【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.2 (973)

-------------------------------------------------
※注意

・本作は「ダンガンロンパ」シリーズのコロシアイをシャニマスのアイドルで行うSSです。
その特性上アイドルがアイドルを殺害する描写などが登場します。苦手な方はブラウザバックを推奨します。
・キャラ崩壊・自己解釈要素が含まれます。
・ダンガンロンパシリーズのネタバレを一部含みます。
・舞台はスーパーダンガンロンパ2のジャバウォック島となっております。マップ・校則も原則共有しております。
・越境会話の呼称などにミスが含まれる場合は指摘いただけると助かります。修正いたします。

※前スレ
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1637235296/)

※前作シリーズ
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1613563407/#footer)
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1616846296/)
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1622871300/)
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1633427478/)

以上のほどよろしくお願いいたします。

-----------------------------------------------

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1642918605


【2章段階での主人公の情報】

‣習得スキル…特になし

‣現在のモノクマメダル枚数…69枚

‣現在の希望のカケラ…24個

‣現在の所持品
【ココナッツジュース】
【ジャバの天然塩】
【ひまわりの種】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【ドライビングニトロ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】


‣通信簿および親愛度

【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…1.5
【超大学生級の写真部】 三峰結華…0
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…1.0
【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…0.5
【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…0
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…10.5【DEAD】
【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…2.0
【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…0.5
【超高校級のギャル】 和泉愛依…0
【超高校級の???】 浅倉透…0
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…0
【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…0

‣コロシアイ南国生活のしおり

【ルール その1 この島では過度の暴力は禁止です。みんなで平和にほのぼのと暮らしてくださいね】
【ルール その2 お互いを思いやって仲良く生活し、“希望のカケラ”を集めていきましょう】
【ルール その3 ポイ捨てや自然破壊はいけませんよ。この島の豊かな自然と共存共栄しましょう】
【ルール その4 引率の先生が生徒達に直接干渉する事はありません。ただし規則違反があった場合は別です】

【ルール その5 生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます】
【ルール その6 学級裁判で正しいクロを指摘した場合はクロだけが処刑されます】
【ルール その7 学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、校則違反とみなして残りの生徒は全員処刑されます】
【ルール その8 生き残ったクロは歌姫計画の成功者として罪が免除され、島から脱出してメジャーデビューが確約されます】
【ルール その9 3人以上の人間が死体を最初に発見した際に、それを知らせる“死体発見アナウンス”が流れます】
【ルール その10 監視カメラやモニターをはじめ、島に設置されたものを許可なく破壊することを禁じます】
【ルール その11 この島について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません】
【ルール その12 “コロシアイ南国生活”で同一のクロが殺せるのは2人までとします】

【注意 なお、修学旅行のルールは、学園長の都合により順次増えていく場合があります】

【2章学級裁判のコトダマ】

‣【モノクマファイル2】
〔被害者は桑山千雪。死亡推定時刻は午後9時前後。死体は下腹部を矢で貫かれており、内臓の損傷も激しく、出血量も多量であるため、死因は失血死であると断定する〕

‣【図書館の入退館管理カメラ】
〔図書館の入り口に設置されていたセンサー式のカメラ。利用者の入退館を感知して自動で写真を撮影する。千雪が入館する写真、冬優子が入館する写真、冬優子が退館する写真の三枚が撮影されていた〕

‣【図書館利用規則】
〔①図書館の本はみんなの共有財産です。大切に使いましょう。
②館内での飲食は禁止です。飲食物を持ち込む際はカバンに入れるようにしてください。
③館内ではお静かに。他の利用者の迷惑にならないようにしてください。
④本を借りる際は受付でバーコードを読み取り、その旨を記帳してください。
⑤一部の本は貸出禁止となっていますので借りる前に確かめるようにしてください。〕

‣【あさひの証言】
〔あさひは愛依と冬優子が花火大会を離れる際にその場に居合わせていた。愛依はあさひと冬優子に体調不良のためシャワールームのトイレに行くと告げて離脱。冬優子はあさひと結華に薬を取りにドラッグストアに行くと告げて離脱した〕


‣【ボウガン】
〔図書館の二階に落ちていたボウガン。型番は『BT-38』で、同じ型番の矢でないと撃つことはできない〕

‣【現場の血痕】
〔千雪から漏れ出た血の痕。腹から出た血液はその場に血だまりを作っており、ほかには散らされた様子もない。あくまで図書館内で千雪は殺害されたものと思われる〕

‣【凶器の矢】
〔死体のそばに転がっていた銀色の矢。型番はBT-49で、先端の矢じりには千雪の血がべったりと付着している〕

‣【血まみれの本】
〔千雪の死体の下敷きになっていた本。血液にまみれた本は中を読むこともできそうにない〕

‣【モノミの証言】
〔花火大会の最中、透と雛菜の説得に向かったところ逆に部屋で二人立ち合いの下監禁状態となってしまったので、透と雛菜は事件に関与することができない〕

‣【下剤の残りかす】
〔シャワールームのごみ箱に捨てられていた袋。中には粉末の下剤が入っていたものと思われる〕

‣【かまいたちの真夜中】
〔モノクマが今回の事件の動機として用意したゲーム。ノンフィクションのゲームであると銘打ってあり、ゲーム中では283プロの人間によるコロシアイが収録されていた。ルカと美琴のプレイではノーマルエンドにしかたどり着けなかった〕


以上スレ立てまで、学級裁判開始時はこちらのスレッドで進行します。






【学級裁判 開廷!】






モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」

モノクマ「学級裁判ではオマエラの中に潜む殺人犯のクロを探して議論していただきます」

モノクマ「議論の結果導き出した犯人がクロだった場合はクロだけがおしおき、シロだった場合はクロの生徒以外の全員がおしおきされ、クロのみが歌姫計画の成功者としてこの島を脱出できまーす!」

モノミ「うぅ……二回目なんて、聞きたくなかったでちゅ……」

モノミ「指をくわえることもできない自分が情けないでちゅ……歯がゆくて歯がゆくて……」

モノミ「あれ、あちしに歯ってあるのかな?」

摩美々「まさか私たちもここにまた来ることになるとは思いもしなかったケドー……」

夏葉「……この場に立つと、どうしても足が竦んでしまうわね」

果穂「夏葉さん……」

夏葉「大丈夫よ果穂、たとえ恐怖心がこみあげてきても私は逃げない」

夏葉「どんな真実であろうとも、正面から向き合う覚悟はできているわ」

ルカ「ウダウダ言ってても仕方ねえ、出来るところから始めるぞ」

(何としてもこの事件だけは……自分の手で、クロを導き出さなくちゃいけねえ)

(それがあいつにできる、せめてもの罪滅ぼしだ……)

(……千雪!)


あさひ「でも、今回は容疑者が絞られてるっすよね?」

透「え、そうなの」

ルカ「……さっきも話したが、てめェら二人を除いて、ここにいる連中は全員花火大会に参加していた。アリバイの上では十分な証言を持つ人間が大半だ」

雛菜「え~! 雛菜たちはやってないよ~~~~!」

結華「まあ、それは議論を重ねるうちにおいおい明らかにしていくとしてさ……」

結華「とりあえずはそのアリバイ整理からしていくのがいいんじゃない? ほら、花火大会参加者の中にも途中で離席した人がいるから……まずはその人の動きを把握しておくのがよさげでしょ」

恋鐘「途中で離席したのは確か……愛依と冬優子と千雪だったとよ」

愛依「う、うう……」

冬優子「……はい、途中でふゆは一度離席しました」

冬優子「でも、ふゆたちは無関係です! 事件とは全く関係ないですから!」

美琴「……それも含めて、まずは議論しようか」

(……あいつの嘘は明らかなんだ)

(まずはそれを指摘して、議論を進めていくぞ)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトダマ
‣【あさひの証言】
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【現場の血痕】
‣【かまいたちの真夜中】

恋鐘「花火大会途中で抜け出したのは愛依と冬優子と千雪の三人ばい!」

愛依「うちは途中でお腹が痛くなっちゃって……」

愛依「それからずっと【シャワールームのトイレにこもってた】、それだけ!」

冬優子「ふゆは愛依ちゃんの帰りが遅いから、ドラッグストアに薬を取りに行ってました!」

冬優子「【それ以外はどこにも行ってません】、もちろん図書館にも」

夏葉「千雪は確かノクチルの二人に爆発を知らせに行ったはずよ」

夏葉「……なぜか、【図書館に行っていた】みたいだけど」

雛菜「そんなの雛菜たちは知りません~」

雛菜「【雛菜と透先輩は二人で部屋にいました】し~」

雛菜「アルストロメリアのお姉さんにも合ってないです~」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「ぶりっ子女、そんな下手糞な嘘つくぐらいならやめときな」

冬優子「……ルカちゃん、ちょっとその言い方は失礼なんじゃないかな?」

ルカ「……お前がドラッグストアにしか行ってないだぁ? そんなわけがないんだよ」

ルカ「これを見ろ、お前が図書館に入ってきたことを示す動かぬ証拠、写真だよ」

美琴「図書館の入り口に設置されていた人感センサー付きの監視カメラ。図書館に誰かが入退室するたびにシャッターが下りて撮影される仕組みだったみたい」

美琴「そこに映ってたんだ。冬優子ちゃんの写真」

冬優子「……!」

ルカ「これがお前じゃないってんなら……いったい誰なんだろうな?」

智代子「どうみても、ふゆちゃんだよね……」

愛依「あ、冬優子ちゃんの双子の妹さんとか……」

あさひ「愛依ちゃん、冬優子ちゃんが一人っ子なの知ってるっすよね?」

冬優子「……わかりました、隠しても仕方ないですよね」


冬優子「はい、ふゆは図書館には確かに一度立ち寄りました。でもそれだけ、千雪さんにも会ってません」

結華「な、なんでそんな図書館なんかに? めいめいの薬を取りに行ったんじゃなかったの?」

冬優子「うん、そうなんだけどね? 愛依ちゃんの帰りが遅いから、心配になって……体調不良の愛依ちゃんの場所を探してたの」

冬優子「それで第2の島のあちこちを探してたから……それで映っちゃったのかも」

美琴「ルカ……どう?」

ルカ「……ああ」

ルカ「おい、ぶりっ子女!」

冬優子「……ルカちゃん、言葉遣いは綺麗にした方がふゆいいと思うなあ」

ルカ「言ったはずだ。下手糞な嘘をつくのはやめろってな」

ルカ「そこのギャル女を探してたから偶然図書館に立ち寄った? そんなわきゃねーんだよ」

冬優子「……!」

(こいつが図書館にギャル女を探しに行くわけがない)

(その証拠は確かにあったはずだ)

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを選べ!】

>>5 >>6

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「おい中学生、ギャル女が会場を離れるとき……このぶりっ子女も同じ場所にいたんだったな」

あさひ「はいっす、冬優子ちゃんもいたはずっすよ」

ルカ「だったらこいつも聞いたはずだよな? 『シャワールームのトイレに行く』ってよ」

冬優子「あっ……!」

ルカ「居場所は事前に知ってたはずだ、わざわざ探しに行く理由がないんだよ」

摩美々「まあ、それにそもそも証言としても信頼性に欠けるケドねー」

摩美々「愛依のことが心配だって言うんなら、それこそわざわざ一人で手間暇かけて探すかーって感じだし」

智代子「そっか……それこそ千雪さんを探した時みたいに手分けして探したほうがいいもんね!」

果穂「あれ……? だったら、ふゆさんはどうして図書館に行ったんですか?」

冬優子「そ、それは……」

ルカ「まあ、そう簡単に話しちゃくれねーよな」

夏葉「ルカ、あなたには冬優子が図書館に行った理由がわかるの?」

ルカ「いや? 私にはわかんねー」

恋鐘「そ、そいやったら議論が進まんとよ……!?」

ルカ「でも、その手掛かりとなるものを知っていそうな人間なら一人心当たりがあるぜ」

結華「ホント!? それって誰!?」

(ぶりっこ女が図書館に行った理由の一端を知っていそうな人間……)

(つまりはぶりっ子女の動向に注意していたやつってことだ)

-------------------------------------------------

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1


(千雪……あいつがもし生きていれば、図書館で居合わせた時のことを聞けたかもわからねーが……それはもう無理な話だ)

発言力:♡×5→♡×4

(今生きている人間の中で、あいつに注目している人間がいなかったか……?)

(花火大会の最中じゃなくとも、【準備中】とか……特にこのぶりっ子女に目を向けている人間がいたような……)

-------------------------------------------------

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1


ルカ「お前だ!」

【解!】

ルカ「美琴、お前確か花火大会の前、やたらぶりっ子女のことを気にしてたよな?」

美琴「え?」


≪結華「よし、それじゃ今度こそ解散だね!」

摩美々「お疲れさまでしたぁ」

千雪「花火大会、いい思い出にしましょう!」

ルカ「美琴、私たちも行こうぜ」

美琴「うん」

ルカ「……? 美琴、どうかしたか?」

美琴「……ううん、なんでもない」

ルカ「……? まあ、いいか……」

(美琴の奴……どうしたんだ?)

(今美琴がぼうっと見てたのは……ストレイライトのぶりっ子女か? 一体、どうして……?)≫


ルカ「あの時にお前、何を見てたんだ? ぶりっ子女で、何か気になるところがあったんじゃないか?」

美琴「……えっと、準備の時だよね?」

美琴「……」


美琴「あ、思い出した」

美琴「冬優子ちゃん、あの時何か紙を持っていたの……確か」

果穂「紙……ですか?」

美琴「うん、他の人の目を避けるようにして持っているようだったから……何か大事なものなのかなって」

冬優子「そ、それは……」

あさひ「冬優子ちゃん、何を隠してるっすか?」

冬優子「……っ」

夏葉「……誰かに、呼び出しを受けていたんじゃないかしら」

智代子「よ、呼び出し!?」

夏葉「そうでもないと図書館にわざわざ行く理由がないわ。それに、美琴が目撃したという紙も、その呼び出し状だと考えれば納得がいく」

冬優子「う、うぅ……」

果穂「じゃあ、冬優子さんはあたしたちの誰かに、図書館に呼ばれてたってことですか?」

ルカ「どうなんだよ」

冬優子「……………………」



冬優子「……はい、美琴さんの見たとおり、呼び出しがあったのは本当です」



美琴「……!」

冬優子「ふゆは花火大会の前に呼び出しの手紙を受け取ってました。そして花火大会の最中にその指示に従って抜け出したんです」

恋鐘「て、手紙……誰から受け取ったと!?」

冬優子「それは……ふゆにもわからなくて」

摩美々「灯織と同じパターンで、差出人不明なわけだー」

透「ポストに入れたりしたらわかんないもんね、誰か」

智代子「ふゆちゃん、その手紙にはなんて書いてあったの?」

冬優子「え……?」

智代子「わざわざ花火大会の最中に抜け出すんだもん、よっぽどのことが書いてあったんだよね! その……にちかちゃんが灯織ちゃん宛に書いたときみたいな……」

冬優子「えっと……その……」

果穂「ふゆさん……?」

ルカ「何を口ごもることがあんだよ、お前にとっちゃ重要な局面だぞ」

美琴「……うん、呼び出しが事実だって証明できれば冬優子ちゃんに対する疑いが幾分か弱まる可能性はある」

冬優子「で、でも……」

ルカ「……あ?」




冬優子「ごめんなさい……その呼び出しの中身は、言えないんです」




ルカ「はぁ……?」

冬優子「……でも! 図書館に呼び出されていたのは本当なんです! ふゆは、あの場所に誘われただけだったんです!」

夏葉「……物証はない、内容を明かすこともできない。裏を取れるのは真偽不明の美琴の証言だけ」

夏葉「……冬優子、あなたへの疑念はむしろ強まったかもしれないわ」

愛依「そ、そんな!」

雛菜「あは~、そうですね~?」

雛菜「だって、この状況で隠し事なんて普通やらなくないですか~? 何かそこに、後ろめたいことでもないとしないですよね~」

愛依「ち、違うって……冬優子ちゃんはなんかジジョ―があるだけなんだって!」

愛依「ね、ねえ……あさひちゃん!?」

あさひ「……そうっすね」

あさひ「冬優子ちゃん、わたしもこの状況で嘘とか隠し事は良くないと思うっす」

冬優子「あ、あさひちゃん……」

あさひ「でも、冬優子ちゃんがわざわざそうするってことは必ず意味があるってことっすよね? それなら、わたしは冬優子ちゃんのために戦うっすよ」

愛依「……うん、うちもあさひちゃんと一緒! 冬優子ちゃんがこう言うってことは絶対何か大きな意味があるはず!」

愛依「冬優子ちゃん、うちは信じてるよ……絶対に冬優子ちゃんはクロなんかじゃないって!」


摩美々「盛り上がってるとこ悪いんだけどさぁ……愛依も有力容疑者ってこと忘れてないー?」

愛依「え」

結華「めいめいも花火大会の最中にアリバイがなかったのは事実だしね……図書館のカメラに写ってはいなかったけど、怪しいっちゃ怪しいんだよ……」

愛依「で、でもうち……ずっとトイレにいただけだから……」

美琴「それに、ノクチルの二人も」

透「え」

雛菜「へ~?」

智代子「何をしてたのかまだ全然明らかになってないもん、三人の話ももっと聞いてみないとね!」

透「でも……うちら、なんもないよ」

透「さっき雛菜が言った通り、ずっと部屋にいただけだしさ」

夏葉「追求したとて、これ以上の証言は出てこないようね……」

ルカ「こいつらの言ってることはどっちも間違っちゃいねーと思う」

美琴「ルカ?」

ルカ「ギャル女にノクチル、どっちの証言にも裏付けとなる証拠があるんだよ」

あさひ「そっすね、冬優子ちゃんはまだしも愛依ちゃんは嘘なんかついてないと思うっす」

冬優子「……」

(ギャル女がずっとシャワールームのトイレに籠ってた……)

(その証言を裏付ける、籠る理由となった証拠品があったはずだ……)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】

>>5 >>6

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「海水浴場のシャワールーム、その中央にある大広間。あそこにはゴミ箱があったのは全員知ってるよな」

果穂「はい! のみもののペットボトルをいれたりするゴミ箱です!」

ルカ「あの中に入ってたんだよ、下剤の粉末薬……その残りかすがな」

果穂「げざい……ってなんですか? おくすりの何かなんですか?」

夏葉「……そうね、酸化マグネシウムのようなものが代表的で、腸内の浸透圧を高めて動きを活性化させる薬よ」

果穂「え、えっと……」

智代子「だ、大丈夫だよ果穂! お薬って分かってればそれで充分、うん!」

透「あー、あれだ」

透「めっちゃ出る奴」

智代子「ダメだよ透ちゃん?! そこより先は、言っちゃダメだよ!?」

透「お尻から」

智代子「それはもうほとんど言っちゃってるよ!?」


ルカ「……まあ、とにかくギャル女の発言には妥当性があるってことだ」

ルカ「他の人間の誰かに薬を盛られたせいで動けなかった、その可能性は高い」

愛依「……」

あさひ「愛依ちゃん?」

ルカ「……あんまりこの話題の議論するのも問題だろうから、次いくぞ」

ルカ「ノクチルの二人、お前らのアリバイも裏付ける証拠がある」

雛菜「そうなんですか~? まあもともと雛菜たちは事件と無関係なので、当然っちゃ当然ですけど~」

(ノクチルの連中のアリバイを裏付ける証拠は……あれだ)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】

>>5 >>6

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「そこで縛られてる不細工な人形、あいつがこいつらの証言を裏付けるんだ」

モノミ「……あ、あちしでちゅか?」

モノクマ「こらー! ボクの許可なしに勝手に喋らない!」

あさひ「モノクマ、議論に必要なことっすよ。今だけしゃべらせてあげてほしいっす」

夏葉「公平な議論のため、証言を要求するわ」

モノクマ「こいつの証言なんかが参考になるの? 出来損ないの妹を持つ兄は訝しんだ」

モノクマ「まあでもいいや、裁判のためだもんね。ン許可するゥ」

雛菜「モノミ、雛菜たちのアリバイを保証して~?」

モノミ「はい! わかりまちた!」

モノミ「確かにノクチルの二人はミナサンが花火大会の時間中、ずっとお部屋にいまちたよ。あちしは花火大会に参加しないか説得を試みたんでちゅが……」

モノミ「二人には断られて、そのままあちしの身体をまさぐられて遊ばれてしまいまちた……」

あさひ「えー! いいなぁ! わたし、まだ研究全然できてないのに―!」

(……諦めてなかったのか)


透「なんだっけ、飛んで火にいる夏の虫ってやつ?」

雛菜「わざわざ部屋に乗り込んできたからカギ閉めて隅々まで調べちゃった~!」

モノミ「あちしの純情は弄ばれてしまいまちた……」

雛菜「モノミはね~、お尻の辺りにホクロがあるんだよ~!」

(ほ、ホクロ……!?)

智代子「お、お尻を見たの!?」

雛菜「うん、おむつを剥いたので~」

智代子「剝いちゃったの!?」

雛菜「剥いちゃいました~」

智代子「そんな甘栗みたいに!?」


ルカ「まあ、とにかく。花火大会参加者じゃない連中も、ぶりっこ女を除いて一応アリバイはあるんだ」

ルカ「やっぱり詰めていくべきはお前だろ」

冬優子「……で、でも……本当に、知らないの……!」

雛菜「そもそも~、その呼び出しって本当だったんですか~?」

雛菜「あくまでシーズのお姉さんの推測だし~、中身を見せない教えないって変だし~」

恋鐘「呼び出しが嘘やったと? そいやったら……なんで冬優子は図書館に行ったばい?」

透「殺すため」

(……!)

透「それしかなくない?」

冬優子「と、透ちゃん……!?」

夏葉「……それも含めて、まずは冬優子の行動について議論しましょう」

夏葉「冬優子は呼び出されたという図書館で何をしたのか」

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×5

コトダマ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【あさひの証言】
‣【モノクマファイル2】
‣【凶器の矢】

冬優子「ふゆは呼び出されただけなんです……」

冬優子「千雪さんとも会ってません!」

雛菜「でも呼び出された証拠も開示できなくて内容も話せないとか~」

雛菜「そんなことってあるんですかね~」

愛依「何か冬優子ちゃんにはジジョ―があるんだって!」

摩美々「事情はさておいてさぁ……【千雪とも会ってない】のは流石に怪しくないー?」

結華「さっきの写真でも【千雪姉さんが先に図書館に入ってた】し……」

結華「中で会って当然って思うよね……」

果穂「冬優子さんは図書館で会った千雪さんの」

果穂「おなかに【凶器を刺しちゃった】んですか……?」

冬優子「ち、違うの……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「千雪の死因は確かに腹部への刺し傷だ。でも、刺し殺したってのは……成立しない」

果穂「え、でもこのファイルには……えっと」

智代子「腹部に深く突き刺さった凶器による臓器損傷および失血死……ってあるよ?」

ルカ「そこに書いてあるのは、あくまで凶器が突き刺さったことだけ。別に犯人が自分の手で刺したとは書いてない」

ルカ「そして、現場に残ってた凶器……あれを見る限り自分の手で刺したとは考えづらいんだよ」

美琴「千雪さんの命を奪ったのは弓矢の矢なの。先端の矢じりで命を奪ったようだけど、柱の部分は細くて手で持って使うには不適切な凶器」

美琴「刺そうとしても、途中で曲がったり折れたりしちゃったら意味ないでしょ?」

果穂「そうですね……す、すみません!」

ルカ「……別に気にするこたねーよ、腹を刺されて死んだと聞けば普通は犯人が自分の手で刺したと思うだろうからな」


恋鐘「でもそいやったとやら犯人はどうやって千雪んことば刺したったと?」

美琴「ちょっと考えてみればすぐに分かるよ。ほら、千雪ちゃんに刺さってた凶器は、弓矢の矢でしょ?」

夏葉「それはつまり……射殺ということ?」

智代子「確かに……事件現場の図書館の二階にはボウガンが置いてあったよ!」

智代子「犯人はあそこに隠れておいて、図書館にやってきた千雪さんを射殺したんだね」

あさひ「ボウガンの構造自体は簡単っす。わたしたちがイメージする銃と基本的には変わらなくて、引き金を引けば文字通りに矢が発射されるっすよ」

透「カチッ、ばーん……ぶすっ」

透「そういうことだ」

雛菜「で、それをストレイの人がやっちゃったってことなんですよね~?」

冬優子「ちょ、ちょっと待ってください! それっておかしいです……」

冬優子「さっき確認した図書館の入室記録の写真……あれだとふゆは千雪さんより後に入ってきたことになってましたよね?」

冬優子「だとしたら千雪さんより先に入って隠れて狙撃するなんてことはできないですよ!」

愛依「そーじゃん……! 千雪さんが先に入ってる以上はムジュンしちゃうんじゃん!?」

摩美々「や、別に順序が逆でもそれは変わらないでしょー……?」

摩美々「この図書館の空間の中に冬優子と千雪の二人しかいなかったのは事実なんだし、どっちが先に入ろうとも射殺が可能なのは冬優子だけだよー?」

結華「確かにそれはそうなんだよね……ふゆゆにボウガンで銃を撃つことが不可能だった証拠でもあれば話は別なんだけど……」

透「むしろ逆。うちらでも簡単に扱えるのがボウガン」

透「……でしょ?」

あさひ「……」

(……あいつがボウガンを使えなかった証拠……そんなもんはない)

(……ただ、あのボウガンが使われたかどうかは分かるんじゃねーのか?)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノクマファイル2】
‣【モノミの証言】
‣【ボウガン】
‣【凶器の矢】

果穂「千雪さんの死因は【弓矢の矢】です!」

美琴「矢はそれそのものを直接刺すには不向き」

美琴「形状と強度の問題から考えても、【本来の使い道で使った】と考えるのがよさそうだね」

智代子「犯人は千雪さんより先に図書館に忍び込んで」

智代子「【遅れてやってきた千雪さんを標的にした】んだね!」

結華「ボウガン自体の扱いは簡単みたい」

結華「ふゆゆでも使うことはできたはずだよ」

冬優子「ちがうの、ふゆは撃ってなんかない!」

透「使い方はめっちゃ簡単」

透「うちらのうち誰でも使えるってさ」

雛菜「あの図書館には【二人しかいなかった】んだし~」

雛菜「現場に会った【あのボウガンであなたが撃った】のは明らかですよね~?」

冬優子「ふゆは、何も知らないんだって……!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


ルカ「それは違うだろ!」

【BREAK!】

ルカ「確かにあの現場に残ってたボウガンを使えばだれでも簡単に千雪を射殺することはできただろうな」

ルカ「でも、それはボウガンにちゃんとした弾があればの話だ」

恋鐘「た、たま……?」

ルカ「ハンドガンなんかでも話は聞くだろ? 銃にはそれぞれ対応している弾の口径があるからそれと合致するものを使わなくちゃならないって」

ルカ「それとおんなじだ。現場に残されていたボウガン、そして千雪の命を奪った矢とでは型番が違うんだよ」

雛菜「型番が違う……」

ルカ「どれだけ鋭利な矢じりだろうと、それが射出できないんじゃ意味がねえ。あのボウガンじゃ千雪の命を奪った矢は発射はできなかったはずだ」

智代子「な、なるほど……」


智代子「ていうか、そんな型番の違いが生まれるほどボウガンに種類ってあるんだね!?」

あさひ「多分犯人はスーパーマーケットでボウガンを調達したっすよ」

あさひ「ほら、灯織ちゃんが暗視スコープを手に入れたのもあのスーパーマーケットだったはずっす。大体の物はあそこで揃うっすから」

(……あの時、あいつと飲み交わした酒もそのスーパーで買ったんだったな)

摩美々「犯罪道具がそんなに簡単に入手可能なスーパーって問題でしょー……」

夏葉「ちょ、ちょっと待って! それっておかしいわ……!」

夏葉「あのボウガンが事件に無関係だって言うなら……どうしてあんなところにボウガンがあったの……? 図書館に備え付けの物だったとでもいうの?」

恋鐘「確かにそうやね……型番の違うボウガン、ますます意味が分からんばい」

あさひ「そうっすか? 型番が違っても犯人はボウガンを用意する必要があったんすよ?」

あさひ「それならその目的は限られてくると思うっす」

(中学生の言うとおりだ……ボウガンをこれ見よがしに犯人はあそこに配置した)

(それなら、その狙いは……)

-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】

・犯行時刻の誤認のため
・犯行現場の誤認のため
・殺害方法の偽装のため

↓1


正解が出たところで本日はここまで。
この先少し長くなるのでここで区切らせていただきます。
続きは明日1/24の21:00~から更新します。
またよろしくお願いします、お疲れさまでした。


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「現場の誤認だ……千雪の死因が腹部に刺された矢である以上、誰しもが射殺されたと思う。そこにボウガンなんて置いてあれば、誰もがそこから撃ったと思いこむはずだ」

透「一番わかりやすいもんね。矢を撃つ方法として」

摩美々「まさか投擲するわけにもいかないしねー」

夏葉「……ええ、そうね」

智代子「な、夏葉ちゃんでも流石に厳しいんじゃないかな……ほら、あの矢って細くて投げるには不向きだし!」

夏葉「智代子……何の心配をしているの」

ルカ「まあそういうことだ、図書館で千雪を狙撃するという構図を私たちが勝手に脳内で描くことを期待しての配置だったんだろ」

果穂「ということは……千雪さんは図書館じゃなくて、別の所で死んじゃったんですか?」

ルカ「わざわざ誤認させるってことはそういうことなんだろうな」

愛依「……えっ?!」

愛依「そ、それってさ……冬優子ちゃんは、クロじゃないってことなんじゃ……」

冬優子「……!」

結華「ふゆゆが犯人なら、わざわざ自分に不利な証拠を用意するとは思えないもんね」

美琴「状況だけ見ると、他の誰かが冬優子ちゃんに罪をかぶせるために配置したように見えるよね」

愛依「そ、そう……冬優子ちゃんはなんも悪くなくて、事件ともマジでムカンケーなんだよ!」



【恋鐘「その推理は下味がなっとらん!」】反論!




恋鐘「それは決断を逸りすぎだと思うばい! 確かに現場にあったボウガンを冬優子が置く意味はなか!」

恋鐘「でも、それ以上に重要な証拠として……図書館の入室記録の写真はどう説明をつけるばい!?」

恋鐘「千雪と冬優子しかあの図書館には入室しとらん……しかも千雪は図書館から出とらんとよ!」

恋鐘「その問題が解決しない限りは、最有力の容疑者は冬優子のままやけんね!」

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×5

コトノハ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【現場の血痕】
‣【凶器の矢】
‣【血まみれの本】


恋鐘「千雪の命を奪ったのはボウガンの矢たい!」

恋鐘「矢を撃つにはボウガン以外の手段はなか」

恋鐘「でも、現場にあったボウガンと凶器の矢では型番が合わん」

恋鐘「確かにこれは不自然な謎やけど……」

恋鐘「そもそも図書館に入室したのは千雪と冬優子の二人だけばい!」

恋鐘「過程がどうあれ、千雪を撃つことができたのは冬優子だけになるとよ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「型番が合わないボウガンを用意する必要性はない……」

ルカ「あいつの他に誰かが置いたと考えるのが自然だろ!?」

◆◇◆◇◆◇◆◇

恋鐘「議論が堂々巡りばい!」

恋鐘「前提としてあの図書館には千雪と冬優子の他に」

恋鐘「【誰も入っとらんかった】はずたい!」

恋鐘「だから千雪を撃つことができた人間は他におらんとよ」

恋鐘「も~! ルカも分からず屋やね~~~!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

2 選択

【集中力を消費しました】
集中力:☆×5→☆×4

(あいつの反論は、誰も二人の他には図書館には出入りしてなかったという論点に基づく)

(なら、それを否定する材料を用意できれば……)

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×4

コトノハ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【凶器の矢】


恋鐘「千雪の命を奪ったのはボウガンの矢たい!」

恋鐘「矢を撃つにはボウガン以外の手段はなか」

恋鐘「でも、現場にあったボウガンと凶器の矢では型番が合わん」

恋鐘「確かにこれは不自然な謎やけど……」

恋鐘「そもそも図書館に入室したのは千雪と冬優子の二人だけばい!」

恋鐘「過程がどうあれ、千雪を撃つことができたのは冬優子だけになるとよ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「型番が合わないボウガンを用意する必要性はない……」

ルカ「あいつの他に誰かが置いたと考えるのが自然だろ!?」

◆◇◆◇◆◇◆◇

恋鐘「議論が堂々巡りばい!」

恋鐘「前提としてあの図書館には千雪と冬優子の他に」

恋鐘「【誰も入っとらんかった】はずたい!」

恋鐘「だから千雪を撃つことができた人間は他におらんとよ」

恋鐘「も~! ルカも分からず屋やね~~~!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1


恋鐘「やけん、そのカメラには千雪と冬優子の二人しか映っとらんとやろ~?!」

恋鐘「やっぱり他の人間が図書館に出入りした可能性はなか!」

発言力:♡×4→♡×3

(チッ……これじゃなかったみたいだな)

(写真そのものを否定するのは難しい、それなら別の可能性を提示するしかないか)

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×4

コトノハ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【凶器の矢】


恋鐘「千雪の命を奪ったのはボウガンの矢たい!」

恋鐘「矢を撃つにはボウガン以外の手段はなか」

恋鐘「でも、現場にあったボウガンと凶器の矢では型番が合わん」

恋鐘「確かにこれは不自然な謎やけど……」

恋鐘「そもそも図書館に入室したのは千雪と冬優子の二人だけばい!」

恋鐘「過程がどうあれ、千雪を撃つことができたのは冬優子だけになるとよ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「型番が合わないボウガンを用意する必要性はない……」

ルカ「あいつの他に誰かが置いたと考えるのが自然だろ!?」

◆◇◆◇◆◇◆◇

恋鐘「議論が堂々巡りばい!」

恋鐘「前提としてあの図書館には千雪と冬優子の他に」

恋鐘「【誰も入っとらんかった】はずたい!」

恋鐘「だから千雪を撃つことができた人間は他におらんとよ」

恋鐘「も~! ルカも分からず屋やね~~~!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)

↓1


ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」論破!

【BREAK!】

ルカ「……あの図書館に入ったのがぶりっこ女と千雪の二人だけ。その前提があるなら、ボウガンがどれほど怪しかろうと射殺した犯人はぶりっ子女が有力だろう」

冬優子「ルカちゃん、もう意地になってるのかな」

ルカ「本当に、第三者が介入した可能性はなかったのか?」

恋鐘「ふぇ? ど、どういう意味ばい?」

ルカ「千雪の死体の状況をもう一度振り返るぞ。あいつは図書館の中央で、腹から血を流して絶命していた」

果穂「……うぅ、千雪さん……おなかをおさえて苦しそうでした……」

ルカ「そしてその死体の傍らには、命を奪った矢が落ちていた」

恋鐘「そ、そうばい……あのボウガンが偽物やったとしても、犯人はやっぱり射殺を行って……」

摩美々「実際モノクマファイルに書いてあるわけだしねー、凶器は矢なのは間違いないよー」

ルカ「じゃあ、なんで矢はそこに【落ちてた】んだ?」

恋鐘「ふぇ?」

結華「……そ、そうか……! ボウガンで撃たれた矢は本来そのまま千雪姉さんに深く突き刺さったままのはずなんだ!」


あさひ「体内に侵入した凶器は筋肉とか脂肪とかに引っかかって、普通は抜け落ちたりなんかしないはずっす。でも、千雪さんに突き刺さったはずの矢は地面に落ちていた」

あさひ「これっておかしいっすよね?」

透「え、てことは……誰かが矢を抜いたってこと?」

夏葉「常識的に考えて、わざわざそんなことをする必要はないわ。千雪の下腹部に矢は命中していたわけだし、撃った人物からすれば放っておけば千雪が直に命を落とすことは明らかだったはずよ」

摩美々「要は被害者の千雪と撃った犯人と、現場を荒らした人間の三人が図書館にはいたはずだってことー?」

愛依「じゃああのボウガンを置いたのは、その現場を荒らした人間になるんだ!」

ルカ「ああ、そうなるとやっぱり……」


ルカ「……あれ?」


雛菜「へ~、面白い話ですね~」

雛菜「てっきり現場には被害者と犯人の二人しかいなかったのかと思ったけど、三人目がいたなんて~」

雛菜「……でも、それって~」



雛菜「【犯人ではない誰か】が増えたってだけですよね~?」




冬優子「え……」

雛菜「犯人がやるには不自然な行為をその人がやったって明らかになったことでむしろ犯人の行動はわかりやすくなりますよね~」

雛菜「花火大会を途中で離脱して、図書館にボウガンをもって侵入する」

雛菜「そしてそのまま射殺した後に退室」

雛菜「これだけの単純な話だもんな~」

冬優子「ま、待って! さっきのルカちゃんの推理だと、型番の違うボウガンを置いた理由は犯行現場の誤認のためだったでしょ?」

冬優子「なら、その犯人だと思われてる人はただ犯行を擦り付けられてるだけで、本当の犯人は別にいる……」

冬優子「その第三者が犯人なんじゃないのかな?!」

智代子「で、でも……本当にその第三者っていたのかな」

冬優子「え!?」

智代子「確かに矢が抜かれてたのは不自然だけど……入室管理記録の写真でふゆちゃん以外写ってなかった以上は、その第三者の存在もいたかどうか定かじゃないし……」

冬優子「そ、それは……!」



【モノクマ「天下分け目の関ケ原!」】対立!



モノクマ「軍司モノクマ、今このタイミングが合戦の時と見ましたぞ!」

モノクマ「出あえい出あえい! ものども、正々堂々議論を正面からぶつけ合い、雌雄を決するがよい!」

モノミ「ミナサン、真実を見つけるためには時には意見をぶつけ合うことも大切でちゅ」

モノミ「何が正しくて、何が間違っているのか、よーく考えて見極めてくだちゃいね!」

(そうだ……どこまで可能性を掘り出そうともあの写真の課題が残る以上は、犯人はあのぶりっ子女で動かねえ)

(反対に言えば……あの写真さえ看破すれば、あいつの疑いを払しょくできるのか……?)

(別にアイツをかばう訳じゃないが……あいつの周りの情報が余りにもあいつに疑いを持たせるように整えられすぎている気がする)

(……決断を下すにはまだ早いんじゃないか……?)

-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「犯人は黛冬優子だ!」vs【犯人は第三者だ!】


恋鐘「千雪の命を冬優子が矢を使って奪ったばい!」

透「撃ったんでしょ、ボウガン」

智代子「ルカちゃんの推理はあくまで可能性……明確な根拠はないんだよね?」

夏葉「他の全員にはアリバイがあったのよ? やはり議論は冬優子が犯人に帰結するわ」

摩美々「図書館の入室記録の写真には千雪と冬優子の二人の写真しかなかったんだよー?」

雛菜「この期に及んで脅迫文を公開できないのも怪しいですよね~」

摩美々「冬優子は最初図書館に行ってたのを隠してた、証言にも信ぴょう性がないってー」

-------------------------------------------------
【意見スロット】

【アリバイ】
【脅迫文】
【可能性】
【嘘】
【凶器】
【写真】
【ボウガン】
-------------------------------------------------

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)

↓1

すみません、【可能性】が抜けているので再安価させてください

-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「犯人は黛冬優子だ!」vs【犯人は第三者だ!】

発言力:♡×3
集中力:☆×4.5


恋鐘「千雪の命を冬優子が矢を使って奪ったばい!」

透「撃ったんでしょ、ボウガン」

智代子「ルカちゃんの推理はあくまで可能性……明確な根拠はないんだよね?」

夏葉「他の全員にはアリバイがあったのよ? やはり議論は冬優子が犯人に帰結するわ」

摩美々「図書館の入室記録の写真には千雪と冬優子の二人の写真しかなかったんだよー?」

雛菜「この期に及んで脅迫文を公開できないのも怪しいですよね~」

摩美々「冬優子は最初図書館に行ってたのを隠してた、証言にも信ぴょう性がないってー」

-------------------------------------------------
【意見スロット】

【アリバイ】
【脅迫文】
【可能性】
【嘘】
【凶器】
【写真】
【ボウガン】
-------------------------------------------------

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)

↓1


【ルカ「邪魔なんだよ」】

恋鐘「千雪の命を冬優子が矢を使って奪ったばい!」
【ルカ「ぶりっこ女!」
 冬優子「ふゆじゃなくても、誰でもあの矢を使うことはできたはずだよ!」】

透「撃ったんでしょ、ボウガン」
【ルカ「メガネ女!」
 結華「実際に犯行に使ったボウガンは見つかってない……まだ議論の余地は残ってるんじゃない!?」】

智代子「ルカちゃんの推理はあくまで可能性……明確な根拠はないんだよね?」
【ルカ「ここは私が!」
 ルカ「可能性は可能性だけど、十分な妥当性はある可能性だと思うぞ」】

夏葉「他の全員にはアリバイがあったのよ? やはり議論は冬優子が犯人に帰結するわ」
【ルカ「小学生!」
 果穂「本当にみんなアリバイがあったのか……もっと議論が必要です!」】

摩美々「図書館の入室記録の写真には千雪と冬優子の二人の写真しかなかったんだよー?」
【ルカ「中学生!」
 あさひ「あの記録、そのまま飲み込んでいいんすかね? わたしはもうちょっと見当が必要だと思うっす」】

雛菜「この期に及んで脅迫文を公開できないのも怪しいですよね~」
【ルカ「ギャル女!」
 愛依「冬優子ちゃんには何かジジョ―がある……お願い、信じてあげて!」】

摩美々「冬優子は最初図書館に行ってたのを隠してた、証言にも信ぴょう性がないってー」
【ルカ「美琴!」
 美琴「嘘のすべてが悪じゃない……それが真実を導くこともあるでしょ?」】

-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値280以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

↓直下より七回連続でコンマ判定


【コンマ判定:22+81+23+77+22+63+1=289】

【全論破】

「「「「「「「「これが私たちの答えだ!」」」」」」」」

【BREAK!】

ルカ「確かに図書館の入室記録の写真は重要な証拠だ」

ルカ「でも、それと現場の状況に食い違いが発生している以上はそれを解消しないことには前に進めない」

ルカ「いつまでもそこに気を取られて議論を停滞させてんじゃねーよ」

冬優子「ルカちゃん……」

ルカ「……けッ」

夏葉「でも、私たちのアリバイがその写真の信ぴょう性は裏付けているはずだわ」

夏葉「千雪と冬優子以外の動向は全員把握済み、図書館に立ち入ったものは誰一人としていないもの」

智代子「そうだよね……正直なところ、あの写真に疑問点はないんだもん」

果穂「で、でも……あたし、ふゆさんが犯人には思えないんです……」


あさひ「……ねえ、あの写真って最初に発見したのは誰だったんすか?」

ルカ「……あ?」

あさひ「あの情報って他の人づてに聞いた人が多いんじゃないっすか? わたしも愛依ちゃんと一緒に捜査をしてる時に他の人から聞いたっす」

結華「確かに、そうだったような……」

美琴「私たちだよ」

美琴「私とルカが現場を調べているときに、入り口の扉にあるのを発見したの」

あさひ「……」

愛依「あ、あさひちゃん……どうしたん?」

あさひ「美琴さんとルカさんに聞きたいっすけど、そのカメラ……発見した時はどんな状態だったっす?」

ルカ「……え?」

(カメラの、【状態】……?)


≪美琴「……なんだろう、あれ」

ルカ「どうした? 美琴」

美琴「扉の上に、何か取り付けられてるの……ちょっと待って」

美琴が指さした先には何か機械のようなもの。
そう高い位置にはないが、私からすれば台が必要な高さ。美琴はそれに背伸びもほとんどしないまま手を届かせてみせた。

ピッ

美琴「……あ、【点いた】」

ルカ「んだそれ、カメラか?」

美琴「……うん、そうみたい。見て」≫


ルカ「……電源が、切れてた……!?」

あさひ「……やっぱり」

あさひ「冬優子ちゃんが犯人じゃなかったら、図書館には他に誰かが出入りしたはずっす。でも、それはカメラの写真で否定されてしまっていた」

あさひ「けど、今の二人の証言で状況は大きく変わったと思うっす」

(……こいつ……自分が持ってる情報以上の所まで思考してやがるのか……!)

美琴「ルカ、どういうこと?」

ルカ「……こいつの言ってること、私にも見えて来たぜ」

ルカ「すべての矛盾を解決する、一つの答えがな」

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】


Q1.図書館を捜査した時、あのカメラの状態は?
A.正常に作動していた B.電源が落とされていた

Q2.桑山千雪が死んだとき、あのカメラの状態は?
A.電源が入っていた B.電源が切られていた C.センサーに細工がされていた D.レンズに目隠しされていた

Q3.カメラに工作をしたのは?
A.黛冬優子 B.桑山千雪 C.第三者 D.モノクマ


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


【BBC】

発言力:♡×3→♡×2

(いや、ちがう……そもそもあのカメラに細工をするにはまず図書館内にいることが大前提だ)

(そして、あのカメラが撮影した写真にはあの二人以外の人間は映っちゃいなかった)

(つまり、あのカメラに細工をしたのは……)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】


Q1.図書館を捜査した時、あのカメラの状態は?
A.正常に作動していた B.電源が落とされていた

Q2.桑山千雪が死んだとき、あのカメラの状態は?
A.電源が入っていた B.電源が切られていた C.センサーに細工がされていた D.レンズに目隠しされていた

Q3.カメラに工作をしたのは?
A.黛冬優子 B.桑山千雪 C.第三者 D.モノクマ


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


ルカ「推理はつながった!」

【COMPLETE!】

ルカ「中学生、お前はずっと疑問に思ってたんだろ。この入室管理の写真たちの中に、どうしてあの写真が混ざってないのか」

あさひ「そうっすね。初めて見た時から、おかしいなって思ってたっす」

果穂「あさひさん……? どういうことですか?」

果穂「写真にはちゃんと千雪さんとふゆさんが写ってますよ?」

あさひ「足りてない写真は、【美琴さんとルカさんの写真】だよ」

あさひ「ほら、わたしたちよりも先に死体を発見した二人は少なくとも現場に踏み込んだ最初の人になるから、その時点でカメラの電源がついてたなら写真は撮られてないとおかしいでしょ?」

果穂「あっ……! たしかにそうですね……!」

あさひ「その写真がないってことは、美琴さん達がカメラの電源を落としたか、もっと前から電源が落ちてないとおかしいって思ったんだ!」

ルカ「当然ながら私たちが電源を切ったわけじゃない。死体を見つけてそれどころじゃなかったし……私たちもカメラに気づいたのは捜査が始まってから」

ルカ「だからちゃんと作動していたなら私たちどころかここにいる全員の写真がないとおかしいんだよ」

夏葉「なるほど……そういうことね、合点がいったわ」


美琴「それに、確か私がデータを見た時……電源は切れていたと思う」

美琴「特に気にも留めていなかったけど……よくよく考えれば24時間稼働させていなければ意味のないカメラだもんね」

(おいおい……)

愛依「あれ……でも、それっておかしくない? あの写真ってさ、千雪さんが入って、冬優子ちゃんが入って、冬優子ちゃんが出て……の三枚なんでしょ?」

愛依「第三者が電源を切るんだったら、入ってくるタイミングがないじゃん!」

恋鐘「確かにそいやったら、第三者が図書館に入る時の写真もないとおかしかろうもん」

あさひ「だから、自然とそのカメラの電源を切ったのは千雪さんってことになるっす」

あさひ「冬優子ちゃんが出ていく姿はちゃんと写真に写ってるっすからね」

摩美々「えー、そうなるのかなぁ……」

摩美々「モノクマが切った可能性とか、入り口を経由せずとも電源を落とす手段はないのー?」

モノクマ「おっと、ボクに疑いをかけるのは感心しませんな!」

モノクマ「このコロシアイ南国生活において、管理者のボクと参加者のオマエラは相互不干渉の関係にあります」

モノクマ「事件を起こすにあたって肩入れをすることは一切ないと明言しておくよ! もし破ったら桜の木の下に埋めてもらって構わないからね!」

結華「いやいや、相互不干渉とか言って、思いっきり動機も用意してるじゃん……」

智代子「あくまで事件中は協力しないってことかな……」


透「図書館に入り口以外から侵入する方法……は考えてもしゃーない感じか」

透「アリバイ、みんなあるしね」

夏葉「となると消去法的にあのカメラの電源を落としたのはやはり千雪になるのね……」

美琴「ということは、冬優子ちゃんが図書館を出ていったとき……彼女は生きていたことになるね」

雛菜「あは~?」

ルカ「ああ、カメラの電源を落とすことは死人にはできやしない。ぶりっこ女が目撃したとかしてないだとかもはや関係ない」

ルカ「あいつが図書館に入ってから出るまで、千雪は一滴の血も流しちゃいなかったんだよ……!」

愛依「そ、それってつまり……」

冬優子「ふゆの無実が証明されたんですね……!」

あさひ「……」





雛菜「違いますよね~?」





雛菜「カメラを切ったのは被害者、しかも容疑者のストレイの人が出て行った後に切られたのは間違いない」

雛菜「それはそうですけど~、それって無実を証明したことになります~?」

愛依「ひ、雛菜ちゃん……!?」

愛依「いやいやいやいや、冬優子ちゃんが図書館を出た時には千雪さんはまだ生きてたんだよ!? だったら……」

雛菜「そう、そこまでですよね~」

雛菜「今証明されたのは、ストレイの人の退出時に被害者はまだ生きていたってだけ。それ以降のカメラが作動していない時間に図書館に戻ってきて殺害した可能性も全然残ってますよ~?」

冬優子「え、ええ!? そ、そんなわけない……ふゆ、それ以降は本当に図書館には行ってません!」

雛菜「でも、それを証明できますか~?」

冬優子「……そ、それは……」

雛菜「花火大会が終わるまでずっと、海岸には戻ってこなかったって聞きましたけど?」

冬優子「ふゆはそれ以降は、ドラッグストアに……」

雛菜「そのアリバイを証明する人って他にいます~?」

冬優子「……い、いない……でも違うの! ふゆじゃない……!」


雛菜「他のみんなはアリバイあるんですよね~」


冬優子「そ、それでも……!」


雛菜「むしろこの写真を改めて見てみると、入室の時って手ぶらで凶器の一つも持ってないし……」


冬優子「ちがう……」


雛菜「ここで一度口論になって、スーパーに凶器を取りに走ったとか~」


冬優子「ちがう、ちがうんだって……」



雛菜「どう考えても犯人はあなたですよね~?」







冬優子「あ~~~~~~~~! もう、うっさいわね!」






冬優子「あんたさっきからねちっこくしつっこいのよ、いい加減にしなさいよ!」

冬優子「斑鳩ルカがさんざん言ってるでしょ、あの事件現場の証拠はふゆを犯人に仕立て上げるために揃えられたものばっかなのよ!」

冬優子「何? あのボウガンとかふゆは全く知らないし、使ったこともない。射殺するなんてもってのほかなんだから!」

冬優子「出ていってからもふゆは一度も戻ってない、ドラッグストアに行くって一度言った手前そのつじつま合わせに必死だったんだっつーの!」

冬優子「もうピーチクパーチクうっさいのよ、重箱の隅を楊枝でほじくるような真似ばっかして!」

冬優子「ふゆは本当に、正真正銘潔白の無実なんだから! いい加減に理解しなさいよね!」




ルカ「……は?」




冬優子「はぁ……はぁ……何よ」

愛依「ふ、冬優子ちゃん冬優子ちゃん」

冬優子「はぁ……はぁ……愛依まで何? 今ふゆ滅茶苦茶イラついてんだけど」

愛依「で、出てる! 冬優子ちゃんの……冬優子ちゃんが出てるって!」

冬優子「はぁ? あんた何言って……」

冬優子「……」

冬優子「…………」

冬優子「…………………………………………………………………………」




冬優子「…………………………………………………………………………あっ」



「「「「「「………………………………」」」」」」





「「「「「「「えええええええええ!?!??!?!?」」」」」」





というわけで本日はここまで。
シャニロンパを始めた時から書きたかった、追い詰められた冬優子がつい素に戻ってしまう場面を漸く書けました。
少し区切りが悪いですが、ここから先分割ができず長くなるのでここで切り上げさせていただきます。

明日も21:00~で更新予定です。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。


智代子「え、えええええええええええ!?!?」

夏葉「い、今何が起こったの……?」

透「おー……アンビリーバボー……」

摩美々「ちょ、ちょっと……こんな冬優子……見たことないんですケド」

美琴「びっくりした……」

冬優子「……」

冬優子「な、なーんて、冗談です♡」

結華「ふ、ふゆゆ……流石に手遅れだと思う」

冬優子「……」

冬優子「……はぁぁぁぁぁぁぁ……これ、もうどうしようもないやつ?」

あさひ「どうしようもないやつっすね」

冬優子「これ、もう隠せないやつ?」

愛依「隠せない系だと思う」

冬優子「……はぁ、そうよ、そうなの。ふゆはもともとこういう人間」

冬優子「やらかした……かんっぜんに頭に血が上ったわ……」


雛菜「……」

智代子「ひ、雛菜ちゃん戻ってきて!? 確かにびっくりだったけど!」

冬優子「あんたのせいよ、今までずっとこいつら以外には隠してきてたのに……こんなところで暴かれるなんて屈辱だわ」

恋鐘「暴かれるというか、自分から曝け出しとったばい」

果穂「あ、あたしまだよくわかってません……」

夏葉「……果穂、今まで冬優子が私たちに見せていた顔は彼女の素ではなかったということよ」

夏葉「今見せている冬優子こそが本来の冬優子、ということらしいわ」

果穂「本当の、ふゆさん……」

冬優子「そういう言い方をされると少しだけ癪ね。ふゆからすれば別にアイドルとしてのふゆも普段のふゆもふゆ自身であることには変わりないの」

冬優子「ただ使い分けていただけ、その方が都合もよくて、皆にも愛される」

冬優子「……ごく一部の例外を除いてね」

果穂「あさひさんと愛依さんは、ずっと知ってたんですか……?」

あさひ「うん!」

愛依「うちも……ユニットで活動し始めてからすぐに、今の冬優子ちゃんを見せてもらったんだ」


冬優子「もうこの際だから一切合切全部話すわね」

冬優子「ほら、市川雛菜。あんたが見たがってた脅迫状……これのことでしょ」


そういうとぶりっ子女は懐にしまい込んだくしゃくしゃの紙を私たちの目の前で広げた。
コピー用紙ほどの紙質だろうか、全体に走る折り目で多少見づらくはあったもののその内容は見て取れる。乱れた筆跡でこう書かれていた。

『黛冬優子 お前の本性を私は知っている
 もし他の連中にばらされたくなければ図書館に来い
 他の誰かを連れてこようものなら即座に噂を流す』


冬優子「あんたたちに素のふゆを隠すようにしていたから、これを見た時は相当に焦ったわ」

冬優子「ここまでふゆが積み上げてきたものを、勝手に突き崩そうってんだから」

冬優子「何としてもそれだけは防がないと、その一心でふゆは一人で図書館に行ったわけ」

冬優子「ま、もうこうなっちゃったわけだから……意味もないけどね」


コトダマゲット!【冬優子宛の脅迫状】
〔事件当日冬優子のもとに送り届けられた脅迫状。図書館に来なければ彼女の本当の性格を言いふらす旨が書かれており、これを防ぐため冬優子は図書館へと向かった〕


ルカ「……色々と言いたいことはあるだろうが、こいつがこれまで主張していた脅迫状が届いたってのはどうやら本当みたいだ」

ルカ「こいつの性格を見越して、この紙を全員に共有は出来ないだろうと踏んでのことだったんだろうけど……やりすぎたみたいだな」

冬優子「これでもふゆが犯人だって主張する? 偽装工作のやりすぎでおかしくなった犯人とでも糾弾するのかしら」

雛菜「む~……」

冬優子「はぁ、でもこれでスッキリしたわ。ずっと我慢してたものを一気にぶちまけるのは中々に爽快ね」

冬優子「……その代償として、一気に全部失ったわけだけど」

(……私にこいつらの間柄のことはわからねえ)

(でも、ここまでひた隠しにし続けた本性。それを打ち明ければ本人とその周囲との関係性が変わらないはずがない)

(……こいつの内心は私たちが推し量れるような状態ではないだろうな)

愛依「冬優子ちゃん……」

あさひ「……」

冬優子「……はぁ」


そのため息は重たかった。
ずっと肩にのせていた重荷を下ろした一方で、新たに背負い込むこととなった諦観と失望。
さっき自身が言った通り、今この瞬間にこれまで積み上げてきたものは完全に瓦解してしまった。
仲間との間に横たわる絆なんかも、もう失われてしまうかもしれない。
彼女は力なくその手で証言台を掴んだ。膝から下は力が抜けて、引っこ抜かれた柳の木のよう。失意という状態をそのまま写し取ったようだ。



……でも、そんな彼女を救い上げる者がいた。



果穂「ふゆさんは何も失ってなんかいません!」



小学生は溌溂とした笑顔で、外野で聞いていた私の耳を劈くほどの声量で言い放つ。
他の連中もそれは同じ事、一気に小学生のもとに視線を向けて、やがて追従を始める。

冬優子「えっ……?」

恋鐘「そうばい! 何を勘違いしとるか知らんけど、うちらがそんぐらいのことで冬優子のことを嫌いになるなんてことあり得んたい!」

結華「……うん、むしろふゆゆの本音を聞けて嬉しいかな」

夏葉「ふふ……クリスマスのマラソンの時の情熱、やはり私の見当違いではなかったようね」

美琴「素敵だと思う。それも、冬優子ちゃんの魅力じゃないかな」

果穂「あたし、すっごくすっごくかっこいいと思います! 今まで見ていたふゆさんも、今初めて見たふゆさんも、どっちも!」

冬優子「……あんたたち」


こいつにはその光景が信じられないものとして映ったらしい。
それもそうだろう、ずっと連中に本性を隠し続けてきたということは、少なかれバレてしまうことに怯えている部分があったということ。
かつて、そういった経験があったのか。
私にはそれを知る術はないが、口をパクパクと動かす姿を見ると、『報われた』という言葉を持ち出さずにはいられなかった。


あさひ「よかったっすね、冬優子ちゃん!」

冬優子「……うっさい」


顔を背けて本音を話さない辺り、照れ屋な部分があるのだろう。少しだけ自分自身と重なるようでこそばゆい。
一旦の落着を見た私は、話題の転換を申し出る。


ルカ「まあその、なんだ……えっと……」

冬優子「あら、どうしたの? ははーん、あんた、ふゆの呼び方に困ってるんでしょ」

ルカ「は、はぁ? う、うっせえ……!」

冬優子「『ふゆちゃん』でいいわよ」

ルカ「だ、誰が呼ぶか……!」

ルカ「とにかく、こいつの疑いはだいぶ薄くなったはずだ。脅迫状の存在が確定した以上、犯行現場の偽装をする必要はないしな」

夏葉「ええ、今の冬優子の様子を見ていても嘘をついているようには思えないわ」

摩美々「でも、アリバイがないのって冬優子だけなんだよねー……これがある限り、しょーじき他の人間に疑いかけようがないっていうかぁ……」

愛依「花火大会に参加してたみんなはお互いのアリバイを保証してるんだもんね……」

透「うちらはモノミが見てくれてたしさ」

モノミ「はいっ! 二人のアリバイはあちしが保証しまちゅよ!」

恋鐘「そいやったら愛依はどがんね? 愛依も下剤を盛られた証拠はあったけど、ずっとトイレにおったかはわからんと」

愛依「そ、それはさ……」

智代子「あんまり追求したくはないけど……その可能性はあるのかな……?」

(……ダメだ、アリバイは全員にしっかりと残っている)

(逆に、ストレイライトの連中だけが宙ぶらりんな面があって……なんだか誘導されているような気もする)

(……なんとなく気持ち悪いな)


美琴「ねえ、ルカ」

ルカ「美琴……どうしたんだよ、急に」

美琴「アリバイって本当に大事なのかな」

ルカ「はぁ……そりゃそうだろ」

美琴「……にちかちゃんの事件の時、にちかちゃんはみんなの目の前で灯織ちゃんを殺害したよね」

ルカ「あれは……アリバイとか以前の話だろ」

美琴「うん。でも……他の人の目さえ欺けば、一緒にいながらでも殺害はできるってことだよね」

ルカ「……美琴、それって」

美琴「アリバイ関係なく殺害できる方法はないのかな」

ルカ「……アリバイ、関係なく……だと……?」

(今回の殺害に用いられた凶器はボウガン、そのことは間違いないはずだ)

(だとしたら普通、ちゃんと狙いを定めて撃つ必要がある……加害者と被害者が同じ場所にいることは大前提)

(花火大会にいながら、図書館にいる千雪を殺害する方法があるってのか……?)

