武内P「渋谷さんがお神酒を飲んだら……」凛「プロデューシャー♪」 (39)

注意事項

・アニメ基準

・武内Pもの

・未成年がお神酒やお屠蘇を飲みます





ハーイ、お疲れ様でしたー!

ワイワイ、ガヤガヤ


凛「ふぅ……」

武内P「渋谷さん、収録お疲れ様でした。……普段の収録より疲れているようですね」

凛「うん、正直ね。だって――」


ヒラヒラ


凛「着物をしっかり着るのなんてもう記憶には無い七五三以来だし、そんな状態で大勢の人が集まる神社の中継だったから」


あーあー、もう撮影終わっちゃったんだ

凛ちゃん着物似合ってるよな

お母さーん、あたしもあんなキレイな着物したいよ


武内P「早めに終わったので次の撮影まで時間があります。現場は事務所の近くですし、一度戻って休みましょうか」

凛「……うん。そうさせてもらうね」

武内P「では改めてスタッフの皆さんに挨拶をしてから――」

神主「すみません、今よろしいでしょうか」

武内P「これは神主さん。今日は撮影の許可をいただき、本当にありがとうございました」

神主「いやいや、少し離れたところで見ていましたが、境内の様子を熱心に紹介してくださって感謝したいのはこちらの方です」

凛「そ、そんなこと……」

神主「そのお礼と言うわけではありませんが、せっかく神社に参られたのです。お神酒をお持ちしたので、一口だけでもいかがですか」

凛「えっと……」チラッ

武内P「確かにお神酒にはアルコールが含まれますが、目的は飲酒ではなくあくまで宗教行事や伝統文化です。一口だけならいいでしょう」

凛「それなら……いただきます」

凛「んっ……ンンッ!?」

武内P「渋谷さん!?」

凛「ケホッ……の、喉が熱くてビックリした。楓さんたちって、こんなのしょっちゅう飲んでるんだね」

神主「ささ。プロデューサーさんもどうぞ」

武内P「申し訳ありません。私はこれから車を運転しますのでお気持ちだけいただきます。今日は本当にありがとうございました」

凛「ありがとう……ござい、ました」

武内P「それでは渋谷さん。スタッフの皆さんにも挨拶をしましょうか」

凛「……うん」ポーッ

武内P「?」





渋谷凛
http://livedoor.blogimg.jp/petit_popuri/imgs/b/f/bf8bbd2b.jpg

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483266061

※ ※ ※



ウウィーーーン


武内P「着きましたよ渋谷さん。私は駐車するので、先に降りられて――渋谷さん?」

凛「ハッ……ンッ…………熱い」

武内P「渋谷さん!? 失礼します」スッ

凛「プ、プロデューサー……?」

武内P(熱は……微熱といったところでしょうか? しかし微熱にしては顔が赤いし息も荒い。これは風邪や疲労ではなく――)

武内P「……申し訳ありません、私がお神酒を勧めたせいで。とにかく水を飲んで横になりましょう。渋谷さん、立てますか?」

凛「?」

凛(プロデューサーこんなに慌ててどうしたんだろう。手をこっちに伸ばして、まるで私が溺れているみたい)

凛(溺れているんだったら、別にいいよね?)


ギュウウウウ


武内P「し、渋谷さん?」

凛「フフ。プロデューシャー♪ プロデューシャーの腕、太いし弾力もありゅんだね」

武内P(あの渋谷さんが……やはり酔ってしまっている)

武内P「渋谷さん仮眠室に向かいますので、その……いえ、そのまま腕に捕まっていてもらえますか」

凛「うん!」


トテトテ、トテトテ


武内P(できれば肩を貸す形で歩くか、背負いたいのですが……)

凛「アハハハ。今日のプロデューシャー、いつもより優しいね♪」

武内P(問題のある姿ですが事務所の中ですし、渋谷さんもご機嫌だからいいとしましょう)

凛「ねえねえ、プロデューシャー?」


ムギュウ


武内P(……腕に感じる感触は意識しないように努めるとして、問題は次の撮影までに渋谷さんの体調が戻るかどうかです)

武内P(念のため空いているアイドルを回す準備をすべきですが、渋谷さんの代わりとなるとクールな新田さんかアナスタシアさんのどちらかに)


<我が友ー!?

