にこ「真姫ちゃんとの日常」 (43)


--優越感--

にこ「ねぇ真姫ちゃん」

真姫「何よ、今ちょっと手が離せないの」

にこ「何してるの?」

真姫「宿題」

にこ「へぇ、真姫ちゃん宿題してるの」

真姫「提出は4日後だけど、みんな集まってない時間だから」

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にこ「にことの時間は大事にしてくれないの?」

真姫「……誤解を招く言い方ね」

にこ「ペンが動いてないにこ」

真姫「うるさい」

にこ「わからないところがあれば教えてあげるけど」

真姫「ないわよ」

にこ「うーそーだー」

真姫「ホントよ」

にこ「……真姫ちゃん怒ってる?」

真姫「別に」

にこ「……」

真姫「……」

にこ「……」

真姫「…………どうしたのよ、何か話しなさいよ」

にこ「何? にことお話したいの?」

真姫「……腹立つ、にこちゃんのくせに生意気よ」

にこ「いひゃいいひゃい」

真姫「このくらいで勘弁してあげるわ」

にこ「ほっぺた伸びたらどうすんのよー」

真姫「おとなしくしてなさい」

にこ「ひまにこ」

真姫「それでいいのよ」

にこ「むー……」

真姫「……にこちゃん怒ってる?」

にこ「別に」

真姫「……」

にこ「……」

真姫「…………」

にこ「…………」

真姫「………………」

にこ「ちょっと!」

真姫「何」

にこ「流れってもんがあるでしょ?」

真姫「知らないわよ」

にこ「えー」

真姫「えー、じゃない」

にこ「……それ何ページまで?」

真姫「15でおしまい」

にこ「ってことはこの問題で終わり?」

真姫「そういうこと」

にこ「真姫ちゃん、わざと?」

真姫「な、なんのことかしら」

にこ「にこをからかってた、とか? にこが構ってほしそうにしてるのを見て優越感を覚えた、とか?」

真姫「別にそういうわけじゃなくて、ただ教えるのも癪だとかそういうわけじゃなくて」

にこ「急に口数が増えた」

真姫「……悪かったわよ」

にこ「図星だったのね……」

真姫「はい、終わったわ。ちゃんと構うから許して」

にこ「いいわよ、にこの方が先輩だから」

真姫「ありがとう」

にこ「ただでとは言わないわ」

真姫「え」

にこ「にっこにっこにー1回で許してあげる。もちろん笑顔でね」

真姫「く、屈辱だわ」

にこ「早くしないとみんな来ちゃうわよ」

真姫「に……こにー」

にこ「え? 何? 聞こえなーい」

真姫「にっこに……にー」

にこ「やっぱり1セットにしましょうか」

真姫「にっこにっこにー!」

にこ「顔が笑ってない、やり直し」

真姫「くっ……」

にこ「はーやーくー」

真姫「ああもう! にっこにっこにー!」

パシャッ

真姫「え、なに今の音」

にこ「文明の利器よ、ほら見て真姫ちゃん。笑顔こんなに可愛い」

真姫「ちょっと! それ早く消して!」

にこ「やだ、これは記念に保存しておくの」

真姫「ダメに決まってるじゃない!」

にこ「待ち受けにしちゃお」

真姫「もうやめて……」

にこ「真姫ちゃんにもメールであげる。はい添付」

真姫「にーこーちゃーん!」

にこ「あはは、真姫ちゃんは笑ってた方が可愛いって」

真姫「バカにしないでよもう!」







ことり「2人とも仲良しだね」

凛「絵里ちゃん、これいつまで待てばいいのかにゃ?」

絵里「あの子たちの熱が冷めるまで、よ」


--すれ違い--

真姫「……」

にこ「みんな集まってるぅー?」バターン

真姫「んー」

にこ「なんだ真姫ちゃんいたの……えっ」

にこ(真姫ちゃんがくわえてるアレ……タバコ!?)

にこ(なんでそんなものがここに……ていうかどういうこと!?)

真姫(凛からもらったシガレット……口内炎気になって噛めないのよねぇ)

真姫(くわえさせられちゃったし……溶かすしかないか)

にこ(高校1年生……大人ぶりたい年頃だけど、まさか喫煙なんて……しかも学校で)

にこ(せ、先輩としてやめさせないと!)

