このスレは「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」第一話まで見ていた少女『蒼井翠』ちゃんが「戦姫絶唱シンフォギア」の世界に転生して、月を破壊する為に頑張ったスレです
ちなみにスレ内の時間軸はまだAXZまで行ってませんので悪しからず
タイトルの『姫』は本シリーズ全体で『戦』だけ浮いちゃうからなのと多分このままだと次スレでも完結しないだろうし次『XV』にすればいいかなぁという(白目)
アニメの無印、G、GX、AXZ、スマホゲームのXDのネタバレを含みます
1スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1499084737/)
2スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「G」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1500550444/)
3スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「GX」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1502896751/)
4スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「3.5」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1505577039/)
5スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「AXZ」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1508511802/)
6スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「XD」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1513177414/)
7スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「戦」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1518704588/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527441423
セレナ「それより、剣からビームはともかく盾は流石に出来ないんじゃない?」
翔子「性質的には真逆ですから...」
奏「それこそ盾の聖遺物でもイミテーターなり何なりでコピー出来れば早いんだけどね」
そういえば盾の聖遺物出てきませんね、シンフォギア...調さんが丸鋸を盾代わりにしたりセレナさんがアガートラームで三角形のシールドを創り出したりしてましたけど
もしかして「盾?」「剣だ!」のやりとりが出たせいじゃ
翔子「盾はそれこそ羽衣のシールドのようなものでなければ片手、あるいは両手が塞がります。であれば剣で受け流す方が得策かもしれません」
『翠』「パリイ...だっけ」
翠「翼さんなら出来そうですね...私の場合それこそ無理矢理避けることが多いですし、そろそろちゃんとした避け方、受け流し方を」
奏「ま、防御に関しては今までのやり方から急に変えるのも危険っちゃ危険だけど基礎くらいは知っといた方がいいかもね」
セレナ「翠ちゃん達たまに潔いほど何も考えず突っ込んだりするし」
誰がそんなドMクルセイダーみたいなことをしたんですか
私はちゃんと考えて正面から突っ込んでるだけですよ!
・・・
話も大体尽きたところで、ちゃぶ台を囲んだ座談会のようなものは御開き
で、私達はまた意識をフルシンクロさせて表に戻りました
翠「身体は大分休ませられたはず...よし、響さんを探しましょう」
あとししょーも
この後すぐに試合するか、しないとしてもいつするかくらいは決めないと
コンマ下
奇数 響さん発見
偶数 マリアさんと遭遇
翠「響さんは...自室とかにいるんでしょうかね」
こうして結構な頻度で色々な人と用が出来ると、原作と違って装者が全員本部に住み込んでいる今の状態は楽ですね
未だにこうなった分岐点がわかりませんけど...
マリア「あら、翠」
そんなことをボーッと考えながら廊下を歩いていると、後ろからマリアさんに声をかけられた
切歌さん調さんにあれほど言われたのにまた病室を抜けて来たのかな...これといった傷も無いはずだから問題は無いとは思うけど
マリア「ここにいたのね、丁度貴女を探していたのよ」
翠「私を?」
マリアさんに探されるって...また模擬戦か何かかな?
もしくは翼さんとの殴り合いのことが耳に入ってOHANASHIしに来たとか...
マリア「えぇ、実は明後日の...翠?顔色悪いわよ?」
翠「あ、あれは翼さんも合意の上でして、決して喧嘩だとかそういうことでは」
マリア「?...よくわからないけれど、多分勘違いしてるわね」
翠「え?...そ、そうですか」
マリア「えぇ、私はただ明後日に何か予定が入っていないか聞こうとしていただけよ」
あ、本当に関係なかったですね...
翠「明後日...昼は何も予定はなかったと思いますけど」
マリア「なら良かったわ!」
明後日って何が?その日ってマリアさん確かライブがありましたよね
ライブで買いに行けない限定品を買ってきてほしい、とかじゃ...いやでもマリアさんならそういうのは取り寄せたり出来そう?アーティスト活動のお給料の他にS.O.N.G.装者としてのお給料もきっと私達の中だと多い方だろうし
マリア「実は明後日...つまり2日後、私のライブがあって」
翠「はい、夜皆さんと集まって生中継観戦するつもりですよ」
翼さんやマリアさんのライブがあるときはいつもそうしてますしね
マリア「そのことなんだけど...翠、付き人として一緒に会場まで来てくれないかしら」
翠「はぁ、付き人...えっ付き人!?」
今この人何て言いました!?会場まで!?私が!?世界的アーティストのマリアさんの付き人として一般人の私が!?
翠「いや、ちょっと何を言っているのかわからないですね」
マリア「もともと私の付き人は何人かいるのだけれど、そのうち一人が急に来れなくなってね...人数は向こうにすでに伝えてしまっていて、付き人とはいえ急に一人来れなくなったとは言えないのよ」
わざわざ人数伝えたりするって専属ヘアメイクさんとかそういう人のことなんでしょうか、その付き人って
翠「えっと...その付き人っていうのは私なんかに務まるものと?」
マリア「幸いほとんどのことは他の人達でカバー出来るものばかり、それくらいの融通は利かせられるわ。もしかしたら多少は手伝ってほしいと言われるかもしれないけれど...早い話、人数合わせとして来てもらえないかしら。本番やリハーサル以外はやることがなければ私の近くにいてくれれば問題ないわ」
それはもう座敷わらしとかそういう仕事なのでは?
まぁ付き人は付き人でも私がお願いされているのはアルバイト募集が出されているような誰でも出来そうな方のやつなのでしょう
とはいえ行ったらマリアさんの知り合いってことくらいは紹介されそう...下手なことをしてマリアさんの評価を下げるようなことは絶対に避けないとだし...
マリア「それで、どうかしら」
多数決安価下1~3
1 わかりました
2 私に荷が重いです
翠「えっと...誘ってもらって申し訳ないんですけど、私にはちょっと荷が重いと言いますか...」
時々忘れかけますけどマリアさんは世界の歌姫、ちょっとしたことすら気を配らなければいけない立場の人間です
多少のことはS.O.N.G.職員として国家ぐるみで揉み消せるとはいえ、誰もが簡単にインターネットで呟ける今、その対応が間に合わなくなる可能性は低くはないでしょう
詰まる所、私自身が何かやらかしてしまわないか不安なだけですが...
マリア「...そう、急にごめんなさいね」
翠「いえ...」
マリア「残念だけど、仕方がないわ。気が変わったらいつでも言って」
そう付け加えて去っていくマリアさん
とはいえ本当に仕方がないといえば仕方がないよね
ですね...これでこう...転生者特有の『生前就いていた職や持っていた趣味が役に立つ』みたいなものがあればよかったんですけど
翠「ま、私は選択肢の1つに過ぎないでしょうし、多分それこそ切歌さんや調さんに声がかかるでしょう」
むしら真っ先にそっちに声がかかる気もしますし、それがダメだったから私の方に来たのだとしたら、芸能人としての広い交友関係だったり色々あるでしょう
翠「んじゃ改めて響さん探そっか」
ですです
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
マリア「えぇ、失敗したわ」
複数あるうち普段あまり使われない会議室
私達の会議は主にそこで行われるようになっていた
テーブルを挟んで向かいに座るのはドクター、少し離れたところには翼のマネージャーである緒川慎次
マムは別件があり欠席...そもそもS.O.N.G.に協力している手前仕事を疎かにするわけにはいかない
ウェル「はっ!相変わらずダメな女ですねぇ...しかしまぁ、想定内です。プランBで行きましょう」
緒川「翠さんの性格からしても、今回用意した理由では断られても仕方がないかと...そもそも無理のある理由付けでしたし」
マリア「プランB...その内容、私は聞かされていないのだけれど」
てっきりまた新しく作戦を考えるものとばかり...でももう時間もないし、ドクターも考えなしではないというわけかしら
マリア「プランBとは何?」
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
響「身体は休められた?」
翠「はい、もちろんです」
響さんとししょーを見つけ、早速響さんといつ試合をするか相談することにしました
いつにする?安価下
1 今すぐ!
2 もう夜も遅いし明日にしよう
響「私はいつでも準備万端だよっ!」
あっはい
・・・
翠「形式は翼さんのときと同じ、勝敗の判定も同じでいいですよね」
響「うん、それでいいよ」
私達はそれぞれ構えます
と、私はここまでですね...頑張ってください
わかってる、思いっきりやってくるよ
弦十郎「では...始めッ!」
多数決安価下1~3
1...休憩中の翠ちゃんの方を見る
2...『翠』ちゃんの方を見る
・・・
ガード、フェイント、カウンターに関節技...
翠たちからアドバイスはもらった
奏さんには関節技のかけ方の実践の手伝いもしてもらった
『翠』「すぅ...」
大丈夫、『私』ならやれる
響「...」
そっと拳を握り直す響さん
勝算は限りなくゼロに近い
けど、ゼロじゃないッ!
どうする?安価下
(翠「『翠』...」
セレナ「私は立花さんに賭けよっかな」
奏「あっおいそれじゃ賭けにならないだろ!?」
翠「...」)
『翠』「ふっ...!」
開始のゴングと同時に駆け出した『私』は響さんに一直線にではなく、その横をすり抜け急カーブ
正面から来られたら多分反応する前に倒される...なら、こちらから動いて撹乱させるっ!
簡単に目で追いつかれないようもっと速く...
響「はぁっ!!」
『翠』「ッ!?」
背後から殺気!?
その場から身体をひねって真横に無理矢理跳ぶと、さっきまで『私』がいた場所に響さんの回し蹴りをした脚が通り過ぎていた
響「あー惜しかった」
『翠』「...!」
そうだ、この人拳もそうだけど蹴り技も...
なら、せっせと小細工するしかない
『翠』「やぁっ!!」
方向転換し拳を握って今度は響さんに正面から突っ込んでいく
それに気付いた響さんもまたカウンターの素振りを見せ
『翠』「もらった!」
響「あれ!?」
拳を突き出すような動作をする直前身体を翻して響さんのカウンターを避け、目の前にある響さんが伸ばしきった腕にしがみ付く
響さんの膝の裏を蹴りつけながら腕の力で身体を持ち上げ掴んでいる響さんの腕を後ろから両脚で挟むようにし、見よう見まねの腕ひしぎ十字固めなるものをやってみた
さっき膝の裏を蹴ったことで響さんはバランスを崩すはず、そうなればこの技は決まって...
響「ぐっ...らぁっ!!」
『翠』「うえっ!?」
と思ったら、膝カックンにも負けず踏ん張った響さんが体制を戻すだけでなく『私』が掴んでいる腕を振り上げた
あまりの力に『私』もそのまま持ち上げられ、突然のことで十字固めどころではなく反射的にその腕に『私』は脚も含めてしがみついてしまった
響「ダァッ!!」
ダンッ
『翠』「がはっ...」
そして腕は振り下ろされ、そこにしがみついていた『私』は当然のごとく背中から床に叩きつけられる
背中に強打しただけとは思えないほどの激痛が走った
これがヘルニアというものなのかな...きっと違うな
『私』は背中の痛みに歯を食いしばりながら距離を取るために響さんのお腹を蹴り飛ばす
『翠』「ぎいっ!」
響「おぶっ...」
それが...お腹を狙ったのがいけなかったのかもしれない、確実に『私』の足は響さんの鳩尾を蹴り抜いていた
比較的至近距離にあった響さんの顔...というか口から、何か逆流したものが飛び出してくるのがまるでスローモーションのように見えた
まさか二度目が起ころうとは思っても見なかった『私』はそれに対し目を閉じるのが遅れ
ぴちょっ
『翠』「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ目があ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い!?
お世辞にも綺麗とは言い難い(『私』はまだそれを吐いた相手が美少女とはいえ吐瀉物を綺麗と呼べるほどの境地に至っていない)ものが顔にかかるどころか目の中にまで入ってしまったことに、普通なら真っ先に嫌悪感や不潔感を感じるだろう
でも『私』はそれよりも先に痛みに悶えることになっていた
響「げほっげほっ...ぐぅ...さっき食べた麻婆が...」
それかぁっ!!!
ズキッ...
『翠』「ッ...いっ!」
その特殊な痛みを感じている最中ほんの一瞬、記憶に雑音のようなものがかかった気がした
けれどそれをすぐに忘れてしまうほど目がとにかく痛かった
必死で顔を袖で拭い、袖の拭うのに使っていない面積の部分で目を傷つけない程度に拭き擦る
まだ目に辛いものがしみる感覚が残っているけど...やっと響さんにそれらしいダメージを与えられた
響「...やっぱり、あっちの『翠』ちゃん、だよね?」
『翠』「!...いつから」
響「翼さんとの試合を見てる時、そうかなって...戦ってみて確信した」
口元を拭う響さんはそう言って『私』の目を見る
『私』も若干涙目になってしまっているけど、響さんの目を見つめ返した
響「どうしてか、何て聞かないよ。どっちの翠ちゃんだったとしても、私は手なんて抜かない」
『翠』「...なら、もう下手な小細工はやめにします」
目と背中の痛みを無視して立ち上がった私はファイティングポーズを取る
響さんもまた、同じように拳を構えた
そもそも響さんに小細工が通じないとわかった今、それは時間稼ぎにすら多分ならない
なら、もう全力の拳しかない
ごめん、翠、奏さん、セレナさん、翔子さん
色々考えてもらったけど、結局真正面から行くことにするよ
『翠』「最速で最短で真っ直ぐに」
響「一直線に...胸の響を」
『翠』響「「この想いを、伝える為にぃぃぃぃっ!!!!!」」
ドンッ!!!
お互いの胸に炸裂する拳
よろめく『私』達
肺が一気に潰され中の空気が喉を上ってくる
『翠』「がふっ...まだ...」
響「まだまだぁっ!」
それでも、こんな一発で終わるなんてつまらないことはしない
これは我慢比べだ
『私』の意地が勝つか、響さんの意地が勝つか
『翠』響「「うおおおぉぉぉぉぉっ!!!!!」」
『翠』ちゃんコンマ下1
響さんコンマ下2
(コンマが大きい方が勝ちですが、ゾロ目だった場合相手より数値が低くても勝ちになります)
(両方ゾロ目なら大きい方が勝ちとなり、同じ数値なら相打ち引き分けです)
『翠』「だぁっ!がぁっ!やぁっ!」
響「あぁっ!らぁっ!ぐおぉっ!」
何度も何度も殴り殴られ、狙いも曖昧になってきた
『翠』「よもぎとっ!りっちゃんとっ!縹さんとっ!もっと話したかったッ!!」
響「居てほしい時にいなかったのはっ!お父さんの方なのにっ!私のせいかもしれないけどっ...それとこれとは別だッ!!」
『翠』「恨めしかったっ!
妬ましかったっ!何よりそんな『私』が嫌いになったッ!!」
響「辛かったっ!痛かったっ!悲しかったっ!でも生きるのを諦めるわけにはいかなかったッ!!」
胸や肩、顔ももちろん殴られたし殴った
頬の骨や歯が少し折れた気がする
『翠』「死ねなかったっ!その勇気すら出せない『自分』が情けなかったッ!!」
響「死ねなかったっ!だって私はっ!私を守って死んだあの人が救えたはずの命を助ける義務があるからッ!!」
肋骨も無事なのかよくわからない
口から血は出るし拳からも血が出てる
ししょーがモニタールームの方から何か叫んでる気がするけどよく聞こえない
でもどちらにしろやめるわけにはいかない
ここでやめたら、何も変わらない
『私』も、響さんも
『翠』「ごめんなさい...ごめんなさいっ!ごめんなさいッ!!」
響「救うんだ絶対...だからっ!私はッ!!」
最後の最後、残った力の全てを注いだこの拳を
『翠』「ごめんなさいぃぃぃぃぃッ!!!!!」
響「この手をぉぉぉぉぉッ!!!!!」
ドッッッッッ
最初の一手と同じ
お互いの拳はお互いの胸を貫いた
響「...」
『翠』「...かはっ」
殴り合いの中で一番の衝撃を受け、熱くなっていた頭が冷えると同時に身体を支えていた脚の力も抜け、『私』は前のめりになり
響「わっ...ととっと!?」
『翠』「あっ」
そして『私』を支えようとした響さんもまた力が抜け、結局重なって一緒に倒れこんだ
響「あいたたた...大丈夫?」
『翠』「えぇ...」
倒れた時に『私』の頭の方に丁度よく2つの柔らかいクッションがあったおかげで...と、オヤジ臭いことは心の中だけに留めておいて
『翠』「...やっぱり、負けちゃったか」
翠達に考えてもらったアドバイスも、純粋な拳も
どれを使っても、結局響さんには敵わなかった
弦十郎『勝者、響くん!』
完敗だね
響「私も全然無事じゃないけどね...」
『翠』「...ありがとう、ございました、色々と」
響「...役に立てたのなら、良かったよ」
・・・
また意識が飛んでしまわないうちに、アスクレピオスだけでもやっておくことに
「Healing almighty Asclepius tron」
というのも、あの後すぐにアスクレピオスのギアを届けにリングのところまで来たししょーに大分怒られたのと、それと同じくらい謝られた
まず怒られたのは...翼さんのときは多少鼻の骨が折れたりはしたけどここまでズタボロになるまで殴り合わなかったし、何よりししょーの鑑定眼によれば『私』も響さんま早急な治療が必要なほどの怪我らしい
ししょーはししょーで『流石に止めるべき』という気持ちと『弟子同士が本気でぶつかり合っているのをやめさせてもいいのか』という気持ちとで揺れ、静止と応援が混ざったような叫びになってしまったらしい
こっちが謝って来た理由
弦十郎「これでは何の為に俺が審判になったのか...すまない、翠くん、響くん」
アスクレピオスで『私』と響さんの怪我を治しても、ししょーはそうやって謝ってくる
響「そんな、顔をあげてくださいよ師匠!」
まぁ『私』は厳密にはこの人の弟子ではないから複雑な心境だけど...
『翠』「あそこで止められていたら、気持ちの清算も出来ませんでした...だから、ありがとうございました」
ししょーもOTONAというか保護者としてもっととるべきと思う行動があったのだろう
でも、今回ばかりは『私』達をそのまま続行させてもらえてよかった
どうする?安価下
(特になければ部屋に戻って就寝)
・・・
響さんやししょーと別れ、各自休息を取ることに
って『私』と翠はさっきまで身体寝かせてたから二度寝?
『翠』「あ~...にしてもキツかった...」
こう言っちゃなんだけど翼さんより一撃が重かったような...戦闘スタイル的に仕方ないかな
翠《お疲れ様、気持ちの整理はつきましたか?》
『翠』「うん、やっとスッキリした」
色々叫んだし八つ当たりとはいえそういう面でも発散出来た
『翠』「今なら何でも出来る気がする!」
翠《それは良かった、でもまた何でもって...》
月だって破壊出来ちゃいそう~...ってそれはもうやったけど
『翠』「でも本当、抱え込んでたものが少し軽くなった気がするよ」
よもぎ達に対する罪悪感は消えないし、これは絶対に消すつもりはない
でもだからこそ、今は純粋にそれだけになってる
『翠』「そういえば...良かったのかな、マリアさんのこと」
翠《それは...》
『私』も翠もマリアさんに迷惑がかかっちゃうことを懸念して、結局断った
でも、その時のマリアさんは...自惚れるように聞こえるかもしれないけど、断られて少し寂しそうに思えた
きっと『私』達が断ったから他の人にも声をかけるだろう
それで、本当に良かったのかな
翠《...本当、わがままですね、私も『貴女』も》
『翠』「ぇ...うわっと!」
翠「ほら、一回断っちゃってるんですから急ぎますよ!」
だからって急に表に出てこないでよ!びっくりしたでしょ!?
『翠』「だーもうシンクロするよ!」
翠「それ急げ~!」
だから先走んないでって!身体の操作変なんなるから!
翠『翠』「マリアさ~ん!やっぱりさっきの話!」
・・・
マリアさんすごい喜んでましたね...
そしてホッとしたような顔してたね...
翠「そういえば明後日のライブって重大発表~とかサプライズが~とかそんな噂が流れてますけど、結局どんなものなんでしょうね」
翼さんとマリアさんが遂に正式にユニット組むとか?あとはマリアさんが...
翠「電撃結婚でアイドル引退...はないね、絶対に」
ですね、それだけはないです
マリアさんにやっぱり手伝いたいと頭を下げに行き、思いのほかそれを歓迎してもらえた帰り、自室に向かう途中
翠「...この声」
どこかから話し声のようなものが聞こえてきます
どこかの部屋から漏れてる?ここの近くって...
翠「あ...メヌエットさんがいる部屋...」
・・・
メヌエットさんの部屋の近くまで近づいてみると、案の定そこではほんの少しだけ開いているドアの前に立つ緒川さんと、部屋の中にいるであろうメヌエットさんが話していた
廊下に飾られている観葉植物に隠れて耳をすませていると
緒川「では、翼さん達の遺伝子のサンプルも採取されていたと?」
メヌエット「フェイクの可能性も捨てきれない...けれど、実際に風鳴翼や雪音クリス、マリア・カデンツァヴナ・イヴ...貴方達のところに所属している装者達の名が記されたラベルが貼られているサンプルがあったこと、それに関するデータがあったことは確か」
緒川「内通者、ということですか?」
メヌエット「フィーネが意図して集めていたのでないなら...けれど、貴女達は装者を束縛していない。まるで普通の人間であるかのように、学校に通わせたり仕事をさせたりしている...管理が甘いとは言わない。けれど、そういったタイミングで何も起こっていない可能性も否定しきれないはず」
緒川「...」
とても勝手に盗み聞きしていいような内容じゃなかった...!何それ聞いてない!
それって私達の...この身体の遺伝子も取られてるんでしょうか
知らないよ!でもまぁ...よもぎのが取られてたしどうだろう...というかよもぎのがどこで取られたのかもよくわからないけど
翠「ライブ会場で、という可能性もありますからね...」
とはいえそれこそフィーネさんが集めていたのだったり、学校で取られてたのだとしたらどちらにしてもこの身体の遺伝子は後から取られてそうですけど
メヌエット「それから、貴方達はどうせこのまま私をここに置くつもりなのだろうけど...それは私の意思と別としても推奨しない」
緒川「貴女が脱走した身だからですか」
メヌエット「研究所のメンバー...逃がせなかった子達と私達が脱走して以降造られた子達は、作戦を遂行する部隊の他に私達、反乱分子とみなした個体の処分を命じられた部隊がある。事実何度か遭遇している...いつ私の居場所がバレてもおかしくない」
緒川「なら、尚更保護する他ない、と司令なら言いそうですね」
メヌエット「余計なお世話、と言うのだったかな、こういう時は?...でもこの二つの話を同時に教えたのには意味がある、それは理解出来ているでしょう」
緒川「...」
メヌエット「私はもう時間が残されていない、だから最後の気まぐれに、貴方達には少し情報を流させてもらった」
どうする?安価下
(特になければメヌエットさんや緒川さんに気付かれないように自室に向かって( ?ω? )スヤァ...)
翠「...」
メヌエットさんは寿命のことも、それ以外のことも、私達にはほとんど話そうとしてくれていませんでした
今ここで出ていけば、きっとまた黙ってしまいます
だからこそ、悪いことだとは思いますがこうしてもう少しだけ...
メヌエット「それから...あと一つだけ、貴方達に頼みがある」
緒川「!...頼み、ですか?」
メヌエット「時間が残されていないのに、私は無責任にも寄り添って、寄り添われてしまったあの子...私の寿命が尽きたらその時は、あの子猫の事を...」
緒川「...えぇ、わかりました」
捨てられていた、そして彼女が拾ったあの子猫
彼女に擦り寄るその姿からも、どれだけこの短時間で懐いているのかよくわかる
翠「...もう、戻りましょうか、部屋に」
私はそっとその場を去り、部屋へ戻りました
ベッドに横になろうとして少し考えてから
翠「...一緒に寝ますか?」
机の上にいつものように揃っていた蛇達を誘い、ベッドに横になってその子達を撫でながら私は目を瞑りました
・・・
そして次の日の朝
どうする?安価下
弦十郎「あのまま放置していた海洋生物達の...供養を、改めて行おうと思う」
処理、という言い方に抵抗があったのか最終的に供養という形に落ち着いたこの作業
単に生物達がこのままでは可哀想ということもありますが、ビーチを封鎖していることや周辺に異臭が漏れ始めるなど、そういった問題も起こり始めているらしいです
緑「あの、翼さん響さん、あの後どこか調子変だったりしたらすぐに言ってくださいね?」
翼「問題ない、傷も癒え、体力も回復したからな」
響「そう言う翠ちゃんこそ大丈夫?その...背中とか特に」
翠「大丈夫ですけど...ヘルニアとかになったら責任取ってくださいね?」
治療費的に
響「うっ」
翠「冗談ですよ」
正直私は意識が飛ぶほど痛かったけどね!多分背骨いってたねあれは
もう平然と骨を折ったり折られたりする関係ばかりのこの職場普通に怖いんですけど...
翠「そういえば、今回の任務って響さんどうするんですか?その...響さんのお父さんのこととか」
響「あー...」
響さん安価下
1 もちろん任務はやる
2 あんなんでも父親、ちゃんと納得してもらえてない今はやめておく
(ノイズさん達全然出番減らない問題はこちらとしても気にしてはいたのですが...安価は絶対なのとカルマノイズの出番が先にあったということで、現在はギャラルホルンによる並行世界の影響と、それをキャロルちゃん陣営が利用していることで自然発生ノイズと召喚使役ノイズの出番がある、と解釈してください何でもs)
(そんなんで納得出来るかっ!っていう人は今後普通のノイズが並行世界云々関係ないタイミングで出た時に「あーこれはノイズの皮を被ったアルカノイズなんだな」と脳内変換しながら読んでいただければ幸いです)
(もしくはドジっ娘ネロさんと解釈してください)
響「それを言ったら今回のことを延期にさせちゃったお父さんの責任は娘の私の責任でもあるから...そういうのも含めて私もやるよ」
こういうことは、響さんのような人にとっては特にキツいと思います
けれど響さんがそう言うのなら
翠「無理は、しないでくださいね」
響「そっくりそのままお返ししますよっと」
・・・
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
「Imyteus amenohabakiri tron」
「killter Ichaival tron」
「Rei shen shou jing rei zizzl」
「Seilien coffin aiget-lamh tron」
「Zeios igalima raizen tron」
「Various shul shagana tron」
「Imyuteus amenomurakumo tron」
夏菜「ミョルニル、セットアップ」
すっかり干からびてしまった海洋生物達を前にそれぞれギアを纏った私達
私達の勝手で人生...海洋生物生を奪われ、こんなことになってしまった彼らがせめて成仏してくれるように
コンマ下
奇数 作業は滞りなく終了
偶数 近くの神社で爆発?
ゾロ目 ノイズさん朝からお疲れ様です
(ブライダルイベントにストーリーが無い...?W新婦の結婚式ごっこして周りからいつも通りじゃないかと呆れられるひびみくは無いんですか...?)
(あとマリアさんは当たりませんでしたがウワサの鶴乃ちゃんは当たりました)
・・・
供養を全て終え、私達は本部に向かっています
その間誰も何を話すでもなく、ただただ黙って歩くだけ
今回のような二次被害が出るようなことは、なるべく起こさないようにしなくてはいけません
翠「...」
今、月破壊したときのこと棚に上げてそんなことを思う資格自分にはない~とか思ってる?
貴女こそ
いいでしょ別に、同じ私なんだから同じこと考えて、同じようにそれを咎めても
どんな自己否定ですかそれ
で、本部に帰ってきて早々
藤尭「ノイズ出現!」
弦十郎「場所の特定を急げッ!」
休む暇などありませんはい
翠「ちなみにネロさん、ちゃんと宝物庫制御してます?」
ネロ「してますよ」
本当ですかね...しかし、となるとまだ並行世界との繋がりの影響でしょうか...
あのカルマノイズって並行世界の方で何か起こったものがこちらにまで影響しているのか、この世界自体に問題が起きて出現したのかどっちなんでしょう
翠「私の存在が問題...とか」
笑えないですね~
友里「座標確認!」
出撃メンバー安価下
1 翠ちゃん
2 響さん
3 翼さん
4 クリスさん
5 マリアさん
6 切歌さん
7 調さん
8 夏菜さん
(複数人選択可)
(ウェディング未来さん当たってテンションフォルテッシモです)
響「立花響、出撃します!」
切歌「暁切歌、出撃するデス!」
クリス「あっおい!」
座標が表示された瞬間に立候補してそのままダッシュで司令室を出て行く響さんと切歌さん
オートスコアラー関係ではなさそうなのと他の場所にもノイズが出る可能性があるので出撃するのはこういった場合2、3人程度なので別にいいんですが...何であんなに張り切ってたんでしょう
クリス「ったく...宿題もロクに進んでない馬鹿二人が先走ってやがる」
...この後勉強会とかだったのかな、響さん達とクリスさん
エルフナイン「座標付近の映像、出します!」
エルフナインちゃんの声に私達残ったメンバーはモニターに目を向けます
そこに映し出されたのは街の防犯カメラからと思しき映像
多数の半透明なノイズ、そしてそれらに囲まれ身動きが取れなくなっている3人の女子高生...
未来「嘘、みんな!?」
というか、板場さん達でした
弓美『アニメじゃないんだからー!!!』
創世『叫んでる場合じゃないって!』
弓美『今動いた!ちょっとこっち近付いた!ストップ止まって動かないで!』
創世『ノイズが言うこと聞く訳ないから!』
詩織『...』
コンマ下
奇数 セイレーンの歌(美声)
偶数 セイレーンの歌(ノイズの唸り声に近い)
翠「やっぱり私も...」
テレポートジェムを握り、板場さん達のところへ跳ぼうとしたその時
未来「何を!?」
翠「寺島さん!?」
モニターに映し出された映像の中で、板場さんと安藤さんを庇うように寺島さんが前に出ました
一体何をするつもりですか...?
弓美『詩織...?』
寺島『すぅ...??????????!!!』
今どこから声出したんですか!?
翼「奇声...いや、唸り声?」
マリア「あの子あんな声出るのね...」
いやいや、そんなこと言ってる場合じゃ...というか何でこんなタイミングで唸り声!?
藤尭「これは...ノイズの動きが完全に停止しています!」
弦十郎「何だとッ!?」
全員「!?」
響『でぇぇやぁぁっ!!!』
創世『ビッキー!』
切歌『デェェェスッ!!!』
弓美『助かった...?』
あっ、あっちも響さん達間に合ったっぽいよ
どうする?安価下
・・・
結論から言うと響さんと切歌さんは間に合いました
で、無事3人を保護し、ついでに家まで送り届けてくるそうです
エルフナイン「あの謎の唸り声とノイズの機能停止...まさか何か関係が...いやしかし...」
寺島さんのあの時発した唸り声はどんな理由があったのかは不明ですが、念の為家まで送る途中それとなく探りを入れてほしいと響さん達がししょーから頼まれていました
あの二人で果たしてそれは可能なの...?
そういえば寺島さんはセイレーンの歌が唄えると翔子さんが...いや、まさか...あの唸り声はとても『歌』とは思えませんし
翠「そんなことより」
はい、そんなことより何ですか?
翠「私は翼さんや響さんとぶつかって、気持ちの整理がついた。心の闇に、今の私は負ける気がしねぇ!!」
それはつまり
翠「イグナイト、三度目の正直ってことですか?」
そういうこと
暴走した時のためのストッパー装者誰に付いてきてもらう?安価下
(誰についてきてもらうか記述(響さんと切歌さんは選択不可)(複数人も可))
(なお試すギアはアメノムラクモです)
・・・
クリス「引受はしたが、言っとくけどアタシはまだそのプロジェクト・イグナイトっての信用してねえからな」
前回は響さんや未来さんにストッパー役をお願いしましたが、今回は響さんは未だ帰って来ておらず...というかまたあの二人に迷惑をかけるのもどうかと思い、その上で仮にまた暴走しても遠距離から制圧してくれそうなクリスさんにお願いしました
響さんと切歌さんが帰ってきたら勉強会をするつもりらしいので、それまでの間だけ、という約束です
あと、それからもう一人
弦十郎「二度の失敗、それに昨日のこともある。今日こそはもしもの時は俺が手遅れになる前に殴ってでも止めるぞ」
翠「それはそれで余計手遅れな状態になりそうなんですが」
クリス「いやお前は多分大丈夫だよ」
ししょーが監督役兼第二のストッパー役として出張って来た
頑として譲る気はないらしい
私としてももしもの保険は多いに越したことはないとは思うし、お言葉に甘えさせてもらおう
クリス「てか本当に必要なのか?確かに力はあった方がいいけどよ...今だって十分だろ」
クリスさん...というかこの世界の皆さんは今のところ多少追い詰められはしてもそれほど錬金術師相手に力不足を感じていません
というのも、初戦含め一度もギアの分解を受けていないから...
こんな風な考え方になってしまうと思うと、やはりGX一話のアレは大切なシーンだったんだなと思います
翠「確かにまだ、決定的なことは起こっていません...気がつけば4体いたはずのオートスコアラーも1体まで減り、キャロルちゃんも知らないうちにボロボロ...ですが、幸運が、奇跡が続いたからといって慢心してはいけないんですよ!それに...今後キャロルちゃん達以上の強敵が来ないなんて保証はどこにもありません」
クリス「おっおう...わかったからあんまフラグ立ちそうなこと言うな」
フラグというかほぼほぼ決定事項というか...先のことはわからないので何とも言えませんけどね
気づかないうちにAXZフラグへし折ってたりしてね
んじゃ後はギャラルホルンフラグを折らないと~って、そんな簡単にいってるとは思えませんが
・・・
「Imyuteus amenomurakumo tron」
モニタールームからクリスさんとししょーが見守る中、私はギアを纏ってマイクユニットに手を伸ばし
翠「イグナイトモジュール、着装ッ!!」
ニ-ベルング
ここからが正念場
翠「ぐぅっ...!...アァ...ガアァァァッ!!!」
コンマ下
奇数 翠
偶数 『翠』
ゾロ目 この衝動に塗り潰されてなるものか展開
<・><・><・><・><・>
ボンッ
翠「...はっ!」
いけません、すっかり時間を忘れて本に夢中に
翠「はぁ...日曜の後の月曜は余計に学校疲れがすごいですね...」
こうして帰りに本屋さんにでも寄ってないとやってられません
しかし何も買わずに長居するのもアレですしそろそろ帰りますか...録画したアニメでも見て予習復習して明日に備えましょう
翠「それにしても...さっき何かが破裂したような音がしたような...ま、気のせいですよね」
ズルズル...ズルズル...
なんか歩きにくいですね...脚を引きずる感じにしないと前に進まないというか
よほど疲れてますね、これ
帰る途中、パトカーと救急車のサイレンが聞こえました
どこかで事件か事故でも起きたんでしょうか、物騒ですね
そういうのは名探偵の孫とか見た目は子供の中身高校生とかがいる街でやってください
翠「ただいま~」
「翠~?お帰りなさい、手洗いしちゃいなさいよ」
翠「は~い」
ズルズル...ズルズル...
玄関からお母さんに声をかけ、カバンを置いて手洗いとうがいをしてからリビングに
早速夜録ったアニメを...
翠「あれ?」
再生されない...?
何度再生ボタンを押しても、テレビ画面は黒いまま
一向に再生される様子がありません
翠「お母さ~ん、AXZの2話が再生されないんですけど」
夜停電でも起こったんでしょうか...
「ん~?翠、貴女それ見られる訳ないじゃない?」
キッチンから出てきたお母さんは困ったような、というか呆れたような顔をしています
見られる訳がない...?
「だって翠、それ見る前に死んだじゃない?」
コンマ下(二度判定無しで成功しているため優遇)
ゾロ目以外 そういえばそうでした
ゾロ目 闇に呑まれよ~(翠ちゃんが)
翠「あー...そういえばそうでした」
そりゃ見られる訳ないですね、内容知らないんですもん
というかこのやり取り3回目ですね
そして歩きにくかったのもそもそも今身体が爆発のせいでぐちゃぐちゃになってるからと...
そのことを自覚した途端お母さんの姿も周りの風景もすうっと消え、身体もいつも深層世界に来ている時と同じように、つまり元に戻っていました
翠「って、それより『翠』の方に行かないと!」
・・・
しばらく走ると、奏さんにセレナさん、翔子さんと合流しました
奏「お疲れ、相変わらず早いな」
翠「それより『翠』は!?」
コンマ下
奇数 相変わらず
偶数 いけるか...?
ゾロ目 問題なし!
(ちなみに翠ちゃんだけやけにイグナイトの呪いが軽いのは『生前(転生前)のトラウマの中で一番呪いに関わりやすいのが死んだ瞬間であり、本人がほとんどその時のことを覚えていないから』です)
セレナ「あれ...」
セレナさんの指差す方を見ると、透明な壁で干渉出来ない空間の中で『翠』が頭を抱え唸っていました
翠「『翠』!」
まさかまた...
『翠』『『私』は...『私』はそんなこの望んでないっ!』
少女『全てを壊したい、殺したい、そして『貴女』自身も』
『翠』『違う...違う違う違うっ!!』
翠「葛藤...」
へたり込むことも死のうとすることもなく、テレビの中の少女...『翠』の中で歪んでしまった『唯一の生存者の少女』の言葉に耳を貸さないよう必死に否定し続けています
翔子「『翠』さんは確かに心が強くなりました。八つ当たりとも言えるようなものではありましたが、自身の大切な存在を助けてくれなかった者、同じ運命を辿らなかった者にようやく怒りをぶつける事が出来ました...ただ、闇はどうやらそれだけではないようですよ」
奏「やっぱりまた出てくるよな...」
翠「え...」
『翠』の様子を見ていると、『翠』の後ろに誰かが現れました
蓬『お姉ちゃん...お姉ちゃんは死んでくれないの?』
『翠』『ッ!!』
瑠璃『みーちゃん、一緒に逝こう?みーちゃんがいないと私達寂しいよ』
あれじゃまた...
