【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★5【安価】 (974)

・艦娘×提督の学園もの
・エロ、グロといった描写があるかもしれません
・なんかドロっとしているかもしれません


前スレ

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★2【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★3【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★4【安価】
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ヒロインまとめ

【一周目】

電(幼馴染)          499/***
浜風(娘)           151/500

あきつ(後輩)         307/500
足柄(先輩)          300/500
○青葉(同士)        496/500



【二周目】

大和(管理人)        500/500
○不知火(親友)       500/500
飛鷹(教師)          *75/500
五十鈴(転校生)       217/500
北上(同居人)       248/500


【三周目】

雷(クラスメイト)       240/500
球磨(スラッガー)      *98/500
間宮(バイト先の店長)   **5/500
○那珂(超人気アイドル)  500/500
阿武隈(義妹)        167/500


【四周目】

陽炎(幼馴染)        **0/500

川内(学生であり怪盗)   140/500
卯月(妹分)          **8/500
榛名(後輩)          133/500
○暁(妹)           500/500

忘れてた

【五週目】


初春(自称宇宙人)
叢雲(↑のライバル、自称超能力者…?)
長門(自称未来人)
響(ロシアからの帰国子女…?)
山城(元カノ)

バッドエンド。



――教室


夕暮れ時。

茜色に染まるさ…じゃない、教室。

部活終わりに、課題のプリントを机に放り込んだままだったことを思い出して戻ってきたそこに、彼女はいた。

吹雪「…………♪」

窓際の席、紅い夕陽に照らされて、上機嫌で外を見る吹雪。

耳を澄ませば、彼女の鼻歌が風に乗ってここまで届いてくる。

綺麗な歌声だった。

別に凄く上手いというわけではないけれど…綺麗だった。

よく判らない言い回しだが、そう感じたのだから、そう言うしか無い。

そのまるで良く出来た絵画…は言い過ぎか、吹雪だし。

えー…そのまるで良く撮れたスナップショットのような光景。

残念だが、俺はそれを壊さなければならない。

……いやだって、あの席、俺の席なんだよね。

吹雪の本当の席は隣。

窓際お日様ぽかぽか席と名付けられた最高の席である。命名者は由良。

吹雪「…~♪~♪」

さて、まだ吹雪は外を見ながら鼻歌を歌っている。

…ふむ、どうしたもんか。

………――――


>>+4


A.そーっと近付く。

B.ごほん、と咳払いしてみる。

C.……ま、別に明日出さなきゃいけない課題でもないし。

C.……ま、別に明日出さなきゃいけない課題でもないし。(*0.5)


…ま、別に明日出さなきゃいけない課題でもないしな。

帰るか。

なんか、あれを邪魔するのは悪い気がする。

それに、俺も何となくあの光景を壊したくないのかもしれない。

…つーのは…まあ、考えすぎかね。

去ろうとして、もう一度窓際の吹雪に目をやる。

吹雪「~♪…ふー……~♪」

鼻歌に、時折音の鳴らない口笛なんかを混ぜながら演奏を続けている。

ばーか、鳴ってないぞ口笛。

そんなことを心の中で思いながら、俺は教室を後にした。

また明日、吹雪。



吹雪→ 215/500

お風呂
個人的にはもがみんのガチガチなヤツで掘られたい

だって読みたいし…誰か書いてくれよな、頼むよ~



【吹雪―その1】


「~♪」

鼻歌を歌う。

夕日に染まった、静かな校舎の窓際で。

なんとなく、とても気分が良い。

今日の部活で、先輩に褒められたからだろうか。

今日のお弁当が、好きな物ばっかりだったからだろうか。

それとも、今座ってる席のせい、だったりして。

「…くすっ」

なんて、なんてね。

あ、そうだ、この前のパンのお礼、まだしてないな。

お金も受け取ってくれなかったし。

何をしようかな。

何なら喜んでくれるかな。

うーん…。

まあ、ゆっくり考えよう。

折角気分が良いのだし、きっと思いつくはず。

「ふー……」

しかし、気分が良いついでに吹いた口笛は鳴らなかった。

空気を吐き出す音だけが、窄めた口の隙間から漏れる。

どうにも気分で解決出来る事ではないらしい。

…ぶー。何がいけないのかなぁ。



【6月1週】


体育の時間。

素晴らしい物である。

何が素晴らしいって、やはり女子の姿かな。

こう、色々と無防備でさ、ぐふふ。

「提督よ、お前今すげー顔してるぞ」

提督「え、マジで?」

「…おう、獲物を狙う狩人…もとい、変質者の目」

提督「ばっかお前、俺は巷ではイケメンとの噂だぞ」

「どこの部族で噂なんだよ」

「アレだろ、アフリカ奥地とか」

提督「んだとてめぇ!」

アフリカ奥地とか…。

アフリカ奥地の褐色美人…?

…案外良いかもしれん。

「……まーた戻ってるぞこいつ」

「…ほっといてやれ、疲れてるんだろ」



千代田  *82/500

吹雪    215/500
赤城    187/500
由良    *73/500
古鷹    **0/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5



――繁華街


『お礼をしたいので出かけましょー!』

とは、吹雪の言である。

そんな訳で、休日の今日、吹雪と一緒に俺は繁華街を歩いている。

吹雪「人、多いですねー」

提督「きゅ、休日だからなー」

吹雪「ですね、皆考える事は一緒ってことでしょうか」

提督「だ、だろうよ」

先程から微妙にどもっているのは、ちゃんと理由がある。

というのも、吹雪に握られた右手である。

なんかこう暖かいしやわっこいしでヤバい。

はぐれるといけませんから、と握られたのだが、ちょっとこう経験値的なアレでヤバい。

くそう、こんな時余裕たっぷりに手を握ってエスコート出来るような人間になりたい。

心なしか、隣を歩く吹雪もいつも通りのように見えて、少し顔が紅い気がする。

握った手も汗ばんでいるような感じだし、いや、これ俺の汗か?

ああもう、手を握ってぎこちない会話をしながら歩く男女とかどこの新米カップルだよ。

提督「あ、あのさ!」

吹雪「あ、あのっ!」

そんな空気を変えようと意を決して顔を吹雪に向けると、同時に吹雪も俺に顔を向けた。

立ち止まった2人が、見つめ合い。

提督「………ぷっ」

吹雪「………あははっ」

どちらともなく、笑いだす。

提督「…なんだよお前、合わせたのかよ」

吹雪「そういう提督くんこそ」

提督「偶然だよ偶然、勘違いすんな」

吹雪「はい、私だって偶然です」

ただそれだけの会話で、先程までの空気が変わる。

手は握ったままで、笑いながら人波を縫って2人で歩いていく。

……そんな時―――


>>;4


A.…隣を歩く吹雪を、不覚にも可愛いと思ってしまった。

B.…たまには、こういうのも良いかもしれない、なんてことを考えた。

C.…やっぱり、こういうのは吹雪ではいまいちしっくりこない、そう思った。

A.…隣を歩く吹雪を、不覚にも可愛いと思ってしまった。(*1.5)


隣にいる吹雪の、その横顔。

それが可愛いな、なんて。

そんな変な事を考えてしまった。

吹雪「…どうかしましたか?私の顔、じっと見て…」

提督「な、何でもねーよ、前見て歩け、こけるぞ」

吹雪「ふふっ、はいはい、気を付けます」

提督「…おう、気を付けろ」

声を掛けられて、慌てて視線を外す。

なのに、しばらくしてまた吹雪の横顔に視線が戻る。

………くそう。

今日はどうにも、何かがおかしいらしい。

吹雪「あの、提督くん、あそこのクレープ…」

提督「前見ろ前!」

吹雪「……クレープ…」

提督「…あ、いや、すまん、ごめん、クレープな、クレープ!」

…俺へのお礼に吹雪が何か買ってくれるという話だったのに。

気付けばなぜか俺が吹雪にクレープを奢っていた。

なんなんだ、今日は。



吹雪→ 227/500



【6月2週】


何もしたくない。

そんな休日はままあるものだ。

一日中ごろーっとしていたい。

ああ、そんな日だってあるのに。

千代田「……ご飯」

提督「…はい」

物凄い不満顔で俺を睨むこいつのせいで、働かされる事になってしまった。

というかさ。

こういうの女の子がするもんだろ。

何で俺がやってるんだよ。

そりゃ昔から親父がなんにもしねーから慣れてるっちゃ慣れてるけどよ。

俺はもうちょっとこう、洗濯とか部屋の掃除とかしたいね。

(千代田の下着の)洗濯とか(千代田の部屋の)掃除とか。

千代田「………」ギロッ

提督「…あ、今すぐ準備しますです、はい」

千代田「…ふん」

女の勘って鋭い。



千代田  *82/500

吹雪    227/500
赤城    187/500
由良    *73/500
古鷹    **0/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5



――通学路


帰り道。

今日は珍しく吹雪も俺も部活が無い。

そんな訳で、2人並んで通学路を歩いている。

吹雪「今日はどうしたんですか?」

提督「ん、いや、結構前から決まってた、たまには休めって部長がさ」

提督「そういう吹雪は?」

吹雪「似たような感じです、大会に向けての慰安休みだって」

提督「ふーん…」

吹雪「…演劇部って大変そうですよねー」

提督「別に、そうでもないぞ?」

吹雪「私には無理ですよー、台詞覚えたりー、役演じたりー」

提督「ま、吹雪にはなー」

吹雪「そこは形だけでも否定してくださいよっ!?」

提督「ははっ」

…つーか、個人的には戦艦道部の方が大変だと思う。

そもそも戦艦道ってなんだよ。

吹雪「…でも、お芝居って、良いですよねー」

提督「そうか?」

吹雪「良いですよ!だって、舞台の上には色んな世界があるじゃないですか!」

提督「世界?」

吹雪「はい!憧れるんですよ、そういうの!」

提督「…じゃあ、やってみりゃいいのに」

吹雪「だからー、私には無理なんですってー…良いんですよ、見てるだけで」

提督「そう難しいもんでも無いと思うぞ?ほら、なんか今演じてみ」

吹雪「わ!?む、無茶ぶりですって!」

提督「いいから、ほれほれ」

吹雪「…むー………わ、わかりましたよ!ごほんっ!」

吹雪『……ああ、騎士様、どうか、私をここから連れ出して下さい』

吹雪『私は、貴方と共にありたいのです』

吹雪『どうか、私の手をお取りになって下さい』

…ああ、どっかで聞いた台詞だと思ったら、今年の新入生歓迎会の演劇か。

古鷹さんの演技に比べると…まあ、ありゃ比べちゃいけないレベルではあるが。

吹雪が手を差し出したまま、俺を見ている――


>>+4

A.「ははっ、下手くそめ」 デコピンしてやる。

B.『はて…姫様はこんな方だったかな?』 とぼける。

C.『仰せの通りに、姫』 出来るだけキザっぽく手を取る。

C.『仰せの通りに、姫』 出来るだけキザっぽく手を取る。


提督『仰せの通りに、姫』

差し出された吹雪の手を、両手で包む。

そして、優しくその身体を此方へと寄せた。

提督『…ずっと、私めも姫とこうありたいと考えていました』

吹雪「…は、えっ、ええっ!?」

あの演劇は最近だし、古鷹先輩に迷惑を掛けてはいけないと大分練習を重ねたので、すぐに台詞を思い出せる。

まあ…うん、このスキンシップは少し過剰だが。

提督『姫、御身に触れるご無礼をお許し下さい』

吹雪「あ、あれっ、え、なに、なにこれっ」

提督『自分は、不忠な騎士であります』

提督『姫のお側で仕えているだけでは満足出来ず、こうして――』

吹雪「ひゃあっ!?」

吹雪の頬に触れる。

俺の視線から逃げたいのか、顔を背けようとする吹雪を、強引に此方に向かせた。

提督『…貴女に触れたいと思ってしまったのですから』

提督「……なーんてな」

吹雪「…ぷしゅー……」

提督「……あれ?」

俺渾身の騎士様の演技により、吹雪姫負傷。

…調子乗りすぎたか?