<ウッヒョー! 私たちもクールですよ!


武内P「ん?」

凛「どしたの?」

武内P「いえ……幻聴が少し」

凛「プロデューシャー……ちゅかれてるんだね? 私と一緒におねんねしよ?」

武内P「いえ! 大丈夫です! さあ、仮眠室につきましたよ。私は水を持ってくるのでお待ちください」


タタタタタタッ

ガタッ、ゴソ


???「……ねえ、どうしたの?」

???「感じませんか? 面白くなりそうな気配を――――へそ下辺りから」





見た目クール、言動パッション、中身キュート
http://imcgdb.info/card-img/2510802.jpg

キュート8割、パッション2割。クール小さじ一杯

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※ ※ ※



武内P(調整は済みましたが、一番いいのは渋谷さんの体調が良くなること。水を飲んで仮眠をとって良くなればいいのですが――)

武内P「渋谷さん? 私です、入りますよ」


コンコン、ガチャ


凛「遅いよプロデューシャー」プクー

武内「申し訳ありません。さあ、お水を飲まれてください」


トクトクトク


凛「……」

武内P「渋谷さん? どうか飲まれてください」

凛「あーん」

武内P「……はい?」

凛「あーん!」

武内P「し、渋谷さん……?」

凛「……してくれないの?」

武内P「いえ、その……さすがにそれは」

凛「そっか……プロデューシャー、私のこと嫌いにゃんだ」

武内P「そ、そのようなことありません! 私は渋谷さんのことを大切に考えています」

凛「口で言わりぇちゃって、信用できないよ」

武内P「その……仕事が増えて貴方たちと会う時間は減りはしましたが、決してないがしろになど」

凛「でも……でも、だって」





凛「毎日学校近くに来てくれないもん!」





武内P「……………………はい?」

凛「私がアイドルになるまで、毎日毎日私に夢中で来てきゅれたのに! アイドルににゃったら全然来てくれないでしょ!」

凛「私よく人に不良っぽいとか遊んでそうとか勘違いしゃれるから、プロデューシャーに真っ直ぐ見てもらえて嬉しかったのに!」

凛「ウワアアアーーーンッ! プロデューシャーは釣った魚にエサをあげない人なんだーっ!」

武内P「」

凛「プロデューシャーの女たらし! 天然ジゴロ! 総受け!」

武内P「ど、どうか……落ち着いてください。ええと、その……私は自分の気持ちを伝えるのが苦手なので誤解を招いてしまいましたが、今も昔も同じぐらい渋谷さんを大切に考えています」

凛「――――本当に?」ピタッ

武内P「本当です! その、渋谷さんは年齢以上に大人びてしっかりした方なので、信頼するあまりそばにいる機会は減りましたが、私は今でも貴方の笑顔に魅入られています」

凛「じゃあ……証拠を見せて」 

武内P「しょ、証拠と言われましても……渋谷さん?」

凛「ん」

武内P(私を見上げるようにしながら目を閉じて……いや、まさかそんなはずは――)

???((その……まさかだよ))

武内P(こ、この声は……また幻聴!?)

???((凛さんは今……プロデューサーさんに、キスを求めているんだよ))

武内P(なんという……っ! いえ、そもそもこの声は?)

???((プロデューサーさんが今やるべきことは――)

武内P(心なしか白坂さんの声に似ている。つまりこの声は私の良心――心の中の天使!?)

小梅((両肩を、がっしり抱きしめて……凛さんが満足するまで、ホラー映画の恥ずかしいシーンみたいに……すること)

武内P「」

小梅((先を越されるのは嫌だけど……真面目なプロデューサーさんが、アイドルに手を出したという事実が重要だから……これをきっかけに私とも……フフフ)

武内P(……これは私の中の悪魔か。よりによって純粋で素直な白坂さんの声を騙るとは……ッ!!)

???((騙されてはいけませんプロデューサーさん!))

武内P(こ、この声は……島村さん!!)

卯月((酔って正気じゃない凛ちゃんにプロデューサーさんがすべきことは、そんなことじゃありません!)

武内P(そ、その通りです! 間違いない。この島村さんのような声こそ私の心の中の天使――)





卯月((そんな生ぬるいことじゃありません!!!)





