結構緊張してるんだぞ、これでも」
初風「…本当かしら」
初風「……ね、提督くん」
提督「ん?」
初風「キス、していい?」
提督「はっ!?」
初風「…したいの」
提督「…冗談、じゃあ」
初風「無いわ、勿論」
提督「……き、急過ぎないか?」
初風「…もう、そうやってすぐ逃げようとする、さっきみたいに」
初風「だから、提督くんの意思に関わらずするんだけどね」
提督「――――っ!?」
初風「……ふぅ、ご馳走様」
提督「お、おま…!」
初風「ということで」
初風「…これから、よろしくお願いします、提督くん」
提督「…はい」
初風→ 401/500
【初風―その3】
鏡を見る。
「…………」
不気味な程にニヤけた間抜けな顔が映った。
これが自分の顔なのか。
ほっぺたを引っ張ってみる。
鏡の中の顔も歪んだ。
なるほど、確かに自分の顔らしい。
「……提督くん……」
とりあえず出したい声を出してみた。
もっとニヤけた顔になった。
なんか蕩けてるってレベルである。
「……練習、いらなかったわね」
どうやら、自分はちゃんと笑えるらしい。
…うん、次の悩みは。
「…どうやったらいつもの表情に戻るのかしら」
貴方の顔を思い出すだけで、頬が緩みます。
そんな、新しい悩みが出来ました。
【7月1週】
初風「提督くん」
提督「ん?」
初風「…手、繋いで欲しいわ」
提督「……ん」
学園寮から学校までの、短い距離の通学路。
終わりに近付いてきた梅雨と、やって来た夏を象徴するような強い日差し。
学生の集団の中で、俺は彼女の手を握る。
初風「…汗ばんでるわね、手」
提督「うっせ、暑いんだよ」
初風「ふふ、そう」
初風「…ね、提督くん」
手を握ったまま、初風が俺を見た。
銀の髪が、日に輝く。
思わず、息を呑む。
初風「汗を舐めて塩分補給出来るのかしら」
提督「台無しだよ!」
初風は、変わらず初風であった。
コミュ対象 00:51に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **0/500
初風 401/500
蒼龍 **0/500
ビス 262/500
――教室
提督「隼鷹さん」
隼鷹「あー…っと、はい、どうしましたか?」
提督「いや、隼鷹さんだけ進路希望表出してないって、蒼龍先生が」
隼鷹「…ああ…すいません」
職員室に寄った帰り。
蒼龍先生からの頼み事を受けてしまった。
面倒くさいとは思いつつも断れない日本人の俺。
とにかく手早く済ませてしまえばいいのだ。
隼鷹「今書くから…」
隼鷹「…あれ…どこやったかな、進路希望表…」
机の中に手を突っ込んで、ガサガサと音を立てながらプリントをあさっている。
…机の中が案外汚い。ちょっと意外だ。
と、その時。
隼鷹「良かった、あった――」
プリントの中から引っこ抜いた進路希望表が、そのまま床へと落ちる。
それも、計ったように俺の真下へ。
提督「………?」
今書く、と言っていたので、てっきり白紙だろうと思っていたのだが。
その紙は、第一希望の所だけ荒い筆跡で埋められていた。
『普通に生きたい』
隼鷹「……っ!?」
すぐに隼鷹さんがそれを拾い上げる。
そして、睨むように俺を見た。
隼鷹「………何でもないですから」
提督「………」
俺は――
>>+4
A.…見なかったことに。
B.…どういう意味?
C.普通って?