吹雪→ 323/500



【吹雪―その2】


……。

やばい。

提督くんの顔を、最近まともに見られない。

なんでだろう、なんて考えるまでもない。

「………わー……わー!」

なんとなく大声を出してみる。

今日の出来事を思い出したら、どんどん顔が真っ赤になってきちゃったから。

それを、何とか外に向けたかった。

「吹雪ねえ…うるさい…」

「…ご、ごめんね?初雪」

「……眠いのに…」

2段ベッドの下から、妹の煩わしそうな声がする。

ごめんなさい、変なお姉ちゃんで。

ああ、でも……。

『仰せの通りに、姫』

「…………」

ぽんっ。

そんな軽い爆発を起こしそうな程に、頭に血が上る。

多分真っ赤だ、鏡で見たらきっと真っ赤だ、顔。

「………わー!」

「…だから、うるさいー……」

私は、今日2度目の妹のお叱りを受けながら、枕に顔を埋めたのであった。



【7月1週】


古鷹「次の演劇だけどね」

提督「あ、はい」

古鷹「また、提督くんに主役、お願いしていいかな?」

提督「…へ?」

古鷹「ふふ、この前の騎士役、良かったから」

古鷹「文化祭の相方役もお願いしたいなって」

古鷹「といっても、まだどんなのやるかって決まってないんだけどね」

提督「…まだ決まってないって…じゃあ、尚更今そんな事決めていいんですか?」

古鷹「うん、私、提督くんの演技、好きだなって思ったから」

提督「ぽ、ぽうっ!?」

古鷹「だから、お願いしたいなって」

古鷹「…勝手なお願いだけど…多分、高校最後の演劇だからさ、納得いくものに…」

提督「や、やります!やらせて下さい!どんな役でも!」

古鷹「…よかった!」

由良「………むぅ」



千代田  *82/500

吹雪    323/500
赤城    187/500
由良    *73/500
古鷹    **0/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

吹雪と赤城だけじゃん…
今日はここまで
お付き合い頂きありがとうございました

ゴメス最高や!やっぱ野球って神だわ
今日は巨人戦終わったらやります

すまんな、始めます




――学食


…俺は、学食のある机の前で立ち尽くしていた。

いつも大量の料理が並べられているはずのそこは、空だった。

もしゃもしゃと次々料理を貪る彼女もいない。

提督「……おかしい」

こんなことは初めてである。

ここに初めて座ったあの日から、今までこんなことは起こらなかった。

…異常、そう、異常だ。

別にそりゃ毎日ここに来るとお互いに約束したわけでも無いし、そんな事もあると言われればそれまでなのかもしれないが…。

……ああ、ダメだ、落ち着かん。

提督「…ああ、おばちゃん」

「んー?どうかしたかい?」

そんな時、丁度食堂のおばちゃんが近くを通りかかった。

これ幸いと、話を振る。

提督「赤城、見なかった?」

「赤城ちゃん…ああ、そうだね、そういえば今日は見てないよ」

提督「…じゃあ、来てないってこと?」

「だねえ…だってほら、あの娘が来るとすぐわかるからねぇ」

そう笑って、おばちゃんが裏へと消えていく。

…やはり来てないのか。

うーん……――


>>+4


A.教室を訪ねてみる。

B.…まあ、たまにはこんなこともあるか。

C.ここでもうちょっと待つ。

C.ここでもうちょっと待つ。(*1.0)


…待つか。

うん、待とう。

椅子を引いて、いつもの様に座る。

対面に居るはずの彼女を待つ。

注文は…良いか。

赤城が来てからでいい。

先に頼んで食ってたらあいつが文句を言わないとも限らないしな。

……。

…………。

…………………。

来ない。

やはり来ない。

…もう10分くらい経つが、全く彼女が来る気配は無い。

流石に帰ろうか―と、席を立とうとした時。

「えー…と、いつも、赤城さんとご飯食べてる人…だよね?」

掛けられた声に振り向けば、そこには見覚えの無い女子生徒。

提督「…ああ、うん、そうだけど?」

「あ、良かったー…違ったらどうしようかと思った」

「あのね、えと、私赤城さんと同じクラスなんだけどさ」

「今日、赤城さん、風邪引いたんだって」

提督「風邪?」

「うん、…やっぱり知らなかったんだね、いやいや、ずっと待ってたから」

提督「…なるほど、…うん、ありがとう」

「ううん、気にしないで」

女子生徒が、それじゃ、と軽く手を振り去っていく。

……ふーむ。

そういうことだったか。

…ま、そんな事もあるわな。



赤城→ 276/500



【赤城―その1】


「いやー、赤城さんも案外捨て置けないよねぇ」

「……?何の話でしょうか?」

「とっぼけっちゃってー!」

ぽんぽん、と肩を何度も叩かれる。

風邪を引いて病欠していたせいで、いきなり振られた話の事情が飲み込めない。

「あの…ほら、いつもお昼一緒に食べてる彼」

「提督くん…ですか?」

「そーそー!やっぱ良い仲だったんだね!」

「…良い仲…って、ただ、お昼をご一緒しているだけですよ?」

「ふーん?ふふふー、そうは見えないけどなー」

「……あのですね」

「だってだってさー!昨日、赤城さんが病欠してた時、彼、ずっと赤城さんの事待ってたんだよー?」

「…え?」

「注文もしないでさー、ただじーっと待ってたんだって!」

「私が何も言わなけりゃあれは昼休み終わるまで待ってたかもねー」

「いやー、愛のなせる業、ってやつですかねー、かー羨ましっ!このこのっ!」

「……ほ、本当ですか?それ…」

「…え、う、うん…」

「………そうですか、提督くんが…」

それはつまり…彼は。

私との昼食を、それ程までに楽しみにしてくれていたのだろうか。

…だったら。

だったら、嬉しいな。

そんな事を、考えた。




【7月2週】



『………殺人事件が多発する…』

食事の際のテレビ。

親父はこれを行儀が悪いと嫌っていたが、俺は好きだった。

何の事はない。

あの人と2人で食事をしたって話は弾むことはなかったし。

そもそも、あの人は俺と2人で食事をすることなど少なかったからだ。

だから、俺は食事をしながらテレビを見るのが好きだった。

少なくとも、こいつに意識を向けていれば色々考えずにすむのだから。

…だが、今はそのテレビを猛烈に消したい。

千代田「……………」

なぜなら、我が妹がこいつに釘付けになっているからである。

おそらく長くは続かないだろうが、それでも俺は千代田と話をしたいのに。

…思えば。

俺を諌める親父も、こんな気持ちだったのだろうか。

…なんてことを考えても、答えなど出るはずもないが。

ああ、こっち向いてくれないかな、千代田。



千代田  *82/500

吹雪    323/500
赤城    276/500
由良    *73/500
古鷹    **0/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5



――演劇部部室


由良『………で、あの……えーと…』

提督「はいカット」

由良「…うー…」

提督「…全然覚えてないじゃないか」

夏休み、内々ではあるが、小さな演劇会をすることになっていて。

その主役は毎年1年が抜擢されることになっている。

今年はそれが由良だった、のだけれども。

…こいつ全然台本覚えてない。

提督「お前なー…」

由良「……しょうがないじゃないですか」

提督「…何がしょうがないんだよ」

由良「…私は先輩と共演できるかなーって思って立候補したんです」

提督「ちゃんと言ったぞ、1年による演劇だって」

由良「………うー…」

提督「…あのなあ」

由良「…それに、恋愛物だなんて聞いてないですよー…」

ぶつぶつと、由良がひたすらに文句を垂れ流している。

……はあ、本気でやれば相当な才能を持っているのに。

どうにも気分屋だから困りものだ。

うーむ――



>>+4


A.練習くらいなら付き合ってやるからさ。

B.やる気が無いなら、別に無理してやらなくても良い。

C.良いからさっさと覚えなさい。

A.練習くらいなら付き合ってやるからさ。(*1.5)



提督「まあ、練習の相方役くらいなら俺も付き合ってやるからさ」

提督「だから、頑張ろうぜ、由良」

由良「…本当ですか?」

提督「おう、可愛い後輩の為だ」

由良「……それなら……わかりました、少しくらいは」

提督「…少しくらい、じゃなくて本気でやらんかっての!」

由良「はーい……」

由良「…あ、じゃあ早速ですけど、この台本32Pの主人公の台詞」

提督「んー?」

由良『由良、愛してるよ、この天地に誓ってでも』

由良「から、お願いします」

提督「…待て、なぜいきなりそこを抜き出す」

提督「というか勝手に役名を本名に変えるな」

由良「……付き合ってくれるんですよね?」

提督「…良いか、確かに付き合うとは言ったが…」

由良「……付き合ってくれるんですよね?」

提督「………」

由良「…付き合って――」

提督「……わかったよ」

由良「…ふふー、私の勝ちですねー」

提督「すっげえ釈然としねえ…」

この後めちゃくちゃ恥ずかしい台詞を喋らされた。

…勘弁してくれ。



由良→ 118/500




【7月3週】


提督「人という字は人と人が支えあって出来ている」

吹雪「…そですかー」

提督「つまり、人間の本質とは支えあい、そう、協力にこそあるのだ」

吹雪「…ですねー」

提督「ははっ、いやいやブッキー君よ、この夏休みとはそれを実践する絶好の機会であると…そうは思わないか?」

吹雪「…一応話だけ聞いてあげますー」

提督「つまりだな、夏休みの課題、これを助け合い、支えあいながら消化していく事で――」

吹雪「却下です」

提督「なぜだっ!?」

吹雪「…それは支えあっているのでなく、提督くんが私にのしかかってきているだけです」

提督「…ば、馬鹿な事を!」

吹雪「……という結論に、私は去年までの夏休みの出来事を振り返った結果達しました」

提督「…ちくしょう」

提督「こうなったら本当にのしかかってやらあ!」

吹雪「おーもーいーでーすー…」



千代田  *82/500

吹雪    323/500
赤城    276/500
由良    118/500
古鷹    **0/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

今日はここまで
お付き合い頂きありがとうございました



――演劇部部室


人を惹きつける演技。

言葉にしてみるのは簡単だけれど、実際にそれを実現させるのはとても難しい。

特に、俺のような凡人には。

だったら高望みせずやれるだけで満足しろ、と言われるかもしれないが…。

まあ、その辺は演劇部員のはしくれとしての矜持のようなものだ。

提督「……古鷹さん…」

…彼女なら、何でもなくやってのけるのだろうけれど。

その名前と共に溜息を吐く。

古鷹「…提督くん?呼んだかな?」

提督「うわあっ!?」

すると、後ろから落ち着いた声。

思わず飛び上がるようにしながら声の方向に振り返ると、古鷹さん。

古鷹「もしかして驚かせちゃった?ごめんね」

提督「あ、いえ…俺が勝手に驚いただけなんで…」

古鷹「…ふふっ、何それ…変なの」

提督「あはは、すいません」

古鷹「…でも、ちょっとナーバスそうな声だったから、気になるなぁ」

提督「…そんなテンション低かったっすか?」

古鷹「うん、どよーん…って感じ」

提督「どよーん…」

両手で頭を抱える仕草をしながら、古鷹先輩が言う。

なんか可愛い。

古鷹「…何か悩みがあるなら聞くよ?」

提督「ほんと、何でもないんすよ、ちょっと考え事してただけで…」

古鷹「ふふっ、私の名前を呼んだのは何で?」

提督「…そ、それは…そのー…」

古鷹「もしかして、私の事が好きで悩んでたりするのかな?」

提督「…え、あ、ち、違います!」

古鷹「あはは、冗談だよ…わかってるって、そんな訳ないって」

古鷹「…私の顔、こんなだし…」

痛々しい火傷痕を撫でながら、悲しそうな声で呟く。

古鷹「ごめんね、からかって」

提督「…………」



>>+4

A.「…なんか、すいません」

B.「…なるべくそういうのはやめて下さいね…」

C.「…俺は、古鷹先輩は素敵だと思いますけど…」

C.「…俺は、古鷹先輩は素敵だと思いますけど…」(*1.5)



提督「…俺は、古鷹先輩は素敵だと思いますけど…」

古鷹「え?」

提督「…はっ!?」

何となく考えていた言葉が、そのまま口に出てしまう。

目をぱちくりさせて、古鷹先輩が俺を見ている。

提督「あ、えっと…その…」

古鷹「…もう、良いんだよ?別に気を遣わなくたって」

続く言葉を必死に考える俺に、古鷹先輩が優しい表情で言う。

…それが、俺には気に入らなかった。

嫌だった。傷痕なんかでこの人を否定されるのが。

例え、本人の言であっても。

提督「…古鷹先輩」

古鷹「どうしたの?」

提督「…気を遣ってなんかないです」

提督「…あー…と、さっきのは…その、本心、なんで」

提督「俺は…古鷹先輩の事、凄く素敵だって思ってますから」

古鷹「…提督くん」

提督「……そ、それだけっす!」

先輩が、先程よりも遥かに大きく目を見開いて此方を見つめている。

…冷静に考えるととんでもなく恥ずかしいことを言ってしまった気がする。

顔に血が上るのを感じて、俯く。

古鷹「…ありがとう、嬉しいよ」

ややあって、古鷹先輩が言った。

顔は生憎見ること叶わなかったが、声の端々に、喜色が滲んでいた。



古鷹→ *20/500



【7月4週】


提督「あー…夏休みだなー」

千代田「……………」

提督「夏休みは皆家族と出かけてるんだろうなー」

千代田「……………」

提督「俺も行きたいなー、海とか山とか」

千代田「……………」

提督「おっとこんな所に親父が夏休みだからとくれたお小遣いが!?」

千代田「……………」

提督「これがあれば2人くらいならちょっとした旅行が出来そうだぞ!?」

千代田「……うっさい」

提督「…はい」



千代田  *82/500

吹雪    323/500
赤城    276/500
由良    118/500
古鷹    *20/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

旅行なんて…(チラッチラ



――リビング


夏休み。それは学生が皆基本的に家にいる時期である。

勿論我が家も例に違わず。

こうして昼間から千代田と一緒にリビングで寛いでいる。

会話は無い。どころか視線すら交わしてくれない。

けれど春から考えれば見違えるほどの進歩ではなかろうか。

あの頃なら絶対出て行けって言われてたと思う。

だが、俺はそんなステージで満足なんてしない。

その先を目指すのだ。

提督「千代田」

千代田「……なに?」

提督「どうだ、2人で一緒にゲームでも」

千代田「……ゲーム?」

提督「ああ、テレビゲームでも、ボードゲームでも…千代田の好きな物でいいぞ」

千代田「…なにそれ、馬鹿じゃないの?」

提督「馬鹿とは失敬な、いいじゃないか、暇そうなんだし」

千代田の座るソファー、その横へと腰を下ろす。

それに嫌そうな顔をして逃げようとする彼女をまぁまぁ、と諌める。

千代田「…離れてよ」

提督「そう言うなって、な?」

千代田「……何なのよ、もう」

提督「…千代田、お前は何でそんなに俺の事を嫌うんだ?」

千代田「…何でって…」

提督「確かに親父の件については…その、理解したけどさ」

提督「…前にも言ったように俺は関係ないだろ?」

提督「そりゃ、この言い方は少し無責任かもしれんが…」

千代田「…信用できない」

提督「…ん?」

千代田「あの男の息子ってだけで信用できない」

千代田「…あんた自体は……まぁ、別に、普通だと思うけど…それでも」

提督「………」

おい親父。

あんたに聞かせてやりたいぜこの言葉。

…さて、どうするかな――


>>+4


A.…どうしようもねーな。

B.…どうすれば信用してくれる?

