【艦これ】居酒屋たくちゃん~提督のクソ長い夜~ (57)

提督「触ってねえよテキサスクローバーホールド極めるぞ」
提督「触ってねえよテキサスクローバーホールド極めんぞ」 - SSまとめ速報
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【艦これ】武蔵がチャリで来た
【艦これ】武蔵がチャリで来た - SSまとめ速報
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加賀「乳首相撲です」
加賀「乳首相撲です」 - SSまとめ速報
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【艦これ】ウンコマン あるいは(提督がもたらす予期せぬ奇跡)
【艦これ】ウンコマン あるいは(提督がもたらす予期せぬ奇跡) - SSまとめ速報
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時雨「流れ星に願い事」
時雨「流れ星に願い事」 - SSまとめ速報
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か か っ た な ア ホ が
先日、長年の夢が叶いました。王騎将軍のフィギュアが手に入りました


・提督の表記は『( T)』となっています
・下ネタ無いです
・提督はドウェイン・ジョンソン並みのマッスルです



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468896662

かつて!!!!!!!問題児達が送られる辺境の呪われた鎮守府があった!!!!!!!

そこは着任した提督や艦娘が次々と不審死を起こす通称!!!!!!!!!「地獄の鎮守府」!!!!!!!!!!

海軍本部に騙されその鎮守府に不本意ながら着任した( T)←こいつは、問題艦娘達に振り回されながら、襲い来る呪いを打破!!打破!!!!!打破!!!!!!!!!

地獄の鎮守府史上、最長着任記録をいまだ更新!!!!!!!!!

やがて、国内屈指の強豪艦隊を有するようになる!!!!!!!

呪われた鎮守府は、名を新たに!!!!!!!!!!

「地獄の血みどろマッスル鎮守府」として!!!!!!!今日も戦いに赴くのであった!!!!!!!

今回のお話を始める前に!!!「あ、アタシ今日が初めてですの」という読者の為に!!!

これまでのお話をおさらいする!!!!しばしお付き合い頂きたい!!!


【提督「触ってねえよテキサスクローバーホールド極めんぞ」】


(#T)「死ねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

幽霊「ギャアアアアーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!!」


こんな感じだ!!!!!!!!


【武蔵がチャリで来た】


那珂ちゃん「う、産まれるーーーーーーーーーーーーー!!!!」

武蔵「ホンギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!」


こんな感じだ!!!!!!!


【加賀「乳首相撲です」】


榛名「千切れるーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」ブチブチブチブチブチィィィ!!!!!


こんな感じだ!!!!!!!


【ウンコマン あるいは(提督がもたらす予期せぬ奇跡)】


( T)「ああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」ブリブリブリブリュリュリュリュ!!!ブッチチブブブチチチブリリリブブブゥゥゥゥッッッ!!!


こんな感じだ!!!!!!!


【時雨「流れ星に願い事」】


青葉「死ねーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

オマール海老(巨大)「ギャアアアアーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!」


こんな感じだ!!!!!!!

以上が、皆様にお伝えした怪事件の数々!!!!!!!!!!!!!!!
どれもこれもクレイジーだ!!!!!!!!!!!!!!!

そして今日、また新たな怪事件が!!!!!!!!!!!この鎮守府で巻き起こるのである!!!!!!!!!!!


さぁさぁ皆様!!!!!!!!お待たせしました!!!!!!!!!!


地獄の血みどろマッスル劇場、ただいまより開演です!!!!!!!!!!!!!!!





【居酒屋たくちゃん~提督のクソ長い夜~】




( T)「終わッッッッッッ~~~~~~~~~~~」


( T)「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」


( T)「~~~~~~~~~~~~ッッッッたぁぁぁ~~~~~~~い!!!!!!!」


五月に行われた大型作戦の報告書を作り終え、ボールペンを放り投げる
なんか遊んでたり筋トレしてたりキン肉マン読んでたりしてたら大本営の大淀ことクソメガネから半ギレの催促が来たのだ
いや意味わかんねーしなんでクソの役にも立たねー報告書作らなアカンねんやゲロ吐きそう


叢雲「アンタが今の今まで溜め込んでなきゃ、こんな急ピッチで仕上げなくても良かったのだけど」


見張り役の叢雲は、読んでた『臏~孫子異伝~(グランドジャンプにて大好評連載中)』を閉じ、本棚へと戻す
『自業自得だ』と言って、一切手伝ってくれなかった。そうだけど優しみ見せてくれてもいいじゃん


( T)「日付回ってんじゃねえか……さっさと風呂入って寝るか……」

叢雲「ちょっと、私をここまで付き合わせた埋め合わせは?」

( T)「俺のすね毛でも食ってろ」ブチブチ

叢雲「……」


叢雲「漫画ってよく燃えそうよねぇ」

( T)「やめて俺の魂の財産」

( T)「わーったよ、この時間なら鳳翔さんの店もギリ開いてるだろ。軽く食いに行くか」

叢雲「最初からそう言えばいいのよ」

( T)「奢り甲斐のねえ小娘だ」

叢雲「身から出た錆よ。むしろ、喜んで自腹を切りなさい」

( T)「いつかお前の髪をアフロにしてやるからな。そん時のあだ名はパラダイスキングにしてやる」

叢雲「はよ立て」ガンッ!!

