提督「触ってねえよテキサスクローバーホールド極めるぞ」
提督「触ってねえよテキサスクローバーホールド極めんぞ」 - SSまとめ速報
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【艦これ】武蔵がチャリで来た
【艦これ】武蔵がチャリで来た - SSまとめ速報
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加賀「乳首相撲です」
加賀「乳首相撲です」 - SSまとめ速報
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【艦これ】ウンコマン あるいは(提督がもたらす予期せぬ奇跡)
【艦これ】ウンコマン あるいは(提督がもたらす予期せぬ奇跡) - SSまとめ速報
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時雨「流れ星に願い事」
時雨「流れ星に願い事」 - SSまとめ速報
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【艦これ】居酒屋たくちゃん~提督のクソ長い夜~
【艦これ】居酒屋たくちゃん~提督のクソ長い夜~ - SSまとめ速報
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磯風「蒸発した……?」
磯風「蒸発した……?」 - SSまとめ速報
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祝 第 六 戦 隊 映 画 出 演
ようやく今週、悔し涙で枕を濡らす日々にサヨナラバイバイします
・提督の表記は『( T)』になっています。マスク超人です
・別に注意するほど酷い下ネタはありません
・提督はドウェイン・ジョンソン並みのマッスルです
・白石がぽいぽいうるさいから夕立を出演させてやる
・白露型で一番火力の高い艦娘だ
・お前らみたいな都会のオタクっ子でも読めるように俺流にアレンジしておいたぞ
・読めオラ!!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479816994
( T)「……」
みんな~!!チャオ☆マッスルよん☆
えっ?『いつもの男前な口調はどうしたよ兄弟?』ですって?
も~、お客さんったら野暮なんだから!!これはその、アレよん……
昨日、長門とダーツして負けた罰ゲームだよわかるだろ言わせんなクソ
カウントアップ最終ラウンドでLow ton決めてよし勝った!!って確信したらあいつTON 80決めやがって逆転負けしたんだよ
決めた本人ですら『ウッソだろ』みたいな表情してたからな?ダーツの神様の意地の悪さを垣間見たね
だから、今日はずっとこんなオカマ口調になるわぁん☆我慢して、頂戴ね!!
( T)「……」
衣笠「……」
で、今日はどんな面白可笑しな事件が起こったのか、説明しなくっちゃね
鎮守府の小娘達にゲラゲラ笑われながら過ごした午前中……傷心のアタシは、外にある喫煙所でタバコを吸ってたわぁん
そこにはちょうど衣笠ちゃんも来てて、一緒にお話ししながら一服してたのよ
その間ずっとあの子の腹筋は震えっぱなしだったわ……ガラスのハートの皹が、どんどん広がっていくのを感じたの……
( T)「……」
衣笠「……」
それで、いい加減涙が出そうだったから空を見上げたのよぉん
外はいいお天気だったわ……ちょっと寒いのが、タマに傷ね☆(金玉の事ではない)
そこで……アタシはとんでもないものを見てしまったの
( T)「……アレ、加古ちゃんよね」
衣笠「そっ……そうね……w」
仰向けに寝転びながら空を飛ぶ加古ちゃん
そしてその上に乗っかっている……
/たーーーーーすけってっぽーーーーーーーーい!!!!\
( T)「夕立ちゃんも……」
衣笠「そう……ぶはっwwwwwやっぱ無理wwwwww提督wwwww喋んないでwwwwwww」
( T)「……」
まぁ、その……今日はこんな感じの、珍事件よ。よろしくねぇん☆
/てーーーーーーーーーーーとくさーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!\
( T)「……」
( T)「……なんだあれ、クッソ面白いんだが」
衣笠「あ」
( T)「どんだけ~!!チョー面白いわぁん☆」
衣笠「よし……フフッwwwwwwww」
( T)「……」
やりにくい
『加古ちゃん空を飛ぶ、めっちゃ長く飛ぶ、すごい』
.
/ぽいーーーーーーーーーーーーーー!!!!\
高さは大体六メートルくらいかしら?二階建てビルくらいの高さねぇ
まぁ、落ちたら艦娘といえど怪我しちゃう高度よ。結構危ないわ
( T)「夕立ちゃーーーーーーーーーーん!!!!どうしてそんな高さまで上がっちゃったのーーーーーーーー!!!!???」
/それは夕立が聞きたいっぽいーーーーーーーーーー!!!!\
衣笠「真面目にwwwwwやってきたからじゃないwwwwwww」
( T)「やだー、赤井さんじゃないんだから~」
衣笠「ハハヒヒヒヒヒwwwwwww」
いい加減どついたろかこの青葉型二番艦
衣笠「ヒー、ヒー、ごっ、ごめんって……はい、真面目にやります!!はい!!」
( T)「頼むわよぉん」
衣笠「アッハハハハハハwwwwwむっ、無理wwwwwwやっぱ無理wwwwwww」
/何わろてんねんっぽい!!!!!!!\
( T)「夕立ちゃんがご立腹よ……」
衣笠「誰の所為だと思ってんのwwwwwwwwwwww」
夕立ちゃんは加古ちゃんの体にダッコちゃん人形のようにしがみついてるわぁ
安定はしてるけど、皆が期待してるようなスケベさとかスタイリッシュさは皆無ね……ただただ、無様だわぁ……
( T)「夕立ちゃーーーーーーん!!そこから飛び降りれなーーーーーい!?」
/夕立に死ねって言ってるのかっぽい!!!!!\
( T)「大丈夫よーーーーーーーー!!!!アタシが受け止めたげるわーーーーーーー!!!!!」
衣笠「母性wwwwww提督今母性の塊よwwwwwww」
( T)「アンタちょっと黙ってて頂戴」
/う、ううー……やっぱ無理ぃぃ……\
( T)「意気地が無いわねえ……」
衣笠「ふぅ……よし、ちょっと落ち着いた」
( T)「それは何よりねぇ」
衣笠「フハッwwwゴホン、あの高さは流石の衣笠さんでもちょっと恐いわ」
( T)「後引いてんじゃないのよ……」
でも、問題はアレよね……まずどうして加古ちゃんが浮いてるのかって話よね……
夕立ちゃんを降ろせても、加古ちゃんが浮かんだままじゃ解決とは言えないもの
衣笠「どうする?撃ち落とす?」
( T)「撃って落ちなかったらどうすんのよ……」
古鷹「ていとくー!!」
青葉「オカマ司令官ー!!」
なーんてぐだぐだしてたら、ウチのまとも勢筆頭の鷹さんと練度筆頭の青葉が駆けつけてきたわ
なんか焦ってる顔ねえ……あの子たち、今浮かんでるもの知ってるのかしら?