C.なら、千代田が信用してくれるまで――

C.なら、千代田が信用してくれるまで――(*1.5)


しょうがない。

どうやったって親父と俺の血の繋がりは否定出来ない。

千代田が親父を嫌うことも同様に。

だったら――

提督「そっか、そうだったんだな」

千代田「…そう、わかったらさっさと…」

提督「だったら、俺は千代田から信用してもらえるように頑張らなきゃな」

千代田「…え?」

提督「いやいや、そう考えると今信用が無いってのは逆に良いかもな」

提督「こっから上がっていくばかりじゃないか」

千代田「……なに言ってるの?」

提督「ん?これからの方針」

千代田「…千代田の話、聞いてなかったの?」

提督「ああ、勿論聞いてたさ」

提督「その上でどうすればいいかってな」

地道に、彼女から信じてもらえるように頑張ろう。

家族として認めてくれるように。

どんな小さなことからでも。

千代田「………」

呆れ顔で此方を見る千代田。

しばらくそうしていた後、大きく溜息を吐いた。

千代田「……勝手にすれば」

提督「ああ、勝手にする」

提督「つーわけで、ゲームしようぜゲーム!」

千代田「…操作方法わかんない」

提督「はっは、うんうん、手取り足取り俺が教えて――ぐべえ!?」

千代田「近い!」

こうして、俺達はちょっとだけ、仲良くなった。

……気がする。


千代田→  161/500



【8月1週】


提督「…………」

くそう。

演劇部の部室にはなぜクーラーがないのか。

つけられないのか。

つける度胸も無いのか。

ぐあー……あづい。溶けそう。

古鷹「…あついなぁ…」

部室の端、座って台本を読んでいた先輩が、風を求めて窓際まで移動する

古鷹「……うーん…扇風機くらいは置いて貰ったほうが…」

手で制服をパタパタとはためかせながら、風を身体に当てている。

上着から、スカートの方へと移動する手。

暑いなーと天井を仰ぐふりをしながらも、視線はそっちに釘付けである。

古鷹「…流石にこの時期扇風機も無いのは…」

何やら思案している先輩は、俺の視線に気付かない。

床に座っている視点の低い此処からなら、先輩のスカート、その奥が――

由良「なーに見てるんですか」

提督「…………」

見える直前で視界が障害物によって遮られた。

ああああああああ!



千代田  161/500

吹雪    323/500
赤城    276/500
由良    118/500
古鷹    *20/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

ここまで 次回、千代田吹雪と1週間でコミュ2回です
同数の場合どっちもやります
お付き合い頂きありがとうございました

今日は試合見れんかった、そんな日に限ってなにやっとんねん
休日は引きこもって2戦とも見なきゃ(使命感)
始める
そういや赤城だったね、ごメンチ

千代田は200超えさせて提督への好感度を嫌悪から普通、もしくは悪くは無い程度まで引き上げてエンディング迎えたいな
家族仲は良いに限る



――リビング


提督「ふむ、今日はト○ロか」

番組表で金曜映画ショーの予定をチェックする。

何度も見た映画だ。

でも見る。なんか定期的にジ○リ映画って見たくなるんだよね。

千代田「……見るの?」

提督「見ない?」

千代田「…見る」

提督「よしよし」

テレビの前のソファーに並んで座る。

こうしていると、まるで兄妹のようだ。

…まあ、兄妹なんだけどさ。

提督「………」

やがて映画が始まるが、どうにも集中できない。

ついつい横目で千代田に視線を送ると、彼女の方も俺を見ていた。

千代田「……何よ」

提督「…いや、楽しんでるかなーと」

千代田「…それなりに」

提督「そっか…うん、それは良かった」

千代田「……はあ」

笑って言うと、千代田は何故か溜息を吐く。

千代田「…なんで?」

提督「ん?」

千代田「…なんでそこまでして千代田に構うの?」

提督「……おかしいか?」

千代田「そりゃあ…だって、いつもこんな反応しかしてないのに」

提督「確かにそうだが…」

千代田「というか、普通諦めるでしょ」

提督「うーん…」

そりゃ諦めかけたことはあったが…。

俺は――


>>+4


A.千代田が好きだから。

B.千代田と家族になりたいから。

C.粘り強いから。

家族に…(意味深)

B.千代田と家族になりたいから。(*1.5)

提督「…何というかなあ、その」

提督「…お前と、家族になりたかった」

千代田「家族?」

提督「ああ…なんだ、なんつーかな…」

提督「知ってるように、俺の家族ってあの糞親父だけだから」

提督「だもんで、千代田が家に来るって聞いてさ、ちょっと舞い上がったりして」

提督「……お前の来る事になった理由は、教えてもらえなかったしな」

千代田「……」

提督「初めて俺にも、妹が出来るんだな、とか」

提督「家に帰ったら、誰かが居るんだな、とか…まー…そんな妄想しちゃったりしてなー」

提督「そういうの…人からすれば大したもんじゃないだろうけど…憧れてたんだよ、うん」

千代田「…そう、なんだ」

提督「ん、…まあ、そんな感じ」

提督「つっても、結果は……嫌われちゃったんだけどな、知っての通り」

提督「でも、そんな事で家族という夢を諦めはしないのさ、俺は」

提督「だからこれからも――」

千代田「…あの」

提督「お?」

千代田「……なんか、ごめん」

提督「…へ?」

千代田「…千代田は、ずっと自分の都合押し付けてばっかだった、から」

千代田「…あんたの話、聞くことすらしなかったし」

提督「千代田…」

千代田「千代田も、…お母さんが死んじゃって、周りに誰も居なくなって」

千代田「ずっと、意地張ってたんだと思う」

千代田「全部、あんた達に責任を押し付けてた」

千代田「……でも、ね」

千代田「…もし、今からでも間に合うなら――」

提督「ああ、間に合う」

提督「ずっと待ってた、千代田の事」

千代田「……そっか」

千代田「…なれるのかな、家族」

提督「勿論、とびっきり仲の良い家族になれるさ」

千代田「ふふっ…別にそこまでじゃなくても良いよ、……お兄」

提督「………ち、千代田、お前、今…」

千代田「……な、なに?」

提督「千代田ー!」ガバッ

千代田「ちょ、き、キモいって!離れてよ!暑い!キモいー!」


千代田→ 188/500



――スーパー


さて、今日の夕飯は何にしようか。

そんな主婦的思考を巡らせながらスーパーを歩く。

ふふふ、千代田は何を作ると喜ぶかな。

ふふふふふふ……。

赤城「……あの?」

提督「…?」

赤城「…ああ、やはり提督くんでしたか」

提督「…赤城?」

赤城「本人を目の前にして疑問系は如何なものかと思いますよ?」

提督「…そうだな、いや、どうにも食堂以外で会うイメージが無かった」

赤城「………」

提督「仕方ないだろ、そもそもあそこ以外でお前と会ったことが無いんだ」

赤城「…言われてみれば」

提督「それで、今日は…買い物か?」

赤城「はい、母が忙しいので」

提督「ほー……」

適当に相槌を打とうとして、赤城の横に置いてある3つの買い物カゴに視線が釘付けにされる。

…3つともほぼ一杯にしていますが、もうそれお使いってレベルじゃないですよね。

赤城「…どうかしましたか?」

提督「あ、赤城の家はまとめ買いする派なんだな」

赤城「はい、3、4日分ですが」

提督「…………」

赤城「…?提督くん?」

提督「…いや…何でもないです」

恐ろしい。

さぞかし毎日の食卓がパラダイスなのだろう。

提督「…しかし、これ、1人で持つには重くないか?」

赤城「いえ、慣れてますから」

提督「慣れてる…て、それはそれですげーな…」


>>+4


A.ま、ほんなら気をつけて。

B.持つの、手伝おうか?

C.慣れてようがなんだろうが、この荷物を女の子に持たせるのは…。

C.慣れてようがなんだろうが、この荷物を女の子に持たせるのは…。(*1.5)


男の子的矜持として、だ。

いくら慣れてようが、こんな荷物を女の子に持たせていいのか。

答えは勿論ノーである。

そんなわけで、半ば強引に荷物を持たせてもらい、赤城の家まで歩く帰り道。

提督「……ぐぬ…」

赤城「あのー…一つくらいは…」

提督「…平気だから…うん、めっちゃ平気だから、むしろもう一個くらい追加して欲しいくらいだわ」

赤城「……そ、そうですか…」

重い。

尋常じゃなく袋が重い。

そしてビニールが手に食い込む事による追加ダメージ。

痛い。普通に痛い。

赤城「そ、そういえば、ですよ」

提督「…どうした?」

赤城「いえ…あの、れ、連絡先…」

提督「連絡先?」

赤城「…は、はい…えっと…この前のように、提督くんに心配を掛けてしまわないように…」

提督「この前…つーと、食堂の」

赤城「はい、あの、食堂に向かえない時には、連絡させて貰いますので…」

提督「おっけおっけ、だったら…ごめん、ポケットの中のスマホ取り出して、LINE交換しといて…」

赤城「…すいません、荷物のせいで」

提督「…いや、全然平気ですから」

ああ。

指が取れそう。



赤城→ 289/500




【8月2週】



千代田「お兄、アイスー」

提督「いいか、俺はアイスじゃない」

千代田「…冷凍庫から取って」

提督「あいよー…お、パプコじゃないか」

千代田「そだけど…って、何勝手に割ってんの?」

提督「はっは、半分くれ」

千代田「いーや」

提督「残念、もう貰っているのだ…ほれ、片割れ」

千代田「……」

提督「うん?」

千代田「…やっぱウザい…」

提督「…お兄ちゃんショック」




千代田  188/500

吹雪    323/500
赤城    289/500
由良    118/500
古鷹    *20/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5



――演劇部部室


提督「どもーっす…って、あれ?」

沢山、とまでは言わずとも、毎度それなりの人がいる部室。

それが、今日はやけに閑散としていた。

…休み?いや、でも鍵空いてたし…。

古鷹「…提督くん?」

そんな時、奥から出てきたのは古鷹先輩。

ども、と小さく頭を下げる。

提督「えっと…他の人は…?」

古鷹「んー…今日、誰も来てないみたい」

提督「そうなんですか…」

確かに夏休みの間は集まりは悪かったのだが、まさか2人なんて事になるとは。

…皆どんだけ不真面目なんだよ。

まあ、俺もこの前の部活の時に古鷹先輩にあると言われなけりゃ多分今日行ってなかっただろうけど。てへ。

提督「…しかし…それじゃあ、何も出来ないですねー」

古鷹「そう…だね、簡単な台詞合わせくらいしか」

提督「ずっとそうやって過ごすわけにもいかないでしょう」

古鷹「…だよね」

どうしようかな、と顎に手を当て、しばらく俯いていた先輩だが、突然顔を上げる。

古鷹「そうだ、じゃ、遊びにでも行こうか?」

提督「……えっ?」

古鷹「みーんな不真面目だから、私達も不真面目になっちゃおー!」

ミス 続き


古鷹「…なんて、ダメかな?」

提督「ん、…えーと…」

珍しいな、この人がこんな事言うなんて。

…うーむ。


>>+4


A.…遠慮しておきます。

B.…そうですね、良いかもしれませんね。

C.是非、行きましょう!

C.是非、行きましょう!(*1.5)


提督「…ですね」

提督「ええ、行きましょう、是非!」

提督「というか俺達だけ真面目に活動とか納得いきませんからね!」

古鷹「うんうん、よし、行こー!」

提督「おー!…で、どこへです?」

古鷹「…うーん…こういう時、どこへ行くべきなんだろうね?」

提督「……考えてなかったんですか」

古鷹「あはは…うん、あんまりこういうの、経験無くて」

提督「…わかりました、では、私めがエスコート致します」

古鷹「…ふふっ、頼もしい騎士様だね、今日は」

提督「ええ、どうか頼りにしてくださいね」

古鷹「うん、そうさせて貰うよ」

提督「では行きましょう!まずは…マックです!」

古鷹「おおー」

と、こんな感じで一日古鷹先輩と遊んだ。

…まるでデートみたいだったなあ。



古鷹→ *95/500

ちょっと休憩、夜食食べる
うーん、やっぱりぐだぐだしすぎなのかねぇ

あ、文章の事です、某所で言われてたんで、誤解させるような事を言ってすまん

【8月3週】


提督「……ヒット」

由良「…はい、…合計23でバストですね、私の勝ちです」

提督「……うーむ」

由良「どうしました?」

提督「…いや、なぜブラックジャックなのかと」

由良「……ポーカーでもします?」

提督「…偉く偏ったゲーム選択だなぁ…」



千代田  188/500

吹雪    323/500
赤城    289/500
由良    118/500
古鷹    *95/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5



――部室


提督「あづい」

由良「…ですね」

真っ昼間。

素晴らしいくらいに輝く太陽。

何の遠慮も無しに降り注ぐ日差し。

演劇部室は、地獄だった。

開いた窓から、蝉の大きな鳴き声が聞こえる。

提督「……何で演劇なんてやってんだろう…」

由良「…暑さに完全に負けてますね…」

提督「勝てねえよこんなん…」

当然である。

なんたって敵は大自然。

それも太陽様。

当然の敗北だ。

提督「…しっかし…お前も大概真面目だよなー」

由良「……?どういうことです?」

提督「この陽気で、発表会終わった1年は殆ど来てないのにさ」

提督「お前は毎日毎日ちゃんと通ってるじゃないか」

由良「…ああ…そういうこと、ですか」

由良「…別に、真面目なんかじゃないですよ」

提督「別に、謙遜しないでいいぞ」

由良「いえ、結構不純な動機ですから」

と、何か曖昧に俺を見て笑う。

不純な動機?

ふむ…――――


>>+4


A.皆目検討も付かん。

B.まさかお前、俺の事…なんてなー。

C.…まさかお前、古鷹先輩の事…。

C.…まさかお前、古鷹先輩の事…。(*1.0)



不純…?

不純、ねえ。

この年頃、例え辛い思いをしたとしてでも自らを駆り立てる不純な動機…。

…はっ、まさか…恋!?

…ま、待て…だったら一体相手は誰だ?

いつも部室にいるのは…俺、は除外するとして…。

ふ、古鷹先輩かっ!?あの人いつもいるぞ!

