【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「CBA」 (713)

このスレは「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」第一話まで見ていた少女、蒼井翠ちゃんが「戦姫絶唱シンフォギア」の世界に転生して、月を破壊する為に頑張ったと思ったら未来に飛ばされてゆゆゆキャラやとじみこキャラと共に突っ走るスレです
シンフォギアのアニメの無印、G、GX、AXZ、XV、スマホゲームのXD、勇者であるシリーズ、刀使ノ巫女シリーズのネタバレを含みます


翠「ちなみにCBAは私の芸名です」

1スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 - SSまとめ速報
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・・・

翼さん達を連れてこの時間の本部に戻ると、再会の感動もそこそこに会議室に集まることになりました
勿論本部にいるこの時間の皆さんも含めて

『翠』「そういえば今ここ切歌さんと調さんと夏菜しかいないの?」

夏菜(未来)「装者で言えば風鳴さんとマリアさんはほぼほぼ海外、立花さんと小日向さんと雪音さんは今日は非番ですね」

友里(未来)「声はかけてあるから時間が空けば顔を出すかもしれないわね」

この大渋滞でも主要人物が揃っていないというのが恐ろしいところです

弦十郎(未来)「今話し合うべき事は、君達を無事元の時代にどう送り返すか、だ」

翼「ここは私達より先の時代、ならば」

マリア「それは私達も思ったわ、けれど今回の時空移動については記録も残っていないしこの時間の当人達の記憶も酷く曖昧なのよ」

まず翼さん達に、ここまででわかっている情報の共有がされました
酷く都合の良い、むしろ私達にとっては悪い事実ではありますが、事実であるが故に納得してもらう他ありません

薫(刀使)「お約束って言っちまえばそこまでだけどな」

姫和「物語と現実を一緒にするならと言いたいところだが」

可奈美「びっくりだよね!過去の次は未来に来ちゃうんだもん!」

友奈(赤嶺)「まぁ、別の時代に行くとか、別の時代の誰かに会うのも、そう簡単に体験出来る事じゃないよね」

刀使の皆さんや赤嶺ちゃんにとってはここはそもそも別の並行世界なので、単純に過去や未来に来たというわけではありませんが

マリア「今のところ私達が合流してからは一纏めでいられているけれど、それが偶然なのかどうか、そもそもどんな条件が揃った際にどの時代に飛ばされるのかもわかっていない...時間移動の術はこの時代においてもやはり空想上のものなのでしょう?」

夏菜(未来)「公にはそうですね、いつの時代にも秘密裏に研究している人や団体はありますが、秘密裏故に成功例があるのかどうか、安全性は高いのかどうか、何一つわかっているものはありません」

エレン「みどりんは過去に飛ばされた時には時空の歪みを探すって言ってマしたよね?」

翠「それしか無かったとも言います、とはいえこうして不規則に起こる時空震によって私達の意思に関係なく時空を移動させられてしまうのは、そもそも時空の歪みが特定の場所に存在しているという仮定も見直すべきかもしれません」

ヒントがなさ過ぎる現状、何が正解かなんてものはわかりようもなく
それこそこの時間の私でさえ手こずっているわけですし

友奈(赤嶺)「ただ待っていればいつかまた時空震によって元の時間に戻される...なんていうのは不確実過ぎるしね」

弦十郎(未来)「あるいは君達だけが飛ばされたのであれば、そこに何らかの意思が介在したとしてその可能性もあったかもしれないが...」

そう、この問題は私達だけの問題ではなくなってしまいました

翠(過去)「...うぅ」

今私の隣に座っている、過去の私
話の流れで自ずとその場にいた全員から視線を向けられ、過去の私は居心地悪そうに俯き私の服の袖を掴んできます

切歌「翠さんまた増えちゃったデスね」

切歌(未来)「なんというか、新鮮な感じデスよこの翠さん」

翠「まぁこの過去の私の事は置いておくとして、です」



帰り方案安価下
(特になければ過去の翠ちゃんについての相談に移ります)

・・・

現場百回、ではありませんが、元の時間に帰る方法...時空を移動する方法について何もわからない以上、何かしらのヒントが残されている可能性があるとすればやはりそれは一度時空震の影響が出たところ
すなわち、私達別の時間からの来訪者が出現した場所です

夏菜(未来)「今度は私が責任を持って付き添います」

一旦の休憩を挟み、まずは翼さん達が飛ばされてきた場所を調べる為に私を含めた何人かと監督役にこの時間の夏菜さんで車に乗り込み出発しました
手掛かりが何か見つかればいいんですが...

翠(過去)「あの...ところで、何で私も...?」

翠「そりゃあ、何かの拍子にそれぞれの時間に帰れるようになった時に貴女の場合は貴女1人が帰れれば問題が一つ解決するからでしょう?貴女が飛ばされてきた場所でもありますし」

翠(過去)「あー、まぁいいですけど...どうせ本部に残されても1人ですし」

翠「というか私の割に流石に孤立し過ぎじゃないですか?一方的にとはいえほとんど知ってる相手でしょう?」

車内で隣同士の私と過去の私は、他の人に聞こえない程度の声で話していました

翠(過去)「いやいやいや!そりゃシンフォギアの原作キャラはわかるとして、知らない人が物凄く多いんですけど!?何ですかあの刀持ってる団体とか!後あの、シンフォギアというかむしろゆゆゆの友奈ちゃんが褐色になったみたいな人とか...」

翠「何って刀使と赤嶺ちゃん...あ」

過去の私に言われて今更気が付きました
転生したばかりの頃はそもそも刀使ノ巫女のアニメを見てないので私知らないじゃないですか...赤嶺ちゃんもゆゆゆいで登場前ですし

翠(過去)「いえ...十中八九は私、というか貴女が介入した事で交流が生まれたとか、知りようが無いですがXDのキャラとかそういうのなんでしょうけど...」

翠「えっと...夏菜さんは前者ですが、さっき貴女が言った人達はどっちでもないです」

翠(過去)「...???」

そうこうしているうちに、車は現場に着きました



コンマ下1
奇数 手掛かり有り
偶数 手掛かり無し

どんな手掛かり?安価下2以降
(コンマ下1が偶数の場合のみ採用)

***
訂正
偶数の場合のみ→奇数の場合のみ
***

現場を隈なく調べてはみたものの、特に異常も痕跡も手掛かりも
少なくともそう判断出来るようなものは見つかりませんでした
そんな気はしていましたが、とはいえ本当に空振りだと若干落ち込むというか、気持ち的にどっと疲れてしまいます

翠(過去)「ノーヒントの問題を解く為のヒントをノーヒントで探す...流石に厳しいですね...」

翠「何か感じ取れたりしないんですか?元の時間との繋がりとか」

翠(過去)「そんなスピリチュアルな...」

割と今回のことは色々とスピリチュアル案件なのでそっち方面で解決の鍵があるのでは、と思っているのですが...やはり転生して間もない頃の私ではそうもいきませんか

翠(過去)「そういえば、未来の私」

翠「ん?何ですか?」

翠(未来)「あ、いえ、貴女ではなく...この時間の私ってどうしてるのかなと...ほら、さっきは本部にいないこの時間の響さん達の現状は聞きましたけど、私の事は言ってませんでしたし」

翠「っ」

そりゃ気になりますよね...同じ立場なら私も気になりますし...

翠(過去)「その反応、貴女は聞いてるんですか?この時間の私...この時間の貴女について」

翠「う...」

同じ私同士、それも『翠』以上に私と同じ私を相手に知らないとシラを切るのは不可能
シラを切ったら切ったで何かを察してこれ以上聞いて来なくはなるかもしれませんが...


安価下
1 行方不明とだけ話す
2 過去の私には関係ない!シラを切る
3 『翠』はともかく過去の自分に秘密にしろとは言われてない!全部話す

翠「...わかりました、話しましょう」

翠(過去)「!」

翠「ですが場所が悪いですね、後で私の部屋に...いえ、そもそも多分同じ部屋に入れられますか...本部に戻ったら『翠』には席を外しておいてもらいましょう」

あの時、この時間の私はこう言いました


翠(未来)『あ、ここで話した事、ここで私と会った事は外の皆さんには秘密で、この時代の皆さんにも貴女の時間の皆さんにも...出来れば『翠』にも』


つまり、『翠』はともかく過去の自分にまで秘密にしろとは言われてません!

ズルいと思うなかれ、この時間の私
恨むなら秘密にする相手に過去の私のことを入れなかった自分を恨んでください!

翠「それとも、こうなることも織り込み済みで...ならむしろ問題はないのですが」

翠(過去)「ついでに、もう少し他の皆さんについても教えてくださいよ」

・・・

『翠』「ふーん、やっぱり何か隠し事あるんだ」

本部に戻り、何かしら進展があるまで各自自由に休憩を、という話になってから
やはり過去の私が寝泊りする部屋もとりあえず私と『翠』が使っているこの時間の私達の部屋になったのですが
過去の私と2人だけで話があると伝えると、『翠』はジトッとした目で見てきました

『翠』「それも『私』にも内緒にするようなこと」

翠「す、少しくらいは自分同士でないと話せないこともあるでしょう、ほら私と『翠』は同じであって同じではありませんし」

『翠』「ま、良いけど...翠もそこまで考え無しじゃないとは思うし、詮索しないでおくけどね」

不満はありつつも、納得はしてくれた様子

『翠』「終わったら声かけてよ」

翠「えぇ、わかりました」

廊下を歩いていく『翠』を見送り、私は振り返って過去の私に声をかけます

翠「じゃ、部屋に入ってください」

翠(過去)「アレがこの世界の私...なんだか私じゃないみたいです...」

翠「接してみれば案外そんなこともないですよ、終始タメ口なのももはやキャラ作りのようなものなんでしょうし」

私は過去の私と共に自室に入り、念の為鍵を閉めてからそれぞれ私が勉強机の椅子、過去の私がベッドに座りました

翠「まずはこの時間の私がどういう扱いなのか、そして実際何をしているのか...所々貴女がまだ知らないことの説明を交えながら話したいと思います」



コンマ下
ゾロ目以外 特になし(完全に理解は出来ていないが少なくとも行方不明等や神様の存在の不安定化等は伝わった)
ゾロ目 ???

翠(過去)「神様の存在が不安定...というか女神様これから長い付き合いになるってそういうパターンの女神様だったんですか...あと行方不明になってるのが実は裏で事件解決しようとしてたってなってみたいポジションではありましたけど...」

翠「いざやられると多少なりとも説明してくださいよ!ってなりますよね」

翠(過去)「ですね...」

無駄かもしれませんが、私も過去の私もそうはならないように気を付けようとそっと心に決めました

翠(過去)「というか存在の不安定化ってそんな概念的なこと...あ、ソードブレイカーみたいなってことですか?」

翠「哲学兵装ですね、私もそれが近いと思いますし、この時間の私もその線で調べてるんじゃないかと思います」

翠(過去)「そんなポンポンあるものなんですか?哲学兵装...だってそれって思ったもん勝ちというか、勘違いとか思い込みが本当になる、みたいなものですよね?」

翠「我ながらそんな身も蓋もない言い方...」



何かする?安価下

・・・

翠「それじゃあ私は少し情報収集に行きますけど、貴女はどうします?」

翠(過去)「そうですね...見た目が今...というか私がいた時間と、あまり変わりないので、翼さんはともかく...他の皆さんは多分あまりちゃんと相手出来ないので...」

つまり基本単独行動、困ったときは私の所か翼さんの所に避難する、ということですね

翠「皆さん大丈夫だと思いますよ?私を受け入れてくれた皆さんですから」

翠(過去)「そう自分自身に言われてすぐに納得出来る性格だと思ってるんですか?」

翠「ダメでしょうね...何が正解で何が不正解かまでは接してみないとわからない感覚的なものですし」

知っているか知らないかは大きなアドバンテージ
そういう意味ではそれこそ私は原作知識で一方的に人となりを知っていたからこそ皆さんと初対面の時からある程度反応を予測して接することが出来ましたが
この世界では過去の私はむしろ皆さんに一方的に知られている立場と言えます
しかも原作知識がある分過去の私にとっては皆さんは『私と出会って多少分岐した状態』となるわけで
原作知識どこまで信用していいのかわからないと...

翠(過去)「はぁ...せめて私以外にもあの時間の誰かがいてくれたら...」

翠「そういうのフラグになるからやめましょうね」

どうにか過去の私を宥め、部屋を出て解散しました

翠「さて...」

『翠』「終わったみたいだね」

翠「うひゃあっ!?」

なんっ、何で物陰からヌルッと出てくるんですかね!?

『翠』「安心してよ、聞き耳なんて立ててないから、聞こえなかったし」

翠「立ててるじゃないですか...」

『翠』「つまり逆の立場なら翠も聞き耳立ててたってことでしょ」

翠「そんなこと...時と場合によります...」

こういう話は埒が開かなくなりますね
やめましょうか

『翠』「それで、これからの予定は?」

翠「とりあえず金ピカガングニールについてもう少し詳しく知りたいところです、エルフナインちゃんの話で黄金錬成なんていう単語も出てきましたし」



誰に話を聞きにいく?安価下

・・・

ウェル(未来)「おや、貴女の方から訪ねてくるとは...それとも仕事の催促ですか?」

翠「催促に来るほど私は仕事を好きになってませんがね」

ウェル(未来)「それはそれは」

この時間の私の研究について知っている、協力していたという人間はそう多くないでしょう
並行世界、それもゆゆゆの世界との交流が関係しているものなら尚更
そうなるとエルフナインちゃんの他に候補として挙がるのは、この糞Pなわけで...エルフナインちゃんもこの糞Pがよくこの時間の私を手伝っていたという頭の痛くなる話をしていましたし

『翠』「ねぇやっぱ他当たらない?」

翠「その『他』に当たる誰かを思い付ければすぐにでもそうしたいんですよ私も」

なので不服ですが...死ぬほど、それはもうLiNKERとノロを直打ちしまくって天の神のタタリを一身に受けて絶唱した方がマシなレベルで不服ですが、糞Pを訪ねました
しかしここで初っ端から金ピカガングニールの事を聞くと、この時間の私に私が余計な探りを入れていると伝わってしまう可能性もあるかもしれません
何かこう、別の話題から入るべきでしょうか...

翠「まず聞きたいのは、今回のノイズの件についての貴方の意見です」

『翠』「翠?」

翠「いいから合わせてください」



ウェル博士(未来)の意見安価下
(女神「ここからはメタ空間です、翠さん翠さん!XD今度はキラメイジャーコラボですよ!」

翠「へぇキラメイジャー...キラメイジャー!?遂に何の捻りもなくど直球ニチアサコラボなんですか!?」

女神「何でもアリのシンフォギアや哲学兵装はある意味ひらめキーング!と似た所ありますしね!鍵穴描いて実体化させたり」

翠「まぁメインキャラ6人の色も揃ってますしね...え?マリアさんも宝路さんも出なさそう?何でです...?」)

ウェル(未来)「ふむ...概ね貴女の推測通りでしょうね、先程の一件は過去の一点から集団でこの時代に飛ばされたもの...つまりあの場にいたノイズもまた、分岐した過去の世界から迷い込んだものでしょう、少なくともこの時代、この時間軸のノイズとは考え難い」

翠「そうですか」

『翠』「だろうね」

まぁ翼さん達も戦闘中の状態でしたし、だろうとは思いました
途中から数が増えたりしていれば誰かしら気付くでしょうし

ウェル(未来)「いくら彼女が...ネロさんが衰弱したからといって、ノイズを抑え切れなくなるとは思えませんしね」

翠「ですね、だからこそ一瞬驚いてしまいましたが、やはりあれは過去からの...ん?」

『翠』「え?」

翠「はい!?」

『翠』「ちょっと!?」


翠「何でネロさんの事覚えてるんですか!?」

『翠』「ネロさんが衰弱ってどういう事!?」


翠「...あっ」

『翠』「...今何て言った?」

糞Pがとんでもない爆弾発言をしたせいで、私までつられて爆弾発言をしてしまうこの地獄絵図
この場にいたのがせめて過去の私であったなら...いえ、今更そんなもしもに意味はありません

『翠』「衰弱どころか...え?何?ネロさん忘れられてるはずなの?」

翠「お、落ち着いてください...それはその、後々話しますから...」

『翠』「へぇ?てことは口走ったのは嘘じゃないんだ?」

翠「ぃゃぁ...」



安価下
1 強引に話題を変える
2 出来ればとは言われたけど絶対じゃないし!『翠』ちゃんにも情報共有
3 イベント判定

・・・

こ、この時間の私に言われたのはあくまで『出来れば』の話ですし...『絶対』ではないですし...
そんな、過去の私の時と同じような弁明のようなものを心の中で呟きながら、私は『翠』にこの時間の私から聞かされた話について話しました

『翠』「なるほどねぇ...ま、翠が気を失った段階で接触出来てはいたんだろうなとは思ってたけど」

翠「うっ...」

『翠』「『私』がそう察せてたって事は十中八九この時間の『私』も同じ流れなら察せてたことになるし...こうやって吐かせたかどうかはわかんないけど」

『翠』に正直に全て話しているうちに、ひょっとして私って隠し事に向いていないのでは?と思えてきています
いや、そんなはず...そ、そうですよ『翠』も過去の私もどちらも私自身、私相手に隠し事が通用しないのは普通、だから私は大丈夫...

ウェル(未来)「やれやれ...こうなる事も見越していたのか、あるいは」

翠「貴方が爆弾落とさなければこうはならなかったんですけど!?」

『翠』「いやだから元々察してたってば...」

そんな事より!何で糞Pがネロさんの事を覚えているのかです

ウェル(未来)「今でこそほとんど残っていませんが、かつては僕もネフィリム細胞持ち...それが影響してか、この時代の貴女達以外では恐らく唯一、人の身でネロさんの存在を認知出来ているわけです」

白衣とシャツの袖を捲って見せてきた腕はネフィリムの黒々とした肌ではなく人間のもの
今現在(この時代)ネフィリムの力を利用することは出来ませんが、同じくネフィリムと融合していたネロさんを認知し続けられる能力...わかりやすく言えば後遺症のようなものがあるらしいです
適合者じゃないはずの響さんが融合症例でなくなった後もガングニールを纏えているのと似たようなものでしょう

翠「逆に言えば...私達もネフィリム細胞を埋め込めば間違ってもネロさんを忘れてしまうことがなくなる...?」

『翠』「待って、その『私達』っていうのは『私』と翠の2人?それとも関係者全員?」

翠「全員も致し方なし...」

『翠』「『私』は学習したからね?そういうことしようとすると多分未来さん部屋行きになるからね?」

翠「この計画は保留にしましょう」

・・・

ウェル(未来)「それで、本題は別にあるのでしょう?僕も暇じゃない、と追い返すほど薄情ではありませんが...この時代の貴女主導の研究に関して僕がその経過を管理することはほとんどありませんから、僕の端末を覗いた所でめぼしい情報は見つからないと思いますよ?」

翠「...私が何を聞きたいのか、もうわかっているようにも見えますね」

ウェル(未来)「そう言ったつもりですが、この頃の貴女では通じませんか」

この糞P本当嫌い!性根が腐ってます!というか個人的に何となく嫌いです!

『翠』「聞きたいのは金ピカのガングニールの事、イミテーターで模倣する時のまとめ資料みたいなものは読んだけどそれ以外に何か知らない?黄金錬成の事とか」



金ピカガングニールについての追加情報安価下

ウェル(未来)「えぇえぇ、そうでしょうとも」

元の時間の糞Pと違い基本的に感情の上下が少ないと言いますか、初対面の頃の、あるいは原作登場初期の頃の猫被った状態から胡散臭さを幾分か抜いたような感じのこの時間の糞P
なので分かりにくいですが、その声は僅かにテンションが上がっているような、待ってましたというような、そんな声に聞こえました

ウェル(未来)「聖遺物の、神代の力に錬金術を掛け合わせる...そんな定食屋のチャレンジメニューもかくやという盛り過ぎ設定...答えが書かれたノートを借りて書き写し等という反則技ならいざ知らず、ただ純粋にそれを実現しようとした時そこに当然奇跡等は介在しない」

『翠』「仰々しいけど、つまり手順はある程度わかるってこと?」

ウェル(未来)「例えばそう、錬金術、黄金錬成...シンフォギアには搭載されていない『不完全を完全に昇華する』機能は必ずどこかの段階で必須となる、外部からの働きかあるいは...と、そこまで考え行き着いた答えは」

翠「答えは...」

糞Pは机の上に置いていたタブレットをいつの間にか操作し、ある物の画像を表示させこちらに画面を向けてきます


ウェル(未来)「最高純度のラピス・フィロソフィカス...『賢者の石』ですよ」


翠「『賢者の石』...!」

内心「そこは愛じゃないんですか」と突っ込みつつ、その画面に映し出されている赤く輝くハート型の結晶には見覚えがありました
だからこその驚きもあり、私はその意外な答えを食い入るように見てしまいます

翠「なるほど、そういうことですか...つまり、サンジェルマンさん達が、鍵...」

『賢者の石』...錬金術の秘奥とも言える、錬金術師にとっては到達点、あるいは中間地点でもあるラピス・フィロソフィカス
シンフォギアの要である聖遺物と同様エネルギー源にはなりますが、実態は現段階では真逆、古の置き土産が聖遺物なら賢者の石は文字通り最高叡智の結晶
そして知り得る中で、この世界に最高純度の輝きを誇るラピス・フィロソフィカスはたったの3つ
サンジェルマンさん、カリオストロさん、プレラーティさんが持つファウストローブだけです

『翠』「サンジェルマンさん達?あの3人が持ってるの?」

翠「えぇ、もしかすればあの金ピカガングニールは響さんが彼女達と手を繋いだ末の決戦形態...なのかもしれません」

多少錬金術を齧った程度の私は勿論、恐らくエルフナインちゃんでもあの3人が持つ物以上の完成品は作り出せないでしょう
錬金術師全員を知っているわけではないですし、とんでもなくセンスがある人がいないとも限りませんが、私の推測はそれほど外れているとは思いません



どうする?安価下
(特になければイベント判定)

(翠「鬼は外、福は内...こういう時の響さんは「鬼とも手を繋げるはず!」とか言わないんですね、って口に出して言ってしまうと変な空気になりそうなので黙っておきましょう、こういうのは楽しんだもん勝ちです!」

『翠』「んぐ、んぐ、んぐ...こくん...ぷはっ!見たか恵方巻ィ!今年も無事完食!」)

・・・

思っていたよりはマシな情報を持っていた糞Pと別れ、部屋を出た私と『翠』
そのまま自室か、また他の人にも話を聞きに行こうか...と考えながら本部の廊下を歩いていると

マリア「あぁ、2人ともここにいたのね」

翠「マリアさん?」

その言い方、もしかして探されてたんでしょうか

『翠』「急ぎの用だった?」

マリア「いいえ、そこまでではないのだけれど...ちょうど私達、同じ時間から来た全員で集まるところなのよ」

翠「またですか?...あぁ、今度は同じ時間からのメンバーだけ、つまりこの時間の皆さんは集まっていないと」

マリア「彼らには彼らの仕事がある、いつまでも私達に構わせておくべきではないほどに多忙ということは、私達もよく知るところでしょう?」

確かに、ししょー達にとって別の時間から来た私達のことは優先順位が高いとはいえ、それは決して一番にはなり得ません
この時代、この時間のことが最優先であり、S.O.N.G.は例えノイズが出現せずとも間違っても暇な組織ではないはずです

マリア「全員は集まれた、けれど未だ解決策は見つからず現場からも何も出ず...足りないのがあるとすれば、お互いが過去で過ごした中で得た情報や気付いた事、思い付いた事の共有...」

翠「確かに、元の時間に何の心配もなくこの時間に長居することに抵抗が無ければいざ知らず、響さんの事を考えれば会議も情報共有も多くて損する事はありません」

例えそれが望み薄だったとしても

『翠』「過去の翠はどうする?呼ぶ?」

翠「いえ、過去の私はこの時間の皆さんに任せておきましょう、仮に誰とも打ち解けられずとも私達の部屋に篭るでしょうし」

私と『翠』は過去の私の事は放っておき、マリアさんと共に皆さんが集まる会議室へと向かいました



会議で得られたもの安価下
(新情報でも新意見でも)
(特になければエルフナインちゃんの元へ)

・・・

翼「電波の通りが悪くなっていた、だと?」

夏菜「えぇ、私が過去の世界に飛ばされた時、最初の場所が人目がある場所だったのであまり行儀の良くない方達がその、有り体に言えば撮影と拡散をされそうになりまして」

『翠』「いや撮影されてたよブレブレの写真が結局アップされてたし」

夏菜「...で、逃げている途中その撮影してた人達の話し声が聞こえたんです、電波が悪くて全然ネットに繋がらない、と」

翠「全然気付きませんでした...」

自分の端末...つまりその時間、その時代の物ではない端末は軒並み圏外になってしまっている為、電波の良し悪しはどちらにしろわからないんですよね
過去の時間でわざわざ新しいスマホを買ったりもしませんでしたし

友奈(赤嶺)「私、『翠』さん、夏菜さんの3人で合流してからすぐ、少しでも他の皆の手掛かりになればってその事についてダメ元で調べる為にネカフェに行ったんだ、そしたら」

夏菜「案の定、私達がそれぞれ飛ばされてきた時間の前後で各地で急に電波の通りが悪くなったという書き込みがいくつもされていたんです」

『翠』「夏菜の写真も一緒にね」

夏菜「それはもういいです」

翠「ま、まぁあの時間の二課がきっと消しておいてくれますよ...」

うーん、後で過去の私に過去の時間に戻ったら二課にお願いしてもらうように言っておきましょうか...

未来「とにかく、つまりその書き込みを辿って場所の候補をいくつか絞って探しに来てくれたんだよね?」

姫和「他の組と合流が順調だったのはそういうことか」

そのやり方で上手くいったということは『時空が不安定な場所は電波障害が起こる』というのは信憑性が高いかもしれません
思い掛けない情報に、私達は会議し始めた頃とは比べものにならないほどの盛り上がりを見せていました

薫(刀使)「てことは帰り道を探すには、電波が不安定になってる場所を探せばいいってことか」

舞衣「絶対とはまだ言えないけど、虱潰しよりはきっと可能性は格段に上だね」

エレン「いつ起こるかわからない時空震ばかりアテには出来ないデスからね」

・・・

夏菜さんが気付いた電波障害について以外には特に追加の情報は出てこなかった為、話は『仮に帰り道を見つけられた場合』の話へと移りました

クリス「道っていうのは、所謂穴なのか?」

翠「さぁ...」

マリア「「さぁ」って、はっきりとわかっているわけじゃなかったの!?」

平行世界移動やテレポートは何種類かの方法で経験がありますが、時間を伴ったものは今回が初ですし(ゆゆゆ時空は微妙なラインでしょうか)

翠「ですがこの際穴でも電車でも公衆電話でもいいんです」



帰り道を見付けた後の帰り方安価下

切歌「帰り道を見付けた後?そのままドーン!じゃダメなんデスか?」

姫和「その道が穴であれ何であれ、仮に向こう側がこちらからも見えていたとしてもその光景全てを信用出来るほど簡単な話ではない、現に同一の世界であっても過去や未来にこうして繋がってしまっているしな」

マリア「それに、よく似た平行世界自体も確認はされている...無策に飛び込み、結局そこも元の世界ではなかったとなれば余計な問題が増えるだけよ」

薫(刀使)「道とやらがどのくらいの期間持続するのかもわからんしな、分断はもうこりごりだ」

もしもこうして別の時空に飛ばされているのがたった1人なら、僅かな可能性にかけて無策に帰り道らしき道を通るのもアリでしょう
ですが、こうも大人数だと『確実に全員が帰る』のが最低条件です
とても無策な方法は取れません

切歌「うぅ...集中攻撃されたのデス...」

調「よしよし」

出来るなら、元の世界の元の時間に繋がった段階でその繋がりを一時的にでも意図的に保てれば良いのですが

翼「その道を通して通信は可能だと思うか?」

翠「エルフナインちゃん達が元の時間で頑張ってくれているでしょうが、何とも...ですが幸い元の時間の本部への信号はこの時間の本部にも記録されているでしょうから、私達の端末で、というよりこの本部の機能を借りて、という手もあるかもしれません」

夏菜「未来から過去への通信ですか...」

マリア「可能であれば、あちらからもアプローチしてもらいましょう」

最終的に、帰り道が見つかった場合まず元の時間との通信を試し、可能であれば協力を仰ぐ、ということになりました
過去の時間ではネロさんとなら念話が出来ていましたがこの時間では仮に帰り道があったとしても念話が復活するかわかりませんし...

・・・

《数週間後》


早いもので、8年後の未来の時間に飛ばされてから気がつくと数週間が経っていました
私はというと、どれだけの規模が動いてくれたのか逆に不安になる程アイドル活動は順調な滑り出しで

『翠』「明日は何の仕事だっけ」

翠「確か雑誌のインタビューでしたかね...この時間の翼さんやマリアさん達が自分達の所からの新人だと宣伝してくれたからか、注目されるのすごい早かったです」

本名でなく芸名というのも、私達の事務所的には珍しいですしね
奏さんに翼さん、マリアさんに一応元の時間での私も本名で活動してましたから

翠(過去)「私は未だに信じられませんよ、まさか未来の私が芸能人、それもアイドルやってるなんて...シンフォギアってアイドルアニメでしたっけ?転生したから本気出した感じですか?」

翠「この方向の本気は出すつもりも出せるつもりもこれっぽっちもありませんでしたからね?わかってて言ってますよね?」

翠(過去)「しかもPはあの杉田さん...じゃなくてウェル博士...あの人英雄狂いじゃなかったんですか?」

翠「いつどこでどうしてあんな形で心変わりしたのかは永遠の謎です」

ちなみにこの数週間のうちに電波障害が発生した場所、すなわち時空が歪んだ場所は...



コンマ下1
奇数 発生した
偶数 発生していない

コンマ下2
奇数 元の時間と通信出来た
偶数 通信出来なかった
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

翠「しかしアレですね、電波障害が発生している場所に絞って探してみたらまさかあれほど上手く行くとは」

『翠』「通信も通じたしね...一気に解決に近付いた気がする」

そう、勿論とても簡単だったとは言えないくらいにはこの時間のししょー達にも頑張ってもらった結果ですが
無事どうにか元の時間との繋がりを見つけ、通信を成功させることが出来ました



元の時間の状況や帰還の見込みに関して安価下

話を聞いた限りでは私達の体感時間と元の時間での経過時間はそう差はなく
その間、巨人となった響さんは相変わらず動きを見せていないそうです
勿論どこぞの軍隊やらなんやらに攻撃される事もなく...もっともこれは以前私と『翠』が巨人化した際にロクな結果にならなかったかららしいですが

翠「電波障害下でも通じさせられる専用チャンネルに、帰還の為の歪みの安定化...どちらもまだ不完全ではありますが、私達の為にこちらの時間と元の時間とで皆さん頑張ってくれています」

『翠』「楽観視は危険だけど、安心して夜眠れるくらいには進展してるよね...後は」

翠(過去)「...私、ですか」

ふと、私も『翠』も過去の私に視線が移ってしまいます
私や『翠』とはまた違った時間軸から巻き込まれてしまった過去の私は、未だ帰還方法を見つけられていません
時空の歪み云々もそうですし、響さんや響さんの中にいる友奈ちゃんと私達との繋がりのような目印もあるわけではありません

翠(過去)「まぁ...そうは言っても転生してからそんなに、数日くらいしか経たないままでしたし...」

翠「愛着がない、と?」

『翠』「そういう頃の『私』も、こうして表に出てこないくらいにはあの世界に価値を見い出せてないわけだし口出しはしないけど...」

転生してすぐの頃...原作知識を頼りに四苦八苦しながら装者をやり、けれど転生した本来の目的をいつかは達成しようと...そんな感じに過ごしていたような気がします

翠「貴女はまぁ、そんなんでしょうけど...」

『翠』「多分、というかほぼ確実に、めっちゃ探されてるよね」

翠(過去)「えっと...二課に?」

翠『翠』「「フィーネさんに」」

翠(過去)「...あ~」

出自不明のシンフォギア持ってる謎多き装者が突然更にどこからともなく湧いてきた複数の他の謎の装者達と一緒に姿を消す...あの頃のフィーネさんからしたらこれほどまでに放っておけないイレギュラーは無いと思います

翠「私なんかが出てきたり消えたりしてフィーネさんの気にとまるのか?という疑問はまぁ誘拐監禁された経験上...少なくとも目は付けられてますよね」

『翠』「元の時間の方で歪み安定させるより先に過去の方のフィーネさんが追ってきたりしてね」

翠「まだそこまでアクティブじゃないでしょう」

『翠』「それもそっか」

翠(過去)「今誘拐監禁って言いました?ねぇちょっと?ねぇ?」


何かする?安価下
(特になければお仕事orイベント判定)

・・・

例によって訪れたのはやはりこの時間のエルフナインちゃんの部屋
この時間のこの世界についてや、この時間の私について調べるにはやはり彼女が一番詳しいと思います
もっともエルフナインちゃんも決して暇ではないので、時間が空いている時にお邪魔させてもらっている程度ですが

エルフナイン(未来)「今日はどのような...あ、過去の僕達からの連絡はまだ進展はありません」

翠「それもですが、この間の話...金ピカガングニールの黄金錬成について、他にもわかったことがありまして」

私は糞Pから聞いたラピス・フィロソフィカス...『賢者の石』の事について話しました



エルフナインちゃん(未来)の意見安価下
(特になければry)

エルフナイン(未来)「そうですか、なるほど...確かに高純度のラピス・フィロソフィカスの力なら、黄金錬成実現の突破口になり得ます」

翠「ということは...!」

エルフナイン(未来)「いえ、全ての手順を探り当てるのにはまだ...ですがもう少し情報があれば、例のガングニールを再現する方法がわかるかもしれません」

エルフナインちゃんはタブレットにラピス・フィロソフィカスのデータと金ピカガングニールを模倣したイミテーターから逆算した金ピカガングニールのオリジナルのデータ、黄金錬成実験の経過観察一覧を表示させ、こちらに見せてきます

エルフナイン(未来)「これは過去に翠さん...この時代の翠さんと一緒に何度か行った実験結果です...数値は例のガングニールを理想値とするとまだまだ届いていません、次にシミュレーターで、サンジェルマンさん達に以前頂いたラピス・フィロソフィカスについてのデータをもとにラピス・フィロソフィカスのファウストローブ形成エネルギーをシンフォギアに与えてみると」

次に表示されたのはシンフォギアを纏った装者のシミュレーター
ラピス・フィロソフィカスのエネルギーを響さんが束ねマリアさんが再配置...つまりS2CAと同じ要領で利用しようとすると


『ERROR』


画面上には『ERROR』の文字が大きく表示されてしまいました

エルフナイン(未来)「フォニックゲイン由来のエネルギーではない為、このようにギアが負荷に耐え切れず...恐らく実際に行った場合は爆発します」

翠「でも、ある程度は変換を...あ」

エルフナイン(未来)「そうです、ラピス・フィロソフィカスの『不完全を完全に昇華する』という性質は生半可なエネルギー変換機能では意味を成しません...」



コンマ下
ゾロ目以外 ここの問題さえクリア出来れば更に先に...
ゾロ目 方法はあります

(翠「毎年の事なので特に驚かせられもしませんけどどうぞ、チョコレートです!...毎年の、なんて言えるくらい長いこと一緒にいるんですね、何だかちょっと嬉しいです」

『翠』「ここに確実に美味しい市販品と、成功か失敗か五分五分の手作りがあります、どっちがいい?...えー、まぁいいけど、じゃあちゃんとどっちも食べてよ?...ふふっ、ハッピーバレンタイン!」)

エルフナイン「ここの問題さえクリア出来れば更に先に進めると思うのですが...」

単に必要量のフォニックゲインを用意しただけでは恐らく黄金錬成は成功しません、ただのエクスドライブになるだけです
ですが、ラピス・フィロソフィカスの性質を覆す、あるいは帳消しに出来るような『何か』は中々思い付きません

翠「...ギアの耐久性を上げる、とか」

エルフナイン(未来)「翠さん...」

翠「ごめんなさい、迷走しました、そういうことじゃないですもんね」

仮に耐久性を上げたところで結局ラピス・フィロソフィカスのエネルギーをギアがどう受け止め変化するかはわかりません
わからない、というのは、少なくとも黄金錬成に繋がるやり方ではない、という意味でです

翠「1アクション噛ませないと、ですよね...」



何か話す?安価下
(特になければイベント判定)

undefined

力の性質を残したまま、ギアへの負荷を軽減させる方法
例えばドンピシャでそういう哲学兵装があるのなら話は早いですが、存在していたとしても少なくとも手元には...

エルフナイン(未来)「話は変わりますが翠さん」

翠「あ、はい」

いけないいけない、また1人きりじゃないのに考え込んでしまっていました
しかし元の時間のエルフナインちゃんはそういう時もこんな風に私の思考を遮る様に話しかけてくることはありません
その辺まだ気を遣ってしまっているのでしょうが...やはり目の前にいるエルフナインちゃんは、見た目は変わりなくとも8年の時を過ごし成長したエルフナインちゃんなんですね

エルフナイン(未来)「この時代に来る前、最初の時空震の際に翠さん達には共通した物がいつの間にか持たされていた、と先日エレンさんから聞いたのですが」

翠「共通した...あぁ、コレのことですね」

私はポッケから山桜の花弁を取り出し、この時間のエルフナインちゃんに渡しました
そういえばこの時間に飛ばされてからは時空の歪み以外は金ピカガングニールの事ばかり調べていて、この花弁の事についてはエルフナインちゃんに話していなかった気がします
といっても精神世界の勇者部メンバーのことや仮説を立ててくれていたネロさんについてはこの時間のエルフナインちゃんが知らない、覚えていないことが含まれている為どう説明すればいいのかわからない点も多くあるわけで

翠「私達それぞれに、恐らく私達の時間の響さんが...というか響さんの中にいる別の協力者が...」

エルフナイン(未来)「協力者、ですか?」

翠「と、とにかく別の時空に飛ばされてしまった私達を探す目印になり得るんじゃないか、という仮説はあったんです...その後さらに時空移動したりしたのでアレですが...」

エルフナインちゃんは歯切れの悪い私に首を傾げ、花弁に目線を移しました

エルフナイン(未来)「...この花どこかで...なるほどそうか、そういうことですね...少し、調べてみてもいいですか?」

翠「え、あ、はい」



コンマ下1
奇数 新情報あり
偶数 新情報今のところなし

どんなことがわかった?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

(翠「今日は調さんの誕生日!というわけでこちら切歌さんにお願いされてエルフナインちゃんと協力して完成させた切歌さんロボMk-2と調さんロボMk-2...やっぱり合体要素は残した方が良くなかったですか?いらない?まだ早い?いやそういう意味のじゃないですし大体お2人だってとっくに合体しt」

『翠』「調さん、誕生日おめでとう!ツインテール長いしギアの時も酷使してるからって事で私からはヘアブラシをプレゼント!使い心地に追求したのは勿論なんとここのボタン押すと光るの!七色に!」)

研究室に篭るエルフナインちゃん
花弁について何か判明し次第また呼ぶとの事で

翠「その間、どうしましょう」

終わるまでただ待っているか、呼ばれるまで他の事をしているか...



安価下
1 待っている(エルフナインちゃんの研究終了まで飛びます)
2 他のことをする(記述)

翠《園子ちゃん、ちょっと良いですか?》

少し考え、私は園子ちゃんに相談することにしました

園子《おやりんりん、私をご指名かな~?》

翠《お願いがあるんです、出来たらでいいんですが...》

園子《ばっちこいだぜ~!》

カモンカモンと続きを促してくる園子ちゃん
最近戦闘もなくアイドルの仕事ばかりでご無沙汰だったからか、少しテンションが高い気もします

翠《私とエルフナインちゃんの話は聞いていたと思います、その上で...響さんの金ピカガングニールに関する情報、あればもう少し集めてほしいんです》

園子《金ピカのガングニール、か...欲しいのは、ラピス・フィロソフィカスのエネルギー利用時の負荷の軽減方法、ひいては本来そのギアが運用された時空での一連の流れかな?》

翠《ですね、そこまで知られたら充分以上です》

シンフォギアにおいて、何かが起こるまでの間に偶然は存在しても奇跡は介在しない...きっとここは変わらないはずです
奇跡の様に見えた事も、そこには何らかの原因があるはず
そこまで知り、再現する事が出来たなら...というのは望み過ぎでしょうか

翠《神樹様は確かに一度あの金ピカガングニールを数多ある可能性から導き出した...可能性とはつまり分岐した並行世界、そう解釈したのならつまりどこかの並行世界に響さんが金ピカガングニールを纏ったという歴史は存在するはず...》

若葉《だが、半ば独立している私達がもう一度神樹様にアクセスして、その上他の並行世界の歴史を漁るのは果たして可能なのか?》

翠《若葉ちゃん》

園子《わかちゃん》

若葉ちゃんの言う事ももっともです
神樹様が一度見た並行世界の歴史を知るというのは、神樹様の視界を借りる様なもの
いくらゆゆゆ世界において(友奈ちゃんを嫁にしたい願望があったとはいえ)手段を選ばず人類を存続させようとしてくれた神樹様といえど、許されるとはとても...

翠《絶対に必要というわけではないですから...そう、深層世界で金ピカガングニールの響さんを作り出したこともあったじゃないですか、あの時のデータか何かを解析してくれればもしかしたら》

園子《アレも結果がわかっていたからこそのシミュレーターのようなものだけど...やれるだけのことはやってみるよ》

翠《ありがとうございます》

少しずつ、けれど確実に情報は揃いつつあるんです
もう少し、もう少しで

園子《でもその前に一つだけ、聞いてもいいかな?》

翠《?》

園子ちゃんはより一層真剣な声で、私に一つ質問をしました

園子《りんりんは金ピカガングニールが使える様になったら、どうするの?》



安価下

金ピカガングニールが使える様になったら
金ピカガングニールは現状、知る限り最高戦力の形態です
対峙した時の体感的にはエクスドライブモードと同等か、それ以上の

翠《シェム・ハさん...もう一度戦わなければいけない、勝たなければいけない相手がいます...彼女が目の前に現れた時の為の切り札が必要なんです》

園子《りんりんにとってのその切り札が》

翠《そう、金ピカガングニールです》

私は、タギツヒメには手も足も出ませんでした...けれどシェム・ハさんはそのタギツヒメを簡単に捩じ伏せる事が出来る相手
力が、私には力が圧倒的に足りていません
これは私1人で抱え込む様な、抱え込める様な事ではないのはわかっています
ですが仲間と力を合わせても尚届かなかった時、必要になる切り札への理解はその存在をよく知っている者にしか出来ません

園子《...そっか...何かわかったら連絡するね~》

翠《はい...え?あれ?園子ちゃん?》

言いたい事を言い終えたのか、念話はプツリと切れてしまいました
結局最後の質問の意図はよくわからないまま...

・・・

その後、この時間のエルフナインちゃんに呼ばれた私は彼女の研究室に向かいました

エルフナイン(未来)「やはりこの花弁はただの花弁ではありません...どうやらガングニール由来のエネルギーが宿っているみたいなんです」

翠「ガングニールの力、ということですか?」

エルフナイン(未来)「いわばこの花弁は響さんのガングニールのアームドギア...正確には少し違いますが、そのような物と考えていいでしょう」

響さんと友奈ちゃんが届けてくれたのは、間違いないでしょう
きっとエルフナインちゃんの言う通り響さんのガングニールの、更に言えば友奈ちゃんの勇者の力の一端が形作った物...

エルフナイン(未来)「しかし驚くべきことは他にあります、理屈は未だ解明出来ていませんが、この花弁に触れているもの...生物、非生物問わず性質を一時的に変化を及ぼすことがわかったんです!」

翠「えっそれ初耳です!」

性質を変化させるって、結構危ないような...そこまで考えて、シンフォギアも勇者アプリも御刀も大概な事を思い出しました

エルフナイン(未来)「データと照らし合わせた結果、変質したものはバリアコーティングされたのと同じ効果を発揮すると思われます...つまり、この花弁を持っている限りその対象者は生きたバリアコーティングになるということです」

生きたバリアコーティングって何ですか!?

翠「...あっそれってつまり、刀使の皆さんや赤嶺ちゃんも炭化される心配なくノイズと戦えるってことですか!」

エルフナイン(未来)「ノイズだけではありません、計測結果が正しければアルカノイズ、それに過去に数度確認されたカルマノイズにも...もっとも危険以前に現在いずれも基本出現頻度が低い為仮説の域を出ませんが」

ですがこれは大きいです
ずっと解決出来ずにいた『刀使用S装備にバリアコーティング付与出来ない問題』に一時の解決策が生まれました

翠「皆さんにもこの情報は共有しましょう」



園子ちゃんが集めた金ピカガングニールの情報安価下

・・・

理屈は未解明ながら、各々が持たされていた山桜の花弁にはノイズ、アルカノイズ、カルマノイズに対するバリアコーティングと同等の効果を発揮させる力がある...そんな哲学兵装じみた新事実を皆さんに伝えました
最初は驚かれたり猜疑的だったりしつつも、この時間のエルフナインちゃんの説明もあって最終的には全員が仮説を信じ、常に持ち歩くことは絶対となりました(護身用というより、願掛けやお守りに近い感覚で、ではありますが)

『翠』「そろそろ電気消すよー」

翠「はーい」

翠(過去)「はーい」

そして私は同室である『翠』と過去の私との3人でそろそろ寝ようという話になり、並んでベッドに入って目を閉じた...あたりで

園子《報告会するよ~》

念話が来ました

翠《危うく寝るところでしたよ》

園子《忙しそうだったからね~、それより少しだけだけどわかったことがあるんよ》

わかったこと、というのは数時間前に話していた金ピカガングニールについてのことでしょう
早速調べてくれたようです

園子《付与されているエネルギーの構成についてだね、当然このギアは全体が単純に黄金に置き換わっているわけじゃない...どうやら複数のシンフォギア、それにファウストローブの外装エネルギーが使われているみたいなんよ》

翠《複数のギア...ファウストローブ...》

ふと、資料に書かれていた一文が思い起こされます


『前もって複数人の装者のフォニックゲインを当事者のギアスーツに集約させておく事』


複数人の装者のフォニックゲインとは、つまり複数のギアの外装エネルギーが集中させられていたことからの逆算だったのでしょうか

ガングニールが他のギアの外装エネルギーを利用するというので思い出すのは『Glorious Break』
アームドギアが一振り足りなかったなと嘲笑うキャロルちゃんさんに対し翼さんもとい水樹奈々さんの「今天に問い掛ける願いもう一振りの力をください」の歌声と共に響さんの握る拳こそが最後の一振りとし6人分のエネルギーを束ねた巨大な拳に変わる光景は興奮を禁じ得ないものでした...おっと、つい原作の思い出が

似たような流れに立ち合い、むしろ私もエネルギーを響さんに送ったような気がしますがそれは置いておいて

翠《ファウストローブ...つまり、ラピス・フィロソフィカスはやはりサンジェルマンさん達のようにファウストローブ形成に使われているものを利用した...あるいは利用したファウストローブ形成用外装エネルギーが偶々ラピス・フィロソフィカス由来だったからこその黄金錬成に繋がった、ということでしょうか》

園子《そういうことになるかな~》

翠《なるほど...ですが...》

ラピス・フィロソフィカスのエネルギーを、特性を如何にしてシンフォギアに付与させるのかは答えが見えてきました
ですが結局、ファウストローブ形成用外装エネルギーをそのままシンフォギアに利用するのは難しいわけで

翠《ラピス・フィロソフィカスのエネルギーをファウストローブ形成用の外装エネルギーに変換しても、それをギアに与えれば規格外なので恐らく...》

園子《うん...》



コンマ下
奇数 それとダインスレイフが見当たらないよ
偶数 わかったのは今のところここまでだよ
ゾロ目 ???

惜しいところまで来ている、そんな感じはします
何か情報が増える度にあと少し、もう少しで答えが...と
痒い所に手が届かない、ではありませんが、なまじっかかなりの事がわかってきている為もどかしい気持ちになってしまいます

園子《それと、シンフォギア自体はガングニールしか組み込まれていなかったんよ》

翠《しか?...他のギアの聖遺物はエネルギーだけという話ですか?》

園子《ううん、違うよ、確かに外装エネルギーとなって付与されていたものの元の聖遺物は組み込まれていないけど...りんりんの世界のガングニールには、ダインスレイフも搭載されていたよね?》

翠《え?...あぁ、そうですね、イグナイトモジュールの為にダインスレイフやニーベルングの指環の欠片を...まさかッ!》

園子《あのガングニールのギアの中に、ダインスレイフは見当たらなかったよ》

まさか...イグナイトモジュールは私の知る原作にも存在したシンフォギアのパワーアップ要素
私が転生したが故の改変要素ではありません
であれば、あの金ピカガングニールが生まれた世界線ではプロジェクトイグナイトが行われなかった?
それとも...



コンマ下
奇数 バトルの時間です!
偶数 特になし
ゾロ目 仕事の時間です!

ラピス・フィロソフィカスのファウストローブ形成用外装エネルギー化
そしてギアの中から姿を消したダインスレイフの欠片
この2つはイミテーターによって模倣されたものでは到達出来なかった事実...解決へのとても大きな一歩です

翠《ありがとうございます、答えが近付いてきたのがわかります!》

園子《お役に立てたなら何よりなんよ、流石に他世界の歴史を覗くのは難しそうだけど...》

まぁそれは仕方のないことでしょう

翠《というか、今更ながらどうせ今は何もしていないんですし念話じゃなくて直接深層世界の方に行けば良かったですね》

園子《いやいやりんりん、私としては大歓迎だけど、睡眠はちゃんと身体だけじゃなく精神も休ませる為に必要なことだよ?》

翠《園子ちゃんが言うと説得力が違いますねー》

多分今の私の発言はかなり棒読みだったと思います

園子《それに、りんりん明日もお仕事だからね~》

翠《あぁ...そうでしたね...》

本当なら今すぐこの時間のエルフナインちゃんを呼んで実験したりしたいところですが、それで何があって明日に影響すると仕事関係の相手に迷惑がかかってしまいます
この時間のエルフナインちゃんももう寝てるでしょうし...寝て...ますかね...徹夜癖があったのでそこは何とも...
とにかく!それに何より私もかなり眠いというのが実際のところなわけで

翠《大人しく眠ることにします、本当にありがとうございました、おやすみなさい》

園子《は~い、おやすみ~》

・・・

その夜は突然の出撃や急な仕事が入ることもなく
『翠』と過去の私に挟まれながらぐっすりと眠れて
無事朝を迎えることが出来ました

翠「仕事...行きたくない...」

『翠』「おい」

いや、だって、周りにもスタッフの方々がいるとはいえインタビューは基本マンツーマンですし
大体の台本があるとはいえ緊張はします
たまに練習でやってこなかったアドリブの質問ぶち込まれる場合もありますし...今日はそういう人じゃないといいなぁ

翠(過去)「出発までまだ時間もあるのでしょう?それまで何かして気分を落ち着かせたらいいんじゃないですか?」

翠「他人事みたいに...」

翠(過去)「今はまだ他人事ですし」

しかし過去の私の言うことも一理あるかもしれません
なるべくそれほど時間がかからずに出来ることは何かあったでしょうか



何をする?安価下
(特になければ仕事まで飛びます)

・・・

仕事がある私と違って暇を持て余している『翠』と過去の私は二度寝というまさかの行動に出てしまい、私は1人自室を後にしました
食堂に朝食を食べに行くとまだ人は全然おらず、その代わりにきりしらさん2号がちゅ~るの袋をガジガジしています

翠「きりしらさん2号...それ勝手に持ってきちゃったんですか」

いつもならきりしらさん2号のことはこの時間の切歌さんや調さん、エルフナインちゃん...そうでなくとも誰かしらがそばにいます
ちゅ~るの袋も開けられていないということは、きりしらさん2号が単独で食堂に来て勝手にこのちゅ~るを食べようとしていた、ということでしょう
実際こういうことは珍しいことではありません
基本猫は自由ですし...世話をしている切歌さん達はたまったものではないらしいですが

翠「とはいえあなたは今栄養沢山必要な時ですもんね...」

この時間のきりしらさん2号について最近新しく知ったことなのですが、なんと妊娠しているんだそうです
仔猫を授かったのデスよ!とこの時間の切歌さんに聞かされた時にはそれはもう驚きました
相手はどこの馬の骨!?いや猫の骨?なんて変なところが気になるくらいには動揺しました...いや本当相手はどこの猫なんでしょう...聞きそびれたままですね

翠「でもダメですよ~勝手に食べちゃ」

ちゅ~るを摘み上げようとすると、きりしらさん2号はパッと口を離し私の手の甲に擦り寄ってきました

こ、この猫、抵抗するより先に媚を売ることを覚えてます...!

まだ仔猫だった元の時間ならともかくあなた今立派に大人でしょう!?そんなゴロゴロいったところで可愛く...いや可愛いですけども

翠「親にもなろうという歳でそんなあざとい戦法に出るとは...」

ですが、いくら可愛く媚を売ったところでダメです!ここで屈してちゅ~るをあげてしまえば後で切歌さん調さんに怒られるのは私です!
だから絶対

・・・

テーブルの上でさらに出されたちゅ~るを美味しそうにがっつくきりしらさん2号の背中を撫でながら、私も用意した自分の分の朝食を食べていました

翠「しかしあなたがお母さんですか...」

8年間分すっ飛ばしてしまっているので感慨深さはあまり感じられませんが、不思議な感じです
時折やんちゃだったきりしらさん2号が...しかし元の時間でも最近は蛇達と喧嘩?することもあまりありませんでしたし、その頃からもう大人に向けて成長していたのかもしれません

翠「...そういえば」

蛇達、それにルシエドはどうしているでしょう
この時間に来てすぐの時は、この時間の私は蛇達もルシエドも私の家で留守番しているようなことを言っていましたが

翠「...話しかけるなとは言われてませんね」

私は試しに、この時間の私に再び念話を送ってみることにしました

翠《聞こえますか?未来の私》



コンマ下
ゾロ目以外 応答あり
ゾロ目 応答なし

翠(未来)《...不測の事態ですか?若き日の私...》

翠《ちゃんと応答するんですね...あ、じゃなくて》

まぁ不測の事態以外の時は話しかけるなと暗に言われた気もしますが気にしません

翠《蛇達とルシエドって、今は何処にいるんですか?》



どこでどうしてる?安価下
(特になければ変わらず留守番中になります)

翠(未来)《変わりませんよ、あの時も今も...時が来ない限りあの子達は私達の自宅の警備を全うしてくれるはずです》

返ってきた答えは変わらず留守番
あれ?それってもしかして

翠《この前から今日までずっとあの子達だけで留守番してるってことですか!?ご飯は!?》

翠(未来)《用意しておいていますよ、あの子達の配置は玄関、そこに一緒に置いてあります...それと『この前から』ではなく『私が皆さんの前から姿を消してから』です》

翠《尚の事ですよ!?それ普通に半年近く放置してるって事じゃないですか!》

確かにあの子達...蛇達もルシエドも賢く、仮にご飯が消費期限の長いもので尚且つ未開封だったとしても、自分達で開封して勝手に食べることは可能でしょう
きりしらさん2号のように袋をガジガジして延々格闘することはないと思います
ですがそれはそれとして

翠《いくらなんでも、ただ帰りを待たせるだけなんて》

翠(未来)《...》

致し方ない理由があるのかもしれない、こんな風に何も知らない私が責めるような言い方をするのはいけないとわかっています
わかっていますが

翠(未来)《行けばわかりますよ...行って、見ればわかります》

翠《どういう...私?未来の私?聞こえてます?あれこれ念話切ってます?未来の私!?》

またしてもこの時間の私には一方的に会話を切られてしまいました
行けばわかるって...何処へ?自宅でしょうか

翠「様子...見に行けってことですかね?」

調(未来)「翠...何してるの」

切歌(未来)「デス...」

はっ!殺気!

振り向くと、キレた様子のこの時間の調さん切歌さんの姿が

調(未来)「ご飯勝手にあげないで...あげるとしてもあげ過ぎないでって...言ったよね...?」

翠「違っ...これは、その...」

切歌(未来)「ぷよぷよになっちゃったら、どうするんデスか...?」

翠「ご...ごめ...なさ...」

このあと滅茶苦茶ごめんなさいした

きりしらさん2号は悪びれる様子もなく何処かへ遊びに行きました

・・・

ところ変わってお仕事タイム
もうすぐ本番です



コンマ下1
奇数 アクシデント発生
偶数 問題なく終了

どんなアクシデント?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

スタッフさん達が右から左、左から右へと大慌てで駆けていきます
それもそのはず、どうやらちょっとしたアクシデントが発生したらしく

ウェル(未来)「えぇ、そうです、そこを何とか...本当ですか、ありがとうございます、勿論このお礼は後日必ず...では...こちらは話が付きました、あと足らないのは?」

糞Pもスマホ片手にあちこちに連絡を入れてはスタッフさんの1人と現状確認に勤しんでいます
私が出来ることといえば、この後やる仕事の流れを確認し覚える事だけ...そう、今日になって初めて渡されたこの...



コンマ下1
01~25 単独ライブの台本
26~50 対バンライブの台本
51~75 公開インタビューの台本
76~00 後に自由安価

何のステージ?安価下2以降
(コンマ下1が76~00の場合のみ採用)

この、昨日までとは丸ごと内容が変更されたインタビューの台本を

翠「あの、糞P?」

ウェル(未来)「どうしました?読めない漢字でも?」

翠「いえそうじゃなくて...今日の仕事、インタビューで合ってますよね?」

ウェル(未来)「えぇ、少々予定とは変わった点もありますが」

スタジオ収録からステージ上での公開インタビューは少々とは言わないと思いますが!?
もっともそのステージ上で、という変更点に関しては現在機材の一部が不調になってしまっているらしく、どうなるかはわかりません

私は当日急に変更させた(あるいは元からギリギリで変更する予定だった?)誰かに天罰が下ったんだと思います
え?神様の存在が消えかかってるからそれは天罰じゃない?じゃあ運命が私に味方したんじゃないですかね

翠「公開インタビューはこの際置いておきましょう、腐ってもアイドル、今更人前で固まるような真似はしません」

これまで何度も緊張を捻じ伏せてきましたからね、ようは他人を演じるような感覚で向かえばどうにかなります、というかしてます

翠「それよりもこの今日渡された方の台本の質問内容なんですけど」

正確には、本番の際にフリップかモニターに出されるであろう画像も台本にしっかり載せられているわけですが

翠「この画像に写ってるの...私と『翠』ですよね?」

その画像というのは、私と『翠』が並んでいる写真でした
私はともかく『翠』は芸能界と無関係の一般人のはずなんですが
しかも質問内容は要約すると「私と『翠』はどんな関係なのか」という事で

翠「えっこれどういう?スキャンダルですか?」

ウェル(未来)「多様性が浸透して随分経ちますからね」

多様性は良いとしてもそれを理由に一般人盗撮して全国放送は普通に犯罪では?マスゴミです?



コンマ下
奇数 機材ハプニング解決
偶数 電波障害
ゾロ目 ???

