武内P「脳が破壊される?」 (29)

注意事項

・武内Pもの

・武内Pもの





りあむ「うおおおおおぉぉおオオんん!!」

武内P「!?」ビクッ

りあむ「グッス……ひっぐっ……うぇっぷ」

武内P(え、えずいている……ッ!?)ゴクリ

りあむ「やばたん……つらたん……つらたにえん」

武内P「あの……ゆ、夢見さん?」

りあむ「ふぁ……? Pサマ?」

武内P「ただならぬ様子でしたが、何かあったのですか?」

りあむ「ひっぐっ……うん、足りないんだ」

武内P「足りない? 何がですか?」

りあむ「……オギャりが」

武内P「――オギャりとは?」

りあむ「ママにオギャること」

武内P「――――ママにオギャるとは?」

りあむ「母性あふれる尊い女の子に、童心に帰って甘えること」

武内P「――――――――なるほど」

武内P(まるで意味が、わかりません)

りあむ「朝から炎上して、あかりちゃんとあきらちゃんにすこってもらおうとしたけど、二人はつかさちゃんと仕事でいない。ママたちも忙しくてオギャれない。ぴえん」

武内P「……なるほど。つまり誰かに慰めてほしかったけれど、仲の良い相手と今日は会えていないんですね」

りあむ「あい、だからぼくは朝からぼっちなまま。ママ成分が足りないの~」

武内P「それは、その……ご愁傷さまでした」ススッ

りあむ「はっ!? そこで何で他人事みたいに言いながら距離とんの!? 触れる者皆傷つけるガラスの十代だからそっとしておこう、じゃなくて例え我が身が傷ついてもすこるのがCPのPサマでしょ!!」

武内P「すみません、嫌な予感がしたもので」

りあむ「嫌って言った! 嫌って言っちゃったよこの人! でも仕方ないじゃん! ママみが足りないならパパみで補わないと!」

武内P「いいですか夢見さん。年頃の女性が自分より年下の女の子をママと呼んで甘えるのは、少し奇妙ですが本人同士が納得……納得? しているのなら許さ……許されはしませんが、見ないフリをしてもらえる可能性が無くはありません」

りあむ「ワンチャンあるで~?」

武内P「しかし血のつながっていない年上の男性を“パパ”と呼ぶのは、いらぬ誤解を招きます。どうかそれだけは止めてください」

りあむ「……ワンチャンない?」

武内P「ワンチャンありません」

りあむ「…………び」

武内P「び?」





りあむ「びええ~~~~~んっ!!!」





武内P「」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1623064813

りあむ「やだ~、やだ~、オギャりたいよおおおおおぉぉ!!」ジタバタジタバタ

武内P「あの……夢見さん?」

りあむ「良い子にするからオギャらせてよおおぉ!! みりあちゃんと莉嘉ちゃんにママになってもらおうと狙ったりしないって約束するから! 何でも、何でもするから!」

武内P「……ッ!? 本当ですか!?」

りあむ「……え?」

武内P「今の話は本当ですか夢見さん!?」

りあむ「ちょ、Pサマ落ち着いて」

りあむ(え、何この食いつきっぷり? 何でも? ぼくが何でもするって言ったせいであのPサマが? ま?)

りあむ(どどど、どうしよう!? ネタで言っただけなのに! 今さらウソでしたって言っても、Pサマのこの尋常じゃない目つき! 乱暴されちゃうんだ! エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!)

りあむ(……いや、まあ。Pサマならありよりのありだけど……初めてだから優しくしてほしいっていうか、耳元でそのバリトンボイスでぼくをすこりながらトロトロに溶けたりあむちゃんをを食べてほし――)

武内P「本当に……赤城さんと城ヶ崎さんをママにすることを諦めてくれるんですね!」

りあむ「……ま?」

武内P「良かった……本当に良かった。ここ最近の一番の悩み事でしたから」

りあむ「……は?」

武内P「新田さんと城ヶ崎さん……あ、お姉さんの方の城ヶ崎さんを交えてですね、どうやってまだ幼い二人を守るか相談をしていたんです」

りあむ「……へ?」

武内P「しかし何度話し合っても答えは出ず……ですが私がパパになることでお二人を守れるのでしたら! 私は夢見さんのパパになりましょう!」

りあむ「……」スゥッ

武内P「それでは夢見さん。パパとして私は何をすれば……ん? 手を? はい、どうぞ」

りあむ「……」ニコッ

りあむ「オラアアアアアアアアァァッ! おっぱい揉めやああああああぁぁ!」ムニュウ

武内P「!!?」

りあむ「ハーハッハッハッハッハッ! 揉んだなあ!? Pサマなのにアイドルのおっぱいを揉んだなあ!? これでPサマは両方の意味でパパってわけだあ!」

武内P「ゆゆ、夢見さん!? いったい何を!?」

りあむ「お前がパパになるんだよ!!!」

武内P「!!?」

りあむ「だぁ! おぎゃあ♪ おぎゃあ♪」キャッキャッ

武内P(いったい……何が起きているのでしょうか)

りあむ「パパァ! パパァ!」





文香(いったい……何が起きているのでしょうか?)