提督「……そうか、由良」

由良「…な、何ですかその優しげな目は」

提督「…ふっ、皆まで言うな」

ぽん、と由良の手に肩を置く。

提督「困難は、きっと色々あると思うけどさ」

提督「それでも、きっとあの人は…少なくとも、ちゃんと考えてくれるさ」

優しい人だ、人の気持ちを簡単に無下にしてしまうような人じゃない。

例えそれが、大きな障害物のある恋だったとしても。

提督「応援するぞ、俺も」

由良「…あの、何か重大な勘違いがあるような気がするんですけど…」

提督「大丈夫、挫折もまた経験さ」

由良「……やっぱり致命的なズレがある気がします…」

…この後。

色々話して誤解だとわかった。

全く、紛らわしいぞ、由良。



由良→ 165/500



【8月4週】


テレン♪

提督「…ん?LINE?」

赤城『こんばんは』

提督「…おう、こんばんは」

赤城『しっかり届いていますか』

提督「届いてるぞー」

赤城『あまり頻繁に触るものではないので、不安でした』

提督「問題無いぞ、気にするな」

赤城『ところで、今日の夕飯は何でしたか?』

提督「麻婆茄子」

赤城『いいですね、私はちなみに――』

…この後、夕飯についての感想を物凄い長文で語られた。

…好きなんだなあ、食事。


千代田  188/500

吹雪    323/500
赤城    289/500
由良    165/500
古鷹    *95/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

はい寝ます
お付き合い頂きありがとうございました

2レスになってもうた


――河川敷


吹雪「人、いっぱいですねー」

提督「はぐれんなよー」

吹雪「むー、子どもじゃないんですから」

提督「ははっ、勝手にどっか行っちゃいそうでさ」

吹雪「…そうですか、なら」

提督「……へ?」

吹雪「……これで、大丈夫ですよね?」

提督「…あ、ああ…」

吹雪「離さないでくださいよー?」

ずらりと並ぶ出店、絶え間の無い人波。

まさに夏休み最後のイベントにふさわしい盛り上がりだった。

ちょっと遅い時期の、花火大会。

浴衣姿の吹雪の手を握り、人の流れに乗って歩いて行く。

提督「…浴衣、着たんだな」

吹雪「……おかしかったですか?」

提督「いや……月並みな言い方だけど、可愛いだと思う」

吹雪「可愛い…なんですね」

嬉しそうではあるが、どこか不満気に言葉を紡ぐ。

提督「綺麗、とは言えん…なんたって、ちんちくりん過ぎてな」

吹雪「むー…」

嘘である。

本当は待ち合わせ場所でこいつを見た時、目を奪われてしまっていたりする。

小学生男子のような照れ隠しだな、我ながら。

吹雪「…そういう提督くんも、少しいつもより気合、入ってますよね」

提督「そりゃ…うん、最低限の嗜みとして…」

吹雪「カッコいいです、提督くん」

提督「……お、おう…ありがとう」

…素直な言葉とは一番効く物だと思う。

握った手が汗ばむのを感じて、吹雪から視線を逸らす。

提督「あ、あれは焼きそばじゃないか!あー焼きそば食いてえなー!吹雪もそう思うだろ!?」

吹雪「はいはい」

提督「や、やっぱりな!じゃあ食べよう!ほら、食べようぜ!」

強引に、握った手を人の列へと引いていく。

クスッ、と、彼女が小さく笑いを漏らすのが聞こえた。

…くそう、良い様に扱われているぞなんか。


そうして出店を楽しんでいるうち、響くアナウンス。

『ただいまより、花火の打ち上げを――』

吹雪「あ、始まるみたいですよ!」

提督「おう、じゃあ、見える場所に移動して…」

吹雪「…提督くん、こっちです!」

提督「え、おい、そっち逆――」

吹雪が俺の手を引いて、花火の見える場所へと流れる人波に逆らって駆けてゆく。

俺の言葉にも、良いんです、と笑ってそのままずんずんと進む。

どんどん人の少なくなっていく土手を、2人で走る。

後ろから、早くも大きな破裂音が聞こえた。

提督「おい、吹雪――」

一体どこに、と言おうとして。

吹雪「ここですっ!」

軽く息が上がったままの吹雪が、答えた。

会場からだいぶ離れた、誰もいない土手。

祭りの喧騒は、遥かに遠く。

花火の音は聞こえるらしいが…。

吹雪「ふふっ、提督くん、あっちを」

提督「え――?」

振り返る。

もう一度花火が上がった。

大きな、大きな花が、夜空に咲く。

吹雪「…此処、打ち上げ場所まで一直線なんです」

吹雪「確かに、近くで見るよりは小さいですけど」

吹雪「とっても綺麗に見えるんですよ」

此処には、無粋な火薬の臭いも、人の喧騒も無い。

程よい破裂音と、大きなキャンバスに咲く花。

そして吹雪しか居なかった。

吹雪「……何より」

吹雪「私は、提督くんとふたりきりになりたかったんです」

提督「吹雪」

吹雪「…もうすぐ、学校が始まって、普通の日常に戻ったら」

吹雪「きっと、言えないでしょうから」

そこで言葉を切り、大きく、吹雪が息を吸い込んで。

吹雪「…好きです、提督くん」

静寂を切り裂くように、花火が鳴った。

>>+4

A.……俺も――

B.…あ、ごめん何?花火の音で聞こえなかった。

C.……それは――

B.…あ、ごめん何?花火の音で聞こえなかった。(*0.5 最高値399)


……ん?

今、吹雪何か言ったのか?

すげーボソボソ喋ってたから全然聞こえなかった。

提督「…吹雪、何か言ったか?」

吹雪「え…?」

提督「いやすまん、花火の音で聞こえなかった」

吹雪「………え、えぇっ!?」

提督「だから、もっかい言ってくれないか?」

吹雪「…む、無理ですよー…」

提督「…え、何、そんな重要情報言ってたの!?」

吹雪「重要っていうか…あーもう!何で聞いてないんですか!?」

提督「だって花火が…あ、ほら、花火綺麗だぞー、連発だぞー」

吹雪「知りません!」

提督「…えー…」

吹雪さん、お怒りのご様子。

…はて?

一体何と言っていたのだろうか。

吹雪「……ばーか!提督くんのばーか!」

提督「……」


吹雪→  372/500




【9月1週】


提督「なあなあブッキーってば、あの時何言ってたのさー」

吹雪「…別に大したことじゃないです」

提督「そうツンツンしないでさー、教えてよー」

吹雪「…大したことじゃないです」

提督「気になるよー、気になって勉強が手につかないよー」

吹雪「…知らないです、勝手にしてればいいじゃないですか」

提督「……ブッキー…冷たい」

…あの一件以来。

凄く吹雪さんが冷たい。

俺が悪いんじゃない、花火が悪いんだ。

ちくしょう。



千代田  188/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    165/500
古鷹    *95/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

吹雪かわいいよ吹雪

ヌッ

>>328
ハラショー



――帰り道


どうしても、あの一件が気になった。

吹雪があんなに怒るのを初めて見たから。

だけど、彼女は頑として教えてくれない。

…さて、ならどうするか。

答えは簡単だ、教えてくれるまで聞くのである。

そんなわけで吹雪の下校時間に待ち伏せてみた。

吹雪「…しつこいです、いいじゃないですか、もう」

提督「いや、そこを何とか、な?」

…が、ご覧の通りご立腹の様子。

うーむ、どうにもならない。

吹雪「………」

提督「なあ、吹雪、頼むよ」

吹雪「……わかりました」

提督「良いのか!?」

吹雪「…でも、絶対にこれが最後ですから」

言って、吹雪が何度か深呼吸をした。

ややあって、緊張した面持ちで此方に向き直る。

吹雪「……提督くん」

提督「…お、おう」

吹雪「…今度は、ちゃんと聞いてくださいね」

提督「…わかってる」

吹雪「………私は」

吹雪「…私は、提督くんが」

吹雪「……好き、です」

提督「………え?」

吹雪「……」

提督「…ふ、吹雪…?」

吹雪「…ちゃんと、聞いたんだったら…その、答えて、欲しいです」

提督「あ、ああ…」


>>+4(消滅に王手をかける選択肢有)


A,ごめん。

B.…俺も――

C.考える時間が欲しい。

B

マジかよ…

A,ごめん。(好感度変化無し)



提督「…ごめん」

提督「…俺は…吹雪を…そういう風には、見られない」

吹雪「あ………」

ああ。

そんな話だったのか。

…聞かなきゃ良かった。

…聞くんじゃなかった。

後悔は、何の意味も無い。

残ったのは、吹雪の悲しそうな顔だけ。

吹雪「…そう、ですか…あはは、そうですよねー、あは…は」

提督「……その、…」

吹雪「い、良いんです良いんです!仕方ないですよー!」

吹雪「まあそうなるなーって思ってましたからー!」

吹雪「…だから……っく…て、提督くんは…ぐすっ、…気に、しなくて…良いんです」

吹雪「…あは…はは、ず、ずっと…言わないままにしておけば、…良かったですねー…」

提督「……吹雪」

こんな時、どうすれば良いのか。

そんな事はわからない。

謝る事に意味は無いけれど、そのくらいしかできない。

結局、俺は声を掛けることも出来ずに。

涙を零しながら笑う吹雪が去っていくまで、かかしの様に突っ立っていた。



吹雪→ 変化なし



【9月2週】


由良「せんぱーい」

提督「…おう?」

由良「…台本、逆さまです」

提督「……おう」

由良「なんか最近、身が入ってない感じですね」

提督「…そうか?」

由良「…だって今度は台本が横向きになってますよ?」

提督「……おう」

由良「悩みでもあるんですか?」

提督「…ないこともない」

由良「聞きますよ、私で良ければ」

提督「…気が向いたら話す」

由良「…そですか、残念です」



千代田  188/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    165/500
古鷹    *95/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

ちょっと休憩
20分くらい


――演劇部室

提督「………」

窓際、桟に寄りかかって外を眺める。

ボーっとしていた。

いや、ボーっとするしか出来ない、と言ったほうが正しいだろうか。

きっと、普通はこんなに気に病む事では無いんだろう。

だけど――

古鷹「提督くん」

提督「古鷹先輩…」

後ろからかけられた声に振り向けば、心配そうな顔の古鷹先輩。

古鷹「大丈夫?最近、元気無いけど…」

提督「ああいえ、ちょっと…」

古鷹「どうしたの?」

提督「…まあ…色々ありまして」

古鷹「…そう」

そっか、と古鷹先輩は言って、俺の横、同じように窓の桟に身体を預けた。

古鷹「あのね、提督くん」

提督「…なんですか?」

古鷹「…覚えてるかな、最初に会った時の事」

提督「最初……」

古鷹「うん、この演劇部に来た時の事」

提督「…?」

いまいち何を言いたいのかわからずに、首を傾げる。

古鷹先輩は、そんな俺に構わずに言葉を続ける。

古鷹「皆、私の事を、奇異の目…っていうのかな、何て言うかさ、そういう感じで見てたんだ」

古鷹「…慣れてたけどね、この傷、目立つから」

古鷹「……初めてだったの、私」

古鷹「君みたいに、初めて会った時、最初に火傷痕に視線が行かなかった人」

提督「…いや、それは…ただ、触れちゃダメかなって」

古鷹「そう思ってても、見ちゃうよ、皆」

古鷹「それで絶対に、変な顔をする」

古鷹「…何だ、この人って」

古鷹「……嬉しかったの、そういう反応をしない人がいて」

提督「…先輩」

古鷹「だから、うん、そんな君が落ち込んでるのを見るのは嫌だな」

古鷹「…私は、力になれないかな?」

>>+4

A.…いえ、本当に何でもないんで。

B.ありがとうございます…その気持ちだけでも、嬉しいです。

C.…あまり話したい事ではないので、できたら構わないで欲しいです。

C.…あまり話したい事ではないので、できたら構わないで欲しいです。(*0.5)


提督「…あまり、話したい事ではないので」

提督「……できたら構わないで欲しいです」

古鷹「…そっか、ごめんね」

古鷹「なんか、1人で変に盛り上がっちゃったね」

提督「…いえ、すいません」

古鷹「それじゃあ、ちょっと練習でもしてこようかな」

古鷹「…提督くんも、練習、ちゃんとするんだよ?」

提督「はい…」

古鷹「…気のない返事だなあ」

古鷹「頑張れ、若者っ!」

バシッ、と結構な力で肩を叩かれる。

古鷹先輩にしては珍しい程にテンションが高い。

…きっと、先輩なりに俺を元気付けようとしてくれているのだろう。

提督「…はい」

古鷹「…あはは、やっぱ私にはこういうの厳しいなあ」

古鷹「でも、ほんとに練習はしなきゃダメだからね!」

提督「…はい」

手に持っていた文化祭の演劇の台本を、押し付けるように俺に渡して、去っていく。

台本は、やはり頭に入らなかった。



古鷹→ 117/500



【9月3週】


千代田「お兄ー」

提督「んー?」

千代田「千代田の洗濯物、知らない?」

提督「ああ、干したぞー?」

千代田「は、ちょ、はぁ!?」

提督「…ん?」

千代田「い、いやいや、何普通に干してるわけ!?」

提督「いや、俺の分のついでに…」

千代田「そ、そういうことじゃないの!」

提督「…じゃあどういうことだ?」

千代田「…んー…あの…そのー…!」

提督「……ふっ」

…やっぱり千代田って胸がデカかったんだよな。

いい洗濯物だった。



千代田  188/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    165/500
古鷹    117/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

なんて極端なコンマだ…



――演劇部室


悩むのはいいのだけれども、それを差し置いてもしなければならないことがある。

それは演劇。もうすぐに差し迫った文化祭の演劇だ。

俺は古鷹先輩の相方で、一応主役として出演する事になっている。

故に、勝手な都合で出来ませんでは通らない。

なのに――

提督「…すいません」

古鷹「……うーん…」

「提督くん…いや、そろそろもーちょい何とかしてくれないとマズいって」

「ほんとほんと、あんま時間無いよ?」

提督「…すいません」

俺は、足を引っ張り続けていた。

台詞も覚えられない。

演技に身が入らない。

部員達も、そんな俺に少しずつ呆れた視線を送り始めている。

「…いつも真面目に部室来てるのは知ってるけどさあ…形にしてくんないと、困るんだよね」

提督「…すいません」

古鷹「…まあまあ」

不満をぶつけられて、縮こまる俺を庇うように、古鷹先輩が前に立つ。

古鷹「毎日真面目にやってるんだから、大丈夫だよ、きっと」

「部長…ですけど」

古鷹「……わかった、じゃあ、ちょっと話してみるよ」

古鷹「…提督くん、ちょっとこっち」

提督「あ、…はい」

部室の隣の部屋、倉庫として使われているそこに、古鷹先輩に連れられて入る。

古鷹「…やっぱりその…悩みのこと?」

提督「……いえ…」

古鷹「…うん、ごめん、聞かないって言ったんだったね」

古鷹「……あのね、提督くん」

古鷹「…もし、どうしても出来ない、って言うなら…もう、辞めてもいいよ?」

提督「……え?」

古鷹「今回の演劇、今からでも、一人劇にでもするから」

提督「…それは」

古鷹「……どうしたいの、提督くんは?」

…俺は――

>>+4(選択肢によってこの先のルートの内容が変わる、別に分岐という程の物ではないです)

A.古鷹先輩の言う通り、もう無理だ。

B.…いえ、…そんな迷惑を掛けるわけには。

C.……いえ、やりたいです。

A.古鷹先輩の言う通り、もう無理だ。(*0.5)


無理だ。

今から、どうやって演劇を完成させるというのか?

