【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 (1000)
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※注意
・本作は「ダンガンロンパ」のコロシアイ学園生活をシャニマスのアイドルで行うSSです。
その特性上アイドルがアイドルを殺す描写などが登場します。苦手な方はブラウザバックを推奨します。
・キャラ崩壊注意です。
・ダンガンロンパシリーズのネタバレを一部含みます。
・舞台は初代ダンガンロンパの希望ヶ峰学園となっております。マップ・校則も原則共有しております。
・越境会話の呼称などにミスが含まれる場合は指摘いただけると助かります。修正いたします。
以上のほどよろしくお願いいたします。
それでは開始します。
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_____はじまりは希望で満ちた、最高の幕開け。
澄み切った真水のような希望。
いつも通りの朝日に神々しさにも似た感動すら覚えるほどの希望。
その物語に、絶望が入り混じるなんて誰も思うはずもない、そんなすがすがしいまでの希望。
小学生が遠足に胸を弾ませるように、中学生が修学旅行にソワソワするように。
私たちはそのたびに、これまでにない期待を抱いていた。
果穂「合宿ー!合宿ー!」
あさひ「虫取り虫取りー!」
冬優子「あさひちゃーん?シートベルトはちゃんとしておこうねー?」
愛依「アッハハ!あさひちゃん、超エネルギッシュー!」
千雪「ふふっ、楽しみね」
(私たちはいま、283プロダクション所属の全ユニット合同での合宿イベントへ向かっている最中)
三峰「こがたんこがたん、こちらのお菓子はどうでしょう?」
恋鐘「油淋鶏味ポテトチップス?!こげんもんがあったと?!」
咲耶「おやおや……なにやら香ばしい香りがすると思ったら、お姫さまは一足先にブランチの時間かな?」
摩美々「ブランチにしてはがっつりすぎないー?」
霧子「ふふ……♪」
(私はイルミネーションスターズというユニットに所属するアイドル、風野灯織。アイドルとして活動を始めてしばらく経つが、まだ慣れていないことも多い……同じユニットの仲間に助けられて何とかここまでやってきた)
めぐる「真乃!灯織!見てみて!これ!近くの山で鮎を釣って塩焼きにできるんだって!」
真乃「ほわっ……!すごいね、楽しそう!」
灯織「うん、釣った魚をその場で食べるなんてやったことがないから楽しみだね」
(合宿先はとある廃校を新たにレクリエーション施設として再建したところらしい。かつては多くの学生が通ったこの場所も、人口移動の煽りを受けたのか閉校して数十年になるとか)
めぐる「楽しみだね!希望ヶ峰キャンプ場!」
灯織「うん、今回はノクチルのみんなもいるから……前よりもさらに賑やかになるね」
雛菜「透先輩と円香先輩お菓子いる~?」
透「……ぐが」
円香「……爆睡中。私もいらない」
小糸「と、透ちゃん……」
(私たちが283に来た時よりもメンバーも増え、合宿も賑やかになった。まだ完全に仲を深めているわけではないけど、ノクチルのみんなともやっていけるはず)
めぐる「この合宿で、事務所のみんなともーっと仲良くなれたらいいね!」
真乃「うんっ!そうだね、めぐるちゃん!」
灯織「私も……みんなともっと親交を深められたらな」
めぐる「灯織なら心配ないよ!」
この旅も何か実りを生む、素晴らしい旅になる。
そう感じさせるような小春日和だった。
夏葉「あら?もうすぐトンネルみたいね」
____バスはトンネルに突入する。
低圧ナトリウムランプの橙色の光がバスの車内を満たす。
それと同時だった。
(……あれ?)
歪む視界。目の前の座席はどんどんその渦へと吸い込まれていき、前後すらもわからなくなってくる。
(真乃……めぐる……?)
隣に目を向ける。
_____そこに座っていたはずの私の親友は、もうそこにいなかった。
(なん、で……?わた、し……一人……?)
思考すらままならないほどの眠気。
世界が溶けていくと同時に、私の意識もどんどん私の体を離れていき……そして……
_____暗転。
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PROLOGUE
わたしたちの絶望学園
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灯織「……あれ?」
(いつのまにか眠っていた……?バスの中で真乃とめぐると話してて……うーん……思い出せない)
(…………え?)
重たいまぶたを開けると広がっていた世界。そこはバスの中じゃない、フローリングの床が広大なスペースに敷き詰められた、屋根の形は楕円に似たドームのような建物。それを一言で表すなら『体育館』。気づけば私は『体育館』に寝そべっていた。
灯織「な、なんで?!」
(授業中に居眠りなんかもしないのに、寝てしまった……?)
はじめは私が自分の学校で居眠りをしてしまったのかと思った。
だけど体を起こしてみるとそうではない。
私の通う高校とは似ても似つかない……それに、
灯織「み、みんな……?!」
辺りを見渡してみると真乃やめぐるだけでなく、事務所のみんながあちらそちらで同じように寝そべっている。
(……明らかに異常事態!)
事態が飲み込めない私はひとまず片っ端から起こしていくことにした。
【イルミネーションスターズ】
(良かった、イルミネの2人も一緒だ)
灯織「真乃……めぐる……起きて、起きて……」
真乃「灯織ちゃん?ほわっ、ここ、どこだろう……」
灯織「ごめん、まだ私もまるで状況がわかってなくて……とりあえず2人の無事を確かめたくて……」
彼女は櫻木真乃。私の所属するユニット『イルミネーションスターズ』のセンター。
柔和な雰囲気のある彼女だけど、芯はしっかりとしていて、実直な女の子。
私がここまで来れたのも彼女のおかげ。かけがえのない友達だ。
めぐる「……んん〜?……ふわぁ…あれ、灯織?」
灯織「めぐる、おはよう。大丈夫?怪我とかは……」
めぐる「ん……?うん!特には大丈夫だよ!ありがとう!」
彼女は八宮めぐる。事務所内で一番付き合いも長く、信頼も厚い親友。
とっても社交的で、事務所のムードメーカー的な役割もこなす、太陽みたいな女の子。
めぐる「……わわっ!?どうなってるの?どこ!?」
真乃「さっきまでバスに乗ってたはずだよね……?」
灯織「うん、私も今気が付いたばかりで……何があったのかサッパリ……」
めぐる「ん~……?ねえ、灯織……あのマーク、見覚えない?」
めぐるが指さしたのは体育館の檀上。その垂れ幕だ。
盾を模したように見えるそのエムブレムには確かに見覚えがある……
真乃「ほわぁ……バスの中で一緒に見た、希望ヶ峰学園の校章じゃないかな……?」
灯織「……あっ!」
確かにそうだ。三人で一緒に見ていたあのパンフレット。
その中心にでかでかと据えられていたマークと瓜二つ。ということは……
灯織「ここは希望ヶ峰学園……?」
めぐる「うん、多分そうなんじゃないかな?見たところ、ここも学校の体育館って感じだし!」
真乃「うん、きっとそうだよっ!……でも、なんでだろう、着いた時の記憶がないよ……」
真乃の言うとおり、なぜだか記憶がすっぽりと抜け落ちているような……
最後に見たのはあのバスの車内。なぜだか視界が揺らぎ始めて……
目が覚めたらここだ。
めぐる「誰かがみんなをここまで連れて来たってこと?」
灯織「うーん……だとしてもいったい誰が……?」
【アンティーカ】
灯織「摩美々さん、咲耶さん、霧子さん……」
摩美々「……アレ?灯織ー……?」
咲耶「……おっとすまない、どうやら眠ってしまっていたようだね」
霧子「……あれ?ここは?」
アンティーカの3人。
摩美々さんは高校三年生。年は私よりも上なんだけど……かなり無邪気な方だ。私はよく摩美々さんの悪戯に引っかかって笑いの種になっている。今日こそは、と毎日思っているのだけど。
咲耶さんも高校三年生。スラッとした出立はモデル時代から変わらず。思わず見惚れてしまうようなそんな魅力的な方。気遣いも出来る方で、人としてあまりにも出来すぎている……すごい。
霧子さんは高校二年生。穏やかな性格で真乃や甜花と相性が良くてよく一緒にいるのを見かける。事務所の花に水やりなんかもよくしていて、霧子さんの作り出す和やかな環境はとても居心地がいい。
摩美々「灯織も床に寝っ転がってたんでしょー」
灯織「え?あ、はい……ついさっき気がついたばかりで……」
摩美々「ほっぺにフローリングの跡ついてるよー」
灯織「えっ?ほ、ホントですか?!」
咲耶「フフ、摩美々はいつでも抜け目ないね」
灯織「あ、う、嘘だったんですか?!」
霧子「ふふっ……♪」
咲耶「しかし……これは一体どういうことだろう?恋鐘と結華がいないようだけど」
灯織「はい……他のユニットもいない人がいるみたいで……」
咲耶「イルミネは揃っているのかい?」
灯織「はい……真乃もめぐるも無事で……ありがとうございます」
霧子「恋鐘ちゃん、今朝から張り切ってたから……もしかしてもうレッスンに行ってるのかな……」
摩美々「探しに行く?」
灯織「えっ、あ、どうなんでしょう……この場を離れてもいいのか……」
と、私が止めるか止めるまいか思案しているうちに摩美々さんは後方の大きな扉に手をかけていた。
摩美々「……開かない」
灯織「え?」
咲耶「おかしいな、私もやってみようか」
しかし、咲耶さんでも霧子さんでも、私でも扉はびくともしない。
霧子「外から、鍵をかけられてるのかな……」
摩美々「鍵って……なんの意味があるわけー?」
咲耶「私たちをこの部屋に閉じ込めたい……のかな」
摩美々「それってつまり監禁ってコト?」
灯織「か、監禁……」
咲耶「……あまり楽観視は出来そうにないね」
【アルストロメリア】
灯織「甘奈、甜花さん……!起きて!」
甘奈「んー……あ、灯織ちゃん……あれ?!ここ、どこ?!」
甜花「あれ……さっきまで、バスで寝てたのに……」
アルストロメリアの2人。
甘奈と甜花さんは双子の姉妹でとにかく仲が良くて、お互いがお互いのことが大好きって感じで。
甘奈はファッションが大好き。
事務所のアイドルともよく一緒に買い物に行ったり相談に乗ったりしている印象。
甜花さんはゲームが好きでインドアな性格ではあるけど、頑張り屋さん。
事務所の誰よりも「お休み」が好きだけど、やるときはしっかりやる人。
甜花「あれ?……千雪さんは……?」
甘奈「ホントだ!千雪さんがいない!」
灯織「えっ……?」
2人に言われてあたりを見渡す。
……ホントだ、千雪さんがいない、それに他にも283プロに所属しているアイドルでここにいる人と居ない人がいる。
甜花「千雪さん、どこ……?」
甘奈「大丈夫かな千雪さん……」
灯織「ふ、2人とも落ち着いて……!とりあえずは自分たちの状況を確かめないと、でしょ?」
甘奈「でも……甘奈もずっと眠ってたからまるでわからないし……」
甜花「ああっ……!?」
甘奈「甜花ちゃん?!大丈夫、どうかした?!」
甜花「持ってきてたゲーム機、なくなってる……!!」
灯織「ええっ……?!ごめん……見てないや……」
甜花「うぅ……色違い、粘ってたのに……」
甘奈「甜花ちゃん、よしよーし……」
灯織「そういえば私もスマホが手元からなくなってるかも……」
甘奈「あ、ホントだ!甘奈の携帯も無い!」
灯織「どこかに落とした?にしてはこんなに全員が同時になんて……」
甜花「ハプニングイベント……?」
甘奈「ていうかそもそもカバンが無いよ?!」
灯織「……そういえば!あ、でもここが合宿先なら荷物は別で、送ってくれてるかもしれないし……」
甘奈「そっか……そうだよね!うん!」
(だとしても携帯が手元にないのはおかしい……)
(確かバスにいる時もポケットに入れていた気がするんだけど……)
【放課後クライマックスガールズ】
灯織「樹里、チョコ、凛世……」
樹里「ん?……あれ、ここどこだ?」
智代子「むにゃむにゃ……樹里ちゃんそれはトッポだって……ポッキーじゃないよ……」
樹里「チョコ……呑気なもんだな全く」
凛世「灯織さん……ここは一体……?」
灯織「わ、わからない……私も目を覚ましたらここで……」
智代子「……はっ?!」
樹里「やっと目覚ましたかよチョコ」
智代子「あれ……?机いっぱいのチョコケーキは?!」
凛世「智代子さん……涎を拭き取ります……前へ……」
智代子「あっ?!ご、ごめんね凛世ちゃん!」
放課後クライマックスガールズの三人。
樹里は一つ上の高校二年生。言動は男勝りに取られがちだけど、面倒見のいい優しい人。
なにかとユニットを超えた交友も広く、年上だけど私も気兼ねなく話せる相手。
チョコは同級生で社交的な女の子。本人は自分のことを没個性な風に言うけれどそんなこと全然無い。
事務所のムードをいつも明るいものにしてくれる、かけがえの無い友達。
凛世も私と同じ学年だけど、大人びた雰囲気のある女の子。
ご実家が名家なのか慎ましい立ち居振る舞いは、独特なオーラがある。
樹里「……ていうか夏葉と果穂がいねえな、どうしたんだ?」
灯織「さあ……?他にもこの場所にいない人たちはちらほらいるみたい……」
樹里「くそ、なんだってんだよ……訳わかんねえっつーか……」
(だいぶ取り乱してる……無理もない、最年少の果穂に最年長の夏葉さんが行方知れず)
(夏葉さんに次いでユニット内年長者の樹里はヤキモキしてしまうはずだ……)
智代子「果穂、大丈夫かな……」
凛世「プロデューサーさまは、いかがなされたのでしょうか……」
プロデューサーはおろか事務員のはづきさんの姿すらその場には無い。
智代子「ど、どうなってるの……?!まさか、誘拐……?!」
樹里「マジでそういう可能性も考えなきゃならねー段階にはなってんな」
灯織「だよね、どうにかして状況を把握しないと」
智代子「そ、そんな……」
【ストレイライト】
灯織「……愛依さん、愛依さん!」
愛依「……あれ?灯織ちゃんじゃん、どしたのー?」
こちらはストレイライトの和泉愛依さん。
少々あがりやすいところがあって、アイドルと普段とでキャラクターを使い分けている。
普段は事務所のみんなを引っ張ってくれる優しいお姉さん肌の方で、私も頼りにしちゃってる。
灯織「あの、落ち着いて聞いて欲しいんですが……」
愛依「って何コレ?!どこ?!」
灯織「あ、あの……愛依さん……」
愛依「あー!ごめんごめん、灯織ちゃん!うち勝手に突っ走っちゃったね!」
灯織「い、いえ!お気になさらず!」
愛依「うーん、冬優子ちゃんがいたらこういう時頼りになるんだけど……二人ともいない系かー……」
灯織(ストレイライトでこの場にいるのは愛依さんだけ……あさひ、冬優子さん……無事、だよね)
愛依「……てかアレ何?!」
灯織「え?……て、鉄板?!」
愛依さんが指さした先、本来なら太陽光を取り入れるための窓が付いていそうな空間には、鉄板が打ちつけになっている。
灯織「ど、どういうことなんでしょう……」
愛依「わかんないけど、なんか映画とかでこういうの無い?いっぱい人が閉じ込められて殺し合えーみたいな」
灯織「こ、殺し……?!」
愛依「あーウソウソ!!違う、違うの!」
灯織「び、びっくりしました……」
愛依「流石に現実世界なんだし、そんな事ないって!リラックスリラックス!ね?」
灯織「は、はい……」
(とは言ったものの、さすがに状況が状況……)
(窓に鉄板を打ち付けるなんて普通じゃない。一種の監禁状態……何に巻き込まれているの……?)
【ノクチル】
灯織「あ、あの……大丈夫ですか……?」
???「え……?あ、灯織ちゃんだ……うん、大丈夫」
彼女は浅倉透さん。事務所内では一番新しいユニット『ノクチル』でセンターを務める。
『ノクチル』は幼なじみ4人組のユニットで、傍目で見ていてもかなり仲の良いユニット。
それ故に私なんかはちょっと話しかけるのに勇気が必要だったりするんだけど……
透「ここ、どこ……?あれ、バスは……?」
灯織「いえ……私にもまだ状況が飲み込めてなくて……」
透「ふーん…………」
透「…………」
透「…………おーい樋口ー、起きろー」
円香「……何?」
灯織「ひ、樋口さん……だ、大丈夫ですか……?」
円香「……何が?」
こちらは樋口円香さん。ノクチルのメンバーの1人で、センターの浅倉さんとは同級生で私の一つ年上になる。
その、なんとも近寄りがたいオーラを出している人だけど……優しい人ではあると、思う……多分。
灯織「何、と言いますか……あの、その……フローリングの上で横になっていたので、体を痛めてたり……」
円香「…………大丈夫」
灯織「…………」
円香「大丈夫だから」
灯織「あっ、はい!すみません!」
透「んー……ここ、合宿所じゃないの?」
灯織「まだ、わかってないです……その、すみません……」
円香「…………とりあえず小糸と雛菜も起こしてくるけど?」
灯織「あっ、はい!お願いします!」
(うぅ……やっぱりまだイマイチ踏み込めない……)
小糸「え……あ……う……」
雛菜「あれ?どうしたんですか〜?」
灯織「い、今私も目を覚ましたばかりで……その……」
雛菜「そうですか〜……」
(う、うぅ……居た堪れない……)
市川雛菜さんに福丸小糸さん。この4人が揃ってノクチルになる。
市川さんはすごい独特の雰囲気を持っていて、自分の中に信念のようなものを感じる。
マイペースといえばそこまでだけど、他の人に左右されない強い芯があるってことだよね。
私も見習うべき点が沢山だ。
一方、福丸さんは少し私に似たところがあるのかな、あんまり人と話すのが得意じゃないみたい。
いつかゆっくり話してみたいと思っていたんだけど……
こんな状況下で、お互いそれどころではない……
雛菜「あれ?雛菜が寝てる間にもう合宿先に着いてる?」
透「かな」
小糸「ぴぇっ……い、いつの間に……」
円香「……何?あれ」
灯織「……監視カメラ、でしょうか」
雛菜「え〜?防犯のためじゃないの〜?」
小糸「にしては数が多いような……」
透「いえーい、見てる〜?」
円香「ちょっと浅倉……不用意に近づかない」
(……自由!!)
(でも、あの監視カメラは実際なんのため?私たちの振り付けの確認用でもなさそうだし……)
(まさか、私たちを……?)
灯織「とりあえず全員ここにいる人は無事だったね……」
めぐる「うん、みんな意識を失ってたから心配だったけど一安心だね!」
真乃「でも、事務所のみんなが揃ってるわけじゃないのはどうしてなんだろう……」
灯織「何が起きてるのか、とりあえずそれを把握しなくちゃ」
私たちがそのための一歩を踏み出そうとしたその瞬間。
【キィィィィィィン……】
小糸「ぴぇっ……?!」
円香「小糸」
摩美々「何ー?耳障りな音……」
愛依「これ、あっちのスピーカーから……?」
???『あー!あー!マイクテス、マイクテス!大丈夫?聞こえてるよね?』
突如流れだしたのは聞いているだけでゾワゾワした悪寒が走るような濁声。
突如押し込められた不可解な状況に困惑する私たちを嘲笑うかのように、それは突然始まった。
???『オマエラ!おはようございます!本日は当希望ヶ峰学園の特別強化合宿プログラムにご参加いただきありがとうございます!』
(……は?)
灯織「……希望ヶ峰学園?!」
真乃「ほ、ほわっ……!この場所って希望ヶ峰学園なの……っ?!」
咲耶「特別強化合宿?聞き覚えがないね」
透「……」
???『本日よりオマエラにはこの希望ヶ峰学園で合宿生活をしてもらいます。つきましては、これより体育館にて朝礼を執り行います!』
円香「朝礼……?学校のつもり?」
雛菜「雛菜朝礼久々〜〜〜!」
小糸「雛菜ちゃんはもっとちゃんと出席しようよ……」
???『学園長直々にお話がありますので、耳の垢を前もってほじくっておくように!うぷぷぷ……学園長のお話の途中で居眠りなんかしようもんならどうなっても知りませんからね!』
甘奈「が、学園長……って」
甜花「もう、廃校になってたんじゃ、なかったっけ……?」
突然始まったアナウンスに動揺を隠せないみんな。
アナウンスの声はどこか戯けていて、私たちの不安を一層に掻き立てる。
____気づけば体は震えていた。恐怖心、不安、困惑……そんな感情が表出する。
樹里「おい!てめーがアタシたちを監禁した犯人なのか?!舐めたことしやがって……!」
(樹里……!)
樹里「学園長だかなんだか知らねーけどさっさと姿を見せてみろ!」
???『……ちょっとちょっと!校内放送ぐらい黙って静かに聞けないの?!……はぁ、仕方ないなぁ。もういいよ、そっち行くから!せっかちだなぁ……もう、全く……』
それだけ言うとアナウンスはプッツリと切れた。
智代子「な、なんだったのかな?!今の?!」
凛世「……奇怪な、放送でございました……」
樹里「……ちっ、舐めたことしやがって」
灯織「じゅ、樹里……落ち着いて」
不可解なアナウンスに騒然としている私たち。
そんな私たちに思考の時間を与えないままに……事態は動き出す。
霧子「あ……!あっち……!」
霧子さんが指さしたのは体育館の檀上。
はじめは何を言っているのかわからず、首をかしげていた。
…………が、すぐに私たちはそんな感覚を喪失することになる。
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!」
「オマエラお待ちかねの学園長、モノクマだよ!」
(……え?)
思わず目を疑った。
体育館から競り上がってきて華麗に着地を決めたのは私の背丈半分ほどのぬいぐるみ。
左右で白黒に分かれたクマのぬいぐるみだった。
小糸「ぴぇっ?!?!」
甜花「く、クマの、ぬいぐるみ……」
めぐる「し、しかも喋ったー?!」
(……わ、わけがわからない!)
モノクマ「おやおや?クマが喋ることがそんなに珍しい?今時ペラッペラの板だって喋る時代じゃん?なにを今更?」
円香「どうせ何かスピーカーみたいなの埋め込んでるんでしょ」
モノクマ「むきー!ボクは自分の口で喋ってるんですけど!腹話術なんかやってないんですけど!」
透「なんかぬいぐるみの熊が喋る映画あったよね、あれみたい」
モノクマ「あんなR15のクマと一緒にするなー!」
愛依「な、なんの話してんの……?」
モノクマ「それよりオマエラ、おはようございます!」
灯織「お、おはようございます」
樹里「丁寧に返さなくていいぞー、灯織」
モノクマ「健全な合宿生活に挨拶は欠かせません!まずは風野さんに一モノクマポイント!」
灯織「あ、ありがとうございます……?」
モノクマ「ポイントをしっかり貯めて、みんなで貰おう白い皿!」
凛世「……お皿?」
智代子「どこかのパン屋さんで聞いたみたいなキャンペーン?!」
摩美々「……いい加減本題に入って欲しいんですケド」
モノクマ「おっといけないいけない、思わず女子高生との桃色交流を堪能してしまっていたクマ……」
真乃「ほわっ……語尾もクマなんだ……」
摩美々「めっちゃ安直じゃーん」
モノクマ「むきー!人のアイデンティティを笑うんじゃなーい!」
突然現れた異様なぬいぐるみのクマは、まるで生きた人間のようなひょうきんな語り口で……
でもそれゆえに不気味で。そんなおちゃらけた様子のまま、マシンガントークを続ける。
モノクマ「えーっと、オマエラはご存知の通り、希望ヶ峰学園主催の合宿プログラムに参加していただいております」
甘奈「甘奈身に覚えがないんだけど……」
咲耶「ちょっと待ってくれないかい?希望ヶ峰学園……私は既に数十年前に廃校になっていたと聞いているのだけど」
モノクマ「はぁ?何言ってんのさ、希望ヶ峰学園が廃校になるわけないじゃない!だってこの国の希望だぜ?未来だぜ?新時代のニューウェーブだぜ?」
モノクマ「まあそういうわけで、オマエラもここにいる限りは希望ヶ峰学園の生徒として参加してもらいます」
雛菜「雛菜転校しちゃった〜」
小糸「て、適応が早すぎるよ雛菜ちゃん!?」
モノクマ「で、肝心の合宿プログラムの内容とは!……この学校での共同生活でございます!」
甜花「共同、生活……?」
モノクマ「うんうん、要はお泊まり会ってことだね!オマエラももう慣れたもんでしょ!」
智代子「た、確かに何度か覚えがあるけど……」
樹里「おい!」
モノクマ「はりゃ?」
樹里「合宿だっつーんならなんで果穂と夏葉、他にもいないメンバーがいるんだ?」
モノクマ「あーそれね……さっき言った通りだよ。ここが希望ヶ峰学園だから、それだけ」
甘奈「説明になってない……」
甜花「千雪さんは……?」
霧子「結華ちゃんと、恋鐘ちゃんも……」
モノクマ「希望ヶ峰学園は高等学校の教育施設!入学資格があるのは現役の高校生に限られるからね!お子さまとお姉さまに、このプログラムに参加する権利はございません!」
愛依「……?!ちょっ、あさひちゃんと冬優子ちゃんは今どこにいんの?!」
モノクマ「あーもう煩いよ!五月蝿いよ!ごかつばえい!」
凛世「モノクマさま、五月の蝿と書いて『うるさい』と……」
モノクマ「あのねえ、なんでも聞けば答えてくれるほど世の中甘くないの!むしろそんなのレアケースだから!この世界は無関心無干渉の塊だよ!」
咲耶「あくまで教えないつもりかい?」
モノクマ「うぷぷぷ……まあとりあえずはボクの話を聞いてよ」
(……嫌な予感がする)
モノクマ「今回の合宿生活は、今までの合宿生活とは一味違います!」
モノクマ「と、いうのも……」
モノクマ「その期限が……【一生】なのです!」
(…………は?)
耳を疑った。何を言っているのか理解できず、呆然と立ち尽くす。
そんな私たちを他所に、モノクマは言葉を続けた。
モノクマ「おはようからおやすみまで、すべての瞬間をこの学校の中で過ごしてもらいます!オマエラのピチピチのお肌がおばあさんの皺皺肌になるまでず〜っと一生ね!」
モノクマ「大丈夫、資源も資金も潤沢にあるから生活には何一つ不自由はさせないよ!餓死なんかされてもつまんないしね!」
円香「……くだらない」
(……樋口さん?)
円香「あなたが何者か存じ上げませんが、私たちをこんなところに監禁して、警察が動かないとでも?一生と言わずものの数時間でこんな生活破綻しますよ」
透「……あ、たしかに」
(……そうだ、間違いない。すぐにプロデューサーや両親をはじめとした、周りの人々が動き出す。私たちが今日から合宿なのも共有している情報だし……何も心配なんかいらない)
モノクマ「うぷぷ……」
モノクマ「ぷひゃひゃひゃひゃ!警察だって?2時間ドラマの開始10分でお手上げして探偵に泣きつくようなあんな組織をまだ信じてるの?」
円香「……はぁ?」
モノクマ「悪いことは言わないから過度な期待はしないほうがいいね、ああ哀しき哉無情なる現実……」
モノクマ「外部からの助け?無い無い!ありえないよ!オマエラはここでの生活を受け入れるしか無いんだよ!」
真乃「そ、そんな……」
円香「……意味不明」
雛菜「え〜、ここで一生なんて雛菜嫌だ〜」
モノクマ「まあ、そうは言ってもこの学園で一生なんて嫌だ!私は出ていくんだ!そう思ってる子もいらっしゃるでしょう!ですので!」
モノクマ「特別にこの学園から出ていくための特別ルールを設けました!簡単な条件を一つ満たしさえすれば、その生徒は無事【卒業】!晴れてこの学園から脱出できまーす!」
灯織「そ、卒業?」
モノクマ「その条件も単純だよ?」
モノクマ「誰か殺せばいいんだよ」
モノクマ「刺殺絞殺撲殺圧殺呪殺……殺し方はなんでもよし!フリージャンルで殺してちょーだいな!」
モノクマ「無事他の生徒の誰かを殺すことができれば脱出への道が開かれるのです!」
(……は?)
(殺、す……?)
ダメだ、またしても許容量をあまりにも超えすぎている。耳から入ったはずの言葉がそのまま抜けていく。現実味がなさすぎる。
人を殺すだのなんだの……ドラマの中でしか聞いたことがない。
にわかに鎮まりかえる。
その場に居合わせた全員がつま先から頭まで抜けるこの寒気のような感覚に身動きが取れなくなっていた。
モノクマ「あれあれ?反応が薄いなぁ…」
そんな中、最初に動いたのは樹里だった。
樹里「……ざけんな!いい加減にしろよ、さっきから黙って聞いてたら!」
灯織「……!」
モノクマ「なにさ、ご不満でもあるのかしら?」
樹里「大有りだ!殺すだのなんだの冗談にしても笑えねえ!」
モノクマ「ふーん……そっか、殺す度胸も無い臆病者の本性を取り繕うのに必死なんだね」
樹里「はぁ?」
モノクマ「いいよいいよ、女の子だもんね、そういう日もあるんでしょ」
樹里「なにわけのわかんねーこと言ってんだ!?」
プッツリと樹里の中の何かが切れる音がした。
次の瞬間にはモノクマの胸ぐらを掴みあげる樹里の姿。
樹里「おい……ふざけんなよ、アタシだけじゃなくみんなまで巻き込んで……絶対に許さねえから」
モノクマ「うわー!やめろー!学園長への暴力は拘束違反だよー!」
わざとらしい悲鳴に、わざとらしい手足のじたばた。
モノクマの挑発的な態度に樹里の怒りのボルテージが上がっていく。
_____ブーッ!ブーッ!
だが、そんな素っ頓狂な動きの裏で急にけたたましいブザーの音が鳴り始める。
樹里「……ん?なんだこの音」
凛世「……っ!樹里さん……!」
樹里「……え?」
愛依「な、なんかヤバいよ!離れて!」
樹里「……は、離れろったって……!」
摩美々「早く!」
樹里「……ああもう!くそっ!」
樹里はその手に掴んだモノクマを体育館の天井めがけて投げ飛ばした!
ブザーの音は加速的に大きくなり、テンポが上がっていくと……
爆音。
痛みを感じるほどの轟音と共に凄まじい爆風で思わずへたり込んでしまった。
バラエティのジョークなんかじゃない、正真正銘本物の爆発だ。
樹里「……マジ、かよ」
今の一瞬、樹里が手を離すのが遅れ、逃げそびれていたら……
間近で衝撃を受けた樹里は無事ではなかっただろう。
それこそ、大火傷……で済めばいいレベル。
霧子「……怪我、ないかな……?」
樹里「あ……くそっ、足捻ったか」
智代子「あ、ああああああ……な、なにこれ……」
愛依「マジイミフなんだけど……」
甜花「じ、自爆……?」
小糸「ぴぇっ……」
透「え……モノクマ、死んだ?」
モノクマ「もー!こんなに早くスペアを出すことになるなんて!現代の若者はキレやすいって聞いてたけど限度があるよ、限度が!」
めぐる「わっ?!また出てきた!」
甘奈「一体だけじゃなかったの?!」
モノクマ「当然!モノクマは量産体制ラインが組まれて、学園の至る所に配備しておりますとも!」
樹里「マジかよ……」
咲耶「……つまり、逃げ場はないということだね」
モノクマ「ま、今ので分かったでしょ。ボクは本気だよ。さっき言った言葉もガチのガチ!誰かを殺さない限り、この学園からオマエラは出ることもできません」
樹里「……っ!」
モノクマ「それが嫌ならここでの生活を受け入れることだね!アーッハッハッハッハ!」
モノクマの笑い声だけが響く。
目の前で起きた非現実的な出来事、自分たちの身に降りかかった非現実的な運命。
いくつもの非現実が押し寄せたことで全員がパンク状態に陥っていた。
……それから、どれくらいの時間が経ったのだろうか。
モノクマがいなくなっても、私たちは何も言葉を発することができずにただ黙って立ち尽くしていた。
しばらく時間が経ち、体に走る最悪な熱が徐々に冷めていくと、次に湧き上がってきたのは、【疑念】。
気がつけば、全員が周囲を見渡していた。
今隣に立っている彼女ももしかすると殺害を企てているかもしれない。
万が一にもそんなことはない、そうは思っていても拭いきれない疑心暗鬼。
そんな暗く重たい心の靄が広がっていくのを感じる。
「……死にたく、ない」
それを口にしたのは誰だったか、私だったか。
もう昨日までの私たちじゃいられない。
ただ単純な【仲間】であることを剥奪された、私たち16人。
______そんな最悪で絶望的な合宿生活が幕を開けたんだ。
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PROLOGUE
わたしたちの絶望学園
END
生存者数…16人
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初回の更新はここまでです。
次回以降CHAPTER1に入ります。
スレタイに入れそびれましたが、ロンパSSの伝統に基づき進行は一部安価・コンマを採用予定です。
シナリオ自体が安価に左右されて変わるようなことはございませんが、どうかご参加いただけると幸いです。
ゆっくり更新していきます。
よろしくお願いします。
本日も21時より少し一章を更新します
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CHAPTER01
絶望レッスン
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あれからどれくらい時間が経ったのだろう。
私たちは体育館からモノクマが姿を消してからも無言のまま向き合っていた。
誰かが、もしかして……ここから脱出するために……
そう考えるとキリがない。
疑心暗鬼の渦の中、重苦しい空気だけが漂っていた。
しかし、そんな中彼女だけは意ともせず、ポツリと呟いた。
透「え?これいつまでやるの?」
(……!)
円香「……浅倉」
透「あー……いや、ここにいてもしょうがなくない?」
小糸「と、透ちゃん……」
透「ね、とりあえずは行こうよ。学校の中、見なきゃでしょ」
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モノクマ「あ、そうそう。朝礼は済んだから体育館の鍵も開けといたよ。寄宿舎には一人一部屋用意してあるからそこで寝泊まりしてもらいます」
モノクマ「各自部屋にそれぞれの電子生徒手帳を置いてあるから受け取っといてよね!」
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確かに、モノクマは最後にそう言っていた。
めぐる「うん!そうだね!とりあえずは探索から!」
灯織「め、めぐる……」
めぐる「もー、灯織?……それにみんな心配しすぎだよ!」
真乃「ほわっ……」
円香「……まあ、同感」
めぐる「おっ、円香もそう思う?」
円香「ここにいてもただ精神を消耗するだけ、殺しなんてそうそうすぐには起きないだろうし……できることからやるべきじゃない?」
樹里「……そっか、そうだよな」
霧子「うん……わたしも、賛成かな……」
摩美々「まぁそうだよねー、ここにいても仕方ないしー」
樹里「別にあいつが勝手に言ってるだけで脱出方法もあるかもしれねーしな!」
智代子「そうそう!わたしたち16人もいるんだし、きっと何か見つかるよ!」
灯織「うん……そうだね」
いつもの活気が戻ってきた。そう、私たちは283プロのアイドル……みんなの間にある信頼、絆はそう簡単に切られるものじゃない。
コロシアイなんか……絶対にしない。
さっきまでの不安がどこか遠くに行ったようで体が軽くなる。
真乃「灯織ちゃん、めぐるちゃん……絶対一緒に脱出しようね!」
めぐる「もちろん!モノクマの好きにはさせないからね!」
灯織「……うん、絶対に帰ってみせる」
私たちは体育館を後にした。
【学校エリア 1F廊下】
灯織「ここが……希望ヶ峰学園……」
廃校と聞いていた割には学校自体は綺麗。埃っぽくもなく、照明も新しいものを使っているようでとても明るい。ただ、廊下にも窓はなく、乱暴に打ち付けられた鉄板が壁には並んでいる。まさに無機質といった言葉がぴったりな印象を受ける校舎。
咲耶「……どうする?ある程度分担した方がいいかな?」
樹里「だな……最終集合地点は寄宿舎方面として、後はユニットに分かれて探索するか?」
甘奈「うん、それがいいと思う……愛依ちゃん、甘奈と甜花ちゃん二人じゃ心配だから一緒に来てくれないかな」
愛依「オッケー、うちもさすがに一人じゃ心細いから頼むわ!」
透「じゃ、うちらはうちらだ」
灯織「イルミネも大丈夫」
咲耶「よし、それじゃあ学校エリアの探索が終わり次第寄宿舎エリアに向かうということで。そのあと情報の共有をすることにしよう」
そうしてユニットごとの探索が最初の方針に定まった。体育館前の廊下から3人、4人と消えていき……イルミネの3人が残った。
めぐる「よしっ、わたしたちも行こう!」
真乃「うん!脱出の手がかり、見つけないと……」
灯織「大丈夫、みんながいるから……」
(よしさっそく学校エリアの探索だ……どこから行こうかな?
1.玄関ホール
2.視聴覚室
3.購買
安価下2
【玄関ホール】
モノクマの口ぶりからして期待はしていなかったけど、それにしても異様だ。
学校の玄関なんて本来は靴箱が並んでいたりするものだけど、ここは巨大な金庫のようなもの、それこそ私が寝そべっても10人以上並ぶほどの横幅の壁が聳え立つのみ。
愛依「でっけ〜〜〜…………」
甜花「防衛、シェルター……?」
甘奈「こんなにめちゃでかい扉……見たことないよ」
灯織「アルストに愛依さん……」
愛依「おっイルミネっち、乙乙ー」
甘奈「おつー☆」
甜花「お疲れさま……」
めぐる「このでっかい金庫みたいなのが希望ヶ峰の玄関なのかな……?」
甘奈「みたいだね、そうとう扉自体分厚いみたいだし……甘奈たちでどうにかできるようなものじゃないみたい」
甜花「うん……電子ロックも何重で、セキリュティも万全……」
真乃「ほわ……ここからじゃ脱出は無理ってことだね……」
愛依「まーそりゃ普通犯人も玄関は真っ先に塞ぐよねー」
灯織「……ん?あちらのレターケースは?」
甘奈「あ、中見たけど何もなかったよ?」
灯織「そう……何の意味があるんだろう」
【視聴覚室】
すごい設備だ……
巨大なスクリーンはもちろんのこと、40席近くはあるだろう座席には、それぞれちゃんとしたモニターとスピーカーが備えられている。
一学校の設備にしてはかかっているお金が膨大にかかりすぎそうな気もするけど……
透「わお、映画見れんじゃんこれ」
円香「ほんと?」
雛菜「あ、これ知ってるやつ〜!雛菜映画館で見たよ〜?」
小糸「そ、そうなんだ……面白かった?」
雛菜「面白かったってパパが言ってた〜」
円香「雛菜は?」
雛菜「途中から見てなかったからわかんない!」
小糸「寝てたんだ……」
教室の前の方でビデオ棚を前にして雑談しているのはノクチルの4人みたい。
めぐる「ノクチルー!調査はどんな感じかなー?」
円香「……っ!まあ、ぼちぼち」
真乃「何か手掛かりになりそうなものとか……」
雛菜「今のところ無いですね〜」
灯織「そうですか……」
小糸「……ぁ……あの……」
めぐる「ん?どうしたの小糸?」
小糸「……これ……ひろ……」
真乃「メダル……?」
円香「……さっきからちょくちょく落ちてるやつ?悪趣味、モノクマ柄のメダル」
(なんのためのメダルなんだろう……)
【購買】
所狭しと並べられた和洋折衷の物品……
学校購買と言うにはあまりにも手広すぎるような気もする、というか甲冑とかは必要なの?
樹里「なんだこのゴチャついた空間……」
めぐる「あっ、放クラだ!どう?進んでる?」
凛世「脱出の、手がかりは……なく……」
灯織「そっか……難しいね」
智代子「わ!凛世ちゃん凛世ちゃん!」
凛世「智代子さん……?いかが、なさ……」
真乃「ほわっ……どうしたの?」
めぐる「あっ!それって凛世とチョコが好きな少女漫画だ!」
智代子「う、うん!そうなんだけど……!」
凛世「巻数が……飛んでおります……」
樹里「ん?どういうことだ?」
智代子「えっと……ナンバリングが変なんだよね……こんなに進んでたっけ……」
灯織「発刊年月日とか書いてないの?」
凛世「黒塗りされております……」
灯織「く、黒塗りって……今の時代に?!」
樹里「んん?どういうことなんだ……?」
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灯織「学校エリアは一通り確認できたかな」
真乃「うん……空き教室が二つに、トイレ……何も手がかりはなかったね」
めぐる「うーん……でも部屋とかは本当にそのまんま学校!って感じだったよね」
灯織「本当に希望ヶ峰学園なのかな……」
めぐる「とりあえずは寄宿舎エリアに行ってみんなと合流する?」
灯織「うん……そうしようか」
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【寄宿舎エリア 食堂前】
咲耶「やあ、イルミネも探索は終了かい?」
めぐる「うん、特に手がかりはなかったよー……ガックシ」
霧子「ごめんね……わたしたちも、特には……」
咲耶「ほかのユニットの報告に期待するしか無い、か……弱ったね」
灯織「そういえば寄宿舎エリアの方はもう見られたんですか?」
摩美々「ざっとはねー、それぞれの個室とトラッシュルームにランドリー。生活には最低限の施設が揃ってたよ」
めぐる「そっか……あくまでここで生活させる気なんだね」
そうして話しているうちに徐々に他のユニットたちも戻ってきて……全員が揃った。
樹里「おしっ、それじゃあとりあえず報告会にするか!」
摩美々「せっかくだし座ってやらない?すぐそこに食堂があるわけだしー」
愛依「あっ、ここってそうなん?」
甜花「疲れちゃった……甜花も、座りたい……」
【食堂】
咲耶「よし、それでは全員揃っているようだし報告をしてもらえるかな?」
真乃「あ、はい……えっと、イルミネが見た限りでは脱出のヒントになりそうなものはなくて……」
灯織「施設としては学校エリアには体育館、トイレ、視聴覚室、購買、玄関ホール、そして空き教室二部屋となっていました」
摩美々「そういえば気になったんだケド、入れない部屋があったよね?」
愛依「あったあった!確か保健室だったよね?」
めぐる「うん、現状は立ち入り禁止みたい……怪我しないようにしなくちゃね!」
円香「それでいえば廊下の突き当たり、二階に上がる階段にもシャッターがかかってた」
灯織「意図的に移動範囲を狭めてるんでしょうか……?」
咲耶「アンティーカから報告……というかこれを見てほしい」
甜花「電子パッド……?」
霧子「モノクマさんが言ってた、電子生徒手帳……早めに探索が終わったから、先に回収しておいたんだ……」
摩美々「モノクマの言う通り、一人に一つずつ用意されてるみたいー。で、大事なのはここ、校則一覧」
摩美々「大体はさっきのモノクマの話と一緒だケド、これ、どう思う?」
“【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。”
灯織「ほかの人にバレてはいけません……?」
咲耶「……殺人、とは別にもう一つルールがあるということだね」
霧子「バレたら、何かリスクがあるってことなのかな……?」
小糸「ぴぇっ……」
愛依「ま、気にしなくていいっしょ!そんなサツジンなんて起きない起きない!」
咲耶「そうだね、愛依のいう通り、本来なら気にする必要のない条文なのだけどね」
摩美々「……」
甘奈「えっと、甜花ちゃんと愛依ちゃんと一緒に甘奈たちも一通り見たんだけど、外の様子が見えるような窓は一つもなくて……全部鉄板が打ちつけられてた」
愛依「あれはダメだわ〜、そうとう分厚くできてるみたい。ドリルとかそういうのないと無理」
甜花「強力な武器か、専用スキルがないと……」
灯織「窓が無いとなると……外の情報も全く手に入れようが無いですね……」
霧子「おひさまは見れないけど、アナウンスはあるみたいだよ……」
灯織「アナウンス?」
咲耶「朝と晩に一回ずつ、時報のように鳴らすそうだ」
甘奈「甘奈も聞いたよ!朝7時と夜10時だったよね!」
甜花「夜10時からは夜時間って言って食堂が閉まっちゃうみたい……」
真乃「ほわっ……その間に食料の補充をするのかな……」
咲耶「なんにせよ時間の感覚はある程度の維持ができそうだ、時計もあることだしね」
樹里「アタシたちもだいたい一緒だな、発見があったとすれば……凛世、チョコ」
凛世「はい、こちらに……」
雛菜「あれ?その漫画って……」
凛世「はい、雛菜さんもお読みになられた……少女漫画でございます……」
智代子「これが購買に置いてあったんだけどね、発刊年月日が塗りつぶされてるの!」
樹里「しかも巻数が飛んであるみたいでよ、凛世もチョコも読んだことねー話らしい」
雛菜「じゃあまた後で見せてもらっていいですか〜?雛菜も続き気になってたので〜」
凛世「ええ……後でお部屋にいらしてください……」
摩美々「巻数が飛んでるってどういうことー?もしかして私たち未来にタイムスリップしたんですかー?」
灯織「た、タイムスリップ?!」
咲耶「フフ、流石にタイムマシンを使用して……とは考え難いけどね。私たちの無意識下で時間がかなり経っている……そういう可能性は考慮してもいいかもしれない」
透「あー……特に発見はないかな、うん」
咲耶「おや……そうかい」
円香「……強いて言うならこのメダル?そこら中に落ちてたやつ、みんなも見たでしょ?」
甜花「うん……何か、ゲームに使うのかな……」
雛菜「使い道は購買にありましたよ〜?」
灯織「購買?」
樹里「あ、あれか?!レジの上にあった……」
智代子「ガチャガチャ!」
透「うん、あれ、回せるみたい」
円香「どうせ対したものは出てこないと思うけど」
摩美々「爆弾が出てきたりして〜」
霧子「ば、ばくだん……」
灯織「娯楽……のつもりなのでしょうか。黒幕はこの学園に長期滞在させる気のようですし」
円香「……かもね」
咲耶「ありがとう、みんなのおかげでだいたいこの学園のことは把握ができたかな?」
摩美々「把握って……何もわかってなくないー?」
めぐる「うーん……まだまだ未知の世界だね……」
円香「唯一分かったことがあるとしたら、状況は絶望的ってことくらい」
小糸「……ぴぇっ……」
樹里「あー!そんな暗いこと言うなって!」
円香「事実でしょ、楽観視できる状況じゃない……身の振り方は考えておかないと」
円香さんの言葉に場が凍りつく……だけどその通りだ。
脱出の糸口が何もない以上、私たちに今ある選択肢はここでの生活を受け入れること。
……何があっても、殺しなんかじゃない。
めぐる「でも!まだまだ諦めないよ!」
灯織「めぐる……」
めぐる「モノクマはああ言ってたけど警察だって絶対に動いてるし、プロデューサーたちも心配してくれてるはず!絶対に助けが来るはずだよ!」
真乃「ほわっ、そうだよね、わたしたちで脱出できなくても、周りの人がきっと……!」
咲耶「……フフ、そうだね。決して希望がないと言うわけではない。必ず活路はあるはずさ」
智代子「……とりあえずはここで暮らせるんだしね!生活にも不自由はしなさそうだし!」
甘奈「そうだね、しばらくは大人しくして……誰かの助けを待つのが一番!」
円香「……」
半ば空元気ではあったものの、めぐるのおかげで場の空気は持ち直した。
やっぱりめぐるはすごいな。
と、報告会を終えた時。
キーンコーンカーンコーン
小糸「ち、チャイム……?」
『夜時間になりました!夜時間の間は一定の区間は立ち入り禁止となります!……って!食堂に全員集まってるんじゃないよ!さっさと解散!』
『初日だから大目に見るけど、本来なら夜10時をすぎたら食堂は出入り禁止だからね!それまでに退出してないと、厳しいペナルティがあるからね!』
『それじゃあ早く寝るんだよ!おやすみなさい……』
灯織「……これは?」
摩美々「あー、夜時間だねー」
咲耶「電子生徒手帳の校則一覧にあったんだ……ほら」
“【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。”
咲耶「ひとまず解散した方が良さそうだ、今日のところは各自自室に戻って、また明日から探索を再開しよう」
愛依「オッケー、絶対出口見つけるかんね!」
そうしてみんな、食堂を後にした。
灯織「それじゃ、みんな……おやすみ」
真乃「うん、灯織ちゃん……おやすみ」
めぐる「おやすみー!」
イルミネの3人とも離れて、ついに一人になる。
【灯織の部屋】
部屋に入った瞬間どっと疲れが押し寄せる。
ただでさえ理解の追いつかない状況に、コロシアイ……?
昨日までアイドルという華々しい舞台を目指して頑張ってきていた、夢を追うその最中だったのに突然崖から突き落とされてしまったような感覚。
____気を抜くとおかしくなってしまいそう。
ドサッ
ベッドに気絶するように倒れ込む。
こんなの悪夢だ。現実じゃない、現実であっちゃいけない。
でも、どれだけ否定しようとも自分が感じているこの恐怖は現実そのもので……
モノクマ「ところがどっこいこれが現実なのです!」
灯織「わあ!?」
モノクマ「あのさぁ……そんな拙いモノローグなんか見てる人興味ないんだよね。さっさとイベントだけこなして先進めっての」
灯織「な、なんのことですか……?」
モノクマ「ま、早い話がちゃんとやるべきことは先にやってくれってことだよ。ほら、自分の部屋に戻ったらやることがあるでしょ?」
灯織「手洗い、うがいですか……?」
モノクマ「うぷぷ……健全な学生としては正解!花丸をあげましょう!」
モノクマ「ってちがーう!なんで忘れてるのさ、電子生徒手帳だよ!」
灯織「電子生徒手帳……?」
(そういえば先程咲耶さんたちアンティーカが食堂でみんなに見せていた……)
モノクマ「各自ひとつずつ用意してるからちゃんと確認しておいて欲しいんだよね、ほらコレ」
(モノクマが手渡したのはスマートフォン大のタブレット端末。端末横のボタンを押すと起動した)
【風野灯織】
モノクマ「誰が落としてもすぐ持ち主がわかるように毎回起動した時には持ち主の名前が出るようになってるよ!」
灯織「なるほど……それは助かりますね」
モノクマ「で、せっかくだから見て欲しいところがあるんだけど……通信簿っての開いてみて」
灯織「通信簿……ですか?」
(モノクマに言われるがまま、画面をタップし通信簿というアプリを開く。すると出てきたのは私たち16人の顔と名前……そして超高校級の才能……?)
灯織「あの、この才能ってなんなんですか?身に覚えが無いんですが……」
モノクマ「うぷぷぷ……せっかく希望ヶ峰学園にいるのに、才能も何もなかったら損じゃ無い?せっかくだからオマエラの適性に合わせてこっちで才能を考えておいたんだよ!」
灯織「……どういう意味なのかさっぱりなのですが」
モノクマ「まあTRPGでもよくあるじゃん!与えられた役職をこなすうちに自分が本当にそれになって気分になる、自己投影っていうやつだね!」
灯織「……ええっと」
モノクマ「おっと、風野さんにこの話しても分からなそうだね!誰かとそんなゲームしたことないでしょ、どうせ」
(よくわからないけどバカにされてることだけはわかる……!)
モノクマ「ま、そういうわけで風野さんにもバッチリ才能を考えておいたよ!」
灯織「はぁ……」
モノクマ「ずばり!【超高校級の占い師】!どう、バッチリじゃない?」
灯織「占い師って……確かに占いは好きですけど、自分ではできませんし、別に占い専門というわけでは」
モノクマ「ダイジョーブダイジョーブ!元々3割しか当てられない雑魚が持ってたような才能だから素人の風野さんでもヘーキ!」
灯織「尽くおっしゃる意味が分からないのですが……」
モノクマ「電子生徒手帳には校則に通信簿、学園マップetc……色んな機能がついてあるからしっかり確認して肌身離さず携帯するように!」
灯織「は、はい!わかりました……」
モノクマ「返事だけはいいのが令和世代の若者だね!見せかけの誠実さはグッドだね!」
灯織「……それは、褒めてるんでしょうか?」
モノクマ「あ、あと最後に伝えとくけどシャワーは夜時間中は浴びられないからね?お湯が出ないようになるから、夜十時までにシャワーは終えておいてね」
灯織「シャワー……?」
確かに部屋の一角にはもう一つ空間がある。
おそらくあの部屋がシャワー室なんだろう。
モノクマ「あ、ちゃんとシャワー室には鍵を設けてるからね!そういう時でも安心だよ!」
灯織「どういう時なんでしょうか……?」
モノクマ「えーっと……伝えることはそれぐらいかな?まあ、気になることがあればまたいつでも呼んでよ。基本は参上するからさ」
灯織「いつでも、ですか?」
モノクマ「うん!ボクってばショートスリーパーだから!ナポレオンよりも短い睡眠時間で活動できるんだよ!」
灯織「……はぁ」
モノクマ「ま、そんじゃね!明日からも頑張ろうね~!」
灯織「行ってしまった……」
(でもモノクマの言う通り、この訳のわからない状況下では情報が全て。手に入る情報はしっかり確認しておこう)
【マップ】
(まずはマップの情報……現状見れるのは寄宿舎エリアに学校エリア、ともに一階ずつみたい。それでも学校エリアは保健室、寄宿舎エリアは大浴場と倉庫が進入禁止になってる)
(生活に欠かせない要素ばかり禁止されているような気がするけど……これは意図的に?)
【校則】
【1】生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。
【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。
【3】就寝は寄宿舎エリアに設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。
【4】希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
【5】学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。
【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
(次に確認するのは校則……モノクマも言っていた【コロシアイ合宿生活】のルールだ)
(……本当にコロシアイをさせる気、なんだ。ただ殺人が強制ではないだけまだ救いはある)
(この校則の範疇で、どうにか脱出する方法を探らないと!)
【通信簿】
・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃
・【超高校級の占い師】風野灯織
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる
・【超高校級の幸運】園田智代子
・【超高校級の応援団長】西城樹里
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世
・【超高校級の保健委員】幽谷霧子
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々
・【超高校級のゲーマー】大崎甜花
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈
・【超高校級のギャル】和泉愛依
・【超高校級の???】浅倉透
・【超高校級のディベート部】樋口円香
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜
・【超高校級の学級委員】福丸小糸
※備考 オマエラの才能は学園長の独断と偏見で決定いたしました!
こういうのはノリだよノリ!
(そして最後に通信簿……さっきモノクマに促されて私の部分は確認したけど、他のみんなにも才能が割り振られている)
(……備考欄にもある通り、本当に大した意味はないんだろう。浅倉さんのところが空欄になってる辺りかなり適当だし)
電子生徒手帳の情報を一通り確認し終え、再度ベッドに横になった。
……いまだに現実感がまるでない。
つい昨日……なんなら今朝まで普通の日常だったのに、急に監禁状態に加えてコロシアイ?
SF小説にしたってひどすぎる。
人権も何もあったものじゃない。
ため息が出て止まらない。
夢、こんなの夢じゃないとかおかしいでしょ……
これから私はどうなってしまうんだろう。
コロシアイ合宿生活最初の夜は、未知の恐怖と不安に対する無気力をかみしめる長い夜だった。
短めですが以上で本日の更新分は終了となります。
昨日に引き続き舞台設定、登場人物設定の紹介で終わってしまいましたが……
次の更新以降、自由行動パートが登場する予定です。
自由行動パートは原作では通信簿でキャラの深堀などが行われますが、
シャニマス公式コミュとの食い違いを避けるために別の形で自由行動パートは代えようと思っております。
(そもそも安価が回らなければすっ飛ばしてストーリーだけなぞるかも)
準備等ありますので次回更新は数日~一週間ほど空くものと思われます。
ありがとうございました。
木曜日21時より再開予定です。
よろしくお願いします。
それでは1章2日目より予定通り再開します。
【灯織の部屋】
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』
朝だ……
目を開けると真っ先に飛び込んでくるのが私を覗き込む監視カメラ。今までの人生で最悪の目覚め。
コロシアイ合宿生活……夢じゃなかった。
灯織「はぁ……」
ピンポーン
重いため息と共に体を起こすと、ちょうどインターホンが鳴った。
真乃「灯織ちゃん、おはよう」
めぐる「おはよう!灯織!」
扉を開けると、待っていたのはイルミネの二人。
灯織「真乃、めぐる……おはよう、今から食堂?」
真乃「うん、一緒にどうかなって」
灯織「ありがとう、すぐ準備するね」
ただ、イルミネの仲間がいてくれることだけは心強い。
こんな状況下でまだこうやって冷静でいられるのは真乃とめぐるがいてくれるから。
真乃「どう?灯織ちゃんは寝られた?」
灯織「……どうだろう、熟睡はしてなかったと思う」
めぐる「だよねー、監視カメラもあって落ち着かないよー!」
真乃「そうだよね……」
灯織「もうみんな食堂に集まってるの?」
めぐる「ううん!まだみんな揃ってないよ、大丈夫!」
灯織「良かった、じゃあ私たちだけでもひとまず先に行こっか」
真乃「ほわっ……食堂にティーパックがあったから紅茶を淹れるのはどうかな?」
めぐる「ナイスアイデア!」
【食堂】
食堂に着くと咲耶さんと霧子さん、樹里と凛世が既に待っていた。
咲耶「おや、イルミネの朝は早いんだね」
霧子「おはよう……真乃ちゃん、灯織ちゃん、めぐるちゃん……」
樹里「おっす、イルミネー」
凛世「朝餉の支度は、済んでおります……」
めぐる「おはよーーー!!」
灯織「皆さんお早いですね…」
樹里「まあアタシとかは寮暮らしで染み付いてるからな」
真乃「他のみんなはまだ起きてないのかな?」
霧子「小糸ちゃんは……起きてるの、見たよ……」
咲耶「もう少しすればみんな起きてくるさ、気長に待つとしよう」
_____咲耶さんの言葉通り、
甘奈「おはよー☆」
甜花「あぅ……おはよう……」
智代子「おはようございまーす!朝ごはんこれから?もうお腹すいちゃったよー」
______徐々にメンバーは揃っていき、
透「ん、おはよ」
円香「おはようございます」
雛菜「おはようございま〜す♡」
小糸「……ぉ、ぉはよう……ます……」
_____三十分も経たぬ内に
摩美々「おはようございまぁす」
愛依「あれ?!うちが最後?!みんな早くね?!」
_____全員が揃った。
咲耶「どうだい?みんなは昨日は寝られたかな?」
甘奈「うぅん……正直甘奈はほとんど」
灯織「私もです……」
愛依「アッハハ……状況が状況だかんね……」
円香「目を開けたらすぐ監視カメラが視界に入る状況で落ち着く方が無理」
霧子「どこを見ても……カメラがあるから……」
摩美々「プライバシーのかけらも無いよねー」
甜花「甜花、寝れなかったから……昨日は、電子生徒手帳をずっと弄ってた……」
智代子「そういえばみんな電子生徒手帳はもう確認した?驚いちゃったよね、通信簿!」
灯織「もしかして……才能のところ?」
智代子「うんうん!みんなにそれぞれ割り振られてて……」
愛依「うち、超高校級のギャルだって!見た目まんまじゃん!ウケる~!」
智代子「私の超高校級の幸運ってなんなんだろう……実際別に運が良いわけでもないし……」
摩美々「まあ適当っぽいけどねー……ノクチルなんかは特に」
円香「……ディベートなんかしたことない」
小糸「ま、円香ちゃんは……お仕事でもトークとか、すっごくうまいよ!」
円香「ディベートとはまた別でしょ?……小糸は、合ってるんじゃない?学級委員」
小糸「え、えへへ……そうかな……」
雛菜「あは〜?雛菜超高校級の帰宅部でしたね〜」
樹里「どういうことなんだよ……」
真乃「そういえば……っ!透ちゃんのところ、見れなかったんだけど……みんなはどうでしたか?」
灯織「確かに……私の端末でも見れなかった」
透「あー……うん、私からも見れなかったし、多分未定とか?」
円香「……」
甜花「一人だけ明かされない才能……!これは、後半に浅倉さん大活躍の予感……!!」
樹里「そもそも才能なんて言われても身に覚えもないっつーの」
甘奈「でも、モノクマが無意味につけたとも思えないし……きっと何か意味はあるよね?」
樹里「ろくな意味じゃなさそうだけどな」
咲耶「さて、寝不足のところ心苦しいのだけど今日も探索をしたいんだ」
真乃「ほわっ……?」
雛菜「それ以外やることもないですしね〜」
甜花「うん……まだ、隠されたルートが残ってるかもしれない……」
めぐる「うんうん!じっとしてても、何も始まらないしね!」
凛世「はい……天は自ら助くる者を助く……凛世たちにできることから行わねば……」
灯織「そうですね……助けを待っていてばかりでは始まりません、自分の足で進んで、自分で確かめないといけませんよね」
摩美々「言うじゃん灯織―」
灯織「ちゃ、茶化さないでください!」
真乃「灯織ちゃん……すごくいい言葉だねっ!私元気が出たよ!」
灯織「真乃……」
雛菜「あは~?朝からイチャイチャですね~?」
智代子「よーし!それじゃあご飯を食べたらまた探索に出発だね!早くご飯を食べよう!」
樹里「ご飯と探索、どっちがメインだ?」
智代子「え、えへへ……お腹が空きまして……」
透「あれ、そういえばご飯って」
凛世「材料はございましたので……簡単なものではありますが、凛世と樹里さんとで……」
樹里「おう、って言っても味噌汁ぐらいしか調理はしてねーんだけど……」
透「え、すご」
智代子「やった!出来立てのお味噌汁が飲めるなんて……ありがとう二人とも!」
咲耶「ああ、朝から二人の手料理が食べられるなんて……この学園にもこんな幸運があるんだね」
凛世「ふふっ……♪」
灯織「あっ……配膳、手伝います」
咲耶「……おっと、食事の前に一つ提案があるんだけど、いいかな?」
めぐる「提案?」
咲耶「ああ、今日のように朝の集合を習慣づけないかい?その方が、全員の安否確認も兼ねられるし、生活習慣の維持も望める……どうだろう?」
樹里「おー、いいんじゃねーか?」
甜花「毎朝……うぅ……頭が……」
甘奈「甜花ちゃんは甘奈が起こしに行くから大丈夫だよ☆」
灯織「私たちも賛成です」
愛依「ん、うちもいいと思う!」
咲耶「ノクチルのみんなはどうかな?」
透「大丈夫」
円香「浅倉が一番起きれるか心配でしょ」
透「ふふっ、そうかな」
咲耶「よし、それじゃあ決まりだね。概ね今日と同じ時刻……毎朝、朝8時を目安に食堂に集まることにしよう」
(毎朝の朝礼……しっかり出席するようにしないと。遅くても毎朝の7時半には来れるようにしておこう)
摩美々「あ、それと追加で良いですかー?」
咲耶「摩美々?どうしたんだい?」
摩美々「もうみんな校則は確認したと思いますけどー、夜時間ってあるじゃないですかぁ」
愛依「えっと夜十時から朝7時……だったよね?」
摩美々「その時間は基本個室以外出歩き禁止にしませんかぁ?」
摩美々「その方が、殺す殺されるでびくびくする必要なくなると思うんですよねー」
甘奈「そっか、個室自体は安全だもんね」
咲耶「強制力はないが……全員が自制すれば抑止力はあるかもしれない、私は同意するよ」
灯織「ある程度行動はお互いに把握できた方がいいということですか……私も賛成です」
摩美々「おっけー、それじゃそういうことでー」
雛菜「え~、雛菜日課のお散歩できないの~?」
小糸「そ、そんな日課あったっけ……」
(夜時間の出歩き禁止……口約束上の事ではあるけど、守るようにしておこう)
【灯織の部屋】
(……ふう、朝礼でいろいろ決まったこと、気を付けないと)
時計に目をやる。時間はまだ早い。
(……よし、このまま部屋でじっとしていても何も変わらないよね)
(せっかくだし、誰かと一緒に過ごしてみようかな?)
【自由時間開始】
-------------------------------------------------
自由行動パートについて
・自由行動は主に三つの行動が選択可能です。購買のモノモノマシーンを利用してアイテムを獲得する【ガチャ】、獲得したアイテムをプレゼントしたりシナリオに則した会話を行ったりする【交流】、そして行動を行わず時間がそのまま経過する【休憩】の三種類です。ガチャを回すには学級裁判パート他で獲得可能なモノクマメダルを消費します。
・ガチャでは原作『ダンガンロンパ』のモノモノマシーンから登場するアイテムを01~90まで原作のアイテム番号をそのままコンマに割り振ります。
・以前も申しあげたとおり、交流パートは本来原作では通信簿によるキャラの深堀となりますが、原作との食い違いを避けるためにそういった要素は排除します。アイテムを渡した際の反応やシナリオの進行度に伴う雑談のようなものとお考え下さい。内部パラメータのようなものとして信愛度を考えており、一定値に到達した際はお役立ちスキルを獲得できるようにしております。
・こちらも以前申しあげたとおりですが、自由行動パートはストーリー展開には一切関与しません。何があろうと既定のシナリオ通りに進行いたします。
・安価が回らない場合は強制的に【休憩】を選択し、ストーリーを進行いたします。
-------------------------------------------------
灯織「さて、どうしようかな……」
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 樹里選択
【食堂】
灯織「あ、樹里……ごめん、朝ごはんの食器洗いの途中?手伝った方がいい?」
樹里「え?あー……おう、それじゃあそっちのお盆、頼めるか?」
灯織「うん、任せて……」
樹里と一緒に食器洗いをして過ごした……
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プレゼントを所持していないため、そのまま雑談パートに進行します
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樹里「なあ、灯織……灯織はさ、どう思ってる?」
灯織「えっ?……あー、その……それはどういう質問です、かな……?」
樹里「……ぷっ!あははっ!なんだよその口調?」
灯織「えっ……あっ……ご、ごめん……」
樹里「いや謝らなくていいよ、やっぱテンパっちまうよな、こんな状況なら」
灯織「……うん、やっぱりまだ呑み込めないし……どうなるのか、すごく不安」
樹里「……そうだよな、コロシアイとか……急に言われてもわけわかんねーっての!」
灯織「だよね……生きる、とか……死ぬ、とか……全然考えたことなかったし……」
灯織「でも樹里はすごいよ……私は固まっちゃってたけど、モノクマに一人で立ち向かっていって……」
樹里「大したことねーよ、今となっちゃあんなみんなを危険にさらす真似、後悔してるぐらいなんだしな」
灯織「ううん……立派だよ、私じゃ、絶対できないから」
樹里「そう言ってくれると助かるけどな」
灯織「……私は、今も怯えてる……怖くて、不安で……」
樹里「……ホントだよな」
(あっ……勝手に不安だとかなんだとかしゃべっちゃったけど……樹里はユニットメンバーの果穂と夏葉さんが今そばにいない……)
(私なんかよりよっぽど不安なはずなのに……)
(何か私で元気づけられないかな?)
1.「樹里……わ、私で力になれることがあれば気軽に話していいから……」
2.「みんながいれば、絶対脱出できるから……大丈夫、安心して」
3.自由安価
↓1
1 選択
灯織「樹里……わ、私で力になれることがあれば気軽に話していいから……」
樹里「……灯織」
灯織「ご、ごめん……私じゃ差し出がましかった、よね……!じゃ、じゃあこれで……!」
樹里「あーおい!何逃げてんだ!灯織!」ガシィッ
灯織「じゅ、樹里……首締まるから……」
樹里「うわっ!?わ、悪い……あのなぁ灯織、そんなに後ろ向きに考えなくても大丈夫だぞ?」
灯織「え?」
樹里「灯織はさ、人に頼られる価値のある立派なアイドルだってアタシは思ってる」
灯織「……そんな」
樹里「灯織本人はそう思ってないかもしれないけど、ファンだってみんな灯織のことを慕ってるんだし、灯織のことがみんな大好きで……」
樹里「だって灯織はさ、どんな時だって逃げずに立ち向かってきただろ?」
樹里「そんな灯織に頼ってもいいって言われて……アタシ、滅茶苦茶嬉しかった」
灯織「樹里……」
樹里「だからまたお茶でも飲みながら、こうやって話をさせてくれ!」
灯織「……うん!」
(自分で頼って……って言ったのに、結局樹里に励まされた形になっちゃったな)
(でも……樹里の言う通り、もっと前向きに考えてもいいのかもしれない。こんな状況なんだし、強い気持ちを持たないと……!)
【灯織の部屋】
樹里と食堂でひと時を過ごした後、部屋に戻ってきた……
(まだ時間はありそう、どうしようかな……?)
【自由時間開始】
灯織「さて、どうしようかな……」
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 小糸選択
【小糸の個室】
(せっかくだし……これまであまり交流のない福丸さんに話しかけてみよう……)
ピンポーン
小糸「は、はい……ぁぁ……かざ、の……さん……」
灯織「こ、こんにちは……」
小糸「……ぇ……っと……」
灯織「……」
小糸「……」
(……き、気まずい!)
気まずいなりに一緒の時間を過ごした……
-------------------------------------------------
プレゼントを所持していないため、そのまま雑談パートに進行します
-------------------------------------------------
小糸「……」
灯織「……」
小糸「……」
(ダメだ……無言に耐え切れない……でも……)
灯織「あの、福丸さん……」
小糸「ぴ、ぴぇ……な、なんでしょう……」
灯織「いえ、その……」
(この小動物のような反応に、かえって私も委縮してしまう……)
小糸「……」
(私だって人見知りする性質だから……福丸さんの気持ちは痛いほどわかる……)
小糸「……ぁ、あの……」
(自分で話せないことに罪悪感を感じたり……そのせいでかえって言葉が出なかったり……)
小糸「……あの……」
(うぅ……283に所属したばかりのころを思い出すな……)
小糸「あ、あの!」
灯織「ひ、ひゃい?!」
小糸「……そ、その……せっかくだし、ざ、ざ、ざ、雑談、でも……」
(び、びっくりした……)
(で、でも……福丸さんなりに気をまわしてくれたんだ……私もそれに答えないと)
1.「じゃあここは役立つ豆知識でも……」
2.「仲のいいお友達とかはいるんですか?」
3.自由安価
↓1
1 選択
灯織「じゃあここは役立つ豆知識でも……」
小糸「……ぴぇっ?」
(雑談の力は私はあまり高くない……それなら、これまでに蓄積した引き出しで勝負する!)