文香(兄さま(※)が誰かと話している声がしたので様子を見にきたら、りあむさんが兄さまを“パパ”と呼んで甘えています。二人は親子だったのですか……っ!?)



 ※ふみふみは武内Pの妹である。古事記(おきてがみ)にもそう書かれている。

  武内P「姉を望んだ末路」
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1563177051

  武内P「ホモのショックで記憶が」
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1593212226

  武内P「魔神が生まれた日」
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1597086263

  武内P「ノンケの証明」
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1602379126

  武内P「神崎さんが反抗期になってしまいました……」
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1608413995
 
  武内P「私にマーキングしたい?」
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1615806377

  千夜「お前を監視する」武内P「?」
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1619637247
 


文香(りあむさんの年齢は私と同じ十九歳。兄さまは三十歳。あり得なくは……ないのでしょうか?)

文香(い、一度落ち着きましょう。そもそも二人は似てな――)

りあむ「あうー、だぁだぁ!」プルンプルン

武内P「よ、よしよし」ムキムキッ

文香「……ッ!?」


  りあむのおっぱい<とっても大きい

  武内Pのおっぱい<とっても大きい


文香(――似てる!?)

文香(そんな……兄さまが既に結婚していただなんて)

文香(あれ? 兄さまの薬指に指輪は無かったはず。離婚して今は独身ということでしょうか?)

文香(つまり……りあむさんと仲良くなれば)

~ポワン、ポワン、ポワン~


りあむ『パパ―、パパ―』

武内P『どうしましたか、りあむ』

りあむ『パパってさ、いつになったら文香ちゃんと結婚すんの?』

武内P『え……!? わ、私と鷺沢さんはそんな関係では――』

りあむ『ぼくね、文香ちゃんが相手なら再婚に反対しないよ。だってぼくのことすこってくれるもん!』

武内P『し、しかし……娘と同じ年齢の相手と再婚するなど』

りあむ『もう、パパったら! ぼくや年齢差を文香ちゃんと結婚しない理由にしないでよ! パパは文香ちゃんと一緒になりたくないの?』

武内P『わ、私は……許されるならば。しかし……』


ガタッ


文香『……』

武内P『さ、鷺沢さん!? 今の話を聞いていましたか?』

文香『は、はい……その、最初から』

りあむ『うん、文香ちゃんに隠れてもらってました!』

武内P『なぜそのような事を……? さ、鷺沢さん。無理を承知でお願いしますが、どうか聞かなかったことに――』

文香『……私もです』

武内P『……え?』

文香『私も兄さまと一緒になれないかと、願わなかった日はありません。しかし兄さまは私のことを、妹としてしか見ていないと半ば諦めていました』

武内P『鷺沢……さん』

文香『聞かなかったことになど、できるはずがありません』

武内P『鷺沢さん!』ギュッ

文香『に、兄さま……っ』





りあむ『エンダアアアァァイァアアア!!!』





~ポワン、ポワン、ポワン~



文香「……」プシュー

文香(……わ、私は兄さまの妹ですからね。姪とは仲良くするのは当然のことであって、仲良くなった結果そうなってしまっても……ふ、不可抗力です!)

武内P「あの……夢見さん。そろそろ止めてもらえませんか」

りあむ「だぁ! だぁ! や~だぁ! ……ん?」

文香「……あの」

武内P「鷺沢さん!? こ、これは……これはですね?」

武内P(自分に抱きつく十九歳になる女性をあやしている状況は、何と説明すればいいのでしょうか?)

武内P(どう誤解されても言い訳ができませんし、そもそも誤解と言えるのでしょうか)

文香「りあむさ……りあむちゃん」

りあむ「ど、どしたの文香ちゃん? いつもは優しい表情なのに、今は決意に満ちたキリッとした表情でこれはこれで推せるんだけど」

武内P(どうしたものかと悩んでいると、いつもとは違った様子の鷺沢さんはぎこちなく両手を広げて、こう言いました)





文香「ま……ママですよ」





武内P(――その言葉は決して大きな音色ではありませんでした)

武内P(しかし鷺沢さんの常には無い様子に集中していた私たちは、一言一句漏らさず耳で拾います)

武内P(聞き間違いか? すわ幻聴か? そう考えがよぎるのも一瞬のこと。頬を真っ赤に染めながら恥ずかしそうに俯くその姿が、広げた両手がかすかな風にすら怯えて反応するようにピクピクと震わせるその様子が、今耳にした内容に間違いが無いことを如実に物語っています)

武内P「あの……鷺沢さん、待ってください」

武内P(もしや彼女は今の状況を一目で理解して、オギャりというものを望んでいる夢見さんから私を助けだそうとママだと言い出したのではないか?)