・・・

ウェル(未来)「機材はどうにかなりましたね...それに、ある意味ちょうど良かったのではないですか?」

翠「えぇ、まぁ」

予定と大きく違った内容を前に、本来いきなりのアドリブになってしまうところを少しばかりの準備をすることが出来ました
といっても内容を読み込んだり心構えをする程度でしかありませんが
私としては機材ハプニングの流れで今日の仕事が延期に、くらいのことになってくれても有り難かったですが...相手の雑誌の出版社はともかく他にも迷惑がかかってしまうでしょうし、あるいは今回のハプニングすら『聞かれたくない質問が追加されたことにより人為的に起こされた事故』として私達のせいにされかねません

翠「それで、最終確認ですがここの質問は」

ウェル(未来)「えぇ、任せます、どうせ何を言ったところで僕達がフォローし根回しすることに変わりはありませんから」

翠「...行ってきます」

糞Pとの会話はそこで終わりにし、私はステージに向かいました
予定時刻より少し遅れて始まる公開インタビュー
待っているのは、観客と、デビューしたての新人アイドルの独占インタビューと見せかけたスキャンダル告発まがいの糾弾を用意したインタビュアー
ステージ上で私と向かい合うように座っている記者の女性は、そういえば仕事をご一緒するのは初めてですね

「では、始めさせていただきたいと思います」

翠「よろしくお願いします」

まず始まるのは、元々の予定にもあった質問
CBAというアイドルがこの業界に姿を現してからどんな事をし、そしてどうなっていきたいのか
本名と素性は当然タブー、CBAに込められた意味はまだ公にはしていない為どうやら色々考察(というか大喜利)もあるようで、その答え合わせはあえてしていません

「オーストラリアの銀行ではないかという声もありますが」

翠「誰がコモンウェルスですかって思いましたね」

こういうのは所謂話題の種になるもの、ミステリー小説の謎やトリックと同じく答えがわかってしまうと興味は薄れてしまいますからね
いつまで私がCBAとして活動出来るかはわかりませんが、残しておいた方が芸能界では残りやすいのではと

そんなこんなで質問は続き、遂に

「こちらの写真をご覧ください」

ステージ上にデカデカと用意されたスクリーンに例の写真...私と『翠』が並んでいる写真が映し出されました

観客がざわつき始めます
今回のインタビューの、出版社側の意図にいち早く気付き記者の女性にヤジを飛ばす私のファン(と思しき)の方や、逆に私に怒声を飛ばす方、キマシとか叫びながら何故か塔を建ててる方がいたり

「ここに写っているのはCBAさんで間違いありませんか」

翠「えぇ、私です」

ざわつきはより一層大きくなります

「隣にいる少女...いえ、女性とのご関係について、お聞かせいただければと思います」

さて、来ましたよ正念場が...



どう答える?安価下

(翠「お返し?あ、ホワイトデー!わぁ嬉しいですっ!...な、なんだか照れますね...あれ?なんだか私毎年似たような事を言っているような...気のせいでしょうか...いえ、こっちの話です、ありがとうございます!」

『翠』「バレンタインのお返し?ふっふっふー、ならこっちもお返しがえしだッ!...なーんて、あれちょっと期待させちゃった?いやいや普通におかしいでしょお返しの直後にお返しし返すのは...あーじゃあ来年!来年のバレンタインは期待してて!特別良いやつにするから!ね?」)

翠「...写真に映っている彼女とは」

大事になるのは避けたい、となればここで知人だの友人だのと当たり障りのない返事をするのが模範的な解答でしょう
私に任せる、フォローと根回しはする、とは言われましたが、公開インタビューというリアルタイムで証人が多いこの場では、軽率な発言をしてしまった場合どこまで揉み消せるかわかりません
S.O.N.G.もこの時間ではノイズやアルカノイズとの戦いがめっきり減ってしまっているため権力が元の時間より弱ってしまっている可能性もあります
ですが...

翠「彼女とは、共に支え合ってきた仲間...といった関係です」

そんなことは、関係者の皆さんには申し訳ありませんが、私にとっては些細な事です
『翠』のことは、嘘でも「知人」や「友人」の一言で済ませたくない...そう私は思ってしまいました
だからこそ私は、誤解を招きそうだとかそんな事はかなぐり捨て本心をそのまま真っ直ぐぶつけます

「共に支え合ってきた仲間...ね」

記者の女性は、マイクに拾われない程度の小さな声で私の言葉を反芻すると
一瞬こちらに向けて、意味深な笑みを浮かべた...ような気がしました



コンマ下
01~25 結局プチ炎上
26~75 なんやかんや無事解決
76~98 ウェル(未来)「勝機を零すな!掴み取れ!」
ゾロ目 ???

「では、続けさせていただきます」

記者の女性の態度に思わず首を傾げていると、彼女は意に介さず仕切り直してきます
とはいえこちらで長引かせても意味はありませんし...

・・・

なんてことがあってから早数日
その後の顛末としては、何事もなく無事解決したと言っていいでしょう
何事もなく...不自然なくらいに何事もなく
例えばあの場にいた観客の方々が『S.O.N.G.が手を回すまでもなく』騒ぎ立てるような事を後日ネットに書き込んだりもしてませんし
私が...CBAが炎上することもありませんでした
まぁあのインタビュー自体は(流石に『翠』の顔は最低でもモザイク処理されていましたが)普通に記録に残りましたし後日配信された公開インタビューの様子やら記事の載った雑誌やらにもそのまま残っていましたが

翠「あの糞P...大した事にはならないってわかってて揶揄ったんですかね?」

それにしてはあの日の観客の方々の様子が気になりますが
うーん...8年後の世界の常識や感覚はどうにもわかりません

翠「気になるといえば、あの記者あれ以降見かけませんね」

特に力を入れて素性を調べたりしているわけではありませんが、少なくとも今のところ仕事の場ではご一緒していません
同じ出版社との仕事も無くはなかったんですが



コンマ下1
奇数 今日はオフ
偶数 今日もお仕事

安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合は何をするか、偶数の場合は仕事内容)
(特になければイベント判定)

翠「ま、そんなことより目の前の事に集中するべきです」

何せ今日もお仕事です
それもなんと歌やダンスではなく...ドラマ撮影!遂に女優デビューですよ!


いやまぁ、実際そんな仰々しいものではなく、ちょい役を頂けたという話ですが
売り出し中、あるいは売り出したい芸能人が宣伝の為に本編にさほど関係ない程度の、それでいて一瞬目立つか目立たないかくらいのシーンをやらせてもらうアレです
私とて芸能人の端くれ、まさかの演技の仕事だろうと臆せず、どんな端役だろうと本気で真剣に取り組む覚悟です...覚悟なのですが

ウェル(未来)「失礼します、調子は...あまりよろしくないですね」

翠「き、緊張するなっていうのは無茶ですよ...」

演技、演技ですか...ある意味転生してからずっと演技してるようなものですがそれはそれこれはこれです
慣れない事は緊張する、当然でしょう!?

ウェル(未来)「そんなに気負う事でもないでしょうに...」

翠「流石猫被ってた人は言うことが違いますね」

ウェル(未来)「そっくりそのままお返しします」

本当嫌な感じですこの糞P
ですがまぁ、こんな仕事を取ってこれた実力があるのも事実なんですよねぇ
だからといって素直に感謝の言葉を言うのは何となく憚られるので、また嫌味を言ってしまうのですけれど



どんな役?安価下

私がもらった役は「和菓子を作る料理人」
メインキャストのうちの何人かと言葉を交わすシーンの他に、役柄通り和菓子を作るシーンもあります
当然それは撮影の際はフリというか、元々用意された物に少し手を加えるだけですが...

翠「ですがある意味今回の役は助かりました、私とて和菓子作りは未経験ではありませんからね...作業風景において致命的なミスはしないはず」

勿論よく調べてから今日を迎えていますが、私には和菓子作りの経験がありしました
そう、ぼた餅です!

ウェル(未来)「そういえば一時期流行らせてたようですね...ちなみにそれは成功経験多目ですか?」

翠「ガチャの結果の集計はしない主義なんです」

ウェル(未来)「この役貰ってきたのは失敗だったかもしれませんね」

うるさいですね...



コンマ下1
奇数 何事もなく撮影終了
偶数 またまたアクシデント
ゾロ目 ???

どんなアクシデント?安価下2以降
(コンマ下1が偶数の場合のみ採用)

・・・

「すいませーん撮影一時中断しまーす」


用意された衣装に着替え、メイクもし、リハーサルでも共演者の方達に問題無いと言ってもらえる程度には演技に緊張を感じさせなく出来てきていた頃
スタッフのその言葉に、私は驚きと共に嫌な予感...というか、デジャヴを感じていました

翠「どういうことです?」

ウェル(未来)「どうやら機材トラブルのようですね」

糞Pがスタッフに聞いた話では、撮影に使う機材の一部が突然不調になってしまい代わりの機材を用意するまで撮影を再開出来ないとのこと

ウェル(未来)「珍しいことではないそうですよ」

確かに、プロの演者の皆さんは機材トラブルと聞いても特に気にした様子もありません
あるいは、元からこういうことが起きても問題ないように撮影時間には余裕を持たせているのかもしれませんが

ウェル(未来)「なので偶然でしょう」

翠「だと良い...いえ、進展がない今はむしろ偶数でない方がいいのでしょうか」

機材トラブル、と聞いて真っ先に思い浮かべたのは以前の公開インタビューの件です
あの時も突然機材の一部が不調になったんですよね...それに、インタビュー内容の変更でアドリブ力を試されたり

「ふむ...丁度いい...あーCBAさん、少し」

翠「?はい」

私呪われてるかも...なんて思っていると、今度は全く予期していないところから声をかけられました
相手は今回の撮影の監督さんです

「貴女のとこ、台本の台詞、アレ変更」

翠「!?」

「というか全部アドリブでお願い」

翠「!?!?!?」

「それじゃよろしく」

翠「えっあっ」

言うだけ言って他のスタッフさんの所へ行ってしまう監督さん
やっぱり私呪われてるのでは...?



コンマ下
奇数 無事代わりの機材到着
偶数 その日はどうにもならずに打ち上げ
ゾロ目 電波障害

代わりの機材は届くのにそう時間はかからず、撮影は再開されました
スタッフさん達は安堵したことでしょう
私は絶望していますが

翠「お、落ち着け私...」

出番は短いし、元々用意されていた台詞も重要なものではありません
何の伏線にもならない世間話や料理人役としての会話だけ...その内容をアドリブにしろと言われただけ
そう、ここで何を言ってもこの作品の本筋には何の影響も及ぼさない端役、そんな今の自分に感謝です

翠「それらしく、違和感なく...」

いざっ!


アドリブ演技力コンマ下
(2桁判定)
(低ければ低いほど無難(本来の台本とあまり変わらない)、高ければ高いほど面白い)
(ゾロ目の場合は伝説級)

結果は可もなく不可もなく
役柄にも沿っていて矛盾もないけれど無難寄り
元の台本に比べたら多少キャラは立ったが特別面白いシーンになったかといえばそういうわけではなく、少し記憶に残るモブ...という感じになりました

ウェル(未来)「よく目を凝らすと見える程度の爪痕は残りましたよ」

翠「やってみてわかりますけどやっぱりアドリブは無理です...」

とはいえ私のシーンの撮影も無事終了
もう早く帰って寝てしまいたいです...



コンマ下1
奇数 誰かしらと交流
偶数 特になし
ゾロ目 遂に...

誰と交流する?安価下2以降
(同じ時代メンバー、未来の時間の誰か、翠ちゃん(過去)の誰でも)
(未登場の未来の時間の誰かでも可)

・・・

『翠』「おつかれ~」

マリア「お疲れ様、翠」

精神的にクタクタになって本部に戻ると、『翠』とマリアさんが出迎えに来ていました

翠「ただいまです、誰か待ってるんですか?」

『翠』「そう、で、今来た」

マリア「貴女に少し用があるのよ、疲れている所申し訳ないけれど」

私に...?



何する?安価下
(特になければ後に判定)

『翠』「ここだとまぁなんだし、部屋に行こ」

ということで私達の自室に集まった私と『翠』とマリアさん
『翠』はわざわざ部屋の鍵を閉めてから、椅子に腰掛けます

翠「さて...他の皆さんには聞かれちゃ不味い事、ということですか?」

『翠』「聞かれちゃ不味い、とまではいかないけど...とにかく『私』達案件ではあるかな」

なるほど、私や『翠』で対処しなければいけない案件となると前世のことか、原作知識ありきのこと...あるいは、現在干渉し合ってしまっているゆゆゆや刀使ノ巫女の世界についてでしょうか

『翠』「まず、ネロさんのこと...そろそろ繋がりが本格的に危ないかも」

翠「というと?」

『翠』「元の時間の『私』達ですら、ここにいる3人以外ネロさんのことを忘れてる...認識出来なくなってる」

翠「!」

この時間の皆さんだけでなく、元の、私達と同じ時間から来た皆さんまで...!?
確かに神様の存在の不安定化の影響は、この時間に来た時から私達にも及んでいました
ですがそれは軽微なもの...私のように普段から念話を始めとしたより踏み込んだ繋がりの使い方をしているからこそ気付けるようなレベルだったはず

翠「この時間に留まり続け過ぎたせいで身体が...いえ、精神がこの時間に馴染んできてしまっているのか、それともこの時間のネロさんの存在がより希薄になっているのか...」

あるいは、両方か
そして『翠』はあえて言いませんでしたが、もしかしたら女神様のことも皆さんの中から消えてきてしまっているかもしれません

翠「...あれ?」

今『翠』、「ここにいる3人」って言いました?

翠「マリアさんは覚えているんですか?」

マリア「えぇ、どういうわけか...最初は調や切歌達がどうかしてしまったのだと思ったけれど、貴女達の話を聞く限り私の方が稀有みたいね?」

マリアさんは私達のように神様メンバーや幽霊メンバーと念話したりしていなかったはず、ですがこうして『神様の存在の不安定化』という現象に抗えている...どういうことなのでしょう

『翠』「不思議なのはそれだけじゃないよ...マリアさん、もう一つの方ももう一度説明してもらっていい?」

もう一つの方?

マリア「えぇ...実は少し前、あれはそう...過去の世界で、翠に連れられてとても大きな樹がある場所に行った時ね...あの時から頭の片隅にモヤがかかったような、何か忘れていることを思い出しかけそうな、そんな感覚が時折あるのよ」

翠「大きな樹...手甲を拾った樹ですか」

マリア「確かそんな事言っていたわね...えぇそう、それで翠、貴女...」

マリアさんは何度か、言おうとしている言葉が間違えていないか確かめるように頭を捻り


マリア「犬吠埼...という名前に、聞き覚えはある?」


そして出された台詞は予想を遥かに超えて

翠「私達案件...」

『翠』「でしょ?」



安価下
1 自然に思い出すのを待つ
2 勇者部について説明する
3 記憶共有を試してみる(手甲に変化して装着するアレ)

確かにこういったことは想像出来なかったことではありませんでした
現に私達のような『原作知識ありきの認識』や夏菜さん達のような『歴史改変に耐性のある記録媒体による再認識』のどちらにも該当しない響さんも、不完全とはいえ友奈ちゃんとの繋がりを復活させています
もっとも私はそれを響さんの『他者と手を繋ぐ』アームドギア故に起こり得た繋がりの再接続だと思っていました...否、思っていますが

マリア「その様子だと...いえ、『翠』に尋ねた時からわかっていたけれど、やはり何か知っているのね?」

しかしこれは難儀な問題です
マリアさんの言う犬吠埼というのは、十中八九勇者部の犬吠埼風ちゃんのことでしょう、以前樹海での戦いでマリアさんは風ちゃんの勇者ギアを纏っていましたし、マリアさんに渡された記念の花はオキザリスでしたし
ただ...ここで私が風ちゃんについてマリアさんに語ったところで、繋がりの復活に役立つとは思えません

翠「私は確かに、答えは知っています...でもこれは、時間がかかったとしてもマリアさん自身の力で辿り着くべきこと...辿り着かなければいけないことです、多分」

マリア「...つまり、これは単なる記憶の封印の類ではなく、試練のようなもの...と言いたいの?」

翠「そこまで仰々しくは...あぁいえ、私達からすれば、そうなるでしょうか」

言ってみればこれは、神様が施した細工をただの人間が破ろうとする行為
規模の大小はあれど、ある意味勇者達の戦いや、それこそ私達が今直面しているシェム・ハさんとの戦いと同じようなもの

翠「そこに扉があり、私は扉の向こうに何があるのかを知っています...けれど扉を見つけたマリアさんに必要なのは扉の向こうの様子を聞くことではなく、扉を開ける鍵を手に入れる事...みたいな」

マリア「私自身の力で思い出す、それが鍵になるということ...わかったわ、貴女が言うのならそれが最善なのでしょう?」

・・・

言いたいことや聞きたいことを...といっても私には答えを出せないことばかりでしたが...言い終え聞き終えたマリアさんは、私達の部屋を後にしました

翠「はぁ...」

私はというと、緊張してしまっていたのか思わず溜め息が出てしまいます

『翠』「試練ね...まぁ園子ちゃん達のところでもちょくちょくその単語出してるしわからなくもないけど...実際どうなの?何かを思い出せそう~みたいな展開って、誰かに答えを聞いたらその刺激で思い出す、みたいなこともあるよね」

翠「そうですね、まぁそれはそうなんですが」

私は一応本物の(というのが正しい表現かはわかりませんが、並行世界に確かに存在する)風ちゃんと面識があります
が、いざ説明しようとすればきっと原作知識に寄ってしまうでしょう
それに、元からマリアさんと風ちゃんが親しい仲なのであれば私の説明を聞いているうちに思い出す、なんてこともあったかもしれませんが
互いを知る時間すら与えられなかった中での共闘という今回の場合はその限りではありません

翠「マリアさんがそういう刺激で思い出せるほど風ちゃんと関わりがあったわけじゃありませんし、私にはAIさんのように本人の記憶をそのまま見せて思い出させることも出来ませんし」

『翠』「そっか、まぁ無難な手でもあるしね...ちなみに次似たような案件があった時は?」

翠「思い出し加減にもよりますけど、自力を促した方がいいでしょうね」


安価下
1 それはそれとして園子ちゃん達に相談
2 早速他にも思い出しかけてる人がいないか調査
3 その他(記述)
4 イベント判定
(翠「私、これから更に並行世界の私が増える予定があるんですよ...いえ嘘ですよ?嘘...嘘ですよね?増えませんよね?」

『翠』「今年の嘘はどんな嘘にしようかな...冗談で済むレベルってやっぱり難しいよね、あんまりバレバレ過ぎても面白くないし...」)

しかし、当然ながら今回の返答は私の独断です
もしかしたら園子ちゃん達がこっそりマリアさんの精神世界にいるであろう風ちゃんに働きかけていた...なんてことはないでしょうが
思い出しかけ始めたのが大きな樹に辿り着いた時、即ち私が園子ちゃん達との繋がりを取り戻した時...となれば、無関係と断定してしまうのは早計でしょう
或いは本当に無関係だったとしても、何らかの意見はもらえるかもしれません

翠「とりあえずこの事を園子ちゃん達に聞いてきます、今日はもう寝るだけですし」

『翠』「あーじゃあ『私』も行くよ、『私』達はもう寝るって翠...過去の方の翠に連絡しとくね」

翠「わかりました」

・・・

それから私達はシャワーを浴びたりパジャマに着替えたりと、俗に言う寝る準備を終えて
ベッドに横になり、樹海風の深層世界に意識を飛ばしました

園子「いらっしゃ~い」

若葉「話は聞いていた、風さんのことだろう?」



園子ちゃん達の意見安価下

undefined

園子「先に言ってしまうと、今回の事は私達も想定外なんよ」

着いて早々、本題に入った私達
返答はやはり園子ちゃん達が何かしたわけではない、ということ

『翠』「だよね~...ならどうしてマリアさんは思い出しかけてるんだろ」

園子「正確なところはわからない、でも推測するとしたら、以前と今とで違っている事を考えてみるんよ」

翠「というと」

園子「もしかしたら...過去や未来に飛んだ事も、関係しているかも」

確かに、思い出しかける前と後で一番大きな事は過去の世界へ飛ばされた事
その後もう一度時空震に巻き込まれた事でさらに強く思い出しかけてきているという可能性は大いにあります

千景「そもそもの話として、神樹様の記憶改変だか歴史改変だかが何かの要因で戻る事はあるのかしら」

若葉「樹海化がその例だろうが、アレは神樹様の意思で切り替わっている事か」

翠「私が知っている歴史では、散華した記憶は勇者から解放されるまで戻ってなかったと思いますが...いえ、でも確か」

園子「うん、わっしーが奉火祭の前に私達の記憶や記録から自分の存在を消してもらった時...私もゆーゆも自力で思い出すことが出来ていた」

ゆゆゆの2期、勇者の章
東郷ちゃんが神樹様に頼んで自身の痕跡を消してもらったことがありました
しかし勇者部メンバーはふとしたタイミングで現状に違和感を覚えたり、園子ちゃんが言ったように遂に園子ちゃんと友奈ちゃんは自力で神樹様の記憶改変を打ち破っています
もっともそれは勇者部同士の霊的な繋がり...所謂絆のようなものの力だったり、神樹様の寿命が僅かだったが為に改変が不完全だった可能性もありますが

園子「神樹様といえど改変は不可逆な程の強力なものは出来ない、何事もなければ保てるようなものだろうけど...ただでさえ対象は別の世界、それももうすでに切り離してしまっている...時空移動の負荷が神樹様が施した改変を綻ばせてしまった、そしてりんりんが私達と繋がりを取り戻した瞬間、近くにいたことで余波を受けて...というのは、そう的を外したものじゃないと思うんよ」

翠「外すどころかど真ん中かもしれませんね、実際それ以外で思い当たるものもありません」

実際他に要因があったとして、園子ちゃん達にわからないのであれば当てようがないというのもあります
欲を言えばマリアさん以外の皆さんにも思い出してもらえるような方法が思い付ければ良かったんですが



何か話す?安価下
(特になければ次の日に飛びます)

過去や未来に飛んだ事...それこそが神樹様が私と『翠』を除く装者の皆さんの精神に施した改変に綻びをもたらした原因
この推測が正しかったとして、ならもっと沢山の時間移動をすればいいのか、と言えばそんな簡単な話ではなく
いえ、ですがもしも時間移動が自由に出来るようになったなら...

千景「蒼井さん、良からぬことを考えている顔をしてるわよ」

翠「どんな顔ですか!?」

心なしか冷ややかな目を向けてくる千景ちゃん
それはそうと、せっかくこの樹海風の深層世界に来たのにまた一人で考え込むのは勿体ないですね

翠「話は変わりますが、元の時間に帰った後のことについての相談をしてもいいですか?」

園子「というと、神様との戦いについてかな~?」

園子ちゃんは想定していたのか、ズバリ当ててきます
私が相談したかったのはまさにそう、シェム・ハさんとの戦いについてです

翠「金ピカガングニールについての理解も深まりましたが、それは完全ではない...とすれば、やはり現状での最大火力、エクスドライブモードを切り札に入れた方がいいと思いますか?」



園子ちゃん達の反応安価下
(女神「重要な、そして大きな存在が失われ、しかしそれは永い時の果てに復活を果たしました...であるならば、私達もきっと」)

若葉「そうだな...元の世界に帰るまでに、金ピカのガングニールの再現が間に合わない可能性を考えると...あぁ、確かに、エクスドライブモードも切り札に入れた方がいいかもしれない」

私の相談、というか意見に、すぐに賛同してくれたのは若葉ちゃん
園子ちゃんや千景ちゃんも言葉にはしていませんが、否定的な意見は特になさそうです

千景「一度や二度の成功すら叶っていないパワーアップが土壇場で上手くいく...いくらドラマチックでも、そんな不確実な奇跡を戦略に組み込む訳にはいかないもの」

『翠』「まさにエクスドライブも同じ事を言われるような立ち位置なんだけどね...」

千景ちゃんが言ったのと同じような事を、原作の...GXの中で語られていたのを覚えています
無印、G、GXと毎度毎度更なる進化を遂げたエクスドライブモードが披露される為忘れそうになりますが、本来エクスドライブモードは奇跡の形態
金ピカガングニールが存在するはずの奇跡なら、エクスドライブは存在させ難い奇跡
勿論それは私達が今こうして生きている現実でも同じ事

翠「えぇ、ですから私達に必要なのは...『エクスドライブモードを奇跡以下にすること』です」

・・・

相当量のフォニックゲイン...原作無印なら装者候補とも呼べるリディアン生徒複数人の歌、Gなら全人類70億人分の歌、GXならそれに相応するキャロルちゃんの歌...が少なくとも必要となるエクスドライブ
それを私達はかつて、自分達の歌を増幅、反響させ、擬似的にフォニックゲインをかさ増しするというゴリ押し戦法によって、樹海風深層世界内という特殊空間ではありますが引き出したことがあります

しかしこの説明はあくまで推測であって実の所『装者の歌の増幅、反響でフォニックゲインをかさ増し出来る』ことを証明出来ているかといえばそういうわけではなく
例えば『適合係数によってはやや少なめのフォニックゲインでもエクスドライブが発動しやすくなる』という可能性や『マルチプルコンタクトであるが故に出来たバグ技』の可能性、はたまた『転生者特典』という身も蓋もない可能性も
この辺は他の装者の皆さんにも協力してもらって多くのデータ収集をしておくべきだったと、今となっては後の祭りです

『翠』「つまり?」

翠「データ収集出来る時間があるかはわからないので、せめて私達だけでもいつでもエクスドライブモードになれるよう前回のやり方を流用して練習しましょう、ということです」

園子「ゴリ押しはゴリ押しのままなんだね~」

大体フィーネさんですら(漫画ではシンフォギアは玩具扱いだった節があるのでそこまでの興味がなかったのかもしれませんが)エクスドライブモードについて知らなかったというのに、誰でも思いつきそうな簡単な方法があるとも思えません
私達のやり方も偶然が重なった結果という可能性は大いにあります
が、そんな可能性可能性と言っていても実際にやってみないことには始まりません

翠「というわけで、やりましょう」

『翠』「いつやるの?」

翠「今でしょ」

千景「古っ...」


エクスドライブモード成功率コンマ下
(00は100%扱い)

・・・

翠「はぁ...はぁ...」

『翠』「あ゛~...無理、休憩...」

ここは精神世界、つまり現実の方の身体にはノーダメだからと調子に乗って絶唱を連発しまくることで可能となった今回のエクスドライブモード練習
私達は『エクスドライブモードが発動しないままギアが解除したら失敗』というたった一つのルールだけを決め、ひたすら歌い続けました
そして今、同時に力尽き倒れ伏しています

園子「お疲れ様~...あんまりやり過ぎると精神も擦り減りそうな勢いで反動来てたように見えたけど大丈夫~?」

翠「大...丈夫...これ、は、まぁ...小学生園子ちゃんの、連続満開みたいなもんですし...」

園子「それはダメなやつだね~、何せ本人が言うんだから間違いないんだぜ~」

多分実際にこんなことを現実でやろうものなら目や耳どころか穴という穴から血が噴き出していたでしょう

千景「休みなくやるからよ...統計の結果、成功率はおおよそ26%...調子が良ければ4回に1回成功する計算になるわ」

若葉「そう言われると高いような気がしてくるが、つまり3割無いということか」



安価下
1 エクスドライブモード練習これにて終了
2 これから毎晩練習して慣らすんじゃーい!(今後翠ちゃん世界で寝る時間になった際にコンマ判定を挟む)
3 その他(記述)

エクスドライブモードが奇跡の形態であり、仮にエクスドライブ6人分に必要なフォニックゲインが70億人分だったとして、つまり私と『翠』、エクスドライブ2人分は大体2億3000人分
それを私達だけで賄える可能性が3割弱と聞けば、十二分に凄い結果でしょう
ですが!作戦に組み込むには心許なさ過ぎるというのも事実

翠「練習です...練習して、慣らして、成功率を上げるんです...」

100%とは言いません...せめて8割...いえ、7割は欲しい...

翠「これから毎晩、練習ですーっ!」

『翠』「お、お~...」

・・・

と、いうようなことがあって次の日

翠「今日は仕事もありませんし、前々から気になっていた蛇達やルシエドの様子を見に行こうと思います」

『翠』「お~」

ついでにこの時間の私の家の掃除やなんかも出来たらいいかもしれません、少なくとも3ヶ月...酷ければ数年は放置されてるでしょうしね


家の中の様子安価下
(蛇達、ルシエドの様子やその他何でも)

久しぶりの我が家...と言っても私にとっては転生してからの最初の数ヶ月、『翠』にとっては引っ越してからほぼほぼ自室に引きこもっていた記憶しかない家ですが

翠「この時間の私の話では、蛇達とルシエドは自宅警備...玄関に配置されている、という話でしたが」

『翠』「配置ねぇ...」

少しばかり変化した街並みを見つつも、道がわからなくなる~なんてこともなく
私達は目的地に無事辿り着きました


ピンポーン


一応インターホンは鳴らしてみますが、反応はありません

翠「入りますか...お邪魔しまーす」

『翠』「ただいまでよくない?」


ガチャッ


ドアを開けて中を見てみると...そこは無人の、意外と綺麗で掃除が行き届いている玄関が
何一つ不思議な事はない光景...あるとすればそれは、この時間の私から聞いていた蛇達やルシエドの姿が見えないことくらい...

翠「うひゃっ!?...今どこから出てきたんですか!?」

と思いきや、下駄箱の下やら物陰やらのパッと見え難い箇所から蛇達が飛び出してきます
私達以外の誰かがこの家を訪れた場合に見つからないよう元々隠れて待機していた、ということでしょう
とはいえ不意を突かれ驚いてしまいました

『翠』「あ、ルシエドも出てきた...いやルシエドは本当にどうやってその狭いところに隠れてたの...?」

翠「むしろルシエドは依代ありきなら一番場所を取りませんし...」

・・・

一悶着あったものの、それ以降は問題なく顔合わせは済みました
私達がこの時間の私達ではないことは気付いているようですが、快く迎え入れてくれています

翠「えっ!家の中の掃除もしてくれてたんですか!?」

それから留守番中の話を色々聞いていると、なんとこの家の掃除も蛇達とルシエドで時々やってくれているのだとか
確かに言われてみれば、綺麗になっているのは玄関だけではありません

翠「ありがたい限りですね...勝手な理由で留守番させてしまっているのに」

『翠』「だね、埃とか老朽化とか覚悟で見に来たところあったし」

ご飯に関しては本当にこの時間の私が用意していった保存の効くものを一食の量を決めて食べ続けていたようですが...後で何か新鮮なものでもあげましょう


安価下
1 家の中の探索
2 用事は済んだ!帰る!
3 その他(記述)

しかし、目的はもうこの数分で大体終わってしまいました
この時間の蛇達とルシエドの無事も確認出来て、家の中も綺麗にしてくれていた...と
もっとも、何故この時間の私がこの家をわざわざ蛇達とルシエドに留守番させているのか...あるいは他の皆さんと会わせない為かもしれませんが、それならばその理由は何なのか、その辺もわかっていないので
この家について調べる必要もあるかもしれません
それはそれとして

翠「自力で調べるより先に、色々聞けるなら聞きたいところです」


この時間の蛇達とルシエドとの会話内容安価下

・・・

翠「ネロさんの力は戻ってきている...ですか?」

蛇達とルシエドの話によれば、ネロさんの力に関してはこの時間の私と『翠』の頑張りによって、少しずつではありますが回復しつつあるとのことです

ルシエド(未来)《神と定義される存在の揺らぎは、逆に言えば完全でなければ定義が曖昧になる...》

ソリッド(未来)「主達はそう考え、結果は実った」

『翠』「案の定、哲学兵装案件だったわけか...いやそうじゃなかったらどうしようって思ったけども」

まぁこの世界においての神様の一柱であるネロさんはともかく、もっと上位の次元の神様の女神様ですら影響受けてますからね

ルシエド《現在、件の力はバビロニアの宝物庫内のノイズによって抑えられている》

そこでノイズとはまた、なんとも不穏な...



安価下
1 もう少し話す(内容記述)
2 家の中の探索
3 イベント判定

急を要するような話は今のところはそれくらいだったようで、会話は一度途切れました
とすれば次に行いたいのは家の中の探索ですが、蛇達もルシエドもあくまで玄関での待機を命じられている身、家の中とはいえあまり長時間連れ回すことは良いとは思えません

『翠』「というわけで、先に蛇達とルシエドにご飯...差し入れ?を作ったげようってことかな」

翠「えぇ、保存の効くものが悪いということではありませんが、流石に飽きるでしょうし」

家の中の掃除も定期的にしてくれている優秀なあの子達なら、もしかしたら普通にご飯もちょくちょく自炊している可能性もありますが...それはそれとして、です

翠「折角ですから、腕によりをかけて作りましょう!」

『翠』「おー!」


コンマ判定下
(00~99で高ければ高いほど上手に完成します)

完成した物はとりあえず見た目は問題ありません
いえ、むしろ良い方なのでは?

翠「ふっ、こちとら和菓子職人ですからね」

『翠』「和菓子職人役ね、あと今回の和菓子じゃないよ」

いざ!(蛇達とルシエドが)実食!

・・・

『54点』

反応に困るやつです...!

翠「普通...うん、まぁいいんじゃないですかね?普通」

蛇達もルシエドも残す様子はありませんし...うん...

『翠』「逆に考えよう、鶴乃ちゃんよりは上だと」

翠「まなかちゃんレベルはまだまだ遠いですね...」

少なくとも、ここで派手に失敗して蛇達とルシエドの体調が悪くなったりはしなかったのでセーフ!

翠「気を取り直して、家の中の探索でもしますか」



家の中の様子や気になる点等安価下

『翠』「実際どうなの?この時間の『私』達ってこの家に時々戻ってきてたりとかはするの?」

翠「聞けてませんねそういうのは...何もないのに蛇達とルシエドに留守番させるとは思えませんが」

どこで原作とズレてしまったのか
各々が寮や本部から支給された家で暮らしている原作と違い、私達の世界では私達を含め装者全員が本部である潜水艦の中で暮らしています
ある意味では住み込みで働いてることになるんでしょうか?

翠「とはいえ本部暮らしは現代での話、8年経ったこの時間では装者として戦うことも滅多に無いそうですし、そもそもこの時間の皆さんは本部暮らしじゃなくなってますし...私達もそうと考えるのが自然でしょう」

『翠』「言われてみれば...」

この時間に飛ばされた初日もこの時間の切歌さんと調さん、夏菜さんはそれぞれ自宅から出勤してきていました
勿論他の日に交代で出勤していた他の装者の皆さんも同じ
ならこの時間の私達も行方不明になる前まではこの家で暮らしていたはず...別荘の可能性とか考えると言い切れはしませんが

翠「それは置いておいて、とりあえず片っ端からそれっぽい物を探しますよ」

『翠』「大雑把だね...何に関するどんな物かも決まってない」

翠「見つけてから考えれば良いんですよ、本部の自室の時と同じです」

・・・

最初に探索するのはやはり自分の部屋ですよね
元の時間との違いを一番気付けますし

『翠』「まずは?」

翠「そうですね...」

見つけて有益になりそうな物といえば隠そうとする物
隠し物といえば...

翠「ベッドの下...とか?」

『翠』「...『自分』のベッドの下を漁る日が来るとは思わなかったよ」



コンマ下1
奇数 何か発見!
偶数 特になし
ゾロ目 ???

何があった?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)


どうする?安価下2以降
1 別の場所を探索(記述)
2 探索終了
(コンマ下1が偶数の場合のみ採用)

・・・

翠「う~ん...無いですね」

『翠』「何も無いね~」

スマホのライトで照らしながら隅々まで見てみましたが、ベッドの下には何もありませんでした
それと同時に気付く頻繁に掃除してても埃が溜まりそうなこんなところまで綺麗に保たれているという蛇達とルシエドの有能さ

『翠』「まぁ最初はこんなもんでしょ、次は?」

翠「そうですね...」

次はど直球に、蛇達とルシエドが待機させられている下駄箱を見てみましょうか


コンマ下1
奇数 何か発見!
偶数 特になし
ゾロ目 ???

何があった?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

どうする?安価下2以降
1 別の場所を探索(記述)
2 探索終了
(コンマ下1が偶数の場合のみ採用)

(翠「屋根より高い鯉のぼり...これを哲学兵装にすると、どんなに高い高層ビルの屋上よりも上に上がれる鯉のぼりが誕生するのか、ありとあらゆる建物の高さを自身より低くさせられる鯉のぼりが誕生するのか...気になりますね...え?なりません?そうですか...」

『翠』「今日は端午の節句、そしてここに柏で包んだぼた餅が...あれ!?ぼた餅!?柏餅を作っていたはずでは!?くっ...遠い並行世界から強い圧力を感じる...」)

・・・

翠「コレは...」

『翠』「ど直球が正解とはね...」

蛇達とルシエドに断りを入れて覗かせてもらった玄関の下駄箱
その奥、壁は二重に改造されていて、中からとある資料が出てきました

翠「『Gungnir Tipe Alchemic(仮)』...金ピカガングニールについてのものですね」

中身をパラパラと読み進めていると、どうやら本部の自室にあったものより更に詳しいところまで解明されているようです

『再現に必要とされる条件』

『前もって複数人の装者のフォニックゲインを当事者のギアスーツに集約させておく事』

『発現開始時から終了時まで当事者が極めて強い精神力を維持する事』

ここまでは同じ

『ラピス・フィロソフィカス(最高純度)のファウストローブ形成用外装エネルギー化及び制御技術』

『Tipe Alchemic(仮)化させる聖遺物を除く聖遺物(コンバートシステムにおいてラピス・フィロソフィカス(最高純度)による負荷を肩代わり、焼却させる触媒となる為、喪失が許される物とする)』

ここはエルフナインちゃんや糞Pに聞いたこと、それに園子ちゃん達に調べてもらったことからも推測出来ること
金ピカガングニールを完成させた世界線の響さんは恐らくはこの『Tipe Alchemic(仮)化させる聖遺物を除く聖遺物』という点においてダインスレイフの欠片が選ばれ、焼却させてしまったのでしょう
そして

『イシを束ねること』

最後の一つ、この条件は

『翠』「何このカタカナで書いてある『イシ』って」

翠「『イシ』は『意志』...いえ、『意思』だと思います...つまり魂だとか、精神だとか、思念だとか...」

ですが、私がその意味で書くなら今言った通りのことをそのまま書くと思います
なのにこういう書き方なのは

翠「当事者ではないが故に本来のそれが本人の精神なのかわからない、とか...?」

幽霊、霊体、霊魂、精神体というものの存在を確かなものと認識出来てしまっている今世の私のような者と違い、例えば『死者の声』『何者かの意思』というのはほとんどの人にとってはそれが本物なのか勘違いなのか思い込みなのかを判断することは難しいでしょう
原作なら、翼さんの後押しをする奏さんやマリアさんと共に歌ったセレナさん、キャロルちゃんに手を伸ばす響さんと姿を重ねたイザークさんが良い例でしょうか
原作で調さんの中にいたフィーネさんは本物であれ模した別物であれ、絶唱時のイガリマの『魂を両断する一撃』によって姿を消していた為『確かにそこに存在した』のは確かでしょうが



安価下
1 他の場所も探索する(記述)
2 もう少し資料を読む
3 探索は終わり(夜の場面まで飛びます)
4 その他(記述)

『翠』「読んじゃってから言うのもなんだけど、コレ『私』達が読んでもいいやつなのかな」

翠「あー...」

私達がここを探ることをこの時間の私達が想定したかどうかまでは、流石にわかりません
こうなることを見越していた可能性は大いにありますが、とはいえここに配置されている蛇達とルシエドに関しては私から聞かなければこの時間の私が答えたかどうかといえば...
とはいえダメなら予めこういう時に阻止するよう蛇達とルシエドに伝えておく気もします

翠「読んでしまったものは仕方ありません、とりあえず一旦戻しておくとして...じゃあ別のところも探してみますか」

・・・

翠「次どこ探します?」

『翠』「うーん...やっぱりほら、ウチの中で何かしらありそうなところといえば」

『翠』は人差し指でスッと下を差しました
それは床...ではなく更にその下、地下室を意味します

『翠』「仮に錬金術工房とか実験室とか必要になったらさ、あの部屋にするでしょ」

翠「ですね...」

一般家庭に似つかわしくない内装の、元々は『翠』の両親が使っていた地下室
蛇達と出会ったり、色々な聖遺物を見つけたのもそこでしたね

翠「今の状況に有益かはともかく、この時間の私達がこの家で暮らしていたとすれば何もないことは多分ないでしょう」


コンマ下1
ゾロ目以外 何か発見!
ゾロ目 特になし

何があった?安価下2以降
(コンマ下1がゾロ目以外の場合のみ採用)

どうする?安価下2以降
1 別の場所を探索(記述)
2 探索終了
3 イベント判定
(コンマ下1がゾロ目の場合のみ採用)

意外や意外、一番何かしらありそうな地下室には
特にこれといったものはなく

翠「というかこれ...8年前のまま弄ってないのでは」

記憶と照らし合わせると、手付かずと言って差し支えない酷く散らかった様子でした

『翠』「ここの部屋は使ってなかったか...まぁいざ見てみると、割れた培養槽とかなにゴミに出していいのかわかんないし?」

翠「粗大ゴミ...?」

・・・

蛇達とルシエドは変わらず待機するとのことで、私達はまた様子を観に来ますと声をかけ自宅を後にしました

翠「もしかしたら、逆だったのかもしれませんね」

『翠』「逆?」

翠「先にあからさまに何かありそうな地下室を調べ、何も無いと落胆し、明らかに蛇達とルシエドが守っている玄関に隠された物を見逃してしまう...とか」

もっともどこの誰があの家に侵入する可能性があるのか知りませんし
あるいはその対象に私達も入っていたのかもしれませんが

『翠』「翠ならそうする?」

翠「さぁ?8年も経っていれば考え方も別人でしょう...えぇ、別人でないと理由をロクに伝えずアイドルなんてさせませんよ...私は絶対あぁはならない...!」

『翠』「それをこの時間の翠も8年前に誓ったのかもね~」

・・・

そんなこんなで1日を終え
今現在就寝中、もとい樹海風深層世界でエクスドライブモードの練習です


エクスドライブモード成功率コンマ下
(00は100%扱い)
(前回を踏まえ最低値は26とし、26以下は前回と変化無しとします)

『翠』「きた!これきてる!きたでしょこれぜったいもうなんでもこいやー!」

翠「そうか...そういう事だったんですか...こんな簡単な事だったんですか...絶唱とは...エクスドライブとは...」


若葉「これ以上は2人とも限界だ、水でもかけてやろう」


バシャッ!!


冷たっ!?
はっ...今若干トリップしかけてました...

『翠』「あばっ!?何!?何が起きたの!?」

園子「熱中し過ぎなんよ~」

頭から水を被りびしょ濡れになった私達を見下ろす園子ちゃんと千景ちゃんの手には、空になったバケツが握られていました

千景「仮にも命を削りかねない行為をリセマラの要領でやるのは見てるこっちがヒヤヒヤしたわ...けれど、結果は上々のようね」

深層世界故にかけられた水もまた幻覚のようなものであり、私と『翠』は早々に身体も服も乾かしてしまいます
ギアは気付いたら解除されていました...解除した事に気付かないほど集中していた、ということでしょう

千景「最終的にはほぼほぼエクスドライブモードの起動に成功している...96%といったところね」

翠「9割超えですか!」

『翠』「やったね翠っ」

私も、そして恐らく『翠』も、二日目にしてもうある程度のコツのようなものを掴んだ実感がありました
それが数字にもきちんと現れているとわかり、テンションも上がります

園子「今日この確率になったから次も絶対、とは保障出来かねるけど...とりあえずお疲れ様~」

若葉「今日は練習もここまででいいだろう、ゆっくり精神を休めるといい」



安価下
1 何か話す(記述)
2 次の日に飛ぶ
3 イベント判定

いつ何時に元の時間に戻れるか、あるいは戻されるかわからない今、エクスドライブモードの成功率が2日目にして大きく上がったのは間違いなく良い傾向でしょう
無論だからといって、これなら確実にシェム・ハさんを倒せる!なんて慢心は出来ませんが

翠「第一、倒すにしてもまずは響さんから引き離さないといけませんし...」

響さんに融合しているのがタギツヒメだけであれば、以前にも自ら紫様から離れていったことがあるので可能性はある...と言えなくもなかったかもしれません
しかしシェム・ハさんは未知数です

千景「引き離す方法ねぇ...」

翠「何か良い方法ありませんか?」

私はこの場にいる面々に、そう相談してみます



引き離す方法安価下
(園子「どうにかこうにか神様を眠らせて、その後冷たい水が入った湯船に大胆に...」

『翠』「それは響さんというか、響さんと縁のある人が主役のだね...」

翠「球子ちゃんと可奈美ちゃん、芽吹ちゃんと雪花ちゃん、蓮華ちゃんと舞衣ちゃん、それにナスターシャ教授もですね」

千景「多いわね...」)

undefined

若葉「確か今、結城の助力もあって響さんはシェム・ハに勝ってはいるんだよな?」

園子「うん、ゆーゆは主導権を取り返した、とは言ってたはずだよ」

元の時間での響さんの状態は友奈ちゃんの話やフィーネさんの推測を元にまとめると、シェム・ハさんがタギツヒメの残滓のような荒魂によって不調になったところを友奈ちゃんと共に攻撃して身体の主導権を取り返した...のは良いものの膨大なエネルギー(神の力)を抑えきれず、身体の方は自己完結し『神の力』もまた行き場を失い、ガングニールがそれを引き受けた結果ウルトラウーマン的な巨人になってしまった...という感じです

若葉「シェム・ハよりも上に立てているならば、響さんが自力であの腕輪を外せる可能性もあるだろう...だが確実に引き離すのなら、響さんの意識があるうちに翠さん達で腕輪を破壊してしまうのが最善手ではないだろうか」

千景「赤嶺さんの当初の目的が、結局行き着くところということね」

『翠』「引き離す、もっと言えば腕輪の破壊が直接トドメに...っていうのは楽観視し過ぎ?」

翠「目覚めたシェム・ハさんが腕輪から離れられるのかは未知数ですからなんとも...ただただ封印のようなものが解けてしまう、ということはないでしょうが」

なったら神樹様が見通し甘かったことになりますしね

園子「弱点になりうる部分が明確なのはありがたいねぇ~」

千景「...となると問題は『近付いた瞬間に再び他の時空に飛ばされない為の対策』といったところかしら」

翠「元々はAnti_LiNKERを打ち込んでガングニールのギアを強制解除させれば巨人化も元に戻るはず、という話でしたよね」

その作戦を実行しようとしたところで、私達は過去の時間に飛ばされてしまったと

千景「他の時空に飛ばすのがただの偶然であれば次は飛ばされないことを祈るだけだけれど、仮に立花さんが無意識に何らかの能力を発動していた、なんてことがあったらまたやり直しになるわ」

『翠』「でも、巨人状態の響さんの意識を覚醒させても意思疎通が出来るか...最悪意識の方まで暴走して大怪獣ビッキーになるよ?」

つまり千景ちゃんが言いたいのは、元の時間に帰れたとしてそれ以降の時空移動を無効化出来る術を持っておくべき、ということでしょうか

翠「それはもう科学や聖遺物より、哲学兵装の部類でしょうかね...」



安価下
1 もう少し話す(記述)
2 次の日に飛ぶ
3 イベント判定
4 イベント判定(特殊)

・・・

結局結論は出ることなく、気がつくと朝になっていました
その場はお開きとなり、私と『翠』は樹海風の深層世界を後に...つまり、起床です

『翠』「寝た気はしないけどしっかり身体は休まってるの、やっぱ楽だね」

翠「ですね」

ふと隣...『翠』とは反対側の...に視点を移すと、過去の私がぐっすりと熟睡していました
突然の転生に加えさらに原作とはかなり違ってしまった未来に飛ばされたというのにすっかり安心して夜を越せるようになっているというのは、自画自賛してもいい長所かもしれません

『翠』「毎朝思うことだけどさ、このベッドに3人ってちょっと狭くない?」

翠「そりゃあ元々この部屋は1人部屋でベッドも1人用ですし」

まだ私と『翠』が別々になる前から使ってますからねこの部屋
そういえば8年経ってもベッドは変えてもらってないんですね...

翠「さて、今日は」



コンマ下
奇数 外せない用事あり(後にコンマ判定)
偶然 特に用事無し(この時間のエルフナインちゃんに会いに行きます)

***

コンマ下1
奇数 仕事
偶然 誰かと会う約束がある

安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合は仕事の内容、偶然の場合は誰と会う約束なのか)

今日はライブの日
CBAとしての知名度も(事務所が大きいからというのが理由のほとんどですが)それなりに出てきて、ライブも今回は少しばかり規模が大きめです

ウェル(未来)「30分後にリハが始まりますが、問題はありませんか?」

翠「大丈夫です...それよか、現場の方が心配ですけど」

これまでの仕事で何度か遭遇したアクシデント
勿論、普通はアクシデントなんて起こらない~なんて事を言うつもりはありませんし、どれも偶然なのでしょうが...アドリブ力を試されるような事は何度やっても慣れません

ウェル(未来)「今日は新曲お披露目も控えています、失敗出来ませんよ」

翠「わかってますよ」

それにしても本当、猫被るのだけは一丁前ですね...まるで普通のPですよ



コンマ下1
奇数 アクシデント発生
偶数 何事もなく本番
ゾロ目 ???

どんなアクシデント?安価下
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

私の心配は杞憂となり、リハーサルでは何のアクシデントも起こりませんでした
機材トラブルも、段取りの変更もなく、これ以上ないほどスムーズに

ウェル(未来)「何度か続いたとはいえ、今回は考え過ぎのようですねぇ」

翠「ま、そうですね」

それから何事もなく準備は進み、遂に

翠「衣装よし、マイクよし、流れもちゃんと頭の中に入ってます...すぅ...はぁ...」

本番の時です


コンマ下
ゾロ目以外 ライブ無事終了
ゾロ目 ハプニングは大体本番に起こりがち

・・・

翠「~♪」

気が付けば最後の歌も歌い終わっていて
つまりはそう、ライブが何事もなく無事に大成功のまま終えることが出来たということです

翠「ありがとうございました~っ!」

高揚感と名残惜しさを感じつつ舞台を降りた私は、息を吐き大きく伸びをして緊張を弱めました
完全に緊張を解かないのは、まぁもはや癖になってしまっているからですね
それでも、何が起きても対処出来ると言い切れない未熟さが残ってしまう身ではありますが

ウェル(未来)「お疲れ様です、今日もとても良かったですよ」

翠「ありがとうございます」

とはいえ今の私はかなり気分がいい方です、楽しかったのも本当
それこそ、タオルを渡してきた糞Pにお礼をスッと言えるくらいには

ウェル(未来)「貴女自身も楽しめたのであれば、言うこと無しですねぇ」

翠「楽しめましたよ、目一杯楽しんで仕事してます」

元の時間でも手を抜く事はしてませんでしたが、この時間での仕事...CBAとしての仕事はより一層悔いのないよう取り組んでいるつもりです
この時間の私がどんなつもりで私にアイドルをやらせているのかはわかりませんが、どうせ今更私の意思で辞められるわけでもありませんし
それに、いつまでCBAとしての活動が出来るのか...いつまでこの時間に留まることになるのかも、わかりませんから

翠「折角なら楽しくやらないと!」

ウェル(未来)「...それを聞いて、僕も安心しましたよ」

・・・

そんな全力ライブでヘロヘロになって本部に帰ってきた後、忘れないうちにと私はエルフナインちゃんのところへ向かいました
昨晩樹海風の深層世界で話していた『安全に確実に巨人響さんに近付く、もしくは意識を覚醒させて腕輪を破壊する方法』について、意見を聞く為です

エルフナイン(未来)「なるほど...ですがボクも8年前のことは思い出せませんし、記録も時空の歪みの影響か閲覧が出来なくなってしまっていますよ?」

翠「それでも、エルフナインちゃんならどうするかっていうのを聞きたいんです...具体的じゃなくても、例えばこういうのは避けた方がいいとか、絶対にこういう点は守った方がいいとか」

この時間にとっての過去の記憶や記録をそのまま流用出来ないのはもう諦めています
タイムパラドックスのサガ的なものでしょう...今こうしてこの時間のエルフナインちゃんと話していたり、この時間で金ピカガングニールについての『いつか知り得るはずの情報』を先に知ってしまっていたりと細々としたものはもはや手遅れですが
いえ、むしろ何故それらは可能なのにシェム・ハさんを倒す過程については頑なに知る事が出来ないんでしょう...むむむ...


エルフナインちゃん(未来)の意見安価下

翠「元の時間とこの時間との連続性がこの件に関してだけ不確定になっている?そこが特異点か、もしくは誰かがそうさせて...」

エルフナイン(未来)「あの、翠さん?」

翠「え、あ、ごめんなさいどうぞ」

質問しておいてつい別のことに思考を割いてしまっていました
この事に関しては今度また考えましょう

エルフナイン(未来)「こほん...そうですね、ボクも巨人状態のまま響さんを覚醒させるのは少し危険だと思います、そもそも『一定の範囲内に入った対象者を時空震で他時空に送る』といった行為が響さんの意思の有無に関係があるかどうかも...もし意識がはっきりしている状態で、目の前で意に反して皆さんを他時空に飛ばしてしまうことがあればそれこそ暴走しかねません」

翠「響さんなら暴走しそうですね...」

相手が過去にどんな事をやらかした人でも手を伸ばす寛容さを持ちつつも、自分のやらかしはとことん落ち込む...そんなイメージです
いやまぁ、それでも引き摺らず復活もするでしょうが、暴走に繋がってしまったら自力で復活する前に辺り一面壊滅してしまいます

エルフナイン(未来)「ですからなるべく現状維持...巨人状態で動きを止めているか、皆さんで対処可能な程度の動きのうちに何らかの方法で響さんを助け出すのが先決だと思います」

翠「何らかの...」

エルフナイン(未来)「翠さん達の時は皆さんで呼びかけ...でしたね」

翠「でしたね」

言われてみれば、神の力でほとんど何もわからなくなっていた時、色んな声が聞こえていたような気が

エルフナイン(未来)「とにかく...助け出した後の事ですが、例えば翠さんが言うように響さんであれば自力で腕輪を外せるのであれば自力で外してもらうとして...気絶しているのであれば無理に起こすのではなく、そのまま腕輪を破壊してしまうのが一番でしょう」

翠「ちなみにその方法は」

エルフナイン(未来)「神獣鏡の光です」

神獣鏡
聖遺物殺しと謳われたそれはもはや概念兵装と見紛うほどの、聖遺物ならば見境無しに消し去れるトンデモです
けれど、以前私と赤嶺ちゃんで封印の儀をしたシェム・ハの腕輪にマリアさんの『HORIZON†CANNON』と共に未来さんの『流星』を当てた際は、何度やっても消滅どころか傷一つ付きませんでした

エルフナイン(未来)「錬金術の応用です、神獣鏡の不浄を祓う力は錬金術における分解と非常に近い...厳密には異なりますが、聖遺物に対して哲学兵装にも匹敵しうるような、それでいて真実とは異なる概念が付与される事は確認されています...ですから、例えば『神獣鏡という『触媒』を用いて『神』を分解する』という工程を実際に行う事は難しいことではないと思います」

翠「神獣鏡には簡単な対象変更、腕輪にはそれそのものが『神』に直結しているという概念、そしてそれらを錬金術という道筋に当て嵌める...なるほど、出来る気がしてきました!」

やはり多角的な見方は必要不可欠ですね
私だけではきっとそもそも神獣鏡を作戦から外してしまったでしょう

エルフナイン(未来)「ただ、念のため刀使の皆さんや勇者の友奈さんは刀使の世界に待機してもらった方がいいかもしれません、何が起こるかはわかりませんから」

翠「ですね...戦力にばかり気を取られた結果、こんなにも大勢が巻き込まれてますからね...」



安価下
1 もう少し話す(記述)
2 他に何かする(記述)
3 もう寝る(樹海風深層世界)
4 イベント判定

この時間のエルフナインちゃんにした相談が一段落したところで、私はそのまま会議室に向かいました
今から行われるのは元の時間から来たメンバーを集めた作戦会議です
この時間に来てから、各々が気付いたことや共有したいことがあった場合にこうして会議をすることになっている...のですが、今まで特に進展もなかったので今回は久しぶりなような

翠「失礼しま~す」

マリア「翠も揃って...全員揃ったようね」

おっと、私が最後でしたか



会議内容安価下
(エルフナインちゃん(未来)との相談内容や、その他新情報も可(誰がいつどのように知り得た情報かもあればなお良し))

翼「それで、今回招集を呼びかけたのは翠だったか?」

薫(刀使)「てことはアレか、主役は遅れてってやつか」

翠「呼びかけてから真っ直ぐ来たんですが!?...あぁいえ、すみません...」

この時間のエルフナインちゃんと分かれてすぐに招集を呼び掛けてから寄り道もなく会議室に来たとはいえ、それよりも前に他の皆さんが揃っていたのは事実
呼びかけた張本人が待たせてしまうというのはあまりよろしくないことでしょう

『翠』「まぁ単に、ここにいるほとんどが暇は持て余してるけどこの世界への過干渉が怖くてあまり外出しなくなって、最終的にこの部屋に集まって駄弁ってることが多いってだけだけどね」

沙耶香「呼ばれる前からある程度揃っていた」

薫(刀使)「あー言っちった」

翠「ちょっと!?」

この部屋そんな元の時間メンバーにとっての公園や児童館...いえ、リビング?溜まり場?みたいなことになってたんですか!?というか私が遅いわけじゃないじゃないですか!

翠(過去)「ツッコミはいいから話進めません?」

翠「他人事だと思って...戻ってから数ヶ月後に痛い目見ますよ...」

過去の私の冷ややかな目に睨み返しつつ、私は気を取り直しこの時間のエルフナインちゃんとの相談した話を共有しました
肝心の帰還方法ではなく帰還した後の話ではありますが、帰還方法についてもこの時間と元の時間のS.O.N.G.の両方が頑張ってくれていますし、とすれば『いつ帰れるのかわからない』と考えるより『今すぐにでも帰れるかもしれない』と考えて先を見据えることは悪くないはずです

エレン「やっぱり私達は今度はお留守番デスか」

可奈美「力になれないのは悔しいよ~」

姫和「何も安全圏に留まるというだけじゃない、もしまた不測の事態が起きた時は私達の出番だ」

切歌「刀使達と友奈は第二の矢ってことデスね!」

調「切ちゃんそれ違う」

刀使メンバーと赤嶺ちゃんを刀使世界で待機させることは神様相手に戦力を削る事になってしまいますが、今回のことがあるので皆さん納得してくれたようでした

姫和「だが、もしシェム・ハの中からタギツヒメが出てくるようなことがあれば知らせてくれ、責任というわけではないが、御刀の方が相手出来るからな」

翠「わかりました」

タギツヒメはシェム・ハさんに取り込まれてしまっていますが、復活しないとも言い切れません
それにシェム・ハさんの相手だけでも精一杯なところにタギツヒメまで敵として出てきたら手に負えません
刀使メンバーが対処してくれるというのなら有難い限りです

友奈(赤嶺)「それなら私からも一つ...もしシェム・ハがまだ動けるような状態だったりしたら、神樹様の力を使うのは控えた方がいいかも」

翠「勇者ギアを?...わかりました」

友奈(赤嶺)「うん、相手が繋がりを辿れるのならどこまで行けてしまうのかわからないから...特に、翠さん達はそっちの世界の神の加護というか施しというか、そういうのが他の人以上に綺麗さっぱり剥がれて無防備だし」

後半言っている意味はよくわかりませんが、とにかく勇者ギアは控えた方が良さそうです



安価下
1 もう少し話す(記述)
2 もう寝る(樹海風深層世界)
3 ???

