【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★7【安価】 (1000)

・艦娘×提督の学園もの
・全然艦隊とか関係ありません
・エロ、グロといった描写があるかもしれません
・なんかドロっとしているかもしれません


前スレ

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★2【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★3【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★4【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★5【安価】
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【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★6【安価】
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ヒロインまとめ(○はエンド艦娘、次回登場は不可、○付いてない子は出せます)


【一周目】

電(幼馴染)         
浜風(娘)          
あきつ(後輩)         
足柄(先輩)          
○青葉(同士)   



【二周目】

大和(管理人)       
○不知火(親友)      
飛鷹(教師)        
五十鈴(転校生)       
北上(同居人)       


【三周目】

雷(クラスメイト)       
球磨(スラッガー)      
間宮(バイト先の店長)   
○那珂(超人気アイドル) 
阿武隈(義妹)        


【四周目】

陽炎(幼馴染)        
川内(学生であり怪盗)  
卯月(妹分)         
榛名(後輩)         
○暁(妹)           


【五周目】


初春(宇宙人)
叢雲(↑のライバル)
長門(ながもん)
響(帰国子女)
山城(元カノ)

BAD。


【六周目】


千代田(義妹)
吹雪(親友)
赤城(大食いチャンピオン)
由良(後輩)
古鷹(フライフェイスとオッドアイの演劇の天才)

BAD。


【七周目】


比叡(記憶喪失・幼馴染)
○漣(家政婦)
明石(近所のお姉さん)
大井(クラスメイト)
レ級(クラスメイト)


【8周目】

明石(義姉)
鈴谷(同居人)
文月(姉)
熊野(財閥令嬢・崩壊寸前)
白露(クラスメイト・電波)


いまここ。

A.何となく頭を撫でてみる。(*1.5)


ぽふっ。

柔らかい水色の髪の毛に、俺の手が沈む。

鈴谷「…何しとんじゃー」

変わらず前を向いたまま、不満気に鈴谷さんがそう言った。

提督「慰めています」

鈴谷「…いらんてば」

提督「ま、そう言わずに」

鈴谷「むー…」

その一言で、鈴谷さんが黙る。

柔らかい髪を撫でるのは、思いの外心地良い。

提督「……そういえば」

鈴谷「んー?」

提督「両親がいなくなったから、株を勉強したんですか?」

鈴谷「…ああ…まぁ、そうだね、それもあるかもねー」

提督「も?」

鈴谷「…別に、普通に働くことも出来たからさー」

鈴谷「そうだなぁ…」

一番の理由は、と、少しだけ間を置いて。

彼女はそこで初めてこちらを振り返り、思い切り唇を歪めて言った。

鈴谷「復讐」

提督「……え?」

固まる俺。

しかし、それはすぐにいつもの笑顔に変わる。

鈴谷「……なーんつってー!あっはっはっはっは!」

鈴谷「…ま、ありがとねー、しょーねん!」

提督「……は、はい…」

…やはり、よくわからない人、である。



鈴谷→ 120/500

ここまで
明日の夜やれたらやる
お付き合いいただきありがとうございました

杉内完璧やったんかー…厳しいなぁ
調子落ちてるっぽい阪神にどのくらいやれるかだねぇ、8月を占うって意味でもこの3連戦が重要だ
はっじめっるよー

>>24
いよいよ死のロードだもんね

安価下

>>25 よくよく考えれば去年も死のロード前に阪神を甲子園で3タテした記憶があるんですが…その先どうなったか覚えてないんですよねー、あー不思議


【8月2週】


提督「………」

ピッ。

クーラーの温度を下げる。

熊野「………」

ピッ。

クーラーの温度を上げる。

提督「………」ポチー

下げる。

熊野「………」ポチー

上げる。

提督「暑いんだよ!」

熊野「寒いですわ!」

鈴谷「……自分の部屋帰れば?」



コミュ対象>>+4


明石   399/500
鈴谷   120/500
文月   319/500
熊野   177/500
白露   *75/500

――鈴谷家


提督「鈴谷さーん…って、寝てら」

クーラー垂れ流しの鈴谷さんの部屋。

彼女はその端のベッドで、ぐーすかと腹を出して寝ていた。

夕飯の買い物でも行きますよ、と殊勝な事を申し出ようとしたらこれだ。

提督「…まったく」

ちらりと覗く白い肌をなるべく視界に入れぬよう気を使いつつ、床に投げ出されたタオルケットをかぶせる。

提督「しかし、となるとやることがないな」

元々暇潰しついでに引き受けようと思っていた事だ。

家にずっといると、どうしても手持ち無沙汰になる。

提督「……ん?」

仕方ない、リビングでテレビでも―なんてことを考えていた時、付けっぱなしのPCの画面が目に留まる。

提督「………」チラ

鈴谷さんは、寝ている。あれならしばらく起きる気配はないだろう。

遠目で見た感じだと、PCの画面に映っているのはゲームのタイトルではなく、ごちゃごちゃとした数字。

仕事、とあの人が言って見せてきた時に映っていたものだ。

俺は、ちらりとしかその画面を見たことがない。

その時自分を突き動かしたのは、そんな好奇心だった。

提督「………」

数字の羅列。……えーと、これが持株数?…で、資産………?

提督「……は?」

……一瞬、これもゲーム画面か、と思った。

資産の桁数が、明らかにおかしい。

果たして宝くじが何百回当たれば、この額になるのだろうか。

鈴谷「………みーたーなー」

提督「うわああっ!?」ガタッ

不意に耳にかかった声に、PCの前の椅子から転げ落ちる。

提督「すすす、鈴谷さん!?」

鈴谷「…いやそんなビビんなよー…」

心外じゃ、と唇を突き出す鈴谷さん。

提督「ななな、何すかこれ!?」

鈴谷「にゃはは、凄かろう」

提督「凄い、っすけど…その、なんというか…」

鈴谷「ふっふ、鈴谷さんの凄さを存分に思い知るが良い!」

これ以上会話はしないとばかりに、俺の言葉を遮って、誇らしげに胸を張る。

…うーん――――

>>+4

A.こんなもん詮索しても仕方ないか、それより飯だ飯。

B.…まぁ、話したくないことなら。

C.それでも突っ込んで詳しく聞いてみる。

B.…まぁ、話したくないことなら。(*1.0)


…無理に詮索するのもなぁ。

話したくないことなんだろう、こうして話題を逸らすということは。

それに、元はといえば俺の軽率な行動が悪いのだ。

提督「……ああ、そうそう、今日の夕飯は何ですか?」

鈴谷「ほえ?」

提督「元々夕飯の買い物に行こうと思って、何買ってくれば良いか聞きに来たんですよ」

鈴谷「お、そーかそーか!偉いぞしょーねん!」

撫でてやろう、なんて伸ばされた手を躱す。

どうもそれが不満だったらしく、鈴谷さんは頬を膨らませた。

鈴谷「むー…この前のお返しだというのにー」

提督「……気持ちだけ受け取っときます」

鈴谷「ふ、この溢れんばかりの気持ちが少年に受け止めきれるかな?」

提督「…それで、夕飯は何ですか?」

鈴谷「鈴谷の気持ちが躱された!?」

そう言って、わざとらしく肩を落とした。

…ま、鈴谷さんは鈴谷さんだし。

彼女にも彼女なりの事情がある。

そういうことだろう。



鈴谷→  160/500



【8月3週】


都会よりも、些かその照り付けを弱めたかに思える太陽。

汗に濡れた肌に吹く小さな風。

さらさらという音が聞こえてきそうな澄んだ小川。

町の中より、随分と過ごしやすい

流石山奥、といったところだろうか。

さて、まぁそれはそれで良いのだが。

何と言っても。

文月「あついよぉ……」

姉さんである。

大きな麦わら帽子を被った姉さんが、暑さにやられながら歩いている。

何だろうあれ、天使か?

頑張れ姉さん、負けるな姉さん。

提督「…ぐふっ」

「……何なのかしらあれ」

「…暑いからねぇ…」



コミュ対象>>+4


明石   399/500
鈴谷   160/500
文月   319/500
熊野   177/500
白露   *75/500



――屋上

夏休み、誰も居ない屋上。

此処に明石さんを呼び出したのは、全部、言ってしまおうと思ったから。

今まで、俺が彼女にしてきたこと。

ずっと騙していたこと。

嫌われるのなら、それでも構わないと思った。

罵倒されるなら、素直に受け入れようと思った。

…だけど、もし、許してくれるのならば、その時は――

明石「あ、いたいた、提督くん…暑いですね、ここは」

提督「…はい、すいません、すぐ終わる用事なので」

明石「構いませんよ、そうだ、良かったら帰りにどこか寄ってお昼にしませんか?」

提督「……そうですね、もし、明石さんがそれでいいなら」

明石「?私は別に問題ないのですけど…」

提督「明石さん」

提督「……ごめんなさい」

明石「…提督くん?」

提督「……俺は…貴女が、嫌いでした」

提督「…ずっと、初めて会った時から大嫌いでした」

提督「居なくなればいいとさえ、思ってました」

明石「………」

提督「…貴女に、助けを求めた時も…それは変わりませんでした」

提督「文月姉さんに、また会いたくて…そのためのただの情報源としてしか貴女を見ていませんでした」

提督「…その、キスとか…そういうことも、都合良く貴女を使うための手段でしかありませんでした」

明石「………」

明石「………それは…今でも、ですか?」

提督「……俺は…」

提督「貴女に、優しくされて」

提督「貴女に、愛されて」

提督「俺は……いつしか……」

続く言葉が、出てこない。

…明石さんの事を好きになっていた、という言葉が。

そんな俺の心境を知ってか知らずか、明石さんが口を開く。

明石「…ねえ、提督くん」

明石「……何で、今それを私に言ったんですか?」

……それは――――


>>+3-5

A.決別のため。

B.……貴女が、好きだから。

C.……すいません。

風呂

B.……貴女が、好きだから。(ED解放)


…好きだから。

好きになってしまったから。

優しくしてくれる貴女を。

愛してくれる貴女を。

もしかしたら、姉の代わりを求めたのかもしれない。

…いや、きっと最初はそうだった。

でも、今は違うと。そう言い切れる。

提督「…好き、だからです」

提督「明石さんが、好きだからです」

提督「……はは…滑稽、ですよね…俺」

自嘲の笑みを浮かべ、結局、笑ってごまかした。

次の彼女の言葉を待つ。

罵声だろうか、それとも、平手だろうか…いや、もしかしたら、何も言ってくれないかもしれない。

どんな風に貶されても良いと覚悟していた。

…けれど、彼女の行動は、俺の予想のその全てと違っていた。

明石「……知ってました」

提督「…え?」

明石「…途中から、何となく、わかってました」

明石「提督くんが私を嫌ってるって」

明石「無理して、笑ってるって」

提督「……気付いて…?」

明石「…ふふ、あまり女の勘ってやつを舐めない方がいいですよ」

提督「…で、でも…だったらなんで――」

明石「そんなの、決まってるじゃないですか」

頬を両手で掴まれて、そのまま引き寄せられる。

触れたのは、柔らかい唇。

明石「貴方を、いつか本当に振り向かせたかったからですよ」

目の前、俺の前で、明石さんが浮かべた笑顔。

それに吸い寄せられるように、視線が釘付けになった。

明石「…どうやら、成功したようですね?」

提督「え、あ……え、っと」

明石「というわけで、答えは…私も好きです、提督くん♪…で、よろしいでしょうか?」

提督「…は、はい…いや、良いんですけど、急展開過ぎて…色々と…」

明石「それじゃあ!お昼、食べに行きましょうか!」

提督「え、あ、明石さーん!」

結局、最初から。

俺はこの人の掌の上だったのかもしれないと。

そんな事を思ったのだ。

明石→ 500/500



【8月4週】


提督「そういえば鈴谷さん」

鈴谷「んおー?」

提督「先週ホームセンターで買った植物ってどうなってます?」

鈴谷「………あ」

提督「……ベランダに出してましたよね」

鈴谷「……そうだねぃ」

提督「燦々と太陽が降り注ぐベランダに」

鈴谷「……にゃはっ」

提督「一週間放置」

鈴谷「……うがーっ!さっさと言ってよばかー!」

提督「…いや、正直俺もさっき思い出したというか…」

熊野「…ああ、水ならあげてますわよ、私が」

提督「……マジで?」

熊野「マジですわ」

鈴谷「……ふふん」

提督「何であんた偉そうなんだ」



コミュ対象>>+4


明石   500/500
鈴谷   160/500
文月   319/500
熊野   177/500
白露   *75/500



――教室


白露「夏休みはどうだった!?てーいとーくくんっ!」

提督「普通だよ…つーかテンション高いなお前…」

白露「普通……普通ねー…普通かあー…」

提督「何だよ」

白露「いーやっ!何でもないよー!」

登校初日。

甲高い声が耳に障る。

ぶん殴って縛ってロッカーにでも入れておきたいなこいつ。

全自動盛り上げマシンとしてパーティー会場の真ん中にでも置いておけ。

白露「あ、そうそう」

提督「…ああ?」

白露「おねーさんとは、その後どうですかー?」

提督「姉さん?…そうだよ、だいたい何でお前が姉さんを…」

白露「あ、違う違う!」

提督「…?」

白露「…明石さん、だよ?」

提督「は……?」

白露は、笑顔。

貼り付けたような笑顔に、深い瞳。

吸い込まれて、沈んでしまいそうな瞳。

白露「……あれ?変な事言っちゃった?」

提督「…待て、どういう事だ?」

白露「ふふーん…気になるかなー?」

提督「気になるも何も…」

白露「では、私と今度の休日また出かけてくれたら話すよっ!」

提督「ああっ…!?」

糞、意味がわからん。

こいつ会話する気無いだろ。

しかし…あの発言、放っておくわけにも…。


>>+4


A.…わかった。

B.…それでも気持ち悪いし、断る。

C.どうでもいいから今話せよ。

A.…わかった。(*1.5)


提督「…わかった」

白露「ということはっ!?」

提督「…教えろよ、絶対」

白露「うんうん!わかったよー!」

大変不本意だが、こいつの誘いに乗るしか無い。

というかそれ以外に選択肢の取りようがない。

ここで聞いて、教えてくれるような奴では…ないだろうな、多分。

…ああ、面倒臭い、こんな変な奴に構ってる暇なんてないのに。

白露「ふふ…」

提督「…何笑ってるんだ?」

白露「嬉しいなーって!」

白露「それだけだよっ!」

提督「……そりゃあ、良かったな」

白露「うんっ!」

…こっちは、ちっとも良くないけどさ。

…はぁ。



白露→ 211/500



【白露―その1】


「あははっ」

何で知ってるの?なんて。

知ってるに決まってるよ。

だって、ずっと君を見てるもの。

君が大好きだもの。

好き。好き。好き。好き。好き。好き。

提督くんが好き。

私はずっと、君だけを見てる。

だから、君も私を見て?

