【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】 (1000)

・提督×艦娘のちょっとした学園ものです
・なんかドロっとしてるかもしれません
・エロ、グロといった描写があるかもしれません
・わりと安価に丸投げします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400414638

詳しい説明の前にまずはヒロインを5人選出します
(名前とともに主人公との関係を書いて下さい、ex.先輩、同級生、姉、教師 等 あまりにも突飛なものでなければ何でも構いません)
一人目 >>+2

一応、現状で艦これに存在する艦娘にして下さい
説明不足でしたね、すいません

再安価>>+1

電 了解です

二人目 >>+2

娘とはたまげたなぁ 浜風了解です

次>>+2

あきつ了解 
4人目 >>+2

足柄了解 

ラスト>>+2

電(幼馴染)   
浜風(娘)    
あきつ(後輩) 
足柄(先輩)  
大和(ペット)



以上の5人に決定しました
プロローグ書いてきます…つっても書けるのかこれは…
少々結構お時間下さいな 安価システム的な説明はプロローグ後に   

いやまぁペットは多少展開的に安価下にしたい気持ちもあるけれども
どう考えても提督がゲスくなる、そこを承知して頂けるのならば書く

>>+2 青葉か大和か

はい では青葉で
あまりご期待なさらぬよう
今度こそプロローグ書いてきます

何度もすいません
ちょっと必要性が出てきました
浜風の母役 >>+2

金剛了解です
ありがとうございました

完成、今日はプロローグ投下して説明して終わり
学園物の登場人物に娘というのははっきり言って異常だ

※キャラ崩壊を多量に含みます
※呼称は「提督」で統一しています



「………――ん、………提督くんっ!」

提督「……んー…」

ゆさゆさと身体が左右に揺さぶられる感覚。

一緒に何かを叫んでいるようであるが、まだ完全に覚醒しきっていない頭には届かない。

「遅刻しちゃいますよー!起きてください、提督くーん!」

提督「……あと五分……」

言って、半分剥がされた蒲団を引っ掴んで頭から被る。

俺の幸せは誰にも邪魔させない、と確固たる気持ちと共に。

「…はわ……ほ、ホントに遅刻しちゃうのです…」

「……電ちゃん電ちゃん、青葉にお任せを」

「え…っと、…提督くんこうなったら全然起きないよ?」
            コイツ
「大丈夫ですって、提督の動かし方は心得てますから!」

「ちょ、青葉ちゃん、何を――」

「蒲団オープンっ!」バサッ

提督「…………………さっむぅ!?」

暖かな空間は、乱入者により無遠慮に、無慈悲に破壊された。

春と言えどもまだ4月、流石に蒲団無しで寝ていられよう筈もない。

飛び起き、見開いた目に映ったのは、申し訳無さそうに目を伏せる少女と、ニタニタとやたら楽しげに笑う少女。

提督「アホ葉ァ!お前朝から人ん家で何してやがる!」

青葉「なーに言ってやがりますか、起こしてあげたんじゃないですか」

少女は俺の剣幕に怯むどころか、逆にムッとした表情を作って、スマホを懐から出す。

ずい、と差し出されたスマホに表示されている時間。

それは確かに、登校時間ギリギリと言って差し支えない物であった。

提督「……うぐ」

青葉「全く、春休み明けでどうせ起きられないだろうって心配してあげたんですけどねぇ…」

青葉「その結果がアホ葉ですかぁ…悲しいですねぇ、提督くーん?」

提督「……すいません……」

青葉「え?なんですって聞こえませんでしたもう一回」

提督「………ぐぐぐ…」

電「ふ、2人とも、遅刻しちゃうのですよ!」

電の言葉に時計に目をやる。

青葉といがみ合っている間にも、どんどん時間は過ぎていた。

提督「確かにマズいな…ありがとう、すぐに用意するよ」

青葉「ちょ、青葉の時と態度違いすぎませんか!?」

提督「え?なんだって聞こえない」

青葉「…いい度胸ですねぇ…」

電「だーかーらー!遅刻しちゃうのですーっ!」

春休みも明けて、晴れて高校2年生となった初日。

その朝は慌ただしく過ぎていった。




――――――――――

――




――学校・廊下


なんやかんやでギリギリ登校時間には間に合い。

恒例の気怠い空気漂う始業式も、つつがなく終了した。

電「…また寝てたのですね、提督くん…」

提督「……いやぁ…話長かったもんでさ、つい」

青葉「…全く、ダメですねぇこの銀髪野郎は…ふぁ」

提督「お前も寝てたじゃねーか、つーか髪の色に触れるな、地毛なんだよ地毛」

青葉「ええ!?オサレに決めたいからシルバーで染めたんじゃないんですか!?」

提督「……アホ葉ァ…」

朝と同じ面子で廊下を歩く。

右隣にいるのは電。

小さい頃から隣に住んでいて、その縁でずっとこうして友達でいる。

気立てよい、誰にでも好かれるような娘だ。

左隣にいるのは青葉。

高校に入ってからの付き合いだが、同じクラス、同じ部活という縁で仲良くなった。

いつか記者になるのだという夢がたまたま一緒だったのもあって、かなり話が合う。

悪戯好きの面もあるのだが…そんなところも中々憎めないやつである。絶対口には出さんが。

提督「……ああ、青葉」

青葉「んー、どうしましたー?」

提督「いや、今日ってこの後HRで終わりだろ?部活あるのか?」

青葉「ありますよー…ってか、この前の部活で言われましたよね」

提督「……なるほどなぁ」

うんうんと頷いてみせる俺に、呆れ顔で青葉が溜息を付く。

そんなやりとりに、隣を歩く電がくすっと笑う。

電「仲、良いのですね」

提督「…まぁ、不本意ではあるが」

青葉「お、照れてるんですかー?かわいーですねー、うりうり」

提督「やめんか」

まとわりついてくる青葉を手で払う。

それにまた、電は楽しそうに笑った。




――――――――――

――




――新聞部部室



提督「どもっす」

青葉「どもですー」

HRの後すぐにやって来た、そこかしこに紙が散乱した埃っぽい新聞部の部室。

時間的に一番乗りではないかと思っていたが、意外なことに、そこには先客が居た。

足柄「あら、早いわね」

提督「足柄先輩」

部室の中央、ホワイトボードになにやらを書き込んでいる長い髪の女性。

この新聞部の部長、3年生の足柄さんが振り向いて、挨拶を返す。

足柄「ごめんね、今ちょっと散らかしてるわ」

言って、机から床まで拡がった紙束を指差す。

提督「それは良いんですけど…なんすかこれ?」

足柄「よく聞いてくれたわね!」

ビシッ、と謎のポーズを取り、足柄さんが胸を張る。

…何だこの人、聞いて欲しかったのか。

足柄「…新入生特別号に向けての資料よ!」

提督「お、おぉー……」

ドヤ顔で此方へ指を向けて言う足柄さんであったが…。

…正直特に意外なことでも無かった。発行予定表に書き込まれてるし。

俺も青葉もなんと反応したらいいのかわからず、曖昧な表情でいると、足柄さんも何か恥ずかしくなってきたようで。

足柄「…ごほんっ!とにかく、そういう事だから…急いで取り掛かるわよ」

提督「は、はい」

青葉「了解ですー」

咳払いをして、俺達に席に座るように促す。

相変わらず面白い人である。



青葉「あ、そうだそうだ、足柄先輩」

足柄「どうしたの?」

青葉「今回の記事、どんな感じにしましょうか!青葉的にはこの前ゲットした数学の○○先生の不倫情報を――」

足柄「青葉あんた何入手してんのよ!?」

青葉「スクープ魂、ってやつですよー!」

足柄「記事にできるわけ無いじゃないそんな物!…あ、でもちょっと個人的に聞いてみたいかも…」

青葉「ま、嘘なんですけどねー」

足柄「」ズコーッ

提督「………」

なんというか、賑やかな2人である。

作業の傍らに、そんな彼女らを眺めていると、不意に部室の扉をノックする音がした。

提督「……他の人達ですかね?」

足柄「…だったらわざわざノックなんてしないでしょ」

提督「あー、確かに」

などという間にも、2度、3度とノックの音が響く。

足柄「とりあえず…出たら?」

提督「いや、部長が出るもんでしょうここは」

足柄「…部長権限、出てきなさい」

提督「………はい」

なんとも横暴である。

しかし逆らうわけにもいかず、そそくさと扉の前まで行って、ノブを回した。

あきつ丸「…あ」

その先にいたのは、色白の、制服をぴっちりと来た少女。

リボンの色からして、新入生だろうか。



あきつ丸「あ、あの…自分、あきつ丸と申します!」

提督「は、はいっ!」

見た目に反して、ハキハキとした大きな声を出す少女。

それに驚いて、何故か俺まで敬語で返してしまった。

おい青葉、笑うなこら。

あきつ丸「此処は、新聞部の部室でお間違い無いでしょうか!」

提督「い、いかにも!」

……馬鹿だ。俺馬鹿だ。

足柄先輩、アンタも笑ってないでこっち来て下さい。

そんな俺達の様子など目に入っていない様子の少女は、俺の返答に安堵の表情を作った。

あきつ丸「…それは良かった…実は、自分、入部希望でありまして…」

提督「ああ、入部希望者ね」

そんなら今度こそ足柄先輩の仕事だ―と後ろを振り向く。

青葉「ここは新聞部の部室ですか?」

足柄「………いかにもっ!」キリッ

青葉「…くっ……ぷ…ふふ…」

足柄「…あ、青葉…笑わないのよ…」

青葉「…いかにもっ!」キリッ

足柄「ぷ…ふふ…あっはははははは!」

…おいお前ら。何やってんだよ。

悲しくなるだろ。やめろよ。

提督「…足柄先輩…入部希望者ですって…」

足柄「あはははは…あ、え、入部希望者?」

提督「はい」

足柄「…んー…随分早いのね」

話を聞いて、足柄先輩はすぐに立ち上がり俺と場所を変わる。

足柄「えっと、入部届とかは…」

あきつ丸「はい、こちらに!」

足柄「……うんうん…じゃあ…」

この後、とりあえず正式な新入生募集は明日からだ、とあきつ丸ちゃんを一度返し。

合流した他の部員達と作業に取り掛かり、特にこれといった事も無く下校時間までを過ごした。

…その間、あの馬鹿二人は「いかにも」がいたく気に入った様子であった。ちくしょう。



――――――――――

――





――帰り道



始業式という事で、昼過ぎには部活が終わり。

友人と飯を食って帰るらしい青葉とも別れ、俺は1人帰路についていた。

提督「…腹減った…俺も青葉と飯食って帰れば良かったかなぁ」

早く終わったと言っても時刻は13時過ぎ。

平均的男子高校生の身としては、かなり腹が減る。

話す相手もおらず、ついつい下を向いてとぼとぼ歩いていた。

すると突然、軽い衝撃が走る。

提督「わっ……す、すいません」

「……Sorry」

どうやら人にぶつかってしまったようだ。

完全にこちらの不注意、故にきちんと謝ろうと顔を上げて――

提督「………あ」

金剛「…や、久しぶりネ、テートクくん」

固まった。

比喩でも何でもなく、完全に固まった。

どうしてこの人が此処にいる?確か引っ越したはずじゃ?

目の前の女性は、そんな俺を見て、柔らかに微笑む。

金剛「また、こっちに戻って来たのヨ」

提督「………戻って、きた」

金剛「うん」

鸚鵡返しのような言葉に軽く頷く、30そこそこといった所のその女性。

彼女は金剛さん、俺の小学生の時の担任で――

金剛『…先生は、好きだヨ?テートクくんの事』

提督『先生、やめて、やめて下さい…』

提督「……………っ」

頭が痛む。忘れかかっていた記憶が蘇る。

なんで。なんでこの人が此処にいるんだ。



提督「……良く、また俺の前に顔を出せたもんですね」

精一杯の抵抗、とばかりに必死に声を絞り出し、目の前の女性を睨む。

しかし彼女は何も意に介した様子なく、話を続けた。

金剛「ンー…ちょっと、報告があってネ」

提督「報告?」

「ママー!」

幼い、元気な声が聞こえた。

その方向を向くと、金剛さんに向かって走ってくる女の子がいて。

金剛「浜風!車で待っててって言ったのニー…」

浜風、と呼ばれた女の子は。

金剛さんに似ても似つかぬ、流れるような銀髪で。

提督「………」

俺は、今度こそ何も言えずに固まった。

そんな俺を見て、金剛さんは上唇を舐め、さも楽しそうに嗤う。

浜風「……お兄ちゃん、だれ?」

唯一、浜風だけが、状況を理解出来ずに首を傾げていた。

桜舞う、春4月。

暖かで、突き抜けるような晴天の日の出来事だった。





――プロローグ 終


一週に1人を選択してコミュ、その後コンマを取って進行度を上げてもらいます
4月1週から3月4週が期限、終わった時点でMAXがいなければノーマルエンド
進行度が500に達した時点で個別エンド 
全員の進行度が375~400の間でハーレムエンド
ある程度高い娘が複数人になると突発的にイベントが挿入されたりします
※進行度400以上の娘はなるべく早く500にしてあげましょう、不慮の事故が起こって他の娘の進行度が0になるかもしれません
正直一人選び続けて500まで突っ走ればすぐ終わります
一回エンドを迎えた時点でその周回は終了です、BADでもね
そんな感じで進めて行きます、ごめんね金剛さん、でも娘ってさぁ…
今日は此処までです、お付き合い頂きありがとうございました

電    0/500
浜風  0/500
あきつ 0/500
足柄  0/500
大和  0/500

始めていきます
大和はコピペミス すまんな



【4月1週】


春休みが明け、幾日経ち。

本格的に新学年としての生活が始まった。

どことなく硬い雰囲気だったクラス内も賑やかになり、だんだんとグループも固まりだす。

そんな中でもやはり、俺の憂鬱な気分は晴れない。

当然であろう、あれだけの事実を突き付けられて暢気でいられる高校生などいない。

提督「…………はー…」

青葉「なーんか最近、陰気臭いですねー」

本日何度目かの溜息を漏らすと、隣の席にいる少女が間延びした声で言う。

その少女―青葉は、露骨につまらなそうな表情で俺を見ていた。

提督「…あー…すまん」

青葉「別に謝られても困るんですけど…」

提督「……なぁ、青葉」

青葉「はい?」

提督「……もし、俺に隠し子がいたらどうする?」

唐突な質問に、青葉は一瞬面食らった顔をしたが、すぐにニヤッと笑みを作る。

青葉「スクープですね!」

提督「…そんだけかい」

青葉「むしろそれ以外に何がありますかっ!」

青葉「…というかあれですか、そんな妄想をしてセンチなメンタルに浸ってたんですか」

提督「ちげーよ」

青葉「まさか青葉は提督くんの妄想の中で脱がされてっ!?」

提督「……あのなぁ」

そんないつも通りの元気な青葉を見て、少しだけ胸のつかえが取れた気がした。

不思議なものだ。何が解決したわけでも無いというのに。

案外、こいつはこいつなりに心配してくれてたんだったりしてな。

提督「……」ジッ

青葉「……あ、青葉を見つめて何するつもりですかっ!?脱がすんですか!エロ同人みたいにっ!」

……前言撤回。


コミュ対象>>+2


電    0/500
浜風  0/500
あきつ 0/500
足柄  0/500
青葉  0/500



――2年教室・廊下


提督「あれ、足柄先輩」

足柄「や」

提督「こっちにいるなんて珍しいっすね」

というのも、この学校、面倒くさい事に3年教室だけ別校舎に隔離されているのだ。

何でも静かな環境での受験勉強のためだとか何とか。それだけの為に教室が遠くなるとかたまったもんではない。

話がそれたが…まぁ、そんな訳でこっちに足柄先輩がいるのは珍しいのだ。説明終了。

足柄「部活の連絡事項を伝えにね」

提督「そうなんですか…わざわざどうもっす」

足柄「いえいえ、部長のお仕事ですもの…あ、皆に伝えといてくれる?」

提督「うーっす」

と、目の前、足柄先輩の奥、彼女が歩いてきた方向に見知った顔を見つける。

同じ2年の新聞部、…名前は確か毎日だとか朝日だとかそんな感じの奴だった筈だ。

提督「…先輩」

足柄「うん?」

提督「ああいえ…わざわざうちの教室の方まで来なくても、あっちのクラスの奴に伝えときゃ良かったんじゃ?」

足柄「……んー…、いや、折角だし提督くんに話そうかなーって?」

提督「何で疑問形なんすか」

この人の事だ、どうせ連絡事項の事が頭いっぱいで忘れてたんだろう。

相変わらず何処か抜けてる人だ。



>>+2のコンマと選択肢で判定


A.…まぁ、足柄先輩と話せて俺も役得か。(進行度 コンマ*1.5上昇)

B.しっかりして欲しい、部長なんだし。(進行度 コンマ*1.0上昇)

C.…面倒くさい事頼まれたもんだなぁ。(進行度 コンマ*0.5上昇)



…まぁ、役得って事で。うん、なんだかんだこの人結構可愛いし。

わりかしこの見た目に惹かれてる新聞部員も少なく無い(青葉調べ)。

すまんな、同級生諸君。

足柄「……何ニヤついてんの?」

提督「…いえ…お話相手に選んで頂き光栄です、と」

足柄「あはは、そりゃ良かった」

俺の言葉に軽く手を挙げて応えると、足柄先輩は踵を返してまた廊下を戻っていく。

その時に、小さく一言。

足柄「…実は割と本気だったりするのよ、さっきの事」

廊下の喧騒に消えそうな程の声であったが、確かにそう呟いたのだった。

提督「………」

さっきの事ってなんだろう。



足柄→ 123/500



【4月2週】


そもそも三角関数というものを社会で使う時が来るのだろうか。

答えはノーだ。

サインやコサインを使って会話をする機会などはこの先訪れる事は無い。

つまりこんなもん出来なくてもいいんだよ。

電「…提督くん…」ジッ

提督「…うっ」

だというのに…なぜ、なぜ世話を焼きたがるのだ幼馴染。

俺は出来ない現状に満足しているというのに。

電「このままだと、補習とか追試に引っかかっちゃうのですよ?」

提督「…電、いいか、高校ってのは大抵どんな奴でも出席さえしてりゃ卒業できるんだ」

提督「だから俺は…」

電「………」ジー

シャーペンを投げ出した俺を電が睨む。

…こういう時のコイツは基本的に自分の意思を曲げない。

提督「……わかったって」

電「それでいいのです」

小さな身体をフンスと逸らす電。

俺は無い頭をフル回転させながら、再び教科書を開くのであった。


コミュ対象>>+2


電    0/500
浜風  0/500
あきつ 0/500
足柄  0/500
青葉  0/500



――街外れ


提督「…なるほど、素晴らしいスクープだなぁ」

青葉「……いやー、それほどでもー、あっははー……」

青葉が珍しく興奮した様子でスクープだスクープだと騒ぎ立てるので、新聞部の作業まで抜けだしてやって来た場所。

何の事はない。トラクターがぶんぶんと走り回っている農地だった。

提督「ミステリーサークルがどうしたって?ん?」

青葉「…実はあれ、宇宙人の工作機械なんですって!」

提督「……そうかそうかそれは素晴らしいなぁ!?」

青葉「いひゃいれすいひゃいれす!」

よく伸びる頬をたっぷりと抓ってやる。反省しろ反省。

青葉「もー…痛いですねー…珠のお肌が台無しですよ、デリカシーって物が」

提督「あ?」

青葉「……はい、すいませんでした」

言葉は殊勝だが、こいつはその裏で舌をペロッと出していたりする。

全く反省してないのが丸わかりである。

…つっても、こんな事は初めてじゃないし…疑わなかった俺にも責任はあるといえばある、か。

青葉「というわけでっ!どうせ今からじゃ部活にも間に合いませんし、何か食べて帰りましょう!」

青葉「あ、提督くんの奢りですよ、奢り!」

提督「…………」

変わり身早過ぎるぞこのアホ葉どうにかしろ。

…まぁ――


>>+2


A.何だかんだ俺も楽しんでるのかもな(進行度 コンマ*1.5)

B.…流石にそろそろちゃんと反省して貰おうか、青葉くん?(進行度 コンマ*1.0)

C.……アホらし。もう相手にせんどこう。(進行度 コンマ*0.5)



うむ、何だかんだ言って俺も楽しんでいるのかもしれない。

頭ではどうせ嘘だと思っていながらも…。

…いやいや、ありえんありえん。何を言ってるんだ。

俺の記者の卵としての血が騒ぐだけだ。それ以外にこいつに付き合っている理由など無いのだ。

提督「……」

青葉「……?」

だいたいこの脳天気快楽主義好き放題ガールだぞ相手は。錯覚だ錯覚。

今日も面倒くさい事に付き合わされたんだよ、あー疲れた疲れた。

青葉「あの、提督?」

提督「…うっさいアホ葉、今日はお前の奢りだ」

青葉「あ、ご飯一緒に食べてくれるんですね!」

提督「……まぁ、うん」

青葉「ふふっ、そですか、じゃ、行きましょうよ!」

お腹ペコペコです、と笑う青葉に引っ張られながら思う。

…何かこいつの思い通りにされてる気がする、と。



青葉→ 127/500(小数点以下切り捨て)



【4月3週】


足柄先輩は、実は頭が良いらしい。

青葉に初めてこれを聞いた時、何言ってんだこいつと思ったものだが。

貼りだされた校内模試の結果を見て認めざるを得なくなった。

あの時の足柄先輩の超ドヤ顔は今でも頭に残っている。

どうやら本当に勉強という面では相当にデキる人だった、という意外な事実とともに。

…しかし、だ。

足柄「……此処はね、こう…これをパパっと代入して」

足柄「…公式?ああ、良いのよ覚えなくて、ほら、これをこうやって…」

足柄「……おかしいわね、何で出来ないのかしら」

受験勉強もある中、俺のようなただの後輩に時間を割いてくれる彼女は素晴らしい方だと思う。

…けれど、良い選手は良いコーチとは限らないとはよく言ったもの。

提督「あはは…すいません、もうちょい自分で勉強してきますー…」

…せめて、貴女のお話を理解できるようになるくらいには。

頭が良い人は、やはり根本から構造が違う気がする。

数学の教科書を鞄に入れながら、溜息を付いた。



コミュ対象>>+2


電    0/500
浜風  0/500
あきつ 0/500
足柄  123/500
青葉  127/500



――提督家・リビング


電「ふんふんふふーん♪」

リビングに付けたテレビを横目に、俺は鼻歌を歌いながら料理をする少女を見ていた。

高校生とは思えぬような手際で次々と料理をこなしていく彼女は、なぜだか知らないが楽しげである。

そんな彼女―電が、帰りが遅いうちの両親に変わって、夕飯を作ってくれる事はいつしか恒例行事となっていた。

…正直うちの母親の料理よりうまいんじゃなかろうか。流石に口には出さんが。

電「あ、提督くーん、お皿持ってって欲しいのです!」

提督「はいよー」

殆ど内容の入らないテレビの電源を切り、電の指示通りに机に食器を並べていく。

ものの数分もしないうち、机に料理が並ぶ。

提督「いつも悪いな、電」

電「良いのですよ、電は好きでやってますから」

電「……って、あ、その、好き、っていうのはあの、料理の事なのですよ!」

提督「いや、そんな焦らなくてもわかってるって」

電「…あぅ」

…そうだな、こういう時に謝罪は良くない。

電も好きでやってるって言ってくれている事だし…。

提督「…いつもありがとな、電」

電「あ…は、はいっ!」

俺の言葉に、電は大袈裟とも言えるような動作で首を縦に振った。

提督「お、おいおい…机にぶつけるなよ」

………――


>>+2


A.やっぱり、電と一緒に食事をするのは楽しいな。(進行度 コンマ*1.5)

B.ちゃんと電に感謝しないとな。(進行度 コンマ*1.0)

C.…しかし、たまには電も家族と食事を取ったほうが良いのではないだろうか(進行度 コンマ*0.5)



…ちゃんと感謝しないとな。

わざわざこうして作ってくれているんだ、俺のために。

提督「…ごちそうさまでした」

電「お粗末様でした」

提督「…よし、今日は洗い物、任せてくれ」

電「え?い、良いのですよ!電がやるのです!」

提督「いやいや、せめてこのくらい、な?」

電「………は、はい…」

というか。

俺の家の物なのだし、普通俺が洗ってしかるべきではないのだろうか。

むしろ今までこれを電にやらせていたことが少し恥ずかしくなった俺であった。


電→ 57/500

今日はここまで
適当にのんびりやっていきたいなって
お付き合い頂きありがとうございました

やきう始まる前くらいでやる 交流戦とかいう鬼門


【4月4週】


あきつ丸「提督殿、この部分なのですが」

提督「ああ、そこはね」

あきつ丸が新聞部に入部してそれなりに経つ。

しかし、相変わらずこの口調は変わらない。

最初は緊張故に変に硬くなっているのかとも思ったが…。

提督「…って、感じで…ま、その辺は最終的に仕上げるのは青葉とかだから、何かミスしてても押し付けときゃいいよ」

あきつ丸「そ、そのような…」

提督「そういう軽い気持ちでやってくれていいって事、あくまで部活で出してる新聞だしね、ミスもご愛嬌の内だよ」

提督「……というか、俺も入部したての頃はミスしまくってたしさ…」

足柄先輩を始めとする先輩方にどれだけ迷惑を掛けたか…思い出すだけで申し訳ない、と。

小声で付け足したその言葉に、あきつ丸の硬い表情が少しだけ和らぐ。

あきつ丸「…そうですか、気を遣って頂き、感謝致します」

あきつ丸「……提督殿は、お優しいですね」

提督「いや、別にそういう意図があったわけじゃ」

あきつ丸「では、作業に戻りますね」

ありがとうございました、と慇懃に礼をして席に戻っていくあきつ丸。

ただ事実を言っただけなのだが…それだけで褒められるというのはなにかむず痒い物がある。

それを紛らわすように少し伸びをし、さて作業に戻るかと振り向いた先。

青葉「で、誰に責任を押し付けるんですって?」

提督「………聞いてたのかよ」

そこには喜色満面の青葉さんが仁王立ちしていた。

…なんでお前は話を聞いてんだよ。


コミュ対象>>+2


電    *57/500
浜風  0/500
あきつ 0/500
足柄  123/500
青葉  127/500



――公園


休日、昼下がりの公園には子どもたちの楽しそうな声が響く。

その中にあって、隅のベンチで暗い雰囲気を出す一組の男女。

提督「……何の用ですか?」

金剛「…そんなに警戒しないで欲しいネ」

視線を合わせることもなく早口で話す俺に、金剛さんが軽い溜息で応える。

この日、この場所に俺を呼んだのは彼女だ。

再開した日に(無理矢理)交換されたアドレスに、初めて送られてきたメール。

…それを俺は無視することが出来なかった。

金剛「別に用って訳でも無いんだけどサー」

提督「……だったら」

金剛「ああもう、落ち着いてヨー…ほら、テートクくん」

言って、金剛さんがスッと指差した先。

楽しそうにはしゃぎ回る子どもの一団にあって、一際目立つ銀髪の少女。

提督「……それがどうしました?」

金剛「君の子どもなんだよ」

提督「…………っ」

「それ」を、直接言われたのは初めてで。

勿論ある程度察してはいた事だけれども、それでも…。

…何故、今更になってこの人は現れたんだ。

知らないままにしてくれれば良かったのに。

或いは俺が、何もわからず、何も責任を感じないような、もっと前に言ってくれれば良かったのに。

公園を駆け回る、浜風という名前の少女を見る。



>>+2


A.…その娘の事を、どうしても俺は嫌いになれそうもなかった。(進行度 コンマ*1.5)

B.これから自分が何をすべきか、その娘に対して何をすればいいのか……何もかも、わからなかった。(進行度 コンマ*1.0)

C.何も悪くないとはわかっているけれど…それでも、吐き気を催す程に強い嫌悪感を感じた。(進行度 コンマ*0.5)

ちょっとプロローグの喋り方から修正入れときます、寛大な心で見逃して欲しい



…どうしても、その娘の事を嫌いになれそうもなかった。

金剛さんは、俺のそんな様子を見て満足気に微笑む。

浜風「お母さん…と、この前の…」

間が悪く、というのかタイミング良く、というのか。

遊び疲れたらしい浜風が丁度こちらに戻ってきた。

金剛「浜風、この人が前に話したテートクくんだヨ」

浜風「…そうだったんだ」

その言葉で此方を見て、浜風は子どもらしくニッコリ笑う。

浜風「浜風です…えっと、提督さん、はじめまして」

提督「……うん、はじめまして」

俺もまた、ぎこちない笑顔で返す。

どんどんと、よくわからない、整理の付かない気持ちだけが積み上がっていく。

…もう、全部投げ出してしまいたかった。



浜風→ *45/500



【5月1週】


新聞部の発行する新聞はわりと評判が良い。

内容は学校の何でも無いような出来事が殆どなのだが、むしろそれがウケるらしい。

しかし、その何でも無いような出来事は部室で座っていて見つかるものではない。

故に、学校の中では常に気を張って周囲の出来事に耳を傾けていたりする。

……別にそれは良いんだけどね。

青葉「先生、もう逃げても無駄ですから白状して下さい!さぁ!」

「…青葉くん、あのね」

青葉「結婚するんですよね!?結婚するんでしょう!?首を縦に振るだけでいいですから、さぁ!」

「…………」

…どう考えてもあれはやり過ぎだと思う。

それともあのくらいの根性が無いと記者としてはやっていけないのだろうか。

青葉「…くっ…あ、提督くんも見てないでこっち来て下さいよ!」

おいやめろ、俺を巻き込むな。

「……提督くん、君もかい」

違うんです先生、俺はこいつの仲間ではありません。

…などという反論は意味を成さず、俺までこってり絞られたのであった。理不尽。



コミュ対象>>+2


電    *57/500
浜風  *45/500
あきつ 0/500
足柄  123/500
青葉  127/500

一旦ここまで

三上(神)
再開します



――公園


浜風「…それでですね――」

あれからというもの、俺は金剛さん本人と会うことは少なくなった。

その代わりに、こうして浜風の面倒を見てくれと良く頼まれている。

最初は少し警戒心を見せていた浜風も、何度も話していく内に笑顔を見せるようになった。

俺も…前より、笑顔にぎこちなさが消えた気がする。

そして、金剛さんの意図も…何となく、理解した。

こうして彼女と話すほど、触れ合うほどに、浜風という少女を俺は好きになっている。

…勿論、それは父性的な意味でだが。

今の俺はおそらく、彼女を捨てられない。投げ出せない。

浜風は、俺を縛る鎖だ。

あの女の元から俺を逃げられなくするための。

…けれど、だったら一体あの女は何を望んでいる?