美琴「ルカ、改めて状況を整理してみて」

美琴「これまでに出てきた情報を繋ぎ合わせて、新しい可能性を見つける」

美琴「……できるかな」

ルカ「ハッ……上等だよ」

(私の勘があいつは犯人じゃないと言ってる……だったら、その勘を信じて進むまで)

(私の行く道は、誰にも指図させねえ……!)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×2


Q1.図書館に置かれたボウガン、その目的は何を誤認させることにあった?
A.犯行時刻 B.犯行方法 C.犯行現場 

Q2.犯人はアリバイを確保したままどうやって犯行に及んだ?
A.他の人間に殺害させた B.被害者自身にやってこさせた C.トラップを仕掛けた D.本当は犯人なんていない

Q3.桑山千雪はどこで命を落とした?
A.図書館内 B.図書館の外


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


発言力:♡×2→♡×1

(うーん……犯人の仕掛けた偽装工作、あれは図書館で襲撃されたと誤認させるためのものだったよな)

(つまり、犯人は別の所でボウガンを撃ったことになる……)

(でも、ストレイとノクチル以外の人間は全員花火大会にいた)

(そしてそのうちの誰も千雪には会ってない……)

(ともなると、千雪を殺害する方法って……)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×1


Q1.図書館に置かれたボウガン、その目的は何を誤認させることにあった?
A.犯行時刻 B.犯行方法 C.犯行現場 

Q2.犯人はアリバイを確保したままどうやって犯行に及んだ?
A.他の人間に殺害させた B.被害者自身にやってこさせた C.トラップを仕掛けた D.本当は犯人なんていない

Q3.桑山千雪はどこで命を落とした?
A.図書館内 B.図書館の外


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


【発言力がゼロになりました】

【クリア後報酬が半減しました】

【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】

(……いや、あと少し、あと少しなんだ)

(現場の状況をよく思い出せ……千雪は図書館の外で襲われたんだろうが……実際に死んだ場所はどうだ……?)

(あいつの流した血液に何かヒントはないか……?)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×5


Q1.図書館に置かれたボウガン、その目的は何を誤認させることにあった?
A.犯行時刻 B.犯行方法 C.犯行現場 

Q2.犯人はアリバイを確保したままどうやって犯行に及んだ?
A.他の人間に殺害させた B.被害者自身にやってこさせた C.トラップを仕掛けた D.本当は犯人なんていない

Q3.桑山千雪はどこで命を落とした?
A.図書館内 B.図書館の外


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


ルカ「推理はつながった!」

【COMPLETE!】

ルカ「おい、待て! ちがう、私たちが話し合うべきはアリバイなんかじゃねー」

ルカ「アリバイを確保したうえで、千雪を殺害したその方法なんだよ……!」

愛依「あ、アリバイを確保したうえで……殺害……?」

冬優子「それってつまり、花火大会に参加していた人間に犯人がいるって言いたいわけ?」

ルカ「まあ、私の直感ではあるんだけど……花火大会を途中で離脱した連中はどうも怪しく思えない。発言も要領を得ないし、疑いを晴らすための回答も用意していない」

ルカ「目をそちらに向けさせて、自分から疑いの目をそらそうとしてるように思えるんだよ」

摩美々「や、いくら気持ちは分かるケド……だからといって、アリバイを確保したまま、なんて理想論が過ぎないー?」

結華「アリバイがあるってことは、その場を動いていないってことだから……物理的に千雪姉さんに接触すらできないよね?」

ルカ「だから、接触する必要がないってことだ」


透「被害者と犯人が遭遇しない殺害方法ってこと?」

あさひ「そっすね、例えばトラップを仕掛けるとかは可能かもしれないっす」

あさひ「よくドラマとかであるじゃないっすか、時間が経つと銃が発射される装置とか、勝手に降ってくるハンマーとか」

あさひ「千雪さんの行動さえ抑えておけば、本人がその場にいなくても殺害できるトラップを作ることは可能だと思うっすよ」

果穂「トラップってことは……ワナですか!?」

結華「被害者をジェットコースターに載せて、途中にピアノ線を仕掛けておけば勝手に首が飛ぶ! みたいなやつだ!」

摩美々「なにそれ三峰猟奇的―」

結華「あ、ありゃ……? マイナーだった……? 高校生探偵が小さくなる直前のお話なんだけど……?」

夏葉「千雪の死因はあくまで腹部を突き刺したあの矢よね? だとしたらそれを利用したトラップということになるけれど……」

夏葉「図書館にはそんな設備は見当たらなかったわよ?」

ルカ「だから、いつまで図書館の話をしてんだよ。千雪は図書館を途中で出た、それならトラップは別に外に仕掛けておいてもいい」

智代子「え? そ、外……?」

ルカ「ああ、むしろ犯人からすればそこまでお見通しだったのかもな。千雪が花火大会の最中に図書館を訪れて、そしてその後出ていくまで」

恋鐘「ふぇぇぇ!? は、犯人は何者たい!?」

恋鐘「千雪が図書館にやってきて、そのあと移動するなんてどうしてわかると!?」

夏葉「そうね……それなら次はどうして犯人はそんなトラップを用意することができたのかについて話し合ってみましょうか」

雛菜「犯人がどうして被害者の行動を掌握していたのかってことですよね~?」

美琴「それはつまり……どうして千雪さんがあの図書館にやってきたのかを指すことにもなるよね」

愛依「それこそ冬優子ちゃんなんか知らんの?」

冬優子「知んないわよ……何度も言うけどふゆは桑山千雪には図書館では一度も会ってない。理由なんかピンともスンとも来ないわよ」

(そういえばそうだ……ストレイのあいつは脅迫状をもらったからやってきたという明確な理由がある)

(だが、千雪はどうしてあんな唐突に嘘をついてまで図書館を抜け出したんだ……?)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトダマ
‣【冬優子宛の脅迫状】
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【血まみれの本】
‣【モノミの証言】


恋鐘「千雪の行動が全部わかっとったなんて犯人はエスパーばい!?」

美琴「犯人はある程度千雪さんの行動を把握できた……」

美琴「千雪さんの行動の理由がわかればおのずと見えてくるかもしれないね」

あさひ「なんで図書館なんかに行ったんすかね?」

愛依「冬優子ちゃんみたいに〔脅迫状を貰ってた〕とか!」

冬優子「だとしたらどうして図書館から出ていくのよ……」

結華「単純にとおるんとひななんが〔図書館にいると思った〕とか?」

摩美々「やみくもに二人を探させても犯人もトラップを仕掛けようがなくないー?」

果穂「千雪さんは図書館にいきました!」

果穂「なら、〔図書館の本に用があった〕んです!」

智代子「花火大会の途中でわざわざ読みたい本なんかあるのかな……?」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


ルカ「テメェの言うとおりだ」同意!

【BREAK!】

ルカ「ハッ、そうだ、その通りだよ。図書館に行くなんて動機は一つしかねーよな?」

果穂「はい! 図書館は本を借りるところです!」

果穂「それ以外のことはあんまりやっちゃいけません! 水を飲んだり、走ったり……マナーい反になります!」

ルカ「マナーはまあ抜きにしても……千雪が図書館の本に用があったのは間違いないと思うぜ」

ルカ「だってあの死体には不自然に下敷きになった本があっただろ? あの本自体は千雪の血がべったりついていて正直中身は見れたもんじゃねーが、あんなに山積みになっている本と離れたところで一冊だけ隠すように下敷きになっている本……意味がないわけないよな」

冬優子「でも、その本は実際なんなの? その一冊のためだけに桑山千雪が図書館に来たって言うんなら、その正体は明らかにしないとダメよね」

雛菜「ん~……雛菜は知らないですね~」

夏葉「私もあまり見慣れない装丁ね……厚紙の表紙のものだから、学術書などではなく、雑誌類もしくはそれに近しい媒体のものに見えるわ」


愛依「ん~~~~?」

愛依「……あっ! あさひちゃん、あさひちゃんならこの本がなんなのかわかんない?!」

あさひ「わたしっすか?」

冬優子「そういえば……あんた、第2の島が開いてからは結構この図書館に入り浸ってなかった?」

あさひ「まあ、そうっすね。時々見に来てたんで、大体どこに何の本があるかぐらいは分かるっす」

美琴「あさひちゃん、この本に見覚えは無いの?」

あさひ「うーん……」

ルカ「……」

あさひ「うーん……」

美琴「……」




あさひ「あっ、わかったかも。これ、【ゲームの攻略本】っすね」




ルカ「……は? げ、ゲームの……攻略本?」

あさひ「はいっす、あの図書館はなんでもフリージャンルで置いてあったんで、レトロゲームから最新ゲームまでの攻略本も一通りは置いてあったっすよ。読んではないっすけど、材質とかはそれにそっくりっす」

果穂「ど、どうして千雪さんがゲームのこうりゃく本を持ってたんでしょうか……」

智代子「まさかゲームがやりたくなって持ち出そうとしたわけじゃないよね……?」

(……ゲームの攻略本、か)

(千雪の行動が少しずつ見えて来たな……この島で、ゲームと言えばあれしかない……!)

ルカ「もしかして、千雪の持っていた攻略本は……あれと関係があるんじゃねーのか……?」

美琴「ルカ、それって」

ルカ「ああ……千雪の持っていた本は、あれと関係している……!」

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>5 >>6

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「今回の動機だよ……モノクマが用意した『かまいたちの真夜中』、あれの攻略本がこれだったんじゃねーのか?」

愛依「あ、あさひちゃん!」

あさひ「わたしにはその本が実際どうだったのかはわからないっすけど……その可能性は高そうっすね」

あさひ「わざわざ抜け出してまで取りに行く価値がある本、その点ではすごく納得できる推理っすよ! ルカさん!」

(なんでちょっと上から目線なんだよ……)

智代子「て、ていうかちょっと待って!? さ、さっきから『かまいたちの真夜中』の攻略本って……あのゲームはプレイ禁止だったよね!?」

智代子「そもそも攻略以前の問題じゃ……」

夏葉「……智代子、私たちが交わしたのはあくまで口約束。そこに拘束力はないわ」

智代子「え……!」

夏葉「……少なくとも千雪はあのゲームをプレイして、そしてクリアも成し遂げているとみるのがよさそうね」

ルカ「そうなるだろうな」


(私も捜査中にあのゲームは少しだけ触った。頓珍漢なゲームではあったが……登場人物にはいずれも見覚えがあった)

(……もし、あれを千雪が見ていたのなら)

(…………)

(……いや、今はそれを考えてる場合じゃねえ、大事なのはその攻略本を千雪が知っていたであろうということ)

(事実だけをもとに考えるんだ……!)

美琴「きっと千雪さんは花火大会の途中で、何かこの本を思い出す出来事があったんだろうね」

美琴「それで、わざわざ抜け出してまで図書館にこの本を確認しに行った」

ルカ「千雪の目的にはそれだけの緊急性があったってことだな……」

雛菜「ん~、急いで本を取りに行ったってことは他の人にとられたくなかったってことですよね~」

果穂「そういえばあさひさん、このこうりゃく本って図書館のどこにあったんですか?」

あさひ「ゲームの攻略本は確か、二階の壁沿いの本棚だったかな!」

(二階の壁沿い……確かあの図書館って、中央が吹き抜けになっているんだったな)

(他の人に本を取られたくない、中央が吹き抜けの図書館、二階の壁沿いの配置……)

(あと少し、あと少しで千雪が図書館にやってきた理由が見えそうだ……)

-------------------------------------------------

【ひらめきアナグラム開始!】


し/ア/ゲ/リ/の/ム/―/ク/そ


【正しい順番に並べ替えろ!】

↓1


ルカ「来た、天啓ってやつがよ!」

【解!】

ルカ「千雪が図書館に行きたがったのはモノクマの混ぜた爆弾による爆破騒動があった直後、あの時誰も私たちが怪我をすることはなかったが、一つ千雪にとって大きなハプニングがあったんだ」

恋鐘「爆破騒動……あー! あの打ち上げかと思ったら、爆弾だったやつやね!」

摩美々「恋鐘が確認もせずに火を点けたやつでしょー?」

恋鐘「えへへ……面目なか……」

ルカ「あの時、爆発の衝撃によって島中がまるで地震に襲われたかのように揺れたんだ。それこそ、図書館の本棚を倒す位にな」

雛菜「図書館の本棚が倒れるくらい~?」

夏葉「第1の島にいた透と雛菜はあまりピンと来ないかもしれないけど、あの時の衝撃はすさまじかったの。私たちは立っていられないくらいの横揺れだったわ」

愛依「だから図書館はあんなに本で散らばってたんだ!」

冬優子「確かにふゆが足を踏み入れた時からあんなだったし……あの膨大な数の本を人の手だけで取りだすのは不可能よね」


ルカ「そして何よりあの図書館は中央に吹き抜けのある二階建て。横揺れで本棚を飛び出した本は勢いよくそのまま一階へと落下する」

ルカ「中学生、ゲームの攻略本は二階に収められてたんだったな?」

あさひ「はいっす、二階の割と手前側だったと思うっす」

ルカ「おそらく千雪はあの衝撃を感じ取った瞬間に、その攻略本が本棚から零れ落ちた光景を想像したんだ」

ルカ「なんとしても他の誰かがあの攻略本を手にする前に元あった場所に隠しておかないと、ってな」

摩美々「それってつまり、私たちの誰にもゲームを攻略させないためってことですかぁ?」

ルカ「攻略本の存在が明るみに出るのを防いでるんだ、そうなるだろうな」

美琴「……」

ルカ「……あのゲームの内容については後だ、ただこれで見えてきた部分もあるだろ?」

ルカ「そこの女が図書館に行ったとき、千雪に出会わなかったのもこれで解決だ」

冬優子「はぁ?」

美琴「千雪さんはゲームのクリアを防ぎたかった。なら、ゲームの攻略本を手にしている状態でほかの誰かに会う訳にはいかないでしょ?」

果穂「たしかにそうです……! そんな本を持っていたら、なにか意味があるって思っちゃいます!」

冬優子「桑山千雪自ら、ふゆの目を避けて身を隠してたってわけね」


ルカ「そして、犯人も千雪の行動についてその意図を理解していた」

ルカ「他の誰かにゲームをクリアさせない、そのために図書館の攻略本は守らなければいけない」

ルカ「そこまでの千雪の行動理由を理解していないと、トラップにはめることは不可能だ」

結華「じゃあ犯人は千雪姉さんと仲のいい人?」

あさひ「それだと容疑者はみんなになっちゃうっすよ」

ルカ「……いいかえると、千雪がゲームをクリアしたこと、クリアができることを知っていた人間になるな。なんたって、図書館にある図書館を秘匿していることを知っているのは大前提だ」

智代子「じゃあ犯人もゲームをクリアした人間なんだね!」

果穂「へ? そうなんですか?」

智代子「うん、だって図書館にある本を隠しているのを知っていないとダメでしょ? それなら犯人だってゲームをクリアした人間なんじゃない?」

美琴「……いや、どうだろう」

美琴「ゲームのクリアをしていない人間だとしても、千雪さんが図書館の本を大事に隠していると知ることができれば、それを犯行に含むことは可能だよ」

美琴「大事なのは大きな衝撃を島全体に与えることができれば、千雪さんを図書館に誘導できるってことだから」

夏葉「犯人は千雪に接触をしていたのかもしれないわ。ゲームのクリアの方法を教えるようにせがんでいた、とか」

夏葉「そうなると余計に千雪の警戒心を強めることもでき、図書館への誘導もしやすくなるわ」


冬優子「ちょっと待ちなさいよ、あんたさっき桑山千雪は図書館の外で殺されたって言ったばっかじゃない」

冬優子「図書館に誘導したところで、それからどうなるっていうのよ」

ルカ「そこでお前の出番なんだよ、黛冬優子」

冬優子「……は、はぁ!? な、なによ……急に名前呼ぶんじゃないわよ……」

ルカ「図書館にあるはずの攻略本を急いで確認しに行った千雪。だがあいつが図書館に入った瞬間目にしたのはそこら中の本棚から零れ落ちて山積みになって散乱した本棚」

ルカ「すぐにお目当ての攻略本を探し当てることができたとは考えづらいだろうな」

ルカ「なんとか誰よりも先に見つけ出そうとしていたその時」

愛依「冬優子ちゃんがやってきた……!」

ルカ「お前がやってきたことで千雪は急いで姿を隠す。ゲームクリアへの手掛かりを与えないためには、ここで千雪が本を探していると知れるのは都合が悪かった」

ルカ「でもお前はそんなこととも露知らず、自分の秘密を守るためにその場でしばらく待機」

冬優子「もしかして、その間に桑山千雪はふゆが攻略本を見つけたと勘違いした……?」

美琴「犯人はそれも利用したんだろうね」

美琴「脅迫状を貰っている以上そう簡単に冬優子ちゃんは現場を離れられないし、待ちの時間もあるから……本を探し出して読んだ、と疑われるだけの時間を稼ぐことは簡単」

冬優子「ふゆは一向に呼び出し相手が姿を見せないからしびれを切らしてそこで出ていく……」

結華「この時千雪姉さんは勘違いをしちゃってるから……」

透「追いかけるかもね」

冬優子「……!」

雛菜「ゲームの攻略本を読んじゃったかもしれないなら、それでクリアされるって思っちゃうかも~」


(……そうか、そういうことか)

(そこまで千雪の行動が見えているのなら、トラップだってどこに仕掛ければいいのかその場所は絞ることができる)

(だってそこは証拠隠滅も兼ねることのできる、最良のポイントなんだから)

ルカ「犯人は千雪の思惑をすべて理解したうえで、それを犯行に利用した」

ルカ「犯人がトラップを仕掛けたのは……あそこだったんだよ!」

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1

集中力:☆×5→☆×4

(犯人が利用したのは、千雪が他の人間のゲームのクリアを阻止したいという心理)

(そうなると、図書館の他に千雪が必ず行く、行かざるを得ない場所がないだろうか?)

(そもそも、あのゲームは【中央の島】にあるんだったよな……)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1


発言力:♡×5→♡×4

(うーん……わざわざ立ち寄るようには思えないな……)

(もっと直接的に必ず通過するような場所はなかったか……?)

(第2の島……もっと広く見たほうがいいのかもしれないな)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1


発言力:♡×4→♡×3

(うーん……わざわざ立ち寄るようには思えないな……)

(もっと直接的に必ず通過するような場所はなかったか……?)

(第2の島……もっと広く見たほうがいいのかもしれないな)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1


発言力:♡×3→♡×2

(うーん……わざわざ立ち寄るようには思えないな……)

(もっと直接的に必ず通過するような場所はなかったか……?)

(第2の島……もっと広く見たほうがいいのかもしれないな)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1


発言力:♡×2→♡×1

(うーん……わざわざ立ち寄るようには思えないな……)

(もっと直接的に必ず通過するような場所はなかったか……?)

(第2の島……もっと広く見たほうがいいのかもしれないな)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1


ルカ「ここだ!」

【解!】

ルカ「千雪は最初っから最後まで、他のやつにゲームをクリアさせないために動いていた……」

ルカ「なあ、美琴。ゲームをクリアさせないためにはまず何をするのが手っ取り早いと思う?」

美琴「え……? どうだろう……ゲーム機を壊す、とか?」

結華「美琴姉さん、それはそもそも校則違反だって」

美琴「あっ、そっか」

あさひ「ゲームをクリアさせないんだったら、まずゲームをやらせなければいいっす!」

ルカ「正解だ」

ルカ「ゲーム機を壊さなくとも、ゲーム機に近づけさえさせなければいいんだ。説得でも暴力でも手段はいくらでもある」

ルカ「でもそれをするには、どうしても現場に千雪自身が行く必要がある。ゲーム機に近づけさせないうえでも、対策を講じるうえでもな」

ルカ「そこのそいつがゲームをクリアしようと試みると考えた千雪が図書館を出て次に行こうとした場所はもう言わなくても分かるな?」

智代子「そうか、【中央の島】のジャバウォック公園に向かうんだね!」


ルカ「そうなると、千雪が必ず通らなくてはならないポイントがある。そこは花火大会中の人間が来るわけもなく、証拠隠滅だって簡単な場所」

ルカ「だって、海の上なんだからな」

美琴「もしかして、それって……【橋】?」

ルカ「橋の柱にボウガンをくくりつけておけばいい。ワイヤーを足元の高さにピンと張って、それを引き金に固定する。そうするとどうだ? 誰かが通ろうとすればそいつめがけて射出される即席のトラップの完成だ」

夏葉「あの橋なら幅も一定だし、しかも被害者が通る場所も絞られている。他の場所に仕掛けるより失敗のリスクははるかに少ないと言えるわね」

果穂「しょうこいんめつも……海の上ならかんたんです!」

果穂「ボウガンが矢をうったら、そのまま海に落ちちゃうのでそれでおしまいなんですね!」

透「え、でもそれって環境破壊。校則違反なんじゃん?」

ルカ「私たちが禁じられているのは島の環境の破壊。その周りの海はグレーゾーンってとこだろうな」

智代子「じ、実際どうなの、モノクマ!?」

モノクマ「どうなのと言われましても、そういうSDGs的なことはオマエラの方が詳しいんじゃないの?」

果穂「さすてーなぼぅ……でぃべろっぷめん……ごー!」

夏葉「……今は、モノクマのルールの裁定について問い合わせているのだけど」


モノクマ「まあ、ボクの信条としましては規則は時に寛容たれと言ったところですね」

モノクマ「面白くなるのなら、OK! もし今の斑鳩さんの推理と同じ方法が犯人が取ったとて、ボクは見逃すでしょうね!」

雛菜「ってことは、この方針で考えてもよさそうですね~」

恋鐘「勝手に凶器まで消えてしまうトラップとは、犯人も抜け目がなかね……」

美琴「この方法ならアリバイを確保したままでも殺害が可能だし、現場にも証拠が残らない」

美琴「私たちの誰でも実行可能な方法だよ」

ルカ「……いや、それは違うな」




ルカ「この方法が可能なのはただ一人に限られる」





あさひ「……」

恋鐘「え?! な、なしてそうなると?!」

愛依「……そっか! このトラップは島の移動にはないとダメな橋に仕掛けるんだもん! 自分より後に誰かが通る可能性がある間は、仕掛けらんないんだ!」

ルカ「やるじゃねーかギャル女」

愛依「マジ!? 当たった感じ!?」

ルカ「だから、犯人は花火大会を開く第2の島に【最後にやってきた人間】になるってワケだ」

ルカ「……分かってんだろ、お前のことだよ」

-------------------------------------------------
【クロを指摘しろ!】

↓1


ルカ「お前だ」

【解!】

ルカ「田中摩美々……確か花火大会に最後に到着したのはお前だったよな?」

摩美々「んー、そうだったっけー」

ルカ「どうだ? お前がやってきたときに、なんか橋で怪しいもんでも見たか?」

ルカ「それとも、お前がそのときに仕掛けたのか?」

摩美々「……」

摩美々「まぁ、さっきまでの話で言えば私が有力なのかもしれませんケド……流石にそれはないって言うかぁ」

結華「そ、そうだよ! まみみんは寝坊しただけで、そんなトラップなんかしかけてない!」

恋鐘「そもそもトラップの話だってルカの推理上の話でしかなか!」

ルカ「ああ、知ってる。あくまで今の話は私の推理が正しければ、の話だ」

ルカ「でもな、思い出してみろ。途中で抜けた連中の姿が見えなくなったとき、橋を真っ先に調べに行ったのは誰だった?」

摩美々「……」


≪美琴「そうだね、手分けして早いとこ探しておかないと」

あさひ「冬優子ちゃんはドラッグストアに行くって言ったから、多分そこにいるはずっすよ。わたし、そっちを探しに行くっす」

結華「待って! 一人で行くのは危ないし……三峰もついていく!」

夏葉「とりあえずはこの島の中を探したほうがいいわね……遺跡の方も見ておきましょうか、智代子、果穂。いいかしら?」

智代子「うん、ついていくね!」

果穂「はい、わかりました!」

ルカ「私と美琴は図書館に行ってみる、いいか?」

美琴「わかった」

摩美々「じゃあ私と恋鐘で島の外周をざっと見てみよっかぁ。私が【左回り】で、恋鐘が右回りねー」

恋鐘「うん、任せといて!」

結華「発見次第すぐに連絡するようにしよう! とにかく……早いとこ三人を見つけないと……!」≫


ルカ「わざわざ長崎女に指示まで出して、真っ先に橋のある【左回り】を取ったのには何か意図がありそうなもんだがな」

摩美々「別に深い意味なんてないですよー、そっちにいるかなって思っただけなので―」

摩美々「それともルカは私たちの善意を疑うつもり―?」

(豪胆なものだな、平然としらを切って、汗一つ流さない)

(でもな、あいにくながら私は283の連中みたく甘くはないんだよ)


ルカ「……ハッ」

ルカ「そうだな、疑ってるよ。お前があの時見せた優しさも、仲間を思う気持ちとやらも全部、全部な」

恋鐘「なっ……なんてこというばいルカ! それは失礼たい!」

ルカ「失礼、大いに結構。言ったはずだ、私はあくまで自分の生き残る道のために動く。そのための障壁となるものは何だろうとぶち破る」

ルカ「たとえお前ら同士の絆だろうと知ったこっちゃない、私の行く道は誰にも邪魔させねえ。それが私の生き方だ」

摩美々「ふーん……かっこいいですねー」

摩美々「でも、今の話もあくまで疑いの範疇でしかないし……摩美々を疑うなら、証拠を提出してくださいよー」

摩美々「千雪が図書館を出た証拠も、私がトラップを仕掛けた証拠も、何一つ提出されてないですよねー?」

(ちっ……結局そうなるか)

(こいつの犯行はとにかく証拠を残しちゃいねえ)

(自分が手を下さずとも相手が勝手に死ぬ、心理分析とトラップの合わせ技なんだからな)

(こうなったからには……【正攻法】じゃ届かないかもな)

-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×4

コトダマ
‣【血まみれの本】
‣【現場の血痕】
‣【モノクマファイル2】
‣【図書館の入退館管理カメラ】


摩美々「千雪はゲームクリアを阻止するために動いていた」

摩美々「それなら入退室を行った冬優子を目撃した後は【中央の島の広場に行く】」

摩美々「だからそこにトラップを仕掛ければ殺害可能」

摩美々「でもそれって、全部ルカの推理でしかないよねー?」

摩美々「【千雪が図書館を出た証拠】も」

摩美々「私が【トラップを仕掛けた証拠】も」

摩美々「なんにも残ってないよねー」

愛依「キジョーのニューロンってやつ!?」

冬優子「……神経じゃなくて、電荷ね」

愛依「キジョーのアーロン……?」

冬優子「……誰なのよ、そいつは」


【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


【集中力:☆×4→☆×3】

【ロンパ候補の発言数が減少しました】

【ロンパ候補の発言が一つになったため、集中力ゲージの効果対象が変わりました】

-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×3

コトダマ
‣【血まみれの本】
‣【現場の血痕】
‣【モノクマファイル2】
‣【図書館の入退館管理カメラ】


摩美々「千雪はゲームクリアを阻止するために動いていた」

摩美々「それなら入退室を行った冬優子を目撃した後は中央の島の広場に行く」

摩美々「だからそこにトラップを仕掛ければ殺害可能」

摩美々「でもそれって、全部ルカの推理でしかないよねー?」

摩美々「【千雪が図書館を出た証拠】も」

摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠も」

摩美々「なんにも残ってないよねー」

愛依「キジョーのニューロンってやつ!?」

冬優子「……神経じゃなくて、電荷ね」

愛依「キジョーのアーロン……?」

冬優子「……誰なのよ、そいつは」


【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(候補のコトダマの数が減る)

↓1


【発言力がゼロになりました】

【クリア後報酬が半減しました】

【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】

(だめだ……入退館カメラの写真は全員に共有している物的証拠)

(今更別の写真がありました、なんて嘘をついたところで見え見えじゃねえか……!)

(つくならもっと別の嘘……千雪が【図書館を移動していない証拠】をもとにして、嘘をつくしかねえ……!)

-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×3

コトダマ
‣【血まみれの本】
‣【現場の血痕】
‣【モノクマファイル2】
‣【図書館の入退館管理カメラ】


摩美々「千雪はゲームクリアを阻止するために動いていた」

摩美々「それなら入退室を行った冬優子を目撃した後は中央の島の広場に行く」

摩美々「だからそこにトラップを仕掛ければ殺害可能」

摩美々「でもそれって、全部ルカの推理でしかないよねー?」

摩美々「【千雪が図書館を出た証拠】も」

摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠も」

摩美々「なんにも残ってないよねー」

愛依「キジョーのニューロンってやつ!?」

冬優子「……神経じゃなくて、電荷ね」

愛依「キジョーのアーロン……?」

冬優子「……誰なのよ、そいつは」


【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(候補のコトダマの数が減る)

↓1


ルカ「この嘘で真実を炙りだす!」偽証!

【BREAK!】

ルカ「証拠、ねぇ……まあ、確かに今は残っちゃいねえかもな」

摩美々「随分あっさりと認めるんですねー」

ルカ「まあな、今その証拠がなくとも……少なくとも私と美琴はその証拠を目撃してるんだからな」

美琴「……!」

ルカ「美琴、図書館に入る前……入り口の付近には血痕があったの、覚えてるよな?」

美琴「……血痕?」

ルカ「ああ、まるでどこかから血を流しながら歩いてきて、図書館に入っていくようなそんな血痕だ」

美琴「……」

美琴「……うん、確かにあったはずだよ。滴った血が地面に落ちていた」

摩美々「……!」


ルカ「死体発見でパニック状態で全員を集めているうちに、自然と地面が踏み荒らされてその血痕は見えなくなっちまったけど……私たちの見た血痕が証拠になるはずだ」

冬優子「ふゆは図書館を出入りした時、どこも怪我なんてしてなかったから……当然、その血痕も桑山千雪のものになるはずね」

あさひ「千雪さんも花火大会中は特にけがはしてなかったっすから、図書館を入るタイミングでは血が落ちることはなかったはずっすね」

果穂「なら、もう一度千雪さんが出入りした時に血を流したんですね!」

摩美々「ちょ、ちょっと待ちなよー、もうそんな証拠は残ってないんでしょー……だったら」

美琴「でも、私とルカが二人でその血痕があったと証言している」

美琴「死体発見アナウンスが鳴ったのは真っ先に駆け付けたあさひちゃんが発見したタイミングだから、犯人以外の三人という条件は私とルカとあさひちゃんで満たされているよね」

あさひ「そうなると、シロ確定の二人の証言はそのまま証拠と言い換えてもいいと思うっす」

摩美々「……」

ルカ「千雪は間違いなく図書館から一度出て行っている、そうなるとやっぱり私の推理通りの行動をとった……それを犯人も予測していたとみて間違いないだろ」





【結華「その推理は手ブレしちゃってるよ!」】反論!





結華「ルカルカ、そうは問屋が卸さないよ!」

ルカ「あ?」

結華「現場付近に血痕があったからって、それが本当に千雪姉さんのものだとは限らないでしょ! もしかしたら事件前に垂れていたものかもしれないし……」

ルカ「いや、その可能性は低い……」

結華「可能性が低い、それが何!? 学級裁判はどんな些細な可能性も検討しないといけないんじゃなかった!?」

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


【コンマ判定11】

発言力:♡×4→♡×3

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

【コンマ判定29】

発言力:♡×3→♡×2

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

【コンマ判定07】

発言力:♡×2→♡×1

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


【コンマ判定 38】

【発言力がゼロになりました】

【クリア後報酬が半減しました】

【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


【コンマ判定 24】

発言力:♡×5→♡×4

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


なんとかコンマが出たところで本日はここまで。
反論などのコンマ参照の際には緩和をするスキルもあるため、判定を甘くすることはできませんでした。申し訳ない。
ぞろ目だと無条件クリアにする案も前シリーズの時に出たのですが、本作ではそれ専用のスキルとして別で用意しています。
次章以降お試しください。

裁判自体はそろそろ終盤なので次の更新で裁判決着まで行くものかと思います。
もう少しお付き合いください。
それではお疲れさまでした。またよろしくお願いします。


ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」論破!

【BREAK!】

ルカ「攻略本の存在さえ隠せばゲームのクリアを妨害できる。それは確かにそうなんだろうな、そうじゃなきゃ千雪もあんな風に攻略本を隠したりしない」

結華「だから、そもそもその攻略本を借りておけばいい話でしょ……千雪姉さんの持っていたあの本が攻略本だとしても別物で……あれを取りに戻るなんて予測は立てられない」

智代子「そういえばそうだよね……ゲームのクリアを阻止するんなら、自分の部屋にでもその本を隠しておけば解決しそうじゃない?」

美琴「……それはできなかったのかもしれない」

結華「え?」

ルカ「図書館の本はすべてが貸し出し可能だったわけじゃねーんだ、そうだろ中学生?」

あさひ「そうっすね、一部の本は【禁帯出】扱いだったっす」

あさひ「図書館の中でしか読むことができない本で、借りて出ることは不可能なんすよ」

ルカ「そのゲームの攻略本とやらは禁帯出扱いだったのかもしれない……だからこそ、犯人は図書館に千雪を誘導することができたんだ」


結華「ま、待ってよ! それもあくまで可能性でしょ?!」

ルカ「だったら確かめてみるか? 本なら、ちゃんと残ってる。今から現場に戻ってその本を勝手に持ち出そうとすればペナルティも発生すんだろ」

結華「……!」

ルカ「まあそんな手間すんのも面倒だ。モノクマ、聞いてただろ?」

モノクマ「うーん、そうですね。ここまでの推理でたどり着いたことを見ましても、その本が攻略本であるか否か、禁帯出扱いであるか否かについてはもはや9割がた明らかになっていることなので」

モノクマ「いいでしょう! 事実として皆さんにお伝えします!」

モノクマ「斑鳩さんの予想通り、その本はゲーム『かまいたちの真夜中』の攻略本で、【禁帯出】扱いの一冊なのです!」

モノクマ「これでよかった?」

ルカ「……これでテメェの主張も崩れたな」

結華「……ッ!」


摩美々「なにそれ、勝ったつもりですかぁ?」

ルカ「……何が言いたい」

摩美々「や、まあ確かに犯人が千雪の行動をある程度掌握できたのはそうかもしれないですケドー」

摩美々「トラップに関しては全く証明されてないですよねー」

摩美々「可能だったのは摩美々だけとか言われても、まるでサッパリっていうかぁ」

夏葉「確かに……そんなトラップがあったことが前提で話が進んでいるけれど、その存在については一切証明されていないわね」

ルカ「そ、そんな証拠……」

(あるわけねえ……あったとしても、そんなもの私たちが知る余地もない……!)

(だって私たちは事件現場は完全に図書館だと思っていた……)

(そんな【橋】なんて捜査していない……)


美琴「……ルカ、落ち着いて」

ルカ「あ? な、なんだよ美琴……」

美琴「私たちは今確実に彼女を追い詰めている。あと一歩のところなんだよ」

ルカ「でも、その一歩が……」

美琴「橋の捜査をしていないから、だよね」

ルカ「……」

美琴「でも、さっきのルカの推理なら……橋を調べていたとしても一緒だと思う。凶器は海に落ちているし、千雪さんの血痕も落ちちゃいない」

美琴「だとしたら私たちが注目すべきなのはどこなんだろうね」

(私たちが注目すべきところ……?)

(……千雪の命を奪ったトラップはもはや残っちゃいない、だとしたら証拠が残るとすれば……)



(千雪本人の【体】、か……?)



ルカ「そうか……そういうことか」

摩美々「えー、なんですか急に気持ち悪い……」

ルカ「田中摩美々、そろそろケリつけようぜ。私とお前、どっちの言うことが正しいのか」

摩美々「ケリも何も……証拠がない以上は摩美々の言い分の方が正しいのは明白でしょー?」

ルカ「なら、確かめてみろよ……本当に証拠が何一つ残っちゃいねえのかな!」

-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】


摩美々「証拠の提出を要求しますー」【防御力 30】
摩美々「眠たくなってきちゃいましたぁ」【防御力 35】
摩美々「ふはははー、摩美々は潔白ですよー」【防御力 40】
摩美々「それで本気―?」【防御力 45】
摩美々「摩美々は悪い子ですからー」【防御力 50】


【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

↓直下より五回連続判定

-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】

発言力:♡×4→♡×3

摩美々「証拠の提出を要求しますー」【残り防御力 6】
摩美々「眠たくなってきちゃいましたぁ」【BREAK!】
摩美々「ふはははー、摩美々は潔白ですよー」【防御力 12】
摩美々「それで本気―?」【BREAK!】
摩美々「摩美々は悪い子ですからー」【BREAK!】


【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

↓直下より二回連続判定

-------------------------------------------------

【ALL BREAK!】

ルカ「そこまで言うなら見せてやるよ……!」


【摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠なんて、どこにありますー?」】


り傷/の脛/千雪/の切


【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】

↓1


【コンマ09】

発言力:♡×3→♡×2

摩美々「そんなんじゃ届かないですよー?」

摩美々「摩美々に勝ちたいなら全力を出してくださいー」


【摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠なんて、どこにありますー?」】


り傷/の脛/千雪/の切


【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】

↓1


【コンマ02】

発言力:♡×2→♡×1

摩美々「そんなんじゃ届かないですよー?」

摩美々「摩美々に勝ちたいなら全力を出してくださいー」


【摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠なんて、どこにありますー?」】


り傷/の脛/千雪/の切


【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】

↓1


【コンマ21】

【発言力がゼロになりました】

【クリア後報酬はこれ以上減少しません】

【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】


摩美々「そんなんじゃ届かないですよー?」

摩美々「摩美々に勝ちたいなら全力を出してくださいー」


【摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠なんて、どこにありますー?」】


り傷/の脛/千雪/の切


【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】

↓1


ルカ「これで終わりだ!」

【BREAK!】

ルカ「確かにトラップを仕掛けた直接の証拠はどこにも残っちゃいない」

ルカ「でもな、千雪がトラップにかかった証拠なら残ってるんだよ」

摩美々「……はぁ?」

ルカ「あいつの死体の脛の部分、何かで擦り切れたような傷跡がついてたんだ。しかも血もにじんでいて、新しいものがな」


≪ルカ「……モノクマファイルにあった通りの状態だな、腹をぶっ刺されたせいで大量の血が流れてて、それが原因で死んじまってる」

美琴「ほかに目立った外傷はなさそうだね」

ルカ「脛に切り傷みたいなのがついてるけど……まあこれぐらいは日常生活でつく範疇だしな」≫


ルカ「その時は特に気にも留めていなかったが、私の言ったようなボウガンのワイヤートラップだったんなら話は別だ」

摩美々「……!!」

ルカ「千雪がワイヤーに引っかかった瞬間、ボウガンが撃たれて、そのままボウガンはワイヤーごと海に落下する。その時千雪の足に触れていたワイヤーは千雪の足との間にすさまじい摩擦を生じさせる」

夏葉「そんなの……切り傷どころか火傷を起こしてもおかしくないわ……!」

ルカ「つまりだ、死体にその傷跡が残っていたのが何よりの証拠。犯人はワイヤーを使ったボウガンのトラップを使って、千雪の命を奪った!」

ルカ「そしてそれが可能だったのは、花火大会に最後にやってきたお前しかいないんだよ、田中摩美々!」

摩美々「……」

摩美々「…………」

摩美々「……………………」






摩美々「……せいかーい」






結華「……えっ?」

恋鐘「ま、摩美々? おふざけはよくなかよ、ちゃんと反論ばせんと」

摩美々「ルカ、やるじゃん。よくわかったねー」

ルカ「……お前」

摩美々「うまく行ったと思ったんだけどなー、全部が全部バラされちゃった」

恋鐘「ち、違うばい! そ、そんなはずはなかよ!」

恋鐘「ルカの推理は的外れで、全部全部大間違い!」

恋鐘「摩美々が人の命を奪うなんて、そがんことするはずが……」

摩美々「恋鐘、悪いんだけど少し黙ってー」

恋鐘「……!」

摩美々「摩美々だって摩美々なりの美学って言うのがあるので、敗北を突き付けられた以上は見苦しく抵抗とかしたくないんだよー」

摩美々「負けたからには潔くステージを降りる、それがダークヒーローってやつじゃない? ね、果穂―」

果穂「ま、摩美々さん……」

摩美々「ねぇ、ルカー。もうちょっと付き合ってよ」

ルカ「あ?」

摩美々「確かに千雪を殺したクロは私なんだケドさぁ……」






摩美々「この事件、私も知らない【何か】が動いてるんだよねー」






ルカ「……は?」

摩美々「だから、私の行った犯行とは全く無関係に動いているものがいくつもあるんだよ」

智代子「そ、それって、第三者って人のこと……?」

愛依「そーいえば……千雪さんのお腹に刺さった矢が抜かれてたのとか、解決してなかったよね」

摩美々「私は花火大会からは一度も離脱してない、矢を引き抜くなんてできないし……」



摩美々「それに、そもそも私は冬優子に脅迫状なんか送ってないんだよねー」



冬優子「……は、はぁ?! あ、あんた何言ってんのよ!」

(ど、どうなってる……? 犯人はこいつで、こいつ自体もそれを認めている)

(なのに、どうしてここで謎が生まれるんだ……?)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×3

コトダマ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【血まみれの本】
‣【冬優子宛の脅迫状】
‣【ボウガン】

摩美々「犯人は私で、私が千雪が殺した」

摩美々「それは間違ってないケド……」

摩美々「この事件には【他の人間が絡んでいる】のは間違いないよー」

冬優子「そ、そんなこと言われたって……」

冬優子「あんたがふゆに【脅迫状を送り付けて】スケープゴートにしようとしたんでしょ!?」

冬優子「【図書館で偽装工作までして】……入念にやってたじゃないの!」

果穂「犯人でもない、ひがい者でもない第三者がいるんでしょうか」

果穂「まさか、この事件にはくろまくがいるんですか……!」

果穂「悪の組織の大ボス、ですね……!」

【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


発言力:♡×5→♡×4

冬優子「確かにカメラに関しては田中摩美々の偽装工作ではないけど……」

冬優子「それは田中摩美々が図書館で偽装工作をしなかった証拠ではないわよね?」

(うーん、少しだけ違ったみたいだ)

(田中摩美々の行動として黛冬優子が列挙しているものを完全に否定するものをぶつけなきゃならねーか……?)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトダマ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【血まみれの本】
‣【冬優子宛の脅迫状】
‣【ボウガン】


摩美々「犯人は私で、私が千雪が殺した」

摩美々「それは間違ってないケド……」

摩美々「この事件には【他の人間が絡んでいる】のは間違いないよー」

冬優子「そ、そんなこと言われたって……」

冬優子「あんたがふゆに【脅迫状を送り付けて】スケープゴートにしようとしたんでしょ!?」

冬優子「【図書館で偽装工作までして】……入念にやってたじゃないの!」

果穂「犯人でもない、ひがい者でもない第三者がいるんでしょうか」

果穂「まさか、この事件にはくろまくがいるんですか……!」

果穂「悪の組織の大ボス、ですね……!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1


集中力:☆×3→☆×2

【集中力を消費しました】

【ロンパ先の候補が減少しました】

【集中力の効果対象が変わりました】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×2

コトダマ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【血まみれの本】
‣【冬優子宛の脅迫状】
‣【ボウガン】


摩美々「犯人は私で、私が千雪が殺した」

摩美々「それは間違ってないケド……」

摩美々「この事件には他の人間が絡んでいるのは間違いないよー」

冬優子「そ、そんなこと言われたって……」

冬優子「あんたがふゆに【脅迫状を送り付けて】スケープゴートにしようとしたんでしょ!?」

冬優子「図書館で偽装工作までして……入念にやってたじゃないの!」

果穂「犯人でもない、ひがい者でもない第三者がいるんでしょうか」

果穂「まさか、この事件にはくろまくがいるんですか……!」

果穂「悪の組織の大ボス、ですね……!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1


ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「そうだ……こいつの言うとおりだ。こいつに脅迫状が出せたはずがねえ……!」

冬優子「は、はぁ?! あんたも見たでしょさっき、ふゆの脅迫状!」

冬優子「ふゆはこれのせいで犯行を擦り付けられそうになったのよ!? なら田中摩美々が出したとしか思えないでしょ!?」

ルカ「確かにその状況だけ見ればそうだがよ……お前が素を見せた時のこと、思い出してみろよ」


≪智代子「え、えええええええええええ!?!?」

夏葉「い、今何が起こったの……?」

透「おー……アンビリーバボー……」

摩美々「ちょ、ちょっと……こんな冬優子……【見たことない】んですケド」

美琴「びっくりした……」

冬優子「……」

冬優子「な、なーんて、冗談です♡」≫


ルカ「明らかにこいつは動揺していた、あれは演技なんかじゃねえ。本気でお前の豹変ぶりに驚いていた反応だったぞ」

摩美々「実際、冬優子の素なんてあの時まで知らなかったですからぁ……」

摩美々「摩美々たちに見せる顔がすべてじゃないとは思ってたけど、あそこまでは予想外だったんだよねー」


冬優子「じゃ、じゃあ何……? こいつは犯人じゃないってこと……?」

ルカ「いや、それはこいつ自身が犯行を自供している以上それは無い」

ルカ「となると、お前に罪を擦り付けようとした人間はまた別になるってことだ」

摩美々「そもそも摩美々が犯人になってもらおうとしたのは愛依の方だしねー」

愛依「う、うち!?」

摩美々「下剤入りドリンク、摩美々が仕掛けたのはそっちの方だよ」

愛依「そ、そんな……摩美々ちゃん、悪戯がすぎるってぇ……」

ルカ「大体、お前の素のことを知ってる人間なんてごくごく一部。この事務所でもほとんどの人間が知らない」

ルカ「それと……こうなると不自然な点が他にも浮上する。図書館二階のボウガン、あれもお前が置いたものじゃないんじゃねーか?」

摩美々「……!」


ルカ「だって、そもそもストレイのこいつを図書館に呼ぶ計画なんかじゃないならあれを置く意味もない。しかもボウガンの型番の違いなんてミスも犯してる」

ルカ「第三者の人間が、お前の計画を知ったうえで偽装工作を無断で行ったような妙な杜撰さがあるんだよ」

摩美々「摩美々の計画を乗っ取ろうとしたってことですかぁ?」

美琴「どちらかというと、計画の補強かな。弱みを握った相手なら脅迫の証拠も提出できないし、ただ大会を途中退出しただけの愛依ちゃんよりも疑念を強めることができる」

ルカ「そして、そんなことができる人間は限られる。だってこいつの本性を知っていた人間はほんのわずか、なんだからな」

冬優子「ま、まさか……」

(やっと掴んだ……!)

(私たちに紛れて推理をかき乱そうとする【狸】、その尻尾……!)

ルカ「事件をかき乱した第三者は……お前だ!」

-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1


ルカ「お前しかいない!」

【解!】

ルカ「なあ、中学生。お前……どういうつもりなんだ?」

あさひ「……」

ルカ「そいつに脅迫状を送り付けておいて、いざ裁判になったら庇い立てる。まるでお前の手のひらで踊る私たちを嘲笑うようじゃねーか」

あさひ「……」

ルカ「なんとか言えよ! お前はずっと、私たちの推理をどんなつもりで聞いてたんだっつってんだよ!」

あさひ「……」






あさひ「……あー、そういうことか」






あさひ「そっすね、冬優子ちゃんの性格の秘密を知ってたのはこの島ではわたしと愛依ちゃんだけ」

あさひ「愛依ちゃんは摩美々ちゃんに犯行を既に擦り付けられる役になっている」

あさひ「……なら、わたししかいないんだ」

ルカ「あ……?!」

愛依「あ、あさひちゃん、違うよね!? あさひちゃんがそんなこと……」

あさひ「……やるっすね」

ルカ「ハッ、バレねえと思ったか? それとも、そいつがまさか本性を暴露するとは思わなかったか?」

ルカ「どのみち今回はお前の計画は失敗に終わったってことなんだよ」

智代子「ちょ、ちょっと待って! 今回『は』……?」

智代子「今回ってことは……前回があるの……?」

(チッ……結局、言わなくちゃならねーか……)

(前回の事件に残る謎、そしてそれを振りまく【狸】の存在……)


ルカ「前回の事件、七草にちかが風野灯織を殺した事件は覚えてるよな?」

夏葉「忘れるはずがないわ、彼女が透を殺害する目的の計画が、些細な出来事でねじ曲がってしまった事件よね」

透「……あー」

ルカ「あの事件、解決したようにみえて……まだ謎が残ってたよな?」

果穂「なぞ……ですか?」

ルカ「暗視スコープと鉄串だ。七草にちかの計画では風野灯織が暗視スコープを使えず転倒するなんてものは入っちゃいない。ただあいつは暗がりの中で刺し通せればそれでよかったんだからな」

ルカ「そのせいで私が床下に潜んでいただとか疑われることになって……その時に疑いをかけてきたのも、お前だったよな」

あさひ「……そうだったっすか?」

ルカ「そして鉄串。風野灯織の命を奪った一本の他に、事件発生前に一本無くなっていた。あれも私を疑う一要因だったはずだ」

あさひ「……」


ルカ「そして今思えば……七草にちかがターゲットを間違えた夜光塗料塗りの花飾り。あれを作ったのもお前だったよな」

果穂「え……?」

夏葉「ちょ、ちょっと待って頂戴……それじゃまさか……」

夏葉「あの事件は最初から……あさひによって、あさひの思い通りに書き換えられていたというの!?」

ルカ「私たちの中に何食わぬ顔して潜伏して仲間面の仲良しこよし。でもその腹の内はそんな甘っちょろいもんじゃない」

ルカ「私たちの命を自分の思い通りにかき乱すだけの【狸】野郎だったんだよ……!」




愛依「そ、そんなわけないじゃん……! あさひちゃんがそんなことするわけない!」




あさひ「愛依ちゃん……」


愛依「さっきから聞いてればルカちゃんひどすぎるよ! あさひちゃんが冬優子ちゃんの大切な秘密をキョーハクの材料に使うなんてあるはずない!」

冬優子「……脅迫された本人が言うことじゃないと思うけど」

冬優子「ふゆも流石にこいつがそんなことするとは思えない。確かに何考えてんのかわかんないような奴だけど……ふゆの直感ではあんたのそれには同意できないわ」

ルカ「……ハッ、勝手にしろ」

あさひ「……」

愛依「あさひちゃん、ほら、みんなに違うって言おう? あさひちゃんがこんなことするわけないもんね!?」

あさひ「愛依ちゃん、無駄っすよ」

愛依「えっ!?」

あさひ「状況的には、わたししかこれは不可能……今いくら反論したって無駄っす」

(……何を余裕ぶってやがる)

(あいつしかいねえ、あいつが狸なのは明らかなんだよ……!)


摩美々「……とりあえず、摩美々の事件をかき乱したのがあさひなのは分かったケド」

摩美々「あさひが千雪のお腹に刺さってた矢を抜いたってのはおかしいよねー?」

果穂「はい……あさひさんは最後まであたしたちといっしょにいました……」

果穂「千雪さんを発見するより先に図書館で矢をぬくのはできません……」

ルカ「それはそうなんだよな……」

美琴「……なら、ちがうんじゃないかな」

ルカ「はぁ?」

美琴「この事件の都合がつかないところを第三者に負担させようとするから無理が出る。それなら、もっと別の視点から見てみればいいんじゃない?」

(もっと、別の視点から……?)

(【第三者以外の人間】が……関係してるってのか……?)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×4

Q1.千雪の腹に刺さった矢はどこで撃たれた?
A.図書館内 B.橋の上 C.花火大会会場

Q2.千雪の腹に刺さった矢が抜かれたのはどこ?
A.橋の上 B.図書館までの道中 C.図書館内

Q3.千雪の腹に刺さった矢を抜いたのは?
A.黛冬優子 B.芹沢あさひ C.田中摩美々 D.桑山千雪

Q4.矢をわざわざ抜いた目的は?
A.証拠隠滅のため B.とどめを刺すため C.再利用するため D.犯行を擦り付けるため


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


発言力:♡×4→♡×3

(千雪と黛冬優子、それに芹沢あさひ以外の人間が関与はしていないはずだ……)

(なら、あの矢を抜いた人間として考えられるのも千雪で間違いない)

(じゃあ、千雪が矢を抜いた理由って……?)

(あいつの性格を考えてみると……その目的が見えてくるかもしれない)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×3

Q1.千雪の腹に刺さった矢はどこで撃たれた?
A.図書館内 B.橋の上 C.花火大会会場

Q2.千雪の腹に刺さった矢が抜かれたのはどこ?
A.橋の上 B.図書館までの道中 C.図書館内

Q3.千雪の腹に刺さった矢を抜いたのは?
A.黛冬優子 B.芹沢あさひ C.田中摩美々 D.桑山千雪

Q4.矢をわざわざ抜いた目的は?
A.証拠隠滅のため B.とどめを刺すため C.再利用するため D.犯行を擦り付けるため


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1


ルカ「推理はつながった!」

【COMPLETE!】

ルカ「そうか……単純な話だったんだ……矢を引き抜いた人物は最初っから私たちは知ってたんだ」

智代子「だ、誰なの!? ルカちゃん!?」

夏葉「事件の犯人である摩美々? 脅迫されていた冬優子? 事件をかき乱す【狸】のあさひ?」

ルカ「いや、この事件には深くかかわっている人間がもう一人いるだろ?」

雛菜「ん~~~~~~?」



透「あ、あれだ。【被害者】」



ルカ「ああ、矢を抜いたのは、撃たれた千雪本人だったんだよ」

夏葉「そんな馬鹿な……! 撃たれた本人が矢を抜く理由なんてないわ!」

夏葉「あの矢は深く突き刺さっていた、引き抜きなんかしたらその瞬間命を落とすことは明白じゃない!」


果穂「え、えっと……それって……」

美琴「刺されただけじゃ出血はそこまでしないんだ。刺さった凶器が蓋の役割を果たすからね」

美琴「一番出血量が多いのは抜かれた時、その瞬間辺りには大量の血が流れることになる」

ルカ「千雪が狙ったのはそれだったんだよ」

愛依「ど、どーいうこと……? なんで、わざわざ血を流すわけ……?」

あさひ「もしかして……【自殺】っすか……?」

摩美々「は、はぁ……? ど、どういうことですか、それ……?」

ルカ「千雪は自分の手で矢を引き抜くことで、自分自身の死因を矢が突き刺さったことから、矢を引き抜いたことに替えようとしたんだ」

ルカ「何度も言っているように、あいつに突き刺さった矢はかなり深かった。満足な治療設備もないこの島じゃ自分の命が助からないことは目に見えていたんだと思う」

ルカ「だからこそ、残り僅かな命を使って、その運命を変えたかった。自分の手で自分自身を殺したことにしたかったんだ」

摩美々「そ、それってつまり……」

摩美々「他のみんなも道連れにしようとしたってことですか……?」

愛依「え……?」

摩美々「だって、そうじゃないですかぁ……千雪のその引き抜くという動作一つでクロは変わってしまう……そうしたら、摩美々たちは正しい正解を導き出せない可能性だって出てきてしまう……」

摩美々「もうこのままじゃ死んでしまう……それならいっそ、って……」



ルカ「そんなわけねーだろ」



ルカ「何馬鹿なこと言ってんだ、お前らの方が千雪との付き合いはなげーだろうが」

ルカ「あいつがそんな恨みがましい真似をすると思うか? あいつはいつだって自分以外のことを気にかけて、勝手に一緒になって悩むような、そんなお節介女なんだよ」

美琴「……私も、千雪さんの狙いはもっと別の所にあると思う」

美琴「千雪さんがクロになったとしたら、大きく変わることが一つあるよね?」

摩美々「はぁ……?」

ルカ「千雪は……お前を救おうとしたんだよ、田中摩美々」

摩美々「……」

ルカ「正確には『ボウガンのトラップを作った人間』を、だろうな。直接の死因が矢を引き抜いたことに変われば、ボウガンを仕掛けた人間はクロではなくなる」

ルカ「そいつが桑山千雪の命を奪ったという事実だけでも雪ぐことができるんだ」

摩美々「そ、それって……」

ルカ「あいつは最期の瞬間、その一瞬まで自分以外の誰かのことを思っていた」

ルカ「他の誰かが自分を殺したという事実を背負って今後生きていくこと、学級裁判という舞台で孤立無援の立場で生き残りをかけて戦わないといけないこと、その結果他の連中を欺かなければならないこと、裏切りを行わねばならないこと」

ルカ「……そんなの、あいつは黙ってみていられない人間だと思う」

摩美々「……」

ルカ「ホント、お節介が過ぎるよな」

(まあ、それがあいつらしいけどな)

ルカ「……私たちが投票すべき相手も、これで決まったな」

ルカ「この事件のクロとして私たちが指摘しなくちゃいけないのは……」

-------------------------------------------------
【クロを指摘しろ!】

↓1


ルカ「……」

【解!】

◆◇◆◇◆◇◆◇

「……はぁ……はぁ……」

「……痛い……」

ズキズキと痛む下腹部に目を向けると、月明かりに反射して銀色の柱が輝いた。
私の身体からこぼれる赤い液体はその柱を伝ってぽたぽたと地面に落ちる。

「はぁ……はぁ……まだ……ダメ……」

「まだ……ここで死ぬわけには……いかないもの……」

「甘奈ちゃん……ごめんね……あなたを守ることができなくて……」

「霧子ちゃん……ごめんね……あなたを許すことができなくて……」

「はぁ……はぁ……」

飛びそうになる意識を何度も何度も無理やり引き戻して、その歩みを進めた。
右足を引きずり、左足を引きずり、図書館にたどり着くことだけを目指して、歩く。


「……やっと……着い……た……」

図書館にたどり着いたとき、もはや下腹部の痛みは感じなくなっていた。
痛みとは別の、生暖かく突き刺すようなものが全身に通い始めている。
私の腹に突き刺さった矢から血液に載せて全身に行き届こうとしているそれは、直感で分かった。
遅効性の【死】だ。
死が、今まさに全身に回ろうとしている。
持って後数分、いや、一分にも満たないかもしれない。

「……はぁ……はぁ……」

それでも意地と執念でなんとか体を動かした重たい扉をなんとか押し開けて、わずかな隙間から図書館に侵入する。
そして山積みになっていた本の中から、その一冊だけを手に取った。
もはや視界すらも霞んでいたけど、それが私の探していた一冊だというのはなぜだかすぐに分かった。
誰にも読ませられない、一冊。私から漏れ出る液で汚して、侵して、使えなくする一冊。
その本を左手に携えて、もう片方の手は銀の柱に当てた。私の腹を突き破るそれを握れば、腹の肉と破れた臓物とが、ゴチュッと静かに喚く。


「……これで……あなたは……クロじゃ……なくなる……」

私には、その【あなた】が誰かはわからない。
でも、その【あなた】を私は赦したい。救いたい。
ほんの一時の気の迷いで、すべてを失ってしまうなんてこと、私は認められないから。
たとえ【あなた】が私を憎んでいようと、恨んでいようと、それで人生を棒に振る必要なんてない。
桑山千雪を殺したという十字架は、私が背負えばいい。
それで【あなた】が生き永らえることができるなら、その後の残った時間でいくらでも反省できる時間はあるでしょう。

私は【あなた】がいつしか私の死に立ち返って、涙を一滴でも流してくれるなら、それでいい。
……なんて、少しだけ欲張りなのかな。でも、これぐらいは許してくれるよね。


「……はぁ……はぁ……」


____だって、私はまだまだお子様なんだから。





「ばいばい……みんな……!」

力を込めて、銀の柱を引き抜いた。



◆◇◆◇◆◇◆◇

ルカ「……これでいいんだろ、千雪」

ルカ「お前が最期の最後に残した希望……ちゃんとたどり着いたぜ」

摩美々「そん、な……千雪は……自分を殺そうとした人間のために……?」

恋鐘「……それも、誰かもわからん、犯人のためばい」

結華「……まみみん、今まみみんが背負うことになったものってさ、相当に大きいよ」

結華「千雪姉さんが許してくれたこと、そして千雪姉さんがまみみんを救うために投げうったもの……その全部をこれから背負っていかなくちゃダメなんだ」

摩美々「……そうだねー」

ルカ「ようやく、終わったんだな」

ルカ「私たちはこれで真実にたどり着いた……この学級裁判の正しい結末、そして私たちのこれから生きていくための道筋に」






あさひ「それは違うっすよ」






冬優子「あ、あさひ……? あんた……」

あさひ「今ルカさんがたどり着いたのは、事実であって結末じゃない。わたしたちが目指すべき答えじゃないっす」

ルカ「テメェ……まだ裁判をかき乱すつもりかよ」

愛依「ま、待って……! みんながあさひちゃんを疑う気持ちはわかる……いやわかんないけど!」

愛依「でも、何か大事なことを言おうとしてるっぽいし……聞いてあげて!」

夏葉「……ルカ、いったん落ち着きましょう」

夏葉「裁判はあくまで公平に裁く場。発言権は平等に全員に与えられるべきだわ。その妥当性を問うのは、発言が終わってからの話よ」

ルカ「……わかった、言うだけ言いな」

(こいつが何を言おうとも耳を貸すつもりはない)

(なんたってこいつは【狸】、面白半分で事件をかき乱す野郎なんだからな)

(今私たちがたどり着いた真相を覆す方法なんて……)




あさひ「クロの判定をするのは、千雪さんじゃなくてモノクマっす」



あさひ「わたしが言いたいのはそれだけっすよ」

ルカ「……は?」

ルカ「お前、それどういう意味だよ……おい!」

恋鐘「何を当たり前のことを急に言い出すばい……そげんこと、このコロシアイ南国生活においては当然のことっちゃろ?」

美琴「……もしかして」

美琴「ルカ、この裁判では何度も言われてきたことだけど……推理だけで真実にたどり着くことはできないの」

美琴「大切なのは、確固たる裏付け。今のルカの結論には、それがない」

ルカ「う、裏付けがない……だと……?」

(どういう意味だ……?)