武内P(そこに考えがいたり、彼女を止めようとした瞬間でした)

りあむ「スウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥ――」

武内P(すぐ隣から肺活量の検査前のような、深く大きく息を吸う音に驚き、止まってしまいました)

武内P(ここで私が止まらなければ……誰の脳も破壊されずに済んだかもしれないのに)





りあむ「マアアアアアアアアアアァッ↑ ムアアアアアアアアアアァァン!!」ギュウウッッ





文香「よ、よしよし」ナデナデ

りあむ「デヘヘヘヘヘェ。ママァ♪ ママァ♪」

武内P「いったい……何が」



――こうして、同い年の親子が346プロデューサーで目撃されるようになりました。

※ ※ ※



りあむ「ねえ、ねえ、ママァ♪」

文香「はい、どうしましたか、りあむちゃん」

りあむ「えへへ♪ 呼んでみただけ!」

文香「うふふ、りあむちゃんは甘えんぼさんですね」ナデナデ

りあむ「はふぅ……幸せ……理由もなくチヤホヤされる……ここがぼくの理想郷《アルカディア》」

文香(これは……この気持ちは何なのでしょうか? 何かが、満たされて――)

ありす「……」

文香「……ありすちゃん?」

ありす「……ッ」バッ


タタタタタタタタタッ


文香「ありすちゃん……?」

りあむ「ママ? どうしたの?」

文香「あ、いえ。何でも……ありません」

※ ※ ※



ありす「ハァ……ハァ……」

ありす(なぜ私は……文香さんから逃げてしまったのでしょう?)

ありす(なんで――――――――――ッ)


文香『うふふ、りあむちゃんは甘えんぼさんですね』


ありす「……ッ! ……頭が……痛い」

ありす(先ほどの光景を思い出すと、どうしてこうも頭が締め付けられるんでしょう?)

ありす(……そ、そもそもおかしいんです! 血もつながっていない上に同い年の女性を相手に、ママと言ってあんなに際限なく甘えるなんて!)

ありす(文香さんも文香さんです! 文香さんは前々から目下の者には優しく、多少の無礼は穏やかに見守る人でした。しかしあんなただひたすら甘やかす人ではなかったのに!)

ありす(あんなに甘やかして……あんなに……あんなに……)


文香『今読んでいる本ですか? ありすちゃんもタイトルは知っていると思います。これまで何度も映画化をされ、しかし原作に忠実に映像化された作品は一つのみ。誰もが知る作品なのに、原作を読んだ人はあまりいないこの小説は――』


ありす(自分の持つ教養を、聞く者に興味を抱かせやすいように優しく語り聞かせてくれたあの文香さんが、今では――)


りあむ『ママー♪ ママー♪ あきらちゃんったら酷いんだよ! 最近ぼくへの対応が塩でね』

文香『よしよし、大丈夫。ママはもちろん、あきらちゃんも本当はりあむちゃんのことが好きですから』ナデナデ

ありす『』


ありす(今では初孫のように甘やかし尽くして……)

ありす「……」

ありす「私の……文香さんだったのに」

ありす「う――――――――――」バタリ

――

――――

――――――――



飛鳥「想いを言葉に綴る。それは誰しもが行うことだけど、そこに喜びと楽しみを見出す人がいる。キミや、ボクのように」

武内P「自分の想いが何であるか。今感じている感情はどのようなものか。果たしてこれから口にする言葉はそれを正しく伝えられているのか。そう考えれば考えるほど、言葉遊びに耽《ふけ》ていく」

飛鳥「けど……それは正しいのだろうか?」

武内P「正しくないと?」

飛鳥「間違っているとは言わないさ。一言では言い表せない想いを、幾千万もの彩《いろど》りで言い表さんとする。その情熱が間違っているはずがないさ」

飛鳥「けど……たった一つの言の葉に込められた、万感な想いを忘れてはいけない。言葉遊びに溺れてはいけないんだ」

武内P「……“言葉は時が経つほどに熟れていくが、色を失っていくものでもある”」

飛鳥「時には想ったままをそのまま口にするのが良い。名言だね」

飛鳥「……フフ、想ったままのことをキミに伝えようと思ったのに、随分と長い前置きになってしまった。本末転倒もいいところだね」

飛鳥「まあボクが率直に伝えたいことは、あまり蘭子にヤキモチを――」


うぐっ……ぐぇうっ


飛鳥「焼かせない……で……」


ぐぇうっ……! おえっ……


武内P「この声は……?」


うっぐ……! おえっ……


飛鳥「泣いて……いや、えずいている!?」

武内P「いったい誰に何が!?」





ありす「うぐっ……ぐぇうっ……おえっ」





武内P「た、橘さん!? 大丈夫ですか!?」

飛鳥「……かつて、ありすだったモノが横たわっている……。ありすのような何かが……」

ありす「の……脳が、痛い」

武内P「脳が!? い、今すぐ救急車を!」

ありす「……無駄です。現代医学では、私の破壊された脳を癒すことはできません」

武内P「は、破壊……?」

飛鳥「ああ……なるほど。そういうことか」ポンッ

武内P「わかるのですか二宮さん?」

飛鳥「ああ。何せボクは、蘭子がこうなってしまわないように尽力しているところだからね」

武内P「……え?」

ありす「私は……」グスッ

ありす「私は文香さんに想い人ができて、私のことが2番目になることは構わないんです。文香さんが不器用だけど優しくて誠実な、大柄で頼もしいのに詩的なところもある男性と幸せな家庭を築けるのなら、それは私にとっても幸せな事なんです」