奏「死んじゃってる相手に対する後悔は、そう簡単には拭えない...まだ『翠』の中にはそれが色濃く残ってるってことか」
翠「『翠』...『翠』!意識をちゃんと持って!目を覚ましてくださいッ!!!」
壁を何度も殴りそう叫びます
それでも私の手は、声は『翠』に届きません
翠「『翠』ッ!!!」
コンマ合計判定下1~3
(コンマ下1~3の合計が100を超えていた場合成功)
(なお00は0として扱います)
瑠璃『みーちゃん』
蓬『お姉ちゃん』
『翠』『ごめん...ごめんなさい...ごめんなさい...』
翠「くっ...」
『翠』のことです、またきっとあのまま闇に呑まれて...
『翠』『ごめんなさい...『私』はまだ、逝けない』
蓬『...ぇ?』
瑠璃『みー...ちゃん?』
突然、『翠』は顔を上げて二人を抱き締めそう言いました
翔子「へぇ...!」
翠「『翠』...!」
蓬『お姉ちゃん...どうして...』
『翠』『背負ってもらってるんだ、半分...だから、『私』だけ楽にはなれない』
瑠璃『私達と...来てくれないの?』
『翠』『うん...だから待ってて』
『翠』の表情は背を向けているためこちらからは見えません
ですが、抱き締められている二人の表情はどこか柔らかくなったように感じられます
『翠』「さよなら...いつかまた本物に会いに行くから」
そして『翠』の家もテレビも、壁も
全てが私の時と同じように消えていきました
翠「『翠』!!」
『翠』「お待たせ...行こう」
・・・
翠「ァァァァァアッ!!!」
私達が闇と打ち勝ち表に戻ると同時にダインスレイフが応え、ギアに変化が起きた
ただでさえ元々黒かったアメノムラクモのギアがさらに黒く染まり、胸元に4枚の葉っぱ形の模様が出現
翠「ふッ!!!」
アメノムラクモ・イグナイトモジュール
三度目の正直...成功です!
どうする?安価下
(翠「成功するとは思いませんでした」
『翠』「『私』も」
セレナ「えぇ...?」)
翠「おぉ...!やった!やりました成功ですよ!」
やったやった!やったよ翠!
やりましたね!上手くいきましたよ翠!
弦十郎『無事成功...か』
エルフナイン『ダインスレイフ由来ではないので心配していましたが、杞憂でした』
クリス『うおぉお前いつからいたんだよ!?』
エルフナイン『翠さん、セーフティダウンまでのカウントダウンが始まっています、軽くギアの様子を確認次第解除してください』
っと、そういえばカウントなんてものもありましたね
あれが0になると強制解除でしたっけ
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
奏「あの二人、やりやがった」
セレナ「『翠』ちゃん、打ち勝てて良かったよね」
奏「だね、翠の方はなんかいつも普通にこっち来てたから心配してなかったけど」
翔子「えぇ、本当に」
まさか翠さんと『翠』さんがやってのけるとは
翔子「これは少し予想外...いえ、予想以上...ですね」
私の知る『翠』さんはあの闇にはとても打ち勝てるほど強い心を持った少女ではなかったはず
どこにでもいる、少し実の妹や同性の親友に対してそっちのけがある中学生
翠さんに関しても、お義姉様が上から面白がって押し付けられはしたもののある種運命のようだと言ってここに送った訳ですが、私からしてみれば平和な世界で可もなく不可もない緩い人生しか送ってこなかった挙句テロに巻き込まれた中学生
翔子「すぐに挫けると思っていましたが...流石私の...それに、お義姉様が目をかけた子です」
彼女達のような言い方をすればこれが『転生者特有の急成長』なのでしょうか
それとも、元より人間はそれほど弱くないという?
というよりは、未だ『そういうものだ』という思い込みが現実に優っているだけかもしれませんが
少なくとも、彼女達に対する評価は改めた方が良さそうです
翔子「ふふっ、まるでいつかの貴女を見ているようですね、縹」
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
翼「そうか、成し遂げたか」
翠「翼さん、来てたんですか?」
翼「いや、今しがた通りかかったところだ」
ギアを解除してモニタールームへ行きエルフナインちゃんが先ほどのアメノムラクモ・イグナイトモジュールのデータを解析しているのを隣で眺めていると、翼さんがやって来ました
クリス「ストッパーの名目でミサイルぶちかませなくてアタシは物足りねえけどな」
翼「滅多なことを言うものではないぞ、雪音」
クリス「ほ~ん?現場来て早々イグナイト失敗した割に余裕っすね」
翼「制御出来るかどうかに不安を覚え未だ試そうともせずプロジェクトそのものに異を唱える雪音がよく吠える」
やだもうこの二人
色々イベントすっ飛ばしてるせいで先輩後輩になってないです
翼「何なら今から試すか?」
クリス「いいっすよ?あの馬鹿共もまだ帰って来てませんし」
火花がバチバチしてます...何がそこまでさせるんでしょう
翠「ししょー、良いんですか?あれ」
弦十郎「動機は何とも言えないが...いずれはやらねばならんことだ。丁度いい、翼とクリスくんの試験運用もやるとするか!無論立会人は俺がやらせてもらおう」
ししょーの変なスイッチが入った気がする
・・・
翼『翠が良い流れを作った、ならば今度こそその流れに乗らせてもらうッ!』
クリス『流れに乗るのはアタシだッ!』
『Imyteus amenohabakiri tron』
『killter Ichaival tron』
私はししょーやエルフナインちゃんと共にモニタールームからシミュレーションルームにいる翼さんクリスさんの様子を見守っています
ギアを纏った二人はマイクユニットに手を添え
翼クリス『『イグナイトモジュール、抜剣ッ!!』』
ダインスレイフ
翼さんコンマ下1
クリスさんコンマ下2
奇数 失敗
偶数 成功
ゾロ目 獣堕ち
翼『ぐっ...あ...あぁ...ッ!』
クリス『ぐあぁッ!...ぁ...あ...ッ!』
翠「翼さん...クリスさん...」
目が真っ赤に光り、何度も苦しそうに声を上げる二人
エルフナイン「システムから負荷の逆流...耐えてください、翼さん、クリスさん...!」
弦十郎「翼...クリスくん...!」
今二人の中では、誰も抱きしめることが出来ない剣としての自身や、仲間や友人を持ってはいけない運命が渦巻いているのでしょうか
翠「あっ...」
翼『...大口を叩いておきながら、雪音の手でも握ってないと再び底なしの淵に飲み込まれてしまいそうなのだ...獣と堕ちる前に、頼めるか?』
クリス『生憎だけどな...アタシもいつあの夢に溶けてもおかしくねえんだ...ぐっ...』
残念、好感度が足りない
とか言ってる場合じゃないですよ!
翠「ギリギリ理性が残ってる段階...あのままじゃすぐに暴走します!」
弦十郎「むぅ...頼めるか、翠くん」
ですよね...
どうする?安価下
翠「ふぅ...」
相手はギアを纏った装者
それも暴走しかけ、理性失いかけ
「Imyuteus amenomurakumo tron」
自身の身の安全のため一応私もギアを纏い、シミュレーションルームへと足を運びました
どうする気?遂に二人とも理性飛んだよ?
その様ですね、まぁでも下手に理性が残っていても私が心苦しくなるのでセーフです
私は今にも襲いかかってきそうな二人にそっと近づきます
そして二人の頬にそっと手を添え
エルフナイン『そうか!翠さんはあぁやって手を触れながら呼びかけることでお二人を呼び戻そうと』
バシーンッ!
翼クリス「「ぶべらっ」」
エルフナイン『...え?』
バシーンッ
バシーンッ
バシーンッ
結構な強さでビンタしているのに中々戻ってきませんね
ねぇ待って、あの、二人とも不意打ちのせいでクラクラしてるから、足も若干ふらついてるから
これも愛の鞭ですよ
バシーンッ
バシーンッ
バシーンッ
エルフナイン『えっいやっえっ!?』
弦十郎『ま、まぁあれも翠くんなりに考えた結果なのだろう』
バシーンッ
バシーンッ
バシーンッ
もうやめて!二人のほっぺが大変なことになっちゃう!
アスクレピっとけば治りますよ
バシーンッ
バシーンッ
バシーンッ
コンマ下
ゾロ目以外 理性戻る、というか戻って
ゾロ目 ソースデス
バシーンッ
翼「ゴフッ...ミ、ミド」
バシーンッ
クリス「モ...ヤメ...」
バシーンッ
バシーンッ
バシーンッ
遂に倒れてしまいましたけど、全然戻りませんねぇ
翠「ししょー、なんか刺激になりそうなものありませんか?」
弦十郎『む?あ、あぁ...間違えて発注してしまったこんな物ならあるが』
どんな物なんでしょう
・・・
モニタールームに顔を出すと、ししょーの手には赤い赤いソースが入った瓶が二本
翠「使っても?」
弦十郎「使う予定はないから構わないが...どうする気だ?」
翠「まーまー見ててください」
『翠』《ねぇ翠、何故かその瓶を見てると手の震えと謎の汗が止まらないんだけど》
翠《うおぉ急にシンクロ解かないでくださいよびっくりするじゃないですか》
まぁいいですよ、ここから先は私だけでやります
・・・
翼「待ッ...ミ...」
クリス「モウ...リセ...モドッ」
翠「これだけやってもダメなんですから、後はこれしかないですよね?」
いっそ奏さんに実践してもらったアレを翼さんとクリスさんでやらせても私は一向に構いませんが、そういうのはまぁ流石に怒られるでしょうし
私は倒れこむ二人の近くにしゃがんで二本の瓶の蓋を取り
翠「た~んとお飲み」
コンマ下
奇数 失神
偶数 理性は戻る
ゾロ目 タイガーホース
翼「...ゴフッガボッ!?」
クリス「ガッゲホッ!?」
翠「あ~零したら勿体無いですよ?」
真っ赤だった目が元に戻り、その瞬間汗が吹き出た二人は咳き込んで口の中にあったソースを吐き出して喉を抑えながらのたうち回り始めました
弦十郎『ま、待つんだ翠くんッ!流石にそれは命に関わるッ!』
翼「かな、で...ガフッ」
クリス「パパ...ママ...ゴフッ」
エルフナイン『翼さーん!クリスさーん!』
あ~...ギアが解除された上に気を失っちゃいましたか
翠《とりあえずアスクレピっといた方がいいですかね?あれ?『翠』?『翠』~?》
『翠』《っは...はぁ...はぁ...ごめん、急にとてつもない頭痛に襲われてた...うん、アスクレピオス案件だと思う、というか下手したらフォーク案件だから》
翠「んじゃアスクレピオスということで」
アメノムラクモを解除した私は別のギアペンダントを取り出し
「Healing almighty Asclepius tron」
大丈夫だとは思いますが、喉がやられた~なんてことになったら日常生活的にも装者的にも翼さんはアーティスト的にも大変ですからね
そういえばアスクレピオス、本人が気を失っててもちゃんと発動するんですね...無意識のうちに考えていることをアスクレピオスが認識してるんでしょうか
翼「...ゴフッガボッ!?」
クリス「ガッゲホッ!?」
翠「あ~零したら勿体無いですよ?」
真っ赤だった目が元に戻り、その瞬間汗が吹き出た二人は咳き込んで口の中にあったソースを吐き出して喉を抑えながらのたうち回り始めました
弦十郎『ま、待つんだ翠くんッ!流石にそれは命に関わるッ!』
翼「かな、で...ガフッ」
クリス「パパ...ママ...ゴフッ」
エルフナイン『翼さーん!クリスさーん!』
あ~...ギアが解除された上に気を失っちゃいましたか
翠《とりあえずアスクレピっといた方がいいですかね?あれ?『翠』?『翠』~?》
『翠』《っは...はぁ...はぁ...ごめん、急にとてつもない頭痛に襲われてた...うん、アスクレピオス案件だと思う、というか下手したらフォーク案件だから》
翠「んじゃアスクレピオスということで」
アメノムラクモを解除した私は別のギアペンダントを取り出し
「Healing almighty Asclepius tron」
大丈夫だとは思いますが、喉がやられた~なんてことになったら日常生活的にも装者的にも翼さんはアーティスト的にも大変ですからね
そういえばアスクレピオス、本人が気を失っててもちゃんと発動するんですね...無意識のうちに考えていることをアスクレピオスが認識してるんでしょうか
・・・
ししょーにこっぴどく叱られてます
それはもう今にも手が出るんじゃないかってくらい怒られてます
正座をさせるくらいで流石に殴ってきたりはしませんけど
弦十郎「いいか翠くん、あれは洒落にならない」
翠「はい」
弦十郎「安易に渡してしまった俺も悪かった...が、あれはいけない」
翠「はい」
弦十郎「何故デスソースという名前なのか知っているか?このソースが原因で心臓発作を起こし死亡した者がいるからだ」
翠「はい」
弦十郎「少し舐めただけでも悶絶する辛さのものを口いっぱいに入れられ喉に流し込まれたらそれは拷問ではない、もはや刑の執行だ」
翠「はい」
足痺れてきました
どうする?安価下
(翼さんクリスさん失神、ちなみにそのせいで高校生組の勉強会が延期になりました)
翠「し、ししょー、それより話しておきたいことが」
弦十郎「話しておきたいこと?」
ここは一つ話題を変えましょう、えぇ、決して私が反省していないとかそういうことではありません
ただ、場の空気のためです
ほらきっとこの場にいるエルフナインちゃんも気まずそうに...くっあの子平然とタブレットいじってイグナイトモジュールのデータを解析したり床に寝かせている翼さんクリスさんの様子を見たりしてます
翠「メヌエットさん...半ば強引に保護している人工装者さんのことです」
弦十郎「彼女について、か」
翠「以前私が奏さんと交代している際に彼女から聞いたそうですが、どうやら彼女の寿命は私達が思っている以上に残り少ないようなんです」
数ヶ月...せめて数週間単位で残っていれば...いえ、それでも延命の方法などそうそう思いつくものでもありませんか
翠「彼女の話から推測するに、明後日をギリギリ迎えられるかどうか」
弦十郎「それは...確かに、猶予はないな」
ししょーの表情が緊張し始めました
翠「このままこうして彼女を軟禁状態のままにするより、残り僅かだからこそ自由にさせるべきなんじゃないかと私は思っています!もちろん解放した途端誰かに狙われたりまた吐血して倒れたりしないよう様子を見ながら出来る限りのフォローを入れたり」
弦十郎「君の気持ちはよくわかった」
皆まで言うな、とでも言うように手で制して私の言葉を遮ったししょーは
弦十郎「その事についての対処は我々の仕事だ、こういう時に頼られ結果を出すのが大人だからな」
そう言って微笑みました
そうでした、ししょーはこういうOTONAでした...
弦十郎「ところで、それとこれとは話が別だ、まだ足を崩していいとは言ってないぞ」
翠「ぬうぅぅぅっ!!」
足がー!そろそろ限界にー!!
翼「...ん...ここ、は」
クリス「...ぅ...はっ!どうなったんだあの後!?」
あ、翼さんクリスさんのお目覚め!
エルフナイン「気が付きましたか?」
翠「翼さんクリスさん!」
弦十郎「翠くん、足が崩れているぞ」
足がー!
翼「...私は失敗したのか」
クリス「意識が飲まれて...その後のことが何も思い出せねぇ」
翼「私も思い出せない...が、おそらく翠が止めてくれたのだろう、改めて礼を...何故翠は正座しているのだ?」
弦十郎「気にするな、翼とクリスくんは後で念の為メディカルチェックを受けてくるといい」
足の感覚が...足の...
・・・
やっと解放してもらえました...でもその後足の感覚が戻るまでかなりの時間を要しました
『翠』《足平気?足だけ代わろうか?》
翠《あーそれでお願いします》
何する?安価下
(誰かと交流~等でも可)
***
作者もたまに設定忘れてたりするのでモーマンタイ
なお仮に今後展開と矛盾したような安価が来た場合いざとなったらギャラルホルンが起動します
ちなみに切調今は何処にコンマ下
奇数 本部の中
偶数 お出かけ中
ドォォォンッ
翠「っ!?」
突如すぐ近くで爆発音のようなものが聞こえ、本部が大きく揺れました
一応本部は海に浮いているのでいつもは陸上と変わらないように揺れを調整されていますが、巨大な波でも来ればそれも違ってくるでしょう
翠「でも、今のはそんなレベルじゃないですね」
それこそ本部の一部で爆発が起きたんじゃないかと思えるほどです
翠「『翠』、足!」
『翠』《おっけー!》
翠「うわっとっと!待っバランスが!」
脚だけ勝手に動くのに慣れず何度も転びそうになりながら、私は司令室に飛び込みました
モニターに映し出されていたのはやはり本部内
少し離れた廊下で切歌さんと調さんがレイアさんと対峙しているところです
弦十郎「何が起きたっ!」
翼「やはり本部の中...!」
エルフナイン「レイア...此処でのテレポートを封じた結果、強硬手段に出てきましたか」
さっきまでモニタールームにいたししょー達もやってきました
クリス「装者がわんさかいるとこにあっちから来るなんざ何考えてんだ...とにかく行くぞ!」
友里「現在切歌ちゃんと調ちゃんが交戦中」
藤尭「こういう時本部が広いのが悔やまれる」
友里「ボヤかない!今艦内図を...ッ!」
その時、レイアさんの爆発するコインがモロに切歌さん達に当たったように見え、私達は息を飲みます
レイア『地味過ぎて分解するまでもない...っ!?』
響「あれって...調ちゃん、何を?」
響さんや未来さんもやってきたようですが、それどころではありません
切歌『調...それって...』
調さんが突き出した手から広がるピンク色の半透明な壁
正六角形をいくつも組み合わせたようなそのバリアは
翠「フィーネ...さん...」
コンマ下
奇数 フィーネさん
偶数 調さん
調?『まったく...私の大事な大事な子孫(こども)達に何してくれてるのかしら?』
爆風が完全に晴れ、そこに立っていた調さんは
レイア『お前は...』
長い黒髪もピンク色の瞳も金に染まった姿
フィーネ『さて、どうしてくれようか?』
・・・
あの姿、まさか調さんのことを塗りつぶしたわけではないでしょうが、主導権は完全に握っているのでしょう
クリス「フィーネ...」
弦十郎「了子くん、か」
それっぽいことを言って登場したフィーネさん
一体どんな風の吹き回しで?
翠「ってそれより私達も行かないと!」
クリス「っ!そ、そうだ、早く艦内図を」
フィーネ『待ちなさい、どうやらお客はもう一人いるみたいよ』
今度は映像越しの音声ではなくギアに搭載された通信機による通信
ですがあの言い方だと私達の会話もどういうわけか聞こえているということでしょうか
未来「もう一人って...まさか!」
エルフナイン「キャロル...!」
しかしそのキャロルちゃんはとても見ていられるような姿ではありません
変色した皮膚、そして何より両脚があらぬ方向へ曲がっています
レイア『マスター!』
キャロル『足りナい...何が...歌ダ...旋律を...オレが受ケよう...』
どうする?安価下
(切歌さんフィーネさんの戦い方等)
(夢姫「揺れましたわね」
『凜音』「せめて部屋の外で何が起きているのか見に行きたいんです!」
夏菜「ダメです!危ないから!」
女神「響さんはとても頑張ってますよ、それに楽しそうにしています」
洸「なら、良かった...のか?俺は結局父親らしいことは何一つ...」
緒川(先程の爆発でテレポートが...僕としたことが油断しました...!))
レイア『マスター、それは私が地味に集めると...いえ、奇襲も失敗しました、撤退を』
キャロル『離せ...まだ、旋律ヲ...』
来て早々キャロルちゃんを抱えて離脱しようとするレイアさん
速攻で撤退しようとするのはフィーネさんの存在がそれだけ予想外でイレギュラーなケースだったのか、それともあの状態のキャロルちゃんを庇いながら戦う余裕がないのか
切歌『っ!待つデス!』
レイア『地味に脅威!』
パリンッ
パリンッ
パリンッ
そして去り際にアルカノイズを放ってきました
クリス「ここで逃すのか!?」
フィーネ『このノイズ擬きは私達に任せなさい、お前達はキャロル・マールス・ディーンハイムとお仲間の人形を...行けるわね?暁切歌』
切歌『言われなくてもやっちゃるデス!』
本当どういう風の吹き回しなんですかねフィーネさん
まぁ戦ってくれるのならそれでいいんですけど
弦十郎「アルカノイズは了子くんと切歌くんに任せる、お前達は至急敵2名の追跡をしてくれ!」
緒川「司令、実は...」
弦十郎「...!そうか...捜索はする、だがその後どうするかは」
緒川「わかりました」
緒川さん、何かあったんでしょうか
ともあれキャロルちゃんとレイアさんを追わないと!
どのギアで行く?安価下1
1 アメノムラクモ
2 アスクレピオス(戦闘不向き?)
3 イミテーター(イグナイトなし)(何か模倣する際は何を模倣するか記述)
4 イミテーター(銀色のギア)
5 ミョルニル(イグナイトなし)
6 神獣鏡(他のギアと同時展開する場合はどれと同時展開するか記述)
7 フォーク
8 アメノオハバリ
(翼さんマリアさんとはこの後ちゃんと別行動になるので悪しからず)
私と響さん、未来さん、翼さん、クリスさんは切歌さん達とアルカノイズがいる廊下とは別の廊下から外へ出てギアペンダントを掲げました
翠《行きますよ、『翠』!》
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
「Imyteus amenohabakiri tron」
「killter Ichaival tron」
「Rei shen shou jing rei zizzl」
「Imyuteus amenomurakumo tron」
・・・
未来「いた!あそこ!」
レイアさんが帰りがけなぜテレポートをしなかったのかはよくわかりませんが、おかけでこうしてキャロルちゃんを脇に抱えて屋根伝いに飛び回るレイアさんを見つけることが出来ました
レイア「ちっ」
響「この拳を最速で最短で!」
クリス「やめろバカ!下手に食らわせたら民家が吹っ飛ぶぞ!」
ですがあちらにも私達のことがバレた今、モタモタしていたら本当に逃げられてしまいます
マリア『なら、私がそこから叩き落とすッ!』
そのとき、ギアに通信が...今の声、マリアさん?
「Seilien coffin aiget-lamh tron」
聖詠が聞こえたと思った次の瞬間、レイアさんの腰に蛇腹状の剣の刃が巻きついているのが見え
レイア「何っ」
マリア「はぁっ!」
民家の屋根の上に立っていたレイアさんが引っ張られ近くの公園に叩きつけられました
翼「マリア!」
マリア「話は聞いたわ、仕事帰りにもう一仕事ね」
私達の近くに降り立った白銀の装者
明日のリハに行っていたマリアさんです
レイア「くっ...はっ、マスター!」
大きなクレーターの真ん中に倒れていたレイアさんは脇に抱えていたはずのキャロルちゃんがいないことに気付き辺りを見回しました
言われてキャロルちゃんがいないことに私も初めて気付いたので同じように周りを見回し...
翠「立ってる...あの脚で」
脚のどこに力を入れてバランスを取っているのかわかりませんが、明らかに骨まで折れているであろう両脚でしっかりと立っているキャロルちゃんが少し離れたところにいます
キャロル「見せてミろ...俺にソの旋律を...!」
ゴウッ
響「みんな避けてっ!」
キャロルちゃんの手のひらに出現した錬成陣から放たれた竜巻を避けた私達は、改めてあの状態のキャロルちゃんも大いに脅威になりうる事を再確認しました
レイア「マスターッ!」
翼「行かせるかっ!」
マリア「こっちは私と翼で迎え撃つ、キャロルの相手は任せたわよっ!」
未来「はい!」
キャロルちゃんの元へ駆け寄ろうとしたレイアさんの妨害を始める翼さんとマリアさん
任されたものは仕方がありません、私達はキャロルちゃんを
キャロル「...違ウ、そノ中でイチイバル以外...用はナい」
クリス「あ?どういう意味だ?」
翠「とにかく倒すかせめて無力化させないと」
あの竜巻をポンポン出されたらこの公園も、その周辺だっていつまで無事かはわかりませんし
メヌエット「貴女の相手は私だ...錬金術師ッ!!」
ギィンッ
...また一人増えました
どうする?安価下
(弦十郎「夏菜くんは引き続き本部内の人間の護衛を頼む」
ネロ(やることがない))
どこからともなく現れたメヌエットさん
なるほど、さっき緒川さんが何かししょーに言っていたのは彼女が脱走したとかそういうことですか
メヌエット「ちっ」
キャロルちゃんに挨拶がわりに砲剣を叩きつけるも、バリアに阻まれてしまいます
しかし彼女は怯むことなくその近距離を保ったまま砲口をキャロルちゃんに向け
ドッッ
プラズマカノン砲発射
それによってキャロルちゃんの身体は空へと飛ばされました
もちろんバリアはその瞬間はそのままだったようで、空中でバリアを解いたその姿は(最初からボロボロといえばボロボロですが)新しいダメージは入っていないように見えます
だとしても
翠「大蛇っ!」
『逆巻ク大蛇』
この勝機を逃すわけにはいきません
斬り裂いた空間から飛び出した大蛇は私の声に応じその巨体を生かして尻尾を大きく振り上げ、バリアを解いたキャロルちゃんを地面に叩きつけました
クリス「今だッ!」
未来「はぁっ!!」
『MEGA DETH PARTY』
『閃光』
ここぞとばかりに飛び道具
公園の地形がこの1日で大きく変わりそう
クリスさんや未来さん、それにメヌエットさんも小技大技問わず攻撃をしこたまぶち込んでいきます
無論私も剣を投げつけたり
響さんは...うん、まぁ拳がアームドギアなので
そうこうしているうちに砂煙が晴れ
クリス「...なっ!?」
私達のそれは無駄に終わっていることが判明しました
レイア「無策でいるのは派手じゃない」
無策に地味も派手もあるのかは知りませんが、翼さん達の攻撃を避けながらそう言ったレイアさんの言葉から察するにこれは対策の結果なのでしょう
翠「木偶人形...肉壁役ってことですか」
キャロルちゃんの前には私達の攻撃で動かなくなった木偶人形達がまるで壁のように積み重なり、そして崩れ始めています
これのせいで私達のさっきの攻撃はキャロルちゃんに届いていません
未来「ならもう一度」
クリス「今更守り固められて意味ねぇって!」
翠「どうしたら...って響さん!?」
響「うおおおぉぉぉぉっ!!!!」
何を叫びながら駆け出しているんですか!?青春ですか!?
何をするつもりなのか見ていると、響さんは木偶人形達の元へ走って比較的まだ形を保っている木偶人形の一体を掴むと
響「らぁぁぁっ!!!!」
翠「ぶん投げたっ!?」
今一瞬響さんが「勝負は勝てばいいんだよ!!」って言って自分が投げた龍に燃やされてる鉄仮面に見えました
未来「けどそれじゃ防がれちゃう!」
キャロル「ヘルメス...ッ!?」
バリンッ
メヌエット「バリアを...破った...なんて馬鹿力」
クリス「まぁ、アイツは馬鹿だからな...」
響さんの投げた木偶人形はキャロルちゃんの新しく張ったバリアを突き破り、キャロルちゃんを大きく吹き飛ばしました
それより私はあの木偶人形の耐久性の方が気になります
メヌエット「でも丁度いい...もう時間がない、逃しはしない、この場を逃してなるものかッ!行くよ、ルシエドッ!!」
その時、稀に見るテンションの高いメヌエットさんがそこにはいました
『翠』《カッコいい台詞をノリノリで言う姿はどこかよもぎを思わせる》
さいですか
そして彼女の傍に姿を現わす青いオオカミ...ルシエド
これは嫌な予感が...
メヌエット「『アクセス』ッ!!!」
あーあー聞こえない!この世界線がコラボ枠なんて絶対認めませんよ!!
『翠』《諦めよう、貴女の記憶からさっしてあの掛け声は明らかにチートブレイz》
聞こえないったら聞こえないんです!!聞こえたとしても私はニャル子さんの方しか認めませんよ!!
アクセス後の姿、特徴等安価下
(見た目、色、武器、能力、メリットデメリット等)
シンフォギアシステムのバリアフィールド...とはまた少し違うようですが、メヌエットさんの周りが光に包まれ、そして止みました
全身の配色は紫と黒のツインカラー
いわゆるギアインナーに当たる素体からすでにゴツゴツしていて、チートブレイザーというより女性版骸殻といった感じ
そしてそれを覆うように装着されているギアアーマーは形そのものはアクセス前と変わりませんが、表面が毛皮で覆われています
さらに言えば薄く煙のようなものが...
未来「もふもふ...」
翠「そう、ですか?」
でもアーマー自体は確かに...オオカミでブルーですしまぁ
てっきり私の記憶にあるアレの通りなら黒と赤か、欲望の守護獣の力を借りるのならむしろ金と思いましたが、そもそもマフラーなんて響さんくらいしか付けてませんし色も人によってですよね
というか私はまだコラボなんて認めてませんから!たまたま守護獣とか掛け声とかが似てるだけ!
『翠』《諦めなよ...》
響「あれ?武器が変わってる...」
彼女の手に握られているのは先ほどまでの砲剣ではなく二刀流の紺色のレーザーサーベル
二本とも柄の部分に狼の顔の装飾が付いています
メヌエット「まけんルシエド」
クリス「魔剣...!?」
違います『まけん』です
いや武器そのものは別に『魔剣』でも正解ですけど
というかもう本当...嫌ですよ?そっちの世界の話まで持ってこられたら
ただでさえここの世界のことだけで手一杯ですし
『翠』《初っ端で月ドンしたし》
翠《いいからさっさとフルシンクロしてください!イグナイト行きますよ!》
メヌエットさん一人パワーアップしているこの状況、出遅れてる場合じゃありません
・・・
翠「イグナイトモジュール、着装ッ!!」
ニ-ベルング
すでに一度暴走を乗り越えた私達なら、問題なくいけるッ!
全身がより黒く染まり、力が湧き上がってきます
響「なら私も...掛け声どうしよ?」
クリス「んなもん何でもいいだろうがっ!」
夏菜『じゃ、じゃあ『爆速』とかでどうですか!?』
夏菜さん突然の通信やめてください
あと何故にバイクの人...最速で最短で~からですか?
未来「響、ちゃんとしたのは後で考えればいいと思うよ?」
響「えっとえっと...」
響さんのなんちゃってイグナイト掛け声安価下
(仮に安価が複数あった場合多数決になります)
(昨日は更新前に寝落ち...すみません!今日は頑張ります!)
***
多数決安価下1~3
1 キリングタイムッ!
2 イグナイト・オリジンッ!
(響(暇つぶしか原点か...))
2/3票入ったので2とします
***
響さんそこ悩まないで!掛け声は重要じゃないとは言わないけど今じゃなくてもいいから!
響「よし...イグナイト・オリジンッ!!」
そして悩み抜いた末に自分のこと原点って言い始めました!?
あぁいえ、初暴走は響さんのはずですし...
響「ぐっ...グゥ...はぁっ!!」
響さんがそう声を上げると響さんの身体から黒い霧が出始め、ギアをその色に染め上げます
そしてその霧を振り払うようにし、変身を完了しました
その姿はまるでカルマ...いえ、まさか
響「行こう」
翠「え、えぇ、行きましょう」
メヌエット「...」
吹き飛ばされたキャロルちゃんは立ち上がると、服についた砂を払おうともせずこちらを睨みつけてきます
キャロル「お前達には用ハない...消えロ」
コンマ下1
奇数 もう少しこのまま頑張るキャロルちゃん
偶数 ダウルダブラ
どう戦う?安価下2以降
(フィーネ「こんなものか...元となるノイズがそれほど強くないとはいえ、拍子抜けね」
切歌「いつまで調の中にいるつもりデスか...」)
キャロルちゃんが若干カタコトなのはよくわかりませんが、少なくともイラついているのはひしひしと伝わってきます
それもそのはず、キャロルちゃんの目的はダインスレイフを用いたイグナイトモジュールによる歌を集めること
私も響さんもあと多分メヌエットさんもそれには該当しません
まぁでもダインスレイフのイグナイト搭載した人達まだ誰も制御出来てないんですよね...どんまいキャロルちゃん
キャロル「吹キ飛べっ!」
クリス「そいつはもう見切ってんだよッ!」
キャロルちゃんがこちらに手のひらを向け...おそらくまた竜巻か何かを飛ばそうとした瞬間、クリスさんがハンドガンでヘッドショットを狙った
すぐさまそれを避けようとしたキャロルちゃんを今度は
翠「せいっ!」
素早く彼女の懐に踏み込んだ私が下から上へ斬りつける
全盛期のキャロルちゃんならこんなに簡単には近づけなかったでしょうが、もとからの状態、そして大蛇や響さんの与えたダメージがキャロルちゃんに致命的な隙を作らせています
翠「今です!」
メヌエット「はぁっ!」
ズバッ
高く跳躍したメヌエットさんがその落下エネルギーを利用して片方の剣でキャロルちゃんを斬り
メヌエット「もう一つッ!」
キャロル「グゥッ...!」
さらにもう片方の剣で横殴りの要領で斬りつけました
響「そして私がアァァァッ!!!」
さらに畳み掛けるように地面を蹴ってキャロルちゃんに接近した響さんが拳...ではなく開いた手を振りかざし
響「アアァァァッ!!!」
キャロル「グヌゥゥゥゥッ...!!!」
鋭く尖った爪で胴体を斜めに切り裂く攻撃
何だろういつもよりワイルド...暴走してないよね?
キャロル「ア...ぁア...」
コンマ下
奇数 撤退
偶数 ソウル化
(『翠』「君は信じられるのか?仲間を」
翠「...」
『翠』「なら...見せてくれ、君が創る未来を」
奏「何こんな時に遊んでんだ」
翠「イェーイ!」
『翠』「イェーイ!」
翠「イェーイ!」
奏「うるっせぇ!!!」)
キャロル「...マぁ、いい...これでも多少ハ代わりにナるか...がはっ」
メヌエット「っ!待っ」
パリンッ
何かを言い残し、キャロルちゃんは再びテレポートしてしまいました
クリス「ちっ、逃したか」
未来「強かった...あんなにボロボロなのに」
強かった、というよりしぶとかった、という感じかな
えぇ、そうとも言えますね
メヌエット「グッ...はぁ、はぁ...」
響「!?急にどうしたの!?」
そのとき、突然片膝をつくメヌエットさん
体育の後のように息を切らし始めました
それはまるでゲームなら体力ゲージが勝手に減っていくよう
メヌエット「触るな...」
パリンッ
翠「あっ...」
未来「こっちもテレポートしちゃった...」
最後のは...使えば使うほど体力が減るとか?
チートブレイザーにそんなロッ◯マンのダー◯チップ的な効果は無かったと思いますが、そこまで詳しくもないので何とも...ってそもそもメヌエットさんのはチートブレイザーじゃないですもんね!似てる変身の仕方なだけ!
翠「もう何も言わないよ...って翼さん達の方は!?」
つばマリVSレイアさんの今の状況安価下
翼さん達の方を向くと、そこにレイアさんの姿はありませんでした
倒し...たわけではなさそうです
翼「こちらも逃した...後一歩というところだったんだがな」
マリア「ひとまず本部へ戻りましょう、マムとドクターも先に戻っているはずよ」
今日見かけないと思ったらナスターシャ教授と変態も出かけてたんですね
その感じだとマリアさんと一緒だったんでしょうか
ナスターシャ教授はまだしも変態はなぜ...まぁどうでもいいですけど
・・・
本部に戻るとアルカノイズは殲滅され、S.O.N.G.の職員の人たちが天井やら床やら壁やらの修復に追われていました
そもそもここ潜水艦ですからね、天井穴空いてると水中に潜れませんからね
で、またまたいつもの会議室
ナスターシャ「いつまで調の中にいるつもりなのです?フィーネ」
フィーネ「あら、この子達を助けてあげたのに随分な待遇じゃない?」
フィーネさんまだいたんですか...今回は調さんの身体で服をまだちゃんと着ているだけマシですね
次から私のところに来た時もちゃんとそうしてほしいです
どうする?安価下
(特になければフィーネさんは帰ります)
フィーネ「ま、長居はしないわよ。これでも一応は長年悪役やってきたものとして場違いなのは自覚してる」
弦十郎「そうは言わん、ただ皆調くんを心配している、それだけのことだ」
フィーネ「今も起きているわよ、表に出していないだけで」
私達が後退してもらってる時と似たような感じでしょうか
それにしてもマリアさん調さんには憑依するフィーネさん、原作で勘違いからの『てがみ』という黒歴史を生み出してしまう切歌さんだけは何故か未だに憑依してないという
何でしょう、この複雑な気分は
で、当の本人である切歌さんの方を見てみると
切歌「調が無事なら問題ないデスね、早く戻してほしいデスけど...にしてもお前は毛並み良いデスね~、けっとうしょ?とか付いてそうデス」
メヌエットさんがS.O.N.G.に託していった...というか残していった例の子猫を膝に乗せて頭を撫でていました
いや捨て猫に血統書はないでしょう、多分
響「ちょ~っと私にも撫でさせてほしいかな~なんて」
切歌「今はアタシが撫でているのデス!」
未来「というかその子、いいのかな...」
翼「忘れて残していったわけでもあるまい、事実緒川さんには我々に世話を任せたいと言伝を残していたらしいからな」
でもてっきり死に際までは自分で世話をするものと思っていました
ここの方が安全だと判断したのか、はたまたここしかタイミングがないと思ったのか
自身が死ぬところを見せたくなかったのか
響「大丈夫!よく木の上から降りられなくなった猫とか下ろしてて扱いはわかるから!」
切歌「この子は木の上に登って自分で降りられなくなったりなんてしないのデス!賢いいい子なのデス!」
切歌さんそんなに長いことその子猫と接してないでしょう
フィーネ「...暁切歌、その子猫を自身で飼うつもりなのか?」
切歌「...?何が言いたいんデスか?」
フィーネ「お前にその幼き命の面倒を見る覚悟はあるのか?」
切歌さんの返答安価下
(翠「生き物の飼い方ですか?私の場合蛇達は普通じゃないので自立してて特に面倒見るの大変じゃないので...たまに喋りますし」)
『面倒を見る覚悟』
それは一般家庭であっても『ペットを飼う』『捨てられていた動物を拾う』等を成そうとした子供に対して保護者がそれを聞くことは多いと聞きます
それは途中で投げ出さないか、命を扱うということをわかっているか、そしていつか訪れる別れを受け入れる準備は出来るのか
そういったことを再確認させ、責任を持たせる、あるいはやめさせる為の行為です
ある意味レセプターチルドレンを集めたりノイズに人を襲わせたりしたフィーネさんの口からそんなことが出てくるとは思ってませんでしたが、だからこそなのかもしれません
切歌「覚悟...」
フィーネ「その子猫を残していったあの人造生物はいわばそれを放棄した、お前はどうだ?」
確かにメヌエットさんは拾うだけ拾ってS.O.N.G.に丸投げしたとも言えなくもありません
その心情がどのようなものかは知りませんが、事実としてだけなら無責任な行動と言えるでしょう
果たして切歌さんは...
