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※今回はこの間くらいのお話
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叢雲「地獄の鎮守府」
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エンド・オブ・オオアライのようです ※連載中のコラボ作品(◆vVnRDWXUNzh3作)
艦これ×天華百剣 編
川д川 ウホウホ!!鎮守府に颯爽と登場した貞子ゴリラ、トランスフォームウホ!!
川д川 ウホウホ!!鎮守府に颯爽と登場した貞子ゴリラ、トランスフォームウホ!! - SSまとめ速報
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【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第一章【天華百剣】
【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第一章【天華百剣】 - SSまとめ速報
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【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第二章【天華百剣】
【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第二章【天華百剣】 - SSまとめ速報
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『艦天って略すとカロリー低い食材みたい』 幕間
『艦天って略すとカロリー低い食材みたい』 幕間 - SSまとめ速報
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【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第三章【天華百剣】
【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第四章【天華百剣】
【艦これ】艦天って略すとカロリー低い食材みたい 第四章【天華百剣】 - SSまとめ速報
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【艦これ】『Last one week & Epilogue』【天華百剣】
【艦これ】『Last one week & Epilogue』【天華百剣】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1554717008/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1601813278
リ メ イ ク っ て な ん だ ? ? ? ? ? ? ?
前がシリアスだったんで今回は爆笑ギャグてんこ盛りなお話になっております。乳首は控えめです
・提督の表記は『( T)』になっています。マスク超人です
・提督はドウェイン・ジョンソン並みのマッスルです
・キングスマンもブラックウィドウも延期延期で僕もう何を楽しみに今年度過ごせばいいんでしょうか?
・ごちうさ三期十月十日放送開始(ノルマ)
・メギド72で毒舌中華美女メギド配布イベント開催中。股座がいきり勃つ
・ミッドサマーブルーレイ&DVD発売中。僕は二度と観ません
( T)「スヤ……うわスヤ!!!!!!!!!!!!!!!!!」※寝てる
川 ゚ -゚)「じゃあアレ流しますんで」
青葉「はい」
川 ゚ -゚)「ミュージック、スタート!!!!!!!」
<てーーーーーーれれれーーーーーーーーれーーーーーーーてーーーーーーれれれーーーーーーれーーーーーーーーーれーーーーーーーーーーれーれーれーーーーーーーーーーーれーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!! ※クソデカ音量
( T)そ「スヤ!!!!!!!!!!???????????」※起床
<たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーちーーーーーーーーーーーーーあがーーーーーーーーーーーーーれ!!!!!!!!!けだーーーーーーーーーーーかーーーーーーーーーーーくまーーーーーーーーーーえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
( T)「……ッアァ」
<さだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーめーーーーーーーーーーーーーをうーーーーーーーーーーーけーーーーーーーーーーーーーたせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんーーーーーーーーーーーーーーーーーーーしよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
( T)「……チッ……」
( T)「……スゾ……」
川 ゚ -゚)「アッハイすみません今すぐ止めますごめんなさい殺さないで」
殺す
『出張!!艦娘専門店のようです』
( T)「殺す……」ガタッ
川 ゚ -゚)「青葉さんたすけて」
青葉「青葉にも出来る事と出来ない事ありますんで」
おはよう。昨晩は肌寒かったんで珍しくパジャマを着て寝てた俺だ。パジャマでお邪魔って感じ
朝っぱらから不機嫌なところを見せちまって悪いな。だが想像してほしい。気持ちよく寝ていたのにクソデカ音楽で起こされる様を。キレるだろ?
例えそれが街で見かけたら思わず振り返ってしまいそうな顔の良い嬢ちゃんでもこのマッストレイツォ容赦せん
( T)「……倉庫に」
川 ゚ -゚)「はい」
( T)「シャベル置いてるから……墓穴二つ掘って来い……」
川 ゚ -゚)「二つ……?」
青葉「司令官……死ぬんですか……?」
( T)「テメーの分だボケ……」
川 ゚ -゚)「嘘でしょ……『亡霊』ですよ……」
( T)「関節逆方向にまっがーれ☆」
青葉「あぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」メシメシメシメシ!!!!!!!!
川;゚ -゚)「嘘でしょ……『亡霊』ですよ……『亡霊』ですよね?え?」
青葉「懐かしい忌名ですね本人ですおはようございますしれいかああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」メシメシメシメシ!!!!!!!!
( T)「朝からうるせえ奴だな静かに出来ねえのか?」
青葉「じゃあ放してくださいよ艦娘虐待ですよこれあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」メシメシメシウウウウウウン!!!!!!!!!
( T)「アンタ誰だ?」
川 ゚ -゚)「申し遅れました私こういう者です」
青葉「自己紹介後にしてくださいまあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
関節極めながら受け取った名刺には『艦娘専門店横須賀支店店主:すなお☆そら(くーにゃん)』と、なんかやたらポップな印字で刻まれている。ふざけてんのか
( T)「……」
川 ゚ -゚)「メイド喫茶に強い憧れを抱いていた名残でして」
( T)「いや知らんけど……」
青葉「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
青葉「朝から酷い目に遭った……」
( T)「そうか。今何時かわかるか?」
川 ゚ -゚)「おはよう!!朝4時に何してるんだい!?」
( T)「ッスゥーーーーーーーーーーーーーーーーー…………」
(#T)「地獄卍固めーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!」ガキィ!!!!!
川;゚Д゚)そ「うおおおおおおおおおおおおおお話に聞いてた通りマジ容赦ねえええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」
青葉「ゲェェーーーーーーーーーー!!!!!!!あれは!!現在ある卍固めの原型と言われている地獄卍だーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
叢雲「うっっっっっっっっっっさいわね朝っぱらから!!!!!!!!!!!!!」
(#T)「こいつこいつこいつ!!!!!!!こいつが悪い!!!!!!!!」
青葉「青葉はお客様お通ししただけですぅーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
川;゚Д゚)「関節が死ぬーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」メシメシメシメシ!!!!!!!!