武内P「え、ええ……?」

ありす「しかし……しかし!」

武内P「はいっ」ビクッ

ありす「手のかかる可愛い妹ポジションは私の物なんです! その私のポジションを、手のかかりまくるジャンボ娘で押しつぶそうとは業腹! 許しがたい!」ギリ、ギリギリギリッ

武内P(あの……いったい何のことでしょうか?)ヒソヒソ

飛鳥(どうやら彼女が懐いている文香さんが、最近は他の子を可愛がっているようだ。そのことに大きなショックを受けて、頭がおかしくなる寸前といったところだよ)ヒソヒソ

武内P(ああ……脳が破壊されるとはそういった意味なのですね)ヒソヒソ

ありす「あうぅ……NTRは……許されな――そこ! 二人でヒソヒソと顔が近いですよ!」

飛鳥「おっと、これは失礼。蘭子の脳を守るために離れるとしよう」

武内P「……? あの、正直まだよくわからないのですが、とりあえず休憩室で横になりませんか」

ありす「……ダメです。それでは根本的な解決になりません」

武内P「根本的な解決、ですか……? 原因は最近鷺沢さんが夢見さんと仲が良いことだと思いますが、仲を引く裂くようなマネをするのは……」

ありす「しかし今の関係はおかしいです! 不健全です! 保護者に抗議する必要があります!」

武内P「ゆ、夢見さんの親御さんに苦情を言うのですか? いくらなんでも、それは……」

ありす「さあ行きますよ! CPのプロデューサーさん! 飛鳥さん!」

武内P「え、今から行くのですか!?」

飛鳥「すまないがボクの時間は拘束されていてね。キミの脳が守られることを祈っているよ」

ありす「ありがとうございます。それではCPのプロデューサーさん、こっちです」

武内P「こっち? こっちは――」

※ ※ ※



――プロジェクト クローネ ルーム



武内P「……橘さん。保護者というのは、まさか……」

ありす「たのもー!!」


ガチャッ


加蓮「わっ、どうしたのありす? そんな勢いよく入ってきて。それにプロデューサーまで」

ありす「娘さんのことで話があります」

加蓮「娘さん? 私に娘はいないんだけど。奈緒のこと?」

ありす「ピンク髪の方です」

加蓮「あ……うん。うちの子じゃありません」

ありす「育児放棄ですか?」

加蓮「仮に私の子でも、十九歳の子をほったらかしにしても育児放棄にならないよね?」

ありす「りあむさんの精神年齢が十九歳に見えますか!?」

加蓮「……ねえ、見境なく色んな人――それも自分より年下をママ扱いする精神年齢っていくつになるの? 私そんな時期なかったと思うけど」

ありす「……私にもありませんね」

武内P「……私もです」

加蓮「んんっ。まあそもそも、りあむは私の子じゃないから。だって私はまだ子どもができるようなことしてないもんね、プロデューサー?」

武内P「あの……私に確認されても……まるで私が把握しているかのような言い方は止めてもらいたいのですが」

加蓮「そっか。プロデューサーはまだ把握できていないもんね。把握する?」

武内P「……そのような冗談は『 N T R は 禁 止 で す ! ! ! 』……た、橘さん?」

ありす「そのような……っ、くだらない、冗談で! 相思相愛の男女の仲に波風を立てるのは! 許されませんからねっっっ!!!」

加蓮「う、うん」

加蓮(ねえ、今日のありすどうしたの? さすがにこれ以上からかったらマズいよね?)ヒソヒソ

武内P(私もよくわからないのですが、何でも脳を破壊されかかっているそうです)ヒソヒソ

加蓮(え? 何それ怖い)ヒソヒソ

ありす「そこ! 顔が近いですよ!」

加蓮「あ、はい」

ありす「いいですか! とにかく加蓮さんは母親としてもっとりあむさんに構ってあげてください! そして文香さんに迷惑がかからないように!」

加蓮「あ~、はい、はい。そういえば今度は文香をママって呼び出し始めたけど、その件で? 私は関係な――」

ありす「ん、何ですか?」

加蓮「…………………………そうだね、ありすの言う通りだね。ごめんね迷惑かけちゃって。ちょっと育児に疲れていたのかも」

武内P「……?」

ありす「……ッ! いいえ、わかってくれたのならいいんですよ!」

加蓮「でも、ほら……私まだ十六歳だから、また育児に疲れて今回みたいなことを起こしちゃうかもしれない」

ありす「むむっ、確かにそうかもしれません。十六歳が十九歳のママになるという道理を無視したことは、すぐにまた限界が来てもおかしくありません」

加蓮「うん、一人だとすぐにまた限界が来ると思う。だから二人で支え合っていきましょうね、ア・ナ・タ♪」

武内P「……え?」

ありす「な……っ」

加蓮「りあむから聞いてるよ。プロデューサーがパパになってくれたって。子育ては夫婦で支え合ってやらないと♪」

ありす「な~~~っ! そんなこと認められません!!」

加蓮「え~? だってりあむの面倒をママとして見なさいって言ったのはありすでしょ? そして私一人じゃ無理だってことも認めてくれたじゃない」

ありす「そ、それは……そうです! 他のお母さんと一緒に協力すればいいじゃないですか! ママゆちゃんと響子ママ、それにはぁとママもいます!」

加蓮「みんな育児に協力的じゃないし、それに母親だけでなく父親も育児に関わる方が理想的でしょ?」

ありす「ぐぬ、ぐぬぬぬぬぬっ」

武内P「あの……話が妙な方向に進んでいませんか?」

加蓮「そんなことないよ。私たちの娘がよそ様に迷惑をかけないように、夫婦二人で協力して育てていきましょうって話なんだから」

武内P「……すみません、最初の方で話を止めるべきでした。橘さんの剣幕に押されて着いてきてしまいましたが、夢見さんの奇妙な行いの責任を、北条さん一人に負わせようとするのがそもそもの間違いでした」