切歌「この子はまだあの人の家族デス、何も言わずにいなくなって、会えなくなるなんてそれこそそんな無責任なことはさせない...」
そう言う切歌さんは少しだけ悔しそうな、悲しそうな...それでいて起こっているような声色に聞こえます
切歌「それでもちゃんとあの人がこの子に別れを告げるなりして、もしもアタシがこの子の面倒を任せられたなら...」
切歌さんは子猫の頭を撫でる手を止め、フィーネさんに真っ直ぐ向き合い
切歌「責任持って育てるデス」
フィーネ「...それがどういうことか、わかっているな?」
切歌「モチのロンデス」
フィーネ「ふっ...ならいい」
どうやら決着はついたみたいだね
えっと...となるとメヌエットさんのタイムリミットまでにもう一度無理矢理にでもあの子猫に彼女を会わせるってことでしょうか...頑張ってください切歌さん!応援してます!
少しは手伝おうとかそういうのを...ま、どうせ言われたら手伝うんでしょ?
マリア「切歌...立派になって...」
ナスターシャ「えぇ、本当に...すっかり大きく立派になりましたね、切歌」
でこっちの保護者役取られた二人は何泣いてるんでしょう
いやよく見たらししょーも若干感動の涙流してますね
フィーネ「ふぅ、私はそろそろ行くわ」
翠「あっ、お帰りですか?」
フィーネ「えぇ、まぁまた何かあれば声かけなさい、暇な時しか応えないけれど」
そう言って目を閉じようとするフィーネさんに
クリス「フィーネ!」
フィーネ「...ん?」
クリスさんが声をかけ、しかし何を言えばいいのか迷っている様子
フィーネ「...貴女もいつでも呼びなさい、私にとっては...娘のようなものなのだから」
クリス「!...あ、あぁ!」
フィーネ「じゃあ改めて」
今度こそ目を閉じたフィーネさん...というか調さんの身体のフィーネさん
すると髪の色がみるみるうちに金から黒へ戻っていきます
調さんの身体からフィーネさんが抜け、調さんに戻ったんですね
調「ん...ッ!///」
ガタンッ
と、その瞬間顔を真っ赤にした調さんが勢いよく立ち上がりました
翼「月読!?」
切歌「調!?どうしたデs」
調「~っ!///」
切歌「あっちょ何処に行くんデスか調~!!」
そのまま会議室をダッシュで出て行く調さんとそれを追いかける切歌さん
フィーネ《あぁそうそう、服だけはどうしてもと言うから妥協して下着だけ脱ぎ捨てたのを忘れていたわ》
うっわそれある意味では全裸より精神的に恥ずかしいですよ...調さんスカートですし
てかどこをどう妥協したらそうなるんですか
フィーネ《お詫びに月読調には私の力の一部を譲渡したしそれでいいでしょう、あの子ここの3人の中で一番私と波が近いからその力も容易に使いこなせるようになるはずよ》
それを私に言ってどうす...って力!?
翠《それは具体的にはどういう》
フィーネ《生身で私と同じバリアを張れるようになるわ》
翠《それ私も欲しいです!私も!》
フィーネ《嫌よ、というかお前はF.I.S.の施設に集められてなかったでしょうが》
フィーネさんのいけず...まぁ後でこのことを調さんにも伝えておきますか
フィーネ《あーでもこのこと一応あの子の中にいるときに伝えておいたから伝える必要ないわよ?》
あっはい
どうする?安価下
(特になければ次の日まで飛びます)
・・・
翼「パリイを教えてほしい?」
翠「はい」
フィーネさんも帰ったので解散となり、調さんの奇行もまぁフィーネさんから事情を聞いた私(と私の中にいるメンバー)だけが知るところとなったわけですが
とりあえずその場は解散となり私は暇になりました
ちなみにそのまま響さんはクリスさんに勉強会に連れていかれ、未来さんもその付き添い
後で切歌さん調さんも誘うらしいです
マリアさんは仕事から帰ったばかりなので休憩
さて私は何をしよう、そう思った時にふと思い出しました
翔子『盾はそれこそ羽衣のシールドのようなものでなければ片手、あるいは両手が塞がります。であれば剣で受け流す方が得策かもしれません』
『翠』『パリイ...だっけ』
翠『翼さんなら出来そうですね...私の場合それこそ無理矢理避けることが多いですし、そろそろちゃんとした避け方、受け流し方を』
奏『ま、防御に関しては今までのやり方から急に変えるのも危険っちゃ危険だけど基礎くらいは知っといた方がいいかもね』
いい機会です、せめて基礎だけでも伝授願いましょう
で、頼んでみました
翼「剣での受け流し、か...覚えておいて損はないか」
翠「よろしくお願いします!」
授業内容指定その1安価下1
1 竹刀を使って(安全)
2 ギアを纏って
授業内容指定その2安価下2
1 基礎の形から丁寧に教えてもらう(しっかり学べる)
2 実践形式で学ぶ(パリイの習得が二の次になる可能性有り)
・・・
翼「実戦に持ち込みたいのであれば、今の翠なら最初からギアを纏った上で動きを身体に教えるのでも十分大丈夫だろう」
普通なら...というかししょーに稽古をつけてもらい始めていた頃はやはり最初はギアを纏わず、道着や体操着に竹刀や木刀で基礎の動きを学んでからギアを纏っての応用をやっていました
けれど、翼さん曰くいけるだろうとのことです
「Imyteus amenohabakiri tron」
「Imyuteus amenomurakumo tron」
シミュレーションルームにてお互いギアを纏い
翼「では、手取り足取り教えるとしよう」
即席のパリイ授業が始まりました
翼「ここを持ってこう構えて...」
翠「こ、こう、ですか?」
翼「こう来た場合一度傾けて...」
コンマ下
奇数 翠ちゃんにはパリイのセンスがある
偶数 翠ちゃんは守りを固めるのは肌に合わない
奇数ゾロ目 どんな攻撃でも物理法則を無視して受け流せそう
偶数ゾロ目 やらない方が恐らく断然強い
・・・
翼「こんなものだろう」
つっかれました...翼さんが終了と言った瞬間アームドギア手放して床に大の字で倒れこみましたよ思わず
数時間剣握りっぱなし動きっぱなし動作繰り返しっぱなし...いえちょくちょく休憩は入れてましたが
翼「慣れない動きを短時間で習得するのには余計に体力を使うからな、だが翠は飲み込みが早い方だろう」
翠「ぜぇ...そう...です...か...けほっ」
模擬戦でない分より集中してやったしね
正直手もそうだけど全身疲れ切ってるよ
翼「夜も遅い、今日は早めに休むといい」
翠「ありがとうございました...そうします...」
明日はマリアさんのお手伝いもありますしね
時間はそんなに早くなかったよね?
ですね、早朝からとかではなかったので少し安心です
・・・
昨日はあの後夕飯を食べたりシャワーを浴びたりしてすぐに就寝しました
それはもうすぐにスッと寝付け、おかげで目が覚めた現在はスッキリしてます
翠「まだマリアさんとの約束の時間まで少しありますね...」
朝、早過ぎるわけでもない微妙な時間
いっそ二度寝...いえ、それは目覚ましをかけていたのにすっかり寝過ごすパターン
私はそんなお約束はやりませんよ!
で、着替えてとりあえず本部の中をふらふらしていると
切歌「あ、翠さんおはよーデス」
調「おはよう、翠」
翠「おはようございます、切歌さん調さん」
朝からセットとは仲がよろしいことで
この二人と響さん未来さんの二人組は基本セットですからね
あと夢姫ちゃんと『凜音』ちゃんがたまにセットで待ち構えてたりします
それを夏菜さんに相談したら「自業自得じゃないですか?」って冷たくあしらわれました、解せぬ
翠「お出かけですか?」
切歌「この子を散歩に連れて行くんデス」
そう言う切歌さんの腕の中には例の子猫が
なるほどそういうことでしたか
調「っ...」
翠「調さん?」
調「!な、何でもないっ!///」
今一瞬調さんがこう...なんて言えばいいのかわかりませんが、ぶるっと?びくっと?したような
でも気のせいでしょうか
切歌「...そうデス!翠さんも一緒にどうデスか?散歩!」
翠「え?」
調「切ちゃん?...私も別に構わない、行く?」
ゑ?
いやまぁ調さんが本心から拒否してないなら別にいいんですけど
っと、そのとき切歌さんが執拗にこちらに目配せのようなものをしてきました
目を何度もパチパチさせたり顔芸を披露したり
えっと...何かを伝えようとしているとこだけは伝わってきました
翠「じゃあ、お言葉に甘えてご一緒させてもらいましょうか?」
調「ん、なら行こう」
切歌「ほっ...よし、レッツゴーデス!」
散歩中何か話す?安価下
(特になければあんなところに木の上で寝てる人が)
散歩といっても犬のようにリードを付けているわけでもないので、適当に子猫の後をついて行ってみたり子猫を抱き上げてそのまま普通にぶらついたりとそんなものです
翠「朝からもうあったかいですね~」
切歌「夏デスね~」
調「お昼になると、暑くなる」
だからこそ朝はまだ丁度いいのかもしれません
切歌「天気も良いデスし、こんな日は歌いたくなっちゃうデス!」
翠「でも歌った後血涙とか垂れ流しになりません?」
切歌「って何で歌は歌でも絶唱なんデスか!?」
調「切ちゃん、歌っちゃダメだよ」
切歌「流石のアタシもお気楽に絶唱なんてしないデスよ...」
特にLiNKER組は絶唱の負荷が正規組より大きい傾向がありますからね
切歌「絶唱は響さん風に言うと『とっておきたいとっておき』デスかね?」
調「とっておかざるを得ないとっておき」
翠「でも考えようによっては初手絶唱なんてことも出来ますよね、ゲージとか溜めなくても出来る技ですし」
初手より奥義にてつかまつる!絶唱!みたいな
切歌「確かに何かを溜めないと使えないとなるとそれはそれで必要な時に使えなくて不便デスね...いやでも使わないに越したことはないデスよ」
調「...もし絶唱が命に関わるようなものじゃなければすごく便利、そういう改造は出来ないの?」
翠「何かを得るためには何かを捨てないといけないんですよ...!」
切歌「世知辛い世の中デース...あっじゃあ代わりに使ったら身体の一部が持っていかれるとか!」
大赦を、潰してやるッ!のやつですね完全に
調「ある意味実現したらドクターもドン引きしそう...」
翠「そんな仕組みを実現出来たら...視覚とか触覚は特に日常生活に関わってきますしね」
もちろん味覚や嗅覚が関わってこないというわけではありませんが、優先順位としては低くなるでしょう
調「脚が動かないのは戦いに不便...腕はおさんどんが出来なくなっちゃう」
切歌「声なんて取られたら一発で装者引退になっちゃうデスね」
翠「実は戦闘や生活面の不便か否かだけで考えると記憶が消えるのは一番ダメージが少ないんですよね...」
精神的にも環境的にも一番ダメージが多いのも記憶ですが
切歌「記憶...忘れたくないのに忘れちゃうのは、やっぱり厳しいデスよ」
調「それがどんな記憶なのか、楽しかったのか悲しかったのか、それすらわからないのがもっと辛くなる」
翠「逆にここなら取られても許せるっていう身体の機能ってあります?」
取られても許せる身体の機能、また絶対に取られたくない身体の機能安価下
(どちらなのか出来れば記述してください)
(特になければこの話題はこの辺で)
切歌「ムムム...取られても良い機能デスか...」
調「じー...」
翠「な、何ですか?」
興味本位で軽く聞いてみたところ調さんのジト目が...
切歌「あぁでもでも!汗とかはいらないかもデス、訓練の後とかべとべとデスよ~」
翠「あー確かにそれありますね」
昨日翼さんにパリイを教えてもらった時もそうでしたが、やはりどうしてもあぁいったことの後は汗でびっしょりになります
服はくっ付くわシャワーを浴びても夏場だとそれがシャワーの水なのか新しく掻いてしまった汗なのかわからなくなったり
とにかく汗はなかなかいらない機能ですね...私にサウナとかの趣味があれば別でしたが
調「...なお体温調節が出来なくなる」
切歌「突然の死デス!?」
翠「死DEATH」
やはり人類は変温動物へと進化するべきですね、汗を掻かなくてもいいくらい高度なものへ
...アスクレピオスで細胞丸ごと書き換えたり出来ないんでしょうか
いやそれやった後の健康診断どうするつもりなの
翠「まぁでもあれですよね、最悪もしも絶体絶命の局面になってしまったら...みんなの命を救えるならどこを失っても怖くないです」
色々考えましたが、どうやったって使う時にはそんなに余裕もないでしょうし
誰かの命に比べれば、身体の機能は失っても死ぬことはないのなら安いものです
翠「特に私はむしろ率先してやるべきでしょうし」
何せ月一回破壊してますしそれ以前にはラスボスに加担してましたからね!あっはっは
それに、もし仮にどこか一部を動かせなくなっても、それは誰かを守った証になります
記憶だった場合は...どうしようもありませんけど、でもやっぱり何だかんだ過去の自分の選択を悔やんだりはしないでしょう、辛くはあるでしょうけど
調「...じー」
切歌「じー...デス」
翠「...えっ、何ですか今度は切歌さんまで」
ジト目が増えました
調「...それ、本部で絶対に言わない方がいい」
切歌「たまにそゆとこあるデスよ」
翠「えぇ...?」
気のせいか切歌さんに抱き上げられてる子猫までジト目に...っと、その時突然その子猫が何かを見つけたように「にゃ!」とか鳴いて切歌さんの腕の中から飛び出しました
切歌「調2号!?」
翠「待ってくださいその名前何ですか!?」
調「仮の名前...私は切ちゃん2号って呼んでる」
せめて統一してあげてください!
で、急に走り出した子猫はある一本の木の根元へ
よく見るとそこには
切歌「あっ!」
調「あの人...」
一人の少女がすやすやと眠っています
翠「メヌエットさん...?」
えっと...まさかそこで野宿?
そんな眼を覚ましそうな様子がない彼女の手をぺろぺろしている子猫を見ながらどうしたものかと固まっていると
「見ぃぃぃつぅぅぅけぇぇぇたぁぁぁっ!!!」
がばっ
ひょいっ
翠「へ?」
ぐんぐんと流れる景色
遅れて誰かに後ろから私が抱き上げられ肩に担がれ連れ去られていることに気が付きました
翠「にゃあああああぁぁぁぁぁっ!?!?!?」
待ってください誰!?誰!?誰!?まさかの誘拐!?
ヘルプミー切歌さん調さん!!!
あわあわしていると私を人拐い?した犯人に何か乗り物のようなものに乗せられ、犯人もそのまま乗り込んできました
翠「待っ」
急いで抜け出すためその犯人を蹴り下ろしてでも逃げ道を確保しようと犯人の方を向くと
マリア「悪いわね、ちょっと時間を勘違いしていたわ、おかけで時間がないの」
...ってマリアさん!?
ウェル「全くこれだから貴女はいつまで経ってもダメな女のままなんですよ」
翠「うわ変t...ウェル博士!?」
ウェル「おい今何て言いかけた」
何でここに...というか
翠「えっヘリ?えっ?」
マリア「予定よりだいぶ早いけれど、仕事場に向かうわよ!」
...誰か私に事細かな説明を
一応切歌さん調さんには連絡を入れておきました
頼まれるお仕事安価下
(なお現場にいる人達には事前に『蒼井翠アイドル化計画』のことは伝えてあります)
(切歌「み、翠さんがマリアっぽい人に拐われたデス!?」
調「(前に聞いたらフィーネにも誘拐されたらしいし私達も誘拐しようとしたし...翠って誘拐されやすい体質なのかな)...あ、当の翠からLINE来たよ切ちゃん」)
undefined
・・・
翠「話はわかりました、要はうっかりマリアさんだったということですね?」
マリア「その呼び方はなんだかくすぐったいわ」
くすぐったくなってる場合ですか、むしろ軽くディスってるんですよ?
まぁ時間間違えて急いでいたというのはいいとして
翠「で、何でこの人までいるんですか?」
そういや昨日もこの変態はマリアさんと行動共にしていたような
マリアさんの仕事に何の関係があるんでしょう
ウェル「すぐには役に立たずとも人脈は広いに越したことはない、というだけのこと」
翠「役に立たないのは果たして人脈なのか貴方の方なのか...碌なこと考えてないでしょうね?」
ウェル「はんっ!それは後になってのお楽しみぃっ!」
うっわ...やっぱりGXで散っていった最低の英雄はあの世界線にしかいないレアキャラだったんですね
だから変にS.O.N.G.で雇わず独房にでもぶち込んでおけばよかったんですよ
マリア「ま、まぁドクターも世界を敵に回すようなことをしようとしているわけではないから」
翠「それは個人レベルなら敵に回すことってことですか?というかマリアさんもグルってことですか?」
マリア「...ひゅ~...ひゅ~」
口笛吹けてませんよ
・・・
現場に着き、とりあえず挨拶回りをすることになりました
いや、ちゃんと出来たかわかりませんけど...何せ
マリア「前に聞いてそんな馬鹿なと思っていたけれど...貴女本当に人見知りだったのね」
翠「すみません...」
原作メンバーは一方的に知ってましたし夏菜さんやメヌエットさんはそもそも戦場初対面でしたから...こういうなんでもないところで初対面の人に挨拶するとなるとやはり緊張してしまいます
緒川「まるで会ったばかりの頃の翠さんに戻ったようでしたよ」
翠「ぐっ...」
ウェル「なんとしおらしい、君によもやそんな年相応の小娘のような態度が取れるとは思ってもみませんでしたよ!」
翠「後で絶対ムッコロす...!」
あ、あと現場に緒川さんがいたのは意外というか驚きました
なんでも今日は翼さんが非番らしく、マリアさん達今日の参加者のサポートをするらしいです
まぁそう言って実はゲストで翼さんが来てても驚きませんけど
翠「それより!何からすればいいんですか?」
雑用係とかでしょうけど、これでも一応はししょーに鍛えられています
力仕事でもそうそう遅れを取るわけには
マリア「まず、ちょっと私とリハーサルに出てくれる?」
はい?
・・・
緒川「マリアさんと今夜デュエットを組む方がまだ到着していなくて...幸い翠さんと背格好が近いんですよ」
うん?それは今このぴったりなサイズの衣装を着させられているのに関係してるんですか?
マリア「以前採寸した時とそう変わっていなくて安心したわ」
翠「いや、ていうかこれ私が着ていいやつなんですか?というかこれどう考えても代役の付き人の仕事じゃないような」
緒川「...気のせいですよ」
あと流石マリアさんと肩を並べるアイドルの人が着る衣装
誰が着るのかは知りませんが可愛らしい衣装ですね...ますます着心地悪くなりそうな
そして着替えがすでに終わり訳がわからずマリアさんの控え室の椅子に座らされている私に話しかけてきたマリアさんもまた、私が今着させられている衣装と同系統の衣装に身を包んでいます
流石マリアさん、よく似合ってます
マリア「あまり時間的余裕もないわ、そのデュエットを組む子の代わりにリハで私と歌って踊ってほしいのよ」
翠「いやいやいや!衣装のサイズ調整のマネキンならまだ...それもおかしい気がしますけどまだわかります、でもそれはどう考えても無理ですよ!第一歌もダンスも私知りませんよ!?」
それとも何ですか!?短時間で頭に叩き込めと!?それならテレポートジェム使ってそのアイドルの人を迎えに行った方が断然確実ですよ!?
マリア「いいえ問題ないわ、これがその曲とダンスだもの」
そう言ってマリアさんが手渡してきたものはイヤホン付きの音楽プレーヤーとダンスの動きが書かれたプリントのファイル
まさか誰もが知ってる国民的な曲とか?それでも私が踊れるのか怪しいんですが
そう思ってイヤホンを耳に刺し再生すると...
翠「...これって」
次いでファイルを開きプリントに目を通します
間違いありません、これはちょくちょく...それこそ模擬戦等で疲れ切ってすぐにベッドで横になるような日を除いてここ最近ほぼ毎日マリアさんのトレーニング(というかもはやレッスン)に付き合わされている時に一緒に練習した動き
そしてその際部屋に流れている曲です
ウェル「どうです?歌詞と動き、不安な点は」
翠「...まさか、こうなることを予期して私に動きを練習させたり曲聞かせ続けていたわけではないですよね?」
マリア「むしろ、偶然にも貴女という適役がいた、という解釈でお願いするわ...それで、問題はなさそう?」
どんどん胡散臭くなってきましたよ...!
そういえばこの曲、本部内で流されているのかと思えば友里さん曰く知らないとのことでしたし
翠「...はぁ、わかりました、受けた仕事はちゃんとやりますよ」
緒川「ちなみにリハーサルの現場は取材のカメラが入り後日テレビの別番組で流れます」
翠「えっ...」
・・・
余談ですが、その場にいた他のスタッフさん達に拍手してもらえるほど私は私が思っている以上にその曲もダンスもしっかり覚えてて心底驚きました
緒川さんの言う通りカメラも回ってましたけど...あれ私のところはちゃんとモザイクかけてくれますよね?信じてますよ?ジャパニーズNINJAさん
どうする?安価下
(特になければ本番スタート)
(マリア(まぁデュエットを組む子の正体は翠、貴女なんだけれどね)
緒川(すみません翠さん...ご愁傷様です)
ウェル(馬子にも衣装とはこのことですねぇ))
・・・
その後舞台や機材やタイムスケジュールの最終チェック、お昼休憩等を挟み(私もお弁当を貰えました)、遂に本番が始まりました
マリアさんを始めとする幾人かのアイドル達が連続でそれぞれ行なっていく合同ライブ
単独でステージに上がる人もいればグループの人達もいます
私は仕事が回ってきていないスタッフの人達や緒川さん、あと変態と舞台袖でそのステージを見ていました
翠「ある意味では最高の特等席ですね」
間近とはいえアイドルの姿は後ろからしか見えませんが、これからステージに行く人、やりきった顔で戻ってくる人を間近で見られるここは最前列とはまた違った意味ですごくいい場所です
言うほどアイドルオタクではない私でもすごく興奮してきました
予想の斜め上を突き抜けるようなことをさせられましたが、マリアさんには感謝しかありません
なんて思っていた矢先
「た、大変だー、次の次の曲でマリア・カデンツァヴナ・イヴさんとデュエットを組む予定だった子が急に来られなくなったー」
「ナ、ナンダッテー」
スタッフさん達が急に騒がしくなってきました
えっと...何かトラブルでしょうか
マリア「参ったわね...」
翠「あ、マリアさん」
少し前にも見た衣装、リハーサルの後は一度また普段着に戻っていましたが、今はそろそろ出番の為またそれに袖を通しています
翠「何があったんです?」
緒川「実は、マリアさんとデュエットを組むはずだった方が急に来られなくなったそうでして」
翠「ええぇっ!?」
いやそれだいぶ不味いじゃないですか!デュエット用の歌、ダンスのためマリアさん一人でってわけにもいきませんよ!?
翠「な、なら翼さんに」
緒川「いえ、それは流石に各方面への説明が」
大人の事情というやつですか...
翠「な、ならいっそ飛ばすとか...は、無理ですよね、ある意味今日のライブのメインの一つですし」
このライブは明言はされていませんが、主役に当たる人はマリアさんです
他のアイドルの人達もそれは察していますし、そもそも宣伝の時に常にマリアさんのことが挙げられている時点で見にきた人達、中継をテレビで見ている人達もわかっています
そしてマリアさんが歌う予定の曲も当然すでに発表済み
せめて、せめてその急に来れなくなってしまった人の代わりでもいれば...
「...いるじゃないか、完璧に歌とダンスを覚えている子が」
「あぁ、彼女ならなんとかなるか」
「ソレダ」
翠「...え?」
気が付くと周りのスタッフ、それからマリアさん緒川さん変態が全員私の方を向いていました
マリア「...翠」
翠「...ま、待ってください、少し落ち着きましょう」
マリア「いってくれるわね?」
翠「いやいやいやいや」
緒川「メイクさん!翠さんに大至急メイクアップとヘアスタイリングを!」
だ、ダレカタスケテ-!!!
・・・
緒川「大丈夫です、翠さんならやれます」
マリア「もし何か間違えても私がフォローするわ」
現在例の衣装を着させられメイクとヘアスタイリングまでされピンマイクを付けられた私はさっきまでとは別の理由で舞台袖に立っています
無理無理無理無理
絶対無理ですってこんなん!
翠「だ、ダメですよ、私なんかにそんなアニメみたいなこと」
たまたま居合わせた人がアイドルの代わり?それなんてアニメ?いや本当に
脚も声も震え、すぐにでも逃げ出したい気持ちでいっぱいです
あぁ、やっぱり受けない方が良かったんでしょうか
ウェル「情けないですねぇ」
そんな私の姿を見て腕を組みながら鼻で笑うのはやはり変t...ウェル博士
翠「だ、だって」
ウェル「君は『受けた仕事はちゃんとやる』と言いました、それを今更覆すと?」
翠「それは...」
ウェル「散々僕のことを馬鹿にしておいて、君自身はロクに自分の発言に責任も持てない、所詮はその程度のお子ちゃまだったというわけですねっ!」
ぐぬぬ...
翠「...わかりましたよ」
マリア「翠...?」
翠「わかりましたよっ!やればいいんでしょうやれば!!」
そこまで言われたらやってやろうじゃないですか!!
翠「見てなさいこの変態眼鏡っ!きっちりやりきって見せますよッ!!」
アイドルの代役だろうと何だろうとかかってきなさいっ!!!
私はそう意気込み、すぐそこに迫った出番に覚悟を決めました
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
マリア「...やるわね、ドクター」
緒川「これは予想外ですね」
ウェル「この程度で怖気付いてもらっては困りますからね」
リハーサルで見せたあの動き、あの歌、あの笑顔、あの輝き
それがあの時限りの幻覚でないのなら...
さぁ見せてごらんなさい、君のステージを
「...あの」
とりあえず意趣返しが上手くいきそうだとほくそ笑んでいると、僕に話しかけてくるスタッフが一人
ウェル「何か?」
まさか此の期に及んでやはり今回の計画は無しだとでも言うつもりじゃないでしょうね
「じ、実はずっとお礼が言いたくて!」
ウェル「...お礼?」
「以前起きた怪獣騒ぎの時、貴方に助けられて、それでずっと...あの、変なタイミングになってしまったんですけど、助けていただいてありがとうございました!」
目の前のスタッフはそう言って頭を下げた
ふむ、ネフィリムとゴライアス、それから黒いノイズ...あれらが暴れていた時は確かにこの僕もネフィリムの腕を用いてその戦闘データを集めていましたね
よもやその際その場にいた人間とこんなところで巡り会うとは
「もうダメかと思って、そんな時に貴方が来てくれて...貴方は私にとって英雄です!」
ウェル「っ!...英雄?僕が?」
『英雄』
僕が焦がれ続け、やがて諦めてしまったもの
「はい!」
まさか、その途端に手に入るとは
ウェル「僕が英雄、ですか」
あぁ、どうしてこんなにもこの世界は...
ウェル「その礼、ありがたく受け取っておくとしましょうか」
「こ、これからも頑張ってください!それじゃ!」
僕に言いたいことだけ言って持ち場に戻っていくスタッフ
やれやれですね
マリア「...今日は槍でも降るかしら」
ウェル「ほとんど助けた礼も言われたことがないのに先を越されたことが悔しいかぁ?」
緒川「しかし今日は驚きの光景ばかり目にしています」
心外ですねぇ、僕にかかれば礼などじゃんじゃん言われるようになるというに
ウェル「英雄...」
思わぬタイミングで転がり込んで来たその称号
世界が認めたわけではない、今はたった一人だけが僕をそう呼んでくれたに過ぎない
ウェル「だが、それでいい」
僕は離れたところでふんすと鼻息荒く気合いを入れる一人の小生意気な少女を見つめる
見ていろ世界、これから僕は英雄になるのではない
英雄(アイドル)を、創っていくのだ
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
『翠』「いや待ってこれどういう状況!?」
途中から翠がリハーサルで踊ることになったりして、あの時の選択が間違いだったかもと思いつつ『私』は『私』でこっそりフルシンクロ解いて奏さん達と翠の様子を見ていたわけだけど
奏「乗せられてないか?あれ」
セレナ「マリア姉さんとデュエット...それもあんなすごいステージで...大丈夫かな、翠ちゃん」
翔子「面白...大変なことになりましたね...」
今翔子さん面白いことって言いかけなかった?
兎にも角にも...どうしよう
多数決安価下1~3
1 『翠』ちゃんもフルシンクロして共有
2 いやまぁアイドルは翠ちゃんにだけ押し付ければいいか
『翠』「う~ん...」
翠はアイドルの代理に抜擢された
マリアさんも他の人達も抜擢したのはあくまで翠であって『私』じゃない
『私』は翠と一緒にこの仕事を受けると決めた
決めたけど...
『翠』「『私』は『受けた仕事はちゃんとやる』とは言ってない」
小狡い考え方な気もするけど、まぁそもそもアイドルの真似事をしたいかって聞かれたらNOだし
『翠』「よし、ここは翠に頑張ってもらおう!『私』はせいぜい応援させてもらいますよっと」
奏「お~?お前はアイドルやんねーの?アイドルなんかやりたくねーってか?そしたらお姉ちゃんちょっと泣いちゃうよ?アタシこれでも元アイドルだよ?」
『翠』「いやいや、ツヴァイウィングのファンだって言ってるじゃないですか、『私』はやっぱり見る専門、応援する専門だと思っただけですよ」
大体泣き真似にしてもニヤニヤが隠せてないよ、奏さん
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
響「そろそろマリアさんの番かな!」
弓美「新しいサイリウムの用意完了!」
未来「何本持って来てるの...?」
詩織「それが板場さんですから」
S.O.N.G.の人達や装者のみんな、学校の友達で本部に集まってライブの生中継を見るのはもう何度目だろう
響は相変わらずよく食べる
今日は翼さんもこっちにいるからやっぱり参加しないんだね
切歌「翠さんもあそこで今日は働いてるんデスね」
調「マリアのサポート、頑張ってるのかな」
朝子猫ちゃんの散歩に翠ちゃんも誘ったらしい切歌ちゃんと調ちゃん曰く、翠ちゃんは散歩した先でマリアさんに拐われたらしい
そもそも本当なら翠ちゃんもここで一緒にライブ中継を見ていたはずだけど、何日か前に急にマリアさんに付き人代理を頼まれたのだとか
...あれ?そういえばアキさんもいない?
『凜音』「少し残念ですけど、蒼井さんもきっと頑張ってますよね」
夢姫「えぇ、離れていても、ですわ!」
この二人は最近あまり翠ちゃんとゆっくり話せていなかったりして、そういう意味でもこの時間を楽しみにしていたらしいけど...うん、いい子達だよね
翠ちゃんは良いお友達に巡り会えてるよ
友里「ステージが暗くなったわ、次の人の番ね」
藤尭「スポットライトが!マリアさん...と、もう一人?」
テレビ画面に映る会場のステージ、ライトに照らされている人は二人
片方はマリアさんだけど、もう一人の小柄な女の子は...って、えぇ!?
クリス「アイツあんなとこで何やってんだ!?」
翼「...やはり、こうなったか」
夏菜「翠さん...!?」
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
いざステージに上がってみると、観客の前に立ってみると
心臓がばくばくと破裂しそうなくらい緊張してきました
翠「ぁ...」
心なしかお腹も痛くなってきた気もしますし吐き気もあるような...
脚も震え、頭の中が真っ白に
そして何より、観客の人達の視線が...『異物を見るような目』が私に突き刺さってきます
『知らない子が出てきた』『あの歌姫マリアと肩を並べるつもりか?』『何かの手違いじゃない?』『お前は誰だ』
後ろ向きな感情ばかりが湧き出し、いつしかそんな幻聴まで聞こえてくるようになりました
事実私は彼らにとって知らない存在
それは『アイドルとして』ということですが、段々と私の中でそれは『この世界にとって』というものへと変わっていきます
『いないはずの存在』『存在そのものが異物』『完全なるイレギュラー』
あぁ、目線が怖い
声を聞きたくない
泣きそうに、逃げそうになったそのとき
奏《シャキッとしろ!前をよく見ろッ!》
翠「っ!」
奏《よく見ろ、観客は確かに戸惑ってる、だけどそれがどうした!》
奏さん...?
奏《代役なんだとしても、お前が何なんだとしても、今この瞬間はステージに立つ主役の一人だ!誰が何を思おうが関係ない!》
横に立っていたマリアさんがそっと震える私の手を握り
マリア「大丈夫よ、貴女は一人じゃない」
観客のいる正面を向いたまま、私にだけ聞こえるようにそう言ってくれます
奏《そうだ、何も恐れることなんてない、いいか翠...魅せつけてやれ、お前という存在を、決して否定させないくらい、思いっきり》
翠「...」
気がつけばあの怖かった目線も声も消え、ただ観客の人達の困惑したような、そしてほんの少しだけ...自惚れでなければ期待するような、そんな姿が目に映りました
脚の震えもいつしか止まっています
マリア「もう大丈夫そうね」
照明が切り替わり、曲のイントロが流れ始めました
えぇ、もう大丈夫です
魅せつけてやれ...ですか
果たして私にそんなことが出来るのか...でもこうなったら、全力で歌って踊って、そして楽しんでみせましょう!
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
やはり僕の目に狂いはなかった
ウェル「ははは...はははははっ!」
ステージで歌い踊る蒼井翠の姿を見て、僕は確信した
ウェル「素晴らしい...素晴らしいですよ、蒼井翠ッ!」
ステージに上がってすぐの不安そうな姿から一変、全力で楽しむという一見簡単そうに見えてもっとも大変なそれを彼女は成し遂げてみせた
何より今のステージを見ていて、暫く振りに心が踊った
そのやキラキラ輝く姿に、気がつけば心から彼女を応援していた
ウェル「最高じゃないですか...!」
僕は決心する、必ずや彼女を立派なアイドルに...英雄にプロデュースしてみせると
単なる嫌がらせなどではない、これはきっと僕に課せられた使命であり運命
いやむしろ、この出会いこそが運命だったのかもしれない
ウェル「君の伝説は、ここから始まる...!」
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
緒川「お疲れ様です、翠さん」
マリアさんとデュエットした一曲が無事終わり、私は舞台袖に戻ってきていました
ぶっちゃけ心身共にヘトヘトです...
翠「マリアさんは...続けてまだやるんですね」
すごいですね、マリアさんは
きっと翼さんもこうなのでしょう、今日来ていた他のアイドルの人達も
翠「本当に、すごい...」
・・・
マリアさんの最後の一曲が終わり、MCが始まりました
いつもならファンに対する感謝の気持ちや軽いトーク、ライブやCDの告知なんかがあったりします
あぁ、そういえばここで重大発表とかやるんでしたっけ
マリア『みんな、今日は来てくれてありがとう、私のファンも、私以外のアイドルのファンも』
舞台袖から見えるその後ろ姿は心からそう感謝の気持ちを感じているのがひしひしと伝わってきます
当然会場の客席からもそれはわかるでしょう
マリア『ところで、今日は今日参加した他の子達と全員でここに立つ前に、私から重大発表をしようと思っているの、だから他の子待ちの人達はもう少し待ってね?』
そう言ったマリアさんは観客に背を向け、こちらに歩いてきました
舞台袖に用?何か持っていくんでしょうか
と、その時初めて周りの人達...他の共演者だったアイドルの人達もスタッフさん達も緒川さんもあの変態までもが、私の方を見てニコニコ、あるいはニヤニヤしていることに気が付きます
...え?