にこ「ま、真姫ちゃん」

真姫「ん」

にこ「それはダメよ、アイドルとしても人としても」

真姫(ん? 何のこと?)キョトン

にこ「一緒にやめるの手伝うから!」

真姫(まさかにこちゃん……)

真姫(スクールアイドルやめるの!?)バキッ

真姫(あ、折れた……ケースに入れとこ)

真姫「じゃなくてにこちゃん!」

にこ「そう、それでいいのよ」

にこ(火もついてなかったし……未遂、というか吸ってる雰囲気を出したかっただけかも。ライターも持ってるようには見えないし)

にこ(キツく言いすぎたかもしれないにこ……)

真姫「よくないわよ! 何でそんな……にこちゃんの夢だったじゃない!」

にこ「えっ?」

にこ(た、確かににこも大人っぽくなってみたいとは言ったことあったけど……)

にこ「……だからってそれは安直すぎると思う、にこはそういうのいらないの」

真姫(アイドルはいらない……? 本気なのねにこちゃん……でも!)

真姫「で、でも私たちはμ'sじゃない! 9人じゃなきゃ意味がないのよ!」

にこ(もしかして真姫ちゃん、にこが先生に言いつけるとか……そういうこと考えてるのかしら)

にこ「大丈夫よ真姫ちゃん、別に誰にも言ったりしない。若気の至りってやつよ」ニコッ

真姫(若気の至り? アイドルが?)

真姫「確かにそうかもしれないけど……でも! 私はそんなの嫌!」

にこ(真姫ちゃん……ひょっとしたらきちんと罪を償いたいの? 隠されるのは嫌ってこと?)

にこ「いいのよ真姫ちゃん。真姫ちゃんならきちんとできるはずだから」

にこ「真姫ちゃんはしっかりしてるもの」

真姫(私ににこちゃんの後を任せるってこと?)

真姫「そんなのダメ! 夢じゃなかったの!? アイドルになるんでしょ!」

にこ(『私がやめるの手伝う』から私に迷惑がかかると思ってるの?)

にこ「大丈夫、にこのことは気にしないで。それに手伝わなくても自分からできたじゃない」

真姫「そんなのやだ……にこちゃんがいないと私……」

にこ「もう気にしすぎるのはダメだってば」

真姫「何よそれ! 私だけじゃなくみんなにも嘘つくの!?」

にこ「真姫ちゃん……でもいいのみんなにもあったことだから」

真姫(みんなにもあった!? アイドルやめるとかそういうのが? 私の知らないところでそんなことが……)

にこ「だから、ね?」

真姫「ちゃんと考えた上での決断なのよね?」

にこ「そうよ」

真姫「わかった……私にはもう何も言えないわ」

にこ「それでよし! じゃあ今日のダンスレッスンの話になるんだけど」

真姫「えっ」

にこ「何?」

真姫「にこちゃんアイドルやめるんじゃ……」

にこ「何の話? にこがアイドルやめるわけないじゃない」

真姫「え? じゃあ何で……」

にこ「真姫ちゃんもタバコは大人になってからね」

真姫「それ何のことよ」

にこ「へ? だって真姫ちゃんさっきタバコくわえて……」

真姫「はぁ!? そんなことするわけないじゃない!」

にこ「えっ?」

真姫「あっははは! 何それ!」

にこ「……だって紛らわしいんだもん。遠くから見たら完全にタバコじゃない!」

真姫「早とちりしすぎ」

にこ「真姫ちゃんだってそうじゃない」

真姫「うっ、痛いところを……」

にこ「……まあこのことは水に流しましょ」

真姫「そうね」



真姫(でもにこちゃんって……)

にこ(でも真姫ちゃんって……)




にこ真姫(私のこと真剣に考えてくれてるんだ……)

真姫(顔合わせるの恥ずかしくなってきた)

にこ(どうしよう、話しづらい)