A.…見なかったことに。(*0.5)
提督「……えっと、じゃあ、進路希望表は」
隼鷹「…放課後、自分で出しに行きます」
隼鷹「わざわざ、ありがとうございました」
提督「う、うん、良いよ、気にしないで」
隼鷹さんが、小さく礼をした。
それに片手を挙げて応じる。
消しゴムが紙を何度か撫でると、先程見た言葉も消える。
…あれは、一体何だったのだろう。
そんな事を思いながら、とりあえず蒼龍先生へと報告に行くのであった。
隼鷹→ **2/500
【7月2週】
提督「そういえばさ」
ビスマルク「どうしたの?」
提督「夏休みは実家に帰るのか?」
ビスマルク「…ううん、こっちにいるわ」
提督「あれ?てっきり向こうに帰るのかと」
ビスマルク「…あっちは、あんまり楽しい場所じゃないし」
提督「…そうなのか」
ビスマルク「それに、オボンを体験したいのよ」
提督「…お盆を体験?」
ビスマルク「皆でオハカに行ってキモダメシをしながら死者のメーフクを祈るんでしょう?」
提督「…色々混ざってるぞ、なんか…」
ビスマルク「あれ?」
コミュ対象 01:28に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **2/500
初風 401/500
蒼龍 **0/500
ビス 262/500
今日はここまで
お付き合いいただきありがとうございました
はいシーズン終了
何やってんだほんとばーかばーか
今日は23時までに来なかったら無いものだと思って下さい、すいません
寝ようと思ったのに腹が立って眠れん
始めます
蒼龍「あ、提督くん、今ちょっと良いかな?」
提督「蒼龍先生?」
廊下を歩いていて、掛けられた声。
その主は、少し申し訳なさそうに笑っていた。
蒼龍「ごめんね、いやー…授業の教材、移動させなきゃなんだけど…」
と、自らの背後、開けられた扉の中へ視線をやる。
そこには、確かに女性一人で運ぶには厳しいであろう量のダンボール。
蒼龍「…時間があったらでいいんだけど…」
提督「ああ、いいですよ」
紳士の俺は、迷わず即答する。
別に昼休みに他にやることがないからという訳では無い、断じて無い。
蒼龍「やたっ!ありがと、提督くん!」
提督「ちょ、先生!?」
蒼龍「…わ、ご、ごめんなさい!」
先生が感動の余り…かどうかは知らないが、俺の手を握った。
その柔らかな感触に思わずたじろぐと、先生も慌ててそれを離す。
…ナチュラルボディタッチは結構心臓に悪い。
提督「しょ…っと…とりあえず、これ、どこまで運ぶんですか?」
蒼龍「え?あ、と、うん!教室だよ!」
その気恥ずかしさを誤魔化すように、先生の脇を抜け、ダンボールを手に取る。
中々にずっしりとした質感が、両手を襲う。
なるほど、これは先生が運ぶにはキツいだろう。
蒼龍「提督くん、案外力持ちだねー」
提督「別に、普通っすよ」
そのまま、並んで教室へと歩いて行く。
途中、すれ違う先生に挨拶をする生徒が何人もいた。
提督「…先生、人気っすよね」
蒼龍「そうかなぁ?普通だと思うけど…」
…ちなみに人気の秘訣はそのご尊顔と明るい性格は勿論、授業中の寛容さもあったりする。
提督「んなことはないですよ、皆先生の事、いい先生だって言ってますよ」
蒼龍「もう、褒めても何にも出ないってば」
蒼龍「…でもまぁ、嬉しいかな、そういう生徒に人気の先生になりたいって思ってたし」
蒼龍「…そうだ、提督くんはどうなの?」
提督「え、俺っすか?」
蒼龍「うんうん、ぜひ忌憚のない意見をばっ!」
うーん、蒼龍先生の事は――
>>+4
A.いい先生だと。
B.もうちょい授業のやり方とか…。
C.はい、好きです。