(今の私の推理で裏付けがないって……どういうことなんだ……?)

-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】

・千雪が矢を引き抜いた証拠がない
・モノクマが千雪をクロにするとは限らない
・本当にボウガンのトラップが設置されていたかわからない

↓1


ルカ「……!」

【解!】

ルカ「ボウガンのトラップで突き刺さった矢、あれを引き抜いたことで千雪は命を落とした……そこは間違いないはずだ」

ルカ「でも、その場合で千雪がクロになるかどうかは……私たちの希望的観測でしかなかった……」

結華「……え、そ、それじゃあまさか……」

恋鐘「摩美々がクロになる可能性も、まだ残っとるばい……?」

摩美々「……!」

美琴「直接の死因は大量出血だけど……その原因となった矢を刺したのは摩美々ちゃん……」

美琴「どちらをクロにするかの判断は……私たちじゃつけられないよ」

恋鐘「し、心配せんでよかよ! 千雪は命を懸けて摩美々を救うために動いてくれたばい! その頑張りを無碍にするようなわけ……」





モノクマ「鶏が先か、卵が先か」



モノクマ「この命題に世界中の哲学者がナン百年と頭を悩ましてきました」

モノクマ「ですが、ボクはこう言いたい!」

モノクマ「結論は原因より先に立たず! 卵というものが存在する以上は、ニワトリが先に存在していた、それ以外の結論はないだろう!」

モノクマ「そして、今私たちの前にはある命題が横たわっています」

モノクマ「刺した人間が悪いのか、矢を引き抜いた人間が悪いのか」

モノクマ「これもボクは同じように考えます」





モノクマ「矢を引き抜くという動作は、そもそも矢を刺すという動作が無ければ存在しえない!」





モノクマ「まあ、ていうか常識的に考えればそうでしょ。矢を刺して抜くとこまで全部自分でやってれば流石に自殺だけどさぁ……そんなんじゃないし」

結華「……そん、な」

摩美々「……はぁ、やっぱりそうですよねー」

摩美々「ちょっとくらいは希望持っちゃいましたケド……そう甘くはないですよねー」

恋鐘「ま、まだばい……摩美々がクロなわけなか! もう一度ルカの推理を洗い直して……」

夏葉「……恋鐘、ルカの推理を摩美々はすべて認めているの」

夏葉「……これ以上、結論が裏返ることはないわ」

恋鐘「バカ言わんといて! うちはいつまでも摩美々の味方やけん、投票なんかせんよ!」

結華「そうだよ……まみみんに投票なんて、できるはずない……」

摩美々「……」

摩美々「……ルカ、最後に摩美々からお願い一ついいですかぁ?」

ルカ「……もう一つどころじゃなく聞いてる気がするけどな」

摩美々「この分からず屋二人のために、噛み砕いて事件の流れを整理してやってくれないー?」

摩美々「まぁ、素直に聞くかどうかは別としてさぁ……それはけじめとしてちゃんとつけておかないと、摩美々も寝覚めが悪いのでー」

ルカ「……チッ、面倒くせぇ……」

ルカ「わかったよ、改めて田中摩美々、お前の犯行を最初から最後まで振り返る。それでこの事件も終わりにするぞ」

摩美々「ん、頼んだぁ」

ルカ「行くぞ、これがこの事件の真実だ……!」

-------------------------------------------------
【クライマックス推理開始!】

【act.1】

ルカ「今回の事件は、仕組み自体は簡単な話だった。ただ、証拠隠滅と犯行の擦り付けが丹念に行われていたことで、私たちの思考は犯人の思い通りに操られてしまっていたんだ」

ルカ「事件が起きたのは花火大会の最中。犯人は花火大会に参加する前に準備の悉くを終えてしまっていた。といってもやることは単純だ。犯行を擦り付ける役として、ギャル女の飲み物に下剤を仕込む。そのうえで、千雪の命を奪うためのトラップを第2の島と中央の島を結ぶ橋の柱に取り付ける。これだけの話だったんだ」

ルカ「後は適当に動機のゲームに手を付けようとしているとでも触れ込めば、ゲームの攻略を阻止しようとしている千雪は勝手にジャバウォック島に向かい、その途中で仕掛けを作動させて命を落とす。単純だが、目に見える証拠も残りづらい計画だ」

ルカ「でも、この事件はそれだけじゃ終わらない……私たちの中に潜む【狸】、芹沢あさひによる介入があったんだ」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【act.2】

ルカ「どこから中学生が事件のことを嗅ぎつけたのかはわからないが、こいつは今回の犯人に相談をするようなこともせず、単独で行動を始めた。まず最初に行ったのが、黛冬優子への脅迫状の送付」

ルカ「あいつがこの島に来てからもずっと隠していた本性を公開すると仄めかした脅迫状、まあ裁判で追い詰められて結局その秘密は図らずも公開されることになっちまったが、その前段階ではこいつを脅迫するにはこれ以上ない材料だったはずだ」

ルカ「そして、黛冬優子に犯行を擦り付けるために、今度は図書館の内部にボウガンを設置した。千雪の命を奪った場所をこの図書館内部に誤認させるためなんだろうが……生憎、千雪の腹に刺さった矢とは型番が違った。むしろこのボウガンはここ以外で殺害が行われたことを示す手がかりになっちまったんだ」


◆◇◆◇◆◇◆◇

【act.3】

ルカ「そして花火大会本番。犯人は何食わぬ顔で一番遅れて参加、これは橋にトラップを仕掛けるのに自分より後に橋を渡る人間がいると不都合だからだ。犯人は予定通りに計画を進めていく、下剤をもって犯行を擦り付ける役のギャル女にトイレに籠らせアリバイを無理やりに奪う」

ルカ「でも、ここから犯人にとってのイレギュラーが連続する。まず第一に爆破騒動だ。モノクマが気まぐれで混ぜた爆弾によって島中が揺れ、図書館の本も二階から落下して一階へ。これも今思えば、狸が意図的に爆弾を混ぜていたってことなんだろうな。なんたって芹沢あさひは花火の準備係になっていたんだから」

ルカ「爆破騒動のさなか、千雪は思ったはずだ。今の衝撃でもしかすると攻略本が他の人の目につくところに落下しているかもしれない、確かめないと、ってな」

ルカ「そしてここからは芹沢あさひの予定通りに事件が進行する。まず最初に攻略本を確かめるために千雪が入室。その次に脅迫状を手にした黛冬優子が入室する。千雪は慌てて身を隠した。なんたって、ここでこそこそ行動しているのが見つかれば、他の誰かが攻略本の存在に勘づいてしまうからな」

ルカ「黛冬優子はそのまま暫く呼び出し主を待った後、痺れを切らして退室。千雪がその背中を見届けると、一つの疑念が沸き上がる。もしかして、黛冬優子は攻略本を見つけて、ゲームをクリアするために去ったんじゃないだろうか」

ルカ「そうなると千雪も黙っているわけにはいかない、なんとしてもそれだけは防がないといけない……千雪はすぐにその後を追った。図書館の入り口に取り付けられた入退室管理用のカメラを止めてからな」

ルカ「出入りする姿をこれ以上録画されたくなかった……ってところだろうな。後でデータを消すつもりだったのかもしれない、一応ノクチルの二人に説明に行くっていう体で大会を抜け出してたんだしな」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【act.4】

ルカ「千雪が向かったのは中央の島のジャバウォック公園。黛冬優子がゲームをクリアしに向かったんだとすれば、その目的地はここだ。そして、公園に行くためには必ず通る場所がある。……そう、犯人が花火大会に参加する前にトラップを仕掛けておいたあの橋だ」

ルカ「橋の柱にワイヤートラップを設置し、通過の際に足を引っかけるとボウガンが撃たれる仕組み……それが作動した瞬間、千雪の脛には切り傷が付いた。そして見事狙い通りに矢は千雪の下腹部に深く深く突き刺さった」

ルカ「……確かに致命傷の一撃ではあったが、それで千雪が即死するには至らなかった。矢が突き刺さるだけじゃ出血もそこまでない、そして何より、千雪には強い精神力があった。『誰も自分を殺したクロにしたくない』『攻略本の存在だけは隠し通したい』その思いでなんとか踏みとどまったんだと思う」

ルカ「そしてどうにかたどり着いた図書館で、千雪は攻略本を手に取り、自分の手で矢を引き抜いた。その瞬間、矢が蓋の役割を果たしていた分大量の血が流れだした。現場には千雪の血が水たまりのようになるほど、死因になるには十分な量だったと思う」

ルカ「でも……モノクマの結論は違った。直接の死因よりも、それが生じるきっかけとなったトラップを仕掛けたほうがクロとしては適切だという判断だった。千雪の命がけの策は……無駄に終わってしまった」

ルカ「でも、だとしても私たちがあいつの死から感じ取れる想いは本物だ。あいつは最期の最後まで、他の人間のことを想って行動していた。それは間違いねーんだ」


ルカ「……だから、目を背けるんじゃねー」



ルカ「この事件の犯人は、【田中摩美々】なんだよ」



【COMPLETE!】

-------------------------------------------------


ルカ「私たちにできることは、自分たちが生き残るために他の人間を切り捨てることだ。その判断から逃げ出すことは、自分自身の命を投げ出すことと同じ」

ルカ「そんな無責任な真似、してんじゃねーよ」

結華「……まみみん、一つだけお願いしてもいい?」

摩美々「ん、一つだけねー」

結華「さっきさ、千雪姉さんが命がけでまみみんを守ろうとしたって話になった時……背負ったものがあるって話をしたよね」

摩美々「千雪が許したこと、そして許すために投げうったもの……だったよねー」




結華「……それ、これから先は三峰が代わりに背負うから」




恋鐘「ゆ、結華……結華は摩美々を諦めると?!」

結華「そんなわけない! 三峰だって……まみみんがクロだなんて、今も信じてない……」

結華「でも、もし、もし仮に……ここでまみみんがクロとして、処刑されてしまうようなことがあるのなら……」

結華「……私が、それを背負う責務があるの」

摩美々「三峰……それって」

結華「ほら、だってそうでしょ? 三峰ってばアンティーカのみんなのお姉さんなんだから! かわいい妹が困ってるなら手を差し伸べるし、かわいい妹から受け継げるものは受け継ぎたい」

結華「だからまみみん、一つだけお願い。まみみんの素直な気持ちを聞かせてほしいな」

結華「いつもみたいに余裕ぶった態度で取り繕ってない、ありのままの……あなたの気持ちを」

摩美々「……ふふー、料金は高くつきますよー」

結華「あちゃー、困ったなぁ……生憎持ち合わせはメダルが30枚程度しか」

摩美々「手元にあるじゃないですかぁ、お金に替えられないだけの価値のある」

摩美々「……投票権が」

結華「……ホント生意気な妹を持ったものですよ、こりゃ」


モノクマ「どうやら結論が出たみたいですね!」

モノミ「やい、モノクマ! 桑山さんの気持ちを踏みにじって、それで満足でちゅか!」

モノクマ「死に際の決死の覚悟を無駄な元だと踏みにじるなんて、上等な料理にハチミツをブチまけるがごとき思想だよね!」

モノクマ「まあでもボクってばクマなので。ハチミツ大好きなので、なんにでもハチミツかけちゃうので」

モノクマ「ちなみにおすすめはアツアツのご飯に納豆と刻みのり、それとショウガを混ぜた後にハチミツを垂らすあまあま納豆丼だよ!」

モノクマ「じつはハチミツと納豆ってすごく相性がよくってね。あの粘っこさの二重奏は中々癖になるんだよなぁ」

モノミ「はえ~、あちしも今度やってみようかな」

モノミ「……ってコラー! おいしそうな料理でけむに巻こうとするんじゃないでちゅー!」

モノクマ「それでは行ってみましょう、投票ターイム! オマエラはお手元のスイッチでクロだと思う人物に投票してくださーい!」

モノクマ「議論の結果導き出されたクロは正解なのか、不正解なのかー!」

モノクマ「さあ、どっちなんでしょうかね?」

-------------------------------------------------


     【VOTE】
〔摩美々〕〔摩美々〕〔摩美々〕

 CONGRATULATIONS!!!!

   パッパラー!!!


-------------------------------------------------






【学級裁判 閉廷!】





というわけで二章学級裁判これにて終了です。
次回更新では裁判終了パートとなりますが、少々長めになっておりますので予めご了承を。
どうしても今回の動機は文字数が嵩む……

次回更新は明日も21:00~で予定しています。
安価は特にありません。
それではお疲れさまでした。またよろしくお願いします。

-------------------------------------------------


CHAPTER 02

厄災薄命前夜

裁判終了


-------------------------------------------------


モノクマ「なんと! 二連続大正解~~~!」

モノクマ「オートマティックなトラップを仕掛けて、超社会人級の手芸部である桑山千雪お姉さんを殺害したクロは超高校級の服飾委員の田中摩美々さんなのでしたぁ~~~~!」

摩美々「……はぁ」


一度は千雪の決死の覚悟のもとに解放されるかと思った処刑の重荷。
それを背負い直されたことによって、田中摩美々の表情はより沈痛なものになっていた。


夏葉「まさか、こんな終わり方になるとは思わなかったわ」

夏葉「摩美々、あなたの犯した罪は到底許されるべきものではない。でも、だとしても、あなたをこの場で失いたくはなかったわ」

摩美々「……ごめんなさいー」

智代子「夏葉ちゃん……」

冬優子「田中摩美々、あんたのやったことはふゆとしても許せない」

冬優子「うちの大事なユニットメンバーを身代わりに据えようとしたなんて、いい度胸じゃないの」

摩美々「そっか……冬優子は自分のことより、そっちで怒るんだぁ……」

冬優子「はぁ? 当たり前でしょ、ふゆの脅迫状に関してはあんたがやったことじゃない」

冬優子「まして、あさひがやったことでもないのよ」

あさひ「……!!」

夏葉「そのことも、おいおい話をしましょう……もちろん、透のこともね」

透「……うん、私も話したいかな」

雛菜「透先輩~?」


美琴「今はそれよりも、限られた時間をどう使うべきかだよ」

美琴「モノクマがいつ強制的に執行してくるかもわからない。その前に話をしておかなくちゃ。そうでしょ?」

結華「美琴姉さん……うん、ありがとう」


美琴に促されるままに、メガネ女は田中摩美々の前に立った。
裁判の幕引き、その間際にこいつはユニット仲間の本当の気持ちに向き合うことを決めた。
それがユニットの年長者としての責任なのか、それともこいつとしての覚悟なのか。
私たちはその行く末を見届けてやらなくちゃならない。


摩美々「その前に料金の精算からねー、モノクマ、三峰の投票先はぁ?」

モノクマ「え? はいはい、えーっと……三峰さんは田中さんに投票してますね!」

モノクマ「ていうか投票は満場一致なので気にもしてなかったよ、どしたの急に!」

モノミ「もう、デリカシーがないでちゅね! あんたは女性の心をもっと勉強するべきでちゅ!」

摩美々「そっかぁ、三峰も、恋鐘も……やってくれたんだぁ」

恋鐘「うちも……最後に聞きたか、摩美々の本当の気持ちを」

恋鐘「だから、うちも逃げんかった。摩美々がそがん覚悟決めとるんやったらうちもそれを尊重するって決めたばい」

摩美々「ふふー、及第点ってとこですかねー」

結華「これでまだ及第点? 手厳しいなぁ」

摩美々「……」


それまでは飄々と周りを茶化しながら話していた田中摩美々。
だが、その時は刻一刻と近づいている。そのことを彼女も感じ取ったのだろう。
二人を前にして、自分の髪を撫でた後呼吸を一つ。
努めて落ち着いてみせるその顔は、少し強張っていた。


摩美々「摩美々が千雪を殺そうって決めたのはあの動機が発表された翌日、この島に来てから9日目の夜だよ」

(私が美琴とひさしぶりに練習をした日か……)

摩美々「私は、モノクマの用意したあのゲームをプレイしちゃったんだよねー」

結華「え……ゲームって、【かまいたちの真夜中】!?」

美琴「やっぱり、そうだったんだね」

摩美々「あのゲームは、ノンフィクション。実在の人物を題材にした、実際に起きたゲームを再現したゲームだったんだよー」

果穂「え、そ、それって……生きている人が、ゲームに出てくるってことですか?」

智代子「架空の人物じゃないってことだよ、果穂」


ルカ「……あのゲームに出てきてたのは、てめェら283プロの人間だ」

雛菜「へ~?」

ルカ「今この場所に立っていない人間ばかりだけどな、私でも知ってる顔ぶれだったし……お前からすれば気が気でなかったんだろ?」

摩美々「その調子だとルカはプレイした側なんですねー」

ルカ「事件の捜査の時に、だけどな」

摩美々「なら、あのゲームがどんな内容だったのかも知ってますよねー」

(……言えって言うのか)


私を見つめたまま押し黙る田中摩美々。
学級裁判終わりという空気の中で、あんな凄惨な事件を口語るのは流石に抵抗を感じるが、
これより死に行くものたっての希望だ、聞いてやらないわけにもいかない。
それに、こいつはきっと私が語らない限りは本心を語るつもりもないんだろう。




ルカ「あのゲームでは……大崎甘奈が杜野凛世と幽谷霧子を襲撃して、大崎甜花を殺害していた」



愛依「……え? い、今の……うちの聞き間違い……?」

夏葉「甘奈が、凛世と霧子を襲って、甜花を……殺害した……?」

恋鐘「る、ルカ……冗談にしても悪質ばい……! 人の命をネタになんかしちゃいかんとよ……!」

摩美々「ルカは何も嘘を言ってない」

恋鐘「摩美々……!?」

摩美々「だって、同じものを、私は見たからこそ……この事件を引き起こしたんだから」

◆◇◆◇◆◇◆◇

あのゲームの真相は、明らかにしないとダメだった。

あのゲームに出てきていたキャラクター達、名前こそ持っていなかったケド……
私たち283の人間が見れば一発でわかる。
あのシナリオで描かれていたのは、甘奈が凛世や霧子を次々と襲っていく様子。手には刃物をもって、姿を隠して……

『Normal END』

でも、ゲームの中ではその真相にはたどり着けない。
甘奈が刃物を振り回し、霧子を襲い、甜花の死体が映って終わる。
勿論、このゲームが現実のものだなんて手放しに信じたわけじゃない。
でも、甜花の写真の妙なリアルさ、そして何よりこの場にいない霧子の存在が、どうしても気になって仕方がなかった。

モノミが抜き取ったという私たちの記憶。
その空白の記憶の中で、私たちが忘れ去ってしまった重要なものがあるとすれば……
それはきっと、この中にある。

でも、どれだけ試してもこのゲームをクリアする方法は分からなかった。
何度挑戦しても、画面には『Normal END』の文字が浮かび上がり、真実は闇の中。

私はその真実が欲しくて欲しくて……藁にも縋る気持ちだった。

他のみんなにはゲームをプレイしたことは黙っていなきゃダメだった。
でも……千雪にだけは、黙っていることはできなかった。


ピンポーン

千雪「……あら? 摩美々ちゃん、こんな遅くにどうしたの?」

摩美々「こんばんはー……ちょっと、話が合って……中入ってもいいー?」

千雪「あら、珍しい……うん、大丈夫よ。入って」


千雪はその時も平然としていて、まるで私の来訪の理由にも心当たりがなさそうだった。
私を部屋に招き入れると、千雪はちゃきちゃきと支度をしてお茶とお菓子とを机の上に広げた。


千雪「じゃあお姉さんに相談、聞かせてもらおうかな」

摩美々「……千雪はさぁ、あの広場のゲームってやったぁ?」

千雪「……!」


俄かに千雪の目元がピクリと動いた。



千雪「さあ……あの時、みんなゲームはやらないって約束だったでしょ?」


そんな安っぽい嘘で誤魔化し通せると思っているなら舐められたものだ。
人を騙したり嵌めたり、そういう悪戯じみたことは悪い子の専売特許。
他の誰かは騙せても摩美々の目は騙せない。
明らかな手ごたえを感じて、一切隠しもせずにその話を持ち出した。


摩美々「摩美々はさぁ、やっちゃったんだよねー。あのゲーム」

千雪「え……?」

摩美々「で、あのゲームはどんな内容だったと思うー?」

千雪「さ、さぁ……どうかしら」

摩美々「ゲームの中で甘奈が霧子を殺そうとしてたんだよ」

千雪「……!」


そんなのただのゲームの中のフィクションだ、普通はそう言ってあしらえばいい。
でも、千雪はそれをしなかった。私の口から出たその言葉を前に肩を震わせて、押し黙る。
間違いない、千雪はこのゲームの内容を知っていた。
プレイした側の人間の反応だ。


摩美々「甘奈、どうしちゃったんだろうねー。あんな風に追い詰められちゃって……けがの治療をしていた凛世と霧子に追い打ちをかけるように襲撃をかけて」

摩美々「まるでホッケーマスクの殺人鬼って感じじゃないー?」

千雪「……あ、甘奈ちゃん、が……」

摩美々「……ねえ、千雪―」

千雪「……え」

摩美々「いい加減嘘つくのやめてくれるー? 千雪はあのゲーム、プレイしたんだよねー?」

千雪「わ、私は……」

摩美々「私の目を見て答えてもらえますかぁ」

千雪「……っ!」

千雪「ま、摩美々ちゃん、は……その、霧子ちゃんのことを……あのゲームをやってどう思ったの?」

摩美々「はぁ? なんで霧子……今は甘奈の話をしてるんですケドー」

千雪「え……?」

摩美々「……?」

千雪「もしかして、摩美々ちゃん……ゲームのクリアはしてないの……?」


その瞬間、千雪の表情が一変した。


摩美々「ちょっと待っ……クリアって……もしかして、別のエンディングに千雪は到達したの……?!」

千雪「……摩美々ちゃん、悪いけど、お話はこれ以上できないわ」

摩美々「そ、そんなの認められないって……霧子は、霧子はどうなったの……!?」

千雪「あなたの見た通りよ、それ以上でも、それ以下でもないの」

摩美々「だから嘘つくのはやめ____」



千雪「ごめんなさい」




バンッ!


しばらく、何が起きたのかわからなかった。
見たことのない剣幕の千雪にいつの間にか立ち上がって後ずさりしていたらしく、私はその体を簡単に部屋の外に突き飛ばされてしまった。
そして眼前で響く施錠音。完全に締め出された形だ。


摩美々「……」


今の様子からしても、千雪が私に対して、ゲームのクリアした先にある真相を隠そうとしていることは明らかだった。
そして、私に投げかけたあの質問。

____「霧子についてどう思ったか」

霧子の安否以上のものがそこに含まれているのは間違いない。それさえも隠すということは、きっとそこに何らかの不都合が生じている。
甘奈についてもまるで答えようともしない。
ただ自分だけがたどり着いた真相を胸に抱えて、押し黙っている。
真相を共有しようという考えは毛頭持ち合わせていないらしい。






____誰も知らない真相は、虚構と同じ。






私の中に芽生えたのは、口封じという発想だった。
私自身、いつの間にかあのゲームの真相を知りたいという欲求から真相を知るのが怖いという不安感にその根底の思想が切り替わっていた。
甘奈が霧子を襲ったその後に何が起き、誰が死に、誰が生き永らえたのか。
それより先の真実に目を向けるのが、怖かった。
だから遠ざけた。
真相を知る人間をこの世から抹消することで、その真相を闇に葬り去ろうとした。

でも、この不安に足を取られたことで、私はもっと大切なものを見失っていた。





……私には霧子の他にも、アンティーカの仲間がいたというのに。


◆◇◆◇◆◇◆◇


摩美々「摩美々は……怖かったんですよ、あの事件の続きを知ることが」

摩美々「だって、甘奈は正常じゃなかった。みんなを殺さないとダメ、だなんて私の知る甘奈じゃなくて……その結果、実際……甜花を手にかけた」

摩美々「その先に待っている結末なんて、分かり切ってるじゃん」

摩美々「でも、だからこそ、それを知る人間さえ消してしまえばそれはあくまで予測で済む、確定はしない」

摩美々「摩美々は……霧子の死を、知りたくなかったんですよ……」

結華「まみみん……」


それは、震える身体で無理やり絞り出した、か細く、幽かな本心だった。
きっと、今この瞬間になるまで田中摩美々自身もその感情の言語化は出来ていなかった。
自分の口から出た『怖かった』『知りたくなかった』その言葉に自分自身で戸惑っているようで、田中摩美々はせわしなく自分のツインテールを撫でていた。
人というのは恐ろしい生き物だ、自分を突き動かしているものの正体も分からずに、それに従ってしまうのだから。

そして気が付いたときにはもう遅い。
無自覚な恐怖の暴走の行く末が、この今の田中摩美々だ。
283の連中の中でも冷静に事態を見極める側だとばかり思っていた、いやその認識は誤ってはいない。

ただ、彼女も年相応の【子供】だった、というだけ。


結華「……それでもやっぱり、三峰はもっと早くに、三峰に話してほしかったって思っちゃうな」

摩美々「……」

結華「そしたら、何も解決は出来なくても、一緒に怖がってあげることぐらいはできたかもしれないじゃん?」

結華「三峰が言えたことじゃないけどさ、不安とか恐怖とかって一人で抱え込んじゃうと膨らみまくっちゃって……それでも本人は一人で解決できる、誰も頼りたくないとか思っちゃうんだよね」

結華「そんな時、誰かに話すとちょっとだけ楽になったりして……」

摩美々「そう、だったカモ……ねー」

結華「……ごめんね、まみみん。三峰が、気づいてあげればよかったんだよね」

摩美々「ちょっと、なんでここで自分を責めるのー。どう考えても悪いのは摩美々じゃーん」

結華「……はぁ、Pたんみたいに上手くはいかないか。まだまだ三峰も若造ってことですな」

摩美々「じゃあ、摩美々は赤ん坊かなぁ」

結華「あはは、なにそれー」


おちゃらけた態度には、努めて明るくしようとしているのが透けて見えた。
三峰結華も、今逃げ出したいほどの恐怖を感じている。
暫くののち、今自分の目の前に経っている、愛してやまないユニットの仲間はその命を落とす。
でも、だからこそ、そこに涙を持ち込みたくはなかったのだろう。
無理やりにでも口角を吊り上げて、おどけた笑い方をした。

その笑い方が、あまりにも屈託がなく、ひどく痛々しくて、私は思わず目をそむけた。






____そむけた先で、目が合ったのは、モノクマだった。



モノクマ「あのさ、そんなに気になるんなら……【TRUE END】、見ちゃいます?」






ルカ「……は? おま……何言って……!」


俄かに動揺が走った。
ゲームの隠されたエンディング、真のクリアは千雪がずっと隠し続け、田中摩美々が闇に葬り去ろうとしたパンドラの匣だ。
それをこの場において、衆目に晒すというのは持つ意味が歪に大きい。


モノクマ「やっぱりね、製作者としましてはゲームも隅々までプレイしてもらいたいと思っちゃうわけですよ! なんたって我が子なんですからね!」


声高に語るモノクマに対し、どうしても尻込みをする面々。
それもそのはず、私と美琴、田中摩美々以外はおそらくゲームをプレイもしていない。
大崎甜花の死という事実をつい先ほどの情報として受け取った彼女たちからすれば、これ以上の情報などそう簡単に受け入れようなんて思わない。


……でも、そんな中でも食いついた人間が一人。
彼女は身を乗り出すようにしてまで、その【もう一つのエンディング】を求めた。
ずっと知りたくて知りたくてたまらなかった真実に向かって、必死に手を伸ばす。


摩美々「え、え……? そ、それって……霧子がどうなったかも見れるってことですか……?」

結華「ま、まみみん……ちょっと、落ち着いて……!」

摩美々「お、教えて……どうすればTRUE ENDが見れるんですか……」

モノクマ「おっ、いい反応ですねぇ。流石、事件を引き起こしただけのことはあるなぁ! ではでは、田中さんのそのやる気にこたえてお教えしましょう!」

モノクマ「タイトル画面で↑↑↓↓←→←→BAを入力してください! されば真実の扉は開かれよう……」

摩美々「げ、ゲームはどこなんですかぁ?! 早く、早く入力しないと……」

恋鐘「摩美々、ちょっと冷静にならんね! 摩美々はそのエンディングを封印ばするために千雪んこと狙ったと違ったばい!?」

摩美々「それどころじゃない……摩美々はもうあと少しの命なんだよ……真実を自分の目で確かめないと、一生知ることは出来ないんだから……!」


田中摩美々はもはや獣のようだった。
他の人間の手を振りほどき、言葉を拒絶し、真実という餌を追い求める。
もはや今の彼女には誰の言葉も届かない。
鬼気迫る様子に全員一歩引く中、彼女は裁判場の一角に置かれた筐体を見つけ、それに飛びついた。


摩美々「↑↑↓↓←→←→BA……↑↑↓↓←→←→BA……」


譫言のように口走るコマンドを、震える手でボタンを押してなぞった。
その瞬間、聞いたことのない効果音が鳴り響き、タイトル画面は私の知るものから一変した。


『かまいたちの真夜中 真相編』


摩美々「来た……来た……! これで、霧子がどうなったか分かるんだぁ……」


『それは、惨劇が巻き起こる前の日の晩。
学園内に住まう者たちの悉くが自分の部屋へ戻り、瞼を閉じて明日へ備えていた深夜の頃だった。
人目をはばかる様にして、廊下を歩む者が一人。
その手には一枚の紙片が握られていた。

ピンポーン

目当ての部屋の前でインターホンを鳴らした。この学園の寄宿舎は防音設備。
例え隣室だろうとも訪問があったことには気づかれはしまい。
まさか他の人間は、こんな時間に【D子】が出歩いているとは夢にも思わないだろう。

そして、数秒後。扉はゆっくりと開いた。
彼女を出迎えた人物は口を閉ざしたままに入室を促す。
そのただならぬ空気に生唾を一つ飲み込むと、静かに、後ろ手に扉を閉じてD子は彼女の後をついていった。』


『F子:来てくれてありがとう、D子ちゃん……♪

部屋の主であるF子は不敵な笑みを浮かべていた。
彼女は普段から笑顔を見せることが多い。柔和な雰囲気に不思議な魅力を兼ね備えた彼女の笑顔にはいつも力を貰っていた。
でも、今この局面において彼女の笑顔ほど不気味なものはない。だって、その裏には並々ならぬ思惑があることが分かり切っているから。

F子:お手紙、呼んでくれたんだね……
D子:……F子ちゃん、これどういうことなのかな
F子:え?


【D子 お前の命運は既に私の手中にある すべてを失いたくないのなら私の命令に従え】


D子:これ、どうみても脅迫状だよね……?
F子:ふふ……ふふふふ……♪
D子:な、なにがおかしいのかな
F子:これ、どうぞ……♪

F子はD子に近づいて、その手にある機械を握らせた。液晶付きのボタン操作、D子自身も見慣れている物だ。
____これは、【E子の使っていた】ゲーム機。

F子に促されるままにそれを起動する。


最新のゲーム機は多機能だ。写真撮影、動画撮影なんてお手の物。
手元のゲーム機でも、写真撮影用のアプリが起動していた。
既に何枚か撮影されているらしい、D子はその閲覧を始めた。

F子:ふふふふ……♪

そこに映っていたのは、最愛の姉・【E子】。
E子は数日前から体調を崩しており、F子の看病の下にあるはずだった。
そんな彼女が点滴を受けている写真がそこにあった。

でも、その点滴は普通じゃない。
そのパックには【必ず希釈して使用すること】と書かれているのだ。
心臓が嫌に早く打つ。呼吸も浅くなる。


F子:カリウム製剤はね、急速注入すると不整脈や心停止に繋がっちゃうんだ……
F子:これだけの量を、薄めることなく投与しちゃったら……E子ちゃんはどうなっちゃうのかな……
D子:や、やめて……! なんで、そんなことするの……!?

必死の問いかけをF子は嘲笑いながら体をくねらせる。
生殺を自分が握っていることに酔いしれるような恍惚とした表情、その口元からは一筋の涎さえ垂れていた。
違う、あまりにも違いすぎる。これまでずっと見てきたF子の人物像とあまりにも乖離している。
D子は自分の前のその人間を、もはやF子として見ることさえ拒んだ。
それでも、拒絶さえも無視してF子はD子に躙り寄る。

F子:お姉ちゃんがとっても大好きなD子ちゃんにお願いです……
D子:な、なに……何をしようとしてるの……?
F子:D子ちゃんには、別の誰かを……生贄さんを探してきて欲しいんだ……
F子:E子ちゃんの代わりに、死んじゃう誰かを……
D子:そ、そんなのって
F子:みんなの命は平等です……だからね、誰かを守るには、誰かを犠牲にしなくちゃダメなんだ……

破綻した喋り口。平等も何も、勝手にその天秤を置いたのはF子自身だ。
でも、D子にそこを追求することなどできない。E子が人質に取られていること、そしてF子に対する恐怖心が言葉を詰まらせる。


F子:D子ちゃんを一人にはしないよ……わたしも、協力する……
D子:な、なんで……? この学園じゃ、クロになるのは実行犯だけなんだよ……?
F子:ふふ……♪ わたしはね、みんなのポカポカが見たいんだ……
F子:手を取り合って立ち向かうあたたかさ……諦めず立ち上がるあたたかさ……
F子:そして、誰かのために戦うあたたかさ……
F子:D子ちゃん、お願いします……E子ちゃんのために、他の誰かを裏切ってください
D子:そ、そん……な……

F子はただ人を殺せと言っているのではない。自分にもその片棒を担がせて、特等席でその殺人ショーを見せろと要求してくる。

F子:これで心臓を狙えば一撃だから……

手渡されたのは新品の彫刻刀。その刃先は木材を抉るには十分すぎるほどによく研がれている。
彼女のいう通り、これを人の心臓に突き立てようなら、すっぽりと心臓を抜き取ることも可能だろう。
でも、それは人の命を奪い去るにしてはあまりに軽くて、乾いていて、それがとても不気味だった。

F子:じゃあ、作戦会議だね……どうやって、誰を殺そっか……?

D子の瞳を覗き込むその黒く濁り切った眼。
D子はその絶望にどっぷりと身体が浸かっていくのをゆっくりと実感していた。
一度落ちたら抜け出せない底無しの沼に、彼女は呑み込まれていたのである』


『D子:はぁ……はぁ……ごめん、C子ちゃん……でも、E子ちゃんのため、だから……

まだ事は始まったばかり、計画の初歩段階としてC子を襲い、騒ぎを起こす。そのために彫刻刀をちらつかせて不安を煽り、突き飛ばした。
肌を裂いたわけでも、肉に突き立てたわけでもない、取っ組み合い程度のやりとりなのに、D子の心臓はかつてないほどに暴れていた。
拍動が煩い、今にも喉から飛び出そうだ。
人をこれから殺めるという認識が、必要以上に血を沸騰させた。

バタバタ…

廊下の方から何人かの足音が聞こえた。D子の潜伏する女子トイレの前を抜けて、彼女たちは上階層へ。

F子の扇動がうまく行ったのだろう。今回の計画はF子による扇動が鍵を握る。
F子の捏造の目撃情報で上に登らせている間に保健室でF子と合流。C子をそこで気絶させ、体育館まで二人で運搬。
保健室に残ったF子がまたC子が連れ去られたと今度は寄宿舎エリアに誘導する。
ここで不審者役を交代して、今度はD子が保健室で襲われた形をとり、お互いのアリバイを確保したうえで体育館のC子を殺害する。そういう計画だ。

D子は恐る恐る扉を開けて首を覗かせる。誰もいない、今なら問題ないようだ。


そろりそろりとたどり着いた保健室。
中からはC子とF子の話し声が聞こえてくる。こうやって聞いていると、F子が狂ってしまったとは俄かに思い難い。
だが、彼女は確実に狂気に蝕まれている。
D子もその狂気から逃れる術などないのだ。
まだD子は不審者を演ぜねばならない、覚悟を決めて扉を引く。

D子:見つけた……
C子:……!? な、なぜここに……?!
F子:C子ちゃん、危ない……!

F子が庇うようにC子に覆い被さった。
視界を一気に遮るこの瞬間が合図、D子が後頭部を殴りつけるような素振りをすると、呻き声を上げながらF子はその場に崩れ落ちた。

C子:F子さん……!?
D子:次はお前だ……

F子の気絶は狂言だが、ここは本番。失敗すれば計画そのものがパー。愛してやまない姉の命も危うい。
渾身の力でこめかみを目掛けて殴りつけた。
元々痩身のC子は思っていた以上に軽く、地面に体を打ちつけても大した音はしなかった。


D子:……気絶、しちゃった……?

思わずそう口にしてしまった。
人を殴るなんて生まれて初めて、その手応えの気色悪さに掌を何度も見直す。

F子:D子ちゃん、力持ちさんだね……

戸惑い喘いでいると床に寝そべっていたF子がゆらりと身を起こしながら微笑んだ。
これでもう引き下がれない、その確信を携えた薄気味悪い微笑みだ。

D子:……次は、C子ちゃんを体育館に運ぶんだね?
F子:うん……いっしょに頑張ろうね……!

____「いっしょに頑張る」

アイドルとして活動していた頃も何度も耳にした言葉なのに、その言葉にゾワッと背筋を凍らされる経験はこれが初めてだった。
仲間ではなく、【共犯】。二人の関係性を指し示す言葉もこれで完全に変わってしまった。』


『体育館にC子を横たえて、大きな息を一つついた。
C子を襲撃して以来、D子はずっと着ぐるみを着ていた。
犯人を奇怪な存在として印象付けるための格好、そして犯人が複数人である事をカモフラージュするための格好だ。
運搬、殺害、逃走、そのいずれもこれを着たまま行うため手足は出せる設計にしておいたが、呼吸がしづらいのは盲点だった。
ただ持ち上げて運ぶほどの動作なのに、息苦しさが想像以上に体力を奪う。自分の吐いた息が篭っているのも心地悪い。

D子:とりあえず、これで第一段階、なんだよね
F子:うん……D子ちゃん、ノリノリだね……!

思ってもない事を。無理矢理従わせておいてノリノリも何もあったもんじゃない。


D子:C子ちゃん、ごめんね……こんな形で巻き込んじゃって

横たわるC子の姿を見ると、罪悪感という罪悪感が胃の奥底から湧き上がってくる。
ただ小柄だったというだけ、ただ狙いやすかったというだけ、それだけの理由でC子はこの数十分後に命を落とすことになる。

____他でもない、D子の手によって。
その事を思うとD子は譫言のように謝罪の言葉を口にせざるを得なかった。
そんな様子をF子は静かにクスクスと笑って見つめていた。

F子:ご苦労様でした……♪

突如としてF子はねぎらいの言葉をかけた。
それはきっと、共犯として最初の一線を超えたことに対する評価の言葉なのだろうと思った。
これはただの始まりに過ぎない、D子はそれをわかっていたから、その言葉は流して終わらせようとした。

D子:……まだまだだよね、F子ちゃん



F子:ううん、D子ちゃんはここまでだから……ご苦労様でした……♪



____でも、そうではなかった。

D子:え?

鮮血。
視界の一面が赤に彩られたかと思うと、喉のあたりに焼けつくような痛みを感じる。
痛みを訴えるため声を上げようとするが、声の代わりに飛沫が散る。




F子:今回の事件のクロは、わたしなんだよ……?





騙されていた、最初からF子はそのつもりだったのだ。
姉のE子を人質にされればD子が何も言えなくなる事を知っていて、自分のための舞台装置にしていたのだ。
絶命までの数瞬、途絶えゆく意識の中で思う。

もし、あの夜に断ることができたなら。
目の前のF子を突き飛ばして、E子をすぐに助けに行くことができたなら。

D子は選び取る選択肢を最初から間違えていた。
選ぶべき選択肢を踏むには、彼女は優しすぎて、少しばかり臆病だったのだ。
瞼が重い、段々とF子を挟むようにシャッターが降りてくる。

F子:ここまで手伝ってくれたお礼に、最後に教えてあげるね……?

崩れゆく身体に近づき、F子は囁く。
かつて共に過ごした日々と同じ調子の、柔和な響き。






F子:E子ちゃんは、もうとっくに死んじゃってるんだよ……♪





ただ、そこに並べ立てる事実はかつてないほどに残酷だった。』







『TRUE END』





摩美々「……はぁ?」


摩美々「こ、これ……何ですかぁ……?」


ゲームをクリアし終えた田中摩美々は弱々しく声を上げる。
当然だ、外野のある私ですらそのシナリオは飲み下すことができない異物感を感じている。
ユニットの仲間の無事を願い追い求めたはずの真実は、あまりにも残酷な形で牙を剥いた。


モノクマ「何って、TRUE ENDだよ?」

モノクマ「オマエが知りたくて知りたくて、でも知るのが怖くて桑山さんを手にかけてまで隠蔽しようとした真実そのものだよ!」

摩美々「ち、違う……摩美々が知りたかった真実はこんな……」

モノクマ「ん? なんでオマエが勝手に真実を裁定してるの?」

モノクマ「真実ってのは誰の意思にも関係なくそこに存在しているからこそ真実なんだよ? 誰かの願望や意思に合わせて動くものはただの都合の良い欺瞞だよね!」

摩美々「じゃあ本当に……霧子が甘奈を脅迫して……その上で甘奈を裏切って殺したっていうんですかぁ……?」

モノクマ「へー、オマエにはそう見えたんだ」

モノクマ「ごめんね、これはあくまでゲームだからさ、その細かい設定まではわかんないや!」

摩美々「ふ、ふざけないでくださいよー、このゲームがノンフィクションって言ったのはあなた……」

モノクマ「うぷぷぷ……さあどっちなんでしょうね?」


モノクマはのらりくらりと田中摩美々の追及を躱す。
このゲームが真実なのかどうか、そもそもノンフィクションという言葉をどこまで信用していいのか、それを知るのはモノクマのみ。
モノクマはその絶対的な知の優位を振り翳して悦に浸っているようだった。



モノクマ「まあ真偽はどうあれ、これが桑山さんが隠し通そうとした残酷な真実なんだよね」


モノクマ「桑山さんは最初この終わり方を見たときに相当戸惑ったはずだよ。だって、ノーマルエンドでは狂乱に堕ちた大崎甘奈さんが人を殺したシナリオだったのに、その裏では幽谷霧子さんが彼女を唆していた。つまりは加害者と被害者がそっくりそのまま裏返ったわけだしね」


モノクマ「それと同時に、大崎甜花さんのみならず大崎甘奈さんまでもが命を落としてゲームは終わってしまう。二人の面倒を見ていた桑山さんの感じた絶望もまた計り知れないだろうね」


モノクマ「でもね、彼女は憎しみを幽谷さんに向けようとはしなかったんだ。恨み憎しみ妬み嫉み……そのいずれをぶつける理由も権利も彼女にはあったのにね」


モノクマ「このゲームのエンディングを明らかにして仕舞えば、大崎さんの無念を晴らすこともできたかもしれない、それでも彼女はそうしない選択肢をとったんだ」



『今私が、これを明らかにしてしまえばアンティーカの3人は悲しんでしまう。大切なお友達が誰かを裏切るような真似をしてしまったこと、そしてお友達が変わり果てた事を知ってしまって……』


モノクマ「この島で暮らす年長者として、桑山さんは他のみんなを守る義務があると感じていました。ここで一緒に暮らすみんなが、できる限り多くの人が悲しまない選択肢を選ぶ決意をしたのです」


『もし誰かがゲームをプレイしてしまっても、私だけを憎めばいい。アルストロメリアは今はもう私だけ、私だけが憎しみをもらい受ければ解決する』


モノクマ「アンティーカの3人を守るため、ひいてはこの島の全員を守るため、彼女は罪と罰を背負い込む事を決意したのです。真実を闇に葬る事で、恨むべき相手は一人だけだとみんなに教えようとしたのです」

モノクマ「たとえそれが間違った真実だったとしても、ね」


モノクマ「でも、彼女の想いは届きませんでした。真実を隠そうとする彼女を疑う者が現れたのです。しかも、その疑う者は彼女が庇おうとしたアンティーカの一人だったのです」


『どうして教えてくれないんですかぁ……? もしかして、霧子を甘奈が殺す決定的なシーンがあるから、それをなんとか隠そうとしてる、とか?』

『摩美々ちゃん、わかって欲しいの……この真実は、あなたに知ってほしくない。心優しいあなたの胸を痛ませたくはないの』


モノクマ「二人の思惑はどこまでも平行線、交わることはありませんでした」


『霧子の安否を知りたい……でも、知るのが怖い』


モノクマ「そしてやがて、片方の直線がぶれ始めたのです」


『怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い』


モノクマ「知識欲はねじ曲がり、未知への恐怖へ。妄想ばかりが膨らんでいき、知らない真実は彼女の中でいつのまにか怪物に化けてしまったのです」


モノクマ「あーあ、田中さんが自分の好奇心に振り回されるんじゃなくて、少しでも桑山さんの想いに触れることができていたらこんな悲しい結末にはならなかっただろうにね」

摩美々「……そん、な」


千雪の覚悟は想像以上だった。彼女は一人でこの凄惨な真実を受け止め、そのうえで遺された人間全員を守ろうとしていたのだ。
私と肩を並べて花火をしていたあの瞬間も、ずっと心の中ではその苦しみが渦巻いていたことだろう。
そんな苦しみから彼女は解放されることもなく、すべては終わってしまった。

田中摩美々は愕然とその場に膝をついた。
真実を知ったこと以上に、千雪の心中を知ったことで、押し寄せてくるものがあったのだろう。
罪悪感というよりも、それは後悔に近かった。
自分自身の衝動を抑え込むことができなかった、その理性の敗北に打ちひしがれている。




……だが、時間はもう残っていなかった。



モノクマ「ま、これで全部明らかになったことですし、やっちゃいますか!」

結華「ま、待ってよ……それって……おしおき……?!」

摩美々「……ッ!」

モノクマ「うん、知りたかった真実を知れて田中さんも満足したでしょ? それにほら、そろそろお開きにしないとそこのキッズたちもお眠じゃないかなって」

果穂「そ、そんなことありません! あたしは全くねむくなんてないですから……摩美々さんをころさないであげてください……!」

あさひ「わたしも、摩美々ちゃんとまだお別れなんてしたくないっすよ」

摩美々「まだ、まだですよ……」

モノクマ「ん?」


摩美々「まだ、摩美々の知りたい真実は知れてないって……【霧子がどうなった】のか、これじゃわかんないじゃないですか……」


そうだ、確かに真相編と銘打っていたものの、そこにあったのは幽谷霧子の残忍な裏切りまで。
その先、大崎甘奈を殺害した後のことを私たちは知らない。
断片的に、恣意的に切り取られた情報を受け取ったことで、田中摩美々の中の衝動が再び熱を帯びる。
あの殺害の果てに幽谷霧子は何を手にしたのか、そして何を失ったのか。
誰よりもそばで見てきた存在だからこそのそれは、『知りたい』という知識欲よりももっと根源的なもの、『知っておかなければならない』だった。


でも、それを分かったうえでモノクマは田中摩美々の問いかけの一切を無視した。
あのエンディングを見ればその欲望が顔をのぞかせるのを知っていたから、
それを踏みにじるこの時を待ちわびていたかのように、声高々意気揚々として、処刑を宣言する。


摩美々「霧子は、無事なんですか……? 咲耶は? 他のみんなは?」


モノクマ「今回も、超高校級の服飾委員である田中摩美々さんのためにスペシャルなおしおきを用意しましたぞ!」


摩美々「教えてくださいよ、みんなは無事なんですか……?」


モノクマ「それでは張り切っていきましょう!」


摩美々「あのゲームは、本当にノンフィクションなんですか?」


モノクマ「おしおきターイム!」


摩美々「誰でもいいから教えてよ……」






摩美々「真実を、摩美々に教えてよ……」




-----------------------------------------------



GAMEOVER

タナカさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



-----------------------------------------------


普段から『悪い子』を自称している田中さん。
そんな彼女は今裁きの場についています。
彼女に下されるのは『天国行き』か、それとも『地獄行き』か!?
閻魔大王様のアンサーズチェック!

…………
…………
…………

おめでとう!
見事『地獄行き』の片道切符を手に入れましたね!
これで名実ともに『悪い子』ですよ〜!

-----------------------------------------------



地獄めぐりぶらり旅

超高校級の服飾委員 田中摩美々処刑執行



-----------------------------------------------


地獄に落とされた田中さんがまず最初に登らされるのは針山地獄!
まち針を刺された剣山みたいな針山をよじ登らなければ下から登ってくる巨大なトカゲに丸呑みにされてしまいます。
急いで急いで登らないと、ほら!
手に針が刺さったぐらいで止まってちゃダメダメ!
最近の若者はダメですねぇ、針が足を貫通したぐらいで音を上げちゃって。
それでも虫みたいに必死に必死に這い上がって、なんとか頂上に辿り着きました。


針山地獄を登ってみると行き着いたのは賽の河原!
早いところネイルストーンを積んで塔にしてしまわないとカメレオンに捕食されちゃいますよ!
だけどいくら積んでも積んでも獄卒に倒されてしまう、それが賽の河原。
出来たと思ってもすぐ壊されて、また出来たと思っても壊されて。
手足に空いた穴も痛むのか、いよいよ途中から田中さんは積むことすらできずに終わってしまいました。
当然田中さんは間に合わず、そのままカメレオンの口の中へ。


カメレオンの口の中は最後の審判、その寝台の上。
田中さんは気がつけばその舌をペンチでつまみ上げられている状態。

子供の時からよく言いますよね、『嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる』って!
嘘ばっかりついて人を揶揄ってばかりの田中さんの舌……こんなもの、もう要りませんよね!

ガタンッ!

音を立てて寝台の乗っていた床は抜け落ち、田中さんの舌の先っぽは体とお別れを告げました。
ぺンチにつままれた舌だけが風に靡いて、なんだか柳の葉っぱみたい。





地獄の地の底で自らの血に沈む田中さん、大好きな爬虫類とお揃いの舌になってしまいましたね。
これぞまさしくスプリットタン、なんちゃって!