翼「他に今共有しておくべきことはあるか?」

他に...となると

翠「そうですね...念を押すようですが、この花弁は常に...出来れば入浴時や就寝時にも文字通り肌身離さず持っていてほしい、ということでしょうか」

私はポッケから山桜の花弁を取り出して見せます

舞衣「確か、持っているだけでノイズの攻撃を防げる...んだよね?」

姫和「正確にはノイズ、カルマノイズ、アルカノイズに対するバリアコーティングと同等の効果...だったか?」

翠「はい、炭素化や分解をされなくなるだけで当たると痛いので無敵というわけではありませんが」

そう、そこまでは話しています
ですが一応、それだけではないということも話しておくべきでしょう

翠「今から話すのは、あくまで状況といくつかの情報から成り立つ推測、妄想、こうだったらいいなという程度でしかないものではありますが...」

私は、この花弁が響さんが私達に必死に手を伸ばした結果であり、道標になるものであると話しました
元の時間のS.O.N.G.がこの時間との繋がりを確立させられた時、この花弁を道標として響さんが再び手を伸ばしてくれるかもしれない、あるいは逆に、この花弁達が私達に響さんの居場所を示してくれるかもしれない
先程までとは打って変わってそんなオカルティックで根拠のない話ではありますが、存外そういうもので...奇跡で何度も危機を脱しているのを知らない私達ではありません


他にも伝える?安価下
1 する(記述)
2 しない(解散)

各々で共有したい情報も共有し終わり、気が付けば良い時間に
今日の会議は終了、解散となりました

翠「ふあ~ぁ...」

『翠』「お疲れだね」

翠(過去)「今日ライブでしたもんね」

自室に着くなり気が抜けてしまい、思わず欠伸が出てしまいます
しかしまぁ今日くらいはいいでしょう

翠「ちょっと先に寝ますね~」

『翠』「あっ待っ...」

私は『翠』と過去の私にそう告げ、ベッドに倒れ込みそのまま眠気に身を任せました

・・・


園子「レッツエンジョイカガワラァァァイフッ!!!」


翠「へぁ!?」

はっ!私は確かに眠りについたはず...いつの間にこの深層世界に!?

若葉「案外こちらから引っ張ってこれるものだな」

園子「まぁまぁ、ここにいる間は疲れはともかく眠気は感じにくくなってると思うけどどう?」

翠「え?あ、確かに...」

言われてみれば、いつも以上に死ぬほど疲れていたはずなのにここでは眠くありません
まぁ身体は一応ちゃんと眠っているはずですしね

翠「あの、それで何で呼んだんですか?」

園子「ノリなんよ!」

翠「ノリ」

何でしょう今日の園子ちゃんテンション高い...



エクスドライブモード練習について安価下
1 引き続き続けたい(今まで通りのルールです)
2 今のままで十分(毎晩コツを忘れない程度にイメトレしたていで話が進みます)

(ちなみに現在成功率96%の為、次回以降戦場等でエクスドライブモードに挑戦した際のコンマ判定は01~96が成功、97~00が失敗となる予定です)

理由もなく呼ばれた私ですが、理由がなければ園子ちゃん達に会いたくないのか、と聞かれればそういうわけでもありませんし
装者と勇者とか、そういうのを抜きにして友人だと思っていますし
つまり何が言いたいかと言えば、このままあっさり帰ってしまうのも忍びないということです

園子「ところでりんりん」

翠「何ですか?」

いつもの如く樹海に似合わないティーテーブルを囲んで椅子に座る園子ちゃんと若葉ちゃんに相席した私は何か話すべきかと考えていると、その答えを出す前に園子ちゃんに声をかけられました

園子「りんりん達のエクスドライブモードの練習...昨日の時点でかなり形になってたけど、まだ続けるの?それとも感覚を忘れない程度にしておく?」

エクスドライブモードの練習...確か昨日は千景ちゃんがおおよそ9割越えだと太鼓判を押してくれていましたね

若葉「慢心は良くないが、無理をし過ぎるのも考えものだぞ?」

翠「えぇ...ですが、自分の体力やら何やらを余裕を持って温存出来るほど、私は今回の戦いを楽観視出来ません」

96%の成功率より、4%の失敗率が今の私には恐ろしい
『翠』もきっと同じ意見でしょう



安価下
1 早速今からチャレンジ!(翠ちゃん単体バージョン)
2 『翠』ちゃんが来るまで待つ
(単体バージョンを試す場合は成功率が2人揃っている場合とは別に成功率を測定することとなり、『翠』ちゃんが来るまで待つ場合は単体でのエクスドライブモードチャレンジは戦闘時に選択肢から外されます)

若葉「そうか...なら、『翠』さんが来るまで待つか?それとも念の為切り札を」

翠「いえ、いつでも『翠』と行動を共に出来るとは限りません...過去に飛ばされた時なんてまさにでしたし...なので、とりあえず一人でのもチャレンジしてみます!...あ、あと切り札は今は...勇者ギアは今回の戦いでの使用はなるべく避けた方がいいって赤嶺ちゃんが言ってたので」

ギアを纏い、私はエクスドライブモードのチャレンジを始めました


エクスドライブモード成功率(単体バージョン)コンマ下
(00は100%扱い)

・・・

翠「はぁ、はぁ...どう、ですか...」

(精神的な)体力の限界を迎えた私はギアが解除されると同時に仰向けに倒れ込み、離れたところで様子を見ていた園子ちゃん達にそう尋ねました

園子「今日のところは...72%だね~」

若葉「7割か、悪くない数字じゃないか?」

確かに、『翠』と2人でやった時の初日等に比べたら全然高い確率とは言えます
ただまぁそれも今や9割超えなので、それと比べるとまだまだですが

『翠』「お邪魔しま~す...あーやっぱりこっちに来てたんだ翠」

千景「それももう既にボロボロのようだけど?」

仰向けのまま声がした方に顔を向けると、合流してきたのは『翠』と千景ちゃん

『翠』「もー呼び止めたのに服も着替えずに寝ちゃうんだから...で、何で翠はこっちでも寝てるの?」

若葉「1人だけの時でもエクスドライブモードになれるように練習した結果だ」

『翠』「あー...じゃあ」



安価下1
1 『翠』ちゃんも単体バージョンチャレンジ
2 翠ちゃん復活まで待つ

エクスドライブモード成功率コンマ下2
(00は100%扱い)
(安価下1が1の場合は『翠』ちゃん単体バージョンの数値、2の場合は2人揃っている場合で96以下は96%から変化無しとします)

・・・

『翠』「限...界...」

そう言って私と同様倒れ込む『翠』
中々いい線行っていたのでは?

千景「おおよそ、81%ね」

園子「おーこっちも高確率!」

若葉「やはり2人ともコツを掴んだのが大きいな」

なっ...私より確率高いじゃないですか!
『翠』がチャレンジしている間に少しばかり体力を回復させていた私はうつ伏せになってズリズリと『翠』に這い寄り、軽く小突いてやりました

翠「ん~!ん~!」

『翠』「んー...んんー...」

疲労で反応するのも面倒なのか、軽く呻いて身を捩らせます
かくいう私も喉を使うのが億劫で声らしい声は出していませんが

千景「酷く女子力に欠けた光景ね...犬吠埼さんが見たら何て言うのかしら」

若葉「言ってやるな...だがやはり、2人揃った状態が最も安定するようだ」




回復するまで何か話す?安価下1
(特になければ無し)

エクスドライブモード成功率(2人揃っているバージョン)コンマ下2
(00は100%扱い)
(96以下は96%から変化無しとします)

やっと私も『翠』も話が出来る程度には回復しました
が、それでもエクスドライブモードチャレンジをもう一度やるにはまだ体力が足りていない...ので、寝転がるのをやめ、椅子に腰掛け園子ちゃん達と雑談タイムです

翠「まぁ雑談というか、またまた相談なのですが」

相談したいことといえば勿論『時空震による時空の歪みの影響を受けずに響さんを助ける方法』
Anti_LiNKERでギアを解除させるのもシェム・ハさんの腕輪を破壊するのも、もっと言えば近付くことさえも、時空震を起こされてしまえば不可能になってしまいます

若葉「基本的に私達が相対した敵というのも、直接叩けるものばかりだったからな...」

千景「そうね、近付けずとも遠距離攻撃は通るものばかり」

園子「触れられない、どころか近付けない、出来てもその瞬間別の時空に飛ばされる...2度目の時空震もそうだけど、飛ばされるメンバーは固定されている、ということは」

翠「時空震発現が故意かどうかは別として、飛ばす対象は響さんが選定してる...?」

確かに人払いはされていたとはいえ、巨人響さんに近付いた時はS.O.N.G.職員さん達を何名か乗せたヘリも近くに待機していました
そしてそのヘリや職員さん達は時空の歪みに巻き込まれていません
ギリギリ時空震の範囲外だったとか、高さ制限があったとか、そういう可能性もなくはありませんが

園子「もっと言うと、りんりん達の姿か行動を認識してから時空震を起こしていたかもしれない...ここは本当にそうだったらいいなっていうのを出ないけど」

『翠』「つまり?」

千景「不意打ち未満、コンマ1秒にも満たない一瞬なら次の時空震が起き始める前に触れる...触れている、なんてことは出来るかもしれない、ということかしら...オート操作も反射的行動も追い付けないバグのような...例えばこの時間で元の時間にいる立花さんに触れられているであろう場所に手を伸ばし、そのまま元の時間のその場所に飛ぶことが出来れば、戻った瞬間だけは触れられている...」

翠「レイヤーごとには別々だけど、重ねて一枚の画像にするとピッタリ繋がっている...みたいな?」

けれど例えそうだったとしても、そんな一瞬で自体を動かすことなんて

若葉「せめて無効化させられたらな...」

『翠』「そもそも時空震起こしてるのって神の力なの?神殺しで無効化出来ない?」

千景「立花さん自身が神殺しを纏っているのだから、神殺しで対抗しても...」



時空の歪みの影響を受けずに響さんを助ける方法安価下

(翠「調さん次回も楽しみにしてますね!」

調「えっ...うん?うん...ありがとう?」

『翠』「次は何作るのか決まってたりするの?ぼた餅とかどう、あとうどん」

調「えっと...さっきから何の話?」

女神「一応、ここはメタ時空ですよ」)

中々良い案は出ず、皆揃ってうーん...と頭を抱えてしまいます
そもそもとしてこういう超常的な、オカルティックな現象はわかっていることが少な過ぎますし、何が起きてもおかしくない、どういうことなら絶対に起きないのかがわからないので判断のしようがありません

『翠』「やっぱりさ、響さんがそれを起こせちゃうってのがダメなんでしょ?ならもう暴れそうなら体力を消耗させるか、呼びかける作戦はどうかな?」

意識がない上、オートで時空震を起こせる可能性がある状態の響さん相手に何やっても~と言う『翠』

翠「でも、暴れるのがただ暴れるだけならまだしも初手時空震もあり得ますよ?それに起こすべきじゃないってこっちのエルフナインちゃんも」

『翠』「だからって、何もしないままじゃやって大丈夫なことと大丈夫じゃないこともわからないし...この時間の『私』達が答えを教えてくれるならまだしも、そうじゃないんだから無い物ねだりの作戦練るより出来そうなことをやってみるしかないと思う」



安価下
1 もう少し考える
2 その作戦で今度他のメンバーに相談
3 ボーナス判定

『翠』の言い分もわかる...というか、『翠』は『私』なので意見は基本食い違いません
つまり、今『翠』が言っていることは私が思っていても口にしなかったことです

『翠』「なるべく失敗はしたくないけど、もしそれしか手がないならやるしかない、でしょ?...少なくともこの時間、言い換えると8年後には、響さんは助かってる...それって、今ある手札で挑戦して上手くいったってことじゃないかな」

翠「でもそれは、そういう可能性があるというだけの話です...私達の行き先がこの時間軸に近いソレになるかなんて」

『翠』「可能性可能性って言ってても何も始まらない、わかってるよね?この世界で可能性って言い出したら、その分岐には理由や理屈がわかる分岐だけじゃない『偶然』とか『奇跡』としか言い表せないような分岐も存在するんだよ」

翠「それは今はまだ解明出来てないだけで理由も理屈も確かに存在するはずです!」

『翠』「解明出来てない理由と理屈を『偶然』とか『奇跡』って呼ぶんだよ!」


千景「今はその自問自答が一番無駄だと私は思うのだけれど、貴女達はどう?」


千景ちゃんの一言に、私達は頭を一気に冷やされました
すぐヒートアップする癖は中々治りません

若葉「自問自答、と呼んでしまうのも...と思わなくもないが」

園子「自分自身を同一人物扱いするかどうかはその時の気分次第だから~、私とそのっちもそんな感じなんよ~」

千景「ともかく、例えばこれで元の時間の立花さんに『蒼井』さん達が独断で声掛けをして失敗したりすれば2人の責任になるでしょうけど、その場合の悪い点は『失敗したこと』よりも『独断で行ったこと』でしょうね」

それは暗に、どんな意見が出たにせよ仲間にも改めて相談しろ、ということでしょう
報・連・相はこまめに、です

園子「じゃあ話し合いは一旦終了、りんりん達の元気も戻ってきたところで、エクスドライブモードチャレンジ行ってみよ~!」

翠「...ですね...さっきはごめんなさい」

『翠』「こっちこそ、ごめん」

翠「...ふふっ」

『翠』「あはっ」

園子ちゃんの声に背中を押されるように、私と『翠』はそれぞれ軽く謝罪し合ってからギアを纏いました

・・・

ちなみにチャレンジの結果は昨日と変わらず
まぁ確率をキープ出来る程度には息の合った動きを出来たということでしょうか?
で、朝になりました


コンマ下
ゾロ目以外 特になし
ゾロ目 ???

同時に深層世界から戻った為、私と『翠』が目を覚ましたのも同時
ですが、状態を起こし視線を下げると大きく違っている箇所があります

翠「...とりあえずシャワー浴びて来ますね」

『翠』「うん、もうそのまま着替えちゃうといいよ」

昨日の私服のままの私に対し、きちんとパジャマに着替えていた『翠』はそう言って欠伸を零しました
今日着る分の服と、バスタオルと、一応端末と...そんな風に準備していて、ふとある事に気が付きます

翠「そういえば、まだ結構早い時間なのにもう起きてたんでしょうか、過去の私」

ベッドには既に過去の私の姿はありません

『翠』「あーいつも起きたらもういなかったりするかも、昨日の夜も今までも寝る時は大体一緒にかあっちが先に寝てることが多いけど」

翠「でしたっけ?」

『翠』「翠は仕事の時は全然早く起きるからそういう時は過去の翠より更にもっと早いんじゃない?」

そう言われればそうかもしれません
まぁ、特に何も言われてませんし、早起きは健康的ですし、気にする必要はないですかね

・・・

軽く朝食を取り、私達はエルフナインちゃんの部屋を訪ねました
昨晩深層世界で話していた事に関して相談する為です



コンマ下1
奇数 いる
偶数 いない

何かする?安価下2以降
(コンマ下1が偶数の場合のみ採用)

翠「いませんでしたね、エルフナインちゃん」

『翠』「出かける...というか誰かしらに遊びとかに連れ出される時はたまにあるけど、こんな朝早くからって中々ない気がするよね」

まぁ私達が知っているそれらの内容は元の時間の、つまりこの時間から8年前のものですから、この時間では珍しくないのかもしれませんが
しかしいきなり出鼻を挫かれた感はあります

『翠』「部屋戻る?」

翠「それ、二度寝して気付いたら昼か夕方になってるフラグですよ」

『翠』「実に健康的な生活じゃん」

すぐにやることも思い付かず、私達の足は自然と司令室に向かっていました
習慣というやつです

弦十郎(未来)「む、早いな2人共」

翠「おはようございます」

『翠』「はよーざいまーす」

早いとは言いますが、ししょーを始め職員さん達は既にガンガン働いていますからね
交代制のところもあるでしょうが

弦十郎(未来)「この時代にはもう慣れたか?」

翠「はい、それは」

言うほど技術は発展していませんし、とは口には出しません

弦十郎(未来)「そうか...あぁいや、本来なら慣れてしまう前に帰してやれるのが一番なのだろうがな、すまない」

翠「いえいえ...」

弦十郎(未来)「それで、何か用だったか?」

翠「用、があるわけでは無いんですが、起きれてしまって今からもう一度寝るのもどうなのかという話になりましてふらふらと」

ししょーはふむ、と顎に手を当て

弦十郎(未来)「なら少し、いいだろうか」

聞きたい事があるからと、私達はししょーに連れられ司令室を後にしました

翠「『翠』?さっきから静かですけどどうしました?」

『翠』「ん、いや...何でもない、ちょっとね」

・・・

やってきましたお馴染み会議室
椅子とテーブルがあり複数人で座って話せる場所と言えば大体ここが使われています

弦十郎(未来)「いつ、誰にだったかは忘れてしまったが...時間跳躍が関わる事件が起きた時、各時間軸での違いや干渉の有無が解決の鍵になると聞いた...ような気がしてな」

『翠』「それピンポイントで今回のことを指してるんじゃ」

ししょーは私達に元いた時間とこの時間、それに過去の時間で何か違っている点(8年経とうが変わりようの無いはずだと言えるものに限る)や、過去の時間に飛んだ際にどのような干渉をしたかを尋ねてきました
つまりは、元の時間とこの時間と過去の時間のいずれか同士、あるいは全てが連続した世界線だった場合のタイムパラドックスを危惧した質問ということになります
勿論私と違う経験をしている過去の私が存在していることでその連続性は無いと思いますが、時間軸の概念は完全な解明が出来ていないので様々な可能性を探るのは大切でしょう

『翠』「違ってるっていうのはわからないかな...過去の時間に飛んだときも、なるべく派手なことは起こさない様にしてたつもりだし」

翠「私も過去の時間に飛ばされた時は話がややこしくなるのは面倒...いえ、問題だと思ったので、ノイズを倒しても今回はその時間の翼さん達が来る前に逃げ切りましたよ」

そう言うとししょーは何故か困ったような呆れたような笑みを浮かべました

『翠』「いやいやそれより過去の自分に会いに行ってそのまま泊まり込むのはどう考えてもアウトでしょ」

翠「屋根があるところで眠りたかったんです」

良いんですよ過去の私には初手で念話繋げてしまう大失態やらかした後でしたし、そのおかげで世界線は分岐したらしいとわかりましたし

弦十郎(未来)「あー、つまり、過去の翠くんにこそ干渉してしまったが、他は過度な干渉はしなかったはずだ、と」

翠「そうですね、あの時間の二課にも接触していませんし...」

しかし何か忘れているような...
そう、今となっては懐かしい、とても貴重なものを見たような...


クリス(過去)『けど抵抗されても面倒なんだ、まとめてとっととぶちのめされてくれよなぁ!』


翠「あっ」

私の漏らした声に、『翠』とししょーは「やっぱり何かやらかしたのか」と言う目をしてこちらに向けてきました

翠「いやーははは...」

私は早々に観念し、ネフシュタンのクリスさんに襲われ戦闘になったことを話しました


ししょーの意見安価下

弦十郎(未来)「あー...うむ、なんだ、過去の世界での交戦を避け、逃げる選択を選んだのは誉めよう」

逃げ切れたからこそ今ここにいるとはいえ、過去の世界の人物に明確に認識され接触を図られてしまったというのは結構なやらかしです
それもネフシュタンのクリスさんということは、過去の世界のフィーネさんに目を付けられていた可能性大...まぁ付けられない訳ないですし
今回タイムパラドックス云々は問題なさそうなのが救いです
ししょーはその事を一旦置いておき、結果どうあれなるべく不干渉に徹しようとした事は評価してくれました

『翠』「そのクリスさんの件は向こうから来たやつであって避けようと思っても避けられなかっただろうしね...」

翠「過去の私が過去の世界に戻った時色々な人に色々と聞かれそうなのが心配と言えば心配です、どうも出来ませんが」

『翠』「翠と比べて難易度いきなり上がり過ぎでしょ...護身術とか教えとく?」

翠「ワンチャン今のうちにギアの強化とかしてあげておくのも手だと思うんですよ」

アルカノイズ用のバリアコーティングとかイグナイトモジュールとか、本人の頑張り次第になりますが心象変化ギアをいくつか試させるとか
流石に私のギアをあげてしまうのは無理ですが、ギアの作り方を練習させるのもいいかもしれません

弦十郎(未来)「今度は打って変わって明らかな過干渉だな...過去の翠くんに対しては今更なのは承知の上だが、あまりやり過ぎると過去の俺が過去の君の身柄を何処まで擁護出来るか分からんぞ?」

翠『翠』「「!?」」

S.O.N.G....じゃなくて二課に、保護してもらえなくなる可能性もあるんですか!?

翠「い、いやいや、ほらあの過去の私は多分もう二課に所属してますし...」

『翠』「仮にスパイ容疑とかかかっても...ね?フィーネさん、じゃなくて了子さんもセーフだったし?」

弦十郎(未来)「無論全力は尽くすだろうがな」


安価下
1 もう少し何か話す(記述)
2 エルフナインちゃん(未来)を探す
3 その他(記述)
4 イベント判定

過去の世界での事を話し終え、解散する流れになりました
ししょーは仕事に戻るでしょうし、私達は当初の目的の通りエルフナインちゃんを探そうということに

翠「ししょーはエルフナインちゃん...この時間のエルフナインちゃんが今どこにいるか知りませんか?」

弦十郎(未来)「いや、俺は何も聞いていないな...重要な案件か何かならエルフナインくんも連絡を入れているだろうが」

ふむ、S.O.N.G.のお仕事関連では無さそうですね

『翠』「見た目でついつい忘れちゃうけど中身ももう子供じゃないだろうしね」

翠「私達の時間でも子供というよりは知識が偏ってるって感じでしたし、それもこの8年で慣らされているのならまぁ完璧に見た目は子供頭脳は大人状態でしょうね」

なおS.O.N.G.では高校生は子供扱いなので某小学生探偵は見た目も中身も子供となります



どこに探しに行く?安価下
(エルフナインちゃんの部屋に行き手掛かりを探すのもアリです)
(誰かを訪ねて居場所を知らないか尋ねるのもアリです)

・・・

切歌(未来)「ははぁ、それでアタシ達の所に聞きに来たってことデスか」

エルフナインちゃんを探して次に訪れたのは切歌さんと調さんのところ
この時間の方です
この時間の切歌さんと調さんはエルフナインちゃんとそれなりに一緒にいる時間が多そうな気がしますし、きりしらさん2号のお世話的に

調(未来)「朝早くからお疲れ様、急用?」

翠「というわけでもないんですけど、出来るならなるべく早くが良いかなと思いまして」

『翠』「あと単純にこの時間のエルフナインちゃんがこんな早くから何やってるのか気になってるかな!ししょーも知らないってことは仕事じゃないんだろうし!」

それもあります
元の時間のエルフナインちゃんや原作のエルフナインちゃんを総合するとワーカホリック気味なイメージですが...



コンマ下1
奇数 知ってる
偶数 知らない
ゾロ目 そういえば...

2人からの情報安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

切歌(未来)「う~ん、アタシは知らんデスなぁ...調は?」

調(未来)「私も特に何も聞いてないね」

翠「そうですか...」

空振りでした
どうしましょう...他の人にも聞きに行きましょうか?

調(未来)「エルフナインの行きそうな所...エルフナインの趣味...」

切歌(未来)「...昔流しそうめんにハマってた事はあったデスね」

調(未来)「あーあったね、懐かしい」

『翠』「何故そこで流しそうめん!?」


コンマ下1
ゾロ目以外 特になし
ゾロ目 ???

安価下2以降
1 他の人の所へ(誰のところか記述)
2 その他(何をするか記述)
3 イベント判定

・・・

この時間の切歌さん調さんのところを後にした私達
次にこの時間のエルフナインちゃんの居場所に心当たりがありそうな人というと...

『翠』「...未来さん?」

翠「いやいやいやいくらなんでも未来さんだって今一応気落ちしてるはずですよ!」

『翠』「未来さんの名前出しただけでまだ何も言ってないんだなこれが」

翠「でもそういうニュアンスでしたよね?」

『翠』「まぁ」

2人揃ってため息が出てしまいます
本当、どうして私達の世界の未来さんはあんな風になってしまったのでしょう...

『翠』「でも翠の言う通り、気落ちは間違い無くしてるはず...というか未来さんだけじゃなく大体みんなそうでしょ」

翠「響さんがこの時間では無事助かっているというのもあって大分安心はしているでしょうけど、絶対この時間に続くとは限らないと理解している人も少なくないですからね...未来さんもそのうちの一人でしょうし、仮に絶対助かるという状況でも助かるまでは心配で仕方がないはずです」

えぇ、響さんと未来さんはそういう2人です
例え未来さんがあんな...あんなって言い方は失礼でしょうか...いえ失礼でもいいですかね...あんな感じになってしまっていても

『翠』「とりあえずちょっと聞きに行くだけだし!」

翠「ですね!」

・・・

そんなこんなで未来さん(私達と同じ時間から来てる方の未来さんです)の部屋の前

翠「...ほらノックしてくださいよ」

『翠』「...翠がしなよ」

翠「言い出しっぺは『翠』でしょう」

『翠』「最後は同意したじゃんほら!」

翠「ちょっ押さないでください!押さっ」


ガラッ


未来「どうかしたの?」

翠『翠』「「ひぇっ」」

未来「それは流石に失礼じゃないかな?」

未来さんは困った風に笑い、私達を部屋の中に招き入れました



コンマ下
奇数 知ってる
偶数 知らない
ゾロ目 むしろ居る

未来「なるほど、それでこの時間のエルフナインちゃんを探して調ちゃん達...大人の方の調ちゃん達を訪ねて、その次が私だったんだね」

翠「そういうことです」

警戒していましたが、いざ会ってしまえば未来さんの様子は普段とさほど変わらないように見えます
いえ、むしろそれはそれでよろしくないかもしれませんが

『翠』「それで早速だけど、未来さんは何か知ってる?」

未来「知ってるよ」

翠「やっぱり知らな...えっ知ってる!?」


バッ


未来「...どうして2人揃って私の部屋のクローゼットの方を見たのか聞いてもいい?」

翠「い、いえ何でも」

『翠』「ちょ、ちょっと最近家具鑑賞が趣味になっただけだよ」

いけません、エルフナインちゃんがこの時間でも変わらず小柄だからといって早合点が過ぎます
えぇ、ちょっとばかし未来さんの性癖もといジャンルがアレでもそういった一線は越え...越え...

未来「...それとも2人があの中に入りたいのかな?」

翠『翠』「「ヒェッ」」

未来「はぁ...」

そんな溜め息をつかれても!
仕方がないじゃないですか今の未来さんは不安定なはず、ということは常に最悪のパターンを踏まえなければいけないということなんですから!
響さんは未来さんの精神安定剤兼ストッパーなんですから!

『翠』「『私』達も未来さんの性癖知ってるだけじゃここまで警戒しないけど...『私』達も対象内ってわかっちゃってるから...」

未来「だからって流石に時と場合は選ぶよ!?」



この時間のエルフナインちゃんについて知っている事安価下
(何処に行く予定だったのかやその目的、誰と等何でも)

(翠「短冊に願い事...願い事...」

『翠』「アレしかないでしょ」

翠『翠』「「シンフォギアの更なる新作が制作されますように...」」)

荒ぶる未来さんには少し申し訳ないことをしました

未来「えっとそれで...あぁエルフナインちゃんのことだよね、確か翼さんとマリアさん...私達と同じ時間の方の2人と一緒に行動するって聞いたよ、この時間で私達がそれぞれ飛ばされてきた場所を調べるって」

翠「それは...座標、的なものでしょうか」

『翠』「それか何か残留した物が無いかとか、両方とか?」

翼さんとマリアさんというチョイスに疑問はありません
装者メンバーの中で年長者はその2人ですから

翠「しかしいざ分かってみると、これはわざわざ会いに追いかけずともエルフナインちゃんの帰りを待つのでもいいかもしれませんね」

『翠』「急ぎか急ぎじゃないかで言えば急ぎだけど、そこまで急ぎじゃない...みたいなことだしね」

相談内容は結局元の時間に戻れた後のことについてですし、いつ元の時間に戻れるのかが分からない以上...とはいえ翼さんマリアさんと居る所に突撃していって相談するほどの事でも...



安価下
1 でも行く
2 帰りを待つ
3 イベント判定

翠「えぇ、大人しく帰りを待ちましょう」

相談についてもそうですが、ししょー達が何も聞かされていなかったので少し心配していました
しかし蓋を開けてみればなんてことはありません
この時間のエルフナインちゃんはもうそんな過保護な事をしなくても問題ない常識人だったというだけ
一緒にいるのが翼さんとマリアさんというのならなおのことです

『翠』「さてじゃあ帰ってくるまで...」


コンマ下1
奇数 どこかでヤマツツジが花開く
偶数 まだその時ではない...

何する?安価下2
1 何かしらする(記述)
2 体を休める(エルフナインちゃん帰宅まで飛びます)
3 イベント判定

翠「...ん? 」

『翠』「今...気の所為?」

未来「2人ともどうかしたの?」

翠「いえ...」

今何か...何、と聞かれると困りますが、こう...空気が変わったというか、そんな気がしました
何かが見えたわけでも聞こえたわけでもないので、本当に一瞬何となく、空間に違和感を感じた...としか
とはいえ時空震の時のようにハッキリとしたものではありませんし、気の所為でしょう...『翠』も同時に何か感じた気がしたというのが少し引っかかりますが

未来「ふーん?」

・・・

エルフナインちゃんの事は彼女の帰りを待つということに決めた私達は、未来さんの部屋を後にしました

翠「どうしましょう、相談内容をもう少し詰めたりしましょうか?」

『翠』「そう思ってたわけじゃないけどエルフナインちゃんもいつでも暇ってわけじゃないしね」

今回のようにタイミングが合わないことは今後もあるでしょう
誰にでも相談出来る事ではない以上、もっと慎重に時間を使うべきかもしれません

『翠』「とはいえ結局色々考えた結果ではあるしね~...というか敵の情報が無さ過ぎるんだよ!タギツヒメみたいに知ってても明確な倒し方が公式で不明ってのも困るけど!」

翠「元々情報を持ってるっていうのが普通は少ない状況なんですけどね」

タギツヒメも刀使ノ巫女原作のような流れを期待していられるような状況ではなかった為ほぼほぼ原作知識を活用出来なかった感じはありました
苦肉の策で神獣鏡で弱らせたんでしたっけ...弱まったかどうかはちょっと何とも言えませんが

『翠』「...そういえばさ、シェム・八さんが調子悪そうになってたのってタギツヒメを取り込んだからなんだよね?」

翠「フィーネさんはそう推測してましたね、穢れを取り込んだからお腹を壊した的な解釈で」

『翠』「でもあの時のタギツヒメって神獣鏡で穢れ祓った状態だったんだよね?」

翠「...確かに」

言われてみればそうでした
いえまぁ、祓ったといってもタギツヒメの見た目がマイナーチェンジしたり少し弱まった?くらいでしたけど

翠「でも荒魂であることには変わりなかったですし...ねねちゃんとかも」

『翠』「ねねちゃんはほら性格が丸くなった~みたいな意味合いだけどさ、タギツヒメのは神獣鏡の光だよ?当たり所とかは別としても、哲学兵装並のトンデモ理論に手加減とかあると思う?」

ふむ...そう言われると
となるとあの時のタギツヒメって実際の所どういう状態だったんでしょう

『翠』「でさ、仮にあの時のタギツヒメに穢れ要素がほとんど無かったとしてだよ?自称じゃなく本物の神様なシェム・八さんが『具合が悪くなる』レベルの要素が他にあったってことになるよね?」

翠「タギツヒメの強い自我...なんてものではないでしょうし」

これは思った以上に気になることかもしれません
案外見落とした点はあるものです

翠「しかし問題なのは、こういう『そういえば』で出てくることが」

『翠』「8年間誰1人として思いつかなかった、なんて可能性はすこぶる低いこと、だよね?」

つまりはそう、ここの問題はもう答え(と言うか推測)が出ているだろうということ
そしてそれはエルフナインちゃんに尋ねるまでもなく、他の誰かに聞いても結果は変わらなそうということ

翠「...えーでも聞きに行きたくないです...正確には会いたくないです」

『翠』「もう何か徹底して嫌いだよね、そこまで行くと『私』以上に嫌いでしょ」

翠「ヤツがPになってからは一緒の時間が増えて余計に気が合わないのが分かりましたからね...」

アニメのキャラとして見てる分には笑えましたが、実際交流するとこう...
この時間の糞Pは若干まともそうになってますがそれはそれで気持ち悪いです

翠「とはいえ...エルフナインちゃんに余計な手間をかけさせない為...はぁ...」

・・・

ウェル(未来)「そこまで露骨な顔を毎回されるとそういうルールでも定めているのかと錯覚してしまいますよ」

翠「特殊演出、変更不可です」

仕方なく、非常に不本意ですが、私達は糞Pに話を聞きに来ました



コンマ下
奇数 影響はあったと思われる
偶数 定かではないし推測も立てられていない

ウェル(未来)「結論から言いましょう、タギツヒメが神獣鏡の光を浴びた...この事自体がシェム・八に影響を与えたか否か...僕達は少なからず与えていた、と考えています」

糞Pの返答にそれ程の驚きはありませんでした
だろうと思ったからこそ聞きに来たわけですし
影響があった、ということはつまり『タギツヒメに神獣鏡の光を当てていなかったらシェム・八さんは調子が悪くならなかった』というとこです

翠「じゃあこれで」

『翠』「待て待て...」

翠「えー...いいじゃないですか、影響はあったってことは分かったんですから」



安価下
1 もう少し聞く
2 他にも質問(安価下)
3 交流終了

仕方がありません
これも全てエルフナインちゃんに余計な手間を掛けさせない為です
私の深々とした溜め息を見て察したのか何なのか、糞Pは話を続けます

ウェル(未来)「そも『穢れ』というのは概念、概念に影響を与えるというのはつまり誰かしらの主観による基準が前提となる...ここまではわかりますね?」

翠「えぇ、聖遺物の特性は哲学兵装と非常に近しいもの、と解釈しています」

厳密には異なりますが

ウェル(未来)「それで十分でしょう、今議題に上がっているのは神獣鏡の光を受けたタギツヒメとは如何なる状態であったのか、シェム・八が如何なる影響を受けたのか...」

まず先に、タギツヒメについてです

『翠』「刀使がいる世界における荒魂はノロが結合した擬似生物、ノロは玉鋼生成時に取り除かれる負の神性を帯びた不純物の呼称」

翠「神様の名前を名乗っていますし神性も帯びていますが、とはいえ神様そのものかと言えば...」

ウェル(未来)「そんなものは置いておきなさい、名が体を表すのか体が名を表すのかは卵か鶏かの違いでしかありませんよ」

それよりも重要なのは、神獣鏡の光によって祓われたのがタギツヒメの『何』なのか、ということなのだと

ウェル(未来)「凶祓いは主に術式や呪いといった外部干渉を退けるものとされていますが、本質は『あるべきカタチ』を映すことに起因しています...では神獣鏡の光を受けたタギツヒメはどうなるのか、順当に行けば『あるべきカタチ』に変化する...ではその『あるべきカタチ』とは?」

翠「穢れが無い状態ですよね?...いえ、ノロは穢れが集まったようなもの、荒魂もタギツヒメも然り...しかしねねちゃんのような無害で友好な状態がそうとも」

『翠』「実際消滅したりはしてないんだから単純に穢れ0状態ってことではないんじゃない?」

ウェル(未来)「言ったはずですよ、誰かしらの主観による基準が前提と」

翠「...!」

その『誰かしら』とは誰のことなのか
神獣鏡の装者?それはそうでしょう
タギツヒメを知っている人?その人達による概念が干渉するのも十分考えられます
タギツヒメ本人?当然無いはずがありません

ウェル(未来)「誰かしら、というのは大概複数の意思が積み重なったもの、チリツモというやつですねぇ...タギツヒメの『あるべきカタチ』について、例えば1人が「人類に無害な状態」と言ったとしましょう、神獣鏡の光を受けたタギツヒメは本人の意識を改竄され、人類に無害な荒魂になるのかもしれません...しかし別の人間が「自我を持たない状態」と言えば、害の有無の判別が出来ないノロの塊にならなければいけない」

翠「タギツヒメ本人が「今も昔も変わらない」と信じれば、それが『あるべきカタチ』であるはず...それらが同時であったなら、矛盾は避けられません」

『翠』「タギツヒメは別に術式や呪いなんかの外部干渉であぁいう存在や性格になったわけでもない、でも『私』達や刀使達の理想は違う...タギツヒメの退治とか改心とかってもしかして神獣鏡の管轄外?」

ウェル(未来)「一概にそうとは言い切れませんが...結果としてタギツヒメ本人の理想とも貴女達の理想とも違う、どっち付かずの状態に留まったというのは確かですね」



安価下
1 もう少し話す(記述)
2 解散
3 その他(記述)
4 イベント判定

長々と話をしたとはいえ、結局は全て後から推測しただけのこと
この時間の私達やエルフナインちゃん、糞Pの想像妄想の寄せ集めでしかありません
ありません...が、そんな推測をしたタイミングは私達にとっては本来もう少し未来の話です
それをこの段階で先に知れたという事実は今後役に立つでしょう...きっと、多分、メイビー

翠「それはそれとして...」

『翠』「エルフナインちゃん達、いつ頃帰ってくるんだろうね~」

糞Pの話も終わった為、私達は部屋を後にし廊下をぶらついていました



コンマ下
奇数 園子ちゃん達から招集
偶数 特になし(エルフナインちゃん達帰還まで飛びます)
ゾロ目 ???

園子《2人とも集合ーっ!》

翠「ひぅっ!?」

『翠』「なになに!?」

突然の大声(と言っても念話ですが)に思わず怯んでしまいます
急な念話はよくありましたが、初手で園子ちゃんが大声、それもお巫山戯要素が全然ないものは珍しいですね

若葉《驚かせて済まない、だが出来れば急いでほしい》

千景《手が足りないのよ》

若葉ちゃんに千景ちゃんまで真剣な様子
しかし要領を得ません

翠《何が起きてるんです?》

若葉《詳しい事は後だ、簡潔に言うと》

園子《神樹様が私達を...というよりりんりん達を消そうとこっちの世界に敵を送り込んできてるんよ》

『翠』《いや本当何が起きてるの!?》

・・・

急いで樹海風深層世界に向かうと、空を埋め尽くすほどの星屑バーテックス達の姿が
園子ちゃん達の話から恐らくあの星屑も天の神の遣いではなくゆゆゆい時空のように神樹様が適当に作った星屑そっくりのアバター的なものなのでしょうが

翠「...打ち切り決まった漫画並の急展開ですね」

『翠』「言ってる場合じゃないよ!」



翠ちゃん達コンマ下1
星屑コンマ下2
(数値が大きい方が勝ち、ゾロ目の場合は数値が小さくても勝ちです)
(※打ち切りではありません)

***

84>20
翠ちゃん達の勝利!

***

『翠』「あ゛ー...死ぬかと思った...」

勇者ギアの私と『翠』、勇者服の園子ちゃんと若葉ちゃんと千景ちゃん
5人がかりで精神世界故の連続満開、連続切り札の無茶戦法でどうにか切り抜けました
おかげでヘトヘトも良いところです

翠「進化体が出てこなかっただけまだマシ...なんて生温いこと言えたようなものではありませんでしたが...」

『翠』「いやあれで進化体まで出されてたら本気で危なかったよ」

翠「それで...これは一体何事なんです?」

私はギアを解除し地面に座り込みながら、そう園子ちゃん達に尋ねました

園子「私達もまだ正確には把握出来てないんだけどね~」

若葉「だがわかることもあるのだろう?園子」

千景「私達もまだ聞けていなかったわね...まぁ、あんなことをするのは造反神か...あるとすれば中立神といったところでしょうけど」

園子「そこは...うん、とりあえずわかる範囲で事情を整理してみるんよ」

・・・

園子「まず神樹様がりんりん達に攻撃を仕掛けてきた...神樹様との繋がりがある2人を消そうとした理由は『自己防衛』」

翠「自己防衛?」

若葉「蒼井達が神樹様に危害を加えたというのか?」

園子「りんりん達が、じゃないはずだけど...りんりん達の世界からの干渉を受けたみたいなんよ」

『翠』「並行世界に存在する神樹様にこっちから誰かがアクセスしたってこと?」

もしそれが確かなら神樹様の存在を知っている人も限られますし、私達に白羽の矢が立つのもわからなくはないですが

翠「いえ、知っているからではなく...単に繋がりを断つ為でしょうか」

園子「うん、りんりん達以外は私達勇者の一部を込めた花を贈った段階で既に繋がりを断ってるからね、りんりん達は神樹様の干渉の影響を残さざるを得ない状態だから別だけど」

今の私の身体は手甲と神樹様の力で出来ていますし、その流れで『翠』は私と別々になっていますからね
それ以前にあの時は元々神樹様の方から私に干渉してゆゆゆ世界に呼んだわけですから、それもあるかもしれませんが

園子「とにかく、その干渉によって現在進行形で神樹様の力がりんりん達の世界へと流れてる...ううん、引き抜かれてる、かな?」

翠「神樹様の力が...?」

若葉「どういうことだ?」

千景「なるほど...要はハッキングを受けてエネルギーを盗まれていて、それを止めるために回線切りをしようとした、と」

園子ちゃんが『自己防衛』と表現した理由がわかりました



何か聞く?安価下
1 もう少し考察
2 その他(記述)
3 窮地は脱したのでとりあえず解散

『翠』「何となくは理解出来たけど...正直いい迷惑というか、神樹様身勝手過ぎない?」

翠「いやまぁ相手は神様ですし...」

むしろ対等に話そうとするなんて正式な巫女ですら~というような存在で、それこそ園子ちゃんくらい色々な意味で神樹様に近い人くらいしか、意見は言えないでしょう
それはそれとして『翠』の言い分も大いにわかりますが

『翠』「いやいやだって今回モロとばっちりじゃん...何処の誰とも知らない輩のせいで神様に消されかけるとかさ」

千景「そんなことより、どうして力の流出だかが起きたのか、よ」

若葉「仮に記憶を保持している翠さん達以外の誰かが神樹様や勇者のことを思い出したとしても私達の加護が解禁されるだけ、この世界と神樹様との繋がりが神樹様の意図しない形で再び結ばれることもないのだろう?」

園子「何事もなければ、ね...」

園子ちゃんの歯切れが明らかに悪くなります
もうその『何事』が起きたこと確定じゃないですか

園子「神樹様は神様だけど他の世界にまで万能なわけじゃないんよ、それは他の世界にも神樹様と同じように神様がいるから」

千景「管轄のような解釈でいいのかしら」

園子「うん、だから繋がりを作るには一度繋げる先の世界に寄せる必要があるの、ルールとか法則とか...勿論そうしないで無理矢理繋げることも出来るけど、その場合は繋がりはとても不安定になる」

若葉「それはつまり、以前神樹様は何かしら翠さん達の世界のルールなり法則なりに寄せたってことだよな?だが今回は逆にこちらの世界から何かをされているのだからそれは関係ないんじゃないか?」

園子「ううん、一度繋がりが生まれれば逆は容易なんだよ、『寄せたルールなり法則なり』は謂わば世界同士を繋げる為の鍵になる、2回目以降も利用出来るし、寄せられた側の世界からすればハードルは低いからね...と言っても、当然繋がりを作った存在に匹敵する存在が繋がりを復活させようとした場合に限って、だけど」

『翠』「えっと...?」

園子「寄せるっていうより、互いに譲歩するって言った方がいいかな?うーん...例えば『うどんが好きな人と話したい時、例え自分は蕎麦の方が好きだしそもそもお腹が空いてない状態でもうどんを奢る』みたいな」

翠「わかりそうだったのに一気にわからなくなりました」

わからなくなりましたが歌野ちゃんは難しそうってことだけはわかります

千景「逆は...『お腹が空いてない状態でも蕎麦を奢る』かしら」

園子「そうだね~、でもむしろ今回起きたことは『相手がお腹が空いてない状態でも蕎麦を食べさせる』かな」

翠『翠』「「えぇ...?」」



安価下
1 もう少し聞く
2 話題を変える(記述)
3 イベント判定
4 解散

実際はもっと複雑...というか、人類の現代の認識では把握しきれないような法則があるのであって、それを園子ちゃんがなるべく分かりやすいように噛み砕いて説明してくれているだけとのことですが
とはいえ今は全て理解する必要はありません

千景「結局どうして今回こうなったのかがまだ説明されてないわ、その『寄せたルールなり法則なり』とやらは何だったのか、それが聞きたいのよ」

千景ちゃんの言う通り、今知りたいのは以前私達の世界と勇者の世界とが繋がった時の『寄せたルールなり法則なり』とは何なのか
もっと言えば今回それはどのように再現され、再び世界同士が(神樹様越しに)繋がることになってしまったのか、です


園子「それはね...『7』だよ」



コンマ下
奇数 特になし(もう少し続く)
偶数 ???

翠「...セブン?」

若葉「セブン...?」

千景「セブン...?」

『翠』「セブン...?」

翠『翠』「「セブン!セブン!セブン!」」

園子「違うよ~」

茶番は置いておくとして

翠「『7』ってどういうことですか?」

もう少し具体的なことを言われると思っていたので、あまりに抽象的でよくわかりません...

園子「この世界...りんりん達の、シンフォギア装者がいる世界ね?それにあとは近しい世界もだけど...今はいいかな、とにかくこの世界において『7』という数はとても大きな意味を持つらしいんよ」

『翠』「オカルトっぽい...って、幽霊も聖遺物も錬金術も身近にあるとそうでもないかも?」

しかし確かに、字面だけでは宗教の演説のように聞こえてしまいます

園子「人類と神様...この世界だとルル・アメルとカストディアンかな...それぞれが対等になれる数少ないルール、法則が『7』という数...それに目を付けた神樹様が元々時空の歪みで勇者が装者に置き換わっていたのを利用して用意したのが『7人の装者』」

『翠』「7人?...友奈ちゃん、東郷さん、風ちゃん、樹ちゃん、夏凜ちゃん、園子ちゃん...足りなくない?西暦組の方?」

翠「いえ、あの時の勇者の世界は神世紀の方でした」

銀ちゃん...は流石に難しいですよね、青い鳥とか牛鬼というのも...

千景「だから、無理矢理に蒼井さんを呼び寄せた...正規の方法じゃないせいで多少のバグは生じたようだけど、結果として記憶を取り戻した蒼井さんはあの世界であの時7人目の装者だった、と」

翠「...私ですか!!!」

そうでしたそうでした、そういえば私自身をカウントするの忘れてました
もしかしたら本来はゆゆゆ世界に呼んですぐ装者として動いてほしかったのかもしれません
しかし記憶は改変の影響受けるわ、正規の勇者としての資格はない(あの時ゆゆゆ世界では勇者が装者に置き換わっているので私は神樹様の装者にはなれない)わで、期待外れもいいところだったのでは?
巫女としての役割を持たされていたのは苦肉の策だったのでしょうか

園子「まぁその辺は結果オーライ!りんりんはシンフォギアの世界の装者として復活!『装者7人』が揃うことで世界は繋がり、シンフォギアの世界の他の装者も呼べて無事カルマノイズを倒せた!」

なんとまぁ、地味に面倒な手順を踏んだものです
もっとも、その件のおかげで今は私と『翠』がそれぞれ別々の身体になりお互い好きに行動出来ているのですが

若葉「ふむ...以前の場合の話はわかった、それで、今回も原因は『7人の装者』なのか?」

千景「それはないでしょう、7人どころかもっと大勢なのだし...刀使は6人という前に無関係でしょうし」

園子「そうだね、今回適用されたのは『7人の装者』ではないだろうし、刀使も無関係と考えていいと思う...でも『7』という数は関係している筈だし、『7人の装者』というルール、法則に近しいものだと思う...そこまではまだ把握出来てないんよ...りんりん達は心当たり、ない?」


安価下
1 ある
2 ない

翠「...あります」

園子ちゃんは『7』という数に関係した何かであり、『7人の装者』ではないにしろそれに近しいものであると言いました
仮に『7の○○』としますが、それが完成したが故にゆゆゆ世界...神樹様との繋がりが復活し、とばっちりで私達が攻撃を受けたということです
逆に言えば、攻撃を受けたつい先程にその『7の○○』が完成したのであり、その前までは完成していなかったということではないでしょうか

神樹様からの攻撃を受ける少し前に何かの数が『7』になった

その何かとは



○○に入るワード安価下
1 装者
2 勇者
3 刀使
4 その他(記述)
(不正解が選択された場合でも『7の○○』についての考察はこの場では確定され、そのまま進行します(あくまで不正解のため後に苦戦の可能性あり))

『翠』「装者?」

翠「えぇ、つまり『7の装者』...まぁ『7人の装者』ですね」

私がそう言うと、若葉ちゃんと千景ちゃんは顔を見合わせ『翠』は呆れ顔になりました

『翠』「いやいや...今まさにソレだけは無いって話してたじゃん...数ある選択肢でソレだけは無いって」

若葉「そうだぞ翠さん、今回は『装者』ではない何かだろう、では何か、という話だ」

千景「さっきも言ったけれど、貴女達装者の総数は7を越えているのよ」

翠「えぇ、ですが考え方を変えてみるというのはどうでしょう」

私とて話を聞いていなかったわけではありません
当然考えあってのことです

園子「考え方...つまり、数え方...ううん、どれをカウントするか...ってことかな?」

他の3人と違い、私の出した答えを聞いてから顎に手を当て考え込んでいた園子ちゃんが、そう尋ねてきます

翠「そういうことです、そのまま数えれば...擬似装者である夏菜さんを除いても7人は越えてしまいます、なのでここで言う7人とは」



『7人の装者』の内訳安価下
1 翠ちゃん、『翠』ちゃん、翠ちゃん、『翠』ちゃん、翠ちゃん、『翠』ちゃん、翠ちゃん
2 『翠』ちゃん、『翠』ちゃん、『翠』ちゃん、『翠』ちゃん、『翠』ちゃん、『翠』ちゃん、『翠』ちゃん
3 翠ちゃん、未来さん、翼さん、クリスさん、マリアさん、切歌さん、調さん
4 『翠』ちゃん、未来さん、翼さん、クリスさん、マリアさん、切歌さん、調さん
5 響さん、未来さん、翼さん、クリスさん、マリアさん、切歌さん、調さん

翠「響さん、未来さん、翼さん、クリスさん、マリアさん、切歌さん、調さんです」

私は指を立てながら数えながら名前を言っていき、合計7人であることを強調します

『翠』「その7人って...えっ、原作メンバーそのままじゃん」

翠「えぇ、まぁフィーネさんが作ったギアを纏った7人という考え方もありますが」

ここだけの話、女神様が用意してくれたギアや私が作ったギア等の出自についてはS.O.N.G.内でもそれなりに重要な機密となっています
ただでさえ装者が貴重で、公にされてる装者全員が日本の組織に集められているというのは他国にとってはいつになっても面白くない事実
しかしシンフォギアが増やせれば数打ちゃ当たる戦法で他国でも適合者を探せるかもしれない...というか探せるでしょうしなんなら倫理に反した方法で増やされてしまうかも
と、いうわけで機密にもなりますし何ならフィーネさん...もとい了子さんが新しく製作していたと情報を偽装していたりもするらしいです

閑話休題

つまり、私と『翠』のギアがフィーネさんが作ったものではないということを知っているのはごく一部...ししょー達S.O.N.G.関係者や装者メンバー、それに民間人の協力者ということになっている夢姫ちゃん『凜音』ちゃんに板場さん達、あとはばっちり情報パヴァリア光明結社に流れてた関係でサンジェルマンさん達やヴァネッサさん達...こうして数えると意外と多いですね

千景「わざわざ製作者縛りをする理由は?」

翠「先史文明期の巫女のセレクトに何らかの秘密がある可能性を考慮して...なんて」

なくはないでしょう、事実私もさっき原作メンバーが7人(というかシンフォギアが7種類)ということに気付いた時に単なる偶然というには出来すぎでは?と思いましたし
ただ同時にフィーネさんがシンフォギアのことを「そのような玩具、為政者からコストを捻出するための福寿品にすぎぬ」と言っていたことも思い出し、やはり偶然かお遊び程度に仕込んだだけのことかもしれないと思い直しましたが

若葉「仮にそうだったとしたら今回の事は明らかに誰かの意思によるもの、それも候補はかなり絞れるということにならないか?」

千景「決めてしまうのは早計よ、そもそもその7人であるということも確定ではない...第一その7人というのは、元の時間の7人というなら立花さんが足りていないし、この時間の7人であればさっきと言わず最初から揃っていたはずよ」

翠「それは...」



コンマ下
奇数 特になし(もう少し話す)
偶数 強制終了

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園子「まぁまぁ、ここで話してもどこまで行っても推測にしかならないし、何より情報が少なすぎるんよ」

『翠』「結局そこだよね」

私が言い淀んでいると、園子ちゃんがフォローを入れてくれました
『翠』や千景ちゃんと違い園子ちゃんと若葉ちゃんは常に私の深層世界にいるのでここから離れても私が考えていることは大体聞かれてしまうのでしょうが...
私が原作メンバー7人を条件に当て嵌めた理由の大半が、客観的に見てあまりにも推測に推測を重ねたような、妄想に妄想を重ねたような、『例えば』が何度も何度も出てくるようなものであるということは
この場で話すには、ダメということはありませんがやや憚られてしまいます

千景「...はぁ...まぁ聞いたところで私は何も手を出せないし、良いのだけれど...それはそれとして、そういう意味合いじゃなく貴女もどうせ一人では限界があると知っているんだから、困る前に張っている意地を緩めなさいよ」

千景ちゃんは大きな溜め息と共に、それ以上の言及は避けてくれました

若葉「実体験か?」

千景「ハッ倒すわよ乃木さん」

園子「押し倒す!?ビュォ」

千景「その風はキャンセルさせてもらうわ」

メモ帳を取り上げられ見るからにショックを受ける園子ちゃん
あそこにメモされた内容はこの深層世界から外に出ることもないのでしょうが、それはそれとして趣味ということなんでしょうかね...もしや私が代わりに内容を外に発信させられる日が...それもやんわりキャンセルしましょう、その時が来たら

『翠』「とりあえず今回は一件落着?」

園子「それでもメモ帳の予備はまだまだ...え、あぁ、そうだね~...でも神樹様は今回は私達の訴えを聞き入れて攻撃を止めてくれたけど、それは一時しのぎに過ぎない、現に神樹様に対するハッキングは続いてるようだし...りんりん達のことを顧みずまた攻撃してこないとも限らないんよ」

翠「やはりそうですか...」

若葉「ならばどうする、我々がそのハッキングに関与していないのは我々が一番よく知っている、事態の収拾を待つか?」

千景「それとも、根本的な解決の為に積極的に動くか...」



安価下
1 仕事優先(今まで通り)
2 今回の事件の解決を目指す(解決する前に元の時間に戻れる場合はそこで中断か否かを決める可能性有り)
3 こんな危ない時代にいられるか!(元の時間に戻る方法をより本格的に探る)
4 他にやりたいことがある(記述)

翠「...いつ何が起こるかわからない、という不確定要素はなるべく減らしておきたいですし」

それにこの件に関して私達は何もしていませんが、どうも無関係というわけではないように思えますし

翠「私達も動きましょう、この件の解決のために」

達と勝手に言ってしまいましたが、園子ちゃん達も『翠』も気にした様子もなく頷いてくれました

園子「解決っていうと、具体的には犯人を突き止めて神樹様へのハッキングをやめさせるってことかな?」

翠「えぇ、それに目的も...また手を変え品を変え何かやらかして巻き込まれたくはないですから」

阻止するだけではアプローチを変えて来られてのいたちごっこにしかなりません
とはいえ、解決する前に元の時間に帰れるようであればそちらを優先するかもしれませんが

園子「今はどのくらい予想出来てるの?」

翠「わかる範囲の材料でならまぁやり方の方向性くらいまででしょうか...と言っても物的証拠も言質もほぼほぼ無い上、あくまで私の場合そうするだろうな、というだけのことなので推測と妄想が9割越えてますよ」

園子「思い込み過ぎは良くないけど、切り捨て過ぎも良くないんよ...大事なのはそのバランス、そして常に予想外なことまで予想しておくこと」

園子「思い込み過ぎは良くないけど、切り捨て過ぎも良くないんよ...大事なのはそのバランス、そして常に予想外なことまで予想しておくこと」

無茶を言いますねまったく...

『翠』「ところで話は変わるんだけどさ、シェム・ハのことも忘れないようにしないとだよね?」

翠園子「「それ話変わってない(です)ね」」

『翠』「おぉう!?」

翠「あぁいえ、何でも」

園子「そ、そうだね、そっちもまぁ倒し方の方針は決めてはいるとはいえ、そこで躓いたら終わりだもんね」



安価下
1 犯人候補を絞る
2 翠ちゃん達以外にも被害又は何らかの影響はなかったか調査
3 その他(記述)

・・・

深層世界から戻った私達が向かったのは指令室...ではなく、エルフナインちゃんの研究室
といっても用があるのはこの時間のエルフナインちゃんではなく、部屋にある固定のPCです

翠「聞けばこのS.O.N.G.で私達が元いた時間との連絡を取れる機器は3つ、指令室から操作するメインコンピュータとエルフナインちゃんのタブレット端末、そしてこの時代錯誤にドでかいPC一式」

『翠』「ドでかいって言っても画面が分厚いってだけでノーパソの1個前とかこういうのだったんじゃない?てかこんなの元の時間のエルフナインちゃん持ってたっけ」

翠「持ってなかった気がするのでこの8年で増えたんじゃないですかね」

まぁこの時間のエルフナインちゃんにはガワを古っぽくしただけで中身は最新技術と錬金術が融合した超ハイスペックPCであると少し前に自慢されましたが

『翠』「なんだろうね、どこぞのスーパーハカーとかにハマって真似しちゃったとかなのかな」

『翠』「そのうち電子レンジと電話でも合体しだしそうですね...っと、コレですかね」

これからしようとしているのは、元の時間のS.O.N.G.との通信です
指令室で、という手を取らなかったのは、別段こちらからは新たな解決策を用意出来たわけでもなんでもなく、それこそ現状維持にしかならないかもしれないから
普通にこうしてこの時間のS.O.N.G.に内緒で通信しようとしたことがバレたら多少は起こられるかもしれませんが、それでも神樹様やら勇者やらのことをふわっとさせて事情を説明するのは骨が折れるのです

翠「もしもし、翠...そっちの時間の方の翠です、聞こえますか?」



コンマ下1
奇数 通じる
偶数 通じない

元の時間で何か影響らしきものは出た?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

翠「...」

『翠』「...ねぇこれ繋がってる?」

翠「...繋がる...はずなんですけどね」

手順は合ってるはずです
私が元の世界との通信を試みるのは初めてなので、このやり方が絶対合ってる、とは言えませんが
そもそもこの時間のエルフナインちゃんはこの時間と私達にとっての元の時間との繋がりを確かなものとするため頻繁に通信でやり取りしていました
なのでタブレット端末では比較的少ない手順ですぐに繋げられるようになっています
このPCでのやり取りが特別少ない、ということもないでしょうから、そこは変わらないでしょうし...

『翠』「でも一向に繋がる気配ないけど」

翠「相手側が忙しいか、もしくは電波障害か...」

『翠』「じゃあ後で再トライする?」

翠「う~ん...通信制限ですかね」

なんて冗談交じりに話していますが、内心結構焦っています
普通の通信とは違うこの時間空間を越えた世界間通信がどの程度の安定性を持っているのかは知りませんけど、こういうものなんでしょうか...やはりエルフナインちゃんがいるときにやれば良かったでしょうか

『翠』「叩けば繋がったりするかな」

翠「壊れてませんし、後そういうのはマリアさんだけで十分です」

『翠』「あー叩きそう、でそのまま壊れたらキレて容赦なく捨てそう」

翠「オツムのプロセッサが何世代も前ですからね」



安価下
1 エルフナインちゃんの研究室でもう少し何かする(記述)
2 誰かのところを訪ねる(誰のところか記述)
3 移動する(何処に行くか記述)

繋がる様子のない通信を前にし、私は繋がらない原因があったりはしないかとヒントを求め他のファイルを覗いたりと試行錯誤していました
ちょっと本格的にバレたら不味そうなことになってきましたね...い、いえ、趣味趣向的な意味で触っちゃダメそうなものがあれば避けるつもりですし...どちらにしてもエルフナインちゃんには謝るつもりですが

『翠』「やり方ちゃんと聞いておけば良かったね」

元々部屋に置かれていた来客用の椅子に腰掛け、邪魔にならぬよう私の作業を後ろから眺めている『翠』

翠「こっちは任せっきりにしてましたからね...そもそも私は専門でも何でもない一装者ですし」

『翠』「ギアとかLiNKERとか作ったりした挙げ句錬金術師に片足突っ込んだ本体手甲系アイドル転生者が何か言ってる」

翠「そう聞くと属性盛り盛りですね」

特に後半わけわかんないですね
おかしいです...私は元々ただの転生者だったはず...