……俺を手に入れたい、というのならわざわざこんな回りくどい真似を――

浜風「あのっ!」

提督「え?あ、は、浜風…」

浜風「…お話、おもしろくなかった…ですか?」

提督「ああ、違うんだ…ちょっとね、ごめん、考え事を」

浜風「それなら、よかったです」

小さな頭にぽふっと手を置くと、浜風が頬を緩める。

手の下の銀髪は、流れるように風に靡いていた。

浜風「こうしてると…提督さん、お父さんみたいです」

提督「……っ!」

髪の色も似てますし―と。

そんな状況にあって、少女が発した何気ない言葉に――


>>+2


A.なんとか、平静を装って受け答えすることが出来た。(進行度 コンマ*1.5)

B.……つい、手を止めてしまった。(進行度 コンマ*1.0)

C.無意識に、彼女を睨んでしまった。(進行度 コンマ*0.5)



提督「…はは、は…うん、確かにね」

浜風「はい、…ふふっ」

提督「…浜風みたいな可愛い娘が娘だったら、良いんだろうね」

何度も言葉に詰まりそうになりながらも、何とか言い切って。

ぎこちなく、口元を歪める。

浜風「…実は、私…お父さんが、居ないから」

浜風「ずっと…憧れてたんです、こういうの」

提督「……そう、なんだ」

浜風「…お母さんも、お父さんについての話はしてくれないし…」

浜風「あの…だから、もうちょっとこうしててくれませんか?」

提督「…ああ、勿論」

…やはり。

どうあっても、俺はこの娘を捨てられない。

鎖が、更に深く絡み付く。



浜風→ 112/500



【5月2週】



新聞部の部室での作業。

それは基本的に賑わいつつ進んでいるのだが…今日は少し違った。

単純に部室にいる人数が少ないのである。

俺と足柄先輩しかいない。なにゆえ。

提督「あの」

足柄「…はい?」

提督「人、少なくないっすか?」

足柄「……そうねぇ」

先輩も思っていたのだろう、不思議そうに首を傾げる。

はて、確かに元々部活は休みの日だが、作業の進行度合いを鑑みて今日は活動をすると通達があったはずだ――

と、ある事に思い当たる。

提督「そういえば…」

足柄「うん」

今日の昼、足柄先輩が教室に来た時の事を思い返す。

足柄『あ、提督くん』

提督『先輩…どうしました?』

足柄『今日やっぱり部活、しようかなって』

提督『あー…結構今月号かつかつですしね』

足柄『そゆこと…じゃ、後の人にも伝えなきゃだから』

提督『うっす、わざわざどうもっす』

…あの後、他の奴に通達したのかこの人は?

提督「先輩、今日部活あるって、ちゃんと他の人にも言ったんですか?」

足柄「へ?…私、提督くんから皆に伝えといてって言わなかったかしら?」

提督「…………」

開いた口が塞がらないとはこの事か。

やっぱりこの人忘れてやがる。しかも俺が悪い事になってやがる。

提督「先輩、自分で言うって言いましたよね?」

足柄「あ、あはは…そだっけ?ごめんごめん」

全く、本当に抜けてる人だ…作業も二人では進まなかろうに。

けれども何が楽しいのか、足柄先輩は悪びれた様子も無く笑っていた。


コミュ対象>>+2


電    *57/500
浜風  112/500
あきつ 0/500
足柄  123/500
青葉  127/500



――提督の部屋


提督「………うむ、む?」

電「そこは代入なのです……」

提督「ほう…」

そうなのか。知らなかった。

そんな俺を見て、ああ…と疲れた表情で電が俯く。

どんだけやっても俺の成績は良くならんし、おそらく心の中では辟易しているのではなかろうか。

提督「…悪いな、いつも勉強付き合わせて」

電「あ、良いのですよ!気にしなくて!」

わたわたと慌てて電が身体の前で手を振る。

…本当、俺には勿体無いくらいの幼馴染である。

電「…あの、…えっと、提督くんといられるだけで…電は、楽しい、ですから」

提督「え?」

電「はぅ!?な、何でもないです!何でもないのですっ!」

今度は顔を赤くしてぶんぶん手を振り回す。

彼女のそんなコロコロ変わる表情は、見ているだけで和む。

提督「ははっ…俺も電といると楽しいよ」

電「えっ!?」

提督「昔からいつもこんな感じだしな、和むっていうか、なんていうか」

電「…あぅ…微妙に伝わってないのです…」

しかし、彼女には世話になりっぱなしだ。

俺も何か出来る事はないだろうか――


>>+2


A.「今度、何処かに出かけないか?」(進行度 コンマ*1.5)

B.「…何か欲しい物とかあるか?」(進行度 コンマ*1.0)

C.(……電には電の都合があるだろうし…)(進行度 コンマ*0.5)



提督「…何か欲しい物とかあるか?」

電「…欲しい物?」

提督「せめて、お礼でもと思ってさ」

電「そんな…良いのですよ、電は好きでやってるのですから」

提督「…つっても、流石にさ」

電「提督くんのその気持ちだけで、電は嬉しいのです!」

電「だから気にしないで下さい、ね?」

提督「……わかった」

結局、こうして押し切られてしまった。

プレゼントすら許さぬとは…ガードの堅い幼馴染だ。


電→ 153/500



【5月3週】


夏とも言えないが、春とも言えない。

暑い日もあれば、涼しい日もある。

そんな季節に入り、無駄に元気になってくる奴がいる。

青葉「スクープの匂いがしますねっ!」

提督「しません」

そう。夏は馬鹿が元気になる。

まぁこいつは年中元気だが。夏はこのテンションが3割増しくらいでウザい。

青葉「ノリが悪いですよー、ぷにっ」

横からめっちゃ頬をぷにぷにしてくるんだけどなにこいつうざい。

青葉「張りがあっていいほっぺたですねー」

提督「…元気だなー、お前」

青葉「はいっ!青葉のチャームポイントですっ!」

正直誰もチャームされねーよと思う。

しかし…あれだ。

提督「お前、黙ってれば結構可愛いのにな」

青葉「………はあっ!?」

提督「…お、おう…いや、そんなに驚くなよ…思った事言っただけだよ」

青葉「…あ、そ、そう…ですか」

毎度毎度思うのだが、こいつは教室の端で黙って本でも読んでればそれなりに絵になるのではないだろうか。

現に入学当初、少しおとなしかった時は俺も――

いや、黒歴史だな、やめよう。

青葉「…………」

そして急に黙るなお前も。


コミュ対象>>+2


電    153/500
浜風  112/500
あきつ 0/500
足柄  123/500
青葉  127/500

風呂

風呂シーンて聞いて風俗を最初に連想してもうたわ 割とアリやと思う


――中庭


提督「お」

あきつ丸「あ…どうも、提督殿」

昼休み、購買部でパンを買った帰り道。

弁当箱を抱えたあきつ丸と偶然出くわした。

提督「中庭で昼飯か?」

あきつ丸「いかにも、そのつもりです」

この学校の中庭、いっちょ前にベンチなんて物を配置しており、昼時はそれなりに人気スポットだったりする。

しかし、季節柄だいぶん昼の気温も上がり、今では春程の賑いは見せていなかった。

提督「暑くないか?」

あきつ丸「いえ、平気です」

提督「日差しも結構強いし、教室で食ったほうが良いんじゃないか?」

あきつ丸「……いえ…自分、あまり…その、クラスに馴染めてないもので」

提督「…………」

ででーん。俺アウトー。

何気ない会話で地雷を踏み抜くとは流石俺、なぜ察せなかったのだ…。

あきつ丸「あ…も、申し訳ない…いきなりこんな話を…」

提督「…い、いや…」

…どうしたものか。

この気まずい空気、何とかせねば…。


>>+2


A.「…よし、俺も中庭で食事にしようかな!」(進行度 コンマ*1.5)

B.「……良ければ、俺の教室来るか?」(進行度 コンマ*1.0)

C.「…が、頑張ってくれ…」(進行度 コンマ*0.5)



提督「よし!」

あきつ丸の目の前。

中庭の空いているベンチの一つに腰を下ろす。

あきつ丸「…提督殿?」

提督「いや、折角だし俺も此処で飯にしようかってさ」

あきつ丸「え?」

提督「…でもなぁ…一人じゃ寂しいんだよなー」

あきつ丸「………え、えっと」

提督「あー、誰か一緒に食べてくれないかなぁ」

あきつ丸「…あ、あの…自分、でよろしければ…」

提督「お、本当か!?ほらほら、座ってくれ」

あきつ丸「では…失礼して」

提督「その弁当、お母さんが作ってくれてるのか?」

あきつ丸「いえ、母上は忙しく、毎朝自分で…」

提督「うおっ!?マジかすげぇ!」

あきつ丸「…よ、良ければ…少し、食べますか?」

提督「良いの!?なら俺はこのクリームパンのクリームをあげよう!」

あきつ丸「…それはちょっと…」

…まぁ、多少強引で無理はあったが。

それなりに楽しい昼食になったのではないかと思う。


あきつ丸→ *84/500

今日はここまで
お付き合い頂きありがとうございました

別に贔屓じゃ無くても見てるとそれなりに楽しいよね
なんかの間違いで明日勝ってくれねぇかなぁ
始めます



【5月4週】


浜風「お兄さんっ!」

提督「……………ええっ」

青葉「………」

電「………」

校門の前で他校の女子生徒が自分を待ってくれている。

中々の夢シチュエーションだ。

出来たら生きてる間に一度くらい出会ってみたいなあ…などと思っていた。

ああ、それは実現したさ。素晴らしいね。神様に感謝したいくらいだよ。

女子生徒が小学生、しかも低学年って事を除けばな。ファッキン神様。

浜風「あの、お母さんが、お兄さんと遊んでなさいって」

提督「……そうか」

浜風「はいっ」

そう言いつつ浜風が頭を此方に差し出しているのは何かのサインなのだろうか。

俺にはわからん。…わからん………くそう、引っ込めてくれよ…。

放っているとどんどん表情が曇っていく浜風。

仕方なく伸ばされた頭に優しく手を置く。

浜風「…えへへ」

…誰が俺を責められようか。

例え俺が人が大量に行き交う下校時刻の校門で幼女の頭を撫でる男であったとしても。

青葉「…………あの」

提督「…何も言うな」

電「……提督くん」

提督「違う」

親戚の娘、と説明する以外に無かったが…絶対にあの二人は納得しちゃいないだろうな。

急募。冷ややかな目線に耐える強い心。


コミュ対象>>+2


電    153/500
浜風  112/500
あきつ *84/500
足柄  123/500
青葉  127/500



――デパート


休日のデパートは、大量の人でごった返していた。

全くお前らどんだけ行くところねーんだよ他の場所で遊べよと言いたくもなるが…何分田舎だ、しょうがない。

現に俺達だって此処にいるわけだし。

提督「ささ、姫、お手を」

この状況、はぐれては大変だ―そう思い、やたら気障に電に向かって手を差し出す。

電「ひゃ、ひゃいっ!」

その手を遠慮がちに、ちょこんと摘むようにして姫様は掴んだ。

…うわ、何か急に恥ずかしくなってきた、何て台詞言ってんだよ俺は。

電「…て、提督くん?」

提督「あ、いや…うん、ごめん、行こうか」

電の手を軽く引くと、少し後ろをとてとてと歩いてついてくる。

さて、何でこんな場所にいるのかというと、話は前回の勉強の時まで遡る。

あの後、俺は考えたのだ。

欲しい物を聞いても答えてくれないのならば、こうして買い物に連れ歩き、その中で彼女の欲しい物を見つければ良い。と。

電とは伊達に長い付き合いではない。反応を見てりゃ楽勝だ……と思う。

電「……あっ」

提督「おっ」

そんな事を考えながら歩いていると、早速良い物を彼女は見つけたようだ。

…む、あの店の目立つ場所にある…あれに目が行ったのか。

それは――



>>+2

A.あの簡素な髪飾りかな?(進行度 コンマ*1.5)

B.あの綺麗な髪飾りかな?(進行度 コンマ*1.0)

C.あのぬいぐるみ……かなぁ?(進行度 コンマ*0.5)

今さら思うんだがこういうのってどれが正解とかは隠した方がいいんじゃないだろうか

>>145 まぁ仕様って事で こうすると上げやすくなりますし


――――――――――

――




電「…ふぁぁ…」

提督「…疲れたか?」

だいぶん長くなった日も落ちかかろうかという帰り道。

電が大きく伸びをする。

無理もない、結局1日連れ回してしまったのだから。

電「あ、いえ、そんな事は無いのです!」

電「今日一日、とっても楽しかったのですよ!」

提督「…そっか、それなら良かった」

電「…提督くんこそ、疲れてないですか?」

提督「いや、俺も凄く楽しかったさ」

電「…良かったのです」

そう言って、安堵の息を電が付く。

その後はお互い無言で家の前まで歩いた。

電「……それじゃあ提督くん、電はこれで…」

提督「ああ、ちょっと待ってくれ」

電「…?」

提督「……電、これを」

あの店で電が見ていた綺麗な髪飾り。

結局、一日観察したものの、これ以上に反応を示したものは無かったように思えたのだ。

電「わぁ……で、でも、…あの、どうして?」

提督「この前言ったろ?その、…なんつーか、いつもありがとう、ってことで」

電に見つからぬよう慌てて買ったので、包装紙すらない拙い贈り物であるが。

電「ありがとう、なのです!」

それでも、電はとても嬉しそうに笑ってくれた。



電→ 237/500



【電―その1】


「……はぅ」

綺麗な髪飾りを手にとって、何度も何度も眺める。

それだけで嬉しいと、そんな気持ちが後から後から湧いてくるような気がした。

「…んしょ…っと」

今着けている髪飾りを外し、新しい物に換え、鏡を覗く。

「……似合ってる、かな?…ちょっと派手、かな?」

もし、明日これを着けて学校に行ったら、彼は喜んでくれるだろうか。

「…ふふ」

そんな事を想像すると、自然と口元が緩んだ。



【6月1週】


雨だ。雨が降っている。

いや、ただ降っているだけなら俺も別に何とも思わん。

しかしもう一週間くらいずっと降っているというのは酷い。

足柄「…あー…湿気ヤバイわねー」

提督「ですねぇ…」

新聞部の部室は唯でさえ紙だらけだ。

こうも雨ばかり降り続くと中々に辛いものがある。

足柄「しっかも暑いし…勘弁して欲しいわーもう…」

パタパタと、汗で濡れたシャツの胸元をはためかせ、先輩が風を送る。

…いや、暑いからってアンタそれは……。

と言いつつもしっかり視線が釘付けになる俺も俺でどうかとは思うが。

つーかあの人めっちゃニヤニヤしてやがる、わざとか。ちくしょう、男子高校生をからかいやがって。

青葉「……やらしーですねぇ」

提督「…うっせ」

青葉「青葉のサービスもいりますか?」

提督「いらんいらん、見せたいなら廊下で脱げ」

青葉「ふぅ…暑いなあ…」

いらんちゅーに。

…あ、白。



コミュ対象>>+2


電    237/500
浜風  112/500
あきつ *84/500
足柄  123/500
青葉  127/500



――提督家・リビング


提督「…おおう…」

電「♪」

どうもまた親が遅くなるらしく、今日も電が料理を作ってくれたのだが…。

問題はその量だ。

机に所狭しと並べられた料理、きっととても美味しいのだろう。

…しかし、これはいくらなんでも作り過ぎな気がする。

提督「…電、これは流石に多くないか?」

電「あはは…ごめんなさい、ちょっと、張り切りすぎたのです」

提督「…張り切るって…何か良い事でもあったのか?」

電「ふふ、だって、今日は電が初めて提督くんに料理を作りに来た日なのですよ?」

提督「え……そう、だったっけ?」

電「はいっ!ふふん、電はちゃんと覚えているのです!」

…うむ。すっかり忘れていた。すまんな電。

しかし…初めて作りに来たのって……小学校高学年とかだった気がするが…。

提督「…よく覚えてるもんだなぁ」

電「電は提督くんとの思い出、ぜーんぶ覚えてるのですよ!」

提督「はは、そっかそっか」

全く、俺もしっかりせねばな。

…にしても、多いな料理。


>>+2


A.…うん、出来るだけ食おう。あくまで無理しない程度に。(コンマ *1.5)

B.頑張って全部食うか。(コンマ *1.0)

C.……無理だな、食えん。残す。(コンマ *0.5)



提督「……うーむ…すまん、腹一杯だ」

電「やっぱり多かったのです…」

大量の皿、その7割程を何とか平らげた所で、流石に限界を迎える。

提督「……非常に美味いし、まだ食いたいんだが…」

電「あ、良いのですよ!ちゃんと温め直せるように作ってあるのです!」

提督「…お、そうなのか?」

電「…はい、流石に今全部食べて貰おう、なんて思ってないですよ」

なるほど…やはり出来る娘だな、電。

彼女は、明日レンジでチンするだけなのですよ、と残った料理にラップを被せながら。

電「でも、嬉しいのです、その気持ちだけでも…」

ポツリと、そう呟いた。



電→275/500

計算が全然違った 何やってんだ



【6月2週】


6月といえばジューンブライド。

…いや、別に俺はそんな観念は持って無いんだけどさ。

足柄「というわけで、ジューンブライド特集よ!」

部活でやってる新聞が特集する事じゃあねえだろ先輩。

という部員達の無言の反論を無視して足柄先輩はその企画をねじ込んだ。

挙句。

足柄「ね、ね、提督くん」

…俺がその記事を書く相方に選ばれた。

理不尽だ。理不尽の極みだ。

足柄「私はやっぱりさ――」

ああもうなんでこの人さっきから理想の結婚観をずっと語ってるんだよ。

もうちょっと別の奴に語ってくれよ。ほらあっちで毎日くんだか朝日くんだかが羨ましそうに恨めしそうにこっち見てるじゃねーか。

いや俺を睨むな俺は被害者なんだよ。

足柄「和風も良いと思うのよ?でもでも、やっぱりね、純白のウェディングドレスを…」

提督「…いや、相手見つける方が先じゃないっすかね?」

足柄「……やっぱり?」

提督「……ま、まぁ…足柄先輩ならすぐ見つかるとは、思うっすけど」

足柄「ふーん…じゃ、見つからなかったら、提督くんに貰ってもらおうかしら?」

提督「その接続詞の使い方はおかしい」


コミュ対象>>+2


電    255/500
浜風  112/500
あきつ *84/500
足柄  123/500
青葉  127/500



――金剛家


金剛さんの家は、お世辞にも豪華だとかそんな事は言えない、小さなアパートの一室だった。

金剛「…紅茶で良かったカナ?」

提督「なんでも」

金剛「ホント、つれないネー」

提督「……」

この人とこうして話すのは、あの公園での一件以来だ。

浜風と話すことはあっても、金剛さんとは挨拶を交わす程度だった。

提督「…それで?」

あまり長く見ていたい顔ではない。

早く用件を言ってくれ、と促す。

金剛「…ん、別に大した事じゃないネ」

金剛「テートクくん、好きだよ…って、改めて伝えたくてサ」

金剛「ワタシの気持ちは変わってないって」

提督「……はぁ?」

何を言っているのか、一瞬理解が追いつかなかった。まさかこれを言うためだけに呼んだのか?

何処までも…何処までも人を馬鹿にした女だ。

俺がそんなものに応えるとでも思っているのだろうか。

提督「ふざけ――」

金剛「浜風は」

提督「……?」

金剛「浜風は…君が本当のお父さんって知ったら、どう思うカナ?」

金剛「…望まれないで生まれてきた娘だって知ったらサ?」

提督「……」

嗤う。楽しそうに金剛さんが嗤う。

鎖から逃げられぬ俺を見て、嗤う。

金剛「…別に、拒んでもいいんだヨ?」

提督「…最低だな、あんた」

俺の罵倒にも、やはり彼女は嗤うだけ。


>>+2


A.…浜風を、俺は裏切る事はできない。(コンマ *1.5)

B.…とりあえず、従うしかない。(コンマ *1.0)

C.……もう、どうでもいいか。(コンマ *0.5)



…やはり、俺はあの娘を、浜風を裏切ることは出来ない。

例えこの女の思い通りになったとしても、それでも。

金剛「…アハッ、…嬉しいネー」

提督「……言っとくが、アンタの事は大嫌いだ」

金剛「……ふふっ、そう」

そんな言葉など何も意に介さず。

金剛さんは俺に近づいて、唇に触れた。

柔らかな感触とともに、紅茶の香りが鼻に抜ける。

金剛「もうそろそろ、あの娘が帰ってくるから」

金剛「またネ、テートクくん」

提督「……」

何も言わずに家を去ったのは、俺のせめてもの抵抗。

尤も、それに意味なんてありはしないのだけれど。




浜風→151/200

金剛(悪)さんは正直やり過ぎ感もある すまんな
ここまで お付き合い頂きありがとうございました

ペットを採用してたらもうちょい酷くなってたさ、主に提督が
やっぱり則本にボコられたので今日はお休み わかっちゃいたけどあそこまでやられるともうね

微妙な則本に2安打完封されるのが今のベイス打線ですよ つーか全然微妙ちゃうかったぞおい
でも今日は最高やね やっぱブランコと井納って神だわ
順当に行けば22時くらいからやります

やっぱり井納って神だわ
やっぱり井納って神だわ
始めます

>>1はベイスターズファンってことは横浜市民かな?(違ったらゴメン)

>>179 昔住んでました 今は全然違う場所なんですけどね



【6月3週】


数学の授業の黒板なんて見たくは無いのである。

故に俺は窓の外を見るのだ。窓際の席最高。

…お、あの体育してるのあきつ丸じゃないか。

………ほほう、いや、うむ、すげえな。揺れてる。

提督「…ふへへ………いてっ!?」

青葉「……………」ジー

…横から消しカスが飛んできた。何だこの野郎やるってのか。

よし、と作業に取り掛かる。

作るのは丸めた紙に大量の消しカスを包んだ三式弾。

そしてこいつを青葉のヘラっとして油断した顔面にシュート!

青葉「……ふぁぁ…」

提督「……あ」

…が、…ダメッ!

三式弾は丁度よくあくびをかました青葉を通過し。

「…………!?」

眠りこけていた右野くんの頭に直撃。

飛び散った消しカスは見事に髪の毛に絡まり綺麗なごましおを演出した。

青葉「…………!」ブフッ

「…………!………!?」キョロキョロ

…すまん、右野くん。

全部青葉が悪いんだ。だから笑うな青葉。俺も吹き出しそうだ。




コミュ対象>>+2


電    255/500
浜風  112/500
あきつ *84/500
足柄  123/500
青葉  127/500



――通学路


提督「あ」

電「?」

暑さも大分辛くなってきた夏の朝。

いつものように歩いている通学路で、少し変わった物を見つけた。

提督「…髪飾り、着けてくれたのか」

朝日に輝く綺麗な髪飾り。

それは確かに俺が先日プレゼントしたものだ。

電「…は、はいっ……に、似合ってますか…?」

提督「勿論、見立て通りだよ!」

電「そ、そうなのですか…えへへ」

こうして贈り物を活用してくれているのを見ると、本当に嬉しい。

加えて、よく似合っている。少し派手かもしれないと思ったが、むしろ普段控え目な彼女にはこのくらいが丁度良い。

電「………」スッ

と、隣を歩く彼女が急に歩みを止めた。

そして、おどおどとゆっくり手を差し出す。

提督「…電?」

電「……あ、あの…この前、みたいに…手、繋いで欲しいのです」

提督「……」

…手、だと。

いやいや、朝の通学路だぞ、それは流石に恥ずかしい。

だがこの電の気持ちを裏切るのも…。うーむ…。


>>+2


A.人通りが多くなる場所まで、なら…。(進行度 コンマ*1,5)

B.…ちょっと恥ずかしい。むむむ…。(進行度 コンマ*1.0)

C.………流石に無理。(進行度 コンマ*0.5)



差し出された電の手を握る。

柔らかいその手は、少しだけ手汗で湿っていた。

電「……あっ」

提督「…人通りが少ない所だけ、な」

電「…はいっ!」

…別に電と手を繋ぐ事なんて初めてじゃない。

この前の買い物でだって繋いでた。

…けど。

電「……♪」

隣の上機嫌な電とは対称的に、俺はずっと緊張した表情で。

やけに心臓が早く鳴っていた。

…湿っていたのは、もしかして俺の手の方だったのかもしれない。



電→262/500

また計算ミスってる 四則演算が出来ないってヤバいっすか?


【6月4週】


さて、やっとこさ梅雨も過ぎた今日このごろ。

俺は久しぶりに中庭であきつ丸との昼食会を開いていた。

あきつ丸「…やっと晴れたでありますね」

提督「だなぁ、とても中庭で飯食える状態じゃなかった」

降り続いた雨の影響か。

中庭の地面は少し湿っていて、所々に水溜りが張っていた。

けれど、ベンチはしっかりと乾いていたのは幸いか。

まぁ…晴れたら晴れたで、糞暑い場所ではあるのだが。

しばらくぶりの太陽が、キラキラと水溜りに当たって光る。

提督「あづい…」

隣を見ると、あきつ丸も同じく暑そうに額から汗を垂らしている。

あきつ丸「……提督殿、冷茶、飲みますか?」

提督「ああ…悪い」

良いのですよ、と。

残ったお茶を飲み干し、再び並々と注いでから此方へと差し出した。

それを一気に傾ける。喉を冷たい物が通り過ぎる感覚が心地よい。

やはり夏の冷茶は最高だ。

……ん。

…これって間接キスじゃね。

あきつ丸「…?どうしたでありますか?」

しかしあきつ丸を見ても何か特別な反応をしている様子はない。

提督「いや…美味しかった、ありがとう」

…ううむ、考え過ぎなのか…。



電    264/500
浜風  151/500
あきつ *84/500
足柄  123/500
青葉  127/500

すまんな 下2



――屋上


うちの学校の屋上は立入禁止というわけではない。

だけれど別に何か特別な物があるわけでもない。

故にこんな夏は暑く冬は寒い場所に来る奴など少ない。

勿論俺も普段なら絶対利用しない。だが…普通じゃない奴がいるのだ。

青葉「屋上ですよ!提督くん!」

提督「……そうだなぁ」

青葉「……反応が乏しいですねぇ」

提督「………」

なんだこいつ。

俺にうおおお屋上だきゃっほーいすげー屋上だあああああみたいにはしゃげと言うのだろうか。

青葉「…良いですか、屋上というのはですね」

提督「馬鹿が登る場所か?」

青葉「違いますよっ!」

良いですか、と青葉が前置きをして屋上の下に広がる街を指さす。

青葉「此処からならスクープが見えるんですよ!」

提督「……わーすげー」

…ああ、何となくわかってた、多分くっだらねー用事なんだろーなーって。

青葉「…むー…前々から思っていたのですが提督くんには記者精神が足りません…」

…よしんば俺にそいつが足りないとして、それは屋上から街を観察して得られる物では無いと思う。

ま、他に昼休みにやることも無いし…結局こいつのスクープ集めとやらに付き合うことになるのだが。

青葉「………あの」

提督「ん?」

青葉「…提督くん、いつもそうやってなんだかんだ青葉に付き合ってくれますよね」

青葉「……別に、面白くなかったら帰っても良いんですよ?」

…らしくない、実にらしくない言葉だ。

しかし何と返したものか…。


>>+2


A.「アホか、面白くなかったらとっくに帰ってるよ」(進行度 コンマ*1.5)

B.「気にすんな、好きでやってる」(進行度 コンマ*1.0)

C.「…そっか、じゃ帰るわ」(進行度 コンマ*0.5)

申し訳ない、次忘れてたら自動的に下2って事にします



提督「気にすんな、好きでやってる」

青葉「……そですか」

その言葉に青葉は笑って、手すりにもたれて街を眺める俺の横までやってくる。

青葉「提督くんは、ツンデレさんですね」

提督「…あぁ?」

青葉「ふふーん、いつもいつも面倒くさいだとかだるいとか言っちゃって、実は好きだったんじゃないですかー、このこのー!」グリグリ

なぜかやたらめったら上機嫌な青葉が身体を押し付けてくる。

…うざい、こいつうっざい。

提督「…いや、そこまでは言ってない」

青葉「えへへー、またまたー、ツンツンしちゃってかわいーですねー!」

提督「……あんま調子乗るなアホ葉ァ!」

青葉「いひゃいいひゃいいひゃいれす!」

そんなバカなやり取りを昼休み中続けて。

…結局、スクープなんて取れる筈も無く、やっぱり今日の成果もゼロだった。

けど、まぁ…俺はなんだかんだと言いながら、こいつと遊んでるのが楽しいんだろうな。

…すっごい認めたくないけど。



青葉→181/500



【7月1週】


某有名ファミレス。

俺は浜風と財布、そしてメニューに書かれた数字を何度も見比べていた。

浜風「お兄さん」

提督「…うむ…」

浜風「私はこの、限定チョコレートパフェ(600円)が食べたいです」

提督「……このオセロアイス(200円)も中々美味しいんだぞ」

浜風「…ダメ、ですか…?」

ああ、やめろやめてくれそんな潤んだ瞳で俺を見つめるな。

なんでこいつこんなに可愛いんだ…。

…待てよ、こんなに可愛い浜風の為なら多少の出費は痛くないんじゃないか?