俺は朝4時に何やってんだろうか
―――――
―――
―
叢雲「で」
青葉「はい」
叢雲「どちら様?」
川 ゚ -゚)「私こういう者です」
叢雲「あーん……艦娘専門店……ハァ、なるほど」
( T)「知っているのか雷電」
叢雲「各鎮守府近辺に店を構える技研直属の商店よ。アンタが最近使った爆発物もそこの商品」※タコにヌルヌル男魂♂触手プレイされそうになった回
川 ゚ -゚)「ゲヘヘ毎度ご贔屓にでゲス」
( T)「そんなもん店頭に並んでんの……?」
川 ゚ -゚)「人聞きの悪い。アレはれっきとした多機能型高速修復剤用水筒でゲス」
( T)「そうか。ママに水筒は爆発しないって教わらなかったか?」
川 ゚ -゚)「え?????????????」
( T)「実際これされるとすげえムカつくな」
青葉「お株を奪われましたね」
( T)「それで?地獄のセールスレディ売間久里代さん」
川 ゚ -゚)「砂尾 空(くーにゃん)です」
( T)「は?」
川 ゚ -゚)「あっもう好きに読んでください靴舐めましょうかペロペロォ」
青葉「その人よっぽどのクレしんフリークじゃないとわかんないですよ」
( T)「え?スーザン小雪よりも?」
青葉「アニメ未登場じゃないですか」
川 ゚ -゚)「いつも大体こんな感じで脱線します?」
叢雲「概ね」
( T)「まぁその……以前訪問されたってのは聞いたが」
川 ゚ -゚)「はい。その時は提督さんも叢雲さんもご不在でしたので、青葉さんと取引させて頂きました」
( T)「俺のクレカで勝手に買い物した時か」
青葉「顔面変形するまでどつき回されましたね」
叢雲「完っ全にアンタに非があるわよ」
:川;゚ -゚):「ああのあのののあのそそそそれででで今回はわわわわわ新商ひぃぃぃぃんと共にああああああ改めてお二人とおおおおおおはななななななしを」
青葉「司令官が傍若無人だから怯えちゃったじゃないですか可哀想に」
( T)「これが傍若無人か初めて知ったわ広辞苑に新しく載せて貰えよ」
叢雲「まぁ、言い分はわかったわ。それがなんでこんなド早朝にやってくるのかは納得してないけど」
川 ゚ -゚)「実は三日ほど遭難してました」
叢雲「よく辿り着けたわね……」
( T)「そのまま野垂れ死ねば良かったのに」
川 ゚ -゚)「放つ言葉が全部ナイフ通り越してチェーンソー」
青葉「まぁまぁ百聞は一見にしかずですよお二方。前回同様面白役に立つ商品持ってきたそうなんで、まずはお話聞いてみましょうよ」
( T)「今そういう次元の話してねえんだよ」
叢雲「セールス以前の常識の話してんの」
( T)「遭難したんなら日を改めるとか」
叢雲「そもそも訪問前に一報入れるとか」
川 ゚ -゚)「叢雲さんはわかりますけど提督さんもこんな見た目してめちゃくちゃ真面目だったりします?」
青葉「根は割と」
川 ゚ -゚)「しくったわぁ……」
( T)「スゴイシツレイだなお前。ハイク詠むか?お?」
川 ゚ -゚)「でもまぁこの話は置いといて。商談に入りますけどいいですね?答えは聞いてない」
叢雲「無礼な子ね。司令官?」
( T)「ああ、ドラム缶なら結構余ってる」
川 ゚ -゚)「阿吽の呼吸で消す方向の話やめてください許してくださいサービスしますから」
川 ゚ -゚) ポチッ
スマンホホ<サービスサービスゥ☆
川 ゚ -゚)「ね?」
( T)「木っ端微塵にした方が早くねえか?」
叢雲「天龍に頼んだら喜んで請け負ってくれるしね」
:川;゚ -゚):「ヒエッ……『打首』……実在してるなんて……」
青葉「砂尾さん、青葉の擁護も限界なんでそろそろ本腰入れてください」
( T)「うぜーから話聞いてとっとと帰ってもらった方が良いか……」
叢雲「そうね……朝から物凄い不愉快だし……」
川 う-゚)「泣きそう」
青葉「ファイトですよ砂尾さん!!」
川 ゚ -゚)「一番ヤベーと思ってた人が一番味方してくれるんだもんホロリ人情一人旅じゃないですかこれ?」
青葉「ゴミ捨てに行ってきますね」
川;^ -^)そ「あ、ちょっ、嘘です冗談なんですよぉ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!ねっ?ねっ?ほんと!!ほんと大出血サービスしますんで命だけは!!」
( T)「まぁ……お前を餌にするお魚さんが不憫だしな……」
叢雲「『誠意』って奴を見せてもらいましょうか」
川#゚皿゚)「チクショウ恨むぜ俺をこんな場所に出張させたクソ上司をよぉ!!!!!!ガッデム!!!!!!!」
―――――
―――
―
自室に居られるのも不愉快なんで改めて応接間に通し(渋々)お茶をお出しした
川 ゚ -゚)「これはご丁寧にどうもズズーーーーッ」
川;゚ 3゚)・'.。゜「ゥアッッッッッッッッッッッッツゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
( T)「寝起きの頭に絶叫が響く……」
叢雲「しんどいわ……」
川 ゚ -゚)「こんな歓迎されない事あります?私、美女ですよ?」
( T)「だから?」
川;゚ -゚)「ヒュッ……ごめんなさい……」
美貌は免罪符じゃねえんだよ
青葉「まぁまぁ。ここは一つキレのあるセールストークで挽回しちゃってくださいよ」
川*゚ -゚)「へへっ……そこまで言われちゃ応えねえワケにゃいかねえなぁ。退けば老いるぞ臆せばs」
( T)「チッ……」
川 ゚ -゚)「あっ無理老いるし死ぬ」
( T)「卍解じゃなくて始解だろが……」
川 ゚ -゚)「アッハイソッスネ。それでは……あの、今からちょっとおふざけ……入るんすけど……せ、セールストークも楽しく聴けたらいいなぁって配慮なんで……心遣い……オ・モ・テ・ナ・シ、おもてなしの精神……」
青葉「ネタが微妙に旬を過ぎてますねぇ」
叢雲「これ以上ゴチャゴチャ抜かすようなら口を工業用ホッチキスで綴じる」
川;゚ -゚)「鬼!!!!!!!!!!!!!」
( T)「気づくのがおせえんだよ……」
叢雲「は?」
( T)「いやあいつあいつあいつ全部あいつ」
川 ゚ -゚)「違う違う違う今の失言全部こいつこいつこいつ」
青葉「もしかして始める気ないんですか?」
川 ゚ -゚)「おっとすみません。それでは始めさせて頂きます。お相手はあっし、『砂尾 空』でお送りしますでゲス」
( T)「もしかしておシャブか何か嗜まれてらっしゃる?」
川 ゚ -゚)「ご入用ならその線の商品も含んでお話致しますが」
( T)「含 め ん な」
青葉「マジックなマッシュルームとかありそうですね」
叢雲「こいつキノコ全般ダメなんだけど」
( T)「いけても食わんけど??????????」
川 ゚ -゚)「では『てくてくうさぎコース』『よちよちうさぎコース』」
叢雲「……」ガタッ
( T)「まぁ待て最後まで聞いてみよう」
叢雲「……ハァ」
川 ゚ -゚)「『せっかくこんなド田舎まで来てやったってのに何も買わなかったらSNSにここの提督は重度の意識高い政治ツイッタラーって噂流すぞコース』」
( T)「スゾ……」ガタッ
青葉「ステイステイステイまだだっまだだっ」
( T)「チッ……」
川 ゚ -゚)「『バリカタヤサイアブラマシマシチャーシューコース』からお選びいただく形になります」
( T)「遺言は以上か?」
川 ゚ -゚)「我が生涯に悔いあり」
青葉「このプレッシャー下でふざけられる度胸だけは評価しますよ」
川 ゚ -゚)「あ、ウチの公式ツイ垢フォローしてくださるとお会計時に10%オフになりますので良かったら」
叢雲「大出血サービスが楽しみねぇ」
川 ゚ -゚)「あっヤバイこの人今日ビタ一文も払わないつもりだケツの毛がよだつ」
( T)「そんで、ケツ毛の嬢ちゃん」
川 ゚ -゚)「今まで聞いた中で最悪の呼ばれ方」
( T)「その合唱コンクールのソロパートに選ばれたチノちゃんを鍛える為にリゼが用意したトレーニングメニューみたいなコースに違いはあるのか?」
川 ゚ -゚)「うわキッチリ拾ってきやがったオタクキモ」
( T)「人って二階から何回突き落としたら死ぬか試すか?」
川 ゚ -゚)「アッアッアッすいません今回は提督コースと艦娘コースとお土産に嬉しい地域名産百選からお選びいただけます」
叢雲「提督コース?」
川 ゚ -゚)「はい。こちら新たに開発が進んでおりまして。多くは試作段階なんですが問題なく使用頂けます」
叢雲「艦娘専門店よね?」
川 ゚ -゚)「細けぇこたぁいいんだよハゲるぞ」
叢雲「人の頭皮って髪ごと毟り取れるか試す?」
川 ゚ -゚)「何そのハードモード羅生門」
青葉「ケツ毛さん」
川 ゚ -゚)「砂尾です。砂尾 空です」