今は、ちょっと障害が多いけど。

いつか、それもなくなるよね?

なくなるかな?

あはっ。

好き。大好き。

大好きだよ、提督くん。

休日、楽しみだなぁ。

「ふふっ」

提督くんと一緒にお出かけなんて。

「嬉しいなぁ――」



【9月1週】


鈴谷「秋だね!」

提督「まだ暑いっすよ」

熊野「同感ですわ」

鈴谷「…ノリ悪いなぁこの拾い物共…」

提督「…いや、どうせーと」

鈴谷「…そこはこう、なんかわーっ!って、秋だーっ!って」

提督「……ヤバい集団じゃないっすか」

鈴谷「…わーっ!秋だーっ!」

提督「……わー…秋だー…」

熊野「…秋ですわー…」

提督(……何やってんだろう俺)



コミュ対象>>+4


明石   500/500
鈴谷   160/500
文月   319/500
熊野   177/500
白露   211/500

すまんねる
エピローグとキャラ安価は明日の夜にー
お付き合いいただきありがとうございました

それじゃあ範囲内連投禁止で
今日の試合は負けるべくして負けたって感じ
とりあえず先にキャラ安価だけ取る、正直気力がもう無い

おてやわらかにね

一人目>>+4

また難しそうな
二人目>>+4

これは…普通!?
やったぜ。

三人目>>+4

えぇ…

4人目>>+4

そういうので良いのよ、うん

ラスト>>+4

武蔵(応援団長)
朧(部活の後輩)
潮(従妹 とりあえず保留)
村雨(幼馴染)
鳳翔(教師)