『翠』「ところで話は変わる?いや戻る?んだけどさぁ」

翠「何です~?」

そう聞き返しながらも手元と視線は止めません


『翠』「...シェム・ハが神樹様に影響を与えたって事はない?」


...前言撤回
私は『翠』の言葉に手元をピタリと止めてしまいました

翠「...そう思った根拠は?」

『翠』「否定はしないんだね」

翠「私は否定は出来ませんよ、そして肯定も、それが出来るのは真実を知る犯人だけです」

『翠』「まぁそれでいいよ、翠もこの可能性を考えてたってことは確認出来たし」

私はキーボードから手を離し、本格的に『翠』と話す姿勢を正します

翠「もう一度聞きましょう、『貴女』がそう思った根拠を」



安価下
(特になければ理由は何となく、からの擦り合わせが行われます)

『翠』「根拠なんて程のものじゃないよ、文字通りの額面通り、シェム・ハの影響が神世紀にも届いたと見たんだ」

目をじっと見詰めて聞いている私に負けじと『翠』もまた見詰め返してきました
私の反応を見ているようです

『翠』「細かい流れや原因なんかは同じかどうか知らない、でも翠も...多分園子ちゃんも、そう思ってるんじゃないの?」

翠「...そうですね、あくまでも」

『翠』「推測、予想、妄想だとか言うんでしょ?それでもいいから聞かせてって言ってるの」

翠「うっ...わかりましたよ」

ここぞとばかりにぐいぐい来ますね...

翠「私は今回の件、シェム・ハさんは無関係ではないと考えています...」

・・・

翠「そもそも、神樹様に干渉することだけなら神樹様に選ばれた勇者や巫女にも出来るでしょう、しかし強制的にハックし力を奪うことなんて並みの存在では不可能に近い、出来るとしたら神樹様と同じ土俵に立てる存在くらいだと思います」

『翠』「しかも、あくまでこの世界...シンフォギアの世界での誰かってことになるんだよね?」

翠「私達が巻き込まれている以上、そうでしょうね」

例えばゆゆゆ世界の誰かや他の世界の誰かがこのシンフォギアの世界にやってきてそこから神樹様にハッキングをした...とかなのならその限りではないでしょう
ですが、その可能性は今は頭の片隅に留めるのみにしておきます

翠「『翠』はそのシェム・ハさんはこの時間、つまり8年後の時間と元の時間、どちらだと思っていますか?」

『翠』「どちらって...そりゃ元の時間だよ、シェム・ハが依り代にしてる響さんの中に友奈ちゃんがいるからそこから辿って神樹様に行き着けるだろうし、つまりそういうことじゃないの?」

翠「えぇ、元の時間のシェム・ハさんは元タギツヒメの荒魂の消化不良で弱体化しています、もし手の届く所に『神の力』と言って差し支えのないエネルギーがあれば迷わず手を伸ばすでしょう」

実際そういったことの確認も含めて元の時間との通信をしたかったのですが


安価下
1 ならやはり元の時間に帰らないことには解決しないのでは?
2 8年後の時間のシェム・ハも、という可能性はあるの?
3 通信したいしエルフナインちゃん探しに行く?
4 その他(記述)

『翠』「逆にさ」

翠「はい?」

『翠』「どちらって聞くってことは、翠はこの時間の...つまり8年後のシェム・ハの可能性を考えてるってこと?そんなの有り得るのかな」

まぁ、当然聞かれますよね
しかしそれこそ、物証も無ければ状況証拠と呼ぶのも飛躍が過ぎるトンデモ推理になるわけですが

翠「私はどちらも、という可能性も無くは無いかもしれない、とは」

私がそう言うと、『翠』は聞いておきながら驚愕の表情を浮かべました

『翠』「いやいや...確かにね?確かにこの時間のシェム・ハの状況は知らないよ?知らないけど...そもそも、この時間だとまさに今、神様の存在自体が無くなってるんでしょ!?」

正確には不安定になっている、ですけどね
しかし本来シンフォギア世界とは別の世界の存在であるはずの女神様ですら影響を受けているのなら、もしもシェム・ハさんが同じ状況になったならそれ以上の影響を受けるだろう事は想像に難くありません

『翠』「だったら無理だよ、だから『私』は元の時間のシェム・ハだと思ったんだもん...」

翠「...なら、第3者なら?それこそ私達が巡り巡って封印を解いてしまった時のように」

『翠』「それって...この時間の誰かがわざわざシェム・ハに神樹様の力が流れるように誘導してるって言いたいの?」

翠「そうだとしたら、説明が付くとは思いません?」

もっともこれはこの時間のシェム・ハさんが犯人の1人(1柱?)だとしたら、という前提ありきですが


どうする?安価下
(特になければ夜に飛びます)

『翠』「わからないけどわかった、というかそっちの解釈はもう必要になったらまた聞くよ」

翠「えぇ...」

『翠』「いやだって、確かに神樹様からのとばっちりは嫌だけど、元の時間のシェム・ハならともかくこの時間のシェム・ハのは知らないし...そんなの頼まれでもしない限りは関わらない方が良さそうだし...」

考えるのやーめた、と言わんばかりの態度
どうやらこういう根も葉もない考察合戦はお気に召さなかったようです

『翠』「元の時間のシェム・ハが関係してるんじゃないかってのはさ、元の時間に戻ってシェム・ハを倒せば同時に今回の件も片付くんじゃないかってことだったの、でもそうじゃないならそこまでやる気出せないよ...」

翠「とんでもない本音を言いましたね」

『翠』「皆と違って無償の正義の味方じゃないもん、別の時間軸のことまで考えてられない」

翠「さいですか」

結局私達の意見としては、今回の件は完全スルーとまでは行かずとも後回し
やはり最優先は元の時間に戻ること、となりました
もっとも今の元の時間との通信が繋がらない状況が私の設定ミスではなく、何らかの要因で引き起こされたものだとしたら

翠「元の時間のS.O.N.G.からのアプローチは期待出来なくなってるかもしれない...振り出し、でしょうか」

『翠』「えっそれは困るんだけど!?」

翠「まぁそうじゃないことを祈りましょう、ちなみに私はお手上げです」


何かする?安価下
(特になければイベント判定)

・・・


翠「エクスドライブモードチャレンジをしたいと思います、参加したい方は挙手してください」



クリス「...少しは順を追う努力してくれねえか?」

相変わらず繋がる気配のない通信を諦めエルフナインちゃんの部屋を後にした私と『翠』でしたが、今いるのはこの時間のししょーに許可をもらって使わせてもらっている会議室
集まってもらったのは翼さんとマリアさん以外の元の時間の装者の皆さんです
外出中の翼さんとマリアさんは端末から電話を掛けましたが出てもらえなかったのでとりあえずメッセージを入れてあります

切歌「エクスドライブって、あのエクスドライブデスか?」

未来「羽が生える形態だよね?」

調「シンフォギアの決戦機能」

経験者ばかりですから当然認識の齟齬は生まれません

翠「つまりどういうことかと言うと」

『翠』「奇跡扱いされてるが故に作戦に組み込めないエクスドライブモードを確実に運用出来るようにして」

翠「奇跡以下の現状最強戦力にしてしまおう、ということです」

会議室の所謂司会が座る席
そこに並んで座る私と『翠』がそうわかりやすく簡潔に説明しますが、皆さんの反応はあまり芳しくありません

クリス「そりゃ名前聞いた時から察してたけどよ、アタシが聞きたいのは急にどうしたっつぅ話だ」

翠「急ではありません、元々いつかやらなければと思っていたことです」

嘘です思いっきり急です
私と『翠』は樹海風深層世界で何度かやっていましたが、その頃は少なくとも私達はエクスドライブモードを無理矢理発動させられた実績があったからという身も蓋もない理由でやってました
他の皆さんが同じ要領で出来るかどうかわからない上、条件探しをするのにも時間がかかるという理由で中々切り出せずにいました
ですが、今は状況が違っています

『翠』《もし『私』達の予想通り、元の時間のシェム・ハに神樹様の力が流れていたら》

翠《エクスドライブモードの装者が何人いても安心出来ません》

つまり、この時間のシェム・ハが関係してるかどうかとか以前に、元の時間のシェム・ハさんの強化次第によっては勝てるかどころか生き残れるかどうかという話になるわけです

切歌「せんせー質問いいデスかっ!」

翠「どうぞ」

切歌「この時代のアタシ達はそれ出来るようになってるんデスか?なってないならいらなくないデス?」

『翠』「どうしよう翠、切歌さんが珍しく良いところを突いてきてる」

切歌「珍しくないデスっ!」

その質問は予想してました
まさか切歌さんが聞いてくるとは予想していませんでしたが

翠「この時間のS.O.N.G.の皆さんは何故かシェム・ハさんとの決戦の記憶も記録も曖昧なのだそうです、その理由はわかりませんが、もしその曖昧になっている部分で『エクスドライブモードは運用出来るようになっていたが出来なくなった』という事実が紛れていないとも限らないかもしれない可能性を考慮した結果の結論です」

クリス「眠てえ言い方だな!?」

『翠』「まぁ神様相手なんだから舐めプはダメってことだよ」

仕方がないんです
「この時間から見て過去にあたるシェム・ハより私達の元の時間のシェム・ハの方が強化されるような分岐が生まれているかもしれない」というのは神樹様云々を話せない為言えないんです

調「私も質問」

翠「どうぞ」

調「エクスドライブをいつでも使えるようにするのには賛成、でもこの場にマリアも響さんもいないけどどうするの?」

クリス「マリア出かけてんのか、バカは...この時代のバカに手伝わせても本番手伝わせられないなら意味ないよな」

未来「翠ちゃん達がガングニールとアガートラームをやるの?」



安価下
1 翠ちゃんと『翠』ちゃんでガングニール、アガートラームをやる
2 理想としては単身でエクスドライブモードをやれてほしい!という無茶振り
3 その他(記述)

翠「はい、私がイミテーターでガングニールを」

『翠』「そして『私』がイミテーターでアガートラームをやるよ」

私達の返答に調さんはわかったと一言返し、挙げていた手を下げました
本来であれば私と『翠』のように単身でも...というのが理想ですが、私達以外でそれが可能かどうかはわかりません
というか、多分難しいというか可能でもかなり条件が難しくなると思います
それに皆さんとエクスドライブモードチャレンジするとなると場所は樹海風深層世界ではなく現実世界です
色々試していたら身体が保ちませんし、確実性の高いやり方で攻めていくべきでしょう

翠「ただ、このやり方だと本番はなるべく私達2人か...少なくともどちらか1人とマリアさんの参加が必須になるでしょう、私と『翠』とマリアさんの3人だけはなるべく離されないよう皆さんにフォローをお願いすることになるかもしれません」

切歌「わかったデスよ!」

未来「うんうん、予め頼ってくれて嬉しいよ」

千景ちゃんにも釘を刺されたばかりですしね

『翠』「まるで予め頼るのが珍しいかのような言い方されてて笑う」

クリス「その通りだからなお前らは」

・・・

では早速、エクスドライブモードチャレンジを...

夏菜「あの~」

翠「夏菜さん?」

夏菜「擬似装者の私って何してたらいい?見学?」



安価下
1 擬似だろうとエクスドライブするんだよ!
2 見学
3 おつかい
4 その他(記述)

翠「ふっふっふ...いいえ参加です」

『翠』「お前もやるんだよ!ってやつだね」

夏菜「マジですか...」

夏菜さんが不安になるのもわかります
私達装者もエクスドライブモードチャレンジの失敗は絶唱後のようなダメージを受ける危険性がありますが、夏菜さんの場合は単なる怪我ではなくボディの機械部分の故障に繋がる可能性がありますから
ですが

翠「その辺の強度も含めて様子見です、無理をさせるつもりはありませんよ」

『翠』「それに『私』は知ってるよ?こっちの時間に来てからちょくちょくこっそり強化改造してるでしょ、この時間の夏菜に手伝ってもらって未来の技術で」

翠「えっそうなんですか!?」

確かに8年もあれば強化案も浮かぶでしょうが...未来に生きる自分に施された改造を今の自分(この時間の夏菜さんにとっては過去の自分)に施すのはズル...もとい、反則では?タイムパラドックス云々はまぁ経験則から大丈夫だと思いますが

夏菜「バレてましたか...でも翠さん達も過去の自分に色々教えたりしてますよね?なら同じですよ同じ」

翠「まぁ...それでいいならいいですけども」

言われてみれば、過去の私に色々言ってますね...この時間の私から私に対してはほとんど秘密にされてしまっていますが

切歌「とにかくやってみるデス!」

・・・

ところ変わってシミュレーションルーム
今回のチャレンジについて、この時間のししょーに許可は貰っています
あまりにあっさり許可が降りたので驚きましたが、返ってきたのは「ダメだと言って隠れてやられるのはもう勘弁だからな、ただし危険だと判断したら止めさせてもらう」とのお言葉
どうやらこの時間の私もかつて似たような感じのチャレンジをやったみたいですね...
私の扱いに関してはもう何も言いません

翠「さて...始めましょう!」

私達は各々構え、聖詠を唱えました


「「Healing almighty Asclepius tron」」

「kitter ichaival tron」

「Rei shen shou jing rei zizzl」

「Zeios igalima raizen tron」

「Various shul shagana tron」

「ミョルニル・セットアップ!」

「コピー・ガングニール!」

「コピー・アガートラーム!」


並び立つ7人
まずはエクスドライブモードに必要な量のフォニックゲイン...俗にいう『70億の絶唱』をこの人数のフォニックゲインだけで再現するところからです

『翠』「ふっ...!」

『翠』は短剣3本を線で結んだ正三角形のバリアを生成し、それを遠隔操作で私達全員の周りを縦横無尽に走らせました
走った跡にそれは正三角形の本体と同様のバリアを残していき、最終的に完成したのは私達を囲むドーム状のバリア
樹海風深層世界でのチャレンジの際にアメノムラクモの羽衣で作ったドームの代わりです

翠「次は絶唱です...準備は良いですか?」

『翠』「出来てるよ!」

『夏菜』「えぇ」

未来「うん!」

調「いつでも」

切歌「ばっちこい!」

クリス「やるぞ!」


成功か否かコンマ下1
奇数 成功
偶然 失敗

エクスドライブモード成功率コンマ下2
(00は100%扱い)
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

・・・

最初こそ順調でした
ガングニールを模倣した私が一度フォニックゲインを全て受け止める必要がありましたが、深層世界での特訓で多少慣らしていたので束ねきることが出来ましたし
周りを囲う壁代わりのバリアもアガートラームを模倣した『翠』が作った為かアガートラームのギアの特性であるエネルギーベクトル制御が作用し、バリア内に充満するフォニックゲインは大きな反発やおかしな挙動をすることもなく性質が最適化されていきました
しかし

『翠』「っ...コピー・アスクレピオスッ!皆しっかりして!翠っ!」

結果は失敗
フォニックゲインの再配置まできちんと進められたのに私達はギアをエクスドライブモードにさせることが出来ず、次々と膝をついてしまいます
絶唱レベルではないにしろ少量のバックファイアが身体を襲い、7人の中で真っ先に事態を把握した『翠』の迅速な対応でどうにかその場は収まりました
イミテーターの模倣をアスクレピオスに変えたことでバリアは消え、私達のギアが受け止めきれず放出され行き場を失ったフォニックゲインが勢いよく散らばっていきます

『翠』「せいぜい鼻血が出る程度、ならすぐ治るはず...『夏菜』は!?」

『夏菜』「大丈夫、です...不具合も熱暴走もしてません、から」

クリス「S2CA失敗した時ぐらいなもんだ、このくらいの気だるさは」

深層世界とは違いここは現実、失敗によるダメージは存在します
だからこそ失敗した場合の対応も決めていました

翠「最初から成功するとは思ってませんでしたが...」


安価下
1 原因を探ろう
2 成功するまでやろう
3 焦りは禁物、今日はここまで

翠「反省会をしたいと思います、意見がある方は挙手してください」



クリス「...デジャヴを感じてるのはアタシだけか?」

全員が後遺症なく無事であることを確認した後、私達は会議室に戻ってきました
先程失敗した際にギアも次々と解除されていってしまいましたし、すぐに2度目のチャレンジを開始するのは体力的に難しいと判断したからです
それに、深層世界でなら成功するまでゴリ押しというのも有効ですがここは現実
失敗した原因を探るのが先でしょう

『翠』「失敗した原因って言ってもね...そもそも成功する基準もよくわかってない最強フォーム、もとい奇跡の究極フォームみたいなものだし」

翠「なら『ここをこうしてみたら何か別の結果が得られるかも』という意見でも構いません」

未来「その場合はその意見に基づいたチャレンジも実験的に行うの?」

翠「安全に配慮してですけどね」

調「安全とは...?」



意見安価下

(『翠』「XDは遂に魔法少女の方のイリヤちゃん達とコラボ...時系列はドライより前っぽいね」

翠「ということは、今回のコラボの後また別の並行世界に飛ばされることになるんですね...」)

意見があれば、と言ってはみますが、そうポンポンと出てくるものでもありません
エクスドライブモードの経験が少ない、というのも勿論ありますが
ここにいるメンバーに『練習だから多少手を抜く』なんて人はいませんし、そもそもやることは決して複雑ではないので抜きようもありません
何せ究極的には『絶唱する』『耐える』の2つだけですから
となると

翠「やはり私...でしょうか」

未来「それって?」

翠「正確には、私が模倣する響さんのガングニールの再現度です...形だけ模倣出来ても届かない重要な何かがあるのかも」

響さんのガングニールは特殊も特殊です
『神殺し』自体はガングニールの隠された機能ですが、槍ではなく拳を武器とするのは響さんのオリジナル
そしてそこから派生、あるいはこちらの方が原点となる『繋ぐ手』
複数人をエクスドライブモードに移行させるのに最も重要なのがその響さんオリジナルの特性です
イミテーターで響さんのガングニールを模倣した際も勿論武器として腕のハンマーパーツの装甲が装備されますが、それがあれば誰でも『繋ぐ手』を使いこなせるというわけではないのかもしれません
その仮説を皆さんにも説明してみると、全員がまた考え込んでしまいました

クリス「ギアが元々そういうもんってのもあるが、アタシらはアームドギアが使えるようになれば無意識に武器持つしなぁ」



どうする?安価下
1 立ち回りを変えてみる(具体的な変更箇所を記述)
2 練習はここまで、ガングニールについて相談しに行く
3 その他(記述)

・・・

はい、というわけで戻ってまいりましたシミュレーションルームです

翠「可能性は可能性、今100%でないのならばそれが100%とわかるまでは絶対ではありません」

切歌「解けない問題をすっ飛ばしたデス!?」

翠「違いますよ切歌さん、空欄では絶対に0点、でも何かしら書けば採点までその問題が正解か不正解かはわからない...もしかしたら、部分点がもらえるかもしれません」

切歌「おぉ!それアタシも聞いたことあるデス!わからなくてもとりあえず何か書いておけって!」

翠「えぇ、すなわちシュレディンガーの猫」

『翠』「それそういう時に使うやつだっけ?」

悩んでも答えがでなければとりあえずやってみる、悩みが存在する時、悩みが杞憂である可能性もまた同時に存在するわけですからね

翠「手始めに、そうですね...少し距離を開けてやってみましょう」

私が挙げたものを除けば、結局特にこれといって改善案は出ていません
ならばこそ手当たり次第です
勿論何も変えずにやり直してもあっさり今度は成功する、なんてこともあるかもしれませんが...人間は変化がないとモチベーションが上がらないという難儀な生き物でもあるわけで

夏菜「どれくらい間隔開けます?」

『翠』「前後左右に、両手広げても当たらないくらい?」

未来「なんだか懐かしい...ラジオ体操の時とかこういうのやったよね」

クリス「知らねえ」

調「知らない」

切歌「知らないのデス」

『夏菜』「知らないですね」


成功か否かコンマ下1
奇数 成功
偶然 失敗

エクスドライブモード成功率コンマ下2
(00は100%扱い)
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

・・・

『翠』「うおぉコピー・アスクレピオスぅぅっ!!!」


十分距離を取ってもあまり変化を感じられませんでしたね...
私達は先程と同様『翠』に助けられながら、失敗したという事実に軽く落ち込みました

翠「身体が壊れては治してまた壊れては治して...だんだん癖になってきません?」

調「なりたくない...」

翠「でもやってることは筋トレと変わりませんよね?」

切歌「全国のマッチョに土下座した方が良いと思うのデスよ」

『翠』「その理屈が通るならヘルライジング社長はあんなに怖がられてないから...あと次は翠がアスクレピオスやってよ...」

ガングニールでフォニックゲインを全部引き受けるの体力使うんですよね...



安価下
1 原因を探ろう(変更点記述)
2 成功するまでやろう
3 焦りは禁物、今日はここまで
4 イベント判定

・・・

翠「実際、原因はわかりませんが原因足り得る条件というのは限られると思うわけですよ」

『翠』「というと?」

翠「フォニックゲイン」

『翠』「あー」

絶唱により発生されるフォニックゲイン、それも複数人分
装者が違えば発生されるフォニックゲインの質は当然違いますし、装者の身体に合うフォニックゲインの質というのも違ってきます
その辺については完璧には理解出来ていませんが

夏菜「なら、収束に複合、変質、分配等の工程のいずれかで不備があるかもしれませんね...あるいは拡散時の段階か」

調「そういう話になってくると」

切歌「アタシ達はもうおててを上げるしかないのデス」

フィーネさんか、せめてエルフナインちゃんでもいたら...エルフナインちゃん全然帰ってきませんね...

夏菜「さっきまでの実験の記録はモニタールームに残してありますよね?それと翠さん達のイミテーターの観測データを合わせて...」

翠「なら響さんを中心にしてエクスドライブモードが発現した時のデータを探してきます、とりあえず被っている条件の比較から」



コンマ下
奇数 気になる点があった
偶数 気になる点は特になし
ゾロ目 イベント判定

今まで一緒だったメンバーがそのままシミュレーションルームに移る形で集まり、私と夏菜さんの手元...備え付けのタブレット端末と複数のPCモニターを覗き込んでいました

未来「どう?」

夏菜「いかんせん例が少ないので確実なことは言えませんが...」

『翠』「その様子だと、何か見つかった?」

翠「ここ、見てください」

違和感を覚えたのはフォニックゲインの拡散時の数値の比較
使用しているギアの種類が異なるので範囲、濃度、質はどれも僅かに異なるのが当然ではありますが...



気になるのは?安価下
(範囲、濃度、質やその他の要素でも可)
(複数箇所の指摘も可)

夏菜「これは響さんが収束役を勤めた際の...つまり成功時の計測値と、先程の失敗時の計測値の内の、一致している人選部分を重ねたものです」

私がタブレット端末をタップすると、計測値とそれに対応したグラフが変動し始めます

翠「一致している人選、ということは即ちそのメンバーに影響するフォニックゲインに関してだけは一致して然るべき...なのですが...」

絶唱開始時の数値から絶唱後、そしてフォニックゲインの収束から分配へ

切歌「...大体一緒じゃないデスか?」

クリス「完全一致とは行かねえが大まかな動きは同じだし、誤差の範囲だろ?」

調「あ、数値が乱れた」

成功時の方がエクスドライブモードを発現させるのとほぼ同時に、失敗時の方は数値が大きく上下した後に急降下していきました
丁度私達が絶唱の反動に近いものを食らっていた時のですね

翠「もう一度、失敗時の乱れる直前の数値を見てみてください」

少し前の画面に戻し変動を停止させます

未来「ちょっとだけ...少ない?」

夏菜「そうです、少ないんです」

画面に映る数値は失敗時の方が僅かに小さいことを示していました

『翠』「けどそれって結局誤差の範囲だよね?というかその分は『私』とか『夏菜』の方に行ってるんじゃない?『私』達は成功時に参加してないんだからそこに含まれてないんでしょ?」

翠「勿論その可能性も考えました、が」

夏菜「調べてみるとどうやらそういうわけでもないらしく...私、あるいは『夏菜』の場合は擬似なので確実なことは言えませんが、翠さん達2人も他の皆さんの計測結果から推測されるフォニックゲインの必要量を下回っているんです」

そう、つまり一言で言うと


翠「まだフォニックゲインが僅かに不足している!ということです」


・・・

そもそもの話、70億の絶唱と称されるような量が必要なところを無理矢理7人分を増幅させて再現しようとしていたわけですから、それが不十分というのは十分考えられることではありました
その事にすぐ気付かなかったのはなまじ必要量ギリギリまでは増幅出来てしまっていたからと言うほかありません

切歌「ガバガバじゃないデスか」

調「切ちゃんステイ」

翠「いえ、ガバガバ理論で始めておいてそのガバを真っ先によく調べなかったのは紛れもない事実...」

というか私や『翠』は深層世界で普通にそのやり方で成功していたのでまさかそんな根本的な部分でやらかすとは思ってませんでした

『翠』「でも今の増幅で精一杯だよ?反響精度これ以上ってなると質も落ちるし」

翠「ですよねぇ」


コンコンッ

ガラッ


薫(刀使)「おーいお前ら、ちっとドタバタし過ぎだぞー」

エレン「ごめんくだサーイ!何度もすごい音がするので気になって来ちゃいマした!」

原因らしきものが判明したところで煮詰まっていた私達のもとを訪れたのは、刀使の薫さんとエレンさん

どうやら防音効果があるはずのシミュレーションルームでも防ぎきれないほどの騒音被害を出してしまっていたようです
後でししょー達にも怒られそうですね...いえでもこれは必要なことでしたし...


クリス「...なぁ、流石に足りない分を刀使の何かのエネルギーとかで補う、とかは無理なんだよな?」


その時、クリスさんはそんな思い付きを溢しました

夏菜「そうですね、刀使というのはどうも素質と特殊能力以外は特にこれといってエネルギーを利用した戦闘をしているわけではないようですし」

『翠』「いや待って!確かにそうだけど...でも決してただの少女の物語ではない...」

翠「勇者の力はやめた方がいいと言われました、でも刀使の力は...刀使の皆さんの応援を複合出来れば...」

刀使の皆さんにはこれ以上この戦いに参加してもらうことはないと考えていたせいで、すっかり頭から抜けていたようです
盲点でした



安価下
1 絶唱こそパワー!刀使メンバーには歌ってもらう
2 私達が刀使になることだ!刀使ギアを使えるようにしてパワーアップを目指す
3 がんばえ~シンフォキュア~!純粋に応援してもらう
4 その他(記述)

・・・

翠「次の実験の条件はコレです!」


『刀使メンバー産フォニックゲイン供給による不足分の確保』


舞衣「産て...」

私と『翠』以外の部屋の中にいる全員の視線がホワイトボードに書かれた文字に注目しています
ちなみに今まで集まっていたメンバー+刀使メンバー6人が入ることでますます会議室はすし詰めになりました

姫和「呼ばれた理由は何となく察したが...具体的に私達に何をやらせる気だ?」

有り難いことに、少なくとも刀使の皆さんはお願いするまでもなく私達に協力することに関して前向きに考えてくれているようです
いつも思いますが本当に良い人というかお人好しが多いですね...

『翠』「端的に言うと...歌ってほしい、かな?」

沙耶香「...?」

私達は大まかに概要を説明しました
と言っても装者が歌いながら戦うものだということも既に知られていましたし、フォニックゲイン...歌の力を貸してほしいというくらいの内容で大体が終わりましたが

夏菜「翠さん、さっきも言いましたが...足りないのは僅かに、であってもそれは装者を基準にしたもので」

『翠』「大丈夫大丈夫、ほら、バンドr...じゃなくて、ハロハピさん達とかポピパさん達がいた世界でも装者じゃないバンドJK軍団の歌と音楽で『私』達が強化されたこともあったし」

翠「くっ、私も行きたかった...とはいえそういうことです」

私と『翠』としては刀使の皆さんに対する期待は『刀使ノ巫女のメインキャラクター』という色眼鏡が多少入ってしまっていますが、夏菜さんや皆さんには面倒なのでバンドリ世界の皆さんとの共通点である『大きく歴史の異なる平行世界の住人』という点を強調して説得しました
具体性がなく確かめようがないところですか...まぁ可奈美さん達はとじともでアイドルイベもやってますしここにいる可奈美さん達も実質アイドルです異論は認めますん
あれ?ならむしろ園子ちゃん達にも歌っててもらえば...あっそれは勇者の力扱いなんでしょうか

エレン「何歌えばいいんデスかー?」

翠「好きなやつを!全力で!」

可奈美「なんだかカラオケみたいだね!」

薫(刀使)「あいつらの戦いもいつもカラオケみたいなもんだしな」



成功か否かコンマ下1
奇数 成功
偶然 失敗

エクスドライブモード成功率コンマ下2
(刀使協力ボーナスにより+10)
(00は100%扱い)
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

・・・

刀使の皆さんのカラオケをBGMにした実験
結果は上々、まるで歌声に背中を押されるように私達はエネルギーをその身に受け

翠「出来た...出来ましたっ!」

未来「本当に成功した...」

クリス「久々だな、この感覚!」

切歌「デース!」

調「すごい...」

『夏菜』「これが、エクスドライブ...『私』のもエクスドライブって呼んで良いんですかね?」

『翠』「良いんじゃない、正式名称とかは別にあるけど便宜上統一とかよくあるし!」

シミュレーションルームには、7人のエクスドライブが並ぶことになりました

翠「早々に解除される気配もなし、バックファイアも今のところ問題なし...」

手のひらを開いて閉じてを繰り返したり、軽く羽を動かしたり、シャドーボクシングをしてみたり
色々と動きを確認してみましたが、問題なくエクスドライブモードになれているようで安心です

翠「『イミテーターによるエクスドライブモードのガングニールの模倣』ではなく、また『エクスドライブモードのイミテーターによるガングニールの模倣』でもなく、『エクスドライブモードのイミテーターによるエクスドライブモードのガングニールの模倣』...再現度も通常より上がっていますが、何よりエネルギー消費の効率改善が...」

可奈美『あーっ!皆上手くいったのー!?』

おっと、モニタールームにいる刀使の皆さんに声をかけるのを忘れていました

翠「はい!ありがとうございます!...じゃあ2回目始めましょうか」

未来「だよね...」

そりゃあ一度の成功くらいでは偶然との区別が付きませんからね!


それから数時間、休憩を挟みつつ実験を繰り返した末に出た成功率は『45%』
5割弱ではありますが、最初に比べたらとても大きな成果と言えるでしょう



何かする?安価下
(特になければ就寝、次の日に飛びます)

翠「皆さん、本当にありがとうございました!」

可奈美「いやぁそれほどでも~」

今日の実験をここまでに、と終わりにした私達は、改めて協力してくれた刀使の皆さんに感謝の意を唱えました

姫和「私達がしたことは、私達からすれば本当にそれ程のことではないからな、それにこちらも協力してもらった恩がある」

エレン「要はお互い様デース!カラオケ大会みたいデシタし!」

皆さん何てことないと返してくれます

切歌「でも、感謝の反面申し訳なさがひょっこりはみ出ちゃうデスよ」

調「貴女達のおかげでエクスドライブが使えた、逆に言うと本番...私達がエクスドライブを使わなければいけない場面でも、力を借りることになるかもしれない」

薫(刀使)「こっちはそういうの含めて了承してるからさー、まー気にすんな」

舞衣「うん、こんなこと言うと装者には失礼だけど私達がやったことってただ歌っただけだしね...」

クリス「つってもな...」

本人達は本心から言ってくれているのでしょうが、だからこそ私達はその善意に甘えることを良しと出来ません
そして自然とそういう考え方に流れていっている自分を自覚し、私は密かに他の皆さんに近付けたようで嬉しかったりも



安価下
1 言葉だけじゃない、何かお礼がしたい!
2 しかし善意を無下にするのも如何なものか、この場はとりあえずここで解散
3 その他(記述)

薫(刀使)「終わりだ終わり、ほれ、もう今日はやらんなら私は帰るぞ」

多少の押し問答もありましたが、最終的には私達が折れる形になって終わりました
やってもらうだけというのは心苦しいですが、礼をしつこく押し付けるのもそれはそれでというやつです
あまり善意を無下にするのも如何なものかとも思いますしね

・・・

翠「何はともあれ無事成功に漕ぎ着けることが出来ました!貴重なデータもたっぷりと記録出来ましたし、とっておきの安定化ももはや単なるお伽噺ではありません!」

つまりエクスドライブモードを作戦に組み込めるくらいの存在にするということです
金ピカガングニールは未だに解明しきれてませんし、その点エクスドライブはその強さを信頼出来ますし

夏菜「擬似ギアにまで想定外の形態を引き出させる合同エクスドライブ...全ロック解除だけのものではない、ということでしょうか...」

翠「聖遺物の共振、装甲の形状の書き替え、心象に左右される面もありますからね...」

製作者であるフィーネさんすら全ては把握しきれてないとか
その理由が人智を越えた聖遺物を用いてるからなのか、適当に作った『玩具』だからなのかは聞いても答えてくれないでしょうけど

翠「エルフナインちゃんも交えて詳しく調べてみましょうか」

『翠』「そういえば遅いねエルフナインちゃん、翼さんとマリアさんも」



コンマ下1
奇数 少しして無事3人帰宅
偶数 次の日になっても帰ってこなかった

帰ってきた3人どんな様子?安価下2以降
(焦っている、落ち着いている等の外見的なものでも、こんな新情報を手に入れてきた等でも可)
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

・・・

切歌「これが朝帰りというやつデスか!」

調「まだ帰ってきてないから違うよ切ちゃん」

何故こんな話になっているかというと、日を跨いでもエルフナインちゃん達が帰ってこなかったからです

翠「ししょー達の方にエルフナインちゃんからの連絡は無いそうです、私達の方に翼さんとマリアさんからの連絡も...」

『翠』「メッセージ送っても既読無し...まぁ翼さんマリアさんは大人だしエルフナインちゃん...はその辺あやふやだけど私達の時間から8年も成長してるから余裕で大人でしょ多分」

心配ないとは思いますが、何もないのなら連絡の一つは欲しいところです
私が言えたことではないのですが...

クリス「本当にな」

未来「本当にね」

翠「あれ、声に出てました?」

夏菜「出てなくてもわかりますよ」



安価下
1 3人のことは連絡待ち、他に何かする(記述)
2 探しに行ってみる(どこに行くかor何らかの方法で行きそうな場所をピックアップするか記述)
3 その他(記述)
4 イベント判定

3人の事についてししょー...この時間のししょーに相談してみると、やはりししょー達も問題視していたらしく
3人の捜索はトントン拍子で決まりました

翠「最終的にドローンでの捜索を中心にやってもらうことになりました」

夏菜「まぁただでさえこの時間は翠さん達も行方不明ですしね、対応が早くなるのもわかります」

切歌「案外この時間の翠さんと一緒にいたりしないデスか?」

調「翠だったら無いとは言い切れない」

それはまぁ真っ先に思いますよね...

『翠』「この時間のエルフナインちゃんだけならともかく、翼さんとマリアさんもってなるとよくわかんないね」

翠「ですねぇ...もし何か目的があったとしても、って最近ずっとそれ言ってる気がします」

結局そこですよね、この時間の私との意志疎通とかがまともに取れないからこんなに頭を悩ませることになるんです
やはりバラルの呪詛は悪なのでは...?

クリス「その2つが関係あるって決まったわけじゃねぇんだ、そもそもあの3人は昨日どこに行ってたんだ?」

確か...現代だと手甲が落ちていたり、過去だと園子ちゃん達との繋がりが復活したりした大きな樹をこの時間の世界で探しに行ったんでしたっけ



何かする?安価下
(特になければ捜索の報告待ち)

3人の行方については(まだ一晩帰ってこなかったくらいでは行方不明と言うには大袈裟なのもあり)ししょー達に任せようという話になり、各々解散となりました
まだお昼前、今日という日は始まったばかりですからね

翠「さて...」

私はどうしましょう、仕事は入っていませんし...

舞衣「ねぇ翠ちゃん、少し良いかな」

その時、今日の予定を考えながら自室に戻ろうとした私は舞衣ちゃんに呼び止められました
舞衣ちゃん...刀使の1人で、今まで他の皆さんと一緒でならともかく個人での交流が無かった相手です
なので一瞬人違いか、発音が同じ『翠』に声をかけたのかと思いましたが...ばっちり目が合ってますね

翠「えっと...はい、何ですか?」

ちなみに私の中で舞衣ちゃんのイメージは美味しいクッキーを作る娘とか程よく愛が重そうとかいうのくらいしかありません
半ば刀使メンバーの代表のようになっていた姫和ちゃんや薫さん、コミュ力が高い可奈美ちゃんやエレンさんならともかく、まさか舞衣ちゃんに話し掛けられるとは...

何でしょう、今度一緒にクッキー作りしようとかそういうキラキラした女子っぽい話でしょうか
それとも誰か有名人のサインを貰ってきてほしいとかそういう多分女子っぽいと言えると思う話でしょうか

舞衣「うん、あのね...タギツヒメが入っちゃってる響さんのことなんだけど」

翠「!」

これ真面目な話ですね

翠「...立ち話もなんですから、座って話しましょうか」

・・・

遅めの朝食も兼ねて、食堂の端の方の席に向かい合うように座った私と舞衣ちゃん
朝食となる料理も持ってきてはいますが、私も舞衣ちゃんも手を付けようとしません

翠「では聞きましょう」

舞衣「そんなに畏まって聞いてもらうほどのことじゃないんだけどね...私達、あの時代から来た人は全員コレを持ってたでしょ?」

舞衣ちゃんが料理を横にずらしテーブルの上に置いたのは、山桜の花弁
私達装者と刀使メンバー、それに赤嶺ちゃんがこの時間の前に過去の時間に飛ばされた時から勝手に持たされていた物で、響さんか響さんの中にいる友奈ちゃんが持たせたのではないかと推測している物です

舞衣「コレ...この山桜の花弁があれば、響さんに近付けたりしないかな?」

翠「...どうしてそう、思ったんですか?」

舞衣「響さんが以前届けられた差出人不明の花も山桜だったって聞いたよ、それにこの花は普通に考えてただの花弁じゃない」

まぁ全員が気付かないうちに1枚ずつ持たされてたって普通じゃあり得ませんからね

舞衣「それに、コレ以外にも翠ちゃん達は花が届けられていて、翠ちゃんは特にそれらを大事に保管させていた...とも聞いた」

翠「あれこれ私追い詰められてる犯人みたいな気持ちになってきたんですが」

舞衣「吐いて楽になろう?」

翠「け、刑事さん...!」

思わず茶番を挟んでしまいましたが、どうしましょう


安価下
1 出来ると思います、というか気になるならもうやってみましょう
2 出来るだろうけどシェム・ハさんにこちらがハッキングされるかもだし濁しておく
3 その他(記述)

舞衣ちゃんの仮説には私も全面的に同意です
なんなら私は過去に飛ばされてまだ私達が散り散りだった時、この花弁を利用してそれぞれの位置を逆探知出来ないか、なんてことを考えたりもしました
けれど



若葉『ま、待て、だがその繋がりは響さん...いや、その中にいるシェム・ハも含まれているはずだ』

園子『うん...花弁の持ち主同士が引かれ合う程度ならまだしも、あまり繋がりに刺激を与えるのは危険かも...』



その時は園子ちゃんと若葉ちゃんに止められました
フィーネさんに聞いたシェム・ハさんの在り方はとても特殊で、ざっくり言えば何らかの形で繋がりさえあれば何処でも誰でも支配出来てしまうというものらしいです...
今花弁をこうして持っていたり、園子ちゃん達がいる私達の深層世界と友奈ちゃんがいる響さんの深層世界が繋がっていてもなおその支配を逃れられているのは、ひとえに響さんと友奈ちゃんが頑張ってシェム・ハさんを抑えてくれているからだと思っています
しかし私達からの干渉によってそれが一瞬でも緩んでしまったら...少なくとも私と『翠』と夏菜さん、それにもしかしたらマリアさん辺りは神樹風深層世界を通じてシェム・ハさんの支配下になってしまうかもしれません



園子『でも、直前辿るのはやめるにしても、その花弁を目印に出来れば状況は変わるかもしれない...進展があったらまた連絡するよ』



あるいは、『干渉したものをシェム・ハさんが支配下に置く』という可能性を逆手に取れれば...これも危険な賭けにしかなりませんが

翠「私は何とも言えません...が、勝算の高い訳ではないと思います」

どちらにせよ、とりあえずやってみよう!となるわけにはいかない案件ですから、ここは濁しておきましょう

翠「この花弁についても、他の花についても、未だに解明は出来ていません...わからないから慎重に扱う、ただそれだけのことですよ」

舞衣「翠ちゃんは、翠ちゃん達はそれでいいの?」

翠「感情に任せて低い可能性を信じ、賭けに勝った人達を知っています...でも賭けに負けた人達はもっと沢山知っています...私はアニメの主人公ではありません、所詮「私の時はダメだったけど貴女ならもしかしたら」と声をかけられたら御の字な脇役でしょう」

むしろ、本来なら違う世界からただ見ることしか出来ない視聴者が私です

舞衣「私には、そんな風には見えないけどね」



何かする?安価下
(特になければ解散、イベント判定)

舞衣ちゃんはまだ不服そうでしたが、花弁の詳しい説明の為には響さんの中にいる友奈ちゃんや私達の中にいる勇者達についても話さなければいけません
それをおいそれと話せない以上、不十分な説得で納得してもらうしかないのです

翠「花弁...ですか」

それこそこの花弁を安全に利用出来さえすれば、元の時間の響さんと話すことは勿論、今連絡が取れずにいる翼さんとマリアさんの居場所も見付けられたでしょうに
いえ、それだけではなく、もしまた時空震で私達がバラバラになってしまうようなことがあっても
まぁ出来ないので気を付けるしかないんですが
...これは、同じ轍を踏まぬよう今一度声掛けをした方がいいかもしれません

・・・

翠「というわけで、なるべく単独行動を避けるというのを改めて徹底するべきだと私は思うわけですよ」

調「翠が言うと説得力が違うね」

切歌「本当デスね」

翠「煽らないでもらいましょうか」

まぁ切歌さん調さんは大体いつも一緒にいますし大丈夫でしょう
刀使の皆さんも常にではありませんがそれぞれカップリンgもとい仲の良い組み合わせが出来ていますし



誰と一緒に行動する?安価下1
(複数人も可)
(基本的にはその日1日の行動を共にすることになります)

何をする?安価下2以降
(行き先や行動について特になければ会話内容等)
(会話も特になければイベント判定)

単独行動を避けるため予め誰と誰とでその日1日を共に行動するかを決めることにした私達
私の場合は『翠』と赤嶺ちゃんに決まりました

翠「...なんだか赤嶺ちゃんに会うの久々な気がします」

友奈(赤嶺)「毎日いたよ?」

えぇ、本部の中でちゃんと見掛けてはいましたが
交流が最近めっきり減っていたからかもしれません

翠「私が言うのもなんですが、ほぼ常に出掛けてませんでした?」

『翠』「それ思った、気付いたらいなかったよね」

友奈(赤嶺)「さぁどうかな、それより2人は何か予定あるの?」

流されました...まぁ赤嶺ちゃんのことです、きっといつも外で筋トレとかジム通いとかしてるんでしょう

『翠』「特にないと言えば特にないけど」

翠「何もしないのは時間の無駄遣い、やりましょうエクスドライブ!」

友奈(赤嶺)「あぁこれ今日の私はやり過ぎないように見張る役かぁ」

現実世界では皆さんと共にやった時のようにフィードバックはアスクレピオスで治す等の措置を逐一挟まなければいけません
ある程度負荷を無視した深層世界でのチャレンジの成功率は驚異の96%だった私と『翠』ですが...



安価下
1 もっと上を目指す!(コンマ判定で97以上を目指す)
2 単体での成功率の方を伸ばす(翠ちゃんは72以上、『翠』ちゃんは81以上を目指す)
3 刀使の歌でも結果が出たなら勇者の歌も!歌って赤嶺ちゃん!(成功率は変わらず、新たに負荷軽減率を判定します(装者のみの場合は0%とする))
4 その他(記述)

...いえ、確か刀使の皆さんに歌ってもらった時はそこまで思い至りませんでしたが、もしかしたら

翠「赤嶺ちゃん」

友奈(赤嶺)「何?」

翠「ちょっと歌ってはみませんか?」

友奈(赤嶺)「...は?」

赤嶺ちゃんは目を丸くし、やがて呆れ顔になっていきます
言いたいことはわかりますよ、話の繋がりがわかりませんよね

翠「刀使の皆さんに歌ってもらった時はエクスドライブモード稼働後のことにばかり気を取られたので単にフォニックゲインが足されただけだと思いました、いえ、実際そうかもしれませんが...装者以外の第三者のフォニックゲインの供給は、装者の負荷軽減の可能性もあるのではないか、と」

よくよく考えてみればそうです、私達はエクスドライブモードに失敗...所謂絶唱擬きのような状態になって傷を負い血を吐くようなことになっても、すぐにアスクレピオスで治してしまうので気にしていませんでしたが
例えば本編無印もGもGXも、エクスドライブモードになる前まであった怪我やダメージがエクスドライブモードになった後は綺麗になっていたように思います
そしてリディアン生徒の歌や70億の絶唱、キャロルちゃんの絶唱(のようなもの)とどれも第三者のフォニックゲインありき
まぁ私が転生して以降の話やXDで装者のみでのエクスドライブモード稼働を成功させて同じような状態になったりしてるかもしれませんが...とにかく!

翠「思い付いたことは出来る限りのやってみましょう!」

『翠』「うん、それが早い」

友奈(赤嶺)「私に拒否権は...?」

翠「筋トレしながらでもいいので」

友奈(赤嶺)「私のことそういう認識なの!?」

そうですけど

・・・

こうして貴重な『勇者の歌』によるエクスドライブモード負荷変動測定(赤嶺ちゃんは厳密には鏑矢ですが今は勇者としての力を与えられているので勇者扱いです)が行われることになりました

友奈(赤嶺)『で、何歌えばいいの?』

翠「何でもいいですよー」

モニタールームにいる赤嶺ちゃんにそう返事をしながら、シミュレーションルームにいる私と『翠』はそれぞれアメノムラクモを起動させいつでも絶唱を始められるようにします

友奈(赤嶺)『...じゃあ一曲歌います...うどんうどんうどんうどんうどんうどんうどんうどんうどんうどんう・ど・んに』

翠「ごめんなさいもうちょい長い曲にしてくださいフォニックゲイン溜まらないので」

おのれ友奈因子...



エクスドライブモード負荷軽減率コンマ下1
(00は100%扱い)

・・・

翠「やはり...私の予想は...間違えてませんでし...げふぉ」

『翠』「もう少しアスクレピっときなよ」

赤嶺ちゃんの歌の有無だけでなく成功時と失敗時まで含めて何通りか試してみたところ、思った通り赤嶺ちゃんの歌がある時は負荷を軽減させられていることがわかりました
計測の結果、おおよそ32%といったところでしょうか

友奈(赤嶺)「でも、刀使もそうだけど私は鏑矢や勇者であっても装者でない、なのにどうして?」

翠「ふむ...」

それは適合者と非適合者の違いにも通ずるかもしれません
最もそれ自体、そもそも適合する聖遺物が見付からなければどちらなのか断言は出来ませんし、探すにしても血縁や何らかの経緯で可能性が高いと判断されない限りは当てずっぽうになってしまいます
リディアン音楽院はそれこそ大多数が音楽に興味を持っている生徒が集まっていましたが、音楽に興味を持っていない適合者という存在も可能性としては決して低くはないでしょう

閑話休題

翠「確か、バンドリ世界の皆さんの歌でギアが変わったりもしたんですよね?」

『翠』「うん、歌っていうか演奏込みだったかもしれないけど」

翠「そっち込みがメインですしね」

しかしこれは私達が彼女達を『登場人物』として知っているからそう思うだけで、客観視すれば彼女達のバンド活動は趣味や仕事であって彼女達だけを特別視する理由には弱いと言わざるを得ません
そしてそれは視点次第で変わります...刀使も勇者も同様に
『並行世界の人間』と捉えてしまえば、並行世界の誰の歌でも良くなってしまいます
しかし...そうではないような気がするのは、気のせいだと切り捨てても良いものか

翠「今わかっていることだけで考えると、どうしても『メタ視点』寄りの考察になってしまうんですよね」

『翠』「だと思った、この世界だけならともかく他の世界も関わるとね」

バンドリ、刀使、勇者
彼女達がメインの登場人物、あるいはそれに近い立ち位置にいるから、とか
それぞれの『原作』で重要な存在だから、とか
もしもそれが当たっていたとしたら、それこそ私のようにそれぞれの『原作』を知る『メタ視点』を持つ誰かの意思を感じざるを得ません

友奈(赤嶺)「...まぁ答えが出ないなら出ないで構わないけどね」

『翠』「うん、これだけ悩んで『実は刀使の皆や赤嶺ちゃんは適合者でした』とかってオチも有り得るからね」

翠「私もどういうわけか巫女認定もらったことありますしね」



コンマ下
奇数 翼さん達から連絡あり
偶数 連絡なし
ゾロ目 ???

3人で話していたその時、端末が鳴り出しました
誰かからの通信が入ったようです

『翠』「誰から?」

翠「...これって!」

表示された名前は翼さん
つまり、翼さんからの連絡...!



連絡の内容安価下
(誰から、どのような内容か)
(翼さん、マリアさん、この時間のエルフナインちゃん、それ以外も可)

日本人はカス民族。世界で尊敬される日本人は大嘘。

日本人は正体がバレないのを良い事にネット上で好き放題書く卑怯な民族。
日本人の職場はパワハラやセクハラ大好き。 学校はイジメが大好き。
日本人は同じ日本人には厳しく白人には甘い情け無い民族。
日本人は中国人や朝鮮人に対する差別を正当化する。差別を正義だと思ってる。
日本人は絶対的な正義で弱者や個人を叩く。日本人は集団イジメも正当化する。 (暴力団や半グレは強者で怖いのでスルー)
日本人は人を応援するニュースより徹底的に個人を叩くニュースのが伸びる いじめっ子民族。

日本のテレビは差別を煽る。視聴者もそれですぐ差別を始める単純馬鹿民族。
日本の芸能人は人の悪口で笑いを取る。視聴者もそれでゲラゲラ笑う民族性。
日本のユーチューバーは差別を煽る。個人を馬鹿にする。そしてそれが人気の出る民族性。
日本人は「私はこんなに苦労したんだからお前も苦労しろ!」と自分の苦労を押し付ける民族。

日本人ネット右翼は韓国中国と戦争したがるが戦場に行くのは自衛隊の方々なので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人馬鹿右翼の中年老人は徴兵制度を望むが戦場に行くのは若者で自分らは何もしないで済むので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人の多くは精神科医でも無いただの素人なのに知ったかぶり知識で精神障害の人を甘えだと批判する(根性論) 日本人の多くは自称専門家の知ったかぶり馬鹿。
日本人は犯罪者の死刑拷問大好き。でもネットに書くだけで実行は他人任せ前提。 拷問を実行する人の事を何も考えていない。 日本人は己の手は汚さない。
というかグロ画像ひとつ見ただけで震える癖に拷問だの妄想するのは滑稽でしか無い。
日本人は鯨やイルカを殺戮して何が悪いと開き直るが猫や犬には虐待する事すら許さない動物差別主義的民族。

日本人は「外国も同じだ」と言い訳するが文化依存症候群の日本人限定の対人恐怖症が有るので日本人だけカスな民族性なのは明らか。
世界中で日本語表記のHikikomori(引きこもり)Karoshi(過労死)Taijin kyofushoは日本人による陰湿な日本社会ならでは。
世界で日本人だけ異様に海外の反応が大好き。日本人より上と見る外国人(特に白人)の顔色を伺い媚びへつらう気持ち悪い民族。
世界幸福度ランキング先進国の中で日本だけダントツ最下位。他の欧米諸国は上位。
もう一度言う「外国も一緒」は通用しない。日本人だけがカス。カス民族なのは日本人だけ。

陰湿な同級生、陰湿な身内、陰湿な同僚、陰湿な政治家、陰湿なネットユーザー、扇動するテレビ出演者、他者を見下すのが生き甲斐の国民達。

冷静に考えてみてほしい。こんなカス揃いの国に愛国心を持つ価値などあるだろうか。 今まで会った日本人達は皆、心の優しい人達だっただろうか。 学校や職場の日本人は陰湿な人が多かったんじゃないだろうか。
日本の芸能人や政治家も皆、性格が良いと思えるだろうか。人間の本性であるネットの日本人達の書き込みを見て素晴らしい民族だと思えるだろうか。こんな陰湿な国が落ちぶれようと滅びようと何の問題があるのだろうか?

『翠』と赤嶺ちゃんにも聞こえるよう端末の設定をスピーカーにし、通信をONにしました

翼『...繋がったか、聞こえるか翠』

翠「翼さん!」

無事だろうとは思っていましたが、こうして声を聞けてやっと安心出来ます

翼『連絡出来ずにすまない、時空の歪みの影響で私もマリアもエルフナインも、少し気を失っていた』

翠「マリアさんとエルフナインちゃんも無事なんですね!」

翼『あぁ、心配をかけたな』

何事も無さそうで良かったです...3人の安否が一度にわかりましたし

友奈(赤嶺)「時空の歪み...小規模の時空震が起きていたか、はたまた...何か気付いたことは?」

『翠』「こっちの皆は誰も気を失ったりしてなかったけど...いや、でもそういえばあの時...気のせいかもと思ったけど、アレって」

友奈(赤嶺)「心当たり有り、というより半々ってところかな?」




安価下
1 皆さん心配してるのですぐ帰ってきてくださいね!
2 皆さんに無事を伝えてから迎えを向かわせてもらいますね!
3 今すぐ迎えに行きますね!
4 その他(記述)

翠「私だけじゃないですよ!皆さん心配してるのですぐ帰ってきてくださいね!」

今の今まで気を失っていたとすれば、ほぼ丸1日その状態だった可能性があります
安否の確認も勿論ですが、軽く検査もした方がいいかもしれません

翼『わかった、ではまた後でな』

そうして通信は終了しました
時空の歪みが発生していた、というのは気になりますが、ひとまず3人に何事もなさそうな様子で良かったです



コンマ下1
ゾロ目以外 帰ってきた!
ゾロ目 全然帰ってこない...

3人の様子安価下2以降
(コンマ下1がゾロ目以外の場合のみ採用)
(様子に何か変化があれば、何もなければ特になしと記述してください)

昼を少し過ぎた頃、3人は無事帰ってきました
心配していた皆さんもホッと胸を撫で下ろし、思い思いに声をかけています
もっとも3人とも大人ですし連絡が取れなかったのはたったの1日なので、そこまでの大事には...いえ、ドローンとか色々大捜索していましたが...なっていませんし、ししょーのお説教も短く簡潔に終わっていました

翠「...ん?」

私は私で時空の歪みについて詳しいことを聞こうかと思っていましたが、ぼーっとしているようなエルフナインちゃんの様子が少し気になりそちらを優先に

翠「どうかしたんですか?もしや何か後遺症...」

エルフナイン(未来)「...あ!す、すみません、何でもないんです!何でも...ただ...」

ただ?

エルフナイン(未来)「キャロル...キャロルとパパの声を聞いた...と思うんです、ボク」

翠「へぇキャロルちゃんとイザークさん...キャロルちゃんとイザークさん!?」



キャロルちゃんとイザークさん何て言ってた?安価下
(具体的な内容はわからない等も可)

思わずバッと振り返って『翠』の方を見ますが、『翠』も驚きながら顔を横に振っています
よくよく考えてみれば樹海風深層世界にいる園子ちゃん達を除けば『翠』の深層世界に常にいたのは翔子さんくらいですから、『翠』がキャロルちゃんとイザークさんの霊体がいつどこで何をしているのかなんて把握してるわけないんですけどね、反射的に
ちなみにそれは私と『翠』が別々の身体になる前、つまり私の深層世界に翔子さんがいた頃から変わりません
奏さんとセレナさん、メヌエットさんが頻繁にいたくらいです

翠「ち、ちなみに何て言っていたか聞いても」

というかそのキャロルちゃんとイザークさんってもしかしてこの時間の方の霊体でしょうか?この時間のエルフナインちゃんが聞いたということは

エルフナイン(未来)「はい、その...


キャロル『装者達が帰るまでの間、代わりに闘ってやる』

イザーク『シェム・ハの意識が荒魂という謎の生物に奪われつつある、気を付けた方がいい』


...と、いった感じでした」

翠「元の時間の方じゃないですか!」

えってことは今、いえこの時間からすると過去ですが...とにかく元の時間軸、世界線ではキャロルちゃんが正義の味方ポジションで戦っている...

翠「見たい!生で!」

『翠』「じゃなくて!」

おっとつい欲望が...

