【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 (279) 【現行スレ】

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※注意

・本作は「ダンガンロンパ」のコロシアイ学園生活をシャニマスのアイドルで行うSSです。
 その特性上アイドルがアイドルを殺す描写などが登場します。苦手な方はブラウザバックを推奨します。
・キャラ崩壊注意です。
・ダンガンロンパシリーズのネタバレを一部含みます。
・舞台は初代ダンガンロンパの希望ヶ峰学園となっております。マップ・校則も原則共有しております。
・越境会話の呼称などにミスが含まれる場合は指摘いただけると助かります。修正いたします。

以上のほどよろしくお願いいたします。
それでは開始します。

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_____はじまりは希望で満ちた、最高の幕開け。




澄み切った真水のような希望。
いつも通りの朝日に神々しさにも似た感動すら覚えるほどの希望。
その物語に、絶望が入り混じるなんて誰も思うはずもない、そんなすがすがしいまでの希望。

小学生が遠足に胸を弾ませるように、中学生が修学旅行にソワソワするように。
私たちはそのたびに、これまでにない期待を抱いていた。

果穂「合宿ー!合宿ー!」

あさひ「虫取り虫取りー!」

冬優子「あさひちゃーん?シートベルトはちゃんとしておこうねー?」

愛依「アッハハ!あさひちゃん、超エネルギッシュー!」

千雪「ふふっ、楽しみね」

(私たちはいま、283プロダクション所属の全ユニット合同での合宿イベントへ向かっている最中)

三峰「こがたんこがたん、こちらのお菓子はどうでしょう?」

恋鐘「油淋鶏味ポテトチップス?!こげんもんがあったと?!」

咲耶「おやおや……なにやら香ばしい香りがすると思ったら、お姫さまは一足先にブランチの時間かな?」

摩美々「ブランチにしてはがっつりすぎないー?」

霧子「ふふ……♪」

(私はイルミネーションスターズというユニットに所属するアイドル、風野灯織。アイドルとして活動を始めてしばらく経つが、まだ慣れていないことも多い……同じユニットの仲間に助けられて何とかここまでやってきた)

めぐる「真乃!灯織!見てみて!これ!近くの山で鮎を釣って塩焼きにできるんだって!」

真乃「ほわっ……!すごいね、楽しそう!」

灯織「うん、釣った魚をその場で食べるなんてやったことがないから楽しみだね」

(合宿先はとある廃校を新たにレクリエーション施設として再建したところらしい。かつては多くの学生が通ったこの場所も、人口移動の煽りを受けたのか閉校して数十年になるとか)

めぐる「楽しみだね!希望ヶ峰キャンプ場!」

灯織「うん、今回はノクチルのみんなもいるから……前よりもさらに賑やかになるね」

雛菜「透先輩と円香先輩お菓子いる~?」

透「……ぐが」

円香「……爆睡中。私もいらない」

小糸「と、透ちゃん……」

(私たちが283に来た時よりもメンバーも増え、合宿も賑やかになった。まだ完全に仲を深めているわけではないけど、ノクチルのみんなともやっていけるはず)

めぐる「この合宿で、事務所のみんなともーっと仲良くなれたらいいね!」

真乃「うんっ!そうだね、めぐるちゃん!」

灯織「私も……みんなともっと親交を深められたらな」

めぐる「灯織なら心配ないよ!」

この旅も何か実りを生む、素晴らしい旅になる。
そう感じさせるような小春日和だった。

夏葉「あら?もうすぐトンネルみたいね」

____バスはトンネルに突入する。

低圧ナトリウムランプの橙色の光がバスの車内を満たす。

それと同時だった。

(……あれ?)

歪む視界。目の前の座席はどんどんその渦へと吸い込まれていき、前後すらもわからなくなってくる。

(真乃……めぐる……?)

隣に目を向ける。

_____そこに座っていたはずの私の親友は、もうそこにいなかった。

(なん、で……?わた、し……一人……?)

思考すらままならないほどの眠気。
世界が溶けていくと同時に、私の意識もどんどん私の体を離れていき……そして……






_____暗転。




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PROLOGUE

わたしたちの絶望学園


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灯織「……あれ?」

(いつのまにか眠っていた……?バスの中で真乃とめぐると話してて……うーん……思い出せない)

(…………え?)

重たいまぶたを開けると広がっていた世界。そこはバスの中じゃない、フローリングの床が広大なスペースに敷き詰められた、屋根の形は楕円に似たドームのような建物。それを一言で表すなら『体育館』。気づけば私は『体育館』に寝そべっていた。

灯織「な、なんで?!」

(授業中に居眠りなんかもしないのに、寝てしまった……?)

はじめは私が自分の学校で居眠りをしてしまったのかと思った。
だけど体を起こしてみるとそうではない。
私の通う高校とは似ても似つかない……それに、

灯織「み、みんな……?!」

辺りを見渡してみると真乃やめぐるだけでなく、事務所のみんながあちらそちらで同じように寝そべっている。

(……明らかに異常事態!)

事態が飲み込めない私はひとまず片っ端から起こしていくことにした。

【イルミネーションスターズ】

(良かった、イルミネの2人も一緒だ)

灯織「真乃……めぐる……起きて、起きて……」

真乃「灯織ちゃん?ほわっ、ここ、どこだろう……」

灯織「ごめん、まだ私もまるで状況がわかってなくて……とりあえず2人の無事を確かめたくて……」

彼女は櫻木真乃。私の所属するユニット『イルミネーションスターズ』のセンター。
柔和な雰囲気のある彼女だけど、芯はしっかりとしていて、実直な女の子。
私がここまで来れたのも彼女のおかげ。かけがえのない友達だ。

めぐる「……んん〜?……ふわぁ…あれ、灯織?」

灯織「めぐる、おはよう。大丈夫?怪我とかは……」

めぐる「ん……?うん!特には大丈夫だよ!ありがとう!」

彼女は八宮めぐる。事務所内で一番付き合いも長く、信頼も厚い親友。
とっても社交的で、事務所のムードメーカー的な役割もこなす、太陽みたいな女の子。

めぐる「……わわっ!?どうなってるの?どこ!?」

真乃「さっきまでバスに乗ってたはずだよね……?」

灯織「うん、私も今気が付いたばかりで……何があったのかサッパリ……」

めぐる「ん~……?ねえ、灯織……あのマーク、見覚えない?」

めぐるが指さしたのは体育館の檀上。その垂れ幕だ。
盾を模したように見えるそのエムブレムには確かに見覚えがある……

真乃「ほわぁ……バスの中で一緒に見た、希望ヶ峰学園の校章じゃないかな……?」

灯織「……あっ!」

確かにそうだ。三人で一緒に見ていたあのパンフレット。
その中心にでかでかと据えられていたマークと瓜二つ。ということは……

灯織「ここは希望ヶ峰学園……?」

めぐる「うん、多分そうなんじゃないかな?見たところ、ここも学校の体育館って感じだし!」

真乃「うん、きっとそうだよっ!……でも、なんでだろう、着いた時の記憶がないよ……」

真乃の言うとおり、なぜだか記憶がすっぽりと抜け落ちているような……
最後に見たのはあのバスの車内。なぜだか視界が揺らぎ始めて……
目が覚めたらここだ。

めぐる「誰かがみんなをここまで連れて来たってこと?」

灯織「うーん……だとしてもいったい誰が……?」

【アンティーカ】

灯織「摩美々さん、咲耶さん、霧子さん……」

摩美々「……アレ?灯織ー……?」

咲耶「……おっとすまない、どうやら眠ってしまっていたようだね」

霧子「……あれ?ここは?」

アンティーカの3人。

摩美々さんは高校三年生。年は私よりも上なんだけど……かなり無邪気な方だ。私はよく摩美々さんの悪戯に引っかかって笑いの種になっている。今日こそは、と毎日思っているのだけど。

咲耶さんも高校三年生。スラッとした出立はモデル時代から変わらず。思わず見惚れてしまうようなそんな魅力的な方。気遣いも出来る方で、人としてあまりにも出来すぎている……すごい。

霧子さんは高校二年生。穏やかな性格で真乃や甜花と相性が良くてよく一緒にいるのを見かける。事務所の花に水やりなんかもよくしていて、霧子さんの作り出す和やかな環境はとても居心地がいい。

摩美々「灯織も床に寝っ転がってたんでしょー」

灯織「え?あ、はい……ついさっき気がついたばかりで……」

摩美々「ほっぺにフローリングの跡ついてるよー」

灯織「えっ?ほ、ホントですか?!」

咲耶「フフ、摩美々はいつでも抜け目ないね」

灯織「あ、う、嘘だったんですか?!」

霧子「ふふっ……♪」

咲耶「しかし……これは一体どういうことだろう?恋鐘と結華がいないようだけど」

灯織「はい……他のユニットもいない人がいるみたいで……」

咲耶「イルミネは揃っているのかい?」

灯織「はい……真乃もめぐるも無事で……ありがとうございます」

霧子「恋鐘ちゃん、今朝から張り切ってたから……もしかしてもうレッスンに行ってるのかな……」

摩美々「探しに行く?」

灯織「えっ、あ、どうなんでしょう……この場を離れてもいいのか……」

と、私が止めるか止めるまいか思案しているうちに摩美々さんは後方の大きな扉に手をかけていた。

摩美々「……開かない」

灯織「え?」

咲耶「おかしいな、私もやってみようか」

しかし、咲耶さんでも霧子さんでも、私でも扉はびくともしない。

霧子「外から、鍵をかけられてるのかな……」

摩美々「鍵って……なんの意味があるわけー?」

咲耶「私たちをこの部屋に閉じ込めたい……のかな」

摩美々「それってつまり監禁ってコト?」

灯織「か、監禁……」

咲耶「……あまり楽観視は出来そうにないね」

【アルストロメリア】

灯織「甘奈、甜花さん……!起きて!」

甘奈「んー……あ、灯織ちゃん……あれ?!ここ、どこ?!」

甜花「あれ……さっきまで、バスで寝てたのに……」

アルストロメリアの2人。
甘奈と甜花さんは双子の姉妹でとにかく仲が良くて、お互いがお互いのことが大好きって感じで。

甘奈はファッションが大好き。
事務所のアイドルともよく一緒に買い物に行ったり相談に乗ったりしている印象。

甜花さんはゲームが好きでインドアな性格ではあるけど、頑張り屋さん。
事務所の誰よりも「お休み」が好きだけど、やるときはしっかりやる人。

甜花「あれ?……千雪さんは……?」

甘奈「ホントだ!千雪さんがいない!」

灯織「えっ……?」

2人に言われてあたりを見渡す。

……ホントだ、千雪さんがいない、それに他にも283プロに所属しているアイドルでここにいる人と居ない人がいる。

甜花「千雪さん、どこ……?」

甘奈「大丈夫かな千雪さん……」

灯織「ふ、2人とも落ち着いて……!とりあえずは自分たちの状況を確かめないと、でしょ?」

甘奈「でも……甘奈もずっと眠ってたからまるでわからないし……」

甜花「ああっ……!?」

甘奈「甜花ちゃん?!大丈夫、どうかした?!」

甜花「持ってきてたゲーム機、なくなってる……!!」

灯織「ええっ……?!ごめん……見てないや……」

甜花「うぅ……色違い、粘ってたのに……」

甘奈「甜花ちゃん、よしよーし……」

灯織「そういえば私もスマホが手元からなくなってるかも……」

甘奈「あ、ホントだ!甘奈の携帯も無い!」

灯織「どこかに落とした?にしてはこんなに全員が同時になんて……」

甜花「ハプニングイベント……?」

甘奈「ていうかそもそもカバンが無いよ?!」

灯織「……そういえば!あ、でもここが合宿先なら荷物は別で、送ってくれてるかもしれないし……」

甘奈「そっか……そうだよね!うん!」

(だとしても携帯が手元にないのはおかしい……)

(確かバスにいる時もポケットに入れていた気がするんだけど……)

【放課後クライマックスガールズ】

灯織「樹里、チョコ、凛世……」

樹里「ん?……あれ、ここどこだ?」

智代子「むにゃむにゃ……樹里ちゃんそれはトッポだって……ポッキーじゃないよ……」

樹里「チョコ……呑気なもんだな全く」

凛世「灯織さん……ここは一体……?」

灯織「わ、わからない……私も目を覚ましたらここで……」

智代子「……はっ?!」

樹里「やっと目覚ましたかよチョコ」

智代子「あれ……?机いっぱいのチョコケーキは?!」

凛世「智代子さん……涎を拭き取ります……前へ……」

智代子「あっ?!ご、ごめんね凛世ちゃん!」

放課後クライマックスガールズの三人。

樹里は一つ上の高校二年生。言動は男勝りに取られがちだけど、面倒見のいい優しい人。
なにかとユニットを超えた交友も広く、年上だけど私も気兼ねなく話せる相手。

チョコは同級生で社交的な女の子。本人は自分のことを没個性な風に言うけれどそんなこと全然無い。
事務所のムードをいつも明るいものにしてくれる、かけがえの無い友達。

凛世も私と同じ学年だけど、大人びた雰囲気のある女の子。
ご実家が名家なのか慎ましい立ち居振る舞いは、独特なオーラがある。

樹里「……ていうか夏葉と果穂がいねえな、どうしたんだ?」

灯織「さあ……?他にもこの場所にいない人たちはちらほらいるみたい……」

樹里「くそ、なんだってんだよ……訳わかんねえっつーか……」

(だいぶ取り乱してる……無理もない、最年少の果穂に最年長の夏葉さんが行方知れず)

(夏葉さんに次いでユニット内年長者の樹里はヤキモキしてしまうはずだ……)

智代子「果穂、大丈夫かな……」

凛世「プロデューサーさまは、いかがなされたのでしょうか……」

プロデューサーはおろか事務員のはづきさんの姿すらその場には無い。

智代子「ど、どうなってるの……?!まさか、誘拐……?!」

樹里「マジでそういう可能性も考えなきゃならねー段階にはなってんな」

灯織「だよね、どうにかして状況を把握しないと」

智代子「そ、そんな……」

【ストレイライト】

灯織「……愛依さん、愛依さん!」

愛依「……あれ?灯織ちゃんじゃん、どしたのー?」

こちらはストレイライトの和泉愛依さん。
少々あがりやすいところがあって、アイドルと普段とでキャラクターを使い分けている。
普段は事務所のみんなを引っ張ってくれる優しいお姉さん肌の方で、私も頼りにしちゃってる。

灯織「あの、落ち着いて聞いて欲しいんですが……」

愛依「って何コレ?!どこ?!」

灯織「あ、あの……愛依さん……」

愛依「あー!ごめんごめん、灯織ちゃん!うち勝手に突っ走っちゃったね!」

灯織「い、いえ!お気になさらず!」

愛依「うーん、冬優子ちゃんがいたらこういう時頼りになるんだけど……二人ともいない系かー……」

灯織(ストレイライトでこの場にいるのは愛依さんだけ……あさひ、冬優子さん……無事、だよね)

愛依「……てかアレ何?!」

灯織「え?……て、鉄板?!」

愛依さんが指さした先、本来なら太陽光を取り入れるための窓が付いていそうな空間には、鉄板が打ちつけになっている。

灯織「ど、どういうことなんでしょう……」

愛依「わかんないけど、なんか映画とかでこういうの無い?いっぱい人が閉じ込められて殺し合えーみたいな」

灯織「こ、殺し……?!」

愛依「あーウソウソ!!違う、違うの!」

灯織「び、びっくりしました……」

愛依「流石に現実世界なんだし、そんな事ないって!リラックスリラックス!ね?」

灯織「は、はい……」

(とは言ったものの、さすがに状況が状況……)

(窓に鉄板を打ち付けるなんて普通じゃない。一種の監禁状態……何に巻き込まれているの……?)

【ノクチル】


灯織「あ、あの……大丈夫ですか……?」

???「え……?あ、灯織ちゃんだ……うん、大丈夫」

彼女は浅倉透さん。事務所内では一番新しいユニット『ノクチル』でセンターを務める。
『ノクチル』は幼なじみ4人組のユニットで、傍目で見ていてもかなり仲の良いユニット。
それ故に私なんかはちょっと話しかけるのに勇気が必要だったりするんだけど……

透「ここ、どこ……?あれ、バスは……?」

灯織「いえ……私にもまだ状況が飲み込めてなくて……」

透「ふーん…………」

透「…………」

透「…………おーい樋口ー、起きろー」

円香「……何?」

灯織「ひ、樋口さん……だ、大丈夫ですか……?」

円香「……何が?」

こちらは樋口円香さん。ノクチルのメンバーの1人で、センターの浅倉さんとは同級生で私の一つ年上になる。

その、なんとも近寄りがたいオーラを出している人だけど……優しい人ではあると、思う……多分。

灯織「何、と言いますか……あの、その……フローリングの上で横になっていたので、体を痛めてたり……」

円香「…………大丈夫」

灯織「…………」

円香「大丈夫だから」

灯織「あっ、はい!すみません!」

透「んー……ここ、合宿所じゃないの?」

灯織「まだ、わかってないです……その、すみません……」

円香「…………とりあえず小糸と雛菜も起こしてくるけど?」

灯織「あっ、はい!お願いします!」

(うぅ……やっぱりまだイマイチ踏み込めない……)

小糸「え……あ……う……」

雛菜「あれ?どうしたんですか〜?」

灯織「い、今私も目を覚ましたばかりで……その……」

雛菜「そうですか〜……」

(う、うぅ……居た堪れない……)

市川雛菜さんに福丸小糸さん。この4人が揃ってノクチルになる。
市川さんはすごい独特の雰囲気を持っていて、自分の中に信念のようなものを感じる。
マイペースといえばそこまでだけど、他の人に左右されない強い芯があるってことだよね。
私も見習うべき点が沢山だ。

一方、福丸さんは少し私に似たところがあるのかな、あんまり人と話すのが得意じゃないみたい。
いつかゆっくり話してみたいと思っていたんだけど……
こんな状況下で、お互いそれどころではない……

雛菜「あれ?雛菜が寝てる間にもう合宿先に着いてる?」

透「かな」

小糸「ぴぇっ……い、いつの間に……」

円香「……何?あれ」

灯織「……監視カメラ、でしょうか」

雛菜「え〜?防犯のためじゃないの〜?」

小糸「にしては数が多いような……」

透「いえーい、見てる〜?」

円香「ちょっと浅倉……不用意に近づかない」

(……自由!!)

(でも、あの監視カメラは実際なんのため?私たちの振り付けの確認用でもなさそうだし……)

(まさか、私たちを……?)

灯織「とりあえず全員ここにいる人は無事だったね……」

めぐる「うん、みんな意識を失ってたから心配だったけど一安心だね!」

真乃「でも、事務所のみんなが揃ってるわけじゃないのはどうしてなんだろう……」

灯織「何が起きてるのか、とりあえずそれを把握しなくちゃ」

私たちがそのための一歩を踏み出そうとしたその瞬間。

【キィィィィィィン……】

小糸「ぴぇっ……?!」

円香「小糸」

摩美々「何ー?耳障りな音……」

愛依「これ、あっちのスピーカーから……?」

???『あー!あー!マイクテス、マイクテス!大丈夫?聞こえてるよね?』

突如流れだしたのは聞いているだけでゾワゾワした悪寒が走るような濁声。
突如押し込められた不可解な状況に困惑する私たちを嘲笑うかのように、それは突然始まった。

???『オマエラ!おはようございます!本日は当希望ヶ峰学園の特別強化合宿プログラムにご参加いただきありがとうございます!』

(……は?)

灯織「……希望ヶ峰学園?!」

真乃「ほ、ほわっ……!この場所って希望ヶ峰学園なの……っ?!」

咲耶「特別強化合宿?聞き覚えがないね」

透「……」

???『本日よりオマエラにはこの希望ヶ峰学園で合宿生活をしてもらいます。つきましては、これより体育館にて朝礼を執り行います!』

円香「朝礼……?学校のつもり?」

雛菜「雛菜朝礼久々〜〜〜!」

小糸「雛菜ちゃんはもっとちゃんと出席しようよ……」

???『学園長直々にお話がありますので、耳の垢を前もってほじくっておくように!うぷぷぷ……学園長のお話の途中で居眠りなんかしようもんならどうなっても知りませんからね!』

甘奈「が、学園長……って」

甜花「もう、廃校になってたんじゃ、なかったっけ……?」

突然始まったアナウンスに動揺を隠せないみんな。
アナウンスの声はどこか戯けていて、私たちの不安を一層に掻き立てる。
____気づけば体は震えていた。恐怖心、不安、困惑……そんな感情が表出する。

樹里「おい!てめーがアタシたちを監禁した犯人なのか?!舐めたことしやがって……!」

(樹里……!)

樹里「学園長だかなんだか知らねーけどさっさと姿を見せてみろ!」

???『……ちょっとちょっと!校内放送ぐらい黙って静かに聞けないの?!……はぁ、仕方ないなぁ。もういいよ、そっち行くから!せっかちだなぁ……もう、全く……』

それだけ言うとアナウンスはプッツリと切れた。

智代子「な、なんだったのかな?!今の?!」

凛世「……奇怪な、放送でございました……」

樹里「……ちっ、舐めたことしやがって」

灯織「じゅ、樹里……落ち着いて」

不可解なアナウンスに騒然としている私たち。
そんな私たちに思考の時間を与えないままに……事態は動き出す。

霧子「あ……!あっち……!」

霧子さんが指さしたのは体育館の檀上。
はじめは何を言っているのかわからず、首をかしげていた。


…………が、すぐに私たちはそんな感覚を喪失することになる。






「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!」

「オマエラお待ちかねの学園長、モノクマだよ!」




(……え?)

思わず目を疑った。
体育館から競り上がってきて華麗に着地を決めたのは私の背丈半分ほどのぬいぐるみ。
左右で白黒に分かれたクマのぬいぐるみだった。

小糸「ぴぇっ?!?!」

甜花「く、クマの、ぬいぐるみ……」

めぐる「し、しかも喋ったー?!」

(……わ、わけがわからない!)

