提督「人ではないことに変わりはない」 (149)


艦これ

Rな文の練習と申し訳程度のストーリー

次レスから



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「ーー以上です」

「よくやった。……何か言い残したことがある者は?
何もないなら次の招集までは自由だ」

言って、見回す。

この時世にあって人類の希望の象徴であり最後の砦である彼女たち。

しかし、ある者は頭で船を漕ぎかけ、またある者は姉妹の観察に余念がない。

たとえ上官への報告の場だとしても思い思いの行動で気儘なスタイルを貫く彼女たちは、なる程確かに女、あるいは少女であった。

「はい」

その中からスルスルと進み出た者が一人。



「……なんだ」

「MVP……最大戦果を挙げたのがわたしだということをお忘れなく」

日本人離れ、否、人間離れした美しく淡いブロンドの女、WW2においては重巡洋艦であったそれは愛宕であった。

「何が言いたいんだ」

そろそろ、彼の集中力も切れる頃。

小規模ではあったが作戦が一段落したところで、報告を聞くのも本当はお目付役がいなければ明日にしたかったのだ。

無理矢理動かす身体も精一杯の威厳も既にして限界が近い。

この後の予定は風呂、食事、睡眠の黄金方程式のみである。

それを個人の行動で長引かされてはたまらない。

知らず、反応も相手に催促するような、酷くぞんざいなものになってしまった。


「つまり、御褒美が欲しいのです」

「……」

キラキラ、ニコニコ。

まったく、美人は損をしないというのは羨ましいが、こんな時には苛々も溜まるというもの。

愛宕の後ろを見ればついに初雪は本格的に夢の世界へと旅立っていた。

……姉妹の観察に血道を上げている雷巡はどこであってもいいのか対象への視線のままに、先程と同じ姿勢だったが。

「……愛宕以外は自由だ。いかさい加減くだらない話に付き合うのも飽き飽きだろ、解散」

「もうっ…くだらないだなんてっ」

プンプン、などと言い出しそうな愛宕には興味なさげに、上官にはさらに無関心な態度でその他が動き出す。


なおざりながらも頭を下げて敬礼をするあたり、クレイジーサイコレズなんて言われる雷巡も根は真面目らしい。

「……加賀」

それらを眺めながら遠征組が報告に来てから今まで直立不動で傍に控えていた秘書に声をかける。

「ここに」

「初雪を連れていってやれ。
あれでは自室の場所すら覚束ない」

皆がめいめいに執務室を去ってゆくなか初雪だけは、堂々と居眠りを続けていた。

普段は怠いだの疲れただの言いながら目立たないように生活している癖に、こういう時ばかり目立つ。

それはどうなんだ初雪よ。


「……」

傍を見れば思案顔の秘書。

「初雪を連れていった後はお前も自由だ。
今日の仕事はこれで最後だからな」

ヒラヒラと手を振って解放を伝える。

実のところ彼女が伝えんとしているのが別のことなのは承知していたが、そんなことは気にしていられない。

「時間かかるだろ?愛宕」

キラキラ、ニコニコ。

相変わらず機嫌の良さげな本作戦のMVPを見上げる。

憎らしいことに頷く彼女の美しさに今度は安心した。

苛々したり安心したりが不安定に続くようになると本当に限界が近い。

彼の長くも短くもない人生の中でそれは数少ない使える経験則である。


「加賀」

もう一度。

今度は視線を合わせて意志を伝える。

純粋さと勤勉の塊のような瞳に僅かな焔と昏い濁り。

しかし、一瞬の後には美しさと尊さがその翳りを覆い隠す。

「わかりました」

僅かに柑橘系の香りを残して頭を下げた加賀が初雪に歩み寄る。

腕を引かれてやっと夢見心地ながらあちら側から帰還した初雪を引き摺る加賀。

ドアを開けもう一方の少女を先に行かせる。

確かに初雪より先に部屋を出てしまうと、誰もドアを閉める者がいなくなってしまう。


彼も眠りは深い方だったが初雪のレベルは素直に凄いと思う。

……何にせよ加賀はややぎこちない動きで歩く同僚を連れてドアのあちら側へ。

「加賀」

一分の隙もない敬礼をした彼女を遅ればせながら引き止める。

少しの間の逡巡の後に彼の口から出たのは、珍しい労いの言葉だった。

「……ありがとう」

「…………」

それに対して彼女は今度は会釈をするのみだった。

しかしーー


「加賀さん笑ってましたねー」

無表情のままに見えた秘書が扉のあちら側に消えて数瞬。