B.もうちょい授業のやり方とか…。(*0.5)
提督「んー…そうっすね、ちょっと生意気な事、言ってもいいですか?」
蒼龍「うんうんっ」
提督「まず、授業の進め方なんすけど」
蒼龍「…うんうん」
提督「概ね問題は無いんですけどね、もうちょっと深く解説して欲しいなーって所があります」
蒼龍「…うん」
提督「1年の時の飛龍先生が結構そういう所細かったんで、余計に思うんですよね」
蒼龍「………うん」
提督「後…そうですね、もうちょい注意何とかなんないですか?」
蒼龍「…注意?」
提督「優しいのはいいんですけど、あそこまで騒いでるの放置ってのはちょっと」
提督「…それと――って、先生?」
気付けば、隣の蒼龍先生が物凄い猫背になっていた。
先程までの明るさも消えている。
蒼龍「…あ、あはは…忌憚ない…忌憚なさすぎるよ提督くん…」
提督「……すいません、少し、言い過ぎました」
蒼龍「で、でも!うん!そうだよね!まだまだ改善していかなきゃいけないよね!」
よーし、やるぞー!と蒼龍先生が右手を掲げる。
がんっ。
「…蒼龍先生、如何致しましたか?」
その右手が、折悪く前から歩いてきた現国の不知火教諭にぶち当たった。
鋭い眼光に睨まれて、蒼龍先生の背中が更に丸まった。
この後めちゃくちゃ謝ってた。別に気にしてなかったみたいだけど。
蒼龍→ *46/500
【7月3週】
初風「もうそろそろ夏休みね」
提督「そうだな……なあ、初風」
初風「どうしたのかしら?」
提督「…ここは俺の部屋、だよな」
初風「ええ」
提督「室内だよな」
初風「…当たり前じゃない、どうしたのよ」
提督「じゃあ何でお前は水着なんだよ!?」
初風「夏気分を先取りしたのよ、素敵でしょう?」
提督「アホか!」
初風「…そう…全部脱いだほうがお好みだったのかしら」
提督「そういう意味じゃねえよ!」
コミュ対象 23:35に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **2/500
初風 401/500
蒼龍 *46/500
ビス 262/500
昼休み。
教室の窓際で、外を眺めるビスマルク。
周りには誰もいない。
その瞳には、見覚えがあった。
幼少期にも、あんな目をした彼女を見たことがある。
花畑の中で体育座りをして、遠くに連なる山々を見ていた。
…あの時は――
『…ビスマルクちゃん、どうしたの?』
『提督くん……?』
何処か虚ろな目。
少しだけ、潤んでいる目。
『…ううん、何でもないの』
『でも、元気無さそうだよ?』
『……そうかな』
『うん、それに、泣いてるみたい』
『…何かあったの?』
『……何でもない』
『でも』
『…ねえ、提督くん』
『?』
『…お願い、私の名前を呼んで』
『名前?』
『それだけでいいの、お願い』
『…う、うん――』
後にも先にも、あんな彼女を見たのはあの時だけだった。
…もしかして今も、同じ事を考えているのだろうか。
わからないけれど、そんな気がした。
………。
俺は――
>>+4
A.そっとしておく。
B.とにかく話しかけてみる。
C.あの頃と、同じように。
A.そっとしておく。(*0.5)
…そっとしておくか。
とてもじゃないが、話しかけられたそうにしている様子には見えない。
過去は、あくまでも過去である。
というかなんだよ同じ目って、ポエムかよ。
君はあの頃と同じ瞳をしているね、きりっ。とか恥ずかしいわボケ。
ビスマルクから視線を外す。
まあ、こんな歳だ。
悩みの一つや二つ、誰にでもあるというもの。
ビスマルク、君もせいぜい悩むといい。
その果てには、きっと幸せが待っているさ!
