【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★3【安価】 (1000)

・提督×艦娘のちょっとした学園ものです
・なんかドロっとしてるかもしれません
・エロ、グロといった描写があるかもしれません

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前スレ

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】 - SSまとめ速報
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★2【安価】
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★2【安価】 - SSまとめ速報
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陽炎(幼馴染)
川内(学生であり怪盗)

3人目>>+4

はえー

陽炎(幼馴染)
川内(学生であり怪盗)
卯月(妹分)


4人目>>+4

陽炎(幼馴染)
川内(学生であり怪盗)
卯月(妹分)
榛名(後輩)

ラスト>>+4

陽炎(幼馴染)
川内(学生であり怪盗)
卯月(妹分)
榛名(後輩)
暁(妹)

以上となります
エピローグから書き始めます、多分明日になるかと

エピローグは明日と言ったな、アレは嘘だ


――教室


雷「あら、スーパースターさまじゃない」

提督「…お前までそんな事を」

雷「ふふっ、冗談よ」

あれから行われた甲子園。

俺は何か凄く活躍して優勝した。

やはり俺は凄かったのである。

…が。

その代わり、色々な弊害も増えた。

「提督くーん!あのあの、一緒にお弁当を食べたいなって!」

「ちょっと!?提督くんは私と――」

雷「はいカットー」

「雷さん!?邪魔を――」

雷「教室は皆の物ですー」

ピシャッ、と雷が扉を締める。

廊下で悔しそうに舌打ちをする音が聞こえて、足音が遠ざかっていった。

提督「……雷、案外逞しいな」

雷「そうかしら?」

提督「…ああ、ちょっと意外だった…すまんな、なんか」

雷「いいのよ、気にしないで」

提督「…しかし、さ」

雷「どうしたの?」

提督「…いや、何でそんなに俺に…その、色々してくれるんだ?」

雷「……ん、そうね…」

雷「太陽には、輝いていて欲しいじゃない?」

雷「例え、手が届かなくても」

雷「雲を払う事くらいなら、私にも出来るもの」

提督「………よくわからん」

雷「あははっ、そう言うと思った」

提督「じゃあもっとわかりやすく説明してくれよ!」

雷「いーや」

提督「…くっ…俺が馬鹿なのを良い事に…」

雷「……それで良いのかしら…?」

雷「ま、でも――」

「…頑張ってね、提督くん」


――高架下


球磨「クマー!」

提督「うおっ」

物凄い勢いで突撃してきた謎の物体Xを何とか避ける。

その正体は球磨であった。

球磨「甲子園優勝、おめでとうだクマー!」

提督「…ありがとう…はいいが、何故突っ込んできた」

球磨「気持ちが逸ったクマー…」

提督「なんじゃそら」

球磨「…そんなことより!」

ビシッ、と此方を指差して。

球磨「痺れたクマー!」

提督「…ん?」

球磨「あの球、本当に凄かったクマー…」

提督「…いや…ありゃ、そんな大したもんじゃない」

球磨「……嫌味クマ?」

提督「ちげーよ」

提督「…あれはお前以外にゃ、投げられん」

球磨「……クマ?」

提督「お前が相手だったから、投げられた」

球磨「………ふっふー、もしかして球磨ちゃんに惚れちゃったクマ?」

提督「それはないから安心してくれ」

球磨「クマっ!?」

提督「…ま、なんつーか」

提督「次も負けねーからな」

球磨「…望む所だクマー!」

これからも―それこそ、高校の、その先も。

あいつとのライバル関係は続いていく様な気がする。

…何となく、そう思ったんだ。

「よし、そこの河川敷で1打席勝負だクマー!」

…やめてくれ。



――喫茶店


間宮「…兄さんを見つけた?」

提督「はい…知り合いに頼んだんですが、結構、アッサリと…」

間宮「………そう、ですか」

間宮さんが、唇を噛む。

その悔しさを向ける先は、父さんなのか、自分なのか。

間宮「…ごめんなさいね、本当に」

提督「い、いえいえ!間宮さんには俺が謝らなきゃいけないくらいで!」

間宮「いいえ、ごめんなさい」

間宮「私がもっとしっかりしてれば、貴方の苦労をもう少し減らせたかもしれないのに」

間宮「…本当は、私が兄さんを見つけなきゃいけなかったのに」

間宮「私は、何も…」

提督「…間宮さん」

多分、言ってもわかってくれないだろうから。

間宮さんを、抱きしめた。

間宮「提督くん…?」

提督「本当に、感謝してます」

提督「俺を雇ってくれたことも」

提督「俺に、いつも夕飯を作ってくれたことも」

提督「…本当に…言い切れないくらい、色んな事を…」

提督「だから、何も出来なかったなんて、思わないでください…」

少しだけ目をぱちくりとさせて、その瞳を俺に向ける。

間宮「…ありがとうございます」

間宮「……ダメですね、私、何で私が慰められてるんでしょう…」

間宮「…あの、提督くん」

提督「はい」


「また、一緒にご飯、食べましょうね?」



――空港


そわそわとした身体が止まらない。

空港ロビーでかれこれ数十分…いや、体感では数時間程こうしてウロウロしている。

かなり見た目には不審であろうが、そんな事を気にかける余裕は無い。

搭乗ゲートの辺りに視線をやったまま、ずっと、ずっとあの金髪の少女を待っている。

あの無駄に高い声を待っている。

それから、どのくらいの時間が経ったか――

「お兄ー!」

提督「……あ」

ぶくま、と言おうとした言葉は、果たして続くことは無かった。

阿武隈が居た。

阿武隈が走っていた。

すっかり潤いを取り戻した肌に、さらりとしたしなやかな髪。

そして、曇りのない笑顔。

見た瞬間に、涙が溢れた。

阿武隈がそこにいたから。

昔と変わらない、阿武隈が。

阿武隈「……お兄?どしたの?」

提督「…あぶくまぁ…」

涙声を隠すことも無く、俺は阿武隈を抱きしめた。

夢でないんだと、現実なんだと確かめたかった。

阿武隈「…暑いし、恥ずかしいってばー…離してよー…」

提督「……良かったなぁ…」

阿武隈「…もー…お兄のあほー…」

口では嫌がる阿武隈も、俺を振り払う事はせず。

されるがままに、抱かれていた。

阿武隈「…お兄」

提督「…ん?」



「――ただいまっ!」


提督「本当に、ありがとう」

那珂「いいっていいってー、何回目なのさこのやり取りー」

阿武隈の病気は、海外で手術しなければ治らない。

そう、医師に聞いたのが始まりで。

俺はずっと、その為に野球を続けてきた。

大層な額だった。

名医に頼む必要があり、その上交通費、リハビリ…なんて事を計算していたら、一体どのくらいの額になるか。

…ただ、それをポンと出してくれた奴がいた。

『むむ、よーし、那珂ちゃんに任せて!』

そんな気楽な言葉で。

俺の為に、そんな額を。

……本当に、頭が上がらない。

那珂「…とゆーかですねー、そのですねー」

提督「?」

那珂「…あの、将来の家族の為にですね、お金を払うのは…当然、じゃないかなー?」

提督「……将来の、家族?」

那珂「伝わってないのー!?」

提督「…ん、あ、いや、そんな事は…その」

那珂「……んにゃ、な、なら良いんだけど…」

提督「……那珂」

那珂「は、はいっ!」

提督「…子どもの名前、何にしよう?」

那珂「……………」

提督「…………?」

那珂「気が早いわーっ!」

顔を真っ赤にして怒る那珂を見て、自然と顔が綻ぶ。

これまで、それなりに辛い思いをしてきたのだ。

こんな幸せに浸ったって、悪くは無いんじゃないだろうか。

「だ、だいたい、その、子どもって、あの」

「…そりゃ、――をしてだな」

「えっちー!」ブンブン

「わ、ちょ、おま」

「ふん、お預けだからね、とーぶん!」

「……マジか…しゃーない、なら阿武隈で…」

「…ちょっとー!?」

俺は、那珂の人生を変えてしまった。

だから、絶対にそれを後悔させないように。

彼女が、笑っていられるように。

そんな風に、生きるんだ。

【那珂 HAPPY END】

阿武隈の設定を結局ほぼ明かせなかったのが反省点
プロローグでもうちょい説明しときゃ良かった
これで3周目は終わり、流石にプロローグは明日の夜だと思います

プロローグでけたから投下しよう
ちょっと川内さんの所はっちゃけすぎた感じはあるけどまあいいや


【プロローグ】


「おーい、起きんか、暁」

「むにゃー…れでぃの睡眠をー…むにゃー」

「…………」

この妹は、本当に今年で中学を卒業する予定なのだろうか。

とてもそんな歳には見えない。

今すぐ荷物を纏めて小学校に通います、と言っても不思議でない。

子どもらしく布団を巻き込んで丸まって眠る少女を揺する。

「起きろって」

「…うへー…お兄ちゃん、そこはれでぃの秘密の――」

「どりゃ!」

その先は言わせてはいけない予感がして、布団を引っぺがす。

というかお前の夢の中での俺は一体何なんだよ。

「ふにゃ…?…んー…あれー…?あさー…?」

「昼だよ、暁」

「あー、おにーちゃんだー、えへへー…ぎゅー…」

「………暁…寝ぼけてるのか?」

「ふぇ?……って、お兄ちゃん!?な、何で私の部屋に居るのよ!?」

「明日から学校なのにいつまでたっても起きてこない寝坊助が居るから起こしに来た」

「で、出てってよあほお兄ちゃん!れでぃーの部屋に無断で侵入するなんて最悪だし!」

ぶんぶんと手を振り回し、俺を追い払おうとする暁。

…とりあえず。

乱れた寝間着を直せ、れでぃ()。

別にお前の裸なんて今更アレだけど、気分的に一応。

つーか、見えそうで見えないってのは下手に全裸よりも扇情的だな。

…じゃねーよ、何考えてんだ俺。

「…いや、俺も普段なら放っとくけどさー…卯月が来てるんだよ」

「え?うーちゃん?」

「そう、だからさっさと起きろって」

「…むにゃ、わかった」

「………ったく」

後手に暁の部屋のドアを締めながら、溜息をつく。

全く、本当にあいつは成長しているのか。

少なくとも乳にはその傾向は皆無だな。

…一部の人からの需要が凄そうで何ともアレだが。

そんな詮無い事を考えながら、人を待たせたままのリビングまで降りていく。

兎の髪飾りを着けた少女は、俺が暁を呼びに行く前の姿勢のままで座っていた。

「悪い、今起きたみたいだ」

「…やっぱり寝てたっぴょん?」




「いつまでも子どもなんでな、許してやってくれ」

「なら、代わりにお兄さんとのトークタイムで手を打つっぴょん!」

「そうだな、暁が降りてくるまでくらいなら付き合うよ」

「やたっぴょん!」

長い髪を揺らしながら、兎の少女―卯月が応える。

彼女は暁の小学校からの友達で、そのつながりでこうして家に来る度に良く話す。

…尤も、これはまともな応対をしないあのバカ妹に問題があるのだが。

こういう時、もはや俺と遊びにきたのか暁と遊びにきたのかわからんレベルである。

「コーヒーでいいか?」

「おぉ…これはこれは、お構いなくっぴょん」

「気にすんなって、あんな妹に付き合ってくれる友達だ、大事にせにゃ」

「何気に酷いっぴょん…まあでも、そういうことなら…いつもどおり砂糖は4つだっぴょん!」

「……毎度毎度よくそんなゲロ甘コーヒー飲めるなお前…まあ良いけどさ」

ティーカップに注いだ漆黒の液体に、用意していた角砂糖を落とす。

ふわりと香るコーヒーに、甘い匂いが混じる。

年齢が上がるとともにこの嗜好も変わっていくかと思ったが、こいつのこんなところは変わらない。

「ほいさ」

「んー…ダバダーっぴょん」

「はは、お前に違いは判らなそうだな」

「む、このうーちゃんを捕まえて何たる言い草」

「これでもよく違いがわかる女と言われるっぴょん」

「…どういう風に?」

「……とにかく、わかるんだっぴょん」

誤魔化すようにティーカップを一気に傾けて、あち、と卯月が舌を出す。

本当に、この兎の少女は相変わらずだ。



「火傷すんなよ」

「むふふー…その時はお兄さんに火傷した場所を舐めて貰うっぴょん」

「…それは…中々ぞっとしないな」

「どういう意味っぴょん!?」

「言葉通りの意味っぴょん」

「にゃっ!?うーちゃんのアイデンティティが取られたっぴょん!?」

「…随分安いな、お前のアイデンティティ…」

そんなやり取りをしていると、程無くリビングの扉が開く。

その奥から、何処か寝ぼけ眼の暁が現れる。

「ごめんねー、うーちゃん」

「なんのなんの、うーちゃんは優しいからこうしてお兄さんに付き合ってあげるくらい全然平気っぴょん」

「…おい、何か俺がお前に構って貰ったみたいに聞こえるぞ」

「違うっぴょん?」

「おういい度胸じゃねえか兎っ子」

「ふっ…、このうーちゃんに挑もうとは痛い痛い痛い痛いっぴょん!」

「む…何か、暁が仲間外れにされてる感じ」

「あ、気付かれたっぴょん」

「うーちゃん!?」

「あはははー、うーそだっぴょ~ん!」

「もー、暁をからかわないでよね」

何というか正反対のコンビだなぁ。

カップに残ったコーヒーを飲み干し、立つ。

「あれ?お兄さんどこいくっぴょん?」

「出かけて来る、というか元々買い物してくる予定だったんだよ」

「どっかの寝坊助のせいで遅れたがな」

チラ、と暁を見る。

「暁のせいなの!?」

「そりゃそうだ」

「そうっぴょん」

「仲間がいないんだけど!?」

ははは、と笑ってリビングの扉を開ける。

「そんじゃ、行ってくる」