古鷹「提督、あのっ、加古っ……」
( T)「ああ、あそこにいるわよ」
と言って、空を指さしたわ。雲一つないお天気に、ポツンと浮かぶ加古と夕立……
アラ、なんかお洒落ね……ポエムみたいだわ。アタシ、詩人になれそうね☆
古鷹「加古ォーーーーーーーーーーーーー!!!!????」
青葉「なんですかアレ……?」
( T)「見てのとおりよ」
/夕立もいるっぽいーーーーーーーーーーーーー!!!!!\
青葉「いや見ても意味わかんないですし司令官が面白すぎるしでこっちはてんやわんやですよ」
( T)「アタシ抜きでも相当てんやわんやしそうけど?」
衣笠「アハハハハハwwwwwww」
古鷹「提t……かっ、かかか、加古……夕立ちゃ……」
古鷹「提督がやったんですか!?」
( T)「アナタ、アタシをマジシャンか何かだと思ってるの?」
青葉「鷹さん落ち着いてください。技能ポイントを筋肉に全振りしてる司令官がMPにまで回す余分があると思いますか?」
青葉「ましてや、頭も足りていないのにですよ?」
( T)「喧嘩売ってんのか」
衣笠「あ」
青葉「あ」
( T)「んもぅ、失礼しちゃう☆」
衣笠「フッwwwwwwwww」
青葉「ンフッwwwwwwwwww」
頑張れ耐えろ俺、後半日も経てば終わりだ
( T)「鷹ちゃん」
古鷹「はっ、はい」ビクッ
( T)「……なんでちょっと怯えてんのよ」
古鷹「ごっ、ごめんなさい……ちょっと、不気味で……」
( T)「アナタも大概、歯に衣着せないわね」
衣笠「ハヒィーwwwwwwwwハヒィーwwwwww」
青葉「不気味wwwwwwwオッwwwwゴッホゴホッwwwwwww」
( T)「いい加減になさいよアンタ達」
( T)「鷹ちゃんアナタ加古ちゃんと同室じゃない?今日、何してたか知ってる?」
古鷹「えーっと、加古はちょうど非番でして、遊びに来た夕立ちゃんとアドベンチャータイム観てました」
( T)「面白いわよねアレ」
古鷹「私は訓練があったので途中で抜け出したのですが、戻ってきたら書置きも残さず二人とも居なくなってて……」
( T)「で、ああなってたってワケね」
古鷹「ええ、はい……私より当事者の夕立ちゃんに聞いた方が詳しい状況がわかるかと」
青葉「ほら、やっぱり頭足りてないでしょう?」
衣笠「コラッ、あんまり事実を突きつけちゃ可哀想よ。今ストレスでオカマになってるんだから」
( T)「……」
( T)「夕立ちゃーーーーーーーーーーん!!!!!」ギチギチギチ
青葉「おああ筆頭艦にも容赦無しですか司令官ーーーーーーーーーー!!!!!」バンバンバン!!
衣笠「ごめんごめん言い過ぎたってああああああああああああ!!!!!!」バンバンバン
/もう夕立なんてほっといて遊んどけばいいっぽい……\
(;T)「ご、ごめーーーーーーーーん!!拗ねないでーーーーーーーー!!!!あ、鷹ちゃん代わりにシメといて頂戴」
古鷹「はい」ギチギチギチ
青葉「あああああああああああああすいませんすいませんすいません!!!!!調子乗りましたーーーーーーー!!!!!!」バンバンバンバン!!
衣笠「提督の二割増し痛いんだけどーーーーーーーーーーーー!!!!!!」バンバンバン!!!!!
( T)「夕立ちゃん詳しいお話出来るかしらーーーーーーーー!!!!???」
/詳しいも何も寝て起きたらこうなってたっぽい!!!!!夢なら醒めて欲しいっぽい!!!!ふざっけんなクソッ!!!!\
( T)「鷹さんダメそうよ……」
古鷹「夕立ちゃん!!その……下品な言葉を使っちゃダメだよ!!」ギチギチギチギチ
( T)そ「それ今重要!?」
青葉「」ブクブクブク
衣笠「」ブクブクブク
(;T)「あと、もーうお仕置きはその位でいいんじゃないかしら……」
古鷹「えっ……あっ、ああ!?青葉!?がっちゃん!?」
妹分とは言え、カッコカリ艦二人をアイアンクローで泡吹くまで追い込むなんて……
天然恐ろしいわぁって思うと同時に、将来への期待を抱いちゃうわ……
/あぅ……ごめんなさいっぽい……\
( T)「やだ素直……姉も見習えばいいのにねぇ……」
古鷹「青葉、がっちゃん……起きない……提督、どうしましょう……」オロオロ
( T)「ほっときゃ勝手に起きるわよ……その二人そんなヤワじゃないわ……」
( T)「困ったわねぇ……原因はわからない、腰抜けの夕立ちゃんは降りれない、加古ちゃんは起きないって……」
( T)「八方塞がりじゃないのよ」
古鷹「撃ち落としてみますか?」
( T)「アンタ思考回路が衣笠ちゃんと一緒よ?」
アタシとしては、撃ち落とす方向は出来るだけ無しの方向で解決方法を見つけたいわね
古鷹「加古にロープが何かを引っ掛けて降ろすことは出来ないんでしょうか?」
( T)「そうねぇ……試す価値はありそうね」
古鷹「私、取ってきます。提督は見張っててもらえますか?」
( T)「ええ、お願いね。ああ、ついでに人を動かせるようならクッションになるものも用意して頂戴」
古鷹「わかりました」
古鷹ちゃんは駆け足で倉庫の方へ向かったわ。さて、アタシもアタシで、出来ることをやんなくちゃね
とりあえずは、加古ちゃんの今の状況を教えてもらいましょうか
( T)「夕立ちゃーん!!加古ちゃんは普通に寝ているのかしらー!?」
/白目剥いてるっぽーーーーーーーい!!!!!\
( T)「あらヤダ……」
( T)「それ以外は普通なのかしらー!?」
/寝息が若干うるさいっぽい!!\
( T)「うむ……」
白目剥いている以外、目立った異常は無いと見ていいわね。普通に寝ていると
加古ちゃん本人に謎の超能力でも目覚めたのかしらねぇ。寝ている間だけ浮かんでいるとか
( T)「加古ちゃんは起きないー?」
/起きないっぽーーーーーーーーーーーーい!!!!!\
これだけ大声で騒いでいても起きないってことは、やっぱり外的要因かしら?
だとすると、やっぱり最初に思いつくのは幽霊とか妖怪とか、その手の連中ね
( T)「でもねぇ、今あきつ丸ちゃんは熊野ちゃんと山に狩りに行ってるし……」
【狩りに行く様子】
熊野「めっちゃ猪食べたくなったから、猟行ってきますわ」
あきつ丸「リスのチタタプが食べたいのでお供するのであります」
【罠の他に散弾銃とスラッグ弾も持って行った】
熊野ちゃん曰く、『臭みの無い脂だけの肉食べるくらいなら豆腐食いますわ」ってことよ。逞しいわね
お客さんとこもそうでしょ?え?違う?どういうことなの……?
時雨「クソ野……提督、探したよ」
( T)「アンタ今クソ野郎って」
時雨「言ってない」
今度は、毎度おなじみ鎮守府の問題児の時雨ちゃんがやってきたわ
手にはバトミントンのラケットと羽が握られてるわね
/時雨ーーーーーーーーーー!!!!!助けてっぽーーーーーーーーーーい!!!!!\
時雨「うおお何アレ?」
( T)「アンタの妹と加古ちゃんよ」
時雨「へぇー……そんな事より提督、バトミントンしようよ」
( T)「妹の扱いがぞんざい過ぎるわアンタ」
時雨「今はバトミントンの方が大事だよ。出撃中に急にやりたくなって速攻でぶっ殺して帰って来たんだから」
( T)「欲望に忠実ね」
/時雨このやろーーーーーーーー!!!!アホーーーーーーーーーー!!!!\
時雨「アホじゃない!!賢い!!」
( T)「アホよ」
時雨「すごい賢い!!」
( T)「その一言だけでアホさ丸出しよ」
時雨「夕立ー、パース」パスッ
時雨ちゃんがラケットで高く羽を打ち上げ
/しゃーーーーーーーーー!!!!!\ ッパーーーーン!!
