注意事項
・武内Pもの
・武内Pもの
――夜の初めごろ、346プロダクション
武内P(さて。一段落つきましたし、今日は帰り――ん?)
ドア<コンコン
武内P「どうぞ」
楓「プロデューサ~、大変ですよプロデューサ~」フラフラ
武内P「高垣さん? 少し酔っているようですが、何かあったのですか?」
楓「急いで確認したいことができたので、タクシーでここまで来まし――」
武内P「高垣さん……?」
楓「タクシー……宅sea……帰宅sea? 海辺のホテルに泊まっている時に、これは使えますね……ッ!」
武内P「…………はい。ライブや撮影等で海辺のホテルに泊まる機会に、ぜひ」
楓「――今のは海辺の温泉旅館に一緒に行きましょう、というお誘いですよね?」
武内P「…………高垣さん。どなたと、どのぐらい飲んでいましたか?」
楓「瑞樹さんと早苗さん、それに友紀ちゃんと――えっと、ビール3杯に日本酒3合のほろ酔い状態です。ご機嫌です。プロデューサーが困った顔をしながら構ってくれているので、さらに上機嫌です♪」
武内P「川島さんたちと飲んでいたにしては、解散するのが早いですね」
楓「そうでした。プロデューサーに確認しなければいけないことがあったんです」
武内P「ええ、帰宅seaのインパクトが強かったので忘れていました。それで私に確認したいことは何でしょうか?」
楓「プロデューサーは独身ですよね?」
武内P「え? そうですが……」
楓「彼女もいませんよね?」
武内P「……残念ですが」
楓「つまり私が彼女ということですね!」
武内P「え?」
楓「え?」
武内P「……」
楓「……」
武内P「あの……」
楓「どやぁ」
武内P「どやぁ、ではなくてですね」
高垣楓
http://i.imgur.com/rVeOcb7.jpg
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1578872881
楓「仕方ありません。ここはプロデューサーの彼女である私が、なぜこの事実に気づいたのか説明しましょう」
武内P「ええ、お水を飲みながらお願いします。どうぞ」
楓「あ、どうも。なんだか酔っ払いをあしらっているように感じますけど、私とプロデューサーの仲なので流します。足洗う、だけに。フフ」
武内P(酔っているからか、いつもよりテンションが高いようです……)
楓「それでですね、未婚で彼女もいない若い男性ファンは、応援しているアイドルと付き合いたいとか、彼女面されたいと願っているから、その夢を壊したらいけないという話を先ほどまでしていたんです」
武内P「なるほど。少し話が見えてきました」
楓「だから友紀ちゃんがねこっぴーを彼氏と発言するのはセーフだけど、一岡君と大田君をカープと日ハムに寝取られたーと泣くのはアウトなんだとか」
武内P「……それは各方面にケンカを売るからアウトなのでは?」
楓「そしてプロデューサーは、私の一人目のファンですよね?」
武内P「もちろんそうですが……」
楓「さらに未婚で彼女もいない」
武内P「それもそうなんですが……」
楓「つまり私が彼女なんですね!」
武内P「それは違います」
楓「……え?」
武内P「その……高垣さんには、私だけではなく多くのファンが『……てられた』……高垣さん?」
楓「見捨て……見捨てられた……担当じゃなくなったから……十代じゃないから……」グス
武内P「……ッ!? ちが、違います! 私は今でも高垣さんのファンです!」
楓「……本当に?」
武内P「本当です」
楓「モデルとして生きてきた私に、新しい生き方を教えてくれた貴方は、まだそこにいるんですよね?」
武内P「はい。今でも貴方を応援しています」
楓「CPで十代の娘たちに囲まれて、やっぱり若い方がいいとか思ったりは?」