灯織「福丸さんは普段揚げ物とかしますか?」
小糸「……え?」
灯織「揚げ物をすると、どうしても途中で衣が浮いて余分なゴミになったりしますよね?」
小糸「……ぇ、ぁ……は、はい……」
灯織「そんなときは冷や飯を入れるといいらしいですよ、お米があたりの衣のゴミごと吸ってくれるので掃除の手間が省けます!」
小糸「……ぇ……ぁ……」
小糸「…………」
小糸「……す、すごい……ですね……」
(よし、楽しく話せたみたい)
(うん、この感じなら私でも話せそう……)
灯織「続いてなんですけど……」
小糸「……つ、続くんだ……」
灯織「生卵は一度冷凍してから回答すると、白身はさらさらに、卵黄はねっとりとした味わいに……」
小糸「……あ、そうなんですね……ぁ……はい……」
(福丸さんも相槌を打ってくれてるし、楽しんでくれたかな……?)
【灯織の部屋】
福丸さんに豆知識を披露し、楽しい時間を過ごせた……
ふと時計に目をやる……時刻は9時前。
そういえば探索にばかり気を取られ、まだ夕食を摂ってなかったな……
不思議なもので、気づくと気になり出すのか、急に空腹感が湧き上がる。
(……1時間後には食堂に入れなくなるし、何か食べておこう)
私は食堂に向かうことにした。
【食堂】
食堂に入ると、示し合わせたわけでもないのに真乃が座っていた。
そしてその向かいには摩美々さん?少々変わった取り合わせ。
真乃「あっ……灯織ちゃんっ!」
灯織「真乃……摩美々さんも、どうしたんですか?」
摩美々「ふふー気になるー?」
二人はどうやら真乃の指先で何かしているらしい。
夕食を食べるついでに二人の遊びの場に同席させてもらうことにした。
真乃「灯織ちゃん、見て……っ!摩美々ちゃんがネイルをしてくれたんだ」
灯織「ネイル……うわぁ、綺麗……」
摩美々「どうしても閉鎖空間じゃ気が滅入っちゃうでしょー?真乃も元気なさそうだからちょっとねー」
真乃「ありがとうございます……っ!私あんまりネイルとかやったことないから新鮮で……」
摩美々「今回にはネイルグルーを使ったやつだから、外す時はお湯で接着剤を溶かしてねー」
真乃「は、はい……っ!」
摩美々「これ、私もう使わないからあげるねー」
真乃「い、いいんですか……っ」
灯織「良かったね、真乃!」
摩美々「ネイルにも色々種類があるから試してみるといいよ、こういういわゆる付け爪タイプは気軽に色々試せるから楽なんだけどねー」
真乃「ほわっ……マニキュアとはまた違うんですよね……っ」
(真乃、楽しそう……)
ユニットの垣根を超えた交流はこれまでにもあったけど、こんなに何日も朝昼晩を他の誰もいない、私たちだけで過ごした日々はそうそうなかった。もちろん状況が状況だけに喜べた物ではないんだけど、その中でも育まれた、決して何物にも負けない絆が私たちにはある。
___モノクマなんかに、負けはしないんだ。
【灯織の個室】
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』
モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』
(ふぅ……)
ご飯も食べれてお腹いっぱいだし、真乃の楽しそうな顔も久しぶりに見れて良かったな。
……明日からも、頑張らないと。
灯織「はぁ……」
起きていても気が沈むだけ、か。
仕方ない、無理やり自分を寝かしつけよう。
大丈夫、絶対この生活も終わりが来るから。
___
_____
_______
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』
(今日から朝礼が始まるんだよね、よし)
【食堂】
灯織「おはようございます」
咲耶「やあ、灯織。今日も早いね、よく眠れたかい?」
灯織「……昨日よりはマシ、ぐらいですが」
咲耶「そうか……無理はしないようにね」
灯織「お気遣いありがとうございます……」
私が到着した後、徐々にメンバーが揃い、朝礼が始まった。
咲耶「みんな、出席ありがとう。来てくれると信じていたよ」
咲耶「朝礼と言っても格式張ったものでもない、安否確認が目的だしね。後は自由にしてくれて構わないよ」
めぐる「よし、真乃、灯織!ご飯一緒に食べよー?」
真乃「ふふ……もちろん!」
灯織「うん、取ってくるね」
和気藹々とした朝食。この瞬間だけはコロシアイ合宿生活なんて状況にいることを忘れられる。
朝食を終えると、話の流れでこの生活をけしかけた犯人、モノクマの正体についての話題になった。
咲耶「しかし……このコロシアイをけしかけているのは誰なんだろうね」
霧子「咲耶さん……?モノクマさんだよね……?」
摩美々「モノクマを操ってる犯人のことでしょー?」
咲耶「ああ、こんな大きな学校を一つ占拠するなんて、並大抵の人間じゃない」
甜花「しかもモノクマの操作センス……並のゲーマーじゃない……!!」
樹里「そもそもゲーマーなのかよ?」
甘奈「大丈夫、甜花ちゃんが操作したらモノクマももっと滑らかな動きになるよ!負けてない!」
甜花「にへへ……」
樹里「なんの話だよ……」
智代子「ていうかモノクマ自体が謎だよね……あんなに精密なロボット、見たことないし……」
霧子「おしゃべりもできる、ロボットさん……」
灯織「……確かに、あそこまでの技術が日本にあるとは知りませんでした」
真乃「でも、そんな技術を使ってコロシアイ……なんて……」
愛依「どっからそんな発想になるんだろねー、怖くね?」
智代子「むむむ……あ!もしかして!」
樹里「ん?どうしたんだよチョコ」
智代子「犯人!わかったかもだよ!」
樹里「はぁ?!」
灯織「ほ、本当……?」
智代子「ふっふっふっ……名探偵園田智代子がお答えいたしましょう……ずばり、犯人は……」
智代子「【ジャスティスブラック】なのです!」
灯織「ジャスティス、ブラック……」
(私でも聞いたことがある……)
(ジャスティスブラックは今巷を賑わせている連続殺人鬼のあだ名だ。戦隊ヒーロージャスティスVのお面をつけていることから付けられたあだ名)
(未だにジャスティスブラックは捕まっておらず、放クラのみんなはそれに怒っていたっけ……)
樹里「果穂も好きなジャスティスVの名前を汚してる、あの殺人鬼が……?」
智代子「うん、一説によるとジャスティスブラックはテレビ関係者っていう話もあるしね……それならお金も持ってるだろうし、カメラとかも準備しやすいんじゃないかな!」
灯織「うーん……どうだろう、さすがにちょっと飛躍してるかな……」
智代子「あれれ!」
咲耶「とはいえ私たちの想像もつかないような相手であることは間違い無いだろうね」
めぐる「うーん……どんな人なんだろう」
摩美々「世界を裏で牛耳るお金持ちが、私たちを賭けの対象にしてるとかー」
智代子「だ、ダークすぎない?!」
摩美々「宇宙人に連れ去られて、人体実験の途中とかー」
智代子「まさかのロボトミー?!」
黒幕について考えても答えは出ることもなく、朝礼はそのまま解散になった。
【灯織の部屋】
(チョコの言ってた黒幕がジャスティスブラックという説……流石に無い、よね?そんなこと……)
(でも、モノクマなんて存在にこんな状況に陥れられてる以上、『ありえない』なんて考え方はリスキーかも)
(……)
(……なんだかソワソワしてきちゃったな、時間もあるし何かしよう)
【自由時間開始】
灯織「さて、どうしようかな……」
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
1 選択
【購買】
(そういえばここにあったガチャガチャ……まだ回したことがなかったな)
(なんだかゴテゴテした装飾がついてるけど……ホントに大丈夫?)
(もし役立つものが手に入るなら……今後も利用したい)
(そういえば探索中に拾ったメダル……いくつあったんだっけ)
【メダルの所持数をコンマで決定します】
【直下のコンマ下一桁の値の枚数と同じだけの枚数を灯織は所持します(0は10枚判定)】
直下コンマ↓
【コンマ判定 1枚】
(ありゃ……あの時福丸さんに譲り受けた一枚だけだったか……)
(仕方ない、これで回すしかないよね)
-------------------------------------------------
モノモノマシーンに挑戦します
回す際は枚数分コンマ判定を行い、それに応じたプレゼントが獲得できます。
原作ダンガンロンパのモノモノマシーンより排出されるアイテムを番号順に00~90まで割り振ります。
91~00は別途シャニマスに類するアイテムを用意します。
-------------------------------------------------
【一枚消費します】
↓直下コンマで判定
【57】昭和ラジオを獲得しました!
(な、なんだろう……この古めかしいラジオ……)
(いや、私から見たら価値がわからなくても、もしかしたら好きな人もいるかもしれないし……)
(誰かにプレゼントしてみるのもありかな?)
【モノモノマシーンを終了します】
-------------------------------------------------
灯織「さて、時間はまだあるけどどうしようかな……」
× (選択不可)1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 智代子選択
【玄関ホール】
灯織「チョコ?こんなところでどうしたの?」
智代子「あ、灯織ちゃん!……うーん、探索のし忘れで抜け道を見落としてたりしないかなーって思って来ちゃいました!」
灯織「えっと……それで抜け穴は?」
智代子「へへ……もちろんございませんでした……」
灯織「そ、そうだよね……」
智代子「ううん、不肖園田智代子、こんなところでは諦めません!今ここに、希望ヶ峰学園探検隊を結成いたします!」
灯織「ち、チョコ?!」
智代子「灯織ちゃん、片っ端からもう一度探索してみよう!」
灯織「……え、ええ……?!」
チョコと一緒にどこか抜け道がないか一緒に探して過ごした……
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています
1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)
↓1
2 渡さない
智代子「灯織ちゃん……私、とんでもないことに気づいてしまいました」
(いつになく深刻な表情だ……)
灯織「ど、どうしたの?……もしかして、この学園生活を打破する秘密か何か……」
智代子「えっ」
灯織「えっ」
智代子「ううん、違うの違うの!ごめんね、大したことじゃなくって……いや、私からすれば大したことなんだけど……」
灯織「こ、こちらこそごめん……勝手に先走っちゃって……き、聞かせてもらえる?」
智代子「うん……灯織ちゃん、それはね?」
灯織「……うん」ゴクリ
智代子「いまこの学園には、糖分を摂取する手段がありません」
灯織「……え?」
智代子「甘いものがないんだよー!チョコはおろかドーナツもタピオカも!お菓子というお菓子が見当たらないよー!」
灯織「えーっと……それって大事……」
智代子「大事だよ!」
灯織「だよね、大事だよね、うん……」
智代子「いい?人間は三日も糖分を摂取しないと死んでしまうといわれています」
灯織「どこ情報なのそれ……」
智代子「今日で二日目……デッドラインだよ、灯織ちゃん!」
灯織「だ、だからって……チョコ、間違ってもコロシアイなんか考えちゃダメだからね!」
智代子「あー違うの違うの!そんな深刻な話じゃなくてー!」
智代子「ただ、糖分を摂取しないと……こう、気分も上がらないですし……パフォーマンスも下がりますし……」
灯織「もう、夏葉さんがいないからって……」
智代子「ああっ!今のは夏葉ちゃんにはオフレコね!」
(流石に当分のためにいますぐどうこうってことはないと思うけど……チョコは甘いもの好きだし、今の生活は苦しいかも)
(私が何かしてあげられることってないかな……)
1.料理に砂糖を多めに入れてみるとか……
2.運動しよう!
3.自由安価
↓1
3 選択
智代子「うう……糖分が、糖分が足りなイ……私ガ、人デナクなる前二早ク……」
灯織「チョコ、らしくないよ」
智代子「ふぇっ?!」
灯織「ないなら作ればいいじゃない、一緒に作ろうよ」
智代子「り、料理かー……」
灯織「確か厨房に卵も牛乳も砂糖もあったよね……小麦粉もあれば簡単なパンケーキぐらいなら作れそうだよ」
智代子「な、なるほど……消費者から生産者に……」
灯織「それに今なら283アイドルのみんなの力を借りていろんなお菓子が作り放題……どうかな?」
智代子「うん!すごくいいアイデア!やろうやろう!」
(よかった……すごく喜んでくれた)
智代子「そういえば前も放クラのみんなで桜餅を作ったりしたことがあったなぁ……」
灯織「283のユニット、みんな仲がいいから一緒に料理とかよくしてるよね」
智代子「そういえばノクチルもこの前小糸ちゃんがクッキー焼いてたの見たな……」
灯織「そうなんだ……福丸さん器用なんだ……」
智代子「よし、誘ってまいります!」
灯織「えっ?!も、もう?!」
智代子「善は急げだよ灯織ちゃん!さっそくお菓子パーティの開催だよ!」
灯織「えっ、ちょっ……」
(行ってしまった……こういうときの行動力はすごいな、チョコは社交性も高いし……)
(まあ、この場合は……動機の主たる部分はお菓子なんだろうけど)
【灯織の部屋】
283のみんなで集まってお菓子を作って過ごした……
(ついつい食べ過ぎてしまった……私も久しぶりのお菓子でテンションが上がってた……)
(……運動しないとね)
-------------------------------------------------
灯織「さて、時間はまだあるけどどうしようかな……」
× (選択不可)1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 雛菜選択
【雛菜の部屋】
(う……緊張する……ノクチルの中でも、失礼ながら一番話しかけるのに勇気がいるというか……)
(同級生のはずなのに……なんなんだろうこの感覚)
ピンポーン
雛菜「はい~?……何か用ですか~?」
灯織「……あ、あの……もしお暇でしたら……その……」
雛菜「暇じゃないですよ~?」
灯織「えっ……あっ……」
雛菜「こんな緊急事態に暇な人っています~?」
灯織「……そ、そうですよね」
雛菜「ん~……用事、ないんですか~?」
灯織「あの、その!い、一緒に……過ごさせて……もらえたらと」
雛菜「ふ~ん……」
灯織「い、イヤだったら……お気になさらないでください、すぐさま退散しますので……!」
雛菜「……う~ん、入って~?」
灯織「えっ」
雛菜「雛菜の部屋でおしゃべりでもします~?」
市川さんの部屋でおしゃべりさせていただいた……
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています
1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)
↓1
2 渡さない
雛菜「~~♪」
(市川さん、すごい豪胆さだ……私が目の前にいてもまるで意に介さず自由に過ごしている……)
(……でも、物怖じしていては何も進まない、なにか話してみよう)
灯織「い、市川さん……アイドルになってみてどうですか?」
雛菜「え~?」
灯織「そ、その……これまでの学校生活と何か変わったりだとか……」
雛菜「ん~、そりゃまあ変わりましたね~」
灯織「……」
灯織「え、えっと……どうでしょう、アイドルは楽しいですか?」
雛菜「ん~、楽しいんじゃないですかね~」
灯織「そ、そうですか……よかったです……」
(……ダメだ!まるで響いてる感じがしない!)
(市川さんの視界に入ってるんだよね……?私……)
雛菜「……あの~、別に無理して話そうとしなくていいですよ~?」
灯織「えっ……?」
雛菜「雛菜たちは雛菜たちでそれなりに楽しくやってるので~、別に無理して合わせてもらわなくても~」
(ち、違う……そんなつもりじゃ……気を使わせてしまっている?!)
1.「な、仲良くなりたいんです!」
2.「ノクチルの皆さん、とっても仲がいいですよね」
3.自由安価
↓1
1選択
灯織「な、仲良くなりたいんです!」
雛菜「……っていうと?」
灯織「その、別に事務所の先輩だから、とか……こんな状況だから、とか……そんな社交辞令みたいな意味ではなく……」
灯織「純粋に、同年代の学友として……市川さんのことともっと仲良くなりたいと思ってるんです」
灯織「言葉足らずで誤解をさせてしまっていたらすみません……ですが、私はその、友達に……なれたら、と……」
雛菜「……そうですか~」
(そ、そうですかって……)
雛菜「……ごめんなさい」
灯織「えっ?い、市川さん?」
雛菜「雛菜の態度、やっぱり失礼だったりするんですかね~?」
灯織「い、いえそんな……」
雛菜「雛菜たち、アイドルになっても今の関係性を変えたい~とかそんなに思わないから冷たく感じられてたりするのかな~って」
灯織「そうは思いませんが……その、お話しする機会がもう少し増えたら嬉しいな、とは……」
雛菜「あは~?」
灯織「……これから、もっと仲良くなりたいんですが」
雛菜「そうですね~、他のアイドルの皆さんとももっと雛菜も仲良くなりたいですし~」
雛菜「また誘って下さ~い」
(うっ……追い出されるように別れてしまった)
(ただ私の思っていることはしかり伝わった……と思う)
(ただ、市川さんにとってはあくまで『他のアイドルの皆さん』……なのかな)
【灯織の部屋】
市川さんとのやりとりに歯がゆさを感じながら自分の部屋に戻った……
-------------------------------------------------
ピンポンパンポーン
(あれ?まだ夜時間には早いよね?)
そんな私の違和感を裏付けるように、いつもとは違うアナウンスが流れ始めるのであった。
『えー、校内放送です』
『オマエラこんばんは、モノクマ学園長から皆さまにお話がございます』
『至急体育館までお集まりください!来なかったら……分かってるよね!』
(こんな時間に呼び出し……限りなく嫌な予感がするけど、行くしかない……)
モノクマに危害を加えられるかもしれない、私はその程度の警戒心で自分の部屋を後にした。
_____でも、私の見通しは甘かった。
これが全ての始まり。あの惨劇が巻き起こるその前ぶれだったんだから。
今回の更新はここまでになります。
次回は動機発表~(事件発生)を目安に進めていく予定です。
続きは2/26(金)21:00~更新予定です。
それではおやすみなさい……
予定通り続きより再開します。
【体育館】
体育館に着くと、もうみんな集まっていた。突然の呼び出しに、みんな不安げな表情。
甜花「甜花、もうおやすみモードだったのに……」
樹里「なんだってんだよ……こんな呼び出し」
霧子「なんのお話なんだろう……」
と、私が合流するとすぐに。
それは始まった。
モノクマ「時は金なりと言いますが、実際のところ時とお金は同価値ではございません」
モノクマ「銀行じゃ時間は引き出せないし、目覚まし時計の中にお金は詰まっていません。入ってるのはブッサイクなこまごましい機械だけなのです!」
モノクマ「インテリぶった輩が考えた言葉なんてこんなものなのです、よよよ……」
智代子「またなんか訳のわからないこと言ってる!」
樹里「でやがったなモノクマ……」
モノクマ「ワオ!あいも変わらず敵意むき出しだね!魚肉ソーセージみたいに剥き身だね!」
めぐる「魚肉ソーセージって全体包まれてない?!」
モノクマ「まあそうカッカしないでよ!今日はオマエラにプレゼントがあるんだからさ!」
灯織「プレゼント……?」
モノクマ「うんうん!このコロシアイ合宿生活も始まって数日経つけどさ…………」
モノクマ「ぬるいよ!ぬるすぎるよ!冬場のお風呂ぐらいぬるぬるだよ!」
透「すぐ冷めるよね、冬は」
円香「……」
透「いてっ」
モノクマ「アイドルたちのワクワク共同生活~なんて食傷気味なわけ!もっとみんなは血みどろで本性むき出しなスリリングが見たいわけ!」
樹里「なにを言われようがアタシらに殺し合う気はないからな」
めぐる「うんうん!絶対!」
モノクマ「はぁ……凶器も環境も充実しているのにオマエラと来たら誰も殺し合う素振りすらないんだよ……萎えちゃうよね」
モノクマ「でも分かったんだよ!動機が足りなかったんだよね!」
小糸「ど、動機……」
雛菜「人を殺す理由ってことですか~?」
円香「それならこの生活自体がそうなんじゃないの?……監禁したから、ここから出たければ人を殺せ」
透「あー……モノクマも言ってたしね」
モノクマ「外の世界に出たい……それじゃ弱かったんだよ。オマエラってば仲良しでお人よしみたいだからさ!」
モノクマ「だから考えました!それに加えてもっと強力な動機、オマエラの絆を引き裂くぐらいのやつね!それが足りなかったんだ!」
灯織「なっ……!」
甜花「絆を……」
甘奈「引き裂く……」
_____とてつもなく嫌な予感がする。
喉の奥がひりついて、呼吸が浅くなる。
モノクマ「お手元の電子生徒手帳をご覧ください!」
促されるまま電子生徒手帳に目を落とす。
すると、
ピロリ
電子音と共に画面上には何かファイルが浮かび上がってきた。
凛世「こちらは……?」
モノクマ「これが動機……【秘密】だよ」
灯織「秘密……?」
モノクマ「オマエラがお友達にも言わずにひっそりと抱え込んである秘密……それがそのまま書かれているファイルだよ!」
円香「……っ!!」
愛依「なっ……マジ?!」
樹里「そ、そんなの嘘っぱちだろ!」
モノクマ「うぷぷぷ……まあ信憑性は見てもらえれば一目瞭然!」
モノクマ「このボクの千里眼にかかれば分からないことなんてないんだよ!」
一斉にどよめく体育館。
それもそのはず、抱え込んだ秘密が今目の前にあるといわれて冷静でいる方が無理だ。
私も、その心当たりがないのに胸騒ぎが止まらない。
これが、動機……人を殺しに駆り立てる動機……
……これが?
めぐる「あれ?……でも、それと動機になんの関係性があるの?」
モノクマ「はぬ?」
真乃「うん、既にモノクマが私たちの秘密を知っているなら……動機にはならないよね」
そう、二人の言う通りなのだ。
むしろ【秘密】が本当に動機なのだとしたら、モノクマがそれを知っている時点で動機としての意味は失効しているも同然。
冷静になってみると……
動機としてはむしろ弱いのではないかとすら思えてきた。
モノクマ「なるほどなるほど、そういうことですか」
しかし、モノクマは私たちのそんな疑問にも明確な回答を用意していた。
モノクマ「ならばお答えしましょう!その『秘密』……実は」
モノクマ「ファイルの受信者【以外の誰かの】秘密なのです!」
灯織「……!?」
モノクマ「櫻木さんなら櫻木さん以外の、八宮さんなら八宮さん以外の。残り15人のうち誰かの秘密が書いてあるのです!」
モノクマ「おっと、今この瞬間から自分の電子生徒手帳を他人に見せるのは禁止だよ!そうでなきゃ意味がないからね!」
【校則が追加されました】
“【7】自分の電子生徒手帳を他人に見せることは禁止します。プライバシー保護の意識を高く保つよう心がけてください。”
モノクマ「どう?他人に知られたくない秘密、それが既に他人に知れ渡ってる……」
モノクマ「ソイツが別のやつに言いふらしたらジ・エンドだね!人の口に戸口はつけられないからね!」
なるほど、モノクマはなにも秘密を人質に強請ろうとしているわけではない。
自分で言ったとおり、私たちの絆を引き裂くことが目的。
それならば、疑心暗鬼な状況を生み出そうということ。
樹里「……ふふ」
モノクマ「……なに笑ってんのさ」
……だけど、これでも拍子抜け。
樹里「バカだな、モノクマ!アタシたちがそんなことで仲違いするとでも思ってんのかよ!」
モノクマ「はぬぅっ?!」
咲耶「ああ、どうやらキミは私たちの間の信頼というものを少々低く見過ぎているようだね」
めぐる「うんうん!自分の秘密を他の人が知ってるからって仲が悪くなんかならない!」
甘奈「甘奈たちはむしろ、それを乗り越えちゃうんだから!」
愛依「むしろもっと仲良くなっちゃったりして!」
真乃「動機なんて言うからびっくりしちゃったけど……大丈夫そうだねっ!」
透「うん、問題なし」
モノクマ「なんだよ!なんなんだよ!せっかく人がコロシアイしやすくしてやったってのにさ!」
雛菜「人じゃなくてクマだけどね〜」
モノクマ「あーオマエ、揚げ足まで取りやがったな!コケにしやがって……もう怒ったぞー!」
樹里「あーあ、せっかく呼び出したのに全部台無しだな」
霧子「これなら、大丈夫そう……!」
モノクマ「怒ったクマー!」
と、怒鳴るだけでモノクマはそれ以上はなにもしてこず……その姿を消した。
智代子「……行っちゃった」
真乃「……終わったのかな?」
愛依「アッハハ!なーんだ、そんな心配する必要なかった系じゃん!」
甘奈「そうだね、一安心だよー」
咲耶「この程度で信頼が揺らぐとは甘く見られたものだね」
灯織「はい……この程度で殺し合うなんて……ありえません」
樹里「そもそもそんな秘密自体がアタシには無いしな!」
めぐる「わたしも身に覚えがあんまり無いかなー」
凛世「このまま共同生活も、つつがなく行えますでしょう……」
モノクマの用意した動機。
それは思っていた以上にあっさりとしたもので、差し迫った恐怖すら感じることもなく、平和的にやり過ごすことができるものだった。
みんながそう感じたのか、体育館には和気藹々としたムードすら生じ始めていた。
摩美々「ストップー」
だけど、摩美々さんだけはそんな私たちを窘めた。
咲耶「摩美々?」
摩美々「あんまりそれ以上言わないほうがいいんじゃない?」
愛依「え?」
摩美々「自分ではそうかもしれないケド、他の人がどんな秘密を持ってるのかはわかんないじゃない?抱え込んでる人を追い込みかねない発言はやめたほうがいいよねー?」
(……!!)
そうだ、私はそんな秘密に身に覚えがないからこうして笑っていられるけど、内心不安な人ももしかするといるかもしれない。
そんな人にこのムードはむしろ危険だ。追い詰めてしまうことにもなりかねない。
めぐる「そ、そっか……」
摩美々「別に秘密があること自体は悪いことじゃないんだしー、この場以降もう触れない方がいいんじゃない?」
円香「……そうですね、自分の尺度で物事を判断しすぎるのは良くないかもしれません」
樹里「そうだな……悪ぃ」
咲耶「摩美々の言うことにも一理あるね……今回の動機については今後言及は避けよう、それとできれば他の人の秘密とやらも見ない方が望ましいね」
灯織「……そうですね、お互い信じ合うためにも」
凛世「先ほど追加された校則により……口頭以外での流出は避けられます……それがよろしいかと……」
智代子「うん!それじゃあ他の人の秘密は見ない!口外しない!……ってことで!」
摩美々「異議なーし」
灯織「うん……!」
摩美々さんの言葉で冷静になることができた。
あのまま別れていれば、もしかすると思い詰める人も現れたかもしれない。
でも、こうして秘密は相互不可侵だと口約束を取り決めた以上、その心配はない。
私たちは本当の意味でモノクマの動機提供をやり過ごすことができたんだ。
透「……秘密、ね」
【灯織の部屋】
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』
モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』
(他の人の秘密……か)
気にならないといえば嘘になる。誰にでも少しぐらいそういうものはあるものだし、それが知り合いなら尚更。
……けど、みんなでこの秘密は絶対に見ないと決めたからには、それは裏切れない。
灯織「私は絶対に見ない……見ないから!」
自分に言い聞かせるようにそう叫ぶと、電子生徒手帳を乱暴に放り、ベッドに潜り込んだ。
___
_____
_______
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』
(……朝か)
(昨日はモノクマに提示された動機のことを考えてて……あんまり寝れなかったな)
(ほかの人は見たりしたのかな……いや、ダメダメ!こんなこと考えても仕方ないよね!)
-------------------------------------------------
【食堂】
灯織「おはようございます」
咲耶「やあ、灯織」
食堂には相変わらずのメンバーが既に揃っていた。
その後に来るメンバーも相変わらず……とはいえ私たちが早いだけなんだけど。
8時の規定時刻にはみんな間に合わせるあたり、しっかりした人たちだ。
咲耶「今日も探索を行うのは変わらずだね」
摩美々「じゃ、解散前にかくにーん。誰か秘密を見たりしましたかー?」
全員「……」
摩美々「大丈夫そうですねー」
うん、私たちの中にはなにがあっても切れない絆がある。信頼がある。
あんな動機如きで揺らいだりなんかしない。
恒例の朝礼を終え、各自探索に動き出そうとしていた時だった。
めぐる「ねえ灯織!この後みんなでミニバスケやるんだけど参加しない?」
灯織「……?」
めぐる「うん!今樹里たちとそういう話になって……他のみんなも誘ってる最中なんだけど、どうかな?」
(うーん……どうしよう……)
(正直なところ、まだそんな気分にはなれないかな……この生活で心身万全でない……)
(そんな状況で一緒にプレイしたところでかえって迷惑かけるかもだし……)
灯織「ごめん、めぐる……今回は遠慮しようかな」
めぐる「そっか……うん、わかった!また今度誘うね!」
(こんな場所じゃなければ、もっと気軽に参加できたんだけど……)
【灯織の部屋】
(なんだかめぐるには悪いことしちゃったかな?)
(うーん……それでも、私じゃみんなについていけるか怪しいし……)
(今はどうも考え事をしてしまうし、迷惑もかけたくないし……)
(うん、私には私のできることがある。それを優先しよう)
【自由時間開始】
灯織「さて、どうしようかな……」
【めぐる、咲耶、樹里、凛世、智代子、愛依の六名はミニバスケの最中なので選択できません】
【事件発生前最終日の自由行動です】
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 真乃選択
【真乃の部屋】
(昨日の動機提供の話もあるし……真乃は大丈夫かな)
ピンポーン
真乃「はーい……ほわっ、灯織ちゃん!どうしたの?」
灯織「うん、ちょっと手持無沙汰だったから……」
真乃「灯織ちゃんもバスケには行かなかったんだね……っ」
灯織「あ、うん……昨日のこともあって、本調子じゃないのに参加したら悪いから……真乃は?」
真乃「うん……そうはいってもやっぱり、ちょっと不安だよね……」
灯織「それなら真乃、一緒に過ごさない?」
真乃「ありがとう灯織ちゃん……っ!嬉しい……!」
灯織「一緒に何かしてたら気もまぎれるし……昼ご飯一緒に作ったり……どうかな?」
真乃「うん!」
厨房で真乃と一緒に料理をして過ごした……
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています
1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)
↓1
2 渡さない
真乃「……」
(時々押し黙るようにして思いつめたような表情を見せる……)
(真乃も決して弱い子ではないけど、この状況なら不安に感じることもあるよね)
灯織「真乃……大丈夫?」
真乃「ほわっ……ご、ごめんね、大丈夫だよ……っ!」
灯織「無理しなくていいから、昨日の動機の話もあるしそう考え込まないで」
真乃「うん……」
灯織「不安なのは、私も一緒……ううん、私の方が多分……」
真乃「灯織ちゃん……」
(あ、しまった……また私の方がついつい弱音を……)
(もっと前向きな話をしよう……!)
灯織「ねえ、真乃……この学校から出れたら何がしたい?」
真乃「えっ……?」
灯織「あ、ご、ごめん……なんか、前向きなことを話せたらいいかなって……あ、えーっと……」
真乃「ふふ、私はまた灯織ちゃんとめぐるちゃんとピクニックに行けたらいいな」
灯織「ピクニック……?」
真乃「覚えてないかな?一緒に公園に行ってサンドイッチを食べたんだよ」
灯織「覚えてる覚えてる!忘れないよ!……うん、すごく楽しかったよね」
真乃「うんっ!私、みんなで一緒に食べたサンドイッチの味も今でも思い出すくらいで……」
1.「絶対、一緒に帰ろうね」
2.「次はプロデューサーも一緒に……」
3.自由安価
↓1
1 選択
灯織「絶対、一緒に帰ろうね」
真乃「ほわっ……」
灯織「私も真乃とめぐると……プロデューサーと……事務所の皆さんと……一緒に過ごした日々が今でも昨日のように蘇るんだ」
灯織「すごく楽しい『日常』がそこにあったから……」
真乃「灯織ちゃん……」
灯織「何があっても、絶対に帰ろう……ね?」
真乃「うん、絶対だよね……っ!」
灯織「大丈夫、ここにはめぐるも……ほかにも皆さんがいるんだし、心配ないよ」
真乃「うん、みんなで頑張れば絶対脱出できるよね!むんっ!」
灯織「真乃……」
真乃「それでここから脱出したら一緒にピクニックに行って……」
灯織「めぐるも、他の皆さんも誘って……」
真乃「灯織ちゃんには特製ハンバーグをまた作ってもらって……」
灯織「えっ?!う、うん……いい、けど……」
真乃「ふふ、灯織ちゃんは料理がすごく上手だから楽しみ……っ!」
灯織「も、もう真乃……ふふ、ふふふ!」
真乃「ふふっ♪」
(戻ったら一緒にピクニックをする約束をしてしまった……)
(ふふ、この学園から脱出する楽しみが一つ増えちゃったな)
(……なんとしてもみんなで一緒に、脱出しないと)
【灯織の部屋】
真乃と一緒に脱出した後のことを想像して過ごした……
(私も真乃も、一人だとなかなか前向きなことって考えづらいから……)
(そういう意味では二人がこの学校にいてくれてよかったな)
(二人のおかげで、希望を保っていられる)
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【自由時間開始】
灯織「さて、時間はまだあるけど、どうしようかな……」
【めぐる、咲耶、樹里、凛世、智代子、愛依の六名はミニバスケの最中なので選択できません】
【事件発生前最後の自由行動です】
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 甘奈
【視聴覚室】
灯織「甘奈……こんなところで何してるの?」
甘奈「あっ、灯織ちゃん!甜花ちゃんが退屈そうにしてたからここのビデオで何か面白いものがないか探してたんだ☆」
灯織「へー……何かあった?」
甘奈「うーん……ちょっと外れたB級映画みたいなやつとか……どうだろ?」
灯織「う、うーん……流石にサメ映画は当たり外れが激しいから……」
甘奈「あれっ?!そうなの?!甜花ちゃんの持ってたゲームに似たようなのがあった気がしたんだけど……」
灯織「ゲームのサメと映画のサメは、多分違う……」
ビデオラックからおすすめの作品を引っ張り出して紹介した……
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プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています
1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)
↓1
2 渡さない
灯織「そういえば、甘奈は毎日甜花さんを起こしてるんだよね?」
甘奈「えっ?うん、そうだよ☆どうしたの?」
灯織「いや……そういえば毎朝の朝礼いつも同時に来るなって思って……家でもそうなの?」
甘奈「ううん、甜花ちゃんもお仕事の時とかは自分一人で頑張るし、毎日が毎日じゃないよ!」
灯織「あっ……そうなんだ」
甘奈「でもこっちに来てからは、不安なことも多いから……」
灯織「それでなんだ……」
甘奈「毎晩一緒に寝てるんだよね」
灯織「へぇ……」
灯織「え、えっ?!ね、寝てるの?!」
甘奈「えへへ……夜一人だと甘奈が不安だから……甜花ちゃんに無理言って一緒の部屋で寝てるんだよね☆」
(そういえば校則は個室外の故意の就寝の禁止だった……)
(別の人の個室ならOKなんだ)
甘奈「やっぱり甜花ちゃんは頼れるお姉ちゃんだから……こういう時は、すっごく心の支えになるんだ!」
灯織「うん、すごくいいと思う……うらやましいな、妬けちゃうぐらいに」
甘奈「えへへ……」
1.「私もお姉ちゃんが欲しいな」
2.「こ、今度お泊り会でも……」
3.自由安価
↓1
1 選択
灯織「私もお姉ちゃんが欲しくなっちゃうな……こういう状況で家族っていう頼れる存在があると心強いよね」
甘奈「うん、甘奈ね……甜花ちゃんがいなかったら、もう一日目に滅茶苦茶になってたかもしれない……それぐらいには毎日が、怖い」
灯織「甘奈……」
甘奈「それでもね、甜花ちゃんが気づかせてくれるんだ。甘奈は一人じゃない、一人で抱え込まなくていいんだーって」
灯織「……ふふっ、ほんといいお姉ちゃんなんだね」
甘奈「そうだよ!甜花ちゃんはめーっちゃ可愛くて、めーっちゃ最高のお姉ちゃん☆」
灯織「すっごく仲がいいもんね」
甘奈「えへへ……そう見えちゃうかー」
灯織「きっと、甜花さんも同じように甘奈のことを思ってると思うよ」
甘奈「え?」
灯織「甜花さんにとっても、甘奈は心強い妹……よりどころになってると思う」
甘奈「……そう、かな」
灯織「せっかく家族っていう絶対的な繋がりがあるんだし、この生活下では大事にしてね」
甘奈「もちろん!今日もまた甜花ちゃんと一緒にお泊りするんだしね☆」
灯織「ふふっ、ほんと仲がいいんだから」
甘奈「えへへ、ありがとう灯織ちゃん!またね!」
(ふふっ、話してる間ずっと笑顔だった……)
(甘奈、本当に甜花さんのことが大好きなんだ)
【灯織の部屋】
(ふぅ……今日も探索はしたけど成果としては何もあげられなかったな……)
(まだ夜時間までは時間もあるし、そろそろお腹が空いたな。食堂で晩ご飯でも食べようかな)
-------------------------------------------------
【食堂】
食堂につくと、すでにミニバスケ組が帰ってきており、晩御飯を食べた後のようだった。
めぐる「あっ、灯織ー!」
灯織「めぐる……もうミニバスケ大会は終わったの?」
咲耶「ああ……良い汗を流すことができたよ」
凛世「はい……久方ぶりの運動は、大変良きものにございました……」
智代子「はぁ……はぁ……みんな元気すぎない……?」
愛依「楽しかったねー!」
灯織「ふふっ、それは良かったです!」
楽しかったと朗らかに笑う愛依さんだったが、その右肩には湿布がべったりと貼られていた。
灯織「……愛依さん、どうしたんですかその湿布」
愛依「あー、これ?アッハハ……運動マジやってなさすぎて鈍ってたんだよね。軽いダッキューみたいになってる感じ?」
灯織「だ、脱臼って?!」
愛依「だいじょぶだいじょぶ!そこまで酷くはないから……痛っ!」
灯織「愛依さん……無理はなさらないで……お盆も私が運びますから」
愛依「ごめん灯織ちゃん……マジ助かるわ。肩より上に腕が上がんなくてさ……」
灯織「あの、幸い霧子さんもこの学校にはいることですし……見てもらったらどうでしょう?」
愛依「あー、確かに!まだ時間はあるし、夜時間になる前に見てもらっとこうかな」
灯織「はい、その方がいいですよ!」
-------------------------------------------------
智代子「ふぅ……運動もしっかりしたし、ご飯もしっかり食べて……眠たくなってきちゃったね」
咲耶「フフ、そうだね。健全な疲労感が心地よい……今日は久しぶりによく寝られそうだ」
灯織「もう皆さん部屋に戻られるんですか?」
咲耶「そうだね……めぐると灯織の語らいを邪魔しても悪いし、ここはお暇させてもらおうかな?」
灯織「そ、そんなお気遣いなく!」
咲耶「フフ、ごゆっくりどうぞ」
愛依「ふぁぁ……うちも眠たくなってきたかも。灯織ちゃんまた明日ねー」
凛世「お先に、失礼いたします……」
樹里「ほらチョコ、個室で寝ないとモノクマに何されっかわかんねーぞ」
智代子「うぅ……樹里ちゃん、ありがとう……」
めぐる「おやすみ、みんな!」
樹里「おう、じゃあな!」
そしてめぐるを残してミニバスケ組は一足先に食堂を出て行った。
灯織「めぐるも疲れてるでしょ?無理に残らなくて良かったのに」
めぐる「ううん!いいのいいの!わたしもお話したかったし!」
灯織「そう?……ふふっ、それじゃあ早速今日の球技大会がどうだったか聞いちゃおうかな?」
めぐる「まっかせてー!すごい激戦だったんだよ!あのね、まず咲耶がスリーポイントシュートを……」
そこからはめぐるにその日の球技大会のエピソードを聴きながら、晩ご飯を食べた。
-------------------------------------------------
灯織「ふふっ……すごく楽しかったんだね」
めぐる「うん!次やるときは灯織と真乃も一緒にやりたいなー」
灯織「そうだね、次は参加しようかな」
めぐる「ぜひぜひ!我々希望ヶ峰ミニバスケクラブはいつでも新規入会をお待ちしております!」
灯織「ふふっ、なにそれ」
私たちが冗談を言い合ってはしゃいでいると、時計の針はいつの間にか9時30分を指していた。
灯織「めぐる、そろそろ私たちも行こっか。夜時間に食堂にいるとまずいし……」
めぐる「わわっ!そうだね!ついつい話し込んじゃったね!」
灯織「時間はあるし……また明日、一緒に話そう」
めぐる「うん、そうしよう!」
【寄宿舎廊下】
めぐると二人で話しながら寄宿舎へと向かっていると、愛依さんと摩美々さんと霧子さんの姿があった。
愛依「じゃ、ありがとね、霧子ちゃん!」
霧子「うん……激しく動かさなかったら、大丈夫だから……安静にしててね……!」
摩美々「でも愛依はそそっかしいから、無茶な要望かもしれないねー」
愛依「ちょっ……ヒドくね?!」
めぐる「おーい、みんなー!」
愛依「あっ、灯織ちゃんにめぐるちゃん!」
灯織「霧子さんに治療してもらったんですね」
霧子「うん……簡単に、だけど……」
愛依「ごめんね、摩美々ちゃんと二人でいたところ邪魔しちゃって」
摩美々「ホントだよー」
霧子「ううん……いいの……」
めぐる「こんな状況で怪我でもしたら一大事だからね!愛依もしっかり治すこと!」
愛依「はーい!先生!」
摩美々「もう怪我はしちゃってるんですけどねー」
なんて話し込んでしまっていると。
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』
モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』
愛依「わ!やばっ!十時超えちった!」
摩美々「夜時間は外出禁止ですし、戻らなきゃですねー」
霧子「うん……そろそろ、寝ないと……」
愛依「ちょびっと超えたことはみんなには内緒にしとこ!ね!」
灯織「ふふっ、そうですね」
愛依「じゃ、みんなまた明日―!」
摩美々「じゃあねーおやすみー」
霧子「おやすみなさい……」
そうしてみんな去っていった。
二人残った私とめぐるも。
めぐる「じゃあ灯織!また明日ね!」
灯織「うん、また明日」
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】
めぐると別れて自分の部屋に戻る。
また明日……なんて言ったけど、一体いつまでこの生活は続くんだろう。
警察とか……助けの人が来る気配も今のところないし……
前も後ろも見えないマラソンを走っているみたいな気分……
はぁ……
大きなため息をつき、そのまま深い眠りへと落ちていった。
キィィィ……
「……そろそろ」
「さて、と……確かめないとね」
「自分の目で、自分の耳で、自分の心で」
「……負けたくないじゃん」
カツ……カツ……
___
_____
_______
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』
変わらない天井だ。
今日も今日とてこの学園に囚われている。
ゆっくりと体を持ち上げて、また食堂に行き、食事をしてあるかどうかもわからない脱出口を探す。そして夜が来てまた眠る。
その繰り返しだ。
……意識していないと自然とため息が出る。
ピンポーン
インターホンだ。
めぐる「おはよう灯織!」
灯織「めぐる、真乃……おはよう、今日も早いね」
めぐる「えへへ!早起きは三文の徳って言うでしょ!今日も早起きしたんだ!」
真乃「ふふっ……めぐるちゃん、今日も朝のチャイムが鳴ると同時にインターホンが鳴って……びっくりしちゃった……っ」
めぐる「わわっ、ごめん真乃!早すぎて迷惑かけちゃったかな?!」
真乃「ううん、だいじょうぶ!嬉しかったよっ!めぐるちゃんと毎朝会うの、すごく楽しみだから……」
灯織「ふふっ……めぐるは変わらないね」
多分、めぐるは変わらないようにしてくれてる。
360度変わってしまったこの生活の中で、私たちが私たちで居続けられるように、めぐるは笑顔を絶やさない。
その笑顔に救われている。
灯織「じゃあ……そろそろ行こうか」
真乃「うん、みんな待ってるかもしれないし……」
めぐる「わたしもお腹空いちゃってるんだー!」
イルミネの二人の前では、私もできるだけ気丈に振る舞ってはいるものの、その虚勢もいつまでもつか。だいぶ応えている。
私に心当たりはないけれど、一昨日配られたモノクマからの動機。
あれもあることだし、常に頭のどこかがもやもやしている。
【食堂】
咲耶「やあ、今日もイルミネの朝は早いね」
霧子「おはよう……♪」
めぐる「おはようございまーす!」
食堂に着くと、いつも通り咲耶さんと霧子さん。樹里と凛世が待っていた。
灯織「あっ……配膳、手伝う」
樹里「いいっていいって!灯織は座って待ってな!」
灯織「そんな……悪いよ、いっつも樹里ばっかり」
凛世「ふふっ……♪今日も、寮の味付けで澄まし汁をご用意いたしました……」
真乃「ほわぁ……すごくいい匂い……」
そしていつも通りの朝が始まる……はずだった。
_______ガシャーン!ガランガランゴロ・・・・・・
食堂にも響き渡るほどの凄まじい衝撃音。
まるで金属が床とぶつかったような鈍い音が耳を劈いた。
真乃「ほわっ……?!」
灯織「い、今のって?!」
めぐる「なんの音だろう……?!」
こんな音、この学園に来てから一度も聞いたことのない音だ。
モノクマがまた何かをしようとしている……?
嫌な胸騒ぎがする。けど、この胸騒ぎは、モノクマと向き合った時とはまた違う。
もっと根源的な……本能的な胸騒ぎ。虫の知らせというものがあるなら、こういう衝動のことを指すんだと思う。
何か、よくないことがすでに起きている。
なぜかそんな確信を持ってしまっている私がいた。
咲耶「今は……7時半。こんな時間から誰かが喧嘩でもしているのかな?」
霧子「それにしては……すっごく、大きな音だったよ……」
凛世「学校エリアの方から聞こえてまいりました……」
樹里「な、なんだってんだ……?!」
めぐる「……急ごう!」
真乃「うん……灯織ちゃんっ!」
確信が寒気に変わり、全身の毛を逆立てる。
自然と足は、動いていた。
【学校エリア 1-A前】
ジリリリリリ・・・・・・
凛世「この音は……?」
めぐる「目覚まし時計?アラームの音だね」
学校エリアに踏み込むとその場に似つかわしくない鐘の音が鳴り響いていた。
その音の鳴る先……目をやると、既にそこには愛依さんの姿があった。
地面にぺたりと力なく座り込んでいる。
咲耶「愛依?!どうしたんだい?!」
愛依「……ぁ……ぁぁ……」
霧子「大丈夫ですか……?」
愛依「……ぁ……な……」
動揺しているのか声が言葉になっていない。
震える彼女の指先は、教室の中を指している。
真乃「教室……?中に何か、あるのかな?」
咲耶「この教室……普段は誰も立ち寄らない教室だね」
凛世「……嫌な予感が、いたします」
めぐる「……確認、しなきゃだね」
灯織「うん……」
大きく唾を一つ飲み込んで、教室の扉に手をかける。
……違う、そんなことない。
そんなこと、あるはずがない。
_____そんな私の期待は、儚く散り果てた。
【散乱する机の下敷きになり頭部から夥しい出血とともに息絶えた浅倉透の姿がそこにはあった】
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CHAPTER01
絶望レッスン
非日常編
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というわけで事件発生までで今回の更新は終了です。
最初の被害者は浅倉透さんでした。
次回より捜査パートに移ります。
明日も今回と同時刻より更新が出来たらします。
それではおやすみなさい…
「…あ。ふふっ、ごめん。命ないわ」
そういやメダルってどうやったら見つかる設定になってますかね?ガシャが、ガシャが回したい
おつー
>>174
モノクマメダルは学級裁判のクリア報酬と章はじめの探索パートのコンマ値での回収を考えています
1章は探索パートを急ぎ足で進めて安価を待たずに進めてしまったので救済措置がなかったですね……
そのぶん2章で回してやってください……
本日は21:30より再開します
捜査パートも行動安価を出す予定なのでよろしくお願いします。
…………
……………………
…………………………………………………………………………………………………………
一秒にも満たない時間に世界が目の前で崩れ落ちた。
赤。
私の視界を一面に満たすその赤色が、私の正気を奪い去り、絶叫を喚起するには時間を要さなかった。
灯織「うわあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
霧子「……え…………」
凛世「……っ!」
思わず膝から崩れ落ちる。目の前で起きている事実が受け入れられない。
つい昨日まで会話をしていた人間が、絶命している。
ノクチルのセンター、浅倉透が死んだのだ。
そして、変わり果てた友人の姿に阿鼻叫喚する私たちを嘲笑うかのように、それは始まった。
ピンポンパンポーン
『死体が発見されました!一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』
めぐる「い、今のアナウンスは?!」
灯織「学級……裁判……?」
モノクマ「始まるぞ!始まるぞ!」
灯織「も、モノクマ……!」
モノクマ「学級裁判が始まるぞーーーー!!」
咲耶「悪いが君の相手は後にさせてもらえないかい!今はそれどころじゃないんだ!」
モノクマ「それどころ?それどころってどこのところよ?」
モノクマ「うぷぷぷ……オマエラに感傷に浸る時間なんてないよ!ま、とりあえずは体育館に集まってよね、これからのことをおいおい説明するからさ!」
愛依「……た、たいいくかん…………?」
めぐる「そんな、体育館なんかに行ってる場合じゃ……!」
凛世「……お待ち下さい」
めぐる「り、凛世……?」
凛世「いまは、モノクマさまに従っておくべきと……存じます……下手に抗うと、身を滅ぼす恐れが……」
めぐる「……でも!」
モノクマ「杜野さんは賢いねえ……先生オマエみたいな生徒が大好きだよ!先生の言いなりになっておけばいいっていう主体性に乏しい学生!」
咲耶「従って欲しいのかそうじゃないのかどっちなんだい……」
モノクマ「勿論ゼンシャー!体育館集合ね!ボクもここにいない連中をかき集めてくるからさ!」
一方的にまくし立てるとモノクマはそのまま姿を消した。
取り残されたのは、透さんの死体と私たち。しばらく言葉も交わさず、呆然と立ち尽くしていた。
真乃「ホントに……死んじゃってるんだよ、ね……」
咲耶「……呼吸が無い、彼女の死亡は紛れもない事実のようだ」
浅倉さんの手に触れる。
かつて生きていたものとは思えないほどにその手は冷え切っていて、生気というものを感じない。
樹里「……クソッ!」
霧子「……透ちゃん、痛そう…………」
めぐる「この机の下敷きになって……死んじゃったのかな……」
灯織「…………」
咲耶「……仕方ない、取り敢えずは体育館に向かおう。凛世の言う通り、むやみやたらに歯向かうのはリスキーだ」
凛世「……はい…………」
咲耶「灯織、大丈夫かい?」
黙りこくっている私の顔を覗き込み心配してくれた咲耶さん。
ただ、今の私は……それに対して反応すらできない。
霧子「咲耶さん……わたしが、灯織ちゃんは……」
咲耶「霧子……頼めるかい?」
霧子「うん……」
私は霧子さんに介助される形で体育館へと送り届けられた。
【体育館】
咲耶「……」
体育館には居心地の悪い沈黙が流れていた。気持ちの切り替えなんてできるはずもなく。
浅倉さんが血の海に沈んでいた光景が目にこびりついて離れない。
血の飛沫がそこら中に飛んで、真っ赤に染まった教室。
絶命により、重く閉ざされた瞼。
胸に突き刺さった感情が、声というものを発せさせなかった。
その場に段々とモノクマが連れてきた面々が揃い、始まった。
モノクマ「よーし、これで全員揃ったね!」
円香「…………!!」
雛菜「透先輩が、いないんだけど……」
小糸「……な、なんでぇ…………?」
ノクチルの面々は、既に到着段階で感づいている様子だった。
死体が発見されました、なんて文言と今この場に透さんがいないことを鑑みれば、嫌でも一つの事実が浮かび上がってくる。
モノクマ「はい!オマエラもご存知の通り、ついに!いよいよ!」
モノクマ「参加者の一名が死亡いたしましたー!はい、拍手ー!」
めぐる「拍手なんかできないよ……」
智代子「そん、な…………」
モノクマ「さて、誰が死んだかわかるかなー?」
円香「ふざけないで……!」
モノクマ「ん?」
円香「透が、死ぬはずない……!」
モノクマ「だいせいかーい!今回の事件で死んじゃったのは、ノクチルのセンター浅倉透さんでーす!」
小糸「……う、嘘だよね……」
モノクマ「なにそれ?キミのお友達はアンドロイドか何かだと思ってた?」
円香「はぁ?」
モノクマ「命あるものはやがて死にゆく定めなのです……生まれた時から変えられぬ運命……生と死は背中合わせの兄弟分……」
円香「おちょくらないで……!」
樹里「大体殺したのはお前だろ!モノクマ!」
モノクマ「ちょっ、ちょっと急に何言ってるのさ!」
樹里「アタシらの誰かが殺しなんかするわけねー、お前がやったんだろ!」
モノクマ「はぁ……鬱陶しいなぁ、ゲームの進行を阻害されると見てる側も萎えちゃうんだよね。お口チャックだよ!」
モノクマ「それに、これだけは断言するけど……今回の浅倉透さんの殺害は、間違いなくオマエラの中の誰かが行ったものだから!」
灯織「……!?」
摩美々「……ふーん」
モノクマ「ま、信じないなら信じないで別にボクはいいけどね、それで困るのはオマエラの方だから」
甘奈「それ、どういう意味……?」
霧子「もしかして……校則のことなのかな……?」
咲耶「第6項……クロとなったことがバレてはいけない……この部分か」
モノクマ「ではここで、学級裁判についてお話しします!」
モノクマ「お手元の電子生徒手帳から確認できる校則にもあるように、殺害を行えば無条件に卒業というわけではありません!」
モノクマ「自分がクロとなったことを他の生徒に知られてはならないのです!」
モノクマ「そこで開かれるのが学級裁判です!生徒たちが全員参加で討論を行い、一人のクロ候補を指摘!」
モノクマ「指摘が見事成功すればクロだけがおしおき、失敗すればクロ以外の全員がおしおきされてクロになった生徒のみが卒業となります!」
愛依「ちょ、ちょちょ、ちょい待ち!おしおきってなんのこと?初耳なんだけど……」
モノクマ「処刑だよ、しょ・け・い!」
モノクマ「電気椅子でビリビリ!シュレッダーでバキバキ!プレス機でグチュグチュ!その他多種多様なおしおきをご用意しております!」
灯織「……は?」
真乃「しょ、処刑……?」
モノクマ「そりゃそうでしょ、だってこれはコロシアイ合宿生活なんだから!命を懸けて臨んでもらわないと興醒めだよねー」
モノクマ「おしおきがないコロシアイなんて、梅干しのない日の丸弁当だよー!」
摩美々「要は透を殺した犯人を当てなきゃ、次は私たち全員が死ぬってことですかー?」
モノクマ「いいねぇ、賢いチンパンジーだね!さりげなく自分が犯人じゃないとアピールするところもグッド!」
摩美々「……うざー」
凛世「お待ち下さい……」
モノクマ「なんだよ質問が多いな!ここは国会答弁の場じゃないんだよ!」
凛世「その正誤の判別は、誰が致すのでしょうか……?」
モノクマ「勿論ボクだよ!だって犯人も手口も何もかもぜーんぶ知ってるからね!」
智代子「ええ?!なんで?!やっぱりモノクマが犯人?!」
モノクマ「しつこいなぁ……覚えてるでしょ、学校のそこら中に監視カメラがあること。それで一部始終、徹頭徹尾、鶏口牛後お見通しなわけ!」
霧子「あ……最後は違う……」
樹里「……てことはてめーは殺人現場を目撃したのに、それを黙って見過ごしたってことか?」
モノクマ「おうよ!ワイン片手にぐいっとね!いい肴になったよ!」
樹里「…………ぶん殴るぞ」
モノクマ「うぷぷ……校則違反が怖くて何もできないくせに……」
無茶苦茶だ。
急に仲間が死んだと思ったらその犯人を突き止めろ?失敗したら自分が死ぬ?
そんな理不尽を前に……どうすればいい?
視界の中にいる誰を信じて、誰を疑えばいいのかすら分からない。そんな状況に唐突に投げ出された。
モノクマ「学級裁判までには数時間の猶予を設けてあります!その間にしっかり捜査をして、犯人を突き止めるように!」
モノクマ「あ、そうだ!これを渡しておくから操作に役立ててよね!……ザ・モノクマファイルー!」
モノクマに手渡されたのはA4サイズほどの書類一式。
開いてみると透さんの死体、その検分が記されていた。
モノクマ「今の若者っててんとう虫も触れないらしいじゃない、死体もどうせ触れないだろうから予め必要な情報はまとめておいたよ!」
霧子「…………!」
摩美々「一部例外もいると思いますケド」
咲耶「ねえ、このファイルは信用していいものなのかい?これに基づいて推理を組み立てる以上、モノクマが犯人に加担するようなことがあれば私たちの未来は危うくなってしまうと思うのだけど」
モノクマ「その点は信用してね!ボクはクロにもシロにもつかないよ!だってモノクマなんだもん!きわめて公正に、客観的な視点から記録をしております!」
モノクマ「ま、それじゃ後は頑張ってねー」
モノクマはそのまま姿を消して、動揺する私たちだけが残された。
智代子「行っちゃった……」
樹里「……くそっ、マジなのかよ」
円香「…………あの、いいですか」
咲耶「円香?」
円香「この中に透を殺した犯人がいるんですよね?」
樹里「……モノクマの話通りならな」
樋口さんは樹里の言葉を聞くと、しばらく目をつむって考え込むようなそぶりを見せ……
次に開いたその瞳は、鋭くとがっていた。
円香「絶対に許しませんから。……探し出して、暴き出して……」
円香「……私が殺す」
灯織「……!?」
甘奈「ちょ、ちょっと円香ちゃん……なんで」
円香「なんで?分かりきってるでしょ?……幼なじみが殺されて、その犯人は今目の前にいる。憎しみを抱かない方が異常」
智代子「だ、だからって……」
円香「皆さんは学級裁判に参加されないおつもりなのかもしれませんが、私は絶対に参加して、犯人を特定します」
円香「……では」
小糸「……あ、ま、円香ちゃん…………!」
雛菜「……雛菜も失礼しまーす」
ノクチルの3人はそのまま体育館を後にしてしまった。
残された12人は、呆然と立ち尽くす。
咲耶「……どうしたものか」
甜花「あぅ……」
そう、みんなやるべきことは分かっているのに。
それでもまだ……喪失感から立ち直れていない。
絶望感が思考と足取りを縛りつけ、その一歩を踏み出せずにいた。
全員が全員を疑い合う疑心暗鬼。
そんなマイナス感情の相互作用が私たちを飲み込んでいるのだ。
摩美々「もう私も行っていいですかー?」
そんな中で最初に声をあげたのは摩美々さんだった。
咲耶「摩美々……?」
摩美々「わたし、死にたくないのでー」
摩美々「ここでじっとしてたら犯人もわかりませんし、学級裁判で死ぬのはわたしたちだよねー?」
灯織「……っ!!」
そうだ、今はまだ立ち直れなくても……
私たちは前を向かなくちゃいけない……そうじゃないと、私たちは死んでしまう。
絶望から逃れられなくても、希望が見えなくても……その中で足掻くしか道はないんだ。
灯織「……やりましょう、皆さん!」
真乃「灯織ちゃん……」
めぐる「うん!灯織と摩美々の言う通り!ここでじっとしてたらクロの狙い通りだよ!」
愛依「……だね、透ちゃんがいないのはマジで辛くて、苦しくて……でも、うちらはそれでも進まないと」
甘奈「うん……甘奈たちが諦めちゃったら透ちゃんを、甘奈たちも裏切ることになるもんね」
咲耶「……そうだね、私たちもノクチルの3人に続こう!」
摩美々「ちょっとタイムー」
灯織「ま、摩美々さん……?いま摩美々さんの意思についていく形で操作を始めるって話になったのでは……?」
摩美々「それはいいんだけどさー、殺害現場の監視が必要じゃなーい?」
智代子「そっか、クロが大事な証拠を隠しちゃう可能性もあるんだね!」
樹里「ならアタシに任せろ。捜査とか頭使うのはそこまで得意じゃねーしな」
摩美々「一人よりも二人いた方がいい、樹里がクロだった場合が困るしー」
樹里「なっ……ちげーよ!」
摩美々「あくまで可能性だからー」
愛依「はいはい!それじゃうちが手伝う!」
咲耶「……決まりだね、後のみんなは捜査に当たってくれ」
そうしてパラパラと体育館をみんなは後にし、イルミネの三人が最後に残った。
モノクマの言っていたことが本当なら、私たちの中に犯人がいる……
なんとしてそれを暴き出さないと……!
灯織「よし……それじゃ私たちも捜査を始めよう。まずはモノクマファイルの情報を確認しようか」
真乃「そうだね……」
【被害者は浅倉透。死因は頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。致命的な衝撃を受けたことにより、ほぼ即死だったと思われる。手足は拘束され、口には猿轡が噛まされている。手足首にはくっきりと痕が残るため、長時間放置されたものと思われる】
真乃「ほわ……本当に透ちゃん、死んじゃったんだね……」
灯織「うん……認めたくはないけど」
めぐる「昨日まで一緒にお話ししてたのにね……なんでこんなことになっちゃったんだろう……」
灯織「何かモノクマファイルで気になる点はない?」
真乃「うーん……特に思いつかないな、めぐるちゃんはどうかな?」
めぐる「さるぐつわ……って何?」
灯織「えっと確か……口にタオルとかを噛ませて、喋れなくさせる方法だよね」
灯織「そういえば浅倉さんの遺体には声を出せなくしたり、身動きを取れなくしたりする枷がついていた気がする……」
真乃「じゃあ犯人は、透ちゃんを縛った上で、抵抗をできないようにして机で殴ったのかな……っ」
灯織「多分そうなんだと思う……」
めぐる「うー……無抵抗な相手を一方的に殴りつけるなんて酷いよ……」
コトダマゲット!【モノクマファイル1】
〔被害者は浅倉透。死因は頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。致命的な衝撃を受けたことにより、ほぼ即死だったと思われる。手足は拘束され、口には猿轡が噛まされている。手足首にはくっきりと痕が残るため、長時間放置されたものと思われる〕
(後で殺害現場に行った際にそれはしっかり確認しておこう)
(捜査の基本は殺害現場からだよね……よし)
【死体発見現場 1-A】
灯織「……あっ」
小糸「……ぴぇっ」
殺害現場にはすでにノクチルの面々がおり、捜査の真っ最中だった。
円香「……何?」
めぐる「円香、大丈夫……?気分とか……」
円香「近づかないで」
めぐる「ご、ごめん……」
円香「今は誰も信用できない。話しかけないで」
ダメだ。
円香さんは透さんの誰よりも近くにいた人。
彼女を失ったことによるショックは誰よりも大きい。私たちの働きかけでどうにかなるものじゃない。彼女を刺激しないようにしながら捜査するしかない……
灯織「真乃、めぐる……そっとしておこう」
真乃「うん……」
めぐる「……そうだね」
(……さて、どこから捜査しよう)
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1.死体周辺
2.現場を見張っている愛依の話を聞く
3.現場を見張っている樹里の話を聞く
4.教室全体を見回す
↓1
(死体も気になるけど、まずはこの教室全体を見渡してみよう……)
死体は教室入り口付近で血の海に沈んでいる。
出血量はかなりのものみたい。
確か死体発見時には机が死体の上に散乱していたはずだけど……
あれはもうどかしたみたい。
でも、なんで机が浅倉さんの上に乗ってたんだろう……
それに食堂で聞いたあの音、無関係なわけないよね……
そうやって考えながら教室を歩き回っていると、気になるものがいくつか浮かび上がってきた。
-------------------------------------------------
灯織「……ん?なんでこんなところに血痕があるんだろう」
めぐる「え?……ホントだ!透のいた場所から結構遠くまで血が飛び散ったんだね!」
真乃「相当激しく殴られたんだね……っ」
灯織「……あれ?透さんの頭部の出血はまだ乾いていないのに、ここの血痕は乾いてる……」
めぐる「確かに……でも水の量の違いなんじゃない?ほら、やっぱ少ない方が蒸発しやすいし」
灯織「そんな話なのかな……」
コトダマゲット!【教室の血痕】
〔教室内には透の死体から離れた場所にも血痕があった。遺体の頭部の血液はまだ乾いていないのに対し、この血痕は乾いている。〕
灯織「あれ?こんなところに目覚まし時計?」
愛依「あーそれ、うちが止めたやつ!」
灯織「そういえば、死体発見の時にも鳴ってた……」
めぐる「えっ、それわたしの持ってるやつにそっくりだよ?!」
灯織「め、めぐるの?!」
真乃「ううん、めぐるちゃんだけじゃなくてわたしもあるよ……モノクマに希望すれば誰でももらえたみたいっ」
灯織「そうなんだ……で、愛依さんはこれはどうして?」
愛依「うちが隣の教室にいた時、こっちの部屋から急にアラームが鳴って。そん時にあったのがこれだわ」
灯織「なるほど……本当ですね、私たちが死体を発見した直前、7時25分にアラームが設定されてます」
〔コトダマゲット!【目覚まし時計】
1-A教室内に落ちていた目覚まし時計。7時25分にアラームが設定されており、死体発見当時も鳴っていた。〕
めぐる「あれ?なんだろう、これ」
灯織「めぐる?何か見つけた?」
めぐる「これ見て!何かプラスチックのかけらっぽいんだけど……この前この教室に入るときはなかった気がするんだよね」
灯織「うーん……なんだろう、何かが割れた後みたいに見えるけど……現場に関係ありそうなもの、ではなさそうだよね……」
真乃「ほわ……一応覚えておいた方がいいかな?」
灯織「記録だけはしておこうか」
めぐる「うーん、お手柄になるかと思ったのに……残念」
コトダマゲット!【プラスチック片】
〔死体発見現場に落ちていたプラスチック片。何かが割れた後に見えるが、事件との関連性は不明。〕
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(教室をおおまかに確認することはできたし、そろそろ本格的な検証に入ろうかな)
1.死体周辺
2.現場を見張っている愛依の話を聞く
3.現場を見張っている樹里の話を聞く
↓1
2 選択
灯織「そういえば死体を最初に見つけたのは愛依さんなんですよね?」
そう、死体を私たちが発見した時。誰よりも先にその場にいたのは愛依さんだった。
愛依「……多分、うちが来た時にはまだ誰もいなかったし……」
灯織「詳しく話を聞かせてもらってもいいですか?」
愛依「オッケー、話は元々夜時間から始まるんだけどさ」
愛依「前の日の晩、うちが寝ようとしてたら部屋がノックされて。扉を開けようとしたら下から手紙が入れられてたんだよね」
灯織「……手紙?」
愛依「これなんだけどさ」
『脱出の手がかりを見つけました。黒幕にバレてはいけないので、一人で朝7時20分に1-B教室に来てください』
灯織「隣の教室ですね……」
愛依「ま、怪しいっちゃ怪しいけどマジだったらいけないし、朝その時間ピッタシに教室に行ったんだよね」
愛依「でも誰もこなくてさー、しばらくその教室で待ってたら突然隣の部屋から目覚ましの音が聞こえてきたわけ!」
愛依「もうビビっちゃって!誰かいるのかと思って急いでこの教室の扉を開けたんだよね!したらすぐそこに透ちゃんの姿があって……」
愛依「……あとは、灯織ちゃんたちの見た通り」
愛依「ごめん、うちもまだ整理し切れてないから変な情報になったかも」
灯織「いえ、ありがとうございます」
(今の話を総合すると、愛依さんは何者かに呼び出され、意図的に第一死体発見者にさせられたことになる……のかな……)
-------------------------------------------------
(愛依さんの話で死体発見までの流れは確認できた……)
(やっぱり誰かの意図的なものを感じる……これは本当に、殺人なんだ……)
1.死体周辺
2.現場を見張っている樹里の話を聞く
↓1
1 選択
(……よし)
大丈夫、覚悟は決めた。
生き残るため……浅倉さんのため。
この現実から目を背けない……!
まず目につくのはやはり浅倉さんの死体。
発見時には机がその上に散乱していたけど……
愛依「あー樹里ちゃんと一緒に退けたんだけど……ダメだった?」
灯織「いえ、大丈夫です。それより愛依さん机を退けたりして……痛くなかったですか?」
真乃「……?どこか怪我してるんですか……?」
愛依「うん、ちょっち右肩がね!昨日頑張りすぎちゃってさー」
めぐる「結構痛そうだったよ?もう大丈夫なの?」
愛依「これ持ち上げるくらいはね、樹里ちゃんもいたし!」
樹里「ていうかほぼアタシがやったんだよ……円香が言うから」
愛依「でも腕を肩より上には上げるのはしんどいわ……マジ痛みで捩れるから」
灯織「お体には気をつけてくださいね……」
コトダマゲット!【愛依の怪我】
〔昨日の球技大会で愛依は軽い脱臼状態であるため、机を持ち上げる程度ならまだしも、右腕が肩より上に上がらない状態にある。〕
-------------------------------------------------
(死体付近の情報はやっぱり大事だよね……念入りに調査しないと)
1.死体そのものを調べる
2.死体の横たわる床を確認する
3.退かした机を確認する
↓1
灯織「さて……」
(浅倉さんの遺体を調べると決めたものの……流石に死体を触った経験はないし……)
(……とりあえず!とりあえずは!)