…そうだな、もうそういう事にしよう。俺はこれ以上こんな涙目の浜風を見たくないんだ。

提督「…よし、そいつを頼もう、浜風」

浜風「ほんとうですかっ!?ありがとうございます、お兄さんっ!」

提督「良いんだよ……」

でっかいチョコレートパフェを浜風が美味しそうに食べている間。

俺はひたすら無料の水をがぶ飲みしていた。

…あ、でもちょっとあーんしてもらったんだぜ。羨ましいだろ。




コミュ対象 >>+2

電    264/500
浜風  151/500
あきつ *84/500
足柄  123/500
青葉  181/500



――喫茶店


足柄「あー……涼しー…」

提督「…涼しーっすねー…」

部長とは大変だと思う。

ましてや今度の文化祭が終われば引退だというのに、この受験勉強の時期にしっかりと部活動をしている足柄先輩は本当に凄いと思う。

だが、少し理不尽だとも思う。

なぜ部の用品の買い出しを、部長命令でこの糞暑い中俺が付き合わねばならぬのだ。

勿論足柄先輩だけに押し付けるのも良くはないだろうが…。

何故いつも人足に俺を数えているんだ、この人は…。

足柄「ほら提督くん、頼まないの?」

提督「あー…じゃあ俺、アイスコーヒーで…」

足柄「りょーかいっ」

弾んだ声で足柄先輩が注文を述べていく。

…この人は楽しそうだなぁ。

程なくして、注文のアイスコーヒーが2杯、俺達の元に運ばれてきた。

それに口をつけようとすると、不意に足柄先輩が真面目な顔になって。

足柄「あの、さ………その、いつもありがとね、提督くん」

提督「え?」

足柄「…買い出しにしても何にしてもさ、私、すぐに君を頼っちゃうから」

足柄「文句も言わないで付き合ってくれて、ありがとう」

足柄「……って、何かちょっと照れるわね、あはは…」

そう言うと、足柄先輩は少しだけ赤みが差した頬をふいと横に向けた。

その様子に――


>>+2


A.さっきまでの不満も、どこかへ行ってしまったように感じられた。(進行度 コンマ*1.5)

B.なんだか俺も恥ずかしくなって、つい目を逸らしてしまった(進行度 コンマ*1.0)

C.…ふむ。その通り、感謝したりない位ですよ先輩。(進行度 コンマ*0.5)



提督「…全然、構わないっすよ」

足柄「提督くん…」

提督「俺も、こうして先輩に付き合うの、楽しいですし」

足柄「ん、その…ありがと…」

俺の言葉に、足柄先輩は珍しく顔を伏せる。

小さく覗く肌は、耳まで真っ赤に染まっていて。

その色は、しばらく取れる事が無かった。

…案外恥ずかしがり屋なのだろうか?

意外な弱点を発見してしまった夏の日であった。


足柄→220/500

風呂
続きは足柄さんのイベから



【足柄―その1】



「あーもう……」

思い返すは、今日の喫茶店での出来事。

恥ずかしさのあまり顔をあげられなかった。

そしてその気持ちは、今でも残っていて。

あれだけ毎日欠かさずやっていた勉強すらも手に付かない。

「…楽しいとか、あんな普通に言わないでよ…こっちにも準備というものが…」

いや、結局そんな心構えなんて簡単に壊されるのかもしれないけれど。

…いつの間にか、どうしようもないくらいに彼が好きになっていたということなのか。

いつからかな、と思い返すも、浮かんでくるのは彼の表情だけ。

「……あーもー…うにゃー!」

柔らかい枕に思い切り頭を突っ込む。

顔が持った熱は、それでも取れず。

「…提督くんのばーか」

…ふん、明日も、何か頼んでやるんだから。なんて。

思ったのは、そんな事だった。




【7月2週】



電「提督くんは何か食べたいものとかありますか?」

提督「…んー…回鍋肉とか」

電「承知したのですっ、今日は回鍋肉にするのです!」

今日もまた、電がご飯を作ってくれる。

俺達が交わすこんなやりとりは、いつしか普通の光景となっていた。

青葉「……聞き捨てならないですねぇ」ヌッ

その話をどこから聞いていたのか、唐突に青葉が現れる。

提督「お、おま…どっから現れたんだよ」

青葉「んなことはどーだって良いじゃないですか!」

提督「よくねぇ…」

青葉「それより!何ですかご飯って!」

提督「はぁ…うちの親、週末とか月末忙しいからさ、そん時に電が飯作ってくれてんの」

電「…な、なのですっ」

青葉「…ほほう」

提督「そんだけだから、別になんかあるわけじゃねーよ」

青葉「……その役目、青葉が立候補しても良いですか!?」

電「えっ…?」

提督「え?…お前、飯作れんの?」

青葉「…カップラーメンとか…持っていきますよ?」

提督「アホか、だったらひとりで食うわ」テイトクチョップ

青葉「あうっ」

電「……ほっ」

青葉「………しかし…ご飯、ですか」

提督「…なんだよ、電の飯は分けてやらんぞ」

まったくこいつは…。



コミュ対象 >>+2

電    264/500
浜風  151/500
あきつ *84/500
足柄  220/500
青葉  181/500



――新聞部


今月は学期末、球技大会等のイベントや夏休み特集、様々な記事を新聞に取り上げる事となった。

が、しかし…当然その分作業量は多くなる。

俺達新聞部は暑い中、新入生から3年生まで、皆必死で働いていた。

その作業も粗方片付き、少し余裕もできてきた頃の事。

提督「あきつ丸…お前、他より作業量多くないか?」

あきつ丸「…そう、でしょうか?」

周りに目をやる余裕が出来てきた俺はそれに気付いた。

すなわち、あきつ丸だけ割り当てられた作業量が多い事に。

俺の声に、何人かの新入生がぴくり、と肩を揺らす。

あきつ丸「…自分は、別にそのような…」

あきつ丸は真面目だ。糞が付くほどに根っからの真面目な娘だ。

そして、他人の頼みを断れない、優しい娘だ。

…そう、この数ヶ月で俺は知った。

割り当てられた作業は、それがどんなに多くたって黙ってやるだろうし。

誰かに助けを頼まれたら、きっと断れないのだろう。

かといって…これは。

………――


>>+2


A.手伝うついでに、さり気なく注意しておく。(進行度 コンマ*1.5)

B.さっき反応した1年に注意する。(進行度 コンマ*1.0)

C.足柄先輩に相談する。(進行度 コンマ*0.5)



提督「…よし、あきつ丸、俺も手伝うよ」

あきつ丸「え?…い、いえ、そのような…」

提督「なーに、割り当ての仕事終わって暇だったんだよ」

強引にあきつ丸の隣に座り、積み上げられた内のいくつかを抜き取る。

そして、他の人に聞こえぬよう小声で。

提督「…あのな、あんまり簡単に引き受けるな、こういうの」

あきつ丸「………」

提督「お前にも負担がかかるし、それで全体の作業が遅れたら結果的に部全体の迷惑にもなるんだぞ」

あきつ丸「……っ、…い、言われてみれば…」

提督「…つーわけで、手伝わせろ」

あきつ丸「で、ですが…」

提督「…俺はただ、…これ完成しなかったら困るってだけだ」

提督「……だからお前に拒否権は無い」

あきつ丸「………提督、殿…」

提督「…ふん、わかったか?」

あきつ丸「ありがとうございますっ!感謝、致しますっ!」

提督「ば、馬鹿、声でけーって!馬鹿!」



あきつ丸→223/500

次回はあきつイベント1から
基本的に高進行度複数が出るまではあのコミュを除いて平和です
今日はここまで お付き合い頂きありがとうございした

今日は21時くらいなのかな
もう終わりが見えてるしそれより早いかもしれんけど
開始10分経たずに終戦とかやめてくださいよ

しゃーない、明日に切り替えていこう
始めます

分割、宮守、京ちゃん…うっ、頭が


【あきつ丸―その1】



『うーっす、昼飯食おうか、あきつ丸』

『…ん?ああ…ここはな―』

『よしよし、ちゃんと覚えてたんな、偉い偉い』

――――――――

自分は、元来友達が多く出来るような性格ではなかった。

それは高校に入ってからも変わらず―いや、むしろ悪くなっていったというべきか。

クラスでは満足に話し相手も出来ず。

折角入った部活にも、あまり馴染めずにいて。

…けれど、そんな自分にも声を掛けてくれる人がいた。

何度も、自分を助けてくれて。

気づけば、自分はその人を知らず、目で追っていた。

「……明日は、部活の日でありますね」

そう思うと、何故か自然と心が弾んで。

あれだけ嫌だった学校も、悪いものではないと思えるのだ。



【7月3週】



最後ということで、太っ腹にも全面自由時間となった水泳の授業。

プールには楽しそうな声が響く。

しかしその実…まぁ、うん、ほら、男子高校生って奴は仕方ねーんだよね。

「…俺は電ちゃんかなぁ」

提督「…おま、電を変な目で見んじゃねえ!」

「良いじゃねーかよー水着見るくらいよー」

提督「汚れるだろ!?」

「そこまで言うのか!?」

「…いや、でもほら…うん、良いじゃん、電ちゃん…」

「…だよなー」

ああ、今こうして何でもなく時間が流れている間にも、マイエンジェル電がどんどんと汚されていっている。

このクラスロリコンばっかじゃねえか!

「ふん、幼馴染様にはわからんのだろうな、電ちゃんの魅力が」

提督「何で偉そうなんだよ」

まぁ電につい惹きつけられるのはわかるがな。

なんたって電だ。しゃーない部分はあるだろう。

青葉「てっいとっくくーんっ!」

提督「ぐえっ!?」

と、不意に後ろから突っ込んで来たのは、青葉。

ぴっちりとした水着で覆われた躰を、ぐいぐい押し付けてくる。

…やめろ馬鹿、洒落にならんぞそれは。

青葉「えっへっへー、青葉はどうですかー、青葉はー」

提督「……あの、案外大きいんですね」

青葉「むふふー」

水の中に居て良かった、と思う。

…しばらくプールからは出られなそうだ。



コミュ対象 >>+2

電    264/500
浜風  151/500
あきつ 223/500
足柄  220/500
青葉  181/500



――遊園地


あの両親もたまには良いことをする。

まさか遊園地のペアチケットをくれるとは。

電「広いのですっ!」

提督「こらこら、はしゃぐなって」

キョロキョロと辺りを見回す電。

彼女の手は、しっかりと俺の掌に包まれていて。

故に電の行く方向へと引っ張られて行ってしまうのだ。

電「提督くん提督くん、あれに乗りたいのですっ!」

提督「……んー、あれ、電の身長で乗れるのか?」

電「流石に馬鹿にしすぎなのですよっ!」

提督「悪い悪い」

…でも。まぁ。

こういうのも、悪くはない。

それからも電は気の向くまま、色々な方向へと駆けて行き。

様々な表情を見せてくれた。

楽しそうな笑顔は勿論、時には怖がったり、少しへそを曲げたり…。

そのどれもが、輝いて見えて。

……そして――


>>+2


A.俺達は、最後に観覧車に乗ったのだ。(進行度 コンマ*1.5 最低でも300まで上昇)

B.いつの間にか終園時間となっていた。(進行度 コンマ*1.0)

C.満足して帰途に付いた。(進行度 コンマ*0.5)



電「…今日は、楽しかったのです」

提督「…そうだな、ほんとに」

狭い観覧車の中を、俺達は隣合わせになって座っていた。

夏の夕日は、眼下の街だけでなく、隣の電も茜色に染めて。

電「……少し、眩しいですね」

提督「…ああ」

電が、片手をかざして日を遮る。

それでも、頬の朱色だけは残っていた。

電「……わわっ…!?」

提督「へ……うおっ!?」

電の驚いた視線の先、俺達の一つ前の組のゴンドラの中。

丁度頂上に達したその箱では、若いカップルが抱き合って、唇を触れさせている。

電「…あ、あんなこと…するのですね」

提督「ま、参るなぁ…いやはや、随分積極的な…」

…程なくして、俺達のゴンドラも頂上へと差し掛かっていく。

電「…やっぱり、眩しいのです…」

言って、電が静かに目を閉じる。

その姿はまるで、何かを待っているかのようで。

流石に俺も、それに気づかぬ程、鈍感では無く。

電「…ん……えへへ」

夕日に照らされた影が重なって、電が嬉しそうに微笑んだ。


電→369/500




【電―その2】


「…………はぅ」

ちょっとだけ、乾いてしまった唇は。

そこだけずっと、消えない熱を持っているようで。

何度も何度も触れてみるけれど、やっぱり消えなくて。

家の前で別れる時まで普通に振る舞えていた筈なのに。

こうして1人になると、どうしようもないくらいに恥ずかしくなって――

そして、それ以上に嬉しくて。

「…提督くん…」

ぽつりとそう呟くだけで、また身体が熱を持つ。

…ああ、明日からどんな風に接すれば良いのかな。

少なくとも…しばらく、まともに顔を合わせられそうに無かった。



【7月4週】



「…で、あるからして…夏季休暇の間も本学の学生としての自覚を…」

終業式。そしてやってくる夏休み。

皆、その一大イベントに心を踊らせていた。

長い校長の話など誰も聞いちゃあいない。

口々に、小声で夏休みの予定を話し合っている。

…まぁ、それは俺も例外ではない。

流石に今から予定など考えちゃいないが、どうしても心が弾む。

青葉「てーとくくーん」

提督「…何だ?」

青葉「夏休み、スクープ探しましょうよ、スクープ!」

…そしてあれだ。

こいつみたいに年中変わらん奴もいる。




コミュ対象 >>+2

電    369/500
浜風  151/500
あきつ 223/500
足柄  220/500
青葉  181/500



――提督家・私室


夏休みと言えど、新聞部は文化祭に向けての準備を怠ることは出来ない。

というのも、足柄先輩の最後の仕事であるそれをどうしても良い物にしたいという要望によるものだ。

故に、こうして青葉と一緒に作業をすることになったのだが――

青葉「……無い…」

提督「なぁ、お前は何を探しているんだ?」

青葉「勿論、青少年御用達のアレですっ!」

提督「……そうか…仕事する気が無いなら帰れ」

ベッドの下に頭を突っ込んで元気に答えるアホに、思わず溜息が漏れる。

…全くこいつはどうにもこうにも。

というか…、服装に少しは気を遣って欲しい。

スカートで寝転がるな。目の毒だ。

……と、言えずに眺めている俺も俺だとは思う。

青葉「……やっぱり何も無いですねー」

飽きたのか、おかしいなー、と言いながらベッドの下に突っ込んだ顔を引き抜く青葉。

青葉「…むむむ…もしかして隠しましたかっ!?」

提督「……ねーよ」

…隠したけど。いやー良かった隠しといて。

俺の鳳翔さん写真集が見つかるところだった。

青葉「はぁー…にしても、提督くんは相変わらずですねぇ」

提督「…どういう事だよ」

青葉「自分の部屋にこんな可愛い青葉と二人きりなんですよ!」

立ち上がり、何か感じるものは無いんですか!と胸を張って力説する。

…こういう奴だから意識しないんだよなぁ。異性と二人きりっつー夢シチュなのに。

……しかし、まぁ…。


>>+2


A.…そう言われると微妙に意識してしまうものだ。(進行度 コンマ*1.5)

B.「…うっさいぞアホ葉」(進行度 コンマ*1.0)

C.………男友達みたいなもんだなぁ、こいつに関しちゃ。(進行度 コンマ*0.5)



提督「…うっさいぞアホ葉」

ふい、と顔を背けると、青葉がにやりと意地悪く笑う。

青葉「あれ?あれあれ?もしかして意識しちゃいました?しちゃいましたかー?」

提督「……だから」

青葉「きゃー、青葉ピンチですっ、貞操の危機ですっ!」

提督「あのな」

青葉「…今日はお赤飯を食べなきゃいけなくなりました…」

提督「しつこいわ!」テイトクチョップ

青葉「痛っ!?な、何するんですか!?」

提督「……はぁ…何かもう色々台無しだ」

提督「仕事するぞ、仕事」

青葉「…わかりましたよぅ…」

…やはり。

こいつとはこんな感じの距離感が適切なのだろう。

少なくとも、今は…そう思う。



青葉→ 206/500




【青葉―その1】



親友。

その関係で物足りなくなったのはいつからだろうか。

彼と一緒に居たい。

もっと話していたい。

きっと、この気持ちは――

「……好き、なんでしょうねー…」

「…あ?なんか言ったか?」

「わ、わわわっ、な、何でもないですよっ、何でもっ!」

「…?変な奴だなぁ」

危ない危ない。

思わず口に出していたようだ。

顔の紅潮を、振り向こうとする彼の頭を抑えて隠す。

前を歩く彼は怪訝な顔をしたけれど、苦笑いして視線を戻した。

「あ、提督くん、おはようなのです」

「おう、おはよう…今日は早かったんだな、電」

「日直でしたから…出来たら、一緒に行きたかったのですけど…」

目の前、何でもない日常の風景。

なのに、先程までの熱が一気に冷めていく。

今、胸に渦巻くこの気持ちは何なのだろうか。

「…おい、青葉…何だお前、百面相でもしてんのか?」

「……あはは、…かもしれないですね」

――邪魔、だなぁ。

ほげっ…1.5倍してた、>>1の頭はボロボロ
このイベ200で挿入だから別にいいっちゃいいんだが…すまん、修正しとく

【8月1週】


夏真っ盛りの一日。

燃え盛る太陽に照らされたアスファルトが凄くヒートアイランドしている中、俺は大量の荷物を抱えて歩いていた。

足柄「がんばれー」

提督「…まだ……はぁ…っ、あるんすか…買い物」

足柄「後一件よ、ファイトー」

提督「もうちょい…こう…心込めて応援してくれても良いんじゃないすかね…」

ハメられた。何がデートだこんちくしょう。

後から後から汗が流れる俺の前を、軽やかに歩く先輩を睨む。

足柄「あら、どうしたの?」

振り返った表情は、無駄に上機嫌だった。

良いご身分ですねぇ…。

ああ…暑い。



コミュ対象 >>+2

電    369/500
浜風  151/500
あきつ 223/500
足柄  220/500
青葉  198/500

風呂
計算間違えまくってすまんな

このイベントは電ちゃんが先に高進行度になったからです 順番が逆なら嫉妬先も逆だった
だから青葉が特別アレってわけじゃない
再開しやす

ハーレムは条件達成したらその時に考える どうせ達成出来んやろ(ハナホジー


――繁華街


青葉『提督くん、デートをしましょう!』

提督『…は?』

――――――――

切欠は、昨夜かかってきた電話の会話だった。

別に暇だし良いか、と適当に受けたのだが…。

青葉「……な、何か言って下さいよ…」

提督「…あ、ああ…」

待ち合わせの場所に現れた青葉の格好が…その、なんというか、とても気合が入っているというか。

…なんか雑誌とかで研究した後が見えるお洒落なコーデだったのだ。

俺と遊ぶ時、青葉がここまで気合を入れた服を着てくるのは…勿論、初めてである。

青葉「…あの、…変、ですか?」

提督「あ、いや……」

なぜかしおらしい青葉が、上目遣いで此方を見る。

それに、つい視線を逸らしてしまう。

提督「…ま、まぁ…別に、悪くないっつーか…むしろ結構似合ってるっつーか…」

提督「…馬子にも衣装、って感じ、うん」

バツの悪さに、頭を掻きながらそう答える。

それに、青葉はいつものようにニコッと笑って。

青葉「そ、そうですかっ!もう…相変わらずのツンデレさんですね、提督くんは!」

俺の右腕に、身体ごと絡めるように抱きついた。

提督「…お、おいっ」

青葉「良いじゃないですか、だって、デートなんですよー?」

普段ならアホ、と流せるその言葉を、どうしても意識してしまって。

…くそ、なんもかんも青葉のせいだ…どうにも今日は調子が狂う。

青葉「提督くん、ほらほら、クレープ食べましょう!美味しそうですよっ!」

提督「こ、こら引っ張るなって…青葉!」

そんな、自称デート。

結局、いつもみたいにこいつに振り回されるだけの一日だったのに――


>>+2


A.…どうしようもなく、胸が高鳴った。(進行度 コンマ*1.5)

B.……まるで本当にデートしているかのようだった。(進行度 コンマ*1.0)

C.それなりに楽しかった。(進行度 コンマ*0.5)



――――――――――

――




青葉「今日は楽しかったですねー」

提督「…ああ、そうだな、うん」

…おかしい。

隣にいるのは青葉だ。それ以上でもそれ以下でもない。

なのに、何で俺はこいつの顔すらまともに見られないのだ。

青葉「…むー、不満そうですよー」

俺の腕に絡み付いた青葉が喋る度、吐息が触れ、心臓が早鐘のように鳴る。

…これではまるで…。

青葉「てーとくくんってば!」

提督「あ、ああ!」

青葉「…無視しないで下さいよー…」

提督「いや…悪い、…その、青葉が、凄い可愛く見えて緊張…って違う、俺は何を…あ、いや、その」

もはや自分でも何を言っているのかわからないような状態。

そんな俺を見て、青葉はくすっと笑う。

青葉「………ぷっ、何ですかそれ」

提督「あー……要するに、青葉がいつもと違いすぎて調子狂ったんだよ」

青葉「あはは…提督くんはいつも通りでしたけどね」

…確かに、青葉に比べたら手抜きにも程がある服装である。

悪い、と頭を下げようとして――それを青葉の手が遮る。

青葉「いつも通り、カッコ良かったですっ!」

提督「……へ?」

青葉「ふふ、じゃ、そういう事で、またっ!」

…別れ際の、青葉の言葉。

その真意を、俺は全く図りかねるのであった。



青葉→258/500

本日はここまで
お付き合い頂きありがとうございました
訂正してくれた方おりましたが、他にもお気づきの点あれば是非

乙でーす!
キスまでしたのに、まだ電ちゃんとは付き合うとかそういう考えは提督君にはないのかな?

>>303 主人公ってそんなもんじゃないの?(すっとぼけ)
いやぁ、9回裏は罵声飛ばしまくってたけどまさか勝つとは 金城最高
去年のホーム勝利数に並んだよあはは
短いですが始めます



【8月2週】


気付けば夏休みの残りも少なくなってきた。

それは即ち、今まで先送りにしていたある物に向き合わねばならないということで。

宿題「やぁ」ゴチャッ

提督「…………」

青葉「…………」

机の上に山と積まれた宿題。

俺達は、こいつをなんとしても処理しなくてはならない。

青葉「……半分ずつで行きましょう」

提督「…なるほど、悪くないな」

青葉は得意(あくまで俺達の基準で)な理系教科。

そして俺は文系教科を担当する運びとなり。

――お互い2時間後に力尽きた。

まぁ、後2週間以上ある。

ゆっくりやればいいさ、ゆっくり。




コミュ対象 >>+2

電    369/500
浜風  151/500
あきつ 223/500
足柄  220/500
青葉  258/500


――提督家・私室


青葉「…ふむむむ」

提督「……ふっふ」

新聞部の作業―というのは。

いつしか、青葉がうちに遊びに来る建前のような物になった。

ほんの少しそれを進め、後の時間は思い思いに遊んで過ごす。

…その割り当てられた作業が、終わってしまう事の無いように。

今日も今日とて、将棋盤を取り出して将棋に勤しんでいる。

盤面は明らかに俺優勢で、青葉は眉間に皺を寄せて必死に挽回の手を考えている。

……こいつの今までのパターンからして、次の行動は簡単に読める。

そう――

青葉「提督くん強すぎますよーっ!」ガシャーン

秘技、盤ごとひっくり返すアタック。

これで7戦7ひっくり返しである。駄々っ子かこいつは。

提督「はっは」

俺も、余裕の笑みなどを見せながら駒を拾い集めている辺り、相当こいつのむちゃくちゃな行動に慣れたものだ。

青葉「はー……もうこれイジメですよー…」

青葉はそのまま、後ろに倒れるようにして床へ寝転ぶ。

そして、横目でちらっと新聞部の作業、その残った分へと視線をやった。

青葉「……もう、大分終わっちゃいましたね」

提督「…そうだな」

駒を拾い終え、俺もそちらへと目を移す。

その残量は、おそらくやろうと思えば今日にだって終わらせられる程しかなく。

それをじっと見つめていた青葉が、唐突に。

青葉「……あの、提督くん」

提督「ん?」

青葉「…これ、終わらせちゃいましょうか」

提督「え…?」

青葉の言葉に、集めた駒の幾つかを取り落とす。

けれど、それには続きがあったようで。

青葉「…そして、えと…その、…」

青葉「今度は、…遊ぶためだけに…来て良いですか、提督くん」

青葉「作業のためとか…そんな理由じゃなくて…」

………――

>>+2


A.「…勿論」(進行度 コンマ*1.5 最低値300)

B.「……あ、ああ…うん、…まぁ、良いぞ」(進行度 コンマ*1.0)

C.「え、えっと…その、どういう意味だ?」(進行度 コンマ*0.5)



提督「…勿論」

提督「……俺も、…まぁ、こうして遊ぶのは…楽しいし」

提督「断る理由は…無い、な…うん」

青葉「…ですか」

青葉が、浅く溜息を付いて。

こっちを見て、笑う。

提督「…なんだよ」

青葉「今日はデレデレさんですね、てーとくくん」

提督「…何を言うか」

青葉「なので――」

そのまま、彼女は俺に近づいて。

俺の身体へと、顔を寄せた。

青葉「青葉も、デレちゃいますっ!」

提督「な、おま――」

青葉「…しばらく、こうしていても良いでしょうか?」

提督「…………」

結局、俺はそれを断り切れずに。

耳障りな心臓の音をずっと聞きながら、青葉を抱きしめていたのだった。


青葉→ 363/500



【青葉―その2】


…出来る限りの事はした、と思う。

慣れないお洒落だとか、色んな事をして。

親友という枠から、離れられるように。

なのに――

『…提督くん、今日は楽しかったのですっ!』

『……あ、ああ…うん、俺も』

『……特に…観覧車、とか』

『あ、そう、そうだなぁ!楽しかったなぁ、…あはは…』

『また…行きたいのです』

『…お、おう!また!』

――――――

あの日、彼の家の前で見た光景。

それが頭に焼き付いて離れない。

青葉がどれだけ努力しても…ついぞ、彼のあんな表情は見られなかった。

彼の自分に対する感情は、やはりどこか友達に対するそれを残している気がして。

…やはり、届かないのだろうか、青葉では。

「………電ちゃん」

……電ちゃんさえ、居なければ―――

明日早いのでここまで 短くてごめんち
他3人を上げてくれてもええんやで
お付き合い頂きありがとうございました

うーむ、じゃあ少しだけ遠くに飛ばそうかね ダメなら戻せるし
先にお風呂 22時ちょいからやります



【8月3週】


気付けば夏休みも終盤。

電「…ダメなのです、ちゃんと自分でやるのですっ!」

提督「……ダメですかー…」

全く終了する気配を見せない宿題。

最後の頼みの綱とばかりに電に頼み込んでみたのだが…この通りである。

提督「…うーん…どうすりゃ…」

電「……」

提督「………しゃーない、諦めるか」

電「何でそうなるのですかっ!?」

提督「…え?」

いやだって…もう諦めるしかないじゃん…。むしろどうすりゃいいんだよ、終いには逆ギレするぞ。

こほんと小さく咳払いをして、電が続ける。

電「…宿題を、見せるのは…ダメですけど…」

電「……一緒にやる分には、問題ないと思うのです」

提督「…い、電ぁ!」

電「あ、あくまで手助けだけなのですよ!」


コミュ対象 >>+4

電    369/500
浜風  151/500
あきつ 223/500
足柄  220/500
青葉  363/500



――新聞部部室


提督「あぢー……」

足柄「そこ、サボらない」

提督「……うーす…」

西日の差し込む新聞部の部室は、とても暑い。

勿論クーラーなどあるはずも無いし、紙が飛んでいってしまうので扇風機も回していない。

…つまり端的に言って地獄だ。

そんな部屋に、俺は足柄先輩と二人でいる。

提督「…やっぱ、もうちょい人手いりますってー」

足柄「しょうがないじゃない、集まらなかったのよ」

暑さ対策なのか、珍しく長い髪を後ろで束ねた先輩が答える。

何故こんな場所に俺が居るかといえば、この人に呼び出されたからに他ならない。

最近もう俺はこの人の小間使いのような物になっている気がする。

汗ダラダラで家からチャリを飛ばし、さらに黙々と作業する自分の甲斐甲斐しさに涙がちょちょぎれそうだぜ畜生。

提督「……随分人望の無い部長ですねー」

そんなもんで、少しくらい毒を吐きたくなるのもまたしょうがない事だろう。

けれど、俺の言葉に足柄先輩は愉快そうに。

足柄「あら、そんな事は無いわよ?」

提督「…ほー、そりゃまた何でですか」

足柄「だって、呼んだらいつでも来てくれる可愛い男の子がいるもの」

此方を指差して、いたずらっぽく微笑む。

…全く、この人は俺の事を一体何だと思ってるんだ。そろそろ俺が名誉雑用部員とかになっててもおかしくないぞ。


>>+2

A.…それでも、俺はまた呼ばれたら来るんだろうなぁ。ちくしょう。(進行度 コンマ*1.5)

