武内P「なぜお尻を触ったんですか?」楓「急にお尻が来たので」 (15)

注意事項

・武内Pもの

・武内Pもの





楓「私たちの相性はとても良いと思うんです」

武内P(高垣さんと雑談混じりの打ち合わせをしていた時の事です)

武内P(話がある程度まとまった頃、高垣さんがふと思い出したかのように言い出しました)

武内P「……私たちがですか?」

楓「はい。元担当で、今も縁があってこのように仕事をする機会が多いというコトもあるでしょうけど、けっこう色んな人に噂されているんです」

武内P「それは……」

楓「距離を取ろう、なんて言い出さないでくださいよ。噂なんて口にしている人は“そうだったら面白い”ぐらいのノリなんですから。私たちが距離を取っても、今度は別の誰かが噂にあがるだけです」

武内P(モデル時代から――あるいは学生の頃からでしょうか。好奇の目に慣れている彼女の言葉には説得力があり、うなずかされるものでした)

楓「けど……噂の相手として私が選ばれるなんて嬉しいです♪」

武内P「ん……? 高垣さんの相手として私が噂されているのでは?」

楓「え? ああ、そういう見方もありますね。ふふ、私はてっきり“あのCPのプロデューサーに相応しいのは、やはり高垣楓か”という感じだとばかり」

武内P(不思議そうな顔をしたかと思うと、今度は嬉しそうに表情を崩す。それは本当に楽しそうな笑顔でした)

武内P(――そんな笑みを、私と二人っきりの時に見せないでほしい。私と噂されて嬉しいかのように話しながら、浮かべないでほしい)

武内P(勘違いをしてしま――っ)


バサバサバサッ


楓「あら、崩れてしまいましたね」

武内P「……書類でしたか」

武内P(後ろの方で音がしたので振り返ってみると、そこでは紙が散らばっていました)

武内P(別に何という事でもありません。事務所という場所ならいくらでも起こりえる事です。問題は――)

楓「えいっ」

武内P「……っ!!?」

武内P(――気の抜ける掛け声と共に、私のお尻が掴むように撫でられた事です)

武内P「た……高垣さん?」

楓「あ……」

武内P「あの……いったい何を?」

楓「……急に」

武内P「急に?」

楓「急にお尻が来たので」





高垣楓
http://i.imgur.com/m1Hb23S.jpg

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武内P(急に……お尻が来たから?)

武内P(そうでしたか。急にお尻が来たのなら仕方がな――)

武内P「……いえ、来てませんよね? 最初から私のお尻はここにありましたよね?」

楓「ふぅ……プロデューサーはわかっていないようですね」

武内P「は、はい?」

楓「プロデューサーは書類が落ちるまで、今のように私と正面から向き合ってお話していました」

武内P「ええ、そうですね」

楓「そして書類が落ちる音に半身になって振り返りました」

武内P「はい」

楓「つまり私は間近でプロデューサーの横顔を見上げます」

武内P「え、ええ」

楓「間近で直《じか》にジーっと見ます」

武内P「あ、はい」

楓「カッコいいですね」

武内P「……………………え?」

楓「つい見惚れてしまって、いけないいけないと、視線を下げます。すると今度はプロデューサーの胴体があります」

楓「横から見るので、プロデューサーの体が分厚いコトがわかります」

武内P「は、はい」

楓「盛り上がった胸板を、紺色のスーツで窮屈《きゅうくつ》に包んでいます」

武内P「え?」

楓「エッチですね」

武内P「えっ!?」

楓「エッチな目で見てはいけないと、もう一度視線を下げます。するとさっきまで私に見せていなかったお尻が――お山があるじゃないですか。おや、まあ」

武内P「はあ」

楓「既に私は短時間で二度も我慢していました。させられました。それなのに急にお尻が来たんです」

楓「――揉みますよね?」

武内P「揉みませんよ」

楓「……え?」

武内P「あの……そんなに不思議そうな顔をしないでください。私の方が間違っているみたいじゃないですか」

楓「だって……未央ちゃんや蘭子ちゃんは我慢できるでしょうけど、凛ちゃんや小梅ちゃんが私と同じ状況だったら揉みますよ」

武内P「揉みません」

楓「じゃあ……美波ちゃん!」

武内P「切り札のように新田さんの名前を出さないでください。彼女もそんな事はしません」

楓「プロデューサー……あんなに可愛い子たちに囲まれて、夢を見てしまうのはわかります。けど彼女たちだって年頃の女の子で、エッチなコトに興味だってあるんです。あまり神聖視しては彼女たちのためになりませんよ」