イラついた夕立ちゃんが素手で打ち返す
時雨「ワハハwwwwwww」
(;T)「やめたげなさいよ……」
大変な状況下にいる妹すら玩具にする性根は、もう治らないんでしょうね……
時雨「で、どうしてこんな面白……不思議な事態になっているんだい?」
( T)「それがわかってたらここで立ち往生してないわよ……夕立ちゃんも降りてこれないし」
時雨「基本ビビりだからね。野良猫並みの」
( T)「そう言えば、今の状況も木に登って降りれなくなった猫っぽいわね」
時雨「写真撮っとく?」
( T)「……」
時雨 カシャッ
( T) カシャッ
/撮るなっぽいーーーーーーーーーーーー!!!!!!\
時雨「怒ってるね」
( T)「そらそうよ」
親潮「司令!!」
( T)そ「うわびっくりした。いつの間に」
親潮「こっそり近づきました!!」
時雨「声が大きい。不知火の妹とは思えないね」
( T)「時津風の姉よ?」
時雨「ねじり込むような説得力」
親潮「司令、これを!!」
親潮が差し出したのは……これ……アレよ……アレ……
( T)「……アップルペンと」
親潮「パイナップルペンです!!」
時雨「なんで作った」
リンゴにペンがぶっ刺さってるアレと、パイナップルにペンがぶっ刺さってるアレよ
なんで刺した。そしてなんでアタシに差し出した
親潮「流行りと聞いて!!」
( T)「流行ってるからって実際にブッ刺すおバカ初めて見たわよ」
時雨「リンゴ美味しい」シャリリ
親潮「食べないでください!!」
/おやしおーーーーーーーーーー!!!!\
親潮「えっ、今声が……」
( T)「なんでアンタ達気づかないのよ……上よ上」
親潮「上……上ええええええええええええええ!?」
/たーーーーーーすけてっぽーーーーーーーーーい!!!!\
親潮「……」
親潮「自分より、危ない状況にいる人をみると」
親潮「冷静になるんですね……なんでこんなの作ったのでしょうか……」
( T)「アタシが聞きたいわよ」
時雨「提督」
( T)「何よ?」
時雨「パイナップルも食べたい。何とかして」
( T)「刃物が無いわよ」
親潮「ボールペンはあるので、これでなんとか」
( T)「どうしろってのよ……」
/おやしおーーーーーーーーー!!!!!\
親潮「そしてどうしてさっきからアタシの名前ばかり呼ぶのでしょうか?」
( T)「ちょっと遊びすぎちゃって……完武・パイナポゥ砕き!!」グワッドギョッシャァァァァァ!!!!!
時雨「誰が粉々にしろと言っ……汁が目にうわああああああああああ!!!!!」ゴロンゴロンゴロン!!
( T)「クッソウケるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
時雨「お前……お前クソが~~~~~~~!!!!!!アニメ艦これの世界に放り込まれろ~~~~~~~!!!!!」
( T)「あんな頭フワフワ集団に放り込まれるとか今以上の地獄じゃないの」
親潮「すいません、これアタシがどうこう出来る事態じゃないですね……」
/そこをなんとかっぽーーーーーーい!!!!\
( T)「とりあえず、一度案を出してみたら?」
親潮「そうですね……アタシなら先ず」
( T)「撃ち落とすネタはもう二回出たわよ」
親潮「夕立さんごめんなさーーーーーーい!!!!この親潮には力不足のようですーーーーーーーー!!!!」
( T)「アンタら弾使う以外の発想無いの?」
時雨「提督が屁で飛べばいいんだよ……サッサと飛べよ……クソカマ野郎……」
( T)「非常に残念ながら、アタシの出身って地球なのよ?知ってた?」
時雨「アニメ艦これ世界の提督呼ばわりされてしまえばいいんだ……」
( T)「鎮守府に空襲されるような無能と一緒にされちゃ堪らないわ……」
古鷹「提督、持ってきま……助っ人ですか?」
( T)「ギャラリーよ」
親潮「あの、アニメ艦これ世界って……?」
時雨「那珂ちゃんは凄い可愛い」
親潮「那珂ちゃんはいつも可愛いじゃないですか」
古鷹「ああ、本当……心配して駆けつけてきたようには見えないですね……」
( T)「成り行きよ。ロープ貸して頂戴」
古鷹「どうするんですか?」
( T)「マカロニ・ウエスタンといこうじゃない」
古鷹「撃つんですか?」
( T)「撃たない」
ロープで輪っかを作り、なんかこう……えいえいってやってフンってやったら
カウボーイのアイテムでお馴染みの、投げ縄が作れるわよ。詳しくはwebでググれ。アタシはググった
古鷹「届きますか?」
( T)「アタシマッチョだから大丈夫よ」
時雨「アニメは訓練が物凄い楽そうなのが癪に障るんだよ……」
親潮「ここはゲロを吐いてからが本番ですからね……」
( T)「行くわよぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!」ブンブンブン!!
時雨「うるさいな!!人が喋ってるじゃないか!!」
( T)「オラァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!死ねぇぇぇええええええ!!!!!!!!そぉれ☆」ブォォォッワアアアアアッシャアアアアアアア!!!!!
/今死ねって言ったっぽい!?\
時雨「無視!!もっと僕に構って!!!!美少女らしく丁寧に扱って!!」
( T)「ごちゃごちゃうるさいなもう!!だいぶ目立ってんだろお前!!」
振り回してからいい感じに放り投げたロープは
( T)「あ、あらら……」
途中で力なく垂れ落ちちゃったわ……屈辱だ……クソ……俺のマッスルが足りないと言うのか……?
青葉「重しが必要なんじゃないですか?」
古鷹「あ、起きた。大丈夫?」
青葉「鷹さんじゃなかったら誰であろうと半殺しにしてましたよ……」
親潮「ヒッ……?」
青葉「あっ、ウソウソ!!司令官だけですって!!」
( T)「オイ」
青葉「煉瓦か何かを括り付けてぶん投げれば、貧弱ハーレム体質で異世界に行ったらチートスキルで無双する系イケメンの司令官でもギリギリ届くでしょう」
( T)「言ったなオイてめえ……しかもマッチョとして最悪なまでに不名誉な属性までつけやがって……」
青葉「あ」
( T)「まだオカマ呼ばわりされた方がマシよォ!!」
青葉型はオカマ判定に厳しくないといけない法律でもあるのかよ
古鷹「……誉め言葉じゃないの?」
時雨「『貧弱』『ハーレム』『異世界』『チート』『イケメン』で提督の逆鱗に5HITはぶち込んでるね。青葉の煽りスキル、僕は見習っていきたい」
古鷹「もっと別のところ……うん……」
青葉「ちょっとなんでそこで口を噤むんですか鷹さん。あるでしょ良い所!!青葉の良い所!!」
古鷹「重巡洋艦の良い所、たくさん知ってもらえると嬉しいです」
青葉「定型文!?」
青葉の言う通り、タダのロープを高く放り投げるのは単純に重たい物を投げるより至難の技
例えば振り子。アレの先端に重しが付いていなきゃ、ただフワフワと数回揺れただけで、それ以上の動きは無い
慣性を伝える重しは、投擲には必要なファクター。青葉は尤もな提案をしている……だけど
( T)「ちょっと……本気出すわ……」バッ!!
黙ってそれに従うってのも、オカマが廃るってもんじゃない!!