B.…ま、もうちょっとくらいは我慢してやろう。(進行度 コンマ*1.0)

C.…たまには他の奴を呼べばいいのに。(進行度 コンマ*0.5)



提督「…はいはい、ま、新聞部には部長様に従うのなんて俺くらいしか居ませんからねー」

足柄「あら、生意気」

提督「…作業、再開しましょうか」

足柄「はいはーい」

わざと間延びした声をあげて、足柄先輩が書類を取りに棚へ向かう。

そうして視線が外れて、俺は安堵の息を漏らし、俯いた。

提督「…………ふぅ」

先程、足柄先輩に言われた言葉。

あれに、思わず笑みを作ってしまいそうになった。

なんとなく、そんな事で嬉しいなと思った事が悔しくて。

足柄先輩の視線の無い場所で、俺は一人笑うのだった。

足柄「……何一人でニヤついてんの?」

提督「…何でもねーっす」

…失敗。



足柄→ 248/500



【8月4週】


浜風「お兄さん、えっと…」

提督「大丈夫、オーケー、完璧、女神かと思ったよ」

我が街唯一の市民プール。

そこで俺は女神…いや浜風の水着姿に恍惚の表情を浮かべていた。

やっべえこの娘天使だろ、誰の娘だ、あ、俺だあはは。

金剛「テートクくーん」

提督「帰れ」

金剛「……気持ちはわかるケドサー…辛辣すぎダヨー」

…浜風とふたりきりなら良かったのに。何だこのおまけ。

……胸でかいなぁ……いかんいかん、俺は何を。

浜風「あの、…プール、入りましょう」クイクイ

プールを横目に、俺の水着の裾を控え目に引っ張る浜風。

風に流れる銀色の髪は、光を受けて輝き、まるでこの世の物では無い程の美しさを醸し出している。

ああ、理想郷は此処にあった。至高天を俺は創造してしまったのだ。

提督「ぐへへ…」

金剛「…流石にその目つきはヤバイヨー…」



コミュ対象 >>+4

電    369/500
浜風  151/500
あきつ 223/500
足柄  248/500
青葉  363/500




――繁華街


あきつ丸「提督殿」

提督「お、いたいた…あきつ丸、いきなりどうしたんだ?」

『買い物にお付き合いして頂きたい』。

と、(件名に)書いて送られてきたメール。

それはこのあきつ丸からの物だった。

…『おういいぞー、どこに行くんだ?』と返信し、その返事が返ってくるまで30分位かかった事から恐らく機械に疎いのだろうと推測される。

しかし今時件名に本文書いて送ってくるとは―と、話が逸れた。

あきつ丸「いえ…その、ですね」

あきつ丸「服を買おうと思い立ったのですが…自分はあまりそういったものに詳しくないので」

提督「…それで俺をか?」

あきつ丸「は、はいっ!…ご迷惑、…でありましたでしょうか?」

提督「ああ、それは構わないんだが…」

…参った。はっきり言って俺のセンスなんてクソである。

いきなり服を選べと言われても…。

提督「あ、そうだ…青葉か電にでも…」

あきつ丸「いえ…その…提督殿に、選んで頂きたいのです」

提督「…だけど、俺そういうの全然詳しくないぞ?」

あきつ丸「そのように気負わずとも、提督殿が良いと思ったもので構いませんから」

予め目ぼしい店を絞っていたのか、迷いを見せずにあきつ丸が歩き出す。

提督「お、おい……つっても、どーしたもんか…」

俺が選んで果たしてあきつ丸は満足してくれるのか…。

うーむ…――――


>>+2


A.…しゃーない、出来るだけやってみよう。(進行度 コンマ*1.5)

B.…なるべくそれっぽ物を選んでみるか。(進行度 コンマ*1.0)

C.…こっそり青葉達に携帯で相談しよう。(進行度 コンマ*0.5)



――――――――――

――




あきつ丸「……♪」

提督「………」

買い物も終わり、帰り道。

自分なりになるべく良い物を、と選んだ服に、あきつ丸はどうやら満足してくれたようだ。

買い物袋が、手で揺れている。

あきつ丸「…提督殿、本日は本当にありがとうございました」

提督「いえいえ…でも、本当にそれで良かったのか?」

あきつ丸「…良かった、とは?」

提督「あー…俺あんまりそういうセンス無いしさ」

あきつ丸「……いえ」

と、言葉を一度切り、ややあって。

あきつ丸「自分は、提督殿が『似合う』と言ってくれる服を、着たかったのでありますよ」

提督「…え?」

あきつ丸「………あ…その、これは!何というか…あ、お、男の方の意見を取り入れたい、という意味でありましてですね…!」

提督「…はは、そっかそっか」

驚きで固まった表情を何とか解して笑うが、…あの言い方では勘違いしてしまってもやむなしだと思う。

…何にせよ、満足してくれたのならば幸いだ。

あきつ丸「……ああ……自分は、根性無しであります……」



あきつ丸→ 307/500



【9月1週】


学校が始まった。

ありえない。嘘だ。そう何度も嘆いた。叫んだ。

目を覚ませばあの夏休み初日にいるんだと、31日の自分に言い聞かせた。

なのに、その日はやってきたんだ。

提督「…学校滅びねーかな」

青葉「なに物騒な事言ってんですか」

提督「…だってお前アレだぜ、学校だぜ?」

青葉「知りませんよ…」

提督「ふん、貴様にはわからんのだろうな」

青葉「…どーでもいいですけど、…あ、ところで、課題はやったんですか?」

提督「あたぼうよ」

青葉「おおー、やってないに300円賭けた青葉の予想が覆されてしまいました」

提督「…その反応しにくい額やめろよ…ったく、ほら…此処に………」

此処に…無い。あれ。無い。何故だ。

昨日漏れがないかちゃんと机に全部出してチェックして………。

提督「…そのままじゃねーか!」

青葉「わっ!?いきなり大声出さないで下さいよ!」

提督「…ちくしょうっ……あんまりだっ……こんなのっ…!酷すぎるっ…!」

人、それを自業自得という。


コミュ対象 >>+4

電    369/500
浜風  151/500
あきつ 307/500
足柄  248/500
青葉  363/500


――屋上

提督「……青葉のアホが」

青葉『提督くん提督くんっ!さっき屋上でUFOを見ました!それでですね、一緒に…』

『お、良いところに…おい青葉、お前まだ課題出してないだろ、いいからちょっと職員室来いホイ』

青葉『えっ、ちょっ、待っ、あ、て、提督くーん!』

…という、先程の廊下でのやり取り。

勿論嘘だろうなぁとほぼ確信してはいたのだが、それでも来てしまう辺り俺もなんつーかアレである。

提督「…うむ」

こうして手摺から空を見上げても、見えるは雲一つない青空のみ。

提督「……ふぁぁ…」

そうして空を見ていると、何だか眠気がやってきて…つい、ボーっとしていた。

故にだろう、その背後からの接近に気付かなかったのは。

足柄「なーにしてんだ、少年」

と、肩に急に手を置かれ、身体が跳ねる。

ハッと振り向くと、そこには笑顔の足柄先輩がいた。

提督「……いえ…少し、UFOを」

足柄「UFO?…あはは!なによそれ!」

提督「…良いじゃないですか別に…というか、足柄先輩はどうしたんです?」

何も無いじゃないと、ゲラゲラ笑う足柄先輩に尋ねる。

前にも言ったのだが、よっぽど暇人か変人じゃないとわざわざ休み時間にこんな所へ足を運んだりはしない。

少なくとも、足柄先輩はそのどちらにも見えない。

足柄「んー……何ていうか、一人になりに来たのよ」

提督「…一人に?」

足柄「そ、ちょっと色々…考えたいことがあってさ」

言って、足柄先輩が俺の隣で同じように手摺にもたれる。

足柄「だから…これはちょっとした独り言ね?」

提督「は、はぁ…」

足柄「…もうさ、私、卒業するのよねーって、思って」

足柄「あれだけ色々やってた部活も、文化祭で終わっちゃうし」

足柄「……こんなに楽しい今を、失うのは嫌だなって」

足柄「可愛い後輩君も気軽に呼べなくなるし、ね」

先輩は、暗い表情でずっと語っていたけれど。

その言葉だけは、やはりいたずらっぽく笑って付け加えて。

足柄「…はい!独り言タイム終わりっ!」

足柄「ま、…そんな感じで、人並みに悩んでた訳よ」

………――

>>+2

A.「……別に、卒業したって呼んでくれれば行きますよ」(進行度 コンマ*1.5 最低値300)

B.「…先輩もそんな悩みがあるんですね」(進行度 コンマ*1.0)

C.「ま、それは仕方ない事じゃないですか?」(進行度 コンマ*0.5)



提督「……別に、卒業したって呼んでくれれば行きますよ」

足柄「…提督くん」

提督「そりゃ…まぁ、足柄先輩の生活は変わっちゃうでしょうけど」

提督「人望のない可哀想な元部長に付き合う甲斐甲斐しい後輩なら、いるんじゃないすかね…多分」

勿論、足柄先輩が卒業するのはどうしようもない事である。

けれど、だからといって俺と足柄先輩の関係が完全に無くなってしまうわけではない。

…つーか、卒業したら全く連絡取らなくなるというのも悲しいだろう。

足柄「………ふふっ」

先輩が少しだけ驚いたように固まって、すぐに笑顔を作る。

そして、隣に立つ俺の肩へと頭を寄せた。

足柄「なーんか生意気ね、むかつくわ」

提督「…むかついてる顔には、見えませんが」

足柄「あら、そう見えるかしら?」

提督「…はい」

足柄「そ、…だったら、違うのかもね」

提督「喜んでたりしますか?」

足柄「…ふふ、ご想像にお任せするわ」

それっきり、先輩は黙って。

そのまましばらく、俺に身体を寄せて空を見上げていた。

…屋上にて、UFOは見られなかったけれど。

しおらしい足柄先輩という、かなり珍しい物を見ることが出来た、という訳で。


足柄→ 300/500

今日はここまで
下4で良い感じに回ってるっぽい?
お付き合い頂きありがとうございました

疲れた でも楽しかった、勝ったら本当に最高だった
こういう試合があるから野球見るのをやめられないんだよね
始めます

則本調子上がったなぁ 中日さんは強い野球してますね、羨ましい


【9月2週】



「つまりだな、この式を微分して…」

…なるほど、さっぱりわからん。

微分って何だよ。それをして何になるんだよ。

お前はそれで教師になれたかもしれない、でも俺はそうじゃないんだ。

だいたい、こうして皆に同じ教育を施すというプログラムが根底から間違っているのだ。

提督「日本滅びねーかな…」

青葉「…独り言がランクアップしてませんか」

提督「気のせいだろ」

提督「…でもホント嫌になるよな、あんな訳わからんこと教えられてさ…」

青葉「え?…青葉、普通に出来ますけど…」

提督「………え?」

…今まで仲間だと思ってる奴に裏切られてしまった。

例えるなら、いや、別に何も例えてないが…そんな気分だった。

そういやこいつ別に数学苦手じゃなかったな、くそ。

青葉「……」ニヤニヤ

おいてめえ何だその目は馬鹿にしてるのかこら。

……もういい、寝る。



コミュ対象 >>+4

電    369/500
浜風  151/500
あきつ 307/500
足柄  300/500
青葉  363/500



――電の部屋


提督「…おー、綺麗な部屋だな」

電「あ、あんまり見ないで欲しいのです…」

休日、俺は久々に電の家を訪ねていた。

曰く、大事な話がある、と。

提督「悪い悪い…それで、一体どうしたんだ、いきなり?」

『大事な話』。

…その内容に関して、流石にある程度予測は付く。

けれど、未だ返答は決まっていなかった。

勿論、俺の予想が間違いだということだって十二分にあり得る訳で。

とにかく、話を聞いてみなければ始まらない。

電「…え、と…あの、…提督くん」

提督「うん」

電「……電は、…」

そこまで言って、電は口ごもる。

出てくるのはあーとかえーととかいう言葉ばかりで、一向に本題に入る様子は無い。

提督「…大丈夫か?」

そんな電に、一歩近づくと、電はびくっと震えて後退る。

だが、その拍子に床に置かれていた鞄に踵が引っ掛かり。

電「あ――」

提督「電っ!」

立ったまま、電が後ろ向きに倒れていく。

咄嗟にその電を抱えようとしたものの、倒れていく人の体重を支えられるほどの力は俺には無く。

ドスン、と鈍い音を立てて、俺達は重なって倒れた。

提督「ってぇ……電、大丈夫か?」

電「だ、大丈夫…なのです」

その時、電が喋って初めて気付く。

電の顔が、吐息のかかる程の位置にある。

提督「あ……ご、ごめん!い、今どくから――」

電「……提督、くん」

反射的に遠ざけようとした頭の後ろを、電の手が抑える。

電「…提督くんは……こんな状況でも、何も思わないのですか?」

電が言葉を紡ぐ度、甘い息が漏れる。心臓が、やけに煩く鳴っている。

俺は――


>>+3


A.目の前にある電に口付けた。(進行度 コンマ*1.5 最低値401)

B.「…そういうのはやめよう、電」(進行度 コンマ*1.0)

C.電を振り払った。(進行度 コンマ*0.5)



電の吐息が、触れた躰の暖かさが、俺の思考を蝕む。

まるで頭に靄が掛かったように、色んな事を考えられない。

そうして固まっている間にも、電の顔が近づいてきて。

――なぁ、別に余計な事は考えなくて良いのだと、頭の片隅で誰かが呟く。

次の瞬間、俺は弾かれたように、電の口を塞いでいた。

…あの、観覧車での時よりも、ずっと乱暴に。

「……ふぁ……ん…っ!?」

そのまま舌で柔らかい唇をこじ開ける。

少しだけ抵抗した電も、すぐにそれを諦める。

舌を動かす度、電の臭いが強くなっていって、彼女の事しか考えられなくなって。

…躊躇いだとか、そんな物が、どんどんと頭の中から消えていった。




電→ 420/500



【電―その3】


「……………はぅ…」

頭を必死にぶんぶんと振る。

けれどもいくらそんな事をした所で、残った記憶は消えやしない。

なんたって、彼との思い出は、何一つ忘れていないのだから。

「…い、電は……あんな…うー…」

…少し緊張していたとはいえ、あんな事をしてしまった自分が恥ずかしい。

というか…想いを伝える前にコトに及ぶ、というのは如何なものか。

「……提督くん」

…でも。

彼の行動は、あれはつまり電を受け入れてくれたということではないだろうか。

電の想いを、行動を持って。

「えへへ…」

もう、誰かに取られると怯えなくてもいい。

彼は電の物なんだって―そう、信じて疑わなかった。

「嬉しいなぁ……」



【9月3週】


……やっべぇ。

……やべえよ。

電「おはようございます、なのです!」

提督「…お、おはよう」

…なぜ電は昨日の事について何も触れないんだ。

忘れちまったのか。いやいやありえんだろ。

現に、今でも鮮明に俺の頭には電の肢体が――あ、駄目だこれはヤバイ、記憶の中にしまおう。

…まぁ、重要なのは。

俺も電も、…結局、大事な話とやらに触れなかった。ということで。

……まさか別に電も遊びでしたなんて言う事は無いと思うけども。

あれはどういう意味だったのかというのは、未だ不鮮明であるのだ。

…その件について、切り出して来ると思ったのだが…。

電「……♪」ニコニコ

…俺が自分から言うしか無いのか。

提督「あのさ、電――」

電「あ!」

提督「へ?」

電「忘れる所だったのです!」

と、電が鞄から取り出したのは、二段重ねの弁当箱。

電「ちゃんと栄養の事、考えて作ったのですよ!」

提督「あ、ああ…そりゃありがたいんだけどさ…」

電「ではでは、電は日直の仕事をしてくるのですっ!」

提督「あ、おい…」

…行ってしまった。…まぁ…いつでも尋ねる機会はあるだろう。


コミュ対象 >>+4

電    420/500
浜風  151/500
あきつ 307/500
足柄  300/500
青葉  363/500

0になる(物理) ごめん、どうしても収まりそうにないから2レスにします


――青葉の部屋


週末、どうしても終わられなければならない作業の為に、俺は青葉の家を訪れた。

新聞部の部室でやっても良かったのだが…今日は活動日でないので、色々と手続きが面倒、そう青葉が拒否したためである。

その作業も恙無く終了し、俺は適当に青葉とグダっていた。

提督「……きったねー」

青葉「む、聞き捨てなりませんね」

提督「いや…だってなぁ」

此処は新聞部の部室か、というような。

床に散らばる大量の紙束。

そりゃ青葉としてはそういったものにお熱なんだろうし、しゃーないといえばしゃーないだろうが。

提督「電の部屋とか、めっちゃ綺麗だぞ?」

青葉「……電ちゃん、…ですか」

提督「ああ…まぁ、何しろ女子の部屋なんてそれ以外に知らんから、比較できん」

青葉「…仲、良いですよね」

提督「………ん、そりゃ、付き合いも長いしな」

青葉「もしかして――付き合ってたりするんですか、2人は?」

提督「は、はぁ!?…い、いや…ねーよ、そんな」

青葉「……でも、ご飯一緒に食べたり…そう、見えますよ」

提督「それは――ただ、あいつが優しいから」

青葉「もしかして、今日もそういう予定だったりするんですか?」

提督「…ああ、うちの親、遅くなるらしいから」

青葉「だったら――」

青葉「…だったら、青葉の家で食べて行きませんか?」

提督「え?」

青葉「青葉、頑張って作っちゃいますよ!あ、提督くん、好きな物とか――」

提督「待て待て、誰が了承したよ」

青葉「まーまー、たまには良いじゃないですか!」

提督「…いらんいらん、そもそもお前の飯なんて――」

続けようとして、青葉が項垂れている事に気付く。

下を向いた唇は、何かを呟いているように見えた。

提督「…青葉?」

青葉「ダメ……ダメなんですね、青葉じゃ」

提督「……いや、そういう事じゃなくてさ」

青葉「ねぇ、提督くん」

青葉が、俺にしなだれかかる。

青葉「青葉、好きです、提督くんの事」

青葉「ずっと―ずっと、好きでした」

提督「は…?」



提督「…馬鹿、そういう冗談――」

青葉「冗談なんかじゃないですっ!」

青葉「…冗談、なんかじゃ…」

そう言って、再び俯いた青葉は…どう見ても、ふざけているようには見えなかった。

…でも、だったら…本気だというのだろうか。

青葉が、俺を?

青葉「……提督くん」

青葉「…青葉じゃ、ダメですか?」

提督「……いきなり過ぎて、さ」

青葉「…でも、そんな反応するって事は…やっぱり、意識してなかったんですよね、提督くんは」

提督「……」

青葉「良いんです、知ってました…きっと、青葉はそういう風に見られてないんだって」

悲しそうな表情で、青葉は言って。

呆ける俺を、床に倒した。

床に散らばった紙片が、埃と共に舞う。

提督「…お、おい?」

青葉「…提督くん…青葉を、抱いて下さい」

提督「……!?」

青葉「きっと、提督くんはこのままじゃ青葉の事、見てくれないと思いますから――」

だから、抱いて下さいと。

混乱する俺に、青葉がどんどんと近づいてくる。

青葉「…ねぇ、提督くん――」

俺は――


>>+2


A.青葉を受け入れる。(進行度 コンマ*1.5 最低値401)

B.青葉を宥める。(進行度 コンマ*1.0)

C.青葉を拒絶する。(進行度 コンマ*0.5)

これは屑ですね…間違いない
結構時間がヤバイので続きは明日
お付き合い頂きありがとうございました

マジかよ提督最低だな
とりあえず青葉のコミュ終了までやっとこう
野球始まるまでに終わるといいが

皆100くらいで一人だけ500まで上げれば凄く平和に終わります


【電―特殊・1】



「……遅いなぁ」

何度目か、溜息と同時にその言葉を吐いて。

リビングの真ん中に吊り下げられた時計に目を遣る。

その短針は、9を少し過ぎた辺りを指していた。

LINEでメッセージを送ってもいたけれど、それに既読という文字が付くことすらない。

「………ご飯、冷めちゃったのです」

今日は、好きな物を一杯用意したのにな。

きっと、喜んでくれるって思ったのにな。

…連絡も無いのは、初めてだな。

「…青葉さんの、所だっけ…」

昼間、彼が告げた行き先を思い出し。

今度は、青葉さんへとメッセージを送る。

その返事は、5分と経たずに返ってきた。

『はい、まだ青葉の家に居ますよー』

『今日は、泊まっていくそうです』

「…………」

…なんで、青葉さんからその連絡が来るのだろう。

そこにいるなら、電からのメッセージは、提督くんにも届いている筈なのに。

なんで、提督くんは電を無視するんだろう。

そんな事、今までしたこと無いのに、なんで。

――ああ。

青葉さんといる時の彼は―電が知っている彼と、少し違うから。

そうか、青葉さんのせいなんだ。

電の知っている彼を変えたのは――青葉さんのせいなんだ。

何で、そんな事するのかな、青葉さん――



【青葉―特殊・1】



「……ふふっ」

満たされていた。

この上ないくらいに、満たされていた。

今までどうやっても埋まらなかった心が、満たされていた。

隣で眠る彼の首筋に鼻を当てる。浅黒い、硬い首筋に。

匂いがした。つんと鼻につく汗の匂い。

けれど、不思議と不快感は無い。

むしろ――

その時、ピロン、と間の抜けた音が鳴る。

…携帯か。なんだってわざわざこんなときに。

「………何ですか、無粋ですよ、無粋」

彼から離れるのは名残惜しかったが、途中で鳴った音で少し気分が醒めた。

どうせなら、文句の一つでも言ってやろうかと―スマホをフリックして。

「……あはっ」

その内容に、思わず薄い笑いを漏らした。

『提督くん、知らないですか?』

「……ふふっ、ははっ、はい、知ってます、知ってますよ」

…そういえば、食事、作るって予定でしたね。

でも、提督くんは此処に居る、貴女に連絡もしないで。

つまり――

『はい、まだ青葉の家に居ますよー』

『今日は、泊まっていくそうです』

提督くんは、貴女より、青葉を選んだんですよ――



青葉→ 496/500

まさか此処から他の3人が巻き返すなんて事はあるまい
また夜に

もうNice boat.は不可避かな……

いや、艦娘だからNice ship.かな?

>>461
潜水艦娘なら「ナイス
(U)ボート」で通用
するでしょうなあ(^^)

なんで毎日こんな試合してんのさ 中継ぎ死んじゃう 吉村他で打ってくれよ…
見ながらゆっくりやっていく
始めます



【9月4週】


来週は文化祭である。

けれど、俺にはそんな事を考える余裕は無かった。

まず、青葉の誘いを断れなかったこと。

そして電との食事を忘れてしまったこと。

…どちらもヤバイが、後者がとてもヤバイ。

朝目を覚ましたら『電(114)』というLINEの通知があったくらいだ。

……その上、電から全くその事について触れてこない。

青葉「それでですね、提督くん――」

…そしてこいつ。

こいつはこいつで、何一つ以前と変わった様子を見せない。

……冷静に考えれば――いや、誰が考えても。

俺の行動は最低であり、糾弾されるべきである。

………そう、むしろ責めてくれれば良いのに。

だったら俺も…いや、言い訳だな、これは。

結局――向き合いたくないのだ、俺は。

触れないのであれば、蒸し返す必要など無い。

…時間は、解決してくれるのだろうか。

青葉の話を上の空で聞きながら、俺はただ、ぼうっと歩いていた。




コミュ対象 >>+4

電    420/500
浜風  151/500
あきつ 307/500
足柄  300/500
青葉  496/500

白崎打った!サヨナラや!最高や!



――提督私室


提督「…ごめん、電」

電「…良いのですよ、誰にだってうっかりくらいはあるのです」

…電は、話題に挙げることはしなかったけれど。

それでも、何もせずにはいられなかった。

それに、電は笑って大丈夫だと答えて。

…少しだけ、俺が安堵していた、そんな時だった。

電「―――提督くん」

提督「ん?」

電「青葉さんの家で、何をしていたのですか?」

提督「あ……と、その、作業が長引いて――」

電「何を、していたのですか?」

提督「……いや、…作業、を」

電の双眸が、真っ直ぐに俺を射抜く。

俺の言葉の偽りまでも、その瞳は見抜いているのだろうか。

提督「………」

遂に、何の言葉も出なくなる。

そんな俺に向けて、電が優しい声を出した。

電「…提督くん、電は…電は、提督くんの気持ちが知りたいだけなのです」

電「提督くんは、優しいですから…きっと、無理矢理お願いされたら断りきれないのですよね?」

そこで一度息を吸い、ややあって。

電「……提督くんは――」

電「電の事が、好きなのですか?」

今、一番聞きたくないと思っていた、先送りにしていた質問。

…俺は――


>>+2


A.「好きだ」(進行度 コンマ*1.5)

B.「…わからない」(進行度 コンマ*1.0 上昇は499まで、ENDには入らない)

C.電を拒絶する。(進行度が499で固定)

やっべぇ屑だ



提督「…ごめん、電」

電「………え?」

提督「……俺は、どうしても…電に対して、そういう気持ちになれない」

…最低だ。最低だと、自分でも思う。

けれど…ここで更に答えを引き伸ばすのは、もっと最低だ。

だから、言わなきゃならない。

電「…提督くん、なんで」

提督「……ごめん」

提督「…いくらでも、罵ってくれて構わないから――」

電「…ねぇ、嘘ですよね?そんなの、嘘ですよね?」

電「だって、提督くん、電に…あんな…」

提督「…それも、含めて…ごめん」

電「……違う、違う、違うのですっ!電は、そんな言葉聞きたくないっ!」

電「ねぇ、お願いなのです、提督くん…嘘って、嘘って言って欲しいのです」

電「電に悪い所があれば直します、提督くんが望むなら、電はなんだってするのです!」

電「だから――」

提督「……ごめん」

電「………ていとく、くん…」

綺麗な栗色の瞳から、液体が溢れ、頬をつたう。

俺は、静かに目を逸らすことしか出来なかった。

電「……っ!」

やがて、彼女は部屋の扉を乱暴に開け―走って、出て行った。

…俺には追いかける事も、止めることも出来ない。そんな資格は無い。

窓の外に目を遣ると、駆けて行く彼女の背中が見える。

空は、見渡す限り鈍色に覆われていた。

――電、ごめん。

俺は、一人残された部屋で。

そんな意味の無い言葉を呟いた。


電→ 499

お、お風呂…次は電特殊2から…
酷い(確信)

再開


【電―特殊・2】


違う、違う、違うっ!

あんな―あんな事を、提督くんは言わない!

いつだって優しかった。電を気遣ってくれた。

ずっと、変わらなかったのに、昔から。

やっと、やっと結ばれたのに。

なのに、なのに何で!?

「……ああ――」

そうだ。そうだ。そうだった。

変わったことが、一つだけあったんだ。

提督くんは、変わってなんかない。

変えられたんだ。

「…返してよ」

電の提督くんを、返してよ。

戻さなきゃ、元に戻さなきゃいけないな。

でも、どうすれば良いのかな。

…あの人がいるから、いけないのかな。

「ねぇ、青葉さん――」



※次、青葉とのコミュを行い、もしEND条件を達成出来なかったら――



【10月1週】


今週は、文化祭。

皆が準備の為に、部室だったり、教室だったりで盛り上がっている。

本来なら、俺もその輪に加わりたいのだけれど。

…どうしても、そういう気分にはなれなかった。

あれ以来、電と話してはいない。

学校にはちゃんと彼女は来ているけれど、俺には話しかける勇気はない。

…結局、逃げたいだけなのだ、俺は。

足柄「こら、少年」

提督「…わっ!?…せ、先輩?」

足柄「…随分集中して考え事してるのね」

提督「……あー…いや」

足柄「何を考えてるかはわかんないけどさ…ま、そう深く悩まないの」

ぽい、と。

足柄先輩が何かを投げる。

それを咄嗟に掴むと、ひやりと冷たい感覚が掌に走った。

足柄「それは私の奢り、それでちょっとでも元気出しなさいな、提督くん」

提督「……あ、ありがとうございます」

足柄「学園祭、ちゃんと笑顔で来なさいよ?」

なんたって私の最後の思い出になるんだから―先輩は、笑いながらそう言って、去っていった。

…深く悩むな、か。

どうやったってそれは無理そうだ、と頭を振る。

何もかも投げ出したい、という思いに支配された思考の中で。

手に持ったジュースの冷たさだけが、やけにリアルだった。




コミュ対象 >>+4

電    499/***(選択不可)
浜風  151/500
あきつ 307/500
足柄  300/500
青葉  496/500

今日はここまで これでどう転んでもこの週回は終わりっぽい
お付き合い頂きありがとうございました
スレタイは…何も思いつかんかったんや、ほのぼの系を期待された方、申し訳ない

あーそうか。青葉連打見てて必要かと思ったが、そもそも純愛ルート行くなら一人に絞るのがいいのか・・・・・・とすると正解秘匿が無難か。

>>1に聞きたいんだがヒロインが病み易いのは仕様ですかね?