「うん、行ってらっしゃい、お兄ちゃん」

「戦地へ赴くお兄さんにー…敬礼!っぴょん!」

約一名頭のおかしな娘がいるが、ゆとり教育とは罪深い物である。

俺は、そんな社会への毒を吐きつつ玄関を出るのであった、まる。

「…強く生きろよ、卯月」

「今うーちゃんそこはかとなく馬鹿にされた気がするっぴょん!?」




インターホンを押す。

最新型のそれは、しばらくして人の声を発した。

『はーい、あ、提督?』

「いかにも」

『買い物?』

「ああ、すまんな、ちょっと遅れた」

『いーのいーの、気にしない気にしない』

『今行くから、ちょっと待ってて!』

「了解」

聞くだけで快活とわかる、そんな元気を含んだ声。

その声の主を思い浮かべながら待つ。

陽炎。

所謂、幼馴染である。

昔から何をするにも一緒…と言っても、最近は流石にそこまででもないが。

それでも、幼稚園から続く腐れ縁は伊達ではない。

クラス替えをする度に一緒のクラスになるし、席替えでは必ず近くに来る。

やんちゃで元気な娘だったが、最近は何というか…少しだけ、女らしくなったというか。

「ふむ……」

「なーに考えてんの?」

「うおっ」

「や、お待たせ」

「おう、待った」

「ふてぶてしいわねー…」



「はっは」

「で、何考えてたの?」

「陽炎の魅力について」

「ほーう、一体何十個くらい出てきたのかしら?」

「いやそれが一つも」

「うりゃ!」

べしっと、チョップが飛ぶ。

俺はわざとらしく、門柱により掛かるように倒れた。

「…腕を、上げたな…」

「……アホな事やってないで、買い物、行かないの?」

「行く」

「はい、じゃあ立つ!」

「…こういう時、立たせてくれる優しい幼馴染が欲しいなー」

「生憎売り切れよ、そーいうのは」

「何だ、つまらん」

「…馬鹿をそのまま地面に蹴り倒す幼馴染なら用意できるけど?」

「よし、行こうか!」

光陰矢のごとし。時は金なり。

時間は一時たりとも無駄にしてはならないのだ。

そんな決意とともに、俺は立ち上がった!

「何をグズグズしているんだ陽炎、間に合わなくなっても知らんぞ!」

「…へーいへい、調子良いんだから」


「あれ、先輩…?」

買い物にやって来たのは大型ショッピングモール。

ここいらでは一番大きな、周りに美術館などの文化的施設まで敷設されているまさに街の中心である。

そのモールの中の100円均一ショップ。

そこでノートやら何やらを、どんどんとカゴに入れていく。

そんな時掛けられた声に振り向くと、見知った顔が在った。

「おお、榛名じゃないか」

「奇遇ですね」

「全くだな、買い物か?」

「はい、新学期に向けて、漏れがないか」

「そか、つーことは似たようなもんだな」

「お一人ですか?」

「いや、陽炎と」

「相変わらず、仲が良いのですね」

「ま、長い付き合いだしな」

それに、榛名―演劇部の後輩は、そうですかと笑った。

中学の頃からの後輩で、この娘ともそれなりに長い付き合いである。

高校でも演劇部に入り、一緒に活動をしている。

彼女の演劇の才能はかなりの物だと、俺から見ても思う。

「良かったら、このまま一緒に買い物しないか?」

「え?…良いのですか?」

「勿論、榛名が嫌というなら無理強いはしないけどさ」

「い、いえ!榛名は大丈夫です!是非!是非ご一緒させていただきたく思います!」

「お、おう…そこまで食い付かれると…」

「あ…も、申し訳ありません」

「ま、嫌がられて無いみたいで、良かったよ」

「それじゃ、一緒に回ろうか」

「は、はいっ!」

どこか上機嫌に見える榛名が、隣に並ぶ。

「…今月末のさ、新入生歓迎会の演劇…どうする?」

「題目ですか?」

「ああ、うん…いや、正直決めかねてて」

「…どんなものでも構わないと思いますけれど…」

「主演女優は榛名って決まってるからさ、その魅力を新入生に伝える劇にしたくて」

「なるほど、そうですk――――ええっ!?」

「な、な、な、何を言ってるんですか、先輩!?」

「はっはっは、いやいや、冗談」

「…………むー」

その言葉に榛名は少し安堵したような仕草を見せた後、不満気にむくれた。

そんな彼女に、すまんと謝って続ける。



「いや、そういう反応が見たくてさ…あ、でも、榛名が魅力的、ってのは冗談じゃないぞ」

「……え?」

「…演技してる時の榛名は…、勿論普段から十分可愛いけどさ、舞台に立ってる時の榛名は特に――」

「…こらっ」

「あでっ!?」

気分良く喋っていた所を、侵入者が邪魔をする。

引っ張られた耳を持つ手の先には、つまらなそうな顔をした陽炎。

「口説かないの」

「口説くって…いや、俺はただ、さ」

「はいはい、知らない知らない、ほら、買い物終わってないでしょ?」

「…へいよ」

「榛名ちゃんもあんま本気にしない方が良いよ、こいついつもこんなんだからさ」

知ってるだろうけどね、と何処か曖昧な笑みで榛名に笑いかける陽炎。

しかし、榛名はそれに俯いて応える。

「………」

「…榛名ちゃん?」

痛い。俺の頭を叩きながら喋るとはどういう了見だテメェ。

とは言えないので殴られながら話を聞く。

俯いた榛名は、陽炎の言葉に何も答えない。

「……せ、先輩」

「…ん?」

そして開いた口、その向けられた先は、陽炎ではなく俺だった。

「…ありがとうございます、あの、そのように思って頂けて、嬉しいです」

「いや、思ったこと言っただけだって」

「それが嬉しいのです、榛名、これからも頑張ります!」

「…そっか、なら――」

「だーかーらー、口説かないの!」

「いでえっ!?」

「ほら、買い物続ける」

割と渾身に近い力で頭を殴られ、流石に言葉を続けられない。

そのまま、陽炎に手を握られ、引っ張られるままに付いていく。

「……榛名ちゃんも、行こう?」

「……はい、そうですね」

…しかし、前々から思うのだけれども。

この2人って、微妙に仲が悪いよなぁ。

不思議だ。



「あれ、川内さん?」

「…提督くん、どうも」

色々な買い物を終え、時刻はそろそろ夜と言えるような時間に差し掛かろうというところ。

何故か人混みの絶えないモールの中をかき分けながら出口へ向かっている途中。

2年生の時のクラスメイト、川内さんに出会った。

「川内さんも買い物とか?」

「…うん、だいたいそんな感じかな」

俺の中で、あまり彼女の印象は強くない。

眼鏡をかけた、大人しめのクラスメイトで、事務的な会話を少々するくらいだ。

「………」

「………」

だもんで、会話は中々続かない。

すぐに沈黙が訪れてしまう。

…こんな時に限ってあの女子2人がトイレというのが…。

何ともタイミングが悪い。

「…あ、あのさ」

「…なに?」

「いや、…あ、ずいぶん人多いよね、もうそろそろ7時位なのに」

「ん…え、えっとさ、美術館の方で、何かあるんだって」

「…美術館?…こんな時間からイベント?」

「いや、そうじゃなくて…って、時間やばっ…!」

「川内さん?」

「ご、ごめん!ちょっと急がないといけないの!」

「……行ってしまった」

…随分急いでいたようだが、どうしたのだろう。

それにしても、この人混みを器用に抜けられるものだ。

「…しかし、美術館?」

…こんな時間から美術館で何をやるというのだろうか。

気になってしまう。

楽しそうであれば、見て行きたくもある。

「…あの」

「うん?」

近くにいる、美術館の方を見ている男の人たちの一団に声をかけることにした。

おそらく、この人たちの目当てはそれだろう。



「今日って、何かあるんですか?」

「ん?ああいや、あの夜戦仮面があそこの美術館を標的に予告状を出したらしいんだ!」

「……夜戦、仮面?」

聞き覚えの無い言葉に、つい首を傾げてしまう。

「…まさか…ご存知、無いのですか?」

「え、い、いや…はい、知らないです」

「…ふっ、ならば説明してあげましょう…」

「夜戦仮面とは!」

男の人が声を上げる。

すると、別の場所から声が返ってきた。

「夜の闇を好む、漆黒の怪盗!」

「月夜に舞う、美の化身!」

「その業、まさに美麗にて流麗!」

「狙った獲物は、逃がさない!」

「その名も………」

「「「「夜戦仮面ッ!」」」」

「……………………」

………………。

…………………。

……えー。

なんすかこの人達。

なんなんすかこの人達。

全力でここから逃げたい。

何で俺話しかけちゃったんだろ。

「……あ、いえ、そっすか、…ども」

「まぁ待て若人!もっと夜戦仮面について語ることはある!」

「あ、そういうのほんと良いんで…マジで良いんで…」

「いやいや――」

と、そんな時。

モールの電気が、一斉に消えた。

「……停電?」

そして、丁度今いる渡り廊下から見える美術館。

普段は落ち着いた雰囲気の照明でその周りを照らしている筈のそこが。

一斉に輝いた。

「……あれは、…」

「夜戦仮面…」

誰かが、そんな声を上げる。

呟きは、伝播して輪唱へ。

そしていつしか、その名を称えるような合唱へ。



「夜戦仮面ッ!」

『月満ちれば即ち虧く――』

電気の入っていない筈のモールに、館内放送が響く。

『だが、案ずることは無い!新月の暗闇を、私が照らそう!』

『夜戦仮面、参上!』

わー、と、所々で湧く歓声。

美術館の明かりが、その屋根に立つ1人の…女?男?に当てられる。

『予告通り、私は現れた!』

「すげぇ…あの警備の中を、堂々と…」

「やっぱり夜戦仮面がナンバーワン!やっぱり夜戦仮面がナンバーワン!」

「……え、っと、あの…」

「何だね!?」

「…いや、怪盗って事は何か…盗むんですよね?」

「いかにも!」

「……えー…」

…やばい、状況についていけない。

この盛り上がってる人達はどういう集団なのか。

『では確かに、この勢州桑名住村正――夜戦仮面が頂いた!』

「結構すげえもん盗むんだなオイ!?」

大振りの刀をくるりと振り回すと、立ち所に明かりが消える。

暗転し、再び美術館の周りにいつもの落ち着いた照明が灯った時には、夜戦仮面のいた場所には闇が広がるのみ。

「…すっげえ…すげぇよ夜戦仮面!」

「…いやあ、良いもん見れた!」

盛り上がる周囲。

「……せ、先輩…」

「提督、これは…?」

「……知らん、というかわからん」

戻ってきたらしい2人も、困惑で目を白黒させている。

どうにも。

世の中とは、俺の知らない間に進化してしまっているらしい。

いっそそのまま進化し続けて俺の知らない間に宇宙にでも行ってしまえ。

「……しかし、夜戦仮面…」

「…一体、何者なんだ……?」

最後の高校生活。

その始まりの前夜は、何とも忘れられない夜だった。



【プロローグ 終われ】

何このプロローグ頭おかしい…
昼川内さんのイメージはどっかで見た眼鏡かけた画像
今日は帰ったら川内さん即改造するんだ…
また夜に



【4月1週】


『夜戦仮面が――』

提督「………」

暁「どうしたの、お兄ちゃん?」

提督「なんでもない…」

…ああ、朝のニュースで取り上げられるなんて。

やはり昨日のアレは現実だったということか。

提督「…暁」

暁「なにー?」

提督「お前、これ知ってるか?」

暁「夜戦仮面?うんうん、知ってるわよ!」

暁「突如現れ、華麗な口上とともに獲物を攫っていく謎の大怪盗――」

提督「…あー…いや、知ってるなら良い、説明はいらん」

暁「なによー、これから良いところなのにー」

ああ。

世の中、本当に俺の知らない内に変わっていくんだなあ。

そんな事を思った、朝だった。



コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 **0/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   **0/500

――川内邸


提督「…ふーむ」

でかい。

結構な都市部で存在感を放つ、大きな和風の屋敷。

その門の前で、俺は立ち尽くしていた。

『…すまん、提督…一つ、頼まれてくれないか?』

『本当は先生が行きたいんだが…』

なんと、始業初日から彼女は休んでいて。

故に、渡さなければならないプリントやらなんやらを押し付けられてしまったというわけだ。

去年クラスメイトだった+家がそこまで遠くない、という理由で。

しかし、此処まで立派な屋敷だと微妙に尻込みしてしまうな。

インターホンに手が伸びない…。

と、少し逡巡していると、後ろから声を掛けられた。

「あら…?どなたでしょうか…?」

提督「…え?」

――――――――――――――

『…あらあら、そうだったんですか、わざわざありがとうございます』

『そうだ!良かったらあの娘に顔を見せてあげてくださいな』

『またまた、わざわざ家までいらっしゃるという事は、ほら…もう、あるんでしょう?そういうの』

『いいからいいから、どうぞどうぞ』

…半ば押し切られる形で、俺は川内邸の長い廊下を歩いている。

…どうせーっちゅーねん。俺は川内さんとそこまで仲良くない…いや、そもそもあの人と仲良くしてる人を見たこと無い気がする。

なんてことを考える内、川内さんの部屋まで辿り着いてしまう。

…仕方ない、少しだけ挨拶して、それで帰ろう。

こんこん、と2度、扉を叩く。

『はーいはーい、良いよー』

提督「こんちは、川内さ――」

川内「てゆーかお母さん、一々ノックなんてしなくて良いっていつも――」

提督「…………あれ?」

川内「…………」

そこにいたのは、ズボンは半脱ぎで、上着のボタンが全部外れている川内さん。

ああ、そっか、着替えてたのかな――

川内「…ぎゃあああ!?」

提督「…す、すいませんっ!」

などと暢気に品評している場合ではなく、急いでドアを閉めた。

…にしても――

>>+4

A.綺麗だった。

B.俺の馬鹿!