武内P「そういう気持ちで仕事はしていませんし……そもそも高垣さんはまだ若いではありませんか」
楓「そ、そうですか?」
武内P「もちろんです」
楓「じゃ、じゃあ今度、実家にあるはずなので、学生時代の制服を送ってもらいますね」
武内P「……ん?」
楓「背もウエストも高校生の頃とあまり変わっていないので、多分大丈夫ですから」ニッコニコ
武内P「……私が大丈夫ではありません」
楓「そ、そんな……美波ちゃんには着させたのに、私はダメなんですね……?」
武内P「そうではなくてですね……」
新田美波
http://i.imgur.com/idNlkc7.jpg
楓「まさか……チャイルドスモックの方を私に!?」
武内P「そ、そういう意味でもなくてですね」
武内P(制服はともかくチャイルドスモックは似合いすぎて、高垣楓というアイドルイメージが崩壊しかねません……っ)
武内P「それはともかくですね、私は今も昔も高垣さんのファンですし、年齢についてはそもそも考えたことがありませんから」
楓「そ、そんな。今も昔も、そして年をとった将来も私のファンだなんて……なんだか、プロポーズみたいです」
武内P「……そうは言っていませんよね?」
楓「意訳です」
武内P「飛躍しすぎです」」
楓「跳躍は超訳、と言いたいわけですか。む~、やりますね」
武内P「やっていません」
楓「ともあれ、私がプロデューサーにプロデュースされてから二年。つまり交際を始めて二年になるわけですが」
武内P「あの……その前提で話を進めるのですか?」
楓「彼女面というやつです」フンスッ
武内P「は、はあ」
武内P(誰かに助けを求めるべきでしょうか? 三船さん……三船さんに酔った高垣さんの荷は思いですね。先ほどまで一緒に飲んでいたという片桐さんたちは――酔っ払いが増えて状況が悪化するだけで終わりでしょう)
武内P(ここは様子を見ながら水を飲んでもらって、落ち着いた頃にタクシーを呼んで帰宅seaしてもらいましょう)
楓「――というわけで、そろそろご両親を紹介してほしいのですが)
武内P(様子見は悪手でしたか……)
武内P「あの……高垣さん? どうしてそうなるのでしょうか?」
楓「え? だって私は二十五歳で、プロデューサーはそろそろ三十歳ですよね」
武内P「はい」
楓「付き合って二年でこの年齢の男女なら、結婚を視野に入れてもおかしくはありませんよね?」
武内P「おかしくはありません。前提がおかしいことを除きさえすれば」
楓「前提がおかしい……? まさか……っ!」
武内P「はい。そもそも私と高垣さんは『グス……遊びの関係……だったんですか?』……高垣さん!?」
楓「私はしょせん……間に合わせの存在で……ヒック……今は少し構ってくれていますけど……蘭子ちゃんや小梅ちゃんが食べごろになったら捨てるんですね。アラサーに用はないって」
武内P「ちがっ……違います!」
楓「……本当ですか? 若い娘に目がいって、見捨てたりしませんか?」
武内P「そんなことは誓ってしません」
楓「病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も?」
武内P「当たり前で……え?」
楓「あ、今のはおかしいですよね」
武内P「そうですね。気づいてくれて助かります」
楓「神前式か教会式か、どちらにするか相談していないのに私ったら」
武内P「……気づいたのはそちらでしたか」
楓「プロデューサーはどちらがいいですか? 私はドレスは仕事の関係で着慣れていますけど、やはりウェディングドレスは特別に感じます。でも白無垢の息を呑むような美しさも憧れがあるので、プロデューサーが望むならどちらでも受け入れますよ」
武内P(誰か……助けてください)
ドア<ガチャ
武内P(……ッ!? 助けが!?)