>>510 趣味です、すいません
コンマ倍率の選択肢を隠すと>>1が操作してるように見えるかもと思って表示させてた 次の周は隠してみましょうか
再開

――校舎裏

俺の気分なんてお構いなしに、時間は進み。

遂に学園祭の日がやってきた。

提督「……はぁ」

そんな日に、暗い校舎裏に来る人間などいるはずもなく。

この場所だけが、喧騒から切り離されているようだった。

提督「…すんません、足柄先輩」

笑顔には、なれませんでした。

新聞部の展示も、学園祭号外の配布も無断ですっぽかしてしまった。

…今頃、探しているかもしれない。

それでも…迷惑を掛けることになるとわかっていても、俺はあの中へと入っていく事は出来なかった。

青葉「……こんな所に、いたんですか」

提督「青葉…」

小さな声がして、そちらに目を遣ると。

俺を探しまわっていたのだろうか、息を荒げ、額に汗を浮かべた青葉がいた。

青葉「…皆、探してますよ、足柄先輩なんてもうブチ切れです」

提督「……そっか」

青葉「…そっか、って…どうしたんですか、提督くん、あんなに準備も頑張ってたじゃないですか」

提督「……いや…少し、体調が悪くて」

青葉「もー、そんな事言わないで、楽しみましょうよ」

提督「…本当に悪いんだ」

青葉「……提督くん」

手を振って、放っといてくれ、とジェスチャーを送る。

青葉「……あの、何かあったんなら、青葉、話聞きますよ」

提督「…違うんだ、何もない」

青葉「…でも…提督くん、凄く、辛そうです」

…辛そう。俺はそういう風に見えるのか。

笑える話だ。電にあんな思いをさせて、逃げてるだけなのに――辛そう、とは。

青葉「…青葉、前にも言いましたけど、提督くんの事、好きですから――」

青葉「だから…力に、なりたいんです」

提督「…………」

好き―か。電にも、そう言われて…結局、あんな事になった。

要は、向き合うのが遅すぎたんだ。

そして青葉にも、まだその答えを出していない。

…これ以上先延ばしにして、どうする?

俺は――

>>+4

A.青葉が好きだ。

B.やっぱり、わからない。

C.青葉を、そういう対象としては見られない。

普通にハッピーエンド ご都合主義の時間


――青葉。

俺は、彼女の誘いを断れなかった。

それはどうしてだろう。

その場の勢い?雰囲気?違う。そんなものじゃない。

あの時、電への罪悪感を塗り潰す程に、俺は彼女を求めていた。

…ああ――

「……好き、だったのか、俺も」

「…提督くん?」

アホみたいな行動に振り回されても、笑っていたのは。

嘘だとわかっている事に、ずっと付き合っていたのは。

こいつと一緒に居たかったんだ。

そうか、俺は好きだったんだ、青葉が。

「……馬鹿だな、やっぱり」

言ってしまえば、壊れるかもしれないから。

親友と誤魔化している関係すらも、無くなってしまうかもしれないから。

…ずっと、気付かないふりをしていたんだ。

「…あの…大丈夫、ですか?」

「ああ…青葉のお陰で、やっと気付けた」

「気付く…?」

「……青葉が、好きだって」

「あ――――」

眼前、青葉の表情が、驚きに固まる。

「えと、その、それは――」

「…こんな時になるまで気付かないような奴で、ごめん」

「……本当は、あの時に言うべきだったよな」

「い、いえっ!…青葉は…青葉は、気にしてないですよ」

「…ですから…もう一度、…その、もう一度だけ、言ってくれないでしょう…か?」

「…うん、…何度でも言うさ…俺は、青葉の事が好きだ――――」

そこで、言葉を止めたのは。

ザクッ、と。

俺達以外に、誰も居ないはずの校舎裏に、土を踏みしめる音が響いたからだ。

「……やっぱり……」

「…やっぱり…青葉さんのせいなのですね……」

「…電?」

俺の視界に入ったのは、青葉の背後、虚ろな目をして―大きな包丁を握りしめた電。

「……ねぇ、青葉さん、なんでそんな事するのですか、なんで――」

「お、おい、電!?」

咄嗟に、青葉の手を引く。

青葉は勢い良く俺にぶつかり―先程まで青葉が立っていた場所を、刃が貫いた。

ご飯食べてきます
遅筆でごめんなさい


「……ひっ…」

青葉の顔が引き攣る。

電は本気だ。本気で―青葉を殺す気だった。

「……」

電は、外したことにもさして興味がないようで。

もう一度、腰の辺りに包丁を両手で構える。

「……い、電!な…何やってんだよ!?」

震える声を、何とか絞り出す。

電は、俺の方を向き、笑う。

「大丈夫なのです」

「え…?」

「もうすぐ、全部元通りになるのです――」

同時に、再び体ごと体重を乗せ、包丁を突き出す。

「あ―――」

「青葉っ!」

固まって動かない青葉を無理矢理引っ張る。

勢い良く放たれた刃が、青葉の制服を掠めた。

「……元通りって、元通りって何だよ、電!」

「…?ああ――良いのですよ、提督くんは、何も心配しなくて」

「また、優しい提督くんに戻るのですよ――」

「何言ってんだよ!…意味、わかんねぇって――」

…ふと、思い当たる。

電の言う『優しい俺』とは、つまり――

…電の好意を、受け入れる俺なのか、と。

電にとっては、俺がその好意を受け入れるということは当然だったのかもしれない。

…いや、当然か。

自分のやった行動を思い出せば、……電で無くても、そう思うのは当然だ。

電を、こうしてしまったのは俺なのだ。

その上で、俺はこんな虫の良い事をしている。

自分の気持ちすらも判らず流されていただけの、最低な行動をしておきながら。

…謝るだけで終わった気になって、まるで被害者のように悩んで。

そして、今度は気持ちがわかったなんて――

……最低だ、俺は。

…だから、…止めなければ、電を。

俺のせいなんだから、電をこんな風にさせたのは、他の誰でもなく。

電が、もう一度同じように包丁を構える。

俺は――

>>+4(最後の分岐)

A.青葉を庇う。

B.電を説得する。



…説得するしかない。

どうなるか、なんてわからない。

信じてくれないかもしれないし、何も変わらないかもしれない。

それでも、俺はただありのままを伝える以外に無い。…もう、それくらいしか、出来ないから。

…だけど…今の状態では、きっと電に俺の言葉は届かない。

……電を、止めなければならない。

「………これで、全部――」

電が、体重を載せた包丁を勢い良く突き出す。

それは、今度こそ青葉へと真っ直ぐに向かっていき――

青葉の制服を、紅く染めた。

「……え…?」

「……提督、くん…?」

「………ぐっ」

電は、その手応えに唇を歪めて―すぐに、それを驚きで開いた。

青葉は、制服に付いた血と俺を、信じられない様な目で交互に見つめていた。

包丁は、青葉でなく―咄嗟に差しこんだ、俺の左腕に深々と突き刺さっていた。

「何で…何を、何をしてるのですかっ!?」

無理矢理にそれを引き抜こうとする電の手を、空いた右手で掴む。

武器を持っていても、電の力は当然俺には敵わない。

…これで、話が出来る。

「提督くん!?ち、血が…手当、急がないと…」

俺に縋りつく青葉に、大丈夫、と目線を送る。

「電――話を、聞いてくれ」

左腕が燃える様に熱い。

気を抜けば、そのまま倒れてしまいそうだ。

傷口から次から次へと流れる血は、全く止まりそうにない。

…このくらい、当然だ。電だって、ずっと苦しんでいたんだ。

俺は、電と話をしなければ――



「……なぁ、電」

「は、離して下さい!抜かないと…」

「俺は…電の気持ちには、応えられない」

「…違うのです…違うのです!提督くんは、おかしくなってるのです!」

「…違わない、本心だ…心から、そう思ってるんだ」

「そんな、ことッ――」

左腕から包丁を引き抜こうとする力が、更に強まる。

刃先が動く度に、叫びたくなる程の痛みが走る。

それでも、歯を食いしばって、電の腕を掴む。

離してしまったら…きっと、それまでだ。

「…っ、電の…電の気持ちは、凄く、嬉しかった」

「……でもな、…俺はやっぱり、電をそういう対象として見ることは出来なかったんだ」

「…何が…電の何が、悪いのですかっ!?ねぇ、提督くん、直しますから、…だから…!」

…あの時は、ただ、ごめん、とだけしか言えなかった。

…でも、今は違う。言う事は決まっている。

大きく息を吐いて、何とか笑顔を作る。

「…電は、凄く良い子だよ、俺には勿体無いくらい」

「だったら――」

「でも…でもな、俺は、俺はさ――」

「青葉のことが、好きなんだ」

「…電よりも、青葉に惹かれたんだ」

「……提督、くん……」

「…俺が電にしたことは、最低だ」

「だけど、青葉は…青葉は、何も悪くないんだ」

「…だから…」

電の腕を掴んだ右手を、離す。

…言いたいことは、これで全部だ。

「…好きなようにしてくれて、構わない」

左腕から刺さった包丁が抜けて、血が更に激しく流れ、地面を染めた。

電は今、いつでも俺を刺せる。

けれど――

いつまで経っても、包丁を握りしめて震える腕は、突き出される事はなく。

…やがて、血に濡れた地面に、カラン、と包丁が落ちた。

「…出来ない……出来るわけ…無いのですっ…そんな事…」

泣きながら、電は地面にへたり込んで。

「電………」

それを見て、安心したせいか…身体から力が抜けていく。

青葉が何かを叫んでいるのが、遠くで聞こえて。

それきり、俺の意識は薄れていった――

本編ここまで 私はご都合主義ってのが大好きなんです
3人になると無理矢理でもキツいな多分
エピローグは一応青葉ハッピーエンド



【エピローグ】


――新聞部・部室


足柄「……ほんと、ものすっごい思い出作ってくれたわね…」

提督「あー……でも、忘れられなくなったっすよね?」

足柄「…そういう意味で忘れられない学園祭にしたかった訳じゃ無いのよ…」

あれから1周間経ち、俺は左腕を吊り下げながら何とか学校へと登校している。

医者が言うには、見た目は派手だが思った程の傷では無かったそうで…退院は、結構早かった。

…それでも、しばらくは左手を動かせないが。

あの件は、学園祭の準備の一環で、電に頼まれて俺が包丁を取りに帰り、その途中でコケて包丁がぶっ刺さった事になっていた。

クラスの出し物が調理だったのも、幸いして、それは特に疑われる事はなく。

それを見つけて知らせたのがあの2人―というわけだ。

だがお陰で、見舞いに来る人にも、こうして学校に顔を出して会った人にも、馬鹿だ馬鹿だと言われ続けている。

足柄「…まー…気をつけなさいよ?」

…足柄先輩は、血まみれで倒れている俺が見つかった―という知らせを聞き、相当に錯乱したそうだ。

…すいません、先輩。

提督「あはは…そうします」

足柄「……あ、そうだ」

提督「…はい?」

足柄「提督くん、青葉と付き合ってるんだって?」

ニヤ、と先輩が口角を歪める。

提督「……なぜそれを…」

足柄「いや、あの娘が新聞部の部長引き継ぎの時、大声で宣言したのよ」

提督「…アホ葉ァ……」

足柄「…その様子だと、本当…なのね」

提督「……いやまぁ…なきにしもあらずですけど」

足柄「…ふふ、照れないの」

そう言うと、足柄先輩は後ろを向き、伸びをして。

足柄「さってと……それじゃ、今から私、引き継ぎの作業するから」

提督「あ…はい、わかりました、それじゃ、…どうも、心配かけて申し訳ありませんでした」

邪魔にならないように、さっさと帰らなければ。

そう思って扉を閉める瞬間。

「提督くんの、ばーか」

そんな、足柄先輩の声が聞こえた。



――廊下


あきつ丸「提督殿っ」

提督「お、あきつ丸」

廊下を歩いていると、丁度今会いに行こうとしていたあきつ丸に声を掛けられた。

…彼女にも、相当心配をかけてしまったらしいのだ。

あきつ丸「そのご様子だと…大丈夫なのでありますね」

提督「おう、この通りよ」

あきつ丸「…はぁ…本当に、知らせを聞いた時には心臓が止まる程に驚いたのであります」

提督「…すまんすまん、ちょっと校舎裏で包丁振り回して遊んでたんだ、九頭龍閃を覚えたくてな」

あきつ丸「…………心配した自分が馬鹿みたいであります…」

何でだよ、格好いいじゃないか九頭龍閃。

あきつ丸「…そういえば」

提督「ん?」

あきつ丸「あ…いえ、青葉殿との事ですが…」

提督「ああ……」

そういや、部室で宣言したって言ってたなあいつ。

…絶対後でシメてやる。

提督「…まぁ、…本当だよ」

あきつ丸「…そう…でありますか」

…それを聞いてあきつ丸はうつむき、ややあって顔を上げた。

あきつ丸「…おめでとうであります」

あきつ丸「自分から見ても…お二人は、よくお似合いだと思いますよ」

提督「…ん…そ、そうか……ありがとう」

あきつ丸「……いえ、では…自分はこれで」

あきつ丸「大事無かったようで、良かったであります」

そう言って、来た時と同じ場所へ、あきつ丸が廊下を駆けていく。

…お似合い、か。

何となく、妙に恥ずかしい言葉だった。

「…自分にもう少し勇気があれば、何か、変わっていたのでしょうか――」



――金剛家


…これだけは、避けては通れない物だった。

青葉とこれから付き合っていく上で、絶対に解決しなければならない物だ。

金剛「……それで…」

提督「はい、…もう、俺は此処には来ません」

金剛「…………」

提督「…好きな人が出来ました」

金剛「…そっか」

金剛さんが、紅茶を一口だけ啜る。

そして、息を大きく吐いて。

金剛「…じゃあ、しょうがないネ」

提督「え?」

金剛「……ワタシの負け、って事だ」

…おかしい、物分かりが良すぎる。

そんな金剛さんに、逆に不信感すら覚える。

金剛さんは、そんな俺の疑いを悟ったのか、苦笑いして言う。

金剛「アハハ、そんなに疑わなくても…」

金剛「…ごめんネ、テートクくん」

金剛「…本当に好きだったんだヨ、君のこと」

金剛「…ワタシはあの時、教師に成りたてでまだなんにもわかんなくてサ――」

金剛「いつも助けてくれた君を…馬鹿みたいだよね、好きになって」

金剛「……でも、…うん、好きな人が出来たなら…しょうがないヨ」

諦めるネー―と、間の抜けた声で金剛さんが言って、残った紅茶を全部飲み下した。

金剛「ああ、でも――」

その時、玄関の扉が勢い良く開く音がして。

「ただいま…って、あれ、お兄さんの靴がある…?」

金剛「ワタシは別に良いけどサ…良かったら、あの娘には…たまに、会いに来て欲しいナ」

提督「………はい」

浜風「お兄さんっ!」

浜風が、俺に飛び込んでくる。

そんな様子を、金剛さんはとても微笑ましそうに見つめていて――

…なんとなく。

あの時の脅しは、嘘だったような気がしたのだ。



――提督家前


提督「……電」

電「…どうも、なのです」

俺の家の前には、電が立っていた。

声をかけようとして、あ―と、どうしても言葉に詰まる。

電「…色々と、ごめんなさい」

提督「……いや、あれは」

電「…ごめんなさい」

提督「……俺の方こそ…謝って済むような事じゃないけど」

提督「…本当にごめん、電」

電「……はい、許すのです」

電「…だから、提督くんも電を許して欲しいのです」

提督「……ああ、勿論」

うん、これで元通り、なのですね―と、電は笑った。

電「後、1つだけ…ちゃんと、やり直させて欲しいのです」

やり直す?

何のことだろうと、首を傾げていると。

電は大きく息を吸い込んでから、言った。

電「…電は、提督くんの事が好きなのですっ!」

電「お、お付き合い、してくれませんかっ!」

……なるほど、やり直し、か。

だったら―ちゃんと答えなきゃならない。

提督「…ありがとう、電…凄く嬉しいよ」

提督「…だけど、俺にはもう、好きな人がいるから―」

提督「だから、それは受けられない」

電「……そう、ですか…」

電「…はい、わかりました…提督くん、ありがとうなのです」

電「…これで…電は、…諦められるのです………」

提督「電……」

電「どうか――」

「どうか、青葉さんと…お幸せに――」




青葉「急いで下さいよー!埋蔵金ですよ、埋蔵金!掘られちゃいますよー!」

提督「まだいてーんだから引っ張んじゃねーよ!」

徳川埋蔵金が眠る山あり――

そんな情報に引っ掛かるのは、このアホくらいだと思う。

青葉「もー、提督くんはひ弱ですねー」

提督「…うっせぇ」

わざわざ電車に1時間揺られてやって来たのは遥か山奥。

人家すら殆ど見当たらぬ、そんな土地。

…結局、こいつと付き合い始めても。

やってることは、以前と変わらないような気がする。

けれど――

青葉「…わ、わわっ!?」

提督「青葉っ!」ガシッ

青葉「……あ…ありがとうございます…」

提督「…ったく、気ィ付けろ、アホ」

青葉「…えへへー」

提督「…何笑ってんだ」

青葉「ふふー、何でもないですよー」

…お互いに、その握った手を、そのまま離すことなく歩いてゆく。

……まぁ。

少しくらいは、変わったこともあるのかもしれないけれど。

「……て、提督くん……」

「あ?」

「…こ、こば……こば、小判見つけちゃいました……」

「………はぁ!?」

こうして前と同じように、馬鹿やって過ごして。

隣に、このアホがいるというのは。

それは、多分―とても幸せなことなんだろう。

どうか…この幸せが、いつまでも続いて欲しいと、心から、そう思う。



【青葉 HAPPYEND】

綺麗にまとめた感じを出す 正直あそこまで行ったので不完全燃焼ではある
風呂入ったら2周目のヒロインと役職を決定します しばしお待ちを

帰還そして再開

2週目ヒロイン 一人目 >>+4(艦娘の名前と共に主人公との関係を書いて下さい ex.先輩、後輩、等…あまり突飛なもの、書かれていない場合は後で関係だけ最安価致します)

はい、了解です

二人目>>+4

ぬいぬいとはやりおるな

三人目>>+4


四人目>>+4

ラスト >>+4

大和(下宿の管理人)
不知火(親友)
飛鷹(教師)
五十鈴改二(転校生)
北上(同居人)

以上に決定しました、どうもお付き合い頂きありがとうございました
プロローグ書いてきます もしかしたら明日になるかも
割りかしハッピーエンドにする時は前周の如くゴリ押しですので、まぁその辺はお目こぼしを

完成した これだけ投下して終わり


【プロローグ】



「くあー………さみー…さみーよー提督くーん」

「だからと言って人の蒲団の中に入って来ないで下さい」

「えー…だって寒いしー…」

喩えるならば、猫。

猫が朝布団の中に入っているようなものだろう。

その人――北上さんは、俺にとってそのような扱いだった。

「ふにゃ……1限からだよ今日ー…」

「サボらないで下さいね」

「むーりーだーよー…」

「………はぁ、じゃ寝てれば良いんじゃないっすか?」

「冷たいっ!?冷たいよ提督くーん…この4月の風よりも冷た…はっくしゅっ!」

「せめて腹はしまってください」

「むむっ、…ふっふー、アタシに魅了されたねぇ?」

「風邪引きますよ」

「……ぶーぶー、つーれーなーいー」

ここは俺の下宿先の部屋である。

それなりに名門である俺の高校は、実家から結構な距離があり。

それゆえ充てがわれたのがこの下宿だ。

これで、親と離れられて夢の一人暮らし―の筈だったのだが。

「提督くん、ご飯はまだかねー」

「昨日食べたでしょう」

「イジメかっ!?この北上様をイジメるのかー!」

期待に胸を膨らませて開いた扉の先。

『お、君がルームメイトなのかい?よろしくねー』

『………は?』



何故かこの人がいた。

当然、俺も何かの間違いだと思った。

けれど――

『…相部屋で…と、承っておりますよ?』

管理人から返ってきたのは、そんな言葉。

通りで一人暮らしには広すぎる部屋だと思ったのだ。

あの親、何も言わずに値段だけで決めやがった。

何が『広くていい部屋でしょう?』だ。こんな荷物付きなんて聞いてねーぞ。

…といった風だったものの、それも1年も経てば慣れるもので。

本当に部屋は広く、お互いにプライベートな部分はちゃんとあるし。

北上―今月から大学2年生の彼女と、同居生活が続いていた。

…ただ、この人は普通に俺のプライベートに侵入してくるのが面倒くさい。

「……朝ご飯出来ました」

「おいおいー、トーストじゃん」

「……何か問題でも」

「日本人の朝はご飯って決ま…う、嘘嘘、嘘ですから下げねーでくだせぇ…」

「…いただきます」

「い、いただきまーす!うわー狐色に焼けた美味しそうな食パンだー!おお、このスクランブルエッグは…まさに至高の…」

今日も朝から賑やかな事で。

むむむと首を捻りながら食パンを頬張る北上さんを横目に、俺はテレビの占いの運勢に見入っていた。

…射手座…7位、…うーむ。



「それじゃ、俺は行きますから」

「あーん待ってー、一人にしないでー」

「……ちゃんと戸締まりして下さいね」

なおもアホな事を言い続ける北上さんを置いて外に出る。

4月の空気は、少しだけ肌寒い。

「…ふあぁ……」

誰も居ないという油断からか、思わず欠伸が出る。

同時に思いっきり身体を伸ばす。

久しぶりに袖を通した制服は、何となく固い感じがした。

「あら、おはようございます、提督くん」

「大和さん」

そんな時、ちょうど廊下を掃除していたらしい大和さんと鉢合わせた。

大和さん―このアパートの管理人で、妙齢の美人な方である。

スタイルも素晴らしく―どっかの同居人と違って、ちょっと学生には目の毒な方でもある。

…ふむ、7位の割にはわりかし朝から良い事があるじゃないか。

「これから学校ですか?」

「ええ、今日から2年生です」

「うふふっ、そうですか……あ――」

大和さんが何かに気づいたらしく、俺の方へと近づいてくる。

何の匂いかはわからないが…とても良い匂いがする。

「あの、大和さん?」

「動かないで――」

「は、はぁ…」

そう言って、大和さんが俺の胸に手を当てる。

…これは、7位なんてもんじゃないんじゃないか…?

「……うん、これでよしっ…ふふ、ネクタイが曲がっていましたよ」

「…ありがとうございます」

まぁ……こんなものだろう。

別に期待なぞしちゃいなかったし。いいよ。

「うんうん、これで格好いいですよ、提督くん」

「はは、ありがとうございます…あ、そうだ」

「はい?」
   ア レ
「…北上さん、1限にちゃんと行くように起こしてやって下さい、どうせまた寝てるでしょうから」

「ふふ、はいはい、わかりました」


「おはよ、不知火」

「ああ…提督くんですか」

「同じクラスだったな、今年も」

「ええ、不本意ながら、ね」

「おいおい」

「ふふっ」

不知火―目の前で微笑む彼女は、なんやかんやとウマの合う友人である。

最初は異性、しかも端正な顔立ちということで、それを意識することも多かったが――

…最近は…あんまりない。あんまり。うん、減ったさ。ほんとに。

「しっかし、新学年だってのにまた機嫌悪そうな目つきしてんな」

「目つき?」

「そ、睨んでるようにしか見えんぜ、それ」

「……何ですか、不知火に落ち度でも?」

「いーや、ただ――」

と言うと、本当に睨まれてしまったので、両手を挙げておどけてみせる。

「もーちょい柔らかい表情してた方がいいんじゃねーの?ってさ」

「柔らかい…」

教室をぐるりと見回すも、不知火に話しかけようとするクラスメイトは居ない。

新学年で、皆各々自己紹介やらグループ作りやらを行っているにも関わらず―だ。

これは別に俺と話しているからとかではなく、前のクラスでもそうだったのだ。

俺だって、こいつとちゃんと話すまでは目つきの悪い怖い娘だって思ってたし。

「…ほら、友達出来るかもしれねーぜ?笑ってみ、不知火」

「……笑う…」

不知火は俺の言葉を反芻して――

鋭い目つきはそのままで、口角だけを吊り上げた。

「…………ど、どうですか…」ニィィ

…怖い。それアカンやつや。殺し屋さんの目つきや。

けれど、そんな風に必死に笑いを作る不知火が面白く。

「……ぷっ」

「…………提督くん」

「……はい」

「…笑いましたね?」

「…なんのことやら」

「………良いですよ、どうせ不知火はぼっちですから」

機嫌を損ねたらしく、ぷい、と不知火が顔を背ける。

…恥ずかしさもあるのだろう、その頬は少しだけ朱に染まっていて。

――ずっとこの顔してたなら、皆不知火に近づくだろうになあ。

「……何か言いましたか?」

「いーえ、何でも…ほら、HR始まるぞ」

…ま、この顔を俺だけが独占出来るってのは…良い事だろう。



「このクラスを1年間担当する、飛鷹です――」

退屈である。ああ、非常に退屈だ。

本来、こんなHRの時間なんてどうでも良い事の極みだ。

この高校に入ったのは質の高い勉強をするためであり、それ以外の理由など無い。

だからどうだっていい。クラスの中での役割だとか、そんなもん。

…思えば、こういったストイックさを不知火も持っていたから仲良くなったのか。

後ろの不知火を見やると、彼女もやはり退屈そうにしていた。

教卓では、新人らしい教師が必死に議題を進めている。

まぁ、全て俺の耳を通り抜けて行くのだが。ご苦労なこって。

「ふぁ………」

大きな欠伸を出る。

…どうせ話なんて聞かないんだし、寝ちまえ。

思いっきり机に突っ伏すと、何かとても幸福なように思えて。

…そのまま程なく、意識を手放した――


――――――――

――




「――くん、提督くん!」

「んあ…?」

「……呆れた、よくもまぁそんなに堂々と寝ていられるものね」

「…あー……え?」

頭を上げると、そのすぐ近くに顔。

周りを見回すと、教室中の視線が俺に集中していた。

その全てが、笑いを含む物で。

不知火など、殊更楽しそうに口角を歪めている。こえーよ。目も笑えよ。

「………何すかこれ」

「…はぁ」

新人教師―飛鷹、と言ったか。は、大きく溜息を付いて。

「……成績『だけ』は優秀、ね…確かにその通りだわ」

「…はぁ、すんません、…ちょっと、昨日眠り浅かったんで」

「……聞いてないわよ、そんな事は」

…適当に流してくれりゃあいいのに、面倒くさい教師だ。

こうして説教を行うくらいならさっさと授業してくれ。

少なくとも、俺は授業中に寝る事なんてしないんだから。

「……よし、決めたわ」

「…何をっすか?」

暫く考えた後。

したり顔で何やら決断をしたらしい飛鷹の様子に、嫌な予感を覚えた。

「…提督くん、君、学級委員ね」

「は…!?い、嫌っすよ!何で俺が!」

「寝てた罰よ、観念しなさい」

「…んな…」

――ああ。

こいつは嫌な担任だ。

それが、俺の飛鷹に対する第一印象だった。



「転校生ぇ?…何でそんなもん俺が」

「学級委員の仕事です、明日から学校に合流しますから、ちゃんと案内してあげてね」

「……俺にもプライベートな時間という物があります」

「はいはい、今度から考慮してあげるわ」

最悪だ―と。頭を抱える。

本来なら午前中で終わっていたはずの学校。

それを、いきなりこの担任に呼び止められて――この有り様だ。
          ジブン 
「転校生の案内とか…教師でやれよ、何で俺が…」

「……ちょっと!」

「…ん?」

「…アンタでしょ、案内してくれる人って」

声の主は、長いツインテールの、釣り目の少女。

…どうにもこれが転校生らしい。

にしたって…まーた面倒くさそうな…。

…まぁいい、さっさと終わらせちまおう。

仕事が多いのを嘆いた所で仕事が終わることはないが、さっさとやればその分早く終わるのだ。

「……お前が転校生な、…はいはい、そうだよ、まずは――」

「五十鈴」

「あ?」

「お前じゃなくて、五十鈴って名前があるんだけど」

……面倒くっせえ。

担任どころか転校生までこんなんか。

やっぱ7位は7位だな、占いってすげえわ。

「……あー…はいはい、すいません五十鈴さん」

「わかれば良いの――で、アンタの教室は?」

「提督」

「は?」

「俺にも名前はあるんすよ、五十鈴さん」

「……あっそ、で、提督くん、教室は?」

「…1回しか案内しないから、ちゃんと覚えてろよ」

「お生憎様、記憶力には自信があるの」

「…ちっ、口の減らねぇ奴」

「…あら?何か?」

………なんというか。

こいつとだけは絶対仲良くなれねぇと思う。

…ああ、この新学年…本気で面倒な1年になりそうだ。




【プロローグ 終】

終わり 前回よりもデレ成分少なめプロローグ
お付き合い頂きありがとうございました

乙坂くんおめでとう!ずっと期待してたで!これからガンガン打ってくれや!
とりあえずこれで明日負ける構えが出来た
始めます




【4月1週】


提督「………」カリカリ

勉強は良い。

新しい知識を付けていく度に、自分の世界が広がっていく。

俺が勉強をする理由の根底はそれだ。

成績だとかそんな物はあくまで後付で付いてくるおまけでしかない。

―と以前、友達に言ったらそれから微妙に距離を置かれるようになった。

…ま、結局そんな奴とは最初から友達でなかったという事だろう。別に悔しくなんかない。

それで結局何が言いたいかというと、俺がそういう考えを持っているからこそ―

北上「ねーねー、勉強ばっかしてないでさ、あそぼーぜーあそぼーぜー!」

…この人みたいな人の思考がわからない。

とりあえず周りが勉強してるから勉強するだとか。

大学に入った方が良いから適当に入るだとか。

その入った大学の授業もサボりまくるだとか。

提督「…邪魔です」

北上「けちー」

…でもこの人、そんなくせして頭良いんだよなぁ。

提督「やっぱ世の中、才能なんすかねぇ」

北上「……おー?」

提督「…独り言っすー」



コミュ対象 >>+4


大和    **0/500
不知火  **0/500

飛鷹    **0/500
北上    **0/500
五十鈴  **0/500



――スーパー


提督「大和さん、これで全部ですか?」

両手に抱えたカゴを見せる。

大和「はい、ええと……うん、大丈夫です」

その中身を軽く調べてから、にっこりと大和さんは笑った。

大和「ごめんなさいね、いきなりこんな頼み事を」

提督「いえいえ、いつもお世話になってますし、安いもんですよ!」

アパートから程近いスーパー。

俺は大和さんの買い出しに付いてきていた。

丁度俺が家に帰った時に彼女がアパートを出る所で、それに無理を言って付いてきたのである。

…と、普通に下心満載である。

けれど―大和さんにこんな大量の荷物を持たせて良いのだろうか。無論、ダメに決まっている。

故に俺の行動は間違っちゃいない。証明終了。

大和「…提督くん?」

提督「あ、は、はい!」

その柔らかい声に振り向くと。

いつの間にか会計を済ませていたらしい大和さんが、不思議そうに俺を見ていた。

その両手には、重そうな荷物が吊り下がっていて。

提督「や、大和さん、すいません!俺が持ちますよ!」

これじゃ何の為に付いてきたのかわからない。

大和さんの腕からその袋を奪い取ろうとして。

大和「――あ」

提督「――え?」

…勢い余って大和さんの手を思いっきり握りしめてしまった。

提督「…あ、あああ、ああすいませんっ!」

大和「……もう、何をやっているんですか」クスクス

最初は少し驚いていた大和さんだが、流石大人、すぐにその顔は微笑みに変わった。

……――


>>+2


A.けれども、俺の方は簡単に冷静さを取り戻せなかった。

B.ああ、何やってんだ俺は、恥ずかしい。

C.なのに俺はといえば、大和さんの顔をまともに見ることすら出来なかった。


C.なのに俺はといえば、大和さんの顔をまともに見ることすら出来なかった。(*1.5)