潮はとりあえず保留させてくれ
先にエピローグから書くよ、でも今日は多分無いと思います

今回は取りそびれたからいいけどどこらへんまでいいのか
また娘とかそれ系も出していいの?だったら次は是非母枠を狙いたいんだけど

>>204
とりあえずどんなのでも一応考える
無理そうならそん時は言います



【エピローグ】



親父は、案外簡単に許してくれた。

なんだこんなものか、と拍子抜けするくらいに。

ただ、やはり姉さんとの接触は制限されたが。

…それは、致し方あるまい。

代わりに得た物がある。

きっと、それは特別なもの。

「…提督くん、朝ですよー」

「……起きてくださいよー」

「…………むぅ」

「…起きないとー…キスとか、しちゃいますよー?」

「……ぐー…」

「……むー」

唇に触れる感覚を待ってから、眼を開く。

「おはようございます、明石さん」

眼前、ドアップで映し出された義姉の顔は、少し赤らんでいた。

「…やっぱり起きてましたか」

「…恥ずかしがるくらいなら、最初からあんな事言わなきゃいいんですよ」

「むー…」

「いやいや、朝からいい感じに頑張れそうです」

「…まぁ、いいですけどねー…朝ご飯、出来てますから」

「はい、すぐに行きます」

その言葉を聞き、明石さんは急いでくださいね、ともう一度念を押して、俺の部屋を出る。

パタパタと、廊下を駆けていく足音が響いた。

「……結局」

甘える対象が変わっただけ、なんだよなぁ。

自分はやはりどこまでも人に、愛に飢えているのだな、と、改めて実感する。

…でも、良いさ。

あの人は、俺の歪みも受け入れてくれる。

だから、良いんだ。

さて、準備をしようか、と背伸びして、視界の端にゴミ箱が映る。

その中に、空になった、みかん氷の容器があった。

「……鈴谷さん」

それを好物だと言っていた彼女を思い出す。



「…少年、マジで出て行くの?」

「はい、お世話になりました」

「……うっわ、冷たい男ー…」

「しかし、家に帰ってもいい、ということになりましたので」

親父に許しを貰った後。

鈴谷さんに今までのお礼を述べた。

そして、出て行くという旨も。

それに彼女は、心底不満そうな顔をしたのを憶えている。

「…いいんではありませんの?」

「くーまのーん、そんな事言うなよー!」

対して、熊野は非常にドライだった。

コーヒーを優雅に傾けながら、俺を見ていた。

「…別に、二度と会えない、ってわけではありませんでしょう?」

「ああ、うん」

「え!?マジ!?遊び来てくれるのしょーねん!」

「……まぁ、気が向けば、たまに…」

「おー!君はいい男だなしょーねん!さっすが鈴谷さんの見込んだ男だ!」

「つーか、お前は帰らないのかよ」

「……もう、あまり帰る気も有りませんの」

「え?ここで暮らすの?」

「ふっふー…つまりここは今日からは鈴谷とくまのんの愛の巣になるねーぃ」

「…生活の目処さえつけば、出て行くつもりですわ」

「にゃんでっ!?」

「自分の力で、生きてみたいんですの」

「……ご立派、なのかねぇ」

「…冗談、ただの傲慢ですわよ」

「…んだな、…ま、頑張れ」

「くまのーん…くまのんまで鈴谷さんを捨てるのかい!?」

「…貴方も…ちゃんと顔を出しなさいな」

「寂しがりますわよ、この人」

「そーだそーだー!寂しいぞー!」

「わかりましたよ…」

そんなやりとり。

またな、と言って別れた、数カ月前。

その後すぐに、日本全国をひたすらに騒がせた熊野グループ崩壊というニュース。

少しだけ不安になり、あの部屋に行こうと思って。

マンションのロビーで押したインターホンに、反応が返ってくることはなかった。

あれから、結局、俺はあの二人に会っていない。

知っているのは、あの馬鹿でかいマンションの最上階、その入居者を表す名札が変わっていたということだけ。




「…………弟くん?」

「……え?」

「…ゴミ箱なんか見つめて、どうしたのー?」

不思議そうに俺を見ていたのは、姉さん。

「あ、え…ね、姉さん!?お、俺の部屋に入っちゃ――」

「だいじょーぶ、お父さん、もう仕事行ったから」

「…大丈夫なのかなぁ」

「うんうん、だーいじょうぶ!」

彼女も、この家に戻ってきて。

昔のように、また明るくなった。

決定的に違うのは、俺に対する態度だろうか。

家族に対するそれに、変わっていた。

「…ご飯、食べないのー?」

「いや、食べるよ」

「うんうんっ!じゃ、準備しなきゃー!」

そう言って、姉さんは部屋を出ていこうとする。

中々食卓に現れない俺を心配して呼びに来たのだろう。

「…姉さん」

「うん?」

扉に手を伸ばした背中。

そこへ、小さく呼びかけた。

「……あの」

「ダメだよ」

「……」

「…弟くん、あたしたちは、やっと普通になれたんだから」

「だから、ダメだよ」

「未練も、なんにも残しちゃダメ」

「ちゃんと、これからは家族でいるの」

わかった?と、背中を向けたまま、姉さんが諭すように語る。

「……はい」

「…よろしー、じゃ、ご飯が冷めないうちに降りてきてね」

今度こそ、扉が閉じられて、姉さんの姿が消える。

「……見ぬかれた、かぁ」

でも、ありがとうございます、姉さん。

…やっと、捨てる為の決心が付きそうです。



「……あれ?」

学校の、教室の中。

少し前から何となく覚えていた違和感の正体に、やっと気がつく。

「…なあ、えっと…喪部くん」

「…うん?どうしたの…えー…提督くん?」

今まで殆ど話したことのないクラスメイトに声をかける。

どうしても、気になることがあった。

「…白露の席、どうして空席なんだ?」

「白露さん?ああ…なんか、最近学校に来てないみたいだよ?」

「へー…」

「へー…って、君もクラスメイトじゃないか」

「…ごもっとも」

ありがとう、と軽く手を挙げると、いいえ、と爽やかな笑みを返された。

どうにも彼は結構良い人らしいな、うむ。

「しかし、不登校ねぇ」

空席になった、白露の席を見る。

…言っちゃあ悪いが、肩の荷が降りた気分だ。

これ以上よくわからん奴に付き合わされんでよかった。

「くぁぁ………」

大きく背伸び。

多少、学園生活も良い方向に変わっていくかもしれない。

そうだな、今度、あの喪部くんにまた話しかけてみるか。

…もしかしたら、友達なんかできちゃったりして―――――




「………うふっ、……あはっ、ふふっ」

一定の感覚で、少女が笑う。

尤も、そこに正常な様子などは全く見受けられないが。

「…てーとくくん…てーとくくぅん…」

彼女は、写真を手に持っていた。

最愛の人。

比喩表現など一切なく、彼女にとってはそう言って差支えのない人だった。

「……変な女に、誑かされちゃったねー」

「…でも大丈夫、私が助けてあげるから」

「私は、ずっとてーとくくんを見てるから……」

笑いながら、ずっと彼女はその言葉を繰り返していた。

壊れたレコーダーのように、ずっと、同じ言葉を。

この後。

彼と、その周りの環境がどうなったのか。

それはまた、別のお話。

「明石さん…あの…今日弁当やたら多くないですか?」

「頑張っちゃいました♪」

「…頑張っちゃいましたじゃなくて…」

「頑張っちゃいました♪」

「……いただきます」

「はい、召し上がれ!」

兎にも角にも。

彼は、彼女は、幸せだった。


【明石 HAPPYEND】

電波ってこんな感じ…でしょ、うん、知らんけど

潮の設定って普通なのと普通じゃないのどっちが良いっすかね
両方書いて聞こうと思ったが没にするの嫌やしやっぱ初めから聞いとこ

んじゃまー普通で行くよ
すまんね、ありがとう

すまん
今日中には何とか書きます
間を開けて申し訳ない

もうちょっとで書き終わる

明日には仕上げるから許して
書けないのは武蔵と鳳翔以外全く使ってないからキャラが…



【プロローグ】


「あ、あの…いいのでしょうか…こんなことして…」

「いーのいーの、起きてこないこいつが悪いんだから!」

「んー……」

「わ、う、動きましたよ!?」

「だいじょーぶだいじょーぶ!まだ起きてこないってば♪」

声がする。

そして、腹に感じる圧迫感。

人がせっかく眠っているのに、何なんだ一体…。

「…ぷっ…じゃ、じゃなくてあの、村雨さん…お、お兄さんが…ぷふっ」

「寝坊助さんが悪いのよー、ふんふんふーんっと♪」

…うーん。

インクのような臭いがする。

くそ、…これじゃ眠れん。

「……おろ?」

「…村雨?」

「お、お兄さん!?ち、違うんですこれはですね!」

「…潮ちゃん、しーっ!ふふ、おはよー、提督!」

「……お前、来てたのか…」

「始業式だからねっ!ほらほら、もう6時半だよー?」

「…ああ…潮も、おはよう」

「お、おはようございま…ぷっ」

「……?」

目を覚ました俺の体の上に跨っていたのは幼なじみの村雨。

そしてその隣で何処か申し訳無さそうな顔をしながらも笑っているのは従妹の潮。

どうも、わざわざ起こしに来てくれたらしい。

田舎からこっちの高校に進学し、4月から家に棲むことになった潮はともかく、村雨までこんな時間に起こしに来るとは。

「……それよか…ふふっ、か、顔っ…顔、洗いに行ってきたほうが良いんじゃないかしら?」

「…そんなに酷いか?」

「酷いっていうか…ええ、酷いわよ、ねぇ、潮ちゃん?」

「えっ!?あ、えっと…は、はい…」

「……むぅ」

村雨だけでなく、潮にまで言われるとは。

どうにも中々に酷い寝起きのようだ。

「…ありがとう、洗ってくるよ…」

「ええ、しっかり洗うのよー♪」

「…ご、ごめんなさいお兄さん…」

寝起きの少し覚束ない足取りで、階段をトントンと音を立てて降りていく。



「…あ、父さん…ずいぶん早いね、仕事?」

丁度一階まで降りた所で、靴を履いていた父さんに鉢合わせた。

「ん、今日は少しプレゼンの準備を――って、お前なんだそれ?」

俺の声に顔を上げた父さんが、半笑いに変わる。

ややあって、勝手に自分の中で納得したのか、うんうんと頷いた。

「…ああ、なるほど…それで村雨ちゃんがあんな…ははっ」

「……よくわからないんだけど、どういう事?」

「いやいや、相変わらず仲がいいようで何よりだ…顔、しっかり洗えよ」

「…わかった…行ってらっしゃい、父さん」

「行ってきます」

父さんが玄関の向こうへ消えていく。

「……うーん」

同性の父さんにまで言われてしまった。

そんなに酷いのだろうか、今の俺の顔。

洗面所に入り、鏡を覗き込む。

一体どんな顔なんだ――と。

「な………」

そして。

「なんっじゃこりゃあああああああ!」

叫んだ。




「………許さん」

「もー、ごめんってば!ね?」

「…人の朝の貴重な時間を奪いやがって…」

謝る村雨を無視して、食卓の飯をかき込む。

あの時、鏡には水性ペンで愉快に彩られた俺が映っていた。

そして、そんな事をするような奴は一人。

「……あの、お兄さん…ごめんなさい」

「ああ、潮…変なお姉ちゃんに巻き込まれたんだろ?散々だったな」

「扱いの差、露骨じゃない!?」

水性ペンにしてあげたのに―とぶーたれる村雨。

どっちにしろ変わんねーよアホ。

「本来肉って書く所を、内にしてあげたのよ?」

「何が違うんだよ!」

「ほっぺたにも二重丸じゃなくてただの丸を書いたし…」

「お前絶対反省してねーだろ!」

「…えへっ」

「……もういい」

「ちょ、冗談よー!」

「……ふふっ」

そんなやり取りを交わす俺達を見て、潮が笑う。

「どうした、潮?」

「…いえ、仲がいいなぁ、って思いました」

「ふふ、当然でしょ潮ちゃん」

「…潮、それは見間違いだぞ」

「もー、照れちゃってー!」

「…断じて違う!」

「ふふっ」



「また同じクラスだねー」

「誠に遺憾である」

「照れちゃってー」

俺の隣の席で、ニヤニヤと村雨が笑う。

新三年生のクラス分けは、めでたいことにまたこいつと一緒だった。

これで小1から高3まで毎度同じクラスという偉業を達成してしまったことになる。

誠に遺憾である。

「…潮ちゃん、ちゃんとやってるかなー」

窓の外、1年生の校舎を見やり、村雨が言う。

「大丈夫だろ、あいつはいい子だ」

「…いやいやー、最近は良い子の方が逆に大変だったりするんだよ?」

「ほら、潮ちゃんって押しに弱くて可愛いから、男の子に声を掛けられたり…」

ガタッ。

席を立つ。

潮の所に行かなければ。

「ちょいまち」

「ぐえっ」

と、教室の扉に向かって歩き出した首根っこを村雨に掴まれる。

「なーに本気にしてるのよ」

「…は?冗談だったのか!?」

「はぁ…潮ちゃんは、そういうのはちゃんと断るから平気よ」

大きな溜息を吐く村雨。

…ちくしょう、またやられた。

どかっと不機嫌を隠さずに再び席に腰を降ろす。

「…あのなぁ、村雨…」

「あ、ほら、先生来たみたいだよ!」

…よりにもよってこのタイミングで教室の扉が開かれる。

…文句も言えぬ、ちくしょう。



「鳳翔です、皆さん、一年間よろしくお願いします」

始業式に合わせたのだろうか。

入ってきた担任の女性は、今時珍しい和装だった。

落ち着いた大人の女性、という言葉が何より似合う、そんな人。

「……美人だ…」

「鼻の下伸ばさなーい」

「あでっ」

隣から飛ぶ拳。

全く、こいつとは大違いだな。

「…ふーむ……」

そんな熱視線を鳳翔先生に送っていると、ふと、彼女と目があった。

「………あらあら、ふふ」

俺の視線を受けて、鳳翔先生が静かに笑う。

余裕の笑みに耐えられず、視線を逸らした。

「……ぷっ、…ぷふっ」

「…うっさいわ」

なんとも…こう、どうしようもないくらいにシャイボーイ俺。

…ふむ、なんとかしてお近づきになれないだろうか。

「…さて、それじゃあ、クラス委員を決定していきますね」

「まず学級委員ですけど――」

「っ!は、はいっ――!」




「…それで学級委員になったんですか?」

「うむ」

はぁ、と読んでいた本を置いて朧が嘆息する。

「馬鹿だ馬鹿だとは思っていましたけど、やっぱり馬鹿ですね、先輩」

「…うむ」

非常に困った。

何せ経験が無い。

先程開かれた学級委員の会議ではただ話を聞いて『うん、良いと思う』って言うだけの係だった。

だが…。

「何より困ったことは、別に鳳翔先生と接する機会が劇的に増える訳じゃないって事だ…」

「…あ、そうですか」

超どうでもいいや、といった態度で脇においた本を再び朧が手に取る。

…冷たい後輩だ。

「………」ペラッ

「…姑獲鳥の夏かぁ」

「好きなんです、このシリーズ」

「…ほへー、俺難しくてよーわからん」

「…先輩も文芸部ですよね?」

そう言って俺に呆れた視線を朧が送る。

朧は、見た目だけで言えば文化部というタイプでは無い。

だが、去年この部員一人(絶賛廃部の危機)である文芸部に入ってくれた。

「…何でお前、文芸部に入ったの?」

「………いきなりどうしましたか」

「いや、俺はそりゃ入ってくれて嬉しいけどよ、中学の時は運動部だったんだろ?」

「…そうですね…えっと、なんて言えばいいか」

本から顔を上げ、ページの間に指を挟んで何事かを思案し、ややあって朧が口を開く。



「先輩、その鳳翔先生って人に一目惚れしたんですか?」

「…んなっ!?い、いやー違うよ、そんな一目惚れなんて…そんなんじゃないしー」

「…想像以上にウザかった…」

「…何か言った?」

「いえ、何も…じゃあ、先輩はこれまでの人生で一目惚れってしたことありますか?」

「……無い、かなぁ…そりゃーこの子可愛いなーくらいは思ったことはあるけど…」

「ですか」

何を納得したのか、うん、と一つ朧が頷いて。

「案外良いものですよ、一目惚れって」

「……あん?」

「それだけです」

ページに挟んだ指を抜き、再び本に視線を戻した。

「…あれ?俺の質問の答えは?」

「…………」ペラッ

「……おーい、朧ー」

「…とりあえず先輩も本読みましょうよ」

「……仕方ない、ブラック○ャック全巻一気読みでもするか」

「……文芸部とは一体…」

そんな感じの、緩い部活動。

それが部員二人の文芸部であった。




『声出せー!』

「……うるせぇ」

「八つ当たりはやめて下さい」

「…こんなんじゃ○ラックジャックに集中出来ねぇ!」

さて、医師免許不所持の黒男のお話を読み始めたはいいのだが。

生憎グラウンドに面する場所に部室がある我らが文芸部。

しかもよりにもよって応援団の活動場所の側。

とてもうるさい。

朧はそこまで気にしていないようだが、俺はとても気になる。

「…だいたい何でお前は気にしてないんだ」

「集中力の差じゃないですか」

「…ちくしょう!うるせーんだよ応援団!」

「……それはどうも、すまなかったな」

「…え?」

グラウンドに向けて開いた窓から、褐色に肌の焼けた眼鏡の少女が顔を出す。

それは…。

「…む、武蔵…さん?」

「ああ、いかにも」

三年、同級生、応援団長。

女だてらに荒くれ者の応援団を取り仕切る人。

…備考、喧嘩とかとっても強いらしい。



「…も、もしかしーて今の聞いてたりあの…」

「うん?応援団がうるさいという話か?」

「いやーははは耳良いですねぇ」

わー。聞かれてたわー。

まーそりゃそうだ校舎からあの練習場所まで行こうとするならここの前通るもんなー。わー。

「…はっ、なに、そんなことで一々怒ったりなどせんよ」

「え、マジですか!?ありがとうございます!」

「……先輩…」

即頭を下げた俺を、朧が他人に向ける目で見ている。

…君も社会に出ればこの辛さがわかるさ。俺も別に出てねーけど。ごめん。

「…だが…お互いの為にも、この窓は閉めておいたほうが良い、そう思わんか?」

「あーはいそっすね!その通りですね武蔵さん!」

「……先輩…」

朧がゴミを見るかのように俺を見ている。

君も社会に以下略。

そんな朧に構わず、俺は窓を閉めた。

「…あまりそう萎縮されるのは、…少し悲しいのだが」

「え?あ、なんか言いましたか!?ま、窓閉めちゃったんで聞こえなかったっす!」

その途中、武蔵さんが何かを呟いた気がして、もう一度窓を開ける。

だが、彼女は何でもないよ、と笑って背中を向けた。

「…ひえー寿命が縮んだ」

「先輩、小物ですよね」

「…うるへー、勝てない者には逆らわねーんだよ」

まぁ、何だ。

朧に言われるまでもなく、俺は凄くかっこ悪かった。

高校生として最後の一年間だというのに、締まらないものである。



【プロローグ 終】

遅くなってごめんね
気分転換に立てたスレに思いの外熱中してたのも原因
本編は明日、だと思う

始めるよ
最近は野球がとても面白いね



【4月1週】


潮「……ふあー…」

寝起きの潮が、背伸びをする。

たゆん。

寝ぼけ眼で、柄物のパジャマを着た潮。

それは、どこか幼さを感じさせる可愛らしい姿だ。

潮「…あ、お兄さん、おはようございます」

提督「おはよう」

潮「今日は、いい天気ですね」

提督「ああ」

んー、ともう一度背伸びをする潮。

たゆん。

…可愛らしい。

たしかに可愛らしいのだが…。

潮「…お兄さん?どうしました?」

提督「…ん!?いやいや!何でもないよ!うん!」

凶悪な部分もある。

俺の視線を釘付けにさせる凶悪な部分が。


コミュ対象>>+4


潮     **0/500
村雨   **0/500
鳳翔   **0/500
朧    **0/500
白露   **0/500

間違ってる、すまん
コミュ対象>>+2


潮     **0/500
村雨   **0/500
鳳翔   **0/500
朧    **0/500
武蔵   **0/500

出来ないと思うから無理になるって偉い人も言ってたし、まぁなんとかなるさね
今回は私が悪いから全く問題ないよ、ごめんね


――家

潮「……んっ…ふっ…」

提督「…………」

潮ちゃんは非常に良い子である。

物凄く良い子である。

良い子の潮ちゃんは戦艦道部という部活に入ったらしい。

…何をするか?そんなもん俺も知らん。

潮「……ふっ…はぁっ……あっ…」

だがどうもそれは身体を動かす部活のようだ。

良い子の潮ちゃんは、部活で自主的にやりなさいと言われた筋トレにしっかり取り組んでいる。

潮「……んんっ…はぁ…キツいなあ、結構」

運動不足なのかな、そんな言葉が背後から聞こえる。

…ああ。

非常に困った。

リビングで悩ましい声を出しながら筋トレなんてするんじゃない。

俺がダメになっちゃうだろ。

ちなみになぜ潮ちゃんに視線を向けていないのかというと、強力すぎたからだ。

荒い吐息、赤らんだ頬、汗ばんだ肌、動く度に揺れる胸。

……ダメになる、あれはダメになるぞ、男子学生なら。

潮「……はぁ…んっと、…これで全部かな?」

そんな拷問のような至福のような時間は、どうもやっと終わるようだ。

視線だけを向けていた本から目を離し、潮ちゃんに声をかける。

提督「お疲れ様、終わりかな?」

潮「はい…あはは、体力無い所見せちゃって、少し恥ずかしいです…」

そんな事ないよ素晴らしい物を見たよ。…とは言いません。はい。

提督「いやいや、俺も全然筋トレとか出来ないしさ、これからやっていけば体力も付いていくさ」

潮「そう…でしょうか?…そうだと良いなぁ」

提督「きっとそうだよ、大丈夫」

潮「…あ…ありがとうございます、お兄さん」

にこっと、潮ちゃんに向けて笑ってみせる。

…これは完膚なきまでに理想の親戚のお兄さんじゃないか。ふふ。

潮「……っつ…」

提督「潮ちゃん?」

立ち上がろうとした潮ちゃんが、顔をしかめた。

潮「…あ、いえ…お、思ったより筋肉使っちゃったみたいで…あはは…」

む、それはよくないな――

>>+4

A.俺結構マッサージとか得意なんだよね。

B.急いで休むといいよ。

C.……それはヤバイかもしれない…患部を見せてくれ、潮ちゃん。

C.……それはヤバイかもしれない…患部を見せてくれ、潮ちゃん。(*0.5)


……筋肉の痛みを侮ってはならない。

それがもっと大きな怪我なんかに繋がったり、後を引いたりする事も多い。

くっ、潮ちゃんを守らなくては!

提督「潮ちゃん!」

潮「は、はいっ!?」

一気に潮ちゃんとの間合いを詰める。

少しだけ、汗の匂いがした。

提督「……患部は、どこだい?」

潮「…患部…え、えっと、足の付け根の所が痛くて…」

提督「足の付け根…」

足の付け根の筋肉…大腿筋か?

…うむ、非常に重要な筋肉だ。

…放置は頂けないな。

提督「潮ちゃん、患部を見せてくれ」

潮「…見せ…え、えっ!え!?」

提督「…どんな大きな怪我につながるかわからない、さぁ!」

潮「え、でも、あの、えと」

提督「潮ちゃん!」

俺の真剣な様子が伝わったのか、潮ちゃんが恐る恐るといった様子で足を出す。

そして、ホットパンツの裾をまくり上げようと手で掴んだ。

提督「………」

俺もその様子を眺めて多少息が荒くなっているがこれは断じて心配からによるものであることは確定的に明らか。

潮ちゃんの手が、そのまま上がりかかって――

潮「や、やっぱりダメですーっ!」

提督「……へ?」

脱兎の如く駆け出した。

リビングを物凄い速度で去っていく。

…………。

…足、大丈夫そうで良かったな、うん。



潮→  **8/500



【4月2週】


鳳翔「提督くん」

提督「はいっす!」

鳳翔「これ、皆さんに配っておいてくれませんか?」

提督「勿論っす!」

鳳翔「ふふ、ありがとうございます…元気ですね、提督くんは」

提督「い、いやー…元気が取り柄なんですよー…元気が」

鳳翔「うふふ、良いことだと思いますよ」

提督「で、ですよねー!さー元気に頑張ろー!」

村雨「……単純…」



コミュ対象>>+4


潮     **8/500
村雨   **0/500
鳳翔   **0/500
朧     **0/500
武蔵   **0/500



――文芸部室


朧「…先輩」

提督「うん?」

朧「いえ…新入生募集、どうしますか?」

提督「あー…募集、なぁ」

部活中、思い出したように朧が口を開く。

我が文芸部の部員は二人、朧と俺。

新たに部員を入れねば来年廃部が決定する。

提督「…集めるべきだよなあ、部員」

つっても、どうやったものか。

朧の時みたいに、適当に声をかけてみたら部員になってくれた、なんて偶然は通用しないだろうし。

ここはやはり単純にポスターでも書いてみるか…?いやしかし画力が…。

朧「あの」

提督「ん?」

そんな俺の思考を中断させるかのように、朧が口を開く。

朧「…別に、いいんじゃないですか、無理して集めなくても」

提督「…しかし、そしたら来年…」

朧「アタシも受験ですし、呑気に本なんて読んでる暇なくなりますから」

…待てこら朧。

それは暗に俺を責めているのではあるまいな。

朧「元々アタシも先輩に誘われただけなので、先輩が居なくなったらやめたって構わないですよね?」

提督「…まあ、そうだが…」

朧「そういう訳です、部員は集めなくていいです」

提督「……うーん」

…まあ、朧が言ってることはわからんでもないが――


>>+4

A.そう言うなよ、募集くらいはしてみよう。

B.…それなら、別にいいか。

C.いや、なんとしても誰かを入れたい。

うげマジや、気づかんかった
やっぱ更新は挟むべきだな、そしてまた一つ知識が増えた
今度からはなしでお願いしますね、もし選択肢と被っちゃったら安価下

A.そう言うなよ、募集くらいはしてみよう。(*1.0)


提督「…そう言うなよ」

朧「……先輩」

提督「募集くらいはしてみても良いんじゃないか?」

朧「…ですけど」

提督「せっかく続けたんだしさ、3年になってもやってくれよ」

朧「……」

朧が俯いて、黙る。

そんな朧の肩を叩く。

提督「大丈夫、募集はこっちで担当するからさ」

朧「……」

提督「…朧?」

朧「……鈍感」

俯いたまま、何事かを朧が呟いた。

小さな声のそれは、俺の耳には届かない。

提督「…何か言ったか?」

朧「……いいえ、何も」

提督「…?…とりあえず、募集はしておくよ」

朧「…好きにすればいいです」

それから部活が終わるまでずっと、朧は難しい表情のままだった。



朧→  *84/500



【4月3週】


村雨「……くかー…」

隣の席で寝る幼なじみ。

ふっ、無防備な寝顔だぜ。

ああ、そういや寝顔と言えば…始業式の日のこと、俺はまだ忘れちゃいないぞ。

村雨「……くー…」

くくっ、そうだ。

こんな所に水性ペンがあるじゃないか。

提督「……ふはははは…」

気分はまさに伝説の剣で魔王を倒す勇者。

こいつで積年の恨みを少しでも晴らしてやる。

手始めにまずはデコに肉でも書いてやるか――

提督「……あれ?」

かすっ。

水性ペンが映らない、インクが枯れている。

…おい、伝説の剣折れてるじゃねーか。

村雨「……んー?」

提督「あ」

そして目覚める魔王。

視線の先には、突き出された水性ペン。

村雨「…てーいーとーくー?」

魔王が、笑った。



コミュ対象>>+4


潮     **8/500
村雨   **0/500
鳳翔   **0/500
朧     *84/500
武蔵   **0/500

ここまで
お付き合いいただきありがとうございました

流石スターナイトメア、期待を裏切らない
イベントの様子見してから始めます、多分23時頃かな?