青葉「一口に提督と言っても、ご覧の通りウチの司令官はアレなんで」
( T)「お前もだいぶアレだぞ」
青葉「恐縮ですっ☆」
( T)「腹立つわぁ……」
青葉「で、凡そ普通の提督像からかけ離れた司令官に対して普通の商品を用意したんですか?」
川 ^∀^)9m「そんなワケないっしょwwwwwwwwwwテラワロスwwwwwwwwwwうぇっwwwwwwwwww」
青葉「司令官、窓開けてください」
( T)「よしきた」ガラッ
m川;゚Д゚)m「見てほら!!!!!!土下座!!!!!!!美女に土下座させてるんですから許してくれますよね!!!!!ね!!!!!?????」
親の顔が見てえ
川 ゚ -゚)「まぁそのー……日々の業務のサポートは勿論の事、戦闘補助用のアイテムも多数ご用意しております」
叢雲「……どうして『提督の戦闘補助用アイテム』を?」
川 ゚ -゚)「ええとですね、此方の鎮守府の活躍の数々は我々の耳にも届いておりまして。先の青ヶ島での迎撃作戦を成功させた杉浦海軍准将が提唱する艦娘と人間の諸兵科連合思想、そのスタンダードモデルとして台頭しているのではないかと。ですので、今回サンプリングも兼ねて……」
叢雲「『してないわ』」
キッパリと切り捨てた叢雲は少し冷めたお茶を啜る
物静か。しかし威圧のある所作にさっきからクソウザかったケツ毛の顔色も青ざめていく
叢雲「こいつの戦り方は『スタンダード』になんてなりやしない。ロマさんが言いたい『諸兵科連合思想』ってのは、陸海空それぞれの『兵器』含む戦力を結集して艦娘と共に戦うって言うこと。青ヶ島の戦いこそ模範例よ」
叢雲「対し、司令官は大層な人員も兵器の類も使わず『個』の力で深海棲艦を殺せる。全体の戦況を司令部ではなく直接戦場で見渡し、檄を送って士気を高める。固執的なまでの『現場主義者』。ハッキリ言ってしまえば頭可笑しいのよ?」
( T)「可笑しくない。常時まとも」
叢雲「それを『スタンダード』とはねえ。アンケートでも取ったのかしら?『貴方は彼の戦い方を参考に出来ますか?』って」
川;゚ -゚)「あ。あの、その……」
わかり易く目が泳ぐ。人をおちょくんのは得意みたいだが、鬼が放つ迫力には耐えきれないらしい。俺も無理
叢雲「答えなんて火を見るより明らかよねぇ。私の知る限り、そんな『提督』なんてこいつ以外見た事ない。居たとしても、恐らくご存命ではないでしょうし。つまり、『特異中の特異』な例なのよ」
( T)「元々特別なオンリーワンって感じ」
青葉「世界に一つだけの花ですねぇ司令官」
不知火が涙目になるレベルの眼光に貫かれ、思わず青葉と身を寄せ合った。こわい
叢雲「それを踏まえてお聞かせ願えないかしら?一体誰の差し金で、売り上げが殆ど見込めない『提督用戦闘補助商品』なんて代物を開発したのかを」
川;゚ -゚)「……」
そろそろ可哀想だし助け舟出してやるか……
( T)「……」
やっぱ愉快だしもうちょい見とくか……
青葉「ンッ」
青葉に脇腹を突かれ、目配せで『助けたれや』と促される。まぁ漏らされても困るしな……
( T)「まぁまぁまぁまぁそうあんま苛めたんなや」
叢雲「……」
やんわりと窘めると、叢雲はふぅと息を吐いて再びお茶を啜った
叢雲「そうね……早とちりだったわ。ごめんなさいね」
川;゚ -゚)「多い日も安心のやつ付けてきて良かった」
( T)「お前それ二度と人前で言うな」
青葉「ナプキンって実際尿も全部吸い取ってくれるんですかね?艦娘は生理来ないんで経験ないんですよ」
( T)「なんで皆まで言っちゃうかなぁ」
川 ゚ -゚)「生理用ナプキンは粘度の高い経血の吸水用なんで尿の吸収には向いてないそうですよ」
青葉「ですって司令官」
( T)「知らん知らん知らんもう何も聞こえない」
叢雲「じゃあだだ漏れじゃないのアンタ」
川 ゚ -゚)「へへっ……」
叢雲「へへっじゃなくて」
( T)「何しにきたのこの子」
川 ゚ -゚)「じゃあ順にご説明に入らせて頂いても……」
( T)「この流れで商品の紹介すんの?」
川 ゚ -゚)「毒を食らえば皿までと言いますし」
( T)「小いったら大もいくって話??????え?????」
青葉「青葉達が見てない所でお金でも握らされたんですか?」
川 ゚ -゚)「ご明察!!」
( T)「叢雲、さっきの話続けていいぞ」
川 ゚ -゚)「あっ、ちょっ、ほんと冗談抜きで両方出るんでやめてください」
さっきから汚え話しかしてねえよこいつ
( T)「下の掃除が増える前に一つ忠告しておくが」
川 ゚ -゚)「はい?」
( T)「万が一、お宅がご紹介した商品の中に、当鎮守府の情報漏洩並びに不利益を被るような代物があった場合」
川 ゚ -゚)「ええ」
( T)「全国に蔓延る艦娘専門店とやらを一軒一軒『畳みに』行くからそこんとこヨロシク仮面」
川 ゚ -゚)「」
:川 ゚ -゚): ブルッ
( T)「おま」
【せんたっきとか置いてある場所】
( T)「……」
せんたっき<ゴウンゴウンゴウンゴウン
曙「……」
( T)「おはよう……」
曙「漏らしたの?」
( T)「お客様がな……」
曙「……朝の5時なんだけど」
( T)「うん……」
曙「……」
( T)「……」
せんたっき<ゴウンゴウンゴウンゴウン
曙「漏らしたの?」
( T)「顔洗ってきな??????」
―――――
―――
―
川 ゚ -゚)「それでは商品の説明に入らせていただきます」
( T)「やっとかよ……」
青葉「砂尾さんそのパジャマ可愛いですねぇ」
川 ゚ -゚)「ふわふわウサギちゃん着ぐるみパジャマ。ウール100%だぜ」
叢雲「青葉」
青葉「おっと失礼。ではでは、張り切ってどうぞ」
川 ゚ -゚)「では此方から」ドドッド!!!!!!!!!!!
取り出したのは二十センチ程の筒。赤と銀のストライプ柄でシンプルなデザイン
お世辞にも用途が分かり易いとは言えない。だが男性なら誰もが一見しただけでそれが何かわかるだろう
( T)「……」
川 ゚ -゚)「TENGAです」
一発目でオナホ出してきやがったよこいつ
( T)「叢雲、艦娘専門店の位置情報調べといてくれ」
叢雲「ええ、すぐに」
川 ゚ -゚)「待って待って待って待ってちゃんと話聞いて」
( T)「遺書を書く時間なら用意してやる」
川 ゚ -゚)「正しくは『TENGA型暗器』なんですよ!!見てくださいこれ握るとほら!!!!!」
TENGAを握ると先端部分から刃渡り十五センチほどの刃が飛び出す
川 ゚ -゚)「ね?」
( T)「は?」
だから何だよ
青葉「えーと、つまり急な襲撃に備える為の物って事で宜しいですか?」
川 ゚ -゚)「はい。TENGAを装うことで相手の油断を誘い、効果的な反撃を行える武器となっております」
川 ゚ -゚)「銃やナイフなどとは違って、これなら成人男性の部屋に置いてあっても違和感がありませんし、インテリアとしても抜群の景観を生み出せます」
川 ゚ -゚)「そして何といっても実際に本来の用途として使用できるのがこの商品の凄い所!!抜いて良し、ヌいて良しの一品となっております」
叢雲「やっぱり各鎮守府方面や都心に集中してるわね」
( T)「手広くやってて面倒くせえな。東北から攻めるか?」
川 ゚ -゚)「あっ聞いてないもう畳みにいく算段付けてる」
青葉「これ売れてるんですか?」
川 。 -。) 「……」※逆立ち
青葉「あの、売れてるんですかって?」
川 。 -。) 「売れてません」
( T)「じゃあ端っこから……目障りだから逆立ちやめろ殺すぞ」
川 ゚ -゚)「殺すのはボケだけにしてください」
川 ゚ -゚)「いやでも良いアイデア商品じゃないですかこれ?人ってお風呂入ってる時とかトイレ入ってる時とかシコってる時って無防備になるじゃないですか」
川 ゚ -゚)「行為の最中でも反撃出来るって、軍人としてはかなりのアドになるとは思いません?実際二刀流で迎え撃つワケですし」
青葉「一つは弱点丸出しなんですけど」
川 ゚ -゚)「遠距離攻撃は可能ですけどね」
叢雲「何で朝っぱらから頭の悪い話聞かされなきゃなんないの?」
( T)「厄日だな……」
川 ゚ -゚)「eggタイプもございますが」
( T)「いらねえ……」
川 ゚ -゚)「EDなのは本当みたいですね。宜しければ此方の前立腺を刺激するディr」
仕込みTENGAを掴み、内部の刃物ごと握り潰すとようやく目の前の下ネタ女王は口を閉ざした
川;゚ -゚)「ヒュッ……」
( T)「次」
川;゚ -゚)「ぴえん越えてぱおん」
川 ゚ -゚)「ではアプローチを変えてメンタルの鍛錬にピッタリの商品を……こちら」
[ Д`] ドンッ!!!!!!!!!!!!