早苗「あー、本当にいたー! ヒック! ほらこっちこっち! やっぱり楓ちゃんCPのプロデューサー君のところに夜這いしてたわよー!」
武内P(……敵の増援でした)
瑞樹「お邪魔しまーす。へえ、初めて君の部屋に入ったけど、良い部屋与えられているじゃない」
友紀「良い選手にはそれに見合った待遇を用意しなきゃ、FAされちゃうからね。当然だね!」
楓「夜這いじゃありません! 愛の確認です!」フンスッ
瑞樹「あらこの子、めんどくさい酔い方している時じゃない」
友紀「いやでもこの酔い方、瑞樹さんと早苗さんの責任ですって絶対」
早苗「いやいや、無いから。あるのはこっちだけ」
瑞樹「いやいやいや、無いから。あるのはアンタの方」
早苗「いやいやいやいや、あたしは無罪だから」
瑞樹「じゃあ誰のせいよ」
早苗「友紀ちゃんじゃない?」
瑞樹「友紀ちゃんね」
友紀「ふぇ~、助けてCPのプロデューサー。あの酔っ払いたちメチャクチャだよ~。後でうちに来て幸子ちゃんファックしていいから~」
片桐早苗
http://i.imgur.com/szqx6cD.jpg
川島瑞樹
http://i.imgur.com/rQFFuQo.jpg
姫川友紀
http://i.imgur.com/UE5l8pH.jpg
武内P「あの……姫川さん」
友紀「ん、なーに?」
武内P「高垣さんが……」
楓「はい、結婚を前提にお付き合いしている高垣楓です!」
武内P「――このようなテンションになった理由をご存じなのですか?」
友紀「うん。そこの酔っ払い二人のせい」
武内P「あの……お二人とも、何をしでかしたのですか?」
早苗「しでwwwwwwしでかしたwwwwww」ゲラゲラ
瑞樹「そのこっわい顔を神妙そうにしながら、そんな面白いこと言わないでププゥ!」
武内P「」
楓「怖くなんかありませんよ! ぴにゃこら太みたいでカワイイじゃないですか!」
瑞樹「カワイイ!? カッコイイじゃなくて!?」
友紀「フフ―ン! プロデューサーはカワイイですから……ねぇ?」
早苗「姫川幸子ちゃん! そこは最後まで自信をもって!」
友紀「だってねこっぴーの方がカワイイしカッコイイもん!」
早苗「ねこっぴーがカッコイイ……だと?」
瑞樹「わからないわ」
武内P「あの……どうかお願いしますから、こうなった経緯を」
早苗「……うちのプロデューサー君が悪いのよ」
瑞樹「あと私のプロデューサーもね」
武内P「え……? 早苗Pと瑞樹Pがいったいなにを――」
早苗「こちとら適齢期なのに、いつになったら手を出すんじゃあああアアアァァァ!!」
瑞樹「口を開けば“私はプロデューサーですから、アイドルとそんな関係にはなれません”だの“私には瑞樹さんはもったいない”だのノラリクラリとかわしおってー!!」
武内P「」
友紀「飲み始めて30分ぐらいで、こんな感じになったの」
瑞樹「花の命は短いのよ! そうでしょそこの十代の子たちばかりをはべらせている女の敵!」
武内P「わ、私ですか!?」
早苗「どうせ女子高生最高とか、女子大生は完璧な存在だとか思ってんだろー」
武内P「そ、そのようなことは決して! そもそも、お二人ともまだ若い――片桐さん? 川島さん?」
28歳's『……』
楓「二人とも、説明してあげてください。二人の……いいえ、私たちの置かれた現状を」
武内P「現状……どういう意味なのですか?」
瑞樹「……ねえ、アイドルを円満に引退するのに、どれぐらい時間が必要かは……君ならわかるわよね?」
武内P「……人気アイドルが引退する場合、上を説得するのに時間がかかります。その説得の材料と、これまで応援してくれたファンへの感謝として最後のツアーライブを組むことになるでしょう」
瑞樹「引退のツアーライブはかなりお金が動くから、そうなるでしょうね」
武内P「ツアーライブ開始の半年から一年前にファンへ引退を公表するとして、公表前にライブ会場をある程度おさえたうえで、決裁をもらっている必要もあります。それらと並行して、レギュラー番組など関係先との調整もあるので……全て合わせると二年から三年は必要となります」
早苗「それに加えて! 引退して結婚しようって相手が元担当プロデューサーだった場合、どのぐらい時間を空ければ会社と結婚相手に迷惑かけないですむ?」
武内P「世間の関心が薄れた頃……できれば三年、最低でも一年は空けなければ、あそこのプロダクションのプロデューサーはアイドルに手を出すという風評がたちかねません」
瑞樹「つまり――私たちアイドルが担当プロデューサーと穏便に結婚しようとするなら最低でも三年、場合によっては六年はかかるのよね?」