C.………川内さんには申し訳ないが…うむ。

A.綺麗だった。(*1.5)


…綺麗だった、と思った。

いや、いきなり人の家に上がり込んだ上にこんな酷い事しくさった奴が述べる発言では無いだろうけれど。

でも、…綺麗だった、うん、ごめんなさい、川内さん。

川内『……入ってきても、良いよ』

提督「は、はい失礼します!」

川内「………で、何の用なの?」

提督「…あ、あのですね!その、実は――」

とりあえず、事情を説明する。

来た理由と、此処に通された理由を。

川内「……はぁ、お母さんったら、相変わらずだなぁ、もう」

提督「……すいません」

川内「あーいや、提督くんが謝る事じゃないよ」

川内「むしろ感謝しなきゃいけないくらい」

提督「…でも…」

川内「いーのいーの!まぁ…その、下着は脱いでなかったし!ギリギリセーフ!」

提督「……川内さん」

川内「それとも何だー?私の裸が目に焼き付いちゃったかー?んー?」

提督「い、いや別にそういうのじゃっ!」

川内「はっはっはー」

提督「……というか」

川内「んー?」

提督「…いつもと、結構違うっすね、話し方」

川内「………あ」

その指摘に、あちゃー、と川内さんが項垂れた。

川内「…家だってんで、ビミョーに油断してたー…」

提督「……あの」

川内「……?」

提督「あー…そっちの話し方の方が…なんか、川内さんらしい…っすよ?」

川内「…そう?」

提督「…はい」

川内「……そっか、なら別にこっちでも良いや」

いつもの喋り方、疲れるんだよねー、と川内さんが笑う。

川内「というか、そんなら提督くんも普通に喋りなよ」

提督「え?あ、…お、おう?」

川内「そーそー、そんな感じそんな感じ」

川内「…それじゃ、わざわざ来てくれたんだし、お茶でも淹れようかなー」

ちょっと待ってて、と彼女が部屋を後にする。

何とも不用心だが、それで良いのだろうか………。

…その少女、川内との奇妙な縁は、これが始まりだった。



【4月2週】


卯月「…うーちゃん、眠いっぴょん」

提督「帰って寝ろ」

卯月「むー…もう眠っちゃうぴょーん」

提督「…」

卯月「お兄さんの膝最高だっぴょん…」

提督「…いや動けないからどいてくれ」

卯月「やーだっぴょーん…くぅ」

提督「…………」

提督「……本気で寝やがった…」

提督「……」

提督「…鼻でも摘んで遊ぶか」

卯月「……ふきゅっ!?」



コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 100/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   **0/500



――暁の部屋


提督「暁」

暁「え?…お、お兄ちゃん!?」

提督「今日さ、母さんが仕事遅くなるみたいで、夕飯を――」

暁「ちょ、で、出てってよ!勝手に部屋入らないでよー!」

扉を開けて入った俺を、必死に手で外へ追いやろうとする暁。

…反抗期というやつだろうか、つらい。

提督「…わ、わーったって、出てくから…」

提督「夕飯、何が食いたいかだけ教えてくれ」

暁「……麻婆豆腐、甘いやつ」

提督「はいよ、了解」

パタン、とドアを閉めてから、浅い溜息を付く。

…うーむ。

どうにも最近、暁に嫌われているかもしれない。

最近そういった俺に対する暁の態度が顕著に現れている。

反抗期、と片付けてしまえば早いかもしれないが…。

もし本当に嫌われていたら…何とも、寂しい気持ちがある。

べったりでも困るが、あまりにも拒絶されると寂しい兄心である。

…よし。

俺から何かアクションを起こしてみようか。

…そうだな、例えば――


>>+4


A.甘い物とかで機嫌を取ってみるか。

B.ひたすら構ってみるか。

C.やっぱり何もしないでいいか。

B.ひたすら構ってみるか。(*1.5)


よし。

多分アレは暁なりのツンデレなんだと思う。

そう俺は結論づけた。

というわけで。

提督「暁!」バァーン

暁「お兄ちゃん!?い、言ったじゃない勝手に――」

提督「よーしよしよしよし!」

暁「わぷっ、な、ちょ、お兄ちゃん」

提督「暁は可愛いなぁ!」

暁「は、離してってばー!」

提督「暁、こら、暴れるな!パンツが脱がせられないだろう!」

暁「ひきゃぁぁぁ!?」

提督「…あ、いや、これは流石に冗談だから」

この後めちゃくちゃもふもふした。

…うん?

最初の目的、なんだっけ?


暁→ 100/500

ちょっと休憩
夜戦仮面さんの絵が思ったより夜戦仮面で少しビビった



【4月3週】


違和感に気付いたのは、演劇部の部室前。

提督「…?」

今日はめちゃくちゃ早く来たのに、何故か室内から音が聞こえる。

気になって、それに聞き耳を立ててみると――

『月満ちれば即ち虧く――』

『だが、案ずることは無い!』

提督「…や、夜戦仮面っ!?」

慌ててドアに手をかけ、勢い良く引く。

榛名「新月の闇を、この夜戦仮面が――えっ?」

提督「……………」

榛名「……………」

提督「…榛名」

榛名「……はい」

提督「なにやってんの?」

榛名「……か、かっこよかったなぁ…って……その、誰も居なかったので…」

提督「……その決めポーズは?」

榛名「…うぅぅぅー…」



コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 100/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   100/500


――美術館

提督「また夜戦仮面が!?」

どこかで見たような集団に、嫌な予感たっぷりで話しかけると。

果たして予想通りの答えが返ってきた。

「そう、そうなんだよ兄ちゃん、いやー、タイミング良いねえ」

「全くだよ、なんでも今回はさ、此処に展示される国宝級の名物…『池田正宗』を狙ってるって話さね」

提督「…刀剣?」

「これまでに盗まれたのも、全部刀剣みたいだからねぇ」

「そうなんだよ兄ちゃん!よくわからんけど、あのお方はいつも刀を奪っていくんだ!」

提督「……はぁ」

折角演技の幅を求めて世界の刀剣展にやって来たというのに。

いやゴメン嘘、ただ単に中二病的な理由で剣を見たかっただけだけど。

此処にいて、変なことに巻き込まれてしまっては敵わん。

提督「…さっさと帰ろう」

――――――――――

…そんな決意をしたのが30分程前で。

美術館を回るのもそこそこに、家への道を歩いている。

提督「……お?」

スマホのニュース一覧が更新される。今、ちょうど夜戦仮面が現れたらしい。

提督「ふーむ、いやいや、いいタイミングで帰られたな」

面倒に巻き込まれることもない。

と、鞄にスマホをしまって…その時、異変を感じた。

………?足音?

しかし後ろを向いても、誰もいない。

前にも横にも、いない…残るは…。

提督「上………?」

と、見上げたその先。

真上の民家の屋根を、漆黒の影が翔んだ。

提督「………っ!?」

「……っ!?わ、と、ちょ!?」

真黒な衣装から覗く双眸が此方を見。

その影は何故か少し取り乱して。

「あっ……!?」

飛び移ろうとした民家の屋根から、足を滑らせ、下の川へと、小さな音と共に堕ちた。

提督「…………」

近づかないほうがいい、と冷静な俺が言っている。

きっと、絶対に面倒臭い事になる、と――

>>+4

A.助けに行く。

B.放っておく。

A.助けに行く(進行度関係無しイベント)


提督「………」

「ん……」

岸までは辿り着いたのだろう。

大事そうに両手に荷物を抱えたまま、川べりに寝転がる―おそらく、夜戦仮面。

その漆黒の面が、少しだけズレていた。

提督「………」

だがそれでは、目と髪しか見えない。

故に、失礼だとは思ったが、口元を覆う面を、指で剥がす。

ゆっくりと、面を下ろしていき。

その下に在ったのは――

提督「……川内?」

川内「…………」

先日、プリントを届けに行ったクラスメイトの顔だった。

提督「………」

…嘆息するしかない。

…どういう事だ。

いや…それより、ともかく。

提督「…運んで行った方が良いかね、これ…」

ちょっとやそっとじゃ起きそうにないこのクラスメイトをこれからどうするか。

それが一番大きな問題だった。


川内→100/500

今日は此処まで
ごめん、ちょっとね、コンマ取ろうかと思ったけどね、絶対イベント消化しきれないと思った
お付き合い頂きありがとうございました
もしダメだろこのやり方は…と思われましたら言って下さい

正体を知るまでに時間をかけるか正体を知った後に時間をかけるかだと後者の方がエンドとしては自然な流れになるかなーと
川内に関しては最短とかでエンドに行かれちゃうと色々と無理が生じそうだからこうするしかなかった、つまり私の実力不足
現時点でルートの練り込みが艦娘によって確実に差があるのも私の実力不足、ごめんなさい
一番考えたのを言うとなんか誘導してるみたいで嫌だから言いません
長々と言い訳を並べてすいません、今日は22時くらい、もしかしたらもうちょっと遅くなるかも



【4月4週】


さて。

早いもので、俺もよく考えてみれば高3。

であるが、この歳まで彼女なる存在を作ったことがない。

…周りではどんどんと恋人が作られていく時期であるというのに、だ。

提督「不公平だろ?」

陽炎「…いきなりどうしたの?」

提督「なぜ俺はモテない?」

陽炎「……それ、本気で言ってるの?」

提督「うむ」

本気でうんざりした様子の陽炎が、殊更大きな溜息を付いた。

向けたその視線は、まるで俺を責めているかのようで。

陽炎「…そういう所が悪いんじゃない?」

提督「どういう所だ」

陽炎「そういう所」

提督「…意味がわからんぞ」

陽炎「私も、提督がそんな事を言う意味がわからないわ」

…なんだろう。

陽炎は、もしかして怒っているのだろうか。


コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 100/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   100/500


――提督の部屋

提督「………」

あれから。

暁がどうしても俺を部屋に入れるのを嫌がっている。

ちょっと訪ねただけで、即追い出される。

…難しい年頃、といえばそうなのだろうし、俺だって親に部屋に入られるのは嫌だった。

しかし…。

提督「……ふぅ」

仲が良かった妹に、こうまで拒絶されると何とも寂しい。

結構妹離れしたと思っていたのだけれど、まだまだそんな事はないようだ。

提督「…構いすぎたかねー…」

思えば、少しあの妹に対してコミュニケーションが過剰だったのか。

暁だって年頃の女の子だ、兄であるとはいえ男に過剰に接されるのは嫌だったのかもしれない。

提督「……」

…というか。

俺シスコンだな、やっぱり。

…いやまぁそりゃそうだ、暁が『彼氏です』とか言って男紹介してきたら軽く縊り殺す自信はある。

『おにーちゃん』

提督「…暁か?どうした?」

などとまだ見ぬ男に殺意を燃やしていると、ドアの向こうで暁の声がした。

『少しいい?』

提督「…ああ、良いぞ」

暁「…お邪魔します」

一体どうしたというのだろう、いきなり。

すると、暁は入るなり、後手に隠していた物を俺へと差し出した。

暁「……はい」

提督「……マフラー?」

それは、手編みらしいマフラー。

所々糸が解れているが、暖かそうな物である。

暁「…あの、お兄ちゃん、いつも頑張ってくれてるから…」

暁「……お母さんが居ない時とか、ご飯作ってくれたり…」

暁「…そ、そんなお兄ちゃんには、お礼をするのがれでぃーの礼儀だと思うの!」

暁「……す、少し…出来るの、遅くなっちゃったけど…」

提督「…もしかして、最近部屋に入るの嫌がってたのって…」

暁「…お、驚かせたかったのよ!」

提督「暁……」

>>+4

A.感動のあまり抱きしめる。

B.ありがとう。

C.…嬉しいが、マフラーって…もう5月になるぞ?

B.ありがとう。(*1.0)


提督「…ありがとう、大事に使うよ」

暁「……ん、ごめんね、渡すのが遅くなっちゃって…って、お兄ちゃん?」

提督「……うん、暖かい」

マフラーを首に巻く。

一周させただけの、簡単な巻き方。

少し季節外れのマフラー姿。

暁「…無理しなくても良いのに」

提督「無理なんかしてない、早くこれを使いたかったんだ」

暁「……ふーん」

興味無いようなフリをして、暁がつんとそっぽを向く。

アレは喜んでるな…相変わらず、少しだけ感情表現が不器用な娘だ。

提督「嫌われたかと思ってた」

暁「…?」

提督「いや、部屋に入るの、嫌がってたし」

暁「……ふふっ、そんな事気にしてたのね」

マフラーを巻いた俺の前に、すとんと暁が腰を降ろす。

暁「大丈夫よ、暁はお兄ちゃんの事、嫌いになったりしないわ」

暁「だから、大丈夫」

眼前で、暁が笑う。

大丈夫、そう念を押しているかのような、優しい笑い方だった。

提督「……」

暁「…お兄ちゃん?」

提督「…無駄に大人ぶってもお前の身体は小さいままだぞ」

暁「がーん!?れでぃーになんて事言うのよー!?」

……。

…嫌われてなくてよかった。


暁→ 101/500



【5月1週】


暁「えっへん」

提督「………」

暁が、料理を作ってくれた。

大変めでたいことだ、赤飯でも炊こうか。

しかしだな…。

『赤いきつね』

『緑のたぬき』

どーんと食卓に並べられたカップ麺。

果たしてこれは料理か?