……田中摩美々は死んだ。

知りたくて知りたくて仕方がない真実。その断片だけを渡されたまま、新たに沸きあがった疑問の身を抱えて、果てた。
その虚しさを前にして、私たちは言葉を発することができずにいた。


モノクマ「日本の夏、おしおきの夏……いやあ、これぞまさしく南国生活の風物詩ですな」

モノミ「なんてことを……なんてことをしてくれたんでちゅか!」

モノクマ「夜空に輝くは花火、地底に輝くは命の爆散。どっちが眩しいかって話ですよね」

モノミ「そんな品評会したくないでちゅよ!」

結華「……なんで、なんでまみみんにあんな残酷な真似をしたの!」

モノクマ「ん? なんのこと?」

恋鐘「ゲームのことたい! あんな終わり方なら、見せんほうがよかったのに……なんで最後の最後、追い詰めるようなことを……」

モノクマ「やれやれ、真実を教えてなかったら教えなかったで文句言うくせにさ、ボクは求められたままに真実を与えてやっただけだよ?」


結華「……でも、それでも……まみみんに、わざわざあんな表情させなくてもよかったじゃん……」

恋鐘「結華……」


メガネ女はその場に膝をついてすすり泣く。
あれだけ冷静に事態を見極めていたはずの田中摩美々が散々取り乱して命を落としたという光景はインパクトも大きく、私の耳にも彼女の悲痛な叫びが沁みついてしまっていた。
真実はいつも私たちを救う訳ではない、むしろ最後の最後に追い詰める決め手にもなりかねない。
あいつの死は私たちの心に大きく影を落とすこととなった。


あさひ「……あのゲーム、本当だったっすかね」

夏葉「……凛世」


そして、283プロの連中は私とは別に、新たな事実を咀嚼せねばならない。
大崎甜花と大崎甘奈の死、そしてあのゲームの中で起きていた【惨劇】だ。
幽谷霧子が二人を手にかけたあれはいったい何だったのか。

……その答えは全員の頭にぼんやりとは浮かんでいた。
でも、それを口にするのはためらわれる。
田中摩美々と同じだ、誰かがそれを口にしてしまえば、それが絶対になるような気がして、怖くて怖くて、その一歩が踏み出せない。






モノクマ「もしかして、このコロシアイは一回目じゃないのかもしれないね!」





そういう一歩だからこそ、モノクマは悠々とそれを口にした。


ルカ「お、お前……なんてこと言い出すんだよ!」

モノクマ「あのゲームが文字通りのノンフィクションなら、あのゲームに出ていたみんなはオマエラと同じようにコロシアイをさせられていたのかもしれないよね。ほら、それなら幽谷さんが二人を手にかけるのも納得でしょ?」

ルカ「ざけんな! そんなこと、そんなことあってたまっかよ!」


声を荒げる私とは別に、283の連中は静まり返っていた。
自分たちの頭にも浮かんだ可能性、それを場に持ち出されたことによって完全に委縮している。
その可能性に怯え、おずおずと肩をすくめる。


モノクマ「さあここでクエスチョン! この南国生活に参加していない283プロダクションのメンバー……櫻木真乃さん、八宮めぐるさん!」

美琴「……」

ルカ「……」

モノクマ「幽谷霧子さん、白瀬咲耶さん!」

結華「きりりんとさくやん……」

恋鐘「そ、そんなわけなか……ありえんって……」

モノクマ「西城樹里さん、杜野凛世さん!」

果穂「えっ……」

夏葉「違う、違うわ果穂……そんなわけない」

智代子「……二人とも」

モノクマ「大崎姉妹はまあ置いといて、樋口円香さん、福丸小糸さん!」

透「……」

雛菜「あは~……」

モノクマ「以上の面々は一体全体どうしちゃったんでしょうかね? 彼女たちは希望ヶ峰歌姫計画に選ばれなかったんでしょうかね?」

モノクマ「うぷぷぷ……ゆっくり考えてごらんよ、答えはきっとオマエラならたどり着けるからさ」


私たちの間に、新たな疑問が投げ込まれた。
それは、答えの見え透いた疑問。
でもその答えはあまりにも重たすぎて、受け止めようとすれば膝が砕け散ってしまいそうな、何があっても認めたくない、最悪の答えだ。
それぞれ全員が解答に辿り着いたであろう沈んだ表情を浮かべると、モノクマは満足げに裁判場を後にした。
残された私たちの間には重たい空気ばかりが漂う。


結華「……ごめん、三峰ちょっともう耐えられない」

恋鐘「あっ、結華……待って、そんなふらついとって、一人じゃ帰れるか心配ばい!」


やがてアンティーカの二人が裁判場を後にした。
大切な存在を今しがた失ったばかりの二人、誰もそれを遮ろうとはしなかった。


あさひ「あのゲームが本当なら、わたしたちの他にもコロシアイはあったはずっすけど、みんながまだ死んだと決まったわけじゃないっすよ」


長い長い沈黙に耐えかねて口を開いたのは、中学生だった。
年の割に落ち着いた様子で、淡々と彼女なりに現状の分析を口にする。


あさひ「霧子ちゃん、甘奈ちゃん、甜花ちゃんの三人で起きたことは残念っすけど……今それを悲しんでてもしょうがないっすよ、わたしたちだって今コロシアイの真っ最中だし……」


____でも、今それは完全に悪手だった。


雛菜「ストレイライトの人たちには雛菜たちの気持ちなんかわかんない」

愛依「ひ、雛菜ちゃん……?」

雛菜「いいですよね~、ストレイライトの人たちは、みんなこの場に揃ってて。でも、他のみんなは今だってずっと不安なんですよ~?」

愛依「……で、でもうちらだって、283のみんなのことは心配で……」

雛菜「283のみんな、じゃなくて雛菜たちはユニットの仲間として心配してるんですよね~」

愛依「ご、ごめん……」


智代子「……樹里ちゃんと凛世ちゃんがここにいない……その理由ってなんなのかな……?」

あさひ「だから、それを今考えても……」

冬優子「ちょっと一回黙りなさいあさひ!」

あさひ「……!」


黛冬優子が口を押えるようにして発言を遮った。
ずっとキャラを演じ分けて、好感度を保つようにしてきた分、場に適した立ち回りは心得ているようだ。
中学生が口を開けば開くほど、場の空気が悪化しているのは私にも感じ取れた。

それに、私自身にも湧き上がる衝動と怒り、それは『反発』だ。


夏葉「……申し訳ないけど、冬優子と愛依はあさひを連れて早くこの裁判場を去ってもらえないかしら」

愛依「な、夏葉ちゃん……?」

夏葉「今あさひにかかっている嫌疑がもし本当なのだとすれば、あさひが口にしている言葉はすべて仲間たちへの冒涜や侮辱に等しいのよ……!」

夏葉「あなたは、人が人を殺すことの意味を本当に理解しているの……?!」


この裁判のさなか判明した事実、芹沢あさひは事件をかき乱す【狸】である。
そのことがある以上、こいつが他の人間の生死に対する感情に口出しをすることは誰の目にも見ても許されざる侵犯だ。
小金持ちの震える右手が、彼女の感じている憤りとやるせなさをまさに体現していた。


あさひ「……えっ」

夏葉「……お願い、今は私たちから距離を置いてもらえるかしら。冷静になる時間をちょうだい」

冬優子「……行くわよ、あさひ」

あさひ「え、冬優子ちゃん?」

冬優子「……出ていく前に言っておくけど、あさひは変な奴だけど、そんな人の死を弄ぶような真似はしない。あの脅迫状だって別の誰かが送ってきたものだってふゆは信じてるから」

愛依「あっ、ちょ、冬優子ちゃん! あさひちゃん!」


ストレイライトの連中も追い出されるようにして裁判場を後にした。
最後に見せた中学生の寂しげな目、だけど現場の証拠の数々が、あいつが狸であることを物語っている。
恨みこそすれ、恨まれる道理などない。
……その筈だ。


果穂「あさひさん……」

夏葉「……果穂、悪いけどあさひとの不用意な接触は避けてちょうだい。これも、あなたのためだから」

果穂「でも、あさひさんがあんなことをするはずがないです……! なにかのまちがいです!」

夏葉「……私にも、分からないのよ」


完全に、空中分解だ。
この島にいた16人、全員で生きて帰ろうとそう息巻いていた人数の頭数が1つ、2つの消えていき、その間にあった結束はもはや意味をなしていない。
アンティーカはその中心核を失ったように危うく、放課後クライマックスガールズとノクチルは不安の薄靄を払しょくできず、ストレイライトは孤立への道をたどる。
ユニットそれぞれがまるで島になり、島の間には橋もかからない。
孤立無援の小集団があちらこちらに浮かび上がる、そんな不和の絶海が生まれ育ってしまった。


夏葉「コロシアイだなんて……そんなことが以前にもあったなんて、そんなこと、あり得ないわ……あっちゃならないもの……」


そうやって自分自身に言い聞かせるように口にしても、内心がそうは思っていないことは全員が知っている。
そうでなければ、わざわざあの中学生を遠ざけはしない。


美琴「……灯織ちゃんが、生きていれば訊ねることもできたんだけど」

ルカ「……そういえば、あいつの名前もゲーム中に出てきてたな」

美琴「うん、おそらくはA子、主人公があの子だったんだと思う」


≪灯織「以前、私も……誰も信用できないような【疑心暗鬼の状態】に陥ったことがありました。その時、私は大切なものをいくつも失って……そんな悲しみを、ここでも背負う訳にはいかないんです」≫


美琴「ルカはその時いなかったんだけど、灯織ちゃんはかつての体験を仄めかして語る時があったんだ。私たちはその意味を理解していなかったけど……もしかして、このことだったのかも」

ルカ「じゃああいつは……コロシアイに生き抜いて、またここでコロシアイに巻き込まれたってのか……?」


風野灯織、あいつも謎の多い人間だった。
というよりも、元々持っていた印象と少し違っていた。確か私がここに来る前の限りでは、あそこまでハキハキと先導に立つような人間ではなかったはずだ。
別に臆病者だと揶揄するつもりはないが、どちらかといえば一歩引いた補佐的な役回りをするような女だったように思う。
それが、人を信じぬくことを訴えかけるような情熱に満ちた姿勢を見せ、さらには全員を一人で守り抜こうとして……命を落とした。
あいつは、私たちの失っている記憶とやらの中で、何を見て、何を味わってきたのだろうか。


美琴「……」


美琴は、風野灯織のことを考えながらも視線は別の所に向けていた。


透「……」


その先にいたのは、浅倉透。
七草にちかが死の間際に告発した、外部との関与の疑われる人間。美琴の考えるところはすぐに私にも理解できた。


ルカ「……おい、お前……何か知ってるんじゃねえのか?」

透「え……何?」


こいつなら、あり得る。
私たちの失った記憶を、あったかもしれないコロシアイを、私たちの知りたい真実を知っている可能性がある。


ルカ「何、じゃねえ。七草にちかの裁判からずっと姿をくらましやがって、ちょうどいい機会だ。話してもらうぞ、お前はいったい何者なんだよ」

雛菜「ちょっと! 透先輩に何する気なんですか~! 透先輩に何かしようって言うなら雛菜が相手になりますけど~!」

ルカ「退いてろ、お前だって気になんだろ。残りの幼馴染が今どうなっているのか」

雛菜「……! そ、それは~……」

ルカ「……お前、あのゲームの中のコロシアイについて、何か知ってんじゃねえのか?」

透「……」

ルカ「答えろよ、浅倉透」

透「……」




透「……知らない」



ルカ「お、お前……この期に及んで……!」

ガッ

浅倉透は頑なだった。
私が胸ぐらをつかんでも、まるで口を開こうとしない。
美琴が頬を叩いたときと同じだ。
こいつは何かを知ったうえで隠している、それは明らかなのだ。
でも、どれだけこちらが問い詰めたところでそれを今は語ることがないのもまた明らかだった。


透「……ごめん、話せることとかないから」

ルカ「……クソッ」


恫喝する私と目線を合わせるのも厭わず、ただじっと見つめている。
そのことが却って不気味で、私はその手を緩めた。


雛菜「透先輩、大丈夫……?」

透「全然、へーきへーき」

雛菜「……雛菜たちも、出ますね」


ただ、前回なら能天気女はここで私たちにもっと突っかかってきていたはずだ。
好いてやまない先輩を傷つけられたことに怒り心頭だった前回と異なり、今回は自分自身の中に沸いた疑問を認めているのか、ただその体をいたわるにとどめた。
能天気女はむしろ申し訳なさそうにするかのように、足早にその場を後にする。


美琴「……」


美琴はと言うと、汲んだその腕に指を食いこませて苛立ちを滲ませていた。
まだ七草にちかの浅倉透に向けた憎悪のしがらみから抜け出せてはいないんだろう。
私は、それに対して言葉を発することはできない。
他人が推し量るには、あまりに猛っている衝動だ。


そして残されたのは、放課後クライマックスガールズの連中と私たちの五人だけ。
顔を見合わせ、ため息とともに甘党女が切り出す。


智代子「……これから、どうしよっか。私たち、まだこの生活を続けなくちゃいけないんだよね……?」

ルカ「……どうするもこうするもないだろ、とりあえずは地上に戻らねーことには何も変わらねーぞ」


中学生の言っていたことは決して間違ってはいない、正論だ。
ここで他の連中の安否を心配してそわそわしていても事態が好転することもないし、その答えを得ることもない。
私たちがすべきなのは、自分たちの生還を第一に考えること。


夏葉「……そうね、みんな一度頭を冷やすべきだわ」

果穂「そう、ですね……あたしたち、協力しないといけないはずなのに……今のままじゃ……」

美琴「……」


帰りのエレベーターの空気は重たかった。
誰も言葉を発さずに、ただ壁にもたれて俯いていた。
仲間の死、仲間の裏切り、失った記憶、真偽不明の真実……受け入れがたいその全てを何度も何度も頭の中で検証するだけの時間だった。

そして、何も言わぬままホテルへと戻り、それぞれの個室へと帰っていく。
今日の所は、もうそうするしかない。
数時間前のあの花火大会の活気は、もはやどこにもなかった。

-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】


「……」

帰るなりベッドにどさっと横になった。
やっと今この瞬間になって、実感するものがある。

(千雪は、本当に死んじまったんだな)

千雪の死体を見た瞬間から、必死に必死に麻痺させてきた神経が活動を始めた。
神経は情報を運ぶ。強引に押し切られて以来、無理やりに作らされた共に過ごしてきた時間という情報を、手足の先から脳の細胞の一つ一つまでに行き届かせる。
あの夜初めて飲んだ熱燗の味、並んで浴びた潮風の匂い、ともに散らした花火の閃光。
そんな何気ないものが蘇っては消えていく。

「……こんなの、ガラじゃねえって……!」

ベッド脇のちり紙を目元に押し当てた。
ちり紙は水を吸い上げて、少し重くなった。


「……クソッ、クソッ……!」

この島のコロシアイで一番苦しいのは、ここなんだろう。
遺された人間が、犯人を恨もうとしてもそれは適わない。
犯人もまた、この島に無理やり狂わされただけの哀れな存在。
恨みをぶつけたところで、その空虚さばかりが返ってくる。
更には、その犯人を殺すのは自分たち自身だ。
そこに正義も悪もない、大義名分のない死ばかりが募り、自分たちの生になる。
拳を振り上げても、下ろす先がない。



「……病んだ」



それでもなお立ち上がれるほど、私は立派な存在じゃない。







_____だから、私は千雪が遺してくれたものと共に生きる。






-------------------------------------------------
【美琴のコテージ】

一人で立ち上がれないなら、他のやつの手を借りる。
私はまだまだ一人だけで生きていけるほど、大人じゃない。
完全なカミサマなんかじゃなくて、未成熟なただの子供だと気づいたから。


美琴「……おいしい」

ルカ「……だろ、私も千雪の受け売りだけどよ。案外いけんだろ」

美琴「うん、熱燗ってこんな感じなんだね」

ルカ「たまにはツマミぐらい食えよ、酒だけだと却って体に悪いぞ」

美琴「ふふっ、ルカも冗談言うんだね」

ルカ「……うっせ」


机の上に酒とツマミを広げ、胡坐を組んだ。
ファンの連中には見せられないような、恥も醜聞もあったもんじゃないありのままの私。
それを見せられる存在が、今再び私のもとにいることに、感謝せずにはいられない。


美琴「そんなに一気に飲んで大丈夫?」

ルカ「大丈夫だよ、今更年上ぶんな」


照れくささで酒を仰いだ。
度数高めの酒を選んだせいか、やたらと今日は周りが早い。
やたらと額の辺りが暑くて、手を団扇がわりにする。


美琴「……ありがとう、ルカ。一人でいたら、私も不安を感じていただろうから」

ルカ「……おう、そうかよ」


美琴なりの優しさだろう。
目元を腫らして急に来訪した私に、負い目を感じさせないための言葉だった。


ルカ「成人してまずよかったと思うのは、やっぱ酒だな。酒があれば大体のことは忘れられる」

美琴「そうなんだ」

ルカ「そうなんだって……お前相変わらず飲んでないんだな」

美琴「うん、体にはあまり良くないでしょ?」

ルカ「ハッ……プロ意識が高いことで」


私とコンビを組んでいた時からずっと美琴はそうだ。
打ち上げの場でも酒は断って、ジンジャーエールを啜っていたような女。
芯がぶれないと言えば聞こえはいいが、ノリが悪いと取られたりはしていないだろうかと心配になる。


ルカ「ま、今日くらいはいいだろ?」

美琴「うん……そうだね」

美琴「この島にいる限りは……あまり関係ないかも」

酒に中てられたのか、美琴もあまり見ない表情で弱音を零した。

美琴「……これからどうなるんだろうね。みんな、バラバラになっちゃった」

ルカ「……おう」

美琴「アンティーカも、放クラも、ストレイライトも、ノクチルも……それぞれがバラバラになって……協力して脱出なんて、できそうにないかも」


そんなこと知ったこっちゃない。
私にとって大切なのは、ただ私一人が生き残ること。
他の人間が同士討ちしようが、仲間割れを起こそうが関係ない。



……以前までなら、そう思っていた。





≪千雪「ルカちゃん、線香花火、落ちてるよ」

ルカ「え……あ、あああああ!? お、お前今のはずるだろ!?」

千雪「私は何もしてないもの、今のはルカちゃんの負けですー」

(く、クソ……!)

ルカ「はぁ……わかったよ、私の負けだ。なんでも命令を言いな」

千雪「そっか、命令かぁ……考えてなかったなぁ」

千雪「……じゃあルカちゃんには、お友達を作ってもらおうかな」

ルカ「は、はぁ……?」

千雪「283プロのみんなともっと仲良くしましょう!」

ルカ「い、いやいや……今も花火大会に参加はしてるだろ?」

千雪「うん、だからその調子でみんなと関わり続けてほしいの。悩んだり、苦しんだりしたときに、一人で抱え込まないように」

ルカ「なんだよそれ……」

千雪「お酒の力がなくたって、ちゃんと自分から相談できるようになりましょう!」

ルカ「はいはい、わかりましたよ……」≫



私には、あいつから与えられた命令がある。
勝負というものは正々堂々ルールに則って行われなくちゃならない、それは勝敗決定後のペナルティだって同様に。
最後まで履行されることでやっと勝負は勝負として成立させられるのだ。


____本当に、とんでもない罰ゲームを考えつくものだ。


ルカ「……畜生、とんだ難題だよ」

美琴「……ルカ?」


私は酒を一気に飲み干して、御猪口を机に音を立てて置いた。
その音に反応して、美琴の視線もこちらへ。


ルカ「……っあー! 効くな、これ」


酒の勢いに任せて言ってしまえ。
千雪の下した命令、託してくれた想い、それは私にしかできないことだ。
一度孤立無援の闇に落ちた私だからこそ、この濃霧のかかった状況を切り開くことができる。
身体が焼けるように熱い。燃えているのは、腹の中、そのもっともっと奥の底。
飲みほした酒が、その炎の勢いをより激しくする。
立ち昇る豪炎はやがて火柱へ。
そして焔は力となり、衝動となり、言葉になる。




ルカ「……やるぞ、美琴。私たちが生きて帰るため、そんで、これ以上誰も死なさないため」



ルカ「このままじゃ、ダメだろ」


ルカ「私たちが……動かねーと」


美琴「……変わったね、ルカ」

ルカ「……うるせーよ」


美琴の言葉に乱暴な返事をしながら、また猪口に酒を注ぎ直した。

-------------------------------------------------
【???】


「……あちしは何としても戦い抜きまちゅ」


「たとえ、どんな敵が相手だって、誰があちしの前に立ちふさがったって」


「あちしは決してあきらめまちぇんよ」


「なんたってあちしはミナサンの南国生活を率いるディレクター」


「そして、あちしは希望ヶ峰学園の名前を背負って立つ超絶激かわマスコットなんでちゅから」


「希望ヶ峰学園歌姫計画……その遂行のため、あちしはこの身もささげる想いなんでちゅ!」


「だから、待っててくだちゃいね!」

-------------------------------------------------

-------------------------------------------------



CHAPTER 02

厄災薄命前夜

END

残り生存者数
12人

To be continued…



-------------------------------------------------



【CHAPTER 02をクリアしました!】


【クリア報酬としてモノクマメダルを20枚獲得しました!】


【アイテム:使いかけのリップを手に入れました!】
〔CHAPTER02を生き抜いた証。使い手を失ったその独特の色合いのリップは乾燥にひび割れている〕


以上で2章はおしまいになります。
振り返ってみるとルカが主人公になるにあたっての立志編のようなお話でしたね。
書き始める前はここまで千雪との関係性が濃くなるとは思っていなかったので私としても意外な展開に転がりました。
シャニ本編では美琴との関係性修復どころか、まともな絡みも(なんなら出番も)まだそんなにないんですよね……
そして、それ故に今章は前シリーズの終盤並みの文量となっていました。今後は流石にここまでにはならない……はず。

さて、3章ですがまたしばらくお時間をいただきます。
更新の前には2章再開時と同様に事前に告知を書き込みにまいりますので気長にお待ちください。
ある程度話はすでにまとまっているので、早めに完成させられるよう頑張ります。

それでは2章もお付き合いいただきありがとうございました、またよろしくお願いします。

今2作目ですけど原作みたいに3作目も考えていますか?

俺はそれよりももう主人公変わってるし次スレのタイトルもにちかのままだったら混乱する人出そうな気がするからどうするんだろうなぁって思ってる
このまま通すとしたらまさかのにちか復活フラグ・・・?

-----------------------------------------------



GAMEOVER

クワヤマさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



-----------------------------------------------


月へと向かうキャラバンの一行。
彼らは全員その身をフードのついたケープに身を隠し、ラクダたちに乗って進んでいきます。

人里も森もない広大な砂漠、後ろを振り返っても自分たちのつけた足跡の他には何もなし。
そんな寂寥な旅路を導くのは、先導をいく桑山さんの腰につけた巾着袋。

鈴を模したその巾着には、『C.K』の刺繍が施されていました。

-----------------------------------------------



ハンマープライス!

超社会人級の手芸部 桑山千雪処刑執行




-----------------------------------------------


あと少しでオアシス、もう少し頑張りましょうね!

そう言って後続部隊を励ます桑山さん。
ですが、そんな激励を聞きながらも隊の一人が前方を指差します。

なんとそこに居たのはモヒカンが体躯の倍はあろうかという立派なヘアスタイルの荒くれモノクマたち!!

砂漠だろうとなんのそので進んでくるバギーにキャラバンは囲まれてしまいました。
荒くれモノクマはキャラバンのメンバーを次々に荷台の牢屋に積み込んでいきます。
彼らは立派な労働力、王国まで連れていけば奴隷として買い手は引く手数多でしょう。
一人、また一人と消えていきます。

荒くれモノクマにとっては一人一人が誰かなんてどうでも良いのです、所詮は社会の歯車の一つ。
大企業の社長が役員未満の社員の顔を誰一人として覚えていないように、奴隷に売り払う人間など押し並べて同じなのです。


そしていよいよ桑山さんのところへ荒くれモノクマがやってきて、ついにその腕を引ったくりました!
ああ、このうら若き乙女も奴隷としてその生涯を終えてしまうのでしょうか!

その瞬間、腰につけた巾着が地面に落ちました。
それは、アイドルでもなんでもないただの『桑山千雪』の作った巾着袋。
原価がどれだけかかっていても、所詮1円で売り叩かれてしまうような『誰かの作った』巾着袋。


……でも、それに荒くれモノクマは『値』をつけました。




バキューン!!



拾い上げようとした桑山さんを一発の弾丸が貫きました。
巾着袋を亡骸から引ったくる荒くれモノクマ。
略奪した金を入れておく分にはちょうどいいぐらいの巾着袋、これはいい掘り出し物でした。
別に、誰が作ったとかそういうのはどうでも良かったんですよね。

……え? 代金?
お金の代わりに桑山さんの命で支払ったんです。
なんたって、今の時代はキャッシュレスですからね!


というわけでお久しぶりです。
結局一か月お待たせしてしまいましたが、なんとか三章の書き溜めができたので事前の告知に参りました。
問題がなければ月曜日あたりから更新できると思います。

完全自己都合で恐縮なのですが、生活環境が変わった関係もありまして次の3章から更新の時間が決まった時間では取りづらくなってしまいました。
少なくとも変更などの際にはその日のうちに前もって時間は書き込むようにしたいとは思いますが、何卒ご了承ください。

ひとまず3章の初回更新は22時ごろからということで予定しています。
ご参加お待ちしております。


※感想などありがとうございました、いただいていた質問に関しては解答させていただきます。

>>326
シャニマスのアイドルとして現段階で登場しているアイドルは1と2で全員になるので続編は今のところは考えていません。
今シリーズが終わったら一旦区切りにするつもりです。

>>327
スレタイに関しては1章での主人公交代もあるのでそのネタバレを避ける意味でPart制にしています
すぐにレスでルカが主人公だとはわかってしまうのですが、一応開く前段階からバレるのは避けたいなと……
進行上は問題なさそうですし次スレでもスレタイはこの方式のまま行く予定です。

申し訳ない、初っ端からですが修正必須の箇所を見つけたので更新
開始日を少しずらさせてください…
二日後の水曜日の10時ごろからでお願いします

【3章段階での主人公の情報】

【超社会人級のシンガー】斑鳩ルカ
‣習得スキル…特になし
‣現在のモノクマメダル枚数…89枚
‣現在の希望のカケラ…24個

‣現在の所持品
【ココナッツジュース】
【ジャバの天然塩】
【ひまわりの種】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【ドライビングニトロ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】

‣通信簿および親愛度

【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…1.5
【超大学生級の写真部】 三峰結華…0
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0【DEAD】
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…1.0
【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…0.5
【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…0
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…10.5【DEAD】
【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…2.0
【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…0.5
【超高校級のギャル】 和泉愛依…0
【超高校級の???】 浅倉透…0
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…0
【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…0





冬優子「……で? あの脅迫状、あんたはどう思う訳?」





あさひ「え? どう思うってどういう意味っすか?」

冬優子「……ふゆの性格について書かれた脅迫状。ふゆはあんたたちにしか元々この性格は見せちゃいなかった、それなのにそれ以外の人間があんな文章書いてよこすなんて、怪しすぎるじゃない」

愛依「あれ? うちもヨーギシャから外してもらえてる感じ?!」

冬優子「当たり前でしょ、あんたがあんな手の込んだ真似できるわけないし……問題外よ問題外」

あさひ「……わたしたちに見せてた冬優子ちゃんとほかに見せてた冬優子ちゃんが違うってこと、わたしたち以外にも知ってる人はいるっすよね?」

冬優子「はぁ? 何よそれ、誰のこと言ってんの?」

愛依「あ、もしかして冬優子ちゃんのお母さん的な~!?」

冬優子「……この島にうちの親がいるならここに連れてきてちょうだい」

あさひ「冬優子ちゃんのお母さんでも、お父さんでもないっす」

愛依「え? じゃあ誰なん? もしかして、アイドルの他の子にバレてたりしちゃってた感じ!?」

冬優子「……そんなわけない、ふゆは完璧に隠し通してたはずよ」

あさひ「……?」

あさひ「何言ってるっすか? いるじゃないっすか、わたしたちの近くに」

あさひ「冬優子ちゃんのことも、愛依ちゃんのことも、わたしのことも、全部全部知ってる人が」

冬優子「あんた、それってもしかして……」






あさひ「プロデューサーさんっす」





-------------------------------------------------


CHAPTER 03

Hang the IDOL!!~弾劾絶叫チュパカブラ~

(非)日常編


-------------------------------------------------

=========
≪island life:day 11≫
=========

【美琴の部屋】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』

『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう~!』


昨晩の決起集会じみた部屋飲みから目を覚まして、その気分はあまり良いものではなかった。
二日酔いの反動があるというのもそうだが、それ以前に裁判終わりの私たちの惨状。
ユニットごとの孤立を極め、この島に来ていない人間の安否不明による漠然とした不安感。
私がいつも鬱陶しがっていた283プロの結束が失せてしまっていたようなあの空気感が、今も頭に纏わりついている。
酒を飲めば忘れられるかと思ったが、その効果は寝るまでの間ですっかり切れてしまったらしい。
妙に冴えた朝が、かえって苦しい。


「……ふぅ」

肺に溜まった空気をゆっくり吐き出した。
チャイムも鳴ったし、本来ならじきにレストランで朝食会の時間だ。
今日はあるのかどうかも分からないが。

ひとまず美琴を起こしてから向かうとするか。
そう思ってベッドの方に目を向けたが、美琴の姿はない。
きょろきょろとあたりを見渡すと、掛けてあったジャージも姿を消している。

……あいつめ、私をほっぽいて早速朝練してやがった。

相棒の相変わらずの傍若無人っぷりにため息をつきながら、私はキッチンに立つ。
鍵も持っていないのにここを空けるわけにはいかないだろう。
インスタントのコーヒーでもすすりながら、美琴の帰りを待つことにした。

珈琲のあてには、昨日の飲みで余ったミックスナッツを採用した。
カシューナッツの小気味いい食感が、ぽりぽりと音を立てて私の眠気をそぎ落とす。


「……しかし、どうしたもんかな」

昨日の酒の場の勢いで、美琴に今の283プロの状況をどうにかすると啖呵を切ってしまった。
美琴のことだし、別にそれに拘るようなことはないだろうがこれは私の面子の問題だ。

アンティーカの二人は田中摩美々という中核を失ったことで不安感に襲われているし、放課後クライマックスガールズの三人は他のメンバーの安否がわからず今も戸惑い続けている。
ストレイライトに関しては……かなり厳しい。事件をさんざん引っ掻き回した芹沢あさひ……あいつだけはどうにか無力化させねばならないが、それを阻むのが残り二人。あの二人にどうにか芹沢あさひの危険性を理解してもらう必要がある。
そしてノクチルの二人は、あのユニット内でも変わりつつある。樋口円香と福丸小糸、今この島にいない面子への心配もそうだが、幼馴染相手でも頑なに口を開かない浅倉透に対し、能天気女もこれまでの認識のままでいいのか不安を抱き始めている。

それぞれのユニットごとに抱えた課題、これを私と美琴でどうにかできるのか……?

「千雪だったらこんなときでも動けたんだろうけどな……」

少し前の自分なら、こんなことを思案なんてしなかっただろうと思う。


領域外のことに頭を悩ませて、珈琲3口目。
部屋の扉がガチャリと開いた。


美琴「あ、起きたんだね」

ルカ「……出るなら起こしてから出るか、鍵置いて出てってくれ。帰ろうにも帰れねーだろ」

美琴「ごめん、すぐ戻ってくるつもりだったから」

ルカ「よく言うぜ……ったく。さっさとシャワー浴びて着替えろ、朝飯食いに行くぞ」

美琴「あっ……そっか。わかった。急いで用意するね」


本当、練習となるとそれ以外のことが頭からすっぽ抜けてしまう癖は相変わらずのようだ。
幸い珈琲はまだ残っている。美琴の支度を待つ時間くらいは潰せる。

____
______
________


ルカ「……どうだろうな、今日は」

美琴「どうって、何が?」

ルカ「朝食会……この集まり自体だよ、昨日の今日であのメガネ女もだいぶ参ってるだろうし、もしかすると私たち以外誰も来てない可能性もあるんじゃねーか?」

美琴「……その可能性は、あるかもしれないけど私たちがいかない理由にはならないでしょ?」

ルカ「……」

美琴「私たちがどうにかする……だったよね」

ルカ「あー、わかったわかった。それ以上言うな……はぁ」

美琴「……?」

-------------------------------------------------
【ホテル レストラン】

道中美琴と話した通り、今日は流石にこの朝食会もその体をなしていないだろうと思っていたのだが……
意外にも、レストランにはノクチルの二人以外の全員の姿があった。
みんなが卓を囲んで、談笑しながら食事を口に運ぶ平常。


結華「あ、ルカルカ。おはよう」

ルカ「お、おう……おはよう」

夏葉「二人とも遅かったわね、どうしたの?」

美琴「ごめんね、私が自主練に夢中になって時間を忘れていたから」

智代子「あはは、美琴さんらしいな」


だが、それはいつも通りの平穏を装うとする、痛々しさをむき出しにした【平常】だった。
貼りついたような笑顔を283の連中が浮かべる度に、胸がチクチクするような心地悪さを抱かずにはいられない。


恋鐘「はい、追加のパンケーキも焼けたばい~!」

結華「おっ、こがたんありがとう! えっと、一人一枚で……」

結華「……二枚余ってるから、果穂ちゃんとあさたんにもう一枚ずつかな」

恋鐘「……あっ、ご、ごめん結華……」

結華「ううん、気にしないでこがたん。そりゃ昨日の今日だもん、まだ実感もわかないって」

(……チッ)


この朝食会の場の雰囲気をいつも作っていたのは、あのアンティーカの二人だ。
メガネ女も長崎女もどう見ても本調子じゃない、他の連中もそれに影響されている節はありそうだ。


あさひ「あ、冬優子ちゃん。そっちのフルーツも取ってほしいっす」

果穂「あさひさん、これですか?」

夏葉「……!! 冬優子、とってやってちょうだい」

冬優子「……はい、これ」

あさひ「ありがとうっす、冬優子ちゃん」


そして、芹沢あさひが動くたびに食事の場に緊張が走る。
実際私にもどの面下げてこの場に来ているんだ、という苛立ちはあったのだが、
この場にそれを持ち込めば空気が再び昨晩のようになることが容易に想像できるため、無理やりに押しとどめた。


そんな全員が全員ぎくしゃくした食事を続けること、数分。
タイミングがいいのか悪いのか、やたら騒がしいあいつが姿を現した。


モノミ「はー、はーッ! はげしい たたかい でちた!」

果穂「あ、モノミ……ど、どうしたんですか?! ぜ、ぜんしん血まみれです!!」

智代子「あ、あれって血なの……? 血なんて絶対流れてないよねあの体!?」

あさひ「もしかして、またっすか?」

冬優子「また……ってもしかして、別の島への橋を解放してきたの!?」

モノミ「はいっ! その通りでちゅ! モノクマの配下であるモノケモノをまた一体倒してきまちたよ!」

愛依「やるじゃん! これでまた手掛かりが手に入る系!」

モノミ「もともとはミナサンのために用意された施設なんでちゅ……待ってくだちゃい、あちしが必ずすべてのモノケモノを倒して、ジャバウォック島をもとの美しい姿に戻して見せまちゅからね!」


新しい島の開放。
自分たちの身の上、そして近しい存在の安否という不安の空気に呑まれていたところに差し込んだ一筋の光。
私たちはそれに縋った。例え求めるようなものがそこになかったとしても、新しい何かを頭の中に詰め込むことができれば、それでよかった。
この鬱屈とした気持ちを忘れるだけの理由に飢えていたのである。


恋鐘「そうと決まったら、朝ごはん食べたら早速出発ばい! 中央の島からまた行けばよかとやろ?」

結華「ねえ、モノミ。今回もとおるんとひななんに伝達お願いできるかな?」

モノミ「お任せくだちゃい! ばっちり伝えてきまちゅよ~!」

美琴「今回の分担は……ユニットごとで大丈夫そう?」

夏葉「ええ、そうね。ルカは今回は美琴と一緒でお願いできるかしら」

ルカ「……おう」


そういえば、前回の探索の時は……まだ美琴とも和解していなかったんだったか。
千雪が無理やりに私に近づいてきて、探索にも勝手についてきやがった。
その結果で今は美琴と一緒に行動しているのだから、分からないものだ。


私たちはてきぱきと無言で食事を食べ終えると、すぐにレストランを後にして新しく解禁された【第3の島】へと渡った。

-------------------------------------------------
【第3の島】

ルカ「ここが第3の島……またこれまでの二つとは雰囲気が大違いだな……」


これまでの島はあくまで南国の島という風体は共通していた。
だが、この島はどうだろうか、吹く風はなんだか乾いていて、そこらに見える地面も潤いを失った荒野のよう。
照り付ける太陽はなんだかやたらと体の水分を奪っていく。
私もあまり詳しいわけではないが、西部劇の舞台なんかはきっとこういう気候なのだろうと思った。

この第3の島で目につくのは【病院】【モーテル】【ライブハウス】【電気街】【映画館】だろうか。

これまでまともな医療設備がない暮らしを送っていた分、【病院】への期待は高まるな。私たちの生存率に直結する施設、ここは外せない。
【モーテル】は宿泊施設のことだったか? ホテル以外でもここで寝泊まりができるなら、何か便利になるかもしれない。
【ライブハウス】……職業柄血が湧いちまうな。特にソロ活動を始めてからは箱での仕事も多かった、いっちょどんなもんか見ておこう。
【電気街】、そういうのは専門外だな。美琴が扱えもしない家電を下手に持ち帰らないように、注意しておかないと……
娯楽らしい娯楽はなかったが、【映画館】はどんなもんだろうか。時間つぶしにもなるだろうし、何か一個ぐらい見れたらいいな。

さて、どこから調査するかな。


【探索開始】

-------------------------------------------------
【行動指定レスのコンマ末尾と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます】

1.病院
2.モーテル
3.ライブハウス
4.電気街
5.映画館

↓1

3 選択

【コンマ判定 41】

【モノクマメダル1枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…90枚】

-------------------------------------------------

【ライブハウス】

私のような人間からすればホームグラウンドのような空間だ。
この前のクリスマスにもライブをこんな感じの箱で開いたっけ。
都会の鬱陶しいほどの華々しさ、同僚同士の付き合いとか上限関係とかのわずらわしさ、そういう息が詰まりそうなストレスを抱えた人間が逃げ込んで息継ぎをする空間がここだ。


ルカ「美琴もちょくちょくライブハウスは行ってたよな」

美琴「うん、音楽関係の繋がりもあるしね。立たせてもらったことも何回か」

ルカ「へぇ……」


コンビを解消してからの間、何回そういうことがあったのだろうと思った。
私の知らない、私の見ていない美琴のステージがあったのだと思うと少しだけ心寂しい。
私はと言うとステージの上から鬱憤をまき散らすだけだったが、美琴はきっとそうじゃない。
この小さな箱の中でも、そこにいる全員を魅了するようなパフォーマンスを追求し続けていたはずだ。
……それこそ、見る側が息苦しくなるほどの努力で。

設備自体は割としっかりしている。
コンポやスピーカーは有名なところのものを採用しているし、防音設備も充実している。
デコレーション、イルミネーションのための材料も整っているし、照明を適宜弄ることも可能だ。


結華「こういうのまみみん結構好きそうじゃない?」

恋鐘「そうやね、こういうなんかごちゃついとる……アウトローな感じとかよく雑誌で見とったばい!」

美琴「……あの二人」

ルカ「……おい、てめェら」

結華「……! なんだ、ルカルカか……どったの? 調査中?」

ルカ「ああ、まあな。てめェらの話声が聞こえたからよ、そっちは順調か?」

結華「え? あー……うん、ぼちぼち?」


そのおぼつかない解答に、アンティーカの“遺された二人”の感情が透けて見えた。
今一番苦しんでいるのは、間違いなくこいつらだ。
ただでさえ友人が苦しみ悶えて死ぬ様子を目の当たりにしたというのに、その友人は無念の果てになくなったという事実、
そしてユニットの仲間がこのコロシアイ以前にあったコロシアイに参加しており、他の人間を裏切り手にかけていたかもしれないという可能性。
一度に背負うには重たすぎる荷物が一夜のうちにのしかかってきたのだから。
朝から無理している様子が随分と痛々しかった。


ルカ「……なあ、あいつはどんな歌を歌ってたんだ」


だから、少しだけでもその荷物を下ろしてやろうと思った。
少しでも胸の内を語れば楽になるだろうと思って、千雪がかつて私にしたように耳を傾けようと努力した。



結華「……気持ちは嬉しいよ、ルカルカ」


……でも。




結華「でもさ……三峰には言えないな、まみみんがどんなアイドルだったのか、なんて」




それは下手に真似ていいものではなかったらしい。
私の一言を皮切りに、溢れ出したように言葉がつらつらと並んだ。


結華「あー……なんかダメだな、やっぱり……自分でも思ってた以上に来ちゃうかも」


一言、一言と口にするたびにその目元は潤んでいく。


結華「新しいもの見れば、どうにかなるかと思ったけど、逆かも。可愛かった“妹”たちが、これを見たらどんな反応したかなとか、これは好きそうだなとか、そういうのばっか思っちゃうし」


声も震えて、か細いものになっていき、最終的に絞り出したのは純然たる拒絶だった。


結華「……下手に踏み込んでほしくないかも、アンティーカの領域に」

ルカ「……悪い」


私は自分の無配慮と不器用さを詫びることしかできなかった。


結華「ううん、ルカルカは悪くないって。三峰がメンタル弱いのが問題ですし」

恋鐘「結華……二人ともごめん、ちょっと出てくれんね?」

美琴「ルカ、ここは二人にしてあげようか」

ルカ「……ああ」


下手を踏んでしまった。
ちゃんと考えてみればそうだ、私たちは結局ユニットというくくりで見ればただの外部の存在。
今失ったばかりの存在をたずねるような真似をしても、それはただの好奇のもとに伺ったように見えてしまうだろう。
私がやったのはむしろ傷に塩を塗りこむような行為。
相手の領域に踏み込むときには、それに足る誠意と覚悟とを持っていなければならない。
今の私には、まだそれは足りちゃいない。


美琴「ルカは悪くないよ……どっちも悪くない」

ルカ「……慰めなんかいらねえ」

美琴「……ごめんね、私も口下手だから」

ルカ「慰めがいらねえのは、きっとあいつもそうだったんだろうな」

美琴「ルカ……」



……一体、どうすればいいんだよ。


-------------------------------------------------
【行動指定レスのコンマ末尾と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます】

1.病院
2.モーテル
3.電気街
4.映画館

↓1

1 選択

【コンマ判定 23】

【モノクマメダル3枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…93枚】

-------------------------------------------------
【病院】

この島での暮らしにまともな医療設備はなく、第2の島が解禁されてやっとドラッグストアが利用可能になった程度。
それも実用的かと言われたら微妙なところで、今回の病院は待望のものだと言える。
私たちのイメージする通りの設備があればの話だが。


ルカ「……結構でかいな」


ぱっと見の外装はよくある病院と変わらない。
車などないのにご丁寧に駐車場まで用意してある。
どこか緊張感を覚えながら扉を開けると、病院特有の鼻を刺すような医薬品の匂いがした。


あさひ「あ、ルカさん」

ルカ「……!! お前……!!」


思わず身構えてしまった。
人の生死をつかさどる場所に、現状最も警戒すべき対象がいたのだから無理もない。


冬優子「待って。ふゆたちもただ探索に来てるだけ、それに二人がかりでこいつには目を光らせてるから安心して」


そんな私の素振りを見かねて黛冬優子が割って出た。
中学生の頬をむにっとつねりながらそう弁解する。


ルカ「……本当だな?」


私としても今ここで事を荒立てたくはない。
ここは黛冬優子の言い分を信用することにした。
黛冬優子は千雪の事件で罪を擦り付けられかけた側の人間、いわば被害者のスタンスに立つ人間であり、証言や行動の妥当性では高く見ることができるからだ。


冬優子「あさひの手荷物もついさっき検査したけど、何も持ち出した様子はないわ。愛依とふゆが保証する」

ルカ「……お前のその手に抱えてるのは違うのか?」

冬優子「これは……水素の吸引機よ。ふゆが普段使いする用で持ち出すだけ」

(それはいいのかよ……)


愛依「あさひちゃん、別になんにも怪しいことなんかしてなかったよ! やっぱ、タヌキ?なんかじゃないって……!」

ルカ「……悪い、それを取り下げることはまだできない」

愛依「な、なんで……!」

冬優子「愛依、いいから」

愛依「でも……!」

美琴「……みんなはもう病院の中は探索したのかな」

あさひ「はいっす、ここ、どうやら泊まれるみたいっすよ!」

美琴「泊まれる……?」

冬優子「そこの『病院のルール』ってのを見ればわかるわ。『入院を要する重篤な病気の患者がいる場合、その患者と同数まで付き添いの人間の宿泊を認める』って書いてある」


黛冬優子の言うことはどうやら本当のようだ。
受付の上にあるクリップボードに印刷された文面には今言った通りの文言が書いてあった。


美琴「……治療もしてもらえるんだね」

ルカ「みたいだな、『コロシアイの進行において支障をきたすと判断される重大な事故については手術をモノクマドクターが行います』……これならしてもらわない方がマシな気もするけど」

あさひ「でも、病気は直してもらえないみたいっすね」

ルカ「……確かに、そういう文言はないな」

愛依「まあビョーキもケガもしないのが一番なんじゃん!?」

美琴「そうだね、無理はしないように」

(……美琴がそれを言うのか……)


私たちはストレイライトの三人と情報を共有を行い、三人を見送った。
中学生についていろいろと思うところはあるが、ここで追及しても仕方ない。
ひとまずは触れないという選択を取った。


美琴「……ねえ、ルカ」


でも、二人残された室内で美琴は突然口を開いた。


美琴「あの子は最初の事件から関与していたんだよね」

ルカ「……そのはずだ」

美琴「……なら、にちかちゃんはあの子がいなければ今頃」

ルカ「それは違う」

美琴「……!」

ルカ「あいつがいようがいまいが、七草にちかは人を殺そうとしていた。その恨みをあいつにぶつけるのはお門違いだ」


そう、決してあいつは殺人教唆をしたわけでも、まして手を汚したわけでもない。
あくまであいつがやったのは事態をひっかきまわして、混乱している私たちを見世物代わりにしたということ。
誰かを喪失したことに対する恨みをぶつけるのは文脈が違う。
そのことだけはしっかりと訂正した。
この島では感情の暴走ですぐに足を踏み外す。あくまで冷静さを崩してはならないのだ。


美琴「……そうだね、ごめん。視野が狭くなっていたみたい」

ルカ「気にすんな、色々とありすぎて頭が混乱するのも仕方ねえんだ」


私は美琴を窘めてから病院の探索を再開した。
ストレイライトの報告通り、入院が可能な病室が一階に数部屋、二階に付き合いの人間用の仮眠室が備えられていた。
薬品棚なども確認することができ、素人判断にはなるが薬の処方、簡単な治療なら行える施設のようだ。
勿論ケガについても同様。消毒薬や包帯、ガーゼはしっかりと完備されている。


ルカ「有事の際には積極的に利用できそうだな」

美琴「うん、少し安心した。モノクマのことだし、廃墟の病院なのかと少しだけ思っていたから」

ルカ「……あいつならやりかねないところだな」


ひとまずは信頼して良さそうだ。
お世話にならないに越したことはないが、私たちにとって一つ大きな安息地にはなるはず。

-------------------------------------------------
【行動指定レスのコンマ末尾と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます】

1.モーテル
2.電気街
3.映画館

↓1

3 選択

【コンマ判定 57】

【モノクマメダル7枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…100枚】

-------------------------------------------------

【電気街】

島にはどこか荒れた雰囲気が漂っているが、ここはまた違った方向性で荒れているな。
まるで人類が投げ出した後の文明のディストピアというか、砂嵐のテレビがこうもいくつも並んでいると言い知れぬ恐怖を感じてしまう。


美琴「ルカ、見て。二層式洗濯機だって」

ルカ「今時そんなの誰が使うんだよ……おい、まさかそれ持ち帰る気じゃねえだろうな」


何か使えるものがないかと見て回る。
美琴ではないが、家電なんかは一通り使えそうな雰囲気はある。
掃除機も洗濯機も、いずれにおいても旧型というわけではなく、最新式のものまで一応抑えてはあるらしい。
ただ、ここから自分の部屋に運ぶとなると、島を二つわたる必要があるわけで。
車も何もないのに持ち帰るのは現実的じゃないかもしれないな。


夏葉「ルカと美琴もやってきたのね」

ルカ「あ? おう、何か使えるモンでもあればいいかと思ったが……」

夏葉「ええ、私もパソコン類を見てみたけど……ダメね、どれもインターネットが機能しておらず、外部の情報は遮断されているわ」

美琴「? わいふぁい……とかいうのは無いの?」

夏葉「えっと……そうね、まずパソコンというのは……」

ルカ「いい、いい! こいつに逐一説明してたらキリがねえ!」


夏葉「あ、それでも一つ気になるものはあったわ。そこのジャンク品店の品物の一つ……【中古のパソコン】はパスワードがかけられていたの!」

ルカ「パスワード付きのパソコンか……中は見れたのか?」

夏葉「いえ、パスワードに見当もつかないもの……今は触れないようにしておいたわ」


中古のパソコンか……どこから持ち込まれたのかはわからねーが、もしかすると中に外の情報が入っているかもしれない。
開錠ができれば私たちにとって何か大きなメリットになる可能性はあるな。


美琴「そういえば、果穂ちゃんと智代子ちゃんは一緒じゃないの?」

夏葉「いえ、一緒に調査中よ。二人は……あ、いたわ。あそこね」


小金持ちが指さした先、あれは電気街のうちの一つ、玩具屋だ。
なるほどラジコンなどを扱っているところらしく、小学生とチョコ女が子供っぽく遊んでいる様子が目に入った。


果穂「夏葉さーーーーーーん! 見てください、これすごい早さで走るんですーーーーーーー!」

智代子「すごいよ夏葉ちゃん! これ、音と砲台が動くよ!」

夏葉「ええ、後でそちらに行くわ!」


二人に向かって手を振る小金持ち。その横顔は、どこか物悲し気だった。


夏葉「……樹里と凛世。他のみんなのことも気がかりだけど、それ以上にあの二人が気を病んでしまうことの方が私は心配なの」

夏葉「ああして何か気を紛らわせるものでもあれば、と思ってここにやってきたのよ」


こいつのところのユニットはメンバーの間で年齢の幅が広いことがウリの一つだった。
それがゆえに、年長者である小金持ちは他のユニットとはまた別の所で、今の状況に思うところがあるらしい。


夏葉「そして……ルカ、ちょうどいい機会だわ。あなたに話をしておきたかったの」

ルカ「……あ? 私にか?」

夏葉「あさひのことよ」

ルカ「……!!」

夏葉「……あなたは摩美々の裁判であさひを、事件をかき乱す【狸】だと告発した。そのことに訂正はないのよね?」


私の目を真正面から見つめてゆるぎない瞳。
凪いだ海面のように微塵も動かない黒目に、思わず唾をのむ。
並大抵の気迫ではない。それは敵意でもなく、ましてや疑いをかけているわけでもない。
他二人の命を預かる身として、真実を見極めようという戦意に近しい感情だ。


だが、私も確信のもとにあの中学生を告発したんだ。
そこから逃げるわけにもいかない。


ルカ「……ああ、現場の状況、黛冬優子の受け取った脅迫状を併せてみても、事件をかき乱しているのはあの中学生なのはほぼ間違いないはずだ」

夏葉「……わかったわ」


夏葉「あさひのことは良く知っていたつもりだった、でもそれが事実なら認識を改めねばならないわね」

ルカ「……」

夏葉「共有する情報にも制限をかけたほうがいいかもしれない……危険を及ぼす可能性のあるものは、事前に排除しておく必要があるかしら」

ルカ「そこまでやるのか……?」

夏葉「警戒はしておく。……でも、私たちがこの島で生きていく以上は、ストレイライトの協力も必要。難しいところね」


小金持ちは複雑な表情を浮かべた。
自分自身これまで中学生との間で積み重ねてきた時間と信頼、そして今この島で他二人の命を預かる立場となった責務と緊張。
その間で板挟みとなって彼女の苦悩が、その額に顕れる。


果穂「夏葉さん、これみてください! おっきなラジコンヘリです……!」


私たちとの会話で一向に場を離れない小金持ちを待ちかねたのか、小学生と甘党女が自ら駆け寄ってきた。
手にはラジコンヘリと言うには洗練されたデザインの、回転翼の機体。


夏葉「これは……ドローンね?」

智代子「これが、ドローン……! 本物は初めて見たよ……!」

ルカ「ライブカメラとかでたまに使ったりはあるが、運転はしたことねーな……」

夏葉「……」

美琴「夏葉ちゃん……?」


夏葉「果穂、智代子。悪いのだけれど、このドローンは私が回収してもいいかしら」

果穂「えっ……!」

夏葉「……ドローンなんて、いくらでも使いようがあるわ。武器を乗せた軍用ドローンも戦場に登用されて久しいし、このコロシアイに悪用されないとも限らないの」


どうやらさっき話していた覚悟に偽りはないらしい。少しでも危険な可能性のあるものは、文字通り徹底的に排除していくようだ。
小学生と甘党女は一度は顔を見合わせたが、そのままドローンを小金持ちへと手渡した。


果穂「夏葉さん、わかりました! おねがいします!」

夏葉「悪いわね二人とも……それと、この情報はこの場にいる人間だけのものにしておきましょうね」

智代子「美琴さんとルカちゃんなら信用できるもんね!」

ルカ「……そうなのか?」

夏葉「この島に来た当初のあなたなら、そうはいかなかったけれど……千雪の事件で私たちを引っ張ってくれた今のあなたなら大丈夫だと思っているの」

美琴「よかったね、ルカ」

ルカ「……ハッ」


その場でのドローンを秘匿するという取り決めには私たちも賛同。情報交換会でも明かさないこととなった。
283プロの人間がこうした結論に至ったことは少し意外ではあったが、この異常時だ。
信じられるもの、そうでないものを見極めるのに慎重になるのは致し方ない。

-------------------------------------------------
【行動指定レスのコンマ末尾と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます】

1.モーテル
2.映画館

↓1

1 選択

【コンマ判定 74】

【モノクマメダル4枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…104枚】

-------------------------------------------------

【モーテル】

モーテルとは確かモーターホテルの略で、自動車で広域の旅行をするアメリカ人向けに建てられたホテルのこと……だったか。
平屋づくりの扁平とした形に、ドアがいくつも並んで個別の部屋になっている様相は日本ではあまり見慣れない形だ。
この部屋一つ一つが宿泊設備になっているんだろう。


雛菜「あ、お疲れ様です~」

ルカ「……今回はお前ひとりなんだな」


声をかけてきたのは能天気女、いつも追いかけまわしていた適当女の姿はそこにはない。


雛菜「映画館で映画を見たいって言ってたので、雛菜は興味ないし他の探索に来たんですよ~。絶対あの映画つまんなそ~な感じがしたのにな~」

(……そんなにか?)


そういえばこの島には映画館もあった、そこで二手に分かれたということなのだろう。


ルカ「お前はもうここのモーテルは見たのか?」

雛菜「はい、一応は見ましたけど……なんか、ここホテル代わりに泊まってもいいみたいですよ~?」

美琴「そうなんだ……」

雛菜「でも、なんかあんまり綺麗そうじゃなさそうですし、お布団に虫とかいるかもって感じです~」

ルカ「ま、マジか……」

雛菜「ぱっと見の感想ですけどね~」


適当女の言葉もそうだが、こいつの発言も大概だ。
感覚で物を言う女の発言だし、話半分で聞いておかないとな。
能天気女は好きなだけ物を言うと、そのまま掃けていってしまった。
相変わらず掴みどころのない女だ。


美琴「一応私たちでも見ておこうか」

ルカ「おう、そうしとくか」


手近な部屋を除いてみた。
なるほど、確かに泊まれるだけの設備は十分にそろっている。
生活用品や家電もあるし、電気や水道もしっかり通っている。
まあ、ホテルでの暮らしに不自由も感じていないしお世話になることはなさそうだな。


美琴「……ここだとライブハウスにもすぐに行けるよね」

ルカ「ん? まあ、そうかもな」

美琴「……ボイストレーニングならここに泊まったほうが練習効率は良さそうだね」

ルカ「ハッ……変わんねーな」

-------------------------------------------------
【残り選択肢が一つになったので自動で進行します】

【コンマ判定によりモノクマメダルの獲得枚数を決定します】

↓1


【コンマ判定 34】

【モノクマメダル4枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…107枚】

-------------------------------------------------

【映画館】

島の広い面積をとっている映画館。当然だが、来客は私たちの他にはなし。
受付でポップコーンを売っている店員もいないため、無駄に広い規模感ゆえに、閑散としている印象が強まっている。


ルカ「美琴は映画とか見たりするのか?」

美琴「たまに、お仕事で一緒になる方とか、昔一緒に頑張ってた子の出演作とかは見に行くかな」

ルカ「ハッ、律儀なこった」


昔からそんな感じで、美琴の趣味嗜好というのは今でもいまいち掴み切れていない。
おそらく正確にはどんなものでもほどほど楽しめる、ということなのだろうけど。
私も大体の物は楽しめる。そう映画マニアという訳でもないし、CMをしていて気になれば見に行く程度のミーハーの深度だ。

そういえば、この映画館では何を上映しているのだろうか。
ふとした興味で劇場ポスターに視線を向ける。

『モノ太郎 THE MOVIE』


……すぐに見たことを後悔した。
なるほど、当然と言えば当然か。この島でまともな映画が見れるわけなどないのだ。
どこまでいってもモノクマモノクマ、自己顕示欲もここまで行くと見上げたものだ。


モノクマ「ようこそいらっしゃいました! モノクマーズシネマへ!」

ルカ「美琴、次行くぞ」

モノクマ「あーっ! なんでそんなひどいこと言うのさ、せっかくだからちょっとぐらい見て行ってよ!」

ルカ「誰が見るかこんなクソ映画」

モノクマ「見る前から評価を下すなんて偉そうに! カミサマなんて言われて、調子に乗るなよな!」

美琴「じゃあ、どんな映画なの?」

ルカ「おい、聞く必要ないって。さっさと行こうぜ」

モノクマ「よくぞ聞いてくれました! なんとこの映画は製作費に10億円もの大金をつぎ込まれた超傑作アクションスペクタクルムービー!」

モノクマ「疾風怒濤の勢いで展開する爆発の数々、そしてヒロインとのラブロマンスには胸がキュンキュンすること必至!」

モノクマ「そして主人公が直面する世紀の大事件とは一体……!?」

モノクマ「どう、見たくなったでしょ?」

ルカ「アクションなのか恋愛ものなのかミステリーなのかはっきりしねーな」

美琴「でも、なんだか面白そうじゃない? 色々詰め込んだおせちみたいで」

ルカ「モノクマ主演って言う台無しな要素が入ってる時点で精々小学生のお道具箱だよ」

モノクマ「なんてこと言うんだ! 見る前からそんな文句言うお客さんはオマエラがはじめてだよ!」

美琴「……ってことは、見てくれたお客さんもいるの?」

モノクマ「ていうか、大絶賛視聴中だよ? もうすぐ回が終わるから戻ってくると思うけど」

ルカ「……マジか、イかれてんな」


こんな地雷とわかり切ってる映画をわざわざ見に行くなんて、とんだもの好きもいたもんだ。
私なんかは既にモノクマの説明を聞いただけで頭痛がしそうだというのに。

それからその物好きを待つこと数分、すぐにそいつは姿を現した。




透「あー、ヤバいわ。これ」



ルカ「お前かよ……」


シアターから出てきた適当女は額に手を当て、いつもより多めに息を吐いている。
一目でわかる、明らかに映画を見たことを後悔している反応だ。
いつものような余裕ぶった態度もどこ吹く風、苦虫を嚙み潰したような表情。


モノクマ「ようこそいらっしゃいました! どうでした、全米も涙した傑作の感想を是非ともお聞かせくださいな!」

透「……あ、もしかして二人ともこれから見る感じですか」

美琴「どうしようかと思って」

透「やめとき。マジで。時間の無駄」

ルカ「……だろうな」

モノクマ「またまた~、感動の大傑作だったでしょ?」

透「これ見るくらいなら、アリの巣眺めてた方がマシ。ガチで」


あの適当女がここまでの拒絶反応を示すとは、相当なんだろう。
逆に興味すら湧いてくる。


モノクマ「映画グッズの物販なんかもありますけど?」

透「やめて、買わないって」

モノクマ「じゃあ、とりあえず来場者特典のシールだけでもどうぞ!」

透「あー……トラウマになりそう」

(……どんだけだよ)


適当女は千鳥足の様相で劇場を後にした。
これは……私たちも今のところは見ない方がよさそうだな。


モノクマ「ささ、もうすぐ次の回が始まりますよ! ぜひお二人も中へ中へ!」

ルカ「行くかよバーカ」

モノクマ「あっ、ま、待ってよー!」


私は美琴の手を引いて、背後から聞こえてくるモノクマの懇願するような声の悉くを無視して走り出した。

◆◇◆◇◆◇◆◇

新しい島の探索を一通り終えたが、私たちの心中は曇っていた。
途中で顔を合わせた連中の全員という全員が前回の裁判での禍根を引きずっている。
手掛かりらしい手掛かりもなかったことが、彼女たちの消沈っぷりに拍車をかけているようだった。


ルカ「……とりあえず、レストランに戻るか」

美琴「うん、そうだね……情報共有、大事だから」


この状況をどうすれば好転できるのか、私にはまだ視界が開けそうにはなかった。

-------------------------------------------------

【第1の島:ホテル レストラン】


レストランには調査を終えた者が徐々に集い始めていた。
どれもこれも表情は明るくない、沈黙が訪れればどこかからため息が噴き出す、お世辞にもいい空気とは言えない空間だ。


夏葉「……あら、結華はどうしたのかしら」

恋鐘「ちょっと疲れとるみたいやけん、部屋で休ませてきたばい。アンティーカの分はうちがバッチリ報告するから心配いらんよ!」

(……心配はそこじゃねーだろ)

冬優子「……黙ってても仕方ないし、さっさと報告会を始めましょ。それぞれ探索した場所と発見したことを発表してちょうだい」

ルカ「……」

冬優子「……何よ」

ルカ「いや、素のお前って結構グイグイ引っ張るタイプなんだなって思ってよ」

冬優子「……はぁ、三峰結華がダウンしてるから致し方なしによ。分かるでしょ?」

愛依「じゃあ、ストレイライトからはっぴょー! はい、あさひちゃん……どうぞ!」


中学生への信用を回復させようとたくらんでいるのか、ギャル女はわざわざ挙手をしたのち、その役目を中学生に譲った。


あさひ「えっと……そうっすね、わたしたちは病院を見てきたっす。ひどいケガとか病気をしたときは泊まれるみたいっす。患者さんと同じ数までなら、付き添いの人も泊まれるらしいっすよ!」

果穂「病院、これで安心ですね!」

あさひ「それに、緊急性が高い怪我なら手術も受けられるみたいっす!」

冬優子「あくまでコロシアイに支障が出る場合……だけどね」

恋鐘「命ば救う病院でもコロシアイのことばっかり……モノクマも抜け目なかね~」

夏葉「お世話になる用事ができないことを祈るばかりね、モノクマの腕なんてどれほど信用できるか怪しいものだわ」


ルカ「そういえば……宿泊可能で言えば、モーテルもあったな。あそこもホテルと同様に使っていいみたいだぞ」

智代子「モーテル、洋画でしか聞いたことないよ!」

美琴「部屋も覗いたけど、ベッドもシャワーも冷蔵庫も……生活に必要なものは一通りそろっていたから。気分転換に使う分にはちょうどいいかもしれないね」

あさひ「わたし、泊まってみたいっす!」

愛依「お泊り会でもやる感じでそのモーテル?お邪魔すんのもありかもね~」


果穂「放課後クライマックスガールズからのほう告です! 第3の島には、電気街があって、家電とか、パソコンとか、いろんな電化せい品がそろってました!」

美琴「古いものから最新鋭のものまで、幅広く揃ってたね」

智代子「持ち出すのは自由みたいだから、何か困ったことがあれば使ってみてもいいかもしれません!」

夏葉「電気街ではほかにも興味深い発見があったわ。ジャンク品が集められている中で、中古品のパソコン……しかもパスワードで鍵がされているものがあったの」

ルカ「外の情報が遮断されてる今、手掛かりになるかもしれない重要な品だな」

夏葉「一応持ち出して私の部屋で保管しているから……パスワードに心当たりがあれば申し出てちょうだい」

恋鐘「誰の持ち物かもわからんし、そう簡単には開けれなさそうばい……」

美琴「そういえば、映画館には誰か行った?」

ルカ「私と美琴で見て来たけど……あそこはいかねー方がよさそうだ、ノクチルの適当女が映画を見た後満身創痍で出てきやがった」

智代子「満身創痍って……映画館なんだよね……?」

美琴「特に手掛かりもないし、時間をつぶすにしてももっと他の方法があるかな」

あさひ「そういわれると、逆に興味が出るっす!」


恋鐘「じゃあ最後はうちらアンティーカから報告! うちと結華はライブハウスをみとったばい!」

ルカ「ああ……そうだったな」

(そんで、私が不用意に踏み込んでメガネ女を傷つけちまった……)

恋鐘「設備はだいぶよかもんが揃うとったばい、ライブもやろうと思えば今すぐにでもできるぐらいやったよ!」

美琴「……本番を想定したレッスンなんかに使えるかもね」

ルカ「お前はぶれないな、美琴」

智代子「そうだねぇ、この島に来てからボイストレーニングもあんまりできてないし、たまにはいいかもね!」

夏葉「あら、いい心がけね智代子。それなら今夜にでも予定を入れましょうか」

智代子「き、気が早いよ! たまにはいいかもって言っただけで……」

夏葉「その“たま”は今なのよ、智代子!」

智代子「ひゃ~~~~~!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

一通りの報告が終わった。
目立った進展は今回もナシ、そうなるとまたあの沈黙が訪れてしまう。
不安ばかりが幅を利かせる、胸騒ぎばかりがやかましい静寂だ。


夏葉「ここでじっとしても仕方ないわ、ひとまず今日は解散にしましょう」

冬優子「……そうね、お互いこうしてても疲れるだけだし」


別に敵対をしているわけではないが、どこか角が立ったような表現。
ユニットの仲間を庇っている立場上、どうしても小金持ちの警戒心には敏感になるらしい。


ルカ「……そうするか、昨日の疲れもまだ抜けてねーみたいだしな」


私も小金持ちの提案に賛同した。疲れとは言ったが、その指すところが肉体的なものでないことは誰の目にも明らかだった。


智代子「明日はどうしよっか……朝食会は、やるんだよね……?」

夏葉「……ええ、もちろんよ」


質問する側も解答する側もどこか弱弱しい。
こんな状況だ、毎日の習慣まで崩してしまえばずるずると別の所にも影響が及ぶことは容易に想像できる。


ルカ「……じゃあ、明日も朝のチャイムの後にレストラン集合で」


誰からもその返事が返ってくることはなく、私たちは無言のままに解散をした。

-------------------------------------------------

【ルカの部屋】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『ただいま、午後十時になりました』

『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』

『ではでは、いい夢を。グッナイ…』


自分の部屋に戻って、ドッと疲れが溢れてきた。
私自身が不安を抱いていなくても、他の連中があんな調子だと、かかわっていても気を遣うし、妙なところに力が入る。


「……どうすんのが正解なんだよ」


千雪の命令、初日の遂行状況は最悪。
他の連中との仲を取り持つようなことは一切できず、腫れ物に触るような立ち回りしかできなかった。
しかも一部では私のせいで余計に悪化させた節さえある。
美琴とのコンビを解消してから、ずっと孤独の道をひた走っていた。
手を差し伸べようとする連中には嫌疑の視線を送り、その手を振りほどくことに躍起だった。
救いなんて、全部が全部まがい物。
そう思い込んでいた私に、何ができるというのだろう。


「……わっかんねえっての……」


そう呟いて、ベッドにぶっ倒れた。




___丁度そのタイミングだった。



ピンポーン


来客だ。
こんな時間に、しかも私の部屋に来るなんて輩は美琴しかいないだろう。
そう思って後頭部を搔きながら、煩わしそうな表情をわざと浮かべながら扉を開けてやった。


ガチャ



冬優子「……もしかして、なんか邪魔した?」




そこに立っていたのは黛冬優子だった。
到底客を向かい入れる態度ではない私を見ると、彼女は少しばかり申し訳なさそうに肩をすくめる。


ルカ「お、お前かよ……なんだよ、急に」

冬優子「ちょっと話、入ってもいい?」


こいつが訪問してくるのは予想外だった。
訪問の理由をたずねてはみたものの、この場で述べようとしない。
概ねあの中学生にまつわる話だろうと察しはついた。
前回の裁判で衆目の中私が糾弾したことにより、今こいつらの立ち位置は非常によろしくない。
その文句でもつけに来たと見るのが妥当なところだろう。
こいつの立場から考えれば、私に言いたいことがあるのも理解はできる。
それに、私にもその責任がある。私はこいつの話を正面から受け止めることに決めた。