・・・

翠「つまり...」

元の時間、時間軸、世界線では停止していた巨人響さんが(見た目がそのままか変化したかはわかりませんが)活動を再開していて
しかもその身体の主導権は、シェム・ハさんでも抵抗していた響さん友奈ちゃんでもなく荒魂...恐らく元タギツヒメの...で
対抗出来る戦力が軒並み時空の歪みによって戦線離脱させられている為、キャロルちゃんが戦ってくれている...と

『翠』「やばい、『私』達がチンタラしているうちに遂に事態が動き出しちゃってるよ」

翠「キャロルちゃんとイザークさんが元の時間からこの時間のエルフナインちゃんに念話を送れたのは霊体だから...いえ、それだと奏さん達とも連絡が取れるはず、となるとエルフナインちゃんとの繋がりが出来ていると考えた方が」

『翠』「エルフナインちゃんの身体を借りて戦ってるとか?」

翠「それです!」

元々エルフナインちゃんもキャロルちゃんの予備躯体の1つだったわけですから親和性は高いでしょうし

エルフナイン(未来)「そうなのでしょうか...うぅ、当時の記憶を思い出せれば...いえ、この時間軸の当時と歴史に差異が生じているかもしれないので一概には言えませんが...」

翠「エルフナインちゃんがダウルダブラのファウストローブを纏えることもわかっていますし、可能性は低くないでしょう...そしてもしそうだとしたら、こういう可能性もあります」

『翠』「どんな?」

翠「ずばり、私達が過去に飛ばされる原因となった『巨人響さんの周りに発生する時空震』が活動再開と共に発生しなくなったか、キャロルちゃんが回避方法を見付けたか、という可能性です」

元の時間に戻れても響さんには近付けないかも、という懸念がどうにかなるかもしれない、ということですね

・・・

翠「3人が受けた時間移動事故未満の時空震...気絶する程度の時空の歪みが発生したのも、あるいは元の時間から念話を繋げられたからかもしれませんね」

エルフナイン(未来)「かもしれません、しかし通信を用いない念話による多次元連結...ボクの念話から気絶の前後の脳波を解析すればもしかしたら...」

『翠』「ちょいちょい」

ふと肩を叩かれたかと思うと、『翠』に部屋の端に呼ばれられました

『翠』「だけじゃないでしょ、多分だけど」

翠「時空の歪みの原因ですか?」

『翠』「そう、3人が行ってたのは翠が園子ちゃん達との繋がりを取り戻した大樹のところ、そしてマリアさんに至っては行く前から犬吠埼風との繋がりを取り戻しかけてた...となると」

翠「今回の時空の歪みはそれが完全のものになったから、と」

『翠』「もしかしたら翼さんも...」



何かする?安価下
(特になければイベント判定)

一先ずこの事は共有しておいた方が良いだろうという結論になり、私達と同じ時間から来ているメンバーにも同じ話をこの時間のエルフナインちゃんにしてもらいました
装者だけでなく刀使の皆さんや赤嶺ちゃんにも
刀使の皆さんにとって元の時間のことは、別の世界とはいえ私達装者の世界を仲介しているため他人事ではありませんし
赤嶺ちゃんも元々シェム・ハさんというかシェム・ハさんの腕輪を破壊するために派遣されてきたわけですから、シェム・ハさんに動きがあったことは知っておいた方が良いでしょう

未来「響...」

クリス「...あのバカがどうにかなるわけないのは、お前が一番わかってんだろ」

未来「!...そうだね、私はひだまりじゃない、隣に並んでるんだもん!響のことは心配より何よりも先に信頼しないと」

切歌「響さんの事は一先ずキャロルにお任せってことで良いんデスかね?」

調「動き出してしまったのなら、被害の面で大事になりすぎないように立ち回ってもらえると助かるけど...」

マリア「本来のキャロル・マールス・ディーンハイムの人と成りをあまり知らないのよね」

前までキャロルちゃんと過ごしていたエルフナインちゃんや原作を知る私とは違い、皆さんが相対した時はほとんど別人格?でしたからねキャロルちゃん

エルフナイン(未来)「あはは...皆さんに助けを求めたボクが言っても微妙かもしれませんが、きっと大丈夫だと思います...それに、今のキャロルはパパの前なので張り切ってると思いますし」

夏菜「授業参観の話してます???」

姫和「タギツヒメ...やはりあの時仕留めきれなかったのが痛いな...」

エレン「だからこそ、早く戻って加勢したいデスね」

薫(刀使)「だな、面倒だが」

友奈(赤嶺)「せめて神樹様もあっちの時代に改めて誰か送ってくれたら良いんだけどなぁ、私はまだまだ戻れそうにないし」

・・・

翠「という感じです」

園子「うん、ここから見て聞いてたからわかるよ~」

皆さんに共有した後は園子ちゃん達にも、と思いましたが樹海風深層世界からしっかり外の様子を見ていたようで
話はすでに伝わっていました

若葉「霊体の念話ならば時空間に縛られないというのは盲点だったな」

園子「普通は霊体でも難しいと思うんよ~」

怨霊等のよほど強い負の思念や、あるいはそれに匹敵し得るほどの強い正の思念であれば
そういった正の思念を発するのは例えば守護霊と呼ばれるものなのでは、今回の場合キャロルちゃんとイザークさんは恐らく後者だろう、だといいな、と園子ちゃんは話してくれます

園子「まぁ幽霊さんの事なんて全然詳しくないから想像だけどね~」

若葉「だが勇者システムの精霊や今の状態の私達も似たようなものだろう」

翠「それは少し違くないですかね?」

千景「つまり...愛ね」

『翠』「何故そこで愛!」

翠「そこそのやり取りやめなさい!」

まぁ私達とて幽霊を認識したり話したり憑依させたり出来たところで幽霊の生態(生きてませんが)に詳しくなったわけではないのですが
まさか試しにタヒんで幽霊になってみて念話を試すというわけにもいきませんし
というか仮に念話、それどころか時空移動が出来ても身体をこの時間に置いていくことになってしまうので行った先の世界で戦えないんですよね


安価下
1 試すわけにもいかない...本当に?レッツゴー覚悟ーゴーゴーゴーゴースト!(後にお叱り大目玉コース)
2 擬似的に幽体離脱出来る人いるじゃん!未来さんに試してもらう(勿論こちらも後にお叱り大目玉コース)
3 園子ちゃん達に翼さんとマリアさんが勇者と再開した可能性のことも相談してみる
4 特になし(大人しくこれまで通り並行世界間の安全な行き来が可能になるのを待つ)
5 その他(技術)
(翠「つまり、行った先の時間や世界に戦える身体があればいいんですよね...クローン装者でも作っておきますか?」

『翠』「割りと利にかなってはいるよねクローンライダー、倫理観は置いておいて」)

あれこれ思い付き、あれこれ仮定を並べたところで結局行動に移せないので結論はやはりというか、現状維持となりました
移さない、ではなく移せない
私1人だけ、あるいは『翠』も一緒にやってくれたとしても2人だけであったなら最悪タヒぬような実験も恐らく出来てしまうでしょう
怖くないわけではありませんが...
しかし、幸福にも私達は周りの人達に好意的に想われてしまっています

翠「別に怒られるのが嫌って話ではないんですけどね」

『翠』「そういう『逃げ道』があるとそっちに無意識に寄っちゃうよね」

園子「迷った末の『何もしない』をすることは立派な選択の1つだよ、逸脱した決断力と行動力を必ずしも誰もが持たなければいけないなんて誰も言うことなんて出来ない...それに、それが必要なことだと心の底から思えたら、そういう決断力も行動力も勝手に湧いてくると思うんよ」

・・・

園子ちゃん達と別れ表に戻ってきた私達は、OTONAの皆さんの様子を見に行くことにしました
私達がこの時間に来てしまってからずっと探し続けてくれている『元の時間への帰還方法』の進行状況が気になったからです
まぁ大きな進展があれば連絡が来るでしょうからそれがないということは...

『翠』「で、でもほら、エルフナインちゃんが念話貰ったことで進展あったかもだし!」

翠「で、ですね!」



進行状況どうですか?コンマ下
奇数 目処が立った!!!
偶数 未だ夢物語
ゾロ目 それどころじゃないかもしれない

日本保守右派系の大嘘

「太平洋戦争は白人に対するアジア解放の戦いだった」
↓大嘘です
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200815-00193356
すべての侵略戦争にあった「大義名分」
「アメリカの経済制裁が気にくわないから」という理由だけでは対米開戦としての大義は弱いので、
日本は対米開戦にあたり「アジア解放(大東亜戦争)」をスローガンに掲げたのである。
当時アメリカの自治国であったフィリピン(フィリピン・コモンウェルス=フィリピン独立準備政府)は
アメリカ議会からすでに1945年の独立(フィリピン・コモンウェルス成立から十年後)を約束されており、
日本軍の侵攻による「アジア解放」というスローガンは全く無意味として映った。
よって南方作戦で日本軍に占領されたフィリピンでは、そもそも日本の戦争大義が受け入れられず、
またアメリカの庇護下のもと自由と民主主義、そして部分的には日本より高い国民所得を謳歌していたフィリピン人は、
日本の占領統治に懐疑的で、すぐさまゲリラ的抵抗や抗日活動が起こった。

日本は、アメリカとの戦争の際「アジア解放」を掲げていたが、それよりさらに前の段階で、
同じアジア人に対し攻撃を加えていたのであった。よって多くのアジア地域では日本の戦争大義「アジア解放」は、美辞麗句で空疎なものと映った。
「アジア解放」を謳いながら、片方で同じアジア人である中国を侵略するのは完全な矛盾である。

「日本のおかげでアジア諸国は戦後独立した」
大嘘です。大日本帝国と関わりない中東やアフリカも独立してます。

「人種的差別撤廃提案で日本は唯一差別と戦った。白人は人種差別を支持した」
大嘘です。フランスやイタリアも日本に賛成してます。
https://w.wiki/4i4Q
日本国民自らが中国人を差別していることを思い起こすべきと主張し、吉野作造も日本が中国人移民を認めるだろうかという問いかけを行った。
事実、賛成しているのはどちらかと言うと移民を送り出す側の国であり、反対しているのが移民を受け入れる側の国である(イギリスも本国としては賛成だったが、オーストラリアの意向をくんで反対に回っている)。

「アメリカはドイツは人間として扱い、日本人を人種差別で化け物扱いした」
大嘘です。ドイツはアメリカに騙し討ちをしてませんから当然です。
開戦前に真珠湾奇襲で多くのアメリカ人を無差別攻撃した日本のイメージが最悪だっただけです。
https://w.wiki/4i4Z
原爆投下前に日本の風船爆弾でアメリカの民間人妊婦が殺害されています。ドイツより日本を恨むのは当然です。
「1945年5月5日、オレゴン州ブライで木に引っかかっていた風船爆弾の不発弾に触れたピクニック中の民間人6人(妊娠中の女性教師1人と生徒5人)が爆死した」
そもそも日本側も、アメリカとイギリスだけを鬼のように扱っていました。日本と開戦した連合国国家は他にもあります。(棚上げ)

日本の戦争犯罪は戦場経験者でもある水木しげるさんが証言して漫画にしてます。
詳しくは「水木しげる 姑娘」「水木しげる 慰安婦」で検索してください。
他には「スマラン慰安所事件」「バンカ島事件」で検索。

エルフナイン(未来)「立ちました!」

翠「あーやっぱりまだでs...立った!?立ったんですか!?」

『翠』「それ本当なのフラグちゃん!?」

エルフナイン(未来)「本当です!でもボクはフラグちゃんじゃありません」

司令室で待ち構えていたエルフナインちゃんからの返答は、予想に反して朗報でした
ししょー達も何も言わないということは、冗談等ではないということでしょう

エルフナイン(未来)「間違いなく安全、とは流石に言えませんが...突破口には成り得るはずです」

翠「詳しく聞かせてください」

エルフナインちゃんが端末に映し出したのはとある聖遺物の画像

エルフナイン(未来)「コレを使います」

虹色に輝く完全聖遺物...ギャラルホルンでした

・・・

エルフナイン(未来)「ギャラルホルンは平行世界とを繋ぐ完全聖遺物...なのでギャラルホルンを用いた帰還方法は当初から案の一つとしてはありました、ですがギャラルホルンが繋ぐ平行世界は一度繋がれば何度でも行き来出来ても、その最初の一度目を指定することは出来ません」

翠「えぇ、そうでしたね」

例えばギャラルホルンを用いて一度訪れたバンドリ世界等は、行こうと思えば何度でも行けます
しかしそもそもバンドリ世界に繋がったのはギャラルホルンがバンドリ世界の危機を察知し、繋げたから
ギャラルホルンがその平行世界に自発的に繋げない限り、ギャラルホルンを用いて行くことどころか感知することも私達には出来ません

エルフナイン(未来)「これはギャラルホルンが対象の平行世界を認識しその世界との間に道が通じるからだと思われます、いわば最初に対象の平行世界を認識したというギャラルホルンの記憶が、それ以降の平行世界間の移動を可能とさせている」

そこで、と続けたエルフナインちゃんは自分の頭を指差します

エルフナイン(未来)「ボクには『皆さんが元いた世界にいるキャロルから念話を受けた』という記憶があります」

翠「まさか...」

エルフナイン(未来)「はい、そのまさか、ボクのこの記憶をギャラルホルンに共有し、ギャラルホルンに皆さんが元いた世界を認識させます」

・・・

共有と簡単に言いますが、片や完全聖遺物...それもネフィリムのように目に見えて自我を持つ生物型ではなく、ひとりでに平行世界を繋げるとはいえ意志疎通が出来ない非生物型です
ギャラルホルンに記憶という概念がどのような形で存在しているのかもわからない...そういった点を尋ねると、エルフナインちゃんはある一室に案内してくれました

エルフナイン(未来)「コレを見てください」

エルフナインちゃんが指したのは、幾本ものコードに繋がれたスカスカなヘルメット...ヘッドギアとでも呼ぶべきでしょうか

エルフナイン(未来)「コレはかつて...お二人にとってはこれからですが...翠さんや夏菜さん、ウェル博士やナスターシャ教授にも手と知恵を貸してもらい、科学と錬金技術を織り混ぜて完成させたダイレクトフィードバックシステムです」

翠「ダイレクトフィードバックシステム...!」

その名は確かに元の時間では聞きませんでしたし、作った記憶もありません
ですが、まだコレが同じような物かはわかりませんが、前世でなら聞き覚えはあります
原作で未来さんに神獣鏡を纏わせる際に用いられたシステム...それも確か、同じ名前だったはず

翠「それは、例えば対象者の思考を弄ったりだとかそういう...」

『翠』「洗脳?」

翠「そうそれ、そういうやつでは」

エルフナイン(未来)「流石です、見て聞いただけでそこまで...あぁいえ、使い方によってはそういうことも出来てしまうかもしれませんが、そうではなくて」

おっと、どうやら早合点だったようです

エルフナイン(未来)「コレの使い方としては、対象の脳内に電気信号化した他者の意識を割り込ませることで、観測を行います」

翠「思ったより干渉の仕方がダイナミックですね」

そういうのは端末越しに弄くるタイプだと思ってました

『翠』「つまりソレで頭の中を覗けると...記憶の旅ってやつ?」

エルフナイン(未来)「理論上は...ですが、人の脳内は意識が複雑に入り組んだ迷宮、最悪の場合、観測者ごと被験者の意識は溶け合い、廃人となる恐れも」

翠「なるほどなるほど...エルフナインちゃんの記憶を他者に共有する手立てがあることはわかりました」

最後の方の説明でさらっと怖いことを言っていた気がしましたが、ようはこのダイレクトフィードバックシステムがあれば他者の記憶の世界を観光出来るというわけですね
それはわかりましたが...

翠「それってやはり観測者も少なくとも生物でなければ難しいのでは?」

まさかギャラルホルンに自我を持たせたり、擬人化するなんてことしないでしょうし...しませんよね?
あれ、でもネロさんは意識は神様とはいえほぼほぼネフィリムやソロモンの杖の擬人化のようなもの...?

エルフナイン(未来)「ボクは聖遺物には少なからず使用者に影響される傾向があると考えています、同じギアでも装者によって形を変えることから...それにシンフォギアと同様、ファウストローブであっても」

『翠』「ファウストローブって、キャロルちゃんとエルフナインちゃんとで成長したりしなかったりするダウルダブラのこと?」

『翠』の言葉に頷くエルフナインちゃん
何だか読めてきました

エルフナイン(未来)「それはギャラルホルンをファウストローブに加工しても同様の効果が得られるのでは...ボクの結論はこうです」

エルフナインちゃんが立てた計画はこうです

エルフナインちゃんが被験者、ギャラルホルンのファウストローブを纏った状態の誰かが観測者となりダイレクトフィードバックシステムを起動
観測者、そしてギャラルホルンにエルフナインちゃんの記憶を追体験させ、キャロルちゃんからの念話を認識させる
そうすることでギャラルホルンに元の時間への道を作らせる

実行するなら何もかもが初めての試みとなるので、確かにこれは安全とは流石に言えません



安価下
1 もう少し別のやり方を模索
2 やってみなければわからない!計画実行に着手する

翠「全容は理解しました、私はダイレクトフィードバックシステムにまだ携わってませんし、それを差し引いてもこの時間の最先端の技術についての知識がこの時間のエルフナインちゃんに大きく劣るのは疑いようのない事実、エルフナインちゃんが出した案以上のものをこの私が出すのはほぼほぼ不可能でしょう...ですが」

話を聞く限り、一つだけ確実に言えることがあります

翠「そのやり方は、同意しかねます」

エルフナイン(未来)「!」

翠「理由は簡単、単純明快、エルフナインちゃんが危険過ぎます」

ただでさえダイレクトフィードバックシステム自体危険性が高い代物、そこに解析がこの時間においても進んでいない完全聖遺物が絡むとなれば事故が起きない方がおかしいレベル

翠「よってその案は却下、安全面の部分から改めて考えるべきと...いえ、私達の為を思って考えてくれているエルフナインちゃんにこんなことを言うのは失礼ですが...」

あまりにもエルフナインちゃんが覚悟ガン決まりだったのでつい強く言ってしまいました、しかもやや上からだったような...
しかし本当、あの覚悟の決めっぷりは誰の影響なんでしょうまったく

エルフナイン(未来)「...翠さんはもう、その頃からそうだったんですね」

翠「え?」

エルフナイン(未来)「いえ...実は」

話を聞くと、どうやらこの時間のししょー達も同じ意見...つまり、エルフナインちゃんに危険が及ぶことに対してかなり否定的な態度だったそうで
まぁこの組織に誰かが犠牲になってでも誰かを助けるのを良しとする人はいません
ギリギリまで全員が生きる道を探すようなお人好し軍団ですからね

『翠』「要はふりだしってことで?」

翠「ですねぇ...あ、エルフナインちゃん」

エルフナイン(未来)「何ですか?」

翠「キャロルちゃんが念話だけを時空間移動させられたのを真似て、私が幽霊になって時空間移動出来ないか試すっていう案どう思います?」

エルフナイン(未来)「さっき翠さんがボクに向けて言った台詞をそのまま返却させてもらうことになりますけど良いですか?」



安価下
1 誰かと交流(誰と交流するか記述)
2 このままエルフナインちゃんと新たなやり方を模索(どのようなやり方か記述(なるべく詳細だとありがたいです))
3 イベント判定

エルフナイン(未来)「さて、翠さん達の賛同を得られれば他の皆さんの説得も易しくなるかもしれない、というボクの希望的観測は実現しませんでした」

『翠』「ごめんね、それ『私』達もろとも物理的に阻止されるだけだと思うの」

翠「なら物理的に押し通すまでです!」

『翠』「あぁそう」

まぁ反対したのでやりませんが

エルフナイン(未来)「また振り出しです」

不確定要素多数という点さえ除けば現状で貴重な案だったので、当然それを突っぱねれば新しく考え直す必要があります
危険性の低いやり方...危険性も何も時空間移動の確実なやり方すら知らないのでどうやっても机上の空論から始めることになりますね

『翠』「その辺、ギャラルホルン以外の方法で並行世界に渡ったりしてた翠は何も思い付かないの?」

翠「思い付いてないからこうして今日までこの時間にいるんですが」

ギャラルホルン以外と言っても、私が少なくともS.O.N.G.に所属していない並行世界に渡った時は事故、勇者の世界に渡った時は神樹様の力だったりと、私の方からアクションを起こした事なんてありません
もっと遡れば転生もある意味では精神の時空間移動みたいなものですが、それこそ女神様がやってくれただけですし

翠「...でも、そうですね」

これまでは何やかんやすぐに帰還出来ていましたが、こうして帰還が困難な状況になった今、もっと予め時空間移動について研究を進めておくべきだったと後悔してしまいます
それどころじゃなかった、なんて言ったところでそんな誰でも思い付く原因究明結果の文面は何の役にも立ちません
せいぜい今後は『それどころ』を片手間でもこなせる余裕を持つことを心掛ける、くらいでしょうか...

翠「...あれ?今私がそう思ってるということは、この時間の私もこの頃はそう思ってたのでは?」

考えてみれば当たり前のことですが、この時間の私も私なら、私と似たような経験をすれば似たような考えに行き着くはずです

『翠』「どゆこと?」

翠「私は今、時空間移動についてもっと研究しておくべきだったと思っています、ならこの時間の私も未来の時間に飛ばされた時そう思ったはず、そしてその私はどうやらちゃんと元の時間に戻れたらしい...ということは?」

エルフナイン(未来)「この時間の翠さんは、元の時間...つまり8年前から既に、時空間移動について研究を進めていた可能性が高い?」

翠「グレイト!それです!」

善は急げ、私達は探し始めました
時空間移動に役立ちそうなもの、ではなく、この時間の私が時空間移動について研究した証を...

翠「具体的には何かしらの装置的な物が完成してたりすると嬉しいんですが!」



コンマ下
01~25 それらしき物が?
26~50 それらしき資料が?
50~00 そんな物はない

『翠』「探し始めたは良いけどさ」

私と『翠』、この時間のエルフナインちゃんの3人で最初はやはりここだろうと私の部屋(正確にはこの時間の私の部屋ですが)を漁り始めてすぐ
『翠』は手は動かしたままでいいからと断りを入れてから、エルフナインちゃんに聞こえないように私にこっそり尋ねてきました

『翠』「この部屋とか、あと自宅とかももう既にひっくり返す勢いでそれらしいところは何かしら見付からないか探したよね、それでまぁ金ピカガングニールの研究の途中経過とかあったわけで...」

翠「今更また探したところでってことですか?」

『翠』「見落としを絶対にしてないとは言えないけど、『私』や翠が何か隠しそうなところは軒並み探したし隠しそうにないところも探したつもりだよ」

翠「それは私も同じつもりですが」

『翠』「言いたかないけど、勝算低くない?」

それはそうです
勝算が低いのはわかっています

翠「でも0じゃない、そして何より今までは元の時間で巨人響さんが動きを止めていた...事態が停滞していたから、勿論焦りはずっとありましたが無意識にどこかのんびりしてしまっていたのも事実です」

この時間でのアイドル活動とか

翠「でもそれはもう終わりました、この時間と元の時間が同じ早さで流れているのかわかりませんが完全に分岐して別の時間軸になってしまったなら...とにかくもう本当に焦らないといけないんです、というか焦ってるんです」

それに、勝算が低いと思う理由は実はもう一つあります
この時間の私の深層世界に招待されたあの日...この時間の私は『私と『翠』は共に、貴女達を過去の時間軸へと送り返す為の帰り道を探していたんです』と言いました
皆さんの前から姿を隠したのもその為だと、そして私には余計なことはするなとも
この時間の私から吉報が来ないということは、結局この時間の私もまだ私達を元の時間に戻す方法を見付けられていないのでしょう...となるとこの時間の私が8年前に元の時間に戻った時はやはり偶発的な時空震で戻ったのでしょうか...いえ、それより

翠「それより、何も干渉は受けてませんよね?」

『翠』「誰に?...あぁ、そういうこと?」

翠「えぇ、そうです」

もし今この時間の私から静止するような念話の一つでもあるなら、私達が今していることが回り回って私達の首を絞めるような蝶の羽ばたきである可能性もあります
しかしそれがないなら...どうしても出来ない状況とかでないなら...まだ致命的なやらかしはしていないことになります

『翠』「考え無しなわけじゃないことはわかった、よし本気で探そう...エルフナインちゃん!」

エルフナイン(未来)「はい、何ですか?」

『翠』「この時間の『私』や翠がよく出入りしてた部屋とか場所とかない?お気に入りの~とか」

エルフナイン(未来)「出入りしてた部屋ですか?うーん...」

なるほど、そもそも私の部屋や家以外に可能性が高い場所があるかどうか、あるようならそっちを先に漁るって算段ですね

エルフナイン(未来)「...ごめんなさい、わからないです」

『翠』「そっかぁ」

エルフナイン(未来)「そういえば、よくギャラルホルンの様子を見に行ったりは...」

翠『翠』「「それだ!」」

どう考えてもそれじゃないですか!そうと決まれば早速!

エルフナイン(未来)「あぁでも!えっと、勝手に使ったりはしてなかったはずですよ!無許可でのギャラルホルンの起動は確認されてませんでした!」

...なら、確定ではありませんね

翠「もしやどこかの並行世界に入り浸って、と思ったけど使ってないなら違いますね...」

『翠』「それギャラルホルンをイミテーターで模倣して並行世界に行ってた、とかないよね?」

エルフナイン(未来)「アウフヴァッヘン波形は検知されてなかったので...」

ですが、この部屋や自宅よりは探し甲斐はあるかもしれません

・・・

エルフナイン(未来)「ギャラルホルンには触れないようにしてください、使用の許可は下りてませんから」

そういうわけで今度はギャラルホルンの部屋です
ししょーにこの部屋を調べる許可を貰いここを訪れるまでの間、私は少し考え事をしていました

翠「私達を含めて誰かがこの時間の私が隠しているものを探すようなことになったとします、まず調べるのは?」

『翠』「普段使いしてる部屋」

翠「そこには芸能活動についての記録が見付かりました、しかしそれは目当ての物ではありませんでした、なら次は?」

エルフナイン(未来)「ご自宅ですね」

翠「そこの玄関にはこれ見よがしに門番のように蛇達やルシエドが待ち構え、この先では金ピカガングニールの資料やら地下室やらが見付かりました」

『翠』「まぁ目当ての物じゃなくても当たりだとは思うよ、わざわざ守りを固めてるわけだし」

えぇ、実際私達もそこまで調べてからは今日まで何処かを更に探そうとは積極的には思いませんでした

翠「そしてそれでも納得出来ず聞き込みをすると、どうやらとある完全聖遺物が保管された部屋によく出入りしていたと...そしてその完全聖遺物はまさしく目当ての物に限りなく近い性質を持つギャラルホルン」

『翠』「ギャラルホルンを見れば、それこそ本当の当たりだと思うわけだね」

翠「2度3度の前座の後で、そろそろこれこそが本命だと疑わなくなる...かも...なったとして、です、その場合ギャラルホルンなら最高の隠れ蓑になると私なら考えるかもしれません」

『翠』「つまり?」

翠「可能性は十二分!」

エルフナイン(未来)「探しましょう!」

私達は手当たり次第に部屋の至る所を調べていきます
置いてある物は勿論、古典的な...例えば壁や床にスイッチが隠してあるとか...ものがないかどうか




元の時間への帰還の為の何らかの存在、どのようなものが見付かった?安価下
(装置であれば見た目や使用方法、資料や理論であれば内容、帰還させてくれる存在の連絡先なら何処の誰なのか等)

『翠』「まさか本当にそれっぽいものが見付かるとはね...やってみるもんだね」

エルフナイン(未来)「まだこの装置がどのようなものなのかわかりませんが」

翠「まぁ、そうですけどね...」

散々漁り探し罠やら回り隠し部屋やら転移陣やら色々あった結果
私達は今、巨大な謎の装置の前にいます

エルフナイン(未来)「とりあえず、ここまでの道のりは全て無断で本部を改築したことになるので...」

翠「怒られるのはこの時間の私ですよね?私関係ないですよね?」

嫌ですよ私、まだやってないことでお説教食らうの...まぁ元の時間に戻ってから同じことをやらないとは言ってませんが

『翠』「マイノリティ・リポート...はちょっと違うかな?それよりコレ動かせそうなの?」

翠「そうですねぇ」

目の前にある装置は、輪の形をしていました
人1人余裕で潜れるサイズで、すぐ近くには台に乗せられたコンピューターパネルのようなものがコードで繋がれています
見たところ稼働はしていないようですが



安価下1
1 動かせないか適当に弄ってみる
2 とりあえず触らずにこの時間のししょー達にも報告

コンマ下2
奇数 干渉有
偶数 干渉無
ゾロ目 よく見たら勝手に動き始めてない?

翠「私ならこうするだろうな、という勘を頼りにしていいなら動かせるかもしれませんが...上手くいったとしても繋がった先とこことを自由に行き来出来ないようなら取り返しが付かなくなりますし」

もし一方通行なものだと、私達だけこの装置が繋がった何処かへ飛ばされたりするかもしれません
最悪この時間のエルフナインちゃんも巻き込まれ、他の皆さんには装置自体見つけてもらえない、なんてことも...容易に想像出来ますね...

翠「一先ずししょー達にこの装置のことを知らせましょう、進展があるかはともかく情報共有は大切です、ホウレンソウです」

エルフナイン(未来)「報告、連絡、相談ですね」

『翠』「それをこの時間の翠がしなかったってことがまさに装置見付けた今この瞬間にわかっちゃったけどね」



「していましたよ、流石にお説教はいくつになっても楽しくなるものじゃありませんからね」



急に聞こえてきた私達3人以外の声
突然のそれに驚き辺りを見回すと、目の前の装置...巨大な輪の縁にいつの間にか1人の女性が腰掛けています
ひらひらとこちらに手を振る彼女は見知った相手

翠「めがmっ...アキさん!?」

この時間では初めて会う女神様でした




何かする?安価下
(特になければ女神様はこのまま、装置を見付けたことだけししょー達に報告します)

時空震に巻き込まれてからは見掛けていなかったので、何だか懐かしさすら感じてしまいます
いえ、というか本当にいつ部屋に入ってきたんですか!?全然気が付かなかったんですが...

『翠』「びっくりしたぁいつ入ってきたの!?全然気付かなかったんだけど...」

あ、『翠』もそうでしたか
しかし何故今、ここに...後その前に

翠「聞きそびれる前に念のため聞いておきましょう、アキさんは...どっちのアキさんですか?」



コンマ下
奇数 元の時間
偶数 この時間
ゾロ目 ???

見た目こそ元の時間の女神様との違いは見られません
勿論ある程度年齢を重ねている大人の人は8年経とうとあまり変化しないというのはあるでしょうが、あまり変化しないというだけで大体の人はやはり変わります、ししょー達もそうでした
しかし女神様はどちらかというとエルフナインちゃんと同じカテゴリ...所謂一般的な人間とは異なる肉体だと思うので、見た目が変わらないパターンの可能性もあります
というか第一、何と言っても神様ですし

「なるほど確かに、私からすれば明らかですが余計な齟齬は回避するべきです、そこははっきりさせておくべきですね...私は現代、この時間からすれば過去、いえ既に並行世界...」

翠「つまり...!」


女神「えぇ、そうです...翠さん達と同じ、元の時間の私ですよ!」


彼女は...私達のよく知る女神様は、両手を広げ笑みを浮かべました

翠「まさかこっちで会えるとは思ってませんでしたよ」

『翠』「というか、来られると思ってなかった...いや出来なくはないだろうけども」

女神「あ、あれ?」

女神様は器用にも笑みを保ち両手を広げたまま指をちょいちょいと動かしています

翠「どうしました?」

女神「こういう場面だと普通、感動の再会のハグとかするんじゃないんですか!?」

翠「ダメですよ『普通』なんて軽々しく言っちゃ、多様性の時代なんですから」

女神「そういうことではないんですが」

『翠』「この時間でもしっかり多様性大切にされてるしね」

確かに嬉しい再会ではありますが、感動のというほど期間が開いたわけではないでしょう
まぁ気恥ずかしいというのもありますが...

『翠』「あれ?でもさっきこの時間の翠について知ってる風な感じの台詞吐いてなかった?というかいつからこっちの時間に来てたの?」

そういえばそうでした、私達と同様聞き込みのようなことをしたんでしょうか

女神「来たのは本当についさっきですよ、何せこの時間軸を私ですら中々感知出来ませんでしたからね...それとこの時間の翠さんについて知っているのは少しズルをしたからです」

翠「ズル?」

女神「簡単に言えば在るべき時間の観測の応用、歴史の覗き見...私自身の力ではない上に、本当にこの時間では出来ることの制限が厳し過ぎて自由にはやれませんが」



何かする?安価下
(特になければ女神様はこのまま、装置を見付けたことだけししょー達に報告します)

・・・

それらしき装置を発見出来たり、意外な再会があったりしましたが
具体的な動かし方がわからないこと、そしてこの部屋(正確にはその通り道)にギャラルホルンが保管されているため、長時間の探索はししょーの許可が下りていません
その事をエルフナインちゃんから伝えられ、一旦部屋から出ることにしました

翠「アキさんも皆さんと合流しますよね?...アキさん?」

声をかけようとして、女神様が忽然と姿を消していることに気が付きました
さっきまであの謎の装置に腰掛けていたはず...現れた時も気付きませんでしたが、今度は消えるとは

『翠』「いないし...神隠し?」

翠「いやいや...この部屋から元の時間のアキさんが出てきたってことが伝わると不味いことがあるとか、ですかね?」

まぁ女神様なら少なくとも単体なら自在に並行世界越えられそうですし、女神様に限って何者かによって拐われて行方不明なんてことはないでしょう
神様が神隠しは本当に訳わかりませんし...ん?神様が誘拐したら神様が神隠しってことになるんでしょうか?

まぁきっと『大丈夫』でしょう

翠「あー...エルフナインちゃん!私も把握出来てない部分が多くて説明は難しいんですが...アキさんなりの理由が何かあると思うので、アキさんがここにいたってことはどうか内密に...お願いします!」

あとはエルフナインちゃんに内緒にしてもらうだけです
これに関してはもうダメ元ですね...
いざとなったら今度女神様に会った時に文句を言いましょう

翠「どうか!」

『翠』「お願い!」

エルフナイン(未来)「わ、わかりましたから頭を上げてください!言いませんから!」

翠「そこを何とか...ぅえ?」

『翠』「いいの?」

エルフナイン(未来)「はい...」

おぉ...しっかり者でそういう部分には厳しいイメージがありましたが、まさか見逃してもらえるとは
あぁでもよくよく考えたらエルフナインちゃんって元々はキャロルちゃんの所からダインスレイフ持ち逃げして来たりと柔軟がきく娘でしたっけ

翠「良かったです...」

『翠』「危うく記憶改竄するところだったね、出来るか知らないけど」

翠「そんなの簡単に出来たら苦労は...あっダイレクトフィードバックシステム...」

『翠』「冗談だから絶対やめてね」

なんて話しながら、私達は謎の装置が置かれた部屋を後にするのでした







エルフナイン(未来)「お2人が言ってた『アキさん』って...誰のことだったんでしょう」

・・・

翠「エクスドライブモードチャレンジの時間です!!」

『翠』「パンチマインドハッピネスみたいに言わないの...え?やるの?」

翠「少なからず、むしろ大きな進展があった今!もはやこれは帰還まで秒読み...なればこそ!」

『翠』「テンション高いね」

謎の装置を発見したことはししょー達に伝えました
知らない間に本部の一部が改築され変なものを持ち込まれていた件についてこの時間の私がお説教を受けることが確定しましたが私には関係ありません!えぇ関係ありませんとも!

翠「さぁやりますよ!」


安価下
1 手堅く樹海風深層世界でやる
2 シミュレーションルームでやる(翠ちゃんと『翠』ちゃん)
3 シミュレーションルームでやる(元の時間から来た装者全員+刀使のカラオケ)
4 その他(記述)

翼「何か見付けたらしいな、この世界の叔父様も緒川さんも忙しそうにしていたぞ」

未来「帰る手立てが見付かったの!?」

翠「そ、それを今調べてもらってまして...」

エクスドライブモードチャレンジをするにあたって元の時間の装者と刀使の皆さんに集まってもらいましたが...
大丈夫そうにしていたはずの未来さんの食い付きが凄いです
やはりあれは痩せ我慢だったみたいですね、元の時間では響さんが絶賛乗っ取られ中なので致し方ありません
他の皆さんだって謎の装置のことを聞くと大なり小なりソワソワしています

翠「とにかく!進展があったことは事実ですから、まだまだ奇跡寄りのエクスドライブモードをがんがん引き釣り下ろしたいと思っています」

『翠』「今回はマリアさんもいて安定感ありそうだしね」

翠「刀使の皆さん!フォニックゲインよろしくお願いします!」

エレン「がんがん歌っちゃいマスよー!」



コンマ下
(成功率45%より、コンマ下1が46以上の場合成功率更新)
(45以下の場合変動はありません)
(ゾロ目の場合特殊ルート)

・・・

絶唱とエクスドライブモードとアスクレピオスによる肉体回復を繰り返し

切歌「もう無理デス...」

調「頭がぱーになりそう...」

マリア「せれ...な...」

クリス「LiNKER組が限界だ...終わりでいいな...」

『翠』「じゃあ...終わり~...」

全員意識が曖昧になってきたところで、今回のエクスドライブモードは終了となりました

翠「えぇと、今回成功率はっと...おぉ!凄いですよ皆さん!驚異の76%!」

未来「前より上がったね」

夏菜「おおよそ4分の3ですか...奇跡から大分身近になりましたね」

上々の結果と言えるでしょう
やはりマリアさんが加わったことが大きいかもしれません、エネルギーベクトル操作はフォニックゲインの移動がよりスムーズかつ正確に行われます
まぁ...当のマリアさんがやや大雑把気味な時が多々あるので正確さはまちまちですが

翠「皆さんありがとうございました」

薫(刀使)「おう、まぁお疲れ~」



安価下
1 例の装置の様子を見に行く
2 お仕事について
3 休む!
4 その他(記述)
5 イベント判定

エクスドライブモードチャレンジ終了と共にその場は解散となり、私は1人自室に戻ってきました
『翠』は寄るところがあるらしくさっき分かれましたし、いつもの如く朝から出掛けている過去の私もまだ帰ってきてないようですね

翠「はぁ...」

ベッドに腰を掛けると、自然と溜め息が漏れました
自分でも気付かない間に相当疲れていたのでしょうか

翠「今日は謎の装置に女神様、目に見えた進展もありましたからねぇ」

女神「呼びました?」

翠「うわっひゃぁぉお!?!?」

誰もいないと思って独り言を口にした瞬間隣から声をかけられ、危うくベッドからずり落ちそうになりました
いや本当音もなく隣に座ってるの何なんですか女神様!?

翠「あっていうかさっきも急に消えたり何なんですか...?」

女神「まぁまぁ良いじゃないですかそんなこと」

良かないんですが...主に私の心臓に悪いという意味で

女神「それにしても本当お疲れのようですね、こっちの時間に来てから大変ですか?」

翠「まぁ...この時間だったり過去の時間だったり...」

女神「あぁ、そういえば過去の時間にも行ったんですね」

翠「えぇ、そこで初っぱなからその時間の私に接触してしまったり、挙げ句その私までこの時間に来てしまったり...」

そこから私達の会話は話の流れで過去の私についての話になっていきました



女神様の反応安価下

女神「大まかには把握していましたが、改めて聞くと...いえ、なってしまったものは仕方ありませんね」

そう呟く女神様の表情は、心なしか険しくなっているように見えます

翠「あまり良くはないですか?」

女神「かなり...なるべく早く元の世界に帰してあげないと面倒事になるかもしれません...主にフィーネさんの動きが変わる可能性があります」

やはり、懸念されるのはフィーネさんのことでした
自分で言うのも何ですが、私は割と早い段階でフィーネさんに目を付けられていた...見張られていた過去があります
ならその監視されている私...過去の私が姿を消せば、多少なりとも気に留められることにはなるかもしれません
と、いう私の考えを女神様に伝えてみたところ

女神「多少、で済むかどうかは...そうですね、翠さんがあの頃のフィーネさんの立場ならどう考えてどう動こうとするか考えてみるのはどうですか?」

翠「フィーネさんの立場、ですか?」

女神「あの頃のフィーネさんにとって翠さんは『自分が知らないシンフォギアを所持し、身柄を二課に保護され装者として所属することになった天涯孤独の少女』といったところでしょうか...翠さん、まず何を調べますか?」

翠「えっと...経歴とギアの入手経路ですかね?」

女神「そうですね、何ならそこは二課の方針という大義名分がある分徹底的に調べるでしょう」

そうなると行き着くのは私というより『翠』の経歴、そして『翠』の両親が聖遺物の研究に着手していてギアの作り方に辿り着いていてもおかしくないということ
ついでに実は風鳴家の血筋でもあるんでしたっけ

翠「こうして考えると女神様のことや転生のことが思い付かなくても私が...『蒼井翠がギアを持っていること』の筋は通りますね、両親だけじゃなく風鳴家にこっそりコネがありそうってなります」

実際『翠』の両親に風鳴家とのコネがあったのか知りませんし『翠』には無かったみたいですけど

女神「そうですね...ですが、今回巻き込まれてしまった過去の翠さんは少し事情が違いますよね」

翠「?」

女神「フィーネさんが監視を始めるとしたら恐らく早くて初日...過去の翠さんが初めてギアを纏った瞬間からです」

翠「ですね」

女神「で、いざ監視を始めてみると...謎の3人組が翠さんの自宅を訪れ、そのまま泊まっていくわけです」

翠「私とマリアさんとエレンさん...滅茶苦茶怪しいですね!?」

女神「しかも調べても唐突にその世界に出現した存在なので経歴も素性もわかりませんからね、おまけに内2人はまたもや把握していないギアを纏って戦う始末」

翠「そりゃあネフシュタン纏ったクリスさんに襲われもします」

女神「それ以降も他の皆さんが少しのズレの果てに出現したりするわけですが...その上今度は過去の翠さん自体が忽然と姿を消します...集団テレポート、錬金術師絡みだと思ってくれたらまだマシですが、彼女はギャラルホルンを知っていますからね...」

そこまで推理出来たら流石に出来すぎな気がしますが、フィーネさんの膨大な知識からどんな推理が導き出されるかは流石に私達にはこれ以上想像出来ません

翠「ま、まぁどこまで私のことを...過去の私のことを気に留めているかわかりませんし...」

女神「ですが最低でも『自分の監視を振り切った存在』という認識はされると思いますよ?そんな存在を認知したフィーネさんがどの程度計画を変更してしまうかは...」

翠「それもう過去の私を過去の時間に帰したくらいで解決しますかね!?」

女神「こちらとあちらの世界が完全に分岐しそれぞれで基準となる時間が進んでしまっている今、如何に流れの早さが異なったとしても完璧な修復は...なので過去の翠さんの為にフィーネさんの推理、予想、想像、が最小限で留まるように配慮した方が良いのでは、と」

既に手遅れ感が...同じ私として過去の私にはなるべく必要以上に困難にぶつかってほしくないと思ってしまうのですが...
すみません過去の私、今後原作知識が本気で役に立たないかもしれません...

女神「それに、何かの拍子にこの世界、この時間のことに辿り着いてしまったら...いえ、考えすぎですね」

翠「こちらが巻き込んでしまった手前言いにくいですが、過去の時間で致命的な事が起きてしまっていても私達では面倒見れませんからね...」

女神「えぇ、出来ることがあるとすれば帰る前に心構えをさせること、流れが大きく変わりすぎない程度には助けになるようなお土産を渡すくらいそういえば肝心の過去の翠さん本人は何処へ?」

翠「さぁ...?」



女神様と何かする?安価下
(特になければイベント判定)でしょう...

・・・

女神「キャロルちゃんとキャロルパパさんが?」

翠「はい、突破口になるかも、とエルフナインちゃん...この時間のエルフナインは張り切ってます」

次に話したのはキャロルちゃんとイザークさんの念話についてです
女神様は今こうして元の時間からこっちの時間へと来てくれましたが、それに用いた方法で私達を連れ帰ろうと言い出さないということは、それは難しいということでしょう
ならやはり私達が元の時間に帰るのに必要になるのはきっと例の装置や、キャロルちゃん達の念話から逆算する座標...と思い相談というか報告してみました

女神「なるほど、それで...どおりで」

翠「何がですか?」

女神「あぁいえ、こちらの話です...この世界に絞り込めたのは急にこの世界と元の時間の繋がりが濃くなったからなんですが、恐らくそれが原因でしょう」

翠「ほぇ~...あ、じゃあ探知能力は女神様よりキャロルちゃんの方が上ってことですかね」

女神「は、はあ~ぁ!?ち、違いますけど~!今は地上にいるから力が大分弱まってるだけで本気出したら全然負けませんけど~???」

あぁ、こっちの時間に来て結構保てていた女神様の穏やかキャラ的なものが簡単に崩れてしまいました...

女神「そもそもこの世界自体感知しづらいんですよ私の認識から逸れるというか拒まれるというか!...こほん、ですが、えぇ、キャロルちゃんやキャロルパパさんがが人類としてはかなり上位の技術者であり霊体であっても...特出しているのは事実でしょう」



コンマ下
奇数 例の装置について進展あり
偶数 進展なし
ゾロ目 ???

(エルフナイン『今ボクを見ましたね!これであなたとも縁が出来ました!!』


翠「ってことですか?」

エルフナイン「いえ不思議な夢だったとはいえそんな台詞は言ってませんが」)

女神「おっと、そろそろ時間ですね...」

翠「時間?」

女神「いえ、少し残量が...こちらの話です、気にしないでください」

翠「はぁ」

再会してからというもの、なーんか隠してる感じがするんですよねぇ...私の不利になるようなことはしないと思える程度には信用しているのでまだ何も聞きませんが

女神「それよりどうです?あの装置についての進展は」

翠「何かわかれば呼び出しがあるはずなので、多分まだ進展はないってことでしょうね」

あの装置を作ったであろうこの時間の私に聞ければ済むとは思いますが、あちらから干渉してこないというのが答えの気もします
というかこの時間の私も一応私達の帰還方法を探ってくれているはずなんですが...あの装置だけじゃダメってことなんでしょうか?それとも...

女神「調べるにしたって起動させられなければ始まりませんからね...」

翠「ですよね...やはりフォニックゲイン!?」

女神「エネルギーといえばフォニックゲインというのは安直では?」

翠「うぐっ」

女神「というかフォニックゲインだけで良いのならこの時間の翠さんでも起動させておけたのでは?」

翠「わかってます、わかってて言ってみただけですよ!」

でも電力とかいうオチとは思えませんし...

翠「あとは...神の力?それによくあるのは誰かしら人柱になるとか」

女神「概念的にはある意味その2つはほぼ同義とも言えますけどね」

翠「そうですか?」

女神「人柱は言ってしまえ神への供物、神に「先払いするから力を分けてくれ」とお願いするようなものじゃないですか」

翠「あー...」

生命力が~っていうのじゃなくて本当に捧げられるタイプの人柱ですか
確かにそっちはある意味神の力を使う手段と言えますね

・・・

女神「まとめると『キャロルちゃん達の念話によって座標も判明』『時空間移動が可能になった後やることといえばまず過去の翠さんを送り帰し、翠さん達も元の時間に帰る』というところまでは計画として確定しているわけですね?」

翠「ですね、帰る手段もブラフでなければきっとあの装置が肝でしょう、起動させられませんが」

女神「なら当面の方針は装置の起動手段の確保とアイドル活動ということですね!」

翠「ですね...ん!?え、それも知ってるんですか!?」

女神「知ってますよ~、新進気鋭の新人アイドルCBAちゃん!」

こっちの時間に来たばかりで色々まだ知らなそうだったのに何でピンポイントでそれだけもう知ってるんですか...

女神「いえ、近々大きなライブをやってもいいかもしれないとウェル博士が呟いているのを聞きまして、ピンと来て少しばかり検索を...頑張ってくださいね、私も陰ながら応援してます」

翠「私の知らないところでまた話が進んでるじゃないですか...!」ば

あぁもう本当に...こんなことやらせるこの時間の私にはいつか痛い目見てもらわないと気が済みそうにありません!

翠「応援とかいいので出来れば助けてくれませんかね!?あと新進気鋭と新人は意味被ってると思いまs...いない!?」

横を向くと、そこにはもう女神様の姿はありませんでした

翠「何しに来たんですかもう...」

何だか余計にどっと疲れた私は、そのままベッドに倒れ込み眠りに付きました
ほぼ不貞寝です


安価下
1 眠ったついでに園子ちゃん達のところへ
2 次の日へ飛ぶ(何をするか記述)

・・・

園子「大分感覚がこの時間に引っ張られてきてるね...」

翠「感覚、ですか?」

園子「ううん、気にしなくて良いと思うよ、下手に認識しても悪化するかもしれないから」

若葉「私ははっきりさせるべきだと思うが...こういうことは園子の方が詳しいだろうからな」

肝心な部分をはぐらかされてる気がします...というか絶対はぐらかしてますよね!?
女神様といいこの時間の私といい、その『今はその時ではない』的な謎ムーヴ
やられる側は結構ストレスなんですけどねぇ!

園子「それより、謎装置発見は良い進展だと思うんよ~」

翠「でも動かないんですよね...」


何かする?安価下

園子「動かないのはきっとまだ足りないものがあるんだろうね...それとりんりん!話は変わるんだけどね」

今日はコロコロ変わりますね

園子「最近のエクスドライブモードの特訓は赤嶺ゆーゆやかなみん達に歌ってもらってるでしょ?」

翠「はい、思いの外しっかり結果が出てきててびっくりしてます」

そう答えると園子ちゃんはにこにこしながら胸を張り

園子「私達もやってみる、っていうのはどうかな?」

翠「やってみる...ってもしかして」

園子「そう!エクスドライブモードの特訓、私達も歌ってみるのはどうかな?」

・・・

園子「真面目な話をするとね?ここにいる私達の行動がりんりんしか知覚出来ない念話以外の形で外部に影響を及ぼせるか、その実験も兼ねてはいるんよ」

翠「ほほう」

フォニックゲインは人の歌声から発生するもの...その場に存在する『音』がキーとなります
しかし念話、テレパシーは音が発生するものではありません
少なくとも現代科学で拾い上げられるほどの音は
なので、園子ちゃん達のような深層世界に魂のみで存在している人や幽霊等の歌声ではフォニックゲインは発生しない...そう予想されます

園子「でも絶対とは限らない、装者の心象を読み取ることが出来るシンフォギアなら尚更」

翠「単にフォニックゲインを感知出来るかもしれないし、私の心象の変化だとギアが認識してエクスドライブモードに変化が見られるかもしれない...」

園子「まぁ実のところ、私達も何か力になりたいっていうだけなんよ」

優しく微笑みながらそう言ってくれる園子ちゃん
その言葉に私も嬉しくなってしまいます

若葉「だけ、ではないだろう?」

翠「え?」

若葉「少なからず、自分もたまには歌いたい...そういう気持ちがあるんじゃないか?園子」

園子「えへへ~、それもあるのです!」

あら良い笑顔

園子「そういう若ちゃんは~?」

若葉「いや、私は」

園子「どっちにしても一緒に歌うのは確定だよ~」

若葉「そうなのか!?」

翠「若葉ちゃん、そこはほら『乃木若葉がんばります!』って」

若葉「翠さんは私に何を言わせたいんだ...?」

園子「私は~?」

翠「えっと...『まずはググれ?"Fountain of Ellie"』とかでしょうか」


安価下
1 早速手短にエクスドライブモードチャレンジ
2 深層世界でも練習しておく
3 何か話す(記述)
4 その他(記述)

園子「流石に深層世界内で深層世界外のまだ経験していないことのシミュレーションは再現度が低くなるから難しいけど、りんりんに力を送るつもりで歌うという行為のコツは掴んでおくべきじゃないかな~」

若葉「そうか?」

園子「そうだよ~」

そう言うと園子ちゃんはテーブルの下からマイクを2本取り出し片方を若葉ちゃんに渡しました

園子「そして~!りんりんには!」

翠「エクスドライブモードになるつもりで絶唱すればいいですか?」

園子「そういうことだぜ~!」


エクスドライブモード負荷軽減率コンマ下1
(00は100%扱い)

・・・

翠「体感的には2割減...といったところでしょうか」

園子「大丈夫~?」

翠「大丈夫ですよ、体力回復出来ませんが体内外の傷はアスクレピオスで治せますし...」

ギアをアスクレピオスに変えてっと...この細胞が早回しするような感覚癖になります...

園子「体内外というか、深層世界でのそれは全部纏めて精神体であって現実の肉体とは関係ないはずからそれは実質回復なような...りんりんが良いならそれで良いのかな?」

若葉「良いのか?」

園子「りんりん達のツールは意識的、無意識的問わず認識が重要だからね~、それは便利ではあるけど理屈的な理由を考えちゃうような人にはむしろ不便かもしれないんよ」

あれ、私がアスクレピオス使ってる間にまた何か話してたみたいですね

園子「ところでりんりん」

翠「はい?」

園子「話は変わるけれど、神樹様がりんりん達の世界の『誰か』からハッキングを受けてる...っていう話をしたのは覚えてる?」

一回この深層世界越しに神樹様にコロコロされかけたやつですね、忘れようがないですねぇ!

翠「ハッキングしている『誰か』が誰なのかを突き止めやめさせる...でしたよね?」

正直、私はその犯人はシェム・ハさんだと思っています
それも元の時間の...つまり響さんに憑依して元の時間で暴れてるシェム・ハさんですね
まぁそう考える理由はあくまでタイミングやシェム・ハさんの能力が合致し過ぎるという根拠しかありませんが

翠「犯人が誰であれ、元の時間の『誰か』なら結局この時間からの帰還を済ませられないと言葉の説得も拳の説得も出来ませんよね...」

園子「それなんだけどね?」

裏技がピッカーンと閃いたかもしれない、と
園子ちゃんは言いました


何かする?安価下

園子「あくまで『かもしれない』だからまだ確実じゃないけどね~」

翠「それってどういう...」

園子「確実じゃないからまだ話せないかな、不確定要素の程度はなるべく低くしたい...しなきゃいけないから」

それでも聞かせてほしいような...このことを伝えて、尚且つ詳しくは伝えないことに意味がある、とか...

園子「それでねりんりん、話は変わる...というより戻るんだけど」

翠「今度は何ですか?」

園子「りんりん達の知ってる人達にも歌ってもらうのはどうかな?お友達とか、まだ歌ってもらってない刀使の人達とか」

翠「えっ...更に?」

まぁエクスドライブモードの強化に繋がる可能性があることは何でもやるべきだとは思いますが...
しかし園子ちゃんが言うんです、多分やった方が結果的に良いはずです

翠「となると夢姫ちゃんや『凜音』ちゃん、それに紫様達でしょうか...でも夢姫ちゃん達はともかく紫様達はこの時間だとこの時間の刀使の世界ですよね...」


安価下
1 この時間(未来の時間)の皆さんに頼む
2 元の時間の皆さんに頼む(通信機越し)

・・・

悩んだ末、元の時間の皆さんに頼んでみることにしました
元々あちらの状況も気になっていましたし

翠「となるとししょー達やエルフナインちゃんが通信するタイミングで時間を貰いますか...」

今のところ最後にあちらの時間との連絡があったのは通信ではなくこの時間のエルフナインちゃんが受けた念話
キャロルちゃんがシェム・八さんの時間稼ぎをしてくれていること、シェム・八さんの意識が荒魂...恐らく吸収されたタギツヒメの残留思念...に奪われつつあるということ
その2点についてのものです

翠「こうしている間に響さんや友奈ちゃんが主導権を取り返してた!みたいなご都合展開があったら嬉しいんですけどね...」



コンマ下
奇数 通信良好
偶数 通信が繋がらない
ゾロ目 ???

翠「おはようございまー...す?」

次にいつ通信をするのか知らない私はそれを尋ねようと司令室に向かうと、朝から忙しなく動き回るししょー達や職員の皆さんの姿を目にしました
いえ、いつも皆さんしゃきしゃき働いてますが、ここまでのは何かしらの異常事態が起きた時くらいです
ということは、異常事態が今起きてる...?

エルフナイン(未来)「あ、おはようございます翠さん!」

翠「おはようございます...何かあったんですか?」

丁度通りかかったエルフナインちゃんに尋ねると

エルフナイン(未来)「それが、今朝過去との...翠さん達の元いた時代との接続が切断されてしまって...このままでは通信も出来ません...」

このタイミングで!?
時間を貰うどころの話じゃないじゃないですか...

エルフナイン(未来)「現在原因究明中です」

翠「そうですか...」


安価下
1 とりあえず仕事へ
2 エルフナインちゃん(未来)のお手伝い

翠「よし!私もお手伝いします!させてください!」

...と意気込んだはいいものの

翠「通信ってこの時間で電波障害が起きている場所...時空の歪みが発生している場所を利用して行ってたんですよね?接続が切断されたってつまり、時空の歪みが消えたってことですか?」

エルフナイン(未来)「そうですね、といっても元々時空の歪みはいくつかの場所でそれぞれ不定期に発生しては消滅する不安定なものでしたから、発生率が高い場所毎に自動的に時空の歪みを検知し接続する機械を設置していたのですが」

つまりそういった場所全てで待てど暮らせど時空の歪みが発生しなくなってしまった...ということですか
これ私がやれることありますかね...?

エルフナイン(未来)「原因究明というのはまさしくその時空の歪みの発生が途絶えてしまった原因を探すことと新たな時空の歪みの捜索なんです、ボクは後者ですね」

電波障害が起きている場所、最近起きていた場所を各所のS.O.N.G.と協力関係にある組織やSNS等を通じて探しているのだと言います


安価下
1 時空の歪みが発生しそう、してそうな場所へ向かう
2 一緒にSNSを辿る
3 むしろ時空の歪みを発生させる方法を考える
4 その他(記述)

ならば私も、とエルフナインちゃんが使っているのとは別のタブレット端末を借り、SNSを開きました

翠「さぁ、検索を始めましょう」

ちなみに一応私個人の(というかこの時間の私の)アカウントやCBAとしてのアカウントは持っていますが、今回はS.O.N.G.で用意されたダミーのアカウントを使っています

エルフナイン(未来)「何か見付けたら知らせてください、電波障害に関するもの以外でも気になるものがあれば」

翠「わかりました!」



コンマ下1
奇数 電波障害関連
偶数 電波障害関連以外

どんな情報?安価下2以降
(コンマ下1が奇数なら電波障害が起きた(起きている)場所等、偶数なら電波障害関連以外で気になった情報)

翠「流石にそんなに簡単にはいきませんか...」

『電波障害』『電波が弱い』『繋がらない』『調子が悪い』等、思い付く限りのワードで直近の呟きや書き込みを絞ってみますが、求めているようなものは全然ヒットしません
ストレートに時空の歪み...空間の裂け目だとか穴だとか、そういった方向性でも探してみますが結果は芳しくなく

翠「...ん?」

エルフナイン(未来)「何か気になるものがありましたか?」

翠「いえ、うーん...大したことではないんですが」

恐らく電波障害や時空の歪みには関係ないし、ここから繋がることもないでしょう
しかし気になったのかと聞かれれば気になったのも本当なので、一応伝えるだけ伝えてみます

翠「コレって多分、荒魂のこと話してますよね...?」

エルフナインちゃんに見えるように向けたタブレット端末の画面に映し出されているのは『8年ぐらい前に現れた怪物』についての他愛のない書き込みでした

『ノイズとは別物っぽかった』『全身黒くて所々オレンジに光ってた』『でかかった』『色々な場所で目撃情報も結構あったのにほとんどニュースにもならなかった』『政府が揉み消した説』

と、半ば都市伝説と化しているようですが
8年前...つまり私達が元いた時間ら辺でその特徴は十中八九荒魂でしょう
ノイズやアルカノイズと違い並行世界案件だったこともあり、S.O.N.G.は荒魂については情報統制をしていましたし

エルフナイン(未来)「ですね...というか改めて見てみると」

翠「意外と荒魂関連の呟き、多いですよね...?」

トレンドになるほどではありませんが、TLをざっと流し見してみるとそれなりの頻度で荒魂関連らしき呟きを見掛けます
返信や書き込みも...緩やかに、しかし確実に増えているような

エルフナイン(未来)「でも、どうして急に...8年も前のことなのに...?」

翠「あ、そうですよね、言われてみれば」

私からしたら荒魂のことは廃れ始めた流行りくらいには割りと最近のことですが、エルフナインちゃんが言うように...というか書き込みにもしっかり書かれているようにこの時間からしたら8年も前のこと
それがどうして急に?



コンマ下
奇数 きっかけになるような呟き、書き込みが
偶数 想起させるような何かの目撃情報が

荒魂関連の呟きや書き込みを遡って見ていくと、とある書き込みがきっかけになった可能性が高いことがわかりました

翠「えっと...」

どんな書き込み?安価下

『夜中に散歩に出掛けていたら、木の影から妙な黒い生き物が出てきた』

昨晩...すでに日を跨いだ時刻ですが...に投稿された書き込み
投稿者はその書き込みに続けて『すぐ茂みの中へ隠れていった』と続けています
その為写真を撮る暇もなかったと
他の人達はそれでも覚えている特徴はないのかと問いかけ、色々な推測が出されていました
野良の子猫や子犬ではないか、ゴミが風で飛んだのではないか、こういう場合ツチノコがお約束だ等々

翠「結局大元の書き込み主から出た明確な情報は『黒い生き物』というだけ、他は推測があっちに行ったりこっちに行ったり...そうしていくうちに荒魂のことをふと思い出した人がそれを書き込み」

エルフナイン(未来)「当時荒魂のことを知らなかった人が荒魂を懐かしむ人に尋ね、朝になる頃にはその話題が広まっていた、ということですか」

こうなるともはや誰も書き込み主が見た『黒い生き物』の正体を明かそうとしなくなっています
そもそもこういったネットの書き込みなんて真に受けず、その上で楽しんでいる人が大半なのでしょうが

翠「この書き込みが深夜、時空の歪みの発生が止まったのが今朝...偶然と言ってしまえばそれまでですが」



安価下
1 『黒い生き物』を捜索
2 『黒い生き物』については頭の片隅に置いておき、SNS辿りに戻る
3 その他(記述)

たった1つ、されど1つの目撃情報
0だった手掛かりが1になった目撃情報
またすぐ0になってしまう可能性も十分
なればこそ、他に有力な情報がないか改めてSNSを辿った方が、1より2、それ以上にした方が良いのでしょうか
ですが、とはいえ後回しにし、やはりこの目撃情報以外に何も見付からなかったとなってしまえば、そこから動き出すのでは些か遅過ぎるでしょう

エルフナイン(未来)「では、同時進行ですね」

翠「ですね」

二手に別れる
片方が荒魂と思われる『黒い生き物』の行方を探し、もう一方が改めてSNSを辿るということです
と言っても私とエルフナインちゃんが二手に別れるわけではありません
私達と、私達とは別のやり方で手掛かりを探してくれているししょー達...S.O.N.G.職員さん達です
よくよく考えればもう既に二手でした

・・・

ししょーに事の経緯を説明した私達
ししょーは快く『黒い生き物』についての捜索に人員を割いてくれると言ってくれました
二手が三手になりました

翠「では改めて...」


コンマ下1
奇数01~49 電波障害関連
奇数51~99 電波障害関連以外
偶数 特に見当たらない

どんな情報?安価下2以降
(コンマ下1が01~49の奇数なら電波障害が起きた(起きている)場所等、51~99の奇数なら電波障害関連以外で気になった情報)

あれからそれなりの時間...具体的には陽が高く上り時計の針が真上を刺す頃までずっとSNSと掲示板を監視していましたが、中々結果は芳しくありませんでした

友里(未来)「朝に荒魂の捜索を相談しに来てからずっと部屋から出た様子がないって聞いて来てみれば...やっぱり2人ともずっとその作業を続けてたのね」

翠「友里さん?えっいつから」

友里「今、でもノックはしたわよ」

ノック全くと言っていいほど聞こえませんでした...それほど集中していたということでしょうか

エルフナイン(未来)「友里さん、何か進展があったんですか?」

友里(未来)「いいえ、でも翠ちゃんには連絡...伝言?があるわ」

翠「伝言?」

友里(未来)「ウェル博士から」

翠「あ、じゃあその伝言キャンセルで」

エルフナイン(未来)「相変わらずノータイムで拒絶しますね」

まぁ半分冗談ですけども
用もなく可笑しな伝言をし合うような間柄ではありません、ならその伝言はそれなりに重要なものなのでしょうし

友里(未来)「今度の大型ライブについてなのだけれど」

翠「そんなんあるんですか!?」

友里(未来)「そこから聞いてないの!?」

あ、いえ、女神様が何かそんなこと言ってたような...女神様から聞いたとしてもどっちにしろ私ちゃんとした連絡されてないんじゃないですか!