加蓮「そうだね、私一人の責任じゃないよね。子どもの非行は育てた親の責任だから、夫婦二人で向き合わないと」

武内P「あの……北条さん? 冗談はそろそろ止めませんか?」

加蓮「冗談でも……イヤなの?」

武内P「え……?」

加蓮「私と夫婦のフリをするの……そんなにイヤなの?」

武内P「そ、そのようなことは決して!!」

加蓮「本当!? 良かったぁ、安心した」ギュウッ

武内P「……待ってください。抱きつくのは冗談ではすみませんよね?」

加蓮「え~、このぐらいは冗談の範疇でしょ。ね、ありす?」

ありす「そんなわけ……ぐっ」

加蓮「フフ♪」

武内P「?」

ありす(これは取り引き……ッ! りあむさんの面倒を見る代わりに、ここでの横暴を見過ごせという取り引き……ッ!)

ありす(もし私がこの場で味方しなければ、夫の協力無しではりあむさんの面倒は見られないと話を進められてしまう)

ありす(CPのプロデューサーさんは、文香さんの将来の相手なんです。こんな不倫に手を貸すようなマネ、できるわけが……しかし)


ズキンッ、ズキンッ


ありす(頭が……痛い。今の状況がこれ以上続くと考えただけで、痛みがぶり返してきました)

ありす(……奥ゆかしい文香さんと、朴念仁のCPのプロデューサーが結ばれるには、誰かのお節介が――私の協力が必要です)

ありす(ここは敵に塩を送ることになってしまいますが……長い目で見れば私の戦力回復の方が重要になります)

ありす(ごめんなさい、文香さん。最後には必ず、文香さんの横にCPのプロデューサーさんがいるようにしますから……ッ)

ありす「そう……ですね。この程度は……戯れの、範囲でしょう」ギリッ

武内P「え?」

加蓮「ほら~、ありすもこう言ってるじゃない」

武内P「そんなはずは……ないと思うのですが、橘さんが言うのでしたら……私が深く考えすぎなだけなんでしょう」

ありす「くっ」

加蓮「わかってくれたなら、ほら。私のことを呼んでみてよ。呼び捨てで加蓮とか、オマエって呼んだりしてみて」ギュウッ

武内P「え、ええ」

武内P(下の名前を呼び捨て、というのは抵抗があります。それに妻のことをオマエと呼ぶのは、私はあまりよく思えません)

武内P(そうです! これはあくまで冗談でやっていることなので、少し間抜けな呼び方の方がいいでしょう)

武内P「そ、それでは……行きます」ゴホン

加蓮「うん!」

ありす「ぐぬ、ぐぬぬ」


ガチャ


文香「おはようございま――」





武内P「は、ハニー」





文香「」

加蓮「――――――ッ」

ありす「ぐっ……なかなか、面白い冗談でしたね」プルプル

加蓮「…………うん、良かった。予想外で……うん、本当に良かった」

武内P「気に入っていただけで何よりです。その……そろそろ離れてもらっても?」

加蓮「……もう一回、もう一回だけお願い。今度はプロデューサーから私を抱きしめて、耳元で今の言葉をささやいて」

ありす「ダメです! もう十分なぐらい役得だったでしょう! いい加減離れ――文香さん!?」

文香「」

加蓮「あ、文香来てたんだ。って文香?」

文香(なぜ……加蓮さんは兄さまに抱きついているのでしょう? なぜ兄さまは抵抗せずにそれを受け入れているのでしょう? なぜありすちゃんはそれを止めずに見ていたのでしょう?)

文香(それに……それに“ハニー”と)

文香(そんな甘い言葉を兄さまが口にするとは思えませんでした。私には、思えませんでした。しかし今、ここで加蓮さんには口にした。これは――これまでも、私の知らない兄さまを加蓮さんには見せていたということでは……?)

文香「……ッ」フラッ

武内P「鷺沢さん……? 鷺沢さん!?」

ありす「文香さん、しっかりしてください」ガシッ

文香(兄さまが、遠ざかっていく……。優しくて頼もしかった兄さまが……身近な存在でいてくれた兄さまが……私の知らない面を、他の女に……)

文香(――目まいと吐き気で、視界が歪んでいく。ありすちゃんだと思われる可愛らしい女の子が、よろめく私を必死に支えてながら呼びかけてくれているのに、返事をすることすらできない)

文香(あ、嗚呼――――――――――脳が)