ルカ「あー、クソ。ちょっと待て、片付ける」

冬優子「ん、早いとこ頼むわよ」


だが、生憎私の部屋にはずっと来客もなかったため、今は人を到底入れるような環境ではない。
急ぎ足で机の上の缶を袋にぶち込み、ごみは強引にクローゼットへと押し込めた。


冬優子「お邪魔しまーす……」


部屋を見定めるようにしながら入室した黛冬優子は近くにあったクッションの上に腰かけた。
別にこいつと卓を囲むつもりはない、私はベッドの上にどっしりと座り込む。


ルカ「で、何の話だ」


分かり切っていることをあえて尋ねる。


冬優子「……この前の裁判の話よ」


ああ、やっぱりなと覚悟を決めた。
どんな罵詈雑言が来ても反論せず受け入れよう、そう思って身構えた。



冬優子「……三峰結華、あの子の抱え込んでるものをどうにかしてやりたいのよね」



だが、そこに続く言葉は意外なものだった。


冬優子「……何よ、馬鹿みたいに口ぽっかり開けちゃって」

ルカ「な、バカってな……てっきりこっちは中学生のことで文句でも言いに来たのかと……」

冬優子「あんたバカ? あさひのことで今更文句言ったってどうなんのよ、物証が揃えられてる以上は感情論で反論しても無意味」

冬優子「こっちもこっちできっちり反証するから、それまで首を洗って待ってなさい」


随分と余裕たっぷりに事も無げな様子で切り返されてしまった。
どうやらこちらの見立てが甘かったらしい。こいつらの間にある信頼というのは並大抵のものではないようだ。
たとえその展望がなくても、確信を持った返答ができてしまうほどの信頼、もはや妄信と呼び変えてもいいかもしれない。


冬優子「で、本題。三峰結華、あの子今、かなり危ういでしょう?」


黛冬優子の危惧通り、今のあいつの状況は生存者の中でも最も危ういだろうと思う。
前回の裁判で、田中摩美々がクロと確定した時に一度あいつは確かな覚悟を決めた。
田中摩美々の心中を受け止めて、それに事件が起きる前に向き合ってやれなかった自分の未熟さを認めた。

でも、そのうえでモノクマはあいつらを引っ搔き回した。
田中摩美々の知識欲とそれと紙一重の恐怖を引きずり出し、やつの死に際を惨たらしく飾り付けた。
更には他のメンバーがこのコロシアイ以前に犯したかもしれない裏切り行為を白日の下に晒した。
あいつはその時思ったはずだ、『私は全然ユニットの仲間のことを分かっていない』、と。

あのゲームの中の幽谷霧子の様子、あれは外部の人間から見ても異常だった。
ユニットの仲間の張本人、そしてその年長者ともなると受ける精神的なショックは私たちの想像を超えるだろう。
そして実際、あいつは私からの干渉を拒絶し、とうとう自分の殻に閉じこもってしまった。


ルカ「……私のせいだ、私が何も考えないで、あいつに踏み込んだから」

冬優子「別にあんたを責めに来たんじゃないんだけど、あんた何かしたの?」

ルカ「下手に生前の田中摩美々を思い出させちまった」

冬優子「……はぁ、緋田美琴とあんたがコンビ解消した理由がよくわかるわ」

ルカ「は、はぁ?! お前、適当なこと言ってんじゃねえぞ!」

冬優子「手順をすっ飛ばしすぎなのよ、はじめっから本題で入っていいわけないでしょ。特に三峰結華みたいな面倒なタイプはね」

ルカ「おいおい、面倒なタイプって随分な物言いだな」

冬優子「あら、違った?」


本人がいないからってずけずけと物を言う。
本当、猫をかぶっていた時と比べるとまるで別人だ。


冬優子「あの子は田中摩美々にも言ってたけど、自分の心を打ち明けるのが苦手なタイプなのよ。それこそ自分でも上手く言語化できないんじゃないかしら」

(……どっかで聞いたような話だな)


視線をそらし、静かに心中で自嘲した。


冬優子「自分の今感じてる不安を、恐怖を、仲間に打ち明けられたらいい。そんなことは自分でも分かり切ってる……でも、それには大きな大きな壁がある」

冬優子「ああいう女は、そういうタイプよ」

(……ああ、そういうことか)


こいつは、何も同情で口にしているんじゃない。
出会ってから、この島に来るまでずっと本当の自分を隠し、偽ってきたこいつだからこそ理解できる領域における、【同調】で言葉を口にしている。
私の部屋を訪ねてきた理由もそれで合点がいった。
意地や沽券なんてくだらないもので本音を隠し続けてきた私が、今や美琴と再び肩を並べている。
黛冬優子の論点でいえば、私を協力者に据えることは確かに道理にかなっている。


冬優子「三峰結華が超えるべき壁、あんたなら分かんでしょ」


その壁は、千雪が超えさせてくれた壁。
私たちが大人ではなく、子どもであるということを教えてくれたからこそ超えられた壁。
それと同じことを、あいつにしてやれと黛冬優子は言う。


ルカ「……簡単に言ってくれんな」

冬優子「大丈夫、ふゆが保証する。あんたはできるって」

ルカ「ハッ、無責任なこった」

冬優子「あら、ふゆが今こうやってふゆとして話してる責任の一端、あんたも担ってるはずでしょ? あんたが裁判でふゆの嘘を糾弾したからふゆは素を曝け出さざるを得なかったの忘れた?」

ルカ「……最終的に問い詰めてたのは能天気女だ」

冬優子「まあ、それはそうだけど……ふゆはあんたに協力してほしいの、それじゃ不満?」


随分と横柄なやつを目覚めさせてしまったものだ。
どうしてこうも283の連中は強引なやつばっかりなのか。
こんなところに入って平気な顔をしている美琴のことがわからなくなりそうだ。
……でも、この島の暮らしという異常事態においては、これくらいがちょうどいいのかもしれないけどな。



ルカ「……最終的には私が生き残るためだからな」

冬優子「上等。利用させてもらうわよ」



失意の夜に交わされた密約、何とも奇妙な関係が始まった。


というわけで今回はここまで。
色々とフラグが立った感じがありますね。
次回更新は本日3/3(木)、また10時前後で考えています。
次からは自由行動に入ります。
それではお疲れさまでした、また暫くよろしくお願いいたします。

____
______
________

=========
≪island life:day 12≫
=========

【ルカのコテージ】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』

『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう~!』


昨日の夜は予想外な来客があったせいか、なんだか眠りが浅かった。
異物感が一日経ってもぬぐえていないんだろう、
妙に気が立ち、起床までに何度か目を覚ました。
その度に無理やりに寝付こうとしたのだが、いずれも長く続かない。
睡眠不足に寝起き早々あくびを打った。

さて、今日からはメガネ女の再起のために黛冬優子との協力が始まる。
千雪の命令を守るため、向き合わねばならない難題中の難題だったがゆえに、協力関係をこぎつけたことはこちらとしても幾分か助かる。
やつらの間に立ち込める漠然とした不安感を切り開く糸口になってくれそうだ。
ただ、あいつの物言いは少しばかりこっちの癇に障るけどな。

別段状況が好転したわけでもないが、私はそんなのんきなことを考えながらレストランへと向かった。

-------------------------------------------------
【ホテル レストラン】

レストランには既に大方の人間が集まっていたが、やはりあいつの姿だけは見えていなかった。


恋鐘「結華は今日もちょっと調子が悪かやけん、この会には参加できんらしいたい……食事は後でうちが運んでいくから、そいは気にせんとって!」

智代子「やっぱり結華ちゃん、相当堪えてるみたいだね……」


長崎女の報告を聞いて、黛冬優子はしきりにこちらに視線を送ってきた。
わかってるっての。こっちも頷いて合図を送る。


愛依「ノクチルの二人はずっと来てくれてないし、一人でも減っちゃうとやっぱ寂しいね……」

果穂「はい……結華さんにも早く元気になってほしいです……!」

あさひ「それならみんなで応援しに行くっすよ! わたし、この前スーパーで面白いもの___」

冬優子「はーいはい、後で愛依が見てくれるってー」


中学生が口を開いた瞬間に小金持ちが警戒を露わにした。
流石の黛冬優子、下手に刺激をしないように、そこのフォローは手早い。


智代子「でも、実際どうしよっか。結華ちゃんナシはやっぱり寂しいよ」

夏葉「ずっとこのままというわけにいかないのも確かだけど……下手に干渉すべきじゃないのは確かよね」

(うっ……)


まるで自分のことを名指しされているかのように感じて、少しばかり胸が痛い。


美琴「彼女のことは彼女のこと、自分自身で克服するしかないんじゃない?」

ルカ「……まあ、それはそうだけどな」

果穂「はい! それならお手紙を書くのがいいと思います!」

夏葉「手紙……? 果穂、詳しく聞いてもいいかしら」

果穂「えっと、前に国語の時間のお話で読んだんですけど、カエルの友だち二人がけんかをしちゃうお話で……おたがいになか直りしたいのに、なかなかすなおに言えないから、お手紙をかいたんです」

果穂「お手紙だったら、直せつ顔を合わせなくても思いが伝えられるので、話す側も聞く側も、気持ちがちょっと楽になるかなって思いました!」

智代子「それ、すごくいいアイデアだよ果穂! 直接お邪魔しちゃうと負担になっちゃうかもしれないけど、手紙だったら喜んでくれるかも!」

(手紙、か……)


存外いい案が出たな、と感嘆していたが黛冬優子の反応はそうではなかった。
胸の辺りを抑えて、口元には緊張すら漂っていた。
私はそれとなく近づいて、その真意を問う。

ルカ「……おい、どうした。何かまずいのかよ」

冬優子「……別にダメってわけじゃないけど……自分がへこんでるからって、あんな小さい子にまで気を遣った手紙を書かせちゃって、受け取った側はどう思うかしら?」

ルカ「……別に、素直に受け取ればいいんじゃねーのか?」

冬優子「……はぁ、分かんない? 『自分が迷惑かけてるんだ―』からはじまる自己嫌悪。ただでさえふさぎ込んでるんだから、ドツボにハマるときついわよ」

ルカ「おいおい、それじゃどうしろってんだよ。手紙をやめさせろってか」

冬優子「そんなことできるわけないじゃない、逆にあの子を悲しませることになるわ」

ルカ「……詰んでんじゃねーか」

冬優子「早いとこ荒療治が必要ね」


それは私に向けた返事というより、自分自身で確かめるための言葉だった。
自分の口から出た言葉を、その場で読み返すようにして、その手を顎先にあてた。
私に対する口ぶりこそ荒々しいが、こいつの思い悩んでいる様子は真剣そのものだ。
メガネ女を再起させることに対する熱意は本物らしい。

だが、それを見ていると少しばかりの疑問もわいてくるというもの。


ルカ「……なんでユニットのメンバーでもないお前がそうまでして気にかけんだよ」


同じプロダクションの仲間だ、という理由だけではないように思った。
ユニットでもない相手のことに普通首をうんうん捻ってまで時間を当てるだろうか。
こいつには、それだけでない他の理由があるはずだ。
私が確信の下たずねると、なんだか返答に詰まりつつ、あいまいな答えを返した。


冬優子「それは……その……同族だからよ」

ルカ「ど、同族……?」


同族、という言葉の意味は測りかねたが、それ以上の追及は断るという様子で黛冬優子は離れて行ってしまった。
その反応はどこか照れくささを滲ませているようにも思え、ますますあいつのことがわからなくなった。


ルカ「……はぁ」


本当にあいつと協力して、なんとかなるのだろうか。

-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】

メガネ女を引きずり出す、そうは決めたもののどうもやりづらい。
千雪が私にしたような強行策はかえって逆効果、小学生の手紙のような歩み寄りも追い詰めてしまう可能性がある。
一筋縄ではいかないその歯がゆさに思わずため息が出る。

「……そう考えると、私はまだ単純な方なのかもな」

部屋の水槽を忙しなく動くヤドカリを指でつついて、言葉を零した。

【自由行動開始】

-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…24個】

1.交流する【人物指定安価】※透、雛菜を除く
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)

↓1

1 夏葉選択

【第1の島 ホテル 夏葉の部屋】


時間をつぶしに島をぶらつくかと部屋を出たところで、箱を大事そうに抱えて歩く小金持ちの姿が目に入る。
何やらガチャガチャと機械同士がぶつかりあうような音、近づいてみるとその箱の中には例のドローンが詰め込まれていた。


ルカ「お前、これ……」

夏葉「ええ、昨日の探索で見つかった危険因子よ。……念には念を、私の目の届くところで管理しておきたいの」

ルカ「んなこと、そういえば言ってたな。……重たくねーか?」

夏葉「ふふっ、ご心配には及ばないわ。それなりに自分の体の鍛え方には自信があるのよ?」


部屋にドローンを持ち込むところにたまたま出くわし、別に手伝うでもないがそのまま流れで時間つぶしに一緒に過ごすことになった。
……そういや、こいつと過ごしたことってそんなにないな。カロリーを使いそうな相手だが、大丈夫か……?

-------------------------------------------------
‣現在の所持品

【ココナッツジュース】
【ジャバの天然塩】
【ひまわりの種】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【ドライビングニトロ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】

プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない

↓1

【ドライビングニトロを渡した……】


夏葉「こ、これは何!? ルカ!?」

ルカ「うおっ……急にでけー声出すなよ……なんか、数十年前にはやったガキのおもちゃらしいぞ。車のシュミレータみたいなことができる……まあ、ごっこマシーンだな」

夏葉「ルカ、あなた素晴らしいわ! 私が車好きと知っていたうえでのプレゼントの選択……センスが光っているわね!」

ルカ「いや、知らねーけど……」

夏葉「ふふっ、有栖川の名に懸けてこの車も乗りこなして見せるわよ!」

(妙に気に入られてしまった……)


【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します!】

-------------------------------------------------


ルカ「はぁ……29……はぁ……30……」

(お、おかしい……なんで……なんで私はこいつの部屋で、腕立てさせられてんだ……?!)


こいつと過ごすことにしてから、ものの数分と経っていないはずだ。
それなのに私は苦悶の表情で床とにらめっこしながら腕をプルプルと振るわせながら息を荒げていた。
そのすぐ横で、ストップウォッチ片手に私を見つめる小金持ち。
カウントが一区切りしたところで、私にタオル片手に寄り添った。


夏葉「お疲れさま、流石ルカ……私の見込んだ通り、よく鍛えられているのね!」

ルカ「あ? お、おう……」

夏葉「痩身ではあるものの、芯がしっかりとしていてぶれていない。それでいてパフォーマンスの迫力と勢いは一級品。やはりインナーマッスルが育っていたのね。普段からトレーニングは欠かさないのかしら?」

ルカ「いや……別になんもしてねーよ」


本当に私は何も特別なことはしていない。
日々の『斑鳩ルカ』としてのパフォーマンスの練習、それと……あいつの隣に立つための特訓だけだ。
あいつの水準が余りにも高いので、その特訓の副産物で体が育っていたのだろうと自分では納得した。
ただ、それを別のやつに語るほど私はおしゃべりな人間でもない。それ以上は口を噤んだ。


ルカ「お前、そんなに人の身体に興味あるのか?」

夏葉「ええ、もちろんよ。人間の身体はその個人個人によって違う。もちろん生まれ育ったものもあるけれど、後天的に培われた筋肉や脂肪などはその人の人生を形作る重要な要素でもある。それがよく磨き上げられているということは、それだけその人の歩んできた人生がひたむきなものだったことの証左」

夏葉「ルカ、隠したところで私にはわかるわ。あなたがどれだけストイックな人生を過ごしてきたかということはね」

(……こいつ)


1.お前って美琴と相性よさそうだよな
2.その言葉はそっくりそのままお前に返す
3.自由安価

↓1

1 選択

ルカ「お前って、美琴と相性よさそうだよな」

夏葉「あら、あなたの目にはそう映ったのね」

ルカ「なんつーか、お前の話を聞いてるとあいつが被んだよ」


美琴とコンビを組んでいた頃、あいつは私の生活にも口出しをしてくることがあった。
突き詰めれば結局『私の隣に立つ人間がそんなだらしのない真似をすんな』の文脈ではあったものの、あいつのストイックさが滲み出ているような気がして、
そのアドバイスが妙にこそばゆかったのを覚えている。
今のこいつから感じているのはそれに近しい感覚だ。


ルカ「ストイックなところっつーか、時にこっちを見透かしたようなことを言ってくるとこっつーか……まあお前は美琴より数倍暑苦しいけどな」

夏葉「そうね……美琴とは通じるところを私自身感じる部分もあるわ。最近ではレッスンで一緒になることも多いからよく私から美琴に指導を乞うているのよ」

ルカ「あーそうですか……」

(なるほどな……美琴のやつが前よりも妙に人間くさいのはこいつを筆頭とした周囲の連中の影響があってか……)

夏葉「美琴は私よりもアイドルとしての歴も長い……体の洗練され具合も事務所の中では別格ね」

ルカ「へぇ……そうなのか」

夏葉「一切無駄がないんだもの。もはや芸術品としての領域……私の目指すところでもあるわ」

ルカ「ハッ、お前まで美琴と同じになったら事務所なのか美術館なのかわかんなくなっちまうな」

夏葉「ふふっ、ルカも冗談を言うのね」


美琴の283での在り方……少しだけ垣間見えたような気がする。
それに、なんだか事務所の他のやつに評価をされているってのは私としても鼻が高い。

また、話くらい聞いてやってもいいかもな。

-------------------------------------------------

【親愛度が上昇しました!】

【有栖川夏葉の親愛度レベル…2.0】

【希望のカケラを入手しました!】

【現在の希望のカケラの数…25個】

-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】


「はぁ……美琴といい、小金持ちといい付き合わされる人間の身にもなってみろってんだ」


すっかり汗だくになってしまってシャツも体にべったりとくっついていて、帰るなり速攻でシャワーを浴びた。
朝飯を食って間もないってのに、どこからあの種族の人間は動くだけの活力が湧いてくるんだ?
いや、朝食をとってすぐだから……か。
随分と稼働効率がいい身体をしているもんだなと息をつく。

既に体は若干疲れているが、流石に寝るにはまだ早い。
それに、今夜はかなり神経を使うであろう例の『説得』も待っている。


「寝てる場合じゃねーよな……」


【自由行動開始】


-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…25個】

1.交流する【人物指定安価】※透、雛菜を除く
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)

↓1

1 冬優子選択

【第1の島 砂浜】


冬優子「……何よ、このガラクタ……こんなのダメに決まってんじゃない……」ブツブツ

ルカ「……何やってんだ、お前」

冬優子「ひゃうん!? ……何よ、あんたか……びっくりさせないでよ」

ルカ「いや、知らねーけど……何をこんなところでぶつくさやってんだよ」

冬優子「別に、あんたに関係ないでしょ」

ルカ「いや今夜お前と一緒にカチコミかけんだろーが……」


とはいえ大体こいつが何をしようとしてたかは察しが付く。
とっさに隠したせいで不格好になっているプレゼントの山。
出来るだけ触れられないようにしているこいつの態度……

これは多分、メガネ女に渡す物でも見繕ってたんだろう。


ルカ「……はぁ、まあいいや。今晩の作戦会議でもするか?」

冬優子「え……え、ええ……そうね、そうしましょうか」


……それに触れるほど、野暮でもない。

-------------------------------------------------
‣現在の所持品

【ココナッツジュース】
【ジャバの天然塩】
【ひまわりの種】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】

プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない

↓1

【ココナッツジュースを渡した……】

冬優子「へぇ……あんた案外気が利くのね、いいチョイスよ」

ルカ「あ? ただこっちはあまりもん渡しただけなんだけどな」

冬優子「じゃあ、いいこと教えたげるわ。いい? ココナッツはカリウムが豊富に含まれてるの。このカリウムはデトックスにも効果的で、むくみの解消にも役立つわけ」

冬優子「あんたが意図せず渡したこの『あまりもん』は美容グルメとしては高得点。いいプレゼントだったわよ」

ルカ「なんでそんな偉そうなんだよ……」

冬優子「せいぜい今後の役に立てなさい、そんなんじゃ乙女心はつかめないわよ」

ルカ「私も女だろが……!!」

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します!】

-------------------------------------------------


ルカ「さて、この後メガネ女を引きずり出す例の計画についてなんだが……」

冬優子「……」

ルカ「実際、どうなんだ。なにをすればあいつに届くんだ?」


これは私自身の義務にも関係する話。千雪が生前下した命令、それの遂行のためには必要不可欠なタスク。
だが、私は一度完全に下手を打っている。見よう見まねで千雪をまねたところで、私にはその資格がなかった。
踏み越えてしまった一線は、いわゆるタブーだったらしく、強い拒絶の前に私は言葉を失って、何一つとしてしてやれなかった。
そんな私を仲間に抱き込んで、黛冬優子は。


冬優子「さあね……どうしたもんかしら、ったく」

ルカ「の、ノープランなのか!?」

冬優子「当たり前でしょ……ふゆも流石に仲間と死別した相手を励ますなんて経験したことないんだから。その場その場でどうにかするしかないでしょ」

ルカ「よくお前そんなで私を誘ったな……」

冬優子「ノープランなのはあくまで説得の段階に移っての話。あんたを仲間にしたのは明確な意図があっての事よ」

冬優子「……前も言ったけど、あんたは本音を口に出す辛さをこの島で一番よく知ってる人間。ふゆと、三峰結華とおんなじでね」


そういえば今朝がたこいつはメガネ女を指して同族と言っていたか。
その真意はいまだ測りかねているが、その一端は言葉の節に見て取れた。


冬優子「ま、あいつが本音を出せるように……ふゆたちも本音をぶつけてやりましょ、それが一番でしょ」

ルカ「適当だな……」

冬優子「ちょうどよく合うほうの、『適当』ね」


1.どっからそんな自信がわいてくんだ
2.本当にできんのか……?
3.自由安価

↓1

1 選択


ルカ「……ったく、どこからそんな自信がわいてくんだよ。説得の文言の一つも用意しないでよ」

冬優子「さあね、ふゆも不思議なもんだわ。まあ、アドリブには職業柄慣れっこだからかしらね」

ルカ「アドリブ?」

冬優子「ええ、どっかの誰かさんがステージ上でよく無茶をするから。自然とアドリブもうまくなるわ」

(……あいつのことか)

冬優子「……それにね、飾り立てた言葉なんかよりももっと届く言葉があるってことふゆはよく知ってんのよ」

冬優子「等身大の心からの言葉……なんて言ったら綺麗ごとかもしれないけど、ふゆは何度もそれに救われてきた。お節介な直情野郎の言葉でね」

ルカ「……?」

冬優子「……コホン。まあ、いい。ノープランだとは言ったけど、あんたがあの子に伝えたい言葉……想い。それぐらいはなんとなく考えておいて」

冬優子「今のあの子はそう簡単には響かない……その覚悟もしておいてちょうだいね」

ルカ「……おう」


……どこまでも不器用なもんだ。
これだけ私相手に余裕ぶった態度をとっているが、その震えは隠せていない。
メガネ女の感情に正面からぶつかっていくという、どうなるかの予測もつかない、前例すらない挑戦。
それを前にして不安を隠しきることはできなかった。

でも、その虚勢を咎める気も毛頭ない。
こいつの気持ちは痛いほどよくわかる。美琴の前に立つときにも、ずっと同じ衝動を感じていたのが私だ。

……今夜は、長い夜になりそうだな。

-------------------------------------------------

【親愛度が上昇しました!】

【黛冬優子の親愛度レベル…2.5】

【希望のカケラを入手しました!】

【現在の希望のカケラの数…26個】

-------------------------------------------------

【ルカのコテージ】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『ただいま、午後十時になりました』

『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』

『ではでは、いい夢を。グッナイ…』


夜も深まり、一息ついて床につこうかという時間帯。
だが、私は寝るつもりなど毛頭ない。今夜は黛冬優子とメガネ女の元で事を起こす予定なのだ。
スーパーから箱で持ってきたエナドリを飲んで眠気をぶっ飛ばして、ベッドの上で膝を貧乏ゆすりさせながらその時を待っていた。

ピンポーン

こちらはなんだかずっと落ち着かず、アナウンスの前から待機していた。待ちかねた来訪といったところですぐに扉を開放した。

ガチャ


ルカ「……よう」

冬優子「あら、早いわね。そんなにふゆが来るのが待ち遠しかった?」

ルカ「バカ言ってんじゃねえよ、こっちは結構前からスタンバってたんだよ。てめェもさっさと来い」

冬優子「あんたも結構短気なタチなのね。短気結構、事をなすにはせっかちぐらいでちょうどいいわ」

ルカ「……ハッ」


特に黛冬優子は悪びれる様子もなく、私の前で手をひらひらと振ってついてくるように促した。
数日前までの猫をかぶっていた頃を思うと、本当にこの面の皮の厚さは信じ難いものがある。

-------------------------------------------------

【ホテル 結華のコテージ前】


ルカ「……一体何分そうしてるつもりなんだよ」


黛冬優子に連れられてメガネ女のコテージ前まで来て、幾数分。未だに私たちはメガネ女の顔を拝むことができずにいた。


冬優子「う、うっさいわね! ちょっと待ちなさいよ、こっちにも準備ってもんがあんでしょうが!」


……こいつがインターホンを押すのを妙に躊躇うせいで。


ルカ「私の部屋のインターホン押す時にも毎回そんな時間かけてたのか?」

冬優子「そんなわけないじゃない……誰があんたなんかに緊張すんのよ」

ルカ「あんたなんか、っつー物言いはこの際目をつぶるとして。お前緊張してんのか?」

冬優子「は、はぁ?! 誰が緊張なんか……」

ルカ「いや、今自分で言ったんだろ……」


確かに言われてみれば口元は変に吊り上がっているし、肩も妙に強張って力が入っている様子だ。
ずっと強い口調で話す女だが、心臓は人並みらしい。

こいつが感じている緊張というのも私には理解できた。
今からこいつがやろうとしているのは、自分の殻に閉じこもってしまったやつを無理やり引き摺り出すための交渉。
そいつが自分でも無自覚のうちに仕舞い込んでしまった感情をほじくり返すために私たちはここにいる。
ずっと本音を隠してきた二人が、他の人間の本音を聞き出そうと言うのだ。
そりゃ緊張もするし不安にもなる。

だから、私は黛冬優子を責め立てはしなかった。
ボタンの前で指を止めてしまうのも、ため息を何度も繰り返しては顔を上げて数秒後にまた下げるのも、その逡巡には理解ができたから。


ルカ「……」






ピンポーン

冬優子「えっ、ちょっ、あんた?!」


まあ、それとは別にインターホンは押すが。


ルカ「いつまでもうだうだ言ってても仕方ねーだろ、ほらさっさと腹括れ」

冬優子「にしても方法ってもんが……」


「「……」」


冬優子「……反応ないわね」

ルカ「まあ、これも想定の内だろ。他の連中との交流を拒んで自分の部屋に閉じてるやつが一発で部屋に入れてくれるんだったら苦労しねー」


ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン


冬優子「あ、あんた……こういうとこは見た目通りね」

ルカ「荒療治っつったのはそっちだろ」


ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン


冬優子「……出ないわね」

ルカ「心配すんな、出す」


ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピ





ガチャ



結華「もうっ何!? 誰……!?」


ルカ「おっ、出た出た」

結華「ル、ルカルカ……? それに、ふゆゆ……!?」

冬優子「……こんばんは、元気そうね」


私のインターホン鬼の連打にとうとう痺れを切らしたのかメガネ女が半ばキレ気味に姿を現した。
だが、私と黛冬優子の姿を見てすぐにその表情は曇った。
招かれざる客、ということらしい。


冬優子「……ポストの、見た?」

結華「ポスト……?」


どうやら小学生たちの書いた手紙は読むどころか存在にも気づいていなかったようだ。
ポストがパンパンになっているのを見て驚いているあたり、どうやら本当にこのコテージから出ずに閉じこもっているらしい。


結華「……あはは、ホント心配かけちゃってるよね。何やってんだか」

冬優子「……そう思うなら顔の一つくらい見せなさいよ」

結華「……ごめんね、ふゆゆ」

冬優子「ふゆに謝られても困る」

結華「……えっと」


どこか緊迫した空気が張り詰めて、思わず唾を一つ呑んだ。
荒療治、とは言ったが別に𠮟責しに来たわけではないはずだ。
だが、実際顔を突き合わせてみると黛冬優子はメガネ女の様子に多少の苛立ちを感じずにはいられないらしい。
明らかに語気の強い言い方に、思わず仲裁に入る。


ルカ「待て待て、もうちょっと順序ってのがあるだろ。メガネ女がビビってんじゃねーか」

冬優子「……! そ、そうね」


結華「……」

ルカ「……その、せっかくだ。一応菓子ぐらいは持ってきたから中で食わせてくれよ」

結華「……」


メガネ女は答えは返さず、後方の自分の部屋を覗いた。
部屋を全く出ない生活を送っていたんだ、その内部の惨状はなんとなく察しが付く。
……私も、美琴と解散した当初はそうだった。


ルカ「別に散らかってても気にしねーから」

結華「……わかった、ちょっとだけ片付けるから待ってて」

ルカ「……扉は開けたまんまな」

結華「う、うん……」


片付けの様子は覗かないと約束して、扉を手で開けたままにした。


結華「……入って」


メガネ女が私たちを部屋に入れたのは、その数分後だった。

-------------------------------------------------

【結華のコテージ】

ルカ「……このポテトチップス、味付けはくどいけど案外いけんだぜ」


部屋には炭火焼ステーキ味のポテトチップスの香ばしいにおいが充満する。
酒なんかが欲しくなる味付けだが、一応二人はまだ未成年だ、今回はお預け。
つくづく面倒くさい。酒を使うことができたなら、もっと話も円滑に進んでいただろうにと思う。
酒の力でうっかり口を滑らせてしまう効用は私が実証済み、アルコールが進めばメガネ女の深く閉ざした心を開け放つその心ばかりの助けにもなっただろう。


冬優子「……ほんとね、いかにも体に悪いもの食べてますって感じの味だけど」

ルカ「そのジャンキーさがいいんだろ! ……美琴だったら一生食わないだろうけど」

結華「……」


メガネ女がまったく口を開かないので、私と黛冬優子がポテトチップスをつつくだけの無為な時間が過ぎていく。
さっきも言った通り、このポテトチップスの味付けは過ぎるほどにくどい。私と黛冬優子も、じきにその袋に伸ばす手は止まりつつあった。
お菓子がなくなると、この部屋に居座る名分もなくなってしまう。



……そろそろ、踏み込まないといけないんだろう。


ルカ「……なあ、メガネ女。この前は悪かったな」

結華「……この前?」

ルカ「……ライブハウスで、お前の傷も癒えてないってのに田中摩美々のことをほじくり返すような真似して」

結華「……うん、気にしないで」

(『気にしないで』ってなぁ……)


人が変わったようなしおらしさに私も二の口が継げない。
謝りはしたのだが、メガネ女自身が田中摩美々の死を直視し、受け入れなければきっとこの状態は進展することはない。
さて、どうしたものか。千雪が私にやったように小学生と中学生に会わせてみる?
いや、黛冬優子が手紙を案じたように、きっとこれも逆効果なんだろう。
そもそも他人からの働きかけを受けること自体が、こいつにとっては負担になる。


結華「あ、あのさ……二人が来てくれたのは嬉しい、けど……これは自分で向き合わなきゃいけない問題だから」

ルカ「それはそうかもしれねーけど……お前は一人で向き合えんのか?」

結華「……」

ルカ「私には、お前がそんなに強いようには____」


そこで、黛冬優子が私の前に左手を出して制した。
どうやら私はまた危険な一歩を踏み出しかけていたらしい。
三峰結華の地雷原においてはこいつの方がよく見えているようだ。
私は出かけた言葉を慌てて戻して、一歩引くことにした。


冬優子「……あんたね、いつまでそうやってるつもりなのよ」


先陣に立った黛冬優子はため息交じりにそう言い放った。
組んだ左腕を掴む右手、服には皺が寄った。


冬優子「自分の殻に閉じこもってれば傷つくことがないとでも思ってんのかもしんないけどね、あんたのその刺々しい殻のせいで傷ついてる人間だっていんのよ」

冬優子「月岡恋鐘はあんたが顔を見せなくなってからも隣にあんたが座る日を待ち続けて、料理だってあんたの大好物ばっかり作ってる。今あんたがやってるのは、その大事なお仲間に対する裏切りよ」


あえて黛冬優子は『裏切り』という言葉を使った。
それはメガネ女自身が今直面している信じがたい現実を象徴するような言葉だ。その言葉にはぴくりと眉を動かして、明確な反応を示した。


結華「裏切りって……ふゆゆはアンティーカがどんなユニットだったのかも分かってないでしょ、外部の人間が勝手に推し量って非難なんかしてこないでよ……!」

冬優子「そうね、一個もわかんないわ」



冬優子「____あの幽谷霧子がどうして人質をとったり、大崎甘奈を殺害したりしたのかなんかもふゆにはサッパリ」




更に黛冬優子は詰めていく手を止めなかった。
ここまでくると私ももう言葉を挟み込むことは諦めていた、邪魔をしてはいけないと思った。
黛冬優子はこいつの地雷を見えたうえで、それに踏み込む覚悟を決めた。
そうしないと、言葉が届かない。捨て身の覚悟で踏み込んで、双方が共倒れになろうとも言葉を届けないといけない、そう判断したらしい。


結華「……ちょっと、それは流石にないでしょ」


メガネ女も黛冬優子の言葉には流石に不快感をあらわにした。
だが、その反応は織り込み済みだ。



冬優子「でも、三峰結華。あんたならそれが分かってあげられるんじゃないの? 今わかんないからって何なの、あんたは幽谷霧子の何を見てきたわけ?」




結華「は、はぁ……!?」

冬優子「そりゃ人なんだもの、知らない一面、理解できない一面だってあるでしょうよ。でも、そこから向き合うのを逃げてちゃ、一生あんたは一人なのよ」

結華「……!」

冬優子「あんたがいっつも周りのために自分を押し殺したり、場を回すために苦心したりしてんのはふゆも知ってる。てか、見りゃわかんのよそんなこと」

冬優子「でも、それってあんたが他の人の気持ちや考えに人一倍敏感なことの証拠でしょ? あんたは他の人のことを理解して、歩もうとすることができる、それだけの強さを持った人間だってことなのよ」


それは黛冬優子でなければ言えない、言ったところで意味のない言葉だった。
メガネ女が常日頃から背負い込んでいる役目とその苦労、それは近くにいる者が気取ってはならぬものであり、他の人間から指摘するのも望ましくないもの。同じ苦労を背負うものでなければ、その言葉に裏打ちはない。
他の人間のために自分の考えや感情をベールに包みこんできた黛冬優子は、あの裁判ですべてを白日の下に晒した。
そして、三峰結華もそのありのままを自分の目で見た。

黛冬優子の言っていた『同族』、その言葉の意味を私はここでようやくつかんだのだ。





____そして、黛冬優子はもう一歩踏み出した。





冬優子「だから、あんたも信じなさい。あんたがそうしてるように、他の連中だってあんたの気持ちを分かろうとしてる、あんたに歩み寄ろうとしてんだから」


その一歩は軽やかで、まるで羽が落ちてきたように、ふんわりとした着地。


冬優子「……そのことに自信が持てないってんなら、ふゆが第一号になるから」


きっとこの一歩も彼女の地雷の上にあったはずだ、それでも……爆発は起きなかった。


冬優子「事なかれ主義の果てに『ふゆ』を演じ続けることになったふゆなら、あんたの理解者第一号にもうってつけなんじゃない?」


すっかり彼女の地雷は湿気てしまったようだ。


結華「……ぷっ、あはは!」

冬優子「ちょっと、何笑ってんのよ」

結華「だって、三峰の理解者第一号なんて……Pたんみたいなこと言うから」

冬優子「……はぁ? あいつ、こんなくっさいこと言ってたわけ?」

結華「まあでも、理解者第一号は流石にもううちの家族が取ってるからちょっとふゆゆは遅いけどね!」

冬優子「あら、それじゃあ……第何号になるのかしら?」

結華「六……か七ぐらい?」

冬優子「微妙な数字ね」


指を折って数えると、あいつの言う『家族』がなんなのかはなんとなく察しがついた。
向き合うのが辛いだのなんだの言っていた割に、随分と自信満々じゃねえか。
……いやきっと、答えはずっと決まってはいたんだろうな。
ただ、それを解答として決めてしまうことが怖かった。そういうことなんだ。


結華「はぁ、天下のアイドル黛冬優子にここまで譲歩されたんだったら、三峰もそろそろ動かなきゃだなー」

冬優子「そうよ、ふゆがここまで譲歩するなんてそうそうないんだから」

冬優子「ほら、明日から一緒に頑張ろう? ゆいにゃん♡」

結華「はわわ……こんなレス貰っちゃって、ファンとしては嬉しくも畏れ多い……」

冬優子「普通だったらCD何枚積んでもやったげないんだから、家宝にでもしなさい」

結華「じゃあ家宝用に一枚、撮ってもいい? ほら、ルカルカ撮って撮って!」

ルカ「あ? おう……まあ、いいけど……」

ルカ「……はい、チーズ」


笑顔がいけ好かねえ女だと思ってた。
軽妙なトークとその表情の裏には、何か算段が透けて見えるようで、距離を詰めているようでこちら側からは踏み込ませないような圧を感じていた。
それは決して間違ってはいなかったわけだが、いつまでもその色眼鏡のもとにこいつを見るのはどうやら不適切らしい。


カシャ


デジタルカメラのモニターに映ったその笑顔は、裏に何の考えもなく友情を見せびらかすみたいなバカ丸出しの表情だ。

-------------------------------------------------

【ホテル 結華のコテージ前】


冬優子「サンキュ、あんたのおかげでなんとかなったわ」

ルカ「私は何もしてねー、ただポテチ持ってっただけだ」

冬優子「そうね、あのポテチもひどいもんだったわ。今でも口に味が残ってる」

ルカ「うっせ、だったら食った分返せ」


三峰結華の説得を無事成功せしめた私たちはコテージ前で労いをかけあっていた。
つくづく283プロの連中は強引すぎるしお節介すぎると思う。千雪にしかり、こいつにしかり、人との距離の取り方ってものをまるで知らない。
ちょっとの間も一人にしてくれないんだから、まるで気が休まらない。


冬優子「……ありがとね、ふゆ一人じゃこうはならなかった。それは本当」

ルカ「あ?」

冬優子「ふゆはあのインターホンを鳴らす勇気もなかったし、ヒートアップしたところを諫めてくれるやつがいなきゃ余計なことを口走ってたと思う」

(余計なことは割と言ってたと思うけど……)


冬優子「……そこにいるだけで救われる人もいるってことよ」

ルカ「『救われる』、なんて……話してる相手が私だって分かって口にしてるんだとすれば相当に性格悪いな」

冬優子「あら、ふゆの性格はこの島でもピカイチにいいわよ?」

ルカ「ハッ……いい性格してんな」


勿論私の言う『いい性格』は皮肉だ。
それはこいつもわかってのこと、分かったうえでむしろ機嫌よくしたように高笑いしてみせた。


冬優子「あんた、結構話せんじゃない。見直したわ」

ルカ「ケッ、そんならケッコー」


こうして私と黛冬優子の共同戦線は幕を下ろすこととなった。
戦友たちは背を向けてそれぞれのコテージへと戻っていく。
もうこれで、私たちの関係も終わり。明日からは____






冬優子「じゃ、また明日。朝、朝食会で会いましょ……【ルカ】」






≪千雪「じゃあルカちゃんには、お友達を作ってもらおうかな」

ルカ「は、はぁ……?」

千雪「283プロのみんなともっと仲良くしましょう!」≫



(……ったく、しゃあねえな)




ルカ「おう、じゃあな……【冬優子】」




____友達同士、ってことらしい。




という訳で本日はここまで。
次回更新は3/5(土)の22時ごろからを予定しています。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。

____
______
________

=========
≪island life:day 13≫
=========

【ルカのコテージ】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』

『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう~!』


ずっと私たちの前に立ち込めていた不安の薄靄は、少しだけだが晴れて行っているような気がする。
私たち以前に行われていたかもしれない、283プロ連中のコロシアイ、その真偽はいまだわかってはいないし、何の手掛かりもない。
だとしても、それにいつまでも囚われて足踏みするだけの時間は終わりつつある。

昨晩の冬優子との三峰結華の説得もうまくいった。
今日からはあいつも朝食会にまた顔を出すはずだ。
いなくなっていた人間が戻ってくる、それだけで沈んだ気分を取り戻す効用としては大きいものが見込める。
特に、あの長崎女。あいつの煩いまでの声量もきっと戻ってくるだろう。

さ、支度をしたらさっさとレストランに行くか。

-------------------------------------------------

【ホテル レストラン】

レストランにつくと、待っていたのはここ二日顔を見せていなかった三峰結華だった。
あいつは前までと同じように、朝から気軽いしゃべり口で私を出迎え……



……はしなかった。




結華「ル、ルカルカ! ど、どうしよう……大変、大変なんだよ!」

ルカ「は、はぁ……? なんだよ、久々に参加してすぐに……なんか悪いもんでも食べたか?」

結華「う、うん……実はそうなんだよね」

ルカ「マジか……胃腸薬は呑んだのか?」

結華「ってそうじゃなくて! とにかくこっち、来て!」


説明しようにもできないといった感じで三峰結華はもどかしそうにしながら、最終的には私の手を引いてレストランの中に連れ込んだ。
別にレストランの中におかしなところはない。いつも通り、卓と椅子が並んで、その上には朝食も用意されている。
出席しているメンバーの頭数も、三峰結華が参加していることを除けば何も変化はない。



……ただ、何人かの様子は明らかにおかしかった。


恋鐘「ルカさん、おはようございます!」

私の姿を見るなり、方言の影も形もない標準語で挨拶を私にぶつけてくる長崎女。



夏葉「……なんかもう、食事をするのも面倒ね。誰か口に運んでちょうだい」

まるで溶けるかのように机に突っ伏してやたら怠惰な様子の小金持ち。



愛依「ルカさん、私と一緒に香草茶はいかがでしょうか。朝の爽やかな目覚めにうってつけですの」

頭の悪そうな言い回しから一転、上品が過ぎる言い回しで小指を立てながらティーカップを啜るギャル女。




ルカ「……は?」


理解が、追いつかなかった。


結華「こがたんとなっちゃんとめいめいが朝から様子がおかしいんだよ~!」

恋鐘「結華さん、どうしたんですか? そんなに取り乱して……もしかして、お腹が空いていらっしゃるんですか?」

恋鐘「でしたら私が腕によりをかけて中華そばをおつくり致します! こう見えて、結構自信あるんですよ!」

結華「ちゃ、ちゃんぽんじゃない……だと……?!」


夏葉「ふぁあああ……まだ朝早いし寝ててもいいかしら、人間14時間は睡眠をとった方が健康でいられるのよ」

果穂「だ、ダメです夏葉さん! ちゃんと寝るときは自分のコテージで寝てください!」

智代子「そ、それ以前に寝すぎだよ夏葉ちゃん!?」


あさひ「愛依ちゃん、今日のご飯も美味しいっすよ! 食べないっすか?」モッソモッソ

愛依「ふふ、あさひさん口元にソースが着いてますよ。今私のハンカチーフで拭いて差し上げますわね」

冬優子「ハンカチーフって今時おっさんでも言わないわよ……」


まるで地獄のような光景に、思わず頭を抱えた。


美琴「ルカ……これって」

ルカ「わけがわかんねー……な、何が起きてんだよ……!?」


バンッ!!

変わり果てた連中の様子に戸惑っているのもつかの間。
今度はレストランの扉が乱暴に開かれた。


透「……はぁ……はぁ……」

結華「あ、とおるん!? ど、どったの……そんな焦って!」

ルカ「お、おい……まさか……」

透「ひ、雛菜が……なんか、めっちゃ変」


適当女が抱きかかえるようにしているのはあの能天気女。
だが、こいつの様子の異常さも遠巻きに見てすぐに分かった。
にへらとした表情はどんよりと曇り、どこでもない遠くを見つめてため息を吐く。
けだるげな体にはまるで力がこもっていない。


雛菜「……どうせみんな死ぬんだし、もうどうでもよくないですか~」


こいつの様子は、いつもと違うとかそういう次元じゃなかった。


結華「た、大変だ! ひななんが一番重症だよ!」

透「いつもは朝から部屋に来るんだけど、今日来なかったから。見に行ったらこれだった」

冬優子「……ったく、何がどうなってんのよ!? この愛依、めっちゃくちゃに気色悪いんだけど!?」


まさに阿鼻叫喚の一言に尽きた。
言動がまるで別物になってしまった仲間に振り回されててんやわんや。
もうこれでは朝食会どころではない。
私と美琴は二人並んで呆然と立ち尽くし、その状況を見つめることしかできなかった。


と、その時。放課後クライマックスガールズの連中が異様な騒ぎ方をしていた。
どうやら小金持ちが本格的にごね始めたらしく、無理やり二人係で机からひっぺがそうとしはじめたようだ。


夏葉「はぁ……なんだか体がだるいわ、なんか足も痛いし今日はもう帰ってもいい?」

智代子「あ、足が痛いって……小学生がサボる時の常とう句だよ……」

夏葉「果穂、歩けないから私を部屋まで運んでちょうだい」

果穂「こんなにぐでっとした夏葉さん見るのはじめてで……す……!?」

智代子「ど、どうしたの果穂!?」





果穂「夏葉さんの身体、すっごくあついです……!」





智代子「えっ!? ……ほんとだ、おでこがすごく熱い……熱があるよ!」

ルカ「……!? お、おい、てめェら!」


慌てて他の連中の方を見やった。
放クラから上がった報告を受ける否や、それぞれのユニットですぐに触診による検温が始まった。
額に手を当て、じっと待つ。そしてそのいずれも結果は。


結華「こがたんも発熱してる……しかもとんでもないの!」

冬優子「愛依もダメね……こりゃ相当きてるわ」

透「雛菜もやばいぐらい出てる」


同時多発的に極度の高熱、そして性格がまるで変わり果ててしまう現象が起きた。
これは明らかに……何かが起きている。


ルカ「おい、モノクマ……! てめェが何かやったんだろ……出てこい!」


私が声を上げると、やつは待っていましたと言わんばかりにすぐその姿を現した。


バビューン!!


モノクマ「はいはい、お呼びですかー!?」

結華「お呼びどころじゃないよ……これ、何が起きてるの?! みんな様子がおかしくなって、熱まで出てるんだよ!?」

モノクマ「おやおや、これはこれは……皆さん大変お辛そうですね」

恋鐘「はい! すごい熱が出ているので、正直立っているのもしんどいです!」

結華「なら座ろっかこがたん!?」

ルカ「おい、このツッコミが追い付かない状況はどういうことなのか説明してもらうぞ」

モノクマ「説明も何もオマエラの予想通りだよ。これはとある病気に集団感染しているからこうなってるんですよ」

美琴「病気に集団感染……でも、これまで誰も病気らしい病気なんか罹患してなかったと思うけど」

モノクマ「そりゃそうですわ、この病気が生まれたのはつい昨晩のこと! とある研究施設からウイルスが流出しちゃいましてね、それがこの島に入り込んじゃったみたいなんです」

愛依「まあ、ウイルスだなんて……私、怖いです……」

冬優子「……あんたはもう感染してんのよ」






モノクマ「そして、そのウイルスこそが今回の動機……【絶望病】なのです!」






ルカ「ぜつぼう、びょう……?」

モノクマ「そっ! この島に生息している蚊が媒介する病気でね、感染した人は極度の高熱になって、更には性格も全くの別人になっちゃうって言う病気なんだ!」

あさひ「じゃあみんなはその蚊に刺されちゃったからこうなってるってことっすか?」

モノクマ「そうだね、差し詰め月岡さんは【標準語病】、有栖川さんは【ぐうたら病】、和泉さんは【お嬢様病】そして市川さんは【ネガティブ病】って言ったところかな」

美琴「高熱が出た時に普段よりしおらしくなる人とかいるけど、そういうことなのかな」

ルカ「いや、そんなレベルの変化じゃねーだろ……これは症状の一つだ」

モノクマ「今回はこのパンデミックの状況下でオマエラが耐えられるかどうかを見物しようかなって思って!」

智代子「ね、ねえこの病気って治るんだよね?! それに……感染症ってことは……まだまだ広がる可能性もあるんでしょ? ワクチンとか、特効薬とか……ドラッグストアにあるの?」

モノクマ「え? 言わなかったっけ? この病気はつい昨日生まれたばっかの新病なんだよ?」




モノクマ「治るわけないじゃん! ワクチンなんかもあるわけないよ~!」



ルカ「……は?」


それは最悪の宣告だった。
治療法も、対策法も不明な感染症……これまでの遠回しな圧をかけてくる動機とは全くの別物。
モノクマは私の命を材料に、直接的な圧をかけてきた。
コロシアイをせずとも、このままではいずれ絶望病に感染してしまう。
高熱の中で、自我を崩壊させながら衰弱し、息絶える。
そんな末路は想像しただけで身の毛がよだつ。
医療設備もまともにない環境で、得体のしれない病にかかってしまう恐怖。

____私たちの不安に更なる根源的な恐怖を上乗せしてきたのだ。


雛菜「どうせ無理だって~……全員ここで死んじゃうって~……」

モノクマ「こんな変な病気で死にたくなかったら、さっさと誰かを殺して歌姫計画の成功者になるのが一番! 舟だってすぐにチャーターしてあげるからね!」

ルカ「てめェ……舐めた真似しやがって……!」

結華「ルカルカ! 今はそれどころじゃないよ……とにかく、みんなを休ませてあげないと……」

ルカ「……クソッ!」

モノクマ「まあ病院の入院に足る重病だとは思うからさ、病院までは運んであげる! そこから先のことはオマエラにマルっとおまかせしまーす」


モノクマの言葉通り、絶望病にかかった四人はすぐに病院へと搬送されていった。
まだ感染していない残りの連中も、対処法が見当たらぬ中狼狽するばかり。ひとまずは病院に行って方針を立てることにした。

-------------------------------------------------

【第3の島 病院】

美琴「……とりあえず、今は四人とも眠っているみたい。かなりの高熱が今も出ているようだから、まだ当分は安心できないね」

ルカ「そうか……きついな」

果穂「みなさん……だいじょうぶでしょうか……」

冬優子「ふゆたちは医学の専門知識も全くない……祈ることしかできないわね」

結華「……それこそ、きりりんでもいれば話は違ったんだけどね」


病院に到着した私たちは、四人の容態を確認。
未だ熱の引かぬ様子は予断を許さない状況、とはいえ私たちは素人で出来ることも限られている。
ロビーの対策会議は、ピンと張りつめた空気だった。
そして、懸念材料はこの四人だけでなく、私たち自身にも及ぶ。


あさひ「でも、わたしたちこそどうするっすか? モノクマも言ってたっすけど、これって感染症なんっすよね?」

智代子「そうだね……わたしたちみんなが罹っちゃったらそれこそどうしようもないし……」

美琴「とにかく、隔離が必要かな。果穂ちゃんとあさひちゃんは年齢も低いし、感染リスクが大きいし……居住空間を分けておくだけでも感染する可能性はぐっと減らせると思う」

ルカ「……だな、この病院は入院患者と同数まで付き添いの人間が宿泊可能らしいから。ちょうど四対四で分けるのがいいか」

冬優子「病院に泊まる人間と、近くのモーテルに泊まる人間に分けるべきね。情報はいつでも共有できるようにしておきましょ」

あさひ「モーテルに泊まるっすか!? やった! ずっと泊まってみたかったっす!」


冬優子の言う通り、活動の拠点そのものを当分はこの第2の島に移すべきだろう。
いつ緊急事態になっても駆けつけられるように、病院に留まらない人間も近くに置いておくことには全員の合意が取れた。
後はその割り振りだ。面倒を見る人間には感染のリスクが伴う。慎重な判断の元決定せねばならない。


結華「果穂ちゃんとあさたんはモーテル組で確定として……後はどうする?」

ルカ「ガキ連中の面倒見るんだったら冬優子、お前はモーテルに行っとけ」

冬優子「……そうね、果穂ちゃんはともかくあさひの面倒はふゆじゃないと見れないだろうし」

あさひ「あはは、冬優子ちゃんとまた一緒っすね」

冬優子「……」

智代子「それじゃあわたしは病院に残ろうかな、夏葉ちゃんのことが心配だし……」

透「それなら、私も残りたい……かも。雛菜のこと、心配だし」

(……こいつが泊まるんだったら、監視役がいるか)

ルカ「……じゃ、私も病院だ。美琴、お前はどうする?」

美琴「……それじゃ、ルカの手伝いをしようかな」

ルカ「決まりだな」

結華「えっ、ちょっと待ってよ……三峰もこがたんの看病したいんだけど……」

冬優子「結華、あんたはこっちに来なさい」

結華「え、ふゆゆ?! なんで……」


冬優子「ふゆはこの子たちの面倒見るので手いっぱいなの。情報共有するにしても、ふゆの分も担ってくれるしっかり者が一人必要になると思うのよね」

冬優子「それに……病院の側は心配しなくとも、ルカがいるわ。あいつもなんだかんだ言って面倒見良いんだから大丈夫よ、それはあんたも知ってのことでしょ」

ルカ「……ケッ」

結華「……」

結華「わかった、ルカルカ。こがたんをよろしくね」

ルカ「おう」


緊急の事態ではあったが、とりあえずの対策の方針は定まった。
患者四人と同数の四人、私、美琴、適当女、甘党女の四人が病院にとどまり看病を行う。
小学生、中学生、冬優子、三峰結華の四人がモーテルで待機しておく。
後でどうにか両者間で連絡を取る手段も用意するらしい。

先行きの見えぬ混迷のパンデミック、誰しもその表情は薄暗かった。

そして、すぐに私たちは割り振り通りに分かれて行動を開始した。
私たち看病班はこれからずっと病院に泊まって交代交代に患者の様子を見ることになる。
かなりの長期戦になりそうだな。

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華『よっと……ちゃんと映ってるかな?』

ルカ「おう、見えてるぞ。こっちの音声も問題なしか?」

結華『うん、バッチリ。こういうのは初めて使うんだけど、設定とかもこれでよさそうだね』

美琴「それにしてもいいアイデアだね。こうやってリモートで情報共有ができるようにしておけば直接会わなくても済むから、感染の可能性を少しでも減らせる」

結華『それこそインターネット環境があれば話は早かったんだけど、そういうわけにもいかないから電波の送受信どまりだけどね』


あれから数時間、私たちはそれぞれの支度をした。
病院に長期で残ることを見越し、食料をスーパーから大量に運搬。
病院には看病人用の休憩室があったものの、人数分全員のベッドはないし、隙間時間での仮眠も必要となるだろうからブランケットも併せて用意した。
そしてモーテル組が用意したのがこの【テレビ通話】だ。
インターネット環境がないこの島でも、同一規格の機械を使えば電波の届く範囲内で映像付きで通話が可能になる。
元々は高齢者介護の場などで使われるものらしいが、今回はちょうどよかった。


冬優子『看病は完全に任せっきりになる。やっぱりこっちとしても容体は気になるところだから随時知らせてちょうだい』

果穂『何か必要なものがあればあたしたちで調たつしてきます!』

透「おー、通販じゃん。超便利」

智代子「もしや、食べたいものをオーダーすれば作ってくれたりなんかは……?」

冬優子『……そんな引っ切り無しに呼び出されたら隔離の意味がないと思うんだけど?』

智代子「うぅ……面目ないです」

冬優子『まあ、たまには作ったげるわよ。どうせこいつらの分も用意しなきゃなんだしね』

あさひ『冬優子ちゃん、今日はオムライスがいいっす!』

美琴「ホテルのレストランにはいかないの?」

結華『流石に食事のたびに島を渡るのは負担だからねー。各部屋にキッチンはあるからこっちで済ませようかと思ってるよ』


ルカ「……あれ、そういえばお前ら今どこから通話してんだ? モーテルの内装とはちょっと違うよな?」

あさひ『今はライブハウスっすよ。モーテルだと遠すぎて電波が届かなかったっす』

透「まあ古いやつだし、しょうがないか」

智代子「今はこうやって通話ができるだけでも感謝だもんね!」

冬優子『それじゃとりあえずはこれでやりとりをすることに決定でいいわね? 連絡を取るのは【朝と晩の8時】の一日二回』

ルカ「ん、了解」


一日二回の定期連絡。私たちは病院に籠りっぱなしになるわけだし、顔を突き合わせる機会もなくなる分このテレビ通話は貴重だな。


ルカ「さて、そろそろ連中の様子を見に行くか。目を覚ます頃合いだろ」

美琴「そうだね……私たちも万全の注意を払って看病するようにしよう」

智代子「マスクと消毒液もばっちりあるから、適宜使っていこうね!」

透「うがい手洗い、バッチグー」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【恋鐘の病室】


恋鐘「おや、みなさん……ここは一体?」

智代子「ああ、恋鐘ちゃん待って。ベッドに座ったままでいいから、ゆっくり落ち着いて!」

美琴「熱は……まだ下がってないみたいだね」

恋鐘「部屋の雰囲気から察してみるに、私が意識を失っている間に病室に運び込まれたようですね。私は入院中、ということでしょうか」

ルカ「……いつになく冷静で気持ち悪いな」

透「モノクマの動機でウイルスにやられてるみたいなんで。しばらくは入院」

恋鐘「そうですか……申し訳ないです、私がもっと衛生に気を配っていればこんなことには……」

智代子「ううん、しょうがないよ! 悪いのはモノクマなんだもん!」

恋鐘「いえ、そういうわけにはいきません! 私も誠意をお見せしないと……何か手伝えることはございますか? 料理に掃除、なんでも致します!」

ルカ「それなら感染を広げねーためにまずはベッドで横になってくれ」

智代子「こんなに元気そうなのにウイルスに体は侵されてるんだよね……」

美琴「これはちゃんと様子を見ておかないとだめだね……」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【夏葉の病室】


夏葉「入院ってすごいのよ……ずっと寝たまんまでいいし、料理も勝手に出てくるし……」

ルカ「その料理を作って運ぶ人間がいるんだけどな」

智代子「何度見ても別人ってレベルじゃないよ……こんなだらしない夏葉ちゃん……面白すぎるよ」

ルカ「おい!」

夏葉「智代子、あなたチョコレートを持っていないかしら? 体が糖分を欲しているの、なんでもいいから甘いものが食べたいわ」

透「こらー、寝たまんまで甘いもの食べたら太るぞー」

夏葉「いいのよ、それならそれで。欲望を満たし、私腹を肥やしてぶくぶくと膨れ上がって最終的にはじけ飛ぶ……そんな風船みたいな人生を私は送りたいわ」

美琴「高熱でうなされてるときに見る夢みたいな話だね」

ルカ「……なんか知能指数まで下がってねーか」

夏葉「ふぁああ……それじゃ、私はまた寝るから……後はよろしく……」

透「うわ、三秒で寝た」

智代子「ちょっとぐらいリハビリさせないと治った後が心配だね……」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【愛依の病室】


智代子「なんだか入った瞬間ハーブのいい匂いがしてるんだけど!?」

愛依「あら、丁度紅茶が入りましたの。皆さんご一緒にアフターヌーンティでもいただきませんか?」

ルカ「おいどこからこんなティーセット用意したんだこいつ!」

美琴「すごいね……おいしそうなケーキ」

愛依「ふふっ、野イチゴをあしらった卵黄ケーキですのよ。うちのパティシエールが皆様のために用意してくださいましたわ」

ルカ「おいもうツッコミが追い付かねーぞこいつ」

透「おー、すご。スポンジフワフワ」

智代子「えっ、本当に?! それじゃあわたしも失礼して……」

愛依「小鳥の囀りも聞こえてきました……今日は本当に暖かで心休まる晴天でございますね……」

ルカ「おい病人! 窓際に行くな! 戻ってこい!」

美琴「へぇ……カモミールティなんだ」

愛依「カモミールにはリラックス効果がありますの。美琴さんはダンスのレッスン終わりにいただくとよいかもしれませんね」

ルカ「看病人も正気に戻れ!!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【雛菜の病室】


智代子「こ、今度は部屋一帯がなんだかじめじめしてるよ……」

雛菜「あ、誰か来た……きっと雛菜をみんなしてバカにするためだよね~……」

ルカ「おいコラ、カーテンぐらい開けろって」

シャアアア…

雛菜「眩しい……こんな昼間から太陽の光なんて浴びたら雛菜灰になっちゃう~……」

ルカ「お前はドラキュアか」

透「雛菜、大丈夫? ほら、熱さまシート持ってきたよ」

雛菜「透先輩……優しい……」

雛菜「でもきっと雛菜以外にも同じことしてる……雛菜だけ特別だって勘違いしちゃダメだよね……」

ルカ「看病なんだから当たり前だろーが」

雛菜「はぁ……どうせ病気も治んないし、雛菜死んじゃうんだろうな~……」

雛菜「もっといろいろしたかったな……自分の足で走り回ったり、誰かとピクニックしたり……幸せな人生を送りたかった……」

透「病気になる前に全部やってるじゃん」

ルカ「……はぁ、こっちが胃もたれしそうだ」

◆◇◆◇◆◇◆◇

ルカ「とりあえず全員の様子をみたが、こりゃしんどそうだな」

智代子「うん……見た目上は元気でも、熱は全然下がってない。いつ急変するかもわからないよ」

美琴「とにかくいつでも動けるようにはしておいた方がよさそうだね」

ルカ「おう、深夜の時間帯以外はかわるがわる面倒を見るぞ、ロビーと休憩室でお前らも無理せず休め」

透「うぃー」


そこからはつきっきりの看病だ。
私たちに医療知識はまるでないので、無茶をしないように行動の監視や食事などの補助が主となるがそれだけでも結構な重労働。
それが四人ともなると流石に堪えるところだ。

-------------------------------------------------
【病院 ロビー】


「ふぅ……」


つかの間の休憩、疲労がため息となってどっとあふれ出す。
昨晩はこんなことになるとは夢にも思わなかった。
メガネ女を引きずり出すことに成功して……とりあえずは一歩前進と思っていた矢先にこれだ。

だけどウダウダ言っていたところで始まらない。
私が足踏みをしているその瞬間にも着実に病魔に蝕まれていく連中がいる。
これからはとにかく看病に集中しないといけないな。


「さて、どうするか……」


【自由行動開始】

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
☆看病期間中の自由行動について
病院に滞在中でもこれまで通り自由行動は一定の回数で可能になっています。
ただし、その仕様が通常時と少しだけ異なります。
病院にいるメンバーとはこれまで通り交流+プレゼントの進呈が可能ですが、
モーテル組とはテレビ通話での交流となるため、プレゼントを渡すことはできません。
親愛度の上昇に補正がかかることもないので、ご注意ください。

加えて、このパンデミック期間中は浅倉様と市川様との交流も解放されています。興味があればぜひお試し下さい。
また、モノモノヤシーンや自動販売機も病院内に用意しておりますのでご自由にご利用くださいませ。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…25個】

1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)

↓1

1 雛菜選択

【雛菜の病室】

コンコン

ルカ「うーす、入るぞー……うお……」


つい先ほどあけたばかりのカーテンは閉め切られ、上からガムテープまで貼られている。
どこまで日の明かりが嫌なんだ、こいつは……
あんなにお気楽で日向ぼっこが大好きですって面をしていた平常時からはとても考えられないありさまだ。
なにやらぶつくさ文句を並べるこいつを他所に、もう一度無理やりにカーテンを開けてやる。


雛菜「あぁ~……雛菜の肌が黒焦げになっちゃう~……オーブンに入れすぎた食パンみたいになっちゃうよ~……」

ルカ「どんだけ虚弱な肌してんだよ……」


だが、平常時からの変化として、こうして私を抵抗なく受け入れているという点もある。
もはや抵抗するほどの余力もない、ということなのだろうが……
これはチャンスかもしれない。今ここで踏み込むことができれば、あるいは……


-------------------------------------------------
‣現在の所持品

【ジャバの天然塩】
【ひまわりの種】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】

プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない

↓1

【ひまわりの種を渡した……】

雛菜「え……」

雛菜「そっか……今の雛菜は人間以下……家畜と一緒だもんね~……」

雛菜「これくらいの食事でちょうどいいってことなんだ~……」

雛菜「あは~……こんな雛菜のために、わざわざ用意してくれてありがとうございます……」

雛菜「嬉しくてうれしくて、ガッツいてのどに詰まらせて死んじゃったらごめんなさい~……」

ルカ「ま、待て待て! 他にもちゃんと病院食は用意してるから! 早まんじゃねえ!」

(な、なんだこいつ……)

(……これは、渡すのに成功……は、してねえか)

-------------------------------------------------

身体に噴出している汗をタオルで拭うのも、能天気女はされるがまま。
口では嫌だの死んじゃうだの何かとうるさく申し立ててはいるが、体に力がこもっていないのだからお構いなし。
そのままちゃっちゃと看病を終えて、体をベッドの上に横たえた。


雛菜「あは~……雛菜、もうダメなのかな~」

ルカ「まだ発症して数時間と経たねえだろうが、黙って寝てろ」

雛菜「……」

ルカ「……」

ルカ「……なあ。こんな弱ってる状態の時に訊くべきなのかはわからねえが……お前は、実際どう思ってるんだ」

雛菜「……って言うと~?」


私の問いかけの所在を求めて、虚ろな目を私に寝台の上から向ける能天気女。
その回答はずばり、前回の学級裁判。その終わりに、ゲームの内容について仔細を知っているかどうかをたずねられ、なおも口を閉ざした浅倉透への感情だ。
あのときのこいつの瞳は、決して信頼だけではなかった。
七草にちかの糾弾に反発こそすれ、こいつ自身も信頼を寄せるべき相手に、ずっと解答をはぐらかされづけている。
大好きな幼馴染に向けるべき感情はどうなのか。それをこいつ自身はどう考えているのか、それを知りたかった。


ルカ「浅倉透、あいつは信用できるのか?」

雛菜「……」

雛菜「ワラジムシって知ってる~?」

ルカ「……あ?」

雛菜「ダンゴムシみたいな見た目なんだけどね~……自分の力じゃ丸くなることもできない、自分の身体を守ることもできない、弱っちい虫の事なんだけど~……」

雛菜「今の雛菜は、そのワラジムシよりもずっと弱い……虫よりもへなちょこなんだけど……」

雛菜「それでも、透先輩はずっと雛菜のそばにいてくれるし、守ってくれてる……だから、透先輩のことは……信じたい……」

雛菜「もしかしたら雛菜は透先輩からすればたくさんいる中の一人かもしれないけどね~……」

(……こいつ)


病気のせいでネガティブな接頭語、接尾語がついてはいたものの、その真意は分かりやすい。

……「信じたいと思っている」

今現在も浅倉透への信頼を失ったわけではない。ただ、その感情には少しずつ揺らぎが生じている。
私の見立て通りの反応だった。

(……今なら、もっと探りを入れられるかもな)


1.お前から見て浅倉透に怪しいところはないか?
2.本当にお前は浅倉透を信じているのか?
3.自由安価

↓1

1 選択


能天気女がやっと一瞬のぞかせた本音。
思わず私はそれに飛びついた。

ルカ「……なあ、お前から見てあいつには、浅倉透には怪しいところはないか?」

雛菜「え……」

ルカ「お前だってそうなんだろ……? あいつは、なんか変だって……そう思ってんだろ?」

雛菜「……」


だが、その反応は鈍い。
熱で頭が回っていないこともあるだろう、私の質問を何度も咀嚼するようなそぶりを見せて、口ごもる。


雛菜「わかんない、わかんないよ……雛菜は何にも……」

(……ダメか)


思わず諦めかけた、その瞬間。


雛菜「……でも、透先輩は……雛菜と一緒にいるときでも、いっつも何か焦ってる」

ルカ「……え?」

雛菜「なにか、大事なものをなくしたって……そう言ってたような……」

ルカ「お、おい……それって____」

雛菜「……あ」

バタン!!