灯織「うん、モノクマファイルの情報通り。透さんの口と手足には拘束具がつけられてる」
めぐる「うわっ、すごく固く結んであるよ!全くほどけてない!」
真乃「これじゃ声も出せないし身動きも取れないね……っ」
灯織「しかも手足首には痕がくっきり……長時間つけっぱなしだったんだね」
めぐる「うぅ……苦しそう」
灯織「口元の猿轡もだいぶきつく縛ってるね……」
めぐる「こんな乾燥した布を押し込まれたら口がイガイガしちゃうよ!」
灯織「一体なんの布で拘束してあるんだろう……」
めぐる「なんだか見覚えのある素材なんだけど……なんだろう」
コトダマゲット!【拘束具】
〔透の手足を拘束していた布製の枷と口に嚙ませてあった猿轡。枷は少しも緩んでおらず、猿轡は乾燥していない。その素材はどこか見覚えがあるが……?〕
灯織「……」
(うう、遺体を調べないわけにはいかないんだけど……)
(これは生理的に、とかではなく……人間が本能的に感じ取る恐怖、人の死に対する恐怖感)
(……手が、伸びない)
円香「ちょっと」
灯織「え?あ!ごめんなさい!」
円香「何謝ってるの?……透の体調べないなら退いて」
灯織「えっ……あっ……すみません」
樋口さんは私たちを退かすと、なんの躊躇もなく浅倉さんの体をベタベタと触りはじめた。
円香「……愛依」
愛依「えっ?!うち?!」
円香「透の第一発見者は愛依って聞いたけど、発見時の透の体勢を教えてもらえる?」
愛依「発見したときの透ちゃんの姿勢……確か横向きで……いまとなんも変わらないと思うよ!」
円香「……そう、ありがとう」
灯織「何か、気になることが……?」
円香「……これ」
そう言って樋口さんは力なく倒れ込んでいる浅倉さんの体を引き起こし、私にその額を見せた。
円香「ここ、はっきりと打撲痕がある。愛依の証言だと透の側頭部に机が落ちてきていたはずなのに……」
灯織「そうか……額にそれだと打撲痕ができるはずが……」
円香「……しかも出血もしてる。事件と無関係なはずはない」
灯織「……なるほど」
コトダマゲット!【死体の打撲痕】
〔透の死体には、側頭部だけでなく額にも激しい打撲痕があり、そこからも出血した痕がある。〕
樋口さんが持ち上げた浅倉さんの遺体を元通り横たえようとしたその時。
めぐる「あ!ちょっと待って!」
円香「……何?」
めぐる「……なんだか血痕、変わったつき方してるよね?」
灯織「え?……ほんとだ」
円香「……透の頭を縁取ったみたいな血痕……」
灯織「浅倉さんはおそらく撲殺されたと推定されます……そのまま床に倒れて……」
めぐる「こんなにくっきり縁取る形になるのかな?」
円香「立った状態で殴られたらそうはならないと思う」
円香「逆に言えば、寝転んだ状態で殴られたら……こんな痕になるかもね」
コトダマゲット!【頭部付近の血痕】
〔遺体付近の血痕は、透の頭を縁取ったような痕になっている。寝転んだ状態で殴打されたものと推定される。〕
-------------------------------------------------
(浅倉さんの遺体は一通り調べ終わったかな……)
1.死体の横たわる床を確認する
2.退かした机を確認する
↓1
(浅倉さんの遺体付近の床には……不自然なへこみがある)
灯織「二人とも……見て、この床の傷」
真乃「ほわ……犯人が透ちゃんを殴ったときにできたのかな?」
めぐる「ん?ってことは……犯人は透を殴った勢いのまま机を手放したの?」
灯織「……どうなんだろう。だとしたら傷のあとはこんなに垂直に溝にはならないんじゃないかな?」
灯織「見て、結構この溝は深さがある」
真乃「ほんとだ……っ」
めぐる「えーっと……ってことは、何かが垂直に落ちて来た……ってこと?」
灯織「でも、いったい何が……?」
コトダマゲット!【床のへこみ】
〔透の遺体付近にできていた床のへこみ。深さのある溝になっており、何かが垂直に落ちてできた痕跡となっている〕
(あとは、この机かな……?)
灯織「愛依さんと樹里とがどかした机だ……」
(私も居合わせた死体発見現場、確かあの時には……この机が浅倉さんの後頭部に落っこちてきたような形になっていたはず)
めぐる「あ!机の角!」
灯織「うっ……」
(べったりと血痕が付いている。間違いない、これが浅倉さんを殴った凶器なんだろう)
真乃「教室内のほかの机を見たけど、血がついているのはこのあたりの机だけみたいだね」
灯織「じゃあ浅倉さんの上に落ちて来たこの机たちが、凶器とみていいのかな……?」
〔コトダマゲット!【凶器の机】
透の死体発見現場の机。角には透の血液が付着しており、犯行に用いられたものと推定される。死体発見当時は透の死体の上に数台の机が散乱していた。〕
(……最後に、樹里の話も聞いておこう)
(現場を見張りしているうちに気づいたこともあるかもしれないし)
灯織「樹里は何か気づいたことはない?」
樹里「おう……気づいたこと、というか事件に関係しているのかもわからねーんだけどさ」
めぐる「ん?樹里、そっちは廊下だよ?」
樹里「教室のドア、外側を見てみてほしいんだけどさ」
灯織「……紐?」
樹里「スライド式のドア……そのドアノブに紐がなぜか括り付けてあるんだよな」
真乃「ほわ……なんだろう、これ……っ」
灯織「事件に何か関係はありそうだね……」
めぐる「うん、結構な長さがあるよね……何かをこれで引っ張った、とか?!」
樹里「どうだ?使えそうか?」
灯織「うん、樹里ありがとう」
コトダマゲット!【紐】
〔1-A教室入り口のドア、その外側のドアノブに括りつけてあった。かなりの長さがあり、ドアに括ったまま何かを引っ張ることもできそう。〕
灯織「死体発見現場で調べられるのはこれぐらいかな……?」
真乃「うん……後はどこを調べればいいかな?」
めぐる「誰かに話を聞いてみるのもいいかも!」
灯織「死体発見の時は……私たちと咲耶さん、霧子さん、樹里、凛世は一緒にいたし、他の人たちに話を聞いてみようか」
めぐる「うんうん!そうしよう!」
(ノクチルの三人は……ちょっと今は声かけづらいな、他の人に話を聞いてみようか)
-------------------------------------------------
【事件現場より移動します】
1.智代子の話を聞く
2.甜花の話を聞く
3.摩美々の話を聞く
↓1
【ランドリー】
摩美々「あれ、イルミネじゃーん」
灯織「摩美々さん……調査中ですか?」
摩美々「まあねー、手掛かりは意外なところにあるかもしれないしー」
めぐる「でも流石にランドリーには無いんじゃないかな?」
摩美々「ふふー、一つ見つけましたよー」
真乃「ほわっ……何があったんですか……?」
摩美々「これー」
灯織「……これは、シーツですか?」
摩美々「そう、私たちがベッドで使ってるのと同じ奴。これが洗濯機の中に入ってたんだよねー」
めぐる「えー?誰かが洗濯してたんじゃないのかな?」
摩美々「こんな引き裂かれたシーツを使ってる人、いるんですかねー?」
灯織「……!!」
摩美々「それに、ここ。血がついてるんですよねー。、事件に絡んでるのは明らかでしょ」
真乃「ほわっ……?!」
コトダマゲット!【シーツ】
〔ランドリーの洗濯機の中に残されていたシーツ。ところどころ裂かれており、血液も付着しているため、事件に関係しているものと思われる。〕
摩美々「さてここで問題でーす」
灯織「も、問題?摩美々さん、いまはそれどころじゃ……」
摩美々「犯人は、どうしてこの洗濯機にシーツを入れっぱなしにしてたんだと思うー?」
灯織「ど、どうしてといわれましても……」
真乃「……証拠隠滅、ですよねっ」
摩美々「まぁそうなるよねー、でも、ランドリーに放り込むだけって隠滅方法としてはお粗末じゃなーい?」
摩美々「近くにトラッシュルームがあるんだから、燃やしちゃえば早いよねー?」
灯織「なんで犯人は燃やさなかったんでしょうか……?」
摩美々「ふふー」
(か、肝心なところは教えてくれない……!)
-------------------------------------------------
1.智代子の話を聞く
2.甜花の話を聞く
↓1
【甘奈の部屋】
ピンポーン
めぐる「ごめん、大丈夫かな?」
甘奈「めぐるちゃん……あ、イルミネのみんな……ごめん、甘奈ショックで……」
真乃「ううん、仕方ないよ……っ!」
灯織「あれだけのことがあったんだもん……」
甘奈「それで、甘奈に何か用かな?」
灯織「その……私たち、今事件の調査をしてるんだけど、何か気になったこととかないかな?」
甘奈「気になったこと……甜花ちゃん、何かないかな?」
甜花「え……?うーん……なーちゃん、昨日のは……?」
めぐる「昨日の……?」
甘奈「ううん、なんでもないの!ごめん、甘奈たちは特に……」
灯織「甘奈!なんでもいいから話してくれないかな!少しでも手掛かりが欲しい状況だから……」
甘奈「でも、昨日のって……」
甜花「甜花たちの見間違いかもしれないし……」
灯織「見間違い……?何か見たんですか……?」
真乃「甜花ちゃん!話してもらえないかな……っ!」
甜花「えっと……昨日は、なーちゃんと一緒にお泊りしたんだけど……」
甘奈「甘奈もここでの生活が不安だから……一緒に寝てたんだ……」
甜花「でも、十二時ぐらいになって……甜花がトイレに行きたくなったから……なーちゃんについてきてもらったんだ……」
甜花「でね、帰ってきたら……甜花たちは、見たんだ……」
めぐる「……うん」
甜花「お化け……!」
灯織「……」
真乃「……」
めぐる「お化け?!?!」
甘奈「甘奈も見たの、暗い廊下にぼんやり真っ白なシルエットが浮かび上がってて……あれは幽霊だったんだよ!」
灯織「幽霊……」
甜花「甜花たち、怖くなって……急いで個室に戻ったから、それ以降は見てない……」
甜花「おしまい……」
めぐる「えーっと……」
灯織「……ありがとう、二人とも」
〔コトダマゲット!【甜花の証言】
昨晩の十二時ごろ、甜花と甘奈は二人で寄宿舎の廊下を歩く幽霊を目撃した。〕
【食堂】
灯織「あっ……チョコ、今大丈夫かな」
智代子「あれ、イルミネのみんなどうしたの?」
めぐる「事件の調査中だよ!何か気になったこととかないかな?」
智代子「うーん……私は死体発見の場にも居合わせなかったし……アリバイも無いし……」
灯織「そっか……ううん、大丈夫、ありがとう」
智代子「あっ!事件に関係あるかはわからないんだけど一つ気になってることならあるかも!」
めぐる「何々!?どうしたの?!」
智代子「えっとね……食堂の厨房、調理道具が一通りそろってるんだけどね。事件の前日くらいから包丁がなくなってるんだよね」
灯織「包丁が……?」
智代子「でも、死体発見現場にも無いし、透ちゃんも切り傷とかないし……どこに行っちゃったのかな?」
真乃「そうだね……っ、犯人が持ち出しちゃったのかな……?」
コトダマゲット!【食堂の包丁】
〔事件の前日から厨房に備え付けの包丁が一本足りていない。死体発見現場にも包丁の姿はなく、死体にも切り傷すらないため、所在は不明。〕
灯織「そういえば私たちは事件の始まりはこの食堂で迎えたんだよね……」
真乃「ほわ……ついさっきの出来事なのに、実感がなんだかないよね……」
めぐる「いつも通りの朝だったのに……」
灯織「確かあの音を聞いたのは、7時30分だったよね?」
めぐる「うん、食堂を出る前に咲耶が確認してたよ!」
灯織「死体を発見する直前になった音……無関係なはずがないよね」
真乃「きっと事件の手掛かりで重要になるはずだよっ!」
灯織「うん、しっかりと覚えておこう……」
コトダマゲット!【食堂で聞いた音】
〔灯織たちは朝7時30分に学校エリアの方から何か金属が床にぶつかるような大きな音を聞いた。食堂には真乃・灯織・めぐる・咲耶・霧子・樹里・凛世がいた〕
-------------------------------------------------
(……さて、いろいろと話を聞けたけど一つ気になることがあるな)
(摩美々さんの出した問題……『どうしてクロはトラッシュルームで証拠隠滅をしなかったのか』)
(それを確かめる意味でもトラッシュルームには行ってみた方がいいかも)
【トラッシュルーム】
(……あれ?あそこにいるのはノクチルの皆さん?)
(さっきの事件現場でのやり取り……一応話には応じてくれる、よね?)
雛菜「特に怪しいものはないね~」
小糸「う、うん……犯人は、焼却炉は使ってないみたい!」
灯織「あの……皆さん、今お時間大丈夫でしょうか……」
雛菜「え~?なんですか~?」
めぐる「あのね!今犯人の証拠隠滅の方法を調べてるんだけど、どうして犯人はこの焼却炉を使わなかったんだとおもう?」
円香「……雛菜」
雛菜「当たり前ですよ~」
雛菜「雛菜以外焼却炉は使えないですから~」
真乃「ほわっ……どういう意味か教えてもらっても、いいですか……?」
雛菜「あのですね~、トラッシュルームはもともとシャッターが閉まってて~そのシャッターを開けられるのは掃除当番だけなんですよね~」
灯織「掃除当番……」
雛菜「この前この部屋に入ったらモノクマに押し付けられて~、週替わりで担当するみたいですよ~?」
(週替わりって……何日間いさせる気……?)
雛菜「で、そのカギは雛菜がずっと持っていたので~犯人は使えなかったんだと思いますよ~?」
円香「……一応確認のために寄ったけど、無駄足だった」
灯織「な、なるほど……ありがとうございます」
コトダマゲット!【掃除当番】
〔トラッシュルームのシャッターを開けられるのは毎週一人に割り振られる掃除当番のみ。今週の掃除当番は雛菜だった。〕
______
_________
____________
キーンコーン……カーンコーン
『えー、みなさん……初めての捜査に不慣れなことだとは思いますが、ボクもそろそろ飽きてきちゃったので……』
『タイムアップ!捜査はそこまでだよー!さっさとメインディッシュの学級裁判をいただきましょう!』
『学校エリア一階の、赤い扉の前に全員集合だよー!』
真乃「……時間みたいだね」
灯織「うん……」
めぐる「大丈夫かな……犯人、当てなきゃなんだよね」
灯織「わからない……けど、やるしかないから……」
めぐる「うぅ……たとえ当てられたとしても、犯人はモノクマにおしおきされちゃう……これから起きる学級裁判でまた一人は殺されちゃうんだよね……」
(そう、学級裁判は私たちの生存をかけた戦いであると同時に……誰か一人を殺すための戦いでもある……)
(そんな覚悟が、私たちに今、あるのだろうか)
真乃「灯織ちゃん、めぐるちゃん!」
灯織「……真乃?」
真乃「行こう!進むしかない……なら、自分で納得できる道をいかないと!」
真乃「ファイトだよ!むんっ!」
灯織「……そうだね、真乃」
灯織「行こう、めぐる……自分自身のため、みんなのためにも!」
めぐる「……うん!」
【学校エリア エレベーター前】
赤い扉を開けた先にはエレベーターホール。
とても学校には似つかわしくない空間が、私たちを待ち受けていた。
樹里「灯織たちで最後だな」
灯織「ごめん、遅くなった……」
モノクマ「ようやくお揃いのようですね!」
智代子「わっ!モノクマ?!」
モノクマ「予定よりも少々遅れてしまっておりますが、まあいいでしょう!僕はクマ一倍レディには優しいことで有名だからね!」
愛依「いやいやどこで有名なん……」
モノクマ「一足先にボクは下の裁判場で待ってるから、覚悟が出来次第エレベーターに乗り込んでよね!」
凛世「また消えてしまわれました……」
咲耶「もう、引くことはできない……やるしかないようだね」
霧子「うん……犯人さんを、見付けなきゃ……」
円香「……絶対ね」
モノクマに促されたまま、次々にエレベーターに乗り込んでいく。
学級裁判……私たちの中に潜むクロを探すための、生き残るための裁判。
もう、行くしかない……それはわかっているのに、どうしても体が震え、足がすくんでしまう。
めぐる「灯織!」
真乃「灯織ちゃん!」
でも、私にはみんなが、イルミネがいる。
灯織「……いくしかない!」
声を張り上げ自分自身に虚勢を張る。
覚悟が決まってなくても、勇気がなくても、私は進むしかない。
もう道は、そこにしかない……!
私がエレベーターに乗り込むとともにドアは締まり……
エレベーターが動き出す。
ゴウンゴウンと機械音を立てながらエレベーターは下っていく。
どこまでも深く、地の底まで下りていくようなエレベーター。
これが止まると同時に、私たちはお互いを奪い合う敵同士になる。
ああ、できることならもう止まらないでほしい。
ずっとこのエレベーターの中で良い。
仲間を疑いあうくらいなら、この中で息絶えてしまいたい。
そんな願いは届くはずもなく、エレベーターは停止した。
モノクマ「学級裁判場へようこそ!」
ドアが開いた先に待つ世界。
我々がよく知る裁判上のようでありながら、装飾があちらこちらに凝らされた空間はどこかポップさを滲ませる。それがまた私たちの不安を掻き立てる。
凛世「地下に、このような空間が……」
愛依「学校ってなんだっけ……もうわけわかんないんだけど……」
モノクマ「せっかくなんで皆さんに喜んでもらえるよう、裁判場にも彩を加えてみました!ただの裁判場じゃ退屈だもんね!」
摩美々「や、それはよくわかんないケド」
モノクマ「ま、細けえことは置いといて……さっさと裁判を始めちゃいましょう!みんなも退屈だろうしね!」
ついに始まる……
たとえ答えにたどり着いても、最悪の結末しか待っていない物語が。
超高校級の???なんて才能を与えられた浅倉さん。
でも、私自身も浅倉さんのことをよく知らないままに……浅倉さんは死んでしまった。
まだまだお話ししたかったし、アイドルとして、同じステージにも立ってみたかった。
そんな彼女を殺した犯人が、私たちの中にいる。
______これが私たちにとって、初めての学級裁判。
初めての口論、初めての騙しあい、初めての裏切り、初めての悪夢……
______________初めてのコロシアイ。
というわけで今回の更新はここまで、次回より学級裁判パートに突入します。
ノンストップ議論では安価を積極的に活用していきます。
ミステリは正直そこまで詳しくないのでトリックなどお粗末な点は多々あるとは思いますが、
ネタバレコメントなどは避けていただけると幸いです。
次回更新は早いうちに、現状未定です。明日できればやります。
それではまた、よろしくおねがいします。
おやすみなさい……
21時より学級裁判パートから再開します。
ロンパSSではおなじみのシステムですが一応説明文を作っておきました。
【学級裁判パートについて】
・メインとなるのはノンストップ議論になります。捜査パートで手に入れたコトダマの情報と矛盾する発言を合わせて指摘、【論破】していただくのが基本ルールです。はじめのうちはこれだけですが、途中から【同意】も始まります。コトダマの情報で発言を支持する参道の意を示すわけですが、やることは【論破】と何ら変わりません。加えて、他の人の発言を【記憶】し、コトダマとすることで【論破】の材料とすることもあります。本家をプレイしている方からすればお決まりのやつです。
・ほかにも本家で存在するミニゲームを一部採用しています。その中では一部コンマで一定の数値をクリア条件とするものも考えております。コンマは自由行動パートによりスキルを獲得すると緩和することも可能になります。スキル獲得に向けて自由行動はキャラを絞るのもありです。
・もちろん、クリア後報酬としてモノクマメダルをご用意しております。
【コトダマ】
‣【モノクマファイル1】
〔被害者は浅倉透。死因は頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。致命的な衝撃を受けたことにより、ほぼ即死だったと思われる。手足は拘束され、口には猿轡が噛まされている。手足首にはくっきりと痕が残るため、長時間放置されたものと思われる〕
‣【教室の血痕】
〔教室内には透の死体から離れた場所にも血痕があった。遺体の頭部の血液はまだ乾いていないのに対し、この血痕は乾いている。〕
‣【目覚まし時計】
〔1-A教室内に落ちていた目覚まし時計。7時25分にアラームが設定されており、死体発見当時も鳴っていた。〕
‣【愛依の怪我】
〔昨日の球技大会で愛依は軽い脱臼状態であるため、机を持ち上げる程度ならまだしも、右腕が肩より上に上がらない状態にある。〕
‣【拘束具】
〔透の手足を拘束していた布製の枷と口に嚙ませてあった猿轡。枷は少しも緩んでおらず、猿轡は乾燥していない。その素材はどこか見覚えがあるが……?〕
‣【死体の打撲痕】
〔透の死体には、側頭部だけでなく額にも激しい打撲痕があり、そこからも出血した痕がある。〕
‣【頭部付近の血痕】
〔遺体付近の血痕は、透の頭を縁取ったような痕になっている。寝転んだ状態で殴打されたものと推定される。〕
‣【床のへこみ】
〔透の遺体付近にできていた床のへこみ。深さのある溝になっており、何かが垂直に落ちてできた痕跡となっている〕
‣【凶器の机】
〔透の死体発見現場の机。角には透の血液が付着しており、犯行に用いられたものと推定される。死体発見当時は透の死体の上に数台の机が散乱していた。〕
‣【紐】
〔1-A教室入り口のドア、その外側のドアノブに括りつけてあった。かなりの長さがあり、ドアに括ったまま何かを引っ張ることもできそう。〕
‣【シーツ】
〔ランドリーの洗濯機の中に残されていたシーツ。ところどころ裂かれており、血液も付着しているため、事件に関係しているものと思われる。〕
‣【甜花の証言】
〔昨晩の十二時ごろ、甜花と甘奈は二人で寄宿舎の廊下を歩く幽霊を目撃した。〕
‣【食堂の包丁】
〔事件の前日から厨房に備え付けの包丁が一本足りていない。死体発見現場にも包丁の姿はなく、死体にも切り傷すらないため、所在は不明。〕
‣【食堂で聞いた音】
〔灯織たちは朝7時30分に学校エリアの方から何か金属が床にぶつかるような大きな音を聞いた。食堂には真乃・灯織・めぐる・咲耶・霧子・樹里・凛世がいた〕
‣【掃除当番】
〔トラッシュルームのシャッターを開けられるのは毎週一人に割り振られる掃除当番のみ。今週の掃除当番は雛菜だった。〕
‣【プラスチック片】
〔死体発見現場に落ちていたプラスチック片。何かが割れた後に見えるが、事件との関連性は不明。〕
※一つ抜けてました……
【学級裁判 開廷!】
モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」
モノクマ「学級裁判では皆さんの中に潜むクロを探していただきます」
モノクマ「議論の結果指摘されたクロが正解ならクロのみがおしおき、不正解ならクロ以外の全員がおしおき!」
モノクマ「さあ命を懸けた議論を始めてチョーダイな!」
灯織「本当にこの中に犯人がいるんですよね……?」
モノクマ「はい、間違いありません!」
咲耶「確認しておくけど、モノクマはフェアな立場にいてくれるんだよね?」
モノクマ「はい、これまた間違いありません!ボクが取り仕切る以上、このコロシアイ合宿生活は正々堂々フェアな体制で進行しております!」
モノクマ「もう質問はない?いいね?」
モノクマ「それでは、お前らの中に潜む裏切り者を探してレッツトーキング!」
甘奈「……っていってもどこから始めればいいのかな?」
凛世「はい、凛世は学級裁判の経験がございません……」
樹里「それはみんなだろ……」
咲耶「まずは疑問点の解消を目標にしよう。私たちが推理に不慣れである以上、できるところから進めていく必要があるね」
咲耶「小さな疑問点でもあれば、すぐに指摘するようにしてほしい」
智代子「よし、それじゃあまずは凶器の話からだね!」
小糸「き、凶器……?」
樹里「死体発見の現場に居合わせたのはここにいる全員じゃねえ」
樹里「一度確認しておくのは重要かもな」
霧子「うん……凶器と死因、その特定から、始めよう……」
咲耶「よし、それでは議論開始と行こうか」
(ついに始まる……学級裁判が!)
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【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【教室の血痕】
‣【モノクマファイル1】
‣【凶器の机】
智代子「モノクマファイルによると……」
智代子「透ちゃんの死因は頭を殴られたことによる【脳挫傷】……」
甜花「頭をごちんと殴られて……うぅ……痛そう……」
甘奈「犯人は透ちゃんに恨みでもあったのかな?」
円香「透は誰かに恨まれるような人間じゃ……」
小糸「透ちゃんは【バットか何か】で殴られて、死んじゃったんだね……」
小糸「まさかこんな形でお別れなんて……」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BLEAK!】
灯織「いえ、浅倉さんを殺害した凶器は判明しています」
小糸「……ぴぇっ?!」
雛菜「え~?なんですか~?」
灯織「1-Aの教室の机……あれが凶器です」
摩美々「机が凶器―?」
灯織「死体発見当時、浅倉さんの遺体の真上に散乱していた机、その角にはべったりと血液が付着していたんです」
灯織「机が凶器となったなら、浅倉さんの死因の脳挫傷とも合致します」
小糸「そ、そうなんだ……ごめんなさい……透ちゃんの死体を、直視できなくて……」
灯織「い、いえ……心中お察しいたします」
樹里「まあ凶器は机だとしてもよ、机ならだれでも使用可能だよな」
灯織「うん、犯人の特定には至らない……」
凛世「そもそも、なぜ犯人は教室での犯行に及んだのでしょうか……?」
雛菜「人を殴って殺すんだったらもっといい道具がありそうですよね~」
めぐる「うん……机じゃ持ちにくいもんね」
甜花「殴打なら、ひのきの棒とか、ポピュラー……」
樹里「んなもん学校にはねーだろ……」
咲耶「じゃあ次は、なぜ机を殺害道具に選んだのかを考えてみようか」
灯織「凶器が机だった、理由……?」
咲耶「殺害方法と机、この二つを合わせて考えることで何か見えてこないかな?」
(机を凶器に選んだ理由か……犯人はどうやって机で殺害したんだろう……)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【床のへこみ】
‣【食堂で聞いた音】
雛菜「殺害方法から考えるって言っても~」
雛菜「透先輩は【撲殺】されたんですよね~?」
智代子「透ちゃんの撲殺は、何か変わった点があったのかな」
樹里「【机を使って殴った】んだろ?」
樹里「別に机自体は普通だしな……」
甜花「机だと、クリティカル率が高く設定されてるとか……?」
樹里「おいおい、ゲームじゃねーんだから」
霧子「教室内に、【他に凶器になりそうなものはない】し……」
霧子「犯人さんは、近くにあった机を選んだんじゃないかな……」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
【撲殺】に【モノクマファイル1】
雛菜「え~?脳挫傷でも撲殺は撲殺ですよね~?」
雛菜「何かおかしなこと言いましたか~?」
(違う……浅倉さんの死因自体は間違いない……)
(現場の状況を見たら、浅倉さんは【ただ殴られただけ】じゃないってわかったはず……)
(その状況をあの人の証言にぶつければ……)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【床のへこみ】
‣【食堂で聞いた音】
雛菜「殺害方法から考えるって言っても~」
雛菜「透先輩は【撲殺】されたんですよね~?」
智代子「透ちゃんの撲殺は、何か変わった点があったのかな」
樹里「【机を使って殴った】んだろ?」
樹里「別に机自体は普通だしな……」
甜花「机だと、クリティカル率が高く設定されてるとか……?」
樹里「おいおい、ゲームじゃねーんだから」
霧子「教室内に、【他に凶器になりそうなものはない】し……」
霧子「犯人さんは、近くにあった机を選んだんじゃないかな……」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
樹里「うーん、その音はアタシも聞いたけど、それだけじゃ現場の状況はわかんねーな」
樹里「殴ったことを否定すんなら殴ってない証拠とかはないのか?」
(そうか……現場に残っていた【殴っていない証拠】……)
(確か【死体周辺】を調べた時に、ただ殴っただけじゃつかない【痕跡】があるってやり取りをしたんだったっけ……)
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【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【床のへこみ】
‣【食堂で聞いた音】
雛菜「殺害方法から考えるって言っても~」
雛菜「透先輩は【撲殺】されたんですよね~?」
智代子「透ちゃんの撲殺は、何か変わった点があったのかな」
樹里「【机を使って殴った】んだろ?」
樹里「別に机自体は普通だしな……」
甜花「机だと、クリティカル率が高く設定されてるとか……?」
樹里「おいおい、ゲームじゃねーんだから」
霧子「教室内に、【他に凶器になりそうなものはない】し……」
霧子「犯人さんは、近くにあった机を選んだんじゃないかな……」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
【机を使って殴った】に【床のへこみ】かな?
絶妙に「これダメなのか……」感のある外れ出しちゃうのロンパ感ある
灯織「それは違います!」
【BLEAK!】
灯織「机を使って殴った……本当にそうなのかな」
樹里「えっ?」
灯織「浅倉さんの死体付近にあった床のへこみ……あれって机が落下した時の凹みだよね」
愛依「それなら投げたりしても凹むんじゃね?」
円香「……違う、あれは相当な溝になってた。それこそ垂直に落下でもしない限りできない深さ」
真乃「ほわ……じゃあ犯人は透ちゃんの頭に向けて垂直に机を落としたってことなのかな?」
灯織「うん、そうなると思う」
めぐる「……ん?それっておかしくない?机を透の頭に落とすんだったら犯人は透よりも大きくなきゃいけないよね?」
凛世「殺害ともなると、ただ背が高いだけではなりません……」
凛世「透さんよりも、相当背が高くなければ……」
甘奈「透ちゃんの身長は……160cmだったよね」
甘奈「透ちゃんより大きいのは樹里ちゃん、霧子ちゃん、摩美々ちゃん、愛依ちゃん、雛菜ちゃん、咲耶ちゃんだよね」
摩美々「一番大きな咲耶でも175cm……透の脳天に垂直に机を落とすには無理があるでしょ」
霧子「身長が3mぐらいないと……机を垂直に落として殺害は、できないよね……」
智代子「そんなの巨人だよ!?」
甜花「どこかの研究所から、タイラントが逃げ出して……」
小糸「た、タイラント……」
摩美々「……」
摩美々「まあどうあれ、現実的じゃないんじゃなーい?」
(確かに、私たちの身長の範囲では浅倉さんの脳天めがけて垂直に机を落とす芸当は不可能だ)
(でも、それは透さんも立っていた場合だ。浅倉さんが机が落下した時に立っていなかった可能性を提示できれば……)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【頭部付近の血痕】
‣【モノクマファイル1】
‣【愛依の怪我】
樹里「犯人は【垂直に】机を透の頭に落とした……」
雛菜「透先輩は身長が160cmだから~」
霧子「犯人は3m近い巨人さんだね……」
咲耶「私たちの身長から考えてみても……」
咲耶「【立ったまま】の透に垂直に机を落とすなんて不可能じゃないかい?」
甜花「逆転の発想……」
甜花「浅倉さんが、【机に垂直に落下した】可能性……」
愛依「バンユーインリョクって奴?」
智代子「物理法則を無視しすぎだよ?!」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BLEAK!】
灯織「立ったままの浅倉さんに机を垂直に落とす……それは現状不可能でしょう」
真乃「ほわ……灯織ちゃん?!」
灯織「でも、浅倉さんが立っていなかったら?」
甘奈「立ってなかった?!」
咲耶「確かに現場の透の死体は寝そべっていたけど……殺害の瞬間もそうだったとは限らないんじゃないかい?」
灯織「いえ、殺害の瞬間もやはり浅倉さんは寝そべっていたんです」
灯織「浅倉さんの遺体を起こした時、頭部を縁取るような形で血痕が床に付着していたんです」
円香「机がぶつかって頭の皮膚が裂けて流血……滴った血液は頭伝いに床まで垂れる」
円香「透がねそべっていたなら床と頭の接触面は血がつかなくなる」
めぐる「そういえばそうだった!」
めぐる「現場の血痕はそこだけポッカリと空いてたよ!」
小糸「じ、じゃあ……透ちゃんは床に寝そべってるところを襲われたんだ……」
智代子「ん?でもそれっておかしくないかな」
智代子「普通自分が寝転んでるところに机が落ちて来たなら抵抗とかするんじゃない?」
樹里「……チョコ、お前現場は?」
智代子「え、えへへ……気が引けて……」
樹里「灯織、教えてやってくれ」
灯織「うん……」
(机の落下時、浅倉さんは抵抗できない状態にあった……その証拠もあったはず)
【正しいコトダマを指摘しろ!】
コトダマ>>228~>>230
↓1
【モノクマファイル1】
灯織「これです!」
【解!】
灯織「浅倉さんは手足を拘束されて身動きの取れない状態だったんだよ」
智代子「えっ?!」
灯織「手足に付けられた拘束具……これじゃ抵抗しようにもできないよね?」
智代子「ほ、ほんとだ……!」
樹里「現場を見れば一発だよ……あんな真似しやがって……犯人め、殺意がむき出しだぜ」
摩美々「モノクマファイルすら見てないのー?」
智代子「え、えへへ……」
真乃「さらに透ちゃんは猿轡もかまされてて……」
真乃「助けを呼ぼうにも呼べない状態だったんだと思う……」
円香「……許せない」
円香「今この場にいる犯人、判明し次第……わかってるよね?」
(うう……樋口さんの気迫、本当に危害を加えかねない……)
凛世「しかし、これでは議論は振出しに戻ってしまいます……」
真乃「うん……判明したのは殺害方法だけだから、犯人につながる手掛かりがないね……」
甘奈「うーん……」
咲耶「どうしたんだい?甘奈」
咲耶「何か疑問点があるなら気軽に共有してくれるかい?」
甘奈「うん、単純な疑問なんだけど……」
甘奈「机を落として殺害……なんて方法をしたらものすごい音が鳴ってバレたりしないのかな?」
灯織「……え?」
円香「刃物じゃないから透に落下したらそのまま刺さったりするはずない」
円香「透の頭からバウンドして床にぶつかった音が少なからず鳴ってたはず」
甘奈「そう、甘奈が言いたかったのはそういうこと!」
真乃「音……」
灯織「……」
(私たちは、知っている……)
(食堂にまで響いた、あの音は、もしかして……)
【正しいコトダマを指摘しろ!】
コトダマ>>228~>>230
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「……朝時間になって、私たちイルミネと、咲耶さん霧子さん、樹里と凛世は食堂にいたんだけど」
灯織「その机が落ちた時の大きな衝撃音、聞いてるんだ」
甘奈「え?!」
咲耶「ああ、まるで金属が床に勢いよくぶつかったような乾いた音……」
咲耶「あれはまさに机と床の奏でた二重奏だったというわけだ」
めぐる「うん、わたしも聞いた!あれは死体発見の直前だったんだよね!」
甘奈「ちょっ、ちょっと待って!」
灯織「どうしたの、甘奈」
甘奈「甜花ちゃんと甘奈は二人で一緒に甜花ちゃんの部屋にいたけどそんな音聞いてないよ!」
灯織「ああ、それなら寄宿舎の個室は完全防音だったから、聞こえなかったんだと思う」
めぐる「そっか……あんなに大きな音だったのに食堂にいたわたしたちしか集まらなかったのは、みんな個室にいたからだったんだ!」
真乃「うん、そもそも音が聞こえてなかったらアナウンスまで気づくことができなかったんだよ」
霧子「確かあれは七時半、ぴったりだったよね……」
凛世「はい、食堂の時計で確認いたしましたので、間違いございません……」
樹里「……ってことは、殺害時刻もその音が鳴った瞬間」
樹里「7時30分だったってことか!?」
円香「朝早くに殊勝な殺人犯ですね、吐き気がします」
智代子「す、すさまじい憎悪!!」
雛菜「それじゃあ犯人は7時30分にアリバイがない人ってことですか~?」
咲耶「……それもそうだけど」
咲耶「……私たちは、話を聞かねばならない相手がいるようだよ」
甜花「……え?」
灯織「殺害時刻が7時30分……死体発見時刻とほぼ同時……」
灯織「だとしたら、怪しい人が一人浮上します」
智代子「え、えっ?!誰の事?!」
甘奈「音を聞いてない人はいっぱいいるよね……?」
(その人は音が鳴ったその瞬間に、現場にいたと思われる人……)
【怪しい人物を指摘しろ!】
↓1
和泉愛依
灯織「あなたしか、いません!」
【解!】
灯織「……愛依さん」
愛依「……う、うち?!」
円香「……愛依」
智代子「ステイ!円香ちゃんステイだよ!」
灯織「私たちが机の落下したと思われる音を聞いて駆けつけた時、現場にただ一人先にいたのはあなたでしたよね」
灯織「……事情を、詳しく聞かせてもらえますか」
小糸「ま、まさかの第一発見者が犯人だったパターン?!」
雛菜「割とミステリーではありがちだけどね~」
愛依「………………ちがう」
愛依「ちがう!違うって!うちはマジで知らないの!透ちゃんの死体を発見しただけだから!」
樹里「愛依、落ち着けって!別にアタシたちは愛依が犯人だって断言したわけじゃねえ!」
灯織「はい!樹里の言う通り……愛依さんは第一発見者で、殺害時刻にその現場に居合わせていた【重要参考人】というだけで……」
真乃「そ、その言い方だとあんまり変わらないよっ!灯織ちゃん!」
咲耶「愛依、君の容疑を晴らす場合でも君の話を私たちは聞かなくちゃならないんだ」
凛世「はい、凛世も……死体発見時の詳しいお話を、伺いたく存じます……」
灯織「愛依さん、真犯人を発見するためなんです。ご説明願えますか?」
愛依「…………」
めぐる「愛依!お願い!」
愛依「……わかった」
(今一番怪しいのは愛依さん……これは否定しようがない……)
(まずは愛依さんの証言から真実を見つけ出すんだ!)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【甜花の証言】
‣【食堂の包丁】
‣【目覚まし時計】
愛依「そもそも始まりは夜時間、自分の部屋で……」
愛依「うちは【7時20分に1-B教室】に呼び出されてたんだよね」
愛依「誰にも言わず一人で……って書かれたメモがドア下から投げ込まれたんだよね」
愛依「そんで【教室にいた】んだけど」
愛依「なかなか誰も来ないしなにも聞こえても来ないし」
愛依「めっちゃ静かでなんか変だなーって思ってたんだけど」
愛依「突然【隣の教室から机が落ちる音がした】からあわてて駆け付けたの!」
愛依「だからうちはマジで関係ないの!透ちゃんの殺人にはムカンケー!」
円香「……証言次第で覚悟しておいてよ」
智代子「円香ちゃん、一緒に深呼吸しない?!」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BLEAK!】
灯織「机が落ちる音がして教室に駆け付けた……それは本当ですか?」
愛依「うん!だからうちが教室に行ったときには既に……」
灯織「それは、違うんです」
愛依「……え?!」
灯織「事件現場に残されてた目覚まし時計、このアラーム機能は7時25分。机が落下した時間より早くに設定されていたんです」
愛依「なっ……マジ?!」
摩美々「つまり時計がずれたりしてない限りは絶対先に目覚ましが鳴ってたことになるんだよねー」
めぐる「モノクマ!時計って……!」
モノクマ「学校内の時計はすべて、電波時計を採用しております!」
モノクマ「寸分たりとも誤差なく正確な時刻を刻む時計だよ、オマエラに渡した目覚まし時計も同様にね!」
灯織「……らしいです、愛依さん」
愛依「い、いや……それは……そう!教室も寄宿舎の個室と同じで完全防音だったから気づかんかったの!」
円香「だとしたらなんで机の落ちる音は聞こえたわけ?」
愛依「……!」
灯織「愛依さんは今『何も聞こえなかったところに突然机の落ちる音がして』と言いました……でも、それはあり得ないんです」
愛依「……や、その……」
円香「まさか忘れてた、なんていうつもり?」
円香「今朝の出来事、しかも死体発見なんてインパクトある出来事で記憶違いをするとは思えないけど?」
愛依「……うっ」
咲耶「愛依、本当のことを話してくれないかい?」
愛依「…………うん。嘘ついた」
樹里「愛依……なんで嘘なんか!」
愛依「目覚ましの音が聞こえてうちは1-Aに行ったよ、でもそれだけだから……うちはそれ以上……」
円香「違う」
(……え?)
円香「まだ隠してることがあるでしょ?……ウソなんてつくの慣れてないくせに、バレバレ」
愛依「……違う!うちはマジでこれ以上は!」
円香「ならもう一度証言して、そこでその矛盾を明らかにするから」
(……愛依さんが隠している矛盾?)
(もう一度、愛依さんの証言に耳を傾けよう。そこに隠された真実が……)
(たとえ残酷な現実でも!)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【目覚まし時計】
‣【愛依の怪我】
‣【食堂で聞いた音】
愛依「うん……うちは【目覚ましの音を聞いて】1-Aに行ったよ」
愛依「でも、それだけだから!」
愛依「教室についたら【既に透ちゃんに机が落っこちてて】」
愛依「透ちゃんは【死んじゃってた】んだよ……」
愛依「そこに灯織ちゃんたちが集まってきて」
愛依「うちはそれ以降死体にも触れてないし、マジで無関係なんだって!」
愛依「お願い信じて!」
円香「……はぁ」
愛依「円香ちゃんのため息めっちゃ怖いんだけど?!」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
【既に透ちゃんに机が落っこちてて】に【食堂で聞いた音】
灯織「それは違います!」
【BLEAK!】
灯織「愛依さんが教室についていたときに、すでに机が落っこちていた……それはあり得ないんです」
愛依「えっ……?!な、なんで?!」
灯織「もしも机がすでに落っこちていたとしたら私たちの聞いた音の説明がつきません」
愛依「……やばっ!」
咲耶「私たちはあの音が聞こえたからこそ現場に駆け付けたのだからね」
灯織「あの音が机の落下音以外だというなら、その可能性を示してもらえませんか?」
愛依「…………」
摩美々「だんまりってことは認めたってことでいいのー?」
愛依「うちは……うちは……」
摩美々「今の話を総合すると、愛依が目覚ましの音を聞いて1-Bから1-Aに移動して、そこで机が落下したんだねー」
小糸「じゃ、じゃあ……殺害現場に、和泉さんは居合わせていたってこと……?」
灯織「机が落下した時に、その場にいたのは間違いない、と思う……」
灯織「愛依さん……お願いです、教えてもらえませんか?」
灯織「あの時、教室で何があったのかを」
愛依「……うちは、本当に目覚ましの音が聞こえたから教室に向かっただけで」
摩美々「……愛依―?」
愛依「したら、扉を開けた瞬間……」
愛依「うちの目の前に机が降ってきたの」
甘奈「机が……」
智代子「降ってきた?!?!?!」
愛依「本当にそうしか言いようがないんだって!うちは扉を開ける以外は何もしてない!」
愛依「目の前に机が急に現れたから驚いて目をつむっちゃって!」
愛依「目を開けたら透ちゃんが下敷きに……!」
愛依「これはなんも嘘ついてないから!うちはマジでなんも知らない!ムカンケーだから!」
円香「…………」
(いや……これは、違う……)
(今の愛依さんの話は、むしろ…………)
(愛依さんにとって、私たちにとって、何よりも残酷な事実を示しているんじゃない……?)
円香「……モノクマ、一つ聞いてもいい?」
モノクマ「ん?どうしたの?」
円香「例えば……誰かが作動した瞬間別の誰かを殺害するトラップを作った場合、クロになるのはそのトラップを作った人間?それともそのトラップを作動させた人間?」
(……!?)
小糸「ま、円香ちゃん!?」
モノクマ「ふむふむ……面白い疑問だね。お答えしましょう!」
モノクマ「その場合、クロになるのはトラップを作動させた側の人間です!当然だよね、自分の行動で人が命を落としてるんだから!」
円香「……なるほど、ありがとうございます」
円香「なら、クロはもう決まった」
(……え?)
円香「愛依、今回のクロはあなたしかいないのでは?」
愛依「ええええええっ?!いや、ちがう!違うんだって!マジで!」
円香「本人にその意識はないかもしれない……けど、さっきのモノクマの回答からすれば愛依がクロになるはず」
愛依「そんな……ウソだって、ありえない系!?」
(……今のモノクマの話……それに愛依さんの証言)
(円香さんが言おうとしているのは、そういうことだ……)
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【食堂で聞いた音】
‣【紐】
‣【目覚まし時計】
愛依「ちょい待ち!うちはマジで知らないんだって!」
円香「知っているか否かは関係ない」
円香「愛依が【扉を開けた瞬間に】机が透の上に落ちて来た……」
円香「机が凶器である以上、そのクロは愛依になる」
愛依「いやいや……うちが扉を開けたのと机が落ちたタイミングは……」
愛依「【偶然】!たまたま一致しただけなんだって!」
愛依「うちはマジで知らないから!」
咲耶「……嵌められたね」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BLEAK!】
灯織「……愛依さん、扉を開けた瞬間机が落ちて来た……それはやっぱり偶然ではないですよ」
愛依「そんな……!」
灯織「教室の外側のドアノブに括りつけられていた紐です。これを使えば、愛依さんの言う偶然が必然になるんです」
灯織「教室の扉はスライド式。外側のドアノブと机の脚とを紐で結んでおくんです」
甘奈「そんな状態で扉を開けたら……」
甜花「机が、落っこちちゃう……!」
愛依「……じゃあうちが見た、降ってきた机ってのは」
摩美々「愛依が引っ張って落っことした机だったんだねー」
愛依「そん、な……」
凛世「落下した机はその勢いのまま、透さんの頭に衝突……」
凛世「透さんは、そのまま命を落としてしまわれた……」
愛依「でも、うちはそんな仕掛けなんか……」
円香「さっきのモノクマの話」
円香「クロは仕掛けを作った人間じゃない、作動させた人間」
愛依「……っ!」
めぐる「愛依は、他の誰かに……クロにさせられたの……!?」
智代子「そんな……!!」
モノクマ「あら?もう結論出ちゃった感じですか?これ」
モノクマ「思ってたより早かったですね、なかなか優秀な探偵たちがお揃いな様子で!」
モノクマ「どこぞの年増ばかりの探偵事務所も見習ってほしいものですね!」
(……でも、これで本当にいいのかな……?愛依さんが嵌められて、トラップを作動させて、透さんを殺してしまった…………)
(筋は通っているし、私たちが目撃した現場にも矛盾は……ない)
灯織「ちょっといいですか?!」
モノクマ「ん?」
灯織「その、このままで本当に、いいんでしょうか……?」
(私はまだ、納得がいかない……!!)
愛依「……えっ?」
灯織「……この学級裁判は私たちの命が懸かっています。それに、真実を解明しなければ、亡くなってしまった浅倉さんの遺志を私たちが無碍にすることになってしまいます」
灯織「もう少し、議論をさせてもらっても……!」
樹里「……でもよ、透を殺害した仕掛けはわかった。それに愛依が引っ掛かってしまったことは否定のしようがねー」
樹里「その仕掛けを作った奴は許せねえけどその手がかりもない……」
樹里「どうすりゃいいんだよ!」
(それはそうだ……愛依さんより先に教室に誰かが訪れたことを指し示す証拠があるなら覆せるけど、そんなものもない)
(愛依さんが仕掛けを作動させたことは今更疑いようがないんだ)
摩美々「愛依が仕掛けを作動させたことは間違いないケド」
摩美々「本当にそれで透は死んだのかなー?」
円香「…………は?」
雛菜「それ、どういう意味ですか~?」
霧子「摩美々ちゃん……透ちゃんは、本当に……」
摩美々「別に透が死んでないなんて言うんじゃなくてー」
摩美々「逆に透が仕掛けで机を落とされるより前に死んでた可能性はないのー?」
(仕掛けよりも、前に死んでいた……?)
(そんなこれまでの議論を根底から覆すような話……)
(もしそれが本当なら、愛依さんはクロでなくなって……)
(この学級裁判は、どこに向かっていくんだろう……?)
【学級裁判 中断!】
今回の更新はここまでです。
ロンパSSは初挑戦なので出題の意図が分かりづらい部分もあったかと思います、申し訳ない…
安価も直下だと回答しづらいとかありますかね?
参加者さんが少数なので進行速度を維持するためにも直下のまま次回は更新する予定ですが、
都合が悪ければ別途考慮します。
次回更新は近いうちに。またのご参加よろしくお願いします。
それではおやすみなさい……
乙
直下で安価取りたくない(参加者で意見交換したい)場合はこっちで【雑談】とか付ければいいかなと
そういえば死亡推定時刻は提示されてなかったわね
ところで2回ミスってるけど何回ミスったらゲームオーバーとかあるのカナ?
皆さんありがとうございます、直下で問題なさそうなのでこのまま行こうと思います。
既に数人の方に触れていただいていますが、死亡推定時刻がモノクマファイルで書かれていないのは、
原作でもたまにある「あえてモノクマが記載していない」部分ですね。
灯織たちが食堂で音を聞いた時と犯行時刻は必ずしも同時ではない、ということです。
>>278
不正解はクリア後にもらえるモノクマメダルの量減少でカウントしています。
とはいえ劇的に減少することはないので気後れすることなく回答いただけると幸いです。
人が集まれば23時から学級裁判の続きから少し再開しようと思います…
続き楽しみ
ところで仮に死亡時についたものが乾いた血痕だったとして、死体を殴打したところで新しく血が飛び散るものかね?
どっちにしろ死体を更に痛めつけたなんてことになったら樋口がえらいことになりそうだけど
>>283
よっぽど頭の打ちどころが悪かったんでしょうね……
(展開ありきで謎は後付けなので杜撰なところはやっぱ出てきますね…申し訳ない)
それでは予定通り再開します…
【学級裁判 再開!】
摩美々「透が仕掛けの作動より先に死んでた可能性もあるんじゃないですかー?」
(摩美々さんの発言……それはこれまでの前提を根底から覆すため、考慮してこなかった可能性)
(ただ、彼女の投じたこの一石が……愛依さんを救う道筋になるかもしれない……)
(この学級裁判がどこに向かうのかはわからない、けど今は……)
(真実に近づける可能性が少しでもあるならそれに縋らないと……!)
灯織「摩美々さん、詳しく聞かせてもらえますか?」
摩美々「言葉の通りだよー、あの仕掛けは死体の透の頭上に机を落とす仕掛けだったってコト」
甘奈「確かに、仕掛けより先に透ちゃんが死んでたならクロは愛依ちゃんじゃなくなるかもしれないけど……」
甘奈「そうなったらなんでわざわざ机を落とす必要があるの?」
摩美々「それこそ愛依に容疑を擦り付けようとしただけ、とか」
摩美々「ま、あくまで可能性の一つですケドねー」
(浅倉さんが仕掛け以前に死んでいた……)
(……そう考えてみると、これまでの証拠品の意味も変わる気がする……!)
灯織「わかりました、その可能性も踏まえて議論をしてみましょう」
円香「ちょっと……本気?」
灯織「はい、少しでも可能性があるのなら、徹底的に議論をした方がいいんじゃないかと思う次第です」
凛世「本当に、そんな可能性があるのでしょうか……」
(今は私も確証は持てない、それでも……これまでに出ていた証拠も)
(【何気ない特徴がその可能性を示唆している】かもしれない……!)
(たとえば【意識があれば考えづらい特徴】とか……何か無かったかな?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【拘束具】
‣【モノクマファイル1】
‣【紐】
摩美々「本当に愛依が透を殺したの?」
愛依「うちが、やったんだよ……」
愛依「うちが【仕掛けを作動させて】……」
愛依「透ちゃんを、殺しちゃったんだよ……」
智代子「ほ、本人がこう言っちゃってるよ……」
摩美々「でもさー、【それ以前に死んでた】ならクロは愛依じゃないよねー」
めぐる「そんなの、今からわからないよ……」
めぐる「そんな可能性を示すような【証拠なんかない】し……」
樹里「いくら考えても答えのない議論じゃねーのか?」
樹里「くそっ……どうすればいいんだよ!」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
めぐる「灯織?モノクマファイルのどこにそんな可能性を示す記述があるの?」
灯織「……ごめん、ちょっと待って考え直す」
めぐる「うん、大丈夫だよ!ゆっくり、落ち着いて考えて!」
(うーん、モノクマファイルの記述……)
(死亡推定時刻が書いてないところが怪しいとは思ったけど、結局モノクマの裁量だしちょっと弱いかな……)
(物的証拠として、【浅倉さんが死んでいたなら怪しい証拠】があるような気がする……)
(もし生きていたなら、浅倉さんは素直に机の落下を素直に受け止めただろうか……?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【拘束具】
‣【モノクマファイル1】
‣【紐】
摩美々「本当に愛依が透を殺したの?」
愛依「うちが、やったんだよ……」
愛依「うちが【仕掛けを作動させて】……」
愛依「透ちゃんを、殺しちゃったんだよ……」
智代子「ほ、本人がこう言っちゃってるよ……」
摩美々「でもさー、【それ以前に死んでた】ならクロは愛依じゃないよねー」
めぐる「そんなの、今からわからないよ……」
めぐる「そんな可能性を示すような【証拠なんかない】し……」
樹里「いくら考えても答えのない議論じゃねーのか?」
樹里「くそっ……どうすればいいんだよ!」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BLEAK!】
灯織「めぐる……もしかしたら証拠が、あるかもしれない」
めぐる「……えっ?!」
灯織「浅倉さんの手足を縛ってた拘束具だよ。あれ、真乃とめぐるも確認したけど、少しも緩んでなかったよね」
真乃「……ほわっ、そういえばそうだね!」
真乃「もし透ちゃんが生きていたなら、その状態から脱するために、解こうとしたはずだよね」
灯織「そう、まったく緩んでいないってことは浅倉さんが抵抗すらしなかったってことになるんだ……」
霧子「でも、透ちゃんは生きていて……意識がなかったのかも、しれないよ……?」
小糸「あ、あれ……?でも、個室の外での就寝って駄目なんじゃ……」
樹里「気絶なら大丈夫なんじゃねーか?」
樹里「校則違反になるのは故意の居眠りだからな、誰かに意識を飛ばされでもしたらその限りじゃねーだろ」
甜花「……なるほど……あれ、だとしたら和泉さんは結局気絶してた浅倉さんを殺した可能性も、あるんじゃない……?」
灯織「いや、やっぱり浅倉さんは拘束具をつけられていた段階で既に死んでいたんだと思います」
智代子「ええっ?!」
円香「そこまで言うからには証拠もあるんでしょ?」
灯織「はい……」
(拘束具には、もう一つ怪しい点があった……!)
・猿轡が湿っていなかった
・素材が不明
・拘束が厳重過ぎた
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
(うーん、むしろ拘束の厳重さは生きていたように見せかけるためのトリックなような気もする)
(生きていたら拘束具に残された証拠のようなものもあるんじゃないかな?)
(例えば、【呼吸をしたら残るはずの証拠】がなかったとか……)
(拘束具には、もう一つ怪しい点があった……!)
・猿轡が湿っていなかった
・素材が不明
・拘束が厳重過ぎた
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
・猿轡が湿っていなかった
コトダマ説明文によると、猿轡は乾燥していない。とのことですが説明文側のミスですかね?勘違いだったらすみません
>>294
すみません、完全なミスですね……
もともと推理が飛躍気味なところですし、ここの不正解判定はなくしておきます!
-------------------------------------------------
灯織「これです!」
【解!】
灯織「手足のほかに、浅倉さんはもう一つ拘束されているところがあったんです」
甜花「そんなに……?!」
灯織「口元です、浅倉さんは猿轡も嚙まされていた……それは先ほど確認したとおりですよね」
咲耶「ああ、それだから助けを呼ぶこともできなかったんだよね?」
灯織「大事なのは、この猿轡が一切湿ってなかったところなんです」
円香「湿り……?」
霧子「そっか……生きていたら、どんな生き物でも呼吸をしてるから……その吐息に混ざってる水蒸気を布が吸っちゃうんだね……!」
灯織「モノクマファイルにも浅倉さんは長時間放置されていたと書いています……生きていたなら、何かしらの証が拘束具に残されていたんじゃないでしょうか」
【凛世「畳上水練、夢現……」反論!】
灯織「凛世……?」
凛世「存命ならば呼吸をしていたため……猿轡も湿る……」
凛世「原理は理解できますが、些か早計に思われます……」
凛世「愛依さんが机を落とした後に、猿轡をつけたとしても成立いたします故……」
愛依「ちょいちょい!そんなことしないって!」
咲耶「……確かに、猿轡の状態はあくまで私たちの主観でしかない。それで判断を下すのは危ういかもしれないね」
凛世「もっと根拠ある主張を、凛世は求めます……」
(愛依さんの仕掛けが作動していたとき、浅倉さんは既に絶命していた……)
(その推理はあっているはず!凛世にその根拠をぶつけよう……!)
-------------------------------------------------
これより反論ショーダウンが開始いたします。
基本はノンストップ議論と変わりませんが、反論ショーダウンとは言葉の刃を使った斬り合い。無論そこには切れ味が必要とされます。
ここでいう切れ味とはつまり、コンマ値でございます。一定のコンマ値をたたき出したうえで論破することが要求されます。
さあ、コンマの刃を研ぎ澄ましましょう。
-------------------------------------------------
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
≪モノクマファイル1≫
≪教室の血痕≫
≪拘束具≫
凛世「事件当時、透さんは既に亡くなっていた……」
凛世「本当にそうなのでしょうか?」
凛世「亡くなっていた根拠として挙げられた拘束具……」
凛世「手足を縛るものも……」
凛世「猿轡においても……」
凛世「あくまで主観、根拠として弱く思います……」
-------------------------------------------------
【発展!】
灯織「確かに拘束具は根拠として弱いかもしれない……」
灯織「けど愛依さんが殺していない証拠ならあるはず……!」
-------------------------------------------------
凛世「愛依さんが殺していない、証拠……」
凛世「凛世たちは、愛依さんが仕掛けを作動させた直後に居合わせました……」
凛世「透さんが事件当時、生きていたか死んでいたのか不明瞭である以上……」
凛世「愛依さんが重要な容疑者であることは疑いようのない、事実でございます……」
凛世「そもそも【あの教室で起きた事件はあの仕掛けの一度のみ】……」
凛世「愛依さんが仕掛けを作動させたときのみ、でございます……」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ30以上で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
【コンマ16】
凛世「……甘い」
凛世「灯織さん、そんな太刀筋では……届きません……」
(くっ、切れ味が足りない……!)
(矛盾は見切った、あとは切れ味だけ……!)
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
≪モノクマファイル1≫
≪教室の血痕≫
≪拘束具≫
凛世「愛依さんが殺していない、証拠……」
凛世「凛世たちは、愛依さんが仕掛けを作動させた直後に居合わせました……」
凛世「透さんが事件当時、生きていたか死んでいたのか不明瞭である以上……」
凛世「愛依さんが重要な容疑者であることは疑いようのない、事実でございます……」
凛世「そもそも【あの教室で起きた事件はあの仕掛けの一度のみ】……」
凛世「愛依さんが仕掛けを作動させたときのみ、でございます……」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ30以上で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
【コンマ57】
灯織「その推理、切らせてもらいます!」
【BLEAK!】
灯織「凛世……あの部屋で起きた事件は、一度じゃなかったんだよ」
凛世「なんと……」
灯織「あの教室には、浅倉さんが倒れていたところのほかにも隅に不自然な血痕があったんだ」
灯織「しかもその血痕は乾いていた……浅倉さんの頭の血は全く乾いていなかったのにね」
小糸「ぴぇっ?!そ、それじゃああの部屋では二回血が流れたってこと……?」
摩美々「誰かが、転んじゃったのかな……?」
灯織「いや、あの血痕はおそらく浅倉さんのもので間違いないと思います」
甜花「浅倉さんが、二回血を流してたの……?」
樹里「おいおい、透が事件よりも前に怪我してたって……どうしてわかるんだよ!」
(その証拠なら、ある……発見当時浅倉さんは横這いになってたから分かりづらかったけど……)
(あの痕跡は二階殴られたことを示している……!)
【正しいコトダマを指摘しろ!】
コトダマ>>228~>>230
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「浅倉さんの遺体……その額部分にも殴られたような痕があったんです」
円香「しかもそこからも出血した痕があった。机の落下と同じくらいの程度の怪我はしたみたい」
めぐる「ううう……すっごく痛そう……」
摩美々「そういえばモノクマファイルを見てみると、透は縛られて長時間放置されていたって書いてるんだよね」
摩美々「そんなに深い傷を長時間放置すると、どうなるのかな?」
甜花「……死ん、じゃう……?」
灯織「この二つの証拠を顧みても、浅倉さんが既に亡くなっていた可能性としてはかなり高いんじゃないでしょうか……!」
愛依「えっ……ってことは……うちって……」
灯織「愛依さんは既に絶命していた遺体に机を落としてしまっただけだと私は思います!」
円香「……違った、の……?」
咲耶「少なくともその可能性は大いにあるだろうね」
真乃「ほわっ……じゃあ、あの仕掛けは……」
甜花「犯人の、偽装工作……!」
めぐる「そっか、それじゃあ犯人はもっと前に殺害してたんだ……!」
めぐる「ん?ってことは殺害したのは七時半より前で……」
霧子「私たちは、朝時間になると同時に食堂にいたから……それより前になると思うよ……!」
小糸「……あ、あの!」
愛依「ん?小糸ちゃん?」
小糸「の、ノクチルの四人は……昨日の夜は、夜時間までずっと一緒だったので……透ちゃんは少なくとも十時までは生きてました……!」
雛菜「透先輩の部屋でお話ししてたんですよ~」
咲耶「となると……最後に透に会ったのは、犯人を除くとノクチルの三人が最後になるのかな?」
全員「……」
樹里「みてーだな」
めぐる「ねえねえ!透はその時何か言ってなかった?誰かに会う……とか」
雛菜「特になかったよね~?」
小糸「う、うん……」
愛依「う~ん、さすがに一気に犯人はわかんないか~」
智代子「じゃあ殺害時刻は夜10時から朝7時までの間だね!」
智代子「……あれ?夜時間って……みんなアリバイ、ない……よね?」
凛世「またしても、振出し……で、ございます」
甜花「そんな……」
(振出しに戻ってしまった……)
(……いや、本当にそうかな。今の議論で、愛依さんの仕掛けは完全に偽装工作だったと明らかになったんだ)
(少なくとも、この情報はどこかで生きてくるはず……)
咲耶「夜時間は摩美々の提案で外出を控えるようにしていたからね、誰もアリバイが無いんじゃないかな」
甘奈「あ、アリバイなら甘奈と甜花ちゃんはあるよ!」
霧子「アリバイ……?」
甜花「うん、昨日はなーちゃんと甜花で一緒にお泊りしてたから……」
樹里「そうか……個室以外での就寝は禁じられてたけど、別に自分以外の個室でもそれは問題ないのか」
雛菜「でも、二人が共犯の可能性もありますよね~」
甘奈「ち、違うよ!そんなことない!」
愛依「ちょい待ち!そもそもこのコロシアイで共犯になる意味ってあるの?」
愛依「卒業できるのって、殺害したクロ一人っしょ?」
円香「……そこらへん、どうなんですか」
モノクマ「共犯ね……基本的にはメリットはないよ!たとえ殺害に協力しても、卒業を賭けたクロになるのは実行犯ただ一人だからね!」
灯織「……それなら、甘奈と甜花は容疑者から省いてもよさそう」
甜花「にへへ……」
樹里「でも二人絞ったぐらいじゃあんまり意味ねーんじゃねーか?」
めぐる「他にお泊り会してた人―?」
めぐる「…………いないかー」
(うーん……手がかりがない、か……何か無いのかな……クロにつながるような道筋は……)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
‣【甜花の証言】
‣【掃除当番】
‣【頭部付近の血痕】
凛世「推理は振出しに戻ってしまいました……」
甘奈「事件が起きたのは夜時間……」
甜花「甜花となーちゃん以外には、アリバイもない……」
小糸「わ、わたしたちも……透ちゃんを殺す動機なんかないよ!」
摩美々「……感情論は持ち込まない方がいいのでー」
雛菜「何か手掛かりになるものとかないんですか~?」
雛菜「【透先輩を見た人】とか~」
雛菜「【怪しい人物を見た人】とか~」
雛菜「【犯行現場を目撃しちゃった人】とか!」
小糸「そ、そんな人……いない……ですよね……!」
【正しい発言に正しいコトダマで同意しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それに賛成です!」
【同意!】
灯織「怪しい人物……そういえばその目撃証言がありました」
愛依「マジ?!お手柄じゃん灯織ちゃん!」
灯織「いえ、お手柄なのは私ではなく……甜花です」
甜花「えっ……?!」
甘奈「もしかして、甘奈も一緒に見たやつ……?」
咲耶「話してもらえるかな?」
甜花「う、うん……」
甜花「なーちゃんと一緒のお泊り会の途中で、どうしても甜花がトイレに行きたくなって……」
甜花「一人じゃ心細いからなーちゃんにもついてもらって寄宿舎のトイレに行ったんだけど……」
甜花「その帰り道、甜花たちは見ちゃったの……真っ白なお化け……!」
円香「…………」
甜花「…………おしまい」
樹里「……って終わりかよ!」
樹里「おいおい!今の話が目撃証言なのか?!」
灯織「落ち着いて、樹里……確かに今の話だけだと素っ頓狂に感じるかもしれないけど、これが事件に関係してるかもしれない証拠もあるの」
(そう、お化けなんて実在しない……だから二人が見たのは、お化けに見えるような何か、だったんだと思う)
(そのなにかも……私は知っている)
【正しいコトダマを指摘しろ!】
コトダマ>>228~>>230
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「ランドリーの洗濯機に放り込まれていたシーツ……二人はこれを運んでいるのを幽霊と見間違えたんじゃないかな」
甜花「……あ!確かに、同じ色……」
霧子「頭からシーツをかぶったら、幽霊さんみたいだね……」
凛世「ですが、シーツが事件にどう関係しているのでしょうか……?」
愛依「事件現場にシーツとかあったっけ?」
灯織「あったんです」
愛依「あったっけ?!」
(そう、あれはもともとシーツだったんだ……)
【正しいコトダマを指摘しろ!】
コトダマ>>228~>>230
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「透さんを縛っていた拘束具、あれに既視感を感じていたんですが……ほら、シーツと素材が一緒ですよね?」
智代子「ホントだ!確かに手触りとかが一緒だよ!」
灯織「しかもこちらのシーツにも引き裂かれたような跡がある。もともと同じ一枚の布だった証拠じゃないかな?」
甜花「ほ、ほんとだ……クラフト素材だったんだ……」
灯織「さらに、ランドリーに入れただけで洗濯機はまわしてなかったみたいだから……」
灯織「ほら!シーツの隅に血が付着してる……事件に関係してる証拠だと思う」
智代子「でもうっかり屋さんの犯人だよね!」
樹里「ん?どういうことだよ」
智代子「だってすぐそこにトラッシュルームがあるでしょ?焼却炉で燃やしちゃえば証拠は残らないよね?」
樹里「確かにな……透の部屋に戻るのを見られたくなかったにしても、トラッシュルームもランドリーと同様に個人の部屋とはまた離れたところにある」
樹里「燃やしちまえばよかったのに、なんで燃やさなかったんだ?」
灯織「ああ……それなら……」
(燃やせなかった理由は、あれのことだよね……)
【正しいコトダマを指摘しろ!】
コトダマ>>228~>>230
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「掃除当番……トラッシュルームを開けられるのは、毎週特定の一人に限られるんだって」
樹里「え?そうなのか?」
雛菜「は~い!今週の掃除当番は雛菜で~す!」
灯織「そう、シーツを隠滅するには市川さんを起こすしかなかったんです」
雛菜「もちろん雛菜は起こされてないですよ~?」
咲耶「それはつまり……逆説的に言えば雛菜は犯人ではない、ということかい?」
樹里「まあノクチルの中でコロシアイに発展したとは考えづらいしな」
甘奈「そっか……じゃあ甘奈たちが見たのは、透ちゃんを拘束するための道具を持ち出している最中のところだったんだ……」
甜花「あぅ……でも、肝心の、その人の特徴まではわからない……」
愛依「ん……?待って!犯人はシーツを持ち出したってことだったら……自分の部屋にシーツが無い人が犯人ってことじゃない?!」
摩美々「犯人なら普通透から鍵を奪って透の部屋のシーツを使うと思いまーす」
愛依「あー……そっか、ごめん」
霧子「シーツの出元は、わからないのかな……」
甘奈「ごめん、犯人がどこの部屋から出て来たかは見てないや……」
摩美々「でも、それを見た時間で犯行時刻をある程度絞り込めるんじゃない?」
摩美々「シーツが透のだと仮定して、だけど……殺害後しかシーツは持ち出せないわけだしー」
真乃「ほわっ……確かに……!」
灯織「……ねえ二人とも、そのお化けを見たのっていつ頃なのかな」
甘奈「えーっと……確か、十二時過ぎだったよね?」
甜花「うん……そう思う……」
智代子「よし!それなら犯人は十二時前後でアリバイが無い人なんだね!」
樹里「だからそれはほぼ全員なんだっての……」
凛世「他に何か、手掛かりは……無いのでしょうか……」
めぐる「うーん……手がかり手がかり……」
甘奈「ねえ、手掛かりが見つからないなら、一回事件を整理してみない?」
灯織「整理?」
甘奈「うん、これまでに集めた情報を振り返ることで新しいものが見えてきたり……しないかな?」
愛依「うち賛成!しょーじきもう全然ついていけてないから!」
樹里「胸を張って言うことか?」
円香「……いいと思う、透を殺した犯人を特定するため」
円香「それならどれだけ時間をかけても構わない」
小糸「ま、円香ちゃん……」
咲耶「そうだね、それじゃあ事件を振り返ることにしよう」
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
‣【目覚まし時計】
‣【愛依の怪我】
‣【頭部付近の血痕】
めぐる「事件が起きたのは、【夜時間の十二時前後】……」
甘奈「甘奈と甜花ちゃんで、【シーツを運ぶ犯人を目撃した】んだよね☆」
摩美々「夜時間にそれ以上の手掛かりはなくてー」
智代子「事件が次に動くのは【朝の7時20分】からだね!」
愛依「うちが1-Bに呼ばれて……」
愛依「で、待ってたら【目覚ましが鳴った】から1-Aにチョッコー」
雛菜「仕掛けが作動して透先輩に机が落っこちたんですよね~」
霧子「でも、これは犯人さんの【偽装工作】……」
小糸「せ、せっかちな和泉さんなら【勢いよく開けてくれる】と思ったんだね!」
めぐる「愛依、いっつも元気もりもりだからね!」
愛依「アッハハ!めぐるちゃんがそれ言う~?」
【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BLEAK!】
灯織「いえ……愛依さんは事件当時、というか今も……扉を勢いよく開けることなんてできないはずだったんです」
小糸「ぴぇっ……?!な、なんで…………」
真乃「灯織ちゃん?どういう意味なのかな」
灯織「うん、真乃は知らないと思うんだけど……昨日めぐるたちが参加した球技大会で愛依さんは肩が軽い脱臼状態になってるんだよね」
雛菜「え~、大丈夫ですか~?」
愛依「うん、まあダイジョブダイジョブ!ありがとね!」
真乃「肩が脱臼……?」
灯織「そう、むしろ愛依さんは罪を擦り付ける相手としては本来むしろ不適切ですらあるんだよね」
摩美々「ずっと引っかかってたのはそこだったんだー」
摩美々「そもそも愛依が罪を擦り付ける側だとしたらあの偽装工作って不可解な点が多いんだよねー」
摩美々「透を殴打した風に見せたいのに、どう考えても愛依には脱臼があるから不可能だしー」
摩美々「教室の扉を開けた瞬間する発動するトラップの作動要因なら、少なくとも怪我してる愛依は避けるでしょー」
樹里「確かに……そもそも紐で机と括りつけられて重たくなってる扉を、脱臼のせいで開けれない可能性すらあるしな」
めぐる「扉を開けるときに、肩が痛いから別の人を呼んで開けてもらったり、とかされても困るもんね!」
灯織「もしかして、犯人は肩の脱臼のことを知らなかったんじゃないのかな」
咲耶「脱臼のことを知らなかった人間、か……」
愛依「少なくとも球技大会に参加してたメンバーは違うかんね」
樹里「じゃあめぐる、咲耶、アタシ、凛世、チョコ、愛依辺りは切っていいのか?」
咲耶「うん、愛依の脱臼は私たちの目の前で起きたからね……」
咲耶「今思い出しても胸が痛む光景だったよ……どうして、私は愛依を守ることができなかったんだ……!」
めぐる「それと灯織もだよ!」
めぐる「球技大会後、食堂でお話ししてた時に灯織とは話したんだ!」
霧子「あと、わたしは愛依ちゃんの治療をして……その時、摩美々ちゃんも一緒だったから……」
摩美々「うん、霧子と一緒だったから実際愛依にも会ったしねー」
摩美々「愛依、あれ以降誰かに話したりしたー?」
愛依「や……朝教室に行くまでは誰とも会ってない系!」
智代子「じゃあ残るのは……真乃ちゃん、甘奈ちゃん、甜花ちゃん、円香ちゃん、雛菜ちゃん、小糸ちゃん……?」
凛世「甘奈さんと甜花さんは、アリバイがございますから……そこからさらに抜けてしまいます」
甜花「掃除当番の話で、市川さんも……」
霧子「じゃあ、残るのは……」
樹里「真乃、円香、小糸……?」
(…………え?)