提督「…………」

大和「…あの、本当にどうしたんです?体調でも…」

提督「…い、いえ…平気です、全然、全然です」

くそ、もう、何だよ俺は。

スーパーからの帰り道、隣にいる大和さんと目を合わせる事も出来ない。

まだ顔は熱を持ったままで、手には柔らかな感触も残ったまま。

…ああ。

こういう時の心を鎮める為の方法を勉強しておくべきだったか。

大和「…ふふ、提督くんは可愛いですね」

提督「へっ!?あ、えっ、な、何すかっ!?」

大和「いえいえ、何となく思っただけですよ」

気にしないでください――と、大和さんは言ったが。

…勿論、そんな事は出来るはずもなかったのだった。


大和→ *45/500

速報でID被りとかあるんすねぇ にしても金子凄いなぁ


【4月2週】


不知火「…あの」

提督「んー?」

不知火「……いえ、提督くん、確か一人暮らしでしたよね?」

昼食中、不知火が腑に落ちないといったふうに聞いてきた。

提督「おう、そうだぞー」

不知火「…じゃあ、その弁当…まさか自分で作ったんですか?」

提督「ああ」

不知火「……そ、そうなんですか…」

何故かショックを受けた様子で、不知火は俺から目を逸らした。

……ん、もしかして。

提督「なんだ、不知火は料理出来ないのか?」

不知火「………っ!?」

この反応…ビンゴである。なるほど、そういう事か。

不知火「…だ、だからといってなんなんですか」

不知火「だいたい、女子は料理できて当然だとか、そういう考えの方がおかしいんです」

不知火「良いですか、提督くん――」

今日、俺は不知火の新しい一面を知った。

……言い訳が長い。


コミュ対象 >>+4


大和    *45/500
不知火  **0/500

飛鷹    **0/500
北上    **0/500
五十鈴  **0/500



――リビング


北上さんとの共同スペースであるリビング。

俺はその真ん中に置いてあるソファで寛いでいた。

結構眠いしさっさと風呂に入って寝たいのであるが、現在その風呂が使用中なのである。

提督「早く出てくれねーかなぁ…」

全く内容が頭に入らないテレビのチャンネルを回しながら、風呂場の方向に目をやる。

すると丁度、バタンと風呂場の扉が開く音がした。

やっと出てくれたか、とテレビの電源を落として立ち上がる。

けれど、どうにも違う用事だったようで――

北上『ごっめん!提督くん、タオル忘れたー!取ってくんない?』

提督「……はいはい、わかりましたよ」

…あの人はやっぱり色々抜けている。

畳まれたタオルを手に風呂場に向かい、扉の前で。

提督「持ってきましたよ、此処に――」

北上「おーせんきゅー!」

――置いておきますね。

果たして、その言葉は続かなかった。

…当然だ。扉の中から全裸の北上さんが出てきたんだから。

北上「……んー?おぉ、こりゃ失敬!」

提督「…あ、あんた…いや、その、もうちょい隠すとか…せめて恥じらうとか」

俺に躰を見られているのに、全く動じた様子もない。

北上「あっは、いやいや、見られた相手がてーとくくんだしさ?」

提督「……た、タオルですっ!どうぞ!」

北上「ういうい、ごめんねー!」

…何故俺の方が恥ずかしくなって目を逸らさなきゃならないんだ。

普通逆だろ、何考えてるんだあの人は。

ああ、俺も意識するな、意識したら駄目だ。アレは猫、猫の水浴びみたいなもんだ、気にするな。

………――


>>+2


A.……本当に読めない人だ、全く。

B.……無理だ、意識するに決まってんだろ!

C.……割と貧相な身体だったな。

B.……無理だ、意識するに決まってんだろ!(*1.5)


無理無理無理無理無理。

アレで全く興奮しなかったらそりゃもうホモだよ。

…鎮まれ、鎮まれ俺……。

北上「やー、さっきはごめんねー」

提督「…あ、いえ…」

そんな俺の背後から話しかけてきた北上さんは、今度はちゃんと服を着ていた。

…けれど、流石に今は話を出来るような状態ではない。

提督「……お、俺も風呂入って来ますんで」

と、なるべく早くその場を離れようと立ち上がる。

北上「ういういー、ちゃんと栓は抜いといてねー」

提督「……はい」

北上「ああ、あと」

提督「…?」

北上「…湯船の中に出しちゃあダメだよー?」

提督「………うっさい!」

北上「あっはっはー」

…やっぱ苦手だ、この人。



北上→ *91/500

ああ…金子…


【4月3週】


大和さんの部屋。

学校帰り、俺は偶然会った大和さんにお茶に誘われた。

勿論、それを断る理由もない。

俺は内心ウキウキでお茶を御馳走になっていた。

大和「最近、学業の方はどうですか?」

提督「まぁ、…ぼちぼちですね」

大和「ふふっ、そうですか」

湯気の立ち上る湯呑みを、大和さんが俺の前に置く。

それを手に取るが――熱さに、思わず手を引っ込める。

提督「あちっ」

大和「ああ、ごめんなさい、…ちゃんと、冷ましておくべきでしたね」

と、その湯呑みを大和さんが引き寄せて。

大和「…ふーっ、ふーっ」

一生懸命に、息を吹きかけて冷まそうとしていた。

……なんだこれ。

超ご褒美じゃねえか!

大和「…あ、ご、ごめんなさい、つい…」

提督「いえ!全然問題ねえっす!むしろウェルカムです!」

そのお茶は、とても美味しかった。

…良い事あるなぁ、うん。



コミュ対象 >>+4


大和    *45/500
不知火  **0/500

飛鷹    **0/500
北上    *91/500
五十鈴  **0/500

風呂です



――教室


提督「ぬいぬい」

不知火「………は?」

その言葉を聞いた瞬間、彼女は勢い良く振り返り。

人を殺せそうな程に鋭い眼光を此方に向けた。

不知火「……それは何の冗談ですか?」

提督「落ち着け、ちょっと話を聞け」

不知火「……」

どうどう、と不知火を手で制す。

提督「いや、ほら…俺達ってさ、友達少ないじゃん」

不知火「……提督くん、性格悪いですものね」

提督「…今その話関係無いだろ!?」

不知火「ああ、ごめんなさい」

この野郎楽しそうに笑いやがって…――じゃない、本題を忘れるところだった。

提督「…良いか、俺が言いたいのはつまりな…」

提督「……その、…なんつーか、そんな少ない友達だから、…もっと不知火と仲良くしたいな、と」

不知火「……提督くん」

提督「…お前の言う通り、俺の性格知ってても仲良くしてくれるの、お前くらいしか居ないし」

不知火「…そんな事を一生懸命考えた結果が、さっきのアレなの?」

提督「……ま、まぁ」

…だってアダ名で呼び合う関係とか憧れるじゃないか。

今までにそんな友達出来た事無いし。

不知火「……バカですね」

不知火「そんな事しなくたって、今でも十分不知火は提督くんと仲が良いつもりでしたが――」

不知火「…それは、不知火の勘違いでしょうか?」

提督「あ…」

………――


>>+2


A.「……ありがとう、ぬいぬい!」

B.「…そうだな、…変な事言って悪かった」

C.「…ま、不知火も俺くらいしか友達居ないもんな」

A.「……ありがとう、ぬいぬい!」(*1.5)


提督「……ありがとう、ぬいぬい!」

不知火「…………」ピキッ

提督「…あれ、ぬいぬい?」

不知火「……その呼び方はやめなさい」

提督「……ダメなのか…」

不知火「…ダメです」

ああ…折角考えたアダ名だというのに。

まさか拒否されてしまうとは…。

不知火「良いですか…何度も言いますけど、提督くんと不知火は――」

提督「……しらしら…いや、これはダメか…うーむ、やはり語感的にはぬいぬいが…」ブツブツ

不知火「……人の話を聞けっ!」

こうして…不知火にアダ名を付けるという作戦は、失敗に終わったのであった。



不知火→ *87/500

今日はここまで
お付き合い頂きありがとうございました

そのコピペ前スレでも見たな
今日は何と言っても山口、とにかく嬉しい
更新は21時くらいからです



【4月4週】


五十鈴「…………」ウーン

昼休み。

楽しそうに話をする皆の中にあって、教科書に向かって難しそうな顔をする少女がいた。

無理もないとは思う。

何せこの学校は全国的に見ても上位と言って差し支え無い学校。

いきなり転校してきた彼女にとっては、毎日の授業について行くだけでも難しいのだろう。

…ふむ。

いい気味だ。実にいい気味である。もっと悩めばーかばーか。

俺の始業式の後の貴重な時間を奪った上に気分を悪くさせた報いじゃがはは。

五十鈴「…ちょっと」

提督「あ?」

五十鈴「何ニヤニヤしてこっち見てんの?キモいんだけど」

提督「……いやいや、そんな問題も出来ないんだなーってさー」

五十鈴「…っ!?」

五十鈴「………アンタ、性格悪いわね…」

提督「はっは、何とでも言うが良い」

五十鈴「…あー腹立つわ…」

提督「だいたいここはこうじゃない、この値をだな――」

五十鈴「……へ?そ、そうなんだ…あ、ホントだ…解けた」

提督「…ふっ、ちょろいわ………って、ああ!?」

しまった。これじゃもう五十鈴を煽れないじゃないか。

五十鈴「…いきなり大声出して何よ」

提督「……別に、何でもない」

五十鈴「そ………あ、あの」

提督「なんだよ、問題解けたんだからもう良いだろ」

五十鈴「……ありがと」

提督「…お、おう」

すっごい不本意だけど、お礼は一応しとくわ――と。

五十鈴は垂らした長い髪を弄りながら、目を逸らしてそう言ったのであった。


コミュ対象 >>+4


大和    *45/500
不知火  *87/500

飛鷹    **0/500
北上    *91/500
五十鈴  **0/500


――図書室

本は良いなぁ。

最近はタブレットやスマホで読めるような電子書籍が流行っているが、どうにもアレは性に合わない。

紙の感触も匂いも感じられないのは、何だか味気ない。

そりゃデジタル化すれば確かにスペースは小さくなるが…。

それにしたって、本棚に入りきらない本をどうするか―そんな悩みもまた一興というものでは無いのだろうか。

ともかく、そういった訳で俺はこの紙の匂いが充満した図書室という場所が好きなのだ。此処で過ごす時間は至福とまで言える。

なのに――

五十鈴「…ちょっと!返事くらいしなさいってば!」ヒソヒソ

…なんでこいつはいつも俺の邪魔をするんだ!

先程から話しかけてくるのを全て無視して本を捲っているのに、しつこく声をかけてくる。

提督「……何だよ」

このままでは埒が明かん。

わざと大きな溜息を付いてから、顔を動かさずに視線だけを五十鈴に向ける。

それに一瞬五十鈴は安堵の表情を見せるも、すぐにいつものキツい目つきに変わる。

五十鈴「何で無視するのよ!」

提督「…見りゃわかるだろ、本読んでるんだ」

こいつわかってやってんのか―とつい苛立ちがこみ上げるが、何にせよさっさと用事を聞いた方がいい。

なぜなら絶対こいつは用事を言うまで帰らないだろうからだ。

提督「…で、何か用か?」

俺は苛立ちを抑えつつ、低い声で尋ねる。

五十鈴「…率直に言うわ、勉強を教えてくれない?」

提督「…は?」

提督「……いや、そんなもん俺じゃなくて友達に頼めよ」

…そう、こいつは何故か友達が多い。教室の中でもいつもだいたい誰かといる。

何故だ、何故こんな奴に友達が出来るんだ。

五十鈴「…断られたのよ」

提督「……断られた?」

五十鈴「そ、…忙しいとか、教えられるレベルに無いとか、そんな感じで」

――ああ、なるほど。

何故かと少し疑問に思ったが、考えてみればそれもそうだ。

この学校のレベルが高いのは前述した通りで、故に皆それぞれに上を狙っている。

そんな彼らが誰かに勉強を懇切丁寧に教えなどは――ま、しないだろうな。

その暇を自分の勉強に当てたり、教師に質問しに行ったほうが効果的だ。

…というのが、うちの学校の基本思考なわけで。

ふむ――

>>+2

A.俺も嫌だ。主にこいつと勉強するというそのシチュエーションが。

B.…別に良いか、そんくらい。

C.わっはっは、いい気味じゃ。

C.わっはっは、いい気味じゃ。(*0.5)



五十鈴「……ちょっと、何笑ってんの」

提督「……い、いや…何でも…」プクク

ふっ、所詮そんな友達しか居ないじゃないか。

わはは、いい気味じゃ、やーいやーい。

………なんか悲しくなってくるなこれ。

五十鈴「…で、…どうなのよ」

提督「……うーむ…どうしてもってんなら…考えてやらんでもないぞ?」

五十鈴「…じゃ、じゃあ…お願いしても良い?」

提督「…んー?うーん、『どうしても』って態度には見えないなぁ?」

五十鈴「……くっ……お、お願いします…」

提督「…はっは、ま、教えてやるよ」

五十鈴「……アンタ…ほんっとに、性格悪いわ」

提督「んー?あー、俺そういや結構放課後忙しいんだよなあ」

五十鈴「……すいません、何でもありません…」

提督「ふ、賢明な判断だな、五十鈴くーん?」

五十鈴「…………ぐ……」プルプル

…ふぅ。

俺、大満足である。

……こんなことしてるから友達居ないって?うっせえ放っとけ。


五十鈴→ *41/500



【5月1週】


提督「あのですね」

飛鷹「どうしたの?」

提督「…学級委員とはいつから担任の雑用になったのでしょうか」

現在は本来ならば昼休みの時間。

なのに、俺は両手にダンボール箱を抱えて飛鷹の後ろを歩いている。

飛鷹「私ってさー…新任だから、こういう雑用回されるの、結構多いのよねー」

提督「はい、そうですか、それは大変ですね」

提督「ですがそれと俺とは全く関係無いように思えるのですが…!」

飛鷹「学級委員が先生を助けてくれる優しい男の子で助かるわー…」

提督「………ぐっ……」

…ああ、何で俺はあの時寝てしまったんだ。

飛鷹「ま、終わったらジュースくらい奢ってあげるわよ?」

提督「……ペットボトルでお願いします」

…さっさと終われ、一学期!



コミュ対象 >>+4


大和    *45/500
不知火  *87/500

飛鷹    **0/500
北上    *91/500
五十鈴  *41/500



――大和家


提督「あ、大和さん、これはどこに?」

大和「はい、ええとですね…」

休日、俺はいつもの様に家で勉強をしていたのだが。

家の片付けを手伝って欲しい、という大和さんの訪問に、一も二もなく了承し、今に到る。

…北上さんが居なくて良かった、絶対アレは掃除の邪魔になる。

大和「…ふぅ、だいたい終わりましたね」

提督「ですね」

片付け、と言っても今日やったのは、夏に向けての模様替えのようなもので。

正直、やる前も十分片付いていた気がする―まぁ、大和さんの部屋だしな。

北上さんのパーソナルスペースはヤバかった。とりあえず下着を無造作にほっぽり出すのやめろ。

大和「…ありがとうございます、提督くん」

大和「力仕事はやっぱり男の方が頼りになりますね」

提督「ええ!もういつでも頼って下さい!いつもお世話になってますし!」

ふふ、ありがとうね―と大和さんは重ねて丁寧にお礼を言う。

大和「…あの、提督くん、良かったら、おゆはんでも食べていきませんか?」

提督「え?」

大和「こんなにお手伝いしてもらったんですもの、何もしないで返すわけにはいきません」

それに―と、間を開けて続ける。

大和「…誰かとご飯を一緒に食べるのも、久しぶりだから…」

提督「大和さん…」

………――


>>+2


A.…勿論、断る理由など無い。

B.…うーん、何か悪いよなぁ。

C.……北上さんの面倒見てやらねーと…。

A.…勿論、断る理由など無い。(*1.5)


―――――――

――




提督「……美味しいです」

大和「そうですか…ふふ、良かったです」

自分で作る料理は、それなりの味だと自負してはいる。

だが…大和さんの料理を食べると…うむ、俺もまだまだである。

提督「…でも、何か悪いっすね、ちょっと手伝ったくらいで」

大和「いえ、とても助かりましたから」

大和「それに、…一人で食べるご飯というのも、味気ないので…」

提督「…そう、ですね」

大和「……はい…」

少し沈んだ顔を見せ、突然、何かを思い付いたように目を開く。

大和「…あの、良かったら、またこうして付き合って頂けませんか?」

提督「えーと、食事に、ですか?」

大和「……はい、何だか…提督くんを見ていると、あの人を――」

そこまで言って、ハッと大和さんが口を噤んだ。

大和「……ごめんなさい、…あの、別に提督くんを代わりにとか、そういう訳じゃなくて…」

提督「いえいえ、良いんですよ」

提督「…食事は…俺からお願いしたいくらいです」

大和「提督くん…」

それに、大和さんは嬉しそうに笑う。

けれど、俺は…大和さんの心に今なお居着く、『あの人』とやらに…少しだけ、嫉妬していた。

……まだまだガキだな、俺は。




大和→ 126/500

風呂
80行ギリギリが多い、なるべく削れるように頑張るから許して下さい



【5月2週】


提督「…………」

北上「…………」ニコニコ

善意による行動とは、厄介である。

勿論、それは基本的に誰かを利するものであるから、厄介と言われてピンと来ない方もいるだろう。

だが――

提督「………」

目の前に並べられた料理、北上さま作。

その作った本人は、俺の反応をめっちゃニコニコしながら見ている。

…そう、これだ、これが厄介なんだ。

悪意がないから、断れないんだ。

例え調理中に塩ザバーとか醤油ザバーとかしているのを見ても。

北上「…………」ニコニコ

まだかなまだかなーみたいな笑顔でこっちを見てる人がいるのに、食えないなんて言えない。

…考えろ、考えるんだ俺、…どうすればいい。

――そうか、味見だ、まず味見して下さいよって言えばどうだろう。

うん、…少し失礼な行動ではあるけど…これより他になかろう。

提督「きたか――――」

北上「はい、てーとくくん、あーん」

………あー、待ちきれなかったかー……。

…飯は、人に出す前に味見しよう、これ大切。


コミュ対象 >>+4


大和    126/500
不知火  *87/500

飛鷹    **0/500
北上    *91/500
五十鈴  *41/500



――学習室


五十鈴「…えと、この関数を…」

提督「ちげーって、何でもかんでも公式使えば良いってもんじゃねーの」

提督「良いか、公式を覚えるんじゃない、公式の成り立ちを理解しろ」

提督「そうすればもっと汎用性が――」

五十鈴「………きゅう」

提督「……うーむ」

五十鈴との勉強の成果は中々上がらない。

正直俺は人に勉強を教えるのが苦手なのだ。

…というかそんな経験殆ど無いというのが正しい。ちくせう。

五十鈴「…えーと…成り立ち…成り立ち…」ブツブツ

…けれど、だ。

こいつはそんな俺の話をしっかりと聞いてくれている。

自分でも結構高圧的だし、雑な教え方だと思うのだが――

案外、真面目なやつなのかもしれないな。

いす

ミスった ごメンチ



――学習室


五十鈴「…えと、この関数を…」

提督「ちげーって、何でもかんでも公式使えば良いってもんじゃねーの」

提督「良いか、公式を覚えるんじゃない、公式の成り立ちを理解しろ」

提督「そうすればもっと汎用性が――」

五十鈴「………きゅう」

提督「……うーむ」

五十鈴との勉強の成果は中々上がらない。

正直俺は人に勉強を教えるのが苦手なのだ。

…というかそんな経験殆ど無いというのが正しい。ちくせう。

五十鈴「…えーと…成り立ち…成り立ち…」ブツブツ

…けれど、だ。

こいつはそんな俺の話をしっかりと聞いてくれている。

自分でも結構高圧的だし、雑な教え方だと思うのだが――

案外、真面目なやつなのかもしれないな。

五十鈴「…よしっ、出来たわ、これでどうかしら?」

提督「ふむ――」

先程までめちゃくちゃだった式が、かなり綺麗にまとまっている。

うむ…ふむ、おう……うん、ちゃんと出来てる。

…何だ、やれば出来るじゃないか。

五十鈴「……」ソワソワ

…さて、何と声を掛けたものか――


>>+2

A.「ま、及第点だな」

B.「良いぞ、しっかり出来てるじゃないか」

C.「言ったことは出来てるな、次行こう」

B.「良いぞ、しっかり出来てるじゃないか」(*1.5)



提督「良いぞ、しっかり出来てるじゃないか」

五十鈴「……………」

提督「…五十鈴?」

五十鈴「アンタが人を褒めるなんて…明日は雪でも降るんじゃない?」

提督「……あのなぁ」

五十鈴「…冗談よ、じょーだん」

言って、五十鈴は笑う。

…思えば、彼女の笑顔を見たのは――これが初めてかもしれない。

提督「…お前も笑うんだな」

五十鈴「……なによそれ?」

提督「…お返しだよ、お返し」

五十鈴「五十鈴だって、楽しいことや嬉しいことがあれば笑うわよ」

提督「…ほう?つまり俺に褒められて嬉しかったと?」

五十鈴「なっ…!?」

提督「はっはっは、ういやつよのう」

五十鈴「……やっぱ性格悪いわ、アンタ…」

提督「おう、知ってる知ってる」

…初めて見た笑顔に、不覚にもドキッとして。

何とか誤魔化そうとしてしまった―など。

誰が言えるか、ボケ。



五十鈴→ 101/500



【5月3週】


不知火「………」チラッ

提督「………」モグモグ

不知火「………」チラッチラッ

提督「………」モグモグ

…昼飯の時間、なのだが…何やってんだこいつ。

何故か不知火は弁当箱に手を付けずに、それを此方にやたら寄せて視線を送ってくる。

提督「…その弁当、どうかしたのか、不知火?」

不知火「っ!?…さ、流石ですね…今日は少し不知火の弁当が違うことに気付きましたか」

…いや、わかんねーけど。そこまでされたら声掛けないわけにはいかんだろ。

不知火「……じ、実は今日は…不知火の自作なんです」

提督「へぇ、弁当をか?」

不知火「…は、はい」

不知火「……そ、そういえば提督くんも弁当は自作なんでしたね…奇遇にも」

提督「おう…まぁ、そうだけど」

やたら奇遇を強調する不知火。

不知火「…ですのでどうですか、一口交換しませんか」

提督「良いのか?」

不知火「勿論」

提督「…なら有難く…」

…ひょいと箸を伸ばすと、何故か不知火がめっちゃやりきった顔をしていた。

何だお前。


コミュ対象 >>+4


大和    126/500
不知火  *87/500

飛鷹    **0/500
北上    *91/500
五十鈴  101/500

ねみーや
やっぱ下4は遠いのかね
お付き合い頂きありがとうございました

いまさらだけどヒロイン安価で登場済みの艦娘出しちゃいかんのかな。前回の浜風とか好感度上げるとどうなるのかすげえ気になる

>>729 浜風を再び登場は構いませんよー でも設定は変えますけどね

因みに浜風プロット

200イベ(提督に好意を抱き始める自分に気付く)

次挿入コミュ(提督と金剛の情事を発見してしまう)

300イベ(今度はわざと情事を覗く、その際の会話で自分の出自を知る)

次挿入コミュ(提督にその件を尋ねる、真実を素直に伝えたなら401以上に)

400イベ(自分はいらない子なのか、提督に嫌われていたのかという描写→金剛に恨みをぶつける)

次挿入コミュ(金剛が自らの行動の理由について語る この時に) エピローグで話してたやつをもうちょい詳しくって感じで

ED前→ 提督、金剛へ浜風に産まれの件について話してしまった事を相談しにいくも、浜風が家に火を付ける。燃える部屋の中で、家具に挟まれて逃げられない金剛を助けるか、助けないかでED分岐

助ける→ なんやかんやと家族3人で過ごすようになるも、提督くん娘に変な感情抱き始めてますよ―― 仲良しED

助けない→ 提督に依存した浜風を放っておけない提督は―― 近親相姦ED


こんな感じかね、これに好感度足りない時に適当にコミュを挿入したり、嫉妬イベ入れたりしたりするだけなので大筋はこれ

あ、今日も21時頃からです

なんとか21時に間に合ったね


――デパート


北上「うっしゃー!」

提督「恥ずかしいので騒がないで下さい」

北上「いやいや…こう、なんかこういう場所に来ると…かーっ!ってなるじゃん?」

提督「なりません」

そもそも、かーっ!ってなんだよ。

今日は日用品やら夏服やらのまとめ買いの為、一気に全部済むデパートへ来たのだが…。

まるでお守りをしている気分だ。この人ちょっと目を離したら迷子センターに行ってるんじゃないか。

北上「むー、ノリが悪いねー」

提督「何でノる必要があるんですか」

北上「折角のお出かけ、楽しまなきゃ損じゃんかー」

基本的にアンタ常時楽しんでる気がするぞ。

と、いうツッコミは頭の中だけに留めておく。

すると、北上さんは急にキョロキョロと辺りを見回して。

北上「しかしー…あれだねぇ、提督くんや」

提督「なんすか?」

北上「…アタシ達は…もしかして周りからカップル的な存在に見えるのかなー?」

提督「カップルて……」

俺もそれに習って周りに目をやると、確かに家族連れに混じってチラホラとそういった人達がいる。

なるほど、まぁ事情を知らなきゃそう見えてもおかしくないが――


>>+2


A.「いいとこ姉弟でしょう」

B.「…子連れにしか見えないですよ」

C.「……かもしれないですね」

A.「いいとこ姉弟でしょう」(*1.0)


提督「いいとこ姉弟でしょう」

北上「…むー、つまんないのー」

提督「……つまんないと言われましても…」

北上「ん……?姉弟…?…弟……」ブツブツ

提督「北上さん?」

立ち止まり、下を向いて何事かを呟く北上さん。

そして、やっと顔を上げたかと思うと。

北上「…よし、てーとっくん、アタシの事をおねーちゃんと呼んでみなさい」

提督「……はぁ?」

なぜ姉…、というかてーとっくんって何だ。略すな。

提督「…いえ…流石にそれは…」

北上「ふっふ、呼んでくれなきゃ此処を動かんぞアタシは!」

提督「…………」

…面倒くさい。

すっげぇ面倒くさい。

ただ…この状況、一番早く終わらせる為に何が最適解かと言われれば…。

提督「……北上おねーちゃん」

北上「…お、おぉ……いいねぇ、その逸らした嫌そうな視線がなおグッドだねぇ!」

北上「ワンモアっ!」

提督「…………」スタスタ

北上「あ、ちょ、待ってよー!」

とりあえず言える事は一つ。

こんな姉は、欲しくない。



北上→ 114/500



【5月4週】


五十鈴「………」ガックンガックン

目の前で、ツインテールが揺れている。

それはもう気持ちいいくらいに揺れている。

掴んで引っ張りたい。

…というのは置いておいて、普通に授業の邪魔である。

寝るのは別に構わないというか他人の事だからどうでも良いのだけれども。

俺の授業の邪魔をするのは最悪だ。

という訳で――

五十鈴「…zzz………ひゃあっ!?」

…引っ張って見ました、ツインテール。

五十鈴はそれに飛び跳ねる程に驚いて辺りを見回し――

五十鈴「………っ!」キッ

真後ろで笑顔を湛える俺を見て、いっそう鋭い目を向けた。

はっはっは、悪いのはお前じゃ。正義は勝つ。

「……提督くん、少しいいかな?」

提督「んー…………?」

何だ気分の良い時に。

飛鷹「…他人の授業の邪魔するなら、出て行ってくれないかな?」

……いつの間に、後ろに。

…この後めちゃくちゃ怒られた。ファッキン五十鈴。



コミュ対象 >>+4


大和    126/500
不知火  *87/500

飛鷹    **0/500
北上    114/500
五十鈴  101/500



――教室


俺は、今現在かつて無いほどのピンチに直面していた。

無い。無いんだ、何処にもアレが…無い。

教科書だ、次の授業で使う教科書も、参考書も、問題集も無いんだ。

なんだこれは、ダメだ、こんな事が許されるはずがない。

…そうだ、こういう時は隣の人に見せてもらえば…。

…右隣の右野君、今まで『あ…次の授業、何だっけ?』『前に貼ってんだろ、時間割』という会話しかしたことがない。

…左隣の左之さん、今まで『あの…私、去年同じクラスだったんだけど…』『あ、そうなんだ、覚えてなかったわ、どうも』という会話しかしたことがない。

仕方ないだろ、俺はあんな表面的な会話なんて続けたくない。今日の天気は何ですか―くらいどうでも良い話題だ、実際。

不知火…は、流石に後ろ過ぎる。

……ふむ、となると――

五十鈴「…………」ウーン

目の前で甲斐甲斐しく予習などに勤しむこのツインテール娘に頼むしかないのか。

しっかし、こいつがうんと頷くのだろうかね。

…ふーむ…しかしこいつに媚びへつらうのは凄い嫌だし…。

よし――


>>+2


A.「五十鈴、教科書見せてくれないかな!」(サワヤカスマイルッ

B.「おい五十鈴、教科書見せろ」

C.「…五十鈴さん、頼みがあります」

C.「…五十鈴さん、頼みがあります」(*1.5)



提督「…あの、もし、お嬢さん」

五十鈴「……何よ…っていうか話し方、キモいんだけど…」

提督「いえ、あのですね」

五十鈴「…うわっ…何か寒気する」

…こいつ、こいつ絶対いつか仕返ししてやる。

でも我慢だ、我慢…我慢しないと…今は…。

提督「……教科書、忘れてしまいまして…」

五十鈴「……ふーん、なーるほどねぇ」

その一言で全てを察したのだろう。

五十鈴の口角が、これでもかと言うくらいにつり上がる。

五十鈴「…そーれーでー?一体五十鈴に、何を頼みたいのかしら?」

提督「…教科書を、見せて頂きたい…な、と」

五十鈴「……えー?ごめん、聞こえなかったんだけどー?」

提督「…教科書を…見せて…下さいっ…」

五十鈴「ま、…うーん…しょーがないわねぇ」

五十鈴「五十鈴は優しいから、見せてあげるわ」

五十鈴「ふふん、感謝しなさいよ?」

提督「…ぐっ…か、感謝…!して、ます…っ!」

…絶対、屈辱的な仕返しをする。

ああ…覚えてろよ五十鈴ッ!