一人だけ麗らかな春のように太平楽な顔をしている愛宕が言った。

「そうか?俺にはわからなかったけどな」

事実、彼には加賀が鉄面皮を崩したようには見えなかった。

それは彼女が僅かに俯いたまま扉を閉めたからでもあったし、
間に愛宕が立っていたからでもあった。

「まぁ、いい。褒美というがなんだ。
給糧艦は先週来たばかりだから便宜を図るにしても次回だぞ」

「タンクが大きいと肩が凝るのよねぇ」

いまいち噛み合わない言葉を返しながら愛宕が肩を叩く。


それに合わせて彼女が言うところのタンクが形を変え、腕を戻した時にはまた元通りになった。

無意識にソレを目で追いかけたのには他意はない。

「俺も疲れてるんだ。もっと手短かにだな……」

目を閉じて眉間を揉み込む。

意識して疲れた雰囲気を演出するためのそれは精一杯の意思表示だ。

「ーー提督」

「あ?なんだーー」

眉間から流して自分も肩を叩こうとしたところで上からかけられた呼びかけに応える。

上を向いたところで、執務机にいつの間にか腰かけ、身体を捻っているのを腰の位置で認識したがーー


「ん……はぁ……」

つい、と。

細くしなやかな手指に顎を掴まれたのに気付いたときには遅かった。

反射的に肩に置いていた手がピクリと動いたが、すぐに動きをやめた。

いきなり蹂躙される口内に意志があれば抗議したかもしれないが、生憎口内も腕も彼の管轄である。

「……ぁ……ぃ…ん……」

唇を吸い上げ、歯の裏側を舐め上げ、彼の舌を扱きあげる。

巧みな舌技を操るのはいつしか普段の彼女ではなく、淫らな女のものに変わっていた。


「んんっ……いい加減離せ」

止めないでいるうちに愛宕の侵攻は弱くなるばかりか、逆に勢いを増す。

湧き上がる情欲がないではなかったが、息ができなければそんなことを考える余裕もなくなる。

「んはぁ……そんな邪険にしなくてもいいんじゃないかしら?」

本当に、凄まじく本当に残念そうな彼女が名残惜しげに顔を離す。

一方的な産物である銀の橋が垂れて、執務机を汚す前に舌で巻き取る姿は真に毒婦のようであり、
しかし、瞳のいたずらっぽさは少女のようでもあった。

「俺は、褒美の希望を訊いたんだが」

言いつつ袖口で自らの口を拭い取る。


ほとんどが愛宕のものであったが
無視できない位には自分の唾液も出ていたのを感じる。

ぬらぬらと唇を濡らすそれをそのままにしておくのは、
何故だか背徳が過ぎて毒を呷るようだと身が知らず震えたのだ。

「提督が……」

「あん?」

「提督が御褒美ではいけませんか?」

「……」

「……」

今や愛宕は執務机の上にほぼ四つん這いの形で乗っかっていた。

渋面をつくったはずの彼の目の前で、首を傾げる彼女の表情はやたらと純粋さに満ち溢れている。

小悪魔、という単語を思いつくと同時にそんな純粋さがあってたまるか、と思わないでもない。



「……眠いんだ」

「提督にはわたしたちを愉しませる義務があると思うの」

「明日じゃだめか?」

「嫌、我慢できない」

「……」

「……」

既にキラキラ、ニコニコとしていた愛宕は消え去り。

ギラギラと情欲が湛えられたその瞳は確かに彼の男を呼び覚ます。

「……寝室に行け。鍵を閉めておく」

彼は結局仕方なく瞳に負けてやることにした。

つっかえせば彼女は物分りのいい忠犬のように自室に帰るだろう。

ただし、自分かあるいは一部がよく似た姉妹と一緒に束の間の休暇を慰め合うのだ。

そして、明日には彼に文句を言いにくるし、次回のおねだりと内容は今回よりも執拗で濃いものになる。

彼の短くも長くもない人生の中でそれは数少ない経験則の一つだった。

「わたしは気にしないのに……」

「俺が気にするんだよ!」





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どちらからともなくベッドに倒れこむ。

執務室に隣接する士官用の寝室。

執務室の扉を厳重に閉め、寝室に入った途端に彼は発情した雌によって壁に押し付けられたのだ。

忠犬か雌犬か。

随分と極端で、それでいてどちらにもいかがわしさを感じるあたり彼も愛宕を責められないな、と痺れた頭が一瞬考えた。

「ぅはぁん……て、い督も…はぁん……」

しかし、やられてばかりでは面白くないし、男が廃る。

昨今の生きにくい世の中で男女差を露骨に示しても、構わないのが寝室とは皮肉なものなのかもしれない。


兎も角。