( T)そ「はいごめんなさい!!!!!」


これ以上グダグダと文句を言い続けていたら、冗談抜きで狼の口六巻のヴォルフラムみてーな目に遭いそうなので潔く立ち上がった
その時、規則正しいノックの音が三回響き


初月「提督、いいか?」


アホみてーな対空力を誇る、秋月型の四番艦『初月』が顔を覗かせた


( T)「どうしたこんな夜更けに?高雄と愛宕が縦横無尽におっぱい弾ませて迫ってくる悪夢でも見たのか?」

叢雲「それ悪夢なの?」

( T)「チビるかと思った」

初月「いや……その、実は―――――」

( T)「寝れない?」


寝間着姿の初月は、恥ずかしそうに頷いた
なんでも、彼女の装備である『自立型』長10センチ砲がどこかへと行ってしまい
しばらく探し回っていたが見つからず、俺を頼りに来たという


叢雲「ハァー……自立型の難点はそこよね。勝手に動き回っていざと言う時に傍に無いってのが」

初月「すまない……まだ躾が行き届いてなくて……」

( T)「まぁまぁ」


自立型装備の代表として、島風と天津風の連装砲や、秋月型の長10センチ砲
また、秋津洲の二式大艇がある。ウチに配属されているのは秋月と初月だけなので、各二体ずつで計四体の自立型装備がいる
そして皆さんご存知の通り秋月の長10センチ砲にはアッシュことブルース・キャンベルの生き霊が憑依している(※乳首相撲参照)

Huluでは現在、あのカルト映画の金字塔『死霊のはらわた』の正式続編ドラマが大絶賛配信中だ
主演はもちろんブルース・キャンベル。今回も戦闘力に能力技能全振りし、肝心の頭が悪いことでお馴染みのアッシュを演じている
これは女房を質に入れてでも観なきゃいけないな!!!!!今すぐHuluに入会だ!!!!入会サンバ!!!!!!


初月「今までこんなことは無かったんだ。いつも一緒だったし、仲も……悪くはなかったと思う……」

叢雲「っていうか、装備無いくらいで寝れないって何よ?ぬいぐるみ代わりなの?」

初月「寝込みを襲撃されたらと思うと不安で……」

叢雲「何の為に夜間哨戒出してると思ってんのよ……」

( T)「わかる」

初月「本当か!?」

( T)「草木も眠るウシミツ・アワーにパッと目が覚めて、すぐ隣で榛名がこっち凝視してた時は真剣に命の危険を感じてな」

( T)「それ以来、枕元にお札と薄めた石鹸水を入れた水鉄砲を潜ませている」

初月「それは怖いな……お前にも怖いものがあるんだな……」

叢雲「お札はともかく、地味にキツいモノ仕込んでるわね……」

( T)「撃退率五割」

初月「残り五割は失敗しているのか……」

( T)「寝れないなら貸そうか?これ」ゴトッ

初月「拳銃……!?」

叢雲「ちょっとちょっと物騒物騒」

( T)「S&W M29、六発式リボルバー。弾は.44マグナム弾。出演代表作はみんな大好きクリント・イーストウッドを一躍スターダムにのし上げた……」


( T)「ダーティ・ハリー……!!!!!」


初月「ダ、ダーティ・ハリー……!?」


初月「誰だ……?」


( T)「えー!?知らないのー!?おっくれってるぅー!!!!!!!」

( T)「はいここにウチの連中から取ったデータがあります」


『あなたはダーティ・ハリーを知っていますか?』※安心の青葉調べ


・知ってる 3%
・知らない 93%
・ムカデ人間なら知っています。なんですか?落ち度でも? 1%
・はい!!榛名は乳首が千切れてm(ry 1%
・知ってたら、何なの?僕の人生が豊かにでもなるの?豊かにならなかったら責任とれるの? 1%
・たまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまごたまご 1%


( T)「物語ってる……データが物語ってる!!」

( T)「知ってる方がマイノリティだということを……」


初月「僕はいつまでこの茶番に付き合わないといけないのだろうか?」

叢雲「我慢なさい。それかこれ使う?」チャキ

( T)「おい慣れた手つきで銃口をこっちに向けるな」

初月「恐縮だが、探すのを手伝ってもらえないか?」チャキ

( T)「おいおいおいおい~~~~~?順応すんの早くな~~~~~~い?」

初月「可笑しいな……バイオショックなら、こうして命令を聞かせてたのに……?」

( T)「わかり辛いネタを差し込むんじゃないよ」

叢雲「ま、面倒くさいけど装備の損失は大問題だしね。付き合ってあげるわよ」

初月「叢雲、ありがとう!!」

( T)「その優しさを俺にも向けない?」

叢雲「はい向けた」チャキ

( T)「銃口じゃなくて……もう仕舞うから返せそれ」


拳銃を仕舞っている最中、ノックの音が二人目の来訪者を告げる
返事を待たずに入室してきた無礼者は


天龍「提督……」


なんかしんどそうな顔をした天龍だった


( T)「なんだ、戦闘か?」

天龍「殺すぞ」

( T)「冗談抜きで怖ぇ。どうしたよ」

天龍「いやな……俺……」

天龍「初めて酔ったかもしれねえ……」




( T)「……」

叢雲「……」

初月「……」




初月「すまない、新入りの僕にもわかるように説明を頼む」

( T)「天龍、ザル、酔わない」

初月「把握した」

ビール十缶、日本酒一升、ウォッカ数瓶、その他諸々
数多の酒豪がゲロまみれでぶっ倒れてる中、まだ飲み続け
最終的に『ジュースの方がうめえわ』っつった超合金肝臓女が、この発言