( T)「ちょっと親潮、上着持ってて頂戴」
親潮「下は脱がれますか?」
( T)「脱がねーよ馬鹿かお前。ドラゴンボールで大人になった悟空が戦いの最中に下半身スッポンポンになった描写見たことあんのかよ」
親潮「確かに!!」
青葉「でもキン肉マンは大体パン一ですよね?」
( T)「……」
( T) カチャカチャ
古鷹「提督、脱がない。青葉、余計な事言わない」
( T)「アッハイ」
青葉「すみません、目に毒ですよね……」
( T)「は?そこらの上半身だけ鍛えてる奴と一緒にしないで貰える?真のマッチョは下半身のトレーニングも欠かさないのよ?」
/はよしろっぽいぃぃぃあああああ!!!!!!\
時雨「うわ、凄い。あれマジギレだよ?今までの夕立の概念覆すような顔面してる」
(;T)「あっらやだ……死霊のはらわたに出てくるゾンビみたいな顔になってるわ……」
青葉「いやそこまで酷くないでしょうよ」
時雨「写真撮っとく?」
( T)「……」
青葉「……」
( T) カシャッ
時雨 カシャッ
青葉 カシャッ
/うおおおおおおおおああああああああああああああああああーーーーーーーーーーー!!!!!!!!\
古鷹「そろそろ怒りますよ」
( T)「よーーーーーーーーーーっし!!!!!やるわよォォォーーーーーーーーー!!!!!!!」
時雨「頑張れ頑張れ!!」
青葉「ファイトです司令官!!」
親潮「上官の威厳とは一体」
( T)「夕立ーーーーーーーーーーー!!!!!!!じっとしてなさいよォォォーーーーーーーーー!!!!!!」ブォンブォンブォンブォン!!!!!
さっきまで片手で振り回していた縄を両手で振り回す!!!!100万+100万で200万パワー!!
いつもの二倍の雄たけびが加わって200万×2の400万パワー!!
そしてさっきの三倍の回転を加えれば400万×3の……
(#T)「バッファローマン!!お前を上回る1200万パワーだーーーーーーーーーーッ!!!!!!」
親潮「司令は何と戦っているのでしょうか?」
時雨「ネタの枯渇……かなぁ……?」
ロープ<ギャルルルルルピカーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!
光りながら三倍の回転で天高く昇るマッスルロープは、バッファローマンの片角を折らんばかりの勢いで
/っぽ、ぽぃぃ!?\
夕立ちゃんと加古ちゃんを簀巻きにしたわ。見たかオイ青葉この野郎これが筋肉の力だ。略して筋力だ
( T)「ゆで理論、やっぱり間違ってなかった!!!!」
古鷹「お見事です提督!!」
( T)「やめて素直に褒められると涙が出てきちゃう。だって今は女の子だもん」
青葉「筋肉を使うことだけには長けてますからねえ」
( T)「その感じで頼む」
衣笠「あ」ムクリ(チンチンが勃起した音ではない)
( T)「アンタやっと起きたのね。姉の方が早かったわよ?」
衣笠「それ多分気のせいよ」カチッシュボッ
青葉「いや別に張り合わなくていいよガッサ」
衣笠「例え青葉が先に起きていたとしても、描き下ろしは衣笠さんの方が多いから」
青葉「よーしその喧嘩買った」
衣笠「改ニも衣笠さんの方が早かったから」スパァー……
青葉「真打ちは遅れて登場するもんですし?むしろ青葉より先に改ニになった連中は全員前座ですし?」
衣笠「は?」
青葉「あ?」
時雨「犬も食べないね」
親潮「いえ、あの……滅茶苦茶恐いんですけど……」
( T)「じゃあ引き摺り降ろ……」
( T)「クッションは?」
古鷹「あっ……」
( T)「忘れ……?」
古鷹「あの、えーと……青葉とがっちゃんがいたから、それでいいかなって……」
青葉「いやいやいやいや」
衣笠「ポカの誤魔化し方がえげつないわ」
( T)「おう、鷹さんがこう言うてんや。はようクッションなれや」
古鷹「冗談です冗談!!ちょっと、人手が捕まらなくて……すみません」
親潮「なら、アタシ達が今すぐ取ってきましょうか?確か、避難訓練時に使ったものが倉庫にありましたよね?」
( T)「いや、もうアタシが受け止めるからいいわ。そろそろ夕立ちゃんも限界っぽいし」
/何でもいいから出来るだけ安全に早く降ろしてっぽいーーーーーーーーーーー!!!!!\
時雨「今、安全ってワードが出てきたことについて見解は?」
( T)「最大限善処するわ」
/せめて嘘でもいいから安心できる言葉を選んで欲しかったっぽい!!!!\
( T)「ほら、そこのカッコカリ済みの青葉型重巡ゴリラ二人組。これ引っ張りなさい」
衣笠「はぁーーーーーーーーーー?それが重巡屈指の美少女艦娘に対する呼び方ーーーーーーー?」
青葉「青葉、もっと強い生き物がいいんですけど」
( T)「じゃあもうマッチョしか残ってないわよ」
青葉「自信過剰」
ぶつくさ文句を言いながら青葉型姉妹はロープを掴んだわ
アタシは加古ちゃんの真下でタ・イ・キ☆
青葉「引きますよー」
(#T)「シャオラァ!!ッチコイオラァ!!」
青葉「一々指摘するのも面倒なんで、途中で素に戻るのやめてもらえませんかね?」
(#T)「早くなさいおバカ!!」
青葉「せーのっ……」
青葉「ナーバス!!ナーバス!!」グイグイ
衣笠「ガーリレイ!!ガーリレイ!!」グイグイ
( T)「アタシはもうツッコまないわよ!!」
/うぐぐ……\
( T)「落ちてこないわね……ちょっと、気合い入れて引きなさいよ!!」
衣笠「結構ガチ目に引いてるわよ!!」
可笑しい、一向に高度が下がる気配がない
衣笠の言う通り、ロープはピンと張り詰めている所か、ギチギチと音も鳴っている。手を抜いてるってこたぁはないだろう
/……ぽ……\
古鷹「ッ……ストップ!!引くのやめて!!」
青葉「な、なんですか?」
古鷹「これ以上は夕立ちゃんも加古も持たない……」
/ぶっはぁ!!し、死ぬかと思ったっぽい……\
衣笠「ここまでビクともしないとは……」
時雨「そんなに動かないの?」
衣笠「大木の根っこ引っ張ってる気分だったわ」
(;T)「冗談だろ……」グイッ
/ぐええ\
軽く引っ張ってみると、確かに重たい手ごたえを感じる
どれほどの力に耐えられるのか定かでは無いが、先ほどまでの夕立の様子を鑑みるに
落ちてくるより先に二人が潰れてしまうだろう
( T)「こりゃ認識を改めるべきね……飛んでるというより、『クラフト・ワーク』の能力みたいに空間に固定されてるものだと考えた方が良いわ」
時雨「ちょっとずつ叩いたらめっちゃ飛んでいったりするの?」
( T)「弾丸じゃねーんだから」
青葉「どうするんですか?撃ち落としてみます?」
( T)「弾より頭を使えよお前ら」
やっぱり原因を潰さないと解決には至らないってワケね……
なーんでこの場所は俺に前代未聞の怪事件吹っかけてくるんだよ……そういうのは貧乳と巨根コンビに任せとけばいいんだよ……
親潮「高い櫓を組むというのはどうでしょうか?加古さんはともかく、夕立さんは助けられるでしょうし」
( T)「めんどっ……時間が掛かるし、木材もそんなすぐに用意できないわよ」
時雨「真っ先に本音出てるよ提督」
衣笠「誰かが空でも飛べたらいいんだけどねぇ……」
青葉「司令官がキン肉星出身ならこんなことには……」
( T)「言っとくが地球出身の超人でも飛べるからな?なんでお前執拗に俺のこと屁で飛ばそうとすんの?」
古鷹「空……飛ぶ……ああ!!」
古鷹「提督、少し待っててください!!妙案を思いつきました!!」ダッ!!