叢雲「ロボットフィギュア?」
青葉「良い造りですねえ」
( T)「いらねえ……」
川 ゚ -゚)「罵倒人形『艦娘となかよしX』です」
( T)「パクんな……」
川 ゚ -゚)「使用方法はこう……スイッチを押すと」カチッ
[ Д`]<クソダサマスク
川 ゚ -゚)「入力した本人情報から悪口を抽出して罵倒してくれるマゾにはたまらない一品でございます」
( T)「いらねえ……」
[ Д`]<セカンド童貞。乳首開発済み。俺TUEEEEEE気取り。なろう系の主人公のなり損ない。言うほど筋肉アピールしてないだろ。提督より退魔忍がお似合いな提督大会、七兆点、優勝
( T)「いらねえ……」
川 ゚ -゚)「動じてない……だと……?」
青葉「青葉むしろフラストレーション溜まった司令官に対してこの商品持ち出した砂尾さんに動じてるんですけど」
叢雲「まぁ罵倒するだけなら優しいもんよね……」
川 ゚ -゚)「これ紹介した時大体涙目になるかキレるかの二択なんですけどね」
青葉「もしかしてセールスする気無いんですか?」
叢雲「で、これは口の悪い艦娘に慣れる為のオモチャってワケ?」
川 ゚ -゚)「その通りです。此方の鎮守府には曙さんもいらっしゃると聞いていましたので、常日頃から罵倒を受けることで彼女達へのストレス緩和に繋がればなと」
( T)「悪口に悪口重ねてもストレスが増えるだけだろ何がメンタル鍛錬だこんなもん鬱加速装置じゃねえか不良通り越して公害品持ち込みやがって人の心を親の胎内に置いてきたのかよ産み出された事が既に罪だな材料と電力の無駄だしそこにいるだけで不愉快だから人知れずゴミの山の一つになって朽ち果ててくれねえかな」
:[ Д`]:<ガガガ……そこまで言わなくていいじゃん……
青葉「弱っ」
川 ゚ -゚)「なかよしXは打たれ弱いんで。さしもの私もほんのり涙目です」
叢雲「売れてんの?」
川 。 -。)「……」※逆立ち
叢雲「都合が悪くなると奇行で誤魔化さないでくれない?アンタこれからずっとそうやって見苦しく生きていく気?」
川 う-;)「もうお家帰る」※ガチ泣き
( T)「おつかれっしたー」
叢雲「朝餉は何かしらねえ」
青葉「お二人共、もうちょい手心をですね」
( T)「ゴミ以外に持ってきたもんねえのかよ。もしかしてウチを処理施設か何かだと思ってんのか?」
川 ゚ -゚)「言葉の攻撃力がブルーアイズホワイトドラゴン。では大本命で汚名返上といきますか」
もう無理だろと思った矢先、彼女が取り出したのは俺のマスク模様とピッタリ一致しそうなT型のグラス
半透明の板の内部では、整列された毛細血管のように光線が上下を反復している
( T)「お、おう……」
青葉「何ですかこれ?」
川 ゚ -゚)「百聞は一見に如かず。どうぞ装着なさってください」
( T)「着けれんの?」
半信半疑でそのグラスをマスクに貼り付けると、磁石か何かでくっつけたかのように固定される
すると目の前の空間に『起動』の文字が浮かび上がった
( T)そ「すげえ!!!!!!!!」
青葉「なになになんですか!?どうなってんですか!?」
( T)「なんか……アイアンマンのアレみたいになってる!!!!!!!」
青葉や叢雲を見ると、名前と耐久値を表しているであろうゲージが表示されている
他にも『B:W:H:』のアルファベットの横になんか数字が記載されているがこれはもうほっとこう後で開発陣に電話して反省と修正の色が見えないならぶっ殺しに行こう
しかしAR機能搭載とは恐れ入った。この数年で日本はスターク・インダストリーの技術力を着々と身につけているようだ。この『色』って所は何だろう?
川 ゚ -゚)「如何ですか?艦娘のバイタルに留まらず位置情報や弾薬、燃料残量。スリーサイズや下着の色に到るまで事細かに表示されているでしょう?」
( T)「後半のはいらん」
青葉「叢雲さんのは何色ですか?」
( T)「答えたら殺される」
叢雲「ベージュだけど?」
( T)「俺の気遣い返せ」
川 ゚ -゚)「アンケート取って票が多かったのがその二つなんですけどお気に召しませんでした?」
( T)「ゴミ野郎向けのアンケートか?」
川 ゚ -゚)「主に横須賀、呉、佐世保、舞鶴の四大鎮守府の職員ですけど」
( T)「ゴミ野郎向けのアンケートか」
川 ゚ -゚)「大本営と仲悪いって噂本当なんですね」
青葉「司令官、貸してくださいよ」
( T)「はい」
顔から引っぺがして青葉に渡すと、Tの横棒部分を摘んで覗き込んだ
青葉「おお~……こりゃ凄いですねぇ。透視機能とか無いんです?」
( T)「用途よ」
川 ゚ -゚)「艦娘の服だけ透視する機能は現在開発中でsちょっと待ってください表には出ない外傷を確認する為のもので決してまじかるタルるートくんみたいな展開にするものでは無くて拳を下ろしてつかぁさい」
( T)「アンケートは?」
川 ゚ -゚)「一位でした」
( T)「ハァ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
川 ゚ -゚)「大事にされてるんですねぇ皆さん」
叢雲「有象無象と比べればねぇ……」
青葉「いやいや、司令官が特別そっち系に厳しいだけですから」
( T)「他に使える機能は?」
川 ゚ -゚)「好感度測定機能搭載です」
( T)「そうか。不燃ゴミでいいな?」
川 ゚ -゚)「冗談ですって。確実にギスるんで」
叢雲「プライバシーに踏み込んだ機能多過ぎない?」
川 ゚ -゚)「アンケートを反映させてますんで」
青葉「そのアンケート真面目に回答されてないんじゃ無いですか?」
川 ゚ -゚)「実はですね、その……えーと……『艦娘マルっと丸裸!!提督専用Tグラス』の目玉はここからでして」
( T)「責任者を呼べ」
川 ゚ -゚)「『ある技術』を応用した機能を搭載しているんです。提督さん、もう一度装着して、グラスの真ん中部分をタップしてください」
責任者を『それって艦娘蔑視ですよね!!!!!?????』って言いながら口からタマ出るまで蹴り飛ばしたい気持ちをグッと堪え、指示通りにグラスを付け直してタップする
すると、グラスから金属のような冷気が放たれ、過冷却水が凍りつくかのように顔面を『パキパキ』と音を鳴らしながら覆っていく
顎下から後頭部までスッポリと冷気に覆われると、一度軽く締まってから再び解き放たれた。砂尾は自前の手鏡を取り出して俺に向ける。そこには―――――
〔 T〕「おお……」
黒を基調にしたフルフェイスヘルメットが被らされていた
〔 T〕「……」
川 ゚ -゚)「如何ですか?」
〔 T〕「なんでこんな超技術搭載した装備開発出来るくらい技術力あんのに仕込みオナホやら罵倒人形やらクソの塊みたいなもんまで取り扱ってんの?」
川 ゚ -゚)「素直に褒めてくれてもいいんですよ?そう、『すなお』だけに……」
川 ゚ー゚)「ねっ☆」ドッヤァアアアアン……
〔 T〕「死ね」
川 ゚ -゚)「この人本当に主人公ですか?」
叢雲「アンタ何言ってんの?」
青葉「言いたいことはわからなくもないですけどね」
川 ゚ -゚)「携帯性は勿論、耐久度も折り紙付き。対物ライフル程度なら貫通を防げます」
〔 T〕「衝撃は?」
川 ゚ -゚)「ある程度は緩和されますがバチクソ響きます」
〔 T〕「どっち????????」
青葉「普通のライフル程度なら衝撃も和らぐんでしょ?それだけでも結構有能ですよこれ」
叢雲「深海何某の砲撃が防げたら御の字だったのにねぇ」
川 ゚ -゚)「でもまぁ頭しか守れないんで、砲撃当たったら貫通どころじゃ無く普通に吹っ飛びますね」
〔 T〕「いるこれ?」
叢雲「知らないわよ。アンタ用の装備でしょうが」
青葉「返り血とか防げるんでマスク汚れないですよ」
〔 T〕「いるじゃん。これ何の素材で出来てんだ?」
川 ゚ -゚)「企業秘密です」