マリア「翠、ちょっと一緒に来てくれる?」
...え?え?
そのままステージに連れられ、一番観客の人達によく見えるところまで来させられました
そしてマリアさんは私の肩に手を置き
マリア『紹介するわ、私の秘蔵っ子...本日デビューした私の後輩、蒼井翠よッ!』
ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?!?!?!?!?
・・・
その後謎の盛り上がりを見せる観客を前に何がどうなったのかよくわからないまま合同ライブは終わり、気がつけば打ち上げ会場に移動していました
どうする?安価下
(女神「きゃー!翠さーん!!」
薫「急に団扇だのサイリウムだの用意してほしいなんて言われた時はどういうこっちゃと思うとったけど...えらいことになってしもたね、スイちゃん...きゃー!こっち向いてやー!スイちゃーん!」
観客A(あの子の名前、結局ミドリちゃんなの?スイちゃんなの?))
スタッフさん達にアイドルの人達、そのアイドルの人達のマネージャーさんやら付き人やらの人達
もちろんマリアさん緒川さんあと変態も
要はさっきまで会場にいた関係者全員で場所を変えただけなようですが
緒川「ここはよく貸切で打ち上げに使わせてもらっているお店なんですよ」
へぇ、さいですか
いやんなことはどうだっていいんですよ
あ、オレンジジュースどうも、丁度喉が渇いてて...じゃなくて
翠「で?それはそれとして今回の主犯は誰ですか?」
ドンと中身を飲み干したグラスをテーブルに置き、私は怒りを抑えてそう尋ねました
料理やらつまみやらを頼んでいる人達も肉を焼いている人達も私の声に動きを止め、それから「あー...うん、どんまい」みたいな顔に
ウェル「それはこの僕、ドクターウェェェェェルッ!!!!」
翠「テメェですかこの野郎ッ!!!」
そんな気は薄々してましたよこんちくしょう!
お偉いさんも多分この中にいる...というかいるのを見つけましたがそれに構っている暇もなく思わず汚い口調になりながらグラスを変態に向けて投げつけてしまいました
幸いお偉いさんも他の人達もニコニコしてますしグラスは緒川さんが空中にあるところを瞬時に回収しましたが
翠「どういうつもりですか一体!!!」
ウェル「どういうつもり?君をアイドルに仕立て上げるつもりですが何か?」
この変態話が通じないタイプです
知ってました
翠「このッ...~だぁっ!」
いけません、これ以上やったら死人が出ます
それはマリアさんに迷惑がかかるということ
一度冷静に、冷静に...
大きく深呼吸をしてから席に座り直し、新しく緒川さんが注いできてくれたリンゴジュースを一気にあおります
翠「マリアさん、それと緒川さん、少なくとも貴女達共犯ですね?」
マリア「ぎくっ」
この人本当に口で『ぎくっ』って言いましたよ
あと緒川さんは困ったような笑みを浮かべても許しませんよ
緒川「ここにいる全員に予めこうなることを伝えておき、本番一芝居打ってもらいました」
マリア「元々私とデュエットする予定の突然来れなくなったアイドルなんて実在しなかった、そういうことよ」
翠「マリアさん後でししょーの地獄モードの特訓予約しときますから」
マリア「待って!」
待ちません
私は誰も許しません
翠「言いたいことは山ほどありますけど今ここでいうとせっかくのご飯が不味くなるので文句と説教は後で言いますけど...どうするつもりですかこれから」
ウェル「おや、今更撤回は出来ませんよ?それに...君自身の言葉で今この国、いや世界が注目し始めていますし」
翠「は?」
ワッツ?今なんと?
「ほれお嬢さん、覚えてないならコレ」
翠「えっあっどうも」
やや貫禄のあるスタッフさんに手渡されたタブレットにはライブ後のインタビューの映像が映し出されていました
丁度私の場面...あれ?インタビューなんて受けましたっけ?
『デビューした今のお気持ちを一言お願いします』
翠『いや、あの、何が何だか』
『マリア・カデンツァヴナ・イヴさんの秘蔵っ子ということですが、普段から交流はあるんですか!』
翠『えっと、はい』
『あの歌姫マリアとのデュエットがデビューの舞台となったわけですが、やはりそれは今後も肩を並べられるほどの存在を目指したいと?』
翠『いや、まぁ』
『ということは、目指すはトップアイドルですか!』
翠『あっはい』
『『『おおおっ!!!』』』
翠「えっ誰ですかこれ」
その場にいた全員が私の方を指差してきました
緒川「トップアイドル、頑張ってください」
マリア「早くもライバル候補ね」
えっいや、えっ!?
翠《『翠』!?》
『翠』《今回『私』も奏さんもセレナさんも翔子さんも何もしてないよ、それ言ったのは間違いなく貴女》
えっえっえっ!?
いやいやいや、何でこんなことに!?いつ?どこで?誰が?あっ私ですか
翠「はいぃぃぃぃ!?!?!?」
あー...頭痛くなってきました...
ウェル「ちなみに君をプロデュースするPはこの僕です」
この時私が反射的に投げ付けようとして空中を舞ったタブレットを素早くキャッチした緒川さんはソレを貸してくれた貫禄あるスタッフさんにとても感謝されていました
・・・
翠「はぁ...」
用をたすわけでもなくトイレの個室に入って腰を下ろした私は深く深くため息をつきました
相変わらず席の方だと皆さんまだまだ盛り上がっていることでしょう
翠「どうしてこうなったんですか...」
本当頭痛い...
『翠』《それは純粋にアイドルになったことに対して?それとも》
翠「どっちもですよ」
それはまぁ頭痛の原因の大部分です
むしろほぼそれです
で、それ以外に当たるのは
翠「百歩...千歩譲ってアイドルになってしまったのはもう諦めるとして...世界をめちゃくちゃにした私がそんなことをのうのうとやっていいんですかねぇ」
アイドル活動は楽しいだけではない、ある意味地獄
なんてことも何処かで聞いたこともありますが、それは置いておくとしてです
月ドンした私がよりにもよってアイドルて
『翠』《おっとそれは世界に宣戦布告したアイドル大統領に対しても失礼じゃないかな?》
翠《あの人結局未遂でしょう...》
あの人は『ただの優しいマリア』であって私は『ただの自分勝手な翠』ですよ
翠「なるようになれ、なんて簡単には思えないんですけど...はぁ...」
かといって今ここで悩み続けても便秘疑惑が浮上するだけですし...一旦置いておきましょう
翠「そういえばあの後切歌さん調さんってどうしたんでしょう」
そう思ってスマホの電源を入れると...うわっ、LINEも電話もとんでもない数がいろんな人から
翠「とりあえず切歌さんに電話を...」
prガチャッ
早っ
切歌『翠さん!?あれどういうことデスか!?えっ何でいつの間にアイドルになってるんデスか!?』
翠「えっとそれは私もまだよく」
切歌『なんかマリアのひぞうっこ?とかって...あっちょっ』
夢姫『どういうことなんですの!?翠さんちゃんと説明をしt』
『凜音』『知らないうちにアイドル目指してたんですか!?しかもトップアイドルっt』
夏菜『付き人代理じゃなかったんですか!?てか今どこにいるんですか早く戻ってきて説m』
弓美『アニメみたいねっ!!!』
翠「あの...一旦切歌さんか調さんに繋いでくれません?」
代わる代わる電話先が...これじゃあ話が進みません
切歌『やっと戻ってきたデス...』
翠「すみません、説明...説明?私もよくわかってませんがそれは本部に戻ったらさせますので、それよりあの後メヌエットさんとかどうなったか聞かせてもらえませんか?というか今どうしてます?」
切歌さん調さん子猫withメヌエットさんあの後どうなって今どうなってる?安価下
(ここを聞いた後キャロルちゃんドーンからのレイアさんもドーン)
切歌『あー...あの後起きてから調2号のこと撫でてたデスよ、なんか「忘れないでいてくれたのか」って言いながら』
そりゃ貴女前の日まで一緒だったんですから忘れないでしょう...という冗談は置いておいて
身勝手に捨てた身でありながら未だ慕い懐いてくれるというのは彼女にとって純粋に嬉しいことなのでしょう
翠「そうですか...」
切歌『あとすっごく疲れてそうだったデス、聞いたら前日無茶したせいで体力が回復してないって』
翠「でしょうね...エナドリでも差し入れましょうか」
切歌『多分それは違うと思うデス』
エルフナインちゃんだったら多分喜びますよ、エナドリ
私?私は牛乳とプロテインがいいです
調『それと、変な集団がいた』
おぉう調さん急に
代わる前に一度宣言してくれるとありがたいんですが
調『学校の先輩達と同級生と...あと翠と同じ学年くらいの子達も』
翠「そんな年齢層様々な集団が?」
調『みんな団扇とかサイリウムとか手に握ってた』
団扇とかサイリウム
調『今考えてみると翠の名前書いてあったような』
私の名前
調『あとアキさんが引率してた』
女神様かよぉぉぉぉぉっ!!!!!
はっ!いけませんいけません、怒りのあまりつい口調がジャンプみたいになってしまいました
とりあえずその話が本当なら女神様もグルと見なして後でOHANASHIですね
調『それで、そっちは大丈夫?』
翠「え?」
調『大方マリアに騙されてこうなった、違う?』
翠「流石調さん、ようやく理解者に巡り合えた気がします」
調『最近マリアの様子がおかしかったから...あとマムもドクターも』
翠「ナスターシャ教授までグルの可能性が...」
勢力デカくないですか?どんな計画に私は巻き込まれてるんですか?ここまで来ると全人類アイドル化計画とか言われても疑いませんよ?
いえ、私以外の装者のみなさんや友人達がアイドルになるとかだったら多分全力で応援とサポートしますけどね
翠「あぁそうそう、それで肝心のメヌエットさんは今どうしt」
調『きゃっ!!』
調さん!?
調さんの悲鳴と僅かな雑音、しかしこれだけでは情報が足らな過ぎてどういう状況なのかわかりません
翠「調さん!?今そっちどうなって』
調『くっ...キャロルに響さんのお友達の人が一人拐われた』
いや本当にどんな状況!?
調『そしてレイアが来た』
翠「わかりましたとりあえずそっち向かいます」
何もわかりませんよ、何が起きてるんですか...
・・・
トイレからダッシュで出て席の方にいるマリアさんに声をかけました
翠「マリアさん!」
マリア「えぇ、話はこちらにも届いたわ、翠は急いで戻りなさい、私はキャロルを追う」
緒川「すみません、僕達は一度抜けさせていただきますね」
マリアさんは店を出ていきます
私もスタッフさん達に軽く挨拶を済ませた緒川さんと共に店を出て本部へ向かいました
変態は知りません
コンマ下1
奇数 キャロルちゃんと鉢合わせ(マリアさんもいます)
偶数 本部へ着く
どうする?安価下2以降
(昨日は出来ずじまいで申し訳ありませんでした...)
・・・
本部のライブ生中継視聴会場に着くと何というか...酷い有様でした
いえ、部屋が大荒れとかではありません
天井に大穴は空いてますがそれよりここにいる皆さんがお通夜みたいな空気...OTONAの人達がいませんがおそらく司令室の方にいるのでしょう、現に緒川さんはそっちに向かいました
響「どうしよう、だって、嫌、わたっ、私がっ」
翠「響さん...?」
響「私が、呪われてるから、またみんな私の前からっ」
いけません、響さんがかなり参っている様子
まぁ無理もないでしょう...
翠「落ち着いてください響さん、いえ落ち着かなくても構わないので一度冷静になりましょう」
こういう時落ち着こうにも落ち着けるものではありません
が、冷静にはなろうと思えば案外なれてしまうこともあります
言い方一つ違うだけで大分変わってくるものです
響「はぁ...はぁ...っ...っふぅ...」
よし...こういう時いつもなら未来さんがどうにかしていそうですが、おそらく未来さんも参っているのでしょう
未来さんで思い出しましたがこの響さん、未来さんがF.I.S.に拐われたりそういうイベントがなかったせいで『大切な存在が拐われる』っていう経験がない気が...なら狼狽えてしまっても仕方がありません
私はフィーネさんに拐われたりしましたけどまぁそこまでの存在ではなかったでしょうし
夢姫「ぁ...翠、さん」
創世「オイミー...」
翠「...キャロルちゃんの方には今マリアさんが向かっています、とりあえず詳しいことを聞かせてください」
ただでさえ自分のことでも今いっぱいいっぱいなのにこれですよ...
・・・
拐われたのは寺島さん
今翼さんとクリスさんもキャロルちゃんをそのまま追っているらしいです
夏菜「私と切歌さんと調さん、それに響さんと未来さん...はショックが大きくて難しいかもしれませんが、念の為ここに残されています」
翠「レイアさんのこともありますし、留守にするわけにはいきませんよね...」
モニターに映し出されている一室
取り調べ室というほどのものではありませんが、いわゆる事情聴取云々用に設けられた部屋です
防音に優れ、それでいて監視カメラとマイクがあるため他の部屋でも回線を繋げば中の様子を見ることが出来ます
そして今その部屋には椅子に座らされているレイアさん、そして対面に座るエルフナインちゃんとししょーがいるのが映し出されています
エルフナイン『教えてくださいレイア...何故キャロルは詩織さんを?いえ、それ以前に...『アレ』は『何』ですか?』
弦十郎『あのキャロルくんは資料や彼女達からの話によって見聞きしたものとはかけ離れていたようにも感じる』
エルフナイン『『アレ』は僕の知るキャロルと同じには見えません...何があったんですか、そして何をするつもりなんですか、キャロルは』
レイア『...計画を話せというなら全て話す、自壊しろと言うのならこの場で直ぐにでもするッ!だから...だから頼むッ!マスターを!我らが主をッ!父親より託されし命題を忘れてしまった主をッ!...どうか、止めてくれ...ッ!』
必死に頼み込むその姿にはいつも「地味は似合わない」「派手に行く」等冷静、それでいて高圧的な態度を取るレイアさんの面影はもはやありません
だからこそ私はそれを見て思わず目を見開きました
これまで何度も経験し理解してきたつもりではありましたが、やはりここは...この世界は『私が知る原作とは大きくかけ離れてしまっている』ようです
夏菜「なりふり構っていられなくなった、そんな感じですね...」
翠「そう、ですね...」
私の知らない展開はこれまでも何度も何度もありました
けれど、あのレイアさんが頭を下げるほどの事案...
切歌「っ!?み、みんなテレビ見るデスよ!キャロルが!!」
その時切歌さんのその一言によりその場にいた誰もがテレビ画面に目を向けました
ライブの生中継を見ていてそのまま付けっ放しになっていたテレビ
私も含め誰もがそのテレビから流れてくる音も映像も気に止める余裕がなく、私に至っては別に設置してあるモニターばかり見ていてスルーしていましたが
『凜音』「電波ジャック...」
そこから流れている映像は明らかに正規のものではなく、たまに入る砂嵐がだんだん減りキャロルちゃんの姿がはっきりとしてきました
いえ、もはやあの姿を見て私は初見では原作知識を持っていてもキャロルちゃんだと判別するのはおそらく不可能でしょうが
キャロル『見えているか、人間達』
テレビ越しに見える彼女は何故かもう昨日会った時に感じた話しづらさというかどこかカタコトが混ざるような話し方をしていません
それ故に一瞬『本来のキャロルちゃん』に戻ったのかと思いましたが
キャロル『お前達に伝えるべきことはたった一つだ』
ですが、今度はまた違った違和感が
まるでそれこそ『キャロルちゃんではない別人の誰か』が話しているような
キャロル『この世界の全生命体を直々に滅ぼす』
それは明らかな宣戦布告...いえ、宣言
そして周りがはっと息を飲む中私はそれを聞いて思います
キャロルちゃんらしくない
と
弓美「...詩織は...詩織はどこ!?詩織をどこにやったのよッ!ねぇっ!!」
板場さんの叫びがテレビの向こうに届くことはなく、まるで言いたいことは言い終えた、そう言いたいかのようにキャロルちゃんの一方的な放送は終了しました
理由も、時間も、方法も
何一つ明かされないまま
少なくともわかったことは、翼さん達はおそらく追跡に失敗したということです
どうする?安価下
(メヌエットさんの残された時間、あと1日)
undefined
・・・
寺島さんが拐われていること、それに加えてさっきの放送のこともありキャロルちゃんのことは早急に対処しなければいけません
夢姫ちゃんや『凜音』ちゃんにはそれぞれの部屋へ、板場さんと安藤さんには客室へ移ってもらい、私達はレイアさんに会いに行きました
未来「あの、クリス達から連絡は」
弦十郎「まだ無い、あるいは未だ追跡を続行しているのかもしれないが...」
それでもキャロルちゃんがあんな放送を出来る余裕があるとすると...
仮にあの放送があらかじめ撮影してあった映像なら別ですが
翠「とにかく寺島さんの救出が最優先、ですよね」
エルフナイン「レイア、キャロルがいそうな場所、行きそうな場所を教えてください」
レイア「あぁ」
・・・
聞き出したいくつかの場所を地図に書き込み、捜索班が向かわされます
その中には海外もありました...キャロルちゃんがテレポート出来てしまうため無いとは言い切れません
ただ私のテレポートジェムも安全性の問題で使えず、結果他国に入る為の国同士のやり取りで無駄な時間を使うわけにもいかないので緒川さんがその辺頑張ってくれてます
切歌「ならアタシ達が向かうのはやっぱり」
調「相手の本丸」
エルフナイン「チフォージュ・シャトー...」
チフォージュ・シャトーは原作で位相差空間に干渉する技術を垂直展開させて東京の中心に出現させたことからもわかる通り、ぶっちゃけどこでどう作っているのかよくわかりません
エルフナインちゃんも逃げた後移動した可能性があってわからないらしく、わかりそうなレイアさんもテレポートしてこっち来てますし
エルフナイン「ですが可能性としては一番大きいのはキャロルの居城でもあるここです、何としてでも場所を特定してみせます」
ネロ「後でご飯沢山くださいね~」
地球上のどこかで作っている可能性の他にそれこそ位相差空間の中で作っている可能性もあるため、そこはソロモンの杖を吸収しているネロさんの出番です
まぁノイズがいる位相差空間と同じとは限りませんが、そう離れ過ぎていなければ感知くらいは出来るとのこと
響「うん、絶対に助ける、助けなくちゃ...絶対に...っ」
未来「響っ!」
響「っは...っは、っふぅ...だ、大丈夫、平気へっちゃらだよ、未来」
響さんは響さんであれ以降短い間隔で軽い発作が起きてしまっています
取り乱した様子はもうありませんが、よくない予兆かもしれません
もしこれがなんちゃってイグナイトを発動しようとしたタイミングで起きてしまったら...いえ、その時はその時ですよね
しかし、これはまた...
夏菜「...翠さん?」
翠「あぁいえ、何でも...」
地図を凝視しているのが気になったのか夏菜さんが声をかけてきました
誤魔化しはしましたが、どうにも放っておけないことが多々あります
キャロルちゃんが行きそうな場所の中にある『風鳴八絋邸』
そういえばレイアさんの妹さんが暴れまわっていたときにいくつかの神社や祠が破壊されたと聞きました
例えば例の海岸近くの神社とか
翠「それにここも...ですか」
気になる場所はもう一箇所
『八重垣神社』
とはいえここは原作も関係なく個人的に気になっただけなので今はスルーしても
夏菜「...翠さん、少しいいですか?」
翠「ん?」
・・・
翠「どうしたんですか、夏菜さん」
夏菜さんに連れられて部屋を出た私は、手を引く彼女にそう尋ねました
夏菜さんは何の理由もなくこういうことをする人ではないはず、となると何らかの用事があるのでしょう
夏菜「半分くらい人間辞めてる翠さんを見込んで、これを貸与しようと思います」
翠「ん?前半聞こえなかったのでもう一度お願い出来ますか?」
夏菜「複数どころか今のところ試したシンフォギア全て起動出来るとかいう可笑しな生体の翠さんならきっと使いこなせるはずです」
何故でしょう、夏菜さんの当たりが強い気がします
最近夢姫ちゃんや『凜音』ちゃんのストッパー役を押し付け...任せていたからでしょうか
それともやはりこんな時にアイドルなんかにうつつを抜かしていたから?いやでもアイドルは私のせいじゃないんですって
と、夏菜さんが渡してきたのは小さな機械
前に使わせてもらったフライユニット...のようですが、見た目が若干変わっているような
翠「これは?」
夏菜「これには2号機から4号機までのパーツを取り入れてあります、いわば改良版の決戦仕様」
翠「モノスゲーイ仕様のフライユニットってことですか」
夏菜「えぇまぁそれでいいです」
初号機のを使っていないのは流石に自重したってことですかね
夏菜「私でもこれは反動が大きく使いこなせません、が、多分翠さんなら何だかんだ抑え込めると思います」
翠「ねぇ夏菜さん、それを私を信じて託してくれるのはありがたいんですけどもしかして私のこと脳筋扱いしてません?」
夏菜「三度の飯よりプロテインが好きな」
翠「誰が単細胞で筋肉バカですか」
えっ何これいじめ?いじめですか?
夏菜さんに私何かしましたっけ?
夏菜「ただ、当然ですが動力源の一部に聖遺物を用いているこのフライユニットの真価を発揮するにはフォニックゲインが必要です、そして...計算上、全ての機能において性能を完全に引き出そうとしたらそれこそシンフォギアシステムを限定解除するのと同等のフォニックゲインが必要です」
翠「えっじゃあ使えないじゃないですか」
夏菜「だからこそ、一応そうしなくとも十分な力を発揮出来るようにはしてあります」
逆にそれでも足りないのなら通常のギアでも勝てないかも、ということですかね
それとも、だからやってみせろ、とでも言いたいんでしょうか
後者はないと思いたいです
翠「わかりました、ありがたく使わせてもらいます」
夏菜「でもくれぐれも無理は禁物ですよ...知らないうちにアイドルになっていたようですし」
翠「私に人権なんてなかったと今日思い知らされましたね」
どうする?安価下
(翔子「ノイズ型ギアならイミテーターで一度やったので実質RADIO時空ですね」
セレナ「翔子さん何言ってるんだろう」
奏「さぁ?」)
・・・
ある程度作戦の方針も決まり、あとはチフォージュ・シャトーの座標を割り出すだけ
エルフナイン「キャロルが再度穴を開けてきた為今この潜水艦はテレポートが出来てしまいます、逆に襲撃を受ける可能性もあるため十分注意してください」
穴塞いだ途端にこれですもんね
と、そんな風に思っていたその時、まさに今話題に出ていた錬成陣が床に出現しました
響「っ!あれって!」
調「言ってるそばから...?」
まさかキャロルちゃん...
いつでもギアを纏えるようペンダントを握り締めながら私達はエルフナインちゃんを守るように前に出て身構えます
するとそこに現れたのは
未来「寺島さんっ!!」
詩織「...ぁ、小日向、さん...立花さん、みなさん...」
子猫(切歌さんが言うには調2号、調さんが言うには切ちゃん2号)を抱きしめ震えながらへたり込む血塗れの寺島さんでした
響さんはそれに気付くと真っ先に抱き締めにいきます
未来さんはハンカチを出して寺島さんの髪や顔に付いている血を拭い始めました
響「良かった...本当に...」
切歌「デスけど血だらけデス!早く手当てしないと!」
翠「え、えぇ、アスクレピオスを!」
どうやってテレポートして来たのか、それと何であの子猫まで一緒なのかはよくわかりませんが、無事で何よりです
しかし血だらけになるほどの怪我をしているとなると話は別、そう思いアスクレピオスに手を伸ばします
詩織「ま、待って、ください...これは私の血じゃ」
未来「本当、怪我はしてないみたい...良かった」
夏菜「えっ...ならその血は」
となると返り血?
それが誰のものなのかは次の瞬間判明しました
エルフナイン「また錬成陣が!」
再び出現する錬成陣
そこから今度は重傷を負ったメヌエットさんの姿が
翠「メヌエットさん!?」
メヌエット「...」
駆け寄ると、彼女は立ったまま意識を失っていることに気付きました
それはさながらウォーズm...武蔵坊弁慶のよう
寺島「その方が、助けてくださって...」
夏菜「本当の重傷者はこっち...翠さん!」
わかってますよ!
「Healing almighty Asclepius tron」
せめて傷だけでも塞がって!!
彼女がどのような経緯でこんなボロボロになったのか
それは彼女の足元に転がっているアームドギア...刀身の折れてしまっている砲剣が物語っていました
・・・
寺島さんも念の為メディカルチェックを受け、今は返り血を洗い流し余っていた病衣に着替えてもらって休んでもらっています
板場さんや安藤さんも無事を知って安堵した後今は合流、響さん未来さんも彼女達と一緒に
メヌエットさんは傷自体は塞がりましたが意識がまだ戻っていません
出欠多量の為献血パックと点滴を付けてベッドに寝かされています
子猫は切歌さん調さんの元へ
夏菜「救出作戦は決行する前に終わりましたね」
翠「えぇ、ですがまた来るかもしれません」
誰でも良かったのか、それとも寺島さんでなければいけなかったのか
キャロルちゃんが寺島さんを狙った理由がわからない以上警戒を解くわけには
翠「それに、マリアさんや翼さん達との連絡もまだ...」
メヌエットさんのボロボロな姿を見て、嫌な想像をしてしまいます
まさか、そんなことはないと思いますが...
コンマ下1
奇数 相変わらず連絡なし
偶数 連絡あり
ゾロ目 むしろ帰ってきた
コンマ下2
奇数 ボロボロ
偶数 とりあえず怪我はない
(コンマ下1が偶数かゾロ目の場合のみ採用)
やはりあの時私もマリアさんを追いかけるべきだったかと思い悩んでいると、司令室でネロさんや友里さんや藤尭さん達とチフォージュ・シャトーの座標の特定を進めているエルフナインちゃんから通信が入りました
エルフナイン『翼さん達が戻ってきました!ですが酷い怪我を...』
翠「すぐ出入り口に迎えに行きます!夏菜さん!」
夏菜「はい、私も!」
嫌な予感は半分的中
ですが戻ってきてくれたのならまだ希望はあります
翠「もう一回付き合ってください、アスクレピオス!」
・・・
本部の出入り口に向かうと、そこにはメヌエットさんに負けず劣らずボロボロになった3人が
クリスさんはすでに気絶し、そのクリスさんを背負うマリアさん、そして負傷したのか腕を押さえている翼さん
マリア「この子が一番酷いわ、お願い」
翠「わかってます、でもその前に皆さん纏めて傷だけ治してください」
・・・
で、クリスさんはメヌエットさんと同じようにベッドに寝かせられています
翼さんとマリアさんもまたベッドに移動させられましたが、話が出来る分マシでしょう
切歌「マリア!大丈夫なんデスか!?」
調「翼さんも」
マリア「えぇ、といっても疲労感はどうしてもあるけれど」
翼「だが、助かった、私と雪音だけではあの場からここへ戻ることすらままならなかったかもしれないからな」
夏菜「それで、どうなったんですか?」
翼さん達が持ち帰った情報安価下
(キャロルちゃんとの戦い云々で何か進展があれば)
(なければ特に対策はこれまでと変わりません)
戦況は良かったとはとても思えない惨状ですが、それでも何かしら新しい情報が手に入れば変わってきます
いつの時代でも情報こそ最強の武器
あ、いや、最強とまでは
いやだって、拳一つで全てを覆せそうな人がこの世界には結構いますし
マリア「そうね...まぁ見ての通りキャロルは昨日とは見違えるほどの強さを持っていたわ、むしろこの騒動の始まりの日、立花響と一戦交えた時以上の力かもしれない...もっとも私が直接その時のキャロルと戦ったわけではないから絶対ではないけれど」
翼「それでも、少なくとも我々や...オートスコアラー達すらも凌駕するほどなのは確かだ」
翠「厄介極まりないパワーアップということですか...」
強かったのに一度弱くなって今度はものすごく強くなるとか主人公ポジかラスボスポジみたいですね
キャロルちゃんの場合は後者でしょう
翼「それから、連れ去った寺島については何やら話していたな」
マリア「そうね、彼女の歌には力がどうのって...おそらくは何らかの勘違いでしょうけど」
翠「寺島さんの...歌...」
セイレーンの歌
翔子さんが話していたそれのことを言っている可能性も大いにあります
が、それがどんなものなのかわからない以上私個人でも動けるものでは...
そもそも寺島さんはセイレーンの歌?を唄えることを自覚しているんでしょうか
というかこれこそXDとかAXZで使いそうな内容...5期の可能性もありますけど
ギャラルホルン使って原作世界に行ったり出来ませんかね...あーでも出来ても時間軸同じだとあっちもまだGXかもです...
マリア「彼女もリディアンの生徒、他よりフォニックゲインやシンフォギア装者としての素質は多少高いでしょうけど、それは生徒全般に言えること、それが理由ならあの場にいた彼女の友人、それから貴女の友人も拐われるか、少なくともキャロルが『寺島詩織の名前』を出すとは思えない」
翠「故に単なる勘違いと」
夏菜「あるいは思い過ごし...はた迷惑な話ですね」
フィーネ「それはどうかな、マリア」
コンマ下
01~25 乗っ取りマリアさん
26~50 乗っ取り切歌さん
51~75 乗っ取り調さん
76~98 乗っ取り翠ちゃん
ゾロ目 生身のご本人
(セレナさんがポーズ使えると聞いて)
(シンフォギアシステムって時間干渉も出来るんですね、へぇ...良いことを知りました)
・・・
『翠』「あれ?いつこっち来たの」
翠「今です、追い出されました」
あの人本当暇なんですかね最近よく来ますけど
確かに?月破壊は私の個人的な目的でもありその二次災害的なものは『翠』の目的でしたけど?それでもちびっとはフィーネさんが想いを告げられたらいいなくらいのことは当時思ってましたよ?
それが気が付けばこんな...フィーネさんが私達のことを心配してちょいちょい来てくれているのならまぁそれはありがたいことです
けどもしそうでないのなら逆に心配になりますよ?倦怠期かなとか
奏「了子さんほら、アタシが知ってる方も自由人だったし」
セレナ「私が知るフィーネもかなり自由人...」
翔子「あの人は最初からずっと自由人だったからあんな大物になれたんでしょう」
翠「交際上手くいってるんですかね...まぁ私達の価値観と違っているかもしれませんから何とも言えませんけど」
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
マリア「貴女、その眼...フィーネ!?」
夏菜「またですか」
翼「またか」
別に切歌や調、あるいはそれこそマリアに乗り移ってもよかったけれど、せっかくこの場にいたことだしこの方が早いだろう
フィーネ「質問するがマリア、ノイズのような便利なものを独占出来る状態であるのを放置すると思うか?」
マリア「独占...?」
フィーネ「見ただろう、寺島詩織がノイズの声帯模写によって制御して見せたのを」
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
翠「えっあれノイズの声帯模写だったんですか!?」
『翠』「何その微妙に便利なのかそうじゃないのかわからない特技...」
寺島さん演技が上手いのは知っていましたがよもやそんなマーゲイじみたことを出来るとは
多数決安価下1~3
1...休憩中の翠ちゃんの方を見る
2...(強制)交代したフィーネさんの方を見る
***
2/3票入ったので2とします
***
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
翼「それはつまり、寺島はノイズが発する鳴き声に近い声を出すことでノイズを制御出来る、と?」
フィーネ「そゆこと!うんうん、翼ちゃんは賢いわね~!」
翼「っ!?きゅ、急に櫻井女史にならないでくださいっ!!///」
夏菜「翠さんの声と姿でその喋り方って何か背筋がゾクゾクしますね...」
フィーネ「言っておくけれどここでの会話、今あの子にも筒抜けよ?」
夏菜「ごめんなさい!!本当にごめんなさい!!!」
しかしまさか浅井夏菜、彼女もこんな風に成長するとは...と、今はどうでもいいか
フィーネ「つまりはそういうことだ」
マリア「何故彼女がそんな芸当を身につけているのか気になるけれど、それよりも今はそれが本当ならまたキャロルに狙われる可能性が高い、ということね...待って?それってまさか、そのノイズの声帯模写こそが」
フィーネ「歌、と表現されているということでしょうね」
あの耳障りな鳴き声を『歌』と呼ぶあたり独特ね
あるいはそう見出す何かが隠されているのか...
どうする?安価下
(特になければ帰ります、少しでも脱ごうとしたらソースデス)
フィーネ「...それにしても煩わしいっ!」
ほんの少し思考を巡らせようとしてみれば、やはり衣服...この身を縛るの存在が気になって集中出来ない
これまでのリインカネーションの数々の中で私はいつからかこうして衣服の存在を疎ましく感じていたが、櫻井了子を始めとした多くの場合その個人的趣向は他からは受け入れ難かった
受け入れられずとも構わないが、その個人のこれまでの人生から大きく外れた行動は違和感を生み、やがて私自身の本当の正体に気づかれないとも限らない
だからこそクリスの前で本来の私として振舞っていた時やこうしてすでに正体を知っている者達の前でしか、前でならば解放されることがはっぶっふぉ!?!?
夏菜「翠さん...じゃなくてフィーネさんが急に服全部脱ぎ捨てたと思ったら咳き込みながら倒れましたよ!?///」
マリア「フィーネ!?翠!?えっこれはどっちを心配するべきなの!?翠の身体の喉が危険なの!?」
喉に強烈な痛みが走り意識が朦朧としだす
この感覚、いつかのリインカネーションの際に...そうか、これは
フィーネ「甘いな翠ッ!精神そのものにいくらその死のソースを注ごうとも所詮は我慢すればいいだけのゲホッ」
翼「身体の喉そのものにダメージはない、ある種の錯覚状態か...しかしあれは本当に...くっ」
マリア「なに、まさか貴女あれ経験したことあるの、流石バラエティ枠は違うわね」
翼「いや、バラエティのロケでは」
フィーネ「姦しいッ!!!」
精神世界の方で無言で私にソースを飲ませ続けようとする翠をどうにか制していると
ガラッ
切歌「マリア~、具合はどう...デデデデース!?!?///」
調「また脱いでる...フィーネ?」
子猫を抱く切歌とそれに並んで調が部屋を訪れた
ノックもせずとは...いや、信頼あってのことか?
精神世界の方でバリアを張り一時的に完全に翠を退けた私は一息つき二人の方を向いた
フィーネ「...ほう」
やや顔を赤らめる切歌には特に気になる点はない
が、調は...
フィーネ「どうした調、私に憑依された際の快感が忘れられなくなったか?」
調「っ!///」
切歌「あっちょっとフィーネそれは!」
フィーネ「ふむふむ」
調「ひゃんっ///」
スッと近付き私は調の臀部にスカート越しに手を添え軽く感触を楽しむ
やはり穿いていない
フィーネ「隠れた露出とは良い趣向ね、スースーして気持ちいいでしょう?」
調「~!!!///」
調の耳元に口を近付け、あえて櫻井了子の話し方でそう囁く
彼女は顔をさらにトマトのように真っ赤にしてついにへたり込んでしまった
漫画なら頭からボフッと煙が出ていたことだろう
マリア「...し、調?」
翼「月読、まさか...」
夏菜「月読さん...わ、私はいいと思いますよ?しゅ、趣味は人それぞれですし?」
切歌「あー...だから朝こっそり翠さんに相談しようと思ってたんデス...」
調「違うの...待って、これは違うの...///」
顔を覆い弱々しく否定の言葉を発する調
恥ずかしがることなどないと思うが
翠《勇者...パンチッ!!!》
《パリンッ》
ぶべらっ!?
フィーネ「いっ...私のバリアを破るだと!?翠お前本当になんて怪力をあっやめっやめろっ!わか、わかった着る!着るから骨の間を的確に殴るなっ!!」
どうやら『翠』とフルシンクロし二人分の力で殴ってきていたようだ
いやそれにしても怪力に過ぎる
弦十郎くんはロクな子を育てないわね...そのうちこの子も響ちゃんも憲法に抵触し始めるんじゃないかしら
翼「翠、抗っているな」
切歌「激しいデス」
undefined
・・・
渋々服を着直し、どうにか翠を説き伏せそのまま本部を散策する
と、その途中ふと目に入った病室
中に入るとそこに横になっていたのは人造人間、簡単に言えば人工的に創り出した装者、その数少ない成功例
浅井夏菜とは違い私の管轄外で完成された彼女
フィーネ「しかし脆い作りだ...無理をして悲鳴を上げている部分も多々あるな」
翠《見ただけでわかるんですか?》
フィーネ「伊達に何千年も生きていない、確かお前達の会話を盗み聞k...こほん、盗聴していた内容が正しければ、本来の寿命は明日一日と言っていたな」
翠《言い直した意味...》
フィーネ「だが、この娘が使っていたあの黒い姿、お前達からすればイグナイト擬きといったところか...あれをもう一度でも使えば、おそらくはその一日すら保たんだろうな」
それほどまでにぎりぎりの状態だ
とっくに息途絶えていてもおかしくない
翠《それは...どうにか》
フィーネ「出来たとして、どうする」
翠の今の間
おそらくどうせまたそんな考えれば思い当たりそうなことも『考えついてすらいなかった』のだろう
いつも悪い想像をしないわけでもないのにどこか楽観視しているからな、翠は
フィーネ《よもや寿命を延ばしたい、とでも言うつもりか?》
私は自身も念話に専念しそう尋ねる
帰ってくるのは沈黙
フィーネ《浅井夏菜を救ったのはあれが身体の損傷、それに無理が祟った結果のものだったからだ。だがこの娘は違う、元々与えられた寿命の時点でそう長くは生きられない、それがほんの少し命を削り短くなっているに過ぎない》
この娘の戦い方は文字通り命を削っている
否、寿命を削っていると言っても過言ではない
ならばこそ、これは『寿命が来た』といっても遜色ないだろう
フィーネ《私は寿命という壁をリインカネーションという子孫を食い潰す方法によって理から外れることで超えた、だがお前はそれをこの娘にも求めるのか?》
自分のことは棚に上げている?あぁそうだ
だが、だからこそ言えることもある
どうする?安価下
(メヌエットさんの寿命をいい感じに延ばすというのは出来ません。生死を握ることなら出来なくもありません)
(今度少しでも脱ぐ素振りを見せたらフィーネさんの出番はありません)
(昨日は更新出来ず申し訳ありませんでした!)