…ああ。
俺は何を言っているのだろう。
ビスマルク→ 263/500
【7月4週】
遂に突入した、夏休み。
長期休暇ということで寮を離れる人間も多い。
しかし、俺は実家が遠いという事もあり、この寮で夏休みも過ごしている。
ゴーヤ「親不孝でちねー…寂しくないの?」
提督「別に、もう親離れはしたっすよ」
ゴーヤ「提督くんはそれでいいかもしれないけど、親御さんはきっと寂しがってるよ」
提督「はは、もう俺にとってはゴーヤさんがお母――」
ゴーヤ「………」ジッ
提督「…お姉さん、そう、家族みたいなものですからね」
ゴーヤ「もう、心にも無い事言わなくてもいいよー」
……そう言って喉を鳴らすゴーヤさん。
だが、俺は忘れない。
お母さんと言いかけた時の、あの鋭い睨みを。
コミュ対象 00:14に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **2/500
初風 401/500
蒼龍 *46/500
ビス 262/500
ビスマルク「…ねえ、提督くん」
提督「うん?」
その声の主をビスマルクだと認識するのには、少しだけ時間を要した。
なぜなら、それがいつもの快活な物とは程遠かったから。
ビスマルク「…ごめんね、ちょっといい?」
ビスマルク「時間は、余り取らせないから」
提督「良いけど、どうしたのさ、改まって」
ビスマルク「……うん」
ちょっとだけ、噂を聞いたから―彼女は、小さくそう漏らした。
提督「噂?」
ビスマルク「…大したことじゃないの」
ビスマルク「多分、違うんだろうって事もなんとなくわかってるんだけど…それでも、不安だったから」
提督「んー…俺の噂、って…良い予感はしないなぁ、あんまり」
全く。一体どんな噂が出回っているというのだ。
…あ。
もしかして水泳部の練習を定期的に友人Aと覗いてる事がバレたか。
……いや、あれは違う。あれはたまたまあの位置で寮に帰る前に友人Aとお話をしているだけなんだ。
だから例え水泳部の練習が目に入ってしまったとしてもそれは全く持って事故であり俺達にとっては背景でしかない。
ビスマルク「…提督くんって…」
提督「………」
ごくり。喉を鳴らす。
…大丈夫、言い訳…じゃない、理由付けは完璧だ。
ビスマルク「…初風さんと、付き合ってるの?」
提督「え?」
だから、不意打ちに驚いた。
おおっぴらにしたつもりも無かった事だった。
初風と一緒にいるのも、変な会話をするのもある程度慣れた光景だったし。
付き合う、と言ってからも、そこまで俺たちの関係で目に見えて変わったことは無い―と思う。
…だがまぁ、噂になるというのは…うむ、気付く奴は気付くのだろうか。
ビスマルク「…提督くん?」
不安で彩られた両目が、俺を見る。
……――――
>>+1-5
A.正直に言う。
B.この場は誤魔化す。
C.否定する。
…そうか、3選択肢で5票はあかんか…
>>+1-3
AorC
A.正直に言う(*1.5 最低値301 ビスマルク)
提督「…本当、だよ」
ビスマルク「え……?」
提督「…この前、告白された」
ビスマルク「………」
提督「いつか、ちゃんと言おうと思ってたんだけどさ」
提督「…何だろ、何だか…」
…多分、言えなかったのは、未練。
あの約束に対する、小さな恋心に対する、未練。
言ってしまえば、彼女との関係が終わってしまうような気がして。
だから…きっと、ずっと黙っていたんだ。
提督「…あの」
ビスマルク「そう…なのね」
ビスマルク「…本当、なんだ」
約束、という話に言及しようとして、気付く。
俺の言葉は、既に彼女へ届いていない。
提督「…ビスマルク?」
ビスマルク「…あ、…うん、ごめん、それだけ」
ビスマルク「…それだけ、だから」
声は、更に小さくなった。
振り返り、寮の廊下を、ビスマルクが早足で駆けていく。
提督「……紋章、返さないとな」
一人、そんな言葉を呟いた。
ビスマルク→ 365/500
【ビスマルク―その2】
私を取り巻く状況は、大きく変わった。
まず、お父様が亡くなってしまった事。
そして、その財産を本来ならば継ぐはずだった人達も、次々に死んでいってしまった事。
その不幸は、私にとって幸運だった。
お父様の子どもは、私だけになって。
残されたのは、莫大な財産。
私は、本当のお姫さまになってしまったのだ。
それを使って最初にしたのは、彼を探すこと。
…理由は、一つだけ。
私は、私を見て欲しかった。
『妾の子』でも、『お姫さま』でもない。
『ビスマルク』を見て欲しかったのだ。
綺麗に飾り立てた言葉でも、意地の悪い笑顔でもない。
心から、ただ純粋に私を見て欲しい。
お母様や、貴方の様に。
…お母様も、亡くなってしまって。
唯一つ残った拠り所であった貴方は。
「……馬鹿みたい」
…それはきっと、自分に呟いた物。
あんな小さな頃の約束なんて、覚えてなくて当然なのに。
ましてや、あんな物にしがみついて生きるような人間なんている筈もないのに。
でも、諦めきれなくて。
諦めたくなくて。
もう一度、縋るように鍵を掴んだ。
今日はここまで
お付き合いいただきありがとうございました
山口くん!信じてたよ!