〔 T〕「その秘密ってお前の命より大事?」
川 ゚ -゚)「てやんでぇバーロー死ぬのが怖くて艦娘専門店なんかやってられっかチクショウめ殺すなら殺せどんな辱めを受けようとも絶対に喋らねえからな」
青葉「急に強気」
叢雲「さっきから情緒可笑しいのよねこの子」
〔 T〕「まぁ聞いてもわかんねえだろうし、どうせタダだから見逃してやるか……」
川 ゚ -゚)「えっ?」
〔 T〕「元よりそのつもりなんだろ?これ幾らするんだ?少なくとも場末の鎮守府の経費で落とせるような値段じゃねえよな」
砂尾は喚くでもなくボケるでもなく、『参った』とでも言いたげに頬を掻いた
迷惑に対する『誠意』として言ったわけじゃない。そもそもこのグラス、特徴的なマスクを常時着用してる『俺』に合わせてデザインされている
つまりこの『大本命』とやらは、俺に対する『贈り物』として作られているのだろう。それが意味する所はとどのつまり―――――
川;゚ー゚)「頭にちゃんと脳が詰まっているようですね」
〔 T〕「脳は筋肉だし腕もそう。つまり俺は全身が脳でお前より賢い」
叢雲「なるほどね。今回訪れた目的は『ウチ』とのパイプ作りってワケ」
散々ふざけ倒してるのはさて置き、手土産持って直接交渉とは御見それした
悪名名高い『地獄』に単身乗り込んでくるあたり、商売人としての胆力は備わっているらしい
〔 T〕「先に言っておくが……これどうやって外すん?」
川 ゚ -゚)「あっ、二回タップすれば解除されます」
( T)「あっほんまや」プシューッ
装甲がグラス部分へと収束され、丁重に顔面から外してテーブルへと置く。まぁまぁ面白い『玩具』だった
( T)「ここが『どんな場所』か理解した上で交渉に訪れたんだよな?」
川 ゚ -゚)「勿論」
( T)「……」
不敵な笑みと共に、瞳の奥で僅かな火が灯った。先ほどまで頻繁に怯えていた女とは思えないほどの『臨戦態勢』
先ほどまでの態度は全て『演技』なのではないかと勘ぐるほどの豹変だ。もしそうなら、叢雲の足下程度には恐ろしい女と言えよう
川 ゚ -゚)「世界最強の軍隊『海軍』に置いて、他を寄せ付けない圧倒的戦力を誇るはみ出し者の寄せ集め。上層部がその名を聞いただけで顔を顰める『嫌われ者』」
川 ゚ -゚)「敵味方問わず震え上がらせる強さを保有しながら、特例として命令や階級に縛られない不安定かつ非常に『危険』な組織であり……」
砂尾は両の掌を合わせると、某名探偵よろしく口元に添えた
川 ゚ -゚)「海軍大本営との関係も非常に険悪。唯一、古くからの友人である『杉浦准将』の指示にだけは従う扱い辛い鎮守府。ですよね?」
( T)「ハハッ、よーくお勉強してきたようだな?」
川 ゚ -゚)「恐縮です」
青葉「それ青葉のセリフ」
( T)「しかしますます不可解だな?『危険』で『扱い辛い』鎮守府になどわざわざ訪れなくとも、新規開拓しやすそうな所は他に幾らでもあるだろうに」
川 ゚ -゚)「確かに。しかしこの鎮守府は……失礼ながら『金脈』です」
( T)「おっほほ、言うねぇ~~~~~~~~~!!!!!!気に入って来たぜお嬢さん!!見解を聞こうか!!」
川 ゚ -゚)「否定も肯定も為さらなくて結構なのですが、当鎮守府及び提督様は幾つかの鎮守府解体に関わっていらっしゃいますね」
( T)「うん」
川 ゚ -゚)「いや肯定するんかーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!結構ブラックなやり口だから秘密なんかと思っとったやんけーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
( T)「害虫を……駆除しただけなのに……?」
川 ゚ -゚)「確かに叩き潰されてましたね。物理的に」
( T)「ハハッ」
川 ゚ -゚)「今の渇いた笑いが今日一で怖い。その後、少々調べ上げた結果、不自然な資金の流れが見つかりましたが、心当たりは?」
( T)「返した」
川;゚q゚)「え???????????????」
( T)「ムカつくな……」
青葉「お株を奪われましたねぇ」
叢雲「あらあら、不正に懐に入れたとでも思ってた?それが出来るほど器用なら、今頃豪邸がおっ建ってるわよねぇ」
( T)「映画館とかな」
川;゚ -゚)「返したって……どこに?」
( T)「被害者以外いる?」
一例を挙げよう。瑞鳳を偶像化した『たべりゅ教』とかいうカルト宗教を起こした鎮守府では、信者の財産を不当に差し押さえ、教祖(提督)を初めとした幹部がごっそり懐にいれていた
使っちゃったもんは取り返せない。かといって解体に一躍買った海軍に任せると、今度は連中の良い様に使われるのが目に見えている。とても不愉快だ。死ね
なのでロマにお願い(恫喝)して、ため込んでいた資金を被害者に返せるだけ返したのだ。一銭もウチの口座には入れてない
( T)「つまり、言うほどお金ない」
川 ゚Д゚)「」
青葉「マジ信じらんねぇって顔してますね」
叢雲「余程あくどく稼いでるって思われてたんでしょうね……」
青葉「素行が素行ですしねぇ」
川;゚ -゚)「クズになら何しても良いって考えてるクズだと……思ってたのに……そんなヒーロームーブかましてるなんて……」
( T)「おうスゴイシツレイだなお前」
青葉「青葉は砂尾さんの言い分にはある程度納得出来ますけどねぇ」
叢雲「実際そうじゃない。アンタ」
川;゚ -゚)「チクショウ……こんなの解釈違いだ……ふざけやがって……」
( T)「なんで良い事してふざけやがってなんて言われなきゃならないの?」
叢雲「アテが外れたら誰しもこうなるんじゃない?知らないけど」
青葉「まさかウチに来た理由ってそれだけじゃないですよね?」
川;゚ -゚)「いえ……ですが……手っ取り早く儲かるのがそれだったんで少々……クるもんありますね……」
( T)「それって脅し前提の取引だったか?」
:川;゚゚Д゚゚):「いいいいいいえいえいえいえいえええええいえいえいえええええいえそそそんなそんそそんそんなまさまさまさしまさたかかかかかかかっか」
( T)「目が泳ぎ過ぎて鬼離田三姉妹みたいになってる」
青葉「司令官が誠実で命拾いしましたね」
叢雲「誠実なら人間をノリノリで押し花にしないけどね」
青葉「叢雲さんだって立ち会ったんでしょ?」
叢雲「私をこいつや天龍みたいな変態と一緒にしないで。ちょっと笑っただけよ」
青葉「一緒です、それもう一緒」
川 ゚ -゚)「失礼、少々取り乱しました」
( T)「少々どころじゃなかったけどな」
川 ゚ -゚)「まぁこんなもんジャブですよジャブ。大事なのはこれからです」
青葉「ダウン級のカウンター喰らってるように見えましたけどねぇ」
叢雲「脅迫しようとしてた意地汚い魂胆を覆せるほどの話なんでしょうね?」
川 ゚ -゚)「勿論でございます。提督様」
( T)「うん」
川 ゚ -゚)「独立の意思はございますか?」
腑抜けた空気がピリッと張り詰める。たった一行の質問だが
返答次第では海軍『そのもの』が全力で俺たちの首を撮りに来る危険を孕んでいる
川 ゚ -゚)「オフレコです。気にせずご返答を」
青葉「い、いやいや砂尾さん……」
戦闘こそ他に類を見ない程の才能と苛烈さを誇るが、こう言った場に立ち会う事は少ない青葉だけは分かり易くたじろぐ
一方、天下の副司令艦殿は目の前のイカレを推し量るように目を細めた。腹の中が読めた瞬間、場合によっては半殺しにして熨斗付けて送り返す気だろう
『独立』。言い換えれば軍が保有する戦力の私物化だ。指示系統を離れた、それも上とバチクソ険悪な組織がそれを成すと言うことは、今後『敵対する』可能性を持つ
今でこそ、旧友との義理や資金、資材等の支援の為に渋々海軍に籍を置いている。しかし、それらの問題が全てクリアされたのならば?