( T)「間違いなく酔ってるな……」

叢雲「何十リットル飲んだのかしら……?」

初月「そこまでしないと酔えないのも難儀だな……」

天龍「なんか馬鹿にしてねえかお前ら」

( T)「お前いつも馬鹿じゃん笑わせんなよwwwwwwwwwwwwwで、何を根拠に『酔っている』と?」


頭痛、吐き気、視界のブレ。アルコールによる症状は様々だ
ちなみに、俺は下戸だ。お猪口一杯のほろよいで意識が飛ぶ
しかも何故かは全く不明だが、鎮守府が半壊し、艦娘の大半が出撃もしていないのに中破、大破していた
それ以来、俺は一滴も飲んでいない。いいんだけどね酒好きじゃないし、関わるとロクな事がないし


天龍「おう、なんか鳳翔さんとこでよ……変な生き物が見えたんだよ」ゴスッ!!ゴスッ!!

( T)「変な生きm首折れるやめて死ぬ」

初月「リトルシスターか?」

( T)「やだADAM採れちゃう。ってバカ!!」

叢雲「ねえ、それってもしかして初月の自立装備じゃない?」

初月「!!」

天龍「あんな自立装備があってたまるかよ。二メートルはあったぜ?」

( T)「二メートルの変な生き物ってお前それ大問題じゃねえか」

天龍「いやそれがよ、一緒に飲んでた連中とよろしくやってんだよな」

( T)「その生き物、今飲んでんの?」


なんだか、夢の内容を聞かされている気分だ
俺も一度、ハイター博士の邸宅でドリンクをごちそうになった夢を見たことがある
その後の展開?ご察しください。実際その立場になると滅茶苦茶怖いムカデ人間って


天龍「とにかく、一回確認に来てくれねえ?それで俺が酔ってるかどうか判断してくれよ」

( T)「いやもう文句なしに酔ってると思うけどな?」

叢雲「ちょうどいいじゃない、夜食にしようと言ってたところだし。初月、アンタもご馳走してもらったら?」

初月「い、いや……長10センチ砲を探さないと……」

叢雲「古来から情報収集は酒場だって決まってんのよ。ほら、アンタも立った立った」

( T)「はいはい……」


一度に二つの問題。大仕事が終わった後には少々堪えるが
乗りかかった船、無下にも出来ない。さっさと諸々を済ませてしまおう

ウチの鎮守府は孤立したファッキンクソド田舎にあるため、市街にあるような娯楽が極端に少ない
なので、ストレス発散の為に鳳翔さんが一肌脱いでくれている。それが今向かっている週末限定居酒屋『たくちゃん』だ
いや一肌脱ぐってやらしい意味じゃないぞ?お前らはなんでも薄い本展開に物事を考えるな


叢雲「いつも思うのだけれど、店名の由来って何なのかしら……」

( T)「適当らしいぞ」

叢雲「適当」


鎮守府内の部屋を一室、明石と共に魔改造。リフォームの匠も唸る落ち着いた小料理屋を再現
店主の鳳翔さんも利用する飲兵衛も大満足。我が鎮守府の数少ない癒しの空間だ


初月「い、居酒屋って初めてで、緊張する……」

天龍「なんだ?怖いのか?」

初月「怖いとは言ってない!!」

( T)「それよりニメートルの変な生き物がこの扉の奥にいるのがこええよ」


引き戸の向こう側からは、楽しそうな笑い声が聞こえてくる。余計怖ぇよなんで盛り上がってんだよ


叢雲「気にし過ぎよ。どうせ、杞憂に終わるわ」

( T)「この手の問題で杞憂に終わったことがあるか?」

叢雲「きっと杞憂に終わるわ」

( T)「自信無くなってんじゃねーか」

( T)「よし、開けっぞ」


まあ、大方酔った天龍が武蔵かなんかを見間違えただけのオチだろう
本当に酔ってたらの話だが


( T)「よう大将やってるかい!!!!!いつものつけてくんな!!!!!!」ガラララァン!!(勢いよく、かつ元気の良い扉開放音)


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」


( T)「」

( T)「」


( T)「……」スッ パタム(切なく悲しい扉閉めた音)