燕ちゃんの月間チームOPS1超えてるって…アホちゃう?
ま、今日に関しては明らかに井納もおかしかったんだけどね、スターナイトはホッシーにでも呪われてんのかねほんと
イベントはしばらく放置、攻略法出来てから行くわ
始めます



――リビング


潮「……お兄さん?」

提督「………あー…え?」

潮「あ、やっと起きました」

提督「…あれ…俺、寝て?」

視界に入るのは、潮ちゃんの笑顏と天井。

顔を横に向ければ、ソファーの背もたれが見える。

提督「…そうか、帰ってソファーで寝転がって…」

いつの間にか、そのまま寝ていたらしい。

硬くなった躰を伸ばそうと、上体を起こす。

ぱさり、と掛けられた薄い布団が床に落ちた。

提督「…あ、これ、潮ちゃんが?」

潮「は、はい…その、お腹、出てましたから…」

提督「…そっか、うん、ありがとね」

潮「いえ、気にしないでください」

当然の事をしただけ、と言わんばかりに、両手を身体の前で振る。

提督「………しかし…」

潮「…?どうしました?」

提督「…いや…」

思ったのだ。

こういう時って、起きたら潮ちゃんの胸が目の前にある状態…即ち、膝枕ってのが定番なんじゃないか!?

…うわーすげー馬鹿だ俺。もう死ねばいいのに。

頭に何個か穴が空いてなきゃ出来ないような思考を振り払い、潮ちゃんに向き直る。

ええと――――


>>+4


A.潮ちゃんが気にしなくても、俺は感謝してる。撫でる。

B.邪魔だと思ったら、別に起こしてくれて構わないからね。

C.……今度からは、ぜひとも布団だけでなく潮ちゃんの膝枕も付けてくれないか?

A.潮ちゃんが気にしなくても、俺は感謝してる。撫でる。(*1.5)



ぽふっ。

ふわっとした頭に、俺の右手が沈む。

潮「ひゃ…っ!?」

提督「ありがとう、潮ちゃん」

潮「……は、…はい…っ」

そのまま、手を動かしてみる。

いわゆるなでなでというやつだ。

さらさらの髪は、俺の手に些かも絡むことなく、指の間を流れていく。

伝わる感触はなんとも心地良い。

……。

なるほど、これは至福だ。

縮こまって此方を上目遣いで見上げる潮ちゃんも可愛い。

提督「…おっと、ごめん、ついつい子供扱いしちゃったね」

潮「あ……」

白々しく、そんな言葉を言ってみる。

ほんとはもうちょっと撫でたかったのは内緒だ。

潮「…えっと…終わり、ですか?」

提督「うん、いやー、小さい頃から知ってるからか、つい潮ちゃんにはこういう事しちゃうね」

潮「い、いえ…私はそれでも、大丈夫、です…」

提督「…そっか、うんうん」

…情けないな。

気を遣わせてしまった。

……しかし。

また機会があったら撫でたいなぁ、なんとも。



潮→ *38/500



【4月4週】


提督「ふぁ…」

朝、通学路。

潮ちゃんと村雨を従えた両手に花の状態で俺は歩く。

いや、正確には片手に花で片手に…。

村雨「……?どーしたの?」

提督「…花、かなぁ、やっぱり」

そうだな。

黙ってりゃ可愛い。

それなり以上に。

村雨「花…?」

ま、だが黙ってるコイツというのもそれはそれで嫌だ。

結局、あるがままが一番ってことなのかね。



コミュ対象>>+4


潮     *38/500
村雨   **0/500
鳳翔   **0/500
朧     *84/500
武蔵   **0/500



――職員室


提督「あの、鳳翔先生!」

鳳翔「…あら、提督くん?どうしましたか?」

どうしたの―という問いに答える術を俺は持たない。

何故ならば、特に用があって此処に来たわけではないからである。

ではなぜ来たのか?

それは――

提督「な、何か学級委員として仕事はないかと思った次第です!」

鳳翔「…あ、あらあら…」

若干鳳翔先生の表情が苦くなった。

つまり俺は、先生に会いたいなーと思って、用事を探すために此処に来たということだ。

鳳翔「特に今、頼みたい事は無いのだけれど―」

と、一つ言葉を切って、先生が俺を見る。

鳳翔「提督くんは、本当にその用事で私を訪ねてきたのですか?」

提督「…え、と、言いますと…」

鳳翔先生が、笑って言葉を続ける。

少しだけ誂いの色が見える、楽しげな笑みだった。

鳳翔「いえ…もしかして、何か他の目的があるのでは無いのでしょうか?―なんて、先生は少し邪推してしまいました」

…うっ。

明らかにバレてる気がするぞ、俺の目的。

…こ、ここは――


>>+4

A.い、いえそんな…俺は学級委員として…。

B.はい!鳳翔先生に会いに来ました!

C.…あ、つ、次移動教室だったー!

B.はい!鳳翔先生に会いに来ました!(*1.5)


…うむ。

どう考えても俺の目的は見透かされているっぽいぞ。

…それならば、だ。

提督「…はい!俺は鳳翔先生に会いに来ました!」

鳳翔「………え、ええっ!?」

一瞬、職員室がざわめく。

…やべえ、声張り上げすぎた。

鳳翔「あ、あの、提督くん!?」

提督「…あ、あははは!な、なーんて、やだなぁ、冗談ですよ先生!」

鳳翔「あ、冗談…そ、そうですよね、冗談ですよね!」

あはは、と二人して乾いた笑いを交わす。

提督「あーはは……いやー、なんか仕事無いっぽいっすねー、てことで帰りますね俺」

鳳翔「…は、はい…えと、授業、頑張ってくださいね?」

提督「勿論っす!ではまた、先生!」

鳳翔「………びっくりしたぁ…」

後日、俺と鳳翔先生の間に変な噂が立った。

…なんというか。

素直になり過ぎるというのも、それはそれで問題なのかもしれない。





鳳翔→ *99/500



【5月1週】


ゴールデンウィークだ!

レジャーにスポーツ、楽しいことがいっぱいあるぞ!

提督「…だというのに」

朧「…どうしました、先輩?」

提督「なぜ俺はゴールデンウィークに文芸部の活動なんかをしているんだ!」

朧「……暇ですからね」

そう。

暇なのだ。

両親、日頃の疲れを癒やすという名目のごろ寝。

村雨、家族で旅行。

潮ちゃん、部活。

…だから、此処に来るくらいしかなかった。

提督「…というか、お前だってもれなく暇人じゃないか朧!」

朧「……先輩が一人だと寂しいかなと思ったまでです」

朧「…邪魔なら帰りますよ?」

提督「あ、待ってごめん、ほら、ここにボッキーがあるから機嫌を…」

朧「…そんな名前でしたっけ、そのお菓子…」



コミュ対象>>+4


潮     *38/500
村雨   **0/500
鳳翔   *99/500
朧     *84/500
武蔵   **0/500

ちょいとここまで、スローですまんね
イベント様子見つったけど実はログインすら出来てないのよねまだ、阿鼻叫喚を見るに相当アレなのは予測できるけど
お付き合いいただきありがとうございました

あっそっかぁ(池沼)
既にダメコン一回使ってたのかぁ
野球見ながらするもんじゃねーな、あはは

翔鶴138、散る
んにゃぴ

いやーキツいっす
今日は日付変わるくらいまでちょっと休んでそれから更新する、と思う
スターダスト初勝利おめ



――文芸部部室


提督「…ふぁ…」

安っぽいパイプ椅子に座り、背伸びをする。

…暇だ。

時計を見ると既に4時。

いつもならこの時間には来ているはずの朧が来ない。

提督「……ふーむ」

椅子の背もたれに体重をかけて、ぐでんと天井を見る。

ギッ、とパイプ椅子が鳴った。

武蔵「何だ、暇そうだな」

提督「どひゃああ!?」

武蔵「…おい?」

どんがらがっしゃん。

声に驚き、思わず椅子から転がり落ちる。

提督「…む、武蔵さんじゃないすか!」

武蔵「…そうだが…」

窓から顔を此方に出していたのは武蔵さん。

長い丈の学ランを羽織った、男らしい格好をしていた。

提督「いやーどもっす…な、何か御用っすかね」

武蔵「ん、用という程でもないが…まだ応援団の奴らが集まっていなくてな」

暇なんだ、とグラウンドを指さして笑う。

指した先には、確かにまだいつもの荒くれ者どもの姿は見えない。

提督「そーなんすか、でも、えー…何故ここに」

武蔵「暇潰しだよ、暇潰し」

どうだ、少しくらい付き合ってくれないか―と俺に尋ねる武蔵さん。

えー………――――



>>+4

A.丁重にお断りする。

B.嫌そうにお断りする。

C.俺も暇だしいいか。

C.俺も暇だしいいか。(*1.5)


朧は―来ない。

……うーむ。

提督「…はい、いいっすよ、俺も暇ですから」

武蔵「…そうか、うん、それは良かった」

窓にもたれた武蔵さんの表情が緩む。

武蔵「よし、それならまず…その言葉、何とかしてくれないか?」

提督「言葉…っすか?」

武蔵「それだよ…同い年だ、敬語など不要さ」

提督「…あー…えっと…」

武蔵「だいたいお前は男じゃないか、それなのに何だその卑屈な態度は」

提督「…わかり―あー…わかったよ、武蔵さ…武蔵」

武蔵「うむ」

よし、とサムズアップをした武蔵は、俺より余程男らしい。

武蔵「では…そうだな、お前は文芸部なのだろう?」

提督「うん、見ての通りな」

武蔵「おすすめの本なんかはないか?」

提督「…本、か…」

……しばらく考えて、本棚から一冊の本を抜き出す。

武蔵「………む?」

武蔵の怪訝な顔。

提督「ブラックジャッ○だ」

武蔵「……」

半眼で向けられた瞳。

お前ホントに文芸部か?

そんな言葉の篭められた視線だった。



武蔵→  132/500



【5月2週】


村雨「おはよー!」

提督「おはよ…朝から元気だなぁ、お前」

村雨「提督が元気なさすぎるだけだってー!」バッシバッシ

提督「痛い痛い」

村雨「朝から元気良くいきましょーう!」

提督「うーい…」



コミュ対象>>+4


潮     *38/500
村雨   **0/500
鳳翔   *99/500
朧     *84/500
武蔵   132/500



――教室


村雨「…じー」

俺の机を囲んで村雨との昼食。

その中、村雨の視線がひたすらに俺の弁当を捉える。

提督「もご……何だよお前」

村雨「…おばさんの料理、相変わらず美味しそー」

提督「……ぬ、やらんぞ」

自慢じゃないが、うちの母親の料理は美味い。

そして、こいつはそれを知っている。

…だが、食べ盛りの男子高校生の昼食。

ただでさえ全て食べても足りるかどうかというレベルなのに、人にやる分など残っていようはずもない。

村雨「えー!けちー!」

村雨「いいでしょ?私の分もちょっとあげるからさ、ね?」

提督「んー…」

ほらほら、と村雨が自分の弁当箱を差し出す。

…確か、自分で作っているんだっけか?

女の子らしい、彩りに良く気を使われた見目美しい弁当だった。

……ちなみに俺のは茶色。こっちの方が美味いんだよ。

…さて――――


>>+4


A.やらぬ。

B.弁当箱の蓋の上におかずを置く。

C.開いた口に、箸でおかずを突っ込む。

C.開いた口に、箸でおかずを突っ込む。(*1.5)


村雨「ねーねー、ちょーだいって…むぐ―っ!?」

半開きの口に、唐揚げを突っ込む。

驚きに目を見開いて、村雨が此方に抗議の視線を向けた。

村雨「むぐ…な、何するのよ!」

提督「はっは、おかずが欲しいというから…」

村雨「そ、そーゆー事じゃなくてね!…えと、あの…間接……ス」

ぼそぼそと、だんだん小さくなっていく声。

最後の方は殆ど聞こえない。

提督「…?何だ、なんて?」

村雨「…うー…!す、少しは気にしなさいよー…」

提督「……んー…?まあいい、お前の弁当も貰うぞ」

一番目立つハンバーグを箸で半分に割って、遠慮なく頂く。

村雨「あー!ちょ、ちょっとー!」

提督「もご…うん、美味い美味い」

村雨「私のおかずー…」

提督「はっは」

そんなこんなで。

益あるおかず交換会であった。



村雨→  *15/500



【5月3週】


武蔵「…暇そうだな」

提督「違いない、暇だよ」

武蔵「…私らからするとよくわからんのだが、文化部というものは普段いつもそうやってのんべんだらりとしているのか?」

提督「んー…俺が一年の頃は、もうちょい真面目に活動してたかな」

武蔵「というと?」

提督「文集とか、定期的に発行する図書館の新刊の一言感想書いたり」

武蔵「…なぜ、今はしていない?」

提督「先輩いなくなって、俺が一番偉くなったから」

武蔵「…はぁ…いやはや、なんというか…」

武蔵「呆れて何も言えないな」

提督「…仕方ないだろ、本読むの好きじゃないんだよ」

武蔵「…?では何故文芸部に?」

提督「……三年の先輩がめっちゃ可愛かった」

武蔵「……はぁ」

提督「しゃーねーだろー!そういう時期なんだよー!」



コミュ対象>>+4


潮     *38/500
村雨   *15/500
鳳翔   *99/500
朧     *84/500
武蔵   132/500



――資料室


提督「先生、資料…まとめ終わりました」

鳳翔「ありがとうございます、提督くん」

埃っぽい空気の資料室。

普段立ち入ることの無いその場所を見回す。

提督「…資料、多いですねー」

鳳翔「ええ…」

あまり整理されていませんから―と、鳳翔先生が嘆息をする。

鳳翔「ですから、きっと一人でやっていたら大変でした、ごめんなさいね、提督くんにも都合があるのに」

提督「いえいえ!いーんですよ!お気になさらず!」

そう、現在時刻は放課後。

本来ならば部活もない今日は俺はとっくに帰っているはずの時間だ。

だが昇降口に向かう途中、資料を抱えた先生に会い。

それを持ってあげるついでに事情を聞き、ならば手伝いますと申し出たのである。

提督「いやー…でもホント、ここは掃除くらいした方がいいですよね」

鳳翔「そうなのです…でも、ここの掃除を生徒にさせるわけにもいかなくて…」

中々難しい扱いになっているようだ、鳳翔先生が嘆息する。

言われてもう一度資料室を見渡してみる。

…あ。

提督「あの…先生」

鳳翔「あら」

すっかり棚に戻し終えたと思っていた資料が、一部だけ机に残っていた。

俺の指の先、それを鳳翔先生が拾い上げる。

提督「ああ、俺が戻しますよ」

鳳翔「いえいえ、提督くんにずっと任せてましたから、このくらいは」

まあ、何もしてないも同然ですけど―と些か申し訳無さそうに笑い、棚へと手を伸ばす。

しかし、不幸にもその資料を収める場所は最上段で、微妙に先生の手が届かない。

提督「大丈夫ですか?」

鳳翔「…ええ、えっと…あったあった、ここに脚立が…」

と言って、奥から引きずって来た小さな脚立。

それに足を掛け――

鳳翔「きゃっ!?」

提督「先生!?」

壊れていたのか、脚立の足が揺らぎ、先生がバランスを崩す。

俺は先生を助けようと――

>>+4

A.飛び込んで、勢い余ってそのまま先生を床に倒してしまった。

B.先生を背後から抱きすくめた。

C.うまく先生の下敷きになる形で助けることが出来た。

C.うまく先生の下敷きになる形で助けることが出来た。(*1.0)