希「希ちゃんが来たで! ……ってにこっちと真姫ちゃんしか来てへんやん」

にこ真姫「「希!」」

希「えっ」


--夢オチ--

希「ここに赤い錠剤があるやろ?」

真姫「見るからにヤバそうな匂いがするけど」

希「これを飲むと体が小さくなるんや」

真姫「へぇ」

希「信じられへんやろ?」

真姫「当たり前じゃない」

希「まぁ話はあとでええから、とりあえずにこっち預かってくれへん?」

にこ「~~!」

真姫「にこちゃん!? こんなに小さいのが!?」

希「せやで、それで家に大きくなる方を忘れてもうたから、真姫ちゃん頼んだで!」

真姫「ええっ!?」

にこ「……」

真姫「嘘でしょ……? こんな1円玉サイズのにこちゃん……」

真姫(ちょっとかわいいじゃない)

にこ「~~!」

真姫「え? 何?」

にこ「~~~~!」

真姫(さっぱりわからない)

真姫「ちょっと待ってて……はい、これで書ける?」

にこ「……」

真姫(短く折ったシャーペンの芯とメモ翌用紙ですら大きく見える……)

にこ「~~!」

真姫「あ、書けたのね……って小さすぎるでしょ!」

真姫「うぅ……読めない」

真姫「『ご』……『ほ』? 『ま』? 『た』? あぁ、『は』ね。次は……『L』? 『ん』ね!」

真姫「『ごはん』?」

真姫「にこちゃんお腹すいたの?」

にこ「」コクコク

真姫(意思疎通がはかりづらい……)

真姫「うーん、何かあったかしら……あ、そうだ。穂乃果からもらったチョコがあったわ」

真姫「うわ、大きすぎる……まあ包みを開いたら食べてくれるわよね」

真姫「はい」

にこ「……!」

真姫(これはなんとなくわかるわ……こんな大きいチョコ見たことないにこ! とか言ってるんでしょうね)

にこ「」ガブッ

にこ「~~!」パァァ

真姫「あーもう、そんなに汚しちゃって」クスクス



穂乃果「あ、真姫ちゃんだ!」

凛「ホントだにゃ、でも何でお昼休みに生徒会室に?」

穂乃果「何でだろうね」

凛「机をじっと見てる……」

穂乃果「凛ちゃん、普通に呼ぶのも面白くなくない? 真姫ちゃんが珍しくスキだらけだよ?」

凛「それもそうだにゃ!」



穂乃果「では背後から忍び寄って真姫ちゃんを驚かせてみようと思います」

凛「さんせーい!」

穂乃果「……」スタスタ

凛「……」コソコソ

穂乃果(真姫ちゃん何か見てる?)



真姫「ほら、口元汚れてるわよ」

真姫「ティッシュね、はいはい」

真姫「まだついてるってば」アハハ

真姫「そう、そこそこ」




穂乃果「……真姫ちゃんが」

凛「机とおしゃべりしてるにゃ……」

穂乃果「……戻ろっか」

凛「……うん」

穂乃果「……みんなには内緒ね」

凛「……了解したにゃ」



真姫「にしても希遅いわね……ていうかお昼休みに学校抜けられるのかしら?」

にこ「~~」

真姫「水?」

にこ「」ブンブン

真姫「トイレ?」

にこ「」ブンブン

真姫「暇だからどこか連れてけって?」

にこ「」コクコク

真姫「……でもねぇ連れて行く方法がないわ。この部屋で我慢して」

にこ「」ショボーン

真姫「そ、そんな顔してもこれだけは譲れないわ! バレたら大変だもの」

希「どしたん?」

真姫「うわぁ!? ……希じゃないの、薬は?」

希「薬なんかないで」

真姫「え」

希「小さくなった体は愛する人のキスで元に戻るんや」

真姫「ど、どういうことよそれ」

希「ほら、みんな来てまう前に早くせな!」

真姫「そんな! 私まだ……」

希「にこっちは準備OKみたいやけど」

にこ「……」コクコク

希「さあ!」

真姫「あぁもう! やればいいんでしょやれば!」



チュッ





真姫「……え?」

にこ「あ、起きた」

真姫「あれ? 希は? にこちゃんは?」

にこ「希はまだ来てないわよ、それににこちゃんはここにいるじゃない!」エッヘン

真姫「に、にこちゃんとキスしないと!」

にこ「!?」

真姫「あっ」

真姫「……ち、違うの! 今のは夢で!」

にこ「どういう夢見てたのよ!」

真姫「い、言えるわけないでしょ!」

にこ「なんていかがわしい……」

真姫「違うわよ!」


    
        おわり

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