彼は、自らを押さえつけて快楽を貪ろうとする愛宕の背中に手を回してベッドに雪崩れ込んだのだ。

士官用とはいえ前線に近い軍事施設のことである。

壁と寝台の間に然程の間は存在しない。

「んふふっ……眠い割にはっ、お元気ですね?」

キスの間にシーツをお互いの唾液もで濡らしながら愛宕が笑う。

それは美しく、しかし淫靡で決して陽の元には晒せないそれは堕ちた彼女の姿だった。

「はっ……雌犬が盛っていれば相手をしてやるのが主人の役目だからな」


女の挑発に男が乗る、ということ。

閨において異性にかけられる挑発はそのまま男女の駆け引きである。

その証拠に愛宕は彼のベルトをいつの間にか外して床に放り投げていたし。

彼は愛宕のブラウスを留めていたリボンタイを解いていたし、
勿論彼女の視線と自らのそれは絶対に絡ませたままであった。

「ジャケットは脱いだのか。首巻きもないし」

「あれ、堅苦しくって……。
もしかして全部脱がせたい人でしたっけ?」

「いや、別に」

反射的に応えたがしかし、彼は脱がすのが好きだった。

脱がされた女の羞恥を、あるいは艶やかな姿を見るのがこの上なく好きだった。

彼女におしえてやるのはつまらないので言わないが。


「ん……あん………乱暴にしない、でってばぁっ…」

自分の息が整ったところで無造作に彼女の胸を揉み込む。

遠慮もなにもないただただ情欲と好奇心に任せた指先。

何度も身体を重ねた仲ではあったが、女性らしい女性が好みの彼にとって愛宕という雌の姿態は実に素晴らしく映った。

「……ん、んん!」

仰臥の状態から愛宕を下に起き上がり片手で顎を掴み、強引に舌を差し込む。

それは先程の意趣返しであったかもしれない。

舌を差し込み、彼女の欲に塗れたキスとは違う丁寧な愛撫を繰り出す。

歯茎の僅かな窪みに尖らせた舌を滑らせ、唇で空気を求める彼女の唇を黙らせる。

そして愛宕は次第に苦しくなってゆき、顔を離した。


「提とーー」

彼女がなにか言いかけたタイミングで今度は胸の頂きを指腹で擦る。

仰向けの状態でもこんもりとしたソレは未だにブラウスと下着に包まれてはいたが、
続く交わりで既に頂きは尖り切っている。

大きいひとは感じない。

そんな世間の噂とは裏腹に愛宕はそれだけで背中を仰け反らせた。

それは一つは呼吸を外されたせいでもあったし、もう一つはーー

「随分、感じるんだな」

囁く前から赤らんでいた愛宕の頬がさらに朱に染まる。


変なところで純真な彼女の反応が面白くて、彼は一気にブラウスを左右に引っ張った。

結果として当然のことに哀れなボタンを飛ばして彼女の豊かな谷間が現れる。

下着の色をジャケットに合わせてるんだな、などと思いながら谷間を流れる汗を舐め取った。

「ああ……!…ちょっと、ブラウ…やっ…!」

彼女の抗議を何処吹く風に受け流して、目の前の果実にかぶりつく。

ブラジャーは愛宕の汗を吸い取ってか大分くたびれていたが、
フロントホックなのを幸いにそのまま足元に投げ飛ばす。

舐める、吸う、擦る、つねる、そして弾く。

様々に形を変える乳房を楽しみながら、既に雌の顔を晒して久しい愛宕の嬌声をも愉しむ。

「いやっ……そん、な…無理だって、ばっ……」


今の自分はどんな表情をしているだろうか。

赤子のように只管女の乳房を虐ぶる姿は醜悪なようで、きっと人間らしい。

しかし、なにより愛宕の嬌声とそれに合わせて揺れる乳房はどんな宝石よりも輝いて見えた。

「もうっ、わたしだってーー」

何度かちいさな痙攣を残して身を震わせた彼女がとりあえず息を吐いた彼の口に吸い付く。

次の瞬間立場は逆になっていた。

今度は愛宕が彼に馬乗りに。

「はぁ…はぁ…相変わらず、ですねぇ」

「おま、えが悪い。誘ったら主導権は渡すなよ」

先制攻撃をしたら絶対に主導権を渡してはならない。

これは戦場においても、鉄則である。



「へぇ…?」

ニタァ…、と嫌な笑いを浮かべた愛宕が彼のズボンを寝台の側に落とす。

ベルトを外されたズボンは彼女に逆転されたときに勢いで脱げていたようだった。

「こんなにしちゃってるのに憎たらしい」

愛宕の双丘に劣らず重厚感のあるヒップと彼の逸物の間には、
僅かにお互いの下着とパンストのみ。

しかし、なにやら感触がーー

「あっ、気付いちゃいました?」

「…?」

何が楽しいのか愛宕が意味深な笑みを浮かべる。

その瞬間だけ淫靡な雌犬は消えて、普段通りのいたずらっぽさが残る年相応の彼女が現れた。