文香「脳が……破壊、される」ガクッ

ありす「文香さん? 文香さん!? 文香さああああぁん!!」

――

――――

――――――――



文香「そういう事情だったのですか」

ありす「すみません……文香さんとりあむさんの関係を正そうとするあまり、周りが見えなくなっていました」

文香「私の方こそすみません。事情はあったのですけど、途中からりあむちゃんを甘やかすのが楽しくなってしまい……ありすちゃんをそこまで思い詰まらせるなんて」

ありす「そ、それは違いますっ」

文香「え……?」

ありす「確かに文香さんとりあむさんの関係は、良いとは言えないものでした。けど周りが大騒ぎするほどのことでもありません」

ありす「私が……私がただ、嫉妬していただけなんです。姉のように慕っていた文香さんを、ママと甘えるりあむさんに取られてしまいそうで」

文香「ありすちゃん……」

ありす「ごめんなさい……嫉妬して、こんな馬鹿なマネをして、文香さんを悲しませてしまって……」

文香「……ありすちゃん。それでもやはり、謝るのは私の方なんです」

ありす「そんなわけが……っ」

文香「私は最初、打算があってりあむちゃんのママになりました。けどそうやってりあむちゃんを甘やかしていくうちに、私の満たされなかった願望が叶えられていくことに気づき、行き過ぎるほど彼女を甘やかしてしまいました」

文香「私は……ありすちゃん。貴方を子どものように甘やかしたかったんです」

ありす「――――――――――え?」

文香「愛らしくて利発的なありすちゃん。貴方を小さな子どものように甘やかしたかったけれど、貴方は私よりもしっかりした所もある人だから、そんなことをしたら失礼だと思って我慢していたんです」

ありす「私は……私も本当は、りあむさんのように文香さんに甘えたかったです! けど私は文香さんのように聡明で上品な女性になりたかったから、そんな子どものようなマネをしたくてもできずに、我慢していました!」

文香「ごめんなさい、ありすちゃん。私が自分の気持ちに素直になれなかったせいで」

ありす「ごめんなさい、文香さん。私が強がって大人になろうとしたせいで」

文香「ありすちゃん……」

ありす「文香さん……」

加蓮「イイハナシダナー」

武内P「大切な相手だからこそ、本当の想いを伝えられずにすれ違い……そして、分かり合う」

加蓮「そうだよね、言葉にしないと伝わらないこともあるもん。真面目な朴念仁さんが相手だと特に」

武内P「あの……もし私があるのでしたら、どうか遠慮なく……」オロオロ

加蓮「アハハ。そういう意味じゃなくって――うん?」


ダダダダダダダダダダッ

ガチャ、バタン


りあむ「ママー、ママー! 聞いてよママ! つかさちゃんがボクからあかりちゃんとあきらちゃんを寝取ったんだよ! ブランニュったんだよ!!」

りあむ「……ってアレ?」





文香「ありすちゃん……」ギュウッ

ありす「文香さん……」ギュウッ





加蓮「……ねえ、これってマズいんじゃない? せっかく話がまとまりかけたのに、今度はりあむの脳が破壊されちゃう」

武内P「ゆ、夢見さん! 気をしっかり持って――」





りあむ「――――――――――尊い」

武加蓮『え!?』

りあむ「ああ~~~~~ありふみ尊いんじゃ~~~、破壊されてしまった脳が癒されていくうぅ!」

武内P「あの……夢見さん?」

りあむ「ん、どったのPサマ?」

武内P「鷺沢さんと橘さんが仲良くしているのを見て、脳が破壊されないのですか?」

りあむ「へ、なんで? 見てよPサマ! 綺麗な存在同士が、神聖なモノ同士が合わさることでさらに美しく輝いて――ハァ、マジ尊い」

武内P「???」

加蓮「つまり……どういうこと?」

りあむ「ん~、三行で言うとこんな感じかな」








りあむ「破壊された
      脳を癒すには
        やっぱ百合だね!」





~おしまい~

お・ま・け



――ICU(集中治療室)控室


まゆP「……」

まゆP(まゆが意識を失ってから五時間が経つ。もう何日も待たされているように感じるのに、お医者さんはまだICUから出てこない)

まゆP(まゆ……体調には十分気を遣っていたつもりだったけど……いや、こんなの言い訳に過ぎない。現にこうしてまゆは倒れてしまったじゃないか)

まゆP(ごめん……ごめん、まゆ。俺のせいでこんな目に……)


カツーン、カツーン


まゆP「……ッ」

まゆ父「プロデューサー君……まゆは、まゆはどうなってる!?」

まゆ母「お父さん、落ち着いてください」

まゆ父「あ、ああ……すまない」

まゆP「……娘さんはレッスンを終えた後に頭の痛みを覚え、念のために病院に連れて行っている最中に段々と痛みが激しくなり――病院に着いた頃には意識を失ってしまい、今は集中治療室の中にいます」

まゆ父「……っ」

まゆ母「そんな……」

まゆP「申し訳、ありませんっ! 大切な娘さんを預かっていながら不調に気づくのが遅れ、このような事態を招いてしまい……本当に、本当に申し訳ありません!」

まゆ父「……頭を、上げてくれ」

まゆP「……しかし」

まゆ母「娘からよくプロデューサーさんの話を伺っています。娘は貴方のことをたいへん信頼していました。貴方だからこそ娘の不調にいち早く気づき、病院に連れてきてくれたのだと私は思います」

