【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.4 (1000)

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※注意

・本作は「ダンガンロンパ」シリーズのコロシアイをシャニマスのアイドルで行うSSです。
その特性上アイドルがアイドルを殺害する描写などが登場します。苦手な方はブラウザバックを推奨します。
・キャラ崩壊・自己解釈要素が含まれます。
・ダンガンロンパシリーズのネタバレを一部含みます。
・舞台はスーパーダンガンロンパ2のジャバウォック島となっております。マップ・校則も原則共有しております。
・越境会話の呼称などにミスが含まれる場合は指摘いただけると助かります。修正いたします。

※前スレ
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1637235296/)
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.2
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.2 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1642918605/)
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.3
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.3 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1649764817/)

※前作シリーズ
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1613563407/#footer)
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1616846296/)
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1622871300/)
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1633427478/)

以上のほどよろしくお願いいたします。

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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1655983861

【5章段階での主人公の情報】

‣習得スキル

・【花風Smiley】
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕

・【アンシーン・ダブルキャスト】
〔学級裁判中誤答するたびにコトダマの数が減少する〕

・【つづく、】
〔学級裁判中発言力がゼロになった時、一度だけ失敗をなかったことにしてやり直すことができる(発言力は1で復活する)〕

・【cheer+】
〔発言力ゲージを+5する〕

・【ピトス・エルピス】
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕

・【ジャンプ!スタッグ!!!】
〔集中力を使用した際の効果が増幅する〕


‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】
【ファーマフラー】
【ジャバイアンジュエリー】
【オスシリンダー】×2
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【七支刀】
【オカルトフォトフレーム】

‣通信簿および親愛度

【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…5.5【???】
【超大学生級の写真部】 三峰結華…0【DEAD】
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0【DEAD】
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…1.0【DEAD】
【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…11.0【???】
【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…12.0【DEAD】
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…10.5【DEAD】
【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…12.0【???】
【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…12.0【DEAD】
【超高校級のギャル】 和泉愛依…0【DEAD】
【超高校級の???】 浅倉透…12.0【???】
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…7.0【???】
【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…4.0【???】


◇第5章学級裁判のコトダマ◇

‣【モノクマファイル5】
〔今回の被害者は不明。死亡推定時刻は午前10時前後、殺害現場となったのはワダツミインダストリアル内エグイサル整備工場。首は根本から両断されており、頭部は確認できず。体の部分にはローブのようなものが被さられ、シルエットが見えなくなっている。胴と首を切り離した瞬間に即死だったと断定〕

‣【死体上のシート】
〔死体のシルエットを隠して素性を隠す目的でかけられたアルミのシート。数日前に美琴がこのシートをエグイサルの索敵から逃れるために用いた〕

‣【死体の手袋】
〔首のない死体の着用していた手袋。レザー製で新品同然だが、左手の指先だけ破れている〕

‣【点の血痕】
〔死体発見現場にあった不自然な血痕。同じ大きさの点が連なり血だまりから伸びているかと思うと、ダクトの下で突然に消えていた〕

‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
〔ワダツミインダストリアルの工場天井に取り付けられていた監視カメラ映像。エグイサルが一つの椅子を取り囲む画角で撮影されており、はじめはあさひがその椅子に腰掛けていた。途中で映像データの破損を挟むと、その椅子に座っていた人間が首のない死体にすり替わっていた〕

‣【ガスマスク】
〔ロケットパンチマーケットで入手可能なガスマスク。呼吸フィルターに灰色のガラス、強化プラスチックで作られている。レストランの襲撃時から事件当時まで、あさひはずっとマスクをつけていた〕

‣【並んでいるエグイサル】
〔ワダツミインダストリアルに並んでいる五体のエグイサルはいずれも返り血が付着していない。死体の首をはねるのに利用したとは考えづらい〕

‣【動作ログ】
〔ワダツミインダストリアル内に並ぶエグイサルはいずれも動いた時にはログがとられるようになっていた。白いエグイサルの他には特に動かされたログは残っていない〕


‣【エグイサルのリモコン】
〔エグイサルの操縦に必須のリモコン。ユーザー設定のパスコードセキュリティを採用しているらしい〕

‣【エグイサル・アーマー】
〔改良に改良を重ねたエグイサルの装甲。防弾性、防炎性、対電波干渉機能に優れている〕

‣【緊急脱出システム】
〔エグイサルに標準搭載されている緊急脱出機構。内部の動作不良などの緊急事態を感知するとメインシステムとは別のシステムでコックピットが展開して脱出が可能になる〕

‣【エグイサルのセンサーシステム】
〔エグイサルは電波感知、赤外線感知、サーモグラフィーの三種類のセンサーが使用可能。これによるとモノクマは他の機械とは異なった電波の波長で動いているらしい〕

‣【透のお守り】
〔第五の島が解禁されてすぐに浅倉透が生き残りのメンバーに手渡したお手製のお守り〕

‣【冬優子の手紙】
〔前回の事件終わり、ルカの部屋のポストに投函されていた冬優子からの手紙。裁判前に書かれたもので、詳細不明の一枚の写真も同封されていた〕

‣【コーヒーのシミ】
〔ルカが意識を失う直前に、自分の服に引っ掛けて作ったコーヒーのシミ。なぜか青色の色素の混じったシミになっていて、匂いも純粋なコーヒーのものではない〕

‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
〔事件現場のワダツミインダストリアル工場入り口に設置された定点カメラの映像。白いエグイサルが工場を自分の手で退室し、ルカたちを掌に載せて戻ってくるまでがバッチリ記録されていた〕

‣【美琴との軋轢】
〔透への不信を募らせた美琴は、ルカたちのことも信用をしなくなっていた。単独行動を繰り返し、夜ごとに透の殺害計画を推し進めていた〕

※追加事項

前スレの裁判準備パートにて新たにスキル【霧・音・燦・燦】、【おみくじ結びますか】を習得しました。
これにより裁判開始時の発言力並びに集中力はともに「12」でスタートになります。
また、希望のカケラをすべて使い切りました。

前スレの裁判準備パートにてアイテム【高級ヒーリングタルト】、【プロデュース手帳】を二個ずつ購入しました。
これにより現在のモノクマメダル所持数は42枚となります。

‣【高級ヒーリングタルト】
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕

‣【プロデュース手帳】
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕

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それでは、学級裁判より開始します。

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【学級裁判 開廷!】





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モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」

モノクマ「学級裁判ではオマエラの中に潜む殺人犯のクロを探して議論していただきます」

モノクマ「議論の結果導き出した犯人がクロだった場合はクロだけがおしおき、シロだった場合はクロの生徒以外の全員がおしおきされ、クロのみが歌姫計画の成功者としてこの島を脱出できまーす!」

モノミ「あ、あのー……なんなんでちゅか、この光景……」

モノミ「283プロの麗ちいミナサンとはおおよそ似ても似つかない鉄の塊が並んだおりまちゅけど……」

モノクマ「分かんないかなぁ、あの中にみんなが入ってんの! 夢の国の着ぐるみと一緒!」

モノクマ「いや、どっちかっていうと逆か! あっちは可愛いキャラクターのガワのくせに中がきったないおっさんだけどこっちはガワがイカつくて中がキュートなアイドルなんだもんね!」

モノミ「こ、こらー! なんてこと言うんでちゅか! 滅多なこと言うもんじゃないでちゅ!」

(……このくだらねえ問答は置いとくにしても)

(いったいこの状況でどうやって学級裁判をやるって言うんだ? エグイサル自体はなんとか無理やり裁判場に並べてみてーだけど)

モノクマ「えー、オホン。今回の事件は特例も特例! 被害者も生き残りもわからない状態で行います!」

モノクマ「なのでオマエラにはその大前提から議論をしてもらうことになるわけですが……今のままでは他の人と言葉を交わすこともできませんね?」

モノクマ「なので、ここからは【スピーカー機能】をオンにしてあげます!」

モノミ「す、スピーカー機能でちゅか〜〜〜?!」

モノミ「……って要は声を大きくするだけでちゅよね?」

モノクマ「まあまあ、物は試しよ。ほら、早速しゃべってみてちょうだいな!」

(喋れって言われてもな……)






???『ぴ、ぴぇっ……?!?!』






(……あ?)

エグイサル赤『こ、こここここれ……聞こえてるんですか?』

エグイサル緑『おー、聞こえてる聞こえてる。心配すんな、ちゃんと届いてるぜ』

エグイサル桃『ほわぁ……これでちゃんと議論ができますね……っ』

(お、おい……待て……なんだこれは……)

エグイサル青『いったいこれは……どういうことでしょうか……』

エグイサル青『皆さまのお声が……ここにいるはずのない、方々のものに……』

エグイサル白『…………』

モノクマ「うぷぷぷ……お気に召してもらえましたかな?」

モノミ「も、モノクマ! このカオスな空間の説明をしてくだちゃい!」



モノクマ「まあ当然っちゃ当然だよね! ただ声を大きくするだけだったら、せっかく生き残りを隠した意味もないでしょ?」


モノクマ「だから、オマエラの声は別の誰かの声に変換されてスピーカーから出力される仕様になっています!」



モノクマ「全部で【10パターンの音声がランダムでその都度切り替わります】! ボクの開発した独自のAIで会話もスムーズにお楽しみいただけますよ!」



エグイサル緑『確かにまったく違和感ないよー☆』

モノクマ「とにかく、今回の裁判では誰が生き残っているかトップシークレット! 推理なしに明かしたりなんかしませーん!」

モノクマ「ちなみに、勝手に自分の名前を喋ったりしたらペナルティで【即爆死】だからよろしく〜」

モノミ「何サラッととんでもないこと言ってるんでちゅか!」

(……とりあえず、納得はできないが理解はできた)

(学級裁判の進行自体は問題なくできる、他のことは……今は気にするな)


ルカ「……よし、それじゃあ始めるぞ」

ルカ「今の私の声がどんな声になってんのかは知らねーが、議論をやること自体には問題ないんだ。遊んでる暇はねえ、さっさと始めるぞ」

エグイサル青『議論に本気の甜花ちゃん、めっちゃかっこいい☆』

(……今の私は、283のぐうたら女で音声が流れたらしいな)

エグイサル赤『うん……犯人さんを見つけないといけないのは……今回も一緒だよね……!』

エグイサル青『だが、どこから議論を始めたものだろう……今回の事件はケースがあまりにも特殊だ』

ルカ「まあな、生き残りと被害者、どちらも隠されてるなんて……前例もないしな」

エグイサル緑『ううん、被害者ならハッキリしてるよ!』

エグイサル青『え、そ、そうなんですか……?』



エグイサル緑『被害者はあさひだよ! ちゃんと証拠も残ってたんだから!』



(被害者が、あさひ……?)

エグイサル赤『それではお聞かせ願いましょう……』

エグイサル赤『なぜ被害者が、あさひさん足りうるのかを……』

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【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×12

コトダマ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【モノクマファイル5】
‣【点の血痕】
‣【死体上のシート】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサル・アーマー】
‣【美琴との軋轢】
‣【ガスマスク】


エグイサル緑『あのねあのね! 現場には監視カメラが取り付けられてたんだ!』

エグイサル桃『確か、入口と中央部分に【二つ】』

エグイサル桃『それこそ死体の座っている椅子も画角だったはず』

エグイサル白『…………』

エグイサル緑『そうなんだ! それでね、わたしモノクマに頼んで映像を確かめさせてもらったんだけど……』

エグイサル緑『あの映像は、【あさひが死体になっちゃうまでをしっかりと映してた】んだ!』

エグイサル緑『首は無くなっちゃってたけど、あの死体はあさひに間違いないよ!』

エグイサル赤『誰しもが寝静まった密やかな空間……』

エグイサル赤『それでも彼だけは勤勉に、見届けてくれていたんだね』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「私も事件現場にあったあの監視カメラ映像は確認した……確かにあそこにはあさひが映り込んでいた」

エグイサル緑『で、ですよね! だから……やっぱり、被害者は……』

ルカ「でも、だからといって被害者をあさひとは断定できないはずだ」

エグイサル緑『ぴぇっ?!』

ルカ「あの映像を見た人間ならわかるはずだ、あの映像は明らかに一部分がぶつ切りになってた。特に前触れもなくあさひの座っていた位置に首のない死体が現れる」

ルカ「確かに位置としてはあさひと一緒だが……そのカットされた部分に起きたことが実証されない限りはあさひが被害者なんて言えないはずだぞ」

エグイサル青『確かに……この映像だけじゃ断言できないかも……』

エグイサル白『……』

エグイサル赤『……確かにその通りだけどよ、だとしても一つ疑問があるぜ?』


エグイサル赤『あの時レストランでアタシたちを眠らせたのはあさひだったはずだ、それなのにどうしてあさひがエグイサルに取り囲まれて狙われる位置にいるんだよ』

エグイサル桃『あさひちゃんは……わたしたちを連れて行って……それで何をしようとしてたのかな……』

(……あさひが狙ってたこと、か)

エグイサル青『あ、あの……それともう一つ、いい……?』

エグイサル緑『如何されましたか……?』

エグイサル青『え、えっと……芹沢さんは、どうやってみんなをワダツミインダストリアルまで運んだのかなって……』

エグイサル赤『体格の上では、あさひちゃんは他のみんなに比べても小柄です……っ』

エグイサル赤『一人で6人も連れていくのは、ちょっと難しいですよね……っ』

ルカ「ああ、それなら方法も既にわかってる」

エグイサル緑『マジか?!』

(あさひはわたしたちを運ぶために、大胆にもあれを使ったはずだ……)

(その証拠もバッチリ残ってる!)

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【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「次はこっちの監視カメラ映像を見てくれ」

エグイサル桃『はて……こちらの映像は、先ほどとは別のカメラのものでしょうか……』

エグイサル赤『ワダツミインダストリアルの監視カメラは二つあった』

エグイサル赤『これはそのもう片割れ、入り口についてたやつ?』

ルカ「おう、そうだ。このカメラからなら誰があの工場に出入りしていたのかを知ることができるんだ」

エグイサル青『それじゃあ早速再生してみようよ☆』


エグイサル緑『ってこれ……エグイサル?!』


エグイサル緑『白いエグイサルが、わたしたちを手のひらに乗せて入ってきたよー?!?!』


エグイサル白『……』

ルカ「今見た通りだ、この映像にはわたしたちにはしっかり生身で全員が写ってる。必然的に操縦しているのは残ったあさひってことだな」

エグイサル桃『じゃああさひちゃんが……エグイサルさんで、わたしたちを……ここに……?』

エグイサル青『えと……じゃあ、あの白いエグイサルには……芹沢さんが、いるの……?』

エグイサル白『…………』

エグイサル緑『しゃ……喋らない……です……ね』

ルカ「……黙秘か、それとも何か事情があるのか」



エグイサル青『ま、待って!……これ、どういうこと?』



エグイサル青『なんで……白いエグイサルは美琴さんも運んでるの……!?』

(まあ、そうなるよな……)


エグイサル桃『あの時レストランにいらっしゃったのは……恋鐘さん、智代子さん、透さん、雛菜さん、ルカさんの5名のはず……』

エグイサル桃『美琴さんのお姿は……雛菜さんが怪我をして以来、お見受けしておりません……』

エグイサル緑『でも、この映像を見ると美琴さんもわたしたちと一緒に意識を失っちゃってるよ?! これってどういうこと?!』

エグイサル赤『美琴もあの時、レストランにいたってことになるよな……』

エグイサル青『ど、どどどど……どこに居たんですか……? 全然、気づか……なかった……』


(私たちが催眠ガスで眠らされた時、美琴もレストランにいた……それはほぼ間違いない)


(あいつがどうして潜んでいたのかも狙いだって……わかる)


(でも、それをこの場で明らかにしたって……)


(……いや、迷うな。迷うことは、真実への道を閉ざすこと)


(事実の追求のために、みすみす見逃していいもんじゃない……!!)

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【ロジカルダイブ開始!】

Q1.催眠ガス騒動の時、美琴はどこに潜んでいた?
レストランのテーブル下 B.レストランの階下ロビー C.レストランの厨房 D.レストランの扉裏


Q2.美琴は姿を隠して何をおこなっていた?
A.浅倉透の殺害準備 B.市川雛菜の殺害準備 C.月岡恋鐘の殺害準備 D.園田智代子の殺害準備 E.斑鳩ルカの殺害準備


Q3.それを裏付ける証拠は?

【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


【発言力:♡×12→♡×11】

(いや……美琴はずっと浅倉透の殺害を企ててはいたが、あの時はそうじゃない)

(その証拠はコーヒーのシミ、そう、あれこそが美琴の錯乱を示している)

(あのコーヒーが差し向けられたのは……)

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【ロジカルダイブ開始!】

Q1.催眠ガス騒動の時、美琴はどこに潜んでいた?
レストランのテーブル下 B.レストランの階下ロビー C.レストランの厨房 D.レストランの扉裏


Q2.美琴は姿を隠して何をおこなっていた?
A.浅倉透の殺害準備 B.市川雛菜の殺害準備 C.月岡恋鐘の殺害準備 D.園田智代子の殺害準備 E.斑鳩ルカの殺害準備


Q3.それを裏付ける証拠は?

【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


ルカ「推理は繋がった!」

【COMPLETE!】

ルカ「……レストランで飯を食い始める前のことだ。長崎女が妙なことを口走ってたの、覚えてるか?」

エグイサル青『恋鐘ちゃんが……?』


≪恋鐘「今日は何でか知らんけど、厨房の冷蔵庫は使えんくなっとったばい……故障ばしとるとやろか?」

智代子「えっ……それじゃあ今日の朝ごはんは……」

恋鐘「ばってん、うちに妥協はなか! 冷蔵庫の食材は使えんくても、他のもんで何とでもなるけん! 新鮮なフルーツでとっておきの朝ごはんを用意しておいたばい!」

智代子「いよっ! その言葉を待っていた~!」≫


ルカ「厨房のいつも使ってる冷蔵庫が故障していた……モノクマの行き届きすぎた管理体制のあるこの島で、急にそんなことが起きるのか?」

エグイサル桃『まあ、モノクマのやつならコロシアイの運営は完璧に進行しないと!とかなんとか言ってすぐ直しそうではあるよな……』

ルカ「それに、その冷蔵庫は手を触れないようにの注意文まで付いてたんだろ? だったらそもそも冷蔵庫ごと退けそうなもんじゃねーか」

エグイサル緑『じゃ、じゃあ……もしかしてその中に……緋田さんが、スニークしてたの……?』

ルカ「可能性は高いだろうな。厨房とレストラン自体は大した仕切りもない、ガスを吸い込んでしまうのもおかしくないしな」


エグイサル青『でも、どうしてそんなことをしたんでしょうか……っ』

エグイサル赤『そんなもの、決まってるでしょ?』

エグイサル青『え……?』

ルカ「……あいつは、諦めちゃいなかった。浅倉透の殺しを市川雛菜に阻まれてもなお、殺意が冷めちゃいなかったんだ」

ルカ「それどころか、一層その勢いは増していた……変な方向にねじれ曲がってな」

ルカ「私はレストランでガスを吸って意識を失う直前に、指を引っ掛けて卓上のコーヒーを服にぶっかけちまったんだよ」

ルカ「それで、そのままコックピットまで運ばれて……数時間の時がたった。それだけありゃ乾きこそしなくてもまあある程度の湿気はなくなる。残るのは服に沈着した色素のみ」

ルカ「ただ……なんでコーヒーをぶっかけておいて、青色のシミができたんだろうな」

エグイサル赤『ただのコーヒーではなかった、そういうこと』

エグイサル赤『混ぜられた劇物の成分が作用してコーヒーの性質を変化させる。その結果残るシミも元々の色とはかけ離れたものになる。多分嗅いだら匂いも普通のものとは違った感じになるんじゃない? 知らないけど』

エグイサル桃『ぴぇっ……?! げ、劇物……?!』

エグイサル青『毒薬、ということだろうね』

ルカ「……あいつの中でどんな葛藤かがあったのかはわからない。けどよ……あいつの殺意はもはや目的すら見失っている。かつての相棒にまで殺意を向けちまうなんてのは……ちょっと虚しすぎやしねーか」





エグイサル緑『それは違うでしょ』





エグイサル緑『……あなたも分かっているはずですよね? 浅倉を殺し損ねたから別の人間に標的を変えるなんて、彼女はそんな融通が効く状態ではない』

エグイサル桃『ど、どどどどういうこと?!』

エグイサル緑『……私たちは、あさひの例の一件があるから結局誰も食事に口をつけはしなかった』




エグイサル緑『だから、誰も死んでいない』





ルカ「……ッ!」

エグイサル青『それは……つまり……』

エグイサル赤『無差別殺人……』

エグイサル青『……つまり、美琴は私たち全員を葬るために、厨房に潜んでいたということなのかい?』

エグイサル緑『そう考えるのが妥当でしょ。一人を狙い撃ちしたところで遮られてしまえば意味もない。それなら丸ごと狙った方が確実』

(美琴のやつ……)

エグイサル桃『……美琴さんが他のみんなも殺そうとしてたのはショックです』



エグイサル桃『……でも、今大事なのはそうじゃない……美琴さんもこの事件に巻き込まれた側の存在だってことです……っ!』




ルカ「オマエ……」

エグイサル青『そうだよね☆ 美琴さんの殺意とこの事件はまた別の話……今大事なのは、美琴さんも事件現場にいたってことだもん!』

(美琴の凶行は、もっと別の凶行によって上塗りされた)

(そのことを喜ぶのは……流石に不躾だよな)


エグイサル緑『確かに、この写真には美琴さん以外にも……不自然なところがあります……』

エグイサル桃『これ、あさひちゃんがエグイサルを操縦してるんだったよね……?』

エグイサル桃『でも、どうやって……? 捜査の時、みんな操縦はもちろん降りることすらできなかったから今こんな状況になってるんだよね……?』

エグイサル青『はい……凛世たちは、箱舟の中で揺られる他なく……』

エグイサル青『指の一本、動かすことは叶いませんでした……』

ルカ「確かに私たちはエグイサルの操作方法なんてからっきしだ。でも、それを可能にする、唯一の方法があったんだよ」

エグイサル青『ゆ、唯一の……方法……ですか……?』

(あさひはきっと、あれを使ってエグイサルの操縦を行ったはずだ……)

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【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「エグイサルは、簡単な遠隔操作を可能にするリモートコントローラーが存在していたんだ」

ルカ「あのコックピットの中にも仕様書があっただろ? あそこに書いてあったんだ、『直感的に正確な操作を再現することのできるリモコンもございます』ってな」

エグイサル青『なるほど……あの複雑怪奇な精密機器の数々、マニュアルで全てを操るのは困難でも』

エグイサル青『中枢に指示を出せるリモコンさえあれば、容易に操作が可能だったと言うわけかい』

エグイサル赤『そ、そんなものがあったんですね……っ』

エグイサル桃『いやいや待て待て! さらっと言ってるけど、それはそれで変な話だぞ!』

エグイサル桃『アタシたち……誰か一人でも、そんなリモコンを目にしたことがあったか?!』

エグイサル桃『そもそも捜査の段階じゃ、エグイサルは“正体不明の危険な軍事用ロボット”って話で……操るとかそんなの、聞いてねえって……!』

エグイサル緑『それなら……あなたは答える義務があるんじゃないですか?』

ルカ「……あ?」

エグイサル緑『あなたは第5の島の捜査の時、常にあさひと一緒だった。あさひがそのリモコンとやらを手に入れるタイミング、あなたなら指摘ができるはずでは?』

(……あさひがエグイサルのリモコンを手に入れた瞬間、だと……?)

(……そんなの、私の目の前であったか……?)

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【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×12

コトダマ
‣【モノクマファイル5】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【点の血痕】
‣【透のお守り】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】
‣【動作ログ】
‣【並んでいるエグイサル】


エグイサル赤『あさひちゃんはエグイサルを操縦することで私たちを【運ぶことができました】……っ』

エグイサル桃『そのために使ったのが【リモコン】さ』

エグイサル桃『どれだけ複雑な操作でも、このリモコンなら簡略化されており誰でも自在に操ることができる』

エグイサル緑『そ、そんなリモコン……第5の島では見てません……』

エグイサル青『ルカさんは……あさひちゃんとずっと一緒だったから……』

エグイサル青『リモコンを手に入れた瞬間を見ていたのかな……?』

エグイサル赤『どうなんですか?』

エグイサル赤『あなたの【目の前で】、あさひはリモコンを手にしたんですか?』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【集中力:☆×12→11】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】

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【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×11

コトダマ
‣【モノクマファイル5】
‣【点の血痕】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】


エグイサル赤『あさひちゃんはエグイサルを操縦することで私たちを【運ぶことができました】……っ』

エグイサル桃『そのために使ったのが【リモコン】さ』

エグイサル桃『どれだけ複雑な操作でも、このリモコンなら簡略化されており誰でも自在に操ることができる』

エグイサル緑『そ、そんなリモコン……第5の島では見てません……』

エグイサル青『ルカさんは……あさひちゃんとずっと一緒だったから……』

エグイサル青『リモコンを手に入れた瞬間を見ていたのかな……?』

エグイサル赤『どうなんですか?』

エグイサル赤『あなたの【目の前で】、あさひはリモコンを手にしたんですか?』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「あさひと第5の島を探索した時……少なくとも私はそんなリモコンなんて目にしちゃいない」

ルカ「冬優子に託されて間もない、目を離すようなこともしていなかったはずだ」

エグイサル赤『じゃ、じゃあ……エグイサルの操作なんて……』

ルカ「だから、そのリモコンは突然降って沸いたんだと思う」

エグイサル桃『……は?』

ルカ「美琴……は名乗れないか、この前の事件で話題になったファイナルデッドルーム、覚えてるな?」

エグイサル青『えっと……美琴さんもクリアした命懸けのゲーム、なんだっけ』

エグイサル緑『クリアしたら極上の凶器が手に入る……そんな甘言をもとに、挑戦者を招いていたはずだ』

エグイサル赤『で、でも極上の凶器は……遊園地のスタッフルームの鍵……の、こと……でしたよね……?』

ルカ「ああ、でもそれとは別に……美琴はこうも言ってたはずだ」


≪美琴「私がファイナルデッドルームをクリアした時、『初クリア特典』のものはなくなっていた。それって、私より先に誰かがクリアしていた証拠だよね」

ルカ「お、おい待てよ……極上の凶器って、その鍵の事だけじゃねーのか……!?」

美琴「え? うん……あの部屋には一通りの凶器が揃ってたかな。ナイフや銃もあったと思うし……」

美琴「でも、モノクマの言う極上の凶器はこの鍵の事で間違いないと思う。クリアした人間は全員極上の凶器が手に入るって言う触れ込みだったから。私が入手できなかったその『初クリア特典』はきっと人の命を奪えるようなものではないはずだよ」≫


ルカ「あの部屋からは他にも持ち出されたものがある……他の凶器とは違った保管をされていた何かが」

エグイサル桃『も、もしかしてその何かが……リモコンなの……!?』

ルカ「可能性はある」

エグイサル青『待ってください……っ!』

エグイサル青『あさひちゃんはファイナルデッドルームをクリアしていませんよね……っ! だったら、そのリモコンは……』

エグイサル赤『ううん、美琴さんより先にクリアをしたのはふゆちゃんだよ』

エグイサル赤『あさひちゃんと仲良しのふゆちゃんが先にリモコンを入手していて、あさひちゃんに託した可能性は十分あるよ☆』


ルカ「実際、私の元に冬優子から手紙が届いていた。この前の学級裁判が始まる前に投函しておいたものなんだろう」

エグイサル青『なるほど、それでは二日前ルカが見たと言う動くエグイサルもあさひの仕業だったのかな?』

(……そういえば、そんなこともあったな)

(あの時、たまたま美琴が居合わせたから庇ってもらったが……あれを操っているのがあさひだったなら)

(本当は襲う気なんてなかったのかもしれないな)

エグイサル桃『あさひちゃんがエグイサルさんを操縦できたのはわかったけど……』

エグイサル桃『そもそも、どうしてわたしたちを連れ去ったりしたのかな……』

エグイサル赤『よーし、それじゃあ次はあさひの目的について話し合ってみようよー!』

エグイサル白『…………』

(あさひがエグイサルを持ち出してまで私たちを連れ去った目的か……)

(きっと単純なものではないはずだ、そこから考えていくぞ……!)

------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×11.5

コトダマ
‣【モノクマファイル5】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【緊急脱出システム】
‣【動作ログ】
‣【死体上のシート】
‣【並んでいるエグイサル】


エグイサル緑『あさひは何故エグイサルを用いて私たちをここまでエスコートしたんだろう?』

エグイサル桃『ワダツミインダストリアルに……ご用があったのでしょうか……』

エグイサル青『ワダツミインダストリアルにはモノクマのものとは別の監視カメラが付いてるよ!』

エグイサル青『あのカメラに何か【証拠を残したかった】んじゃないかなー?!』

エグイサル赤『あさひは狸を追うことに執着してたよな?』

エグイサル赤『なら、何か狸を炙り出す算段があったんじゃねーのか?』

エグイサル緑『あさひはリモコンで【エグイサルを操作できた】』

エグイサル緑『他の人を【エグイサルに乗せた】後で』

エグイサル緑『別の人の乗ったエグイサルを操作して【誰かを殺害】して』

エグイサル緑『罪をなすりつけようとしたのかもね』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「いや、待て! あさひはエグイサルを操縦こそしたが、殺害には用いてないはずだ」

ルカ「現場に並んでいたエグイサルは、どれも何も付着していない綺麗な状態で置かれていた」

ルカ「もしも殺害に利用したなら、返り血がどこかについていないとおかしいだろ?」

エグイサル赤『死体の首からは、かなりの血が……出てたよ……!』

エグイサル青『首を一気に真っ二つだもんな、そりゃ普通返り血もつくだろ』

エグイサル緑『そ、そうですね……じゃあ、違う……かも……しれません……』

エグイサル桃『でも、これでますますどうしてあさひがエグイサルを使ってまでみんなを運んだのかが分からなくなっちゃったよー!』


(……あさひの目的、か)


(あのエグイサル自体には、なんの痕跡も残っちゃいなかった)


(でも……エグイサルに私たちを乗せることで、何かを狙っていたのは確かなんだ)


(それに加えて、あの監視カメラ映像……あさひは何故カメラの画角に姿を表し、おとなしく座ったままでいたんだ……?)


(……あさひの狙い、少し考えてみるか)

-------------------------------------------------

【検討プロセッシング開始!】

第一に断言できるのは、あさひはエグイサルを操縦できたということ。
これは入り口の監視カメラ映像に映り込んでいたことからまず間違いない情報だ。
あさひはレストランに集まっていた私たちを気絶させ、白いエグイサルに乗って私たちをワダツミインダストリアルまで運んだ。
そしてそのまま一人一人エグイサルに乗せた……
ここまでは間違いない。

でも、一体何のために?
いずれのエグイサルにも血痕が付着した痕跡はない、事件に凶器として用いられた筋は絶っていい。

……でも、本当にその意図がなかったと言えるのか?

エグイサルの情報をもう一度よく整理しよう。
あのエグイサルであさひは何をしようとしていたんだ……?
エグイサルに何か工作された痕跡はなかったか……?

【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


【CORRECT!】

……そうだ、あのエグイサルは全て妙なケーブルに繋がれていて、動作のログが取られるようになっていた。
いつ、どのエグイサルが動いたのかの情報が集積されるシステム……わざわざそんなエグイサルに私たちを乗せたことには何か意味があるはずだ。
それってつまり、『誰かがエグイサルを動かした』という情報が欲しかったってことだよな?

でも……エグイサルの操縦には通常リモコンが必要なはずだ。
それってつまり……あさひには、リモコンを使わずとも動かせる人間がいるという確証があったってことになるのか……
確かに、モノクマもあの説明書も……マニュアル操作自体は可能だと表明していた。
でも、そんな真似ができる人間って……もしかして……

A.冬優子
B.狸
C.超能力者

↓1


【CORRECT!】

……第二の事件の時、冬優子の秘密を狸は知っていた。
それもあって、狸はストレイライトの人間である可能性が高いという議論になったわけだが、今となっては和泉愛依も芹沢あさひも潔白の一言。
283プロの人間にその秘密が全く知られてなかったところを見ても……狸は私たちと比べても越権的な何かを持っているといっていいと思う。

それこそ、【黒幕】と言っていいほどまでに。

……あさひ本人からすればこんなの、とっくの前に分かっていたことなんだろうな。
だって、無実なのは本人が一番よく知っているんだから。

そんな中で仕掛けた、今回の事件。
わざわざエグイサルの並ぶ場所を選んで仕掛けたことには、それだけの意味があるんだ!
監視カメラの画角に収まるところを選んだのも、そこに自らが生身で座っていたのも……全部、全部……!

-------------------------------------------------

【発掘イマジネーション開始】!

自分を■■■にして狸を炙りだそうとしていた!

【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】

1文字目 00~10
2文字目 30~40
3文字目 60~70

↓1~8


カンカンカンカン……

【思考の地層はまだまだ堅そうだ……】

【掘り進めたことにより難易度が緩和されます】

-------------------------------------------------

【発掘イマジネーション開始】!

自分を■■■にして狸を炙りだそうとしていた!

【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】

1文字目 00~20
2文字目 30~50
3文字目 60~80

↓1~8

二周目も不可だった場合更に緩和となりますが、その場合00~90まで対象になって、
わざわざ8コンマ取る必要もないと思うので自動で進行にします
元々発掘イマジネーションはダメージ判定もなく、モノクマメダルが追加で手に入るボーナスゲーム的位置づけなので……


カンカンカンカン……

【なんとか掘り出すことには成功した……】

【発掘完了!!】

__________________

自分をおとりにして狸を炙りだそうとしていた!
__________________


そうか、分かったぞ……!

あさひがどうして私たちを拉致して、エグイサルに乗せたのか!
狸は学級裁判で私たちを誤答させ、そのペナルティで殺害することに執着していた。
なら、あの誰がどこにいるかもわからない状況、当然乗ってくるはず!
あさひは自分を犠牲にして囮となることで、あさひ自身を殺した人間を、狸として糾弾しようとしていたんだ!


【FORGING!】

コトダマ【動作ログ】→【あさひの作戦】
〔エグイサルでルカたちを拉致したのは、狸の特定のため。誰が殺害してもわからない状況だと油断させ、自らを殺させることで動作ログや監視カメラから証拠を押さえようとした〕


少しぶつ切り感はありますが、本日はここまで。
発掘イマジネーション行くときは行くんですが行かないときは全然だったりしますね……

今回の学級裁判パート、セリフの口調が目覚ましく転換するので色を追うことで流れを頑張って把握してください。
ルカ目線なのでルカのセリフの表記は据え置きですが、彼女自身もエグイサルの機体に乗った状態なので他の参加者からはルカだとはわかっていない想定です。

途中ルカ相手だとわかっているかのように他のエグイサルに話しかけられる場面があったかと思いますが、
スピーカー機能と同様に会話がスムーズに進行するように解釈変更するAIが作動したとでもご都合解釈してください(書いてるとき全然気づいていなかった)

次回更新は6/26(日)21:00ごろを予定しています。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いいたします。


ルカ「……なるほどな、あさひの覚悟は伝わったぜ」

エグイサル赤『覚悟、ですか……?』

ルカ「あいつは一人で戦おうとしたんだよ。冬優子の意志を引き継いで。それが……冬優子にとって期待通りだったのか、むしろその逆だったのかはわからねえけどな」

エグイサル青『どういうことだよ、あさひの目的がわかったってのか……ルカ!』

ルカ「ああ、あのエグイサルに目に見えて怪しい点はない。だけどあのエグイサルを取り囲む包囲網は並じゃなかった」

ルカ「動作のログはとられるようになっていたし、全ての機体が中央の監視カメラの画角に収まってた」

ルカ「それは全部一つの目的のためだったんだよ」

エグイサル桃『も〜! 勿体ぶらないで早く教えてよー!』

ルカ「自分の命と引き換えに、狸を明らかにするためだ」

エグイサル桃『なーんだ、そういうことだったんだ!』




エグイサル桃『って、えーーーーー!?』


ルカ「……私だって、こんなことを言いたくないが、そう考えるとしっくり来るんだよ」

ルカ「狸の行動原理と噛み合った状況、拉致を行ったはずのあさひが生身で椅子に座っている映像……」

ルカ「自分自身を囮にしたんだと思うと、納得できないか?」

エグイサル緑『ちょ、ちょっと待って……それじゃ、あさひちゃんは壮大な自殺をしようと思ってたの?!』

エグイサル赤『自殺……とは、また異です……あさひさんは、殺されたがっていたということなのですから……』

ルカ「まあその言い方だと希死願望じみてるが……そういうことだ。あいつは狸に自分を殺させようとしてたんだよ」

エグイサル青『そのためにわざわざワダツミインダストリアルに場所を移したというわけかい』

エグイサル桃『証拠が確実に残る、ワダツミインダストリアルで』

エグイサル白『…………』

エグイサル緑『……あれ? でも、それってつまり』

エグイサル緑『被害者は、あさひちゃんってことになりますよね……?』

エグイサル緑『あさひちゃん自身が殺されたがっていて、同じ場所に死体があったわけですから……』

(……あさひは自分の命を使って狸を追い詰めようとしていた)

(そしてあさひがいたのと同じ場所に死体が現れ、映像も残っている)

(でも……本当にあいつが被害者なのか? あいつの目的が見えた今、見え方はまた変わってくるかもしれない)

------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×12

コトダマ
‣【モノクマファイル5】
‣【動作ログ】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【コーヒーのシミ】
‣【エグイサル・アーマー】
‣【並んでいるエグイサル】
‣【死体上のシート】



エグイサル青『あさひさんは自分の命と引き換えに、狸の特定を行おうとしておりました……』

エグイサル青『そのために、エグイサルの集まるワダツミインダストリアルに皆さまを運び……』

エグイサル青『自らを無防備にさらされたのです……』

エグイサル緑『エグイサルは……全部【動作のログが取られるようになってた】、から……!』

エグイサル緑『狸が動かしたら、すぐに分かる仕組み……!』

エグイサル赤『そ、それに……監視カメラには自分自身が座る椅子とエグイサルが【全部写り込む】ようになってました……!』

エグイサル赤『え、え、映像としても【証拠が残った】はずです!』

エグイサル緑『そこまでの策略を巡らせた上で』

エグイサル緑『あさひは狙い通りに命を落とした』

エグイサル緑『誉れある【自死】……私たちより幼いのに、なんと誇り高いことだろうか』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「いや、違う! あの死体は間違っても自分の意思で死のうとした状態じゃないはずだ!」

エグイサル緑『ぴぇっ……ど、どどどど、どういうことですか?』

ルカ「思い出してみろ、あの死体は首がない以外にもいくつかの特徴があったはずだ。死体の素性を隠すための工作に……」

ルカ「身動きが取れないように拘束をされてたんだぞ! しかも両手の手首だ。そんなの自分一人じゃできないし……やる意味がない!」

エグイサル赤『言われてみれば……違和感を感じるかも!』

エグイサル緑『あさひ以外の人間が、彼女を縛りつけたということ?』

エグイサル緑『命を奪うために、わざわざ』

ルカ「あの死体があさひと確定したわけじゃない……だけど、監視カメラの映像がぶつ切りになる前後で明確に違うのはあの拘束だ」

ルカ「あの死体があさひだと言うんだったら、これは大きな矛盾になるぞ!」



【エグイサル青『紙上に兵を談ずること勿れ……』】反論!





エグイサル青『お待ちください……あの拘束があさひさんの手によってなされたものではない……』

エグイサル青『それは道理が許しません……あの拘束は、あさひさん自身の手によるもの……』

エグイサル青『この事件はあさひさんの希死によるもの、その論理は変わりません……』

ルカ「あ? 何言ってんだ……あんなの、一人じゃやりようが……」

エグイサル青『それ以前に、ルカさんの推理は重大な欠陥を孕んでいるのです……』

エグイサル青『……凛世がそれを突きつけて見せましょう』

エグイサル青『喉元に、剃刀を突き立てるように……!』

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×12

コトノハ
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【動作ログ】
‣【美琴との軋轢】
‣【コーヒーのシミ】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【死体の手袋】
‣【緊急脱出システム】
‣【透のお守り】


エグイサル青『監視カメラに写っていたあさひさんと首のない死体』

エグイサル青『確かに拘束の有無という大きな違いがございます……』

エグイサル青『ですが、必ずしも一人でできない拘束というわけではない……』

エグイサル青『あさひさんは両利き』

エグイサル青『更にはとても器用でいらっしゃいます……』

エグイサル青『手首を翻しでもすれば可能かと……』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「まあ……あいつならできなくはない……けど」

ルカ「そもそも、そんなことをする必要がないだろ!?」

ルカ「どうして死にたがってるやつが、自分を縛り付ける必要がある!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル青『それに、あの現場においてあさひさん以外の人間が関与することはあり得ないのです……』

エグイサル青『ルカさん自身の仰る通り……』

エグイサル青『エグイサルの操縦には【リモコンが必須】』

エグイサル青『狸とされている方なら、可能やも知れませんが……』

エグイサル青『そんなログは残っておりません……』

エグイサル青『機体から【降りることもできない】のに……』

エグイサル青『どうやってあさひさんを縛るというのですか……?』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


ルカ「その矛盾、断ち切る!」

【BREAK!】

ルカ「リモコンがなけりゃ、エグイサルの操縦はできない。だから機体から降りることもできない、か……」

ルカ「果たして本当にそうかな?」

エグイサル青『……ですが』

ルカ「オマエらも自分の乗ってる機体、そのグローブボックスを開いてみろよ」

エグイサル桃『なんだろう……これ……説明書、かな……?』

エグイサル赤『ぴゃっ?! こ、これ……エグイサルの説明書じゃないですか……!!』

ルカ「ああ、と言っても専門用語が多すぎて大部分は何を言ってるのか訳がわからねーんだけど」

ルカ「大事なのは最後、安全性の部分の記述だ」

エグイサル緑『ふむふむ……』

エグイサル緑『コックピット内部で動作不良などの緊急事態が感知された場合にはメインシステムとは別付けの単独機構が作動し、オートマチックにコックピットが展開し、脱出できるようになる』

エグイサル緑『……だって!』


エグイサル青『もしや……それを利用さえすれば、外に出ることは可能だったというのですか……?』

ルカ「そういうことだ。あさひにとっても想定外だったんだと思うぜ」

ルカ「狸だけが動ける状態にしておいて、誘い出す作戦だったのに……まさかそんな抜け道があるなんてな」

エグイサル白『…………』

エグイサル赤『で、でも……待って! 確かに、緊急脱出なら外に出れた……のかもしれない、けど……』

エグイサル赤『その【異常事態】なんて、どうやって起こすの……?』

ルカ「……えっ」

エグイサル緑『エグイサルはめっちゃ頑丈な作りだよ!』

エグイサル緑『よっぽどのことがない限りは、異常事態なんて認識はしないと思うけどなぁ……』

エグイサル赤『中でタバコに火をつけたりすりゃ、煙で火災だと認識されたりすんじゃねーのか?』

エグイサル桃『うーん……283プロにはシガーレットの薫りを纏っている人は社長の他にいなかったと思うのだけれど』

(……エグイサルの中で起きた異常事態、か)

(私たちにできることなんて、その範囲は限られてる。犯人がどうやって脱出したのかは……自ずと見えてくるはずだ)

-------------------------------------------------

【ひらめきアナグラム開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×12


『クボエムレト』


【正しい順番に並べ替えろ!】


1.解答する
2.集中力を使う(一部文字が正しい位置に移動する)

↓1


ルカ「そうか、分かったぞ!」

【BREAK!】

ルカ「なあ、もう一度……エグイサルの説明書を丁寧に読んでみてくれ」

エグイサル桃『説明書を、もう一度?』

エグイサル桃『当機は内部での動作不良などの異常事態を管理した場合、緊急脱出プログラムが作動いたします。他のシステムとは違い独立した機構により、コックピットが自動展開します』

エグイサル桃『これが、どうしたの?!』

ルカ「露骨なヒントがあるだろーが、【内部の動作不良など】つってな」

エグイサル赤『……動作、不良……』

エグイサル青『これってつまり、エグイサルが動かなくなったときってことだよね?』

エグイサル青『異常事態の中でも異常事態、だってエグイサルが壊れちゃったときってことでしょ!?』

ルカ「まあ、そうなるだろうな……」

エグイサル緑『ほわぁ……そんなの、どうすればいいんでしょう……』

ルカ「いや、この方法が一番簡単で手っ取り早いんだ。そうだろ、浅倉透」

ルカ「……今はどれに乗ってるのかもわからねえけど」


エグイサル緑『……浅倉がその方法を知ってるって?』

ルカ「ああ、あれは三回目の事件が起きる前、絶望病の騒ぎがあった頃の話だ。夜番をやることになった私と浅倉透の会話で……あいつが七草にちかに目撃されたときの話になった」

ルカ「外の世界とのつながりを持つあいつが、外と交信中に見つかってしまった」

ルカ「でも、そもそもどうしてあいつは外の世界と呑気に交信できたんだろうな。そこら中にモノクマたちの監視と傍受があるこの島で」

エグイサル桃『と、透ちゃんには……それらを回避する方法があったってことですか……!?』


≪透「……そもそも、私が連絡取れてたのはモノクマからの干渉を拒める手段があったからなんだよね」

透「この島にいる限り、モノクマには全部知られちゃうんだよね。何をしてるか、何を話してるのかも。全部」

透「だから、そこら辺をクリアにする機能を持ったのがあったんだけど……今はもう使えない、取り上げられちゃったから」

透「だから、伝えられないんだ。モノクマに知られたらまずいから」≫


≪透「それは『エレクトボム』って言って、炸裂すると辺り一体に妨害電波を発生させてさ。電子機器の類は使えなくなるし、特定の電波以外は通さなくなっちゃう」

ルカ「マジか……んなもんあったら、モノクマの監視カメラも」

透「そういうこと。島の中に安息地が作れちゃう」≫


ルカ「ああ、それをあいつは『エレクトボム』と呼んでいた。手りゅう弾のような見た目をしているが、炸裂すると辺り一帯に電波障害を引き起こす代物らしい」

ルカ「それこそ、電気製品なんかは使い物にならなくなるってよ」

エグイサル赤『……そういうこと』

エグイサル赤『犯人はコックピットの中でエレクトボムを炸裂させて、内部のシステムをダウンさせた。それを感知した別のシステムにより、緊急脱出が可能になったと』

ルカ「ああ、火事を起こしたりするなんかよりよっぽど簡単だろ。なんせ適当に爆弾を放るだけでいい、自分が巻き込まれるリスクもないしな」


エグイサル桃『一つ、いいかな……?』

ルカ「……あ?」

エグイサル桃『エレクトボムの、効果が行き届く範囲ってどれくらいなのかな……』

ルカ「確か……半径100m大の球の効果範囲、とか言ってたか?」

エグイサル桃『半径、100m……』

エグイサル桃『ルカちゃん……残念だけど、エレクトボムを使った作戦は……難しいんじゃないかな……』

ルカ「……あ?」

エグイサル桃『確かに犯人さんはエレクトボムを使えば出られると思うけど……』

エグイサル桃『致命的な、リスクも背負うんじゃないかな……』

ルカ「致命的なリスクだと……?」

エグイサル桃『教えてあげるね……!』



【エグイサル桃『その推理は応急処置が必要です……!』】反論!



-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×12

コトノハ
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【緊急脱出システム】
‣【エグイサル・アーマー】
‣【点の血痕】
‣【死体上のシート】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【並んでいるエグイサル】
‣【動作ログ】


エグイサル桃『あさひちゃんを拘束するのには』

エグイサル桃『別の誰かの存在が必要……』

エグイサル桃『それには賛成です……』

エグイサル桃『でもね……やっぱりエグイサルから降りるのは難しいんじゃないかな……』

エグイサル桃『リモコンを持っていたあさひちゃん以外の全員、不可能だよ……』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「エレクトボムを持ってさえいれば、全員に可能な方法だろ!」

ルカ「動作不良を起こした機体の、緊急脱出を利用して外に出たんだ!」

ルカ「何が問題あるっつーんだよ?!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル桃『さっきルカさん自身が言ったけど……』

エグイサル桃『エレクトボムの効果範囲は半径100m……』

エグイサル桃『電波障害で動作不良が起きちゃうなら……』

エグイサル桃『犯人さん以外の全員のエグイサルでも、【緊急脱出システムが作動しちゃう】んだ……』

エグイサル桃『でも、そんな様子は監視カメラにも映ってないでしょ……?』

エグイサル桃『エレクトボムは、使われてないと思うな……』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【コンマ判定18】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ33】

【発言力:♡×11→10】

エグイサル桃『ふふ……♪】

エグイサル桃『わたしには、その刃は届かないみたいです……もっと、あなたの気持ちを……頑張って、伝えてください……』

(……どういうAIで音声を変化させてるんだよ)

(チッ、指摘は間違ってないはず、もうちょっと腰を入れてやらねーと押し切られちまうみたいだな……)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×12

コトノハ
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【緊急脱出システム】
‣【エグイサル・アーマー】
‣【点の血痕】
‣【死体上のシート】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【並んでいるエグイサル】
‣【動作ログ】


エグイサル桃『あさひちゃんを拘束するのには』

エグイサル桃『別の誰かの存在が必要……』

エグイサル桃『それには賛成です……』

エグイサル桃『でもね……やっぱりエグイサルから降りるのは難しいんじゃないかな……』

エグイサル桃『リモコンを持っていたあさひちゃん以外の全員、不可能だよ……』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「エレクトボムを持ってさえいれば、全員に可能な方法だろ!」

ルカ「動作不良を起こした機体の、緊急脱出を利用して外に出たんだ!」

ルカ「何が問題あるっつーんだよ?!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル桃『さっきルカさん自身が言ったけど……』

エグイサル桃『エレクトボムの効果範囲は半径100m……』

エグイサル桃『電波障害で動作不良が起きちゃうなら……』

エグイサル桃『犯人さん以外の全員のエグイサルでも、【緊急脱出システムが作動しちゃう】んだ……』

エグイサル桃『でも、そんな様子は監視カメラにも映ってないでしょ……?』

エグイサル桃『エレクトボムは、使われてないと思うな……』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【コンマ 75】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

【最終コンマ 90】

ルカ「その言葉、切らせてもらう!」

【BREAK!】

ルカ「確かにエレクトボムは効果範囲も広いし、電波干渉なんだから障害物だろうとなんだろうと関係なしだ」

ルカ「でも、どれか一台のコックピットで炸裂させたからって他のエグイサルでも同じことが起きるかと言われればそれは違う」

エグイサル青『どういうことだい? エグイサルはいずれも効果範囲内に収まると思うけれど』

ルカ「エグイサル自体のつくりだよ。通信電波の傍受とか、そういう電波による外部干渉をとことん拒むようになってるんだ」

モノクマ「軍用機なら当然の仕様だよね! 今時の戦争だってIT化してるんだ、脆弱なセキュリティだとすぐに敵国に操られてオウンゴールを決められちゃうんだから!」

モノミ「そんな血みどろのオウンゴールがあってたまりまちゅか!」

ルカ「だから犯人がエレクトボムを使うこと自体には何ら問題ない、他のエグイサルにも影響は生じないはずだぜ」

エグイサル桃『……』

エグイサル桃『にへへ……それなら納得……!』

エグイサル青『しかし待ってくれないかい? エレクトボムを使っても問題はないというだけで、それが使われた確定的な根拠はない』

エグイサル青『これを前提にして議論を行って果たしていいものだろうか?』

(エレクトボムを犯人が使った証拠か……)

-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】

・証拠ならある
・そんなものはない

↓1


ルカ「ああ、証拠ならあるぞ」

エグイサル緑『えー?! あるのー?!』

エグイサル桃『よろしい』

エグイサル桃『それなら弁護人には証拠を提示してもらいましょう』

エグイサル桃『いい加減な証拠でいい加減な論証を行うようなら、いい加減私もペナルティを下すので覚悟するように』

(な、なんだか冷や汗かいちまうな……)

エグイサル桃『にへへ……裁判長のモノマネ、似てたかな……』

(犯人がエレクトボムを用いたなら、現場にもエグイサル以外のものに影響が出たはずだ……!)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

エグイサル緑『これは……死体を画角に収めた監視カメラ映像……?』

ルカ「ああ、さっきも確認した通り、この映像には椅子に座っているあさひと首のない死体が交代する形で登場する」

エグイサル青『これが、エレクトボムが使われた根拠になんのか?』

ルカ「ああ、映像をじっくり見てみろ」

ルカ「あさひのいた場所に死体が現れる前、映像は途中でぶつ切りになって不自然に飛んでる。カット編集なんかする暇はないのに、どうしてこんなことになってるんだと思う?」

エグイサル赤『もしかして……エレクトボムで監視カメラも干渉を受けたから……?』

エグイサル桃『エレクトボムの有効範囲は半径100mの球だから……監視カメラは十分その範囲内になるね!』

ルカ「逆に、それ以外の何かで監視カメラがこんなエラーを起こしたことに説明をつけようがない」

ルカ「このカメラ映像は、犯人がエレクトボムを使ったことの物理証拠になりうる!」

(……よし! これで何者かが事件に関与した可能性は示せたはずだ……!)






エグイサル赤『……悦に浸ってるところ悪いんだけど』

エグイサル赤『この議論……行きつくところは結局同じじゃない?』

ルカ「何……?」




エグイサル赤『あさひを殺した何者かがいた。エレクトボムを使って脱出をした』

エグイサル赤『……だとしても、結局被害者はあさひになるでしょ』

ルカ「……そ、それ……は」

(そうだ……私がやっていたのは、あいつが被害者ではない、被害者であっては欲しくないという逃げから来るただの結論の先送り)

(犯人がどうやってエグイサルから脱出しようが、それはあさひの死を否定する根拠には全くなりえない……!)

エグイサル緑『芹沢さんが死んだんじゃないって示すなら……芹沢さんじゃあり得ない証拠とかが、いるのかな……?』

エグイサル青『あの死体に、そんな証拠……あったかな……』

(……いや、何を弱気になってるんだ)

(私は冬優子から何を託された? 何を守りたいと思った?)

(私は今、何をやるべきかなんて……分かっているだろ?)

(……時間は稼げた、それなら今やるべきは……これまでの議論の中から、あいつを救い出す何かを見つけ出すことだろ……!)

------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×12

コトダマ
‣【エグイサルのリモコン】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【死体の手袋】
‣【緊急脱出システム】
‣【点の血痕】
‣【モノクマファイル5】
‣【透のお守り】
‣【エグイサルのセンサーシステム】


エグイサル赤『犯人はエレクトボムを使うことでエグイサルから緊急脱出していた』

エグイサル赤『それが実証されたとて【被害者は変わらない】でしょ?』

エグイサル緑『映像に写っていたのはあさひちゃんで……』

エグイサル緑『他の誰かじゃない、よね……』

エグイサル青『現場にいたのは【エレクトボムで脱出した犯人】とあさひ』

エグイサル青『結局その二人だけじゃ、被害者は動きようがねーよな……』

エグイサル桃『逆にあさひがその人を【返り討ちにした証拠でもあれば】話は変わってくるけど……』

エグイサル桃『そんなもの、見つかってないもんね……』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【発言力:♡×10→9】

エグイサル赤『……その血痕が何か』

エグイサル赤『被害者があさひであることを否定したい気持ちは分かりますが、感情だけで説得されるほど私は融通が利きませんので』

(チッ……違ったか)

(被害者があさひである証明……それは言い換えれば、あさひが生きていることの証明にもなるはずだ)

------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×12

コトダマ
‣【エグイサルのリモコン】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【死体の手袋】
‣【緊急脱出システム】
‣【点の血痕】
‣【モノクマファイル5】
‣【透のお守り】
‣【エグイサルのセンサーシステム】


エグイサル赤『犯人はエレクトボムを使うことでエグイサルから緊急脱出していた』

エグイサル赤『それが実証されたとて【被害者は変わらない】でしょ?』

エグイサル緑『映像に写っていたのはあさひちゃんで……』

エグイサル緑『他の誰かじゃない、よね……』

エグイサル青『現場にいたのは【エレクトボムで脱出した犯人】とあさひ』

エグイサル青『結局その二人だけじゃ、被害者は動きようがねーよな……』

エグイサル桃『逆にあさひがその人を【返り討ちにした証拠でもあれば】話は変わってくるけど……』

エグイサル桃『そんなもの、見つかってないもんね……』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1

2 選択

【集中力:☆×12→11】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【いつもより多めにロンパ候補の発言の数が減少しました】

------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×11

コトダマ
‣【エグイサルのリモコン】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【死体の手袋】
‣【緊急脱出システム】
‣【点の血痕】
‣【モノクマファイル5】
‣【透のお守り】
‣【エグイサルのセンサーシステム】


エグイサル赤『犯人はエレクトボムを使うことでエグイサルから緊急脱出していた』

エグイサル赤『それが実証されたとて【被害者は変わらない】でしょ?』

エグイサル緑『映像に写っていたのはあさひちゃんで……』

エグイサル緑『他の誰かじゃない、よね……』

エグイサル青『現場にいたのはエレクトボムで脱出した犯人とあさひ』

エグイサル青『結局その二人だけじゃ、被害者は動きようがねーよな……』

エグイサル桃『逆にあさひがその人を返り討ちにした証拠でもあれば話は変わってくるけど……』

エグイサル桃『そんなもの、見つかってないもんね……』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【発言力:♡×9→8】

エグイサル赤『死体の凄惨な状況が被害者を否定する根拠になり得るんですか?』

エグイサル赤『お生憎様、果穂が惨たらしく処刑するさまを見たでしょう? どれほど事件が残虐なものでも、散らされる命に区別はないんですよ』

(チッ……違ったか)

(死体は身元が判別不明……それはつまり誰が殺されていてもおかしくはないということ)

(触診でもできていれば話は違ったんだろうけどな……)

------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×8
集中力:☆×11

コトダマ
‣【エグイサルのリモコン】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【死体の手袋】
‣【緊急脱出システム】
‣【点の血痕】
‣【モノクマファイル5】
‣【透のお守り】
‣【エグイサルのセンサーシステム】


エグイサル赤『犯人はエレクトボムを使うことでエグイサルから緊急脱出していた』

エグイサル赤『それが実証されたとて【被害者は変わらない】でしょ?』

エグイサル緑『映像に写っていたのはあさひちゃんで……』

エグイサル緑『他の誰かじゃない、よね……』

エグイサル青『現場にいたのはエレクトボムで脱出した犯人とあさひ』

エグイサル青『結局その二人だけじゃ、被害者は動きようがねーよな……』

エグイサル桃『逆にあさひがその人を返り討ちにした証拠でもあれば話は変わってくるけど……』

エグイサル桃『そんなもの、見つかってないもんね……』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【発言力:♡×8→7】

エグイサル赤『あの手袋には妙な痕跡があった?』

エグイサル赤『……で、その痕跡はあさひと何か関連があるんですか?』

エグイサル赤『何か踏むべき手順を飛ばしていませんか?』

(チッ……違ったか)

(まだこの手袋の痕跡については詳細が分かっちゃいない、武器として使うには弱いか……)

------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×11

コトダマ
‣【エグイサルのリモコン】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【死体の手袋】
‣【緊急脱出システム】
‣【点の血痕】
‣【モノクマファイル5】
‣【透のお守り】
‣【エグイサルのセンサーシステム】


エグイサル赤『犯人はエレクトボムを使うことでエグイサルから緊急脱出していた』

エグイサル赤『それが実証されたとて【被害者は変わらない】でしょ?』

エグイサル緑『映像に写っていたのはあさひちゃんで……』

エグイサル緑『他の誰かじゃない、よね……』

エグイサル青『現場にいたのはエレクトボムで脱出した犯人とあさひ』

エグイサル青『結局その二人だけじゃ、被害者は動きようがねーよな……』

エグイサル桃『逆にあさひがその人を返り討ちにした証拠でもあれば話は変わってくるけど……』

エグイサル桃『そんなもの、見つかってないもんね……』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【発言力:♡×7→6】

エグイサル赤『カメラ映像が不明瞭だったことは認めます』

エグイサル赤『ですが、人物のすり変わりが起きたと断ずるには根拠として弱い』

エグイサル赤『現場にいた人物は犯人とあさひの他に変わりようがないんだから』

(チッ……違ったか)

(あの映像の死体とあさひは別物……それを証明する手掛かりなら握っているはずだ……)

(殺害の前後で何が起きたのか、改めて考えてみるか……)

------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×6
集中力:☆×11

コトダマ
‣【エグイサルのリモコン】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【死体の手袋】
‣【緊急脱出システム】
‣【点の血痕】
‣【モノクマファイル5】
‣【透のお守り】
‣【エグイサルのセンサーシステム】


エグイサル赤『犯人はエレクトボムを使うことでエグイサルから緊急脱出していた』

エグイサル赤『それが実証されたとて【被害者は変わらない】でしょ?』

エグイサル緑『映像に写っていたのはあさひちゃんで……』

エグイサル緑『他の誰かじゃない、よね……』

エグイサル青『現場にいたのはエレクトボムで脱出した犯人とあさひ』

エグイサル青『結局その二人だけじゃ、被害者は動きようがねーよな……』

エグイサル桃『逆にあさひがその人を返り討ちにした証拠でもあれば話は変わってくるけど……』

エグイサル桃『そんなもの、見つかってないもんね……』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


2 選択

【集中力:☆×11→10】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】

------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×6
集中力:☆×10

コトダマ
‣【エグイサルのリモコン】
‣【死体の手袋】
‣【点の血痕】
‣【エグイサルのセンサーシステム】


エグイサル赤『犯人はエレクトボムを使うことでエグイサルから緊急脱出していた』

エグイサル赤『それが実証されたとて【被害者は変わらない】でしょ?』

エグイサル緑『映像に写っていたのはあさひちゃんで……』

エグイサル緑『他の誰かじゃない、よね……』

エグイサル青『現場にいたのはエレクトボムで脱出した犯人とあさひ』

エグイサル青『結局その二人だけじゃ、被害者は動きようがねーよな……』

エグイサル桃『逆にあさひがその人を返り討ちにした証拠でもあれば話は変わってくるけど……』

エグイサル桃『そんなもの、見つかってないもんね……』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


集中を使うとコトダマの数が減り、実質的に答えを示すのと同じなのでここはクリアとみなします

------------------------------------------------

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「いや、エレクトボムが使われたんだったら……被害者はあさひにはなり得ない! 間違いない!」

エグイサル赤『え、ど、どうして……?』

ルカ「何度も確認している通り、エレクトボムは過度な電波干渉で電気製品の動作異常を引き起こす代物だ」

ルカ「つまり、犯人とあさひが対峙した時……ワダツミインダストリアル内でまともに電気製品は使えなかったこよになる」

ルカ「逆に言えば、エレクトボムの効果が切れた後でもあさひが電気製品を使った証拠があれば……あいつが生きている証拠になるよな?」

エグイサル青『でも、そんなこと……あり得るんでしょうか……』

エグイサル青『ただ電気製品が使われた証拠、ではなくて……あさひちゃんが使った証拠なんて……』

ルカ「大丈夫だ、それならもう見つかってる」

エグイサル青『ほわっ……?!』

ルカ「エレクトボムを犯人が使ってコックピットの窓を開け、脱出してあさひを襲う……その後、犯人はどうやってコックピットを閉めたんだろうな?」

エグイサル緑『あっ……!』


ルカ「出ることはできても、戻るのはエレクトボムじゃあ不可能だ。緊急事態を感知して窓を開くシステムはあっても、元に戻るシステムはない。そうなるとどうしてもマニュアル操作で戻す必要がある、つまりはあさひの持っていたリモコンを使う必要があるわけだ」

エグイサル桃『待って! それでも、あさひちゃんから犯人がリモコンを強奪した可能性はあるよね?』

ルカ「強奪したところで使えねーんだよ、あのリモコンはパスワード方式。一度エレクトボムで再起動をかけられたせいで、犯人は使用不可能なんだ」

ルカ「あさひ本人じゃねーと、パスワードはわからない……あいつが生きてないと、犯人はエグイサルに戻ることはできないはずだ」

エグイサル赤『あれ? でも、犯人がエグイサルのコックピットに戻った方法はリモコンぐらいしかないと思うけど……その方法だったらログが残るはずだよね?』

エグイサル赤『だったら、今のルカさんの推理も成り立たないんじゃないかな?!』

エグイサル青『えっと……必ずしもそうとは言い切れない……かも』

エグイサル青『コンシューマーでも、モノによっては起動に一分ぐらいかかるのもあるけど……早いのだと、一瞬……! えっと、つまり……』

エグイサル緑『機械によって起動速度は違うから、リモコンで操作したとしてもログが残ってない可能性はあるってことだよね☆』

ルカ「どうなんだモノクマ、これは推理において重要な要素だと思うぞ。ここをぼかしたままだと、完全にエレクトボムの作動中の出来事は不明なまま。裁判の進行にも支障が出ると思うが?」

モノクマ「そのフレーズさえ出せばボクに融通利かせられると思ってない?」

モノクマ「まあもともと伝える気だったしお答えするよ。今のオマエラの推理通りだよ。あの工場内の機械でも、モノによって起動速度は当然ながら異なります!」

モノクマ「情報処理する量の違いだね。リモコンみたいな単純なオーダーならすぐに起動するだろうけど、エグイサル全体のログを取る集積機能なんかは当然時間がかかります!」

モノクマ「これで満足いただけたかな?」

ルカ「ああ、十分だ。きっとこれと同様に監視カメラの話もできるだろうな」


ルカ「あまりにも死体の出現がぶつ切りだと思ったが……カメラも起動に時間がかかったからあんな不自然な切れ方になったんだ」

エグイサル赤『では……犯人がコックピットに戻るのに、リモコンを利用されたことは事実……』

エグイサル赤『そのためにあさひさんを利用したのも事実と……断定しても……?』

エグイサル緑『まあ、いいんじゃない?』

エグイサル桃『そっか……確かにそれだとあさひちゃんしかリモコンは使えない……』

エグイサル桃『…………』

エグイサル桃『……あ、あれ……? それって、めっちゃ変だよね……?』

ルカ「……ん?」

エグイサル桃『だって、エレクトボムを使って降りてきたのはあさひちゃんを襲った人間なんだよ? それなのに、エグイサルにその人が戻れるようにリモコンをあさひちゃんが使ってるのって……』

エグイサル桃『ムジュン、しちゃってるよね……?』

エグイサル赤『確かに! 自分を襲ってきた相手に協力しちゃってるよ!』

ルカ「……! いや、それは……」

エグイサル青『……いや、そうじゃねーだろ』

ルカ「……あ?」

エグイサル青『もっと単純明快に、この疑問を解決できる答えがある。エレクトボムを使った犯人の行動、リモコンを使ったあさひの犯人への加担……この論理なら矛盾なく説明がつくぞ』

エグイサル桃『そ……そんなのが……ある……ですか……』

エグイサル青『よし、それじゃあ説明してやるから……耳の穴かっぽじってよく聴けよ!』

------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×6
集中力:☆×10.5

コトダマ
‣【エグイサルのリモコン】
‣【モノクマファイル5】
‣【緊急脱出システム】
‣【動作ログ】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【点の血痕】
‣【エグイサル・アーマー】
‣【並んでいるエグイサル】


エグイサル青『犯人がログに残さずエグイサルを脱出したのは』

エグイサル青『エレクトボムを使用したから』

エグイサル青『動作不良で緊急事態と判定したために【緊急脱出システムが作動した】』

エグイサル青『そうしてあさひにとっては予想外の対面となった犯人』

エグイサル青『でも、なぜかあさひは犯人が機体に戻るのに協力している』

エグイサル青『リモコンはあさひ以外には使えない仕組みだったからな』

エグイサル青『あさひの行動のムジュンを解決する答えはただ一つ!』

エグイサル青『あさひが【犯人を返り討ちにしちまった】んだ!』

エグイサル青『あさひは犯人に協力したんじゃなくて』

エグイサル青『犯人の乗っていた機体を奪って【そこに逃げ込んだ】んだよ!』

エグイサル青『これならリモコンのムジュンだって解決できる!』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


正答の出たところで本日はここまで。

次回更新は6/28(火)の21:00ごろを予定しています。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いいたします。



ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「あさひが犯人を返り討ちにしたってことは……あの死体はその犯人だったってことだよな?」

エグイサル青『まあ、そうなるな』

ルカ「じゃあ、逆に聞くけど……あさひがどうやってその犯人の首をぶった切るっつーんだ?」

エグイサル青『……え?』

ルカ「あの死体、首はただぶった切られてるんじゃなくて……水平に正面から、切られてたんだぞ?」

ルカ「あさひは今この島にいる生き残りでも甘党女に続いて、抜けて身長が低い。首を切ろうとしたらどうしてもその太刀筋は下から上になるし……大体、そんな首を切れるような武器がどこにあるっつーんだよ」

エグイサル緑『お待ちください……お忘れですか……? 死体は椅子に腰かけておりました……その背丈はいくらでも誤魔化しがきくものかと……』

ルカ「それも、犯人を返り討ちにしたってんなら妙な話だろ。わざわざ椅子に座らせて、拘束までして……その後に首を切る、なんて体格の劣るあさひにそんな余裕があるか?」

エグイサル赤『出来なくはないと思うけど……少し厳しいのかな』

エグイサル青『でも、リモコンの矛盾を説明するにはこれ以外の筋はないだろ! 他にどうして犯人に協力するっつーんだ……!』




エグイサル桃『犯人に脅された、とか?』




エグイサル青『え……? なんだよ、それ』

エグイサル桃『えっと、説明しますね……! 今のエグイサルさんの推理だと、あの死体はあさひちゃんでも犯人でもないことになります……っ』

エグイサル桃『そうなると、別の第三者が被害者になっていて……あさひちゃんはそれを間近で目撃したことになります。そこで犯人に「お前もこうなりたくなかったら協力しろ」と言われたらどうでしょうか……っ』

エグイサル赤『協力……しちゃうかも……!』

ルカ「脅迫……その筋はあるかもしれないな」



【エグイサル緑「問題外」反論!】



エグイサル緑『いい加減にして』

エグイサル緑『次から次に仮定の話ばかり持ち出して、ブレインストーミングなら会議室でどうぞ』

エグイサル緑『あさひでもない、犯人でもない第三者?』

エグイサル緑『そんな夢物語、命を懸けてまで論じることなの?』

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×6
集中力:☆×11

コトノハ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサルのセンサーシステム】
‣【死体上のシート】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【美琴との軋轢】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】


エグイサル緑『あなた方があさひの死を否定したい気持ちはよくわかりました』

エグイサル緑『果穂に続いて幼い、彼女まで失いたくない』

エグイサル緑『でも、それとこれとは別でしょ?』

エグイサル緑『私は、自分の命の方が惜しい』

エグイサル緑『仮定の話でいつまでも時間を使っている暇なんてないの』

エグイサル緑『もっと建設的な話をしませんか』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「第三者の存在は何も無理のある議論じゃない……!」

ルカ「そいつの死を利用されて、あさひは従うしかなかったのかもしれない」

ルカ「十分話す価値のある可能性だ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル緑『はぁ……』

エグイサル緑『あなたの熱意は分かりました、熱意は』

エグイサル緑『でも、熱意で真実は引き寄せられない』

エグイサル緑『いいですか? エグイサルには赤外線センサーがついています』

エグイサル緑『狸だろうとどなただろうと』

エグイサル緑『あさひ以外に誰かがいれば、それに【気づかないわけがない】』

エグイサル緑『エレクトボムで出てくる犯人も巣穴に引っ込んでしまいますよ』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う

↓1


【コンマ判定49】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ64】

【発言力:♡×6→5】

エグイサル緑『……生ぬるい』

エグイサル緑『あなた自身が自信を持てない言葉なら、しまったままにしておくことをお勧めしておきますよ』

(……チッ、あと少し切れ味が足りねえ……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×11

コトノハ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサルのセンサーシステム】
‣【死体上のシート】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【美琴との軋轢】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】


エグイサル緑『あなた方があさひの死を否定したい気持ちはよくわかりました』

エグイサル緑『果穂に続いて幼い、彼女まで失いたくない』

エグイサル緑『でも、それとこれとは別でしょ?』

エグイサル緑『私は、自分の命の方が惜しい』

エグイサル緑『仮定の話でいつまでも時間を使っている暇なんてないの』

エグイサル緑『もっと建設的な話をしませんか』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「第三者の存在は何も無理のある議論じゃない……!」

ルカ「そいつの死を利用されて、あさひは従うしかなかったのかもしれない」

ルカ「十分話す価値のある可能性だ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル緑『はぁ……』

エグイサル緑『あなたの熱意は分かりました、熱意は』

エグイサル緑『でも、熱意で真実は引き寄せられない』

エグイサル緑『いいですか? エグイサルには赤外線センサーがついています』

エグイサル緑『狸だろうとどなただろうと』

エグイサル緑『あさひ以外に誰かがいれば、それに【気づかないわけがない】』

エグイサル緑『エレクトボムで出てくる犯人も巣穴に引っ込んでしまいますよ』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う

↓1


【コンマ判定39】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ54】

【発言力:♡×5→4】

エグイサル緑『……生ぬるい』

エグイサル緑『あなた自身が自信を持てない言葉なら、しまったままにしておくことをお勧めしておきますよ』

(……チッ、あと少し切れ味が足りねえ……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×11

コトノハ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサルのセンサーシステム】
‣【死体上のシート】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【美琴との軋轢】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】


エグイサル緑『あなた方があさひの死を否定したい気持ちはよくわかりました』

エグイサル緑『果穂に続いて幼い、彼女まで失いたくない』

エグイサル緑『でも、それとこれとは別でしょ?』

エグイサル緑『私は、自分の命の方が惜しい』

エグイサル緑『仮定の話でいつまでも時間を使っている暇なんてないの』

エグイサル緑『もっと建設的な話をしませんか』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「第三者の存在は何も無理のある議論じゃない……!」

ルカ「そいつの死を利用されて、あさひは従うしかなかったのかもしれない」

ルカ「十分話す価値のある可能性だ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル緑『はぁ……』

エグイサル緑『あなたの熱意は分かりました、熱意は』

エグイサル緑『でも、熱意で真実は引き寄せられない』

エグイサル緑『いいですか? エグイサルには赤外線センサーがついています』

エグイサル緑『狸だろうとどなただろうと』

エグイサル緑『あさひ以外に誰かがいれば、それに【気づかないわけがない】』

エグイサル緑『エレクトボムで出てくる犯人も巣穴に引っ込んでしまいますよ』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う

↓1


【コンマ判定16】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ31】

【発言力:♡×5→4】

エグイサル緑『……生ぬるい』

エグイサル緑『あなた自身が自信を持てない言葉なら、しまったままにしておくことをお勧めしておきますよ』

(……チッ、あと少し切れ味が足りねえ……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×11

コトノハ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサルのセンサーシステム】
‣【死体上のシート】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【美琴との軋轢】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】


エグイサル緑『あなた方があさひの死を否定したい気持ちはよくわかりました』

エグイサル緑『果穂に続いて幼い、彼女まで失いたくない』

エグイサル緑『でも、それとこれとは別でしょ?』

エグイサル緑『私は、自分の命の方が惜しい』

エグイサル緑『仮定の話でいつまでも時間を使っている暇なんてないの』

エグイサル緑『もっと建設的な話をしませんか』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「第三者の存在は何も無理のある議論じゃない……!」

ルカ「そいつの死を利用されて、あさひは従うしかなかったのかもしれない」

ルカ「十分話す価値のある可能性だ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル緑『はぁ……』

エグイサル緑『あなたの熱意は分かりました、熱意は』

エグイサル緑『でも、熱意で真実は引き寄せられない』

エグイサル緑『いいですか? エグイサルには赤外線センサーがついています』

エグイサル緑『狸だろうとどなただろうと』

エグイサル緑『あさひ以外に誰かがいれば、それに【気づかないわけがない】』

エグイサル緑『エレクトボムで出てくる犯人も巣穴に引っ込んでしまいますよ』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う

↓1

【コンマ判定15】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ30】

【発言力:♡×4→3】

エグイサル緑『……生ぬるい』

エグイサル緑『あなた自身が自信を持てない言葉なら、しまったままにしておくことをお勧めしておきますよ』

(……チッ、あと少し切れ味が足りねえ……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×11

コトノハ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサルのセンサーシステム】
‣【死体上のシート】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【美琴との軋轢】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】


エグイサル緑『あなた方があさひの死を否定したい気持ちはよくわかりました』

エグイサル緑『果穂に続いて幼い、彼女まで失いたくない』

エグイサル緑『でも、それとこれとは別でしょ?』

エグイサル緑『私は、自分の命の方が惜しい』

エグイサル緑『仮定の話でいつまでも時間を使っている暇なんてないの』

エグイサル緑『もっと建設的な話をしませんか』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「第三者の存在は何も無理のある議論じゃない……!」

ルカ「そいつの死を利用されて、あさひは従うしかなかったのかもしれない」

ルカ「十分話す価値のある可能性だ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル緑『はぁ……』

エグイサル緑『あなたの熱意は分かりました、熱意は』

エグイサル緑『でも、熱意で真実は引き寄せられない』

エグイサル緑『いいですか? エグイサルには赤外線センサーがついています』

エグイサル緑『狸だろうとどなただろうと』

エグイサル緑『あさひ以外に誰かがいれば、それに【気づかないわけがない】』

エグイサル緑『エレクトボムで出てくる犯人も巣穴に引っ込んでしまいますよ』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う

↓1

【コンマ判定43】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ58】

【発言力:♡×3→2】

エグイサル緑『……生ぬるい』

エグイサル緑『あなた自身が自信を持てない言葉なら、しまったままにしておくことをお勧めしておきますよ』

(……チッ、あと少し切れ味が足りねえ……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×11

コトノハ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサルのセンサーシステム】
‣【死体上のシート】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【美琴との軋轢】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】


エグイサル緑『あなた方があさひの死を否定したい気持ちはよくわかりました』

エグイサル緑『果穂に続いて幼い、彼女まで失いたくない』

エグイサル緑『でも、それとこれとは別でしょ?』

エグイサル緑『私は、自分の命の方が惜しい』

エグイサル緑『仮定の話でいつまでも時間を使っている暇なんてないの』

エグイサル緑『もっと建設的な話をしませんか』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「第三者の存在は何も無理のある議論じゃない……!」

ルカ「そいつの死を利用されて、あさひは従うしかなかったのかもしれない」

ルカ「十分話す価値のある可能性だ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル緑『はぁ……』

エグイサル緑『あなたの熱意は分かりました、熱意は』

エグイサル緑『でも、熱意で真実は引き寄せられない』

エグイサル緑『いいですか? エグイサルには赤外線センサーがついています』

エグイサル緑『狸だろうとどなただろうと』

エグイサル緑『あさひ以外に誰かがいれば、それに【気づかないわけがない】』

エグイサル緑『エレクトボムで出てくる犯人も巣穴に引っ込んでしまいますよ』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う

↓1

【コンマ判定18】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ33】

【発言力:♡×2→1】

エグイサル緑『……生ぬるい』

エグイサル緑『あなた自身が自信を持てない言葉なら、しまったままにしておくことをお勧めしておきますよ』

(……チッ、あと少し切れ味が足りねえ……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×11

コトノハ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサルのセンサーシステム】
‣【死体上のシート】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【美琴との軋轢】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】


エグイサル緑『あなた方があさひの死を否定したい気持ちはよくわかりました』

エグイサル緑『果穂に続いて幼い、彼女まで失いたくない』

エグイサル緑『でも、それとこれとは別でしょ?』

エグイサル緑『私は、自分の命の方が惜しい』

エグイサル緑『仮定の話でいつまでも時間を使っている暇なんてないの』

エグイサル緑『もっと建設的な話をしませんか』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「第三者の存在は何も無理のある議論じゃない……!」

ルカ「そいつの死を利用されて、あさひは従うしかなかったのかもしれない」

ルカ「十分話す価値のある可能性だ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル緑『はぁ……』

エグイサル緑『あなたの熱意は分かりました、熱意は』

エグイサル緑『でも、熱意で真実は引き寄せられない』

エグイサル緑『いいですか? エグイサルには赤外線センサーがついています』

エグイサル緑『狸だろうとどなただろうと』

エグイサル緑『あさひ以外に誰かがいれば、それに【気づかないわけがない】』

エグイサル緑『エレクトボムで出てくる犯人も巣穴に引っ込んでしまいますよ』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う

↓1


【高級ヒーリングタルトを食べた……】

【上品な甘さがほっぺたを蕩けさせる……!】

【発言力が最大まで回復しました】

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×11

コトノハ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【監視カメラ映像:ワダツミインダストリアル入り口】
‣【エグイサルのセンサーシステム】
‣【死体上のシート】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【美琴との軋轢】
‣【死体の手袋】
‣【冬優子の手紙】


エグイサル緑『あなた方があさひの死を否定したい気持ちはよくわかりました』

エグイサル緑『果穂に続いて幼い、彼女まで失いたくない』

エグイサル緑『でも、それとこれとは別でしょ?』

エグイサル緑『私は、自分の命の方が惜しい』

エグイサル緑『仮定の話でいつまでも時間を使っている暇なんてないの』

エグイサル緑『もっと建設的な話をしませんか』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「第三者の存在は何も無理のある議論じゃない……!」

ルカ「そいつの死を利用されて、あさひは従うしかなかったのかもしれない」

ルカ「十分話す価値のある可能性だ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

エグイサル緑『はぁ……』

エグイサル緑『あなたの熱意は分かりました、熱意は』

エグイサル緑『でも、熱意で真実は引き寄せられない』

エグイサル緑『いいですか? エグイサルには赤外線センサーがついています』

エグイサル緑『狸だろうとどなただろうと』

エグイサル緑『あさひ以外に誰かがいれば、それに【気づかないわけがない】』

エグイサル緑『エレクトボムで出てくる犯人も巣穴に引っ込んでしまいますよ』


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×2

↓1


【コンマ 90】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

【最終コンマ 105】

ルカ「その言葉、切らせてもらう!」

【BREAK!】

ルカ「いや、第三者はエグイサルの赤外線センサーに引っかからずに現場に潜むことができたはずだ」

エグイサル緑『……へぇ』

ルカ「死体のシルエットを隠すのに使われていた、ローブ状の布。あれをよく観察してみると、とある素材であることが分かるんだ」

エグイサル青『素材……? 龍からはぎとるやつ……?』

ルカ「……」

ルカ「数日前にもレストランで話したが、ワダツミインダストリアルに私が忍び込んだ時……美琴に守ってもらった」

ルカ「エグイサルに居場所を気取られないように……アルミのシートを被せてもらってな」

エグイサル桃『アルミの、シート……?』

ルカ「メカ女の眼球と同じ話らしい、暗所でも赤外線を感知して居場所を特定する仕組み……赤外線を反射してうまいこと機能しなくなるみたいだ」

ルカ「あの死体、胸元にかけられてたシート……妙にギラギラと光ってやがったよな?」


エグイサル緑『まさか、アルミのシートを被って工場の中に潜んでた人がいたの……!? 全然気づかなかった……!』

エグイサル赤『気づくも何も意識を失ってたからね……』

エグイサル青『しかし……その隠れていた方というのは、どなたなのでしょう……』

エグイサル青『あさひさんが催眠ガスを散布した際……あのレストランには全員がいらっしゃいました……』

(確かにそうだ……)

(あそこで今この島にいる生き残りは全員が催眠ガスを吸引したはずだ……)

(……それなのに、ワダツミインダストリアルには気絶をしていない人間がいた……?)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

Q1.あさひが催眠ガスをレストランで散布した時、あのレストランには?
A.生き残りの全員が揃っていた B.散布の直前に逃げた者がいた C.実はクローンが混ざっていた D.酸素ボンベが置かれていた

Q2.事件現場にいた第三者とは?
A.最初からワダツミインダストリアルにいた人間 B.白いエグイサルを操縦していた人間 C.偶然にも早くに目を覚ました人間

Q3.どうして今回の事件にはあさひと犯人以外の第三者が介入することになった?
A.エレクトボムを使った人間がもう一人いるから B.催眠ガスに耐性がある人間がいたから C.どちらかと初めから共謀していたから


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】


↓1


【ACC】

【発言力:♡×12→11】

(……いや、違う……か)

(あさひと共謀している相手がいたなら、そもそも睡眠ガスを吸う必要がないわけだし)

(犯人側の共謀者ならあのエグイサルの機内でどうやって示し合わせる?)