ルカ「お、おい!?」


能天気女はそれだけ口走るとバタンと音を立てて寝台の上に倒れ込んでしまった。
慌てて容体を見たが……どうやら病気の影響もあって意識がもうろうとしていたらしい。
私の問いかけに脳がショートしてしまったようで、一時的に気絶してしまったようだ。

……くそっ、焦っちまったか。
だけど、ノクチルの二人の結束は必ずしもカンペキじゃないことの確認が取れたのはそれなりの収穫かもしれない。
あいつ自身自分のことは敵ではないと主張してはいるものの……場合によっては、この能天気女をこちら側に引き込むことも考えるべきかもしれないな。

それもこれも、とにかくはこのパンデミックが収まってからの事にはなるんだが。

-------------------------------------------------

【親愛度が上昇しました!】

【市川雛菜の親愛度レベル…1.5】

-------------------------------------------------
【病院ロビー】


「なにか、なくしている……か」


看病としては失敗、捜査としては成功……だろうか。
病気で沸騰しているところに頭を使わせるような真似をしてしまい気絶までさせてしまった能天気女本人には悪いが、浅倉透に対する嫌疑の足掛かりとなるような証言は得られたような気がする。
別にあいつを問いただすわけではないが、この有効な証言は頭に入れておいた方がいいものだろうな。

パンデミックだからと言って手をこまねいているつもりは毛頭ない。
この病院の中で出来ることはすべてやりつくす。

私自身が生き残るのが、最優先だからな。


【自由行動開始】


-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…25個】

1.交流する【人物指定安価】※気絶してしまった雛菜を除く
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)

↓1

1 透選択

【病院 仮眠室】


ルカ「……ん、休憩中悪いな」

透「あ、うん。そっちも休憩?」

ルカ「……まあな」


浅倉透が一人で休憩に入る瞬間を見つけ、看病の合間に抜け出してきた。
これまでは中々接触ができなかった絶好の好機。
……逃すわけにはいかねえよな。


透「あ、これ……いる?」

ルカ「あ? んだこれ……」

透「エナジーゼリー。結構あるから、腹ごなしにちょうどいいよ」


……なんか、気が抜けるな。

-------------------------------------------------
‣現在の所持品

【ジャバの天然塩】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】

プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない

↓1

【メスシリンダーを渡した……】

透「あ、これ理科の実験で使ったやつ」

ルカ「おう、なんか水の量を測ったり……微生物を観察したりだったか?」

透「……ミジンコ、これの中に入れたら浮くのかな」

ルカ「あ? んなもん、知らねーけど……」

透「これ、貰っていいですか。なんか、ちょっと、試したい」

ルカ「お、おう……」

(……随分と妙なもんを気に入るな)


【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します!】

-------------------------------------------------

透「とりあえず、なんとか四人で看病回せば何とかなる感じですよね」

ルカ「……まあ、今のところはな。病気の実態も何もわかんねーから、滅多なことは言えねーけどよ」

透「……だよね」


仮眠室には不思議な緊張感が漂っていた。
私とこいつは何もない仲ではない。過去二回の学級裁判のいずれにおいても衝突を行っている。
それをお互い意識しないはずもなく、肌がピりつくような空気を感じずにはいられない。


ルカ「……お前も、分かってんだろ?」

透「え……」

ルカ「私が、わざわざお前のもとにやってきた。その意味が分からないとは言わせねーからな」

透「……」

ルカ「話す気はない。でも、敵じゃない。いつまでその一本で行く気なんだよ」

透「……」

ルカ「……都合が悪くなるとすぐにだんまりか、そんな真似されるとこっちもどうしようもねーんだよな」

ルカ「……さっき、お前の幼馴染の病室に行ってきた」

透「雛菜の、病室……」

ルカ「あいつは言ってたぞ、お前は何か大事なものをなくしたって」

ルカ「更にはこうも言ってた、お前への信頼は少し揺らぎかけてるって」


正確にはそんな証言が取れたわけではない。
ただ、意訳すればそれと大差はない。
なんにせよ、やっと手に入った武器を振り回すのを我慢できるほど私も大人ではない。
咽喉元にそのナイフを突き立てたくて突き立てたくて、ずっとウズウズしていたのだ。


透「……えっと」


さあ、ここまで来たらあと一歩。
……攻め手を、間違えるな。


1.お前は幼馴染も騙し続けるのか?
2.そのままだと、お前はもっと大事なものをなくすんじゃねーのか?

↓1

2 選択

ルカ「……お前がずっと口を閉ざすのは、別に自由だ」

ルカ「でも、それをすればするほど……お前はもっと大事なものをなくすんじゃねーのか?」

透「……!!」

ルカ「……市川雛菜、お前にとっても大切な幼馴染なんだろ」


……真実をひた隠しにすることで、何か大事なものを失ってしまう。
そんな経験は嫌と言うほどよく知っている。
こいつと私の経験とでは内容も、状況もまるで違うし、私にも到底はかり切れない。
でも、もし、千雪なら……


ルカ「失ってから後悔するんじゃ、遅い。そう思うぞ」


真実を追求する、その前段階としてこの一言は確実に言っていただろうと思う。


透「……あー」

透「そっか……そこまで言われちゃうか」

ルカ「駆け引きだとかそういうんじゃなくてな、ただ単純に、私の視点から観測したすべてを口にしただけだ」

ルカ「だから、そこから判断するのはお前。話すも話さないも、お前の自由だよ」

透「……ちょっと、時間をくれないかな」

ルカ「おい、また____」

透「この病院にいる限り、逃げ道もないでしょ」

ルカ「お前……!」


明らかに、これまでとは違っていた。
ただ真実をはぐらかすだけではない、何かもっと別の覚悟を決めた……そんな瞳。
空気が一瞬にして書き換えられたのを肌で感じた。

やっぱり……こいつは、ただ敵だとか味方だとか、そういうラベリングをする対象じゃないんだと思う。


透「……ん」

透「じゃ、いったん看病で抜けるから」

ルカ「……おう」


あいつの中で、何かが動いたのなら。

……多分、私の選択は間違えてなかった。

-------------------------------------------------

【親愛度が上昇しました!】

【浅倉透の親愛度レベル…2.0】

【希望のカケラを入手しました!】

【現在の希望のカケラの数…27個】

____
______
_________


冬優子『夜8時の定期連絡始めるわよー……って、既に結構しんどそうね。大丈夫?』

ルカ「……なんとか、いっぱいいっぱいだよ」

智代子「うん……恋鐘ちゃんは放っておくとすぐに無茶して手伝いをしようとするから見とかなくちゃいけないし、夏葉ちゃんは食事すらも面倒くさがるし……」

智代子「愛依ちゃんは急にティータイムを始めちゃうし、雛菜ちゃんは気が付いたら部屋の隅っこでいじけちゃうし……」

智代子「なかなか気が休まりません……がくっ」

冬優子『……そういえばあんたんとこのパートナーと、浅倉透が見えないけど休憩中?』

ルカ「おう、交代交代で休憩をとるようにしたからな。いまは私たちの番だ」

智代子「ふゆちゃんたちの方は大丈夫?」

冬優子『ええ、今は結華があさひと果穂ちゃんの相手をしてくれてるし、特に困ったこともないわ』

智代子「それならよかったよ、お互い頑張ろうね!」

冬優子『うん、チョコちゃんもファイトだよ♡』

ルカ「ハッ、それじゃ切るぞ。そろそろあいつらの様子をまた見に行かねーとだからな」

冬優子『了解、あんたも頑張んなさいよ、ルカ』

ルカ「すげー落差だなおい……」


プツッ


智代子「よし、それじゃあまた気合入れて頑張らないとだね!」

ルカ「ん、晩飯片付けて、寝るように促すとこだな」

智代子「……」

ルカ「……どうした?」

智代子「いや、前から思ってたけど……ルカちゃんなんだかふゆちゃんと仲いいよね?」

ルカ「え……あー、それは……その……」

智代子「いいなー、ずるいよ! わたしもルカちゃんと仲よくなりたい!」

ルカ「はぁ? 別に、冬優子とはそんなんじゃねーよ、ただちょっと顔なじみっつーかなんつーか……」

智代子「乙女の秘密ってやつですか……?」

ルカ「乙女なんてガラじゃねーだろ……少なくとも私は」

智代子「でも、本当になんだかルカちゃん丸くなったよね」

ルカ「お前もだろ、お菓子食いすぎなんだよ」

智代子「そ、そっちの話ではなくてですね!? ……ほら、この島に来た初めはわたしたちとお話もほとんどしてくれなかったじゃないですか」

ルカ「それは……確かにな」

智代子「でも、今はこうやってわたしの冗談にも付き合ってくれるし……やっぱり、変化があったのかな」

ルカ「まあ……そうだな、千雪が私の面倒を無理やりにでも見て来たから、気が付けばお前らと話すことにも慣れちまったって感じだよ」

智代子「千雪さんが……そっか、そうだったんだね」

ルカ「……悪いな、なんか思い出させるような真似しちまって」

智代子「ううん、ルカちゃんの大切な思い出だもん、聞かせてもらえてむしろ嬉しいよ」

ルカ「……ケッ」

ルカ「ほら、無駄話してる時間はねーぞ。さっさとあいつらの様子見ねーと何しでかすかわかんねーって」

智代子「はーい!」

____
______
________

【病院 ロビー】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『ただいま、午後十時になりました』

『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』

『ではでは、いい夢を。グッナイ…』


連中の食事を片付け、寝るまでの世話をしてやって、ようやく一日目の看病は終了。
私たちにもやっと休息の時間が回ってくる。


ルカ「……ふぅ、とりあえずは終わりだな」

美琴「みんなお疲れ様、四人とも寝たみたいだからひとまずは睡眠をとっておいて」

智代子「うん、そうさせてもらおうかな……右に左に行ったり来たりだったからなんだか想像以上に疲れてるかも……」

透「でも、深夜は看病大丈夫? 急変とか、ないかな」

ルカ「あー……確かにそれはそうだけどよ」


透「じゃ、私起きとくよ。まだあんま眠くないし」

智代子「えっ、だ、大丈夫? 透ちゃんも、結構頑張ってくれてたよね?!」

透「まあ、まだ若いし。エネルギッシュなティーンだから」

美琴「……だったら、私も起きてる」

ルカ「美琴……お前」

美琴「大丈夫、何もしない。彼女が何かしないか見てるだけだから」

ルカ「……信用していいのか?」

美琴「うん」

ルカ「……わーったよ、私はロビーで寝てっから何かあったら言えよ」

智代子「えっ、ルカちゃん……悪いよ、仮眠室譲るよ?」

ルカ「いい、いい。私はもともと固い寝床の方がよく寝れんだ、ベッドはお前が使え」

智代子「そ、そう……?」

透「じゃ、夜番は私らで頑張るから。いい夢見てよ」

美琴「私たちも合間合間では仮眠をとると思うから、気兼ねしなくて大丈夫だからね」

ルカ「おう……悪いな」


私は初日の夜番を二人にゆだね、ロビーでそのまま眠りについた。
問診の時に座るスツールを並べた即席のベッドのようなものだが、疲労もあってか私はすぐにその意識を手放した。
貴重な休息、少しでも疲労を和らげるための睡眠。
夢なんて全く見ない熟睡だった。


という訳で本日はここまで。
自由行動パートはいつも手癖でその場で書いているのですが、今回透の部分で少し踏み込みすぎてしまいました。
次回更新分と少し齟齬が生じてしまっていますが、変更しない方がストーリーとしては通りそうなのでどうかご容赦ください。
自由行動の回数を考えずに動機提示まで行ってしまったので……ノープランで書くとここら辺にボロが出ますね。申し訳ない。

次回更新分で事件発生まで行きたいと考えています。少し長めになるかもしれませんが、開始時刻の前倒しは特には致しません。
3/6(日)の22時ごろから再開予定です。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。

____
______
________

=========
≪island life:day 14≫
=========

【ルカのコテージ】

キーン、コーン…カーンコーン…

『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』

『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』

『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう~!』


アナウンスとともに目を覚ました。
眠り自体はそう不快でもなかったが、体はやはり少し負担だったか。体を起こすとバキバキと音が鳴った。
だが弱音も吐いていられない。ここからは私の出番だ、託されてる分はしっかり働いておかねーとな。


美琴「おはよう、ルカ」

ルカ「おう……美琴、いたのか」

美琴「うん、明け方まで様子は見てたけど四人とも特に異常はなかったよ。もちろん、彼女もね」

ルカ「そうか……ならよかったよ、私も起きたんだ、お前もしっかり休めよ」

美琴「うん、大丈夫。途中で仮眠は少し取らせてもらったから」

ルカ「他の連中は?」

美琴「智代子ちゃんが早めに起きて来たから今は彼女が。後は仮眠室」

(……【後】と来たか)


どうやら朝までずっと寝てたのは私だけだったらしい。
なんとなしに気恥ずかしさを覚えたが……その分働いて返さないといけないな。
まずは朝の様子を一通り観察するとこから始めるか。

◆◇◆◇◆◇◆◇

【恋鐘の病室】


恋鐘「おはようございます!」

ルカ「おう、わかったからベッドに横になれって」

恋鐘「清々しい目覚めです、これも皆さんに看病いただいているおかげですね!」

ルカ「朝からテンションたけーな、なんだお前」

美琴「深夜でもこの感じだから体力を下手に使ってそうで心配になるんだよね……」

恋鐘「ご心配いただきありがとうございます」

ルカ「はぁ……とりあえず朝飯食って、ちゃんと養生すんだぞ。それが一番のお礼になんだから」

恋鐘「はい、お任せください」

ルカ「……ったく」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【夏葉の病室】


夏葉「……ぐがー」

ルカ「……まあ、やっぱこいつは寝てんな。このまま放置でいいか」

美琴「元から彼女、朝はあまり強くないみたいだから」

ルカ「そうなのか?」

美琴「うん、この島に来てからは果穂ちゃんと智代子ちゃんもいるから早く起きるように努めてたみたい。病気になって性格が変わって、その分の枷が外れちゃったのかな」

ルカ「はは……そうかもな」

夏葉「むにゃむにゃ……もう持ち上がらないわ……重量をやみくもに増やしたところでトレーニング効率は悪い……」

ルカ「……どうやら見てる夢は元の性格準拠みてーだぞ」

美琴「……なんだか暑苦しそうな夢を見てるんだね」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【愛依の病室】


ルカ「……なあ、なんでこいつのベッドは天蓋付きなんだ」

美琴「なんだか入るたびに部屋の様子が変わってるんだよね……」

ルカ「アロマポットまで焚きやがって……病人の自覚が一番ないのはこいつなんじゃねーか」

愛依「あら、セバスチャン……もう起きる時間かしら……?」

ルカ「誰がセバスチャンだ。……別に、寝てて大丈夫だ。朝飯はお前の好きなタイミングで食えばいいからな」

愛依「お気遣いいただきありがとうございます、後でお礼にアップルパイを焼いて差し上げます」

美琴「アップルパイはお嬢様なのかな……」

ルカ「そもそも菓子作りなんかすんな、ほらおとなしくしてろ」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【雛菜の部屋】


智代子「ひ、雛菜ちゃん! そんなことないよ、ほら、ファイト!」

ルカ「……おい、何やってんだ」

智代子「あ、ルカちゃんおはよう! あのね……雛菜ちゃんがまた例の発作を起こしてて」

雛菜「雛菜が地球にいることで、アフリカの恵まれない子供の分の酸素がさらに減っちゃうんだよね~……」

ルカ「……こりゃ深刻だな」

ルカ「おら、とりあえずベッドに戻れ。てめェが使う酸素の心配するぐらいならそのエネルギーを植樹に使え」

雛菜「でも雛菜の血液は毒だから……きっと植物も雛菜に触られるの嫌だと思う~……」

智代子「そんなことないよ、ほら! 朝ご飯もあることだし、野菜食べて食物繊維で毒素を抜こうよ!」

美琴「昨日の晩もこんな感じで星を眺めながら『隕石が落ちてきたら全部終わり』って嘆いてたんだよね」

ルカ「かもしれない運転が過ぎんのも考えもんだな……」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華『なるほど……とりあえずは異常なしなんだね、安心した!』

ルカ「性格がひん曲がっちまったせいで予測不能な行動に出るのだけ気になるけどな」

あさひ『話聞いてたらなんだか面白そうっす~……わたしも看病に回りたかったっす~』

(……)

果穂『みなさん、つかれてないですか? 休けいはしっかりとって、無理しないでください!』

美琴「うん、ありがとう。ちゃんとみんな睡眠もとってるから大丈夫だよ」

透「そっちは大丈夫? なんか、事故とか」

冬優子『ええ、特には何もないわ。ただ一つ問題があるとすればこいつがうるさいだけ』

あさひ『冬優子ちゃん、電気街にラジコンあるらしいっすよ! 取りに行くっす!』

智代子「あはは……頑張って」

ルカ「まあなんかあったら連絡してくれ、誰かしらはロビーにいるだろうから」

結華『オッケー、こっちも定期連絡以外にもちょくちょくライブハウスに様子を見には行くようにするね!』

プツッ


ルカ「さて、そんじゃまた看病に戻るか」

智代子「うん、今日も頑張ろうね!」

ルカ「美琴とお前は寝てていいぞ、あれからずっとだったんだろ?」

美琴「ううん、大丈夫。深夜当番って言ってもずっとじゃなかったし、今もそう眠くはないの」

透「私は寝とこうかな。いいですか、仮眠室」

智代子「うん、大丈夫だよ! わたしたち三人で頑張るから、透ちゃんはとりあえずゆっくり休んでて!」

ルカ「おう……無理はすんな」

美琴「……」

ルカ「美琴、やっぱあいつは気になるか?」

美琴「……夜の間は特に目立ったことはしてなかった。昼も寝ておいてくれるんだったらそっちの方が安心だから」

(……やれやれ)


そういうわけで昼の間は基本的には三人で看病を回すことに。
定期的な見回り、食事なんかの世話、昨日とやっていることは変わらない。
ただ、どれほど熱心に看病をしてもこいつらの病状がよくなるわけじゃない。
熱もまるで下がらず、性格も戻る気配もない。
自分たちのこの看病に果たしてどれほどの意味があるのか、それを疑問に思わないように、必死に目を瞑って看病を続けた。

-------------------------------------------------
【病院 ロビー】

とりあえず朝の観察では異常はなし。
とはいえ油断なんか微塵もできやしない。
完全に未知の病気で、その症状も聞いたことがない。ここからどう転がるのかは医者ですらも分からないだろう。
そして、こうして看病を行っている私たちだって感染リスクからは逃れられないわけで……実際この生活もいつまで続けられるのかは甚だ疑問だ。

「……はぁ」

気を抜けばすぐにため息が漏れ出る。
私は口からこぼれた息を吸い上げるようにして立ち上がった。
嘆いても時間の無駄、それだけを頭で復唱して、考えることをやめた。

【自由行動開始】


-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…27個】

1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)

↓1

1 夏葉選択

【夏葉の病室】

コンコン ガララ

夏葉「あ……よく来てくれたわね、お菓子ならそこにおいといてちょうだい……」

ルカ「それが人を出迎える態度か……それに病人に菓子は用意しない、大人しくしてろ」

夏葉「えぇ……体が、体がチョコレートを欲しているの……お願いよ……ギブミーチョコレート……」

ルカ「私は米兵かよ……おら、諦めな」


本当に見る度見る度だらけっぷりが加速していく。
もはやシーツと一体化しているような、満足そうな表情を浮かべて横になっているさまは中々滑稽だ。
とはいえ、こんな状態でも額に手を当てると火傷しそうなぐらいに熱い。
本音では、相当に苦しんでいるんだろう。

……どうにか楽にしてやれないものか。

-------------------------------------------------
‣現在の所持品

【ジャバの天然塩】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【トイカメラ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】

プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない

↓1

【トイカメラを渡した……】

ルカ「ガキ向けのちゃちなカメラだけどよ、お前なら結構楽しめんじゃねーか?」

夏葉「まず、立たないとダメでしょ?」

ルカ「……あ?」

夏葉「それに、被写体を探して……シャッターを切る」

夏葉「見たいと思ったら現像までしなくちゃいけない。そんな工程が無駄にかさむ動作、私はやりたくないわ」

ルカ「……お、おいおい」

夏葉「そんな無駄を踏むぐらいなら、私は一分一秒でも長く眠ることを選ぶわ!」

(チッ、普段のこいつなら喜んだだろうに……)

-------------------------------------------------

他の連中に比べると、こいつの世話はだいぶん楽。
素行がぐうたらな分、寝かしつけたり、暴走を行ったりしないように監視する手間はだいぶん省けている。
とはいえ、容体が急変するとも限らないのでそばに入れる限りはちゃんと見てやらないとな……

夏葉「……ぐごご」

ルカ「……ったく、こんなアホ面こいて寝てるってのにやべえぐらいの高熱なんだもんな」

ルカ「……」

ルカ「そろそろ氷嚢の氷も溶けんな、入れ替えてやるか」


そう思って席を立ち、背を向け、冷蔵庫に向かおうとした瞬間。


夏葉「……ルカ?」


背後から私を呼び止める声。
ただ、その声色は病院に来てから聞き続けたそれとは違う。
私を小間使いにしようとする、怠惰な呼び声ではない。
数日前までの、私たち生き残っているメンバーを引っ張っていくリーダーとしての声色。
いつもの小金持ちの声を、そこに写し取っているように感じた。
思わず私は即座に振り向いた。


ルカ「ど、どうした……!?」


だが、そこににいた小金持ちの姿は……想像とは違っていた。
布団をくしゃくしゃに手繰り寄せるようにして、しおらしく肩を落としている……落胆の表情だった。


夏葉「ごめんなさい……こんなことになってしまって」


時々私も病気でうなされているときに、妙に冴えてしまう瞬間がある。
たいていが未明だとか深夜だとか、そういう冴えても仕方がないタイミングで、自分の身の上を呪うほかにやることもないそれ。
今のこいつはその妙な冴えのせいで、隠しているはずの本音を吐露してしまっていた。


夏葉「智代子に果穂……そして、283プロのみんな……この島にいるのは多くが私よりも年下でしょ……?」

夏葉「だから……私が、守らないと……助けてあげないと……その責任があるって言うのに……」

夏葉「こんな、病気なんかに……侵されて……」

ルカ「……お前」


私よりも背丈もそれなりに大きいはずの小金持ちの姿が、なんだか妙に小さく見えた。


1.いつ誰がお前にそんな責任背負わせたんだよ
2.自分を追い込む必要なんかない
3.自由安価

↓1

2 選択

ルカ「……お前は確かに立派だよ、自分だけじゃなくいつも他の連中のことも気にかけて。そんだけの責任感があってこその行動なんだろうなって私でも思う」

ルカ「だけど……だからこそ、そんな風に自分を追い込む必要なんかないんじゃねーのか」

夏葉「……えっ」


実際、私もそうだ。
世話を直接焼かれるようなことはないにせよ、学級裁判でもいつも議論の流れを生み出してくれるのはこいつ。
こいつがいなければたどり着けなかった真実だってあるだろう。
だからこそ、こんな不慮の事態で自分を追い詰めるような真似をしているのは私としても見ていられなかった。
病気の症状で私たちを道具にしたとしても、普段の行動で十分おつりがくる。
少なくとも甘党女と小学生は、きっとそう思っていることだろう。


ルカ「お前がいっつも他の連中にしてやってる分の施し、その恩返しでもしてもらってるつもりでよ」

ルカ「看病してもらうんだったら存分に利用し尽くせよ、丁度お誂え向きにお前は【ぐうたら病】なんだ」

ルカ「甘党女、張り切ってたぞ。いつも助けられてる分私が頑張るんだ~ってな」

夏葉「……そう、なのね」

ルカ「……まあ、私としては癪だけどよ。なんか用があればちょっとぐらいは聞いてやるぞ」

夏葉「……じゃあ」

ルカ「おう」

夏葉「なんか電気街からゲーム機とか持ってきてもらえないかしら、寝てばっかりだと退屈なのよ」

ルカ「……はぁ」


クソッ、今の一瞬ですぐに冴えは消え失せてしまったらしい。
すっかり絶望病のぐうたらモードに逆戻り。

でも、一瞬だけでもこいつの本音を見れたのは、価値があったかもしれないな。
それこそ、甘党女に伝えてやってもいいかもしれない。

……いや、そいつは野暮ってもんか。

-------------------------------------------------

【親愛度が上昇しました!】

【有栖川夏葉の親愛度レベル…3.5】

【病院 ロビー】


小金持ちの看病を終えて一度ロビーに戻る。
あれからまた暫く粘ってはみたものの、冴えは二度とはやってこず。
深い眠りに入った様子で、起こすわけにもいかないのであきらめることとした。

この病気はかなりの高熱を発生させ、性格も捻じ曲げる。
でも、能天気女のことといい、小金持ちのことといい、それ以外にも……本人の弱いところを掘り起こすようなそんな症状もあるのかもしれないな。
ただの偶然なのかもしれないが。
もし、本当にそんな症状があるのなら……私が感染したらどうなるんだろう。

「チッ」

滅多なことを考えてしまった。
もしここで私まで感染しちまったら始末は誰がどうつけるって言うんだよ……


【自由行動開始】


-------------------------------------------------
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…27個】

【事件発生前最後の自由行動です】

1.交流する【人物指定安価】
2.モノモノヤシーンに挑戦する
3.自動販売機を使う
4.休む(自由時間スキップ)

↓1

1 雛菜選択

【雛菜の病室】

コンコン ガララ……

ルカ「……うおお!?」


部屋が真っ暗になっていることはもはや触れる必要すらないとして。
入った瞬間私の鼻をくすぐる臭い。これは……葬式の時の匂い、か……?
臭いの元を探ると、能天気女が部屋の隅で何かを手に持っている。


雛菜「あは~……この匂い……すごく落ち着く~……」

ルカ「お、お前……それ、線香じゃねえか……」

雛菜「人って、いつかはみんな同じように焼かれて、同じように埋められて……同じように、このお線香の匂いに包まれるんだ~」

雛菜「だから、この匂いを嗅いでると、雛菜もみんなとおんなじだって思えて……」

ルカ「……換気するぞ」


……これ以上こいつの話を聞いてるとこっちの頭が先に参りそうだ。

-------------------------------------------------
‣現在の所持品

【ジャバの天然塩】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】

プレゼントを渡しますか?
1.渡す【所持品指定安価】
2.渡さない

↓1

【エプロンドレスを渡した……】

ルカ「……私の趣味じゃねーけど、普段のお前ならこういうの似合うんじゃねーか?」

雛菜「エプロンドレス……これってメイドさんのやつですよね~……」

雛菜「あ、そっか……雛菜を冥途送りにしてやるっていうメッセージなんですね~……」

ルカ「下種の癇繰りが過ぎるぞ……ただのプレゼントだ、着てみて嫌だったら捨てな」

雛菜「……」

雛菜「あは~……かわいいかも~……」

(……喜んだん、だよな?)

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します!】

-------------------------------------------------

雛菜「雛菜のためにこんな病室一個も使っちゃって……これだけの敷地があれば、もっと愛されている誰かのお墓を建てられたはずなのにな~……」

ルカ「不動産会社にそういう文句は言え。ほら、シーツ交換するからどいてろ」


息をするように口から綴られるネガティブな文言はもはやスルー。
部屋の隅っこにいるのをいいことに、病室の設備周りを綺麗に整えてやった。


ルカ「……あ、そうだ。昨日は、悪かったな」

雛菜「はい~?」

ルカ「病気のとこに、無理やり問いただすような真似しちまってよ。あれで病気が悪化でもしたらこっちの責任だしな」

雛菜「……」

雛菜「いえいえ~、むしろこんな雛菜と会話してくれたなんて……酸素の無駄遣いをさせてしまって申し訳ないです~」

ルカ「どんなへりくだり方だよ……」


こうもいつもと違うと、やはりどうしても調子が狂う。
ネガティブになって聞き分けがよくなったというべきか、それとも言葉が余計に響かなくなったとみるべきか。
だが、私たちから距離をひたすらに置こうとするのがなくなっただけでも大分大きいのは確か。
ノクチルの二人でも、こっちの方が距離をとりたがる節はあった。

(……どうしよう、もう一度何か探ってみるか?)


1.もう一度浅倉透に対して怪しいところはないか聞いてみる
2.昨日浅倉透と話したと報告してみる
3.自由安価

↓1

2 選択

ルカ「……昨日よ、お前と話してから浅倉透と話してみたよ」

雛菜「……透先輩と?」

(……!!)

絶望病にかかっているというのに、私の口からその名前が出た瞬間に空気が俄かに変わる。
とはいえ、これまでの敵意や殺意に塗れたそれには完全には満たない。
やはり本調子ではない、ということなのだろう。

ルカ「お前が言っていた、あいつが何かを“なくしている”っての。本人に少しだけ訊いてみた」

雛菜「それで、透先輩はなんて言ってました~……?」

ルカ「……その場では解答はもらえなかった。でも、この病院にいる限り、逃げ場はないって」

雛菜「それって、近いうちに話すってことですよね~……?」

ルカ「……だと、思っていいはずだ」

雛菜「……そっか、透先輩が……」

雛菜「雛菜も、それ……何を指してるかまでは知らないんですよね~……そっか、幼馴染の雛菜も知らないのに、そうなんだ~……」

(うっ……)

身に纏わりつくような、嫌に粘着質な気配。
べたべたとして心地の悪い感触、この感情のことを私は良く知っている。
嫉妬と恨み……そのブレンドだ。
普段のこいつなら、こんな感情は向けてこないだろうにと思う。
この感触も、絶望病由来の物なんだ。


ルカ「……確かに、お前よりも先にわたしが聞くこともあるかもしれない」


致し方ないものと割り切って、私はそれを拒絶はしなかった。
相手が病人だからということもあるが、これは千雪の命令を遂行するためでもある。
私はこいつらの感情に向き合う義務と責任とがある。
そこから逃げ出すようじゃ、まだまだだ。


ルカ「だから、話聞けたら、お前にも共有する」

ルカ「お前も、この島で暮らす……一応、一員なんだからな」

雛菜「……あは~」


私の返答に、能天気女は幾分かの納得はした様子で、布団の中に頭を引っ込めた。
危ないところだった。この手を間違えていれば、こいつとの間の溝はまた別のかたちで広がってしまうこともあっただろう。

……立ち振る舞いは慎重に。
人づきあいと言うのはなかなか面倒なものだ。

-------------------------------------------------

【親愛度が上昇しました!】

【市川雛菜の親愛度レベル…3.5】

【希望のカケラを入手しました!】

【現在の希望のカケラの数…28個】

____
______
________


結華『そっか……まだみんなの病気はよくなんないか……』

ルカ「正直知識も何もないからな、全部結局はあいつら次第だ」

あさひ『風邪薬とかも、効かないっすか?』

透「風邪とかじゃないしね、ウイルスにはウイルスの薬使わなきゃダメじゃん」

結華『熱も下がってないんだよね?』

ルカ「ああ、全然変わらねえ。あいつらあんな平気な風して余裕で39度台の熱出してやがるからな……せめて熱でも下がらねえと衰弱しちまうぞ」

あさひ『……愛依ちゃんに会いたいっす』

結華『あさたん……もうちょっとの我慢だよ、きっとよくなるから』

透「そっちは何かありますか」

結華『いや、こっちは何も変化はないよ! 時々島の探索もできる範囲でやってはいるけど、新しい発見はないかな』

ルカ「チッ……いやな停滞だな」

結華『ルカルカ、完全にそっちに任せちゃってるけど、何か必要なこととかあったら気軽に言ってくれていいからね! ルカルカの力になれるコトなら、なんでも協力するから!』

ルカ「おう、わかった」

透「なにかあったらまた連絡します。それじゃ、また明日」

あさひ『また明日っす~!』

プツッ


今日の夜の間の看病は私とこいつの二人で引き受けることになった。
私は昨日朝まで熟睡していたし、こいつも日中はよく眠っていたらしく、体力に余裕がある。
それに、私自身こいつと今一度話したいとも思っていたからだ。

看病に行く前、通信を終えて静まり返ったロビーで私は話しかけた。


ルカ「……この前は悪かったな」

透「え、急に何」

ルカ「千雪の裁判終わり、急に胸ぐら掴んで恫喝なんかしちまってよ」

透「あー……いいよ、別に」

ルカ「……私も動転してた」


でも、その動転はこいつへの疑念からの派生だ。
私たちにひた隠しにする、外部の人間とのつながり。
そこに私たちの求める回答の一つがあるであろうことは容易に想像がつく。
その気持ちが私に焦らせた。

今は一旦その時の非礼を詫びることにした。
こいつだって、私たちと全員と一蓮托生の一人。
中学生のように悪意が表に出ていないうちから敵対を続けるのは得策ではないと気付いたのだ。

そして、何より私にとってこいつへの認識を改める要因になったのがこの絶望病だ。
あんなに血相を変えて飛び込んできて幼馴染の容体を案ずる。コロシアイに加担している人間とは思いがたい行動ではなかろうか。



だから、私はここで見極めたい。
浅倉透という人間の真意を、七草にちかがぶつけた敵意が適正だったのかを。


ルカ「幼馴染がやっぱ心配か」

透「そりゃね、雛菜しかこの島にはいないからさ。病気してたら落ち着かないよ」

ルカ「これまでずっと別行動だったのに、助けを求めてくるぐらいだもんな」

透「……それは、ごめん」

ルカ「……別に責めようってわけじゃねーんだ。お前ら幼馴染同士の結束ってのは確かなもんなんだろうなと思ってよ」

透「ずっと一緒だからさ、うちら。小糸ちゃんは一回中学校だけ別だったけど、それ以外は変わんない」

透「……変わんない」

ルカ「……どうした?」

透「……いや、別に」


何か意味ありげにポツリと言葉を繰り返すと、浅倉透は視線を逸らした。
そこに内在するニュアンスを掴みたくて、私はさらに探りを入れた。


ルカ「お前よ、病院に残る側になった目的って本当にそれだけなのか?」

透「え」

ルカ「お前、幼馴染のことを随分と信用してるようだけど、こいつにはもしかして話してるんじゃねーか? お前がつながってる、外の世界のやつっての」

透「……!」

ルカ「私たちが看病している間に、ついうっかり口にしやしまいかって」

透「いや、そうじゃない……違うって」


強い言葉で否定した。
こいつとしてもどうにか誤解を解きたいと言う気持ちはあるらしい。
確かに、今にして思えばこいつが私たちと距離を取ったのはあの能天気女の暴走によるところがあった。
まるで信用しない私たちに豪を煮やして単独行動を開始した。そこからも目立った動きはないし、そこを咎める必要はきっとないんだろう。


ルカ「七草にちかが言ってたこと、お前が外の人間と繋がってるってのは……結局本当なんだよな?」

透「……うん、本当だよ」

ルカ「そいつとは、まだ連絡は取ってるのか?」

透「……ううん、取れなくなっちゃった」

ルカ「……そうなのか?」

透「あの裁判以降一度もね、モノクマがなんかしちゃったみたい」

(……もしかして、七草にちかが告発したことで明るみになっちまったからか?)

ルカ「そいつは、私たちにとって敵ではないんだよな」

透「うん、味方だよ。このコロシアイとは無関係」

ルカ「でも、誰かは言えない……」

透「……」

ルカ「……なあ、なんで言えないんだ? その理由を聞かせてくれよ、別にお前を疑ってるわけじゃねーんだ、お前を信用するために、信用に足る情報をくれよ」

透「……えっと」

ルカ「いい、ゆっくり話せ」


今この場には私とこいつしかいない。
病院から逃げ出すことは不可能。
詰問には正に打って付け、浅倉透も観念した様子で慎重に言葉を選びながら語り始めた。


透「……そもそも、私が連絡取れてたのはモノクマからの干渉を拒める手段があったからなんだよね」

透「この島にいる限り、モノクマには全部知られちゃうんだよね。何をしてるか、何を話してるのかも。全部」

透「だから、そこら辺をクリアにする機能を持ったのがあったんだけど……今はもう使えない、取り上げられちゃったから」

透「だから、伝えられないんだ。モノクマに知られたらまずいから」

ルカ「結局、私たちに言えることは何もないってのは変わんねーのか」

透「……ごめん」


情報には何も進展はなし。
モノクマへの抵抗手段があったと言うことは知れたが、今はもうそれも手元にないと言うのだから仕方ない。
ただ、進展はなくとも、浅倉透という人間は少し見えた。
声の調子、視線、息遣い。それをすぐ間近で改めて観察することで、こいつが嘘をついていないことは分かる。


ルカ「じゃあ具体的な話をしなくてもいい、これだけ聴かせてくれ。お前は一体、どこまで知ってるんだ?」

透「……」

ルカ「この前のゲームといい、最初の動機といい、私たちの失った記憶ってのが重要な意味をもってんのは確かだ。お前はその私たちの失った記憶を……知ってるのか?」

透「……私は、あのゲームの中のコロシアイは何にも知らないよ。それは事実」

透「でも……みんなが失った記憶は、ちょっとだけわかる」

ルカ「……!? ま、マジか……?!」

透「でも……それは言えないんだ、言っちゃうと……全部、これまでが無駄になっちゃうから」

ルカ「これまでが無駄になる……?」

透「ねえ、記憶ってどこまである? この島に来る前の一番新しい記憶って?」

(この島に来る前の、一番新しい記憶……?)


確か、私はいつも通りソロライブを終えて、マネージャーが運転する帰りの車に乗ってた。
それでついついうたた寝しちまって……目が覚めたらこれだ。


透「……そっか、それなら大丈夫」

透「あのさ、それが本来あるべき姿なんだよね。みんなは記憶がすっぽり抜け落ちている……それで、いいんだよ」

ルカ「お前……それってどういう意味なんだ」

透「思い出しちゃ、ダメなんだよ」

透「忘れといて、そのまま」


自らの胸に手を当てて、説き伏せるようにして浅倉透はそう言った。
失った記憶はそのままでいろだなんて、正直理解はできない。
でも、道理や理論じゃなくて、こいつの言葉には信じてみようと思わせるような妙な説得力があった。
その澄んだ瞳の奥底には、どっしりとして揺るがない軸のようなものがあり、その不思議な引力に引き寄せられるのだ。

……でも、だからといって見逃しはしない。
こいつの言葉を追っていけば必然的に結ばれる結論がある。



それは、








ルカ「……お前が私たちの記憶を奪ったのか?」






透「……」

ルカ「いつからの記憶がないかを把握してるってことはそういうことだろ? お前はこの希望ヶ峰学園歌姫計画の参加者じゃなくて……運営する側の人間なんじゃないか?」



透「……私が奪ったって言うか」





透「私たちが、奪った」





ルカ「……マジかよ」

透「でも、信じてほしいんだ。モノクマの言葉に載せられちゃダメ。あいつは、悪者だよ」

ルカ「んなことは分かってる、このコロシアイは希望ヶ峰学園歌姫計画をあいつが乗っ取ったからこうなってるだけ、つまりは本来の歌姫計画はそうじゃなかった」

ルカ「だから……てめェはその本来の歌姫計画の実行者……その一人ってことなんだろ?」

透「……うん」


希望ヶ峰学園歌姫計画の実行者ということは、この島に私たちを集めた張本人ということになる。
でも、どうして?
他の283プロの連中とは別に、どうしてこいつだけがそんな役目を担っている?
他の連中はどうしてこいつのように希望ヶ峰学園歌姫計画を知らない?
そして、その歌姫計画はどうして私たちの記憶を奪うような工程が含まれている?
浅倉透が口にした言葉は、謎への解放なんかじゃない、新たな謎への導線だったのだ。


透「……多分、今めちゃくちゃだよね。頭ん中」

ルカ「当たり前だ、お前……新しいことは言えないとか言った割に、疑問ばかり言いやがって」

透「ごめんって。……でもさ、私がみんなの味方だっていうのは変わんないから」

ルカ「そればっかだな……」


そもそもの『希望ヶ峰学園歌姫計画』とやらの実体も私たちにはよくわかっていない。
それの実行者がいくら味方だ敵だと言っても、信じるか否かの議論の上に載せることすら危うい証言だ。
でも、この状況においてなお、浅倉透は私から視線をずらそうとはしなかった。
ここにきて初めて私が耳を傾けた、この状況をこいつ自身も好機だと考えたんだろう。
自分自身を知ってもらうための、好機。
誤解を解くための、好機。


____後は私がこの瞳を信用するかどうかがすべてだ。



七草にちかの命を懸けた糾弾、そしてそれに突き動かされた美琴。
それを思えば、こいつの主張など斥けてしまうべきなのかもしれない。

……でも、それは今ある信頼に縋り続けるだけの逃避に変わりない。
現実に向き合うことから逃げ続けても、私たちは真実にはたどり着かない。





ルカ「……だけど、わかった。私はとりあえずお前のことを一度信用することにする」





透「……!」


ルカ「だから、お前も私たちのことを信用して……お前の幼馴染を説得しろ。あいつだって283プロの連中の人の好さは知ってんだ。今はこの状況下で視野が狭窄しちまってるだけ」

ルカ「そんで、私たちからも逃げんな。信用が欲しいなら、行動で勝ち取れ。……ま、私が言えたことでもないけどな」

透「……うん、そうだね」

ルカ「こういう言い方をしちゃ悪いが、今の看病の状況はうってつけだろ。精々張り切って面倒見てやるんだな。その分私の手も空くし」

透「ふふ、なにそれ、サボりじゃん。……でも、任せてよ。うちら、ナースの衣装着たこともあるし」

ルカ「なんだそれ、関係あんのかよ」

透「アリよりのナシ」

ルカ「……ハッ」


浅倉透という人間の感情に、今私は初めて触れたような気がした。
こいつだって283プロの人間で、人並みに笑うし、人並みに苦しむ。
今こうして肩を並べて笑う姿を見て、私は自分のこれまで持っていた敵意がどれだけあやふやなものだったのかを身につままされた。
まだ完全な信用をしたわけではない、でも、信用するにしてもしないにしても、見極めずに判断を下すことは避けるべき短慮だ。


ルカ「じゃ、また様子見に行くぞ。ベッドから抜け出してないとも限らねえ」

透「しゃー、看るか―」


____これで、少しは千雪の命令をまた遂行できただろうか。




【浅倉透・市川雛菜との通常時での交流が解禁されました!】




申し訳ない、事件発生まではもう少しあるのですが時間的に厳しくなってきたので本日はここまでにさせてください。
次回更新時に事件発生パートから非日常編の捜査パートを途中まで一気に進めることにします。

次回更新は火曜日か水曜日になると思います……改めて更新できそうな日に前もって書き込みに参ります。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。


次回更新ですが3/8(火)の22時ごろからになりそうです。
捜査パートでは安価で行動指定もあるのでご協力いただけますと幸いです。

それとこれはつい先ほど気づいたことなのですが、章題についてミスをしていました。
章題はアイマスの楽曲をもじってつけるのに統一していたのですが、何を勘違いしたのか、
前章で放課後クライマックスガールズのGW楽曲『学祭革命夜明け前』を何故か『学祭革命前夜』と間違えてつけていました。
pixivで個人的にあげているまとめの章タイトルも『パステルカラー パスアウェイカラー』に急ぎ変更をしました。
混乱させてしまっていたら申し訳ないです…

-------------------------------------------------
【病院 廊下】


恋鐘「こんばんは!」

ルカ「うわああ!? お、お前何やってんだよ……ちゃんと部屋で寝とけって」

恋鐘「昼間充分寝ているので、どうも目が覚めてしまいまして……少し夜風に当たりたいのですがダメでしょうか!」

ルカ「あのな、何度も言うけど今お前は病気なんだよ。外にそうホイホイ出せるわけないだろ」

恋鐘「わかりました! 自分の部屋で待機しておきます!」

ルカ「……ったく、心臓に悪いぞ……」

透「止まったかも、心臓。マジで」

ルカ「これ以上看病対象を増やすんじゃねーよ……長崎女はまあ確認できた、後の三人、行くぞ」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【愛依の病室】


ルカ「だからお前はどこからこんなの持ってきてんだよ!」

透「おー、なんか咲いてんじゃん。めっちゃ」

愛依「こちらのお花はゲッカビジンと言いますの、ほんの一夜のみにその花を咲かせる姿から、その花言葉は『儚い美しさ』……今こうしてお二方と見れたこと、恐悦至極に存じますわ」

ルカ「いや知らねーけど……花をいつ調達していつ育てたんだよ」

愛依「あら、セバスチャン? 乙女の秘密を詮索するのは野暮というものですのよ」

ルカ「だから誰がセバスチャンだ」

透「おーい、セバスチャン。茶淹れてよ」

ルカ「おい、お前もベッドに横になりてえか」

透「ごめんて」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【夏葉の部屋】


夏葉「クワトロチーズLサイズに、あとバニラフロートもお願いするわね」

ルカ「うおおお!? 何お前出前頼んでんだバカ、病人がそんなもん食うんじゃねえ!」

透「ていうか電話線繋がってないじゃん」

夏葉「食べたいのよ、暴飲暴食の限りを尽くしたいのよ……机に並んだ空き箱の数々、ソースと生地の粉に塗れた指先、ベッドにもたれかかる私……そのまま意識を失い、翌朝まで眠りこける……」

夏葉「そんな怠惰なOLの金曜日を送りたいのよ!」

ルカ「なんだその具体的かつ終わりの生活は……」

透「なんかもうただの我儘みたいになってきたね」

夏葉「入院も飽きて来たし、そろそろこの部屋にもゲームとか置いてもらえないかしら。退屈なのよ」

ルカ「だからおとなしく寝てろって、病気でゲームしてもろくなことにならねーぞ」

透「昔さ、熱ある時暇だったからレベル100にしてた。テレビ見ながら」

ルカ「ろくなガキじゃねえな」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【雛菜の部屋】


雛菜「はぁ、行くところまで行っちゃったな~……透先輩の幻覚まで見始めちゃったし雛菜ってホント救えない~……」

透「リアルだよ、実在」

ルカ「だから、そんな隅っこで埃いじってないで早くベッドに戻れって」

雛菜「はぁ……いいですよ、雛菜のために使う時間があるなら、資格試験の勉強とかに使ってください~……雛菜と関わってもメリット無いですって~……」

透「大丈夫大丈夫、勉強しても変わんないから」

ルカ「フォローになってねーぞ」

雛菜「ペン習字とかおすすめです~……香典書くときとかに便利ですよ~……」

ルカ「習う気はないから安心しろ、おら、さっさと動け」

透「かっこよくない、筆ペン使えたら」

ルカ「知らねーよ」

◆◇◆◇◆◇◆◇

ルカ「……あいつら、やっと寝たみたいだな」

透「みんなあれで熱あるんだからすごいよね、超エネルギッシュ」

ルカ「そのくせ体力は減る一方なんだけどな、無茶してんだよ」

透「でも、どうする? みんな寝たけど、うちらは」

ルカ「昨日美琴とやってた時はどうだったんだよ」

透「あー、まあ、ロビーで寝たり? 病室に入って寝てるの邪魔してもいけないし」

ルカ「それはそうだな……見るとしても廊下ぐらいにしとくか?」

透「ん、そうしよ」


ひとまずは夜の時間帯の看病もおえて、私たちも休憩の時間。
がっつり寝るわけにはいかないが、少しぐらい微睡む余裕はあるだろう。


それくらいに考えて、仮眠をとろうとしたその瞬間。



ビー! ビー!


突如としてロビーに響き渡るブザー音。
これまでに一度も聞いた覚えのない甲高い音とともに、受付の内線が赤く点滅している。
私たちは慌ててその内線をとった。


ルカ「……これ、小金持ちからのナースコールだぞ……!」

透「え、マジ……ヤバ」

ルカ「……クソッ、急ぐぞ!」


ついさっき病室を除いたときには平気そうな顔をしてやがったのに、容体が急変してしまったのか。
内線を乱暴にその場に放り、慌てて病室へと駆けつけた。

-------------------------------------------------
【夏葉の病室】


ルカ「お、おい……! 大丈夫か!?」


扉を開けるとすぐ目に入ったのは、ベッドから転げ落ちるようにして床に倒れ込んでいる小金持ちの姿。
病気にかかってきてからというもの、こいつはぐうたらな生活を送ってはいたが、どうやらそれとは雰囲気が違う。
瞳を無力に閉ざし、そしてその胸部はまるで動いていない。


ルカ「こいつ……呼吸してねえのか……!?」


胸に耳を当てた。
……そこに、本来あるはずの鼓動は聞こえてこなかった。


透「心停止……」

ルカ「畜生……なんてこった……」


ここは病院、それなりの設備があるとはいえ私たちに扱えるような代物ではない。
心停止してしまっている人間を回復させる術など、私たちは見当もつかない。


(……クソッ)

この状況において、頼るべき存在は一つしかない。
随分と癪なもので、出来るコトなら一生頼りにしたくはなかったが、背に腹は代えられない。
監視カメラに目を向けて、私はその名前を呼んだ。


ルカ「モノミ……お前ならなんとかしてくれんじゃねーのか!?」


モノクマは絶望病を振りまいた張本人。しかも今回の動機は病気で命を落とす前に誰かを殺せと言う指示も出ていた。
ここで心停止をして命を落とすというのなら、それは目論見の内だともいえるはずだ。
だからあいつはきっと手を貸してはくれない……でも、モノミなら。
あいつは一応口先では私たちの味方を自称している。
ここで信頼を勝ち取れるのなら、乗ってこない理由がないはずだ。


ルカ「さっさとしろよ……こいつ、死んじまうぞ!?」






コンコンッ


焦りをぶちまけ始めた時、背後で乾いた音がした。
病室の奥、その窓からだ。
音の正体を探ろうと近づいてみると、窓のサッシ、その下にピンク色の物体が目に入った。
ソーセージみたいな不格好な形に、しょぼい耳のついたぬいぐるみ……モノミだ。


モノミ「斑鳩さん、あちしでちゅ! 有栖川さんを助けに参りまちた!」


私たちはガラス窓をあけて、その寸胴を無理やり引き上げた。


透「モノミ……お願い、助けて。私たちじゃどうにもできない」

モノミ「了解でちゅ! 医龍の名をほしいままにするあちしにお任せあれ!」

ルカ「なあ……本当にお前にできんのか? こいつは……助かるのか?」

モノミ「はい! ちゃんと医師免許も持ってまちゅから! あちしの偏差値70の灰色の中綿を今こそ活性化させる時でちゅ!」


なんとも信頼しづらいが……今は任せるしかない。
私たちはモノミにその場を任せて、病室の外、廊下で待機した。

______
________
__________

モノミ「ふぅ……なんとかなりまちた……有栖川さんは無事でちゅよ」


しばらくしてから、モノミが病室の扉を開けて出てきた。手をこまねいて入室を促す。
私たちを顔を見合わせてから、静かに病室へと入っていった。


モノミ「今は寝てまちゅ……とりあえず、体外式のペースメーカーを使うことで一命はとりとめまちた。安静にしておけばきっと元気になりまちゅよ」


モノミの言う通り、小金持ちの胸部にはコードで何か機械が繋がれている。
多分そこから電気を流したりして、心臓の鼓動を確保しているんだろう。
瞳は変わらず閉じたままだが、心なしかさっきよりも血色がいい。
なんとか事なきを得た、というところなのだろう。


モノミ「そうだ、ペースメーカーなんでちゅが、電波の干渉を受けやすい機械でちゅ。電子生徒手帳なんかを使うときもできる限り、有栖川さんからは離れて使うようにしてくだちゃいね」

透「はーい」

ルカ「……おう」


とはいえペースメーカーが付けられた状態では安心もまだまだできそうにはない。
モノミの言う通り、機械が少しでも狂ってしまわないように細心の注意が必要だ。


ルカ「……とりあえず、助かった」

透「ありがとう、モノミ」

モノミ「いえいえ、あちしにできるのはこれくらいでちゅから。本当は病気そのものを直してあげたいんでちゅけど、あちしにもわからない未知の病気なので、対処の仕方も分からないんでちゅ……」

ルカ「まあ、そこまでは期待してねーよ」

モノミ「うぅ……面目ないでちゅ」


ルカ「そもそもこっちは治療できるかどうかも半信半疑だったぐらいだ。そんなことでへこまれてもこちらとしても困る」

モノミ「そうでちゅね……まずはこういう信頼の積み重ねが大事なんでちゅよね」

ルカ「……ああ、そうだな。そういうわけだから」


ポイッ


ルカ「用件は済んだ、じゃあな。おやすみ」

モノミ「え……あちしの出番これだけ? あちし、ミナサンの都合が悪い時に治療をするだけの関係なんでちゅか? 治療フレンドなんでちゅか?」

ルカ「おう、また困ったら呼ぶわ。そん時まで待ってろ」

ガチャッ

透「……ドライじゃん、めっちゃ」

ルカ「十分だろ、これくらいで」


モノミを締め出して施錠。
なんだか目を潤ませていたような気もするが、知ったことではない。
あいつだって私たちからすれば得体のしれない存在のうちの一つ。
今命を救ってくれたからと言って、ずっとそばに置いておくほど私は単純ではない。
これは引いては自分たちの命を守るためでもあるのだ。
治療をしてくれたなら、もう用済みだ。

-------------------------------------------------
【病院 廊下】


透「今回は焦ったね、流石に」

ルカ「ああ、心停止までいってたからな……なんとか持ち直してよかったよ」


小金持ちの病室から出た私たちは大きなため息をついて、壁にもたれかかった。
そのままずるずると壁を伝って座り込む。


ルカ「未知の病気だからな、何があるかこっちも分からねーことだらけだ」

透「うん……症状の全部もまだ把握してないもんね」

ルカ「あそこまで高熱がでるってだけでも体力を使うし、体にはよくない影響が出るからな。今回はモノミがいて何とかなったけど……」

透「……わかんないな、次同じことが起きたらどうなるか」

ルカ「……ああ」


未知の島で道の病気のパンデミック。
ここから先どうなるかなんてわからない。その漠然とした不安がまた息を吹き返す。
何もせずこのまま時間が経てば、その不安に飲み込まれてしまうかもしれない。
そう考えたのか、浅倉透はすくりと立ち上がる。


透「……とりあえず、休んどこうかな」

ルカ「おう、休んどけ休んどけ。また誰の容体が急変するとも限らねえんだ。寝れるうちに寝とかねーとな」


もともとさっきも一時は仮眠を取ろうとしていた時に起きたこと。
すでに私たちの瞼はかなり重たくなってきているし、さっきの対応で体力を結構使ってしまった。


透「じゃ、お言葉に甘えて。仮眠室、使ってもいい?」

ルカ「おう、大丈夫だ。私がロビーで寝とくよ」


ロビーで寝ることを申し出たのは、若干の警戒心から。
以前よりは信頼を置くようにはなったとはいえ、ここは私が死守すべきラインなような気もする。


透「それじゃあ……おやすみ」

ルカ「おう、おやすみ」


浅倉透の背中が廊下の奥へ消え、階段を上る時の靴の音が聞こえなくなるまで、私はじっとその場に座り込んでいた。
なんだかこの一夜に、いろんなことが起きて、いろんなものが変わった様な気がする。

その不思議な感覚を、時間をかけてかみしめていた。






____その感覚は、虫の知らせだったのかもしれない。




____
______
________

=========
≪island life:day 15≫
=========

【病院 ロビー】


(……ん?)