友里(未来)「うぅん、まぁ詳細は改めて翠ちゃんの方で聞いてね」

はぁ...あの糞眼鏡め...

友里(未来)「とにかく、その大型ライブが延期になるかもしれないって」

翠「無期限の?」

友里(未来)「それも半分冗談?」

翠「モチロン」

半分は本気ですけどね
仕事を辞めたわけではないんです、いつかは次の仕事が来るのは当たり前...
いやことアイドルに関してそれは当たり前ではないのですが、それはまぁ置いておくとして

翠「延期の理由は何か言ってました?」

友里(未来)「なんでもかなり深刻な機材トラブルが発生してるとかで」

翠「また機材トラブルですか...」

この前もありましたね機材トラブル...
アイドル回あるある、なんて言ってしまえばそれまでですがこれは現実
そんなお約束は勘弁願いたいです
天丼ですし
こんなことで二度あることは三度あってもらいたくはありません

翠「でもこういうことを考えると三度どころか毎度になりかねないかもですね...機材トラブル...機材トラブル?」

機材トラブルと聞いて思い浮かべるのは主に2種類
機材そものもが物理的に損傷している場合と
機材に損傷がなくとも動作に不具合が生じている場合

翠「エルフナインちゃん!」

エルフナイン(未来)「ありました!今日開催されているライブ会場で妙な電波の乱れが」

翠「流石速いです」

エルフナインちゃんの端末を覗き込み呟きを見てみると、どうやらどの呟きも『人が密集し過ぎて電波が混雑している』と捉えているらしく、通信障害と呼べるほどの大事になっているとは思ってなさそうでした
どおりでヒットしないはずです...
それに、午前中はライブの真っ最中、その間会場ではスマホや端末の電源をオフにしていたでしょうから、観客の多くは通信障害に気付いていなかったのでしょう
あるいは糞眼鏡からの伝言が正午頃に来たことやそのライブが午前中は何事もなく行われていたなら、通信障害もついさっき起き始めたのかも

翠「でもよくすぐにどこの会場かわかりましたね、それとも今日開催されているライブはその1つだけだったとか?」

エルフナイン(未来)「あ、いえ...ボクも翠さんの大型ライブがどこで行われるのかは知らされていたので」

翠「エルフナインちゃんまで知ってることだったんですかその大型ライブ!?」

これもう意図的に伝えてないまであるのでは!?あ、でも伝言は普通に来ましたしやっぱり嫌がらせか忘れてるかですね...

・・・

友里(未来)「...つまり、その会場で今起きている通信障害の原因が、時空の歪み復活に役立つかもしれない、ということね?」

エルフナイン(未来)「今日だけでなく明日以降の予定まで延期が視野に入るということは、余程大規模な通信障害だと思いますから」

翠「それにこの会場は...十中八九S.O.N.G.の管理する、一般的な会場以上に徹底された管理が施されているはずです...よね?」

友里(未来)「えぇ、そうね」

現在通信障害により機材が軒並み使えなくなり、しかしそんな中本日主役のアイドルの方々がアカペラとファンのサイリウムの光でライブを続行させているというなんかもうそっちはそっちで違う番組始まってますね?みたいな会場
CBAとして活動している私の大型ライブが近々開催されるらしい会場
その会場の場所が、名前が、既視感があると気付いたのはつい先程のことでした

何を隠そうそこは、かつてツヴァイウイングのライブが開催された...奏さんが命を燃やし、翼さんが片翼を失い、響さんがガングニールを受け継いだ場所

翠「偶然とは思い難いことこの上ない場所ですからねぇ」


安価下
1 調査はOTONAにお任せ
2 調査に同行する
3 その他(記述)

場所が場所だけに思うところがないわけではない、どころか思うところしかないような展開
しかし逆にこれは好都合でもあります

友里(未来)「荒魂の件同様、会場の電波障害についての調査も司令に進言しておくわ」

翠「お願いします」

会場がS.O.N.G.管理下である以上、こんな風にS.O.N.G.の調査が行いやすいということですし
勿論管理下の場所でなくとも余程の他所の横槍やなんかがない限りは調査が行われたでしょうが、楽に越したことはありません

翠「では引き続き...」

友里(未来)「それはそれとしてはい!エルフナインちゃんも翠ちゃんも一旦ストップ!」

今日朝からずっと行っている作業に再び戻ろうとしたところ、私とエルフナインちゃんのタブレット端末は友里さんに取り上げられてしまいました

エルフナイン(未来)「あ、あの?」

翠「何のつもりの当てこすり...!」

地味に言いたくなる台詞が言えました
使い方合ってるかよくわかりませんが

友里(未来)「使い方間違えてるわよそれ、そして危うくここに来た目的を忘れるところだったわ」

翠「伝言のことでは?」

私が認知していない(してましたが)大型ライブとやらの、延期の可能性

友里(未来)「それもだけど、それはついでで頼まれただけだから」

次いで

友里(未来)「2人とも...その調子だと絶対お昼ご飯忘れるでしょう?」

・・・

今日朝からずっと行っている作業があって
言われてみればその『ずっと』が続く限り、小休憩は挟むにしても食事を挟むほどの気持ちの切り替えは恐らくしなかったでしょう
昼食のことは頭からすっぽりと抜けていました
というか、なんなら朝食も食べ忘れたような

翠「エルフナインちゃん、少し嬉しそうですね」

ところで隣を歩く少女は何故こんなにも表情を綻ばせているのでしょうか

エルフナイン(未来)「そう見えますか?いえ、嬉しいというか懐かしいというだけなんですが」

懐かしい、ですか

エルフナイン(未来)「ご飯のことで注意を受けるのなんてここ数年ありませんでしたから...仕事はずっと継続してありましたが、ご飯のことを忘れて没頭する程の仕事は久し振りです」

そう話すエルフナインちゃんの表情はやはり綻んでいるように見えます
果たしてそれが表情を綻ばせるようなことなのか、それは私には判断が付きませんでした

翠「あ」

沙耶香「ん」

食堂に訪れると、そこには1人先客が
そういえば、やはり荒魂の件は刀使の皆さんにも伝えるべきですよね
本当に荒魂が出現したのなら力を借りざるを得ませんし

・・・

沙耶香「わかった、皆に伝える」

翠「お願いします」

これでヨシッ!


『黒い生き物』についてコンマ下1
奇数 進展あり
偶数 進展なし

ライブ会場の電波障害についてコンマ下2
奇数 進展あり
偶数 進展なし

昼食を取るついでに沙耶香ちゃんとお互いの軽い近況報告やなんかを済ませ、私とエルフナインちゃんは研究室に戻ってきました
何か進展があると良いのですが...

エルフナイン(未来)「早速いくつか連絡が来てます!」

翠「おぉ、幸先が良いですね!」


『黒い生き物』についてや会場の電波障害についての新情報安価下

・・・

『黒い生き物』についての呟きがされてから、あるいはライブ会場において電波障害が確認されてから、数日が経過しました
未だどちらもはっきりとした実態は掴めていませんが、それでもどちらもほぼ毎日少しずつ情報が集まってきます
そして、そこから導き出されたある種の法則のようなものも

翠「『黒い生き物』の有力な目撃情報は深夜に集中していて、恐らくその時間帯が主な活動時間」

毎日というわけではありませんが

エルフナイン(未来)「電波障害そのものは時空の歪みは発生させていないものの継続して起きています、そして決まった一定の時間帯でその乱れは強くなるようですね」


時間帯コンマ下
奇数 深夜含む
偶数 深夜除く
ゾロ目 むしろドンピシャ

電波障害が起きる時間帯には、『黒い生き物』の目撃情報があった時間帯も含まれていました
まぁ片や深夜のみ、片や深夜含む色々な時間帯ということなので、これだけでは関係性を示すには至りませんが
むしろ、別件と考えた方が良いでしょう

翠「別件であるなら、どちらかの件について人員を増やさざるを得なくなった時は大きな動きをするタイミングを双方が被るタイミング以外にする、とか」

エルフナイン(未来)「そういった工夫は出来ますね」

逆に一度に両方の件について動く、ということも出来ますが


コンマ下1
奇数 電波障害の原因が判明
偶数 『黒い生き物』のより詳細な情報が判明
ゾロ目 ???

安価下2
(コンマ下1が奇数の場合は電波障害の原因、偶数の場合は『黒い生き物』のより詳細な情報を記述)

翠「『黒い生き物』がイコールで荒魂なのはそろそろ断定しても良さそうですね...」

エルフナイン(未来)「目撃情報も増え、それらしき写真もアップされ始めましたしね...」

ブレたものばかりでピントが合ったものはありませんが、写っているのはどれも黒い皮膚と溶岩のような光る箇所を持つ小動物
刀使の皆さんにも見てもらいましたが、やはりそれは荒魂で間違いないだろうとのことです

翠「で、日を増す毎に具体性が増す程度の情報がネットから集められているわけですが...私達が常に後手に回り続けてしまうのは如何なる因果なのでしょう...」

エルフナイン(未来)「S.O.N.G.職員の皆さんも刀使の皆さんも、現場付近に居合わせたタイミング自体はあっても荒魂を直接捕まえるどころか発見することすら出来ずに今日まで来てしまいましたね」

翠「荒魂におちょくられている気分です...」

こちらの動きが読まれているとでも言うのか...!みたいな気分です
野生動物でも多々あることですし...

翠「せめて行動パターンや行動範囲をもっと絞り込めれば...」



コンマ下1
奇数 絞り込めた
偶数 全然

どんな行動パターンや行動範囲?安価下2以降

その後も捜索を続けますが、目撃情報はあるのにこちらは実際目撃出来ないという状況が続きます
しかしそろそろ限界かもしれません...
一度目撃情報が出た場所をその都度立ち入り禁止にして徹底捜索が行われてきましたが、その事が噂になるのもそう時間はかからず
S.O.N.G.まで辿り着くような特定はされないものの、目撃情報が増え続けている『黒い生き物』の存在が単なる見間違いではないのでは、という陰謀論(あながち間違いでもないのですが)の賛同者もまた出てきていました

エルフナイン(未来)「情報操作にも限界がありますからね...」

翠「しかしもっと大々的に、というのも難しいですよね...」

しかし『黒い生き物』を探していながらも見付けられないというのは、何も私達だけに限った話ではないのも事実です
どういうことかといえば、それだけ話題になれば興味本位で探そう、捕まえようと考える人も当然いるわけで
それは主に当時実際に荒魂を直で見ていない人達のようです
荒魂を直で見たことがある人は荒魂の危険性を身をもって知っているので妥当とも言えますね

翠「この人も捕まえようとしてるみたいですね、情報提供求めてます」

ふと目に留まったとあるネット配信者の女性の書き込みには、今度『黒い生き物』を探す様子を動画にするからめぼしい場所をコメントで教えてほしい、と
こういうのはいつの時代になっても変わらないんですね...

翠「私も教えてほしいくらいですよ!」

そんなことを言ったところでどうしようもないんですが
恐らくS.O.N.G.が既に持っているもの以上の情報は得られないだろうと思いつつも、一応そのコメント欄に目を通していきました

翠「やはりどれも既に見付けた書き込みにあった場所ばかりですか...」

何ならそれらの場所を纏めて箇条書きにしてくれている人もいますね
そしてその人への返信も「ありがたい」やら「乙」やら...

翠「「人気のない場所ばっか」...ですか」

そういえば、どの目撃情報も深夜帯だから騒ぎになっていないのは当然だと思っていましたが、言われてみればどの場所も昼間であっても人気が少なそうな場所ばかり...?

翠「エルフナインちゃん、今までの目撃情報で人気の多い場所はありましたっけ」

エルフナイン(未来)「え?いえ、路地裏や公園の草むらなんかが多かったかと」

翠「むむ...」

改めて調べてみると、特定の場所を示す書き込みではなくとも『人気のない場所をよく徘徊している』という類いの書き込みをいくつか見かけるようになりました
そして確かに『黒い生き物』の目撃情報の傾向としてそれは合っています
それにこの辺はそれなりに都会で深夜帯でも割と外出している人や車は多いので、そういった意味でも特に『人気のない場所』と言えるでしょう

翠「いえ、しかし...」

確かにS.O.N.G.で捜索している今、その場所を『人気のない場所』に絞ってはいません
が、大は小を兼ねるという言葉の通り捜索場所は範囲が広いだけに『人気のない場所』も含まれています
ならばこそ無駄は多くなってしまったとしても見過ごしてしまうようなことは...

翠「いえ、あるいはまさか...」

荒魂もそのことを承知している、もしくは意図せずそうならざるを得なくなっている可能性は...


安価下
1 方針に変更はなし
2 『人気のない場所』にだけ絞って大人数でローラー作戦
3 『人気のない場所』にだけ絞って人数も絞ってローラー作戦
4 周辺住民に一時退去をお願いして街そのものを『人気のない場所』にしてしまう
5 その他(記述)

(翠「待っていましたよぉ!!!!!!さぁ来いグリムd」

『翠』「気が付けばこっちだとゆゆゆ要素が大分占めてきてるからね...おかしい、コラボSSじゃなかったはずなのに...」

翠「遂に勇者ギア公式化ですよッ!なるべく諦めない!為せば大抵なるとかなるとはこの事ッ!」)

エルフナイン(未来)「捜索方法を変える、ですか?」

翠「どうでしょう」

私が提案してみたのは、捜索の時間帯を『人のいない時間』に、捜索現場を『人気のない場所』に、そして捜索方法を人海戦術から『ドローンによる偵察』に変更することでした
今までのありとあらゆる事態に対応する為のやり方とは正反対ともいえるとても狭い限られた範囲の事態にしか対応出来ないやり方ですが、その上で私なりに考えた結果の...いえ、単純に賭けですね

翠「勿論常にリアルタイムでドローン映像を確認することと、いつどのタイミングでも私達装者や刀使の皆さんが現場に急行出来る準備をしておくこと前提で、ですが」

装者も、というのは人気のない場所に現れかねないのが荒魂だけではないからです
というか、この時間ではめっきり出現頻度は下がっているらしいですが荒魂よりノイズの方が余程出現する可能性は高いといえます
バビロニアの宝物庫が原作のようにネフィリム大爆発で内部完全崩壊してるわけではないままネロさんに引き継がれていますし、そしてこの時間ではそのネロさんの存在があやふやになってしまっているという
なので本当にバビロニアの宝物庫がこの時間ではどのような状態なのか誰にもわかりません

翠「とはいえやはり今のやり方に比べて不足の事態での対応は遅れてしまうと思います、根拠も私の仮説未満の考えでしかありませんし...」

エルフナイン(未来)「いえ、相手は未知です、未知を既知で出し抜くことは出来ません...思い付いたことは全て試してみましょう、いつものように」

翠「!...はい!」

そうして私とエルフナインちゃんで頭を下げた結果、ししょーは提案を受け入れ諸々の手配をしてくれました
そして...


コンマ下
奇数 映像に人影が
偶数 映像に特に何も映らない
ゾロ目 映像に乱れが

・・・

ドローン映像を見続けてしばらく経ち、その瞬間は唐突に訪れました


ザッ...ザザッ...


翠「...あれ?今映像が」

気のせいでしょうか、ここまでずっと安定していた映像に乱れが見られたような

翠「独自回線なんですよね?このドローン」

エルフナイン(未来)「そのはずです、無線ではありますが特殊な回線を用いているので仮に一帯で電波障害が起きても問題なく稼働するように出来てます」

そういえばそろそろ例の電波障害が起きる時間帯ですね、と続けるエルフナインちゃん
そう、電波障害問題が同時進行な今、当然用意されたドローンは電波障害対策されたものです
なので映像に乱れが起きる筈がありません、やはり見間違い...


ザザッ...ザザッ...


翠「...いややっぱりこれ乱れてますよね!?」

街の様々な『人気のない場所』を映し出す複数のドローン映像
そのどれもが激しさの差はあれど乱れていきます

エルフナイン(未来)「ど、どうして...!?」

翠「とにかくししょー達に知らせて...っ!エルフナインちゃん5番の映像!拡大してください!」

指示を仰ごうとししょー達のところへ行こうとしたその時、1つの映像の中にチラリと何か影が映ったのが見えました

エルフナイン(未来)「これは...人、でしょうか」

翠「ただの通行人...何か前に構えてますね、スマホでしょうか」

私達はモニターに顔を近付けてその映像を凝視します
映像は相変わらず乱れていて見辛いものですが、荒魂ではなくスマホを前に突きだしながら歩く女性のようですね

翠「すみません、早とちりだったみたいで...」

エルフナイン(未来)「翠さん!ここ!」

翠「へ?」

エルフナインちゃんがその映像を改めて指差しました
急いで視線を戻すと、そこには女性の前へと歩を進める四足歩行の黒い生き物の姿が

翠「荒魂...!」

さっきまでどこにもいなかった筈...建物の影に隠れていた?いえ、考察は後です

翠「刀使の皆さんに出動をお願いしてください!ししょー達にも話を通して!」

エルフナイン(未来)「は、はい!翠さんは」

翠「先に行きます!」

正直、荒魂が出現した場所に一般人が居合わせてしまう可能性は想定していました
しかし現地に誰かしら待機することで荒魂の出現条件が満たされない可能性も考えた結果、そうなった場合後手に回ることを許容せざるを得ず...
だとしても、許容するのはあくまで後手に回ること、決して一般人の被害を出すことではありません

「Imyuteus amenomurakumo tron」

私はアメノムラクモを纏いながら床へあるものを叩き付けました


パリンッ


床に当たり割れたそれはテレポートジェム
テレポート先に登録したのは5番のドローンの真下...つまり映像の現地の真上
急いで作ったものの時間と材料の関係で今のところ1つのドローンにつき1つずつしか用意出来てませんでしたが、まさかもう使うことになるとは

・・・


翠「はあぁぁっ!」

現地真上、はるか上空にテレポートした私は荒魂目掛けて自然落下していきます


ぐわん...


翠「ぐっ...」

この感覚...ここ一帯、恐らく電波障害が起きてる範囲で僅かに時空震が起きているようです
二度経験した時空震ほどの強い感覚ではありませんが、その衝撃に視界が揺れて...

翠「ッ!?」

荒魂の姿が透けては戻ってを繰り返している...どころか、ここから見える景色全体が揺らめくように色彩や形にブレが生じていました
荒魂と向かい合っていた女性は私に気付いたのか、眼鏡のレンズ越しにこちらを見上げ


安価下
1 女性の安全第一、女性を連れて荒魂から距離を取る
2 荒魂討伐優先、女性を背に刀使メンバー到着まで時間稼ぎ
3 その他(記述)

undefined

羽衣の浮力で落下スピードを落としつつ女性の前に着地した私は、改めて荒魂を観察しました
形、大きさ共に大型犬のようなそれは威嚇するように唸り、今にも襲い掛かってきそうです
しかしその身体はハッキリと見えたと思えば向こう側が透けて見えるようになり、そしてまたハッキリと見えるようになり...と色が安定しません
それは普通の荒魂ではあり得ないことでした

翠「そこの貴女、あの生き物は危険です、下がってください」

「あ、うん、はい」

背後に庇っている女性に向けて救助時のテンプレの1つを掛けつつ、この後の行動をどうするべきかと考えます
荒魂を警戒しつつ周りへ視線を移すと、先程上空から見た通り建物が、地面が、景色そのものが荒魂同様不安定になりつつあり、異常事態で異常地帯なのは明らか
ですがよく見れば色彩や形は変わりつつも、荒魂のように全体が透けてしまう建物は稀でした
違う色になったり、違う建物になったり、看板の文字が変わったり

翠「ぐっ...」

そしてずっと感じ続けているこの時空震の感覚
となれば目の前の光景は時空の歪みによるもの...例えばこの時間と別の時間の同じ場所が僅かに重なって出現してしまっているとか...

翠「...こっちへ!」

「え」

私の予想が正解かどうかはわかりませんが、もし予想が正解だった場合この場に留まったままでは時空震に巻き込まれ別の世界、別の時間に飛ばされてしまうかもしれません
そうなる前に出来るだけここから...この時空震が起きている範囲から逃れるべきでしょう
それにこの頭痛では、女性を守ったまま荒魂と戦うのは、例え刀使の皆さんがここへ来るまでの時間稼ぎであってもこなせると断言出来ません

翠「安全な場所まで避難します!捕まっててください」

「腕?腰?」

翠「へ?あ、えっと背中?ですかね?」

「うい、じゃあ背中ね~」

undefined

あまりに落ち着き払った口調で尋ねられ、逆にこっちが焦ってしまいます
そしてとっさに背中と言ってしまいましたが羽衣が邪魔になってしまいますね...いえ、ついでにおんぶ紐のようにして結んでしまいますか、その状態でも飛べますし

翠「で、では改めて、捕まっててください」

「捕まった」

翠「行きます!」

その場で跳ねるように地面を蹴り上げそのまま荒魂とは反対方向に向かって飛び、荒魂はそんな私達を追いかけてきました

・・・

翠「エルフナインちゃん!皆さん!誰か聞こえてますか!...ギアの通信も使えないとは、これも通信障害の影響...?」

通信障害の、時空震の範囲の外まで出られれば繋がるでしょうか
ちらりと後ろを向くと、荒魂の足は存外速くしっかり走ってきています
果たしてそこまであの荒魂を連れてきて良いものか...ですが見失ってしまうよりは...

「ねぇねぇ」

翠「ッ、はい、ごめんなさいもう少しなので」

「そうじゃなくて」

背中におぶっている女性に話しかけられた私はまだ安全圏に辿り着いていないことを伝えようとしましたが、遮られてしまいました
では何の用なのでしょう

「貴女って配信映っても大丈夫系?」

翠「は?」

「いえーい画面の向こうの皆見てる~?怒涛の展開だよ~!噂の生き物発見したかと思ったら親方空から女の子が!背中から引き続き配信を」

翠「良い訳ないですから!ちょっ、そのスマホ渡してください!」

不味い不味いです流石に生配信でこの状況はS.O.N.G.でも揉み消すのにかなりの苦労をかけてしまいます
そういえば荒魂と向かい合っていた時からずっとスマホを正面に構えていましたが、まさかあの時からずっと...?

「ほれほれ」

翠「あぁもう!」

「おっと、取られちゃった」

どうにか手を伸ばして奪い取った女性のスマホ
急いで配信停止を、いえ電源?非常事態とはいえ今更破壊は流石に...

翠「...へ?」



写し出されていたのは配信中の画面ではなく一面の砂嵐のノイズ
何一つ映っていません



「電波障害起きてるのに配信なんて出来るわけないでしょ?まぁ何の操作も出来なくて配信どころか録画も無理だったんだけど」

翠「...はあぁぁぁ」

どっと疲れて思わず大きな溜め息が漏れたのと同じタイミングで、ちょうど私達は時空震の範囲を抜け出しました



コンマ下
奇数 荒魂も範囲外へ
偶然 荒魂は範囲内でストップ

範囲外に出たことで時空震による頭痛も治まり、頭がスッキリしていきます

「は~いそろそろ返してっと」

翠「あっ」

一瞬油断してしまい、スマホを取り返されてしまいました
元より私やシンフォギアについて等を拡散しないなら返すつもりではありましたが

翠「っ、それより荒魂は!?」

振り向くと、件の荒魂が丁度時空震の範囲からこちらに向かっているところでした
鼻先から順にこちら側に抜け出してくる荒魂
相変わらず透けては戻ってを繰り返していた身体はこちら側に抜け出した部分から色彩を安定させ、遂に全身が抜け出したことでハッキリと見えるように

翠「範囲から出てこられない、なんてことはありませんでしたか...」

「へぇ...やっぱり連れてこられるか」

こちらが脚を止めたからか、それともあちらも範囲外に出たことに何かを感じているのか
荒魂もまた脚を止め、こちらを睨み再び唸っています
じり...じり...私が少し後退すると、荒魂がその分少し前進し、お互い距離を保ちながら様子見をする形に

姫和「間に合ったか!」

可奈美「お待たせ!」

翠「皆さん...!」

その時、刀使の皆さんが到着しました


安価下
1 ここは任せて女性を連れて帰還
2 加勢する
3 その他(記述)

S装備を纏い迅移によって駆け付けた皆さんは、そのまま荒魂を囲んでいます

エレン「後は任せるデース!」

舞衣「その人のことをお願い!」

翠「わ、わかりました!」

餅は餅屋、荒魂は刀使
一先ずは彼女達と合流出来て安心です
ですが油断は禁物...あの微弱な時空震が起きている空間も未だに健在ですし、何が起きても不思議はありません
彼女達が来たということはS.O.N.G.の職員さん達が来るのも時間の問題でしょうしそれまで今背負っている女性を守るのは当然として、刀使の皆さんの戦いにも注意を払っておいた方がいいでしょう

「問題なく倒せそう、かな」

翠「申し訳ありませんが、このまま帰すわけにはいかないので貴女にはもうしばらく待ってもらいます」

「はいはい...ところでさっき何処から出てきたの?」

翠「さっき?」

「ほら、上から降ってきた時」

翠「それは...企業秘密です」

「そっか~」

すごいずっとぐいぐい来ますね...ですが何故かこの人には懐かしさとは少し違いますが、既視感というか...とにかくさほど緊張しません
むしろ多少おざなりな態度になってしまう節もあります

「じゃあもう一個いい?」

翠「はぁ」

荒魂やシンフォギアや刀使の事は勝手に話せることなんて1つもないので期待には応えられそうにありませんが
そんな風に思っていた私ですが、その女性の質問は予想したものとは違っていて

「貴女は神様の存在って信じてる?」


安価下
1 信じてる
2 信じてない
3 その他(記述)

貴女は神様の存在って信じてる?

おぶっている女性から発せられたその一言に私は心の中で叫びました

これもしや怪しい勧誘かな!?!?と

翠「信じてます...よ?」

ま、まぁ彼女の信仰も思想も彼女の自由だと思うので構いませんが...
もし本当に何らかの勧誘だった場合この質問にYESの方が良いのかNOの方が良いのかすぐにはわからず、結果口から出た私の返答は何の捻りもなく私の本心です
もっとも正確には『信じている』ではなく『知っている』ですが

「うん、その言葉嘘じゃないよね」

翠「えぇ、まぁ」

「なら良し」

何が良しなんでしょう...
その後これといって更に質問されることもなく、ましてや何かを売り付けられることもなく
S.O.N.G.の職員さん達が到着するまで私達はただ刀使の皆さんと荒魂の戦闘を見守っていました



コンマ下1
奇数 特になし
偶数 特になし?
ゾロ目 戦闘状況に変化が

状況にどのような変化が?安価下2以降
(コンマ下1がゾロ目の場合のみ採用)

・・・

その後荒魂は6人の連携によって滞りなく倒され、それとほぼ同時にS.O.N.G.の職員さんも到着
保護していた女性...配信者のお姉さんを引き渡す時がやってきました

翠「では、後は担当の者の指示にしたがっていただけると」

「はいはい、じゃあここで一旦お別れかな」

一旦というか、もう会うかどうかもわかりませんが

翠「あ、さっきのスマホの、冗談だとは思ってますが一応中身確認されるとは思いますので」

「スマホ?あぁうんスマホね、了解了解...じゃあうん...お疲れ様、み...ッ」

み?

「みー...皆にも、よろしく?って?言っておいて、ほら、あの刀の皆に、お疲れ様って」

翠「あっ、はい」

さっきまでの態度はどこへやら、事態が収拾して冷静になってきたのか若干ソワソワしていて、言葉も歯切れが悪くなっています

「うん、そういうことだから...ありがとう、ここに来てくれて」

翠「ふぎゃっ」

そう言って彼女は私の頭を乱暴に撫で回しすぐ手を離すと、そのまま職員さんの指示に従いこの場を離れていきました

翠「嵐のような...というほどではありませんが、慌ただしい人でした...」


安価下
1 本部へ帰還し就寝
2 このまま時空震が起きている範囲内の調査
3 倒した荒魂から出たノロの調査
4 その他(記述)

本部に戻る頃にはすっかり深夜...どころかもうじき陽が昇るような時間でした
民間人の保護、荒魂の討伐こそしましたが結局あの電波障害の範囲内も微弱な時空震が起きていることしかわかりませんでしたし、荒魂が何処から、そして他にもいるのか、これから増えるのか等々問題は山積みです
が、あまり根を詰めすぎると友里さん辺りにまた怒られそうで...どこかしらのタイミングで仮眠を取っておきましょうか...

翠「その前に、試してみますか」

当初の目標、元の時間への帰還...のためにも通信の確立
こちらとあちらの座標さえわかればと思っていましたが、未だに座標がブレて通信すら不安定なのは他にもっと根本的な要素が抜けているのか

翠「ですが、この今ならもしかしたら...」

繋がりを強固とするためにあちらとこちらを繋ぐ時空の歪みを探したりもしてきましたが、あの微弱な時空震空間はその取っ掛かりになるかもしれません
それもこれほど長時間保ち続けているなんてことはそうそうあるとは思えませんし
というわけで、私はエルフナインちゃんに提案し、元の時間との通信を試みることにしました


コンマ下
奇数 繋がった!
偶数 繋がらない...
ゾロ目 ???

通信を試みて十数秒
モニターに映る『NO SIGNAL』の文字が切り替わる瞬間が来るのを願って見詰めていると、本部内に警報が鳴り響きました

翠「まさか!」

エルフナイン(未来)「いえ、通信は相変わらずです!このアラートは確か...」

その警報が何を示しているのか同時に思い至った私達は思わず見合せ、部屋を飛び出します
向かった先はとある完全聖遺物が管理されている一室

翠「ギャラルホルンが、起動した...!」

ギャラルホルン自体は常に起動し、過去繋がったことのある並行世界と繋がっています
この場合の起動というのはギャラルホルンが鳴ること...つまり、どこかの並行世界で起きた異常を検知したということ
それも、エルフナインちゃんの見解では『並行世界間を乱しかねない脅威』のような存在を

翠「このタイミング、偶然だと思いますか」

エルフナイン(未来)「わかりません、無数に存在する並行世界は時と場合を選んでくれませんから...実際に見てみないことには...ひゃっ!?」

翠「うわぉっ!?」

その時、床が突然大きく揺れ、廊下を走っていた私達は転んでしまいました
今のは、地震...いえ違いますね、これは本部が...潜水艦が動いている?
それも中で揺れを感じるほどの動きで?

エルフナイン(未来)「何が起きてるんでしょうか...」


安価下
1 ギャラルホルンの部屋へ
2 操縦席へ
3 司令室へ
4 その他(記述)

翠「と、とりあえず一旦司令室に向かいましょう、ししょー達なら何かわかるかもしれません!」

私達は方向を変え、司令室を目指し激しく揺れる艦内で再び駆け出しました
突如起動したギャラルホルンのこともそうですが、この揺れも間違いなくししょー達も気付いているはずです

翠「召集をかけられる可能性も高いので一石二鳥というやつです!」

エルフナイン(未来)「多分使い方間違えてます!」

・・・

司令室に到着すると、そこではひっきりなしに様々な警報が鳴り友里さんや藤尭さん達がししょーの指示でモニターとにらめっこしながら走り回っていました
絵に描いたような修羅場です

翠「これは...話し掛けづらいですね...」

ですが、声をかけることを躊躇していても自体は進展しません

エルフナイン(未来)「あの!この揺れや先程のギャラルホルンのアラートの原因は!」

と思ってる間にエルフナインちゃんが要件を端的に簡潔に簡単にこなしてくれました

弦十郎(未来)「む、エルフナインくんと翠くんか、それがだな...」



揺れの原因コンマ下1
奇数 判明してる
偶数 判明してない

どのような原因?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

どちらも未だ原因不明
ギャラルホルンも、この揺れも
ギャラルホルンはまだどの並行世界と繋がったのかわかっていませんし、揺れに至っては操縦等進路変更出来る区画に異常は見られなかったそうです

弦十郎(未来)「勿論現在地震や津波、それに準ずる災害は起きていない...強いて挙げるとすれば」

エルフナイン(未来)「未だ収まっていない複数箇所での電波障害...いえ、微弱な時空震ですか」

荒魂討伐以降、時空震が起きている箇所で新たな荒魂は発見されていません
そして時空震自体も次々と収まっています
ぽつりぽつりと未だ収まっていない箇所はありますが

翠「残り6箇所ですか...うぅ」

それにしても艦内の揺れは一向に収まる気配がありません、壁に手を付いていないとまた転んでしまいそうですね

エルフナイン(未来)「だ、大丈夫ですか?」

弦十郎(未来)「この断続的な揺れだ、酔ってしまっても無理はないか...」

翠「いえ、そういうのでは...ただちょっとバランス感覚が」



安価下
1 何かわかるまで大人しく待つ
2 本部からの脱出を試みる
3 ギャラルホルンの様子を見に行く
4 残ってる時空震が収まっていない箇所の監視
5 その他(記述)

いくつもの異常事態が同じタイミングで起きた、否、起きている今
私達にとっては残念ながら日常茶飯事ですが、この時間にとっては数年続いた平穏が一気に瓦解したも同然です
ましてや本部全体が自然現象とは到底思えない謎の力によって影響を受けるというのは余程の事態
この異常事態群がこの後も続く可能性を危惧し、私達...元の時間から来たメンバーは一ヶ所に集められ待機を言い渡されました

調「うぅ...頭痛い...」

切歌「イガリマのブーストで飛び回っても平気へっちゃらさんだったアタシも、何でか頭がぐるぐるデース...」

夏菜「大丈夫ですか?」

マリア「結構な数がダウンしてるわね、感染症の類いではないのでしょう?」

翼「まさか集められて早々メディカル検査を挟むことになるとはな...」

集められて判明したのが、具合が悪いのが私だけではないということです
私含めて誰も吐くほどではありませんが
せいぜい立っているのが少し辛くなるくらいで

『翠』「ピンピンしてるのが『私』と夏菜と翼さんとマリアさん、あと赤嶺ちゃんか」

薫(刀使)「ったく...さっきまで御刀振り回したって平気だったのに...ぁー」

翠「この人数...ただの乗り物酔い...じゃないってことでしょうか...」

しかし、仮にこれも時空震やギャラルホルンが私達...元の時間のメンバー、あるいはこの時間以外から来たメンバーに対してのみ作用する何らかの電波的なものを発していたとして
何故『翠』達がそこから除外されているのかがわかりません
やはりそんな都合よく元の時間のメンバーやこの時間以外から来たメンバーだけに等というものではなく、もっと別の法則性があるのでしょうか


この時間以外からといえば

翠「あれ...過去の私は...呼んでないんでしたっけ...」

『翠』「いや呼ばれてたと思うけど」

マリア「彼女なら「枕が変わると寝られないから」って昼間に出て行ってたわよ、この時間の自宅に寄ってくるって、もしかしてまだ本部に帰ってきてないのかしら」

未来「翠ちゃんそうなの?初耳...うぅっ...」

『翠』「『私』も初耳なんだけど」

翠「私も...ですけど...」

切歌「翠さんも『翠』さんも割といつでも何処でも寝れてるデスよね?...デッ...デース...いっぱい喋ったら一気にぐらっと来たデース...」

第一この時間に来てからずっと寝泊まりしてましたよね...
まさか知り合いが居なさすぎる空間に耐えられなくて逃げた!?自分のことだからこそあの頃の私ならあり得なくはないと思えてしまいます...


コンマ下
奇数 本部の揺れが収まる
偶数 ギャラルホルンの方から何かが
ゾロ目 時空震の範囲が...

カッッッ!!!


翠「う゛っ...!?ま、眩しっ」

次の瞬間、世界が...いえ、本部艦内が光で満たされました

切歌「め、目がーッ!デスッ!」

マリア「この光、どこから...!」

視界が塞がれるほどの明るさだったのは一瞬ですぐに周りがちょっと明るめに見えるくらいに収まりましたが、それでも十分に明るい光が変わらず廊下の方から漏れています

『翠』「イマレント?」

夏菜「絶対違うと思いますけど...朝日が昇ったわけでもないでしょうし」

友奈(赤嶺)「とりあえず辿ってみる?この黄金の光の源まで」

翼「いや、司令の指示があるまでは動かない方が良いだろう、あまりにも一度に事が起き過ぎている」

姫和「...ここにいるままで...部屋の外がわかるような何かは、ないのか?...うっ...」

翠「一応...タブレットで監視カメラの映像やなんかは...」

頭痛に加えてチカチカする視界をどうにか我慢しながら艦内のカメラの映像を見ていきました
どの映像も黄金の光に照らされて見辛いものばかりですが、場所によってその明るさが若干異なっています

翠「一番明るい...つまり光源は...ここですね」

そこは丁度数刻前エルフナインちゃんと共に向かい、結局訪れなかった部屋

翠「ギャラルホルン...」

ギャラルホルンから、というよりはギャラルホルンが開いた穴から溢れ出している光
それはよくよく見ると真っ直ぐ上へと伸びていました



安価下
1 変わらず待機
2 その他(記述)

明らかにただ起動しただけではない状態のギャラルホルン
様子を見に行くべきでしょうか...いえ、この畳み掛けるような異変に次ぐ異変に根負けして動いてしまうのは...
結論を出せぬまま、私は結果的にその場に留まり続けています


《大丈夫、その不快感はあと少しで良くなりますよ》


翠「っ...?」

聞き慣れないような、それでいてよく聞くような、しかし確かに聞き覚えのある声
ガンガンと痛みの走る頭の中に響いたその声は、私の意識を強引に引っ張ってきました

・・・

気が付くと、そこはさっきまでいた部屋ではなく

翠「ここは...深層世界、ですか?」

それも、私の深層世界のようでそうでない深層世界...ここもまた既視感を覚えています

翠「いえ、既視感というか...確か前にも1度ここに」


「そう、また会いましたね...いえ、また呼んだのは私の方ですから、それは少し違いますか」


声がした方に振り向くと、さっきまで誰もいなかった所に1人の女性がちゃぶ台を前にして腰を掛けていました

翠(未来)「久しぶりですね、若き日の私」



何か話す?安価下

翠(未来)「どうですか?元気にしていましたか?」

翠「健康体なことを元気にしていたと形容するならしていましたがね、現在進行形で絶不調ですよ」

身体の方だけでなく精神的にも疲れきっていますし

翠(未来)「それはそれは...お疲れ様です」

翠「誰のせいだと」

翠(未来)「全てではありませんよ?私が貴女にしたことなんてほんの少し...せいぜい湯飲み1杯程度ですよ」

そう言いながらちゃぶ台の上に自分と私の分の湯飲みを出現させました
中には以前ここで飲んだのと同じお茶が注がれているようですが、生憎今は飲む気になれません

翠「自分同士でまどろっこしいのは無しです、単刀直入に聞きましょう...貴女今まで何処に行っていたんですか?それにこのタイミングで呼び寄せたということは、本当は元の時間に帰る方法を知ってるんじゃないんですか?」

この時間の私もまたお茶には手を付けず、ただこちらの様子を眺めてきています

翠(未来)「前者はともかく、後者はここに私がいるということだけで十分、そうは思いませんか?」

翠「私なら思うんですか」

翠(未来)「思いませんね、少なくともこの返答では」



今まで何処に行っていた?コンマ下1
奇数 答える
偶数 答えない

今まで何処に行っていた?安価下2
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

帰る方法コンマ下3
奇数 答える
偶数 答えない

帰る方法安価下4以降
(コンマ下3が奇数の場合のみ採用)
(時間のみ、場所のみ等断片的なものでも可)

(『翠』「年越しうどんの準備ヨシッ!」

女神「年越しお好み焼きの準備ヨシッ!」

翠「炭水化物と炭水化物の夢のコラボレーション...それはともかく、良いお年を~!!!」)

しばらく沈黙が続きましたが、やがて観念したかのように小さく溜め息をつき話し始めました

翠(未来)「端的に言えば、戦っていたんですよ」

翠「戦っていた~?誰と?」

翠(未来)「ノイズと」

翠「ノイズ」

翠(未来)「えぇ、装者らしく」

ノイズと戦っていた...というか、ノイズがここ数年出たという話すらこの時間の皆さんから聞きません
しかしこの疑問を私が抱くことをこの時間の私が気付かないはずがありませんし、なら今の言葉が嘘という可能性も低いでしょう...多分

翠(未来)「...今、この世界のこの時代では神格を持つ上位的存在...神様の存在が不安定になっている、というのは以前話しましたね?」

翠「急に話が変わりましたね」

翠(未来)「まぁ聞いていればわかります...それで、話しましたよね?」

...聞きましょう

翠「...えぇ、原因はわかっていないと」

翠(未来)「それは半分本当で、半分嘘です」

翠「はぁ...はあ!?」

信じようとした矢先にとんでもないこと告白されたんですが!?
思わず声を荒げてしまう私を手で制するこの時間の私

翠(未来)「半分は言い過ぎました...いえ、限りなく真実に近い推論自体は建てられていたとはいえあの段階では原因不明というのは本当ではあったんですよ」

翠「...聞きましょう」

つい2度目は声に出してしまいました
身を乗り出しかけていたのを正し、私は続きを催促します
この時間の私も頷き、続きを話し始めました

翠(未来)「この8年の間に、徐々に、意識しなければ気付けないほど微弱ずつとはいえ確実に削れていったこの世界の神様の存在そのもの...それは即ちかつて私達やフィーネさん、シェム・ハさんに憑依された響さんが手にしたような『神の力』と同一のものです...正確にはほぼ、ですがまぁ今回は同一と考えて差し支えありません」

『神の力』そのものは純粋なエネルギー、けれどそれを用いて形成されているのが『神様の存在』...概念とも少し違うということでしょうか
あるいは持ちつ持たれつ、それぞれの概念が相互に形成し合っているというか...まぁ今は置いておきましょう

翠(未来)「『神の力』が世界から減少する事象が本格的なものとなり影響が目に見えるようになったのは半年ほど前...少なくとも女神様やネロさんのことを皆さんが忘れ始め、私と『翠』も2人のことを認識しづらくなったのがその時期なので、私達はそう考えています」

翠「ふむ...読めてきましたよ、貴女が行方を眩ましたのもその辺の時期ですよね」

翠(未来)「えぇ、そうですね」

やっと質問のところまで来ました
以前尋ねた時には行方を眩ました理由は『私達が元の時間に帰る方法を探している』とのことでしたが...正直それも今となっては信用出来ません
私達がこの時間に来ることを事前に知っていたから予め動いていたという理屈は納得出来ますが、その動き出すタイミングが偶然『神の力』が減少する事象と合ったというのはどうにも
普通に考えてそっちの調査が本来の目的、私に話した方の理由は嘘ではなかったとしてもついででしょう

undefined

翠(未来)「それまでも『神の力』の減少について気付いてはいたので調査はしていましたが、半年前に女神様やネロさんに現れた影響を見てこの件は片手間で調査してる場合ではないと確信しました」

片手間...アイドル稼業の傍らで、ということでしょうか
だからそのタイミングでアイドルを休止し、皆さんの前からも姿を消した...?

翠「皆さんに協力を求めることはしなかったんですか?」

翠(未来)「しましたよ、ですが出来なかったんです...『神の力』に関する調査をしたという記憶も記録も女神様やネロさん達のように時間経過で消えてしまうんです」

何の調査をしていたのか、そもそも調査を始めたということ自体が『無かったこと』になってしまったと、この時間の私はやれやれと肩を竦めて話します
そこに悲壮感を感じないのはとっくの昔にその事は割り切ってしまったのでしょう

翠(未来)「なのでその影響が比較的少なかった私達で調査を始めたんです、けれどいくら調査を進めても原因はわからず...そうしているうちに、1つの推論を思い付き、そして1つの勘違いに気付きました」

翠「推論と勘違い?」

翠(未来)「推論は簡単です、この件の原因は現段階で『『神の力』を色濃く受けている状態』なのではないか...『神の力』によって神様に近しい存在になっているからこそ、誰もその存在に気付けないし、私と『翠』もその存在を元々認識しているわけではないからきっかけがないと気付けない」

女神様やネロさんのように神様に近しい存在になることで、自身の存在を世界の認識から外す...
この時間の私が話すその推論はあまりにも暴論でしたが、一応の筋は通っていました

翠(未来)「おっと、暴論だと思っていますね?」

翠「心を読まれた...!」

翠(未来)「わかりますよ、私とてこんな推論は冗談半分に唱えただけでしたから...私達の調査の網を掻い潜っている犯人がいると考える方がよほど現実的です」

しかしそうではないと結論付けた、だから今その話をしている、と

翠「...あ」

翠(未来)「そう、それがノイズだったんですよ、より正確に言うのなら『神の力』を得たノイズ」

『神の力』を世界から掠め取り、自身そのものを神様へと成り上がらせ、『神の力』を世界から隠したノイズ

翠(未来)「私達は『オオウイキョウノイズ』と呼んでいました」

・・・

この時間の私がノイズと...オオウイキョウノイズと戦っていたというのはわかりました
そのオオウイキョウノイズもまた女神様やネロさんのようにこの時間の私達以外の記憶や記録に残らない敵だからこそ、皆さんを頼ることも出来なかったということも

翠「そのオオウイキョウノイズとやらは、倒しきれたんですか?」

翠(未来)「さて...出来得る限り倒して回りましたが、どうでしょう」

どうでしょうって...オオウイキョウノイズの総量がわからないということなんでしょうか
それにしたっていささか楽観的過ぎる反応な気がしますが

翠「...ならどうして今戻ってきて...は、いませんが、私を呼んだんですか?」

手伝ってほしい、ということなら別に断る理由もありませんが

翠(未来)「言ったでしょう?貴女の身体の不快感はあと少しで良くなると、だからこれはそれまでの時間稼ぎ...いえ、暇潰し?箸休め...う~ん...あ、気晴らし?」

翠「何ですかそれ」

まさか深層世界に意識を飛ばしていれば頭痛を感じずに済むから、等という親切心とでも言うつもりでしょうか

翠(未来)「貴女ももっと楽にしたらどうです?お茶にまだ口も付けていないじゃないですか」

翠「楽しくティータイムをしながらするような話でもありませんでしたよね?それに気を楽にするのはせめてもう1つの質問の答えを聞いてからにしたいんですが」

翠(未来)「もう1つの...何でしたっけ?」

そう白々しく返すこの時間の私に苛立ちを覚えつつ、ぐっと堪えて当初の質問を繰り返します

翠「私が元の時間に帰る方法を知っているんじゃないか、という質問です」

翠(未来)「あぁ、そうでしたそうでした、貴女が元の時間に帰る方法」

この時間の私はニヤリと分かりやすく怪しい笑みを浮かべ、首を傾けました

翠(未来)「方法ってそんなに重要ですか?」

翠「この期に及んで...そのやり取りもさっきやったばかりでしょう」

翠(未来)「あえてもう一度言いましょう、私は今ここにいる...なら貴女は帰れるということです、そこに至る過程だってその時になれば自ずとわかる、その何が不満なんです?」

翠「私が私にはぐらかす、というのが不満なんです」

私が今その方法を知らないという状況が大切だと言うのなら、私ならそう話します
そんな風に言われればそれ以上率先して知ろうとするのもやめるでしょう
こんな風に、ただ聞き出すのを拒もうとするような回りくどいことをするのはそのムーヴに酔っているか、あるいは

翠「私に何か隠し事をしていますね?それも、私が損をするようなことを」

翠(未来)「...」



安価下
1 もう一度聞く
2 甘んじて現状を受け入れる
3 この時間の私の記憶を覗く
4 その他(記述)

(翠「新年明けましておめでとうございます!」

『翠』「今年もよろしく~」

女神「よろしくお願いします」)

この時間の私はただ微笑むだけで黙りを決め込むようです
否定をしない、ということは私の言ったことはそう間違っているというわけでもないのでしょう、残念ながら
果たして私にどんな不幸が訪れるのやら...いえ既にこの時間に来てから大分不幸な気もしなくもないですが...私が後から笑ってか呆れてか、ともかく許せる範囲のものか、それとも私がどう足掻いても避けられないような理不尽なものか
後者は...嫌ですね

翠「まぁ、犠牲にして一番心が痛まないのが自分自身というのは同意しますけどね...それならそれで、何かしらないんですか?」

翠(未来)「何かしら、というと?」

翠「救済措置だとか、詫びの品だとか、何のフォローもないのは流石に自分自身に対してでもフェアじゃないのでは?」

翠(未来)「私に得がなくなるじゃないですか」

翠「言うだけただなら言った方が私には得でしょう?」

程度はともかくこの時間の私が私を何らかの形で犠牲にすることで先に進もうとしているのなら、私がそれに抗えてしまえるチャンスを与える必要性は皆無
そんなことは承知の上ですが、私がこういう人間なのを私がわかっていないはずもありません
なら、この会話も無駄で終わったとしても既定路線のやり取りです

翠(未来)「やはり自分自身との会話は疲れますね、思い付く限りをやり尽くさなければならないとわかってしまいます」

翠「恨むなら私をここに呼んだ貴女自身を恨んでください、今の私にとってそれは身に覚えのないことですから」

この流れは、何のプレゼントも貰えないままなぁなぁで済まされてしまうかもしれませんね
ダメ元でしたしそれでもいいですけど
しかし私をここから帰す気はなさそうなこの時間の私、いつまでいさせる気なのでしょう
案外帰ろうとしても止めないかもしれませんが...帰るのを促してこないということは、今までと違って私がここに留まることに現時点ではまだ肯定的ということです、私がこう考えるとこも考慮した上で

翠「そういえば...」

いいでしょう、思い付く限りの話題を振りつつ、貴女の本当の狙いが何なのか探ってみせます


贈り物コンマ下1
奇数 有り
偶数 無し
ゾロ目 ???

贈り物安価下2
(コンマ下が奇数(ゾロ目奇数含む)の場合のみ採用)

ノーブルレッドどうなった?安価下3以降

どうしましょう...


翠「え~そこまで行ってですか~?」

翠(未来)「ですよね~、私ももうやきもきしてしまって」

翠「ん~でも口出ししていい立場でも」

翠(未来)「ないんですよね~」


それなりに盛り上がってしまっています...

雑談、というていの様子見、探りを入れようという私の作戦は、いつしかただの雑談になっていました
案の定救済措置だとかフォローをするようなアイテムを貰えるようなイベントはなくなぁなぁで済まされてしまいましたが、その間この時間の私の暗躍(?)に関係のない話題を振り、そこから本題へ少しずつ寄せようと私は努力し...気が付けば話が弾んでしまっています

何せ相手は私、意見が非常に合う
合わずとも、あぁなるほどと納得出来る理由が常に存在している
奇しくもこの8年で私は大きく変わったようで、全然そんなことはなかったのだとわかりました

翠「あとあの、ノーブルレッドの皆さん、元気にしてますか?」

翠(未来)「ノーブル...あぁヴァネッサしん達、確かそっちだとまだエルザさんの治療中ですよね?」

翠「ですね」

翠(未来)「元気だと思いますよ、3人揃って何処かへ旅に出てしまいましたから、安否はたま~に届く連絡くらいでしかわかりませんが」

翠「意外...でもないですね、でもそれならエルザさんの傷も良くなったってことですか」

翠(未来)「あぁいえ、それは...タギツヒメに付けられた傷は、結局残ってしまって、一番最近の連絡でもまだ少し痛むと」

翠「え...」

一瞬、思考が停止してしまいます

翠(未来)「アスクレピオスでも歯が立たない傷、塞がりはしていますし日常生活に支障が出るほどの痛みではないらしいので自然治癒は出来ているのでしょうけど...神獣鏡が不完全とはいえ効果を発揮したことといい伊達に神の名を騙ってはいなかったということかもしれませんね、タギツヒメ...どうかしました?」

翠「あ、えっと...」

それなりに高揚していた気分が一気に冷め、言葉に詰まってしまいました
そんな私を無視してこの時間の私は話を続けます

翠(未来)「聞いたわけではありませんが、彼女達の旅の目的にその傷を癒す聖遺物や哲学兵装、あるいは技術を探すことも含まれているのではないかと思っています...それよか本命の人へと戻る手段を見付けられれば一度に解決するかもしれませんが」

私はどこか、8年も経っているのだからきっと色々な問題が解決しているのだろうと思っていたのかもしれません
しかし当然、そうでない問題だって存在します
大きく変わったようで、全然そんなことはない
むしろ、変わったように見えるものだって、本質的には変わっていないのかもしれない

翠「...貴女は」

私は

翠(未来)「はい、なんでしょう」

翠「...いえ」

やはり変わってしまったんですか
それとも変わっていないんですか


何か話す?安価下
(特になければ後に判定)

きっと聞いたとしても、あっさり答えてくるでしょう
躱されたとしても、それはそれで変わったのだと答えるようなもの

翠「...」

変わっていないでほしい、変わったと答えられるのが怖い
なんて事は別にありません
変化とはすなわち成長、良くも悪くも...そういったことは今更得るようなことではありませんし、良い方であったならそれで良し、悪い方であったなら私はそうならないよう気を付けようと決めればいいだけのことです
だからこれは、そう...聞きたくない、知りたくないと、何故か私は今そう思っているということなのでしょう

翠「ええっと」

翠(未来)「自分自身を相手に躊躇も緊張も、貴女らしくもない...ひょっとして、何か企んでます?」

翠「いやそれは貴女の方でしょう!?」

翠(未来)「ふふっ、ノーコメント、否定も肯定もあえて避けさせていただきます」

翠「あえても何もさっきから大体そんなんだったでしょうに...」

翠(未来)「それで、聞きたいことがあったのでしょう?答えられることは答えますよ、答えたいことも答えます」

翠「それ以外は」

翠(未来)「あえて、ですよ」

らしくないのはどっちだって話です
ですが、勢いのまま突っ込みを入れて少し気分が落ち着きました
しかし、そうはいってもどうしてか、やはり聞きたくない、知りたくないというのは変わらないようで
何か別に、聞いておきたいこと...

翠「...貴女は、あの山桜の花弁について詳しく知りませんか?」

この時間の私は一瞬目を丸くした後、取り繕うように微笑み直します

翠(未来)「友奈ちゃん...結城の友奈ちゃんが持たせたマーカー、友奈ちゃんと貴女達を繋ぐ独立した回線、というのは」

翠「わかっています、私が聞きたいのはその他に何か機能が隠されていないか、という話です」

咄嗟に出した質問ではありましたが、実際気にはなっていたことです
事実この花弁以外の私達に個別に送られた記念の花は神樹様との繋がりを保つことに一役買っていますし

翠(未来)「仮にあったとして、それを私が知っていたとして」

翠「知りたいのか、なんて今更ネチネチ聞き直さないでくださいよ?ここでこうして貴女としている話は全て私にとっては辿るかもしれない今後のネタバレです」

翠(未来)「それでも内容によって及ぼす影響の大きさに違いがあってですね...いえ、それこそわかりきっていることですね」



花弁についての新情報安価下

この時間の私はずっと正していた姿勢を崩し、ちゃぶ台に肘を付け頬杖をつきました

翠(未来)「あの花弁は予想の通り友奈ちゃんの力、その友奈ちゃんの力を出力している響さんの力が籠められています...けれど神樹様ならともかく、単なる勇者に、単なる装者に、その力を固形化しつつ完全には切り離さず時空を越えさせる、なんて芸当は難しいとは思いませんか?」

翠「それは...まぁ」

簡単ではないでしょう
時空を越えて尚健在な繋がりを持つ力の結晶とはアームドギアとは訳が違います
例えばそれそのものに引かれ合う性質などがあれば別でしょうが、響さんのガングニールにも友奈ちゃんの勇者としての力にもそのようなものはありません

翠「響さんと友奈ちゃんの性質が繋ぐ力、託される力といった解釈なら無くはない、という程度でしょうか」

翠(未来)「えぇ、私も昔はそんな風に解釈しあまり疑問に思ってはいませんでした...が、よくよく考えてみればそれは似て非なるもの」

何せその解釈なら2人は探し手繰り寄せる側、探され手を伸ばされる側
そこに確実な目印など無く、無いからこそ真価を発揮する性質に思えます

翠(未来)「2人のような『主人公』ならむしろ、マーカーなど寄越さず再開が絶望的な状況になってから奇跡を起こすのがお約束...もっとも2人はそうなる前に万策が尽きていなかったようですが」

翠「それが、あの山桜の花弁」

翠(未来)「友奈ちゃんはともかく響さんらしさには欠ける行動ですが、思うところがあったのかもしれませんね、自らの最速で最短で真っ直ぐで一直線なやり方では解決出来ないことがあるのかもしれない、と」

話が逸れましたね、と言い咳払いをするこの時間の私

翠(未来)「山桜の花弁を貴女達に持たせるまでにどのような経緯があったのかはともかく、結果として花弁は完成しています、それは何故か...簡単です、記念の花と同じようにすればいい」

翠「記念の花と同じように...神樹様に頼むってことですか?」

翠(未来)「それでも出来たかもしれませんね、しかしもっと近くにお誂え向きの力があるでしょう?」

神樹様の力に匹敵する力?そんなもの...いえ、なるほどそういうことですか

翠(未来)「シェム・ハさんの力、それも元タギツヒメの荒魂の影響で弱体化したそれなら2人が手を付け挙げ句掠め取るのにそれほど苦労しなかったのでしょう」

翠「つまりあの花弁はシェム・ハさんの力を使って響さんと友奈ちゃんが協力して作った...響さんの力、友奈ちゃんの力、シェム・ハさんの力のハイブリッド」

翠(未来)「えぇ、それが当時私があの花弁を分析した結果辿り着いた結論です」

響さんが、友奈ちゃんが持たせてくれた花弁
元の時間との繋がり
そこにこの現状を引き起こした元凶の力が紛れていた...むしろ、それが肝になっていた、と

翠(未来)「そも、シェム・ハさんの本質は繋がりのある相手を侵食する力...自らと一体となっている響さんとの繋がりを持っているにも関わらず侵食を間逃れているのも花弁にシェム・ハさんの力が含まれているからでしょう」

翠「むしろ侵食し易くなりそうですが」

翠(未来)「そうも出来るでしょう、同じ力同士が反発しているという意味ではなく対等になっているという意味です、侵食を受け入れることは勿論、押し返し防ぐことも出来る...あるいは弱体化していたとはいえシェム・ハさんの侵食を自力で跳ね除けた響さんの力ですからね、シェム・ハさんの影響を防ぐ効力の方が強く出ていてもおかしくはありません」

分析した際そこまで確かめる術はありませんでしたが、と補足を付けてこの時間の私は話を止めました
シェム・ハさんの能力はシェム・ハさんが全快した場合の最大の懸念事項でしたから、これは思わぬ収穫です

翠(未来)「さて、私が出来るサービスはこれが精一杯です」

翠「それはどういう...」

翠(未来)「言ったでしょう?これは気晴らし、箸休め、暇潰し...等というのは建前で、その実態は


時間稼ぎ」

その瞬間、私の意識は引っ張られるように、あるいは弾かれるように
この場から追い出されたのでした

・・・

翠「...はっ」

深層世界から外の世界に、自分の身体に戻された...みたいです



周りの様子安価下
(本部内や他の皆さんの様子や、この時間の翠ちゃんと会っている間に何か進展しているようならその詳細)
(特に無ければ後にコンマ判定)

周りを見回すと、ダウンしていた皆さんの調子が戻ったようで部屋が騒がしくなっていました
私自身も頭痛がすっかり消え去っています

翠「これは...」

複数人が同時に調子を崩し、同時に復活する
そんな気はしていましたが、やはり時空震が原因だったということでしょうか

『翠』「あ、翠も戻ってきてる」

翠「私があっちに行ってる間に何かありましたか?」

『翠』「特には、強いて言うならまさしく今皆の調子が戻ったことと...」

『翠』はスッと廊下の方を指差し

『翠』「光ってたのが止んだくらいかな」

そう付け加えました
言われてみれば、廊下から漏れ出ていた眩い黄金の光が収まっています...