(……第三者が、偶然にも目を覚ました人間なのだとすれば)

(もしかして、そういう可能性も……あるのかもしれない)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

Q1.あさひが催眠ガスをレストランで散布した時、あのレストランには?
A.生き残りの全員が揃っていた B.散布の直前に逃げた者がいた C.実はクローンが混ざっていた D.酸素ボンベが置かれていた

Q2.事件現場にいた第三者とは?
A.最初からワダツミインダストリアルにいた人間 B.白いエグイサルを操縦していた人間 C.偶然にも早くに目を覚ました人間

Q3.どうして今回の事件にはあさひと犯人以外の第三者が介入することになった?
A.エレクトボムを使った人間がもう一人いるから B.催眠ガスに耐性がある人間がいたから C.どちらかと初めから共謀していたから


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】


↓1


【ACB】

ルカ「推理はつながった!」

【COMPLETE!】

ルカ「レストランで催眠ガスが散布した時、あの場には全員が揃っていた。ガスをとっさに回避するのは不可能だったはずだ」

エグイサル桃『うん、小足見てからの昇竜とはわけが違った……入ってくるなり、すぐにお薬が撒かれちゃったから……』

エグイサル赤『それに、あの場には全員が揃ってたし……ガスを吸ってない人は誰もいなかったと思うよ☆』

エグイサル緑『ガスマスクを持ち込んでいるような人もみかけなかったな……』

エグイサル青『じゃあ誰も隠れたりなんかできないよー!』

ルカ「……催眠ガスは意識を失うために使うもの、要は脳の活動を抑制させるための薬だ。麻酔とかとその原理仕組みは近しい」

ルカ「それ故に、似た成分の薬を高い頻度で短気に摂取してしまうと他の副作用が併発されてしまうことがある。乱用頭痛とか、そういうの聞いたことはあるよな?」

エグイサル赤『薬の効果が却って逆効果に働くってことか?』

エグイサル青『それに……お薬を飲みすぎると効きづらくなることもあるんだ……体に薬の効果に対する耐性ができちゃうから……』

ルカ「他にも、薬は別種のものを併用すると相互作用が働くとか……色々要因はある」

エグイサル緑『……あなたの言いたいことが見えてこないな。結局のところ、この議論はどこに落ち着くんだい?』


ルカ「……ああ、それじゃあ端的に言わせてもらうぜ」




ルカ「ここ最近、似た作用の薬の服用を開始したせいで、催眠ガスの効きが悪かった可能性のあるやつが一人いる」




エグイサル青『ぴぇっ……似た作用の……薬……』

エグイサル緑『ということは……麻酔や沈痛剤の類いと言うことかい?』

エグイサル緑『そんなもの、服用している人なんて……一人しか、いないじゃないか』

エグイサル緑『もしや……あの首のない死体の正体は……彼女だったのかい……!?』

ルカ「ああ……その可能性はあると思うぜ」

ルカ「今回の事件、首をぶった切られて殺された……あの死体の正体は!」

-------------------------------------------------

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1


ルカ「オマエだ!」

【解!】

ルカ「市川雛菜……あいつなんじゃねーのか」

ルカ「市川雛菜は美琴に掌を刺されたことによって、日常的に鎮痛剤を打つようになっていた。打ってないと気が狂うほどの激痛が襲ってくるからな」

ルカ「あのレストランにいるときも、あいつはきっと服用していたはずだ。太ももに注射器をぶっ刺して、それでやっと平然を取り繕う」

ルカ「でも、それ故に……あいつは催眠ガスを吸ったところで異常事態が引き起こされた。体内でうまく薬の成分が働かなかったんだよ」

ルカ「だからきっと……ワダツミインダストリアルであさひがエグイサルに私たちを乗せている最中にでも気づいたんだろうな」

ルカ「意識があって……すべてを目撃していたやつがいるって」

エグイサル緑『そ、それじゃあ雛菜ちゃんはその口封じに……!?』

エグイサル赤『それは違うと思う。だってあさひちゃんは最初の監視カメラ映像では自分が囮になってたんだよ?』

エグイサル赤『きっとあさひちゃんは、雛菜ちゃんに協力してもらったんじゃないかな』

エグイサル赤『事情と、あさひちゃんの想いを聴いて……雛菜ちゃんは協力することを決めた』

ルカ「市川雛菜は右手が完全に使えない手負いの相手。そう焦って対処する必要もないだろうしな」


エグイサル桃『で、でも待って……! 薬が効かなかった、なんてただの推測でしょ?』

エグイサル桃『雛菜ちゃんがあの死体だっていう証拠は何一つないんだよ?』

(あの死体が市川雛菜である証拠……か)

ルカ「……いや、それなら提示できるかもしれない」

エグイサル桃『……え?!』

(……確かに証拠からあの死体を市川雛菜だと断定することは難しいが、今求められているのはその逆だ)

(あの死体が市川雛菜だと仮定するなら、あの証拠は持つ意味を大きく変えるんじゃないか……)

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


【発言力:♡×11→10】

エグイサル桃『……血痕?』

エグイサル桃『えっと……ちょっと、説明が必要かも……教えてもらってもいいかな……』

(いや……あの血痕には市川雛菜につながる材料は特にないはずだ)

(もっと直接的に、死体が市川雛菜である可能性を示唆するものはなかっただろうか……?)

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「死体につけられていた手袋……あれが、死体が市川雛菜であることの、何よりの根拠になると思う」

エグイサル桃『な、なんで……? あの手袋のせいで手のひらも見えなくなってるんだよ? 逆に死体の身元を隠している最たるものに思えるけど……』

ルカ「確かに見た目の上では、な。でもあの手袋の状態を思い出してみろよ」

エグイサル青『確か……左手の指さき部分だけ、塗装が剥げておりました……』

エグイサル青『何か固いものと擦れて、落ちてしまったものかと思われます……』

ルカ「市川雛菜は薬の過剰投与のせいで意識を失っていなかった。そうなると、事件が起きた当時……殺される瞬間にも意識を失ってなかったわけだよな?」

エグイサル赤『は、はい……そうなると思います……!』

ルカ「今から殺されますって瞬間に、冷静じゃいられないよな? 普通はそれこそ助かろうと必死になってもがくはずだ」

ルカ「自由な体なら手足をぶん回すだろうし、縛られてるんじゃ、どうにかその拘束から抜け出そうとする。指でそこら中引っ掻き回してな」

ルカ「じゃあ、なんで右手の手袋の塗装ははがれてねえんだろうな」



エグイサル桃『右手でもがこうとしても、もがけなかった……!』



ルカ「そういうことだ。市川雛菜は右手が指一本動かない体、自分の首に刃物が通ろうとしているときでさえ、右手は何の反応も示せなかったんだよ」

エグイサル赤『……そうか、そうだったのか』

エグイサル赤『左手の剥げた塗装こそが、彼女が私たちに託した最後のメッセージ……だったんだね』

エグイサル青『……雛菜が、死んだ……?』


ルカ「ああ、ここまで来れば間違いない……」




ルカ「あの死体は、市川雛菜だったんだ……!」









エグイサル青『ま、待ってください!』







ルカ「……あ?」

エグイサル青『ま、まま……まだ、結論を出すには早いですよ……!』

エグイサル青『その手袋だって……あくまで状況証拠……本当に、被害者が死の間際につけた傷でほつれたのかどうかも分からないですよね……?』

ルカ「い、いやでも……」

エグイサル青『それに……死体に被せられていたからって、第三者が必ずそこにいた証拠にはならないはずです……!』

ルカ「そ、それは……」

エグイサル青『……残酷なようだけど。事件の直前までの行動が映像として残されているあさひの方が殺された可能性としては依然高いように感じるけど?』

ルカ「でも、リモコンの矛盾があるだろ……!」

エグイサル桃『ルカの言う通りだ……あの死体を雛菜と断定する根拠は弱くとも、あさひではないと証明するだけのものは揃っているんじゃないかい?』

エグイサル緑『ご遺体には……首はありませんが……ご遺体は状況から、教えてくれます……』

エグイサル緑『自分が、誰なのか……』



エグイサル青『……はぁ』


エグイサル青『いいです。それならそれで』


エグイサル青『雛菜が死んだなんて、認めない……』



エグイサル青『私は一人になろうとも、退きませんから。お相手願います、マジョリティ一同』



(……チッ、こいつはあくまで死体を市川雛菜とは認める気はないってか)


(何度経験しても慣れないな……残酷な真実を突きつける瞬間ってのは)


ルカ「……わかったよ、それならとことんオマエの気が済むまで付き合ってやる」



ルカ「私たちとオマエで、正面からぶつかり合う! それでいいんだな!」


-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「あの死体は芹沢あさひだ!」vs【あの死体は市川雛菜だ!】

発言力:♡×10
集中力:☆×11.5


エグイサル青『か、監視カメラの映像には……あさひちゃんが殺されて死体になるまでが映されてましたよ!』

エグイサル青『エレクトボムで脱出した何者かにあさひが殺された。それが綺麗に一番通る筋道なのに、どうして第三者なんて可能性を持ち出すんですか?』

エグイサル青『雛菜ちゃんなら催眠ガスに耐性が付いてたなんて……そ、そんなことあり得るんですか?!』

エグイサル青『て、手袋も事件の前にほつれてた可能性はありますよね!?』

エグイサル青『第三者の存在なんて……犯人が気づかないわけがない。妄想が過ぎるでしょ』

エグイサル青『エグイサルのリモコンだって、パスワードなら殺す前に聞き出しておけばいいだけの話でしょ?』


-------------------------------------------------
【意見スロット】

【鎮痛剤】
【リモコン】
【手袋】
【覚悟】
【監視カメラ】
【シート】

-------------------------------------------------

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)

↓1


【発言力:♡×10→9】

エグイサル青『あさひが何者かに殺された、それで筋は通る』

エグイサル青『第三者がいないとおかしい、そんな道理があるって言うんですか?』

(チッ……【覚悟】ではあいつの主張を崩せそうにない。スクラムを組む順序が違ったみたいだ)

(目先の単語じゃない、議論の流れからあいつにぶつけるべき言葉を考えたほうがいいかもな)

(第三者の可能性……それはつまり、あさひが生存している可能性だ)

(あさひが生きている根拠となったのは……あれのことだよな)

-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「あの死体は芹沢あさひだ!」vs【あの死体は市川雛菜だ!】

発言力:♡×9
集中力:☆×11.5


エグイサル青『か、監視カメラの映像には……あさひちゃんが殺されて死体になるまでが映されてましたよ!』

エグイサル青『エレクトボムで脱出した何者かにあさひが殺された。それが綺麗に一番通る筋道なのに、どうして第三者なんて可能性を持ち出すんですか?』

エグイサル青『雛菜ちゃんなら催眠ガスに耐性が付いてたなんて……そ、そんなことあり得るんですか?!』

エグイサル青『て、手袋も事件の前にほつれてた可能性はありますよね!?』

エグイサル青『第三者の存在なんて……犯人が気づかないわけがない。妄想が過ぎるでしょ』

エグイサル青『エグイサルのリモコンだって、パスワードなら殺す前に聞き出しておけばいいだけの話でしょ?』


-------------------------------------------------
【意見スロット】

【鎮痛剤】
【リモコン】
【手袋】
【覚悟】
【監視カメラ】
【シート】

-------------------------------------------------

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)

↓1

-------------------------------------------------
【意見スロット】

【監視カメラ】
【リモコン】
【鎮痛剤】
【手袋】
【シート】
【覚悟】
-------------------------------------------------

ルカ「最後の最後まで……!」


エグイサル青「か、監視カメラの映像には……あさひちゃんが殺されて死体になるまでが映されてましたよ!」
【ルカ「緑の鉄屑!」
エグイサル緑『で、でも映像は途中で乱れてたよ……? 芹沢さんかどうか、断定はできないと……思う……』】


エグイサル青「エレクトボムで脱出した何者かにあさひが殺された。それが綺麗に一番通る筋道なのに、どうして第三者なんて可能性を持ち出すんですか?」
【ルカ「ピンクの鉄屑!」
エグイサル桃『犯人がエグイサルに戻るにはリモコン操作が必要だ! なら、あさひは殺人発生後も起きてねーと矛盾しちまうぞ!』】


エグイサル青『雛菜ちゃんなら催眠ガスに耐性が付いてたなんて……そ、そんなことあり得るんですか?!』
【ルカ「赤い鉄屑!」
エグイサル赤『鎮痛剤と催眠ガスの併用で副反応が出た可能性もあるから……可能性はかなり高いんじゃないかな……』】


エグイサル青『て、手袋も事件の前にほつれてた可能性はありますよね!?』
【ルカ「ピンクの鉄屑!」
エグイサル桃『ううん、あの手袋はめっちゃ新しかった! それにかなり頑丈な作りだし……事件前にできた傷じゃないと思う☆』】


エグイサル青『第三者の存在なんて……犯人が気づかないわけがない。妄想が過ぎるでしょ』
【ルカ「赤い鉄屑!」
エグイサル赤『アルミのシートを被っちゃえば目視でも赤外線センサーでも姿が見えなくなっちゃうよ! 見つけるのは難しいんじゃないかな!』】


エグイサル青『エグイサルのリモコンだって、パスワードなら殺す前に聞き出しておけばいいだけの話でしょ?』
【ルカ「ここは私が!」
ルカ「あいつは狸の特定のために自分の命もかけてたんだ。そんな半端なことするような覚悟じゃねーよ!」】

-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値420以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

↓直下より6回連続でコンマ判定


【発言力:♡×9→8】

(クソ……しぶといな、4人がかりでこれかよ……!)

(でも、負けてらんねえ……ここは譲らない!)

※アイテム【プロデュース手帳】はここでも使用可能です

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【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値420以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

↓直下より6回連続でコンマ判定


【発言力:♡×9→8】

(クソ……しぶといな、4人がかりでこれかよ……!)

(でも、負けてらんねえ……ここは譲らない!)

※アイテム【プロデュース手帳】はここでも使用可能です

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【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値420以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

↓直下より6回連続でコンマ判定


【プロデュース手帳を使用しました】

【アイドルと過ごした日々が今再び自分たちを導く……】

-------------------------------------------------

【全論破】

「「「「これが私たちの答えだ!」」」」

【BREAK!】

ルカ「……確かに、オマエの言う通り。あの死体を市川雛菜だと断定するに足る根拠は不足しているのかもしれない」

ルカ「でも、あの死体はあさひではないことだけは明らかなんだ。物的証拠も、状況証拠もあいつが被害者じゃないことを証明している」

ルカ「そして、その証明の道筋の中で浮上する人物が……市川雛菜なんだよ」

ルカ「オマエに残酷なことを言ってるのはわかる。……でも、頼む。今のところは、被害者が市川雛菜であると仮定したまま裁判を続けさせてもらえねーか」

エグイサル青『……そう、ですか』

エグイサル青『分かったよ。それがみんなの選択だと言うのなら、私は一度身を引く』

エグイサル青『でも、議論の中で違和感を感じることがあれば……すぐに指摘して、雛菜が被害者だっつーのも否定させて貰うかんな』

エグイサル青『それが学級裁判……ですから』

ルカ「……おう」


(これで、ひとまず被害者の議論は終わりか)


(……市川雛菜、流石に同情しちまうな)


(友達を庇って右手を失ったかと思えば、いよいよこんな残虐な殺され方もしちまって)


(……なら、それに報いてやらねーとな)


エグイサル緑『よし、それじゃあいよいよ犯人の特定のための議論だねー!』

エグイサル赤『今の議論の流れからして、あさひと雛菜以外の誰かだよね?』

ルカ「候補は5人、か……」

エグイサル桃『そのうちの誰かが、催眠ガスの効果が真っ先に切れて、犯行を行ったんだね……』

ルカ「流石に薬の効果の個人差は、これ以上は詰めれそうにないよな……」

エグイサル赤『それなら、誰なら犯行が可能だったのかを話し合うのがいいと思います……っ』

エグイサル青『だ、誰に可能だったのか……ですか……?』

エグイサル赤『はい……まだ、私たちは犯人を特定する以前に大切なことが分かっていません……っ』

エグイサル赤『雛菜ちゃんの命を奪った凶器すら、分かっていないんです……っ』

(……凶器か)

(市川雛菜の首は、綺麗にすっぱりと両断されていた。多分、切るときに首の骨に引っかかるようなこともないほどに一発で切れたんだと思う)

(そんなの、人間業じゃない。それこそエグイサルのような軍事兵器でも持ち出さない限りは不可能だろう)

(でも、エグイサルに返り血の類いは一切付着していなかったし、ほかに怪しい物も工場内には一つも転がっていなかった)

(……じゃあ、犯人はいったいどうやって首を切ったんだ?)


本日はここまで。
今日はコンマが厳しかったですね……
こんな状況で言うのもなんですが次回更新もコンマチャレンジからです……気張っていきましょう

そしてこれは余談ですが、実は過去の死亡者の中に【ぞろ目を出せばコンマ無条件クリア】のスキル持ちのキャラがいました。
今となっては……なのですが

次回更新は6/30(木)21:00~を予定しています。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いいたします。


エグイサル青『人の首を切るなんて、普通の刃物じゃできないよ!』

エグイサル緑『たとえ切れ味のいい刃物であったとしても、女性の力では限界があると思うけど』

エグイサル赤『それに、現場には刃物なんて残されていなかったよね……』

エグイサル桃『一体犯人はどうやって雛菜を殺したっつーんだ……?』

(……クソッ、どうやったんだ)

(どうやって、犯人は人間の首を切り落としたって言うんだ……!?)


-------------------------------------------------

【発掘イマジネーション開始】!


犯人は■■■■を使って雛菜の首を切り落とした!


【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】

1文字目 3の倍数
2文字目 4の倍数
3文字目 5の倍数
4文字目 6の倍数

↓1~10
-------------------------------------------------


【コンマ 26 75 03 07 16 88 70 79 77 42】

カンカンカンカン……

【発掘完了!!】

【ぞろ目ボーナスが発動!】

【モノクマメダル5枚を獲得しました!】



__________________

犯人はモノクマを使って雛菜の首を切り落とした!
__________________



ルカ「……!」

【COMPLETE!】


(……まさか)


(犯人が用いた凶器に求められる条件は、第一に人の首を切り落とせるほどの切れ味であり、それが女性の手でも扱えるものであるということ)


(市川雛菜は割と体格がいい方、ただの刃物なんかじゃその条件を満たすことはできない)


(そして、二つ目の条件はその凶器は隠滅が可能であるということ)


(事件発生後、その凶器は跡形もなく現場から消え去っていた。私たちが目を覚ますまでの短い間にワダツミインダストリアルの外に持ち出されたことになる)


(それを満たすことのできる凶器が……)



(一つだけある)



(それは私たちにとって最も身近なもので、最も危険なもの)


(命の危機と言うのを、これでもかとばかりに押し付けられ、激しい鼓動と息切れを余儀なくされる最悪で醜悪な死のシンボル)


(そう、犯人が用いた凶器は……)






ルカ「犯人は、モノクマで市川雛菜を殺害したのか……!?」






モノクマ「……」

エグイサル青『モ、モノクマでございますか……?!』

エグイサル桃『ど、どういうこと……?! モノクマが、犯人なの……!?』

ルカ「……正確には、モノクマを操っている人間。つまりはこのコロシアイ南国生活を主導している黒幕に当たる人間だよ」

エグイサル緑『く、黒幕さんが……犯人さんなんですか……?』

ルカ「でも、それぐらいしか思いつかないんだ……あんなに小さな身体なのに並外れた破壊力と機動力を持っていて……」

ルカ「しかもどこからともなく飛び出したり、姿を消したりできる。そんなもの、この島にはモノクマ以外にはいないだろ?!」

エグイサル赤『確かに、モノクマなら諸々の条件をすべて満たしうるね』

エグイサル赤『でも、あなた自身が言っているようにモノクマを扱える人間なんて、このコロシアイ南国生活を強いている黒幕以外にはいない。……そんな結論に手放しに賛同は致しかねるかな』

ルカ「もちろん、ただの思い付きで言ったわけじゃない。凶器がモノクマだとすれば説明がつく、不自然な痕跡が現場には残っているんだ」

エグイサル赤『不自然な痕跡……?』

(もし、現場でモノクマを用いて市川雛菜の殺害が為されたのだとしたら……あの証拠は、モノクマの存在を裏付ける根拠になりうる……!)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「死体から噴出したであろう血液は、その場……椅子の周辺に固まっていた。まあ座っているところで首をはねられたんだから当然の痕跡なんだが」

ルカ「それとはまた別に、点のような血痕が続いている箇所があったんだ」

エグイサル青『点……?』

ルカ「ああ、よくドラマなんかであるだろ? 靴の痕から犯人を特定したり。それと似た感じで、丸が列をなすように続いている血の痕があったんだ」

ルカ「初めは凶器を振り回した時に散ったものかと思ったが、間隔がほとんど一定で、誰かの歩幅のようになっていた。あれがモノクマのものだとしたら納得がいく」

ルカ「モノクマの足裏の肉球、あれで血を踏んでしまったからついた痕跡なんじゃないのか?」

モノミ「やい! モノクマ、どうなんでちゅか!」

モノミ「あんたには答える義務がありまちゅ! あんたは仮にもこのコロシアイ南国生活を率いる立場なんでちゅ、つまりは一参加者としてカウントされているも同然!」

モノミ「斑鳩さんたちの糾弾を真正面から受けてみなちゃい!」


モノクマ「……」


モノクマ「………………」


モノクマ「………………………………………………………………………………」





モノクマ「……うぷぷぷ、面白い、面白いね」



モノクマ「本来こういう展開は、もう一章ぐらい後にやるものだと思うんですが……いいでしょう!」

モノクマ「オマエラがその気なら、それに乗って差し上げましょう!」



【モノクマ「モノクマ参戦!」】反論!



ルカ「な、何……?」

モノクマ「うぷぷぷ……ボクだって言われもない疑いをかけられて黙っているわけにはいかないよね」

モノクマ「清廉潔白に手と足が生えているようなボクに、まさか人殺しのレッテルを貼ろうだなんて……」

モノクマ「それでもオマエに人の心はあるのか!?」

ルカ「よく言えたもんだな……まあいい、それなら私だって正面からぶつかってやるよ」

ルカ「いつまでも余裕面ぶっこいていられると思うなよ……!」

-------------------------------------------------

【真・反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×8
集中力:☆×12

コトノハ
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【緊急脱出システム】
‣【死体上のシート】
‣【並んでいるエグイサル】
‣【エグイサルのセンサーシステム】
‣【点の血痕】
‣【動作ログ】
‣【透のお守り】


モノクマ「うぷぷぷ……」

モノクマ「オマエラに愛されすぎちゃって辛いなぁ!」

モノクマ「せっかくオマエラの議論を肴に酒でも仰ごうかと思ったのに」

モノクマ「そんなに必死に呼ぶんじゃ仕方ない!」

モノクマ「ほら、そんな雑巾みたいに額を床に押し付けなくても」

モノクマ「ボクは逃げも隠れもしませんよ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「くだらねえこと言って議論を攪乱すんじゃねえ」

ルカ「せっかく出てきたんだ、真正面から堂々受け答えしてみろよ」

ルカ「結局、オマエは現場にいたのか、どうなんだ!?」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

モノクマ「やれやれ、せっかちは女の子に嫌われますよ」

モノクマ「いいかい? 女の子は共感を楽しむ生き物なんだ」

モノクマ「結論が出ていようと同じところでステップを踏む」

モノクマ「そういう会話の折り重ねで関係性を積み上げるのが恋のシーソーゲームってやつなんだよ!」

モノクマ「まあ、そろそろ答えてあげようかな。ボクの答えは勿論ノー!」

モノクマ「一応言っておくとボクだってオール電化!」

モノクマ「エレクトボムの影響をもろに受けちゃうから、【現場に寄りつくことなんてできない】んだ!」

モノクマ「現場に足を踏み入れることは勿論、首を撥ねるなんて不可能なんだよ~!」


【モノクマは不敵に笑っている……発言力の受けるダメージが通常より大きくなりそうだ……】

【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ85以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う

↓1


【コンマ 76】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

【最終コンマ 91】

ルカ「この鈍らが!」

【BREAK!】

ルカ「なるほどなるほど、モノクマもその毛皮を一枚剝げば醜いロボットパーツだらけ、体に走るのは生き物らしい血液なんかじゃなくて無機質な電気信号」

ルカ「だからエレクトボムもあるし、現場に足を踏み入れることなんてできやしない。そう言いたいんだな?」

モノクマ「もー! 何て言い草だよ、メーヨキソン!」

ルカ「その主張は一見筋が通ってるが、完全じゃない。あのエレクトボムは万能じゃないんだ」

エグイサル緑『ど、どういうこと……? こんなに大きなエグイサルも無効化しちゃうんでしょ……?』

エグイサル青『エレクトボムは自らが異常電波を放出することで、周辺機器に異常を喚起する仕組みなんだ。でも、それは反対に言えば本体自身がその電波に近しいものであれば影響をほとんど受けないってことにもなる』

エグイサル青『大体の機械は動かなくなっちまうけど、一部例外があるってのはそう言うことだ!』

エグイサル桃『樹里さんのお声で……機械に関する詳細なご説明を聴けるとは……』

ルカ「もともとこのエレクトボムは浅倉透が持ち込んだもので、しばらく黒幕に没収されていた。黒幕が仕組みを研究し尽くして、モノクマが無効化できるように改良されていたとしてもおかしくないはずだ」

モノクマ「ふーん、その推理は分かったよ。でも証拠がないよね?」

ルカ「証拠なら、今この場でも作れるはずだ。被害者が市川雛菜だと確定した今、浅倉透の生存も確定している」

ルカ「あいつがエレクトボムは握ってるんだ、今この場で使ってしまえばいい」

モノクマ「……!」






モノクマ「なかなかやるね、いいよ、認めてやるよ」







(……認めた!?)

モノクマ「ボクは現場に足を踏み入れた、今回の事件の犯人の凶器としてね」

モノクマ「そして、この爪で市川さんの首を撥ね飛ばして……そのままダクトを使って現場を脱出したんだ。現場に残っていた肉球の血痕はその時のものだね」



エグイサル青『ちょ、ちょっと待ってよ……そ、それって……今回の事件の犯人は、【黒幕】だって言ってるのも同然だよ……?!』





モノクマ「そうだけど、それが何か問題?」




エグイサル桃『問題も何も……それって、この事件で【アタシたちと黒幕との戦いに決着がつく】っつーことじゃねーか……!!』

(……! そうだ、今この瞬間にこの裁判の持つ意味は大きく変わった)

(学級裁判の基本原則は、クロを当てられなくてはシロは全員死亡)



(つまり、この裁判の結果次第で……黒幕か私たち、どちらかが生き残り、このコロシアイ南国生活が……終わる!)




モノクマ「さあ、いよいよ色んな意味でのクライマックスだね」


モノクマ「今回の事件の犯人はこのコロシアイ南国生活を裏で操る黒幕だった!」


モノクマ「その黒幕は、オマエラ生き残りの中に潜んでいる!」


モノクマ「この裁判が終わる時、このコロシアイ南国生活もそのすべてに決着がつく!」




モノクマ「最後に笑うのは、一体誰なんだ~~~~~~~~!?」




エグイサル赤『……こうなったからには、もう引くことはできない』

エグイサル赤『私たちにコロシアイを強要している人間を特定する、それをやらなきゃ……死ぬのは私たちなんだから』

ルカ「地獄の釜の蓋を開けるってのはこういう気分なんだろうな」

ルカ「なんつーか……身震いがしやがるよ」

エグイサル桃『ふふ……♪ 武者震いで、ございますね……』

ルカ「……! ああ、そうだな……今この瞬間は、私たちがこの島に来てからなによりも待ち侘びた時間なんだ」

ルカ「絶対、見つけてやるぞ……黒幕!」

エグイサル青『その、黒幕を考える前提として……私たちの中に、本当に黒幕がいるんでしょうか……っ』

エグイサル緑『否定したい気持ちは山々だが、これまでの議論を考えても恐らくは私たちの中のいずれか、ということになるだろうね』

エグイサル緑『黒幕はあさひの催眠ガスを浴びていたし……条件の上では我々と同じさ』

エグイサル赤『そ、それと……わたしたちを撹乱し続けた、狸とも同一人物じゃ……な、ないですか……?』

ルカ「そう、なるのか……?」







エグイサル白『私もそれに賛成です……っ』






ルカ「うお……?! お、オマエ突然……ずっと議論は聞いてたのか……?!」

エグイサル白『途中から、です……他のみんなよりも、眠らされるのが遅かったので……薬が切れるのに、時間がかかりました……』

(……自分の身元をバラすような発言は避けているが、これは、「自分はレストランでの催眠ガスの騒ぎでガスを吸引しなかった人間だ」という証言)

(やっぱり、こいつがあさひだったんだな……)

エグイサル白『えっとね……これまでの狸の行動を振り返ってみると……いいと思うんだ……』

エグイサル白『千雪さんが殺されちゃった二つ目の事件! あれで狸はふゆちゃんの秘密を知っていたでしょ?』

エグイサル白『でも、ストレイライトの3人はこれまでの生活の中でその容疑が完全に晴れちまった』

エグイサル白『であれば……どうして狸は冬優子さんの秘密を知り得たというのでしょう……』

エグイサル桃『そっか! 黒幕と同じくわたしたちを監視してたからなんだ!』

エグイサル白『にちかの事件もそうだよ! 灯織の行動に先回りして暗視スコープに工作したり、鉄串を盗み出しておいたり……そんなの、あらかじめ灯織の行動を把握してなきゃできないもん!』

ルカ「ってことは黒幕は始めから私たちの中に潜んで、かき乱される私たちを特等席で監視してたってわけか……」







エグイサル白『そして、その正体なら……もう殆ど分かっています……っ』






ルカ「何……?」

エグイサル白『こ、これまでの四つの事件、その中での狸の動きを振り返ってみると……自ずと一人が浮き上がってくるんです……』

エグイサル白『狸の条件もそうだけど、彼女の行動はこの南国生活の中で異様な部分があったんだ。今になって振り返ると、だけどね』

エグイサル白『……あなた方なら、それがもう誰かは分かるはずです』


(狸の正体は、もうわかっている……?)


(これまでの事件での狸の関与を振り返ると、その正体が見えてくる……?)


(……思い出せ、これまでの事件の全てを)


(これは自分達の生き残りをかけた戦い、そしてこの選択はあさひにとっての覚悟と決意に応えるための刹那)


(絶対に逃げるわけにはいかねえ……!)

-------------------------------------------------
【検討プロセッシング・辿 開始!】

狸の正体に辿り着くために……やつの動向を手繰っていくぞ。
これまでに私たちが直面することになった4つの事件、それぞれにおける狸もとい黒幕の行動……正体はそこから絞り込める、らしい。
あさひの至ったところ……すぐに追いついてみせる……!


第1の事件……七草にちかの事件。
あの事件において、狸は前もって風野灯織の持ち込む暗視スコープのレンズを黒塗りにし、更には鉄串を盗み出すという工作を行った。
この手の工作を行う上で重要なのは、何よりまず現場に立ち入ること。
そして、風野灯織の準備を手伝う人間であるということ。
一匹狼やってた当時の私ではまずありえないわけだ。

いずれも事件の本筋とは異なった工作なわけだが……もしかして、狸のやつって自分自身で最初は事件を引き起こそうとしていたのか?
そうでもなきゃ、わざわざこんな風野灯織の隙を突くことを狙った行動なんかやらない……
狸は黒幕と同一なんだとすれば、風野灯織の行動も全部知っていたわけだしな。


第2の事件……田中摩美々の事件。
この事件への狸の関与はかなり露骨なものだった。
冬優子を秘密のことで呼び出していたし、図書館内で事件が起きたと見せかけるためのボウガンまで仕込んでいやがった。
それもこれも、監視カメラなりでこちらの情報を盗み取っていないとできない行動だよな。
田中摩美々の犯行を半ば則るような形での工作……厄介な関与の仕方だ。

……あれ?
そういえば、田中摩美々がやったのって橋にボウガンを仕掛けること……なんだよな?
なんだか変な感じがするな……
狸のやった工作って、他にも何かあるのか……?


A.花火大会の飲み物
B.花火大会の花火
C.花火大会の参加者
D.花火大会の会場

↓1


【B】

【CORRECT!】

そうだ、狸は自分の工作を活かすためにわざわざ図書館に誘導を行ったんだ。
千雪が図書館に行くきっかけになったのは、花火に混ざり込んだ爆弾。
思えばモノクマの登場もタイミングが妙に良すぎた。
まるで私たちが爆発騒ぎを起こすのを分かり切っていたかのように……
あれの地響きのせいで千雪は図書館に行き、冬優子を追って、命を落とした。

となると、狸はあの花火大会において……


第3の事件……小宮果穂の事件。
この事件は、唯一狸の関与が感じられない事件だった。
現場で行われたトリックはすべて絶望病に侵された小宮果穂の単独行動だったし、それ以外に何かが為された様子もない。

……どうして、狸はこの事件だけ何の手も加えなかったんだ?
何か意味があって、手を出さなかったのか……?


A.狸の工作が果穂によってかき消された
B.狸は既に死んでいた
C.狸は動けない状態だった
D.狸の工作が紛れ込んでいた

↓1


【C】

【CORRECT!】

そうだ、あの時私たちの行動は絶望病の罹患とその看病とで行動が大きく制約されていた。
その中で工作行動を行うのはかなり難しかったはずだ。
……いや、でも看病する側の人間は割と動けた……か?
休憩は交代交代でとっていたし、モーテル組も個室で寝る時間はあったわけだし……
それでも一切の関与がなかったってことはつまり……


第4の事件……冬優子の事件。
冬優子は狸の行動を逆手にとって、あさひの容疑を払しょくした。
現場に工作しやすいようにワイヤーをあえて残したり、バイキングの入り口ゲートを開けて置いたり……狸がバイキングを利用するのを狙ったわけだ。
あれによって狸は身長160cm以上の人間だとはわかったが、それは結構な数がいるしな……

4つの事件での狸の関与はこんなところか……


……どうだ?
狸の正体……私に、分かるのか……?


-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1


ルカ「……!」

【解!】

ルカ「狸の行動を辿っていくと……一人だけ、浮上してくる奴がいる」

ルカ「これまでの事件、それぞれで狸であることの条件は違うが……それらを全て満たす人間を選んでいけば、自ずとそいつに行き当たるんだ」

エグイサル白『……』


≪???「こん鉄串を犯人が使ったからって大広間の人間が犯人とは限らんばい!」

ルカ「なんでだよ! 鉄串は大広間にしかないもんだろ? 料理を作った後は備品も全部ホクロ女に回収されたって……」

???「だって、こん鉄串はうちが厨房入った時には既にもう一本無くなっとったけん!」

にちか「う、嘘……!?」

???「厨房には備品リストがあって、スプーンから鍋までなんでも数が書いてあるんよ。そいに照らし合わせたら、確かに鉄串が一本足り取らんかったばい」≫


ルカ「七草にちかの事件は、そもそもパーティの準備に携わっていないとあんな工作はできない。パーティに参加すらしていない私はまず最初に候補から外れるわけだ」


ルカ「田中摩美々の事件、本来は図書館なんて利用する意味もなかった犯罪計画に、あさひに容疑をなすりつけるために無理やり図書館を組み込んだ。その図書館に千雪がいくきっかけになったのは花火に紛れ込んだ爆弾だった」


≪???「打ち上げ花火もやるばーい!」

あさひ「わっ! すごいすごい! 本格的っす!」

???「ふふーん! スーパーにあったとっておきたい! 見とって! 夜空にばり眩しか花火打ち上げちゃるけん!」

果穂「???さん、あたし今から心臓がどきどきしてます!」

摩美々「???、それ大丈夫なやつー……?」

???「確かウルトラスペシャルビッグ花火って書いてあったばい」

摩美々「うさんくさー……」≫


ルカ「あの爆弾に、火をつけるように促すには……花火大会に参加している必要がある」


ルカ「小宮果穂の事件では、狸は介入していない。犯行の全てが小宮果穂の単独で行われたものだ。どうして狸はこの時動かなかったのか?」


≪???「結華……うち、ここ数日の記憶がほとんどなかよ……摩美々が死んで、ふさぎ込んでしまった結華に戻ってきて欲しくて、毎日毎日結華が好きやった料理ば作って待っとって……」

???「やっと顔を出してくれたその日に、うち病気になってしまったばってん……なんだか結華に会ったの、すごく久しぶりに感じるばい……」≫


ルカ「……動けなかったんじゃないのか?」


≪冬優子「ま、ふゆはこの裁判で死んじゃうわけだけど……生き残るあんたたち、忘れんじゃないわよ。狸は身長160cm以上の人間……あさひと園田智代子以外の中に混ざってる」

冬優子「そのことは、ゆめゆめ忘れないように……わかった? ルカ」

ルカ「ハッ……わーったよ」

智代子「な、なんだかおこぼれで私まで容疑者から外してもらえちゃった……」≫


ルカ「そして冬優子の事件では言わずもがな。バイキングの身長制限にかからない人間でなければ、あんな工作はできない」



ルカ「……こうして少しずつ絞っていけば、どうしてもその名前が浮かんできちまうんだよ」


ルカ「正直なところ、一番ないとすら思っていた。普段のオマエの言動は、そういうイメージからは一番かけ離れていたからな」


ルカ「天真爛漫で、快活に笑って、策略を練るなんて器用さもなくて……言っちまえば、バカだと思ってたよ」





ルカ「月岡恋鐘、オマエなんじゃねーのか」






エグイサル赤『……』


エグイサル青『……』


エグイサル緑『……』


エグイサル桃『……』


エグイサル白『わたしも、同意見だよ……恋鐘ちゃんは、さりげなく事件や動機に気づかせる言動を取っていたし……』

エグイサル白『狸として考えられる条件を……どれも満たしちゃってるんだ……』

ルカ「どうなんだ、月岡恋鐘。オマエにも答える義務があるだろ」

モノクマ「……」

モノクマ「うぷぷぷ……オマエラってば酷いなぁ、今この状況で答える義務があるなんて」

モノクマ「答えたくても、名乗れないんだからしょうがないでしょ?」

ルカ「……チッ」

モノクマ「市川さんを被害者だと断定した時とおんなじ! 犯人が月岡さんだって言うんなら、それを示す根拠を示してもらわないと!」

(月岡恋鐘が狸だと言う根拠、か……)

(物的な証拠なんてあれば、もうとっくに示している。他に何か、糾弾するための材料はないか……?)

------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×8
集中力:☆×12

コトダマ
‣【モノクマファイル5】
‣【コーヒーのシミ】
‣【冬優子の手紙】
‣【美琴との軋轢】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【点の血痕】
‣【死体上のシート】


エグイサル青『恋鐘が狸だって……?』

エグイサル青『……詳しく聞かせてもらえるかい』

エグイサル白『恋鐘ちゃんは【狸としての条件を満たしています】……っ』

エグイサル白『他に候補になりうる人はいません……っ!』

エグイサル緑『でも、【確定的な証拠はない】んでしょ?』

エグイサル緑『命のかかった重要な決断。流石にこの段階で論じるのは早計では?』

エグイサル赤『ど、どうなんですか……!』

エグイサル赤『狸だと示す明確な根拠は、あ、あるんですか……?!』

エグイサル白『落ち着いて考えてください……』

エグイサル白『恋鐘ちゃんが狸だっていう根拠を……あなたは知っているはずだから……』


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


-------------------------------------------------


(……月岡恋鐘が狸だと言う根拠……?)

(今、私の手元にそう思えるものは何一つない。あいつを糾弾するには、用意が足りていない)

(……それなら)

(今からでも見つけだしてやる、あいつと過ごした時間の中で、一瞬でも見せた綻びが何かないか……見つけだしてやる!)

-------------------------------------------------

【検討プロセッシング開始!】

月岡恋鐘が全ての元凶、その前提のもと考えていくぞ。
……私だって人間だ、流石に思うところがないわけじゃないが……それは足踏みをする理由にはならない。
ここまでの歩みを無駄にしないため、私自身がここから先も生きていくため……負けられないんだ。

まず、物的証拠は……見当たらない。
そんなわかりやすい証拠を落とすような相手なら、こんなに苦労だってしていない。
狸の尻尾を掴むためには、もっと別の角度から切り込むことが大切だ。

月岡恋鐘とは毎朝顔を突き合わせていた。
レストランの朝食係を買って出ていたのはあいつ自身だし、情報共有も頻繁にしていた。

……【情報】、か。

千雪が殺されたあの事件で、狸はなぜか冬優子の秘密を知っていた。
それはつまり、モノクマらと同じ情報を共有していたというわけで、私たちの通常知り得ない情報まで持っていたと言うことになる。

これって、武器にならないか?

あいつがもし、私たちの通常知り得ないことを何か一言でも溢していたのなら……狸だと糾弾するには十分な根拠になりうる!
あいつのこれまでの言動で、なにかおかしなところはなかっただろうか……?
例えば、私が持っている情報で他の連中とはまだ共有していない情報を知っていた、とか……


【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


【発言力:♡×8→7】

冬優子からもらった手紙、その中身は確かにまだ誰にも話していない……
だけど、他の連中がその手紙について触れた瞬間もなかったはずだ。

これじゃあ狸をおびき寄せる罠にもなりそうにないな……

狸の招待を明らかにするなら、全員がある程度は知っている情報でかつ、狸のみが超えてしまったラインがあると一番いい。
そんな条件のものが、何かなかっただろうか……

あいつがもし、私たちの通常知り得ないことを何か一言でも溢していたのなら……狸だと糾弾するには十分な根拠になりうる!
あいつのこれまでの言動で、なにかおかしなところはなかっただろうか……?
例えば、私が持っている情報で他の連中とはまだ共有していない情報を知っていた、とか……

【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


【発言力:♡×7→6】

浅倉透にもらったお守り……
あれもまだ分からないところはあれど、同じ場で全員がお守りを貰ったんだ。
そこに目だった情報の差異はないだろう。

もっと、人によって知っている情報の範囲が違うもの……特に、私がよく知っているものなんかだとそれが分かりやすいかもな。

あいつがもし、私たちの通常知り得ないことを何か一言でも溢していたのなら……狸だと糾弾するには十分な根拠になりうる!
あいつのこれまでの言動で、なにかおかしなところはなかっただろうか……?
例えば、私が持っている情報で他の連中とはまだ共有していない情報を知っていた、とか……

【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


【美琴との軋轢】

【CORRECT!】

……そうだ。美琴の暴走はある程度共有しているが、その全てを話したわけではない。
美琴が浅倉透の殺害をどんな形で企て、何をしていたのか……

もしそれを詳細に知っていれば、十分に疑う根拠になるぞ!
思い出せ、月岡恋鐘がついうっかり、知り得ない何かを口にしているはずだ……!


Q.恋鐘が何故か知っていた、美琴との間のやりとりは?

A.美琴の言葉
B.美琴の殺害計画
C.美琴の行動

↓1


【C】

【CORRECT!】

そうだ……!
美琴は武器を調達したり、他の方法を模索したり、衝動的な行動を繰り返していた。
計画とはもはや呼べない代物で……その結果が私や市川雛菜だ。
それを私も共有してはいたものの、全部は伝えちゃいない。
それなのに、月岡恋鐘はさも今聞きましたと言わんばかりに、誰も教えちゃいけない情報を話していた……!

月岡恋鐘が、なぜか知っていた美琴の浅倉透殺害計画とは……!

-------------------------------------------------

【ひらめきアナグラム開始!】

発言力:♡×6
集中力:☆×12


『くアのスッくどラドトやグ』


【正しい順番に並べ替えろ!】


1.解答する
2.集中力を使う(一部文字が正しい位置に移動する)

↓1


「……!」

【COMPLETE!】


≪「なんでこんなとこにいんだよ……」

今まで通り、自分の体を痛めつけるような特訓に打ち込んでいればまだ良かった。
鬱憤やストレスを感じる時間が勿体ない。
気を沈めている余裕があるなら、それも全部練習に注ぎ込む。
緋田美琴とは、そういう人間だったはずだ。
なぜ、こんなところで薬品の吟味などしているのだろうか。

「……手ェ離せ!」
「ルカ……!?」

不意をついてその手から薬品をひっぺがした。
プラスチックの瓶は手を離れて落下しても割れることはなく、コロコロと転がってラベルが目に入る。

「コトキレルX……劇薬じゃねえか」
「……ルカには、見られたくなかった」
「私だって、見たくねえよこんな美琴」≫


コトキレルXを持っていたあの時の美琴のこと……誰にも話しちゃいない!
それなのに、あいつは……あいつは……!


≪ルカ「だからって気抜くなよ、美琴は私たちの誰よりも背丈だって高い。そう簡単に抑え込めるわけじゃない」

智代子「それに美琴さんはファイナルデッドルームもクリアしてるし、武器だって私たちの予想以上のものを持ってるかもしれないよ!」

【恋鐘「毒薬だってドラッグストアから調達しとったけん、不意打ちにも注意せんばね!」】

ルカ「……そう考えると、恐ろしいな。美琴のやつ」

雛菜「あなたが弱気になっちゃ一番ダメじゃないですか~?」≫


間違いない、月岡恋鐘こそが狸だったんだ……!


【FORGING!!】


コトダマ【美琴との軋轢】→【ドラッグストアの凶行】
〔第4の島が解禁された翌晩、ルカは劇薬を手にする美琴にドラッグストアで遭遇した。だが、この時のことは誰にも共有していない情報。それを知る者は、他人を監視カメラ越しに眺めてにやつく醜悪な卑怯者〕

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×6
集中力:☆×12

コトダマ
‣【モノクマファイル5】
‣【コーヒーのシミ】
‣【冬優子の手紙】
‣【ドラッグストアの凶行】
‣【監視カメラ:ワダツミインダストリアル内部】
‣【エグイサルのリモコン】
‣【点の血痕】
‣【死体上のシート】


エグイサル青『恋鐘が狸だって……?』

エグイサル青『……詳しく聞かせてもらえるかい』

エグイサル白『恋鐘ちゃんは【狸としての条件を満たしています】……っ』

エグイサル白『他に候補になりうる人はいません……っ!』

エグイサル緑『でも、【確定的な証拠はない】んでしょ?』

エグイサル緑『命のかかった重要な決断。流石にこの段階で論じるのは早計では?』

エグイサル赤『ど、どうなんですか……!』

エグイサル赤『狸だと示す明確な根拠は、あ、あるんですか……?!』

エグイサル白『落ち着いて考えてください……』

エグイサル白『恋鐘ちゃんが狸だっていう根拠を……あなたは知っているはずだから……』



【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する

↓1


記憶の中から証拠を生み出し、ロンパをしたところで本日はここまで。
次回ノンストップ議論の直後より開始します。
おそらく裁判の最後まで行くはずです、黒幕をこの手で打ち破りましょう。

次回更新は7/1(金)の21:00ごろの予定です。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。


すみません、更新一時間前後遅れると思います


ルカ「見つけた……!!」

【BREAK!】

ルカ「今、どのエグイサルにオマエが乗ってるのかは知らねえ。だけど……もうオマエを守るのはその秘匿性だけだ」

ルカ「私は、オマエこそが狸だと確信したぞ」

エグイサル青『そこまでお言いになるからには……明確な理由があるのですね……』

ルカ「ああ……小宮果穂の事件以来、美琴は浅倉透への殺意を隠すことがなくなったのはオマエらも承知のことだよな?」

エグイサル桃『透の何がそんなに気に食わないのかはわかりませんが、そうですね』

ルカ「そして実際、今回の被害者の市川雛菜を使い物にならなくするような襲撃もかけた」

ルカ「でも、それ以前に何度も私は美琴の影を追って、何度か衝突をしているんだよ」

エグイサル緑『美琴さんと、ぶつかったんですか……?』

ルカ「なんとか止めるように説得したり、無理やりにあいつが危険物を手にしているのを抑えたり、な。その全てを私はオマエらに共有したわけじゃないが……そういうのは度々あったんだ」

ルカ「……相方がブレーキの壊れた車みたいに暴走すんのは見てて気分のいいもんじゃなかったけどよ、でも今回ばかりはその『度々』が私たちにとっての武器となる」

エグイサル赤『ど、どういう意味……?』



ルカ「ちょっと前のことだ、私が美琴にワダツミインダストリアルで庇われた話をしたよな?」

エグイサル緑『うん……確か、アルミのシートで姿を覆ってもらったんだよね!』

ルカ「その時に、美琴の暴走の話になって……月岡恋鐘はついうっかり、口を滑らせちまった」

ルカ「美琴は【毒薬も握っていた】、ってな」

ルカ「あいつとドラッグストアでかち合った話は私は誰にも一度もしてない。まして、毒薬を手に取ってたなんてのはな」

ルカ「オマエらも全員がその耳で聞いたはずだ、月岡恋鐘が不意に漏らした言葉……自分自身が狸だと実証する、自白にも近いその言葉を……!!」


裁判場にどの声で響き渡ったのかは私は知り得ない。
これだけの威勢で指を突きつけようとも、エグイサルのスピーカーを通せば、
ぐうたら女の情けない声やチビザコの消えいるような声にすらなっていたかもしれない。
でも、私の言葉の後に訪れた静寂が饒舌に教えてくれた。
私のこの糾弾を他の連中は荒唐無稽な与太話と切り捨てるではなく、信用に足るだけの指摘として受け入れてくれたこと。

そして、仲間だと信じて疑わない相手が敵であると確定し、やり場のない思いが波のように押し寄せていることを。
エグイサルのスピーカーのあちこちから、声にもならない息づかいが漏れて聞こえてくるのだ。
私の指摘によって、積み重ねてきた時間とそこに根付く想いとは今この瞬間に大きく揺らぐことになる。
盤石な土台だったはずのそれはいつの間にか四肢を飲み込もうとする泥沼へと変わり、思考をずるずると引き込んでいく。
体が示せるのは、ただ溜まった唾を嚥下するという反応のみ。



裁判場は佳境とも思えないほどに、静まり返ってしまった。








「も〜、しゃんとせんといかんよ!」






モノクマ「みんなそがん顔しとったらいかん! 病は気からなんて言葉もあるばい、落ち込んだ時ほど笑顔にならんね!」


モノクマ「ば〜りばりの笑顔でいれば、なんも怖いことなんかなかよ!」


モノクマ「そう!」



モノクマ「たとえうちがみんなをコロシアイに巻き込んだすべての元凶だったとしても……ど〜んと笑い飛ばせばよかよ!」



モノクマ「アーハッハッハッハッ!!!!!」




モノミ「な、なんの真似でちゅか……あんた、急に何を言い出してるんでちゅか……?」

モノクマ「モノミこそなんね? もううちん正体はバレとるたい、今頃取り繕ったところで後の長崎くんちばい!」

モノミ「アイヤーッ! 地元に根ざした表現で、月岡さん本人であることをアピールするのに余念がありまちぇーん!」

ルカ「認めるんだな……オマエが全ての元凶、狸だってことを」

モノクマ「ルカ、うちは感動しとるばい……あんなにはじめは他のみんなと距離も置いとったのに、うちん一言一句まで気にかけて、とうとう証拠ば掴んで……」

モノクマ「理想のアイドルに向けて着実にステップアップができとるばい!」

ルカ「あ……?」

モノクマ「でもルカ、うちはまだまだ負けとらん……決着はついとらんよ!」






モノクマ「うちが狸でも……どうやってうちをこの裁判で裁く気?」





ルカ「何……?」

モノクマ「うちはルカたちと全く同じ条件でこの裁判に参加しとるけん、クロとして指摘すればちゃ〜んとその罰も受けるばい」

モノクマ「でも、今のルカたちにはどれがうちの乗っ取るエグイサルなのか見分けがつかんとやろ?」

ルカ「お、おい……それじゃまさか……」




モノクマ「そう、この裁判では『誰が』じゃなく『どのエグイサルに乗っている人が』犯人か当ててもらうばい!」




(こ、こいつ……やけにあっさり認めると思ったら……!)

(絶対に自分が犯人だとは指摘されないための布石を貼ってやがったのか……)


どれだけ目を凝らそうとも、ズーム機能を使っても、コックピットのガラスは外側からでは曇っていて内側を見ることができない。
つい先ほどまで鮮明に浮かび上がっていた狸としての月岡恋鐘の姿は今再び闇の中に忽然と消え去ってしまったのである。


モノクマ「ふふ〜ん、ルカたちに当てることができるとやろか?」


モノクマ「血に塗れた色合いの赤いエグイサル?」

エグイサル赤『……』


モノクマ「血の気のひいたような色合いの青いエグイサル?」

エグイサル青『……』


モノクマ「サイコポップな発色の桃色のエグイサル?」

エグイサル桃『……』


モノクマ「闇より深い樹海の緑のエグイサル?」

エグイサル緑『……』


モノクマ「清廉潔白を装った、嘘くさい白いのエグイサル?」

エグイサル白『……』


モノクマ「そして、誰よりも目立つ……下品なギラツキの黄色のエグイサル?」

(これが私、か……)

(どうだろう……状況といい、証拠といい……白があさひであることは間違いないと思う)

(議論の流れからしても黄色に私が乗り込んでいることは他の連中にもわかっているだろう)

(だけど、他の連中はまだ……確証が持てない)

(クソッ……なにか、なにかこの逆境を一発でひっくり返せるものはないか……?!)


エグイサル桃『ま、待って……! それなら、あさひが答えを知ってるんじゃないかな!?』

エグイサル青『そうか……彼女は犯人がコックピットに戻るのに嫌々加担させられている。それならどのエグイサルに戻ったのか、色までしっかりと把握しているはずだ』

エグイサル白『……』

エグイサル桃『……あれ?』

(……私もそれは一度考えた)

(でも……ダメなんだ、あの時のあさひは……色が分かっちゃいなかったんだ……)

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


ルカ「……チッ」

【解!】

ルカ「思い出せ、私たちがレストランで催眠ガスを吸わされた時から、今に至るまで。あさひはどんな格好をしていた?」

エグイサル赤『格好……? えっと……いつもみたいに、クリーム色のカーディガンに……』

エグイサル赤『ガスマスク……?』

エグイサル白『……ごめんなさい』

ルカ「……あのガスマスク、丁度目のグラス部分が灰色のガラスで作られてたんだ。それを通して外を見たところで、どうなる?」

エグイサル桃『世界のすべてが……灰色に見えてしまう……』

エグイサル青『そ、それじゃ……まさか……』

ルカ「あさひは事件当時、色の区別がついていなかったと思うぜ。だから……犯人がどのエグイサルに戻ったのか、正確には分かっちゃいないんだろうな……」

エグイサル桃『立ち位置とかを覚えてたとしても、さっきまで犯人に眠らされてたっつってたし……もう滅茶苦茶になってるだろうな』

(……クソッ、あと一歩……あと一歩だってのに……!)

モノクマ「うぷぷぷ……」






エグイサル白『諦めちゃダメです……っ!』






ルカ「……!?」

エグイサル白『真実はあと一歩のところまで迫っています、今はその手前で少し曇り空になっただけ……』

エグイサル白『もう、私たちは真実を掴み取るための翼は持っているはずです……っ』

エグイサル白『空を晴らすことができるのは、私たちだけです……っ!』

(真実を掴み取るための、翼……?)

(もしかして、これまでの議論の中で……エグイサルの正体を明かすための何かもすでに見つかっているってのか……?!)

ルカ「……それならやることはただ一つだ」

ルカ「この事件を始めっから振り返って……その中に隠されたヒントを見つけ出す」




ルカ「月岡恋鐘、オマエの喉元にナイフを突きつけてやるよ……!!」




-------------------------------------------------

【クライマックス推理開始!】

【act.1】


ルカ「事件の発端となったのは、あさひが散布した催眠ガスだった。いつも通りレストランに集まった私たち、そして何者かによって呼び出された美琴。全員は無防備にもあさひの策にはまり、意識を失った」


ルカ「次にあさひはワダツミインダストリアルから持ち出したエグイサルを使って、わたしたちをそのまま第五の島へと運んだ。モノクマの開発中である新兵器のエグイサルをどうしてあさひが操縦できたのか? それは、冬優子の遺したリモコンのおかげだった」


ルカ「……多分、ファイナルデッドルームの初回攻略特典の一つだったんだろうな。私にもあいつから託された手紙があったし……有栖川夏葉を手にかけたこと、そして私たちを遺して逝くことに負目があったのかもしれない」


ルカ「それに、あのリモコンだけ渡されても訳がわからねーだろうしな。冬優子が犯行に手を染めた段階ではエグイサルの姿形も出ていなかった。好奇心旺盛なあさひならその正体を突き止めてくれると、そう期待したのかもしれない」


ルカ「……まさかそれで、こんな事件が起きるなんて、思いもしなかったんだろう」


【act.2】

ルカ「ワダツミインダストリアル工場内に到着したあさひは狸を誘き出すための準備を着々と進めた。ここまで私たちの体を運んだ白いエグイサル以外の、赤、青、緑、黄、桃の五体に一人ずつ乗せて、コックピットをリモコン操作で閉めた。これにより、通常操作権を持たない私たちは脱出もできなくなる。ただ一人、このコロシアイの元凶でもある狸を除いて……な」


ルカ「エグイサルに搭乗させたことを前提に、自分自身を囮にした上で、誰が犯行を行ってもバレないであろう状況を作り出す。エグイサルで四方を取り囲んだ中央に何も武器も持たずに椅子に腰掛けた」


ルカ「まあ実際のところは行動ログは取っていたし、監視カメラの画角にすっぽり収まるようになっていた。狸が動こうものならその証拠が残る。たとえ自分の命と引き換えになろうとも……絶対に、狸を抑えてやろうとしたんだろうな」


ルカ「……でも、この時にイレギュラーが起きた。市川雛菜の薬剤耐性。つい数日前の美琴との接触で右手の神経が完全に死んで、激痛を前に鎮痛剤の常用を余儀なくされていたあいつは、催眠ガスの麻酔作用が効きづらくなってしまっていたんだ」


ルカ「多分、市川雛菜をエグイサルに乗せようとしている段階であいつは目を覚ました。わざわざ他の連中を巻き込んだ秘密の計画を練っていたというのに、こんなことでバレてしまうとはあさひからすれば肩なしだ」


ルカ「そこで、あさひは市川雛菜を抱き込んだ。あいつは美琴によって右手が使い物にならなくなっていたし、狸である可能性はかなり低かった。下手に騒がれてしまうよりも、計画を共にする同志にしてしまったほうが得策だと考えたんだ」


ルカ「そこであさひは市川雛菜をアルミのシートで隠すことにより存在をエグイサルの赤外線カメラでも掴ませないように工作。狸に気取られることなく、目撃証言という有効な証拠を生み出そうとしたんだ」


ルカ「……これが失策だったのかはわからない。あさひがミスをしたのだというなら、もっと前提の部分。単独でこの計画を実行してしまったことを追及できるが……きっとこの一つの選択により結末が大きく変わってしまったのもまた事実なんだろうな」


【act.3】

ルカ「イレギュラーは続いてしまったんだ。市川雛菜だけでなく、目を覚ましてしまったものがもう一人。もしかすると最初っから意識を失ってなかったのかもしれない。だって、今回の犯人はコロシアイの首謀者……私たちの情報など全て筒抜けで、あさひの反抗計画もその全てを知っていたはずだから」


ルカ「市川雛菜との共謀関係がはじまった最中、その頭上ではとあるエグイサルのコックピットがゆっくりと開いていく。リモコンがないと操作はできないはずなのに……なぜ? その答えは単純だ、エレクトボムを使えば脱出は簡単だったんだ」


ルカ「コックピット内で炸裂したエレクトボムはジャミング電波を発生させ、エグイサルのコックピット内で異常事態が起きたと判定される。その結果緊急脱出システムが作動し、出ることができる」


ルカ「コックピットが開くと同時にジャミング電波は四方八方へ拡散。ワダツミインダストリアル内の監視カメラや行動ログも全て機能停止してしまった。これにより発生した空白の時間に、その全ては起きたんだ」


ルカ「完全に不意をつかれる形となったあさひはそのまま意識を奪われた。裁判の途中まで何の反応を示さなかったあたり、最終的には強力な麻酔をすわされたのかもな」


ルカ「だが、狂牙はあさひだけでなく市川雛菜にまで及んだ。市川雛菜も体格はいい方だ、普段なら跳ね除けることもできたかも知れねえが、あいつは生憎肝心の右手が使えない。抵抗も甲斐なく、あいつはあさひが腰掛けていた椅子に拘束されてしまった」


ルカ「両手を縛り付けられ、手には手袋をつけられた。体の上には身を隠すために使っていたアルミのシートをかぶせられ、見た目からはとことん身元が特定できないように工作された。犯人は、首無しの身元不明の死体を作ることによほどご執心だったらしい」


ルカ「でも、当然首を刎ねるのは容易じゃない。どれだけ切れ味のいい刃物でも、振るう人間が非力な女じゃ大した切れ味にはならない。それだけの出力が必要だ」


ルカ「そこで犯人が使ったのが……なんと、モノクマだ」


ルカ「浅倉透から奪った後、恐らく解析を終えていたんだろうな。エレクトボムのジャミングは特定の波長の電話には相殺されてしまい、ジャミングの効果を発揮しない。モノクマはその“例外”に該当するように改造が施されていた」


ルカ「だから犯人は監視カメラにも映像を残さず、行動ログにも不審な動きを記録させず、市川雛菜の首をモノクマで刎ねることができたんだ。……市川雛菜はきっと絶命の瞬間までずっと意識があったんだろうな。あいつの手にはめられていた手袋は、左手だけがささくれてしまっていた。内側で必死に掻きむしった痕だろう。でも、これがきっかけとなって被害者を特定する根拠になったんだ」


ルカ「今回用いられたモノクマという最悪最凶の凶器……でも、その凶悪さこそが今回の犯人を導き出した!」

ルカ「私たちをコロシアイに引き摺り込んだ張本人、そして私たちの中に潜伏して散々かき乱した狸野郎……」

ルカ「その正体は_____________」



ルカ「月岡恋鐘、オマエだったんだな……!!」



【COMPLETE‼︎】


ルカ「……今回の事件の一連の流れはこれで全部のはずだ」

(今の推理の中に……月岡恋鐘がどのエグイサルに乗っているのかを突き止めるヒントが……?)

モノクマ「ふふ~ん、どがん考えてもうちがどんエグイサルに乗っとるかなんかわかるわけがなかよ!」

モノクマ「あさひはうちがエグイサルに戻る時の協力もしてもらっとるけど、あさひには目隠しをしたうえで、うちのエグイサルのボタンを押させたばい! あさひもうちの居場所は知らんけんね!」

エグイサル白『……』

エグイサル白『耳を貸す必要などございません……確かに、今の凛世たちに……恋鐘さんがどれに乗っているのかを知っている方は一人とていらっしゃいません……』

エグイサル白『でも、だからって終わったわけじゃねーんだ! ここからでも、どれに乗ってるか分かる方法がある!』

エグイサル白『その方法は今、あなたが語ってくれた推理の中にあるんだよー!』

(……月岡恋鐘がどのエグイサルに乗っているのか突き止める方法)

(クソッ……いったいどうやるってんだよ……!)

-------------------------------------------------

【検討プロセッシング開始!】

……ひとまず黒幕もとい月岡恋鐘の行動について整理は出来た。
私の推理の一連の流れで行動を起こしたことはもう間違いないはずだ。
問題は……この中で何を活用して、エグイサルの特定につなげるかだ。
どれだ……? 犯人の、どの行動が特定の役に立つ……?

A.催眠ガスの無効化
B.エグイサルの脱出
C.モノクマの使用
D.エグイサルへの再搭乗

↓1


【B】

【CORRECT!!】

……そういえば、月岡恋鐘は基本的にはすべて私たちと同条件で行動していた。
情報に関してのアドバンテージはあるものの、寝食を共にして時間も共有していた。
そして、行動の範囲も私たちと同一だった。
解放されていない物以上のことはしておらず、あくまで参加者『月岡恋鐘』に許された中での行動をとっていたのだ。

それは、今回の事件においても同じだった。
エグイサルの操作権を持っていたのは最初にファイナルデッドルームをクリアした冬優子からリモコンを受け継いだあさひのみ。
月岡恋鐘もやろうとすれば可能だったのかもしれないが、あくまで一参加者としての条件に拘った。
だから、こいつは私たちにも可能な方法でエグイサルを脱出したんだったよな。
エレクトボム、という浅倉透にも使用可能だったものを使って。

……あれ?
確かに私たち全員、エレクトボムは情報として共有はしていたが……なんで月岡恋鐘はそれを使用までしているんだ?
私はあの時、浅倉透にエレクトボムを託したはず……だったよな?

それってつまり……

A.浅倉透によって譲渡された
B.浅倉透から強奪した
C.浅倉透が落としたところを拾った

↓1


月岡恋鐘は、今日この瞬間まで私たちの味方だったんだ。
だからあいつも……私たちに馴染もうとする浅倉透からすれば信頼を置かれていた存在だったはずなんだ。
浅倉透がエレクトボムを渡していたとしても、何ら不自然ではない。

いや、むしろそう考える方が自然だ。
でも、一人だけに渡した……なんて、そんなはずがないよな。
月岡恋鐘が特別な間柄だったようなそぶりはないし、もし一人だけを選ぶなら市川雛菜だろう。
となると、エレクトボムの譲渡は全員に対して行われていたはずなんだ。
浅倉透から、全員に渡されたもの……それって……


【正しいコトダマを選べ!】

>>4 >>5

↓1


【透のお守り】

【CORRECT!!】

そうだ……あの時レストランで全員に渡された出来合いのお守り。
あれは私を含めた生き残りのほぼ全員にその場で渡されたものだ。
浅倉透から何かを受け取ったタイミングは……あの時しかない!

懐に入れておいた私の分のお守り……その巾着部分をほどくと……



……やっぱり、あった。
紙札でも、勾玉でも、神木なんかでもない……
このお守りの正体は、エレクトボムだったんだ……!!


【FORGING!】

【透のお守り】→【エレクトボム】
〔第5の島を探索時、軍事施設にて発見したジャミング電波を発生させる投擲武器。透から『お守り』として生き残りメンバーのほぼ全員に手渡された。今回の犯人である恋鐘はこれを用いてエグイサルを脱出したものと考えられる〕

-------------------------------------------------

【パニックトークアクション開始!】


モノクマ「うぷぷぷ……」【防御力60】
モノクマ「ふっふ~ん♪」【防御力65】
モノクマ「本気でボクに勝てると思ってるの?」【防御力70】
モノクマ「うちにアイドルやらせたら、右にでる者はおらんけんね!」【防御力75】
モノクマ「絶望、どがんね~?」【防御力80】


【盾の防御力をコンマで削り切れ!】

↓1~5


【発言力:♡×6→5】

【コンマ 08 70 00 28 65】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

【最終コンマ 23 85 105 53 90】

モノクマ「うちはまだまだ負けん……絶望は、そう簡単にはやられんとよ!」

(あと少し……あと少しだ……!)

-------------------------------------------------

【パニックトークアクション開始!】


モノクマ「うぷぷぷ……」【防御力37】
モノクマ「ふっふ~ん♪」【BREAK!】
モノクマ「本気でボクに勝てると思ってるの?」【BREAK!】
モノクマ「うちにアイドルやらせたら、右にでる者はおらんけんね!」【防御力22】
モノクマ「絶望、どがんね~?」【BREAK!】


【盾の防御力をコンマで削り切れ!】

↓1~2


【発言力:♡×5→3】

【コンマ 20 27】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

【最終コンマ 35 42】

【敵の防御力がわずかに残った……】

【敵の防御力がピトス・エルピスの補正値未満の防御力のため、失敗分のダメージを受けたうえでの突破とします】

-------------------------------------------------
【ALL BREAK!】

ルカ「調子に乗ってんじゃねえ!」


【モノクマ「うちの乗るエグイサルを突き止めるなんて、どがんしたって不可能ばい!」】


ム/エ/ク/レ/ボ/ト


【正しい順番に並び替えて、コンマ値80以上でとどめをさせ!】

↓1


【コンマ43】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ 58】

【発言力:♡×3→2】

モノクマ「引かん! 媚びん! 顧みん!」

モノクマ「それがうちの、絶望のセオリーばい!」

(クソッ……あとちょっとなのに……!)

-------------------------------------------------

【モノクマ「うちの乗るエグイサルを突き止めるなんて、どがんしたって不可能ばい!」】


ム/エ/ク/レ/ボ/ト


【正しい順番に並び替えて、コンマ値80以上でとどめをさせ!】

※アイテムはここでも使用可能です
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


【コンマ20】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ 35】

【発言力:♡×2→1】

モノクマ「引かん! 媚びん! 顧みん!」

モノクマ「それがうちの、絶望のセオリーばい!」

(クソッ……あとちょっとなのに……!)

-------------------------------------------------

【モノクマ「うちの乗るエグイサルを突き止めるなんて、どがんしたって不可能ばい!」】


ム/エ/ク/レ/ボ/ト


【正しい順番に並び替えて、コンマ値80以上でとどめをさせ!】

※アイテムはここでも使用可能です
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


【高級ヒーリングタルトを食べた……】

【上品な甘さがほっぺたを蕩けさせる……!】

【発言力が最大まで回復しました】

-------------------------------------------------

【モノクマ「うちの乗るエグイサルを突き止めるなんて、どがんしたって不可能ばい!」】


ム/エ/ク/レ/ボ/ト


【正しい順番に並び替えて、コンマ値80以上でとどめをさせ!】

※アイテムはここでも使用可能です
【プロデュース手帳】×1

↓1


【コンマ68】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

【最終コンマ83】

ルカ「これで終わりだ!」

【BREAK!】

ルカ「なるほど……そういうことだったのか……月岡恋鐘、オマエの一連の犯行にはどうやっても埋めようのない粗があったみたいだぞ」

モノクマ「……何を言うとると?」

モノクマ「あさひの口も封じとる、監視カメラや動作ログもな~んも残っとらん。そいやのに、うちの行動をどうやって辿るつもりばい?」

ルカ「いや、オマエがどれに乗り込んだのかなんて行動を辿って考える必要はなかったんだ」

モノクマ「……ふぇ?」

ルカ「今この瞬間に、ほんの数秒にも満たない私たちの行動で……オマエの居場所はすぐに分かっちまうんだよ」

モノクマ「な、なんばいいよっと!? そ、そがん方法があるわけが……」

ルカ「よく聴けオマエら!」


エグイサル赤『……』

エグイサル青『……』

エグイサル緑『……』

エグイサル桃『……』


ルカ「月岡恋鐘がすべての元凶だったと知って動揺する気持ちは分かる……でも、これまでに死んでいった奴に報いたい、この先も生きていたいとそう願うんだったら……」

ルカ「今すぐ手元にある、浅倉透に渡されたお守りを確かめろ! そして、その中身を……今この場で地面に向かって投げつけろ!」

エグイサル白『……流石だね、どうやらエスコートは不要だったようだ』

モノクマ「な、何を急に言い出すばい! 透が丹精込めて作ったお守りを、そがんぞんざいに扱うなんて罰当たりばい!」

ルカ「ハッ、あいにくこちとらカミサマなもんでねバチなんか全く怖かねえんだよ!」

ルカ「それに、自分の行動を棚に上げて非難だなんていい度胸じゃねえか……!」

モノクマ「……っ!」

ルカ「いいか、さっきも言ったが今回の犯人はエグイサルの脱出にエレクトボムを用いた。内部で電波障害、動作不良を引き起こすことで緊急事態だとシステムに誤認させたんだよ」

ルカ「そのエレクトボムは、浅倉透に手渡されたお守りそのものだったんだ。だからこそ、あの時レストランに居合わせていた月岡恋鐘は脱出することができたし、私たちの中に擬態することができた」

ルカ「でもそれは反対に言えば……今この場で脱出できない人間こそが犯人であることの証拠になる。だって犯人は既に一人一個しかないエレクトボムを使ってしまっているんだからな!」



ルカ「さあ、私たちの手で暴き出してやろうぜ! 月岡恋鐘が……狸が、どのエグイサルに潜んでいやがるか!」




私は力一杯浅倉透から受け取ったお守り、その中のエレクトボムを地面に叩きつけた。


バァァァァァァン…!!


けたたましい音と共に閃光が飛び出し、思わず私は目を自分の右腕で覆う。
いくら爆ぜたと言っても、そこにあるのは熱でも風でもなく電波の嵐。
身に感じる衝撃はそれ以上のものは何もなく、やがて光と音とが消え失せるのに合わせるように私は腕を下ろしていく。
その腕の動きとは対照的に……いよいよその幕が上がっていった。



「……よう、だいたい予想通りだったな」



久しぶりにソールで床を叩いてみれば、目の前には見覚えのある顔ぶれが並ぶ。


透「……どう言えばいいんだろうね。この事件、私は当事者でも、無関係でもないし」

青いエグイサルの前に立つのは【浅倉透】。
眉を顰め、胸元を抑える。
他の連中の顔を見たことで、改めて市川雛菜の死を確認した表情。


智代子「間違った道じゃないって……そう思ってるよ。ルカちゃんのことを、信じてるから」

桃色のエグイサルの前に立つのは【園田智代子】。
自分が今こうして立っていることもまだ飲み込めていない、月岡恋鐘の糾弾はなおさら。


あさひ「ルカさん、すごいっす。わたしの考えた通りっすよ」

白のエグイサルの前に立つのは【芹沢あさひ】。
いつもの元気溌剌な笑顔はどこへやら、その肩を縮こませる。
ただ、その中でも私を見据えるその瞳から光は消えてはいない。

議論の流れからしても、概ね想像通りの組み合わせが並んだ。



モノクマ「うぷぷぷぷ……」



……【概ね】。






ルカ「……美琴?」



想像と違っていたのは、あと一人……そこにいるべきその人が、いなかったこと。






ルカ「お、おい……美琴……? で、出てこいよ……」

あさひ「……っ! そんな……」

ルカ「何やってんだよ、相変わらず変なとこで抜けてんだから……ほら、エレクトボムをぶつけるだけでいいんだからさ」

ルカ「落ち着いて、な?」

あさひ「……ルカさん」

ルカ「ああ? なんだよ、心配すんなって……すぐに美琴も出てくるからよ」

あさひ「ルカさん!」

ルカ「……!」

あさひ「ルカさん……わたしは、今の今まですっぽ抜けちゃってたっすけど……エレクトボムを使う方法は万能じゃないんっすよ……」

あさひ「ルカさん……それに、気づいててあえてスルーしてたっすよね……?」

ルカ「……」

-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】

・美琴は既にエレクトボムを使っている
・美琴はエレクトボム
・美琴はエレクトボムを受け取っていない

↓1


ルカ「……」

【解!】

透「……渡せてないよ、美琴さんだけには」

ルカ「……っ!」

あさひ「第4の島から美琴さんはわたしたちとずっと別行動だったっす。レストランで食事も一緒に食べないし、探索も同行してない。当然、透ちゃんがお守りを配ったタイミングでもその時レストランにはいなかったっす」

智代子「唯一、エレクトボムを持ってなかったのが美琴さんなんだね……」

あさひ「そう、だからわたしたちは恋鐘ちゃんが乗っているエグイサルを二択にまで絞ることはできてもそこから先は分からないっす」

透「あさひがエグイサルにみんなを乗せたんだったら、わかんないの。どれがどれか」

あさひ「……わかんないっす、わたしはガスマスクをつけてたし、区別がつかないっすよ」

モノクマ「もうルカ、トラファルガー狸の皮算用とはまさにこのことたい!」

智代子「取らぬ狸の、だよ! それだとシャンブルズだよ!」

ルカ「んなもん言ってる場合かよ……!」


(クソ……クソッ、クソッ、クソッ……! なんで、なんでこうなんだよ……!)

(やっと、たどり着いたと思ったのに……やっとその影を掴んだって言うのに……!)

(どうしてあと一歩届かない……!)