武内P「そ、そうなりますね」
瑞樹「早苗ちゃーん。貴方いくつー?」
早苗「二十八さーい♪ まだ二十代で、若い子にも負けてないわよーって言えますー」
瑞樹「三年後はー?」
早苗「三十路過ぎー♪」
瑞樹「六年後はー?」
早苗「――やめろ」
瑞樹「……ええ」
早苗「ゴホンッ。そういう瑞樹ちゃんはいくつー?」
瑞樹「かわしまみじゅき、5ちゃいです!」
早苗「――やめろ」
瑞樹「……ええ」
28歳's『というわけよ』
武内P「あ、はい」
瑞樹「フッフッフッ。いっそのこと円満とか穏便とかぬるい考え捨てて、生放送中にうっかりのフリして関係を匂わせちゃおうかしら」
早苗「そうすればあの煮え切らない男も、腹をくくるでしょうしねぇ。アハハハハハ」
武内P「お、落ち着いてください! ご自身とファンのことも考えてください!」
早苗「……そういう貴方は楓ちゃんのこと考えてあげてる?」
武内P「え……?」
瑞樹「さっき三年から六年って話をしたでしょ? 私たちより若いとはいえ、その頃には三十前後」
早苗「というか真面目で堅物なアンタがアイドルに手を出す覚悟を決めるのに、さらに何年必要になるって話よ」
瑞樹「不安になって変な酔い方して、煮え切らない男のところに突撃の一つや二つかますわよ」
武内P「ちょ、ちょっと待ってください。そもそも高垣さんは別に私のことは――」
楓「――好きですよ」
武内P「…………え?」
楓「驚くのですね。さっきまでの私の態度の全てが、酔ってたから……ふざけているからだと、思っていたのですか?」
武内P「その……申し訳、ありません」
楓「フフッ、良いんです。お酒の勢いを借りて、ふざけたフリをしながらじゃなければ言えない私が悪いんですから」
武内P「あの……わ、私はプロデューサーで……アイドルの皆さんをそういった目で見てはいけないと、自分を戒めていました」
ン? コノ流レ……ハッ!? コノママジャ幸子チャンガ寝取ラレ――
黙ッテ見テイナサイコノキョカス!!
アノ子マダ十四歳デショ!!
コ、コバロリ! 我ニ力ヲ~
楓「……はい。私も貴方を困らせたくなくて、近くにいれるだけでいいと思ってました」
武内P「そのせいで貴方の気持ちに気づかず、ここまで不安な気持ちにさせてしまったことを、男として不甲斐なさを感じます。こんな私で良ければ――」
楓「はい。そんな不器用なぐらい真面目な貴方だから――」
『結婚してください』
~おしまい~
最後まで読んでいただきありがとうございました。
そして新年明けましておめでとうございます。
楓さんは好きだし書いてて楽しいのですが、なぜか勝手にラスボスの呼吸になるのが悩みの種。
対策としては諦めてラスボスになってもらうか、今回のように楓さんをメインにすればラスボスの呼吸が正妻の呼吸へと早変わり。
武内Pは好きだし書いてて興奮するのですが、気がつけば(野)獣(先輩)の呼吸で武内PやまゆPを幸せな目に遭わせてしまうのが悩みの種。
対策は、無い。
ちなみに私が鬼滅で好きなのは上弦陸兄妹と半天狗です。
これから年度末、そして春に転勤があるので次の投稿は夏か秋だと思います。
オタッシャデー!
追伸
新年早々運を使い切ったので、今年の私はまずいです。
http://i.imgur.com/WLXw9lw.jpg
http://i.imgur.com/Fk1dbVM.jpg
これまでのおきてがみ(黒歴史)デース!
ついに1レスじゃおさまらなくなっちゃったデスよ
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幸子「孕まされてお腹がパンパンです♪」武内P「」
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武内P「私の愛が重い?」
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武内P「桃太郎」
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モバP「輝子が魔王になってしまった」輝子「Welcome to this crazy Time!!!」
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武内P「私をドキドキさせたい?」小梅「……うん」
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