翠「...ということは!」

私は手元のタブレット端末を操作し、ギャラルホルンの様子を確認しました



ギャラルホルンコンマ下
奇数 未だ起動中
偶数 休眠状態
ゾロ目 誰かいる

・・・

光が治まったということはギャラルホルンは休眠状態に戻っているのでは
という私の予想は外れ、画面には光こそ放っていないものの静かに鼓動し続けるギャラルホルンの姿が映し出されていました
結局何の光だったのでしょう...それに、起動中ということはあのギャラルホルンもどこかの世界の危機を察知しているということになりますし...

翠「勝手に様子を見に行ったり...は怒られますよね」

せめて何かしらの進展はないものかとタブレット端末を弄っていると、街中に飛ばしていたドローンの映像の一覧に繋がりました
荒魂の件が済んだ後も何ヶ所か...確か6箇所でしたっけ?時空震が起き続けているという話でしたが、どうやらそれももう全て治まっているようです
あぁ、本部のさっきまでのも含めたら7箇所でしたね


安価下
1 誰かと交流(誰と交流するか記述)
2 ギャラルホルンの様子を見に行く
3 時空震が起きていた場所を巡る
4 この時間の翠ちゃんの部屋に行く
5 この時間の翠ちゃんの家に行く
6 その他(記述)

街の時空震も全て治まりギャラルホルンも起動中とはいえ先程までの異常な動きは鳴りを潜め
何より謎の体調不良も全員解消されたことで、私達の待機命令は解除されました

翠「さて、期せずして睡眠出来てしまい体力も回復してしまいましたね」

荒魂が出現した時空震空間に続き本部内と2度も頭痛を感じていたせいか、余計に頭がスッキリしている気さえします
事態はこれっぽっちもスッキリしていませんが...
いえ、あるいは待機命令を受けている間に、というかこの時間の私と話している間に何かしらの進展があった可能性もありますね...

翠「司令室に寄ってみますか」

待機命令が解除された時には特に新しい知らせはありませんでしたが、念のためです


この時間のししょーと何か話す?安価下

・・・

司令室は未だ騒がしく忙しない空間になっていましたが、丁度ししょーの手は空いているタイミングでした
空いている、というより不測の事態に備えて空けているのかもしれませんが

翠「ししょー、今大丈夫ですか」

弦十郎(未来)「む、あぁ翠くんか、問題ないぞ」

忙しければはっきり大丈夫ではないと言われるはずなので、大丈夫なのでしょう
私は真っ先にギャラルホルンの様子と、ついでに回収された荒魂の残骸の今後の扱いについて尋ねることにしました


ギャラルホルンの様子安価下1(記述)
荒魂の扱い安価下2(記述)

弦十郎(未来)「ギャラルホルンは未だ起動中、つまり何処かの並行世界の危機を察知しているままだ」

翠「異常な活性化は収まっても起動自体は続いたままですか...」

元々黄金の光が放出される少し前から警報は鳴っていましたし、不思議はありません
あわよくば知らぬ間に無事解決されていたら、というのは望み過ぎだったようです

翠「しかしそれはつまり現在進行形で危機に瀕している並行世界があると...」

弦十郎(未来)「既にこの時間で面識のある並行世界か、初めて観測した並行世界か」

翠「あるいは、私達の元いた...」

弦十郎(未来)「その可能性も考えている、確率は言うまでもないが...」

しかし元の時間とは通信は成功したんです、0ではないでしょう

弦十郎(未来)「今装者...この時間の装者を向かわせたところだ、結果は定期報告を待ってほしい」

翠「はい」

誰が向かっているのか...と、そこまでわざわざ聞き出すこともありませんか
この時間の装者ですぐに動けるメンバーに誰がいるのかはわかっていますし、本部内の様子を見ていれば誰がいなくなったのかもわかるでしょうし、というか定期報告のタイミングでわかりますよね

弦十郎(未来)「次に荒魂は...再結合しないよう複数に分けノロの状態を保たせているわけだが...」

ここでししょーは歯切れが悪くなりました
今日は相手に歯切れが悪くなられることが多い日ですね

弦十郎(未来)「君達の時間の刀使に、そちらの時間の世界に持ち帰ってもらうことも視野に入れている」

翠「私達の時間の...この時間のじゃなくてですか!?」

確かに特殊な発生方法だったとはいえ、そしてこの時間の装者ではない私や刀使の皆さんが対処してしまったとはいえ、事件自体はこの時間の出来事
てっきりこの時間の刀使の世界に移されるものとばかり

弦十郎(未来)「荒魂は頻繁にこの世界に現れるものではない、というより、確認出来る限り8年前と今回だけだ、したがってこの世界ではノロの確実な処理方法、保管方法が確立されていないのはわかるな」

翠「えぇ、まぁ」

というか確かそういった方法は刀使の世界でも、少なくとも私の時間では確立されていなかったような...
勿論刀使の世界と荒魂やノロとの付き合いは長いので確実な方法が無いなりの保管方法はありますが

弦十郎(未来)「ギャラルホルンがあの調子だ、騒動が収まるまではいたずらにギャラルホルンが示す並行世界以外の並行世界を行き来するのはリスクが高い、何より時空震が頻発する今、この時間の刀使の世界と繋いだところで更に事態がややこしいことにならないとも限らない」

翠「この世界では騒動が収まるまでノロを安全な状態で保てるかはわからない、しかしこの時間の刀使の世界を頼ることで騒動がより深刻になるかもしれない、だからいざというとき荒魂に対処出来、かつ既に巻き込まれてしまっている私達の時間の刀使の皆さんに託す、と」

しかしそれは...それが現状取れる手の中で最善の1つであるということは理解しましたが

翠「結果として私達の時間の刀使の世界に未来の...可能性の1つの世界のノロが運び込まれてしまうことになりますよね...」

弦十郎(未来)「あぁ、その懸念は当然だ」

未来のものが過去へ...私達が過去へ飛ばされた結果は過去改変ではなく別世界線への分岐という形で済んだようですが、刀使の世界ではどうなるかわかりません
まぁそんなことを言ったらこの時間の刀使の世界に移したところで『並行世界で自然発生?した荒魂』ということになるわけですが


エルフナイン(未来)「ですが!そうではない可能性がないわけでもありません!」


バーンッ!ではなく司令室は自動ドアなのでフシュー...という感じですが、タブレット端末を抱え入室してきたこの時間のエルフナインちゃん

弦十郎(未来)「確認は取れたようだな」

エルフナイン(未来)「はい!」

翠「確認...?」

エルフナインちゃんは私にも見えるようにタブレット端末の画面を向けました

弦十郎(未来)「実は、保管したノロの監視をしている職員から「静止していたはずのノロが僅かに振動している」という報告を受けてな、現在は収まったようだが、」

エルフナイン(未来)「それは監視カメラの映像や計測記録からも間違いありません、そしてその振動していた時間帯がピッタリと一致するんです」

翠「時間帯が一致?」

エルフナイン(未来)「ズバリ、本部内で微弱な時空震が観測された時間帯...即ち、翠さん達が体調不良を起こし、それが収まるまでの間です!」

ギャラルホルンが起動している時間帯でも、ギャラルホルンから黄金の光が放出されていた時間帯でもなく、私達が体調を崩していた時間帯との一致...
確かに、そうなってくるとあの荒魂は私達の時間と何らかの関係があるのかもしれません...
そして、そうなると私達の時間の刀使の世界も無関係ではなくなりますし、逆にこの時間の刀使の世界の関係は薄くなります


コンマ下1
奇数 定期報告の時間
偶数 定期報告はまだ

何かする?安価下2以降
(コンマ下1が偶数の場合のみ採用)

あれから数刻、特に新たに時空震が起きたりだとかの事件はないまま、ギャラルホルンを通り何処かの並行世界へ調査に向かっていたこの時間の装者の皆さんが最初の定期報告に帰ってきたようです

翠「果たして、私達の時間かはたまた...」

少なくとも定期報告に戻ってこられる程度の危険度だった、ということでしょうが


コンマ下1
奇数 元の時間
偶数 別の並行世界
ゾロ目 ???

向こうはどんな様子?安価下2以降
(コンマ下1が奇数なら元の時間の様子、偶数ならどのような並行世界でどのような事件が起きているか等)

切歌(未来)「何処にも繋がってなかったデス」

調(未来)「というか、途中から先に進めなくなってた、の方が正しいかも...ギャラルホルンから続く場所は一通りぐるっと見て回ったけど何処もダメ」

夏菜(未来)「ギャラルホルンが反応した並行世界が何処なのかもわからないし、それどころか行ったことのある並行世界へも行けなくなってます」

今回の調査に向かっていたこの時間の切歌さん、調さん、夏菜さんが言うには、どうもそういうことらしいです

翠「つまり、見えない壁でこの世界、この時間が隔離されてる...ということですか?」

弦十郎(未来)「ざっくりと言えば、そういうことだな...」

元の時間とかそんな話じゃなくなってきましたね
というか

翠「これ、帰れなくなったってことでは...」


コンマ下
奇数 もう1人からも報告が
偶数 特になし

「そう悲観しなくていいよ、想定の通りならこれはそう時間がかからずに終わるはずだから」


気配を全く感じなかった入り口の方から突然声をかけられ、私達は一斉にそちらを向きました
そこにいたのは1人のシンフォギア装者
ロシアンブルーとシアンのツートンカラーの装甲と艶消しの黒一色の装甲が入り交じるギアを纏う眼鏡姿の女性
私は彼女に見覚えがありました

翠「配信者のお姉さん...!?」

荒魂がこの時間に出現した際に救出したお姉さん
まさか、この時間では知らない装者が増えていた...?
いえ、しかし

切歌(未来)「誰デス!?」

えぇ、もしそうなら私が救出に向かった時、あるいはその後にでも説明や紹介がされていたはず

「おっとそう警戒しないでよ、うん、これは驚かそうとして変装解くのを後に回した『私』が悪かったかな」

翠「変装?」

ニヤリと笑い、眼鏡を外すお姉さん
その瞬間、彼女の姿は全体的にモヤが走ったように見た目が変化していき、そして全く別の姿へと変わっていました
しかしその姿にもまた、私には見覚えがあります

翠「この時間の私...いえ、『翠』の方ですか...!」

彼女はグッとこちらにサムズアップし

『翠』(未来)「大正解~!改めまして『蒼井翠』ただいま帰還しました!」


何か話す?安価下
(特になければ後にコンマ判定)

・・・

謎の装者、もといこの時間の『翠』の突然の帰還に本部はまたしても騒がしくなりました
落ち着いて話が出来るようになったのはこの時間の『翠』が皆さんからのお説教から解放されてからです

翠「さっきのギア、よくよく見てみるとアメノムラクモと神獣鏡の同時併用だったんですね」

『翠』(未来)「その辺の認識含めて不明瞭にするのがこの潜入美人捜査官メガネSUNだからね」

翠「3?」

『翠』(未来)「ver.3でもあるからそれともかかってる、偶然だけど」

どうも、私の時間のモノより更に改良を施したメガネによって普段から装者の状態までこの数ヶ月ずっと周りからの認識を歪ませ、素性を隠して生活していたらしいです

『翠』(未来)「ある時は動画配信者、またある時は~って感じで色々、ね」

配信者のお姉さんを救出した際の既視感の正体は、文字通りその正体が既視感のある相手だからだったんですね



コンマ下
奇数 再会の時は突然に
偶数 もう一押しの為に
ゾロ目 別れの時は突然に

『翠』(未来)「数々の乱数調整、時には流れを折り曲げ軌道修正...やっとこさこの時間軸を数ある時間の1つとして選択肢にねじ込みここまで来た、そして可能性を確立させたことでこの時間は異なる時間軸になっても存在し続けられる」

この時間の...いえ、『彼女』がいうにはこの時間軸の、の方が表現としては正しくなったらしいですが
この時間軸の『翠』は外した眼鏡...潜入美人捜査官メガネSUNを私にかけさせてきます

『翠』(未来)「花弁による響さんや友奈ちゃんとの繋がりは申し訳ないけど世界融合の危険を排除するためにさっき一度切っちゃった、本当はオケアノスでもあれば戻せたかもしれないけど、仕方なくムラクモで無理矢理閉ざさせただけだから完全に見失わせちゃったと思うんだよね...でも大丈夫、女神様が神の力であの時間軸に紐付けた翠になら、繋がりが途絶えてても必ず戻れる」

翠「あの、情報を一気にワッと浴びせるのやめてくれません?」

『翠』(未来)「何度も時間軸、並行世界を超えて迷子になった甲斐があったね、繋がりに強度だけじゃなくて柔軟性と伸縮性を加えてなかったらいつも通りの展開だったよ」

翠「なんか眼鏡のレンズに色々表示されてるんですけど!?せめて何が起きるのか説明してから起動してくれません!?」

『翠』(未来)「いや~認識の概念を扱うのはかなりの慎重さが必要でね、推測は良くても確定は最悪誤作動で使用者の...いやいいや、それも危ないかもだし」

翠「の!?使用者私のことですよね!?」

『翠』(未来)「あーこの翠に色々言われる感じ懐かしい...っと、これだけは確定させとかないとかな...あっちに着いたら必ずフィーネさんを頼って、あの人なら完成させられるはずだから」

カチリ、とスイッチを押す音が耳元で聞こえました
すると視界がボヤけ始め、平衡感覚が歪んできます
それはまるで、そう、時空震が起きた時のような...

『翠』(未来)「あ!言い忘れた!念のため何かしらのギア纏っておいた方が良いよ!」

翠「起動させてから言わないでくださいよ!」

何が起きているのかは結局わからないままですが、話を聞いている限り何処かへ転移させられるのだろうということはわかっていました
だからこそ、私は自分でも気付かない間にアメノムラクモのギアペンダントに手を伸ばしていて
この時間軸の『翠』に文句をぶつけつつ、そのままノータイムで聖詠に繋げることが出来ました
そして聖詠が終わるのとどっちが早いかというタイミングで眼鏡に表示されていた文字列が答えに到達したのか動きを止め...

・・・


翠「...ゴフッ!?」

次の瞬間、そこは水の中
足場の感覚が急に消えた驚きのあまりその状況に気付く前に思いっきり息を吐き出してしまいます

お、落ち着いて、えっと確かこういう時はじっとしてれば自然と浮き...いやギアの重さで浮きますかね!?どうでしたっけ!?いけません悠長に思い出してる余裕が!なら解除す...るのは周りの液体の正体がわからないからダメです!えっとえっと...あっ浮遊!羽衣!お願いします羽衣ーッ!

私の心の声が届いたのか偶然機能してくれたのか、羽衣は無事上に向かって私の身体を持ち上げていってくれました

翠「プハッ...けほっ、はぁ、はぁ...すぅー...ふぅ...」

羽衣にぶら下がるようにして上空に上がっていきながら辺りを見回します
せめて何か、ここがどこなのかわかるような目立つもの...

翠「...あ」

目立つもの、ありました
ものというか、人というか、神様というか...

翠「帰ってきた、ということでいいんでしょうか」

遥か遠く、登り始めた朝日に照らされる人型のシルエット
巨人となった響さんの姿が


どうする?安価下
(『翠』(未来)「さて...どう?変なところとかない?」

翠(未来)「えぇ、どこも問題はなさそうです」

『翠』(未来)「なら良し!や~っと気が休まる...貴女もお疲れ様」

翠(過去)「ま、まぁ他人事ではありませんでしたからね...」)

ポタリ、ポタリと髪から滴る液体が口に入り、その味に今全身をずぶ濡れにしているのが海水...というか、さっきまで私が沈んでいた場所が海の中だったことに気付きました
それに身をつんざくようなこの冷たい風...
あっちこっちの別の時間...いえ、時間軸に飛ばされる前は秋の終わり頃だったのに、いつの間にかすっかり冬になってしまっていますね...
ずぶ濡れにこの寒さはギアが無ければ風邪どころか凍死していたかもしれません...
そういえばこんな感じの話をシェム・ハさんの棺を掘り起こしに南極に行った時もしたような...

翠「...はっ!あまりの怒涛の流れに思わず長々と現実逃避を!」

思考の脱線はちょくちょく周りから注意されることもありましたが、今のはあまりに非生産的過ぎる脱線でした
しっかり現在の状況を把握しないと

翠「未来の時間軸の『翠』に付けさせられたこの眼鏡が起動したと思ったら海中にいて、元の時間軸に帰ってきていた...」

何を言ってるのかわからないと思いますが、私も何をされたのかわかりませんでした...頭がどうにかなりそうでした...ってまた脱線してきてます!
必死に状況を飲み込んでいると、巨人響さんの方から何かが飛んでくるのが見えました
何か、ではなく、誰か...?人...


「ネロの言う通り、お前は戻ってこられたようだな、蒼井翠」


翠「エルフナインちゃん...いえ、キャロルちゃん...?」

エルフナイン(キャロル)「両方だ」

飛んできたのはダウルダブラのファウストローブを纏ったエルフナインちゃん、ではなく、エルフナインちゃんに憑依したキャロルちゃん
以前未来のエルフナインちゃんに聞いた通り、その姿はキャロルちゃんのファウストローブ姿とは違い幼い見た目のままです

翠「おぉ...遂に生で見られました...」

エルフナイン(キャロル)「何の話を...いや、話は後だ、行くぞ」

翠「行くって何処へ」

エルフナイン(キャロル)「刀使の世界だ、行ったらすぐ避難しているS.O.N.G.と合流しろ」

翠「は、はぁ...キャロルちゃんは?」

エルフナイン(キャロル)「俺は残る、いつまたあの立花響が動き出すかわからんからな」

翠「えっと、ならワープポイントの場所を」

エルフナイン(キャロル)「いつまでもそんな不確定要素に頼るわけないだろう、持ち運べぬ邪魔くさい装置も同様だ、出来ないのなら仕方がないが出来るのなら小型化した方が勝手が良いだろう?」

キャロルちゃんは1本のテレポートジェムを取り出し、パキンと折りながら私に向けて放り投げてきました
このどんどん状況に流されていく感覚、早くもデジャヴです

エルフナイン(キャロル)「持っているのだろう、最後のピースを...また後で!今度は皆さん揃って会いましょう!」

キャロルちゃんの言葉の後、一瞬エルフナインちゃんが声をかけてくれたような
そんなことを考えている間もなく再び視界に映る景色が変わっていき

・・・


翠「今度は刀使の世界、ですか...」

眼下に広がる景色は海ではなく見慣れぬ街
今度はある程度何が起きたのか把握出来ています、キャロルちゃんの言葉の通りなら私はあのテレポートジェムによって刀使の世界に転移させられたのでしょう

翠「っと、まずはS.O.N.G.と合流でしたね」

通信繋がりますかね...繋がらなかったら虱潰しになるんでしょうか

翠「あ、あとフィーネさん!フィーネさんを頼れってあの時間軸の『翠』に言われたんでした!」

私は近場の建物の屋上に着地し、通信と念話を試しました


S.O.N.G.通信コンマ下1
奇数 通じた
偶数 通じない

フィーネさん念話コンマ下2
奇数 通じた
偶数 通じない

無事通信は繋がり、現在私はS.O.N.G.の避難先である折神家の医療施設...を兼ねた潜水艦の入り口へ向かっています

翠「そういえばS.O.N.G.も折神家も重要施設は潜水艦ですね」

なお、ギアは神獣鏡に変えました
徒歩や公共交通機関、誰かに迎えに来てもらうのでは時間がかかってしまいますがギア姿だと目立ってしまうからです
神獣鏡なら透明化出来ますからね
アメノムラクモの羽衣とはまた違った浮遊感と風を感じつつ考えるのは潜水艦、ではなく今はそれとはまた別のこと
S.O.N.G.との通信とは違い繋がらなかった、フィーネさんとの念話のことです

翠《フィーネさん!聞こえたら返事してくれませんか!...やはり繋がりませんか...》

そもそもフィーネさんがまだ地上にいるのか、こっちの世界に来ているのかもわかりませんが
フィーネさんに頼るのは未来の時間軸の『翠』がわざわざ指定してきた行動ですから出来ないと困る可能性が

翠「などと考えているうちに着きましたね」

・・・

女神「翠さ~ん!」

翠「めがっ...アキさん!?」

潜水艦に着いてすぐ出迎えてきたのは女神様
ギアを解除した瞬間飛び付いてきた彼女を何とか倒れることなく抱き留めましたが勢いはころしきれずその場でくるりと回ってしまいます

女神「数ヶ月ぶり、元の世界ぶりですね!」

翠「え、いや未来の時間軸で」

女神「元の世界ぶりで・す・ね!」

翠「あ、はい、ですね」

言外に圧で話を合わせろと言われた気がした私はこくこくと頷きました
しかし私が未来の時間軸でこの時間軸の女神様と会ったことを口を滑らせないように釘を刺すだけなら念話で良かったのでは...

女神「さぁ翠さん、S.O.N.G.の皆さんも紫さん達も待ってますよ!」

・・・

翠「た、たらい回しの気分です...」

ししょーや緒川さん、友里さん、藤尭さんを始めとした皆さんとの再会を喜ぶのもそこそこに、私が向かわされたのはとある研究室
以前ネロさんが念話で言っていた糞眼鏡とリチャード・フリードマン博士の技術提供によって制作されているという装備...まさしくそれがある部屋です
確か時空震で飛ばされた私達装者、刀使、勇者を探知する装備とのことでしたが...


装備についての詳細安価下
(見た目、使い方、特徴等)

部屋に鎮座していたソレは、装備と呼ぶにはあまりに大きな...というか

翠「装置、ですよね?」

フリードマン「装備でもあるよ、見ようによってはね」

ウェル「それより色々と聞かせてもらいましょうか?何せこの僕の!頭脳をもってして未だコレが完成していないというのに自力で!ぼっちで!戻ってきたのですから!さぞ興の醒めるズルをしたのでしょう?」

装備、あるいは装置...とにかくその機械と共に部屋で待ち構えていたのは糞眼鏡とフリードマン博士

フリードマン「君が翠くん、孫から話は聞いているよ、S装備改良用資料の提供の件ではお世話になったね、ありがとう」

翠「あ、いえ、こちらこそエレンさんにもS装備にもお世話になっております...」

S装備の改良...装者用のものはエネルギーの燃費問題と対荒魂の効果等、そして刀使用のものは対アルカノイズのバリアコーティング等、直接やり取りこそしませんでしたが私とフリードマン博士はお互いS装備を通して技術力の一端を知っていると言えます
もっとも、それらの改良は進められるだけ進めていたとはいえ完全なものになる前に時間を越えてしまいました
後者はそのタイミングで対ノイズのバリアコーティングも含めて山桜の花弁が完全な効果を発揮していた為難を逃れましたが

ウェル「シカトとは相変わらず可愛げの欠片もないですねぇ」

糞眼鏡はなんというか、このむかつく感じがむしろ懐かしさと安心感すらありますね
絶対口には出しませんが

フリードマン「挨拶はこれくらいにしておこう、君がこの時代、そしてこの世界に来られたということは今まで滞っていた事態が動き出そうとしているということだ...この装置にして装備は僕、ウェル博士、それにキャロルくんの合作でね、特にキャロルくんの錬金術は大きな助けとなったよ」

翠「キャロルちゃんが?それは...すごいですね」

改めて機械に目を向けよく観察してみます
一見モニターが付いた大きな箱...自動販売機のようなフォルムですが、この中には科学と錬金術の入り交じった機構が詰まっているのでしょうか

ウェル「まぁいいでしょう...コレは不定期に出現する時空の歪みや僕らの世界に鎮座しているギャラルホルンを自動で検知、任意で接続が可能です」

フリードマン「さらにそこを通じ、君達に渡していたS装備を探知出来るように設定しているよ、横軸はともかく縦軸のズレを極力減らすことにとにかく苦労したが、完成間近といったところだ」



完成に必要なもの安価下1
(具体的な物でも、◯◯な性質を持つ何か等の抽象的な物でも、何らかのアクションでも)

完成した際コンマ下2
奇数 更なる機能追加
偶数 特になし

どんな機能が追加?安価下3以降
(コンマ下2が奇数の場合のみ採用)

翠「間近、ですか...後何が足りてないんですか?」

フリードマン「動力だね、言ってしまえばコレは理論上は完成しているが試運転が出来ていない為に確認出来ない状態だ、その動力というのが」

ウェル「ずばりフォニックゲイン!貴女達装者の十八番のウタノチカラですよ」

フォニックゲインによって起動する設計、となるとこの機械はもはや

翠「聖遺物...のような状態、と?」

ウェル「のようなではなくそのもの、複数の聖遺物を実際に湯水のように並べて繋げてようやくギャラルホルンに匹敵する...否!もはやギャラルホルンすら超越した一品にして逸品が完成したのですっ!」

フリードマン「今回に限っては1つの目的の為に機能を限定するより、いっそ万能を目指すくらいでむしろ丁度良いという話になってね...だが世界に比べたら安いものだろう」

その結論になるってどんだけ聖遺物つぎ込んでるんですかこの機械に...

翠「ならすぐに私が起動を」

ウェル「その前にあれこれ諸々済ませるのが先ですよ、こちとら健常者が使う前提のデリケートな造りなんです!時間と空間を反復した記録と何より自力でこちらに飛び入りした経緯を一切合切隠さず語り尽くしなさい」

若干苛立ちを露にした顔面で圧をかけてくる糞眼鏡
今度はスルーさせてなるものかと言ってるかのようです

フリードマン「ウェルくんの言うことももっともだね、この装置の改良にも役立つかもしれないし」

そう言われてしまっては仕方ありません
もとより必要な手順ではありましたしね
それに、まだやらなければいけないことも残ってます

翠「その前に、フィーネさんが今どこにいるか知りませんか?未来の時間軸からこっちに来る前に要件を頼まれてまして」


フィーネさんの所在コンマ下1
奇数 知らない
偶数 知ってる

今どこにどんな状態でいる?安価下2以降
(コンマ下1が偶数の場合のみ採用)

・・・

翠「どこにいるんでしょう、フィーネさん」

あの後、糞眼鏡にもフリードマン博士にも首を横に振られた私は途方に暮れつつフィーネさんを探しに出ていました
いえ、正確にはその前に時空震によって過去や未来へ行き来したことについて根掘り葉掘り聞かれましたが
糞眼鏡とフリードマン博士が特に喰い付いたのはやはり山桜の花弁と未来の時間軸の『翠』がかけさせてきた潜入美人捜査官メガネSUN
前者は神樹様の力の結晶のようなものですし時空間を越えた繋がりを維持している代物で、後者は時空間移動を実現させています
どちらもあの大型の箱状の機械の改良の足掛かりに、と解析の為の貸し出しを強要されました
断る理由も無いため山桜の花弁は渡しましたが、潜入美人捜査...長いですね、この眼鏡は

翠「フィーネさんに見せるようにと言われたことを聞いた途端、揃って手を退きましたね」

糞眼鏡もフリードマン博士も名残惜しそうではありましたが
しかし思考は何となくわかります、未来の人間が明確に指定してきた事柄とはつまり、未来の情報を元に過去での動きを指定するということ
勿論世界線や時間軸の繋がりは一本線であるとも限りませんし、あるいはよく似た並行世界という形で繋がりが断たれていればその限りではありませんが
ともかく、未来の『翠』に何かしらの思惑があるのだとしたら、それに乗っかっておくべきです


どこを探す?安価下

フィーネさんの行きそうな場所というものに自分でも驚くほど当てがなく、ただただなんとなく街を練り歩き
着いた場所は知っている場所でした

翠「まぁ...知ってると言っても初めて来ましたが」

そこは何の変哲もない土手
原作1期で響さんと未来さんが流れ星を一緒に見ようと約束し、果たされなかった場所です
そういえば私は関係なかったので気にしてませんでしたがあの約束って...
いえ、あのタイミングって確か今世でもしっかり反故になってましたね、約束の日に響さんと翼さんはネフシュタンのクリスさんの罠にかかってしまっていました
その様子を私もフィーネさんの屋敷から中継で見てましたし
うーん不意打ちでセルフ罪悪感...

翠「そ、そんなことより!」

1期で、とは言いましたがここはズバリその場所というわけでもありません
何せここは刀使の世界、なのでここはこの世界と元の...シンフォギアの世界の地図を重ね合わせた時にそこに当たる場所です
とはいえ地図は記憶頼りの曖昧なもので街並みも別物ですから、絶対ここは同じ場所だと自信を持って言うことも出来ませんが...

翠「いっそ、それこそ流れ星に願ってしまいましょうか?事の顛末がハッピーエンドでありますように、と...」


コンマ下
01~50 いた
51~98 いない
ゾロ目 流れ星

フィーネさんもいなければ流れ星も見付からない始末
いえ、流れ星に関してはすでに今が朝なので仮に流れていても見えなかったでしょうが

翠「そもそもフィーネさんがこっちの世界に来てるとして、念話が届かない場所にいたり状況だったりするのなら正攻法じゃ見付からない...?」

そもそも念話に届く範囲の限界とかあるんでしょうか...ネロさんは世界も時間も超えて届きましたし...純粋に神様と定義された存在か神格を得て神様になった存在に違いがあったり?
この辺はフィーネさんとネロさん、あるいは女神様に聞いておいても良かったかもしれません

翠「何にしても虱を潰しまくるしかないわけですが...」

もしくは、すでに尋ねた糞眼鏡とフリードマン博士以外の人に行き先を知らないか尋ねるのも



安価下1
1 引き続き虱潰しに捜索
2 誰かに尋ねる
3 その他(記述)

安価下2
(安価下1が1の場合どこに行くか、2の場合誰に尋ねるか、3の場合は不採用とします)

その場で立ち止まり暫く考え込んだ後、私は改めて方針を決めました

翠「...いえ、一旦戻りましょう、虱潰すにしろ潰さないにしろもう少し情報が欲しいです」

仮に正攻法で見付からないのなら二度手間になりますし
それにここに来るまでに街並みを見てきましたが、やはりこの世界...刀使の世界と元の世界...シンフォギアの世界は別物で
この土手自体はそこまで大きな違いがなかったので気付けましたが、住宅や店舗は感覚としては7割も被っていません
これから再びフィーネさんが行きそうな場所、縁のある場所を探そうにも私が知ってるのはせいぜい国内の何ヵ所かで、もしその中に当たりがあったとしてもどれくらい外観が元の世界と近しいか...ここまでの街並みのように全くの別物になっていたら正確な地図が脳内に入ってない私では気付けるか怪しいものです
例えば建物ではなく場所そのもの...龍脈のようにおおよそ世界が異なっていても変わっていない可能性の高い場所ならまた話は変わってきますが

翠「まぁ、こんな風に色々御託を並べても時間が無意味に過ぎ去るだけですね」

ともかく方針は決めたんです、一度帰還するという方針を
そこでフィーネさんの足取りを少しでも掴みましょう、全然空振りならここから再スタートです
尋ねるとしたら女神様か、あるいは...



安価下1
1 女神様
2 蛇達とルシエド

コンマ下2
奇数 知ってる
偶数 知らない

フィーネさんの居場所安価下3
(コンマ下2が奇数の場合のみ採用)

帰還し最初に向かったのは潜水艦内でエルフナインちゃんが借りていた部屋
途中からそこに霊体のキャロルちゃんとイザークさんも加わったりしたのでしょうが、当の本人...本人達は現在元の世界...シンフォギアの世界にいるのであまり関係ありません
しかしこの部屋は完全な無人というわけではなく
いえ人はいないのですが

翠「久しぶりですね」

研究机の隣にある台の上、花と草を収めたいくつものクリアケースと1つの石板、そしてそれらを取り囲むように這い回る蛇達
蛇達は差し出した私の手のひらに各々顎を乗せてきたりチロチロと舌を触れさせてきたり
石板は一度発光した後ルシエドが姿を現し、軽く挨拶代わりに鼻を鳴らしてきました

翠「貴女達がエルフナインちゃんと一緒に園子ちゃん達の花と草を守ってくれてるんですよね」

なんだかこっちでもあっちでも留守番を任せるような形になってしまっているのが良いことなのか悪いことなのか...

翠「再会を喜びたいのは山々ですが、先に本題を...」

・・・

まぁ、こうなる気はしてましたけどね!
蛇達もルシエドも残念ながらフィーネさんが今どこにいるのかは知らないらしく、謝られてしまいました
この子達が知らないとなると、やはり女神様の方に聞きに行った方が良いのでしょうか

翠「ふむ...その前に...」

ぐるりと部屋を見回すと、キチンとファイリングされていたりやや雑に積み上げられたりととにかくすごい量の資料に見覚えのない装置と、元の世界のエルフナインちゃんの部屋ともまた随分と違った印象を受ける様相です
あるいはキャロルちゃんやイザークさんも加わっていたからかもしれませんが


コンマ下1
奇数 何か見付ける
偶数 気になるものはなかった
ゾロ目 これは...?

何を見付けた?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

あまりよろしくないとは思いつつも部屋を観察していると、資料に混ざりメモのようなものが置かれているのに気付きました

翠「メモというか...書き置き?」

手に取ってよくよく読んでみると


書き置きの内容安価下

『シェム・ハが姿を見せるまではその花の力を使って構わない
万が一にもシェム・ハが姿を見せたらその花の力の使用を極力控えろ』


翠「これは...」

殴り書かれていたその文章は、やはり単なるメモではなく書き置き
誰が書いたのか丸分かりな文面のそれは自惚れでなければ私に向けたメッセージのように見えました

翠「花の力...勇者ギアのこと、ですよね」

ちらりと視線をずらせば、そこにあるのはクリアケースに収められた園子ちゃん達の花草
あれらを通してキャロルちゃんか、あるいはエルフナインちゃんか...あの花が私達にもたらす力の意味を、もしかしたら繋がる先の世界のことまでも突き詰めたということでしょうか

翠「確か赤嶺ちゃんにも、似たようなことを言われましたね」



友奈(赤嶺)『それなら私からも一つ...もしシェム・ハがまだ動けるような状態だったりしたら、神樹様の力を使うのは控えた方がいいかも』

翠『勇者ギアを?...わかりました』

友奈(赤嶺)『うん、相手が繋がりを辿れるのならどこまで行けてしまうのかわからないから...特に、翠さん達はそっちの世界の神の加護というか施しというか、そういうのが他の人以上に綺麗さっぱり剥がれて無防備だし』



神樹様を知るゆゆゆ世界の住人と同じ結論に辿り着いたというのが単なる偶然とは考え辛いです
というかノーヒントでここまで被ったらそれはもう奇跡...いえ、キャロルちゃんに『奇跡』は禁句でしたね

とにかく、恐らくキャロルちゃんなりの考えが、研究がこの簡潔なメッセージに集約されているはずです
元々赤嶺ちゃんから忠告されていた時点でなるべく従うつもりでしたが、こうも念押しされるとなるべくなんて半端な覚悟ではいけませんね

翠「はて...それにしても、仮にこの花達から繋がりを遡って分析をしていたとして...まさかあの時、神樹様が受けたというハッキングの犯人って」

手に持っていた書き置きを机の上に戻したその時、足元が光り出しました

翠「っ、術式!?」

光の正体は錬金陣、恐らくこれはテレポートの類い
引き金となる行為はあるとすれば今さっき手から離した書き置きの紙
あれを一度手に取り、机に戻すのが発動の条件だったのでしょうか
そうだとすれば十中八九キャロルちゃんの仕業...
今更逃げることも出来ませんし、大人しくどこかにテレポートされるしかないわけですが

翠「この展開もう3回目です~ッ!」

・・・

テレポートが完了し、私は周りを確認しました
幸い今度は水中でもなければ上空でもなく、地に足着く場所のようです
そして外ではなく、室内...何らかの施設のようですが


「やって来たのね、待ちくたびれたわ」


室内に響く声
聞こえた方向に目を向けると、そこにはずっと探し求めていた...



コンマ下
01~50 金髪女性姿
51~98 黒髪女性姿
ゾロ目 金髪幼女姿

翠「フィーn...じゃない!?えっと」

回転椅子に座りこちらに眩い笑顔を向けていたのは、見知らぬ金髪の幼女
青い瞳に、長いふわふわとした髪は両サイドで編み込まれ、淡い水色のワンピースは清楚さを感じさせます
口調、抑揚等でフィーネさんだと思いましたが...見れば見るほど要素一つ一つが正反対、せいぜい金髪なのが同じというくらい

???「私はベル、よろしくね!」

『ベル』と名乗った彼女は勢いよく席を立ち、私の目と鼻の先まで近付いてきました
その吸い込まれそうな金色の視線に思わず釘付けにされてしまいます

翠「べ、ベルちゃん...ですか?」

ベル?「そうよ、翠お姉ちゃん!」

どう反応していいのかわからず固まってしまい、室内には彼女が席を立った勢いで回ってしまった椅子のカラカラという音だけが僅かに反響します

翠「まず、その...1つ良いですか?」

ベル?「えへへ、なぁに?」

翠「...」

第一声以外は全て口調も抑揚も変わり、本当にフィーネさんとは別人のようではありましたが、その明らかな変化が最初の違和感
そして見れば見るほど特徴的な金色の瞳...最初は青かったのに、わざわざ近付いてきて色を変えたとなれば...



安価下
1 フィーネさんですよね?
2 やっぱり何でもないです
3 私のことはキャロルちゃんから聞いてたんですか?
4 その他(記述)

翠「フィーネさん、ですよね...?」

恐る恐る、しかし9割ほどの確信を持って私はそう尋ねました
彼女は浮かべた笑みを崩さずぐっと溜め...

ベル(フィーネ)「...正解!」

ぱちぱちぱち

いっそ清々しいまでの幼女ムーヴで、ベルちゃんは...フィーネさんは解答と拍手を送ってきました
それに私はホッと胸を撫で下ろしつつも、正解と言いつつ挙動が変わらず私の知るフィーネさんのそれとかけ離れたものであることに若干の不安を覚えてしまいます

翠「ほ、本当にフィーネさんなんですよね?」

ベル(フィーネ)「えぇもちろん!まぁそうであるとも言えるしそうでないとも言えることに変わりはないけれど...ただ聞きたいのはそういうことではないのでしょう?」

あ、今のはちょっといつものフィーネさんっぽかったです

ベル(フィーネ)「貴女にわかりやすく言えば...今の私は別に、ベルという少女を塗り潰してここにいるわけではないわ、そもそもこの世界にも、あるいは元の世界にもベルという少女は存在しないもの、少なくとも現代においてはね」

その場でくるりと一周回ってみせたフィーネさんはワンピースの裾を少し持ち上げ、カーテシーのようなポーズを取りました

ベル(フィーネ)「この身体はこの世界で活動するためのハードウェア...神格を得た肉体はどういうわけかこちらの世界に持ってくることが出来なかったのよ、世界のルールが違うのか、あるいは...幸い神格を得てからは霊体のみとなって他者に憑依すること自体は貴女の身体で慣れていたし、その為の身体を用意すればいいのは明白だったわ」

今度はスタタッと回転椅子まで戻り、腰を下ろしてこちらに向いてきます

ベル(フィーネ)「問題はその身体を用意する為の身体か、あるいは私の手足となる誰かか、協力者が必要になることだけれど...一人旅でもなかったからそれもクリア」

翠「キャロルちゃん達ですか?」

ベル(フィーネ)「えぇ、あの子は容赦なくエルフナインの身体に押し入っていたけれど...まぁ拒まれてる様子もなかったし良いんじゃないかしら」

それで言えば敵だった頃ならともかく今のフィーネさんの憑依を拒む人も少なくともS.O.N.G.にはいないと思いますが...
その辺はフィーネさんが遠慮しているということでしょうか
私には遠慮してくれませんが

ベル(フィーネ)「そして彼女に用意してもらったのがこの身体、ホムンクルス躯体『ベルダンディ』というわけよ」

見せ付けるように両手を広げるフィーネさん

ベル(フィーネ)「ご理解頂けたかしら?」

翠「えぇはい...でもその、聞きたいのはそこじゃなかったと言いますか」

ベル(フィーネ)「あら?」

いえ、気にはなってましたよ?現地...つまりこの世界の幼女を巻き込んでしまっていたとしたら、とか考えてましたし
それが杞憂だったのは良いんですが...

ベル(フィーネ)「あぁ、躯体の外観を私自身にしなかったこと?ざっくり言ってしまえば材料の節約ね、この世界でいつまでも材料集めに時間を割くのも勿体無いし最低限で済ませたと」

翠「いやそうでもなくて!」

それも気にはなりましたが!

翠「最初の、あの、ベルちゃんムーヴは結局何だったんですか!?」

話しているうちに完全にいつものフィーネさんのようになっていましたが、どうしても脳裏にあの出会い頭の愛らしい幼女が散らつきます

ベル(フィーネ)「あぁ...貴女好きでしょう?あぁいうの」

翠「何の話をしているんですか」

ベル(フィーネ)「ふふっ、冗談よ」

演技?が板についていること、そして本人に恥じらいの欠片もないせいで弄ることも出来ないのが歯痒いですね...

ベル(フィーネ)「半分はお遊び、半分は...引っ張られるのよ、ほんの少しだけね」

翠「引っ張られる?」

ベル(フィーネ)「ま、そんなことは置いておきましょう!それとも気に入ったのならこの身体でいる限りはベルちゃんでいてあげましょうか?翠お姉ちゃんっ」

翠「色んな意味でやめてください...」

ちぇーっとこれまたフィーネさんらしからぬ子供らしさ全開の不満げな顔を浮かべ、しかしすぐに切り替えたフィーネさんは真面目な表情でこちらに手のひらを出してきます

ベル(フィーネ)「それより、私に...このフィーネに用があるのでしょう?」

翠「...あっそうでした!」

フィーネさんのベルちゃん劇場で忘れるところでした
私は未来の時間軸の『翠』から受け取った眼鏡をその手のひらに乗せます

翠「未来の時間軸の『翠』が、フィーネさんならこれを完成させられるはずだと」

ベル(フィーネ)「ふぅん?」

フィーネさんはひとしきり眼鏡を観察すると、回転椅子をくるりと回し後ろにある机に向かいその上に並んだ機材をガチャガチャと動かし始めました

ベル(フィーネ)「やってほしいことは大体わかったわ、これは確かに私なら出来るし貴女にはさせられない案件ね...少しその辺で待ってなさい」

翠「その辺でとは?」

ベル(フィーネ)「ここは有り体に言ってしまえば閉ざされた場所、楽に出入りはしてほしくないとのことよ」


何かする?安価下
1 大人しく待っている
2 建物の中を探険
3 深層世界へ
4 その他(記述)

作業の手は止めずに、というかこちらを向くこともせずに、他に聞いておきたいことや話しておきたいことはあるかと聞かれました
言葉通りなのか、手持ち無沙汰な私に気を遣ってくれてるのか、単に静かな空間だと作業が進まないタイプなのか
フィーネさんが最後のタイプなイメージはありませんが...

翠「そうですね...私達装者や刀使、勇者の赤嶺ちゃん全員に響さんから持たされていた物がありまして」

ベル(フィーネ)「へぇ...いいじゃない、なるべく詳しく、主観も客観も余さず聞かせてごらんなさいな」

思いの外乗り気な反応に少々面喰らいながらも、あるいはフィーネさんであれば新たな見解も出来るかと思い、山桜の花弁についてを主軸に置いて過去の世界や未来の世界に跳ばされていた時の話、それに山桜の花弁そのものについての判明していることを話していきます
ゆゆゆ世界についても、エルフナインちゃんやキャロルちゃん達が園子ちゃん達の花草について調べていたので隠すことでもないだろうと、メタを除いてそういう並行世界があるという形で補足しました

ベル(フィーネ)「それらの話を総合すると、つまりその花弁は実質ガングニールのギアの一部、形に関しては響ちゃん以外の意思が作用している、と...あのシェム・ハも随分翻弄されているようで気分がいいわね」

くつくつと笑うフィーネさん
見た目と声が可愛らしい幼女ベルちゃんである今、ちらりと横から覗き込んでみたその絵面はなんともアンバランスなものです
それこそ響さんと非常に声が似ている別の幼女の大隊長のような

ベル(フィーネ)「それで、過去へ跳んだらいつの間にか持たされていた、だったかしら」

翠「えぇ、それ以降未来の世界に跳んでも、こっちに戻ってもちゃんと保持は出来ていました」

今のところ時間経過で消滅しそうというような様子も見られませんし、どの世界にいても存在に揺らぎは見られませんし

ベル(フィーネ)「それ自体に不思議はないわ、完全にギアと切り離された状態なら大本の状態に左右されないもの、それの応用でしょう、とはいえ切り離された状態で繋がっているというのは少し面白いけれど...えぇと、そうではなくて持たされたことには気付かなかったのよね?誰も?」

翠「え?はい、皆さんいつの間にかって」

ベル(フィーネ)「貴女達が跳ばされた時はあの響ちゃんに触れられていなかった、逆に言えば響ちゃんも、それに遠距離攻撃の類いも...いえ、違うわね、響ちゃんの認識はそうじゃない、あの空間、境界の時点で...あぁ、なるほど...」

翠「フィーネさん、何かに気付いたんですか?」

ベル(フィーネ)「ダメね私も、すっかり頭が固くなってしまっていたわ、固定概念なんてものは研究者にとっては真っ先に捨てるものなのに...」

了子さんはともかくフィーネさんは研究者なのかわかりませんが、そんな野暮なツッコミをしたらまた話が脱線しそうです


安価下
1 一応聞いておく
2 それはそれとして作業の進捗は?

軽い雑談の筈が、すっかりフィーネさんの思考がその雑談の方に傾こうとしていました
何がそんなにフィーネさんに響いたのかは気になりますが...私が今ここにいるのは別の用事があるからです

翠「あの、それで眼鏡の進捗の方は...」

ベル(フィーネ)「...あぁ、そうだったわ、概ね改修は出来たわよ」

翠「良かった...って、概ね?」

ベル(フィーネ)「元々がかなり無理を押し通してるわねコレ、使ってるパーツは破格なのに最適化には程遠い出来だったわ、恐らく何らかの『オリジナル』をこれらのパーツで再現しようとしたせいでそっちに寄せすぎたのよ、とはいえ肝心のフィードバックの肩代わりは今の手持ちじゃ不完全だけれど」

翠「そ、そうですか...その『オリジナル』というのは」

ベル(フィーネ)「さぁ?それこそ未来の時間軸の貴女達でないと何を参考にしたかなんてわからないわ、少なくとも私に心当たりはない」

ギャラルホルンに頼らず時間と世界を越える装置の元になった、フィーネさんでも知らない『オリジナル』...その正体はこれからの8年で私も遭遇することになるんでしょうか...

ベル(フィーネ)「あぁそうそう、この装置を使用した時にギアか何かも使ったわよね?」

翠「はい、ムラクモを」

ベル(フィーネ)「それも出しなさいな、ついでに修復するわ」

翠「修復...えっこれ壊れてるんですか!?」

ベル(フィーネ)「気付かなかったの?とりあえず見てみなさい」

言われるがままアメノムラクモのギアペンダントを取り出すと、それは確かに形を保ってこそいますが見覚えのないヒビがびっしりと入っていました
元の時間に戻った時はびしょ濡れになったり、こっちの世界に来た時はすぐに仕舞ってギアを神獣鏡に変えてしまっていたので気付きませんでした

ベル(フィーネ)「この装置は転移の際に使用者にフィードバック...かなりの負荷をかける仕様になっているわ、極力軽減出来るように工夫はされていたけれど、それでもギアやあるいはファウストローブのようなクッションがなければ...そしてクッションも代わりにズタボロになるわ、まさにそのアメノムラクモのようにね」

負荷を肩代わり...ですか...

翠「この子はさしずめ1ドル銀貨ってことですね」

ベル(フィーネ)「そうよ~、拝んどきなさい、ギアにもそのギアを貴女に持たせてくれた相手にも」

持たせてくれた相手は女神様になるんでしょうか...それとも元々このギアを完成させていたらしい『翠』のご両親?いえでもこのギアってソレを神樹様が再現したものなので神樹様?
いっそ全員に拝んでおきましょうか

ベル(フィーネ)「はいじゃあ回収~っと...」



コンマ下
奇数 特になし
偶数 使えそうなものが
ゾロ目 ???

ベル(フィーネ)「...あら?面白いものが挟まってるわね」

普段やっているメンテナンスとは違い本格的にギアペンダントをバラし始めていたその時、フィーネさんが中から何か長いものをズリズリと引き摺り出しました
蛍光ピンクのトゲトゲした...

翠「あー、過去の世界でクリスさんと戦った時に引き千切った」

ベル(フィーネ)「ネフシュタンの鎧の鞭ね...え、引き千切ったの?」

翠「まぁ...」

ある意味私のやらかしの象徴みたいなものですね
とはいえあちらから襲われたものですし致し方なかったと言いたいですが

ベル(フィーネ)「まぁ経緯はいいわ、それより今は」

バラしたままのギアペンダントを退かすと

ベル(フィーネ)「上手く行けばコレを完全にさせられるわ」

例の眼鏡をネフシュタンの鎧の鞭の隣に置きました

ベル(フィーネ)「フィードバックは言ってしまえば装着の自壊を防ぐ為に外に肩代わりさせた結果のもの、逆に言えば自壊しないように...自ら修復出来るようにすればフィードバック問題は解決する」

翠「つまり...ネフシュタンの鎧の無限の再生力!」

ベル(フィーネ)「この状態から再生しないのは使用者付きの大元が向こうにあるからか想定以上の負荷が瞬間的にかかったことで休眠になりかけているのか...どちらにせよ問題ないわね、手元にあるならどうとでもなるわ」

そう言ってほくそ笑むフィーネさん
早速眼鏡をバラし始めました

・・・

そうして無事完成した眼鏡、そして修復が完了したアメノムラクモのギアペンダント
その2つを受け取った私はフィーネさんにお礼を言い、この空間から帰ろうと...


安価下
1 帰る
2 フィーネさんも一緒に
3 その他(記述)

ふと、思い出したのはここへ来る直前の様子

『シェム・ハが姿を見せるまではその花の力を使って構わない
万が一にもシェム・ハが姿を見せたらその花の力の使用を極力控えろ』

ここへ飛ばされる引き金となったメモのことです

翠「そういえば、キャロルちゃんが残したメモ...花の力のギアについて、フィーネさんはどう思います?」

花の力のギア、すなわち勇者ギア
私個人としても文字通り切り札として重宝していましたが、赤嶺ちゃんに加えてキャロルちゃんにまで使用制限の釘を刺されてしまっています

ベル(フィーネ)「花の力...あぁ、確かにアレをシェム・ハの前に晒すのは避けた方が良いわね」

翠「やはりフィーネさんもそう言うんですね」

ベル(フィーネ)「並行世界のカストディアン...神と、遠く細くとも確かに繋がっていると小娘1人の力でも気付けてしまうようなプロテクトではシェム・ハなら確実に辿り着くわ、そこからは競い合い...シェム・ハが上書くか並行世界の神が守り通すか」

翠「シェム・ハさんが勝ったら?」

ベル(フィーネ)「その並行世界にもシェム・ハが顕現、下手したらその並行世界そのものが私達の敵リストに追加されるわ」

並行世界そのものが、と言われてもピンと来ません
そんな疑問が顔に出ていたのか、フィーネさんは話を続けます

ベル(フィーネ)「簡単に言えば『私達の世界』と『シェム・ハが上書いた並行世界』が『同位体』と処理される、同位体は同期し、統合される...シェム・ハであればそういったことも可能でしょうね」

翠「つまり?」

ベル(フィーネ)「表面上は私達の世界と並行世界が混ざった状態になるということよ、けれどシェム・ハがそうした場合私達の思考も並行世界の住人の思考も全てシェム・ハの思考と統合されるでしょうけど」

翠「混ざった状態...」

世界と世界が混ざった状態、そんな光景を私はつい最近に見たはずです
未来の時間軸で電波障害...時空震が起きていた範囲内の街並、そしてその中にいた荒魂
色彩や形にブレが生じる景色も透けたりハッキリしたりする荒魂も、未来の時間軸と並行世界とが混ざりつつあったのではないでしょうか
そもそも時空震自体、異なる世界同士を繋ぐ事象、目に見える形で凝縮されたのが穴だっただけで、全体を満遍なく繋ごうとしたのがあの不安定な状態だったのかも...

翠「...はっ!脱線してます!」

そこまで考えたところで、ドツボに嵌まりかけている自分に気付きました
そういう話がしたかったわけではありません

ベル(フィーネ)「脱線とは御挨拶ね、デメリットの提示は使用制限とセットよ?」

翠「危険性はまぁわかりました...つまり使ってはいけないんですよね」

ベル(フィーネ)「えぇ、シェム・ハがシェム・ハである限り花の力は相手にとっても新たな接続先を紹介してしまうことになるわ、せめてシェム・ハという存在の根幹を崩せれば...なんて」

・・・

そうして今度こそ私はその空間を出て元の部屋に帰ってきました
フィーネさんも一緒に来るか聞きましたが、まだやることがあると断られながら


安価下
1 ウェル博士&フリードマン博士のところへ
2 女神様のところへ
3 その他(記述)

向かった先はフリードマン博士と糞眼鏡が装置の調整をしている部屋
預けていた山桜の花弁を返してもらうのと、恐らく調べさせろと言われるであろう例の眼鏡を貸すのが目的ですが...

ウェル「待ちくたびれましたよ、とんだ重役出勤ですねぇ!」

遅くなった理由の10割がフィーネさんなので後でフィーネさんにチクっておきましょう

フリードマン「いやいや、中々に興味深かったよこの花弁は、それにこの装備の座標の探知の制度やバリエーションに大いに役立った」

翠「ですか」

ウェル「次はその眼鏡の版です」

トントン拍子に山桜の花弁を受け取り、眼鏡を貸し出した私は...


安価下
1 何かする(記述)
2 終わるまで待つ

・・・

翠《というわけで、すごい重ね重ね注意喚起されるんですよ》

園子《それだけ傍目に見てタブーってことなんよ》

椅子を一つ借りて部屋の端に腰を下ろした私は、園子ちゃん達と念話に興じていました
例の眼鏡や装置の可動についていつ声をかけられるかわからないので深層世界には行きませんが

園子《それにりんりんは特に要注意されてる節がね~》

翠《やはり》

園子《私もそうだからわかるんよ...》

若葉《2人共日頃の行いを改めることだ》

自覚はしていますが、自分しか知らない...知らせるわけにはいかないことも多々ある身としては自分にしか出来ないことを探してしまいます
あるいは、今のこの状況すらもそれを見越した未来の時間軸の私のお膳立てなのではないかと邪推してしまうくらいには

翠《押すなよ押すなよは~なんてことは流石にしませんが、それにしたって仮定の注意勧告をこうも重ね重ねされるとそれにばかり気を張ってしまいます》

使える手札の前に使えない手札のことが気になってしまえばその一瞬が明確な弱点になり得てしまいます

園子《...それとも、もしかしたら...その前提をこそ考えさせるために強調しているのかも》

翠《前提をこそ?勇者ギアが使えないということをですか?》

園子《ううん、使ってはいけないということを、だよ》

若葉《違いがあるのか?》

園子《出来る出来ないとやるやらないは大きく違うんよ、例えば今は『勇者ギアを使ってはいけない』ということだけを強調している、他の解釈としては?》

若葉《ふむ...『他のギアなら使ってもいい』『使えないわけではない』それと...》

翠《『状況が変われば使ってもいい』...》



安価下
1 もう少し念話(記述)
2 そろそろ動く
3 その他(記述)

今のこの状況の中心、全ての原因はシェム・ハさんです
状況を変えるということは即ち彼女を変えること...


エルフナイン(未来)『はい、その...

キャロル『装者達が帰るまでの間、代わりに闘ってやる』

イザーク『シェム・ハの意識が荒魂という謎の生物に奪われつつある、気を付けた方がいい』

...と、いった感じでした』


ベル(フィーネ)『えぇ、シェム・ハがシェム・ハである限り花の力は相手にとっても新たな接続先を紹介してしまうことになるわ、せめてシェム・ハという存在の根幹を崩せれば...なんて』


彼女への警戒は山ほど思案を重ねて来たつもりですが、彼女自体の状態についてはこちらにとっての最悪を考えこそすれ正確なところを考えたことはあまりなかったような気がします
私は園子ちゃん達に未来の時間軸のエルフナインちゃんがイザークさんから聞いたこと、そしてさっき私がフィーネさんから聞いたことを思い出しつつ

翠《例えば...シェム・ハさんの力が弱まる可能性はあると思いますか》

もちろん今以上に、です

園子《確かに現状の対シェム・ハ戦の1つとして相手の弱体化は一考するべきだね~》

若葉《一考とは言うが、実際のところどうなんだ?》

園子《突き詰めてしまえば『わからない』の一言で済んでしまうけれど、要は何にしても綱引きでしかないんよ》

翠《こちらの策が上回るか、シェム・ハさんの力が上回るか、ですか》

園子《繋がりを辿り同期するのは厳密にはシェム・ハの力や技ではなく在り方...オンオフが可能ではあるけれど恐らく任意でオンにするのではなく任意でオフにするのが実態なんよ》

翠《繋がりを辿り同期するのが自然な在り方であり、意識的に同期を拒んでいるのが意図した場合、ということですか?ですがそれでは》

園子《神様の始まりは私にも本当に、推測すら出来ないほどわからないけれど...最初はそうじゃなかったかもしれない》

最初からそうであったなら、シェム・ハさんという存在が生まれた瞬間にこの世のありとあらゆるものに伝播し、目に見える程度の1個体としての存在にはなっていないはずです

園子《自ら高めたのかそうなった理由があるのか、私達人間が人生の中で四足歩行から二足歩行に変わるようにシェム・ハもまた自身の形成に影響しない程度に自然体で繋がりを辿る在り方へと変わった...んだと思う》

若葉《根拠はあるのか?もしそうであるならシェム・ハが手心を加えなければ我々は無事である筈が...いや、そうか》

園子《うん、シェム・ハは事実、荒魂の汚染...同期を拒めていないんよ》

翠《そういえば!》

言われてみれば、繋がりを自ら選び同期していたのであれば、タギツヒメに侵入を許したとは考えにくい...仮にタギツヒメが上手く隙を付けていたのだとしても、こうも長期間切り離すことも吸収することも出来ていないというのは、パワーバランスから考えて不自然です

翠《...けれどそれがわかったとして、私達に出来ることって...?》

更に荒魂を同期させたり...いえ、あそこには響さんがいます、流石にそれは危険でしょう

園子《重要なのは2つ...『シェム・ハは荒魂との押し合いでいっぱいいっぱい』であることと『押し合いをしている間はシェム・ハだけが神様』であること...荒魂は多少神格を得てしまっているかもしれないけど、少なくともゆーゆ達は大丈夫のはず》

翠《つまり、シェム・ハさんとタギツヒメが争っているところをまとめて弱らせてしまえば響さん達が有利になる...いえ、それはそうでしょうが》

園子《ううん、この際荒魂のことは置いておいてもいいと思うんよ、重要なのは今確実にシェム・ハが動けずにいるということ...あの巨人を構成する内のシェム・ハだけを弱らせるには、シェム・ハだけが弱ってしまう環境に連れて行けば...》



コンマ下
奇数 装置完成
偶数 特になし(話を続ける)

そうこうしているうちに、どうやら装置が完成したようです
元々異なる次元にあるS装備、そしてその次元に繋がる時空の歪みを見付け出すための装置でしたが

フリードマン「S装備だけでなくその特殊な山桜の花弁と同じエネルギーを発する物体を探知する機能、探知した次元の座標を直接その眼鏡に送信する機能が追加され晴れて理想の...いや、それ以上の出来だ」

ウェル「更にッ!コレを本体とし複数人同時回線対応の無線子機をたっぷりキリよく20台!」

フリードマン「予備を含めてその数が用意出来る限界だ」

本体の装置に例の眼鏡、見た目には特に変化した箇所はありません
そして渡された子機とやらは...