モノクマ「ふ~、流石にひやひやしとったと……うちがどっちに乗っとるか、バレてしまうかと心臓バクバクやったばい」

モノクマ「ルカ、残念やったね」

ルカ「テメェ……おちょくってやがんのか……!」

モノクマ「も~、そんなわけなか! うちはただ」



モノクマ「ルカがちゃんと美琴の事、救ってあげられとったらうちの負けやったとに」



モノクマ「……って言いたかだけやけん!」

ルカ「……っ!」


全く持って月岡恋鐘の言う通りだった。
こんなに美琴との仲がこじれることもなければ、ちゃんと美琴の手にもエレクトボムは渡っていただろうし、
市川雛菜の右手も無傷で、なんなら被害者になることを防げていたかもしれない。

むしろ、この現状に至った責任は……私にこそあるのではないか。
全身の血の気が一気に引く、膝は腿より上を抱えるには脆弱で、思わず腰が曲がる。
痙攣したような吐息を手のひらにぶつけて、なんとか意識を保つ。


モノクマ「さてさて、残ったのは緑のエグイサルと赤のエグイサルの二つ! さあ、どっちにうちがおって、どっちに美琴がおるとやろ~?」


エグイサル緑『ルカ、こっちだよー! こっちにわたしがいるよー!』

エグイサル赤『凛世ならば……ここに……』


未だにエグイサルの中に残る二人の声は、スピーカーのフィルター越し。
調子や抑揚と言った、その人ならではの要素は極限までそぎ落とされていて、誰かなんてことはここから予測を立てることは不可能だ。


智代子「ど、どうしよう……全然わかんないよ……」

透「あさひがリモコン使って無理矢理に開けたりはできないの?」

あさひ「ダメっす……今みんなでエレクトボムを使って脱出したんっすから、リモコンも影響を受けて使えなくなってるっすよ」

モノクマ「学級裁判の設備はモノクマと同じようにエレクトボムん影響ば受けんように改造をしとるけん、進行にはな〜んも問題なか!」

モノクマ「つまり、当てれんかったらみんなはここで死ぬし、当てられたらうちが死ぬ! このルールはちゃ〜んと守られるとよ!」


明朗快活な喋り口からは、絶対に突き止められないだろうという自負が見てとれた。
圧倒的優勢な立場にいる時ほど人は饒舌になるものだ。
その反対は、上唇すら重たい。
下唇に前歯を食い込ませながら、恨めしそうにエグイサルの機体を仰いだ。


智代子「恋鐘ちゃん、本気で私たちに勝って……私たちを殺そうとしてる」

あさひ「確率は二分の一っす、材料がなくても投票自体はできるし……」

ルカ「ざけんな! ここまで来て、運に託すなんてそんなの……!!」






透「……ダメだよ、諦めるとか」





ルカ「ああ……?」


波紋がそこかしこから広がりを見せる中、突然にその水面は凪いだ。
もっと大きな波紋が、小さな波紋を丸々飲み込む形で中央から外側へ。
そこに立つのは、誰よりも淡くて、誰よりも濃い……彼女だった。


透「考えなきゃ、だってうちらは生きてるんだしさ。どんな時でも道はどこかにあるはずだって、偉い人だって言ってるし」

透「絶対、あるはずだって。ここからでも、狸を突き止めるための方法が。何か」

モノクマ「透にしては随分とあきらめが悪かね~、やっぱりコピーになると人格もちょっと変わるとやろか?」


認めたくはないが、私もそういう認識だった。
浅倉透と言うアイドルを、テレビ越しやラジオ越しに観測する限りだとどんな局面でも熱く血潮をたぎらせるようなタイプとは真逆。
どんな時でも飄々としていて、こんな時に奮起の言葉を出すようなものとは思っていなかった。


……それは、この島に来るまでの話。
先入観で練り上げられた、粘土で出来たイメージと想像だけのマガイモノ。

私が接した浅倉透は、目の前に立つ浅倉透に相違なかった。
勿論、こいつは浅倉透本人ではない。
あくまで本人の人格をもとに作られたコピー、それでも私はその名を冠するに値するだけの人間だと思う。
人並みに苦心して、人並みに悩んで、人並みに不器用で。
そういう人間くささも併せ持つ、浅倉透が……私の知る浅倉透なのだ。


透「……それならそれでいいよ。私は、ノクチルの浅倉透じゃなくて……ここにいる『浅倉透』だから」

透「そう、胸を張って言えるようにしてくれたのが……雛菜なんだ」


瞳に、私自身の姿が映る。
正面から、頭の隅からつま先まで、楕円の黒丸の中にすっぽりと納まった私は不細工な面をしていた。
掻きむしった髪の枝毛が、口に入りそうな乱れ方をしていて、瞳孔は収まり悪くだらしなく開いている。
その瞳を持つ女とは、大違いだ。
凛として立つ、その背筋には少しのブレも感じない。
一本の芯、市川雛菜と過ごした時間が、そこには通っていた。


透「雛菜、本物が死んでるって聞いてからも私に気を使わせないように、下手に傷つけないように必死に気を回してくれてた」

透「私のことを、『先輩』じゃなくて……『ちゃん』にしたのだって。私を、私という一人の存在と認めてくれたから」

透「私は雛菜のために、負けられない。雛菜の死は無駄だったなんて……そんなの、嫌じゃん」


綴られるのは、この島で過ごしてきた蓄積。
特異な立場の彼女の、並みならぬ思いと記憶の奔流。
私たちは息継ぎをする間もなく、その激流に呑まれてしまう。


透「……これまでずっと、他のみんなに自分のことすら黙ってて。都合が良い話だとは思うけどさ」

透「本当に、反省してるんだ。にちかちゃんのこと、それに美琴さんのこと。シーズのこと」

エグイサル緑『……』

エグイサル赤『……』



透「自分かわいさで、にちかちゃんの言葉にちゃんと答えられなくて。そのせいで、美琴さんをずっと傷つけた」

透「苦しめ続けたのは、私だよ」

透「みんなを信用してなかったわけじゃ、なくて」

透「みんなを信じてたからこそ……言えなかった、言いたくなかった」

透「私が全部偽物で、この島の秘密に関わってるなんて」

透「みんなが浅倉透に抱いてくれた気持ちを、全部台無しにするみたいで」

(それって……)


浅倉透が口にしているのは、七草にちかがおしおきの間際にみせた感情の発露と同じ。
美琴にぶつけた、どっちつかずな美しいまでに不格好なアンビバレンス。
最後まで答えを選び取らなかった彼女は、むしろ図々しいまでに一本気ですらあった。


透「……死にたくない、以上に裏切りたくない」



透「だから、高望みするよ。勝つって、黒幕ぶっ倒すって」



本物の浅倉透だったなら、こんな風な演説を口にするだろうか。
エゴイズムが先に立つ、我欲剥き出しの演説なんて。

……もう、その答えはどうでもよかった。
私にもスタンスは既に固まっていた。
私たちにはこの島が世界のすべて、ここで生きている人間が住人のすべて。
外の世界だとか、立場だとかはもはやどうでもいい。
何よりも優先されるべきは、自分自身の欲求。
浅倉透のエゴイズムに共振した私のエゴイズムが、今再び顔を覗かせた。


ルカ「……何こっちが諦めてるって決めつけてんだ」

透「ふふ、やるじゃん」

ルカ「二択まで絞り込んでやったんだぞ? だったら、ここから先を進めるのはさっきより簡単だ。狸を見つけ出すんじゃなくて、美琴を見つけ出すのでも消去法でいける!」


ルカ「オマエら、知恵を貸せ! あと一歩、あと一歩で黒幕をぶん殴れるぞ!」


あさひ「……ルカさん」

あさひ「そうっすね、冬優子ちゃんならこんな時はすごい顔になって食らいつくっす。愛依ちゃんも、そんな冬優子ちゃんに信じてついていく」

あさひ「わたしも、負けたくない」

智代子「果穂と夏葉ちゃんに託されたんだもん」

智代子「私だって譲る気は全くないよ! 最後の最後まで……推して参ります!」


モノクマ「も〜! 諦めが悪かやね!」

モノクマ「でも、それでこそ283プロのアイドルばい! そのしつこさが、次世代のアイドルの輝きを産むとよ!」


私たちは再び立ち上がる。
受け継いだもの、築いたもの、導いたものを守り抜くために。
亡くしたもの、奪われたもの、積み重ねたものに報いるために。

横を見れば、壮観なツラが並ぶ。
学級裁判は私たちが票を入れるその瞬間まで終わらない。
どれだけ苦戦しようが、どれだけ時間がかかろうが、その結論が出るまでは諦めてやるものか。
もう認めるしかないかもな、その不恰好で暑苦しい生き方を。


智代子「でもどうしようか、情報は正直出尽くしてるような気もするし……」

透「エレクトボムもこれ以上はもうないよ」

あさひ「わたしも、知っていることは全部喋ったっす」

ルカ「クソ……何か、何か方法はないか……?!」






『ほ、方法なら……ないわけじゃ、ないですよ……!』

ルカ「……え?」






裁判場内に、声が響いた。
困窮する私たちにとって最高に都合のいい文言は福音のようで。
実際称するように、その福音は私たちの頭上から聞こえてきた。


エグイサル赤『なんつーか、方法自体は最初っからアタシたちの前にあったんだよ』

エグイサル緑『きゅ、急に何? 何を勝手な______』

エグイサル赤『でも、その方法は……ちょっとだけ、勇気が必要で……』

エグイサル赤『覚悟もめっちゃ必要だから、なかなか踏み切れなかったんだよね』


でも、それは福音なんかじゃなかった。
キンキンと耳から全身に突き抜ける、終末を告げる喇叭。
その音色は醜悪な不協和音で、そして、聴き慣れていた。


エグイサル赤『でも、今の透ちゃんの言葉を聞いて……心臓がトクンって……』

ルカ「お、おい……オマエ、何を言い出してんだよ……!!」

エグイサル赤『どうやら、私も腹を括ることができたようなんだ』

エグイサル赤『みなさまに……お別れを告げる覚悟……』

エグイサル赤『そして、みんなに全部を託す覚悟ができたんだよ!』

ルカ「おい、やめろ!! それ以上喋んじゃねーよ!!」

エグイサル赤『カーテンコールは必要ありません。これは一瞬で終わる、単純な幕引き』

ルカ「口を閉じろ、やめろ、やめてくれよ!!」



エグイサル赤『私が……この、赤いエグイサルに乗っているのが……っ!』








『緋田美琴だから』



ルカ「美琴______________!!」










_____音が戻ってきたのは、それから数十秒の後の事。






目も開けられない程の爆風に運ばれて、額や頬には細々した塵が何度もぶつかった。
有していた熱がチリチリと肌を焼き、思わず袖で顔を拭った。
次に袖を下ろしたとき、世界は様変わりしていた。
木っ端微塵というわけではなく、それなりの頑丈な作りで大きさもある。
内側からの衝撃を受けたとしても、その面影はそれなりに残る。
でも、それ故に痛々しさと虚しさは克明すぎるまでに型取られてしまう。

呆然と立ち尽くす私は、山火事が起きた後を見ている時のような、脱力感と煙たさを感じていた。


モノクマ「な、なんてことをしてくれたばい……?! こげんこつしてしもうたら、ルールが根底から崩れ去ってしまうとよ!」

あさひ「違うっすよ、美琴さんはルールに則った上で恋鐘ちゃんを倒そうとしたっす」

あさひ「恋鐘ちゃんの提示した、自分の名前を言えば即爆死のルールを、逆に利用した。それって何かに違反してるっすか?」

モノクマ「ぐぬぬぬ……」

智代子「だとしても……そんな……自分の命と引き換えだなんて……!!」

透「……最後に、聞いてくれたってことなのかな。私の言葉」


あまりに突然の出来事に、感情の行き場は分からなかった。
きっと、もっと悲嘆すべきなのだろうとは思う。

でも、頭の中に浮かんだ無数の疑問符がその感情をぼやけさせる。
真っ白な視界に真っ白な頭の中、空洞を覗き込んだような、頭から足先まで落下していくような感覚。
実際、私は膝から崩れ落ちていて、コンクリートの床の下、マントルより奥深くに強く引き寄せられていた。
なんとかその場に留まろうとして、証言台の手すりを下から上に掴む。
木を加工した梁は、すべすべとした感触がした。
そこに熱など、ない。


透「……ありがとうございます。雛菜の仇を……みんなの仇をこれでとれる」

智代子「……美琴さん、ごめんなさい。後でちゃんとしっかり、あなたの死に向き合います。でも今は、美琴さんが繋いでくれたこの命の灯火を絶やさないために……戦います」

あさひ「……これがいい方法だったのか、他にも方法があったのか、わたしにはわからないっす。でも、進むしかないっすから。今は、それだけっす」

モノクマ「こがん……こがん終わり方でうちが負けるなんて……」






「最高に絶望的ば〜〜〜〜〜い!!!」






それは嬌声に近しかった。
歓喜というのには複雑なものを内包しすぎていて、それでいて奥底にはドロドロとした血生臭さも混じる。
齢20程度で経験してきたものでは全てを推し量り兼ねる、そんな文脈の上に乗る声だった。
その声を発した人物は体操選手のように軽やかに降り立って、興奮で鼻息を荒げていた。
私たちの顔を一通り舐め回すようにすると、頰に手を当て今度は恍惚の表情。
よほど気に入ったのか知らないが、体をくねらせて飛び跳ねる。
その姿は私たちの見慣れたものとは、かけ離れて見えた。


智代子「緑のエグイサル……そこに恋鐘ちゃんはいたんだね」

恋鐘「そ〜! 二択で持ち堪えたときは凌げるかと思うとったとに、美琴の覚悟には腰ば抜かしてしまったと!」

恋鐘「まあ腰を抜かしとるのはうちだけじゃなかけど」

あさひ「……」

あさひ「ルカさん、いつまでもそうしてたってしょうがないっすよ。ちゃんと終わらせないと、美琴さんの死だって無駄になるっすよ」

(……あ?)

(……あいつ今、なんつった? 美琴が……)

(……………………………)

(いや、そんなわけねーって聞き間違いだよ、聞き間違い)

(美琴が死ぬわけ、死ぬわけ……死ぬ、わけ……)

(美琴が??? 死んだ???????????)


(美琴美琴美琴美琴美琴美琴????????? 死死死死死死死死死死死?????????????????)



智代子「……ダメだよ、今のルカちゃんに言葉は届かない」

あさひ「たとえそうでもわたしたちの勝ちは変わらないっすよ」

あさひ「わたし、透ちゃん、智代子ちゃんの3人で過半数っす。これで恋鐘ちゃんに投票すれば全部終わりっす」

恋鐘「……」


恋鐘「うん〜〜〜!! そうして〜〜〜!!」


智代子「……え?」

智代子「な、何を言ってるの……? この投票が決まれば、あなたは死んじゃうんだよ……? どうして、そんなに嬉しそうなの……?」

恋鐘「智代子こそ何を言うとるばい! うちという強大な壁を、味方の死を踏み台にして乗り越える! こげん美しかアイドルがどこにおるばい!」

恋鐘「うちは、うちの目指した理想のアイドルに大きく近づくことができたけんね!」

あさひ「話を聞くだけ無駄っすよ。だって恋鐘ちゃんはこのコロシアイを始めた人間っす。そんな相手に、言葉が通じるわけないっす」

恋鐘「もう、あんまりな言い方やね」

恋鐘「でも、あさひの言う通りばい。もう勝敗は決したけんね、ちゃんと終わらせて次のステップに進まんといけん!」

透「次のステップ? もう、これで終わりじゃん」


恋鐘「さ〜〜〜〜〜! そうと決まったら早速投票タイムば〜〜〜〜〜い!」



恋鐘「みんなが議論の結果導き出したクロは誰なのか! そしてその答えは正解なのか不正解なのか〜〜〜〜〜!」




恋鐘「さあ、どがんね〜〜〜?」



-------------------------------------------------


    【VOTE】
〔恋鐘〕〔恋鐘〕〔恋鐘〕

 CONGRATULATIONS!!!!

    パッパラー!!!


-------------------------------------------------






【学級裁判 閉廷!】






というわけで5章学級裁判、これにて完結です。
被害者、クロだけでなく裁判中にも仲間との別れが起きてしまいました。
ルカのメンタルの明日はどっちだ。

※終わった後に気づいたのですが完全にスキル【アンシーン・ダブルキャスト】を更新中忘れていましたね、すみません。

次回更新は7/3(日)21:00~を予定しています。
安価はありませんが、最後までご覧いただけますと幸いです。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いいたします。

最近リアタイできてないから読み返してたらなんかすごいことになってる……
どういう結末にたどり着くんだろう……
ところで学級裁判終わってるから今更な疑問なんですけど、集中力って上限12じゃなくて7じゃないんですか?
習得してるスキル効果の勘違いとかだったら申し訳ないんですけど、集中力っておみくじの+2しかされてないような気がします
もしかして他に集中力に関係してるスキルのジャンプスタッグが集中効果強化だけじゃなくて上限+もついてるとかなんですか?
それとも特定スキルの組み合わせで隠し効果が発揮されるとかそういう感じなんですか?

ふと思った疑問なんですけど、前作組だと甘奈甜花凛世あたりの一人称が自分の名前呼びの子って、
仮に今回の裁判に参加してたら一人称発言した瞬間に爆発するんですか?
流石にAIがいい感じに解釈してくれてこれは一人称だからセーフ!って判定になりますかね?


>>323
集中力に関しては完全にガバです
今初めて気づきました、すみません!
スキル管理全然できてなかった……

>>324
ご都合解釈AIくんなので流石に一人称では爆発しないですね……
一人称もダメだと殺意が高すぎる……






扉を開ける前から、部屋の外に床と靴が擦れる音が響いていた。






ああ、相変わらずだな。
こいつは私のことを待ってはくれないんだなとため息をつくが、その変わらなさにはそれなりの愛着もある。
むしろそれに期待すらして、私はドアノブを引く。

ラッチが穴ぼこから外れて音を立てるも、彼女はこちらに目もくれない。
多分本気で気づいていない。
自分自身を磨くと決めた時間には、ラジカセの音楽と靴の音以外は全てノイズになる。
彼女の耳には相当優秀なノイズキャンセラーがついているらしい。


「……ったく」


私はそれをいいことに、更衣室にも行かずにその場で着替えてみせる。
最悪見られても別に構わないし、自分自身その手間を厭う気持ちがあった。
そそくさにレッスン着に着替えると、私は彼女のそばに立った。


「おい、美琴。相方が来たぞ」
「……」


……返事はない。
息を荒げながら、鏡の中の自分にご執心。
同じ一枚に写り込んでいるはずなのに、私はよっぽど背景と同化しているらしい。


「はぁ……しょうがねえ、一曲終わるまで待つか」


こうなったからにはいくら言葉を投げかけても無駄。
私はその場に座り込んで、1分2分を待つことにした。


「……あれ、ルカ。来てたんだ。お疲れ様」
「お疲れ様……じゃねーよ、ちょっと前からいたわ」
「ごめんね、自主練に夢中だったから」


表情がそこまで豊かでない美琴の釈明は、謝意をそこまで感じない。
もうお互いにとって、『よくあること』の認知になっているが故に私もそこまで気にしているわけではないが。
罰悪そうに後頭部を掻く私の横で、汗で張り付いたシャツを剥がす美琴。


「それにしても、ルカ。どうして」
「どうしてもこうしてもねーって。美琴は待っちゃくれないから、私がこうやって追いかけるしかないんだろ?」
「……えっと」
「いい、いい。私が美琴の横に立ちたいってことだから。研究生時代からずっと一緒にやってんだ、今から取り残されるなんてダセーってだけの話だよ」


美琴は同期の中でもずば抜けていた。
歌、ダンス、ビジュアル。そのいずれも私よりも高水準だし、そこらのアイドル崩れと圧倒的に違うのがプロ意識。
一つ大きな仕事を終えたところで息抜きなんか求めない。


次、さらにその次。
次はもっと高く、もっと広い場所へ。
どこまでも緋田美琴という人間は満足することがなかった。
私は気がついた時には、美琴のその欲望に中てられていた。

美琴が最後の最後に目にする景色はどんなものなのか、同じ場所から見たいと思った。


「そう……それじゃあ、一言いいかな?」
「あ?」
「一曲目のフリ、いつも左足軸のターンになるとブレてる。体幹を意識してほしいな、右手がそれに振り回されてるから」


美琴はそれに悪びれもしない、改めようともしない。
パフォーマンスという括りになった途端に人が変わったように饒舌になる。
でも、美琴はそれでいい。
そうじゃなきゃ美琴じゃない。
私たちのことなんか、ただの舞台装置だと思って、自分のパフォーマンスを磨き上げるための道具として消費してくれればいい。


「お、おう……! わかった、意識する……!」
「うん、ありがとう」


それで少しばかり、笑顔を見せてくれれば私は満足だ。


「よし、それじゃあ早速合わせようか。そのために来てくれたんだよね?」
「ん、もちろん」


ラジカセにスイッチが入る。
私の中にも、電気を通わせる。
緋田美琴の隣に立つ人間になるのには、ただの斑鳩ルカじゃいられない。
私もずば抜けて、イカれた存在にならないと。


「1、2、3、4……」
「1、2、3、4……」


美琴の後を追う、それじゃダメ。
美琴の先を行かないと、美琴はすぐに私を置いて行ってしまう。
彼女には、最高のパフォーマンスという概念しか頭にないのだから。
ベタ踏みしたアクセルのほかに、ブレーキなど積まれていない。


「次、ターン」
「左、軸……!!」
「……そう、その感じ」


先ほど指摘されたばかりの傾向をなんとか修正。
美琴にも及第点をいただけた。
でも、胸を撫で下ろすような時間などない。
そうこうしている間に、美琴の思考は次へと移り変わる。



「……違う、1テンポ遅い」
「ん……!」


私の安堵に透けて出たのか、露骨にズレが生じた。
鏡に映る姿が、途端に美琴の影のようにぼやける。


「悪い、追いつく……!」
「……」


美琴は言葉を返さなかった。


「1、2、3、4……」
「1、2、3、4……」


言葉を交わすこともなく、ラジカセとシューズの音だけが響く空間。
時計の針の音は聞こえない。
時間の経過は、汗と疲労にかき消される。
幸か不幸か、私たちには時間がある。
空間を同じくするこの時間は、まだ堪能できる。


キュキュ……バターン!


脚がもつれでもしない限り。


「痛……ッ!」
「……転んじゃったね」


私が失敗した時、美琴はため息なんてつかない。
落胆などはなからしていないから。


「悪い……」
「今のところ、少し詰めすぎてるのかな。もう少し余裕を持ってペース取ろうか」


そんな時間があるのなら、今できるうちでも最良を。


「い、いや! 悪い、ちょっとミスっただけだから! すぐに出来るようになるって!」
「……その保証はないでしょ?」
「……ッ!」
「理想を追うよりも必要なこと、あるんじゃないかな」


美琴は選択肢をその場ですぐに切り替えられる虚しい果断さすら持っていた。


「……」
「……ルカ?」


二人ともでできない部分があれば、見苦しいから切り捨てる。
思うように伸び切らなかったから、ほかの芽ごと摘みとる。
私には、その剪定された鉢植えが何よりも惨くみえるのだ。


「もう一度、もう一度だけやらせてくれ。次はできる、ちゃんとやるから」


だから、できる限り枝切り鋏は持たせないようにした。
美琴の隣に立つ人間として、完璧であろうとした。


「……そう、わかった」






____私の10年間は、それが全てだ。





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CHAPTER 05

Killer×Miss-aiōn

裁判終了



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恋鐘「大正解〜〜〜! 雛菜の首ば刎ねて命奪ったクロはうち!」

恋鐘「そいでこのコロシアイを仕掛けた元凶もうち!」

恋鐘「月岡恋鐘ば〜〜〜〜〜い!」


月岡恋鐘はなおも明朗快活に宣言した。
口のする言葉の残虐さとは対照的なまでに朗らかな表情。
声も下手に取り繕ったような上擦り声ではなく、子供が公園で遊ぶ時のような無邪気なもの。
本当に、何も悪いとも思っていない。
心中に一点の迷いもないことがそれだけで見て取れた。


あさひ「恋鐘ちゃん、だったんっすね。全部、全部……」

智代子「なんでこんなこと……って聞いたところで、きっと私たちには理解もできないことしか返ってこないよね」

恋鐘「智代子は賢かね〜、うちも同意見ばい! 今生き残っとるめちゃくちゃ輝いとるアイドルのみんなは、心の底からコロシアイを憎み、恨み、嫌っとる! うちん心に共感ばしとったらそれは逆に目論みから外れてしまうことになるけんね!」



透「……ねえ、さっきも言ってたけど。それ、何」

透「輝き、とか。アイドル、とか。人の命と関係ないよね」


浅倉透は侮蔑にも近い視線を向けていた。
眉を顰め、口元を固く結んでいる。
かつての仲間に向けるには、あまりにも露骨な敵意。
市川雛菜を殺されたという事実が彼女に顔をしかめさせるには十分な理由すぎた。
しかし、一方の月岡恋鐘はそれを意に解するような素振りすらなく、身勝手な物言いを続ける。


恋鐘「人の命はあくまで踏み台やけんね。犠牲のもとで輝くのなら、うちはそれを厭わんだけ」

恋鐘「実際、今のみんなは輝いとるよ! うちが【あん時見たアイドル】にまた一歩、大きく近づいたばい!」

あさひ「あの時見た、アイドル……っすか?」

智代子「だ、誰のことを言ってるの……?」

恋鐘「んふふ〜〜〜、そこまで急かされたらうちがコロシアイば始めた動機を教えた方がよさそうやね!」


待ってましたと言わんばかりに指をパチンと鳴らす。


恋鐘「よかよか! 耳の穴ばかっぽじってよく聞かんね!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

実家の小料理屋の壁棚には、古ぼけたテレビが飾ってあった。

決まったチャンネルの番組をシャッターを上げてから下ろすまで延々と流し続ける置物。
土日の昼間には競馬中継を前に中年男性がたむろして、平日の夜は野球中継に酒を飲み交わす。
別にそれが嫌なわけじゃなかったけど、時間の流れが止まったような空間には息苦しさを感じていた。
高校も卒業して、この家を継いで、この停滞に飲まれていくと思うと、声を上げずにはいられないのだ。


どこかの会社の上司と部下の客が出て行った後だったと思う。

偉そうにふんぞりかえるくせに、皿の上には箸で爪弾きにしたカシューナッツ。
これを片付けるのかと思うと辟易する。


___ため息をつきながら皿を持ち上げた、その時。



ちょうど、テレビで懐かしのアイドル特集をやっていた。

今の自分とそう年齢も変わらないだろう少女たちが、華々しいステージでたくさんの人に囲まれて、手放しの賞賛をシャワーのように浴びている。
彼女が歌えば誰しもが耳を傾け、彼女が踊れば誰しもが拍手する。
アイドルでいること、は人間にとって一番の肯定を得られるものだろうと思った。

でも、別に彼女たちはただくじ運がよかったという話ではない。

専門的なことは分からない、でも彼女たちの笑顔や歌声に心が惹きつけられるのは確かにアイドルとしての実力なんだろう。
歌詞に託されるメッセージを、胸へと浸透させる歌い方。
私たちに夢と希望を与える仕事というのはあながち綺麗事でもない。
少なくとも、私が今この食べ残しを片付けるのに必要な分のエネルギーを得るには十分なだけのものがあった。

それからは、その時間が一週間の楽しみになった。
チャンネルを触ることは許されないが、それは逆にこの番組を視聴するのに制限もかからないということ。
決まった時間になると積極的にホールに出るようになり、合間合間でアイドルの観察を始めた。
時には歌を口ずさみ、時には軽やかなステップを真似て。
少しずつ生活の中のアイドルが占める割合も増えていった。




「目障りなんだよ」



でも、止まった秒針がそれを許さなかった。
酒がよほど回っていたのか、凝り固まった男は突然に声を荒げた。
鼻歌混じりに食器を片付けていたところに、突然の怒号。
思わず手を滑らせて皿を割ってしまった。


「もうガキじゃねえんだし、夢なんか見てんじゃねーよ」


男は、軽々しく夢を否定した。
私の抱いていたこれは、夢と言うほど大層なものではなかった。
埃被ったこの街から出て行きたい、という漠然とした願望にすぎない。

でも、それすらも許されなかったのである。
男はつらつらと罵声を並べた。
鼻歌は蠅の羽音と大差ない、見様見真似のステップは老人の健康運動。油と埃に塗れてビジュアルなど論じるまでもない。
人の悪意というものを真正面から浴びたのはこれが初めてだった。


「ははは、お客さんキツイですよ。うちの娘なんだし多めに見てやって」

父は、罵倒に正面から立ち向かおうとはしなかった。
夢をビリビリに引き裂こうとする言葉を否定すらせずに、苦笑いして誤魔化す。
父親とはそういうものだろうか。
ステレオタイプの押し付けになるのだろうけど、矢面に立って娘のことを守るのが父親なのではないだろうか。
途端に目の前の父の姿が、うっすらとぼやけて見えてくる。





「まあ今だけですよ、今に腹括ってここを継ぐんで」





何よりも酷かったのは父のその言葉。
私の意思の一切を問わず、無自覚に無遠慮に、私の体を硬らせた。
もうここから逃すことはないぞ、とばかりにその場に縛り付ける言葉が私の中で無限に反響する。
父と客との会話はもはや耳には入ってこない。
先の閉ざされた真っ暗な道だけが、私の前には横たわっていた。


その瞬間に悟ったのだ。


この場所に居続けてはならない。


私の肩には既に埃が積もり始めているし、今にも足の甲には釘が打たれようとしている。
ここから逃げ出すなら、もう今しかない。

私は考えるよりも先に駆け出していた。
乱雑に荷物をカバンに押し込んで、とにかく遠くへ逃げた。
テレビの中の世界を夢見て、東の方へ。
あの時に目を奪われた眩さに、少しでも近づきたくて。
その輝きに人生そのものを救われたくて。
夜灯に集う羽虫のように、光に引き寄せられていた。

でも、どこまでも羽虫と同じだった。
月光に吸い寄せられる羽虫と同じ、私が夢見ていた光は遥か遠く。
あまりの眩さに隅々まで届いていただけのこと、実像などどこにもありはしない。


両手で数えきれないだけのオーディションを受けた。
しかし、その悉くで向けられたのは好奇の視線。
わざわざ長崎から出てきたというのに、アイドルとしての技量で秀でたものは見出されず。
急に飛び出してきた人間で、後ろ盾も何もない。


「何しに来たの?」


苦笑混じりにそう言われたのも一度や二度ではない。
これもまだマシな方。
人格を否定するような言葉も何度もぶつけられた。
それは面接官だけでなく、隣に座る受験者にも。


「田舎臭さが染み付いてる」
「アイドルになろうなんて何様?」
「あなたは“ない”方の人間だということを自覚すべき」


私が夢見ていた桃源郷なんて、どこにもない。
テレビの中で歌い踊っていた彼女たちは、どす黒い地獄の上に立っている。
他の人間の不幸を踏み倒して、死屍累々の上に立つ。
それでようやっと輝きを得ることができるのだ。


そしてその認識は、芸能界に入ってからも変わることなく。
むしろより一層強まったとも言える。

身内のスキャンダルをバラして椅子を勝ち取るディレクター、
出演のために自分の恋人を抱かせることも厭わない芸人、
オーディションの最中に下剤を仕込むアイドル……

どこまでも救いなんてない。

それでも、私はその憧れを捨てきれなかった。

地の底のような田舎の料理屋で、人生を削りながら汚れていくばかりだった私の心をいとめたあのパフォーマンスは本物だったから。
その裏に何があろうとも、少なくとも私の見たパフォーマンスはそれが全てだったから。
夢と勇気と希望を彼女が与えてくれたのは間違いない。



地獄を踏み倒した上で与えてくれた僅かな力________



もし、もっともっと凄惨で、劣悪で、澱み切って、目も当てられないような、全てをもって否定したくなるような_____





そんな地獄からアイドルが生まれたら、そこに宿るものは私があの日見たものとは比べ物にならないだろう。






◆◇◆◇◆◇◆◇

月岡恋鐘の口から語られた、事の経緯と彼女の心境を前に私たちは非難の手を緩めてしまっていた。
今この場にいる人間の誰よりも、月岡恋鐘は人の営みの歪さを、誰しもが有する悪意を、夢の舞台の澱んだ地盤を知っていたからだ。

私だって苦労をしてこなかったわけじゃない。
義務教育もそこそこに早いうちから研究生として人生の多くの時間をアイドル活動に割いてきた。
大人たちのやりとりだって、他の子供に比べると早くに目にすることになる。
でも、それは芸能界での話であり、外の世界の悪意となると下手すれば普通に育った連中よりも耐性はないのかもしれない。
私のようなアイドルは、温室育ちだ。
美しく咲くことだけを求められるがゆえに、水も温度も陽の光も、管理された上で与えられる。

ただ、月岡恋鐘は元々そうではなかった。
私たちが豊かな土で育ったのなら、彼女はコンクリートの上。
舗装という名目で頭から押さえつけられる、抑圧の環境下でなんとか芽吹かせた。
不可能を可能にした彼女の持つ芯の強さは、確かなものだったろう。

でも、彼女は真っ直ぐに芽を出したわけではなかったのだ。


恋鐘「そがん時ばい、うちが『あの人』に話を聞いたんは」

あさひ「あの人……その人が、このコロシアイを企てたっすか?」

智代子「そ、それって誰のことなの……!?」

恋鐘「誰も何も、みんなよう知っとる人ばい! それに、そのヒントどころか答えまでうちは渡したはずやけど……」

透「……そうだね」

透「隠してたのに、勝手にバラしちゃうんだもん。やってくれるよね」

あさひ「それって、前回のコロシアイのことっすか?」

智代子「……!!」

恋鐘「さすがあさひ! よう分かったね! この島におらん、他のみんなが参加したコロシアイ、その首謀者とうちは仲間……同じ組織の人間なんよ!」



あさひ「天井社長……っすか」



恋鐘「そう! うちも社長も、チームダンガンロンパのメンバーやけんね!」


月岡恋鐘がポケットから自信満々に取り出したピンバッジには赤でレタリングされたDとRの2文字。
左右の白黒ツートンはモノクマを彷彿とさせるデザインで悪趣味だ。


智代子「チーム……ダンガンロンパ?」

あさひ「ダンガン、ロンパ……」

透「……ちょっと待ってそれって」


聞いたこともないような組織が飛び出してきて、反芻するしかない私たち。
説明を求めて手を伸ばしたが、月岡恋鐘はなぜかそこには極めて冷淡だった。


恋鐘「まあ、そん辺りのややこしか話はうちが死んだ後の真相究明編でやればよかとやけん、割愛するばい」

智代子「え、ええっ?! そんな勝手な……?!」

恋鐘「チームダンガンロンパはあくまで裏方、メインはコロシアイに参加しとるみんなやけんね。そこに割くべき尺も文量もなかよ」

あさひ「……もしかして、このコロシアイの黒幕って一人じゃないんっすか?」


月岡恋鐘の物言いはあさひの解釈を可能にした。
目の前の狸はチームダンガンロンパという母体に属する一構成員、こいつが死んでもこのコロシアイは続く。
だからこそこれほどまでに饒舌に、堂々と彼女はしゃべっているのか。
そう勘繰るのも無理はない。


恋鐘「う〜ん……そう言われると解答には困ってしまうとね……うちがここで死ぬことでこのコロシアイ自体には決着がつくのは間違いなかやけん」

あさひ「よくわかんないっす……チームダンガンロンパのことも教えてもらってないし……」

恋鐘「ま、うちが死んだら全部わかるけん、ちょっとの辛抱たい!」

智代子「そ、そんな明るく言い放つことじゃないよ……」

恋鐘「それよりうちは、みんなと話がしたか!」


極めて無邪気に、笑顔を振りまいた。
ほんの少し前屈みになって、小ぶりな二人にもその目線を合わせる。
母が子供の話を聞くように、優しく、そして無遠慮に彼女は解答を求めた。


恋鐘「こん島での暮らし……色んなことがあったばい。たくさんのもんを得て、たくさんのもんを失って、今みんなはどんな気持ちか聞かせて欲しか〜!」


それは、先の独白で語られた彼女自身の理想。
このコロシアイの中で、私たちは何を感じて、どう変化をしたのか。
それを死の間際になって、見極めようとしている。


恋鐘「あさひ! 愛依はあさひの大好きな果穂に殺されて、冬優子は一人突っ走って人の命を奪ってしまったけど、どがんね?」

あさひ「……」


恋鐘「智代子! 果穂も夏葉も、智代子に色んなもんを託して逝ってまったけど、なんか変わったことはあったばい? 変わらないものがあるから、変わっていける……そうやろ?」

智代子「……その言葉を、こんな形で言わないでよ……」


恋鐘「透……のパチモン! 自分のせいでみんなが色んなもんを失って、いよいよ信じてくれた雛菜もうちが殺した! どがん気持ちになっとーと?」

透「……樋口じゃないけどさ、言いたくなるよ。最悪って」


一人一人、触れてほしくないところを的確に刺激する。
傷跡を人差し指でほじくったような物言いに、苦々しい表情を浮かべざるを得ない面々。

それをみて、月岡恋鐘はまたご満悦。
証言台をフラフラと歩き回って顔を覗き込んだり、鼻歌を口ずさんだり。
決着がついたことで彼女のタガは完全に外れてしまったようだ。


恋鐘「……で、いつまでそうやってスライムやっとるつもりばい? ルカ、いい加減起きんね!」

(…………)


月岡恋鐘は私の背後で立ち止まった。
他の連中の投げたものとは違う、叱咤するような声量。
それでも私は反応を返さない。


恋鐘「美琴はどげん思いで自分の命を懸けてまで、ルカたちを守ったと思っとるん?! そんな風に、へしゃげてほしいって美琴が思いよっと?!」

(………………)


恋鐘「美琴もずっと苦しんどった……にちかの言葉に縋り続ける自分と、一緒に暮らしとる仲間と……そのぶつかり合いがしんどかったはずばい」

(……………………)


恋鐘「それでも、ルカたちの姿に胸を打たれて、最後にみんなにその命を託したばい! そげなことじゃいかんよルカ!」


異常な光景だった。
自分の相方の命を奪ったばかりの仇に、なぜか逆に励まされている。
自分の罪を棚に上げたその言葉は悉くが癪に触る。


しかし、苛立ちだけで立ち直れるほど私は単純じゃない。
私の中を埋め尽くす感情は、ちゃちな起爆剤じゃ吹き飛ばせない。


(………………)

恋鐘「……ルカにはガッカリばい、コロシアイが始まってから一番変わってきとったのに、こげんクライマックスで躓くなんて想定外ばい」

智代子「人の感情はそう簡単に割り切れるものじゃない……なのに、なんでそんなに酷い言い方ができるの……」

あさひ「……恋鐘ちゃん、このコロシアイの目的はそこなんすか? わたしたちが、コロシアイを経て成長することが目的なんっすか?」

恋鐘「大体は正解ばい。うちはこのコロシアイで、うちに夢ば見せてくれたあのアイドルと同じ輝きを持ったアイドルに出会いたかったとよ」

恋鐘「あと少し……あと少しで完成するはずだったとに……」


恋鐘「ま、うちん続きはまた別に引き継いでくれればよか!」


あさひ「……え?」

恋鐘「あんまり喋りすぎたら後の楽しみがなくなってしまうけんね! そろそろ区切りにせんといかん!」






恋鐘「ワックワクドッキドキのおしおきタイムば〜い!」






コロシアイの黒幕による、自分自身のおしおきの宣言。
それはあまりにも多くの重要性を帯びている。
コロシアイの終幕、私たちの勝利、仲間達の敵討ち、真実の迷宮化、そして


……かつての仲間との別離。


突然にそんなものが言い渡されて、黙って飲み込めるはずなどない。


智代子「ちょ、ちょっと待ってよ! まだ何も聞けてない……恋鐘ちゃんは黒幕で、このコロシアイを仕掛けたんでしょ?!」

智代子「だったら、どうしておしおきなんて……死ぬかどうかも自分次第でしょ、だったらちゃんと喋ってからにしてよ……!」

恋鐘「そげんこつ言われても……あんまりうちが喋っても助長とやろ?」

透「ジョチョー……死ぬのに早いも遅いもなくない?」

恋鐘「チッチッチッ……死もコロシアイ全体を作る上での材料の一つに過ぎんとよ。どんな食材も新鮮さが命! 人だって死ぬべき時に死なんと意味がなか!」

恋鐘「うちが散るべきタイミングは今! 今ここで死ぬことこそが、ひいてはコロシアイ全体を盛り立てることになるけん!」


月岡恋鐘は異常なまでの強情だった。
死ぬと決めたからにはその意志固く、他の連中の言葉には全く耳を貸していない。
それどころか自分にこれから先待ち受けている死をどこか楽しみにしているような、恍惚とした表情を浮かべているのが異様に不気味だった。
瞳が渦巻いて見えるような、狂気じみた態度。
こちらが勝者であちらが敗者という絶対的優位にありながらも、背筋を虫が這うのを止められないだけの嫌な気迫を滲ませた。


月岡恋鐘は証言台を離れ、元々モノクマの座っていた裁判長席へ。
他よりも高い位置に椅子のある台は、一通り全員の顔が見渡せた。
月岡恋鐘はわざとらしく咳払いを一つすると、朝礼でもするかのように声高々に辞世の句を綴った。


恋鐘「それより、次のステップにさっさと進まんといかん! 残った4人……いや、3人! みんなは新世代のアイドルになれるチケットを手にしとるばい!」


最後までこいつは、激励の言葉をかけた。
コロシアイといういつ終わりがやってくるともわからない場に無理やり連れ出したくせして、“今後”のことを語る。


恋鐘「うち、それに雛菜と美琴! 3人とのお別れを踏み台にすることでみんなはもっともっと輝けるはずた〜い!」


ただこいつはその倒錯に気づいていない。
気づく余地などない。
自分自身の計画を、理想を、憧憬を盲信している彼女からすれば“輝き”こそが絶対のものであり、そのための布石もまた間違いのないものなのだ。


恋鐘「みんな、うちん死を乗り越えてもっともっと輝いてほしか!」


だからそこにある言葉は、たくさんの人間の命を奪い、絶望を振り撒いた存在とは到底思い難いほどに……





恋鐘「みんなには希望に満ちた未来が待っとるけんね!」


綺麗なフレーズだけが並んでいた。




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CONGRATULATIONS‼︎

ツキオカさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



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いつの世も美女は時代を動かすもの。
古代エジプトのクレオパトラ、中国唐王朝の楊貴妃、そして平安のかぐや姫。
絶世の美女を前にすれば、男たちは首を垂れて宝物を貢ぐだけの存在となってしまう。

艶やかな袿に身を包んだ月岡さんの前にも、四人のモノクマが跪きます。
紫色の綿飴のようなものが付いたモノクマ、
メガネをかけたツインテールのモノクマ、
額に絆創膏を貼り付けたモノクマ、
美しいポニーテールの気高いモノクマ……

どれも城下に名の知れた名手ばかり。
そんなモノクマたちが求婚のために持ってきた貢物とは……?


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終わりの鐘が鳴っとるけん

超社会人級の絶望 月岡恋鐘処刑執行



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美しいポニーテールを靡かせて、最初の名手が差し出したのは真っ白で綺麗な鉢。
かの天竺に伝わるという仏の御鉢は高貴で光輝!
思わず月岡さんも手に取ってうっとり……

ですが当然本来この鉢は仏様に捧げるためのもの!
そんな罰当たりな真似をしてしまっては、天の怒りも買いますとも!
天罰を受けた月岡さんは雷をモロにその体に浴びてしまいました!


今度は絆創膏をつけた名手が綺麗な衣を取り出しました。
鮮やかな紅色は月岡さんの艶やかな佇まいにもよく映えますね。
早速月岡さんにも着てもらいましょう!

……え? なんですって!?
この衣は火で燃やしても汚れだけが焼け落ちて、衣は燃えないんですって!
それなら早速試してみるしかないですよね!
月岡さんごと燃やして検証してみましょう!


続いてメガネをかけたツインテールの名手が丁重に持ち出したのは荘厳な雰囲気ある珠。
月岡さんもこれには流石に畏まった様子で、両手で慎重に持ち上げます。
すると月岡さんの綺麗な心に反応したのか珠が光だし、天からは龍がその姿を表したではありませんか!

……なんだ、ただ通りかかっただけじゃないですか。
オゾン層を食い尽くしてお腹いっぱいになった一般通過老龍は月岡さんを気にも止めることなく適当に城ごと荒らして帰って行きました。


ボロボロになった月岡さん。
それでも紫色の綿飴をつけた名手は退きませんでした。
彼の思いは本物、ああ美しきかな恋心!
名手の心に応えるかのように、貢物の玉の枝は燦然と輝いています。

月岡さんもこれまでの捧げ物での苦労もあり、玉の枝に飛びつくようにして受け取ります。
金の枝に白い玉。根っこは銀色と来た。
やっと見つけた真実の宝、月岡さんも真実の相手に巡り合うことができました!






……と思ったんですが、この名手はどうやら悪戯好きだったご様子。
貢物にしていた玉の枝にはたっぷりと栄養剤を吸わせていたみたいです。
急成長した玉の枝はそのまま月岡さんの全身のあちこちを貫いてしまいました。

感電し、丸焼きにされ、踏み荒らされ、しまいには雑巾みたいにズタズタにされてしまった月岡さん。
一度はかぐや姫の名を恣にした彼女もこうなってしまえばかたなしです。

彼女が突き刺さったままの玉の枝の木には、燕が巣を作り、たくさんの子を成したとか成さなかったとか……


------------------------------------------------

「…………」


月岡恋鐘の死。
それはこのコロシアイの黒幕の死を意味し、文字通りコロシアイ南国生活の終焉を意味する。
そんなフィナーレの大舞台は、これまで以上に血に塗れて、これまで以上に陰惨な光景で思わず私たちは言葉を失ってしまっていた。


「…………」


仲間たちの命を奪ったこと、積み重ねた時間を嘲笑ったこと、恨みをぶつけるだけの理由は山ほどあった。
それでも、直情的にその言葉を発するのはどうしても躊躇われてしまう。
本性を知る前の、共に食卓を囲んだ時間、間抜けな会話に笑い転げた時間、ステージの上で視線を向け合った時間……そういう時間と共に息づく彼女の表情。
要因は挙げていれば時間がいくらあっても足りない。


「…………」


人間は愚かな生き物だ。
どれほどひどく裏切られようとも、そこにあった信頼を一方的にゼロにすることなど出来はしない。
何度も足元を掬われることになるというのに、それでも懲りないのだ。



智代子「最後まで……恋鐘ちゃんのこと、わからないままだったね」

智代子「コロシアイを始めた理由は、教えてくれたけど……こんなの私たちの知りたかった答えじゃないよ……」

あさひ「それに、大事なことは隠したままっす。恋鐘ちゃんと天井社長のバックにいるチームダンガンロンパ。これが分からないんじゃ、何も解決してないっす」

透「その組織自体は、聞いたことある」

智代子「え、本当に……?!」

透「一応、ね。詳しいことは知らないけど、前回のコロシアイ……どころかこれまでにも何度もコロシアイを仕掛けてきたんだって」

あさひ「コロシアイって……今回と前回だけじゃないんっすか?」

透「……みたい。それを裏で取り仕切っているのがチームダンガンロンパ、とか」

智代子「そ、そんなの……聞いたこともないよ……」


月岡恋鐘が残したのは悔恨と謎。
コロシアイは閉幕の形をとるものの、その蟠りがある限り彼女たちの不安がなくなることもない。
身に危険が差し迫るでもないのに、理由なく彼女たちの体は震えていた。


あさひ「……ひとまず地上に戻ってみないことにはどうしようもないっすね。ここにいてもしょうがないっすよ」

智代子「そうだよね……コロシアイが終わっても、すぐに解放されるわけじゃないんだし……」

透「……おーい、そろそろ行くってー」


一方で、体を震わせることはなくむしろその対極とも言える静の反応を示すのが……私だ。
力の抜け切った体は月岡恋鐘の全てを見届けた後でも変わることがなく。
何も掴むことのできなかった掌を、ただ無気力に見つめていた。


智代子「……私たちは、色んなものを失いすぎちゃったね。今までもそうだし、この裁判でも」

あさひ「……でも、だからって立ち止まってちゃダメっすよ。ルカさんが最初の裁判の後で言ってたことじゃないっすか」

「…………」


何の言葉も返す気になれない。
呼吸をすることも煩わしい。

もう、私からすれば……地上に出ることなんてどうでもいい。
この島から出たとて、何をすればいい?
美琴のいない世界で、アイドルを続けて、何になる?



私の人生は、どこにある?



答えのない、答えを生み出す気すらない疑問をいくつも浮かべて瞳を閉じる。






……始まったのは、そんな時。


モノミ「コード:サクリファイスの入力を確認! コロシアイ南国生活はフェーズファイナルに移行しまちゅ!」





けたたましいブザー音と共に、さっきまで黙りこくっていたモノミが突然に騒ぎ出す。
だが、これまでのモノミとはまるで違う。
悪戯に定型文を吐き出しているような無機質で起伏のない言葉、そこにある意味もまるで汲み取れない。


あさひ「な、何っすか?! 急にモノミからブザー音が聞こえ出したっす!」

モノミ「ワールドを再生成! オブジェクト配列を最適化していまちゅ!」

智代子「な、何が起きてるのこれ……透ちゃん?!」

透「え、うち?」

智代子「だ、だって透ちゃんは私たちをこの島に連れてきた組織の一人なんだよね? モノミと一緒に……」

透「あー……」




透「いや、モノミは仲間でも何でもないんだけど」





智代子「え……?」

透「元々の計画ではガイド役は私だけ。モノミ……ウサミは、てっきり別プログラムで組み込まれたのかと思ってたけど」

透「最初の事件の前、確認したら違うってさ」

智代子「な、なんでそんな大事なこと今まで教えてくれなかったの……?!」

透「え、あー……ごめん」

智代子「ごめんじゃないよ?!」


モノミ「Mob:モノクマの消滅を確認! 権限をMob:モノミに譲渡していまちゅ!」


智代子「え……そ、それじゃあモノミって何者なの……?! モノクマと恋鐘ちゃんが、透ちゃんの元々の計画を乗っ取ったんだよね……?」

あさひ「その二人が死んだ瞬間にこうなったってことは……もしかして、モノミって」






あさひ「恋鐘ちゃんとモノクマのスペア、なんっすか……?」





モノミ「アバターを再構築していまちゅ! スポーン地点をHotelに設定しまちた!」

智代子「す、スペア?! それってどういう意味?!」

あさひ「二人がなんらかの理由……それこそ今回みたいに、おしおきを受けてゲームから離脱した時みたいに、コロシアイの運営ができなくなった時に引き継いで代わりに進行する役割とかっす」

あさひ「恋鐘ちゃんもおしおきを受ける直前に、そんなことを言ってたっすよね?」

透「それじゃあ、コロシアイは終わらないってこと?」

智代子「そ、そんな……」


モノミ「一分後に再起動しまちゅ……起動中のアプリケーションを終了してくだちゃい……」


あさひ「いや、むしろそれだけじゃ終わらないかもしれないっす。なんだか、胸の辺りがザワザワするんっすよ」

あさひ「わたしたちがこれまでに経験してきたどれとも違う、何かもっと大きくて、恐ろしいものがやってくるような……そんな感じがするっす」

智代子「ど、どど……どうなっちゃうの……?」

透「なんか、モノミ光ってない?」

智代子「え、爆発?! 爆発しちゃうの?!」

あさひ「……そんなもので済まないと思うっす」


モノミ「準備が完了しまちた! プログラム:卒業試験を開始いたしまちゅ!」


モノミのシステムメッセージじみた宣誓とともに、その体から凄まじい閃光が突き抜けた。
裁判場の天井を光が突き破り、地面は揺れ、私たちはその場に転がり落ち、壁は剥がれ、床は崩れ、






_______そして、世界が終わった。





-------------------------------------------------



CH■PT■■ 05

Kill■r×Mis■ai■■

■ND

谿九j生■者■ ■人

To ■e c■■tin■ed…



-------------------------------------------------



【CHAPTER 05をクリアしました!】

【クリア報酬としてモノクマメダル140枚を手に入れました!】

【アイテム:油に塗れたエプロンを手に入れた!】
〔上京する前に使っていたエプロン。父親のくすんだ瞳が誉れだと称したその汚れは、彼女にとっては奴隷の焼印と何ら相違ない〕


という訳でいよいよ五章も完結です。
恋鐘を黒幕に据えるのはなかなか思い切ったんですが、底なしの明るさを持つ彼女が絶望に振り切れた自己解釈を真正面から注げたので楽しかったです。
過去の回想も恋鐘弁でやろうかと思ったんですが、途中まで書いてなんのこっちゃ自分でも分からなくなったので辞めました。

さて、この後はいよいよ物語も終結に向けて本格的なクライマックスです。
すべてのお話をまとめるうえで文量も多くなるため、これまで以上にお待たせすることにはなると思います。
どうか本シリーズの完結を最後まで温かい目で見守っていただけると幸いです。

それではお疲れさまでした、また次の章でお会いしましょう。


おお、宣伝の動画を視聴してくださった方がいる……ありがとうございます
企画の方ですが、おっしゃられてる通り前シリーズの灯織主人公の方のお話ですね。
現行のシリーズは実況などの予定はまだ特にないです。
実況企画はまだ完全な形として仕上がってるわけではないので具体的にどうとは言えないんですが、
テキストデータを打ち出して別な形で参加者で一緒に読んでいくと言う放送になりそうです。
基本はまだお話を読んでいない人が集まってるので、話の展開を知ったうえで初見の反応を楽しむ感じで。

興味がある方は動向に注目していただければ。

せっかく書き込むのでついでに6章の進捗について。
すみません、まだまだお待ちいただくと思います。
4→5章は早いとこ用意できたんですが、6章はまだまだお話の流れも決めきれていなくて。
なんとか完結はさせるつもりなので、どうか温かい目で見守ってください……

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≪island life:day 25≫
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【ルカのコテージ】

一晩経ったが、まだナイフで裂けた傷は塞がらない。
寝起き早々に手が真っ赤に染まっていて言葉を失った。
自分でやったことではあるものの、傷としては残りそうだし、少し憂鬱になる。
顔を洗おうにも両の手で水を掬ったりはしづらいし、物を握るのも痛みが伴う状態。
どうしたものかと首をもたげた。


「……まあ、あいつはそれどころじゃないんだろうけど」


市川雛菜のことを思うと、そんな嘆きもしょうもなくかんじられる。
私は一時的でも、あいつは一生。
ずっとずっと不便がつきまとう。
それだけでなく、安息を不意に奪うような痛みも不定期に現れる。
この先数十年の人生に落とした影は、思う以上に濃い。


「……それでも、あいつはきっと笑顔なんだろうな」


レストランで待ち受けているだろう顔を想像しても、曇っているものは考え付かなかった。

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【ホテル レストラン】

恋鐘「おはようルカ~~~!」

智代子「おはようルカちゃん!」

ルカ「よう……」


出迎えた二人にも、その表情に曇りはない。
むしろうざったいくらいの声量で、こちらの表情が曇るくらいだ。


恋鐘「今日は何でか知らんけど、厨房の冷蔵庫は使えんくなっとったばい……故障ばしとるとやろか?」

智代子「えっ……それじゃあ今日の朝ごはんは……」

恋鐘「ばってん、うちに妥協はなか! 冷蔵庫の食材は使えんくても、他のもんで何とでもなるけん! 新鮮なフルーツでとっておきの朝ごはんを用意しておいたばい!」

智代子「いよっ! その言葉を待っていた~!」

ルカ「……相変わらずオマエらは能天気だな」


連中はすっかり市川雛菜のペースに飲まれてしまったらしい。
昨日は後遺症やら襲撃やらでとても笑顔なんて余裕がなかったというのに、今ではすっかり元の調子。
体中の力が抜ける、間の抜けた食卓が帰ってきていた。


恋鐘「ほら、ルカもた〜んと食べんね! 料理は食べられてこそばい!」


相変わらず問答無用で朝食を皿に盛り付ける長崎女。


智代子「ルカちゃん、そのベーコンエッグ……要らないなら助太刀致しますぞ」


やたら仰々しい口調で余り物にありつこうと集ってくる甘党女。


雛菜「次はヨーグルトが食べたいかな〜」

透「ウィウィ、ちょっと待って。箸だとなかなかむずいから」

雛菜「透ちゃん、スプーン使わないの〜?」

透「あー……あったんだ」


ギャグ漫画でもないようなやり取りでこちらの頭を痛くするノクチルの二人組。

レストランの卓には、私が苦手で苦手で仕方ない、それでも無いなら無いで違和感を覚える喧しさがあった。




……一部分を失した形で。





智代子「……あれ、そういえばルカちゃん」

ルカ「あ? どうしたよ」

智代子「あさひちゃん、今日は一緒じゃないんだね」

ルカ「あさひ……?」


今朝の私は完全に抜けていた。
傷ついた自分の体を慰めるのに夢中だったのか、
荒れ果てたかつての相方を見て傷心を引き受けたからか、
悲運を悲運と見ない滑稽とすら感じる開き直りに感化されたからか、
この日ばかりの私は、かつての鋭さの全てを失った形でここに座っていた。
絶対に見落としてはいけないものに、視界の外にいることを許可してしまった。


ルカ「だ、大丈夫だろ……すぐに来るって」

智代子「……行ってあげて、ルカちゃん。不安な気持ちを隠す必要なんかないよ!」

ルカ「……誰が」

恋鐘「素直にならんね、もううちらん前でカッコつける必要なんかなか!」

ルカ「……チッ!」


なぜ手綱を離してしまったのだろう。
散々冬優子から聞かされていた『神出鬼没』、行動の予測がまるでつかない芹沢あさひという存在。
誰よりも彼女の理解者たる冬優子ですら、匙を投げていた。
それにこの島のルールという危険因子が絡んでいる今、ほんのわずかな間の所在なさですら私たちの血の気を引かせるには十分すぎた。

音を立てて引いた椅子、その足を蹴飛ばすようにして入り口へ。
もつれかける足取りも他所に、ドアノブに手をかけた。
そこで思いっきり引けば、あの嫌味ったらしい快晴の太陽が私たちを見下ろしている。




_____そのはずだった。



「……え?」





美琴「……」



ルカ「み、美琴……?!」

透「……」

雛菜「へ〜〜〜?」


俄に緊張が走る。
浅倉透は恐怖と怒りをないまぜにし、奥歯で感情をすり潰す。
市川雛菜は困惑が一番先に出ているだろうか。
自分の右手を奪った犯人が突然に目の前に現れたことに、行動の選択に手間取る。


恋鐘「透、雛菜! うちらの後ろに下がらんね! 大丈夫……うちらがおれば手出しはさせんけん!」


月岡恋鐘が前に出て美琴の視線を遮った。
だが、美琴はそれを邪魔そうにするでもなく、前に割って出ようとすることもなく静かに視線を落としていた。


ルカ「……待て、オマエら。そうじゃねえみたいだ」


これまでずっと美琴を観測し続けた私には分かった。
狂乱の限り、凶行に走ったあの頃とは違う。
今の美琴は、空っぽだ。
憑き物がとれた、なんて表現があるがそれとはまた違う。

もっと他の表現。根幹から失われてしまった、抜け落ちてしまったという言葉の方が正しいのかもしれない。
美琴に取り憑いていた七草にちかの亡霊が、美琴の中の"もの"ごとにどこかに行ってしまったような。
そんな空虚さを感じてしまう。


ルカ「……」


美琴の前に私が立ったことで、他の連中は黙り込んだ。
色々と察して、私と美琴に時間をくれるようだ。


美琴「……」


美琴「……」



美琴「……ルカ、その手」



口を閉ざしていると、沈黙に耐えかねたのか美琴が口を開いた。
落とした視線の先にある私の手を話題に持ち出した。


ルカ「……私より先があんだろ。安易な逃げ道に走るな」

美琴「……っ」


でも、それを咎めた。
私も美琴も、強くはない人間だ。
大事な決断に目を向ける勇気がないから、もっと別なものに依存してお茶を濁す。
その結果時間ばかりがすぎていき、気がつくと全てが手遅れ。
そんな後悔は、もうしたくない。


美琴「……えっと……その」

美琴「……」

ルカ「美琴!」

美琴「……そう、だよね」


並ならぬ私の様子に流石に腹を括ったのか美琴は私の横を通り過ぎて、卓に近づいた。
きっとこのレストランに来た時からそのつもりではあったんだろう。
それ以外に浮かんでいた選択肢を殺した。
私がしたのは、それだけのこと。


美琴「…………雛菜、ちゃん」

雛菜「……」


市川雛菜はいつもの喧しい声を潜めて、美琴の顔を見つめる。
つい数日前の仇だというのに、全く肝が据わっている。


美琴「その、右手……は……」

雛菜「見ての通りですよ〜? あなたが刺した傷のおかげで、一生動かないです〜」

美琴「……え」

雛菜「それに、放っておいたらすっごく痛むんですよね〜。お薬が手放せない感じです〜」

美琴「……くす、り」


市川雛菜の言葉ひとつひとつが美琴の胸を刺す。
心臓を締め上げるその鎖は罪悪感という名前がついていた。
自覚するに遅すぎた感情、ずっと麻酔を効かせていただけの神経が眠りから覚める時。
美琴は身をよじろうにもよじれぬ苦しみに悶えていた。


雛菜「利き手じゃない方だったら、まだよかったんですけどね〜。雛菜これじゃマイクも握れませんよ〜」


美琴にとっては、きっとこの言葉が一番重たかった。
アイドルという戦場にずっとその身を置いていたから、武器を失うことの恐ろしさは一番彼女が自覚している。
この世界では、常に銃弾が飛び交う。
武装もしていない人間が飛び出してしまえば、すぐにそいつはお終いだ。
市川雛菜に待ち受けているのは、確定の惨死。
それをもたらしたのは、他ならぬ美琴。


美琴「……雛菜ちゃんは、私のせいでステージに立てない」


そんなもの、覚悟していたつもりだった。
浅倉透を殺すと決めたその日から、邪魔をする人間も排除するつもりだった。
あの日の晩に起きたことだって、ある程度は織り込み済みだったはず。
私に遮られてもなお止まらずに、浅倉透の喉元を掻っ切るつもりだった。


美琴「私が、殺した」


ハリボテの覚悟だった。
肉を裂き、血を浴び、苦痛を与え、引き受ける感覚。
人生でそんなもの一度も味わったこともないのに、乗り越えられると盲信していた。
自分は強い人間だと、とっくに麻痺しきった人間だと、陶酔していた。
それが虚勢だということも気付かずに。


美琴「……ごめんなさい、雛菜ちゃん」


言葉は他になかった。
相手から全てを取り上げた、そのことに釈明など許されるはずもない。
奪った側にできるのは全てを悔やむ、謝罪ただ一つのみ。
その結論に至りながらも、稚拙な言葉でしか謝罪を表明できないのが歯痒かった。


雛菜「……」


謝罪を受けた市川雛菜は、黙って美琴のことを見つめる。
今の美琴の裏側にあるもの、瞳の奥のその先を見据え、観測していた。
視線を直に浴びて、美琴もまごつく。


美琴「ごめんなさい……どうやってあなたに謝ればいいのか、私にはわからないの」

雛菜「……」

美琴「私のやったことは、取り返しのつかないことだから」

雛菜「……」

雛菜「そんなわかりきったこと、繰り返さなくていいですよ〜?」

美琴「……っ」

雛菜「それに、謝り方に正解とかないですよね〜? 雛菜の失った右手、それにこの右手で掴むはずだったものに見合うだけの謝罪なんて雛菜もわかんないですし」

美琴「そう、だよね……」






雛菜「だからその先の話を教えてくれます〜?」






市川雛菜は強欲な女だ。
自分のやりたいようにやって、自分の好きなことに声高に好きだと宣言する。
それでいてあさひと大きく違うのが、こいつは何もガキの我儘ばかりではないということ。
一本に通った太く根強い芯が、世界と社会とを俯瞰的に捉えている。
自分というブレないものがあるからこそ、懐疑的に固定概念を打ち破って、他の人間では踏み入れない領域に先駆することができる。
責任とか柵みとかそういった従わざるを得ないものに、彼女は屈しない。
感情というものを先に置いて結論が出せる。


雛菜「雛菜がアイドルとして終わった、その先の話をしませんか〜?」

雛菜「あなたは奪ったものの代わりに、雛菜に何をくれるんですか〜?」

美琴「私から、あなたに……?」

雛菜「……? 雛菜、何か変なこと言ってますか〜?」

美琴「……ううん、そうだよね。穴埋め……補填させてもらわなきゃね」


ある種一番残酷な仕打ちかもしれない。
自分の犯した罪をこれから先ずっと間近で見る上に、搾取をされ続ける。
市川雛菜が言うことに、もう美琴は拒否権すらないかもしれない。
ただ、それは美琴の感じている罪悪感と釣り合うだけの贖罪として飲み下すことができた。
美琴にとっては、苦しみ続けられる道を示してもらえたことに感謝すらしていただろう。


ルカ「……オマエんとこの、相変わらずだな」

透「うん、雛菜って感じ」

ルカ「……オマエは、それでいいのか?」

透「いいよ、雛菜が決めたことだし」


そんな二人の歩み寄りを、傍観者かつ保護者である私たちは並んで見届けていた。
市川雛菜の言葉に繰り返し頷くようにしていた浅倉透。
自分に殺意を向け続けた人間に課せられた贖罪に、ある程度納得はできたらしい。


透「言ったじゃん、信じてほしい。私はみんなの味方だって」

透「美琴さんも。283プロの一人でしょ」

ルカ「……へいへい」


ことの次第を黙って見届けていた、外野二人。
途中から視線の端で妙にソワソワしているのが目についていた。
市川雛菜から赦しが出たその時から、こいつらの間抜け面が戻ってきていた。


智代子「……美琴さんがしたことは、取り返しが効かないし、ずっと向き合っていかなくちゃいけないことなんだよね」

智代子「でも、こうして美琴さんは一歩を踏み出してくれたわけだし……あの言葉をかけてあげてもいいんじゃないのかな」

恋鐘「智代子! 多分うちとおんなじこと考えとる〜!」

智代子「きっと、そう! ずっと前から……私、この一言が言いたかったんだもん! やっと心から言えるタイミングが来たんだね!?」

恋鐘「よ〜し、それじゃあ張り切って……」





「「おかえり〜〜〜〜〜!!」」




二人に連れられて、美琴は空席に座らされる。
さっきの今で美琴の表情はまだ硬い。
困惑して口だけをぱくぱくとさせているのが美琴らしくなくて、私は思わず吹き出した。


恋鐘「美琴、一人でおる時まともにご飯なんか食べとらんやろ〜? 席に着いたからにはもう逃さんよ! お腹いっぱいになるまで食べさせるから覚悟するばい!」

美琴「え、えっと……」

智代子「デザートも付いてますし、とことん付き合ってもらっちゃいますよ! 美琴さんのお口に合いそうなもの、たくさん見つけておきましたから!」

美琴「そんなに食べられない……」

ルカ「……ハッ」


あの頃と全く違うのは、帰る場所の有無。
私と組んでいた時は、美琴にはステージの他に居つくべきところは何もなく、そのためにすべてを捧げていたし、横に立つ私にもそれを強いていた。
あれから何年もの時が経ち、美琴には自分を待ってくれる人ができた。
真横に立つパートナーに限った話じゃない、お節介で喧しい年下連中。
仕事を管理している、うちのよりよっぽど優秀らしいプロデューサー。

そして、そんな連中の集う“家”のような事務所。
たとえ道中で何かを失おうとも、自分の身体を傷つけてしまっても。
最後に縋れる存在ができた、それだけで心持はだいぶん変わるはずだ。


ルカ「……美琴」


私はその“家”の住人ではない。
だから、その輪に入っていく権利もない。


恋鐘「なんねルカ! そがんところでつっ立っとらんではよ席につかんね!」


でも、許可は下りている。
というよりも、無理やりに押し付けられた。

離れよう、近づくまいとしていたのに、私の袖をつかんでぐいと引っ張るものが何人もいた。


ルカ「……ハッ」


あの頃にも、こんな場所があったなら……なんて、私らしくもない。



恋鐘「さ、これで今度こそ全員が一つに結束できたばい! もううちらに恐れるものなんかな~~~~~~~~んもなかね!」

智代子「うん! 夏葉ちゃんと冬優子ちゃんにも、誓ったんだもん……ここから先、事件なんて起きない。起こさせない。残ったみんなと一緒に島を出ていくって!」

美琴「……あなたの分のオールも、私が漕ぐから」

雛菜「やは~! 楽ち~ん!」

恋鐘「ひとまずはみんなで同じご飯食べて、絆を確かめ合うことが重要やけんね!」

ルカ「……くっせぇセリフ」

恋鐘「ルカ、照れんでよかよ~」

ルカ「呆れてんだ」


改めて全員が椅子に腰かけ、お互いの顔を見る。
卓を囲む六人、この食事に行きつくまで随分と時間がかかった。
ノクチルの二人と美琴が一緒に食事なんて、つい数日前までは考えられなかった。
この島ではイレギュラーばかりが起きる。
明日の事なんて、想像するだけ無駄だというのがよくわかるな。


信じがたい日常の再来、食事に手をつけようとしたその時だった。


美琴「……ねえ」

ルカ「……あ?」


私の隣に座る美琴が、囁くような声で尋ねた。


美琴「そういえばルカ……さっきは何をしようとしていたの? レストランを出て行こうとしていたみたいだけど」


私はいつの間にかすっかり忘れてしまっていた。
元々私が動き出したのは、あいつをレストランに連れ出すため。
これまでの美琴とはまた違った意味合いで行動を把握できず、目を離しているうちに何をしでかすかわからない存在。


____芹沢あさひを、椅子につかせねばならなかったはずだ。


ルカ「先始めとけ、すぐに連れてくるから!」

美琴「え……うん」

恋鐘「大丈夫、みんな揃うまでいただきますはお預けにしとくば~い!」

智代子「えっ……も、もちろん! 食べないから、食べないよ!? ほんとに!」


巡りあわせと言うのは不思議なものだ。
人と人との交流だけで完結すればまだいいが、時の流れや周囲の環境の変化など様々な要因が相互に影響しあって、プラスにもマイナスにも結果を押し流す。
私たちにとって、美琴が帰ってきたという事実は……どちらに働いたのだろうか?

今となっては、その答えは分からない。

ただ一つ確かなのは、美琴が市川雛菜のもとに来たことによって



美琴も事件に巻き込まれてしまうことになった、ということ。



「……え?」

改めてレストランの扉を開けると、またそこには一人の人間が立っていた。
美琴の時とは違う、そいつの顔は私がすこし見下ろすくらいの位置。
太陽の光に照らされて、銀にもベージュにも喩えられよう髪色をもった少女。



ガスマスクの向こう側、ガラス玉のような碧い瞳は、私のことを見上げていた。


お久しぶりです。
長らくお待たせしております……
最終章はまだ完成していないのですが、進捗報告を兼ねて少しだけ更新させていただきました。

今回の更新分は5章の没展開です。
元々はこの展開で書いていたのですが、あまりにも美琴が救われすぎるのでガッツリカットして今の展開になりました。

さて、肝心の最終章ですが大体5割ぐらいの進捗でしょうか。
夏はバタバタしていたこともあり中々書く時間が作れず、だいぶ滞ってしまっていました。
10月のムゲンビートまでに終わらせられたら……とは思っているのですが、確実なことは何も言えません。すみません。

しっかりと完結まではお話を書き上げるつもりですので、どうかお待ちいただけましたら幸いです。
それではまた、本編更新時にお会いしましょう……

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GAME OVER

イチカワさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



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いらっしゃいませ!

キュートなふわふわ、二面相!
ゆる~くあなたの心に幸せを!
夢と憩いのイエロー空間・ユアクマカフェにようこそ~!

店内一帯を埋め尽くすユアクマを模したデコレーション。
机の一つ一つにもユアクマが同席しているので、森の中でピクニックをしているような気分!
こんな空間に来ることはできて、市川さんもさぞお喜びなことでしょう!

……あれ?
店内のどこにも市川さんの姿がないですね?

おっと……そうでしたそうでした!
市川さんは今、店員さんの一日体験中!
今日は給仕される側ではなく、給仕する側!
従業員一同一丸となって、夢の空間を作り上げましょうね!


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あおぞらジェノサイダー

超高校級の帰宅部 市川雛菜処刑執行



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コンセプトカフェとは言えど、言ってしまえば飲食店!
机をあっちこっち回って配膳していただきます!

フワフワのユアクマパンケーキ、
とろける甘さのユアクマサンデー、
シュワシュワパチパチのユアクマサイダー!

どれも目移りしてしまいますね!
でも今は我慢! 食べたいのならまた別日にお客さんとしてやってきましょうね!

ユアクマの可愛さに加えて市川さんの愛嬌も相まってお店は大盛況!
行列ができて客足は全く途絶えることもありません!
厨房も回転が追いつかなくなってきたので市川さんにヘルプの声が。
市川さんも急いで料理を作っていきます。

市川さんの担当は『お連れ様でも大満足! とびきりユアクマハンバーグ』!
どうしてもこういう女性向けのカフェではおつきあいでやってきた殿方もいらっしゃいます。
そうした客層もカバーするあたり、ユアクマも手堅いですね!

一心不乱にお肉をこねこね。
市川さんのお手製ともなると更に注文が飛んできます。

厨房の中は従業員が行ったり来たり!
足の踏み場もないほどの空間でほとんど押し合いへし合い状態!


……そんな中、鈍臭い従業員が一人。
あまりに鈍臭すぎるので皿洗いしか任されていないアルバイトのモノクマくん。
サイダーで濡れてしまっていた床で、彼が足を滑らせてしまいました。

転倒した勢いで、近くで料理をしていた市川さんに激突!


へ~~~~~?!


その目の前には……ハンバーグの下地となるミンチ肉を作るためのマシーンが。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


お待たせいたしました!
こちらご注文のとびきりユアクマハンバーグになります!
お熱くなっておりますので鉄板の方は触らないようにお願いします!
お好みで付け合わせのイエローソースと共にお楽しみください!

……え?
こんなカフェでこんなにガッツリ食べられると思わなかった?

あはは、ユアクマちゃんも本性は“熊”ってことですよ!