叢雲「早く入りなさいよ」

( T)「いやいやいやいや」

( T)「いやいやいやいやいや」

叢雲「何?そんなに酷いの?」

( T)「見ればわかる」

叢雲「ふぅーん。ま、脅かそうったってそうは……」ガラリ


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


叢雲「」

叢雲「」


叢雲「……」スッ パタム

叢雲「いやいやいやいや」

叢雲「いやいやいやいやいや」

( T)「な?」

初月「僕も見ていいか?」

( T)「ちょっと待て作戦会議させろ」


今まで色んな怪奇現象に見舞われてきたが、ちょーっとこれは予想外だ


叢雲「何?何なのアレ?深海棲艦の類?」

( T)「かも知れねえが、恐らくありゃあ……」


1979年公開、主演シガニー・ウィーバー
SFホラーの金字塔『エイリアン』
その代表とも言える宇宙の怪物『ビックチャップ』だ


天龍「あんなもん酔ってなかったら見えないだろ?」

叢雲「ごめんちょっと黙ってて」


俺も叢雲も、同じ物が見えたのだ。夢や幻ではないだろう

( T)「まず……天龍」

天龍「おう」

( T)「お前酔ってねえわ」

天龍「マジか……」

叢雲「確認するけど、アンタが見た変な生き物ってこう……頭の長い……?」

天龍「頭の長いそれだな」

叢雲「酔ってないわね」

初月「ちょこっとだけ見てもいいか?」

( T)「ちょっと待て作戦会議中だ」

叢雲「どうするの?ぶっ殺す?」

( T)「ぶっ殺せる……かなぁ……?あいつ酸吐くぞ……?」

天龍「あー、なんかお猪口溶かしてたな」

叢雲「すでに備品被害出てるじゃない……そこで何か可笑しいと思いなさいよ……」

天龍「だから酔ってんだなって思ったんだって」

( T)「でも……ほら、一応……よろしくやってんだろ?中の連中と」

天龍「おう」

( T)「話が通じる……かもしれないし……」

叢雲「第一声聞いたわよね?」

( T)「うん」

叢雲「通じると、本気で思ってるの?」

( T)「今の無しで」

( T)「……」

( T)「とりあえず覗いて、様子を窺うか?」

叢雲「覗くも何も、アンタさっき勢いよく行ったじゃない」

( T)「大丈夫だってあいつら全員アホだから気づいてないって」

天龍「いや鳳翔さんは気づくだろ」

( T)「ほっ、鳳翔さんもアホだから……」

天龍「苦しいぞオイ」


引き戸を、音を立てないように少しだけ開け
全員でこっそりと室内を除く



エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」



初月「ッ!!」

叢雲「静かに」


叫び声を上げようとした初月の口を、叢雲が咄嗟に押さえるファインプレーを見せる
エイリアンはこちらに気づかず、鳴き声を上げながらビールを煽っている

その他には、いつもの飲んだくれメンバー


隼鷹「ヒーーーーーーーーーーーーーーwwwwwwwwww」

龍驤「アバッwwwwwwwアババッwwwwwwwwwww」

あきつ丸「」


一人死んでるけど


残りは……


ポーラ(完璧・無量大数軍)「見ててくださいよぉ~……はい、ポーラネイル!!」ジャキン!!

グラーフ「ほう……これが『完力』の……」


新入り海外艦のポーラ(完璧・無量大数軍)と、ビスマルクに勧められて以来キン肉マンにどっぷりはまったグラーフ

そして、厨房には


瑞鳳「たまご」


『食べりゅ教』とかいう頭の可笑しい新興宗教が流行し、色々あって壊滅した鎮守府から連れてきた瑞鳳(『たまご』としか喋れない)と


鳳翔「……」カタカタカタカタ


小刻みに震えながら、助けを求めるかのように此方を凝視する鳳翔さん

( T)「……」

( T)「クソ……なんだこの状況……ずっと眺めていたいくらい……」

( T)「面白ぇ……!!」

天龍「わかるぜ……!!」

叢雲「いやアンタら最低か。サッサと入るわよ」

初月「待っ……叢雲!」

叢雲「何よ?」

初月「聞いてくれ、実は……」

叢雲「はい聞いた」ガラッ

初月「お前、鬼か!!」

( T)「初月もようやく気が付いたようだぜ……」ヒソヒソ

天龍「今回は随分遅かったよな……」ヒソリンコ

叢雲「ケツ穴をセメダインで固めて下剤飲ませるわよ?」


地味にやりかねない脅し文句を聞き、叢雲に続いて入店する
初月はまだ何か言いたそうだったが、駆け寄ってきた鳳翔さんによって話し出すタイミングを見失っていた


鳳翔「てってててっててっててて」

( T)「オーケー深呼吸だ。言いたいことはわかる」

鳳翔「ヒッヒッ、フー」

( T)「そういうベタなボケはいいから」

叢雲「瑞鳳、生中。それとおつまみ」

瑞鳳「たまご」

叢雲「あーそうそう卵焼きで」

瑞鳳「たまご」カァン!!