( T)「ある」
当然、俺らは俺らの自由にやらせて貰うに決まっている。足枷など取っ払ってしまった方が楽なのだから
叢雲「司令官」
( T)「叢雲、此方のお嬢さんは『稼ぎに来た』んだ。そうだよな?」
川 ゚ -゚)「勿論。叢雲さんが危惧しているような密告など一銭の得にもなりません」
俺らを貶めたいのなら、もっと警戒が解けるような場を用意すべきだろう。大衆居酒屋で朗らかに会話する方がよっぽど成功率が高い
彼女はわざわざこの場に一人で来て、俺と叢雲を前にして、真正面から切り出した。ただのスパイなら三流以下の行為だ
しかし『商売人』であるならば、『正直』や『誠実さ』は信用を得る為の強力な武器となる。そして彼らの目的はいつだって『社会貢献』や『福祉』などでは断じて無い
『金』だ
( T)「予習はして来てんだ。言葉を違えれば俺らの矛先が真っ先に向かって来る事も、一抹の容赦もなく皆殺しにするって事も重々承知してる筈だ」
川 ゚ -゚)「出し切ってて良かった」
( T)「今ふざける所じゃ無い」
叢雲「……危機感、足りて無いんじゃない?」
( T)「かもな。だが、何にしたって『助力』は後々必要になる。石橋叩いて探してちゃ、いつまで経っても搾取され続けるだけだ。危なっかしくとも『船』が来たんなら乗っかるべきだろ」
叢雲「……ハァ」
叢雲はキツい視線を解き、降参と言わんばかりに両手を上げた
叢雲「ま、そこに関しては司令官様が決めた事なら、これ以上は言わないわ」
( T)「そうか。漏らす寸前だから助かった」
川 ゚ -゚)「わかる」
青葉「緩いんですよ色々と!!今とんでもない取引するとこなんですよ!?」
( T)「うるせえ青葉だな」
川 ゚ -゚)「亡霊も大した事無いですね」
青葉「叢雲さんこれ青葉が悪いんですかね!?」
叢雲「着いてこれないなら静かにしてて」
青葉「はい……」
こわ
叢雲「で、アンタらはウチに『お上を通さない』資材の安定供給を確約してくれるってワケ?」
川 ゚ -゚)「話が早くて助かります」
叢雲「皮算用も良いとこじゃ無い?いくら戦力が充実してるとは言え、懐具合は有象無象にも劣るのよ?お金が欲しければ、司令官が言ってた通り他に幾らでも売り込める所があるんじゃない?」
川 ゚皿゚)「その通りです。正直、一つ目のお話からこれに繋げようとしていました。目論見がパァだふざけやがってキィィ」
( T)「なんで良い事してふざけやがってなんて言われなきゃならないの?」
叢雲「今は私が喋ってんの」
( T)「はい」
こわ
叢雲「ねぇ砂尾さん、誰だって正直者が好きよねぇ。腹の内、一切合切ぶち撒けてくれないと、こっちだって『はい』とは言えないわ」
川 ゚ -゚)「ええ」
叢雲「お金より欲しいモノがあるんでしょ?そしてそれは、ウチでしか提供できないモノである筈よね?」
( T)「魑魅魍魎か……」
青葉「お化け屋敷でも作るんでしょうかねぇ」
不知火が腰を抜かして泣いて命乞いするレベルの眼光に貫かれ、思わず青葉と身を寄せ合った。このくだり今日何回やるんだろう
しかし彼女は大したものだ。叢雲と真正面からやり合える人物なんてそういない。ふざけてばっかのクソアマと思ったが中々どうして……
:川;゚Д゚):「アヒィその件につきましては」
いやめっちゃ怯えとるわ。過大評価だったわ。でも勇気は買う。気に入った
川;゚ -゚)「叢雲さんの仰る通り、正直なところ直接的な売り上げは二の次と考えております。最も欲しいのは、地獄の血みどろマッスル鎮守府が持つ『実力』と『知名度』です」
叢雲「広告塔ね」
川;゚ -゚)「怖いよこの人」
( T)「うん」
青葉「艦娘専門店の商品を戦場で積極的に使用してアピールしろって事ですか?」
川 ゚ -゚)「はい。良くも悪くも注目度が高い皆さま方が当社の商品を実戦で役立てて頂ければ、他の鎮守府も放っては置かないと睨みまして」
青葉「なるほど。言わば客寄せパンダですね」
川 ゚ -゚)「パンダほど可愛げは無いですが、そうですね」
青葉「一言」
客層が客層だ。CM流すより実際に戦場でデモンストレーションした方が効力があるだろう
理に適った広告方法だし、ウチを選んだ着目点も悪くない。だがこれだけじゃない。これで叢雲も俺も納得はしない
叢雲「他には?」
知名度だけで言うならば、イツクシマ作戦を成功させた青ヶ島鎮守府でも、それこそ四大鎮守府でも構わないだろう。『ウチである必要はない』
叢雲はこう訊いた。『ウチでしか提供できないモノである筈』と。つまり広告塔として使うという答えでは弱すぎる
川;゚ -゚)「……」
砂尾は額に浮かんだ冷や汗をハンカチで拭うと、意を決したのか大きく息を吸い込んだ
川;゚ -゚)「『提督様のデータ』です」
叢雲「そう……」
叢雲は軽い鼻息と共に微笑みを漏らす。『笑顔』を見せたからか、砂尾の緊張も少し緩む。その瞬間
叢雲「ッ!!」
彼女の胸倉を掴まんと、テーブル越しに叢雲の腕が伸びた
(;T)「むr」
青葉「叢雲さんッ!?」
反応速度は『最強の中の最強』が勝った。青葉は叢雲の手首を届く寸での所で止め、出遅れた俺は肩を掴んで引き戻す
川;゚ -゚)「っ……」
逆鱗に触れた本人は息も出来ないと言ったご様子だった
叢雲「こいつの、データ!?よくも、よくも簡単に言えたわね!!私たちを貶めた連中が最初に欲しがったモノが『それ』なのよ!?」
青葉「待って待って叢雲さん!!最後まで話を聞きましょうよ!!ねっ!?」
( T)「アホの言う通りだ」
青葉「ディスる必要ありました!?状況わかってます!?」
( T)「彼女は今、お前の要望通り『正直』に話した。気持ちはありがたいが、行為自体は失礼に当たる。控えろ」
叢雲「フーッ、フーッ……」
( T)「叢雲」
叢雲「……放して」
青葉「行きませんよね?バッと行きませんよね?」
叢雲「早く」
表情は一際険しくなったが、一先ず矛を収めてはくれた。砂尾はこの先、より慎重に言葉を選ばなければならない
もしも裏に潜む者が『そいつら』だった場合、今度は俺が叢雲に代わり相応の『お見送り』をさせて貰おう
( T)「手を出そうとしたもんが何か、よーくお分かり頂けただろう。では続きをどうぞお嬢さん。何を目的に、俺自身のデータが欲しいんだ?」
川 ゚ -゚)「……『技術による国力の増強』です」
砂尾はテーブル上のグラスを指でコツコツと叩く
川 ゚ -゚)「お言葉を返すようですが、諸兵科連合思想のスタンダードモデルという意見は間違っていないと考えております。事実、『成果』は挙がっている。これより先、陸上での戦闘がますます増加していくのは皆様も御察しでしょう」
川 ゚ -゚)「確かに、確かに叢雲さんが仰るとおり、『提督様』は二人といません。度胸のある人材がいた所で、実力は伴わなければ意味を成さない。ですが、我々には『技術』がある」
川 ゚ -゚)「足りなければ『足せばいい』。その為には、『スタンダードモデル』のデータを元に開発を行いたいのです。私が申し上げた言葉をもうお忘れですか?『サンプリングも兼ねていると』」
川 ゚ -゚)「そしてこうも申し上げた。この鎮守府は『金脈』と。もしも提督様を元にした装備を開発、配備が出来れば、得られる利益は過去に類を見ないほど莫大な物となるでしょう」
一点攻勢。そんな四字熟語が似合うようにズバズバと切り出した。今しがた半殺しにされそうになった女とは思えない勢いだ
( T)「俺を元に、俺になれるパワードスーツでも造るってのか?」
川 ゚ -゚)「そうなりますね」
( T)「……そりゃ、男の子が盛り上がりそうなお話だ」
川 ゚ -゚)「ご理解頂けましたか?」
( T)「ちょっと待て考える」
川 ゚ -゚)「脊髄だけで生きてるもんかと思ってました」
( T)「ちょくちょく煽ってくるのやめろ」
青葉「気ぃ抜けるんですよねぇ……」
ここに含まれる彼女の要望は二つ。俺自身の身体能力のデータと、試作機のテストプレイだ