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GAMEOVER

アケタさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



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_______奈落。


見上げる場所、始める場所。
ここを上がった時のために、全てがある。

出番を待つこの瞬間に、胸を押さえて、呼吸を整える。
いつだってこの時の昂りと緊張を忘れることはない。
隙間のない拳をさらに握り込んで爪を立てる。

さあ、ステージを始めよう。
向けられる無数の視線とステージライトを見に纏い、その指先までを武器に変えて。
絶対に忘れられないその刹那を、無限のひと時に帰るために。


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(DROP) POP OUT

超社会人級のダンサー 緋田美琴処刑執行



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奈落が競り上がり、緋田さんはステージの上へ。
ドーム会場ではあちらこちらで数えきれないほどのペンライトが振られています。

でも、緋田さんはそんなことで浮かれたりしません。
積み重ねてきた長い練習の時間を無駄にしないために、その全てをパフォーマンスに注ぎ込むのです。
重低音響くミュージックが流れるとすぐに、すらりと伸びたその手足で魅了し始めます。
激しく荒々しくも繊細で嫋やかなその動きは他の追随を許しません。

____されどステージは一人では完結しません。
彼女はアイドル・緋田美琴である以前に、シーズ・緋田美琴なのです。
競り上がった奈落は一つだけではない、彼女の横には荒削りながらも引けを取らない、




緑のライトに落とされた『影』がありました。





影とアイコンタクト。
鶴翼を描くように、それぞれが正方形の淵をなぞります。
私たちのパフォーマンスはこれで終わらない。
私たちはまだまだもっと高くに飛べる。
もっと高く、空へ。

重ね合わせたペンシルターン。
二つの回転はコマのようにぶつかるかと思いきや、それぞれの回転がもう片方の回転を加速させるダッシュボードに。
観客の心を奪ったのは、堅実に積み重ねた努力に裏打ちされた回転、ドラマ性に満ちた若き挑戦者の回転……その二つを合わせた竜巻のような強旋風。



____断言してもいい、緋田美琴最高のステージは今ここにある。



緋田さんもそれを実感したのか、宝石のような汗滴を散らした後、これまでに見せたことのないような笑顔に。
達成感と高揚感、そして共にステージを作り上げた同胞への信頼が、その芸術品を創り上げたのです。


割れんばかりの感性と拍手、橙色の光の海が二人のステージを称賛しています。
まさに感無量といった感じで、マイクを胸に当てて大きく息を一つ。
やっと、やり遂げたんだ。
自分の目指していた最高のステージ、まずはその第一歩。

……でも、これじゃ終われない。
最高はいつだってその先にある。
満足をした先にあるのは停滞、目指し続けるこそ緋田美琴はアイドルであり続けることができる。

緋田さんは観客に手を振って、ステージを後にしようとしました。




_____ただ、それは演者の都合。



今この場にいる観客は、関係者は、今この瞬間の最高をいつまでも噛み締めたい。
奈落は止まることなく上がり続ける。

ステージから降りなければ、パフォーマンスは終わらない。

ぐんぐんと伸びていく奈落から逃げ出すこともできず、気がつけばステージは遥か下。
奈落とは一体どちらのことを指すのでしょうか。

奈落はそれでも止まることなく、

ステージの天井を突き破り、
山を越えて、
雲を越えて、
大気圏を越えて、

もっともっと高みへ。

緋田美琴というアイドルの輝きは、星々の輝きにも引けを取らない。
そう信じたファンの声援が、彼女を文字通りの『スターダム』へと押し上げたのでした。


予定よりはかなり遅くなりましたが、戻って参りました。
シャニロンパ2、完結までの書き溜めが用意できましたのでそのご報告です。
最終章ともなると文量がすさまじく、かなりお待たせしてしまいました……

さて、特に問題がなければ11月2日(水)の21:00~より更新予定です。
早速捜査パートからの再開となるので、ご協力のほどよろしくお願いします。
物語の最後まで、あと少しですがまたお付き合いください。

楽しみにしていただいてる方がもしいたらすみません、
残業でまだ帰れそうにないので今日は更新できそうにないです…






「……ごめんな、みんなをこんな危険なことにまた巻き込んでしまって」






「そ、そんな……最終的には私たちの方から志願した話ですし、謝っていただくようなことでは……!」

「みんなも事件の当事者……無傷ではないんだ。まだ治療も終わって間もないタイミング、体も疲れているだろうに……」

「疲れ……てなくはないけどさ? それよりも、みんなを助けられるかもしれないことの嬉しさの方が勝っちゃってる感じだし、全然ヘーキ!」

「……あの学園生活で、私は無力感を何度も感じさせられました。守るべきだったもの、守れたかもしれないもの……それが零れ落ちるたびに、何度も」

「××ちゃん……」

「でも、だからこそ……今この状況では、不思議と活力に満ちているんです。掌の中で何か熱いものが燃え滾っている……ここから逃げるわけにはいかないんです」

「ありがとうな、みんな……そう言ってもらえると心強いよ」

「それより×××の方こそ大丈夫なん? うちらの事件からずっと出突っぱっしょ?」

「いや、大丈夫だ。何もしないで休んでいる方が今はストレスだからな……ははっ」

「や、それ笑えないんですケドー……」


「あ、そろそろ見えてきたかも〜! ほら、あれじゃない〜?」

「本当だ! あの島が目的地なんですよね?」

「そろそろ準備をしないとな。同行してくれてる鎮圧部隊にも声をかけてくるよ」

「……いよいよですね」

「うぅ……やっぱなんかキンチョーするかも」

「島に賊軍はいるんでしたっけー?」

「……分からないです。みなさんがどんな状態でいるのかも、まだ」

「でも、やるしかないよ……! みんなを助け出さなくちゃ……!」

「……みんな、無茶だけはしないでくれよ」

「いや、無茶しますし……ここで無茶しないで、どこで無茶するっていうんですかぁ?」

「安全圏に引きこもってなんかいられませんよ! 私たちだって一緒に戦います!」

「……そうだよな、みんなだって戦いたいよな。勝手なことを言って悪かった」

「そうですよー、×××はいつもみたいに戦いは私たちに任せて、後はふんぞり返って司令官やってくれればいいと思いますー」

「そ、そんなふうに思ってたのか……?!」

「ふふー、冗談ですー」


「ねえ、もう着くよ〜?」

「あ……! すまん、急がなくちゃな」

「ふふ……戦いの直前だというのにしまりませんね」

「ま、それがうちららしいんじゃん?」

「かもねー、肩の力ほぐしていきましょー」

「みんな……絶対、一緒に帰ろうな」

「ここにいる人も……みんなも、ですね!」

「勿論です……絶対に、取り返してみせますよ」




「私たちの日常を……!」



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CHAPTER 06

絶望、あるいは逃げられぬ希望

非日常編



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……朝だ。

空に登る陽の光が心地よく、目を開けると同時に胸に風が吹き抜けるような爽やかさ。
人々は夢と希望をその胸に抱きながら、1日の行動を開始する。


「はぁ、よく寝た……」


私もゆっくりと体を起こし、うんと伸びを一つ。
それだけの動作なのに、腕や脚には鈍い痛みが走る。
でも、今の私からすればこの痛みには愛おしさや心地よさを感じる部分もある。
外の世界では久しく忘れていた、自分を締め上げるようなこの感覚。
私の存在を何よりも声高に証明してくれるそれは、地に足をつける感覚というにふさわしい。
その痛みに体をさすりながら、鏡の前へ。メイクもなし、寝起きの髪はボサボサ。
こんな姿ファンには見せられないよな、と手入れを開始。


「眠た……」


この島にはファンなんざ一人もいないのは事実なのだが、う私だって20歳という世間では花の盛りの年齢。
それに、大前提として私はアイドルであり、カミサマなのだ。
こんなところで失望を与えるようなことがあってはならない……なんて、そんなプロ意識も、この島に来てからあいつに教わったことだ。


「最後は、赤のリップで」


私はどちらかというと夜型。
仕事のないオフの日は時計の針が12時を示す直前まで眠りこけていることもザラではあるけれど、
この島に来てからの規則的な生活にもいつしか慣れてしまっていた。
というのも、その影響は彼女によるところが大きいだろう。


……いや、彼女“たち”か。


ピンポーン


「……ったく、相変わらず早すぎだろ」


鬱陶しそうな口ぶりで、はにかみながら。
足取りに迷いはなく、一直線に進んで扉を開けた。




「おはよう、ルカ」
「もう、ルカさん相変わらず寝坊助ですよねー! 早くしないと自主練先にやっちゃいますよー?」



「……ハッ、悪い悪い。練習、行こうぜ。美琴、にちか」

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【第1の島 ビーチ】


美琴「……よし、おしまい。お疲れ様、二人とも」

にちか「はぁ……つっかれたー! 美琴さん、相変わらず朝から飛ばし過ぎですよー!」

ルカ「おいおい、こんなので根を上げてんのか? なっさけねえな……そんなので美琴の相手が務まんのか?」

にちか「はー?! 本音と建前ってご存知ですー?!」

美琴「ふふ、いつかはどうなるかと思ったけど。二人ともすぐに仲良くなって良かったね」


「どこがだよ?!」
「どこがですかー?!」


こっちに来てからは毎朝3人で自主練するのがすっかりルーティンになった。
美琴とにちかの二人で、歪ながらも積み重ねたもの。
私が単身磨き上げたもの。
そして、私と美琴で生み出してきたもの。
それら三つを擦り合わせながら、共有と研鑽。
長らく忘れていた協力という概念を再び自分のもとに手繰り寄せる。


美琴「とりあえず、休憩しよう。二人とも、少し座ろうか」

にちか「はい!!」


美琴を挟むようにして、私とにちかは横に座り込んだ。


美琴「二人とも、良くなってる。初めの頃はバラバラだったけど、すっかり息もあって。振り付けのタイミングだってバッチリだよ」

ルカ「まあな、にちかのやつ鈍臭いから合わせるのには苦労したよ」

にちか「いやいや……変な癖のついたルカさん矯正するのにどんだけかかったと思ってるんですか」

ルカ「あ? 調子乗んなよオマエ」

美琴「にちかちゃんは2回目のツイストの角度がまだ甘いかな。ルカが上手だから、教えてもらって」

ルカ「ほらな、私もそう思ってたんだよ!」

にちか「むぅ……」

美琴「ルカは手に力を込めすぎなところがあるから、随所随所で脱力を心がけて。その方がシルエットも綺麗に見えるから」

にちか「ぷっ、ダンス初心者みたいなアドバイスもらってませんか?」

ルカ「あ? ざっけんなオマエ、蓬餅みたいな頭しやがって!」


美琴を挟んでいがみ合うこの構図にももう慣れたものだ。
美琴もすっかり日常の光景といった感じで、今更言及も調停もしない。涼しい顔して、次の練習のことを考えている。


ルカ「大体オマエはダンス以外もそうなんだよ、飯の時も好物先に食ってガキみてえな食い方してんじゃねーよ!」

にちか「それを言ったらルカさんなんかいつも人殺しそうな目して、他の皆さん怯えてますよー!?」

ルカ「それは取り方次第だろうが! オマエの悪意が滲み出すぎだ!」

にちか「あーもう、バカバカバーカ!」

ルカ「このガキ! ガキガキガキ!」

にちか「バーカバーカあほまぬけーーーーー!!」

ルカ「このチンチクリン! 雑魚! 雑魚雑魚雑魚!」

美琴「……出し切った?」

にちか「……はい」


お互いが叫び尽くして息切れ。
それで一旦はこの喧嘩も幕引きとなる。
もう何回これを繰り返してきただろう、にちかも私も、この形に慣れすぎてもはやそこに敵意なんかない。
ただの馴れ合いとかした喧嘩ごっこに、実りはない。


美琴「それじゃあ、朝ごはんにしよう。みんな待ってるよ」

ルカ「……だな」


散々不満を吐き尽くして空いた胃袋に栄養素を流し込む。
ここまでのワンセットを、私たちは『自主練』と呼んだ。
何に対する練習なのか、いつに向けての練習なのか。
それはまだ、私たちには分からない。
それは今から作り出すもの、そして私たちの手で生み出すものだから。


にちか「ほーらルカさん! ボヤボヤしてると置いて行っちゃいますからね!」

ルカ「……チッ、うるせーな!」

-------------------------------------------------

【ホテル レストラン】


美琴を尾にしてYの字で行進。
私とにちかはずっと道中もいがみ合いながら。
扉を二人で乱暴に開けると、キョトンとした顔して連中が出迎える。


灯織「おはようございます。シーズのお二人に、ルカさん」

千雪「おはようルカちゃん、今日も二人と一緒なのね」

ルカ「私としては美琴だけでいいんだけどな」

にちか「こっちのセリフですー!」

愛依「アハハ、喧嘩するほどナントカって言うじゃん?」

結華「もうにっちゃんとルカルカの絡みは漫才の域だからね〜」

美琴「本当にね、二人とも仲良しだから」

摩美々「ほら、さっさと席ついてよー。摩美々はお腹ぺこぺこで餓死寸前ですー」


私とにちかを仲良しということにして丸め込もうとする283の連中は気に食わない。
とんだお気楽思考、誰しもが最終的に関係性を丸い形に治めるのをよしとすると思うな。


冬優子「ほら、さっさと座んなさい。こいつも文句ばっか言ってやかましくて敵わないのよ」

あさひ「みんな早く席に着くっすよー! もうお腹ぺこぺこなんっすもんー」

ルカ「ハッ……相変わらずガキのお守りで大変そうだな」

冬優子「他人事だと思って……」

愛依「アハハ、あさひちゃんモースグ朝ごはん食べれるから! 」


やっときたとばかりの冬優子のうんざりとした顔。
こいつのこんな顔にも見慣れたもんだ。
私の元にこんな煩わしい存在がいなくて本当に助かったと思う。


灯織「朝ご飯、お持ちしました! すみません、お手数ですが各テーブルごとに取りにきていただけますか?」


席に着くとすぐに、ホクロ女が料理の支度を終えた報告。
いつものようにテーブルに呼びかけ、私たちがそれに応じる。


にちか「あ、私行ってきますね! ルカさんはセルフでお願いしますー」

ルカ「元々一人じゃ持ってける量じゃねーだろうが。はなから行く気だ、こっちは」

にちか「風野さん、お願いします!」

灯織「はい、ではにちかさんと美琴さんの分……それとこちらが斑鳩さんと千雪さんの分です」

ルカ「……おう」

にちか「あはは、やっぱり美琴さんの担当は私ですよねー!」

灯織「あ、割り振りに他意は特になく……」

ルカ「わかってる、いちいち言うな。このチンチクリンが調子に乗るだろうが」


にちかと私で朝食を運び、再び席に着く。
美琴は簡潔に手で礼をし、千雪は年甲斐もなく「わぁ…」と声を漏らす。


千雪「ルカちゃん、ありがとう。今日も美味しそうなご飯ね」

ルカ「私は運んだだけだ、礼ならあのホクロ女に言いな」

にちか「風野さんの料理、確かにすごく上手ですよねー! 283でも一番じゃないですか?」

美琴「……どうだろう、アンティーカの彼女がいるでしょう?」

にちか「あー……」

ルカ「月岡恋鐘、か」

千雪「恋鐘ちゃん、本来なら私たちと一緒に来る予定だったのに……直前で熱を出しちゃうなんて残念よね」

にちか「一番はしゃいでたぐらいなのに、本当運命って残酷ですよねー。おかげさまでルカさんはお溢れにあやかれたわけですけど!」

ルカ「別に私だって来る気なんかなかったよ」

美琴「そうなの?」

ルカ「……まあ、な」


今ここにい■メンバーは283プロの中か■選■■た、■■■宿に■■■ている連中■。
私は別に28■プロの人■■■ない、今回の■■に応じ■のは事務■の■■、私の■■なん■そこに■■もない。
たまた■月岡恋鐘が病■となっ■ことで■■席が回ってきたの■。


ウサミ「ミナサン、今日もらーぶらーぶで何よりでちゅ!」

果穂「あっ! ウサミだ! おはようございますーーーー!!」

ウサミ「はいっ! 小宮さん朝からいいご挨拶でちゅ! あちしも朝から元気がもらえてルンルンでちゅよ」

夏葉「それでウサミ、今日はどうすればいいのかしら? この合宿の方針を示してちょうだい」

ウサミ「はい! 今日ミナサンにやってもらうのは、これでちゅ! 『ワクワク☆ 気になるあの子のパスワードはなんだろな? ねっと@すとーかーれくりえーしょん!』でちゅ!」

結華「ひらがなに織り交ぜて何やら物騒な文字列が並んでますけど!?」

透「パスワードってなんの? スマホ?」

あさひ「冬優子ちゃんのスマホのパスワードは××××っす」

冬優子「あさひちゃ〜ん、後でふゆとお話ししよっか〜」

ウサミ「ミナサンがこの島を探索しているときに発見したこのノートパソコン! 今日はこのアンロックに挑戦してもらいまちゅ!」

ルカ「パソコンのアンロックだぁ……? んなもん、片っ端から入力すりゃあ……」

摩美々「それこそ何時間かかるんですかぁ……」

ウサミ「大丈夫でちゅ! ちゃんとヒントがありまちゅからね、このシートに書かれたヒント通りの場所に行けばパスワードを手に入れるための手がかりが手に入りまちゅ!」

果穂「わぁ! それってつまり、ウォークラリーってことですか!?」

夏葉「なるほど、それなら確かに運動もできるし仲間との協力もできる。まさに合宿にうってつけね!」

あさひ「楽しそう! ウサミ、早くシートを見せてよ!」

ウサミ「はい! こちらがそのシートでちゅ! 一番最初にパスワードを解除したチームにはご褒美もありまちゅからね! 頑張って探してみてくだちゃい!」

愛依「ゴホービ……なになに、何がもらえんの?!」

ウサミ「それはクリアしてみてのお楽しみでちゅ! えへへ、みんなきっと喜んでくれまちゅよ!」


こいつの言うことなんだし、大したもんではないだろう。
至って冷静に冷めた目線を送る私とは対照的に湧き上がる連中。
つくづく私とこいつらの空気感は合わない。


ウサミ「ひぃふぅみぃ……ここには全員で15人いまちゅから、3人ずつで5チーム作れまちゅね!」

美琴「にちかちゃん、ルカ。いいかな」

にちか「もちろんです! 美琴さん、一緒にがんばりましょう!」

ルカ「おう、美琴。さっさと終わらせるぞ」


レクリエーションなんてのに興味はない。
無理やりに入れ込まれたこの合宿から早く撤収するためには、とやかく言わずクリアしたほうが早い。
ただそれだけの理由。


ルカ「おら、マップがあんならさっさと出しな」

ウサミ「はいっ! 斑鳩さん、ノリノリでちゅね〜!ぷー、くすくす! なんだか可愛いところ見ちゃったな〜!」

ルカ「……」

ウサミ「うぅ……冗談でちゅよ、今にも耳を引っこ抜きそうな目はやめてくだちゃい……」


ウサミの手からピンクに塗れた胃もたれしそうな地図を引ったくる。
なるほど、いくつかのヒントが書かれていて、この謎を解いて場所を導き出せばいいらしい。


『ワクワク☆ 気になるあの子のパスワードはなんだろな? ねっと@すとーかーれくりえーしょん!

◎ミナサンで力を合わせてパスワードを解読でちゅ!◎

第一のヒント
正義を穿つ闇の眠るところ

第二のヒント
慈愛の女神が辿り着いた果て

第三のヒント
落ちて、堕ちて、墜ちる

第四のヒント
箱入り娘が空を行く

第六のヒント
収穫祭

☆それぞれのヒントは特定の場所を示していまちゅ!』


にちか「なんですかこれ? さっぱり意味わかんないんですけど……」

ルカ「このヒントが示している場所を巡れば、パソコンのパスワードがわかんのか……美琴、どうだ? 何か分かりそうか?」

美琴「うーん……どうだろう、ウサミちゃんのことだから私たちの仲が深まるような、私たちに関連するヒントだとは思うけれど」

ルカ「あいにく心当たりはまるでないな……しょうがねえ、行き当たりばったりでどうにかするか」


他の連中も地図を眺めながら首を捻ったり、弱い声を漏らしたり。
まだ回答にすぐさまたどり着けそうな人間はいなさそうだ。
別にご褒美とやらにつられたわけではないが、さっさと課題はこなしてしまいたい。
早いところ回答を導き出して、パスワードとやらを手に入れてやるか。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
☆ウォークラリーについて

今チャプターでは、これまでの捜査時間に当たる形でウォークラリーを行っていただきます。
与えられたヒントの指し示す場所を推理していただき、そこに眠るキーワードを5つ集めることが目的です。
……まあ、正直その場所は考えるまでもないとは思いますが。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


ルカ「まずは第一のヒントの場所からだな……」


【第一のヒントが指し示す場所を選べ!】

↓1


突発なので上記安価だけ出して終わっておきます。
少し最近仕事が立て込んでいるので、確実なことは言えないのですが
今のところ11/9(火)の21:00~はいけそうなのでこのぐらいに再開の予定にさせておいてください。
ダメそうだったらまた連絡します……


『ワクワク☆ 気になるあの子のパスワードはなんだろな? ねっと@すとーかーれくりえーしょん!

◎ミナサンで力を合わせてパスワードを解読でちゅ!◎

第一のヒント
正義を穿つ闇の眠るところ

第二のヒント
慈愛の女神が辿り着いた果て

第三のヒント
落ちて、堕ちて、墜ちる

第四のヒント
箱入り娘が空を行く

第六のヒント
収穫祭

☆それぞれのヒントは特定の場所を示していまちゅ!』


【第一のヒントが指し示す場所を選べ!】

↓1


【正解】

-------------------------------------------------
【ホテル 旧館】


にちか「ちょっとルカさん? なんでこんなぼろっちい建物なんです? これのどこに正義の要素があるっていうんですかー……」

ルカ「うるさい、見当もつかないからには片っ端から調べていくしかねえだろ。誰も足を踏み入れそうにないこういうところにこそヒントがあるかもしれない」

美琴「……結構、埃っぽいね」

にちか「わ、わ~~~! 美琴さんはいいです、こんなところ! 美琴さんの清潔な肺が汚れちゃいますよ!」

美琴「ありがとう、にちかちゃん。でも、みんなで協力して謎は解かないと」


美琴とにちかを連れてどんどん奥へ。旧館にはまともに電気も通っていないらしく、壁伝いにようやっとで進んでいく。
一歩一歩、脚を踏み下ろすたびに床板がギイギイと軋む。
でも、どちらかというとその都度にちかのやつが文句をぶうぶうと垂らす方が耳障りだ。


ルカ「……ここ、大広間みたいだな」


しばらくすると両開きのデカい扉に行き当たった。
特に鍵などはかかっていないが、長いこと動かされていない扉には埃も溜まり、金具もその形で固定されてしまっていた。


にちか「ねえ、本気でこんなところにヒントがあると思ってますー? 無駄足、マジで勘弁してほしいんですけど……ねえ、美琴さん」

美琴「今回のウォークラリー、まるで見当もつかないから。試せることは試してみないとダメじゃないかな」

にちか「ルカさん、早く扉開けてください」

ルカ「……」


重い扉を何故か一人で開けさせられ、それだけで不機嫌が五割増し。
ゆっくりと扉が開いて、大広間が私たちの前に姿を現していく。
長い間誰も受け入れていなかったであろう空間は少しの隙間からかびたような匂いを鼻へと届けた。
誰も足を踏み入れていない場所、この大広間に出入りするには今私が押し開けた扉以外には通用口も何もない。
だから、この匂いこそが本来なら不正解であることの証明になるわけだが。
この島では、私たちの常識は通らない。

時が止まったような空間、埃の被った机やテーブルクロス。
その中で不自然なほどに綺麗な状態で、【それ】はあった。


にちか「あ、もしかしてあれじゃないですか!? パスワードのヒントって!」

美琴「うん、みたいだね」

ルカ「ハッ、見たかよ……やっぱり私の勘は当たるんだ」


さて、どこから調べようか……?


1.風野灯織
2.胸に突き刺さった鉄串

↓1

1 選択
-------------------------------------------------

【風野灯織】


にちか「あ、この死体がパスワードのヒントなんですかね?」

ルカ「だろうな、これ見よがしに横たえられて……こんなの、他の所にはなかったからな」

美琴「でも、どこを見ればいいのかな。これってまるっきりただの死体でしょ?」

にちか「うーん……腕とか脚とか引きちぎってみちゃいます?」

ルカ「おいおい……どこにそんな力があるんだよ」

にちか「あはは、冗談ですって!」

美琴「……少し、死体自体を調べてみようか。ポケットとかに、何か持ってるかもしれない」

にちか「流石です美琴さん! その発想は盲点でした!」


美琴の提案通り、私たちは三人で死体を足先から頭の先まで調べてみることにした。
物言わぬ人形と化した風野灯織、図々しくも全体重を私たちの手に載せてくる。
ポケットをまさぐるために動かすのも重労働だ。



にちか「あ、なんですかね。この紙きれ」


にちかのやつが一枚の紙片を見つけた。
私と美琴は慌てて駆け寄り、にちかが目の前でその紙片を広げていく。


にちか「あー……またウサミの魔法か……」


するといつものように、物理法則を完全無視した動きで紙片はその姿を変えていくではないか。
どんどんとにちかの手の中で大きくなっていったそれは、やがてプラスチック製の表紙を伴った冊子状の見た目へと変貌を遂げた。


美琴「これは……何かのファイル?」

にちか「希望ヶ峰学園歌姫計画……って書いてますね。これって確か、島に来た最初にウサミが言ってたやつじゃないですか?」

ルカ「あー……なんか言ってたかもな」


≪ウサミ「そうなんでちゅ! ビッグさぷらーいず! ミナサンは希望ヶ峰学園が主催する、【希望ヶ峰学園歌姫計画】の参加者に選ばれたんでちゅ!」

美琴「これもさっき話してたと思うんだけど……」

にちか「す、すみません……完全に聞いてませんでした」

ウサミ「ミナサンもよく知る通り、希望ヶ峰学園は世界中から超一流の才能を持つ高校生を集めて才能の研究を行う研究学術機関なんでちゅ。歌姫計画はその延長線上にある、大規模プロジェクトなんでちゅよ!」

にちか「な、なんだかすごく大きな話になってきた……」

ウサミ「希望ヶ峰学園の才能研究のノウハウを生かして、ミナサンの持つ才能の種、それをアイドルとしての個性・才能まで育むことを目的とした計画なんでちゅ! 新時代のエンタメ産業をけん引するような超一流のアイドルになれるように、頑張りまちょうね!」

にちか「……!!」

(そ、そんな計画に……私が……?!)

美琴「この計画の舞台に選ばれたのがこの島ってことみたい」

ウサミ「はい! でも安心してくだちゃいね、人体実験とか人格移植だとかそんな物騒なことは行いまちぇん。ちゃんとミナサンが自分自身の力で未来を切り開けるような教育プログラムをご用意してまちゅから!」≫


にちか「特にあれ以降説明はなかったですけど、今の私たちが参加してるこのレクリエーションとかもその一部なんですよね?」

美琴「多分、そうだろうね。毎日みんなと何かしらのタスクをこなすように日程が組まれているから。この合宿自体がそうなんだと思うよ」

ルカ「ま、とりあえず読んでみるか」


『希望ヶ峰学園歌姫計画』

『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画』
『人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする』
『計画には現役の283プロダクション所属のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定』


ルカ「ふーん……私たちのやってるコレって、希望ヶ峰の生徒が協力してたのか」

にちか「その割には普通の合宿と大した違いは感じないですけどねー……」

美琴「私たちの元々持っているものを引き出して伸ばそうとするプログラム……プロデューサーがこの合宿に推薦してくれた理由、なんとなくわかるな」

ルカ「……まあ、私たちの今置かれている状況の説明としては納得のいく記述……か」

(でもなんだ……? この何か引っかかるような感覚は……?)


コトダマゲット!【希望ヶ峰学園歌姫計画】
〔希望ヶ峰学園のノウハウを活かして283プロダクションのアイドルの中から新時代の歌姫を育成するプログラム。コロシアイの参加者が元々持ちかけられた計画と名前は同じだが、その実態には明確に引っかかる点がある。〕

【選択肢が残り一つになったので自動進行します】

-------------------------------------------------

【胸に刺さった鉄串】


美琴「どうやらこの胸に刺さった鉄串が直接の死因みたいだね」

にちか「みたいですねー……心臓まで直接一刺しって感じっぽいです!」

ルカ「まあこれもウサミのヒントなんだろ。とりあえず抜いてみるぞ」

にちか「あ、それじゃあお願いしますー! 一思いに抜いちゃってくださーい!」

(……やれやれ)


野菜の収穫でもするかのように力いっぱいに引き抜いた。
肉を裂き、内臓を傷つけ、血液はポンプのように噴き出しながら、殊の外あっさりと鉄串は引き抜くことができた。


にちか「うわーーーー!! ちょっと、こっちまで血飛沫散ったんですけど! 美琴さん、ばっちいので離れた方がいいですよ!」

ルカ「オマエなぁ……」


呆れる私の手の中で鉄串はその姿をみるみるうちに変えていく。
長細い形状は極端に短くなり、やがてそのシルエットは扁平に。
さっきのファイルとはまた別のファイルへとその姿を変えた。


にちか「【283プロダクション連続殺人事件捜査資料】って書いてありますよ?」

ルカ「連続殺人……もしかして、前回のコロシアイってやつか?」

美琴「……多分、ここで死んでいる彼女の参加したコロシアイのことだね」

にちか「ルカさん、早く見せてくださいよ!」

ルカ「お、おう……」


促されるままにページをパラパラと捲る。
そこに書いてあったのはこれまでの生活で私たち自身が得てきた情報と同じ記述。
参加者、死亡者、そして首謀者。
私にとっても馴染み深い名前が名を連ね、凄惨な事件の全貌を綴る。


ルカ「……こっから先は見たことねーな」

にちか「事件の、その後……です?」

美琴「このコロシアイを生き抜いた彼女たちがどうなったのかが書いてあるみたいだね」

ルカ「……どうやら生存者5人はそのまま身柄をが当局預かりになって、保護観察処分となったみたいだな」

にちか「えーっと……それって、カウンセリングみたいなやつです?」

美琴「うん、平たく言えば検査入院みたいなものだよ」

にちか「なるほど! さすが、一発で分かりましたよ!」




『〇保護観察対象者:風野灯織

保護観察を開始してから二週間余りが経過。
フラッシュバックなど精神衛生に支障をきたす症状は期間中確認されず。
観察者との対話も特に問題なし。
事態認識も正常。事件で命を落とした友人らも正確に把握しており、記憶の自主改竄など自己防衛に走る様子もない。
日常生活の復帰に十分な回復を認めるものとし、保護観察を本日打ち切ると決定』


ルカ「……特にこの5人に異常はなかったらしいな。二週間余りで終わったみたいだ」

にちか「目の前で人が死んだってのに、たくましい人たちですねー」

美琴「ふふ……それを言ったら、今だって目の前に死体があるよ、にちかちゃん」

にちか「あはは、言われてみればー!」

ルカ「おいおい流石に不謹慎だっての……」


『〇283プロダクション連続殺人事件の捜査状況について

主犯格とみられる天井努の経営していた芸能プロダクション『283プロダクション』から社用PCならびに私用PCを押収。
情報捜査担当者に回し、解析結果が本日到着したため、報告に挙がっていた情報をここに記す。

・本連続殺人事件を『コロシアイ合宿生活』と題して外部に公開していた確定的な証拠は発見されなかった。
海外サーバーを経由していたものと思われ、その履歴も消去されてしまっているため復元はほぼ不可能。
保護観察対象者から得られた証言の裏付けとなる根拠には欠ける。
『チーム:ダンガンロンパ』と呼ばれる組織の特定を急ぐ』


ルカ「二週間も経ちゃあ捜査も結構進んでんだな」

にちか「はぁ……ていうかうちの社長がコロシアイの黒幕ってマジでなんなんですかー……あんなダンディぶっといて中身性悪とか、普通にショックなんですけどー……」

美琴「それを言ったら今回の黒幕は恋鐘ちゃんでしょ?」

にちか「あはは、確かにー! 私たち恋鐘さんのエゴでぶっ殺されたんでしたー!」

(……さっきも見たよな、このやりとり)

ルカ「それにしてもこの『チーム・ダンガンロンパ』っての、月岡恋鐘も言ってた組織名だよな?」

美琴「うん、彼女はこのコロシアイをその組織と共謀して起こしたって言ってた。彼女自身がそのメンバーだとも言ってたね」

にちか「なんか悪趣味なシンボルマークですよねー」

ルカ「このチーム・ダンガンロンパってのは一体なんなんだろうな」

にちか「全然聞いたことないですけどねー。なんでしたっけ、コロシアイを興行としてやってるんでしたっけ?」

美琴「もう少し調べてみないといけなそうだね」



『・芸能事業とは別の帳簿データを確認。
巨額が闇口座に注ぎ込まれている不正な流れがあり、当事務所の従業員・七草はづきに確認をしたところ、完全に知覚していないものだとの証言が取れる。
天井努が事務所の経営資金と別に蓄えていた金についても、その入手手段、流用先を調査するものとする。』


にちか「……ん?」

ルカ「どうした、鈴カステラ喉に詰まらせたみたいな顔しやがって」

にちか「無理やり子供扱いするのやめてもらえますー? いや、あの……なんかここ、すごい違和感あるんですけど」

美琴「……そうなの? 帳簿の管理は基本はづきさんにお任せしていたし、何もおかしなところはないように思うけど」

にちか「んー? なんだろなー、この違和感……」

ルカ「なんなんだよ、オマエがはっきりしないとこっちもなんか気持ち悪いだろうが」

にちか「……あ! このお姉ちゃん、泣きぼくろがある! お姉ちゃんにこんなほくろなんかありましたっけ?」

美琴「……言われてみると、そうかも」

にちか「うーん……あったような気もするけど……なかったような気も……いや、3:7でなかったな……」

(死ぬほどどうでもいいな……)


コトダマゲット!【にちかの証言】
〔捜査資料に写っていた実姉・七草はづきの泣きぼくろに違和感を覚えたらしい〕


『・外部との通信履歴に不審な送信先を確認。
連絡は数度に渡り、一定の頻度で行われている様子。
主要通信業大手に照会するも該当はなし。
位置情報を解析し、送信先の人物と事件との関連性について追求していくことが目下の捜査方針となる』


美琴「……これ、不審な送信先っていうのが恋鐘ちゃんのことなのかな」

ルカ「可能性として高いのはそうだろうな。あいつの口ぶりからして、前回のコロシアイの時から協力関係にあったんだ。ずっとやりとりをしてたんだろうさ」

にちか「じゃあこの時に特定できてたら、私たち死ななくてよかったんじゃないですか? あーあ、日本の警察ってダメダメだなー!」

ルカ「身も蓋もねえな……」




『・本件が発生してより行方不明となっている10名との関連も併せて調査する』




ルカ「行方不明の10名……ってこれ」

美琴「私たちのこと、だよね? 多分」

にちか「あー、肝心の行方不明者の名前が黒塗りになってるー! なんでこんなことするんですかー!」

ルカ「まあ、普通に考えればこのコロシアイに参加している人間。前回の生き残り5人と私を除いた10人、だろうな」

美琴「……前回のコロシアイ、その記憶が私たちにはない。この行方不明となっている時に私たちの身に何が起きていたのかも、誰も覚えていないんだよね」

(……失われた記憶の中で、何が起きて、何が起きなかったのか)

(そしてその結果、どうして私たちがここに来ることになったのか)

(……それを明らかにしないことには、前に進めないよな)


コトダマゲット!【行方不明の十人】
〔前回のコロシアイが起きた時から、10人の人間が行方不明となっていたらしい。今回のコロシアイの参加者のうち、前回の生き残りと透を除けば丁度10名〕


美琴「死体は一通り調べたけど……」

にちか「肝心のウォークラリーのヒントがないですね……」

ルカ「……そういえばそんなのやってたんだったな。死体が用意されてたあたり、間違っちゃいなかったと思うんだけどな」


死体から得られたのは私たちの置かれた状況に関する手がかりのみ。
でも、そんなことどうだっていい。
だって私たちは希望ヶ峰学園の意志を受け継ぐものであり人格を入れ込む器でしかない希望希望希望希望希望
希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希望希


にちか「やっぱり死体の腕とか脚とか引きちぎるしかないですってー!」

美琴「あまり気は進まないけど、そうするしかないのかもね」

ルカ「じゃあ私は頭をぶち抜くぞ」


それぞれが体の一部分を両手で持ち、今まさに力を入れようとしたその時。
手の中で冷たくなっている物言わぬ屍が、起きた。


にちか「わ、わわ?! な、何が起きてるんですー?!」

美琴「これもウサミちゃんの魔法……なのかな」


手に持っていた体の一部分は私たちの体をすり抜けたかと思うと、そのまま血だらけの体のまま私たちに正対。
そして口をモゴモゴと動かし始めた。


非\ォりり
【私はただ皆さんを守りたかっただけなのに理不尽心臓に空いた穴が痛い血が漏れ出て息もできない苦しい助けて辛い』


にちか「ありがとうございますー! パスワードの一文字めは『ナ』みたいですね!」

ルカ「チッ……正解の場所なら勿体ぶらずさっさと教えやがれってんだ」

美琴「他のチームはどうなんだろう、私たちが出遅れてないといいけど」

にちか「もうここでの用事は済んだことですし、早く戻りましょう! 負けてらんないです!」

ルカ「そうするか、二つめのヒントは『慈愛の女神の行き着く果て』……」

美琴「慈愛の女神……誰のことだろうね」


どうやら私の推理は間違っちゃいないらしい。
ウサミのやつ、きっかり私たちにゆかりの深い場所をキーワードの場所に設定してやがるな。
あいつにいいように動かされているのは癪だが、ここは大人しく従って駆けずり回るしかなさそうだ。


にちか「それじゃあさっさとしゅっぱーつ!」


ヒ唹”#咦
[置いていかないで守らせて私が今度こそ守って見せるから後悔したくない手放したくない≫


ルカ「おい! 何突っ走ってんだ!」

------------------------------------------------

『慈愛の女神の行き着く果て』

【第二のヒントが指し示す場所を選べ!】

↓1


【正解】

------------------------------------------------

【第2の島 図書館】


普段自分からは足を踏み入れようとはしない場所。
この令和の時代、絵の情報だろうが活字の情報だろうがスマートフォンの中に押し込めて閉じ込められるのに、
わざわざ手間暇をかけてまで足を運ぶのは流石に手間だろう。
私が風趣を介さないつまらない若者、というわけでもない。
この時代よくいる若者が、私だ。


にちか「ルカさんって活字読めなさそ〜、読書感想文とかググってた性質ですよね?」

ルカ「なんで不正してたことが前提なんだよ、それぐらいは読んでたわ」

美琴「ルカ、本とか読むんだ」

ルカ「……」


なんとなく会話を続けたくなかったので率先して私が扉を開けた。
無駄に重厚な扉はギィという音と共に私たちを文字の世界へと誘う。
扉を開けた瞬間に、かびたような時間の止まった匂いが鼻口をくすぐった。


にちか「で、今更なんですけどどうして図書館が第二のヒントの場所なんです?」

ルカ「ああ、えっと……なんだっけな……」


ついさっきの思いつき、私には確かな心当たりがあってこの場所を選んだはず。
だというのに、私の頭にはポッカリと穴が空いていてそこから記憶が流れ出てしまったかのようで、まるでその時の記憶を掘り起こすことはできなかった。



にちか「……あっ! あれ!」


でも、記憶なんかもうどうでもいい。
大事なのは過程よりも結果。
私がどんな思いつきで図書館にたどり着いたなんかよりも、今目の前に千雪の死体が転がっていることが全てだ。


にちか「死体見―――――っけ!」

ルカ「よし……正解みたいだな。千雪のやつ、腹を弓矢でブッ刺されて死んでるぞ」

美琴「彼女、最後の力で引き抜いたのかな。矢が地面に転がってるみたいだけど」

ルカ「……」

(……あ? なんだ、この感覚……)


さっきも死体は目の前で見た。
これだって、なんてことないただの死体だ。
ただの、桑山千雪の死体だ。
それなのに、なぜ私は右手で自分の胸を抑えているのだろう。
何を吐き出そうというのか、何を堪えているのか。
その答えは図書館のどの本、どのページを開いても見つけることはできないだろう。
……やっぱり、活字なんて今更クソ喰らえだ。


美琴「……ルカ、どうしたの?」

ルカ「いや、なんでもない……」


私は自分の苦悶と衝動から目を背けた。


1.死体付近に落ちている矢
2.ボウガン
3.死体の抱える本

↓1

1 選択

------------------------------------------------
【死体付近に落ちている矢】

死体に突き刺さっていたであろう矢を拾い上げる。
誰かが握っていたのだろうか、本来無機質な冷たさであるはずの鉄の柱はほのかに熱を有している。


ルカ「……」

にちか「ルカさん、何をそんなにジロジロ見てるんですか? 何か気になることでもありますー?」

ルカ「いや、なんでもねーよ」

美琴「二人とも、これも正解みたいだよ」


美琴の指摘通り、私の手の中で矢はその姿をみるみると変えていく。
魔法の感触というのは随分と心地が悪い。
手に纏わりつく泡のような物質は鬱陶しいばかり、キラキラとした光の粒子も目に五月蝿い。


ルカ「……今度はなんだ? なんだかチラシっていうか、パンフレットみたいになったわけだが」


さっきまでのコピー用紙とは違ってすべすべとした手触りの紙切れ。
組織のロゴマークとは対照的に青や白で飾られて、いかにもベンチャー企業といった印象。
この外面だけの良さは、外部の人間に向けられたアピール用、なのだろう。


にちか「……『チーム・ダンガンロンパ』、これって月岡さんが言ってたやつじゃないですか?」

美琴「透ちゃんも知ってたみたいだったよね」


《恋鐘「そう! うちも社長も、チームダンガンロンパのメンバーやけんね!」

智代子「チーム……ダンガンロンパ?」

あさひ「ダンガン、ロンパ……」

透「……ちょっと待ってそれって」

恋鐘「まあ、そん辺りのややこしか話はうちが死んだ後の真相究明編でやればよかとやけん、割愛するばい」

智代子「え、ええっ?! そんな勝手な……?!」

恋鐘「チームダンガンロンパはあくまで裏方、メインはコロシアイに参加しとるみんなやけんね。そこに割くべき尺も文量もなかよ」》

《あさひ「それに、大事なことは隠したままっす。恋鐘ちゃんと天井社長のバックにいるチームダンガンロンパ。これが分からないんじゃ、何も解決してないっす」

透「その組織自体は、聞いたことある」

智代子「え、本当に……?!」

透「一応、ね。詳しいことは知らないけど、前回のコロシアイ……どころかこれまでにも何度もコロシアイを仕掛けてきたんだって」

あさひ「コロシアイって……今回と前回だけじゃないんっすか?」

透「……みたい。それを裏で取り仕切っているのがチームダンガンロンパ、とか」

智代子「そ、そんなの……聞いたこともないよ……」》


これまでの人生で一度も聞いたことがないような組織だった。
コロシアイなんてものすら人生で触れることはまずないのに、それを取り仕切っているだなんてSF小説にしてもくだらない。
もはや信じるとか信じないとか、そんな前提にすらないようなお話で、私は両手を手放してしまっていた。
それなのに、目の前の紙切れは実在だと声高に主張してくる。


『チーム・ダンガンロンパは刺激の足りない毎日を送る皆様にこれまでにない画期的なエンターテインメントを提供するソーシャルエグゼクティブなグループです!』

『我々は人と人が命をかけて生存を争う様子を【コロシアイ】と題してリアルタイムな配信を行なっています! 平穏に飼い潰されてしまった日常に、刺激的な時間をお届け!』

『コロシアイは正真正銘の本物! 本当に実際の人間が血を流し、苦しみ、命を落としています!』


ルカ「マジでこんな組織があるってのか……?」


コロシアイ、なんて文字列と共に並んでいるのはスタッフであろう人間のお手本のような笑顔。
キラキラとした表情に血生臭い文言ばかりが並んで、その取り合わせがなんとも言えない不快感を抱かせる。


にちか「でも、確かに需要はありそうですよねー。スプラッタ映画とかって昔からコアなファンがいるじゃないですか」

ルカ「いやいや……あれは作り物だろ? 生身の人間でのコロシアイだなんて、そんなのそもそもが法を犯してて……」

美琴「だからこそ、じゃないかな」

美琴「日常の範疇から逸脱しているからこそ、人の目を引く。ラインを超えてでも見てみたい、そういうふうに思う人はそう珍しくもないんじゃない?」

ルカ「まあそうなのかもしれねえけど……」

ニ猇kkkkkk
『あははは! そうですよね、私だって人が死ぬところ見てみたいですもん! あははははは!:

深コ菟
【人のお腹を裂くとどんなふうに内臓が出てくるのかな人の首を切るとどんなふうに血が飛ぶのかな人は命を落とす時どんな声を漏らすのかな≫

¿尼Ch果
:コロシアイはもう一大エンターテインメントなんですよ無責任に人の生き死にを笑いたい惨たらしい死に様を嘲笑いたい「


ルカ「ふーん……まあそういうもんか」


私だって同じことが繰り返されるような日常には飽き飽きしているんだ。
コロシアイという刺激に飛びつく人間がいたとしてもそれはおかしくもないのかもな。


コトダマゲット!【チーム・ダンガンロンパ】
〔恋鐘と努が生前所属していた組織。コロシアイをエンターテインメントと定義し、リアルタイム配信を行なっていた。コロシアイを運営するのはこれが初めてではなく、既に何回もコロシアイが行われていた〕

1.ボウガン
2.死体の抱える本

↓1

1 選択
------------------------------------------------
【ボウガン】

本が群れをなす中にひっそりと、その群れの中に姿を隠すようにして置かれたものがある。
いかにも重要そうな手がかりみたいな面をしておいて、実際は事件とは無関係な偽装された証拠だと言うのだからタチが悪い。


美琴「ボウガン……千雪さんに刺さっているのとは型番が違ったんだよね」

ルカ「おう、これを置いたのは月岡恋鐘……狸だよ。冬優子を秘密で釣っておいて、罪をこれでなすりつけようとしたわけだ」

にちか「これもヒントみたいですね、弓がなんかぐにゃりだしましたよ!」


ボウガンは飴細工のように捻じ曲がったかと思うと、今度私たちの前に突然と浮き上がる。
そこに壁などないのに、何かにぶつかり溶け込むようにして、長方形の板のような形に変わった。
それを一言で言うなら、ゲームのウィンドウだ。


にちか「うわ……なんかアルファベットと数字の羅列……これってプログラミングってやつじゃないです?」

美琴「……みたいだね、すごい情報量」

ルカ「おいおい、こんなもんパッと見せられても私たちじゃ全く意味わかんねー……」

美琴「……エラーが発生してるみたいだね」

ルカ「あ?」

にちか「み、美琴さん! プログラミング分かるんです?!」

美琴「ううん、そうじゃなくて。ほら、単純にこの一部分には〔error〕の表示があるよね?」

ルカ「あ、言われてみれば」

美琴「テキストメッセージとして出ているものだけ拾えば、少しくらいは読み解けるんじゃないかな」

にちか「だ、だったら任せて下さい! 英語は得意科目……ってほどでもないですけど、一応現役なので!」

美琴「うん、頼めるかな」


妙に息巻いてウィンドウを流れるメッセージを読み解いていくにちか。
言葉を辿々しく拾い集めると、恐る恐るその解答を口にする。


にちか「多分……なんですけど、このエラーは何かウイルスが混入して発生したみたいです」

美琴「ウイルス? これは病気になってるの?」

(おいおい……)

にちか「誰かが持ち込んだウイルスによってシステムに異常が起きてて……多分、外からじゃどうにもならない……みたいな感じだと思います」

ルカ「外から? プログラムに外も中もないだろ」

にちか「うるさいなー、私だってよくわかんない分野の話なんですから黙っててくださいよ」

ルカ「なっ、生意気な……」

美琴「もしかして、セキュリティの話なんじゃない? ハッキングを防ぐためのファイアーウォールとか……そういう話だったりして」

にちか「さ、さすがは美琴さん……! どこぞのニュース解説者より分かり易い解説です……!」

ルカ「無駄に喧嘩を売るなっての……」

(まあ、言い方はさておいて……ウイルスの侵入によるセキュリティ異常ってのは覚えておいてもいいかもな)

(何のシステムのメッセージかはわからないけど、外部とは完全に遮断されたことは大きな意味を持つはずだ)


コトダマゲット!【プログラムエラー】
〔何らかのシステムにおけるエラーメッセージ。システム内部に何かウイルスが侵入した事でセキュリティシステムが異常作動を起こし、外部の干渉を完全に遮断してしまったらしい〕

【選択肢が残り一つになったので自動進行します】

------------------------------------------------
【死体の抱える本】

千雪が何やら大事そうに手にしている本がある。
彼女の腹部から漏れ出たものであろう血は、手のひらを経由して紙の装丁の表紙にべったりと張り付いている。
元々の表紙、そのタイトルは今からは解読不能だろう。


ルカ「……」


何故だか、私はその本から目が離せなかった。
別になんてことはない、死体が握っていただけの一冊。
それこそダイイングメッセージの一つでも蓄えた宝箱くらいの認識で足りるはず。
私が抱いているのは、一体なんの感慨なんだ。


にちか「何ボケーっとしてるんですか、さっさと検証しましょうよ」


にちかはそんな私を他所に死体から乱暴に本を引ったくる。
この本も例に漏れずウサミの魔法がかけられていたようで、血に塗れた表紙はチカチカしたピンクの光と共に移り変わり、既視感のある一冊へと変わった。


ルカ「……これって、確かモノクマの工場かなんかで見つけたやつじゃ」


『ジャバウォック島再開発計画』のタイトルに掲げられている通り、
ここに記されているのは時代に取り残された観光島・ジャバウォック島の事業再生を目指す計画書。
その先導に立つのは、私たちの前にその存在を何度か仄めかした『未来機関』だ。



にちか「うーん……でも変ですよね、この島って私たち以外にまるで人はいない感じなのに。このファイルにはずーーっと人が住んでて生活が営まれてる体で書かれてますよね」

美琴「……姿を消したにしても大規模だよね」

ルカ「それに、この島で見つけた被験体……ってのは誰の何を指してるんだ……?」

にちか「島の中央の行政施設を解体して未来機関の拠点にする……はー、かんっっぜんにサッパリです!」

ルカ「あの遺跡を作って何がしたかったのかも分からないし……マジで謎だな」

にちか「こうなったらあの遺跡に入ってみる以外なくないです? 他のことはなーんにもわかんないですし」

ルカ「おいおい、またパスワードかよ……めんどくせえな」


私たちの前に何重にも立ち塞がる謎という壁。
その一つ一つが分厚く、そして全貌の見えぬほどに高い。


美琴「……ルカ、これは前に見た書類と完全に一緒?」

ルカ「ん? おう……あさひと見た時と一緒……だな。元々この島には住んでいる人間がいて、中央の島の行政機関をぶっ潰す形で『未来機関』ってのがここに拠点を持ったらしい」

美琴「その後のこれは?」

ルカ「……『先遣部隊が上陸時、既に標的の姿は島にはなく、鎮圧自体は何ら妨害を受けることもなく成功した』」

ルカ「まあ、見たことない記述だけど……そんなに重要なのか?」

美琴「……」

にちか「なんかほんとどこまでも小学生の自由帳みたいな話ですよねー」

ルカ「どこまで信用できるのかは疑問だな……」


コトダマゲット!【ジャバウォック島再開発計画】
〔未来機関という組織がジャバウォック島を再開発し、新たに本部を構えるまでの記録。中央の島には行政機関があったらしいが、そんな痕跡は今現在の島には全くない。未来機関が上陸時に、既に標的の姿は島になかったという〕


ルカ「後はこの死体ぐらいのものか……」


千雪の亡骸の近くに散らばっている物は一通り拾い上げて、その正体も確かめた。
しかしながら、まだパスワード自体は分かっていない。手がかりを残すのは、この死体だけ。


にちか「じゃあ今度こそ死体を分解しますかねー。両腕引きちぎっちゃいます?」

美琴「そうだね……その前に眼球を抉ったりして、小さなところから確かめようか」

(……)


不思議な感覚だった。
真実を知ろうとしているだけ、先に進むために探索をしているだけなのに、なぜかにちかと美琴の言葉の一つ一つに胸がざわつく。
そんな感情は無用な感情だ死体は死体でしかないそんな感慨なんて抱いたところで無意味
屍を踏み越えて私たちは先に進む希望に停滞はない希望に行き止まりはないただ前に進むだけ


ルカ「よし、それじゃあ舌をペンチでぶっこ抜くところからだな!」


死体をぶち壊して情報を啜ろうとしたその一歩手前。
またしても死が裏返った。


美琴「……!」


踟¡逝キ
|私が一■黙って■■ばい■罪■背■って■を閉ざしてい■■誰も傷つ■ない私だ■■犠牲に■ればいい


にちか「あ、またパスワード教えてくれるやつですかね! ほら、早く言っちゃってください! ゲロった方が楽になりますよ!」

ルカ「取り調べじゃないんだから……」


チ$裄:;
■を貫く鉄芯が■■い本当■■れでよか■たの■な私が■■意味はあっ■のかな■が信じ■あげ■■よかったの■な私は疑うこ■を■■てよかっ■のかな


美琴「パスワードは『モ』……ありがとう、後はもうゆっくり休んで」

ルカ「これで2個目、か」

にちか「このペースじゃ日が暮れちゃいますよ! さっさと次行っちゃいましょう!」


私たちがパスワードを獲得すると、千雪はその場に崩れ落ちてまた物言わぬ骸に戻った。
死体を傷付けずともヒントが得られた。そのことに安堵せずにはいられない自分がいたが、二人には悟られないように取り繕っていた。


美琴「次のヒントは『落ちて、堕ちて、墜ちる』……」

にちか「どこか高いところなんですかねー……? 崖の上とか!」

ルカ「今日は火曜日でもないしサスペンスでもないぞ。それにこの島にそれらしい崖なんかないだろ……」

(まあ高いところってのは間違いなさそうだな……考えてみるか)

------------------------------------------------

『落ちて、堕ちて、墜ちる』

【第三のヒントが指し示す場所を選べ!】

↓1

【正解】

------------------------------------------------

【第3の島 病院 駐車場】

西部劇を思わせる荒野に突如として現れるコンクリートの絨毯。
すっかり砂をかぶっているため、その表面はざらついており、ソールが叩いてもコツンという足音には雑音が混じる。
高所とは真逆の印象もあるこの場所に、なぜ足を運んだのか……相変わらず自分自身でもわからないままだ。


にちか「えー、病院? どこか体でも悪くしてるんですかー?」

美琴「ルカ、どういう推理なの?」


ただ、その不可解はすぐに接頭語も外れることとなる。


ルカ「……ビンゴみたいだな」


私たちの前に現れたのは血の海に正面から顔を浸し、うんともすんとも言わなくなった三峰結華の死体。
その頭上をハゲタカが獲物を狙うように、ドローンが飛び交っていた。


にちか「うぇー……なんかあの死体、顔面グロい感じになってる気じゃないです……? ルカさん、ちゃっちゃと捲って見てきてくださいよ」

ルカ「私はオマエの小間使いじゃねえぞ……チッ、とりあえず死体の周りで情報を集めようぜ」

美琴「まあ……それが良さそうかな」


やたらと照りつける日差しが厳しい島だ。野外の操作は手早にしておかないとこちらの体力が持っていかれる。
それに……腐臭も増していくばかりだ。


1.結華のメガネ
2.青い繊維
3.ゲッカビジン

↓1

1 選択
------------------------------------------------

【結華のメガネ】

死体は真っ正面から激しい衝撃を受けているので、みるも無残な有様という他ないが、
その脇に落ちているメガネはあり得ないほどに綺麗なまま。
事件の鍵を握っていた重要なパーツ……パスワードのヒントがあると言うのなら、ここだろう。


ルカ「……やっぱりな」


天に透かすようにしてみると、度の入ったはずの視界は鮮明になるどころか、反対に別のものを映し出した。
まだ太陽は高く登っている、周りには遮蔽物もない。
それなのに、レンズの先はまるで別世界のように真っ暗だ。


にちか「うわ……ルカさん死体から剥ぎ取ったメガネかけてますよ。どこの羅生門なんですかそれ」

ルカ「捜査のためだ……うるさいな。それに羅生門は髪の毛だろうが」


一つの仮説を立て、自分自身でメガネを装着。
そのまま顔を上げて天を仰いでみると、仮説を裏付ける根拠が顔を覗かせた。



ルカ「……やっぱり、このメガネを通してみると夜の状態の島の様子が見えるんだな」


夜空に散らばる星の数々、その中央に鎮座する真円の満月。
この島に来てからずっと見てきた夜空そのものと全く変わりない光景がそこにはあった。


ルカ「……」


自然と、あの夜のことを思い出す。
にちかを犠牲に生き残ったあの晩に、息が詰まるような切迫感の逃げ道を空に探した時のことを。

あの時から、この空は何も変わらない。
星の配置も、月の満ち欠けも。
まるで時が止まってしまったかのように変わらないのである。

ルカ「なあ、二人はどうしてこの月の形が変わらないんだと思う?」


爾|#戈
そんなこ■を気にする必要はありませ■私た■は使命に従■■生き■だ■彼女た■を■■るために育て■だけそれ■■が生きる理由な■です■

m萎k悪t苧
私た■は舞台装■彼■たちをステ■ジに立たせるた■■舞■装置■だけ見せ■だ■そこ■思■■必要ない■■要らな■


ルカ「……そう、だよな」


私は何を気にしていたんだ。月の形が変わらないからってなんなんだ?
考えたところで答えが見つかるわけでもないのに烏滸がましい身分不相応図に乗っているダメだ却下拒絶断絶中断終了


コトダマゲット!【満月】
〔この島に来てからずっと月の形は変わらないまま〕

------------------------------------------------

1.青い繊維
2.ゲッカビジン

↓1

1 選択
------------------------------------------------
【青い繊維】

空を飛んでいるドローンを調べようにも、手を伸ばしたところで届くはずもない。そうなると視線は自然と死体に戻ってくるわけで。
……だとしても、なぜこんな糸屑に私の視線は止まってしまったのだろう。
死体の纏っている衣服のどれとも違う、青い色合いの繊維。
ほんの一ドットほどの違和感が私を捉えた。


ルカ「まさかこんな所に眠ってたりしないよな……?」


だが、その違和感はもはや確証に等しかった。
このレクリエーションが始まってから、明らかに私は異常だ。
何かに手を引かれているかのように行動の全てが他の誰かの意思の上にある。
導かれた先の悉くで、それに出会う。


にちか「わ! またモノミの魔法ですよ!」

美琴「……今度は資料とかじゃないね、どんどん大きくなっていく」


私の手を離れたところで繊維は粒子を巻き込んで大きくなっていき、やがて一つのものを形作る。
これまでの紙や冊子の形状とは全くの別物。
そこに出てきたのは……


ルカ「浅倉、透……?」


私たちが共同生活を続けてきたやつと全く同じ姿形で、化けて出たのである。


美琴「ホログラム……のようなものなのかな」

にちか「浅倉さーん……? これ、どうなってるんですかー?」

透「……」

透「ねえ、記憶ってどこまである? この島に来る前の一番新しい記憶って?」

ルカ「……あ?」


それは、不思議な感覚だった。
脳の隅をほじくり返したと言うべきか、押入れの隅で埃をかぶっていた衣服を引っ張り出した時のようなむず痒さを伴った。
無意識化に押しやっていたことに対する、罪悪感にも近い割り切れない感情。


透「ねえ、記憶ってどこまである? この島に来る前の一番新しい記憶って?」

にちか「え、なにこれ……壊れたレコードか何かですか」

美琴「この言葉に意味があるってことなのかな」

(私は……知っている、こいつの、この言葉を)


何度も繰り返される言葉が、深層の底に落ちていた記憶をゆっくりと引き上げていく。
それは、私の記憶に紐づいた、記憶の証言の記憶。
あの病院で、惨劇が起きる前の、一歩を踏み出すトリガーになった、明確な分岐点の、在りし日の、忘れ難き、記憶。



《透「思い出しちゃ、ダメなんだよ」

透「忘れといて、そのまま」

ルカ「……お前が私たちの記憶を奪ったのか?」

透「……」

ルカ「いつからの記憶がないかを把握してるってことはそういうことだろ? お前はこの希望ヶ峰学園歌姫計画の参加者じゃなくて……運営する側の人間なんじゃないか?」

透「……私が奪ったって言うか」

透「私たちが、奪った」》


ルカ「……!!」


一気に記憶が間欠泉のように噴き出した。
眠っていた記憶が即座に蘇る。
あの言葉で私は浅倉透という存在に対する認識を改めて、信頼の一歩を踏み出したんだ。
このコロシアイの最中で、自分を追い込む発言だと分かっていながら、
歩み寄るために口にした言葉には確かな力があったのに、なぜ私はそんなことを忘れていたんだろう。


ルカ「そうだ……この島に来た理由、それは浅倉透が私たちを連れてきたから」


ルカ「なんで、なんでこんなことを忘れちまってたんだ……? なんだ、何が起きてる……? 私たちはコロシアイをしてたはずだろ? なんでこんな呑気にウォークラリーなんか……」


聻ち¿k亜亜亜01
疑問を持■な今はそのフェーズで■ない与えら■た役割を遂■しろ今はただ情報を■■だけの傀儡■なれ

11111胡000000
浅倉透を憎め感情■定■■れ■いる自分の感情は許さ■ていない■く次に進め記■はあとで■■てくる


ルカ「……あ?」

にちか「もう、ルカさん何やってるんですかー? 今大事なのは浅倉さんが私たちをこの島に連れてきた極悪犯ってことですよねー?」

美琴「うん、彼女のことは許しちゃいけないよ」

ルカ「ハッ……ハハッ、そうだよな。浅倉透は許さない、そうだ、そうだよ……なんだったんだ、今のは」


私が錯乱しているうちにいつの間にか浅倉透を真似た繊維は姿を消していた。
二人のいう通りだ、今大事なのは浅倉透は私たちをこの島に連れてきた憎むべき悪人だということ。
この感情に疑問なんて抱いちゃいけないのに、何を思っていたんだろう。


ルカ「……」


……そう、なんだよな?


コトダマゲット!【透の証言】
〔浅倉透はルカに対して、このコロシアイの参加者を集めたのは自分だと自白している。当初の希望ヶ峰学園歌姫計画は彼女とその仲間が計画したものであるらしい〕


【選択肢が残り一つになったので自動進行します】


次は少し長く、眠気がすごいので急ですがここで今日は中断させてください。
次はゲッカビジンより再開します。
明日も時間が取れそうなので、11/9(水)21:00ごろから再開予定です。
よろしくお願いします。

それではお疲れさまでした。

------------------------------------------------
【ゲッカビジン】

ルカ「……確かこの花、夜の間しか咲かないんじゃなかったか?」


ドローンと同じく宙をなぞるようにしてそこに在った一輪の花が差された花瓶。
どこか神聖な雰囲気をも携えて青白い花弁を広げているその花は前に見た覚えがあった。


にちか「え、ルカさんお花とか知ってるんですね。めっちゃ意外」

ルカ「前に見かけたことがあっただけ……べつに花が好きとかそんなんでもない」

美琴「これ、なんていうお花なの?」

ルカ「ゲッカビジン……一晩の間しか花弁を広げないんだとよ」

にちか「へー、なんかコスパ悪い花ですね」

ルカ「風情がねぇな……」


花を手に取って太陽の光に透かして見た。
薄い花びらには目立った色彩もなく、煌々とした陽の光ではその中に埋もれてしまう。
やはりこの淡さというのは夜にしか映えないものなのだろう。


美琴「……ルカ、それ」


そして、更にその淡さを台無しにするのがウサミの下品な魔法。
絵の具をベタ塗りしたようなくどいピンクの光がすべてを飲み込んだ。


にちか「わ、なんかこれ……いつも以上に眩しくありません!?」


ホワイトアウトならぬピンクアウト。
目の前が何も見えなくなってから数秒、世界が落ち着きを取り戻す頃。

私たちの心は再び揺れ動かされることとなる。


莓\‘懿
最後ま■誰も疑■■かった信■た末に裏■■れて殺■れ■■った後■はし■ないけ■みん■と最■■でい■■なかっ■ことが■しい辛い


にちか「うっわ~~~……首から血噴き出してるんですけど……ちょっと、距離とってもらっていいです?」


そこに立っていたのは、和泉愛依の骸。
私たちがその死に直面した時と同様に、薄い布地の病人服を身に纏っているが、その半分は首から流れた血に塗れている。


美琴「でも、にちかちゃん。彼女何か持ってるよ? ヒントじゃないかな」

にちか「最悪……ルカさん、取ってきてください」

ルカ「オマエな……」

()乜***%ィ
二人は最■■で生■られ■のか■うち■け先■■なく■ってご■ん


私も近寄るのには生理的な嫌悪感を感じたが、ここで退くわけにもいかない。
まんじりとも動こうとしないにちかを尻目に、一歩踏み出て死体からその手のフォルダを引っ手繰るようにした。


ルカ「んだこれ……『新世界プログラム』?」


これまた仰々しいネーミングだなとため息交じりにそれを捲る。


にちか「メンタルヘルスを助ける、仮想現実による箱庭診療のアプローチプログラム……えーっと……」

美琴「どうやら、被験者さんの意識をコンピュータ上のバーチャル空間に送り込むプログラムみたいだね」

ルカ「トラウマとかの記憶を取り除いたうえで、仮想現実での生活を送らせることで精神疾患の治療を促す……か」

にちか「あはは、ルカさんもやってもらったらどうですか? 口を開けば『病んだ』ですしー!」


ぱっと見の印象では縁遠い世界の話。
精神疾患の診療なんて経験もないし、きっとにちかと美琴も同じことだろう。


ルカ「しかしすごいな……これ、一人に対するアプローチどころじゃなくて、複数人を同じ世界に同期できるって書いてあるぞ」

にちか「ネトゲみたいなもんですかね?」

ルカ「オーバーテクノロジーが一気に俗っぽくなるな……」

美琴「でも、一体こんなシステムがなんだって言うんだろうね」

ルカ「……さあな?」


気が付けば和泉愛依の骸は風化でもしたかのようにきれいさっぱりとその場から姿を消していた。
悪夢が何の意味も持たずに私たちの前に立ちふさがることなどない。
きっとそのはずだから、何か意味はあるんだろうが……

なんだろう、この感覚は。


ルカ「……」


これは……………………既視感?


コトダマゲット!【新世界プログラム】
〔精神疾患の診療のために使われる、仮想現実構成プログラム。複数人の意識を装置上で同期させ、同じ世界で生活させることができるらしい〕


怪しいところは大体調べ終わった。
そうなると次に待っているのは、死が裏返る奇術の時間だ。
先の2回ですっかり慣れてしまった私たちはもはや違和感なくそれを受け入れていた。


にちか「ほーら、死んでないでさっさと蘇ってくださいよ。他のチームに負けちゃいますー」

ルカ「おい、あんまぞんざいに扱うなって」

美琴「どうして? 死んじゃったらただの物だよね?」

ルカ「んまあそうだけどよ……」

にちか「……! 来ますよ!」


にちかの呼びかけ通り。死体が小刻みに震え出したかと思うとムクリ体を起こし、私たちに向き合った。
地面に衝突したせいで無惨な姿だったはずの死体は、その顔に影が落とされていてよく見えない。
ウサミによる配慮なのだろうか、これも今更という感じだが。


愉iii‼︎加
何も■えない■も聞こえ■■何も分か■ない闇の■■葬られ■勇気を出■■踏み出し■一■■踏み躙られ■無数の足跡■■に消え■もう見た■もない


にちか「おっ、出ましたね! パスワードは『ヤ』ですよ、メモメモ!」

ルカ「……それ言うなら自分でメモれよ、ったく」

美琴「これでパスワードは三つ目だね、残すところはあと二つみたい」


・:/螠⁂下
騙され■信じ■■のにも■■じ■だけ無駄裏切ら■るだけ■も信じな■ただ一人孤■■中で息絶■る方がい■


にちか「これでやっと折り返しですか……結構疲れますね、このラリー!」

ルカ「まあこれぐらい骨がないとやりごたえもないしな。ほら、さっさと次に行くぞ」


@↓\\\\禍
他人のこ■な■■誰に■分■■ない■か■たくない■か■れたくもない踏み込■ない■退いて近づ■■■でほしい一人■消えてい■か■


次のパスワードの場所を探すために背を向けると、後ろから物音がした。きっとあいつが物言わぬ骸に還ったのだろう。
そこになんの感慨も執着もない。
私たちの思考から彼女の存在はすっかり消え失せてしまった。


美琴「四つ目は……『箱入り娘が空を行く』か、どう? 二人とも」

にちか「うーん……私からは縁遠い言葉ですね……」

ルカ「まあ箱入り娘ってよりは世間知らず、だよな」

にちか「はー? それはルカさんの方でしょ! 一人じゃ交通定期券にお金も入れられなかったくせに!」

ルカ「テメ……いつの話ししてやがんだ!」

(……『箱入り娘』なんか、283の連中は大体該当しそうなもんだが)

(一体どこを探したもんかね……)

------------------------------------------------

『箱入り娘が空を行く』

【第四のヒントが指し示す場所を選べ!】

↓1

------------------------------------------------

【第4の島 観覧車】

にちか「なんかこういうファンシーなとここそウォークラリーって感じがしますねー!」

美琴「そうかも、レクリエーションってこういうのをイメージしてた」

ルカ「小学校の遠足とか、遊園地に行きがちだよな」

にちか「ですねー。まあルカさんの失った青春を取り返すのを手伝ってあげますか!」

ルカ「そんな虚しい理由でここに来たわけじゃねーよ。四つめのパスワードだ」

美琴「『箱入り娘が空を行く』……ここに?」

にちか「うわ……自分のこと箱入り娘になぞらえてアトラクションに乗ろうとしてます?」

ルカ「だから……私をやたら悲しく飾り立てるのはやめろって。あれだよあれ」


近づいた瞬間に漂ってきた異臭。
嗅いだことのないその匂いに思わず手の甲で鼻を塞いだ。


にちか「うわ……なんなんですかこれ、血の匂いのそれとはまた違った意味合いで悪臭なんですけど」

美琴「焦げたような匂いに……ガソリンみたいな匂いが混ざった感じがするね」


一歩踏み出すたびにウッとなるのを堪えながら近づくと、見慣れない光景が目に入った。
本来非現実を求めて子供や大人たちが夢を託す観覧車のゴンドラが、過熟の末に落果した柘榴のようにへしゃげてオイルを吐き出し続けている図。
その中で腐った果肉のようになっているのが、有栖川夏葉の成れの果てだ。


にちか「どれだけ鍛えても爆死したら形なしってこと何ですかねー……うわー……」

美琴「このゴンドラ、相当頑丈なつくりなのに……すごい衝撃だったんだね」

ルカ「こいつ自身も体を改造された挙句のこれだからな……もし生身だったらと思うと震えるよ」

にちか「あはは! 脳みそとかも全部出ちゃったりして!」

ルカ「ハッ……そいつは勘弁願いたいな……」


にちかの悪趣味な冗談に苦笑しながら、辺りに手がかりを求めた。


1.水素の吸引機
2ロケットパンチ

↓1

------------------------------------------------

【水素の吸引機】

冬優子が美容のために病院からせしめていた機械も、どうやら爆発に巻き込まれていたらしい。
水素を閉じ込めていたボンベはその面影もないほどに弾け飛んでおり、吸引のためのパイプは根元からひんまがっている。
こうなっては美しさから最も遠い所にある機械かもしれない。


ルカ「あーあ、これじゃ使い物になんねーな。ったく、水素なんか本当に意味ある物なのかね」

にちか「うーわ、そういう一歩引いたスタンスとってるのマジでダサいですよ。分かってるアピールしないと気が済まないんですか?」

美琴「これもウサミのヒントだったみたいだね」


使い物にならないはずのボタンを美琴が押してみると、すけたたましい轟音と共に機械は水素ではない何か別のものを吐き出し始めた。
すっかり淀み切った黒煙が現れたかと思うと、そのまま私たちを取り囲むようにして、一寸先の仲間の顔も見えないほどに充満した。


ルカ「お、おい……なんだこれ……何が起きてる……!」


にちかと美琴を探して煙を掻き分けるようにした。手の振りに合わせて煙は退いたが、そこに在ったのはその二人の姿ではなく。



美琴『……【浅倉透】、このコロシアイであなたは命を落としていると書かれているけれど、どうしてここにあなたがいるのかな』



浅倉透と美琴の二人の姿だった。
だけど、さっきまでの美琴とはどこか違う。
さっきまでにはなかった明確な敵意と殺意を込めた視線に、これまで感じたことのない熱。
今一緒にレクに参加していたのとは、まるっきりの別人と言ってしまった方がいい。


(……なんだ、私は何を見ている?)


そして、自分自身の体はまるで地面に張り付いてしまったかのように動かない。
声を発そうとも口がパクパクと動くだけで何も出てこない。
全身を拘束されて、映像を見させられているような、そんな感覚に陥った。
そして実際、その喩えは間違っていない。
私の目の前で続いたそれは、私の中の記憶の上映会だったからだ。


透『そっか……私、死んでたんだ』

透『……ううん、知らない。私は、何も知らない。聞かされてもいなかったからさ、死んでたってのも』

美琴『ふざけるのもいい加減にしてもらえるかな』

美琴『あなたはにちかちゃんの命をかけた糾弾をどこまで時踏み躙りたいの。答えをいつまでも出さずに、バカにしているとしか思えない』

透『……ごめんなさい』

透『もう、言わざるを得ない……か』

透『私は、みんなの知ってる浅倉透とおんなじだけど違うんだ』

透『みんなが覚えてる浅倉透が今の『私』』

透『みんなの知らない浅倉透が写真の『私』』

透『……写真の『私』の過去の私が、今の『私』』

透『『浅倉透』のある部分までの記憶と人格とをコピーして作られたのが、『私』なんだよ』


(……!)


……そうだ。
私たちがこの島で接していた浅倉透という人間は全くの偽物。
本物とほとんど変わりない記憶と人格を持っていただけの、別人だったのだ。
そしてその肝心のオリジナルは……とうに死んでいる。
私たちよりも前に、コロシアイの中で命を落としてしまっていた。
そのことを知らされもせずに、ただ真似ていただけの不出来な人形がこの浅倉透なのである。


(……本物は、とっくに死んでいる)


私の記憶の再現が終わるとやがて黒煙は断ち消えた。
にちかと美琴も同じものを見ていたのかと尋ねるとキョトンとして首を振った。
彼女たちを包んだ黒煙は私とは別物だったのだろうか。
それとも私がただの幻を見たと言うのか。


(……今のは、私に何を見せたかったんだ)


ただ、私の脳内でなにかが錆び付いていることだけは確かだった。


コトダマゲット!【オリジナルの浅倉透】
〔この島にいる浅倉透の元となったオリジナルは既にコロシアイで命を落としている。コピー体の浅倉透はどうやらその事実を認識していなかったらしい〕

【選択肢が残り一つになったので自動進行します】

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【ロケットパンチ】

ゴンドラの天井の内壁を大きく歪曲させている異物。
この中で最も焦げ付いているパーツはこれになるだろう。
爆炎の中心部にあったであろうパーツは元がなんだったのか即座にはわからないほどに黒ずみ、開いたはずの指は熱で接合されて固く閉じられている。
本来ならこの手のひらでユニットの最年少の頭を撫でていたであろうに、無情なことだ。


にちか「どれだけ強化されても、それで自分自身を殺しちゃうんじゃ意味ないですけどね。文字通りのブーメランってやつです」

美琴「彼女、鍛えた自分の体に自信があっただろうに。こんな形で踏み躙られちゃうんだね」


ニ!黹¡蠃
元々持ってい■希望と理想が■■ゃぐちゃ■潰さ■■様は美しいんで■■そこか■立ち■■か■こそコロシア■はエン■■テイン■■トと■て素晴ら■■んです


ルカ「ま、これにもウサミの魔法がかけられてるのは間違いないみたいだな。……ほら」


またしてもけったいな発光と共にその姿は変化した。
少し久しぶりの長方形、情報がファイリングされた書類形態になって私の手の中に収まった。


ルカ「今度は……『候補者リスト』? なんのことだ?」

美琴「……心当たりはないけど、読んでみたらわかるんじゃない? 開いてみて」

ルカ「おう……」


美琴に促されるままにページをめくる。
丁寧で丈夫に綴じられている書類は、情報の整理に加えて保管の性質が蓄えているだろうことを窺わせる。
実際、これまでにみてきた活字の波とは少しその様相が異なっていた。
続々と並ぶ顔写真に、その横に付記される詳細な情報の数々。


にちか「これ、書類ってより名簿って感じじゃないです?」


小学、中学、高校。それらの過程を経るたびに押し付けられた、無駄に根の張る嵩張るだけの一冊。
思い出の押し売りと揶揄したアレに、よく似ていた。


美琴「……私たち一人ひとりの名前と、他の誰かが羅列されてるんだね」


その既視感は私たちの個人情報がおしげもなく書き広げられたページのせい。
後から見返すのが小っ恥ずかしくなる作りをしているのがそっくりだ。


にちか「うわー……私の分もありますよ、これ」

ルカ「……これ、とりあえず全員分の纏めとくか。簡単にな」

美琴「そうだね、どれが誰に対応しているかは押さえておこうか」


風野灯織…【超高校級の占い師】飯田数秀
三峰結華 …【超大学生級の写真部】蜷川卓
田中摩美々…【超高校級の服飾委員】喜多川新菜
小宮果穂…【超小学生級の道徳の時間】本城ハヤ太
園田智代子 …【超高校級のインフルエンサー】不破アルル
有栖川夏葉… 【超大学生級の令嬢】菱井友安
桑山千雪… 【超社会人級の手芸部】四季衛児
芹沢あさひ…【超中学生級の総合の時間】上蔵居鶴
黛冬優子…【超専門学校生級の広報委員】永瀬美奈
和泉愛依…【超高校級のギャル】 藤村美優
市川雛菜…【超高校級の帰宅部】小野田・K・ユーサク
七草にちか…【超高校級の幸運】苗木誠
緋田美琴…【超高校級のシンガー】夜々中亜道
斑鳩ルカ…【超高校級のダンサー】関口小春


ルカ「……大体全員に他の誰かがあてがわれてるな」

にちか「ないのは月岡さんと浅倉さんの二人だけですねー」

美琴「まあ、コロシアイの黒幕と偽物の二人だからしょうがないんじゃない?」

ルカ「にしてもこいつら誰なんだ? 正直名前に全く心当たりはないぞ」


私たちの横に並んだ名前は、どれをみても聞き覚えが欠片もない。なにを持っての『候補』なのか、どういう選考基準なのか。
全くもって意味のわからない文字の並びに、取り残されるばかりだ。


にちか「それに、なんか気色悪いですよこのリスト。私たちのこともそうですけど、この候補者さん?たちのところも」

美琴「……『自分に自信はないが正義感は強い。献身的な思考が根底にあるが、自己犠牲が過ぎる面もある』」

ルカ「プロフィール……にしてはなんか詳細だな」

にちか「うわ、なんですかこれ。今に至るまでの主たる出来事……? プライバシーガバガバが過ぎますよ」


一人の人間について網羅するには十分すぎるだけの情報量。
さっきまではこの一冊を名簿として表現していたが、それでは生ぬるい。これではもう、図鑑と言ってしまった方が正しいのではないだろうか。


(……誰が、何のためにこんなものを?)


コトダマゲット!【候補者リスト】
〔今回のコロシアイの参加者から恋鐘と透を除いたメンバーと、他の誰かの名前が書き連ねられたリスト。才能の他に異様なまでに細かい個人情報が付記されている〕


にちか「今回、死体バラバラですけどちゃんとパスワード貰えるんですかねー?」


にちかはそんなことを言いながら頭を持ち上げてその場で何度も振り回した。
光を失った瞳の頭部は振り回されるのに合わせてカラカラと玩具箱のように音を立てる。
無邪気さに裏打ちされた空虚さが胸を刺す。


美琴「そもそも死体と言えるのか疑問だものね、これはほとんど故障品のようなものだから」

にちか「あはは、ホントですねー! パスワードもらえなかったらジャンク品で売り飛ばしちゃいますかー!」

(……)

美琴「……どうしたの、ルカ?」

ルカ「あ、いや……なんでもない」

にちか「ちょっと、何面食らってるんですか。ただの死体なんですよ、ただの物なんですよ? なのにそんなふうに感情移入するのっておかしくないですか?」


*膩△豸∫
所詮は希望のた■の踏■■なんです■こ■で消費さ■■だけ■存■な■■そん■物なんで■皆さ■■希■にな■た■■存在■■ですから死■な■■に躓■てる場合じゃな■■です


ルカ「……ああ、悪い」


にちかの言うことは全面的に正しい。正論だ。
希望はなによりも素晴らしく、何物も犯してはならない、尊く強いものである。
弱者の死への感傷のせいで希望を曇らせるなどあってはならない。
より眩い希望を手にするための糧にするのが道理なのであり、そのために消費されるなら死者も冥利に尽きると言う物だ。
ありとあらゆる犠牲の上に立つのが希望である。そのためなら殺戮も肯定される。それが人類としての美学なのである。



美琴「ほら、ルカも手伝って。バラバラの死体をもっとめちゃくちゃに破壊しよう」

にちか「そうですよ! 死者の尊厳をめちゃくちゃに踏み躙って、踏み台にしましょう!」

ルカ「おう、そうだよな……それが希望のためだもんな……」


ふらふらと死体の左腕を持ち上げた。
剥き出しのケーブルには漏れ出したオイルが伝い、その下の地面に緑色の水溜まりを作っている。


ルカ「じゃあ、これをぶっ壊すか」


目一杯振り上げたその瞬間……


ナ?腫


彼女は背後に立っていた。


にちか「あれ、人間の姿ですよ。うわー……全身火傷しちゃってます、痛そー……」

美琴「赤く爛れて……衣服が皮膚と一体化しちゃってるね」

ルカ「……」


爲ツツツツツツ¡¿瀉
私の選■■間違っ■いな■■た力が■■なかった■け守■な■■たのは■の弱■のせい私■も■■しっかり■■いれ■■がもっと強け■ば私が■っ■何か■てあ■■ことができてい■なら


にちか「おっ、パスワードゲットです! 四つ目は『ク』です!」

美琴「やったね、にちかちゃん」

にちか「はい!」

(……)


死者を蘇らせて、パスワードを喋らせるだけ喋らせたら骸に還す。
最後の最後まで死を踏みにじる行為には吐き気を催すが、それが希望のためなのである。
偉大なる希望のためには瑣末な犠牲など無視される。
人権なんてものも希望の前には塵芥同然、人間の意志など大いなる意志に従属するのが道理。
何も考える必要はない何も悼む必要もない。希望のために全てを消化し呑み下せ


美琴「……ルカ、さっきからぼうっとしてどうしたの?」

にちか「そんなバッチい死体なんか無視してさっさと次行っちゃいましょう! 時間は待ってくれないんですよ!」

ルカ「……お、おう」



死体はまた私たちの目の前で膝から崩れ落ちた。
力が入っていない肉体は自立しようとすることもなく、損壊も厭わずにクシャクシャの形で地面に額をぶつける。
あれほど気高かかった女性でも、死んでしまえばこんな醜態を晒す。


(なんだ、なんなんだよ……さっきから)


希望のための犠牲、そう割り切るべきなのに……胸中に湧き上がる異物が、息苦しかった。


にちか「で、いよいよラストですね! 『収穫祭』……どこか畑とかありましたっけ?」

美琴「……これまでと同じなら、何かを例えた表現なんだろうね」

ルカ「……収穫、な」

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『収穫祭』

【第五のヒントが指し示す場所を選べ!】

↓1

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【第五の島 ワダツミインダストリアル】

南国の情緒を正面からぶち壊す工業地帯、その中でもぶっちぎりな巨大な工場がここ。
収穫祭なんてのどかな情緒からは程遠い排気ガスに咳き込みながら、そのシャッターを上げる。


にちか「うるさー……会話もままならないじゃないですか、こんなの」

ルカ「だな……そこかしこで金属音がしてやがる」

にちか「えー?! 何か言いましたー?!」

美琴「そこかしこで金属音がしているから声が届かないねって」

にちか「あ、確かにー! ですです、それを思ってたんですよー!」

ルカ「……」


金網や鉄板で仕立てられた足場を歩いて行くと、やがてそこに行き当たる。
工場というよりはガレージに近い開けた空間。
といっても自動車なんかをしまうようなこじんまりしたものではなく、航空機だとかの規模の体育館のような高さと広さ。
そこに堂々と鎮座しているのは、私たちを何度も脅かしてきた……あの機体だ。


にちか「エグイサル……しかも全色揃ってますよ」

美琴「それに……何かを取り囲んでいるみたい。あれは……椅子? 何か座っているようだけど」

ルカ「……!」


そこにあったのは、首のない死体。
両手を椅子の肘置きに固定され、美容室のように首から下にはシートをかけられている異様な姿。
断面から滴り落ちた血液は、まだ乾いていない。
ぱっと見では誰とも分からないその姿に、私はつい怯んでしまった。


にちか「これ、誰なんですかねー?」


死体に臆す必要など何もないのに。
にちかは少しも怯む様子もなくぺたりと死体に被さられているシートを捲った。まだ乾ききっていない血が飛び散り、その額にかかった。


にちか「これ、服装的に市川さんじゃないですか? まあ制服も血で汚れちゃってますけど」

ルカ「……っぽいな」

にちか「ちょっと、何やってるんですか。ほら、もっと近づいてみてくださいよ」

ルカ「……わかってるよ」


にちかに促されて私も死体を覗き込んだ。
やはり見立て通りこの死体の身元は市川雛菜なのだろう。
肉付きのいい体に、すらりとした手足。
それに纏っている制服には私でも見覚えがあった。
彼女が愛してやまないキャラクターのアップリケも血に汚れてしまっている。


美琴「彼女が最後のパスワードを握っているのかな」

にちか「なら、さっさと見つけちゃいましょうよ! そこら辺に市川さんの頭、転がってないです?」

(……それは、流石に勘弁願いたいな)

1.エグイサルのリモコン
2.エレクトボム

↓1

1 選択
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【エグイサルのリモコン】

死体の脇に落ちている妙ちくりんな装置。
やたらゴテゴテしたボタンが取り付けられた板からは、いかにもなアンテナが伸びている。


にちか「これ、もしかしてエグイサルの操縦に使うやつですかね?」

ルカ「……おい、ボタン押したりすんなよ? 誤作動で殺されるとかマジで勘弁だからな」

にちか「しませんよ! いちいちうるさいなー」

美琴「きっとそれもウサミのヒントだよね、にちかちゃん怪しいところはない?」

にちか「は、はい……うーん、どうなんですかね。見たところ変わったところは……」

美琴「……なら、ボタンを押してみるしかないんじゃないかな」

ルカ「……は?! ちょっ、待」

にちか「はい! ぽちっとな!」


私の制止は一瞬で棄却。にちかは迷うこともなくボタンを押してしまった。
そして、それがトリガーになった。


にちか「わ、わ、わ〜〜〜!!」


例の如く、ウサミの魔法だ。
リモコンは宙でその姿を変え、バインダーに綴じられた一枚の資料となって私たちの手に落ちた。


『我々の開発も一定の成果をあげた。いよいよ実証段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。性格における一部類似点に加え、実験の準備段階で蓄積された類似経験が作用し、特に目立った拒絶反応も発生することなく実験も成功した』


そこには『実験』と称される詳細不明な研究の記録が残されていた。
写真のようなものも殆どなく、具体的な名称も検閲の対象となっているのか悉く記述を避けられている。
ここにある被験体αというものが、どんな形状のどんな性質なものなのか。ここからだけでは読み解くこともできない。


にちか「……これ、もしかして人間の話をしてます?」

ルカ「人間だぁ……?」

にちか「ほら、ここ……『性格』って書いてますよ? 動物とかだったら言わなくないです?」

美琴「それは……どうなんだろうね」

ルカ「いや、人体実験の記録ってことか……? そんなの、法が許さないんじゃ……」


司法がなんだ希望より先に立つルールなどないこの世界に希望をもたらすためなら多少の逸脱は看過されるべき
自戒せよ我々は世界のために生きている社会のために生きているのではない秩序よりも優先されるべき使命というものがある


ルカ「……あ゛っ、ガッ……」

美琴「どうしたの、ルカ?」

(……一体なんなんだ、さっきから頭ん中が……)


コトダマゲット!【被験体α】
〔捜査の中で見つけた怪しい実験記録。『我々の開発も一定の成果をあげた。いよいよ実証段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。性格における一部類似点に加え、実験の準備段階で蓄積された類似経験が作用し、特に目立った拒絶反応も発生することなく実験も成功した』〕


【選択肢が残り一つになったので自動進行します】

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【エレクトボム】

死体の懐からこぼれ落ちたであろう毒々しいピンク色の球体。
団子の串ように上部にささったピンが、その正体を物語る。


にちか「ば、爆弾……?! これ、ヤバくないですか……!?」


といっても、その正体を私たちは知っている。
これは浅倉透、そのコピーが島に持ち込んだジャミング装置。
炸裂した近辺の電波を一時的に機能停止にし、特定の周波数のもの以外通さなくなるらしい。


美琴「……」

ルカ「……」

にちか「あれ? ルカさん? 美琴さん? どうしちゃいましたー?」


この爆弾のことなど知り尽くしているはずなのに、私と美琴は凍りついてしまう。
まるで張り付いてしまったように、この爆弾が手から離れない。


ルカ「……これが、これがあれば美琴は死なずに済んだのに」

にちか「……」


その言葉を口にしていたのは、知らずの私だった。
意味も所在もわからぬままに飛び出した言葉に、自分自身で困惑していた。


にちか「……これ、元々は浅倉さんの持ち物なんですよね?」

ルカ「……え? あ、お、おう……確か……そのはず……」

美琴「エレクトボムを使って誰かと連絡を取っているのを目撃したからこそにちかちゃんは殺害を考えたんだよね」

にちか「ですです! 裏切り者だ、殺せー!ってなって」


《にちか「初めから、裏切ってたんですよ。浅倉さんは。私たちが外の世界と連絡が取れないことに焦っていた中で、別の誰かと連絡を取っていて……一人だけこの孤立無援の恐怖を感じていなかった」

にちか「だから私思ったんです。ああ、この人はちがう……私たちの仲間じゃない、モノクマとの内通者なんだって」

透「……」

夏葉「……透、説明してもらえるかしら。あなたの口で」

透「あー……」

透「あの時の、にちかちゃんだったんだ」》


にちか「だって怪しすぎじゃないですか! みんなこの島に幽閉されて孤立無縁のはずなのに、一人だけ外部と連絡を取ってたなんて……絶対絶対裏切り者じゃないですか!」

ルカ「……いや、でもあいつはオマエが死んだ後は誠実に___」


深酷ト、
にち■ち■■の言う通り浅■透は私た■■敵私■ちを殺し■■は彼女惨劇■引き起■■たのも彼女全■■責任は彼■■ある

‼︎尓…チ
浅倉透■許すな浅■透を吊■せ浅倉透を弾■せよ

ルカ「……浅倉、は」


浅倉透がいなければ私たちは大事な存在を失うこともなかった。
浅倉透がいなければこんな思いをすることもなかった。
浅倉透がいなければ私は私のままでいられた。


《透「……死にたくない、以上に裏切りたくない」

透「だから、高望みするよ。勝つって、黒幕ぶっ倒すって」》


ルカ「……あ、ぐ、う」


Command01
浅倉透を憎しみ続けろ

Command02
浅倉透を恨み続けろ


……違う、私たちがこの島の生活の中で見てきた浅倉透は憎まれ、恨まれるような存在じゃない。
あの時にちかの目撃した姿だって、きっと。

コトダマゲット!【透の外部との通信】
〔第一の事件の前日、透はエレクトボムを使用して黒幕からの干渉を拒絶した上で島の外の人間と連絡を取っていた〕


にちか「やっとこれで最後のパスワードですね……他のチームはもうクリアしちゃってるのかな」

ルカ「どうだろうな……途中で他の連中に会うことはなかったが」

美琴「会うも何も、みんな死んじゃってるからじゃない?」

にちか「あはは、確かにー!」


骸を前にしていつもながらの談笑。
もうこれで五度目のこと、たとえ死に怯える幼い子供でももう慣れてしまっても当然の域だ。
だが、私は対照的に……数を重ねるごとに違和感を募らせていた。
なぜ私は死体を前にして平然とできる?
なぜ私は死体を前にして笑顔を浮かべられる?
なぜ私は……一度見た死体をもう一度見ている?