叢雲「出す順序が逆よノータイムでおつまみ出さないでよ」

エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」


肝心のエイリアンは、襲い掛かってくるどころか


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」


『おう、よう来たな座れ座れ!!よっしゃここはおっちゃんが奢ったる!!おーいママ!!生中四つ大至急ね!!』


と言わんばかりのボディランゲージを見せている。フランクだなおい


鳳翔「すみません、取り乱しまして……」

( T)「いや、アレを前に今まで接客してた貴女すげーですよマジで」

鳳翔「もしかすると提督のお客様かと思いまして……」

( T)「いくら俺でも地球外生物の友人はいねえなぁ……アレはいつからここにいた?」

鳳翔「それが……お料理をしている最中、目を離した隙にいつの間にか……」

初月「あの……」

( T)「うん?ああ悪い。好きなもん頼め。つってもあいつからは飲み物と卵焼きしか出てこねえが」


瑞鳳「たまご」コトッ

叢雲「ありがと。ビールが美味しい季節になったわよねぇ……」


初月「違うんだ聞いてくれ、実は……」


隼鷹「ああ、新入りじゃーーーーーーーーーーんwwwwwwwwwお酒デビューでもすんのwwwwwww」

龍驤「なんや今日は賑やかになりそうやなぁwwwwwwwwここ座れwwwwwwほれwwwwwwww」

あきつ丸「」

初月「酒臭っ……違う!!だから!!」





初月「このエイリアンは、僕の長10センチ砲なんだ!!」




( T)「」

鳳翔「」

叢雲「ッ……ゲホッ!!ゲホ!!」

隼鷹「ファーーーーーーーーーーーーーーwwwwwwwwwww」

龍驤「イヒッwwwwwwwwwwイヒーーーーーーーーーーヒwwwwwwwwww」

あきつ丸「」

天龍「何言ってんだこいつ」


ポーラ「耐久テストもしたんですよ~?ベア―クローに打ち勝ちました~」

グラーフ「流石だな……」


瑞鳳「たまご」


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

( T)「んーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!?????」


んーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!?????どういうことーーーーーーーーーー!!!!????
微塵も面影が無いよーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!??????どの辺に長10センチ砲要素あるのーーーーーー!!?????


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」


( T)「どういうことだ説明しろ山城ォ!!」

叢雲「ウチにはいないわよ……」

初月「その……僕の長10センチは、夜になると昂ると言っただろう?」

隼鷹「下ネタじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんwwwwwwwwwww」

龍驤「おちんちん艦wwwwwwwwwwwww」

( T)「瑞鳳、黙らせろ」


瑞鳳「たまご」


隼鷹「ヘブンッ!!」ガンッ!!

龍驤「ヘルッ!!」メシャァ!!


ビールの空き瓶でぶん殴られた馬鹿二人が無事死亡したのを確認し、初月に説明の続きを促す

初月「原因はわかっていないが、二週間に一度のペースでこうなってしまう」


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


( T)「お前ここに来て数か月は経ってるよな?その間一回も音沙汰なかったぞ」

初月「いつもは大人しいんだ。今夜に限って、どうして……」


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」


( T)「ちょ、お前うるさい。静かにしてて」


エイリアン「はい」


( T)「時雨より賢い」

天龍「……今、普通に喋って」

叢雲「拗れるからスルーなさい」グビグビ

( T)「これは、元に戻るんだよな?」

初月「翌朝には元の姿に戻る……」

( T)=3「なんだよかった、明日はホームランだ」ホッ

初月「えっと……怒って、無いのか?」

( T)「なんで?」


一体、今の会話のどこに怒る要素があったのだろうか
もしかしたら俺が気づいてないだけで、キングダムを暗にディスってたりしたのか?
だとしたら今宵の『たくちゃん』は血に染まるな


叢雲「アレでしょ?鎮守府が混乱に陥る可能性を、この子は『黙っていた』から」

叢雲「それに対してアンタは怒ってないのかってこと」

初月「ぐうの音も出ないほど、その通りだ……」

( T)「あっ、なるほど、時雨より賢いなお前」

叢雲「もっとマシなのと比較なさいよ」

鳳翔「お二人とも、本人が居ないからって……」

天龍「あいつの普段の行いも相当だと思うけどなぁ俺は」

( T)「確かに、黙ってたのはいただけねえなぁ」


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


( T)「いただけないと言ったが、喋っていいとは一言も言ってないんだよなぁ」

天龍「間が悪ぃな」

初月「バレたら……追い出されると……思ったから……」


俯く初月の声は尻つぼみに小さくなる
まぁ、普通ならパニック不可避だろうしなぁこのビジュアルは


エイリアン「男梅サワーひとつ」

瑞鳳「たまご」ドン

エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」グビグビィ!!!!!


( T)「追い出すなんてしねえよ。エイリアンくらいなんだってんだ」

( T)「俺の顔面なんてアレだぞ?マスクの下はシャイニングのラストで凍死したジャック・ニコルソンをバーナーで炙ったみてーなツラしてんだぞ?」

叢雲「そうねぇ、ビジュアルで言えばアレと同レベルよねぇ」

( T)「人間扱いs瑞鳳「たまご」熱ッッッッツーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!!!!!!!」

(;T)「なんで焼きたての卵焼きを押し付けたァ!!!!!!??????」

瑞鳳「たまご」グイグイ

(;T)「わかっ……食うから!!!!!食うから押し付けんな!!!!!!」

初月「ほ……本当か?追い出したり、しないのか?」

(;T)「もう意味わかんない……ああ、これくらいで追い出してたら時雨なんて国外追放もんだぞ」

天龍「あいつなら翌日に戻ってくるだろうな、普通に」

初月「提督……ありがとう、恩に着る」


初月は泣きそうな顔をして、頭を深々と下げた


( T)「礼なんていらねえよ。それより、迷惑掛けた鳳翔さんにはちゃんと謝っとけ」

初月「そっ、そうだな。申し訳ない、鳳翔さん」

鳳翔「いえいえ、お気になさらず。慣れたら可愛く見えてきましたから」


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」


叢雲「それは無いわ」

天龍「ねえな」

瑞鳳「たまご」

鳳翔「ええっ!?」


と、いい感じに二つの問題もトントン拍子に解決し、珍しく和やかなオチもついた
『今日はこのまま静かに終わるのかなぁ』。卵焼きを摘まみながら、ほのぼのとそう思っていた