モノクマ「おやおや?クマが喋ることがそんなに珍しい?今時ペラッペラの板だって喋る時代じゃん?なにを今更?」

円香「どうせ何かスピーカーみたいなの埋め込んでるんでしょ」

モノクマ「むきー!ボクは自分の口で喋ってるんですけど!腹話術なんかやってないんですけど!」

透「なんかぬいぐるみの熊が喋る映画あったよね、あれみたい」

モノクマ「あんなR15のクマと一緒にするなー!」

愛依「な、なんの話してんの……?」

モノクマ「それよりオマエラ、おはようございます!」

灯織「お、おはようございます」

樹里「丁寧に返さなくていいぞー、灯織」

モノクマ「健全な合宿生活に挨拶は欠かせません!まずは風野さんに一モノクマポイント!」

灯織「あ、ありがとうございます……?」

モノクマ「ポイントをしっかり貯めて、みんなで貰おう白い皿!」

凛世「……お皿?」

智代子「どこかのパン屋さんで聞いたみたいなキャンペーン?!」

摩美々「……いい加減本題に入って欲しいんですケド」

モノクマ「おっといけないいけない、思わず女子高生との桃色交流を堪能してしまっていたクマ……」

真乃「ほわっ……語尾もクマなんだ……」

摩美々「めっちゃ安直じゃーん」

モノクマ「むきー!人のアイデンティティを笑うんじゃなーい!」

突然現れた異様なぬいぐるみのクマは、まるで生きた人間のようなひょうきんな語り口で……
でもそれゆえに不気味で。そんなおちゃらけた様子のまま、マシンガントークを続ける。

モノクマ「えーっと、オマエラはご存知の通り、希望ヶ峰学園主催の合宿プログラムに参加していただいております」

甘奈「甘奈身に覚えがないんだけど……」

咲耶「ちょっと待ってくれないかい?希望ヶ峰学園……私は既に数十年前に廃校になっていたと聞いているのだけど」

モノクマ「はぁ?何言ってんのさ、希望ヶ峰学園が廃校になるわけないじゃない!だってこの国の希望だぜ?未来だぜ?新時代のニューウェーブだぜ?」

モノクマ「まあそういうわけで、オマエラもここにいる限りは希望ヶ峰学園の生徒として参加してもらいます」

雛菜「雛菜転校しちゃった〜」

小糸「て、適応が早すぎるよ雛菜ちゃん!?」

モノクマ「で、肝心の合宿プログラムの内容とは!……この学校での共同生活でございます!」

甜花「共同、生活……?」

モノクマ「うんうん、要はお泊まり会ってことだね!オマエラももう慣れたもんでしょ!」

智代子「た、確かに何度か覚えがあるけど……」

樹里「おい!」

モノクマ「はりゃ?」

樹里「合宿だっつーんならなんで果穂と夏葉、他にもいないメンバーがいるんだ?」

モノクマ「あーそれね……さっき言った通りだよ。ここが希望ヶ峰学園だから、それだけ」

甘奈「説明になってない……」

甜花「千雪さんは……?」

霧子「結華ちゃんと、恋鐘ちゃんも……」

モノクマ「希望ヶ峰学園は高等学校の教育施設!入学資格があるのは現役の高校生に限られるからね!お子さまとお姉さまに、このプログラムに参加する権利はございません!」

愛依「……?!ちょっ、あさひちゃんと冬優子ちゃんは今どこにいんの?!」

モノクマ「あーもう煩いよ!五月蝿いよ!ごかつばえい!」

凛世「モノクマさま、五月の蝿と書いて『うるさい』と……」

モノクマ「あのねえ、なんでも聞けば答えてくれるほど世の中甘くないの!むしろそんなのレアケースだから!この世界は無関心無干渉の塊だよ!」

咲耶「あくまで教えないつもりかい?」

モノクマ「うぷぷぷ……まあとりあえずはボクの話を聞いてよ」


(……嫌な予感がする)


モノクマ「今回の合宿生活は、今までの合宿生活とは一味違います!」

モノクマ「と、いうのも……」






モノクマ「その期限が……【一生】なのです!」




(…………は?)

耳を疑った。何を言っているのか理解できず、呆然と立ち尽くす。
そんな私たちを他所に、モノクマは言葉を続けた。

モノクマ「おはようからおやすみまで、すべての瞬間をこの学校の中で過ごしてもらいます!オマエラのピチピチのお肌がおばあさんの皺皺肌になるまでず〜っと一生ね!」

モノクマ「大丈夫、資源も資金も潤沢にあるから生活には何一つ不自由はさせないよ!餓死なんかされてもつまんないしね!」

円香「……くだらない」

(……樋口さん?)

円香「あなたが何者か存じ上げませんが、私たちをこんなところに監禁して、警察が動かないとでも?一生と言わずものの数時間でこんな生活破綻しますよ」

透「……あ、たしかに」

(……そうだ、間違いない。すぐにプロデューサーや両親をはじめとした、周りの人々が動き出す。私たちが今日から合宿なのも共有している情報だし……何も心配なんかいらない)

モノクマ「うぷぷ……」

モノクマ「ぷひゃひゃひゃひゃ!警察だって?2時間ドラマの開始10分でお手上げして探偵に泣きつくようなあんな組織をまだ信じてるの?」

円香「……はぁ?」

モノクマ「悪いことは言わないから過度な期待はしないほうがいいね、ああ哀しき哉無情なる現実……」

モノクマ「外部からの助け?無い無い!ありえないよ!オマエラはここでの生活を受け入れるしか無いんだよ!」

真乃「そ、そんな……」

円香「……意味不明」

雛菜「え〜、ここで一生なんて雛菜嫌だ〜」

モノクマ「まあ、そうは言ってもこの学園で一生なんて嫌だ!私は出ていくんだ!そう思ってる子もいらっしゃるでしょう!ですので!」

モノクマ「特別にこの学園から出ていくための特別ルールを設けました!簡単な条件を一つ満たしさえすれば、その生徒は無事【卒業】!晴れてこの学園から脱出できまーす!」

灯織「そ、卒業?」

モノクマ「その条件も単純だよ?」






モノクマ「誰か殺せばいいんだよ」

モノクマ「刺殺絞殺撲殺圧殺呪殺……殺し方はなんでもよし!フリージャンルで殺してちょーだいな!」

モノクマ「無事他の生徒の誰かを殺すことができれば脱出への道が開かれるのです!」




(……は?)

(殺、す……?)

ダメだ、またしても許容量をあまりにも超えすぎている。耳から入ったはずの言葉がそのまま抜けていく。現実味がなさすぎる。

人を殺すだのなんだの……ドラマの中でしか聞いたことがない。

にわかに鎮まりかえる。

その場に居合わせた全員がつま先から頭まで抜けるこの寒気のような感覚に身動きが取れなくなっていた。

モノクマ「あれあれ?反応が薄いなぁ…」

そんな中、最初に動いたのは樹里だった。

樹里「……ざけんな!いい加減にしろよ、さっきから黙って聞いてたら!」

灯織「……!」

モノクマ「なにさ、ご不満でもあるのかしら?」

樹里「大有りだ!殺すだのなんだの冗談にしても笑えねえ!」

モノクマ「ふーん……そっか、殺す度胸も無い臆病者の本性を取り繕うのに必死なんだね」

樹里「はぁ?」

モノクマ「いいよいいよ、女の子だもんね、そういう日もあるんでしょ」

樹里「なにわけのわかんねーこと言ってんだ!?」

プッツリと樹里の中の何かが切れる音がした。
次の瞬間にはモノクマの胸ぐらを掴みあげる樹里の姿。

樹里「おい……ふざけんなよ、アタシだけじゃなくみんなまで巻き込んで……絶対に許さねえから」

モノクマ「うわー!やめろー!学園長への暴力は拘束違反だよー!」

わざとらしい悲鳴に、わざとらしい手足のじたばた。
モノクマの挑発的な態度に樹里の怒りのボルテージが上がっていく。

_____ブーッ!ブーッ!

だが、そんな素っ頓狂な動きの裏で急にけたたましいブザーの音が鳴り始める。

樹里「……ん?なんだこの音」

凛世「……っ!樹里さん……!」

樹里「……え?」

愛依「な、なんかヤバいよ!離れて!」

樹里「……は、離れろったって……!」

摩美々「早く!」

樹里「……ああもう!くそっ!」

樹里はその手に掴んだモノクマを体育館の天井めがけて投げ飛ばした!
ブザーの音は加速的に大きくなり、テンポが上がっていくと……


爆音。

痛みを感じるほどの轟音と共に凄まじい爆風で思わずへたり込んでしまった。
バラエティのジョークなんかじゃない、正真正銘本物の爆発だ。

樹里「……マジ、かよ」

今の一瞬、樹里が手を離すのが遅れ、逃げそびれていたら……
間近で衝撃を受けた樹里は無事ではなかっただろう。
それこそ、大火傷……で済めばいいレベル。

霧子「……怪我、ないかな……?」

樹里「あ……くそっ、足捻ったか」

智代子「あ、ああああああ……な、なにこれ……」

愛依「マジイミフなんだけど……」

甜花「じ、自爆……?」

小糸「ぴぇっ……」

透「え……モノクマ、死んだ?」


モノクマ「もー!こんなに早くスペアを出すことになるなんて!現代の若者はキレやすいって聞いてたけど限度があるよ、限度が!」

めぐる「わっ?!また出てきた!」

甘奈「一体だけじゃなかったの?!」

モノクマ「当然!モノクマは量産体制ラインが組まれて、学園の至る所に配備しておりますとも!」

樹里「マジかよ……」

咲耶「……つまり、逃げ場はないということだね」

モノクマ「ま、今ので分かったでしょ。ボクは本気だよ。さっき言った言葉もガチのガチ!誰かを殺さない限り、この学園からオマエラは出ることもできません」

樹里「……っ!」

モノクマ「それが嫌ならここでの生活を受け入れることだね!アーッハッハッハッハ!」

モノクマの笑い声だけが響く。
目の前で起きた非現実的な出来事、自分たちの身に降りかかった非現実的な運命。
いくつもの非現実が押し寄せたことで全員がパンク状態に陥っていた。

……それから、どれくらいの時間が経ったのだろうか。
モノクマがいなくなっても、私たちは何も言葉を発することができずにただ黙って立ち尽くしていた。

しばらく時間が経ち、体に走る最悪な熱が徐々に冷めていくと、次に湧き上がってきたのは、【疑念】。

気がつけば、全員が周囲を見渡していた。

今隣に立っている彼女ももしかすると殺害を企てているかもしれない。

万が一にもそんなことはない、そうは思っていても拭いきれない疑心暗鬼。
そんな暗く重たい心の靄が広がっていくのを感じる。

「……死にたく、ない」

それを口にしたのは誰だったか、私だったか。

もう昨日までの私たちじゃいられない。

ただ単純な【仲間】であることを剥奪された、私たち16人。

______そんな最悪で絶望的な合宿生活が幕を開けたんだ。

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PROLOGUE

わたしたちの絶望学園

END

生存者数…16人


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初回の更新はここまでです。
次回以降CHAPTER1に入ります。
スレタイに入れそびれましたが、ロンパSSの伝統に基づき進行は一部安価・コンマを採用予定です。
シナリオ自体が安価に左右されて変わるようなことはございませんが、どうかご参加いただけると幸いです。

ゆっくり更新していきます。
よろしくお願いします。

本日も21時より少し一章を更新します

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CHAPTER01

絶望レッスン


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あれからどれくらい時間が経ったのだろう。
私たちは体育館からモノクマが姿を消してからも無言のまま向き合っていた。

誰かが、もしかして……ここから脱出するために……

そう考えるとキリがない。
疑心暗鬼の渦の中、重苦しい空気だけが漂っていた。
しかし、そんな中彼女だけは意ともせず、ポツリと呟いた。

透「え?これいつまでやるの?」

(……!)

円香「……浅倉」

透「あー……いや、ここにいてもしょうがなくない?」

小糸「と、透ちゃん……」

透「ね、とりあえずは行こうよ。学校の中、見なきゃでしょ」

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モノクマ「あ、そうそう。朝礼は済んだから体育館の鍵も開けといたよ。寄宿舎には一人一部屋用意してあるからそこで寝泊まりしてもらいます」

モノクマ「各自部屋にそれぞれの電子生徒手帳を置いてあるから受け取っといてよね!」

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確かに、モノクマは最後にそう言っていた。

めぐる「うん!そうだね!とりあえずは探索から!」

灯織「め、めぐる……」

めぐる「もー、灯織?……それにみんな心配しすぎだよ!」

真乃「ほわっ……」

円香「……まあ、同感」

めぐる「おっ、円香もそう思う?」

円香「ここにいてもただ精神を消耗するだけ、殺しなんてそうそうすぐには起きないだろうし……できることからやるべきじゃない?」

樹里「……そっか、そうだよな」

霧子「うん……わたしも、賛成かな……」

摩美々「まぁそうだよねー、ここにいても仕方ないしー」

樹里「別にあいつが勝手に言ってるだけで脱出方法もあるかもしれねーしな!」

智代子「そうそう!わたしたち16人もいるんだし、きっと何か見つかるよ!」

灯織「うん……そうだね」

いつもの活気が戻ってきた。そう、私たちは283プロのアイドル……みんなの間にある信頼、絆はそう簡単に切られるものじゃない。

コロシアイなんか……絶対にしない。

さっきまでの不安がどこか遠くに行ったようで体が軽くなる。

真乃「灯織ちゃん、めぐるちゃん……絶対一緒に脱出しようね!」

めぐる「もちろん!モノクマの好きにはさせないからね!」

灯織「……うん、絶対に帰ってみせる」

私たちは体育館を後にした。

【学校エリア 1F廊下】

灯織「ここが……希望ヶ峰学園……」

廃校と聞いていた割には学校自体は綺麗。埃っぽくもなく、照明も新しいものを使っているようでとても明るい。ただ、廊下にも窓はなく、乱暴に打ち付けられた鉄板が壁には並んでいる。まさに無機質といった言葉がぴったりな印象を受ける校舎。

咲耶「……どうする?ある程度分担した方がいいかな?」

樹里「だな……最終集合地点は寄宿舎方面として、後はユニットに分かれて探索するか?」

甘奈「うん、それがいいと思う……愛依ちゃん、甘奈と甜花ちゃん二人じゃ心配だから一緒に来てくれないかな」

愛依「オッケー、うちもさすがに一人じゃ心細いから頼むわ!」

透「じゃ、うちらはうちらだ」

灯織「イルミネも大丈夫」

咲耶「よし、それじゃあ学校エリアの探索が終わり次第寄宿舎エリアに向かうということで。そのあと情報の共有をすることにしよう」

そうしてユニットごとの探索が最初の方針に定まった。体育館前の廊下から3人、4人と消えていき……イルミネの3人が残った。

めぐる「よしっ、わたしたちも行こう!」

真乃「うん!脱出の手がかり、見つけないと……」

灯織「大丈夫、みんながいるから……」

(よしさっそく学校エリアの探索だ……どこから行こうかな?
1.玄関ホール
2.視聴覚室
3.購買

安価下2

【玄関ホール】

モノクマの口ぶりからして期待はしていなかったけど、それにしても異様だ。
学校の玄関なんて本来は靴箱が並んでいたりするものだけど、ここは巨大な金庫のようなもの、それこそ私が寝そべっても10人以上並ぶほどの横幅の壁が聳え立つのみ。

愛依「でっけ〜〜〜…………」

甜花「防衛、シェルター……?」

甘奈「こんなにめちゃでかい扉……見たことないよ」

灯織「アルストに愛依さん……」

愛依「おっイルミネっち、乙乙ー」

甘奈「おつー☆」

甜花「お疲れさま……」

めぐる「このでっかい金庫みたいなのが希望ヶ峰の玄関なのかな……?」

甘奈「みたいだね、そうとう扉自体分厚いみたいだし……甘奈たちでどうにかできるようなものじゃないみたい」

甜花「うん……電子ロックも何重で、セキリュティも万全……」

真乃「ほわ……ここからじゃ脱出は無理ってことだね……」

愛依「まーそりゃ普通犯人も玄関は真っ先に塞ぐよねー」

灯織「……ん?あちらのレターケースは?」

甘奈「あ、中見たけど何もなかったよ?」

灯織「そう……何の意味があるんだろう」

【視聴覚室】

すごい設備だ……
巨大なスクリーンはもちろんのこと、40席近くはあるだろう座席には、それぞれちゃんとしたモニターとスピーカーが備えられている。
一学校の設備にしてはかかっているお金が膨大にかかりすぎそうな気もするけど……

透「わお、映画見れんじゃんこれ」

円香「ほんと?」

雛菜「あ、これ知ってるやつ〜!雛菜映画館で見たよ〜?」

小糸「そ、そうなんだ……面白かった?」

雛菜「面白かったってパパが言ってた〜」

円香「雛菜は?」

雛菜「途中から見てなかったからわかんない!」

小糸「寝てたんだ……」

教室の前の方でビデオ棚を前にして雑談しているのはノクチルの4人みたい。

めぐる「ノクチルー!調査はどんな感じかなー?」

円香「……っ!まあ、ぼちぼち」

真乃「何か手掛かりになりそうなものとか……」

雛菜「今のところ無いですね〜」

灯織「そうですか……」

小糸「……ぁ……あの……」

めぐる「ん?どうしたの小糸?」

小糸「……これ……ひろ……」

真乃「メダル……?」

円香「……さっきからちょくちょく落ちてるやつ?悪趣味、モノクマ柄のメダル」

(なんのためのメダルなんだろう……)

【購買】

所狭しと並べられた和洋折衷の物品……
学校購買と言うにはあまりにも手広すぎるような気もする、というか甲冑とかは必要なの?

樹里「なんだこのゴチャついた空間……」

めぐる「あっ、放クラだ!どう?進んでる?」

凛世「脱出の、手がかりは……なく……」

灯織「そっか……難しいね」

智代子「わ!凛世ちゃん凛世ちゃん!」

凛世「智代子さん……?いかが、なさ……」

真乃「ほわっ……どうしたの?」

めぐる「あっ!それって凛世とチョコが好きな少女漫画だ!」

智代子「う、うん!そうなんだけど……!」

凛世「巻数が……飛んでおります……」

樹里「ん?どういうことだ?」

智代子「えっと……ナンバリングが変なんだよね……こんなに進んでたっけ……」

灯織「発刊年月日とか書いてないの?」

凛世「黒塗りされております……」

灯織「く、黒塗りって……今の時代に?!」

樹里「んん?どういうことなんだ……?」

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灯織「学校エリアは一通り確認できたかな」

真乃「うん……空き教室が二つに、トイレ……何も手がかりはなかったね」

めぐる「うーん……でも部屋とかは本当にそのまんま学校!って感じだったよね」

灯織「本当に希望ヶ峰学園なのかな……」

めぐる「とりあえずは寄宿舎エリアに行ってみんなと合流する?」

灯織「うん……そうしようか」

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【寄宿舎エリア 食堂前】

咲耶「やあ、イルミネも探索は終了かい?」

めぐる「うん、特に手がかりはなかったよー……ガックシ」

霧子「ごめんね……わたしたちも、特には……」

咲耶「ほかのユニットの報告に期待するしか無い、か……弱ったね」

灯織「そういえば寄宿舎エリアの方はもう見られたんですか?」

摩美々「ざっとはねー、それぞれの個室とトラッシュルームにランドリー。生活には最低限の施設が揃ってたよ」

めぐる「そっか……あくまでここで生活させる気なんだね」

そうして話しているうちに徐々に他のユニットたちも戻ってきて……全員が揃った。

樹里「おしっ、それじゃあとりあえず報告会にするか!」

摩美々「せっかくだし座ってやらない?すぐそこに食堂があるわけだしー」

愛依「あっ、ここってそうなん?」

甜花「疲れちゃった……甜花も、座りたい……」

【食堂】

咲耶「よし、それでは全員揃っているようだし報告をしてもらえるかな?」

真乃「あ、はい……えっと、イルミネが見た限りでは脱出のヒントになりそうなものはなくて……」

灯織「施設としては学校エリアには体育館、トイレ、視聴覚室、購買、玄関ホール、そして空き教室二部屋となっていました」

摩美々「そういえば気になったんだケド、入れない部屋があったよね?」

愛依「あったあった!確か保健室だったよね?」

めぐる「うん、現状は立ち入り禁止みたい……怪我しないようにしなくちゃね!」

円香「それでいえば廊下の突き当たり、二階に上がる階段にもシャッターがかかってた」

灯織「意図的に移動範囲を狭めてるんでしょうか……?」

咲耶「アンティーカから報告……というかこれを見てほしい」

甜花「電子パッド……?」

霧子「モノクマさんが言ってた、電子生徒手帳……早めに探索が終わったから、先に回収しておいたんだ……」

摩美々「モノクマの言う通り、一人に一つずつ用意されてるみたいー。で、大事なのはここ、校則一覧」

摩美々「大体はさっきのモノクマの話と一緒だケド、これ、どう思う?」

“【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。”

灯織「ほかの人にバレてはいけません……?」

咲耶「……殺人、とは別にもう一つルールがあるということだね」

霧子「バレたら、何かリスクがあるってことなのかな……?」

小糸「ぴぇっ……」

愛依「ま、気にしなくていいっしょ!そんなサツジンなんて起きない起きない!」

咲耶「そうだね、愛依のいう通り、本来なら気にする必要のない条文なのだけどね」

摩美々「……」

甘奈「えっと、甜花ちゃんと愛依ちゃんと一緒に甘奈たちも一通り見たんだけど、外の様子が見えるような窓は一つもなくて……全部鉄板が打ちつけられてた」

愛依「あれはダメだわ〜、そうとう分厚くできてるみたい。ドリルとかそういうのないと無理」

甜花「強力な武器か、専用スキルがないと……」

灯織「窓が無いとなると……外の情報も全く手に入れようが無いですね……」

霧子「おひさまは見れないけど、アナウンスはあるみたいだよ……」

灯織「アナウンス?」

咲耶「朝と晩に一回ずつ、時報のように鳴らすそうだ」

甘奈「甘奈も聞いたよ!朝7時と夜10時だったよね!」

甜花「夜10時からは夜時間って言って食堂が閉まっちゃうみたい……」

真乃「ほわっ……その間に食料の補充をするのかな……」

咲耶「なんにせよ時間の感覚はある程度の維持ができそうだ、時計もあることだしね」

樹里「アタシたちもだいたい一緒だな、発見があったとすれば……凛世、チョコ」

凛世「はい、こちらに……」

雛菜「あれ?その漫画って……」

凛世「はい、雛菜さんもお読みになられた……少女漫画でございます……」

智代子「これが購買に置いてあったんだけどね、発刊年月日が塗りつぶされてるの!」

樹里「しかも巻数が飛んであるみたいでよ、凛世もチョコも読んだことねー話らしい」

雛菜「じゃあまた後で見せてもらっていいですか〜?雛菜も続き気になってたので〜」

凛世「ええ……後でお部屋にいらしてください……」

摩美々「巻数が飛んでるってどういうことー?もしかして私たち未来にタイムスリップしたんですかー?」

灯織「た、タイムスリップ?!」

咲耶「フフ、流石にタイムマシンを使用して……とは考え難いけどね。私たちの無意識下で時間がかなり経っている……そういう可能性は考慮してもいいかもしれない」

透「あー……特に発見はないかな、うん」

咲耶「おや……そうかい」

円香「……強いて言うならこのメダル?そこら中に落ちてたやつ、みんなも見たでしょ?」

甜花「うん……何か、ゲームに使うのかな……」

雛菜「使い道は購買にありましたよ〜?」

灯織「購買?」

樹里「あ、あれか?!レジの上にあった……」

智代子「ガチャガチャ!」

透「うん、あれ、回せるみたい」

円香「どうせ対したものは出てこないと思うけど」

摩美々「爆弾が出てきたりして〜」

霧子「ば、ばくだん……」

灯織「娯楽……のつもりなのでしょうか。黒幕はこの学園に長期滞在させる気のようですし」

円香「……かもね」

咲耶「ありがとう、みんなのおかげでだいたいこの学園のことは把握ができたかな?」

摩美々「把握って……何もわかってなくないー?」

めぐる「うーん……まだまだ未知の世界だね……」

円香「唯一分かったことがあるとしたら、状況は絶望的ってことくらい」

小糸「……ぴぇっ……」

樹里「あー!そんな暗いこと言うなって!」

円香「事実でしょ、楽観視できる状況じゃない……身の振り方は考えておかないと」

円香さんの言葉に場が凍りつく……だけどその通りだ。
脱出の糸口が何もない以上、私たちに今ある選択肢はここでの生活を受け入れること。
……何があっても、殺しなんかじゃない。

めぐる「でも!まだまだ諦めないよ!」

灯織「めぐる……」

めぐる「モノクマはああ言ってたけど警察だって絶対に動いてるし、プロデューサーたちも心配してくれてるはず!絶対に助けが来るはずだよ!」

真乃「ほわっ、そうだよね、わたしたちで脱出できなくても、周りの人がきっと……!」

咲耶「……フフ、そうだね。決して希望がないと言うわけではない。必ず活路はあるはずさ」

智代子「……とりあえずはここで暮らせるんだしね!生活にも不自由はしなさそうだし!」

甘奈「そうだね、しばらくは大人しくして……誰かの助けを待つのが一番!」

円香「……」

半ば空元気ではあったものの、めぐるのおかげで場の空気は持ち直した。
やっぱりめぐるはすごいな。

と、報告会を終えた時。

キーンコーンカーンコーン

小糸「ち、チャイム……?」

『夜時間になりました!夜時間の間は一定の区間は立ち入り禁止となります!……って!食堂に全員集まってるんじゃないよ!さっさと解散!』

『初日だから大目に見るけど、本来なら夜10時をすぎたら食堂は出入り禁止だからね!それまでに退出してないと、厳しいペナルティがあるからね!』

『それじゃあ早く寝るんだよ!おやすみなさい……』

灯織「……これは?」

摩美々「あー、夜時間だねー」

咲耶「電子生徒手帳の校則一覧にあったんだ……ほら」



“【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。”



咲耶「ひとまず解散した方が良さそうだ、今日のところは各自自室に戻って、また明日から探索を再開しよう」

愛依「オッケー、絶対出口見つけるかんね!」

そうしてみんな、食堂を後にした。

灯織「それじゃ、みんな……おやすみ」

真乃「うん、灯織ちゃん……おやすみ」

めぐる「おやすみー!」

イルミネの3人とも離れて、ついに一人になる。

【灯織の部屋】

部屋に入った瞬間どっと疲れが押し寄せる。
ただでさえ理解の追いつかない状況に、コロシアイ……?
昨日までアイドルという華々しい舞台を目指して頑張ってきていた、夢を追うその最中だったのに突然崖から突き落とされてしまったような感覚。

____気を抜くとおかしくなってしまいそう。

ドサッ

ベッドに気絶するように倒れ込む。

こんなの悪夢だ。現実じゃない、現実であっちゃいけない。
でも、どれだけ否定しようとも自分が感じているこの恐怖は現実そのもので……

モノクマ「ところがどっこいこれが現実なのです!」

灯織「わあ!?」

モノクマ「あのさぁ……そんな拙いモノローグなんか見てる人興味ないんだよね。さっさとイベントだけこなして先進めっての」

灯織「な、なんのことですか……?」

モノクマ「ま、早い話がちゃんとやるべきことは先にやってくれってことだよ。ほら、自分の部屋に戻ったらやることがあるでしょ?」

灯織「手洗い、うがいですか……?」

モノクマ「うぷぷ……健全な学生としては正解!花丸をあげましょう!」

モノクマ「ってちがーう!なんで忘れてるのさ、電子生徒手帳だよ!」

灯織「電子生徒手帳……?」

(そういえば先程咲耶さんたちアンティーカが食堂でみんなに見せていた……)

モノクマ「各自ひとつずつ用意してるからちゃんと確認しておいて欲しいんだよね、ほらコレ」

(モノクマが手渡したのはスマートフォン大のタブレット端末。端末横のボタンを押すと起動した)

【風野灯織】

モノクマ「誰が落としてもすぐ持ち主がわかるように毎回起動した時には持ち主の名前が出るようになってるよ!」

灯織「なるほど……それは助かりますね」

モノクマ「で、せっかくだから見て欲しいところがあるんだけど……通信簿っての開いてみて」

灯織「通信簿……ですか?」

(モノクマに言われるがまま、画面をタップし通信簿というアプリを開く。すると出てきたのは私たち16人の顔と名前……そして超高校級の才能……?)

