海未「……ん?」
海未(机の上に見たことのないメガネが)
海未「メモがある……えー何々? ……人の心が読めるメガネ?」
海未(誰かのいたずら? でも……)
海未「……ちょっとかけてみるくらいなら」
海未(私もそういうオカルトめいたもの、少しは興味あるし……)
海未「ふむ、度は入ってないみたいですね」
海未(そういえば見る人がいない)
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穂乃果「うーみちゃんっ! 遊びに来たよ!」
海未「ほ、穂乃果!?」
穂乃果「うん、穂乃果だよ?」
海未(こ、これは……! 穂乃果からフキダシが出てるように見える!)
海未(これが心の声……?)
穂乃果「どうしたの海未ちゃん、驚いた顔して (海未ちゃんメガネかけてる! かわいいなぁ!)」
海未「……穂乃果?」
穂乃果「何? (海未ちゃんの悩ましげな視線……何か困ってるのかな?)」
海未(意外と私のこと、よく見てるみたいですね……)
海未(っていけないいけない! こんな覗き見みたいなこと早くやめないと……!)
海未「……あれ?」
穂乃果「海未ちゃん? (キョトンとした顔の海未ちゃんもかわいい!)」
海未「……いえ、なんでもないです」
海未(メガネが外せない! まるで接着剤で張り付いているみたいに……)
穂乃果「そうなの? (でも海未ちゃんって本当に深刻な時はこう言うから心配だなぁ)」
海未(……穂乃果にいらない心配をかけてしまった。何とかしてごまかさないと……!)
海未「あ、穂乃果、さっきのはですね……実は私はメガネをかけてみたくて……それで今更度が入ってないことに気付いて驚いてしまっただけですよ」
海未(……何だか説明口調になってしまった)
穂乃果「へぇー、海未ちゃんそれ伊達メガネだったの? (海未ちゃんイメチェンかな? しなくても十分かわいいと思うんだけど……)」
海未(かわいいかわいいと……)
海未「はい、度が入ってないんです」
穂乃果「海未ちゃん視力落ちちゃったのかと思ってたよ (海身ちゃんは歌詞考えてくれてるから無理したりしてないかな……)」
海未(……穂乃果、ここまで私のことを考えて……)
穂乃果「あ、思い出した! (そうだ! いいこと考えた!)」
海未(いいこと?)
穂乃果「そろそろ雪穂と一緒に出掛けるんだった (ということにして)」
海未「?」
穂乃果「よかったら海未ちゃんも一緒に来ない? (海未ちゃんの気晴らしや新しいアイディア探しを手伝えないかな?)」
海未(……無碍にもできませんね)
海未「じゃあお言葉に甘えて」
穂乃果「やったー! 雪穂にも言ってくるね! (……あ、でも雪穂は今日友達と遊んでていないんだった……なんて説明すれば……)」
海未(後先考えないのが穂乃果らしい)
海未「穂乃果のことですから、実は出かけるのは明日で今日じゃなかった、とか言うんじゃないですか?」
穂乃果「あはは、そんなことないよー (それだ!)」
海未(それだ! なんて正直な……ふふ)
海未(……それにしてもどうすれば外れるんでしょう、これ)
穂乃果「ごめん海未ちゃん! 今日じゃなくて明日だった! (これで……)」
海未「やっぱりですか」
穂乃果「返す言葉もございません…… (もしかして海未ちゃん帰っちゃったり……)」
海未「せっかくですから2人で出かけましょうか」
穂乃果「え!? いいの!? (海未ちゃんから誘ってくるなんて!)」
海未「ええ、40秒で支度しないと置いていきますよ?」
穂乃果「はーい! (ハト小屋の扉を開けて、ゴーグルをつけるんだよね!)」
海未(ふふ、よくわかってるじゃないですか)
海未(外に出てみると他の人の思考は読めない……今のところ穂乃果だけ)
海未(このメガネ、人によって心の読める読めないがあったり……)
穂乃果「…… (海未ちゃんやっぱり深刻そうな表情してる)」
海未(し、しまった! 穂乃果の元気がなくなってる!)