しかし、今夜の騒動はこれだけに留まらなかったのである――――





<ウイィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




エイリアン「ふええ」

( T)「……」

初月「……」

叢雲「……」

天龍「……」

鳳翔「……」

瑞鳳「たまご」


ポーラ「マッキンリー颪はまだ成功した試しがないんですよ~。あれはぁ~ムズかしいぃぃ~」

グラーフ「だが、熊嵐固めは成功したのだろう?オイゲンが『マジ死ぬかと思った』と言っていたぞ?」


隼鷹「」

龍驤「」

あきつ丸「」


初月「……説明を」

( T)「鈴谷、夜のエンジン、熱暴走」

初月「お前は一体何を言っているんだ?」

天龍「久々だな……しばらく居なかったから……」

( T)「ああ……」

叢雲「ビールお代わり」

瑞鳳「たまご」ゴン

叢雲「あと卵焼き以外のおつまみ」

瑞鳳「たまご」カァンッ!!!!

叢雲「卵焼き以外って言ったわよね?」

鳳翔「私が適当に見繕いましょう」

初月「奇声が聞こえたのに通常運転……?もうちょっとわかりやすく説明してくれないか?」

( T)「そんなん言われてもなぁ……?」

天龍「ぶっちゃけ俺らだって良くわかってないし……」

初月「ええ……?」

( T)「目を合わせなかったら大丈夫だから……」

天龍「首筋に粘液が落ちてきても声出さなかったら生き残れるし……」

初月「獣か何かなのか……?」

( T)「鈴谷だよ」

エイリアン「ふええ」


初月「長10センチが怯えてる……?」

( T)「あー、わかるんだなぁ。野生的な何かがあるやつにはちゃんと」

初月「やっぱり獣じゃないか!!」

天龍「鳳翔、マンゴージュース」

( T)「コーラとじゃがバター」

瑞鳳「たまご」カンッ!!

( T)「卵焼きはいいから。初月何飲む?」

初月「えっ、えっ?放っといていいのか?」

叢雲「アンタ、台風をどうにかできる?」

初月「台風……?い、いや、建物の補強を手伝うくらいしか……」

叢雲「それと一緒」グビィィ

初月「もう逃げた方がいいんじゃ……?」

鳳翔「オレンジジュースで良かったかしら?」

初月「えっ、あっ、ありがとう……」

瑞鳳「たまご」カカンッ!!

初月「い、ただきます……」

( T)「キン肉マンの作者」

瑞鳳「ゆでたまご」




( T)そ「うわああああああああああああああああ!!!!!瑞鳳がたまご以外の言葉を話せたああああああああ!!!!!」ガガタンガターン!!!!!




鳳翔「コーラです」コトッ

( T)「どうもです」スッ

初月「何だ今の」






<ィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!!!!




叢雲「こっち来るかしらね?」

( T)「人がいて、明かりが点いてるから寄ってくるかもな」

天龍「どんな姿勢で入ってくるか賭けようぜ」

叢雲「スパイダーウォーク」※エクソシストのアレ

( T)「トニー・ジャーばりの飛び膝」

天龍「てけてけスタイル」

初月「全部ヤバい!!」

鳳翔「……一応、戸を開けておきますね」ガラリラ





鈴谷「」




鳳翔「ぴぃっ!!!!!?????」

初月「なんだッ!?」

( T)「あー、もう来てたんだな鈴谷」

天龍「今回はノーコンテストだな」

叢雲「たまーにあるのよねぇ。扉の前で直立不動」

初月「日常茶飯事なのか!?診てもらった方がいいんじゃないのか!?」

( T)「いやだって健康上は何一つ問題ないし……」

初月「問題はもっと別の所にあるだろう!!」


鳳翔「い、い、いらっしゃい鈴谷ちゃん……」


鈴谷「」


鈴谷「ウィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!!!」


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


天龍「うるせえ」

叢雲「張り合わないでよ」

エイリアン「はい」

( T)「時雨もこれくらい素直だったらなぁ……」

瑞鳳「たまご」カカァン!!

( T)「もう卵焼きはいいから」

瑞鳳「たまご」カカカァン!!!!

( T)「無間地獄かよ」

鈴谷「イイイイイイイイイイイィィィィーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!」


(夜のエンジンが熱暴走した)鈴谷は、素早く鳳翔さんの背後に回り込み組みつき、腹部をホールドした
スープレックスの体勢だ。練度100越えがぶっ放すそれは、流石の俺でも一撃失神の威力を持つ


( T)「ったくめんどくせえ」ガタッ


金剛とかだったら別に放っといても良かったんだが、鳳翔さんはマズイ。絵的にも


(#T)「オラァッ!!!!!」


モーションに入った鈴谷の腿にローキックを放ち、バランスを崩す
クラッチを解いた後、腕の間に収まった鳳翔さんを引っこ抜き、カウンター席に座らせた


鳳翔「……!?」


自分がどんな軌道を描いてその場にいるのか、把握出来ていない鳳翔さんは目を白黒させている


瑞鳳「たまご」カッァアン!!!!