1時間後始めるよ!
>>1は勝った日のスポニュー巡りとかしないのかな?
あれしてると普通に0時前になったりするね
>>950 書きながら見てます、勝ち試合は何度見ても良いもんです
【8月1週】
提督「初風」
初風「…何?」
提督「実家帰んないの?」
初風「提督くんが寮にいるからね」
提督「いや、帰れよ」
初風「人がいないうちに寮の食堂とか廊下とか目立つ場所でくんずほぐれつしたいの」
提督「…えぇ」
初風「ちょっと待って流石に冗談だからそこまで露骨に引かないでねぇったら」
コミュ対象 22:43に一番近いレス
伊58 **0/500
隼鷹 **2/500
初風 401/500
蒼龍 *46/500
ビス 365/500
――私室
初風「思うのよ」
提督「ん?」
俺の部屋、学習机の前に置かれた椅子に座ってくるくると回る初風。
彼女がベッドに寝そべる俺の方を向いて急にピタリと止まった。
初風「提督くんって、本当に私の事好きなのかしら?」
提督「…まぁ」
初風「…何で曖昧なのよ、泣くわよ」
提督「いや…何か、あんま実感湧かないっつーかね」
初風「実感?」
提督「…んー…なんていやーいいか」
こうして部屋でだらだらするのも、教室で弁当を机合わせて食べるのも、アホみたいな話をするのも。
提督「結局、あんまり前と変わらなくね?」
初風「違うわ」
だが、彼女はそんな俺の疑問に即答した。
初風「…貴方にとっては変わらないのかもしれないけど、私にとっては全然違う」
初風「貴方の事が好きだってはっきり理解して、その上で貴方に私はその事を伝えたわ」
それを、貴方は拒否しなかった。確認するように一つ呟く。
初風「それだけでも、私にとっては全然違うの」
初風「…例えやってることが同じでも、よ」
提督「……そんな物なのかね」
反射的に出た言葉に、初風の顔が見るからに陰る。
初風「…貴方は」
提督「…悪い、失言だった」
彼女が溜息を吐く。
それは呆れとも、諦めとも取れた。
初風「……ねぇ、提督くん」
提督「…ああ」
初風「…貴方は、本当に私の事が好きなのかしら」
提督「それは…それは、本当だ、断言できる」
初風「…そう、嬉しいわ」
初風「でも、不安なのよ」
初風「…私と居るとき、貴方はドキドキするのかしら?少しは緊張してくれたりするのかしら?」
初風「そんな事を、ね…考えてしまうのよ」
提督「………」
>>+4
A.……するさ、勿論。
B.…安心はするんだが。
C.しない。
A.……するさ、勿論。(*1.5)
提督「………あのな」
立ち上がり、一歩踏み出す。
相変わらずつまらなそうに回転椅子を弄んでいる初風に。
初風「……何よ」
提督「……初風、お前は可愛い」
初風「……………」
初風「…………!?」
提督「…正直、お前が俺なんかに惚れた理由がわからんくらいには」
提督「でもまぁ、友達だっつってちゃんとそういう線引きしてさ、ただのアホだって見てた分には良かったんだけど…」
提督「『恋人』だってお前を意識して、見てみたら…あー…何だ」
提督「……とにかく、可愛かったんだよ!」
不思議なもので。
あんなにいつも話をしてた初風を、いざ恋人なんだって意識すると。
緊張しすぎて、ちょっと会話が出来ないくらいにまで知能が低下してしまった。
皆まで言うな。
初風「…ふふっ…何それ、じゃあ、さっきまでのつれない態度、本当にツンデレだったのね」
提督「…違…わない、そうです、好きです」
初風「…可愛いんだから」
提督「……おみゃ…お前の方が可愛いよ」
初風「…ぷっ」
提督「……だから嫌だったんだ!ほら、普通に話せ!普通に!」
初風「あら、じゃあツイスターゲームでもしましょう、二人で」バサッ
提督「それどっから出した!?」
初風「ナプ――」
提督「道理で赤が多いと思ったよ!?」
一体。
いつになればこいつを恋人だって紹介できる日は来るのだろうか。
…少なくとも、こんな調子じゃ遠いなぁ。
初風→ 500/500(ED解放)
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★10【安価】