海未「こうやって2人で歩くのは久しぶりでなんだか楽しいですね」
穂乃果「…… (……)」
海未(ど、どうだろう……)
穂乃果「うん! 穂乃果も楽しいよ! (海未ちゃん元気になったみたい……よかったぁ)」
海未(危ない危ない)
海未「だいぶ歩きましたね」
穂乃果「ちょっと休憩する? (どこに行こうか考えてなかったなぁ)」
海未「そうしましょう」
穂乃果「じゃあ穂乃果イチオシのこのお店にしよう (いつもとは違うところだけど……なんかオシャレな感じするしいいかな)」
海未(ファーストフード店をイチオシって……まあ穂乃果らしいですけど)
海未「じゃあそこで」
穂乃果「うん (お金は……あるよね)」
海未(……持ち合わせがなかったらどうする気だったんですか、まったく)
穂乃果「あー! 絵里ちゃん希ちゃん! (2人がこんなところにいるなんて意外!)」
海未「えっ?」
希「寄寓やなぁ。お、海未ちゃんメガネかけとるやん (ラッキーアイテム?)」
海未(今度は希から!?)
海未「はい、少し気分を変えてみようかと」
絵里「似合うじゃない! (ハラショー!)」
海未(絵里からも……)
海未「ありがとうございます」
絵里「うん、ポテトの食べ方も身についてきたわ (これで大人になっても大丈夫ね!)」
穂乃果「上手になってるねぇ (でもハンバーガーには苦戦したみたい……)」
海未(確かにトレイの上にケチャップらしきものがちらほら)
希「えりち、見てて飽きひんわぁ (ギャップ萌えってやつやな)」
絵里「どういう意味よそれー。あ、ポテトおいしい (ポテトおいしい)」
海未(絵里は意外と思ったことを口に出すタイプ……?)
穂乃果「あ、ストローもらいわすれちゃった (……ん? でも飲めないことはなさそう)」
海未「そのまま飲んだらダメですよ。それ、意外と零れるんですから」
穂乃果「や、やだなー海未ちゃん。そんなことしないってばー (海未ちゃんさすが鋭い)」
絵里「取りに行きましょうか、下の階だし (1人で行かせるのもね)」
希「ウチらは待っとくわ (これはチャンス……)」
海未(チャンスって……何が?)
絵里「わかったわ (休日なのに2人に会えるなんてラッキーだわ)」
穂乃果「すぐに戻ってくるよ (絵里ちゃんスキップ上手)」
海未「ええ、いってらっしゃい」
海未(さて、どうしてがこの2人もフキダシが出たか考えなくては……)
希「…… (やっぱり悩み事とみて間違いなさそう)」
海未(!?)
希「海未ちゃんは何頼んだん? (海未ちゃんの悩み事……視力低下? いや、安直にメガネと直結するようなことじゃなくて……度が入ってないみたいだし)」
海未(希のフキダシがすごい量に!?)
海未(ていうか希の関西弁じゃないところ初めて見たかも……)
海未「ふ、普通のチーズバーガーです」
希「そうかぁ、えりちと一緒かぁ。一口もらおうと思ったんやけど残念やなぁ (明らかに動揺が見れる……話すことに抵抗がある、もしくはメガネで自分を変えようと……?)」
海未(希、そんなに考えてくれて……)
希「? (何でそんな慈しむような目を? 構ってほしいってことかな?)」
海未(ううむ……私の普段の態度がいけないんでしょうか)
希「食べへんならウチがもらうで? (まさかウチの心を読んでる?)」
海未「!」
海未「タ、タベマスヨー」
海未(希……この短時間でそこまで!? 侮れない……)
希「うん、冷める前にな (これは確実に読心術……いったいどこで覚えて……まさかそのメガネ?)」
海未「げほっ」
海未(す、鋭すぎる! 勝てる気がしない!)
希「海未ちゃん大丈夫? (……まあそんな非科学的なことありえないか)」
海未「」
海未(タロットは!? あなたのタロットはどうなんですか!?)