間髪入れず目の前に差し出される卵焼き
おいここの卵消費量どうなってんだ。コレステロール過多待ったなしだぞ

鈴谷「」


( T)「瑞鳳、お冷一杯」


仰向けに倒れた鈴谷は、『まだ』起き上がらない。好都合だ
今のうちに冷たい水でも浴びせりゃ元通りになる。熱は冷ませばいい


瑞鳳「たまご」カァンッ!!!!

( T)「その卵焼きで俺にどうしろってんだよふざけてんのかお前マジ」


しかし全自動卵焼きバーサーカーと化した瑞鳳に話は通じなかった


鈴谷「チィィイイイイイイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!」シュババァン!!!!


(;T)「やべうおっ!!!」


活動を再開した鈴谷は、ブレイクダンスの要領で俺の足を払う
尻もちを着いた俺の右足を取り、膝裏に自身の脚を差し込む。この体勢、マズい


鈴谷「ウィイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!!!!」グルングルングルン


(;T)「ギャアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」ギャリギャリギャリギャリ!!!!!


ご存じ、テリーマンの伝家の宝刀『スピニング・トゥホールド』。俺も得意とする技の一つだ
どうして鈴谷がこんな技使えるのかって?俺が教えたからだよつまり自業自得だ泣きたい

天龍「ハハwwwwwwww超回ってるwwwwwww」

叢雲「あいつの足首ぶっ壊れる所、見たいわぁ……」


人でなししかいねえ
その時、思わぬ助け舟が入った


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」ドゴォ!!!!


エイリアンこと、初月の長10センチ砲が
ラリアットでカットに入ったのだ


鈴谷「アアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!」


細腕から放たれたとは思えない威力だったようで、鈴谷は一気に廊下まで吹き飛ばされる
エイリアンも俺を跳び越え、廊下へと立つ


エイリアン「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

鈴谷「オアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!!」


鈴谷もただ倒れてるだけのタマじゃない。涎をまき散らしながら素早くリカバリーし、エイリアンと対峙する


天龍「すげー、妖怪大戦争じゃねーか」

叢雲「やるわね、あの子」

( T)「お前らの落ち着きようが怖い。とても怖い」


口に物含みながら喋るアホ駆逐と電探アメダス軽巡はもう完全にサッカー中継観てるノリだ。殺してえ~~~~~~死ね~~~~~~


初月「待って……10センチ砲!!」ガタッ

鳳翔「ダメです!!近づいてはいけません!!」


駆け寄ろうとした初月を鳳翔さんが抑え込む
鈴谷は目が合わない限り襲い掛かってこない。つまり、目が合ったら『詰む』
練度40そこそこの初月だと、一瞬で狩られてしまうのだ

( T)「しゃあねえなぁ……」


借りは返さないといけねえ。それがエイリアンでも関係ない
練度100以上の重巡(頭可笑しい)相手に、提督パワー95万(瞬間最大7000万)の俺がどこまでやれるか分からないが……


( T)「久々に提督レスリングの神髄を味わわせて―――――」


その時、俺の後方から『二本の瓶』が
『赤ワイン』と『白ワイン』の瓶が、弧を描きながら飛んで行った


鈴谷「死゙ぬ゙ッ!?」ゴシャッ!!!!!

エイリアン「エ゙グイ゙ッ!?」グシャッ!!!!


それぞれが、廊下にいる二人……二人?まぁ二人でいいやワッショイ。二人にぶち当たった
そのまま膝から崩れ落ち、活動を停止する


ポーラ「さっきからぁぁぁぁ……」

ポーラ「うるさいんですよ!!!!!何時だと思ってるんですか!!!!!」ドン!!!!