灯織「あの、この才能ってなんなんですか?身に覚えが無いんですが……」

モノクマ「うぷぷぷ……せっかく希望ヶ峰学園にいるのに、才能も何もなかったら損じゃ無い?せっかくだからオマエラの適性に合わせてこっちで才能を考えておいたんだよ!」

灯織「……どういう意味なのかさっぱりなのですが」

モノクマ「まあTRPGでもよくあるじゃん!与えられた役職をこなすうちに自分が本当にそれになって気分になる、自己投影っていうやつだね!」

灯織「……ええっと」

モノクマ「おっと、風野さんにこの話しても分からなそうだね!誰かとそんなゲームしたことないでしょ、どうせ」

(よくわからないけどバカにされてることだけはわかる……!)

モノクマ「ま、そういうわけで風野さんにもバッチリ才能を考えておいたよ!」

灯織「はぁ……」

モノクマ「ずばり!【超高校級の占い師】!どう、バッチリじゃない?」

灯織「占い師って……確かに占いは好きですけど、自分ではできませんし、別に占い専門というわけでは」

モノクマ「ダイジョーブダイジョーブ!元々3割しか当てられない雑魚が持ってたような才能だから素人の風野さんでもヘーキ!」

灯織「尽くおっしゃる意味が分からないのですが……」

モノクマ「電子生徒手帳には校則に通信簿、学園マップetc……色んな機能がついてあるからしっかり確認して肌身離さず携帯するように!」

灯織「は、はい!わかりました……」

モノクマ「返事だけはいいのが令和世代の若者だね!見せかけの誠実さはグッドだね!」

灯織「……それは、褒めてるんでしょうか?」

モノクマ「あ、あと最後に伝えとくけどシャワーは夜時間中は浴びられないからね?お湯が出ないようになるから、夜十時までにシャワーは終えておいてね」

灯織「シャワー……?」

確かに部屋の一角にはもう一つ空間がある。
おそらくあの部屋がシャワー室なんだろう。

モノクマ「あ、ちゃんとシャワー室には鍵を設けてるからね!そういう時でも安心だよ!」

灯織「どういう時なんでしょうか……?」

モノクマ「えーっと……伝えることはそれぐらいかな?まあ、気になることがあればまたいつでも呼んでよ。基本は参上するからさ」

灯織「いつでも、ですか?」

モノクマ「うん!ボクってばショートスリーパーだから!ナポレオンよりも短い睡眠時間で活動できるんだよ!」

灯織「……はぁ」

モノクマ「ま、そんじゃね!明日からも頑張ろうね~!」

灯織「行ってしまった……」

(でもモノクマの言う通り、この訳のわからない状況下では情報が全て。手に入る情報はしっかり確認しておこう)

【マップ】

(まずはマップの情報……現状見れるのは寄宿舎エリアに学校エリア、ともに一階ずつみたい。それでも学校エリアは保健室、寄宿舎エリアは大浴場と倉庫が進入禁止になってる)

(生活に欠かせない要素ばかり禁止されているような気がするけど……これは意図的に?)

【校則】
【1】生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。
【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。
【3】就寝は寄宿舎エリアに設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。
【4】希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
【5】学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。
【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。

(次に確認するのは校則……モノクマも言っていた【コロシアイ合宿生活】のルールだ)

(……本当にコロシアイをさせる気、なんだ。ただ殺人が強制ではないだけまだ救いはある)

(この校則の範疇で、どうにか脱出する方法を探らないと!)

【通信簿】
・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃
・【超高校級の占い師】風野灯織
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる

・【超高校級の幸運】園田智代子
・【超高校級の応援団長】西城樹里
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈

・【超高校級のギャル】和泉愛依

・【超高校級の???】浅倉透
・【超高校級のディベート部】樋口円香
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜
・【超高校級の学級委員】福丸小糸

※備考 オマエラの才能は学園長の独断と偏見で決定いたしました!
    こういうのはノリだよノリ!

(そして最後に通信簿……さっきモノクマに促されて私の部分は確認したけど、他のみんなにも才能が割り振られている)

(……備考欄にもある通り、本当に大した意味はないんだろう。浅倉さんのところが空欄になってる辺りかなり適当だし)

電子生徒手帳の情報を一通り確認し終え、再度ベッドに横になった。
……いまだに現実感がまるでない。
つい昨日……なんなら今朝まで普通の日常だったのに、急に監禁状態に加えてコロシアイ?
SF小説にしたってひどすぎる。
人権も何もあったものじゃない。
ため息が出て止まらない。

夢、こんなの夢じゃないとかおかしいでしょ……

これから私はどうなってしまうんだろう。
コロシアイ合宿生活最初の夜は、未知の恐怖と不安に対する無気力をかみしめる長い夜だった。

短めですが以上で本日の更新分は終了となります。
昨日に引き続き舞台設定、登場人物設定の紹介で終わってしまいましたが……

次の更新以降、自由行動パートが登場する予定です。
自由行動パートは原作では通信簿でキャラの深堀などが行われますが、
シャニマス公式コミュとの食い違いを避けるために別の形で自由行動パートは代えようと思っております。
(そもそも安価が回らなければすっ飛ばしてストーリーだけなぞるかも)


準備等ありますので次回更新は数日~一週間ほど空くものと思われます。
ありがとうございました。

木曜日21時より再開予定です。
よろしくお願いします。

それでは1章2日目より予定通り再開します。

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』

朝だ……

目を開けると真っ先に飛び込んでくるのが私を覗き込む監視カメラ。今までの人生で最悪の目覚め。

コロシアイ合宿生活……夢じゃなかった。

灯織「はぁ……」

ピンポーン

重いため息と共に体を起こすと、ちょうどインターホンが鳴った。

真乃「灯織ちゃん、おはよう」

めぐる「おはよう!灯織!」

扉を開けると、待っていたのはイルミネの二人。

灯織「真乃、めぐる……おはよう、今から食堂?」

真乃「うん、一緒にどうかなって」

灯織「ありがとう、すぐ準備するね」

ただ、イルミネの仲間がいてくれることだけは心強い。
こんな状況下でまだこうやって冷静でいられるのは真乃とめぐるがいてくれるから。

真乃「どう?灯織ちゃんは寝られた?」

灯織「……どうだろう、熟睡はしてなかったと思う」

めぐる「だよねー、監視カメラもあって落ち着かないよー!」

真乃「そうだよね……」

灯織「もうみんな食堂に集まってるの?」

めぐる「ううん!まだみんな揃ってないよ、大丈夫!」

灯織「良かった、じゃあ私たちだけでもひとまず先に行こっか」

真乃「ほわっ……食堂にティーパックがあったから紅茶を淹れるのはどうかな?」

めぐる「ナイスアイデア!」

【食堂】

食堂に着くと咲耶さんと霧子さん、樹里と凛世が既に待っていた。

咲耶「おや、イルミネの朝は早いんだね」

霧子「おはよう……真乃ちゃん、灯織ちゃん、めぐるちゃん……」

樹里「おっす、イルミネー」

凛世「朝餉の支度は、済んでおります……」

めぐる「おはよーーー!!」

灯織「皆さんお早いですね…」

樹里「まあアタシとかは寮暮らしで染み付いてるからな」

真乃「他のみんなはまだ起きてないのかな?」

霧子「小糸ちゃんは……起きてるの、見たよ……」

咲耶「もう少しすればみんな起きてくるさ、気長に待つとしよう」


_____咲耶さんの言葉通り、


甘奈「おはよー☆」

甜花「あぅ……おはよう……」

智代子「おはようございまーす!朝ごはんこれから?もうお腹すいちゃったよー」


______徐々にメンバーは揃っていき、


透「ん、おはよ」

円香「おはようございます」

雛菜「おはようございま〜す♡」

小糸「……ぉ、ぉはよう……ます……」


_____三十分も経たぬ内に


摩美々「おはようございまぁす」

愛依「あれ?!うちが最後?!みんな早くね?!」


_____全員が揃った。

咲耶「どうだい?みんなは昨日は寝られたかな?」

甘奈「うぅん……正直甘奈はほとんど」

灯織「私もです……」

愛依「アッハハ……状況が状況だかんね……」

円香「目を開けたらすぐ監視カメラが視界に入る状況で落ち着く方が無理」

霧子「どこを見ても……カメラがあるから……」

摩美々「プライバシーのかけらも無いよねー」

甜花「甜花、寝れなかったから……昨日は、電子生徒手帳をずっと弄ってた……」

智代子「そういえばみんな電子生徒手帳はもう確認した?驚いちゃったよね、通信簿!」

灯織「もしかして……才能のところ?」

智代子「うんうん!みんなにそれぞれ割り振られてて……」

愛依「うち、超高校級のギャルだって!見た目まんまじゃん!ウケる~!」

智代子「私の超高校級の幸運ってなんなんだろう……実際別に運が良いわけでもないし……」

摩美々「まあ適当っぽいけどねー……ノクチルなんかは特に」

円香「……ディベートなんかしたことない」

小糸「ま、円香ちゃんは……お仕事でもトークとか、すっごくうまいよ!」

円香「ディベートとはまた別でしょ?……小糸は、合ってるんじゃない?学級委員」

小糸「え、えへへ……そうかな……」

雛菜「あは〜?雛菜超高校級の帰宅部でしたね〜」

樹里「どういうことなんだよ……」

真乃「そういえば……っ!透ちゃんのところ、見れなかったんだけど……みんなはどうでしたか?」

灯織「確かに……私の端末でも見れなかった」

透「あー……うん、私からも見れなかったし、多分未定とか?」

円香「……」

甜花「一人だけ明かされない才能……!これは、後半に浅倉さん大活躍の予感……!!」

樹里「そもそも才能なんて言われても身に覚えもないっつーの」

甘奈「でも、モノクマが無意味につけたとも思えないし……きっと何か意味はあるよね?」

樹里「ろくな意味じゃなさそうだけどな」

咲耶「さて、寝不足のところ心苦しいのだけど今日も探索をしたいんだ」

真乃「ほわっ……?」

雛菜「それ以外やることもないですしね〜」

甜花「うん……まだ、隠されたルートが残ってるかもしれない……」

めぐる「うんうん!じっとしてても、何も始まらないしね!」

凛世「はい……天は自ら助くる者を助く……凛世たちにできることから行わねば……」

灯織「そうですね……助けを待っていてばかりでは始まりません、自分の足で進んで、自分で確かめないといけませんよね」

摩美々「言うじゃん灯織―」

灯織「ちゃ、茶化さないでください!」

真乃「灯織ちゃん……すごくいい言葉だねっ!私元気が出たよ!」

灯織「真乃……」

雛菜「あは~?朝からイチャイチャですね~?」

智代子「よーし!それじゃあご飯を食べたらまた探索に出発だね!早くご飯を食べよう!」

樹里「ご飯と探索、どっちがメインだ?」

智代子「え、えへへ……お腹が空きまして……」

透「あれ、そういえばご飯って」

凛世「材料はございましたので……簡単なものではありますが、凛世と樹里さんとで……」

樹里「おう、って言っても味噌汁ぐらいしか調理はしてねーんだけど……」

透「え、すご」

智代子「やった!出来立てのお味噌汁が飲めるなんて……ありがとう二人とも!」

咲耶「ああ、朝から二人の手料理が食べられるなんて……この学園にもこんな幸運があるんだね」

凛世「ふふっ……♪」

灯織「あっ……配膳、手伝います」

咲耶「……おっと、食事の前に一つ提案があるんだけど、いいかな?」

めぐる「提案?」

咲耶「ああ、今日のように朝の集合を習慣づけないかい?その方が、全員の安否確認も兼ねられるし、生活習慣の維持も望める……どうだろう?」

樹里「おー、いいんじゃねーか?」

甜花「毎朝……うぅ……頭が……」

甘奈「甜花ちゃんは甘奈が起こしに行くから大丈夫だよ☆」

灯織「私たちも賛成です」

愛依「ん、うちもいいと思う!」

咲耶「ノクチルのみんなはどうかな?」

透「大丈夫」

円香「浅倉が一番起きれるか心配でしょ」

透「ふふっ、そうかな」

咲耶「よし、それじゃあ決まりだね。概ね今日と同じ時刻……毎朝、朝8時を目安に食堂に集まることにしよう」

(毎朝の朝礼……しっかり出席するようにしないと。遅くても毎朝の7時半には来れるようにしておこう)

摩美々「あ、それと追加で良いですかー?」

咲耶「摩美々?どうしたんだい?」

摩美々「もうみんな校則は確認したと思いますけどー、夜時間ってあるじゃないですかぁ」

愛依「えっと夜十時から朝7時……だったよね?」

摩美々「その時間は基本個室以外出歩き禁止にしませんかぁ?」

摩美々「その方が、殺す殺されるでびくびくする必要なくなると思うんですよねー」

甘奈「そっか、個室自体は安全だもんね」

咲耶「強制力はないが……全員が自制すれば抑止力はあるかもしれない、私は同意するよ」

灯織「ある程度行動はお互いに把握できた方がいいということですか……私も賛成です」

摩美々「おっけー、それじゃそういうことでー」

雛菜「え~、雛菜日課のお散歩できないの~?」

小糸「そ、そんな日課あったっけ……」

(夜時間の出歩き禁止……口約束上の事ではあるけど、守るようにしておこう)

【灯織の部屋】

(……ふう、朝礼でいろいろ決まったこと、気を付けないと)

時計に目をやる。時間はまだ早い。

(……よし、このまま部屋でじっとしていても何も変わらないよね)

(せっかくだし、誰かと一緒に過ごしてみようかな?)

【自由時間開始】

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自由行動パートについて

・自由行動は主に三つの行動が選択可能です。購買のモノモノマシーンを利用してアイテムを獲得する【ガチャ】、獲得したアイテムをプレゼントしたりシナリオに則した会話を行ったりする【交流】、そして行動を行わず時間がそのまま経過する【休憩】の三種類です。ガチャを回すには学級裁判パート他で獲得可能なモノクマメダルを消費します。

・ガチャでは原作『ダンガンロンパ』のモノモノマシーンから登場するアイテムを01~90まで原作のアイテム番号をそのままコンマに割り振ります。

・以前も申しあげたとおり、交流パートは本来原作では通信簿によるキャラの深堀となりますが、原作との食い違いを避けるためにそういった要素は排除します。アイテムを渡した際の反応やシナリオの進行度に伴う雑談のようなものとお考え下さい。内部パラメータのようなものとして信愛度を考えており、一定値に到達した際はお役立ちスキルを獲得できるようにしております。

・こちらも以前申しあげたとおりですが、自由行動パートはストーリー展開には一切関与しません。何があろうと既定のシナリオ通りに進行いたします。

・安価が回らない場合は強制的に【休憩】を選択し、ストーリーを進行いたします。

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灯織「さて、どうしようかな……」

1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

2 樹里選択

【食堂】

灯織「あ、樹里……ごめん、朝ごはんの食器洗いの途中?手伝った方がいい?」

樹里「え?あー……おう、それじゃあそっちのお盆、頼めるか?」

灯織「うん、任せて……」

樹里と一緒に食器洗いをして過ごした……

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プレゼントを所持していないため、そのまま雑談パートに進行します

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樹里「なあ、灯織……灯織はさ、どう思ってる?」

灯織「えっ?……あー、その……それはどういう質問です、かな……?」

樹里「……ぷっ!あははっ!なんだよその口調?」

灯織「えっ……あっ……ご、ごめん……」

樹里「いや謝らなくていいよ、やっぱテンパっちまうよな、こんな状況なら」

灯織「……うん、やっぱりまだ呑み込めないし……どうなるのか、すごく不安」

樹里「……そうだよな、コロシアイとか……急に言われてもわけわかんねーっての!」

灯織「だよね……生きる、とか……死ぬ、とか……全然考えたことなかったし……」

灯織「でも樹里はすごいよ……私は固まっちゃってたけど、モノクマに一人で立ち向かっていって……」

樹里「大したことねーよ、今となっちゃあんなみんなを危険にさらす真似、後悔してるぐらいなんだしな」

灯織「ううん……立派だよ、私じゃ、絶対できないから」

樹里「そう言ってくれると助かるけどな」

灯織「……私は、今も怯えてる……怖くて、不安で……」

樹里「……ホントだよな」

(あっ……勝手に不安だとかなんだとかしゃべっちゃったけど……樹里はユニットメンバーの果穂と夏葉さんが今そばにいない……)

(私なんかよりよっぽど不安なはずなのに……)

(何か私で元気づけられないかな?)

1.「樹里……わ、私で力になれることがあれば気軽に話していいから……」

2.「みんながいれば、絶対脱出できるから……大丈夫、安心して」

3.自由安価

↓1

1 選択

灯織「樹里……わ、私で力になれることがあれば気軽に話していいから……」

樹里「……灯織」

灯織「ご、ごめん……私じゃ差し出がましかった、よね……!じゃ、じゃあこれで……!」

樹里「あーおい!何逃げてんだ!灯織!」ガシィッ

灯織「じゅ、樹里……首締まるから……」

樹里「うわっ!?わ、悪い……あのなぁ灯織、そんなに後ろ向きに考えなくても大丈夫だぞ?」

灯織「え?」

樹里「灯織はさ、人に頼られる価値のある立派なアイドルだってアタシは思ってる」

灯織「……そんな」

樹里「灯織本人はそう思ってないかもしれないけど、ファンだってみんな灯織のことを慕ってるんだし、灯織のことがみんな大好きで……」

樹里「だって灯織はさ、どんな時だって逃げずに立ち向かってきただろ?」

樹里「そんな灯織に頼ってもいいって言われて……アタシ、滅茶苦茶嬉しかった」

灯織「樹里……」

樹里「だからまたお茶でも飲みながら、こうやって話をさせてくれ!」

灯織「……うん!」

(自分で頼って……って言ったのに、結局樹里に励まされた形になっちゃったな)

(でも……樹里の言う通り、もっと前向きに考えてもいいのかもしれない。こんな状況なんだし、強い気持ちを持たないと……!)

【灯織の部屋】

樹里と食堂でひと時を過ごした後、部屋に戻ってきた……

(まだ時間はありそう、どうしようかな……?)

【自由時間開始】

灯織「さて、どうしようかな……」

1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

2 小糸選択

【小糸の個室】

(せっかくだし……これまであまり交流のない福丸さんに話しかけてみよう……)

ピンポーン

小糸「は、はい……ぁぁ……かざ、の……さん……」

灯織「こ、こんにちは……」

小糸「……ぇ……っと……」

灯織「……」

小糸「……」

(……き、気まずい!)

気まずいなりに一緒の時間を過ごした……

-------------------------------------------------

プレゼントを所持していないため、そのまま雑談パートに進行します

-------------------------------------------------

小糸「……」

灯織「……」

小糸「……」

(ダメだ……無言に耐え切れない……でも……)

灯織「あの、福丸さん……」

小糸「ぴ、ぴぇ……な、なんでしょう……」

灯織「いえ、その……」

(この小動物のような反応に、かえって私も委縮してしまう……)

小糸「……」

(私だって人見知りする性質だから……福丸さんの気持ちは痛いほどわかる……)

小糸「……ぁ、あの……」

(自分で話せないことに罪悪感を感じたり……そのせいでかえって言葉が出なかったり……)

小糸「……あの……」

(うぅ……283に所属したばかりのころを思い出すな……)

小糸「あ、あの!」

灯織「ひ、ひゃい?!」

小糸「……そ、その……せっかくだし、ざ、ざ、ざ、雑談、でも……」

(び、びっくりした……)

(で、でも……福丸さんなりに気をまわしてくれたんだ……私もそれに答えないと)

1.「じゃあここは役立つ豆知識でも……」

2.「仲のいいお友達とかはいるんですか?」

3.自由安価

↓1

1 選択

灯織「じゃあここは役立つ豆知識でも……」

小糸「……ぴぇっ?」

(雑談の力は私はあまり高くない……それなら、これまでに蓄積した引き出しで勝負する!)

灯織「福丸さんは普段揚げ物とかしますか?」

小糸「……え?」

灯織「揚げ物をすると、どうしても途中で衣が浮いて余分なゴミになったりしますよね?」

小糸「……ぇ、ぁ……は、はい……」

灯織「そんなときは冷や飯を入れるといいらしいですよ、お米があたりの衣のゴミごと吸ってくれるので掃除の手間が省けます!」

小糸「……ぇ……ぁ……」

小糸「…………」

小糸「……す、すごい……ですね……」

(よし、楽しく話せたみたい)

(うん、この感じなら私でも話せそう……)

灯織「続いてなんですけど……」

小糸「……つ、続くんだ……」

灯織「生卵は一度冷凍してから回答すると、白身はさらさらに、卵黄はねっとりとした味わいに……」

小糸「……あ、そうなんですね……ぁ……はい……」

(福丸さんも相槌を打ってくれてるし、楽しんでくれたかな……?)