絵里「下の階混んでたわね (入った時は全然いなかったのに)」
穂乃果「そうだねぇ (絵里ちゃん目立ってたなぁ、美人だから……海未ちゃんも美人だけど)」
海未(穂乃果って……)
希「あ、おかえりー」
海未(あれ? 希のフキダシが消えた……)
絵里「店員さん、おまけにナゲットをくれたわ (まだ食べなれてないんだけど……)」
穂乃果「ちゃんと食べられるかなー? (私は海未ちゃんに食べさせてあげたい)」
絵里「た、食べられるわよ! ソースにディップして食べるんでしょ? (どうしよう助けて希!)」
希「ウチも頑張らなあかんみたいやなぁ」
海未(穂乃果って本当に欲望に忠実なんですね……わかりやすくていいけど)
穂乃果「じゃあ私たちが教えてあげるよ。ね、海未ちゃん (今気づいたけど海未ちゃん寝グセついてる)」
海未(寝グセ!? あ、でも露骨にやると変に思われてしまう……さりげなーく)
海未「はい、構いませんよ」
海未(ど、どこの髪がおかしいのかわからない……あとで鏡を見に行こう)
絵里「な、ならお言葉に甘えて (助かった……)」
海未(あなたさっきまで見栄張ってましたよね)
絵里「そういえば2人はどこか行く予定だったの?」
海未(あれ? 絵里のフキダシも消えた……)
穂乃果「うん。ちょっとしたお散歩かなぁ (海未ちゃんに元気出してもらうためにもね)」
海未「特にどこかへ行くとは決めていないですね」
海未(穂乃果のフキダシは見える。原因は一体……?)
海未(まぁ深く考えすぎてもわからない……か。それより今は食べないと)
海未(希が気にする前に)
穂乃果「それより2人は何でここにいたの? (海未ちゃん、絵里ちゃんと希ちゃんに会えて嬉しそうにしてる。よかったぁ)」
海未(そんな顔した覚えは……いや、もしかしたら私はハンバーガーを嬉しそうに食べていたのかも……気を付けよう)
絵里「ああ、参考書選びに付き合ってもらってるの」
穂乃果「うへぇ、参考書…… (……そうだよね、3年生は卒業しちゃうんだよね)」
海未(やはりそこは気になるんですね……穂乃果はこういうこと口に出さないから)
穂乃果「にこちゃんも含めて3人とも頑張ってね! (勉強やだー)」
海未(本音と建前が……)
絵里「穂乃果もちゃんと勉強するのよ? 海未に教えてもらうとか」
海未「あはは、それはもうやってますよ。でも穂乃果がすぐに飽きてしまうんです」
穂乃果「だってぇー (海未ちゃんとおしゃべりしたいし)」
海未(やっぱりそういう理由でしたか)
希「まあ自分のペースでっていうのは大事やで」
海未「それもそうですね」
海未(私も穂乃果と話すのは好きですし……)
穂乃果「! (海未ちゃんがデレた予感!)」
海未(……ノーコメントで)
海未(お店を出る前にお手洗いの鏡を見ておこう)
海未「あ、本当に寝グセが……」
海未(ん? この位置って穂乃果からは見えないはずじゃ……)
海未「……」
海未(……本当によく見てる)
海未(結局消えた理由はわからずじまい……)
穂乃果「はぁー……お腹いっぱい (なんだか他のみんなにも会えそうな気がするなぁ)」
海未「……そういえばみんなは休日に何をしているんでしょうね」
穂乃果「みんな? (そういえば気になるかも)」
凛「あ! 穂乃果ちゃんに海未ちゃん! (珍しい日もあるにゃー)」
真姫「え? 何でこんなところに? (わざわざこっちの遠いところまで来て何してるのかしら)」
にこ「何? 2人でデート? (海未はメガネ……アイドルとしての自覚が出てきたってわけね)」
穂乃果「そうなのです。今日は海未ちゃんとデートなんだよー (って言えば海未ちゃんのツッコミが……!)」
海未(フキダシがいっぱい……どれから見ていいかわからない)
海未(……って見ちゃいけないんでしたっけ)
穂乃果「……あれ? (ツッコミは?)」
海未「あ、あぁ……ってなんでですかー」
にこ「……? (何故棒読み)」
真姫「海未? (疲れてるのかしら)」
凛「海未ちゃん? (そのメガネと何か関係が?)」
海未(凛!? あなたそういうキャラでしたっけ!?)
凛「凛たちはさっきラーメン食べてきたの (あと2回くらいで全メニュー制覇!)」
海未(どれだけ通ってるんですか)
真姫「私は遊びに行くって聞いてきただけよ (おいしかったわね……)」
海未(素直じゃない)
にこ「それよりそのメガネよメガネ。買ったの? (このメガネ……どこかで)」
海未(そうではなくて、家に置いてあったんです)
海未「見たことあるんですか?」
海未(……しまった! 心の声に応えて……)
にこ「え? あ、あぁ……そんなところね (鋭いわね……)」
海未(このままでは怪しまれてしまう……)
凛「それ、かよちんのにそっくりにゃー (その赤いアンダーリムは本当にかよちんの物みたいだけど)」
穂乃果「ああ! どこかで見たことあると思ったらそれだ! (……ってことは海未ちゃんと花陽ちゃんってどういう関係なの?)」
海未(花陽のもの……? それがどうして……)
真姫「言われてみればそんな気もするわね (今日は花陽、用事で来られないって言ってたっけ)」
にこ「まあただの偶然でしょ? (……ん? 今隠れたのって……ことり?)」
海未(ことり!? どうしてここに?)