にちか「でも、今回はどうやってパスワードを教えてもらえるんですかね? 喋ろうにも首が取れちゃってますよ?」

美琴「そうだね、首もどこに行ったのか分からないし……引っ付けたところで戻るわけじゃないからね」

にちか「うーん……どうすればいいのかな……」

にちか「……あっ!」


死は何度でも私たちを嘲笑う。
頭を抱えて悩んだところで、平然と裏返り、情緒の一切を踏み潰すのだ。


ルカ「……うっ」


首のない死体は椅子から身を起こし、千鳥脚に私たちの前に立ち塞がった。
断面から噴き上がった血が宙でうねり、やがて歌舞伎の隈取りでもするかのように人の顔を象った。
市川雛菜の顔というにもあまりにも不出来な、落書きのようであった。


非\9亡
暗■動けな■怖い■■起き■■わからな■全身が痛■雛■が何をしたの誰■■庇うの■そん■■悪いこ■なの


にちか「うーわ……これ今までの中でも最悪じゃないです?」

美琴「……ちょっと、ギョッとしちゃうね」

ルカ「……」


市川雛菜の骸に対して冷ややかな反応をする二人を見て、私はやけに冷静な視点だった。
気がついた時には私もすでに飲まれてしまっていたが、この二人の反応は明らかに異常……

どう考えたって、こんな状況でこんな反応をするような二人じゃない。
姿、記憶、人格……それらは元の二人と対して変わりないが、それ以外のものが……大切な何かが欠落しているのだ。
そして、それは先ほどまでの私も同じ。
幾多の死に接したことで逆に冷静さを取り戻し、我に返った私からすればこの半日のことが不気味で仕方ない。


(……どうして)


それなのに、体が言うことを聞かない。
私の意識は椅子に縛り付けられたようで、私でない何者かが私を演じているのを見せつけられている。


&鄙:儺&
雛菜■首を返して■雛■の右手を返し■よみん■と一■■笑っ■たしあ■せを返して■楽し■■た学■生活を返■てよ


にちか「うわっ、うーわ! ちょっと近寄らないでくれますー? 血がこっちまで飛んでくるんですけどー!」

美琴「ほらにちかちゃん、パスワードも喋ってるよ。ちゃんと彼女の言葉を聞かなきゃ」

〓nul无《
守りたい■■を守■■だけなのにど■して恨まれな■■いけな■の■菜は雛■のや■たいことをや■ただけな■■どう■て


にちか「あー……最後のパスワードは『ミ』みたいですね。はい、もう聞けたんで適当に死んじゃっといてくれていいですよ」


にちかが右手で適当にあしらうと、すぐに死体は膝からその場に崩れ落ちた。
人の顔を象っていた血液は重力の支配に再度戻り、鉄板の床にびしゃびしゃと音を立てて散らばった。


にちか「ほんと最悪……ちょっと汚れちゃいましたよ、服」

ルカ「ハッ、いいじゃねえか。地味の地味過ぎる制服にいいアクセントだ」

美琴「大丈夫? ハンカチ、使う?」

にちか「い、いえ! ちゃんと自分のもありますから!」


5つの骸からパスワードを受け取ったところで懐から紙を取り出した。
このウォークラリーの初めにウサミから受け取った紙には、おあつらえ向きに五文字の空白が設けられている。


ルカ「ここに一文字ずつ入れ込んで……と」

美琴「ここで集めたパスワードが、ノートパソコンのログインのパスワードになるんだよね?」

にちか「はい! どうです、ルカさん? パスワードは何になりました?」




ルカ「……『ヤクモナミ』」




にちか「……!? そ、それ……!」

美琴「それって、にちかちゃんにとっては憧れのアイドルで……」

ルカ「私にとっちゃ……唯一の肉親だった人だ。もう、死んじまってるけどな」



_____『八雲なみ』

昭和の一時代を築いた伝説的なアイドルの一人。
発表された楽曲はあっという間に世間の評判を集め、あらゆるヒットチャートに彼女の名前を刻みつけた。
同世代はもちろん老若男女の話題を掻っ攫い、アイドル全盛期の時代を席巻した少女。
そんな彼女は……絶頂の最中に自ら命を絶った。
世間には隠して私を身籠もっていた彼女は、仕事とレッスンの過酷さや当時のプロデューサーからの精神的圧力に耐えかねたらしい。
デビューから数年と経たないうちの出来事に、当時はそれなりに話題にもなった。

そんな名前が、どうしてここで。


ルカ「……ウサミのやつ、どういうつもりなんだよ」

美琴「考えるのは後にしようか。とりあえず今はホテルに戻って入力するのが先」

にちか「ですね! 他チームに負けたくないですし! ほら、ルカさん!」

ルカ「……おう」


胸がいやにざわつくのを抑えることはできなかった。


区切りがいいところなので本日はここまで。
候補者リストに登場した名前は一部を除いて全員元ネタアリのネーミングなのでよければ考えてみてください。
才能に関連する由来になっています。

次回更新は11/11(金)21:00ごろを予定しています。
早く開始できそうなら前倒しするかもです。
それではお疲れさまでした。

候補者リストの元ネタ、
にちかとあさひがダンロンで摩美々が着せ恋のメイン二人の苗字と名前の合成、
夏葉は過去の四大財閥からとって三「菱」+三「井」+住「友」+「安」田
果穂は初代ウルトラマン(ハヤタ・シン)と初代仮面ライダー(本郷猛)の合成かなあって思ったけど苗字が微妙に違うから、
初代スーパー戦隊のゴレンジャーのアカレンジャー(海城剛)も入れて、「本」郷猛+海「城」剛+「ハヤタ」・シン?
灯織がゲッターズ飯田で、ちょこ先輩がフワちゃん、美琴さんがAdo?
美琴さんはもしかしたらYOASOBI→夜遊び→「夜々中」ワンダーラストの連想ゲームとかもある?
あとはもう全然わからん……
ダンサーで関口……メンディー……?とか、帰宅部ということは帰宅部活動記録……に誰も近しい名前ないな……とかなってる

候補者リストの千雪さんのやつの名前の元ネタ、もしかしてすばせかとU19?
もしそうならこの名前の元ネタってマイナーネタ混じってて実は全部正解するのめっちゃ難しい感じだったりする?


仕事の都合で遅くなりました……
候補者リストの元ネタは更新終わりに答え合わせします

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【第1の島 ホテル レストラン】

ホテルに戻ると、そこにはウサミがただの一人。
どうやら他チームの連中はまだ島を捜索中らしい、つまりは私たちが一番乗りだ。
ウサミは手を叩いて私たちを労って歓待した。


ウサミ「こんぐらっちゅれーしょん! シーズのお二人と斑鳩さんの仲良しチームが一番乗りでちゅよー!」

ルカ「……おら、退け。さっさとパスワードを入力させやがれ」


ウサミを乱暴にグッと押しやり、机に腰掛けた。
ノートパソコンは開きっぱなしで電源もつけられたまま。
にちかと美琴の二人に見守られながら、一文字ずつ丁寧に入力していく。


ルカ「『ヤクモナミ』……っと」


『確認』にカーソルを合わせてクリック。
液晶でしばらく白い丸が渦巻いたかと思うと、すぐに起動音と共に『ようこそ』の文字列が浮かび上がった。


美琴「正解だったみたいだね」

にちか「やったー! これでクリアー!」

ルカ「おし……サンキュー、二人とも」

ウサミ「おめでとうございまちゅ! うるうる……あんなに非協力的だった斑鳩さんがこうやって仲間を労っているなんて、あちしはその変化に涙ちょちょぎれでちゅよ!」

ルカ「ちょちょ切れるもなにもぬいぐるみがどうやって涙流すんだよ」


にちか「そんなどうでもいいことよりルカさん、何かポップアップしてますよ!」

ルカ「ん? あ、おう……」


にちかに促されるまま視線を液晶に戻す。
ログインと同時にパソコンでは何かが立ち上がっていた。どうやらこれはメールボックスらしい。
いくつかのメールが未開封なままに残されている。


美琴「開けちゃってもいいのかな。これ」

ウサミ「問題ありまちぇんよ! このノートパソコンはミナサンにプレゼン・フォー・ユー! 中に入っている情報も何もかもミナサンのためのものなんでちゅからね!」

ルカ「おし……確かめてみるよ」


とりあえず目についたメールを右クリック。
旧型のパソコンなのか、少し時間をかけてからメールは展開された。


『A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む』


ルカ「……はぁ?」

美琴「どういう意味なんだろうね」

にちか「なんか『A』?って人が離反したみたいな文面ですけど……」

ルカ「それに、こいつはそれなりの立場にある人間みたいだぞ」

美琴「そんな人が組織の意向に背いてまで成し遂げたかったこと……なんなんだろうね」


コトダマゲット!【Aへのメール】
〔ウサミのウォークラリーの末にロックを解除したノートパソコンに入っていたメール。『A』という人物が組織の意向に背いて独断で動いた旨が記されている〕

------------------------------------------------

にちか「他のメールはどうです?」

ルカ「んー……あとはスパムメールとか……あんま碌な情報は残ってなさそうだな」


メールをいくら開封しても役に立ちそうな情報はなし。
明らかに作為的に与える情報は絞られている印象だ。
ウサミの奴、味方ぶって見せるわりには一丁前に検閲をしているらしい。


ルカ「この『A』ってのがパソコンの所有者っぽいんだが……詳細はわからないな」

美琴「メールの送信者元はわからないの?」

ルカ「アドレス以外は特に残ってねえな……」

にちか「じゃあそのアドレスをクリックですよ! もしかしたらそこから手がかりが……」

ルカ「……ダメだな、そもそもこのパソコンがネットワークに接続してない」

にちか「じゃあ適当に電波の一つでも拾って……」

ルカ「……あ? どうなってんだ?」

美琴「どうしたの?」

ルカ「いや、今周りの電波環境をパソコンで検索したんだけどよ……まるで電波の類がないんだ。ネットワークに接続する以前の問題だぞ」

にちか「えー? それじゃテレビやラジオもダメってことですー?」

美琴「まさに絶海の孤島……だね」

(それじゃ、どうやってこのメールは送られたんだ……?)


コトダマゲット!【島の電波環境】
〔ジャバウォック島には電波の類が一切なく、外部から完全に隔絶されている〕

------------------------------------------------

ルカ「……しょうがねえ、メールボックス以外のところを見てみるか」

美琴「外に接続できないのなら、中の情報を見るしかなさそうだね」

にちか「ほら、ルカさんフォルダを展開、展開!」

ルカ「わーってるよ、急かすんじゃねえ」


メールボックスを一旦閉じて、今度はフォルダを開いた。
写真、ドキュメント、音楽……ぱっと見は普通のパソコンと変わりない。
しかし、その右に表示されているストレージの残量ゲージを見てみると並ならぬ量がそこに注ぎ込まれていることが一目でわかる。
間違いない、宝石はここに眠っている。


にちか「ファイル、結構大雑把に分けられてますねー。大半は使い物にならなそうですけど」

ルカ「だな、風景写真やら観光地の案内やら……何かのカモフラージュのつもりか?」

美琴「……待って、この写真。開いてもらえる?」

ルカ「ん? おう」


美琴の目に止まった一枚の写真。
それがポップアップした途端、私にも僅かにあった違和感は完全なる既視感に転換した。


ルカ「この写真は……!」



《「んだよこれ……!?」

そこに写っていたのは私たち。
この島にやってきた連中が全員横並びになって……目を瞑っている。
目を瞑ってコールドスリープ用の機械に横たわっている姿が写っていた。
だが、それで終わらない。
この情報の持つ意味、その一番大きなところは……その上。

「なんで、なんでこいつら……」

風野灯織、田中摩美々、和泉愛依、園田智代子、市川雛菜。
前回のコロシアイの生き残りだと名前が上がっていた連中は……白衣を着て、私たちを見下ろしていた。

____その機械でまるで、人体実験でもしているかのように。》


冬優子を裁判で処刑したあの晩に、無理矢理に押し付けられた混迷の一枚が再び私の前に立ち塞がったのだ。


にちか「え? これ、どういうことなんですか……? ちょっと、意味がわからないんですけど……」

美琴「この五人は……何をしているの? 私たちを見下ろして……」


結局、私はこの写真については共有を避けた。
そこに写っているものが何を意味しているのか、これが本当に正しい写真なのか。その詳細の一切が不明で、必要以上の混乱を招くと思ったからだ。
きっとその判断は間違っていなかったはず。二人がこれほどまでに当惑しているのだから。


ルカ「……今は、一旦置いとくぞ。情報は情報としてだけ受け取っておけ。邪推はすんな」


<<黹Qa*
前回のコ■■アイを生き抜い■者た■■器はす■■熟し■いる

麼/:‖亊
残すは彼■らも共に薪■焚べ■■け輝■■踏み台に才■を世に送り■■■だ


ルカ「……ああ」

コトダマゲット!【冬優子の写真】
〔冬優子が裁判終わりにルカに託した一枚の写真。前回のコロシアイの生き残り5人が、今回の参加者を機械に繋いで見下ろしている様子が写っている〕

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にちか「それと、やっぱりこのフォルダが気になりますよね!」

ルカ「ああ……ぶっちぎりで一つだけ容量の大きなフォルダ。意味がないって方が無茶な話だ」


そのフォルダは明らかに異様だった。
容量の大きさもさることながら、更新日時の日も浅く、かつ文書や画像、映像も一緒くたに取り込まれているのだ。
まめに整理をする様子ではなかった持ち主のことだから、乱雑にぶち込まれてしまっているのだろうが、それにしても悪目立ちしている。


美琴「……でもこれ、開けられないね」


美琴の指摘通り、残念ながらその中身を見ることができないというのがネックなのだが。
クリックして展開の指示を出しても、アラーム音と共に錠前に阻まれる。


美琴「フォルダ名は……『方舟計画』? なんのことだろうね」

ルカ「つーかせっかくパス解除したのにまたロックがあるのは反則だろ?」

ウサミ「えーっと……それに関してはすみまちぇん……」

にちか「申し訳なく思うなら解除の一つでもしたらどうです?」

ウサミ「それも……すみまちぇん」

にちか「えー、めちゃくちゃケチですねー! なんでなんですかー?」

ウサミ「お、乙女の秘密って奴でちゅよ!」

ルカ「持ち主はオマエじゃねえだろうが……」

(歯切れが悪い奴だな……)


でも、歯切れの悪さはここに眠っている情報が重要なであることを証明している。
このパソコンに眠っていた『方舟計画』という言葉だけでも覚えておいて損はないだろうな。


コトダマゲット!【方舟計画】
〔ノートパソコンに入っていた謎のフォルダ。その情報量はかなり多いようだが、ロックがかけられており解錠はできない〕

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ルカ「……で、一通り中身は見終わったわけだが。これでどうしろってんだ?」


ノートパソコンの中には重要な情報があるにはあったが、それも可能性と疑問止まり。
私たちにとって具体的な形で助けになるかと言われればそれは違う。
ウサミの狙いを計りかねて、つい乱暴な口振りになる。


ウサミ「はい! 御三方はあちしのレクリエーションのファーストステージをクリアされまちた! ここから先はセカンドステージでちゅ!」

美琴「セカンドステージ?」

ウサミ「この島にはもう一つパスワードのロックをされてる場所があったのは覚えてまちゅか?」

にちか「この方舟計画とはまた別で、ってことです?」

ウサミ「はい! 今回のウォークラリーのメインはそこなんでちゅ、ミナサンの手で新しい場所を開拓して欲しいんでちゅ!」

美琴「それって……第2の島にあった遺跡のことかな」

ルカ「そういえばそんなもんあったな……あのマシンガンが付いてる並ならぬ奴」

美琴「遺跡のパスワードはノートパソコンとはまた別物なの?」

ウサミ「はい! 遺跡のパスワードは、もう一つの未開の地に眠っていまちゅ!」

にちか「もう一つの……未開の地?」

ウサミ「その場所を探り当てることができれば、自ずと遺跡のパスワードも分かるはずでちゅ!」

(じゃあ実際のところはその未開の地とやらを探し当てるのがセカンドステージってところか……)

にちか「じゃあちゃっちゃっと見つけちゃいましょう! 絶対一番でこのレクリエーションを終わらせましょうね!」

ルカ「……ったく、あちこち移動させやがって。面倒なレクリエーションこの上ないな」


とはいえこのウォークラリーで全ての島は渡り歩いたはずだ。
まだ足を踏み入れていない場所など残っていただろうか?

【誰も足を踏み入れていない未開の地とはどこ?】

↓1

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【第四の島 ネズミー城】

ジャバウォックの島々の中でこの空間は唯一と言ってもいい。
理由はわからないがモノクマもモノミも足を踏み入れようとしない聖域。
とはいえその城には出入り口らしいものも見当たらず、真っ白なレンガの絶壁に阻まれるため、私たちも息をつくことも叶わないのだが。


ルカ「未開の地といえばここぐらいのもんだろ? この城の中にパスワードのヒントは眠ってるはずだ」

にちか「言われてみれば、誰もまだ入ったことない場所ですよね」

美琴「……でも、どうやって入るの? こんな壁、人の力だけじゃどうしようもないよね?」

ルカ「ああ……何か爆弾でもないとな」

美琴「……」

ルカ「……?」

美琴「ねえ、さっきのエグイサル……使えないかな」

ルカ「はぁ? エグイサルを使うったって……どうやってだよ」

美琴「えっと……口で説明するより、実際に見せた方が早いかな」

ルカ「……あ?」





『私が……この、赤いエグイサルに乗っているのが……っ!』








「緋田美琴だから」



何が起きたのか、理解ができなかった。
突然に顔の横を突き抜けていった突風と熱。
爆音が全てをかき消す中で、瓦礫が後ろに飛んでいくのを目視しながら自分の目が覚めていくのを感じていた。

……悪い夢を見ていた。
悪霊に取り憑かれたように、自分の体は何者かによって操られ、思考の一つ一つも導かれて、肉体と精神は完全に私の支配の外にあった。

そこで抱いた感情も、私が口から吐き出した言葉も、その全てが粘土で作られた模造品。
むせ返るような図工室の香りに、私は嘔吐感で膝を折った。


(……私は、今の今まで何と話してたんだ)


あたりにこぼれた直近の記憶を拾い集めてみると、顔が黒塗りされた誰かと談笑している自分の姿。
人の死を嘲るような言葉をつらつらと楽しそうに語っていた。


「ざけんな……ざっけんな……!」


胃からせり上げるものを必死に抑え込んだ。
記憶に蓋をすることはできても、取り替えることはできない。
連中の死を玩具にしたことに対する嫌悪が湯水のように湧いてくる。


「マジで……死ねよ、私……」


それと同時に認知が蘇る。
今目の前で起きたことは、忌まわしき記憶の再現。
その受け入れ難さを前にして、嚥下を拒絶し、現実から逃避することに決めた死別。
和解をすることも叶わないままに迎えたエンドロールは、私に改めて後悔と無力感を痛感させるには事足りていた。

深淵の闇に堕ちた心境とは裏腹に、その視界は開けていた。
俯くことすらできずにいた私は、砂煙が捌けた後に現れた城の内部をそのまま受け止めることとなる。


「……なんだ、これ」


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【ネズミー城 内部】

ふざけた外観からは予想だにできない、色彩と空間。
黒と青がタイルのように散らばる部屋は異様な無機質さで、漂う透明なキューブは電子を纏う。
床と壁には絶えず文字列が走り、毛細血管のようにタイルの合間にLEDが張り巡らされている。
近未来という言葉で飾るなら、こういう部屋だろうと思う。


「なん、で……」


しかし、私を驚かせたのは部屋だけで終わらない。


「なんでオマエが……ここにいんだよ……!」


そこには、あの女の姿があったから。




「ふふーん、昨日ぶりなのにご挨拶やね! ルカ!」




不気味なまでに朗らかな表情、押し付けがましさすらある明朗快活な声量。
見慣れたその立ち居振る舞いそのままに、いるはずのない彼女はそこに立っていた。


ルカ「オマエは……死んだはずだろ、なんで……こんな……」


思わず詰め寄る私を、軽くあしらうようにする。


恋鐘?「死んだ? ……ああ、そげなこつ気にせんでよかよ、今更生きるとか死ぬとか些細な話たい」

ルカ「はぁ……?」

恋鐘?「さっきまでルカは何見とったか思い出さんね! 誰と一緒に話して、誰と一緒に行動ばしとった?」

ルカ「……あんなんは偽物だ、あんなのが、二人なわきゃねえ……!」

恋鐘?「んー……ルカん気持ちは分かるけど、話し方も体の動かし方も全部二人のそのまんまだったばい?」

ルカ「だとしてもだ……中身が、まるっきり別もんだっての……!」

恋鐘?「それはルカがそう思いたい、ってだけの話とやろ?」

ルカ「なっ……ちげーよ! オマエも283の人間ならわかんだろ! 美琴もにちかも……人の死を嘲るような下品で始末に追えないやつなんかじゃないって!」

恋鐘?「だから、それが推測に過ぎないって話ばい。目の前で話してる相手が何を考えているのかも本当の意味では分からん」

恋鐘?「相手がどんな人物か、なんてエスパーか神様でもないと読み取ったりなんか出来んからね!」

ルカ「うっせえ……それ以上美琴を穢すならタダじゃおかねえからな」

恋鐘?「んー……ルカも結構剛情やね……」


不可解と不快で募った苛つきに解答は与えちゃくれない。
私の見ていた夢が何かについて、具体的な言及はまるでせずに月岡恋鐘は自分の言いたいことだけを押し付ける。


恋鐘?「まあ、こんな押し問答に意味はなか! さっさと本題に入るばい!」

ルカ「本題……?」

恋鐘?「ルカは今ウォークラリーばしとる最中! うちはルカに最後のパスワードを伝えるためのチェックポイントでしかなかもん」

ルカ「ああ、そういやそうだったな……」

恋鐘?「それじゃあ早速言わせてもらうばい! パスワードは……『0816』の数字4桁! ちゃんと覚えて帰ってね!」

ルカ「……? なんの数字だよ、それ」

恋鐘?「うーん……うちにも意味は分からん……」

ルカ「はぁ……?」

恋鐘?「ま、とりあえず伝えることは伝えたばい! これで用件はおしまい!」


傲慢にもここで背を向けた。
話したいこと以外話す気はないという意思表示なのだろう。


ルカ「は?! ちょ、ちょっと待てよ! どこに行く気だ?!」


思わずその左腕を掴んだ。
手の中に伝わる熱の感触は、なんとなく気味が悪い。


恋鐘?「どこに行くも何も……元あるべき場所に戻るだけの話ばい」

ルカ「そんな無責任な話があるかよ、オマエは黒幕なんだろ? だったら今こうやってウォークラリーをさせてるのもオマエの意志のはずだ」

ルカ「オマエは私に何がさせたい? 何を伝えたい? さっきから断片的な情報ばかり与えて、何を目論んでる?」

恋鐘?「ちょっと待たんね! そげん質問矢継ぎ早にされても答えられん!」


答えられないと言う言葉には、何か含みを感じさせた。
自分の唇を噛むようにして腕をブンブンと振り回す。窮屈さを感じて駄々をこねる子供のようなそぶりだ。
そこから捻り出すような譲歩を彼女は口にする。


恋鐘?「んー……そいなら、一個だけルカに教えてあげてもよかよ!」

ルカ「……一個だけ?」

恋鐘?「時間が圧しとるから、一個だけ! ルカの質問に正直に答えてあげる!」

与えられた権利は手狭だ。
頭の中には無限の疑問符が浮かんでいる。
今の自分も過去の自分も、未来にいるはずの自分も、何もかも未知と不可解に侵されている中で、導として掴むには何が良いのか。
そんなのいくら考えても答えが出るものではない。


ルカ「……聞きたいことは山ほどある」

ルカ「だけど、その中でも一つだけ、どうしてもはっきりさせておきたいことがある」

恋鐘?「なんね?」



ルカ「……天井努だ」



それなら、と私は私自身のルーツを手に取った。
この思考の、この感情の、この言動の、根幹とも言うべきはその男への憎しみ。
他の人間なら誰しもが持つものを、持つという権利すら与える間も無く奪い去ったこの男を許しておけるはずがない。
ましてその男が凶行に走り、その凶行に感化された人間がいるとなるとその事の次第を明らかにしたいと思うのは正常な反応だろう。


恋鐘?「……!」

ルカ「私にとって親の仇とも言うべき男、あいつとオマエは繋がって……このコロシアイを仕掛けた、そういう話だったはずだ」

ルカ「オマエと天井の繋がり、それをハッキリさせろ。この前はそれをちゃんと聞く前にオマエがくたばっちまったからな」


月岡恋鐘は、表情では反応は見せなかった。
余計なことを悟らせまいとしているのか、ただ不器用なだけなのか。いまいち読みきれない。


恋鐘?「ルカが聴きたいのは、うちと社長がどんな関係かって話でよか?」

ルカ「ああ、このコロシアイを仕掛けたオマエたちについて。聞かせてもらうぞ」


深呼吸を一度してから、ゆっくりと語り始めた。


恋鐘?「ルカたちももう知っとる話やけど、社長は283プロのアイドルば対象にして行われたコロシアイの1回目の黒幕ばい」

恋鐘?「そんコロシアイは、時代を超えてみんなの希望になるアイドルを生み出すのが目的やったとよ」

恋鐘?「うちはそん思想に賛同して、社長の仲間……チーム・ダンガンロンパの仲間になったばい」

ルカ「……その、チーム・ダンガンロンパってのはコロシアイを興行にしている組織なんだろ? 天井はそこの重役なのか?」

恋鐘?「ジェネラルマネージャー……幹部とも言い換えれるばい」

ルカ「なるほどな、それで資金繰りや物資の投入が可能だったわけか……オマエもその恩恵にあやかってたのか?」

恋鐘?「社長はもう死んどるから、リアルタイムでどうこうなんて話ではなかね。でも、社長には色々と助けてもらったのは事実ばい」

恋鐘?「コロシアイのいろはを仕込んでもらったし、今回のプログラムだって骨組みは社長が作ったものでうちはそれに手を加えた形やけんね」

ルカ「オマエと社長はいつから共謀関係にあったんだ?」

恋鐘?「1回目のコロシアイよりももっと前……283プロにおる今のユニットが全部揃った頃ぐらいから」

ルカ「……そんな前からかよ」

恋鐘?「はじめは社長がうちにコロシアイの映像を見せてきて……そこで魅せられてしまったばい」

恋鐘?「コロシアイの中で生まれる希望……その力強さと気高さは、他では生み出すことはできんけんね」

ルカ「……よくわかったよ、オマエがずっと初めから狂ってたってことは」

恋鐘?「人がせっかく親切に答えたのに随分な口ぶりばい……」


コトダマゲット!【恋鐘の証言】
〔1回目のコロシアイの黒幕である天井とはユニットが揃った時からの共謀関係。恋鐘はその思想に強烈な賛同を示しており、コロシアイ運営のいろはも彼に仕込まれたものだという〕

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恋鐘?「ルカともっとおしゃべりしたいところやけど、もう時間ばい。ルカは次のステージに進まなきゃいかん!」

ルカ「な……待て、まだ聞きたいことが!」

恋鐘?「ぶっぶー! 質問は一個だけってそう言ったはずばい!」


おどけた様子でまるで相手にしない。
混迷の水位がまた上がりだす。


恋鐘?「それに……うちにわざわざ聞かなくても、ルカはこれから嫌でも知ることになるけん」

ルカ「……あ?」

恋鐘?「とにかく、今は遺跡に行くことだけ考えて! 知りたい真実はそこに眠っとるよ!」

ルカ「おい! 待て!」


最後まで耳を貸すことはなく、月岡恋鐘はその姿を消した。
ずっと目の前で見ていたはずなのに、どこに消えたのかも、どうやって消えたのかも何も分からないままで、私だけが部屋に取り残された。


ルカ「……考える間にさっさと進めってことかよ」


狐にはもう摘まれ慣れた。
今目の前で起きた異常にどうこう言うのも煩わしい。


ルカ「……遺跡、だったな」

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【第2の島 遺跡】

最初にここに来たのは随分と前、最後にここに来たのも随分と前。
要は、探索の時以来まともに近寄ろうともしていなかった領域だ。
来るものを真正面から全て拒絶する盤石すぎるセキュリティ設備に、調査を進めようという意欲も削がれてその存在そのものを忘れ去ってしまっていた。


ルカ「……此処が最終目的地になるなんてな」


散々と島中を歩かされたが、これでいよいよラスト。
いつの間にか靴にくっついていた砂粒を、コンクリを爪先で叩いて振り払った。






「もー! ルカさん人のペース考えて歩いてくださいよ! どんだけがっつくんですかー!」


置き去りにしたにちかが背後から大声で叫ぶ。文句ばかり言うお荷物も、美琴の手前置いて行くことはできない。
形だけでも悪びれておいた。


ルカ「ああ、いや……悪い」

美琴「いいよ、にちかちゃん。大丈夫」

にちか「でも……この人! ぜんっぜん周り見てないっていうか……!」

千雪「ウォークラリーももうこれで終わりなんだもん、走りたくもなっちゃうよね」

ルカ「千雪……人をガキみたいに言うんじゃねーよ」

摩美々「今度こそこれで終わりですかぁ……? これ以上歩くのとか、もう勘弁なんですケドー……」

結華「ウサミは遺跡でパスワードを入力すれば終わりって言ってたよね?」

灯織「はい……そのはずです。パスワードは恋鐘さんから教わった『0816』。これで扉が開くといいんですが……」


風野灯織が一瞥した先には重厚な扉。
鋼鉄でできた扉には『未来』と克明に刻まれている。


智代子「問題は、それを誰が入力するかだよね……」

あさひ「わたし、入力してみたいっす!」

夏葉「待って。扉の横にマシンガンが取り付けられているのを見ても、危険の伴う行為だわ。入力は慎重に行うべきよ」

雛菜「じゃあジャンケンで決めよ〜?」

透「オッケー。私、グーね」

愛依「おっ、透ちゃんサクシ〜! じゃあうちはパー出す!」

冬優子「そんな浅知恵で挑む勝負じゃないっての……下手すりゃ死ぬのよ?」


どこまでも緊張感のない連中に忘れそうになるが、今は最終局面。
このコロシアイ南国生活の進退が決しようとしている最中、自分の命も駆け引きの材料とする覚悟を求められている。


ルカ「……私がやる」


そんなものは、とっくに備わっていた。
正確には覚悟ではなく、苛つきに近い。ここまでの横暴を許したこと、自分達を散々弄んだこと……要因は無限にある。
虫唾がフルマラソンを走る中で、このコロシアイを終わらせることができるのなら自分の命なんて安いくらいだ。


果穂「ルカさん、あぶないです!」

ルカ「いいんだよ、どうせ誰かがやらないといけない……だったらヨゴレの私がやるべきだ」

千雪「ま、待って! ちゃんと話し合いをしてから……」

ルカ「そんな時間はないだろ……今は一刻も早くこの遺跡の中を確かめないと」

結華「だとしても……! そんな、三峰たちを勝手に傍観者にしないでよ……!」

ルカ「……」


制止の声には耳を閉ざした。
おそらく何を言ってもこいつらは聞く耳を持たない。
自分達はみんな平等。
誰かを危険に晒して自分は安全圏なんてもってのほか。

だから、結論は一生出せない。
誰かが一歩踏み出せば、それを引き戻す。
お互いがお互いの命綱を握っているからこそ、彼女たちは賭けに挑むことはできないのだ。



冬優子「ルカ……あんたにもしものことがあったら夢見が悪いのよ……!」


でも、それじゃあコロシアイには勝てない。
命を賭けるという前提に成り立つ秩序の中にいるのに、そこから目を逸らしている彼女たちは啄まれるだけの餌と変わりない。
食い物にされるだけなんて私はゴメンだし、食い物にされている連中を見るのも不快。


灯織「斑鳩さん……一人で背負わないでください、私たちで別の方法を何か考えてもいいですし……」


指で一つ一つ数字を丁寧に確認しながら入力していった。


にちか「……あー、もう! なんでそうやって一人でいっつも突っ走るかなー!」


一文字でも間違えれば蜂の巣。
そのことが頭をよぎるたびに、唾液が込み上げた。


美琴「ルカ……死なないで」


ようやく……最後の一文字を入力し終えた。


ピピッ

入力パネルは全面が同時に緑色に点灯。
それとほぼ同時に扉の向こうから動作音が聞こえた。噛み合わされていた閂が外れるような音に、思わず振り返る。


愛依「……開い、た? もしかして」

ルカ「……みたいだな」

果穂「す、す、す、す……」



果穂「すごいですーーーーー!! これでウォークラリー、完全コンプリート、です!」



私に一斉に駆け寄ってくる283の連中。
さっきまで私の独断を非難し、その身を案じていたというのにすっかりそんなことは他所にやって成功に歓喜している。
両手を掴んでブンブンと振り回されるのに鬱陶しさを感じながら私は視線を逸らした。


冬優子「もう……成功したからいいものの、こんな真似すんじゃないわよ……こっちの身が持たない」

千雪「本当……心配で心配でしょうがなかったんだから」

ルカ「……誰かがやらなきゃいけなかったんだから。しょうがないだろ」


本当に、私はただ自分がやりたかったことをしただけ。
あのどうしようもない膠着を打破したくて、自分の命を差し出しただけなのだ。
それなのに、見当違いな感謝がそこら中から投げ込まれて参ってしまう。

息のつける場所を求めてそこかしこを見遣ると、一人の女と目が合った。


灯織「……斑鳩さん。ありがとうございました、そしてごめんなさい」


そいつは、これ幸いとばかりに私につむじを見せびらかした。
そこまでの角度をつけてのお辞儀など、見慣れていない。


ルカ「あ?」


溢れた声も動揺の発露に近い。
私から反応があったことを確かめると、風野灯織は上体を起こして弁明した。


灯織「あなたは283プロダクションの人間でもないのに、私たちの命を背負ってここまで連れてきてくれた。そのことには感謝と申し訳なさを感じずにはいられないんです」


なるほどその理屈は分かる。
こいつの目線から見れば、私は突如として目の前に現れた救世主にでも見えているのだろう。
だけど私にはそんな後光なんて差していない。私に付き纏っているのは常に逆光だけだ。


ルカ「別に……こっちも背負ったつもりなんかねーよ」

灯織「……え?」

ルカ「にちかの裁判の時言っただろ? 私は私がやりたいようにやるだけ。だからその過程で別の誰かの願いや希望を私が偶然叶え、思いを背負うことになったとしてもそれに引け目なんか感じなくていい」

ルカ「こっちは救おうと思ってやってるわけじゃないんだからな」


ここまでに事態が転がったのは本当にただの偶然なのだ。
偶然に283の連中に見とめられ、偶然に言葉を交わすこととなり、偶然に同じ時間を過ごした。
近づこうと思って近づいたことなど一度もなかった。それなのに、気がつけばジリジリと空間は狭まっていた。
磁力で引き寄せられるかのような、不可抗力だったのだろうと思う。


にちか「……ホント、一丁前なこと言いますよね」

ルカ「オマエはその筆頭だ」

にちか「……知ってます!」

ルカ「だから、オマエら283の連中も好きにしろ。私についてきてもこっちも何も言わねえ。歓迎の挨拶も、厄介払いの悪態もな」


だから、今更その不可抗力を弾くこともしない。
その方が面倒だし、労力もかかる。


ルカ「ほら、さっさと行くぞ」


最後まで風野灯織の言葉は受け取ることなく、私は背を向けた。
背中には、他の連中の視線を感じる。
羨望でもない、誹謗でもない。そこに帯びているものは私にはわからない。
具体的な繋がりなど何もないもの同士、その関係性を語る言葉はないはずだ。



ルカ「決着をつけるぞ」





____これで本当に終わり。そして、ここからすべてが始まる。



あさひ「じゃあ早く行くっす! もう待ちきれないっすよ!」

蜀ャ蜆ェ蟄「縺ゅs縺溘?窶ヲ窶ヲ縺ゥ縺薙∪縺ァ蜻第ー励↑縺ョ繧医?ゅ∪縺ゅ?∵ー玲戟縺。縺ッ繧上°繧九¢縺ゥ」

諢帑セ「繧「繝上ワ縲√≠縺輔?縺。繧?s縲ゅ∩繧薙↑縺ァ荳?邱偵↓陦後%? 縺ュ?」

あさひ「あははっ! 分かってるっすよ、みんなで一緒に……っすよね!」



私は孤独に、ただ一人で歩み続ける……そのことには恐怖を抱かない……とは言い切れない。
だけど、迷いはない。
自分で決めた道を途中で変えた先にある凋落を、私は知っているから。




邨占庄「縺サ繧峨?√∪縺ソ縺ソ繧薙?ゅ≠縺ィ繧ゅ≧縺。繧?▲縺ィ縺?縺九i縺包シ」

鞫ゥ鄒弱?「縺オ繧上=窶ヲ窶ヲ蟶ー縺」縺溘i縺贋シ代∩繧ゅi繧上↑縺阪c縺?縺ュ繝シ」

邨占庄「縺昴l縺ッ縺セ縺や?ヲ窶ヲ莠、貂画ャ。隨ャ?」



自分の道を歩み続ける中で、拾い上げることになった不可視の粒の数々。
これ自体には何の力もない。
卵を砕くことも、紙を破くことすらもできない。





蜊?妛「縺ァ繧ゅ?√h縺九▲縺溘↑窶ヲ窶ヲ縺ソ繧薙↑縺ァ縺薙≧縺励※隧ヲ邱エ繧剃ケ励j蛻?k縺薙→縺後〒縺阪※」

轣ッ郢「縺ッ縺??∫ァ√b逧?&繧薙?縺雁鴨縺ォ縺ェ繧後※縺?◆縺ョ縺ェ繧」

蜊?妛「轣ッ郢斐■繧?s縺ッ遶区エセ繧医?ゅ∩繧薙↑繧剃ス募コヲ繧ょシ輔▲蠑オ縺」縺ヲ縺上l縺溘@窶ヲ窶ヲ縺阪▲縺ィ螳溘j縺ョ縺ゅk逕滓エサ縺ォ縺ェ縺」縺溘→縺翫b縺?o」



でも、それは確かに存在するようで。
他の連中が言うには、
その粒は胸の中で静かに燃え盛り、
なぜか手は無意識にそれを掴み、
他の連中はそれをもっともらしく弁舌に尽くし、
それを導にして道を決めているらしい。





智代子「終わっちゃうと思うとちょっとだけ寂しさもあるね……」

譫懃ゥ「縺ッ縺??ヲ窶ヲ縺ェ繧薙□縺倶ソョ蟄ヲ譌?。後r蜈亥叙繧翫@縺溘∩縺溘>縺ァ縲√Ρ繧ッ繝ッ繧ッ縺励∪縺励◆?」

螟剰痩「縺オ縺オ縲∽サ雁コヲ縺ッ繝励Λ繧、繝吶?繝医〒縺ソ繧薙↑縺ァ譌?。後↓陦後¢繧九→縺?>繧上?縲ゅ?繝ュ繝?Η繝シ繧オ繝シ縺ォ繧りゥア縺励※縺ソ縺セ縺励g縺」



_______283の連中はそれを【絆】と呼んだ。

希望や絶望という漠然としたものではなく、明確な存在としての【絆】。
それがある限り、歩み続けることに恐怖なんてしない。






髮幄除「謌サ縺」縺溘i蟄ヲ譬。陦後°縺ェ縺阪c縺?縲懌?ヲ窶ヲ髮幄除蟲カ縺ォ谿九▲縺ヲ繧ゅ>縺?°繧ゅ↑縲」

透「それな。あるかも、一理」

髮幄除「縺ゅ?縲懶シ」



今回ばかりは私の歩む道が偶然にその【絆】に、部分的に沿っていた。
そこで意図せず繋がってしまったのだ。






ルカ「さあ、行くぞ……帰るんだ、ステージの上に」

鄒守清「縺昴≧縺?縺ュ縲∝セ?▲縺ヲ縺上l縺ヲ縺?k莠コ縺後>繧九°繧」

縺ォ縺。縺「縺薙s縺ェ縺ィ縺薙m縺倥c縲∵ュ「縺セ縺」縺ヲ繧峨l縺ェ縺?〒縺吶h縺ュ?」


だから私も、嫌々ながらその陽の下にいる。
図々しい陽の光は私たちをひとまとめに暖めながら、遥か先の一点を向いている。
その一点を目掛けて、一歩を踏み出すのだ。


_______私たちは“目的地”を、目指し続ける。








「私たちの日常を、取り返すんだ」



扉から、光が差し込んできた。




------------------------------------------------
【???】

ルカ「……あ?」


……悪い夢を見ていた。
一度完全に醒めたはずなのに、気がつけば微睡の中にいた。
工場から排出されるヘドロのように、真っ黒で、ベトベトと纏わりつく不快なだけの夢。




モノミ「おかえりなちゃい! 今度こそパーフェクト、完全クリアでちゅよ〜!」



かといって現実に戻ったからと好転するでもない。
目を覚ました私たちを待ち受けていたのは、
このコロシアイそのものを象徴するような醜悪なマスコットと、網膜に焼き付いた生と死をないまぜにする裁判場。


ルカ「なん、で……」

モノミ「どうしまちた? 気分が優れないみたいでちゅけど……」

ルカ「なんで、遺跡の中が此処になってんだよ……ここはモノクマロックの地下にある裁判場なんじゃ……」

モノミ「ああ、ちょっとびっくりしちゃったんでちゅね? 何も恐ることはないんでちゅ、答えはシンプルな話なんでちゅ。入口が二つあるお部屋ってだけなんでちゅよ!」

ルカ「モノクマロックと遺跡とじゃそもそも島が違うだろうが……」

モノミ「うーん……答えてあげてもいいんでちゅが、それはネタバレでちゅからね……」

モノミ「一旦、その疑問は押し入れに押し込んでおいてくれまちゅか?」

ルカ「はぁ?」

モノミ「そんなことより、これからのことを説明しないといけまちぇん! ……ね、お二人さんも聞いてくれまちゅか?」


モノミの呼びかけでまさかと思って振り返る。
ハッタリやごまかしの類かと思いきや、そこには明確な二人の影。
この島の生活を共に過ごしてきた……このコロシアイを共に生き抜いてきた二人。


あさひ「……どういうことっすか? これ。冬優子ちゃんと愛依ちゃんは……どこに行ったんっすか?」

智代子「果穂と夏葉ちゃんも……何が起きてるの?」

ルカ「オマエら……オマエらも、私と同じものを見てたのか?」


二人も私と状況は同じらしい。
さっきの今まで、死が裏返る信じ難い夢の中にいた。
そして訳もわからぬままにこの裁判場へと送り込まれている。


モノミ「あちしからのプレゼントはどうでちたか? 久しぶりにお友達と話せて嬉しかったかな?」

ルカ「……は?」

モノミ「御三方はさっきまで、死んじゃったはずのお友達と一緒にいまちたよね? それがあちしからのプレゼントなんでちゅ」

ルカ「……!」

モノミ「ほら、だってミナサンこの前の裁判で相当堪えてそうだったから! 元気だちて行きましょう、栄養剤!」

智代子「あんなの見せられて……元気を出せって言う方が無理だよ……」

あさひ「モノミ、さっきまでのはなんなんっすか? どうして二人はわたしの前に再び現れることができたんっすか?」

モノミ「さあ、どうしてでちょうね?」

ルカ「……答える気はないってか」


モノミ「さあさ、それよりもミナサンにはこれからビッグイベントが待ち構えてまちゅよ!」

ルカ「ビッグイベント……?」

モノミ「このコロシアイ南国生活における、最後の学級裁判でちゅ!」

あさひ「最後の学級裁判……?」

モノミ「黒幕の月岡さん亡き今、このコロシアイ南国生活は存続の危機でちゅ! ここで終わりを迎えるのかどうなのか、ミナサンの話し合いで決定するんでちゅ!」

智代子「私たちの話し合い……? そんなの、結論は決まりきってるよ!」

智代子「コロシアイはもう終わり! これ以上続ける理由も何もないよ!」

モノミ「あー、いや……そういうことではないんでちゅ。ここで話し合うのはコロシアイを続けるかどうかではなくて、もっと別の謎を解明してでちゅね」

モノミ「ま、やってみれば分かりまちゅ! あちしが音頭を取るのでそれに従ってくだちゃい!」

智代子「な、投げやり?!」

ルカ「なんだっていいさ」

モノミ「はれ?」

ルカ「もう……なんだっていい。この生活が終わるんだったらなんだっていい」

ルカ「さっさと終わりにしようぜ……こんなの」


この虚脱感はどこから来ているのだろうか。

美琴という拠り所を喪ったこと、
自分は目の前にいたのに救うことができなかったこと、
その後に現れた幻影に易々とつけこまれてしまったこと、
自分の感情を弄ばれてここまで運ばれてしまったこと。

無力感や自己嫌悪、ありとあらゆるマイナス感情を煮詰めて蓄えた体はいつも以上に重力を感じていた。
全身にどっしりとのしかかるものを下ろせるのなら、そのレギュレーションなど問う気力もなかったのである。


モノミ「分かりまちた! それなら早速始めまちょう! ミナサン、それぞれの席についてくだちゃい!」

智代子「う、うぅ……やるしかないの?」

あさひ「選択肢はないと思うっす。今がどういう状況なのか全くわかんないし!」

智代子「はぁ……そうだよね」


前向きなのか後ろ向きなのかもわからないスタンスで自分の席に着く。
円形に並べられた証言台には空席が目立ち、もはや代理で建てられた遺影の方が大多数。
そのあいだ間に立っている生き残り3名はいずれも沈痛な表情をしている。


さっきまで自分にとって都合のいい夢を見せられて踊らされていたのがかなり堪えている上に、これから始まる裁判は詳細が一切不明。
不安を抱くなという方が無理な話だ。
私だって例に漏れずその一人だ。
今自分の胸はかつてない程に重たい。

喉と肺には薄灰色の煙が充満して、
心臓は肋骨にぶつかりながら拍動していて、
背中に何か重いものを載せているせいで上体をまともに起こせない。

……それでも、やるしかない。
ここですべてを投げ出してしまえば、この重みに潰されてしまうだけじゃ済まない。
自分がこれまでに積み上げてきたものが根底から瓦解してしまう、そんな危惧がサイレンになって鳴り喚いている。

だから何があろうとも進むしかないんだ。
泥濘に足を取られ、脚をもつれさせながらでも。


この先に何が待っているというのか






_________誰も、何もわからないのに。






というわけでCHAPTER06の非日常編はここまで。
次回より最後の学級裁判へと移ります。
仕事が多忙気味なので、次回更新は少し先にさせてください。また告知します。
それでは最後に候補者リストのオリジナルネーミングの元ネタ答え合わせを。


風野灯織…【超高校級の占い師】飯田数秀
ゲッターズ飯田・細木和子・島田秀平から

三峰結華 …【超大学生級の写真部】蜷川卓
映画監督としても知られる著名な写真家の蜷川実花・新井卓から


田中摩美々…【超高校級の服飾委員】喜多川新菜
「その着せ替え人形は恋をする」主人公二人の名前から

小宮果穂…【超小学生級の道徳の時間】本城ハヤ太
初代ウルトラマン・ハヤタ隊員 
初代仮面ライダー・本郷猛
初代戦隊ヒーロー・アカレンジャー(海城剛)から


園田智代子 …【超高校級のインフルエンサー】不破アルル
人気ブロガーARuFaのもじり


有栖川夏葉… 【超大学生級の令嬢】菱井友安
4代財閥の頭文字


桑山千雪… 【超社会人級の手芸部】四季衛児
『U19』主人公、紅童衛児
『すばらしきこのせかい』主人公の一人、シキ
糸と針を使うキャラの候補があまり思いつかなかった……


芹沢あさひ…【超中学生級の総合の時間】上蔵居鶴
カムクライズル、言わずもがな


黛冬優子…【超専門学校生級の広報委員】永瀬美奈
今の時代を牽引する女優の永野芽郁、広瀬すず、浜辺美波、橋本環奈4名から一文字ずつ


和泉愛依…【超高校級のギャル】 藤村美優
藤田ニコル・木村有希(ゆきぽよ)・池田美憂(みちょぱ)から

市川雛菜…【超高校級の帰宅部】小野田・K・ユーサク
第二次世界大戦終結後29年経って日本へ帰還した小野田寛郎氏と名曲「home」をリリースした歌手・木山裕作から


七草にちか…【超高校級の幸運】苗木誠
いわずもがなダンガンロンパの主人公


緋田美琴…【超高校級のシンガー】夜々中亜道
いわゆる夜行性と呼ばれる令和世代のシンガーたちからイメージで取った苗字+Ado


斑鳩ルカ…【超高校級のダンサー】関口小春
世界的にも評価の高いダンサー・関口メンディー
紅白の米津玄師の振り付けでも有名な振り付け師菅原小春から


>>520 >>524の両名とも大体正解ですね
特に手芸部の元ネタはよくわかりましたね……


仕事がようやっと落ち着きだしたのですが、今週末はとあるゲームの発売なのでちょっと更新は先送りにさせてくださいすみません!
宝物を見つけたら戻ってきます!
来週の水曜ぐらいを目安に思ってくれたら。

今回は次回の更新までを期限とした裁判前準備パート、そして各章の初めにやっていた(完全に忘れていた)情報の整理を書き込みに来ました。
次回までに安価、相談を書き込んでくださいますと幸いです。


【6章段階での主人公の情報】

‣習得スキル
・【花風Smiley】
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕

・【アンシーン・ダブルキャスト】
〔学級裁判中誤答するたびにコトダマの数が減少する〕

・【つづく、】
〔学級裁判中発言力がゼロになった時、一度だけ失敗をなかったことにしてやり直すことができる(発言力は1で復活する)〕

・【cheer+】
〔発言力ゲージを+5する〕

・【ピトス・エルピス】
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕

・【ジャンプ!スタッグ!!!】
〔集中力を使用した際の効果が増幅する〕

‣【霧・音・燦・燦】
〔発言力ゲージが+2される〕

‣【おみくじ結びますか】
〔集中力ゲージが+2される〕


‣現在の所持品
【ジャバの天然塩】
【ファーマフラー】
【ジャバイアンジュエリー】
【オスシリンダー】×2
【家庭用ゲーム機】
【携帯ゲーム機】
【七支刀】
【オカルトフォトフレーム】


‣通信簿および親愛度

【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…5.5【DEAD】
【超大学生級の写真部】 三峰結華…0【DEAD】
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0【DEAD】
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…1.0【DEAD】
【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…11.0
【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…12.0【DEAD】
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…10.5【DEAD】
【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…12.0
【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…12.0【DEAD】
【超高校級のギャル】 和泉愛依…0【DEAD】
【超高校級の???】 浅倉透…12.0
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…7.0【DEAD】
【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…4.0【DEAD】


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【裁判前準備パート】

☆裁判を有利に進めるアイテムを獲得することができます
 何か購入したいものがある場合は次回までにその旨を書き込んでください。
 なお、希望のカケラの所持数がゼロのため、スキルの交換は今回はありません。
 指定が多ければ多数決、特に購入指定が無ければ何も購入せず裁判を開始します。

‣ルカの現在の状況
【現在のモノクマメダル枚数…182枚】

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【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕

【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕

【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕

【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕

【金の鍵】… 60枚
〔閉じかけた記憶と経験とを呼び覚ます不思議な鍵。コロシアイ南国生活の中で命を落とした仲間から得られるはずだったスキルを獲得できる〕


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最終章っぽいから正直クリア報酬のモノクマメダルの使い道はなさそうではあるけどどうせならノーコンクリアしたいよね。
ただ金の鍵もせっかくだから使いたさはあるし……
てことを考えると、個人的な考えだけど買い物案がいくつかあって、
1. 金の鍵×2、高級ヒーリングタルト×2、プロデュース手帳×2
2. 金の鍵×2、高級ヒーリングタルト×1、プロデュース手帳×3
3. 金の鍵×1、高級ヒーリングタルト×1、プロデュース手帳×7
4. 金の鍵×3
5. 高級ヒーリングタルト×1、プロデュース手帳×11
のどれかかなあって。
個人的には1の「金の鍵×2、高級ヒーリングタルト×2、プロデュース手帳×2」がいいと思うけど、
クリア報酬メダルの使い道がなくて実質ペナルティなしが明言されるなら「金の鍵×3」のロマン編成もありかなあとは思う。

・真面目に裁判をやりたい→「金の鍵×2、高級ヒーリングタルト×2、プロデュース手帳×2」
・ルカにスキルをたくさん背負わせたい→「金の鍵×3」
・裁判を雑に終わらせたい→「高級ヒーリングタルト×1、プロデュース手帳×11」


裁判前準備パート、「金の鍵×2、高級ヒーリングタルト×2、プロデュース手帳×2」で行こうと思います。
「金の鍵」の使用先のアイドルはどの子にしますか?
例のごとく相談して次回までに決めていただければ。

候補
【超高校級の占い師】風野灯織
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘
【超大学生級の写真部】 三峰結華
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪
【超高校級のギャル】 和泉愛依
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜
【超高校級の幸運】 七草にちか
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴

上記より二名選択で

今日明日あたりで更新できたらと思っているんですが微妙にバラけてますね…
果穂が優勢っぽく見える気もしますが
多数決にはならなそうですし指定安価(同一ID不可)で2名の方に選んでもらうぐらいにするのがよさそうですね

一人目
>>586

二人目
>>587

安価なら愛依ちゃん
なんとなくストレイのスキルコンプさせたくなった

灯織いいすか


愛依と灯織選択を採用します。
本日21時ごろから学級裁判は開始予定です。

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【金の鍵×2、高級ヒーリングタルト×2、プロデュース手帳×2を購入しました!】

【モノクマメダル残り枚数……2枚】

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【金の鍵を使いました】

【きらめく鍵が閉ざされた世界の扉を開く……】

【失われたはずの繋がりが、新たな力とともに結び直された】


【和泉愛依との間に確かなつながりを感じる……!】

【アイテム『鼬毛の小筆』を獲得しました!】
〔幼い頃から修めている書道で愛用の小筆。手入れの行き届いた毛先は何年経とうともその運筆を滞らせることはない〕

【スキル『メイ・ビー』を習得しました!】
〔学級裁判中誤答するたびに選択肢が絞られてわかりやすくなる〕


【風野灯織との間に確かなつながりを感じる……!】

【アイテム『アンケート用紙』を獲得しました!】
〔その質問はあなたを知るために。ファンからの気持ちにこたえるため、彼女はペンを執った〕

【スキル『星掬い藍仰ぐ』を習得しました!】
〔学級裁判中集中力ゲージを使用するたびに発言力を回復する〕






主人公のスキル
・【花風Smiley】
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕

・【アンシーン・ダブルキャスト】
〔学級裁判中誤答するたびにコトダマの数が減少する〕

・【つづく、】
〔学級裁判中発言力がゼロになった時、一度だけ失敗をなかったことにしてやり直すことができる(発言力は1で復活する)〕

・【cheer+】
〔発言力ゲージを+5する〕

・【ピトス・エルピス】
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕

・【ジャンプ!スタッグ!!!】
〔集中力を使用した際の効果が増幅する〕

‣【霧・音・燦・燦】
〔発言力ゲージが+2される〕

‣【おみくじ結びますか】
〔集中力ゲージが+2される〕

‣【星掬い藍仰ぐ】
〔学級裁判中集中力ゲージを使用するたびに発言力を回復する〕

‣【メイ・ビー】
〔学級裁判中誤答するたびに選択肢が絞られてわかりやすくなる〕


発言力:♡×12
集中力:☆×7
で開始となります。


【コトダマ】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
〔希望ヶ峰学園のノウハウを活かして283プロダクションのアイドルの中から新時代の歌姫を育成するプログラム。コロシアイの参加者が元々持ちかけられた計画と名前は同じだが、その実態には明確に引っかかる点がある。〕

‣【にちかの証言】
〔捜査資料に写っていた実姉・七草はづきの泣きぼくろに違和感を覚えたらしい〕

‣【行方不明の十人】
〔前回のコロシアイが起きた時から、10人の人間が行方不明となっていたらしい。今回のコロシアイの参加者のうち、前回の生き残りと透を除けば丁度10名〕

‣【チーム・ダンガンロンパ】
〔恋鐘と努が生前所属していた組織。コロシアイをエンターテインメントと定義し、リアルタイム配信を行なっていた。コロシアイを運営するのはこれが初めてではなく、既に何回もコロシアイが行われていた〕

‣【ジャバウォック島再開発計画】
〔未来機関という組織がジャバウォック島を再開発し、新たに本部を構えるまでの記録。中央の島には行政機関があったらしいが、そんな痕跡は今現在の島には全くない。未来機関が上陸時に、既に標的の姿は島になかったという〕

‣【プログラムエラー】
〔何らかのシステムにおけるエラーメッセージ。システム内部に何かウイルスが侵入した事でセキュリティシステムが異常作動を起こし、外部の干渉を完全に遮断してしまったらしい〕


‣【満月】
〔この島に来てからずっと月の形は変わらないまま〕

‣【透の証言】
〔浅倉透はルカに対して、このコロシアイの参加者を集めたのは自分だと自白している。当初の希望ヶ峰学園歌姫計画は彼女とその仲間が計画したものであるらしい〕

‣【オリジナルの浅倉透】
〔この島にいる浅倉透の元となったオリジナルは既にコロシアイで命を落としている。コピー体の浅倉透はどうやらその事実を認識していなかったらしい〕

‣【候補者リスト】
〔今回のコロシアイの参加者から恋鐘と透を除いたメンバーと、他の誰かの名前が書き連ねられたリスト。才能の他に異様なまでに細かい個人情報が付記されている〕

‣【被験体α】
〔捜査の中で見つけた怪しい実験記録。『我々の開発も一定の成果をあげた。いよいよ実証段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。性格における一部類似点に加え、実験の準備段階で蓄積された類似経験が作用し、特に目立った拒絶反応も発生することなく実験も成功した』〕


‣【透の外部との通信】
〔第一の事件の前日、透はエレクトボムを使用して黒幕からの干渉を拒絶した上で島の外の人間と連絡を取っていた〕

‣【Aへのメール】
〔ウサミのウォークラリーの末にロックを解除したノートパソコンに入っていたメール。『A』という人物が組織の意向に背いて独断で動いた旨が記されている〕

‣【島の電波環境】
〔ジャバウォック島には電波の類が一切なく、外部から完全に隔絶されている〕

‣【冬優子の写真】
〔冬優子が裁判終わりにルカに託した一枚の写真。前回のコロシアイの生き残り5人が、今回の参加者を機械に繋いで見下ろしている様子が写っている〕

‣【方舟計画】
〔ノートパソコンに入っていた謎のフォルダ。その情報量はかなり多いようだが、ロックがかけられており解錠はできない〕

‣【恋鐘の証言】
〔1回目のコロシアイの黒幕である天井とはユニットが揃った時からの共謀関係。恋鐘はその思想に強烈な賛同を示しており、コロシアイ運営のいろはも彼に仕込まれたものだという〕

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【学級裁判 開廷!】





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モノミ「まずは一言、おめでとうを言わせてくだちゃい」



モノミ「ミナサンはこの島にたどり着いた全16名でのコロシアイを勝ち抜いた、アイドルの中のアイドル。まさに希望の象徴である3人でちゅ」

モノミ「これからの時代を引っ張って行くのはミナサンのような存在だろうと今あちしは確信していまちゅ」

モノミ「でも、そんなミナサンの希望の輝きがどれほどのものなのか……確かめる必要がありまちゅ」

モノミ「この島での生活がミナサンにどれほどの変化を生んだのか、あちしに見定めさせてくだちゃい!」

モノミ「……というわけで、コロシアイ南国生活・最後の卒業試験を今ここに開始しまちゅ!」


(ついに……始まる)


(ここで過ごした一ヶ月弱、その中で生まれた惨劇)


(その全てを終わらせるための戦いが……!)


あさひ「ねえ、モノミ。さっきの言葉でも気になったんすけど、なんで生き残りが3人ってことになってるっすか?」

あさひ「殺し合いを生き抜いたのは、わたしと智代子ちゃんとルカさん、それに透ちゃんもいるはずっす」

あさひ「だけどこの裁判場にいるのも透ちゃんを除いた3人だけ。これってどういうことなんっすか?」

智代子「もしかして、透ちゃんが本物の透ちゃんじゃないから……?」

智代子「そんな差別は許せないよ! クローン差別だよ!」

モノミ「違いまちゅ違いまちゅ! 確かにカノジョは本物の浅倉さんではありまちぇん。でも、だからといってこの生活を生き抜いた実力をわざわざ見過ごしたりはしまちぇんよ!」

モノミ「浅倉さんには別室にいてもらってミナサンとは別の試験を受けてもらっていまちゅ。これからミナサンの挑む試験には、浅倉さんが居ると【不都合】なんでちゅ」

あさひ「不都合……?」

モノミ「はい! これからミナサンには、卒業をかけてこの島の秘密を解き明かしてもらいまちゅ!」

モノミ「この島で過ごすうちに直面した謎の数々……それを今この場所で明らかにしてもらいまちゅよ!」


ルカ「やっぱり……そう来やがったか」

モノミ「はれれ? 斑鳩さん、もう緋田さんのことはいいんでちゅか? あんなにへちゃむくれだったのに……」

ルカ「それはオマエがあんな気分悪い物を見せるからだろ……!」

(美琴が……他の連中が……生きてるような幻覚を見せやがって……!!)

ルカ「別に、吹っ切れたとかそんなのでもない……私は、自分が一番可愛いんだよ。自分が生き残るためだけに、その目的を果たすためだけの行動を取ってるだけだ」

あさひ「……ルカさんがどんな気持ちでここにいるのかは関係ないっす」

あさひ「結果としてわたしたちと一緒に戦うことになるのなら、協力して欲しい。それだけっすから」

智代子「うん! 力を貸して、ルカちゃん!」

ルカ「チッ、そんなの今更だろ」

モノミ「うぅ……あちしの涙腺がじわじわ来てるでちゅ、ミナサンの麗しき友情、これこそがあちしの見たかった理想でちゅ!」

モノミ「きっとその友情があれば、今から挑む試験も乗り越えられるはずでちゅよ!」

ルカ「チッ……友情だなんだの、連呼しやがって……安っぽすぎて言葉も出ねえ」


あさひ「それでモノミ、この島の謎を解き明かすって何をすればいいっすか?」

モノミ「あちしがこれから出す三つの質問に正しい答えを出すことができればいいんでちゅ。要は一問一答の卒業試験でちゅね!」

智代子「卒業試験……」

モノミ「学級裁判の体裁こそとっていまちゅけど、誰かを犠牲にする必要はもうないでちゅから、仲間と一緒に協力して挑んでくだちゃい!」

モノミ「それでは早速第一問!」


★このコロシアイを始めた黒幕・月岡恋鐘の正体は?★


あさひ「恋鐘ちゃんの、正体……?」

ルカ「おい、問題の意味がわからねーぞ。あいつは私たちを裏切った黒幕だったのは確かだけど、それ以上の何があるってんだよ」

モノミ「ぷすー、くすくす! それがなんなのか話し合うのも卒業試験の一環なんでちゅよ!」

智代子「うぅ……ヒントをくれる気はないみたいだね」

あさひ「だったらまずはわたしたちの知っている情報を整理するところから始めるっすよ。恋鐘ちゃんに関する情報の中に、まだ私たちに見えていないものがあるかもしれないっす」

(月岡恋鐘に関する情報か……)

(あいつの行動や目的、改めて見直してみるか)

------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×7

コトダマ
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【透の証言】
‣【Aへのメール】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【島の電波環境】
‣【候補者リスト】
‣【冬優子の写真】
‣【満月】
‣【オリジナルの浅倉透】



ルカ「月岡恋鐘は私たちをコロシアイに仕向けた【黒幕】だ」

ルカ「コロシアイに巻き込まれたふりをして事件を裏でかき乱したりなんかしてた」

ルカ「【狸】とも完全同一人物なんだよ」

あさひ「モノクマを雛菜ちゃん殺害に利用してたし」

あさひ「モノミも恋鐘ちゃんが死んでから役割を引き継いだのを見ても」

あさひ「モノクマとモノミと恋鐘ちゃん、3人は【グル】だったんっすね」

智代子「恋鐘ちゃんは283プロの私たちとルカちゃんを【拉致】して」

智代子「ジャバウォック島でのコロシアイを強制した」

智代子「確かに、一人じゃできないことだし……」

智代子「恋鐘ちゃんの裏には誰かがいるのかも……?」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
高級ヒーリングタルト×2
プロデュース手帳×2

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「いや、待て。あいつは黒幕ではあったはずだけど……私たちを拉致したわけではないはずだ」

智代子「え、あれ……?」

あさひ「あくまで私たちを拉致したのは透ちゃんとその仲間っす。その正体はまだ見えてないっすけど、このことは透ちゃん自身が認めてることっすよ」

智代子「そ、そっか……! 透ちゃんたちの元々の計画を恋鐘ちゃんが乗っ取ったんだったよね!」

ルカ「ああ、だから月岡恋鐘は元々浅倉透に誘拐されたうちの一人だったはずだ。私たちと同じでな」

智代子「そうなると今度気になるのは、どうして透ちゃんが私たちを連れ去ったのか……だよね」

ルカ「本人に聞ければ一番早いわけだが……」

モノミ「……」

ルカ「……ハァ、あいつが言ってたのはそういうことか」

あさひ「近道はダメ、ってことっすかね」

ルカ「なら、自分達でひとまず考えるしかなさそうだな。私たちをどうして浅倉透が連れ去ったのか、そして浅倉透の仲間とは何者なのか」

あさひ「そうっすね、次は透ちゃんのことについて話し合ってみるっすよ」

あさひ「恋鐘ちゃんの議論からは少し逸れちゃうけど、きっと行き着く先には恋鐘ちゃんに繋がる結論もあるはずっす」

智代子「よーし! がんばっちゃおう!」

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×7

‣【被験体α】
‣【方舟計画】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【候補者リスト】
‣【透の外部との通信】
‣【満月】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【行方不明の十人】


あさひ「透ちゃんがわたしたちを誘拐したのは間違いない」

あさひ「そうなると透ちゃんの目的とその仲間を考えなくちゃいけないっす」

ルカ「あいつが頑なに隠してきたことだから不用意に踏み込んでいいのかは若干気がひけるけどな……」

智代子「この島に集められたのって透ちゃんを除いたら【15人】だよね?」

あさひ「そんな人数を【一度に全員誘拐する】ってなるとかなりの労力っす」

あさひ「少なくとも仲間は一人二人の話じゃなさそうっすね」

ルカ「それに、浅倉透は【コピー】であって本物じゃねえ」

ルカ「そんな真似ができるのは、アングラな組織だろうな」

智代子「それに相当な科学技術だよ!」

智代子「もしかすると世界征服を目論む【悪の秘密結社】とか……?」

ルカ「それがなんで私たちのコロシアイに結びつくんだよ……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「この島でコロシアイを行ったのは浅倉透を除けば15人。それは間違いない」

ルカ「けど、浅倉透の組織はその全員を一気に誘拐したわけじゃあないはずだ」

あさひ「……? そうなんっすか?」

ルカ「こいつを見ろ。私たちの前に行われた、【前回のコロシアイ】その捜査資料だ」

智代子「……ッ! 私も知らないうちに参加していたコロシアイ、だよね」

ルカ「大事なのはその事後捜査の話だ。コロシアイと同時期に283プロの人間は【10人】も姿を同時にくらませている」

智代子「もしかして、今回私たちでやったコロシアイはその時から……?」

ルカ「いや、それだと数が合わねえし……前回のコロシアイ、その生存者が参加している理由の説明には不十分なんだ」

ルカ「少なくとも一気に15人が姿を眩ませたって考えるのは不適切だと思うぜ」

あさひ「そっか、そういう意味だったんっすね」

ルカ「この行方不明が今回と無関係だとは思わねえが……これだけで終わる話でもないはずだ」

智代子「ねえ、この後の続きとなる捜査資料は見つかってないんだったよね?」

ルカ「え? おう……」

智代子「だとすれば、この10人の誘拐が透ちゃんが関与していないとは言い切れないってことであってる?」

ルカ「ああ、あくまで今は一気に15人が姿を消したことの否定。あいつの行動の目的も誘拐も、否定はしちゃいないさ」

智代子「なら、この10人の行方不明の後に生存者5人をを連れ去った可能性は全然あるんだよね?」

ルカ「……」

智代子「……ごめん、少し話し合ってもいいかな? これは私たちが前に進むための議論だから」

智代子「透ちゃんにかける信用の、その進退の議論だよ」

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×7

‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【プログラムエラー】
‣【候補者リスト】
‣【にちかの証言】
‣【満月】


智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」

智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」

智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」

智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」

智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」

智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」

智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」

智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」

智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」

智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【発言力:♡×12→11】

智代子「ううん、それじゃあ否定はできないよ」

智代子「ルカちゃんの言いたいことはわかるけど……その計画だって、ルカちゃんはすべてを知ってるわけじゃないよね」

智代子「透ちゃんの当初の目的がコロシアイじゃなかった証拠には不十分じゃないかな)

(チッ……希望ヶ峰学園歌姫計画とやらは私たちにとってもまだ謎の残るもの、証拠材料には使えないか……)

(何かもっと根本で否定できるようなものはなかったか……?)

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×7

‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【プログラムエラー】
‣【候補者リスト】
‣【にちかの証言】
‣【満月】


智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」

智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」

智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」

智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」

智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」

智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」

智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」

智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」

智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」

智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【発言力:♡×11→10】

智代子「透ちゃんと違う組織だったかどうか、恋鐘ちゃんが言ってた?」

智代子「本人がそう言ってないならまだ分からないよね!」

(……考え方は間違ってないはずだ)

(浅倉透の一味がチーム・ダンガンロンパとは別物である証拠を提示すればいい)

(……これまでの生活の中で、あいつが確実に別の組織の人間だとわかった瞬間がなかったか?)

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×7

‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【プログラムエラー】
‣【候補者リスト】
‣【にちかの証言】
‣【満月】


智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」

智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」

智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」

智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」

智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」

智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」

智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」

智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」

智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」

智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【集中力:☆×7→6】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】

【清らかなる星の流れが私たちを導く……】

【発言力:♡×10→11】

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×6

‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【にちかの証言】


智代子「透ちゃんが私たちを誘拐したのは本人も認めるところ」

智代子「それができるのは並大抵の組織じゃない」

智代子「やっぱり、そう考えるとこの10人の失踪が【無関係】とは思えないよ」

智代子「前回のコロシアイを行った天井社長」

智代子「透ちゃんは【天井社長と協力関係】なんじゃないかな」

智代子「それなら資金力とか色んな面でも説明がつくよね!」

智代子「今回のコロシアイは透ちゃんの別の計画恋鐘ちゃんが乗っ取ったって話だけど」

智代子「その透ちゃんの計画が【元々コロシアイだった】可能性だってあるよね?」

智代子「こんなことを言いたくないけど……私たちの知る透ちゃんと今の透ちゃんは別人」

智代子「283プロの頃と同じに信頼してもいいのかな……?」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ対象の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


マジでバカやってました、すみません……
スキル効果完全に忘れてました

発言力と集中力とか全部すっとばします
ついでに次のコンマ判定行きづまることあればそれも飛ばします
許してください


-------------------------------------------------

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「浅倉透が天井努と協力関係……それはねーぞ」

智代子「え、ええ……っ?! それって言い切れるの?!」

智代子「確かに透ちゃんはずっと私たちの味方って言ってたけど……」

ルカ「あいつがこっち側なのは結構前から確定してんだよ」

あさひ「前っすか……?」

ルカ「天井努は283の連中にコロシアイを強いたクソ野郎。当然、そのコロシアイの成り行きも全部知ってたはずだ。オリジナルの浅倉透が死んでたことも、全部な」

ルカ「だとしたら当然、あいつの仲間だってオリジナルの浅倉透の死を知っているはずだ。なのに、あのコピーの浅倉透はそれを知らなかった」

智代子「そ、そういえば……ジェットコースターではじめて前回のコロシアイを知った時、透ちゃんも私たちと同じ反応だった……!」

ルカ「勿論月岡恋鐘もあん時は同じような素振りを取っちゃいたが……浅倉透とは訳が違う」

ルカ「私たちは全員であいつに詰め寄った。それでもその反応にボロは一切なかった……心からオリジナルの死に驚愕していた様子だった」

ルカ「あれは信用してもいい情報のはずだ」

智代子「……そっか、そうだよね。あんな反応、演技じゃできないよね」

あさひ「透ちゃんは島での生活の初めから、ずっと仲間だって言い続けてきたっす。その言葉をわたしは信じたいっす」

モノミ「うるうる……積み重ねた時間と信頼が紡いだ、絆のレヴューでちゅ……星の輝きどころじゃなく眩しいでちゅよ……」

ルカ「それに、天井努と浅倉透が繋がっていたんだとしたらあいつの言葉に大きな矛盾が生じることになるんだよ」

智代子「えっ、何かそんな矛盾した発言なんていつ……」

ルカ「記憶にも新しいあいつ自身の自白だよ」

あさひ「……」

-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1


ルカ「オマエだ!」

【解!】

ルカ「今回のコロシアイを引き起こした黒幕、月岡恋鐘だよ」

智代子「恋鐘ちゃんの自白……」

あさひ「恋鐘ちゃんの発言で重要なのは最後の最後に言い残した、恋鐘ちゃんの所属する組織のことっす」

智代子「アンティーカ……?」

ルカ「じゃなくて……チーム・ダンガンロンパってやつだよ」


《恋鐘「そう! うちも社長も、チームダンガンロンパのメンバーやけんね!」》


ルカ「月岡恋鐘と天井努はその組織でつながっていた。浅倉透までその所属だとしたら、月岡恋鐘が計画を乗っ取ったっていう構図に矛盾が生じちまうだろ?」

智代子「た、たしかに……透ちゃんと恋鐘ちゃんは敵対してる感じなんだもんね……」

あさひ「敵対かは分からないっすけど、協力してメリットがある関係ではなかったはずっす」

あさひ「同じ組織に属してる人間同士とはちょっと思いづらいっすよ」

智代子「うーん……じゃあこのコロシアイには二つの組織が絡んでいるってことなのかな?」

ルカ「ああ、その二つの組織の存在ならもうわかってるよな」

あさひ「このコロシアイを仕切っていたチーム・ダンガンロンパ。それにジャバウォック島を再開発した組織の未来機関っすね」

智代子「未来機関……そういえばそんな名前も聞いたような」

ルカ「多分浅倉透はその未来機関に属する人間なんだろうな。こっちの組織はまだまだ不明な点が多い訳だが……」

ルカ「チーム・ダンガンロンパの方はある程度知れているはずだ」

智代子「じゃあ今度はそのチーム・ダンガンロンパ について話し合ってみるんだね?」

あさひ「やっと恋鐘ちゃんの正体を解き明かす議論っぽくなってきたっすね」

モノミ「……」

(チーム・ダンガンロンパ……このコロシアイを仕切っていた連中の母体)

(つまりはあのモノミにも強い関係のある組織ってことだ)

(……絶対に、その組織の全貌を解き明かしてやる!)