しかし、それも一瞬のこと。

「じっつはぁ…わたし、今Tバックでーすっ」


はぁと、と続きそうなその表情は紛れもなく悪魔で。

「……あっ…うぅ…!」

驚きも覚めやらぬ間に愛宕が腰を大胆にグラインドさせ始める。

ただでさえ、彼の下着と薄いパンスト以外には遮るものがないのだから感覚はダイレクトに脳髄と腰奥を直撃する。

「くっ……ちょっ…ま、待って……!」

彼の胸板に両手をついて前後ばかりか左右や上下にも動かす愛宕。

しかも、両腕に押さえられて飛び出した両の乳房が所狭しと暴れ回る。

艤装のない状態とはいえ馬乗りされた状態のこと。

男だとしても振り払うにはいささか不利である。


「ほぅら、ほぅらっ、主導権はどっちですかぁ?」

いつの間にか下着は取り払われ今や愛宕はパンスト一枚で、
彼の逸物を擦り上げていた。

肉食獣のキスと、彼自身が愉しんだ果実の所為で思った以上に性感は刺激されていたのだ。

特に彼女のヒップの割れ目が竿の根元を刺激するのがまずい。

「や、やめろっ…わるか、悪かったから……!」

「んー?きっこえませーん、うふふ。そーれそーれ」

悪魔的に蠱惑的な声を響かせながら愛宕が笑う。

今度は悲鳴を上げて哀願する彼の胸板に自らの乳房を当てて、
逸物の根元をショーツの割れ目がある部分で刺激する。


「はぅっ…やめっ……んむ!」

一転弱々しくなった彼の抗議を小さいと遮りながら、
むしろ聞くまいと真っ赤な長舌を侵入させた。

一度こうなってはもう遅い。

身体全体でマウントを取られた男にできることは一つしかないだろう。

「て・い・と・くっ?」

「あっ……っ……」

彼の口内に唾液を流し込んだ愛宕が満足とばかりに一際腰を大きくグラインドさせて、身体を押し付ける。

彼がソレの瞬間見たのは主人を誑かした雌犬が勝ち誇ったウィンクを投げてくる様子だった。




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「お前、やりすぎ」

時は例の戦果報告と一方的な夜戦が展開された日の、深夜である。

あの後は結局六度に渡って搾り取られ、最後の方は無様な姿を晒してしまった。

「うふふっ…可愛かったですよ?提督のア・ヘ・顏っ」

「」

恐らく深夜なのだろうが明日ーー今日は特に急ぎの軍務はないはずなのでピロートークの真最中。

しかし、負けに負けた後のピロートーク程辛いものはない。



「……で?満足したか?」

あまり長々と痛ぶられるのも癪なので話を変える。

そもそもこれは愛宕の御褒美の話だったのだ。

……御褒美に上官を好き勝手する部下というのは考えものだが。

「ええ、そりゃあもう」

本当に幸せそうな顏しやがる。

しかし、と考える。


愛宕だけでなく彼女たちはいつも命を燃やす。

それも見ず知らずの、自分勝手な人間たちのために。

それの報酬が偶のまぐわいならばそれはどれだけ有り難いことなのだろうか。

……なにより、自分が楽しくなかったなんてことは口が裂けても言えない。

愛宕はどちらかというと二人で一緒に愉しむ、を大事にするタイプだ。

勿論イカされまくった裏で彼女も悦びを得ていたはずである。

それでも、である。

俺たちは、彼女たちの献身を、現代の戦女神を忘れてはならない。



「なぁ、愛宕」

「はい?」

窓から零れる月光に透かされた彼女の金髪が輝く。

それは、言葉にはできないほど美しい。

「今日の朝、もし早く起きたら買い物にでも行かないか」

「どうしたんです?別にこれで満足ですよ?」

不思議そうな表情で彼女が訊いてくる。



「いやなに…俺がお前と出掛けたいだけだ。
なんなら貸し一つでもーー」

「いえ、ありがたく随伴致しますよ。わ・た・しのかわいい提督さんっ」

「むっ……」

月夜に男と女。

少しだけ情けない男と、自分に正直な女。

それは、普通過ぎてしかし美しい光景。

彼はそれがいつまでも続くことをーー

「あっ、もしかしてホテル行きますか?ね、そうなんですね?
リベンジですか?」

「……」

勿論、それがどんな関係であれ彼にとって彼女が大切な存在であることに変わりはない。


裏テーマはいかに間接的な言葉で雰囲気をつくるか、でした

もし、見てくださった方がいればありがとうございました

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