穂乃果「どうしたの海未ちゃん。後ろに誰かいるの? (海未ちゃん……困ってる?)」
にこ「今日の海未は視線にも鋭いのね……」
海未(あ、にこのフキダシが消えてしまった……)
凛「今度2人にもとっておきの場所、教えてあげるー! (何かよくわからないけど2人には元気が足りないにゃ!)」
海未(凛……そんなことを考えて)
海未「ありがとうございます」
穂乃果「ラーメンかぁ。あんまり食べる機会なかったから楽しみだなぁ (海未ちゃんがやっと笑ってくれた……そんなにラーメン好きだったのかな?)」
海未(また的外れな……)
真姫「凛のオススメっていくつあるのよ (教えてほしい)」
凛「ざっと100店くらいかにゃー」
真姫「そんなに!?」
海未(あ、2人もフキダシが消えた。穂乃果のは全然消えないのに)
穂乃果「? (海未ちゃんの熱烈な視線が!)」
海未「……はぁ」
穂乃果「えっ (呆れられたような溜め息……穂乃果を捨てないで!)」
海未(私の視線に一喜一憂して……まるで恋する乙女ですね)
海未(あ、このフレーズいいかも)
海未「私たちも用事があるので、これで失礼します」
にこ「あらそう? 引き止めて悪かったわね」
海未「いえ、真姫と凛も今度ラーメン一緒見食べに行きましょうね」
凛「わかったにゃー」
真姫「な、なんで私もなのよ……まぁいいけど」
穂乃果「え? 海未ちゃん用事って何? (海未ちゃんがいつになく真剣な表情)」
海未(これを言うのはなんだか負けた気がするけど……)
海未「言わせないでください。デートの続きがまだ残ってるじゃないですか」
穂乃果「海未ちゃん……! (やっとその気に)」
海未(なってないなってない)
海未(それよりも花陽を探すのが先決……)
海未(そうすればきっとことりも姿を現すはず)
海未(おそらく視界に入れればフキダシが見えるはずだから……)
穂乃果「どうしたの海未ちゃん。誰か探してるの? (ことりちゃんとか?)」
海未「まぁそんなところです」
花陽「…… (ば、ばれてないよね)」
海未「いた!」
海未(あんなところに……ゆっくり近づいても逃げられる……よし)
穂乃果「もう!? (どさくさに紛れて手を繋いだりしたかった!)」
海未(私が元気になった途端それですか……)
海未「ちょっと遠いので走りますよ!」
穂乃果「え、海未ちゃん!? (そんなに急に手を引っ張られると困るよ! 心の準備が!)」
海未(……今度また別の日にちゃんと遊ぶ日を作ろう)
ことり「う、海未ちゃん! ちょっといいかなー! (何で花陽ちゃんの場所がばれちゃったの!? こっそり後をつけてたのに……)」
穂乃果「あ、ことりちゃんだ (走って後ろから追いついてきたように見えたのは気のせいかな)」
海未(やっぱり何か裏が……)
海未「どきなさいことり! 話はそれからです!」
ことり「だ、だめーっ! 花陽ちゃんが私を頼ってくれたんだから! (メガネの秘密を守らないと……ってこれ海未ちゃんには見えてるんだった!)」
海未(事情があるみたい……しかし!)