( T)「先にその案を言っ……脚早えなチクショウ」
親潮「古鷹さんの提案なら、この親潮の案より有効では?」
青葉「甘いですよ親潮さん。あの人まともな振りして結構ぶっ飛んだ発想かましてきますからね」
衣笠「天然って恐いのよー」
親潮「は、はぁ……」
時雨「『空』と『飛ぶ』で閃いたってあたり、もうヤバさしか感じないね」
( T)「マジそれ」
時雨「多分、提督にカ号括りつけて飛ぶとかいうハンニバルもビックリの奇襲戦法だよ」
( T)「いやいやまさか、マードックじゃねーんだしそんなアホな手段使うワケ(ry
【五分後】ウィィィィダバダバドゥ!!
古鷹「連れてきました!!」
龍驤「カ号括りつけて飛ぶって聞いてやって来たんやけど」
( T)「……」
もう自室戻って寝たい
龍驤「いやー、半信半疑やったけど、まさかホンマに浮いとるとはなぁ」
親潮「半分信じたんですか……?」
( T)「……鷹さん、マジ?」
古鷹「えっ、ダメですか?名案だと思ったんですけど……」
青葉「文句言える立場ですか司令官!!」
衣笠「そうよそうよ!!鷹さん発案なんだから服従しなさいよ!!」
( T)「お前らさぁ」
時雨「下っ端根性丸出しで恥ずかしいね」
龍驤「で、誰が飛ぶんや?」
( T)「いやなんで飛べること前提で話進んでんだよ。そもそも人括りつけて飛べんのかよそのラジコンサイズカ号」
龍驤「いけるやろ多分。二機あるし」
( T)「やだー……不安しかないわぁん……」
テキパキと準備を進める龍驤。恐らくこいつ若干面白がってる
で、問題は……問題っつってもそりゃもう山積みなんだが、一番の問題ってのが
( T)「誰が飛ぶのよ?」
青葉「……」
衣笠「……」
古鷹「……」
時雨「……」
親潮「……」
龍驤「……」
/寒いっぽい……\
( T)「ちょっと待てこのパターン前もやったぞオイ」
カ号一機の積載量は凡そ120㎏(60㎏爆雷×1+乗員1名から計上)
現代のヘリのように無滑空で離陸できないそうで、一度飛ばしてからホバリングで待機させ、救助隊員をロープで縛りつける作戦で決まった
しかしこれはあいつらが元いた世界での、実際に使用されていた機体としてのデータだ。実物はローター含めて10メートル
自重は750㎏あるらしい。俺がギリギリ持ち上げられないくらいの重さだ。ラジコンサイズのカ号に、実物と同じ馬力が出せるのだろうか?
( T)「アタシの体重が118㎏、夕立の体重が大体40~50と仮定して……総量約160~170㎏はあるわけだけど……」
( T)「大丈夫なのこれ」
龍驤「加古はほっといてええんか?」
衣笠「あれ動かないのよ、ビックリするほど。ちょっと引いてみ?」
龍驤「どれ……うっわ、ガッチガチやん」グッグッ
/ぐえっ、ぐえっ\
時雨「寒空に、妹鳴く音、蛙かな」
青葉「ポエット」
( T)「なにを呑気に一句読んでんのよ」
時雨「他人事だし」
( T)「今から助けに行くの、アンタの妹なんだけど」
発見してから結構時間が経ってることから、緊張感が無くなって来てるわね
あれ……元からそんなもの無い……?結構危ない案件よね……?
龍驤「ほんなら、飛ばすでー」
( T)「一度考え直さない?」
龍驤「金玉の小さい男やな!!腹括ったならガタガタ抜かすなや!!」
( T)「今はオカマよ!!男ルール不適用!!」
青葉「じゃあ今だけ無しで良いですよ」
( T)「これでも元パイロットだ。空の男だよ」
時雨「それでは搭乗機にご案内します。こちらです」
親潮「流れるように切り替わりましたね」
犬は絶対殺さない!!不朽の名作『インデペンデンス・ディ』と続編『インデペンデンス・ディ リサージェンス』は現在大好評レンタル及び販売中!!※ノルマ達成
龍驤「キミは宇宙船突っ込んでも構わんけど、カ号だけは堪忍してな。あきつの奴から預かってんやから」
( T)「やめろオイ発言一つ一つがここじゃフラグになりかねない」
時雨「バージンのまま死んで、いいのかい……?」クィッ
親潮「えっ……?」トゥンク……
古鷹「は、生え……?」
( T)「ネタだよ真に受けるな」
時雨「生えてないってことは提督が証明してくれるよ」
( T)「しない」
青葉「ガッサ、今凄い特ダネの尻尾掴んだ気がする」
衣笠「鎮守府激震ね」
( T)「ネタだよ真に受けるな絶対に書くなよ。時雨もう黙っててくれ」
時雨「酷いや……あれだけ熱い夜を過ごしたのに……」
( T)「荷物まとめて実家に帰りたい」
時雨「認知するまで帰さないからね!!」ガシッ
( T)「認知する事実がない」
/いつまで漫才やってるっぽいこのバカーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!\
( T)「尤もだ。よし始めるぞ龍驤頼む」ギチギチギチ
時雨「痛い痛い痛い痛い!!!!!!!」ジタバタ!!
龍驤の巻物型飛行甲板からロープを括りつけた二機のカ号が飛び立ち、旋回をして俺たちの頭上で滞空する
古鷹「提督、どうですか?キツくないですか?」ギュッ
( T)「アッフ……もっと優しくぅん……」ビクンビクン
古鷹「ご、ごめんなさい!!」
青葉「次、鷹さんの前で気色悪い声上げたらぶっ殺すからな」
( T)「わかったもうしない」
衣笠「鷹さんもっと上、首周りが一番安定するってもっぱらの噂よ」
古鷹「えっ、ほんと?」
衣笠「ツイッターのトレンド入りしてるし」
( T)「もうしないって言ってんのにさぁ、殺しに掛るのやめない?」
腰から肩回りにかけてロープを括りつけ体を固定。振動で体めっちゃ震える
親潮「飛べそうですね……」
時雨「そうだね」カシャッ カシャッ
( T)「ホンマか~~~~~~~?時雨撮るんじゃねえ」
龍驤「上昇させるで。グッドラック」
プロペラとエンジンが唸り声を上げる。ロープが体に食い込んでいkアンッちょっとヤバいこれクセになりそうンッフゥン♡
足が地面から浮き上がり始めた。ウッソだろマジで飛ぶのかよ
時雨「アシリパさんが……ちょっと浮いてるぅ!!」ピロンッ
青葉「ブホッwwwwww」
衣笠「ブブッwwwwww」
遂にムービーまで録り始めやがったあいつ
龍驤「……イケそうやな。よし!!エンジン全開や!!」
( T)「えっちょ……」ギュンッ!!!!