翠《...私も、何も無理矢理寿命を操作して彼女の死期を勝手に変えようだなんて思ってません、ましてや不死にさせようだなんて以ての外です》
そう、これはそういう問題だ
元々普通の人間と同じくらいの寿命を持ちそれが何らかの理由で縮められてしまったのならそれを元に戻そうとする者も多いかもしれない
だがこの娘は違う、最初から短いのだ
それを延ばそうとした時どこまで延ばしていいかの基準が存在しない
例えば人生80年とし、80までの寿命とするか?それは逆に言えば『80までしか生きられなくする』ことと同義だ
ならば寿命を設定しなければどうか
それは翠の言ったように不死と呼べるものになってしまうだろう
だが、翠はそれを出来るだけの聖遺物を持っている
だからこそ、よく考え自身でその選択肢を破棄しなければならない
翠《それでもせめて...後一日しか残されていないのなら尚更、出来る限りの願いを聞いて看取ってあげたい...例え安い同情だと一蹴されても》
フィーネ《...そうか》
あぁ、それが最適だろう
何も力を持たぬ者と同じだけのことをし、同じように接する
一度人知を超えた力を『命』に関わることに使ってしまえば、後戻りは出来ない
フィーネ《...永遠に生き続ける自分の在り方を私が悔いることは今後も絶対にない、それがフィーネという存在だからな》
翠《フィーネさん...》
終わりの名を持つ者
それでいて終わりを持たぬ者
それが私という存在...私がそうあろうと決めた存在だ
フィーネ「...でも、貴女の言っていた本来の世界の私が刹那も生きられないような人間に負けたのは、きっと私が永遠の存在だからだと、そう思う時があるのよ」
立花響、風鳴翼、そして雪音クリス
異なる次元で私を打ち取った者達
悪役であった私を退け『終わり』を与えた者達
その結末にさせなかった翠のことを感謝していないなどということは決してない
だが、きっとそれこそが本来あるべき私の『終わり』だったのだろうとも思う
ならば、その『終わり』を受け損ねた今の私には何が残されているのだろう
これから、何が与えられるのだろう
何をすべきなのだろう
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
切歌「調、部屋から出て来てくれなくなってしまったデス...」
フィーネのやつ、もう少しでりかしーというものをデスね...いや、あのぽんぽんすーの全裸ウーマンからしたら今の調は同類みたいなものなのかもしれないデス
切歌「せめて癒しになればと調2号を部屋に送り込んできたはいいデスけど、どうすれば...」
翠さんの身体のフィーネはあの後すぐにどっか行っちゃって、マリアと翼さんはまだ安静にしていた方がいいからとうるさくならないようにお暇して
自室として与えられた部屋に戻るでもなく適当に廊下をぶらつきながら調をどう慰めるか考えていると
切歌「...?」
近くの部屋から司令と緒川さんの話し声が聞こえてきたデス
何の話を...
切歌「ここはこっそり聞き耳立てるしかないデス」
ヒントはどこに隠れているかわからない、聞こえてきてしまった誰かの会話の中には大抵、物語の重要な鍵が隠されている!弓美さん談!
切歌「ここデスね」
何に使われているのかよくわからない、少なくともアタシは一度も訪れたことがない部屋
少しだけドアを音を立てないように開け中を覗いてみると、ビンゴデス!司令と緒川さんデス!
弦十郎「まさかとは思ったが...」
緒川「はい、ですが...」
むむ、よく聞こえないデスね...まさかって何なんデス?
弦十郎「まさか翠くんが兄貴の娘とはな...翼とは同じ母を持つ異父姉妹になるのか」
切歌「...え?」
ハッとしてドアから一歩離れ口を手で押さえてももう遅く、アタシの声に反応してバッと振り返った緒川さんが
緒川「誰です!」
切歌「デデデッ!?」
えっ何で部屋の中からじゃなく部屋の外にいたアタシの後ろから出てくるんデスか!?
あっ...びっくりしすぎてなんか...
緒川「切歌さんでしたか、大丈夫で...き、切歌さん!?」
弦十郎「どうした緒川ァ!...き、切歌くん...」
アタシは腰が抜け床に膝から崩れ、そのまま二人が見ているにもかかわらず思いっきり漏らして...
切歌「もう...お嫁に行けないデス...///」
涙も止まりそうにないデスよ...
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
クリス「...ふぃい、ね?」
フィーネ「ん?」
メヌエットと翠達が呼ぶ人工装者が寝かされたベッドの隣にあるカーテンの向こう
もう一つ置いてあったベッドにはどうやらクリスが寝かされていたらしい
そっとカーテンを開けてみると、上体を起こし寝ぼけた顔で目元を擦るクリスがこちらを見ていた
気が付かなかった、とは言わない方がいいわね
フィーネ「お目覚めかしら、クリス」
クリス「ん...なんだフィーネ、また翠に勝手に引っ付いてんのか」
フィーネ「人聞きが悪いわね、同意の上よ」
翠《フィーネさん一度『同意』を辞書で引いた方がいいですよ》
クリスに気を取られていると、さっきまで目を向けていた人工装者の娘が軽く咳き込みながら目を覚ました
メヌエット「けほっ...ここ、は...あぁ、そうだった」
フィーネ「こちらも目を覚ましたか」
クリス「つか無事来てたのか」
後で二人共目を覚ましたと弦十郎くんに伝えておかないとね
なんて思っていると、人工装者の娘が私の顔をじっと見ている
メヌエット「...今度は、誰」
...この娘変なところで鋭い
クリス「敵じゃねぇ、それに外見は翠本人だ、それで今は十分だろ」
メヌエット「むしろ人一人の中に複数人存在していること自体...いや、いい」
翠と私と天羽奏の他にもう三人いると知ったらどうなるのだろう
まぁ私は常にいるわけではないけれど
メヌエット「それより...さっきは、正直助かった、それに今も」
クリス「やけに素直だな」
メヌエット「私一人の我儘を通せる自体ではなくなっている、状況判断を見誤れるほど時間も残されていない...それに、錬金術師相手に手を出すなとは言った、だけどあのキャロル・マールス・ディーンハイムはもはや錬金術師ではない」
強情な子かと思っていたけど、そうでもないようね
リーダーになっていたのは単に本人のスペックや上の人間達にとっての最初の成功作というお気に入りだったからだけではないということかしら
内面も良くなければ慕われることなどないもの
メヌエット「やつはもはや錬金術師ではない、だからというわけではないけれど...手のひらを返すようで申し訳ない...でも、お願い...手を貸してほしい」
フィーネ「ほう...」
翠《なっ...》
本来ならそれこそ弦十郎くん達がいるときに申し出るべき内容
ここで先に反応を見ておくつもりなのか、時間と場所を選んでいられるほど余裕がないのか
どちらにせよ、頭を下げた彼女に対し私は評価を改めていた
クリス「手を貸せって...お前はまだあの場に立つつもりなのか」
メヌエット「前線に立てるほどの力が残っていない、それでも貴女達が手を貸してくれるというのなら、私もカノン砲でせいぜい威嚇射撃ぐらいなら出来る」
クリス「全部アタシらに任せるっていうのは?」
メヌエット「やつを倒すのは私の使命であり生きる意味...これだけは、どうしても譲れない私の我儘」
フィーネ《だって、どう?出来る限りの願いを聞いてあげる準備は出来たかしら?》
どうする?安価下
(翠「シンフォギアXD1周年おめでとうございますっ!!!気が付けばあれから一年ですか...私は『片翼の奏者』までしかやれてませんけど」
女神「1周年記念ということで特別にあれからのXD1年間分のイベントストーリーの内容をどうにかして見られるように出来ませんかね...こう、出来なくはないとは思いますけど...」
翠「出来るんですか!?」
フィーネ「女神としてもルール違反ギリギリなんですよね...」)
(冗談はここまでにして
シンフォギアXD1周年おめでとうございます!!
いつか完全XDオリジナル装者なんてものが登場するんじゃないかと期待して早一年、当然そんなことはありませんでした
ということはこのスレももうじき一年...キャラがだいぶ変わっている翠ちゃんと未だに設定が増える『翠』ちゃん...)
翠の返事はない
けれどまぁ、どうせ「最大限やりたいことをやらせてあげたい」とかそんな結論に至るでしょう
フィーネ「さて、私はそろそろ帰るとしましょう」
クリス「また急だな」
フィーネ「いつまでも誰かの身体を借りるわけにもいかないわ」
直接来ても構わないのだけれど、それはそれで面倒だし
クリスと、それから隣の人工装者の娘に軽く手を振り翠にも一声かけて帰ろうかと思っていると
ガラッ
響「あ...了子さん」
響ちゃん...立花響が部屋を訪れた
フィーネ「...一目でわかるものなのね、誰もが」
それとも鋭い子が多いだけ?
どちらでもいいけど
フィーネ「タイミングとしては微妙ね、ちょうど帰るところだったのよ」
立花響が私に何か用があるとは思えないし、問題ないでしょう
フィーネ「それじゃクリス、響ちゃん、それからそっちの人工装者ちゃんも」
せっかくの別れ際と思いクリス以外には櫻井了子としての話し方を混ぜておちゃらけたように声をかける
そうして手を振ろうとする
響「あの、待ってください」
が、逆に声をかけられてしまった
フィーネ「どうかした?」
まさか用があったのだろうか
残念ながら彼女のあの特殊な自暴自制のイグナイトに関しては私に答えられることなどない
それとも他のこと?
響「...了子さんは人工装者の事を、人間と見てないんですか?」
彼女の口から発せられた質問に私は内心首を傾げた
翠との念話の内容が聞かれていたのであればそう勘繰られるような箇所も多々あったかもしれないけれど、そうでないなら何故そんなことを
単なる興味か、あるいは私の態度にそう思わせるものがあったのか
しかしここで何故と問うことは暗にそれを肯定していることにならないだろうか
そういうつもりがなくともそう解釈されてしまえば面倒臭くなるに決まっている
なら、私なりの返事をするのが得策かしら
フィーネ「人として見ているからこそ、自分の命を未来の命の為に使うことを止められないのよ」
立花響がいつから話を聞いていたのか、またどこまで察しているのかはわからない
もしかしたらこの質問はYESかNOだけで十分なものだったのかもしれない
けれどそうでなかった場合、追及されるようならこちらから先に提示した方が楽
フィーネ「貴女だって適合者だからではなく、誰かの笑顔のために戦うのでしょう?」
響さんの反応コンマ下
奇数 せなや
偶数 本当にそう思ってます?
ゾロ目 この人何言ってるのか全然わかりません!(そこまで深い意味はない質問だった)
響「はい!」
よし、乗り切ったわ
どんな意図があったのかはよくわからないままだけど、納得はしてくれたみたい
フィーネ「それじゃ改めて」
翔子《の前に一つ出鱈目の訂正しましょうか?フィーネさん?》
フィーネ「ッ!?」
その時、真っ向からだと厄介だけど表舞台には出てこないだろうと踏んでいた存在が重い腰を上げたことを察すると同時に、強制的に交代を余儀なくされた
多数決安価下1~3
1...休憩中の翠ちゃんの方を見る
2...休憩させられたフィーネさんの方を見る
3...交代した翔子さんの方を見る
(せなやってなんやせやなですね)
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
翔子さんが何を思ったのかよっこらせと立ち上がって何処かへ行ったと思ったらフィーネさんが吹っ飛ばされてきました
文字通り放物線を描いてちゃぶ台のそばに頭から不時着
翠「ダイナミック帰宅」
フィーネ「加減を知らんのかあの女はっ!」
翠「因果応報」
フィーネ「力をこんなことに使いおって...」
翠「いい気味ですね」
フィーネ「さっきから当たり強くないかしら?」
『翠』「次脱いだら今度はあの程度では済まさない、と仰っております」
まだ根に持っているのか
フィーネ「別に見られて困る身体でもなかろうに」
翠「そんな理由で全裸になれるほど私は達観した生き方をしてません」
もし仮にそういう理由で全裸になってる人がいたらある意味痺れますけど憧れはしません
あれ?フィーネさんもしかしてそういう理由で
奏「翠がアイドルデビューしたことでさらに価値は上がったしね」
翠「そういうことを言いたいわけでもないんですが」
『翠』「そうですよ!むしろ人によっては素人にこそ価値が」
翠「少し黙りましょうか」
何ですかここは男子中学生の集まりですか
いや本物の男子中学生が如何程のものなのか知りませんけど
セレナ「というか本当何があってアイドルになってるの?」
翠「そこはあとでマリアさん縛り上げて吐かせます、それよりほら、翔子さんが」
何気に翔子さんが表に出るのって初めてですね...あれ?あっちの皆さんに翔子さんのことどう説明したら
響『了子さん?』
翔子『...それでは、フィーネさんが言いたいことを言い終えたところで私から一つ』
クリス『ッ!?今度誰だ!?』
翔子『ノイズの動きを止めた寺島詩織さんの声...声帯模写なんて嘘ですよ、アレは先史文明が杖なしでも使えるように、杖の所持者にノイズを独占させないためのものです』
翠「とんでもないカミングアウトを聞いた気が...フィーネさんあれどういうことですか!?」
えっえっえっ?
えっと...えっ?
どうする?安価下
(特になければ翔子さんは戻ってきてフィーネさんは帰ります)
翔子さんの衝撃発言について詳しく聞き出すためフィーネさんに詰め寄ろうとすると
フィーネ「」
翠「あっ...」
まるで『ぬ』と『ね』の区別がつかなそうな顔をしてらっしゃる
この人何も知らん感じですね
メヌエット『...何人中にいるの、その人』
クリス『少なくともフィーネ入れて...5、6人か?』
メヌエット『...意味がわからない』
響『そ、それよりどういうこと!?』
翔子『そのままの意味ですよ、それでは私は翠さんと交代するのでこれで』
えっ早っ
フィーネ「...はっ!わ、私も帰るわね!それじゃ!」
翠「あっフィーネさん!」
逃げ足だけは早い...今のが逃げ足なのかはわかりませんが
翔子「はい、じゃあ翠さん後はどうぞ」
翠「えっあっお帰りなさ...今もしかして私の身体誰も使ってないからぶっ倒れてません!?」
やっぱり!モニターに何も映ってませんけど多分これ意識飛んでるのと同じ状態ですよ!
『翠』「んじゃ行こっか...翔子さん後でさっきの詳しく」
翠「というか!何故そういう重要そうなことをこのタイミングでしかも表に出てまで!」
翔子「ん~...気まぐれですかね?」
嘘です...絶対嘘です
これまで頑なに表に出なかった翔子さんが本当に気まぐれ程度でわざわざ表に出るわけありません
それともあの情報をあの場にいた響さんクリスさんメヌエットさんのいずれかに例え直接になろうとも伝えなければいけないほどの状況?
翔子「そのうちわかりますよ」
釈然としない気持ちの中、私と『翠』は後で追及することを決意しつつ表に戻りました
・・・
翠「...ぅ」
響「あ、起きた...今度は?」
翠「私です翠です」
どうやら響さんに背中を支えてもらっていたようですね...
クリス「つかお前、さっきフィーネの後に出てきたの結局誰なんだ?」
多数決安価下1~3
1 答えず話を逸らして誤魔化す
2 翔子さんの名をとりあえず言っておく(誰やねんってなってS.O.N.G.で身元調査が始まります)
3 クシナダヒメらしいと言っておく(どこで誰が聞いているのかわからないとだけ言っておきましょう)
クリスさんの質問に私は若干答えるのを躊躇してしまいます
多分あの人はクシナダヒメ様なんですけど...それを言ったらまたややこしくなりそうですし
翠「翔子さん...白鳥・W・翔子さんという方です」
仕方がないので本人が使ってる偽名をそのまま採用
嘘ではないですからね、私からしたら
メヌエット「...」
響「翔子さん...って、いうの?さっきの人」
クリス「誰だよ...てか何でまたお前ん中にその人いるんだ?」
翠「さぁ?謎多き人なので」
響「よ、よくそんな受け入れられるね...」
敵に手を差し伸べようとする響さんほどではないと思いますけど
ねー、響さんも知らないうちに自分の中に知らない人が入っててもなんだかんだ言ってすぐに受け入れて共存しそう
どうする?安価下
(特になければマリアさんを締め上げます)
あまり追及されてもアレなのでこの辺にいておきましょう
翠「まぁ気にしないでください、ハッタリをかます人が多い人なので」
メヌエット「その情報とさっきその人が残した情報を照らし合わせると何が正しいのかわからなくなるんだけど」
翠「それは...えぇ、私もわからないので」
ま、多分そっちは本当なんでしょうけど...いやでも翔子さんですし...
クリス「死人だけじゃなくて生きてる人間も入るのか...」
翠「えっ翔子さん生きてる人なんですか?」
クリス「え?」
ドン引きしたような顔でこちらを見てくるクリスさんの発言に若干疑問を覚えて聞き返したら「違うの?」って顔されました
あれ?
翠「...いや、そういえばどうなんでしょう...でもそれ以前にフィーネさんの例があったので気にもしてませんでした」
響「生きてる人も...じゃあもしかして師匠と一緒にノイズと戦う事もッ!?」
おぉう響さんよりによってそのチョイス
翠「ししょーの魂なんて入ってきたら四肢がもげて爆散しそう...」
クリス「どこの画風が違うヒーローの個性だよ...いや戦闘力大して変わんねえか」
アニメと肩並べられる一般人
いやししょーも元々アニメですけどね?私の視点からすれば
どうする?安価下
(特になければマリアさんを締め上げます)
(『翠』「で、翔子さんどっちなんですか」
翔子「うふふ」
奏「何その笑い怖っ」
セレナ「生きてる人まで誰でもここに来られるようになったら大渋滞になりそう...」)
精神世界にいないと思ったら、現実世界で実態化してる翔子が未来と翠の前に現れる
女神「クッシーちゃん、干渉するなら憑依しないで」(ニコニコ)
翔子「叱られちゃいました」(?>????)テヘペロ
コンコンッ
そろそろお暇しようと思っていると、誰かが突然ドアを叩きました
事件の予感...じゃなくて、誰でしょう
ガラッ
詩織「あの...」
翠「寺島さん...!」
訪れたのは病衣に身を包む寺島さんでした
返り血を流した後は空いてる病室で休んでもらっていたはずですが、もう大丈夫なんでしょうか
詩織「あ、立花さんに蒼井さんも」
響「もう大丈夫なの?まだ休んでおいた方がいいんじゃ...」
詩織「いえ、もう大分落ち着きました...ここに雪音さんと、もう一人逃してくださった方もいると伺って」
翠「ご指名ですよ、クリスさんメヌエットさん」
私は脇に逸れて寺島さんに道を開け、様子を見ています
響さんも同様に
詩織「あの、お二人ともそんな怪我までして先程は助けていただき、本当にありがとうございました」
クリス「気にすんな、それにほとんどはこっちのやつが頑張ったしな」
そうクリスさんに紹介されたメヌエットさんは少しだけ困ったような表情に変化
メヌエット「別に...私は私のやるべきことのために動いた、それだけだから」
詩織「それでも、ありがとうございました」
メヌエット「あ、ぅ...」
寺島さんの真っ直ぐな気持ち攻撃によりメヌエットさんにダメージが
でもきっと毒状態ならぬ自動回復状態とか付与されてる攻撃ですから甘んじて受けてください
詩織「立花さんと蒼井さんも」
翠「え...いや、結局私は何も」
響「私も...何もしないまま...」
詩織「でも、お二人が、皆さんが動いて、助けようとしてくれていたことは知ってます、ですから」
あっいけませんこっちにまで攻撃がっ!
・・・
育ちが良さそうな感謝攻撃に何とか耐え抜き、私はマリアさんと翼さんが休んでいるはずの病室への道を戻っています
というのも、今回の件...私をアイドルデビューさせるという謎過ぎる上に嫌がらせにしては大掛かり過ぎる事件についてマリアさんを締め上げるためです
さっきは途中でフィーネさんに身体の主導権を握られそれどころではなくなってしまいましたが、今度こそは
『翠』《ねーねー、さっき翔子さん、翠と交代した後またすぐどっか行っちゃってから戻ってこないんだけど》
翠《翔子さんが?深層世界のどっかにいるんじゃないですか?》
私の...というか『翠』の、と言った方が正解ですね
『翠』の深層世界はだだっ広くどこまでも続いています
他の人の深層世界もそうなのかはわかりませんが、多分そういうものなのでしょう
翠《案外どっかに翔子さんの部屋とか作ってあったりして》
『翠』《何それ怖っ...いやでも住み着いてる感あるしあり得るかも...ここ何でも創れるし...》
そんな会話をしているうちに病室に着きました
翠「ノックをば...あ、未来さん」
未来「あ、翠ちゃん」
もうすっかりネロさんに祟り的なものをされていた頃の変な感じはなくなった未来さん
一応まだ副作用は残ってるらしいですが、まぁ発散相手は響さんが頑張ればいいだけの話なので詳しくは聞いてません
翠「翼さんかマリアさんに用でしたか?」
未来「うん、様子を見に...翠ちゃんは?」
翠「私はマリアさんを〆に来ました」
未来「えっ」
吐かせますよ何もかも
後で緒川さんとあの変態にも
変態はともかく緒川さんは絞め上げようとしても骨が折れそうですね...でも人が良いので頼めば大体のことは話してくれるはずです
それが本当のことかどうかはともかくとして
翔子「まぁまぁ、アイドルにされたくらいでそんなカッカしない方が良いですよ?」
翠「騙されてアイドルとかどこのラノベですかって話...ってええぇっ!?」
バッと振り向くとそこには翔子さんが...こっちの、外の世界にも関わらず翔子さんが立っていました、実体を持って
あまりにも自然に話しかけられて一瞬気付きませんでしたよ...って
未来「えっと...どちら様ですか?翠ちゃん知り合い?」
翔子さん何する?安価下
(何か話す内容でも可、特になければ女神様がすぐ駆けつけます)
(昨日は...というか最近ちょくちょく更新出来ずに申し訳ありません!エタだけは、エタだけはしないつもりなので!)
(翠「『転生して月を破壊した私が騙されてアイドルになるなんて絶対におかしい』とかいうラノベ書いたら売れませんかね」
『翠』「売れないでしょ」)
翔子「アイドルになったこと今の貴女だからこそ...その歌が後々役に立つかもしれませんよ?」
翔子さん...他人事だと思ってません?
大体アイドルになって歌が役立つとか...あーまぁ原作マリアさんは全世界生中継で歌を集めたりしてましたけど、はっきり言って私にあれをやれるほどのカリスマ性も度胸もありませんよ?
女神「...クッシーちゃん」
翔子「ぴゃっ...お、お義姉様...」
と、そんな翔子さんの後ろにはいつの間にか女神様が立っていました
すごく良い笑顔で
大抵こういう時って怒ってるんですよね、ほらあんな風に
...クッシーちゃん?クッシーちゃんって呼ばれてるんですか?翔子さん
女神「クッシーちゃん、干渉するなら憑依しないでね?」
翔子「や、やですねお義姉様、あれは仕方がないことだとお義姉様だって知って」
女神「ね?」
翔子「ひゃい」
ほんっとうに翔子さん女神様には弱いですね...
翔子「叱られちゃいました( >ω・)」
翠「そのテヘペロ顔で後ろ向けばもう一度叱られると思うのでやってみたらいいと思います」
そして翔子さんは女神様に首根っこ掴まれてそのままズルズルと引きづられていきました
未来「えっと...」
翠「今の人は翔子さん、めがっ...アキさんの妹さん...みたいな人です、はい」
未来「へ、へぇ...あ、じゃあ翠ちゃんみたいなってこと?」
翠「私ってアキさんの妹扱いなんですか?」
未来「さっきの人合わせて三姉妹?」
翠「それは...結構です」
いや、もう本当...
エタされたら首吊る(呪い)
・・・
コンコンッ
ガラッ
翠「白状の時間だコラァ!!」
マリア「!?」
翼「どうした翠、小日向」
流石にドアを蹴破るのはやめました
翠「いえ、ちょっとマリアさんを〆に来ただけです」
マリア「ひっ」
未来「私はお二人の様子を見に...」
翼「そうか、私もマリアも傷そのものは完治している、体力こそこの短時間ではどうにもならないが、問題はないだろう」
未来「よかったです」
翠「ということはマリアさんを締め上げても何の問題もないと」
さてどうしてやりましょうか
言っておきますが吐かなくても吐かせるつもりでいきますよ?
マリア「待って翠!お願い少し話し合いましょう!私達は言葉を交わすことが出来る!」
翠「そうですね、ちゃんと話し合えば分かり合えていたでしょうね、だがもう遅いっ!!!」
マリア「くっ...セレナァァァァァッ!!!!!」
コンマ下
奇数 翠ちゃんアイドル化計画について全て吐く
偶数 上と、さらに全装者+αアイドル化計画について全て吐く
ゾロ目 以外と吐かない(後に実力行使安価が入ります)
(厳重な警備のS.O.N.G.本部に突如姿を現わす翔子さんがOTONAに目をつけられないはずもなく)
(セレナ「えっ私?」
奏「気にすんな、姉の立場にはよくある発作みたいなものだ」
『翠』「そうそう」)
***
>>288
女神「そんな貴女には『好きな人の力をめいっぱい引き出せるよ』な魔法をあげるぽん!」
***
・・・
翠「やっぱり元凶はあの糞眼鏡変態眼鏡でしたか」
翼「待て翠、眼鏡に罪はない、だから二度も言ってやるな」
なんとかあれやこれやで吐かせたかった、今回の私の騒動は案の定変態の策略だったようです
てかそういえば何であの変態がPやろうとしてるんですか?デレ◯テとかシャ◯マスとかの影響?
マリア「えぇ...そして貴女のデビューは彼の目指す目標の第一歩だったのよ」
翠「第一歩...まさか!」
マリア「そのまさか、彼の最終目標は...ここの装者全員...とあと数名をアイドルにすることッ!」
ついに狂ったか杉田
あ、いえ、待ってください
翠「装者全員をアイドルに?ということは...クリスさんとか切歌さん調さんとか」
ふむふむふむ
コンマ下
奇数 それには賛成だ、手を貸そう杉田
偶数 それとこれとは話が別だ杉田
翠「確かに私はともかくここにいる皆さんのレベルは高い、もしゲームになったらアイドルギアとかのカードが実装されそうなくらい高い、そこに気付いたのには賞賛を送りましょう、そこでそんな皆さんをデビューさせるために失敗してもいい試しデビューに私を選んだのも妥当と言えます」
まぁそもそもそういうキャラデザな筈ですし?というかアニメにおける少女達が活躍するアニメは大体レベル高いんですよね、モブも含めて
萌えの文化万歳
マリア「アイドルギアって...それはともかく、納得してもらえたということかしら」
翠「いえ、それはそれこれはこれです」
マリア「ごめんなさいドクター、骨は拾うわ」
それでも私を、よりによって皆さんとは違い一発屋になりそうな私を(そうなることも想定内で捨て駒にしたのかもしれませんが)巻き込みあろうことか騙して後に引けないところに行かせたあの糞眼鏡変態眼鏡白衣野郎には必ず死より苦しい制裁を加えます
あと緒川さんも
翠「もちろんマリアさんも」
マリア「待って!私は確かにドクターの作戦に乗ったけれど!」
翠「慈悲はありません」
そんな絶望したような顔をしたところで私の意思は揺るぎませんよ
むしろ絶望してるのは私の方
今ならファントム産んだり人類史上最大最悪の絶望的事件に参加したり出来そうです
本当今後どうしたらいいんですかね...
未来「...あの、マリアさん」
翠「未来さん?」
マリア「...え、あ、えぇ、何かしら」
未来さんに話しかけられ、マリアさんがハッとして姿勢を整えました
というかさっきの話からして未来さんも対象ですよね
未来さんもそのことに不安があるのかと思って聞いていると
未来「それって...響もその対象ってこと、ですか?」
マリア「えぇ、おそらくは」
あ、響さんの方を心配していたんですね
やはりいつでも響さん命の未来さん
未来「そう...ですか...」
翼「小日向?」
...はて、それにしては未来さんの顔色が
と、その時私達の持つ端末が4つとも鳴り出しました
本部内なのに端末で連絡、それも一斉に来たということはかなり急を要しているということでしょうか
弦十郎『お前達、聞こえているかッ!』
翠「どうしたんですか?」
弦十郎『ウェル博士が拐われた、すぐに救出活動にあたってほしいッ!』
ふむふむ、あの糞眼鏡変態眼鏡白衣偏食野郎が拐われたと
翠「放っておくのは」
翼「ダメに決まっているだろう!」
翠「ですよね、ちっ世話が焼けます」
・・・
司令室に集まった私達装者陣が聞かされたのは、外出中だった糞眼鏡変態...長いからやっぱり変態で
変態がテレポートしてきたキャロルちゃんに拐われたとのこと
翠「何でまた...」
クリス「利用価値があったか、単に人質ってことじゃねえか?」
だとすると後者でしょうか
ヤントラ・サルヴァスパは深淵の竜宮にはすでになかったですし...いえ、仮にあれを持ち出したのがキャロルちゃん陣営でなかったなら話は別ですが
どうする?安価下
(ここからは大体原作通りの流れ...って原作のどこから?)
(翠「確かに私はともかくここにいる皆さんのレベルは高い」
翼(翠も十二分にアイドルとしてやっていけるほどの魅力があると思うが...))
***
昨日今日続いてすみません...エタだけはしませんので...
明日こそは...明日こそは多分更新出来ます...ちょっと頂いた安価内容まとめてきます
で、それにあたってそろそろ必要かなと思いこれだけ安価ドーン
キャロルちゃんの新しく目覚めた人格の性格や考え方、特徴等安価下
(「この世界の全生命体を直々に滅ぼす」とか「全生命体を滅ぼした後はこの星を含めた太陽系の星々も解剖する」とか言うことだけはわかっているので出来ればそれに矛盾しないものを)
(なお、一人称が何なのか(私や俺でも構いませんし別でも構いません)が決まると嬉しいです)
(というかこの新しく目覚めた人格は果たしてキャロルちゃん本人なのかそれとも本当に『別人が乗り移っている』のか...なおどちらにしろソウル化すると自我は消えます)
一人称僕の江戸っ子キャロルちゃん...?
***
・・・
ナスターシャ「ドクターを人質ですか...」
人質...人質に値する人もっと他にもいたでしょうに
切歌「もしもドクターを人質に何か要求してきてもドクターは見捨てて構わないデス、あの男は眉毛の繋がった警察官と同じくらい不死身デスから」
調「切ちゃん!?」
翠「あ、やっぱりですか?じゃあ今回は見捨てるということで」
マリア「翠!?」
やだな冗談ですよ半分
だから皆さんそんな目で見ないでくださいよ
弦十郎「...何はともあれ、彼もまた俺達が守るべき民間人の一人であることに変わりはない」
翠「ネフィリムを取り込んでさえいなければ捨て置いてもよかったものを...」
翼「お前はどれほど根に持っているのだ」
夏菜「翠さんがそこまで言うのも珍しいといえば珍しいですけどね...一応あの人私にとっては命の恩人の一人なのでそこは...」
仕方がありません、夏菜さんにそこまで言われてしまっては
まぁこの手で報復もしなければですし
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
ウェル「それで、僕を拐って何をするつもりなんです、レディ?」
糖質を求め、偶には自分で買いに行くのもいいだろうと外へ出た矢先にこのザマだ
やはり以前のように僕に菓子類を届ける任を誰かに受けさせた方がいい...っと、今はそれより現状打破について考えることにしよう
目の前に立つ少女...本来は本部にいたホムンクルス、エルフナインによく似た姿だったはずの彼女は錬金術師キャロル・マールス・ディーンハイム
僕をテレポートによって拐いこのだだっ広い部屋に来させた張本人だ
惜しい...実に惜しい
今でこそその肌はお世辞にも綺麗とは言い難いが、あのエルフナインと同じ見た目をしていたのなら双子ユニットで売り出すのも悪くなかったかもしれないというのに
いや、この姿をずっと保っているわけではあるまい、ということは自身も何度もホムンクルスのスペアに記憶と魂を移し替えて生き長らえている?
ならばまだ彼女をアイドルに仕立て上げることも...
キャロル「あん?てやんでい!おめぇさんは単なる人質に決まってんだろべらぼうめぇ!」
...んん?
ウェル「その、口調は」
キャロル「今の僕のこの口調よかちゃんとしてた方が聞きやすいだろ?世界に向けてんだ、配信のときくらいはきちっとな」
ウェル「つまりあの宣言の時は無理して標準語を?」
キャロル「あたぼうよ!」
...江戸っ子風ボクっ娘アイドルですか、まぁ頭の隅にでも置いておきましょう
キャロル「んで、何すっかって話だったか?」
ウェル「えぇ」
キャロル「んなもん...」
彼女は再び真剣な表情を見せ、そしてニヤリと笑い
キャロル「全生命体を滅ぼした後は...この星を含めた太陽系の星々も解剖する」
そう言ってのけた
キャロル「コイツのかつての目標は世界解剖って言っててな、てこたぁ全てを無に還せばいいってこったろ?」
ウェル「...」
目に光が宿っていないように見える
目が見えていないとかそういうことではなく、目の前ではない何かを彼女は見ているのかもしれない
とりあえず僕ですらさっきの発言に若干引いたのは言うまでもない
まず地球、それも掌握でも支配でもなく解剖
それはまさに思考の叡智に他ならない
全ての科学者...否、全人類の夢と言ってもいい
だが彼女はその後どうすると言った
全生命体を滅ぼす
全てを無に還す
知を持ってして、それで何を求めることもなく
彼女に夢はないのか
それともそれこそが彼女にとっての夢なのか
ウェル「そうですか...」
エルフナインは言っていた
キャロル・マールス・ディーンハイムの目的である世界解剖、万象黙示録の完成は父親から託された命題だと
まさか、彼女はそれ『だけ』だと言うのか
ウェル「ならば、僕も手伝わせて頂きたいものだ」
僕は協力を持ちかけることにした
だが何も本当に僕もこの星を、太陽系を滅ぼしたいと思ったわけではない
キャロル「ん?」
ウェル「手伝うと言ったのですよ、レディ...僕は何もあそこの人間達と仲良しごっこをしていたわけじゃない、僕は彼らにとって人ではなく物!回収されたネフィリムの一部として持て余されていただけなのさ!」
キャロル「その左腕か?」
僕は袖をまくり左腕を見せた
ノイズすらも破壊出来るネフィリムの腕
これを見れば多少は食いつくはずだ
キャロル「...面白えなおめぇ、よし、んじゃ一緒についてくっか!」
ふむ、聞いていたより大分扱いやすい性格をしているなこのレディは
少々壊れているようにも感じるが...今は取り入れられればそれでいい
英雄とは飽くなき夢を見、誰かに見せるもの
アイドルもまた然り
そしてPもまた、それは同じことだ
アイドル達に夢を見せること、そして自身も夢を見ることでそれは現実へと繋がっていく
目の前の彼女にも見せてみせよう
夢というものを
この僕がッ!!!
安価下1
1 とりあえずレイラインを利用するためには要石ドーン
2 要石は他の戦力に任せてこっちは装者とバトる
3 ウェル博士もうこの段階でこっそり翠ちゃんに連絡入れる
安価下2
1 引き続きウェル博士視点
2 翠ちゃん視点
3 他の人視点(誰の視点か記述)
(江戸っ子口調が分からず変な感じかもしれませんがそこは温かい目で...)
・・・
キャロル・マールス・ディーンハイムと手を結んだフリをしている僕は、あの後部屋を用意された
僕を信用しているのか、あるいは甘く見ているのか
ウェル「見たところ、監視や盗聴の類は見受けられませんね」
とはいえ相手は錬金術師、僕のまだ知らぬ技術を持っていてもおかしくはない
ウェル「とりあえず...」
ここは連絡の一つも入れて然るべき
こういう時のため、S.O.N.G.の職員は自動的に暗号に切り替わるメールの連絡手段を渡されている
しかしまず誰に連絡を入れるべきか
ウェル「...」
あえて、という手もありますか
僕はポケットからスマートフォン型の端末を取り出し連絡先に蒼井翠を選択した
蒼井翠...僕をコケにし、その腹いせもあって遂に逆にアイドルデビューさせた少女
複数種の聖遺物を起動させるある種奇跡とも呼べる喉を持ち、相手の持つ他人との距離感を狂わせることに定評のある生意気な餓鬼
何を考え、何を企んでいるのか
それを全くと言っていいほど掴ませない彼女は時に誰も思い付きもしないようなことをやってのける
とても状況に流されルナブレイクの片棒を担いだとは思えない...おっと、また思考がズレていた
まぁそんなこともあり、あえてどう出るか予想がつかない彼女に現状を伝えるのも一つの手と僕は思った
ウェル「さて、どうしたものか」
伝える内容安価下
(全部伝えるのもアリですし、一部分だけ、また嘘八百を伝えるのもアリです)
(ウェル(何を考え、何を企んでいるのか)
翠(月破壊したしあと率先してやることないですね...暇))
彼女にのみ伝えたところで、それを他の人間達にも伝えるかはわからりませんが...一応は拉致されていること、手を貸すふりをしてチフォージュ・シャトーに爆破工作をするつもりであること、それからあのレディの『太陽系の星々も解剖する』という発言について簡潔にまとめ、メールを送信
ウェル「まさかあのお子様と連絡を取り合う日が来ようとは」
しかし、これも今後のP活動において必要になってくる
慣れておくに越したことは...