武内P「あの……なんで私が諭されているのでしょうか? 彼女たちが異性に興味を持つのは当然の事だとは思います。しかしそれが私のお尻を撫でる撫でないにはつながりません」

楓「なるほど。プロデューサーはアイドルを神聖視しているのに加えて、自分がエッチな自覚が足りないようです」

武内P「私が……エッチ?」

楓「私たちは今二人きりですが、部屋で二人きりなんて状況は私以外にしたらダメですからね。何をされても文句は言えませんから」

武内P(言う方と言われる方が逆のような気が……)

楓「男の人ともダメですよ」

武内P「え?」

楓「え?」

武楓『え?』

武内P「あの……どうして男同士で二人きりなったらいけないんでしょうか?」

楓「だって……男は狼なのよ、気を付けなさいって菜々さんが」

武内P「また古い曲ですね。しかしそれを言うのなら、気をつけるべきは高垣さんの方です」

楓「私が?」

武内P「はい。部屋に二人きりの状況で男のお尻を撫でるなど“何か”起きてしまっても貴方にも原因があると言われるでしょう」

楓「何か……何かとは何でしょう!」

武内P「……?」

楓「プロデューサーは私に何をしてくれるんですか!」

武内P「……してくれるではなく、されてしまうんです」

楓「そんな細かいコトは今はどうだっていいんです。重要じゃありません。さあ、教えてください!」

武内P「そ、そうですね……例えばお尻を撫で返したりするかもしれません」

楓「こう、がっつりと掴むような感じで?」

武内P「いえいえ! こう、フワッと表面を撫でるような形です」

楓「なるほど。最初は優しく、段々と激しくしていくんですね」

武内P「しませんから」

楓「え?」

武内P「んんっ、そうです。しますね。私も男ですから、いざという時は狼になってしまいます。今のは言い間違いでした」

楓「……本当ですか?」

武内P「本当です。高垣さんがこのような間違った事を私に続ければ、我慢できなくなった私は高垣さんにきっと酷い事をするでしょう」

楓「それは……怖いですね。肝に銘じておきます」

武内P「ええ、お願いします」

楓「ところで話は変わりますけど――あ」

武内P「ん?」

武内P(私の肩越しに何を見たのか、軽く驚いた様子の高垣さんの反応につられて振り向きます。すると――)


サワサワサワ


武内P「……高垣さん」

武内P(私は振り返ったままの体勢で高垣さんに声をかけます)

楓「はい、なんでしょう♪」

武内P(この体勢では高垣さんの姿は見えませんが、その弾んだ声が容易に彼女の笑顔を連想させてくれます)

武内P「言いましたよね? このような事を続ければ、私は高垣さんに酷い事をしてしまうと」

武内P(どんな顔を彼女に向ければいいのかわからないため、背中を向けたまま話を続けます)

武内P(……困った事に、私のお尻を撫でる手は一向に止まる気配がありません)

楓「はい。プロデューサーは私に酷いことなんて一度もしてくれたコトが無いから、興味があるんです」

武内P「……高垣さん。もう一度よく考えてみてください」

楓「十分に考えているつもりですよ」

武内P「貴方より二回りも三回りも大きな男が、普段とは明らかに違う様子で迫ってきて体を撫でまわそうとする事態をちゃんと考えていますか?」

楓「そうですねえ……プロデューサーが嫌がる私にそんなコトをできるとは思えませんけど、仮にしてくれたとしましょう」

武内P「はい」

楓「きっとプロデューサーはおっかなびっくりな撫で方で、私がビクッと体をこわばらせた途端に、後悔と自制ですぐに距離を取るでしょう」

武内P「そ、そんな事は……」

武内P(ありませんと続けようとした言葉は、あまりにもその光景が容易に想像できるため言えませんでした)


サワサワサワ


武内P(……こうしている間も、私のお尻は撫でられています)

楓「やっと覚悟を決めてくれたと喜んだのもつかの間。我に返って距離を取るプロデューサーを見て、私は涙をこらえられないでしょう」

武内P「……え?」

楓「私の泣き声は廊下にまで響き、何事かと瑞樹さんと早苗さんが飛び込んできます」

武内P「……ん?」

楓「泣き崩れる私と、罪悪感に打ちひしがれるプロデューサー。何があったのか察した二人はプロデューサーを問い詰め、男として責任を取れと言いくるめてくれます」

武内P「あの……」

楓「こうして私たちはしばらくぎこちない雰囲気にはなるものの、これまでの長い付き合いと抜群の相性もあってやがて元通り――いえ、それ以上の関係となり、幸せな家庭を築きました。めでたしめでたし♪」