いや、下手に変なものを作られるよりはマシなんだけど。

張り切って料理を作ってみせると言った暁に期待した俺は一体何だったのだ。

暁「どう?これで一人前のれでぃーでしょ!?」

提督「……」

…しかも、出来た気でいるのかコイツは…。

……。

まあいいか。

暁が手ずから作ってくれたカップ麺なら新発見の美味しさがあるかもしれない。

いただきます。


コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 100/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   101/500



――暁の部屋


暁は受験生だ。

そんな暁に、『勉強見てやろうか』…そう言ったまでは良かったのだが。

暁「……………」カリカリ

提督「………」

一生懸命にシャーペンを動かす暁は、時々詰まってはいるものの、特に問題無く問題をスラスラと解いていく。

…これでは、本当に勉強を見ているだけである。

俺もそんな暁の筆跡を追って、必死に間違いを探しているのだが…。

……うーむ、指摘すべき所が無い。

ふぅ、と息を吐いて、椅子に身体を投げ出す。

…結構暇だ。

するとそんな時、暁が手を動かすのを止める。

そして、目線は問題に向けたままで、俺に質問を投げかけてきた。

暁「お兄ちゃん」

提督「ん?」

暁「…お兄ちゃんも、今年受験だよね?」

提督「……ああ」

こうして気楽に椅子にもたれかかっている俺だが、普通に今年俺も受験なのである。

…くっ、嫌なことを思い出した。

などと考える俺に構わず、暁は続ける。

暁「…ってことはさ、お兄ちゃん、もしかしてこの家を出て行くの?」

提督「……かも、な」

暁「…そっか」

そう答えて、再び問題を解く手を動かし始める。

そして、独り言のように小さく呟いた。

暁「…それは、少し寂しいね…」

暁の問題を解く手は止まらない。

先程と同じように集中している。

…だったら、先の言葉は真に独り言だったのだろうか。

…俺は――


>>+4


A.…そういうもんだろ。

B.そうなったら、暁も付いてくるか?

C.…そうだな、俺も寂しい。

B.そうなったら、暁も付いてくるか?(*1.5)


提督「…そうだな――」

提督「そうなったら、暁も付いてくるか?」

暁「……えっ?」

シャーペンの芯が折れる音がして、暁の手が止まる。

今まで問題に向けていた視線を、初めて此方へと動かした。

…満面に隠し切れない喜色が込められた、そんな瞳だった。

暁「…いいの?」

提督「………」

………。

…お前は何を本気にしておるのじゃ妹よ。

提督「……いや、『いいの?』ってお前、学校とかどうすんだよ」

暁「……そっか」

そうだよね、と露骨に落ち込んで、暁が肩を落とす。

…この妹、もしかしてバカなのだろうか?

今更確認するまでもないが、そんな事を思ったのだった。



暁→ 200/500



【暁―その1】


昔から、思っていたことがあった。

『お兄ちゃんの事が好き』と。

と言っても、それが恋愛感情なのかはわからない。

ただ、一緒にいたいとか、褒められたいとか、そんな感じで。

もしかしたら、あまり一緒に居てくれない両親の代わりを、いつしかお兄ちゃんに求めていたのかもしれない。

とにかく暁は、ずっとそう思って生きてきた。

…けれど。

普通そんな感情は、歳と共に失われていくものらしい。

大きくなるに連れて、家族へのそんな思いは失われていくものらしい。

だったら――

「…きっと、暁は少しおかしいのかな」

だって、胸に灯った兄への想いは、いつまでも消える気配は無いから。

たとえ、異常だと言われても。

この想いを消すことは、どうやったって出来そうに無いから。

…きっと、暁は少し、おかしいんだ。

少し休憩というか風呂
没になったけど是非使いたかった前週の設定(妄想)としては
・球磨、提督の為に試合で手を抜き提督にガチギレされるルート
・那珂、提督が阿武隈の手術費で悩んでいる事を知り、それを支払う代わりに対価を求めるも、それを阿武隈が聞いていて―という阿武隈那珂の嫉妬ルート
・雷、段々遠くに離れていく提督を見て、野球さえしてなければ、と階段から落とし―という雷の嫉妬ルート
辺りですな、うむ
基本的に前週の娘は動かしやすかった、間宮さんもどうとでもなる立ち位置だったし
5なのは…うん、残念だった



【5月2週】


卯月。

俺の記憶が確かなら受験生。

…だと思うのだが。

卯月「ふーっはっはー、うーちゃん帝国のカノンラッシュだっぴょん!さあその貯めこんだ遺産を寄越すがいいっぴょん!」

提督「……」

卯月「ぷっぷくぷぅ~!そんな紙みたいな防備でこのうーちゃんを防ごうとは――」

提督「なあ、卯月」

卯月「ぴょん?」

提督「…勉強とかしないの、お前?」

卯月「ふっふー…こう見えてもうーちゃん、意外と勉強が出来るっぴょん」

提督「………ええ…」

卯月「何だぴょんその目は!?」

卯月「ふふん、意外に知的なうーちゃんって、良く言われるぴょーん」

提督「……」

この兎娘が成績良いとか。

…見た目で判断出来ないもんだなぁ、人間。


コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 100/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   200/500


――暁の部屋


暁「……くぅー…」

提督「…やーっぱ寝てたか」

休日。

もう昼に差し掛かろうかという時間帯というのに、暁がいつまでたっても部屋から出てこない。

また寝てるのかと起こしに来てみたら、案の定だった。

提督「…起きろー、暁こらー」

暁「んー……むー…」

肩に手を掛けて揺すってみるも、反応は芳しくない。

提督「…ったく…何でこんなに寝てるのに育たんのだこいつは…」

凹凸のない妹の身体を思う。

…もう少し育っても良いのになぁ。

……って、いかんいかん。

提督「いい加減起きろってーの!」

その雑念を取り払うかのように、勢い良く布団を剥ぎ取った。

暁「…むにゃー……さむいー…」

提督「寒けりゃ起きろー」

布団の下。

寝相が悪いからだろう、いつも乱れている寝間着。

それが、今日は特に酷い。

暁「……おふとんー」

布団を求めて暁が手を動かす度に、上着がめくれる。

半分脱げたズボンが、膝に引っかかっている。

提督「………」

ごくりと、無意識に唾を飲み込む音がした。

…おい、何を考えてるんだよ俺は。

…こんなもん、見慣れた光景じゃないか。

いかんな、どうもこの前のマフラーの件から何かおかしい。

提督「おい、しっかり起きろって!」

暁「…おにーひゃん…?」

まだ寝ぼけ半分の妹を揺する。

…俺はこの時――

>>+4

A.……暁の幼さを残した肢体に、興奮を覚えていた。

B.…頭に浮かんだ煩悩を必死に振り払っていた。

C.……最悪だ、暁の身体で興奮するとは……溜まってんのかね、どうも。

A.……暁の幼さを残した肢体に、興奮を覚えていた。(*1.5)


…暁は、妹である。

繰り返す、妹である。

義理だとかそんなんじゃない、血の繋がっている妹である。

暁「…てー……またお兄ちゃん、勝手に暁の部屋に入ってるしー」

提督「…だーかーら、時間見ろって時間!」

暁「……んー?…て、え?じゅ、12時過ぎてる!?」

提督「起こしに来た殊勝な兄に感謝してくれてもいいぐらいだと思うぞ」

暁「……むー」

…だというのに。

何だ、この気持ちは。

乱れた寝ぐせだらけの髪が、不満そうに膨らました頬が可愛い。

惜しげも無く肌を晒した躰は、いつにもなく蠱惑的だ。

…いけない。

これは本気で抱いてはいけない感情だと、直感する。

暁「……おにーちゃん?」

提督「……あ、ああ…っと、下に、そうめんが残ってるから、準備したら食いに降りてこい」

暁「…えー…まだ5月なのにそうめんって…」

提督「贅沢言うな、だったらお前が作れ」

暁「……ぶーぶー」

文句を垂れる暁を背に、部屋を後にする。

どうしてだか、鳴り止まない激しい鼓動。

…どうか、気の迷いであってくれ。


暁→ 299/500

深海でもええけどイ級とかはちっと困るね 
ヲ級ちゃんは前書いてて楽しかったから書くの好き、まぁ完全オリキャラなんだけどな!

【5月3週】


榛名「……むむ…」

提督「どうした榛名、やけに難しい顔して」

榛名「先輩…いえ、今度の演劇なんですけれど」

提督「おう、…あ、脚本で嫌なとこでもあったか?」

榛名「い、いえ!那珂先輩の脚本には文句は無いんですけど…その…」

提督「ん?」

榛名「…恋愛物ばっかりだな、って」

提督「……あー…まあ、一番ウケが良いからなぁ、俺らみたいな年代に」

提督「やっぱさ、興味持ってもらうにはそういう――」

榛名「…そこに、文句があるわけじゃないんですけど…」

榛名「……先輩は、主人公役をしないのでしょうか?」

提督「俺?おいおい、勘弁してくれよ、俺なんか」

榛名「…その方が、榛名も…良い演技が出来ます」

提督「無理無理、俺はそもそも台詞を覚える所から無理だ」

榛名「…あ」

提督「ま、そんじゃ那珂には一言言っとくよ」

榛名「………むぅ」


コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 100/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   299/500


――川内邸


提督「…よし、うん、説明して貰おうか」

川内「…………やっぱ、しなきゃダメかなぁ?」

提督「…そりゃそうだ…というか、それで誘ったんじゃないのか?」

川内「…まぁ、そう、だけどね」

あの後、水を吸って重くなったコイツを、律儀にも家まで運んで。

川内母に預けて帰った。

詳しい説明はいつか向こうからしてくれるだろうと思い、その声を掛けられたのが今日、というわけだ。

提督「…とりあえず、単刀直入に聞く」

川内「うん」

提督「お前、夜戦仮面なのか?」

川内「…うん、一応」

提督「……そうだよなぁ」

何しろ実際に見たのである。

これで否定されてはむしろ困るというものだ。

…さて、そうなると次の質問は当然――

提督「…なんで、あんな事やってんの?」

川内「……そう来るよねー」

提督「そりゃあな」

川内「………実は、この私、川内はですね」

提督「うん」

川内「忍者の子孫なのです!」

提督「…………」

川内「…何か反応してよ」

提督「……いや、ごめん、ちょっと強烈すぎて」

電波少女かと思った。しかし何か言われてみるとそれっぽいといえばそれっぽい。

あの装束とか、本当にそれっぽい。

提督「…しかし、質問の答えになってないぞ?」

川内「…んー、まぁ…盗んでるのはさ、ちょっと刀を集めなきゃいけない事情がね」

提督「どんな事情だよ…」

川内「…あはは、それは気にしない気にしない」

とにかく、そういうことで、と川内が話を切る。

川内「この話は、出来れば誰にも言わずに忘れてくれると嬉しいかな」

川内「ミスっちゃった私が言うのも何だけどさー…あんまり、関わって面白い話じゃないと思うから」

提督「………」


>>+4

A.…そうだな、面倒臭い事に巻き込まれても敵わんし…。

B.……嘘かホントかはわからんが、忘れるには勿体無い程に面白そうな話だ。

C.話を聞いて、ますます興味が湧いた。

B.……嘘かホントかはわからんが、忘れるには勿体無い程に面白そうな話だ。(*1.0)


…ふむ。

確かに忘れたほうが賢いのかもしれない。

だが…。

提督「川内…いや、夜戦仮面」

川内「…なに?」

提督「…仲間にしてくれ!」

川内「はぁ!?」

こういう非日常を俺は求めていたんだ。

馬鹿馬鹿しいフィクションみたいな現実を、心の何処かで渇望していたんだ。

思えば、だから演劇なんてやっていたのかもしれない。

…まさか、ホントにあるとは思わなかったから。

川内「提督くん…何言ってんの?」

提督「…恥ずかしい話だが」

提督「…そういうの、憧れてた」

川内「……関わるの、やめた方が良いと思うけど」

提督「いや、勿論川内に何のメリットも無いのは承知だ」

提督「…仲間にしてくれってのは、少しオーバーだったけどさ…」

提督「…でも、…俺は非日常を、舞台の裏で見てみたいんだ」

提督「……だから、頼む!」

川内「……って、言われてもなー…」

うーんと頭を抱える川内。

川内「…どんな理由にせよ、助けられたのは本当だし…」

川内「……警告は、したからね?」

川内「…良いよ、よくわかんないけど、仲間にしたげる」

提督「本当か!?」

川内「うんうん、川内さんは恩はちゃんと返す人だからね」

提督「…よしっ!…で、仲間って何すれば良いんだ!?」

川内「……いや、知らないよ…」

川内「というか提督くんが勝手に言い出したんじゃない」

提督「……そうだな…」

…こうして、晴れて俺は夜戦仮面の仲間になった。

しかし、何をすれば良いのだろうか。

…全くもって、前途多難であった。


川内→ 136/500

今日はここまで
この設定だったから改二の絵見た時ビビりましたわ
お付き合い頂きありがとうございました



【5月4週】


川内「………」パラッ

休み時間、教室で本を読む1人の少女。

眼鏡をかけた彼女はとてもお淑やかな娘に見える。

提督「……」

しかし、その正体はアレである。

いやはやなんとも。

兎娘にも使ったが、人は見た目じゃわからないものだ。

陽炎「提督?」

提督「……ん?」

陽炎「いや、何で川内さんの方見てるんだろーって」

提督「…別に、なんでもない」

陽炎「……まさか、川内さんの事を?」

提督「ちげーです」

陽炎「冗談、冗談…ムキになると図星と思われるわよ?」

提督「へいへい」


コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 136/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   299/500



――モール


提督「はぐれんなよー」

暁「はぐれないわよー!」

他に行く場所が無いとは言えども、休日のショッピングモールは凄い人出だった。

そんな中を、暁と2人歩く。

目的は暁の夏服だ。

妹にどうしても付いてきて欲しい、と言われれば俺には断ることなど出来なかった。

さて、そんなこんなでやっとこさ辿り着いた洋服店。

暁「じゃーん」

提督「……ふむ」

そこで試着した服をいくつか見せられて、思ったことがある。

提督「センスが子どもっぽい」

暁「なによー!」

…確かに、贔屓目を抜いても可愛いとは言えるだろう。

しかしいかんせんこう…子どもっぽさが、なんとも。

可愛いが、綺麗では無いとでも言えば適切なのだろうか。

…だがまぁ、といってもおそらく可愛い服が一番暁には似合っていると思うのだけど。

暁「…ぶー、良いもん、どうせ子どもだもん」

提督「拗ねるなって」

暁「拗ねてない!」

ぷんぷんと擬音を付けたくなる程に可愛い怒り方である。

試着室のカーテンを勢い良く閉めて、中に入る。

何着か選んでいたし、違うものを着るつもりなのだろう。

提督「…………」

……。

暁の入った試着室からは、小さな衣擦れの音がしている。

…この中で暁は着替えているのだ。

………暁が、妹が。

………。

………――


>>+4

A.…少しくらい覗いても――

B.だからなんだというのだ。

C.……気になる。

A.…少しくらい覗いても――(*1.5)