【灯織の部屋】

福丸さんに豆知識を披露し、楽しい時間を過ごせた……

ふと時計に目をやる……時刻は9時前。
そういえば探索にばかり気を取られ、まだ夕食を摂ってなかったな……
不思議なもので、気づくと気になり出すのか、急に空腹感が湧き上がる。

(……1時間後には食堂に入れなくなるし、何か食べておこう)

私は食堂に向かうことにした。

【食堂】

食堂に入ると、示し合わせたわけでもないのに真乃が座っていた。
そしてその向かいには摩美々さん?少々変わった取り合わせ。

真乃「あっ……灯織ちゃんっ!」

灯織「真乃……摩美々さんも、どうしたんですか?」

摩美々「ふふー気になるー?」

二人はどうやら真乃の指先で何かしているらしい。
夕食を食べるついでに二人の遊びの場に同席させてもらうことにした。

真乃「灯織ちゃん、見て……っ!摩美々ちゃんがネイルをしてくれたんだ」

灯織「ネイル……うわぁ、綺麗……」

摩美々「どうしても閉鎖空間じゃ気が滅入っちゃうでしょー?真乃も元気なさそうだからちょっとねー」

真乃「ありがとうございます……っ!私あんまりネイルとかやったことないから新鮮で……」

摩美々「今回にはネイルグルーを使ったやつだから、外す時はお湯で接着剤を溶かしてねー」

真乃「は、はい……っ!」

摩美々「これ、私もう使わないからあげるねー」

真乃「い、いいんですか……っ」

灯織「良かったね、真乃!」

摩美々「ネイルにも色々種類があるから試してみるといいよ、こういういわゆる付け爪タイプは気軽に色々試せるから楽なんだけどねー」

真乃「ほわっ……マニキュアとはまた違うんですよね……っ」

(真乃、楽しそう……)

ユニットの垣根を超えた交流はこれまでにもあったけど、こんなに何日も朝昼晩を他の誰もいない、私たちだけで過ごした日々はそうそうなかった。もちろん状況が状況だけに喜べた物ではないんだけど、その中でも育まれた、決して何物にも負けない絆が私たちにはある。

___モノクマなんかに、負けはしないんだ。

【灯織の個室】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

(ふぅ……)

ご飯も食べれてお腹いっぱいだし、真乃の楽しそうな顔も久しぶりに見れて良かったな。
……明日からも、頑張らないと。

灯織「はぁ……」

起きていても気が沈むだけ、か。
仕方ない、無理やり自分を寝かしつけよう。

大丈夫、絶対この生活も終わりが来るから。

___

_____

_______

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』

(今日から朝礼が始まるんだよね、よし)

【食堂】

灯織「おはようございます」

咲耶「やあ、灯織。今日も早いね、よく眠れたかい?」

灯織「……昨日よりはマシ、ぐらいですが」

咲耶「そうか……無理はしないようにね」

灯織「お気遣いありがとうございます……」

私が到着した後、徐々にメンバーが揃い、朝礼が始まった。

咲耶「みんな、出席ありがとう。来てくれると信じていたよ」

咲耶「朝礼と言っても格式張ったものでもない、安否確認が目的だしね。後は自由にしてくれて構わないよ」

めぐる「よし、真乃、灯織!ご飯一緒に食べよー?」

真乃「ふふ……もちろん!」

灯織「うん、取ってくるね」

和気藹々とした朝食。この瞬間だけはコロシアイ合宿生活なんて状況にいることを忘れられる。

朝食を終えると、話の流れでこの生活をけしかけた犯人、モノクマの正体についての話題になった。

咲耶「しかし……このコロシアイをけしかけているのは誰なんだろうね」

霧子「咲耶さん……?モノクマさんだよね……?」

摩美々「モノクマを操ってる犯人のことでしょー?」

咲耶「ああ、こんな大きな学校を一つ占拠するなんて、並大抵の人間じゃない」

甜花「しかもモノクマの操作センス……並のゲーマーじゃない……!!」

樹里「そもそもゲーマーなのかよ?」

甘奈「大丈夫、甜花ちゃんが操作したらモノクマももっと滑らかな動きになるよ!負けてない!」

甜花「にへへ……」

樹里「なんの話だよ……」

智代子「ていうかモノクマ自体が謎だよね……あんなに精密なロボット、見たことないし……」

霧子「おしゃべりもできる、ロボットさん……」

灯織「……確かに、あそこまでの技術が日本にあるとは知りませんでした」

真乃「でも、そんな技術を使ってコロシアイ……なんて……」

愛依「どっからそんな発想になるんだろねー、怖くね?」

智代子「むむむ……あ!もしかして!」

樹里「ん?どうしたんだよチョコ」

智代子「犯人!わかったかもだよ!」

樹里「はぁ?!」

灯織「ほ、本当……?」

智代子「ふっふっふっ……名探偵園田智代子がお答えいたしましょう……ずばり、犯人は……」



智代子「【ジャスティスブラック】なのです!」



灯織「ジャスティス、ブラック……」

(私でも聞いたことがある……)

(ジャスティスブラックは今巷を賑わせている連続殺人鬼のあだ名だ。戦隊ヒーロージャスティスVのお面をつけていることから付けられたあだ名)

(未だにジャスティスブラックは捕まっておらず、放クラのみんなはそれに怒っていたっけ……)

樹里「果穂も好きなジャスティスVの名前を汚してる、あの殺人鬼が……?」

智代子「うん、一説によるとジャスティスブラックはテレビ関係者っていう話もあるしね……それならお金も持ってるだろうし、カメラとかも準備しやすいんじゃないかな!」

灯織「うーん……どうだろう、さすがにちょっと飛躍してるかな……」

智代子「あれれ!」

咲耶「とはいえ私たちの想像もつかないような相手であることは間違い無いだろうね」

めぐる「うーん……どんな人なんだろう」

摩美々「世界を裏で牛耳るお金持ちが、私たちを賭けの対象にしてるとかー」

智代子「だ、ダークすぎない?!」

摩美々「宇宙人に連れ去られて、人体実験の途中とかー」

智代子「まさかのロボトミー?!」

黒幕について考えても答えは出ることもなく、朝礼はそのまま解散になった。

【灯織の部屋】

(チョコの言ってた黒幕がジャスティスブラックという説……流石に無い、よね?そんなこと……)

(でも、モノクマなんて存在にこんな状況に陥れられてる以上、『ありえない』なんて考え方はリスキーかも)

(……)

(……なんだかソワソワしてきちゃったな、時間もあるし何かしよう)

【自由時間開始】

灯織「さて、どうしようかな……」

1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

1 選択

【購買】

(そういえばここにあったガチャガチャ……まだ回したことがなかったな)

(なんだかゴテゴテした装飾がついてるけど……ホントに大丈夫?)

(もし役立つものが手に入るなら……今後も利用したい)

(そういえば探索中に拾ったメダル……いくつあったんだっけ)

【メダルの所持数をコンマで決定します】

【直下のコンマ下一桁の値の枚数と同じだけの枚数を灯織は所持します(0は10枚判定)】

直下コンマ↓

【コンマ判定 1枚】

(ありゃ……あの時福丸さんに譲り受けた一枚だけだったか……)

(仕方ない、これで回すしかないよね)

-------------------------------------------------

モノモノマシーンに挑戦します

回す際は枚数分コンマ判定を行い、それに応じたプレゼントが獲得できます。
原作ダンガンロンパのモノモノマシーンより排出されるアイテムを番号順に00~90まで割り振ります。
91~00は別途シャニマスに類するアイテムを用意します。

-------------------------------------------------

【一枚消費します】

↓直下コンマで判定

【57】昭和ラジオを獲得しました!

(な、なんだろう……この古めかしいラジオ……)

(いや、私から見たら価値がわからなくても、もしかしたら好きな人もいるかもしれないし……)

(誰かにプレゼントしてみるのもありかな?)

【モノモノマシーンを終了します】

-------------------------------------------------

灯織「さて、時間はまだあるけどどうしようかな……」

× (選択不可)1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

2 智代子選択

【玄関ホール】

灯織「チョコ?こんなところでどうしたの?」

智代子「あ、灯織ちゃん!……うーん、探索のし忘れで抜け道を見落としてたりしないかなーって思って来ちゃいました!」

灯織「えっと……それで抜け穴は?」

智代子「へへ……もちろんございませんでした……」

灯織「そ、そうだよね……」

智代子「ううん、不肖園田智代子、こんなところでは諦めません!今ここに、希望ヶ峰学園探検隊を結成いたします!」

灯織「ち、チョコ?!」

智代子「灯織ちゃん、片っ端からもう一度探索してみよう!」

灯織「……え、ええ……?!」

チョコと一緒にどこか抜け道がないか一緒に探して過ごした……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています

1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)

↓1

2 渡さない

智代子「灯織ちゃん……私、とんでもないことに気づいてしまいました」

(いつになく深刻な表情だ……)

灯織「ど、どうしたの?……もしかして、この学園生活を打破する秘密か何か……」

智代子「えっ」

灯織「えっ」

智代子「ううん、違うの違うの!ごめんね、大したことじゃなくって……いや、私からすれば大したことなんだけど……」

灯織「こ、こちらこそごめん……勝手に先走っちゃって……き、聞かせてもらえる?」

智代子「うん……灯織ちゃん、それはね?」

灯織「……うん」ゴクリ



智代子「いまこの学園には、糖分を摂取する手段がありません」



灯織「……え?」

智代子「甘いものがないんだよー!チョコはおろかドーナツもタピオカも!お菓子というお菓子が見当たらないよー!」

灯織「えーっと……それって大事……」

智代子「大事だよ!」

灯織「だよね、大事だよね、うん……」

智代子「いい?人間は三日も糖分を摂取しないと死んでしまうといわれています」

灯織「どこ情報なのそれ……」

智代子「今日で二日目……デッドラインだよ、灯織ちゃん!」

灯織「だ、だからって……チョコ、間違ってもコロシアイなんか考えちゃダメだからね!」

智代子「あー違うの違うの!そんな深刻な話じゃなくてー!」

智代子「ただ、糖分を摂取しないと……こう、気分も上がらないですし……パフォーマンスも下がりますし……」

灯織「もう、夏葉さんがいないからって……」

智代子「ああっ!今のは夏葉ちゃんにはオフレコね!」

(流石に当分のためにいますぐどうこうってことはないと思うけど……チョコは甘いもの好きだし、今の生活は苦しいかも)

(私が何かしてあげられることってないかな……)

1.料理に砂糖を多めに入れてみるとか……
2.運動しよう!
3.自由安価

↓1

3 選択

智代子「うう……糖分が、糖分が足りなイ……私ガ、人デナクなる前二早ク……」

灯織「チョコ、らしくないよ」

智代子「ふぇっ?!」

灯織「ないなら作ればいいじゃない、一緒に作ろうよ」

智代子「り、料理かー……」

灯織「確か厨房に卵も牛乳も砂糖もあったよね……小麦粉もあれば簡単なパンケーキぐらいなら作れそうだよ」

智代子「な、なるほど……消費者から生産者に……」

灯織「それに今なら283アイドルのみんなの力を借りていろんなお菓子が作り放題……どうかな?」

智代子「うん!すごくいいアイデア!やろうやろう!」

(よかった……すごく喜んでくれた)

智代子「そういえば前も放クラのみんなで桜餅を作ったりしたことがあったなぁ……」

灯織「283のユニット、みんな仲がいいから一緒に料理とかよくしてるよね」

智代子「そういえばノクチルもこの前小糸ちゃんがクッキー焼いてたの見たな……」

灯織「そうなんだ……福丸さん器用なんだ……」

智代子「よし、誘ってまいります!」

灯織「えっ?!も、もう?!」

智代子「善は急げだよ灯織ちゃん!さっそくお菓子パーティの開催だよ!」

灯織「えっ、ちょっ……」

(行ってしまった……こういうときの行動力はすごいな、チョコは社交性も高いし……)

(まあ、この場合は……動機の主たる部分はお菓子なんだろうけど)

【灯織の部屋】

283のみんなで集まってお菓子を作って過ごした……

(ついつい食べ過ぎてしまった……私も久しぶりのお菓子でテンションが上がってた……)

(……運動しないとね)

-------------------------------------------------

灯織「さて、時間はまだあるけどどうしようかな……」

× (選択不可)1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

2 雛菜選択

【雛菜の部屋】

(う……緊張する……ノクチルの中でも、失礼ながら一番話しかけるのに勇気がいるというか……)

(同級生のはずなのに……なんなんだろうこの感覚)

ピンポーン

雛菜「はい~?……何か用ですか~?」

灯織「……あ、あの……もしお暇でしたら……その……」

雛菜「暇じゃないですよ~?」

灯織「えっ……あっ……」

雛菜「こんな緊急事態に暇な人っています~?」

灯織「……そ、そうですよね」

雛菜「ん~……用事、ないんですか~?」

灯織「あの、その!い、一緒に……過ごさせて……もらえたらと」

雛菜「ふ~ん……」

灯織「い、イヤだったら……お気になさらないでください、すぐさま退散しますので……!」

雛菜「……う~ん、入って~?」

灯織「えっ」

雛菜「雛菜の部屋でおしゃべりでもします~?」

市川さんの部屋でおしゃべりさせていただいた……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています

1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)

↓1

2 渡さない

雛菜「~~♪」

(市川さん、すごい豪胆さだ……私が目の前にいてもまるで意に介さず自由に過ごしている……)

(……でも、物怖じしていては何も進まない、なにか話してみよう)

灯織「い、市川さん……アイドルになってみてどうですか?」

雛菜「え~?」

灯織「そ、その……これまでの学校生活と何か変わったりだとか……」

雛菜「ん~、そりゃまあ変わりましたね~」

灯織「……」

灯織「え、えっと……どうでしょう、アイドルは楽しいですか?」

雛菜「ん~、楽しいんじゃないですかね~」

灯織「そ、そうですか……よかったです……」

(……ダメだ!まるで響いてる感じがしない!)

(市川さんの視界に入ってるんだよね……?私……)

雛菜「……あの~、別に無理して話そうとしなくていいですよ~?」

灯織「えっ……?」

雛菜「雛菜たちは雛菜たちでそれなりに楽しくやってるので~、別に無理して合わせてもらわなくても~」

(ち、違う……そんなつもりじゃ……気を使わせてしまっている?!)

1.「な、仲良くなりたいんです!」
2.「ノクチルの皆さん、とっても仲がいいですよね」
3.自由安価

↓1

1選択

灯織「な、仲良くなりたいんです!」

雛菜「……っていうと?」

灯織「その、別に事務所の先輩だから、とか……こんな状況だから、とか……そんな社交辞令みたいな意味ではなく……」

灯織「純粋に、同年代の学友として……市川さんのことともっと仲良くなりたいと思ってるんです」

灯織「言葉足らずで誤解をさせてしまっていたらすみません……ですが、私はその、友達に……なれたら、と……」

雛菜「……そうですか~」

(そ、そうですかって……)

雛菜「……ごめんなさい」

灯織「えっ?い、市川さん?」

雛菜「雛菜の態度、やっぱり失礼だったりするんですかね~?」

灯織「い、いえそんな……」

雛菜「雛菜たち、アイドルになっても今の関係性を変えたい~とかそんなに思わないから冷たく感じられてたりするのかな~って」

灯織「そうは思いませんが……その、お話しする機会がもう少し増えたら嬉しいな、とは……」

雛菜「あは~?」

灯織「……これから、もっと仲良くなりたいんですが」

雛菜「そうですね~、他のアイドルの皆さんとももっと雛菜も仲良くなりたいですし~」

雛菜「また誘って下さ~い」

(うっ……追い出されるように別れてしまった)

(ただ私の思っていることはしかり伝わった……と思う)

(ただ、市川さんにとってはあくまで『他のアイドルの皆さん』……なのかな)

【灯織の部屋】

市川さんとのやりとりに歯がゆさを感じながら自分の部屋に戻った……

-------------------------------------------------


ピンポンパンポーン

(あれ?まだ夜時間には早いよね?)

そんな私の違和感を裏付けるように、いつもとは違うアナウンスが流れ始めるのであった。

『えー、校内放送です』

『オマエラこんばんは、モノクマ学園長から皆さまにお話がございます』

『至急体育館までお集まりください!来なかったら……分かってるよね!』

(こんな時間に呼び出し……限りなく嫌な予感がするけど、行くしかない……)


モノクマに危害を加えられるかもしれない、私はその程度の警戒心で自分の部屋を後にした。



_____でも、私の見通しは甘かった。

これが全ての始まり。あの惨劇が巻き起こるその前ぶれだったんだから。

今回の更新はここまでになります。
次回は動機発表~(事件発生)を目安に進めていく予定です。

続きは2/26(金)21:00~更新予定です。

それではおやすみなさい……

予定通り続きより再開します。

【体育館】

体育館に着くと、もうみんな集まっていた。突然の呼び出しに、みんな不安げな表情。

甜花「甜花、もうおやすみモードだったのに……」

樹里「なんだってんだよ……こんな呼び出し」

霧子「なんのお話なんだろう……」

と、私が合流するとすぐに。
それは始まった。

モノクマ「時は金なりと言いますが、実際のところ時とお金は同価値ではございません」

モノクマ「銀行じゃ時間は引き出せないし、目覚まし時計の中にお金は詰まっていません。入ってるのはブッサイクなこまごましい機械だけなのです!」

モノクマ「インテリぶった輩が考えた言葉なんてこんなものなのです、よよよ……」

智代子「またなんか訳のわからないこと言ってる!」

樹里「でやがったなモノクマ……」

モノクマ「ワオ!あいも変わらず敵意むき出しだね!魚肉ソーセージみたいに剥き身だね!」

めぐる「魚肉ソーセージって全体包まれてない?!」

モノクマ「まあそうカッカしないでよ!今日はオマエラにプレゼントがあるんだからさ!」

灯織「プレゼント……?」

モノクマ「うんうん!このコロシアイ合宿生活も始まって数日経つけどさ…………」

モノクマ「ぬるいよ!ぬるすぎるよ!冬場のお風呂ぐらいぬるぬるだよ!」

透「すぐ冷めるよね、冬は」

円香「……」

透「いてっ」

モノクマ「アイドルたちのワクワク共同生活~なんて食傷気味なわけ!もっとみんなは血みどろで本性むき出しなスリリングが見たいわけ!」

樹里「なにを言われようがアタシらに殺し合う気はないからな」

めぐる「うんうん!絶対!」

モノクマ「はぁ……凶器も環境も充実しているのにオマエラと来たら誰も殺し合う素振りすらないんだよ……萎えちゃうよね」

モノクマ「でも分かったんだよ!動機が足りなかったんだよね!」

小糸「ど、動機……」

雛菜「人を殺す理由ってことですか~?」

円香「それならこの生活自体がそうなんじゃないの?……監禁したから、ここから出たければ人を殺せ」

透「あー……モノクマも言ってたしね」

モノクマ「外の世界に出たい……それじゃ弱かったんだよ。オマエラってば仲良しでお人よしみたいだからさ!」

モノクマ「だから考えました!それに加えてもっと強力な動機、オマエラの絆を引き裂くぐらいのやつね!それが足りなかったんだ!」

灯織「なっ……!」

甜花「絆を……」

甘奈「引き裂く……」

_____とてつもなく嫌な予感がする。
喉の奥がひりついて、呼吸が浅くなる。

モノクマ「お手元の電子生徒手帳をご覧ください!」

促されるまま電子生徒手帳に目を落とす。
すると、

ピロリ

電子音と共に画面上には何かファイルが浮かび上がってきた。

凛世「こちらは……?」





モノクマ「これが動機……【秘密】だよ」





灯織「秘密……?」

モノクマ「オマエラがお友達にも言わずにひっそりと抱え込んである秘密……それがそのまま書かれているファイルだよ!」

円香「……っ!!」

愛依「なっ……マジ?!」

樹里「そ、そんなの嘘っぱちだろ!」

モノクマ「うぷぷぷ……まあ信憑性は見てもらえれば一目瞭然!」

モノクマ「このボクの千里眼にかかれば分からないことなんてないんだよ!」

一斉にどよめく体育館。
それもそのはず、抱え込んだ秘密が今目の前にあるといわれて冷静でいる方が無理だ。
私も、その心当たりがないのに胸騒ぎが止まらない。

これが、動機……人を殺しに駆り立てる動機……





……これが?

めぐる「あれ?……でも、それと動機になんの関係性があるの?」

モノクマ「はぬ?」

真乃「うん、既にモノクマが私たちの秘密を知っているなら……動機にはならないよね」

そう、二人の言う通りなのだ。
むしろ【秘密】が本当に動機なのだとしたら、モノクマがそれを知っている時点で動機としての意味は失効しているも同然。

冷静になってみると……
動機としてはむしろ弱いのではないかとすら思えてきた。


モノクマ「なるほどなるほど、そういうことですか」


しかし、モノクマは私たちのそんな疑問にも明確な回答を用意していた。


モノクマ「ならばお答えしましょう!その『秘密』……実は」








モノクマ「ファイルの受信者【以外の誰かの】秘密なのです!」






灯織「……!?」

モノクマ「櫻木さんなら櫻木さん以外の、八宮さんなら八宮さん以外の。残り15人のうち誰かの秘密が書いてあるのです!」

モノクマ「おっと、今この瞬間から自分の電子生徒手帳を他人に見せるのは禁止だよ!そうでなきゃ意味がないからね!」

【校則が追加されました】

“【7】自分の電子生徒手帳を他人に見せることは禁止します。プライバシー保護の意識を高く保つよう心がけてください。”

モノクマ「どう?他人に知られたくない秘密、それが既に他人に知れ渡ってる……」

モノクマ「ソイツが別のやつに言いふらしたらジ・エンドだね!人の口に戸口はつけられないからね!」


なるほど、モノクマはなにも秘密を人質に強請ろうとしているわけではない。
自分で言ったとおり、私たちの絆を引き裂くことが目的。
それならば、疑心暗鬼な状況を生み出そうということ。



樹里「……ふふ」

モノクマ「……なに笑ってんのさ」





……だけど、これでも拍子抜け。





樹里「バカだな、モノクマ!アタシたちがそんなことで仲違いするとでも思ってんのかよ!」

モノクマ「はぬぅっ?!」

咲耶「ああ、どうやらキミは私たちの間の信頼というものを少々低く見過ぎているようだね」

めぐる「うんうん!自分の秘密を他の人が知ってるからって仲が悪くなんかならない!」

甘奈「甘奈たちはむしろ、それを乗り越えちゃうんだから!」

愛依「むしろもっと仲良くなっちゃったりして!」

真乃「動機なんて言うからびっくりしちゃったけど……大丈夫そうだねっ!」

透「うん、問題なし」

モノクマ「なんだよ!なんなんだよ!せっかく人がコロシアイしやすくしてやったってのにさ!」

雛菜「人じゃなくてクマだけどね〜」

モノクマ「あーオマエ、揚げ足まで取りやがったな!コケにしやがって……もう怒ったぞー!」

樹里「あーあ、せっかく呼び出したのに全部台無しだな」

霧子「これなら、大丈夫そう……!」

モノクマ「怒ったクマー!」


と、怒鳴るだけでモノクマはそれ以上はなにもしてこず……その姿を消した。


智代子「……行っちゃった」

真乃「……終わったのかな?」

愛依「アッハハ!なーんだ、そんな心配する必要なかった系じゃん!」

甘奈「そうだね、一安心だよー」

咲耶「この程度で信頼が揺らぐとは甘く見られたものだね」

灯織「はい……この程度で殺し合うなんて……ありえません」

樹里「そもそもそんな秘密自体がアタシには無いしな!」

めぐる「わたしも身に覚えがあんまり無いかなー」

凛世「このまま共同生活も、つつがなく行えますでしょう……」

モノクマの用意した動機。
それは思っていた以上にあっさりとしたもので、差し迫った恐怖すら感じることもなく、平和的にやり過ごすことができるものだった。

みんながそう感じたのか、体育館には和気藹々としたムードすら生じ始めていた。


摩美々「ストップー」


だけど、摩美々さんだけはそんな私たちを窘めた。


咲耶「摩美々?」

摩美々「あんまりそれ以上言わないほうがいいんじゃない?」

愛依「え?」

摩美々「自分ではそうかもしれないケド、他の人がどんな秘密を持ってるのかはわかんないじゃない?抱え込んでる人を追い込みかねない発言はやめたほうがいいよねー?」

(……!!)