まゆ母「ですからどうか、あまり自分を責めないでください」

まゆP「……はい」


カチャ、カツンカツン


『!!?』


医者「……佐久間まゆさんのご家族の方ですかね?」

まゆ父「は、はい。私が父で、こちらが母。そしてこの方は娘がアイドルとしてお世話になっている人です」

医者「まゆさんの容態は現在落ち着いている状態ですが……このままでは大変危険です」

『!!?』

医者「深刻なまでに脳を破壊され尽くしていますが……回復させる手立てはあります」

まゆP「の、脳が!?」

まゆ父「しかし助かる見込みがあるんですね!!」

医者「はい。ですかそれには、プロデューサーさんの助けが必要になります」

まゆP「私……ですか? 輸血ですか?」

医者「いえ、まゆさんは現在は寮に暮らしているため、彼女のプライベートに一番詳しいのはプロデューサーさんだと思われます」

まゆP「同じ寮に住むアイドルの子もいますが……それなりに詳しい方だとは思います。それが何か?」

医者「二つのことを教えてほしいのです」





医者「まゆさんの想い人と、それを寝取った者について」





まゆP・まゆ父『……え?』

医者「ですからまゆさんの想い人と」

まゆP・まゆ父『……ん?』

医者「その想い人をまゆさんから寝取った者についてです」

まゆP・まゆ父『……はい?』

まゆ母「……ああ、やっぱり」

まゆ父「やっぱりって……何を言ってるんだい母さん。まゆはまだ十六だよ。そんな相手がいるはずがない!」

まゆ母「もう十六ですよ、お父さん」

まゆP「あの……まゆが倒れた原因を教えてもらっていいですか?」

医者「NTRで脳が破壊されたことが原因です」

まゆP「ばんなそかな……」

医者「しかもうなされている時の言葉から、どうやら男に寝取られたようで、そのショックでますます脳が破壊され……」





まゆ『なんで……なんで……まゆは家にすら入れてくれないのに……CPのプロデューサーさんとは宅飲みして……さらにそのまま泊めて』

まゆ『ライブ会場の下見と打ち合わせ……二人で出張……同じホテル』

まゆ『男同士、密室、二人きり……う、うう』





まゆP「」

医者「まゆさんの脳を癒すためにも、まゆさんの想い人にまゆさんの元に戻ってもらい、そしてCPのプロデューサーという方にはNTRしないように約束してもらう必要があります」

まゆ母「……プロデューサーさん、心当たりはありませんか」

まゆP「いや、あの……シンデレラプロジェクトでプロデューサーをやっている奴は知っているんですが……娘さんの想い人については、さっぱり」

まゆ母「 本 当 に ? 」

まゆP「」

まゆ父「か、母さん? どうしたんだい?」

まゆ母「娘が倒れたことに、責任を感じていましたよね? 相手がまだ未成年だから、担当しているアイドルだからと必死になって娘の想いを見て見ぬふりをした結果がこれではありませんか?」

まゆP「いや、あの……その」

まゆ父「ん……? あ、はい」ポンッ

まゆ母「とはいえ、娘がまだ学生であることも事実。とりあえず今日は婚約ぐらいにしておきますか」

まゆP「はっ!? いや待ってください! お父さんも反対ですよね!? 娘さんはまだ十六歳ですからね!」

まゆ父「……」

まゆP「……お父さん?」

まゆ父「思えば私が母さんと出会ったときも母さんは十六歳で、歳の差のことで随分と悩んだものだった」

まゆ父「そんな悩み、あっさりと強引に押し切られてしまったけどなハハハハハッ」

まゆP「」

まゆ父「しかもお義父さんと話したらお義父さんもそうだったらしいし、うん。君も諦めたらすごく幸せになれるよ」

まゆP「い、嫌だ。俺はプロデューサーで……担当しているアイドル、それも未成年なんて!」

まゆ父「私は教師で、妻は学生だったぞ」

まゆP「」

まゆ父「諦めなさい。君は良く頑張った」

医者「そういう血なんでしょうなあ。私も十七歳の時に子どもができて、そしたら私の息子も十七で出来ちゃった婚して……怒るに怒れなかったよ」

医者「孫も今年十七でね。戦々恐々としているよ」

まゆP「何の話ですかこれ!?」

まゆ母「両想いなんだから諦めて受け入れなさい、という話です」

まゆP「いや……イヤイヤイヤ! 確かに娘さんはたいへん魅力的で、どこに出しても恥ずかしくない自慢のアイドルです。ですが! 担当しているアイドルを! 十以上歳が離れている子を恋愛対象にするはずないでしょ!!」

まゆ父「なんて切実な叫びだ……懐かしいなあ」

まゆ母「誰よりも自分に対して必死に言い聞かせる言葉……さすが私たちの娘が選んだ人ですね」

医者「無理をする必要は無いんですよ。ここに居るのは同じ穴の狢なんですから」

まゆP「この病院には敵しかいないのか……ッ!!」

医者「そうは言いましてもプロデューサーさん。まゆさんの破壊され尽くした脳を回復させるには、せめて婚約ぐらいしないといけませんよ」

医者「婚約という形でしたら、まゆさんも自分が成人するまで大人しく待つでしょうし、成人するまでに考えが変わって婚約破棄を願う可能性も……あり? ますよ?」

まゆP「なんでそんなに疑問形になるんですか!?」

医者「両想いとはいえ付き合う前の男性が、同僚男性と仲が良いだけで脳がここまで破壊されるケースは珍しく……良かった? ですね? そこまで愛されて」

まゆP「ぐ、ぐぬぬっ」

まゆP「……わかり、ました」

まゆ父・母「!?」

まゆP「まゆと……婚約します」


パアアアアアアアアアアアッッ


まゆP「これは……!?」

まゆ父「ICUから……光があふれて!」

医者「……始まったな」

まゆ母「ええ」


カチャッ!!