海未「穂乃果!」
穂乃果「わんっ! (仰せのままに!)」
ことり「ええっ!? (穂乃果ちゃんを従えてる……!?)」
穂乃果「足止めは任せて! (なんかよくわかんないけど穂乃果、こういう展開大好きだよ!)」
海未「頼みましたよ!」
花陽「……何してるのかな (よく見えない)」
花陽「……って海未ちゃんがこっちに来てる!? (は、早い!)」
海未「捕まえましたよ!」
花陽「うわぁ!? (やっぱりメガネかけてる……)」
海未「さあ、真相を話してもらいましょうか」
花陽「ご、ごめんなさい! (ごめんなさいごめんなさい!)」
海未「あ、別に怒ってるわけじゃないんですよ」
花陽「ごめんなさいぃー! (どうしよう海未ちゃんにひどいことしちゃった!)」
海未「あのー」
穂乃果「あー! 海未ちゃんが花陽ちゃん泣かせてる! (海未ちゃんの困ってる顔可愛い)」
ことり「いけないんだぁー (からかわれる海未ちゃん可愛い)」
海未(2人して考えること一緒……)
海未「さあ、話してもらいましょうか」
花陽「う、うん (海未ちゃんやっぱり怒ってるよね……ごめんね)」
海未「怒ってませんから、とりあえず理由を……」
穂乃果「…… (今メガネをクイッってした)」
ことり「…… (できる女って感じだね、海未ちゃん)」
海未(黙っててもうるさいってどういうことですか)
海未「で、話を戻しますが……このメガネです。何で外せないんですか?」
花陽「それは……呪われてるのから (なんてことしちゃったんだろ……)」
海未「呪われてる?」
海未(なんとなく納得できる)
海未「やっぱりそういうものだったんですね」
海未「人の心が読める。外せないと来ればそんなものだろうと思ってました」
花陽「今までは普通のメガネだったんだよ (ちゃんと使えてたし……)」
花陽「だけど3人のファーストライブを見てから変になっちゃって…… (いきなり凛ちゃんからフキダシが出てびっくりしたんだよね)」
穂乃果「私たちのライブって何か危ないものでも発信してたのかな (まあ海未ちゃんの可愛さにやられたんだろうね)」
ことり「そうなのかなぁ? (考えられるとしたら海未ちゃんの可愛さのせいだね、きっと)」
海未(あなたたちの中での私の存在って何なんですか?)
花陽「度を外してみても変わらなくて (結構大変だったなぁ)」
海未「だから度が入って……って、かけたまま度を外したんですか?」
花陽「うん (ドライバーが目に刺さるかと思ったよぉ)」
海未(お、恐ろしい)
花陽「それからどう処分しようか迷ってたんだ……」
海未(あ、フキダシ消えた)
海未「この、人の心が見えるメガネをですか?」
花陽「うん、怖くなっちゃって……。でももし誰かが拾っちゃったらと思うと……なかなか捨てられなくて」
花陽「それに本当にそういう効果があるかわからなくて」
海未「それで私に使わせて試した、と」
花陽「ごめんね……押しつけちゃって」
海未「いえ、素直に頼ってくれてうれしかったですよ。方法はあまりいいものとは言えませんが」
花陽「うん……」
海未「ちゃんと口で説明してくれればよかったんですよ」
花陽「うん、ごめんね」
海未「では次からはそうしてくださいね? じゃあこの話はこれで終わりです」
海未「だからもう、謝らないでください」
花陽「……うん」
ことり「私も知ってて手伝ったんだ。ごめんね海未ちゃん (やっぱりこの心の声、見えてるんだね)」
海未「いえ、私もそんなもの持っていたら怖くてどうしようもできないでしょうし」
穂乃果「海未ちゃんって怖がりだもんね (涙目の海未ちゃんって可愛いんだよね)」
ことり「お化けとかそういうの、全然ダメだったね (でもそこが可愛いんだよね)」
海未(見えてるとわかってて精神的にゆさぶりをかけてきている……?)
海未「2人は私のこと、どう思ってるんですか?」
穂乃果「えっ (ここでまさかの王道告白展開!? マンガでみたことあるよこのセリフ!)」
ことり「そんな急に…… (口に出して言わないと伝わらないんだね)」
海未(こんなに面倒な存在でしたっけ)
穂乃果「海未ちゃんは私にとって……可愛い存在! なくてはならないよ! (それ以外にないね!)」
海未(まさかの概念呼ばわり)
ことり「海未ちゃんはね、ことりには欠かせない存在だよ。もちろんμ'sのみんなも (衣装を着てみんな可愛くなってくれるし)」
海未(なるほど。着せ替え人形ですか)
ことり「? (何だかすごく勘違いされてる気がする……私は衣装を着てみんなが可愛くなってくれるのがうれしいんだよ!?)」
海未「ちゃんとそう言ってください。意味が変わってしまいますよ」
ことり「私は可愛いみんなが好き!」
海未(ただの爆弾発言)
穂乃果「私も! 特に海未ちゃん!」
海未(ええい、同類め)
花陽「う、海未ちゃん? 大丈夫? 元気ないみたいだけど……」
海未「ありがとうございます。信じられるのは花陽だけです」
花陽「ええっ?」
穂乃果「それで、それっていつ外せるの? (そのままでもいいんだけど……)」
花陽「親しい人の心を全員分読み終わるまでみたい」
花陽「それでこのメガネは相手の付き合いの長さに比例して心が見える時間が決まるから……」
ことり「花陽ちゃんは凛ちゃんのが見えたってことだよね。どのくらいの期間だったの? (私たちは知り合って長いから……)」
花陽「4日くらい?」
海未「」
海未(じゃあ少なくともあと4日以上はこのまま……!?)