首を左右に向ける。

辺りに、人の気配は無い。

暁の試着室を覆うカーテンへと、手を伸ばす。

…やめろ。

何をしてるんだ俺は。

頭の中で、そんな言葉が飛び交う。

けれど、その手は止まらない。

提督「…………っ」

少しだけ向こうが見える程度にカーテンを開く。

その先には、下着姿の暁。

荒くなりそうな息を必死で押し殺す。

…ずっと一緒に暮らしてきた妹。

意識など、したことがあるはずもなかった。

なのに――

提督「………暁…」

隠しようも無いほどに、俺は興奮していた。

目の前に居るのは妹なのに。

その感情は禁忌だ。抱いてはダメだ。

そんな警鐘を鳴らしている頭の中まで、まるで他人事のようで。

暁「…………!」

何処かふわふわとしていたのが悪いのだろう。

バランスを崩し、少しだけ前のめりになって…試着室の大きな鏡に、俺の姿が映った。

慌てて元の位置に戻るも、暁は俺の姿を見たはずだ。

……終わった。なんか色々と。

そう覚悟したものの、暁は動かない。

提督「……?」

不思議に思っていると、暁がゆっくりとブラを外し始めた。

提督「………え?」

暁が選んだ服には、下着は無かったはずだ。

いや、それ以前に、俺が覗いているのを見たはずなのに。

…ぱさ、と白い下着が床に落ち、暁の起伏の無い胸が現れる。

鏡に映った暁の顔が、笑った気がした。

まるで、俺にその躰を見せつけているかのように――


暁→ 320/400

500ですミスです



【暁―その2】


わからない。

なんだろう、この気持ちは。

お兄ちゃんの顔が鏡に映った時、どうしようもなく胸が高鳴った。

お兄ちゃんが暁の躰で興奮してくれてるのかもしれないって思って、顔が火照った。

…だから、ちょっとだけ、おかしくなったんだろう。

あんな事をしてしまったんだ。

お兄ちゃんが好き。

離れたくない。

側にいて欲しい。

それは、家族としてではなく――

…ああ。

暁は。

暁は、やっぱりおかしいみたいです、お兄ちゃん。

風呂です
ギャグっぽい近親よりはやっぱりガチ近親かなと思った



【6月1週】


卯月「うーちゃん参上だっぴょん!」

提督「捻りがない」

卯月「うぐっ…厳しいっぴょん」

提督「夜戦仮面のような口上を考えてみるんだな」

卯月「…別にあれ対してかっこよくないっぴょん」

提督「…………そうかもしれん」

卯月「よし、でもそーいうことなら任せるっぴょん、カッコいいのを考えたっぴょん!」

提督「ほう」

卯月「鬼に逢うては鬼を斬る」

卯月「仏に逢うては仏を斬る」

卯月「うーちゃんの理、ここにありっぴょん!」

提督「パクんな」



コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 136/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   320/500


――暁の部屋

提督「…んで、今日も遅くなるらしいから…何か食べたいものとかあったら」

暁「んー…お兄ちゃんの好きな物で良いわよ」

提督「…できたら、指定してくれたほうが楽なんだけど」

暁「そうなの?だったら…」

微妙な空気が流れている。

…原因は俺だろう。

この前からだ、この前からずっとだ。

暁の裸を試着室で見てから。

何事も無かったかのようにあの後も暁は買い物を続けたが、俺を絶対に見たはずだ。

…なのに、何で何も言わないんだろう。

暁「……って、お兄ちゃん、聞いてる?」

提督「あ、ああ…うん」

お兄ちゃん、という言葉が胸に刺さった。

そうだ、俺は暁の兄だ。

…だから、こんな感情を少しでも抱くことは異常で。

捨てなければならないのだ。

それが兄妹であり、家族であるということ。

…その枠外に出るのは、どのような理由を持ってしても、異常でしかない。

暁「…お兄ちゃん」

提督「……すまん」

考えに耽ってしまうあまり、また暁の言葉を聞き逃してしまった。

呆れ半分で、暁が俺を呼ぶ。

暁「……もしかして、この前の事、気にしてるの?」

提督「え?」

…この前の事。

思い浮かぶのは、あの光景。あの暁の笑み。

暁「……試着室での、事」

提督「………」

触れてくれないと気になる事だが、いざそれを話題に出されると…黙り込むしかない。

…やっぱり、やっぱり気付いていたのか、…でも、だったらなぜ?

暁「…あのね、お兄ちゃん」

暁「暁は、お兄ちゃんの事が好きなんだよ?」

その答えを、暁は簡単に出した。

応えてはならぬ好意。秘めておかねばならぬ想いを、いとも簡単に吐露した。

…俺は――

>>+4

A.…素直になる。

B.…そんなの、ダメに決まってる。

C.…誤魔化す。

B.…そんなの、ダメに決まってる。(*1.0)


ダメに決まってる。

…ダメに決まってるんだ、そんな好意は。

抱いてはいけない。

抱いたのなら、捨てなければならない。

それが普通。それが正常。

暁は血の繋がった妹だ。家族だ。

穢れた感情なんて、消してしまえ。

提督「…暁」

暁「……」

提督「やっぱりアレだな、全く成長してなかったな」

暁「…え?」

提督「いやー、ちっとは大人っぽくなったかと覗いてみたけど…見事に平らだった」

…思い出せ。

つい数ヶ月前、どんな会話をしていたのか。

想いを隠して、捨てる為に。

提督「…牛乳でも飲んだ方が良いぞ、うん!」

暁「……」

提督「お?どうした暁、『いつも』ならここでれでぃーが云々かんぬんって罵声を飛ばすくせに」

暁「……お兄ちゃんは、…『いつも』通りが…良いの?」

提督「………ああ」

提督「…それが、一番だよ」

暁「………そっか」

…そう。

変わらない方が良い、いや、変わってはいけない。

それが家族で、兄妹なんだ。

けれど、なぜ。

…正常であり続けなければならないのだろう。


暁→ 353/500

今日はここまでです
そりゃ>>1としても色々と書きたいんだけどもね、こればっかりは仕方ないね
お付き合い頂きありがとうございました



【6月2週】


受験という言葉が、本格的に重圧としてのしかかり始める季節。

俺は模試の結果を見て唸っていた。

提督「……うーむ」

これは酷い。

この時期からならいくらでも上げられる、と教師は言うが、果たしてどうなのか。

…不安だ。

というわけで、こんな時は。

提督「…………」チラッ

隣の席の陽炎の成績をチラ見。

…………よっしゃ!俺より下が居た!

陽炎「……?何ニヤついてるの?」

提督「いやー、何でもないぞー」

自分でも情けないとは思うが。

己より下を見て安心するのが人間だ。



コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 136/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   354/500

――提督私室

捨てる。

そう決意しただけで捨てられる程簡単なら、最初から苦労なんてしない。

暁に対する想いは、未だに俺の中に渦巻いている。

それこそ、いつ溢れてもおかしくないくらいに。

…だから、家にいる時はなるべく暁と話さないようにしてきた。

それが正しいのか正しくないのかはわからない。けれど、少なくとも普通で、正常な判断だと思う。

提督「……暁」

家族の、妹の名前を呼ぶ。

触れてはならない女性。

『…………お兄ちゃん』

声とともに、部屋の扉が軽く叩かれた。

思考を巡らせていた頭が、急に現実に戻される。

提督「…あ、暁?」

『…うん、入っていい?』

提督「……ああ」

迷ったが、ここで追い返すのは…それはそれで、『いつも』の兄妹ではない。

暁はゆっくりと扉を開けて入り、俺の寝転んでいるベッドの縁に腰掛けた。

提督「…どうしたんだ?」

暁「最近、あんまりお兄ちゃんとゆっくり話せなかったから」

提督「……そうか?」

暁「うん、起こしにも来てくれないし、ご飯食べたらすぐ部屋に籠もっちゃうし」

提督「…いやー、ほら、勉強がな?俺も受験生だし、流石にマズいかな……って…」

暁「……そっか」

微笑んでこちらを見つめる暁の目は、真っ直ぐに俺を射抜いている。

全部わかっているから、とでも言いたげな、優しい微笑み。

暁「…おにーちゃん」

提督「何だ?」

暁「……暁は、ちょっとおかしいの」

提督「…おかしい?」

暁「うん――だって」

暁「…暁は、お兄ちゃんの事が好きだから」

提督「……そ、そうか…俺も暁が好きだぞー!うん!」

暁「……1人の、男の人としてだよ」

暁が、寝転んだ俺の上に覆い被さる。

蠱惑的な顔が、目の前にあった。


>>+4(分岐あり)

A.俺も、暁の事が――

B.…暁、それは、捨てなきゃダメなんだ。

C.拒絶する。

A.俺も、暁の事が――(*1.5)


…ああ。

暁がおかしいのなら、俺もおかしいのだろう。

だって、こんなにも彼女が愛おしい。

家族なのに、妹なのに。

1人の女性として、側にいて欲しい。

そうだ。

俺も、暁が好きなんだ。

提督「…暁――」

伸ばせば届く位置にある顔。

今まで触れないようにしてきた物。

その頬に、手を伸ばす。

艶のある肌に、指が滑る。

2、3度、頬を撫でると、暁がくすぐったそうに身を捩った。

提督「……好きだ」

提督「…俺も、好きだ――」

小さな唇に口付ける。

暁「んっ………」

抵抗は無かった。

背徳感は、既に無い。

あるのは、再び火が灯った想いだけ。

…おかしくなろう。

おかしくなってしまえば良い。

暁と一緒に。



暁→ 462/500



【暁―その3】


暁は、お兄ちゃんを求めていて。

お兄ちゃんは、暁を求めていた。

だから、素直になった。

それだけ。

きっと、おかしいと思う。

皆はそう言うと思う。

けど関係無い、そんな事。

暁とお兄ちゃん。

お兄ちゃんと暁。

私達は幸せだから。

他の誰かの理解なんていらない。

してくれなくていい。

ただ、お兄ちゃんがいればいい。

おかしいのかな?

おかしいよね?

「ふふっ」

前回の那珂ちゃん的なルートを求めていたのなら正解はBという事になるね

【6月3週】


夏の陽気が顔をのぞかせてきた、6月も後半の1日。

俺は、プールに浮いていた。

…自由時間にすることが無いのである。

いや、別に鬼ごっこやらなんやらに加わっても良かったが、どうも疲れている。

だもんで、その誘いは丁重に断った。

…しかし、良いな、浮いているのも。

と、雲の少ない空を眺めていると、こつんと何かにぶつかった。

提督「……?」

川内「……あ」

…川内も浮いていた。

しかも俺より遥かに華麗な感じで。

これが忍者か。凄いな忍者。

提督「…………」

対抗心を燃やす。

より自然なポーズで、より大自然に溶けこむ感じで浮いてやる!

提督「………ガバゴゲゴボオッ!?」

川内「…なーにやってんのかしら」

沈んだ。



コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 136/500
榛名 **0/500
卯月 **0/500
暁   462/500



――モール



提督「悪いな、休日なのに付きあわせて」

榛名「いえ!榛名は大丈夫です!」

演劇部のステージで使う小物の買い出し。

本来部長の俺がやらねばならぬことなのだが、しかし1人で持つには少し買う物が多すぎる。

そんな所を、榛名が嫌な顔一つせず手伝いを了承してくれた。

…いい娘である。

提督「…嫌だったら、ちゃんと言ってくれていいからな?」

榛名「いえ、榛名はやりたいからやっているのですよ」

提督「…そんなら、いいが」

もしかして長い付き合いだし気を遣っているとかじゃなかろうか…と思いもしたが、杞憂のようだ。

話している内に目的の店に着き、滞り無く買い物を進めていった。

…のだが。

そんな中、ある物を見つけてしまった。

提督「…………」

仮装用の小物。

別にあっても不思議ではない。

…ネコミミ。

ネコミミがあった。

安っぽい奴から、作りこまれた物まで。

…その一つを手に取る。

ふむ、ふさふさしている。

………。

…これ、榛名につけたら――

榛名「何をしているのですか?」

提督「うおっ!?」

背後からかけられた声に思わず振り返る。

榛名が、不思議そうな目で此方を見ていた。

………――


>>+4


A.「いやー、榛名がこれつけたらどんな感じかなって」

B.「……榛名、黙ってこいつを頭につけてくれ」スッ

C.「……いや、脚本が猫の話をするとか言ってたのを思い出してな」

B.「……榛名、黙ってこいつを頭につけてくれ」スッ(*1.5)