提督「いっ…!」

鳳翔「提督くん!?」

ドスンと大きな音がして、床に溜まった大量の埃が舞う。

ヘッスラのような形で突っ込んだ俺の背中に、上手く鳳翔先生が腰掛けていた。

鳳翔「だ、大丈夫ですか!?」

提督「…へ、へーきっす…のーぷろぶれむ」

鳳翔「でも…って、あ、い、今どきますね!」

背中に乗っかった鳳翔先生の柔らかい尻が遠ざかっていく。

…違う、疚しいことなんて考えていない。

鳳翔「……本当に大丈夫ですか?」

立ち上がり、二人、服についた埃を払う。

提督「ええ、平気です」

鳳翔「…ごめんなさい、迷惑を掛けてしまって」

提督「いいんですよ、まさか脚立が壊れてるなんて思いませんよ」

全くこの不良品め、と脚立を蹴り飛ばす。

からん、と金属音と共に、床に転がった。

鳳翔「ダメですよ、そんな事をしては」

提督「…あ…いえ、すいません、この脚立の野郎が先生をこんな目に合わせたんだと思うとつい腹が…」

鳳翔「あら、ふふ…」

そんな言葉に、鳳翔先生の表情が綻んで。

同時に向けられた視線にどこか恥ずかしくなって。

俺はもう一度、脚立を蹴ってみたのだった。


鳳翔→  168/500








【5月4週】


潮「…んしょ…っと、あの、お兄さん」

提督「ん、どした、潮ちゃん?」

潮「はい、えと……お、お菓子、作ってみたんですけど…その」

提督「おお、クッキーじゃないか」

潮「は、はい!それで、良かったら…」

提督「あぐっ」

潮「食べて―って、もう食べちゃってる!?」

提督「うむ…」

潮「あの、味、おかしくないですか…?」

提督「美味い!」テーレッテレー

潮「…ほっ」



コミュ対象>>+4


潮     *38/500
村雨   *15/500
鳳翔   168/500
朧     *84/500
武蔵   132/500

今日はここまで
お付き合いいただきありがとうございました

今日はお休み

今日も多分無理っぽい

CSどころか…万が一億が一で優勝まである…え?
誰ぞおるかー

――リビング

提督「ぐが……あぐー……」

潮「…だ、大丈夫ですか?」

提督「…痛い…」

女の子である潮ちゃんが筋トレをしている。

ならば男である俺も負けるわけにはいかない。

そんな訳で俺も筋トレを始めた。

……こういう場合。

ちょうどいい回数というのがわからない。

やれるだけやろうと無駄に張り切ってやってしまう。

その結果。

提督「腕めっちゃぷるぷるする…」

潮「お兄さん…」

あー頑張った!と思って立ち上がろうとしたらコケて立ち上がれない。

全身の筋肉が痛い。

…俺のような奴を馬鹿というのだろう。言われなくても自覚しているが。

提督「……ぐ…」

しかしこのまま潮ちゃんの前でみっともない姿を晒し続ける訳にはいかない。

男の意地である。

もう一度立ち上がろうと腕に力を込める。

提督「……」ベチャッ

…無理でした。

再び床に転がる俺。

潮「む、無理しちゃダメですよ!」

…うむ、みっともない。

しょうがない、しばらくじっとしていよう。

…そんな事を考えた時だった。

うつ伏せに寝転んだ俺の背に、潮ちゃんが跨る。

提督「う、潮ちゃん!?」

柔らかいぞ!?…じゃなくて、何を!?

潮「あ、えっと…その、マッサージでも…と」

潮「ぶ、部活で慣れてますから…」

豊満な身体を感じる。

上を見たらきっとたわわなアレが俺の頭の上くらいにあるはずだ、ちくしょう首180°くらい回転してみろよちくしょう!

…じゃねえ、いや、マッサージ、うん、やって欲しいけどさ。

うーん…――――


>>+4

A.…お願いするよ。

B.…いや、あの、身体が…。

C.……大丈夫、放っといて。

A.…お願いするよ。(*1.5)


…言っておくが不純なアレは全くない。

俺はただ潮ちゃんの好意に甘えたいだけなのだ。

そう、不純なアレはない!

提督「じゃあ…お願いするよ」

潮「はい!えっと…失礼しますね」

潮ちゃんの手が俺の背中に触れる。

ああ、気持ち――

提督「痛ぁっ!?」

潮「ご、ごめんなさい、でも、強くしないと…」

提督「あ、あはは…そうだよね、マッサージだしね痛ァ!?」

潮「…ごめんなさい」

謝りながらも、潮ちゃんの力は緩むことがなった。

悲鳴をあげながら、年下の女の子に揉まれるという姿を晒した俺。

…恥ずかしい。

確かにマッサージは上手いのだろう、終わったら身体が嘘みたいに軽くなっていた。

すげー痛かったけど。




潮→  153/500





【6月1週】


村雨「……むぎゅー」

潮「………ん…」

提督「………」

我が家のリビング。

見知ったはずの場所であるそこが、おかしい。

何がおかしいって、村雨が潮を抱きしめている。

いつの間に百合ん百合ん空間になったのだうちのリビングは!?

提督「…何やってんだ、村雨」

村雨「…あらら?帰ってたの?」

提督「ついさっき…で、何やってんだよ」

村雨「えへー、潮ちゃんがいい匂いするからー」

潮「…よ、よくわからないのですけれど…」

提督「……マジか!?じゃあ俺も抱きしめていい!?」

潮「……!?そ、それはちょっと、あの…」

提督「…しゅん」




コミュ対象 直下


潮     153/500
村雨   *15/500
鳳翔   168/500
朧     *84/500
武蔵   132/500



――部屋


提督「くあー………」

宿題終了。

時計を見る、23時30分ちょっと。

ふむ…少し早いかもしれんが、寝るかね。

起きててもやること無いしなぁ…。

提督「お、そうだ」

潮ちゃん、起きてるかな。

こんな時間に失礼かもしれないけど、何か話したいな。

…ま、もし起きてたら、お願いしてみようか。

なんてことを考えて、潮ちゃんの部屋の前まで歩いて行く。

2階は、潮ちゃんの部屋と俺の部屋、その2部屋を隔てるように物置と化した空き部屋がある。

その空き部屋を超えて、潮ちゃんの部屋の扉へ。

ノックをしようと手を伸ばした時――

『んっ……!』

提督「……?」

やたらと甘い声が聞こえた。

……?

伸ばした手を引っ込めて、代わりに耳を近づける。

提督「なんだ…?」

『…やっ……ふ…あっ!』

『おに……ん、だめっ…ですぅ…』

『……んんっ!』

提督「…………………」ダラー

あかん。

あかんてこれ。

なんやねんほんともう。

俺が悪いんでしょうか。

……………え、えと――――


>>+2


A.ノックしてみる。

B.……か、帰る。

C.呼び掛けてみる。




B.……か、帰る。(*0.5)


…オーケー。

俺は何も聞いていない。

ずっと部屋にいた。そうだな?

提督「…すまん、潮ちゃん…」

今度からはこんな時間に部屋を訪れる事はしません。

そんな決意を胸に、俺は部屋の前を立ち去――

『……んっ…あっ…』

提督「………こほん」

立ち去ったのであった。

非常に心臓によろしくありませんでした。



潮→ 181/500



【6月2週】


潮「あ、お兄さん、おはようございます」

提督「おおおおおはよう潮ちゃん!」

潮「……?どうしました?」

提督「何でもなかりけりだよ!」

潮「……お兄さん?」ススッ

提督「……」ササッ

潮「……?」ススッ

提督「……」ササッ

潮「…何で距離を取るんですか?」

提督「き、気のせいじゃない?」

潮「……?」




コミュ対象 >>+2


潮     181/500
村雨   *15/500
鳳翔   168/500
朧     *84/500
武蔵   132/500

ご飯食べてくる

すいません、急用っす
夜はやれるかわからんです


――私室


村雨「こーんにちはー!」

提督「うおっ!?」

休日、部屋でゆっくりと過ごしていた時。

急に扉が開かれる。

ベッドに寝転んだまま目をやると、脳天気そうなツインテールが立っていた。

村雨「や、提督!」

提督「……お前なー…ノックくらいしろよ!びっくりするだろ!」

村雨「むむ、まさかー…この村雨さんには言えないような事を致していたのかなっ?」

提督「ちげーよ!」

村雨「ホントかなー?ふふふー」

提督「…はぁ…で、何か用か?」

ニヤニヤ笑う村雨が非常にうざったい。

さっさと用件を言って帰ってくれ。俺の休日を邪魔するな。

村雨「…冷たいなー、そんなんじゃ女の子にモテないよ?」

提督「ほっとけ」

村雨「でもでも、私は提督を見捨てたりしないから、安心してね?」

提督「…用件」

村雨「…ぶー、もうちょっと反応してくれたっていいじゃない」

提督「……俺は休日を満喫したいの」

村雨「あ、それなら丁度良いと思うわよ!」

提督「…あん?」

村雨「暇だから、良かったら一緒に出かけましょー!って言いに来たから!」

提督「……」

…なるほど。

つまりこいつも暇だったのか。

……一緒に出かける、ねぇ――


>>+4


A.まあいいか。

B.否、断固として俺は引きこもる。

C.嫌だ。

盆は色々忙しくて不定期になってる、許してくだちい
続きは夜、安価下

筒香が大丈夫そうで本当に良かった
負けても次に切り替えられるけど怪我だけはよして欲しいね…
あ、三浦さん後10年お願いします
再開します

A.まあいいか。(*1.5)


まあいいか。

うん。俺も暇だし。

提督「良いぞ、それじゃ行こうか」

ベッドから起き上がりそう言うと、村雨が少し驚いた表情でこちらを見た。

提督「……なんだ」

村雨「…もうちょっとゴネるかと思ってた」

提督「お前な…行かねーぞ」

村雨「あーうそうそっ!うそだから!」

いこいこ、と手を引っ張る村雨。

それを手で制す。

提督「いや、行くけどさ…流石にジャージのままじゃあな」

村雨「あ、そっか…着替えないとね!」

手に掛かった力がなくなる。

それはいいんだが、一向に出て行く気配がない。

村雨「お出かけお出かけー♪」

身体を揺らして待っている。

提督「…着替えられないんだけど」

村雨「……?なんで?」

提督「……お前、俺の着替えずっとそこで見てる気か?」

村雨「へ?……~~っ!?」

やっと言いたいことに気付いてくれたらしい。

顔が耳まで一気に紅くなる。

提督「さって脱ぐかなー」

村雨「ま、まったまったー!」

どたどた。

そんな擬音がぴったり当てはまるような慌てた様子で、村雨は部屋の扉の向こうに消えていった。

…勝った。

はて、何の勝負だろうか。



村雨→ 153/500



【6月3週】


鳳翔「…提督くん」

提督「はい」

鳳翔「……」スッ

鳳翔先生が、無言で机に紙を置く。

職員室の机を汚くしている先生が多いのに、鳳翔先生の机は綺麗だな。

そんな事を思った。

鳳翔「…提督くん」

提督「…はい」

意識を飛ばしていた俺を諌めるように、もう一度先生が呼ぶ。

続けて、とんとんと紙の上を指で叩いた。

紙の内容が目に入る。

『古典小テスト――0点』

ゼロ。

インド発祥の、最も美しいとされる数字。

この一文字で彩られた答案は、まるで古代の芸術に通づる物があるな。

提督「…美しい、ですね」

鳳翔「今日の放課後、再試です」

提督「……はい」

ごまかせなかった。


コミュ対象 >>+4


潮     181/500
村雨   153/500
鳳翔   168/500
朧     *84/500
武蔵   132/500



――文芸部室


武蔵「…ふむ、となると本土編では自生してる日本刀の扱いはどうなるんだろうな」

提督「わからないな…しかし、丸太はきっと活躍すると思うぜ?」

朧が中々来ない日は、いつしかこうして武蔵と暇潰しで話をすることが多くなった。

話題は…色々だ。

漫画だったり、ドラマだったり、音楽だったり。

提督「…こうしてみると」

武蔵「うん?」

提督「…いや…武蔵も普通の人なんだな、って思ってさ」

武蔵「…何だ、その言い方は」

酷いな、と武蔵が眉をしかめた。

提督「なんつーか…なんだろうな、武蔵ってもっと人間離れしてるのかと」

武蔵「……おい」

提督「気を悪くするなよ…えー…ほら、女子なのに応援団長とかやっててさ」

提督「んー…めっちゃ凄い人で、俺とは考え方とか全然違うんだろうなって思ってた」

武蔵「…考え方、ね」

提督「ああ…だけど実際は同じドラマ見てたりさ、結構普通の人だったな、武蔵も」

武蔵「当たり前だろう」

失礼だな――表情を変えずに武蔵が続ける。

武蔵「私だって流行りのドラマや音楽には興味があるさ、女子高生だぞ?」

提督「ぷっ…」

武蔵「…おい」

提督「あ、ああいやすまん、今の発言が余りにも…その、武蔵のイメージとかけ離れてたもんで」

武蔵「………うーむ…」

流石にへこむぞ、と腕を組んで、窓に身体を被せるように寄りかかった。

武蔵「…全く、…何だってそんな事を言うんだ」

武蔵「だいたい、私にだって女子高生らしいところくらいある」

提督「…ってーと?」

武蔵「ん、…そうだな、家事は人並みにこなせるぞ」

武蔵「それから…カラオケとかも、うむ、割りと好きだ」

ひとつひとつと指を折りながら言う。

武蔵「あと……あー…こ、恋…とかにも、興味があったり…する」

言っていて恥ずかしくなったのか、その声は段々と小さくなっていった。

…恋、か。


>>+4

A.お相手は募集してないのか?