武内P「……高垣さん?」

楓「はい、何でしょう?」

武内P「高垣さんの話を聞いていると、私は妙な思い違いをしていまいそうです。気をつけてもらっていいでしょうか」

楓「思い違い……ですか」

武内P(私のお尻を撫でていた手が止まりました。ここから先は目を合わせなければと、私も振り返って彼女と相対します)

楓「どのような思い違いをしているのか……教えてもらっていいですか?」

武内P(彼女は口元に指をあてると、からかうような目で私を見上げる)

武内P(左右で異なる瞳の輝き。つややかな唇の色。つかみどころが無い、彼女独特の神秘的なたたずまい)

武内P(少女の可愛らしさと、大人の美しさを溶け合わせた女神の美貌が、ここにあった)

武内P(息を呑むようなその美しさに、私の体のどこからともなく危険だという訴えが起きる。逃げろと騒ぎ出す)

武内P(それなのに――彼女の妖しいオッドアイが私を惹きつけて離さない。私は命じられたわけでもないのに、彼女のお願いに抗《あらが》えなかった)

武内P「まるで高垣さんが……貴方が、私と……そういった関係になる事を……望んでいるように思ってしまいます」

楓「……そういった関係とは、どういう関係でしょうか?」

武内P「それは……」

楓「はぐらかさないでください、ね?」

武内P「まるで……男女の関係を、求めているように……思ってしまいました」

楓「……ふふっ」

武内P「!?」

武内P(その笑い声は、私に羞恥と安堵をもたらしてくれます)

武内P(私一人だけ勘違いしていたのだという恥ずかしさと、勘違いであってくれたのだという安らぎを!)

武内P(良かった……本当に良かった。彼女がもしもその気であったのなら、どんなに私が意識を強く持とうが叶わない)

武内P(それほどまでに私は彼女に魅了されている)

武内P(勘違いであってくれて本当に良かっ――)

楓「50点」

武内P「……え?」

楓「ですから、50点です。半分しか当たっていません」

武内P「半分も……当たっているんですか?」

楓「はい。半分しか当たっていません」

武内P(ぐにゃりとした酩酊感が襲いかかります。悲しんでいるのか喜んでいるのか、自分でもわかりません)

武内P(あまりにも大きな希望と絶望は、暴力的な情報量で私を蹂躙《じゅうりん》します)

武内P「何が……違っていたのでしょうか」

武内P(合っている部分を聞くのが怖くて避けたのですが――)

楓「間違ってはいません。ただ、私の願いの半分しか言ってくれなかったので50点です」

武内P(――あっさりと回り込まれてしまいます)

楓「男女の関係――それだけだと、なんだか一時的な関係で終わってしまいそうでイヤです」

武内P(困惑する私を楽しそうに、待ちわびていたように、愛おしそうに見つめながら、高垣さんは一つ一つゆっくりと言葉を紡ぎます)

楓「プロデューサー。私はずっとずっと貴方と一緒にいたいんです。私を放さないでほしいんです」

楓「病める時も、健やかなる時も」

武内P「高垣さん……私は」

楓「私の望みは言いました。プロデューサー、今度は貴方の望みを教えてください」

武内P(その柔らかな、それでいて熱のこもった声は、私の心に吸い込まれるように響きます)

武内P(私はもう、プロデューサーだからだと何年も秘めていた想いを口に出さずにはいられなかった)

武内P「……高垣さん。私の望みを貴方と同じです。貴方と一緒にいたい」

楓「それは……病める時も、健やかなる時も?」

武内P「はい」





武内P「死がふたりを分かつまで」





~おしまい~

最後まで読んでいただきありがとうございました。

これまでは限定ガシャを回し終わってから奉納SSを書いていましたが、クールのオルタネイトはしぶりん、ランラン、社長を既にお迎えしているので迷いました。
そして迷っているうちに「担当11人の限定が来るたびに出るまで回すのは頭がおかしい」と正気に返ってしまいました。
ランラン、幸子6週目がいつ来てもおかしくないので今回は我慢です。

だいじょうぶだ・・・おれはしょうきにもどった!

書けば出ると聞くので、きっと60ガシャでお迎えできることでしょう。
次回はウマ娘で沖スズを書きます。というか書いている途中でバレンタインガシャが来ました。

スズカ「私のトモは触らないんですか?」沖トレ「え?」(仮題)

これまでのおきてがみ(黒歴史)デース!


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武内P「姉を望んだ末路」
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千夜「お前を監視する」武内P「?」
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莉嘉「どうしてお姉ちゃんはまだ処女なの?」武内P「」
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武内P「島村さんとの距離が近いようなんです」
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