武・梅(……え?)

卯月((酔った美少女がベッドのある部屋で甘えてきてるんですよ? ヤることは一つ!)

卯月((プロデューサーさんのプロデューサーさん【武内君の実年齢の数字Cm】で))

卯月((××な××を×の××××へ××に×××で、さんざん××××させたあげく))

卯月((ム リ ヤ リ 凸 凹 × ! ! ! ))

武内P「」





白坂小梅
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島村卯月
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小梅((だ、ダメ……! さすがにそれは、先にさせられないよ)

卯月((小梅ちゃん……アイドルにキスするのと、最後までしてしまうのと。どちらの方が罪悪感が強くプロデューサーさんを悩ませて、へそ下辺りにくる顔になると思いますか?))

小梅((ええ~? ……私、そういった趣味はちょっと))

卯月((若いうちから可能性を狭めたらいけません。ここはラオウのように、最後にこの卯月の横におればよいというぐらいの気構えをしましょう!))

小梅((でも……))


ガタゴソ、ガタゴソ

チョット、アンマリ暴レルト隠レテイルノガ見ツカッチャイマス


武内P(どういうわけか二人のふりをする悪魔たちがもめています。今のうちにどうするべきか決めましょう)

武内P(渋谷さんは一見キスを求めているようにも見えますが、酔っていて自分が今何をしているかはっきり認識できていません)

武内P(……とはいえ、一緒にいる時間が減って寂しさを覚えているのは、先ほどの様子を見るに本当なのでしょう)

武内P(ならば私がすべきことは……これ、なのでしょうか?)

凛「プ、プロデューシャー?」


ナデナデ


凛「にゃんで頭を……もう、仕方ないんだから」フフッ

武内P「その……寂しい想いをさせてしまい、申し訳ありませんでした」

凛「謝るぐらいならちゅー……いっか、別に。プロデューシャーは……そゆ人だって…………私、知ってるし」

武内P「渋谷さん?」

凛「にゃんだか……プロデューシャーになでられたら……胸がポカポカ……もう、寝るね」ボフッ

武内P「っと。渋谷さん、少し体を動かさせてもらいま――」

凛「このまま」

武内P「……」

凛「このまま、私と一緒にいて……ね?」

武内P「…………はい。渋谷さんが目が覚めるまでお付き合いします」

――――

――――――――

――――――――――――



凛「んっ……あれ?」

凛(ここは……私の部屋じゃない。どこで私は寝て――)

武内P「気がつかれましたか?」ナデナデ

凛「プロ…………ッ!!?」

凛(な、なぜ私はプロデューサーに膝枕してもらいながら頭をなでられてるの!? 目が覚めたのに夢の中!? それとも私たちがリアルだと思い込んでいたものこそが夢にすぎず、本当の私はプロデューサーとイチャラブ新婚生活!?)

凛(そうだよね。プロデューサーが鈍感すぎて自分の想いにすら気づかず、私と無意識に両想いのままプロデュース業をするなんて奇妙な事リアルなはずないか)

凛(この部屋もきっとプロデューサーが私と未来の子供たちのために二十年ローンで建てた家で――あれ? なんだか事務所のどこかで見たような気が)