/っっっと待てああああああああああああああああああああ!!!!!!!!?????????\
/てーーーーーーとくさーーーーーーーん!!!???どこ行くっぽいーーーーーー!!!????\
青葉「今週号の一面は決まりですね。『司令官、急上昇』」
古鷹「上げすぎです龍驤さん!!」
龍驤「ワハハwwwwww思いの外パワーあったわwwwww」
親潮「二十メートルくらい上がってません!?アレ大丈夫なんですか!?」
龍驤「死にゃせんやろ。これからゆっくり降ろしていくから」
龍驤「それよりそこの時雨嬢の方が深刻やで」
時雨「息……出来な……wwwwww」ブルブル
親潮「時雨さん笑い過ぎです!!」
衣笠「この子、オカマキャラだとピクリとも反応しなかったのにね」
(;T)「ハッ、ハァッ!!こ、怖っぇええええええええ……」
地面が一気に遠ざかり、目的の夕立すら小さく見えるほどの高さ
支えを失った体が、ブランコのようにユラユラと揺れる。金玉縮み上がるわ
(;T)「よっ、よし……」
だが、これほどの馬力があるのなら夕立抱えて降りるのは問題なさそうだ
二機のカ号も、ゆっくりと高度を落とし始める。出だしこそ乱暴だったが、主力軽空母の龍驤の技量があれば着地は安全に行えるだろう
そう思った矢先、冷たい海風がサッと通り抜けた
(;T)そ「ああああああああああもう勘弁して頼む!!!!!!」グラァ……
カ号と共に俺の体も大きく揺さぶられ、夕立がいるポイントから若干離れてしまった
地上にいる龍驤は、勅令の炎を宿した指先を細かく動かして軌道修正を施す
\ジッとせーーーーーー!!!!!!アホンダラーーーーーーーーー!!!!!!/
(;T)「無茶言うな馬鹿野郎ォーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
下からイラついた声が飛んでくるが、実際俺にはどうしようもない
考えを改める。カ号に人括りつけて飛ぶなんて実際初の試みだろうし、風や重力などの障害もある
それに加え、カ号『二機』をそれぞれ個別に精密操縦せねばならないのだ
『右手で何かを行いながら、左手で別の事を行う』なんて単純な話では無いだろう
(;T)「頼むぜ龍驤……」
カ号は再び安定し、高度を更に落とす
夕立「でいどぐざぁん……」
涙と鼻水でぐっちゃぐちゃの夕立を、圏内に捉えた
( T)「よく頑張ったな。今助けてやる」
夕立「おぞいっぼい……」
( T)「それに関してはほんとマジスマンかった。龍驤ォ!!もうちょい寄せろーーーーーー!!!!」
\簡単に言うなドアホーーーーーーーーーー!!!!!/
( T)「龍驤マジ天才!!龍驤最高!!一生リスペクト!!」
\おうあんま褒めんな調子乗ってまうやろ!!/
カ号の動きは繊細を極め、ほとんど揺れも無くなる
しかし、ここからが勝負所だろう。夕立を抱きかかえれば、一気に積載量が増える
そのまま重さに従って降下すれば、プロペラに加古を巻き込んで最悪三体の死体が並ぶ
動きとしては、加古の隣に幅寄せをし、夕立を抱え
そのまま馬力を上げて上昇し、持ち上げるのがベストだ
( T)「おし、上半身を起こすぞ。加古から手を離せ」
夕立「わ、わ、わかったっぽい……」
夕立の両脇を抱えようと手を伸ばした瞬間――――
(;T)「ッ!?」
『バチッ』と、見えない何かに叩かれるような衝撃
そして、大きな風が吹いていないにも関わらず
(;T)そ「おわッ!?」グラッ!!
二つの機体が、ガクンと揺れた
\な、なんや!?/
龍驤の困惑の声に、決意は一瞬で固まる
ベストだのなんだの言ってる場合じゃねえ!!多少乱暴でも救出を強行するッ!!
(#T)「龍驤ォ!!不時着でもなんでもいい!!今すぐ加古から離れろォォォーーーーーー!!!!」
指示を出しつつ、夕立の襟首を掴み上体を起こし
夕立「ぐえっっぽぉぉぉ!!!???」
腰に片腕を巻き付け、勢いよく引っぺがした
(;T)「ぐぅッ!!」
夕立「ぎゃーーーーー!!」
夕立を抱えると、カ号は後方に急発進する
いや違ぇこれ発進じゃねえ墜落だわ。背中から斜めに落ちていく感がなんかもう凄い
(;T)「掴まれ夕立ぃぃぃ!!!!!!!」
夕立「言われなくてもっぽいぃぃぃいいいいい!!!!!」
六メートル、背中から落下ってオーケー皆まで言うなマッチョでも物凄く痛い
夕立とロープで受け身も上手いこと取れないだろう。ハハ、何だろう川の向こうで戦友が手を振っtオイなんで中指立ててんだてめえら
(;T)「あーーーーーー!!凄く痛い!!絶対いた―――」
……くは、無かった。背中に、大きな布が覆いかぶさる感触がして
(;T)「あああああーーーーー……」ストン
夕立「あああーーーーー……」
割と穏やかに尻から着地出来た。カ号もエンジンを緊急停止し、電池の切れた玩具のように地面を転がった
(;T)「……」
夕立「……」
(;T)「夕立」
夕立「ぽい……?」
(;T)「地面って、いいな」
夕立「もう二度と宙になんて浮かばないっぽい」
龍驤「飛行甲板が台無しや。まさか爆撃やのうて落ちてくるマッチョと小娘受け止めて大破判定とはね」
龍驤「ほら、ケツ上げり」
尻の下には、龍驤の巻物型飛行甲板
なるほど、こいつをクッションにして受け止めたのか
(;T)「流石龍驤ここ一番で頼りになる女……」
龍驤「まさかホンマに成功するとは思ってなかったわ」
ボロボロになった甲板を巻いて収めると、龍驤はカ号を拾い上げた
( T)「夕立、立てるか?」
夕立「生えてないっぽい……」
( T)「おうなんで今の流れで下ネタとして捉えた?鷹さん、悪いけどこいつ風呂にまで持ってってくれ」
古鷹「わかりました。おいで、夕立ちゃん」
夕立「怖かったよぉ……」
鷹さんに支えられ、夕立は生まれたての小鹿のように足をガタガタ震わせながら、なんとか風呂場に向かって歩き出していた
さて、残るはあの寝ながら空中固定されているクソ呑気重巡なんだが……
青葉「司令官!!」
( T)「おう、加古なんだがやっぱりあいつ」
青葉「いや、さっさとオカマに戻ってくださいよ。切り替え下手ですね」
( T)「凄く頑張ったアタシに労いの言葉一つないのォ!?」
そろそろ報われたい
龍驤「ん、んん~?燃料は足りてるし、整備もしたばっかやのになーんであんな事なったんやろか?」
龍驤ちゃんはカ号をしげしげと眺めながら首を傾げたわ
原因はやっぱり、あの『バチッ』と叩かれた瞬間にあるとみていいわね
時雨「凄いねほら、映画のワンシーンみたい」
親潮「撮るの上手ですね時雨さん……ほとんどブレもないじゃないですか……」
( T)「後で見せて頂戴。それより誰かロープほどいて……ああやっぱいいわ」
(#T)「フンッ!!!!!!」マ ッ ス ル ! ! ! ! ! !
衣笠「うわっ、筋肉で吹き飛んだ」
時雨「やるならやるって先に言ってよ!!撮り損ねたじゃないか!!」
( T)「撮らんでよろしい。ねぇ、龍驤ちゃん」
龍驤「えっ、きっしょいんやけど」
( T)「アタシだってやりたくてやってるわけじゃないわよ。アンタ、妖気的な物は探れる?」
龍驤「その辺はあきつが一人ぶっ飛んでるだけで、ウチらはちょっち齧ってる程度や。そこまでは無理やな」
( T)「加古ちゃんね、アレ絶対怪奇的な何かに憑かれてるわ」
龍驤「んっんー、アレね」
龍驤「見りゃ分かるわ」
青葉「御尤も」
(;T)「アアンもうじれったいわねぇ!!ここにあきつちゃんがいたらサクッと見つけてこの世に生まれ出たことを後悔するくらい関節捻じ曲げるってのに!!」
早く帰って来てくれあきつ丸……
【その頃のあきつ丸】
あきつ丸「行きましたよ熊野殿ォ!!」
熊野「上出来ですわあきつ丸さん!!」ドンッ!!
<ピギィィィィィ!!