------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×7

‣【満月】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【透の証言】
‣【冬優子の写真】
‣【透の外部との通信】
‣【島の電波環境】
‣【恋鐘の証言】
‣【被験体α】


あさひ「恋鐘ちゃん、それに天井社長」

あさひ「二人は【チーム・ダンガンロンパの人間だった】っすよ」

ルカ「チーム・ダンガンロンパはコロシアイをエンターテインメントとして提供している悪趣味な集団らしいな」

智代子「コロシアイはオンラインで生配信、いわゆる裏サイトってやつだよね」

あさひ「透ちゃんはその組織を知ってたっす」

あさひ「これまでにも何度もチーム・ダンガンロンパはコロシアイをやってきた」

あさひ「前回のコロシアイにも、【チーム・ダンガンロンパの資金が投じられた】んじゃないっすかね」

智代子「きっと今回もだよ」

智代子「私たちのコロシアイは……【全国中継】されてたんだ!」

ルカ「コロシアイを見世物として楽しむやつがいるなんて……」

ルカ「胸糞わるい話だ……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【解!】

ルカ「あいにくとスマホは没収されてるせいで、詳しい事の次第はわからねえわけだが……」

ルカ「この島はミステリなんかでよく聞く、絶海の孤島っていう条件には当てはまってるもんだと思うぜ」

智代子「えーっと、それってつまり……この島は外部とのつながりが遮断されてるってこと……?」

ルカ「おう、ついさっき……モノミに最悪な幻覚を見させられてる時、私たちは全員でノートパソコンをアンロックしただろ?」

あさひ「そうだったっすね、島を巡ってパスコードを集めたっす」

ルカ「その結果開いたパソコンは外部に全く繋がっていなかった。それ自体はまあおかしなことでもないけど」

ルカ「そもそも電波が一つも拾えないってのはおかしな話だろ。端末によって拾える電波の強さには差異があるとは思うけど……」

ルカ「チーム・ダンガンロンパがコロシアイを生中継しようってんなら電波が一つも感知できないなんてことはないはずだ」

智代子「な、なるほど……」


智代子「あれ? でもそうなると、どうやってチーム・ダンガンロンパはコロシアイを中継してたの?」

あさひ「そもそも中継なんかしてなかったんじゃないっすか? この島のあちこちに監視カメラはあったっすけどそれが外にデータとして持ち出されていたかどうかは話が別っす」

智代子「そうか……ただの私たちの監視目的だったんだね」

ルカ「まあ監視カメラの本来の目的はそれだからな……」

智代子「でも、それならチーム・ダンガンロンパは今回は中継放送をしなかったのはなんでなのかな?」

智代子「組織が興行にしてきたコロシアイと私たちの参加したコロシアイ、何か違うのかな?」

(今回のコロシアイとこれまでのコロシアイの違い……か)

あさひ「肝心のこれまでもコロシアイがわからないから、比較もできないっすね」

あさひ「だったら、今回のコロシアイについてもっと考えてみるしかないっすよ。そしたら、何か際立っておかしなところがあるかもしれないっす」

ルカ「……だな」

智代子「与えられたカードで勝負するしかない! ……ってやつだね?」

智代子「よーし、それじゃ張り切っていっちゃいますよー!」

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始】

発言力:♡×12
集中力:☆×7

コトダマ
‣【島の電波環境】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【透の外部との通信】
‣【恋鐘の証言】
‣【行方不明の十人】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【冬優子の写真】
‣【候補者リスト】


あさひ「チーム・ダンガンロンパは普段はコロシアイを見せ物として生配信してるらしいっす」

あさひ「でも今回ばかりは【それをやってない】」

あさひ「どういうことなんっすかね?」

智代子「外界との通信を【完全に断絶してた】ってことは……」

智代子「すぐに助けが来ちゃうって思ったんじゃないかな」

ルカ「ジャバウォック島自体は風野灯織や有栖川夏葉も知ってた」

ルカ「場所を公開すれば海外だとしても……【救助はすぐに来た】かもな」

あさひ「そんな単純な話なんっすか?」

あさひ「……なんかしっくりこないんっすよね」



【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「いや……おかしいぞ、あいつの証言って、めちゃくちゃ変じゃないか……?!」

智代子「ど、どうしたのルカちゃん?!」

ルカ「なあ、コロシアイを生中継してないって話はついさっきしたばかりだよな?」

あさひ「そうっすけど……それがどうかしたんっすか?」

ルカ「その結論に至ったのはこの島には外部接続できる電波が一切存在しないから。ノートパソコンで無線の一つも何も拾えなかったからだ」

ルカ「だとしたら浅倉透の七草にちかの事件の時の証言って……めちゃくちゃおかしなことを言ってないか?」

智代子「透ちゃんの証言……?」


《透「あの時の、にちかちゃんだったんだ」

摩美々「……それは、認めたってことでいいのー?」

透「えっと……うん、大体は。にちかちゃんの言う通り」

結華「と、とおるん……? それ、本気……?」

透「え、うん」

智代子「に、にちかちゃんが聞いたっていう話も全部本当なの?!」

透「マジ」

愛依「そ、そんな……で、でも透ちゃん、別に悪い人と話してたわけじゃないんでしょ?!」

愛依「だ、誰と話してたん?! う、うちらの味方なんでしょ?!」

透「……言えないんだよね、トップシークレット」》


ルカ「一切の電波が遮断されている場所で、どうやって外部と連絡を取るって言うんだよ」

智代子「あっ……!」

あさひ「いや、そうとも限らないっすよね。アマチュア無線とかなら電子機器とは使う電波も違うし、もしかしたら外部と繋がった可能性だってあるっす」

ルカ「アマチュア無線……」

あさひ「平たく言えばトランシーバーみたいなものっすね。Wi-Fiとかモバイルデータ通信を利用しなくても通話が可能なんっすよ」

智代子「こ、これってどうなるの……? 透ちゃんの行動に矛盾はないってこと……?」

ルカ「いや、その可能性は低いんじゃないか。私たちの知っている通り、浅倉透は一度エレクトボムを黒幕……月岡恋鐘に一度取り上げられている」

ルカ「トランシーバーなんて分かりやすい通信手段を使っていたんだったらそれも合わせて回収する方が自然じゃないか?」

あさひ「……だとしたら、透ちゃんは逆にどうやって外部と連絡を取ってたんっすか?」


あさひ「ルカさんの言ってることってつまり、エレクトボム以外に何も使わない方法で連絡を取っていたってことっすよね?」



智代子「エレクトボム以外に何も使わない方法……? そ、そんなものがあるの……?」

(……ああ、最初から違和感を覚えていたんだ)

(外部との連絡を取っていたことも自白した相手から取り上げるのが、干渉を妨げる道具だけだなんて)

(……でも、一体どうやるって言うんだ? そんな方法なんて、どこに……?)

ルカ「……悪い、私もその方法までは」

あさひ「……とりあえず今のところはこの矛盾は矛盾として置いておくしかなさそうっすね」

あさひ「ジャバウォック島は外部と繋がる電波が何もないけど、透ちゃんは外部の人間と何らかの手段を用いて連絡を取っていた」

あさひ「それを事実として置いといたまま次に進むっすよ」

智代子「えっと……今の推理の本筋は……」

智代子「そうだ! コロシアイを配信する組織のチーム・ダンガンロンパがなぜこの島でコロシアイを始めたのか、だったよね!」

ルカ「よく覚えてたな、砂糖漬けの脳みそにしては上出来だ」

(今回のコロシアイ……前回のコロシアイとも何かしらの繋がりがあるはずだ)

(胸糞悪いこの組織……一体何を考えてやがった?!)

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×7

コトダマ
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【Aへのメール】
‣【プログラムエラー】
‣【冬優子の写真】
‣【満月】
‣【にちかの証言】
‣【恋鐘の証言】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【にちかの証言】



智代子「チーム・ダンガンロンパは【コロシアイを興行にしている】」

智代子「だとしたら電波のないこの島を会場として選ぶのは【不自然】だよね」

あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの直前に言ってたこともきっと関係があるっす」

あさひ「絶望に負けない希望の象徴となるアイドルを作り出すこと」

あさひ「その【目的】さえ到達できればチーム・ダンガンロンパは十分だったんっすかね?」

ルカ「エレクトボムの存在を結果として野放しにしたのも怪しいな」

ルカ「配信にせよ録画にせよ、映像データが途切れちまうのは本来まずいはずだ」

智代子「やっぱり【チーム・ダンガンロンパにはコロシアイを見せ物にする以外の目的があった】んだね!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1


【集中力:☆×7→6】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×6

コトダマ
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】



智代子「チーム・ダンガンロンパは【コロシアイを興行にしている】」

智代子「だとしたら電波のないこの島を会場として選ぶのは【不自然】だよね」

あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの直前に言ってたこともきっと関係があるっす」

あさひ「絶望に負けない希望の象徴となるアイドルを作り出すこと」

あさひ「その【目的】さえ到達できればチーム・ダンガンロンパは十分だったんっすかね?」

ルカ「エレクトボムの存在を結果として野放しにしたのも怪しいな」

ルカ「配信にせよ録画にせよ、映像データが途切れちまうのは本来まずいはずだ」

智代子「やっぱり【チーム・ダンガンロンパにはコロシアイを見せ物にする以外の目的があった】んだね!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×2

↓1

すみません、明日朝早いので今晩は中断します
冒頭のスキル忘れ、大変ご迷惑をおかけしました
焦ってコンマを飛ばすとか言いましたが、プロデュース手帳一個増やすので補填に変えさせてください
今度からちゃんと手元でスキル表管理しながら更新します……

次は11/25(金)21:00~更新予定です
それではお疲れ様でした…

お答えいただいてた……
判定としては誤答なのですが、もろもろの処理は次回にさせてください……
またポンやらかしてもなんなので


【発言力:♡×12→11】

あさひ「希望ヶ峰学園歌姫計画、これってチーム・ダンガンロンパの目的なんっすか?」

あさひ「それがコロシアイと矛盾してるっすか?」

あさひ「よくわからないっす、チーム・ダンガンロンパの全貌も見えてないのになんでそんなことが言えるっすか?」

(チッ……可愛くないガキだ)

(だけどこいつの言うことも一理ある……チーム・ダンガンロンパの目的って、本当に月岡恋鐘の証言通りなのか?)

(まだ私たちが見落としている……何か別の可能性はないのか?)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】

【ロンパ候補の発言の数が減少した!】

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×11
集中力:☆×6

コトダマ
‣【Aへのメール】

智代子「チーム・ダンガンロンパは【コロシアイを興行にしている】」

智代子「だとしたら電波のないこの島を会場として選ぶのは不自然だよね」

あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの直前に言ってたこともきっと関係があるっす」

あさひ「絶望に負けない希望の象徴となるアイドルを作り出すこと」

あさひ「その目的さえ到達できればチーム・ダンガンロンパは十分だったんっすかね?」

ルカ「エレクトボムの存在を結果として野放しにしたのも怪しいな」

ルカ「配信にせよ録画にせよ、映像データが途切れちまうのは本来まずいはずだ」

智代子「やっぱり【チーム・ダンガンロンパにはコロシアイを見せ物にする以外の目的があった】んだね!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


【集中力:☆×6→6.5】

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「今回のコロシアイの舞台になったジャバウォック島の電波環境、それにエレクトボムの存在を放置したこと」

ルカ「この二つを見ても、今回のコロシアイはこれまでの通り興行としての目的は薄かったんだろうな」

あさひ「何かチーム・ダンガンロンパには他に目的があったってことっすね?」

ルカ「いや、そうじゃない。他に目的があったのは……今回の黒幕だ」

智代子「う〜ん……? それって何が違うの?」

ルカ「黒幕という言葉が示すのは月岡恋鐘1人だけ。あいつの所属する組織とは別だよ」

ルカ「今回の捜査中発見したメールだ、これはチーム・ダンガンロンパから『A』という人物に宛てて送られたメールらしいんだが……中身を見てみろ」

智代子「こ、これって……組織からの、離反……?」


ルカ「ああ、どうやらチーム・ダンガンロンパの意志とは異なる方向性で暴走する舵取りをした人間がいるみてえだな」

ルカ「これは偶然かもしれないが、月岡恋鐘と繋がっていた前回のコロシアイの黒幕……天井努のイニシャルも丁度Aだ」

あさひ「前回のコロシアイと今回のコロシアイ、共にチーム・ダンガンロンパの思惑とは無関係に行われたコロシアイだったってことっすか?」

ルカ「このAって人間は組織からの再三の忠告を無視して単独行動をおこなっていたらしい」

ルカ「きっと、組織の資金力や資本力なんかを頼りにして……踏み台にしてやったつもりなんだろうな」

智代子「天井社長がこのAって人物と同一なら……前回のコロシアイもその目的のためだったことになるんだよね?」

智代子「その目的って……」

(天井努が前回のコロシアイで目指した目的……)

(きっとそれは今回のコロシアイでも通じる話だ)

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>590 >>591 >>592

↓1


【発言力:♡×11→10】

(いや、そうじゃない……天井努が前回のコロシアイで実現を目指した計画はこれじゃなかったはずだ)

(希望ヶ峰学園歌姫計画はあくまで見せかけの舞台設定で、本当の狙いはもう一つの計画じゃなかったか?)

(……ん?)

(今、私なんで……)

(天井努が前回のコロシアイで目指した目的……)

(きっとそれは今回のコロシアイでも通じる話だ)

【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>590 >>591 >>592

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「今回の調査中……気になる資料を見つけたんだ」

ルカ「私たちが元々この島に連れてこられたのは、【希望ヶ峰学園歌姫計画】とかいう計画だった。それはそこにいるモノミ自体が言ってたことだし、それ自体に嘘はねえんだろう」

ルカ「ただ……それとは別に、気になる名前の計画の存在を見つけてな」

智代子「ルカちゃん、その計画っていうのは……?」

ルカ「方舟計画、だとよ」

ルカ「私でも知ってる神話に似たような名前の話があった。身勝手な神が世界を濁流で飲み込んじまう中、神のお気に入りの人間と、その周りの存在だけが方舟に匿われて助かった……そんな話だった」

ルカ「この計画も、そんなクソみてえな神話に近いニュアンスの計画らしい」

智代子「え……? で、でもコロシアイを強いられていたんじゃ、私たちは匿われるどころか危険に晒されてるんじゃ……」

ルカ「私たちは、方舟の『ガワ』なんだよ。本当に守りたいものは、私たちじゃない」

ルカ「私たちはそれを守り続けるための容器なんだ」

あさひ「ルカさんには、計画の全貌が見えてるんっすね」

あさひ「教えてほしいっす、天井社長と恋鐘ちゃんが実現を目指した方舟計画、その狙いを」

(……方舟計画、その全てを私が知っているわけではない)

(でも、これまでに集めてきた情報から、その姿は見えてきつつあるはずだ)

(あいつらが方舟に入れて守ろうとしたもの)

(この世界に持ち込もうとしたもの、その正体が……!)


【正しいコトダマを選べ!】

>>590 >>591 >>592

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「……2人に聞いてもいいか?」

ルカ「この島に来た時、最初の目的はなんだって聞いた?」

あさひ「それ、さっきも言った通りっすよ。希望ヶ峰学園歌姫計画で、新時代のアイドルを作り出すための候補にわたしたちが選ばれたっす」

智代子「う、うん……! 私もそう聞いて、ここにいるんだけど……」

ルカ「それじゃ、もう一つ訊いていいか?」




ルカ「その、希望ヶ峰学園ってのは……なんだ?」



智代子「え……? ル、ルカちゃんどうしちゃったの? 希望ヶ峰学園のことを知らない人なんて、今時いないよ!?」

智代子「これからの時代を引っ張っていく、まさに希望の象徴となるような人材を育成するための国家レベルの予算が投入されている最先端教育機関……それが希望ヶ峰学園でしょ?」

智代子「実際、ここを卒業した学生はあらゆる分野で活躍してて……」


ルカ「その、実際の学生ってのは……誰のことを指してる?」

智代子「な、なに……そんな詰め寄るような……」

ルカ「いいから……!」

智代子「え、えっと…………」

智代子「あ、あれ……?」

智代子「ど、ド忘れしちゃった……のかな? で、出てこないや……あさひちゃん、どう?」

あさひ「これ……どういうことっすか?」

あさひ「わたしも智代子ちゃんと同じっす。希望ヶ峰学園の存在、そしてそれがどんな学校なのかは分かっているのに……不自然に、その関連情報に思い出せない部分があるっす」

あさひ「まるで、そこだけ綺麗に抜き取られたみたい……」

あさひ「……いや、違う」






あさひ「最初から、そこに何もなかった……みたいに」






智代子「……へ?」

ルカ「……二人とも、今度はこれを見てくれ。これは『候補者リスト』と銘打たれた書類で、希望ヶ峰学園の生徒が十数人書き連ねられているリストみたいなんだが……」

智代子「この人たち、私たちとおんなじ才能を持ってるんだね。……というより、もしかして私たちの才能に合わせて、集められた……?」

あさひ「それよりも、このリストなんだか変じゃないっすか? 生徒さんの名前、身長に体重、住所……個人情報が入ってるのは分かるんっすけど、性格や考え方、社交性とか人となりまで細かすぎるぐらいに書いてあるっす」

あさひ「これじゃ名簿っていうよりも、【設定資料】っす」

ルカ「ああ、全くもってお前のいう通りなんだよ。このリストはあまりにも内容が細かすぎる。プライバシーの侵害どころじゃない領域まで踏み込んで書かれていて……こんなのって、他者がそう容易に書けるような内容じゃない」

ルカ「張本人か、それに近しい親族とかでもない限りはな」

智代子「じゃあご家族の協力のもとに、これが書かれたってこと?」

あさひ「……ルカさん、さっきの質問ってそういうことだったっすか?」

智代子「あさひちゃん?」

あさひ「さっきルカさんは希望ヶ峰学園の記憶そのものに疑問を持っていることを共有した。それに加えてこのリストの提示、となるとその二つを繋ぐある可能性が浮き上がってくるっす」






あさひ「全部全部、作り物っす」






あさひ「希望ヶ峰学園なんて学校も、そこで学んでいた生徒さんたちも、このリストに載ってる人たちも、全部全部作り物」



あさひ「フィクションってことっす」



智代子「い、いや……いやいやいやいや……」

智代子「そ、そんなの……流石に飲み込めないといいますか、突飛すぎて、信用するとかしないとか、それ以前の問題と言いますか……」


ルカ「私だって未だに半信半疑……いや、頭は理解を拒んでるレベルの話だ」

ルカ「希望ヶ峰学園という存在は、ちっちゃい頃から頭に染み付いていた感覚なんだ、だけど……その記憶に存在する綻びを看過はできない」

智代子「で、でもそんなの……あり得ないよ! 2人のいうことが本当だとしたら、私たち全員の記憶を改竄したってことになるよね?!」

智代子「記憶を改竄だなんて……そんなの出来っこ……」

ルカ「何言ってんだ、それが可能なことは誰よりもオマエが1番よく知ってるだろ」

智代子「え?」

ルカ「オマエは前回のコロシアイの生き残りサマだろ」

智代子「あ……!」

あさひ「それに、この島に来るまでの記憶がわたしたち全員から抜け落ちてる。ただ意識を失ってただけじゃ説明がつかない出来事っすよ」

ルカ「任意の記憶を抜き取ることができるなら、その逆だって不可能じゃないかもしれない。少なくとも今はその可能性を放り捨てるのは賢い選択じゃないと思う」

智代子「だ、だとしても……そんなの、通しちゃったらこれまでの推理も何もかも……無駄になっちゃわない……!?」

ルカ「やめろ、思考を放棄するな」

智代子「……!!」


ルカ「これまでに積み重ねたものがつき崩れるんだったら、その崩れ落ちた瓦礫の隙間から見えて来るもんだってあるはずだ。この暗中模索の状況下で、思考を放棄したらその瞬間全部終わっちまうぞ……!」

あさひ「……いったんここで整理をするっすよ」

あさひ「わたしたちは希望ヶ峰学園歌姫計画を主導する透ちゃんとその仲間によってこの島に連れてこられた」

あさひ「そこで天井社長の遺志を受け継ぐ恋鐘ちゃん、モノクマ、モノミによって透ちゃんたちの計画は乗っ取られてしまった」

あさひ「チーム・ダンガンロンパの力だけ利用し、組織とは断絶状態だった社長たちは方舟計画という別の計画の実現を目指していた」

あさひ「その計画には『希望ヶ峰学園』という架空の学園、そして『候補者リスト』に記載される個人情報にしても詳しすぎるリストが必要だった」

あさひ「ルカさん、そろそろ教えてもらっていいっすか? ルカさんの考える、方舟計画の全貌について」

(……月岡恋鐘自身が、最後の最後に言っていたことではあるんだ。希望の象徴であるアイドルを作り出すって)

(でも、その言葉の本当の意味を私たちは理解しちゃいなかった。コロシアイを乗り越えたことで強くなった私たちの事、なんて都合のいい解釈に縋って、そこより先に進むことをさぼっていたんだ)

(あいつの本当の目論見は、こんなもんじゃない……!)

-------------------------------------------------

【ひらめきアナグラム開始!】


〔く/く/ん/か/の/か/う/じ]を入れ込む計画


【正しい順番に並べ替えろ!】


↓1

-------------------------------------------------
架空の人格を入れ込む計画
-------------------------------------------------

ルカ「……!」

【COMPLETE!!】

ルカ「方舟っていうのは、外の世界の厄災から遮断して中のものを大切に最後の最後まで守り続けるための乗り物。私たちの思う船とは全くの別物だ」

ルカ「そして、計画の中で言われている方舟とは私たち自身のこと。それはさっき確認した通り、後はその方舟に何を入れて、どこからどこへと運び出すかを明らかにするのが必要だ」

ルカ「そして、さっきまでの話で希望ヶ峰学園という学校、そしてそこにまつわる記憶のすべてがデタラメだったと明らかになった今。方舟に入れようとしていた中身はとっくに明らかになってるはずだ」

ルカ「このリストが『候補者リスト』なんて名前になってる理由も、それで説明がつく」


あさひ「希望ヶ峰学園の生徒を、現実のものにしようとしたってことっすか?」
ルカ「あの【候補者】は、私たちに入れ込む人格の【候補】なんじゃねーのか?」


智代子「な、何を言ってるの……? ぜんぜん、ぜんぜんわからないよ……」

ルカ「自分でも言ってる言葉が荒唐無稽すぎて、しんどくなってくる」

ルカ「ただ、これを裏付ける証拠だって存在しちまってるんだよ」

智代子「しょ、証拠が……? 証拠があるの……?」

(……迷うな)

(もうここまで来たら、行くとこまで行くしかねえだろ……!)


【正しいコトダマを選べ!】

>>590 >>591 >>592

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

智代子「こ、これは……何かのレポート用紙……? これまでの書類とはちょっと雰囲気が違うね……何かの実験で使ったもの、なのかな」

あさひ「そうっすね、多分実験っすよ」

あさひ「さっきルカさんが口にした計画の」

ルカ「ああ、ここに書いてあるのは別人の人格を被検体αと言われる人物に入れ込んだ、その実験の記録だ」

ルカ「機密情報なのか所々が隠匿されている様子だが、入れ込む予定の人格と入れられる人間の人格との間には親和性があったらしい。そのおかげで入れ込んだとしても拒否反応が起きづらい……ってよ」

智代子「そ、それじゃあルカちゃんの考える方舟計画は、実際に行われてたってことになるの……!?」

あさひ「前に本で読んだことがあるっす。人っていう存在は記憶によって作り上げられるものらしいんっすよ」

あさひ「ちっちゃい頃にどんな人とどんな話をして、どんなところでどんな遊びをして、どんな学校でどんな勉強をして……そういう記憶が積み重ねられることで一人の人間が完成するんだって」

あさひ「だから、逆に言えばその記憶さえ得ることができれば、もう一つの人格を獲得したも同然だと思うっす」

ルカ「……あの候補者リストって一人ひとりの人間に対して異様に詳しい記載があったよな」

あさひ「それに、わたしたちは知ってるっす。本来別の人間だった存在が、本物とほとんど変わりない人格を獲得し、その人になった成功例を」

智代子「透ちゃん……!」

ルカ「私たちにその記憶がないだけで、本当なら常識レベルの話……だったのかもしれない。DNAをいじってクローンをつくるなんかよりもっとずっと単純なレベルの話」



ルカ「成りたい人間、この世に存在させたい人間がいるなら……その人格を別の誰かに入れてしまえばいいんだってな……!!」




智代子「で、でも……たとえ同じ記憶を持っていたとしても、そう簡単にうまくいくのかな……」

ルカ「ああ、それじゃ終始しないってのはこの被検体αの書類にも書いてある」

ルカ「『適合させたい人格、その記憶をよりスムーズに適合させるにはその記憶に近い実体験があることが望ましい。より強烈で刺激的な記憶であるほど、人格同士の結びつきを強めることができる』……ってな」

あさひ「生まれ育ちが近い方が、お互いの理解が進む……とかそういう話っすかね」

智代子「記憶を貰うだけじゃなくて、肉体にもその経験がある方が適合率が上がる……理解はできる、かな……納得は出来ないけど」

モノミ「なるほど、世の先生が小テストをあんなにチマチマいっぱい作る気持ちがわかりまちたよ」

モノミ「あれは、快感だったんでちゅね。自分の作った問題を、自分の振りまいたヒントを適切に拾い上げて、その導線に従って解いてくれるエクチュタチー」

モノミ「あちしの熱い感情の中綿がうっかり零れてしまいそうなほどの快感でちゅ……!」

モノミ「でも、ミナサンお忘れじゃないでちゅか? あちしが卒業試験の第一問として提示したのは、『月岡さんの正体』でちゅ」

モノミ「『月岡さんの目的』を明らかにするだけじゃ、答えとしては不十分でちゅよ!」

ルカ「……だとよ」


智代子「そ、そっか……脱線しすぎちゃったね……」

あさひ「いや、脱線なんかじゃないっすよ。今のモノミの話、総合すれば『ルカさんの推理は今のところ全部正しい』、『その推理の延長線上に答えはある』ってことになるっす」

ルカ「……!!」

あさひ「やっぱり、希望ヶ峰学園なんか無かった。この記憶はぜんぶ嘘ってことになるっす」

智代子「そ、そんな……」

ルカ「おい、モノミ」

モノミ「はい! なんでちょうか!」

ルカ「私たちはさっきあさひが言った通りで認識していいのか? これは卒業試験の進行自体に関わる話だ、答える義務があると思うぞ」

モノミ「そうでちゅね、芹沢さんは流石の洞察力でちゅ。花マルをあげまちゅよ」

あさひ「わーい!」

モノミ「斑鳩さんの推理通りでちゅ。希望ヶ峰学園なんて存在しまちぇん、超高校級の才能なんてのも、存在しまちぇん」






モノミ「全部全部、ダンガンロンパの世界にだけ存在するフィクションでちゅ」





ルカ「チッ……やっぱりそうなのかよ……」

あさひ「……?」

智代子「あさひちゃん?」

あさひ「恋鐘ちゃんの所属してた組織の名前にもなってたっすけど、その【ダンガンロンパ】ってなんなんすか?」

ルカ「……そういえばそうだな、何度となく聞いたフレーズだけど、どういう意味の言葉なんだ?」

モノミ「あれま! ミナサン、ダンガンロンパをご存じじゃないんでちゅか?」

智代子「教えて! 全然知らないんだ!」

モノミ「しょうがないでちゅね、今回だけでちゅよ?」

モノミ「あのね、ダンガンロンパはね、サスペンシブルでエキサイティングでマーベラスな、この世界に革命を起こした伝説的なゲームの事なんでちゅ」

智代子「げ、ゲーム……?」


モノミ「平和すぎて退屈で仕方がない世界を吹き飛ばすぐらい革新的で攻めた設定のゲームで、リリース直後からカルト的な人気を博しているんでちゅ」


モノミ「プレイヤーたちと同じ目線に立つ高校生たちが自分たちの命、そして夢や希望をかけて血なまぐさくコロシアイながら友情や愛情を育んでいく……そして最後まで折れることなく立ち上がり続けて、最後には絶望を打ち負かして希望が勝利する」



モノミ「究極の勧善懲悪な物語……最高のエンターテインメントじゃないでちゅか!」



ルカ「希望ヶ峰学園や、超高校級ってのはそのゲームの中の設定なのか……?」

モノミ「はい、その通りでちゅ。だからこそゲームの中で生きる彼らはあちしたちプレイヤーにとっての希望になるんでちゅよ」

智代子「そんなゲームが……本当に、大人気なの……? 人が人の命を奪い去る、そんな光景を……ゲーム、娯楽として楽しむ人たちが……いっぱいいるの……?」

ルカ「……これも、抜け落ちた記憶なのかは分からねえ。でも、そういう娯楽を楽しむ人間がいるってのは理解はできる」

ルカ「殺人鬼の目線の独白小説、陰惨たる光景が延々続くスプラッター映画。そういう娯楽もひとつの娯楽の在り方として存在し続けて来たし、そこに今更倫理を問うような人間はいない」

ルカ「人は誰でも、そっちに振り切れるだけの素質を持っている……かもしれない」

あさひ「チーム・ダンガンロンパという組織はそのゲームのダンガンロンパをもとにして発足した組織なんっすか?」

モノミ「はい! ゲームの開発元とは母体は異なりまちゅ。チーム・ダンガンロンパという組織はコンテンツとしてのダンガンロンパに心酔した人間たちの集まりなんでちゅ」

モノミ「自分たちもあの日魅せられたコロシアイを、今度は自分たちの手で世界に広めていきたい。そういった希望を語り継ごうとする意志の集合体がチーム・ダンガンロンパなんでちゅね!」

智代子「そんな思想に、社長も、恋鐘ちゃんも賛同してたの……?」

ルカ「……信じられないだろうが、ほかならぬモノミがそれを認めてるんだ。ここは飲み込むほかない」





あさひ「……」




あさひ「……いや、ちょっと待ってほしいっす」





ルカ「……は?」

あさひ「モノミの言っていることは全部本当だと思うっす。モノミは黒幕側の存在で、かつ裁判を公平に進行する義務を背負っているから嘘はつけないはずっすから」

ルカ「じゃあなんで今止める必要が……」

あさひ「ルカさんも智代子ちゃんも、気づいてないっすか?」

智代子「な、なんのこと……?! わ、私何かまずいことでも言った……!?」

あさひ「んーと……気づいてないなら、直接ぶつけたほうが早いかもしれないっすね」

ルカ「お、おい何する気だ……あさひ!」

あさひ「二人とも、わたしの推理を聞いてもらうっすよ」



【あさひ「それは違うっすよ」】反論!



(……モノミの言うことは全部正しい)


(つまり、ルカさんの推理も全部正しいんだ。でも、ルカさんの考えてることって本当に全部正しいのかな)


(……ルカさん自身は気づいてない。それならわたしが指摘するしかないんだよね)



(よーし、やるからには本気でやるぞ!)



本日はここまで。次回あさひの反論から再開します。
突然の更新でしたがご参加いただきありがとうございました。
予定通り明日も同じ時間から再開予定です。

それではお疲れさまでした。

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×6.5

‣【にちかの証言】
‣【候補者リスト】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【恋鐘の証言】
‣【島の電波環境】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【被験体α】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【満月】


ルカ「希望ヶ峰学園歌姫計画として題され、この島に私たちは集められた」

ルカ「それを乗っ取ったのが黒幕連中」

ルカ「私たちを入れ物にしてダンガンロンパの登場人物を現実世界に持ち込もうとした方舟計画」

ルカ「クソみたいな御伽噺のようだが、実際この推理を聞いてモノミは認めてる」

ルカ「あさひ、オマエ自身がモノミに確認したことだろ?」

ルカ「何をいまさら引っ掛かることがあるんだよ……」

◆◇◆◇◆◇

【発展!】

あさひ「モノミはルカさんの現時点での推理を正しいとしただけっす」

あさひ「ルカさんの考えのすべてを認めたわけじゃないっすよ」

あさひ「都合よく考えちゃダメっす」

◆◇◆◇◆◇

ルカ「はぁ?! 何を言ってんだよ……」

ルカ「私の推定する方舟計画の全貌も」

ルカ「希望ヶ峰学園とその生徒が【フィクション】だって話も」

ルカ「ダンガンロンパとかいうカルトゲームから【コロシアイの組織が発足した】話も」

ルカ「そこにオマエんとこの【社長と月岡恋鐘が所属してた】話も」

ルカ「全部モノミ自身が証言したことだ」

ルカ「何もかも、すべて正しいはずだろ?」

ルカ「いまさら何を突っかかってきてんだよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ90以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


【コンマ34+15→49】

【発言力:♡×10→9】

ルカ「私の推理は間違ってない……なのに何を噛みついてくることがあんだよ!」

ルカ「ホントに、聞き訳のないガキだな……!」

(ありゃ、わたしの言葉は届かなかったみたい)

(わたしの推理は間違ってないはず。それならわかってもらえるまでぶつけるしかないかな)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】

【ロンパ候補の発言の数が減少した!】

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×6.5

‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【恋鐘の証言】
‣【被験体α】


ルカ「希望ヶ峰学園歌姫計画として題され、この島に私たちは集められた」

ルカ「それを乗っ取ったのが黒幕連中」

ルカ「私たちを入れ物にしてダンガンロンパの登場人物を現実世界に持ち込もうとした方舟計画」

ルカ「クソみたいな御伽噺のようだが、実際この推理を聞いてモノミは認めてる」

ルカ「あさひ、オマエ自身がモノミに確認したことだろ?」

ルカ「何をいまさら引っ掛かることがあるんだよ……」

◆◇◆◇◆◇

【発展!】

あさひ「モノミはルカさんの現時点での推理を正しいとしただけっす」

あさひ「ルカさんの考えのすべてを認めたわけじゃないっすよ」

あさひ「都合よく考えちゃダメっす」

◆◇◆◇◆◇

ルカ「はぁ?! 何を言ってんだよ……」

ルカ「私の推定する方舟計画の全貌も」

ルカ「希望ヶ峰学園とその生徒がフィクションだって話も」

ルカ「ダンガンロンパとかいうカルトゲームからコロシアイの組織が発足した話も」

ルカ「そこにオマエんとこの【社長と月岡恋鐘が所属してた】話も」

ルカ「全部モノミ自身が証言したことだ」

ルカ「何もかも、すべて正しいはずだろ?」

ルカ「いまさら何を突っかかってきてんだよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ90以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


【コンマ90】

【集中力:☆:6.5→7】

あさひ「それは違うっすよ!」

【BREAK!】

あさひ「ルカさん、だから都合よく解釈しちゃダメっす」

あさひ「モノミが証言したことは全部正しい。それは間違いないっす。でも今のルカさんの話では、証言者のすり替えが起きてるっす」

ルカ「あ……?」

あさひ「社長と恋鐘ちゃんがチーム・ダンガンロンパに属していた。そのことはわたしたちが推理の上でしか口にしていない話っすよ?」

ルカ「た、確かにそうかもしれないけど……モノミは今までの私たちの推理は全部正しい、つったうえでさっきの話をしたんだ。今の話だって包含してるんじゃ……」

あさひ「いや、直接的に二人の所属はちゃんと話してないっす。恋鐘ちゃんはあくまで社長の意志に賛同していたとこまでしか話してない」



あさひ「それに……わたしはふたりの協力関係も怪しいと思ってるっす」



ルカ「はぁ……?!」


あさひ「ルカさんの考える、人格を入れ込む方舟計画が正しいってなった時から思ってたんっすよ。これって完全に他人に置き換わるわけじゃなくて、人格を統合させることが目的なんっすよね」

ルカ「ああ、被検体αを見ても、人格がすり替わるんじゃなくて、統合っていう言葉が使われてるしな」

あさひ「なら、わたしたちの感じた違和感もそれで説明がつくんじゃないかなって」

ルカ「……何のことだ?」

あさひ「智代子ちゃん、コロシアイのこれまでに納得してるっすか?」

智代子「え……?」

あさひ「黒幕が恋鐘ちゃんって言われて納得してるっすか?」

智代子「そ、そんなの……」

あさひ「恋鐘ちゃんがおしおきの前に見せた、本当の素顔に納得してるっすか?」

智代子「してるわけ……!」



あさひ「あれは本当にわたしたちの知ってる恋鐘ちゃんだったんすかね?」



ルカ「……えっ」

あさひ「この候補者リスト、恋鐘ちゃんと同じ才能の人だけ載ってないんっすよ。黒幕だからそれも当然なのかなって思ったんすけど、社長の思想と本当に賛同しているアイドルなら、自分も実験に参加しそうっすよね?」






あさひ「だから、もしかしたら、恋鐘ちゃんは既に人格を統合した後なんじゃないかって」






智代子「最後の最後まで姿かたち、喋り方、笑顔……ほとんどが恋鐘ちゃんのままだった。でも、その中に通っている芯である考え方においてだけは、私たちの知っている恋鐘ちゃんとは全くの別物だった」

智代子「あさひちゃんの推理、私は納得できるよ」

ルカ「お、おい……それじゃあなんだ……? あいつは本当は黒幕じゃないって……?」

あさひ「いや、今回の黒幕が恋鐘ちゃんだったのは間違いないっす。それは何度も確認したことっすよ。ただ、ここで疑問視されるのは恋鐘ちゃんが自分の意志で天井社長に協力していたのかってことっす」

あさひ「入れ込まれた人格によっては、行動が左右されることだってあるはずっすよ。それこそ、ダンガンロンパはわたしたちと同じコロシアイのゲームなんすよね?」

あさひ「コロシアイの黒幕をやらせるのなら、これ以上なくうってつけの人格があると思うっす」

(よし、二人ともここまで連れてこられた)

(後は、恋鐘ちゃんを絶望に染め上げ、コロシアイの黒幕という役割を無理やりに背負わせた人格を明らかにするだけ)



(……あれ?)



(なんなんだろう、この感覚)


(ずっと蓋をしていて、埃をかぶったおもちゃ箱を開けようとして……ずっと眠っていた、眠っているべき何かを起こしかけているというか……)


(脳が、かゆい)


-------------------------------------------------

【ひらめきアナグラム開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×7


〔このましゅんじえ〕


【正しい順番に並べ替えろ!】


1.解答する
2.集中力を使う(一部文字が正しい位置に移動する)

↓1


あさひ「こ、これって……」

【COMPLETE!!】

あさひ「なんなんすかね、これ」

あさひ「自分の推理を口にした瞬間に、頭に浮かんできた名前があるんっすよ。でも、そんな人知らないし、聞いたこともないはず。それなのに、ずっと前から知ってたような気すらする……この感覚は、何?」

ルカ「あさひ……?」

あさひ「なんかムカムカしてむず痒いっすよ、なんで、なんで分からないのか……それが分からないし、これまでに感じたことのない感じっす」



あさひ「江ノ島盾子って、2人はわかるっすか?」



モノミ「……うぷ、うぷぷぷぷ」

ルカ「……なんなんだ、その名前。そんな人間、私は知らねえ」

ルカ「なのになんだ、この名前を聞いた瞬間に首筋を虫が這ったような不快感は」

智代子「私も身に覚えは全くないはずなのに、なんだか寒気が……」

モノミ「ミナサンが感じているのは、本能的なものなんでちゅ。畏れ、警戒、忌避。いずれも絶望に対する根源的反応なんでちゅ」

モノミ「希望の象徴であるミナサンからすれば対極の存在であるがゆえ、より一層ミナサンを引き立てる踏み台であるがゆえにその反応を拒絶はできないんでちゅね」

ルカ「何言ってんだ……何者なんだよ、その江ノ島盾子ってのは……!!」






モノミ「ダンガンロンパの原点、超高校級の絶望でちゅ」





ルカ「超高校級の絶望だと……?!」

モノミ「やることなすこと絶望的、思考の全てはどうすればもっと絶望を与え、味わうことができるかのためにある」

モノミ「まさにダンガンロンパそのものとも言うべき存在が、彼女なんでちゅよ」

あさひ「その人の人格が、恋鐘ちゃんの中に入ってたんっすか?」

モノミ「さあ、どうでちゅかね。でもきっと、もし江ノ島さんがこの現実世界にいて、社長さんの計画を聞いていたのなら」



「絶望の前菜にはちょうどいいかもしれませんね、ええ、ちょうどいい。犬の餌にはちょうどいいぐらいでしょう」



モノミ「ぐらいに賛同はしていたかもしれまちぇんね!」

ルカ「……そ、それってオマエ……認めたってことでいいのか……?」

モノミ「さ、そろそろお時間でちゅよ! 卒業試験の第一問の解答を提出してもらいまちゅ!」

モノミ「これまでの議論の中で、ミナサンはその答えを導き出すことができまちたかね?」

ルカ「……第一問は確か、『月岡恋鐘の正体』だったな」

あさひ「わたしたちはその過程で恋鐘ちゃんたちが実現を図った『方舟計画』を明らかにした」

あさひ「そして、わたしたちの記憶の中にあった希望ヶ峰学園も、超高校級の生徒達も、全部偽物だったことも」

智代子「方舟計画は私たちの中にダンガンロンパの登場人物の人格を入れ込む計画だったんだよね」

智代子「そのためのリストが、この候補者リスト」

(これらの推理を総合すれば、ここで答えるべきなのは……そういうことだ)



ルカ「モノミ、回答だ」

ルカ「月岡恋鐘は間違いなく今回のコロシアイの黒幕だ。私たちをコロシアイの渦の中に引き摺り込み、これまでに積み重ねたものや、手にしてきたものを奪い取り……その過程を経させることで新しいアイドルを生み出そうとした、イカれたやつ」

ルカ「……でも、その『イカれ』はあいつがもともと持っていたもの、じゃなかったのかもしれない」

ルカ「私たちを実験体にした『方舟計画』。ダンガンロンパというゲームのキャラクター、その人格を私たちの中に入れ込んで元の人格と統合させるのが目的の計画だったわけだが」

ルカ「月岡恋鐘自身も、それと同じ実験を受けていた可能性がある」

ルカ「あいつに入れ込まれた人格は、ダンガンロンパそのもの」

ルカ「絶望のために生まれ、絶望のために生き、絶望のために逝く。その宿命さえも絶望して嘆く。全てを絶望で上塗りするためだけにある存在」



ルカ「【江ノ島盾子の人格が入れ込まれてた】んだ……!!」



(……なんて、今さっき名前を知ったばかりの存在なのになんで私はこんなにも自信満々に口にしてんだろうな)



モノミ「なるほど、それがミナサンの解答なんでちゅね。わかりまちた! それでは卒業試験第一問の判定に移りまちゅ!」

モノミ「ミナサンの答えてくれた、その回答は________」





モノミ「お見事! 百点満点の答えでちゅ!」





智代子「やった……って、手放しで喜ぶようなものでもないよね」

ルカ「……前に進んだのは進んだんじゃねえのか」


モノミ「ミナサンをコロシアイに巻き込んだ黒幕の月岡さん、彼女もまた方舟計画の被験者さんだったんでちゅね」

あさひ「被験者……? でも、恋鐘ちゃんの名前は候補者リストには載ってなかったっすよ」

モノミ「月岡さんはミナサンとはまた別のリストに乗ってるんでちゅ。ミナサンは実験段階でちゅけど、彼女は既に成功例になった身ということでちゅね」

ルカ「つまり、あいつは黒幕の役割を与えられただけの傀儡だったってことかよ……!!」

智代子「えっ……」

あさひ「そうなるっすね、きっとそれをやったのは天井社長っす。前回のコロシアイで死んじゃったみたいっすけど、その遺志を受け継ぐスペアが必要として、たまたま恋鐘ちゃんに役割が与えられちゃったんっすよ」

ルカ「あいつは自分の意志で私たちを裏切ったんじゃない……裏切るように、内側から人格を食い破られたんだ……」

智代子「そ、そんな……」

あさひ「どっちの方がよかったんっすかね。恋鐘ちゃんが自分の意志のままにわたしたちを裏切るのと、他の人に裏切りを強いられてやっちゃうのと」

ルカ「あ?」

あさひ「少なくとも、今わたしたちがたどり着いた答えは……わたしたちのよく知る恋鐘ちゃんはわたしたちを裏切ってないってことだと思うっすよ」


あさひ「優しくてポカポカな恋鐘ちゃんは、嘘なんかじゃないっす」


ルカ「……オマエ」

智代子「……そっか、そうだね。さすがあさひちゃん、頭の回転が速いなぁ!」

あさひ「……? そっすか?」

(……別に励まそうとして言ったわけじゃないのか)

(ハッ……冬優子の言う通りだ、考えなしにとる行動が自然と周りにいい結果をもたらしてしまう。だからこそこいつはやりづらい)

(本当に、掴みどころのないやつだよ)


モノミ「さて、それではひと段落ついたようだし、次の試験に行きまちゅよ!」

智代子「ま、まだあるの!?」

モノミ「当たり前でちゅ! こんなものじゃ、ミナサンの到達すべき答えの一割にも満たない到達点でちゅからね!」

モノミ「ミナサンはもっともっと残酷で、目も背けたくなるような真実と向き合う必要があるんでちゅ」

モノミ「でも大丈夫! あちしはミナサンならそれも乗り越えられるって信じてまちゅからね!」

ルカ「おーおー、心強いことで」

モノミ「えへへ、あちしってば後方支援タイプでちゅから。ワイルドダウンでちゅから」

(皮肉が通じねえ)

モノミ「それでは二問目でちゅ! これを教えてくだちゃい!」




★ミナサンのいるこの島の正体は?★




ルカ「……は?」

ルカ「いやいや、それってジャバウォック島が答えだろ!? 質問も何も、オマエがこの島に来てすぐに教えて来たんだろうが!」

モノミ「それで十分なんだと思うなら、それで答えてくだちゃい! まだ議論が必要だと思うならご自由に! 進むも止まるもミナサンの民意で決めるのがこの卒業試験でちゅから!」

(どういうことだ……? 一体どんなつもりでこんな質問を……?)

智代子「まあ、こうやって聞いてくるからにはただジャバウォック島ってだけじゃ答えにはならないんだろうね……」

あさひ「うーん、ここは今持っている情報でこの島について話し合ってみるほかなさそうっす。とりあえず議論をすれば、状況を打開できるかもしれないっすね」

ルカ「わかった、やるだけやってみるぞ」


(議論、全てはここから始まる……)


(でも、なんだこの胸のざわつきは……)


(私たちは今、何の扉に手をかけている……?)


-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×7

コトダマ
‣【島の電波環境】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【被験体α】
‣【恋鐘の証言】
‣【満月】
‣【冬優子の写真】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【透の外部との通信】


ルカ「私たちのいるこの島はジャバウォック島だ」

ルカ「南国の島がいくつも集まってできた諸島」

ルカ「でも、それ以上に何かあるのか……?」

あさひ「この島は随分前から【廃島になってた】らしいっす」

あさひ「昔は観光地としても栄えていたみたいっすけど、そんな様子はどこにもないっすね」

智代子「さっきまでの議論でもあったけど、【この島に電波の類はまるで無い】んだよね」

智代子「外の世界とのつながりを絶たれた絶海の孤島ってところかな!」

ルカ「もともとこの島に私たちを連れてきたのは浅倉透だから」

ルカ「あいつなら【もっと色々知ってる】かもな」

あさひ「うーん、なにか新しい事実はないっすかねぇ……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「そういえば……この矛盾をずっと置き去りにしたままだったな」

あさひ「どうしたっすか、ルカさん」

ルカ「ジャバウォック島の存在を風野灯織と有栖川夏葉は以前から知っていた様子で、生前も私たちにその話をしてくれた」

ルカ「だけど、あいつらが死んでから第五の島で見つけた資料には、あいつらの話とは矛盾する記述が載ってたんだよ」

智代子「あっ……! そ、そういえばそうだった……!」

あさひ「ジャバウォック島にはもともと人が住んでいて、中央の島の行政機関を解体して未来機関の本部を創設する……わたしたちの知るジャバウォック島とは矛盾する話っすね」

智代子「うーん、時系列が違うとか? 未来機関が本部を作った後に廃島になって……」

ルカ「未来機関ってのは現存する組織なんだろ? 本部を作ったのが廃島になるぐらい前の話ってのはいまいちピンとこねえ」

あさひ「じゃあ、この矛盾は何なんすかね?」

(……そうだ、この矛盾を解消しないことには前には進めない)

(私たちのいるこの島における食い違い……どういうことなんだ?)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×9

Q1.灯織たちの言うジャバウォック島と再開発計画のあったジャバウォック島、どちらの情報が正しい?
A.灯織たちの言うジャバウォック島 B.再開発計画のあったジャバウォック島 C.どちらも正しい

Q2.どうしてジャバウォック島の情報が食い違っている?
A.ジャバウォック島は二つあった B.時系列が違う C.解釈の違い

Q3.黒幕がコロシアイを行うためにこの島に行った工作とは?
A.地図から島を消した B.島の名前を変えた C.島そのものを作った

【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】


↓1

------------------------------------------------
【CAC】
-------------------------------------------------

ルカ「それは違うぞ!」

【解!】

ルカ「……なるほどな、そういうことか。それなら合点がいく」

智代子「ルカちゃん? 矛盾を解決する答えが見つかったの?!」

ルカ「ああ、答えは私たちが思ってるよりずっとずっと単純なものだったんだ」

ルカ「同一の島で起きてるとは思い難い矛盾……それなら前提からして違っていたんだよ。この二つの情報が指す島は【別物】なんだ」

あさひ「別? それなら……わたしたちのいるジャバウォック島とは別に、他のジャバウォック島があるってことっすか?」

智代子「中央の島に行政機関が存在したジャバウォック島のことだよね! ……でも、そんなことって本当にあるのかな」

智代子「島の名前が一緒になる事はまああってもおかしくはないけど、6つの島からなる群島で、その配置まで同じっていうのは……」

ルカ「無いだろうな。それを模したものをそのまま作らない限りは」

智代子「だ、だよねー……」



あさひ「それって逆に言えば、模して作れば可能って事っすか?」



智代子「ええっ?! し、島を作るってそんなのアリなの?!」

智代子「こんな広大な島、一つ作るのだって何百トンって土が必要だし……植物だって、建物だって……いったい何千億、何百兆のお金がかかるの……?」

ルカ「多分、ゼロ円だろうな」

智代子「資本主義をご存知でない!?」

ルカ「バカ、それは現実世界でのコストの話だろ? その島づくりを全部データ上でやるならどうだ?」

智代子「で、データ……?」

あさひ「現物じゃないならいくらでも出来るっすね。ただのデータなんだし、島だろうとタワーだろうと国だろうと、いくらでも建築できるっす」

智代子「話の意図が読めないんだけど……未来機関が本部を建てた方のジャバウォック島はデータの中の話、この現実世界の話じゃないってことでいいのかな」

(……私たちの見ている世界と、書類上の世界)

(どっちが本当の世界なのか、私は知っているはずだ)

(この島に来た時から感じている違和感を、今こそぶつけるときだ……!)

【正しいコトダマを選べ!】

>>589 >>590 >>591

↓1


ルカ「……」

【解!】

ルカ「なあ、オマエらはこの島に来てから、空を見上げた事はあるか」

智代子「ルカちゃんらしくなくロマンチックな語り口だね」

ルカ「茶化すな! この島からでも夜空には綺麗な月が見えるんだけどよ」

智代子「ルカちゃん……こんなところでそんな大胆に……!」

ルカ「文豪的な表現じゃねえ! 本筋に戻るぞ、その月のなんだが重要なのはその形だ。この島に来た時見上げた夜空にあった月は……一部分たりとて欠けていない満月だった」

ルカ「それが昨晩見上げた時の月の形も……変わらない満月だったんだよ」

あさひ「わたしたちがこの島に来てからは一ヶ月経たないぐらいっす。本来なら、まだ満ち欠けの周期は一周してないっすね」

ルカ「それどころか、いつ見上げてもあの夜空の月は満月のままだ。そんなの、あり得ないだろ」

智代子「ど、どうなってるの?!」

あさひ「これも答えは簡単っすね」






あさひ「月の満ち欠けなんかプログラミングされてないんっすよ」





ルカ「……この考えがよぎったことは何度かあった。でも、そんなの荒唐無稽すぎて、きっと世界のどこかならこういうことがあってもおかしくはないだろって、そう思って」

ルカ「____逃げてたんだ」

智代子「恋鐘ちゃんのおしおきの後、黒幕としての権限が全部モノミに移ったよね」

智代子「その時のモノミの言葉は……今思えば、プログラムを管理しているシステムみたいだったかも……しれない」

あさひ「ぐー、ぱー。ぐー、ぱー」

あさひ「……うん、指の一本一本。その先っぽまで全部わたしのものっす」

あさひ「でも、この感覚も、これを確かめている感情も、全部データの中の出来事なんっすかね」

ルカ「……私は、知っている。これだけのことを、世界を作り出すなんてことを可能にする、そのプログラムを」


【正しいコトダマを選べ!】

>>590 >>591 >>592



すみません、ここの解答は経験者なら正直明らかだとは思うんですが
>>484 >>485 >>486に示されているコトダマがずっとリストにないままにやっていました。
ここは正答判定で飛ばして進行します…

-------------------------------------------------
【新世界プログラム】
-------------------------------------------------

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「新世界プログラム。それが今私たちのいるこのセカイの正体だ」

あさひ「ルカさん、それは?」

ルカ「さあな、よくわからねえが、あのイかれた世界の中で、いる筈のないやつに渡された情報だ」

ルカ「とある組織が作ったプログラムで、元々は精神療法のためのプログラムらしい。箱庭療法って聞いたことあるだろ?」

智代子「治療を受ける人がサンドボックスの中で世界を作って、それをもとに診療するんだっけ……」

ルカ「それに近いアプローチだ。被験者が仮想現実の世界でどんな行動をとるのか、またそれにはどんな思考が紐づいているのかを観察する。プログラムのやりようによっては、任意の記憶の抜き取った状態で行うことだって可能らしい」

あさひ「ログイン時……世界に繋がった時に記憶に処理を施すことができるんっすね」

ルカ「心理的なショックとかを体験する前の状態を観察できるってことだな」

智代子「に、任意の記憶を抜き取る……?!」

あさひ「これで繋がったっすね」

ルカ「ああ、私たちが揃いも揃ってここに来るまでの記憶、そして前回のコロシアイの記憶を失っていた理由は_____」






ルカ「私たち全員が新世界プログラムの被験者だからなんだよ」





あさひ「文字通り、世界が逆さまになっちゃったっすね」

あさひ「本当だと思っていたものが嘘だった、どころか……それそのものが現実には存在しなかった。観測しているわたしたちの方が嘘だったんっすから」

ルカ「嘘……なんて単純な言葉で括れたらもっと楽だったんだけどな」


(私たちの前に横たわるのは、表か裏かなんて議論で収まらない渦)


(黒も白も、それ以外の色も何もかも巻き込んで、螺旋の中に果てを仕舞い込むだけの渦)


(私自身の意識も、気を抜けばその渦に呑まれてしまうだろう)


(自分自身で行った指摘が、ここまで自分を狂わせようとは思いもしなかった)


智代子「ここにきて、モノミの狙いが見えてきた気がするよ。卒業試験だなんて言って、こんな学級裁判の場を設けた意味」

智代子「コロシアイを経た私たちを、更に絶望させるためだったんだね……!」

モノミ「違いまちゅ、誤解でちゅよ! なんどだって言いまちゅけど、あちしはミナサンの味方なんでちゅ。間違っても絶望を与えようなんかしていまちぇん!」

モノミ「あちしは、希望を呼び起こしたい。今ミナサンが感じているムカムカモヤモヤは、そのための呼び水なんでちゅよ」

ルカ「ああ、けった糞悪い……最悪の気分だよ」

あさひ「でも、どうなんすかね。この世界が全部データの中のお話だったら、今までに死んだみんなはどうなるんっすか?」

ルカ「……!!」

(そうだ、この島はあくまでデータ上の存在。この島で起きることは全部、そのデータの上でしかない)

(これまでに私たちが直面してきた絶望的な現実だって、その枠からは外れない……)


(これまでの絶望が全部全部、ひっくり返る可能性だって_____)





モノミ「それはお答えできまちぇんね」


ルカ「……は?」

ルカ「いやいや、そんなの……一番大事なところじゃねえか……! オマエの言う希望だって、この答次第でその所在が……」

モノミ「だからこそでちゅよ。あちしはそんなに楽に生まれる希望も、そんな単純に陥る絶望も望んでいないんでちゅ。ミナサンが頑張って頑張って最後に辿り着く現実だからこそ、意味があると思うんでちゅ」

モノミ「答えは卒業試験の後で! でちゅよ!」

ルカ「……チッ」

あさひ「まあ、そう簡単には教えてくれないっすよね」

あさひ「それなら、こっちがさっさと真実にたどり着けばいいんっすよ! 第二問の答えも無事に分かったところで、第三問もパパパって解いちゃえばいいんっす!」

智代子「そう……だよね! あさひちゃんの言う通り、モノミが最後の最後まで答えを明かさないって言うなら、私たちが早くのその最後の最後までたどり着けばいいんだ!」



ルカ「……」



あさひ「……あれ?」



(……この世界が現実世界じゃない、いかにも黒幕連中が好きそうなどんでん返しの解答)

(でも、なんだこの何か足りないような感覚は……)

(もっと重要な何かを見落としているような……)

ルカ「……悪い。回答する前に、今一度ここまでの話を整理させてくれねーか?」

智代子「見かけに合わず慎重だね、ルカちゃん」

ルカ「悪かったな。……でも、これは本当に最後の戦いなんだ。手を抜いて失敗、なんて情けない終わり方はしたくない」

あさひ「わたしは別にいいっすよ。満足するまで付き合うっす」

ルカ「随分と聞き訳がよくなったもんだな問題児」

智代子「もちろん! 不肖、園田智代子もお助けいたしますとも!」

ルカ「おう、それじゃあ付き合ってもらうぞ。あのへちゃむくれにギャフンと言わせてやるまで……!!」

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×7

‣【透の証言】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【恋鐘の証言】
‣【候補者リスト】
‣【冬優子の写真】
‣【プログラムエラー】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【行方不明の十人】
‣【にちかの証言】


ルカ「私たちのいるこのジャバウォック島は」

ルカ「新世界プログラムによってつくられた【仮想現実】だったんだ……!!」

智代子「陸地も、海も、空も……なにもかもがデータでしかなかったんだね……」

智代子「私たち自身も、生身の身体じゃなくて」

智代子「意識だけを写し取った【データ】、ってことなんだよね」

あさひ「わたしたちは、【全員何者かにこの新世界プログラムにログインさせられた】っす」

あさひ「この島に来た記憶がないのも、新世界プログラムで記憶を抜き取られていたからなんっすね」

ルカ「私たちは一緒にこの島に幽閉されたってより」

ルカ「【同じ世界に繋がれただけのユーザーの集まり】だったってことかよ……」

智代子「なんだかMMOの世界みたいだね……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【解!】

ルカ「いや、おかしい……私たち全員がこの新世界プログラムにログインしている……この状況は妙だぞ……」

あさひ「……? でも、この世界は仮想現実なんっすよね? 何が変なんっすか?」

あさひ「この島で死んでいった人たちも合わせて16人、みんな同じ世界にログインしてたってことなんじゃないっすか?」

ルカ「ああ、その事実自体は変わらない。私たちは同じ仮想現実にログインさせられたユーザー同士。多分それを強いったのは浅倉透とその一味……なんだろう」

ルカ「けど、新世界プログラムの存在が明らかになった今、意味合いが変わってくる証拠があるんだ」

智代子「意味合いが、変わる……?」

ルカ「こいつを見てくれ」

あさひ「なんっすか、この写真? わたしたち……が寝てる?」

智代子「頭には見たことのない機械が付けられてるね……まさか、これが新世界プログラムの機械……?」

ルカ「……だと思う、見事にここにいた連中ばかりが、同じ機械をつけてるんだからな」

ルカ「一部例外を除いて」

あさひ「灯織ちゃん、摩美々ちゃん、愛依ちゃん、雛菜ちゃん、それに智代子ちゃんは機械をつけてないし、白衣を着てるっす」

智代子「あ、あれ……!? な、なんで……!?」

ルカ「それに浅倉透の姿はない。まああいつのオリジナルは前回のコロシアイとやらで死んじまってるんだから当然と言えば当然だが……」

ルカ「前回のコロシアイで生き残った五人は、どうして私たちと一緒に機械に繋がれていないんだろうな」

あさひ「……ルカさんは、その答えがわかるっすか?」

ルカ「わかる……というより答えは自然とそこに行きつくんじゃないか?」

(新世界プログラムの目的、そしてこれまでのあいつの証言を合わせると……ただ一つだ)


・5人は遅れて装置に繋がれた
・5人が新世界プログラムに同期させた犯人
・新世界プログラムにいたのは5人のコピー

【正しい選択肢を選べ!】

↓1



ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「もしかして、浅倉透の仲間ってのは……前回の生き残り連中の事だったんじゃないか?」

ルカ「浅倉透は私たち全員を島に拉致した事実を認めていた……これまでの議論から、その拉致という言葉の意味合いは『新世界プログラムに同期させる』ことに変わったわけだ」

ルカ「そうなってくると、私たちを機械につないでいる前回の生き残り連中の姿はその関与を何よりも雄弁に語ってくれる」

智代子「ちょ、ちょっと待ってよ! たまたまみんなが新世界プログラムに繋がっている場所で、白衣を着てたってだけでそんな疑いをかけられても……」

ルカ「別に必死に否定しなくてもいい。浅倉透は私たちにとって敵じゃない……そのことはこれまでの生活でよくわかってる」

ルカ「それに、新世界プログラムの元々の目的を考えれば、生き残り5人が私たちに敵意を持っていたわけじゃないのはよくわかる」

智代子「もともとの目的……?」

あさひ「精神療養のためのプログラムってことっすね!」

ルカ「私たちにその当時の記憶はない……それこそ新世界プログラムによって抜き取られているんだろうからな。私たちの多くは何らかの理由によって深刻な精神的外傷を負わされたとかで後の5人の手で治療を受けていたんだろう」

ルカ「その時を写した写真がこの一枚だったってワケだ」

智代子「……私たち、そして透ちゃんの行動がみんなにとって害をなす者じゃないって言ってくれたのは嬉しいよ」

智代子「でも、今のルカちゃんの話って……」

ルカ「……ああ、現実世界の私たちは」



ルカ「まず、まともな状態じゃないんだろうな」



智代子「……!!」


ルカ「仮想現実にぶち込んで、記憶を抜き取ってまでの治療なんだ。私たちの想像の域を出たレベルで深刻な状態なんだろう。それこそ、対話療法も不可能なくらいに精神が汚染されてる」

智代子「そ、そんな……」

ルカ「何をいまさらそんなにめげることがあんだよ。散々もっと最悪な死のかたちを見て来ただろうが」

智代子「それはそうかもしれないけど……はぁ……」

(精神汚染がどうとか言われても……今更だ)

(ユニットの解散から散々荒んで散々ゲロ吐いてきたんだ、自分の打たれ弱さは自分が一番よく知ってる)

(……ああ、この島に来る前の私ならそうなっていてもおかしくはないなって)

(でも……確かに他の連中までそんな状態だったのは、なんだか違和感を感じるか)

(それこそ美琴が……そんな精神的に参るなんて……いったい何があったんだ?)

智代子「うーん、とりあえずは今の話で納得するけど……だとしたら今度はもう一つの疑問が浮かんでくるよ。私たち前回のコロシアイの生き残りは新世界プログラムを体験させる側の人間だったわけだよね?」

智代子「それなのに、どうしてルカちゃんたちと同じくジャバウォック島にログインしているのかな? 透ちゃんの仲間なんだったら、誰かに強制的にログインさせられた……って話にはならないよね」

(前回のコロシアイの生き残りたちがこの島にいた理由……か)

(奴らはこのシステムを管理する側の存在だった、となると誰かに無理やり……ではなく能動的にこの世界にログインしたことになる)

(その結果……コロシアイに参加させられることになった。それもあいつらにとっては想定通りだったんだろうか……?)


【正しいコトダマを選べ!】

>>590 >>591 >>592

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「あいつらにとってもこの世界にログインするのは想定外だったはず……相当なイレギュラーだっただろうな」

智代子「イレギュラーって……私たちが自分で用意したプログラムだったんだよね?」

ルカ「自分で用意したにもかかわらず、だ。さっきの捜査の合間に世界の歪みの中に見つけたメッセージなんだがよ」

ルカ「どうやらとあるプログラム上の世界に未定義のエラー、本来のユーザーと異なる人間によって改ざんされた痕跡があった……それを検出したメッセージが表示されてたんだ」

ルカ「その時は意味も分からないし、まして自分たちのいる世界が仮想現実だなんて思ってもいなかったから放っていたんだが……もしかして、このエラーこそが、前回の生き残りも巻き込んだコロシアイが起きてしまった原因なんじゃないのか?」

智代子「プログラムのことはよくわからないけど、これがエラーメッセージっていうのは私でも分かるかも……」

あさひ「でも、エラーが出たからってどうしてみんなこっちの世界に来る必要があったんっすか? 外の世界から管理すればいいんじゃないっすか?」

ルカ「いや……それが、このエラーはセキュリティも書き換えちまってるみたいで元々の管理者権限を外部からの侵入だと判定して拒むようになっちまっているらしい」

智代子「そうか! それで、内側から補修しようとしたんだね! 新世界プログラムは仮想現実、本来の自分と変わりない行動をとることもできるから、内部プログラムから干渉をしようとしたんだ!」


ルカ「だけど、エラーは想定よりも多くの異常をきたしていた。管理者のはずだった連中は、その記憶も剥奪され、持っていた特権も意味を持たず……私たちほか10名と同じ立場に立たされることになってしまった」

智代子「ミイラ取りがミイラになる……だね!」

あさひ「そのミイラって智代子ちゃんっすよ」

ルカ「月岡恋鐘、モノクマ、そしてモノミの黒幕連中の証言と併せて考えても筋が通るな。浅倉透らの本来の計画を乗っ取ったってのは、新世界プログラムのシステムそのものを改変したって意味合いなんだろう」

あさひ「本来は治療に使われるはずの装置が、コロシアイを体験させるための拷問器具に変わり果てたってことっすね」

智代子「……あれ、そういえば、なんだけど」

ルカ「どうした、そんな銀紙間違って嚙んじまったみたいな顔して」

智代子「そのエラーって、恋鐘ちゃんが起こしたってことで考えて問題ないんだよね? 恋鐘ちゃんは江ノ島盾子の人格を入れ込まれて、今回のコロシアイにおいては黒幕になってたわけなんだし……」

ルカ「まあ、そうなるよな……」

智代子「だとしたら、恋鐘ちゃんは新世界プログラム内で、記憶を保持していたってこと? 恋鐘ちゃんもほかのみんなと同じで治療を受ける側に混ざってたわけだし……」

ルカ「……言われてみれば妙な話だな。あいつが新世界プログラムを管理していたならまだしも、私たちに混ざっていて同じ扱いを受けていたんだったらログインする段階で江ノ島盾子の人格ごと弾かれていたっておかしくない」

あさひ「天井社長に江ノ島盾子の人格をいつ植え付けられたのかは分からないっすけど……管理者権限を持つ人間じゃないと、その人格を保持するように働きかけることは不可能っす」

(……どうなってる? なんであいつは、新世界プログラムにログインしても黒幕のままでいられたんだ……?)

(考えろ……何か、前提を覆すような発想の転換が……あるはずだ……!!)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×9


Q1.今回のコロシアイの黒幕は?
A.月岡恋鐘 B.天井努 C.斑鳩ルカ D.緋田美琴

Q2.月岡恋鐘に江ノ島盾子の人格が統合されたのは?
A.今回のコロシアイが起きる前 B.今回のコロシアイの最中 C.前回のコロシアイが起きる前

Q3.新世界プログラムを起動したのは誰?
A.前回のコロシアイの生き残り B.月岡恋鐘 C.天井努 D.別の人物

Q4.新世界プログラムを起動した最初の目的は?
A.コロシアイの追体験 B.精神療養 C.娯楽目的 D.ショービジネス


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


発言力:♡×9→8

(……いや、そうじゃない。月岡恋鐘に江ノ島盾子の人格が統合されていたという前提で推理を考えていくと、明確な矛盾がある)

(人格の統合にはコロシアイの経験が必要なはず……それに、そんな大掛かりなことをしていれば流石に今回のコロシアイの最中に誰かが気づいたはずだ)

(……ともすれば、月岡恋鐘が人格を引き受けたタイミングって)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×8


Q1.今回のコロシアイの黒幕は?
A.月岡恋鐘 B.天井努 C.斑鳩ルカ D.緋田美琴

Q2.月岡恋鐘に江ノ島盾子の人格が統合されたのは?
A.今回のコロシアイが起きる前 B.今回のコロシアイの最中 C.前回のコロシアイが起きる前

Q3.新世界プログラムを起動したのは誰?
A.前回のコロシアイの生き残り B.月岡恋鐘 C.天井努 D.別の人物

Q4.新世界プログラムを起動した最初の目的は?
A.コロシアイの追体験 B.精神療養 C.娯楽目的 D.ショービジネス


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


発言力:♡×8→7

(……惜しいな)

(新世界プログラムは確かに精神療養のためのプログラムだ。だけど……本当に、その目的で使われてたのか?)

(適正な使われ方をしていたのであれば……月岡恋鐘の人格が改変されるとか以前に、電源を落としたりとか何が出来そうなもんだが……)

(……一度、その前提から考え直してみるべきかもな)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×7


Q1.今回のコロシアイの黒幕は?
A.月岡恋鐘 B.天井努 C.斑鳩ルカ D.緋田美琴

Q2.月岡恋鐘に江ノ島盾子の人格が統合されたのは?
A.今回のコロシアイが起きる前 B.今回のコロシアイの最中 C.前回のコロシアイが起きる前

Q3.新世界プログラムを起動したのは誰?
A.前回のコロシアイの生き残り B.月岡恋鐘 C.天井努 D.別の人物

Q4.新世界プログラムを起動した最初の目的は?
A.コロシアイの追体験 B.精神療養 C.娯楽目的 D.ショービジネス


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


ルカ「推理は繋がった!」

【COMPLETE!!】

ルカ「……そうか、私たちはまた見誤っていたんだな。新世界プログラムがもともと精神療養向けに開発された、その情報に飛びついてしまったがゆえに大事なことを見落としてしまっていた。勝手に思い込んでしまっていた」

ルカ「この写真は、新世界プログラムに繋がれた私たちと前回のコロシアイの生き残りを映しただけ。それ以上でもそれ以下でもない」

智代子「ルカちゃん……?」

ルカ「これが治療の真っ最中の写真だなんて保証はどこにもないだろ」

智代子「えっ……!!」

ルカ「むしろ、治療なはずがねえんだよ。ちゃんとした目的で活用されていたなら、前回のコロシアイの生き残り連中が管理していたなら、この世界の中では月岡恋鐘の人格は以前のままだったはずだ」

ルカ「それが、コロシアイの黒幕として私たちの前に立ちふさがった以上は……記憶を管理する立場にあったのは、黒幕側ということになる。ともすれば、新世界プログラム自体、起動したのは黒幕側になるんだよ」

智代子「ちょ、ちょっと待ってよ! このコロシアイって本来精神療養をやっていたところにエラーでプログラムを書き換えられてしまって生じたものだったんだよね?!」

ルカ「その前提が違ったんだ。むしろその逆、コロシアイをするためだけの仮想現実になっていた新世界プログラムに無理やり介入して、元のあるべき世界に戻そうとしたが故のエラーだったんだ」

あさひ「そう考えると、新世界プログラムにログインしてきたみんなはわたしたちを救い出そうとしてたってことになるっすか?」

ルカ「ああ、自分の命も顧みずにな」

智代子「……私たちが、自分の意志で……」


ルカ「それに、新世界プログラムがもともと黒幕側のものだったって言うんなら他にも納得できる部分があるんだよ」

ルカ「月岡恋鐘の人格だよ。あいつは江ノ島盾子の人格を既に入れこまれていたわけだが、それを入れ込むタイミングなんか元々の推理じゃ存在しないよな?」

智代子「今回のコロシアイが起きる前ならいつでもいいわけじゃないの?」

あさひ「人格を適合させるには、その記憶に類する体験が必要になるっす。ダンガンロンパのキャラクターの人格を入れるためにはコロシアイの体験が必要なはずっすよ」

ルカ「でも、月岡恋鐘は前回のコロシアイの参加者じゃない。もっと他のコロシアイに参加した可能性もないわけじゃないが……オマエらが事務所で見た限りは、そんな様子はなかっただろ?」

智代子「うん……恋鐘ちゃんは寮暮らしだし、そんな不審に数週間もいなくなるようなことはなかったはずだよ」

ルカ「私たちは全員記憶喪失になっているわけだから、どこまでが信用できるのかはわからないが……冬優子の遺した写真を見ても、容姿にさほど変化はないし期間はそう空いてはいないだろう」

ルカ「となると、人格を入れ込むタイミングはそう今回のコロシアイの直前になるはずだ」

智代子「そこで経験したコロシアイを、生き抜いたってこと……?」

ルカ「……いや、どうだろうな。そうとも限らないだろ」

あさひ「そっか、新世界プログラムの中で恋鐘ちゃんは一度コロシアイを経験してるんっすね」

ルカ「そうじゃないと、江ノ島盾子の人格をもって今回の黒幕になったことの理由がつかないんだ」

智代子「そ、そんな……私たちだけじゃなく、恋鐘ちゃんまでコロシアイを一度経験していたなんて……」





あさひ「恋鐘ちゃんどころじゃないっすよ」





智代子「……え?」

あさひ「冬優子ちゃんの写真、見たっすよね? あそこには、わたしたち全員が繋がってたんっすよ?」

ルカ「……ああ、つまりはそういうことだ」

ルカ「モノミ、第二問の解答だ。準備はいいか」

モノミ「はい! その麗しい美声で、自信満々、声高々と教えてくだちゃい!」

モノミ「ミナサンのたどり着いた、その答えを!」





ルカ「この島は仮想現実、しかも2周目だ」




ルカ「私たち10人も一度、コロシアイを既に経験していたんだよ。当然、その記憶は残っちゃいないがな」

智代子「そ、そんなことって……」


モノミ「大正解でちゅ〜〜〜!! 完全解答、パーフェクト、エクセレント、マーベラスでちゅ〜〜〜!!」

あさひ「……灯織ちゃんたちが生き残った現実世界での前回のコロシアイ。そして、わたしたちの今の記憶による今回のコロシアイ」

あさひ「そして、恋鐘ちゃんが人格を入れ込まれた『1周目のコロシアイ』。283プロのコロシアイは全部で3回行われていたってことっすね」


コトダマゲット!【1周目のコロシアイ】
〔新世界プログラムを用いて今回のコロシアイの直前に行われたコロシアイ。月岡恋鐘はこのコロシアイの結果に江ノ島盾子の人格を引き受けることとなり、今回のコロシアイで黒幕になることとなった〕


キリがいいところなので本日はここまで。
ついに卒業試験も二問を終えて、次の一問で最後となります。
次回更新は11/26(土)21:00ごろを予定しています。
それではお疲れさまでした。またよろしくお願いいたします。


智代子「前回のコロシアイも1周目のコロシアイも、今の記憶には残ってなかったんだけどね……」

ルカ「だが、体は覚えている。コロシアイという非日常に身を置いていたという事実は体に染み付いて、ダンガンロンパのキャラクターを受け入れるだけの器ができてしまっている」

智代子「……あれ? そういえば、2周目のコロシアイを始めた理由って何? ルカちゃんの言った通り、一回でもコロシアイを経験すれば器は完成するんだよね?」

ルカ「まあ、そこは月岡恋鐘にしか人格が入っていないところを見るに、うまくいかなかったんだろうな」

あさひ「恋鐘ちゃん以外のわたしたちは囮に使われたのかもしれないっすね。前回の生き残り5人も巻き込むために!」

ルカ「意図までは完全にはわからないが、2周のコロシアイを行ったことには何かしらの意味はあるんだろうよ」

モノミ「うるうる……あちし、感涙の極みでちゅ。ミナサンで力を合わせて、まさかここまで辿り着くことができるなんて」

ルカ「ケッ、もともとコロシアイをするためのプログラムの癖によく言うよ」

モノミ「あと少し……あと少しでちゅ! あと少しでミナサンはたどり着くべき高み。全ての真実に辿り着くことができるはずでちゅ!」

あさひ「次が最終問題ってことっすか?」

モノミ「はい! 卒業試験は次の問題でおしまいになりまちゅ!」


智代子「ねえ、それならそろそろ透ちゃんを解放してよ! まだダメなの!?」

ルカ「ああ、この世界が新世界プログラムで作られた2周目のコロシアイの世界だと確定した今、あいつに聞きたいことだって山ほどあるんだ」

モノミ「うーん……そうでちゅね、彼女はこれまでの二問に置いて、裁判の場にいたらトッチラケだったんでちゅが……」

モノミ「最終問題は彼女がいたところで変わらないでちゅし、まあいてもいいかな!」

モノミ「カモーン、浅倉さん! 出番でちゅよ〜!」


モノミがステッキを天に向かって振り上げると、浅倉透が立つべき証言台のその空間に目に優しくない配色の文字や数字が湯水の方に湧き上がる。
0と1の電子配列が幕のように上がったかと思うと、そこには初めからそこに居たかのように浅倉透の姿が浮かび上がってきた。
口元には少し力がこもっていたが、いつものような儚げな表情で私たちを見据えた。



透「……やっほ」



ルカ「浅倉透……」


私がそこに抱く感慨は仲間との再会に対する歓喜などではなく、ましてここまで辿り着いたという達成感などでもない。
今自分達が直面している現実に対して鍵を握る人物。
詰め寄りたいという衝動ばかりが込み上げて、自然と奥歯を噛みつぶした。


透「聞いてたよ、今までの話も全部」

あさひ「透ちゃんには聞きたいことがいっぱいあるっす。透ちゃんの仲間って前回のコロシアイの生き残り5人で間違いないっすか?」

透「あー、イエス。部分的に」

ルカ「部分的?」

透「5人以外にもいるんだって。社長たちに対抗するための協力者はもっといて、チームなんだ」

智代子「他の、協力者……」

あさひ「それはチーム・ダンガンロンパじゃないんっすよね? なんで今まで教えてくれなかったんっすか?」

透「うん、チーム・ダンガンロンパじゃない。むしろ、私たちはみんなをチーム・ダンガンロンパから救い出す側」



透「【未来機関】、って言うんだけど」



ルカ「未来機関だと……?! それじゃ、現実世界のジャバウォック島を改造したのって……」

智代子「わ、私たち……?! ……の、協力者さんたちってことだったんだ」

透「それと、これまで言えなかった理由」

透「これまでの話でも出たけど、新世界プログラムは人の記憶に直接干渉するから」

透「抜き取った記憶を下手にもう一度呼び覚ますようなことをしたら、中でエラーが起きかねないんだよ。アバター自身にさ」

ルカ「……なるほど、もともと精神療養のための装置。トラウマを消し去ったはずなのに、それを中で呼び覚ますようなことをするのは想定されてない挙動だわな」

透「どこまでなら踏み込んでいいのか分かんなかったから、不親切な話しかできなかったよね。ごめん」

あさひ「じゃ、透ちゃん。もう一個いいっすか?」


あさひ「透ちゃんは、結局何者なんっすか?」


透「……」

あさひ「オリジナルの透ちゃんと相違ない人格を持っているう人間。別の誰かが成り代わってるのかと思ってたっすけど、この写真からじゃ別の誰かすら見えてこないっす」

あさひ「もうここまで来て、その正体を隠す必要もないっすよね?」


透「えー……」



透「あー……うーん……」




モノミ「新世界プログラムの管理NPCでちゅよ」



透「えっ、ちょっ」

モノミ「新世界プログラムは人と人の意識をつなぐ仮想現実。万一の事態に備えて、その手綱を握る存在が常時必要なんでちゅ」

モノミ「プログラムに生じた脆弱な部分を補修したり、侵入してきたウイルスを排除したり。そのためにプログラミングされたNPCがデフォルトで存在するんでちゅね」

モノミ「だからもし浅倉さんがコロシアイの中で命を落としてたら世界自体が危うかったんでちゅけど……生き抜いてくれてよかったでちゅね!」


コトダマゲット!【浅倉透の正体】
〔今回のコロシアイに参加している浅倉透は、新世界プログラムの管理AIの役割を担っている。モノミ曰くコロシアイの中で命を落とすことがあれば世界の存続自体が怪しかったらしい〕


ルカ「お、おい……今の話はマジなのか……?!」

あさひ「NPCってことは現実世界での体はないんすよね。私たちみたいに意識だけ切り出された存在ってわけでもなく、全てがデータ上の存在」

智代子「現実世界には存在しない人ってこと……なんだよね」

透「……」

ルカ「……なるほどな、NPCを私たちの中に紛れ込ませるのなら既に死んでいる283プロのアイドルってのはうってつけだわな」

智代子「私たちの誰も、死んだことを覚えてないんだもんね……」

透「仲間への思いを利用したみたいで、悪いとは思ってる」

透「……ごめん」

あさひ「むー、わたしが聞きたいのはそれだけじゃないっすよー」

あさひ「透ちゃんはずっとわたしたちの味方って言ってきたっすけど、それって本当なんっすか?」

ルカ「ああ、今一度オマエの言葉は精査しなくちゃなんねえ」

透「……」

智代子「え、ええ……? ここからは透ちゃんも合流して、チームプレイで頑張ろうって話じゃなかったの……?」

ルカ「学級裁判は……この島でのコロシアイは……そんな単純な話じゃねえ。議論の流れで敵と味方が二転も三転もする。信じられるのは議論の中で導き出される真実だけ」

ルカ「今までだってそうだったろ……!!」

(浅倉透の正体はNPC、新世界プログラムを内部から管理するAIだった)

(だとしたら、あいつの本当の立ち位置は……どうなるんだ……?)