五十鈴→  240/500



【五十鈴―その1】


嫌な奴。

それがアイツの第一印象。

そして、それはずっと続いてる。

「ふふんっ♪」

でも、今日はそんなアイツに仕返ししてやった。

ああ…傑作だった、あの顔ったら!

「…とと…危ない、忘れる所だったわ」

…アイツから言われてた課題、やっとかないと。

また『そんな問題も出来ないの?そんなんじゃ甘いよ』なんて言われたら腹が立つもの。

「……って、難しいし…もーっ!」

でも絶対にやりきってやる。アイツに馬鹿にされるのは我慢ならないもの。

…ホント、嫌な奴。

きっとこの勉強だって、五十鈴を馬鹿にする為に付き合ってるんだ。

ああ、嫌な奴。

絶対見返してやるんだからっ!

五十鈴ちゃん、ツンデレ目指して書いてるが、うーむ、難しいね
今日はここまで、お付き合い頂きありがとうございました

あー野球楽しいー!
始めますの前に希望のあったEDだけ表 プロローグの段階でEDだけは軽く考えてるのよね、皆
まぁ高進行度の時はその場のノリで書くんだけどね、てへ


足柄ED分岐

結局何の気持ちの整理も出来ないまま時は過ぎ、卒業式が始まろうかというのに、足柄先輩は姿を見せない。

提督、足柄先輩を探し出す→分岐: 屋上か部室(これに関しては何かヒント的なものをコミュ内で入れようかと思ってた)

屋上→「独り言」を聞かせられる。提督、足柄先輩に告白。俺が足柄先輩を好きな事だけは何があっても変わりません(激寒)

――変わっていくものもあるけど変わらないものもうんちゃら パシリ継続ED

部室→…先輩は見つからない。それから先輩の方からの連絡もあまりなく、自然と疎遠になっていく。

――数年後、街で他の男と歩く足柄先輩を見つける提督。驚くも、それも当然の事か、とすぐに視線を逸らす やっぱり変わってしまったED


あきつED分岐

どれだけ変わろうと思っても変わらない自分の性格、行動。彼の周りに居るたくさんの魅力的な人、…自分は先輩に相応しくない、と気持ちを押し殺す。

提督、あきつ丸に気持ちを伝えようと呼び出すも、フラれる→分岐: 諦めるor諦めない

諦めない→なぜ自分なんかに構うのでありますか!→わかんねーのか!お前のことが好きだからだよ! 

――俺はただ、あきつ丸が好きなんだ 2人は幸せなキスをして終了ED 

諦める→…これでよかったのであります。自分は…自分などは…。

――風の噂で、提督が***(最後に一番進行度が高かった娘)と付き合っている事を聞く あきつが泣くED

電ED分岐

ずっと好きだった彼、けれど彼は、一線を超えた後の態度もどこか幼馴染に対するそれが抜けきっていない。

…やはり、自分ではそれ以上になれないのかな?思い切って、彼に聞く→分岐:そうかもしれないorこれから変える

これから変える→段々と提督の態度も変わっていく。電、一安心。

――10年後、そこには幸せに暮らす3人家族の姿が! 平凡こそ幸せED

そうかもしれない→電、それを聞いて色々と頑張る、けれどやはり変わりはしなかった。

――『俺達は、やっぱり幼馴染くらいが丁度良いんだよ』『捨てないで下さい…お願い、お願いなのです…』 なにいってだこの屑ED



蛇足 青葉&電


A「青葉好きー」以外の選択肢。あの場で青葉刺される。提督逃げる。なぜ逃げるのですか?→メッタ刺しED

「青葉を庇う」→同じく腕に包丁を刺して電を止める。その間に青葉が助けを呼ぶ。勿論電は退場。→青葉とハッピーに限りなく近いED

まーでも考えてもおもっくそズレていく無能なんだけどね 青葉はあの件で分岐させたからそれ以上するのも、と 
ハーレムに関しては本気で何も考えてない、どうせ出ないの方針
安価スレだし今回は特別ってことで、次からは見せない方向で行きやす


【6月1週】


提督「………ありません」

大和「…はい」

…大和さんの家で将棋中。

何だこの人めっちゃ強い。

大和「今度は、二枚落ちくらいでやりますか?」

提督「…いえ、それはちょっと男の子的に譲れない物がありますんで」

大和「あらあら、そうですか?」

大和「あ、…そうだ、じゃあもし大和が負けたら、何でも言う事聞いてあげますよ」

くすっ、と大和さんが楽しそうに笑う。

提督「…な、何でもっ!?」

俺は、何度か頭の中を探って…。

…よし、次は横歩で行こう。これなら俺にも勝ち目があるかもしれない。

……胸だな、ああ、まずは胸だろう。

提督「…じゃあ、俺が先手で…お願いします」

大和「お願いします」

結論から言えば、結果は負け。

胸……大和さんの、胸…。


コミュ対象 >>+4


大和    126/500
不知火  *87/500

飛鷹    **0/500
北上    114/500
五十鈴  240/500

下2で良さそうやね 戻しましょう


――体育館


梅雨時には、体育がどうしても外で出来ない事がある。

今日もそうで、俺達はソフトボールの予定が男女混合バレーになってしまった。

そんな中、教師から発せられた言葉。

「はい、二人組でストレッチしてー」

周りの奴らは「えー、女子とでもいいんですかー」だの「男子ととか嫌ー」だの盛り上がってやがる。

へっ、暢気な奴らだ。

俺はお前らとは違う。最もストレッチについて熟知している人間―そう、教師と組む。

「…また君一人なのか…」と奇異の目線を向けられても、これほど完璧にストレッチをしてくれる人間はクラスにいない。

全くバカめ、ははっ…。…………。

「じゃあ先生、少し外すから、ちゃんとストレッチしておくように」

……わっつ?

ちょ、待て、待ってよ先生、俺のパートナーどうするんだよ!

…と、慌てかけて気付く。…ああそうだ、今日は男女混合じゃないか!

……向こうから熱視線を送ってきているツインテール娘は無視するとして…。

提督「不知火」

不知火「……提督くん?」

提督「組まないか?」

不知火「…仕方ないですね、良いですよ」

不知火よ、その笑顔は仕方ないですね、というのには無理があるぞ。

ま、大方こいつも漏れ…教師とのレベルの高いストレッチを所望していたのだろう。

体育館の床に足を広げた不知火の背中に手を付く。

体操服の上からでも、暖かな体温が伝わってきた。

…目の前の不知火の後頭部からはいい匂いするし。やっぱこいつも女の子なんだなぁ。怖いけど。

不知火「ぐっ…て、提督くん、少し強いです」

提督「あ、悪い悪い」

考え事をしていると、どうにも強く押しこみすぎていたようだ。

しかし――



>>+2


A.不知火、いい匂いするなぁ……。って、俺は何を。

B.「不知火、身体柔らかいな」

C.「不知火、今日のブラは水色なんだな」

すまん、というかそういう事があるから正解付きにしたかったんや
A.不知火、いい匂いするなぁ……。って、俺は何を。(*1.5)


不知火、いい匂いするなぁ……、って、俺は何を。

提督「…そんじゃーもっかい…不知火?」

不知火「…あ、あの、いい匂い、とは」

提督「……口に出てた?」

不知火「…は、はい」

……やばいな。誤魔化せないぞこれは。

さてどうするか…と悩んでいると、不知火から発せられたのは予想外な言葉。

不知火「……か、嗅ぎます、か?」

提督「…は?」

不知火「…い、いえ…その、…何でも…」

と言いつつ、うなじを此方に差し出したままの態勢を保っている。

…良いのだろうか。常識的に考えればダメだと思う。

でも違う、常識を疑うことから始まるんだ、新しい事は。

鼻を、不知火に近づける。

不知火「………ふ……っ」

息がかかってくすぐったいのか、不知火が甘い声を漏らす。

同時に、鼻孔をくすぐる柑橘系の香りと、ひっそりと混じった汗の匂い。

……結論だけ言うのならば。

ストレッチは全く出来なかった。

…やはり教師と組むのが一番では無いのだろうか。


不知火→ 103/500



【6月2週】


飛鷹「…学級委員がクラスで孤立してるって…ヤバいと思わないかしら?」

提督「ヤバいですね、そんな奴がいるんですか」

飛鷹「いるのよ、それが」

殊更大きな溜息を付いて、此方に視線を向ける。

何を言ってるんだこいつは。

提督「そんな奴は今すぐに学級委員を辞めた方が良いと自分は愚考しますが、飛鷹教諭」

飛鷹「実はその子、先生が大好きで辞められないんだって…」

提督「…全くそんな事思ってないので今すぐやめていいですか?」

飛鷹「照れないで良いのよ、先生も君と話すの大分慣れたし」

提督「俺は慣れません」

飛鷹「あそ」

どうでも良さげに相槌を打つと、重そうなプリントの束をドサ、と机に置く。

飛鷹「それじゃあ、そういう事でこれ、クラスの皆に配っててくれるかしら?」

提督「…はい」

…学級委員とは、いつから担任のパシリになった。

この学校が私立じゃなかったら文科省に問い合わせてやるのに。



コミュ対象 >>+2


大和    126/500
不知火  103/500

飛鷹    **0/500
北上    114/500
五十鈴  240/500



――ファミレス


ドリンクバーという制度。

これ程学生にとって有り難い物もなかろう。

なんせ店員のキツい視線に耐えるだけで夏は涼しく冬は暖かい、おまけにドリンク飲み放題の環境にいくらでも身を置けるのだ!

俺の後方では、同じ学校の生徒らしい奴らがぺっちゃくっちゃぺっちゃくっちゃと会話を繰り広げている。

よくもあそこまで口が回るものだ、逆に感心しさえする。

…で、俺はと言えば。

不知火「……………」ズズー

目の前でストローを咥える不知火と2人、特に話もせず座っていた。

一応定期テストの勉強という名目ではあるのだが、現状、ノートも教科書もただ広げているだけ。

…正直わからん場所なんてほぼねーしな。

それでも此処に居るのは、珍しく不知火が食い下がってきたからである、『勉強しよう』と。

だというのに当の本人はストローに息を吹きかけてぶくぶくやって遊んでいる。可愛い。

提督「……不知火、暇そうだな」

不知火「…えっ!?あ、いや…これは、その」

提督「…いや、何か考えてたなら別にそれはそれで、俺は邪魔しないようにしとくけど…」

不知火「いえ、違うんです」

あの――と俺の後方、先程話題にした集団に目をやって。

不知火「提督くんと話をするのに、どんな話題がいいかと、あの、考えていました」

提督「…話題て」

……そんな悩むことか?んなもん――


>>+2


A.「いつも通りにしとけば良いよ」

B.「……言われてみれば共通の話題って思いつかんな」

C.「……ファッション…とか、…最近人気の音楽とか…どうすか?」

Bって解釈でいいんでしょうか

じゃあBで

B.「……言われてみれば共通の話題って思いつかんな」(*1.5)


…言われてみると。

俺と不知火の共通の話題ってなんだ。

勉強?いやいや、そういうアレじゃない。

不知火の趣味…は、知らん。

何か不知火と俺は趣味について話したことはあったか?

…無い、な。

それなりに長い付き合いなのに、思った以上に俺は不知火の事を知らない。

…うん、なら、話すことは決まったな。

提督「不知火」

不知火「はい」

提督「じゃあさ、不知火の事について教えてくれないか?」

不知火「…え?」

提督「好きな物、最近はまってる事、将来の夢、贔屓球団―何でもいいからさ」

不知火「…不知火の事、を」

提督「おう、俺もその後に色々話すさ」

不知火「……わかりました、では――」

…意外だったことは。

案外可愛い物が好きだった、ってことだろうか。

何にせよ、少しだけ俺は彼女の事を知った。

こうして無為な話をするのも―たまには、悪くない。


不知火→ 157/500

ここまで
明日は久々に現地まで観戦に行くので更新は無いです
お付き合い頂きありがとうございました

何で見に行くといつも負けるんだよ
現地行って勝ちゲーム見た記憶が無いぞ
今日は21時くらいからです

北上さまと閉め切った部屋で昼日中から学校サボってズコバコエンド希望

>>809 真夏の部屋で汗だくセックスエンドが見破られていた!?と本気でびっくりしました、いやマジで


【6月3週】


不知火は、数少ない俺の友人である。

彼女は誰に対しても敬語を使う。その相手が同級生、はたまた年下であってもだ。

以前、その理由について聞いてみたことがあるのだが…。

曰く――

『相手に敬意を払う事に何か問題でもあるのでしょうか?』

『少なくとも、不知火としては他者に対して敬意を持ち得ない人間より余程真っ当だと自覚しているのですが』

これを聞いた時、変な娘だと思ったものだ。

俺は敬意を払う相手は選んでいるからな。払う必要のない物は払わんのだ。

…さて、いやいや、これはあくまでも前置きである。

不知火「……提督くん、何とか言って下さ…いや、言え」

そんな彼女は今、俺に対してタメ口だ。

これは、俺が飛鷹教諭との世間話の中での迂闊な発言が原因だ。

『実はアイツ可愛い物が好きらしくて、ほら、ケティーみたいな』

『へー…意外ねー』

あのバカ教師、よりによって教室の中で『そういえば不知火さん―』という会話をしやがった。

いくら不知火との会話で振る話題が無いからって何でそれを持ち出す。

しっかりと『提督くんに聞いたんだけど―』とくっつけてな。何処までもムカつく教師だ、辞めろ辞めちまえ。

提督「…不知火」

不知火「………」

提督「……ケティーちゃん、可愛いよな」

不知火「……死ねッ!」

あの教師には、相談事を持ち込まない方がいい。

以上が、今日の教訓であろう。


コミュ対象 >>+2


大和    126/500
不知火  157/500

飛鷹    **0/500
北上    114/500
五十鈴  240/500



――大和家


提督「……旦那さんは、どんな方だったんですか?」

すっかり日常と化した大和さんの家での食事。

今日も美味いな、なんて事を考えつつ。

チラりと目の端に入った仏壇を見て思い付いた質問。

言ってしまったその発言が、酷く失礼で、無遠慮で、不躾な物だと気付いたのは―固まる大和さんが視界に入ってからだった。

提督「…って、す、すいません!その、ええと…何て言えば良いか…好奇心、じゃなくてその…!」

何を言っているんだ俺は、いくらなんでも失礼すぎる。

必死に次の言葉を探す俺を見て、固まっていた大和さんはふふっと、笑みを漏らした。

大和「良いのですよ、お気にせずとも」

提督「で、でもあの…」

大和「…そんな所も、あの人そっくり」

提督「へ?」

大和「思い付いた事をすぐに口に出して…慌てて取り繕って」

大和「…それを大和は、いつも注意して…」

――今は、そんな事ももう出来ないのだけれど。最後に、そう呟いて。

遠い目で、部屋の隅の仏壇を眺める大和さんの目には、何が映っているのだろう。

まるでその瞳は、別の世界を見ているかのようで。

…遠かった。彼女が見ている場所は、それ程までに遠かった。

俺は――


>>+2


A.「……きっと、大和さんならまた良い人が見つかりますよ」

B.…その瞳を、此方に向けて欲しいと…そう思ったのだ。

C.…邪魔をしないようにしておこう。

B.…その瞳を、此方に向けて欲しいと…そう思ったのだ。(*1.5)


提督「あの――」

大和「…?」

自分でもよくわからなかった。なぜ声を出したのか。

提督「…あの…俺は、此処にいます」

何でこんな事を言ったのか、それもわからなかった。

ただ…あえて、理由を付けるなら。

俺は、この人に…大和さんに、此方を見て欲しかったんだ。

ああ、意味不明だ。全く持って意味不明だ。

提督「…あ…いや…その、すいません」

どうにもバツが悪く、顔を俺に向けたまま固まった大和さんに頭を下げ、そのまま項垂れる。

けれど俺の予想に反して、大和さんから返ってきたのは、殊更に楽しそうな笑い声だった。

大和「…ふふっ…ええ、ええ…そうですね」

大和「提督くんは、此処に居ますね」

その声に釣られて顔を上げる。

目の前、大和さんの瞳には、はっきりと俺が映っていた。



大和→ 207/500



【大和―その1】


灰色だった。

ずっと、灰色だった。

そんな時に会った1人の少年。

あの人に似ているな、と思った。

ひねくれているのに、優しくて…自分の欲望に正直で。

だからなのかはわからないけれど、彼が何となく気になった。

それから、大和の世界は、色付いた。

彼は本当に、若い時のあの人のようで。

話をするだけで楽しかった。偶々顔を合わせただけで心が跳ねた。

でも、ある時気付いた。いや、受け入れた。

彼は彼で、あの人ではないという当然の事に。

若い時分のあの人を、彼と重ね合わせていた自分の愚かさに。

都合の良い現実を夢想していた、自分の滑稽さに。

けれど―それでも、それに気付いても、一度付いた色は、褪せることなく。

その時になって、初めて理解したのだ。

「提督くん――」

重ね合わせていたのではない。

歳に見合わぬ、小娘のような瑞々しいこの気持ちは――

他でもない、『彼』に抱いていたものだったのだと。



【6月4週】


五十鈴「……よしっ!」

ツインテール娘が、忙しなく動かしていたシャーペンを投げるように机に置く。

そして、どこか誇らしげとも言える大仰な動作でノートを俺に見せた。

五十鈴「出来たわよ!」

提督「…わざわざそんな動作せんでもいいっての」

それを俺は検分する。

間違いは無いか、どこかに突っ込める所が無いか、馬鹿に出来そうな所は無いか。

けれど――

提督「………ぜ、全問正解だ」

五十鈴「やたっ!」

両手を使って、机の下で五十鈴が小さくガッツポーズをする。

…おもしろくない。

提督「…はぁ…随分最近は出来が良いな」

五十鈴「ふふん」

ちっ、無駄に偉そうにしやがって。

提督「…教えてる先生がいいんだろうなーこりゃー」

五十鈴「……そうね」

提督「は?」

五十鈴「…確かに、先生が良いのよ、きっと」

提督「……お、おう…そうか…」

…この反応は予想外だった。

…思い通りに動かん奴め。


コミュ対象 >>+2


大和    207/500
不知火  157/500

飛鷹    **0/500
北上    114/500
五十鈴  240/500



――デパート・ファンシーなショップ


提督「……不知火ー」

不知火「……む…」

提督「しーらーぬーいー」

不知火「……ん…」

提督「…ぬいぬいー」

不知火「…………」

不知火は、先程このエリアに入ってから、一切の呼びかけに応じてくれない。

その意識は、ひたすらにファンシーグッズへと注がれている。

好きと聞いたからこの前(6月3週)のお詫びも込めて此処へ誘ったのだが、此処までだとは。

入った時には『彼氏さんですかー』なんて声も掛けてきていた店員も、不知火のあまりの眼力に恐れをなして引っ込んでしまった。

…まあ俺としても口だけ吊り上げてめちゃくちゃ鋭い目でぬいぐるみを見つめる女の子は如何かと思う。

…と、そんな訳で俺は絶賛置物中であった。

さて、そろそろ最後の決断をしているのか、不知火の眼力がファンシーなショップの客層をまとめて追い払うレベルに達している。

正直俺もこれが他人だったら逃げてる。

その鋭い目で選んだのは、大きく、柔らかそうなぬいぐるみ。

此処に至って、不知火がやっと笑顔を作った。うむ、可愛い。

…が、それも束の間、財布の中身を確認して…絶望的な顔に変わった。

……店員がレジの後ろに隠れてしまったぞ不知火よ。

…大方、金が足りなかったんだろうけど――


>>+2


A.…しゃーない、足りない分出してやるか。

B.…しゃーない、こっそり買っといてやろう。

C.…しゃーない、こんな事もある。

C.…しゃーない、こんな事もある。(*0.5)


しゃーない、こんな事もあるさ、不知火。

不知火「…………」ジッ

そうやって熱い視線を此方に送ったとて無駄さね。

日本の諺にはこんな物があるのだ。

提督「不知火」

不知火「…は、はいっ!」

期待に目を輝かせる不知火。

…それを打ち砕くようで悪いが。

提督「無い袖は、振れない」

不知火「………はい」

ほぼ素寒貧の財布を振ってみせる。

それに、不知火はがくっと肩を落としたのだった。



不知火→ 195/500



【7月1週】


模試の成績で一喜一憂するなど、アホらしい。

どれだけ模試でいい成績でも、それを本番で出せなければ意味が無いのだから。

だからこそ、模試はあくまでも目安なのだ。

提督「――と、言うわけだ、五十鈴」

不知火「ええ、全くその通りですね」

五十鈴「………ぐぬぬ…」

五十鈴が手に持った成績表を破り捨てそうな程に力を籠める。

俺と不知火は、全国50位以内に入っていた。

五十鈴も1000位そこそこで、これは当然立派な成績だ。

だがまぁ…やっと五十鈴を弄れる。この機会は逃さないのが俺だ。

提督「あくまで目安!だからさ…例え俺が50位以内!で、五十鈴が1000位にすら!入れなくても…ま、これからだよ」

五十鈴「……うがーっ!悔しい悔しい悔しいー!何でこんな奴にー!」

ふふん、参ったか。

と、勝ち誇った表情で席に戻ろうとすると。

…周りの目線がヤバかった。

……ああ、そうか、教室中に自慢してたみたいに思われるのか、俺。

あんだけ大声出せばそりゃ聞こえるわな。

…まぁいい、どうせ友達なんて出来ないし。

………どんどん遠くなるなぁ、新友達。



コミュ対象 >>+2


大和    207/500
不知火  195/500

飛鷹    **0/500
北上    114/500
五十鈴  240/500



――教室


暑い。暑い。暑い。

何が換気だ、クーラー入れてるのに窓開けたら意味ねぇだろうが!

というのは、どうにもクラス全員の共通認識らしく。

皆、熱さに唸っている。

それはこの常時冷静な不知火とて例外ではない。

珍しくだらんと机に身体を投げ出して。

額から流れる汗を、煩わしそうに何度もハンカチで拭っていた。

不知火「……暑い…」

提督「…だな…」

そんな時突然聞こえた、シュル、という音にそちらを見ると、不知火がいつも着けている手袋を外していた。

その下から現れた手は、陽の光を全く浴びていない、白く、綺麗な手だった。

…って、何故俺は不知火の手の解説などしているのだ。

提督「…どうした?」

不知火「…いえ、少し、洗ってきます」

…暑さゆえ、手袋の中が蒸れたのだろうか。

付いた汗を払うように何度か掌を振って、不知火が席を立つ。

机に残されたのは、純白の手袋。

不知火がずっと着けている、手袋。

暑さで汗が染み込んだ手袋…。

………――


>>+2


A.…ガッツリと嗅いでみたい。

B.……勿論、不知火が帰ってくるのを待つよ、俺は。

C.…何故だろう、知らず知らずのうちに顔を近付けてしまう。

手袋は装備してるのか・・・ちなみに五十鈴も不知火と同じ服装なのかなこの場合

>>847 そんなイメージかなぁ あれは制服で通る気がする
A.…ガッツリと嗅いでみたい。(*0.5)



提督「………」キョロキョロ

ふむ。

俺などに注意を傾ける人間はいないな。

ふむ。

五十鈴も今は教室にいないな。

ふむ。

不知火が帰ってきたらすぐわかるな。

提督「………」スゥー

…不知火、すまない。

けどな、挑戦は時として、他人には奇行に見えるのだ。

お前が―俺のこの行動を、新しい挑戦だと…しっかり理解してくれる事、切に望むよ。

…ああ、そうか、これが不知火の手袋か。

…良い匂い、ではない。それはそうだろうな。

けれど――

不知火「………提、督……くん」

提督「……」スーハースーハー

提督「………や、やぁ」

不知火「…不知火の、手袋で…何をしているのですか?」

提督「…聞けば、人間の身体の危険信号、それは痛みなどの形でも当然現れるが――臭いもまた、その一つなのだ」

提督「故に、俺は不知火の健康状況を、あ、痛いっ!痛いです不知火さん!ごめんなさい!」

…これは…何処からどう見ても、自業自得だったと言えよう。


不知火→ 196/500

風呂です
何書いてんだ私は

この前球場で観戦中にふと思ったんだけど、ビールサーバー背負った
売り子のねーちゃんが艦むすっぽい

黒潮あたりが売り子やったら超似合いそう

>>854 全部黒潮ちゃんから買いますわ 鈴谷あたりが売ってくれへんやろかね


【7月2週】


提督「…だぁぁ!あっついわ!くっつくな!」

北上「…ひでぇ、ひでぇよてーとっくん…」

ソファの上、俺の膝の上に座ってきやがったよりによって風呂上がりの北上さんを床に転がす。

今のアンタのそのぽかぽかした身体は凶器だ!つーかそこまで暖まらんでもよかろうに。

北上「うぅ…」

これ見よがしに涙を流す振りをしている北上さん。

別にそれ自体は構わんが、折角スポーツニュースを見ていたのに北上さんの身体に遮られてテレビが見えない。

…はぁ、この人確信犯だ、絶対確信犯だ。

ってことは簡単にはどかんだろうしなぁ…。

……はい、すぐに解決する方法とは。

提督「……来て良いっすよ」

北上「…マジっ!?」

提督「…冷房、温度下げて良いっすか?」

北上「よっしゃおっけー!」

提督「身体冷えたら言って下さいね」

北上「もーそんな気遣いがおねーさんは好きだぞてーとっくん!」ギュー

提督「…あぢぃ」


コミュ対象 >>+2


大和    207/500
不知火  196/500

飛鷹    **0/500
北上    114/500
五十鈴  240/500

眠いです
お付き合い頂きありがとうございました



――リビング


提督「……暇そうですね」

北上「んあー…?」

学校から帰ってまず見つけたのは。

リビングのソファの上で寝転がる北上さん。

確か、この人は今日の5限は授業だと言っていた筈だが。

北上「ん、ああ、サボっちった、てへへ」

そんな俺の疑問を表情で感じ取ったか。

それを問う前に、先んじられて回答をぶつけられてしまった。

提督「……北上さん」

北上「だーいじょうぶだいじょうぶ、ちゃんとフル単でございやすからね」

提督「そういう問題じゃなく」

北上「…そーいう問題じゃなかったら、何が問題なのさ?」

提督「…む…」

言われてみると。

真面目に授業に出るべきであるとか、そんな文言はいくらでも思いつくけれど。

結局、この人がそれで困っていないのであれば、それでいい気もする。

北上「ふふーん、別に無いっしょ、てーとっくんの問題なんて?」

提督「まぁ…」

…しかし、なぁ…そりゃ問題無いのかもしれないが…。

何となく、引っ掛かるんだ。

こんな気持ちになるのは――


>>+2


A.北上さんに、真面目に勉強して欲しいからだと思う。

B.北上さんに、困ってほしくないからだと思う。

C.…帰った時にこの人が家にいてほしくないからだと思う。

凄いバランス
A.北上さんに、真面目に勉強して欲しいからだと思う。(*1.0)


――この人に真面目に勉強して欲しいのだ。

いらぬ世話であることは重々承知。

それでも、自分がそういう質であるし、同居人にもそれを求めてしまう。

北上「まーまー、だいじょぶだいじょぶ、ね?」

この人は鋭い。

飄々とした普段の姿からは察せぬ程に、人の感情の機微に聡い。

また、視線だけで伝わってしまった。

北上「アタシなんかにお節介焼く必要無いんだって、てーとっくん」

北上「何か困ったらさ、その時はちゃんと言うから」

提督「…ですか」

北上「うむうむ、そうなんだよ」

提督「…けれど、授業にはしっかりと出席した方が良いか、と」

北上「またそこに戻るのかー…」

提督「話を逸らさないで下さい」

北上「ちぇー」

本当に生来のサボり魔だなぁ、この人。

…ま、反面教師には丁度いいか。

北上「何か今失礼な事考えなかったっ!?」

提督「いえ……」



北上→ 217/500



【北上―その1】


ふむり。

少しだけ頭の中身を整理して、アタシは考える。

奇妙な経緯で相成った、同居人との生活を。

彼は優しい。

彼は真面目で。

彼は――

「くふっ」

自分でも正直女としてどうかという笑みが漏れる。

…今鏡を見たら結構ひっどい顔してるんだろうなぁ。

まぁ…。

そんだけ、幸せって事で。

この気持ちを何と呼ぶかはわからないけれど。

アタシの主観は、概ね幸せ。

「ならまぁ、それで良いじゃん、うん」

「何がっすか?」

「…うおっ!?居たのかいてーとっくん!?」

「……さっきの気持ち悪い笑い方してる辺りから…」

「…マジかー…」

…嫌われて無いよねー?