提督「……榛名、黙ってこいつを頭につけてくれ」

ネコミミの中のひとつ、ふっさふさの高級感あふれる物を手渡す。

榛名「…?は、はぁ…あ、あの…どうしてネコミミを…」

提督「……な、那珂の奴が猫の話を書くかも!って言っててな、うん」

提督「主役となるであろう榛名には一度つけてもらわなければならないと思う」

榛名「……そう、なのですか…わかりました」

我ながら苦しい言い訳である。

しかし榛名は納得してくれた、よし。

…将来騙されないか不安だ。

いつもつけているカチューシャを外し、受け取ったネコミミをつけた。

榛名「……あ、あの…?どう、ですか…?」

やはり恥ずかしいのだろう、少しだけ頬が上気している。

おまけに此方を直視できないようで、目を逸らしてチラチラと俺を伺っていた。

…うむ。

グッドだ。素晴らしい。エクセレントだ。

榛名「…先輩…?」

何も言わない俺に不安になったのか、声が更に小さくなる。

俺はそんな榛名に心配するな、と笑いかけた。

提督「…買おう、それ」

榛名「…えー…と、でもあの、買い物リストには…」

提督「俺の自費で」

榛名「………え?」

…こうなったら。

ほんとに猫の話を書かせてやろう、そうしよう。

提督「ところで榛名、にゃーって」

榛名「…む、無理ですっ!」



榛名→ 133/500

ここまで
お付き合い頂きありがとうございました



【6月4週】


雨が降っている。

一向に止む気配のない雨。

そんな中、わざわざ家までやって来た物好きがいた。

卯月「…………あづい」

提督「……なら離れろ」

卯月「…お兄さんにこうしてくっつくのはうーちゃんの使命だっぴょん」

卯月「……だからクーラーを」

提督「…親が入れるなと」

卯月「……死ぬっぴょん」

提督「…だから離れろ」

卯月「…うっふっふー、どうせ死ぬならもっとベッタリと…」ギュウ

提督「…暑いから、マジで暑いから離れてくれ」

提督「……つーかヌメっとする、汗かきすぎだろお前」

卯月「あー…暑いけど幸せっぴょん…」

卯月「…このまま天国に旅立つっぴょん…」

提督「……あぢい…臭い…」

卯月「…うーちゃんを臭いとはー…がくっ」


コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 136/500
榛名 133/500
卯月 **0/500
暁   462/500


提督「……ふぅ」

透き通った緑色の液体が入った湯のみを傾ける。うん、美味い。

提督「……うむ」

そして隣に置かれた最中を口に運ぶ。これも美味い。

さて、晴れて彼女の仲間となったは良いものの。

やっていることといえば、こうして美味しい茶を啜り、高級そうな茶菓子を摘むだけである。

そんな俺を、川内は呆れた目で眺めていた。

川内「…美味しそうだねー」

提督「おう、美味い」

川内「…皮肉だってば」

提督「……そうか」

ま、確かにやることなんて無いけど―と、川内は溜息をついた。

川内「提督くんに夜戦仮面の犯行を手伝えとも言えないし」

川内「…停電だったりあんなの仕込むのも現地で私がやってるからね」

提督「………つまり事前にやることが無い?」

川内「…現場の見取り図でも覚えてみる?」

提督「意味が無さそうだ、やめとく」

川内「…なーんだかなぁ」

川内が今考えている事はなんとなくわかる。

―何でこんな奴を仲間にしたんだろう。十中八九これだ。

…ちょっと自分で言ってて悲しくなった。

川内「ホント、話し相手にしかなってないもんねぇ、現状」

提督「…貴女の孤独を癒やす提督です」

川内「チェンジで」

提督「……」

どういう路線で攻めろと。夜戦仮面は結構厳しい。

提督「…あ、そうだ」

川内「…なに?」

提督「いや、疑問に思ってたんだが…」

提督「刀を盗むのが目的なら、何であんなやり方をするんだ?」

提督「1本ならともかく、何本も集めてるなら目立つのはマズいんじゃないか?」

川内「……ん、っと…それはね」

川内「…なんて言えば良いのかな…ほら、夜ってさ、皆怖がるよね?」

提督「まぁ…一般的にはそうかもな」

川内「でしょ、だから、夜のイメージアップ」

川内「夜はこんなに楽しいんだぞー…なんてね」

>>+4

A.何言ってんだこいつ。

B.…そりゃ、面白いな。

C.…そりゃまた…変な話だな。

B.…そりゃ、面白いな。(*1.5)


提督「…そりゃ、面白いな」

川内「へ?」

間の抜けた声、ぽかんとした目を此方に向ける川内。

提督「……何だその意外そうな反応」

川内「…いや、そういう返しされると思わなかったから」

提督「……あのなあ、別に茶化さないっつの」

川内「そーいう意味じゃないんだけどさー……ま、良いか」

川内「それで、面白いってどういうこと?」

提督「…何というか、そんだけの目的の為にあんな派手なことしてるんだなって」

川内「…そうだね…うん、思えばそれだけの為にあんな事やってるんだ、私は」

提督「実際、効果あるんじゃないのか、追っかけまで出来てるくらいだ」

川内「あははー…いやー…あれはちょっと想定外だったなぁ」

提督「…でも―」

川内「ん?どしたの?」

提督「…いや、何でもない」

…何故、夜のイメージアップをするのか?

という質問は、今度に回そう。

…話す話題はなるべく取っておかないとな、話し相手にしかなれんのだから。

しかし、知れば知るほどよくわからんな、こいつは。


川内→ 140/500

ちょろくしないと500で終わらないから…ごめんなさい

【7月1週】


提督「暁ー」

暁「……おにーひゃん…?」

提督「朝だぞー」

暁「…まだ8時じゃないー…せっかくのお休みなのにー…」

提督「…一緒に出かけるんじゃなかったのか?」

暁「……あ!」

暁「…ご、ごめんなさい、お兄ちゃん!」

提督「良いさ、ゆっくり行けばいい」

暁「あのあの、今からすぐ支度するから…」

提督「あ、いや、ホントにそんな焦るな、お前が焦ると――」

暁「…ひゃあっ!?」ズデーン

提督「ろくな事に………」

暁「……うぅー………」

提督「…うんうん、ゆっくりな、ゆっくり」


コミュ対象 >>+4


陽炎 **0/500
川内 140/500
榛名 133/500
卯月 **0/500
暁   462/500

BAD?選択肢有り
――暁の部屋

暁が好きだ。

俺はそれを認めた。

それが異常であるという事も含めて。

暁「………んー…っ」

暁とキスをする。

頬に触れれば、暁が跳ねる。

そんな何でもない触れ合いが楽しい。

でも、こんなことがいつまで続く?

俺達の関係は、きっと許されるものではない。

今だって、親がいない時間を見計らってこうしているんだ。

もし、この関係がバレてしまったら…、俺達はどうなるのか。

考えないようにしていた筈の事が、次から次へと頭を過る。

ずっとこうだ。幸せを味わってしまった時からずっと、それを失うことを恐れている。

暁「…お兄ちゃん?」

膝の上に座った暁が、俺の目を覗いている。

提督「…ん、すまん、少しな」

妹も、何も考えていないようで案外聡い娘だ。

何も思っていないということはないだろう。

提督「……俺達は」

提督「…俺達は、どうするんだろうな、この先」

暁「……」

提督「…俺は、きっと来年は家にいないし、暁と会う時間も減ると思う」

提督「…かといって、お前に会うためだけに頻繁にこっちに帰ってくる事は…きっと、異常だろう」

隠さなければならない。俺達の関係は、俺達だけの秘事でなければならない。

公になれば、引き裂かれる関係だから。

…大学生の兄が、高校生の妹の為に頻繁に実家に帰るなど、どう見ても異常だし、その逆も然り。

異常は、排他されるべきものだ。少なくとも、この世の大多数にとっては。

今はいい。今はこうして暁と触れ合うこともできる。

…けど、これから先は――

暁「…お兄ちゃん」

暁「暁も、ずっと思ってたの、先のこと」

暁「…でもやっぱり、何も思い浮かばなかったから…だからきっと、先なんて、いらないの」

暁「……だから、ね?」

先なんていらない。それは、とても甘美な言葉。

そう、幸せな今に、沈んでしまえばいいと――

>>+4

A.ああ、そうだな――

B.…いや、それは――

C.……………。

B.…いや、それは――(500 ED開放)


…それは。

それは違う。

…まだ、まだ諦めない。

好きだから、好きだから諦めない。

俺はまだ、暁と居たい。

提督「…暁」

暁「…うん」

提督「……もうちょっと、考えよう」

暁「……」

提督「…お前の言う通り、先なんて無いのかもしれない」

提督「……けど」

提督「まだ、考える時間はあるんだ」

暁「…そっか」

暁「……お兄ちゃんがそう言うなら、暁はお兄ちゃんに任せるわ」

提督「…ああ」

考えた所で、きっといい方法なんてない。

それでも考えよう。

なあ、暁。

まだ、終わらせたくはないんだ。

…お前も、そうだろ?




暁→ 500/500

暁ちゃんとの首絞めセックスが書けなかった、残念
今日はここまでです
お付き合い頂きありがとうございました

今日も22時くらいからです
偏らないような安価の取り方は思いつかないです、難しいね
入水…白糸台…うっ、頭が…

遅くなりました
今よりも参加しやすいようにというと時間安価にするとかかね
とりあえずやります

試しに


【7月2週】


昼下がりのリビング。

とても暑いその部屋で、俺はソファーに臥せっていた。

…色々、考えていたのだ。

陽炎「提督?」

かけられた声。振り向くと、コンビニの袋を持った幼馴染。

提督「……陽炎?」

陽炎「…なにボーっとしてるの?」

提督「ああ、いや…うん、暑いなぁ」

陽炎「そりゃ暑いでしょ…せめて扇風機くらい付けたら?」

提督「…そうだなー…」

陽炎「…なーんかこう、ぐでーってしてるわねー」

陽炎が溜息をついて、何かを思いついたかのように手を叩く。

そして、持っていたコンビニの袋を俺に押し付けた。

提督「つめてっ!?」

陽炎「にひひー、アイス買ってきてやったわよー」

陽炎「ほら、これ食べて元気出して、ね?」

提督「……ありがとう」


コミュ対象 22:56に一番近い安価


陽炎 **0/500
川内 140/500
榛名 133/500
卯月 **0/500
暁   500/500

安価ってなんだ、一番近いレスです

コンマに任せるのは…うーむ…しかし消費しすぎるしなぁ、時間安価は…
選択肢に関しては今のままで行きたいと思いますけども


――提督家・リビング


卯月「うーちゃんは、ずっと考えてる事があるっぴょん」

提督「ん?」

卯月「…このうーちゃんの可憐さについて…だっぴょん…」

提督「………」

珍しく真剣な顔をした卯月の言葉。

なんだ、と耳を傾けてみたものの。

…死ぬ程どうでも良かった。

冷蔵庫から取り出した容器を氷の入ったコップに傾ける。

カラン、と気持ちの良い音がした。

提督「…ほれ、麦茶、冷たいぞ」

卯月「……うーちゃんの発言ガン無視っぴょん!?」

提督「………うん、冷たくて美味しいな」ゴクー

卯月「……ひでぇ…あんまりっぴょん…」

ソファーに倒れこむ卯月。

長い髪がだらしなく床に垂れている。

…切ればいいのに。邪魔そうだ。

卯月「…あーあ…どうせお兄さんにとってはうーちゃんなんてどうでもいいんだっぴょん」

卯月「このままうーちゃんはソファーと同化して生きるっぴょーん」

ぶつぶつ何かを呟きながら、ゴロゴロと卯月がソファーの上で転げまわっている。

それ人の家のソファーだぞ、一応。

…とても面倒臭い奴だ。

………――


>>+4


A.「あー、確かに、可愛いと思うぞ、卯月はー!」

B.「……そうか、まぁ勝手にしろ」ムギチャゴクー

C.寝転がる卯月の上に座る。

B.「……そうか、まぁ勝手にしろ」ムギチャゴクー(*0.5)


…まぁいいか。

面倒臭い奴には取りあわないというのが世界の常識だって誰かが言ってた。

提督「…そうか、まぁ勝手にしろ」

そのまま暁の座布団にでもなってやってくれ、卯月よ。

卯月「…どこまでもお兄さんが冷たいっぴょん……」

卯月「………まさか…これが放置プレイっぴょん!?」

提督「…………」

卯月「…ああ…言われてみれば何かお兄さんの愛を感じる気がするっぴょん…」

卯月「……うっふっふー…」

提督「………」

卯月「うっふっ……ふぅ」

提督「…………」

卯月「…………」

提督「……卯月?」

急に黙った卯月。

不審に思って、少し近づく。

卯月「うーちゃんに構えーっ!」ガバァッ

提督「……ほげえっ!?」

…襲われた。

そんな夏の昼下がりであった。



卯月→ **8/500

とりあえず試してみます


【7月3週】


榛名「あの、先輩」

提督「うん?」

榛名「いえ…ら、来週から夏休み…ですね」

提督「ああ、そうだな」

榛名「…ぶ、部活はあるんですか?」

提督「ん?確かこの前説明したろ、部活がある日は―」

榛名「あ、そ、そうでしたね!はい!」

提督「ま、ちょっと少ないけど、夏休みあんまり拘束してもな」

提督「皆…榛名だって、色々用事があるだろうし」

榛名「い、いえ!それがですね!榛名、凄く、すごーく!暇なんですっ!」

提督「へえ?そうなのか、意外だな」

提督「てっきり、彼氏の1人でもいるもんだと思ってたよ」

榛名「と、とんでもないです!榛名にはそんな…」

提督「そうか?榛名はモテそうだけど…」

榛名「…いえ…って、違います!」

提督「な、何がだ!?」

榛名「あ…えっと、夏休み、暇なので…その、良ければ…」

那珂「てーとくくーん、脚本書けたよー!」

提督「お、そうか!…すまんな榛名、続きは後で」

榛名「……はい」



陽炎 **0/500 
川内 140/500
榛名 133/500
卯月 **8/500
暁   500/500



コミュ対象(コンマが一番大きい娘)