投擲したのは、酔ってる割にはまともな指摘をするイタリア重巡だった


ポーラ「ヒック、アンタらねぇ!!深夜ですよぉ!!!!そんで今大事な話してんですよォこっちは!!」

ポーラ「殺っヒック……しますよぉ!!!!マジ!!!!!!超人墓場でアビスマンにボンジョルノしてきますか!!!????」

グラーフ「フフッwwww」


( T)「フフッwwwwwww」


叢雲「アンタらのツボが謎だわ」

初月「死っ……死ん……!?」


ポーラのワードセンスに笑いがこみ上げてくる俺を余所に、初月は顔面を蒼白させた


( T)「ポーラ落ち着け、そのポーラネイル仕舞え」

ポーラ「チッ……」ジャカッ

グラーフ「いいな……それ、いいな……」


明石特製ポーラネイルのギミックはいつ見ても惚れ惚れするな
おっと、それどころじゃねえ。安否を確かめねえと


( T)「どれ……」


鈴谷「」

エイリアン「キ、キシャ……」


( T)「あー、大丈夫だ。風呂ぶち込んでりゃ一時間で治る」


ポーラ「次は確実にブッ沈めますからね……」

叢雲「どーしてここに来る連中は性格に一癖あるのかしらねぇ」

瑞鳳「たまご」

天龍「類友って奴じゃねえの」

( T)「じゃあ俺はこいつら風呂持って行くから、後は適当にやっとけ」

初月「僕も行く!!」

( T)「大丈夫だって。お前なんも口にしてねえだろ」

初月「心配なんだ。それに……」


初月「鈴谷の服はどうするつもりなんだ?」


( T)「いや普通にすっぽんぽんにしてぶち込むけど?」

初月「!?」

グラーフ「!?」

鳳翔「提督、誤解を生みます」

( T)「……」


( T)「なんで……?」キョトン


叢雲「アンタもそれなりに常識がないわよ本当に」

――――――
―――



初月「なんだか、ドッと疲れた……」


時刻は深夜一時を過ぎた。鈴谷とエイリアンを風呂場にぶち込み、『たくちゃん』へと戻る
もうそろそろお開きの時間だろう。結局、色々と騒ぎがあってゆっくり出来なかったな


( T)「あっ、そういやお前……」

初月「なんだ?」


こいつがこんな時間に執務室まで訪れたのは、長10センチ砲が居なくなって眠れないからだった
エイリアンの入渠時間は一時間ほどだった。昼間なら大したことのない時間だが、睡眠時間に関わるとなると別だ


( T)「大丈夫?M29貸す?」

初月「ああ、心配いらない。入渠なら仕方がないからな」

( T)「居なくても寝れんのかよ……」

初月「こういう時の為にマシンガン・タレットを作ってもらった」

( T)「またバイオショック~~~~~~~~?」


三作目のインフィニットだとハッキング出来ないからウザいんだよなぁ……
だからと言ってポゼッション使うのもソルト勿体無いしなぁ……


( T)「つーか寮内で自動砲台なんて使うなよ……お前はウチをホラーFPSの舞台にしてーのかよ」

初月「……」

( T)「否定しよう?『それアリかも』みてーな顔で考え込むのやめよう?」

初月「フフ、冗談だ」

( T)「本当に冗談か?」

初月「疑り深いな」

( T)「ここはイカれた有言実行をするバカの集まりだからな」


初月の気分も落ち着いたようで何よりだ
まともな子ってほんと胃に優しい。キャベジンかな?


初月「しかし、今回でよく理解した」

( T)「何が?」

初月「僕はまだ、この鎮守府に染まり切っていないことを」


待って、なんか物騒なこと言いだした


初月「お前を始め」

( T)「おい俺をバカの筆頭みたいに言うのやめろ」

初月「……」

初月「お前を始め、ここは狂った艦娘の集まりだ。でも、狂っている艦娘ほど強い」

( T)「そんなこと無いよ?考え直そう?」

初月「練度上限開放まで到達している時雨と鈴谷はどう弁解するつもりだ?」

( T)「何も言い返せねぇ~~~~~~……」

初月「僕は新参だが、古参の連中に遅れを取るつもりはない。すぐに追いついて、下剋上するつもりだ」

初月「その為には、この鎮守府にもっともっと馴染まなければいけない……それこそ、今夜の鈴谷のように」

(;T)「アレはウチでも相当特殊な部類に入るぞ?考え直さない?」

初月「夜のエンジンってどうやったら熱暴走するのかなぁ」ポヤー

( T)「あっ、ああー……」


なるほど、深夜テンションか。夜も遅いもんな
寝れるっつーんなら、もう寝てもらった方がこちらとしても助かる
一度睡眠を取れば、自分が口走っている言葉の異常性にも気づくだろう


( T)「今日はもう寝ろ?な?」

初月「ん、いや、でも……」

( T)「たくちゃんならまた今度連れて行ってやるから」

初月「……そうだな、お前がそう言うのなら従おう」


時雨にも見習ってほしい素直さで助かった

初月「おやすみ、提督」

( T)「おう、おやすみ」


初月を部屋まで送り届け、俺は一人たくちゃんへと戻る
もう今日は金払ったらすぐ寝よう。へへっ、瞼が重てえや……


( T)「ただいま」ガラッ


叢雲「」

天龍「」

鳳翔「」

ポーラ「」

グラーフ「」

隼鷹「」

龍驤「」

あきつ丸「」


(;T)そ「全員死んでるーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!?????」


眠気もぶっ飛ぶこの惨状。たくちゃんにいた艦娘が全員死んでる
正確に言えば、『一人を除いて』だ

原因か?一目瞭然だった


瑞鳳「たまご」カァン!!!!!


カウンターに積み上げられた、全自動卵焼きインフェルノマシーンが作り上げた卵焼き
それを、なんとか消費しようとして倒れたのだろう


瑞鳳「たまご」カカァン!!!!!


(;T)「マジかよ……」

やっぱり、酒に関わるとロクな事がない
卵焼きマシーンをデコピン(岩をも砕く)で強制終了させながら、そう思った


(;T)「……明日の朝飯に回すか」


山のように作られた卵焼きに囲まれ、溜息を吐きカウンターに座る
長い夜になりそうだ。氷が溶け切ったコーラを飲み、俺はまた溜息を吐いた



おわり

特にあとがきに書くこともないんで親潮ニーしてきます。お疲れ様でした

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年08月18日 (木) 16:38:00   ID: B-Wc3gYM

相変わらず面白いです

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