あきつ丸「お見事!!」
熊野「一発必中は淑女の嗜みですわ。さぁ、鎮守府全員分のノルマまでもう少しですわよ!!」
あきつ丸「応!!であります!!」
【元気に野山を駆け回ってた】
( T)「なんかこう都合よく出てこないかしら……原因が……」
( T)「アタシこんなに頑張ってるのに……あらやだ、グスッ、何かしら?目から男汁が……」
衣笠「その汁臭そう」
青葉「それが人生ですよ司令官。青葉達は司令官が面白おかしく振り回される様を見て楽しんでますから!!」
時雨「僕たちの娯楽として、これからも頑張って生きて欲しいと願うよ」
( T)「アタシはアンタ達のピエロじゃないわよ!!」
時雨「そんなセリフはピエロみたいに振る舞ってから言う事だよ!!」
( T)「助けて……親潮助けて……」
親潮「自助努力って、素晴らしい心掛けだと思いませんか?」
( T)「男汁止まらない」
龍驤「涙拭きやwwwwwwwwwwwwwww」
( T)「泣いてない。いいオカマに涙は似合わないのよ」
北上「あ、いたいた。てーとく」
( T)「何よ……ほっといてよ……」
北上「うわっ、気持悪っ……どしたのこれ?」
衣笠「ピエロとしての責務を放棄しかけてる提督」カチッシュボッ
北上「いやちょっと手加減したげなよ。見る方もキッツいよこれ」
青葉「こんな司令官ですが、何かご用ですか?」
北上「んー、大井っちが拾ってきた家具箱の中にまーたキモいアイテム入ってたからさー、押し付けに来たんだ」
時雨「テレタビーズ人形?」
北上「それよかもうちょっとキモい」
衣笠「懐かしいわね……」スパァー
青葉「ほら司令官、出番ですよ出番。いつまで腐ってんですか」
( T)「はぁん……?知らないわよ……アタシゴミ箱じゃないんだから……」
青葉「うわっ、めんどくさ……」
親潮「司令、元気出してくださ……あっ、そうだ!!飴あげますから!!」
( T)「マジで?超元気出たわ」
親潮「アタシが言うのも何ですが、安いですね司令……」
龍驤「……なぁ、北上」
北上「ん?って、顔恐っ。あ、あたし何かやらかした?」
龍驤「そうやない。アンタ、そのキモいアイテムって……」
傍目からみてもわかる、龍驤の異変
顔は青ざめ、肌寒い気温にも関わらず汗をだらだらと流している
北上「これ?」
北上がポケットから取り出したのは、人差し指ほどの長さの茶色い像だった
獅子を模した顔に、背中に四枚の翼。股座からは蛇の頭がそそり立っている
龍驤「そ……それ、今すぐ捨てぃ!!」
北上「え、えっ?そ、そのつもりだけど?」
龍驤「この場所から遠ざけろって意味や!!その人形から……」
龍驤「ウチでもわかる凄まじい悪意が放たれとる!!」バシッ!!
北上「うわっ!?」
龍驤は人形を持つ北上の手を払う。人形は俺の足下へと転がった
見覚えのある、人形だった。かつて、ホラー映画の中で登場し、無垢な少女に取り憑き最悪の悪魔へと変貌させた―――
( T)「『パズズ』」
青葉「何ですって?」
( T)「悪霊『パズズ』の像だ」
龍驤「知っとるんか?」
( T)「ホラー映画『エクソシスト』に出てきた悪霊の像だ。1973年の興行収入第一位、翌年に行われた46回アカデミー賞では10部門ノミネートされた内、脚色賞と音響賞を受賞」
( T)「そのあまりの恐ろしさから、公開時には『悪魔が撮った映画』とまで称されている。主題曲の『チューブラー・ベルズ』はテレビ番組のBGMとしても多用されている」
( T)「被害者であるリーガン・マクニールが悪魔に憑りつかれた時の形相は、一目見りゃその先ずっと忘れられねえ『素敵な思い出』になるだろうよ」
青葉「そりゃアンタと不知火さんと早霜さんだけです」
そうだそうだ。なーんで気が付かなかったんだ
エクソシストでも似たようなシーンがあったじゃねえか
ポルターガイスト現象によってリーガンが浮かぶあのシーンが
( T)「その、クソ、悪魔が、よぉ……」
像は『足下』に転がってきた。まるで『踏んでください』とお願いしているかのように
実に、ああ、実に腹立たしい顔面だな。クソッタレが
( T)「あろうことに、俺ん家に、ノコノコと、土足で入り込みやがって」
(#T)「加古と夕立おもちゃにしてお遊戯たぁ、良いご身分じゃねえか!!えぇ!?」ダンッ!!
親潮「司r」
時雨「親潮、ダメだ。マジギレだよ」
(#T)「幽霊!!妖怪!!巨大生物!!イフリートはいいや許す!!」ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!
(#T)「深海のッ!!クソビッチ共だけで!!こっちは手一杯だってのに!!お前らは!!いつも!!いつも!!クッソ!!」ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!
青葉「あの、司令官その辺で……」
(#T)「ア゙ァ!?」
青葉「アッハイもう気が済むまで粉々にしてください」
衣笠「いや、止めた方がいいわよ青葉」
青葉「無理だってガッサ。今にも『アイ・アム・ヘラクレス!!』って叫びながら鎖の拘束引きちぎらんばかりのキレ方だよ」
衣笠「そうじゃなくて、加古が」
青葉「加古ちゃ……んっ?」
(#T)「クソッ!!思い知ったか!!クソが!!お前が一瞬サブリミナルで映り出る瞬間どんだけビビったと思ってんだオラ!!」ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!
青葉「あーらら……」
衣笠「ヤバいってアレ……もう笑い話じゃ済まされないわよ……」
青葉「司令官、司令官!!」
(#T)「畜生が!!女!!一人にしか!!憑りつけねえスケベ野郎が!!どうした!!オラ!!かかって来いオラ!!」ダンダンダンッ!!
青葉「……時雨さん、お願いします」
時雨「えっ、僕に振る?」
青葉「いつも子犬みたいに尻尾振って遊んでもらってるじゃないですか。キレた司令官でもペットに手を上げるほど、ええ」
青葉「クソ野郎ではないでしょうし」
時雨「キミがいつもどんな風に僕を見てるのかよくわかったよ。その首いつか叩き落とす」
青葉「いつでもどうぞ」
龍驤「下剋上宣言してる場合ちゃうでキミ達」
(#T)「なーにが!!熱病をもたらす!!悪魔だ!!現代医療の前じゃテメーなんざクソカスだボケ!!」ダンッ!!ダンッ!!
時雨「あっ!!空から70年代から80年代にかけて栄華を極めたビレッジピープルの初代メンバーが!!」
(;T)そ「えっ!?どこどこ!?グレン・ヒューズ生き返ったの!?」バッ!!