ウェル「おや、早くも返信が」
コンマ下
奇数 『了解。一応こちらは不本意ですが救出任務に出ますんで適当に合わせてください』
偶数 『とりあえず貴方が裏切ったとだけ皆さんには伝えておきました』
ゾロ目 『ヘ(^o^)ヘ
|∧
/ 』
『了解。一応こちらは不本意ですが救出任務に出ますんで』
ふむ、素直に僕の作戦にノると
ウェル「正直拒否をされるか、罵倒や無理難題を言われる覚悟もしていたが...悪くない流れです」
僕と彼女の仲はお世辞にも良いとは言えない
それこそ人によっては僕は彼女にとって唯一犬猿の仲となる存在だとか
あんな小生意気な餓鬼でも外面は良いようで、それこそ今日のライブ本番までも周りから悪い印象は得ていなかった
S.O.N.G.内でもあれが素なのかどうかはさて置き、誰とでもそれなりに友好関係を築いている
ウェル「はて、そういえば何故僕だけが」
第一印象だろうか?
まぁ好かれたいとも思っていないからどうでもいい
コンコンッ
キャロル「おう、休めたか?ちっと来い」
おっとお呼び出しですか
ウェル「今行きますよ」
・・・
連絡をしていたことがバレたのかと一瞬身構えたがそうでもないようだ
なんでも、少しばかり計画に必要な『道』を切り開きに行くらしい
キャロル「んで僕に付いてくっかどうすっかってことなんだけどよぉ...」
安価下
1 付いて行く(装者とバトルの可能性あり)
2 留守番(チフォージュ・シャトー探索可)(簡単な見張りは付きます)
どうする?安価下2以降
(安価下1が2の場合のみ採用)
(ウェル「何故僕だけが」
女神(むしろ全員からウェル博士だけが嫌われているという可能性))
ウェル「しかしここで僕が付いて行っては、付いた先で厄介なことになるのでは?」
キャロル「あぁ、ま、そりゃどっちにしろおんなじだけどよ」
僕が行こうが行くまいが行った先に誰かしら装者が向かわされるのは必須
しかし彼女の力を見くびるわけではないが、ここで何の手違いか僕が救出でもされてしまえば計画はおじゃん
余程のことがない限りはここにいた方が僕にとっては好都合
ウェル「やはり僕では留守を任せるのに信用が足りないと?」
キャロル「ったりめぇだってんだてやんでい!だけどいつまでもそのままってわけにも行かねえ」
ウェル「ではここで信頼を得させてもらいましょうか...何、筋肉モリモリマッチョウーマンの...になってしまっているんですから、ここの細かいところのメンテナンスくらいはしますよ」
監視くらいは付くだろうが、僕にとってはその程度関係ない
この機会を利用して少しでも計画を進められれば...
コンマ下
奇数 協力するとは言ったけどそこまでの信用はないから余計なことはさせない(キャロルちゃん帰るまで部屋に閉じ込め)
偶数 物は試し、チフォージュ・シャトーのメンテナンスを任せてみる
(翠「短冊に願い事を...願い事...願い事ですか...何にしましょうかね~」)
キャロル「...ならいっちょ任せてみっか」
そう言った彼女は空間に錬成陣を出現させそこに腕を突っ込んだ
そして腕を引き抜くとその手にはタブレットのような機械と工具セットが握られている
キャロル「そこに書いてあるとこ以外は弄んじゃねぇぞ!」
タブレットを起動させるとチフォージュ・シャトーの設計図の一部のようなものが映し出された
なるほど、文字通りメンテナンスを任せると
キャロル「一応監視は付ける、んじゃ僕は行くからな~」
パリンッ
テレポートジェムによって姿を消すキャロル・マールス・ディーンハイム
そしてそれと入れ替わりに僕の元へ現れた数体の人影
ウェル「木偶人形...でしたか」
簡易版のオートスコアラーのような見た目をしたそれらは襲う様子もなく、それでいて一時も僕から目を離すまいとこちらを凝視してくる
厄介な監視ではありますが...僕のこのネフィリムの腕があればコイツらのハッキングも容易いことをお忘れか?
ウェル「しかしすぐに行動に移しては意味がない、せいぜい真面目に働きますよ」
なお、何もしないとは言ませんが
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
遡ること数分前
変態から連絡が来て一応返信しました
で、その変態から来た連絡の内容について皆さんに話してみると
調「ドクターの言うことを絶対に信じちゃいけない、マムや人口装者を犠牲にするような作戦を考えている可能性もある」
切歌「むしろ好都合デス、いっそのこと裏切り者として成敗するデス!」
調「それがいい、例えばドクターをチフォージュ・シャトーごと沈めるとか、どうせそれでも死なないだろうし」
...こうして見ると、私が言うのもなんですがあの男相当嫌われてますね
ダメと言っても中々助けようと考えない私や切歌さん調さんに対しししょーが頭を抱えています
響「ま、まぁまぁ二人共...」
夏菜「何もそこまで」
マリア「...どうしましょう、マム」
ナスターシャ「調と切歌にも思うところがあるのでしょう」
死に際に最低の英雄にでもなれれば本人も満足じゃないですか?
そして私はPがいなくなったところで晴れてアイドル卒業!というか中退?
普通の転生者に戻ります!
奏《いやPが変わるだけだろ》
ナニモキコエナイ
安価下
1 要石を守るため風鳴八絋邸へ(後に他の出撃メンバー選択)
2 要石を守るため八重垣神社へ(後に他の出撃メンバー選択)
3 チフォージュ・シャトーの座標特定を急ぐ(ウェル博士救出作戦の進行速度が上がります)
4 S.O.N.G.本部内にいる誰かと交流(誰と交流するか記述)
***
安価は出すつもりでしたがもう出してくれた方がいたのでとりあえず翼さんとマリアさんを...
安価下
1 翠ちゃん翼さんマリアさんの3人で
2 他にも追加(誰を追加するか記述)
***
・・・
弦十郎「ウェル博士が現状急を要する事態ではないことが判明した、が、救出しなくてはならないことに変わりはない」
調「シャトーと一緒に」
弦十郎「変 わ り は な い」
調「はい」
調さん...
切歌さんもやや不満気なご様子...あれ?というか切歌さん服変わってません?
私のところにフィーネさんが来た時と服が違っているような
時間も時間だし一回パジャマ着てその後急いでまた着替えたとかじゃない?
...ま、今は置いておきましょう
弦十郎「しかし、敵の目的が達成されていない今、そちらの対処もしなければならい」
レイラインの解放さえどうにかすれば最悪キャロルちゃんは詰むはずです
いえ、今のキャロルちゃんはキャロルちゃんじゃないかもしれないとエルフナインちゃんやレイアさんが言っていたのでどうだかわかりませんが...みすみすこのままやらせればその後太陽系の星全て滅ぼすとかいうどこのコーヒーが不味い星狩り族ですかと言いたくなるような所業に出てくるらしいですし
弦十郎「お前達にはチームを編成し、チフォージュ・シャトーに乗り込むのと同時進行で各ポイントの警戒に当たってもらいたい」
・・・
で、私が割り振られたのは翼さんのお父さん邸
キャロルちゃんが行きそうなポイントのうち私が原作で唯一知っている場所でもあります
そしてこんな原作とかけ離れた状況になっていても最低限の流れだけは変わらない時点で何となく予想していたことですが、私の他にもう二人同じチームに
翼「...」
マリア「翼のパパさんの家、ね...」
翼さんのお父さん邸へ向かう途中の車内、後部座席には翼さんとマリアさんの姿が
まぁこうなるよね
本来ならお二人はクリスさんやメヌエットさん同様本部に残って警戒、という建前で要休養なんですが、流石に人手が足りないということでこうなりました
つまり私はまだ体力が回復し切っていない翼さんマリアさんのサポートを兼ねていると
緒川「着くまでもう少しかかりますから皆さんは少しでも休養をとって置いてください、特に翠さんとマリアさんは仕事の後でもあるんです、余計に精神が削れていたら保ちません」
助手席に乗る私の隣、運転席に座りこの車を走らせている緒川さんがまるで他人事のような口ぶりでそんなことをぬかしてきました
翠「言っときますけど緒川さんも絶対に許しませんからね」
緒川「ははは...」
マリア「ま、まぁ翠?案外アイドルもやってみると楽しいものよ?」
翠「そういう問題じゃないんですよねぇ...」
とはいえこんな日付けが変わり日がそろそろ顔を出しそうな時間になっているとなると、確かに今のうちに少しでも寝ておかないと完徹になりかねません
翠「はぁ...着いたら起こしてください...」
マリアさんや緒川さんに対する仕返しは後で考えることにし、私は目を閉じました
・・・
身体を休めている間にちょこっとこっちにも寄っておきますか
翠「あ、翔子さんお帰りなさい」
『翠』「どこ行って...いや、連れていかれてたんです?」
奏さんセレナさんに軽く声かけに来たら、そこには女神様に引きずられていったはずの翔子さんが座っていました
翔子「少~しお義姉様の部屋で愛の語らいを」
お説教辛かったんですね、そんな青ざめた状態で無理して笑顔を浮かべて
奏「てか生身あったんだね」
翔子「まぁ...」
セレナ「私達もせめて自分達の抜けた後の身体?とはいかなくても代わりの身体とかあればなぁ...って、それは流石にね」
翠「今現在その『代わりの身体』扱いされてるこの身体について」
『翠』「そこはほら、『私』が前任者権限で認めてるし」
とりあえず今度脱ごうとしたらフィーネさんは現任者権限で出禁にしますけどね
何か話す?安価下
(特になければ風鳴八絋邸に着きます)
それから私達はダラダラしながら他愛もない話をしていると
ネロ《...ぃ、お~い、聞こえますか~?》
翠「んあ?あ、ネロさん?」
身体の方が寝ていて念話が緩んでいたからか何なのか、深層世界全体の方にダイレクトにネロさんの念話が飛んで来ました
奏「お、噂の」
セレナ「ネフィリムもあの頃から話が出来ていればなぁ...」
『翠』「とりあえず返事しといたら?」
翠「ですね...ネロさ~ん、何ですか~?」
大声で言ってみましたけど、いつもみたいな念話のスタイルじゃなくても聞こえるんでしょうか
聞こえてなさそうならやり直しますけど
ネロ《...翠さん、どこかからか叫んでます?》
あ、通じますね
翠「まぁちょっといつもとやり方違うので~!それより何ですか~?」
念話って集中しないといけなくてちょっと疲れますしこの方が楽でいいです
ネロ《あぁえっと、危なくなったら呼んでください、フロンティアで待機してますから》
翠「は~い、フロンティアで...フロンティア!?」
ネロ《一応私の本体でもありますし》
それはそうですけど...まぁ、その辺は任せますか
でも何故にフロンティア...まさかいざとなったら変形してチフォージュ・シャトーと戦うとか!...いやまさか
翠「わかりました~、ピンチの時は呼びますね~!」
『翠』「フロンティアの中身?がネロさんになってるんだよね」
翔子「船としての『鳥之石楠船神』と神としての『鳥之石楠船神』が分離している感じですね」
翠「円環の理としてのマドカァ!と人間としてのマドカァ!が裂けちゃった感じですか」
でもネロさん、呼べと言っても本当何する気なんですかね...
コンマ下
奇数 無事到着
偶数 敵のお出まし
ゾロ目 キャロルちゃんのお出まし
ぐらぐらぐらっ
ネロさんの念話が終わったと思ったら今度はものすごい揺れ!?
翠「何々地震!?」
奏「いや今誰もこの身体使ってないから身体の方の揺れがこっちに来てんだろ...この強さ、肩揺らされてるとかじゃないか?」
『翠』「もしかして起こされてる?」
翠「あぁそういう...じゃあ起きますか」
『翠』「だね」
起こされているということは翼さんのお父さん邸に着いたということでしょうか
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
緒川「翠さん起きてください!翠さん!」
マリア「翠!寝ている場合じゃなくなったわ!」
翠「...ん...ふあ~ぁ...着いたんですか?」
翼「着いたには着いた...が、それだけなら良かったのだがな...」
何でしょう、起きて早々不穏な予感
また面倒ごとですか?二度寝していいですか?ちょっと今日くらいは
キャロル「装者は一、二...三人か」
翠「...っ!?!?」
聞こえた声に冗談半分で二度寝しかけていた私は飛び起きました
そして車の正面の窓から外を見ると
翠「うわ...まさかの鉢合わせ?」
目の前の道路に立っているのは間違いなくキャロルちゃん
よりにもよって...大当たり(大ハズレ)を当ててしまうとは
キャロル「阻むのだろう?出て来い、それともその箱ごと解剖されるのがいいか?」
どのギアで行く?安価下1
1 アメノムラクモ
2 アスクレピオス(戦闘不向き?)
3 イミテーター(イグナイトなし)(何か模倣する際は何を模倣するか記述)
4 イミテーター(銀色のギア)
5 ミョルニル(イグナイトなし)
6 神獣鏡(他のギアと同時展開する場合はどれと同時展開するか記述)
7 フォーク
8 アメノオハバリ
(1、2、6、7、8はイグナイトも可、その場合は数字の他にイグナイトと記述してください)
どうする?安価下2以降
(場所は風鳴八絋邸目の前の道路、邸内の人達はすでに状況を把握し避難を開始しているので邸内に移動する可能性有り)
(ちなみにキャロルちゃん今は江戸っ子口調じゃない外面モードです(興奮すると口調が江戸っ子に戻ります))
***
連投...は申し訳ないのですが今回は他の方もそのすぐ後にレスしてくれていたのでなしとさせていただきます
***
車から降りた私達はそれぞれ首から下げたペンダントを握りしめました
流石にラスボス来たから引き返す~なんてことは出来ません
翼「緒川さんはお父様達の方を」
緒川「わかっています、皆さん無理はしないでください」
そう言って緒川さんは瞬時に姿を消しました...えっ消えた?何あれテレポート?
足速いとかそういう次元じゃなくなりましたよ?
マリア「目的はレイラインの解放といったところ?」
キャロル「聞かずとも」
翼「やはり狙いは要石...否、させてなるものかっ!」
翼さんの気合が!気合が!!
私もそろそろ気を引き締めて行かないとですね
「Imyteus amenohabakiri tron」
「Seilien coffin aiget-lamh tron」
「Imyuteus amenomurakumo tron」
私はアメノムラクモを纏い剣を構えます
正直ここで要石が破壊されても最終的には響さん達『主人公』が何とかしてしまうんだろうとは思いますが、それでもここで止めるに越したことはありません
あと手を抜こうものなら私は死にます、相手は殺す気で来てますし
なので本気で仕留めに行かせてもらいます
キャロル「まだ僕を侮り弾を隠すか、ならば引き出させてやろう...」
パリンッ
パリンッ
パリンッ
瞬く間に出現させられる大量のアルカノイズ
戦闘員枠なだけあって数だけはいつもすごいんですよね
マリア「雑魚は私達に任せなさい」
翼「翠はキャロルを」
翠「わか...えっ私が!?」
いやいやいや仕留めに行かせてもらいますとは言いましたけど私が!?しかも翼さんマリアさんがアルカノイズ仕留めきるまで一人で!?
マリア「何を驚いているの?私達の中で一番強いのは貴女でしょう?」
翠「まぐれ続きを鵜呑みにして期待されても...」
翼「いや、あれはお前自身の実力だ」
期待が重い...確かに側から見れば模擬戦の成績的には私TUEEEかもしれませんけど...あぁもうわかりましたわかりましたよ!
キャロル「方針は決まったか?なら始めるぞ...行け」
キャロルちゃんの指示に合わせ一斉にアルカノイズが身を細く尖らせこちらに向かって飛んで来ました
翼「道は私達が」
マリア「斬り開くッ!」
翠「早く来てくださいねッ!じゃないと死ぬんで!」
いやもう本当、相手は仮にも三期ラスボスですよ?
アルカノイズが翼さんの剣やマリアさんの蛇腹剣によって倒されていく中私は文字通り斬り開かれた正面を駆け、キャロルちゃんに肉薄します
翠「はぁっ!!」
キャロル「ふっ」
当たらないだろうと思いつつ一振り
当然それは避けられ、当の避けたキャロルちゃんは空中浮遊なのかただの跳躍なのかわかりませんが翼さんのお父さん邸の塀の上に降り立ちました
翠「逃げる気ですか!」
キャロル「元より僕の本来の目的は戦いじゃない」
やっぱり口調的にも態度的にも違和感...てか今一人称僕でした?
そんなことを考えているとキャロルちゃんはそのまま私を無視して翼さんのお父さん邸の敷地内に入っていってしまいます
不味い、要石が!
翠「待ちなさいッ!」
・・・
空中浮遊には空中浮遊
羽衣によって私もまたキャロルちゃんに対抗するように空を舞い、なんとか要石が破壊される前にキャロルちゃんに追い付き止めることに成功しました
翠「させませんよ」
キャロル「今のお前に何が出来る、何が守れる」
翠「出来ることはパワーアップ、守れるものはそんなもの私だって知りませんッ!」
だから守りたいものを守ろうとするんですよ
地面に降りた私は胸元のマイクユニットに手を伸ばし
翠「イグナイトモジュール、着装ッ!!」
ニ-ベルング
何度もアニメで見たこの動き、そして何回か試してことごとく失敗したイグナイト
翠《行けますよね、『翠』!》
『翠』《もちろん!》
一度乗り越えた私達に対しニーベルングもノータイムで応え、ギアを変形させてくれました
黒より黒く、より禍々しく
色的になんかヤベーイとか言っておきたくなるこの姿
アメノムラクモ・イグナイトモジュール!
キャロル「ほう」
私は剣を構え直し、息を整え頭をクールに、精神を統一させていきます
翠「私は『貴女』」
『翠』「貴女は『私』」
ウィーアー!
...まぁ二人に別れない方なので歌的にはこっちじゃないですけど
・・・
すっかり慣れたフルシンクロ
二人分の感覚が一つになり、より研ぎ澄まされていきました
翠「今の私は...負ける気がしませんッ!!!」
キャロル「来いッ!!!」
キャロルちゃんのすぐ前まで跳躍し渾身の力で彼女を斬りつけました
しかしキャロルちゃんもまたシールドを張りそれを防いできます
キャロル「威力が...やっぱりその代用の力でも底上げには他ならねぇってか!」
翠「だけじゃないってこと、教えてあげるッ!」
フィーネさんのバリアだって私達なら破れる
より一層腕に力を込め、キャロルちゃんのバリアにヒビを入れていく
バリンッ
キャロル「ちっ」
バリアが破壊されると同時にギリギリで後退し私の刃を避けるキャロルちゃん
また避けられた...てかまだかなあの二人
こっちもいつまでも一対一で保たせられると思ったら大間違いですよ!
コンマ下1
奇数 つばマリ合流
偶数 つばマリもうちょい来ない
コンマ下2
奇数 中身は変わってもあのキャロルちゃんだからね、小娘一人の相手くらいこのままいける
偶数 琴でキャロルちゃんもパワーアップ!フェーズ2といこう
キャロル「威力はあっても避けられれば意味ねえってんだべらぼうめぇ!」
翠「ぬあぁ口調が気になって集中出来ないっ!!」
ここは退かずに押して押して押しまくる!
剣にエネルギーを注ぎ込み刀身を巨大化させ、振りかぶりながら再び距離を詰めます
そしてキャロルちゃんもまた再びバリアを張り...
翠「バリアが邪魔ですッ!」
剣を振りかぶったまま私はそのバリアを力尽くで掴みました
ビキッ
平面なバリアに片手の指5本が突き刺さり、私が引っ張ればバリアも同様にぐにゃりと歪む
キャロル「何っ」
翠「登場したての新フォーム補正舐めないでくださいっ!!」
まぁそんなもの本当はないんですけどね、ただシンフォギアは多少威力が精神に左右される面がある為こういう効果を思い込むのも戦略の一つ
ようは気持ちの持ちようってこと
バリィッ
力の限り引っ張られたバリアは破け散り、その向こうにいるキャロルちゃん目掛けて間髪入れず剣を振り下ろしました
『ディメンション・スラッシュ』
キャロル「ぐうぅっ...!」
大きく吹き飛ばされ塀に突っ込むキャロルちゃん
砂煙が舞い、その姿は隠れてしまいます
手応えはありました
が、仕留められたかといえばきっと...
キャロル「...ふ、ふふ」
やっぱり...でもこちらもイグナイトのカウントダウンがどんどん減っていて気が気ではありません
強制解除の前にギアを変えるかこの戦いを終わらせないと
マリア「翠!待たせたわね!」
翼「無事か、翠!」
翠「待ちましたよ、お二人共...」
声のする方を向くと、特に傷を負った様子のない翼さんとマリアさんが駆け寄って来ていました
そりゃアルカノイズ相手なら数で押されても遅れは取らないよね
マリア「彼女は...まだ立てるようね」
キャロル「ったりめぇだ、おめぇら相手にこの程度でへばる程じゃねぇってんだ」
口調が!口調が気になって会話の内容が入ってきません!あれ誰!?
とはいえ足元がふらついているのを見るに私の技もそれなりに効いた様子
出来ればこのままテレポートなりなんなりで退いてくれると私としては助かるんですが
翼「その風体で抜け抜けと吠える」
...あ
キャロル「へっ、ナリを理由に本気を出せなかった~なんて抜かされるわけにゃあ行かねえな」
待って待って
キャロル「ん゛ん゛っ...ならば刮目せよッ!!!」
待ってー!?!?!?!?
翠「待っ...わ、私はそのままのナリで!そのままのナリで本気で戦えますから!だから待って!!」
私の必死な声も虚しく、キャロルちゃんは真横に出現させた錬成陣から紫色の琴...馴染みのある呼び方であればハープを取り出し、その弦を掻き鳴らしました
変形する琴
張り巡らされる弦
錬金術によるものなのか急成長を遂げるキャロルちゃん...もはやキャロルさん
一連の流れを経て、目の前の彼女はこちらを見据えた
エルフナイン『ダウルダブラのファウストローブ...!』
ヘッドギアに搭載された通信機の向こうでエルフナインちゃんの息を飲むのがわかった
キャロル「これくらいあれば不足はなかろう?」
どこを触りながらどういう意味でその言葉をチョイスしたのかと本編見ていた頃から思っていました
今も思います
肌は醜く変色しようと、急成長した後のキャロルさんは何処と無くそれすら魅力的に魅せているよう
異業種系美人?みたいな?
いやそれより
翠「ばか!翼さんのばかっ!!」
翼「えぇ!?」
翠「翼さんどうしてそんな煽る感じのことをここで!このタイミングで言っちゃうんですか!!フェーズ2になっちゃったじゃないですか!!」
マリアさんとは違って戦場でなら翼さんはしっかりしていると思っていたのに...
翼「わ、私が悪いのか?」
もう本当に...本当にもう...
どう戦う?安価下
(キャロルちゃん仕切り直しと共に口調も外面モードに戻すの巻)
エルフナイン『カウント残り870...ですが長期戦は避けてください!』
翠「わかってます」
二分ちょっと使っちゃいましたか
ですがニグレドでこれなら今は上出来、最悪要石さえ守れれば撤退させられるだけでいいんです
翠「翼さんマリアさん、力を貸してください」
マリア「もとよりそのつもりよ、だから翼もいつまでもいじけない!」
翼「あ、あぁ」
私達の会話を邪魔する様子もなくただ見ているだけのキャロルさん
余裕の笑みを浮かべているようにも見えるけど
翠「行きますッ!」
せめてカウントは半分切る前か...最低でも100くらいは残して終わらせたいです
強制解除にまで行くと、流石にその後連続でギアを纏うのはキツイでしょうし
翠「はぁっ!!」
キャロルさん目掛け二太刀、三太刀と斬撃を飛ばし、少しずつ距離を詰めていきます
時に身を捻り時に指先に纏う弦でその斬撃を弾くキャロルさん
マリア「これで、仕留めるっ!」
そしてまた一つ斬撃を避けた瞬間キャロルさんの背後に回っていたマリアさんが短剣を振り下ろした
パリンッ
マリア「なっ!」
キャロル「甘い」
が、テレポートジェムを握りつぶして発動させたキャロルさんはその場から消え
翠「がはっ...」
私の背後に現れ弦を絡めて尖らせたドリル状の腕で背中を殴ってくる
ギアを纏ってなかったら穴空いてたよあれ!
マリア「翠っ!」
翠「いった...いですねッ!」
キャロル「ふっ」
パリンッ
振り向きざまに一撃くれてやろうと剣を振るうとまたもやテレポートで避けられる
バリアがもう通用しないと悟ったのか、面倒なことになりました
翠「こんなんならメヌエットさんにテレポート無効化するあのプラズマ砲の解析させてもらうんでした」
どこから来るのかわからないことまにはどうにも...
キャロルさんがどこにテレポートしたのか探していたその時
翼「...そこだッ!」
キャロル「!」
『影縫い』
翼「やはりな、要石周辺を注視していて正解だった」
翼さんが小刀を投げたその先では、要石のすぐ側に影縫いで動きを封じられているキャロルさんの姿が
流石翼さん!
キャロル「...ガキッ!」
パリンッ
安心したのも束の間、なんか今すごい嫌な音が聞こえました
すごい硬いものを無理矢理噛み砕いたみたいな音が
翼「しまっ」
キャロル「甘ぇっつってんだよばーろー」
翼「ぐっ...!」
口の中に紛れ込ませていたらしきテレポートジェムを噛み砕いたキャロルさんは少し離れた空中に姿を見せ、翼さんに小型の竜巻をプレゼント
翼「くぅっ!」
で飛ばされてこっちに!?
翠「危なっ」
つい思わず私は飛んできた翼さんを避けてしまいます
マリア「きゃあっ!」
あっごめんなさいマリアさん、後ろにいたの忘れてました
おかげでマリアさんが翼さんの下敷きに
...おのれキャロルさん!よくも二人を!
翠「真っ直ぐに一直線にッ!」
余計な小細工は下手にやっても隙を生むだけ、私はあえてただただ剣を構えたまま『避けるまでもないようなモーションで』キャロルさんのもとへ跳躍して接近
キャロル「策が尽きたか」
錬成陣を形成させながら手のひらをこちらに向け、何かしらの攻撃をしようとしてくるキャロルさんの姿を見た私は咄嗟に身を捻って姿勢を低くし彼女の懐へ
キャロル「ッ!?」
翠「セイ...」
そしてすぐさま彼女の腹に剣の刃を当てさらに剣自体を大型化
臨界充填(exceed charge)!
翠「ヤァァァァッ!!!」
『ディメンション・スラッシュ』
キャロル「ぬううぅぅっ!」
カウンターの要領でゼロ距離必殺技
確かな手応え、トドメとまでは行かずともそれなりにダメージは入ったはず
翠「起動っ!」
斬り抜きながら通り抜けた私は振り返りながら、夏菜さんから託されたフライユニットを起動させエンジンをかけます
夏菜から渡されたコレ、今の状態だと多分ロクに特殊機能は使えない、でも機動性の向上にはうってつけ、だよね!
翠「ダァァッ!!!」
そこからはテレポートさせる隙を与えないよう何度も何度も斬っては抜け斬っては抜け
斬り抜けの往復を繰り返し最後に大きく剣を振り上げ
翠「セイッ!!!」
力の限り振り下ろしました
キャロルさんはさっきのシーンの繰り返しのように今度は地面に叩き落とされ、砂煙が一気に舞い上がります
倒せ...てはなくてもせめて撤退したくなるくらいボロボロに出来ていれば...
翼「やったかッ!?」
そんな風に思っているとマリアさんに肩を借りて歩いてきた翼さんが...
翠「ズバババンッ!!!!!」
翼「ひっ!?」
翠「何でそうやってよりによってフラグみたいなことを」
ドッ!!!
あまりに翼さんが残念過ぎて思わず声を荒げていると、砂煙が強力な爆風によって一気に散らされました
キャロル「ふむ...こんなものか」
そこに立つキャロルさんには傷一つ見当たらず...
翠「ほらまた...もう!翼さんの駄女神ッ!!」
翼「だっ!?」
マリア「そ、それと同列にするのはやめてあげなさい!」
うっさいです!それなら火星の王妃くらいの活躍してほしいです!
キャロルさんコンマ下
奇数 疲れたし、眠いし、寝るし(ご帰宅)
偶数 第三ラウンド
どうする?安価下2以降
(エタらないって...言ってるでしょー!(きりしら感))
(あと水着未来さん当たりました!水着未来さんが中々来なかったのは井口さんのお誕生日と合わせてたからだったんですね!おめでとうございます!(遅刻))
(でも水着きりしらは...?)
残りカウント720...嘆いていても仕方ないよ、もう一踏ん張り
ですよね...くっ、せめて翼さんとマリアさんもイグナイトいければ...
無い物ねだりをしても意味がないとはわかっていますが、GXの展開はここまで飛ばし飛ばし過ぎてインフレが過ぎることが今更ながら如実に現れてきました
そうですよね、本当は皆さんちょいちょい成長しつつイグナイトを制御するんですもんね
それがなぜかイグナイト無しでほとんどのオートスコアラー倒してて...
翠「これがバタフライエフェクト...!」
今の台詞ちょっと言えて良かったとか思ったでしょ
思ってないです
バタフライエフェクトって響きかっこいいとか思ってるでしょ
思ってないです
マリア「その姿...まるでシンフォギア!?」
翠「翼さんマリアさん、見るからにあれはやべーやつです、無理に倒そうとせずせめて撤退させられるようにしないと」
翼「だが、みすみす見逃すわけには...」
見逃すんじゃありません、見逃してもらうんですよ、この場合!
キャロル「話し合いは終わったか?」
マリア「随分と余裕そうね、と言っても未だ傷一つないのならその余裕も当然というわけかしら?」
翼「だがそろそろ私達も一矢報いさせてもらおう、たかだか大きくなったところでッ!」
マリア「やぁっ!!」
そう言って翼さんとマリアさんはそれぞれのアームドギアを構え地面を蹴り、キャロルさんに接近
二人とも全く同じタイミングで剣を振り下ろしました
キャロル「軽いな」
対するキャロルさんはバリアも何も使うことなく腕の装甲のみでそれを受け止め薙ぎ払う
舐めプやめるわ~って感じなのかな
今までが舐めプだと信じたくない私がいるんですが...
翠「この場でギリギリ彼女に追いつけるのは私...私達だけです」
だからこそ、私達が
翠「うん、『私』達が頑張らないと」
フライユニットは異常無し
両手に二振りのアームドギア...天叢雲剣を握りしめ、地面を蹴った
背中のフライユニットもそれに合わせてエンジンをかけ、キャロルさんに近付いたところで低空飛行を始めます
翠「一撃が軽いのなら、何度でもッ!!」
避けようともしないキャロルさんに向けて右手の剣を振るう
そしてその勢いを殺さないまま身体を左下に向けて捻って回転させ、遠心力を利用して左手の、さらにもう一度右手の剣を振るう
キャロル「避けるまでもねえってんだ!」
翠「まだまだっ!」
私は低空飛行のまま彼女の横を通り過ぎ、その直後キャロルさんの身体に蛇腹状の刃が巻き付き
マリア「やりなさい、翼!!」
さらに頭上から大量の剣の雨が降り注ぐ
翼「はぁっ!」
『千ノ落涙』
そしてその雨に紛れて
『影縫い』
キャロル「ほう」
翼「貴様とて、二つもジェムは仕込んでいまい」
今のキャロルさんなら仕込んでいてもわざと捕まってそうな気もしますけど...チャンスは今しかありません!
翠「ダァァァァッ!!!!」
一気にUターンして動きを封じられたキャロルさん目掛けて斬撃を十字に放った
キャロル「甘いと、言っているッ!」
ピンッ
弦を弾く音とともにキャロルさんの影に刺さっていた小刀が弾かれ、身をよじったキャロルさんは器用に私の斬撃を身体に巻き付くマリアさんの蛇腹剣に当てて自由の身に
キャロル「喰らえっ!」
手のひらに浮かぶ複数の錬成陣から放たれる光線
それらを避けて近づく中、私達はそれらを確実に避けるためにブレをなくしていった
それだけじゃない、二人で行ってきたイグナイト制御のための精神制御が長時間続いたことで私達のシンクロもまた極限状態に達し始めてるんだ
少しでも集中を途切れさせたら頭が熱い、痛い、神経が焼き切れそうです...
右、右、次左、腕二つ分よじって避けて、頭を下げて大きく退いて構え直して...
そうしてキャロルさんの一挙一動に目を配るうちに、ほんの僅かですがその先の動きを読めるかのような錯覚を覚え始めました
一秒にも満たない先の未来の動き
それは筋肉の角度と動きから予測される形
キャロル「はっ!」
放たれる光線
でもその軌道はわかってます
翠「ふっ」
その光線の側面に右手に握る剣の刃を当て、軌道を反らせて前に出ました
翠「届けええぇぇぇっ!!!」
後一歩
私は左手に握る剣の切っ先を彼女に向けて伸ばし...
キャロル「...嗚呼、終焉への追走曲が薫る」
ギンッ
しかしそれは届く寸前、突如出現した何枚ものバリアを貫くことで勢いが削がれてしまう
にやり、とキャロルさんはそれを見て笑った
キャロル「るLuリRぁ...宇宙が、傾き...RゥるRiラ...太陽が凍る、Genocide...&genocide...」
両手を広げた彼女の背面から琴が羽根のように広がり、キャロルさんは私を見たままそこにある弦に手を伸ばします
まずいっ...
そう思っても身体が動きません
気が付けば腕にも足にも錬成陣が嵌められ、身動きが取れなくなっていました
やり返された...!
ピンッ
弾かれる弦
溜まり始めるエネルギー
それは明らかに私を狙っています
動け、動け動け動け!!!
キャロル「血液、一滴、残らず」
視界が光に包まれ、私の意識はそこで途切れました
・・・
...はっ!
ガバッ
マリア「っ、翠!」
目を覚ましたとき、私はどこかの部屋で床に敷かれた布団に寝かされていました
思わず起き上がると、全身に激痛が走り「うっ」とか呻きながらまた布団に倒れこむというこのザマ
隣で見ていてくれたのかマリアさんにそっと布団をかけ直されました
マリア「まだ動いてはダメよ、動ける怪我じゃないわ」
翠「はい...それで、あの後...」
えっと確か、動けなくなって、キャロルちゃん...じゃなくてキャロルさんの攻撃を受けて...
翠「...あっ要石!要石は!」
すっかり忘れていた要石
守り切れたのかどうか、そう尋ねるとマリアさんは悔しげな顔になり
マリア「...破壊されてしまったわ」
翠「...そう、ですか」
マリアさんには悪いですが、そうだと思いました
どうする?安価下
(風鳴八絋邸の空き部屋に布団敷いてもらってる状態です)
undefined
マリア「とにかく、目を覚まして早々悪いけれど...司令の用事もあと少しで終わるでしょう、そうしたら私達も帰るわよ。と言っても貴女は重症だから私が車までおぶることになるけれど」
翠「ししょー...?ししょー来てるんですか?」
マリア「えぇ、翼のパパさんに用があったみたい」
兄弟の秘密の対談?なんていう言い方をするとなんだかイケナイ感じに聞こえますが...
でもししょーがこのタイミングでここに来るなんて原作ではなかった動きですね
マリア「要石は守り損ねてしまったけれど、後から任されたこともある。それに...どうにも翼がやる気で、ね?」
翠「翼さんが?というか翼さん今どうしてるんです?」
マリア「さぁ?部屋に...ここの家の、かつて翼が使っていた部屋に篭ってるわ、嬉しいやら恥ずかしいやらの入り混じった顔をして」
翠「...私が寝てる間に何が」
マリア「親子の長年にわたる誤解とわだかまりが解けたのよ」
あっふ~ん
知らない間に翼さんのお父さんがただのツンデレ子煩悩さんだとバレたというかバラしたんですね
そりゃ要石が守れなかった後でもそんなことどうでもよくなりますよね
翠「実はめちゃくちゃ愛されてたと翼さんは理解してしまったと...」
マリア「知っていたの?翼のパパさんがそういう人だと...貴方会う前に気を失ったはずよね?」
翠「少し前にお会いしたので...翼さんの収録現場で」
マリア「あー...」
なんだかんだ娘大好きですよね、翼さんのお父さん
てことは今翼さんは『剣に非ず!貴様はこれを剣と呼ぶのか!否!これは夢に向かって羽ばたく翼!!』状態と
...今ならイグナイトいけるんじゃ
マリア「まぁでもそれなら、ここを出る前に挨拶くらいはしていくべきかしら、翠が今横になっているその布団も翼のパパさんが用意させたものらしいし」
翠「ですね...痛っ」
当然ゆっくりにしたところで起き上がった時痛みが走らないわけもなく
よく見たら私服の下全身至る所に包帯が...あぁ、キャロルさんの歌付きの一撃モロでって威力で言うと絶唱モロに喰らったようなものですもんね
原作クリスさんみたいにネフシュタン着てれば傷もある程度修復されたんでしょうけど
翠「でも流石にマリアさんにおぶってもらったまま挨拶するわけにも...肩だけ貸してもらえませんか?」
マリア「もちろん」
・・・
翼さんのお父さんがししょーと話をしているという部屋の前まで、マリアさんに支えてもらいながら傷が開かないようにゆっくりとやってきました
途中部屋の戸を開けたまま中で頬に手を当てながら「ふふふっ」と嬉しそうに笑う翼さんを部屋の外から見守る緒川さんを見かけましたがスルー
あれ?何気に私、マリアさんにしか心配してもらえてない?いや別にいいんですけどね?