B.似合わねー。

C.…意外だな。

C.…意外だな。(*1.0)


提督「…意外だな」

武蔵「…別によかろう」

提督「や、そりゃ批判してるわけじゃねーが」

あの男の列の先頭で誰よりも声を出している武蔵が恋、とは。

…イメージ出来んな、どうにも。

提督「…しかし、高3で恋に焦がれるというのもな」

武蔵「うるさい、……仕方ないじゃないか、ちょっと良いと思っても声をかけたら逃げていくのだから」

提督「……なるほど…うーん…」

武蔵の評判を鑑みれば…うん、わからんでもない。

俺も初手はあんな感じだったし。

多分校内声を掛けて欲しくない人ランキングにはランクインするだろうしな。

提督「ま、安心しろ武蔵」

武蔵「…何がだ?」

提督「俺は逃げないぞ!」

武蔵「なっ…!?」

提督「いつでも告白募集中だ!どーんと来い!恋だけに!」

武蔵「……じょ、冗談は選べ!」

提督「はっは!」

…冗談か、と言われればあながちそうでもないのだが。

実際に告白は募集中である。

具体的に言うと17年間とちょっと。

武蔵「…それじゃあ、私は行く」

提督「おう、またなー」

武蔵「…『また』…か」

提督「ん?」

武蔵「いいや、何でもないよ…またな、提督」

そう言って振り返る前。

武蔵の顔は笑っていたような気がした。


武蔵→ 199/500



【6月4週】


提督「……おぼろー」

朧「なんですか」

提督「…勉強教えて…」

朧「……先輩は…先輩ですよね?」

提督「大丈夫!2年の範囲だから!」

朧「……………」

提督「露骨に嫌そうな顔しないでー!」

朧「…馬鹿ですねー、ほんとに」

提督「馬鹿だよ!悪いかよ!」

朧「開き直るのは悪いですよ?」

提督「マジレスいくない!」

朧「あ、これを代入です…代入、わかりますか?」

提督「流石にわかるよ!」




コミュ対象 >>+4


潮     181/500
村雨   153/500
鳳翔   168/500
朧     *84/500
武蔵   199/500



――資料室


提督「…あれ?どうしてこの場所なんですか?」

補修、ということで連れて来られたのは、この前整理を手伝った資料室。

鳳翔「ああ…実は、この場所を管理してるの、今、私なんですよ」

提督「……え?」

鳳翔「えっと…ですね、この前使って、余りにも汚かったので、掃除してもいいですかって教務の先生に言ったんです」

鳳翔「そしたら快諾してくれて…それで、これからも良ければお願いしたいって言われたんです」

ほら、と自分用のキーホルダーに収まった資料室と書かれた鍵を俺に差し出す。

辺りを見回すと、確かに以前より格段に清潔度が違う。

床や本に積もっていた埃も無くなっている。

鳳翔「と、言うわけで…時間を気にせず、補修できますよ?」

提督「……いやー…あはは…うれしーなー」

鳳翔さんとふたりっきりだー。

勉強というおまけがなければ最高だー。

鳳翔「はい、では始めますよ」

鳳翔「えっと、この前の小テストの復習から始めましょうか――――」

………20分後。

提督「…ふっ……わからん」

鳳翔「わからん、じゃないですっ!」

俺は全く進歩していなかった。

鳳翔先生も呆れ顔である。

鳳翔「うーん………私の教え方が悪いのでしょうか……」

提督「い、いえ!そんな事は無いですよ!」

鳳翔「…でも、提督くん…私の授業の時って、いつもぼーっとしてるじゃないですか」

提督「うへえっ!?」

バレていたのか。

…教壇に立つ鳳翔先生を眺めているとは言えない。

鳳翔「……他の先生にお願いしてみた方が良いんでしょうか…」

思案顔で、そんな事を呟く。

……――――


>>+4


A.い、いえ!鳳翔先生が良いですっ!

B.…すいません。

C.べ、勉強続けましょうよ!

C.べ、勉強続けましょうよ!(*1.0)


提督「べ、勉強続けましょうよ!」

鳳翔「ですが…」

提督「頑張りますんで!アホですけどアホなりに頑張りますんで!」

鳳翔「提督くん、あまり自分の事をそういう風に言うものではありませんよ?」

提督「あ、はい、すいません…」

提督「…とにかく!続けましょう、勉強!」

鳳翔「…提督くん…わかりました、頑張りましょう」

私も出来るだけ頑張ります―と、鳳翔先生が教科書を捲った。

結局、あまり成果は見られなかった。

当然だ、いくら決意を固めてみたって、俺の能力は変わらない。

それでもやることに意義がある――と思う。

鳳翔先生には申し訳ないが…もう少し、教えてもらわねば。

……別に一緒に補修をしたいわけではない、断じて。



鳳翔→ 188/500



【7月1週】


提督「…ふんっ!ふんっ!」

潮「……お兄さん?」

提督「ああ、潮ちゃんか!」

潮「…ソファーに寝そべって何をしてるんですか?」

提督「エア筋トレだよ!ふんっ!」

潮「………は?」

提督「実際に身体を動かすと痛くなるからね!」

潮「……………」

提督「イメージトレーニングからだよ!まずは!」

潮「…………」

潮(…お兄さん………)



コミュ対象 >>+4


潮     181/500
村雨   153/500
鳳翔   188/500
朧     *84/500
武蔵   199/500

風呂っすー

某スレ見てたらNTR物書きたくなった
再開します



――リビング


提督「くぁー……」

風呂あがり、ソファーに身体を沈める。

なんともふかふかで気持ち良い。

このまま寝ちゃいたいくらいだ。

まさにふかふか時間である。歌にできるな。

潮「あの…隣、失礼して良いですか?」

提督「…ん…あ、潮ちゃん、どうぞ」

そんな時間を遮ったのは潮ちゃん。

座れるだけのスペースを作ってあげると、おずおず隣に腰を下ろした。

潮「…すいません、お邪魔でしたか?」

提督「大丈夫、そんな事ないよ」

小さく縮こまり、申し訳無さそうに呟く潮ちゃんに手を振って大丈夫だとジェスチャーを送る。

提督「…それで、どうしたの?」

潮「いえ…えと、用、というか…お話、したいな…って」

提督「お、良いね、最近中々ゆっくり話す機会も無かったもんね」

潮「は、はい」

提督「昔は婆ちゃんの家に集まる度に話したもんだけどねー、潮ちゃんくらいしか年の近い親戚いなかったし」

潮「そう…でしたね」

視線が、遠くへと向く。

盛り上がる大人達を尻目に、よく二人で話したものだ。

提督「いやー…潮ちゃんはあの頃と…うん、結構変わったなー」

潮「そうでしょうか?」

提督「…まあ、…結構」

…主に胸とか。成長しましたね。

潮「自分ではあまりわかりませんけど…」

そこで言葉を切り、そういうお兄さんは、と続ける。

潮「…お兄さんは…あんまり、昔と変わらないですね」

提督「そうかな?」

潮「はい…昔からずっと、素敵です」

提督「…素敵…?」

潮「いつも、色んなお話をしてくれて…たまに変だけど、かっこ良くて…」

提督「…そうなの?」

潮「はえっ!?…え、えと、はい!」

言いすぎたと恥ずかしくなったのか、俺が質問をすると途端に潮ちゃんは顔を伏せる。

>>+4

A.ありがとう。撫でる。

B.ありがとう。抱きしめる。

C.…うーん、別にそんなことはないと思うけど。

C.…うーん、別にそんなことはないと思うけど。(*0.5)


…俺がかっこいい…。

俺が…?

…いや、ないだろ。

経験則に則って断言できる。

提督「うーん…別に、そんなことはないと思うけど」

潮「え?」

提督「いや、…まあ、変なのは認めるけどね」

提督「…かっこ良くは…無いと思う、うん」

……。

自分で言ってて悲しい。

ちくしょう。俺もジャニ系に産まれたかったさ。

潮「そ、そんな事はありません!…お兄さんは…え、えと…あの、その」

提督「あはは、ありがとう、潮ちゃん」

これ以上気を遣わせるのも悪い。

さっさと話題を変えてしまおう。

提督「あ、そういえばさ、昔、潮ちゃんって――」

潮「…?……な、何で知ってるんですかっ!?」

提督「ははは、いや、小さいころは一緒にお風呂とかにもよく入ったしさ」

潮「うぅー…」

…まあ、その。

容姿については、あまり触れられたくはないものである。



潮→ 199/500

今日はここまで
明日はお昼からやると思う
翔鶴、というか嫁艦が知らない所で知らない男と盛ってるのを想像すると超気分悪いけど興奮…しない?
お付き合いいただきありがとうございました

鎮守府ノ男性事情...?

>>691 イイネ・
再開しやす



【7月2週】


提督「なあ」

武蔵「うん?」

提督「…思うんだけど、何応援してんの?」

武蔵「……ふむ?」

提督「いや、うち別に運動部も格段強い所ないしさ」

武蔵「…ふっ」

提督「ふっ、じゃなくて」

武蔵「…些細な事だ」

提督「…うーん、些細かぁ?」



コミュ対象 >>+2


潮     199/500
村雨   153/500
鳳翔   188/500
朧     *84/500
武蔵   199/500



――学校・廊下


提督「ふーんふー♪」

昼休み。

4限の途中から猛烈な尿意に襲われていた俺は、授業終了とともにトイレへ猛ダッシュ。

無事事無きを得て、上機嫌で教室へと帰っていた。

提督「…ん?」

その時、教室の前に不審な人影がひとつ。

潮「…………」キョロキョロ

潮ちゃんが教室の窓から中をチラチラ見ていた。

窓から中を見回して、声を出そうと息を吸い込んで―結局吐く。

それを繰り返しながら、もじもじと居場所が無さそうに身体を動かしている。

提督「…なにしてんだろ?」

気になる所である。

村雨にでも用があるのだろうか?もしくは俺?

…まあ村雨だろうな。

ふーむ――



>>+2


A.潮ちゃん、と後ろからフレンドリーに話しかける。

B.代わりに村雨を呼んであげる。

C.あえてこのまま見ている。

A.潮ちゃん、と後ろからフレンドリーに話しかける。(*1.5)


提督「潮ちゃん」

潮「ひゃっ……あ、お兄さん!」

肩に手を置き、名前を呼ぶ。

短い悲鳴を上げて振り返った潮ちゃんの瞳が、俺を捉える。

不安そうに教室を見回していた顔は、すぐにぱあっと明るくなった。

提督「や、どしたの?」

村雨にでも用かな、そう続けると、潮ちゃんは首を横に振った。

潮「あの…私は、お兄さんに、えっと…」

そこから先の言葉が出ない。

あの…と小さく呟いて、結局潮ちゃんは俯いてしまった。

提督「…大丈夫?」

潮「……こ、これをっ!」

提督「……弁当?」

意を決したかのように、大きな声を一つ出して。

後手に隠していた物をずいと俺へとつきだした。

それは、俺がいつも使っている弁当箱。

潮「……お、お兄さん、お弁当、机に忘れてて…」

提督「え?マジ!?」

潮「は…はいっ」

提督「…そりゃあ…ありがとう、潮ちゃん…危うく昼飯抜きになるとこだった」

潮「…それで…あの、今日のお弁当は、私も作るの手伝った…んです」

提督「…そうなの?」

潮「……はい」

提督「…そっか、ごめんね、よりにもよってそんな時に」

俺の馬鹿、と心の中で自分を責める。

潮「い、いえ…えっと…」

提督「うん?」

潮「…よ、良かったら…後で感想、聞かせて欲しい、です…」

提督「…ん、後なんて言わずにさ、今言うよ」

潮「え?」

提督「一緒に食べよう、お昼…ダメかな?」

潮「い、いえっ!大丈夫ですっ!食べますっ!」

提督「そっか、良かった…えと、弁当箱は持ってる?」

潮「はい…い、一緒に入れてたので…」

この後一緒に食べた弁当は、なんとなくいつもより美味しく感じた。

…潮ちゃん、料理上手いのかな。


潮→  275/500



【潮―その1】



昔から自分に自信がありませんでした。

すぐに言葉に詰まって、言いたいことも言えなくて。

会話すら、上手く出来なくて。

『潮ちゃんも一緒に遊ぶ?』

『……え、あ…えっと…』

『…んー…迷惑だったかな、ごめんね』

『あ……』

言葉に詰まっている間に、勝手に私は置いていかれて。

…だから、初めてでした。

『や、潮ちゃん…だよね!』

『…え、…あ、…はい、そうです』

『いやー良かった!違ったらどうしようかと!』

『あ、俺は提督といいます!以後よろしく!』

『…は、はい…』

小学校低学年だった自分より2つ年上のお兄さん。

最初は、なんとなく苦手な人だと思いました。

『よし潮ちゃん、親交を深める為に鬼ごっこだ!』

『え?…あ、えっと…あの…』

その時も、やっぱり私の言葉は出ませんでした。

いいよ、なんて簡単な言葉すら。

また、この人もまた私を置いていくのかなって、思って。

『……あの……』

『うん、ゆっくりでいいよ!』

『…え?』

『いやーわかるわかる、鬼ごっこと隠れんぼのどっちがいいかって考えてるんだよね、わかるよー』

『…えと…』

『まーゆっくり結論を出すと良い!』

―俺はちゃんと待ってるから、って。

私に合わせてくれたのは、置いていかれなかったのは、初めてで。

…まあ、予想は全然違っていましたけど。

『……おままごとが良い、です……』

『…な、何だとぅ!?お、男の子的なプライドが…いやしかし…ぐぅ…!』

初めて、私を待ってくれた優しいお兄さん。

ちょっと…いや、かなり変な人だけど。

…私は――――

ちょっとここまで
続きは夜です

追いついてから突き放されるのが一番心にくるんでやめてくれないかな
遅くなったが再開じゃー



【7月3週】


夏休み――――

普段ならとても嬉しいこの期間も、高3となれば話は別。

迫り来る受験に対して全力を注がねばならない。

「夏を制する者が受験を制す」などとはよく言ったものだ。

さて、俺はと言えば。

提督「……ぬがー」

制せなかった。

机に積んだ教科書の山。

とりあえず出すだけ出したは良いが全く手を付けられていない。

というか出すだけで割りと満足した。

……エロいなこの言い方。

潮「失礼します」コンコン

提督「潮ちゃん?」

教科書の山が積まれた机に突っ伏していると、来訪者。

冷たいコーヒーと、ケーキを持った潮ちゃん。

潮「お兄さん…えっと、少し、休憩にしませんか?」

提督「……そうだな!」

…ああ。

一体いつになったらこの教科書の山が崩せるのだろうか。



コミュ対象 >>+4


潮     275/500
村雨   153/500
鳳翔   188/500
朧     *84/500
武蔵   199/500





――リビング

提督「うしうし」

リビングの机に、重い本をどかっと置く。

表紙には『アルバム』と書かれた本だ。

…いや…なんだろ、なんつーかね。

勉強してると掃除したくならない?