そして恐らく、俺を元にして造られた物の使用者は『海軍』に限られる。それも、ギコやしぃのように前線に出てる兵士に向けた物だ。めちゃくちゃ嫌がりそう
俺は俺の事を、別に大した人物とは思っていない。単独で深海棲艦をぶっ殺せると言っても、艦娘ほど安定はしていないし、戦果も挙げられない
ならむしろ、艦娘を元にした装備の開発を進めるべきでは無いか?ヒトが彼女達の力を得れば、戦力バランスは此方に大きく傾くのだから
『俺じゃなきゃダメ』なんて事は決して無い。他に何らかの思惑はある筈だ
川 ゚ -゚)「……」
しかしそれを訊いた所で、『艦娘だとムズイから』で済まされるのがオチだ。どうしたもんか。もう拷問した方が早い気がする
( T)「拷問した方が早い気がする……」
川 ゚ -゚)「いや怖」
青葉「そういうのは胸の内にしまってください」
自分で思ってる以上に混乱しているみたいだ。アホに窘めれられるとは屈辱極まりない。もう直接訊くかめんどくせえ死ね
( T)「他になんか企んでんだろ?」
川 ゚ -゚)「はい」
( T)「素直じゃん」
川 ゚ -゚)「砂尾だk( T)「いやもうそれはいい」天丼許さない鎮守府はここですか?」
どうにも毒気と緊張を抜かれてしまう。第一印象こそ最悪だが、思ってた以上に大物なのかもしれない
川 ゚ -゚)「『我々』の共通の敵を欺く為。この答えではご不満でしょうか?」
叢雲「ッ!?」
訂正する。紛れもなく『大物』だ
( T)「……アンタ、ひょっとして」
川 ゚ -゚)「『お勉強』はしてきましたからね。提督様、そして叢雲さんに対する非道な仕打ちも、当然耳にしております」
( T)「連中の正体も?」
川 ゚ -゚)「そこまでは未だ掴めてません。よしんば掴めたとしても、行動を起こす前に消されるのがオチでしょう。そして、知っていたとしてもお答えできません」
叢雲「何故?」
川 ゚ -゚)「ご自身の行動を省みては如何でしょうか?衝動的に事を起こして、事態を更に悪化させてしまえば私の苦労も水の泡です」
青葉「嘘でしょこの人」
反論出来ないのか、叢雲は珍しく真っ赤になって悔しそうに歯を食いしばった。俺以外でこいつを言いくるめられる奴がいたとは驚きだ。ますます気に入ってきた
( T)「アンタも、そいつらに何かされたクチか?」
川 ゚ -゚)「ええまぁ、何かはお答えできませんけどね」
叢雲「秘密が多いのね。信用を失くすわよ」
川 ゚ -゚)「乙女には秘密が多いんですよ。それを聞き出そうだなんて、とんだドスケベ艦娘ですね叢雲さん」
叢雲「こいっつ……!!」
青葉「まぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁ」
( T)「ハハハ」
叢雲「何笑ってんのよ!!!!!!!!」
(;T)そ「ヒィッごめんなさい」
川 ゚ -゚)「よわ」
青葉「これが普通ですからね?心臓に針金でも生えてんですか?」
( T)「さて……それじゃあアンタは、二重スパイか?」
川 ゚ -゚)「みたいなもんです。そして、あなた方の『味方』でもあります」
つまり、俺の情報を掴んで来いとでも指示されているんだろう。向こうの信用を得る為に、俺と接触する必要があった
それと並行して、『奴ら』との因縁があり、尚且つ憎悪を抱える俺らに協力を申し込みに来たと
( T)「敵の敵は何とやらってもんでも無さそうだな」
川 ゚ -゚)「別に艦娘を使ってどうこうしようなんて思ってないんでしょう?」
( T)「まぁな。世界征服に興味なんてねえし、悪趣味な実験なんて以ての外だ」
青葉「じゃあじゃあ、砂尾さんは司令官や叢雲さんを嵌めた何某の対抗組織みたいなモノに所属していらっしゃるんですか?」
川 ゚ -゚)「軍も政府も一枚岩じゃないですからね」
叢雲「フン……アンタらが悪の組織じゃない保証も無いでしょ」
川 ゚ -゚)「この世に潔白な組織があるとお思いで?結構夢見がち乙女なんですね。貴重な萌え要素あざまる水産ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
叢雲「得物持ってくるわ」
青葉「砂尾さん遠くに逃げて!!青葉も抑えられるかどうかわからないんですから!!」
( T)「頭冷やしてこい叢雲。青葉、付き合ってやれ」
青葉「了解です!!失礼します!!」
叢雲「フン!!」
珍しく怒りを露わにしながら退室する叢雲と、それを追って青葉は静かにドアを閉め、応接間には『ヒト』が二人残された
( T)「相棒が失礼をした。すまない」
川 ゚ -゚)「土下座してください」
( T)「は?」
川#゚Д゚)「やれーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!大和田ァーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」
( T)「誰がカマキリ先生じゃい」
食えない女だ ※エッチな意味じゃない
川 ゚ -゚)「いやしかし、随分と慕われているようですね」
( T)「お互い様だよ。尊重には尊重で返す。それが礼儀ってもんだろ。あと情緒どうなってんだお前」
川 ゚ -゚)「見習いたいものです」
( T)「じゃあ寝起きで音楽爆音で流すのやめろ」
川 ゚ -゚)「それとこれとは話が別じゃん??????」
( T)「オメーが大物なのかタダのバカなのかわからなくなってきた。それで?俺らはお眼鏡に叶ったか?」
砂尾は口元を手で軽く隠し上品に笑った。色んな『顔』を持っている女だ。スパイかく在るべしと言った所か
川 ゚ー゚)「お見通しでしたか」
( T)「アレだけ探り入れられたらな。実物と見聞が違う事なんてよくある話だ」
彼女がここに一人で訪れたのは、身を以て俺らが信用に値する存在かどうかを直接確かめに来たのだ
思い返せば、会話の節々でその傾向はあった。言動から読み取れる実力の裏付けや、艦娘に対する扱い、政治的対応力などを測っていたのだろう
川 ゚ -゚)「申し分ありません。文句は多々ありますが、味方としてはこれ以上ない心強い取引相手です」
( T)「そりゃどーも。で、逆にお眼鏡に叶わなかった場合はどうしてた?」
川 ゚ -゚)「そりゃあえれぇ目に遭わしてたに決まってんでしょう」
( T)「怖い怖い」
川 ゚ -゚)「多い日も安心のやつ付けます?」
( T)「だからそれやめろっつってんだろどつき回すぞ」
川 ゚ -゚)「では、交渉は成立と言う事でよろしいでしょうか?」
( T)「うん」
川 ゚ -゚)「詳しい取引内容は此方の書類をご確認ください」
見るのもうんざりするような紙束が鞄の中から取り出され、思わず顔を顰めた
(;T)「うわっ……」
川 ゚ -゚)「いっけなーい☆これ趣味の自作夢小説だった。此方です」
紙束はファイル一枚に変わった。こいつアナログで夢小説書いてんのかよ
(;T)「ああ……うん、目を通しとくわ」
川 ゚ -゚)「それと、特典として地域の名産百選からお好きな商品をお選び頂けるカタログギフトもご用意しております。オススメは和歌山の紀州南高梅ですね」
(;T)「地元~~~~~~~~~~~~~~~~~~……親に言えば送ってもらえるやつ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……」
川 ゚ -゚)「もう一つ」
(;T)「まだなんかあんの……?」
川 ゚ -゚)「ご迷惑をお掛けした分の『誠意』を」
彼女は身を乗り出すと、グイと偏差値の高い顔面を俺の『耳元』に寄せ
川 - )「『火天』」
と一言、囁いた
( T)「……」
川 ゚ -゚)「お忙しい中、お時間いただきありがとうございました。これにて失礼致します」
そして何事もなかったかのように、手早く帰り支度を始める