そうだ、私はそんな秘密に身に覚えがないからこうして笑っていられるけど、内心不安な人ももしかするといるかもしれない。

そんな人にこのムードはむしろ危険だ。追い詰めてしまうことにもなりかねない。


めぐる「そ、そっか……」

摩美々「別に秘密があること自体は悪いことじゃないんだしー、この場以降もう触れない方がいいんじゃない?」

円香「……そうですね、自分の尺度で物事を判断しすぎるのは良くないかもしれません」

樹里「そうだな……悪ぃ」

咲耶「摩美々の言うことにも一理あるね……今回の動機については今後言及は避けよう、それとできれば他の人の秘密とやらも見ない方が望ましいね」

灯織「……そうですね、お互い信じ合うためにも」

凛世「先ほど追加された校則により……口頭以外での流出は避けられます……それがよろしいかと……」

智代子「うん!それじゃあ他の人の秘密は見ない!口外しない!……ってことで!」

摩美々「異議なーし」

灯織「うん……!」



摩美々さんの言葉で冷静になることができた。
あのまま別れていれば、もしかすると思い詰める人も現れたかもしれない。



でも、こうして秘密は相互不可侵だと口約束を取り決めた以上、その心配はない。



私たちは本当の意味でモノクマの動機提供をやり過ごすことができたんだ。







透「……秘密、ね」





【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

(他の人の秘密……か)


気にならないといえば嘘になる。誰にでも少しぐらいそういうものはあるものだし、それが知り合いなら尚更。
……けど、みんなでこの秘密は絶対に見ないと決めたからには、それは裏切れない。


灯織「私は絶対に見ない……見ないから!」


自分に言い聞かせるようにそう叫ぶと、電子生徒手帳を乱暴に放り、ベッドに潜り込んだ。

___

_____

_______

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』

(……朝か)

(昨日はモノクマに提示された動機のことを考えてて……あんまり寝れなかったな)

(ほかの人は見たりしたのかな……いや、ダメダメ!こんなこと考えても仕方ないよね!)


-------------------------------------------------

【食堂】

灯織「おはようございます」

咲耶「やあ、灯織」


食堂には相変わらずのメンバーが既に揃っていた。
その後に来るメンバーも相変わらず……とはいえ私たちが早いだけなんだけど。


8時の規定時刻にはみんな間に合わせるあたり、しっかりした人たちだ。


咲耶「今日も探索を行うのは変わらずだね」

摩美々「じゃ、解散前にかくにーん。誰か秘密を見たりしましたかー?」

全員「……」

摩美々「大丈夫そうですねー」


うん、私たちの中にはなにがあっても切れない絆がある。信頼がある。
あんな動機如きで揺らいだりなんかしない。



恒例の朝礼を終え、各自探索に動き出そうとしていた時だった。


めぐる「ねえ灯織!この後みんなでミニバスケやるんだけど参加しない?」

灯織「……?」

めぐる「うん!今樹里たちとそういう話になって……他のみんなも誘ってる最中なんだけど、どうかな?」

(うーん……どうしよう……)

(正直なところ、まだそんな気分にはなれないかな……この生活で心身万全でない……)

(そんな状況で一緒にプレイしたところでかえって迷惑かけるかもだし……)

灯織「ごめん、めぐる……今回は遠慮しようかな」

めぐる「そっか……うん、わかった!また今度誘うね!」

(こんな場所じゃなければ、もっと気軽に参加できたんだけど……)

【灯織の部屋】

(なんだかめぐるには悪いことしちゃったかな?)

(うーん……それでも、私じゃみんなについていけるか怪しいし……)

(今はどうも考え事をしてしまうし、迷惑もかけたくないし……)

(うん、私には私のできることがある。それを優先しよう)

【自由時間開始】

灯織「さて、どうしようかな……」

【めぐる、咲耶、樹里、凛世、智代子、愛依の六名はミニバスケの最中なので選択できません】

【事件発生前最終日の自由行動です】

1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

2 真乃選択

【真乃の部屋】

(昨日の動機提供の話もあるし……真乃は大丈夫かな)

ピンポーン

真乃「はーい……ほわっ、灯織ちゃん!どうしたの?」

灯織「うん、ちょっと手持無沙汰だったから……」

真乃「灯織ちゃんもバスケには行かなかったんだね……っ」

灯織「あ、うん……昨日のこともあって、本調子じゃないのに参加したら悪いから……真乃は?」

真乃「うん……そうはいってもやっぱり、ちょっと不安だよね……」

灯織「それなら真乃、一緒に過ごさない?」

真乃「ありがとう灯織ちゃん……っ!嬉しい……!」

灯織「一緒に何かしてたら気もまぎれるし……昼ご飯一緒に作ったり……どうかな?」

真乃「うん!」

厨房で真乃と一緒に料理をして過ごした……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています

1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)

↓1

2 渡さない

真乃「……」

(時々押し黙るようにして思いつめたような表情を見せる……)

(真乃も決して弱い子ではないけど、この状況なら不安に感じることもあるよね)

灯織「真乃……大丈夫?」

真乃「ほわっ……ご、ごめんね、大丈夫だよ……っ!」

灯織「無理しなくていいから、昨日の動機の話もあるしそう考え込まないで」

真乃「うん……」

灯織「不安なのは、私も一緒……ううん、私の方が多分……」

真乃「灯織ちゃん……」

(あ、しまった……また私の方がついつい弱音を……)

(もっと前向きな話をしよう……!)

灯織「ねえ、真乃……この学校から出れたら何がしたい?」

真乃「えっ……?」

灯織「あ、ご、ごめん……なんか、前向きなことを話せたらいいかなって……あ、えーっと……」

真乃「ふふ、私はまた灯織ちゃんとめぐるちゃんとピクニックに行けたらいいな」

灯織「ピクニック……?」

真乃「覚えてないかな?一緒に公園に行ってサンドイッチを食べたんだよ」

灯織「覚えてる覚えてる!忘れないよ!……うん、すごく楽しかったよね」

真乃「うんっ!私、みんなで一緒に食べたサンドイッチの味も今でも思い出すくらいで……」


1.「絶対、一緒に帰ろうね」
2.「次はプロデューサーも一緒に……」
3.自由安価

↓1

1 選択

灯織「絶対、一緒に帰ろうね」

真乃「ほわっ……」

灯織「私も真乃とめぐると……プロデューサーと……事務所の皆さんと……一緒に過ごした日々が今でも昨日のように蘇るんだ」

灯織「すごく楽しい『日常』がそこにあったから……」

真乃「灯織ちゃん……」

灯織「何があっても、絶対に帰ろう……ね?」

真乃「うん、絶対だよね……っ!」

灯織「大丈夫、ここにはめぐるも……ほかにも皆さんがいるんだし、心配ないよ」

真乃「うん、みんなで頑張れば絶対脱出できるよね!むんっ!」

灯織「真乃……」

真乃「それでここから脱出したら一緒にピクニックに行って……」

灯織「めぐるも、他の皆さんも誘って……」

真乃「灯織ちゃんには特製ハンバーグをまた作ってもらって……」

灯織「えっ?!う、うん……いい、けど……」

真乃「ふふ、灯織ちゃんは料理がすごく上手だから楽しみ……っ!」

灯織「も、もう真乃……ふふ、ふふふ!」

真乃「ふふっ♪」

(戻ったら一緒にピクニックをする約束をしてしまった……)

(ふふ、この学園から脱出する楽しみが一つ増えちゃったな)

(……なんとしてもみんなで一緒に、脱出しないと)

【灯織の部屋】

真乃と一緒に脱出した後のことを想像して過ごした……

(私も真乃も、一人だとなかなか前向きなことって考えづらいから……)

(そういう意味では二人がこの学校にいてくれてよかったな)

(二人のおかげで、希望を保っていられる)

-------------------------------------------------
【自由時間開始】

灯織「さて、時間はまだあるけど、どうしようかな……」

【めぐる、咲耶、樹里、凛世、智代子、愛依の六名はミニバスケの最中なので選択できません】

【事件発生前最後の自由行動です】

1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

2 甘奈

【視聴覚室】

灯織「甘奈……こんなところで何してるの?」

甘奈「あっ、灯織ちゃん!甜花ちゃんが退屈そうにしてたからここのビデオで何か面白いものがないか探してたんだ☆」

灯織「へー……何かあった?」

甘奈「うーん……ちょっと外れたB級映画みたいなやつとか……どうだろ?」

灯織「う、うーん……流石にサメ映画は当たり外れが激しいから……」

甘奈「あれっ?!そうなの?!甜花ちゃんの持ってたゲームに似たようなのがあった気がしたんだけど……」

灯織「ゲームのサメと映画のサメは、多分違う……」

ビデオラックからおすすめの作品を引っ張り出して紹介した……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています

1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)

↓1

2 渡さない

灯織「そういえば、甘奈は毎日甜花さんを起こしてるんだよね?」

甘奈「えっ?うん、そうだよ☆どうしたの?」

灯織「いや……そういえば毎朝の朝礼いつも同時に来るなって思って……家でもそうなの?」

甘奈「ううん、甜花ちゃんもお仕事の時とかは自分一人で頑張るし、毎日が毎日じゃないよ!」

灯織「あっ……そうなんだ」

甘奈「でもこっちに来てからは、不安なことも多いから……」

灯織「それでなんだ……」

甘奈「毎晩一緒に寝てるんだよね」

灯織「へぇ……」

灯織「え、えっ?!ね、寝てるの?!」

甘奈「えへへ……夜一人だと甘奈が不安だから……甜花ちゃんに無理言って一緒の部屋で寝てるんだよね☆」

(そういえば校則は個室外の故意の就寝の禁止だった……)

(別の人の個室ならOKなんだ)

甘奈「やっぱり甜花ちゃんは頼れるお姉ちゃんだから……こういう時は、すっごく心の支えになるんだ!」

灯織「うん、すごくいいと思う……うらやましいな、妬けちゃうぐらいに」

甘奈「えへへ……」

1.「私もお姉ちゃんが欲しいな」
2.「こ、今度お泊り会でも……」
3.自由安価

↓1

1 選択

灯織「私もお姉ちゃんが欲しくなっちゃうな……こういう状況で家族っていう頼れる存在があると心強いよね」

甘奈「うん、甘奈ね……甜花ちゃんがいなかったら、もう一日目に滅茶苦茶になってたかもしれない……それぐらいには毎日が、怖い」

灯織「甘奈……」

甘奈「それでもね、甜花ちゃんが気づかせてくれるんだ。甘奈は一人じゃない、一人で抱え込まなくていいんだーって」

灯織「……ふふっ、ほんといいお姉ちゃんなんだね」

甘奈「そうだよ!甜花ちゃんはめーっちゃ可愛くて、めーっちゃ最高のお姉ちゃん☆」

灯織「すっごく仲がいいもんね」

甘奈「えへへ……そう見えちゃうかー」

灯織「きっと、甜花さんも同じように甘奈のことを思ってると思うよ」

甘奈「え?」

灯織「甜花さんにとっても、甘奈は心強い妹……よりどころになってると思う」

甘奈「……そう、かな」

灯織「せっかく家族っていう絶対的な繋がりがあるんだし、この生活下では大事にしてね」

甘奈「もちろん!今日もまた甜花ちゃんと一緒にお泊りするんだしね☆」

灯織「ふふっ、ほんと仲がいいんだから」

甘奈「えへへ、ありがとう灯織ちゃん!またね!」

(ふふっ、話してる間ずっと笑顔だった……)

(甘奈、本当に甜花さんのことが大好きなんだ)

【灯織の部屋】

(ふぅ……今日も探索はしたけど成果としては何もあげられなかったな……)

(まだ夜時間までは時間もあるし、そろそろお腹が空いたな。食堂で晩ご飯でも食べようかな)

-------------------------------------------------

【食堂】


食堂につくと、すでにミニバスケ組が帰ってきており、晩御飯を食べた後のようだった。


めぐる「あっ、灯織ー!」

灯織「めぐる……もうミニバスケ大会は終わったの?」

咲耶「ああ……良い汗を流すことができたよ」

凛世「はい……久方ぶりの運動は、大変良きものにございました……」

智代子「はぁ……はぁ……みんな元気すぎない……?」

愛依「楽しかったねー!」

灯織「ふふっ、それは良かったです!」


楽しかったと朗らかに笑う愛依さんだったが、その右肩には湿布がべったりと貼られていた。

灯織「……愛依さん、どうしたんですかその湿布」

愛依「あー、これ?アッハハ……運動マジやってなさすぎて鈍ってたんだよね。軽いダッキューみたいになってる感じ?」

灯織「だ、脱臼って?!」

愛依「だいじょぶだいじょぶ!そこまで酷くはないから……痛っ!」

灯織「愛依さん……無理はなさらないで……お盆も私が運びますから」

愛依「ごめん灯織ちゃん……マジ助かるわ。肩より上に腕が上がんなくてさ……」

灯織「あの、幸い霧子さんもこの学校にはいることですし……見てもらったらどうでしょう?」

愛依「あー、確かに!まだ時間はあるし、夜時間になる前に見てもらっとこうかな」

灯織「はい、その方がいいですよ!」

-------------------------------------------------

智代子「ふぅ……運動もしっかりしたし、ご飯もしっかり食べて……眠たくなってきちゃったね」

咲耶「フフ、そうだね。健全な疲労感が心地よい……今日は久しぶりによく寝られそうだ」

灯織「もう皆さん部屋に戻られるんですか?」

咲耶「そうだね……めぐると灯織の語らいを邪魔しても悪いし、ここはお暇させてもらおうかな?」

灯織「そ、そんなお気遣いなく!」

咲耶「フフ、ごゆっくりどうぞ」

愛依「ふぁぁ……うちも眠たくなってきたかも。灯織ちゃんまた明日ねー」

凛世「お先に、失礼いたします……」

樹里「ほらチョコ、個室で寝ないとモノクマに何されっかわかんねーぞ」

智代子「うぅ……樹里ちゃん、ありがとう……」

めぐる「おやすみ、みんな!」

樹里「おう、じゃあな!」

そしてめぐるを残してミニバスケ組は一足先に食堂を出て行った。


灯織「めぐるも疲れてるでしょ?無理に残らなくて良かったのに」

めぐる「ううん!いいのいいの!わたしもお話したかったし!」

灯織「そう?……ふふっ、それじゃあ早速今日の球技大会がどうだったか聞いちゃおうかな?」

めぐる「まっかせてー!すごい激戦だったんだよ!あのね、まず咲耶がスリーポイントシュートを……」


そこからはめぐるにその日の球技大会のエピソードを聴きながら、晩ご飯を食べた。

-------------------------------------------------

灯織「ふふっ……すごく楽しかったんだね」

めぐる「うん!次やるときは灯織と真乃も一緒にやりたいなー」

灯織「そうだね、次は参加しようかな」

めぐる「ぜひぜひ!我々希望ヶ峰ミニバスケクラブはいつでも新規入会をお待ちしております!」

灯織「ふふっ、なにそれ」


私たちが冗談を言い合ってはしゃいでいると、時計の針はいつの間にか9時30分を指していた。


灯織「めぐる、そろそろ私たちも行こっか。夜時間に食堂にいるとまずいし……」

めぐる「わわっ!そうだね!ついつい話し込んじゃったね!」

灯織「時間はあるし……また明日、一緒に話そう」

めぐる「うん、そうしよう!」

【寄宿舎廊下】


めぐると二人で話しながら寄宿舎へと向かっていると、愛依さんと摩美々さんと霧子さんの姿があった。


愛依「じゃ、ありがとね、霧子ちゃん!」

霧子「うん……激しく動かさなかったら、大丈夫だから……安静にしててね……!」

摩美々「でも愛依はそそっかしいから、無茶な要望かもしれないねー」

愛依「ちょっ……ヒドくね?!」

めぐる「おーい、みんなー!」

愛依「あっ、灯織ちゃんにめぐるちゃん!」

灯織「霧子さんに治療してもらったんですね」

霧子「うん……簡単に、だけど……」

愛依「ごめんね、摩美々ちゃんと二人でいたところ邪魔しちゃって」

摩美々「ホントだよー」

霧子「ううん……いいの……」

めぐる「こんな状況で怪我でもしたら一大事だからね!愛依もしっかり治すこと!」

愛依「はーい!先生!」

摩美々「もう怪我はしちゃってるんですけどねー」


なんて話し込んでしまっていると。

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

愛依「わ!やばっ!十時超えちった!」

摩美々「夜時間は外出禁止ですし、戻らなきゃですねー」

霧子「うん……そろそろ、寝ないと……」

愛依「ちょびっと超えたことはみんなには内緒にしとこ!ね!」

灯織「ふふっ、そうですね」

愛依「じゃ、みんなまた明日―!」

摩美々「じゃあねーおやすみー」

霧子「おやすみなさい……」


そうしてみんな去っていった。
二人残った私とめぐるも。


めぐる「じゃあ灯織!また明日ね!」

灯織「うん、また明日」


-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

めぐると別れて自分の部屋に戻る。
また明日……なんて言ったけど、一体いつまでこの生活は続くんだろう。
警察とか……助けの人が来る気配も今のところないし……

前も後ろも見えないマラソンを走っているみたいな気分……

はぁ……
大きなため息をつき、そのまま深い眠りへと落ちていった。




キィィィ……







「……そろそろ」


「さて、と……確かめないとね」


「自分の目で、自分の耳で、自分の心で」


「……負けたくないじゃん」





カツ……カツ……

___

_____

_______

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』


変わらない天井だ。
今日も今日とてこの学園に囚われている。
ゆっくりと体を持ち上げて、また食堂に行き、食事をしてあるかどうかもわからない脱出口を探す。そして夜が来てまた眠る。
その繰り返しだ。
……意識していないと自然とため息が出る。


ピンポーン

インターホンだ。


めぐる「おはよう灯織!」

灯織「めぐる、真乃……おはよう、今日も早いね」

めぐる「えへへ!早起きは三文の徳って言うでしょ!今日も早起きしたんだ!」

真乃「ふふっ……めぐるちゃん、今日も朝のチャイムが鳴ると同時にインターホンが鳴って……びっくりしちゃった……っ」

めぐる「わわっ、ごめん真乃!早すぎて迷惑かけちゃったかな?!」

真乃「ううん、だいじょうぶ!嬉しかったよっ!めぐるちゃんと毎朝会うの、すごく楽しみだから……」

灯織「ふふっ……めぐるは変わらないね」


多分、めぐるは変わらないようにしてくれてる。
360度変わってしまったこの生活の中で、私たちが私たちで居続けられるように、めぐるは笑顔を絶やさない。
その笑顔に救われている。


灯織「じゃあ……そろそろ行こうか」

真乃「うん、みんな待ってるかもしれないし……」

めぐる「わたしもお腹空いちゃってるんだー!」


イルミネの二人の前では、私もできるだけ気丈に振る舞ってはいるものの、その虚勢もいつまでもつか。だいぶ応えている。

私に心当たりはないけれど、一昨日配られたモノクマからの動機。
あれもあることだし、常に頭のどこかがもやもやしている。

【食堂】

咲耶「やあ、今日もイルミネの朝は早いね」

霧子「おはよう……♪」

めぐる「おはようございまーす!」


食堂に着くと、いつも通り咲耶さんと霧子さん。樹里と凛世が待っていた。


灯織「あっ……配膳、手伝う」

樹里「いいっていいって!灯織は座って待ってな!」

灯織「そんな……悪いよ、いっつも樹里ばっかり」

凛世「ふふっ……♪今日も、寮の味付けで澄まし汁をご用意いたしました……」

真乃「ほわぁ……すごくいい匂い……」





そしていつも通りの朝が始まる……はずだった。











_______ガシャーン!ガランガランゴロ・・・・・・





食堂にも響き渡るほどの凄まじい衝撃音。
まるで金属が床とぶつかったような鈍い音が耳を劈いた。


真乃「ほわっ……?!」

灯織「い、今のって?!」

めぐる「なんの音だろう……?!」


こんな音、この学園に来てから一度も聞いたことのない音だ。
モノクマがまた何かをしようとしている……?