『翠』《奏さん達も『私』達の心配してくれてるよ~》
翠《さいですか》
で、ししょーと翼さんのお父さんはまだ話し中のようです
弦十郎「この事を彼女には」
八絋「このままでいい、それに今更だとお前も思うだろう?」
弦十郎「それはそうだが...肉親がいるという事実は今の彼女には必要かもしれないぞ」
八絋「血が繋がっているだけの存在がなんだと言うのか...そう思うからこそ翼にその名を授けた、風鳴の血に、因習に囚われまいと」
弦十郎「それとこれとはッ!」
時々ししょーの声が大きいせいで若干会話が漏れています
でもししょーと翼さんのお父さんの会話で穏やかでない内容となるとそれこそ国家機密とかそういう『聞いたからにはただで帰すわけにはいかない』案件の可能性も...シンフォギア装者の存在自体国家機密ですけど
コンマ下
奇数 でも好奇心には勝てない!こっそり聞き耳
偶数 とりあえず話は聞かないようにして終わるまで待つ
(翔子(どうでもいいですけど動きを封じた相手に至近距離で絶唱モロに喰らわせるってだいぶ前に翠さん自身やってましたよね...これが因果応報?))
話の内容が気にならないこともないですが、好奇心は猫を殺す...私はまだ死にたくはないですね
まぁもう一回死んでますし、どっちかというと蛇達と暮らしてたり大蛇と一緒に戦ってたりするので属性的には猫より蛇かもしれませんが
猫と言ったらメヌエットさん?...は狼もですね、今は切歌さんと調さん?
翠「まだ話し中みたいですね」
マリア「そうみたいね、少し待っていましょうか」
翠「ですね...で、マリアさんはどういうつもりなんですかね」
マリア「え?」
翠「え?じゃないですよ?こちとらあれよあれよという間にアイドルですよ?」
マリア「あっ...ま、まぁ、ね?ほらライブも成功だったじゃない!貴女と歌った時だってとても盛り上がったし!」
翠「まさかマリアさんがあの変態にノせられてこんなことするとは思ってませんでしたよ...今マリアさんの信用は地に落ちています。というか変態とほとんど変わらない位置です」
マリア「ど、ドクターと同列だけは!」
そんなに切羽詰まった顔をするのに協力はしたんですか
思えばマリアさん、武装組織フィーネの大将に担ぎ上げられたりそれなのに微妙に低い地位だったり...何でしょう、普段のしっかり者っぽい雰囲気は全て幻な気がしてきました
いやそうに違いありません、セレナさんには申し訳ないですがマリアさんがポンコツというのは(生前の)世界の常識、中の人である日笠さんにまで『たやマ』が伝わってしまうほどに
いやもう本当...この人切歌さん調さんの姉貴分でもあるんですよね?大丈夫なんですか?
マリア「で、出来る限りのサポートはするつもりだから」
翠「いや、それでマリアさんのお仕事に支障が出たりなんかした日には...でももうどうしようもないんですよね...せめて相談くらいには乗ってくださいよ、アイドルの先輩として」
マリア「ま、任せなさい!」
世界の歌姫に相談に乗ってもらう約束を取り付けるとか贅沢にもほどがあるのかもしれませんけど私にはどうにもそんな有り難みを感じられませんでした
・・・
弦十郎「...今日はここまでにしよう」
八絋「くれぐれも頼んだぞ」
弦十郎「あぁ」
ガラッ
あ、終わったみたいですね
翠「どうも、お久しぶりです翼さんのお父さん」
マリアさんに支えてもらいながら部屋の前まで行き、とりあえず頭を下げておきました
弦十郎「!...目が覚めていたのか、翠くん」
八絋「あ、あぁ、翼が世話になっているな...それで、傷の具合は」
翠「世話してもらってるのは私の方ですが...はい、万全とは言えませんが動ける程度には塞がりました」
八絋「そうか」
弦十郎「...」
翠「?」
ししょーその微妙な表情は一体
・・・
それから翼さん緒川さんとも合流し、本部へ戻ってきました
私は速攻でメディカルチェック&軽い治療
消毒やら点滴やらをするだけの簡単なものです
で、医務室のベッドに寝かされるのはいいんですが
翠「あはは...」
メヌエット「...」
気まずっ
何故この医務室
クリス「アタシはもう動けるからな...そいつはまだだとよ」
メヌエット「傷そのものは完治している」
クリス「まだだって言われてんだ、大人しくしとけ」
クリスさんと入れ替わるように私はメヌエットさんの隣のベッドに寝かされました
これでクリスさんがこの部屋から出て行ったらさらに気まずくなってしまいます
あっ待ってくださいもう少し残っててもあっドア閉めないであ~誰か!誰か~!
ガラッ
夏菜「ちょっといいですか?」
翠「貴女が神か」
夏菜「ん!?」
クリスさんが出て行ってすぐ部屋に入ってきたのは夏菜さん
そしてその手には私が渡されていたはずのフライユニット(変形前)が
そういえばメディカルチェックの前に夏菜さんに渡したんでした
夏菜「まぁいいです、コレなんですけど...部品の問題で完全な修復はすぐには出来ませんが、そもそも小破しているとはいえ機能的にはそれほど影響はありません、このままでも問題なく使えると思います」
翠「知らない間にメンテナンスを」
夏菜「まぁ使う張本人の翠さんが動けないのであまり意味ありませんが」
私はメディカルチェックの結果、喉に関してはただ話す分には問題ありませんが多少負荷がかかるシンフォギアの起動はもう少し回復するまで避けたほうがいいとのことでした
しばらく安静に、アスクレピオスで治そうとして起動させる前に悪化したらそれこそ意味がないと
私としても身体中痛いので安静にしてていいならそれで...
メヌエット「...」
夏菜「一応置いておきますね」
そう言って夏菜さんは私のベッドの枕元にフライユニット(変形前)を置いて部屋を後に
寝返りをうったら大変なことに...というかやっぱり気まずくなってしまいました!引き止めるべきでしたかね!?
メヌエットさんと何か話す?安価下
(何も話さず二人揃って黙っているのもアリです)
(ここで【溢れ話】も可)
翠「...」
メヌエット「...」
気まずい...よくよく考えたら私はメヌエットさんとほとんど接点ないんですよね...
それに特に仲が良いというわけでもありません
というかむしろそれほど好意的に思ってもらえてなさそうです
かといってこのままずっとだんまりのままでいいのかと言われたら...
翠「...」
あと十数時間...下手すると数時間で、彼女は生命活動を停止してしまいます
私の持つ聖遺物を使えばそれは回避出来るかも知れません...が、それをやらないと決めたのは、決めてしまったのは紛れも無い私自身です
翠「...あー、えっと、その」
メヌエット「...なに」
翠「いや、まぁ何っていうほどでもないんですけど...」
それこそが偽善と言われようと、自分勝手な自己満足と言われようと
翠「...メヌエットさん」
メヌエット「...」
翠「任せたい事があるなら...引き受けます」
せめて何か私に出来ることがあるならしたい
メヌエット「...少し、自意識過剰が過ぎない?貴女」
翠「う゛っ...すみません、そりゃ私なんかに任せない事とか無いですよね...」
メヌエット「そうじゃない、それもあるけど」
あるんですね...
メヌエット「...そんなナリで、まだ抱えようとする意味がわからない」
翠「え...?」
メヌエット「なんでもない」
いやそれどういう意味なんですか...?
くっ...メヌエットさん表情こういう時はいつも以上に変わらなくて読めないです...
メヌエット「...はぁ、なら一つ...いい?」
翠「!は、はい!」
いつもつっけんどんなメヌエットさんが!これは心して聞かねば
そう思い、身体はほとんど痛くて動かせないので気分だけでも姿勢を正して聞く姿勢を作っていると、彼女は「ルシエド」と囁きその名を持つ狼を呼び出しました
メヌエット「理由はわからない、けれどルシエドが私の次に、貴女の事を気にかけている」
翠「へ?私の事を?」
メヌエット「私の次に」
ルシエドが...何故に?
そう思ってルシエドの方に顔を向けてみても、特に返事は得られず
メヌエット「だから私が居なくなったら、貴女に後を任せたい」
翠「...わかりました、ルシエドがいいなら、私は構いません」
ルシエドが拒否するなら流石に難しいですが、ようやく託してもらったメヌエットさんのそれらしい願いでもあります
翠「ルシエドはそれでいいんですか?...ルシエド?」
メヌエット「ルシエド...?」
試しに声をかけてみてもガン無視?いやこっち向いてくれているので無視しているわけじゃないのかもしれませんけど
むむむ...いや待ってください、さっきまでここにはもう一人いました
それも私のすぐ近く、ちょうど今ルシエドが向けている視線の先に立っていた人が
翠「...もしかして、夏菜さん?」
そうルシエドに聞いてみました
ルシエドの返事は首肯
やっぱり...
翠「夏菜さんにも興味、あるってことですかね」
メヌエット「みたい...」
メヌエットさんも知らなかったのか、少し驚いたような表情をしています
メヌエット「それはそうと、今日は前みたいにしつこく言わないから少しは楽」
翠「私ですか?」
メヌエット「私の事を蒼井蓬だとも、自分を姉だとも」
翠「あー...」
『翠』、かなり面倒に思われてたんですね
しかしどうしたものでしょう、誤魔化そうと思えば出来なくもないんですけど...
翠「...それは、貴女がよもぎでないように、私もまたよもぎの姉ではないから、ですかね」
いえ、彼女なら平気でしょう
メヌエットさんにあまり時間が残されていないからか、それともそれほど心の距離が近くないからか
私は思いのほかすんなりとそんなことを言っていました
メヌエット「...?」
翠「『蒼井翠』はよもぎの姉です、でも私は...確かに私は蒼井翠ですが、『蒼井翠』ではない」
メヌエット「...」
翠「だから、私は貴女の事をメヌエットさんだとは思いますがよもぎだとは思いません...ま、よもぎの遺伝子から~っていうのには同様しなかったといえば嘘になりますけど」
私はよもぎの姉である『蒼井翠』ではありません
だから...こう言ったら『翠』やよもぎに失礼かもしれませんが、メヌエットさんによもぎを重ねることはしませんし出来ません
情報として知ることは出来ても、そこに私自身の感情を乗せることは
メヌエット「...そう」
翠「...聞かないんですか?」
メヌエット「興味がないわけではない、でもそれはきっと私には関係ないこと」
翠「ですか」
メヌエット「そう...ん?」
翠「どうし...って、廊下が騒がしいですね、何かあったんでしょうか」
ドタバタと人が行き交う音が聞こえてきます
まさかまた本部に奇襲?だとしたら連絡の一つは来そうなものですし
メヌエット「...始まった、ということかもしれない」
翠「メヌエットさん?」
ルシエドはいつの間にか姿を消し、メヌエットさんは身体を起こしてベッドから降りてしまいます
メヌエットさんは怪我そのものは治っているので確かに体力さえ動けるくらいに回復すれば寝ている必要はないんですけど...急にどうしたんでしょう
翠「何処へ?」
メヌエット「少し...貴女は休んでいるといい、怪我もある、点滴も付いている」
翠「え、えぇ」
もしかして今少し私の心配してくれました?身体のこと気にかけてくれました?
メヌエットさんはそれだけ言い残し、部屋から出て行ってしまいました
えっと...メヌエットさんが出て行ったのは誰かに連絡した方がいいんでしょうか
翠「...いえ、残りの時間くらい好きに生きてほしいです」
この時引き留めるかあるいは無理にでも私も付いていけば良かった
そう、窓の外の様子がおかしくなって来たあたりで私は思うことになりました
・・・
廊下はより一層騒がしくなり、警報やら何やらまで鳴り始めます
いよいよこれはただ事ではないと思い始めたその時、ふと窓の外から見える空に亀裂が走るのに気が付きました
翠「...っ!?」
空が割れる
それも文字通り、パリパリと音が聞こえてきそうな、まるでガラスの板のように割れていきます
そしてその割れて出来た穴から現れたのは
翠「チフォージュ・シャトー...!」
こんなところで寝ている場合じゃありません!だってあれが出てきたということはつまり最終決戦
それに対してこちらの装者は響さんの特殊なものを除いてほとんどイグナイトが成功していません
このままじゃ勝機が...
翠「...痛っ」
なるべく血管を無駄に傷つけないよう気を付けて点滴を外していきます
全身の痛みや体力の消耗は我慢すればなんとかなるはず
最悪『翠』や奏さん、セレナさんにも手伝ってもらって...
コンマ下
奇数 夢姫ちゃん
偶数 夏菜さん
ゾロ目 『凜音』ちゃん
ガラッ
ベッドから降りようとしていると、部屋のドアが開かれました
ノックもなしに!?と一瞬警戒しますが...そこに立っていたのは『凜音』ちゃんでした
『凜音』「失礼します、蒼井さん」
翠「あっ、『凜音』ちゃん来てくれたのは嬉しいんですが私はちょっとこれから」
『凜音』「ダメですよ?」
つかつかつかっと近づいてきた『凜音』ちゃんは有無を言わさず私の腕を掴み私の後ろに持ってきて手に持っていた手錠をかけてきます
ご丁寧にベッドの柱を囲うように
翠「え...」
『凜音』「蒼井さん、蒼井さんは今怪我をしているんです、だから動いちゃダメなんです」
普通の手錠だったら多少腕は痛くなるかもしれませんが中央の鎖を力づくで引き千切るくらいはししょーに鍛えられた私なら出来るかもしれません
が、この手錠はシンフォギア一期の頃から...この世界で言えば転生初日からお世話になったあのゴツいやつです
腕を動かして外そうとしてもビクともしません
翠「何で...」
『凜音』「何で...?何がですか?」
キョトンとした顔で首を傾げる『凜音』ちゃん
いや何がって
翠「ここでこんなことしてる場合じゃないんです!外見てください!急いで向かわないとこのままじゃ」
『凜音』「だから、行こうと言うんですか?その身体で?」
翠「アスクレピオスさえ起動させられればすぐ治ります!一度のギア起動くらい多少無理すれば」
パシンッ
瞬間、頬に痛みが走りました
『凜音』ちゃんの方を向いていたはずなのに視界がズレていて、彼女にビンタされたことにそこで初めて気が付きました
翠「『凜音』...ちゃん?」
『凜音』「...」
彼女がビンタしてきたことに対する困惑で頭がいっぱいになり、言葉が出なくなってしまいます
『凜音』「...この部屋に来る前、『私』と歌代さんで少し言い合いになったんです」
翠「夢姫ちゃんと...?」
『凜音』「でも、やっぱり嫌だって、歌代さんも蒼井さんにこれ以上無理してほしくないって...だから『私』が来たんです」
翠「あの、さっきから何を言って」
『凜音』「ダメなものはダメですッ!!」
翠「っ...」
怒鳴る『凜音』ちゃんの目には光がありませんでした
どんっ
私の両肩を掴んだ『凜音』ちゃんはそのまま私のベッド上に上がって私を押し倒してきます
肩に入る力がどんどん強くなり、思わず痛いと声が出てしまいますが、離してくれそうにありません
『凜音』「『私』は見てきました、誰かを救ったり、誰かと戦ったりする蒼井さんのことを...いつもいつも傷付いて、挙げ句の果てに現場や戦いの場じゃなく、ここのシミュレーションルームでもボロボロになるまで殴ったり殴られたり
『凜音』「歌代さんとも気にしてました、寝る間も惜しんでエルフナインちゃんと何か作って、そのままたまにやっと休んでくれたと思ったらまたすぐ働いてボロボロになって、怪我して
『凜音』「蒼井さんだけじゃない、戦ってる人みんな、ボロボロになって、気絶したまま運ばれてきたりして、それで、貴女達は...
『凜音』「...歌代さんは言っていました。「わたくしがイミテーターを使ってアスクレピオスをコピーすれば、翠さんの身体は治せるはず」って...でもそれでどうなるんですか?体力もないまま怪我だけ治ってまた戦って、怪我をして、治して、また戦って...みんなそうです、怪我は治せるからって、そんな風に平気で怪我をして、治して、またすぐ怪我をしに行って...
『凜音』「『私』のせいですよね、そんな聖遺物を使うようになったの...知ってるんです、『私』があの日虫歯が痛いなんて言って、それを治すために...ううん、それ以前に、『私』の記憶を直すために、本当の私を取り戻すためにその聖遺物を使ったんだって...
『凜音』「でも、そのせいで何でも治せる力を手に入れてしまった...無茶出来る理由を見つけてしまった...それが堪らなく『私』は嫌です、それで『私』達は守られているんだとしても、多くの人は救われているんだとしても
『凜音』「その力は本来、不幸な怪我を無くすためのものなんじゃないんですか?どうしてそんな使い方をするんですか?便利だと思ったんですか?死ななければ死にに行ってもいいっていうんですか?
『凜音』「そんなの絶対嫌です...『私』は貴女に生かされた、生きていていいと言われた、だからここにいられるんです
『凜音』「絶対に失いたくない、消えたくないと思ってしまったから、生きたいと思ってしまったから、思い出したくないと思ってしまったから...
『凜音』「『私』は貴女に死んでほしくない、貴女のために、『私』のために...だから絶対に行かせません、何があっても」
『凜音』ちゃんは私の肩から手を離し、背中に手を回してきました
強く、強く抱きしめてくる彼女に私は...
多数決安価下1~3
1 ありがとう、もう行くなんて言いません
2 ごめんなさい、それでも私は行かなくちゃ
翠「...ごめんなさい」
『凜音』「っ...」
私は、拒絶の言葉を口にしました
びくっとなる『凜音』ちゃんを感じながら、罪悪感を感じながら
翠「それでも、私は行かなくちゃ」
改めてそう言いました
『凜音』ちゃんが言っていることはわからないわけじゃありません、心配してくれているのもわかります
それでも私は...
『凜音』「...嫌、嫌です、だって『私』はっ!」
トンッ
『凜音』「ぁっ...」
彼女が何かを言おうとした瞬間、それこそアニメや漫画のように彼女の意識は首筋に入れられた手刀によって刈り取られ、私にもたれかかって来ました
それをやった犯人とは
女神「...ふぅ、AXZ1話でやってたおかげで、この世界だとこの首トンッが有効だと知っていましたからね、練習した甲斐がありました」
翠「いつそんな練習...」
てかいつ入って来たんですかねこの人
そのまま『凜音』ちゃんのポケットを探り手錠の鍵を見つけた女神様は私の腕を解放してくれました
女神「これで今回のことはチャラということで」
翠「考えときます、助かりましたよ本当に」
『凜音』ちゃんを起こさないようにそっと退かして私はベッドから降り、そこにそのまま『凜音』ちゃんは寝かせておくことに
肩痛い...けどもたもたしている暇はありませんからね
女神「行くんですか」
翠「行きますよ」
枕元に置いてあったフライユニットと、壁にかけられている私の上着を掴んで部屋のドアを開けました
女神「...」
・・・
翠「痛た...歩くだけでもまだかなり...」
着替える時間も惜しい為病衣の上から上着を羽織るというミスマッチな服装ですがまぁ仕方ありません
上着のポケットにギアも全て揃っていることを確認し、私は甲板へ向かいます
どのギアで行く?安価下1
1 アメノムラクモ
2 アスクレピオス(戦闘不向き?)
3 イミテーター(イグナイトなし)(何か模倣する際は何を模倣するか記述)
4 イミテーター(銀色のギア)
5 ミョルニル(イグナイトなし)
6 神獣鏡(他のギアと同時展開する場合はどれと同時展開するか記述)
7 フォーク
8 アメノオハバリ
(1、2、6、7、8はイグナイトも可、その場合は数字の他にイグナイトと記述してください)
どうする?安価下2以降
(翠「今日は海の日でしたね!皆さん海行きましたか?ちなみに私は海の上を走る練習をして見事失敗しました。出来るはずもなし」)
翠「戦うにしろしないにしろ、とりあえず今のままでは痛みで上手く動けそうにありません、だから...」
7つあるギアペンダントの中から一つ選び、ポケットから取り出しました
ついさっき『凜音』ちゃんにはやめてほしいと言われました...けれどごめんなさい、やっぱり出来るのにやらないというのは出来ません
「Healing almighty Asclepius tron」
コンマ下
ゾロ目以外 セーフ
ゾロ目 アウト
(えっ水着調さんどこ...?)
翠「ッ...」
聖詠を口にしたその時、僅かに喉に痛みが走りました
感覚として近いのはフルマラソンをした後何も飲んでいない時の唾を飲み込むのすら辛くなるようなチクリとした痛み
ですが歌い切ってしまえば...起動さえ出来れば!
辺りがエメラルドグリーン色のバリアフィールドに包まれ、各部装甲に十字マーク付きのナースキャップ型のヘッドギア、一匹の蛇が巻きついたような杖が現れました
翠「セーフ...」
なんとか起動は成功です
翠「まさか「いざやったら失敗して悪化したから夢姫ちゃん治して」とも言えませんからね」
私自身の身体を杖から溢れさせた光に包み、傷を癒していきます
特に喉、ここはいざ戦場で歌おうとした時に使えなくなったらそれこそ終わりですから
翠「あー、あー...よし」
喉のイガイガしたような痛みは退き、喉潤ってないけど乾いてもいない程度に戻せました
身体も痛みはありません
強いて言うなら疲れが抜けず怠いくらい
弦十郎『翠くん、何をしているッ!君は休んでいろッ!』
翠「うひぃっ!?」
喉の調子を確かめていたらヘッドギアの通信機から怒鳴り声が
わー、すっごく怒ってるように聞こえます
でも私はそれを無視して次のギアペンダントを取り出しました
「Imyuteus amenomurakumo tron」
ギアチェンジ、それなりに最初から疲れているときは余計体力を使うようですね
弦十郎『聞いているのか翠くんッ!』
翠「聞いてません!行ってきます!」
弦十郎『みどr』
ブツッ
翠「通信、別に切ってしまっても構わんのだろう?」
『翠』《いやダメだと思うよ》
アスクレピオスから黒いギア、アメノムラクモへと姿を変えた私は羽衣を使い甲板から街の方へ空中浮遊
チフォージュ・シャトーへ近付く間周辺の民間人の避難状況を確認していきます
コンマ下
奇数 被害はなさそう
偶数 ちょこっといるから助け出すッ!
ゾロ目 何してんですかねあの杉田...
だ~れもいない
避難誘導は行き届いているようです
...知らない間に地球の分解始まってて光に飲まれて消えたとかじゃないですよね?本編世界だったらあれ元に戻りませんよ?
翠「...ん?」
本部である潜水艦の甲板から少し離れたところまで来たときに、本部の入り口付近で何か光ったのが見えました
キラッという感じではなくこう...光が湧いた、みたいな
とりあえずバックして
翠「確かこっちの方...あっ」
地面に降りて光っていたところを探してみると、またもやボロボロになっているメヌエットさんの姿が見えました
さっきの光はテレポートのときの錬成陣だったようです
翠「ちょっメヌエットさん!?」
メヌエット「...誰か一人くらい、本部近くに残しておいてくれればいいものを」
いや総動員でキャロルちゃんあるいはキャロルさんの相手をしてるはずですからそれは無理でしょう
翠「それより傷を治さないと」
メヌエット「いい...身体を治しても私は消える、必要ない」
アスクレピオスを取り出そうとした私の手を掴んだ彼女はそう言いながらふらついてしまいます
咄嗟にそれをギリギリで抱き抱えますが、どういうわけか彼女の身体はだんだんと崩れ始めていました
私とメヌエットさんの今の状況、それはさながらいつかの奏さんの最期のような
翠「これは...」
メヌエット「ホムンクルスの真似事の安易な造りだから...でもどうせこうならなくても私そのものの容量は限界を迎える...けほっ」
翠「それで...それでいいんですか...」
メヌエット「使命は果たした...仇はこれで、打てたことにする」
ふと、遠くの方で爆発音が聞こえました
そっちに顔を向ける私とメヌエットさん
目線の先で、マリアさんと自称イグナイト・オリジンの響さんが飛び上がっています
メヌエット「...オリジナルは生きている、それこそが本来あるべき形」
翠「...」
ふっと珍しく表情を崩すメヌエットさん
果たして今彼女の心にはどんな想いがあるのか
メヌエット「...シャトーの心臓部に爆弾を仕掛けた、そしてキャロル・マールス・ディーンハイムの内臓器官は今LiNKERの過負荷で限界はすぐそこ...本当はトドメをこの手で刺したかったけど、勝ち目のない一騎打ちは趣味じゃない...だから、後は貴女達に」
翠「何で...本当にそう思うなら、わざわざこっちに来なかったんじゃないんですか」
本当にトドメを刺したかったのなら、誰が止めても戦場に居続ける、それくらいはしそうな人じゃないですか
メヌエット「...刺し違えるくらいなら逃げろ...散々そう言われた...それに、何となく貴女が来る気がしたから」
翠「え...?」
メヌエット「最期を看取ってくれるのが貴女なのは...いい気分じゃないけど、嫌じゃない」
どんどんと声が小さくなり、身体も崩れていきます
メヌエット「これで良かったんだよね...お父さん...」
そして遂に、塵となってその姿を保つことなく消え去ってしまいました
残されたのは彼女が使っていたRN式回天特機装束、そして一枚の石のプレートのみ
翠「...メヌエットさん、貴女は幸せでしたか?悔いはありませんでしたか?」
貴女は最期、それこそ本当に心の底から笑えたような、そんな顔をしていましたね
なら、貴女の死を悲しむのは野暮なのかもしれません
翠「...任されました、必ず倒してみせますよ...キャロルちゃんは」
使命を全うし最期まで戦った貴女に敬意を
ぐっと、何ももう残されていない手のひらを握り締め私は立ち上がり、空に浮かぶチフォージュ・シャトーを睨みつけました
どうする?安価下
(最終決戦なのにイグナイトを支えるのが響さんと翠ちゃんしかまだいないという)
『翠』《...今は薄情かもしれないけど切り替えないと》
翠「わかってます、辺りにもう逃げ遅れた人もいなさそうですし急ぎましょう」
メヌエットさんがいた場所に残された石のプレート...これルシエドですかねぇ、ですよねぇ...とRN式回天特機装甲を拾い上げます
翠「ルシエドはいいとして...こっちのRNなんちゃらはどうしましょうか」
劣化版シンフォギア的なものですが...シンフォギアでは反動が強過ぎる夏菜さんでもこれならいけるかもです
翠「あっち行った時ついでに渡してみま...」
弦十郎「おおおぉぉぉッ!!!!」
翠「っ!殺気!」
雄叫びが聞こえその場を飛び退くと、さっきまで私が立っていた場所に拳を向けるししょーが本部の方から跳んできていました
弦十郎「大人しく寝ていろというのがわからないのかッ!」
いや永眠してしまいそうなのですがそれは
通信機を切っていたとはいえこちらの動きは把握されていたはず
むしろメヌエットさんの最期を看取るのが終わるまで待ってもらえただけマシだったかもしれません
奏《そうなった時のダンナはマジだ、潔く受け入れて〆られるしかない》
翠《実体験に基づくアドバイスですか?》
奏《あれはブチ切れた翼とのギアあり大喧嘩が可愛く見えるほどだったからね》
生身のOTONAのOSHIOKI>装者同士の喧嘩
あっはいなんか知ってました
しかしこうも湿っぽい雰囲気を壊されるとなんでしょう...いや、もしかしたらある意味これもししょーは私を元気付けようとしてくれているのかも
弦十郎「覚悟は出来ているな、翠くん」
あっ違いますねこれ
翠「あはは...」
最近困ったら渇いた笑いが溢れることがやけに多いような気がします
どうにか隙を作らせないと...えっとえっと
翠「ししょーパスっ!」
弦十郎「!?」
思わず投げ渡したRNなんちゃらかんちゃら
本当は夏菜さんに渡そうと思ってましたが
翠「それ使えばししょーも多分もっと戦えますよ」
アレについてはししょーも資料を読んでいたはず
なら私の言った意味もわかるはずです
そして案の定受け取ったししょーは突然のことに唖然として固まっています
やったねたえちゃん!
今のうちにここから逃げるッ!
弦十郎「...はっ!待て翠くんッ!」
うあっ持ち直すの早っ
翠「くっ...ネロさんっ!」
ネロ《その男からの逃走用に呼ばれるとは思いませんでした》
私はネロさんに開いてもらったバビロニアの宝物庫の扉へ飛び込みました
弦十郎「む!待つんだッ!」
待たないッ!
翠「セーフ...」
ギリギリのタイミングで扉は閉まりました
目指すは響さん達とキャロルちゃんが戦う決戦の地!
...の前に
翠《ネロさんネロさん、ちょっと寄り道させてもらえます?》
・・・
寄り道も終わり、いざ戦場へ
わらわら寄ってくるノイズを対処しつつバビロニアの宝物庫の出口から顔を出すと、ちょうど皆さんが戦っているのが見えました
翠「っし逃亡成功!」
思わずガッツポーズしていると、何人か私に気付いたようでこっちを二度見してきます
未来「えっ...えっ翠ちゃん!?」
『夏菜』「は、はぁ!?何してんですか!?」
響「...!」
翠「何って、寝てる場合じゃないでしょうこんなの...現状私と響さんしかイグナイト出来ないですしね」
響さんのはちょっと違いますけど、まぁ本物か財団X製かくらいの違いだからこの際いいです
翼さん?翼さんは確かに親子のわだかまり解消されたのでワンチャンいけるかもしれませんけど...原作の翼さんの初イグナイト成功時のトリガーが『シンフォギアが誰かを守る力なら装者も守るはず!ダインスレイフの呪いを破るのはいつも一緒だったアメノハバキリ!』ですからね
というかこの目で成功するのを見届けるまでは油断出来ません
響「...逃亡成功ってことは、そういうことだよね?翠ちゃん?」
翠「...へ?」
いつの間にか響さんは私の目の前まで来ています
そういえばイグナイト・オリジンの時の響さんっていつもより冷静っぽい雰囲気あるんですよね
いつも感情豊かなので余計にそれが際立っています
何でそうなるのかは知りませんけど、ゲームするときには二重人格でもないのに性格変わる研修医もとい小児科医もいたことですし?いやあれは二重人格だと思ってましたパラドォ含めて三重かと
で、で、響さんその振り上げた拳は何なんでしょうか
ゴチンッ☆
翠「い゛っ...」
ギア有りでのゲンコツで脳にダイレクトにダメージが...あっなんか視界がぱちぱちします
響「流石に今回は寝てないと」
翠「何でこう皆さん遠慮というか容赦というか...」
響「え?十分遠慮も容赦もしてあげたつもりだったけど」
翠「ごめんなさい」
ですよね、問答無用全力腹パンを一期で繰り出すくらいのお人ですもんね
弦十郎「追いついたぞ、翠くん」
これは今日命日でしょうか
弦十郎「歯を食いしばれよ、翠くんッ!」
私に避ける隙も与えず拳を大きく振りかぶったししょー
それは私の身体に届くことはありませんでしたが衝撃波が直撃し、宙を舞った私はアスファルトの地面に叩きつけられ変身が解除
7つのペンダントがその衝撃で私のポッケから飛び出してしまいます
弦十郎「君のギアは全て、今の間は俺が預からせてもらう」
その7つのペンダントを拾い上げたししょーは無慈悲にもそう宣言しました
弦十郎「本来ならこのまま君を引きずって本部に戻るところだが...とはいえ、せっかくだ、俺は残る、緒川、後は頼めるか」
緒川「わかりました。大人しく付いてきてもらえますね?翠さん」
どうしましょうかね~嘘です付いていきますだからそのチャカを仕舞いましょう?脅しでもそれは冗談ならないんですよ、割と拳銃向けられるのは軽くトラウマなんですよ
翠「あっそういえば!」
緒川さんに連行される直前、私は響さん達に向かって...キャロルちゃんの方までは届いていないと思いますが、少し大きめの声でメヌエットさんの残した情報を話しました
翠「チフォージュ・シャトーの心臓部に爆弾仕掛けたらしいのと、キャロルちゃんもそろそろ内臓が限界近いらしいです!」
・・・
さて...このまま大人しく付いていくと本部に戻ることになります
そしてそれは最終決戦に参加出来ないのと同時に微妙に変な流れのまま別れてしまった『凜音』ちゃんと顔を合わせることになるのもおそらく避けられません
それは非常に気まずい
それこそまるで「次は負けないからな」的な発言して別れた直後帰り道が一緒だったとかそれくらい気まずくなること必至です
緒川「念のためもう一度メディカルチェックをすることになると思いますが、その際...」
かといって緒川さんを振りきれるのかと聞かれればししょーを振り切るくらい難しいでしょう
ですが...ですが人にはやらなければならない時がある!
コンマ下
奇数 振り切るぜッ!
偶数 振り切りきれてないけど諦めないッ!(後にさらにコンマ判定が)
ゾロ目 逃 げ ら れ な い
(マリアさんのイグナイトも一応判定はやることになります(安価で成功するとなっているのでかなり有利なものになりますしその場面で失敗しても結局は成功するわけですが))
翠「ふぅ...緒川さん!アレっ!!」
緒川「っ!?」
こういう時、長々とした台詞は逆効果
それこそ本当に切羽詰まった時は大抵語彙力が低下するものですから、本気で「あ!UFOだ!」系の嘘で逃げようとする場合はむしろこれくらいふわっとした言い方のほうが相手も騙されると思います
全て個人的な解釈であり統計とか何もありませんけど
とにかくこの瞬間私はこれ以上ないほどこのたった2単語の台詞に全力を注ぎ迫真の演技をしてみせました
緒川さんはNINJAとしてマネージャーとしてはこれ以上ないほど優秀で敵に回ると恐ろしい人ですが、案外抜けているところも多々あります
あと翼さんが絡むとちょっとドジが増えるか完璧超人になるかのどちらかでメーターが振り切るんですが、流石に今ここで翼さんの話題を出しても注意は逸らせないでしょう
なので私はあえてワンチャン本当に何かあるかもしれないと思わせられるよう空に浮かぶチフォージュ・シャトーを指差して叫びました
結果はこの通り、一瞬とはいえ緒川さんの注意が逸れました
翠「ふっ...!」
秘技・ジグザグダッシュ!!!
説明しましょう、ジグザグダッシュとはその名の通りジグザグに走ることです
ジグザグで距離が出せなくなるのを防ぐために斜め前へ跳ぶというのを意識し、なるべく相手からも捕捉されないよう素早い動きが要求されるという、単純そうに見えて奥が深く難しい技
ふっはっはししょーに鍛えられたこの脚力!吐くかもだとか体力が底をつきそうだとか一切考えないようにして出すスピードは体育の授業のタイムをゆうに越え
パンッ
あっ動けないです
『影縫い』
緒川「ふふふ」
翠「あはは...」
その笑み怖いですよ緒川さん
コンマ下
奇数 だがこれで終わりだと思うなよッ!
偶数 はい大人しく帰ります
ゾロ目 なんか飛んできました
緒川「満足しましたか?では戻りますよ」
やはりただでさえシンフォギアと肩を並べられる緒川さん相手に生身では分が悪過ぎます
そう、生身では
翠「...すぅ...はぁ」
大丈夫、いけるはずです
「Imyuteus amenomurakumo tron」
緒川「何を...っ!まさか!」
私が聖詠を口にすると、その場には『いつものように』バリアフィールドが形成されました
そうして纏うアメノムラクモ
通信は当然切ったままです
翠「この羽衣は天照大神様の羽衣...だったら少しはシャレの効いたこと出来ますよねっ!」
影縫いをされて動けないのなら、縛られた影そのものを消してしまえば!