そんな事を真っ先に心配する辺り…アタシは――



【7月3週】


提督「げっ」

飛鷹「あら、おはよう」

提督「…おはよーごぜーやーす」

飛鷹「…挨拶も出来ない子が私のクラスの生徒だなんて、先生、悲しいわ」

提督「しっらじらしい…」

ま、でも今の俺はそんなことに気を払わん。

なぜなら―そう、一学期は終わるのだ!

学期が変われば、委員も変わる!

この圧政から、抜け出せる――

飛鷹「あ、そうそう、提督くん、次期も学級委員に推薦しておいたわ」

提督「は?」

飛鷹「…………」ニッコリ

提督「…飛鷹教諭」

飛鷹「何かしら?」

提督「…なんでもありません」

…糞。

横暴が服着て悪いてるような教師だ。

…いつか廊下の真ん中でスカートでもめくってやろうか。


コミュ対象 >>+2


大和    207/500
不知火  196/500

飛鷹    **0/500
北上    217/500
五十鈴  240/500



――大和家・庭


大和「ふっ……!」

一閃。上段から振り下ろされた木刀。

おそらく俺が振るだけで精一杯であろうそれを、大和さんは自在に繰り出す。

上段、中段、下段…如何様な構えからでも鋭く切りだされる太刀筋。

踏み出しから戻しまで、一切無駄の無い…と、思われる動き。

提督「………おー」パチパチ

終わる頃には、剣舞を見せられた観客の如く拍手などをしていた。

いや、事実その通りか。完全に観客だったな。

大和「ふふ」ペコリ

大和さんも、片手で汗を拭いながら、慇懃に礼をしてそれに応えた。

提督「しかし…凄いですね、剣術を?」

大和「まぁ…嗜んだ程度ですけれど、ね」

冷えたお茶を差し出すと、喉を鳴らしてそれを飲み、口の端から溢れる液体も気にせずに答える。

…どう聞いたって謙遜にしか聞こえないが。その木刀ものすごい重かったんですけど。

大和「どうです?良ければ少し提督くんも?」

言って、教えますよ、と軽く木刀を振った。

俺はインドア派だしなぁ…。

うーむ…――――


>>+2


A.いえ、見ているだけで十分です。

B.…まぁ、そうですね、やってみます。

C.…いえ、そろそろ失礼します。

B.…まぁ、そうですね、やってみます。(*1.5)


よし。

たまには身体を動かそうじゃないか。

こう見えても人並みの少し下くらいに身体は動かせるんだ。

提督「…そうですね、やってみます」

大和「はいっ」

大和さんは嬉しそうに笑って、俺に木刀を手渡した。

そして、俺の手を握り、動かす。

提督「えと、…?」

大和「…ごほん、剣の道はですね、まず構えが重要なのですよ」

提督「は、はぁ…しかし」

大和「う、動かないで下さい!大和が矯正しますから!」

提督「…はい」

その後。

構えの指導という名目で凄く触られた。

うむ、なんだろう、何か違う気がする。

…まぁいいか、いい匂いだったし。



大和→ 349/500

これは案外サクッと大和ルートか


【大和―その2】


年甲斐の無いことだ。

そうは思うものの、やはり自分の気持ちを抑えることは出来ない。

よもや一回り以上離れたような少年に此処まで恋焦がれる事となるとは。

全く持って、人生とは先が見えぬもの。

「…決して、悪い気持ちではありませんが、ね」

見慣れた―見慣れてしまった仏壇に目をやる。

あれの前で一晩中泣き崩れた日もあったと…今となっては何処か懐かしい。

「貴方を、忘れた訳ではないけれど―」

その扉を、静かに閉じた。

「…今だけは、少し、ね」

冷血か、とも思う。

けれども。

大和は、この色鮮やかな世界を、生きていたいのだ。

願わくば――彼の、横で。

その為に…少しだけ、懐かしい記憶を片隅に追いやった。

ごめんなさい。

そんな白々しい言葉と共に。

お風呂です



【7月4週】


提督「あれ?」

大和「?」

大和さんの家、それなりに通い、ある程度その中を覚えていたからこそ気付いたことがあった。

提督「…仏壇、お掃除でもしたんですか?」

いつも扉が開いていて、その向こうに凛々しい青年の写真が鎮座していた仏壇。

今日はそれが閉じていた。

大和「ああ…いえ、何と言ったものでしょう」

言葉を探るように、大和さんが思案する。

ややあって、得心行く言葉を見つけたらしい。

大和「…冷たい女だ、と思われるかもしれませんけれど」

大和「やっと…過去を過去と、見られるようになった、とでも」

提督「……大和さん」

彼女の目に、仏壇を見る時いつも憂いを帯びていた瞳の影はない。

…乗り越えたのだろうか。…強いな、この人は。

――まぁ、貴方のおかげなのですけれどね。

提督「…?何か言いましたか?」

大和「いえ――」

――何も。

大和さんはそう言って、既に湯気の立たなくなった茶を啜った。


コミュ対象 >>+2


大和    349/500
不知火  196/500

飛鷹    **0/500
北上    217/500
五十鈴  240/500



――資料室


これなる扱いこそ不当かつ、学生の自由を侵すものである。

学生とは教師の言いなりになる駒ではない。

提督「…そういうわけなんですけど」

飛鷹「どういうわけよ」

飛鷹教諭。彼女は俺の怨敵である。

一切比喩なしに。

この人に奪われた時間は数知れず。

時は金なり理論で換算すれば一体何十万の金額を奪われた事か!

そして今現在もこうして夏休み補習の後に、雑務を手伝わされている。

提督「……一人でやりゃーいーじゃないですか」

飛鷹「…前から思ってたのよね」

提督「はい?」

飛鷹「いや、別に嫌だったら来なくてもいいのにって」

提督「いえ、内申に響くかと思って」

アンタならやりかねんからな。

それに幾分か落胆した様子の飛鷹が答える。

飛鷹「…やっぱそんな理由なのね」

提督「他に何かあると思いますか?」

飛鷹「いえ、ちょっとでも甘いアバンチュールを期待した私が馬鹿だったわ」

提督「はっは、そりゃ相違ないですな、教諭」

飛鷹「…色々ねー、新人って大変なのよ」

飛鷹「特にこんな学校だとさー…もう成績の事で一喜一憂しまくって、先生方もピリピリして」

提督「はぁ、同情致します」

飛鷹「…だから、一人で作業なんかしてたら気が滅入るの」

提督「…はぁ」

…珍しく弱気だな。

というか弱音なぞ初めて聞いた気すらする。

しかし、まぁ、この教師はこの教師なりに悩みが在ったのだな――


>>+2


A.まあ知らんけど、邪悪断つべし。

B.…ま、せめて今日くらいは文句言わずに付き合ってやるかね。

C.…大人は大人で大変だな、ああいう風にはならんようにしよう。

C.…大人は大人で大変だな、ああいう風にはならんようにしよう。(*1.0)


苦労があるもんだな、大人というのは。

しかし、俺はああいう風にはならんぞ。

あんな捻くれた大人になってたまるか。

提督「まぁ、あれっすね」

飛鷹「?」

提督「応援してるんでがんばってください」

飛鷹「…もうちょっと誠意を込めてくれると、先生嬉しいんだけど…」

提督「こうして手伝ってるだけで十分誠意に溢れているつもりです」

飛鷹「…そう、ま、そうかもね」

飛鷹「何だかんだ言って呼んだら来るものね、君」

提督「内申の為ですがね」

飛鷹「そういう事にしておきましょうか」

提督「…それ以外の意図を汲み取らないで下さい」

あーめんどくさい。

さっさと終わらせて帰ってしまおう。

全く。



飛鷹→ 75/500



【8月1週】


不知火「…ふむ」

提督「ん?」

不知火「ああ、いえ…字が綺麗だ、と」

提督「そうかね、不知火の方が綺麗だと思うが」

世辞でなく、本心からそう思う。

勿論俺もある程度読み易い字を心掛けているつもりだけれど。

不知火の字は機械のように精緻で精巧だ。

前に人間プリンターを目指せるって言ったら微妙な顔してたな。

それに引き換え―――

五十鈴「…なによ」

提督「……シュメール人リスペクトしてるよな、お前」

五十鈴「……?」

提督「…いや、古代の煌きを感じるんだ」

改めてその字を見やる。

…シュメール人に失礼かもしれない。

とりあえず線文字Aとか名付けといた方がいいな、これ。



コミュ対象 >>+2


大和    349/500
不知火  196/500

飛鷹    *75/500
北上    217/500
五十鈴  240/500



――市民プール


やはり夏はプールだろう。

人が多いのが玉に瑕だが、涼しいし楽しい。

おまけに――

不知火「…あの」

弱々しい声に、振り向く。

そこには不知火が居た。

質素な紺の水着を纏った彼女。

常は服に隠れた白い肌が、陽のもとに明らかになる。

それはどこまでも白い。一点の曇りもなく、白い。

だが如何せん、外見は現代女子高生としては少しボリュームを欠く。

しかし、しかし―だ。

不知火「……あ、あの…」

通時は周囲を威圧するほどの眼力を(無意識に)振りまく彼女がだ。

俺の前でその曇りなき白い肌をほんのりと朱に染めて。

おまけに度々目を逸らして此方の反応を伺うように覗きこんで来るのだ。

もじもじと、所在なさげに躰を揺らしながら。

…うむ、甘露。まこと、甘露であろう。

………大分暑さにやられてるなぁ、俺。

提督「あー、えっと、不知火」

不知火「…は、はいっ」

さて、何と言ったものか――


>>+2


A.「凄く可愛い」

B.「小さいのもまたグッドだな!」

C.「…良いんじゃないか?」

A.「凄く可愛い」(*1.5)


提督「…その、率直に言うと、だな」

不知火「はい」

提督「…凄く可愛い」

朱に染まった肌、その色が一層鮮やかになる。

ふぅ、と一つ息を付いて、不知火が尋ねた。

不知火「それは」

不知火「…それは、…その、幼子に言うような『可愛い』でしょうか」

不知火「それとも、女性として魅力的である、というような意味でしょうか」

提督「……定義付けるなら、後者だ」

不知火「…そうですか…そうですか、ふふっ」

と、不知火は満足げに笑みを見せて。

俺の右腕に、体ごと巻き付いた。

提督「不知火」

不知火「人が多いので…はぐれては、一大事でしょう?」

提督「…まぁ、そうだが」

不知火「なら、良いでしょう」

良いのだろうか。

良いのだろうな。

少なくとも否定する材料は無いのだから。

ならば是、なのだろう。

つまり。不知火の肌はつるつるで気持ち良いという事で。



不知火→ 205/500



【不知火―その1】


不知火は人付き合いの得意な方ではない。

いや、苦手だ。

だからどうしたと言うわけではないのだが。

これは言い訳ではないが、元々不知火は誰かと一緒に居るのがあまり好きではない。

群れるのが好きでない、と言い換えたほうが適切か。

教室で中身の無い話をぐだぐだと続けるような蒙昧な輩と興じる必要性を見いだせなかった。

故にこそ、不知火はいつも敬語を使う。

敬語は便利だ。『距離を保ちたい』という事を雄弁に伝えてくれる。

――と、これが去年までの不知火だったのに。

「……おかしい」

明らかにおかしい。

提督―彼は、良い友人だと思う。そう、友人。実に久方ぶりの。

見ているだけで楽しい、というのはある種才能だ。

さて、まぁそれだけならばいいのだが――

近づきたくなってしまった。あろうことか。

意味の無い話でも良いから続けたくなった。

休日に、意味も無く遊びたくなった。

…おかしい。

「………ふむ」

自分の気持ちを、自分で整理出来ないのは初めてである。

とりあえず、不知火はそれをよくわからないものとして仕舞いこんでおくことにした。



【8月2週】


北上「世の中は」

提督「はい?」

北上「世の中は、残酷だよね」

提督「…はぁ」

何だこの人、とうとう宗教にでもハマったのか?

訝しげに、少し距離を置いて俺は答える。

北上「…平等ではない」

北上「救いは、突然に、幸運な人の元に訪れるし」

北上「…破滅だって同じだ」

提督「……あ、はい」

北上「…私の所には来ないんだよぉー!」

そう言って、手に持った何かを思いっきり投げた。

それは宙に舞い―ひらひらと、舞い降りてくる。

『第○回 文月ジャンボ宝くじ』

提督「…ああ、なるほど」

つまり、当たった奴が羨ましいのね。

自分には当たらないって嘆いてたのね。

北上「ちくしょー!唐突な幸運カモーン!」

…とりあえずバイトでもしたらどうだろうか。
 タカラクジ
こんなもんより余程現実的に金が手に入ると思うが。



コミュ対象 >>+2


大和    349/500
不知火  205/500

飛鷹    **0/500
北上    217/500
五十鈴  240/500



――ファンシーなショップ


俺は。

俺は、不知火という人間を、知っている。

勿論、高々1年余の付き合いだ。本質を理解しているなんて烏滸がましくて言えたもんではないが。

それでも、ある程度は知っている…いや、知っていたつもりだ。

でも。

でも――あんな、不知火を、俺は知らない!

あんな、あんな――――

不知火「……ふふふ今日はしっかりお金を持ってきました万事抜かりなしですさあゆっくり選びますよああこれは可愛いですねふふふふふ」

あんな欲に塗れた目をした不知火を!

…と、まぁ冗談はこの辺にしておいて。

マジで誰だアイツは。

前回もテンションは高かったが比じゃないぞ。

…ん?…ああ、なるほど。

俺の疑問を解消したのは、よく目立つ看板。

『新商品一斉入荷!!』

はいはい、道理でね、不知火がはしゃぐわけだ。

しかしその欲だらけの怪しい笑みと1ミクロン単位で材質を鑑定してそうな手つきはやめろ。

子どもが逃げるだろ。

――と、俺が脳内でコントをしている内、目的の物を購入したらしい不知火が駆け寄ってくる。

不知火「お待たせしました」

提督「おう…しかし…」

不知火「?」

提督「いや、本当にこういうの好きなんだなって」

不知火「………提督くんから見て」

不知火「…不知火のこういう点は、変に見えるのでしょうか?」

不知火「……普段が普段ですから」

買ったばかりのぬいぐるみを懐に強く抱いて、不知火が言う。

ふむ、不知火のこの趣味――


>>+2


A.まぁ、意外ではあるよな。

B.正直、似合わない。

C.よく似合っていると思う。

A.まぁ、意外ではあるよな。(*1.5)



意外ではある。

それは俺の抱いた不知火という一個のイメージとはかけ離れた物であったから。

提督「…意外だったよ」

不知火「……やはり、そうですか」

少し、声のトーンが落ちる。

明らかに落胆が伝わってきた。

提督「…でもさ」

提督「良いと思う」

不知火「良い?」

提督「ああ、少なくとも俺は、不知火がさっきみたいに真剣に悩んでるの、初めて見たから」

提督「そんだけ好きな物があるってのは、良いと思う」

不知火「…そう、ですか」

再び、言ったのは同じ言。

しかし、今度はどこか嬉しそうで。

不知火「あの」

提督「ん?」

不知火「これ、どうぞ」

差し出されたのは、ぬいぐるみ。

…熊、か?

提督「…?」

不知火「……記念です」

提督「…そうか」

何のだ、とは聞かなかった。

少なくとも、これは不知火の大好きな物で。

それをくれるというのだから、貰っておくべきだろう。

不知火「どうか、それを不知火と思って」

提督「…うん?」

不知火「手だろうが股だろうが好きな場所を嗅いで下さい」

提督「……違うよ不知火、お前は俺を誤解してる」

不知火「ふふっ」

なぜ笑う。



不知火→ 262/500

今日はここまで
お付き合い頂きありがとうございました
次スレかー…指摘されてたけど、名前変えた方が良いのかなぁ

横浜ドームを作ってはどうだろうか(提案)
なんて言っても詮無いので快晴を願うしかないわな
始めますー



【8月3週】


提督「…」

不知火「…」

北上「…」

さて。

今この場に流れる空気は、決して快適とは言えない。

むしろなんなら今すぐ逃げてしまいたい。

校門の前に北上さんが居るのはまだ良い。良くないが、まぁ良いとしておく。

しかし…その第一声が。

北上『ていとっくん愛してるよー!』

…良い筈あるかアホ。

お陰で不知火もその眼力を存分に発揮する結果となっている。

不知火「提督くん」

提督「イエスマム」

不知火「この方は」

提督「ただの知り合いであります、神に誓って」

北上「…フラれたっ!?」

不知火「なるほど、残念な方ですか」

提督「まさにその通り」

北上「…そしてアタシが残念な娘になってる!?」

…とりあえず。

同居だとかそういった説明の面倒な部分を回避できたようだ。



コミュ対象 >>+2


大和    349/500
不知火  262/500

飛鷹    *75/500
北上    217/500
五十鈴  240/500



――屋上


蝉の声が、辺りに反響する。

太陽が遠慮無しに照り付ける、真夏の屋上。

前時代的な、飾り気も障害物も無い我が校の屋上。

故に当然、人気はない。

提督「…それで、どうした?」

不知火「…なんと言ったものでしょうか」

降り注ぐ容赦の無い日差しを片手で少しでも遮りつつ、目の前―不知火に尋ねる。

補習の後、俺は不知火に呼び出されたのだ。

「少し、話が」と。

しかし―なんだってこんな最悪で劣悪で凶悪な場所に。

なるだけ早く終わらせてくれ―という俺の願いは、果たして不知火には届いてないようである。

長い沈黙。不知火は黙ったまま、言葉を紡ぐ事をしない。

提督「…不知火―」

不知火「提督くんは」

たまりかねて促そうとした俺と、不知火が長い沈黙を破ったのは同時だった。

不知火「提督くんは、わからないことがあったらどうしますか」

提督「……わからんこと?」

不知火「はい」

不知火の言は、明瞭で、明快。

…なれば、この問いに対しての俺の答えも、ある程度予測しているのだろうか。

提督「そりゃ、わかりたいと思う」

不知火「それが自分一人の手で叶わなければ」

提督「…誰かを頼る」

不知火「…はい、そうでしょう」

ですから――と、前置きは終わり、本題を彼女が述べる。

不知火「提督くん、不知火を手伝って頂けませんでしょうか」

提督「…わからないことを、理解する為に、か?」

不知火「はい」

…ふむ?勉強の話―か?

いやいや、だったら別にこんな場所じゃなくても…。

…いくら思案しても、不知火が指しているのが何のことだかわからん。

さて、軽々と受けて良いものか――


>>+2

A.…やめておく。

B.…まぁ、不知火の為になら。

C.…別に俺じゃなくても。

C.…別に俺じゃなくても。(*0.5)


提督「…何も、別に俺じゃなくても」

不知火「え――」

その答えを予測していなかったのであろうか。

不知火の表情が、初めて変わる。

驚きに、目を見開く。

提督「勉強の事なら、教師に聞けばいいじゃないか」

不知火「…違います、そういう訳では――」

提督「それに…」

指で、屋上を指す。

提督「こんな場所に留まり続けるのは、少しキツい」

不知火「…そう、ですか」

提督「うん…さすがにそろそろ、水でも欲しくなってきたよ」

降参、とでも言うように、俺は両手を挙げる。

実際に限界が近い。暑すぎるわここ。

不知火「…わかりました」

同時に、申し訳ありません、と不知火は頭を下げる。

提督「いや…俺こそ、なんか、力になれなくて」

不知火「構いませんよ、不知火は気にしてませんから」

提督「そう言ってもらえると、助かるよ」

不知火「……あまりに、迂遠過ぎた、という事なのでしょうね」

提督「うん?」

不知火「いえ…何でもありません、お気になさらず」



不知火→ 282/500



【8月4週】


夏休みが終わる―と言っても、正直補習補習の連続で休みだった実感など無いのだが。

ま、これは進学校に通う者として甘んじて受け入れなければならぬ問題であろうて。

しかし――

提督「海、行きてぇなぁ」

大和「海ですか」

提督「はい、海です」

と、俺の言葉に、大和さんは何かを持ち地面を掘るような動作をして、首を傾げる。

大和「…潮干狩り?」

提督「…違いますけど」

半眼で大和さんを見る。

冗談です、と彼女は笑った。

大和「でも…海、となると」

大和「…水着を買う所から始めなきゃいけないんですよね」

最近、そんなものを着る機会が―と、大和さんは続けているが、俺の耳をそれは通り過ぎていくばかり。

なぜなら。

…大和さんの、水着。

その言葉が、俺の耳を、いや、心を…掴んで離さなかったのだ。

大和「それで―って、提督くん?」

提督「うへへー…」

大和「……ふぅ、こら、提督くんっ!」

提督「…うへっ!?あ、いや、大和さん、これは」

大和「…全く、何を考えていたんですか」

提督「いえ、決して大和さんのたわわな果実が水着に及ぼす影響などぐほっ」

大和「てーいーとーくーくーんー!?」

提督「ご、ごめんなさいっ!」

そんな大和さんは、怒っているように見えるけれど、楽しそうで。

…そして…どこか懐かしげに、俺を見つめていたのは…気のせい、だろうか。


コミュ対象 >>+2


大和    349/500
不知火  282/500

飛鷹    *75/500
北上    217/500
五十鈴  240/500



――資料室


飛鷹教諭というお方がいる。

彼女は有り難くも俺に社会の厳しさを学生の内から教えてくれようとしているという。

そんな訳で、今日も今日とて雑用である。

が―少しだけ、今日は様子が違う。

提督「サボってんなよ、五十鈴」

五十鈴「何で五十鈴がこんな事…」

ブツクサとなにやら呟きながら五十鈴は資料を運んでいる。

早く終わらせる為には猫の手も借りたい―という考えの俺は、廊下でぽけーとしていたこの暇人を引っ張ってきたのだ。

提督「いつも勉強教えてんだ、お前も俺に何か対価を支払うべきだろうよ」

人類が太古から続けてきた営みを俺は語ってみせる。

しかし五十鈴はそれに憮然とした顔で応えた。

五十鈴「あら、しっかり支払ってるわよ」

提督「…と、言うと?」

五十鈴「こんな美少女と一緒に居られるなんて、素晴らしいと思わない?」

提督「………」

…ふむ。

新手のジョークか、いやいや、こんな時に俺に諧謔の才能が無い事が悔やまれる。

五十鈴「…ちょっと、何とか言いなさいよ」

提督「とりあえず美少女ってのを持ってきてくれ」

五十鈴「……」

五十鈴が、自分の顔を指さす。

提督「…レベルが高すぎて少し笑い所に困るジョークだな」

五十鈴「なんでよっ!」

ベシッ!と鋭いツッコミが飛ぶ。

ううむ、これが本場の笑いか…いや、知らんけど。

しかし、こいつが美少女とは――


>>+2

A.…ムカつくけど顔だけは良いんだよなぁ、こいつ。

B.そうかもしれんが好みじゃない。

C.うむ、全くもって笑えないジョークだ。

C.うむ、全くもって笑えないジョークだ。(*0.5)


美少女とは顔の造形だけで決まるものではない。

心の中身も含めて、だ。

だから、俺は。

提督「五十鈴」

五十鈴「何よ」

提督「……」ポン

五十鈴「…?」

五十鈴の肩に、優しく手を置く。

そして、なるべく柔らかい声音で言った。

提督「まぁ…頑張れ、な?」

五十鈴「……」

五十鈴「……よくわからないんだけど、何かムカつくわね…」

提督「さぁ、作業を再開しよう、自称美少女殿!」

五十鈴「あーんですってぇ!?」

…一つ、言えることは。

あれだけ億劫だったこいつと過ごす時間は。

いつしか俺にとってまぁまぁ悪くない物になっていた、ということだ。


五十鈴→ 248/500



【9月1週】


朝の食卓。

広がるのは俺が作った和食。

今日のイチオシは玉子焼きだ、中々の焼け具合だと自分で褒めてやりたいくらいだ。

さて、なぜ面倒くさがりの俺がここまで飯を作るのに凝るのか。

それはある1つの理由に尽きる。

北上「うまっ!うま、うまっ!?」

目の前でお世辞にも行儀良いとは言えぬ様相で一心に飯をかき込む北上さん。

この人が美味そうに食べるから―俺は飯をここまでしっかり作ろうと思うのだろう。

提督「……」

自分の作ったものを美味しそうに食べてもらえる、という喜びは。

何も料理人に限ったことではない。

…だもんで―決して口には出さないが―この時間は、俺にとって、それなりに嬉しい。

北上「おかわりっ!」

提督「はいはい」

まぁ。

…役割、逆じゃね?と、思わんこともないが。



コミュ対象 >>+2


大和    349/500
不知火  282/500

飛鷹    *75/500
北上    217/500
五十鈴  248/500




――帰り道


不知火「あのっ」

些か、人気の無い場所。

一緒に帰っていた不知火は、そこで急に立ち止まった。

提督「ん?」

…トイレか?…いや、流石にデリカシーが無いな。

不知火「少し、良いでしょうか」

提督「…うん、良いけど」

どうした?と問う。

それに、不知火は少しだけ間を置いて、応えた。

不知火「この前の質問を、覚えていますか」

提督「…この前…ああ」

屋上での事に、思い当たる。

結局、有耶無耶になっていたんだったか。

不知火「…もう一度」

不知火「もう一度、同じ事を聞いてもよろしいでしょうか」

提督「……わからないことを、か?」

不知火「はい」

提督「…しかし、言ったろ、別に俺じゃなくても」

不知火「……それは…」

そこで言葉を詰まらせた不知火。

しかし、すぐに反論を述べた。

不知火「提督くんでないと、ダメなんです」

提督「…俺じゃなきゃ?」

不知火「はい」

その口調は、やはり明瞭。

何か意を決した様な物すら伝わってくる。

…俺しか……ううむ、わからん。

わからんが…。


>>+2


A.そこまで言うなら。

B.いや、不知火にわからんものは、俺にはわからんだろう。

C.…そこまで言われると、何となく嫌だな。

C.…そこまで言われると、何となく嫌だな。(*0.5 299でストップ)


…うむ。

期待寄せられすぎても困る。

そんだけの期待を浴びて応えられぬ、とは、普通に嫌だ。

…我ながらひねくれ者というか、臆病というか。

提督「…すまんな」

不知火「……ダメ、ですか」

提督「ああ、きっと助けになれないよ」

不知火「…そんな事は――!」

提督「うん、大丈夫、不知火ならわかるさ、ちゃんと」

お前は頭が良いんだしな――そう言うと、不知火は俺の前では珍しく、不愉快そうな表情をした。

不知火「……考えて…それでも、推量の域を出なかったから」

不知火「…だから」

提督「だったら、余計俺の手に余るよ」

不知火「………ッ」

提督「…ま、そういう事で」

不知火「………」

それから、別れるまで…不知火は、ずっと押し黙っていた。

…余程の悩みか。

それとも、役に立たぬ俺に苛ついていたのか。

その真意は、わからない。



不知火→ 299/500

次スレ立てて風呂です
あんまりわかりやすいフラグ折りまくってると何かが起きるかもしれない

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★2【安価】
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402154255/)

次スレです それでは風呂に

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このスレは埋めていただけると助かります 続きは向こうで

>>992
改装すると横浜ファンになるのか

>>993

いい加減雨やんで欲しいというかハマスタ爆破して欲しい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月20日 (日) 15:09:27   ID: k7e4Yq43

>>992がくっそ気になるだろうが!

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