武内P「渋谷さん。頭が痛かったり、目まいがするなどありませんか?」

凛「え……? あ、そういえば私お神酒を飲んでから頭が熱くなって……車の中あたりからの記憶がなくなってる」

武内P「ここは事務所の仮眠室で、渋谷さんは一時間ほど横になってもらいました」

凛「一時間……なんだか体が痛いと思ったら、着物のまま横になったからか」

武内P「その……すみません。私が着物を緩めるわけにもいかず」

凛「…………別に、それぐらいならいいのに」

武内P「んんっ。ところで、ご気分の方はいかがでしょうか?」

凛「うん。横になったおかげですっきり大丈夫だよ。ただ――」

武内P「ただ?」

凛「ど、どういった経緯でこんな風に寝ていたのかわかんなくて///」

武内P「し、失礼しま『待って!!』……渋谷さん?」

凛「その……私は一時間ぐらいここにいたんだっけ?」

武内P「はい、その通りです」

凛「それじゃあ次の撮影現場に行くのに何分ぐらい余裕はあるの?」

武内P「三十分ほど時間がありますが」

凛「じゃ、じゃあさ」

武内P「はい」

凛「私、記憶には無いんだけど……こんなことになっているってことは、かなり恥ずかしいところプロデューサーに見られちゃったってことでいいのかな?」

武内P「な、なんと言いますか……その」

凛「見たんだ」

武内P「は、はい」

凛「じゃあ恥ずかしいのがあと三十分増えちゃっても……悪くないよね?」

武内P「渋谷さん?」

凛「もうちょっとだけこの体勢でいさせてよ。その……お酒は抜けたけど、神社での撮影の疲れが残っているみたいだから」

武内P「……わかりました。私などの膝でよければ」

凛「あ、頭も///」

武内P「はい」ナデナデ

凛「フフ」

凛(なんだか今のプロデューサー優しい……のはいつも通りだけど、ガードが甘いな。理由はわかんないけど)

凛「お神酒のおかげ……かな?」

――――

――――――――

――――――――――――



カタカタカタ、ターンッ


武内P「ふう」

武内P(私が渋谷さんにお神酒を勧めてしまったせいで問題が起きてしまいましたが、おかげで渋谷さんが寂しく思っていたことがわかりました)

武内P(次の撮影現場には無事に間に合い、新田さんとアナスタシアさんのスケジュールを強引に詰めなくとも済みました)

武内P(渋谷さんの機嫌も良いように見られましたし、これで良かったのかもしれませ――――ん?)


カツーン、カツーン


武内P「誰……でしょうか? こんな夜更けに」


ガチャ


小梅「……」

武内P「白坂さん!? こんな時間にどうされたのです? とにかく、私が寮まで送り――」

小梅「ヒック」

武内P「白坂……さん? まさかとは思いますが……」

小梅「プロデューシャーしゃん……お屠蘇、お土産にってもらったから……一緒ににょもうって思って」

武内P「……お屠蘇をいただく時に、それとは別に一口いただきましたか?」

小梅「うん♪」

武内P「なんという……」

小梅「しゃしゃ。プロデューシャーしゃんも……お屠蘇飲も?」

武内P「い、いえ。私は今日は車でンンンッ!?」

小梅「よいではないか……よいではないか」

武内P「プハッ……いけませんよ白坂さん――ととっ!?」


バタンッ


小梅「スー……スー……」

武内P「眠られて……どうしたものでしょうか」

武内P(飲酒してしまったので私が車で寮まで送るわけにはいきません。かといってタクシーを呼べば未成年アイドルが酔った姿を見せてしまうことに)

???((――プロデューサーさん、プロデューサーさん))

武内P(こ、この島村さんのような声は!?)

卯月(こうなってしまったら仕方ありません。今夜は仮眠室で小梅ちゃんと過ごしましょう))

武内P「」

卯月((もちろん同じ部屋です。未成年で潰れるまで酔っちゃったんです。何か異常が起きるかもしれませんから))

小梅「スー……スー……」ニヤ

武内P「」

卯月((凛ちゃんとは同じ仮眠室ですごせたんです。問題ありませんよね?))

武内P「」

――――

――――――――

――――――――――――



凛「フフ。フフフフフフ」

凛(昨日はプロデューサーに膝枕してもらいながらたっぷりなでてもらえた。下手なカップルよりも距離が近いぐらい)

凛(このまま一気にゴールインしたいけど、焦ったらダメ。プロデューサーは奥手で真面目なんだから)

凛(だから時間をかけてじっくりと、膝枕と頭ポンポンを私にするのが当然な状態にしてからじゃないと)