翠「こちらも眼鏡型?」

フリードマン「統一感さ、それに小型化の限界ギリギリだ」

ウェル「両手が空く、使用中外れてもすぐに気付く、利便性を求めた結果というのが所詮子供にはわかりませんか」

フリードマン「なにも両腕いっぱいに抱えていく必要はないよ、装置には収納スペースを用意したからね」



安価下
1 早速未来の時間軸へ
2 もう少しこの世界で何かする(記述)
3 その他(記述)

装置が完成した今、やるべきことは一度未来の時間軸に戻って皆さんと合流し、この時間軸の元の世界に行くこと...
このまま向かっても良いですが、その前に事前連絡が出来るか試してみることにしました

翠「とはいえ、元々通信は不安定、おまけにあの時空震で一時的にですが電波も麻痺していましたし...」


コンマ下1
奇数 繋がった
偶数 繋がらない

通信内容安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

一度空き部屋に移った私は端末を取り出し『翠』に...未来の時間軸にいる現代の時間軸の『翠』に通信を試みました

翠「『翠』、聞こえ」

『翠』『もしもしッ!?』

翠「ま...したね」

いきなりの爆音に耳がキーンとします...とりあえず時空震の影響は無く通信は繋がれているようですね

『翠』『通信繋がるなら繋がるって言っておいてくれないかな!?というかどっか行くなら先に誰かに言ってからにしてよ!』

翠「いやこんな簡単に繋がるとは思わなかったので...あと今回は不可抗力ですよ人為的ですけど」

『翠』『いやうん知ってるけども!こっちの『私』とこっちの翠から経緯は聞いたけども!』

翠「ですよねそれは良かっ...えっそっちの時間軸の私もいるんですか!?」

『翠』『いるも何も...あれ、どこまでこっちの今を把握してるの?』

翠「何にもですよ!私がこっちに跳んでからどうなってるんです?」



未来の時間軸で何か起きた?記述安価下

(翠「初日から欠かさずやり続けたXDが遂に...悲しいですが、いつかこうなることはわかっていました」

『翠』「それに間髪入れずに新プロジェクトと映画化の発表もあったからセーフ!こっちはすごく楽しみ!」

翠「ですね!シンフォギアのこれからにますます目が離せません!」)

とりあえずあちらの時間軸での様子を知ってから動いた方がいいでしょう
私としてはこちらの時間軸でのやるべきこと...だと思われることは多分やり尽くしたので一度合流して改めてキャロルちゃんの助太刀に...

『翠』『そうだった!今ちょっとこっちゴタゴタしてるんだけどそっちで何かやってる?』

翠「やってるかと聞かれたらやってたというか今はやってませんが...」

『翠』『なら違うのかな...こっちね、今あのでかい輪の装置が急に動き出しててアラートが鳴り響いてる』

翠「待ってください大事件の真っ最中ってことですか!?」

いえ、私がこっちに跳ぶ前も全然大事件の真っ最中だった気がしますが

『翠』『あの装置やっぱりこことそっちの時間軸の元の世界を繋げる装置らしくて...らしくてっていうのはこっちの時間軸の『私』達が言ってたんだけど、それで翠もそっちにいるみたいだから『私』達もって話になってて』


安価下
1 このままこっちの時間軸の元の世界で合流
2 とりあえず未来の時間軸に一旦向かう
3 その他(記述)

つまりこのままここで、というかこの時間軸の元の世界で待っていても合流出来る...ということでしょうか
一瞬それでも良いのでは、と思いましたが

翠「いや待ってください、一旦私がそっちに戻ります、時空震の対策は多いに越したことはありませんから」

『翠』『何か対策増えたの?』

翠「えぇ、まぁ」

いつどこで時空震に晒されるかわかりません、山桜の花弁があれば響さんや友奈ちゃんとの繋がりが途絶えない筈ですが、それをこちらから辿る手立てがない今、時空を越える度にその場で元の時間軸に戻る手段を探すというのはあまりに...
今回は最終的に未来の時間軸に辿り着いたからこそその時間軸での経験を元に手段が用意されていたようですが、また過去の時間軸や、全く異なる文化形態の並行世界ではどうなるか...

翠「すぐにそっちに...あ、でもその前に」

今からでもすぐに未来の時間軸に行き、そこからまたこちらの時間軸に...と思いましたが、ふと想像してしまったのは

私が未来の時間軸に着いたタイミングでこの時間軸と繋げる装置が止まる可能性

未来の時間軸に行く途中で何らかのアクシデントが起こり、私だけがまた別の並行世界へ跳ばされる可能性

『翠』達と合流しこの時間軸に戻る途中で何らかのアクシデントが起こり、戻れなくなる可能性

ない、とは言い切れないような経験をそれなりにしてきました
未来の時間軸に向かう前に何か、確実にこの時間軸に戻れる手立てを...


安価下

こちらの時間軸の世界...刀使の世界かシンフォギアの世界か、いずれにしても両者は現状繋がっているのでどちらでもいいとして、そこに確実に戻される方法、あるいは戻る道順がわかる方法...
例えばギャラルホルンを用いて並行世界間を移動したのであればギャラルホルンにその記録が残り、二度目以降の行き来が可能になりますが、今回は時空震か未来の時間軸の『翠』に渡された眼鏡での行き来しか経験していません
ギャラルホルンに私の記憶を頼りに未来の時間軸を感知させることは...出来なくもなさそうですがエルフナインちゃんに禁止されましたし

翠「いっそ物理的に...直接足で向かえる場所なら命綱でも付ければいいんでしょうが」

並行世界というのは実際、どのようなものなのかほとんど知られていません
というか、私は直接行ったのもそうですしそもそも異なる世界からの転生者であるがために並行世界の存在そのものは疑う余地がありませんが
逆に存在そのもの以外は正直よくわかりません
例えば並行世界の場所に関して『異なる宇宙に存在している異なる星』『同じ宇宙に存在している異なる星』『同じ場所に存在している異なる周波数の世界』等様々な説があります
前者2つの場合距離が気の遠くなる長さであることに目を瞑れば理論上は足で行けますし、後者であれば目に見えず肌で感じられないだけで今この瞬間もこの世界と並行世界に同時にいることに...

翠「...同時に?」

異なる世界同士が同時に存在している...そんな光景を私は何度か経験しているはずです

例えば突如周りが灼熱の炎に包まれた世界になり壁の内側の四国に行ったとか

例えば装者のいる世界と勇者のいる世界が重なったとか

例えば装者のいる世界にあるはずがない御刀が出現したとか

例えばバグのように姿形を変え続ける不安定な街全体とか

翠「そもそもノイズやカルマノイズの異相差障壁の存在そのものが、元の世界とバビロニアの宝物庫とが同じ場所に同時に重なりあっていることの証拠...抜かりましたっ!基本的なこと過ぎてすっかり頭から抜けていましたが、そうであれば並行世界の在り方は検討が付きます!そして何故この眼鏡によって並行世界間を移動した先が海の中や空中だったのかも!」

『翠』『あー...終わった?』

翠「アッハイ」

しまりました、通信を繋げたままだったことをすっかり忘れて一人考えに耽って

翠「と、とにかく!こちらの世界とそちらの世界、だけでなく他の世界も含めて在り方がかなりわかってきてて!」

『翠』『あんまり待たされるとこっちもね?』

翠「ごめんなさい」

冷水をぶっかけられたような、というほとではありませんが、一気に頭が冷やされます
それによくよく考えたら結局当初の目的...こちらの世界に確実に戻る手立てに関しては何も思い付いてません...

翠「いえ、命綱というのは思い付きましたが...結局周波数の違いを越えられる物質なんて」

それこそこの眼鏡なんかは当て嵌まるのかもしれませんが、この眼鏡を使って移動するのにこの眼鏡だけを並行世界間に跨がらせるのは不可能ですし

『翠』『ドンピシャだ...あ、えっと、命綱付けるの?』

翠「ドン?...いえ、まぁ最悪ダメ元で付けてみるのも...でもロープそのものごとかロープで繋げたものごとか、一番可能性が高いのはそのロープだけこちらに残して私だけ跳ぶことになるなと」

『翠』『ならさ、そっちの世界そのものとも言える『何か』に繋げてみたら?』

翠「世界そのものと言える『何か』...?」

その発想はありませんでした
命綱を付けるならその先は絶対に揺るがない場所
並行世界間を移動するなら、世界そのもの

『翠』『ギアと『私』達自身みたいに繋がってさえいれば並行世界間移動の恩恵は受けられるはずだし、そのまま世界ごと跳ぼうとすれば結局跳んでないことになるだけ、跳んだことになるほどの出力は出ない...出ない?よね、うん、出ないはずだから』

翠「で、ですがそんなもの...」

『翠』『いやいや、刀使の世界はわかんないけどシンフォギアの世界にはあるでしょ、その世界を世界足らしめるであろう『要』が』

翠「...はっ!」

・・・

私は通信を切り、糞眼鏡とフリードマン博士が完成させた装置...もとい装備を纏い一度この時間軸の装者の世界へ帰還
S.O.N.G.の保管庫からなるべく頑丈そうなロープを拝借し、外へ飛び出しました

翠「目指すは龍脈...!」

☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


『翠』「言われた通りに誘導した、というか出来たみたいだけど...」

翠(未来)「えぇ、それで良かったんですよ」

元の時間軸に戻ったらしい翠からの通信が来ることを『私』は予め聞かされていた
この時間軸...未来の時間軸の『私』達から

翠(未来)「偶然一つからの発想は容易く改められてしまいますが、偶然が幾度も重なれば奇跡、必然、運命へと強化されます」

『翠』(未来)「そこから導きだされた発想は視野を狭まわせ、他の可能性を無意識に排除されて」

『翠』「概念が確かなものとなる...ね」

どうやら翠の想定はどこかしらが明確に『間違い』らしい
でもそれがどこで、どう間違っているのかは『私』も知らされていない
『私』がそれを知ると仮にこの事件が解決するまでに翠とフルシンクロすることがあった場合、翠にも正解が伝わってしまうから...と

翠(未来)「概念は所詮思い込み...ですが、たった一人の思い込みが2000年の真実よりちっぽけだとは誰も決めてないんですよ」

『翠』(未来)「そのためにダメ元で、思い込みを加速させる仕込みをいくつか配置させてきたわけだしね」

☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


翠「この辺に...せいっ」

レイライン上の、なるべく人目に付かない場所を探した私は、そこでアメノムラクモのアームドギアである刀の内の一本を取り出し地面に突き刺します
次にその刀の柄の部分にロープを固く結び付け

翠「さて...行きますか」

私は装備モードに変形していることで腕の位置に移動している装置の操作パネルに手を伸ばしました

翠「いざ、未来の時間軸へ!」


コンマ下
奇数 着いた
偶数 途中地点
ゾロ目 着いたけど...

(翠「明けましておめでとうございます!」

『翠』「今年もよろしく、と行っても多分かなりクライマックス寄りのはずだけど」

女神「大分前からクライマックスのはずだったんですけどね...」

翠「何はともあれ目指せハッピーエンドです!」)

身に付けた装備に連動して眼前に出現した時空の歪み
そこに意を決して飛び込んだ私は、ゆっくりと目を開いて周りを見渡しました

翠「この光景...ギャラルホルンで移動する時みたいですね...」

全体的に赤黒く、長い長いトンネルのような
足を付く地面がなく浮遊感がありますが、完全な無重力というわけでもなく、不思議と自分の位置を維持出来るような、それでいて自然と身体が前方に押し出され引き寄せられる感じ

翠「はっ!ロープは」

腰の辺りに視線を落とすと、腰に結んだロープの先は少し離れたところで途切れていました
否、切れてしまっているのではなくロープの途中に私が入ったのよりも小さな時空の歪みが発生していて、そこから先が見えなくなっているようです

翠「成功...なんでしょうか...?」

軽く引っ張ってみると僅かに反作用を感じました
ここからは確認出来ませんがやはり先端は固定出来ている...と思います

翠「ならこのまま行くだけです!」

私は気を取り直し前を向きました


コンマ下
奇数 無事到着
偶数 カオスビースト戦

・・・

そうして道中何事もなく私はその空間を通り抜け、遂に出口まで辿り着きました

翠「ここは未来の時間軸...で合ってますよね」

見渡す景色は...最初に未来の時間軸に来た時同様現代とそこまで差がないのでよくわかりませんが...少なくとも目的地に近しい文明であることは確かですね

『翠』《こっち着いた?》

なんて考えていると、丁度『翠』からの念話が来たことでここが目的地である未来の時間軸で間違いないことが確定しました

翠《着きました、そっちに向かおうとしていたところです》

『翠』《了解、じゃあ...あ、ううん、そこで待っててって》

翠《へ?》

待ってて...って、ここで、ですか?

翠「というか誰から言われたんですか」

翠(未来)「私です」

翠「うわっひゃあ!?」

さっきまで誰もいなかったはずの真後ろから声をかけてきたのは、この時間軸の私
足元に消えつつある錬成陣があることから、恐らくテレポートジェムか何かで来たのでしょうが

翠「迎えに来るにしても普通に来てくださいよ!というか本当にもう出てきてるんですね」

翠(未来)「えぇ、存在を安定させられるくらいには概念も確定させられましたし...それよりコレ少し借りますよ」

話を聞いてるのか聞いていないのかわからない返事をしながらこの時間軸の私は私の腰に巻いたロープに手を伸ばすと、軽くクイッと引っ張ります
するとその先にある小さな時空の歪みから淡い金色の光が溢れ出しました

翠(未来)「このタイミングだけは神の力が飽和してます、まぁ敵味方どちらもそれで強化されるのでいくらあっても困らないものではありますが、逆に減ってしまうと厄介なので丁度良い...というよりここで帳尻を合わせられるのは偶然ではないという可能性もあってなんとも言えませんね」

翠「つまり?」

翠(未来)「御使いご苦労様でした」

翠「やっぱりノせられただけでしたか...」

細かいところはわかりませんが、今のこの状況はこの時間軸の私が仕組んだもの、ということらしいです

・・・

そうして腰の辺りから細々と光を撒き散らすことになった私は、そのままこの時間軸の本部に向かうことになりました
と言ってもテレポートジェムで一瞬でしたが

『翠』「お疲れ...何そのキラキラしてるの」

翠「わかんないです」

翠(未来)「今はとりあえず理解しないようにしてください、バランスが乱れるので」

私や『翠』...というかこの未来の時間軸以外の存在が何をどこまで知っているかはかなりデリケートな問題らしいです
そのこと自体は『翠』も聞かされていたようですぐに納得していました
私より先に知らされていたのはなんとなく微妙な気持ちですがそれは置いておくとして

翠「これでこの時間軸での役割は終わり...で良いんですよね?」


やっておくこと安価下
(特になければ皆で元の世界へ帰還)

皆さんも早く元の時間軸に戻りたいでしょうし、響さんの無事も気になります
それとちゃっちゃとこの時間軸を去れればお説教もキャンセル出来るかも...いえこれはあくまでおまけですが

翠「やり残したこと...あれ以降アルカノイズや荒魂が出たとかそういう目撃情報があったりとか、ありますか?」

この時間軸に思い入れがないわけではありません、それなりの期間を過ごしたわけですし
ですが、役割を終えたのであれば長居するのは私達にとってもこの時間軸にとっても良いこととは言えないでしょう
なので跡を濁さぬよう...


コンマ下
奇数 出現有り
偶数 現状無し

翠(未来)「いいえ、それらの発生は貴女達が対処して以降確認されてませんよ」

翠「そうですか」

翠(未来)「今後出ないという保証は出来ませんがその時は別の要因で、でしょう...貴女達の時間と繋がったことによる影響はこちら側は収束に向かっているはずです」

翠「時間...時間軸、ではなく、ですか?」

翠(未来)「いいえ、だからこそ収束したんですよ」

この時間軸の私も『翠』もその言い方を、言い換えを強調しているのは薄々気付いていましたが、やはりハッキリと説明する気はなさそうですね
こうやって匂わせておいてボカすやり方はあまり好きではありませんが、そうせざるを得ない理由があることだけはハッキリしたので仕方がないと今では思えます

翠「仕方がないと思えていますが...」

翠(未来)「収穫が少ない、ですか?」

翠「まぁ、何をすれば正解なのかよくわからないままこの時間軸での生活を終えてしまいそうですからね」

翠(未来)「隠しませんね」

翠「私相手に取り繕っても恥ずかしいだけでしょう...」

いずれ辿る...かもしれない...未来のことを知れるというのはかなりの収穫だと思う人もいるでしょうが、その内容が身近であればあるほど過程を知らなければ近付くことも避けることも出来ません
それに『時間』ではなく『時間軸』であるのならなおのこと...

翠「何か助言...のようなものはありませんか?未来の私」

翠(未来)「ふむ、そうですね...過去の私に出来る助言ですか」

翠(未来)ちゃんの助言安価下

既に異なる歴史を歩み始めているということを踏まえた上で、と前置きした未来の私は

翠(未来)「響さんがシェム・ハやタギツヒメに勝ち、主導権を奪...い切れずとも不動まで持っていけている以上、もう身体も精神も乗っ取られる事は無いでしょうけど...」

翠「そこは信じて良いんですね?」

翠(未来)「一度吹っ切れた響さんはすごいですからね、それに友奈もいますし...それはともかく」

こほんとわざとらしく咳払いをし、話を続けました

翠(未来)「ここからの戦いにおいて、近くに現れる荒魂にはシェム・ハさんやタギツヒメの意識が宿ってる可能性があります」

翠「近くに現れる...?」

翠(未来)「雑魚敵のようなものです、もっともその表現はあくまで俯瞰した見方であって厳密には尻尾切りしているだけでしょうが...いえ、あるいはもっと単純に量や面積の問題で?まぁ過ぎた話なので今更わかりませんが」

翠「私それ過ぎてない話なんですが」

しかしあの巨人響さんをどうにか元に戻すだけでは終われないことがわかったのは行幸です
シェム・ハさんが入ってる荒魂は私達が、タギツヒメが入ってる荒魂は刀使の皆さんに頼むべきでしょうか...その辺も元の時間軸に戻る時に相談しておきましょう

・・・

翠「では行きましょうか!向こうではエルフナインちゃんというかキャロルちゃんが頑張ってくれてます!急ぎましょう!」

クリス「怒られたくなくて急いでるのバレてるぞ」

未来「でも、急ぎたいのは同じだよね」

今一番飛び出したいであろう未来さんが冷静であることで、私も身が引き締まる感じがしました

調「先にこの後戦いが待ってるのがわかったのは良かった」

切歌「この大所帯なら負ける気がしないのデス!」

翼「あぁ、それに私達は希望をこの目で確かめたのだ」

マリア「やってやれないことはないわ、響を助けて明日を掴むわよっ!」

こうして私達は改めて、全員で、元の時間軸へ...


コンマ下
奇数 響さん起きてる
偶数 響さん起きてない

・・・

大所帯ながらも誰一人欠けることなく、無事に、この世界...元の時間軸の装者の世界まで戻ってくることが出来ました
ここまでは順調です

未来「響は...止まってる?」

『翠』「巨人響さんは停止中、その周りを付かず離れず飛んでるのはエルフナインちゃん...いやキャロルちゃん?どっちも?」

翠「一応どっちものはずです」

どちらかといえば今はキャロルちゃんが主に表に出ているはずですが、シームレスに入れ替われていたのでどちらがという区別は必要ないでしょう
強いていえばどっちも、というのがやはりしっくり来ます
キャロルちゃん達は私達に気付いたのかこちらを一瞥すると、巨人響さんから距離を取り始めました

翠「巨人響さんが完全に停止したままということは、響さんが主導権を奪い返したまま眠りについている可能性が高いです、そっちの作戦でいきましょう」

未来「私と翠ちゃん達で響を起こしに行く...だよね?」

『翠』「夢の中、というより深層世界に行ってね」

外から声をかけるというやり方でも出来なくはないでしょうが、それでまかり間違ってシェム・ハさんやタギツヒメの方が目を覚ましてしまうと詰みです
内側から直接確実に響さんを起こし、表では目を覚ました響さんにシェム・ハさんの腕輪を外してもらう、これです

翠「というわけで皆さん、お願いします」

この作戦は具体的には私と『翠』と未来さんで一度それぞれ深層世界に行き、そこから響さんの深層世界へ行くというもの...つまりその間表では眠っている私達の身体が(ギアを纏っているとはいえ)無防備になってしまいます
響さんが起きるまで巨人響さんも動かず他に何も起こらないならともかく、どうやら荒魂が現れるようなので皆さんに守ってもらおうという話になりました

友奈(赤嶺)「申し訳ないけど私は戦闘に参加出来ない、ごめんね」

可奈美「大丈夫だよ!バッチリ守るから!」

夏菜「そっちで何か不足の事態が起きたら教えてください」

『翠』「頼りにしてるよ」

翠「行ってきます!」

未来「行こう!響が待ってる...!」

・・・

戦場のど真ん中...ではなく端の方で眠りについた私は、早速深層世界へ

園子「じゃあ出発なんよ!」

翠「2人も来てくれるんです?」

若葉「人手はあった方がいいからな、戦闘では手を出せないのが歯痒いが」

園子「多分ちーちゃんも来てくれるんじゃないかな、それにもしかしたら...」

しばらく深層世界を進んでいると、遠くの方に『翠』と千景ちゃん、別の方向に未来さんの姿が見えてきました
どうやら深層世界の交わるところまで来たようです

『翠』「いつもここってこんな距離なくなかった?」

千景「勝手が違うのよ、小日向さんをパーティに加えて結城さんと立花さんの深層世界に行くには樹海からではなく遠回りが必要なの」

未来「えっと...その娘達は」

園子「はい!そのこです!」

若葉「ややこしくするな!...あー、私達は助っ人だ、いや大した手助けも出来ない今は助っ人ですらないのか?」

『翠』「この娘は千景、あっちは園子と若葉、今は力を借りれないから妖精さんみたいなものと思って」

千景「は?」

未来「なるほど...?」

妖精さんて...


コンマ下
奇数 立ちはだかる影
偶数 順調に

・・・

未来「いた!響っ!」

響「未来...?」

進み続けてどれ程経ったのか、ようやく響さんの深層世界までやって来られました
ここまでに何らかの障害が立ちはだかるかと身構えていましたが杞憂でしたね

響「本当に、未来だ」

未来「響!良かった...ただいま、響」

響「うん...おかえり、未来」

響さんの方も、特に問題はなさそうです

『翠』「眠ってる、なんていうからどんなもんかと思ったけど」

翠「実際ここは寝てる間のある種の夢の中ですからね、起きてはいるでしょう...しかしそれなら現実で起きられないのはいったい」

響「あ、それは...」

響さんが何かを言い終わる前に、置くの方から人影が...結城の友奈ちゃんが駆け寄ってきました

友奈「完全に閉じ込められちゃってるらしいんだよね、ここに」

翠「あーそういう...でも私達は来られましたが」

園子「来るもの拒まず去るもの逃がさず、なのかな?」

響「どうにか友奈ちゃんと一緒にシェム・ハさんとタギツヒメの拘束を解いたんだけど、そしたらどっちも居なくなっちゃって」

若葉「より範囲の広く協力な結界に捕まった、か...」

さっきまで友奈ちゃんは結界に出口がないか探し回っていたそうです
その途中私達がここに来たのを感じ取り戻ってきたとか

千景「ありがちな解決法としては結界を張った張本人を改めて倒すか、結界を破壊するか、かしら」


安価下
1 結界破壊を試みる
2 深層世界内でシェム・ハさんとタギツヒメを探す

若葉「探すにしても手掛かりもなければ倒せる保証もない、となれば」

翠「結界とやらを破壊して響さんに目覚めてもらうのが先ですね」

私達は響さんの深層世界の端...結界の外と内の境界線を探すため移動することに

『翠』「この場に東郷ちゃんがいないのが惜しいね、こういうのは専売特許なのに」

翠「酷い風評被害...一回だけでしょ?」

千景「他人の黒歴史を笑うと後で痛い目を見るわよ」

しばらく進んでいくと、突然周りの風景が変化しました
何もない真っ暗な空間だったのが、見覚えのある昼間の街へ

未来「えっ、外に出たの!?」

園子「ううん、まだここは深層世界の中なんよ」

パッと見は私達の元の世界そのもの...ですが建物や看板が懐かしい、あるいは私は見たことがないものになっています
つまりここは、響さんの記憶の世界

響「えへへ、何だか恥ずかしいね」

友奈「いつのどの記憶が反映されるかはランダムだから、どこが世界の端なのかも毎回変わっちゃうんだよ」

園子「実際は変わってなくても体感として同じ範囲に感じ取れないのかもしれないね」

つまるところ記憶の世界の端とは五感で認識している範囲の限界のこと
響さんが知らない部分は世界の構築がされない...と、そんな簡単な話でもなく

園子「例えば自分の真後ろは自分では見えなくても、鏡とか映像越しとか、真後ろの風景がどんなだったかっていう記憶から想像が出来る、想像出来る部分までは構築されるのが記憶の世界なんよ」

翠「極端な話、この頃の響さんが知ってる場所は再現されてるけど知らない街は存在しない、みたいなことですね?」

響「この頃...いつの記憶だろう...」


いつの記憶?安価下

私達は今いる記憶の世界の詳細な日付を把握するため、大通り...人で賑わっている場所を目指し歩き始め
そしてその目的はあっさりと、一瞬で果たされました

響「そっか...この日は」

通りに添うように建てられた電灯に設置されたホログラムの広告
そのどれもが同じ内容を宣伝しています


『ZWEI WING』


翼さんと奏さん、2人の歌姫の姿が写し出されたそれは時間経過と共に自動で表示が切り替わり、それがライブの宣伝であること、そしてこの世界の今日がライブ当日であることを周知させていました

未来「翼さんと奏さんの、ツヴァイウィングのライブ...」

響「私の、始まりの日...」

進めば進むほど人は増え、賑わい、ツヴァイウィングに関する高揚した話し声も多く聞こえてくるように
どこか見覚えがある、しかし馴染みがあるほどではないこの大通りは、現実世界の今は無き...正確には跡地ですが...あの惨劇が起きたツヴァイウィングのライブ会場へと続く道だったようです

響「うん、間違いないよ、この先にこの時間の私がいるはず」

園子「想像力は広がるし逆に狭まることもある、視野が狭くなるなんて言い方もあるけど...とにかくこの記憶の世界は印象が強いところが一番濃くて境界も曖昧になるはず」

『翠』「でもこの時間の響さんが知らない場所は存在してないんでしょ?そこに向かった方が外に近くない?」

園子「知らない場所には行けない、行くための道を知らないから、知らないと想像出来ないから...簡単に言うとそのやり方だと迷子になるんよ」

『翠』「じゃあやめよっか!」

ここは響さんの深層世界、迷子になっても現実の響さんが無事なら少なくともここにいるという事実は変わりませんが、そこから探し出すのは響さんが過去にたった一度見かけた物をノーヒントでいつどこでどんな物だったかを正確に思い出すくらいの難易度になるそうです

未来「ここで何かを変えても、現実には影響しないんだよね...?」

翠「えぇ、ここは記憶の世界であって現実の過去でもなければ分岐した過去の世界でもありません、全ては響さんの記憶が作り出した夢のようなもの...例えば物を動かしたりここにいる人に話しかけたりは出来るでしょうが、それが現実の現在に作用することも響さんの記憶が改竄されることもないはずです」

友奈「話しかけた相手の返答もこの深層世界の主の響さんが「この人ならこう返すだろうな」って無意識に考えたものが反映される...だよね?」

園子「そうなんよ」

未来「そう、だよね」

ふっと視線を落とす未来さん
この時間に思うところは...沢山あるでしょう
私も、もし可能なら...と思うことはいくつもあります

全てはこの日から始まった、戦姫絶唱シンフォギアという物語の最初の1ページ

その物語を否定することも、原作とは乖離してしまった元の世界の私達のこれまでも否定する気はありませんが
それでもこの日に起こることは間違いなく悲劇です
たとえ命を落とした歌姫が幽霊となって昔の話だと笑って過ごせていても
託された歌を胸に生きることを諦めなかった少女が紆余曲折の末に友や仲間に囲まれていても

その『昔の話』が、『紆余曲折』がここかは始まるのだから


「未来~、今どこ?私もう会場だよ?」


その時、人混みの向こうから聞こえてきたその声は不思議とはっきりと聞き取ることが出来ました
聞き取れたのは私だけではなかったようで、私と『翠』、響さんと未来さんは思わず顔を見合わせます

未来「今の声、響だよね?」

響「うん、覚えてる、未来と電話してた時の私だ」

翠「どうします?近付きます?」


安価下
1 合流し記憶の世界の境界を探る
2 合流はせず記憶の世界の境界を探る
3 その他(記述)

声のする方向に目を向けると、ライブ会場に続く長蛇の列の中にこの記憶の響さんの姿が見えました
ガラケーを片手に大きな声を出してしまい、若干周りから注目を集めてしまっています

園子「ダメとは言わないけど、メリットは少ないかな~」

翠「デメリットならある、と」

園子「さっき話していた通り現実や夢の主に影響は出ない、影響が出るのは今私達が見て体験している夢の世界だけ...でもここから早く出るためには少しでもこの夢の世界、深層世界の端がどこなのかを探さなきゃいけない...夢の輪郭を大きく変えてしまうのは上手くいけば早く夢を終わらせられるけど、下手をするとより長く広くなってしまうかもしれない」

今のままでも端がどこなのかははっきりとはしていませんが、確かにそれでも推測すら出来なくなるよりは今の方がマシなのかもしれません
それとなく幼い響さんの姿を視線で追いつつ、私達はこの世界の端の探し方について今一度作戦を練ることにしました

『翠』「えっと、その『端』が実はよくわからないんだけど...」

未来「目で見える境界なの?」

園子「基本的には少し違うんよ...本人の認識している範囲の限界というのは1つは想像の限界...さっきも言った通り想像出来るものは例え正しくなくともその通りに構築されるし、想像出来ないものは構築されない、そこの境界は本人にもわからない」

園子「眠った時や意識が完全に他のものに移った時かなぁ、連想出来る意識同士や次にこれが来ると予めわかってる意識だとそうでもないかもしれないけど」

千景「結局虱潰しをしながらいつ来るかわからない時間切れを待つしかない、ということね...厄介な所に閉じ込められたものだわ」

ざっくりとわかりやすく千景ちゃんがまとめたその一言に私達は揃って肩を落としてしまいます
効果的な脱出の仕方は存在しない...いえ、だからこそシェム・ハさんはこのやり方を実行したのかもしれませんが
その時、ここまでほとんど会話に参加していなかった響さんと友奈ちゃんがより一層困った顔をして目配せしていることに気付きました

友奈「あはは...その虱潰しも私が結構やってみて失敗続きだったりするよ...」

あっ...それはそうですよね
ここまでの会話、私達はともかく響さんと友奈ちゃんはずっとここから出ようと実践してきたはずです
言われるまでもなく、やるまでもなく何が上手くいかないのかも知っているはず
あれ?でもそれなら

翠「記憶の終わりの方はどうだったんですか?この記憶以外も体験したんですよね?」

響「うん...何度か記憶の終わり...景色がガラッと変わって別の世界になるのは体験したよ」

未来「その時境界から出ようとはしなかったの?」

響「ううん、そこから本当に世界から出られるっていうのは知らなかったけど、何となくそんな気はしたから出ようとはしたんだ!したんだけど...」

友奈「その度にどこからともなく荒魂が道を塞いで来るんだよ...」

・・・

詰んだ

またしても思ったことが一致してしまった私達は、こうしていても仕方がないととりあえずこの世界の端を探すことにしました

翠「時間切れの際に道を塞ぐ荒魂は恐らくタギツヒメかそれを操るシェム・ハさんの仕業...姿を隠していながらこちらのことは監視しているということでしょうが...」

友奈ちゃんが境界となる世界の端を探している最中は出てこなかったそうですが、それはシェム・ハさんも世界の端がどこあるいはどれなのか知らないのか、正解とは程遠かったのか

『翠』「...この人数で団体行動してもアレだし、『私』は別行動するね!」

翠「へ?あっちょっと」

『翠』「端見付けたら念話するから!じゃ!」

言うが早いか突然走り出してしまう『翠』
確かに虱潰しなら別行動は効果的ですし、時間切れの場合でも恐らく戦場で再会出来るとはいえ
この状況で勝手に...こういう時に説明を省くのを私が好んでいないことは『翠』も『私』なのだからわかっているはずですが

若葉「追うか?あの様子、ただ手分けするのが目的ではなさそうだが」

翠「私なら何かしら考えあっての行動だと思いたいですが、うーん...」

千景「いいえ、そっとしておいてあげなさい」

既に動こうとしていた若葉ちゃんととりあえず追い付いてから考えようかと思っていた私を制止したのは、意外にも千景ちゃん

千景「何となく察しが付くわ、例えここが過去ではなく記憶の世界だとしても、それが自分勝手な動きだとしても、そこまで大人になれないものよ」

未来「うん...私も、わかる気がする...『翠』ちゃんのことは、多分大丈夫だよ」

千景ちゃんに続き未来さんによる援護射撃とは

翠「まぁ...後で問い詰めるので許しますか」

千景「ふふっ、貴女は大人になれるのかしら?」

翠「多くを聞かずに察したつもりになってる大人にはなるつもりがないだけですよ」


コンマ下
ゾロ目 境界発見
ゾロ目以外 時間切れ

・・・

至る所...それこそ見知らぬ他人の家であろうと躊躇なくお邪魔する勢いで虱潰した私達でしたが
日が傾き始めてもこの世界の端は見付けられずにいました

未来「はぁ、暑くなってきちゃった」

響「休まず動きっぱなしだもんね」

じんわりと滲む汗を服の襟元で拭いながらその場に座り込む私達
ここまでどん詰まりだと流石に滅入ってきます

友奈「それにしても、こんなに一つの記憶がずっと続くなんて珍しいかも...いつもはもっと早く色々変わるのに」

翠「それだけこの時間の響さんが何かに熱中し続けていたということでしょうかね?」

ふと視界に入ったのは、件のこの時間の響さんがいるライブ会場
これほど熱中しているのですからあっちはさぞ盛り上がっていることでしょう

千景「それにしても本当に暑いわね、もう夕方だというのに」

若葉「あぁ、まるで真夏の昼間のようだ」

翠「確かに日差しのせいというよりは、ムシムシするというか、熱気に包まれているような暑さですね」

園子「熱気に...っ、まずいかも知れないんよ!」

突然立ち上がった園子ちゃんはライブ会場をキッと睨み付け、そのまままっすぐ走り出してしまいました

翠「園子ちゃん!?」

未来「え、走るの!?」

響「私達も行こう未来!ってあぁっ未来足速い!」

走りながら勇者服に変化していた園子ちゃんを追いながら私もアメノムラクモのギアを纏い、浮遊と走りを交えてどうにか横に並び声を投げ掛けます

翠「どうしたんですか急に!」

園子「この季節のこの時間、こうして走って風を浴びてもなお変わらない熱気、どう考えてもおかしいんよ」

翠「それは...そうですか?」

園子「考えられる可能性は1つ、私達の精神体の感覚がこの時間の夢の主とリンクしてる」

翠「感覚が...ッ、つまりこの熱気は、周囲が熱気で包まれているのは私達じゃなく!」

園子「そう、そして確かこの後起きるのは...」

その時、視界の向こうから爆発音が響き渡ってきました
発信源はライブ会場...あの惨劇が始まった瞬間です
そして同時に、ライブ会場の周囲の景色がバグのように輪郭を不安定になり始めていて

・・・

それぞれがここに来るまでに装者、あるいは勇者の姿になっていた私達が開けた上部から会場に乗り込むと、そこにあったのは既に阿鼻叫喚の地獄絵図と化していました
観客達が我先にと出口に殺到し、所々その途中でノイズに触れられ炭化していく人達の姿もあります

友奈「見て!記憶が終わろうとしてる!このままじゃ荒魂も来るよ!」

友奈ちゃんが指差す先では空間が歪み、ちらりちらりとオレンジ色の光が何もない空間に浮かんでいました
否、浮いているのではなくあの場にいる荒魂がこちらからは一部分しか見えていないということ
こちらに出てくるのも時間の問題です

未来「一応聞くけど、ここで死ぬとどうなるの?」

園子「運が良くて夢の主の精神と同化、けれどそのまま死んでしまう可能性が高いね、荒魂に殺されたとしてもノイズに殺されたとしても」

若葉「夢に殺される場合も、か...よもや改変がどうのとは」

千景「言ってられないでしょうね、どうせ出口は見えてることだし今更よ」

響「ノイズも荒魂も倒して、あの変になってる所...世界の端から外に出る、だよね!」

言ってる側から荒魂達は姿を完全に現し
向こうの方では丁度この時間の奏さんと翼さんがギアを纏いノイズを相手し始めたところでした

翠「行きましょう!また別の記憶の世界ではじめからやり直しなんて勘弁です!」


コンマ下
奇数 いい調子
偶数 生きるのを諦めるな

最初から心の準備が出来ていたこともあり、押し寄せる荒魂を難なく倒し着実に前へ進めている私達
記憶のノイズもせいぜい記憶の奏さん達に向かう途中どういう作用か私達の方に方向転換してくる個体がいる程度、数もたかが知れています

翠「来た時は大往生なんて思いましたが...」

ある意味数でゴリ押しな戦法が続いている今、なるべくしてなった人数だったのかもしれません

未来「ここで暴れても響の頭に影響は出ないんだよね!?」

園子「本人が知らない間に、だとわからないけど...今回は本人も認識してるから無問題なんよ」

いつもと違い周り...ライブ会場の被害も気にせずただ前に進むことだけを考えて戦い続けてきたのでふと思うところがあったらしい未来さんと園子ちゃんがそんなやり取りをしている間に、いよいよ歪みが目前に迫ってきました
すごくいい調子です

翠「よしっ、ここまで来れば...あっ」

体感にして数時間ほど街を虱潰しに散策し、続けてぶっ通しの特効
文字通り『前へ』進むことばかりに注力していた為か、ギリギリになってから思い出しました

翠「『翠』まだ帰ってきてない!?」


安価下
1 脱出優先
2 留まって念話
3 探しに引き返す

今は手が離せません
とはいえこの世界に残していくのは色々と問題が...
こんなことなら別行動を取ろうとする『翠』をもっと強く留めるかせめてどこに行くつもりなのか聞き出すべきでした
とにもかくにも先に呼び出すべきですね

翠《『翠』ー!帰りますよー!?『翠』さーん!『蒼井翠』ー!ライブ会場ですよーッ!聞いてますか聞いてますよねーッ!》

無限(かどうかはわかりませんが)に湧いてくる荒魂を切り刻みながら半ば焦り気味なのが自覚出来てしまう私の念話は『翠』に


コンマ下
奇数 届いた
偶数 届いてる?
ゾロ目 届かない

『天叢雲剣ノ雨』


次の瞬間、上空から降り注ぐ無数の刀が荒魂達を貫きました
一気に全体の9割程の数が削れ、歪みへの道がハッキリと切り開かれています

『翠』「待たせた分はこれでチャラかな」

どこから跳躍したのか隣に着地した『翠』
その横顔は申し訳なさを含みつつもどこか晴々としたような

翠「...ほとんど説明もせずに個人行動した分含めてまだ足りませんが、いい顔してるから許しましょう」

散々心配とやきもきをさせられただけのメリットがあったと思いたいですね
とはいえこれで心置きなくこの場を去ることが出来ます
こうしている間にも開かれた道が着実に狭まっていくのを理解していた私達は誰からともなく走り出し...


・・・


翠「...はっ!」

仰向けの状態からガバッと起き上がり周りを見渡した私は、そこが深層世界に潜る前の場所...外の世界であることを確認しました
隣に横たわっていた『翠』と未来さんも目が覚めたようで、同じように周りを見渡しています

翠「戻ってきた...響さんの夢の世界から出てこれた、ということですね」

『翠』「それどころか深層世界すっ飛ばして外まで戻ってきたね」

本来なら響さんの深層世界、そこから更に各々の深層世界に戻り外の世界に、となると思うのですが...
外部から張られた結界を破ったこと等が関係しているのでしょうか


ヴァァァァァァァ!!!!!!!


その時、巨人となった響さんが...否、そこに重なるように滲み出た人型のモヤのような何かがけたましい雄叫びを上げ、続けてパキンと音を立て砕けるように爆散

未来「響...」

そして巨人の身体もサラサラと崩壊していき、中から人...響さんの姿が現れます

未来「響ッ!」

ギアも纏わず自由落下を始める響さん
その事を理解するよりもずっと早く飛び出した未来さんはただの神獣鏡にも関わらずエクスドライブもかくやというスピードを出し
瞬く間にお姫様抱っこで受け止め

響「...えへへ、ただいま、未来」

未来「...うん、おかえり、響」

そのまま空中で強く抱き締め合っていました


コンマ下
奇数 砕けて散ってそれから
偶数 枷がなくなって
ゾロ目 両方

私と『翠』、それに私達が深層世界にいた間ずっと表で戦ってくれていた皆さんはそれぞれ、未来さんに抱き抱えられて地上に戻ってきた響のもとに駆け寄りました
正確には駆け寄ってから、皆さんが今まで表で戦ってくれていたことを知ったわけですが

翠「やはり荒魂が」

友奈(赤嶺)「わんさか溢れて押し寄せてたよ」

未来の時間軸の私が言っていたのはこの事...なのか、もしくはさっきまで私達が響さんの深層世界で戦っていた荒魂のことか、あるいは両方ともそうなのか

友奈(赤嶺)「それより重要なのはシェム・ハのこと...腕輪は破壊出来たってことでいいんだよね?」

赤嶺ちゃんは私から響さんに視線を移しながらそう尋ねます
響さんはそれに困ったような顔を返し

響「壊した...というか、壊れたというか」

切歌「何もしてないのに壊れたってやつデスか!?」

クリス「何かしたやつだそれは」

響「そうじゃなくって!その、未来達と別れて...目が覚めて...そしたら、腕輪がパキッて真っ二つに...そして、そのまま...」

響さんが結界から出た直後シェム・ハさんの腕輪が自壊した...
ふと思い出したのは、雄叫びを挙げながら爆散した人型のモヤ
あれは依り代を失くし消滅したシェム・ハさん...だったのでしょうか

『翠』「ともあれこれで事件は全部解決!...だよね?」

翠「だといいんですけど...」

・・・

あれから数日、いくつかのことが判明しました
まず響さんに取り憑きシェム・ハさんに乗っ取られたタギツヒメですが...

翠「皆さんの世界に?」

姫和「あぁ、私達の世界でそれらしき姿が目撃された、大方こっちの世界でシェム・ハが倒されたどさくさに紛れて戻ったのだろう...という見解だ」

可奈美「というわけで私達は帰るね!今度は普通に遊びに来るよ!」

こちらの世界に出現した御刀もワープゲートもS.O.N.G.が...刀使の世界では折神家が...管理したまま、すなわち2つの世界は繋がったままです
かといってそんな簡単に利用許可が降りるとは思えませんが...
しかし実際未来の時間軸でも両世界の繋がりは途絶えていませんでしたし、なるようになるでしょう

・・・

シェム・ハさんの腕輪を破壊するためにやって来ていた赤嶺ちゃんは

友奈(赤嶺)「私は元々一時的に身体を与えられただけだから...シェム・ハが倒されたからお役目はおしまい、そのうち元いた所に帰るんじゃないかな?それまではまぁ...気ままにこの世界をまわってるよ」

翠「元いた所、ですか?」

友奈(赤嶺)「そ、元いた所」

それ以上は詮索してくれるなと言われた気がします
なので、ここは深くは尋ねず笑顔で見送るのがお互いの為でしょう

響「じゃあこの辺は私が案内するよ!私だけこっちの友奈ちゃんとほとんど話したり出来てないしね!」

友奈(赤嶺)「え、いやそういう話じゃ」

響「まずはふらわーは欠かせないよね!それから...」

有無を言わさず響さんに手を引かれ本部の外に連れ出されていく赤嶺ちゃん
あの有無を言わさないムーヴは恐らくわざとでしょうし

翠「笑顔で見送るのはもう少し後になりそうですね」

・・・

巨人響さん、というかシェム・ハさんによって全世界が静止していた間、その世界にいた人達もまた静止し、その精神は1つに繋がっていたらしいです
ただし調査の結果その時のことを覚えている人は確認出来ませんでした

ベル(フィーネ)「響ちゃんが強引にシェム・ハを引き剥がしたからか、シェム・ハ自身がそうなるように細工したか、あるいは響ちゃんの深層世界の結界とやらを壊した時の『世界の主である響ちゃんを除いた人数』が関係してるのか...良くない後遺症が出たという報告も上がってないのが幸いね」

翠「ですね...」

良くない後遺症は、です
逆に良い...私にとっては良いと思える後遺症の報告はありました

ベル(フィーネ)「表に出てこれるようになった凜音ちゃんも経過は良好、と言ってもずっと意識は起きていたしもう一人の自分とも対話していた、ただ自分で作ってしまった心の壁が思いの外頑丈で」

翠「固さを意識する度に克服出来てないんじゃないかと不安になり、その不安が壁をより頑丈にしていた、ですよね...凜音ちゃんと『凜音』ちゃんに聞きました」

詰まるところ、新しい人格を生み出すほど精神的に引きこもったのが初めてだったせいで勝手がわからなかったという自己解釈らしいです
その壁もシェム・ハさんの全人類に対する洗脳が行われた際に弱まり、『凜音』ちゃんが強引に破壊してしまったのだとか
シェム・ハさんの洗脳下のはずなのに動けて、響さんの深層世界の結界の破壊に近いことを...それも私達ですらあの大所帯で、裏技のような方法で成したそれを、正面からやり遂げた『凜音』ちゃん

ベル(フィーネ)「貴女と違ってあの『凜音』ちゃんは紛れもなく無から生まれた人格...根底が本来の人格を助けることに特化していて色々な制約を無視出来た...のかもしれないわね」

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翠「フィーネさんにしてはやけにふわっとしたというか、理想論というか」

ベル(フィーネ)「恋する乙女ですもの、甘ったるくて夢見がちなことだって言うわよ、翠お姉ちゃん♪」

ここぞとばかりに、それこそ甘ったるい萌え声と称するべき声で、見た目に沿った幼女ムーヴでウインクをかますフィーネさん、もといベルちゃん
彼女のこれは別の人格ではなくフィーネさんによるベルちゃんごっこだとわかっているので私に出来るのは思わず浮かべそうになる苦笑いを堪えることだけですが

翠「こっちで活動する時はずっとそのベルちゃんのボディにするんですか?」

ベル(フィーネ)「えぇ、何かと便利よ、大抵のことは子供だからと許されるし多少のフォニックゲインも発生...発声させられるから実験には便利だし」

フィーネさんの活動範囲はほとんど本部内のみ
ししょー達がフィーネさんのいたずらややらかしに甘いのは中身がフィーネさん...了子さんだとすでに明かされているからなのと、ラスボスムーヴされるよりは痛々しい幼女ムーヴされる方がマシなのが理由だと思います
勿論それは本人には言いませんが

・・・

別の世界、別の時間軸をも巻き込んだ事件は連日のように色々と対策を考え動いた割には、あっさりと終結に向かったような気がします
いえ、対策というのはあらゆる可能性を考慮するものであって、実際に起きるのは無数の可能性の中からたった1つ
それ以外の可能性の為の対策は無駄に終わること前提ではあったのですが

翠「もっとこう、大きな戦いになるのかと」

翠(未来)「そういうの、フラグになるから自重するのが私じゃないですか?」

自室のベッドに腰掛けぼんやりとこれまでを振り返っていると、音もなく未来の時間軸の私が隣に座っていました
かけている眼鏡型の装置をわざとらしくカチャカチャと上下させる未来の時間軸の私
察するに今のは、部屋の外から来たのではなく直接部屋の中に時間軸を越えて転移してきた故の動きということでしょう

翠「その装置、他にもあったんですね」

同じ装置...未来の時間軸の『翠』に渡されたものは未だ返すこともなく、私の机の上に置かれています
というのも、あの日以来どういうわけか起動しなくなってしまったから
私や他の皆さんと共にこちらの時間軸に来たときの時空の歪みは消えてしまった為、返しようがなかったから


何か話す?安価下

翠「フラグを自重するのが私というのならあえて聞かないなんてことはせず聞くだけ聞くのも私です、なので単刀直入に聞きます...シェム・ハさんの件、本当にこれで全て終わったんですか?」

わざわざ用もないのに遊びに...は来るかもしれませんが私の場合そうならそうと言いますし、隣に座ったということはそれなりに話す時間はあるということ
話す時間があるということは、この場で話せることや話したいことがあるということ
相手が自分だからこそその行動の一つ一つの意味がわかります

翠(未来)「私の行動の一つ一つの意味がわかります、なんて思っているでしょう」

翠「まさしくそうでしたが」

翠(未来)「そこで照れや戸惑い的な反応すらしないのも相手が自分...『翠』ですらなく私だから、等と言い始めれば話が逸れますね」

こほんと咳払いをし、未来の私は装置を外し手元で遊ばせながら続けます

翠(未来)「結論から言えばわかりません、どこまでいっても推測は推測、この世は必然の他に偶然や運命、奇跡なんてものもゴロゴロしていますから」

翠「けれどその当たらないかもしれない推測を聞こうとしている、というのもわかってますよね」

翠(未来)「まぁ...けれど本当にあてになりませんよ?あてにならないように動いたんですからそうでないと困ります」

未来の私にとって今の私にこれから起こる出来事は未来の私が経験済みの出来事...かと問われればそうではありません
薄々気付いてはいましたが、それは意図的に未来の翠や未来の『翠』が...あるいは他にも協力者がいたかもしれませんが...そうなるように私達を誘導した結果です

翠「『時間』と『時間軸』」

翠(未来)「あえてこれ以上ないほどわかりやすく与えたヒントは当然わかっていますね」

翠「貴女や未来の『翠』が『時間』と言っていたタイミングまでは今と貴女達の未来が同一の時間軸になる可能性があった、『時間軸』と言い始めたタイミングからは別の時間軸に変わった...そういうことですよね?」

何が決め手だったのかまではわかりません、しかし未来の私や未来の『翠』が私達に出した指示のいずれかが明確に私の時間軸と未来の私の時間軸とを分岐させた
それが正解であると示すように未来の私は首を縦に振りました

翠(未来)「私達は決して特別ではありません、改変を改変と認識出来ていたとして、全ての改変を認識出来たと言い切ることは出来ませんからね、認識出来ない改変はそもそも覚えていられないわけですし」

翠「AIさんは?」

翠(未来)「こういう言い方は失礼ですけど意図的に書き換えることは不可能ではないので...それすらブラックボックスに隔離して防ぐのかもしれませんが結局確認することは出来ませんし...とまぁお察しの通り私達は認識出来る範囲で時間軸の分離を確認する必要があったわけです」

つまり、未来の私の視点では今回の件において無事時間軸は分岐し、その為私の時間軸の未来については未知である、と

翠「そもそもどうして時間軸を分岐させる必要があったんですか?見た限り多少バタバタはしてましたがどうしても避けさせたい未来の世界になってるようには見えませんでしたが」

翠(未来)「自分が行方不明になってるのを多少バタバタで済ませるのもどうかと」

翠「だってそれこそどうせ時間軸を分岐させる為に色々根回しした結果の行方不明でしょう?」

時間軸を分岐させようとしなければ行方不明になんてならなかったはず...というのは完全に想像ですが、否定されないので図星だったのでしょう
神の力を内包したノイズを人知れず倒していたとも前に言っていましたが、恐らくそれも根回しの一つということでしょうか

翠(未来)「けれど私ならわかるでしょう?必要だから時間軸を分岐させた、それは決して貴女達の為だけではない、と」

翠「まぁ...そうですね」

私は例えば何か失敗して、自分の現在は変わらないが過去を分岐させて失敗しなかった時間軸を生み出せるという場面に立ち会った時
自分の苦しみは変わらないけれど苦しんでいない自分がどこかにいると知っているから心が救われた!なんて殊勝な考えは出来ません
失敗しなかった時間軸が生まれたことは喜ばしいですがそれはそれとして自分の失敗も巻き返したいと思ってしまいます
という考え方が未来の私にもあるとすれば

翠「時間軸を分岐させたのは、貴女達の未来を良くする為でもあった...と?」

翠(未来)「そこで最初の疑問に繋がるわけですよ...シェム・ハさんの件は本当にこれで全て終わったのか、と」

・・・

ある時世界中...恐らく人類が認識出来る範囲においては宇宙も含め...至るところで神の存在が不安定になりました

神を五感で認識出来る人間にとっては感覚が、知識として知っている人間にとっては記憶が、神自身にとっては自らを構成する全てが

その際いわゆる怪異だとか霊だとか宇宙人だとか、そういったオカルトと括られるようなものにまで少なからず同じような現象が起きていたのは人によって神の定義が曖昧だったからかもしれませんが置いておくとして
とにもかくにも神の存在が不安定になったとしか言い様がない現象が突如として起きたわけです
これは何も宗教云々の話ではなく、神が神であると忘れてしまうような...えぇそうですね、常識改変とかそういう言い方も出来るかもしれません

こうなった理由は明白で、未来の時間から戻った私達はシェム・ハさんを倒す際に錬金術を用いたんです

『人の概念以外の不純物を神と定めて分解する』

対象は巨人と化した響さん
この錬金術は問題なく発動し巨人からシェム・ハさんもタギツヒメも消し去り響さんを救い出しました
しかしシェム・ハさんが世界中の人達と意識を共有していたことが仇となり、不完全ながらも錬金術の効果範囲が響さんと術を発動させていた私達以外の全人類にも広がってしまっていたのです

神が存在しなければ神の力も存在しない

術の対象から外れていた私達は不安定になった神の存在もこの事象そのものも認識出来ていましたが、不完全だったからかあるいは同調圧力のような意思の力が働いたのかあるいは人間の精神、霊体が変質したのか、私達にも少しずつ術の効果が出始めていました

『神の存在を元に戻すには、分解した神の定義を再構築する』

紆余曲折の末シンプルな結論を出した私達...もはやまともに神の存在を覚えていられたのは私と『翠』だけでしたが...は分解した神の定義を、すなわち神の力を集め始めます
しかし如何に神の力といえど定義を分解されては私達人類が認識出来る状態で残り続けることは容易ではなかったのか、認識出来ない形に変化してしまったのか
神の力を神の力として維持していた一部のノイズ等は特殊な例で、大部分の神の力は地球上から確認することが出来なくなっていました

ならばどうするか

「そうだ、神の定義が分解されていない世界から分けてもらおう」


・・・

翠(未来)「そういうわけで、この時間軸で倒され爆発四散したシェム・ハさんだったものは私の時間軸で再利用されています」

翠「何かそれは...大丈夫なんですか!?色々と!?」

気にはなっていたんです未来の時間軸について神の存在が不安定云々が結局どうにも出来なかったことは
でもそれはいずれ私も辿る道で、その時自力で解決出来たらなぁと、そういうのだと

翠(未来)「倫理的にはちょっとアレですけどそういうのを気にしすぎないのも私でしょう?」

翠「そうですけれども!」

翠(未来)「この時代だとこういうのSDGsとか言うんでしたっけ?もう少し先の時代でしたっけ?まぁとにかくリサイクルですよ」

翠「いやっうーん...」

敵とはいえ手を伸ばしたい分かり合いたい、という響さんのようなことは言いませんが、とはいえなんとも言えない気持ちになります
ラスボスを倒して食材にして料理にしたどころか材料にしてホムンクルス作ったようなものです

翠(未来)「とまぁ冗談はこれくらいにして」

翠「冗談...?」

翠(未来)「いえいえほとんど本当ですよ?こっちで倒されたシェム・ハさんの定義も神の力もエネルギーも全てあの日繋いだ時空の歪みを通じて私の時間軸で回収、神の定義の再構築も無事成功しました、ただ...精神というのは面白いもので、いわゆる精神体とか霊体とかを構築するのもまた神の力だと思っていたんですが、シェム・ハさんの人格そのものは神の力とは別に存在していたんですよ」

翠「どういう...?」

翠(未来)「それこそ意思の力は物理とは違ったたころにあるのかもしれませんね」

えーっと、幽霊が成仏したっぽい演出したのに後で普通に復活した的なことでしょうか
定義は肉体やら魂やらがなくなっても消えないという

翠(未来)「認識出来ないだけでそこに在り続けるらしく...いえまた話が逸れてますね、つまり」

未来の私はバッと仰々しく両手を広げ天を仰ぎ

翠(未来)「シェム・ハさんは生きていた!ついでに生きてる!」

それほど大きくない声でそう告げました

翠「...ん?生きててついでに生きてる?」

翠(未来)「私の時間軸のシェム・ハさんの人格は世界にまだ残ってて、こっちの時間軸から連れ帰ったシェム・ハさんの人格もあって、統合されました」

翠「過去と未来のシェム・ハさんが一つに!?」

翠(未来)「シェム・ハさんにとっては時間とか時間軸とかを別個体として認識することに重きは置かないらしくてあっさりと...まぁどうもこっちのシェム・ハさんは手出し出来ないまま人類の歩みを見守り続けて改心、そっちのシェム・ハさんは響さんの心の強さを見た直後なので改心したて、足して2で割らなかった結果随分と取っ付きやすくなってましたよ」

今や新しく自力で生成した神様としての肉体で当たり前のように本部に居座ったり響さん達の身体を乗っ取って遊んだり
つい先日まで命のやり取りをしていた相手が日常に溶け込むのは中々慣れませんが、自分の目で見てない分シェム・ハさんの話は余計に理解に時間を要します

翠「しかしまぁ...面倒事を起こされないのならそれでいいですかね、今は...」

翠(未来)「ついでに言えばこっちでは少なくともシェム・ハさん関連で神の存在が不安定になることもありませんし一石二鳥ですよ...まぁ私が断ち切ったループとは別のループが始まるんですが」

翠「ループ?」

翠(未来)「貴女達が...というか過去の自分達が時空震に巻き込まれるのは変わりませんからね」

翠「...あ!あぁ...そうですねそうでした...」


8年後に過去の自分達が来た時に備えるべきこと安価下
(特になければ会話続行)

このSSまとめへのコメント

1 :  sOdPqaAH   2023年01月03日 (火) 22:57:43   ID: S:YQdAet

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2 :  sOdPqaAH   2023年01月04日 (水) 01:14:49   ID: S:QdzAPc

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