そんでもって、懐かしっ!って物が出てくるとそれ読みたくならない?

…なるよね。だから仕方ないよね。

そう、これはあくまで勉強中の気分転換。

潮「…お兄さん?……何ですか、それ?」

提督「ん?ああ、アルバムだよ」

よし開こうとアルバムを手に取ると、図ったかのようにリビングに現れた潮ちゃん。

潮「アルバム…お兄さんのですか?」

提督「うん、ふっふ、結構厚いだろう」

潮「…ですね…あ、あの」

提督「ん?」

潮「…読むんですか?」

提督「うん、なーんか懐かしくなっちゃってさ」

潮「だ、だったら…私も、一緒にいいでしょうか…?」

提督「…別に面白く無いと思うよ?」

潮「い、いえ!…見たいん、です」

提督「…そっか、いいよ」

潮「…ありがとうございます!」

ぴょこん、と潮ちゃんが俺の横に座る。

そして、開いたアルバムのページを覗きこんだ。

潮「……幼稚園、ですか?」

提督「おう…にしても、何で脱いでるんだろう」

潮「くすっ、お兄さんらしいです」

提督「…ら、…らしい、のか…」

その後も、どんどんアルバムを読み進めていく。

小学生、中学生――途中で、潮ちゃんが映った写真も少しだけあった。

しかし…俺村雨とばっか映ってるなぁ…学校行事の写真でも家の写真でも。

それは、潮ちゃんも気になったらしい。

潮「……村雨さんと、仲、良いですよね、お兄さん」

提督「…だなー…こうしてみると、うん、その通りだ」

潮「………お似合いです、ね…とっても」

>>+4

A.んなこたない。

B.…まあ、確かにあいつといるのがしっくりくるかもしれん。

C.いや、むしろ潮ちゃんの方が――

C.いや、むしろ潮ちゃんの方が――(*1.5)


提督「そうか?」

潮「……そう思います」

提督「んー…どっちかって言うと…」

ほら―中学生の後半に取ったと思われる、潮ちゃんとのツーショット写真を指す。

潮「………?」

潮ちゃんが、小さく首を傾げた。

どうしたんですか、と言いたげな表情で。

提督「いや、こっちのがお似合いって感じじゃない?」

潮「お似合い…?」

提督「うん、ほら、何かちょっと恋人っぽくない?」

潮「………」

一瞬、潮ちゃんが固まる。

俺の言った言葉の意味を考えているようだ。

潮「こ、こいび――っ!?」

そして、耳まで顔を真っ赤にして叫んだ。

…この手の冗談は、あんまり潮ちゃんには言わない方が良かっただろうか。

潮「…う、あ…の、お兄さん、その、それ、どういう…」

提督「あー、ごめんね?急に変なこと言って」

潮「いえっ!別に良いんですけどっ、…あの、えと、恋人って……」

提督「さってと、それじゃあ勉強再開しようかな!」

潮「あ…」

ごめん、と重ねて謝って、アルバムを閉じる。

……潮ちゃん初々しくてカワイイなあ。

まあ、あんまり誂わないようにしておこう。


潮→ 399/500(ハーレムルートは不可)



【潮―その2】


まるで、恋人みたい―なんて。

明らかに冗談だってわかる言葉にすら、私の胸は高鳴って。

抑え切れなくなった。

もう、憧れだとかそんな言い方でごまかせないくらいに。

きっと私は、お兄さんが――

「………でも…」

洗面所、姿見の鏡に映った自分の姿。

…こんな私を、お兄さんは好きになってくれるのかな。

大きな溜息を吐く。

その時、自分の身体の一部が大きく目に入った。

…いつも、男の子からの視線が勝手に集まる場所。

人よりも…多分、大きいと思う。

「……お兄さんも、興味、ある…かな?」

口に出してから、何言ってるの、と首をブンブン振る。

…何を私は、恥ずかしげもなくそんな浅ましい事を考えているんだろう。

……でも、それでお兄さんが私を見てくれるなら――

『おーい、潮ちゃん、風呂の石鹸――』

「ひゃああ!?」

『潮ちゃん!?』



【7月4週】


提督「…おぼろー」

朧「先輩が私をそう呼ぶ時って、大抵ろくな用事じゃないですよね」

提督「…おぼろー」

朧「…めげないんですか、そうですか」

提督「…問題わかんねー…」

朧「……あのですね、たしかそれ、前も教えました」

提督「そんなに記憶力良くねぇよ!」

朧「…先輩ほんとに受験やめた方がいいですよ、善意から言いますけど」

提督「辛辣!?」



コミュ対象 >>+4


潮     399/500
村雨   153/500
鳳翔   188/500
朧     *84/500
武蔵   199/500

今日はここまで
お付き合いいただきありがとうございました

つまり、誰かが「教え子」のヒロインを取れば提督先生にできるな
バイト家庭教師になる可能性があるけど

でも可愛い教え子の家でシングルマザーの美人母親とのイケナイ家庭訪問とか親子丼は燃えるんですよね?
お母さんとの個人面談(意味深)を娘が見ちゃいました!とか

今日は無しか出来るとしても昨日みたいな時間になります
野球楽しいなあ(恍惚)

始める
だから高崎は高崎なんだ

『お兄さん』

提督「……ん…?」

沈んでいた意識が、小さな声とノックの音で現実に引き戻される。

視界には天井、その端で蛍光灯は明々と光を放っている。

どうやらベッドに転がっていたらそのまま寝ていたようだ。

枕元のスマホを見れば、23時半ごろ。

『…あの、お兄さん?』

提督「…ああ、ごめん」

もう一度、ノックとともに、さっきよりも心なしか大きくなった声。

提督「今開けるよ、潮ちゃん」

潮「……あ、もしかして…起こしてしまいましたか?」

扉を開けると、片手で目を擦っているのに気付いたらしく、潮ちゃんが申し訳無さそうな視線を送る。

提督「ん、や、大丈夫」

提督「それより、えっと…中、入る?」

潮「…………」

部屋の中を指差すと、潮ちゃんはこく、と小さく頷いた。

潮「…おじゃま、します」

ドアの前から身を離す。

続いて、潮ちゃんが丁寧にゆっくりとドアを閉め、部屋の中へと入った。

それを確認してからベッドに腰掛ける。

提督「……潮ちゃん?」

潮「……あ…ご迷惑、ですか?」

提督「ああいや、そういうわけじゃないけど…」

思わず声をあげてしまった。

ベッドに腰掛けた俺、その横に潮ちゃんが躊躇いもなく収まったからである。

…というか何だ、近い。

潮ちゃんの身体がヤバイくらい近い。

隣に座るにしても限度があるだろう。もうこれ横にくっついてるレベルだわ。

……しかし潮ちゃんに邪な考えがあるはずもない故、指摘するわけにもいかず。

ひたすらに黙り込んだ彼女が口を開くのを、この状態で待つしかなかった。

潮「……あの、お兄さん」

やっと口を開いたのは、どれくらい経ってからだっただろうか。

寄せていた身体を更に密着させ、潮ちゃんの瞳が俺を見る。

その頬は心なしか赤らんでおり、瞳は瑞々しく潤んでいた。

潮「…お兄さん、は…」

潮「……お兄さんは、私を…女として、見てくれないんですか…?」

背中に、手が回される。よりはっきりと、潮ちゃんの躰が、匂いが伝わった。

>>+3-5
A.…なななななな何をおっしゃててててて!?

B.…ど、どういう意味…かな?

C.……潮ちゃん――

そうか…三択多数決で範囲3ってアホやな、うん
一つは諭す、一つは誤魔化し現状維持、一つは潮ちゃんの誘いに乗る選択肢だよ
てなわけでもう一回

>>+1-4で

B.…ど、どういう意味…かな?(*1.5 最低401)
提督「…ど、どういう意味…かな?」

これは嘘だ。流石に言いたいことくらいはわかる。潮ちゃんが何を求めているのかも、何となく。

…信じられは、しなかったが。

潮ちゃんが、俺に回した手に込めた力を更に強くする。

痛いほどに、抱き締められた。

潮「……私…」

潮「…私、お兄さんの事が好きなん、です…」

潮「ずっと…ずっと、好きでした」

潮「…でも…」

でも――貴方は、私をそういう風に、見てくれなかったから。

俺の胸に顔を押し付けた潮ちゃんが呟く。

潮「…こんなことは…きっと、ダメなんだって…わかってても、それでも、縋りました」
                                            カラダ
潮「こんなことしか、思い付かなかったから…私が使えるものなんて、こんな物しかないから」

潮「だから…お兄さん、お願いします、私を――」

提督「ダメだよ、潮ちゃん」

潮「…お兄さん……」

提督「それは、…そんな事をしちゃ、ダメだよ…きっと、間違ってる」

回された手の力が緩む。

漏れた声は、とても小さく、弱々しかった。

胸に埋められた潮ちゃんの頬を両手で持って、こっちを向かせる。

抵抗はあったが、敵わないと悟ったか、すぐにその力も抜ける。

彼女の此方を見つめる瞳は、今にも溢れそうに光っていた。

提督「…確かに、今の今まで…潮ちゃんをそういう目で見たことは無かったよ」

潮「…………」

提督「……それに、俺は…潮ちゃんをその、女の子として好きか、って言われると…正直、よくわからない」

潮「………っ」

提督「…なんつーか、…俺、バカだからさ、気持ちを上手く言葉に出来ないんだ」

提督「…だからさ、潮ちゃん」

潮「……は…ぃ」

掠れた声。既に、瞳の涙は溢れている。

提督「……もうちょっと、待って欲しい」

潮「え……?」

提督「バカだけど…バカなりに、気持ちを考えてみたいんだ」

提督「…だから…潮ちゃんさえ良ければ、もうちょっとだけ待ってくれないかな?」

潮「…え……?…おにい…さん、良いんですか…?」

提督「良いも何も…お願いしてるのは俺の方だって、潮ちゃん」

提督「…情けなくて申し訳ないけど、ちゃんと考えて、返事がしたいんだ」

潮「……あ……っ!」

再び胸に埋められた顔、そのてっぺんに、俺は優しく手を置いた。

潮→ 423/500

諭した方であってる、401になる選択肢が2つあっただけ、399維持は1つ


【潮―その3】


「………」

自分の浅ましさに、嫌気が差した。

躰を使って迫ったのも、それに全く抵抗を覚えなかったことにも。

そして、だからこそ余計にお兄さんが輝いて見えた。

「お兄さん…」

考えてくれると言った。

しっかり答えを出してくれると言った。

やっぱり、自分を置いていかなかったのだ、彼は。

お兄さんは、躰ではなくて、潮を―私を見てくれているんだ。

「…提督、お兄さん…」

名前を呼ぶ。

ただそれだけで、幸せな気分になる。

貴方が好きです。

貴方が、大好きです。

まーいわゆるルート分岐的なやつですねー
ちなみに好感度上がり幅は範囲安価の中央値取ってます


【8月1週】


ふーむ…。

うーん…。

おーん…。

武蔵「…何だ、難しい顔をして」

提督「…ん?ああ、武蔵…夏休みなのに部活があるのか?」

武蔵「まあそんな所だが…文芸部の方こそ夏休みに活動しているとは聞いたことがないぞ?」

提督「…あー…何か、家から出たくて」

武蔵「……?まあ良いが…で、どうした、悩み事か?」

提督「……恋の悩みだ」

武蔵「ぷっ…ふはっ、ははっ…おいおい、真面目な顔で冗談なぞ言ってくれるなよ」

提督「…何だお前、酷いな」

武蔵「…………」

武蔵「…もしかして、本気で言っているのか?」

提督「あ、ああ…そうだけど」

武蔵「…詳しく聞かせろ」

提督「ちょ!?武蔵さん窓乗り越えてこないで!?」


コミュ対象 >>+4


潮     423/500
村雨   153/500
鳳翔   188/500
朧     *84/500
武蔵   199/500



――資料室


鳳翔先生の城と化した資料室。

どうやら夏休みの間も、ここで仕事をしているらしい。

なるほどクーラーも効いていて良い部屋だ。

ふむふむ、と頷いていると、鋭い声が飛んできた。

鳳翔「提督くん」

提督「…はい」

鳳翔「…集中して下さい」

提督「…はい」

はい、ただいま個別指導の真っ最中でございます。

きっかけは夏休み前最後の模試の点数。

センター模試、3割とちょっと。

流石にこれに本格的な危機感を感じたらしい鳳翔先生にこうして呼び出され、夏休み中だというのに問題を解いている。

提督「…………」カリカリ

…あー難しい。

提督「…………」カリカリ

…南北戦争?…ああ、アメリカの独立を賭けて南朝と北朝が天皇を抱いて戦ったやつだな、うん。

提督「…………」ペラッ

…あ、全然違う。

提督「…………」ハー

…なんだいなんだい、変わんねーよこんな事今更したってよー。

提督「…………」ガクッ

…もーいいや。

鳳翔「提督くん」

提督「……ういっす」

再び飛ぶ、鳳翔先生の叱責。

しかし今度は沈んだまま起き上がれない俺。

鳳翔「……提督くん、ちゃんと勉強しなきゃダメですよ?」

鳳翔「私も、提督くんが本気でやっていてこれなら何も言わないんですけど…その」

鳳翔「今の貴方を見ていると、とても本気でやっているようには見えません」

提督「……はい」

鳳翔「…あ、そうだ!…提督くんは、目標とか無いんですか?」

鳳翔「そういう目標とか目的―そうですね、なんの為に勉強するか、っていうのをしっかり意識したら、やる気も出るかもしれないですよ?」

提督「…勉強する、目的――」

…そんなもんは出来そうにない、ないが…あえて作るとすれば…。

>>+4

A.…将来のため?