ガチャ


凛「おはよう、プロデューサー」

武内P「おはようございます渋谷さん。昨日は家に戻られてから体調が崩れるなどということはなかったでしょうか?」

凛「ううん、大丈夫だったよ。プロデューサーが私に付き添ってくれたおかげかな?」

武内P「そうだといいのですが」

凛「そうに決まって……あれ、プロデューサー? 首どうかしたの?」

武内P「え、ええ。少し寝違えてしまったので、念のためシップを貼っています」ビクッ

凛「……ふーん。そうだね、そういうのは早目に対処した方がいいもんね。ちょっと早く来て時間もあるし、私がマッサージしてあげようか?」

武内P「い、いえ! アイドルにそのようなマネをさせるわけにはいきません。それに私の首や肩は太いので、収録前に渋谷さんの握力が疲れることにもなりますから」

凛「……ねえ、様子が変だけど何かあったの? 私にその首のことで知られたくないことでもあるの?」

武内P「そ、それは……」


ガチャ


小梅「おはよう……ございます」

武内P「し、白坂さん!?」

凛「……おはよう小梅。朝一でCPルームに顔を出すだなんて、何かあったの?」

小梅「うん……プロデューサーさんに、謝ることが……あって」

武内P「しし、渋谷さん。そろそろ収録に向かう時間では?」

凛「早めに来たって知ってるでしょ。で、謝ることって? プロデューサーの首にあるシップと関係あるんだろうけど」

小梅「あ……シップなんかしちゃ……ダメだよプロデューサーさん。それとも下に、ガーゼしてるの……?」

武内P「その、なんと言いますか」

小梅「ごめんなさい……プロデューサーさん。私、夢の中でゾンビになっちゃって……“添い寝”してくれたプロデューサーさんに、噛みついちゃった」

凛「――――――添い、寝?」ギシッ

武内P「こ、これには訳がありまして! 昨夜小梅さんは事務所に泊まったのですが体調が悪く、隣のベッドで私が様子を見ていたのですが、いつの間にか白坂さんが私のベッドに入り込んでいたのです」

小梅「寒かったから、つい……プロデューサーさん、おっきくて暖かったよ……エヘヘ」

凛「ふーーーーーーーーーーん」ギリッ、ギシッ

武内P「」

小梅「朝起きたらプロデューサーさんいなくて……私が噛んだ傷がどうなっちゃったか……見せて、ほしいの」

武内P「た、たいした傷じゃありません。アレは事故なので白坂さんが気に病むことなどなにもありませんよ」

小梅「なんで……見せてくれないの? 本当は、酷い傷だったり……するんじゃ」

凛「……シップまで使って隠されたら気になるよ。ねえ、プロデューサー。見せてあげたら」

武内P「う――――――――わかり……ました」ペリ

凛「~~~~~っっっ!!」

小梅「うわぁ……!」

凛「キス……マーク!」

武内P「その……あまり見られていいものではありませんし、白坂さんも寝ぼけてしてしまったことなので、内密にしておきたいのですが」

小梅「プロデューサーさんが……そう言ってくれるのなら」

小梅「見せたい人には……見せれたし」チラッ

凛「………………ねえ、プロデューサー。肩に髪の毛がついてるけど、ひょっとして小梅のじゃない?」

武内P「えっ……どこでしょうか?」

凛「ジッとしてて。私が取ってあげるから」


チュウウウウウウウウウウウウウウウウウ


武内P「!?!?!?!?!?」

凛「プハッ……小梅がいいんなら、私だってキスマークつけていいよね?」

小梅「……私はお酒に酔って、変な寝ぼけ方したからだよ」

凛「私も昨日そうだったからわかるけど、そうなっちゃったら記憶なんかほとんど無くてね。小梅さ、記憶がちょっとはっきりしすぎじゃない?」

小梅「お酒に潰れてどうなるかなんて……人それぞれって……あの子が」

蒼・梅『……』バチバチバチバチッ

武内P「その……お二人とも冷静に」

凛「別に、私たち冷静だよ。この件についてじっくり話し合う必要があるって冷静に判断しただけだから」

小梅「プロデューサーさんは……下がってて。大丈夫……私が、守るから」

武内P(わ、私では止められない。誰か、冷静でクールな人がこの場に来てくれれば――――ッ)


ガチャ、バタン!