(…………真乃が、犯人候補……?)
灯織「い、いや!ちょっと待ってください!」
めぐる「ち、ちがうよ!そんな……そんな……!」
灯織「今の話は結局私の推論でしかありませんし……!」
摩美々「ちょっと灯織、そんなにコロコロ主張を変えられたら困るんだケドー?」
灯織「実際愛依さんは脱臼した右腕で扉を開けて仕掛けを作動させてるんですし、何も問題はないじゃないですか!」
摩美々「それは結果論でしょー?」
めぐる「ま、真乃もホントは脱臼のこと知ってたんだよ!わたしが後でお話しして……」
摩美々「めぐるさー、それ本当の話?」
めぐる「も、もちろんだよ!だって真乃が犯人なわけ……」
摩美々「もし、嘘の話なら……めぐるはここにいる全員を裏切ることになるわけなんだケド、自信をもって、胸を張って、本当の話だって言える?」
めぐる「え、あ、そ、その……」
摩美々「大体さっきも真乃は愛依の脱臼の話が出た時動揺してたの、私たち全員が見てるからねー」
真乃「…………」
(真乃……!どうして何も言わないの……?)
咲耶「みんな、少し落ち着こう」
摩美々「……咲耶」
咲耶「まだ、完全な証拠も出ていない……あくまで犯人は、愛依の脱臼を知らない可能性が高い、という域を出ない議論なんだ」
咲耶「結論を急ぎすぎない方がいいんじゃないかい?」
(真乃が犯人なわけない……だったら、どうにかして私が)
(摩美々さんたちを納得させないと……!)
甘奈「でも、脱臼の話を抜きにしちゃうと、アリバイのない人だらけに戻っちゃうよね……」
甘奈「うーん……どうやって絞ればいいのかな」
凛世「犯人像を考えてみるのは、いかがでしょうか……」
愛依「犯人像?」
凛世「はい……誰なら犯行が可能か、ではなく……犯人は、どんな特徴があるか……でございます」
咲耶「確かに一度俯瞰的にとらえなおしてみるのもいいかもしれないね」
咲耶「裁判開始前とは違い、教室では二回の事件が起きていたことが明らかになったんだ。そうなると証拠の持つ意味も変わってくるのかもしれないね」
(意味が、変わってくる……?)
摩美々「無関係に思えたものが、そうじゃなかったりとかねー」
(そんなものが、あるだろうか……)
【正しいコトダマを指摘しろ!】
コトダマ>>228~>>230
↓1
灯織「これです!」
【解!)
灯織「現場に落ちていた、プラスチック片……ですか?」
雛菜「あは~?」
灯織「透さんの遺体とはまた、離れたところに落ちていたものです。現場の状況と一致する者もなかったので……ただのゴミかと思っていたんですが……もしかしてこれも、何か意味があるんでしょうか」
摩美々「……これ、甘奈何かわからない?」
甘奈「え?甘奈?」
甘奈「うーん……あっ!」
愛依「マジ?!わかったん?!」
甘奈「違ったらごめんね、多分これ、ネイルチップだと思う!」
灯織「ネイルチップ……?」
甘奈「うん、表面の水色にラメが入ってるでしょ?その裏に接着剤使ったみたいな痕があるから……もともと誰かがネイルに使ってたものなんじゃないかな」
樹里「おいおい!すげえヒントじゃねーか!」
霧子「それじゃあ……このネイルを持っていた人が、犯人さん……?」
(えっ……?)
凛世「ねいるを、日常的に使っている方は……限られます……」
灯織「……!!」
めぐる「イルミネは違うよ!」
めぐる「ステージに立つときも、そんなに付けない……真乃も一緒だよ!」
灯織「うん!犯人はつけ爪をしていた……なら、真乃は違う!」
真乃「…………」
甜花「うん……真乃ちゃんは、ネイルはしてるイメージ無いから……!」
(やった……!これで真乃の容疑は払しょくできた……!)
摩美々「…………」
摩美々「そのネイルチップ、私のですねー」
円香「…………は?」
灯織「……えっ?」
(ど、どういうつもりなの……?摩美々さん……?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【目覚まし時計】
‣【教室の血痕】
甘奈「あのプラスチック片はネイルチップで間違いないよ!」
摩美々「事件現場に落ちていたネイルチップ……」
摩美々「これ、【私の私物】ですねー」
雛菜「それってつまり、【現場に行った】ってことですかー?」
凛世「透さんを殴った際に、その勢いで【割れてしまった】のでしょうか……」
樹里「ここに来て自白かよ?!」
摩美々「まあ正確には、【私物だったもの】、なんですケド」
円香「……は?」
【矛盾する発言を正しい発言で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
ヒントが少なかったですね、
【矛盾する発言を正しい発言で論破しろ!】はコトダマ指定ではなく
【登場人物の発言を記憶して他の発言にぶつける】タイプの論破です!
原作で△ボタンでやるやつですね!
不正解判定はなしで続行します…
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【目覚まし時計】
‣【教室の血痕】
甘奈「あのプラスチック片はネイルチップで間違いないよ!」
摩美々「事件現場に落ちていたネイルチップ……」
摩美々「これ、【私の私物】ですねー」
雛菜「それってつまり、【現場に行った】ってことですかー?」
凛世「透さんを殴った際に、その勢いで【割れてしまった】のでしょうか……」
樹里「ここに来て自白かよ?!」
摩美々「まあ正確には、【私物だったもの】、なんですケド」
円香「……は?」
【矛盾する発言を正しい発言で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BLEAK!】
灯織「確かにそのネイルチップは摩美々さんのものなんだと思います」
灯織「ですが、摩美々さんが犯人とは考え難いです……」
雛菜「あは~?」
小糸「げ、げ、現場に証拠があるのに?!」
灯織「摩美々さんが所持しているネイル用品に、もうネイルチップは残っていないんです」
甘奈「え?でも摩美々ちゃんのネイルチップなんだよね?」
灯織「もともとはそうだったんですが……摩美々さんは別のある人にネイルチップをそのまま全部あげてしまったんです」
摩美々「ネイルグルーも持ってないから、ネイルチップをつけること自体出来ないんだよねー」
灯織「だから、摩美々さんのネイルチップをした別の誰かが、落としたとしか……」
霧子「摩美々ちゃんの、ネイル……」
咲耶「摩美々、誰にそのネイルチップを渡したんだい?」
摩美々「…………」
樹里「おい!だ、誰なんだよ!」
(…………そんな)
(摩美々さんは、最初からわかってたんだ…………)
(おそらく、プラスチック片もその正体は最初から分かっていた……)
(私は、摩美々さんの推理の補強に、使われただけ……)
樹里「早く教えろって!」
摩美々「…………」
(私も、知っている…………)
(唯一摩美々さんにネイルをしてもらい、そして愛依さんの脱臼も知らず、掃除当番でもない……その、犯人を)
【怪しい人物を指摘しろ!】
↓1
灯織「…………」
(ダメ……言いたくない、言えるわけない……!)
(どうして、どうして摩美々さんは……)
(私に友達の首に、刃を突き立てるような真似をさせるの……!?)
甜花「田中さん、忘れちゃったの……?」
摩美々「……」
円香「誰なの、言って!」
摩美々「……そっか、灯織はやっぱり優しいんだねー」
摩美々「でも、その優しさは本当に優しさなのー?私たちはいま、命を懸けた、学級裁判の途中……」
摩美々「いつまでも、いい子のままじゃダメなんじゃないのー?」
灯織「……っ!」
めぐる「ひお、り……」
灯織「私は……私は……!」
真乃「私……です……っ」
(え……?)
真乃「私が摩美々ちゃんにネイルをしてもらって……透ちゃんを殺害した、犯人だから……っ」
霧子「え……?」
甜花「真乃、ちゃん……?嘘……」
真乃「……ごめんなさい」
そう言って真乃はゆっくりと、自らの指先を、照明のもとに晒した。
その先端、爪の部分。
綺麗に彩られたネイル……しかし、一本の指だけが、不完全な状態、割れた状態のつけ爪になっていた。
真乃「これが証拠です……っ、摩美々さんにしてもらったネイルチップ……余った分は全部私が持ってます……」
摩美々「…………本当いい子ばっかりー」
真乃「夜時間になるとシャワーが出なくなるので、ネイルグルーを溶かすことが出来なくて……そのまま裁判にまでつけたまんまになっちゃいました……っ」
真乃「でも、これでわかってくれますよね……っ」
甜花「…………やだ、やだよ……」
甘奈「…………っ」
めぐる「ちがう!ちがうよ!真乃は別の人をかばってるだけなんだよ!」
(めぐる……)
めぐる「真乃が犯人なんてぜーーーーーーったい!ありえないんだから!」
凛世「……」
甘奈「……」
真乃「めぐるちゃん、ごめんねっ」
めぐる「真乃……?やだよ……なんで、なんで謝るの……?なんで!?なんで……」
真乃「……灯織ちゃんも」
灯織「真乃…………違う、違うよ」
真乃「ううん、違わない……」
真乃「私が、犯人だから……」
私は、私のことが嫌いだった。
外の世界に臆病で、世界との間に壁を作って殻に閉じこもる。
そしてそんな殻の中ですら、自分のことを肯定できない。私はどこまでも、私のことを認めていなかった。
「あっ、ごめん!自己紹介からしなきゃだよね!わたし、八宮めぐる!ふたりは?」
「さ、櫻木真乃です……よろしくお願いします」
「……風野灯織です。よろしくお願いします」
出会った頃は、緊張が抜けなかった。
アイドルという夢の舞台に踏み込んだはいいけど、それに挑むには私には勇気も自信も足りてなくて……そんな未熟な自分を痛感してまた自己嫌悪。
同じユニットを組むことになった二人に、向ける顔がなかった。
言葉足らず、口下手な私は人づきあいも苦手で……
「……今の櫻木さんは多分、ひとりで練習した方がいいと思う」
またやってしまった……
誤解を生んで、周りを傷つけて、自分が嫌いになる。
ああ、私はアイドルになっても変わることなんて出来ないんだ。
私はこれからもどこまで行っても、臆病者。
_____この殻を破るときなんて、来ないと思っていた。
「いつか、ふたりと一緒に歩けるように、私、これからも頑張るねっ」
「わたしは灯織が大好きだし、真乃だってきっとおんなじ!真面目で真っすぐで、今みたいにわたしと真乃のこと、一生懸命考えてくれる灯織が大好き!」
でも、イルミネの二人はそんな私も受け入れてくれた、肯定してくれた……隣に並ばせてくれた。
私が自分を守るために籠ってしまった殻。それすらも二人は認めてくれたんだ。
「ほわぁ……灯織ちゃんのハンバーグ、美味しいなぁ……」
「灯織の料理、すっごくおいしい!」
二人はこれまでの私では考えられないほどたくさんの、最高の思い出をくれて……
「灯織ちゃん!大丈夫、灯織ちゃんならできるよっ!」
「ファイトだよ、灯織!」
二人は私だけじゃ超えられない壁を、一緒に手をつないで乗り越えさせてくれた。
私がアイドルの風野灯織として、ここまで歩んでこれたのは真乃とめぐるというかけがえのない友達が、側にいたから。
一緒に喜び、悲しみ、悔しみ、絆を育んできたから。
一人じゃたどり着けない星空を、三人で描いてきたから。
だけど、今私は……その友達を、自分の手で殺さなくちゃいけない。
灯織「そんなの……無理だよ……」
真乃「……灯織ちゃん……?」
灯織「真乃が犯人……なんてそんなの…………認められない……」
真乃「……」
灯織「もうどうだっていい!……真乃を殺してまで……私は生きたくない!」
真乃「灯織ちゃん、私アイドルになってよかったって思ってるんだ」
灯織「真乃……?」
真乃「プロデューサーさんに出会うまで、アイドルのこともよく知らなくて……っ!初めはどうなるんだろう、私にできるかなってドキドキしてて……」
真乃「やっぱりそううまくいくことばっかりでもなくて……アイドルのお仕事ってやっぱり大変なんだよね……っ!」
真乃「でも、辞めたいとは思わなかったな……」
灯織「……っ!」
真乃「灯織ちゃんにめぐるちゃん、二人がいたから……っ!」
真乃「二人と一緒なら……どんなに大変なことでも、頑張ろうって……乗り越えようって……!一緒に輝きたいなって思えたから……っ!」
真乃「レッスンもお仕事も……すっごく、すっごく楽しくて……いつの間にか、次は何ができるのかなって……ドキドキがワクワクに変わって……っ」
真乃「新しい世界に……新しい空に出会えたんだ……っ!」
真乃「だからね、二人に今だからこそ言いたいんだ……今までありがとうって……っ!」
真乃「私ね……最初は死んじゃうのが怖くなっちゃって……それで、みんなに迷惑かけちゃった……」
真乃「いくら謝っても足りないくらいの迷惑……透ちゃん……ノクチルのみんなにはどれだけ恨まれても仕方ないよね……」
真乃「でも、これだけはホントだから……言わせてほしいの……っ」
真乃「私は、みんなを……灯織ちゃんとめぐるちゃんを犠牲にしてまで生きたくない」
灯織「そ、そんなの私だって……!」
真乃「二人はとっても優しいから……私が死んじゃったら、すごく悩んだり苦しんだりしちゃうんだよね……」
真乃「でも、二人はそれも乗り越えられる……輝きを持ってる二人だって信じてるよ……っ!」
真乃「どんなに辛いことでも、手をつないで乗り越えて来たよねっ!だから……私がいなくなっても、二人で……一緒に乗り越えて行けるって信じてるよ……っ!」
真乃「ファイトだよ!むんっ!」
灯織「真乃……」
真乃「灯織ちゃん、笑顔は無敵……だよねっ!」
灯織「…………」
(……そうはいっても無理なものは無理。私には、真乃のいない世界なんて考えられない)
(真乃を失う絶望、それを乗り越えることなんてできない)
(だから)
(その絶望も悲壮も苦悶も……そのすべてを引きずっていく……!)
(引きずって引きずって……!私がいつか輝くその時にも引きずり続ける……!)
(私は絶望の中でも……輝いて見せるから……!)
(それが真乃に思いを託される、私の義務……!)
灯織「真乃……わかった……」
真乃「灯織ちゃん……聞こえたんだね」
灯織「……うん、真乃が私に託したもの、やっとわかったから」
灯織「真乃の思いを継ぐことが……私たちの絆、私たちの輝きだから……!」
真乃「……ありがとう、灯織ちゃん」
灯織「めぐる、全部終わりにしよう」
めぐる「……灯織……?」
灯織「私たちが真乃の想いを聞かなくてどうするの?……真乃のことをこの場で誰よりも知っていて、信頼しているのは私たち」
灯織「だったら、私たちのすべきことはわかるよね?」
めぐる「……ちがう、ちがうよ灯織……!真乃が犯人だなんて前提からして違う!」
真乃「めぐるちゃん……あのね、もう一度言うからよく聞いて……っ!」
めぐる「ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがう!」
灯織「め、めぐる……」
めぐる「ちがーーーーーーーーーーーーう!!」
(……めぐるの気持ちは痛いほどにわかる)
(でも、ここで足を止めることは真乃の望むところじゃない!だから私は……)
灯織「めぐる、残酷でも私は現実をめぐるにぶつけるよ」
めぐる「……!!」
灯織「だって、それが真乃の想いだから……めぐるにも、この想いに気づいてもらわないと……!」
めぐる「なんで、灯織は真乃を犯人だって認められるの……?」
灯織「私だって信じたくはないよ……でも、信じないことは真乃を裏切ることにもなるから……!」
灯織「だから、もう逃げない!行くよ、めぐる!」
-------------------------------------------------
これより最後のぶつかり合い、パニックトークアクションが開始します。
パニックトークアクションでは灯織とぶつかり合う相手が複数の言葉の盾を引っ提げてまいります。
本家ではリズムゲーム感覚でパンパンパンとぶつかり合うわけでございますが、文字上ではそうはいきません。
そこでその盾を打ち破るために必要となるのが、運。【コンマ】のことでございますね。
盾ごとに定められた数値、防御力をコンマ値で削っていくのが目標となります。
複数回コンマ判定いたしますので【連投歓迎】でございます。
みごと0となった場合には最後の盾、【ムジュン】が現れてまいります。最後はアナグラムの要領でとどめを刺してくださいませ。
補足しておきますと、ここでもコンマの緩和はスキルで予定しております。次章以降お役立てくださいませ。
-------------------------------------------------
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
めぐる「灯織のばか!」【防御力10】
めぐる「わからない……わからないよ……」【防御力15】
めぐる「ちがうちがうちがうちがうちがうちがう!」【防御力20】
めぐる「なんでわかってくれないの……?」【防御力25】
めぐる「真乃は犯人なんかじゃない!」【防御力30】
めぐる「イルミネが、大好きだから……」【防御力35】
【盾の防御力をコンマで削り取れ!】
↓直下から六回コンマ判定
-------------------------------------------------
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
めぐる「灯織のばか!」【BLEAK!】
めぐる「わからない……わからないよ……」【BLEAK!】
めぐる「ちがうちがうちがうちがうちがうちがう!」【BLEAK!】
めぐる「なんでわかってくれないの……?」【残り防御力7】
めぐる「真乃は犯人なんかじゃない!」【BLEAK!】
めぐる「イルミネが、大好きだから……」【残り防御力7】
【盾の防御力をコンマで削り取れ!】
(あと少し……残った二枚の盾も打ち破る!)
↓直下から2回残った盾を順にコンマ判定
-------------------------------------------------
【ALL BLEAK!】
-------------------------------------------------
灯織「めぐる、聞いて……!!」
【めぐる「真乃は犯人じゃないよ!犯行現場なんかに行ってないんだから!」】
ネ/ップ/イ/ルチ
【正しい順番に並び替えて、コンマ値30以上でぶつけろ!】
↓1
-------------------------------------------------
【コンマ19】
(ダメ、これじゃめぐるには届かない……!)
(今度こそ……!)
-------------------------------------------------
灯織「めぐる、聞いて……!!」
【めぐる「真乃は犯人じゃないよ!犯行現場なんかに行ってないんだから!」】
ネ/ップ/イ/ルチ
【正しい順番に並び替えて、コンマ値30以上でぶつけろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「これで終わり……!!」
【BLEAK!】
灯織「めぐる……あのネイルチップはこの学校で真乃しか持っていないものなの。それはさっき確認したでしょ?!」
めぐる「……ううっ、ううっ」
灯織「めぐる……気持ちは痛いほどに私もわかる、前を向こうにも辛くて辛くて……そうでしょ?」
めぐる「……ううっ」
灯織「でも、私たちでこの事件は終わりにしなきゃいけない……そうでしょ?」
めぐる「……わからない、わからないよ……わたしには……」
灯織「……わかった、なら私に任せて」
灯織「私が初めからこの事件をすべて振り返って終わりにする……」
灯織「この学級裁判に終止符を打つ!」
【クライマックス推理開始!】
灯織「事件の始まりは昨晩。夜時間の事でした。待ち合わせをしていたのか、それともばったり鉢合わせたのか。それは私たちには窺い知らぬことですが、犯人と浅倉さんは二人っきりで1-A教室で邂逅していたんです」
灯織「……私たちにわかるのは結果だけ。何か争いがあったのかもしれないし、衝動的に殺意が起こったのかもしれない。だけど間違いなく言えるのは、犯人がその場で浅倉さんを撲殺したということ。浅倉さんの額めがけて真正面からの一撃。凶器には教室内にあった机を使ったと思われます。机の角にべったりと血が付着していましたしね」
灯織「犯人はよほど動転していたのか、教室の隅の乾いた血痕そして撲殺時にはがれてしまったネイルチップを現場に残したままにしています。おそらく気づくことができなかったんでしょうね。なんたって犯人にとってもこれまで経験したことのない行為、【殺人】に手を染めたんですから」
灯織「犯人は慌てて偽装工作に取り掛かります。まずは自分になんとしても容疑を向けないようにすること。そのために犯人が思いついたのは身代わり、つまり自分の代わりの犯人役を用意することだったんです。自分のアリバイが成立している時間帯にもう一度死体を使って事件を引き起こすことで、自分を安全圏にもっていこうとしたんです。
灯織「ですがここで犯人の失態があったんです。犯人役にしたのはどう考えても撲殺不可能な、怪我人の愛依さんだったんです。犯人が愛依さんの怪我を知っていたなら、こんな人生はあり得ない。この人選が結果として自分の首を絞めることになったんですから。逆に言えば愛依さんの怪我を知って、別の誰かを犯人役にしていたら展開は変わっていたかもしれません」
灯織「愛依さんを犯人にするための仕掛けは、扉を開けた瞬間に机が浅倉さんめがけて落下する仕掛け。まずは机を塔のように積み上げる。そしてその机の脚とドアノブの外側とを紐で括り付ける。あとは目覚まし時計をセットすれば完成。目覚ましの音を聞いて駆けつけた人が気づかずドアを開けてしまえば成立する、単純がゆえに厄介な仕掛けだったんです」
灯織「そして実際愛依さんは翌日、犯人の目論見通りに7時25分のアラームを聞いて部屋を慌てて開放。机が落ちる音を聞いて私たちも駆け付けた。そう、この時駆け付けた私たちにはアリバイがあり、愛依さんにはアリバイが無い。これが狙いだったんです。」
灯織「そうやって犯行時刻を誤認させ、本当の事件を隠そうとした……この事件の犯人は」
灯織「真乃……だったんだね……」
【COMPLETE!】
灯織「……これがこの事件のすべて。そうなんだよね、真乃」
真乃「灯織ちゃん……ありがとう……っ」
めぐる「ひぐっ……うっ……うっ……まのぉ……ひっく……」
咲耶「もう……間違いないんだね」
真乃「はい……灯織ちゃんが言ってくれた通りです」
樹里「……くそっ」
咲耶「……真実とは、こうも苦々しい味がするものなんだね」
円香「…………」
円香「真乃、覚悟はできてる?」
(…………っ!)
(そうだ、樋口さんは……っ!)
円香「私は情に流されない……私にとって真乃は、透を殺した仇でしかない」
小糸「ま、円香ちゃん!?」
樋口さんはいたって冷淡な口調で、それを取り出した。
甘奈「………包丁?!」
円香「宣言したはず。透を殺した人間は私がこの手で殺すって」
(そうだ……この事件において、いまだに検討されていなかった謎……)
(【食堂の包丁】……!あれを持ち出していたのは、樋口さんだったの……?!)
円香「現場に残されていた包丁、真乃が持ち込んだのか透が持ち込んだのかは知らないけど……真乃を刺し殺すにはおあつらえ向きでしょ」
モノクマ「ちょ、ちょっと何おっぱじめてるのさ!クロにはボクがおしおきするんだよ!止まりなさい!」
円香「……私がやらなきゃ意味がない」
樹里「おいっ!やべーぞ!誰か止めろ!」
真乃「……っ!」
(真乃……避けようとしてない、刺されるつもりだ……!)
樋口さんは周りのみんなの制止に耳も貸さず、裁判場の壇の上から降り、包丁片手に真乃に向って突き進む!
その足取りに一切の迷いはない……覚悟を決めている!
円香「悪いけど、死んで」
ドスッ
カランカランカラン・・・・・・
円香「……なんで?」
小糸「はぁっ……はぁっ……ダメだよ!円香ちゃん!」
樋口さんを止めたのは、福丸さんだった。
後方からの体当たりを無防備に食らった樋口さんは正面から転倒。
その手に握られていた包丁は明後日の方向に飛んでいき、カランカランという音が裁判場に響いた。
小糸「透ちゃんは……そんなの望んでないよ!」
円香「知ったこっちゃない……!私が透の仇を討ちたいだけ……!」
小糸「円香ちゃんの馬鹿!」
円香「……っ!」
小糸「円香ちゃんが櫻木さんを刺したら……円香ちゃんがクロになって死んじゃうんだよ!?わたしは……円香ちゃんに死んでほしくない……!!」
雛菜「円香先輩、雛菜も同じだよ」
円香「雛菜……」
雛菜「円香先輩も透先輩と一緒、替えの効かないたった一人の先輩だから」
円香「……生意気」
樋口さんの口角がわずかに上がったかと思うと、そのまま立ち上がり、元居た席へと戻った。
円香「……ごめん、進行の邪魔した」
智代子「い、いやー……それはいいんだけどー……」
樹里「もう、大丈夫なのか……?」
円香「……行っておくけど、真乃はこの先何があっても許さないから」
真乃「……!」
円香「……透の死、それに対するこの感情は否定なんかできないから」
真乃「……うん、そうですよね……ごめんなさ」
円香「謝らないで。謝られたら気がふれそう」
真乃「……!」
円香「ほんと滑稽……復讐すらできないで……一番愚かなのは、私……」
モノクマ「もー!樋口さん?ボクより先にクロを殺したりしたら、お仕置きどころじゃ済まさないからね!厳重注意ですよ!」
円香「……」
モノクマ「ま、終わったんだったら例の言っときます?」
小糸「れ、例の……?」
モノクマ「学級裁判といえば最後はおなじみの投票タイムだよ!オマエラはお手元のスイッチで投票してください!」
めぐる「……っ!」
灯織「……これで、本当に終わるんですね」
摩美々「……はぁ」
咲耶「終わりは、ずいぶんと虚しいものなんだね」
真乃「みなさん……私に……投票してください……っ!」
モノクマ「裁判の結果導き出したクロは正解なのか、不正解なのかー!さあ、どっちなんでしょうかね?」
-------------------------------------------------
【VOTE】
〔真乃〕〔真乃〕〔真乃〕
CONGRATULATIONS!!!!
パッパラー!!!
-------------------------------------------------
【学級裁判 閉廷!】
今回の更新はここまでです。
学級裁判パート、三等分した方が良かったですね……
思ったより後半が長くなってしまった、
ど平日に遅くまでお付き合いさせて申し訳ない……
ここ数日毎日更新していますが、3/2でいったんペースを落ち着かせますね。
おそらくまた11時から更新すると思います。
1章までは早いところ完結させておきたかったので大分急ぎ足で進めてしまいました。
次回は裁判終了パート、おしおきから始まります。
安価・コンマはないと思います。
それではおやすみなさい……
一章完結まで行きたいので余裕とって少し早めの10:45より再開します。
モノクマ「というわけで、だいせいかーい!」
モノクマ「浅倉さんを殺したクロは櫻木真乃さんでしたー!」
樹里「マジかよ……」
甜花「真乃ちゃん……どうして……」
霧子「かなしすぎるよ……」
めぐる「……うっ……うっ……」
モノクマ「ほわほわした顔のわりにえげつない真似をするモンですね!やっぱりアイドル業界って恐ろしい……恐ろしい……」
咲耶「真乃、良ければ聞かせてもらえないかな……透を殺害した、その理由を」
円香「せめてそれぐらいは聞かせてくれるでしょ?」
真乃「あ、あの……その……っ」
灯織「……真乃?」
真乃「お話ししたいんですが……ええっと……っ」
モノクマ「ん?」
モノクマ「あーそっか!校則のせいだね!」
雛菜「なんでここで校則がでてくるんですか~?」
灯織「……校則ってことは……つまり、モノクマの動機!?」
愛依「体育館の時に配られたやつ!?」
モノクマ「ザッツライ!今回櫻木さんが事件を起こしたのは、ボクが渡した動機……【自分以外の誰かの秘密】が大きく関係しているんだよね!」
モノクマ「話してもらえないと進まないよねー……もう、しょうがないなぁ」
ピピッ
【校則【7】がモノクマ学園長によって消去されました】
モノクマ「元から別に話すぐらいならオッケーなんだけど、気後れしちゃうだろうから消しておいたよ、ほら!」
真乃「は、はい……」
モノクマ「ボクは酒とばでもしゃぶってるんで、裁判を終えたピロートークを櫻木さん、どうぞー」
甘奈「最低っ……!」
真乃「さっき、モノクマが話した通りです……動機の自分以外の秘密……私は、皆さんとの約束を破ってそれを見てしまったんです……っ」
真乃「そこに書かれていたのは……透ちゃんの秘密でした……」
円香「やっぱり……」
真乃「その秘密は【浅倉透は黒幕とつながっている】でした」
灯織「!?」
円香「……は?」
樹里「はあああああああああ?!」
真乃「私も、すぐには信じられなくて……っ、本人に聞くわけにもいかないから一人で黙って背負い込んで……もやもやを抱えたままだったところに、手紙が来たんです」
咲耶「手紙、かい?」
真乃「ちょうど愛依さんに私がやったように、扉の下からメモ用紙で『深夜12時前に1-Aに来て 透』って」
灯織「え……?!」
円香「呼び出したのは、透……?」
真乃「私、そんな秘密を見たばっかりだから……怖くなって、一度は行くのをやめよう……ってそう思ったんですけど」
真乃「自分の足で進まなきゃ、何も変わらないって……自分の目で確かめないとって……っ!」
灯織「……!!」
(あのときの言葉……あれが、真乃にとってのきっかけになったの……!?)
真乃「教室には私が先について、あとから透ちゃんが来ました……っ」
-------------------------------------------------
透「真乃ちゃん、来てくれたんだ。よかった」
真乃「と、透ちゃん……?なな、なんで、呼んだのかな……?」
透「えっ……あー、話。したくてさ」
透ちゃんは異様に落ち着いていました……
深夜の時間帯、二人っきりで会うという異様な状況下でも異様なくらいに変わらなくて……っ
透「ここ、座ってよ」
そう言って透ちゃんは一つの席を指さし、自分も腰掛けようとしました。でも、その時みちゃったんです……っ、透ちゃんが包丁を隠し持っているのを……っ
透「なんかさ、こっち来てからわかんないことばっかだよね」
真乃「え……?」
透「殺すとかなんとか、知んないじゃん。そんなの」
真乃「う、うん……」
透「……でもさ、真乃ちゃん」
真乃「……え?」
透「一つだけ、気になることがあるんだ」
そういうと透ちゃんはゆっくりと立ち上がって……近づいてきて。
その瞬間、動機の話が頭をよぎりました……
もし、透ちゃんが本当に黒幕とつながっているなら、私を呼び出した意味って?
透ちゃんは武器を持っているのに、私は何も持っていない……
透ちゃんの言う気になることって……?
その瞬間、疑問は恐怖へと様変わりしました……
透ちゃんの笑顔が仮面のように見えて、裏からは殺意が滲み出ているかのように錯覚……
おかしかったのは、私のほうだったのかもしれません……っ
恐怖が堰を切ったようにあふれ出しました。
真乃「こ、来ないで……っ!」
ガンッ
恐怖で我を忘れて……
真乃「……え?」
気が付けば、目の前に透ちゃんが頭から血を流して倒れてたんです……
-------------------------------------------------
真乃「これが、あの時起きたすべてです……っ」
円香「……なにそれ」
円香「透は、あんた茫然自失だったから無罪だって主張でもしたいわけ……?」
小糸「ま、円香ちゃん……!」
灯織「……ちがう」
真乃「ひ、灯織ちゃん……?」
灯織「ふざけないで!こんなの……こんなの……許せない!」
灯織「モノクマ……こんなのあなたの言う正々堂々フェアなコロシアイなんかじゃないでしょ!」
モノクマ「へ?」
灯織「あなたは……真乃に浅倉さんが黒幕側の人間だなんて嘘の情報を流して、狂乱状態にして……それで事件を起こさせた!」
灯織「あなたがこの事件を意図的に引き起こしたクロそのものじゃないですか!」
モノクマ「おいおい、いいがかりはよし子ちゃんだよ!ボクが情報をでっち上げた?なんの根拠があって言ってるのさ!」
円香「……私は誰よりも側で、透を見て来た」
円香「ありえない。透が黒幕とつながっているなんて、絶対にありえない。私が気づかないはずがないんだから」
モノクマ「ぷひゃひゃひゃひゃ!じゃあ樋口さんの目は節穴ってことだね!」
円香「……は?」
モノクマ「ていうかさ、櫻木さんこそ嘘を言っちゃいけないよね!」
真乃「……え?」
モノクマ「櫻木さんに渡した秘密はさ、【浅倉透は黒幕と関係がある】だったよね?」
智代子「あのー、何が違うのかわからないというか……」
モノクマ「浅倉さんは百パーセント、黒幕と関係がありますよ!ボク秘蔵のハチミツに、白黒カラーのアイデンティティまで賭けてもいい!」
小糸「そ、そんなわけない!透ちゃんが黒幕とつながって……こんなコロシアイをけしかけるなんてありえないよ!」
モノクマ「……ん?」
モノクマ「ああ、なるほどね!オマエラは黒幕と関係がある人間は、コロシアイをけしかけた人間だと思ってたんだ!どおりで話が嚙み合わないわけだ!」
灯織「……え?」
モノクマ「行間を読んでほしいよね。活字を読まなくなったのか知らないけど、言わずの文意を読み解くことも日本人の心意気なんだよね」
咲耶「まどろっこしいな、結局のところ何が言いたいんだい」
モノクマ「だからー、浅倉さんが黒幕と関係あるのは間違いないよ」
モノクマ「ていうかオマエラ全員、黒幕と関係があるんだけどね!」
灯織「……は?」
甘奈「なになになになに?!何を言ってるの?!」
モノクマ「オマエラ全員黒幕と会ったことも会話したこともあるんだよね!……なんなら同じ釜の飯を食べたりもしてるんじゃない?」
凛世「仰る意味が、わかりません……」
モノクマ「はぁ……しょうがないなぁ、わかりやすくかみ砕いて教えてあげるよ!クマだけに!」
モノクマ「このコロシアイ合宿生活を開いた人間は、オマエラもよく知る人間の誰かなのです!……ま、要は事務所の誰かってことだね!」
モノクマの発する言葉……それを理解することを本能が拒絶した。
モノクマの今の言葉を受け入れることは、私たちのこれまでをすべて破壊しかねない言葉だったから。
だってモノクマの言葉が真実なら……
私たちの間の信頼、絆は……ハリボテのものだったということになってしまいかねないから。
モノクマ「ね?オマエラ全員関係があるでしょ?」
モノクマ「ていうかこの際だから言っちゃうけどさ、オマエラに渡した秘密っての全部中身は一緒だったんだよね!【別の誰かが黒幕と関係ある】……ってね!」
モノクマ「多感な時期の学生諸君は勝手に疑心暗鬼に陥りゃしないかと期待してたけど、いやー予想以上でしたね!」
真乃「……そんな、それじゃ、透ちゃんは……」
モノクマ「シロも真っ白、驚きの白さだね!なのに櫻木さんは勝手な勘繰りで無実の浅倉さんを殺しちゃってんの!」
モノクマ「そもそも浅倉さんが櫻木さんを呼び出したのもそういうことなんじゃないかな?だってさ、包丁をわざわざ忍ばせて来たんでしょ?」
モノクマ「それって黒幕側の人間と会うための護身用装備ってことじゃん!」
円香「……っ?!」
真乃「それを……私が勘違いして……?」
モノクマ「せっかちもそこまでいくと罪ですな!早とちりのせいで死んじゃうなんてとんだ無駄死にですな!アーッハッハッハッハ!」
灯織「笑わないで」
真乃「灯織ちゃん……?」
灯織「私の友達を、それ以上馬鹿にしないで」
モノクマ「……はぁ?」
考えるより先に言葉が口からとび出していた。
これはこれまでに感じたことのないほどの、怒り。
はらわたが煮えくり返るどころか、脳が沸騰しそうなまでに激昂する感情が、勝手に言葉を紡いでいく。
モノクマ「おいおい何雑魚キャラがしゃしゃってんのさ!イライラするんだけど、ムカムカするんだけど!」
灯織「あなたは許さない……私の友達をどこまでコケにすれば気がすむの」
モノクマ「悪いのは櫻木さんじゃん!ま、コロシアイ合宿生活の中では超優等生だよね!ボクの策略にまんまとはまってみんなの絆をずたずたに破壊してくれたんだから!」
灯織「それがまず間違ってるんです」
モノクマ「はあ?」
灯織「私たちの【絆】は……破壊なんかされてない!」
モノクマ「なにそれ?流石に無理があるでしょ?だって樋口さんがいい例じゃん!」
モノクマ「もう樋口さんは真乃さんのこと、殺したくて殺したくて仕方なくて……そのために包丁を現場からこっそり持ち出したんじゃん!」
灯織「あなたは【絆】というものを誤解しているんです……人と人との絆は、そう切れるものじゃない」
灯織「たとえ途中で相手が裏切ろうとも、相手が息絶えようとも、引き継がれる想い……それが【絆】なんです!」
灯織「確かに真乃も自分の罪を逃れるために偽装工作をして、愛依さんに罪を擦り付けようとまでした……けど、完全に真乃が裏切ろうとしているなら消せる証拠もいくつもあった!」
真乃「……っ!」
灯織「推理の決め手になったネイルチップだってそう!本当に裏切るつもりなら、めぐるの訪問を無視して自分の部屋でシャワーを使って剝がしてからいけばよかった!」
灯織「真乃はずっと残された私たちのことを考えて、苦しんで……変わらない真乃でいてくれたんです」
灯織「真乃は私たちに生きていく希望を託してくれたんです!」
灯織「私たちの【絆】を、馬鹿にしないでください!」
めぐる「灯織……」
モノクマ「おぇっ……おぇっ……なんだこれ、気持ち悪い……」
モノクマ「そうだ、これが胸やけってやつだね!くっさいくっさい感情論で絆なんか持ち出されたことに、胸やけがしちゃってるんだ!」
モノクマ「ま、絆がどうとかどうでもいいよ。勝手に言ってろ!」
モノクマ「ボクにはお楽しみの【おしおきタイム】が残ってるんだからね!」
めぐる「おしおきって……」
小糸「処刑……?!」
モノクマ「そうそう!今からオマエラの大好きな櫻木さんを、オマエラの前で惨たらしく殺しちゃうから!」
真乃「……っ!」
摩美々「……最悪―」
凛世「お待ちください……まだ、凛世は……真乃さんと……真乃さんと……!」
モノクマ「嫌です!待ちません!」
モノクマ「デス・オールウェイズ・ウィズ・ユー……死はいつもあなたと共にあり……突然死んじゃうのも、人生の醍醐味だよね!」
真乃「もう、お別れみたいですね……っ」
咲耶「真乃……!そんな、早すぎるよ……!」
樹里「くそっ……どうにかなんねえのかよ!?」
モノクマ「いいねえ、ゾクゾクしちゃうよ!オマエラのその顔を見るためにやってるんだよね!」
智代子「真乃ちゃん!そんな……まだ、お別れなんて嫌だよ!」
甜花「真乃ちゃん!甜花、まだ真乃ちゃんと……一緒に色々したかった……!」
霧子「真乃ちゃん……だめ……!」
モノクマ「じゃ、そろそろいきますか!」
真乃「灯織ちゃん!めぐるちゃん!」
灯織「真乃!」
めぐる「うぅ……真乃……!」
真乃「ごめんね、最後まで一緒にいられなくて……アイドルの夢を追い続けられなくて」
モノクマ「一流アイドルでありながら、動物たちにも好かれている……そんな超高校級の飼育委員たる櫻木真乃さんのために、スペシャルなおしおきを用意しました!」
真乃「でも、私二人なら頑張れる……アイドルとしてもっともっと輝けるって信じてるよ……っ!」
モノクマ「それでは張り切って参りましょう!おしおきターイム!」
真乃「灯織ちゃん……めぐるちゃん……負けちゃダメだよ!むんっ!」
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GAMEOVER
サクラギさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
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イルミネーションスターズのセンターとして活躍する櫻木真乃さん。
そんな彼女には煌びやかなステージがよく似合いますね。
さあ、モノクマPの演出の元、ステージが幕を開けますよ!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【ありったけの輝きで
超高校級の飼育委員 櫻木真乃 処刑執行】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
モノクマPの手元のマリオネット、それに連動して櫻木さんもステップステップ!
櫻木さんの素晴らしいパフォーマンスに観客たちも大熱狂!
こんなに素晴らしい櫻木さんには、こんなチンケなステージじゃあ似合いませんね。
オーディション会場、屋内ステージ、ドーム公演、野外フェス会場……
櫻木さんのパフォーマンスに合わせてどんどんステージも組み替えられていきます。
それに合わせて櫻木さんの衣装もスタイリストモノクマによってどんどん煌びやかになっていきます。
はじめはただのスパンコールだった衣装の輝きも、終わる頃には本物の宝石を散らしたドレスに!頭にもダイヤのティアラが乗ってまるでお姫様みたい!
まさにトップアイドルの輝きです!
観客たちも賛美の声を上げ、ステージのライトも一心にその身に集める櫻木さん。
でも、櫻木さんもうっかり屋さんですね。
櫻木さんの大好きなお友達の鳥さん、そのうちのカラスさんの習性を忘れちゃうなんて。
野外フェスなんだから、櫻木さんのお友達のカラスさんもやってくるに決まってるじゃないですか。
カラスさんはキラキラしたものが大好きで巣に持って帰る習性があるのです。
ステージで全身に宝石を纏う櫻木さんは格好の獲物。
カラスは櫻木さんに飛びかかり、衣装の宝石を櫻木さんの肉ごと啄み始めました。
煌びやかなドレスがカラスの黒い羽毛に埋もれてしまったかと思うと、
カラスたちは櫻木さんを
啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで
啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで
啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで
啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで
啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで
最後に1匹のカラスが、星型に加工された宝石を持って飛び去りました。
ステージ上には、無残に食い荒らされた櫻木さん【だった物】だけが、ライトに照らされていましたとさ。
めでたしめでたし。
モノクマ「ヒーハー!!やっぱりおしおきタイムはたまんないねー!!」
モノクマ「アドレナリンが、染みわたるーーーー!!!」
モノクマ「どうどう?今回はオマエラ”アイドル“にもかなりフィーチャリングしてみたんだけど?」
真乃が、死んだ。
私の目の前で、凄惨に、食い荒らされて。
ステージに並び立った彼女の姿の面影すらもう残ってはいない。
ただの死骸に、彼女は変えられてしまった。
膝の力が抜け、とめどない涙が溢れだそうとしてくる。
愛依「……マジ、ありえない……こんなの……ありえないっしょ……」
小糸「………あ……………ぁぅ」
凛世「なぜ……ここまで残酷なことをなさるのですか……?」
モノクマ「残酷?いやいや違うよ!オマエラだって歴史の授業で習ったでしょ?バビロンの時代から同害復讐は人間の原則だからね!」
モノクマ「人を殺したんなら自分も殺されてトーゼンだよね!悪いのは櫻木さんなんだから!」
樹里「お前が殺させたんだろ!」
甜花「…………ああああああ」ガクッ
甘奈「甜花ちゃん!?大丈夫?!」
モノクマ「いいねえ、いいムードだよ。オマエラの中が絶望で満たされていく、心地いいムード。こうムードがいいと、否が応にもムンムンしちゃいますな!」
モノクマ「むんっ!むんっ!……なんつって!」
樹里「どこまで馬鹿にすりゃ気が済むんだ……!」
智代子「樹里ちゃん、ダメ!手を出したら樹里ちゃんが殺されちゃう!」
灯織「樹里、落ち着いて」
……でも、涙を堪えた。
足にぐっと力込めて、歯を食いしばって、顔は上を向いて。
真乃から託されたこの遺志を、絶対に無駄にするわけにはいかないから。
灯織「モノクマ、用件が済んだならもう引っ込んで」
モノクマ「ん?今さっき大親友が処刑されたばかりの風野さんじゃん、どしたの?凹んだり吐いたりしなくて大丈夫?」
灯織「見くびらないでください!」
モノクマ「ありゃりゃ?」
灯織「真乃に預けられたこの想い……私は絶対に折れません!」
モノクマ「……雑魚キャラの覚醒イベントって普通もっと終盤じゃないの?」
灯織「……モノクマ、私は負けません。私のため……みんなのため……犠牲になった二人のためにも」
モノクマ「ふーん……ま、言うだけなら勝手だからね。それをわざわざボクも咎めたりしないよ。せいぜい分不相応な勇気を振りかざすといいさ」
灯織「はい、そうさせてもらいます」
うん、私は何があろうともモノクマと戦う。そう決めた。
それが真乃と私とをつなぐ【絆】の証明になる。
モノクマ「それじゃオマエラお疲れ様―、今日はぐっすり休んで明日からまた健全なコロシアイをよろしく頼むよー!」
モノクマはそれだけ言うと引っ込んでしまった。
智代子「なんで……こんなことになっちゃったんだろう……」
凛世「智代子さん……」
智代子「私、帰りたいよ!こんなコロシアイなんてもう嫌だよ!」
甘奈「甘奈も……もう嫌だ……みんなを疑って、誰かを犠牲にするなんて……もう、うんざりだよ……」
失意の底……なんて言葉じゃ足りないほどの状態。
_______それでも私は、無理やりその一歩を踏み出した。
灯織「……戻りましょう、皆さん」
樹里「灯織……大丈夫じゃねえだろ、無理すんなって」
灯織「無理しますよ!……じゃないと真乃が報われませんから」
めぐる「そうだよ!わたしたちは、頑張らないといけないよ!」
灯織「……めぐる?!」
めぐる「ごめんね灯織……わたし、やっぱり真乃のことは受け止めきれなくて……」
めぐる「でも、それでも前に進まないと真乃に悪いもんね!」
灯織「めぐる……」
(よかった……めぐるにも、真乃の想いは届いた)
(めぐるの心にも、前へ進もうとする希望が宿ったんだ……!)
めぐる「みんなで明日からも頑張ろう!頑張って頑張って……絶対にコロシアイなんか二度と起きないようにしようよ!」
円香「……頑張るって具体的には?」
めぐる「具体的……えへへ、わかんないや……」
樹里「……へへっ、なんだよそれ」
めぐる「でも、こうやって現実に目を背けて立ち止まるってことじゃないのはわかるよ!」
愛依「……めぐるちゃん、言ってくれんじゃん!」
霧子「……そうだね、わたしたちみんな、頑張らないと……」
灯織「うん……!みんなで頑張って、私たちの絆を証明しよう……!」
甜花「甜花、頑張りましゅ……!」
甘奈「甘奈も!頑張って頑張って頑張って……みんなで生きて帰るんだよね☆」
小糸「……は、はい!絶対……生きて帰りましょう!」
_______頑張る、前に進む、【絆】を証明する。
私たちはその言葉を途絶えさせることなく、エレベーターに乗り込み、元居た学園へと戻った。
ただの空元気だったかもしれない。
本人でさえもまだ十分に立ち直れていないのに、それでも周りを必死に励まそうとするだけの空元気。
でも、その想いはとても強くて、とてもあったかくて……
裁判と処刑を経て冷え切ってしまった血液に喝を入れるようなそんなあたたかみがあった。
大丈夫、もう二度と事件は起きないし、起こさせない。
_________私たちの絆は、固いんだから。
【CHAPTER 01絶望のレッスン】
END
残り生存者数 14人
To be continued...
【CHAPTER01をクリアしました!】
【学級裁判クリア報酬としてモノクマメダル34枚を入手しました!】
【CHAPTER01クリア報酬としてアイテム:「絶望の羽」を手に入れました!】
〔CHAPTER01を生き抜いた証。かつて真乃が希望を預けた羽も、死期に即して黒い絶望に染め上げられた。見るたびに真乃に託された想いについて考えてしまう〕
【CHAPTER01クリア報酬としてスキル:【一番星の魔法】を習得しました!】
〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕
というわけで1章完結です。
灯織を主人公にするに差し当たって真っ先に決まった被害者とクロが今回の二人でした。
おしおきも個人的にはロンパらしさも踏まえたものになってるんじゃないかなぁと思う次第です。
いったん区切りがついたことですし、
本編に関係あることでもないことでもなにか質問等あれば解答させていただきます。
次回より2章に入らさせていただきます。
1章はかなり急ぎ足で進めてしまいましたが、数日~1週間ほど余裕を取ってから再開させていただきます。
またよろしくお願いします。
それではおやすみなさい…
1章完結乙です!
ダンロン×シャニマスはずっと妄想してたのでめちゃめちゃ俺得なスレでした、2章以降もゆっくり待ってます!個人的には幸運のちょこ先輩の活躍に期待してます…
V3の要素も入れるなら 愛依は犯人か? で議論スクラムもできそうですねw
今更ですが、BLEAK→BREAKかな…?
>>412
マジですね……中学英語レベルなのに……
学のなさを晒していましたね……
恥ずかしい……!!
3/8月曜日22:00~二章より再開予定です
再開前に自由行動について詳細な部分を確定させたので説明させていただきます。
スキル習得のためには自由行動で信愛度を高める必要があるとは以前も申しあげましたが、
スキルを獲得できるのは『親愛度』が12に到達したときになります。
親愛度は【交流】で選択する際に1上昇、【プレゼントを渡す】ことで0.5上昇。
【良いプレゼント】を渡した時に更に0.5上昇することとします。
つまり最短で六回選択することで信愛度が12に到達し、スキル獲得となるわけです。
学級裁判でたびたびかち合うコンマの壁もスキルがあればなんなく突破できるかもしれません。
親愛度の高いアイドルから優先的に狙ってみるのもよいでしょう。
【現段階での親愛度】
櫻木真乃……1 【DEAD】
八宮めぐる……0
田中摩美々……0
白瀬咲耶……0
幽谷霧子……0
西城樹里……1
杜野凛世……0
園田智代子……1
大崎甘奈……1
大崎甜花……0
和泉愛依……0
浅倉透……0 【DEAD】
樋口円香……0
福丸小糸……1
市川雛菜……1
スタッフ「はいっそれじゃ収録5秒前ー!5、4、3…………」
芸人「赤裸々スタジオー!今日もゲストをお招きして、根掘り葉掘りとことん詳しく聞いちゃいますよー!」
芸人「本日のゲストはこの方!【超高校級のアイドル】、舞園さやかさんでーす!」
舞園「よろしくお願いします!」
芸人「いやぁほんと可愛らしい……これでボクと同じ人間ってのが信じられませんわ」
舞園「ふふっ、そうですね!実は私、宇宙人なんですよ?」
芸人「やっぱり!可愛すぎると思うたわ!」
舞園「もー、冗談ですよー!」
芸人「舞園さんが超高校級のアイドルに選ばれてから結構経ちましたけど、どうです?反響とか」
舞園「ええ……周りの方はそれで改めて評価してくださる機会も増えたので、とても光栄なことだと思っています」
舞園「でも、私のやるべきことはステージの、目の前のお客さんを喜ばせること。これはずっと変わりませんから!」
芸人「はえー立派ですねぇ……流石!アイドル業界ダントツ人気なだけありますわ!」
芸人「もう他のアイドルなんか目じゃないでしょ?」
舞園「そんなこと……同世代でも私よりももっとすごいアイドルの子なんてたくさんいますよ!」
芸人「ないない!そんなわけない!」
舞園「もー!本当ですよ!最近は他のアイドル事務所もメキメキ力をつけてるんですから!」
芸人「えー?」
舞園「【283プロ】の方々なんか、ご一緒した時に圧倒されちゃって……!みなさんすごい熱意を持ってるんです」
芸人「283……イルミネとかか、確かに最近人気よね」
舞園「彼女たちは、自分の芯にしっかりとした希望を持っているんです。だから折れないし、常に磨かれ続ける……まさにアイドルの鑑ですよ」
芸人「舞園さんがそこまで言うか……」
舞園「はい、彼女たちから……次の超高校級のアイドルが出ますよ!間違いないです!」
芸人「おっ、言い切った!」
舞園「私、未来が見えるんです」
芸人「おいおい今のアイドルは超能力も身につけてんのか!」
舞園「ふふっ、冗談ですよ」
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CHAPTER02
存在証明を、この悲鳴を、或いは絶望を
(非)日常編
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【灯織の部屋】
裁判終了後は努めて明るく振舞っていたけれど、部屋に入るなり我慢していた感情が一気にあふれ出し、枯れるまで泣いた翌朝。
気が付けば夜時間の終わりを告げるチャイムが鳴る。
灯織「朝礼……いかないと」
個室の扉を開ける時ですら、どうしても真乃のことが頭をよぎる。
ここに来てからの数日間、毎朝一緒に食堂に行っていたのに……
(いやいや!センチメンタルになっていてばかりじゃダメ!)
顔を両手でパン、と叩いて無理やり元気を引き出す。
裁判場で大見栄切ったのは私。こんなところで止まってちゃダメだよね。
(……こういうとき、いつもならめぐるが勇気づけてくれるんだけどな)
今日はめぐるのモーニングコールもない。
めぐるも思うところがあるんだろうし、そっとしておこう。
【食堂】
咲耶「やあ、灯織」
灯織「おはようございます……」
咲耶「昨日は……寝れなかったみたいだね」
灯織「……はい、真乃のためにも頑張らなくちゃいけないんですけどね」
咲耶「大丈夫、私たちがついているんだ。そう気負わなくていいよ」
出迎えてくれた咲耶さん。
いつものようにふるまってはいたものの、さすがに元気がないことが伝わってくる。
灯織「みんな辛いだろうに、こんなに早くから集まって……私も負けてられませんね」
樹里「おいおい、灯織が言ったんだろ?二人との絆をアタシたちで守り続けるって」
灯織「……うん、必ず」
灯織「……あれ?」
そこでようやく食堂の違和感に気が付いた。
いつもなら、私やめぐる、そして今は亡き真乃が着く頃には咲耶さんと霧子さん、樹里と凛世が待っているはずなのに……
灯織「……どうして?」
小糸「お、おはようございます……」
その場所には、福丸さんの姿があった。
灯織「福丸さん……?」
小糸「あ、あの……き、今日から早めに朝礼に参加したいなって……ご、ごめんなさい!」
灯織「あ、謝らなくても!」
咲耶「しかし驚いたね……昨日までは透と円香、雛菜と四人で同時に来ていたよね?」
小糸「……ぁ……あう……すみません」
咲耶「いやいや、むしろ歓迎さ。小糸とこんなに早くから会えたなら、一日を気持ちよく走り出せそうだよ」
霧子「小糸ちゃん、来てくれて……嬉しいな……」
(昨日の事件、裁判……それを経たことで福丸さんの中で、何かが変わったのかな……?)
灯織「福丸さん、その……昨日の事件で、何か思うところが……?」
小糸「ぴぇっ……あ、その……」
灯織「あ、いえ!すみません、言葉足らずで……えっと……」
小糸「いえ…………あの、ええっと……と、透ちゃんが……し、し、死んじゃったから……」
小糸「わたし、わたし……みんながいなくてもやっていかなくちゃって……いつまでも、わたしを守ってくれる人を頼りにしてちゃ、いけないんだって……」
小糸「わたしの力で円香ちゃんと雛菜ちゃんを守りたいから!な、なーんて……」
樹里「小糸……へへっ、知らなかったよ。小糸がそこまで強いなんてな」
小糸「ぴゃっ?!わ、わ、わたしが……つよい……?」
樹里「昨日の事件で誰よりも深い傷を負ったのは円香に雛菜に小糸だ。それなのに、アタシなんかよりよっぽど前を向いてるんだもんな」
小糸「……え、えへへ……」
樹里「……よしっ!負けてらんねえな!」
樹里「アタシみんな呼んでくる!朝礼はしっかり全員でやらねーとな!」
福丸さんの強さ、勇気に焚きつけられてか樹里は食堂からとび出していった。遠くに樹里のパワフルな叫びが聞こえる。
霧子「小糸ちゃん、ありがとう……小糸ちゃんの希望で、みんなが前を向ける……小糸ちゃんは、おひさまみたい……!」
小糸「お、おひさま……」
凛世「一人一人の希望はたとえ小さくとも……その希望が集えば、いずれ闇を掃う光明にもなることでしょう……」
(そうだ。真乃の死も、浅倉さんの死も決して無駄になんかならない。私たちが前に進むための力になるんだ)
福丸さんの姿からそんな教訓をかみしめていると、樹里が他のみんなを引き連れて戻ってきた。
樹里「おしっ!それじゃあ朝礼始めるぞ!」
智代子「うぅ……樹里ちゃん、もうちょっと優しく起こしてよ……」
円香「……」
めぐる「灯織、おはよう」
灯織「めぐる……大丈夫?」
めぐる「……うん!大丈夫、真乃と約束したから!」
モノクマ「うんうん、みんな早起きで感心感心!」
小糸「ぴゃっ?!」
灯織「も、モノクマ……!」
摩美々「何か用ですかぁ?」
樹里「よく顔出せたもんだな、おい」
モノクマ「うぅ……女子高生とは思えない剣幕に正直ブルっちまいそうだぜ」
モノクマ「でもオレは負けないんだぜ!なぜなら届けたい情報があるからなんだぜ!」
円香「……情報?」
モノクマ「皆さんは、この合宿生活はどこかせま苦しいな、あと一フロアでも行ける範囲が広ければ開放感があるのになぁ……」
モノクマ「そんな風に感じたことはありませんか?」
愛依「いやいやどこの通販だし……」
モノクマ「そんなかゆいところに手の届かないあなたに!新エリアを開放いたしました!」
灯織「新エリア……?」
モノクマ「これまで行けなかったところを一部ボクの裁量で開放しておきました!」
霧子「これまで行けなかったところ……学校エリアの二階、とかかな?」
甘奈「二階って廊下の突き当りの階段?!」
愛依「あっこの階段が使えるようになんの?!」
摩美々「そういえばここに来る途中、お風呂と倉庫の封鎖が解かれてるのを見た気がしますー」
霧子「お風呂……みんなで一緒に、入れるかな……?」
智代子「倉庫……新しいお菓子とか、無いかな?!」
モノクマ「百聞は一見に如かず、ぜひ一度お立ち寄りください!」
甜花「行っちゃった……」
雛菜「本当に今の情報を伝えるためだけだったみたいですねー」
甘奈「……どうしよっか」
樹里「行くしかねーだろ、そりゃ」
凛世「はい、一階にはなかった手掛かりが見つかるやもしれません……」
めぐる「うん!それじゃあまた、探索だね!」
咲耶「ああ、今日は一日探索にあてて、夕食会で情報共有を行おうか」
小糸「は……はい!」
円香「…………」
樹里「お、おい円香!」
円香「……何?探索、行くんでしょ?」
樹里「あ、いや……夕食会も、できれば来てほしいからさ、頼む」
円香「…………」
返事をしないまま、樋口さんは食堂を後にした。
愛依「やっぱまだ割り切れない系みたいだね……」
小糸「ま、円香ちゃん……昨日の裁判以降まだわたしとも話相手にすらなってくれなくて……」
雛菜「円香先輩、ちょっと心配ですよね~」
咲耶「すぐにどうこう何かするようなことはないと思うけれど、観察はしておいた方がいいかもしれないね」
摩美々「真乃が透を殺したこと、まだ呑み込めてないみたいだよねー」
灯織「……はい、致し方ないですが」
小糸「あ、あの……わたし、円香ちゃんのところに行ってきます!……せ、せ、説得……頑張ってみます!」
樹里「お、おい小糸……!……行っちまった」
霧子「小糸ちゃん……張り切りすぎないか、心配……」
樹里「雛菜、小糸たちのこと頼めるか?」
雛菜「……まあ、雛菜がやるしかないですよねー」
市川さんは渋々といった感じで福丸さんの後を追った。
智代子「……私たちもそろそろ行こっか!」
めぐる「うん!頑張ろう!」
咲耶「探索する場所は寄宿舎エリアの倉庫、浴場、学校エリアの二階だったね」
凛世「はい……確認しに参りましょう……」
智代子「まだ見ぬお菓子を求めて……!」
甘奈「甜花ちゃん、甘奈たちも行こ?」
甜花「今日も一日、がんばるぞい……!」
こうして私たちは、新エリアとやらの探索を開始した。
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【探索について】
今章より探索時にモノクマメダルが回収できるようになります。
場所指定の安価と同時にコンマを判定し、末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます。
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めぐる「灯織、どこから行こっか?」
灯織「うん、はじめは……」
めぐる「灯織、どこから行こっか?」
灯織「うん、はじめは……」
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1.【学校エリア2F】図書室
2.【学校エリア2F】プール
3.【寄宿舎エリア1F】倉庫
4.【寄宿舎エリア1F】大浴場
↓1
3 選択
【寄宿舎エリア 倉庫】
寄宿舎の二階は封鎖されたままだけど、その階段の手前、倉庫は解放されていた。
さっきの食堂の話でも出たとおり、多分既にチョコが……
智代子「あっ灯織ちゃんだ!」
いた。しかも両手に何か箱を持っている。
灯織「それ……何持ってるの?」
智代子「え?!あー、えへへ……これ、私が外の世界で大好きだったチョコ菓子なんだよね」
めぐる「え?!なになに!?見せて見せて!」
智代子「えへへ……こちら、普段ならセーブしちゃうからそんなにいっぱい食べれないんだけど、ここなら夏葉ちゃんがいないから……!」
(夏葉さんが聞いたらチョコ用のジャージをすぐさま持ってきそうな話だ……)
智代子「……うう……でも、夏葉ちゃんを裏切るわけにはいかないし……うう……」
(謎の葛藤を始めてしまった)
【コンマ69】
【モノクマメダル9枚獲得しました!】
【現在のモノクマメダル…43枚】
-------------------------------------------------
1.【学校エリア2F】図書室
2.【学校エリア2F】プール
3.(選択不可)【寄宿舎エリア1F】倉庫
4.【寄宿舎エリア1F】大浴場
↓1
2 選択
【更衣室前】
円香「……」
(……樋口さん!?)
二階階段上がってすぐの扉を開くと、仏頂面の樋口さんが待ち構えていた。
灯織「ひ、樋口さんも調査中ですか……?」
円香「……」
灯織「あの、その……」
円香「……はぁ」
円香「別に灯織が謝る必要はないから」
円香「いくら謝っても透は帰ってこない、そっちも。罪を雪いだところで真乃も帰ってこない、そうでしょ?」
灯織「それはそうですが……」
円香「真乃のことを許すことはない。けどそれだからって残った人間にもどうこうとかは無いから」
そういった樋口さんの口元には力がこもっていて。
必死に何かをかみつぶそうとしているように見えた。
自分自身の感情と向き合うのに、私以上の葛藤をしている、そんな風に思える。
めぐる「灯織、わたしたちはわたしたちのやるべきことをやろうよ」
灯織「うん、そうだね……」
樋口さんとも、以前のように話せる日がきっとまた来る。
今はそれを信じるしかない。
【コンマ90】
【末尾0は10として扱います】
【モノクマメダル10枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル…53枚】
【更衣室の扉】
灯織「トイレと同じく……一応男女には別れてるんだね」
めぐる「もともと希望ヶ峰学園は共学だったってことだよね!」
灯織「にしても……」
(この扉の真ん前のいかついマシンガンは一体……?!)
モノクマ「はぁ……はぁ……」
めぐる「出た!モノクマ!」
モノクマ「はぁ……はぁ……ぶっぱなしてえ……マシンガンを、ぶっぱなしてえよぉ……」
めぐる「わわ!ダメだよ!ぜったい!」
モノクマ「はぁ……はぁ……このマシンガンは、神罰のガトリング……」
モノクマ「性別を無視して更衣室に入る不埒な輩のみを裁くんだ……だから抑えろ、抑えるんだパトス……」
灯織「消えた……」
めぐる「ぽかーんだね」
灯織「要は更衣室の性別は守れ……ってことだよね」
めぐる「心配しなくても男子の方には入らないよー!」
灯織「電子生徒手帳を使って入室するみたいだね。行ってみようか」
めぐる「うん!」
【女子更衣室】
プールの前の部屋……ここで更衣をしろってことなのかな?
更衣目的に加えてトレーニングルームとしての利用もできそうな部屋。
ダンベルとか腹筋マシーンとか……夏葉さんがいれば喜んだのかな。
めぐる「灯織みて!ポスターが貼ってあるよ?」
灯織「ポスター……?」
めぐるが指さした先には男性アイドルのポスターが。
トレーニング中に眺めろとでも言いたいんだろうか。
灯織「見たことあるアイドルグループだね……たしか元先生のユニットアイドルじゃなかったっけ?」
めぐる「灯織、詳しいんだね」
灯織「い、いや別に!お仕事でいつかご一緒する機会もあるかと思って、下調べをしていただけで!」
めぐる「ふふふ、さすがだね!準備はいつでも万全ってところかな?」
灯織「もう……めぐる、からかわないで」
【プール】
めぐる「すっごーい!プールめちゃくちゃ広―い!」
めぐるの興奮も納得の規模のプール。
25mのコースはもちろんのこと、横幅も広くとられていて、それこそ記録会の一つや二つぐらいいつでも開けそう。
めぐる「灯織!プールだよ!プール!」
灯織「め、めぐる……わかったからそんなにはしゃがないで……」
めぐる「いい?灯織、水泳は全身を使う運動なんだよ!」
めぐる「そして運動をすると気持ちを前向きにする物質が作られる……つまり、水泳をすれば全身ポジティブになるんだよ!」
目をらんらんと輝かせてる……
エネルギッシュなめぐるだもん、少しでも発散先が増えるなら喜ばしいことなんだろう。
めぐる「今度灯織も一緒に泳ごうよ!」
灯織「……うん、せっかくだし一緒に泳ごうか」
めぐる「やったー!どうしようかな、10000mメドレーとか、どうかな……?」
(……やっぱり、やめようかな)
-------------------------------------------------
(さて、次はどこを調べよう)
1.【学校エリア2F】図書室
2.(選択不可)【学校エリア2F】プール
3.(選択不可)【寄宿舎エリア1F】倉庫
4.【寄宿舎エリア1F】大浴場
↓1
【図書室】
凛世「…………!!」
凛世「樹里さん……!!こちら、こちらの一冊は……!!」
樹里「お、おう……すげーのか、それ?」
凛世「すげーでございます……いえ、すげーで済まぬほど……国立図書館で禁帯出になっていたはずの一冊……!」
凛世「蔵書のラインナップが、超すげーのでございます……!」
図書室に入るなり目に入ったのは、本棚を嘗め回すように確かめては目をらんらんと輝かせる凛世の姿。
一緒に調査をしているだろう樹里の袖を引いてあちらこちらへと動き回っている。
-------------------------------------------------
【本棚】
私の背丈の倍近くありそうな本棚。
端から端までギチギチに詰まった本の数々が目を引く。
……全部読むってなったら何年かかるんだろう。
灯織「素人目に見ても本の数はすごいかも……」
めぐる「うわぁ……文庫本から図鑑まで、すごいいっぱいあるよ!」
樹里「……漫画とかはないみたいだな」
めぐる「みたいだねー、学校の図書館だしね!」
灯織「学校の図書館なら、戦時中に裸足で奮闘した少年の漫画とかあってもおかしくないけど……そういうのもなさそう」
樹里「っておい!凛世気をつけろ!梯子を使うなら先に言えって!アタシが支えるから!」
凛世「ああ……!これは、『磯の香りの消えぬ間に』……!凛世にとっても、思い出の一冊でございます……!」
樹里「へー、面白いのか?それ」
凛世「恋愛文学に革命を引き起こしたともされる一冊でございます……樹里さん、ぜひ一度ご覧になってみては……?」
樹里「凛世がそこまで言うなら……読んでみるか」
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【コンマ33】
【モノクマメダルを3枚獲得しました!】
【現在のモノクマメダル…56枚】
【ノートパソコン】
めぐる「あれ?受付コーナーに置いてあるこれって、パソコンだよね?」
灯織「……パソコン?!パソコンなら何か使える情報とかあるかも!?」
インターネットを使えば外部の情報も手に入るかも!