B.……わかりません。

C.鳳翔先生のため。

A.…将来のため?(*1.0)


提督「…将来のため?」

鳳翔「何で疑問符なんですか…」

提督「いや、えっと、今までそんな物を意識したことが無いので…はい」

…というか、そういうわかりやすい「頑張る理由」が無いから俺の勉強は捗らないのだ。

責任転嫁?うっせーやーい。

鳳翔「……強敵ですねぇ」

提督「あ、でも俺、鳳翔先生のためなら頑張れますよ!」

鳳翔「…仕方ありません、とにかく…今は、基礎ですね」

提督「無視っすか!?」

どさっ。

新たなる問題集が棚から抜き取られて俺の前に積まれた。

…ふっ。

鳳翔先生と二人きりなのになーんも嬉しくねぇ。



鳳翔→ 194/500

風呂を出てからの記憶が無い…申し訳ありませんでした
10時ごろから再開しますね

やっぱこの時間だと流石に無理か
大人しく夜やります

すまんな



【8月2週】


提督「………」カリカリ

村雨「…勉強?」

提督「…うむ」

村雨「…似合わないわねー」

提督「うるさい」

村雨「ま、いい心がけじゃない?」

提督「そこはかとなく上から目線だな、お前」

提督「……というか勝手に部屋入ってくんなよ」

村雨「半分私の部屋みたいなものだし?」

提督「…いつのまに領土分割されてたんだよ」



コミュ対象 >>+4


潮     423/500
村雨   153/500
鳳翔   194/500
朧     *84/500
武蔵   199/500



――リビング


提督「…おはよう、潮ちゃん」

潮「…お、おはようございます」

…何と言いますかね、この空気。

別に早く結論を出せと急かされているわけではないが…。

夏休みという事でほぼ毎日潮ちゃんと顔を突き合わせなければならないのが辛い。

何か潮ちゃんもこっちをチラチラ見てるし。

急かしてる…んじゃなくて、単純に早く結果が知りたいのだろうけれど。

…まあ、保留…ってのは、男らしくないよなぁ。

でも、俺だって何も考えてなかった訳じゃない。

あれから、必死になって考えたんだ、潮ちゃんへの想いを。

…というか返事だな、告白の返事。

潮ちゃんが、そして何より俺自身が納得できる結論を出すために。

………。

……うん。

俺は――


>>+2-4


A.…やはり、まだわからない。

B.…潮ちゃんが、好きだ。

A.…やはり、まだわからない。(維持)


………非常に。

非常に男らしくないと思う。

いやもうそれは心の底から。

それでも…わからない。

…今まで潮ちゃんをそういう目で見たことがないから。

いきなり言われたって、好きだとも、そうじゃないとも言えない。

提督「……潮ちゃん」

潮「…は、はいっ!?」

提督「…今日のお昼、そうめんでいい?」

潮「……え…は、はい…大丈夫、です」

提督「そっか、それは良かった」

だから、もう少しだけ伸ばそう。

ちゃんと、俺も潮ちゃんも納得できるような答えを出すために。

…あ、めんつゆはあるけど薬味あったかなぁ。



潮→  423/500



【8月3週】


朧「……扇風機の前に立たないで下さい」

提督「え?ダメなの?」

朧「あたしの方に風が来ません」

提督「…ふー、ふー」

朧「…殴りますよ」

提督「…部室にクーラーほしいなぁ」

朧「そうですね、どいて下さい」

提督「……どうしても?」

朧「…先輩のそういう所、嫌いです」プイ

提督「…どきます」



コミュ対象 >>+4


潮     423/500
村雨   153/500
鳳翔   194/500
朧     *84/500
武蔵   199/500

連取はあり


――リビング


………ぐぅ。

頭がフットーしそうだ。

何かもうさっさと結論を出そうとしようって思えば思うほどよくわからなくなる。

潮「………んっ…!」

後ろから聞こえる潮ちゃんの筋トレボイスも耳に入ら…ないことはないけど。

やっぱあの声はあかんわ。

…しかしなぁ。

結局、俺の思うがままに答えを出しゃいいんだろうけどさ。

…それだけなのに難しい、っつーのはいかに。

提督「………うーん」

…いっそ、こうなりゃスパっと行こう。

心の動きに従うのだ。

そう、男らしく!

…俺は――


>>+2-4

A.潮ちゃんが好き。

B.………。

A.潮ちゃんが好き。(500 ED解放)


提督「…潮ちゃん」

潮「ふっ……はぁ…は、はい…何ですか?」

筋トレをしていた手を止めて、潮ちゃんが答える。

へたりと床に座った彼女に近付いて、傍へ腰掛けた。

荒い息の汗ばんだ顔が、俺を見ている。

提督「……失礼します」

潮「…?お兄さん?――――っ!?」

その顔を、両手で胸に抱いた。

温かい躰の感触に混じる、汗の冷たさ。

潮「お、お兄さん!?」

提督「……やっぱ、バカなんだろうなあ、俺」

潮「…え?」

提督「…考えても、なーんもわかんねーんだ」

提督「だから、…うん、こんなことをしてしまいました、ごめんなさい」

潮「あ、え…あの、えと」

提督「…その位置だとさ、聞こえないかな、俺の心臓の音」

潮「……聞こえ、ます」

提督「…めっちゃ鳴ってない?」

潮「…は、はい」

提督「……だよね」

提督「………きっと、好きな人を抱き締めてるからだと思うんだ」

潮「…………?」

潮「……ええっ!?」

提督「……一応、それが答え、ということで…ダメでしょうか」

潮「そ、その…えっと、お兄さんは…あの…私を?」

提督「………うん」

潮「…あ―――」

その言葉に、潮ちゃんも、俺の背中へ両手を回す。

跡が付きそうな程に、力が篭っていた。

潮「…お兄さん…!」

提督「……潮ちゃん、良かったら、名前で呼んで欲しいな」

潮「はい……はい!提督、お兄さん…」

潮「…好きですっ、私も、好きですっ…!」

提督「……ん」



潮→  500/500

昼飯です



【8月4週】


提督「…あ、あの」

潮「?」ベッタリ

提督「ち、近くないですか?」

潮「…嫌、でしたか?」

提督「あ、そういう意味じゃないんです!」

提督(俺の理性がヤバイんだよ!)

提督「………ぐ……精神統一だ精神統一」

潮「………~♪」ベッタリ



コミュ対象 >>+4


潮     500/500
村雨   153/500
鳳翔   194/500
朧     *84/500
武蔵   199/500

むしろ潮さんは応援団の皆さんにハイエースされるんじゃないかな(名推理)



――コンビニ


提督「あ」

武蔵「ん?」

近所のコンビニ。

おやつを買いに出かけると、なんと武蔵に出会った。

提督「………」

意外である。非常に。

武蔵「…なんだ、怪訝そうな顔をして」

提督「……いや、武蔵がコンビニにいるなんて」

武蔵「…お前なぁ…」

呆れ顔で武蔵が頭を抱える。

武蔵「私をなんだと思っているんだ…」

お前の中の私のイメージが気になるよ、と嘆息した。

提督「それで、何を買いに来たんだ?」

武蔵「…ああ…っておい!勝手に買い物カゴを覗くな!」

提督「んー……!?」

買い物カゴの中には、お菓子、飲み物――この辺は別にいい。

だが…。

『月間の少女漫画』

これはどうなのだろうか、武蔵的に。

武蔵「………何だ、何が言いたい」

提督「………いや、こんなん読むんすねー」

武蔵「…ふん、別に良いだろうが」

苦虫を噛み潰したような顔で武蔵が俺を睨む。

おお、怖い怖い…いや、普通にめちゃくちゃ怖い。おしっこ漏れそう。

ふむ――


>>+4


A.…武蔵も案外――

B.…すいませんした。

C.…似合わねー。

A.…武蔵も案外――(*1.5)



提督「…いやー、前も思ったけどさ」

武蔵「……」

提督「やっぱ武蔵って、案外可愛いな」

武蔵「…はぁ!?」

武蔵「…な、何を言っているんだお前は!?」

提督「何だろ、ギャップっつーか、そういうの」

提督「怖そうに見えて心が乙女、的な…」

武蔵「……お前…」

此方を睨む形相が、更に鋭くなる。

…あ、こりゃやべぇや、からかいすぎた。

提督「……ま、まあ…うん、ごめん、悪かった」

武蔵「…はぁ」

提督「…ただ、別にまるっきり冗談ってわけでもねーからな?」

武蔵「何がだ?」

提督「えっと、武蔵がかわ――――」

武蔵「………」ギロッ

提督「…すんません」

武蔵「…ふん、全く…」

俺の横を通り抜けて、レジへと武蔵が歩いて行く。

…最後にもう一度、俺を睨んでから。

…怖い。



武蔵→  277/500



【武蔵―その1】


考えてみると。

男友達、という存在には縁がなかったな。

私の近くに居るような奴は――

『…む、武蔵さん、ちーっす!』

『姐さん!今日の練習――』

……凡そこの2種類で分別できるような奴らばかりだった。

だからなのだろう。

あの馬鹿の冗談などに一々反応してしまうのは。

「…少女漫画、ね」

…わかってるさ、自分でもこんな物が似合ってないと。

だが、憧れるのは自由だろう?

漫画みたいな、そんな恋に私が憧れたっていいじゃないか。

…もし、もし―その憧れが叶うとしたら。

…その相手は、誰になるのだろうな。

………まさか、あの馬鹿だったりして――

「そんなわけがあるかあっ!」

「ひゃっ!?…武蔵、どうしたの?」

「…何でもない」

……私もせめて、姉のような女であればな。

>>910 そういうの嫌悪感抱いちゃう人多いかなーと思って 本音で言えば書きたいけど
実は猫ちゃん(の死に方)めっちゃ考えてたんだけどね前作
再開します



【9月1週】


鳳翔「……提督くん」

提督「ういっす!」

鳳翔「……なんでまた学級委員になってるんですか?」

提督「俺の天職だからです!」

鳳翔「………」

提督「さあ、仕事を!」

鳳翔「……はあ…では、資料室まで、これを運んでくれますか?」

提督「任されました!」



コミュ対象 >>+4


潮     500/500
村雨   153/500
鳳翔   194/500
朧     *84/500
武蔵   277/500




――部室


武蔵「やあ」

始業日、朧は中々部室へやってこない。

そんな時に窓から聞こえた声に振り向けば、武蔵が桟に躰を乗せていた。

提督「よ、乙女――」

武蔵「………」ギロッ

提督「……こんにちは、武蔵」

武蔵「…まあいい」

武蔵「……暇そうだな?」

提督「見ての通り、…久しぶりに話、付き合ってくか?」

武蔵「心配するな、最初からそのつもりだ」

提督「おいおい、俺が忙しかったらどうする予定だったんだ」

武蔵「考慮にいれる程の可能性では無かったのさ」

提督「…ひっでぇ言い草」

…ま、当たってるけどさ、と本を置く。

武蔵「…恋愛漫画か」

提督「ん?ああ…お前に影響を受けたんでな」

武蔵「いい加減いつまでも引っ張るな……と、そういえば…」

提督「どうした?」

武蔵「いや、この間恋愛の悩みが云々と言っていなかったか、とな」

提督「あー…あれか」

武蔵「どうなった?ま、大方フラれたんだろうが――」

提督「付き合うことになった」

武蔵「え?」

提督「ふっふー…人生初彼女、というやつだ」

武蔵「あ……そ、そう…なのか?」

提督「おう、冗談とかじゃねーぜ」

武蔵「……そう、か」

武蔵「ああいや、あー…陳腐だが、おめでとう、と言っておくよ」

提督「ありがとよー」


>>+4


A.つーわけで、告白募集期間は終了だ。

B.お前も、良い相手見つけろよ。

C.…ま、そんだけっすわ。

C.…ま、そんだけっすわ。(*0.5)


提督「…ま、そんだけだよ」

提督「恋が実りました、という、実に面白い話だ」

武蔵「……お前にとってはな」

提督「はっは、僻むな僻むな、武蔵にもそのうち良い人が現れるって」

武蔵「…ふん、心にも思っていない気遣い、痛み入るよ」

つまらなそうに、武蔵が鼻を鳴らす。

窓の桟に置いていた両手を上げ、大きく伸びをした。

提督「…なんだ、怒ってんのか?」

武蔵「……怒ってなどいない」

武蔵「ただ…つまらん話を聞いてしまった、と後悔しているだけだ」

提督「…確かに、失恋話の方が笑えるが」

武蔵「そういう意味…では、無いのだろうな、きっと」

武蔵「…本当に、面白くない」

提督「…何か言ったか?」

武蔵「いいや…では、部活に行くよ、私は」

提督「おう、頑張れー」

くるりと向けた、その背中。

それが、心なしかいつもより小さく見えたのは、気のせいだったのだろうか。



武蔵→  280/500

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408367918/)

次スレ スマホで立てたんでナンバー振り忘れた
連投できねーからテンプレも貼れねー
はーつっかえ…やめたらEモバァ…



【9月2週】


村雨「…潮ちゃんってさ」

提督「うん」

…村雨が珍しく真面目な顔をしている。

だが、大抵こんな時は。

村雨「…おっぱい大きいよね…!」

提督「………」

大した用事ではない。

長年の経験から導き出される結論である。

村雨「…一体何が彼女の胸を大きくさせるんだろーねー」

提督「食事、とか?」

村雨「そんなテンプレ回答期待してないわよー」

提督「……さいでっか」

…では何と言えばいいってんだよ。

……俺が揉んだ、とか…。

………揉みてぇ。



コミュ対象 >>+4


潮     500/500
村雨   153/500
鳳翔   194/500
朧     *84/500
武蔵   280/500

息抜きに埋めネタってやつを書いてみる、今回は3週目で
那珂ちゃんと雷、どっちがいい?直下

【雷―特殊・終】

『甲子園優勝は、横須賀中央高校――!』

あの日から。

彼は、遠くに行ってしまった。

私の手の届かない場所に。

必死に伸ばしても、絶対に届かない場所に。

支えたいのに。

頼って欲しいのに。

私を見て欲しいのに。

提督くんが、こんなに好きなのに。

どんどん、遠くなるばかりで。

『てーとくくーん!』

『うっせえぞ那珂ァ!』

『はにゃ!?』

彼の周りから、私が除外されていくようで。

…なんでだろう。

そう考えた時に、答えは出たんだ。

…野球が。野球が私から彼を奪うんだって。

だから、だからね。

「…う…ぐぁ…………」

「…………」

眼下、夕日に染まった階段の踊り場に横たわるのは彼。

左肘を必死に抑えて、痛みに呻いている。

だいじょーぶ、ちょっと痛いけど、だいじょーぶ。

「提督くん」

「もっと私を頼ってよ」

手に持った鉄パイプを、抑えている右手の上から左肘に打ち付ける。

「あぎっ……!?い…かづ…やめ…ぐっ、あ、あぐ…」

鈍い音。

何度も何度も、鈍い音。

振り下ろす。振り下ろす。振り下ろす。

頼ってよ。支えさせてよ。

何もしなくていいの。提督くんは、何もしなくていい。

夕日とは違う紅に、踊り場が染まる。

痛そうだね、でも大丈夫、だいじょうぶだよ、提督くん。

だって、私がいるじゃない。





ね?


【BAD END】

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