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★10【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409754311/)
やりました。
そんじゃぼちぼち埋めるか
いや、多分これ埋められねーかもしれんけど
前スレ>>999から
その回想をしていた時間は、恐らく10秒と無かったはずなのに。
まるで何時間にも感じられる程に長かった。
大井の口が、再び動く。
歯を食いしばる。
何を言われても、良いつもりだった。
何をされても、受け止めるつもりだった。
だけど――
「素晴らしいですねっ!」
「は?」
「ファッ!?」
…喜色満面で大井が叫んだその言葉、流石にそれだけは予想出来なかった。
それはメイドも同様だったようで、目を剥いて奇声をあげていた。
…というか何その声。
「良かったぁ…これでお姉様と堂々とお付き合いできます、うふふ」
「は、いや、ちょ、おまこら!違うっしょ!?そういうのじゃないでしょ!?」
「あらそういえばメイド、貴女もしかして知っていたのかしら?」
「いやそりゃ知ってるけど、今言及するのはそこじゃないってーの!」
漣がヤバイくらいに慌てている。
無理もない。
はっきり言って僕も何がなんだかわからない。
「こいつ!」
ビシッと僕を漣が指す。コイツ呼ばわりって…。
「こいつ、女装してたんだよ!」
「ええ、とても素敵でした」
「なにいってだ!?」
………。
…ごめん大井、僕も漣に賛成。
ちょっと何言ってるかわからない。
そんな呆けた僕に、大井は近付いて。
「お姉様…、とは、呼ばないほうがいいのでしょうか」
「え、…いや、大井の呼びたい…ように」
「ふふ、では、お姉様と呼ばせていただきます」
僕の手を、両手で包んだ。
「お姉様」
「……は、はい!?」
「…ふふ、慌てる貴方も素敵です」
「………」
もう僕は何がなんだかわからない。
これはどういうことなんだろう。
「……私は、お姉様が好きです」
「外見とか、性別とか…そんな些細な事は、関係無く」
「貴方が、好きなんです」
「入学式の日、助けてくれた時から今まで、ずっと――」
「…でも、僕は君を騙してた」
「…そんな事はありません」
大井が手のひらに力を込めると、包まれた手から温かさが伝わってくるようで。
それは、彼女が僕にずっと向けたままの優しい笑顔のせいだろうか。
安心してはいけないのに、安心してしまうんだ。
「…お姉様は、お姉様です」
「私を助けてくれた、凛々しい貴方がお姉様」
「騙していた、なんて…私が見抜けなかっただけですよ、ふふっ」
「……大井」
「…それに、お姉様はわざわざ正体がバレるかもしれないって危険を冒してまで、私を助けてくれました」
「………」
「ほら、お姉様は優しいです」
「大井…」
「まあ、一つだけちょっと頭に来ましたけど」
「え…?」
握った手、その片方を解く。
そして、人差し指で僕の鼻先に触れた。
「私に相談してくれなかった事、です」
「…そんなに信頼して貰えませんでしたか?」
「………大井……」
「…納得できねーです!」
口を挟んだのは、漸く復活したらしいメイド。
「何で大井さんはそんなにコイツを庇うんですか!」
「だって、好きだもの」
「お姉様の事を、この上なく愛しているから」
それ以外に必要かしら、理由が―微笑みを浮かべたままで言う。
「……っかー……」
迷いない言葉に、メイドが面食らう。
このメイドが論破される場面とは…珍しい。
…いや、今のは論破というか、正面からハンマーで殴りかかったみたいなものだけども。
「ですから、お姉様」
「…改めて言おうと思うんです、私と――」
「私と、お付き合いして頂けませんでしょうか?」
貴方だけに向けた愛だから。
貴方のためだけの愛だから。
必要なのは一つだけ。
貴方が貴方であるという事だけ。
それだけでいいの。
だって、それが私の愛だから。
【おしまい】
前回の投下ももうちょっと細切れにして一緒に混ぜれば12レス分くらいあったんです。です
実はあの週で一番書きたかったのは擬似百合プレイ
埋めてくだはい
乙です
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