台詞を覚えた所で、感情も籠もらない演技をして。

…それを、演劇部の代表として皆に発表なんて出来るか?

…だったら、古鷹先輩に甘えたほうがいいだろう。

最初から、やらない方がいい。

そうだ、そうしよう…。

提督「…すいません」

古鷹「………」

提督「俺には、無理です…」

古鷹「…そっか」

提督「…すいません」

古鷹「残念……提督くんと一緒に、やりたかったな、演劇」

提督「……すいません」

古鷹「…皆には、私から説明しとくよ」

提督「…はい」

古鷹「…それと…その、文化祭が終わるまでは…あんまり、来ないほうが良いと思う」

提督「……はい」

当然だ。

古鷹先輩の相方役をやりたがった人は大勢いた。

彼女の演技に惹き付けられて、その隣で演技をしたいと言った人が。

…でも、古鷹先輩が俺を選んだんだ。

俺が良いと、俺とやりたいと。

…行けるはずがない。

どんな顔をして行けば良いんだ、あの部室に。

古鷹「……提督くん」

提督「…はい」

古鷹「…私は、いつでも話、聞くから」

古鷹「……それだけ」

パタン、とドアの閉まる音がする。

その音が、やけに大きく聞こえた。





古鷹→  121/500



【9月4週】


提督「…あ、吹雪…」

吹雪「……おはようございます、提督くん」

提督「あ、ああ…久しぶりだな、こうして朝会うのも」

吹雪「…そですね」

吹雪「…すいません、私、これから朝練なので」

提督「……そ、そっか」

吹雪が足早に去っていく。

その背中は、すぐに小さくなって見えなくなる。

提督「………」

前のように話したかった。

前のように笑いたかった。

……部活、か。

…暇になっちまったなぁ。





千代田  188/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    165/500
古鷹    121/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5



――演劇部前・廊下


…我ながら、つくづく執念深い物だと思う。

もう来ないと決めたのに。

未練がましく、しがみついていた。

見つからないように、廊下の窓から中を覗く。

古鷹『―――』

古鷹先輩が、演技をしていた。

一人劇―と言っていたか。

…あれから、一週間も経たないのに。

その演技は、凄かった。

…いや、むしろ。

俺という邪魔者が舞台にいない分、前より良いのではないか、と思ってしまう程で。

ステージで、古鷹先輩が一人、輝いている。

部室の小さなステージは、彼女には狭すぎる、そんな気がした。

提督「…………」

本当に、未練がましい。

届かないその場所を、彼女の隣を、俺が居た場所を。

俺は、ただずっと、廊下に立って見つめていた。

古鷹『――――……?』

そんな時、古鷹先輩の動きが止まる。

え?と思ったその時…彼女と目が合う。

すぐに先輩が、周りと何言か言葉を交わして、ステージを降りた。

提督「……やばっ」

…もしかして、こっちに来るかもしれない。

早く、逃げないと……。


>>+4(王手)


A.……逃げよう。

B.……それで良いのだろうか。

あっぶねぇ…

B.……それで良いのだろうか。



…それで良いのだろうか。

…ここで逃げて、俺は後悔しないのだろうか。

………。

古鷹「…提督くん」

提督「……先輩」

程無くして、やはり、先輩は出てきた。

古鷹「…どうしたの?」

提督「…………」

…俺は。

今、彼女の演技を見て。


>>+4


A.…まだ、諦めたくないと思った。

B.…もう、逃げたくはないと思った。

C.………すいません。

B

B.…もう、逃げたくはないと思った。(*1.0)

…もう、逃げたくはないと思った。

あの人の隣で、演技をしたいと思った。

あの場所に、立ちたいと思った。

提督「……先輩!」

古鷹「…提督くん…?」

だから、もう、無我夢中だった。

額を廊下にこすりつける程の勢いで、身を伏せ、頭を下げた。

提督「…俺、やっぱり…やりたいです、演劇!」

提督「…凄い自分勝手だって、わかってます、でも!」

提督「俺は…俺は、逃げたくないんです、あの場所から!」

提督「…だから…」

古鷹「…提督くん、それを言うのは、私に、じゃないよ」

提督「……あ」

周りを見ると、騒ぎを聞きつけて、部員たちがぞろぞろと部室から出てきていた。

皆、俺の方を見ていた。

………そうだ、俺は…。

提督「……すいませんでした!」

もう一度、地面に頭を下げる。

提督「…あの、俺、ずっと、辞めるって言ったの、後悔してて!」

提督「…演劇、まだやりたくて!」

提督「………その…」

地面に向けた視線では、その表情まではわからない。

けれど、誰も口を開かなかった。

…やっぱり…こんな勝手は…。

「…い、いやー…別にそんなマジになって謝んなくてもさー、ね?」

「…そ、そーだよ…うん、つーか…何か、私達も提督くん追い詰めすぎたのかなーって思ってたし」

「まさか、辞めるなんて思わなかったから…」

「…提督くん、誰よりも頑張ってたしねー…」

「…で、ですよ!皆、提督先輩がずっと真面目にやってたの知ってますから!」

「…戻るって言うなら、別にいいんじゃないかな?勿論、文化祭に向けて、提督くんは厳しくなるとは思うけどね」

提督「………あ、…」

古鷹「…だって、さ」

古鷹「どうする、提督くん?」

古鷹「ちなみに私は…ふふっ、大歓迎だよ?」

提督「…ありがとうございますっ!やります!絶対良い物にしますっ!」

勝手に悩んで、不貞腐れて、手放して。

なのに、皆が、良いと言ってくれた。

…今度は、絶対にやり遂げよう、絶対に。


古鷹→  154/500



【10月1週】


千代田「…お兄、何読んでるの?」

提督「…台本」

千代田「…ふーん」

提督「…………」ペラッ

千代田「………ゲームしよっと」ピッ

提督「………」ペラッ

千代田「………」チラッ

提督「………」ペラッ

千代田「………」チラッチラッ

提督「………」ペラッ



千代田  188/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    165/500
古鷹    154/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

とう

今日はここまで
お付き合い頂きありがとうございました

乙です

吹雪ぃ…うぅ…



――演劇部室



由良「おかえりなさいです、先輩」

提督「…由良」

…あの一件以来、初めて参加した部活。

皆がどこか微笑ましげな目で俺を見ているのが恥ずかしい。

…あー…めっちゃ叫んだしなあ…。

そしてそれはこの生意気な後輩も例外でなく。

ニヤニヤと形容するのが適切であろう顔で俺を迎えた。

由良「よかったですねー、戻ってこれて」

提督「うっさいやい」プイッ

由良「あ、怒らないで下さいよー」

勿論、こうして何事も無かったかのように戻ってこれたのは、皆に感謝すべきである。

しかし、この後輩にもあの醜態を見せたというのがとても恥ずかしい。

由良「…いやー、先輩もあんな風に泣いちゃうんですねー」

由良「意外でした、ふふっ」

ほら。

これだよ。

こうやって微笑ましげな目で俺を見るんだよ。

…もういっそ殺してほしい。

俺のクールキャラを返せ。

提督「…………」

鞄から台本を取り出し、ひたすらにそれを見る。

あーうるさい話しかけるな話しかけるんじゃない由良こら、というオーラを出してやる。

由良「………でも、良かったです」

由良「…先輩が戻ってきて」

由良「…本当に、良かったです」

由良「やっぱり、私は先輩と一緒に演劇やりたいですから」

提督「……………」ペラッ

台本のページを捲る。

……良かった、か――


>>+4


A.…無視。

B.……悪かったな、心配かけて。

C.……ふん。

B.……悪かったな、心配かけて。(*1.5)


提督「………」

由良「……むぅ、無視ですか」

提督「…悪かったな、心配かけて」

由良「……先輩」

提督「…何か、こう、悩んでてさ」

提督「…弱気になってた」

由良「……そうですか」

由良「…もう、大丈夫なんですか?」

提督「いや、実はまだ解決してない」

提督「…けど、それを演劇に持ち込むのはやめた」

由良「……」

由良「…私で良ければ、聞きますよ?」

提督「…誰がお前なんかに話すか」

由良「…ふふっ、そうですか」

提督「………」ペラッ

由良「……頑張ってくださいね、文化祭」

由良「…私も、一人の観客として、楽しみにしてますから」

提督「…おう」



由良→ 291/500



【由良―その1】


中学の時、新入生のオリエンテーションで演劇を見た。

その時の主役が、先輩だった。

彼の演技は、別に学生レベルを逸脱している訳ではない、平凡なものだったけれど。

何故か、引きこまれて。

それから、演劇という物に興味を持ったのだ。

だから…彼がやめる、と部長から聞いた時は、本当に驚いた。

自分もやめようと本気で考えた。

でも、ちゃんと戻ってきてくれて。

ほっとした。また、先輩と一緒に演劇が出来る、と。

…あんな彼は今までに見たことがなかったから、新鮮だったなぁ。

……泣き顔が結構かわ…ごほん。

…私は。

彼の演技が好きなのか。

それとも――



【10月2週】


赤城「………」モグモグ

提督「…相変わらず、今日も健啖なことで」

赤城「食事は全ての活力の源ですからね」

提督「…おう」

赤城「…あ、今、どこにその活力を使うんだ、とか考えたでしょう」

提督「……そんなことは」

赤城「失礼ですね、これでもちゃんと運動しているんですよ」

提督「へぇ、そうなのか?」

提督「何か部活でも?」

赤城「はい、弓道を」

提督「…弓道…」

提督「……って、弓で的を狙うやつだよな?」

赤城「まあ、概ね」

提督「あれ、あんまり身体動かさないだろ?」

赤城「…失礼ですね、良いですか――」

提督「………」

…アレだな。

赤城って、話題に関わらず話が長いんだな。



千代田  188/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    291/500
古鷹    154/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

野球見てくる
多分夜に続き

三浦おめでとう、ほんとうにおめでとう
ヒロイン見てなんかグッと来た、でもまだ引退なんかさせんで、日シリで投げるまでやるんやで
始める


――演劇部部室


古鷹「…うん、よし、それじゃあちょっと休憩だね」

提督「うっす」

「やー、中々様になってきたじゃん、提督くん!」

「ほんとほんと、さっすがー!」

提督「…どもっす」

やっと、何とか演技も形になってきた。

…良かった、本当に。

何度目かの通し演技を終え、ふぅ、と安堵の息をつく。

古鷹「お疲れ様」

提督「先輩」

古鷹「良かったよ」

提督「…ありがとうございます」

古鷹「やっぱり、提督くんは上手いよ、演技」

提督「…先輩こそ、別格です」

古鷹「もう、素直に受け取って欲しいな」

はい、と先輩が俺に小さな缶を差し出す。

古鷹「今日は先輩らしく、奢りです」

提督「…ありがとうございます」

受け取って、まず最初に思ったのは、缶が暖かいということ。

不思議に思ってラベルを見る。『大納言おしるこ』。

………。

…まあ、最近涼しくなってきたけどね。

先輩も同じものを飲んでいるあたり、ネタや嫌がらせの線も無さそうだ。

ぷしゅ、という小気味良い音と、立ち上る甘い匂い。

…普通に美味しいけど、口の中どろどろするなあ。

古鷹「…提督くん」

提督「あ、はい」

古鷹「私さ、卒業したら…――劇団のオーディション、受けてみようと思ってるんだ」

提督「えっ!?――劇団って…凄いとこじゃないですか!」

古鷹「…ちょっと、そこの関係者の人と縁があってね」

古鷹「……提督くんは、そういう気持ちは無いの?」

提督「そういう…って?」

古鷹「卒業後、演技で食べていく気持ち」

……うーむ、確かに好きだけどさ――


>>+4

A.無理ですよ、俺には。

B.…やりたい、ですけど…。

C.…いえ、別に…。

B.…やりたい、ですけど…。(*1.5)


提督「…やりたい、ですけど…」

提督「俺は、先輩みたいに才能も無いですし…」

古鷹「そんなことないよっ!」

提督「せ、先輩?」

古鷹「…あ、ご、ごめん」

古鷹「…でも、私の贔屓目とかじゃなくて、提督くんには才能、あると思うの」

古鷹「だから…」

提督「…ありがとうございます」

提督「…でも、やっぱ俺には無理ですよ」

古鷹「…提督くん」

提督「あ、心配しないで下さい」

提督「今度の文化祭は、先輩の足手まといにならないように、しっかりやるんで!」

古鷹「…足手まといなんて…」

提督「これ以上、迷惑かけられませんからね!」

古鷹「………」

…そうだ。

もう、迷惑をかけるわけにはいかない。

頑張れ、俺。



古鷹→ 160/500



【10月3週】


千代田「そういえばー」

提督「うん?」

千代田「お兄、学園祭そろそろだって言ってたねー」

提督「ああ、そうだな」

千代田「他校生も入れるの?」

提督「勿論、歓迎してるぞ」

提督「ふふん、俺が主役の演劇も上演されるのさ」

千代田「へー…」

提督「あ、もしかして来るのか!?」

千代田「…ま、まぁ…気が向いたら、ね」

提督「よし!じゃ、張り切らないとな!」

千代田「…気が向いたらだってばー…」



千代田  188/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    291/500
古鷹    160/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5