そう思いかじりつくようにパソコンの前に座ったけど……
灯織「……ダメだ」
めぐる「電源はつくけど、壊れてるみたいだね……」
樹里「あ、アタシが壊したんじゃねーからな?!」
灯織「ふふっ、樹里焦りすぎ」
めぐる「大丈夫だよ!」
樹里「お、おう……下手に触って壊すのが、怖くてオチオチ触れねーからな……」
凛世「樹里さんに代わって凛世が調べましたが、きーぼーども反応している様子すらございませんでした……」
(まあそりゃそう簡単に情報を渡したりしないよね……)
-------------------------------------------------
【書庫】
灯織「けほっ!けほっ!狭いうえに埃っぽい……!」
めぐる「この部屋も本がいっぱいだけど、図書室の本棚と何か違うのかな……?」
灯織「あんまり長居はしたくないね……一冊だけ手に取って様子見たら出よう……!」
そう言ってすぐそこにあった一冊を手に取った。
灯織「ええっと……?……『世界の殺人鬼図鑑』」
めぐる「これ、モノクマの趣味なのかな……?」
(……最悪の気分)
-------------------------------------------------
(よし、あとはあそこだけだね……)
【選択肢が最後の一つとなったので、残った探索先の大浴場へ向かいます】
【コンマ判定でモノクマメダル獲得枚数の判定を行います】
↓1
【大浴場】
寄宿舎エリア、食堂と向かい合う形で設けられているエリアが開放されていた。
これまでは自分の個室でシャワーだけだったけど、ここでなら足を広げて入浴できるのかな?
摩美々「灯織とめぐるじゃーん、早速お風呂―?」
灯織「い、いえ……とりあえずは調査を……」
霧子「お風呂はすごく広くて、気持ちよさそうだったよ……」
めぐる「わー!せっかくだしみんなで一緒に入ったりしたいね!」
咲耶「浴場奥にはサウナもあった……汗を流すこともできるようだよ」
灯織「無駄に充実した設備ですね……」
摩美々「ま、お風呂もいい発見なんだけどさー」
摩美々「この部屋だけの特徴、あるみたいだよねー」
(この部屋だけの特徴……?)
めぐる「あっ!この脱衣所、カメラがないよ!」
灯織「えっ……ほんとだ!監視カメラがない!」
咲耶「どこまで信用していいものかはわからないけど、黒幕の目が他の場所よりは届きにくいつくりになっているようだ」
霧子「なにか、使えるかもしれないね……!」
(監視カメラのない部屋、か……何か隠すときに使えるかもしれない……!)
-------------------------------------------------
【コンマ09】
【モノクマメダル9枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル…65枚】
(さて、調査はこんなものかな)
【食堂】
咲耶「さて、いつもの報告会だね。どうだろう、大きな発見はあったかな?」
甘奈「脱出の決め手になるようなものはなかったね……」
甜花「あぅ……二階も、窓は全部鉄板がついてた……」
摩美々「まぁそんな簡単な話なわけないよねー」
凛世「図書室には数え切れぬほどの蔵書がございました……」
樹里「凛世いわく掘り出し物もたくさんあったってよ」
小糸「そ、そういえば……ノートパソコンも置いてありましたよね!」
凛世「はい、ですが……壊れて使い物にならず……」
摩美々「樹里、今時のパソコンは精密だから叩くとかえってよくなかったりするんだよー」
樹里「ちげーよ!アタシが壊したんじゃなくて元から壊れてたんだよ!」
めぐる「二階にはプールがあったから、運動できるよ!今度みんなで一緒に泳ごうよ!」
愛依「おっ!いいじゃんいいじゃん!泳ごう泳ごう!」
霧子「愛依ちゃん……その、脱臼がまだ完治してないから……」
愛依「あー……ごめんね!マッハで治すから!」
智代子「倉庫にはお菓子以外にも生活用品・日用品があったから……学校生活の助けになりそうだったね!」
霧子「うん……!救急グッズとか、お薬もいくつか数があったよ……」
咲耶「有事の際には霧子を頼るといいよ」
樹里「倉庫といえばよ、なんか箱が二、三個持ち出されたみたいな痕があったんだけど、誰か知らねーか?」
智代子「え?あー……モノクマもうっかりだなー、ハハ……」
(あの後結局お菓子を持ち去ったのか……)
摩美々「新しく解放された大浴場、使い勝手は良さそうだから一度行ってみたらいいと思いますよー」
甘奈「やった☆こっち来てからシャワーだけだったから、お風呂に入りたかったんだよねー!」
甜花「にへへ……お風呂、楽しみ……」
めぐる「奥にはサウナもあったんだよね!」
咲耶「フフ、サウナでみんなでデトックスというのも乙なものじゃないかな?」
摩美々「ふふー、それもいいですねー」
灯織「摩美々さん、脱衣所の……」
摩美々「灯織―?」
灯織「……あっ」
(大浴場、その前の脱衣所には監視カメラが無かったこと……は監視カメラのある食堂で共有はできないよね)
咲耶「残念ながら、脱出の糸口は見つからなかった……」
摩美々「ま、元から期待してなかったけどねー」
咲耶「しかし、気を落とすことはない。私たちの間には絆があるから、ね」
灯織「……!そうですね、諦めなければ必ず道は開けるはずです!」
めぐる「うんうん!落ち込んでる暇はないよー!」
小糸「……は、はい!明日からも……が、が、頑張りましょう!」
愛依「……おっし、そんじゃもうちょいで夜時間だし……早速、お風呂とかどうよ!」
咲耶「フフ、大浴場で決起集会……といったところかな?」
摩美々「えー、準備とかしてないんですけどー」
愛依「まあまあ!ゼンは急げっていうじゃん!」
摩美々「それ、使い方あってるー?」
円香「……」
愛依「……ほーら、円香ちゃんも!」
円香「……私も?」
愛依「いいじゃんいいじゃん!せっかくだしさ!」
雛菜「円香先輩、どうする~?」
円香「……はぁ、わかった。行く。行くからその手離して」
愛依「あっ、ごめん!重かった?!」
円香「重かった、いろんな意味で」
愛依「……どゆこと?」
円香「……はぁ」
智代子「そうだ、凛世ちゃん!お風呂上りに着物を着るわけにもいかないから、倉庫にあったジャージを着るといいよ!」
凛世「智代子さん……ご忠告、痛み入ります……」
めぐる「よーし、それじゃあ後でみんな大浴場に集合だね!」
(みんなでお風呂、か……こんな状況下ではあるけど、合宿生活らしい催しで気分が高揚しちゃうな)
【大浴場】
愛依「うーわ咲耶ちゃんマジでスタイルお化けだわー……」
咲耶「ふふっ……そうマジマジと見られると流石に照れてしまうね」
摩美々「そういう愛依もスタイルえげつないですけどねー」
霧子「摩美々ちゃんも、素敵だよ……!」
摩美々「霧子も肌白いしスレンダーですごいよね、スキンケア何使ってるのー?」
小糸「……ぁ……ぁぁ……」
円香「……小糸には小糸の魅力があるから」
雛菜「小糸ちゃ~ん、ここの浴槽深いよ~?一緒に泳ご~?」
小糸「だ、ダメだよ雛菜ちゃん!」
灯織「やっぱりみんなスタイルに気を使ってるんだろうな……私ももっと食生活を見直すべきかもしれない」
灯織「ここに来てから炭水化物の摂取量が多いような気はしていたし、明日からはお茶碗に盛る量も……」
めぐる「灯織―!何考え込んでるの?せっかくのお風呂なんだしリラーックスリラーックス!」
灯織「め、めぐる……めぐるは普段何を食べてるの……?」
めぐる「へ?何って……普通だけど?」
樹里「かぁ~……やっぱり湯船は格別だよな~……」
智代子「ふふふ、樹里ちゃんお父さんみたいになってるよ!」
樹里「しょうがねえだろ……あー、最高……」
凛世「はい……極楽、です……♪」
甘奈「痒いところはございますかー?」
甜花「大丈夫、です……!」
甘奈「はーい☆次はお背中流しますねー?」
甜花「にへへ……あ……くすぐったい……なーちゃん……!ふふ……!」
甘奈「ほれほれー!」
甜花「もう……次は甜花の番……なーちゃんを、天国に連れて行ってあげるからね……!」
【灯織の部屋】
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』
モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』
みんなで入ったお風呂は最高に気持ちよくて、最高に楽しいひと時だった。
この学園に来てから、ここまでの満足感、幸福感を味わえたのは初めて。
冷え切った心が、だんだんと溶かされていくような、体の芯からあったまる感覚。
そう、私たちは仲間なんだ。
同じ夢を追いかけた仲間たち。信頼しあえる仲間たち。コロシアイなんかに屈しない仲間たち。
この絆がある限り、私たちは大丈夫。
(……よし、明日からも頑張ろう!)
ベッドに横になる。
体がまるでベッドにとろけていくような心地よさ。
この日私は、この学校に来て以来一番の熟睡をした。
___
_____
_______
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』
これまでで一番すっきりとした目覚め。もちろん問題は山積みだけど、私たちの中に感じる確かな絆が前向きな気持ちにさせてくれる。
(よし、まずは朝礼!)
私は颯爽として個室を後にした。
-------------------------------------------------
【食堂】
小糸「お、おはようございます!」
灯織「福丸さん!おはようございます!」
今日も福丸さんは私より先に食堂についていた。
ずっと内向的な側面ばかり見て来た福丸さんが、こうやって自分から変わろうと努力しているさまは見ていて私も力がもらえる……
小糸「円香ちゃんと雛菜ちゃんにも一緒に来てほしいんですけど……ふ、二人とも起きる時間がばらばらだから……」
咲耶「フフ、それでも結局二人しっかり参加はしてくれるから気に病むことはないよ」
めぐる「うんうん!みんな八時までに来てくれるからね!」
小糸「え、えへへ……」
このコロシアイ合宿生活のおかげで親しくなったって言うのは語弊があるけど、結束は深まったんじゃないかな。
今日の朝礼も何事もなく終わり……自分の部屋に戻った。
【灯織の部屋】
(まだ時間はあるな……せっかくだし他の誰かと過ごそうかな?)
【自由時間開始】
灯織「さて、どうしようかな……」
-------------------------------------------------
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する(現在モノクマメダル65枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
【購買】
(よし、モノクマメダルもだいぶ溜まったし、ここでアイテムを集めておくのはありだよね)
(なにか実用的なものが手に入ればいいけど……)
-------------------------------------------------
ここでアナウンスです。
探索でのコンマ数値が思った以上にはねたので枚数が過多気味になってしまいました。
そこで購買での選択肢に次回更新時より【自動販売機】を追加しようと思います。
モノクマメダルを数十枚単位で消費することにより、強力な効果を持ったアイテムを入手できるように調整します。
プレゼントとは別枠ではたらく、スキル的なものとお考え下さい。
-------------------------------------------------
(さて、どれぐらい回そうかな?)
【モノクマメダルを何枚消費するか安価で指定してください】
【消費した枚数分だけコンマ判定を行い、番号に応じたアイテムが獲得できます】
↓1
【モノクマメダルを15枚消費します】
【現在のモノクマメダル…50枚】
【直下より15回のコンマ判定を行います】
【消費した枚数分だけコンマ判定を行い、番号に応じたアイテムが獲得できます】
↓1~15 ※連投OKです
【これくらいのお弁当】
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を獲得しました!
-------------------------------------------------
93.無銘の巾着
〔だれが作ったのかも不明の巾着。ほとんど値段もつかぬほどの商品だが、よく似た特徴の品がオークションに出た際にはすさまじい金額の金が飛び交ったとの噂がある〕
-------------------------------------------------
94.ジャスティスV変身ベルト
〔戦隊ヒーロージャスティスファイブの人気グッズ。刺したカードリッジによって返信の時の効果音とボイスが変わる(カートリッジは別売り)。〕
-------------------------------------------------
灯織「わわっ、すごいいっぱい出てきちゃった……」
灯織「なんだか見覚えのある品もあるし……これならプレゼントにも使えるかも?」
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】
(まだ今日は時間があるな……)
灯織「さて、どうしようかな……」
-------------------------------------------------
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する(現在モノクマメダル50枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 小糸選択
途中送信すみません……
2 小糸選択
【図書室】
灯織「あ、福丸さん……こんにちは」
小糸「え、あ……こ、こんにちは!」
(福丸さん……挨拶の返しはいつも通りたどたどしいけど、前とは違って目を見て返してくれるようになった)
(前回の事件を経て福丸さんの中には確かな変化があったんだ)
小糸「あ、あの……その、もしよかったら、一緒に……なにか」
灯織「……!はい、ぜひ!」
小糸「……!!わぁ、よかった!そ、それじゃあこっちでき、気になった本があるんですけど……!」
福丸さんと同じ本を読んで過ごした……
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在
【これくらいのお弁当】
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。
1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない
↓1
あれ、壊れかけのレイディオだかなんだか持ってなかったっけ?
【ミレニアム懸賞問題】を渡した……
小糸「これは……?」
灯織「いまだ世界中の誰も解いたことのない難問、みたいです。解いたら多額の報酬がもらえるみたいですよ!」
小糸「へ、へぇ……そうなんだ……」
灯織「どうでしょう、福丸さんは聡明ですし、もしかして……」
小糸「い、いやいや!わ、わたし、さすがにこんな問題に手が届くほどじゃないから……えっと、その……ごめんなさい!」
灯織「さ、流石にそうですよね……」
小糸「……」
灯織「福丸さん?そ、そんなに眺めてどうしたんですか?」
小糸「や、やっぱり無理そうです……」
(解こうとはしたんだ……)
-------------------------------------------------
小糸「ご、ごめんなさい!」
灯織「え、ええっ?!と、突然どうしたんですか?!」
小糸「あ、あの……円香ちゃんに、みんなと一緒に仲良くしてもらえるよう頼んでるんですけど……なかなかうまくいかなくて……」
(ああ、そういえば福丸さんは事件の翌日からずっと樋口さんにつきっきりで私たちとの仲を取り持ってくれようとしているんだった)
灯織「い、いえ……仕方ないですよ、私たちは恨まれて当然だとも思いますから」
小糸「ち、違うんです!円香ちゃんは皆さんを恨んだりなんか……えっと、その……」
小糸「今はまだ、気持ちの整理に時間がかかるってだけで……恨みとか、そういうのじゃ……」
灯織「福丸さん……」
小糸「だから、か、か、風野さんたちも……円香ちゃんを、悪く思わないで挙げて下さい……!」
灯織「そ、それはもちろんです!はい!」
灯織「私たちはみんな仲間なんですから……樋口さんだけ邪険にするなんて無いですよ、大丈夫です」
小糸「え、えへへ……!」
小糸「わたし、頑張りますね!絶対円香ちゃんが皆さんとしっかりお話できるようにしてみせますから!」
1.福丸さん、ありがとうございます
2.今度私も一緒について行ってもいいですか?
3.自由安価
↓1
>>479
【昭和ラジオ】が完全に抜け落ちてましたね……すみません
もしも小糸に今回で渡したい方がいらっしゃったなら申し訳ないです、次回以降でお願いします!
-------------------------------------------------
1 選択
灯織「福丸さん、ありがとうございます」
小糸「ぴぇっ?!」
灯織「私たちからは何もできないですから……福丸さんのおかげですごく助かってるんです」
灯織「霧子さんも言ってましたが、福丸さんのおかげで私たちはみんな勇気づけられてるところもあるんですよ」
小糸「そ、そんな……えへ、えへへ……」
灯織「今度私たちからなにかお礼でもさせてもらえたらと……」
小糸「お、お礼……?!」
灯織「はい、何がいいでしょうか……福丸さんの好きな料理があればぜひ……」
小糸「そ、そんな大丈夫ですって!」
灯織「いや、料理を私がふるまったところで福丸さんの舌に合うかどうか……」
小糸「え、え……?」
灯織「何か形として残るものを渡した方がいいのかな?」
小糸「か、風野さん……?」
灯織「それなら金額としてはどれくらいがいいのかな、あんまり高額なものを渡して気を使わせてはいけないし……」
小糸「ぴゃっ……」
【親愛度が上昇しました!】
【福丸小糸の現在の信愛度…2.5】
(福丸さんと福丸さんにするお礼について考えて過ごした……)
【灯織の部屋】
(さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?)
-------------------------------------------------
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する(現在モノクマメダル50枚)
※次回更新時には【自動販売機】も追加予定
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
すみません、もう時間的に厳しくなってきたのでここで中断します
先ほども述べた通り、次回までに購買で一度にメダルを複数枚消費することで入手可能なアイテムを【自動販売機】の枠で考えておきます。
今回の安価選択で購買を選んでいたら次回開始時に即時【自動販売機】でアイテム購入も可能なようにする予定です。
安価を出して終わっておくので選択いただけたら幸いです。
まだ数日準備期間を頂きます、それではおやすみなさい……
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】
(さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?)
-------------------------------------------------
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する(現在モノクマメダル50枚)
※次回更新時には【自動販売機】も追加予定
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
明日22:00より自由行動で樹里を選択したところより再開します
自動販売機で購入できるアイテムも大体決まりました。
すみません、宣言しておいてなんですが体調を崩してしまったので今日は見送らせてください…
体調が一日で治れば明日、ダメだったらさらにその翌日に持ち越させていただきます…
体調がだいぶ落ち着いたので本日21:00より再開します
よろしくお願いします
完全に自己管理の怠慢さからの発熱でしたが、温かい言葉ありがとうございました
以後気を付けます…
-------------------------------------------------
2 樹里選択
【女子更衣室】
灯織「樹里、トレーニング中?」
樹里「おー、灯織。まあな、こうも室内にいると体がなまっちまうからな」
樹里「出た時に夏葉に小言言われたらたまんねーしな」
灯織「樹里なら心配ないんじゃない?」
樹里「まあどこぞのチョコアイドルよりは心配はないけどな」
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在
【これくらいのお弁当】
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。
1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない
↓1
【これくらいのお弁当】を渡した……
灯織「樹里、これ購買のガチャガチャから手に入れたんだけど……」
樹里「ん?なんだ?……弁当、か?」
灯織「ほ、ほら、樹里って料理とか割とやるイメージだから何かに使えたりしないかなって……」
樹里「んー?……へー、結構これ凝ってんだな」
灯織「え?」
樹里「肉類を一切使わずにこのボリューム、案外気使って作られてるみたいだぜ?」
灯織「ほんとだ……すごい」
樹里「ありがとな、灯織。ちょっと参考にしてみる、明日からの朝ご飯期待してくれていいからよ!」
灯織「え、そ、そんなつもりじゃ……」
樹里「ははは、いいんだよ。アタシが勝手に閃いただけだからな。ナイスチョイスだぜ、灯織!」
【PERFECT COMMUNICATION】
【親愛度がいつもより多めに上昇します】
-------------------------------------------------
樹里「灯織、大丈夫か?」
灯織「え……?」
樹里「いや、その……みんなの前ではああは言っても、やっぱり気になってんじゃねーかなって」
(樹里……こそばゆそうにしながらも私のことを気遣ってくれてる)
(樹里が言ってるのは多分、真乃の事……)
灯織「うん、大丈夫。心配してくれてありがとう」
樹里「……ほんとか?ほんとだよな?」
灯織「もう、樹里……心配しすぎだよ」
樹里「嘘ついてたら許さないからな!」
灯織「え、えぇ……」
樹里「あのな、アタシたちは今生き残りをかけた敵同士なんかじゃねー」
樹里「"生き残る"って共通の目的を持った仲間だ。その中で嘘とか隠し事とかは絶対ダメだからな」
灯織「樹里……」
1.樹里も辛いときは隠したりなんかしちゃだめだよ
2.樹里は心配性だね
3.自由安価
↓1
1 選択
灯織「だから、樹里も辛いときは隠したりなんかしちゃだめだよ」
樹里「……へへ、なんか前も似たようなことあったよな」
灯織「あれ、そうだった、かな」
樹里「あんときは事件が起きる前。……灯織、その時と同じこと言ってるぜ」
灯織「ええっ?!ご、ごめん!!」
樹里「だから謝んなって。アタシは灯織の事信頼してるんだからさ。遠慮なく頼らせてもらうぜ」
灯織「う、うん!どんとこい!」
樹里「ははっ、なんだよそれ」
灯織「うぅ……」
樹里「……あのさ、アタシには何かできなかったことはないのか、真乃と透をどうにか止める方法はなかったのか」
樹里「そんぐらいにはアタシも悩んでんだ」
灯織「樹里……」
樹里「……嘆いても仕方ないってのによ」
灯織「……ううん、そんなことない」
樹里「灯織……?」
灯織「樹里が後悔してるってことは、ずっと二人のことを想い続けてるってことだから……」
灯織「えっと、言葉にするのは難しいんだけど、すぐに諦めたり気持ちを切り替えたりすることが必ずしもいいってわけではなくて……」
灯織「思い悩む時間こそが大きな意味を持つときもありやなしや……」
樹里「……ああ、そうだよな」
灯織「頼って、って言ったのに口下手でごめん……」
樹里「だー!だから謝んなくていいって、アタシが勝手に相談したんだから!」
樹里「それに、灯織もアタシと同じこと考えてんだってわかっただけでうれしいよ」
灯織「樹里……」
樹里「また、相談に乗ってくれよな。今日はありがとう、じゃあな!」
(私でも相談に乗ることができた、のかな……)
【親愛度が上昇しました!】
【西城樹里の現在の親愛度…3.0】
-------------------------------------------------
【スキル:一番星の魔法を発動できます】
【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】
【現在のモノクマメダル 50枚】
【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?
↓1
【スキル:一番星の魔法を使用しました】
【現在のモノクマメダル…40枚】
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】
(樹里からも今回は少し本音を聞けたし、私も成長してるのかな)
(……うん、絶対にみんなで生きて帰るんだもの)
(私も強くならないと……!)
(さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?)
-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル40枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 摩美々選択
【図書室】
灯織「摩美々さん……?」
摩美々「灯織じゃーん、読書ー?」
(摩美々さんが図書室にいるとは……)
(根はまじめな方だし、案外そういう趣向があるのかな……)
灯織「ええ、何か外の世界の手掛かりになるものでもあればと思い……」
摩美々「それじゃここ座りなよー、今面白い本見付けたんだよねー」
灯織「え、ええ……それじゃあご一緒させていただきます……」
摩美々「……座らないのー?」
灯織「な、なにか仕掛けてませんよね……?」
摩美々「ヒドー、何もしてませんよ?」
(摩美々さんにブーブークッションでからかわれて過ごした……)
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。
1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない
↓1
【プロジェクトゾンビ】を渡した……
灯織「摩美々さん、こういうのお好きじゃないですか?」
摩美々「んー?……ひぃっ?!」
灯織「摩美々さん方アンティーカのゴシックな感じと似たりしていませんか?」
摩美々「いや、灯織……悪気はないんだろうケド、ちょっとこれはロックが過ぎるんじゃない……?」
灯織「え、ええっ?!あ、その!すみません!」
摩美々「……別に大丈夫だよ、パッケージもよく見たらイカしてるじゃーん」
(驚かせてしまったかな……?)
-------------------------------------------------
(摩美々さん……前回の事件で真相にたどり着く最後の証拠)
(『ネイルチップ』のもともとの持ち主……)
(真乃のことについて、一度話をしておきたかった)
灯織「摩美々さん……」
摩美々「あれー?……今日はいつになく真面目な顔だね」
灯織「ええ……その……」
摩美々「真乃のコト、だよね?」
灯織「お気づきでしたか……」
摩美々「そりゃね、灯織に真乃を指名させようとしたわけだし」
(そう、前回の裁判で摩美々さんは真相にただひとり最初っから気づいていた)
(そのうえで私自身に、私の手で謎を解かせるという選択をした)
灯織「……どうして、だったんですか?」
摩美々「んー?」
灯織「……どうして摩美々さんははじめっから真実を語らなかったんですか?」
摩美々「灯織が解かなきゃあの事件は意味がなかったでしょ?」
灯織「……」
1.私を試したってことですか?
2.真乃の気持ちに摩美々さんは気づいていたんですか?
3.自由
↓1
2 選択
灯織「真乃の気持ちに摩美々さんは気づいていたんですか?」
摩美々「さあ、どうでしょうかねー」
灯織「さあって……」
摩美々「私にわかってたのは事件の顛末だけ……でも、この謎を解くべきなのは"田中摩美々"じゃないってことはわかったんだよねー」
灯織「……そういう、ものなのでしょうか」
摩美々「私たちは誰もまだ、この合宿生活に適応できてない、わかってない未知の段階だからちゃんとステップは踏まないとー」
灯織「……よく、わかりません」
摩美々「事件の謎にはそれぞれ意味があって、それに気づくべき人がいるんだよ」
摩美々「そうじゃなきゃ、真乃も灯織もめぐるも、みーんな本音は隠したまま、だったんじゃない?」
灯織「そういう、ものでしょうか……」
摩美々「消化不良だっただろうし、それこそ円香に真乃は刺されてたかもねー」
灯織「……!」
摩美々「小糸があの時動けたのも真乃の想いを引き継いだからだって、摩美々は解釈してるんですケド」
灯織「福丸さんは、確かに事件の前後で大きく変わりました……」
摩美々「それが全てなんじゃないですかー?」
灯織「摩美々さんは、お強いんですね」
摩美々「別にー?やるしかないから、やってるっていうかー?」
灯織「それができるだけ、強い心を持っていらっしゃると思います」
摩美々「……ふぁぁぁぁ。眠くなっちゃいました、じゃあねー」
灯織「えっ?!ま、摩美々さん?!急にどうして?!」
(行ってしまった……)
(摩美々さん……相変わらず真意の読みづらい人だ)
【親愛度が上昇しました!】
【田中摩美々の現在の親愛度…1.5】
【灯織の部屋】
(昨日は広々とした浴槽に疲れたおかげで熟睡できたし……)
(今日もまだ時間があるから、お風呂に行こうかな)
(せ、せっかくだしめぐるも誘って……)
-------------------------------------------------
【めぐるの個室前】
インターホンを鳴らすとものの数秒で扉が開いた。
めぐる「はいはーい!何か用ですかー?……あれ、灯織?どうしたの?」
灯織「めぐる、せ、せっかくだから……お風呂一緒にどうかな?」
めぐる「わあ!うんうん!いいよ、一緒に入ろう!ちょっと待ってて……準備してくるから!」
案の定めぐるは快諾。そのまま風呂支度をしに部屋の奥へと走っていった。
……怪我しなきゃいいけど。
甘奈「あれ?灯織ちゃん……どうしたの?」
めぐるを待っているとそこに大崎姉妹がやってきた。
甘奈と甜花さんの手にはちょうど入浴具が万全の状態で抱えられている。
灯織「あ、今めぐると一緒にお風呂に入ろうかって話をしてて……せっかくだし、甘奈と甜花さんも一緒に……ど、どうかな?」
甘奈「もちろんオッケーだよ☆」
甜花「うん、風野さん……一緒に、入ろう……!」
めぐる「灯織お待たせー!……あれ?甘奈に甜花?」
灯織「あ、うん……二人も一緒にお風呂に入ろうって話に成ったんだけど……いいかな?」
めぐる「もちろん!一緒に行こう!」
___
_____
_______
【食堂】
お風呂あがり、まだ夜時間にはなっていないこともあり食堂であったかい飲み物を淹れることにした。
リラックスして寝るのには、気持ちを落ち着かせるのが一番だから。
甜花「気持ちよかった……にへへ……」
甘奈「うん!大浴場が解禁されてホントに良かったね☆」
灯織「甜花さんもホットミルクで良いですか?」
甜花「え!あ、うん……ありがとう……」
めぐる「コロシアイ合宿生活自体は嫌だけどこうやってみんなでのんびりするのは好きだなぁ~」
甘奈「ねー、もともとの合宿に行けてたらこんな感じだったのかなー?」
ホットミルク片手にのんべんだらりとしていたら、食堂の扉が開いた。
円香「……あれ」
めぐる「円香!どうしたの?」
円香「……いや、眠れないから。これでも飲もうかと」
樋口さんの手には【睡眠薬】が握られていた。確か倉庫にあったものだ。
はじめギョッとしたけど、その目元は確かにクマが出来ている。
……私もまだ真乃については割り切れないところがあるし、
浅倉さんを被害者として失ってしまった樋口さんは私以上に思うところがあるのは当然だ。
めぐる「そっか……コップも厨房にあるよ、場所分かる?」
円香「大丈夫、邪魔した」
甘奈「あっ……円香ちゃんも一緒にどう?」
灯織「は、はい!せっかくですし……あ、ホットミルク樋口さんの分も淹れましょうか?」
円香「……いい、すぐ部屋戻るから」
樋口さんはどこか申し訳なさそうに厨房に入っていき、すぐに食堂を後にした。
めぐる「う~ん、やっぱりまだ元気ないね……」
灯織「うん……変に考え込まないといいんだけど」
甘奈「円香ちゃんはしっかりしてる……けど、この状況だとちょっと心配だよね」
灯織「今日も朝礼にはしっかり出席してたから今すぐどうってことはないと思うんだけど……」
しばらく樋口さんのことについて話し合ったのち、私たちは個室に戻った。
結束が以前より強まった来た中、樋口さんの存在がどうしても気にかかる。
……私にも何か、できることはないのかな。
【灯織の部屋】
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』
モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』
(もう夜時間……何も進まなくても時間はすぐに過ぎてしまう……明日も頑張らないと)
そう決意を胸に私は眠りについた。
___
_____
_______
【灯織の部屋】
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』
(……朝)
(とりあえず朝礼に行かないとね)
-------------------------------------------------
【食堂】
今日も食堂に入ると福丸さんが出迎えてくれた。
小糸「か、風野さん……お、おお……おはよう!」
灯織「お、おはようございます!」
小糸「え、えへへ……き、き、今日も頑張ろうね!」
咲耶「灯織、今日はサプライズがあるんだ」
灯織「え?サプライズ……ですか?」
めぐる「今日の朝ご飯は小糸が作ったんだよー!」
凛世「はい……凛世と樹里さんも今日は休暇をいただきました……」
小糸「た、大したものじゃないですけど……わたしも、なにかしてみたくて……」
樹里「いや、照れなくていーぞ!うまいこと出来てたし……家で料理とかやるのか?」
小糸「た、たまに……」
灯織「福丸さん……ありがとうございます」
小糸「い、いえ!そんな……」
今日の朝礼は福丸さんが作ってくれたごはんとお味噌汁を食べながら過ごした。
福丸さんもみんなに料理をほめてもらって嬉しそう。
樋口さんのところにも福丸さん、感想を伺いに行ってたけど……どうだったんだろう?
ほんとに福丸さんは頑張ってる。
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】
(……福丸さん、ほんと表情が明るくなったな)
(気がかりなのは、樋口さんと市川さんだけど……)
(……今の私にできることをやろう、ただそれだけ)
(さて、今日はどうしようかな?)
【自由時間開始】
-------------------------------------------------
灯織「さて、どうしようかな……」
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル40枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 小糸選択
【小糸の部屋】
ピンポーン
灯織「あ、福丸さん……今お時間大丈夫ですか?」
小糸「え、あ、はい!大丈夫です!」
灯織「せっかくですし、何か一緒に時間を過ごすことが出来たらなと……」
小糸「そ、そうですね……ええっと……風野、さんは……何が好きですか……?」
灯織「わ、私ですか……?そうですね、占いを見るのは好きですね……あとは料理もたまに……」
小糸「う、占い……あ、あの……図書室で占いの本でも、読みますか……?」
(図書室で福丸さんと占いの本を読んで過ごした……)
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。
1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない
↓1
【永遠のミサンガ】を渡した……
小糸「み、ミサンガ……」
灯織「ミサンガ、ご存じでしょうか……?」
小糸「は、はい!切れたら……願いが、適うんですよね……?」
灯織「はい!そのミサンガです!ですから、福丸さんも何か大切なお願い事をそれに込めていただけたらなと……」
小糸「あ、あの……えっと……」
灯織「……ど、どうかしましたか?!」
小糸「このミサンガ、絶対に切れないって書いてるんですけど……」
灯織「えっ」
小糸「え、えへへ……ぶ、ブレスレット代わりにしますね!」
(気を使わせてしまった……)
-------------------------------------------------
灯織「福丸さん、今朝は朝ごはん、おいしかったです。普段からお料理はされるんですか?」
小糸「え、ええっと……た、たまに、お母さんの手伝いとか……」
灯織「なるほど、でしたら味付けはお母さんから教えてもらったり、でしょうか」
小糸「そ、そんな感じです……」
小糸「え、えっと……か、風野さんも料理するんですよね……?」
灯織「はい……私もたまに、ですが」
小糸「そ、そうですか……」
灯織「……」
小糸「……あ、あの!風野さんは、占いはどうして好きなんですか?!」
灯織「ど、どうして……」
小糸「あ、む、無理だったら大丈夫です!」
(ふ、福丸さん……今日はよく話してくれる……)
(むしろ話そうとしてくれてるんだよね、それならちゃんと返さないと……)
1.占いを見るのが日々のルーティンでして……
2.私の背中を押してくれるんです
3.自由安価
↓1
2 選択
灯織「占いは私の背中を押してくれるんです」
小糸「えっと……それって……?」
灯織「私、あまり打たれ強い方ではないので……大きな仕事のある日なんかは、ちょっと気後れしてしまう時もあって……」
灯織「そんな中で、朝に見る運勢がよかったら、『私は大丈夫、頑張ろう』なんて励ましをもらった気になって……」
灯織「占いに心酔しすぎるのはよくないですけど、ゲン担ぎみたいな形なら、楽しいですよ」
小糸「で、でも……運勢がよくなかったら……?」
灯織「そ、そういう時もありますよね……」
小糸「ぴぇっ……ご、ごめんなさい!」
灯織「前までなら、それで輪をかけて気分が沈むこともありましたが……」
灯織「最近では、イルミネのみんなもいるんだから悪い運勢も寄ってこない!なんて都合のいい解釈をするようになっちゃいました」
小糸「わぁっ……す、すごく仲良しなんですね!」
灯織「ノクチルの皆さんほどではないですよ……あ!」
(し、しまった……浅倉さんを思い出させるような発言を……)
小糸「え、えへへ……そうですね」
小糸「わ、わたしたちも、風野さんたちと一緒で、いつまでも、どこまでも……仲良しですから!)
(福丸さん……)
(その笑顔に偽りはなかった。福丸さんもまた、私たちと同じく、浅倉さんから引き継いだ絆を信じている)
(遺されたもの同士、この想いは共通だ)
【親愛度が上昇しました!】
【福丸小糸の現在の親愛度…4.0】
【灯織の部屋】
(福丸さんと占いについて話をした……)
(福丸さんにも、私にも確かな絆というよりどころがある)
(私たちは、負けない)
(……そのためにも、今できることをやらないと)
【自由時間開始】
-------------------------------------------------
灯織「さて、まだ時間があるけどどうしようかな……」
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル40枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 小糸選択
【食堂】
灯織「福丸さん……料理の準備中でしたか?」
小糸「え、あ……は、はい……晩御飯、手伝うから……」
灯織「私も手伝いますよ、二人でやった方が早く終わりますよね」
小糸「あ、ありがとう……ございます!」
灯織「礼には及びませんよ、ふふ」
(福丸さんと晩御飯の準備をして過ごした……)
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。
1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない
↓1
【アンティークドール】を手渡した……
小糸「わぁっ……すごくかわいい……!」
灯織「ど、どうでしょう、骨とう品の様でしたが」
小糸「い、いえ!むしろそんな貴重なものを頂いていいんですか?!」
灯織「わ、私よりも、喜んでいただける方が持っていた方が、そのアンティークドールも嬉しいと思いますから」
小糸「お人形さん、すごくかわいいです!え、えへへ!ありがとうございます!」
(ここまで喜んでいただけると、渡した甲斐がある……!)
【PERFECT COMMUNICATION】
【親愛度がいつもより多めに上昇します】
-------------------------------------------------
【倉庫】
灯織「……あれ?」
(何か物音が聞こえたような……誰かいるのかな?)
灯織「す、すみませーん……誰かいらっしゃいますかー……?」
???「ぴぇっ?!ご、ごめんなさい!!」
灯織「ひゃぁっ?!……ふ、福丸さん……?」
小糸「……あ、あれ?か、風野さん……?」
灯織「どうしたんですか……?そんな大きな箱を抱えて……」
小糸「……ご、ごめんなさい!」
灯織「え、ええっ?!あ、謝られてもこ、困ります!別に怒ってませんし……!」
小糸「ほ、ほんとですか……?」
灯織「はい……大丈夫ですよ、落ち着いてください」
小糸「お、落ち着いて……すぅ……はぁ……」
小糸「あ、あの……わたし、この飴が、すごく、大好きで」
灯織「飴……?」
(福丸さんは大量の飴玉の袋が収められた箱を大事そうに抱えている)
小糸「これ、わたしが持って帰っても……ダメ、です、よね……あ……ごめんなさい……」
灯織「え、ええっ?!」
1,大丈夫だと思いますよ?!
2.私にも一つ分けてください
3.自由安価
↓1
2 選択
灯織「私にも一つ分けてください」
小糸「ぴ、ぴぇっ?!」
灯織「これで、共犯です」
小糸「え、え……?」
灯織「共犯になっちゃったからには、私もばれたら怒られちゃうかもしれませんね」
灯織「だから、お互い黙っておきましょうか?……ど、どうでしょう」
小糸「……」
(な、慣れないキザな真似をしてしまった……)
(うぅ……福丸さん、きょとんとしていらっしゃる)
小糸「……」
小糸「……はい!」パァァァァ
(よかった……!)
小糸「か、風野さんとわたしは、お仲間……ですから!」
小糸「な、内緒ですよ!」
灯織「はい!仲間ですから!」
(福丸さんと心の距離がぐっと近づいたのを感じる……)
【親愛度が上昇しました!】
【福丸小糸の現在の親愛度…6.0】
-------------------------------------------------
【スキル:一番星の魔法を発動できます】
【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】
【現在のモノクマメダル 40枚】
【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?
↓1
【スキル:一番星の魔法を使用しました】
【現在のモノクマメダル…30枚】
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】
(福丸さんと秘密の共有をした……)
(飴玉をあんなに抱えて、ほんとに好きなんだな……)
(……チョコとかとも好みが合うのかも?)
【自由行動開始】
(さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?)
-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル30枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
というわけでお疲れ様でした。
今回の更新はここまでになります。
予定より数日遅れの更新となり申し訳ありませんでした。
次回は小糸を選択したところより再開。
動機発表も次回更新分に含まれるかと思います。
今のところ3/15(月)22:00~を予定しています。
そろそろ自分用のメモの意味もかねて情報を整理しておきます。
主人公:風野灯織
・習得スキル
〔一番星の魔法〕
〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕
・所持アイテム
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
・モノクマメダル…30枚
・現段階での親愛度
櫻木真乃……1 【DEAD】
八宮めぐる……0
田中摩美々……1.5
白瀬咲耶……0
幽谷霧子……0
西城樹里……3.0
杜野凛世……0
園田智代子……1.0
大崎甘奈……1.0
大崎甜花……0
和泉愛依……0
浅倉透……0 【DEAD】
樋口円香……0
福丸小糸……6.0
市川雛菜……1.0
それでは今度こそおやすみなさい……
おまえらそんなに小糸のぱんつが欲しいのか!わたしはほしいです
予定通り、自由行動で小糸を選択したところより再開します
>>541
親愛度最高値に到達した際の報酬アイテムは一応考えています
流石にロンパ原作おなじみのパンツではないですが…
そういうのは公式供給を待ちましょう()
2 小糸選択
【ランドリー】
灯織「あれ、福丸さん?」
小糸「ぴゃっ?!こ、こんばんは」
灯織「今日はなんだかよく会いますね」
小糸「え、えへへ……そうですね」
灯織「私も洗濯するものがあるので、待ち時間少しお話でもどうですか?」
小糸「は、はい!ぜひ!」
(福丸さんと洗濯の待ち時間にお話をして過ごした……)
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。
1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない
↓1
【アンティークドール】を手渡した……
灯織「福丸さん、こちらをどうぞ」
小糸「あっ、こ、これ……この前もらったお人形とそっくりですね!」
灯織「はい、以前とても喜んでいただけたようだったので……あ、不要でしたら破棄していただいても……」
小糸「そ、そんな……!捨てたりなんかしませんよ!」
灯織「そうですか……良かったです……!」
小糸「これ、すごくかわいくて……それに、部屋で見てると風野さんのことを思い出して……」
灯織「私、ですか……?」
小糸「い、いえ!なんでもないです……!」
小糸「え、えへへ……ありがとうございます、大切にしますね!」
【PERFECT COMMUNICATION】
【親愛度がいつもより多めに上昇します】
-------------------------------------------------
小糸「あ、あの……そういえば、あ、あの時は……すみませんでした」
灯織「あ、あの時……?な、なんのことでしょうか……」
小糸「え、えっと……クリスマスの……せ、聖歌隊の時……」
灯織「えっと……?」
(そういえば、事務所のみんなで聖歌隊を組んで商店街の皆さんに披露した時があった……)
(その時に福丸さんとは初めてご一緒したんだった)
灯織「な、なにも謝ることは……」
小糸「わ、わたし……今みたいに風野さんとお話しすることが、で、できなくて……」
灯織「いえ、そんな……!わ、私こそ慣れていらっしゃらない福丸さんのことに気が回らず、息詰まるような思いをさせてしまい……!」
小糸「わ、わたしがもっと、お話……できてたら……!」
灯織「い、いえ……私こそ……!」
小糸「わたしが……!」
1.私たち似たもの同士ですね
2.これじゃキリがありませんね
3.自由安価
↓1
1 選択
灯織「私たち似たもの同士ですね」
小糸「ぴぇっ……?」
灯織「ふふ、お互い譲らないんですから」
小糸「え、えへへ……お互い、謝ってばっかりですね」
灯織「もう口癖みたいになっちゃってますから」
小糸「た、たしかに……」
灯織「たまにめぐるに怒られるんですよ、一人で責任感を感じすぎだよーって。なかなか難しいんですけどね」
小糸「……わたしも、そうなのかな」
灯織「私たち二人とも、もう少し肩の力を抜いてみてもいいのかもしれませんね」
小糸「そ、そうですね!みんな……優しい人がたくさんですし!」
灯織「そうですよ、皆さんを頼っちゃいましょう」
小糸「は、はい!……頑張ります!」
灯織「もう、福丸さん、肩に力が入ってますよ」
小糸「ぴぇっ……!え、えへへ……」
【親愛度が上昇しました!】
【福丸小糸の現在の親愛度…8.0】
【灯織の部屋】
(そろそろ夜時間……)
ピンポンパンポーン
だけど、鳴り響いたのは夜時間のチャイムとは異なる聞きたくなかったあの音。
モノクマのたくらみが動き出したことを告げる最悪のチャイムだ。
『ようオマエラやってる?飯食って寝てるだけの家畜と変わらない生活楽しんでる?』
『そんな退屈な生活に飼いならされてたらオマエラの牙も抜け落ちちゃうよね!だから今日はオマエラに喝を入れるプレゼントをご用意しました!』
『そう!恒例の動機提供の時間だよ!視聴覚室に夜時間までに集合だよ!拒否権はもちろんないからねー!』
(……は?)
動機、提供……?
前回の事件で言う【他の人の秘密】のこと?あれ自体は意味を持たない秘密だったけど、それをモノクマが持ってきたことで私たちの間に疑心暗鬼の種が撒かれ、結果として事件は起きてしまった。
まさか、今回も……?
頭の中がぐるぐるする。
『もう私たちは大丈夫、絆を信じて立ち向かえる』
そう誓ったはずなのに、芯が揺らぐような音が脳内に響く。
(……行くしか、ないんだよね)
【視聴覚室】
視聴覚室にはすでにみんなの姿、そしてモノクマの姿があった。
めぐる「あっ、灯織……」
灯織「めぐる、もう来てたんだ」
モノクマ「集まったみたいだね!」
摩美々「なんなんですかぁ?プレゼントって」
モノクマ「欲しがりさんだなぁ、そう焦らなくてもちゃんとプレゼントするから落ち着きなよ!」
モノクマ「……ほら、これだよ!『モノクマビデオ』~!」
そう言って掲げられたモノクマの手には私たちの名前だけがラベリングされたDVD。
パッケージも何もないそれからは、他の情報は一切得られない。
モノクマ「一人一枚ずつ、しっかりご用意させていただきました!備え付けのビデオデッキでご覧くださいね!」
前回の【秘密】は私たちの自主性に任せられていたけど今回は違う。
拒否権はない、その言葉は文字通りらしい。
仁王立ちするモノクマからはこれまでにない圧を感じる。
……どうせ見なくちゃいけないんだ。
私たちはモノクマからそのDVDをひったくるようにして、それぞれの席についた。
-------------------------------------------------
DVDをビデオデッキに差し込むと、
しばらくの無音と暗闇の後、プツンと音を立てて映像が流れ始めた。
その映像は私たちイルミネーションスターズのライブ映像だった。
センターで笑顔を輝かせるのは、今は亡き友達の真乃。
その横で私とめぐるがステップをとり、三人の演技は完成する。
『大人気のアイドルユニット、イルミネーションスターズ。かわいらしく、華やかな彼女たちにはアイドルのステージが本当によく似合いますね』
『ここにたどり着くまで、彼女たちは絶え間ない努力を積み重ねてきました』
モノクマのわざとらしいナレーションで台無しだけど。
『しかし、彼女たちの仲間はこの三人だけではありません!彼女たちを裏でサポートしていた、いわば四人目のイルミネーションスターズともいうべき人がいますよね!』
(……四人目?)
……プロデューサーだ。
そこにいたのは私たちイルミネーションスターズを担当しているプロデューサー。
私たちをここまで連れてきてくれた、これ以上ない恩人のプロデューサー。
だけど、その目は黒布で塞がれ、両の手足は手術台のようなものに縛り付けられている。
拘束されていないその口は必死に画面の前の私に何か叫びかけているように見えるが、その音声は届かない。
編集でつけられた、悪趣味なBGMにかき消されている。
灯織「な、なんで……!?」
思わず画面にかじりついて声をあげてしまう。
カメラアングルが差し代わる。
プロデューサーの顔を画面全体でとらえていた映像は、横向きの俯瞰映像に。
_______そこで私は、この映像の本当の意味を知った。
手術台に横たえられていたプロデューサー、その眼前には回転する鋸が迫っていた。
目隠しされているものの、その音は聞こえているらしく、プロデューサーの絶叫はその勢いを増す。
灯織「やめて……やめて……!!」
クレーンは徐々に下がっていき、プロデューサーと回転鋸の距離は近づいていく。
灯織「なんで……?なんでプロデューサーが?!やめて!!」
プロデューサーの体に鋸が重なりかけたその瞬間……停止。
流れていた映像そのものが止まり、浮かび上がる文字。
【真実は卒業のあとで!】
『うぷぷぷぷ……みんな大好きプロデューサークンは一体どうしちゃったんですかね?もう職場復帰はできないのかな?』
『……でもでも、それを知るには卒業するしかないんだよね!』
-------------------------------------------------
映像が、終わった。
灯織「……は?」
心臓の鼓動がとてつもなく早くなる一方で、全身の血の気が引いていく。
視界はぐらぐらとゆらぎ、自分の目の前の画面すら、捉えることは困難になっていた。
モノクマ「お、風野さん終わったかな?どうだった?ボクの秘蔵の隠しビデオ(秘)!」
灯織「どういう……ことですか……?!」
モノクマ「どういうこと?あー中身の事ね!それが気になるなら……」
モノクマ「コロシアイをまた始めるしかないよね!」
(……!?)
モノクマの狙いはそれだ。
前回は私たちの絆を破壊しようとして、今回は私たち個人に対する攻撃。
身近な人の生死不覚という絶望の淵に急に立たされた私たちを一気に揺さぶりにかけている。
ガタガタという音が鳴っていることに気づいた。
それはほかならぬ私自身から発せられた音。奥歯が震えて打ち鳴らす音。
……出なきゃ、出てプロデューサーの無事を確かめないと!
モノクマ「いいねえ、いいねえ!その顔その顔!自分だけでなく、自分の大切な人まで窮地に立たされていることを知ったとき、人はすごいいい顔になるんだ」
モノクマ「怒り憎しみ悲しみ戸惑い不安……全部持ってる美しい顔になるんだよ」
視聴覚室に響き渡るみんなの声はモノクマの言うとおり、様々なものを孕んでいた。
それは学級裁判で味わった……あの絶望の声だ。
円香「……心外ですね」
モノクマ「ん?」
円香「動揺したことは否定しませんが、私がわざわざあの人のために外に出ようとするとでも?」
モノクマ「うーん……まあ樋口さんはそうかもね!」
円香「は?」
甘奈「千雪さん……?!」
(……!?)
咲耶「恋鐘……結華……!?」
樹里「果穂っ!!夏葉っ!!おい、どうなったんだよ!二人は、どうなったんだよ!?」
愛依「あ、ああ……あさひちゃん……!?冬優子ちゃん……どうして……?!」
(ほかのみんなは、見ている映像が違ったの……?!)
モノクマ「うぷぷぷぷ……283プロのユニットは女子高生以外も在籍するユニットがあるからね!せっかくだからユニットアイドルの方が絶望感が増すかなって!」
モノクマ「そういうわけで、イルミネとノクチルのみなさんにはプロデューサーさんの映像、他のユニットはアイドル仲間の映像をご提供させていただきました!」
灯織「なんで……なんでこんな酷いことをするんですか……?!」
モノクマ「なんでって言われてもなー、それはボクがモノクマだからとしか言いようがないよね!」
灯織「……どういう意味なんですか!」
モノクマ「オマエラが呼吸するのと一緒!ボクは生きると同時に絶望を振りまいているからね!オマエラが望もうが望むまいが、ボクは絶望をもたらし続けるんだよ!」
モノクマ「気になるならやるしかないよね!ユー、さっさと殺っちゃいなよ!気になるあの子の生死を知るには生きたままここを卒業するしかないんだよ!」
私たちは無言でモノクマの言葉を聞くことしかできなかった。
この学園から完全に脱出することが頭の中を支配していた。
早まる鼓動が思考を遮る。
疑心暗鬼じゃない……
自分自身を信用できるかどうかの闇に放り込まれたんだ。
私はこの衝動を……本当に抑え込めるのかな……
___
_____
_______
【灯織の部屋】
キーン、コーン・・・カーン、コーン
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』
昨晩の動機発表。
あのビデオで見た光景が目に焼き付いて離れなかった。
前回の動機とは異なる直接的な揺さぶり。
仲間との協力で押さえつけられるような衝動ではない何かが、自分の中で湧き出しているのを感じる。
でも、その一線を越えるわけにはいけない。
それをしてしまえば、真乃を、みんなを裏切ることになる……だから今は堪えるしかない。
大丈夫、プロデューサーは無事。
(……行こう)
ベッドの傍らに置いてあったモノクマビデオをゴミ箱の中に放り込んだ。
【食堂】
咲耶「……やあ、灯織」
今日も変わらず咲耶さんは出迎えてくれる。
だが真乃の事件の直後とはまた違った意味合いで元気がない。
摩美々「おはよう灯織―」
灯織「摩美々さん?!き、今日はお早いんですね!?」
摩美々「昨日の今日だしね、早めに手は打っておかないとー」
灯織「ど、どういう意味でしょう……?」
摩美々「わかってるでしょ?前回の動機とはわけが違う、今回は直接的な動機……」
摩美々「既に誰かが別の誰かを殺す計画を立てててもおかしくないんだよねー」
灯織「……っ!?」
摩美々さんの口ぶりは、重たかった。
冗談なんかじゃない……
私自身その言葉が真実味を帯びていることはいやでも感じている。
______否定は、できない。
摩美々「今日の朝礼は何があっても全員参加してもらう、灯織たちも呼び出し手伝ってくれるー?」
灯織「は、はい……」
摩美々さんの指示に従い、いつも通りの朝礼一番乗り組で他の全員を食堂へと呼びだした。
幸い誰もまだ危害を加える加えられたの関係性ではないようだったけど、
集まった全員が全員。その瞳に不安と動揺と携えていることが見て取れた。
咲耶「すまないね、今日は早めに全員に集まってもらった」
めぐる「ううん!しょうがないよ!」
愛依「うん……むしろこうやってみんなで集まってる方が安心できるし……」
円香「……昨日の件でしょ?」
甘奈「昨日の……ビデオ……」
智代子「……か、果穂……」
樹里「……くそっ」
摩美々「……あのビデオ、信じる信じないは別にしろ、かなり悪趣味なものだったよねー」
凛世「……いまだに凛世は、受け入れられません」
愛依「許せない……絶対許せないよ」
怒り、憎しみ、焦燥……
みんなの顔には同じ表情が浮かぶ。
摩美々「でも、間違っても誰かを殺そうなんて考えない方がいいよー」
灯織「……はい」
愛依「そりゃそうだけど……!」
雛菜「みんなそれは思ってますよ~?」
雛菜「でも、事件は既に一度、起きちゃいましたよね~」
めぐる「そ、それは……!」
摩美々「具体的に抑止する方法はない、それは確か」
霧子「ま、摩美々ちゃん……」
咲耶「……残念だがその通りだよ、この合宿生活で制限を賭けようにもある程度の限界はある」
咲耶「かえってそれを犯行に利用される恐れもあるところだ」
小糸「ぴぇっ……!」
摩美々「口約束なんて守らなかったらそれまで、事実真乃と透は守らなかったわけだしー」
円香「……結局何が言いたいの」
摩美々「人を殺すリスクを考えてほしいんだよねー」
摩美々「真乃と透の事件でわかったよね、出ようとしたところで失敗すれば待っているのは最悪のおしおき」
摩美々「普通に死ぬ方が楽だろうねー」
今でも、目を閉じれば浮かび上がる。
あの時の真乃の惨状。
いつも一緒にいた真乃の可愛らしい、元気な笑顔は一瞬の間に無機質な死体へと変えられてしまった。
そう、学級裁判に勝つことが出来なければクロになったところで待っているのは最悪の結末。
摩美々さんは、不安に恐怖を上塗りすることで抑止力にしようとしているんだ。
凛世「筆舌に尽くしがたい、苦痛を味わうやもしれません……」
愛依「想像しただけで吐きそう……」
樹里「あいつ、人の死をなんとも思っちゃいねー。むしろショーみたいに楽しんでやがる」
霧子「どうして、そんなことができるんだろう……」
摩美々「それにもし仮に卒業に成功したとしても、その先に待っているのはまた別の地獄だよ」
摩美々「誰かをその手で殺した、それに加えて私たち全員を犠牲にしたっていう罪悪感を抱えてこの先何十年と生きていくわけでしょ?」
摩美々「そんなの、死よりも辛そうだよねー」
そうだ、人を殺すということはこの学園から離れても重い十字架を背負い続けるということ。
どんなに勇気があっても、それを乗り越えることは、耐え抜くことは容易じゃない。
そんなことができる人間は、もはや人間とすらいえないのかもしれない。
めぐる「……わたしなら、耐えれないよ」
小糸「……そう、です……ね……」
摩美々「それだけ言いたかったので、集まってくれてありがとうございましたー」
摩美々さんは語り終えるとどっしりと椅子に腰かけた。
智代子「人を殺す、覚悟……」
樹里「そんなもの、できなくていいんだよ」
灯織「……樹里」
樹里「そんな覚悟ができることが強くなることなら、アタシは弱いままでいい。そんな強さはでたらめだ」
凛世「はい……理に背く強さは、蛮勇に過ぎません……」
めぐる「……うん!そうだよ!それにまだあのビデオが本当かどうか決まったわけでもないんだし!」
灯織「……めぐる」
めぐる「だってそうでしょ?わたしたちを監禁してるだけじゃなくあんなことまでしてたら大犯罪者だよ!?」
愛依「……そうだよ、ね。うん……あさひちゃんも冬優子ちゃんも、うちよりよっぽどすごいんだし……あんなの嘘に決まってる、そうだよね!」
甜花「なーちゃん、みんなの言う通りって……甜花も思うよ」
甘奈「甜花ちゃん……?」
甜花「千雪さんは、甜花となーちゃんの、二人のお姉ちゃん、だから……絶対無事……!」
霧子「そうだよね……恋鐘ちゃんも結華ちゃんも無事だよね……」
咲耶「ああ、二人を捕らえることなんて魔法使いでもない限りは不可能さ」
めぐる「うん!みんなを信じよう!みんなもきっと頑張ってるんだよ!」
めぐる「だからわたしたちも頑張ろうよ、ね!」
摩美々「……ふふー」
(摩美々さん……まさかこの流れも計算して……?いや、まさか……)
でも、摩美々さんとめぐるのおかげでみんなの表情はぐっと変わった。
食堂に入ってきたときの不安げな色はだいぶやわらぎ、視線も自然と上向きになっていた。
私の心も、少しばかり軽くなった気がする。
これなら大丈夫……かもしれない。
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】
食堂での励まし合いを終え自分の部屋に戻ってきた……
昨日の動機発表で一時はどうなることかと思ったけど、この調子なら協力も出来そう。
交流も滞りなく行えるかな。
むしろ今だからこそ交流は大事になるかも、私にできるところから始めよう。
【自由行動開始】
灯織「さて、どうしようかな……」
-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル30枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 小糸選択
【小糸の部屋】
(……今回の動機を見た時から、福丸さんのことが気にかかっていた)
(大丈夫、かな……?)
ピンポーン
小糸「あ、風野さん……」
灯織「こんにちは、その……大丈夫ですか?」
小糸「え、あ……は、はい!大丈夫です、ありがとうございます」
小糸「田中さんも、八宮さんも……言ってたことを、私も信じるしかないかなって……思う、から……」
灯織「福丸さん……」
(福丸さんと静かに時を過ごした……)
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。
1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない
↓1
【水笛】を渡した……
灯織「福丸さん、これどうぞ」
小糸「……こ、これって?可愛い形ですね……」
灯織「水笛と言って、笛の一種です。試しに吹いてみてください」
小糸「は、はい……」
ピーヒョロロ……
小糸「わぁ……可愛い音……」
灯織「どうでしょう、この音色で少しでも気持ちが休まれば……」
小糸「ありがとうございます……大事にしますね、すごくかわいいです……!」
【PERFECT COMMUNICATION】
【親愛度がいつもより多めに上昇します】
-------------------------------------------------
灯織「福丸さん……大丈夫、ですか?」
(福丸さん、昨日までの溌溂とした表情とは異なり、どこか沈んだ表情だ……)
(昨日モノクマに見せられたビデオが気にかかっているんだろう……)
小糸「だ、大丈夫ですよ!か、風野さんこそ!」
灯織「わ、私ですか?……正直、気になりはしています。プロデューサーは私にとってかけがえのない恩人ですし、今すぐにでも無事を確かめたいと思っています」
小糸「そ、そうですよね……」
灯織「ですが、摩美々さんも仰っていた通り……ここは堪えるしか」
小糸「う、うぅ……」
(福丸さん、震えている……)
小糸「わたしも、プロデューサーさんの無事が気になって……でも、それ以上に……」
小糸「こわい……」
1.ノクチルの皆さんがいるじゃないですか
2.私も支えますから
3.自由安価
↓1
2 選択
灯織「福丸さん、前も言いましたよね。皆さんを頼っちゃいましょうって」
小糸「……!!」
灯織「怖いなら、誰かを頼るのもいいんじゃないでしょうか」
灯織「その恐怖に正面から一人で向き合う必要は必ずしもない、と思います」
灯織「その、もしよろしければ……私もいることですから」
小糸「か、風野さん……?」
灯織「わ、私も……支えますから……!」
小糸「あ、ありがとう……ちょっと気が楽になりました……」
灯織「そ、そうですか?なら良かったです」
小糸「え、えへへ……また、励まされちゃった……」
灯織「福丸さん……」
小糸「あの……ま、また!話に来てくれると、嬉しいです……!」
灯織「もちろんですよ!ぜひ!」
小糸「や、約束ですよ!」
(福丸さんとまた一緒にお話しする約束をした……)
【親愛度が上昇しました!】
【福丸小糸の現在の親愛度…10.0】
【灯織の部屋】
(福丸さん、最後には明るい表情になってよかった)
(……だいぶ、仲を深めることができているんじゃないかな)
(い、いや……私だけがそう感じている可能性もあるし、慎重に接するようにしないとだめだよね、うん……)
【自由行動開始】
【事件発生前最終日の自由行動です】
灯織「さて、どうしようかな」
-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル30枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
【小糸の部屋】
ピンポーン
小糸「あ、か、風野さん!えへへ、会いに来てくれたんですか?」
灯織「はい、福丸さん……ぜひ一緒に過ごせればと」
小糸「も、もちろんです!どうぞ!」
灯織「ありがとうございます……お邪魔します」
(福丸さんと楽しくおしゃべりして過ごした……)
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。
1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない
↓1
【無銘の巾着を渡した……】
灯織「福丸さん、これをどうぞ……」
小糸「巾着、ですか……?わぁ、すごくかわいいですね」
灯織「はい、手作りで、作った人の気持ちがすごく籠ってるんです」
小糸「……ですよね、その、風野さん」
灯織「福丸さん……?」
小糸「その、だ、だからこそ……もっとこの巾着袋は、その人と強いつながりがある人が受け取るべきなんじゃないかなって思うんです」
小糸「ご、ごめんなさい……別にいらないとかそういうわけでは、すごく嬉しいんですけど!」
小糸「わ、わたしよりもっと渡すべき人がいるんじゃないかなって……」
-------------------------------------------------
灯織「福丸さん、元気が出たようで良かったです」
小糸「えへへ、か、風野さんのおかげですよ!」
小糸「み、見て下さい!風野さんにもらったプレゼントもしっかり飾ってるんですよ!」
灯織「わぁ……本当ですね、ありがとうございます」
小糸「そ、その……それで、いつももらってばかりだから……」
灯織「福丸さん?」
小糸「こ、これ……!もらってください!」
(福丸さんが渡して来たのは……【アンティークドール】?)
灯織「あ……ふ、福丸さん……不要、でしたよね……」
灯織「そうですよね、一個ならまだしも二つは、流石に邪魔になりましたよね……」
小糸「ああいえ、違うんです!これ、せっかく二つ頂いたので私なりの気持ちをこめて、服をお裁縫道具で作ってみたんです……!」
(そういえば、それぞれの個室にはモノクマ曰く犯行にも使える裁縫道具セットがあったんだっけ……)
灯織「これを福丸さんが……?たしかに、私が渡した時とは布地も違う……」
小糸「い、いらなかったですか……?」
灯織「そ、そんな……!大変ありがたいです……!」
小糸「えへへ……よかった」
1.これでお揃いですね
2.家宝にします
3.自由安価
↓1
灯織「そ、その……福丸さん、これでお揃い……ですね」
小糸「……!そ、そうですね……!」
灯織「福丸さんの人形と私がいただいたお人形で、まるで姉妹みたい……」
小糸「姉妹……」
灯織「福丸さん?」
小糸「あ、いえ!なんでも、ないです!」
灯織「?……そうですか」
灯織「私も自分の部屋にいるときでも福丸さんのことが、この人形を見ればいつでも思い出せそうです」
灯織「すごく嬉しいです……本当にありがとうございます」
小糸「い、いや……もともと、風野さんが私に何度も話しかけてくれたおかげですし……」
小糸「あ、あの……本当に、いつもありがとうございます!」
灯織「こちらこそ、福丸さんにはいつも救われてますから」
小糸「か、風野さんって大人ですね……」
灯織「そ、そうですか?」
【親愛度が上昇しました!】
【福丸小糸の現在の親愛度…11.5】
-------------------------------------------------
【スキル:一番星の魔法を発動できます】
【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】
【現在のモノクマメダル 30枚】
【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?
【事件発生前最終日の自由行動です】
↓1
【スキル:一番星の魔法を使用しました】
【現在のモノクマメダル…20枚】
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】
(福丸さんにプレゼントを頂いてしまった……)
(思いがけない一品、実際もらってみるとこんなにうれしいものなんだな)
(さて、今日ももう少しだけ頑張ってみよう)
【自由行動開始】
【事件発生前最終日の自由行動です】
灯織「さて、どうしよう……?」
-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル20枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩
↓1
2 小糸選択
【食堂】
灯織「あ、福丸さん……こんばんは」
小糸「こ、こんばんは……」
灯織「晩御飯ですか?……ご一緒してもいいでしょうか」
小糸「は、はい!ぜひ……!」
灯織「ありがとうございます、隣、失礼しますね」
小糸「え、えへへ……」
-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。
1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない
↓1
【プレゼントを渡しませんでした】
灯織「ふふっ、福丸さんよく笑うようになりましたね」
小糸「そ、そうですか?」
灯織「あ、す、すみません……私個人の見解なのですが、ここにくる以前より福丸さんの笑顔を多く見かけるようになったような気がします」
小糸「た、多分それは……風野さんのおかげだと思います」
灯織「わ、私ですか……?」
小糸「は、はい……透ちゃんの事件の裁判で、か、風野さんが言ってた【絆】……わ、わたしも考えてみて」
小糸「透ちゃんがいなくなっても、わたしの中で透ちゃんは生き続けてるんだって思うようになって……」
灯織「福丸さん……」
小糸「それに、風野さんはわたしに何度も話しかけてくれて……そのたびにわたし、嬉しくて……次に会えるのはいつかなって、楽しみになってて」
灯織「そこまで思ってくれていたんですか……?」
小糸「あ、す、すみません!」
灯織「いえ、そんな、謝らないでください!私も同じですから!」
小糸「ぴぇっ?!」
灯織「私も、次にお会いしたら何を話そうか、何をしようか。そうやって思いを巡らせるようになってて……」
小糸「か、風野さん……」
灯織「その、だから……」
1.福丸さんのこと、小糸って呼んでもいい……かな?
2.もう、友達ってことで、いいのかな……?
3.自由安価
↓1
1 選択
灯織「福丸さんのこと、小糸って呼んでもいい……かな?」
小糸「え……?」
灯織「あ、いや……もし嫌でしたらお断りしていただいても!」
小糸「だ、大丈夫だよ!……灯織ちゃん!」
灯織「……!」
小糸「え、えへへ……灯織ちゃんとわたしはもう、と、と、友達……だからね!」
灯織「……はい!ありがとうございます」
小糸「も、もう灯織ちゃん!敬語になってるよ!」
灯織「あ、いや……つい……」
小糸「も、もう……灯織ちゃんはうっかり屋さんだなぁ!」
灯織「あはは……ごめん、小糸」
小糸「そうだ、せっかく友達になれたんだし……こ、これ灯織ちゃんに!」
灯織「こ、これって……?」
小糸「あ、飴玉だよ!実は、この学校に入ったとき既にポケットに入ってたもので……わ、わたしのお気に入りなんだ!」
灯織「そんな貴重なものを……」
小糸「もう、と、と、友達だからトーゼンでしょ!」
灯織「……うん、ありがとう小糸」
小糸「えへへ……」
(小糸との間に確かな絆を感じる……)
(心の内側からじんわりと広がっていく温かさ、確かな友情がここにある)
(この絆は、絶対に切れない)
【親愛度が上昇しました】
【親愛度MAX!】
【アイテム『お気に入りの飴玉』を手に入れました】
〔外にいた時、普段小糸が口にしていた飴玉。口に入れるだけで頬が蕩けるほど甘い〕
【スキル『ポシェットの中には』を習得しました】
〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕
-------------------------------------------------
おめでとうございます。福丸様との親愛度が最大限に到達いたしました。
自由行動での目標は到達いたしましたが、以降も交流で福丸様を選択いただくことは可能です。
その際にはモノクマメダルをコンマ値に応じて獲得できるイベントが発生いたします。
必要に迫られることがあれば、ご活用くださいませ。
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】
キーン、コーン…カーン、コーン
モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』
モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』
(一日が、終わってしまった)
今日も日中は皆さんと交流した。
そのおかげで私自身気も楽になったし、他の皆さんも昨晩ほどの沈みようは感じなくなった……と思う。
大丈夫、何も心配することなんかない。
……あのビデオも、嘘っぱちなんだから。
そう自分に言い聞かせながら、私は目をつむった。
……でも、思えばそんな虚勢ははじめから意味なんて無かったのかもしれない。
理不尽は、そんなもの関係なしにやってくるからこそ、理不尽なんだ。
___________もう、絶望は迫っていた。
というわけで今回の更新はここまでになります。
小糸の親愛度が12に到達しましたね。
おかげで書き溜め分の灯織→小糸の呼び名を修正しなくてはなりませんね……(笑)
小糸から習得したスキルは永続的に発動する(予定)なので、今後メダルには困らないかも……?