嫌な胸騒ぎがする。けど、この胸騒ぎは、モノクマと向き合った時とはまた違う。
もっと根源的な……本能的な胸騒ぎ。虫の知らせというものがあるなら、こういう衝動のことを指すんだと思う。
何か、よくないことがすでに起きている。
なぜかそんな確信を持ってしまっている私がいた。


咲耶「今は……7時半。こんな時間から誰かが喧嘩でもしているのかな?」

霧子「それにしては……すっごく、大きな音だったよ……」

凛世「学校エリアの方から聞こえてまいりました……」

樹里「な、なんだってんだ……?!」

めぐる「……急ごう!」

真乃「うん……灯織ちゃんっ!」


確信が寒気に変わり、全身の毛を逆立てる。
自然と足は、動いていた。

【学校エリア 1-A前】

ジリリリリリ・・・・・・


凛世「この音は……?」

めぐる「目覚まし時計?アラームの音だね」


学校エリアに踏み込むとその場に似つかわしくない鐘の音が鳴り響いていた。
その音の鳴る先……目をやると、既にそこには愛依さんの姿があった。
地面にぺたりと力なく座り込んでいる。


咲耶「愛依?!どうしたんだい?!」

愛依「……ぁ……ぁぁ……」

霧子「大丈夫ですか……?」

愛依「……ぁ……な……」


動揺しているのか声が言葉になっていない。
震える彼女の指先は、教室の中を指している。


真乃「教室……?中に何か、あるのかな?」

咲耶「この教室……普段は誰も立ち寄らない教室だね」

凛世「……嫌な予感が、いたします」

めぐる「……確認、しなきゃだね」

灯織「うん……」






大きく唾を一つ飲み込んで、教室の扉に手をかける。


……違う、そんなことない。
そんなこと、あるはずがない。










_____そんな私の期待は、儚く散り果てた。










【散乱する机の下敷きになり頭部から夥しい出血とともに息絶えた浅倉透の姿がそこにはあった】




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CHAPTER01

絶望レッスン

非日常編


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というわけで事件発生までで今回の更新は終了です。
最初の被害者は浅倉透さんでした。
次回より捜査パートに移ります。

明日も今回と同時刻より更新が出来たらします。


それではおやすみなさい…

「…あ。ふふっ、ごめん。命ないわ」

そういやメダルってどうやったら見つかる設定になってますかね?ガシャが、ガシャが回したい
おつー

>>174
モノクマメダルは学級裁判のクリア報酬と章はじめの探索パートのコンマ値での回収を考えています
1章は探索パートを急ぎ足で進めて安価を待たずに進めてしまったので救済措置がなかったですね……
そのぶん2章で回してやってください……

本日は21:30より再開します
捜査パートも行動安価を出す予定なのでよろしくお願いします。



…………


……………………


…………………………………………………………………………………………………………


一秒にも満たない時間に世界が目の前で崩れ落ちた。

赤。
私の視界を一面に満たすその赤色が、私の正気を奪い去り、絶叫を喚起するには時間を要さなかった。


灯織「うわあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

霧子「……え…………」

凛世「……っ!」


思わず膝から崩れ落ちる。目の前で起きている事実が受け入れられない。
つい昨日まで会話をしていた人間が、絶命している。


ノクチルのセンター、浅倉透が死んだのだ。


そして、変わり果てた友人の姿に阿鼻叫喚する私たちを嘲笑うかのように、それは始まった。

ピンポンパンポーン

『死体が発見されました!一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』

めぐる「い、今のアナウンスは?!」

灯織「学級……裁判……?」

モノクマ「始まるぞ!始まるぞ!」

灯織「も、モノクマ……!」

モノクマ「学級裁判が始まるぞーーーー!!」

咲耶「悪いが君の相手は後にさせてもらえないかい!今はそれどころじゃないんだ!」

モノクマ「それどころ?それどころってどこのところよ?」

モノクマ「うぷぷぷ……オマエラに感傷に浸る時間なんてないよ!ま、とりあえずは体育館に集まってよね、これからのことをおいおい説明するからさ!」

愛依「……た、たいいくかん…………?」

めぐる「そんな、体育館なんかに行ってる場合じゃ……!」

凛世「……お待ち下さい」

めぐる「り、凛世……?」

凛世「いまは、モノクマさまに従っておくべきと……存じます……下手に抗うと、身を滅ぼす恐れが……」

めぐる「……でも!」

モノクマ「杜野さんは賢いねえ……先生オマエみたいな生徒が大好きだよ!先生の言いなりになっておけばいいっていう主体性に乏しい学生!」

咲耶「従って欲しいのかそうじゃないのかどっちなんだい……」

モノクマ「勿論ゼンシャー!体育館集合ね!ボクもここにいない連中をかき集めてくるからさ!」


一方的にまくし立てるとモノクマはそのまま姿を消した。
取り残されたのは、透さんの死体と私たち。しばらく言葉も交わさず、呆然と立ち尽くしていた。


真乃「ホントに……死んじゃってるんだよ、ね……」

咲耶「……呼吸が無い、彼女の死亡は紛れもない事実のようだ」


浅倉さんの手に触れる。
かつて生きていたものとは思えないほどにその手は冷え切っていて、生気というものを感じない。


樹里「……クソッ!」

霧子「……透ちゃん、痛そう…………」

めぐる「この机の下敷きになって……死んじゃったのかな……」

灯織「…………」

咲耶「……仕方ない、取り敢えずは体育館に向かおう。凛世の言う通り、むやみやたらに歯向かうのはリスキーだ」

凛世「……はい…………」

咲耶「灯織、大丈夫かい?」


黙りこくっている私の顔を覗き込み心配してくれた咲耶さん。
ただ、今の私は……それに対して反応すらできない。


霧子「咲耶さん……わたしが、灯織ちゃんは……」

咲耶「霧子……頼めるかい?」

霧子「うん……」


私は霧子さんに介助される形で体育館へと送り届けられた。

【体育館】

咲耶「……」


体育館には居心地の悪い沈黙が流れていた。気持ちの切り替えなんてできるはずもなく。
浅倉さんが血の海に沈んでいた光景が目にこびりついて離れない。
血の飛沫がそこら中に飛んで、真っ赤に染まった教室。
絶命により、重く閉ざされた瞼。
胸に突き刺さった感情が、声というものを発せさせなかった。

その場に段々とモノクマが連れてきた面々が揃い、始まった。


モノクマ「よーし、これで全員揃ったね!」

円香「…………!!」

雛菜「透先輩が、いないんだけど……」

小糸「……な、なんでぇ…………?」


ノクチルの面々は、既に到着段階で感づいている様子だった。
死体が発見されました、なんて文言と今この場に透さんがいないことを鑑みれば、嫌でも一つの事実が浮かび上がってくる。


モノクマ「はい!オマエラもご存知の通り、ついに!いよいよ!」

モノクマ「参加者の一名が死亡いたしましたー!はい、拍手ー!」

めぐる「拍手なんかできないよ……」

智代子「そん、な…………」

モノクマ「さて、誰が死んだかわかるかなー?」

円香「ふざけないで……!」

モノクマ「ん?」

円香「透が、死ぬはずない……!」

モノクマ「だいせいかーい!今回の事件で死んじゃったのは、ノクチルのセンター浅倉透さんでーす!」

小糸「……う、嘘だよね……」

モノクマ「なにそれ?キミのお友達はアンドロイドか何かだと思ってた?」

円香「はぁ?」

モノクマ「命あるものはやがて死にゆく定めなのです……生まれた時から変えられぬ運命……生と死は背中合わせの兄弟分……」

円香「おちょくらないで……!」

樹里「大体殺したのはお前だろ!モノクマ!」

モノクマ「ちょっ、ちょっと急に何言ってるのさ!」

樹里「アタシらの誰かが殺しなんかするわけねー、お前がやったんだろ!」

モノクマ「はぁ……鬱陶しいなぁ、ゲームの進行を阻害されると見てる側も萎えちゃうんだよね。お口チャックだよ!」

モノクマ「それに、これだけは断言するけど……今回の浅倉透さんの殺害は、間違いなくオマエラの中の誰かが行ったものだから!」

灯織「……!?」

摩美々「……ふーん」

モノクマ「ま、信じないなら信じないで別にボクはいいけどね、それで困るのはオマエラの方だから」

甘奈「それ、どういう意味……?」

霧子「もしかして……校則のことなのかな……?」

咲耶「第6項……クロとなったことがバレてはいけない……この部分か」

モノクマ「ではここで、学級裁判についてお話しします!」

モノクマ「お手元の電子生徒手帳から確認できる校則にもあるように、殺害を行えば無条件に卒業というわけではありません!」

モノクマ「自分がクロとなったことを他の生徒に知られてはならないのです!」

モノクマ「そこで開かれるのが学級裁判です!生徒たちが全員参加で討論を行い、一人のクロ候補を指摘!」

モノクマ「指摘が見事成功すればクロだけがおしおき、失敗すればクロ以外の全員がおしおきされてクロになった生徒のみが卒業となります!」

愛依「ちょ、ちょちょ、ちょい待ち!おしおきってなんのこと?初耳なんだけど……」






モノクマ「処刑だよ、しょ・け・い!」

モノクマ「電気椅子でビリビリ!シュレッダーでバキバキ!プレス機でグチュグチュ!その他多種多様なおしおきをご用意しております!」




灯織「……は?」

真乃「しょ、処刑……?」

モノクマ「そりゃそうでしょ、だってこれはコロシアイ合宿生活なんだから!命を懸けて臨んでもらわないと興醒めだよねー」

モノクマ「おしおきがないコロシアイなんて、梅干しのない日の丸弁当だよー!」

摩美々「要は透を殺した犯人を当てなきゃ、次は私たち全員が死ぬってことですかー?」

モノクマ「いいねぇ、賢いチンパンジーだね!さりげなく自分が犯人じゃないとアピールするところもグッド!」

摩美々「……うざー」

凛世「お待ち下さい……」

モノクマ「なんだよ質問が多いな!ここは国会答弁の場じゃないんだよ!」

凛世「その正誤の判別は、誰が致すのでしょうか……?」

モノクマ「勿論ボクだよ!だって犯人も手口も何もかもぜーんぶ知ってるからね!」

智代子「ええ?!なんで?!やっぱりモノクマが犯人?!」

モノクマ「しつこいなぁ……覚えてるでしょ、学校のそこら中に監視カメラがあること。それで一部始終、徹頭徹尾、鶏口牛後お見通しなわけ!」

霧子「あ……最後は違う……」

樹里「……てことはてめーは殺人現場を目撃したのに、それを黙って見過ごしたってことか?」

モノクマ「おうよ!ワイン片手にぐいっとね!いい肴になったよ!」

樹里「…………ぶん殴るぞ」

モノクマ「うぷぷ……校則違反が怖くて何もできないくせに……」


無茶苦茶だ。
急に仲間が死んだと思ったらその犯人を突き止めろ?失敗したら自分が死ぬ?
そんな理不尽を前に……どうすればいい?

視界の中にいる誰を信じて、誰を疑えばいいのかすら分からない。そんな状況に唐突に投げ出された。

モノクマ「学級裁判までには数時間の猶予を設けてあります!その間にしっかり捜査をして、犯人を突き止めるように!」

モノクマ「あ、そうだ!これを渡しておくから操作に役立ててよね!……ザ・モノクマファイルー!」


モノクマに手渡されたのはA4サイズほどの書類一式。
開いてみると透さんの死体、その検分が記されていた。


モノクマ「今の若者っててんとう虫も触れないらしいじゃない、死体もどうせ触れないだろうから予め必要な情報はまとめておいたよ!」

霧子「…………!」

摩美々「一部例外もいると思いますケド」

咲耶「ねえ、このファイルは信用していいものなのかい?これに基づいて推理を組み立てる以上、モノクマが犯人に加担するようなことがあれば私たちの未来は危うくなってしまうと思うのだけど」

モノクマ「その点は信用してね!ボクはクロにもシロにもつかないよ!だってモノクマなんだもん!きわめて公正に、客観的な視点から記録をしております!」

モノクマ「ま、それじゃ後は頑張ってねー」


モノクマはそのまま姿を消して、動揺する私たちだけが残された。

智代子「行っちゃった……」

樹里「……くそっ、マジなのかよ」

円香「…………あの、いいですか」

咲耶「円香?」

円香「この中に透を殺した犯人がいるんですよね?」

樹里「……モノクマの話通りならな」


樋口さんは樹里の言葉を聞くと、しばらく目をつむって考え込むようなそぶりを見せ……

次に開いたその瞳は、鋭くとがっていた。


円香「絶対に許しませんから。……探し出して、暴き出して……」






円香「……私が殺す」




灯織「……!?」

甘奈「ちょ、ちょっと円香ちゃん……なんで」

円香「なんで?分かりきってるでしょ?……幼なじみが殺されて、その犯人は今目の前にいる。憎しみを抱かない方が異常」

智代子「だ、だからって……」

円香「皆さんは学級裁判に参加されないおつもりなのかもしれませんが、私は絶対に参加して、犯人を特定します」

円香「……では」

小糸「……あ、ま、円香ちゃん…………!」

雛菜「……雛菜も失礼しまーす」


ノクチルの3人はそのまま体育館を後にしてしまった。
残された12人は、呆然と立ち尽くす。

咲耶「……どうしたものか」

甜花「あぅ……」


そう、みんなやるべきことは分かっているのに。
それでもまだ……喪失感から立ち直れていない。
絶望感が思考と足取りを縛りつけ、その一歩を踏み出せずにいた。

全員が全員を疑い合う疑心暗鬼。
そんなマイナス感情の相互作用が私たちを飲み込んでいるのだ。




摩美々「もう私も行っていいですかー?」

そんな中で最初に声をあげたのは摩美々さんだった。

咲耶「摩美々……?」

摩美々「わたし、死にたくないのでー」

摩美々「ここでじっとしてたら犯人もわかりませんし、学級裁判で死ぬのはわたしたちだよねー?」

灯織「……っ!!」


そうだ、今はまだ立ち直れなくても……
私たちは前を向かなくちゃいけない……そうじゃないと、私たちは死んでしまう。

絶望から逃れられなくても、希望が見えなくても……その中で足掻くしか道はないんだ。


灯織「……やりましょう、皆さん!」

真乃「灯織ちゃん……」

めぐる「うん!灯織と摩美々の言う通り!ここでじっとしてたらクロの狙い通りだよ!」

愛依「……だね、透ちゃんがいないのはマジで辛くて、苦しくて……でも、うちらはそれでも進まないと」

甘奈「うん……甘奈たちが諦めちゃったら透ちゃんを、甘奈たちも裏切ることになるもんね」

咲耶「……そうだね、私たちもノクチルの3人に続こう!」

摩美々「ちょっとタイムー」

灯織「ま、摩美々さん……?いま摩美々さんの意思についていく形で操作を始めるって話になったのでは……?」

摩美々「それはいいんだけどさー、殺害現場の監視が必要じゃなーい?」

智代子「そっか、クロが大事な証拠を隠しちゃう可能性もあるんだね!」

樹里「ならアタシに任せろ。捜査とか頭使うのはそこまで得意じゃねーしな」

摩美々「一人よりも二人いた方がいい、樹里がクロだった場合が困るしー」

樹里「なっ……ちげーよ!」

摩美々「あくまで可能性だからー」

愛依「はいはい!それじゃうちが手伝う!」

咲耶「……決まりだね、後のみんなは捜査に当たってくれ」


そうしてパラパラと体育館をみんなは後にし、イルミネの三人が最後に残った。
モノクマの言っていたことが本当なら、私たちの中に犯人がいる……
なんとしてそれを暴き出さないと……!

灯織「よし……それじゃ私たちも捜査を始めよう。まずはモノクマファイルの情報を確認しようか」

真乃「そうだね……」

【被害者は浅倉透。死因は頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。致命的な衝撃を受けたことにより、ほぼ即死だったと思われる。手足は拘束され、口には猿轡が噛まされている。手足首にはくっきりと痕が残るため、長時間放置されたものと思われる】

真乃「ほわ……本当に透ちゃん、死んじゃったんだね……」

灯織「うん……認めたくはないけど」

めぐる「昨日まで一緒にお話ししてたのにね……なんでこんなことになっちゃったんだろう……」

灯織「何かモノクマファイルで気になる点はない?」

真乃「うーん……特に思いつかないな、めぐるちゃんはどうかな?」

めぐる「さるぐつわ……って何?」

灯織「えっと確か……口にタオルとかを噛ませて、喋れなくさせる方法だよね」

灯織「そういえば浅倉さんの遺体には声を出せなくしたり、身動きを取れなくしたりする枷がついていた気がする……」

真乃「じゃあ犯人は、透ちゃんを縛った上で、抵抗をできないようにして机で殴ったのかな……っ」

灯織「多分そうなんだと思う……」

めぐる「うー……無抵抗な相手を一方的に殴りつけるなんて酷いよ……」


コトダマゲット!【モノクマファイル1】
〔被害者は浅倉透。死因は頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。致命的な衝撃を受けたことにより、ほぼ即死だったと思われる。手足は拘束され、口には猿轡が噛まされている。手足首にはくっきりと痕が残るため、長時間放置されたものと思われる〕


(後で殺害現場に行った際にそれはしっかり確認しておこう)

(捜査の基本は殺害現場からだよね……よし)

【死体発見現場 1-A】

灯織「……あっ」

小糸「……ぴぇっ」

殺害現場にはすでにノクチルの面々がおり、捜査の真っ最中だった。

円香「……何?」

めぐる「円香、大丈夫……?気分とか……」

円香「近づかないで」

めぐる「ご、ごめん……」

円香「今は誰も信用できない。話しかけないで」

ダメだ。
円香さんは透さんの誰よりも近くにいた人。
彼女を失ったことによるショックは誰よりも大きい。私たちの働きかけでどうにかなるものじゃない。彼女を刺激しないようにしながら捜査するしかない……

灯織「真乃、めぐる……そっとしておこう」

真乃「うん……」

めぐる「……そうだね」

(……さて、どこから捜査しよう)

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1.死体周辺
2.現場を見張っている愛依の話を聞く
3.現場を見張っている樹里の話を聞く
4.教室全体を見回す

↓1

(死体も気になるけど、まずはこの教室全体を見渡してみよう……)

死体は教室入り口付近で血の海に沈んでいる。
出血量はかなりのものみたい。

確か死体発見時には机が死体の上に散乱していたはずだけど……
あれはもうどかしたみたい。

でも、なんで机が浅倉さんの上に乗ってたんだろう……
それに食堂で聞いたあの音、無関係なわけないよね……

そうやって考えながら教室を歩き回っていると、気になるものがいくつか浮かび上がってきた。

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灯織「……ん?なんでこんなところに血痕があるんだろう」

めぐる「え?……ホントだ!透のいた場所から結構遠くまで血が飛び散ったんだね!」

真乃「相当激しく殴られたんだね……っ」

灯織「……あれ?透さんの頭部の出血はまだ乾いていないのに、ここの血痕は乾いてる……」

めぐる「確かに……でも水の量の違いなんじゃない?ほら、やっぱ少ない方が蒸発しやすいし」

灯織「そんな話なのかな……」


コトダマゲット!【教室の血痕】
〔教室内には透の死体から離れた場所にも血痕があった。遺体の頭部の血液はまだ乾いていないのに対し、この血痕は乾いている。〕





灯織「あれ?こんなところに目覚まし時計?」

愛依「あーそれ、うちが止めたやつ!」

灯織「そういえば、死体発見の時にも鳴ってた……」

めぐる「えっ、それわたしの持ってるやつにそっくりだよ?!」

灯織「め、めぐるの?!」

真乃「ううん、めぐるちゃんだけじゃなくてわたしもあるよ……モノクマに希望すれば誰でももらえたみたいっ」

灯織「そうなんだ……で、愛依さんはこれはどうして?」

愛依「うちが隣の教室にいた時、こっちの部屋から急にアラームが鳴って。そん時にあったのがこれだわ」

灯織「なるほど……本当ですね、私たちが死体を発見した直前、7時25分にアラームが設定されてます」

〔コトダマゲット!【目覚まし時計】
1-A教室内に落ちていた目覚まし時計。7時25分にアラームが設定されており、死体発見当時も鳴っていた。〕

めぐる「あれ?なんだろう、これ」

灯織「めぐる?何か見つけた?」

めぐる「これ見て!何かプラスチックのかけらっぽいんだけど……この前この教室に入るときはなかった気がするんだよね」

灯織「うーん……なんだろう、何かが割れた後みたいに見えるけど……現場に関係ありそうなもの、ではなさそうだよね……」

真乃「ほわ……一応覚えておいた方がいいかな?」

灯織「記録だけはしておこうか」

めぐる「うーん、お手柄になるかと思ったのに……残念」

コトダマゲット!【プラスチック片】
〔死体発見現場に落ちていたプラスチック片。何かが割れた後に見えるが、事件との関連性は不明。〕

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(教室をおおまかに確認することはできたし、そろそろ本格的な検証に入ろうかな)

1.死体周辺
2.現場を見張っている愛依の話を聞く
3.現場を見張っている樹里の話を聞く

↓1

2 選択

灯織「そういえば死体を最初に見つけたのは愛依さんなんですよね?」


そう、死体を私たちが発見した時。誰よりも先にその場にいたのは愛依さんだった。


愛依「……多分、うちが来た時にはまだ誰もいなかったし……」

灯織「詳しく話を聞かせてもらってもいいですか?」

愛依「オッケー、話は元々夜時間から始まるんだけどさ」

愛依「前の日の晩、うちが寝ようとしてたら部屋がノックされて。扉を開けようとしたら下から手紙が入れられてたんだよね」

灯織「……手紙?」

愛依「これなんだけどさ」


『脱出の手がかりを見つけました。黒幕にバレてはいけないので、一人で朝7時20分に1-B教室に来てください』


灯織「隣の教室ですね……」

愛依「ま、怪しいっちゃ怪しいけどマジだったらいけないし、朝その時間ピッタシに教室に行ったんだよね」

愛依「でも誰もこなくてさー、しばらくその教室で待ってたら突然隣の部屋から目覚ましの音が聞こえてきたわけ!」

愛依「もうビビっちゃって!誰かいるのかと思って急いでこの教室の扉を開けたんだよね!したらすぐそこに透ちゃんの姿があって……」

愛依「……あとは、灯織ちゃんたちの見た通り」

愛依「ごめん、うちもまだ整理し切れてないから変な情報になったかも」

灯織「いえ、ありがとうございます」

(今の話を総合すると、愛依さんは何者かに呼び出され、意図的に第一死体発見者にさせられたことになる……のかな……)

-------------------------------------------------

(愛依さんの話で死体発見までの流れは確認できた……)

(やっぱり誰かの意図的なものを感じる……これは本当に、殺人なんだ……)

1.死体周辺
2.現場を見張っている樹里の話を聞く

↓1

1 選択

(……よし)

大丈夫、覚悟は決めた。
生き残るため……浅倉さんのため。
この現実から目を背けない……!


まず目につくのはやはり浅倉さんの死体。
発見時には机がその上に散乱していたけど……


愛依「あー樹里ちゃんと一緒に退けたんだけど……ダメだった?」

灯織「いえ、大丈夫です。それより愛依さん机を退けたりして……痛くなかったですか?」

真乃「……?どこか怪我してるんですか……?」

愛依「うん、ちょっち右肩がね!昨日頑張りすぎちゃってさー」

めぐる「結構痛そうだったよ?もう大丈夫なの?」

愛依「これ持ち上げるくらいはね、樹里ちゃんもいたし!」

樹里「ていうかほぼアタシがやったんだよ……円香が言うから」

愛依「でも腕を肩より上には上げるのはしんどいわ……マジ痛みで捩れるから」

灯織「お体には気をつけてくださいね……」

コトダマゲット!【愛依の怪我】
〔昨日の球技大会で愛依は軽い脱臼状態であるため、机を持ち上げる程度ならまだしも、右腕が肩より上に上がらない状態にある。〕

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(死体付近の情報はやっぱり大事だよね……念入りに調査しないと)

1.死体そのものを調べる
2.死体の横たわる床を確認する
3.退かした机を確認する

↓1

灯織「さて……」

(浅倉さんの遺体を調べると決めたものの……流石に死体を触った経験はないし……)

(……とりあえず!とりあえずは!)

灯織「うん、モノクマファイルの情報通り。透さんの口と手足には拘束具がつけられてる」

めぐる「うわっ、すごく固く結んであるよ!全くほどけてない!」

真乃「これじゃ声も出せないし身動きも取れないね……っ」

灯織「しかも手足首には痕がくっきり……長時間つけっぱなしだったんだね」

めぐる「うぅ……苦しそう」

灯織「口元の猿轡もだいぶきつく縛ってるね……」

めぐる「こんな乾燥した布を押し込まれたら口がイガイガしちゃうよ!」

灯織「一体なんの布で拘束してあるんだろう……」

めぐる「なんだか見覚えのある素材なんだけど……なんだろう」

コトダマゲット!【拘束具】
〔透の手足を拘束していた布製の枷と口に嚙ませてあった猿轡。枷は少しも緩んでおらず、猿轡は乾燥していない。その素材はどこか見覚えがあるが……?〕

灯織「……」

(うう、遺体を調べないわけにはいかないんだけど……)

(これは生理的に、とかではなく……人間が本能的に感じ取る恐怖、人の死に対する恐怖感)

(……手が、伸びない)

円香「ちょっと」

灯織「え?あ!ごめんなさい!」

円香「何謝ってるの?……透の体調べないなら退いて」

灯織「えっ……あっ……すみません」


樋口さんは私たちを退かすと、なんの躊躇もなく浅倉さんの体をベタベタと触りはじめた。


円香「……愛依」

愛依「えっ?!うち?!」

円香「透の第一発見者は愛依って聞いたけど、発見時の透の体勢を教えてもらえる?」

愛依「発見したときの透ちゃんの姿勢……確か横向きで……いまとなんも変わらないと思うよ!」

円香「……そう、ありがとう」

灯織「何か、気になることが……?」

円香「……これ」


そう言って樋口さんは力なく倒れ込んでいる浅倉さんの体を引き起こし、私にその額を見せた。


円香「ここ、はっきりと打撲痕がある。愛依の証言だと透の側頭部に机が落ちてきていたはずなのに……」

灯織「そうか……額にそれだと打撲痕ができるはずが……」

円香「……しかも出血もしてる。事件と無関係なはずはない」

灯織「……なるほど」


コトダマゲット!【死体の打撲痕】
〔透の死体には、側頭部だけでなく額にも激しい打撲痕があり、そこからも出血した痕がある。〕

樋口さんが持ち上げた浅倉さんの遺体を元通り横たえようとしたその時。


めぐる「あ!ちょっと待って!」

円香「……何?」

めぐる「……なんだか血痕、変わったつき方してるよね?」

灯織「え?……ほんとだ」

円香「……透の頭を縁取ったみたいな血痕……」

灯織「浅倉さんはおそらく撲殺されたと推定されます……そのまま床に倒れて……」

めぐる「こんなにくっきり縁取る形になるのかな?」

円香「立った状態で殴られたらそうはならないと思う」

円香「逆に言えば、寝転んだ状態で殴られたら……こんな痕になるかもね」


コトダマゲット!【頭部付近の血痕】
〔遺体付近の血痕は、透の頭を縁取ったような痕になっている。寝転んだ状態で殴打されたものと推定される。〕

-------------------------------------------------

(浅倉さんの遺体は一通り調べ終わったかな……)

1.死体の横たわる床を確認する
2.退かした机を確認する

↓1

(浅倉さんの遺体付近の床には……不自然なへこみがある)

灯織「二人とも……見て、この床の傷」

真乃「ほわ……犯人が透ちゃんを殴ったときにできたのかな?」

めぐる「ん?ってことは……犯人は透を殴った勢いのまま机を手放したの?」

灯織「……どうなんだろう。だとしたら傷のあとはこんなに垂直に溝にはならないんじゃないかな?」

灯織「見て、結構この溝は深さがある」

真乃「ほんとだ……っ」

めぐる「えーっと……ってことは、何かが垂直に落ちて来た……ってこと?」

灯織「でも、いったい何が……?」


コトダマゲット!【床のへこみ】
〔透の遺体付近にできていた床のへこみ。深さのある溝になっており、何かが垂直に落ちてできた痕跡となっている〕


(あとは、この机かな……?)