――リビング


提督「千代田、皿出しといてくれー」

千代田「はーい」

食器棚から、少し危なっかしい手つきで千代田が皿を持って行く。

それを並べるのを、キッチンから眺める。

…ああ、良いなぁ、こういうの。

家族って感じだ。

誰も居ない食卓で、テレビをぼーっと見ていたあの頃とは違う。

千代田「出したけどー…お兄?」

提督「…あ、お、おう、サンキュー、後は待っててくれていいぞ」

千代田「わかったー」

煩わしいだけだった料理も、食べてくれる人がいるとなればまた心持ちが変わるもの。

栄養バランスだとか、好みだとか、色んな事を考えながら作るようになった。

たった一人、「家族」が増えるだけでこんなに変わるんだ、実に不思議である。

提督「ほい、今日は中華」

千代田「わー…美味しそうだね」

机の上に料理を並べていると、千代田が声を出す。

そんな何気ない言葉すらも、心に響く。

親父なんて特に何も反応しやがらねえからな、母が生きていたとしても絶対離婚してた気がする。

提督「…それじゃ、いただきます」

千代田「いただきまーす」

千代田「…うん、美味しい!」

提督「…良かった」

…いいなぁ、やっぱり。

最高だ。もう食卓が俺のパラダイスだ。

そんな事を考えながら、何気ない会話を千代田と交わし、箸を進めていく。

今日学校であったこととか、最近流行りのドラマだとか、取るに足りない話。

きっと、内容なんて無いけれど…でも、それだけで嬉しかった。

そんなこんなであっという間に食べ終わり、ごちそうさま、と2人で一息つく。

食後に暖かいお茶でも淹れようかね、なんて席を立とうとすると、千代田の頬に違和感。

千代田「…?お兄?どしたの?」

…なんというかベタである。

米粒が千代田の頬にくっついていた。

…ふむ――


>>+4


A.指摘する。

B.指で取る。

C.舐め取る。

A

B.指で取る。(*1.0)


ふむ。

…まあ、取ってやるか。

こういうのって、人から言われると左右どっちかわかんないから結構混乱するんだよな。

提督「千代田、ちょい動くな」

千代田「…?」

食卓に身を乗り出して、千代田の頬まで指を伸ばす。

提督「…っと」

千代田「ひゃっ!?」

だが目測ミス。

米粒から微妙に離れた場所に、指が沈んでしまった。やーらけぇ。

千代田「ちょ、ちょっとお兄!?なにしてんの!?」

提督「…まぁ待て、今のは事故だ」

千代田「事故って…ちょ、く、くすぐったいってばー!」

ううん、食卓の対面まで指を伸ばしているからか、どうにもコントロールが定まらない。

千代田の頬を結果として堪能する形になってしまっている。

…え?わざと?ちゃうちゃう、事故事故。

提督「…よし、取れた」

千代田「……もー……ご飯粒?」

提督「おう、ほっぺたに付いてたぞ」

千代田「…なら、最初からそう言ってよー…くすぐったかったよ、お兄のばか」

提督「はっは、米粒を付けてしまったお前が悪いのだ」

ひょい、と指についたそれを口に運ぶ。

…普通の米の味だった。いや、当然なんだけど。



千代田→  281/500

Aにしてみたけど合ってたっぽい?
まぁ安価取れなきゃ意味ないけど



【千代田―その1】


兄。

自分には無縁だと思っていたその言葉。

思えば、本当に突然だった。

お母さんが倒れて、お父さんのことを教えられて。

…酷い、と思った。

勝手にお母さんを捨てて、のうのうと暮らす男なんて。

挙句、今まで知らなかった、これからやり直そう、なんて、ふざけてるのかって。

兄になる男だって、どうせ酷い男なんだろうと思ってた。

だけど、そうじゃなかった。

ちょっと変なところはあるけど、優しい人で。

どんなに酷い対応をしても、いつも笑顔で話しかけてきて。

開かないようにしてきた心を、勝手に開けてきた。

……なのに。

「……人が構って欲しい時には、構ってくれないんだから」

最近、微妙に冷たいし、構ってくれない。

…ぶー。

今回バランス良いよなあ


【10月4週】


提督「そういえば、赤城は弓道部だっけ?」

赤城「…ふぁい…んぐ、そうですけど、どうしましたか?」

提督「いや、文化祭何かするのか、と思ってさ」

赤城「いえ…出店でもやるか、なんて言ってたんですけど、結局流れちゃいましたね」

提督「そうなのか」

赤城「ま、皆クラスの出し物もありますからね」

赤城「そういう提督くんは、演劇部ですし、何かやるんでしょう?」

提督「ああ、ふっふ、主役だぜ主役」

赤城「…主役…凄いですね」

提督「…つっても、もう片方の引き立て役みたいなもんだが」

提督「良かったら、見に来てくれよ」

赤城「…はい、行かせて貰います」

提督「おう、頼むよ」

赤城「…ところで、飲食は…」

提督「…体育館でやるから、禁止だ」

赤城「…ですか…」

…どこまで食うこと考えているんだこいつは、全く。


千代田  281/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    291/500
古鷹    154/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

時間と場所(と好感度)を弁えなヨー!
…って事かな?

非常にバランスが良いな
ただし好感度コンマが全体的にアレである




――帰り道


提督「…いよいよっすねー」

古鷹「…そうだね」

提督「…あー…緊張する」

古鷹「大丈夫だよ、大丈夫」

ついに来週に迫った文化祭。

なんとか、演技も見せられるレベルにまではなった。

しかし、それと緊張とは別である。

体育館を借りてやるんだ、当然大勢の人が来るはず。

その前で演技をするとなると…おおう、今からでも震えがくる。

古鷹「あはは、まあ、どうしてもしょうがないよね、緊張は」

提督「先輩みたいに落ち着いていられる方が異常ですよ…」

古鷹「…うーん、ほら、結構私は慣れてる…っていうのかな?」

提督「…うーむ…俺も中学からやってるし、そろそろ慣れてもいいはずなんですけど…」

古鷹「ふふ、でもさ、今から悩んでも仕方ないよ?」

提督「…確かにそうですけどねー…くー…緊張するー…」

大勢の人の前で恥をかかないだろうか。

いや、俺だけならいい、先輩まで巻き込むことになったら…。

…不安だけが、どんどんと広がっていく。

古鷹「…んー…そうだ!」

提督「…どうしました?」

古鷹「私、緊張に効く、とっておきのおまじないを知ってるよ?」

提督「おまじない…?」

古鷹「うん、おまじない」

提督「………」

おまじない、ねぇ。

…うーむ――


>>+4


A.ふっ、そんな物には頼らないぜ。

B.…気休めには、丁度いいかも。

C.…折角ですけど、遠慮しておきます。

B

コンマ神、遊びすぎですよ(白目)

B.…気休めには、丁度いいかも。(*1.5)


…そうだな。

たまには、そういう物に頼ってみるのも良いかもしれない。

提督「…そうですね、お願いします」

古鷹「うん、じゃあ…ちょっと、屈んでみて?」

提督「はい」

膝を折って、言われた通りに屈む。

古鷹「えーと…そのまま、目を瞑って」

提督「はい」

目を瞑る。

何も見えない。いや当然だけど。

古鷹「じゃ、少しじっとしててねー」

提督「はい」

一体何をするのだろう、と動かないでいると、不意に、前髪が持ち上げられた。

遅れて、おでこに柔らかい感触。

提督「…っ!?」

古鷹「えへへ、これがおまじない」

提督「せ、せんぱ、先輩っ!?」

古鷹「小さい頃、演劇会の前にお母さんがやってくれたんだ」

提督「へ、へへへぇそうなのですかー!」

無邪気に語る先輩。

だがこっちはそれどころではない。

落ち着くどころではない、思考がまとまらない。

やべえよ、どんだけ俺耐久力低いんだよ。

古鷹「どうかな、落ち着いた…かな?」

提督「いやすっげぇ落ち着きましたー!すげえー!おまじないすげえ!」

古鷹「そっか!良かったー…」

ああ全然良くないです良くないんですちくしょうでもすいませんもっかいやってください。

いやいや、うん。いや。

おまじないってヤバいわ。



古鷹→ 226/500



【古鷹―その1】


消えない火傷の痕。

治ったはずなのに、今も痛むその痕。

奇異の視線が刺さる。

皆、この痕を見る。

その度に、痛むのだ。

忘れたい記憶を呼び起こして。

…でも。

初めて、痕じゃなくて、私を見てくれる人がいた。

火傷の痕の奥の、私自身を。

だから、好き。

そんな貴方が、たまらなく愛おしいのです。

「提督くん――」

おまじない、なんて嘘だけど。

ごめんね、とは言いません。

だって、貴方が好きだから。



【11月1週】


文化祭。

そいつが遂にやって来た。

何かもう頭の中がパニックである。

わーどうしようどうしよう。

千代田も結局来るらしいし。

もうダメだ、俺は此処でお終いだ。

うぎゃあ。

由良「…何廊下で愉快に踊ってるんですか」

提督「由良か、聞いてくれ、今日は文化祭なんだ」

由良「はい、そうですね」

提督「つまり、俺はお終いなんだ!」

由良「…ダメだこの先輩」



千代田  281/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    291/500
古鷹    226/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

今日はここまでです
お付き合いいただきありがとうございました

酷すぎる試合、上に上がれない理由がわかるね
酒飲みすぎて意識飛んでた
やります


――演劇部部室

上演まで、残り1時間。

あばばばばばばばばば。

やばい、やばすぎるぞこれは。

なんだってこんなに今年の文化祭は人が多いのであるか。

わからん、俺への嫌がらせか。

うごごごごごごごごごごご。

もはや緊張で完全に狂っている。

控室代わりに使っているこの部室にも誰もおらず、一人でじっとしているとどんどん不安要素が増えていくばかり。

頼む、誰か来てくれ、そして話し相手になってくれ――

そんな切なる想いが通じたのか、部室のドアが静かに開かれる。

けれど、その奥に見えた顔は、予想していなかった物であった。

千代田「……あ、いたいた」

提督「…千代田!?」

確かに来るとは言っていたが、まさかここに来るなんて思いもしなかった。

流石にこれには驚くしかない。

提督「ど、どうしてここに?」

千代田「ちょっと早く来すぎちゃったから…お兄は演劇部って言ってたし、もしかしたらここにいるかもって」

提督「…そ、そうか…」

千代田「…顔色悪いね」

提督「………おう、めっさ緊張してる」

提督「…じっとしてたら手がぷるぷるしてくるくらいだ、はは」

千代田「ふふ、武者震い?」

提督「…そう言いたいけどな、出来れば」

ただ緊張に押し潰される寸前ってだけだ―とお手上げのポーズを作る。

千代田「だと思った、だってお兄、朝からガチガチだったし」

提督「…見ぬかれてたか」

千代田「…妹、だからね」

千代田「…ね、お兄」

提督「……うん?」

千代田「大丈夫だよ、お兄なら」

千代田「だって、あんなに練習してたもん、絶対、絶対大丈夫」

提督「…千代田」

千代田「…なんて、どう?ふふ、兄想いの妹っぽいでしょ?」

楽しそうに、千代田が言った。

俺は――

>>+4

A.…そんな千代田に、不思議と緊張が和らいだ。

B.…そんな千代田を気にかける程の余裕も無かった。

C.…そんな千代田の気遣いに感謝した。

B.…そんな千代田を気にかける程の余裕も無かった。(*0.5)


提督「…ああ、うん、ありがとう、千代田」

提督「…そう言われると、なんだか頑張れる気がしてきたよ」

千代田「………えー…と、何か、全然効いてない?」

提督「……そんなことはないさ、頑張れるよ」

千代田「…はぁ、これは重症っぽいねー」

千代田「……ま、要件はそれだけだから」

千代田「お兄、楽しみにしてるからね!」

演劇が始まるまで出店でも回ろー、と、元気に千代田が廊下に飛び出す。

…再び、俺だけが部室に残された。

提督「……」

大きく息を吐いて、もう一度考えを巡らせる。

…千代田。

…古鷹先輩。

…由良。

…赤城。

…演劇部の皆。

俺に期待してくれている人は、いっぱいいる。

…そうだ。

皆、俺に期待してくれているんだ。

だったら、悩んだってしかたない。

できることをしよう。

期待に応えられるように、自分のできる事をしよう。

…千代田の言う通り、あれだけ練習したんだ。

大丈夫。何度も、自分に言い聞かせる。

「提督くん、そろそろ準備ー…」

提督「はいっ!」

拳を握って、前を向く。

さぁ、本番だ。


千代田→  306/500



【千代田―その2】


満員の体育館。

その視線は、ただ一点に向けられていた。

ステージの上の、2人の役者。

いや。

彼らが作る世界に。

『――――――』

『――――――』

交わす言葉は、まるで異国の言葉。

ステージの上に、今千代田達がいる世界とは別な、もう一つの世界があった。

その世界の住人は、彼ら。

彼らの一挙一動に、満員の群衆が息を呑む。

世界を、ただただ夢中に覗きこんでいた。

「凄い…」

素直に、そう思った。

あれが、演劇か。

あれが、自分の兄か。

「お兄、凄い…」

勝手に、そんな言葉が口を付いて出ていた。

もう、彼を嫌悪する気持ちなどは何処にもない。

周りに叫んでやりたかった。

どう?あれが、あに人が千代田のお兄なんだよ――!