今回もこのレスの直下のレスでコンマ判定をさせてもらい、次回更新時に反映させていただきます
途中小糸にも言及させましたが、モノモノマシーンの91~100で排出される私が考えたアイテムは
シャニマスのアイドルに関連した物品になるので、関連性の強いアイドルに渡すことが求められます。
今回は外れてしまいましたが……
次回更新は事件発生~捜査パートになります
3/16 22:00~から更新できたらやります
それではまたよろしくお願いします、おやすみなさい……
-------------------------------------------------
【スキル:ポシェットの中にはの判定を行います】
【末尾の数字と同じだけのモノクマメダルが獲得できます】
↓1
乙です
予定通り事件発生から少し更新します……
-------------------------------------------------
>>595
【コンマ06】
【スキル:ポシェットの中にはの効果でモノクマメダルを6枚手に入れました!】
【現在のモノクマメダルの枚数…26枚】
___
_____
_______
【灯織の部屋】
キーン、コーン・・・カーン、コーン
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』
(……朝だ)
昨日は結局何事もなく一日が終わった、けど……
みんなはどう思っているんだろう。
朝礼ではみんな前向きになっていたし、
その後の交流でもそこまで思い詰めた人はいなかった、ように思う。
でも、私の視点からそう見えるだけで、実際のところはわからない。
楽観的になんて、なれないよ……
【食堂】
食堂の扉を開けると、出迎えてくれたのは咲耶さんだった。
灯織「おはようございます」
咲耶「やあ、おはよう」
ああ、よかった。いつもと変わらない朝だ。
咲耶さんの笑顔はいつも通り華やかで、卓には既に温かい飲み物と一緒にくつろいでいるみんな。
霧子「おはよう、灯織ちゃん……」
凛世「おはよう、ございます……」
霧子さんに、凛世。
(……あれ?)
______『みんな』は、欠けていた。
灯織「凛世?樹里と小糸は?」
凛世「はい、今朝呼び鈴を鳴らしても返事がなく……食堂に先にいらしているものかと思っていたのですが……」
咲耶「珍しいね、樹里が寝坊とは……」
凛世「こちらに来てからも、生活習慣を崩されているご様子はなかったのですが……」
霧子「疲れが、出ちゃったのかな……?」
灯織「こ、小糸もですか……?」
咲耶「二人同時に寝坊……」
咲耶「…………」
咲耶「…………であって欲しいけれど」
霧子「……!!まさか、何かあったんじゃ……」
凛世「……まさか」
(……嫌な予感がする)
昨日の動機がよみがえる。
モノクマに見させられた悪趣味な映像。
阿鼻叫喚というほかない地獄の光景。
私の脳内に常に流れ続けているこの映像……
もし、万が一。
誰かがこの衝動に飲み込まれたんだとしたら。
灯織「わ、私、樹里の部屋に行ってみます!」
_______いてもたってもいられなかった。
咲耶「私たちは小糸を探そう!霧子、凛世!」
凛世「はい、参りましょう……!」
【樹里の部屋前】
ドンドンドンドンッ!
灯織「樹里?起きてる?返事して!」
インターホンを何度鳴らしても、扉を乱暴に叩いても、廊下で声を張り上げても……返事はない。
脳裏によぎる浅倉さんの事件。
……いや、そんなわけない。
私たちはあの時裁判上で誓ったんだ
……殺しなんて、事件なんか起きてるはずがない!
灯織「樹里!樹里!」
めぐる「あれっ灯織!?どうしたの!?」
灯織「め、めぐる!樹里の姿が見えなくて……」
めぐる「樹里が?!いっつもあんなに早く集合してるのに?!」
灯織「そう……だから妙だなって思って……でもこうやって部屋を訪ねても反応がないの!」
めぐる「よし、みんなで探そう!大丈夫、どこかにいるはずだよ!」
灯織「あ、めぐる!樹里だけじゃなくて小糸も朝礼に来てないの……小糸も探してもらえる?」
めぐる「うん、もちろん!今からみんなの部屋のインターホンを鳴らして叩き起こして捜索開始!」
(そ、それはそれで困るけど……)
めぐるの協力もあり、すぐに樹里と小糸を除く全員が集まった。
智代子「じゅ、樹里ちゃんがいないの?!」
灯織「うん……いつも朝礼に早くから集まってるのに、今日はまだ二人とも……」
愛依「どうしたんだろ……誰か見た人もいない系?」
甘奈「ううん、甘奈たちは見てないよ……」
甜花「どうしちゃったんだろう……」
円香「…………」ギリッ
めぼしい目撃情報もなし。
明らかな異常事態に、すぐさまに二人の捜索が始まった。
灯織「ダメ、いない……!」
倉庫、ランドリー、大浴場……
教室、視聴覚室、購買……
片っ端から覗き込んでも二人の姿はない。
_____焦燥が体の震えに変わりだした頃、学校中に響き渡る、それが聞こえた。
「わああああああ!!!」
(今の声は……チョコ?!玄関ホールから?!)
私はすぐさま調べていた教室を抜け出し、声の方へと駆けつけた。
玄関ホール。学校エリア一階の正面に位置する場所からチョコの声は聞こえた。
普段から開け放たれた玄関ホールからは心なしか冷たい空気が漂っている。
事実を確認しようとするその足取りは重たい。
まるで足枷をつけられているかのように、一歩を踏み出すのが苦しい。
______違う、そんなわけはない。
もう私たちの間でコロシアイなんか起きるはずない。
そう確信していたし、今も頭の中で何度も何度も叫び続けている。
でも、この……血の匂いだけは……
ただ一つの認めたくない現実を表している。
大きな唾を一つ、呑み込んで、私は玄関ホールに踏み込んだ。
そして、私は【それ】を見た。
それを見て……
それを見て……
見、て…………
…………………………
……………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………
【玄関ホールの中央に胸部に深々と包丁を突き刺され絶命している福丸小糸の姿があった】
-------------------------------------------------
CHAPTER02
存在証明を、この悲鳴を、或いは絶望を
非日常編
-------------------------------------------------
ピンポンパンポーン!
「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!」
………………
………………………………
………………………………………………え?
しばらくしてから絶叫している自分に気がついた。
目の前で広がる赤々とした惨状。
完全に力の抜けた小糸の遺体。
誰よりも小さなその身体で、誰よりも一生懸命現実に立ち向かい、自分の中の殻を破った小糸。
私たちがモノクマにもう一度立ち向かうそのきっかけをくれた小糸。
______そして、ここでの生活で本当の友達になれた小糸。
そんな彼女は、もう動かない。
他のみんなが集まるまでそう時間はかからなかった。
めぐる「こ、小糸?!」
咲耶「……なんてことだい」
雛菜「こ、小糸……ちゃん……?」
円香「…………」
灯織「……なんで、なんでまた」
灯織「コロシアイが起きてしまうんですか!」
絶叫虚しく、その答えが返ってくるはずもない。
モノクマ「てやんでいてやんでい!」
めぐる「も、モノクマ!」
モノクマ「天下の往来の玄関ホールで殺したぁ肝の座った犯人でねぇか!」
凛世「今回も、犯人は凛世たちの中に……?」
モノクマ「タリメェよ!おみゃーらん中に犯人はいるんでい!っちゅーわけで」
モノクマ「ザ・モノクマファイル2!渡しておくでい!」
甘奈「うぅ……また、始まるの……」
甜花「もう、やだよ……学級裁判なんて……」
モノクマ「いやもへったくれもねー、もうおみゃーらは現実に向き合うしかないんじゃ!」
灯織「……っ!」
……悔しいけど、こればかりはモノクマの言う通り。
私たちがこうして嘆いていても小糸は帰らない。
自然と、そのことを自分が理解するのにそう時間は要さなかった。
(……真乃の事件で、慣れてしまっているんだ)
(このいかれた状況に)
灯織「……モノクマ、ファイルを頂けますか」
めぐる「ひ、灯織……?」
灯織「めぐる……小糸のためにも、今は動くしかない……そうでしょ?」
めぐる「……そうだけど!」
モノクマ「風野の嬢ちゃんは立派だね、もうこの状況に慣れつつあるんじゃな」
モノクマ「他のおみゃーらも見習うように!」
愛依「んなこと言ったって……」
摩美々「モノクマ、私にもファイルくださーい」
霧子「ま、摩美々ちゃん……」
摩美々「昨日も確認したでしょ?学級裁判にかかってるのは私たちのおしおき」
摩美々「私は死にたくないのでー」
智代子「う、うぅ……」
円香「……それじゃあ私も、ファイルいただきます」
雛菜「……雛菜も」
モノクマ「ほっほっほっ、いいのういいのう、後ろ向きな前向きじゃのう!」
愛依「……あーもう!しょうがない、うちにもちょうだい!」
みんないやいやながらも私たちの後に続いてファイルを受け取っていき、
やがて全員の手に行き届いた。
摩美々「……灯織、今回は切り替え早かったね」
灯織「別に切り替えたわけではありません……」
灯織「小糸の遺志を継ぐこと、それは真乃と約束したことでもある」
灯織「……それなら向き合うことから逃げてる時間はないんです」
摩美々さんに返した言葉は本心だった。
半ばやけくそなところもあったとは思う。
それでも、私の心の中には臆病な自分をふっとばして無理やり振るい建てようとする心があった。
それが残されたものに課せられた義務だと知っていたから。
生き残らないと、それに報えない……!
ファイルを配り終えたモノクマは、大きく一つ伸びをするとそそくさとその場を去ろうとする。
モノクマ「じゃ、せいぜい頑張りな!わしは江戸仕込みのワインでも飲みながらおみゃーさんらのことを眺めとくけーの!」
摩美々「ストップ」
だが、それを摩美々さんが制止した。
モノクマ「べらんめぇ?!」
摩美々「……樹里がこの場にいないけどいいの?ていうか樹里は無事なんですかぁ?」
そう、一瞬の間小糸の死で忘れてしまっていたが、この場所にはもう一人、樹里がいない。
まだ緊急事態は終わってなどいないんだ。
モノクマ「クックック……それはわしの口からは言えんからの……おみゃーさんらでどうにかせんかい」
咲耶「自分の目で確かめろってことかい……」
モノクマ「そういうこと、教師が干渉しすぎるのは教育的に良くないって偉い人も言ってるからね!」
モノクマ「もういい?行っていいよね?やかんのお湯が沸騰してるころだしもう行くよ!」
モノクマはそれだけ言うと、すぐにその姿を消した。
智代子「えーっと、どうしよっか……」
めぐる「ど、どうするも何も、樹里を見付けなきゃだよね?!」
咲耶「それもそうだけど、捜査も進めないと学級裁判で勝つことはできない」
凛世「ならば、分担いたしましょう……」
凛世「現場で小糸さんの死を究明するチーム……樹里さんの無事を確認するチーム……」
凛世「分かれて行えば倍々でお得、でございます……」
摩美々「それが一番だねー」
愛依「ならうち、樹里ちゃん探すよ!推理はやっぱり苦手だし……任せた!」
咲耶「私も手伝おう、樹里が気がかりで頭が働きそうにない……」
自然と樹里の捜索班と事件の調査班とに分かれていき、事件現場には数人が残された。
灯織「めぐるはどうする?」
めぐる「わたしはやっぱり樹里を探しに行こうかな……頭を使うのより、こっちの方がやっぱり得意だし!」
めぐる「だから灯織、推理は任せたよ!」
灯織「うん、こっちこそ。樹里は任せたよ」
めぐる「まっかせてー!必ず樹里の無事の知らせを、届けて見せるから!」
めぐるもすぐに捜索班の後を追い、私と別れることになった。
……残された私も、役目を果たさないとね。
逃げてばっかりじゃいられない……!
小糸……あなたの遺志は絶対に受け継ぐから……!
【捜査開始】
さて、まずは事実確認のモノクマファイルから。
モノクマに手渡された封筒を開封する。
『被害者は福丸小糸。胸部を包丁で人差しにされている。切り傷、刺し傷といった外傷はない。犯行現場には血文字で『成敗』と残されている』
(……これだけ?)
今回のモノクマファイルの情報は目で見てもわかる情報に限られている……あまり使えそうにないかも。
前回の事件でも肝心記述がなかったり、モノクマが意気揚々と持ち出す割には大した代物じゃない。
……どこがフェアなんだか。
コトダマゲット!【モノクマファイル2】
〔被害者は福丸小糸。胸部を包丁で一刺しにされている。切り傷、刺し傷といった外傷はない。犯行現場には血文字で『成敗』と残されている〕
-------------------------------------------------
(……さて、どこから捜査しよう)
1.小糸の死体を調べる
2.智代子の話を聞く
↓1
2 選択
灯織「チョコ……第一発見者はチョコだったんだよね……?」
智代子「うん……見た瞬間、声を上げちゃって……」
(そりゃ、これだけ凄惨な死体を突然目にしたら叫びたくもなる……)
智代子「私の声を聴いて、灯織ちゃんが遅れてやってきたんだよね」
灯織「うん、その後私の声を聞いてだんだんみんなが集まってきて……今に至ると」
智代子「……ん?うーん……」
灯織「あれ?チョコ、どうかした?」
智代子「いや、大したことじゃないんだけど……前回の透ちゃんの事件の時は、灯織ちゃんたちより先に愛依ちゃんが死体を発見してたよね?」
灯織「え?……うん、そうだったよ」
智代子「今回は、私が先に目撃して……その後灯織ちゃんがやってきた」
灯織「それがどうしたの?」
智代子「モノクマの『死体発見アナウンス』がなったタイミングっていっつも第一発見者じゃないんだよね」
灯織「……それは確か校則にも書いてあったよね、クロ以外の三人が死体を確認した場合に鳴らすアナウンスだって」
智代子「そう!で、それだったら今回の事件ではアナウンスが鳴ったタイミングって私と灯織ちゃんで……二人だよね?」
灯織「ほんとだ……これって、どういうことなんだろう……」
智代子「うっかり……じゃあないよね」
コトダマゲット!【死体発見アナウンス】
〔クロ以外の三人以上が死体を発見した時に鳴るアナウンス。智代子と灯織が死体を発見した直後に今回のアナウンスが鳴った〕
-------------------------------------------------
【選択肢が一つなので自動進行します】
-------------------------------------------------
(小糸の死体だ……この小さな身体で、彼女は絶望に争い続け、私たちを励ましてくれたんだよね……)
(心臓が止まり、冷え切った身体に触れるとどうしても彼女との思い出が蘇ってくる)
(でも、泣いてる場合じゃない……よし!)
小糸の死体に向き合った。
冷静に見返してみると今回の事件は異様だ。
モノクマファイルの記述にも会ったように
小糸の死体はただ包丁を突きさされているだけではなく、
大きな血文字の上に横たえられている。
誰かの意思がそこには大きく絡んでいる。
ここも含めて検討しないと。
-------------------------------------------------
1.小糸の死体を触って調べる
2.小糸に突き刺さっている包丁を調べる
3.血文字をよく見てみる
4.死体のそばに落ちている紙を調べる
↓1
4 選択
……あれ?小糸の遺体のそばに何か紙が落ちている。
そういえば愛依さんが事件に巻き込まれた時も、メモ用紙で呼び出されたんだった……もしかして!
『二人っきりで話したいことがあります。深夜2時に図書室に一人で来てください』
……!!
これって!
コトダマゲット!【小糸の持っていた手紙】
〔小糸の遺体のそばに落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜2時に図書室に一人で来てください』と書いてある〕
-------------------------------------------------
1.小糸の死体を触って調べる
2.小糸に突き刺さっている包丁を調べる
3.血文字をよく見てみる
↓1
3 選択
血文字……小糸の血を使って書かれたものだ。
智代子「ううっ……小糸ちゃん、最後の力を振り絞ったんだね……」
灯織「チョコ……?それってどういう意味?」
智代子「え?これってダイイングメッセージじゃないの?」
灯織「ダイイングメッセージ……被害者が死の間際に犯人を指し示す証拠を残したメッセージのことだよね?」
(うーん、確かにドラマとかだとよくあるけど……)
(小糸の死体はあおむけで、血文字はその遺体の両脇にでかでかと書かれている)
(これを被害者本人が書いたとは考えづらい、よね)
灯織「チョコ、状況からみてダイイングメッセージじゃないんじゃないかな?」
智代子「え?」
灯織「ほら、血文字は背中側だし、小糸はあおむけ。それにこの血文字……『成敗』って書いてあるよ?」
智代子「『成敗』……何の意味があるのかな?」
灯織「むしろ犯人が残して、その犯行声明みたいな感じだったりするのかな?」
コトダマゲット!【血文字】
〔小糸の背中側にでかでかと書かれた『成敗』の二文字。小糸の死体はあおむけで、その文面からしても小糸のダイイングメッセージだとは考えづらい。犯人の犯行声明のようなものだと思われる。〕
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成敗の2文字……犯人は一体なんのために……?
凛世「灯織さん、もし宜しければ一緒に図書館までいらしていただけませんか……?」
灯織「凛世?……う、うん、いいけど……図書館が何か関係してるの?」
凛世「はい、こちらの血文字……凛世には心当たりがございます……」
灯織「え?」
凛世「殺人鬼【ジャスティスブラック】でございます……」
(ジャスティスブラック……?)
そういえば、以前黒幕の話になった時智代子が言っていた……
確か果穂も大好きな戦隊ヒーロー【ジャスティスV】のお面をつけた連続殺人鬼、だったっけ。
________それが、どうしてここで?
(現場での捜査がひと段落したら凛世に話を詳しく聞いてみようかな)
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1.小糸の死体を触って調べる
2.小糸に突き刺さっている包丁を調べる
↓1
2 選択
胸に正面から突き立てられた包丁……これが凶器と見て間違いはないのかな?
霧子「小糸ちゃん、苦しまずに死ねたのかな……」
灯織「霧子さん……?」
霧子「あ……えっとね……この包丁って、真正面から突き立てられてて……そのまま一直線に突き抜けてるみたい……」
灯織「真正面から……?」
(確かに言われてみればそうだ……今回の凶器も、まるで垂直に包丁が突きたてられたかのように、真正面から突き刺さっている)
灯織「胸部に真正面からって……不自然ですよね」
霧子「うん……胸のあたりは、肋骨もあるから……殺害を目的にするなら、普通狙うのはお腹なんじゃないかな……」
灯織「そう、ですよね……」
霧子「これが死因なら、即死だったと思うよ……」
コトダマゲット!【包丁】
〔小糸の死体に突き刺さっていた包丁。胸部に真正面から包丁を突き立てられているため、これが死因なら即死だったものと思われる〕
灯織「……あれ?そういえばこの包丁ってどこから来たものなんでしょう?」
智代子「あ!それなら多分食堂の包丁だよ!ほら、厨房の!」
灯織「厨房の……?」
凛世「はい、凛世や樹里さんが料理をする際に用いていたものになります……」
凛世「ちょうど5日ほど前から、厨房の包丁は一本歯抜けの状態でございます……」
智代子「うんうん、それは私も見たよ!包丁が消えてから……一度も戻ったのは見てないなぁ……」
凛世「今朝の朝礼の段階で、朝餉の支度はしておりましたから包丁の数は確認しております……」
凛世「犯行に使われたのは、その消えていた一本で間違いないです……」
コトダマゲット!【包丁の出どころ】
〔今回の事件に用いられた包丁は食堂の厨房のもの。5日前から消えていた一本が、そのまま犯行に用いられたとみられる〕
-------------------------------------------------
【選択肢が一つなので自動進行します】
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……もう私は、逃げないと決めた。
なら遺体の調査も、自分の手でしっかりと終える……
灯織「小糸、ごめんね……いくよ!」
意を決して小糸の遺体に手を触れる。指先から伝わってくる冷たい死の感覚……気を抜くと当てられてしまう瘴気だ。
それでも決意が揺るがないように、必死に自分に抗いながら触診する。
ぱっと見でもわかるとおり、この包丁で負った傷は致命的。
刃先が半分肉体沈むほど深々と刺さっている……
モノクマファイルの情報にも矛盾はない。
他に外傷としては見当たらない、ような……
いや、切り傷とかにはなって無いってだけかな……?
もうすこし体を念入りに触ってみると、胸部当たりの感触に違和感を感じる。
触ってみるとわかるけど、これは……肋骨が折れている……?
コトダマゲット!【小糸の死体】
〔心臓を包丁で一差しにされている他、肋骨が折れてしまっている〕
(よし、玄関ホールで気になるところは一通り調べ終わったかな)
灯織「ねえ、凛世。さっき血文字に心当たりがあるようだったけど」
凛世「はい、灯織さんが都合がよろしければ……今すぐにでも、図書室へ……」
灯織「うん、大丈夫。教えてもらえるかな?」
凛世「こちらへ……」
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【図書室 書庫】
ここに来たのははじめの探索以来。
相変わらず埃っぽい空間……だけど凛世はそれに怯むことなくずいずいと突き進み、棚から一冊の本を手に取った。
凛世「こちら、でございます……」
凛世が手渡してきた本、そのタイトルは……
灯織「世界殺人鬼名鑑?!」
凛世「はい、左様でございます……かつて世間を賑わかせたジェノサイダー翔はもちろん、海外の殺人鬼キラキラちゃんまで……古今東西和洋折衷の殺人鬼が収められております……」
(凛世がこんな本を読んでたなんて意外だな……)
凛世「こちらのページを、ご覧になってくださいませ……」
というと凛世はページ角が折られた1ページを開いた。
灯織『ジャスティスブラック……新進気鋭の殺人鬼。現場には必ず【成敗】の血文字を残すことで知られる。彼がその目に映すのは正義か、それとも狂気か』
灯織「……これって!」
凛世「はい、現場の血文字と一致しております……」
灯織「わ、私たちの中にジャスティスブラックの正体が……?!」
コトダマゲット!【世界殺人鬼名鑑】
〔古今東西時代を問わず殺人鬼が収められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もある。『現場には必ず【成敗】の血文字を残す』〕
凛世「……凛世も、一瞬そう思ったのですが」
灯織「……え?」
凛世「こちらの一冊もご覧になってください……」
灯織「えーっと……『日本殺人鬼大観』、これまた物騒なタイトルだね……」
凛世「こちらは日本の殺人鬼に絞って記載がされております……時代の流れに合わせて新旧入り混じった殺人鬼が……」
灯織「すごい……猟銃と日本刀で三十人殺した青年……こんな人もいたんだ……」
凛世「ご覧になっていただきたいのはこちらのページです……」
凛世が開いた1ページ。
そこには先ほどの名鑑よりもはるかに大々的にジャスティスブラックが取り上げられていた。
しかもある程度のボカシは入っているものの、被害者の写真付き。
凛世「これと世界殺人鬼名鑑とを比べ読むと、凛世の感じる違和感も理解していただけるものかと……」
灯織「う、うん……わかった」
『ジャスティスブラックは近年登場した連続殺人鬼だ。
彼の名前の由来にもなったジャスティスVはXX年より放映が開始されており、彼が登場したのはその一年後の△△年になる。
彼の特徴は、殺人が正義のためのものであるということ。
彼が殺害する対象は元服役囚ばかりで、その胸に正面から刃物を突き立てることが共通している。
その死体は死体自身の血で猟奇的に彩られるのも特徴だ。血でできたVの字の上に横たえられた死体、その脇には成敗の2文字。
ジャスティスブラック本人にとっては、まさに悪の組織の一味を討ち取ったような感覚なのだろう。そんな子供じみた狂気を我々は感じてならない』
凛世「小糸さんのご遺体と、相違点があることに……お気づきになられましたか……?」
灯織「うん……この情報は使えると思う、ありがとう。凛世」
コトダマゲット!【日本殺人鬼大観】
〔日本に絞って殺人鬼の情報が集められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もこちらの方が濃密〕
【図書室】
埃っぽい図書室での捜査を終え、図書室に出てくると、数人が図書室を調査中だった。
甘奈「あれ?灯織ちゃん?!ありゃりゃ、甘奈たちより先にもう来てたんだ」
灯織「うん……もしかして、樹里を探してるところ?」
甜花「書庫なら、いるかなって思った……けど……」
灯織「はい、ここにはいませんでした……」
甘奈「まあ、樹里ちゃんが図書室って感じでも無いかなぁ?」
灯織「あんまり関係ないと思うけど……」
甜花「西城さん、どこだろう……」
(どうせだし図書室も少し調べてみようかな……?)
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1.本棚を調べる
2.脚立を調べる
3.床に落ちているゴミを調べる
↓1
1 選択
(相変わらず夥しい数の本がギチギチに詰め込まれている……)
凛世「どなたか、凛世たちより先に入られたのでしょうか……」
灯織「え?」
凛世「こちらの本棚……凛世が以前覗いた時と、並びが異なっております……」
灯織「ホント?!ど、どの棚?!」
凛世「入口向かって正面の棚……ご覧になってください、五十音の並びがめちゃくちゃになっております……」
灯織「ホントだ……めちゃくちゃだ、しかも本棚全体だよ」
凛世「一度全ての本を出して……適当に入れ直すほどの労力を、要したものと思われます……」
(何か事件に関係あるかもしれない、覚えておこう……)
コトダマゲット!【凛世の証言】
〔図書室の本棚の並びが事件前後でめちゃくちゃになっている。〕
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1.脚立を調べる
2.床に落ちているゴミを調べる
↓1
(図書室の隅、あれはなんだろう……)
灯織「アルミ製の、ゴミ……あ、これって!」
凛世「PTPシート、でございますね……」
灯織「え?」
凛世「錠剤を入れるアルミ製のシートをそう呼ぶと、以前お聞きいたしました……」
灯織「へぇ……でもなんでこんなところに錠剤のシートが……?」
凛世「裏面に薬の名前の記載がございます……」
灯織「……『スグネムール』、直球なネーミングだね」
凛世「『あったらいいな』をカタチになさる製薬会社の薬なのでしょうか……」
灯織「名前からしても、これは睡眠薬みたいだね」
(それにしてもこの薬、どこかで見覚えがあるんだけどな……)
コトダマゲット!【睡眠薬】
〔図書室に落ちていた睡眠薬のシート。既に薬はなくなっており、何者かが使用したものと思われる〕
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【選択肢が一つなので自動進行します】
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甘奈「あれ?このハシゴ、壊れてる……?」
灯織「甘奈、それはハシゴじゃなくて脚立だよ。ほら、ハシゴだったら何かに立てかけて使ったりするけど、脚立は自立するから」
甘奈「そうかな……?ハシゴも脚立も結局登るから一緒なんじゃないの?」
灯織「えっ」
甜花「風野さん、もっとホンシツを見るのが大事……!!」
甘奈「そういうこと☆」
灯織(な、なんか釈然としない……!!)
凛世「妙でございますね……昨夜、凛世は本棚の上段にある本を取る際に、使用したばかりです……」
灯織「そうなの?」
凛世「はい、図書館に備えつきの足場です……凛世は毎日図書室に通っていたので、頻繁に活用していたのですが……」
甘奈「この壊れ方、危ない……足場がガタガタになってるよ!」
甜花「気付かずに使ったら、大怪我しちゃう……!」
凛世「モノクマさんに、交換のお申し付けをしておかなければ……」
コトダマゲット!【脚立】
〔図書室に備え付けの脚立。凛世が昨日使用した段階では故障していなかった。事件後は足場がガタガタになっており大変危険な状態になっていた〕
(図書室でもまさか情報が得られるとは……一度小糸さんの遺体のある玄関ホールに戻ろうか……?)
そう思って移動しようとした矢先。
図書室の扉は乱暴に開かれた。
愛依「ちょいちょい!灯織ちゃんたち!こっち来て!」
灯織「め、愛依さん?!どうしたんですか、そんなに慌てて!」
愛依「じゅ、樹里ちゃんが……見つかった、見つかったんだけど……マジでやばいから急いで!」
灯織「樹里が見つかったんですか?!」
愛依「現場はプールサイドだから、早く向かって!うちは他のみんなも呼んでくる!」
樹里がプールサイドに……?
なんでこんな朝早くから?別に樹里にそんな運動習慣は無かったはず。
それに愛依さんの慌てっぷり……まさか!?
心臓の鼓動がはち切れんばかりに早まる。
嘘だ、そんな……ついさっき、絶望を味わったばかりなのに……
そんなこと、あるはずがない!あっちゃならないんだ……!
-------------------------------------------------
【プール】
我も忘れて廊下を駆け抜け、更衣室も走り抜け、そしてプールサイドへ到着。
既に対岸の方には摩美々さんたちの姿が見える。
ざわめきが遠目にもわかる……間違いない、【何か】が起きている。
頼むから、その【何か】が私の思っているものとは違っていて……!
__________でも、この学園ではそんな願いなんて無意味だ。
【プールサイドのロッカーには頭部が自身の血に染め上げられた西城樹里が押し込められていた】
というわけで少し早いですが今回の更新はここまで。
小糸から嫌な空気を感じ取っている方もいらっしゃったようで……
嫌な予感は現実になってしまいました。
次回は捜査パート終了までで止めておきます。
少々短くはなると思いますが、学級裁判はできる限り金土日に進めたいので……
明日も22:00から始めたいと思います。
それではおやすみなさい……
予定通り捜査パート最後まで、短めですが更新します……
灯織「樹里!!」
(そんな、そんな……!?)
集まっているみんなには構う余裕もなく、思わず樹里のそばに駆け寄る。
誤解されやすい見た目だけど、すごく面倒見が良くて、気さくで……
心許しあえる仲間だった彼女の手は、かつての温もりを…………
__________失ってはいなかった。
灯織「え?」
咲耶「灯織、落ち着くんだ。樹里はまだ息がある……死んではいないんだ」
樹里の口元に耳を寄せる。
スーッ……スーッ……
微かだが、呼吸が聞こえる。
苦悶の中絞り出すような呼吸ではあったが、確かに彼女の生存を物語るものだった。
摩美々「今霧子が倉庫に応急処置の道具を取りに行ってるとこー、とりあえずは安心していいってー」
灯織「ほ、ホントですか……良かった……」
樹里「……当たり……まえ……だろ?」
灯織「樹里!?」
樹里「アタシが……こん……なとこで……死ぬわけ……ねー……」
灯織「でも、ひとまずは安心しました……樹里が無事で何よりです」
摩美々「まぁ無事じゃないですけど、犠牲者の数は増えなくて良かったですよねー」
しばらくするとすぐに他のみんなも集まってきた。
めぐる「うわっ?!樹里?!大丈夫なの?!」
円香「……」
凛世「樹里さん……!樹里さん……!」
甘奈「えっ……大丈夫なんだよね?!これ、大丈夫なんだよね?!」
甜花「西城さん……踏ん張って……!まだ、死んじゃダメだよ……!」
樹里「こんなの……大したことねーよ……」
霧子「救急セット、持ってきたよ……!止血はこれで済むし、大丈夫……!」
霧子さんの治療は手早く、あっとういう間に樹里の頭は包帯でぐるぐるまきになってしまった。
布越しに浮かび上がる血の跡がなんとも痛ましい。
霧子「あと、鎮痛剤も持ってきたから……」
樹里「おう、悪いな……いってて……」
樹里はそう言ってヨロヨロと体を起こして……
樹里「痛っ!!」
その途中で勢いよく転んでしまった。
愛依「わああああああああ!!?!?樹里ちゃん?!?!?!」
甜花「あわわわわわ……西城さんが、死んじゃった……!!!!!」
摩美々「スペランカーじゃないしそんな簡単に死なないでしょー……」
樹里「いって……くそっ、右脚が……右脚が……」
樹里が痛みに喘いで身を捩りながら指さしたのは右脚。素人目にもわかるぐらい腫れ上がっている。
霧子「これは……骨折……?ごめんね、樹里ちゃん……ちょっと触るよ……」
樹里「ガッ……!!痛っ……!!」
霧子「…………うん、右脚が骨折してるみたい……犯人に襲われた時に、折れたのかな……」
樹里「ま、マジかよ……」
コトダマゲット!【樹里の骨折】
〔ロッカーに押し込められていた樹里は、右脚を骨折していた〕
めぐる「き、霧子……どうにかならないの?!」
霧子「……私も、そこまでできるわけじゃないから……どうしよう……」
咲耶「このままじゃ裁判どころじゃないね……」
愛依「どうすんの……まだ捜査も終わってないよね?!」
摩美々「……モノクマー」
モノクマ「はいはい!お呼びでしょうか!」
灯織「ま、摩美々さん?!」
摩美々「樹里の怪我の治療、お願いできませんかー?」
樹里「はぁ……?!摩美々、ふざけんな……!んなもん、アタシはやだかんな……!」
モノクマ「いいっすよ!」
智代子「快諾?!」
モノクマ「まあ放っておいても別に死ぬ怪我でもないしね!これで西城さんが死ぬんなら事件が面白くなるかもしれないし放っておくところだけど!」
咲耶「最低の理由を語ってくれてありがとう」
モノクマ「ま、この様子だと西城さんは生きてる方が面白そうだし助けてあげるよ!」
円香「……それ、どういう意味?」
モノクマ「おっと、喋りすぎたかな!」
樹里「アタシはモノクマになんか治療される気ないからな……」
モノクマ「はいはい、我が儘が許されるのはママの子宮の中までだよ!」
……と、モノクマが適当に樹里を宥め、指を鳴らすと。
_____ピーポー……
めぐる「……あれ?何か聞こえない?」
灯織「……え?」
モノクマ「聞こえるかい……自然の呻きが」
_____ピーポーピーポー……
咲耶「微かに……サイレンのような音が聞こえるね」
霧子「救急車さん……?」
_____ピーポーピーポー……
愛依「え?なんか……近づいてきてるくない?!」
灯織「……えっ?」
_____ピーポーピーポー!
愛依さんの言葉通り、サイレンはどんどん大きくなっていき、
_____ズガドーン!!
プールの壁をぶち破って救急車が姿を現した!
智代子「えええええええええ?!?!」
灯織「きゅ、救急車がなんで……学校の壁から……?」
甘奈「ここここここ、二階だったよね?!」
モノクマ「あとはドクター・デスの異名を欲しいままにするボクにお任せ!」
咲耶「不吉極まりない異名だね……」
モノクマ「至急!この患者をモノクマ救命センター24時に搬送します!」
めぐる「ど、どこにそんなところがあるの?!」
樹里「おい、こら!離せ!」
モノクマ「あーもう!暴れない暴れない!」
霧子「じゅ、樹里ちゃん……暴れると、怪我によくないよ……!」
モノクマ「ボクの医師人生を賭けて、西城さんを救ってみせるよ!免許はないけどね!」
呆気にとられる私達を他所にモノクマはそそくさと樹里を救急車に乗せ、どこかへ走り去ってしまった。
愛依「今何が起きたん……?」
めぐる「ぽかーんだよ……」
摩美々「……ひとまずはモノクマに任せるしかないよー」
甘奈「だ、大丈夫……だよね?」
智代子「信じるしかないよ……大丈夫、奇しくもモノクマは世界一の外科医とカラーリングが一緒だから……」
咲耶「……関係あるのかい?」
……理解は追いつかない、けど
とりあえずは喜んでいいんだよね?
あそこまで言うからには樹里はきっと助かるんだよね?
大丈夫なんだよね?
……はぁ、考えても無駄だよね。
仕方ない、樹里は行ってしまったけど、残された証拠から得られる情報もあるはず。
ここで調査を行おう。
-------------------------------------------------
1.樹里の入っていたロッカーを調べる
2.ロッカーの中に落ちている紙を調べる
3.愛依に話を聞く
↓1
樹里が入っていたロッカーを隅々まで見てみると、一枚のメモ用紙がロッカー内に落ちていることに気が付いた。
『二人っきりで話したいことがあります。深夜1時に図書室に一人で来てください』
あれ?これって……
そうだ、さっき小糸の遺体の近くで見つけた手紙と同じ紙で同じ内容になっている。
違うのは、集合時間だけ……
同じ犯人が書いたものとみて間違いない……のかな?
コトダマゲット!【樹里の持っていた手紙】
〔樹里の押し込められていたロッカー内に落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜1時に図書室に一人で来てください』〕
-------------------------------------------------
1.樹里の入っていたロッカーを調べる
2.愛依に話を聞く
↓1
2 選択
灯織「そういえば、愛依さんが樹里さんの第一発見者なんですか?」
愛依「うん……うちだよ」
愛依「あ、今回もマジでうち何もしてないかんね!ロッカーの扉を開けた瞬間に机も降ってこなかったし!」
(相当浅倉さんの事件がトラウマになってるみたいだ……)
愛依「学校中隅々まで探してたら見つけたってだけだし……特に手掛かりになる心当たりとかは無いかな~、ごめん!」
灯織「いえ……」
(そうだ、愛依さんが第一発見者なら樹里から何か話を聞いてるかもしれない)
灯織「あ、では愛依さんじゃなくて樹里は何か言ってませんでしたか?私は大して樹里と話す間もなかったので……」
愛依「あー、おっけ!任せて任せて!確か……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
愛依「樹里ちゃーん!おーい!いたら返事してー!」
______ガタガタ
愛依「……あり?あっこのロッカー、今動いた?」
愛依「……んしょっと」ガチャ……
樹里「……あ……?」チミドロ
愛依「うわあああああああ!?!?!?!?じゅ、樹里ちゃんが、死んでる?!?!?」
樹里「め、愛依か……死んでねーよ、静かにしてくれ……」
愛依「……え?じゅ、樹里ちゃん、無事なん?!」
樹里「無事……じゃなさそうだけどよ……」
樹里「へへっ、犯人は……アタシを殺し損ねたみてーだ」
愛依「は、犯人?!犯人知ってんの?!」
樹里「…………いや……不意打ち食らったから、生憎な。顔も……見てねー……」
樹里「あー……くそ……図書室に呼び出されてから……記憶があいまいだ……」
愛依「わー!無理しないで!すぐにみんな呼んでくっから!死なないで!」
樹里「……任せとけ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
愛依「頭打ってる状態で頭使わせんのはアレかなって……でもマジで記憶ソーシツ?みたいな感じだったよ!」
灯織「……大丈夫です、樹里の記憶も重要なところはしっかり残っているようですし」
(ただ、本人は何があったのかすらよくわかってなかったんだ……)
コトダマゲット!【樹里の証言】
〔樹里は昨晩の夜時間に図書室に呼び出され、そこで犯人の不意打ちを受けた。殴られた衝撃でそれ以外の記憶は曖昧になっている〕
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【選択肢が一つなので自動進行します】
-------------------------------------------------
樹里が押し込められていたロッカーだ。
内側にはベッタリと血が付着している。
霧子「その血痕は、樹里ちゃんの血だよ……後頭部の頭皮が裂けてたから……」
灯織「後頭部が、ですか?」
霧子「うん、なにかで強く頭を一度殴られたみたい……」
灯織「ってことは……樹里は不意打ちをうけたということなんでしょうか」
霧子「かも……それで、一撃で意識を失っちゃったみたい……」
(樹里の意識を飛ばすほどの衝撃……犯人はかなりの勢いで殴りつけたに違いない)
コトダマゲット!【後頭部の怪我】
〔樹里の後頭部に出血を伴う強い打撲痕がある。樹里は不意打ちでこれを食らったようで、その衝撃で意識を失ってしまった〕
……大体調べるべきところの調査は終わった。
ただ、今回の被害者が被害者だけに、あの人に話を聞いておくべき、私は逃げるべきじゃない。
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【小糸の部屋前】
灯織「やっぱり、ここにいましたね」
円香「……何?」
灯織「……っ!」
(冷ややかな目……私のすべてを見透かしているかのよう……)
(でも、樋口さんの視線からは……真乃の時に感じたような敵意は、感じない)
円香「……別に話すこととか、ないから」
灯織「いや、あの……樋口さんは、小糸のこと見かけたりとかは」
円香「してない」
灯織「……そんなわけないですよね?!だって幼馴染なんですよね?!」
円香「……関係ない」
灯織「小糸のこと、何か少しでも知っていることがあれば!」
円香「……ごめん」
(どうしてしまったんだろう……!?のれんに腕押し……話していてもまるで響いている感覚がない……!)
(死体発見の時にも、透さんの時のような錯乱の色が全く見えなかった……)
(何も感じていないわけがないのに……)
雛菜「円香先輩……」
(……市川さん!)
雛菜「雛菜、今の円香先輩こわくてきらい~……」
円香「……そう」
市川さんに話しかけられても樋口さんはおざなりな返事でその場を去ってしまった。
雛菜「……」
灯織「い、市川さん……あの」
雛菜「なんですか~……?」
灯織「その、ショックだとは思うんですが……その……事件を解決することが小糸のためにもなるといいますか……」
雛菜「……わかってますよ、雛菜もそれぐらい~」
雛菜「でも、ごめんなさい……今は、雛菜も……円香先輩とおんなじだから……」
市川さんも、そのまま樋口さんのあとを追ってどこかに行ってしまった。
二人は私たちに証言を提供しないどころか、協力を拒んでいる……そんな態度だ。
私たちに彼女たちの気持ちがすべてわかるわけない。けど……どうしてここまで?
樋口さんも市川さんも、【絆】を信じてはくれなかったの……?
_______キーンコーンカーンコーン……
『お疲れ様です、進捗のほどいかがでしょうか!』
『そろそろ裁判の時刻が迫って参りました!学校エリア一階、赤い扉の前に集合くださいね!裁判場でボクと握手!』
『……あ、そうそう!お友達は無事応急処置が終わったから、しっかり裁判にも参加してもらうから安心してね?』
『みんな揃って学級裁判をしないとだめだよね、それが平等な教育って奴だから!法令を遵守する、ボクって立派なクマだなぁ……!』
(……時間だ)
今のモノクマの口ぶりからして、樹里は本当に助かったみたい。
ただ、そのまますぐ裁判に連れて行くんだ……
樹里には苦しい時間を過ごさせることになってしまう……
結局樋口さんにも協力は得られなかったし、今回の事件には不安材料が多い。
……でも、やるしかない。進むしかない。
なんとしても生き残る……そのために、行くんだ。
【学校エリア エレベーター前】
モノクマ「いらっしゃい!裁判場は天国と地獄の一歩手前!三途の川クルーズへようこそ!」
既にエレベーターホールにはみんなが揃っていた。
もちろん、樋口さんも市川さんも。
そして、樹里も。
灯織「樹里……!大丈夫なの?!」
樹里「まあな、みんなに裁判まかせっきりってわけにもいかねーし……頑張るよ」
めぐる「無茶はしちゃだめだからね!」
怪我をしながらも私たちと一緒に戦おうとしてくれる樹里。
円香「……」
雛菜「……」
その一方でだんまりを決め込む樋口さんと市川さん。
二人の協力は多分この裁判でも得られない。
私たちは決して一枚岩じゃないかもしれない。
……でも、共に生きる仲間なんだ。私たちは絶対に生き残る。
この裁判でも……死ぬわけにはいかない!
めぐる「灯織……頑張ろうね」
灯織「……うん」
私がエレベーターに乗り込むとドアは締まり……
エレベーターは動き出す。
エレベーターの立てる機械音は大きな音だけど……不思議と気にならなかった。
福丸さんの死、樹里の大けが、モノクマに渡された動機ビデオ……
気になるものはもっと他にある。
今の私の胸の動悸はそのどれかに向けられたものなのか。
もう自分の感情がわからない、戸惑いや恐怖なんて一言じゃ表せない……
ただ唯一確かなのは、死にたくないということだけ。
_______だから私は、もう一度戦わなくちゃいけないんだ。
エレベーターが停止した。
裁判場は浅倉さんの事件の時とは様変わりしていた。
青色だったカーテンは今から命のやり取りをするとは思えないパステルなピンク色。
そんな色彩の中で裁判の設備が備えられてるのが異様なミスマッチで不気味だ。
モノクマ「どうせなんで福丸さんに合わせてキュートでポップなレイアウトに変えてみました!背景もずっと一緒じゃマンネリ化しちゃうしね!」
めぐる「一体どこからそんなお金が出てるんだろう……」
けど、そんなことにかかずらっている場合じゃない。
私たちは現実に向き合わなきゃいけないんだ。
私たちの中にいる殺人犯、クロを見つけ出さなきゃならない!
________超高校級の学級委員、福丸小糸。
学級委員の名にふさわしい責任感、そして誰よりも強い心の芯を持っていた。
彼女は浅倉さんの死を乗り越え、強く、大きくなろうとしていて……
そんな彼女に私たちは希望をもらっていた。
それなのに、そんな彼女を殺した人間がいる。
二度目だろうが何だろうが、慣れることはない。
学級裁判……
________それは仲間たちを疑いあう私たちの戦い。
________それは仲間たちを犠牲にして生き残る私たちの戦い。
________それは仲間たちを信じるための私たちの戦い。
戦うんだ!私の全力をかけて……!
というわけで短いですが区切りが良いのでここで今回の更新は終了です。
タネは割れてましたが樹里は生存しておりました。
次回更新より学級裁判パートに移ります。
今回の2章裁判で物語として大きく動き出すものになってると思います……!
1章に引き続き、核心に迫るようなネタバレコメントは控えていただけると助かります。
次回更新は3/19(金)22:00~予定です
今週末で裁判を終わらせたいですね!
それではお疲れ様でした、失礼します……
少し早いですがコトダマテンプレ作成もあるので再開いたします
了解
【コトダマ】
‣【モノクマファイル2】
〔被害者は福丸小糸。胸部を包丁で一刺しにされている。切り傷、刺し傷といった目に見える争った外傷はない。犯行現場には血文字で『成敗』と残されている〕
‣【死体発見アナウンス】
〔クロ以外の三人以上が死体を発見した時に鳴るアナウンス。智代子と灯織が死体を発見した直後に今回のアナウンスが鳴った〕
‣【包丁】
〔小糸の死体に突き刺さっていた包丁。胸部に真正面から包丁を突き立てられているため、これが死因なら即死だったものと思われる〕
‣【包丁の出どころ】
〔今回の事件に用いられた包丁は食堂の厨房のもの。5日前から消えていた一本が、そのまま犯行に用いられたとみられる〕
‣【小糸の死体】
〔心臓を包丁で一差しにされている他、肋骨が折れてしまっている〕
‣【小糸の持っていた手紙】
〔小糸の遺体のそばに落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜2時に図書室に一人で来てください』と書いてある〕
‣【世界殺人鬼名鑑】
〔古今東西時代を問わず殺人鬼が収められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もある。『現場には必ず成敗の血文字を残す』〕
‣【日本殺人鬼大観】
〔日本に絞って殺人鬼の情報が集められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もこちらの方が濃密〕
‣【血文字】
〔小糸の背中側にでかでかと書かれた『成敗』の二文字。小糸の死体はあおむけで、その文面からしても小糸のダイイングメッセージだとは考えづらい。犯人の犯行声明のようなものだと思われる。〕
‣【凛世の証言】
〔図書室の本棚の並びが事件前後でめちゃくちゃになっている。〕
‣【脚立】
〔図書室に備え付けの脚立。凛世が昨日使用した段階では故障していなかった。事件後は足場がガタガタになっており大変危険な状態になっていた〕
‣【睡眠薬】
〔図書室に落ちていた睡眠薬のシート。既に薬はなくなっており、何者かが使用したものと思われる〕
‣【樹里の骨折】
〔ロッカーに押し込められていた樹里は、右脚を骨折していた〕
‣【後頭部の怪我】
〔樹里の後頭部に出血を伴う強い打撲痕がある。樹里は不意打ちでこれを食らったようで、その衝撃で即座に意識を失ってしまった〕
‣【樹里の持っていた手紙】
〔樹里の押し込められていたロッカー内に落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜1時に図書室に一人で来てください』〕
‣【樹里の証言】
〔樹里は昨晩の夜時間に図書室に呼び出され、そこで犯人の不意打ちを受けた。殴られた衝撃でそれ以外の記憶は曖昧になっている〕
-------------------------------------------------
【学級裁判 開廷!】
モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」
モノクマ「学級裁判では皆さんの中に潜むクロを探していただきます」
モノクマ「議論の結果指摘されたクロが正解ならクロのみがおしおき、不正解ならクロ以外の全員がおしおきとなります」
モノクマ「さあ議論の果てに生き残るのは、どっちなんだーっ!?」
智代子「じゅ、樹里ちゃん……本当に大丈夫なの?」
樹里「おう……まあ頭がガンガンして、脚の骨が折れてるだけだからな」
めぐる「大変だ!全然大丈夫じゃないよ!」
樹里「まあアタシは万全じゃねーけど……それより議論のが大事だろ?忘れてねーよな、この議論には全員の命が懸かってる」
灯織「もちろん……私たちはこの学級裁判も絶対に生き残って見せるよ」
凛世「はい……小糸さんは、透さんの死を経て……克己心を人一倍持っておりました……」
凛世「凛世たちは、小糸さんのためにも……この裁判を乗り越えねばなりません……」
智代子「もちろんだよ!」
摩美々「じゃあそろそろ議論を始めよっかー」
摩美々「今回の被害者は小糸だったわけだけど……明らかに普通の殺人じゃなかったよねー」
円香「……」
(樋口さん、どうしたんだろう……小糸の遺体を見つけた時からずっとそう……)
(本来ならもっと取り乱しそうなものだけど……)
円香「……」
雛菜「……円香先輩」
(単純に気が沈んでいるだけ……じゃないよね)
摩美々「まずは小糸の遺体の特徴、そこから議論を始めよっかー」
めぐる「よーし!絶対犯人、見付けるぞー!」
智代子「うん……!絶対、負けないよ!」
(ううん、今は議論に集中しなきゃ!……なんとしても、小糸を殺した犯人を見つけ出す!)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【血文字】
‣【死体発見アナウンス】
‣【脚立】
‣【凛世の証言】
めぐる「小糸は胸を刺されて死んじゃってたんだよね……」
甘奈「凶器には【包丁】を使ってたよね!」
智代子「ぐっさりと刺さっておりました……」
霧子「あそこまで深く刺されると……【即死だった】んじゃないかな……」
樹里「くそ……えげつねーことしやがる……」
摩美々「それに加えて現場には……」
摩美々「【犯人を指し示す証拠】があったよねー」
めぐる「えっ?!いきなり犯人?!」
めぐる「じゃあ裁判ももうおしまい?!」
甜花「勝った……!第三部、完……!」
【正しいコトダマもしくは議論中の発言で正しい発言に同意しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それに賛成です!」
【BREAK!】
灯織「摩美々さんの言う犯人を指し示す証拠……それって現場に残されていた【血文字】の事ですよね?」
めぐる「血文字?」
灯織「うん、めぐるたち樹里捜索班はすぐに現場を離れて捜索を再開したから、ちゃんと見てなかったかもしれないけど……」
灯織「現場には小糸の血を使って『成敗』の二文字が残されていたんです……」
智代子「成敗……武士っぽいね!」
樹里「誰かさんのツイスタみたいだな」
愛依「で、その成敗の血文字で犯人がわかんの?」
智代子「そうか!筆跡だね!」
智代子「成敗のとめ・はね・はらい……そこから犯人を割り出すんだよ!」
摩美々「私たちは素人だよー?筆跡鑑定なんかできないでしょー」
摩美々「それに指で書いた文字なんか……勝手も違うんじゃなーい?」
めぐる「えー?じゃあどうやって犯人を特定するの?」
(血文字から見る犯人の特定……それにはあれを使えばいいに違いない!)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【世界殺人鬼名鑑】
‣【死体発見アナウンス】
‣【脚立】
‣【樹里の骨折】
智代子「血文字で犯人が分かるの?!」
智代子「まさか……【筆跡鑑定】?!」
摩美々「素人には無理でしょー」
甘奈「愛依ちゃんとか凛世ちゃんとかぐらい【達筆】ならわかるんだけどねー」
霧子「【文字を書いた方法】で特定するのかな……」
樹里「【書いてある文字自体】が犯人の証拠だったりしねーか?」
甜花「【暗号で書いてあった】、とか……!」
めぐる「実は【小糸が書いたダイイングメッセージ】だったりするのかな?」
凛世「灯織さん……犯人は、ご存じのはず……」
凛世「凛世とともに確認した、あの方でございます……」
愛依「だ、誰なん誰なん?!」
【正しいコトダマもしくは議論中の発言で正しい発言に同意しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それに賛成です!」
【BREAK!】
灯織「樹里の言う通り、書いてある『成敗』の二文字……あれこそが犯人を示す証拠だったんだよ」
樹里「でも、成敗なんて普段は使わねーけど、みんな知ってる言葉だろ?」
灯織「いや、今回の犯人はこの『成敗』の言葉を決まって現場に残す犯人なんだ」
樹里「……武士っぽい言葉を使うやつなら約一名心当たりがあるな」
智代子「樹里ちゃん?さっきからそれ誰の事?まさか私じゃないよね?」
樹里「安心しろ、チョコアイドルのコトだ」
智代子「チョコアイドル……へぇ……世間にはそんなアイドルがいるんだ……」
凛世「智代子さん、記憶が……!?」
灯織「……そういうことじゃなくて、この本を見てほしいの」
霧子「世界、殺人鬼名鑑……?」
甜花「ひぃん……!!さ、殺人鬼……?!」
摩美々「灯織、そういうの好きだったんだー」
灯織「いや、そういうわけでは……!」
咲耶「灯織、気にせず話してくれ」
灯織「えっと……この本にも記されているんですが、『ジャスティスブラック』という連続殺人鬼は決まって現場に『成敗』の血文字を残すことで知られているんです」
甘奈「そっか、小糸ちゃんの死体も、同じ血文字があったから……」
樹里「ジャスティスブラック……!?アイツか!」
智代子「そういえばこの学園に来たときに、黒幕を考えるときに私が持ち出した殺人鬼もジャスティスブラックだったね!」
樹里「ジャスティスブラック……果穂の大好きなジャスティスファイブの評判を落とす、許せねーやつだ」
智代子「そ、そのジャスティスブラックがこの中にいるの?!」
灯織「本人……とまではわからないけど、犯人はジャスティスブラックのことを知る人物なのは確かだよ」
愛依「つってもあんだけテレビでやってたら知らない人なんかいないんじゃん?」
灯織「……まあ、そうですね」
咲耶「じゃあ、いったんジャスティスファイブのことは置いておいて、犯人がどのように小糸を殺害したのかを検討しようか」
めぐる「そうだね!血文字に気を取られていて周りの情報の議論がまだだったもんね!」
(小糸がどのように殺害されたか……まずはそこからだ)
(小糸が殺害された状況も併せて考えてみよう……)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
‣【世界殺人鬼名鑑】
‣【小糸の持っていた手紙】
‣【包丁】
‣【モノクマファイル2】
樹里「【犯人はジャスティスブラック】……」
樹里「そんなことが本当にあるのかよ?」
摩美々「賛同するにも否定するにもまずはそれ以外のところからじゃなーい?」
咲耶「そもそもどうして【小糸は玄関ホールで死んでいた】のかな?」
凛世「玄関ホールには、そうそう立ち寄りません……」
甘奈「【誰かに玄関ホールに呼び出された】んだよ!」
甘奈「透ちゃんが真乃ちゃんを呼び出した時みたいに!」
智代子「今回は、そのまま呼び出した人が犯人になった……ってこと?」
甘奈「そう、小糸ちゃんは【そのまま包丁で刺されちゃった】んだよ!」
愛依「甘奈ちゃんスゲーわ!天才じゃん!」
甜花「なーちゃんの推理力は世界一……にへへ」
【正しいコトダマもしくは議論中の発言で矛盾する発言を論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BREAK!】
灯織「確かに小糸は、誰かに呼び出されていたはずです」
灯織「ただ、呼び出された先は、玄関ホールじゃなかった。図書室だったんです」
甘奈「え……?でも、小糸ちゃんは玄関ホールで死んじゃってたんだよね?」
灯織「小糸の持ってた手紙……よく見てみて」
霧子「深夜二時に、図書室……ほんとだ……」
咲耶「犯人と移動した、と考えるのが自然だろうね」
智代子「でもどうして移動する必要があったのかな?」
智代子「凶器が包丁なら……別に図書室でもよかったんじゃないのかな」
(いや、図書室だと……犯人にとって都合が悪かったんだ。それはきっと……現場に残っていたあれのため)
-------------------------------------------------
・包丁を持ってくるため
・現場に血文字を残すため
・死体が発見されやすくするため
・小糸の遺言を守るため
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「血文字……あれを書くには図書室は勝手が悪かったんだと思う」
智代子「そっか!図書室には机もあるし……床もタイルだから血文字を書こうとしたら、溝にハマったりしてやりづらいもんね!」
甘奈「それってつまり……そこまでして血文字を残したかったってことになるよね」
甘奈「でも、なんで?血文字がそんなに大事なの?」
摩美々「連続殺人鬼の思考なんてわかんなぁい」
灯織「いわゆる自己顕示欲の一種なんじゃないかな、自分が殺したっていうことを見せびらかしたりとか……」
甜花「そのために、福丸さんは移動させられて……玄関ホールで殺されちゃったんだよ、ね……」
樹里「ちっ……小糸のやつ、どんな気持ちで移動してたんだろうな……」
樹里「深夜の呼び出しに応じて、場所を変えるっていう提案にも乗って……よっぽど信頼してたんだろうに、裏切られて殺されて……胸糞悪い話だな」
霧子「小糸ちゃん、最近変わろうとして……すっごく頑張ってた……」
霧子「透ちゃんが亡くなって……誰よりもつらかったはずなのに、朝礼にも毎日出席して……必死に、変わろうとしてたのに……」
円香「……」
雛菜「……」
(本当に、どうしてしまったんだろう……樋口さんも市川さんも、うつむいて黙り込んで……)
(議論を進めることしかできないけど、さすがに気になるな……)
摩美々「玄関ホールに移動して、犯人に刺殺されることになったわけだけどー」
摩美々「普通の刺殺だったのかな?」
樹里「……ん?どういう意味だ?」
智代子「そりゃ、成敗!なんて書かれて普通の殺され方じゃないけど、それ以外にも何か気になるところがあるの?」
摩美々「犯人はわざわざ小糸の胸部を狙って刺してたんだよねー」
愛依「……ん?普通の刺殺と、何が違うん?」
咲耶「……そうか、刺し殺すならむしろ胸部は不適切なんだね。胸部には肋骨があるから刃先が通りにくいし、殺すだけなら臓器の多い腹部を突きさした方が手っ取り早いはずだ」
智代子「そっか!途中で刃が引っ掛かったら殺し損ねちゃうんだ!」
摩美々「まぁ犯人がジャスティスファイブなら何かしらの考えがあってのことなのかもしれないけど、不自然に感じちゃうよねー」
摩美々「で、気になるところはもう一つあるんだけど……灯織はわかるー?」
(摩美々さんが言っていることは、多分あれだ)
・ななめ上から刺されている
・真正面から刺されている
・ななめ下から刺されている
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「刺し傷が、一直線だったことですか?」
愛依「えーっと……二度目でキョウシュクなんだけど……」
灯織「先ほど咲耶さんがおっしゃっていた通り、胸部を突き刺すのは大変なんです。骨があって刃先は通りにくいし、何より立っていた場合高さがありますから」
摩美々「小糸は私たちの全員より身長が低いとはいえ、まあ狙いやすい高さじゃないよー」
めぐる「むむむ……確かにどうあれ包丁を刺すってなると角度がついちゃいそうだよね!」
めぐる「人を刺すなら普通包丁を振り下ろすか、下から突き上げるよね……?」
灯織「うん、だと思う……」
樹里「おいおい!それじゃあもしかして……透の時と同じようにまた包丁を垂直に落下させたとでも言うつもりかよ?!」
霧子「ううん……多分、それは違う……と思うよ……」
霧子「包丁さんは、刃こぼれしてなかったし……人の体に突き刺すなら、落下させただけじゃ無理だと思う……皮膚とか肉とかの弾力があるし……」
愛依「え?それじゃ……どういうことなん?」
摩美々「【普通に】は刺さなかったんだろうねー」
(胸部に真正面に突き刺さった包丁……それが意味するのは、事件当時の犯人と福丸さんの姿勢だ……)
(立っていたわけじゃないなら……)
(二人の姿勢は事件当時はああなっていたはず……)
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【ひらめきアナグラム開始!】
り う ま の
【正しい順番に並べ替えろ!】
↓1
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灯織「そうか……わかりました!」
【解!】
灯織「……馬乗り、だったんじゃないでしょうか」
樹里「馬乗りぃ?!」
摩美々「小糸が犯人に対して上半身を無防備にさらした状態……常識的に考えるとそういうことだよねー」
甜花「ってことは……福丸さんは、犯人に乗られて……動けなくなったところに、とどめの一撃を食らっちゃったってこと……?」
愛依「うわ……考えただけで怖いわ……」
凛世「包丁を振り下ろす犯人の形相を、その視界に収めながら絶命……その恐怖感たるや、想像を絶します……」
愛依「だよね……しかも信頼してついていった相手、裏切られたって気持ちもあるからヨケーに辛いわ……」
咲耶「そういえば小糸の遺体の下の血痕もそれを表しているね」
霧子「うん、立った状態で刺されたなら……もっと滴った血痕になると思う……」
甜花「でも、なんで馬乗りになっちゃったのかな……福丸さんが眠くなっちゃったわけじゃ、ないよね……?」
樹里「透の事件の時でもちょっと話題になったけど、個室の外での故意の睡眠は校則違反だからな。寝ちまった可能性はないだろ」
(そうだ……状況からみて犯人が小糸に馬乗りになっていたのはほぼ間違いない。でもどうして馬乗りにまでなったんだろう……?)
-------------------------------------------------
ノンストップ議論の追加説明
これよりノンストップ議論に論破する【矛盾点】と同意する<賛同点>が同時に出現することがあります。
回答する際は論破するべきか同意するべきかを見極めて回答するようにしてくださいませ。
【論破】と<同意>の区別は見ての通り、【】と<>の違いでございます。
それでは健闘を祈ります。
-------------------------------------------------
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【モノクマファイル2】
‣【包丁】
‣【小糸の死体】
‣【後頭部の怪我】
摩美々「犯人は小糸に【馬乗り】になってたんだよー」
甜花「福丸さんが眠くなったわけじゃないなら、どうして……?」
智代子「犯人が急に包丁を持ち出して小糸ちゃんは相当焦っちゃったんだよ!」
智代子「だから必死に抵抗して、【バトル状態に】……!」
智代子「その結果≪興奮状態の犯人が馬乗りになって≫……グサッ!」
智代子「ドラマとかでもよくあるよね?」
愛依「あー!確かによく見るかも!」
樹里「それ昼ドラとかのやつじゃねーか……?」
甜花「動機は、≪痴情のもつれだった≫……?」
【正しいコトダマか議論中の発言で論破もしくは同意しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BREAK!】
灯織「いや、多分小糸は犯人と格闘状態にはなってなかったんじゃないかな」
灯織「包丁を持った犯人と格闘状態になったなら、もっと全身に切り傷とか刺し傷とかがないとおかしいよね?」
甜花「全部避けちゃった、とか……?」
凛世「でしたら、殺されることもなかったかと……」
摩美々「そもそも包丁には目立った刃こぼれがなかったから、胸に刺す目的以外ではあんまり使われてなかったと思うんだよねー」
甘奈「んー……?甘奈、よくわからないんだけど……」
甘奈「小糸ちゃんは突然襲われて、そのまま馬乗りになって……そのまま刺されちゃったってこと?」
甜花「犯人の、超絶早業……!」
灯織「それも、不自然なんですよね……」
凛世「普通なら、包丁を振り下ろそうとする犯人に対し……何らかの抵抗を施すものかと……」
咲耶「小糸の服にも目立った乱れはなかった……馬乗りになられても小糸は抵抗すらしていないように見える」
めぐる「もしかして……小糸は意識がなかったんじゃないかな?」
愛依「……マジ?」
樹里「おいおい!また透の事件と重なるじゃねーか!」
灯織「小糸が包丁を刺されたときに死んでいたかはわからないけど、意識はなかったかもしれない……」
咲耶「教えてくれるかい?」
(その証拠を私は持っている……)
【>>675>>676より正しいコトダマを指摘しろ!】
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「図書室に落ちていた使用済みの睡眠薬……もしかして、小糸を連れ出す際に用いたものなんじゃないでしょうか」
咲耶「深夜の呼び出しに応じる相手なんだ……そこまでの信頼を受けていれば何かと理由をつけて睡眠薬を飲ませることは容易だろうね」
樹里「……で、寝ちまった小糸をそのまま玄関ホールに連れてったのか」
めぐる「それなら馬乗りになったのも納得だね!」
霧子「……あれ?」
(……そう、この睡眠薬、霧子さんなら見覚えがあって当然)
摩美々「あれー?その睡眠薬って倉庫にあった奴ですかぁ?」
霧子「うん……わたしが、おくすりは一通り見たけどその中にあったよ……」
智代子「わ、わたしは倉庫には頻繁に出入りしてたけど、違うよ!?」
甘奈「あれ?そのパッケージ……なんだか見たことあるよ!?」
甜花「甜花も、見たことある……多分……!!」
めぐる「わたしもだ!?あれれ、どこで見たんだろう……」
(そう、あの人は、私たちの目の前で、これを服用していた……あの人なら、これを持っていてもおかしくないんだ……!)
-------------------------------------------------
【怪しい人物を指名しろ!】
↓1
灯織「あなたしか……いません!」
【解!】
灯織「樋口さん……この睡眠薬を服用していましたよね……?」
円香「……は?」
樹里「ここに来ての第一声がそれかよ!?」
智代子「ていうか円香ちゃん?!円香ちゃんが犯人なの?!」
灯織「甘奈と甜花さん、めぐると四人でお風呂に入った後に食後のお茶を飲んでいたとき……樋口さんがやってきましたよね?」
めぐる「うん、わたしたちが証人だよ!」
灯織「あの時樋口さんは眠れないからと言って……一杯の水とともに睡眠薬を口にしていました。その時のパッケージと図書室に落ちていた睡眠薬は同じなんですよ!」
円香「……ふーん」
愛依「ふーんって……どうなん?!円香ちゃん?!」
円香「呆れた……私が睡眠薬を使ってたのを見たから何?」
円香「その目に映るのがこの世のすべて?別に私以外が倉庫から持ち出した可能性もあるでしょ?」
灯織「そ、それは……」
円香「霧子とかなら、薬は一通り集めてそうだけど……」
霧子「倉庫には、あんまり行ってなかったから……睡眠薬があることは、知らなかったよ……?」
円香「後でならなんとでも言えるでしょ」
摩美々「確かに睡眠薬だけなら、円香と直結はしないかもねー」
円香「……だけなら?」
凛世「しかし……円香さんが、小糸さんを殺めるとはさすがに思い難く……」
円香「そう、何より私たちは幼馴染。何があっても裏切るなんてありえない」
雛菜「……円香先輩」
(樋口さんはあくまでも認めないつもりだ……それなら、ずっと抱いていたあの疑問を樋口さんに突きつける!)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【世界殺人鬼名鑑】
‣【小糸の持っていた手紙】
‣【血文字】
‣【包丁の出どころ】
円香「確かに私はあの睡眠薬を服用してた」
円香「けど【それだけで事件への関与を問われても】困る」
円香「私以外にも≪持ってた人はいる≫んじゃないの?」
雛菜「……」
めぐる「【他にも睡眠薬を持っていた人がいた】のかな……?」
智代子「ここに来てからぐっすり寝れた日の方が少ないよね……」
樹里「そんなのよっぽど神経が図太いやつぐらいだろ……」
甜花「……ぁぅ……」
甘奈「甜花ちゃん?!」
樹里「あーいや!!別に悪く言ってるわけじゃねえからな?!」
【正しいコトダマか議論中の発言で論破もしくは同意しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BREAK!】
灯織「樋口さん……樋口さんが事件に関与してる可能性は睡眠薬だけじゃないです」
灯織「小糸の遺体に刺さっていた包丁。あの出所を考えるとおのずと樋口さんが浮上するんです」
円香「……え?」
凛世「凛世と樹里さんは、毎日のように厨房を出入りしておりましたが……ちょうど五日前、透さんの事件の前夜から包丁の数が一本足りていないのです……」
咲耶「確かその包丁は透が真乃に会う際に護身用に持ち出した一本だったね」
愛依「そうそう!で、事件現場には包丁は無くって、確か円香ちゃんが裁判場に持ち込んだんだよね」
モノクマ「あれには困ったよねー、だってボクに代わって櫻木さんを殺そうとするんだもん!」
灯織「その時の包丁……どうしたんですか?」
円香「…………!」
灯織「答えてください!」
モノクマ「ちなみに言っておくと、ボクはその包丁に関しては完全ノータッチだったからね!」
モノクマ「樋口さんの鎮静には福丸さんが一役買ってくれたから、出る幕すらなかったんだよね」
モノクマ「ただでさえ画面の前の奥様のハート泥棒なのに、ギャラ泥棒属性まで増えちゃうよ!」
摩美々「あの時円香以外に持ち帰った人はー?」
全員「……」
摩美々「いないよねー?」
円香「…………潮時」
灯織「……え?」
(……認、めた……?)
雛菜「……ま、円香先輩……?」
円香「そう、小糸を刺したのは私。深夜に小糸を呼び出してね」
樹里「はぁ?!ほ、本気で言ってんのかよ?!」
甘奈「な、なんで?!小糸ちゃんは円香ちゃんたち幼馴染の一員で、すっごく仲が良かったよね?!」
円香「なんで……?理由を聞いてるの……?」
樹里「当たり前だろ?!納得いかねえよ!なんで、なんで幼馴染を裏切るような真似しちまったんだよ!」
円香「……私は、裏切ってなんかない」
灯織「……え?」
円香「私は小糸を裏切ったわけなんかじゃない、むしろその逆。幼馴染として、仲間として、友達として……小糸を救ったの」
甜花「樋口、さん……?」
円香「いい?友情も大事だけど、それより優先されるものがある。そのぐらいわかるでしょ?」
樹里「は、はぁ?!何言ってんだよ?!」
円香「……正義」
灯織「……え?」
円香「正義は何よりも優先される、何よりも崇高な理念」
円香「正義があるからこそ私たちは平和を手にできるし、正義があるからこそ理想を追い求めることができる。人類には正義が必要なの」
甘奈「なになになに?!ど、どうしたの?!」
智代子「き、急にキャラ崩壊がすさまじいよ円香ちゃん?!」
摩美々「文字数一人で稼ぎすぎじゃなーい?」
灯織「な、なんの話をしているんですか……?」
円香?「……戸惑うのを恥じる必要はない。凡庸な君たちが、絶対的な正義を目の前にしたときの反応は私の想像にも容易い」
愛依「く、口調まで変わってない……?」
智代子「だ、誰が凡庸だよ!」
樹里「……そうだな、凡庸なやつなんていないよな」
円香?「……清聴せよ」
(樋口さんはそのまましばらくうつむいて……)
円香?「正義を叫べ……心で叫べ……」
円香?「そう、私こそが正義を守る……最強・アイムヒーロー……」
円香?「……ジャスティスブラック」
(顔を上げた時には、黒いジャスティスファイブのお面をつけていた)
樹里「はあああああああああああ?!?!」
甘奈「じゃ、ジャスティスブラック?!」
摩美々「……ま、円香ぁ?」
円香?「聞こえなかったか?……私は樋口円香ではない。ジャスティスブラックだ」
雛菜「円香先輩……本当に……?」
愛依「いやいやいや?!意味分からんって!!」
(な、なにが起きてるの……?)