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×7

‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【新世界プログラム】
‣【プログラムエラー】
‣【透の外部との通信】
‣【一周目のコロシアイ】
‣【満月】
‣【Aへのメール】
‣【冬優子の写真】
‣【にちかの証言】


モノミ「浅倉さんは【NPC】なんでちゅ」

モノミ「新世界プログラムを内部で管理するAIなんでちゅ」

モノミ「だから現実世界に実体なんて【何一つない】んでちゅよ」

あさひ「新世界プログラムは本来精神療養のための装置」

あさひ「だけど、今回は黒幕側の人間が起動し、コロシアイを仮想現実で体験させるために使った」

あさひ「そうなると透ちゃんは【コロシアイをスムーズに進行するための存在】ってことにならないっすか?」

智代子「そういえば、元々透ちゃんは私たちをこの島に【拉致したことも認めてた】よね」

智代子「新世界プログラムの目的がはっきりした今、私たちの仲間って言うのは信用しても大丈夫なものなのかな……」

透「コロシアイなんかさせたくない」

透「【敵じゃない】んだって……100」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


【発言力:♡×7→6】

あさひ「透ちゃんの通信が不自然なのは間違いないっすけど、それが何を目的としてたかはまだ分かってないっすよね?」

あさひ「だとしたら、それで擁護するのはちょっと苦しいっすよ」

(チッ……それもそうか)

(あいつが、未来機関が……こっち側の存在なのだとしたら、その根拠になる何か証拠は無かったろうか)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】

【ロンパ候補の発言の数が減少した!】

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×6
集中力:☆×7

‣【チーム・ダンガンロンパ】】
‣【プログラムエラー】
‣【一周目のコロシアイ】
‣【満月】
‣【にちかの証言】


モノミ「浅倉さんはNPCなんでちゅ」

モノミ「新世界プログラムを内部で管理するAIなんでちゅ」

モノミ「だから現実世界に実体なんて【何一つない】んでちゅよ」

あさひ「新世界プログラムは本来精神療養のための装置」

あさひ「だけど、今回は黒幕側の人間が起動し、コロシアイを仮想現実で体験させるために使った」

あさひ「そうなると透ちゃんは【コロシアイをスムーズに進行するための存在】ってことにならないっすか?」

智代子「そういえば、元々透ちゃんは私たちをこの島に拉致したことも認めてたよね」

智代子「新世界プログラムの目的がはっきりした今、私たちの仲間って言うのは信用しても大丈夫なものなのかな……」

透「コロシアイなんかさせたくない」

透「【敵じゃない】んだって……100」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1

【集中力:☆×7→6】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】

【清らかなる星の流れが私たちを導く……】

【発言力:♡×6→7】

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×6

‣【プログラムエラー】


モノミ「浅倉さんはNPCなんでちゅ」

モノミ「新世界プログラムを内部で管理するAIなんでちゅ」

モノミ「だから現実世界に実体なんて【何一つない】んでちゅよ」

あさひ「新世界プログラムは本来精神療養のための装置」

あさひ「だけど、今回は黒幕側の人間が起動し、コロシアイを仮想現実で体験させるために使った」

あさひ「そうなると透ちゃんは【コロシアイをスムーズに進行するための存在】ってことにならないっすか?」

智代子「そういえば、元々透ちゃんは私たちをこの島に拉致したことも認めてたよね」

智代子「新世界プログラムの目的がはっきりした今、私たちの仲間って言うのは信用しても大丈夫なものなのかな……」

透「コロシアイなんかさせたくない」

透「【敵じゃない】んだって……100」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「新世界プログラムにはシステム管理を行うAIが標準搭載されている。今回のプログラムで、その役割は浅倉透が担っていた」

ルカ「多分、モノミのその言葉は正しいんだろう……部分的に」

モノミ「……」

ルカ「さっきも確認した新世界プログラムのエラーコードをもう一度見てくれ。この未定義のエラーにより、内部セキュリティが内側から改変され、外からの干渉はされなくなったというメッセージ……」

ルカ「これと同時に、もう一つ。内部にウイルスが侵入したってメッセージがあるだろ?」

透「……!」

ルカ「システムセキュリティの改変……これ、ウイルスの侵入と併せて考えると防衛機構が働いただけとも取れないか?」

智代子「取れないこともないけど……だとしても、それがどう変わるの? 結局、エラーが起きて外の世界と隔絶されたっていう事実は変わらないんだよね?」

ルカ「新世界プログラムはコロシアイを目的としたプログラムだった、この前提を持った状態で見直すとどうだ?」

あさひ「コロシアイを阻害する何かが侵入したから、外から手出しされないようにした……?」


ルカ「そうだ、内部プログラムからすればその目的と対極になる存在が侵入しないとこのメッセージは出てこない」

ルカ「このメッセージが出たからこそ、前回の生き残り連中五人が新世界プログラムにログインするようになったんだとすれば、ウイルスとみなされたものの正体……浅倉透である可能性が高いんじゃねーのか?」

智代子「待って! モノミはシステム管理のAIは新世界プログラムに標準搭載されているって言ってたんだよ! 後から透ちゃんが出てくるんじゃ、その基本原則に反してない?」

モノミ「ちなみに、浅倉さんがそのAIだということは証明ができまちゅよ。ログインしているユーザーには、そのユーザーが実在する人物かどうかを示すフラグがデータとして盛り込まれているんでちゅが……」

モノミ「浅倉さんのフラグは『management』、あちしたちとおんなじで新世界プログラムを管理するAIのフラグでちゅ!」

智代子「このフラグがある以上は、透ちゃんはコロシアイを取り仕切る側になってしまう……こればっかりはどうしようもないよ!」

ルカ「いや、浅倉透は【正常な】新世界プログラムの管理AIだ。異常をきたしている新世界プログラムに対し、それを元に戻すために導入されたんだろう」

ルカ「それに、【異常を起こしている】新世界プログラムの管理AIはほかにいる。もともとこの新世界プログラムの管理AIはそいつだったんだろうな」

あさひ「そっか……ほかにもAIがいたなら、透ちゃんが後から入ったAIだとしても新世界プログラムの管理AIの標準搭載にも説明がつくんだ」

智代子「そうかもしれないけど……そうなると私たちの中に、他にもNPCがいたってこと……?」

智代子「でも、透ちゃん以外のみんなはこの写真に映ってるんだよ……?」

ルカ「何言ってんだ、丁度いるじゃねーか。私たちのコロシアイ、その場に居ながらこの写真にはその姿を映していないあからさまなNPC野郎が」

-------------------------------------------------

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1



ルカ「オマエだ!」

【解!】

ルカ「モノミ、さっきオマエは言ったな。浅倉透のフラグはオマエと同じ『management』だって」

智代子「あっ……!」

ルカ「別にこいつは浅倉透が今回の新世界プログラムの管理AIだとは言ってない、あくまでこいつはその役割を持っているAIというだけでコロシアイの運営側だとは一度も言ってないんだよ」

ルカ「そして、その解釈をするなら浅倉透の今までの言葉、これまでの議論の流れ、そしてあの写真に映っていた事実。いずれにおいても整合性が取れる」

ルカ「私たち10人を巻き込んだコロシアイを起こすための機械と化した新世界プログラム、それを正常に戻すために前回のコロシアイの生き残り5人を構成員とする未来機関がプログラム内に侵入させた正常化のための管理AI。それが浅倉透だったんだ」

あさひ「それじゃあ透ちゃんは、敵じゃないんっすね!」

智代子「ご、ごめん……! この期に及んで疑うような真似して……」

透「いいって、いいって。わかってもらえたら、それで」

ルカ「モノミ、わざと情報を断片的にしか伝えなかったり、議論に関わってきたり、ここにきていよいよ形振り構わなくなってきたじゃねえか。この卒業試験は私たちの実力で乗り越えるのに意味があるんじゃなかったか?」

モノミ「別にミナサンを妨害しているわけじゃないでちゅよ、ミナサンには真実のすべてを知ってほしい。そのために必要な干渉なんでちゅ」

あさひ「それじゃあ、そろそろ最終問題を出してほしいっす」

智代子「そういえば、まだ出されてないんだったね……透ちゃんを前にして興奮しちゃったや……」

モノミ「わかりまちた! ミナサンが仲間を仲間だと認識したところで、いよいよ最後の問題に移りまちゅ!」

モノミ「これが、卒業試験の最終問題でちゅ!」





★ 今回のコロシアイの参加者はなんの記憶をなくしている?




モノミ「さあ、シンキングタイム……スターティン!」

ルカ「……は? いや、おいおい……オマエ、今までの話は聞いてたのか?」

ルカ「私たちはとっくにその話は終えてる……! 前回のコロシアイの話も、今までずっとずっと忘れていた……月岡恋鐘に記憶を植え付けるための一周目のコロシアイだって、思い出したんだぞ……!」

ルカ「これ以上、一体何を求めるってんだ……!」

あさひ「まさか、そのコロシアイの顛末まで詳細に思い出さなくちゃいけないんっすか?」

智代子「そんなの無理だよ! ……いや、できることなら思い出したい、けど」






透「深呼吸、一つ」






ルカ「ああ?!」

透「肺いっぱいに吸い込んで……吐きましょう……」

透「ほら、落ち着いて。トランキーロ」

ルカ「これが取り乱されずにいられるかよ……こんな問題、何をどう答えろって……」

透「だからこそじゃん。今までの問題だって、モノミにははっきりした意図?があったし。この問題も、やみくもじゃないんじゃない?」

あさひ「何か、私たちに思い出させたい……重要な記憶があるってことっすか?」

智代子「これ以上の何かがある……なんだか自分の記憶が怖くなってくるね」

ルカ「チッ……」

透「私には思い出す記憶も何も、ないからさ。赤ちゃんみたいなもんだよ」

智代子「私たちの記憶……これまでの議論の延長線上で導き出すしかなさそうだね」

ルカ「これまでの議論……なぁ」

あさひ「やっぱり、わたしたちが参加していたのに忘れていた1周目のコロシアイが関係するっすかね?」

ルカ「よし、そこから議論してみるか……」

(私たちが忘れてしまっていた、1周目のコロシアイ……)

(すべての始まりを、私たちは知らない……)

(この忘却のどこかに、重要なヒントが眠っているはずなんだ……!)

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×6.5

‣【一周目のコロシアイ】
‣【恋鐘の証言】
‣【行方不明の十人】
‣【新世界プログラム】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】
‣【オリジナルの浅倉透】
‣【Aへのメール】
‣【チーム・ダンガンロンパ】
‣【にちかの証言】


あさひ「わたしたちはみんな、この島に来た記憶がない」

あさひ「でも、どこまでを忘れてるんっすかね?」

智代子「私も参加した前回のコロシアイ」

智代子「そのコロシアイの生き残りを除いたみんなが参加した1周目のコロシアイ」

智代子「今回のコロシアイは、【3回目のコロシアイ】に当たるんだよね!」

透「1回目のコロシアイの黒幕は【社長】」

透「新世界プログラムでのコロシアイの黒幕は【恋鐘ちゃん】」

透「みんなが思い出せたのは、参加者と黒幕……ぐらいかな」

あさひ「それぞれで誰がどんな死に方をしたとかまでは流石に思い出せないっすよ~」

あさひ「これ以上何を思い出せばいいんっすか~」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「……そうか、私たちはまだ思い出すべきところを思い出せちゃいなかったんだ」

透「おっ、来た? 天啓」

ルカ「ああ、その記憶にライトを当ててくれたのはオマエだよ。浅倉透」

透「しゃー、功労賞」

ルカ「これまでの議論の中で明らかになった一周目のコロシアイの存在。私たちはそれについて、まだ何も知らないんだよな」

智代子「うん……恋鐘ちゃんがそのコロシアイを経たせいで、江ノ島盾子の人格を貰っちゃったってことだけ」

ルカ「そう、このコロシアイがあったからこそ今回のコロシアイでは月岡恋鐘が黒幕になったんだ」

ルカ「……じゃあ、1周目のコロシアイは誰が始めたんだ?」


あさひ「それは……社長じゃないんっすか?」

ルカ「いや、それはないはずだ。今回のコロシアイが始まる前の段階で撮影された例の写真。ここに前回の生き残りの5人が映っている、つまりはこの段階で【前回のコロシアイ】は終わっている。天井努は死んでいるんだよ」

ルカ「天井努でなく、月岡恋鐘でもない第三者が……もう一人の黒幕が絶対にいる筈なんだ……!!」

あさひ「わたしたちが思い出すべき記憶って……その黒幕なんっすか……!?」

智代子「新世界プログラムを起動した人間……それを当てなくちゃなんだね!」

ルカ「浅倉透、オマエは管理AIなんだろ? なんかその、ログとかは見れないのか?」

透「ううん、フラグとしては管理者だけどその権限はすぐに剥奪されちゃった。持ってたらこんなコロシアイさせてないって」

ルカ「それもそうか……」

あさひ「その黒幕って何者なんっすかね。社長とは最初から協力関係だったんだとは思うっすけど、283プロの人なんすか?」

ルカ「そうとも限らねえが……これだけの人数を集めるうえで、関係者であるとかなり工程は楽になるだろうな」

智代子「でも、みんなコロシアイに巻き込まれてるし、候補になるような人はもういないよね?」

(一週目のコロシアイを始めた黒幕……ひいては今回のコロシアイの真の黒幕とも言うべき存在だ)

(こいつを引きずり出さないことには……終われない!)

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×7

‣【方舟計画】
‣【冬優子の写真】
‣【ジャバウォック島再開発計画】
‣【Aへのメール】
‣【新世界プログラム】
‣【島の電波環境】
‣【にちかの証言】
‣【一周目のコロシアイ】
‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】


透「コロシアイをするための仮想空間になった新世界プログラム」

透「それを起動した人間が、誰かいる筈なんだよね」

智代子「前回のコロシアイ、二周目のコロシアイ」

智代子「どっちも283プロの人間が黒幕だったし、やっぱり新世界プログラムを起動した人も【283プロの人間】なのかな……」

あさひ「わたしたちアイドルは全員がコロシアイに参加してるっす」

あさひ「真の黒幕になることは誰にもできないんじゃないっすか?」

透「プロデューサーにはづきさん……」

透「二人も捜査資料に登場してるし【黒幕にはなれそうにない】よね」

智代子「社長はチーム・ダンガンロンパを裏切る時に協力者を連れて裏切ってるみたいだし」

智代子「やっぱり、【その関係の誰か】なのかな……」

あさひ「そんなの、わたしたちが知ってるわけないじゃないっすか~」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「……いや、283プロの人間でもう一人……黒幕になることができる可能性がある人物がいるはずだ」

透「なんか、めっちゃフワフワしてる」

ルカ「断言はできねえんだよ。一人の証言だけで疑うって話だから……」

あさひ「そんな証言をした人がいるんっすか?」

ルカ「ああ、でもそいつの発言は信ぴょう性がある程度はあるはずだぞ。なんたって、その黒幕候補の肉親、なんだからな」

智代子「肉親……? 283プロダクションの中でそんな関係性になり得る人って……」

ルカ「七草にちかだ」

あさひ「にちかちゃん、っすか……? でも、にちかちゃんはもう死んでるっすよ……?」

ルカ「んなことは分かってる。でも、私たちは全員がその目で見たはずだ、骸が目覚めて私たちと刹那の時を過ごした瞬間を」

智代子「……学級裁判前の、捜査時間だよね」


ルカ「私はあの時、七草にちかの亡霊と美琴の亡霊と一緒に捜査をしていた。その時に捜査資料を見つけて……あいつが口にしたんだよ」

ルカ「こんな泣きボクロなんかあったっけ……ってな」

あさひ「はづきさんに泣きボクロ……? うーん、あったっすかね……」

智代子「言われてみれば、あったような……なかったような……」

ルカ「同じ時間を過ごしていた人間だとは言え、記憶なんてのは朧気だ。んなもん何の当てにもならない」

ルカ「でも、幼少期から一緒に育ち、共に暮らしてきた人間ならどうだ? 身体的特徴なんて、そうそう見紛うもんじゃないはずだ」

透「それってさ、あの資料に載ってたはづきさんは別人だっていいたいの?」

ルカ「ああ。顔は整形で合わせに行けばいい、人格は方舟計画の技術を流用すればいい。後は身分証なりなんなり……本人の協力があればどうにでもなる」

ルカ「七草はづきという人間は283プロダクションにとって大きく関係しているが、コロシアイにも参加していない例外的な人物。283プロダクションの人間を集めて、新世界プログラムを使ってコロシアイを強いるうえではこれ以上ない最適者だ……!」

あさひ「納得はできるっす。でも、証拠がないっすよ」


あさひ「それに、条件ならプロデューサーさんだって同じじゃないっすか? プロデューサーさんも捜査資料に登場はしてるっすけど、いくらでも成り代わることはできるしコロシアイにも参加してないっす」

透「……いや、それだけはないよ」

ルカ「そう断言するからには理由があるんだよな?」



透「うん、にちかちゃんに疑われたあの時……連絡を取っていたのがプロデューサーだから」



智代子「えっ……!!」

透「私……正常な管理AIを新世界プログラムに侵入させたのがそもそもプロデューサーなんだよ。外からの干渉は拒絶されてしまったけど、内側から外部に通信をとることはできたから、エレクトボムを使うことで黒幕に気づかれないように連絡とってた」

透「だから、プロデューサーは違うと思う。みんなを守ろうとしてる」

智代子「プロデューサーさん……」


ルカ「……まあ、これで絞れたわけだ。真の黒幕の可能性が一番高いのは七草はづき。それに異存はないな」

あさひ「可能性の話はそうっすけど……でも、やっぱり確定は出来ないっす。わたしたちの知らない人だって可能性も、全然あるし」

智代子「……私は、はづきさんが黒幕だとは思いたくないよ」

智代子「だって、はづきさんだってプロデューサーさんと同じでいつも私たちをすぐそばでサポートしてくれて……私たちが挑戦するのを応援し続けてくれた人なんだよ」

智代子「そんな人が……私たちの在り方を否定して、別の人格を入れるなんて考え方に同意するとは思えないんだ」

ルカ「……」

智代子「ねえ、はづきさんが本当に真の黒幕なのかどうか、精査する方法はないのかな」

(……七草はづきの容疑を検証する方法か)

(園田智代子からすれば、七草はづきは黒幕ではないという証拠が欲しいところだろうな)

(そんなもの、あっただろうか……?)

-------------------------------------------------

【検討プロセッシング開始!】

新世界プログラムを使った二度のコロシアイ。
二周目のコロシアイの黒幕は月岡恋鐘が担わされたが、その役割を背負わせた真の黒幕……最初に新世界プログラムを起動した人間がいる。
いわば真の黒幕と言い換えてもいい。
現状、その真の黒幕の可能性が高いのは七草はづき、283プロの事務員だ。
実妹が成り代わりを指摘しており、これだけの人数を集め、コロシアイを実行・運営できるだけの素質もある。
でも、その証拠は存在しない。論理上怪しい、というだけ。
どうだろう、七草はづきは本当に真の黒幕なのだろうか?

まず、真の黒幕が満たすべき要件から考えてみるか……

Q1.1周目のコロシアイが起きたのは前回のコロシアイよりも?
A.前回のコロシアイ以前 B.前回のコロシアイ以降

↓1

-------------------------------------------------
B
-------------------------------------------------
【CORRECT!】

前回のコロシアイよりは一周目のコロシアイが起きたのは後になっているはずだ。
事件の捜査資料からしても、事件の発生と同時期に私たちは姿を消したと書かれている。
早くても同時期……普通に考えて、天井努の死後に行われているものとみていいだろう。

つまり、前回のコロシアイで死んでいる人間はまず除外して考えていい。

Q2.1周目のコロシアイが起きた時、真の黒幕はどこにいた?
A.希望ヶ峰学園を模して作られた建物 B.ジャバウォック島 C.283プロダクション 

↓1

-------------------------------------------------
B
-------------------------------------------------
【CORRECT!】

……そうだ、二周目のコロシアイが、今回のコロシアイが始まった時。
浅倉透という正常化管理AIが投じられ、更には【前回のコロシアイ】の生き残り5人までログインしてきた。
つまり、二周目が始まろうとしていたその瞬間、現実世界のジャバウォック島には関与している全員が集結していた。
私たちを救うために未来機関が集まっていたのなら、その場で真の黒幕を抑えてしまえばいい。

だけど、こうしてコロシアイは止められることもなく、
今ここに至っているということは未来機関が踏み込んだ時には真の黒幕の姿はそこにはなかったということになる。

島の外に逃げ出した?
いや、そんなことはできない。二周目を始めるための指示が機械に与えることができないからだ。
二周目を始めるのにも、やっぱりその場に黒幕がいる必要がある。
だのに、その身柄を抑えることができなかったということは……

Q4.真の黒幕は誰?
A.月岡恋鐘 B.天井努 C.七草はづき D.今回のコロシアイに参加している誰か

↓1

-------------------------------------------------
D
-------------------------------------------------
【CORRECT!】

未来機関に拘束されることなく、姿を消し、かつ今回のコロシアイを行うことができる方法はただ一つ。

自分自身がコロシアイに参加することだ________!


【FORGING!】


ルカ「……園田智代子、朗報だ。七草はづきは真の黒幕じゃない。真の黒幕にはなり得ない」

智代子「え、ど、どうしたの!? 突然の手のひら返し!」

ルカ「考えてみれば当然なんだ。今回のコロシアイは新世界プログラムという大掛かりな装置を使い、それに加えて二周目を起こすために再起動までかけてる」

ルカ「真の黒幕も私たちと同じ場所に、装置のある現実世界のジャバウォック島にいなくちゃいけないんだ」

あさひ「リモートで制御するには複雑な操作が必要になりそうっすよね」

ルカ「だけど、未来機関の鎮圧の記録から見ても……私たちがコロシアイを強いられた新世界プログラムの装置の現場には真の黒幕の姿はなかった」

透「二周目だけ始めさせて、ドロンとかは?」

ルカ「月岡恋鐘に黒幕をやらせたうえでの二周目だぞ? そんな絶好の肴をわざわざ放ってどっかに行くと思うか?」

智代子「でも、実際いなかったわけだし……」

ルカ「いや、黒幕自身はその場にいたんだよ。一番の特等席で、な」

智代子「特等席……?」

ルカ「簡単な話だ、自分自身がコロシアイに参加すればいい」

智代子「えッ……」



智代子「ええええええええええええええええ!?!?!??!」



ルカ「それに身を隠す上でもこの上なくうってつけなんだよ。他の参加者に紛れてしまえば見分けもつかないし、証拠も残らない」

あさひ「それじゃ、未来機関の5人、AIの透ちゃん、今回のコロシアイの黒幕の恋鐘ちゃんを除いたうちの誰かが……一周目のコロシアイを始めた真の黒幕なんっすか?」

ルカ「私はそう思う。どうだ、朗報だったろ?」

智代子「ど、どこが……!? さっきよりも状況、滅茶苦茶に悪くなってるよ……!!」

智代子「ここにきて、また仲間を疑わないといけないなんて……そんなの、いやだよ……!」

あさひ「……じゃあ、ここでいったん絶交っすね」

智代子「あ、あさひちゃん……?」

あさひ「進むしかないんだって、止まってる時間はないんだって。それは智代子ちゃんだって分かってるっすよね?」

智代子「……うぅ」

あさひ「それでも、仲良しなせいで、仲間を疑えない。前に進めない。それなら、今は仲良しをやめなくちゃダメっすよ」

ルカ「あさひ……」

あさひ「疑うことが進むことなら、わたしはその道を進むことを躊躇しないっす。今までに死んだみんなのためにも」

モノミ「うぅ、本当に強くなりまちたね、芹沢さん。和泉さんも黛さんも、冥界からその成長を喜んでくれていると思いまちゅよ」

あさひ「その冬優子ちゃんだって、黒幕候補っすよ」

モノミ「……! これは、想像以上でちゅ……!」

あさひ「ルカさんは付き合ってくれるっすよね。この絶交に」

(絶交、か……その言葉を聞くと、あいつのことを思い出すな)

(……ああ、私にとっても絶交は前に進むための手段。なら、あさひが示してくれた道から私が退く理由はない)

ルカ「おう、オマエのことも疑い尽くしてやる。見つけ出してやるよ、真の黒幕を……!」

-------------------------------------------------
【検討プロセッシング開始!】

一周目のコロシアイ、そこに謎のすべては眠っているが……その記憶もまた眠っている。
脳髄を引きずり出したとて、それを呼び起こすことは適わないだろう。
私たちにできるのは、今のこの記憶に溶けだしている一周目のコロシアイの残滓を掬い集めることだけだ。
どんなに微かで、薄くて、小さくても……その残滓を見逃しちゃダメだ……!

Q1.一周目のコロシアイと二周目(今回)のコロシアイ、その違いは?
A.舞台 B.参加者 C.設定 D.期間

↓1

-------------------------------------------------
B
-------------------------------------------------
【CORRECT!】

そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。
コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。
これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。
それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか?

Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは?

>>590 >>591 >>592

↓1


【発言力:♡×7→6】

(いや……これは参加者の違いを示す証拠であって、これにより歪みが生じたことを示す証拠じゃない)

(もっと明確に……このコロシアイ自体が狂ってしまった証拠が何かあるはずだ)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。
コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。
そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。

これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。
それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか?

Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは?

>>590 >>592

↓1


【発言力:♡×6→5】

(いや……違う、これじゃない)

(もっと明確に……このコロシアイ自体が狂ってしまった証拠が何かあるはずだ)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。
コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。
そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。

これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。
それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか?

Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは?

>>590

↓1

【発言力:?×5→4】

(いや……違う、これじゃない)

(もっと明確に……このコロシアイ自体が狂ってしまった証拠が何かあるはずだ)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。
コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。
そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。

これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。
それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか?

Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは?

?【希望ヶ峰学園歌姫計画】
?【にちかの証言】
?【ジャバウォック島再開発計画】

↓1

【発言力:♡×4→3】

【スキル効果によりコトダマが減少しますが、候補が残らないため自動で進行します】

-------------------------------------------------
【希望ヶ峰学園歌姫計画】
-------------------------------------------------

【CORRECT!】

この島に来た時、そういえばモノミのやつが言っていた。
この島の暮らしは希望ヶ峰学園による才能研究の一環で、学園の技術を用いてアイドルとしての潜在能力を引き出すことを目的としている。
そのプログラムには283プロのアイドルと私が参加し、それを収録して一つの番組にする……とかなんとか。
それを総合した呼称が、『希望ヶ峰学園歌姫計画』だったはずだ。

でも、実際の『希望ヶ峰学園歌姫計画』はどうだ?
ここにはハッキリと『283プロダクション所属のアイドル【のみ】を集め』と書かれているではないか。
私は天地がひっくり返ろうともその所属は283プロダクションではない。

……この食い違いは。

Q3.なぜ『希望ヶ峰学園歌姫計画』の対象が予定と実際で食い違っている?

A.黒幕の参加に合わせて修正したから
B.黒幕の参加に合わせて修正したから
C.黒幕の参加に合わせて修正したから
D.黒幕の参加に合わせて修正したから

↓1

-------------------------------------------------
A
-------------------------------------------------

【CORRECT!】

(……)

【FORGING!】


ルカ「あさひ、礼は言っておく。オマエのおかげで、どれだけ酷な真実があろうとも受け止めるだけの覚悟ができた。腹を括れたよ」

あさひ「ルカさんが言ったことっすから。進むのをためらうなって」

ルカ「ああ、だから私も足を止めなかった。この島での暮らしを、はじめから疑った。私たちがここに来た理由から、全部な」

智代子「もともとは希望ヶ峰学園歌姫計画……希望ヶ峰学園のプログラムの才能育成の一貫だって聞かされてたんだっけ」

透「希望ヶ峰学園自体、植え付けられた記憶……なんだけどさ」

ルカ「ま、それはそういう舞台設定だったんだろう。そういう希望に満ちた始まりからコロシアイのどん底に落とされることで絶望を一層引き立てる……いかにも黒幕が好きそうな話じゃねえか」

ルカ「ただ、その設定を一周目ならず二周目までも採用しちまったのは失策だったんだよ。本来の設定の現行の状況との間に食い違いが生じてしまったからな」

あさひ「食い違いって何のことっすか?」

ルカ「本当に小さな食い違いなんだけどな、元々この希望ヶ峰学園歌姫計画ってのは『283プロダクションのアイドルのみ』を対象としたものという設定なんだよ」


智代子「あっ……ルカちゃんが含まれてない……!?」

ルカ「そういうことだ。モノミは283と私とでの合同ロケ、なんて理由づけをしてたが随分と苦しい言い訳じゃないか?」

モノミ「そ、そんなことはないでちゅよ……」

透「二周目と一周目の違いはその参加者。うちら未来機関と、一周目を起こした黒幕」

透「混じったことで、折り合いがつかなくなっちゃったんだ」

ルカ「そう、綻びははじめからあったんだ。ただ、それに気づくことは外の世界を忘れてしまった私たちには不可能だったんだけどな」



あさひ「……えっ」



智代子「あさひちゃん、どうしたの?」

あさひ「……」

ルカ「……あさひ、相変わらずオマエは察しがいいな。まあ、ここまでいえば全部話したも同然だけどな」

智代子「ルカちゃんまで……ど、どうしたの……」

ルカ「オマエだって本当は気づいてるんだろ? 今の話で、真の黒幕はすぐに分かっちまうって」


(……私が歩んできた道は、間違いじゃなかった)

(それは、胸を張って言える)


(……だけど、ここから先にも)



(道は繋がっているのだろうか)






【真の黒幕を指摘しろ!】

↓1





卒業試験の最終問題の解答が出たところで本日はここまで。
最後の学級裁判はこれで前半パートがおしまいになります。
後半パートに突入し、物語はいよいよ結末に向けて加速していきます。

次回更新は11/27(日)21:00ごろを予定しています。
安価外の物語進行がかなり多めになると思います。
予めご了承ください。
それではお疲れさまでした。
またよろしくお願いいたします。

ルカが黒幕……?いやでもよく考えたら原作も主人公が実質黒幕か……って思ったよりすんなり受け入れた自分がいたんだよね
それはともかくちょっと重箱の隅な気もすることが気になってて、
774の歌姫計画の説明で、
「ここにはハッキリと『283プロダクション所属のアイドル【のみ】を集め』と書かれているではないか。」
って書かれてて、たぶんこれの対応は446の歌姫計画の説明だと思うんですけど、こっちには
「『計画には283プロダクション所属のアイドルに参加してもらい、……』」
って記述で、「283プロダクション所属のアイドルに参加してもらい」=「283プロのアイドルのみが対象」とは文脈から読み取れるんですけど、
ハッキリと「のみを集め」とは書かれてなくない……?って思ってしまったんですよね
なんか変ないちゃもんみたいなところ気にして申し訳ないです

>>783
これは>>774の書き方に問題がありましたね…
仰る通り、コトダマの説明もそうですし、実際にコトダマを獲得した時の>>445 >>446でも「のみ」なんて表記は無いですね、、、
ここの問題の主たる意図としては「実際はルカも参加しているのに、283プロダクションのアイドルの参加しか明文化されておらず若干の食い違いが生まれている」です。

×

でも、実際の『希望ヶ峰学園歌姫計画』はどうだ?
ここにはハッキリと『283プロダクション所属のアイドル【のみ】を集め』と書かれているではないか。
私は天地がひっくり返ろうともその所属は283プロダクションではない。

……この食い違いは。





でも、実際の『希望ヶ峰学園歌姫計画』はどうだ?
「283プロダクションのアイドル」の参加には言及はあるが、私の参加には一切言及もない。
まるで、そもそも参加なんか意図されていないように……
私は天地がひっくり返ろうともその所属は283プロダクションではない。

……この食い違いは。

多分これぐらいの表現が適当になるかと思います。
元から小さな違和感、矛盾を指摘するところなのでモヤつかせてしまう要素ではあったんですが、ずっとこれまでになかった表現が登場するという部分で余計に納得しにくい展開になってしまって大変申し訳ないです。
本家V3であったように、それ単体では意味が通るが、実際にコロシアイに参加している人間は違和感を感じるコトダマを目指したんですが中々難しいですね。

すいません、783なのですが早朝からお手を煩わせてしまい申し訳ないです
また、返信をいただいていることに気づくことが遅れてしまったこともお詫び申し上げます
少し気になっただけのところをわざわざ対応していただきありがとうございます
お手数をおかけしました

>>786
実際こちらの表現に問題がある部分だったのでご指摘はもっともだと思います!
その他諸々も掲示板の特性上のことなので何もお気になさらないでくださいね


それでは最後の学級裁判後半パート……前の幕間の章より再開いたします

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CHAPTER 00

幕間

ナポリタン一皿のイマージュ





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____マジでどの面下げて私の前に現れてんだって。






ナポリタンに醤油やお酢をぶっかけられたような最悪の気分。
苦虫を噛み潰してすり潰し、それを濃縮して煎じた薬でも飲んだような顔をしていただろうと思う。
目の前の席についた男に、目を細め侮蔑の視線を送る。

この男は私にとって親の仇だ。
若くして私を身籠ったママは妊娠していたにも関わらず無理なプロデュースにより活動を強いられ、
そして身を壊し、精神も消耗し、最終的には私を産み落とした後に自殺という選択を取った。

その結末を齎したのは間違いなく目の前のこいつ。
こいつは今、そのことに触れることもなく悠々とした様子でワイングラスを口元へと運んでいる。


「そんなに美味いかよ……屍の山の上で飲む酒は」
「山、とは大層だな」
「一人や二人じゃ目でもないって……? 笑えるね、何がアイドルのプロデューサーだよ」


黒いスーツには年季が入っていた。手入れを尽くしても隠しきれない折り目に、その面に走る皺。
私の身に纏う服との取り合わせは倒錯した時間の流れを印象付けた。
母の歩んだ道の上を死に急ぐように走る私と、死の生まれた地点で立ち止まってばかりのこいつ。はじめはそう思っていた。


「ああ、ホントまっずい……最悪の店だね」
「人に見られる仕事をしている以上は、最低限他の人間にどうみられるか気にした方がいい」


退席を促す、鬱憤だけの暴言。その悉くが眼前の標的からは逸れていた。
的を射ないばかりに、男からは私を逆なでするような言葉ばかりが飛んでくる。
こちらの怒りの感情には耳を傾けないばかりか、反省の色も覗かせない。
さも自分は出来ている人間だ、とばかりの言葉面。


「あんたこそ、こんな店には似合わないよ。老いぼれがこういう、若者の集まる店に入っていいと思ってんの?」


実際、この店にこの男がいるとは思いもせず。
普段の客層からしてもそう、私が注文している品からしてもそう。
私に父親はいないが、こういう歳の男は普通もっと閉鎖的な空間で夜を過ごす者ではないのだろうか。
居酒屋で愚痴垂れたり、バーで傷をなめあったり、そういう加齢臭のこもった哀愁がお似合いだ。

私の指摘にこの男は『やれやれ』と言わんばかりにため息をつくと、言葉を返すことなく目の前の料理を口に運ぶ。
フォークの先で巻き取ったパスタからは、ウィンナーが零れ落ちた。


「……苦いな」


男の一口分には、ピーマンばかりが巻き取られていた。


「……萎えた」


平然と食事を続ける男を前に、何か言ってやろう、ぶつけてやろうという意欲はいつの間にか立ち消えてしまった。
フラストレーションをぶちまけたところでそれが昇華される保証もない。
それに、親の仇をとるならもっと望ましい形があることを私は知っていた。


「代金はそっち持ち、不快にさせた分くらいは払えよ」


こいつがアイドルのプロデュース業の前線から身を引いて、事務所を立てたと聞いたとき。
はらわたが煮えくり返りそうになるのと同時に、やっと復讐の好機が回ってきたと拳を突き上げてもいた。
こいつがずっと手に入れようとして手に入れられなかった、安泰の『家』、それを為す『家族たち』。
私の手でぶち壊すことができたのならどれだけ胸がすくことだろう。
ステージという華々しい舞台の上で、歓声と支持を全て私のもので上書きして、その上であの男の起こした仕打ちのすべてを白日の下に晒す。
架けたはずの虹は陰雨のもとに折れ、背中の翼は羽の一つ一つまでが毟り取られる。

咎を求めるなら、その方が効果的だろうと悟っていた。


「待て」


完全に背を向けていた私に、男が声をかけた。
さっきまで席についていたのに、なぜ離席したタイミングで呼びつける。
その横柄さに虫唾を走らせながら、振り向く。


「話がある」


咽喉まで出かかった言葉が霧散した。
そこに座っていた男はさっきまでとは別物に映ったからだ。
肉親の仇という先入観が視野を曇らせていたのか。

否、そうではない。男自体がさっきまでは擬態をしていた。
枯れた柳のように、のらりくらりとしていたばかりの男とは思い難く。
皺を走らせてかっぴらいた眼球は禍々しくも血走り、絡め合わせた指は歪に擦れあう。



___刹那、男の中に死神を見た。



「私からのスカウトを受けてみる気はないか」


邪悪は、呪詛を吐いた。


「はぁ? あんた正気じゃないね、イかれてるよ」


その深度を測りかねて、蹴って退ける言葉で動揺を繕う。
それを見透かしたように、男は言葉をつづけた。


「君を誘っているのはステージ上へではない、その対極だ」
「意味わかんないこと言うなって……」


気が付けばレストランに人は私とこの男の二人だけだった。
食器に食器がぶつかる音、給仕が机に料理を運ぶ足音、飲み物を片手に語らう人々……そのいずれも虚無へと消えた。
私の意識に降りた分厚い幕は、見なくていいもの、聞かなくていいもののすべてを覆い隠す。

ただ、男の言葉だけに耳を傾ける。



「この世界の真裏を見てみる気はないか」


何よりも重たく、何よりも甘美な響きだった。


「あんた……わ、私にママと同じように……死ねって言いたいのかよ……?!」


違う、そうじゃない。私の言葉が的外れなことを自覚しながら、それを発した。
男のにやけ面、その裏に透ける悍ましい何かに心を惹かれていることを認めたくはなかったのだ。


「君に見せたい世界がある」


男はポケットからスマートフォンを取り出すとそれを横向きに机の上へ。人差し指で机を二度叩き着座を促してくる。


「……」


何も言わずに、浅く腰掛けた。食べかけのナポリタンは草臥れている。


「……すまん、まだ操作には不慣れでな」


たどたどしい手つきで画面をタップ。
何やら意味の分からない文字列を入力するたびに、そこに映るものはどんどん物々しくなっていく。
発色は暗いものに変わり、そこに踊る字も陰惨な響きの物に。


最終的に行きついたのは、






「……コロシアイ?」

B級映画でも今時目にしないような5文字だった。





「私に見せたいのって、これ……なの……? いや、やっぱあんた頭おかしいよ……」


残虐すぎて、一周回って幼稚なそのフレーズに、何の笑いなのかもわからずにはにかみながら男の顔を見た。
ただでさえ、彫の深いその顔立ちは、日が沈んだかのようで何故だか表情が見えなかった。


「再生するぞ」


私の反応は一切の無視。男は迷うこともなく、その指先を横向きの三角形に添わせた。



「これが、君を待っている世界だ」




ケチャップ。



その食卓にはテーブルマナーはない。
あるのはドレスコード、血染めのシューズワンセットだけ。
好きに席を立ち、好きに同席者を殴りつけたっていい。
食事をするための道具で、眼球をえぐり出したっていい。
ナイフで割かれた肉が床を転がり、フォークでリブステーキを持ち上げる。
付け合わせのソースは自分の眼球から零れる雫に、胃袋から噴き上げる酸味のあるジュレ。
シェフらは自らの首をねじ切ろうともがき、手のひらから血が噴き出すほどに床を殴りつける。


最悪で括れないだけの数分ばかりの底が、流れた。


「これは、その一端だ」


ダブルタップすると、画面の八割以上を赤が占拠していた映像が一時停止。
そのまま液晶の明かりを落として、男はポケットにスマホをしまいこんだ。
私はというと、ただ茫然とスマホがあった場所一点を凝視していた。
つい先ほどまでそこに非日常が、無秩序が、無倫理が、醜悪なる厭悪がそこに在った。
その記憶はとりもちのように私の眼球を捉えて離さなかった。


「これは非日常。私たちの日常のすぐ真裏の、な」


体をめぐる血管に、これまでと違う血が流れているのを感じていた。
血管の末端までその一つ一つが拍動しているようでうるさい。
皮膚の下で異様な熱気を放つのに、なぜか体は震えている。
奥歯は火花を立てようかという勢いでぶつかり合い、呼吸は間がない程に浅い。


「私は今、アイドルのプロデュース業とは別にこの興行を取り仕切る立場にある」


当然のように自身の非人道的な行いを語る。
自己紹介をするかのように、呼吸をするかのように。


「もし君が私を告発すれば、今すぐにでも牢の中に投げ込まれるだろうな」


でも、君はそれをしないだろう?

そう言いたげな視線が鬱陶しくて、そこでようやっと首を振るという反応を示すことができた。
とはいえ男の言葉を否定する意味合いで首を振ったのではなく、あくまで煩わしさから出ただけの反応。
凝り固まっていた関節がほぐれただけのこと。


「あんた、私にその犯罪の片棒をかつげって……?」


男の言うスカウトとはつまりそういうことなのだろうと思った。
共犯者を募っている。断頭台の上で一緒になって踊る人間を探し求めているのだ。


「ああ、そうなるな」


そんな最悪の意図を明け透けにして取り繕うともしない。


「……」


なのに、その誘いを棄却できなかった。
悩むことなんてない、表舞台で生き続けたいのなら蹴り飛ばしてこいつを通報なりなんなりすればいい。

それなのに、どうしてさっきのあんな凄惨な光景に心惹かれてしまっているのだろう。
生まれた時から親がいない。死という存在が自分自身のルーツだから。
そんな理由をつけようと思えば付けれたかもしれない。


「あんた、本当に終わってるね。ママ殺して、行くとこまで行った?」
「狂いへの道程はまだ道すがらだ」
「ハッ……ホント、イカれすぎ」


でも、自分自身が1番わかっている。
この衝動の根っこは、ただの好奇心だ。








「話、もっと聞かせなよ」





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

しばらくしてからこのコロシアイのルーツが『ダンガンロンパ』というカルトゲームだということを知った。
私とほぼ同年代の登場人物たちがエゴを剥き出しにして、文字通り殺し合う。
そのコロシアイには裏で糸を引く存在があり、最終的にはその黒幕を打ち破り希望が輝いて終わる……というあらすじ。

私がなぜこのコロシアイに魅せられたのか、それで合点がいった。

私はずっと地の底を這っていたんだ。
生まれた時から母親の仇を取る、それだけを生き甲斐にしてきたし、自分の青春は全て復讐のために投げ打った。
その中でもようやっと見つけた他にない相棒とも、別離し、絶縁し、自暴自棄の果て。
心の中に拠り所をずっと追い求めていた。
このコロシアイの中で幾度と生まれる『希望』を、自分も手にしたいと思った。


「……好きな女守って終わり、か。綺麗な終わり方なこって」


モニターには愛した女性に覆いかぶさり庇うようにした骸が映る。
生憎ながら、その骸ごと鉄芯が両者を貫いているため、庇うことは叶わずにいるが。


「これが、今回の希望の形……自己犠牲ってとこか?」
「もう一端の評論家気取りか」
「ハッ……そんなんじゃねえ」


男はどこか冷めた目つきで顛末を見届けていた。
参加者たちが無惨で悲劇的な死を遂げようが、感情が波を立てることもない。
顎に手を添えて、ため息混じりの声をこぼす程度。
同じ仕事をするようになってからは、男のそんな仕草ばかりを目にしていた。

かくいう私も似たようなものだ。
あのレストランで見せられたコロシアイは、はじめこそ魅力的なものではあったが、回数を重ねるごとに自然と色褪せ、私の中にも慣れが生じてきた。


「……なあ、あんた。本当は何がしたいんだ?」
「と、いうと」
「ただコロシアイを興行にするだけじゃねえんだろ」


そんな退屈にこいつが誘い込むばかりとは私には思い難かった。

この男は、悪魔だ。
自分のために他人を振り回すことを屁とも思わず、嗜虐の限りを尽くして使い潰す。
私が今見ている姿には、その側面が不足していた。


「何か目的があってコロシアイをやってる、それに私を誘ったのもその目的あってこそだろ」
「……」


私の問いかけに少し考え込むそぶりを見せた。


「私は、アイドルのプロデュース業を今でも1番に考えている」
「はぁ……?」


男の発言の意図を図りかねて、思わず問い返す。


「ひいては、このコロシアイもプロデュース業に活かしたいと思っている」
「いや、アイドルとコロシアイなんて対極だろ……世界の真裏だってあんたも言ったよね?」
「表裏一体という言葉がある」


コインの表と裏は文字通りピッタリとくっついており、そこに開きはひとつもない。
生まれながらにしての隣り合わせ、男はそう言いたいらしい。

間違っている。
アイドルの真裏がコロシアイ?
華やかなステージの幕裏には死体が積まれている?
そんなことあり得ない。
ステージに立つものは、おおよそ命のやり取りとは程遠いところにいる。
スパンコールが光を乱反射させることはあっても、血飛沫を帯びることなどない。
そんな荒唐無稽な言説を、取り下げようともせずに男は続ける。


「君の母親が自ら命を絶った時のことだ」
「!」
「私は自身の愚かさに頭を擡げると同時に、アイドルとしての器量のあり方に疑問を抱いた。羨望と声援を恣にするアイドル、だが真に世界に希望を齎すにはそれでは不十分だと」


親の仇が当時の心境を語る。
熱帯夜なんか目じゃない不快感に、爪を立てる。
その爪で顔を引き裂かなかったのは、話を聞きたいという衝動が蓋をしたから。
ここまで来たら、どれほどこの男が狂っているのかを明らかにせねばいけない。その責任すら感じていた。


「どんな絶望に直面しようとも立ち上がり、立ち向かう……その姿にこそ人は耀きを見るのではないか」
「まさか、あんたは自分のアイドルにコロシアイをさせようってんじゃ……」



「そうではない」


時間が、止まった。



「それでは不十分だ」


それは、盲信。
はるか昔に胸に打ち込んだ楔。


「彼女たちの翼は儚く、脆い。虹を抱くには、羽根にはしなやかさを携えていなければならない。私は、その羽根に新しい色を加えたいのだ」


既にその芯は朽ち果てて、ただの墓標に化していた。


「ダンガンロンパに出てきた希望の象徴たる参加者たち、その人格を伴うことができたなら、その羽はより一層の輝きとなるだろう」


ただその墓標の根元に縋り、いつまでも天を見上げている。
天井努とは、そういう“故障品”だった。


「……ハッ」


なんだ、私が手を下さずとも復讐は既に母の手によってなされていたのだ。
母を使い潰して、自殺にまで追い込んだ相手は、いつの間にか母の幻影に囚われ、魅入られていた。


「あんた、最高だよ。いい趣味してんじゃん」


それなら、ここから先は嗜虐の範疇だ。
壊れてしまった相手を、もう戻りようもないほどに痛めつける。
飛んでしまったネジを掴んで捻じ曲げる。
二度とその穴を埋めることができないように、埋めようとしすれば却って穴が広がってしまうように。


「付き合わせろよ、私にも」


男は一瞬面食らったかと思うと、すぐに吹き出した。


「元よりそのつもりだったよ」

◆◇◆◇◆◇◆◇

283プロの連中でのコロシアイのセッティングは異常なまでに順調に進んだ。
事務所の社長が主犯格ということもあるが、コロシアイを既に何回も興行として成功させてきた経験が私にも天井にも蓄積されていたところが大きい。
発見を遅らせるための根回し、物資の確保、会場の用意……気が遠くなる額のお金がとんだ。
これまでのコロシアイとは比べ物にならない額だ。
天井努はここで、全てを終わらせ、全てを始めるつもりだったらしい。

コロシアイの参加者に選んだのは16人。
283プロダクションの中で、高校生の年にあたる者から七草にちかを除いたものだ。
なぜ七草にちかを除いたのかというと、親友の娘だからだと返答。
この期に及んでそんな人の情のようなものがあったのかと呆れ返ったものだ。


「残りの連中はどうするんだ?」
「コロシアイの動機になる。身柄は参加者と同様に押さえておけ」


なるほど、ユニットの中でも年齢がバラけているところもあるし動機としてメンバーの存在を活用するのは効果的だろう。
天井は私に残りの連中のリストを手渡す。


「……美琴」


リストの字面を目で追えば、自然と彼女が目についた。
283のアイドルでは最も私のとって馴染み深い存在。私にとってのもう片翼。
彼女がコロシアイの毒牙から免れていたことには安堵を禁じ得なかった。


「七草、にちか」


それと同時に、目につく名前。つい先ほど天井が『こいつだけは』と逃れさせた贔屓目。
私と天井の贔屓目同士が、偶然にもユニットを組んでいる。
これ以上に不愉快なことはなかった。


「コロシアイに参加しない面々には実害は加えない、誘拐する絵だけ撮れればあとは解放していい」


天井からの指示はそれだけ。
実動部隊はほぼ私に任せっきりになっていたし、天井はコロシアイの運営に向けての準備で手一杯だ。

私への監視の目は、確実に緩んでいた。


「美琴、もうオマエは……私の知ってる美琴じゃないんだよな」

「私の知ってる美琴は、もう帰ってこない……」


私は天井の考えに同調なんてしていない。
別の人間の人格を入れてしまえば、統合がうまくいったとてそれが臨むべき形であるはずがない。
元々の彼女はその時点で死に、『別の誰か』になってしまうだろう。


「それなら」


だからこそ、好都合。



「私が美琴を殺さないと」



緋田美琴を完全に、壊す。
天井の計画を利用して、生き残ろうとも死のうとも、緋田美琴という存在をこの世から消し去ってやる。
私が愛してやまなかった彼女の姿を借りて、今ものうのうと生きている『美琴』、その横暴をこれ以上赦しておくわけにはいかない。
私をこれ以上否定させるわけにはいかない。


「……私。あのさ、283のコロシアイで使う動機の人質連中……こっちに預けて。そう、天井からの指示だから」


だからそのために、他の283の連中にも協力してもらう。
私の目的に年齢なんか関係ない。幼かろうが私より年上だろうが、どうだっていい。
どうせみんな、壊れて元通りにはならない。
人格が統合されて出来る、紛い物にして醜態を晒し続けさせてやる。
もちろんその中には七草にちかだって。


「ハッ……」


この時を私は生まれた時から待ち侘びていた。
母の命を奪い去ったこの世の無条理、誑かし欺き食い潰すばかりの悪魔、私の拠り所を掠め去っていく泥棒連中……
その全てに復讐する時が今やってきたのだ。
この方舟計画が成功したその時こそが私の宿願なのだと悟った。



「穏やかな顔して寝てるね、美琴」


瞳を閉じて、寝息も立てず意識を失っている美琴の頬に触れる。
私生活なんてだらしないものなのに、アイドルには必要だからと身につけたスキンケアの賜物だろうか。
肌はきめ細やかで、赤子のような弾力もある。
指をむにっと押し込んでみると、クッションのような低反発でそれを受け入れる。


「……」


指先は、その先でわずかな熱を感じ取る。


「……変わってない、のかな」


美琴はいつも静かに燃えていた。
ステージのライトを一身に浴びる、それは彼女にとって夢というよりも生きる理由だった。
レッスンのたびにその話を聞かされては、涼しげな表情と情熱的な野望とのチグハグさに呆気に取られていた記憶がある。


「もう、私にはわからない」


ただ、もう昔の話だ。
時間は、全てを解決するし、全てを流し去ってしまう。


「じゃあな、『美琴』」


少しばかり胸が痛むのを感じながら、背を向けた。
これが私の見る最後の『美琴』の顔になる。次に見るとき、そこにあるのはきっと『美琴』ではない紛い物。
今生の別離という奴だ。


「……そろそろ始めるか、復讐」


連中を繋いでいる仰々しい装置、その操作盤の前に腰掛ける。
組織に所属してから叩き込まれたのでもうこの手の操作には慣れたもの。
プログラムのコードだって空で書けるほど。

だから、書き換えることも容易だった。
彼女たちが見ている楽園を一転、地獄にすることだって今の私なら苦でもない。
指先一つで、それは適う。


「ハッ……神にでもなった気分。最悪」


カミサマだなんて、周りの連中が押し付けてきた私の商品価値のイメージ。
だのに、今この局面になってレッテルが実態に追いついてきた。

弱者に対する圧倒的な優位。
きっと神なんて概念はその優位を畏敬と錯誤してしまうがゆえに生まれてしまったミステイクなのだろう。


「あー」





「神は神でも、死神だったんだ。私」




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Objectの配列が変更されます
新しいプラグインを導入しています
この端末に変更を加えています

>ハコフネケイカク ジッコウカイシ
019838299193782919163929298163891928
017382891849298471939938273819919939
182732894929284728919184820409171839

------------------------------------------------





CHAPTER 00

幕間

ナポリタン一皿のイマージュ

END





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「モノミ、回答だ」

「私たちは1周目のコロシアイに関する記憶を失っている。283の連中はコロシアイに参加した記憶を」

「私は、コロシアイに連中を巻き込んだ記憶を」






モノミ「大正解でちゅ〜! 天晴、お見事、マーベラス! ミナサン、全ての謎を自分たちの手で解き明かすことができまちたね!」


モノミに提示された卒業試験。
全3問に私たちは完答することが出来た。
でも、そこに待っていた答えはどれも私たちが俯くには充分すぎるだけの酷なもの。
モノミの賞賛ばかりが裁判上には空虚に響き渡る。


モノミ「あちしも達成感を感じまちゅ。満ち足りた達成感を感じまちゅ。中綿から縫い合わせの糸までがあったかくなるような達成感を感じまちゅ」

モノミ「ミナサンと過ごしたこの島での時間。それには重要な意味があったんだと再確認できまちた」

ルカ「……ホント、悪趣味だな。ここまで来て、これほどまでに胸糞悪い気分になるとは思わなかったよ」

ルカ「過去の自分、なんて恨んでも恨みきれねえ……!」

モノミ「うんうん、斑鳩さんのお気持ちは察して余りありまちゅ」

モノミ「緋田さんも七草さんも……」

モノミ「風野さんも桑山さんも田中さんも三峰さんも和泉さんも小宮さんも有栖川さんも黛さんも市川さんも月岡さんも」



モノミ「全部全部死んじゃったのは元を辿れば斑鳩さんのせいなんでちゅからね!」

ルカ「……ッ!」


あさひ「モノミ、わたしたちの答えは本当に全部合ってるっすか?」

モノミ「はい! バッチリもバッチリ! 完全回答でちゅよー!」

あさひ「……なら、ルカさんならこの状況をひっくり返せるんじゃないっすか?」

ルカ「……え?」

あさひ「コロシアイの全てを始めたのがルカさんなら、全てを終わらせられるのも……ルカさんだけじゃないっすか?」

智代子「そ、そうだよ! ルカちゃんなら、新世界プログラムを解除することだって……死んじゃったみんなを生き返らせることだって……!」

智代子「だって、このコロシアイは2周目……1周目で死んじゃった子も参加してたんだよね?!」

透「……」

モノミ「どうやら、浅倉さんには見えているようでちゅね。流石は管理AIさんでちゅ!」

あさひ「どういう意味っすか?」

透「私とかモノクマモノミとおんなじなんだよ」


透「ユーザー側にはフラグ……役職がついてるんだけど、本来は。今のコロシアイ、みんな役職が同じなんだよ」

ルカ「同じ……?」

透「要は、普通の参加者と一緒。システムを書き換えることもできないし、記憶も取り上げられてる」

透「その記憶も別メモリに取られてるから、今この場じゃどうにもならないんだよ」

ルカ「……すまん」

あさひ「……」

モノミ「でも、当たり前でちゅよね。そうでもしなきゃ未来機関に捕まっちゃうんでちゅから。新世界プログラムに紛れるには潔白な小市民を演じる必要がありまちゅ」

モノミ「下手に管理者である証拠を残していたら台無しでちゅからね。それに……」

モノミ「チーム・ダンガンロンパに所属していた人間なんでちゅから少なからず殺し合いに憧れる気持ちもあったんでちゅよ!」

ルカ「……」


明らかに、連中の私に向ける視線は変わっていた。
島の生活の中で少しずつ、積み重ねていたはずの信頼はこの裁判で突き崩されてしまった。
かけがえのない仲間たちが命を奪いあい、罪を背負わされたこのコロシアイ。その全ての責任は、私にある。
今までと同じように会話などできるはずもない。


透「これさ、こっからどうするの? 卒業試験自体は、もう終わりなんだよね?」

モノミ「そうでちゅね、問題自体は完答していただきまちたし、もう試験は終わりでちゅね」

あさひ「試験『は』?」

モノミ「はい! ミナサンは卒業の資格を今手にしたんでちゅ、ここから先はその卒業についての説明をしなくちゃいけまちぇん!」

ルカ「卒業って……このコロシアイが終わりってことじゃないのか?」

智代子「まさか……3周目……?!」

モノミ「いやいや、そんなことはありまちぇんよ。そこまでの権限はあちしにはないでちゅ」

モノミ「ミナサンにはこのコロシアイの終わり方を選んでもらいまちゅ」

ルカ「終わり方って、私たちが解放される以外の終わり方があるのか?」

モノミ「そうでちゅね……その説明をしなくちゃいけないんでちゅが……ちょっと込み入った話になるんでちゅよね」

智代子「今更込み入るも何もないよ! ちゃんと教えて!」


モノミ「さっきまでのお話の流れでこのコロシアイの目的が方舟計画にあることは確認しまちたよね?」

ルカ「それを……私が望んでいたらしいな」

モノミ「斑鳩さんの意志は生きていまちゅ。このコロシアイからの『卒業』は方舟計画の実行を意味しまちゅ」

智代子「それってつまり、私たちに人格を入れ込むの……?!」

透「……」

モノミ「コロシアイの経験値は十分すぎるはず、ミナサンにはダンガンロンパの人格を受け入れるだけの器がもう完成しているはずでちゅからね」

ルカ「島を出るには、それを受け入れるしかないのか……?」

モノミ「はい! 勿論でちゅ、それはあなた自身が望んだことなんでちゅよ?」

ルカ「……クソが」

あさひ「入れ込む人格は、この候補者リストの通りっすかね。……どんな風になるんだろ」

智代子「そんなの……嫌だよ……」

智代子「私は自分自身のままでいたい……チョコアイドル園田智代子は、今この自分だってそう思うから……!」

モノミ「勿論無理強いはしまちぇん。でも、卒業を選べば、コロシアイはちゃんと終わりまちゅ」






モノミ「今までに犠牲になったミナサンも、復活しまちゅよ!」





ルカ「……は?」

モノミ「新世界プログラムはあくまで仮想空間でちゅから。データ上死亡となっていても、その死亡したデータを返さなければしっかりと蘇生はしまちゅ」

あさひ「冬優子ちゃん、愛依ちゃん……みんなが、生き返る……?」

モノミ「方舟計画はダンガンロンパのキャラクターをこの世界に降すのが目的でちゅ。死亡したミナサンもコロシアイを経験したというデータは十分に蓄積されていまちゅからね」

モノミ「そんな素材を捨て置くのは勿体無いでちゅからね、しっかりとお返ししまちゅよ!」

ルカ「方舟計画の実行対象として、だよな」

モノミ「それはモチロン!」

あさひ「生き返るみんなも、わたしたちも……ダンガンロンパのキャラクターの受け皿として蘇生する」

モノミ「重ね重ね言いまちゅけど、あくまで方舟計画は人格の統合を目的としていまちゅ。ミナサンの元々の記憶や人格が消え失せるわけではないんでちゅよ」

モノミ「希望の象徴として、生まれ変わるだけなんでちゅ」

モノミ「アタシ、再生産!……って奴でちゅね」

智代子「多分それだけは違うと思う! ……多分だけど!」

ルカ「元の人格が残るとはいえ、それは他の何かが入った時点でもう別物だ」

あさひ「その別物を生み出そうとしてたのがルカさんっすよね」

ルカ「……」

智代子「ねえ、モノミ。終わり方を選びってことは、他にも選択肢があるんだよね?」

モノミ「はい。方舟計画の実行を阻止するという選択もありまちゅ」

ルカ「……! マジか……!」

モノミ「でも、それは希望を前にして背を向けるに等しい、背徳的な停滞でちゅ」

あさひ「停滞ってことは、まさか」






モノミ「この島から一生出ることはできなくなりまちゅ」





ルカ「なっ……!」

モノミ「それに、殺し合いで死んだミナサンが生き返ることもありまちぇん。骸は骸のまま、沈黙に全てを投げ打つことになりまちゅ」

モノミ「終わらない『留年』ってところでちゅかね!」

智代子「現実世界には私たちの体だけがずっと残り続ける……」

ルカ「クソが……自分達の生き方だけじゃなく、他の連中の命まで背負わせやがって……」

ルカ「どこまで趣味が悪いんだよ……!」

モノミ「ぷすー、くすくす! その発言、丸ごと全部ブーメランになってまちゅよ!」

あさひ「これってルカさんも同じ条件なんっすか?」

モノミ「はい! 真の黒幕であるルカさんもこのコロシアイにはミナサンと同じ条件で参加していまちゅから、基本は一緒でちゅ」

ルカ「基本……?」

モノミ「ダンガンロンパのコロシアイは最終局面は黒幕との直接対決って決まってるんでちゅよ。対決とはつまり、裁判の審議……おしおきをかけた究極の駆け引きでちゅ」

智代子「お、おしおきってまさか……」






モノミ「ミナサンが卒業した暁には斑鳩さんには死んでもらいまちゅ!」





モノミ「やっぱり、それぐらいリスキーじゃないとね!」

智代子「『卒業』すれば……ルカちゃんが死ぬ……?」

あさひ「……」

モノミ「あちしはミナサンのことを信じていまちゅ。ミナサンは希望の象徴になるべきアイドルたちなんでちゅから、どんな犠牲があろうとも進むべき道をしっかりと選んでくれると信じていまちゅ」

モノミ「それに、斑鳩さんはミナサンにとっては仇以外の何者でもないんでちゅからね!」

あさひ「……!」
智代子「……!」

(クソ……最悪だ……)

(自分の命が危ういことなんかどうだっていい……)

(かつての私に、言いようにされて打開策も何も見当たらないこの手詰まりの状況が、最悪だ)

(こんなの、どうすればいい……どうしたって絶望しか待ってないよ……!)


モノミ「じゃあ、お手元のボタンでささっと斑鳩さんに投票してくだちゃいね!」

ルカ「お、おい待てよ……!」

モノミ「斑鳩さん、往生際が悪いでちゅね。これはあなたが始めた物語でちゅよ?」

智代子「モノミ……私たちも一緒だよ。まだ、『卒業』をそうすぐには選べない。ちゃんと考えて……話し合ってから決めたいんだ」

ルカ「園田智代子……」

あさひ「……そうっすね。私もそう思うっす」

モノミ「まあ、ここまで引っ張っておいてこのままフィナーレじゃあ消化不良は否めまちぇんよね。分かりまちた!」

モノミ「それでは学級裁判はこれより最終フェーズに移りまちゅ! 『卒業』かそれとも『留年』か。ミナサンの議論で決めてくだちゃい!」

(……最終フェーズ)

(私は、どうすればいい……どっちに誘導すればいい……)


モノミ「でも、このメンバーでも議論も流石に食傷気味でちゅね……」

モノミ「そうだ! 思いついた! あちし今日は冴えてまちゅ!」

透「何する気? あんまいい感じじゃなさそうだけど」

モノミ「議論が物足りないなら、人数を補えばいいんでちゅ!」

ルカ「は? 何言って……」



モノミ「てんてれてーん! マジカルステッキ!」


モノミはいつ振りかのステッキを取り出したかと思うと、何やら呪文のようなものを唱え始める。
しばらくすると呼びかけに応えるが如くステッキの先はギラギラと輝き出す。下品なまでの光の粒子がそこに集い、渦を描き出す。


モノミ「えいやー! 死んじゃったみんなも、生き返れー!」


渦は爆ぜ、私たちの視界を俄に覆い尽くした。
瞳を庇う右腕を、下げた時。
次に私たちを待ち受けていたのは目を疑うような光景だった。






「久しぶり……いや、さっきぶりかな」

「……美琴?!」





円の形に並べられた証言台。
事件が数を重ねるたびに、証言台には空席が目立つようになっていた。
遺影代わりの写真にバツ印が付けられた冒涜的な墓標がそこには立てられ、視界にちらつく度に不快感が湧き立たずにはいられなかった。
その場所に、今。

_____葬られたはずの本人たちが立っている。


灯織「こ、これは……一体……」

果穂「あ、あたし……生きてるんですか……?」


しかも、裁判前に見せられたあの最悪な幻影とは違う。
私たちが共に過ごした時間がそのままの形で残っている、私たちのよく知る彼女たち。
紛い物でない本物が、そこにはいた。


智代子「か、果穂―――――!!!」

果穂「わっ! ちょこ先輩! ……えへへ、また会えてうれしいです!」

夏葉「智代子……生き延びてくれていたのね」

智代子「うん、夏葉ちゃん……お陰様で、今の今まで生き延びることが出来ました!」


雛菜「透ちゃん最後まで生きてたんだ〜! すごい〜〜〜!」

透「雛菜、ごめんね。守りきれなくて」

雛菜「別に気にしてないよ〜? 雛菜は守りたい人を守れてるし、大体しあわせかな〜」


愛依「あさひちゃんあさひちゃんあさひちゃん〜〜〜!!!」

あさひ「わっ! 急にわしゃわしゃしないでほしいっす」

冬優子「もう、愛依……落ち着きなさい。別に逃げやしないわよ」

愛依「や、そうだけどさ〜?!」


結華「ありゃりゃ、アンティーカは全滅だった感じですか?」

摩美々「恋鐘なら最後まで生き残ってもおかしくないと思ったんだけどー」

恋鐘「……」

摩美々「……なんか、恋鐘妙に静かじゃないー?」


灯織「何が起きてるんでしょう……」

千雪「まさか、生き返っちゃうなんて……でも、喜んじゃっていいのよね」

灯織「千雪さん……そうですね」

千雪「死んでしまったら、いつまでも孤独だもの。こうしてみんなにもう一度会えただけで儲け物よね」


にちか「ちょっと、ルカさん! なんで美琴さんが死んじゃってるんですか!?」

ルカ「……」

にちか「ルカさん、何か言い返してくださいよ! 黙ってちゃ何も分かりませんって!」

美琴「にちかちゃん、いいの」

にちか「でも……!」

美琴「……ルカ、ごめんね」


美琴の謝罪は私の頭上を通りすぎていった。
私には、それを受け取る権利なんてない。
こいつらの命を奪ったのは他でもない私だ。
私さえいなければ死別することもなく、こんな再会の場を設けずとも横に並ぶことができていた。
本来謝るべきは私の方、ただその謝罪もどこに向けるべきなのか定めかね、私は黙って俯くほかなかった。


モノミ「やっぱり、死んじゃったからって除け者にしちゃうのは可哀想だよね! この島で過ごしたお友達なんだもん! 最後はらーぶらーぶの議論でシメようね!」

ルカ「……どういうつもりなんだよ」

モノミ「はれ?」

ルカ「こんなことして、オマエになんのメリットがあんだよ……! 一体、何を企んでやがる……!」

モノミ「企むも何も……」





「それは1番君がよく知っていることだろう」





ルカ「……え?」


突然目の前のウサギのぬいぐるみの中から聞こえてきた、似つかわしくない余りにも渋すぎる声。
戸惑っている間も無く不可解は続く。


「君の持ち去った箱舟計画、どんなものなのかは覚えているだろう?」

「幼きヒナには翼が、旅立つ若人には導が必要だ」

「283プロのアイドルたちは、翼であり、導だ。この世界に芽生えようとする希望たちにとって、な」


ルカ「お、オマエ……死んだはずじゃ……」


「……死んだ? さっきの今で、目撃したものを忘れてしまったのか?」

「この世界では、死は何よりも軽いのだよ」


全てが裏返り、秩序は無秩序に。常識は出鱈目に。
死者は蘇らないという固定観念が覆された今、目の前の異常は平常に書き換えられてしまった。

これは死者の葬列ではない、生者の行進なのだ。






努「……久しぶりだな。283プロダクション代表、チーム・ダンガンロンパのゼネラルマネージャー、天井努だ」






灯織「しゃ、社長……あなたが……あなたが本当に、全ての元凶なのですか」

努「らしいな」

摩美々「なんでそんな他人事なんですかー?」

努「現に、他人事だからだ」

努「私はそこに立っている浅倉と同じなのだよ。知識や記憶こそオリジナルの天井努と同一ではあるが、本体は既に命を落とした身。あくまで私はAIによる再現にすぎない」

にちか「……加齢臭までAIって再現できるんですね」

努「……コホン」

努「それに、今回のコロシアイ……新世界プログラムのコロシアイに関しては私よりも憎むべき存在はハッキリしているんじゃないのか?」

ルカ「……テメェ、そんなことが言いたくてわざわざ出てきたってのか」

努「ああ、犠牲者たちを蘇らせたのもそのためだ」

果穂「ど、どういうことなんですか……!? にくむべきそんざいって……社長さんがいってることの意味が……」



あさひ「このコロシアイの本当の黒幕はルカさんなんだよ」




にちか「え……? は……?」

あさひ「この世界は仮想現実で、意識上のデータ空間っす。新世界プログラムっていうんすけど……」

あさひ「その新世界プログラムを書き換えてコロシアイを行うだけの世界にして、わたしたちを閉じ込めたのは元はルカさんだったんっすよ」

愛依「あ、あさひちゃん……さすがにジョーダンだよね?」

ルカ「……違う」

愛依「だ、だよね?! ダメだよあさひちゃん、今はホントのことを話してくれなきゃ______」

ルカ「冗談なんかじゃ、ない」

美琴「……ルカ?」

ルカ「私が、全ての元凶……黒幕だったんだ。今私にその時の記憶はないが、この島にオマエラを閉じ込めたのも、コロシアイを無理強いしたのも、そして箱舟計画の対象にしたのも」

ルカ「全部全部、過去の私がやったことだ」

否定することはできなかった。
自分で導き出した推理だから、というのもあるがそれ以上に、これ以上真実を隠すような逃げをしたくなかったというのがある。
この島で暮らすうちに身につけてしまった強さと弱さ、賢さと愚かさが分かりやすすぎるほどに如実に滲み出てしまった。


努「憎むべきものを憎め、私が言いたいのはそれだけだ」


裁判場に立ち込める混迷の空気。
肌がピリピリとするのはおそらく私だけ。
剥き出しで無防備の私に四方八方から向けられている敵意。
怒り、恨み、憎しみ……そういうものが全て私だけに注がれる。
さすがの私と言えど、肌の震えは抑えられなかった。


美琴「……」

努「さて、283プロダクション所属のアイドル諸君。決断の時だ」

努「諸君らの友情を違え、突然の別離を齎したこのコロシアイ南国生活」

努「この生活から生きたままの帰還、『卒業』を選ぶのか。それとも再度仲間たちを死体に還しこの島での暮らし、『留年』を選ぶのか」

努「さあ、どちらを選ぶかね」



「………………」


千雪「ま、待ってください……『留年』を選んだ場合、私たちはまた、死んでしまうんですか……?」

あさひ「そんなの、さっきは言ってなかったっすよね?」

努「状況が変わったのだよ。先ほどまではこの裁判に挑んでいたのは生き残りの4人のみ。だが、死者が蘇った今となってはそうではない」

努「選択にはリスクがつきものだ。『卒業』を選べば斑鳩ルカが死ぬ、それなら『留年』にもリスクがなければ釣り合いが取れないだろう」

結華「どう考えても数の上では釣り合いが取れてないよね、それ……」

冬優子「釣り合いは数以外のところで取ってるんでしょうね」


そういって私を一瞥する冬優子。
その視線が有する熱は、いつかの『ごっこ』の絶交とは比べ物にならないほどに冷たい。


愛依「ど、どーすんの……これ……うちら、どっちかを選ばないといけないの……?」

摩美々「選びたくはない、ケド……選ぶのなら……」

美琴「その選択肢は、明らかに見えているよね」

(美琴……!!)


あの時のことを思い出した。
美琴と組んでいたユニットを解散することになった時、彼女から感じたのは無関心。
同じステージに立つことから降りた私はその瞬間、舞台装置未満の存在に堕ちた。


あの時とおんなじだったのならどれほどよかっただろう。
今美琴から感じるのは圧倒的な失望と疎外感。
それもそのはずだ、命をかけてまで守ろうとした相手が、その相手こそが、自分から全てを奪っていたなんて。


美琴「『卒業』を選ぶことに私はなんの躊躇もない」

美琴「こんな地の底にいたところでステージのライトは当たらない」

美琴「私たちはここを出ていくべき、そうだよね?」


美琴が潮目になり、場の空気は一気に彼女の元に手繰り寄せられる。
一度死した、この島での暮らしに疲弊した連中は縋るようにその選択肢の足元へ。


夏葉「……ルカ、話が全て本当ならば、あなたを到底許すことはできないわ」

千雪「ルカちゃん……違う、違うのよね……?」

冬優子「……なんで言い返さないのよ、あんた」


その反応の全てが理解できた。
刃物の一つも突きつけてこない行儀の良さにお見それしているくらいだ。
もし私が逆の立場なら、今頃相手を八つ裂きにしているだろう。
それで足りないだけのことを私はしているのだ。
その記憶こそ、ないが。


(…………)

(…………………)


投票されて、私が死んで、こいつらが代わりに出て行く。
それだけならば、納得してやってもよかった。
別に自己犠牲に陶酔しているわけじゃない、美談になりたいわけじゃない。
踏み台になることにある程度の理由づけが為されているから、自分を説き伏せることができるというだけ。


(………………………………)


……だが、今回ばかりはその理由づけが不十分だ。

理由が理由の体を成していない。
連中は私を踏み台にして生き残るわけではないのだ。
島を出る時、彼女たちは器になる。
ダンガンロンパの傀儡として生まれ変わった彼女たちは生き残りというには余りにも無残で、余りにも空虚。
自らの翼、そこに映す鮮やかな虹に影を落とすだけ。




________黙っていて、いいのか?




私はいつだって孤独だ。
ステージの上で横に立つ者などいないし、私を応援してくれる人間とやらは盲信してばかりで、本当の私を見ようとしない。
応援してるだけ、心配してるだけ、関心を寄せているだけ。
自分達の理想の斑鳩ルカ、理想のカミサマから私が漏れてしまわないように、脱線しないように、監視を続けることをファンの使命だと思い込んでいる。
それに殉じたまま、もがき苦しんで生きていくことを、アイドルは求められている。



_____だから、なんだ?



そんなもん知ったこっちゃない。
他の誰が何を望もうが、私の歩む道は私が決める。
生きることを望む者がいようと、死にたければ勝手に死ぬし、死んでほしいと望むのなら、嘲笑ったまま生き永らえてやる。
他人の事情、勘定、心情なんだって目もくれてやらない。
私はカミサマなんかじゃない、もっともっと俗物的で、短絡的で、独善的なんだ。


私はやりたいようにやらせてもらう。
それが他の人間の胸を引き裂くことになろうとも、悲劇をもたらす結果となろうとも。
私は私のやりたいようにやる。
私は私にとって、理想である終わり方を追い求める。

他の誰かに提示されたぬるいだけの選択肢で、妥協点に落ち着くなんてクソ以下。
生き残るんだったら自分自身を保ち続けた上で、砂を引っ掛けてきた相手をぶっ飛ばした上で。
そうじゃないとこのイライラはどうにも鎮まりそうにない。
衝動を飼い慣らすためにはそれに見合うだけの餌が必要なのだ。


(……行こう)



(このままじゃ、終われねえ……!)




灯織「……卒業を選ぶ他、ないんですよね」

雛菜「まあそうじゃなきゃ雛菜たちはもういっかい死んじゃうしね〜」

にちか「ルカさんなんかのためにかける命はないんですよ、この裏切り者……!」

千雪「……」






ルカ「そうはいくかよ」






冬優子「あんた、相変わらず往生際が悪いのね」

ルカ「好きに言え、私は別に我が身可愛さで言ってるわけじゃねえ。このまま『卒業』をオマエらに選ばせるわけにはいかないってだけの話だ」

努「ほう……それはどういう理屈かね」

ルカ「どういう理屈も何も、この『卒業』は箱舟計画の遂行を意味する。生き残る代わりに傀儡になるなんて、そんな生ぬるい結末だけはゴメンなんだよ」

努「その結末を誰よりも望んでいたのが、かつての君なのだがね」

ルカ「『かつて』じゃなくて、今の話をしてんだよ」



にちか「ふざけないでくださいよ」



ルカ「……七草にちか」


にちか「ルカさんが今の話をするんなら私だって言っちゃいますけどねー?!」

にちか「散々人を裏切って思いを踏み躙っておいて、それでよく我儘が言えますよね……?! 自己中、最っ悪に自己中すぎませんか?! そんなの?!」

ルカ「自己中な、返す言葉もないよ」

にちか「はぁ……?!」

ルカ「でも、だからといって譲る気はない。『卒業』をみすみす許すような真似、絶対に出来ねえんだよ」

ルカ「ただ島を出るだけじゃない……方舟計画が遂行される、その意味を知りもしないで、甘えた選択してんじゃねえ!」

にちか「いいですよ、死ぬよりは!」

ルカ「死んだ方がマシだ!」

努「……何をしている?」

努「なんの足掻きだ? 何が狙いだ? もうとっくにことは決しているのに……今更騒いでなんになる?」

ルカ「さあな、AI如きにゃ読みきれねえだろうよ」

ルカ「0か1で表現し切れるほど、人間うまいことできちゃいねえんだ……!!」


(他の連中は冷ややかに私の足掻きを見つめている)

(だけど、だからといって引き下がりはしない)

(この状況を覆せるのは、今武器を取って立ち上がることができるのは、私を置いて他にはいない)

(行くぞ……絶対に全員を説得してやる……!!)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
☆舌戦シュートアウトについて

お久しぶりです、アナウンスでございます。
長きにわたる学級裁判もこれより最終局面。
『卒業』を阻止するための説得パートに移ります。
斑鳩様と相対するのは、この島で確かに友情を育んだはずのアイドル様方……
ですが、斑鳩様がこのコロシアイを始めたという事実が敵意へと変わり、斑鳩様の言葉はまるで届かない状態になっています。

そう、言葉ではもはや太刀打ちできないのです。
なれば、言葉でないものを武器にする他ない。

武器にするのは、相対するアイドルの様方と過ごした時間、その【経験】でございます。
絆や友情、なんて言葉では括れないほどの葛藤や衝突もあったことでしょう。
そうした記憶は双方が確かに有しているのです。
斑鳩様が目指すのは、その記憶の共振。

さあ、いよいよ最後の戦いの幕開けです。
【ケイケン】を握りしめ、大立ち回りと参りましょう。
ご武運を。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


にちか「あー、ホンッット……なんであなたみたいな人が美琴さんとペアだったんですかねー……」

にちか「マジで、ぜっったいあなただけは許しませんから」

にちか「大人しく死んどいてくださいよ!」


【にちか「ばーかばーかアホまぬけー!」】決戦!