( T)「朝飯くらい食って行けよ」
川 ゚ -゚)「いえ、こう見えて私もケツカチカチなんで」
( T)「それだとただのケツ硬い人じゃん」
川 ゚ -゚)「食事ならまた今度、二人でゆっくりと高級ホテル最上階の五つ星ホテルなんかで致しましょう。ごっそさんです」
( T)「どんだけ化粧したらそこまでツラの皮厚くなるの?せめて最寄りのバス停まで送ってくぜ。また遭難されたらこっちも面倒なんでな」
川 ゚ -゚)「お気持ちはありがたいですが、迎えが来ているので」
( T)「迎え?」
『バルバル』と空気が震え始める。窓の外を見ると、ヘリが一機近づいて来ていた
( T)「あー……」
川 ゚ -゚)「カプコン製じゃないんでご安心を」
( T)「心底ホッとするね」
身元不明のヘリに、ウチの連中が迎撃体勢を取っていないのを見るあたり、予め青葉にでも許可を貰ってたのだろう。上を通せ上を
ヘリは緩やかに減速しつつ建物へ寄せ、縄梯子を降ろした。砂尾は荷物を担ぎ上げると、窓を開けて足を掛ける
川 ゚ -゚)「お二人に宜しくお伝えください。叢雲さんには『口喧嘩ザッコ』と付け加えて」
( T)「早よ行け」
川 ゚ -゚)「それでは、今後とも『艦娘専門店』をご贔屓に。とうっ!!」
跳躍し縄梯子を掴むと、それが合図と言わんばかりにヘリは滑らかに建物を離れていく。決闘者の王国編ラストの孔雀舞かよ
川 ゚ -゚)「あーーーーーーーばよーーーーーーーーーー!!!!!とっつぁーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!!!」
某怪盗の名セリフと共に
<たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーちーーーーーーーーーーーーーあがーーーーーーーーーーーーーれ!!!!!!!!!けだーーーーーーーーーーーかーーーーーーーーーーーくまーーーーーーーーーーえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヘリのスピーカーから例の曲が爆音で流れる。権利大丈夫なのだろうか
( T)「……」
( T)そ「オメー服忘れてんぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
俺の必死の叫びは、届く事なく音楽とプロペラ音に掻き消されたのであった
青葉「あ、お帰りになられたみたいですね」
( T)「ああ……中々愉快な嬢ちゃんだっ……」
戻って来た青葉の腕の中には、乾燥を終え、丁寧に畳まれた彼女のスーツと下着が収まっていた
そして叢雲は両手におにぎりを持って口いっぱいに頬張っている。可愛げを出すな逆に悍ましい
( T)「もうちょいはよ持って来いよ……」
青葉「まぁまぁ、また会う機会もあるでしょう」
叢雲「ふんほほ、ふんふほんほ」
( T)「食ってから喋れ」
青葉「お腹空いてたみたいでして、朝ご飯食べさせたら落ち着きました」
( T)「動物か?」
叢雲「ふもっふ!!」ドギャッバァン!!!!!!!!
( T)「常人ならへし折れるレベルの力で蹴るな痛ぇ待ってこれ立ってられないわアヒィィ」
ソファーに座り直し、砂尾が残していった玩具の数々を眺める。TENGAは持って帰れや
叢雲「ングッ……まんまとしてやられたわ。腹立たしい」
( T)「凄ぇよなあいつ」
青葉「青葉は気が気じゃ無かったですけどねぇ。まさかアレほど肝が据わってたとは」
( T)「それもあるけど」
青葉「え?」
叢雲「キレた私を窘めた司令官を見て、あいつはやり方をスイッチさせたのよ。より気に入られるように、強かで口が達者なクソアマを演じ始めた」
( T)「俺も少し態度を表に出し過ぎたってのもあるがな。青葉オメーほんと面白ぇ奴を招き入れたな。結構楽しかったぜ」
青葉「あ、あはは……恐縮です……」
珍しくしおらしい。ずっとこうならいいのに
叢雲「で、丸きり信用するワケ無いわよねぇ?」
( T)「当たり前だ。長門に裏を取らせる。それで問題なければ万々歳だ」
叢雲「万が一があれば、あいつへの報復は私が請け負うわ。構わないわよね?司令官」
( T)「好きにしろ。あとそこのカタログギフトから好きなもん頼んでいいぞ」
叢雲「あら、良い物置いてってくれたじゃない。少しは見直してあげてもいいわね」
青葉「チョロ……」
叢雲「何?」
青葉「なんでもないです。はい」
( T)「もっと良い置き土産があるぜ。聞きたいか?」
叢雲「勿論」
青葉「何ですか何ですか?」
( T)「『火天』。それが俺らを貶めた連中の名前らしい」
二人は一度、ピタリと動きを止める。その後、叢雲はゆっくりと口角を上げ、実に悪い笑顔を浮かべた
叢雲「それは、それは。大きな、進歩じゃない」
青葉「艦娘がしていい顔じゃないですよ叢雲さん」
これまで雲のように掴み所の無かった憎き存在の、『名前』が明らかになったのだ
これは何よりも大きな収穫であり、糸口だ。反撃の道筋が見え始めれば、表情が緩むのも頷ける
( T)「渡る世間は敵ばかりじゃあねえって事も知れた。しっかり味方増やして、連中に吠え面掻かせようぜ。なぁ?」
叢雲「ええ。フフ、愉しみでモグふぁふぁらふぁいふぁ」
( T)「キマらねえ……」
青葉「青葉もアレですけど、やっぱお二人も相当ですね……あ、これどうします?」
[ Д`]<助けて
( T)「あー……」
叢雲「遠くに捨てたら?爆発しない保証はないんふぁふ」
青葉「もう食べるのに集中してもろて」
( T)「爆発する?」
[ Д`]<しません
( T)「しねえってさ」
青葉「サラッと会話しないでくれます?」
( T)「悪意のあるファービーみたいなもんだろ」
青葉「悪意ある時点でオモチャとしてはアウトですからね?」
( T)「爆発するより億分マシだけどな……時雨の部屋に置いとくか」
青葉「それアリですねぇ!!!!!!!!!行きましょ行きましょ!!!!!!!!!」
( T)「お前時雨好きだな」
今日一番の力強い同意を得て、俺らは面白いオモチャを時雨(本日非番)の部屋にねじ込みに向かったのであった
―――――
―――
―
【ハリーポッターと時雨と夕立の部屋】
時雨「スヤァ……」
夕立「ふわぁ……あふ……」
( T)「ユウダチコイユウダチ……ソットコイ……」
夕立「?」
青葉「オーケーオーケーオーケー……コレオイテ……」
[ Д`] ソッ……
夕立「ナニコレ……」
( T)「オモロイヤツ……」
青葉「バクショウスルヤツ……」
[ Д`]<メスガキ
時雨「ウウン……なに……?」
[ Д`]<時雨の皮を被ったクソガキ。口の悪さが見た目の良さを台無しにしてる例。ただの構ってちゃん。見えない尻尾ブンブンしてるぞ。独占欲の権家。性癖歪ませクソ艦娘。万年三位
時雨「……」
( T)「クサ」
青葉「テキカクデスネェ」
夕立「夕立ご飯食べてくるっぽい」
時雨「……ンン」
時雨「スヤァ……」
[ Д`]<嘘じゃん
( T)「嘘じゃん」
青葉「嘘じゃん」
時雨「スヤァ……」
嘘じゃん
『出張!!艦娘専門店のようです』
終わり
.
.
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ー゚)「フフ……」
―――――スーツとパンツ、忘れてきちまったぜ―――――
終わりです。お疲れさまでした
※今回の忘れ物
川 ゚ -゚)艦娘専門店へようこそ!のようです
川 ゚ -゚)艦娘専門店へようこそ!のようです - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1489478497/)
コラボ先であるエンド・オブ・オオアライもよろしくお願いします。はよ終わらせてその先書かせろや
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