目を覚まして時計を見ると午前三時。
まだ朝のアナウンスもなっていないし、定期連絡までは4時間も時間がある。
勿論看病のために早めに起きようとは思っていたが、それにしても目を覚ますにしては早すぎる。

私の異様なまでの早い目覚めには理由がある、それはテレビ通話の送受信機の【ランプの点滅】だ。
着信があった時にはこのように緑色のランプが点滅し、画面にポップアップする応答のアイコンを押すことで私たちは電話を受けることが可能だ。
本来なら、時間も決まった通信なのでそこまでランプを気にかけることはないのだが……こんな時間に着信があるとなると話は別だ。


____それが意味しているのは疑いようもない【非常事態】。


背筋を何か冷たいものが撫でた。


「……もしもし! どうした、何かあったのか!?」


急ぎ応答すると、通話相手に出てきたのは冬優子と小学生だった。


『ルカ! ごめん、そっちにあさひと結華来てないかしら!?』

「え……? なんで、どうしたんだ急に」

『さっき、あたしたちの部屋のドアノブがガチャガチャってなって……それでふゆさんがあたしのことを心配してむかえに来てくれたんです……』

『でも、あさひと結華は一向に出てこなくて……行方知らずなのよ。部屋が防音って言っても流石にインターホンを鳴らしたら気づくと思うんだけど』

「……悪いけど、こっちじゃ見てねえぞ」

『どうしたんでしょうか……まさか、誰かにゆうかいを____』


突然の中学生と三峰結華の失踪。
こんな深夜にわざわざテレビ通話を繋いでまで相談しに来たのだから、その緊急性は高い。
部屋のドアノブをガチャガチャと開けようとしてきた不審者の存在も気になる。
もしかして、二人は何者かに……?


そんな不吉な考えが私の頭に浮上しかけた、その瞬間。






ガッチャーン!!





「な、なんだ!?」

『なによ今の大きな音……ガラスが割れたみたいな音だったけど!?』

「今の……【病室】の方からだぞ」


背後から聞こえてきたその音は病院一帯に響き渡るほど、通話相手にも聞こえるほど大きく、並大抵のことが起きたものではないことが直感的に分かった。
これまでに二度体験してきた、あの感覚がこみあげてくる。
何か良くないことが起きている、しかも最悪の形で。
その予感が私の足を走らせた。


『あっ、ルカ! ちょっと……!』


通話もつなぎっぱなしだが知ったことではない。
今は、何が起きているのかを見極めなければならない……たとえどんな形であろうとも。

廊下に出たが、いずれの病室も扉が開いてはいなかった。
でも、この中のいずれかで異変が起きていることは間違いない。

どれだ……どこで、何が起きているんだ……?

-------------------------------------------------
【確かめる病室を選んでください】

・恋鐘の病室
・夏葉の病室
・愛依の病室
・雛菜の病室

※死亡者が変わる選択ではありません

↓1

-------------------------------------------------

【夏葉の病室】

さっきの今、こいつの容態は急変したばかり。
私が真っ先に飛びついたのは小金持ちの部屋だった。
あのガラスが割れるようなとても大きな音、もしやペースメーカー周りが破壊でもされたんじゃ……
そんな胸騒ぎとともに扉を勢いよく開けた。



ガララッ!!



ピッ ピッ ピッ

無機質な音とともに動くペースメーカー、その波形は変わってはいなかった。
部屋を見渡しても差し当たっての異常はなし。

肝心の小金持ちも……そのままだ。
口元に耳を当てても変わらず。
呼吸もしっかりとしている。

……よかった、ここではなかった。

だが、安堵している場合などではない。
ここでないのなら……【別のどこか】だ。

-------------------------------------------------
【確かめる病室を選んでください】

・恋鐘の病室
・愛依の病室
・雛菜の病室

※死亡者が変わる選択ではありません

↓1




……そのドアノブに手をかけた瞬間に、なぜだかそれがすぐにわかった。



別に妙に冷たかったとか、変な液体がついていたとか、そんな物証的な話ではない。
これは、人間という生物が本能的に嗅ぎつけたもの。


私が、今確かめようとしているものは、この中にある。
この中で、それは起きて、そして……終わっている。


私たちには、その顛末を見届ける義務がある。
否応なしに、選ぶ権利さえも与えられないのだ。



その最悪の義務感がガラガラと音を立ててその扉を開いた。







【満月が煌々と照らす窓の近くで首から大量の血を流して息絶えているのは、超高校級のギャル・和泉愛依だった】






「……う、嘘……だろ……」

ついさっきのことだ。
私たちが看病しに来たとき、こいつはどこから持ち込んだともわからない花を嬉しそうに見せてくれた。
その花は混じりっ気のない純白の花弁を広げていて、私のように花を愛でる習慣のない者でも思わず見とれてしまうほどだった。
そんな花は、その持ち主の首から噴き出したであろう血で紅に染まっている。

「……クソッ」



____だが、事態はそれでは終わらない。

死体に完全に気を取られてしまっていたが、一度視野を広げてみてみるとこの現場の異常さに気が付いた。
お嬢様病の影響ですっかり様変わりした病室ももちろん異常ではあるのだが、この部屋には荒らされた痕跡がある。



……もっと言えば、【窓が割られている】のだ。



その結論に行きつくまでにはそう時間はかからない。
こんな殺人現場でわざわざ窓を割る、しかも病室の扉は閉まっていた。
それならこの割れた窓が犯人の脱出経路であることは間違いない。
破壊された窓のその隙間から首を出してみると、すぐ出たところにガラスが散乱している。
やはりこれは犯人が脱出するために内側から割ったものとみて間違いないだろう。

音が鳴ってからまだそう時間は経っていない。
ともなると、犯人はまだ近くにいることになる。


「……逃がさねえ!」


私はすぐに病室を飛び出し、ロビーへと向かった。
病院を出入りする唯一の玄関口が、ここだ。


『なにがあったの! ルカ、答えなさい!』
『ルカさん、どうしたんですか!?』


画面を横切る私の姿を目撃したのか、冬優子たちの声が聞こえてきた。
でも、それの相手をしている余裕なんかない。
犯人はすぐにでもこの場を立ち去ってしまうかもしれない。
その前に確固たる証拠を、犯人自身を捕まえてやらなくては。
それができるのは私だけなのだから。




ガチャ



私は観音開きのその扉の取っ手を掴んで、すぐに開け放した。



なんとしても犯人を捕まえなくちゃいけない、ただその一心で他のことは一切考えていなかった。
勿論、今更考えたってどうにかなるものではない。


でも、覚悟の一つでも決めておくべきだったかもしれないと今なら思う。






扉を開けた先に待っている、もう一つの絶望的な状況に直面するための、覚悟を。










【病院の入り口の扉を開け、駐車場で血の海に沈む三峰結華の姿を目撃した】





-------------------------------------------------


CHAPTER 03

Hang the IDOL!!~弾劾絶叫チュパカブラ~

非日常編


-------------------------------------------------


理解というのはいつも遅れて来る。
浅い眠りに落ちていた間に少しばかり停止していたシナプスにはこのものの数分の間に目の前に現れた現実というものが受容しがたく、私は暫く呆然と立ち尽くしていた。
悲嘆にくれるでもない、絶望に陥るでもない、困惑に喚くでもなく、ただ感情に自我がたどり着くまでに時間を要していたのだ。


「……は?」


目の前に広がる赤、その中に沈む“何か”。
その理解は、背後から聞こえてくる怒声のような叫び声とともにやってきた。


『ルカ、何があったの?! いい加減教えなさい!』

「え……あ、えっと……」


冬優子の問いかけに自分の言葉で説明をしようとして、初めて私は理解を手にした。
今のこの数分の間に二人の人間が命を落としたこと、またそれが始まってしまったこと。
本能にようやっと理性が追い付いたのだ。
私はふらつく足取りでなんとかモニタの前に辿り着き、なんとかその一言だけを絞り出した。




「……死んでる」


____
______
_________

ピンポンパンポーン!

『死体が発見されました! 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』


病院の駐車場にはほとんど全員が揃っていた。
あの通話の後にすぐに冬優子と小学生は合流し、中学生もどこかから姿を現した。
私もなんとか二階の休憩室の二人を叩き起こし、駐車場に戻ってきた。


果穂「結華さん……!? な、なんで……」

智代子「な、なんでまた起きちゃうの……」

冬優子「嘘……結華が、どうして……!?」


一段と受けているショックが大きかったのはやはり冬優子だった。
私も冬優子と数日前に、三峰結華の説得に同伴した身。あの時にようやっとの思いで心を開かせ、
外に連れ出したというのにこんな事となってしまうなんてなんと報われないことか。
まるで力なく膝から砕け落ちる冬優子には、その心中に冷たくドロドロとした何かが広がっているのが透けて見えるようだった。


……だが、彼女が受けるショックはこれでは終わらない。
この事件は三峰結華の一つで終わらない、より近くにいた存在が喪われてしまったことを、私は冬優子に伝えなくてはならない。


ルカ「……今回は、一人じゃねえんだ」

美琴「一人じゃないって……まさか」

ルカ「……ああ、病院の中で……和泉愛依も死んでる」

冬優子「……は?」

あさひ「愛依、ちゃん……?」


私がその名前を口にしたとたん、冬優子は私の胸倉をつかみ上げた。
眉間には一瞬にして皺が寄り、奥歯を噛み砕きそうなほどにその口元には力がこもっている。


冬優子「ふざけんじゃないわよ……アンタ、そんな冗談言っていいと思ってんの!?」


冬優子の憤怒はもっともだ。三峰結華の死に加えて、和泉愛依も事切れたことなど到底受け入れられるものではない。
ただ、どれだけ怒ろうとも現実は変わらない。私があの病室で見た惨状を否定するに足る言葉などどこを探して見つからないのだ。
私は返す言葉が見つからず、ただ視線を逸らしてうなだれた。


冬優子「……チッ!」


私の反応に業を煮やしたのか冬優子はその手を離し、ツカツカと音を鳴らしながら病院の中に入っていった。
おそらく、私の言葉の真偽のほどを確かめに行ったのだろう。


あさひ「……ルカさん、本当……なんっすか?」

ルカ「……おう」


そして、ストレイライトのメンバーは冬優子だけではない。
私たちを散々かき乱してきたはずの狸も、その仲間の死をすぐには飲み込めず、私に確認をしてきた。


あさひ「……愛依ちゃんが、死んじゃった」


私の言葉を反芻して、その場にぺたりと座り込む。
冬優子の激情とは対照的に、まるで魂が抜け落ちたような反応だ。ぼうっと地面を見つめて、それ以上は動こうとはしない。
こいつには散々煮え湯を飲まされてきたが、この反応を見ていると少し胸が痛む。
14歳という未成熟な器、その容量から溢れ出たものがそこら中にまき散らされている。


智代子「そんな……二人同時に死んじゃうなんて……」


でも、私たちに悲嘆にくれる時間は与えられていない。
誰かが死んだということは、今私たちの命も生きるか死ぬかの瀬戸際にあるということ。
載せられた天秤が正しい方向に傾かないと、私たちもこの二人とともにあの世行きだ。


ルカ「とりあえず、もう一つの事件現場に行くぞ。……やらなきゃ、死ぬのは私たちなんだ」

-------------------------------------------------

【愛依の病室】

病室の扉は今度は開かれていた。
恐らく冬優子が先に来て、その死を確かめているのだろう。
そう思って他の連中に先行して中の様子を伺った。


ルカ「……待て」


私はそこで美琴たちを制した。


ルカ「……中学生以外は一旦ここで待機、三分だけ時間をやるぞ」

あさひ「……ルカさん」

ルカ「早く行ってこい、時間はそう残ってねえんだ」


こいつにかける情けも容赦もない、あの裁判以降そう思っていた。
だが、和泉愛依の死を聞いた瞬間のあの力の抜けようは演技のそれではなかった。
何か大事なものが崩れ去ったような、足を絶望にからめとられた時のような、そんな言い表しようもない感情を見せていた。

私は、その感情には救済を与えたいと思った。
今のこいつは分からないが、かつてのこいつが仲間とともに笑いあった時間があったのは確かだ。
なら、その時間に見合うだけの対話はあってしかるべきだと思う。


冬優子「……あんた、何馬鹿なことしてんのよ。あんたはふゆのライバルで……アイドルの頂点目指すんでしょ……? なんで、こんなとこで死んでんのよ……」

あさひ「愛依ちゃん……嘘っすよね……わたし、まだ愛依ちゃんとしたいことがいっぱいあるっすよ……? まだまだいっしょに行きたいところがいっぱいあるっすよ……」


骸は何の言葉も返さない。
瞳を閉じて、口元を苦痛に歪ませたその表情ばかりを月明かりが照らす。


冬優子「許さない……許さないんだから……ふゆとまともに闘いもせずに舞台から降りるなんて……不戦勝なんてふゆが喜ぶと思う……!?」

あさひ「愛依ちゃんに頭撫でてもらった時のふわふわする感じ、もう感じられないっすか……? 愛依ちゃんとギュッてしたときのあの匂い、もう嗅げないっすか……?」


死とはどこまでも非情だ。
突然舞い降りて、その人間を連れて行ってしまうがために、周りの人間にはお別れの言葉すら許さない。
遺された者たちは悔やんでも悔やみきれない思いを抱き、ただ自分の身を傷つける以外の術を持たない。
しても仕方のない後悔がこみあげることを食い止めるのは叶わず、全身から抜け落ちたものがその虚空にばかり吐き出される。


冬優子「いつもうるさいくせして、急に静かになってんじゃないわよ……愛依」


彼女たちも、その感情をただ霧散して終わってしまう。そう思われた。



冬優子「……」





____でも、彼女が私たちに見せた姿はそうではない。




冬優子「あさひ、立ちなさい。いつまでもこんなことやってる時間はないわ」

あさひ「……冬優子ちゃん」


黛冬優子という人間は、悲劇のヒロインなんて器ではない。
自分の身に降りかかった悲運を嘆き、身をよじり苦しむばかりで同情を買うなんて性に合わない。
そんな悲運があるというのなら、自分自身の手で切り開きたい。

彼女はそういう人間だ。

田中摩美々の裁判の時だってそうだ、あらぬ疑いをかけられ追い詰められた果てに黛冬優子という人間はその内をすべて暴露した。
彼女にとってそれはイレギュラーに他ならなかったが、そのイレギュラーさえも武器にして、彼女は大立ち回りをしてみせた。


冬優子「上等じゃないの、ふゆにこんな挑戦しかけておいて。犯人はとっくに覚悟はできてるんでしょうね」


なら、今だってそうだ。
他にないパートナー、ライバルとして認めていた存在、そして自分自身の内面と近しいものを感じ取り、同族としてシンパシー以上のものを感じていた存在の二つを同時に喪ったが、彼女はそれだからと言って折れたりはしない。
奪われたのなら、それに見合うだけの報いを受けさせるまで。
彼女からその二つを奪い去った人物に、自分自身の手でやり返してやらないと気が済まない。


冬優子「いいわ、ふゆがやる。ふゆがこの手で、犯人を処刑台に送ってやるわよ」


この状況で彼女に顕れたのは、そういう負けん気だった。
そんな彼女の奮起に応えるかのようなタイミングで、死体発見アナウンスが鳴り響いた。

ピンポンパンポーン!

『死体が発見されました! 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』


先ほどのは三峰結華のもので、今回が和泉愛依のものということなのだろう。
月光に照らされる冬優子の後ろ姿、そのアナウンスは決戦の合図のようにも聞こえてしまった。


バビューン!!


モノクマ「あーらあーらやっちゃったー! ついに三回目の事件発生だね!」


モノクマが出てくるのを見て、私たちも病室に踏み入った。
冬優子と中学生、二人の様子を暫く見届けた私たちの中にも、この事件に挑むにあたっての闘志の火種のようなものが芽生えていた。
モノクマと相対するその心持は、これまでの裁判以上に前のめりだ。


ルカ「モノクマ……またしてもてめェの思い通りってか」

モノクマ「いやぁ、やっぱりオマエラを信じて正解だったよ! せっかくばらまいた病気が何の意味もナシに終わっちゃうんじゃやっぱり退屈だからね。事件を起こしてくれた犯人さんには花丸をあげましょう!」

冬優子「御託はいい、さっさとモノクマファイルをちょうだい。ふゆは今最高にイラついてんのよ」

モノクマ「おー、怖い怖い……前回までの黛さんとは大違いですね……これまでが猫をかぶってたなら今はサーベルタイガーみたいですよ」

モノクマ「でもね、モノクマファイルを共有するにしても、一気にやっちゃいたいんですよね。なので、【全員】がこの場に揃ってからでないと」

智代子「全員って……絶望病にかかってた人も?」

果穂「え!? でも、夏葉さんたちはすっごく高いねつが出てます……今回のさいばんは……あたしたちだけでどうにかなりませんか?」

美琴「確かに……病気の時にあの裁判はかなり堪えそうだよね」

モノクマ「ん? あー……そうか、そのことね。それならもう心配いらないよ!」

ルカ「あ? どういう意味だよ」

モノクマ「まあすぐに分かるって……ホラ!」


そう言ってモノクマたちは私たちの後の扉を指さした。
廊下に面する病室の扉、そこは私たちの視線が集まると同時にガラガラと勢いよく開かれて、彼女たちが現れた。


夏葉「みんな!? 今のアナウンスって一体!?」

恋鐘「また事件ば起きとーと!?」

透「え、嘘じゃん」

雛菜「透先輩……また事件、起きちゃったの~……?」


そこに立っていたのは病魔に侵され、本来なら今もベッドの上で眠っているはずの連中。
彼女たちはいつもと変わらぬ様子で現れ、そして私たち同様に凄惨な現実を前に驚愕を示した。


果穂「みなさんもう病気はなおったんですか!?」

智代子「つ、つい数時間前まで39度の熱が出てたはずだよ!? そんな急に治る!?」

モノクマ「まあもう事件は起きたし、病気のお役目もおしまいだよねってことで。さっさと全員治させていただきましたぞ!」


手の打ちようもなく、ただ体力が失われてしないように右往左往して世話をしていたというのに、そんな思い付きで治してしまったというのか?
私たちの苦労を嘲笑うような発言に戸惑いを隠せない。


果穂「とっこう薬……ですか?」

透「マジだ。雛菜ももう熱出てない」

雛菜「透先輩? ていうか、雛菜たちまるで状況が分からないんですけど~?」

夏葉「……私もよ、ここ数日の記憶が何だか朦朧としているの。モノクマ、少しみんなと状況を整理してもいいかしら」

モノクマ「う~ん、ボクとしては早いとこ裁判を見たい気持ちもあるんだけど……情報の前段階で差があるとフェアじゃないもんね。なるはやで頼むよ」

夏葉「ありがとう、みんな、ここ数日のことに関して教えてもらえるかしら」


小金持ちたちは本当に状況がわかっていないらしい。
どうやら自分たちが病気にかかっていたことすらも定かではないらしく、病院とモーテルに分かれて看病をしていたことから説明は始まった。
数日に及ぶ看病、そしてそんな生活の中に突然起きた事件。
三峰結華と和泉愛依の死、それを短い時間でできる限り詳細に伝えた。

小金持ちと能天気女は説明をある程度噛み砕けたらしいが、長崎女は流石に別。
三峰結華の死という言葉でつまずき、そこから先が入ってこない。


恋鐘「ゆ、結華が死んだ……?! そ、そげなわけなか! だ、だってこの前摩美々が……摩美々が殺されて……結華まで死んでしもうたら、うち、うち……!」

冬優子「しっかりしなさいよ! あんたがそんなんなら、誰が結華の仇を討つの?!」

恋鐘「ふ、冬優子……?」

冬優子「泣くんなら全部終わった後、分かった?」


だが、そんな長崎女も冬優子は強引に引き戻す。


冬優子「結華があんたたちをどれだけ思って動いてたか、分からないわけじゃないでしょ? なら、今あんたがすべきなのは、そのための恩返しじゃないの」

恋鐘「……そうばい、もう今、アンティーカはうちしか残っとらん……それなら、うちがしっかりせんといかんとよ!」

冬優子「その意気よ、あんたみたいな肝っ玉なら犯人だって見つけられるわ」


仲間の心情を読み取り、抜群の鼓舞をかけるのは猫をかぶっていた時期に培ったスキルでもあるんだろう。
誰よりも人の心の機微に敏感な冬優子はそのリーダーシップをいかんなくふるった。
長崎女の戸惑いも一転、すぐにその決意は固まったようだ。
その表情の移り変わりを確認すると、冬優子は私たちに向き直り、今度はその頭を下げてみせた。


冬優子「……お願い、この事件の解決のために……あんたたちの力を貸してほしい。結華に愛依……ふゆにとって、これ以上なくかけがえのない存在だった二人を奪い去った犯人を……ふゆはなんとしても見つけ出したいの」

ルカ「冬優子、お前……」

冬優子「……今回ばかりは、負けてらんないのよ」


冬優子からは、なりふり構っていられないという切迫した雰囲気を感じた。
数日前、二人で三峰結華の部屋に踏み込んだ時。あの時と近しいものを私は感じていた。
あの時も、あいつは三峰結華を救い出すには同族である自分がやらなくてはならないという義務感を帯びていた。
でもそれは、他人に与えられるようなものではなく、ストイックな彼女だからこそ自分で自分に課す義務の意味合いが強い。

この事件もその通り。三峰結華と和泉愛依。
すぐそばで支え、そして足りないものを補い合ってきた存在を同時に喪った彼女だからこそ、この事件を解決する殿に着くのは自分でなければならない。
その義務を課していたのだろう。
彼女は、私たちの先導に立ち、その旗を振りかざしたのだった。


その場に居合わせた者はすぐに感じ取る。
彼女の抱く闘志、そして執念。
それに呼応するように、気が付けば私たちはその拳を振り上げていた。
共に戦地に赴く同胞として、共にその真実を追い求める迷い子として。
全員がその旗手のもとに名乗りを上げた。


ルカ「ハッ、お願いされなくてもそのつもりだ。間違えたら私も死んじまうんだからな」

美琴「うん、頑張ろう」

恋鐘「冬優子……うちも、絶対に結華の仇を取りたか! ぜったいぜ~~~~~ったい! 今回の裁判は勝たんといかん!」

果穂「ふゆさん……ぜったい、ぜったいになぞを解き明かしましょう! 結華さんと、愛依さんの無ねんを晴らさないと!」

夏葉「冬優子、あなたの想い……受け取ったわ。ぜひ協力させてちょうだい。あなたのため、そして私たち自身のために真実を見つけ出すのよ」

智代子「もちろんだよ! 絶対犯人を見つけ出そうね!」

あさひ「冬優子ちゃん、わたしもやるっす。絶対、絶対……愛依ちゃんを殺した犯人を見つけるっす」

透「うちらも手伝う。脳細胞フル稼働さすわ」

雛菜「透先輩いつになくやる気だし、雛菜もがんばろっかな~」


その奮起の声を聴いて、冬優子はその顔を上げる。


冬優子「……ありがとう、あんたたち」


私たちの心は『なんとしても犯人を見つけ出す』、それで一つになっていた。
でも、間違いなくこの中に一人、二人を殺しておきながら大ホラを吹いている人間がいる。
私たちの奮起を茶番だと嘲笑っているのかもしれない。
それならそれでせいぜい今のうちに笑っておけばいい。
今にその顔は苦悶に歪むことになる。


私たちはそれぞれの戦う理由のために、今回も真実を解き明かす。



_____絶対に。




【捜査開始】



-------------------------------------------------

モノクマ「さて、そちらもお話は済んだようですね、それではさっそく参りましょう!」

ピピッ


モノクマが指を鳴らすとすぐに端末が反応した。
私たちもそれに応じて懐から端末を取り出し、画面へと目を落とした。


『被害者は和泉愛依。死因は頸動脈を刃物で裂かれたことにより失血およびショック死。死因となった裂傷は背後から刃物を首筋に沿わして切りつけたような傷跡となっている。衣服にも乱れた様子はなく、目立った抵抗の痕も見られないため、即死だったものと思われる』


ルカ「背後に立たれて、そのまま首を斬られたって感じか……?」

美琴「犯人は不意打ちで殺害したってことなのかな。刃物を持っている犯人を目撃すれば、普通は抵抗するよね」

ルカ「そうなるだろうな……抵抗も何もしないなんてのは流石に考えづらい」

ルカ「それかもしくは、犯人に完全に油断しきっていたパターンか。犯人がまさか殺してくるとは思わず、背を向けたところで突然襲われたとかな」

美琴「そうか……そういう方法もあるんだ」


モノクマ「今回の事件は被害者がお二人なので、両方の情報を記載しています! しっかりと両方に目を通すように!」


『被害者は三峰結華。死因は正面から頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。頭部からは出血も激しく、即死だったものと思われる。死因となった傷のほかに、全身に及ぶ打撲痕があり、一部は骨折もしている』


ルカ「……胸糞悪いな」

美琴「即死だったのに、それに更に何度も殴りつけた痕があるなんて……」

ルカ「よっぽど殺害できたかどうか不安だったんだろうな、夜中に起きた事件で、よく見えてなかっただろうし」

美琴「それにしても酷い……もしかして、犯人は結華ちゃんに恨みでもあったんじゃないかな」

(あいつに恨みだと……?)

(あいつが恨まれるようなことなんてまるで心当たりはないな……)


コトダマゲット!【モノクマファイル3】
〔被害者は和泉愛依。死因は頸動脈を刃物で裂かれたことにより失血およびショック死。死因となった裂傷は背後から刃物を首筋に沿わして切りつけたような傷跡となっている。衣服にも乱れた様子はなく、目立った抵抗の痕も見られないため、即死だったものと思われる。
被害者は三峰結華。死因は正面から頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。頭部からは出血も激しく、即死だったものと思われる。死因となった傷のほかに、全身に及ぶ打撲痕があり、一部は骨折もしている〕

-------------------------------------------------

モノクマ「ほいじゃ、今回も捜査の時間はボクは高みの見物と行きますかね。精々セコセコ頑張って真実求めて駆けずり回れば~?」

バビューン!!


モノクマもいなくなり、私たちは事件に集中。
今回の事件は二人の犠牲者が出ている、効率よく調べないと前回の事件のゲームの時のように時間オーバーにもなりかねない。


調べる現場は【和泉愛依の病室】と【病院前の駐車場】の二つだよな。
どちらもその【死体周辺】には情報が多く残されている、見落としがないように調べないとな。
そして、病室の方は【割られている窓】も気になる。犯人に繋がる手掛かりは何か残されていないだろうか?
今回は私たちは病院とモーテルに分断されている間に起きた事件だ、双方の情報・状況は整理しておく必要がある。【聞き込み】もいつもより多めにした方がいいかもな。


ルカ「美琴、今回もよろしく頼むぞ」

美琴「うん、こちらこそ」

さて、どこから動くとするか……


安価ミス

今回は病室と駐車場、二つの捜査場所をどちらから先に調べるか選ぶところから始まります


1.病室【愛依の死体発見現場】
2.駐車場【結華の死体発見現場】

↓1

1 選択
-------------------------------------------------
【愛依の病室】


死体発見現場となった病室では、冬優子がせわしなく動いて調査を進めている。
つい先ほどの私たちの協力を仰ぐ大演説の後、彼女自身その言葉に鼓舞されているところもあるだろうが、私にはどこか焦っているようにも感じられた。
自分自身がこの事件の真実にはたどり着かなければならない。
そのモチベーションはプラスでありマイナスだ。
過ぎた義務感は時に視界を曇らせる。

……その曇りを拭い去ってやるのが、私たちの役目でもある。
可能な限り、こいつには協力してやらないとな。

さて、調べるべきところは【和泉愛依の死体周辺】、そして【割れた窓ガラス】だ。
そして、今現在この病室にいる【小学生】、【冬優子】……そして【モノミへの聞き込み】も一応やっておくか……?

-------------------------------------------------

1.死体周辺を調べる
2.割れた窓ガラスを調べる
3.果穂に聞き込みする
4.冬優子に聞き込みする
5.モノミに聞き込みする

↓1

1 選択

【死体周辺】


和泉愛依の死体は窓のある壁に力なくもたれかかるようにしている。
流れた血は壁を汚しながら伝い、その床にシミを作っている。
どうやら死亡現場はここで動かされた形跡などもないようだ。


冬優子「愛依のやつ、犯人に押し入られて殺されたのかしらね」

ルカ「……」

冬優子「……何? 変に気使われるとこっちもやりづらいんだけど。大体あんたそういうの苦手でしょ、ルカ」

ルカ「お、おう……」

冬優子「こいつも絶望病なんかじゃなければ犯人の入室をみすみす見逃したりなんか……いや、そうでもないか……」

冬優子「……ホント、どこまでもお人好しなやつだったのよ。このギャルは」

ルカ「……」

冬優子「自分の事なんかそっちのけで他人の事ばっか優先するようなやつで、それでいて本人も気づいてないようなところまでよく見てやがんの。生意気ったらありゃしないわ」

(……こいつ、気丈にふるまってるようでも口を開けば思い出話)

(やっぱり心の中では喪失感から脱しきれてないんだろうな)


冬優子は私たちが捜査することは別段咎める気はないらしい。
真実を追い求めるための協力なら惜しまないという体勢。
その好意には甘えさせてもらおう。


死因となった首元の切り傷……特に不自然な点はないな。
衣服にも目立った乱れはないし、やはり不意を突かれて切られてしまったようだ。


美琴「だいぶ油断をしてたのかな……後ろから首筋を裂かれてるようだけど」

ルカ「不意打ちか……相当に油断してた相手だったか、ってとこだろうな。それこそ気心の知れた相手とか……」

美琴「でも、彼女大体の相手には心を開いてたよね」

ルカ「正直、これじゃ絞れそうにはないな。人の好さに絶望病で判断能力もかなり低下してたと来たら、いよいよ誰でもありだ」


和泉愛依の死体には残念ながら目立った手掛かりはなさそうだ。
その命を奪った犯人の手さばきも相当なものらしい。


ルカ「ちょっと死体動かしてみるか……冬優子、大丈夫か?」

冬優子「え、ええ……いいわよ」

ルカ「……よっと」


死体そのものではなくその付近に何か手掛かりはないか、私と美琴は二人係で丁重に死体を動かして、検証してみた。
死体そのものがあった場所にダイイングメッセージなんてものはないが……死体の影になっていた部分。そこに妙な【水たまり】を見つけた。


ルカ「なんだ? この水……やけに冷てぇ気がするけど」

美琴「窓が開けっぱなしだから冷えちゃったのかな」

冬優子「……というか、この水は一体なんなのよ。どこから来たわけ?」

ルカ「んー……?」


部屋を見渡してその水の出元を探る。
ぐるりと見渡して、自分の記憶とも照らし合わせると、一つだけ心当たりがあった。


ルカ「……これ、もしかしてあの時の花瓶か?」

美琴「……花瓶?」


≪ルカ「だからお前はどこからこんなの持ってきてんだよ!」

透「おー、なんか咲いてんじゃん。めっちゃ」

愛依「こちらのお花はゲッカビジンと言いますの、ほんの一夜のみにその花を咲かせる姿から、その花言葉は『儚い美しさ』……今こうしてお二方と見れたこと、恐悦至極に存じますわ」

ルカ「いや知らねーけど……花をいつ調達していつ育てたんだよ」≫


ルカ「ああ、そうか……あの時は浅倉透との夜番だったから美琴も知らないか。こいつ、病室に何かと持ち込む癖があっただろ?」

冬優子「ちょっと待ちなさいよ、何よその癖」

美琴「癖というか、彼女の症状の一つなんだと思う。目を離したすきに病室にお嬢様っぽい何かが持ち込まれてしまっていることがよくあったの」

ルカ「ティーセットやら、天蓋付きベッドやら……その中の一つに、この花瓶があったんだ」


よく見ると、水たまりの周辺には陶器の割れた破片も散乱している。
欠片はあちらこちらに散らばっているので、復元こそ適わないがその表面の模様には見覚えがあった。
あの時、ゲッカビジンを飾っていたアンティーク調の花瓶のなれの果てがどうやらこれということらしい。


ルカ「犯人と争った時にでも落ちたのか?」

美琴「でも、愛依ちゃんの衣服には乱れはなく、争った形跡もないんだよね? だとすれば、それは落ちた理由としては不自然なんじゃないかな」

ルカ「それはそうか……なら、なんで割れてるんだ?」

冬優子「……妙な話ね、いつ割れたのかわからない花瓶なんて」


コトダマゲット!【割れた花瓶】
〔愛依の病室で割れていた花瓶。前日に愛依が病室に飾ったもので、ゲッカビジンを元々飾っていた。愛依は犯人と争った形跡もないが、一体何の拍子に割れたのだろうか……〕


冬優子「とりあえず、このままにしておくと誰かが踏んでしまってもいけないし片付けておくわよ」

ルカ「おう、頼んだ」


花瓶の破片という手掛かりは一応抑えておいたし、冬優子の片付けの進言をそのまま承諾。
すぐに冬優子はその場にしゃがみこんで破片を集め出した。


(やっぱり、何か行動をしていないと気がまぎれないんだろうか)


そんな下種な勘繰りをするのもつかの間、すぐに冬優子は何か気づいた様子でこちらに向き直る。
その手には何か透明な薄いものを拾い上げている。


冬優子「これ、何かしら……花瓶の破片の中に混ざってたわよ」

ルカ「あ? ……ただのゴミじゃねえのか?」


手に取ってみると、それはビニール袋の切れ端のようなものだとわかった。
花瓶の水に塗れて濡れてしまっているが、それ以上でもそれ以下でもない。
部屋を掃除していたら、どこからともなく顔を出しそうな、そんなありふれた切れ端だ。


冬優子「これだけじゃ特に見覚えも……ないわよね」

ルカ「まあ、な……」

冬優子「捨てちゃってもいい? 役に立ちそうもないし……」

美琴「待って。一応私が回収しておく」

ルカ「美琴……」

美琴「現場にあるものは勝手な判断で除外しない方がいいと思うから。全部集められるものは集めておこう」


そうだった、こいつは妙に慎重なところがあるんだった。
万全な準備ができているステージの前でも念には念を重ねるところがあって、それに私も少し辟易しているところがあった。
久しぶりに見た相方の慎重癖に小さなため息をつきつつ、私もその情報だけは記録しておくことにした。


コトダマゲット!【ビニール片】
〔愛依の病室で割れていた花瓶の近くに落ちていたビニール片。花瓶の中の水をかぶったのか、全体が濡れている〕

-------------------------------------------------

1.割れた窓ガラスを調べる
2.果穂に聞き込みする
3.冬優子に聞き込みする
4.モノミに聞き込みする

↓1

2 選択
-------------------------------------------------
【果穂に聞き込み】

今回も事件について情報は他の連中からもかき集めねーとならないな。
特に病院とモーテルの二手に分かれていたさなかに起きていた事件ということもあり、お互いの認識、知っている事実には違いも多々あるはずだ。
私の知らない情報、知っている情報。それぞれちゃんと整理しておく必要がある。


ルカ「大丈夫か、辛かったら無理すんじゃねーぞ」

果穂「ルカさん……いえ、だいじょうぶです! あたしもみなさんといっしょにたたかうので、こんなことで弱音を上げてちゃいけませんから!」

美琴「えらいね、果穂ちゃん」

果穂「え、えへへ……そうですか」


こいつとは私は事件当時、一緒にテレビ通話をしていた。
冬優子と私と一緒にアリバイが確実に存在する人間の一人ということになる。
こいつの視点から見た事件について、確認しておくか。


ルカ「じゃあ、協力してもらうぞ。お前、今回の事件の発生中……私と一緒にテレビ通話をしてたよな」

果穂「はい、ふゆさんといっしょにお話してました!」

ルカ「私がロビーで仮眠をとっているときにこいつらから深夜三時ごろに着信があってな、慌てて繋いだんだよ」

美琴「そんなに遅い時間に……? 何があったの?」

ルカ「確か……中学生と三峰結華が姿を消したんだったか?」

果穂「はい……えっと、ルカさんにはいちどお話したんですけど、そのまえにあたしたちのモーテルで変なことが起きたんです」

美琴「変なこと……」

果穂「寝るときはみんなそれぞれ自分の部屋で寝てたんですけど、深夜になって、だれかがあたしの部屋のドアノブをガチャガチャってひねってきたんです!」

果穂「だれかが来る用事もなかったので、もしかしてだれかがころしにきたのかなって……そう思うとこわくて動けなくて……」

果穂「しばらくじっとしてたら、インターホンが鳴って……それで出てみたらふゆさんだったんです」

ルカ「それで冬優子と合流して、ライブハウスまで来たわけか」


果穂「行く前にあさひさんと結華さんの部屋のインターホンも鳴らしたんですけど、まるで反応がなくて、おかしいので……病院にいるみなさんはなにか知らないかなって思って、急いで連らくしたんです」

美琴「ちょうどそのタイミングで事件が起きちゃったんだね」

ルカ「十中八九そのドアノブを捻ったやつが二人を殺した犯人だな……手掛かりとかは他にねーのか?」

果穂「す、すみません……あたし、こわくて動けなかったので……」

美琴「ううん、大丈夫。果穂ちゃんの選択は間違ってない。下手に部屋を出ていたらそれこそ危険なのは果穂ちゃんの方だから」

果穂「美琴さん……ありがとうございます!」


事件直前にモーテルを訪れていた不審者か……
三峰結華はきっとそいつに襲われてしまったんだろう……
だが、それと同時に行方をくらましていた中学生。
あいつが【狸】だと確定している以上……これが偶然の符合だとは思えないな。

コトダマゲット!【果穂の証言】
〔事件発生前、モーテルの各部屋を何者かが訪問し、ドアノブを捻っていた。恐怖を感じ動けずにいたところ、冬優子が助けに来てくれ、所在のわからないあさひと結華について尋ねるために病院にテレビ通話を繋いだ〕

-------------------------------------------------

1.割れた窓ガラスを調べる
2.冬優子に聞き込みする
3.モノミに聞き込みする

↓1

時間が厳しくなってきたので本日はここまで。
次回冬優子の聞き込みより再開します。
事件も発生して、3章も後半戦ですね。
毎度のことながら事件について犯人を特定するようなネタバレコメントはできる限りお控えいただけますと幸いです。

次回更新は3/9(水)22時ごろから、捜査パートをやり終えたいですね。
それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。

2 選択
-------------------------------------------------

【冬優子に聞き込み】


ルカ「……なあ、冬優子。今ちょっと大丈夫か?」

冬優子「え? ……ええ、何? 何かふゆに訊きたいことでも?」

ルカ「私たちが病院にいた間、モーテル組が何をしてたのか聞きたいんだけどよ」


私たちはここ数日この病院に籠りっぱなしで看病していたため、その外で何が起きていたかについてはまるで情報を持っていない。
朝と晩の定期通信もあったが、限られた時間で話すことも絞られていてはこちらの知らないこともあるだろう。
モーテル組の動向をたずねるうえで、冬優子以上の適任はいない。


冬優子「そうね……といっても、特になにも無いわよ? ふゆと結華であさひと果穂ちゃんの面倒を見てただけで、変わったことも何も」

ルカ「そうなのか?」

冬優子「あさひがやりたいって言うことに付き合ってやるのが主だったかしら。花火とか、虫取りとか……やりたくもないけど付き合わされたわね」

美琴「事件の前日には何をしたの?」

冬優子「昨日は……そうね、四人で一緒に海に行ったわ。あさひが泳ぎたいっす~って言いだすから、二人を泳がせてふゆと結華はビーチでパラソル広げて寛いでた」

冬優子「……あの時、もっと結華と話しとけばよかったのかしらね」

ルカ「……」

冬優子「冗談、気にしないで。ふゆから話せるのはこんなとこだから、もっと別のとこ調べなさい」


なるほど、病院の外の連中はほとんど行動らしい行動はしてなかったらしい。
私たちが戻ってくるまでの間の面倒を見ることで終始していたようだ。
あの年下二人が不安に感じないように、必死に日常というものを守り続け、その結果三峰結華は命を落とした。
……なんともやるせないものを感じるな。


コトダマゲット!【冬優子の証言】
〔隔離生活が始まってから、モーテル組はほとんどあさひと果穂の面倒を見るので手いっぱいだった。事件の前日にも、二人を連れて海で遊んでいたらしい〕

-------------------------------------------------

1.割れた窓ガラスを調べる
2.モノミに聞き込みする

↓1

1 選択

-------------------------------------------------
【割れた窓ガラス】


この部屋に入って死体と同じくらいに目につくのが、この窓だ。
乱暴にこじ開けられたであろう窓は、ギザギザの鋭利な断面が剥き出しになっており、指を少しでも触れようものなら鮮血が流れてしまうだろう。


美琴「大胆な犯人だよね、窓ガラスを割っちゃうなんて」

ルカ「おう……音もかなり大きかったし、だいぶ乱暴したみたいだな」

美琴「これまでの二つの事件とは少し毛色が違うね、やっぱり」


七草にちかと田中摩美々。私たちはこれまで二つの事件を経験し、彼女たちの犯行を全て解き明かしてきた。
だが、ここまでの『悪意』を感じる凶行は初めてだ。
明確に犯人がその手を汚し、己がエゴイズムのために重ねた犯行。それを象徴するのがこの割れた窓ガラスだ。
しかし事件を解き明かす上ではその『悪意』も重要な手掛かりになるはずだ。この割られた窓に隠された真実を私たちの手で突き止めねば。


美琴「ガラス窓が割られた時、ルカは冬優子ちゃんと果穂ちゃんの二人とテレビ通話を繋いでたんだっけ」

ルカ「おう、あいつらから緊急の連絡があってな。ちょうどそのタイミングで背後からこの窓が割れるでけー音がしたんだよ」

美琴「その音自体は二階にいた私たちも気づいたな、汗をかいてたからそれを拭ってから階段を下りたんだけど」

ルカ「汗をかいてた?」


美琴「事件当時……深夜三時ごろだよね。私と智代子ちゃんは非番だったから、仮眠室で寝ることになってて」

ルカ「……あ? なんか変な言い方すんな」

美琴「うん、私は……寝てなかったから」

ルカ「はぁ? お前、何してたんだよ! ……まさか」

美琴「なんだか目が覚めちゃったから、会議室を使わせてもらって自主練をしてたかな」

ルカ「はぁ……練習熱心もそこまで行くと病的だな」

美琴「流石にボイスレッスンはしてないよ。他の人を起こしてもいけないから」

(それでこいつは到着が遅かったのか……)

ルカ「ただまあ、練習中だった美琴ですら気づくぐらいには音は大きかったってわけだな」

美琴「うん、病院内にいた人なら確実に聞いたはずだよ」

ルカ「……」

美琴「ルカ?」


ルカ「ああ、いや……犯人のやつ、連続殺人なんて結構なことをする上に……大きな音まで鳴らして豪胆な野郎だなと思ってよ」

美琴「……でも、脱出にはこの窓しかなかったんでしょ? 大きな音を鳴らしてでも逃走したかったんじゃないかな」

ルカ「……なんだかモヤモヤするんだよな」


ロビーでは私が寝ていたし、窓の他に出入りできるような場所はこの病院内には存在していない。
そうなれば音を鳴らすリスクを踏んででも窓を叩き割るしかなかった。
その理論自体はわかるんだが、この釈然としない感じはなんなんだ?

今回の事件は連続殺人、私の目の前で二人の命が奪われた。
これだけの大きな殺人なのだから、どうやっても目撃者が生まれてしまう危険性があると思うが……
今回の犯人は目撃されることをそこまでのリスクとして踏んでいないように感じる。
あんな音を鳴らすよりは、ロビーで寝静まっている私のそばを通過する方がまだマシな気もする。

……考えすぎか?

コトダマゲット!【割れたガラス窓】
〔和泉愛依の病室の窓は犯人によって割られており、脱出経路に使われたものと思われる。事件当時、ルカをはじめとした病院にいるすべての人間がその割れる音を聞いていた〕


美琴「犯人はこの窓から出て行ったんだよね?」

ルカ「ああ、私が現場に駆け付けた時には病室の扉は閉まってた。特に怪しい様子もなかったし、出て行ったならそこの窓だろうな」

美琴「……ちょっと窓から外を見てみるね」

ルカ「首、切らないように気をつけろよ」


私の言葉に応じて美琴は慎重にその首を窓から外に出した。
なるほど窓が割れてできた空間は人一人が出入りするには十分な大きさだ。
よっぽどトチらない限りはケガもせず出て行けるだろう。


ルカ「何か怪しいもんとかあるか?」

美琴「……窓を出てすぐの所にガラスの破片が落ちてる。窓の割れた破片だね」

ルカ「犯人が割った時にそのままになってるんだろうな」

美琴「回収する時間も何もなかっただろうし……隠す必要性もないもんね」

ルカ「……ん? 窓の破片は外に落ちてるんだよな?」

美琴「え? うん……」

ルカ「窓の外側に破片が散らばってるってことは、病室の内側から外側に向けて割ったことになる。いや、脱出のためなんだから当然っちゃ当然なんだけど……」

美琴「……それができるのって、病院内の人間だけだよね」

ルカ「そういうことになるな……」

(病院にいた連中……アリバイは不透明な部分が大きいが……まさか……?)


コトダマゲット!【窓ガラスの破片】
〔愛依の病室の窓、その外側に落ちていた破片。犯人は病室内から外に向けて窓を割り、脱出を図ったものと思われる〕


美琴「……」

ルカ「まだ何か気になるもんでもあんのか?」

美琴「暗くて見づらいけど……向かいの茂みに……何か茶色いものが見えるの」

ルカ「茶色……?」


訝しんで私も美琴の脇から首をのぞかせた。
まだ日も登らない深夜も深夜、視界はかなり悪いがじっと目を凝らすとぼんやりその影が浮かび上がってきた。
茂みの根本あたり、低木の幹に身を隠すようにしておかれているのは【ガムテープ】のようだ。


ルカ「くしゃくしゃに丸め込まれてるけど……あれ、なんなんだ?」

美琴「病院の設備が転げ落ちた……わけではなさそうだよね」

ルカ「……ぱっと見、血が付着しているような感じでもないよな」

美琴「うん、ただ使用済みのガムテープを丸めてるだけみたいに見える」

(……犯人が何かに使ったのか?)


コトダマゲット!【ガムテープ】
〔愛依の病室の向かいの茂みに落ちていたガムテープ。ぎゅっと丸め込まれていたが、特に血痕が付着している様子はない〕

-------------------------------------------------

【選択肢が残り一つになったので自動進行します】

-------------------------------------------------
【モノミに聞き込み】


……実は、さっきから部屋の隅で妙なものが目についていた。
私たちの目から隠れようとしているのか、それとも気づいてもらいたくて気をひこうとしているのか、
角にたまった埃のように背を向けて押し黙っているピンクの物体。


ルカ「……モノミ、何やってんだてめェ」

モノミ「い、斑鳩さん……ど、どうも……」

ルカ「どうもじゃねえよ、なんで事件現場にてめェがいんだ」

モノミ「えーっとでちゅね……今回の死体発見アナウンスが鳴った時に、あちし背筋がゾワゾワってしたんでちゅ。あちし、医療ミスやっちゃったのかなって」

美琴「……医療ミス?」

モノミ「はい……もしかして、あちしのせいで死んじゃったのかなってすごく不安になって……」

ルカ「……ああ、それで怖くなって確かめに来てたってわけか」


美琴「ルカ……? モノミの言う医療ミスって何?」

ルカ「そうか……美琴たちは知らねえんだな。実は昨日……一度ナースコールが鳴ってるんだ」

美琴「え……?」

ルカ「鳴らしたのは放クラの小金持ち。あいつ、容体が急変して心停止まで行ってたんだよ」

モノミ「はい、それで治療のためにあちしが病室に駆け付けて……なんとか助け出すことができたんでちゅ。ペースメーカーを使って心拍を確保したんでちゅよ」

美琴「ペースメーカー……よく聞く言葉ではあるね」

ルカ「おう、優先席の近くでは携帯電話を使うなってあれだ。電波の干渉を受けやすいらしいからな」

モノミ「でも……それから数時間と経たないうちに死体発見アナウンスがなっちゃったので、あちしがやらかしたのかと思って……」

美琴「……そんなことがあったんだ」

ルカ「まあ当の本人はモノクマに病気を治してもらってピンピンしてるけどな」

モノミ「有栖川さんが亡くなったんじゃなくて安心する部分と、二人が亡くなってショックな部分とが入り混じって複雑な感情でちゅ……」

ルカ「……その安心はあんまり口に出すんじゃねーぞ」


コトダマゲット!【モノミの処置】
〔事件前夜、夏葉の容態が急変してナースコールが鳴った。心停止にまで陥っていたため、ルカたちはモノミを呼び出して治療を要求。ペースメーカーを使うことでなんとか一命をとりとめた〕


ルカ「病室で調べられるのはこれくらいか……」

美琴「ルカ、今回はもう一か所事件現場があるよ」

ルカ「おう、移動するか」


今回は時間もかつかつ、効率よく立ち回らないといけない。
区切りのいいところで腰を上げて顔を持ち上げると、冬優子の後ろ姿が目に入った。


冬優子「……」


ものも言わずに体を無理やりにでも動かしながら捜査している。
その後ろ姿には哀愁と執念をないまぜにした感情が炎のように揺らめいている。

今回は、あいつにとって特別な意味のある戦いだ。
私を友達として承認したあいつを、放っておくわけにはいかないな。


ルカ「……よし」


自らの頬をぴしゃりと叩いて、私はその場を後にした。

-------------------------------------------------
【病院前駐車場】


病院の前にはコンクリートの舗装がされたそれなりに広い敷地があり、白線でしっかりと駐車スペースも確保されている。

その所々からは雑草が固い舗装を突き破って顔をのぞかせる。
そんな文明と自然のせめぎあう冷たい地面の上で、三峰結華は自らの赤い体液の上に横たわり、黙りこくっている。


恋鐘「結華……うち、ここ数日の記憶がほとんどなかよ……摩美々が死んで、ふさぎ込んでしもうた結華に戻ってきて欲しくて、毎日毎日結華が好きやった料理ば作って待っとって……」

恋鐘「やっと顔を出してくれたその日に、うち病気になってしまったばってん……なんだか結華に会ったの、すごく久しぶりに感じるばい……」

(……)


アンティーカは連続でメンバーを失ってしまい、更には長崎女は病気にかかっていたのでここ数日の記憶も定かではない。
こいつの感じている喪失感たるや、これまでの私たちとはまた別の辛さがあるだろう。


恋鐘「……結華がなんで死んでしまったのか、うちも絶対知りたか」


だが、それでもこいつは冬優子に発破をかけられて立ち上がった。
相当な覚悟だったと思う。実際、こいつの手には何度も抓ったような跡がある。
きっと悲しみや苦しみがこみあげる度に、痛みでそれを上書きしようとしていたんだろう。

別に同情や憐憫ではない、これは私が生き残るためというのが第一。
その過程で、こいつに与する必要があるのなら、それをするだけ。


ルカ「……手、貸すぞ」

恋鐘「ルカ……ありがと~~~~!」

-------------------------------------------------

1.死体周辺を調べる
2.智代子に聞き込みする
3.透に聞き込みする
4.美琴と相談する

↓1

1 選択
-------------------------------------------------
【死体周辺を調べる】


ルカ「流石に痛ましいな……」


首筋の切り傷一つで命を落とした和泉愛依とは対極に、三峰結華は残忍さが際立つ殺し方がされている。
モノクマファイルの記述にもあった通り、命を奪う直接の原因となった正面からの殴打痕だけでなく、全身のいたるところに及ぶ打撲や骨折。
犯人のやつ、殺意という殺意をぶつけていったらしい。


恋鐘「犯人、結華に何か恨みでもあったと……?」

ルカ「私の目から見ても、あいつは特に誰かに恨まれるような性格はしてなかった気がするけどな。……ま、人の感情なんか推し量ったところでわかりゃしねえんだけどよ」


そんな激しい加虐の痕跡を辿っていると、一つ違和感を覚えた。
これほどまでに全身に殴打をされていて、まして顔の正面から殴りつけられているというのに、こいつの特徴的な要素の一つ・メガネは全くの無傷なのだ。
フレームすら歪んでおらず、レンズも割れてもいない。


ルカ「妙だな……これだけ殴られればメガネも壊れてそうなもんだが」

恋鐘「事件当時はかけとらんかったと?」

美琴「でも、今はかけてる……」

ルカ「偽装工作の一つってことか……?」


でも、この事件は私の目の前でリアルタイムに起きたもの。そんな周到に何か細工をするような時間はなかったはずだ。
メガネを奪ったうえで殴って、殺害した後にまた戻すなんて工程を踏む必要がどこにある?


ルカ「……覚えておいた方がよさそうだな」


コトダマゲット!【結華のメガネ】
〔結華の死体がかけていたメガネ。普段から着用していたものと同一で、本人の物。結華は全身を殴打されて殺害されていたものの、メガネはフレームも歪んでおらずレンズも全く割れていない〕


ルカ「……うっ」


今回の三峰結華の死体はこれまでのいずれよりも凄惨だ。
血に塗れたその体、いざ調べようと思ってもどうも尻込みしてしまう。


恋鐘「ルカ、ちょっとどかんね」


そんな状況でも、やはり一番の理解者だったであろうユニットの仲間はまるで怯まない。
手が止まった私を他所にやり、てきぱきとその体を調べていく。


恋鐘「モノクマファイルの情報とほとんど一緒ばい……傷跡、死因……どれも間違いはなさそうたい……」

恋鐘「……あれ」

ルカ「ど、どうした?」

恋鐘「……ルカ、これなんやろ? ちょっと見てくれんね」


そういって長崎女が摘まみ上げたのは、三峰結華の服にわずかに付着していた繊維のようなもの。
どうやら静電気か何かで引っ付いていたようで、青い糸のようなものは夜風に靡いている。


ルカ「……こいつの服、上下どっちもこんな色合いじゃねえな」

恋鐘「なにかがほつれた後の繊維みたいに見えるばい……もしかして、犯人の服やったりすると?」

ルカ「……いや、どうだろうな。こんな風に繊維がはがれて付着するなんて、それこそ密着でもしない限りはあり得ないだろ。犯人と抱き合ったわきゃねえしな」

恋鐘「……確かにそうやね」


今私が口にした通り、自分の衣服以外の繊維が付着することなどそうそうある話ではない。
布と布がこすれあわない限りは普通起きない現象だ。
モーテルにいた三峰結華なら、小学生と中学生の相手でもしかすると付着することはあるかもしれないが……今は深夜。
流石に日中とずっと同じ服を着ているわけではないだろう。


ルカ「いったい、なんの繊維なんだ……?」


コトダマゲット!【青い繊維】
〔三峰結華の衣服に付着していた青い繊維。本人の服のいずれとも異なるが、繊維が付着するには衣服同士がこすれあう必要があるため、出所が不明〕

-------------------------------------------------

1.智代子に聞き込みする
2.透に聞き込みする
3.美琴と相談する

↓1

-------------------------------------------------
【透に聞き込み】


浅倉透……こいつとは事件が起きる前に一つ話をした。
こいつの今抱え込んでいること、そのものを聞き出すことはできなかったがこいつが敵ではないことは十分に理解した。
いつかその腹の内をこいつが明かす日を待って、双方歩み寄っていく必要がるという結論だ。


ルカ「おい、話聞いてもいいか」

美琴「……ルカ」


美琴はまだ警戒を解いていないようだが。
七草にちかの死に際がずっと尾を引いている悪印象、この二人の和解もいつか仲介せねばならないなと思う。
袖を引っ張る美琴を一時黙らせ、私は浅倉透のそばによる。


透「ん、何?」

ルカ「いや、なんだかお前が深く考え込んでるのが見えたからよ。何か思いついてるんじゃないかって」

透「あー……思いついたって言うか、思い出した?」

ルカ「思い出した?」


透「うん……あれ、知らない? 今回の事件の手口、多分あれと関係してるんだけど」

ルカ「まるでこっちは見当もついてねえんだ、さっさと言いな」

透「……【映画館】。後で行ってみなよ」


映画館……この島が解放されてすぐに一回行ったきりだ。
確かモノクマ自主製作のクソみたいな映画を公開してるんだったか。
そういえば浅倉透はちょうど私たちが立ち寄ったタイミングで映画を観終わって出てきていた。
もしかして、こいつの言う『思い出した』ってのは、何か映画の内容と関係してるのか?


ルカ「……美琴、捜査に目途がついたら映画館に行ってみるぞ」

美琴「……うん」

ルカ「美琴?」

美琴「……なんでもないよ」

-------------------------------------------------

1.智代子に聞き込みする
2.美琴と相談する

↓1

1 選択
-------------------------------------------------
【智代子に聞き込み】


甘党女、こいつは事件当時美琴と同じで非番だったので仮眠室で休んでたはずだ。
情報としては私の方が持っていそうなもんだが、万が一ということもあるしな。
一応話だけは聞いておくか。


ルカ「よう、捜査は進んでるか」

智代子「ルカちゃん……大変だったね、夜番のタイミングでこんなことが起きちゃって」

ルカ「おう……お前は事件当時、仮眠室にいたんだったか?」

智代子「うん、今晩はお休みを貰ってたからね。ゆっくり眠らせてもらってました」

ルカ「それじゃあ何も見てないし、聞いてもないか……精々捜査頑張れよ」

智代子「えっ、は、早くないですか!?」

ルカ「いや、だっててめェは事件当時寝てたんだろ? なんも使える話も持ってねぇだろ」

智代子「い、いやいやいやいや! あるから、あるから、話!」

ルカ「はぁ……んだよ」


智代子「といっても事件の前……あの大きなガラスの割れる音がする前の話なんだけどね。気になるものを見たんだよ!」

ルカ「え? でもお前、仮眠室にいたんだろ? 誰とも会わずに」

智代子「それはそうなんだけど……あの部屋にもほら、窓があるでしょ? その窓から見えたんだ!」

(仮眠室の窓から……?)