陽炎  安価下
川内  下2
榛名  下3
卯月  下4
暁   下5



――提督の部屋


先の事。

…わからない。わからなかった。

あんな事を言ったというのに…何も、思い浮かばなかった。

けど、ただ1つだけ言えることがある。

それは、俺が暁が好きだということ。

諦められたら、簡単なのに。

どうしてもそれが出来そうにないということ。

そして、まだこれから先も暁と生きていたいということ。

暁「お兄ちゃん…」

提督「暁…」

…このまま、時間が経っていって。

段々と、暁と離れていくのだろうか。

…それは、嫌だな。

嫌だ、と素直に思う。

手放したくない。

暁と居たい。

………。

でも…考えて、どうにかなるのだろうか。

…わからない。何も。

そんな俺に、暁が諭すように語りかける。

暁「…お兄ちゃん、暁はね」

暁「お兄ちゃんの決めた事に従うわ」

暁「お兄ちゃんが選んだ道を歩くの」

暁「お兄ちゃんが好きだから」

提督「………」

俺の道…か。

…俺の選択は――


>>+4


A.暁以外、全てを捨てて――

B.…いや、最後まで考えよう――



【エピローグ】



4月。

桜舞う季節。

別れを乗り越えて、また新たな出会いを求める季節。

…こう言うと、何か薄情に聞こえるな。

「暁、起きろー」

「むにゃー……うーん、まだー」

「入学式、遅れるぞー」

「……にゅうがく……?」

「…高校の入学式」

「………はえ!?」

ガバ、と布団を跳ね飛ばして飛び起きる妹。

そんな妹に、おはよう、と微笑む。

「…い、今何時ー!?」

「いやいや、そんなに慌てる事はない、まだ6時だ」

「……ほっ…」

「朝ご飯はできてるから、さっさと食べて支度するぞ」

「…はーい…」

のろのろと、暁がベッドから起き上がる。

決して広いとは言えないワンルームのマンション。

その中を、寝起きの暁が歩きまわるのは中々に危なっかしい光景であった。

「母さん達も来るってさ」

「入学式に?」

食器棚から皿を取り出しながら、会話を続ける。

洗面台に向かった後の暁の声は、先程よりも少しだけしゃきっとしていた。

「ああ、……俺の大学の入学式には来なかったのにな…」

「…ほ、ほら!お兄ちゃんはしっかり者だから、大丈夫だと思ったのよ、きっと!」

「……だと良いが…絶対こんな場所まで来るの面倒臭かっただけだろ…あの人達…」

「…でも…だからこそ、此処の大学を選んだのよね?」

「……まあ、な」

小さな机に、皿を並べる。

俺の対面に座った暁が、用意してあったコーヒーを飲んで顔を顰めた。

「…にがーっ…」

「砂糖、減らしてみたんだが…如何かな、レディー?」

「………苦しゅうないわ…」

「ははっ」



「…こっちに来て、車で送ってってくれるらしいからさ」

「それまでに支度しないとな」

「うん、わかったわ」

「制服はあのクローゼットにあるから…あ、着せてやろうか?」

「子ども扱いしないでよーっ!」

手に持ったフォークを振り上げて、暁が此方を睨む。

紛うことなき子どもである。

「はっは……」

皿を並べ終わって、俺も机に座り、自分で淹れたインスタントコーヒーを傾けた。

…薄い。

「…………」

カップを片手に、先程暁に示したクローゼットに目をやる。

そこには可愛らしい制服があった。

名門、と呼ばれる学校の制服。

…彼女が、妹が努力した証。

「…お兄ちゃん?」

「………いや…インスタントコーヒーはやっぱ不味いなー…と」

「…そうかな?暁にはよくわかんないけど…」

そう言って、机の上の角砂糖をポチャ、と暁が自分のカップに落とした。

ああ、実家にあった父親のやたら高価なコーヒーメーカーから注がれたコーヒーが懐かしい。

…けれど、懐かしんだって仕方ない。

これが俺の選んだ道だ。

暁と共に家を出る、という道だ。

それも、なるべく不自然でないように。

俺は横須賀から離れて、呉の大学へ。

暁は、そんな呉にある名門校を受験すると言い張り、見事に合格して。

俺たちは呉に2人で暮らしている。

名目は「その方が親に迷惑が掛からないから、仕方なく」。



…横須賀から離れることになって、色んな物を失った。

代わりに手に入ったのは、暁との暮らし。

『夜戦仮面が狙う、最後のお宝とは――!?』

「あ、夜戦仮面だ」

「……ついに全国ニュースになったか、夜戦仮面」

「国立博物館に盗みに入るんだってー」

「…わーお」

バックミュージックの様なテレビの音声を聞きながらの食事。

時折ニュースに反応して、2、3会話を交わすも、中々続くことはない。

「……ねえ、お兄ちゃん」

「うん?」

「…後悔してる?」

「………」

確かに、親元を離れた2人暮らしはとても大変だ。

横須賀での知り合いとも、殆ど会えなくなった。

…それでも。

「いいや、してない」

「…暁は?」

「するわけないじゃない、お兄ちゃん」

「言ったでしょ、暁はお兄ちゃんが好きなの、って」

「…うん、俺も好きだ、暁が」

…だから、後悔はしていない。

これはきっと、ただの先延ばしで、根本的な解決にはならない。

それでも良い、先延ばしして、先延ばしして…いつか、見つけよう、最高の答えを。

時間は、いくらあったって構わない。

「暁」

「なに?」

「……好きだ」

「……うん、暁も」

見つけられる、きっと。

きっと、いつか。

彼女を、誰に憚ることもなく好きといえるような日が、来る筈だ。



【暁 END】

終わりです、今回は少し反省点が多すぎるね
というか思ったより全然バラけない、何でや…
やっぱりコンマ選択がええんでしょうかね…、流石に陽炎が少し…

はい、ヒロイン決めます
の前に、とりあえず時間安価やらコンマやら一通りやってみましたが、どうでしょうか
個人的には選択が良かったのですけど、どうにもこのままでは…って感じなので
やはり神頼みコンマがいいんでしょうかね

よし、ならとりあえず1周コンマで行こうか
後、今後また姉妹設定が出てきても多分暁みたいな展開にはしない、と思います

というわけで1人目>>+4

え、何それは…

二人目>>+4

第六駆逐隊コンプですね

3人目>>+4

濃い 何だこれ濃い

4人目>>+4

職業ながもん
…ながもん?

ラスト>>+4

初春(宇宙から来た押しかけ同居人)
響(ロシアからの帰国子女)
夕張(天才マッドサイエンティスト)
長門(ながもん)
叢雲(初春のライバル)

オーケー、わかった落ち着け、落ち着こうか

すまん、山城だ

初春(宇宙から来た押しかけ同居人)
響(ロシアからの帰国子女)
山城(元カノ)
長門(ながもん)
叢雲(初春のライバル)

うーむ、うん

まぁちょっと時間かかるかもしれないです、とだけ
お付き合い頂きありがとうございました
後解釈は>>1が勝手にしちゃいますのでごめんなさい

遅くなると言ったな、アレは嘘だ


少年と少女が、星を見ていた。

夜空に輝く、満点の星を。

『わらわは、じつはうちゅうじんなのじゃ!』

『うちゅう…?』

少年は、不思議そうに首を傾けた。

それを見て、傲慢とも思える態度で少女がふんぞり返る。

『うむ!うちゅうじんなのじゃ!』

『うちゅうって?』

『…う、うむ…?そ、そこからせつめいせねばならんのか』

『ほれ!上をむいてみ』

手にした扇子をパッ、と閉じて、少女がそれを星空へと向けた。

少年は、やはり不思議そうに応える。

『……そら?』

『うむ!あのそらから、わらわはやってきたのじゃぞ!』

燦然と輝く星を、少年が見る。

そのまましばらく考えて…しかし、彼の答えは彼女の予想とは違っていた。

『……おちたの?いたくない?』

『…なんぞ、お主はやはり目のつけどころがまとはずれじゃな…』

『……よくわかんないよ…』

『…なに、いずれわかる』

『…はつはるちゃんの言ってること、むずかしい』

『そうかそうか、うむうむ』

『…うむうむ』

『これ、まねするでない』

『まねするでないー』

『……お主…あれじゃな、いけずじゃな』

『じゃが…まあよい』

『お主は、行きたくないか?』

『…どこに?』

少女が、閉じた扇子を、優雅な動作で再び開く。

それで口元を隠して、笑った。

『あの宇宙に、じゃよ』

『…そら………きれいだね、たのしそう』

『うむ、たのしいぞ』

『…じゃあ、いきたいな』

『……うむうむ、ならば――』

『連れてゆこうぞ、このわらわがな』

それは、ずっと昔のお話。

すっかり忘れてしまった、子どもの頃のお話。

そして、全ての始まりのお話。



【プロローグ】


…突然だが。

君達の周りには宇宙人がいるだろうか?

未来人がいるだろうか?

超能力者がいるだろうか?

俺の周りには、何と全員がいる。

ああ、何言ってんだこいつ、と思っただろう。

大丈夫だ、俺も君の立場なら間違いなくそう思う。

でも、これだけは信じて欲しい。

俺は決して嘘を言っているんじゃない。

SFの読み過ぎ?いやいや、だったらもうちょっと面白い話を思いつくさ。

涼○ハル…?残念だが、そんなユカイな仲間達じゃない。

なんたって、全員『自称』がつくからな。

うん、察しの良い方は気付いたかもしれない。

…要するに、だ。

イタイ奴らの集まりなんだな、これが。

「なあ、こらおい初春、醤油取れ、醤油」

朝食の席。

醤油を求めて手を伸ばす変な格好をした危ない女が未来人で。

「嫌じゃ、自分で取ればよいじゃろうが」

それを冷たくあしらう女が宇宙人で。

「はぁ…相変わらず尊大な態度ね」

「なんじゃと?」

「そのくらいしてあげればいいじゃない」

「ふん、何ぞわらわがせねばならぬ、そんな事」

「…流石宇宙人、優しさの欠片も無いわね」

「そうじゃな、それで何が悪い」

「…醤油…」

その宇宙人にやたら噛み付く女が超能力者。

…以上3点揃って、俺の同居人である。

…………。

……本当だぞ?

……本当だからな?

…………。

頭が痛い。



「おお、提督、どうした、箸が進んでおらんぞ?」

―初春。自称宇宙人。

いつも謎機械を弄っており、宇宙の道具を復活させておるのじゃと言い張る。

ちなみに道具は未だに動いた試しがない。

そしてこの星に棲む人間を下等だと見下している。

……なのに何で俺に懐くのか。

「大方、アンタのご飯が口にあわないんじゃない?」

―叢雲。自称超能力者。

悪の宇宙人を駆逐する超能力者だと言い張る。

その対象は初春と当たりをつけているらしい。

ちなみに能力を使うところはまだ見たことがない。

……もう少し設定を練って欲しい。

「うむ、どうでも良いが醤油をだな」

―長門。自称未来人。自称ながもん。

雨の日に橋の下で凍えているのを拾った。

未来の研究者で、タイムマシンを使って此処に来たと言い張る。

悪の宇宙人からある重要人物を守り、未来を変える為にやってきたらしい。

……シュタインなゲートでも開けるのか。

さて、いや。

勿論俺だって好き好んでこんな奴らと生活している訳じゃない。

死んだ親父の趣味が拾ったペットを可愛がることだったのが悪いのだ。

でもな親父よ、人間は拾ってきてはいけないんだぞ。

…と、嘆いても全ては無駄なのであるが。

初春は俺が物心ついた時から家にいた。

叢雲はいつの間にか家にいた。

長門は親父が死ぬ少し前に橋の下から持って帰ってきた。

そして完成したのがこの素晴らしい動物園である。

言葉も出ねえな、おい。

「提督、どうしたのじゃ?」

「アンタねー…ご飯はちゃんと食べないとダメよ?」

「む、もしかして食わないのか?なら貰うぞ?」

「………………」

――ああ。

頭が痛い。




「……はぁ」

「…あら、どうしたのですか?」

「溜息を付いてしまうと、幸せが逃げてしまいますよ?ええ、…それはもう、私のように……はぁ」

「…山城………うん、…相変わらずだな、お前は」

早速自分で自分の行動を矛盾させているこの女性。

…といっても、実は同級生なのであるが。

山城。溜息と、陰の多い同級生。

「…相変わらず…ああ…私は確かに、逃げられてばかり…」

「提督くんにも…幸せにも…」

「……いや、逃げた、て」

俗な言い方をするのなら、元カノ。

俺は彼女に告白されて、それを受けた。

…そして、彼女を振った。

……何故?

…それがわからんのだ。

好きだった。俺は彼女が好きだったはずなのに。

…わからない、ただ。

『そうせざるを得なかった』とでも言うのか。

自分でもよくわからない理論だとは思うが…。

彼女を振らなければならない、そんな気がしたのだ。

「…ふふ、冗談です、お気になさらず」

「……お前の冗談は…わかりにくいな」

「……申し訳ありません…ユーモアセンスも無いのです……ああ、不幸だわ…」

「なんて…ふふ、センスの有る無しは…私の責任なのに…ふふふ…」

「…あー…山城」

「…はい?」

「とりあえず、急ごう?」

遅刻する――

と、腕に巻いた時計を見せる。

「…はい」

頷いた山城が、俺の隣を歩く。

…こうして、付き合う前と変わらずに接してくれるのは…卑怯な言い方だが、助かっている。

山城の横顔、どこか曖昧な微笑み。

それは、昔よりも少しだけ、昏さを増していた。


「響だよ…うん、よろしく」

ロシアに居たというその白髪の転校生は、簡潔にそれだけ言って、頭を下げた。

その姿に周りの男子は、ひたすらに囁きを交わしている。

「おい、すっげー可愛いじゃん!」

「ロシア人?」

「いや、帰国子女だってよ!」

「嘘だろー!?」

人形のように整った容姿を持つその転校生は、すっかりクラスの話題を独り占めしてしまった。

HRが終わるとともに、彼女の周りに出来る、人集り。

「質問が――!」

「ロシアって――!」

「彼氏とか――――!」

各々、好き勝手な質問を転校生に向かって投げかける。

全く無粋な物だ。

ただでさえ慣れてない環境、ああいう事をするのは良くないだろう――

と、そちらに目を遣ると、突然にその人垣が割れた。

人垣の隙間から現れたのは、響。

彼女は、俺の方まで歩いてくると、目の前で止まる。

「やあ、はじめまして」

「……あ、ああ…はじめまして」

差し出された右手。

どうすればいいのか、と思案して、結局その手を握る事にする。

どうやら正解だったらしく、転校生―響は満足そうに笑った。

「どうにも、この学校の勝手がわからなくてね」

「………」

「良かったら、案内してくれないか?」

「…俺が?」

「ああ、君に頼みたい」

ざわつく教室。

無視する訳にもいかず、わかった、と頷く。

「…うん、良かった」

「じゃあ、お願いするよ」

「…ああ」

響を伴って教室を出る。

…どういうことだ、こりゃ?