看護士「まゆさんの意識が回復しました!」

まゆ父「ほ、本当ですか!」

まゆP「よ、良かったあ! あ、じゃあ婚約は無しってことで!」

看護士「え……もしもし!? 昏倒!? 容態が急激に悪化!?」

まゆP「」

まゆ父「プロデューサー君! 今の発言をすぐに撤回しなさい!」

まゆP「い、今のは嘘! 嘘だから! ちゃんと婚約するから! まゆから破棄しようって言わない限り、婚約破棄しないから!」

看護士「はい……はい……容体は安定しましたが、未だ予断を許さない状態です!」

まゆP「え……? 意識は回復まで行ってないの!?」

医者「婚約をすぐに破棄されそうになったショックが、それだけ大きかったということでしょう」

まゆP「し、しまった。しかし……これ以上は、どうすれば……」

まゆ母「大丈夫ですよ、プロデューサーさん」

まゆP「お母さん……何か手立てがあるんですか?」

まゆ母「ええ。式場は既に抑えてあります」

まゆP「……はい?」

まゆ母「衣装もプライダルフェアの物がありますから」

まゆP「……え?」

まゆ母「さあ、今から娘のところに一緒に行きましょう」

まゆP「……どうして?」

まゆ母「そして私たちが見守っているなかで、娘に伝えてください」

まゆP「……何を?」





まゆ母「結婚しようと」

――

――――

――――――――



ゴーン、ゴーン♪


神父「新郎まゆP。あなたはここにいるまゆを、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

まゆP「」

神父「新婦まゆ。あなたはここにいるまゆPを病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

まゆ「はい! 誓います!」

まゆP「……ねえ、まゆ?」

まゆ「はい、どうしましたかプロデューサーさん?」

まゆP「その……元気だね」

まゆ「はい! 人生で一番の幸せを感じていますから!」

まゆP「その……ついさっきまで意識不明だったんだよな?」

まゆ「はい。真っ暗で嫌な思い出ばかりが浮かび上がる中を、プロデューサーさんが愛で救い出してくれたんです」

まゆP「いや……うん。まゆが元気そうで何よりだよ」

まゆ「……プロデューサーさんは、幸せじゃないんですか?」

まゆP「……間違いなく幸せだよ。でも、絶対にこうなるものかっていう覚悟が粉々に砕かれて……そのショックがあって、幸せを実感できていないのかな?」

まゆ「……大丈夫ですよ、プロデューサーさん」

まゆP「ん?」

まゆ「まゆはプロデューサーさんのおかげで、これ以上なく幸せになれたんです。だから――」




まゆ「絶対にまゆがプロデューサーさんを幸せにしますから!!」





まゆP「――――――――――ああ」

まゆP(そのてらいのない笑顔に、小さな体からあふれる信じられないほどの決意に、静かに悟った)

まゆP(まゆから逃げられるはずが――まゆに勝てるはずがなかった)

まゆP(だって俺は、心の底ではまゆに負けることを願っていたんだから――)





~おしまい~

最後まで読んでいただきありがとうございました。

第十回総選挙でふみふみがシンデレラガールになった記念SSです。
挿絵は前回に引き続きCHeFさんにリクエストで依頼したものです。
リクエスト内容は「武内Pにパパみを感じてオギャる夢見りあむと、それを見てこの世の終わりのような表情をする鷺沢文香の一枚絵」でした。

……なんか、毎度毎度変なリクエスト内容でホントすんません。

ちなみに私はNTRに興味はありません……でした。
しかし最近「魔都精兵のスレイブ」の京香さんのおかげで、脳を破壊されたヒロインの良さに気づいてしまいました。

次回作はもう少し信長の野望・大志をプレイしてからになります。(まだ8周しかしていない)
内容は「千夜ちゃんが15㎝定規を構えながら武内Pににじり寄る」or「美嘉ねぇが実は処女だった」or「ちひろさんが武内Pのホモ疑惑を否定する」or「武内Pの腕枕」or「市中引き男男男(まわ)しの上カリ首掘る門」のどれかになると思います。

失礼しました。
挿絵はうまくアップロードできなかったので今回あげていませんでした。
pixivのCHeF氏から見ることができます。
http://www.pixiv.net/users/2407123

これまでのおきてがみ(黒歴史)デース!


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武内P「神崎さんが反抗期になってしまいました……」
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楓「恋と呼ぶのでしょう」
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千夜「お前を監視する」武内P「?」
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