【11月2週】


赤城「凄かったですね!」モグモグ

提督「食べるか喋るかどっちかにしなさい」

赤城「…むぐ、ええ、凄かったです!」

提督「…珍しい、喋る方を選ぶとは」

赤城「…こほん、いやあ、提督くんも、あの先輩も凄いですねー」

提督「…ま、古鷹先輩は凄いけどさ」

提督「俺はあの人についていっただけだよ」

赤城「そんな事無いと思いますよ?」

赤城「少なくとも、私には提督くんは魅力的に映りました」

提督「…そりゃ、どーも」

赤城「ふふ、唐揚げあげます、はい」

提督「……おいおい、こりゃ明日は雪かね」



千代田  306/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    291/500
古鷹    226/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5

ダメだ、やはり眠い
申し訳ないが今日はここまでにします
お付き合いいただきありがとうございました

体調不良
お休みします



――リビング


提督「千代田」

千代田「なに?」

提督「…近くないか?」

千代田「そうかな?」

ソファーの席、俺の横。

俺の方へと思いっきり身を寄せて座る義妹。

あの文化祭以来、彼女の態度が明らかに変わった。

まぁ、有り体に言えばこの義妹、デレデレである。

おにいー、と俺を呼ぶ声も、どこか甘ったるい響きになった。

別にそれを悪い、とは言わないけれども。

違和感バリバリなのである。

『――――――』

『――――――』

そんな千代田が見ているのは、再放送のテレビドラマ。

しかし、10分程経った所で俺に向き直って、言う。

千代田「お兄の方が上手いね!」

提督「あのなぁ…」

何を言うかこの義妹は。

そもそも俺程度の演技を俳優さんと比べることすら失礼である。

俺の反応に、千代田はだって、と唇を突き出して続ける。

千代田「千代田は、お兄の演技の方が良いと思ったの」

提督「……む」

恥ずかしい。普通に。

とりあえず誤魔化すように頭を掻いてみる。特に意味はなかった。

家族の贔屓目というやつだろうか。

自分の家族の事が、やたら大きな存在に見える―みたいな。

…最近流行りのお兄様すげえええええええというやつだろうか、いや違うか。

千代田「…どーして認めてくんないのかなー…」

提督「…認めるも何もなあ」

参った。褒め殺しとはよく言ったものである。

うーむ―――


>>+4


A.…恥ずかしいからもうやめてくれ。

B.…まあ、千代田がそう思ってくれてるのは、嬉しいよ。

C.…あくまでも、あの時の演技で凄かったのは古鷹先輩だ。

そうだ、ハーレム圏内は350~400に修正しておく事にします、コンマになったしね
どうせ使わんやろ(ハナホジー

B.…まあ、千代田がそう思ってくれてるのは、嬉しいよ。(*1.5)


…まあ。

それでも、褒められるというのは当然嬉しい。

…そうだな、素直に受け取ろう。

家族が、折角褒めてくれているんだ。

提督「…ありがとな」

千代田「ふきゅっ!?」

ぽん、と横の千代田の頭の上に手を置く。

提督「嬉しいよ、千代田がそう思ってくれるのは」

千代田「お兄…」

提督「…また、見に来てくれるか?」

千代田「うんっ!」

提督「…だったら、次はもっとかっこいいとこ見せないとな」

千代田「ふふ、そんなの見せられたら、千代田、惚れちゃうかもよ?」

提督「はっは、義妹すら惚れさせられぬでどうするか」

千代田「……そ、じゃ、千代田が思わずお兄にキスしちゃうような演技、期待してるからね」

提督「…どんな演技だよ」

千代田「言葉の通りです!」

提督「……難しいなぁ」

悩む俺に、千代田は笑った。

そして、俺もそれに釣られて笑った。

俺達は、笑い合えるようになったのだ。




千代田→ 391/500



【11月3週】


提督「ふっ、ふっはっはっは」

由良「…なんですか」

提督「ふふ、俺こそ演劇部、新部長である」

由良「…知ってますけど…」

提督「ゆえーに!皆、俺の命令に従わなければならない!」

由良「………」

提督「くっくっく…さーて、由良くんにはどんな命令をしようかなー」

由良「………」スタスタスタ

提督「あ、待って帰らないで」



千代田  391/500

吹雪    372/500
赤城    289/500
由良    291/500
古鷹    226/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


千代田>>+1
吹雪>>+2
赤城>>+3
由良>>+4
古鷹>>+5


――リビング


重い空気が張り詰めるリビング。

千代田も俺も、食卓に座ったまま、何も喋らない。

…理由は、親父の電話。

『…ああ、いや、すまないね、千代田を押し付けるような事をして』

『怒るなよ、だから、私だって色々手を尽くしていたんだ』

『千代田の母親の実家が、彼女を引き取ってくれるらしい』

『…そうだ、東北の、大湊の方のな』

『いつでも来ていいそうだから、千代田にも準備するよう言ってくれ』

『近い内に、迎えに行くよ』

……これが、電話の内容。

勿論、千代田に伝えない訳にもいかない。

…もし、半年前の彼女ならきっと、一も二もなくこの話に飛びついていただろう。

けれど、今の彼女は悩んでいる。

自惚れでは無く、きっと俺という存在の為に。

この提案が親父なりの娘へのせめてもの好意なのか、単なる厄介払いなのかはわからない。

どちらにせよ、本当に間が悪い。

親父から聞いた話では、東北の実家は千代田を歓迎するとの事らしい。

…言い方は悪いが、知らない男の子どもを産んで勝手に家を出て行った千代田の母親。

その子どもを歓迎するとは、心が広いものだ。

…こんな事を考えても仕方がない。

この話を受けるのは、千代田だ。

提督「……千代田、どうする?」

千代田「…………」

提督「…親父の話だと、近日中に迎えに来るらしいが…」

…どうするも何も。

千代田の取るべき道など、一つしかないだろう。

向こうに行けば、俺と居るより余程普通の暮らしが出来るのだ。

それでも、こうして千代田に問うのは。

俺がきっと、千代田に言って欲しいからなんだ。

…千代田は、お兄と居たい、なんて事を。

千代田「……千代田は…」

千代田「…千代田は、どうすればいいのかな」

提督「……」

独り事のように零れたその質問に、俺は――

>>+4


A.…俺は、千代田と離れたくない。

B.…向こうに行ったほうが、良いと思う。

C.…もう少しゆっくり考えてみたらどうだ?

あ、一発BADあるで

B.…向こうに行ったほうが、良いと思う。(―――)



…千代田の、幸せ。

それは、きっとここにいることで得られるものでは無い。

そうだ。

真に、千代田の幸せを願うのならば――

提督「…向こうに行ったほうが、良いと思う」

千代田「………」

提督「……なあ…」

千代田「…やだ」

提督「…え?」

千代田「…千代田は、ここにいたい」

提督「……」

千代田「お兄と一緒に、いたい」

提督「……千代田」

千代田「…折角、家族になれたのに」

千代田「……やだよ、そんなの…!」

千代田「一緒にいたいよ……ねえ、お兄…」

提督「…でも、ちゃんと考えてみろ」

提督「…ここにいるより、きっと向こうの方がずっと楽だ」

提督「学費だって、生活費だって裕福な訳じゃない」

提督「これから先、進学とか――」

千代田「そんな事聞いてないっ!」

千代田「千代田は、そんな事を言ったんじゃない!」

千代田「千代田は、千代田は……!」

千代田「…お兄と…」

一緒に、いたいだけなのに。

涙と共に、嗚咽混じりの言葉が漏れた。

…でも、それに賛同する訳にはいかない。

俺もお前と一緒に、家族として暮らしていきたい――

それは、千代田にとって、きっと辛い方の道だから。

だから。

泣きじゃくる千代田に、俺はただ、無言で首を振ったのだ。



千代田→ ***/***

やっぱ最後だけで分岐しろと言うのかね
まあどうせそれはそれで最後BADになるだけなんだろうけどね
続ける?
>>+1-3

じゃあ次からBAD有り選択肢の時は多数決で それでも駄目ならどうしようもなし
風呂入ってBADやって7週目
>>1も最後まで書きたいんだけどね

確かに初回みたいに電ちゃんから青葉とか急激な方向転換が出来なくなったのはキツイよな
振ったりしてヒロイン一人が攻略不能になっただけで終わりとか甘すぎだろ
それこそ途中終了させないように一人のヒロインに絞らないといけないから安価の自由性が失われるだろ

ここ数年横浜がCSに出られない呪いかけた

純粋な疑問なんだけど、千代田や響はそうでもないのに、電ちゃんが幸せになってますようにって発言だけで荒れたことがあったけど、なんで電ちゃんそんなに嫌われてるの?

>>797
電ちゃんはエピローグでもう幸せになってたじゃん
救いがなく無慈悲にもBADENDになった響や千代田と比べるのはちょっと…

けど吹雪のあれやった時点で絶対にどこかで報復はされるだろうなとは思ってた

>>802
足の引っ張り合いでこうなったんだったらまだいいけどな
両方とも荒らし目的の糞スナイパーがやった可能性があるんだよな
その場合はそのスナイパーが張り付いている限りどんなヒロインでも妨害されるし
それに報復しようとする住民がねずみ算式に増えていって手の付けられない自体に陥るぞ

>>795 残念だがその呪いはもう既にかかっているのだよあはははは一体いつ解呪されるんだろうね
一回で終わるような話にした>>1が悪いね、じゃあ全員数回に分けるようにします
そして途中終了もやめます、どんなになっても続けます
途中終了入れたのは自分の好きな娘いなくなったらもういいやって人多かったから、そんだけ



【エピローグ】


千代田の部屋があった場所。

そこは、既に空だった。

つい数週間前はここに彼女がいたのだ、という事実も嘘のように。

ぽっかりと、虚しい空間になっていた。

「………」

そんな場所に、何をするでもなく突っ立っている。

「お兄」と甘える声も、もうここに響くことはない。

自分で送り出したのに、後悔して。

未練がましく、あの姿を求めている。

滑稽だった、ひたすらに。

もし、あの場で彼女を止めていたら。

もし、行くなと彼女に言っていたら。

その結果を、今でも夢想するのだから。

「……そういえば」

既に、しっかりと掃除した部屋なのだが。

押し入れを掃除するのを忘れていたのを思い出す。

引き戸のふすまを開ける。

そういえば、千代田がいる間にはここは開けたことがないな、なんてことを考えながら。

中に入っていたのは、元々うちにあった布団だけ。

やはり、千代田の面影は無い。

「…はは」

何を期待したのか、俺は。

…少し、休もう。

ぼす、と布団に躰をめり込ませながら、前のめりに倒れる。

…布団から、千代田の匂いがした。

そんな物にすら、どうしようもない程に胸にこみあげる喜を感じた。

千代田、と。

呟いた言葉は、布団の中へと吸い込まれていった。

まあこれだけ色々制約を付ければ問題無いだろう(慢心)
そんなわけで次ね

一人目>>+4

比叡(記憶喪失・幼馴染)

二人目>>+4

漣 家政婦

三人目>>+4

レ級(クラスメート)

明石(近所のお姉さん)

四人目>>+4

レ級(クラスメート)

回線重すぎワロエナイ…

大井(クラスメイト)

五人目>>+4

レ級(クラスメート)

やっと取れた
深海側は前>>1がおk出してた希ガス

比叡(記憶喪失・幼馴染)
漣(家政婦)
明石(近所のお姉さん)
大井(クラスメイト)
レ級(クラスメイト)