灯織「愛依さんと樹里とがどかした机だ……」

(私も居合わせた死体発見現場、確かあの時には……この机が浅倉さんの後頭部に落っこちてきたような形になっていたはず)

めぐる「あ!机の角!」

灯織「うっ……」

(べったりと血痕が付いている。間違いない、これが浅倉さんを殴った凶器なんだろう)

真乃「教室内のほかの机を見たけど、血がついているのはこのあたりの机だけみたいだね」

灯織「じゃあ浅倉さんの上に落ちて来たこの机たちが、凶器とみていいのかな……?」


〔コトダマゲット!【凶器の机】
透の死体発見現場の机。角には透の血液が付着しており、犯行に用いられたものと推定される。死体発見当時は透の死体の上に数台の机が散乱していた。〕


(……最後に、樹里の話も聞いておこう)

(現場を見張りしているうちに気づいたこともあるかもしれないし)

灯織「樹里は何か気づいたことはない?」

樹里「おう……気づいたこと、というか事件に関係しているのかもわからねーんだけどさ」

めぐる「ん?樹里、そっちは廊下だよ?」

樹里「教室のドア、外側を見てみてほしいんだけどさ」

灯織「……紐?」

樹里「スライド式のドア……そのドアノブに紐がなぜか括り付けてあるんだよな」

真乃「ほわ……なんだろう、これ……っ」

灯織「事件に何か関係はありそうだね……」

めぐる「うん、結構な長さがあるよね……何かをこれで引っ張った、とか?!」

樹里「どうだ?使えそうか?」

灯織「うん、樹里ありがとう」


コトダマゲット!【紐】
〔1-A教室入り口のドア、その外側のドアノブに括りつけてあった。かなりの長さがあり、ドアに括ったまま何かを引っ張ることもできそう。〕


灯織「死体発見現場で調べられるのはこれぐらいかな……?」

真乃「うん……後はどこを調べればいいかな?」

めぐる「誰かに話を聞いてみるのもいいかも!」

灯織「死体発見の時は……私たちと咲耶さん、霧子さん、樹里、凛世は一緒にいたし、他の人たちに話を聞いてみようか」

めぐる「うんうん!そうしよう!」

(ノクチルの三人は……ちょっと今は声かけづらいな、他の人に話を聞いてみようか)

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【事件現場より移動します】

1.智代子の話を聞く
2.甜花の話を聞く
3.摩美々の話を聞く

↓1

【ランドリー】

摩美々「あれ、イルミネじゃーん」

灯織「摩美々さん……調査中ですか?」

摩美々「まあねー、手掛かりは意外なところにあるかもしれないしー」

めぐる「でも流石にランドリーには無いんじゃないかな?」

摩美々「ふふー、一つ見つけましたよー」

真乃「ほわっ……何があったんですか……?」

摩美々「これー」

灯織「……これは、シーツですか?」

摩美々「そう、私たちがベッドで使ってるのと同じ奴。これが洗濯機の中に入ってたんだよねー」

めぐる「えー?誰かが洗濯してたんじゃないのかな?」

摩美々「こんな引き裂かれたシーツを使ってる人、いるんですかねー?」

灯織「……!!」

摩美々「それに、ここ。血がついてるんですよねー。、事件に絡んでるのは明らかでしょ」

真乃「ほわっ……?!」


コトダマゲット!【シーツ】
〔ランドリーの洗濯機の中に残されていたシーツ。ところどころ裂かれており、血液も付着しているため、事件に関係しているものと思われる。〕


摩美々「さてここで問題でーす」

灯織「も、問題?摩美々さん、いまはそれどころじゃ……」

摩美々「犯人は、どうしてこの洗濯機にシーツを入れっぱなしにしてたんだと思うー?」

灯織「ど、どうしてといわれましても……」

真乃「……証拠隠滅、ですよねっ」

摩美々「まぁそうなるよねー、でも、ランドリーに放り込むだけって隠滅方法としてはお粗末じゃなーい?」

摩美々「近くにトラッシュルームがあるんだから、燃やしちゃえば早いよねー?」

灯織「なんで犯人は燃やさなかったんでしょうか……?」

摩美々「ふふー」

(か、肝心なところは教えてくれない……!)

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1.智代子の話を聞く
2.甜花の話を聞く

↓1

【甘奈の部屋】

ピンポーン

めぐる「ごめん、大丈夫かな?」

甘奈「めぐるちゃん……あ、イルミネのみんな……ごめん、甘奈ショックで……」

真乃「ううん、仕方ないよ……っ!」

灯織「あれだけのことがあったんだもん……」

甘奈「それで、甘奈に何か用かな?」

灯織「その……私たち、今事件の調査をしてるんだけど、何か気になったこととかないかな?」

甘奈「気になったこと……甜花ちゃん、何かないかな?」

甜花「え……?うーん……なーちゃん、昨日のは……?」

めぐる「昨日の……?」

甘奈「ううん、なんでもないの!ごめん、甘奈たちは特に……」

灯織「甘奈!なんでもいいから話してくれないかな!少しでも手掛かりが欲しい状況だから……」

甘奈「でも、昨日のって……」

甜花「甜花たちの見間違いかもしれないし……」

灯織「見間違い……?何か見たんですか……?」

真乃「甜花ちゃん!話してもらえないかな……っ!」

甜花「えっと……昨日は、なーちゃんと一緒にお泊りしたんだけど……」

甘奈「甘奈もここでの生活が不安だから……一緒に寝てたんだ……」

甜花「でも、十二時ぐらいになって……甜花がトイレに行きたくなったから……なーちゃんについてきてもらったんだ……」

甜花「でね、帰ってきたら……甜花たちは、見たんだ……」

めぐる「……うん」

甜花「お化け……!」

灯織「……」

真乃「……」

めぐる「お化け?!?!」

甘奈「甘奈も見たの、暗い廊下にぼんやり真っ白なシルエットが浮かび上がってて……あれは幽霊だったんだよ!」

灯織「幽霊……」

甜花「甜花たち、怖くなって……急いで個室に戻ったから、それ以降は見てない……」

甜花「おしまい……」

めぐる「えーっと……」

灯織「……ありがとう、二人とも」

〔コトダマゲット!【甜花の証言】
昨晩の十二時ごろ、甜花と甘奈は二人で寄宿舎の廊下を歩く幽霊を目撃した。〕

【食堂】


灯織「あっ……チョコ、今大丈夫かな」

智代子「あれ、イルミネのみんなどうしたの?」

めぐる「事件の調査中だよ!何か気になったこととかないかな?」

智代子「うーん……私は死体発見の場にも居合わせなかったし……アリバイも無いし……」

灯織「そっか……ううん、大丈夫、ありがとう」

智代子「あっ!事件に関係あるかはわからないんだけど一つ気になってることならあるかも!」

めぐる「何々!?どうしたの?!」

智代子「えっとね……食堂の厨房、調理道具が一通りそろってるんだけどね。事件の前日くらいから包丁がなくなってるんだよね」

灯織「包丁が……?」

智代子「でも、死体発見現場にも無いし、透ちゃんも切り傷とかないし……どこに行っちゃったのかな?」

真乃「そうだね……っ、犯人が持ち出しちゃったのかな……?」


コトダマゲット!【食堂の包丁】
〔事件の前日から厨房に備え付けの包丁が一本足りていない。死体発見現場にも包丁の姿はなく、死体にも切り傷すらないため、所在は不明。〕


灯織「そういえば私たちは事件の始まりはこの食堂で迎えたんだよね……」

真乃「ほわ……ついさっきの出来事なのに、実感がなんだかないよね……」

めぐる「いつも通りの朝だったのに……」

灯織「確かあの音を聞いたのは、7時30分だったよね?」

めぐる「うん、食堂を出る前に咲耶が確認してたよ!」

灯織「死体を発見する直前になった音……無関係なはずがないよね」

真乃「きっと事件の手掛かりで重要になるはずだよっ!」

灯織「うん、しっかりと覚えておこう……」


コトダマゲット!【食堂で聞いた音】
〔灯織たちは朝7時30分に学校エリアの方から何か金属が床にぶつかるような大きな音を聞いた。食堂には真乃・灯織・めぐる・咲耶・霧子・樹里・凛世がいた〕

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(……さて、いろいろと話を聞けたけど一つ気になることがあるな)

(摩美々さんの出した問題……『どうしてクロはトラッシュルームで証拠隠滅をしなかったのか』)

(それを確かめる意味でもトラッシュルームには行ってみた方がいいかも)

【トラッシュルーム】


(……あれ?あそこにいるのはノクチルの皆さん?)

(さっきの事件現場でのやり取り……一応話には応じてくれる、よね?)

雛菜「特に怪しいものはないね~」

小糸「う、うん……犯人は、焼却炉は使ってないみたい!」

灯織「あの……皆さん、今お時間大丈夫でしょうか……」

雛菜「え~?なんですか~?」

めぐる「あのね!今犯人の証拠隠滅の方法を調べてるんだけど、どうして犯人はこの焼却炉を使わなかったんだとおもう?」

円香「……雛菜」

雛菜「当たり前ですよ~」

雛菜「雛菜以外焼却炉は使えないですから~」

真乃「ほわっ……どういう意味か教えてもらっても、いいですか……?」

雛菜「あのですね~、トラッシュルームはもともとシャッターが閉まってて~そのシャッターを開けられるのは掃除当番だけなんですよね~」

灯織「掃除当番……」

雛菜「この前この部屋に入ったらモノクマに押し付けられて~、週替わりで担当するみたいですよ~?」

(週替わりって……何日間いさせる気……?)

雛菜「で、そのカギは雛菜がずっと持っていたので~犯人は使えなかったんだと思いますよ~?」

円香「……一応確認のために寄ったけど、無駄足だった」

灯織「な、なるほど……ありがとうございます」


コトダマゲット!【掃除当番】
〔トラッシュルームのシャッターを開けられるのは毎週一人に割り振られる掃除当番のみ。今週の掃除当番は雛菜だった。〕

______

_________

____________

キーンコーン……カーンコーン

『えー、みなさん……初めての捜査に不慣れなことだとは思いますが、ボクもそろそろ飽きてきちゃったので……』

『タイムアップ!捜査はそこまでだよー!さっさとメインディッシュの学級裁判をいただきましょう!』

『学校エリア一階の、赤い扉の前に全員集合だよー!』


真乃「……時間みたいだね」

灯織「うん……」

めぐる「大丈夫かな……犯人、当てなきゃなんだよね」

灯織「わからない……けど、やるしかないから……」

めぐる「うぅ……たとえ当てられたとしても、犯人はモノクマにおしおきされちゃう……これから起きる学級裁判でまた一人は殺されちゃうんだよね……」

(そう、学級裁判は私たちの生存をかけた戦いであると同時に……誰か一人を殺すための戦いでもある……)

(そんな覚悟が、私たちに今、あるのだろうか)

真乃「灯織ちゃん、めぐるちゃん!」

灯織「……真乃?」

真乃「行こう!進むしかない……なら、自分で納得できる道をいかないと!」

真乃「ファイトだよ!むんっ!」

灯織「……そうだね、真乃」

灯織「行こう、めぐる……自分自身のため、みんなのためにも!」

めぐる「……うん!」

【学校エリア エレベーター前】


赤い扉を開けた先にはエレベーターホール。
とても学校には似つかわしくない空間が、私たちを待ち受けていた。


樹里「灯織たちで最後だな」

灯織「ごめん、遅くなった……」

モノクマ「ようやくお揃いのようですね!」

智代子「わっ!モノクマ?!」

モノクマ「予定よりも少々遅れてしまっておりますが、まあいいでしょう!僕はクマ一倍レディには優しいことで有名だからね!」

愛依「いやいやどこで有名なん……」

モノクマ「一足先にボクは下の裁判場で待ってるから、覚悟が出来次第エレベーターに乗り込んでよね!」

凛世「また消えてしまわれました……」

咲耶「もう、引くことはできない……やるしかないようだね」

霧子「うん……犯人さんを、見付けなきゃ……」

円香「……絶対ね」


モノクマに促されたまま、次々にエレベーターに乗り込んでいく。
学級裁判……私たちの中に潜むクロを探すための、生き残るための裁判。
もう、行くしかない……それはわかっているのに、どうしても体が震え、足がすくんでしまう。


めぐる「灯織!」

真乃「灯織ちゃん!」


でも、私にはみんなが、イルミネがいる。


灯織「……いくしかない!」


声を張り上げ自分自身に虚勢を張る。
覚悟が決まってなくても、勇気がなくても、私は進むしかない。
もう道は、そこにしかない……!


私がエレベーターに乗り込むとともにドアは締まり……
エレベーターが動き出す。

ゴウンゴウンと機械音を立てながらエレベーターは下っていく。
どこまでも深く、地の底まで下りていくようなエレベーター。

これが止まると同時に、私たちはお互いを奪い合う敵同士になる。
ああ、できることならもう止まらないでほしい。
ずっとこのエレベーターの中で良い。
仲間を疑いあうくらいなら、この中で息絶えてしまいたい。

そんな願いは届くはずもなく、エレベーターは停止した。


モノクマ「学級裁判場へようこそ!」


ドアが開いた先に待つ世界。
我々がよく知る裁判上のようでありながら、装飾があちらこちらに凝らされた空間はどこかポップさを滲ませる。それがまた私たちの不安を掻き立てる。


凛世「地下に、このような空間が……」

愛依「学校ってなんだっけ……もうわけわかんないんだけど……」

モノクマ「せっかくなんで皆さんに喜んでもらえるよう、裁判場にも彩を加えてみました!ただの裁判場じゃ退屈だもんね!」

摩美々「や、それはよくわかんないケド」

モノクマ「ま、細けえことは置いといて……さっさと裁判を始めちゃいましょう!みんなも退屈だろうしね!」


ついに始まる……
たとえ答えにたどり着いても、最悪の結末しか待っていない物語が。


超高校級の???なんて才能を与えられた浅倉さん。
でも、私自身も浅倉さんのことをよく知らないままに……浅倉さんは死んでしまった。
まだまだお話ししたかったし、アイドルとして、同じステージにも立ってみたかった。
そんな彼女を殺した犯人が、私たちの中にいる。


______これが私たちにとって、初めての学級裁判。
初めての口論、初めての騙しあい、初めての裏切り、初めての悪夢……









______________初めてのコロシアイ。







というわけで今回の更新はここまで、次回より学級裁判パートに突入します。
ノンストップ議論では安価を積極的に活用していきます。

ミステリは正直そこまで詳しくないのでトリックなどお粗末な点は多々あるとは思いますが、
ネタバレコメントなどは避けていただけると幸いです。

次回更新は早いうちに、現状未定です。明日できればやります。
それではまた、よろしくおねがいします。
おやすみなさい……

21時より学級裁判パートから再開します。
ロンパSSではおなじみのシステムですが一応説明文を作っておきました。

【学級裁判パートについて】
・メインとなるのはノンストップ議論になります。捜査パートで手に入れたコトダマの情報と矛盾する発言を合わせて指摘、【論破】していただくのが基本ルールです。はじめのうちはこれだけですが、途中から【同意】も始まります。コトダマの情報で発言を支持する参道の意を示すわけですが、やることは【論破】と何ら変わりません。加えて、他の人の発言を【記憶】し、コトダマとすることで【論破】の材料とすることもあります。本家をプレイしている方からすればお決まりのやつです。
・ほかにも本家で存在するミニゲームを一部採用しています。その中では一部コンマで一定の数値をクリア条件とするものも考えております。コンマは自由行動パートによりスキルを獲得すると緩和することも可能になります。スキル獲得に向けて自由行動はキャラを絞るのもありです。
・もちろん、クリア後報酬としてモノクマメダルをご用意しております。

【コトダマ】

‣【モノクマファイル1】
〔被害者は浅倉透。死因は頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。致命的な衝撃を受けたことにより、ほぼ即死だったと思われる。手足は拘束され、口には猿轡が噛まされている。手足首にはくっきりと痕が残るため、長時間放置されたものと思われる〕

‣【教室の血痕】
〔教室内には透の死体から離れた場所にも血痕があった。遺体の頭部の血液はまだ乾いていないのに対し、この血痕は乾いている。〕

‣【目覚まし時計】
〔1-A教室内に落ちていた目覚まし時計。7時25分にアラームが設定されており、死体発見当時も鳴っていた。〕

‣【愛依の怪我】
〔昨日の球技大会で愛依は軽い脱臼状態であるため、机を持ち上げる程度ならまだしも、右腕が肩より上に上がらない状態にある。〕

‣【拘束具】
〔透の手足を拘束していた布製の枷と口に嚙ませてあった猿轡。枷は少しも緩んでおらず、猿轡は乾燥していない。その素材はどこか見覚えがあるが……?〕

‣【死体の打撲痕】
〔透の死体には、側頭部だけでなく額にも激しい打撲痕があり、そこからも出血した痕がある。〕

‣【頭部付近の血痕】
〔遺体付近の血痕は、透の頭を縁取ったような痕になっている。寝転んだ状態で殴打されたものと推定される。〕

‣【床のへこみ】
〔透の遺体付近にできていた床のへこみ。深さのある溝になっており、何かが垂直に落ちてできた痕跡となっている〕

‣【凶器の机】
〔透の死体発見現場の机。角には透の血液が付着しており、犯行に用いられたものと推定される。死体発見当時は透の死体の上に数台の机が散乱していた。〕

‣【紐】
〔1-A教室入り口のドア、その外側のドアノブに括りつけてあった。かなりの長さがあり、ドアに括ったまま何かを引っ張ることもできそう。〕

‣【シーツ】
〔ランドリーの洗濯機の中に残されていたシーツ。ところどころ裂かれており、血液も付着しているため、事件に関係しているものと思われる。〕

‣【甜花の証言】
〔昨晩の十二時ごろ、甜花と甘奈は二人で寄宿舎の廊下を歩く幽霊を目撃した。〕

‣【食堂の包丁】
〔事件の前日から厨房に備え付けの包丁が一本足りていない。死体発見現場にも包丁の姿はなく、死体にも切り傷すらないため、所在は不明。〕

‣【食堂で聞いた音】
〔灯織たちは朝7時30分に学校エリアの方から何か金属が床にぶつかるような大きな音を聞いた。食堂には真乃・灯織・めぐる・咲耶・霧子・樹里・凛世がいた〕

‣【掃除当番】
〔トラッシュルームのシャッターを開けられるのは毎週一人に割り振られる掃除当番のみ。今週の掃除当番は雛菜だった。〕


‣【プラスチック片】
〔死体発見現場に落ちていたプラスチック片。何かが割れた後に見えるが、事件との関連性は不明。〕


※一つ抜けてました……

【学級裁判 開廷!】


モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」

モノクマ「学級裁判では皆さんの中に潜むクロを探していただきます」

モノクマ「議論の結果指摘されたクロが正解ならクロのみがおしおき、不正解ならクロ以外の全員がおしおき!」

モノクマ「さあ命を懸けた議論を始めてチョーダイな!」

灯織「本当にこの中に犯人がいるんですよね……?」

モノクマ「はい、間違いありません!」

咲耶「確認しておくけど、モノクマはフェアな立場にいてくれるんだよね?」

モノクマ「はい、これまた間違いありません!ボクが取り仕切る以上、このコロシアイ合宿生活は正々堂々フェアな体制で進行しております!」

モノクマ「もう質問はない?いいね?」

モノクマ「それでは、お前らの中に潜む裏切り者を探してレッツトーキング!」

甘奈「……っていってもどこから始めればいいのかな?」

凛世「はい、凛世は学級裁判の経験がございません……」

樹里「それはみんなだろ……」

咲耶「まずは疑問点の解消を目標にしよう。私たちが推理に不慣れである以上、できるところから進めていく必要があるね」

咲耶「小さな疑問点でもあれば、すぐに指摘するようにしてほしい」

智代子「よし、それじゃあまずは凶器の話からだね!」

小糸「き、凶器……?」

樹里「死体発見の現場に居合わせたのはここにいる全員じゃねえ」

樹里「一度確認しておくのは重要かもな」

霧子「うん……凶器と死因、その特定から、始めよう……」

咲耶「よし、それでは議論開始と行こうか」

(ついに始まる……学級裁判が!)