円香?「どうした?悪の怪人がジャスティンソードを食らったような顔をして……」
円香?「そんなにお友達がジャスティスブラックだったことが衝撃?」
甜花「甜花、キャパオーバー……」
円香?「君たちも幼いころは、正義の味方に憧れたものだろう?……むしろ喜ぶべきじゃないか?」
めぐる「じゃ、ジャスティスブラックって殺人鬼だよね?!」
円香?「ほう……そういう風な言われ方をするのか。困ったな……私はただ正義を遵守しているだけなのだがね」
咲耶「その正義とやらのために、小糸を手にかけたっていうのかい……?」
円香?「その通り、なぜなら私はジャスティスブラックだからな」
樹里「や、やべえ……頭痛くなってきた……」
(こんなの、悪い冗談すぎる……)
(樋口さんが、小糸さんを刺した犯人で、ジャスティスブラック……?)
(そんなことが、そんな悪夢が、あっていいの……?)
-------------------------------------------------
【学級裁判中断!】
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というわけでいったんここまで。
ダンガンロンパではおなじみシリアルキラーの出現ですね。
今更ですがキャラ崩壊要素が多分に含まれて参りますので苦手な方はご注意ください。
明日からはシャニ2ndですね、
現地で参加される方はお体に気を付けて。
オンラインで視聴する方は周辺住民の迷惑にならないように。
ルールを守って楽しくライブを楽しみましょう。私もオンラインで参加いたします。
それではお疲れ様でした。
明日は少し早めに21:00~より再開予定です。
予定通り学級裁判より再開します
シャニ2ndめっちゃ良かったですね……
放クラが功労者すぎる……
円香?「君たちは正義というものを考えたことはあるか?」
円香?「テレビに出ているヒーローが悪役をやっつけることだけが正義じゃないだろう?」
円香?「人が人として、誇り高く生きていくことこそが正義」
円香?「そこに一点の曇りもあっちゃならない……人の心は常に正義で満たされていなければいけない」
(悪夢だ……こんなの、悪夢だ……)
(私たちの間に、連続殺人鬼ジャスティスブラックがいるなんて……)
樹里「なぁ、頼むから冗談だって言ってくれよ……」
樹里「円香、お前だってアタシたちと一緒にアイドルとして上り詰めていく夢を追ってここまで来たんじゃなかったのかよ?!」
愛依「円香ちゃんは……その裏でずっと、人を殺してたん……?」
円香?「……正義を下すことを殺しというなら否定はできない」
咲耶「その一環で、小糸にも手をかけたというのかい?」
円香?「君たちが思うほど彼女も善性だったわけじゃない……なにせ彼女は公文書の偽造だってやっていたのだからな」
摩美々「……ぎ、偽造……っ?!」
めぐる「そ、そんなの嘘だよ!」
円香?「こればかりは、本当だ……」
智代子「だ、だとしても……なんで殺す必要があるの?!」
円香?「まあ偽造なんてものが殺害の理由になったわけじゃない……落ち着きたまえよ」
円香?「いいかい、人は生まれた時が一番美しい……悪を知らない、そのすべてが正義で満たされた状態で生まれる……」
円香?「だけど、どうあがいても人は年を取り、余計なものに触れてしまう……悪に侵されてしまう……」
円香?「だから、その前に殺した」
灯織「……それがあなたの正義、なんですか……?」
凛世「行き過ぎた性善説……凛世は、理解に苦しみます……」
円香?「私だって胸が苦しいさ……幼馴染だったからな……だけど、彼女たちが社会に毒され、悪に侵され続けていくのを見る方が私には耐えがたい……」
樹里「……もういい」
円香?「……は?」
樹里「もうさっさと終わりにしよう、モノクマ投票タイムだ」
灯織「……じゅ、樹里?!」
樹里「もう……見てらんねえんだよ、こんなの……」
樹里「なんで、なんで……仲間を疑うどころか、憎しまなきゃなんねーんだよ!」
円香?「憎む……それは言葉がおかしいな、正義には憧憬を向けられこそすれ、憎悪を向ける対象ではないぞ」
樹里「アタシはな、この状況下だ……殺しが起きても、その気持ちを少しは理解してやれると思ってた」
樹里「でも……こいつはなんなんだ!」
樹里「人を殺しておいて罪悪感を抱くこともなく、ただ自分の理想だなんだを語って……!くそっ……なんで、なんで!」
樹里「なんで仲間に死んでくれなんて思わなきゃなんねーんだよ!」
(……!!)
(樹里がここまで言うなんて……でも、樹里の言うこともわかる……)
(仲間だと思っていた相手が、頭のねじのとんだ殺人鬼で、別の仲間を殺してしまったなんて……認められるわけがない)
モノクマ「はい!それじゃあ投票タイムと行きましょうか!」
モノクマ「オマエラはお手元のスイッチで投票してくだ……」
めぐる「待って!!」
(……めぐる?)
めぐる「もうちょっと……もうちょっと議論をしてみようよ!」
めぐる「ほら、今回の事件は小糸と樹里が襲われた事件でしょ?樹里の方はまだ話すらしてないし……まだ決めるには早いよ!」
甘奈「で、でも……ジャスティスブラックは連続殺人鬼なんだよね?」
甘奈「それなら、どっちもジャスティスブラックが襲ったんじゃないの……?」
咲耶「いや、そう考えるのは危険かもしれない。同じタイミングでたまたま別の事件が起きた可能性も、考慮する必要があるんじゃないかい?」
円香?「それはない、と私から言っておこうか」
霧子「え……?」
円香?「私はそちらの金髪の少女を撲殺した後、幼馴染の少女を刺殺したよ」
智代子「こ、声高らかに自白?!」
樹里「本人がこう言ってるんだ、決まりじゃねえか」
めぐる「本人が言ってても!だって、そうじゃないと……真乃の言ってたこと、守れないから……!」
(そうだ……こんななし崩しに結論を決めてちゃダメだ)
(私たちは、負けられないんだ……!)
灯織「皆さん、もう少し議論を続けましょう!」
樹里「ひ、灯織まで……」
摩美々「たとえ円香が犯人でもー」
円香?「ジャスティスブラックだ」
摩美々「たとえ円香」
円香?「ジャスティスブラックだ」
摩美々「……たとえジャスティスブラックが犯人でも、疑問が残ったままなのは気持ち悪いですよねー」
灯織「ジャスティスブラック、あなたが犯人だというなら……事件の説明をしてもらえませんか?」
円香?「……は?」
灯織「事件の最初っから最後まで……説明できるはずですよね?」
円香?「……いいだろう。それならばよく耳を傾けることだ……」
円香?「私が二人の女子高生に正義を執行する物語、その全貌を!」
(樋口さんが本当に犯人なのかどうか……その真実に自分の手でたどり着くまでは、結論は下せないし、下すべきじゃない……!)
(わずかな矛盾でも見つけ出して、指摘しよう……!)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
‣【モノクマファイル2】
‣【包丁の出どころ】
‣【樹里の骨折】
‣【脚立】
円香?「ご清聴願おう、我が正義の物語……その一幕を」
摩美々「さっさと喋ってくれますー?」
円香?「始まりは深夜一時……まずは【西城クンを図書室に呼び出した】」
円香?「そして彼女を【背後から一撃】……不意打ちで撲殺した」
円香?「まあ……殺し損ねたんだがな」
円香?「その半死体を【プールのロッカー】に隠しておいて次の正義だ」
円香?「次に呼び出したのは福丸クン、彼女をまずは図書室に呼び出して」
円香?「【睡眠薬】で寝かせたらそのまま玄関ホールに連れて行き」
円香?「そこで【胸に正義の包丁を振りかざした】」
円香?「……これで事件はおしまいだよ」
【正しいコトダマか議論中の発言で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BREAK!】
灯織「……ジャスティスブラック、一つ聞いてもいいですか?」
円香?「なにがだ?」
灯織「あなたは樹里を一発殴った以外に、何かしましたか?」
円香?「……いや、特にはしていないが。私は彼女は死んだものだと思っていたからな」
樹里「あの時はありがとよ、いい一撃だったぜ」
灯織「……だとしたらおかしいんですよ、樹里の骨折の説明がつきません」
霧子「あ……!」
灯織「皆さんも目撃したはずです、樹里がモノクマの救急車に運ばれる直前」
灯織「樹里は脚の骨が折れていたがゆえに転倒していた……歩くこともままならないほどの大けがを負っていたんです!」
樹里「モノクマの治療で、なんとか裁判に出れるくらいには回復したけどまだ自分じゃ歩くこともできねーな」
智代子「そういえばモノクマ、どんな治療をしたの?」
樹里「ばっ……そんな……こんなところで、言えるかよ……」
智代子「な、なにその赤面……?!何をされたの、樹里ちゃん?!何をシたの、樹里ちゃん?!」
灯織「いまのジャスティスブラックの話ではそんな怪我を負う場面はなかった……これはおかしいですよね?」
円香?「……むぐっ!」
咲耶「頭を殴ったときに転んで骨折……にしても足の骨がそこまで折れるのは変だね」
灯織「説明してもらえますか?」
円香?「……ああ、思い出した。そうだ、私は頭を殴った後脚もついでに殴っておいたんだった」
円香?「すまない、言い忘れていただけだ。言葉のあやというやつだよ」
霧子「わ、忘れてたってこと、なのかな……」
摩美々「そんなことふつう忘れますー?」
円香?「正義の味方にとって正義を執行することなんて日常茶飯事だからね」
円香?「そんな些細なこと、とるに足らないミスさ」
樹里「……てめぇ……!」
(……いや、おかしい!ジャスティスブラックの言動はやっぱり変だ!)
(小糸の件はジャスティスブラックの主張でおかしくはないけど……樹里の方は説明がつかないところがある!)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【樹里の証言】
‣【後頭部の怪我】
‣【血文字】
‣【モノクマファイル2】
円香?「すまない、うっかり忘れていた」
円香?「不意打ちを食らわせた後に、【西城クンの足も殴りつけておいた】んだった」
円香?「だってただ【頭を殴っただけ】だからな」
円香?「私は正義の戦士だが、ごらんの通りの≪女子高生≫……」
円香?「自分の力にはいささか疑問が残る」
霧子「円香ちゃんは、腕力が強いわけでもないよね……」
智代子「わかんないよ、脱いだら実はすごいのかも……!」
樹里「おい、チョコ……おっさんくせーぞ」
円香?「【逃げられて私が犯人だと言いふらされたら】たまったもんじゃない」
円香?「身動きが取れないように、脚にジャスティン追撃を食らわせたんだ」
甜花「どこか、矛盾があるのかな……?」
円香?「ふん……【正義に矛盾などあるはずもない】」
【正しいコトダマか議論中の発言で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
円香?「……どういうことだ?」
円香?「やはりキミもすでに悪に侵されている……そんな詭弁では正義は砕けないぞ」
(しまった……みんなの心証が悪くなってしまったみたい……)
(確かに樹里は結果として記憶を失っているから、そういう意味では言いふらすような心配はない……)
(でも、それを当事者であるジャスティスファイブが事件当時に知っていたとは考えづらい……)
(頭を殴った後で下骨折させた……そんな必要はなかったことを示せないかな……?)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【樹里の証言】
‣【後頭部の怪我】
‣【血文字】
‣【モノクマファイル2】
円香?「すまない、うっかり忘れていた」
円香?「不意打ちを食らわせた後に、【西城クンの足も殴りつけておいた】んだった」
円香?「だってただ【頭を殴っただけ】だからな」
円香?「私は正義の戦士だが、ごらんの通りの≪女子高生≫……」
円香?「自分の力にはいささか疑問が残る」
霧子「円香ちゃんは、腕力が強いわけでもないよね……」
智代子「わかんないよ、脱いだら実はすごいのかも……!」
樹里「おい、チョコ……おっさんくせーぞ」
円香?「【逃げられて私が犯人だと言いふらされたら】たまったもんじゃない」
円香?「身動きが取れないように、脚にジャスティン追撃を食らわせたんだ」
甜花「どこか、矛盾があるのかな……?」
円香?「ふん……【正義に矛盾などあるはずもない】」
【正しいコトダマか議論中の発言で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BREAK!】
灯織「……樋口さん、逃げられる可能性を考慮して脚を折った、ということですか?」
円香?「ああ、その通りだ」
灯織「あなたは頭から血を流して気絶した人間を見て、まだ逃げるかもと思ったんですか?」
愛依「あっ……!」
霧子「樹里ちゃんを殴った衝撃はかなり強かったみたいで……後頭部の皮膚が裂けてたみたい……」
愛依「その一撃で意識を失ったってのはうちも聞いた話だよ!」
摩美々「死体をいたぶるのが趣味だっていうなら話は別だケド」
摩美々「小糸の死体に目に見える傷はないし、そうじゃないですよねー?」
円香?「なるほど……そう来たか、それならお答えしよう」
咲耶「……なんだって?」
円香?「もともと西城クンはそこまでの傷ではなかったんだよ、ロッカーに押し込む際に、力が入ってしまってな」
円香?「たまたま殴られた痕と全く同じ場所を打ち付けてしまったらしくそこで出血をしたんだ」
円香?「だからそれまでは、意識の有無に確信はなかったんだ」
凛世「一応は、理屈は通ります……」
甜花「血が出てなかったら、甜花もわかんないかも……」
(流石に無茶な話ではあるけど、否定できる材料はない……?)
円香?「どうだ?これでも私の物語にケチをつけるか?」
(でも、あのジャスティスブラックにもほころびが見えて来た!)
(あとはあの仮面の裏に隠れた真相を暴くだけ……!)
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
コトダマ
‣【モノクマファイル2】
‣【包丁】
‣【小糸の死体】
‣【小糸の持っていた手紙】
円香?「西城クンを殴った際は出血もしていなかったので気絶の確信がなかった」
円香?「だからその前に【私が彼女の足を折った】のは何の矛盾もない」
円香?「ロッカーに西城クンを押し込む際に彼女は頭を打って出血をした」
円香?「【その出血があればやがて絶命するだろう】と思い、私はそこで正義が完了したと判断したんだ」
円香?「【そのままその場を離れたら】次の正義の時間」
円香?「そしてその後図書室に呼び出した福丸クンを玄関ホールで殺害した」
円香?「君たちも見ただろう、あの【血文字】を」
円香?「あれこそが私の正義の証だ」
【正しいコトダマか議論中の発言で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「それは違います!」
【BREAK!】
灯織「そうだ……ずっと疑問に思っていたことがあります!」
めぐる「なになに!?教えて、灯織!」
灯織「犯人がジャスティスブラックなら……どうして樹里の方には成敗の血文字がなかったんですか?!」
円香?「……っ!」
灯織「犯行現場には必ず成敗の血文字を残す……それは当然知っていたはずなのに、ロッカーにはそんな血文字はなかった……」
霧子「ほんとだ……!」
灯織「これはどういうことなんですか?!」
摩美々「例えば……その時はジャスティスファイブじゃなかった、とかね」
愛依「ど、どゆこと……?まるで話が分からんけど……」
摩美々「樹里を殴ったのは衝動的で、とっさにロッカーに隠しただけとか?まぁあくまで可能性の一つですケド」
円香?「……ぐっ!」
灯織「……図星、ですか?」
めぐる「あれ?衝動的な犯行だったら……おかしくない?樹里も小糸も……どっちも犯人に呼び出されてたんだよね?」
灯織「そう……それが連続殺人鬼のジャスティスブラックなら、なおさら」
灯織「殺害にポリシーを感じるような殺人鬼が、こんな杜撰な真似をするわけない……!」
円香?「ふぅん……あくまでキミは正義に抗うんだな」
灯織「……え?」
円香?「愚かだ……悪に侵されると人はここまで愚かになるのか」
円香?「正義の光がなければ、進むべき道もわからないのか。同情するな」
摩美々「わけのわからないことをまた捲し立てて時間稼ぎでもするつもりですかー?」
円香?「ちがう!これは正義だ!」
円香?「この世界の秩序……社会正義を守るため、私はその責務を全うした」
円香?「なぜそれがわからない?正義のいろはもわからないのか?」
摩美々「こんなの聞き流すとしてー」
摩美々「……灯織、今しかないよねー?相手が猛攻に走ってるときは、防御がおろそか」
摩美々「今なら、この似非殺人鬼も止められるんじゃなーい?」
灯織「……はい!」
めぐる「灯織、頑張ろう!もうちょっとだよ!」
円香?「いいだろう、それなら私がキミに、引導を渡してやろう!」
灯織「……望むところです、私も受けて立ちます!」
灯織「この場所で……樹里の事件の真実を、暴き出します!」
(私たちは真実を突き止めなきゃならない……だから)
(こんな茶番……終わらせないと!)
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
円香?「正義を執行する!」【防御力20】
円香?「ジャスティンソード!」【防御力25】
円香?「正義を叫べ!」【防御力30】
円香?「心で叫べ!」【防御力35】
円香?「絶対正義!」【防御40】
【盾の防御力をコンマで削り取れ!】
↓直下から五回コンマで判定
-------------------------------------------------
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
円香?「正義を執行する!」【BREAK!】
円香?「ジャスティンソード!」【BREAK!】
円香?「正義を叫べ!」【残り防御力23】
円香?「心で叫べ!」【BREAK!】
円香?「絶対正義!」【残り防御力11】
【盾の防御力をコンマで削り取れ!】
(くっ……まだ届かない……)
(あと少し……あと少しで文字通り……)
(化けの皮を剥がすことができるはず……!)
↓直下から2回コンマで判定
-------------------------------------------------
【ALL BLEAK!】
-------------------------------------------------
【円香?「私はジャスティスブラックだ!今回も正義を執行したんだ!」】
大/殺人鬼/日本/観
【正しい順番に並び替えて、コンマ値40以上でぶつけろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「これが真実です!」
【BREAK!】
灯織「……ジャスティスブラック、あなたは本物のジャスティスブラックなんですか?」
円香?「……は?な、なにを……」
灯織「あなたの行動はジャスティスブラックとしては不十分なんですよ!」
樹里「は、はぁ?!血文字だってそうだし、何よりコイツ本人が自白してるじゃねーか!」
摩美々「逆に言えばそれだけなんだよねー」
摩美々「やたら喋るからその圧に負けてるだけで、円香がジャスティスブラックであることの決定的な証拠は別に出てないんだよねー」
灯織「そう……むしろ落ち着いて考えてみると、樋口さんがジャスティスブラックであるわけがないんです」
灯織「そうだよね、凛世」
凛世「はい……ジャスティスブラックさまの行動は、矛盾まみれでございます……」
円香?「せ、正義を愚弄するつもりか……?」
灯織「今回の事件と、ジャスティスブラックの事件とでは矛盾があるんです……その証拠ももちろんあります」
(日本殺人鬼大観に書いてあったジャスティスブラックの特徴と、福丸さんの遺体の違いを指摘するんだ!)
-------------------------------------------------
‣血文字の内容が違う
‣血文字の書き方が違う
‣血文字の書体が違う
‣血文字の大きさが違う
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「あなたが血文字を残した方……福丸さんの方もそもそも血文字が不十分なんです」
智代子「……え?でも現場には成敗の血文字があったよね?」
凛世「本物の事件では、遺体は【Vの血文字】の上に横たえられているのです……」
円香?「……V?」
灯織「ジャスティスファイブの、ローマ数字の5です……」
灯織「これも踏まえてただの殺人鬼にジャスティスブラックなんてたいそうな名前がつくことになったんですから、これが本来外れるわけないんですよ!」
円香?「ま、待て……それはおかしい……!」
円香?「そんなもの、私は……!」
灯織「それだけじゃないです……もう一つ、決定的な矛盾があるんですよ」
(そう、そもそも福丸さんが殺されている……このことこそが矛盾なんだ!)
-------------------------------------------------
・被害者は全員前科者
・被害者は全員男性
・被害者は全員高身長
・被害者は全員高収入
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「被害者……ジャスティスブラックが犯人なら、それが小糸であるはずがないんですよ!」
円香?「ば、馬鹿を言え!私は悪に染まりかけた少女に正義を執行したまで!そこに何ら矛盾など……」
灯織「確かにジャスティスブラックは、悪人を罰する殺人鬼です……ですが、その殺人対象は『元服役囚』に限られているんです」
円香?「な、なんだと……?」
灯織「小糸に前科があるなら話は別ですが……そんなことはないですよね?!」
円香?「…………」
甘奈「黙っちゃった……」
灯織「本物のジャスティスブラックなら、この説明をしていただけますか」
円香?「…………」
愛依「で、でもなんでそんな矛盾が発生すんの?!」
愛依「円香ちゃんって……ジャスティスブラックじゃなかったの?!」
(今ならわかる……この矛盾の原因が!)
-------------------------------------------------
・犯人は片方の本しか読んでいなかった
・犯人は二重人格だった
・犯人は記憶喪失だった
・犯人は二人いた
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「今提示したとおり、ジャスティスブラックについて書かれた本は二冊あったんです」
甘奈「世界殺人鬼名鑑と……日本殺人鬼大観だったよね☆」
凛世「両者は、書庫内でもおかれたコーナーが異なりました……」
凛世「今回、円香さんは世界殺人鬼名鑑の方しか確認しなかったため……再現が成敗の血文字を残すにとどまったのではないか、と……」
灯織「実際凛世以外にもあの本を読んでいたみたいなんだよね」
灯織「ページ角につけられた折り目……ほかの誰かが開いた証拠だよ」
凛世「凛世がつけたものでは、ございません……」
円香?「…………」
灯織「樋口さんなんじゃないですか?この折り目を付けたの」
円香?「…………」
灯織「お願いです……仮面越しじゃない、あなた自身の言葉で教えてくれませんか」
円香?「…………」
灯織「本当は、何があったんですか?」
円香?「…………」
円香?「……………………………………」
円香?「……………………………………………………………」
円香?「……………………………………………………………………………………」
円香「……はぁ」
大きなため息を一つつくと、樋口さんはゆっくりとその仮面を外し、あの憂い気な表情をあらわにした。
円香「……やるんじゃなかった、黒歴史確定」
樹里「……お、終わったのか?」
円香「……灯織の指摘通り、私は本物のジャスティスブラックなんかじゃない。ジャスティスブラックの名前を借りれば事件の攪乱がうまくいくと思っただけ」
樹里「か、攪乱って……!?」
樹里「なんで攪乱なんかしたんだよ?!そんなことしたって……アタシたちが死んじまうだろ?!」
円香「さあ?」
樹里「さあって……」
円香「攪乱のためとはいえ、最悪の演技をしなくちゃいけなくなったし最悪の気分」
智代子「だ、だいぶノリノリに見えたけど……」
(やっぱり……私たちの中に連続殺人鬼なんかいなかったんだ!)
摩美々「もう、円香って呼んでいいんだよね?」
円香「……お好きにどうぞ」
摩美々「ジャスティスブラック状態の話、どこまで信じていいのー?」
円香「樹里の脚の骨を折ったこと以外はすべて本当ですよ」
円香「樹里の頭を殴ったのも私だし、小糸の胸に包丁を突き立てたのも私です」
甜花「……あれ?結局、樋口さんが犯、人……?」
咲耶「円香……本当に小糸を刺したのかい?」
円香「はい、そうですね」
咲耶「なんでそんなことをしたんだい……?!二人の間に、何があったんだい……?!」
円香「……私はこれ以上情報を出すつもりはありません」
(……!!)
円香「あなた方に協力するつもりはありませんので」
樹里「くそっ、何考えてるのかわけわかんねーよ!」
(仮面を取ったのに、そこにあった樋口さんの本当の表情は……敵意?)
(私たちと協力しない、その言葉には強い圧を感じる……)
(樋口さんの本当の狙いは、なんなんだろう……)
摩美々「ここまで言ってるんだし、円香の言ってることは信用していいと思うー」
摩美々「だからあとは樹里の脚の骨折を突き詰めるべきなんじゃなーい?」
樹里「お、おう……」
甘奈「円香ちゃんが折ったんじゃないなら、誰が折っちゃったんだろうね?」
愛依「う~ん……」
(樋口さんが樹里の脚の骨を折ったんじゃないなら……樹里が骨を折ったのはあの時なんじゃない……?)
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
Q.1 樹里が脚の骨を折ったのはいつ?
A.円香に襲われる前 B.円香に襲われたとき C.円香に襲われた後
Q.2 樹里が脚の骨を折ったのはどこ?
A.プール B.図書室
Q.3 樹里は誰に骨を折られた?
A.円香 B.小糸 C.誰にも折られていない
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
(いや、違う……樹里は樋口さんに殴られてそのまま気絶して、ロッカーに閉じ込められた……)
(それ以降の樹里にまつわる話は出てないし、樹里が骨折するタイミングはないんじゃないかな……?)
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
Q.1 樹里が脚の骨を折ったのはいつ?
A.円香に襲われる前 B.円香に襲われたとき C.円香に襲われた後
Q.2 樹里が脚の骨を折ったのはどこ?
A.プール B.図書室
Q.3 樹里は誰に骨を折られた?
A.円香 B.小糸 C.誰にも折られていない
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「そうか、わかりましたよ!」
【COMPLETE!】
灯織「樹里の骨折……そういうことだったんだ」
樹里「わ、わかったのか?!」
灯織「……うん、樋口さんの話も含めて考えると可能性が見えて来た」
灯織「樋口さんは証言通り樹里を一発殴っただけ……それは物的証拠から見ても明らか」
灯織「そうなると樹里が脚の骨を折るタイミングは、樋口さんに襲われる前しかない……」
智代子「円香ちゃんに襲われる前……?でも、樹里ちゃんって図書館にいたんだよね?」
摩美々「だから図書館で骨折したんでしょー?」
愛依「図書室で骨折?円香ちゃんと戦ったとか?」
灯織「いや……小糸と同様に樹里にも体に目立った傷はなかったですし、なにより図書室自体がそこまで荒らされているわけでもなかったです」
咲耶「誰かに脚を折られたわけではない、ということかな?」
めぐる「うーん、誰かにおられたわけじゃないならなんで樹里は骨折したの?」
灯織「おそらく、【事故】だったんじゃないでしょうか」
霧子「……事故?」
灯織「樋口さんが脚を折った本人でない以上可能性はそれしかないかと……事実、図書室内で脚を折りかねない事故が発生していた証拠があります」
(樹里が事故で脚の骨を折ったとき、あれを使っていたんだ……)
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「現場に残っていた脚立……これが証拠です」
めぐる「本棚の上の方にある本をとるための脚立……だよね」
凛世「凛世は図書室を頻繁に利用しておりましたが、昨日の事件の後……足場が急にガタガタになっておりました……」
凛世「もとより不安定な足場ではありましたが……ここまでのものでは無かったかと……」
智代子「じゃあ樹里ちゃんはその脚立を使って、脚立から落ちたから脚の骨を折ったの?」
咲耶「……いや、脚立から落下するなら着地はお尻から。それで脚の骨を折るとは思えない」
灯織「……そう、樹里はただ脚立から落ちただけじゃなかったんだよ」
樹里「ど、どういうことなんだ!?教えてくれ!」
摩美々「まぁ脚立を使う状況を考えればおのずと見えてくるんじゃないかなー」
(樹里が脚立から落ちたってことは……事故当時樹里がやっていたことはあれしかない)
-------------------------------------------------
・犯人と格闘していた
・背比べをしていた
・本棚の本を取ろうとしていた
・本棚を掃除していた
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「樹里は事故当時、本を取ろうとしていたってことですよね?」
摩美々「そうなるよねー」
樹里「ん?なんでアタシは呼び出された先で、相手を放っておいて本を取ろうとしてるんだ?」
灯織「どんなやり取りがあったのかはわからないけど、呼び出し相手がそれを要求したんじゃないかな。背が足りなくて届かない本がある、とか言って」
摩美々「樹里のことだから安請け合いしちゃったんじゃなーい?」
灯織「高いところにある本を取ろうとして、脚立を使う……でもその脚立は不安定だから樹里はそこから落ちてしまった」
灯織「とっさに樹里がつかんだのは本棚だったんです」
愛依「え?ってことは……」
樹里「アタシが落下するときに、【そのまま本棚ごと倒しちまった】ってことか?!」
めぐる「でも、それなら納得だよ!」
めぐる「わたしでも急に足元がガクガクって壊れちゃったら手に取れる範囲で掴んじゃうかも!」
灯織「そう、それで樹里の体は本棚の下敷きになって……その勢いのまま骨折になったんじゃないかな!」
【霧子「その推理は傷だらけ……」反論!】
灯織「き、霧子さん……?」
霧子「図書室はわたしも調査したけど……図書室の本棚は倒れてなかったし、乱れてもなかったよ……!」
霧子「樹里ちゃんは、本当に事故で骨折したのかな……?」
(そうだ、私がこの可能性に気づいた根拠を教えてあげないと……!)
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【樹里の骨折】
‣【凛世の証言】
‣【脚立】
‣【樹里の持っていた手紙】
霧子「樹里ちゃんは本当に事故で骨折したのかな……?」
霧子「わたしも、詳しいわけじゃないけど……」
霧子「なにか、すごくつよい力で殴られて骨折になってて……」
霧子「確かにあれだけの本が詰まった本棚が落ちてきたら、折れるかもしれないけど……」
霧子「その証拠は現場には残って無かったよね……?」
-------------------------------------------------
【発展!】
灯織「確かに捜査のタイミングでは……」
灯織「そっくりそのまま倒れた本棚はなかったですけど……」
灯織「本棚が倒れた可能性は否定できません!」
-------------------------------------------------
霧子「本棚が倒れた可能性……」
霧子「どうやったらそれがわかるのかな……」
霧子「たとえ【倒れていても本棚に証拠は残らない】よね……」
霧子「脚立の故障は、事件には無関係じゃないかな……」
霧子「円香ちゃんがやっぱりクロで……」
霧子「樹里ちゃんは、その前に骨折してたんだよ……」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】
↓1
霧子「灯織ちゃん……刃先がぶれてるよ……」
霧子「ちゃんと、正面から斬らないと……」
(ダメ、切れ味が足りていない……!)
(指摘は間違ってないはず……)
(コトノハを砥いで、今度こそ正面から叩き切る!)
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【樹里の骨折】
‣【凛世の証言】
‣【脚立】
‣【樹里の持っていた手紙】
霧子「樹里ちゃんは本当に事故で骨折したのかな……?」
霧子「わたしも、詳しいわけじゃないけど……」
霧子「なにか、すごくつよい力で殴られて骨折になってて……」
霧子「確かにあれだけの本が詰まった本棚が落ちてきたら、折れるかもしれないけど……」
霧子「その証拠は現場には残って無かったよね……?」
-------------------------------------------------
【発展!】
灯織「確かに捜査のタイミングでは……」
灯織「そっくりそのまま倒れた本棚はなかったですけど……」
灯織「本棚が倒れた可能性は否定できません!」
-------------------------------------------------
霧子「本棚が倒れた可能性……」
霧子「どうやったらそれがわかるのかな……」
霧子「たとえ【倒れていても本棚に証拠は残らない】よね……」
霧子「脚立の故障は、事件には無関係じゃないかな……」
霧子「円香ちゃんがやっぱりクロで……」
霧子「樹里ちゃんは、その前に骨折してたんだよ……」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】
↓1
灯織「その矛盾、切らせてもらいます!」
【BREAK!】
灯織「いえ……図書室の本棚は間違いなく一度倒れていたんです」
霧子「えっ……?!」
灯織「事件後、本棚は一見元通りになっていましたが……」
灯織「図書室に通い詰めていた凛世いわく、事件の前後で本棚の並びが滅茶苦茶になっていたんです」
凛世「はい……もともと作者ごとに固めて並べられていたのが、事件のあとは無秩序な並びになっておりました……」
摩美々「誰かが本棚を起こして、あとから本棚を適当に詰めたんだろうねー」
摩美々「事件が起きたのは深夜だから、時間はたっぷりあったし、他の人が来る心配もなかったんでしょ」
樹里「それも、アタシがやったのか?」
灯織「いや、樹里は違うと思う……本棚の下敷きになって骨折してたわけだから、本棚を起こすなんてことは不可能だったんじゃないかな」
甜花「じゃ、じゃあ……誰が本棚を、直したの……?」
灯織「それは……おそらくあの人です」
-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】
↓1
灯織「あなたしか……いません!」
【解!】
灯織「樋口さん、ですよね?」
円香「……」
樹里「って、結局円香かよ!」
摩美々「樹里を襲ったのが円香なんだしー、他の誰も本棚のことを話してなかったんだしねー」
凛世「凛世も、事件の後になってようやく、本棚の異変に気付きました……」
咲耶「それに、あれほどの重量のある本棚……この中で立たせることができるような人間は限られているだろうね」
めぐる「そうだね……身長がある程度ないと力も出なさそうだし……」
めぐる「円香はなんだか強そうだもんね!」
智代子「な、なんかわかるかも……!」
智代子「特に決まった武術を使いこなすわけじゃないけど、日々の生活の中で力を身に付けているタイプだね!」
愛依「地下闘技場のダークホース的なやつ!」
(男兄弟が居る組がなんか盛り上がってしまった……)
愛依「……ねえ、それだったらもうよくない?結局小糸ちゃんを殺した犯人も、円香ちゃんなんでしょ?」
愛依「投票タイムじゃ……ダメなん?」
甘奈「……ちょっとストップ愛依ちゃん!」
愛依「んん?」
甘奈「本棚を起こしたのも円香ちゃんなら、樹里ちゃんに本を取るように要求したのも円香ちゃんってことになるよね……?」
甜花「あ、あれ……?西城さんも、樋口さんも身長……あんまり、変わらない……」
灯織「そう、樋口さんが樹里と待ち合わせていたなら脚立を使う状況は不自然なんです。咲耶さんぐらい身長差がある相手を選ぶはずです」
摩美々「咲耶ならノーガードだからいつでもどこでも呼べそうだしねー」
咲耶「こらこら」
樹里「アタシとそんな身長差がある相手……」
摩美々「一人いるじゃーん?」
灯織「……そうか、やっぱり樹里は樋口さんに呼び出されたわけじゃなかった!樹里を呼び出したのはあの人だったんだ!」
-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】
↓1
正解が出たところで今回の更新はここまで。
樹里を呼び出したのは小糸でした。
次回は灯織が正解したところから再開いたします。
明日の更新で裁判自体は最後まで行くと思います。
ただそこまでもう裁判シナリオは残ってないのでちょっと短めになりそうですね。
犯人ももう現段階でわかるんじゃないでしょうか。
ネタバレコメントは一応控えていただく形でお願いします。
3/21(日)21:00~より更新予定です。
それではお疲れ様でした。
すみません、シャニ2ndで公式が放り込んできた情報があまりにもクソデカなので処理の時間をください
21:00~予定でしたが22:00~からにさせてください……
※現状このSSが大きく方針転換するようなことはないと思います
色々と整理したのでぼちぼち再開します……
SHHis……あまりにも付随情報が強すぎる……
(にちかちゃんロンパ主人公適正ありそうですよね)
灯織「あなたしか、いない……!」
【解!】
灯織「樹里と身長差がある相手、小糸なんじゃないでしょうか」
めぐる「こ、小糸が?!」
愛依「いや、待って!確か小糸ちゃんって犯人に呼び出されてたよね?」
愛依「ほら、死体のそばにあった手紙……樹里ちゃんより一時間も後に呼び出されてんじゃん!」
摩美々「別の誰かが偽造したんじゃない?それこそさっきの連続殺人鬼さんが、あたかも自分が二人を襲ったように見せかけるため、とか」
円香「……」
摩美々「ほら、偽造しちゃえば犯行順序の偽装なんかもできるわけじゃないですかー」
智代子「いやいや!円香ちゃんは小糸ちゃんを刺したって自白してたよね?!犯人は、円香ちゃんなんじゃないの?!」
摩美々「刺した、とは言ったけど殺した、とは言ってないよねー」
円香「……」
【甘奈「ちょっと待ったー☆」】反論!
-------------------------------------------------
甘奈「樹里ちゃんと身長差がある子が樹里ちゃんを呼んだのはわかったよ?」
甘奈「でも小糸ちゃんが呼び出したってのはやっぱりおかしいよ!」
甘奈「他にも樹里ちゃんより背の低い女の子はいるわけだし……
甘奈「灯織ちゃんの推理はどこかで決定的に間違ってるんじゃないかな?!」
(確かに今ある情報では、小糸に絞り込めないかも……)
(ただ、小糸の発見当時のあれで、もっと絞り込めるんだ……)
------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【小糸の持っていた手紙】
‣【死体発見アナウンス】
‣【日本殺人鬼大観】
‣【脚立】
甘奈「樹里ちゃんの骨折は」
甘奈「ガタガタの脚立を使ったせいで落ちちゃって」
甘奈「とっさに掴んだ本棚が倒れたせい」
甘奈「それだけなら呼び出した人は別に小糸ちゃんじゃなくてもいいよね?!」
甘奈「だって小糸ちゃんは被害者なんだよ?!」
甘奈「別の誰かがいたんじゃないかな?」
-------------------------------------------------
【発展!】
灯織「でも、樹里を頼るほどの身長差があるんだよ……?」
灯織「そんなの10cm以上の身長差がある相手じゃないとおかしいよね?」
灯織「候補は福丸さん以外にいない……!」
-------------------------------------------------
甘奈「樹里ちゃんは160cm」
甘奈「小糸ちゃんは148cm」
甘奈「確かに身長の上では自然だけど」
甘奈「樹里ちゃんと身長差が10cm以上ある候補は小糸ちゃんだけじゃないよ?!」
甘奈「【智代子ちゃんだって犯人候補】だよ!」
甘奈「もっと他に疑う人がいるよね?!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
甘奈「小糸ちゃんが呼び出したなんて考えられないよ……!」
甘奈「灯織ちゃん、考え直して……!」
(くっ……手ごわい……)
(反論をねじ伏せるには、あと少し、力が足りない……!)
------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【小糸の持っていた手紙】
‣【死体発見アナウンス】
‣【日本殺人鬼大観】
‣【脚立】
甘奈「樹里ちゃんの骨折は」
甘奈「ガタガタの脚立を使ったせいで落ちちゃって」
甘奈「とっさに掴んだ本棚が倒れたせい」
甘奈「それだけなら呼び出した人は別に小糸ちゃんじゃなくてもいいよね?!」
甘奈「だって小糸ちゃんは被害者なんだよ?!」
甘奈「別の誰かがいたんじゃないかな?」
-------------------------------------------------
【発展!】
灯織「でも、樹里を頼るほどの身長差があるんだよ……?」
灯織「そんなの10cm以上の身長差がある相手じゃないとおかしいよね?」
灯織「候補は福丸さん以外にいない……!」
-------------------------------------------------
甘奈「樹里ちゃんは160cm」
甘奈「小糸ちゃんは148cm」
甘奈「確かに身長の上では自然だけど」
甘奈「樹里ちゃんと身長差が10cm以上ある候補は小糸ちゃんだけじゃないよ?!」
甘奈「【智代子ちゃんだって犯人候補】だよ!」
甘奈「もっと他に疑う人がいるよね?!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
【コンマ19】
甘奈「小糸ちゃんが呼び出したなんて考えられないよ……!」
甘奈「灯織ちゃん、考え直して……!」
(くっ……手ごわい……)
(反論をねじ伏せるには、あと少し、力が足りない……!)
------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【小糸の持っていた手紙】
‣【死体発見アナウンス】
‣【日本殺人鬼大観】
‣【脚立】
甘奈「樹里ちゃんの骨折は」
甘奈「ガタガタの脚立を使ったせいで落ちちゃって」
甘奈「とっさに掴んだ本棚が倒れたせい」
甘奈「それだけなら呼び出した人は別に小糸ちゃんじゃなくてもいいよね?!」
甘奈「だって小糸ちゃんは被害者なんだよ?!」
甘奈「別の誰かがいたんじゃないかな?」
-------------------------------------------------
【発展!】
灯織「でも、樹里を頼るほどの身長差があるんだよ……?」
灯織「そんなの10cm以上の身長差がある相手じゃないとおかしいよね?」
灯織「候補は福丸さん以外にいない……!」
-------------------------------------------------
甘奈「樹里ちゃんは160cm」
甘奈「小糸ちゃんは148cm」
甘奈「確かに身長の上では自然だけど」
甘奈「樹里ちゃんと身長差が10cm以上ある候補は小糸ちゃんだけじゃないよ?!」
甘奈「【智代子ちゃんだって犯人候補】だよ!」
甘奈「もっと他に疑う人がいるよね?!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
コンマが振るいませんね……
正直謎の難易度が易しい分、コンマで厳しめに判定とって調整させてくださいね
【コンマ18】
甘奈「小糸ちゃんが呼び出したなんて考えられないよ……!」
甘奈「灯織ちゃん、考え直して……!」
(くっ……手ごわい……)
(反論をねじ伏せるには、あと少し、力が足りない……!)
------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【小糸の持っていた手紙】
‣【死体発見アナウンス】
‣【日本殺人鬼大観】
‣【脚立】
甘奈「樹里ちゃんの骨折は」
甘奈「ガタガタの脚立を使ったせいで落ちちゃって」
甘奈「とっさに掴んだ本棚が倒れたせい」
甘奈「それだけなら呼び出した人は別に小糸ちゃんじゃなくてもいいよね?!」
甘奈「だって小糸ちゃんは被害者なんだよ?!」
甘奈「別の誰かがいたんじゃないかな?」
-------------------------------------------------
【発展!】
灯織「でも、樹里を頼るほどの身長差があるんだよ……?」
灯織「そんなの10cm以上の身長差がある相手じゃないとおかしいよね?」
灯織「候補は小糸以外にいない……!」
-------------------------------------------------
甘奈「樹里ちゃんは160cm」
甘奈「小糸ちゃんは148cm」
甘奈「確かに身長の上では自然だけど」
甘奈「樹里ちゃんと身長差が10cm以上ある候補は小糸ちゃんだけじゃないよ?!」
甘奈「【智代子ちゃんだって犯人候補】だよ!」
甘奈「もっと他に疑う人がいるよね?!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
惜しい……
甘奈めーっちゃ手ごわい……
【コンマ32】
甘奈「小糸ちゃんが呼び出したなんて考えられないよ……!」
甘奈「灯織ちゃん、考え直して……!」
(くっ……手ごわい……)
(反論をねじ伏せるには、あと少し、力が足りない……!)
------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【小糸の持っていた手紙】
‣【死体発見アナウンス】
‣【日本殺人鬼大観】
‣【脚立】
甘奈「樹里ちゃんの骨折は」
甘奈「ガタガタの脚立を使ったせいで落ちちゃって」
甘奈「とっさに掴んだ本棚が倒れたせい」
甘奈「それだけなら呼び出した人は別に小糸ちゃんじゃなくてもいいよね?!」
甘奈「だって小糸ちゃんは被害者なんだよ?!」
甘奈「別の誰かがいたんじゃないかな?」
-------------------------------------------------
【発展!】
灯織「でも、樹里を頼るほどの身長差があるんだよ……?」
灯織「そんなの10cm以上の身長差がある相手じゃないとおかしいよね?」
灯織「候補は小糸以外にいない……!」
-------------------------------------------------
甘奈「樹里ちゃんは160cm」
甘奈「小糸ちゃんは148cm」
甘奈「確かに身長の上では自然だけど」
甘奈「樹里ちゃんと身長差が10cm以上ある候補は小糸ちゃんだけじゃないよ?!」
甘奈「【智代子ちゃんだって犯人候補】だよ!」
甘奈「もっと他に疑う人がいるよね?!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
ひぃん……
【コンマ10】
甘奈「小糸ちゃんが呼び出したなんて考えられないよ……!」
甘奈「灯織ちゃん、考え直して……!」
(くっ……手ごわい……)
(反論をねじ伏せるには、あと少し、力が足りない……!)
------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【小糸の持っていた手紙】
‣【死体発見アナウンス】
‣【日本殺人鬼大観】
‣【脚立】
甘奈「樹里ちゃんの骨折は」
甘奈「ガタガタの脚立を使ったせいで落ちちゃって」
甘奈「とっさに掴んだ本棚が倒れたせい」
甘奈「それだけなら呼び出した人は別に小糸ちゃんじゃなくてもいいよね?!」
甘奈「だって小糸ちゃんは被害者なんだよ?!」
甘奈「別の誰かがいたんじゃないかな?」
-------------------------------------------------
【発展!】
灯織「でも、樹里を頼るほどの身長差があるんだよ……?」
灯織「そんなの10cm以上の身長差がある相手じゃないとおかしいよね?」
灯織「候補は小糸以外にいない……!」
-------------------------------------------------
甘奈「樹里ちゃんは160cm」
甘奈「小糸ちゃんは148cm」
甘奈「確かに身長の上では自然だけど」
甘奈「樹里ちゃんと身長差が10cm以上ある候補は小糸ちゃんだけじゃないよ?!」
甘奈「【智代子ちゃんだって犯人候補】だよ!」
甘奈「もっと他に疑う人がいるよね?!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
灯織「その矛盾、切らせてもらいます!」
【BREAK!】
灯織「甘奈、チョコは犯人候補にはなりえないんだよ」
甘奈「えっ?な、なんで……?」
灯織「死体発見アナウンスだよ……あれはもともと、【犯人以外の三人が】死体を目撃した瞬間に鳴るものなんだけど」
灯織「チョコの叫び声を聞いた私が駆け付けた時点でアナウンスが鳴ったの」
樹里「ってことは灯織とチョコはクロになることはありえねーのか」
灯織「そもそも樋口さんの話にチョコは全く登場してないし、やっぱり呼び出したのは小糸だったんだよ」
凛世「お待ちください……!」
灯織「凛世?どうしたの?」
凛世「死体発見アナウンスは犯人以外の三人が死体を目撃した際に鳴るのでしたよね……?」
凛世「だとすれば、残り一名はどなたなのですか……?」
めぐる「確かに!チョコと灯織より先に小糸の死体を見つけてた人がいるってこと?!」
摩美々「……そういうことかぁ」
灯織「それならもうわかってるよ」
めぐる「……えっ?!」
-------------------------------------------------
(今までの議論の流れからしても、私たちより先に小糸の遺体を目撃していた可能性があるのは、あの人しかいない……!)
【怪しい人物を指摘しろ!】
↓1
灯織「あなたしか……いません!」
【解!】
灯織「樋口さん、ですよね?」
円香「……」
智代子「相変わらずのだんまりでいらっしゃる……」
灯織「あなたは犯行を自白したのに、樹里の骨折については説明もできなかった……しかし、それ以外の情報は正確なものだった」
灯織「となると、事件現場にいた、加害者でも被害者でもない第三者だったということになるんです!」
樹里「ど、どうなんだよ!円香!」
灯織「あなた以外の人間が小糸の遺体を目撃していたなら既に名乗り出ているはずです……認めてください」
円香「……はぁ」
円香「……ご明察。私は犯人じゃない」
愛依「……ま、マジ?!」
咲耶「……つまり円香は、樹里を殴って小糸の死体に包丁を刺しはしたが、直接その命を奪ってはいないということかい?」
円香「……はい、私がしたのはそこまで。私に投票しても得は何一つないですよ」
甘奈「な、なんでこんな攪乱なんか……?!」
円香「……」
(多分、樋口さんの目的はあれだ……)
-------------------------------------------------
・間違った結論にもっていくため
・犯人をかばうため
・真犯人をあぶりだすため
・自己満足
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「もしかして、心中するつもりだったんじゃないですか?」
霧子「し、心中……?!」
灯織「樋口さんは明らかなミスリードをいくつも設けて、自分に投票させようとしていた……」
灯織「裁判中の豹変も、殺人鬼を演じることで票を集めやすくしていたんですよね?」
愛依「確かにうちは、連続殺人鬼っていうイメージに引っ張られて投票しようとしてたしね……」
めぐる「じゃあ円香はこの裁判に負けようとしてたの……?!」
甜花「樋口さんは、死にたがってたの……?」
甘奈「学級裁判を使っての自殺ってこと……?」
円香「そんなんじゃない……私がやりたかったのは」
円香「全員をこの場で殺すこと」
(……!!)
樹里「な、なに言ってんだよ……」
円香「この学園に来てから……私は透と小糸、二人の幼馴染を失った……しかも、あなたたちのお仲間に殺されて」
灯織「……っ!」
めぐる「で、でも!透の裁判では一緒に進もうって、前に向かって頑張ろうって誓ったよね!?」
円香「その誓いを踏みにじったのはどちらですか?」
灯織「……ふ、踏みにじるって……!」
円香「確かに私もあなたがたの妄信する【絆】とやらを一度は信じようとしました、それは小糸と雛菜も同じ」
円香「実際小糸は私たちの誰よりも早く立ち直り、あなたがたと一緒に希望を持つことを望んだ……」
円香「朝礼にも自分から顔を出し、交流も積極的になった」
円香「それなのに、小糸は殺された……!【絆】なんてものを信じたせいで、小糸は殺された……!」
(……!!)
円香「許せるわけない……憎しみしかない……」
円香「美徳を掲げることだけに執着して、他の人間の事なんか蔑ろにして……」
円香「それでも生に縋る、醜いあなたたちに反吐が出た」
円香「だから、殺そうとした」
(そうだ……樋口さんは、誰よりも優しいから……誰よりも強く、裏切りを感じてしまったんだ……)
円香「理解してもらおうとは思いませんし、あなた方に理解ができるとは思えません」
円香「だってこの場で私たちだけが、『奪われ続けた人間』なんですから」
(続けざまに幼馴染二人を失って……彼女は、殺意を抱いてしまったんだ……!)
雛菜「もう……やだ……」
灯織「……え?」
(市川さん……?)
雛菜「……円香先輩なんか……円香先輩なんか……」
雛菜「円香先輩なんか、大っ嫌い!!!!」
円香「……は?」
雛菜「雛菜はずっと気づいてたよ、円香先輩が何をしたのかも……何を思ってたのかも」
咲耶「え?ひ、雛菜は全部知っていたのかい?」
雛菜「わかりますよ、だって他のアイドルと違って雛菜は円香先輩と幼馴染ですから!」
そう言って裁判場に響き渡る絶叫する市川さんの眼もとには、うるうると涙が滲んでいた。
……私たちの前で、はじめて市川さんが感情をあらわにしていた。
雛菜「小糸ちゃんの死体発見の時、円香先輩は透先輩の時と反応が明らかに違ったもん!」
雛菜「小糸ちゃんの死を知って……憎むんじゃなくて、もうすでに何かを決意した目をしてた!」
円香「……」
雛菜「それ見た瞬間、円香先輩は……犯人なんかどうでもよくなってたのがわかったよ」
雛菜「だって幼馴染だったんだもん……一目でそれぐらいの事わかるもん……」
雛菜「それなのに、円香先輩は透先輩の気持ちも、小糸ちゃんの気持ちもまるでわかってないじゃん!」
円香「……ちょっと、雛菜うるさい」
雛菜「小糸ちゃんが殺されたからってみんなを恨みながら死んでいったと本当に思ってるの?!円香先輩のバカ!バカバカ!バ~~~~~~~~~~カ!」
灯織「い、市川さん、落ち着いて……」
雛菜「雛菜決めたよ、もう円香先輩のことなんか知らな~い!絶交だから!」
めぐる「ぜ、絶交なんて……ダメだよ雛菜!」
雛菜「円香先輩のこと許せないよ……勝手にみんな殺そうとして、そのために小糸ちゃんの死体を傷つけて……もう幼馴染なんかじゃないから!」
円香「好きにすれば?……雛菜こそ、まるで現実を理解してない。この人たちは仲間なんかじゃない、絆なんて耳触りがいいだけの言葉を妄信する愚鈍な人たち」
円香「私が、本当の【絆】を教える……絶対、この合宿生活で私が勝利して透と小糸の無念を晴らすから」
それだけ言うと樋口さんはまたしても押し黙る形となり、しばらく市川さんの泣きじゃくる声だけがこだましていた。
幼馴染の絶交……私たちのどのユニットよりも深い縁だったであろう縁が、
目の前でぷっつりと切れてしまったことに、私たちも言葉を挟めずにいた。
雛菜「……うぅ……ひっぐ……」
モノクマ「えーっと……すっごくボク気まずいんだけど、オマエラどうにかしてくんない?」
モノクマ「ボクってさ、事なかれ主義だからさ。人が揉めてたりしたら席移動するタイプだからさ、酔っ払いがいたら車両変えるタイプだからさ」
智代子「え、えーっと……じゃあ……議論、再開、する?」
雛菜「雛菜も協力しま~す……もう円香先輩のことなんか知らないから」
灯織「え、ええっと……」
(樋口さんと市川さんが仲違いした形になったけど……これで、よかったのかな)
(今の二人の話に嘘はないだろうけど……)
摩美々「でも、もうほとんどすべてのピースは揃ってるんだよねー、あの図書室で何が起きたのか、あとはピースをつなぎ合わせるだけ」
愛依「え?!そうなん?!」
摩美々「ここまでやったから円香の話は信用していいと思うしねー」
灯織「はい……あとは論理でそれらを合わせるだけ、ですよね……」
摩美々「本当の犯人にたどり着くまであと少し……灯織、あとはそのロジックを完成させてー」
灯織「はい……私たちは私たちで……絆を証明して見せます!」
(よし……考えるんだ……あの図書室、本当の事件現場でなにがあったのか……!)
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
Q.1 図書室に樹里と小糸がやってきた順序は?
A.樹里が先 B.小糸が先 C.同時
Q.2 樹里が本棚の下敷きになったとき側にいたのは?
A.円香 B.小糸
Q.3 小糸はいつ死んだ?
A.樹里が殴られる前 B.樹里が殴られた後
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
(あれ……?樹里は確か小糸に呼び出されてたはずだったよね……)
(だったら二人の間には到着までのタイムラグがあったはず……)
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
Q.1 図書室に樹里と小糸がやってきた順序は?
A.樹里が先 B.小糸が先 C.同時
Q.2 樹里が本棚の下敷きになったとき側にいたのは?
A.円香 B.小糸
Q.3 小糸はいつ死んだ?
A.樹里が殴られる前 B.樹里が殴られた後
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
------------------------------------------------
灯織「推理はつながりました!」
【COMPLETE!】
灯織「……そうか、わかりましたよ!あの日、図書室で何が行われていたのか、その全貌が!」
愛依「マジで?!」
灯織「樹里に小糸が本棚の本を取ってもらったということは、二人は同時に図書室にいたことになりますよね」
灯織「ということは、樹里が本棚に下敷きになったときも小糸は側にいたはずです」
灯織「となると、樹里が図書室で樋口さんに襲われたときにも、その場に小糸も居合わせていた……普通ならその段階で樋口さんのことを止めますよね?」
咲耶「ああ、幼馴染ならなおさらね」
雛菜「小糸ちゃんならそうしたと思います~、小糸ちゃん優しくて正義感が強かったから~」
灯織「だけど、小糸はそんなことをしていないし、樋口さんもそんな証言はしていない……その段階で小糸は命を落としていたと思われます」
甘奈「ってことは……樹里ちゃんと二人で図書室にいるときに、小糸ちゃんは死んじゃったってこと……?」
甜花「あ、あれ……?それって、つまり……」
摩美々「灯織、犯人は分かったよねー?」
灯織「……はい」
(そう、この事件の登場人物はもともと少なかった)
(樋口さんの大胆な偽装工作、その目撃者がいなかった時点であの場にいた人間は限られる)
(……嫌だ、認めたくない……)
(けど、ここで止まるわけにはいかない!)
(小糸のためにも……私たちのためにも!)
-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】
↓1
灯織「犯人は……あなたです!」
【解!】
灯織「犯人は、樹里なんじゃないかな……?」
樹里「なっ……あ、アタシ……?ちょ、ちょっと待てよ、アタシそんなの知らねー……」
灯織「うん……樹里は覚えてない、忘れちゃったんだよ……」
智代子「ちょっ、ちょっと待ってよ灯織ちゃん!樹里ちゃんは骨折してるし、殴られてるし……こ、殺すなんて!」
摩美々「殴られたのは事件が終わった後、円香がやったことでしょー?事件には関係しないでしょー」
凛世「なら、骨折はどうなるのですか……?骨を折った後に、小糸さんを殺害したというのですか……?」
灯織「確かに、骨を折った状態では殺害は難しい……」
灯織「けど、この方法なら、樹里の骨折は殺害を否定できなくなる!」
-------------------------------------------------
・樹里の骨折と小糸の死は同時だった
・樹里がトリックをつかって小糸を殺害した
・樹里の骨折は演技だった
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
灯織「これです!」
【解!】
灯織「樹里が骨折したのと、小糸が殺されたのが同時だったなら……どうでしょう?」
樹里「は、はぁ?!」
灯織「つまり、小糸は樹里と同時に本棚の下敷きになっていたんです」
灯織「足場がガタガタになっていた脚立を使用していた以上、その支えに小糸はついていたんじゃないでしょうか……?」
灯織「そうなると倒れてくる本棚を避けることもできない……」
樹里「な、なに言ってんだよ……」
灯織「私たちの中で一番小柄な小糸なら、身動きも取れずそのまま圧死……というのも考えられませんか?」
摩美々「小糸は死後包丁を突き立てられたのが確定していて、ずっと本当の死因が謎だったんですよねー」
摩美々「切り傷や刺し傷をつけず、後も残りにくい死に方……圧死ならあてはまるんじゃない?」
霧子「本棚くらい重たいものなら……内臓が圧迫されて、死んじゃうこともあるかも……」
めぐる「確かに……地震が起きた時の死因に家具に押しつぶされちゃうのが多いってのは聞いたことがあるよね」
智代子「い、いや!そんなわけないよ!だって樹里ちゃんだよ!?」
智代子「あんなに面倒見もいいし、面白いし、かっこいいし……人を殺すなんてないない!」
灯織「それは、わかってる……だから、この殺人は……事故、だったんだと思う」
凛世「事故……」
灯織「小糸に促されるまま、本棚の本を取ってあげてるのは……私たちもよく知る樹里の人柄からして想像できる」
灯織「たまたま、偶然にもその時脚立が破損したがゆえに起きてしまった事件だったんだよ……」
樹里「……ま、マジかよ……」
灯織「そのことも……樋口さんに殴られたときに、記憶を失ってしまったんだと思う」
めぐる「そ、そんな……」
摩美々「ねぇモノクマー、被害者が事故死だった場合ってクロはどうなるのー?」
モノクマ「浅倉さんの時にも話したけど、クロの判定は被害者が死ぬことになった直接の原因を引き起こす行動を起こした人がクロになるんだよ?」
モノクマ「だから本棚が倒れて福丸さんが死んだなら、本棚を倒した人……脚立から落ちた人がクロになるんじゃないですかね!」
智代子「……違う!違う!樹里ちゃんが犯人なわけないよ!」
智代子「本棚が倒れてたからって……本当にそれに小糸ちゃんが巻き込まれた証拠もないよね?!」
智代子「た、多分……図書室にはもう一人犯人がいたんだよ!それで小糸ちゃんを殺して……」
灯織「そうなると、死体発見アナウンスの説明が……」
智代子「じゅ、樹里ちゃんは目隠ししてたんだよ!」
樹里「チョコ……」
智代子「だ、だから!絶対に樹里ちゃんは犯人なんかじゃない!」
(……心苦しいけど、ここは退けない)
(チョコに……小糸が本棚の下敷きになったその証拠を突き付ける!)
(それでこの事件に……決着をつける!)
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【パニックトークアクション開始!】
智代子「違う違う違う!」【防御力25】
智代子「精進が足りないよ!」【防御力30】
智代子「糖分が足りてないんじゃない?」【防御力35】
智代子「樹里ちゃんはすっごく優しいんだから!」【防御力40】
智代子「灯織ちゃん!聞いてよ!」【防御力45】
【盾の防御力をコンマで削り取れ!】
↓直下より5回連続でコンマ判定
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コンマ00は100とみなす最高値です
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【パニックトークアクション開始!】
智代子「違う違う違う!」【残り防御力1】
智代子「精進が足りないよ!」【BREAK!】
智代子「糖分が足りてないんじゃない?」【残り防御力6】
智代子「樹里ちゃんはすっごく優しいんだから!」【BREAK!】
智代子「灯織ちゃん!聞いてよ!」【BREAK!】
【盾の防御力をコンマで削り取れ!】
(あと少し……)
(チョコにも、真実を届けないと……)
(この事件は、終われない……!)
↓直下より2回連続でコンマ判定
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【ALL BLEAK!】
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【智代子「小糸ちゃんが本棚の下敷きになった証拠なんかないよね?!樹里ちゃんとは別の事件だったんだよ!」】
折/肋骨/の/骨
【正しい順番に並び替えて、コンマ値50以上でぶつけろ!】
↓1
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灯織「これで証明する!」
【BREAK!】
灯織「チョコ……小糸の死体には、もう一つ謎が残ってたんだ」
智代子「……えっ?」
灯織「肋骨の骨折……樋口さんの証言でも、これを解決する要素はなかったんだ」
智代子「で、でも外傷はないって……」
灯織「切り傷や刺し傷といった目に見える外傷は、なんだよ……骨折はこれに含まれてなかったんじゃない?」
モノクマ「ギクゥ!?」
めぐる「肋骨の骨折なんて普通じゃありえないよね……押さえつけられるみたいな力がないと……」
智代子「そんな……」
灯織「間違いない、小糸は本棚に下敷きになってたんだよ!」
灯織「……これが、私たちの推理。私たちの結論……どうかな、樹里……」
樹里「…………」
樹里「_______そっか、多分間違いねえよ」
智代子「樹里ちゃん!」
樹里「チョコ、凛世、ありがとな。嬉しかったぜ、最後まで庇ってくれてさ」
凛世「最後なんて言わないでください……凛世は、凛世は……」
樹里「灯織、アタシはみんなのことを信じてる……だからみんなで導き出した納得できる結論なら、それに間違いはないと思うぜ」
灯織「樹里……」
樹里「だからさ、最後にこの事件の全貌を教えてくれねーか?今から処刑されちまうアタシに、納得させてくれよ……」
凛世「樹里さん……」
智代子「うぅ……うぅ……」
灯織「わかった……事件をはじめから全部振り返って……これでこの事件を終わらせるから!」
樹里「……おう!頼んだぜ!」
(……やるしかない)
(それが樹里のため、私たちのためだから……!)
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【クライマックス推理開始!】
【act.1】
灯織「今回の事件はもともとは単純な事故でした。それに第三者の樋口さんの介入があって、複雑になってしまった事件……。それをはじめから振り返ります」
灯織「事件は、小糸が今回の犯人を図書館に呼び出したことに始まります。夜時間にわざわざ呼び出して二人で……そこで何があったのかはわかりませんが、おそらく血なまぐさいやりとりはなかったものと思われます。だって小糸には争った痕跡は微塵もありませんでしたから」
灯織「小糸は浅倉さんの事件を経て、変わろうとしていた。そのために、男勝りな性格で、他のみんなにも頼られている……そんな強いイメージのある犯人に会っていたのかもしれません」
【act.2】
灯織「小糸は呼び出した犯人に、本棚の上段にあった本を自分の代わりに撮ってもらうように頼みました。二人の身長差は約12cm、小糸では届かないところにも犯人なら届くと考えたんでしょう」
灯織「その時に用いたのが図書室に備え付けの脚立。ただ、この選択が結果として不幸にも事件を引き起こすことになったんです」
灯織「足場がガタガタになっていた脚立から犯人が落下。とっさに掴んだ本棚はその勢いのまま二人側に倒れこんだんです!」
灯織「その際に脚立を支えていた小糸は避けることもできず、結果として犯人よりも抜け出しづらい体制のままプレスされることになったんです。あんなにギチギチに詰め込まれた本棚……その重量はすさまじく、人ひとり押しつぶすには十分だったでしょう」
灯織「一方で犯人も右脚が下敷きになり骨折。そんな状態の犯人では本棚を立て直すことは不可能……おそらくそのまま、小糸の救出は間に合わず……死んでしまったんだと思います」
【act.3】
灯織「その後、遅れて図書室にやってきた樋口さんはその場で小糸の死を知りました。記憶を失う前の犯人に直接聞いたのかもしれません。だって犯人は殺意があって小糸を殺したわけではないんですから」
灯織「でも、樋口さんはそれを許しませんでした。激昂した樋口さんはその場で犯人を後頭部が出血するほどの勢いで殴りつけたんです!そのまま昏倒した犯人をプールサイドのロッカーに押し込んだところで、樋口さんの偽装工作が始まったんです」
灯織「もしかすると、この段階で樋口さんは犯人のことを殺したと思い込んでいたのかもしれませんね。だってそうでもないと、わざわざ自分を連続殺人鬼だなんて偽る理由がないですから。いかれた殺人鬼の連続殺人が今ここに始まったように思わせようとしたのかもしれません」
【act.4】
灯織「図書室に戻ってきた樋口さんは本棚を起こし、散らばった本を手当たり次第に適当に戻しました……凛世が感じた本棚の並びの違和感は、おそらくここで生じたんだと思います。樋口さんも錯乱状態にあっただろうし、並びなんて些細な事、そこまで気が回らなかったんでしょうね」
灯織「樋口さんは本棚により圧死した小糸の死体を玄関ホールまで連れて行き、その場で包丁を胸に突き刺しました。これは連続殺人鬼、ジャスティスブラックの犯行だと思わせ、捜査を攪乱する狙いがあったんです」
灯織「しかし、樋口さんの知識は世界殺人鬼名鑑にとどまっていたので、日本殺人鬼大観にあった【Vの血文字】、被害者の法則などは抜け落ちてしまっていた。その結果犯人はジャスティスブラックではないということが分かったんですがね」
灯織「樋口さんの偽装工作に加え、本人自体が殺害を忘れていてしまったことから、ここまで闇に隠れ続けていた犯人……」
灯織「……それは、樹里だったんだよ」
【COMPLETE!】
-------------------------------------------------
灯織「どうかな、これが樹里の失われた記憶……小糸の事件のすべてだよ」
樹里「……へっ、へへっ」
樹里「そっか……本当に、アタシだったんだな……」
樹里「ったくよ……みんなのことを守るだのなんだの息まいておいて……むしろ小糸のこと殺してんじゃねーか……」
樹里「世話ねーよな、ほんと」
智代子「じゅ、樹里ちゃん……」
樹里「もう、いいよ……もう、終わりにしてくれ……」
咲耶「なんてことだい……」
円香「……」
モノクマ「どうやら議論が終わったようですね!」
モノクマ「それではオマエラはお手元のスイッチで、犯人と思う生徒に投票してください!」
モノクマ「裁判の結果導き出したクロは正解なのか、不正解なのかー!さあ、どっちなんでしょうかね?」
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【VOTE】
〔樹里〕〔樹里〕〔樹里〕
CONGRATULATIONS!!!!
パッパラー!!!
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【学級裁判 閉廷!】
というわけで更新はここまで。
今回はだいぶコンマに苦しめられましたね……
次回裁判終了パート、おしおきと2章ラストまでになります。
次回更新は3/23(火)22:00~予定です。
安価・コンマはないと思います。
それではお疲れ様でした。
今更だけど>>800はゾロ目クリティカルの扱いでも良かったんでないかなあとか思ったり思わなんだり
予定通りそろそろ裁判終了パート更新します
今回更新部分、そこそこ前に書き溜めていたものになるため
小糸と灯織の親愛度を鑑みた際に一部違和感があるかもしれません。
そこはあらかじめご了承ください。
>>859
確かにそうですね!
今後の進行の際、コンマ判定においてぞろ目は別途考慮することも検討しておきます!
モノクマ「というわけで、福丸さんを殺した”不運”と”踊”っちまったクロは西城さんなのでしたー!」
樹里「……」
(……これで、よかったんだ)
(樹里がクロだった、それなら私たちは……樹里に投票する)
(これしか、選択肢は無かったんだ……)
智代子「そんな……そんな……おかしいよ……」
凛世「凛世は、信じません……」
モノクマ「しかしつまんない事件だったね!結局のところ事故じゃん!コロシアイとしては消化不良なんだよね!」
モノクマ「それでも攪乱を図ってくれた円香さんのおかげで学級裁判を開けるぐらいにはなったから、樋口さんにはモノクマポイントを進呈しようかな!」
円香「……生きてたんだその設定」
智代子「も、モノクマ!」
モノクマ「ん?どうしたの?」
智代子「今言った通り樹里ちゃんの事件は完全に事故だったんだしさ……」
智代子「おしおきはしなくていいよね?!ね?!だってクロじゃないんだよ?」
モノクマ「何言ってるの?西城さんがクロじゃない?」
モノクマ「そんなわけないでしょ!西城さんは立派なクロ!殺人犯ですよ!」
智代子「なんで……?だって樹里ちゃんは記憶もなくて……事故の記憶もないんだよ!そんなんでおしおきなんて……理不尽だよ!」
モノクマ「理不尽?なにそれ、意味わかんないんですけど!」
モノクマ「あのねぇ……覚えてないから無罪?それだったら園田さんは百万円貸した友達も、借りたことを忘れてたら返済免除するの?違うよね?」
モノクマ「それに事故って言ってもしっかり西城さんの行動が原因で本棚が倒れてるんだから見方によっては立派な殺人だよ!」
モノクマ「そもそもここでの生活において事故死なんかないんだよ!殺人以外の死なんて病死か衰弱死ぐらいのものなんだよ!」
凛世「そんなの……あんまりでございます……」
樹里「……悪い、チョコ」
智代子「じゅ、樹里ちゃんが謝ることなんてないよ……!」
モノクマ「それにさぁ……ほんとに西城さんはまるっきり覚えてなかったのかな?」
(……!?)