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×7

ケイケン
【風野灯織のケイケン】
【小宮果穂のケイケン】
【黛冬優子のケイケン】
【浅倉透のケイケン】
【月岡恋鐘のケイケン】


にちか「ルカさんからすればそりゃ卒業は不都合ですよね」

にちか「なんたってルカさんは私たちが島を出ていくための【犠牲】になるんですから」

にちか「多少の同情はしちゃいますけど……」

にちか「でも、美琴さんを……皆さんを殺した【罪】を持ってるのに」

にちか「わが身可愛さで島を出ていくのをやめろとかって流石に引きますよ!」

にちか「どんだけ自分が可愛いんですか!?」

にちか「どんだけ独善的なんですか!?」

にちか「【自分の都合だけ】で他の人を振り回して」

にちか「それ、すっっごくダサいんですけど!」


(私は確かに自分のためだけにここまで行動してきた)

(でも、その道は……必ずしも私だけじゃない)

(私がいつの間にか背負うことになった思いを……こいつに見せつけてやる……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


【発言力:♡×3→2】

にちか「はぁ?! 風野さんがルカさんと何か関わりありましたー?」

にちか「それともなんですか、私が殺した相手の名前出して罪悪感で抑え込もうってハラです?」

にちか「とにかく、そんなんじゃ私は靡かないのでー!」

(クソ……やかましい奴だ)

(こいつに、私が自分の都合だけで反論をしているんじゃないとわかってもらうには……私がコロシアイの中で誰かの都合を背負い込むことになったケイケンを示す必要があるな)

(そんな並みならぬ間柄のやつなんて……限られているか)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】

【ロンパ候補の発言の数が減少した!】

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×7

ケイケン
【小宮果穂のケイケン】
【黛冬優子のケイケン】
【月岡恋鐘のケイケン】


にちか「ルカさんからすればそりゃ卒業は不都合ですよね」

にちか「なんたってルカさんは私たちが島を出ていくための犠牲になるんですから」

にちか「多少の同情はしちゃいますけど……」

にちか「でも、美琴さんを……皆さんを殺した罪を持ってるのに」

にちか「わが身可愛さで島を出ていくのをやめろとかって流石に引きますよ!」

にちか「どんだけ自分が可愛いんですか!?」

にちか「どんだけ独善的なんですか!?」

にちか「【自分の都合だけ】で他の人を振り回して」

にちか「それ、すっっごくダサいんですけど!」


(私は確かに自分のためだけにここまで行動してきた)

(でも、その道は……必ずしも私だけじゃない)

(私がいつの間にか背負うことになった思いを……こいつに見せつけてやる……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


【集中力:☆×7→6】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【清らかなる星の流れが私たちを導く……】

【発言力:♡×2→3】

【ケイケンの候補の数が一つとなり、ロンパ候補も一つのため正答したものとみなします】

-------------------------------------------------
【黛冬優子のケイケン】→【自分の都合だけ】
-------------------------------------------------

ルカ「この太刀筋に迷いはない!」

【SLASH!!】

ルカ「わが身可愛さ……確かにそう見えるかもしれない。特に、オマエに見せてきた私の姿はずっとそういう姿だった」

ルカ「自分の都合のために、自分がやりたいことをする、自分がやるべきと思うことを貫く」

ルカ「その根本では変わっていない……そう思う」

にちか「はー?! それじゃもう黙っててくださいよ……! ちょっとでも私たちに悪いって思うんだったら、黙って死んじゃえばいいのに……」

ルカ「でも、その自分の都合の受け皿はこの島で暮らすうちに広くなったと思う」

にちか「……は?」

ルカ「私には、ずっと仲間なんていなかった。同胞も、友達も……家族も」

にちか「……かぞ、く」

ルカ「だから、他の人のために……なんて避けてきた。怖かったんだよ、期待に応えられない瞬間の落胆が、失望が。美琴の横に立とうとしていた時もずっとその強迫観念に追われていた」

ルカ「……そんな私に、無理やりに都合を押し付けてくる厚顔無恥な女がいたんだよ」



≪冬優子「お互い、利用しあいましょ。ストレスの発散先として」≫

≪冬優子「あさひ、最後に年長者っぽいことできてよかったわ。そのやってやった感のまま、終わらせてちょうだい」

あさひ「……うぅ」

冬優子「それと、ルカ……あさひのこと、頼んだわ。今やもう、頼れるのはあんただけだし」

冬優子「……それと、パートナーともうまくやりなさいよ」

ルカ「……おう」≫


ルカ「何を思ったのか、急に私のことを頼って、利用して、挙句死に際にそこのガキの面倒まで託してきた女だ」

ルカ「……だけど、そんな女に心を許していたのも事実だ。そこまでの踏み込みを許した時点で、私自身にもこいつの期待には応えたいって、そう思ってたんだよ」

ルカ「だからこそ、『卒業』なんてさせちゃならねえんだ……! あいつが私に託したのは、あさひを……他の連中を守ること。他の誰かの人格を入れ込まれるのを黙って見過ごすなんて、守ることからは一番遠い行為だろ……!?」

にちか「守るって……! そんな覚悟があったなら、美琴さんのことを守ってくださいよ!」

にちか「私の期待だって、背負ってくださいよ……!」

ルカ「ああ、背負ってやる」

にちか「はぁ……!?」

ルカ「今からでも、オマエを含めて、私以外の全員を守ってやるよ。出来ないわけない、なんたって私自身がオマエたちを脅かす黒幕なんだからな」

ルカ「現実だろうと運命だろうとひっくり返してでも、オマエらを守り抜いてみせる……」



【ルカ「それが私の、私自身のための都合だ……!!」】




にちか「なんですか……それ。なんなんですか、それ……!!」

にちか「あー、やだ。絶対認めてやるか、ってそう思ってたのに」

にちか「ルカさん、美琴さんの隣に立ってた時期があるだけのことはあるんですね」

ルカ「ハッ……当たり前だ。こちとらあのワーカホリックモンスターのベテランだぞ。そんんじょそこらのことじゃ折れたりなんかしない」

にちか「ツイスタで病んだばっか言ってる人が何言ってるんですー?」

ルカ「……」

にちか「あはは、都合悪くなるとすぐ黙るー!」

ルカ「オマエな……」

にちか「分かりましたよ、ルカさん……一時休戦です。『卒業』で生き残る……それを阻止するために、力くらい貸してあげます」

にちか「美琴さんのこと、私だって守りたいんですから」

ルカ「マジか……!?」

にちか「その代わり、『卒業』を阻止した先に何も無かったら、針千本……いや、億兆京本飲ましますから!」

ルカ「ハッ……上等だよ!」


【七草にちかとの間に確かなつながりを感じる……】

【スキルを習得しました!】

【スキル:いカルかミにちかヅクまデ】
〔舌戦シュートアウトで七草にちかの協力が得られるようになる〕


キリがいいところなので本日はここまで。
後半パートは暫く舌戦シュートアウトによる進行となります。
ノンストップ議論をベースにしたもの以外のルールでの舌戦も用意しているので、安価とコンマをどんどん出させていただきます。
是非ご参加ください。

次回更新は11/28(月)21:00ごろを予定しています。
それではお疲れさまでした。またよろしくお願いいたします。

舌戦シュートアウト、説明見てもいまいちピンとこなかったけど動いてるの見たら何となくわかった気がする
要は今までの相手の言動の明確な弱点に的確な攻撃を通す感じじゃなくて、通せそうな隙をこっちの強みで強引に押し切る感じっぽい?
それでそれぞれのケイケンの示す内容は文字通りここまでのそれぞれのアイドルとの経験というわけか
経験の内容はたぶん個別コミュは含まないでメインシナリオ部分だけかな? 個別コミュも含んでたらそれはそれで熱いけど
でもここまでいろいろ論理的な裁判とか積み重ねてきて、その終盤も終盤のクライマックスでほぼほぼ感情的な口喧嘩が始まるっぽいのって、
なんというか状況が全部ひっくり返ったからやり方も全部ひっくり返したみたいで最高だな……
これで実質口喧嘩パートがにちかぐらいしかなかったら自分の目が節穴過ぎてちょっとハズイけど

>>859
舌戦シュートアウトは仰る通り口喧嘩に近いかもですね笑
理屈よりも感情でごり押すイメージです。
ケイケンの言葉の幅はだいぶ広く捉えてるので、ルカとの対話のケイケンだけでなく、本人自身のケイケンも含まれてます。
誰しもがスッパリと分かるものばかりじゃないと思うので、出来る限り分かりやすい誘導は出すようにします。

-------------------------------------------------

愛依「……ごめん、ルカちゃん。うち……どうすればいいのかわかんない」

愛依「あさひちゃんに冬優子ちゃん……みんなとこうやってもう一度会えたことがマジで嬉しくて……」

愛依「もう、離したくない……離せないって、そう思っちゃってるから……」

愛依「でも……でも……!」


【愛依「……ごめん」】決戦!

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×6.5


愛依「ルカちゃんにも死んで欲しくなんかない!」

愛依「うちは、誰もギセーになんかしたくない……誰にも死んでほしくなんかないの……!」

愛依「誰かをギセーにするくらいなら、うちが……」

愛依「でも……またあさひちゃんを1人にするなんて……イヤ」

愛依「うち、どうすればいいのかな……」


にちか(愛依さんは迷ってる……愛依さんはすごく優しい人だから)

にちか(ルカさんに直接手をかけることに躊躇いもあるし、芹沢さんを遺して逝くことも恐れている)

にちか(突き崩すのなら、あの人の散り際の姿だ……!)

-------------------------------------------------

さ/わ/ひ/ざ/あ/せ/り

【正しいケイケンを持つ者の名前に並べ替えろ!】

↓1

-------------------------------------------------
芹沢あさひ
-------------------------------------------------

にちか「斬っちゃいますねー!」

【SLASH‼︎】

にちか「愛依さん、すごく優しいんですね。お人好しどころか“大”人好しって感じです。普通自分の命をさしおいて、人のことを思える人なんていませんよ」

愛依「そんなんじゃなくて、うちはただ……」

にちか「すごいなって純粋に思っただけです、謙遜とか大丈夫ですー」

愛依「にちかちゃん……」

にちか「本当に、芹沢さんのことが愛依さんは大切なんですね。それはすっごく感じました」

にちか「でも、それだったら……もっと芹沢さんのことを考えてあげてもいいんじゃないでしょうか」

愛依「……えっ?」

にちか「愛依さんがいつもそばに立って守ってあげること、それが芹沢さんにとって一番いい選択ばかりじゃないって。そう思うんです」


《あさひ「……わたしだって、ずっとずっとつらいっす」

あさひ「起きる度に、体がなんだか重たいし、胸のあたりがずっとズキズキしてるっす」

あさひ「気を抜くと、愛依ちゃん、果穂ちゃん……みんなの顔が思い浮かぶし」

あさひ「夏葉さんの、あの優しくて、筋肉質な腕の感触が……蘇るっすよ」

あさひ「でも、だからって……それに縋ってちゃダメだって……冬優子ちゃんが戦えって、そう言うから……」

あさひ「……わたしは、負けられないっすよ」

あさひ「ストレイライトの芹沢あさひでい続ける限り、愛依ちゃんとも、プロデューサーさんとも約束したっすから」

あさひ「だから、凹んでいるよりも……もっと、次に続く何かがしたいっす。わたしに何ができるのか、わたしに何がわかるのか、ずっとずっと、考えたいっす」

あさひ「それに、果穂ちゃんが言ってたっす」

あさひ「わたしたちは大きくなれる、変わっていけるって」

あさひ「……なら、わたしがやるのは泣くことじゃないと思うっす」》


にちか「私たちが死んじゃった後も……芹沢さんは1人で生き続けてたんです。その歩みを、私たちが直接見ることはなかったですけど」

にちか「守ってくれた他の人たち、その思いや願いはちゃんと届いている。芹沢さんは小さな体でしっかりと受け止めて、1人でも一生懸命前に進もうとしてたんですよ」

にちか「愛依さんの気持ちはわかります。でも、『守ってあげなくちゃ』だけじゃなくて……もっと他のアプローチもあるんじゃないですかね」

愛依「あさひちゃんが、1人で……」

愛依「……うん、そだね。うち、ちょっとカホゴだったかもしんない。あさひちゃんってばすごいんだもん! うちの助けがなくたってやってけるよね!」

にちか「愛依さん……」

愛依「『卒業』させたげることがあさひちゃんを守ることになるって、そう思ってたけど……それってあさひちゃんの成長にフタをしちゃうことになるかもしれないんだね」

愛依「あさひちゃんなら、やれる。きっとうちらみんなが笑顔になれる、しっかりした答えを見つけられる」



【愛依「決めた……! うちはあさひちゃんの隣に立って、それを支えてあげるんだ!」】




結華「ルカルカが真の黒幕で、今回のコロシアイの黒幕をこがたんに背負わせてた?」

結華「……許せなさすぎでしょ」

結華「ここまでこっぴどく裏切った斑鳩ルカのことも、それに踊らされて騙された自分自身のことも」

結華「もういい……私は何も信じない」

【結華「全部全部隠してしまえ」】決戦!

-------------------------------------------------

ルカ「……いくら謝っても謝り足りない、よな」

結華「謝罪なんて聞きたくもないけどね」

結華「でも、おかげで知ることができた。人を信じようとして迂闊な一歩を踏み出せば、それが死を招く」

結華「蛮勇なんて、持たない方がいいってこと」

(クソ……三峰結華のやつ、完全に心を閉ざしてしまったな)

(こいつを説得するには……こじ開けるしかない!)

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始】

発言力:♡×3
集中力:☆×6.5


結華「やめてよ」【防御力70】
結華「聞きたくもない」【防御力75】
結華「お願いだから……」【防御力80】
結華「近づかないで」【防御力85】
結華「分からないで」【防御力90】


【盾の防御力をコンマで削り切れ!】

‣アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1~5


【発言力:♡×3→2】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

結華「知らない……! それ以上、踏み込んでこないでよ……!」

(なんつー拒絶だよ……そうだよな、私もこいつも同族……斥けることだけは一丁前)

(いいよ、どこまででも付き合ってやるよ……!)

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始】

発言力:♡×2
集中力:☆×6.5


結華「やめてよ」【BREAK!】
結華「聞きたくもない」【BREAK!】
結華「お願いだから……」【防御力46】
結華「近づかないで」【防御力58】
結華「分からないで」【BREAK!】


【盾の防御力をコンマで削り切れ!】

‣アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1~2

-------------------------------------------------
【ALL BREAK!】

ルカ「こじ開ける!」


【結華「誰かを信じるくらいなら、今ある自分の命を信じたい」】


な/い/な/ち/ひ/わ/か


【正しいケイケンを持つ者の名前に並べ替えろ!】

↓1

-------------------------------------------------
【市川雛菜のケイケン】
-------------------------------------------------

ルカ「届け……!」

【SLASH‼︎】

ルカ「……きっともうオマエは、私の言葉には耳を貸さない。貸してくれないだろうな、それだけのことを私はしたんだ」

結華「……」

ルカ「だから私のことを信じろなんて言わない、私のいうことに従えなんて言わない。ただ一つ、オマエの仲間のことをもう一度見てやってほしいんだ」

結華「……は? なにそれ、そんなこと言う資格あるの? その仲間を散々踏み躙ったのはどこの誰?」

ルカ「散々踏み躙られてなお、信じぬいた奴がいるんだよ……!」

結華「……!」


≪雛菜「薄々、感じてたんだ〜……透先輩、嘘とか隠し事とかすっごく下手な癖に……雛菜に全然何も喋ってくれないんだもん〜……」

透「……!」

雛菜「雛菜の大好きな透先輩と、なんだか違うなって場面が時々あって……」

雛菜「今、話を聞いて……意外とすっきりしてるんですよね〜」

智代子「雛菜ちゃん……」

雛菜「……そっか〜」

雛菜「じゃ、今度から『透ちゃん』って呼ぶね〜!」

透「えっ」

雛菜「あなたは雛菜がずっと同じ時間を過ごしてきた透先輩ではないけど、この島で一緒に過ごしてきたのは変わらないでしょ〜?」

雛菜「雛菜は透ちゃんと変わらず仲良くしたいから! それでいいよね〜?」≫



ルカ「この島において偽物だったのは私ともう1人。浅倉透だ。あいつは記憶と人格を引き継いだコピーのAI……でも、そんなことを私たちに打ち明けるなんてできるはずもない」

ルカ「だから秘密は全部ひた隠しにして、都合の悪いことには口を閉ざして……そんなあいつを、市川雛菜はただ愚直に信じ続けたんだ」

ルカ「自分と過ごした時間、交わした言葉……そこに抱いた信頼。その標識を頼りにな」

結華「そんな、たったそれだけのことで……」

ルカ「挙句、あいつは自分の友人を真似ただけの存在をカバーして右手も失って、いよいよ命も落とした」

ルカ「でも、あいつはいつだって後悔なんかしていなかった。自分の行動は間違っていないって、誰かを信じることには意味があるって、信じ続けた」

ルカ「オマエにそれをしろなんてことは言わない、言えない。……でも、誰かを信じようとする自分の強さを否定するのはやめてくれ」

ルカ「オマエのあの日の一歩を否定するような真似だけはしないでくれよ……!」

結華「……ほんっと、どの口下げて言ってるの」

結華「本当にショックで、はらわたも煮えくりかえったんだから。今だって収まってないよ」

結華「……でも、他のみんなを信じることはできるよね。283プロのみんななら、こんな状況でもどうにかできるって、それだけの強さがあるって」

結華「それを教えてくれたことには感謝する、ルカルカ」

ルカ「……悪かった」


【結華「もういいよ、は言わないから」】


灯織「……私には責任があった。元々皆さんを守るために、他の生き残りの方も巻き込んでこの世界に飛び込んだというのに」

灯織「何も成し遂げることもできず、そのまま自分自身も命を落とした」

灯織「……私は、一体……何のために……」

【灯織「それは違います!」】決戦!

-------------------------------------------------

にちか「違う……違うんだって……風野さんは必死に、私たちのことを守ろうとした……」

にちか「悪いのは、私……私なんですよ……っ!」

(風野さんを助けてあげられるのは私だけだ……)

(そして私が風野さんを助けてあげなきゃ、ダメでしょ……?!)

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×7

ケイケン
【桑山千雪のケイケン】
【三峰結華のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】
【七草にちかのケイケン】
【小宮果穂のケイケン】


灯織「この世界に私がやってきたのは皆さんを救い出すため」

灯織「未来機関の人間として」

灯織「プロデューサーに託された人間としてその使命があった」

灯織「それなのに」

灯織「誰も守れなかった」

灯織「死なせてしまった」

灯織「奪われてしまった」

灯織「皆さんに顔向けなんてできません……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

にちか「風野さんからその機会を奪ってしまったのは私です」

にちか「顔向けできないのは私の方ですよ!」

にちか「自分を責めたりしないでくれませんか……」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

灯織「いえ、七草さんも黒幕に振り回されただけ」

灯織「……黒幕に立ち向かうだけの力を持っていたのに振るえなかった私がいけないんです」

灯織「皆さんの命を救えたのに、この掌から次々とこぼれ落ちて」

灯織「……『卒業』を選んで、【もしそれにリセットができるのなら】」

灯織「そう思ってしまうのは、いけないことなのでしょうか」


(風野さんは……自分の失態ですべてを失ってしまったと思っている)

(その後悔を取り返せるならと、『卒業』に縋ろうとしている)

(でも……私たちは知っている、一度取りこぼしてからでも……改めて寄り添おうとした人のことを)

(彼女だって強い人ではない……それでも勇気を振り絞って、前に進んだのが彼女なんだ……)

(その努力を、教えてあげなくちゃ……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

↓1


【発言力:♡×2→1】

灯織「ダメなんです……私は無力で、誰も守れない……」

灯織「自分の力じゃ、誰も掬えないんです……」

(私が命を奪ったことで風野さんは自信を完全に失ってしまっている……)

(誰かを何度でも信じようとする強い姿を教えることで、彼女の瞳に光を取り戻すんだ……!)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】

【ロンパ候補の発言の数が減少した!】

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×7

ケイケン
【三峰結華のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】


灯織「この世界に私がやってきたのは皆さんを救い出すため」

灯織「未来機関の人間として」

灯織「プロデューサーに託された人間としてその使命があった」

灯織「それなのに」

灯織「誰も守れなかった」

灯織「死なせてしまった」

灯織「奪われてしまった」

灯織「皆さんに顔向けなんてできません……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

にちか「風野さんからその機会を奪ってしまったのは私です」

にちか「顔向けできないのは私の方ですよ!」

にちか「自分を責めたりしないでくれませんか……」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

灯織「いえ、七草さんも黒幕に振り回されただけ」

灯織「……黒幕に立ち向かうだけの力を持っていたのに振るえなかった私がいけないんです」

灯織「皆さんの命を救えたのに、この掌から次々とこぼれ落ちて」

灯織「……『卒業』を選んで、【もしそれにリセットができるのなら】」

灯織「そう思ってしまうのは、いけないことなのでしょうか」


(風野さんは……自分の失態ですべてを失ってしまったと思っている)

(その後悔を取り返せるならと、『卒業』に縋ろうとしている)

(でも……私たちは知っている、一度取りこぼしてからでも……改めて寄り添おうとした人のことを)

(彼女だって強い人ではない……それでも勇気を振り絞って、前に進んだのが彼女なんだ……)

(その努力を、教えてあげなくちゃ……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

※複数指定可

↓1

880は もしそれにリセットができるのなら にです
ごめんなさい、一個しかないからって失敗しました

>>883
大丈夫です、選択肢はコピペしてるだけなのでロンパ候補が一つの場合はお気になさらず!

再安価
>>882

1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×2
【プロデュース手帳】×3

※複数指定可

↓1

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×7

ケイケン
【三峰結華のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】


灯織「この世界に私がやってきたのは皆さんを救い出すため」

灯織「未来機関の人間として」

灯織「プロデューサーに託された人間としてその使命があった」

灯織「それなのに」

灯織「誰も守れなかった」

灯織「死なせてしまった」

灯織「奪われてしまった」

灯織「皆さんに顔向けなんてできません……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

にちか「風野さんからその機会を奪ってしまったのは私です」

にちか「顔向けできないのは私の方ですよ!」

にちか「自分を責めたりしないでくれませんか……」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

灯織「いえ、七草さんも黒幕に振り回されただけ」

灯織「……黒幕に立ち向かうだけの力を持っていたのに振るえなかった私がいけないんです」

灯織「皆さんの命を救えたのに、この掌から次々とこぼれ落ちて」

灯織「……『卒業』を選んで、【もしそれにリセットができるのなら】」

灯織「そう思ってしまうのは、いけないことなのでしょうか」


(風野さんは……自分の失態ですべてを失ってしまったと思っている)

(その後悔を取り返せるならと、『卒業』に縋ろうとしている)

(でも……私たちは知っている、一度取りこぼしてからでも……改めて寄り添おうとした人のことを)

(彼女だって強い人ではない……それでも勇気を振り絞って、前に進んだのが彼女なんだ……)

(その努力を、教えてあげなくちゃ……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

※複数指定可

↓1


【コンマ48+15→63】

【発言力:♡×12→11】

灯織「ダメなんです……私は無力で、誰も守れない……」

灯織「自分の力じゃ、誰も掬えないんです……」

(私が命を奪ったことで風野さんは自信を完全に失ってしまっている……)

(誰かを何度でも信じようとする強い姿を教えることで、彼女の瞳に光を取り戻すんだ……!)

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【コンマ21+15→36】

【発言力:♡×11→10】

灯織「ダメなんです……私は無力で、誰も守れない……」

灯織「自分の力じゃ、誰も掬えないんです……」

(私が命を奪ったことで風野さんは自信を完全に失ってしまっている……)

(誰かを何度でも信じようとする強い姿を教えることで、彼女の瞳に光を取り戻すんだ……!)

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【コンマ05+15→20】

【発言力:♡×10→9】

灯織「ダメなんです……私は無力で、誰も守れない……」

灯織「自分の力じゃ、誰も掬えないんです……」

(私が命を奪ったことで風野さんは自信を完全に失ってしまっている……)

(誰かを何度でも信じようとする強い姿を教えることで、彼女の瞳に光を取り戻すんだ……!)

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【コンマ80】

【内に秘めた激情が爆ぜる……! コンマの数値がプラスされました】

【最終コンマ 95】


にちか「斬っちゃいますねー!」

【SLASH‼︎】

にちか「風野さんが他のみんなのことを思ってくれてて、そのせいで責任を感じちゃってること……よく分かりました。その責任を感じるな、なんて言っても無理な話ですよね」

にちか「でも……だからって、取りこぼしを拾い上げられるなんて甘い言葉に拐かされちゃダメです!」

灯織「失った命は人の力ではどうやったって取り返しは効かないんです……! 世界の理を書き換えでもしない限りは……!」

にちか「なら、書き換えちゃいましょうよ!」

灯織「え……っ?」


≪冬優子「でも、三峰結華。あんたならそれが分かってあげられるんじゃないの? 今わかんないからって何なの、あんたは幽谷霧子の何を見てきたわけ?」

結華「は、はぁ……!?」

冬優子「そりゃ人なんだもの、知らない一面、理解できない一面だってあるでしょうよ。でも、そこから向き合うのを逃げてちゃ、一生あんたは一人なのよ」

結華「……!」

冬優子「あんたがいっつも周りのために自分を押し殺したり、場を回すために苦心したりしてんのはふゆも知ってる。てか、見りゃわかんのよそんなこと」

冬優子「でも、それってあんたが他の人の気持ちや考えに人一倍敏感なことの証拠でしょ? あんたは他の人のことを理解して、歩もうとすることができる、それだけの強さを持った人間だってことなのよ」

冬優子「だから、あんたも信じなさい。あんたがそうしてるように、他の連中だってあんたの気持ちを分かろうとしてる、あんたに歩み寄ろうとしてんだから」

冬優子「……そのことに自信が持てないってんなら、ふゆが第一号になるから」

冬優子「事なかれ主義の果てに『ふゆ』を演じ続けることになったふゆなら、あんたの理解者第一号にもうってつけなんじゃない?」

結華「……ぷっ、あはは!」

冬優子「ちょっと、何笑ってんのよ」

結華「だって、三峰の理解者第一号なんて……Pたんみたいなこと言うから」

冬優子「……はぁ? あいつ、こんなくっさいこと言ってたわけ?」

結華「まあでも、理解者第一号は流石にもううちの家族が取ってるからちょっとふゆゆは遅いけどね!」

冬優子「あら、それじゃあ……第何号になるのかしら?」

結華「六……か七ぐらい?」

冬優子「微妙な数字ね」≫


にちか「結華さん、田中さんの事件の後すっっごく悩んでたんです。どうして気づいてあげられなかったんだって、どうして話してもらえなかったんだって」

にちか「ユニットの年長者で、他の誰よりも一番気配りしていた結華さんだからこそ、そのショックは大きかったはずです。でも、結華さんは……それに打ちひしがれて終わりはしなかった」

にちか「失った地点をスタートにして、そこからでも取り返そうと試みた。今からでも取りこぼしたものを、見つけ出そうともがき出した」

にちか「風野さんが今やろうとしているのは、その対極。取りこぼしたから、もう諦めて楽な道を選ぼうとしてるだけなんですよ」

灯織「そんなことは……! 私はただ、皆さんに生きていただきたくて……!」

にちか「じゃあなんで抵抗しないんですか!?」

にちか「なんで妥協しちゃうんですか!? なんで甘えちゃうんですか?!」

にちか「一度はコロシアイを生き抜いたんでしょ?! じゃあその時のことを思い出してくださいよ!」

にちか「風野さんたちが生き残ろうとした、その覚悟ってこんな簡単に折れちゃうものだったんですか?!」

灯織「七草さん……」

にちか「殺した私が言うのも何ですけど、風野さんって私なんかよりよっぽど芯が強いと思います」

にちか「また、私たちのことを引っ張っちゃってくださいよ。ルカさんなんかより、よっぽど頼りになりますから」

灯織「……私が、もう一度皆さんを率いるなんて」

灯織「……いや、ううん。そんな風に自分を卑下してばかりじゃダメだよね。そんなことじゃ、皆さんを守ることはできない」

灯織「虚勢だとしても、最初の一歩が大きくなくちゃ前には進めませんよね」



【灯織「決めました……! もう折れない、負けない、諦めない。私たちだけのもっと理想的な解答がこの裁判の果てにきっと待ち受けているから……!」】



果穂「あたしは正義のヒーローになりたいんです。強くてカッコよくて、あこがれのヒーローに」

果穂「だから、悪い人はちゃんとこらしめなくちゃ……こらしめなくちゃいけないんです……」

果穂「……うぅ」

果穂「ルカさんは、本当に……悪い人なんですか……?」


【果穂「ヒーローは、絶対負けられないんです……!」】決戦!


(小学生が受け止めるには、この状況は複雑すぎるし、重すぎる)

(生と死なんて私にも整理のつかない命題、それを天秤にかけさせるのを強制するのは……流石に胸が痛いな)

(でも、だからこそ、絶対に間違った答えに導いちゃダメだ……!)

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

Q1.新世界プログラムのコロシアイでいちばん悪い人は?
A.天井努 B.月岡恋鐘 C.斑鳩ルカ D.浅倉透

Q2.正義と悪、最後に必ず勝つのは?
A.正義 B.悪

Q3.正義は悪に対してどうすべき?
A.やっつける B.とっちめる C.ぶっとばす D.わからない

【正しい道を選べ!】

↓1

-------------------------------------------------
【CAD】
-------------------------------------------------

【CORRECT!】


Q4.このコロシアイの中で、一番ヒーローだったのは……?


(小宮果穂……こいつを導くためには、正義のあるべき姿を示してやらないといけない)

(私と言う悪に対して、これまでの生活と、今の感情と、どちらを優先すべきか計りかねているのだろう)

(……なら、こいつに近い存在で、“悪に”対してただ【罰を加えるだけでない答え】を導いた存在を示してやるべきだ)

(こいつにとってのヒーローは……)


【正しいケイケンを持つ者を選べ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【発言力:♡×9→8】

(いや、こいつのことじゃない……)

(小宮果穂にとってのヒーローは、むしろ仲間を殺した冬優子という悪に対して断罪以外の方法を選んだ、勇気ある行動をとったあいつ)

(誰よりも近くにい続けたあいつのことだ……!)

-------------------------------------------------

Q4.このコロシアイの中で、一番ヒーローだったのは……?


(小宮果穂……こいつを導くためには、正義のあるべき姿を示してやらないといけない)

(私と言う悪に対して、これまでの生活と、今の感情と、どちらを優先すべきか計りかねているのだろう)

(……なら、こいつに近い存在で、“悪に”対してただ【罰を加えるだけでない答え】を導いた存在を示してやるべきだ)

(こいつにとってのヒーローは……)


【正しいケイケンを持つ者を選べ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1

-------------------------------------------------
園田智代子のケイケン
-------------------------------------------------

ルカ「喰らいな!」

【SLASH‼︎】

ルカ「なあ、小学生。オマエは正義のヒーローってどんな存在だと思う」

果穂「誰よりも強くて、みんなに優しくて、すっごくすっっごくすっっっっごくかっこいい存在です!」

ルカ「だよな。だからオマエも憧れてるんだ、間違いない」

果穂「ルカさん……?」

ルカ「正義のヒーローになりたいオマエは、私に罰を与えるべきなのかどうか悩んでるんだよな」

ルカ「……酷だと思うよ。こんな大人でも割り切れない問題にオマエを引き摺り込んで」

果穂「あたしは、ルカさんと花火も海水浴も一緒にしたし、きらいにはなれません……でも、ルカさんがやったことはすごく、悪いことで……みんな、それにすごく怒っているから……」

ルカ「……ああ、到底許されないことをした」

ルカ「こんな時、オマエの近くにいるヒーローはどうしたと思う?」

果穂「……え?」


≪冬優子「だからといって責任逃れをするつもりもない。あんたから大切な存在を奪った事実は変わらないんだから、ふゆはその咎めと謗りとを受け入れる義務はある」

冬優子「……存分に、詰ってくれていいわ」

智代子「……」

パンッ

智代子「きっと、夏葉ちゃんが生きてたら『私と冬優子は真っ向勝負で雌雄を決したの。結果が不服であっても、それに茶々は入れないでほしいわ』って言うと思う」

智代子「……だからこれは、果穂の時……ふゆちゃんが夏葉ちゃんの顔を叩いた分だよ」

冬優子「……優しいのね、あんた」

智代子「武士の情けだよ、ふゆちゃん」≫


ルカ「有栖川夏葉が冬優子に殺された時……園田智代子は完全に一人になった。ユニットでの生き残りは自分だけ、冬優子はただの仇にとどまらない……極悪人にすら映っただろうよ」

ルカ「あいつは、裁判で犯人が明らかになった時どうしたと思う?」

果穂「ちょこ先輩が……?」

ルカ「もちろん、冬優子を許すようなことはしなかった。それは死者を無碍にする行為だ。でも、私刑を加えるような真似もしなかった。そんなことをしても、溜飲は下がらない」

ルカ「頬を一発ぶつだけで、手打ちにしたんだよ」

果穂「……」

ルカ「目の前の存在は仇だ、でもそれと並行して、自分の大切な仲間であったことも確かなんだ。その二つを比べ、どちらかに天秤を傾けるのではなく、どちらでもない中間の選択肢を選んだ」

ルカ「割り切れることばかりじゃないんだよ、人生なんてのは。まして、罪や罰、人の感情なんてものはな」

ルカ「今オマエが抱いている葛藤……それに答えが見いだせず苦しんでいるのなら、その葛藤そのものを答えにしたっていいんだ。オマエが本当はどうしたいのか、それはゆっくりと見つけていけばいい」

ルカ「答えを出さないと前に進めない、なんて道理はどこにもないんだよ」

果穂「あたしは、いい人かわるい人のどっちかしかいないって……視野がせまくなっちゃってたんですね」

果穂「……あたしはまだまだ他のみなさんに比べるとおさなくて、世界のこともぜんぜん知らないことばっかりで。答えのわからないことばっかりなんです」

果穂「でも、なんだか安心しました。あたしだけじゃなくて、みんな分からないんですね。みんなわからなくて……なやみながら、がんばってすすんでいる」

果穂「あの……あたしも、もうちょっとなやんでもいいですか! こんなとき、正義のヒーローなら、ジャスティスファイブならどうするんだろうって……正義はどうあるべきなんだろうって、考えてみたいんです!」



【果穂「だから、『卒業』はもうちょっと待ってください! すみません!」】



少し早いですが本日はここまで。
舌戦シュートアウトはこんな感じでこれまでに登場したゲームを落とし込んだものがいくつも登場するイメージです。
コンマがどうしても付きまとう……

次回更新は11/29(火)21:00を予定しています。
それではお疲れさまでした。
またよろしくお願いいたします。

>>1
今更ですけど、蘇生された人たちって死んだ後のことをどれだけ把握してるんですか?
自分が死んで、蘇ったことだけでしょうか

お疲れさまでした
スレが900超えたからそろそろ残りが心配になってきた
次の更新ぐらいなら流石に足りそうだけど、コンマがめっちゃ沼ったら1000行ったりしないかちょっと怖い

>>910
蘇生した子たちは自分が死亡したタイミング以降のことは基本何も知らない状態です
多少この設定だと齟齬が出るところもあるかもしれませんが、それは大目に見てやってください……

>>911
裁判終了後も少し文量があるので、使い切る前にスレ立てをしてきました。
こちらのスレを最後まで使ったらこちらに移りましょう。
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.5
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.5 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1669646236/)

こちらが重複してしまった…

Part.4を使い切ったらPart.5に移るという意味です


摩美々「はぁ……なんか、本当に摩美々って滑稽ですよねー。自分でも笑えちゃうくらい」

摩美々「自分が参加したコロシアイのことを忘れて……そのときの記憶で転がされて、他の人を殺しちゃったんですよー?」

摩美々「こんなのって……最悪じゃないですかぁ」

摩美々「全部全部、やり直したいくらいに」


【摩美々「赤も青も、呑み込んじゃえ―」】決戦!

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×8
集中力:☆×7

ケイケン
【斑鳩ルカのケイケン】 
【風野灯織のケイケン】
【有栖川夏葉のケイケン】
【和泉愛依のケイケン】
【月岡恋鐘のケイケン】

摩美々「自己嫌悪ってやつですよー。ここまで黒幕に好き勝手されて、手のひらの上で踊らされて無様ったらありゃしないじゃないですかぁ」

摩美々「正直、摩美々は死んだままでもよかったかも……なんて」

摩美々「全部が全部、取り消せるものなら取り消したい。千雪を殺してしまったことも……前回のコロシアイで汲んだはずの、みんなの想いを蔑ろにしてしまったことも」

摩美々「『卒業』すれば他の誰かの人格を入れ込まれて、今とは別物になるんですよねー……むしろ摩美々からすれば好都合っていうか」

摩美々「“田中摩美々”を殺して、【やり直してくれる】んですよねー?」

摩美々「田中摩美々は、これにて完全閉店ですー」

摩美々「これまでのご愛顧をありがとうございましたぁ」


(田中さんは……自分の失った記憶に振り回され、そんな自分自身を消してしまいたいと思っている)

(醜態をこれ以上曝したくないっていう感情……それはすごく理解できる)

(だけど、今この局面で……あの人はそうじゃない……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【集中力:☆×7→6】

【集中力を使用しました】

【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】

【清らかなる星の流れが私たちを導く……】

【発言力:♡×8→9】

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×6

ケイケン
【斑鳩ルカのケイケン】 
【和泉愛依のケイケン】

摩美々「自己嫌悪ってやつですよー。ここまで黒幕に好き勝手されて、手のひらの上で踊らされて無様ったらありゃしないじゃないですかぁ」

摩美々「正直、摩美々は死んだままでもよかったかも……なんて」

摩美々「全部が全部、取り消せるものなら取り消したい。千雪を殺してしまったことも……前回のコロシアイで汲んだはずの、みんなの想いを蔑ろにしてしまったことも」

摩美々「『卒業』すれば他の誰かの人格を入れ込まれて、今とは別物になるんですよねー……むしろ摩美々からすれば好都合っていうか」

摩美々「“田中摩美々”を殺して、【やり直してくれる】んですよねー?」

摩美々「田中摩美々は、これにて完全閉店ですー」

摩美々「これまでのご愛顧をありがとうございましたぁ」


(田中さんは……自分の失った記憶に振り回され、そんな自分自身を消してしまいたいと思っている)

(醜態をこれ以上曝したくないっていう感情……それはすごく理解できる)

(だけど、今この局面で……あの人はそうじゃない……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


にちか「それは違いませんかねー?!」

【SLASH!!】

にちか「記憶をなくしてたせいで背負うことになった罪、曝した醜態……そりゃ、取り消せるもんなら取り消したいですよね。私だって……この島でやってしまったこと、発してしまった言葉……後悔し尽くせないほどにたくさんありますよ」

にちか「でも、だからって思考停止して逃げるのはずるじゃないですか」

摩美々「好きに言いなよ、ズルだろうとなんだろうと……綺麗ごとは好きじゃないんだよねー」

にちか「綺麗ごと、そうかもしれないですけど……その綺麗ごとを背負って、今も立ち向かっている人が目の前にいるのに、それに目を背けるなんて、見てないなんて嘘すぎじゃないですか」

摩美々「目の前……?」

にちか「ルカさんですよ……!」


≪にちか「散々人を裏切って思いを踏み躙っておいて、それでよく我儘が言えますよね……?! 自己中、最っ悪に自己中すぎませんか?! そんなの?!」

ルカ「自己中な、返す言葉もないよ」

にちか「はぁ……?!」

ルカ「でも、だからといって譲る気はない。『卒業』をみすみす許すような真似、絶対に出来ねえんだよ」

ルカ「ただ島を出るだけじゃない……方舟計画が遂行される、その意味を知りもしないで、甘えた選択してんじゃねえ!」

にちか「いいですよ、死ぬよりは!」

ルカ「死んだ方がマシだ!」》


にちか「あの人に、黒幕だった時の記憶がないことは私たち全員がよく知ってることじゃないですか。確かに斑鳩ルカは私たちの命を脅かした諸悪の根源、でもこの島のあの人は……その限りじゃない」

にちか「それでも、あの人は……自覚もない、背負うには重たすぎる罪を……正面から受け止めて、引き摺りながらでも前に進もうとしている。私たちの敵意を受けながらもひるまずに、私たちにぶつかっている」

摩美々「……」

にちか「失っている記憶に振り回されるって意味では田中さんと同じですよ。だけど、記憶に対してどう向き合うのかは大違いですよねー?」

摩美々「どうして、そんなことができるの……」

摩美々「自分の知らない記憶ってだけで……こんなにも怖いのに……どうして逃げずにいられるの」

にちか「そりゃあの人が誰よりも臆病だからじゃないですか」

摩美々「……はぁ?」

にちか「誰よりも臆病だからこそ、逃げることのリスクを知っている。あの人は一度、逃げたせいで全部を失ってますから」

摩美々「……そういうことー?」

にちか「田中さんは、どうしますか?」

摩美々「……なんか、にちかって生意気な駆け引きしかけてくるんだねー」

にちか「田中さんほどじゃないですけど」

摩美々「ふふー、いいよ。乗ったげるー、田中摩美々がここで消えちゃうんじゃ、にちかにもルカにも鼻を明かせないもんねー」



【摩美々「田中摩美々、新装開店と行きますかー」】



千雪「こうしてみんなにまた逢うことができたのに……全員が生きて帰る道がない、なんて」

千雪「いたずらなものね、運命って」

千雪「……ルカちゃん、こうしてあなたにもう一度会えて、嬉しい。だけど……もう一度お別れしなくちゃいけないだなんて、すごくつらい」

千雪「その別れがどっちであれ……ね」


【千雪「ごめんなさい、だから……」】決戦!


-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×6.5

ケイケン
【緋田美琴のケイケン】
【田中摩美々のケイケン】
【園田智代子のケイケン】
【和泉愛依のケイケン】
【小宮果穂のケイケン】


千雪「裏切り者は、私の方よね」

千雪「甘奈ちゃんの事件、真実を全部一人で隠してしまった」

千雪「私が守らなきゃって、みんなに相談もせずにね」

千雪「卒業を選べば、みんなと向き合う時間がとれる」

千雪「みんなに、【自分の言葉で謝ることができる】」

千雪「私だって……死にたくないもの」

千雪「みんなに自分の言葉でちゃんと謝らないと」

千雪「死のうにも死ねないもの」


(千雪のやつ、田中摩美々に殺された側だと言うのに変に罪悪感を持ってやがるんだな。本当にお人好しがすぎる)

(あいつに必要なのは謝罪でも贖罪でもない、第三者による赦しだ)

(283の他の連中が恨んでなんかいないこと、犯した過ちを否定せずに受け入れて、認めてくれることをあいつに教えてやるか……)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【発言力:♡×9→8】

千雪「私は謝りたいの、自分の犯した過ちを……信じてあげられなかった、不義理を」

千雪「だから、生き返ることができるなら……」

(確かに和泉愛依は誰でも許すだけの器を持っている……だけど、あいつはこの島の暮らしの中でその器量を見せることもなく殺されてしまった)

(千雪に見せてやるべきなのは……島の全員を巻き込んで、他の連中の素顔を引きずり出すまでの大謝罪を決めたあいつの姿かもな)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×8
集中力:☆×6.5

ケイケン
【田中摩美々のケイケン】
【小宮果穂のケイケン】


千雪「裏切り者は、私の方よね」

千雪「甘奈ちゃんの事件、真実を全部一人で隠してしまった」

千雪「私が守らなきゃって、みんなに相談もせずにね」

千雪「卒業を選べば、みんなと向き合う時間がとれる」

千雪「みんなに、【自分の言葉で謝ることができる】」

千雪「私だって……死にたくないもの」

千雪「みんなに自分の言葉でちゃんと謝らないと」

千雪「死のうにも死ねないもの」


(千雪のやつ、田中摩美々に殺された側だと言うのに変に罪悪感を持ってやがるんだな。本当にお人好しがすぎる)

(あいつに必要なのは謝罪でも贖罪でもない、第三者による赦しだ)

(283の他の連中が恨んでなんかいないこと、犯した過ちを否定せずに受け入れて、認めてくれることをあいつに教えてやるか……)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


ルカ「ぶった切る!」

【SLASH!】

ルカ「千雪、オマエは私に教えてくれたよな。他の誰かを頼ること、他の誰かを信じること。おかげで私はあの時から変わることができた、今この瞬間まで生き延びることができた」

ルカ「誰かを信じる、なんてオマエがいなけりゃ今後一生いできちゃいなかったろうぜ」

千雪「ううん、大事なのはルカちゃん自身でその一歩を踏み出したこと。私は背中を押しただけよ」

ルカ「ああ、だからよ……ずっとオマエにはかけるべき言葉があって、それを言い損ねたことを後悔してたんだ」

千雪「ルカちゃん……」

ルカ「言わせてもらうぜ」



ルカ「舐めるのもいい加減にしろよ」



千雪「……え?」



≪果穂「えっと……二人をころしたのは、おぼえて……いや、わすれられるはずもなくて……でも、どうやってころしたとかは……あんまり……」

果穂「でも……おぼえてなくても、あたしがやったことには変わりないんです。きのうの夜のあたしが……ぜんぶぜんぶ、悪いんです……!」

果穂「……ごめんなさい! あたし、あたし……どれだけあやまっても足りない、罪をおかしてしまいました」

果穂「ゆるしてもらえなくていい……それでも、ごめんなさいだけは言わせてください!」

果穂「ほんとうに、ごめんなさい……!!」

冬優子「……果穂ちゃん、ごめんね。どれだけ謝られてもふゆは許してあげられそうにない」

果穂「……ふゆさん」

冬優子「愛依と過ごした時間、結華にかけた言葉……全部全部、ふゆにとっての宝物だったから。どんな理由があっても、それを奪った果穂ちゃんは許せない、許しちゃいけないって思うの」

果穂「はい……」

冬優子「……でもね」

果穂「え……」

冬優子「ふゆ、果穂ちゃんと一緒に過ごした時間も……宝物だと思ってるんだ」≫


ルカ「何が人を信じるだよ、何が人を好きになるだよ。ちゃんと自分がやってから人に指図しろ」

ルカ「自分が口を閉ざしてしまえば、解決すると思った。その時の裏切りを謝りたい、そのために生き永らえたい。オマエの心掛けはご立派だよ、殊勝なこった」

ルカ「だけどな、そうじゃねえだろ……オマエたち283プロの人間ってのは。理屈とか抜きにして、贖罪とか、そんなのがなきゃ和解できない関係性かよ……」

ルカ「小宮果穂ってのはすごいやつだよな。あんなに小さな体なのに、臆せずに自分の犯した罪に向き合うことができて、心からの謝罪ができる」

ルカ「だから周りの連中だって、あいつを赦すことができる。別にあいつが幼いってだけの理由には終始しない、あいつの態度が、姿勢が、誠心誠意の謝罪が、私たちに認めさせるには十分すぎるんだよ」

ルカ「千雪……オマエがすべきなのは、それと同じじゃないのか? 心から謝って、その一歩を踏み出すこと」

ルカ「そのための時間が必要なのは確かだ。それは分かる。だけど、だからって『卒業』でその謝罪を先延ばしにしていたら、誠心誠意の謝罪をするための自分を喪ってしまうだろ」

千雪「……」

ルカ「今のままのオマエ、今の桑山千雪で謝罪することに意味があるんじゃねえのか……!」

千雪「本当、見違えちゃったな。そうだよね……今やルカちゃんの方が私よりも多くの時間、この島で過ごしてるんだもの」

千雪「私の知らないみんなの苦しみも知ってるんだもんね。みんながその苦しみをどうやって乗り越えたのかも」

千雪「……だったら、お姉さんの私が逃げてちゃダメだよね」



【千雪「ありがとう、ルカちゃん。おかげで私も勇気が持てそう。今のままでこの辛い現実に向き合う、そのための勇気が」】



夏葉「最後の最後まで、闘い抜いた。そのことは私自身も認める、悔いのない死に際だった」

夏葉「でも、だからこそ……この蘇りは何? 私が命を賭して守ろうとしたことは何の意味もなかったの?」

夏葉「勿論死者なんて誰もいないのが一番……だけど」

夏葉「この予定調和の生き死にには、辟易としてしまうの……」


【夏葉「命というカードの意味は___」】決戦!


(有栖川さんはこのコロシアイの中でも仲間を助けるために誇り高く命を燃やし尽くした)

(だからこそ、この今の状況に落胆を隠し得ない)

(自分の命を賭けるという行為、それを嘲笑うような結末が待っていたからだ)

(今の有栖川さんには……報いが必要なんだ)

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】

■■■のケイケンが夏葉の闘いの意味を証明する

【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】

1文字目 1~33
2文字目 34~66
3文字目 67~99

↓1~6


【コンマ14 44 61 67】

カンカンカンカン……

【発掘完了!!】

【規定回数より少ない回数で掘り当てたのでボーナスが発生します!】

【ぞろ目ボーナス発生!】

【モノクマメダル4枚を獲得しました!】

__________________

浅倉透のケイケンが夏葉の闘いの意味を証明する
__________________

にちか「斬っちゃいますねー!」

【SLASH‼︎】

にちか「有栖川さんが最期の最期まで、他の誰かのために命を燃やし尽くしたこと……皆さんは知ってます。無駄になってなんかいないですよ!」

夏葉「ええ、ありがとうにちか。何も私も自分の行いが徒労に終わったとは思ってはいないわ」

夏葉「でも……積み上げたものが簡単に他の誰かの手で崩されるほどやるせないこともないの」

にちか「有栖川さん……それも、違うんですって。夏葉さんが命をかけて守り抜いてくれたからこそ、今の私たちがあるんです……!」


≪美琴「……なんで、あなたが」

夏葉「間一髪、ね。体に改造を受けていて助かったわ。いくら鍛えていても、本来の肉体ならナイフの前には無力だったもの」

夏葉「美琴……少し冷静になりましょう。透の今の話……たしかに鵜呑みにできるものではないけれど、はなから否定して殺意衝動に変えてしまうのは早まった決断よ」

夏葉「にちかの遺志を尊重したい。あなたのその気持ちは痛いほどに理解できる。ただ……あなたの中でその形は少し歪んでいないかしら。にちかはあなたに手を汚させることを良しとしないと思うの」

美琴「……ッ!」

ルカ「あっ! おい、美琴……!」

透「……あのさ」

透「今、言ってもしゃーないかもだけど。コピーだとしても、浅倉透の偽物だとしても、味方だってのは変わんない」

透「モノクマの仲間なんかじゃない。信じて欲しいんだ」≫


にちか「美琴さんの凶行を身を挺して守ってくれたじゃないですか……おかげで浅倉さんは一度も死ぬこともなく今も生き続けている」

にちか「浅倉さんは私たちの中で唯一のAI……私たちがこうして生き返ったとしても、プレイヤー扱いでない浅倉さんは見過ごされていた可能性もあった。それを防ぐことができたのは有栖川さんのおかげなんです」

夏葉「……」

にちか「今や浅倉さんは未来機関の側に立つ、私たちにとっての希望なんですよ! それを今に繋いだのは有栖川さんなんです!」

夏葉「……ありがとう、にちか」

夏葉「私らしからぬ姿を見せてしまったわね。迷い、弱み、そうしたものは見せないように努めていたのに……まだまだ修養が足りないということかしら」



【夏葉「でも、おかげで吹っ切れることができたわ。自分の行動信念にもう迷いはない。私は私の、有栖川夏葉の道を邁進するわ!」】




冬優子「……こうも『まさか』が続くなんて、思いもしなかったわ」

冬優子「『まさか』生き返るとは、『まさか』あいつらと再会することになるとは」

冬優子「そして、『まさか』あんたともう一度戦うことになるとは」

冬優子「……ルカ、あんたとは既に絶交をした身なわけだし、遠慮なんてしないから」

冬優子「ふゆは一歩も譲る気はないのよ」


【冬優子「最後に笑うのはふゆなんだから」】決戦!


(……やっぱり、冬優子の説得は他の連中のようにはいかない。冬優子の性分からして、誰かに説き伏せられるなんてことはない)

(正面からぶつかって、納得させない限りは……終われない!)

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×8
集中力:☆×7

ケイケン
【市川雛菜のケイケン】
【三峰結華のケイケン】
【月岡恋鐘のケイケン】
【緋田美琴のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】


冬優子「時計の針は戻らない」

冬優子「そんなことは分かってる、分かってた」

冬優子「でも現に、針は戻ってしまった」

冬優子「死は消え失せ、生が蘇った」

冬優子「だとすれば、それに甘えたくなるのが人間ってものよ」

冬優子「あの時にできなかったことを、今なら取り返せる」

冬優子「ふゆ自身の手で、書き換えられる」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「後悔だなんてらしくないんじゃねーのか」

ルカ「オマエは自分の選んだ道に迷いなんかない、そんなタイプだと思ってたよ」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

冬優子「知ったような口きいてんじゃないわよ」

冬優子「あんたもご存じの通り、ふゆは相当めんどくさい性格をしてんの」

冬優子「死の間際になってようやっと、愛着が曝け出せるぐらいにね」

冬優子「愛依、あさひ……【二人にもっと素直な感情を向けてあげればよかった】」

冬優子「もっとかけてあげられる愛情があった」

冬優子「もう一度向き合うチャンスが与えられるというのなら……」

冬優子「ふゆは生きて帰る道を選ぶのよ」


(くっだらねえ……二人にいまさらそんな後悔しても仕方ないだろ)

(それに、その取りこぼしを拾うのに『卒業』なんて方法が正しいはずがない……!)

(冬優子の言う素直な感情、『愛情』……その一端になら、私も触れた)

(その正しい在り方を……私の、あいつとのケイケンで教えてやる……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【発言力:♡×8→7】

冬優子「市川雛菜がやってたことは妄信に近い」

冬優子「ふゆのあいつらとの関わり方とは違うのよ……残念ながらね」

冬優子「同じユニットだからって、赤裸々に語れるほどにふゆはお気楽でも……素直ないい子でもなかったから」

(……冬優子のしている後悔は、ユニットの仲間に向けるべき感情をその時が来るまでずっと表現できずにいたこと)

(あいつだって……その後悔はしてくれた。この島の暮らしで、私はそれを目撃したし、自分自身でも経験したんだ……)

【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】

【コトダマの数が減少した!】

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×7
集中力:☆×7

ケイケン
【緋田美琴のケイケン】
【芹沢あさひのケイケン】


冬優子「時計の針は戻らない」

冬優子「そんなことは分かってる、分かってた」

冬優子「でも現に、針は戻ってしまった」

冬優子「死は消え失せ、生が蘇った」

冬優子「だとすれば、それに甘えたくなるのが人間ってものよ」

冬優子「あの時にできなかったことを、今なら取り返せる」

冬優子「ふゆ自身の手で、書き換えられる」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「後悔だなんてらしくないんじゃねーのか」

ルカ「オマエは自分の選んだ道に迷いなんかない、そんなタイプだと思ってたよ」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

冬優子「知ったような口きいてんじゃないわよ」

冬優子「あんたもご存じの通り、ふゆは相当めんどくさい性格をしてんの」

冬優子「死の間際になってようやっと、愛着が曝け出せるぐらいにね」

冬優子「愛依、あさひ……【二人にもっと素直な感情を向けてあげればよかった】」

冬優子「もっとかけてあげられる愛情があった」

冬優子「もう一度向き合うチャンスが与えられるというのなら……」

冬優子「ふゆは生きて帰る道を選ぶのよ」


(くっだらねえ……二人にいまさらそんな後悔しても仕方ないだろ)

(それに、その取りこぼしを拾うのに『卒業』なんて方法が正しいはずがない……!)

(冬優子の言う素直な感情、『愛情』……その一端になら、私も触れた)

(その正しい在り方を……私の、あいつとのケイケンで教えてやる……!)


【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【コンマ51+15→66】

【発言力:♡×7→6】

冬優子「……っ! そんなんじゃ、ふゆは靡かない……!」

冬優子「かかって来なさいよ、ふゆは逃げない……今度こそ、ふゆがあんたの上に立ってやるんだから!」

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【コンマ13+15→28】

【発言力:♡×6→5】

冬優子「……っ! そんなんじゃ、ふゆは靡かない……!」

冬優子「かかって来なさいよ、ふゆは逃げない……今度こそ、ふゆがあんたの上に立ってやるんだから!」

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【コンマ53+15→68】

【発言力:♡×5→4】

冬優子「……っ! そんなんじゃ、ふゆは靡かない……!」

冬優子「かかって来なさいよ、ふゆは逃げない……今度こそ、ふゆがあんたの上に立ってやるんだから!」

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【コンマ95】

ルカ「この刃は折れない!」

【SLASH!!】

ルカ「はぁ……やだね、いい歳してウジウジ後悔なんて。惨めなもんだね」

冬優子「あんたは知らないのよ。長く時間をかけて、共に過ごした存在を遺して逝くことの苦しみを。その瞬間にこみあげる、取りこぼした選択肢の走馬灯を」

ルカ「……確かにな。今の“斑鳩ルカ”にはそんな存在はいない」

ルカ「でも、今までの“斑鳩ルカ”には、確かにいた。私は……そいつを遺して離れることの苦しみなら痛いほどに知ってるさ」

冬優子「……!」


≪美琴「ルカには……ルカには関係ないでしょ……!!」

ルカ「関係ないワケねーだろ! 美琴は、なんでいっつも自分のことばっかり……!」

美琴「知らない、知らない……! ルカなんか、ルカなんか……!」

ルカ「違うんだよ……美琴……! 私が美琴に見てほしいのは……【美琴を見てる、私】なんだよ……!」

美琴「……ッ!」

ルカ「どうして、一人だって思いこんじまうんだよ……美琴……!」

ルカ「私じゃ、ダメなのかよ……!」

美琴「……」

ルカ「美琴……お前の夢を、また一緒に追わせてくれよ……!」

ルカ「美琴……」

美琴「ルカ……立てる?」

ルカ「ハッ……!」≫


ルカ「きっと、そいつは私と同じだけの、いやもしかするとそれ以上のものを感じてくれたはずだ。この島に来てから再び交流するようになって、心を通わして、そしてまたぶつかって、別離した。そのたびに私の心は揺れ動いて、網膜には光景が焼き付いた」

ルカ「だって、あいつが私にベクトルを向けてくれたのなんて……いつ振りだから」

冬優子「あんた……」

ルカ「……すれ違いは痛いほどに理解はできる。それが取り返せるチャンス、時間がもう一度もらえるなら縋りたくなる感情も、察して余りある」

ルカ「でも、それを『卒業』というかたちで満たすことはできるのか? 自分以外の誰かの言葉が混ざった言葉で、愛情を表現できるのか?」

ルカ「……私は、自分自身でちゃんと向き合える道を探したほうが健全だってそう思う」

冬優子「……」

冬優子「……ホント、あんたって時々聞いててこっちが恥ずかしくなるようなこと言うときあるわよね」

ルカ「……うるせえよ」

冬優子「……ありがと、あんたに私の葛藤は全部代弁されちゃったわ。流石同類さんなだけある」



【冬優子「さ、気張りなさい! あいつはふゆなんか目じゃないぐらいにめんどくさいガキよ! あいつも説得すんのなら、覚悟しておくことね!」】



恋鐘「……うちはどっちでもよかよ」

恋鐘「『卒業』も『留年』も選ぶ権利なんてなか」

恋鐘「みんなを欺いて、殺して、それをなかったことにして生き残るなんて」

恋鐘「うちはそげん生き方は耐えられんたい」


【恋鐘「うちだけは許されるにはいかんとよ」】決戦!


(……こいつは、月岡恋鐘だけは私が救わなきゃダメだ)

(月岡恋鐘に罪を背負わせたのは、その胸に癒えぬ傷を刻んだのは、その顔から笑顔を奪ったのは……私)

(私が始めなければ、こいつは今だってこれまで通り仲間達と笑顔を並べることができていた)

(私は平常を奪い去った責任を果たさなくてはいけない……絶対に)

(月岡恋鐘に背負わせたものを、今度は私が背負こむ番だ……!)

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】

恋鐘「もう一緒にはおれん」【防御力70】
恋鐘「うちが全部悪い……!」【防御力75】
恋鐘「自分のことが憎かよ」【防御力80】
恋鐘「これが、絶望……」【防御力85】
恋鐘「うちは……うちだけは……」【防御力90】


【盾の防御力をコンマで削り切れ!】


・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1~5


【コンマ53 00 41 42 75】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15されます】

【最終コンマ 68 115 56 57 90】

【発言力:♡×4→3】

恋鐘「うちは生きる権利も、死ぬ権利もない」

恋鐘「うちが何かを選ぶなんて、やっちゃいかんたい……」

(まだだ、こいつを救えるのは私だけなんだ……!)

(絶対に、逃げてたまるか……!)

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト開始!】

恋鐘「もう一緒にはおれん」【防御力2】
恋鐘「うちが全部悪い……!」【BREAK!】
恋鐘「自分のことが憎かよ」【防御力24】
恋鐘「これが、絶望……」【防御力28】
恋鐘「うちは……うちだけは……」【BREAK!】


【盾の防御力をコンマで削り切れ!】


・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1~3

-------------------------------------------------

【コンマ70 28 87】

ルカ「違う、オマエじゃない……!」

【ALL BREAK!】


【恋鐘「うちがみんなを殺した……うちはみんなを裏切った……! みんなと一緒にいるなんて、もう許されんばい……!」】


お/ね/き/か/が/こ/つ


【正しいケイケンを持つ者の名前に並べ替えろ!】

↓1

-------------------------------------------------
月岡恋鐘
-------------------------------------------------

ルカ「これでも食らいやがれ!」

【SLASH!】

ルカ「……違う、違うんだよ! それ以上オマエが背負い込む必要なんてない」

ルカ「今回のコロシアイの黒幕、確かにその役割はオマエが担っていた。だけどそれは私が無理矢理に背負わせたものだろ! オマエが責任を感じる必要なんてない!」

恋鐘「そげんこつ言われても、うちが納得できんとよ」

恋鐘「うち自身が望んでやったことじゃなくても、うちの体でもたらされた事態であることには変わりなかもん。うちの体にその罪が刻まれていることは否定できんたい」

恋鐘「知らなかった、気づかなかったで許される犯罪なんて存在せんばい」

ルカ「……随分とご立派な責任感だな。だけどな、オマエがそうやって背追い込めば……私の立つ瀬がないんだよ」

恋鐘「そいでよか。ルカもうちも……許されるべきじゃなかもん」

ルカ「ああ、オマエのいう通りだ。私は絶対に許されるべきではない。恨まれ、憎まれ、咎められなくちゃならない」


ルカ「でも、オマエは違う。オマエはもう、散々自分の罪に向き合ったはずだ。自分でなくなってしまった自分に悶え苦しんだはずだ」

ルカ「江ノ島盾子という人格を引き受けたオマエを、月岡恋鐘を恨む人間なんていないだろ……!」

恋鐘「……ルカがそう言ったところで、うちは納得せんよ」

ルカ「オマエがそこまで強情ならこっちにだって考えがある。こっちだって譲らないさ、オマエが罪を背負い込もうとする限り、私がそれを奪い取る。オマエが背負おうとする罪の全部を、私が代わりに背負いこんでやる」

ルカ「全ての元凶、なんだからな」

恋鐘「……ふふ、強情なのはお互い様ばい。ルカも一歩も譲らんね」

恋鐘「そいだけ優しくて強かルカとなら……うちも、向き合えるかもしれん。自分の持っとる、誰にも許されん、許されるわけにはいかん大きな罰と」

恋鐘「やけん、一緒に来てくれんね? ルカ」

ルカ「おう、それも私の責任だからな」

恋鐘「言ったばい?! もう取り消せんからね! こうなったら地獄の果てまで、うちと一緒にランデブーばい!」



【恋鐘「みんなを救って、自分の罪にもちゃんと向き合う! そいがうちにとっての禊になるとよ!」】




智代子「うん……ルカちゃんからすれば、『卒業』は選びたくないよね。そりゃ誰だって、死にたくはないもんね」

智代子「……でもね、ルカちゃんを守るために『卒業』を捨てれば、私たちはまた沢山のものを失ってしまう」

智代子「ルカちゃんは……一度私たちから全部を奪ってるんだよ」

智代子「……もう一度、私たちからとりあげちゃうのかな」


【智代子「背水の陣、だよ」】決戦!


(ルカさんがやろうとしていることは……本当に略奪なのかな)

(『卒業』は確かに全員生存のわかりやすい答え。それだけ見れば、阻止しようとするルカさんは異様だ)

(でも……私に食ってかかったルカさんが……嘘だとは思えない)

(証明しよう、私たちが歩むべき道がそこにあることを……)

-------------------------------------------------

【舌戦シュートアウト開始!】


ち/わ/き/く/ゆ/ま/や


【正しいケイケンを持つ者の名前に並べ替えろ!】

↓1


にちか「一刀両断ですからー!」

【SLASH‼︎】

にちか「そりゃみんな生き返って帰れるって話になって、それがダメだなんて言われたら私だって『はぁ?』ですし、実際思いましたよ」

智代子「……にちかちゃん」

にちか「ルカさんが本当に、私たちから奪い取るだけの考えなら私も今だって一緒に武器を取って戦ったりなんかしてません」

智代子「……!」


≪千雪「……やっと……着い……た……」

千雪「……はぁ……はぁ……」

千雪「……これで……あなたは……クロじゃ……なくなる……」

千雪「……はぁ……はぁ……」

千雪「ばいばい……みんな……!」≫



にちか「千雪さんの事件、園田さんは裁判の場にいましたよね。最後の最後まで、千雪さんは殺した殺されたではない別の結末を呼び込もうとした。自分が刺されてなお、犯人のことを救おうとしていたんです」

にちか「ルカさんは今、それと同じことをしている。『卒業』を否定してるだけじゃない、別の解答を追求しているんです。与えられた二択だけじゃない、自分だけの一択を導き出そうともがいているんですよ」

智代子「自分だけの……一択」

にちか「私だって、今は同じ考えです。全員が生き残ろう代わりに人格を受け入れるのを妥協しろ、だなんて要求に屈するのは癪ですし」

にちか「ここまで来たら、あの天井社長に吠え面かかせたくないですー?」

智代子「……ぷっ」

智代子「あはは、吠え面だなんて……にちかちゃんは言うことが違うなぁ……」

にちか「そうです?」

智代子「にちかちゃんの言う通りだよ。ルカちゃんはああみえて諦めが悪くて、最後の最後まで納得のできる答えを探す人」

智代子「それが、この島の暮らしの中で見てきたルカちゃんなんだよね」

智代子「……かつてのルカちゃんを許すことはできない。でも、今のルカちゃんは話が別。決めた! 私もルカちゃんたちと一緒に戦う!」



【智代子「最後の最後まで、チョコアイドルたっぷりでお届けします!」】




あさひ「……もう、いいっすよ」

あさひ「なんか、疲れちゃったっす。わたしは全部が知りたくて、この裁判に挑んでたっす」

あさひ「この世界の真実、コロシアイの黒幕、すべての目的」

あさひ「でも、全部わたしの知りたい答えじゃなかった」

あさひ「知れば知るほどに、嫌な気持ちになったっす」

あさひ「……もう、いいんっすよ」


【あさひ「キラキラも、見えないっすから」】決戦!


(……こいつにこんな死んだ目をさせてしまっているのは、ほかでもない私だ)

(せっかく寄せられていた信頼をすべて踏み倒すような真相の数々……好奇心の強いこいつからすればその回答毎に落胆が押し寄せたんだろう)

(……冬優子にはこいつの世話を託された)

(それはきっと、身柄の無事だけじゃない。芹沢あさひという人間の持つ輝きを曇らせない、それを望まれてのことだったはずだ)

(取り返すしかない……こいつの持っていたあの眩いばかりの輝きを)

-------------------------------------------------

【真・舌戦シュートアウト開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×7

ケイケン
【和泉愛依のケイケン】
【七草にちかのケイケン】
【田中摩美々のケイケン】
【小宮果穂のケイケン】
【風野灯織のケイケン】

あさひ「今までは知らないことに出逢うのは楽しかったっす」

あさひ「解き明かすたびに、ワクワクが増えるし」

あさひ「もっと知りたい、もっと見てみたい」

あさひ「もっと色んな世界に出逢いたいってそう思わせてくれたっす」

あさひ「……でも、今日の裁判は違ったっす」

あさひ「知れば知るほどに……なんだかモヤモヤするっす」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「オマエにそんな思いをさせてるのは、私だ」

ルカ「過去の私が遺したものがオマエに影を落としているのは分かる」

ルカ「でも……だからって……オマエ自身がオマエをしばりつける必要はないんだ……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

あさひ「……わたし、283プロのみんなが、ルカさんが大好きなんっすよ」

あさひ「だから……そんな大好きな人のことを憎んだりしたくない」

あさひ「こんな気持ちの事、知りたくなかったっす」

あさひ「これからも裁判を続けて、別なことを知ってしまうくらいなんだったら」

あさひ「裁判はさっさと終わっちゃった方がいいっす」

あさひ「もうこれ以上、【何も知りたくない】っすよ」


(まさかこいつの口から知りたくない、なんて言葉が出てくるとはな)

(……そんなことを言わせてしまったのは私の責任)

(なんとしても、知りたいという気持ちを……芹沢あさひのアイデンティティを思い出させてやらないと……!)


【すさまじい失意を感じる……! 発言力に受けるダメージがいつもより大きくなりそうだ……!】

【相手のウィークポイントに有効なケイケンをコンマ90以上で突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)
3.アイテムを使う
アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【発言力:♡×3→1】

あさひ「……」

あさひ「……なんで、まだルカさんは戦うんっすか?」

【正当の選択肢となったのでコンマの判定に移ります】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【高級ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×3

↓1


【高級ヒーリングタルトを使用しました】

【優しく上品な甘みが全身を包む……!】

【発言力:♡×1→12】

【コンマ27+15→41】


【発言力:♡×12→10】


あさひ「……」

あさひ「……なんで、まだルカさんは戦うんっすか?」


【すさまじい失意を感じる……! 発言力に受けるダメージがいつもより大きくなりそうだ……!】

【コンマ90以上でケイケンを突き付けろ!】

・アイテムを使う
【プロデュース手帳】×3

↓1


【プロデュース手帳を使用しました】

【彼がアイドルたちと紡いできた日々が蘇る……】

【過去の記憶は裏切らない、確かな思い出の数々が行くべき道を指し示してくれた……!】

-------------------------------------------------

ルカ「この一閃で導いてみせる!」

【SLASH!!】

ルカ「ハッ、らしくないね。あさひ。あんたはいつだってどうでもいいようなことに目を輝かせて飛びついたりするもんじゃなかった?」

あさひ「だって、これ以上知ったところでわたしは嬉しくないっす。ルカさんが裏切り者だなんて、ルカさんがわたしたちをコロシアイに嵌めたなんて、知りたくなかったっす」

あさひ「これ以上、知るのが怖いっす……」

ルカ「知るのが怖い……か。でもそれと同じくらい、『知らない』ことも怖いだろ?」

あさひ「……え?」


≪摩美々「摩美々は……怖かったんですよ、あの事件の続きを知ることが」

摩美々「だって、甘奈は正常じゃなかった。みんなを殺さないとダメ、だなんて私の知る甘奈じゃなくて……その結果、実際……甜花を手にかけた」

摩美々「その先に待っている結末なんて、分かり切ってるじゃん」

摩美々「でも、だからこそ、それを知る人間さえ消してしまえばそれはあくまで予測で済む、確定はしない」

摩美々「摩美々は……霧子の死を、知りたくなかったんですよ……」≫


ルカ「田中摩美々を凶行に走らせたのは『知らない』ことだったはずだ。ゲームで再現された事件では何が起きていてどんな結末があったのか、それを知りたくて知りたくて、その一心で起こした犯行だった」

ルカ「もちろん、あいつの獲った行動が正しいとは言えない。千雪の命を奪った残虐な行為は、罰されて然るものだった。……私が言えた義理じゃないけど」

ルカ「でも、あいつが証明したように、知りたいという欲求は人の根源的な行動原理になりうる代物なんだ。好奇心は猫を殺す、しかし人を活かす。それを失っている今のオマエを見るのはつらいんだよ」

あさひ「……わたしが知ろうとすれば、わたし以外の人もみんなが傷ついちゃうんっすよ」

ルカ「どうしてオマエは知りもしない結末で、そう決めつけるんだ?」

あさひ「……!」

ルカ「前に冬優子が言ってた。あさひの行動はまるで読めないし、周りの迷惑なんか気にもしてない。それでも、あさひの持ってくる結末は他の人間にとっても利益になる、よい結末なことが多い。だから憎もうにも憎み切れないのが鬱陶しいってな」

ルカ「どんな結末が待ってたっていいさ。あさひがいつもみたいに私たちを引きずり回さない物足りなさに比べりゃ、なんでもな」

あさひ「……いいんっすか? また、わたしが知りたいことを、勝手に調べ回って、解き明かしても」

ルカ「ああ、好きにしな。黒幕様からのお墨付きだぞ」

あさひ「……あははっ」

あさひ「そうっすね、わたし知りたいっす。この島でわたしたちがどんな結末を迎えるのか……わたしたちが本当の希望を見つけることができるのか!」



【あさひ「だから、もうちょっと付き合ってほしいっすよ……みんな!」】



ルカ「……ふぅ、無駄に人数がいるから手間がかかるな」

にちか「説得するにも一苦労ですね……まあ、このぐらいじゃ全然息も上がらない、ウォーミングアップ未満ですけど」

ルカ「勝手に言ってろ。乗らねえよ」

にちか「ノリ悪いですねルカさん、そんなのだからバラエティの仕事が来ないんですよ」

ルカ「……そんな余裕がある局面かよ」

にちか「……ですねー」

ルカ「私たちはあいつに何度も振り落とされてきた。だけど、今度ばかりは振り落とされちゃダメだ」

ルカ「絶対に、私たちの感情を……この経験を届けるぞ……にちか」

にちか「……指図しないでくださいよ、鬱陶しいなぁ!」

ルカ「ハッ……!」


【美琴「私はステージから降りたくない」】決戦!

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト・真打 開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×7

ケイケン
【斑鳩ルカのケイケン】
【七草にちかのケイケン】
【緋田美琴のケイケン】


美琴「生きる理由はなくても、死ねない理由ならあるの」

美琴「私はやっぱり、アイドルでいたい」

美琴「歌とかダンスとか、パフォーマンスで人々を感動させる存在でいたい」

美琴「まだまだなんだ……私は耀きを生み出せていない」

美琴「ステージの下、奈落の底。まだそこから出れていない」

美琴「ここから這い出すことができるのなら」

美琴「もう一度ステージに立つことができるのなら」

美琴「私はこんな底で死ぬわけにはいかない」

美琴「死ぬときは、スポットライトの下で死にたいの」

美琴「その【邪魔をする】のなら」

美琴「私は誰だって殺すから」


【かつてないほどの気迫だ……! 正面からぶつかれば、発言力に甚大なダメージは免れないだろう……!】

【相手のウィークポイントに有効なケイケンを突き付けろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ケイケンの候補を減らす)

↓1


美琴「私はアイドルになりたい……アイドルでいたい」

美琴「アイドルとしてパフォーマンスができるのなら、他に何もいらない」

美琴「何を犠牲にしたって、いいって本気でそう思っているから」

美琴「屍の上でもステージがあるのなら」


美琴「降りる気はないの」


【発言力:♡×10→0】

【GAME OVER】



【凄まじい気迫の拒絶にかき消されてしまう】


【彼女には、誰のどんな想いのケイケンも届かないのかもしれない……】


【彼女はあまりにも慣れてしまったから】


【誰かを、何かを失うことに慣れてしまったから】


【犠牲を生みながら、脚を引きずりながら歩むことに慣れてしまったから】


【他の誰かの声に耳を閉ざすことに慣れてしまったから】


【もはや、手遅れなのかもしれない】







【それでも】







【彼女を救いたいと思うものは一人ではない】


【何度犠牲にされても 何度ステージから降ろされても】


【図々しく 勇猛果敢に】


【何度でも 何度でも】


【彼女たちは叫び続ける】


【叫び続ける声はいつしか重なり合い】



【そして、歌となる】



【発言力:♡×0→12】


(やっぱり……美琴は強い。この意志の強さはそう簡単なことでは動かせないだろう)

(美琴さんは誰よりもアイドルで、誰よりも美しい。誰よりも強く気高い存在だから)

(手段を選んでいたら、あっという間に食い殺される)


(やるしかない……)
(やるしかないんだ……)


(緋田美琴の、隣に立つ人間として……今ここで、最高のパフォーマンスを見せなくちゃ!)


【FORGING!!】

【斑鳩ルカのケイケン】【七草にちかのケイケン】
→【パートナーたちの想剣】
〔緋田美琴の隣に立つ存在として、『卒業』をみすみす許すわけにはいかない。同じステージから、同じ時間から、見てきたものを今ぶつけるとき……!〕

-------------------------------------------------
【舌戦シュートアウト・真打 開始!】

発言力:♡×12
集中力:☆×7

ケイケン
【パートナーたちの想剣】

美琴「生きる理由はなくても、死ねない理由ならあるの」

美琴「私はやっぱり、アイドルでいたい」

美琴「歌とかダンスとか、パフォーマンスで人々を感動させる存在でいたい」

美琴「まだまだなんだ……私は耀きを生み出せていない」

美琴「ステージの下、奈落の底。まだそこから出れていない」

美琴「ここから這い出すことができるのなら」

美琴「もう一度ステージに立つことができるのなら」

美琴「私はこんな底で死ぬわけにはいかない」

美琴「死ぬときは、スポットライトの下で死にたいの」

美琴「その【邪魔をする】のなら」

美琴「私は誰だって殺すから」


【かつてないほどの気迫だ……! 正面からぶつかれば、発言力に甚大なダメージは免れないだろう……!】

【相手のウィークポイントに有効な想いをぶつけろ!】


1.発言する(ケイケンと斬りつける先の発言を併せて指定安価)

↓1


ルカ「美琴!」
にちか「美琴さん!」

【SLASH!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!】

ルカ「ああ、私もそう思う。緋田美琴がこんな地の底で、衆目のない場所で死んでいいはずがない」

にちか「美琴さんはスパンコールの似合う方です。たくさんのファンから喝采を浴びて、羨望のまなざしを受けないと、餞としては割に合いません」

ルカ「美琴はもう一度……一度ならず、二度、三度……何度でも、ステージの上に立つべきだ。オマエの歌と踊りをもっと世界に知らしめるべきだ」

にちか「美琴さんはまだまだ羽搏ける……もっと広くて、もっと鮮やかな空の中を自由に飛んでいくべきだって、そう思います」


ルカ「でも」
にちか「でも」


ルカ「ステージに立つなら、緋田美琴じゃなきゃダメだ」

ルカ「自分の歌と踊りで感動を与えたい……昔から変わらないオマエの口癖だろ? なのに、妥協の卒業でこの島を出て……自分の物でない歌と踊りを披露することに何の意味があるんだよ」

ルカ「私が魅せられた美琴のパフォーマンスは、そんなものじゃない……!」


にちか「ステージに立つなら、美琴さんじゃなきゃダメです」

にちか「美琴さんのパフォーマンスがすごいのって技術があるからだけじゃないって思うんです。ステージにかける並みならぬ情熱、どこまでも満足することのない高いプロ意識」

にちか「他のお遊びアイドルなんか目じゃない気迫があるからこそ、みんな惹きつけられるんですよ……!」



ルカ「緋田美琴の横に立った者として」
にちか「美琴さんのパートナーとして」



「緋田美琴のパフォーマンスに妥協はさせない」



美琴「……私はステージの上に立てるなら、手段を選ぶつもりはないの」

美琴「どれだけの苦労をしようとも、どれだけの醜態を曝そうとも、ステージのためだったらなんだって捧げられる。この身も、この人生も」

美琴「だけど……捧げたもののせいで、悲しむ人がいるのなら。私のパフォーマンスが曇ってしまうのなら、それは望むものではないと思う」

美琴「ありがとう、そしてごめんね」

美琴「私、見失っていたんだね。最高のステージを生み出す上で重要なパーツを」



【美琴「緋田美琴という、かけがえのない舞台装置を」】



【COMPLETE!!】


お疲れさまでした。
これにて舌戦シュートアウト終了となります。
【卒業】とも【留年】とも違う選択への説得は無事成功となりました。
(なんとかPart.4内に収まってよかった……)

余談ですが、舌戦シュートアウトは全員のケイケンを使うように組んだので後半は消去法でも行けたりします
コトダマ選択方式じゃないミニゲームも多かったのでなんとも言えないですが…

次回更新は11/30(水)21:00からPart.5の方で進めていく予定です。
残りわずかとなりましたがぜひ最後までお付き合いください。
【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.5 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1669646236/)



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