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【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【教室の血痕】
‣【モノクマファイル1】
‣【凶器の机】

智代子「モノクマファイルによると……」

智代子「透ちゃんの死因は頭を殴られたことによる【脳挫傷】……」

甜花「頭をごちんと殴られて……うぅ……痛そう……」

甘奈「犯人は透ちゃんに恨みでもあったのかな?」

円香「透は誰かに恨まれるような人間じゃ……」

小糸「透ちゃんは【バットか何か】で殴られて、死んじゃったんだね……」

小糸「まさかこんな形でお別れなんて……」


【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】

↓1
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灯織「それは違います!」

【BLEAK!】

灯織「いえ、浅倉さんを殺害した凶器は判明しています」

小糸「……ぴぇっ?!」

雛菜「え~?なんですか~?」

灯織「1-Aの教室の机……あれが凶器です」

摩美々「机が凶器―?」

灯織「死体発見当時、浅倉さんの遺体の真上に散乱していた机、その角にはべったりと血液が付着していたんです」

灯織「机が凶器となったなら、浅倉さんの死因の脳挫傷とも合致します」

小糸「そ、そうなんだ……ごめんなさい……透ちゃんの死体を、直視できなくて……」

灯織「い、いえ……心中お察しいたします」

樹里「まあ凶器は机だとしてもよ、机ならだれでも使用可能だよな」

灯織「うん、犯人の特定には至らない……」

凛世「そもそも、なぜ犯人は教室での犯行に及んだのでしょうか……?」

雛菜「人を殴って殺すんだったらもっといい道具がありそうですよね~」

めぐる「うん……机じゃ持ちにくいもんね」

甜花「殴打なら、ひのきの棒とか、ポピュラー……」

樹里「んなもん学校にはねーだろ……」

咲耶「じゃあ次は、なぜ机を殺害道具に選んだのかを考えてみようか」

灯織「凶器が机だった、理由……?」

咲耶「殺害方法と机、この二つを合わせて考えることで何か見えてこないかな?」

(机を凶器に選んだ理由か……犯人はどうやって机で殺害したんだろう……)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【床のへこみ】
‣【食堂で聞いた音】

雛菜「殺害方法から考えるって言っても~」

雛菜「透先輩は【撲殺】されたんですよね~?」

智代子「透ちゃんの撲殺は、何か変わった点があったのかな」

樹里「【机を使って殴った】んだろ?」

樹里「別に机自体は普通だしな……」

甜花「机だと、クリティカル率が高く設定されてるとか……?」

樹里「おいおい、ゲームじゃねーんだから」

霧子「教室内に、【他に凶器になりそうなものはない】し……」

霧子「犯人さんは、近くにあった机を選んだんじゃないかな……」


【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】

↓1
-------------------------------------------------

【撲殺】に【モノクマファイル1】

雛菜「え~?脳挫傷でも撲殺は撲殺ですよね~?」

雛菜「何かおかしなこと言いましたか~?」

(違う……浅倉さんの死因自体は間違いない……)

(現場の状況を見たら、浅倉さんは【ただ殴られただけ】じゃないってわかったはず……)

(その状況をあの人の証言にぶつければ……)

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【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【床のへこみ】
‣【食堂で聞いた音】

雛菜「殺害方法から考えるって言っても~」

雛菜「透先輩は【撲殺】されたんですよね~?」

智代子「透ちゃんの撲殺は、何か変わった点があったのかな」

樹里「【机を使って殴った】んだろ?」

樹里「別に机自体は普通だしな……」

甜花「机だと、クリティカル率が高く設定されてるとか……?」

樹里「おいおい、ゲームじゃねーんだから」

霧子「教室内に、【他に凶器になりそうなものはない】し……」

霧子「犯人さんは、近くにあった机を選んだんじゃないかな……」


【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】

↓1
-------------------------------------------------

樹里「うーん、その音はアタシも聞いたけど、それだけじゃ現場の状況はわかんねーな」

樹里「殴ったことを否定すんなら殴ってない証拠とかはないのか?」

(そうか……現場に残っていた【殴っていない証拠】……)

(確か【死体周辺】を調べた時に、ただ殴っただけじゃつかない【痕跡】があるってやり取りをしたんだったっけ……)

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【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【床のへこみ】
‣【食堂で聞いた音】

雛菜「殺害方法から考えるって言っても~」

雛菜「透先輩は【撲殺】されたんですよね~?」

智代子「透ちゃんの撲殺は、何か変わった点があったのかな」

樹里「【机を使って殴った】んだろ?」

樹里「別に机自体は普通だしな……」

甜花「机だと、クリティカル率が高く設定されてるとか……?」

樹里「おいおい、ゲームじゃねーんだから」

霧子「教室内に、【他に凶器になりそうなものはない】し……」

霧子「犯人さんは、近くにあった机を選んだんじゃないかな……」


【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】

↓1
-------------------------------------------------

【机を使って殴った】に【床のへこみ】かな?
絶妙に「これダメなのか……」感のある外れ出しちゃうのロンパ感ある

灯織「それは違います!」

【BLEAK!】

灯織「机を使って殴った……本当にそうなのかな」

樹里「えっ?」

灯織「浅倉さんの死体付近にあった床のへこみ……あれって机が落下した時の凹みだよね」

愛依「それなら投げたりしても凹むんじゃね?」

円香「……違う、あれは相当な溝になってた。それこそ垂直に落下でもしない限りできない深さ」

真乃「ほわ……じゃあ犯人は透ちゃんの頭に向けて垂直に机を落としたってことなのかな?」

灯織「うん、そうなると思う」

めぐる「……ん?それっておかしくない?机を透の頭に落とすんだったら犯人は透よりも大きくなきゃいけないよね?」

凛世「殺害ともなると、ただ背が高いだけではなりません……」

凛世「透さんよりも、相当背が高くなければ……」

甘奈「透ちゃんの身長は……160cmだったよね」

甘奈「透ちゃんより大きいのは樹里ちゃん、霧子ちゃん、摩美々ちゃん、愛依ちゃん、雛菜ちゃん、咲耶ちゃんだよね」

摩美々「一番大きな咲耶でも175cm……透の脳天に垂直に机を落とすには無理があるでしょ」

霧子「身長が3mぐらいないと……机を垂直に落として殺害は、できないよね……」

智代子「そんなの巨人だよ!?」

甜花「どこかの研究所から、タイラントが逃げ出して……」

小糸「た、タイラント……」

摩美々「……」

摩美々「まあどうあれ、現実的じゃないんじゃなーい?」

(確かに、私たちの身長の範囲では浅倉さんの脳天めがけて垂直に机を落とす芸当は不可能だ)

(でも、それは透さんも立っていた場合だ。浅倉さんが机が落下した時に立っていなかった可能性を提示できれば……)

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【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【頭部付近の血痕】
‣【モノクマファイル1】
‣【愛依の怪我】

樹里「犯人は【垂直に】机を透の頭に落とした……」

雛菜「透先輩は身長が160cmだから~」

霧子「犯人は3m近い巨人さんだね……」

咲耶「私たちの身長から考えてみても……」

咲耶「【立ったまま】の透に垂直に机を落とすなんて不可能じゃないかい?」

甜花「逆転の発想……」

甜花「浅倉さんが、【机に垂直に落下した】可能性……」

愛依「バンユーインリョクって奴?」

智代子「物理法則を無視しすぎだよ?!」


【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】

↓1
-------------------------------------------------

灯織「それは違います!」

【BLEAK!】

灯織「立ったままの浅倉さんに机を垂直に落とす……それは現状不可能でしょう」

真乃「ほわ……灯織ちゃん?!」

灯織「でも、浅倉さんが立っていなかったら?」

甘奈「立ってなかった?!」

咲耶「確かに現場の透の死体は寝そべっていたけど……殺害の瞬間もそうだったとは限らないんじゃないかい?」

灯織「いえ、殺害の瞬間もやはり浅倉さんは寝そべっていたんです」

灯織「浅倉さんの遺体を起こした時、頭部を縁取るような形で血痕が床に付着していたんです」

円香「机がぶつかって頭の皮膚が裂けて流血……滴った血液は頭伝いに床まで垂れる」

円香「透がねそべっていたなら床と頭の接触面は血がつかなくなる」

めぐる「そういえばそうだった!」

めぐる「現場の血痕はそこだけポッカリと空いてたよ!」

小糸「じ、じゃあ……透ちゃんは床に寝そべってるところを襲われたんだ……」

智代子「ん?でもそれっておかしくないかな」

智代子「普通自分が寝転んでるところに机が落ちて来たなら抵抗とかするんじゃない?」

樹里「……チョコ、お前現場は?」

智代子「え、えへへ……気が引けて……」

樹里「灯織、教えてやってくれ」

灯織「うん……」

(机の落下時、浅倉さんは抵抗できない状態にあった……その証拠もあったはず)

【正しいコトダマを指摘しろ!】
コトダマ>>228>>230

↓1

【モノクマファイル1】

灯織「これです!」

【解!】

灯織「浅倉さんは手足を拘束されて身動きの取れない状態だったんだよ」

智代子「えっ?!」

灯織「手足に付けられた拘束具……これじゃ抵抗しようにもできないよね?」

智代子「ほ、ほんとだ……!」

樹里「現場を見れば一発だよ……あんな真似しやがって……犯人め、殺意がむき出しだぜ」

摩美々「モノクマファイルすら見てないのー?」

智代子「え、えへへ……」

真乃「さらに透ちゃんは猿轡もかまされてて……」

真乃「助けを呼ぼうにも呼べない状態だったんだと思う……」

円香「……許せない」

円香「今この場にいる犯人、判明し次第……わかってるよね?」

(うう……樋口さんの気迫、本当に危害を加えかねない……)

凛世「しかし、これでは議論は振出しに戻ってしまいます……」

真乃「うん……判明したのは殺害方法だけだから、犯人につながる手掛かりがないね……」

甘奈「うーん……」

咲耶「どうしたんだい?甘奈」

咲耶「何か疑問点があるなら気軽に共有してくれるかい?」

甘奈「うん、単純な疑問なんだけど……」

甘奈「机を落として殺害……なんて方法をしたらものすごい音が鳴ってバレたりしないのかな?」

灯織「……え?」

円香「刃物じゃないから透に落下したらそのまま刺さったりするはずない」

円香「透の頭からバウンドして床にぶつかった音が少なからず鳴ってたはず」

甘奈「そう、甘奈が言いたかったのはそういうこと!」

真乃「音……」

灯織「……」

(私たちは、知っている……)

(食堂にまで響いた、あの音は、もしかして……)

【正しいコトダマを指摘しろ!】
コトダマ>>228>>230

↓1

灯織「これです!」

【解!】

灯織「……朝時間になって、私たちイルミネと、咲耶さん霧子さん、樹里と凛世は食堂にいたんだけど」

灯織「その机が落ちた時の大きな衝撃音、聞いてるんだ」

甘奈「え?!」

咲耶「ああ、まるで金属が床に勢いよくぶつかったような乾いた音……」

咲耶「あれはまさに机と床の奏でた二重奏だったというわけだ」

めぐる「うん、わたしも聞いた!あれは死体発見の直前だったんだよね!」

甘奈「ちょっ、ちょっと待って!」

灯織「どうしたの、甘奈」

甘奈「甜花ちゃんと甘奈は二人で一緒に甜花ちゃんの部屋にいたけどそんな音聞いてないよ!」

灯織「ああ、それなら寄宿舎の個室は完全防音だったから、聞こえなかったんだと思う」

めぐる「そっか……あんなに大きな音だったのに食堂にいたわたしたちしか集まらなかったのは、みんな個室にいたからだったんだ!」

真乃「うん、そもそも音が聞こえてなかったらアナウンスまで気づくことができなかったんだよ」

霧子「確かあれは七時半、ぴったりだったよね……」

凛世「はい、食堂の時計で確認いたしましたので、間違いございません……」

樹里「……ってことは、殺害時刻もその音が鳴った瞬間」

樹里「7時30分だったってことか!?」

円香「朝早くに殊勝な殺人犯ですね、吐き気がします」

智代子「す、すさまじい憎悪!!」

雛菜「それじゃあ犯人は7時30分にアリバイがない人ってことですか~?」

咲耶「……それもそうだけど」

咲耶「……私たちは、話を聞かねばならない相手がいるようだよ」

甜花「……え?」

灯織「殺害時刻が7時30分……死体発見時刻とほぼ同時……」

灯織「だとしたら、怪しい人が一人浮上します」

智代子「え、えっ?!誰の事?!」

甘奈「音を聞いてない人はいっぱいいるよね……?」

(その人は音が鳴ったその瞬間に、現場にいたと思われる人……)

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1

和泉愛依

灯織「あなたしか、いません!」

【解!】

灯織「……愛依さん」

愛依「……う、うち?!」

円香「……愛依」

智代子「ステイ!円香ちゃんステイだよ!」

灯織「私たちが机の落下したと思われる音を聞いて駆けつけた時、現場にただ一人先にいたのはあなたでしたよね」

灯織「……事情を、詳しく聞かせてもらえますか」

小糸「ま、まさかの第一発見者が犯人だったパターン?!」

雛菜「割とミステリーではありがちだけどね~」

愛依「………………ちがう」

愛依「ちがう!違うって!うちはマジで知らないの!透ちゃんの死体を発見しただけだから!」

樹里「愛依、落ち着けって!別にアタシたちは愛依が犯人だって断言したわけじゃねえ!」

灯織「はい!樹里の言う通り……愛依さんは第一発見者で、殺害時刻にその現場に居合わせていた【重要参考人】というだけで……」

真乃「そ、その言い方だとあんまり変わらないよっ!灯織ちゃん!」

咲耶「愛依、君の容疑を晴らす場合でも君の話を私たちは聞かなくちゃならないんだ」

凛世「はい、凛世も……死体発見時の詳しいお話を、伺いたく存じます……」

灯織「愛依さん、真犯人を発見するためなんです。ご説明願えますか?」

愛依「…………」

めぐる「愛依!お願い!」

愛依「……わかった」

(今一番怪しいのは愛依さん……これは否定しようがない……)

(まずは愛依さんの証言から真実を見つけ出すんだ!)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【甜花の証言】
‣【食堂の包丁】
‣【目覚まし時計】

愛依「そもそも始まりは夜時間、自分の部屋で……」

愛依「うちは【7時20分に1-B教室】に呼び出されてたんだよね」

愛依「誰にも言わず一人で……って書かれたメモがドア下から投げ込まれたんだよね」

愛依「そんで【教室にいた】んだけど」

愛依「なかなか誰も来ないしなにも聞こえても来ないし」

愛依「めっちゃ静かでなんか変だなーって思ってたんだけど」

愛依「突然【隣の教室から机が落ちる音がした】からあわてて駆け付けたの!」

愛依「だからうちはマジで関係ないの!透ちゃんの殺人にはムカンケー!」

円香「……証言次第で覚悟しておいてよ」

智代子「円香ちゃん、一緒に深呼吸しない?!」


【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】

↓1
-------------------------------------------------

灯織「それは違います!」

【BLEAK!】

灯織「机が落ちる音がして教室に駆け付けた……それは本当ですか?」

愛依「うん!だからうちが教室に行ったときには既に……」

灯織「それは、違うんです」

愛依「……え?!」

灯織「事件現場に残されてた目覚まし時計、このアラーム機能は7時25分。机が落下した時間より早くに設定されていたんです」

愛依「なっ……マジ?!」

摩美々「つまり時計がずれたりしてない限りは絶対先に目覚ましが鳴ってたことになるんだよねー」

めぐる「モノクマ!時計って……!」

モノクマ「学校内の時計はすべて、電波時計を採用しております!」

モノクマ「寸分たりとも誤差なく正確な時刻を刻む時計だよ、オマエラに渡した目覚まし時計も同様にね!」

灯織「……らしいです、愛依さん」

愛依「い、いや……それは……そう!教室も寄宿舎の個室と同じで完全防音だったから気づかんかったの!」

円香「だとしたらなんで机の落ちる音は聞こえたわけ?」

愛依「……!」

灯織「愛依さんは今『何も聞こえなかったところに突然机の落ちる音がして』と言いました……でも、それはあり得ないんです」

愛依「……や、その……」

円香「まさか忘れてた、なんていうつもり?」

円香「今朝の出来事、しかも死体発見なんてインパクトある出来事で記憶違いをするとは思えないけど?」

愛依「……うっ」

咲耶「愛依、本当のことを話してくれないかい?」

愛依「…………うん。嘘ついた」

樹里「愛依……なんで嘘なんか!」

愛依「目覚ましの音が聞こえてうちは1-Aに行ったよ、でもそれだけだから……うちはそれ以上……」

円香「違う」

(……え?)

円香「まだ隠してることがあるでしょ?……ウソなんてつくの慣れてないくせに、バレバレ」

愛依「……違う!うちはマジでこれ以上は!」

円香「ならもう一度証言して、そこでその矛盾を明らかにするから」

(……愛依さんが隠している矛盾?)

(もう一度、愛依さんの証言に耳を傾けよう。そこに隠された真実が……)

(たとえ残酷な現実でも!)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【目覚まし時計】
‣【愛依の怪我】
‣【食堂で聞いた音】

愛依「うん……うちは【目覚ましの音を聞いて】1-Aに行ったよ」

愛依「でも、それだけだから!」

愛依「教室についたら【既に透ちゃんに机が落っこちてて】」

愛依「透ちゃんは【死んじゃってた】んだよ……」

愛依「そこに灯織ちゃんたちが集まってきて」

愛依「うちはそれ以降死体にも触れてないし、マジで無関係なんだって!」

愛依「お願い信じて!」

円香「……はぁ」

愛依「円香ちゃんのため息めっちゃ怖いんだけど?!」


【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】

↓1
-------------------------------------------------

【既に透ちゃんに机が落っこちてて】に【食堂で聞いた音】

灯織「それは違います!」

【BLEAK!】

灯織「愛依さんが教室についていたときに、すでに机が落っこちていた……それはあり得ないんです」

愛依「えっ……?!な、なんで?!」

灯織「もしも机がすでに落っこちていたとしたら私たちの聞いた音の説明がつきません」

愛依「……やばっ!」

咲耶「私たちはあの音が聞こえたからこそ現場に駆け付けたのだからね」

灯織「あの音が机の落下音以外だというなら、その可能性を示してもらえませんか?」

愛依「…………」

摩美々「だんまりってことは認めたってことでいいのー?」

愛依「うちは……うちは……」

摩美々「今の話を総合すると、愛依が目覚ましの音を聞いて1-Bから1-Aに移動して、そこで机が落下したんだねー」

小糸「じゃ、じゃあ……殺害現場に、和泉さんは居合わせていたってこと……?」

灯織「机が落下した時に、その場にいたのは間違いない、と思う……」

灯織「愛依さん……お願いです、教えてもらえませんか?」

灯織「あの時、教室で何があったのかを」

愛依「……うちは、本当に目覚ましの音が聞こえたから教室に向かっただけで」

摩美々「……愛依―?」

愛依「したら、扉を開けた瞬間……」







愛依「うちの目の前に机が降ってきたの」





甘奈「机が……」

智代子「降ってきた?!?!?!」

愛依「本当にそうしか言いようがないんだって!うちは扉を開ける以外は何もしてない!」

愛依「目の前に机が急に現れたから驚いて目をつむっちゃって!」

愛依「目を開けたら透ちゃんが下敷きに……!」

愛依「これはなんも嘘ついてないから!うちはマジでなんも知らない!ムカンケーだから!」

円香「…………」

(いや……これは、違う……)

(今の愛依さんの話は、むしろ…………)

(愛依さんにとって、私たちにとって、何よりも残酷な事実を示しているんじゃない……?)

円香「……モノクマ、一つ聞いてもいい?」

モノクマ「ん?どうしたの?」

円香「例えば……誰かが作動した瞬間別の誰かを殺害するトラップを作った場合、クロになるのはそのトラップを作った人間?それともそのトラップを作動させた人間?」

(……!?)

小糸「ま、円香ちゃん!?」

モノクマ「ふむふむ……面白い疑問だね。お答えしましょう!」

モノクマ「その場合、クロになるのはトラップを作動させた側の人間です!当然だよね、自分の行動で人が命を落としてるんだから!」

円香「……なるほど、ありがとうございます」

円香「なら、クロはもう決まった」

(……え?)

円香「愛依、今回のクロはあなたしかいないのでは?」

愛依「ええええええっ?!いや、ちがう!違うんだって!マジで!」

円香「本人にその意識はないかもしれない……けど、さっきのモノクマの回答からすれば愛依がクロになるはず」

愛依「そんな……ウソだって、ありえない系!?」

(……今のモノクマの話……それに愛依さんの証言)

(円香さんが言おうとしているのは、そういうことだ……)

【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【食堂で聞いた音】
‣【紐】
‣【目覚まし時計】

愛依「ちょい待ち!うちはマジで知らないんだって!」

円香「知っているか否かは関係ない」

円香「愛依が【扉を開けた瞬間に】机が透の上に落ちて来た……」

円香「机が凶器である以上、そのクロは愛依になる」

愛依「いやいや……うちが扉を開けたのと机が落ちたタイミングは……」

愛依「【偶然】!たまたま一致しただけなんだって!」

愛依「うちはマジで知らないから!」

咲耶「……嵌められたね」


【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】

↓1
-------------------------------------------------

灯織「それは違います!」

【BLEAK!】

灯織「……愛依さん、扉を開けた瞬間机が落ちて来た……それはやっぱり偶然ではないですよ」

愛依「そんな……!」

灯織「教室の外側のドアノブに括りつけられていた紐です。これを使えば、愛依さんの言う偶然が必然になるんです」

灯織「教室の扉はスライド式。外側のドアノブと机の脚とを紐で結んでおくんです」

甘奈「そんな状態で扉を開けたら……」

甜花「机が、落っこちちゃう……!」

愛依「……じゃあうちが見た、降ってきた机ってのは」

摩美々「愛依が引っ張って落っことした机だったんだねー」

愛依「そん、な……」

凛世「落下した机はその勢いのまま、透さんの頭に衝突……」

凛世「透さんは、そのまま命を落としてしまわれた……」

愛依「でも、うちはそんな仕掛けなんか……」

円香「さっきのモノクマの話」

円香「クロは仕掛けを作った人間じゃない、作動させた人間」

愛依「……っ!」

めぐる「愛依は、他の誰かに……クロにさせられたの……!?」

智代子「そんな……!!」

モノクマ「あら?もう結論出ちゃった感じですか?これ」

モノクマ「思ってたより早かったですね、なかなか優秀な探偵たちがお揃いな様子で!」

モノクマ「どこぞの年増ばかりの探偵事務所も見習ってほしいものですね!」

(……でも、これで本当にいいのかな……?愛依さんが嵌められて、トラップを作動させて、透さんを殺してしまった…………)

(筋は通っているし、私たちが目撃した現場にも矛盾は……ない)

灯織「ちょっといいですか?!」

モノクマ「ん?」

灯織「その、このままで本当に、いいんでしょうか……?」

(私はまだ、納得がいかない……!!)

愛依「……えっ?」

灯織「……この学級裁判は私たちの命が懸かっています。それに、真実を解明しなければ、亡くなってしまった浅倉さんの遺志を私たちが無碍にすることになってしまいます」

灯織「もう少し、議論をさせてもらっても……!」

樹里「……でもよ、透を殺害した仕掛けはわかった。それに愛依が引っ掛かってしまったことは否定のしようがねー」

樹里「その仕掛けを作った奴は許せねえけどその手がかりもない……」

樹里「どうすりゃいいんだよ!」

(それはそうだ……愛依さんより先に教室に誰かが訪れたことを指し示す証拠があるなら覆せるけど、そんなものもない)

(愛依さんが仕掛けを作動させたことは今更疑いようがないんだ)

摩美々「愛依が仕掛けを作動させたことは間違いないケド」







摩美々「本当にそれで透は死んだのかなー?」





円香「…………は?」

雛菜「それ、どういう意味ですか~?」

霧子「摩美々ちゃん……透ちゃんは、本当に……」

摩美々「別に透が死んでないなんて言うんじゃなくてー」

摩美々「逆に透が仕掛けで机を落とされるより前に死んでた可能性はないのー?」

(仕掛けよりも、前に死んでいた……?)

(そんなこれまでの議論を根底から覆すような話……)

(もしそれが本当なら、愛依さんはクロでなくなって……)

(この学級裁判は、どこに向かっていくんだろう……?)


【学級裁判 中断!】

今回の更新はここまでです。
ロンパSSは初挑戦なので出題の意図が分かりづらい部分もあったかと思います、申し訳ない…
安価も直下だと回答しづらいとかありますかね?
参加者さんが少数なので進行速度を維持するためにも直下のまま次回は更新する予定ですが、
都合が悪ければ別途考慮します。

次回更新は近いうちに。またのご参加よろしくお願いします。

それではおやすみなさい……


直下で安価取りたくない(参加者で意見交換したい)場合はこっちで【雑談】とか付ければいいかなと

そういえば死亡推定時刻は提示されてなかったわね

ところで2回ミスってるけど何回ミスったらゲームオーバーとかあるのカナ?

皆さんありがとうございます、直下で問題なさそうなのでこのまま行こうと思います。
既に数人の方に触れていただいていますが、死亡推定時刻がモノクマファイルで書かれていないのは、
原作でもたまにある「あえてモノクマが記載していない」部分ですね。
灯織たちが食堂で音を聞いた時と犯行時刻は必ずしも同時ではない、ということです。

>>278
不正解はクリア後にもらえるモノクマメダルの量減少でカウントしています。
とはいえ劇的に減少することはないので気後れすることなく回答いただけると幸いです。

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