灯織「ど、どういう意味ですか……?!」
モノクマ「西城さんはしっかり覚えてて嘘ついたんじゃないかっていうこと!そう簡単に人の記憶が飛ぶと思う?そうじゃないよね?」
違う。絶対に樹里は覚えてなかったんだ。
そうじゃないと……この裁判でのやり取りは……!?
凛世「違います……樹里さんは、いつもと変わらぬ樹里さんでした……もし記憶が健在ならば、凛世は必ず……気づきました……!」
モノクマ「オマエラとしてはそう思いたいよね?でも実際のところは西城さん以外分かんないんだよね!」
樹里「…………」
モノクマ「ほら、素直になっちゃえよ!」
智代子「違う!樹里ちゃんは!」
樹里「……覚えては、無かったよ」
灯織「そうだよね……樹里、だって」
樹里「途中までは、な……」
(……!?)
そう語る樹里の顔は、私たちを欺き生き残ろうとした人間としてはあまりにも悲しすぎた。
本当に他の人間を蹴落とそうとしていたなら、こんな表情はしない。
樹里「裁判の途中で、断片的に記憶が何度もよみがえったんだ。あのときの痛み、あのときの苦しみ、あのときの小糸の声……それはアタシの目の前で小糸が死んだことを表してて……」
樹里「言えなくて……悪かった」
モノクマ「ぷひゃひゃひゃひゃ!あんなに仲間意識の強かった西城さんが裏切ってたんだって!どう思う?みんな!」
灯織「……違う」
灯織「樹里は裏切ってなんかないです……!だって、樹里もこの裁判で、命を懸けていたんだから……これは裏切りなんかじゃなくて……!」
樹里「そう言ってくれると助かるよ、灯織」
モノクマ「ふぅ……見上げたお仲間意識ですなぁ!」
智代子「樹里ちゃん……私も灯織ちゃんと同じだよ!だから……」
智代子「私たちに悪いとか思わなくていいんだよ、樹里ちゃんは樹里ちゃんのやるべきことをやっただけだよ!」
樹里「……ああ」
モノクマ「しっかし事故とはいえ胸が痛みますなぁ……西城さんみたいに強い人間が福丸さんのように弱い人間を殺す!まさに弱肉強食!残酷な世界やで……」
樹里「小糸は弱くなんかねーよ!!」
灯織「……樹里?」
樹里「小糸が弱いわけないだろ……あん時だってよ……小糸は必死にモノクマ、てめーに立ち向かおうとしてたんだよ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【図書室】
樹里「……おーい、誰だ?こんな時間に呼び出して」
小糸「あ、あの……西城さん……こんばんは」
樹里「小糸……?!どうしたんだよ、急に呼び出したりして」
小糸「あ、あの……ち、ち、力を……貸してもらいたくて」
樹里「力?」
小糸「あそこの本棚、気になる本があるんです……とってもらえませんか?」
樹里「そ、そんなんでいいのか……?なんでわざわざアタシなんだ?身長もそんな変わんねー円香とか、背なら雛菜の方がでけーだろ」
小糸「円香ちゃんも雛菜ちゃんも、今は透ちゃんのことで葛藤していて……これ以上、背負わせたくないんです……」
樹里「い、いや……だとしてもよ」
小糸「それに……西城さんに、あこ……あ……憧れて、ます……」
樹里「あ、憧れ?!あ、アタシに?!」
小糸「さ、西城さんは、皆さんの中でも……一番強そうで……」
小糸「モノクマにも立ち向かっていける勇気があるから……わ、わたしも……そうなりたくて!」
樹里「アタシは別にそんな……」
小糸「だ、だから……一緒にトレーニングとかも、できたらな……って」
樹里「でも、なんだってそんなに強くなろうとしてんだ……?アタシたち仲間だっているんだし、みんなを頼っても……」
小糸「それも確かにそうなんですけど……」
小糸「西城さんは、この前のモノクマの動機をどう思いますか……?」
樹里「……っ!……果穂と夏葉は無事だ、アタシはそれを信じることしかできねー」
小糸「そう……ですよね、わたしも……そう思うんですけど……」
小糸「やっぱり、プロデューサーさんが無事かどうか……気になって……」
樹里「おいっ!間違っても誰かを殺すなんて考えんじゃねーぞ!」
小糸「ぴぇっ?!い、いえ!だ、誰かを殺すなんかじゃなくて……その……」
樹里「あ、悪い……つい大きい声出しちまった」
小糸「自分の力で脱出して、実際どうなのか……自分の目で見てみたくて……!」
樹里「そりゃそれができれば一番いいけどよ……結局二階にも手掛かりなかっただろ?」
小糸「ま、まだ調査が終わってないのがありますよね……っ!」
樹里「え?」
小糸「そ、そこのノートパソコンです……詳しい人がいなかったから、おいてありますけど……」
小糸「わ、わたしがプログラミングを学んだり、もっと詳しくなったりしたら……どうにかならないかなって……!」
樹里「……!」
小糸「少しでも、外の世界のことが分かれば……みなさんの希望になるのかなって!」
樹里「小糸……それでこんな本棚の上にある分厚い本を……」
小糸「は、はい……まずは入門レベルから、ですけど……わたしも、何か役に立ちたくて……!」
樹里「……そっか。任せとけ!勉強もちょっとぐらいなら……付き合うぜ?」
小糸「ぴゃっ?!ほ、ほんとですか……!?」
樹里「ああ」
確かに小糸は体も小さくて……ちょっと臆病で……気も弱いかもしれない。
けど、自分にできることは何かないかって身近なところから希望を見出して……
嘆いてばかりのアタシたちなんかよりよっぽど強い奴だったんだよ。
樹里「……まあ、とりあえず本とりゃいいんだな?」
小糸「は、はい!」
樹里「……っしょっと!小糸、しっかり支えてくれよ」
小糸「は、はい!へーきです!」
だからアタシは小糸のことを応援してやりたくて、小糸のためにできることならやってやりたくて……
アタシは脚立に登ったんだ。
でも、それは突然だったんだ。
______バキッ!
樹里「……っ!?」
突然、足元が抜けた。
やばい、怪我しちまう……そう思うより早く手は本棚をつかんでいた。
けどその勢いは止まることなく、ぐるんと本棚は視界の外に消えた。
______そしてそのままアタシは、頭を床に強く打ち付けた。
とてつもない轟音とともに一気に埃が舞い上がり、事態を把握するにはしばらく時間がかかった。
アタシは必死に脚を本棚から引き抜いた後もしばらく痛みに悶えていた。
樹里「いってぇ……くそっ……脚が、下敷きに……」
樹里「……あれ?小糸は?」
微かに聞こえてくる喘ぎ声。
それは本棚の下から聞こえてくる。
樹里「まさか……おい!小糸!?無事か?!」
小糸「……ぁ……か……」
樹里「くそっ!待ってろ!今助ける!」
だけど、アタシの右脚は既に折れちまってて……
樹里「痛っ!!ダメだ……力が入らねえ!アタシ一人じゃ……助けらんねえのかよ!」
樹里「……チクショウ!小糸、もう少しだ……もう少しだけ待ってくれ!今すぐみんなを起こしてくる!」
けど、この時にはすでに円香はアタシのことを見ていたんだろうな。
円香の目には、アタシが小糸を見殺しにしたように映ったんだろ……
あの時の円香は、本気でアタシを殺す気だった。
樹里「とりあえずは咲耶とめぐるか……?インターホン鳴らせば起きるか……?」
樹里「待ってろよ……絶対、助けるからな……っ!」
_____ガララッ
円香「……許さない」
アタシはそのとき円香には気づいちゃいなかった。
だから振り下ろされた一撃は、完全に想定外で、無防備にアタシは後頭部にそれを食らっちまったんだ。
_____ガンッ!!
図書室の扉を開けた瞬間。
世界が砕けるような音がして、アタシは意識を手放した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
樹里「小糸は、最後の最後までみんなの希望であり続けたんだ……だから、だから!」
樹里「小糸のことを弱いなんて言うんじゃねえ!」
灯織「……樹里」
樹里は私たちをいつも引っ張る立場にいて、常に私たちのことを支えてくれていた。
そんな彼女のことを私も強いヒトだと感じていたけど、それだけじゃない。
人の強さも弱さもわかってくれる、【強くて弱いヒト】だったんだ。
モノクマ「確かに他のオマエラよりは福丸さんは前向きだったかもね!あのパソコンなんて初日に調べて他のみんなはすぐ諦めちゃってたもんね!」
樹里「……ああ、小糸はアタシたちよりも未来のことを見据えて、それでなにができるか考えて……」
モノクマ「まあその福丸さんの着眼点もミスっちゃってるんだけどさ!」
樹里「……は?」
モノクマ「これだよね?そのノートパソコンってさ!」
モノクマがどこからか取り出したそれには強い既視感。
確かに図書室にあったものだ。
モノクマ「これさ……そもそもおもちゃなんですけど!」
樹里「……えっ?」
モノクマ「だから、ただのおもちゃだよ!キーボードなんか押したところで反応するわけないし、液晶もつくわけない!小学生が遊ぶためのなんちゃってパソコンなんだよ!」
モノクマ「それなのに福丸さんったら必死にプログラミングなんか覚えようとして……こんな世界でプログラミングなんか学んだところで意味ないのにさ!」
足元が抜け落ちたように、全身の血の気が引いた。
……最悪だ。モノクマがやっていることは単純な挑発じゃない、小糸が最後に掴もうとした希望を私たちの前で踏みにじる……
小糸の想いすらも粉々に砕こうとするようなそんな真似だった。
言い得も知れぬ喪失感で凍り付く中、彼女は全身の血を沸騰させるほど怒り狂っていた。
樹里「……ざけんな」
モノクマ「え?」
樹里「ふざけんな!お前は……お前はどこまで人を馬鹿にしたら気が済むんだよ!」
私たちが気が付いた時には樹里は声を張り上げるとともに、
血が出るほどに強く握りこんだ拳でモノクマのことを殴りつけていた。
智代子「じゅ、樹里ちゃん?!そんなことしたら!」
樹里「関係ねえ!どうせアタシはおしおきされるんだ!なら……なら……!」
樹里「死ぬその瞬間までこいつのことを殴らねえと!小糸の希望を馬鹿にしたこいつを殴らねえと!」
樹里「じゃないと小糸が……報われないだろ!」
(……!!)
泣いていた。モノクマを殴りつける樹里は泣いていた。
拳と金属がぶつかる鈍い音が響くたび、赤と無色の飛沫があたりに飛び散る。
樹里「小糸に謝れ!小糸に謝れよ!」
モノクマ「痛っ!痛いよっ!校則違反にも限度があるよ!」
樹里の校則違反、これが無数に湧き出るモノクマに対して無力なことであることは本人にもみている私たちにもわかっていた。
______でも、私たちはそれを止めようとはしなかった。
むしろ、心の中では樹里のことを応援する気持ちすらあった。
(樹里……負けないで……!頑張って……!)
樹里「どうなってもいい……アタシは、アタシの命と引き換えにしてでもぶん殴らねえと気が済まねえんだ!」
モノクマ「くそっ!離せ、離せよう!」
樹里が一発一発殴るたび、私たちの背中が押されているような気がしたから。
樹里の一発はむしろ私たちに向けられている。
一発一発がぶつけられる度、私たちの中でじんわりと広がっていくものがある。
モノクマ「あーもう!仕方ないな!余韻もボインもあったもんじゃないね!こうなったらおしおき強行だ!」
樹里「好きにしろ!アタシは殺されようがこの拳は止めねーぞ!」
樹里の死……それを目前にして、私たちは樹里から託される熱いものを感じていた。
_____それは【命】。絆よりももっと熱くて重くて、強いものだ。
私たちには、託される【命】を最後のその瞬間まで見届ける義務があるんだ……!
モノクマ「超高校級の……痛っ!【応援団長】痛っ!……の西城さんのために……痛っ!」
樹里「お前だけは……!お前だけは……!」
モノクマ「スペシャルなおしおきを用意しました!痛いよ!しつこいなぁ!」
樹里「みんなのために、アタシも爪痕を残す……【絆】をつなぐんだ……!」
モノクマ「痛っ!痛いよ!……あーもう、張り切って参りましょう!おしおきターイム!」
樹里「地獄の底まで一緒に殴り合おうぜ、モノクマ!」
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GAMEOVER
サイジョウさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
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紅蘭偉魔空珠学園……
かつて伝説の不良たちが名を轟かせたこの学園も、今となっては一人の生徒会長による絶対統制により脅かされていた。
そんな腐った学校をぶっ壊すために……
金色の猛獣・ジュリが今、殴りこむ……!!
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【人生☆CLIM@X!!
超高校級の応援団長 西城樹里 処刑執行】
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指をぽきっと鳴らせば臨戦態勢。
不良たちの喧嘩はステゴロが基本。
右脚が折られているものの、そんな怪我なんか気にしない……それがアタシたちのルール。
____アンタたちが何人いようが関係ねーよ。
たった一人でジュリは無数のモノクマたちに殴りかかった!
彼女の拳は的確に一撃一撃でモノクマたちを仕留め、破壊破壊破壊!
取り囲まれようと、不意打ちを食らおうとも、負傷した右脚を狙われようとも。
ジュリはひるまず、臆さず、ただ拳をふるい続けた。
全ては学園の自由のため、そして己の意地とプライドのため_____
貫き通すものがあるヤツは、強ェーんだ。
いつしか全身はボロボロ……
口にたまった血涎を吐き捨てる。
____どうやらアタシの勝ちみてーだな。
気が付けばジュリを取り囲んでいたはずのモノクマはもはやあと四人にまで減っていた。
喧嘩の終わりが見えてきて思わず口角が上がるジュリ。
滴る汗を拳で拭い、最後の闘争に向かって駆けだした!
____オラァッ!
最後の戦い、振り上げた拳!!
……は空中でそのまま静止した。
ジュリにはその拳を振り下ろすことなんかできなかった。
______果穂?
このまま拳をふるえば、ジュリは何よりも大切な仲間の顔を殴ることになる。
残りのモノクマは、ユニットの仲間たちのお面をつけていたのである……!!
まさに外道!
ジュリの優しき心に付け込んだ非道な戦法!
その一瞬の心の揺らぎ、それをモノクマたちは見逃しませんでした。
……悲しいけどこれおしおきなのよね。
まあ、生き残るだなんだの瀬戸際で、
お仲間の顔が見えただけで拳をふるえなくなっちゃうようなもやしじゃ、この先も生き残れないってことで!
伝説の不良とやらはお仲間のお面をつけたモノクマにリンチでミンチにされちゃいましたとさ、おしまい。
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モノクマ「ヒャァーホォウッッ!やっと終わった!なんだよあのDV女!ボクのプリチーな体を傷めつけやがって!」
モノクマ「ま、スペアは無限なんで意味はないんですがね!」
樹里が死んだ。彼女の死にざまが目に焼き付いて離れない。
命の灯が消えるその瞬間まで、モノクマに…黒幕に…彼女は拳をふるい続けた。
目は血走り、唇をかみちぎりそうなほど食いしばり、その手は自分の血にまみれていた。
その光景だけ見れば彼女は修羅のようだった。
でも、私たちにはおしおきという言葉を出されても一切ひるまない樹里の姿は、強く気高く見えた。
血を流そうが何があろうがひるまない……それは一つの、【希望】の姿だったんだ。
最後まで絶望に抗い続けたんだ。
だからおしおきが終わった後でも私たちは……
めぐる「泣かない……泣かないから、樹里……!」
モノクマ「……はれ?」
悲しみに飲まれるんじゃなく、その胸には火をともしていた。
樹里から受け継いだ【命】……それはモノクマに対する反逆の火。
咲耶「みんな、帰ろう」
モノクマ「あれ?随分とあっさりしてるんだね、もしかして西城さんってハブられてた?」
甘奈「樹里ちゃんは私たちのかけがえのない仲間だよ!でも、だからこそ」
甜花「西城さんのために、甜花たちは泣かない……!」
愛依「……うん、樹里ちゃんと小糸ちゃんの想いを絶対無駄にしちゃだめだもんね」
智代子「ここで泣いちゃってたら、樹里ちゃんに怒られちゃうよね!」
凛世「はい……樹里さんのことです、天国より叱責されてしまいます……」
灯織「うん、樹里ならそれぐらいやっちゃいそうだよね……!」
摩美々「まずは帰ってしっかり休んで……明日から頑張るんでしょー?」
霧子「うん……立ち止まってちゃ、ダメだよね……!」
めぐる「樹里、見守っててね……モノクマなんかに負けないから!」
そう、私たちは戦い続ける……
樹里と一緒に、戦うんだ……!
摩美々「その前に、一つだけいいですかぁ?」
(……摩美々さん?)
摩美々「樹里のおしおきの直前、モノクマが言ってた『プログラミングなんてこの世界では意味ない』ってやつ……あれってどういう意味なんですかぁ?」
モノクマ「ん?」
摩美々「だっておかしいでしょー、私たちにとって【世界】なんてこの学校だけで完結してるのに、なんでわざわざそんな言い方する必要があるわけー?」
モノクマ「細かいこと気にするんだね、さては文系だね?」
摩美々「答えてもらえますー?」
モノクマ「深い意味はないよ、文字通りこの世界ではプログラミングなんか意味ないってだけ!」
モノクマ「それ以上でもそれ以下でもない!」
摩美々「だから聞きたいのはそんなことじゃ……」
モノクマをつなぎとめようとする摩美々さんを無視して、モノクマはそのまま姿を消してしまった。
咲耶「ふぅ……やはり私たちにとって得になることはしてくれないようだね」
摩美々「あしらうにしてももっと上手にやってほしいんだケド」
摩美々「まぁ考えても仕方ないですねー」
めぐる「うんうん、とりあえずはこれからに向けて頑張らないと!」
私たちはそのまま涙を流さずに、裁判場を後にした。
その足のまま、食堂で私たちは食事会を開いた。
樹里と小糸は、きっと私たちが落ち込むことをよしとしないから。
少しでも前を向くために、少しでも絆を深めるために。
いっぱいご飯を食べて、いっぱい笑って、いっぱい泣いた。
生きる……生きるんだ。
それが生き残った私たちの義務なんだから。
……でも、この私たちの絆の輪とも言うべき結束には、そもそも前提として欠落がある。
【彼女】は食堂にはいなかったから。
【???】
円香「……モノクマ」
モノクマ「はいはい!およびですか?……ってなんだ樋口さんじゃん、裁判お疲れ様!キミのおかげで今回の裁判もよかったよ?」
円香「……そう」
モノクマ「今回の事件ってさ、キミがいないとすっごい退屈なものだったと思わない?」
モノクマ「やっぱりこうやってかき乱してくれる存在がいないと、予定調和になっちゃうからさ!」
円香「……」
モノクマ「で?なんの用なの?」
円香「……単刀直入に聞きます」
円香「もし仮に……」
円香「私が全員を皆殺しにする計画を立てるから協力してほしいってなったらモノクマは協力してくれるの?」
モノクマ「うぷぷぷ……そんなことを言ってくるなんて変わってるねキミは」
円香「できるかできないかで答えて」
モノクマ「できないよ!」
円香「……ふーん」
モノクマ「ボクは別にシリアルキラーでもないんだ。みんなに死んでほしいんじゃなくて、みんなに絶望してほしくてこのコロシアイ合宿生活を始めたんだから、皆殺しなんて許せないよ」
モノクマ「むしろコロシアイにおいてメインなのはほら、学級裁判なわけじゃん!」
円香「やっぱりそうなんだ」
モノクマ「そういうこと!……面白い相談だけど、今回は断らせてもらうよ!ごめんね!」
円香「……まあ、だろうと思ったけど」
モノクマ「でも、キミのおかげで校則の抜け目を見つけられたよありがとうね!」
【校則が追加されました】
【コロシアイ学園生活で同一のクロが殺せるのは、2人までとします】
モノクマ「これでよしっと!」
円香「……なるほどね」
円香(別に今すぐ全員を殺そうなんて本気で思ってるわけじゃない)
円香(ただ私は……透と小糸を裏切ってものうのうと生きてる連中に)
円香(詭弁の【絆】なんてものをありがたがってる連中に)
円香(死者の想いを引き継ぐこと、【絆】を守るということの本当の意味を)
円香(傷を刻み付けることで教えてやるだけ)
円香(その心をズタズタのぼろぼろに引き裂くまで、私は止まらない)
円香(それが私にとっての【絆】になる)
円香(偽善者たちに、思い知らせてやるだけ)
モノクマ「うぷぷぷ……いいねえ、いい顔してるよ」
モノクマ「ボクのゲームに乗ってくれる奴はこれまでにも何人もいたけど、キミは中でもいい顔してるよ」
モノクマ「絶望を生み出せる……選ばれた人間だけができる顔だよ」
モノクマ「キミがそうやって絶望を振りまいて振りまいて……」
モノクマ「みんなが絶望に沈み切ったときにこそ」
モノクマ「________きっと美しい希望は生まれるんだろうね」
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【CHAPTER 02 存在証明を、この悲鳴を、或いは絶望を】
END
残り生存者数 12人
To be continued...
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【CHAPTER02をクリアしました!】
【学級裁判クリア報酬としてモノクマメダル49枚を入手しました!】
【CHAPTER02クリア報酬としてアイテム『紅蘭偉魔空珠』を手に入れました!】
〔CHAPTER02を生き抜いた証。ドラマで演じた不良と、彼女の最期には共通したものを感じさせる。熱い命がそこで燃やされたことを決して忘れてはいけない〕
【CHAPTER02クリア報酬としてスキル『意地っ張りサンセット』を習得しました!】
〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕
というわけで2章が完結したところまで更新はここまで。
正直小糸の親愛度がカンストまで行くとは思っていなかったので事件発生過程が若干ぎこちない感じになってしまいましたね。
まあそこは肉体派アイドルのお膝元の放クラの方が【強そう】に見えたってことで……
3章までは書き溜めがある程度あるのでまた数日~一週間程度お休みをいただいてから3章から再開するつもりです。
3章は新しくスレ立てをしてから再開した方がいいですかね?
残り書き込めるレス数も100ちょいと心もとないですし……
そして今後についてなのですが、4月からはリアルが多忙になるので、もしかすると更新自体滞ることがあるかもしれません。
4章以降はまだ構想も十分に練れておらず、書き溜めする時間も取りづらくなってくるので……
数か月単位で空くときもあるかもしれませんが、完結までしっかり完走はしたいと思っていますのでどうかお付き合いいただけると幸いです。
ひとまず今回もお付き合いいただきありがとうございました、またよろしくお願いします。
【モノクマげきじょう】
モノクマ「人生とは選択の積み重ねなんだ」
モノクマ「どこを切り取ったとしても、そこで必ず人は選択を行なっているんだよ」
モノクマ「意志と言い換えてもいいだろうね。人間は常に何かと何かを比べて選び取ることでしか生きていけないんだよね」
モノクマ「例えば朝起きた時、この時点であなたは選択をすでに終えているのです」
モノクマ「春の麗かな温もりの下に、睡眠の快楽を享受するという選択肢を捨てて、社会の歯車となるために起床するという選択をしたわけだね」
モノクマ「いやぁ……殊勝でケッコウケッコウ!」
モノクマ「それで社会の歯車となることを決意したあなたは次の選択に移ります」
モノクマ「昨日の飲み会帰りに撒き散らした自分の吐瀉物を掃除するか、締め切りを過ぎた書類についての謝罪の電話を上司にするかの二択だね!」
モノクマ「どっちを選んだとしても、異なった結末がそこには待っていることはもはや言うまでもないよね!」
モノクマ「こうやって人の人生……80年という年月は過ぎていく」
モノクマ「毛細血管が体中に張り巡らされているように人生という表面の下にはグロい数の枝分かれがあるんだよ!」
モノクマ「そう、人生はマルチエンディングなんだ!」
モノクマ「どう生きるか、どう死ぬかを決めるのもすべてはあなた次第なんだ!」
モノクマ「……そういう意味では、あの子たちはつまんない選択をしたんだね」
モノクマ「だって一回きりの人生、殺されてちゃ勿体ないよね!」
モノクマ「だから仏のように慈悲深いボクが彼女たちに、『あるかもしれなかった』エンディングを見せてあげようかと思うんだよね」
モノクマ「うぷぷぷ……今から始まるのは、枝分かれと枝分かれの成れの果て」
モノクマ「もはやそうなることはあり得ない、もう一つの結末ってやつだよ」
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GAMEOVER
アサクラさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
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肩を竦めて椅子に腰掛けている浅倉さん。
おやおや、どうしたことでしょうか、顔色が悪いですね。
ダメですよ浅倉さん、成績が芳しくなかったんですからしっかりと“追試”は受けてもらわないと。
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【追試】
retest
【超高校級の??? 浅倉透 処刑執行】
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_______カタタタタ…
浅倉さんの座る椅子と机はベルトコンベアでどんどん後ろへと運ばれていきます。
試験官モノクマも浅倉さんの追試を見届けるために同じくベルトコンベアに乗って進んでいきます。
そしてその行き着く先には、酸でできたプール。
浅倉さんの後ろにいる生徒たちは次々とプールに飲み込まれていきます。
_______ジュワァァァ…
この音はプールに生徒たちが呑み込まれて行く、落第のサインなのでしょう。
浅倉さんもほら、ちゃんと試験を頑張らないと!
肩で呼吸をして鼻息を荒くしてる場合じゃないですよ!
目の前の試験用紙、そして黒板には
『人間の記憶について』と書かれています。
そういえば浅倉さんは誰かに自分のことを思い出してほしいんでしたっけ?
それなら自分自身が一番そのことに詳しくないとダメですよね!
_______ジュワァァァ…
……でも、彼女に解答なんてできません。
死がすぐそばまで迫っているのです、まともな思考すらできません。
_______ジュワァァァ…
あ、ほらまた後ろで生徒が一人溶けたみたいです。
あんなにクールだった浅倉さんの表情も気がつけば真っ青に。
豪胆ぶってもやっぱり人の子なんですね。
_______ジュワァァァ…
ほら、終着点まであと少しですよ。
早くしないと落第ですよ!
_______ジュワァァァ…
浅倉さんは歯を食いしばり、目を目一杯瞑った後に助けを懇願するかのように、弱々しく顔を上げました。
そりゃそうです、試験官だって先生なんですから。学生が先生に助けを求めるのは当然のことです。
ですが、先生も先生である以前に人の子、いやクマの子でしたね。
どうやら眠たくなってお昼寝中のようです。
浅倉さんが最後に見せた表情は、
顔面が蒼白を通り越して紫色に染まった、絶望的な表情でした。
_______ジュワァァァ…
容姿端麗、クールな彼女の姿は
彼女自身のミュージックビデオのように泡沫に消えて行きましたとさ。
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GAMEOVER
フクマルさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
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いや〜〜〜めでたい!
まさかうちの学校からあの大会に優勝する学生が出るなんてね、これは盛大に祝わないといけませんよね!
学校をあげて応援しちゃいましょう!
先生もみんな揃って、生徒もみんな揃って!
当然、ボクらの学級委員である福丸さんにも祝ってもらいますよ!
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【祝!全国大会出場!】
【超高校級の学級委員 福丸小糸 処刑執行】
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合格をお祝いするためにはやっぱり垂れ幕を作らないとダメですよね。
というわけで今回は書道家として高名なモノクマ先生にお越しいただきました。
_______先生、今日はよろしくお願いします。
_______先生、道具から拘っていらっしゃるんですって?
なるほど、凡庸な毛先の筆では良い書は書けない……
______だから福丸さんを棒の先端に縛り付けてあるんですね!
成績優秀な福丸さんの髪を使って書を書けば、さぞいい作品が出来上がるでしょうね!
福丸さんを頭から墨汁でジャブジャブしたら準備OK!
それでは一筆入魂……参ります!
おっと!流石は書道家モノクマさん、気迫が違う!
躊躇うことなく福丸さんを頭から紙に擦り付けていく!
どんどん書き上げられていく垂れ幕!
世界よ、見ているか?!これが日本の芸術だ!!
何度も何度も福丸さんを墨汁の中に押しつけ、
何度も何度も紙に頭から擦り付け、
それを繰り返すことで芸術は生まれるのです!
芸術は爆発だーーーーーーー!!!
そして書き上げられた垂れ幕。
『呪!大食いコンテスト全国大会出場!』
いやぁ……美しい文字ですね。
______特にこの、途中から墨汁に赤色が混じるところがいいですね。
命の躍動感と言いましょうか、魂の叫び、苦しみの中から捻り出した感情のようなものを感じられます。
やっぱり書道家の先生は違いますね!
って先生!最初の漢字間違えちゃってますよ!
画竜点睛を欠くとはこのことですね。
えへへ、いっけね☆
使い終わったし筆は適当に捨てちゃいましょうね、
どうせこんなボロボロの筆二度と使えないし。
というわけで埋めネタの浅倉透版、福丸小糸版おしおき案でした。
このスレはこんな感じでメインシナリオとは関与しないネタを書いたり、
何かシナリオに関わるものやそのほか質問などあれば残りのレス使って答えたり、
そんな風にして残りを埋めることにします。
次スレからキリよく3章はじめから始めた方が何かと都合もよいので……
3章開始の準備もだいぶ整ってきたのでもう少しでお届けできるかなと思います。
開始する際には前日までにこのスレでも告知するつもりです。
突然の更新失礼しました。
またよろしくお願いします。
※先ほどスレ立ては終えておきましたのでこちらからどうぞ。
・【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1616846296/)
3章の準備が整ったので、明日3/30(火)22:00~で再開できそうです。
新スレの方で3章冒頭から始める予定なのですが、
新スレに行く前にこのスレの残りを埋めるのもかねて購買パートやっちゃうのもありですかね?
モノモノマシーンを引くとなるとコンマ判定も時間がかかりますし……
購買パートやらないならやらないで別途埋めネタを用意するのでどちらでも大丈夫です!
現在モノクマメダルは75枚ありますがどうでしょう?
所持品
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【ジャスティスV変身ベルト】
自販機はまだ作中で登場自体はしてないです!
メダル複数枚消化で特定アイテム取得のシステムです。
モノモノマシーンでの使用するメダルの枚数にも特に上限はないのでご自由にしていただければ。
とりあえずテンプレ置いておきますね。
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【購買】
灯織「さて……せっかくだし何か買っておこうかな?」
【自動販売機】
【贈答用】
・ノロマ号 10枚
・希望のパーカー 10枚
・最高にカッコいいネックレス 10枚
・にちかちゃん人形 10枚
・柄入りブルゾン 10枚
・カミサマの憤懣 10枚
・親愛のお守り 20枚
【お役立ち品】
・ロボット掃除機 30枚…生活が豊かなものになるかも?
・283プロのタオル 30枚…裁判で有利に働くかも?
・サイリウムブレード 40枚…裁判で有利に働くかも?
・敏腕記者の名刺 60枚…生活が豊かなものになるかも?
・スーパーはづきさん人形 99枚…?????
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【現在モノクマメダルを75枚所持しています】
どうしますか?
【自動販売機を使って商品購入する場合は商品指定
モノモノマシーンに挑戦する際は枚数指定をお願いします】
【同時選択可】
モノクマメダルを30枚消費してモノモノマシーンに挑戦します。
かなり時間とレスがかかるので連投でもなんでも気軽にしていただければ。
12時ごろにも到達してなかったら私が適当に連投して判定しておきます。
【モノクマメダルを30枚消費します】
【残りモノクマメダル45枚】
【直下より30回コンマ判定します】
【消費した枚数分だけコンマ判定を行い、番号に応じたアイテムが獲得できます】
↓1~30
ご協力ありがとうございました!
30コンマ分アイテム調べてきます…
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】
【ツルカメダイヤモンド】
【ブルベリの香水】
【スカラベのブローチ】×2
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【もちプリのフィギュア】
【高級チンチラシート】
【むらまさ】
【狂戦士の鎧】
【水晶のドクロ】
【黄金のスペースシャトル】
【月の石】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】
を手に入れました!
灯織「張り切って回しすぎた……?いや、でもどうせみなさんにもお分けするんだし……」
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92.EYE GRASS
〔とあるアイドルとのタイアップで作られた商品。機能性に優れたデザインでありつつも、どこか女性らしさを感じさせるフォルムは同世代からの支持も厚い〕
95.ダンベル君主論
〔ダンベルに電子書籍が埋め込まれた画期的商品。ダンベルを持ち上げる度一ページ詠み進めよう。文武両道を目指すあなたにおすすめ〕
96.冬優子ちゃん育成キット
〔超高校級の昆虫博士と超高校級の生物学者が共同で作ったクワガタ育成キット。箱を開けるとともにフリーズ状態の幼虫が蘇生し、成長を始める〕
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【残りモノクマメダル枚数…45枚】
(どうしよう、これで終わっておこうか?)
↓1
自販機での買い物は大丈夫そうですかね?
一応所持品をまとめて整理しなおしておいたので
明日から更新予定の三章でも反映しておきます。
またしても突然の更新でしたがありがとうございました。
それではお疲れ様でした…
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・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【ブルベリの香水】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【高級チンチラシート】
【残鉄剣】
【むらまさ】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【水晶のドクロ】
【黄金のスペースシャトル】
【月の石】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】
・現在のモノクマメダル枚数…45枚
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CHAPTER-EX
それは単純で軽率な光彩の交わり
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冬優子「はぁ?!き、希望ヶ峰学園ってあの希望ヶ峰学園?!」
愛依「ウッソー……希望ヶ峰学園なんてマジでテレビでしか知んないんだけど……」
P「俺も驚いたよ……まさかこんな仕事が舞い込んでくるとはな」
冬優子「驚いたどころじゃないわよ……大きな仕事が舞い込んできた、どころの騒ぎじゃないじゃない」
あさひ「……?そんなにすごいんすか?」
冬優子「あさひ……冗談よね?流石のあんたでも、希望ヶ峰学園を知らないーなんて抜かすわけ」
あさひ「なんなんすか?」
冬優子「はぁ……うっそでしょ、信じらんない」
愛依「あさひちゃん、マジで知んないの?希望ヶ峰ってあの希望ヶ峰だよ?」
あさひ「聞いたことはあるっすけど実際どんな感じかはよく知らないっす」
冬優子「あんた、説明」
P「お、おう……いいか、あさひ。希望ヶ峰学園ってのは文字通り日本の未来を担う才能……超高校級の学生を育てるための学校なんだ」
あさひ「ちょう……こうこうきゅう……なんか聞いたことあるっす!」
P「学園に入るのはずば抜けて優れた才能を持った学生としてスカウトされた現役の高校生のみ」
P「卒業すれば人生の成功を約束される……そこまで言われる神格化された教育機関、それが希望ヶ峰学園なんだ」
あさひ「ってことは……その学校にいる人、みんなすごい人なんすか?!」
P「ははっ、そういうことだな」
冬優子「すごいなんてもんじゃないわよ……あんなの化け物、同じ人間とは思えないような才能の持ち主ばっかなの」
愛依「うちも毎年テレビで見るの楽しみにしてるんだよねー、今年の超高校級はどんなんなんだろーって」
あさひ「で、その希望ヶ峰学園がどうしたんすか?!」
P「ああ、すごいぞ……なんとストレイライトが見学取材をすることになったんだ!」
冬優子「ほんと……信じらんないわ」
あさひ「嫌なんすか?」
冬優子「んなわけないでしょ!……希望ヶ峰学園なんか普通一生縁がない場所なのよ……そんなところに、仕事で行けちゃうなんて最高じゃない!」
愛依「アッハハ!うちも結構ミーハーだから、スゲーテンション上がっちゃうわ〜!」」
P「そう言ってもらえると嬉しいよ、せっかくの大きな仕事、喜んで取り組んでもらえた方が俺も助かる」
あさひ「あはは、わたしも楽しみっす!」
冬優子「……ねえ、あんた今回限りは好き勝手な行動すんじゃないわよ?」
あさひ「……?しないっすけど」
冬優子「オッケー、当日は首輪でもつけることにするわ」
P「お、おい……」
冬優子「万が一にでも失礼を働いてみなさいよ……ふゆたちどころか事務所ごと飛ぶわよ……あさひの好きにはさせられないわ」
P「怖いこと言うなよ……」
冬優子「希望ヶ峰は国家機関……これでも警戒は足りないぐらいよ」
あさひ「冬優子ちゃんは心配性っすね、大丈夫っすよ」
愛依「アッハハ、大丈夫大丈夫!うちが当日はちゃんと見とくからさー」
冬優子「愛依、絶対よ。絶対だからね!ふゆはこんなところで死にたくないから!」
愛依「冬優子ちゃんオーゲサすぎだって〜、あさひちゃんも変なことしないから安心しなよ〜」
_________
______________
____________________
冬優子「……なんて言ってたのはどこのどいつだっけ?」
愛依「……うち、です」
冬優子「質問その2、今芹沢あさひはどこにいるんでしょうか」
愛依「……わかんないです」
冬優子「はぁぁぁぁぁぁ……どうすんのよホントに……!なんなのアイツ……野生動物でももう少し行動が把握できるわよ」
【現在地:希望ヶ峰学園】
冬優子「どういうことなのよ、校門潜った瞬間消えてるって」
愛依「手繋いでたはずなんだけどなー……?」
冬優子「その状態でどういう原理で気づかずに消えれんのよ……愛依」
愛依「アッハハ……メンボクない……」
P「冬優子ーーーー!」タッタッタッ
P「ダメだ、警備員さんも見てないって」
冬優子「……ったくどこに行ってんのよアイツ……!!まさか生徒と接触なんかしてないわよね……!?」
冬優子「愛依、あんたも手伝いなさい!1秒でも早いとこあさひを捕まえるわよ!」
愛依「う、うん……!そだね!」
冬優子「あいつが誰かに接触する前に……ふゆたちの首が飛ぶ前に確保すんのよ!」
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あさひ「あはは、すっごく広い学校!ひゅ〜〜〜〜〜!!」
あさひ「あ、そうだ。せっかくだし超高校級の高校生に会ってみようかな……」
あさひ「すごい才能……見てみたい!」
【ストレイライトのセンター、芹沢あさひが希望ヶ峰学園第78期生と交流します】
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【超高校級の幸運】
あさひ「苗木さんは才能ないっすか?」
苗木「うっ……直球だね……」
苗木「まあ、その通りなんだけどさ。ボクは他のみんなと違ってなんの才能もなく、抽選で選ばれただけの【超高校級の幸運】だから」
あさひ「ふーん、そうなんすね。それじゃ苗木さんはこれからなんすね!」
苗木「えっ……?」
あさひ「え?希望ヶ峰学園って才能の研究をしてるんすよね?それなら苗木さんもこれから新しい才能に目覚めるかもしれないじゃないっすか」
苗木「ははは、ボクなんか、何も出来やしないって」
あさひ「そういうもんっすか?」
苗木「ボクは大和田クンみたいに腕っ節が強いわけでも、十神クンみたいに頭がいいわけでもないからさ」
苗木「ボクに才能はないんだ、ごく普通のどこにでもいる高校生。それがボクだからね」
あさひ「ふーん……」
苗木「でも、そんなボクだからこそこの学園でできるものもある、とは思ってるんだ」
あさひ「どういう意味っすか?」
苗木「逆にみんなはボクみたいな普通の人を知らないわけだからさ、何か彼らにも刺激になったりなんて……」
苗木「えっと、こんなこと初めて会ったキミに言うべきじゃなかったかな?」
あさひ「わたしは苗木さんはそんなに普通だとは思わないっすよ」
苗木「え?」
あさひ「アイドルやってたらいろんな人と話しますけど、苗木さんみたいに前向きでずっとい続けられる人ってそんなに多くないっすよ」
あさひ「苗木さんの中にもキラキラした何かがあるとわたしは思うっす」
苗木「芹沢さん……そう言ってもらえると嬉しいな」
苗木「で、今更なんだけど……他のアイドルの人とか、マネージャーさんとかは一緒じゃないのかな……?」
あさひ「え?……あー、大丈夫っす!」
苗木「……ほ、ホント?」
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【超高校級の野球選手】
桑田「うおっ、芹沢あさひ?!」
あさひ「……?なんすか?」
桑田「いやいや、オメー芹沢あさひだろ?!ストレイライトの!え、何なに?もしかしてオレのファンだったみたいな?!」
あさひ「用がないなら先行っていいっすか?超高校級の人に会う時間がなくなるっす」
桑田「おいおい!オレも超高校級だっつーの!超高校級の野球選手だよ!」
あさひ「野球選手……?野球選手って坊主なんじゃないんすか?」
桑田「だー!そんなダセェ格好しねーよ!そんな古臭え慣習に縛られなくてもオレはデビルツエーかんな!」
あさひ「ふーん、そうなんすか?」
桑田「ふーんじゃねえよ、反応薄いなオイ!」
桑田「あのな、オレはすげーんだぞ?あの王や長嶋よりもよっぽど速い球を投げれるし打てれんだよ!何やってもオレってできちゃうわけ!」
桑田「どうよ、鬼カッケーだろ?」
あさひ「運動神経いいんすね!見てみたいっす!」
桑田「ヘヘッ、それなら今度練習でも観に来いよ。めちゃくちゃカッケーからそこで惚れちまうかもな!」
あさひ「それはないっす」
桑田「……」
桑田「てかさてかさ、ストレイライトなら黛冬優子とも仲良んだろ?!サインちょうだいよサイン!」
あさひ「冬優子ちゃんのサイン?どうしてっすか?」
桑田「黛ちゃんマジカワイイじゃん……オレめっちゃ好きなんだよ!」
あさひ「わたしのサインはいらないんすか?」
桑田「え?あー、おー……そんじゃ一応」
桑田「へへっ、別に年下にはそこまでキョーミねえけどよ、オメーもアイドルだし価値はあんだろ!」
あさひ「わかったっす!それじゃまた今度持ってくるっすよ!」
桑田「えっ?!おい、ちょっと待て!今度っていつなんだよ!」
あさひ「次会う時までには準備しておくっすー!」
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【超高校級の探偵】
あさひ「響子ちゃん、探偵ってことは事件を解決したりしたんすか?!」
霧切「……ええ、霧切家の人間だもの」
あさひ「響子ちゃんの話聞きたいっす!何か面白い事件とかないっすか?!」
霧切「別に面白い話なんかないわ、人の生き死になんて」
霧切「それに私は誰かに語れるほど立派な人間じゃないもの」
あさひ「……?その手袋と関係あるっすか?」
霧切「……昔の話よ、これもある事件で負った火傷。とてもじゃないけどあなたに見せられるものじゃない」
あさひ「その事件って?何があったんすか?」
霧切「……教えない」
あさひ「ヒントだけでもいいっす、その火傷……なんなんすか?」
霧切「……少し話しすぎたわね。私のことはいいから、学校見学を楽しんできた方がいいわ」
あさひ「むー、響子ちゃん何も教えてくれないっす」
霧切「ふふ、探偵としての性分のようなものだから」
あさひ「ずるいっすー……せっかく希望ヶ峰学園に来たんだしもっと色々お話聞きたいっす」
霧切「それなら十神くんなんかいいんじゃないかしら、彼面倒見はいいようだし」
あさひ「十神さんっすか?」
霧切「超高校級の御曹司……この世界でも有数のお金持ちが見る世界、興味はない?」
あさひ「わかったっす!それじゃあとりあえず十神さんのところに行ってくるっすから、戻ったら響子ちゃんの話聞かせてほしいっす!」
霧切「……え?」
あさひ「それじゃあまた後でー!」
霧切「……まるで台風ね」
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【超高校級の御曹司】
タッタッタッ
十神「……」
タッタッタッ
十神「……おい、貴様何をウロチョロしている」
あさひ「……?探検してるっすけど」
十神「目障りだ、今すぐこの部屋から出ろ。そしてその姿を今後一生見せるな」
あさひ「ここ、十神さんの部屋なんすか?」
十神「ああ、そうだ。俺の所有物のようなものだ。わかったならさっさと出て行け」
あさひ「でもここ、学校の教室っすよ?」
十神「ここでは俺がルールなんだよ、そしてお前はルールに既に抵触している」
あさひ「えー、そんなのずるいっす」
十神「ずるい?なにがずるいんだ、言ってみろ。俺は自分の立場相応の命令を下しているだけだ、そこになんの不合理もない」
あさひ「十神さんの言うこと、よくわからないっす」
十神「これ以上俺の時間を無駄にするな、お前の1秒と俺の1秒とでは価値が違いすぎるんだよ」
あさひ「十神さんそれ何読んでるっすか?」
十神「話を聞け……!」
あさひ「十神さん、社長さんなんすか?」
十神「これか?……フッ、こんな凡夫の駄文を俺が本気で読んでいるとでも思ったか?」
十神「人生の敗北者がどんな文章を書くのか、冷やかし混じりの関心を気まぐれに抱いただけだ」
あさひ「えぇ……でも社長さんってお金いっぱい持ってるっすよね?」
十神「ああ、俺の預金の一厘ほどは持っているだろうな」
あさひ「……よくわかんないっすけど、十神さんってすごいっす!」
十神「おい……俺をそんな稚拙な語彙力で評するな、不快なんだよ」
あさひ「十神さん普段どんなことしてるんすか?」
十神「だから話を聞けと言っているだろう……!」
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【超高校級の同人作家】
山田「ヒィィィィ!!慈悲を!!お慈悲を!!」
あさひ「なんで逃げるんすかー?ちょっと山田さんの描いた漫画見せて欲しいだけなんすよー!」
山田「それだからダメなんだよ!拙者の描く世界はその…………純粋無垢な女子の見るような代物ではない!」
あさひ「よくわかんないっす、一回見せて欲しいっす」
山田「だからダメなんだって!旧タイプの乗り方も知らないのにニュータイプに乗るようなものなんだって!」
あさひ「山田さんの言うこと難しくてよくわかんないっすよー」
山田「……あのですな、拙者の書く同人誌の題材は大人の階段を手すりから踊り場に至るまで網羅した作品……性の向こう側を題材としているんですな」
あさひ「せいのむこうがわ……っすか?」
山田「ピンと来ていないご様子……見た目通りのピュアさとお見受けしましたぞ!」
山田「拙者は青少年の健全育成を応援しているでござる!故に、なんとしても我がジャガーノートは芹沢あさひ殿には見せられぬ!」
山田「情報統制、財団職員になって出直して参れ!!」
あさひ「どういう意味っすか?それ」
山田「去れい去れい!」
あさひ「むー……」
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【超高校級のプログラマー】
不二咲「だからね、話しかけたらそれに適切な解答をAIが導き出して勝手に返事をしてくれるんだ……」
不二咲「ボクたち人間と会話して成長する学習型AI、それがアルターエゴなんだぁ」
あさひ「こんにちはー!芹沢あさひっすー!」
アルターエゴ『こんにちは、ご主人公タマのお友達の方なのかな?』
不二咲「えっと、芹沢さんは今日は見学に来てるんだよ」
アルターエゴ『そうなんだ、よろしくね芹沢さん!』
あさひ「はいっす!」
アルターエゴ『あれ?もしかして芹沢さん……ストレイライトの芹沢あさひさん?』
あさひ「えっ?!知ってるんすか?!」
アルターエゴ『えっと……カメラがついてるから、そこから顔認証して検索しただけなんだ。知ってたわけじゃなくてごめんね』
不二咲「あはは……芹沢さんはアイドルだからすぐにわかっちゃったみたいだね」
あさひ「すごいっす!カメラで人を判別できるんすか?!」
不二咲「うん、アルターエゴはそれに加えて体調管理もやってくれるんだぁ。血色とか、網膜とかから情報を読み取ってポートフォリオを作成管理するシステムを組み込んでるから……」
不二咲「よかったら、芹沢さんのスマホにも簡易版のデータを送るけど……どうかな?」
あさひ「ホントっすか?!やったっすー!」
アルターエゴ『えへへ、アイドルとしても女の子としても無邪気でかわいい子なんだね』
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【超高校級の風紀委員】
石丸「むっ、君が芹沢あさひくんかね?」
あさひ「はいっす!お兄さんも希望ヶ峰学園の学生さんっすか?」
石丸「ああ、石丸清多夏。超高校級の風紀委員だ。座右の銘は質実剛健だ」
あさひ「芹沢あさひっす!アイドルやってるっす!」
石丸「アイドル……ということは舞園くんとは同業にあたるわけだな。はっはっはっ、若いのに殊勝なことだな芹沢くん!」
あさひ「……?それより石丸さんは、どんな才能があるんすか?」
石丸「む……いや、すまないな。僕には才能と呼べるものは何一つないんだ」
あさひ「え?どういうことなんすか?」
石丸「僕は祖父のようにはならない。その一心でこれまで努力を続けただけだ、その積み重ねの結果全国一位の学力を身につけてこの学園に招待されたんだ」
石丸「だが、僕は今の立場に甘んじることはないぞ!この学園に呼ばれたからには更なる研鑽に努めるつもりだ!」
あさひ「へぇ……それじゃ石丸さんは勉強が大好きなんすね!」
石丸「勉強が、好き……そうだな、勉学は何事にも通じる。人生を豊かにしてくれるものだからな!」
あさひ「石丸さんが頭がいいのはわかったっす、他には何かないっすか?」
石丸「む……?ほ、他には……?」
あさひ「石丸さんは超高校級の風紀委員なんすよね?きっと頭がいいだけじゃないはずっす!もっと他に隠してることとかないっすか?!」
石丸「えーっと……それはだな……」
あさひ「石丸さんは何か凄いことができるんすか?!わくわく!」
石丸「……いいだろう!それならば僕も芹沢くんの期待に応えようじゃないか!」
石丸「今日からは勉学のみならず肉体の鍛錬の時間も大幅に増やそうじゃないか 、そして芹沢くんを驚愕させる特技を新たに習得してみせる!」
あさひ「ホントっすか?!」
石丸「学生諸君の期待に応えてこその超高校級の風紀委員だからな!ハーッハッハッハ!」
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【超高校級のスイマー】
朝日奈「あさひちゃんすごいねー!ここまでついて来られるとは思わなかったよ!」
あさひ「あはは、葵ちゃん元気っすね!楽しくなってきたっす!」
朝日奈「あさひちゃん、何か運動とかやってるの?」
あさひ「運動っすか?……うーん、レッスンと、レッスンと……あと、レッスン……」
朝日奈「アイドルってすごい運動量なんだもんね!舞園ちゃんも言ってたよ!」
あさひ「そっすね、普通に練習してるだけで結構汗だくになるっすよ!だから体力なら、負けないっすよー!」
朝日奈「よーし、私も負けてらんないね!燃えてきたよー!」
あさひ「次はなにするっすか?」
朝日奈「走り込み20kmの後はやっぱり水泳だよ!泳ぐんだよ!泳ぎ倒すんだよ!」
あさひ「葵ちゃん水泳上手なんすよね!見てみたいっす!」
朝日奈「あさひちゃんは泳げる?」
あさひ「小学校で習ったっす!クロールと平泳ぎ背泳ぎ、あとバタフライ!」
朝日奈「一通りできるんだね……ふむふむ、よーしそれじゃあ5kmノンストップメドレーで対決だよ!」
あさひ「あはは、面白そうっす!」
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【超高校級の暴走族】
大和田「テメェが話に聞いてた見学に来たアイドルってやつか?」
あさひ「はいっす!大和田さんはなんの超高校級なんすか?」
大和田「超高校級の暴走族だよ、わかんだろ?夜の高速をバイクでかっ飛ばすんだよ」
あさひ「バイク!運転できるんすか?」
大和田「たりめーだろ、それが暴走族だ」
あさひ「後ろ、載せてほしいっす!」
大和田「は?!テメェ本気か?!あのな、“走り”ってのは男同士のガチの勝負だ、オレらは女子供乗っけたりはしねーんだよ」
あさひ「ダメなんすか?」
大和田「ダメだダメだ、そんな気軽に載せるようなものじゃねーんだよ」
あさひ「えー、ちょっとだけでいいんすよー」
大和田「しつけーぞ、ゼッテェに許可しねーかんな」
大和田「オレらにとってバイクは誰にも犯させねえ絶対領域なんだよ、テメェみたいな新参者に載せる席なんかねー」
あさひ「……そっすか」
大和田「あ?」
あさひ「……ごめんなさい、もうわたし行くっすから」
大和田「行くってどこにだよ」
あさひ「帰るっす」
大和田「ち、ちょっと待て急に……」
あさひ「大和田さんに迷惑かけたら冬優子ちゃんに怒られるっすから」
あさひ「お邪魔しましたっす」
大和田「……あー、もう、しょうがねえな!載せんのは無理だけどバイク見せるぐれーならしてやる!こっち来い!」
あさひ「ホントっすか?!」
大和田「……ったく」
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【超高校級の格闘家】
あさひ「さくらちゃんさくらちゃん!肩車してほしいっす!」
大神「芹沢か……よかろう、気をつけて乗るのだぞ」
あさひ「あはは、すごく高いっす!」
大神「少し歩くぞ、お主に中庭の花を見せてやろう……今の時期が見どころなのだ」
あさひ「そうなんすか?さくらちゃん詳しいっすね」
大神「朝日奈や舞園が教えてくれたのだ。闘いに身を置くのではなく、何もない安息の時間に見出す悦楽もあるということをな」
あさひ「そういえばさくらちゃん、めちゃくちゃ強いんすよね?どれくらい強いんすか?」
大神「すまぬ……我にも実力はわからぬ……我はただ、己を超える強者を求め戦うのみなのだ」
あさひ「へぇ~……さくらちゃん、すごいっすね」
大神「芹沢よ……お主は我のことを恐れぬのか?」
あさひ「……?さくらちゃんのどこが怖いんすか?」
大神「我は年頃の付き合いとは無縁、むしろ無骨の道を歩んできた。過ぎた力は、他の人間には恐れられて然りであろう」
あさひ「でも、さくらちゃんはわたしたちに悪いことなんかしないっすもん。ただの友達っす、何も怖くないっすよ」
大神「芹沢……」
あさひ「さくらちゃんもわたしと一緒の女の子っす!」
大神「ふっ……お主のその天真爛漫さこそがアイドルたる所以なのやもしれぬな」
あさひ「……?そっすか?」
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【超高校級の文学少女】
腐川「……なによ」
腐川「わ、わかってんのよ!そんな……本棚の影でDVに怯えるガキみたいに姿隠したところで、わ、わわ私にはわかるんだからぁ!」
ヒョコッ
あさひ「冬子ちゃん面白いこと言うっすね」
腐川「と、と、と……!?あんた、今なんてった……?!」
あさひ「……?冬子ちゃんどうかしたっすか?」
腐川「あ、あ、あんた、わざとやってんの?!あんたね、次同じこと言ってみなさい、そのだらしなく開いた口にこの部屋中の埃詰め込んでやるんだから!」
あさひ「……下の名前嫌いなんすか?」
腐川「別に嫌いってわけじゃないけど……な、慣れてないのよそんな馴れ馴れしいデリカシーのない呼び方……」
あさひ「えー……冬優子ちゃんみたいで可愛いっすよ?」
腐川「誰よそいつ……あんたに懐かれてるってことはきっと私によく似て苦労人なんでしょうね」
あさひ「それより冬子ちゃん、何やってるんすか?」
腐川「んひぃぃぃぃぃぃ!!」
あさひ「話にならないっす……」
あさひ「それより冬子ちゃん変な匂いがするっすよ?雨の後のマメ丸みたいな匂いがするっす」
腐川「は?な、なによそれ……まさか犬の名前じゃないわよね」
あさひ「果穂ちゃんちのペットっす!」
腐川「~~~~~!!あ、あんた前世でどんな罪を犯したのよ!どうやったらそんなにデリカシーってのを失ったまま産まれられるわけ?!」
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【超高校級のギャンブラー】
セレス「あら?あなたは……」
あさひ「……!超高校級のギャンブラー見つけたっす!」
セレス「ふふふふ……はい、わたくし超高校級のギャンブラー、セレスティアルーデンベルクと申します。退屈でしたらわたくしと一局いかがでしょうか」
あさひ「セレスちゃんゲーム強いんすよね?やってみたいっす!」
セレス「ふふふふ……でしたら手軽なところで、テキサスポーカーなどいかがでしょう?」
あさひ「わぁ!いいんすか!負けないっすよー!」
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あさひ「むー……勝てないっすー」
セレス「あら、あなたはよくやっているほうだとは思いますが」
あさひ「そんなことないっす!トータルで見たらセレスちゃんの圧勝じゃないっすか!」
セレス「ふふ……芹沢さんはセオリーにこだわりすぎなのです。わたくしたちがしているのはギャンブルなのですから、楽しみませんと」
あさひ「楽しむ……?」
セレス「運否天賦、ということですわ。いかに頭脳を捻って巧緻を極めて戦略でも、幸運の前には無力ですもの」
セレス「賭け事に興じるからには、賭けを避けてばかりでは勝てませんこと」
あさひ「セレスちゃんはとにかく運がいいってことっすか?」
セレス「ふふ……そうですわね」
あさひ「それじゃあ神社でおみくじ引いたらいつでも大吉が引けそうっすね!」
セレス「……随分と俗的な比喩ですわね」
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【超高校級の占い師】
葉隠「うおっ、なんでこんなところに子供がいるんだべ?」
あさひ「……?お兄さんも超高校級の学生っすか?」
葉隠「ん?オメーもしかして……今日見学に来るアイドルってやつか?」
あさひ「はいっす!芹沢あさひっす!」
葉隠「ナッハッハ!んなわけねーべ、いいか?アイドルってのは舞園っちみたいなやつのことを言うんだ、オメーみたいなちんちくりんお呼びじゃねーべ!」
あさひ「むー……ホントっすよ?」
葉隠「ま、オメーがアイドルかどうかなんてのはさして問題じゃねー、俺にはとっちゃ大事なのは顧客かそうじゃないかだからな!」
あさひ「顧客ってどういう意味っすか?お兄さんはお店やってるんすか?」
葉隠「俺の名は葉隠康比呂、泣く子も黙る超高校級の占い師ってんだ!」
あさひ「占い……!!葉隠さん、すごいっす!」
葉隠「おっ、興味あんのか?それじゃあ今から俺がオメーを占ってやっから、なんか気になってることとかねーか?」
あさひ「そうっすね……」
葉隠「オメーがアイドルだってんならその仕事運とかでもいいぞ?」
あさひ「いや、それはいいっす。占いなんか聞いちゃったら楽しみ半減じゃないっすか」
葉隠「お?……まあ、オメーがそう言うなら」
あさひ「明日の天気、教えてほしいっす!」
葉隠「明日の天気?!俺は天気予報士じゃねーぞ!?……まあ、別にいいけどよ」
葉隠「むむ……むむむ……見えた!明日は昼から土砂降りのゲリラ豪雨が来るべ!」
あさひ「雨降るんすか?!こんなに晴れてるのに?!」
葉隠「言ったべ?ゲリラだって、東南アジアのスコールばりの雨が降ると見えたべ……くれぐれも布団だけは干すんじゃねーぞ?」
あさひ「葉隠さんの占いは当たるんすか?」
葉隠「俺の占いは3割当たる!」
あさひ「3割……すごいっす……!」
葉隠「なんか逆に素直に認められると調子狂うべ……あ、そうそう今回の占いの料金はちゃんと貰うからな。代金10万円を所定の口座にお支払い頼むべ」
あさひ「じ、十万円なんて持ってないっすよ!」
葉隠「あー心配いらんべ、とっておきの魔法があるんだ。どこからでもお金を引っ張ってこれる魔法の言葉を教えてやる」
あさひ「魔法の言葉っすか?」
葉隠「オメーもアイドルなら事務所に入ってんだろ?だったらマヤより伝わる伝説の呪文『ケーヒ』を使えばいいべ、そしたら事務所の事務員だろうが社長だろうが喜んでお金を出してくれるはずだ!」
あさひ「……葉隠さんすごいっす!物知りっすね!」
葉隠「だろ?あんま褒められると照れるべ」
あさひ「早速プロデューサーさんに試してみるっす、じゃあ!」
葉隠「おー、頼んだぞー!」
葉隠「……いいパトロンになりそうだべ」
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【超高校級のギャル】
江ノ島「あれ、芹沢ちゃんじゃーん、何してんのー?」
あさひ「……ああ、愛依ちゃんが読んでる雑誌の!」
江ノ島「おっ、知ってくれてんのー?嬉しいじゃーん、一応超高校級のギャルってことでやらせてもらってんだけどさー」
江ノ島「せっかくだしここで一枚写真撮ってもいい?ほら、アタシもツイスタやってるからさ」
江ノ島「芹沢ちゃんみたいにかわいい子見かけたら乗っけとかなきゃ損じゃん?」
あさひ「写真、いいっすよ。いつでもどうぞっす!」
江ノ島「おっ、いいねえ、決まってるねえ……流石中学生でアイドルやってるだけあって肝も座ってんねえ!」
江ノ島「キラキラな目も輝いてるわぁ~……希望が詰まった綺麗な瞳をしてるわぁ~……!」
あさひ「……?もういいっすか?」
江ノ島「オッケーオッケー、サンキュね。おかげでいい写真が撮れたわ~!後でツイスタに乗っけとくからあさひちゃんも共有とかモロモロよろしくー!」
あさひ「はいっす!」
江ノ島「お、いい返事!やらなさそー!」
あさひ「盾子ちゃんとはどこかお仕事でまた一緒になるっすかね?そん時またよろしくっす」
江ノ島「オッケー、こっちこそー!」
あさひ「それじゃまた、バイバイっすー!」
江ノ島「ばいばーい♪」
タッタッタッ
江ノ島「……うぷぷぷぷ」
江ノ島「未来ある若者ってやつだね、はぁ……思わずため息が出ちゃうよ」
江ノ島「______あんな子も、自分から進んで未来を投げ打ち、無駄にするような世界……そんなの、最悪ですよね……」
江ノ島「私様も理想的で絶望的な未来の創造のために腕を振るわねばならないわね」
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【超高校級の傭兵】
戦刃「……」
戦刃「……ッ?!」チャキッ
あさひ「わぁっ?!ビックリしたぁ?!じゅ、銃?!」
戦刃「……誰?」
あさひ「ストレイライトの芹沢あさひっす、今日は見学に来てるんす」
戦刃「そうなんだ……よろしくね。あ、えっと……超高校級の傭兵の、戦刃むくろです……」
戦刃「もう、盾子ちゃんには会ったかな……?私、お姉ちゃんなんだ……盾子ちゃんの」
あさひ「へぇ……似てないっすね!」
戦刃「うん、すっごく似てないの。盾子ちゃんは私と違ってすごく可愛くてすごく頭も良くてすごく人気者で……」
あさひ「むくろちゃん、何食べてたんすか?」
戦刃「え?あ、これはレーションだよ。軍事用の携帯食品みたいなものなんだけど、厳しい環境下でもいつでも食べられるように保存しやすいような加工がしてあるんだ。それでいて戦闘中の合間に食べやすいように、チューブ型のものであったりとか……」
あさひ「うぇぇ……なんか変な味っす」
戦刃「あっ……口に合わなかった、かな……」
あさひ「傭兵さん、いっつもこんなの食べてるんすか?大変っすね……」
戦刃「慣れたら癖になる味なんだよ」
あさひ「ホントっすか……?わたし、すごい苦手っす……」
戦刃「あっ……それだったら初心者におすすめのやつもあるから……あっ、でもこれ盾子ちゃんにもあげたらクソまずいって突き返されたんだっけ」
あさひ「……むくろちゃん?」
戦刃「あの時の盾子ちゃんの顔、可愛かったなぁ……いつも可愛いけど、苦々しい表情をする時もいつもと違った魅力があるんだよね……」
あさひ「……返事してくれないっす」
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【超高校級のアイドル】
あさひ「さやかちゃーーーーーーん!」ダダダダダダダ
舞園「あさひちゃん、もう来てたんですね!ごめんなさい、迎えに行けなくて」
あさひ「さやかちゃんは仕事帰りっすか?」
舞園「はい、午前中は撮影があって……あさひちゃんはもう学校の中見て回ったんですか?」
あさひ「はいっす!希望ヶ峰学園って面白いんすね!みんなすごい人ばっかりで、ドキドキが止まらないっす!」
舞園「ふふっ、そうですね。私も毎日圧倒されてばっかりなんですよ?」
あさひ「でも、さやかちゃんも超高校級のアイドル、なんすよね?」
舞園「はい!私もすごいんです!」
舞園「みなさんが、そう認めてくれたから……超高校級のアイドルでいられるんです」
あさひ「……?」
舞園「でも、私がここまで来るには……努力と時間、そして覚悟が必要だったんです」
あさひ「さやかちゃん……?」
舞園「嫌なことだってやったし……手段は選んでいられませんでした……」
舞園「でも、夢のためなら……一番になるためなら、そのためならと思って……」
あさひ「……」
舞園「……なーんて、忘れてください!」
あさひ「えぇ……?どういう意味っすか?」
舞園「うーん、私はあさひちゃんみたいなアイドルにも憧れてるって意味ですかね」
あさひ「わ、わたしっすか?」
舞園「はい!あさひちゃんってすごく自由に、楽しそうにアイドルやってるなーって」
舞園「ふふ、ステージにいる時のあさひちゃん、すごく楽しそうに見えますよ?」
あさひ「そっすね……わたし、実際アイドルのお仕事好きっすから」
舞園「それが何より一番ですよ!お仕事も楽しくないと続けられませんよね!」
あさひ「はいっす!さやかちゃんも、アイドル好きだからずっと続けてるっすもんね!」
舞園「……はい!もちろんです!」
舞園「あさひちゃんと話してたらなんだか仕事の疲れも吹き飛んじゃいました!よーし、こうなったらあさひちゃんのためにこの学園のおすすめスポットを紹介しますよ!」
あさひ「ホントっすか?!やったー!」
舞園「ふふ、こっちです!いきましょう!」
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P「その……本当にありがとうございます、うちのあさひが何かご迷惑をおかけしたりは」
舞園「いえいえ!むしろ私があさひちゃんとお話しさせてもらえて良かったです!」
冬優子「さやかちゃん、ありがとう!ふゆ、あさひちゃんが見当たらなくてすっごく心配してたんだ~!」
あさひ「ごめんなさい冬優子ちゃん……」
愛依「あさひちゃん、無事で良かった……」
P「あさひの面倒みるの……大変だったでしょう?」
舞園「なんだか妹ができたみたいな感覚で新鮮でした!」
冬優子(ふゆならこいつが妹なんて天地がひっくり返っても御免ね)
舞園「ストレイライトの皆さん、すごく仲がいいんですね」
冬優子「……え?」
舞園「ふふ、見てれば分かりますよ!お互いのこと大好きなんですね!」
冬優子「……う、うん!愛依ちゃんもあさひちゃんもふゆには勿体無いぐらいにいい子だから!」
舞園「私も負けていられないですね……超高校級のアイドルの座は、渡しませんよ!なーんて」
冬優子「ふ、ふふふ……負けないよ!」
冬優子(ちくしょう……めちゃくちゃかわいいわねコイツ……)
スタッフ「ストレイライトの皆さん、そろそろ出番ですー!」
舞園「あ、そろそろ時間みたいですね」
あさひ「さやかちゃん、ありがとうっす!また一緒に出るときはよろしくっすー!」
舞園「はーい!頑張ってくださいねー!」
タッタッタッ
冬優子「……行ったわね」プルプルプルプル
愛依「ホンモノだった……ホンモノのさやかちゃんだったよ……」
冬優子「何度か仕事一緒になったことはあるでしょ……いい加減慣れなさいよ」プルプルプルプル
あさひ「冬優子ちゃんなんで震えてるんすか?」
冬優子「舞園さやかのかわいさに屈服しそうなのを必死にこらえてるの」
愛依「アッハハ!マジでかわいかったもんね!」
冬優子「認めざるを得ないわ、流石は超高校級のアイドルね」
冬優子「……でも、そんなすごいアイドルを倒せたら……理想的よね?」
あさひ「あはは、冬優子ちゃんすごい顔っす」
冬優子「茶化すんじゃないわよ」
愛依「でも、そーだよね……うん、あさひちゃんと冬優子ちゃんと一緒に……さやかちゃんも超えていく」
愛依「うちら三人そろったら最強だもんね!」
冬優子「ま、ふゆはその中でも一番だけどね」
あさひ「……よくわかんないっすけど、わたし超高校級のアイドルになりたいっす!」
冬優子「あんたはそれでいいわ、せいぜい頑張りなさい」
冬優子「さ、そろそろ行くわよ……」
冬優子「ふゆたちが超高校級……希望ヶ峰学園を踏み台にするための仕事が始まるんだから!」
というわけで埋めネタその2、
メインシナリオ、灯織ロンパには一切関与しない別世界線の話での
ストレイライトとダンガンロンパ無印勢のただ単純なクロスオーバーです。
本編にあさふゆ出ない分の欲求をぶつけさせてもらいました。
このスレも残り15レスほどになったので、1000まで適当に埋めちゃって次スレに完全移行しましょうか。
とりあえずはここまでお付き合いありがとうございました。
次スレ再掲
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1616846296/)
このSSまとめへのコメント
今夜セックスしたいですか?ここに私を書いてください: https://ujeb.se/KehtPl