智代子「すっかり私も眠りに落ちちゃってて、寝息を立てながら寝てたんだけど……しばらくしたら、窓の外からなんだか機械音みたいなものが聞こえてきてね」

智代子「それで何が起きてるのかなって窓の方に近づいて目を凝らしてみたの。そしたら……そしたらね!?」




智代子「な、なんと……UFOが窓の外を飛んでたんだよ!?!??!?」



ルカ「……」

智代子「な、なんでそんなに反応が薄いの!?」

ルカ「……いや、別に。お前は呑気で羨ましいなって」

智代子「の、呑気……でも本当に見たんだからね!? 窓の外を光りながら浮いたり沈んだりしてる飛行物体があったんだって!」

ルカ「なあ、私は一応事件に関係する話を聞きに来たんだ。その頓知来な目撃証言はそれに類するもんなのか?」

智代子「え、えーっと……」

ルカ「……はぁ」


やたら食い下がってきやがったからちょっとは期待したんだが、これは期待外れだったな。
事件は私の目の前で起きたんだ。やっぱり頼りになるのは自分の目、ってことか……


コトダマゲット!【智代子の証言】
〔事件が発生する前、窓の外にUFOを見た。光りながら浮いたり沈んだりする飛行物体はどう考えてもUFOに違いない(本人談)〕

-------------------------------------------------

【選択肢が残り一つになったので自動進行します】

-------------------------------------------------

【美琴と相談する】


ルカ「美琴、何か気になることはないか?」

美琴「気になること? 捜査自体はルカと一緒にしてるから情報に差はないと思うけど……そうだ、一つ気になると言えば【絶望病】についてかな」

ルカ「今回の動機……そのせいで私たちはこんな状況に追い込まれてるわけだが」

美琴「騒ぎが起きたのはちょうど二日前だね。発症者は恋鐘ちゃん、夏葉さん、愛依ちゃん、雛菜ちゃんの四人。レストランに全員集まって、そのまま入院に至った」

ルカ「そこからは病院とモーテルの二手に分かれて隔離生活だったな」

美琴「絶望病は元の性格とは大違いな性格になってしまう症状を伴う高熱性の病気。それぞれの症状については良く知ってるよね」

ルカ「ああ、あんだけ散々看病させられたらな」

美琴「それにしても、モノクマはどうやって全員をあんな瞬時に治療したんだろうね」

ルカ「……考えても仕方がねえだろ、あいつの行動に説明がつかないのはこれに限った話じゃない」

美琴「……絶望病なんて病気そのものもそうだし、モノクマの科学力や資金力は現実離れしすぎてる」

ルカ「……」

美琴「……ごめん、ここから先を考えるのは今やるべきことじゃなかったよね」

ルカ「おう、ひとまずは今回の動機として絶望病がふりまかれた、そのことだけ抑えておけ」


コトダマゲット!【絶望病】
〔モノクマによって二日前に島内に持ち込まれた未知の病気。恋鐘、夏葉、愛依、雛菜が発症し、そのまま入院することとなった。恋鐘は標準語病、夏葉はぐうたら病、愛依はお嬢様病、雛菜はネガティブ病とそれぞれの本来の性格とは魔反対とも言うべき性格になってしまった〕

-------------------------------------------------

さて、事件現場での捜査は大体やり終えたか。
和泉愛依と三峰結華、二人の命を奪った犯人に少しは近づけているんだろうか……

まだ先の見えない不安を抱きながら、私たちは足を進めた。
次に向かったのは浅倉透が事件との関連を示唆した施設、【映画館】。
私たちは島が解禁されて以来まるで寄り付いていなかったが、映画を鑑賞したことのある浅倉透には何か思い当たる節があるらしい。
つい昨晩、あいつは私たちの間に信頼を勝ち取るためにできることをすると宣言したばかり。

……今のあいつなら、きっと信用に足る。
映画を見るとなると相当に時間を食うが、これに賭けてみる価値はあるだろう。

-------------------------------------------------

-------------------------------------------------
【映画館】


モノクマ「あれあれ? お二人さんどうしたの、事件の捜査に飽きちゃったカンジ?」

ルカ「ちげーよ、これも捜査の一環だ」

美琴「……」

モノクマ「ふーん……まあいいや、それより、ここにわざわざ足を踏み入れたってことは……そういうことなんだよね?!」

ルカ「……おう、さっさと入れろ」

モノクマ「分かりました! ……と、言いたいところなんだけどね」

モノクマ「この映画館ではチケットを購入してもらわないと中には入れないシステムになってます。ああ、お代は特に必要ないんだけどね?」


モノクマが指さして見せた先には自動券売機。
料金もないというのに二度手間じゃなかろうか。
とはいえこんなところでクレームをつけるのも時間が惜しい。
指示に従ってすぐに券売機の前へ。


ルカ「えっと……チケット、大人2枚だな」

『人数分の電子生徒手帳をかざしてください』

ルカ「……あ?」

美琴「どうやら購入には電子生徒手帳を読み込む必要があるみたいだね」

ルカ「……ったく、めんどくせえな」

ピピッ

『以上でよろしければ精算ボタンを押してください』


支払いも何もないのに電子生徒手帳をかざす意味などあるのだろうか。
そんな風に疑問を抱きつつもボタンを押して精算へ。
すぐに機械音と共にゆっくりとチケットが発行された。

チケットには『モノ太郎〜THE MOVIE〜 イカルガルカ 1カイメ』と刻印されていた。


ルカ「……回数?」

美琴「私の方にも『アケタミコト 1カイメ』って書いてあるね。さっきの電子生徒手帳はこの刻印のためだったみたいだね」


わざわざ律儀に回数まで刻印してご丁寧なことだ。
どうせ見終わればこんなチケット破り捨ててしまうというのに。


美琴「……あれ?」


もはや呆れかけていたところ、券売機がまた動き出した。
チケットの排出口からさらに2枚の紙片が吐き出されたではないか。


ルカ「これ……ステッカーか?」


『おめでとう! キミは伝説への第【1】歩を踏み出した!
 モノタロウステッカー獲得まであと4回』


丸の形をしたペラペラの紙は裏面が剥がせるようになっており、粘着面が顔を出す。
冷蔵庫やらなんやらに子供が貼り付けるようなそれだ。
その性質はともかくデザインがモノミを模したような犬なので到底使う気にはならないが。


モノクマ「それは来場者特典のステッカーだよ! モノ太郎の映画の出てくる人気キャラクターがデザインされててね、オマエラの見た回数に応じてステッカーもグレードアップするんだ!」

ルカ「……はぁ」

モノクマ「5回目の来場者特典はすごいよ……なんたって全面ホロレアリティ仕様でね、更には立体視を利用して……」

(……引くほど興味ないな)


どうやら自動券売機で電子生徒手帳を読み取るのはその無価値なステッカーの配布のための工程だったようだ。
延々つらつらと誰も聞く気のない最後の来場者特典とやたの説明を続けるモノクマを他所に、私たちは劇場入場口へと向かった。
あいつの話をまともに聞いていたら時間がいくらあっても足りゃしねえ。

……この来場者特典のシール、マジでいらねえな。


コトダマゲット!【入場者特典】
〔映画館で映画を見る際、電子生徒手帳を読み取ることで発行されるステッカー。見た回数に応じてステッカーのデザインが変化する仕様。1回目の視聴では犬のデザインだった〕

-------------------------------------------------
【映画館 劇場内】

映画館の中はそれなりの広さ。
この島にいるのは16人だが、その5、6倍はあろうかという座席数。
適当に私と美琴は中央に腰かけて、その上映を待った。
すぐにジーッという音と共に場内の照明が落ち、目の前のスクリーンに映像が流れ始めた。


○●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇

『モノ太郎 ~THE MOVIE~』


『昔々ある所に、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。おじいさんは若くしてその両親を失ったものの、元々生まれは良く多額の生命保険を受給することができたので、この年になるまでろくに苦労もせずにぬくぬくと暮らしてきました』


『おばあさんは特に何かが秀でているという訳ではなかったものの、単純に顔がこの身だという理由でおじいさんに拾われ、おばあさんもその資産を利用するという目論見で結婚を受け入れました』


『そんなお互いに愛のない関係が何十年と続き、子どももいよいよこの年まで設けることもなく、漫然と日々を過ごしていました』


『ある日おじいさんはグリーンカントリーでキャディーにセクハラをしに、おばあさんは公民館で老人会で老後の資産マウントを取りに出かけました。そんな日の帰り道、おばあさんが八百屋さんの軒先に並んだ一つの大きな大きな桃を見つけたのです』


『お姉さん! こいつは今日仕入れたばかりの新鮮な桃でね、まるで生き物が入っているみたいに表面が脈を打ってるんだ。どうだい、食べてみたら若返るかもしれないぞ!』


『流石にその桃は不気味に感じはしましたが、毒見におじいさんに食べさせればいい、死んでしまえば資産が転がり込んでくる。そう思いおばあさんは購入を決意し、その日の晩の食卓に並べました』


『おじいさんや、今日は変わった桃を買ってきたんですよ。今ここで切って食べてみませんか?』


『食卓の上に載った桃はまるで命を宿しているかのように脈を打っています。おじいさんも流石に驚いた様子ですが、ゲテモノをたまには食べてみるのもいいだろうと桃を食べることに賛成しました。そこで、おばあさんが包丁を振りかざしたその直後』


『ミギャアアアアアアア!』


『激しい断末魔とともに、桃の中からそれはそれは可愛らしい、白黒ツートンカラーのたまのようなクマが生まれてきたのです。モノクロカラーの愛らしいクマは自らをモノ太郎と名乗り、おじいさんとおばあさんの前に仁王立ちしました』


『こんな腐った老害がのさばっているなんて、きっと行政のトップが鬼のように心の濁り切った不細工なビール腹のやつなんだろう』


『正義に生まれ正義に生きるモノ太郎は老害夫婦にすぐに愛想をつかし、貯蓄していた食料を根こそぎかっさらって永田町まで行くことにしました』


『途中でモノ太郎の正義の心に感化された動物たちが仲間にしてくれと懇願してきました』


『最初に声をかけてきたのはワンちゃんでした。わんわん! あちしも正義のために戦いたいでちゅ! あちしの鼻はよく利くんでちゅ、不正だってすぐに嗅ぎつけまちゅよ! お腰につけたお団子を一つ貰ったら、あんたのために全力を尽くしまちゅ!』


『犬畜生がキャンキャンと喚いて耳障りなので、咽喉を掻っ捌いて殺しました』


『次に声をかけてきたのはおサルさんでした。ウッキッキー! あちし、あんたに惚れまちた! あんたの正義の心は本物でちゅ! その腰に付けた団子を一つ貰えればあんたと一緒に乗り込んで、議場内を引っ掻き回してやりまちゅよ!』


『エテ公が何を勘違いしたのか、図が高いので真正面から撲殺しました』


『最後に声をかけてきたのはキジさんでした。ケーン! あちし、この空と同じように世界にも自由を取り返したいんでちゅ! あちしの目は鷹にも負けないんでちゅ、どんな悪行だって見逃さないんでちゅよ! あんたから団子を貰えれば、偵察だって巡回だってお手の物でちゅ!』


『害鳥が病原体を媒介してはいけないので、焼いて殺しました』


『そしてとうとうモノ太郎は議事堂に辿り着きました。中ではたくさんの鬼のような政治家たちが、自分たちの利益のためにレスバトルに勤しんでいます』


『やい! 政治家たちがちゃんとしないから、いつまでも老害連中の声がでかいんだ! ちゃんと政治家なら市民のための政治をしろ!』


『モノ太郎の演説に胸を撃たれた政治家たちはすぐに改心し、額を地面にこすりつけて謝罪しました。モノ太郎は彼らからなんやかんやで賠償金をむしり取り、老後は不労所得で穏やかに暮らすことができましたとさ。めでたしめでたし』


『~FIN~』


○●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇


ルカ「……」

美琴「……」


上映が終わった後の私たちは完全な無言だった。
退屈をとことん突き詰めると、最終的には嫌悪感を通り越して吐き気まで覚えるということを私はこの日初めて知った。
この映画を見るために時間を費やすというのは、人生で考えられ得る限り最低の時間の潰し方だ。
私たちはそのまま無言のままに劇場を後にした。


コトダマゲット!【モノクマの映画】
〔第3の島の映画館で上映されていたモノクマの自主製作映画。主人公のモノ太郎が犬を咽喉を掻っ切って殺し、サルを撲殺し、キジを焼き殺し、最終的に自分だけ得をして終わるという退屈この上ない映画〕

-------------------------------------------------
キーンコーンカーンコーン……


『えー、覆水盆に返らずなんて言葉がございますが、あの言葉を作り出したやつって絶対つまんないやつだよね』

『溢れた水は二度と盆に戻らない? やれやれ、ボクくらいになると物事を大局的に見るからね。あらゆる可能性を考慮するんだ』

『もし宇宙で水を溢したなら水はむしろ宙に浮くから、盆に返すのは簡単だよね。もしエッシャーの騙し絵だったなら溢れた水はどこかで盆に繋がっているからそもそも返す以前の話だよね』

『大事なのは発想の転換。凝り固まった考え方では見えるものも見えてこないってことだよね!』

『はてさて、オマエラの頭はどれだけ硬いのか、それとも軟いのか……見させてもらいましょうか!』

『時間だよ〜! 中央の島のモノクマロックまで集まってたも〜〜〜!』


……タイムアップだ。
夜も明けないまま真実を追い求めて奔走したが、その成果はあったのだろうか。
今はまだこの手に握られているものの持つ意味もわからないし、解答に行き着くための道筋も見えていない。
暗闇の中の綱渡りをするような感覚に、思わず背筋に冷たいものを感じてしまう。


「……だからなんだってんだ」


嫌というほど知り尽くしている。世界は一人のために動いたり、一人のために緩んだりはしない。
ただそこに事実を並べ、ただ非常に時計の針を進める。
臆していればズンズンと処刑台が迫ってくるだけ。
それなら、その速度に振り落とされないように私も世界にしがみつくだけだ。

-------------------------------------------------

【中央の島:モノクマロック】


これでここに来るのも3回目。
不恰好なモノクマを模した岩石像を見るのも、恐怖と不安に慄く連中を見るのも三度目。
……後者は、見るたびにその数を減らしているが。


冬優子「……絶対に逃がさないんだから」

恋鐘「うちがやるしかなか……うちがやらんといけんばい……」


今回の事件はこれまでのケースと別。純然たる悪意を節々に感じる凶悪な連続殺人だ。
慄く連中の中でも仇討ちに熱り立つ姿がよく目立つ。
その熱に当てられたように、私は自然と冬優子に話しかけていた。


ルカ「冬優子、準備は万全か」

冬優子「イエスとは言い難いけど、『やるしかない』でしょ? 手、貸してもらうわよ」

ルカ「千雪とは違った意味でお前も大概図々しいよな」

冬優子「図々しいとはご挨拶じゃないの、ふゆは使えるものは何だろうが使い尽くす主義なだけよ」


心の支えであっただろう二人を同時に亡くしたことで、一時流石に私も心配していたが、捜査前に見せた決意と覚悟は今も揺らいでいないようだ。
もちろん多少無理をしている部分はあるだろうが、それでも安心して見ていられるだけの気丈な振る舞いをしてみせた。


だが、当の冬優子本人は自分以外のところに心配を持っているらしい。


冬優子「……ねえ、あんた。今回の捜査中、あいつの姿って見た?」

ルカ「あいつ……?」


親指を使って自分の背後を指す。
その先には少し俯いて、呆然と立ち尽くす中学生の姿があった。


冬優子「……あいつ、相当参ってるみたいよ。やっぱり愛依を失ったのがかなりデカいんでしょうね」

ルカ「……」


そういえば、風野灯織が死んだ時も、千雪が死んだ時も、あいつは捜査の前線に出ばっていた。
あいつが事件を掻き乱し、その掌の上で踊る私たちを嘲笑う【狸】である以上は、先の二つの事件同様に特等席でことの顛末を見届けたいはずだ。
だのに、今回のあいつは沈み切ってしまってまるで動いていない。


冬優子「……あんたたちからすれば、あいつは疑いの存在なんでしょうけど。ふゆからすれば、あいつもユニットの仲間で……面倒を見続けてきた、妹分みたいなやつなのよ。あんな表情されると、こっちだって黙ってられないの」

ルカ「……おう」

冬優子「……はぁ、どうしたもんかしら。愛依ならこういう時上手いこと励ましてやれるんでしょうけど」



思えば、事件の捜査中……今回は【狸】の影を感じることもなかった。
七草にちか、田中摩美々の事件においてもその介入は裁判を進めていく上で明らかになった部分は大きいが、今回はそれとはまた違う。
混じりっけのない純然たる様相とでもいうべきか、奴の気配が全くと言っていいほどしないのだ。もはやこれは勘というものに近い感覚だろう。


あさひ「……愛依ちゃん」


ゴゴゴゴゴ…


はじまった地響き。視界を上にやれば、赤く灯るモノクマロックの瞳。
三度目の学級裁判、その入り口が今開かれた。


冬優子「さっさとエスカレーターに乗るわよ。こっちはウズウズしてんだから」

冬優子は迷うそぶりもなくすぐに搭乗。

恋鐘「う、うちも……やる気と根気がメラメラ燃えとるとよ!」

夏葉「ええ、二人の命を奪った犯人……絶対に明らかにしましょうね」

果穂「正義のために……負けられません!」


そんな冬優子の背中に引っ張られるように私たちは次々とすぐにそのエスカレーターに飛び乗っていく。
そして全員が巨大なモノクマ像の口の中へと運ばれたタイミングで、今度は降下が始まった。

-------------------------------------------------
【モノクマロック内部 エレベーター】


ゴウンゴウンと音を立てて降りていくエレベーター。
その中で立つ私の心中は、これまでとは違っていた。
七草にちかの事件の時は、美琴と向き合う覚悟もなく、ただこの島での暮らしにイラついていた。
田中摩美々の事件の時は、千雪を失ったことに対する怒りと苦しみに苛まれ、やり場のない感情に悶えていた。

……今回はどうだ?

私が和泉愛依と三峰結華の死に対して感じているのは、悲哀か、犯人への怒りか、生に縋る未練か?
多分どれも正しいし、どれも違う。
私が抱いている感情の根源に、いい加減目を向けなくちゃいけないんだろう。
この島で暮らすうちに、283プロの連中と暮らすうちに、感じるようになったその儚くも力強いその繋がりを、意識せねばならない段階がきた。
きっとそれを、千雪はずっと望んでいたはずだ。


冬優子「……」


冬優子はエレベーターの端で拳をギュッと握りしめ、口元も硬く結んでいる。
……あいつは、この私を【友人】として認めてくれた。
そしてそれを、私も受け入れることができた。

あいつに戦う理由があるのなら、私はそれに準じる義務がある。


美琴「ルカ?」

ルカ「……いや、別に」


何も難しいことじゃない。
美琴とずっと一緒にやってきたこととおんなじだから。



チ-ン!

そしてエレベーターは地底にたどり着く。

-------------------------------------------------
【地下裁判場】


モノクマ「ようこそここへ! 遊ぼうよパラダイス! 生と死入り混じる混沌のワンダーランド、学級裁判場へようこそいらっしゃいました〜!」

モノミ「何がワンダーランドでちゅか! こんな変なワンダーランド、略していうならヘン___」

美琴「また内装が変わってるね……今度は西部劇?」

ルカ「島の雰囲気に合わせたってとこだろうな。くだらねえ、そんなことする前にもっと金の使い道があるだろうに」

あさひ「……」

(チッ……こっちまで調子が狂うな)

智代子「もう、3回目になるんだね……」

夏葉「智代子、私たちはこれまでに2回乗り越えたのよ。3回目だって無事に乗り越えられる、落ち着いていきましょう」

透「あー、三度目の正直ってやつだ」

雛菜「透先輩、なんかそれ違わない〜?」

冬優子「……始めるわよ。この中に潜むクロを引き摺り出さないと」

ルカ「……おう」


激情に燃えている冬優子。少しばかり熱が入り過ぎているような気もするが、それにわざわざ水を差すこともあるまい。
私たちは冬優子に続いて、その証言台に一人一人ついて行った。
はじめ16あったはずの証言台も、6つの席には遺影を模した立て札が立っている。
彼女たちの写真には『×』が赤く上塗りされ、その写真もモノクロだ。
失った存在はもう戻ることはない、それを改めて突きつけられているようで、何度見てもむせ返りそうだ。


……和泉愛依。
超高校級のギャルの称号を持っていたあいつは、それまで私が持っていた印象とは大きく違っていた。
クールなキャラクターで男女問わずワーキャー言われる存在でずっと気に食わない奴だったが、蓋を開けてみると、至って普通の年頃の女……いや、それどころか慈母みたいな器量で、他の連中のことばかり気にしているようなやつだった。
お人好しが過ぎるところもあったが……こんな形で命を落とすべき人間じゃなかったと、わずか数日の縁の私でも思わされる。


……三峰結華。
あいつは、つい数日前に自分でその一歩を踏み出す覚悟を決めたばかりだった。一度閉ざした扉を開き直すのには相当なエネルギーが必要だったはずだ。自分が気づくことのできなかった田中摩美々の思い、そして失われた記憶の中で起きていたかもしれない惨劇。それらの辛く重たい現実に向き合って、生きていくと誓ったのに。
犯人はそれを嘲るように、命を奪い去った。


一体犯人はどんな感情でこの裁判に挑んでいるのだろうか。
してやったとばかりにふんぞり返っているのか、自分の命が脅かされることに慄いているのか。
だが、どっちであろうと関係ない。
事情も理由も問わない、ただ引き摺り出して処刑台の上に乗せるだけ。感情は、その後でいい。









_______生きていくためには、勝ち抜くしかない。






という訳で本日はここまで。
捜査パートも終わったので次回から学級裁判パートに移ります。
後日また裁判前準備パートのテンプレを用意するので次回更新時までに書き込みがあれば反映します。
特になければそのまま再開します。

次回更新は3/12(土)22時ごろからを予定しています。
……が、ワクチン接種を行う都合で副反応次第で延期するやもしれないことを前もってお伝えしておきます。
二回目でかなり拗らせた人間なので……書き込みがなければ察してください。

それではお疲れさまでした、またよろしくお願いします。

undefined

書き込みエラーですかね…?

副反応で発熱状態になってしまったので本日の更新は延期させてください…
回復していれば明日の22時ごろより再開します。

併せて裁判前準備パートを書き込んでいなかったので用意しておきます
次回までに書き込みがあれば反映いたします

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【裁判前準備パート】
☆裁判を有利に進めるアイテムを獲得することができます
 何か購入したいものがある場合は次回までにその旨を書き込んでください。
 指定が多ければ多数決、特に購入指定が無ければ何も購入せず裁判を開始します。

?ルカの現在の状況
【現在のモノクマメダル枚数…107枚】
【現在の希望のカケラ…28個】


【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕

【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕

【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕

【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕


≪希望のカケラ交換≫
【花風Smiley】必要な希望のカケラの数…20個
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕

【Scoop up Scrap】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時に、所持品の中で何が渡すと喜ばれるプレゼントなのか分かる〕

【霧・音・燦・燦】必要な希望のカケラの数…10個
〔発言力ゲージが+2される〕

【幸福のリズム】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時の親愛度上昇が+0.5される〕

【I・OWE・U】必要な希望のカケラの数…20個
〔発言力ゲージが+3される〕

【われにかへれ】必要な希望のカケラの数…20個
〔集中力ゲージが+3される〕

【ピトス・エルピス】必要な希望のカケラの数…20個
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕

【おみくじ結びますか】必要な希望のカケラの数…10個
〔集中力ゲージが+2される〕

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

今日は予定通り再開できそうです。
現状出ているところでは希望のカケラで【花風smiley】、メダルでタルトと手帳の購入ですが種類と個数はどうしましょうか
特に指定がなければヒーリングタルトと手帳を一個ずつにします


それではコトダマを整理するところから開始します。
裁判前準備の行動指定は先述の通り、スキル【花風smiley】の習得、【ヒーリングタルト】と【プロデュース手帳】を一つずつ購入としておきます。

モノクマメダル枚数
107枚→87枚

希望のカケラの個数
28個→8個

に変動します。

CHAPTER03 コトダマ

‣【モノクマファイル3】
〔被害者は和泉愛依。死因は頸動脈を刃物で裂かれたことにより失血およびショック死。死因となった裂傷は背後から刃物を首筋に沿わして切りつけたような傷跡となっている。衣服にも乱れた様子はなく、目立った抵抗の痕も見られないため、即死だったものと思われる。
被害者は三峰結華。死因は正面から頭部に強い衝撃を受けたことによる脳挫傷。頭部からは出血も激しく、即死だったものと思われる。死因となった傷のほかに、全身に及ぶ打撲痕があり、一部は骨折もしている〕

‣【割れた花瓶】
〔愛依の病室で割れていた花瓶。前日に愛依が病室に飾ったもので、ゲッカビジンを元々飾っていた。愛依は犯人と争った形跡もないが、一体何の拍子に割れたのだろうか……〕

‣【ビニール片】
〔愛依の病室で割れていた花瓶の近くに落ちていたビニール片。花瓶の中の水をかぶったのか、全体が濡れている〕

‣【割れたガラス窓】
〔和泉愛依の病室の窓は犯人によって割られており、脱出経路に使われたものと思われる。事件当時、ルカをはじめとした病院にいるすべての人間がその割れる音を聞いていた〕

‣【窓ガラスの破片】
〔愛依の病室の窓、その外側に落ちていた破片。犯人は病室内から外に向けて窓を割り、脱出を図ったものと思われる〕

‣【果穂の証言】
〔事件発生前、モーテルの各部屋を何者かが訪問し、ドアノブを捻っていた。恐怖を感じ動けずにいたところ、冬優子が助けに来てくれ、所在のわからないあさひと結華について尋ねるために病院にテレビ通話を繋いだ〕

‣【冬優子の証言】
〔隔離生活が始まってから、モーテル組はほとんどあさひと果穂の面倒を見るので手いっぱいだった。事件の前日にも、二人を連れて海で遊んでいたらしい〕


‣【モノミの処置】
〔事件前夜、夏葉の容態が急変してナースコールが鳴った。心停止にまで陥っていたため、ルカたちはモノミを呼び出して治療を要求。ペースメーカーを使うことでなんとか一命をとりとめた〕

‣【結華のメガネ】
〔結華の死体がかけていたメガネ。普段から着用していたものと同一で、本人の物。結華は全身を殴打されて殺害されていたものの、メガネはフレームも歪んでおらずレンズも全く割れていない〕

‣【青い繊維】
〔三峰結華の衣服に付着していた青い繊維。本人の服のいずれとも異なるが、繊維が付着するには衣服同士がこすれあう必要があるため、出所が不明〕

‣【智代子の証言】
〔事件が発生する前、窓の外にUFOを見た。光りながら浮いたり沈んだりする飛行物体はどう考えてもUFOに違いない(本人談)〕

‣【絶望病】
〔モノクマによって二日前に島内に持ち込まれた未知の病気。恋鐘、夏葉、愛依、雛菜が発症し、そのまま入院することとなった。恋鐘は標準語病、夏葉はぐうたら病、愛依はお嬢様病、雛菜はネガティブ病とそれぞれの本来の性格とは魔反対とも言うべき性格になってしまった〕

‣【入場者特典】
〔映画館で映画を見る際、電子生徒手帳を読み取ることで発行されるステッカー。見た回数に応じてステッカーのデザインが変化する仕様。1回目の視聴では犬のデザインだった〕

‣【モノクマの映画】
〔第3の島の映画館で上映されていたモノクマの自主製作映画。主人公のモノ太郎が犬を咽喉を掻っ切って殺し、サルを撲殺し、キジを焼き殺し、最終的に自分だけ得をして終わるという退屈この上ない映画〕






【学級裁判 開廷!】






モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」

モノクマ「学級裁判ではオマエラの中に潜む殺人犯のクロを探して議論していただきます」

モノクマ「議論の結果導き出した犯人がクロだった場合はクロだけがおしおき、シロだった場合はクロの生徒以外の全員がおしおきされ、クロのみが歌姫計画の成功者としてこの島を脱出できまーす!」

モノミ「うぅ……もう三度目でちゅか……三度目の正直、早起きは三文の徳、石の上にも三年、仏の顔も三度まで……三を冠することわざはこんなにも縁起がいいのに、どうしてこんなことになってしまうんでちゅか……」

モノミ「もう、こんなのって……散々でちゅよ……」

モノミ「……」

モノミ「【さん】ざんでちゅよ……」

冬優子「さあ、始めましょう。今回は二人の犠牲者が出ている事件……結華と愛依、その命を奪った罪は大きいわ」

冬優子「なんとしても、その犯人を突き止めないと……!」


恋鐘「そうばい……これまでの事件とも今回は大違い、二人を殺すなんて、とんでもない犯人たい。絶対に許してはおけんとよ!」

夏葉「落ち着きなさい……といっても無茶な要求だけど、議論は慎重に進めていきましょう。感情に乱されていては大切な判断を誤る恐れがあるわ」

夏葉「あくまで冷静に真実を見極めましょうね」

智代子「よしっ! それじゃあまずはみんなで議論だね! どこから話し合おっか!」

果穂「はいっ! まずは事件のがい要を整理するのがいいと思います!」

美琴「そうだね……今回、私たちは病院とモーテルの二手に分かれていた」

美琴「そして、お互い直接の交流は控えていたし、持っていた情報にも差異があるかもしれない。ここでそのすり合わせをしていくのはいいかもしれないね」

雛菜「雛菜たち入院してた組はそれ以前に、ここ数日の記憶もまだ危ういですからね~」

(事件の概要整理か……)

(病気の在った連中はまだ頭も本調子じゃねえだろうし、まずは連中の目を覚ますところから始めるとするか)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトダマ
‣【果穂の証言】
‣【モノクマファイル3】
‣【絶望病】
‣【割れた花瓶】
‣【青い繊維】


智代子「私たちは病院とモーテルの二手に分かれてたよ!」

智代子「私と透ちゃん、美琴さんにルカちゃんが【病院で看病】をしてて……」

冬優子「ふゆと結華、あさひと果穂ちゃんが【モーテルで待機】してた」

雛菜「残りは入院中でしたね~」

恋鐘「事件が起きたのは病院で……」

恋鐘「犯人は愛依と結華の二人を殺害してしまったばい……!」

智代子「【二人も切って】殺しちゃうなんて……」

智代子「犯人はよっぽど切れ味のいいナイフを使ってたんだね!」

恋鐘「そがん切れ味よか刃物なら、もっと料理とかで使ってほしかったばい……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「はぁ……おい甘党女……お前は入院してなかっただろ……」

智代子「へ? ど、どうしたのルカちゃん?! そんなため息なんかついてたら福が逃げちゃいますよ!?」

ルカ「入院してた連中じゃなくてお前が寝ぼけててどうするって言ってんだ」

ルカ「いいか? 今回の事件は確かに連続殺人だけどよ……それぞれの犯行の凶器は違うんだ」

智代子「あ、あれ?! そうでしたっけ!?」

冬優子「確かにどちらの死体も血に塗れていたけど、その死因は大違いよ」

冬優子「愛依は首元を切り裂かれて殺されてるけど、結華は別。正面から受けた打撲による脳挫傷が原因よ」

智代子「の、のうざしょう……」

冬優子「……要は、強く殴られて死んだのよ」


果穂「じゃあ、犯人は切れ味のいい刃物だけじゃなくて、固くて太いぼうのようなものを持っていたってことですね!」

モノクマ「……今、なんだって?!」

果穂「え? 犯人は、切れ味のいい刃物だけじゃなくて、固くて太いぼうのようなものを持っていたってことですよね?」

モノクマ「いいね、その調子でもう一回言ってみようか」

果穂「犯人はー! 切れ味のいい刃物だけじゃなくてー! 固くて、ふっとい____」

夏葉「それ以上を強いるのなら私はこの場であなたを捨て身の覚悟で殴打するわよ」

モノクマ「ふぅ……こわいこわい、とんだモンスターペアレントですよ」

美琴「犯人が二つの凶器を使い分けた……それは間違いないよね」

恋鐘「でも、なんでそんな死因を分けるような面倒くさか真似ば犯人はしよったと? 刃物に棒まで持っとったら、嵩張って仕方なかよ!」

ルカ「凶器はまだ特定されてねえんだ。別にその二つを持ってたとも限らねーし……何より犯人は死因を別にすることにはある意味を持っていたはずだぜ」

雛菜「死因を別にする、意味ですか~?」

ルカ「犯人がわざわざ二人の死因を変えたわけはこいつが証明する……!」

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】

>>643 >>644

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「なあ、適当女。お前は第3の島の探索が始まった時に随分なトラウマをもらい受けたらしいな」

透「え? あー……あれか」

透「やばいよ、マジで最悪だから。思い出すのもノーサンキューって感じ」

果穂「と、透さん……いったい何があったんですか?」

ルカ「こいつは映画館の映画を見たんだよ、モノクマ自主製作の映画をな」

智代子「え、映画……? そういえば、映画館があったような気がするけど……それが今回の事件と何の関係があるの?」

透「そっか……今回の死因は、あの映画と同じなんだ」

ルカ「そういうことだ。首を切りつけられる死に方も、正面から殴りつけられる死に方も、どっちもあの映画で出てくる話なんだよ」

夏葉「そんなむごい映画なの……!?」

透「むごいって言うか、ひどいっていうか」


ルカ「……端的に言うと、桃太郎のパロディみたいな映画でな。そこで本来仲間になるはずの犬・サル・キジを主人公は殺してしまうんだ」

ルカ「犬は咽喉を掻っ切って、サルは正面から殴りつけて、キジは火であぶって、な」

あさひ「確かに、愛依ちゃんと結華ちゃんの死因と一緒っすね」

果穂「でもそれっておかしくないですか? その映画のとおりなら、三人目の火でやかれてころされちゃってる人がいるはずじゃ……」

美琴「この南国生活のしおりを見てみようか。【同一のクロが殺せるのは二人まで】、三人目を殺しちゃうと犯人の方がルール違反になっちゃうからね」

果穂「あっ……そうでした、すみません……」

夏葉「気にすることはないわ、全員が抱く当然の疑問だもの」

ルカ「この死因の一致が偶然とは思えねえ、犯人はこの事件をただの連続殺人じゃなく、見立て殺人にしようとしたんだよ……!」

恋鐘「あっ、そいやったらモノクマに誰があの映画を見たのか聞いてみんね!」

恋鐘「そがん映画、見とる人の方が絶対少なか! 犯人にすぐたどり着けるはずたい!」

モノクマ「こら~~~~! なんてことを言うんですか!」

モノクマ「こともあろうに、ボクの丹精込めて作り上げた名作をまるで失敗作のように貶して!」

透「それは悪かったからさ。教えてよ、見た人」

モノクマ「いい顔で謝られても知りません!」

モノクマ「それにね、誰が映画を見たことがあるか、なんてそんなのボクも知ったこっちゃないんだよ! 映画の半券さえあれば誰でも見れるし、その半券は自動販売だからボクのあずかり知るところじゃないんでね」

ルカ「まあ流石にそううまくことは運ばねーよな……」

美琴「誰でも自由に見れた映画……絞り込みには向かないね」

夏葉「でも、この連続殺人が見立て殺人だとなると違うものが見えてくるかもしれないわ」

夏葉「議論を続けましょう、この連続殺人の持つ意味について」

-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトダマ

‣【モノクマファイル3】
‣【絶望病】
‣【割れたガラス窓】
‣【モノミの処置】
‣【モノクマの映画】


透「あの映画のストーリーとおんなじだ」

透「首を切られて死んだのと、正面から殴られて死んだの」

果穂「でも、映画はだれでも見ることができました!」

智代子「誰も見たことも、見てないことも【証明できない】よねぇ……」

夏葉「見立て殺人だってのなら、犯行はおそらく【計画的】だったはずよ」

夏葉「【凶器の準備】だって必要になる……死因を違えるわけにはいかないんだから」

冬優子「そうなると、被害者は初めから決まっていたのかしら」

冬優子「愛依と結華を【狙い撃ち】に犯行を行った」

冬優子「ふゆへ真っ向勝負を挑むつもりだったってわけね」

あさひ「……計画的な犯行、なんっすか?」

あさひ「なんか、引っ掛かる気がするっすけど」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「この連続殺人は見立て殺人だったわけだけど……だからといって、それが計画的なものかって言われると私は疑問だな」

夏葉「あら、どうして?」

ルカ「死因を一緒にするぐらいなら、その場でもできる話だし……何より、犯人が計画を練って事件を起こしていたならあんな真似をするとは思いづらいんだよな」

智代子「うーん、でも別に犯人の致命的な手がかりが残っているとかじゃないよね?」

ルカ「事件の流れを思い返してみろ、今回の事件は私と冬優子、そして小学生がテレビ通話をしているときに起きたんだ」

果穂「はい……あたしたちが結華さんとあさひさんがいないことにきづいて、あわててテレビ通話をかけたんです」

ルカ「そのとき、私がどうして事件に気づいたか覚えてるか?」

冬優子「覚えてるも何も、実際ふゆたちもそれを聞いたわけだしね」

あさひ「聞いたってことは、【音】っすか?」


≪『どうしたんでしょうか……まさか、誰かにゆうかいを____』

ガッチャーン!!

「な、なんだ!?」

『なによ今の大きな音……ガラスが割れたみたいな音だったけど!?』

「今の……【病室】の方からだぞ」≫


果穂「……! そうでした、あたしたちが話してるときに、ルカさんの後からおっきな音がしたんでした!」

ルカ「そうだ、犯人が窓を割って逃亡する、その音が聞こえてきたからこそ私は事件に気づくことができたんだ」

ルカ「犯人が計画的に事件を起こしたんだったら、もっとちゃんとした脱出経路を用意するはずだろ。わざわざ私に気づかれるリスクを踏む筈がねえ」

美琴「確かに……変だね」

夏葉「なら、犯人はあの見立てはその場の思い付きで行ったのかしら?」

ルカ「私はそう見てる、別に見立て自体には大した意味もないしな」

あさひ「……」


雛菜「犯行の計画性で言えば、一つ不思議なことがあるんですけど~」

智代子「雛菜ちゃん、どうしたの?」

雛菜「アンティーカの人、なんで病院にいたんですか~? もともとモーテルにいたんですよね~?」

雛菜「まさか思い付きでこっちに来てたわけないですし、犯人の計画で呼び寄せられてたのかな~とか思うんですけど」

恋鐘「前の冬優子みたく脅迫状でも渡されとったと?」

(三峰結華があの場所にいた理由、か)

(正確にはわからねえけど……その取っ掛かりなら分かるかもしれねえな)

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを選べ!】

>>643 >>644

↓1


ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「なあ、小学生。さっきの話の続きだ。お前らは、元々どうして私に電話をかけて来たんだっけ?」

果穂「えっと、電話をかけた理由ですか……?」

果穂「あの日、ふゆさんと結華さんとあさひさんと三人で遊んだあとに、お別れしてモーテルのそれぞれの部屋でねむりました」

果穂「ぐーぐーねむってたら、深夜になって、あたしの部屋のドアをがちゃがちゃって開けようとしている人があらわれたんです!」

智代子「深夜に?! だ、大丈夫だったの、果穂!?」

果穂「は、はい……あたし、こわくて動けないで……でも、その人はカギがあかないってわかったらどこかに行ったみたいで。それから三十分ぐらい動けずにいたら今度はインターホンが鳴ったんです」

冬優子「それを鳴らしたのがふゆ。ふゆの部屋にも同じ奴が来てね、流石に直後は動けなかったから暫くしてから他の三人の様子を伺いに出たわけ」

冬優子「……で、無事が確認できたのが果穂ちゃんだけだったの」

果穂「そのままあたしとふゆさんは二人でライブハウスまで行って、ルカさんにお話ししたんです!」

雛菜「ふーん? ってことは、あの人はそのドアをガチャガチャやってた人に連れ出されたってことですか~?」

美琴「彼女、特に変わったものを持っていた様子でもなかったから。誰かに連れ出された可能性は高いと思うな」

冬優子「モーテルの個室の鍵をかけ忘れていたのかもしれないわね。それで侵入してきた人間に連れ出されてしまった、とか」


夏葉「でも、それが可能なのって病院の外の人間に限られるんじゃないかしら」

夏葉「私たちのいた病院の入り口は玄関のみ。事件当夜玄関ロビーには常にルカがいたから見られずに脱出するなんて不可能よ?」

ルカ「ああ、仮眠を取ってはいたけど、眠りは浅かったし気配がすれば起きてたと思うな」

雛菜「じゃあ、モーテル側の人で、アリバイがない人が犯人さんだね~?」

美琴「モーテル側の人間で、アリバイがない人……」



智代子「それって……あさひちゃん?」



あさひ「わたしっすか?」

果穂「ま、まってください! ドアを開けようとした人があさひさんなわけないです!」

果穂「だって、えっと……その……」

恋鐘「モーテル組は四人だけ、そいで冬優子と果穂はルカと通話しとってアリバイもある。結華は殺されとる、そうなると残るのはあさひだけ……」

恋鐘「あさひ、観念せんね! うちの目はごまかされんとよ!」

あさひ「えぇ……そんなこと、してないっすよ」


美琴「じゃあ、事件のあった時にどこにいたのか聞いてもいい?」

美琴「それが証明できれば、容疑は払しょくできるよ」

あさひ「わたしは事件が起きた時、別の島に行ってたっすよ。深夜三時になるとモノケモノが勝手に動き出すって看板に書いてあったっすから、それを確かめに行ってたっす」

冬優子「はぁ……何やってんのよ、あんた」

夏葉「そのアリバイを証明する方法はなさそうね……」

(大体、なんだその看板ってのは……)

透「でも、それが可能なのは今、あさひちゃんだけなのか」

智代子「病院にいたんじゃできるわけないし……他のモーテルのみんなは当然違うもんね」

智代子「あ、あれ? 事件、解決……?」




冬優子「……違う、そんなわけないでしょ」




冬優子「あさひが犯人なんて、天地がひっくり返ってもあり得ないわ」

ルカ「冬優子……」

冬優子「何も感情論で否定してるわけじゃない、ちゃんと根拠があって言ってるの」

冬優子「結華の死因を思い出して見なさいよ。あいつは正面から殴りつけられて死んでる。そんなこと、あさひにできると思う?」

夏葉「……なるほど、身長ね」

あさひ「わたしは結華ちゃんより5cm小さいっすから、正面から殴ろうとしても若干下からの角度になるっす」

あさひ「……でも、冬優子ちゃん。それって微妙じゃないっすか?」

冬優子「はぁ?」

あさひ「身長なんて、台一つでどうにかなる問題っすよ。反論としては弱いっす」

冬優子「あんた、せっかく人が守ってやろうとしてるんだから口答えするんじゃないわよ」

(……でも、中学生の言うとおりだ)

(身長差も5cmならそれほど大した差じゃない……これで否定するには弱いな)

(どうなんだ……? あの狸は、今回の事件には無関係なのか……?)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトダマ
‣【果穂の証言】
‣【智代子の証言】
‣【ビニール片】
‣【窓ガラスの破片】
‣【入場者特典】


果穂「あたしたちが寝てるときに、だれかがドアをガチャガチャってしました!」

果穂「ふゆさんが様子を見に来てくれたので、そのままルカさんと電話したんです!」

あさひ「わたしはその時【中央の島でモノケモノを見てた】っす」

あさひ「ドアの事なんて知らないっすよ」

美琴「ドアノブを捻るのは病院の外の人間以外には【不可能】だよね」

美琴「アリバイがない彼女が怪しくなるのも仕方ないよ」

智代子「結華ちゃんも病院の外で死んでたもんね……」

智代子「事件は会議室で起きてるんじゃない、病院の外で起きてるんだ!」

雛菜「じゃあ、ガラスが割れる音っていうのも【外から中に入る時の音】だったんだ~」

雛菜「そのまま中にいたストレイの人を殺して脱出」

雛菜「びっくりするくらいの早業だね~?」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「……いや、なんか変だぞ。その中学生が犯人だとしたら、この事件は成り立たないかもしれない」

冬優子「……! ルカ、それ本当?」

ルカ「ああ、事件現場の状況を思い出してほしいんだけどよ。和泉愛依の病室、あれってどんな状態だった?」

智代子「どんな状況……? 首を切られたせいで血が辺りに散らされてて……」

雛菜「それで、ガラスの窓が割られてたんでしょ~?」

雛菜「テレビ通話中に音を聞いたって言う窓が割られる音は犯人が部屋に入ってくるときの音で~……」

ルカ「いや、そこが少しおかしいんだ。あの部屋の様子を思い出してほしいんだけど……あの部屋の中って窓ガラスの破片は落ちてたか?」

透「んー……花瓶が割れたのはあったけど、透明な破片はなかったかも」

夏葉「それは妙な話ね……犯人があさひだとした場合、入室経路は窓に限られるわ。ロビーには常にルカがいたわけなのだから」

夏葉「でも、窓を割って部屋に入ると、破片は必ず部屋の内側に散乱するはずよ。その破片がないというのはおかしいわね」

ルカ「実際、破片自体は発見したんだが、窓の外側に落ちていた。あれは内側から外側へと割って脱出しようとしたとき以外ではならない散乱の仕方だ」

ルカ「私は勿論そんな中学生が病院に入るのを見た覚えもない……そうなると、あいつが二人を殺した犯人になるのはおかしいんだよ……!」



【雛菜「つまんない推理だね~!」】 反論!




雛菜「確かにあの窓の破片は部屋の外側に落ちてたかもしれないですけど~」

雛菜「だからってあの子が無実とは限らないと思います~」

雛菜「大事なこと見落としちゃってませんか~?」

ルカ「あ? ど、どういう意味だよ……」

雛菜「え~、わかんないの~?」

雛菜「それじゃあ雛菜がちゃんと教えてあげますから~」

雛菜「雛菜にちゃ~んと集中しててね~?」

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
‣【割れた花瓶】
‣【果穂の証言】


雛菜「あのストレイの人の病室の窓の破片は」

雛菜「確かに部屋の外側に落ちてましたけど~」

雛菜「でも、それだからって無実にはならないと思います~」

雛菜「だって、モーテルのドアをガチャガチャできたのもあの子だけだし~」

雛菜「病院の中の人じゃできませんよね~?」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「だから、窓の問題がある限りはあいつも病院に入れないんだ」

ルカ「あいつに和泉愛依は殺害できないんだよ……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

雛菜「雛菜、それは否定してないですよ~?」

雛菜「あの子にストレイの人は殺せなくても~」

雛菜「アンティーカの人の方は別じゃないですか~」

雛菜「だから、今回の事件は【犯人が二人いる】んですよ~」

雛菜「それぞれ殺した人が別で~」

雛菜「モーテルのドアをガチャガチャしてアンティーカの人を殺したのがあの子~~~!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


発言力:♡×5→♡×4


雛菜「へ~~~? モーテルの人たちが仲良く遊んでたのってなにか関係あります~?」

雛菜「結局のところ、別々の犯人が二人殺しちゃえば、今回のアリバイって意味ないですよね~」

雛菜「雛菜の名推理すごい~~~~!」

(チッ……違ったか)

(あいつの主張は犯人が複数いれば今回の事件のアリバイも場合によっては無視できるという理論)

(なら、一人じゃねーと犯行が成り立たない証拠を示してやるか……)

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×5

コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
‣【割れた花瓶】
‣【果穂の証言】


雛菜「あのストレイの人の病室の窓の破片は」

雛菜「確かに部屋の外側に落ちてましたけど~」

雛菜「でも、それだからって無実にはならないと思います~」

雛菜「だって、モーテルのドアをガチャガチャできたのもあの子だけだし~」

雛菜「病院の中の人じゃできませんよね~?」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「だから、窓の問題がある限りはあいつも病院に入れないんだ」

ルカ「あいつに和泉愛依は殺害できないんだよ……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

雛菜「雛菜、それは否定してないですよ~?」

雛菜「あの子にストレイの人は殺せなくても~」

雛菜「アンティーカの人の方は別じゃないですか~」

雛菜「だから、今回の事件は【犯人が二人いる】んですよ~」

雛菜「それぞれ殺した人が別で~」

雛菜「モーテルのドアをガチャガチャしてアンティーカの人を殺したのがあの子~~~!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


発言力:♡×4→♡×3


雛菜「その花瓶、なんなんですか~?」

雛菜「どうして割れたのかもよくわかってないし~、反論の材料にはならなくないですか~?」

雛菜「ん~、雛菜の完璧な推理、どうですか~?」

(チッ……こいつも違ったか)

(この花瓶からは現状余り手掛かりを得られていない……切るべきタイミングは今じゃなさそうだ)

(やっぱり、犯人が一人である証拠を何か提示できれば……)

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×5

コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【冬優子の証言】
‣【モノクマの映画】
‣【割れた花瓶】
‣【果穂の証言】


雛菜「あのストレイの人の病室の窓の破片は」

雛菜「確かに部屋の外側に落ちてましたけど~」

雛菜「でも、それだからって無実にはならないと思います~」

雛菜「だって、モーテルのドアをガチャガチャできたのもあの子だけだし~」

雛菜「病院の中の人じゃできませんよね~?」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「だから、窓の問題がある限りはあいつも病院に入れないんだ」

ルカ「あいつに和泉愛依は殺害できないんだよ……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

雛菜「雛菜、それは否定してないですよ~?」

雛菜「あの子にストレイの人は殺せなくても~」

雛菜「アンティーカの人の方は別じゃないですか~」

雛菜「だから、今回の事件は【犯人が二人いる】んですよ~」

雛菜「それぞれ殺した人が別で~」

雛菜「モーテルのドアをガチャガチャしてアンティーカの人を殺したのがあの子~~~!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ50以上で論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」

【BREAK!】

ルカ「犯人が別の事件が同時に起きた……確かにそれは面白い話だけど、それが成立するのはただの連続殺人だった場合だ」

雛菜「へ~?」

ルカ「忘れたのかよ、この事件はモノクマの映画を利用した【見立て殺人】なんだぞ? ある時同時に起きた事件が、偶然にもその映画の死因と一致してた……なんてことあり得ると思うか?」

雛菜「それは……確かにそうですよね~……」

夏葉「犯人が二人いて、直前に見立てにするように示し合わせていた可能性はないの?」

美琴「それも考えづらいかな。ほら、事件はルカの目の前で起きたでしょ? そのタイミングにバッチリ合わせた犯行を行うのってそう簡単じゃないと思う」

ルカ「この連続殺人は見立てである以上は単独犯の犯行じゃないとおかしいんだよ」

智代子「……あれ? でも、だとしたら矛盾が出てきちゃうよ?」

果穂「ちょこ先輩、どうしたんですか?」

智代子「うん、あのね……モーテルのドアをガチャガチャできたのは病院の外にいる人だけだけど……」

智代子「あのガラスは内側から割られてたんだから、病院の中の人じゃないと割れないよね?」

果穂「あー! ほんとです、犯人さんが病院の中にいたのか、外にいたのかよくわからないですー!」

(この指摘はもっともだ……連続殺人は窓の内側から割って行われている以上、犯人は病院内の人間と考えるのが自然)

(でも、病院内の人間は私が玄関ロビーにいる以上、モーテルのドアをいじることは不可能なはずだ)

(この矛盾は一体……?)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノミの処置】
‣【ビニール片】
‣【結華のメガネ】
‣【割れたガラス窓】
‣【モノクマファイル3】


夏葉「連続殺人が見立てで行われている以上は犯人は単独犯に限られるわ」

夏葉「共犯で見立てを成立するのは難しくメリットも乏しいもの」

智代子「でもそうなると……」

智代子「モーテルのドアをいじれたのは【病院の外の人】だけ」

智代子「病室の窓を内側から割れたのは【病院の中の人】だけ」

智代子「この矛盾が発生しちゃうよ!」

透「連続殺人は単独犯でも」

透「ドアを鳴らすのと殺人を起こす人は別でも問題ないんじゃない?」

恋鐘「そがんことする意味がなかよ!」

恋鐘「玄関ロビーにはずっと【ルカがおった】し」

恋鐘「【自由に病院を出入りすることは出来ん】ばい!」

恋鐘「どいやったらこい矛盾ば解決できると~~~?!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


発言力:♡×3→♡×2


恋鐘「ん? ルカ、なんば口ごもっとるばい?」

(いや……違うな、小金持ちのナースコールでのドタバタの時、確かにロビーはがら空きの場面ではあったが事件よりはかなり前)

(それに騒ぎが終わってからはロビーに私はずっといたわけだし……その時間では少し考えづらいか)

(他に病院内で何か抜け道はないのか……?)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノミの処置】
‣【ビニール片】
‣【結華のメガネ】
‣【割れたガラス窓】
‣【モノクマファイル3】


夏葉「連続殺人が見立てで行われている以上は犯人は単独犯に限られるわ」

夏葉「共犯で見立てを成立するのは難しくメリットも乏しいもの」

智代子「でもそうなると……」

智代子「モーテルのドアをいじれたのは【病院の外の人】だけ」

智代子「病室の窓を内側から割れたのは【病院の中の人】だけ」

智代子「この矛盾が発生しちゃうよ!」

透「連続殺人は単独犯でも」

透「ドアを鳴らすのと殺人を起こす人は別でも問題ないんじゃない?」

恋鐘「そがんことする意味がなかよ!」

恋鐘「玄関ロビーにはずっと【ルカがおった】し」

恋鐘「【自由に病院を出入りすることは出来ん】ばい!」

恋鐘「どいやったらこい矛盾ば解決できると~~~?!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1

2 選択

集中力:☆×5→☆×4

【ロンパ候補の発言の数が減少します】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×4

コトダマ
‣【モノミの処置】
‣【ビニール片】
‣【結華のメガネ】
‣【割れたガラス窓】
‣【モノクマファイル3】


夏葉「連続殺人が見立てで行われている以上は犯人は単独犯に限られるわ」

夏葉「共犯で見立てを成立するのは難しくメリットも乏しいもの」

智代子「でもそうなると……」

智代子「モーテルのドアをいじれたのは【病院の外の人】だけ」

智代子「病室の窓を内側から割れたのは【病院の中の人】だけ」

智代子「この矛盾が発生しちゃうよ!」

透「連続殺人は単独犯でも」

透「ドアを鳴らすのと殺人を起こす人は別でも問題ないんじゃない?」

恋鐘「そがんことする意味がなかよ!」

恋鐘「玄関ロビーにはずっとルカがおったし」

恋鐘「【自由に病院を出入りすることは出来ん】ばい!」

恋鐘「どいやったらこい矛盾ば解決できると~~~?!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)
3.アイテムを使用する
【ヒーリングタルト】×1
【プロデュース手帳】×1

↓1


ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「……そうか、簡単な話だったんだ! 私たちは初歩の初歩で躓いてたんだよ」

美琴「ルカ、どうしたの? 何か、気づいた?」

ルカ「前提からして違ってたんだ……モーテルのドアをいじれるのは病院の外の人間だけなんかじゃねえ」

ルカ「病院の中の人間だろうとそれは可能だったんだよ……!」

恋鐘「ふぇ? それはおかしかよ!」

恋鐘「病院から出るには玄関から出るしかなかよ、でも玄関にはずっとルカがおったから……」

ルカ「その前提からして違ったんだよ。というのも、私たちは無意識のうちの先入観があったからなんだ」

ルカ「事件現場の病室はガラスの窓が割られていた、だからこそはじめ能天気女はそこから犯人が入ってきたんだと思い込んでいた」

ルカ「その最初の思い込みのせいで、窓の出入りに『割る』という動作が無条件に紐づいてしまってたんだ」

智代子「そっか……別に窓から出入りすること自体は、病院の中にいた人なら何度でも可能なんだね!」

ルカ「そういうことだ。あの窓じゃなくとも、別の窓からでも病院は自由に出入りが可能。モーテルまで走って、ドアを鳴らすだけ鳴らして病院まで戻っちまえばいい」

夏葉「しかもそれなら病院内の人間でも結華を連れ出すことが可能になるわね……」


冬優子「むしろ、病院の外側の人間は容疑者から完全に外れることになるんじゃないかしら」

冬優子「その方法はあくまで病院内の窓をあけれる立場にある人間じゃないとできない方法……ふゆたちじゃ病院の自由な出入りは不可能だもの」

あさひ「確かに、わたしだけじゃ病院の窓を開けることはできないっすね」

ルカ「……中学生、てめェはわかってんだな」

冬優子「……え?」

あさひ「そうっす、病院の外の人間は、そのただ一人だと窓を開けることはできないっす。でも反対に言えば、【一回でも中の人に開けてもらえれば】病院の中に入ることができるっす」

果穂「え、それじゃあ……」

あさひ「病院の外の人でもモーテルのドアを鳴らした後に、病室の内側から窓を割ることは可能なんっすよ」

あさひ「今明らかになったのは、病院の中にいた人でも外にいた人でもその【両方が犯行は可能だ】ってことっす」

(こいつ……なんのつもりだ、自分で自分の首を絞めるような真似しやがって)


透「でもさ、外から中に入れてもらうってどうやって?」

透「うちら、別々で行動するって決めてたし。ふつう中に入れるとか、なさげじゃんか」

智代子「確かにそうだね……接触は極力避けましょうって話だったし」

冬優子「そのために結華がわざわざテレビ通話の機材を整えてくれたのよね」

美琴「まともな判断ができる相手なら、断るだろうけど……あの病院には利用するには便利な存在が揃っていたから」

夏葉「それってもしかして……私たちの事かしら」

ルカ「……それは確かにそうだな、あの病気にかかってたてめェらはまともな判断能力を失ってた。開けてくれと頼まれたらそのまま開けてただろうよ」

智代子「うーん……犯人は病院の中の人なのか、外の人なのかどっちなんだろうね」

美琴「今のところ明らかなのはルカと冬優子ちゃんと果穂ちゃんにはアリバイがあるってことだけなんだよね」

ルカ「ああ……そうだな、病院の連中は基本的にアリバイがない」

雛菜「透先輩は雛菜につきっきりで看病してくれてたらしいよ~?」

冬優子「生憎だけど、あんたたちの入院中の記憶は定かじゃないらしいし……正直参考程度ってとこね」

透「マジか、グレー」

夏葉「……病院の中に招き入れるなんてこと、本当にあるのかしら」

雛菜「やっぱり、あの子が怪しい気がしますけどね~」

果穂「あたしには、あさひさんが犯人だなんて思えません!」

あさひ「病院の中にいても、外にいても犯行は可能なんっすよね」




【モノクマ「真実は舌戦の果てにのみ!」】意見対立!




モノクマ「やれやれ、議論はまたしても平行線だぜ」

モノクマ「そんなにおしゃべりが大好きなら、ユー、意見をぶつけ合わせちゃいなよ!」

モノクマ「ユー、ここで雌雄を決しちゃいなよ!」

モノクマ「今こそ議論スクラムで結論出しちゃいなよ!」

(犯人が病院の中の人間か、外の人間か……)

(窓という出入り口がある以上はそのどちらでも可能性はあるが……)

(あの狸の思惑が見えない……あいつ、この局面で何を考えてやがる?!)

-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「犯人は病院の中の人間だ!」vs【犯人は病院の外の人間だ!】

発言力:♡×3
集中力:☆×4


智代子「事件現場は病院の近くで固まっちゃってるよね……やっぱり、病院内部の犯行って考えたほうが通りやすい気がするんだよ……」

冬優子「病院の外にいたのはストレイライトに果穂ちゃんだけ、とても犯人とは考えづらいわ」

美琴「アリバイは病院の中にいた人たちにはほとんどないんだよね」

果穂「病院に入ろうにも、ルカさんがげん関にいるんじゃ入っていけません!」

冬優子「割れた窓のガラス片は病室の外側に散らかっていた、病室の中からじゃないと割れないわ」

夏葉「たとえ病気で判断能力が落ちていたとしても、そう簡単に外部の人間を招き入れるとは思い難いのだけれど……」

-------------------------------------------------
【意見スロット】

【侵入経路】
【面子】
【ガラス片】
【入院患者】
【現場】
【アリバイ】
-------------------------------------------------

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)

↓1


【ルカ「終わらせてやるよ」】


智代子「事件現場は病院の近くで固まっちゃってるよね……やっぱり、病院内部の犯行って考えたほうが通りやすい気がするんだよ……」
【ルカ「能天気女!」
雛菜「別に現場は関係ないですよ~、誰でも移動は出来ましたし、モーテルにもその姿を現してますよね~」】


冬優子「病院の外にいたのはストレイライトに果穂ちゃんだけ、とても犯人とは考えづらいわ」
【ルカ「ここは私が!」
ルカ「別にそいつらが犯人だって告発してるんじゃねえ、これは可能性の議論なんだ」】


美琴「アリバイは病院の中にいた人たちにはほとんど