決定しました 書いてきます
レ級は間違いなくオリキャラやで(小声)
お付き合いいただきありがとうございました
色々とシステムがアレで本当に申し訳ありません

今回はまともやな
家政婦雇ってるぐらいだから提督は結構いいところのお坊ちゃんなのかね

恒例の変なプロローグだよ




【プロローグ】


「…比叡」

手術中と書かれた赤いランプに照らされた廊下。

その手術室の側のベンチで、願うように漏らした言葉。

「ご主人様…」

隣では、いつも飄々とした様子のメイドが珍しく真剣な顔で僕を覗きこんでいる。

「…平気、心配しないで」

「……何度もお聞きしましたよ、それ」

「…そっか」

比叡が車に跳ねられた。

そして、手術をしている。

…親から言われたその言葉は、信じられない物で。

現に慌てて駆けつけた病院でこうして手術中のランプを目にするまで、信じていなかった。

いや、信じたくなかった。

「…ご主人様…」

何度目か、漣が俺を覗きこんだ時、赤く灯ったランプが消える。

白衣の医師が、ドアの向こうから現れた。

「ひ、比叡は…!」

「…――――」

「え………?」

告げられた言葉。

視界が、真っ白になったような感覚。

…結果として、彼女は生命を取り留めた。

けれど、その代わりに大事な物を失った。



病室。

真っ白なカーテンが、風に揺れている。

ドアを開いた音に気付いたらしい比叡が、顔を此方に向けた。

「……えーと…提督、くん…でしたよね?」

「…うん、そうだよ」

「…ありがとうございます、いつも」

「…気にしないで」

この病室の調度品の様に。

比叡の記憶は、真っ白に消えた。

記憶喪失。

信じられやしなかった。

目を覚ました比叡に、最初、僕は何度も詰め寄った。

本当に覚えてないのかと。

本当に忘れてしまったのかと。

笑って、冗談だって言ってくれと。

でも、彼女は怯える顔をするばかり。

男勝りで、少し勝ち気な彼女の面影は、何処にもなかった。

「…えっと…大丈夫、かな?」

「はい、身体は」

「…そう……なら、うん、良かった」

毎日、こうして会話を交わすでも無いのに、お見舞いに来て。

ただ、大丈夫かと聞いて帰る。

意味が無い事は知っている。

それでも、何かせずにはいられなかった。

「それじゃあ、…また」

「…はい」

病室のドアを、静かに閉める。

「…比叡様、そろそろ退院だそうですよ」

「漣」

見慣れたメイド服が、廊下に立っていた。

「…ここでお話をして、比叡様に聞こえてはいけませんので」

こっちへ、と漣が休憩室の方へ手招きする。

その中の椅子に、2人で腰を下ろす。



「……比叡…」

「心配ですか」

「当たり前だよ!」

言って、まるでこれでは漣に当っているようだと思い、語調を緩める。

「……そりゃ、幼馴染だし、心配に決まってるよ」

「…ご主人様」

「……これからの、比叡の生活とか…」

「では、ご主人様が比叡様のお側に居れば良いのでは?」

「…それができたら苦労しないよ」

来月から比叡は、遠くの学校で寮に入って暮らしていく事になっている。

幸い、身体的な問題は無いので、不安はあるが通わせると比叡の両親は言った。

その学校は男子禁制の、絵に描いたようなお嬢様学校。

…どうやったって、彼女の側にはいられない。

だが、漣は僕の言葉に笑みを浮かべる。

「ふふん、できる、と言ったらどうですか、ご主人様?」

「…できるわけないじゃないか」

「漣に…いえ、メイドに不可能はありません」

「ご主人様の性格のようにナヨナヨとしたほっそいほっそい身体も、ついに役に立つ時が来るんですよ」

「…さり気なく雇い主ディスするのやめてくれない?」

「良かったですね、食べちゃいたいくらいの可愛い顔で」

「…それは…褒めてるの?」

「褒めてるんですよ」

そう言って、メイド服の隙間からいくつかの道具を取り出す。

…どうなってるのさそれ。

バサバサと机に広げたのは、化粧道具と鏡。

そして。

「…ふっふーん♪」

さも楽しげに最後に取り出した、ウィッグ。

嫌な予感がした。

というか、嫌な予感しかしなかった。

「ではでは、ご主人様…いえ、お嬢様の改造計画、はじめちゃいましょうか♪」

「あの、漣…?」

「へっへー、まーまー、じっとしとけやおじょーちゃーん」

「ひっ、ちょ、漣ぃっ!?」



校門の側、入学式と書かれた看板。

そこ横に記された文字。

『舞鶴女子学園』。

…入学式なのだ。

そう、僕の高校の入学式なのだ。

なのに、女子校。

「あれー?お嬢様、ほらほら、立ち止まってないで急いで下さいよぅ」

「…わかってる…こほん、ええ、わかってるわ」

…名誉な事か、不名誉な事かは生憎わからないが。

女装で、入試も面接も潜り抜けてしまった提子ちゃん。

御年15歳、男子。

…男子。

「…ひえー…大きな学校ですね」

「…比叡さん、ほら、行きましょう?」

「はい、提督…ええと、提子さん」

「……うぅ」

これで比叡の側に3年間いられるとはいえ。

もっと別なやり口は無かったのか。

そう悔やむばかりである。

女子寮は、金の力で個室を確保。

隠し切れない女子にしては高い背と、少し低い声は、なんかお姉様っぽいキャラで通す。

そしてお付のメイドにフォロー役の漣。

ふははははは。

もう駄目だよ。

僕はなんなんだよ。

「…ふふふふ」

「こらお嬢様ー、そんなセンチにメンタってないで行きますよー」

「…ええ、漣…」

「…くくっ…」

「…今笑わなかった?」

「おじょ、お嬢様、この漣がそんな…くふふ…うぷ…うぷぷぷぷ…」

「…もういいわ」

「あ、待って下さいー」

「あの、置いて行かないで…」

「…ご、ごめんなさいね、比叡さん」

「くふっ…」

笑うメイドと、戸惑う比叡を連れて体育館までの道を歩く。

…うあー…。



「はい、新入生の方はこちらで――」

校門から体育館までは、思ったよりも距離があった。

比叡も、少し息があがっている。

「大丈夫?」

「…あ、はい、大丈夫です」

「…それならいいのだけれど」

「…ぷっ…くくっ…」

「メイド、黙ってなさい」

「あいあいさー」

馬鹿にするような笑みを張り付けたまま敬礼する漣。

…もう放っておこう。

先生らしき人が配っている新入生の手引きを取りに行こう、と比叡の手を引く。

「すいません」

「あ、新入生の方ですね、ええと―」

資料の山から、顔を上げた教師。

「……っ!?」

その顔を見て、俺は固まらざるを得なかった。

「…あれ?あ、もしかして…比叡ちゃん?」

「………?」

「…あはは、わかんないかー…私ね、明石…近所に住んでたんだけど、覚えてないかな?」

「…も、申し訳ないです」

「いやいやー…結構昔だしねー…しょうがないかー…と、君は?」

「……私、提子と申します…比叡さんとは、その…校門の所で、知り合いまして」

「おー、そうなの、そっかそっか、比叡ちゃんと仲良くしてあげてね」

「…って…あれ……?うーん、君もなんか、どこかで見たような顔なんだけど…」

「…気のせいでしょう、失礼します」

「あ…」

手引きを乱暴に受け取って、慌てて顔を背ける。

…忘れるはずもない。

忘れずはずがなかった。

明石おねえちゃん。

懐かしい、その名前を。


「へー、感動の再会ですね」

「へーじゃないよ!」

「ふふ、相次ぐお嬢様の不幸でメイド、メシウマです」

「もうちょっと主人を気遣いなよっ!」

「あぁ…どうしよう、もし担任とかだったら…」

「ま、別にバレやしませんて、この漣のヘンソウ=ジツは一級品ですから」

「…今、発音おかしくなかった…?はぁ…」

入学式を無事に終え、今度は校舎へと向かう。

これからの事を思えば、不安しか湧いてこない。

周りにはいかにもといった育ちの良さそうなお嬢様達。

その中で、3年間もどうやって過ごせばいいのか。

…というかバレたらどうなるんだろ。

…犯罪?犯罪だよね、はぁ…。

もう一度、周りを見回す。

「…あの方、とても凛々しいですわね…」ボソッ

「…ええ、美しい顔立ち…」ヒソッ

心なしか、皆が僕を見ているような気までする。

ヒソヒソと何かを呟きあって。

…やはり不自然なのだろうか…ああ…バレたら…。

そんな時、人垣の一角がざわめいた。

「きゃっ…!」

どうも、何かに躓いて人がコケてしまったらしい。

地面に、女の子がうずくまっている。

それを、皆が遠巻きに見つめていた。

「……あれー?立てないのかな?」

「…お嬢様、周りの会話をよーくお聞きになって下さい」

「…会話?」

漣の言葉に、周りに耳を澄ます。

「……まぁ、入学初日から制服を汚して…」

「…汚らしいですわね」

「…歩き方がなってないから…」

…それは、思わず耳を疑うような言葉だった。

誰もあの娘を心配なんかしていない。

むしろ、誰もが彼女を馬鹿にしていた。

それはきっとうずくまった彼女にも聞こえているはずだ。

「………っ!」

「お嬢様!?」

「提子さん!?」

そんな事を考えたら、身体が勝手に動いていた。

比叡と漣の制止を振りきって、地面にうずくまった彼女に駆け寄る。




「…貴女」

「……え?」

声をかけると、少し怯えた目を向けて顔を上げた。

髪の毛と同じ、栗色の瞳が僕を捉える。

…もしかして泣いていたのか、その瞳はどこか腫れぼったいものだった。

「……な、何か…?」

「…じっとしてなさい」

「あ、あの…?」

顔に付いた汚れと涙を、ハンカチで拭う。

「…き、汚い…ですよ?」

「そんな事はないわ」

「…………」

ひと通り顔を拭いて、彼女を立たせ、今度は制服に付いた埃を払う。

…触れ合ってしまうのは仕方ない、事故だ。

「…うん、これで良いわね」

「気を付けなさい、今度から」

「…は、はいっ…あ、あのっ!」

「何かしら?」

「…お、お名前をお聞きしても良いでしょうか?」

「…提子よ」

…凄く名乗りたくない名前なんだけどね。

ちくしょう、もうちょっと凝った名前考えればよかった。

「……貴女は?」

そんな内心を誤魔化すように、聞き返す。

「お、大井…大井、です」

「…大井、そう、いい名前ね」

「あ……」

「じゃあ、私はこれで」

「そうそう…大井さん、貴女、きっと笑っている方が可愛いわ」

去り際に、そんな事を言ってみる。

…別に口説いた訳じゃない、ずっと沈んだ顔だったからってだけだ。

「……は、はい…はいっ!て、提子お姉様っ!」

「……おね…?」

「死ねやジゴロォ!」

「おごっ!?」

なんだそれは、と振り向こうとして、後ろから飛んできたメイドに腹をぶん殴られる。

とても女の子が出しちゃいけない声が出た。痛い。



「……ふーん」

「ただキュークツそうな学校だと思ってたけど」

「中々面白い人もいるねー」

「にゃは、うんうん、タイクツしないで済みそーだ」

そんな彼ら…いや、彼女らを、野次馬に混ざって見つめる一つの影がいた。

白い肌と、白い髪。

制服をダルそうに着崩したその影は、楽しそうに笑っていた。



【プロローグ 終】

文句はいつでも受け付ける所存
でも今日はフレッシュオールスター見に行くから多分更新無い
関根くんと嶺井くんを目に焼き付けてくる

昨日のFASは関根くんを間近で見られて大満足
>>1好みのイケメンやった大好き応援してるで頑張るんやで
オールスター見ながらゆっくりやります
後やっぱ選択制に戻すね、あんま変わらんし

今週のみ提督の名前表記は違和感バリバリなので省くよ


【4月1週】


「提子様、お付きのメイドまでいらっしゃるのですね」

「ええ、こんな歳にもなって恥ずかしいのだけれどね」

「そ、そんなこと無いと思いますわ!」

「あら、そうかしら」

大井「そうですっ!」

「…お、大井さん?」

大井「お姉様に恥ずかしい所なんて有りません!ええ!」

「…そこまで言われると、少し照れくさいのだけれど」

大井「も、申し訳ありません!…ですが、お姉様に恥ずかしい所など――」

「ええ、ええ…わかったわ、だから、そんなに力説しなくて良いのよ」

大井「ああ…素敵です、お姉様…」

漣「………比叡様、比叡様、見てください」

比叡「…?」

漣「あれがプライドを全部投げ捨てた者に出来る業です」

うるさいぞメイド。

せめて僕の聞こえないところで言え。

わかってるんだよ僕だって。ちくしょう。




コミュ対象>>+4


比叡  **0/500
漣    **0/500
明石  **0/500
大井  **0/500
レ級  **0/500



――女子寮・私室



提督「…ふぅ…あー…ダメだー、疲れたぁ…」

漣「初めての登校お疲れ様です、お嬢様」

漣「とても可愛らしかったですよ」

提督「………あのさー…」

悪びれもせずに言うメイドを睨むも、何か?と笑顔で躱される。

ホントに漣は…まったく。

提督「…だいたい、漣が僕にやらせたんじゃないか」

漣「…ふっ、お嬢様、私はただこういう方法もある、と提案しただけで、最終的に決めたのは貴女ですよ」

提督「あの時無理矢理ウィッグと化粧をさせたじゃないか!」

漣「…いや、私もここまでハマるとは思いませんでした」

提督「そういうことを言ってるんじゃないよ!」

どうやら何を言ったって無駄そうだ。

ベッドに身体を投げ出す。

高級な物らしく、ふかふかで柔らかい。

ベッドに沈む心地よさに浸っていると、ふと、ある事に思い至った。

提督「そういえば、漣はどこで寝るの?」

漣「……どこで、とは?」

提督「いや、この部屋、一つしかベッドないし…」

漣「あはは、お嬢様、決まってますって」

そんな事聞くまでもありません、と漣は笑い、僕の転がるベッドの側に立つ。

漣「勿論、ここです」

そして指差したのは、僕の隣。

…え。

…え?

…ええっ!?

提督「ちょ、ちょっと漣!?」

漣「…それとも、ご主人様は私に床で寝ろと言うのですか…?」

どう考えてもわざとだろうが、漣が目を潤ませて僕を見る。

こういう時だけご主人様を使うんだから調子が良い。

……え、えーと――


>>+4


A.…じゃあ、仕方ないかな。

B.…いや、ダメでしょ。

C.…わかった、僕が床で。

C.…わかった、僕が床で。(*1.5)


提督「…わかった、僕が床で寝るよ」

漣「…ご主人様?」

提督「やっぱり、漣を床で寝かせる訳にはいかないよ」

漣「…相変わらず、お優しいですね」

漣「ですが、気にしなくていいんですよ」

提督「いや、気にするよ、だから…」

漣「嘘ですから」

提督「ベッドで――え?」

提督「嘘?」

漣「はい、私は私でちゃんと部屋があります」

漣「ご主人様のお父様がねじ込んでくれましたから」

提督「…嘘なの?」

漣「はい、…あ、ふふー、期待しちゃいましたかー?」ニヤニヤ

提督「…漣ー!」

漣「あっはははは!怒んないで下さいよー」

提督「……いっつもそうだよ、漣は僕をからかって…」

漣「…でも、嬉しかったです、ご主人様」ボソッ

提督「…?今、何か言った?」

漣「いーえっ!何も!」

漣「それでは、私はこの辺で失礼致します」

提督「…うん、おやすみ」

漣「はい、おやすみなさいませ…」

漣「あ!」

提督「どうしたの?」

漣「…ティッシュの処理には気を遣ってくださいね?」

提督「余計なお世話だよっ!」



漣→ 114/500



【4月2週】


明石「…あ、提子さんじゃないですか!」

「!?」

「あ…明石おね…こほん、明石先生」

明石「はい!嬉しい、覚えていてくれたんですね!」

明石「入学式以来、中々会えなかったので、少し心配してたんですよ」

明石「比叡ちゃんとは仲良くしてくれてますか?」

「え、ええ…比叡さんは良くしてくれています」

明石「そう、それなら良かった」

「…あの、比叡さんとは小さい時に知り合ったと言っていましたが」

明石「ええ、近所に住んでたんです、昔」

明石「よく3人で遊んだなぁ…」

「…3人って…」

明石「ふふ、男の子もいたんですよ、1人」

明石「男の子なのに、とっても可愛い子だったんです」

「…そ、そうだったんですね」

明石「でも、比叡ちゃんが覚えてないのはちょっとショックだったけどねー…あはは」

…僕は覚えています。

そして多分、僕がその男の子です。

とは、言えないよなぁ。


コミュ対象>>+4


比叡  **0/500
漣    114/500
明石  **0/500
大井  **0/500
レ級  **0/500

ご飯食べてきます

寝落ちしてた
オールスター今日も明日も延長無しってマジかよ、せめてCSでやれよ、何のためのプロ野球パックだよ
ごめんね続き書くね

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