時雨「はい、この通り」
青葉「お見事」
(;T)「どこどこ!?麻薬と拳銃所持でとっ捕まったヴィクター……ウィリス……?」
Village Peopleなど、空にはいなかった。代わりに俺の目に飛び込んで来たのは
加古「ア……ガ……」
うつ伏せになり、口を大きく開いて舌を伸ばし、血走った白目を剥ける加古の姿だった
(;T)そ「イヤぁん!!コワイ!!」
親潮「司令、オカマ返りしてます!!」
青葉「よかった、いつもの司令官ですよ」
北上「いつもあんなんじゃ堪ったもんじゃないよ」
ちょっとびっくりしたが、これで原因がハッキリと現れたってワケだ。オカマしてる場合じゃねえな
( T)「なるほど、ご自慢の!!ご立派な!!イチモツを!!」
( T)「粉々にされて!!怒髪天を衝くってか!?ええ!?」
粉々になるまで踏みつぶした『元』パズズの像を蹴り払う
奴の癪に障ったようだ。ハハ、笑えるなボケが
(#T)「逆恨みって言葉わかるか!?アァ!?わかんねえだろうな!!人を浮かして物飛ばす程度しか能のねえてめえに賢いオツムがあるわけねえもんなぁ!!」
加古「ウオオ……オオオ……!!!」
おーおー、効いてる効いてる。今にも飛び掛からんばかりの形相だ
( T)「青葉」ヒソッ
青葉「策が?」ヒソ
( T)「ああ、ここにいる『全員』でやれ」ヒソ
青葉「それで?どのような?」ヒソヒソ
野郎をぶち殺す策を青葉に耳打ちする。映画好きを敵に回したら怖えってことを存分に思い知らせてやる死ね
青葉「そんな簡単な方法で良いんですか?」
( T)「問題はお前らの良心の呵責だが」
青葉「微塵も揺らぎませんね」
( T)「知ってた」
それじゃあ、仕上げの段階に入ろうか
(#T)「どうした!?恐ぇ顔面見せつけるだけがお前の特技か!?この腐った淫霊が!!」
(#T)「来いよ!!オラ!!俺の体内に入ってみろ!!出来ねえか!?タマ無し野郎!!」
加古「アアアアアア……アアアアアア!!!!!」
奴は挑発に乗り、両腕を禍々しく広げ落ちてくる
(#T)「単細胞が」
エクソシストは、何度も観た映画だ。ラストも鮮明に思い出せる
リーガンの中に潜む悪魔を挑発し、自身に乗り移らせたカラス神父はその後
体の支配権を完全に奪われる前に窓から身を投げ、悪魔もろとも自殺した
あっ、ネタバレ注意な
加古「ガァァアッ!!」
(#T)「グッ……!!」
加古を受け止め、オクラホマ・スタンピードぶちかましそうになるのを咄嗟に抑えた。身に沁みついた癖って恐い
彼女の両手は、首の筋肉が引き千切れそうなほど締め付けてくる
時雨「このクソビッ……」
青葉「落ち着いてください時雨さん。『まだ』です」
(#T)「どうした……ゴホッ、この程度か……?ジジイのファックの方がまだ気合入ってんぞ……」
北上「み、見たことあるの……?」
(#T)「ねえよ物の例えだ……!!」
加古「ゴォガァ……アアァ……!!」
(#T)「ッ!?」
来た。俺の中に、ドロドロに煮詰めたクソが無理やり流れ込んでくるような感覚がする
気持ち悪ぃ、吐きそうだ。なんだってこんな疑似的なムカデ人間体験しなきゃなんねぇんだよ
加古「……」
加古から、フッと力が抜け崩れ落ちる。代わりに、俺の体が、自意識とは無関係に
(#T)「青葉……入って、来た……」
暴走を始めようとする
鎮まれ……俺の筋肉……鎮まるのだ……
青葉「龍驤さん北上さん!!加古ちゃん頼みます!!」
龍驤「はいよぉ!!」
北上「な、何かよくわかんないけどオッケ!!」
加古の身柄を引き受けて貰い、その場に立つのは悪魔が乗り移った俺だけとなる
さぁ、ここからがクライマックスだ
青葉「気分はどうですか?司令官」
(#T)「お前の練度上限開放したら大本営からゴミみてえな薄っぺらい布団送られてきた時みてえな気分だよ……」
青葉「つまり最低と。良いですねぇわかりやすい。あれは酷いセクハラでしたからねぇ」
青葉「では、覚悟はよろしいですか?」
衣笠「遠慮しなくていいのよね?」
時雨「そのおもちゃは僕のだ……!!」
(#T)「オイ」
親潮「あの……出来るだけ手加減しますので……」
話をエクソシストに戻そう。悪魔を身に宿したカラス神父は、『窓から飛び降りて』共倒れした
つまりだ。人の身に悪魔が乗り移っている状態なら、『物理攻撃が効く』ということ
そう、青葉に伝えた策とは
青葉「耐えてくださいよぉ司令官。艤装無しとは言え、『艦娘四人の全力リンチ』ですからねえ」
乗り移った悪魔ごと、俺をボコボコにする作戦だ
(#T)「小娘如きの攻撃で『俺』がそう簡単に死ぬかよ笑わせんな……まぁ、『奴』はどうか知らんが」
青葉「言いますねえ。本人か悪魔かどっちの言葉かは知りませんが……」
青葉「『死ぬほど』痛い目、見てもらいましょうか」
.
―――――
―――
―
( T)「……」
( T)「めっっっっっちゃ、痛い」
青葉「でしょうね。あの後『うっわやりすぎた』って笑ってましたもんwwwww」
( T)「お前こそ本物の悪魔だよ」
目が覚めたのは二日後だった。今は医務室のベッドの上でのんびりしている
その後の事は覚えてなかったのだが、龍驤曰く『泣いて土下座してるパズズを嗤いながら嬲り殺したで』っつー話だ
自分で言うのも何だが、よく生きてたな俺。鍛えてよかった筋肉
青葉「司令官の耐久力が悪魔のしぶとさを上回った瞬間は感動すら覚えました。記事の評判も上々ですよ!!」
( T)「そりゃ、何よりだ……」
浮いてた加古は何も覚えてなかったようで、実に呑気に
『加古「……今、何時?」』
と、言ったそうだ。夕立は新しいトラウマ刻んだってのに、図太い奴だ
青葉「いやはや、青葉も長いことこの場所にいますが、毎度毎度面白……いえ、ロクな目に遭いませんね」
( T)「全くだよ。その内の半分はお前らが原因の気もするが」
青葉「嫌になりませんか?この場所で、『提督』として過ごす日々が」
( T)「……」
( T)「えっ?いや、普通にめっちゃしんどいけど……」
青葉「うっわぶっちゃけたこの人。意味深に溜めるからなんか良いこと言うかなって思ってたらこれですよ」
( T)「『辛いことや苦しいこと、いっぱいあるけど……皆が一緒だからワタシ大丈夫!!』とでも、言うと思ってたのか?」
青葉「考えただけで鳥肌が立ちますね……」
( T)「でも、まぁ……嫌な事ばかりじゃねえさ。『苦あれば楽あり』ってな」
青葉「……フフ、そうですか。それは何よりです」
何が言いたかったのか。青葉は椅子から立ち上がり
青葉「それじゃ、お大事に。サッサと復帰しないと叢雲さんが後で恐いですよ?」
医務室から立ち去った。不安になること言い残すんじゃねえよ
( T)「ハァ……」
一山越えた、達成感がある。それほど、今回の怪異は難敵だった
奴が俺の中に入り込んだ感覚は、二度と経験したくないほどおぞましい
だからと言って、この場所から逃げ出す気は毛頭ない
俺が消えた後のあいつらがどうなるかなんて考えたくもねえ。それに、怪奇現象如きで逃げ出すのも癪だしな
( T)「鬼でも悪魔でもかかって来いってんだチクショウめ」
マッチョたる者、いつでも挑む態勢でいたい
時雨「起きたね提督!!」バァーン!!
( T)「……」
時雨「バドミントンやるよ!!」ズアッ!!
( T)「勘弁してくれ……」
しかし、時間と場合と、人を選びたい日もある
布団に包まり、ギャーギャーうるさい時雨をシカトしながらそう思った
おわり
産まれてこのかた24年が過ぎましたが、バドミントンの事をずっとバトミントンって呼んでました。ご指摘ありがとうございます
今回で八作目となりました。残り二話で切り良く一区切りにします
十作品目は書くの途中でやめた時雨の話を出来たらなって考えてます。書けなかったらごめんな?
最後までお付き合い頂けると幸いです
次回は多分提督がプリキュアになる話だと思います。お疲れさまでした
このSSまとめへのコメント
流石マッスル提督だw