武内P「!?」

蘭子「汝の願い、しかと聞きうけちゃ! 盟友として我が助成しぇん!(プロデューシャー、たしゅけに来ましたよ!)」

李衣菜「卯月ちゃんにもらった赤酒飲んだら体が火照ってきました! 今の私、なんだかロックです!」

武内P(…………私には神も仏もいない。あるのは悪魔のみか)

凛「二人とも、今私たち真面目な話をしているから邪魔しな『ウッヒョー!』……!?」

李衣菜「まだ三が日なのにそんな怖い顔しちゃダメだよ凛ちゃん。争うぐらいなら、私の歌を聞けーっ!」

凛(パッションだ)

小梅(パッションだね……)

武内P(今日はキュートではなくパッションの日でしたか)


<純真無垢に見えるけど~ 星の海翔けるグライド♪


蘭子「わわ、我が友よ」

武内P「神崎さん、顔が真っ赤ですが大丈夫でしょうか? 少し休憩された方が」

蘭子「新たな暦の幕開けが、我りゃを祝福している(明けましておめでとうございます)」

武内P「え、ええ。明けましておめでとうございます」

蘭子「我らが悲願、魔王と魔神が結ばれた元年としぇん(今年“こそ”よろしくお願いします)」

武内P「はい、今年も……え?」

蘭子「むふー!」


チュウウウウウウウウウウウウウウウウウ


武内P「!?!?!?!?!?」

蒼・梅『……ッ!?』

蘭子「フフフフ」

蘭子「フハハハハハッ」

蘭子「アッハッハッハッハッハッハッハッハッ!」

蘭子「け、契約はにゃった! 死がふたりを分かつまで、我らは共に生きん!(キスしたから結婚したようなものですね)///」

武内P「」


コソッ


卯月(ああ、嗚呼――――おっきな体しているプロデューサーさんが、乙女みたいに唇を片手に抑えて呆然としている。何が起きたのかまだ理解できていないんですね? 何が起きたか理解したらどんな顔してくれるんですか?)

卯月(そ、想像しただけでへそ下辺りがむずがゆい……っ!!)

李衣菜「アハハハハハ♪ いきなりチューするだなんて蘭子ちゃんロックだなー。よーし私も――」

凛「さ、させないから!」

小梅(卯月ちゃん……乱入は、もうちょっと私がプロデューサーさんと……ラブラブしてからにして、ほしかったな)プクー

蘭子「わ、我が友よ。もう一度契りを――」

凛「コラ、蘭子! いい加減に――」

李衣菜「ノリが悪いなー凛ちゃんは。ホラホラ、飲んだ飲んだ」

凛「~~~~~っっっ」

小梅「蘭子ちゃん……私にも、キスさせて?」

蘭子「ふむ……汝と我は一心同体。にゃれば汝も我が友の伴侶か(えー……まあ小梅ちゃんならいっか)」

武内P「」

李衣菜「あー、ずるーい! 私たちも入れてよー♪」

凛「……プロデューシャー」トローン

武内P「」

※ ※ ※



卯月「最初の方でプロデューサーさんも言っていましたが、未成年でもお神酒やお屠蘇を飲むことは問題ありません」

卯月「けどそれは目的が飲酒ではないからで、酔うほど飲むのは当然間違っています」

卯月「飲むのは一口二口で抑え、もし凛ちゃんのように特別弱いのなら、口をつける所作だけにしておきましょう」

卯月「そして一番正しい飲み方は、小梅ちゃんのようにまるで酔っていないのに、酔ったフリをして甘えまくることです!」

卯月「さてと。それでは私も――んっ……んっ」

卯月「はい! 酔っていないけど酔ったことになりました」

卯月「酔った勢いで四面楚歌から助けに……ふふ、フフフフフフ。プロデューサーさん、どんな顔するかな?」

卯月「四人に甘えられているところを私に見られて、バツの悪い顔? それとも助けが来たと安堵して――――安堵した矢先に、私も酔っていることに気づいて、奈落の底に叩きつけられた表情を!?」

卯月「あっ……ダメ…………へそ下辺りが……!!」

卯月「ハァ……ハァ……プロデューサーさんを助けながら、理性と情欲の狭間で苦悩する顔を間近で堪能するため――」

卯月「島村卯月、がんばります!」





~おしまい~

明けましておめでとうございます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
書けば出るっていうけど、これでスカチケ当たったらなーって。

転職と引っ越しでしばらく書けないかと思いましたが、思ったより早く余裕ができたのでこれからも1~2ヶ月に一度のペースで書いていく予定です。
今年も愛の重いアイドルたちとそれに振り回される武内Pを中心としつつ、気が向いたら本家アイマスやシンフォギアを書きたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

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