「えっと、ここが視聴覚室、で、あっちが図書室」

「…………」

何の因果かさせられた学校案内。

響は俺の案内に、何か言うでもなく黙って聞いて付いてきている。

本当に聞いているのだろうか?

…いや、まぁいい、どちらにせよそろそろ終わりだ。

「で、ここが――」

「提督くん」

情報教室。と言おうとして、その言葉は響に遮られる。

「少し良いかな?」

「…あ、わかんないとことか…」

「ううん、そうじゃない」

「大事な話だ」

「……うん?」

辺りに人気はない。

響と俺だけが、特別棟の端、情報教室の前に立っている。

「…あのね」

「……ああ」

「…君はこれから、大事な選択を迫られることになると思う」

「………う、うん?」

「とても、とても大事な選択だ」

「…正しい選択をしろ、とは言わないさ」

「でもね」

「どうか、君が後悔しない選択肢を選んで欲しいんだ」

「…とまあ…うん、それだけかな」

「じゃあ、案内ありがとう」

「……………」

去っていく響。

残された俺。

…………。

…もしかして。

彼女もイタイ同盟の一員だったのだろうか。

…なんてことを思い、少し変な期待をした自分を戒める俺だった。



【プロローグ 終】

頭のおかしいプロローグ(2回連続2度目)
不評なら書き直す ただ今日は寝る

…あれ、これ結構面白そうとか思っちゃったんだが
全員の話を総合すると伏線・隠し要素がエベレスト盛りなのは確定的に明らか…オラ、わくわくしてきたぞ

安価スレはスレ内であーが良いこーが良いと喧嘩しつつも終わったら楽しかった!で済ませるのが一番楽しい
『あの時選択肢が~』とか『○○優遇させすぎ。××も取らせろよ』みたいな文句を言う人間が一番空気読めてない
自分の思い通りにならない所まで楽しむのが安価スレだし、すぐイライラする奴は完結した後にゆっくり読めよ

まー気楽にいこうや

【4月1週】


初春「おお、提督よ」

提督「ん?」

初春「いやなに、今から学校かえ?」

提督「おう」

初春「ふむ、…頑張るのじゃぞ」

提督「…初春も頼むわ…主に…」

長門「……………な、何ぃ…!?最下位…!?くそっ、違う占いを…」リモコンポチー

提督「アレの世話」

初春「…任されよう」

初春「お主こそ、怪我などせぬようにな」

提督「わーってるって、子どもか俺は」

初春「わらわから見れば子どもじゃよ、十分」

提督「…何歳だ、お前」

初春「ほほ、それは無粋な質問じゃろうて」


初春  **0/500
響    **0/500
山城  **0/500
長門  **0/500
叢雲  **0/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


初春>>+1
響>>+2
山城>>+3
長門>>+4
叢雲>>+5

大正義響
他の子がイロモノと化している今、中二病は逆に強みになる。可愛らしい思春期の輝きなのさ
コンマ戦なら戦艦にも劣らないよ



――教室


響「やあ」

提督「……響…さん」

響「響で良い、そう畏まらないでくれよ」

提督「……つったって…」

響「机、少し失礼するね」

昼休み。

俺が弁当を食べている時に話しかけてきたのは響。

彼女は俺の机の余っているスペースに弁当を置き、前の席に座った。

提督「…あの?」

響「うん、あ、嫌だったかな?」

提督「…いえ…そういう訳では…」

…わからん。

この前の事と言い、彼女は一体何がしたいのだろうか。

そりゃ別に悪い気はしないけれど…気になるものだ、どうしても。

何せ彼女から好意を向けられる理由に心当りがないのだ。

一目惚れと言えるほど、生憎自分の容姿に自信はない。

それに、彼女はとても容姿が整っているし。

響「……ふむ、良いね…焼きそばパン、嫌いじゃない」

提督「あの…」

響「うん?」

小さな口いっぱいに、焼きそばパンを頬張った可愛い姿で、此方を向く。

その一口をゆっくりと嚥下してから、何だい、と彼女は答えた。

提督「いや、…どうして、俺の所に飯を食いに来たのかな、と」

響「ふむ……先程も聞いたけど、嫌だったかな?」

響「…確かに、少々…いや、かなり馴れ馴れしい事をしたね」

提督「………」


>>+4


A.嫌ってわけじゃ…。

B.…確かに、ちょっと嫌だったかもしれない。

C.来てくれる事自体は大歓迎。

C.来てくれる事自体は大歓迎。(*1.5)


提督「…まぁ、君みたいな可愛い子が来てくれるのは…うん、嬉しいよ」

響「…ふむ、そうかい…そう言われると、何だか照れるね」

提督「ただ、理由がわからないと、ちょっとね」

響「理由…そうだね、理由か」

響「もしかして、不審に思われたかな?」

提督「…ん、まぁ」

曖昧に頷く。

それに、すまない、と響は素直に頭を下げた。

響「…そうだね…うん、強いて言うなら」

響「君が気になるから、かな?」

提督「…へ?」

響「ふふ、うん、言ったよ?これでもまだ不審に思うかい?」

提督「…えーと、いや…その」

響「さ、それじゃ食事を続けよう………あむっ」

提督「………」

…それは、どういう意味でしょう?

という問いは、焼きそばパンと一緒に彼女に呑み込まれてしまい。

…結局、モヤモヤした気持ちは晴れぬままであった。


響→ *97/5--

自分が正解と思ったほうが正解だよ
Aで響にペースを握らせるのも、Bであえて意地悪するのも間違いじゃない
今回はCでテレさせるのが安価取った人は正解だと思って取ったんだから全部正解



【4月2週】



叢雲「……………」

提督「……………」

春のうららかな日差しが差し込む縁側。

そこには1時間程前から微動だにしないしない叢雲が居る。

寝てるのではなく、どうも瞑想をしているらしい。

叢雲は、家にいる時、結構な頻度でこんなことをしている。

……中々の設定に対するこだわりだと思う。

なんたって、この状態の叢雲、ちょっとやそっとじゃ動かないのである。

提督「……………」

流れるような長髪を一束、手に持ってみる。

手入れを欠かさないその髪は、一本一本が手に心地よい。

提督「……………」ツン

一本に結んだ唇の横、ふっくらとした頬に指を滑らせる。

…指の先に伝わってくる感覚が、これまた心地よい。

提督「……………」プニ

そのまま、頬に指を沈める。

これだけされても叢雲は真一文字に瞼を閉じたままである。

初春「……何をやっておるのじゃ、あいつは」

長門「…さぁ?…それより、戸棚に入れといた饅頭知らないか?」

初春「わらわが食べたぞ」

長門「…なっ…!?」


初春  **0/500
響    *97/500
山城  **0/500
長門  **0/500
叢雲  **0/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


初春>>+1
響>>+2
山城>>+3
長門>>+4
叢雲>>+5

開始前:「あー、コンマランダムになるのか…偏らなくなるな(キリッ」

現在:「アイエェェェェェェェ!?ヒビキ!?ヒビキナンデ!?」



――教室


提督「そういえば」

響「うん?」

提督「最初に会った時、変な事言ってたよな?」

響「…ああ、うん」

こうして昼ご飯を響と一緒に頂くのにも慣れたある日。

俺はあの時気になった事を聞いてみる事にした。

すなわち、転校初日の謎の言である。

大事な選択がなんとかみたいなやつ。

提督「あれって…一体、どういう事だったんだ?」

響「どういう…と言われてもね、そのままの意味さ、としか言えないな」

提督「……うーん?」

そのままの意味、ということは。

つまり、俺は大事な選択を迫られることになるのだろうか?

…いや、何でじゃあそれを響が知っているのか、ということになる。

やはりただのイタイ妄言なのだろうか。

…しかし…響を見ていても、あの動物園3人衆のような様子は見られない。

それに、あの時の響は真剣だった。

提督「……じゃあ、一体それはどのくらい重要なんだ?」

どんな選択なんだ?と言う問いには、流石に答えてくれそうにない。

故に、少しだけ遠回りに聞いてみる事にした。

その問いに、響はふむ、と少し考えて。

響「…そうだね……うん、世界が滅びるかどうかくらい、かな?」

極めて真剣な声音で、そう言った。

……何言ってんだこいつ。


>>+4

A.…まぁ、そんな年頃なんだろう。適当に相手しよう。

B.……いや…もしかして本気で。話しくらいは聞こう。

C.すげーどうでもいい。

B.……いや…もしかして本気で。話しくらいは聞こう。(*1.5)


…いや。

待て、もしかしたら、本気なのかもしれない。

俺はこの先、世界の運命を左右する、そんな選択を迫られることになるのかもしれない。

………。

…んなわけねーだろ。

どんな選択だよ。

…ま、話くらいは聞こう。

提督「………世界って…一体、どういう事だよ?」

響「悪いが、言えるのはここまでだよ」

提督「…ありゃ、そうなのか?」

響「うん、君には何の先入観もなしに選択をしてもらわなきゃならない」

提督「へー」

響「…近いよ、その日はきっと」

提督「ほー」

響「ま、…うん、必ずしも信じる必要は無いさ」

響「頭の片隅に留めておいてくれれば、それでいい」

提督「おう」

もとよりそのつもりである。

…というか。

せめてそこは考えとけ、少し設定の詰めが甘いぞ。



響→ 199/500

次スレ立てる
というかあれよね、夜戦仮面さん結局即フェードアウトしちゃったよね
なんでや!

次スレ 

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★4【安価】
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★4【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403791944/)


多分あふたーは蛇足感満載になりそう

だな、>>1のお気に入り設定が出来てたりしたらそれがお蔵入りはちょっともったいないし
>>1のお気に入りが全然進められなかった時は次週にその娘を引き継ぎするくらいしてもいいのよ?

あ、いえいえ、それは平気です
ただの妄想なので投げ捨てて下さって全然構わないです
でも、始まる前の下馬評との違いに驚いたんですよ、スナイパーしゅごい
とりあえずこのスレ埋まるまでは普通に進めます



【4月3週】


山城「………不幸だわ…」

提督「山城?何やってんだ?」

山城「…あ、提督くん……いえ、購買部にお昼を買いに行ったのだけど…」

提督「……ははーん、さては、売り切れてたとか?」

山城「…いいえ、それを想定して、ちゃんと急いで…良いパンを手に入れたのよ」

提督「え?お、カツサンドじゃないか!」

山城「……そう思うでしょう?」

提督「…んー…?」

『期間限定!クリーミーカツサンド!』

提督「…………」

山城「…間違えたわ…」

提督「……いや、これは作った奴が悪いだろ」

山城「……うう…」

提督「…俺の弁当、少し食うか?」

山城「…良いの?」

提督「流石に…少し、可哀想だなー…と」



初春  **0/500
響    199/500
山城  **0/500
長門  **0/500
叢雲  **0/500


コミュ対象、一番コンマの高い娘


初春>>+1
響>>+2
山城>>+3
長門>>+4
叢雲>>+5



――提督家・リビング


提督「初春、またそれ弄ってるのか」

初春「…む?おお、お主か…いやなに、どうしても直さなくてはならぬのよ」

学校から帰ると。

リビングでは、初春が謎機械を弄っていた。

ぱっと見ただけでは何なのかわからない。

おまけに、修理している本人ですらもよくわかっていないという有り様だ。

提督「…昔からずっとそれ修理してるけどさ、直んないじゃん」

そんな彼女の横に腰をおろして、手先を覗き込む。

複雑な構造の内部を開いて眺めていた手が止まった。

初春「うむ…そう、じゃな」

初春「しかし…、これで動く筈なのじゃ」

提督「何の機械かもわからないのに、それはわかるのか?」

初春「うむ……不思議じゃがな」

初春「推測であるが…きっとこれにわらわの宇宙人としての記憶が眠っているのじゃと思う」

提督「はー……なーにいってんだよお前は」

初春「嘘ではないぞ?」

提督「へいへい」

初春「…本気にしておらぬじゃろう、全く…お主はいつもそうじゃ…」

ぶつくさと呟きながら、再び止めていた手を動かし始める。

…はあ。

いい加減に卒業して欲しいものだ、こういうの。


>>+4


A.これがなけりゃ、初春も普通に可愛いのに。

B.…いつまでもは、付き合いきれないぞ。

C.………部屋、戻るか。

A.これがなけりゃ、初春も普通に可愛いのに。(*1.5)


全く。

こういう趣味さえなけりゃなぁ。

こいつだって普通に可愛いのに。

初春「む……うむむ…むー?動かん…」

提督「ほらほら、さっさと諦めてしまってこい、おやつ食おうぜおやつ」

初春「おやつじゃと?」

提督「おう、コンビニスイーツだ」

初春「おぉ………!」

提督「長門に見つかると面倒臭いから、さっさと食っちまおう」

初春「うむうむ、そうじゃな!善は急げ、じゃ!」

提督「さて、それじゃお茶でも――」

長門「何やら…私を呼ぶ声がするな」

初春「宇宙人キーック!」

長門「おごっ!?」

初春「…ふん、脇が甘いの、未来人」

提督「……………」

コンビニスイーツ、美味しかった。

以上。



初春→ *27/500

後埋めてくださると助かります

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