穂乃果「学校でもメガネ海未ちゃんを拝めるなんてうれしいよ! (みんなに海未ちゃんのかわいさを知ってもらうチャンス!)」
ことり「とりあえず写真撮ろっか (私の一眼レフが火を噴くよ!)」
海未「助けて花陽……」
花陽「う、うん! もちろんそのつもりだよっ」
海未「花陽……」
穂乃果「そうだ! 記念に海未ちゃんの晴れ姿を写真に撮っておこうよ! (ナイスアイディア!)」
海未(どこがナイスなのやら)
ことり「こんなこともあろうかと私はカメラを持ってきました! (どんなアングルからでも逃さず海未ちゃんを撮れるよ!)」
海未(それって盗撮……って一眼レフ!?)
海未「花陽からも何とか言ってやってください」
花陽「……海未ちゃんってメガネも似合うんだね」
海未(予想外の裏切り)
穂乃果「海未ちゃーん、笑って (海未ちゃんにはウサミミが似合うと思うんだ)」
ことり「はい、チーズ! (海未ちゃんは可愛いんだから自信持って!)」
海未(人の心なんて……見えない方がよかった!)
海未(……やっと呪いのメガネを外せてから2日目)
海未(フキダシがない生活ってやっぱり楽)
花陽「う、海未ちゃんっ!」
海未「花陽? どうしたんですかそんなに慌てて」
花陽「……たすけてぇ」
海未(嫌な予感しかしない)
花陽「…… (海未ちゃんごめんなさい)」
海未「あ、ああ…… (何故よりにもよって……)」
絵里「わぁ! すごいわねこのメガネ! フキダシが出て2人がしゃべってるみたいだわ!」
絵里「ハラショー!」
海未「花陽? どうしてこんなことに? (扱いようによっては一番面倒な絵里か……)」
絵里「面倒? 何でよ?」
花陽「そのまま捨てるのもなんだか可哀想だったから箱に入れようと思って、目を離したすきに…… (まさかすぐにかけるとは思ってなかった……)」
絵里「何で無視するのよー?」
海未「絵里。私たちは今、大事な話をしてるんです (静かにするように)」
絵里(……コワイ)
海未「まあこうなってしまったものは仕方ありません (頼れと言った手前、断るわけにもいかないですし)」
花陽「ごめんねぇ……ちゃんと見ておかなくて (しっかりしなきゃいけないのに)」
絵里(私、何だか飼い犬みたいな扱いされてない?)
海未「絵里は私たちの監視下に置きます (もう放っておけません)」
花陽「出来る限りのことはするからね! (被害者をこれ以上出すわけには……!)」
絵里「え、ちょっと、何の話?」
海未「絵里のことですからすぐ終わるでしょう (おそらく2日くらいで)」
花陽「でも精神的にくるものがあるんだよねぇ…… (人の心が見えるって罪悪感で落ち着かないし)」
絵里「こ、これから何が始まるの……?」
海未「なあに、すぐ終わります (ただの軽い地獄ですよ)」
花陽「頑張ってね、絵里ちゃん (もう目を離さないよ!)」
絵里「い、いやあああああああっ!」
海未「良い子のみんなは人のものを勝手にとらないように! 以上、私とのお約束ですよ?」
おわり
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→このスレ
★はルームシェアシリーズで話繋がってます
○はテレパシーシリーズで申し訳程度に話繋がってます
△は春夏秋冬シリーズで話をつなげる予定です
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リンクはあとで張るぜ!
短いぜ!
にこ「嘘吐きと出会いの春」
→にこ「嘘吐きと出会いの春」 - SSまとめ速報
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春夏秋冬シリーズの春編です
スポーツの秋といったな、あれは嘘だ
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