『Robe to illuminate the sky』
私の思いが通じたのか、私の身体を包むように浮かんだ羽衣は眩い光を放ち始めました
土壇場の新技こそシンフォギアの醍醐味
だから私は念じたのです、発光出来ればなと
緒川「くっ...ですが僕が使える手は影縫いだけでは」
翠「追撃ッ!」
『光陰剣盾』
緒川さんを囲むように四方八方から壁を聳え立たせ、それ自体をやや斜めに出現させることで即席のドームを完成させます
緒川さんならすぐにあの中から脱出してしまうでしょうが、時間が稼げるならそれでよし
翠「向かうは直接シャトー内!」
パリンッ
今度はテレポートジェムを使い、空に浮かぶ城目指してその場から離脱しました
『翠』《さっき途中自分の部屋に寄ってギアペンダント型爆弾とテレポートジェムを持ってきたのはこの為だったんだ》
そう、さっきまるで特撮やアニメのように吹き飛ばされただけでギアペンダントを7つもポロポロとポッケから落としたのはフェイク
アメノムラクモだけを爆弾とすり替えて落としたのです
翠《こうなる気はしてましたからね...とはいえ急いでいて爆弾もテレポートジェムも一つずつしか持ってきていません、今はもうアメノムラクモしか使えませんしテレポートももう出来ません》
『翠』《縛りがあった方が燃えるじゃん》
確かに燃えますけど、私はアイテムも装備も充実させて無双する方が好きですよ
・・・
原作知識も相まって若干適当な座標指定でもちゃんとチフォージュ・シャトーの内部に侵入することが出来ました
翠「放っておいても爆発するはずですが...」
どうする?安価下
(特になければ爆発を助長させて脱出します)
とりあえず後どのくらいで爆発するのか聞き忘れたことに今気が付きました
というかメヌエットさんもまさか爆弾仕掛けたって言ってるのにチフォージュ・シャトーの中に入っていくバカはいないと思ったのでしょう
翠「それこそあの変態眼鏡さえいなければ寄る必要もないんですけどね...」
正直捨て置いてもいいんじゃないかと思わなくもないです
でもまぁあんな変態でも見殺しにすれば(死なない気がしますが)夢見が悪くなりそう...というか枕元に立たれて取り憑かれてちゃぶ台囲み隊に入隊してきそうで
なので一応、念のため、仕方なく、渋々探すだけ探しておこうというわけです
間に合わなかったらまぁドンマイ
ネロ《仕方ありませんね...緊急時に備えていつでもスタンバイしておきます》
翠《ありがとうございます、私の方でもいつ爆発が始まっても脱出出来るように心がけるつもりですが、もしもの時はお願いします》
ネロさんとの念話を切り、私は変態眼鏡を探しつつチフォージュ・シャトーの物色を始めました
さてと、鬼が出るか蛇が出るか...蛇の方が私としては馴染みがあるわけですが
ウェル博士見つかった?コンマ下1
奇数 見つかりました
偶数 見つからないです
ゾロ目 コイツ何寝返ってんですかね
物色結果発見したもの安価下2以降
(つばマリとの遭遇やシャトー心臓部に突入はこの後やります)
・・・
翠「...いないですね」
あの糞眼鏡どこ行ったんでしょう...見つからないなら見つからないで別にいいんですけど
探すのにも少し疲れ、半壊しているチフォージュ・シャトー内部で比較的まだ綺麗な状態の場所を見つけたのでそこで休んで行くことにしました
腰を下ろして壁に背を預けます
翠「案外もう逃げてたり...どっちもあり得そうだから判断つかないです」
まぁこのままチフォージュ・シャトーが爆発しても瓦礫の中の捜索くらいはしてあげますよ
翠「しかし糞眼鏡探ししていてこんなものを発見するとは」
傍に置いておいたいくつかの戦利品...戦利品?ゲームでいうところの『◯◯を発見した』みたいな感じに勝手に持ち出したものですけど
翠「こっちは前に深淵の竜宮に行った時に資料で見たような...サラダスパの他にいくつか持ち出されてたってことでしょうか」
いくつか見つけた聖遺物
深淵の竜宮に行った時どさくさ紛れにいくつか拝借した私が言うのもなんですが、キャロルちゃんも目的のもの以外も持って行ってたんですね
というか深淵の竜宮のシステムガバガバ疑惑が...対錬金術用の防犯ではないと?
翠「それとこっちは...壊れてますけど、RNなんちゃらですよね」
メヌエットさんが使っていた物とは別物ですが、私が拾ったものの他にも破損状況様々な物が至る所に落ちていました
おそらくはメヌエットさん以外の人工装者がここで交戦した結果落とした物...
その後その彼女達がどうなったのかは想像したくありません
翠「落ちていた数からして相当の...それこそ小さな軍隊程度にはいたのでしょうか」
拾ったのは比較的損傷が少ない物です
直せるかどうかはわかりませんけど
翠「はぁ...さて、行きますか」
糞眼鏡探しはどうでもいいですが、それとは関係なくもう少し探索してみましょう
その結果キャロルちゃんを倒す手立てでも見つかれば御の字です
と、立ち上がって埃を払っていると
翼「急ぐぞマリア」
マリア「えぇ、わかっているわ、一刻も早くこの装置を止めない...と...」
翼「マリア?どうし...」
翠「あ」
野生の翼さんとマリアさんが飛び出して来ました
・戦う
・話す←
・逃げる
翠「き、奇遇ですね」
マリア「翠...貴女ここで何をしているの」
翼「司令にお灸を据えられ緒川さんによって強制送還させられたと聞いたが」
お2人とも顔が怖いですよ?アイドルは笑顔が大事ほらスマイルスマイル
翼「翠」
翠「緒川さんを巻きました!はい!」
ゴツンッ☆
翠「あだっ!?...ぬぅぅ...あの叔父にしてこの姪ありとはこのこと...」
そんな言葉はない?そうですね
本日二度目のゲンコツに私は頭を押さえてしゃがみ込んでしまいます
マリア「はぁ...こちらマリア、聞こえるかしら?シャトー内部にて翠と合流してしまったのだけど」
あっやめて!本部に連絡はやめて!多分視覚情報もあっちに行ってるから遅いかもですけど!
マリア「えぇ...えぇ、わかったわ、とりあえず行動はこのまま私達が共にする」
翼「そういうわけだ」
翠「はーい...」
・・・
翼さんとマリアさんというパーティーメンバーもとい監視役が付き、私達はとりあえず動力源があるであろうチフォージュ・シャトーの心臓部に向かいました
翼「しかし、緒川さんを巻くとはな...成長したな」
翠「拳銃で影縫いというのは二度目でしたからねぇ」
というか初対面の時のがそれでしたからね
マリア「そもそも影を縫い付けるってどういう原理なのよ...」
コンマ下
奇数 心臓部に向かうならそりゃ出てくるよねっていう敵さん
偶数 罠も敵ももう残ってない!
ゾロ目 何やってんだ杉田ァ!
(まだ生きてます、ご心配おかけしました!)
(あと水着調さん来ましたね、報酬で。調さんちょっと優遇されてません?それからライブ衣装のBlu-rayイラストとガングニール三姉妹は素晴らし過ぎました)
・・・
何事もなく心臓部へ辿り着いた私達
正直あのナスターシャ教授やガン黒ニールマリアさんやセレナさんに化けられる敵が来たりする可能性も考えていましたが杞憂でしたね
...まさかこの翼さんとマリアさんがその偽者とかではないですよね?
翼「ここが心臓部、そしてこれが制御装置...」
マリア「つまり、これを破壊すれば」
翠「止まればいいですけどね、それをやったら制御不能になるだけですよ」
マリア「そ、そうなの?」
翠「そうですよ、壊せば止まるのは何世代も前のです」
そう、ある意味こっちがここに来た本命
メヌエットさんが仕掛けた爆弾とやらの威力が『制御不能とか関係ないほど木っ端微塵に出来る威力』ならいいんですが、『制御不能になる程度の威力』だった場合その対処、最悪爆弾解体する必要が出てくるわけです
翠「メヌエットさんの置き土産、それを解体して無意味にするなんてことはしたくないですが...」
私は爆弾の様子を見るため制御装置へと近づきました
するとそこにあったのは...
翠「ひっ!」
翼「どうした翠!」
マリア「これは...!」
「~♪」「~♪」「~♪」「~♪」
「~♪」「~♪」「~♪」「~♪」
「~♪」「~♪」「~♪」「~♪」
何十、何百という少女の頭
それらが機械と繋がれ、叫び声にも聞こえるような歌を揃って口にしています
翠「こんな悪趣味なライダーマスコレ見たことありません...うっぷ」
翼「...頭部に付けられたヘッドギア...彼女達もまた人工装者の類いだったのか?」
マリア「これが制御装置の正体...?」
あるいはこれこそがメヌエットさんの設置した爆弾?
どっちなのかはわかりませんが、これが爆破した場合制御装置は木っ端微塵になるのかどうかまではわかりませんね...
どうする?安価下
(響「翠ちゃんまた懲りずにこっち来てるって...それどころかシャトーの中にいるって」
クリス「アイツそろそろ〆られんじゃねえか?」
『夏菜』「もう〆られた後...」)
とりあえず少なくとも原作の方ではこんなものはなかったはずです
もちろん差異は多少あるでしょうけど...
翠「...もしこれがメヌエットさんの言う『爆弾』だった場合、ひょっとしたら歌い終わったら爆発するかもしれません、絶唱みたいに」
翼「だが、制御装置は壊しても意味がないのだろう?」
翠「中途半端に残ったら制御不能になるでしょうけど、欠片も残らなければ話は別です...とはいえこれがどの程度の威力なのかはわかりませんし...」
マリア「とりあえず一度これは置いておきましょう、ここは退避して、もし爆発した後制御装置が残ってしまうようなら私達がトドメを刺せばいいわ」
あまりにも衝撃的な風景に、私達は『触らぬ神に祟りなし作戦』を決行することにしました
多数決安価下1~3
1 シャトー内の再探索
2 制御装置のことを頭の片隅に置きつつ、VSキャロルちゃんイベントに参戦
(1の場合ウェル博士の捜索コンマ判定や???コンマ判定等、2の場合装者達のイグナイトコンマ判定等)
***
2/3票入ったので1とします
***
そういえば翼さんとマリアさんがキャロルちゃん放ってこっちに来たのは何故なんでしょう
そう思って聞いてみると、案の定制御装置をどうにかするためと糞眼鏡を探すためだったそうです
マリア「翠もまだドクターを見つけられていないのでしょう?」
翠「見つからないならそれならそれでいいかなと」
翼「...一応探すぞ?」
えーもう「知らんけどどっかで生きてるでしょ、知らんけど」みたいな感じで良くないですか?別に居てもいなくても問題ないですし
いやむしろお菓子費が節約出来ますよ?
マリア「つくづくドクターは嫌われ体質ね...」
翼「翠はある意味では私達の中で唯一被害者だからな」
せめて同じ声の白夜叉さんくらいいざという時はやるキャラなら...いやあれも普段の生活がアレでしたね
おかしいですね...杉田さんボイスでちゃんとしてるキャラっていっぱいいたはずなのにパッと思いつかないです...
翼「どうした、難しい顔をして...それほど探すのは嫌だったか?」
翠「いえ、まぁそれもありますけど」
マリア「あるのね」
そんな話をしながら心臓部より先の廊下を進んでいると、噂をすればなんとやら、杉田さんボイスが聞こえて来ました
こっちの方まで行ってたなら見つけられなくても仕方ないですね
翠「生きてそうですね、じゃあ私達もそろそろ帰りますか」
翼「あぁ...って待て!生存確認に来たわけではないだろう!?」
翠「えー」
でもでも、単に嫌がらせのために言ってるわけじゃないんですよ?
だってなんかさっきから聞こえてくる杉田さんボイスがその...二重に聞こえてくるんですよ...
ウェル1 「僕をコピーするにしてもそんな劣化コピーではたかが知れていますねぇっ!」
ウェル2「プロデュース?何を血迷ったことを!僕は英雄になる、ならなければならない!そうでしょう!?だからなるんですよ、世界を壊した英雄にねぇ!」
ウェル1「あの餓鬼共全員アイドルに仕立て上げる!それこそが僕の本当にやるべきことだと悟った僕をそんな言葉で惑わせられると思ったら大間違いですよぉ!」
ほら面倒臭そうなやつじゃないですか
スルーして帰りましょうよ
マリア「ドクターが...2人!?」
翠「1匹見つけたら30匹いると思え、さぁ帰りましょう、私はアレに関わりたくありません」
翼「言ってる場合か!」
翠「だってどうせどっちかが偽者っていう展開でしょう?チフォージュ・シャトーの罠とかそういう...いいじゃないですか、なんか互角に戦ってますし放っておけば」
器用にネフィリムアームで殴り合ってますしどっちが本物なのかよくわかりませんしいいんじゃないですかね、あのままで
というか糞眼鏡、貴方チフォージュ・シャトーの爆破工作は?まさかメヌエットさん来たからいいや~とかそういう?
マリア「というかドクター、装者全員アイドル化計画は本当に本気だったのね」
安価下
1 W眼鏡はスルーして探索再開
2 渋々手助けに入る
3 どっちも潰す
マリア「...ここは翠の言う通り、放っておきましょう」
翼「マリア!?」
マリア「あの様子なら...それにドクターは妙なところで悪運が強いもの、むしろ下手に手を出してあの偽者が私達のいずれかをコピーするような自体になってしまったらそれこそ手に負えなくなるわ」
おぉ!マリアさんがまともっぽいことを仰ってます!
翠「というわけでどんどん行きましょう、もしかしたらここより先にもっと放って置いちゃいけないものがあるかもしれませんし!新型のオートスコアラーとかそういう」
翼「む...はぁ、わかった、そこまで言うなら付いて行くさ」
さらば糞眼鏡、願わくば爆死
・・・
相変わらず床に落ちているRNなんちゃらの残骸
こっちの方まで戦闘が行われていたということでしょう
それでも負けないキャロルちゃんは流石ラスボスと言うべきか...
コンマ下
奇数 特に進展はなし
偶数 キャロルちゃんの私物...?
ゾロ目 偽者が出てくる展開はさっき見ました!だからもういいでしょー!?
翼「進んだはいいが、特に気になるものはないな...」
マリア「そうね」
まぁ心臓部のその先にある部屋なんてよほど隠したいものでもない限り使いませんよね
翠「しかしこうなるともう本当に制御装置をどうにかする以外ここでやることはありませんね」
マリア「一応ドクターの救出もあるのだけれど」
翠「しかしこうなるともう本当に制御装置をどうにかする以外ここでやることはありませんね」
マリア「なかったことにされた...!?」
どうする?安価下
(特になければ爆発を待つのみ)
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蘭子「混沌電波第160幕!(ちゃおラジ第160回)」
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蘭子「混沌電波第161幕!(ちゃおラジ第161幕)」
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蘭子「混沌電波第177幕!(ちゃおラジ第177回)」
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翠「...」
本格的に後はあの糞眼鏡をどうにかする以外やることがない私達
こうしている間にも外では響さん達がキャロルちゃんと戦っているわけですからそっちに行くべきかもしれませんが、かといって制御装置を放っておくわけにもいきません
それにもし響さん達がこれ以上は見過ごせない、というほどのピンチになったら翼さんとマリアさんの方の切っていない通信に連絡が来るはずですし
翠「...あの、翼さんマリアさん」
なので私は今この静かなタイミング(少し離れたところから杉田さんボイスが響いてきてますが)なら丁度いいかと思い、二人にメヌエットさんのことを話すことにしました
・・・
マリア「えぇ、話は聞いていたわ...大丈夫?」
翠「私は...大丈夫、ではないですけど、笑って逝くのを見届けられたので」
翼「そうか...強いな、翠は」
これが強いことなのかただ薄情なのかはわかりませんけど
でも少なくとも自分でも驚くくらいあっさりと彼女の死は受け入れられました
前もって知っていたからというのもあるかもしれません
翠「とにかく!メヌエットさんの想いを、願いを少しだけとはいえ託してもらったんです...だから私は彼女の分まで頑張ります!」
メヌエット《そう言ってもらえるのは、素直にありがたい...より、照れ臭い》
翠「...へ?」
翼「ん?どうした?」
マリア「どうしたの?変な顔して」
は...はは...いやまさか、いやいやいや
そんなことあるわけ...
メヌエット《甚だ不本意ではあるけれど、どうにも貴女には引き寄せる何かがあったらしい。だからこれは仕方がない》
『翠』《あっ、うん、はい、翠~!1人こっちにログインしたから~!》
翔子《これは円卓会議がより賑やかになりますね》
嘘だ...私を騙そうとしている...orz
翼「ど、どうした!具合でも悪いのか!?」
マリア「無理をするから!待っていてすぐに本部に連絡を」
翠「違っ...違うんです...ちょっとあんまりな現実にどうリアクションしていいのかわからないだけなんです...」
考えないようにしてきたのに...ワンチャン誰か死んでしまってもこうなるんじゃないか~いやそれは流石に都合良すぎますしブラックジョークにすらなってませんね~と目を逸らしてきたのに...
イザーク《すまない...僕としても君のような幼い少女に取り憑くのはどうかと思うんだが》
翠「なら来なきゃいいでしょうがッ!!!」
翼「どうした翠ィィィ!!!」
ついに装者とか神様ですらない人が...もうやだ何なんですかこの身体
マジで退場者墓場じゃないでしょうね...
どうする?安価下
(翠「今日は奏さんの誕生日!おめでとうございます!!誕生日プレゼントは...え?私の身体を貸してほしい?ん~まぁ誕生日ですからね、いいでしょう、今日という日を生身で存分に楽しんでください!」)
翠《えっと?今そっちには『翠』と翔子さんと奏さんとセレナさんとメヌエットさんと...》
イザーク《イザーク・マールス・ディーンハイム、僕はキャロルの父だ》
知ってます
翠《キャロルちゃんのお父さんがいると...多い》
6人、私を入れて7人
遂に原作本編のメイン装者の数超えちゃったじゃないですか
というかメヌエットさんはまだ分かるとしてキャロルちゃんのお父さんはわけわかんないですよ?
メヌエット《不本意だけど...ここに来た以上はここで貴女のことを見定めさせてもらう》
翠《えっ》
それお眼鏡にかなわなかったらどうなっちゃうんですか
これでも元ルナブレイク実行犯の1人(の後押し役)ですよ?
メヌエット《...だから貴女は私が認めるまで精一杯生きて
姉さん》
翠「...!!!」
そ、それって...!
『翠』《あっちょっズルい!違うよそれむしろ『私』が言われるやつ!ねぇメヌさんそれ『私』に言って『私』に!ねぇ『私』がよもぎの姉なんだってねぇって》
メヌエット《うるさい...あと近い、メヌさんって何》
『翠』《ず~る~い~!え~だってそれあれじゃんなら『私』に言うやつでしょ~!?》
メヌエット《一回黙って、私こっちの『貴女』は得意じゃない》
『翠』《そんなこと言わないでさ~お願いだってもうよもぎと比べたりしないからさ~ねぇ『私』にも「姉さん」ってむしろ「お姉ちゃん」でもいいんだよだかr》
メヌエット《それより...それともう一つ》
翠「あっはい!何ですか!」
急にこっちにまた声をかけられて思わず念話ではなく口で答えてしまい翼さんとマリアさんがより一層目を見開いて心配するようにこっちを見てきましたがそれどころではありません
メヌエット《あと5秒》
翠「へ?」
マリア「...あら?そういえば聞こえていた歌が」
メヌエット《2、1、ドカン》
ドンッ!!!
メヌエットさんのカウントダウンが終わると同時に近くから...正確には制御装置の方からものすごい爆破音が
翼「なっ...は、はい、こちら翼」
マリア「聞こえているわ」
友里『シャトー内部の爆発を確認!3人とも直ぐに脱出して!』
翼「マリア!翠!」
マリア「えぇ!」
翠「今の爆発って...」
メヌエット《私の仕掛けた爆発》
やっぱりそれですかァ!
威力は何とも言えない規模...脱出するにしても制御装置が暴走していないかどうか確認してからじゃないと
翠「ってそういえば糞眼鏡は」
イザーク《えっ!》
翠「いや貴方じゃなくて」
面倒ですがどうしましょ...と、そう思っていたその時
ウェル1「僕達こそが真実の人にして...」
ウェル2「真実の超エキセントリックギャラクシープロデューサー...」
ウェル1・2「「ドクター...ウェルゥゥゥゥゥ!!!!!」」
なんか出てきました
翼「なっ...馬鹿な!」
マリア「一周回って手を組んだ!?」
ウェル1→ウェル「はんっ!それとは少し違いますねぇ...どうにも僕のトレース自体は出来ているよう、ならばそれを正しい方へ修正し」
翠「定着させて自分のまんまコピー擬きにしたと...そのネフィリムアームで」
ウェル2「そういうことです!」
なんて最悪なドクターブラザーWW(ダブルウェル)
あの罠って多分『対象の記憶(想い出)をトレースしてその中から敵やトラウマを抽出して再現する』とかそんなとこですよね
それをあろうことか逆に自分のコピーにするとか...せめてもっとちゃんとした人がそういうことしてほしかったというか
翠「ってそんなものどうでもいいんですよ、制御装置の方が大切です」
コンマ下
奇数 木っ端微塵!よし脱出!
偶数 残念暴走
ゾロ目 傷一つ付いていない...だと!?
(翠ちゃん及び『翠』ちゃんの誕生日は設定してません、強いて言うなら彼女の人生の操作をしているこのスレを読んでくださっている皆さんの誕生日が彼女の誕生日です!)
(嘘です最初に設定するの忘れただけです!...設定した方がいいんでしょうかね...)
・・・
制御装置がある心臓部まで引き返すと、瓦礫で酷い有様になっていました
そして肝心の制御装置は...
翠「すご...消し飛んでます...」
メヌエット《抜かりはない、文字通り命を賭けた最後の一手だったから》
制御装置そのものは管一つ残さず木っ端微塵になっています
これならチフォージュ・シャトーが暴走なんてこともありません
ウェル「ウッヒッヒッヒ...本当嫌がらせってのは...最高だッ!」
マリア「結局嫌がらせだったのね」
翼「しかし制御装置が消えた今、これで本当にシャトーは機能停止たんだな」
ウェル2「はんっ!何をおかしな事を...動力源でもある制御装置を失った今、暴走するでもなくただただシャトー内部に溜まったエネルギーは正常な循環をする事なく行き場を失った...」
...はい?
嫌な予感が...えっと?
翠「それってここの構造が耐えられなくなったりして私達丸ごと巻き込んだりして...」
ウェルズ「「そう!爆散するッ!!」」
翠「結局そんなるんですかぁぁっ!!!」
よりによって嫌なところで原作通りの展開が...
翼「早く脱出するぞ!翠!」
マリア「ドクター達は自分で行けるわね!」
ウェル「まさか高所に浮かぶここから生身で飛び降りろと?」
ウェル2「まったく、これだから頭の回らないマリアは」
翠「逝くの前提で降りろと言いたいところですが、それでWでこっちにログインされても困るんですよね...でもどうせ死なないでしょ」
コンマ下
奇数 無事脱出
偶数 外の方からアルカノイズ軍団
ゾロ目 キャロルさんのシャトーを貫く一撃!(原作通り)
出口に向かうのも面倒だった私達はとにかく壁を壊して直線で進みそとを目指しました、早く逃げないと最悪チフォージュ・シャトーごと地面に落下する可能性がありますし
翼「最後の壁だ!」
翠「タイムブレーーーイクッ!!」
と言う名の飛び蹴りっ!
ドゴッ
蹴り一つで壁に大穴開けられるのは装者の強みですよね
マリア「ここから外に...ッ!伏せて!」
ヒュンッ
早速外に飛び出そうとしたらマリアさんに頭を掴まれ下げさせられるとかこれなんてプレイ
しかし次の瞬間頭の真上を何かが高速で回転しながら通過したことで冷や汗びっしょりになりながら察しました
ウェル「ふっふ~ぅ!」
ウェル2「派手なお祭りですねぇ!」
ヒュンッ
ズバッ
翼「言っている場合か、何なんだこの状況は...!」
ブーメランのようにまたこちらへ戻ってきた回転するソレ...刃のついた丸いアルカノイズ
それを一刀両断しながら外を見下ろす翼さんに続いて私も顔を出してみると、街に溢れかえるアルカノイズ達の姿が
ちとその展開早くないですかね...それ6人の装者がXDモードになってからでしょ...
マリア「こっちにも来てるわ」
翠「ならちゃちゃっと来てる分片付けて脱出、あっちに合流でしょう」
さっきのように回転しているものや鳥型、ドリル状になっているものまで来てます
一掃するならイグナイトで!
そう思い一歩前へ出て胸のマイクユニットへ手を伸ばすと、両隣から翼さんとマリアさんさらにもう一歩先へ進み立ち止まりました
マリア「もう止めはしないわ、でもせめて」
翼「あぁ、私達にもやらせてもらおう」
翠「翼さん、マリアさん...」
二人はそれぞれのマイクユニットへと手を伸ばし
翼マリア「「イグナイトモジュール、抜剣ッ!!!」」
翼さんコンマ下1(父との蟠り解消により確率UP)
ゾロ目以外 成功
ゾロ目 失敗
マリアさんコンマ下2(安価指定により確率UP)
ゾロ目以外 成功
ゾロ目 失敗
ダインスレイフ
ダインスレイフ
翼「ぐっ...ガァ...グウゥっ...!」
マリア「くっ...ギリッ...ガアァっ...!」
翼マリア「「っ...はあぁっ!!!」」
翼さんのアメノハバキリ、マリアさんのアガートラーム
共にダインスレイフの呪いを跳ね除け、否、己の力として黒き戦士として生まれ変わったその姿
翠「イグナイト...成功...!」
もはや随分前に感じてしまう生前の記憶
そこにあった二人の姿が確かに今、目の前にいます
マリア「行くわよ、翼!」
翼「あぁ!いざ行かんッ!」
剣を構え壁の穴から跳び出していく二人
こう言っては失礼ですが、その背中はいつも以上に頼もしく見えました
『翠』《翼さんとマリアさん、いつの間に...》
メヌエット《パワーアップ...》
奏《やるじゃん、翼》
セレナ《マリア姉さんも》
『翠』《これは、負けてらんないね!》
翠「えぇ...行きましょう、『翠』ッ!」
敵はこちらに向かってくるアルカノイズ軍団
翠《いっちょ私達も闇を切り裂き光をもたらしてやりましょう》
『翠』《この場合、闇を抱いて光になる方じゃない?》
じゃあそっちで
私と『翠』の思考と感覚を重ね合わせ
一つの個となる
シンクロ率はいつだって120%
翠「イグナイトモジュール、着装ッ!」
ニ-ベルング
完成、アメノムラクモ・イグナイト
翠「闇を抱いて、光になるッ!」
せっかくのGX編ラストバトルですし、久々に私達も歌います?
いいね、フォニックゲイン増し増しで行こう!
何歌う?安価下
(シンフォギア 関連の歌の場合は無印、G、GXの歌の他にはAXZとXDのOPのみ有りとします)
剣を握り締め夏菜さんから渡されていたフライユニットを背負い、エンジンをかけながら外へと飛び出します
翠「love...it's my justice...」
なんでその選曲?
メヌエットさんおかえり記念...とかですかね
メヌさんその曲知ってるのかな...いやまぁいっか
というかシャトーに眼鏡ズ残してきてるけど
自力で降りれるでしょう
翠「棘の城、深く閉ざされた...深紅の花、凛と咲き誇る...隠せ~ない、君~をさ~が~して~いる...」
すれ違いざまに飛んでいるアルカノイズ達を斬り捨て、正面からきたものはこちらも正面から!
剣先を向けて串刺しにし、そのアルカノイズが分解される際の赤い煙のような粒子が視界を防がないようアルカノイズの形が崩れる前にその剣を近くにいた大型のアルカノイズに向けて投げつける
あ、刺さった
翠「錆び付いた~傷跡は~...確かな~瞬間(じかん)で掻き消して~、い~き衝く、鼓~動で、や~みを撃ち~抜い~て~く~...っ!?」
武器を手放してしまったので新しい剣を取り出そうとすると、私の周りを走る突如青い光が...
メヌエット《ルシエド...》
光の正体はメヌエットさんのペッt...じゃなかった、守護獣だったルシエドでした
さっき受け取った石のプレートから...だろうね
翠「力を貸してくれるんですか?」
私の問いかけに目の前の狼はこくりと頷きます
翠「なら...アクセスッ!」
私の掛け声を聞き、ルシエドは再び光となって私の身を包み込みました
そして光が晴れると
翠「おぉ...」
ゴツゴツとしたギアインナー、イグナイトのアメノムラクモのギアアーマーにはさらに紫のラインが走り、表面がもふもふした毛皮で覆われています
さらに言うと、また薄く煙が出てる、というか漏れてる感じだね
手を突き出すとそこに現れた天叢雲剣は青い光を放ったと思うと次の瞬間見覚えのあるビームソードに生まれ変わっていました
うん、まぁルシエドの力借りてるんだからそうなるよ
翠「ガラスの虹を浮かべた、す~なの上~、幻想(あ~し~た)を~謳う~より~...そうた~だ~この、手でつ!よ!く!き~みを、抱~きし~め~る~!」
試しに一振りしてみると、横一文字に放たれた斬撃は眼前の敵を纏めて真っ二つにしてしまいました
これはいけます!
ブンッ
鳥型を嘴の方からど真ん中でぶった斬り、その勢いのまま手元でくるくると回転させたビームソードを丸い回るアルカノイズに向けて飛ばして相手の勢いを相殺
翠「遠くで煌めく希望(あさ)に、お~びえ~ずに~、す~べ~てを~見せる~なら~...」
ブンッ
分解されながら爆散したアルカノイズに飛ばされたビームソードをキャッチして今度は空飛ぶブタ?みたいなアルカノイズへぶん投げて
翠「微~笑んで~示~し~てく~、た~ぎる心を~!僕の行~くべき道を~!」
突き刺さったそれを追いついて掴みそのまま斬り抜くっ!
翠「っし!」
クリス「バカ!油断すんなっ!」
えっクリスさん!?どこから!?
思わず振り返るとそこに迫っていたのはバルタン星人みたいなアルカノイズのハサミ
思いっきり私の方に振り下ろされてた...てかやばい!
クリス「ぶっ飛べッ!」
『MEGA DETH FUGA』
当たる直前だったバルタンアルカノイズのハサミ
そこに横から巨大なミサイルが二つほどぶつかり軌道が外れ、私は九死に一生を得ました
クリス「前だけ見てんじゃねえよ」
翠「すみません...てかそれどうやってんですか」
なんでミサイルに乗りながら私の周りを旋回してるんですかこの人...
クリス「いや、それよりお前のその格好何だ」
翠「え?」
クリス「いや...まぁいいか」
ルシエド混ざってるだけですよ~と答えればいいんですかね
この後の方針安価下1
1 キャロルちゃんの方へGO
2 このままアルカノイズを倒しまくる
どうする?安価下2以降
***
『少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する』シリーズを読み参加してくださっている皆様、この度は更新が遅れ大変申し訳なく思っております
私事で申し訳ないのですが、ちょっとリアルの方で色々ありまして、しばらく手につかない状態でした
ようやく飲み込み大体のことも収束してきて、リフレッシュも出来ましたので、いい加減そろそろ再開したいと思います
もう少しだけ待っていただけると幸いです
エタだけはしない!という言葉を撤回はしません!
追伸
ブリーシンガメン...?それを翠ちゃんに与えて彼女のマグマを迸らせればいいんです?(錯乱)
***
***
【前回までのあらすじ】
ドクターブラザーズWW
つばマリイグナイト成功
翠ちゃんルシエドアーマータイム
翠「あとあれですね、ししょーがRNなんちゃら使い始めましたね」
『翠』「あれさぁ、4期の展開始まったら『あいつ一人でいいんじゃないか』状態にならない?」
翠「それならそれでいいんじゃないですかね...」
***
・・・
クリスさんに助けてもらった私は気を取り直しアルカノイズ達へ剣先を向けます
後ろにも気を付けつつ斬って斬って斬りまくる、な感じ?
翠「えぇ、それで」
あーゆーれでぃ?
翠「だめです!...じゃなくて、出来てるよ」
クリス「さっきから何言ってんだ」
おっとそんなこと言っている間に御誂え向きにまたアルカノイズが飛んで来ました
翠「エンジン全開っ!」
フライユニットを吹かせ、アルカノイズの横をすり抜けながらビームソードの刃を入れていきます
翠「教養ッ!」
斬って!
翠「高貴ッ!」
斬って!!
翠「清純ッ!」
斬りまくる!!!
翠「誰が私を満たしてくれるんだよぉぉっ!!!」
ラストぉ!
空を飛んできていたアルカノイズを一掃し、あとは地上のやつもどうにかしないとです
イグナイトのカウントはあと850...この分ならまだいけるでしょう
『夏菜』「黙って戦えないんですかね...」
クリス「歌ってんならまだいいんだけどな...それで、あっちは?」
『夏菜』「苦戦中、アルカノイズとあそこで叫んでるアホイドルはこっちでどうにかしとくのでクリスさんは翼さん達と一緒にあっちの錬金術師相手してください」
翠「今アホイドルって言ったの誰ですか」
『夏菜』「自覚あるならもっと静かに...」
クリス「じゃ、アタシはあのバカ共のサポートに行くからな」
クリスさんは『夏菜』さんにこっちのアルカノイズ掃除を任せてキャロルちゃん相手の方へ行ってしまいました
夏菜「まったく...知りませんよ、歌代さんと『東雲』さんに責められても」
あれ?今『夏菜』さんじゃなくて夏菜さん?
翠「だ、大丈夫ですよ、怪我は治してから戻りますから」
夏菜「司令さんがギア返してくれると?」
翠「それは...奪い返す!とか!」
言ってからそれは無理ゲーだと思いました
夏菜「大体そういう問題じゃないと思いますけどね...っ!」
翠「っ!?また地震!?」
突然の地響きに辺りを警戒する私達
またバルタンアルカノイズ的な巨大なやつが来たんじゃ...
夏菜「...そういえばアレの木偶人形はまだお披露目されてませんでしたね」
翠「されないでほしかったような...」
『夏菜』「どっかの誰かさんが誰が私を満たしてくれるんだよとか言うから、デカイのが湧いて出たじゃないですか」
翠「私のせいですか!?」
地面を割って姿を現したのは、レイアさんの妹さんの木偶人形
巨大は巨大でもより厄介なやつでした
翠「とりあえずせーので攻撃」
『夏菜』「ん、命令されるのは癪ですけど」
私は出力最大の極太ビームサーベルを、『夏菜』さんは巨大ハンマーを振り上げ
翠『夏菜』「「せーのっ!!」」
コンマ下
奇数 HIT!この分なら倒せそう!
偶数 MISS!防がれた!?
ゾロ目 ダメージ入ってない...?
(翠「今日はマリアさんのお誕生日!みんなのお母s...お姉さんとしていつも頑張っているマリアさんはとても立派ですよね!まぁ勝手にデビューさせた恨みはまだ消えてませんけど...こほん、今日はマリアさんが主役ですから、どーんと甘えちゃってください!マリアさん、お誕生日おめでとうございます!!」)
ガッ
翠「!」
『夏菜』「ちっ」
振り下ろされた二つの武器はどちらもレイアさんの妹さんの木偶人形...長い、レ妹人形の挙げた腕によって阻まれてしまう
てか硬っ...
『夏菜』「紛い物とはいえ、あれだけのデカブツだと骨が折れそうです」
翠「いや、それよりあれ本物より硬くないですか?」
『夏菜』「素材が違うんでしょう、プラスチックとダイキャストじゃ値段も変わってきますし」
翠「誰がCSMの話してるんですか」
というかなんで劣化版の方がいい素材使ってるんですか...
翠「でも、硬いなら斬り続ければいいだけのこと!」
『夏菜』「うわバカっぽい発想」
翠「せめて筋肉付けてください」
ルシエド、あともう一踏ん張りですよ!
翠ちゃんコンマ下1
『夏菜』さんコンマ下2
レ妹人形コンマ下3
(コンマ下1と2の合計数値がコンマ下3の倍の数値を超えていればレ妹人形にダメージが入ります)
***
53+85=138
58×2=116
HIT!
***
翠「はあぁっ!!」
レ妹人形が両腕をクロスさせてガードしているところの真ん中に長身極太の天叢雲剣にビームを纏わせた合体ビームソードを思いっきり振り下ろし、力の限り刃を食い込ませていきます
でも流石に硬い、中々通らない...!
『夏菜』「上から力を加える...せいぜいその剣、相手の腕斬り落とす前に折らせないでくださいよ!」
ドンッ!!
ピシッ
今度は『夏菜』さんの巨大なハンマーが私の合体ビームソードの刃を上から叩き無理矢理食い込みを大きくしていく
その振動が合体ビームソード持ってるこっちの腕にも伝わってくるんですが!
翠「の、脳が震える...でも、この程度で折れる剣ではないでしょう、八岐大蛇ッ!」
天羽々斬剣を欠けさせたその硬さ、見せてやりなさいっ!
『夏菜』「なら...もういっちょっ!!!」
ドンッ!!!
ピシピシッ...バキンッ
レ妹人形「~!!!」
『夏菜』さんの2発目の振り下ろしハンマーによってさらに食い込んだ私の合体ビームソードの刃はレ妹人形の両腕に入っていたヒビをさらに大きくさせ、遂に砕く事に成功しました
両腕の肘から先を失ったレ妹人形が声にならない声を上げています
翠「まずは腕潰せましたね!」
『夏菜』「まさか本当に折れないとは...」
翠「ふふん!...いや、そうでもなさそうですよ」
ピシッ...
翠「流石にこっちもビーム纏わせていたとはいえ、芯の剣に入ったヒビが相当...あと一回同じのをやったらこっちも駄目そうでした」
天叢雲剣にヒビを入れるとは、流石ミョルニルってとこですかね
『夏菜』「...それ、八岐大蛇じゃない蛇だったりしませんよね、元のやつ」
翠「はい?」
『夏菜』「いえ、何でも。それよりあの木偶人形まだやるつもりみたいですよ」
『夏菜』さんに言われて見てみると、今度は突進モーションに入るレ妹人形
あれを受けるのは嫌ですね...
翠「でも避けると街の被害がさらに大きく...」
安価下
1 狙うは頭!
2 狙うは脚!
3 それでも避ける!
夏菜「だったら機能停止させればいい、でしょう?」
翠「あ、今度はそっちの夏菜さん」
『夏菜』「夏菜、戦闘は『私』にと」
夏菜「大丈夫話すだけだから」
夏菜さんが出たり『夏菜』さんが出たりと見てる分には忙しそう
私達も側から見るとこうなんですよね
だね、翠は他にも何人かいるから余計に挙動不審に見えてるだろうし
やっぱり中の人が変わったら目の色とか髪型とか服装とか声が勝手に切り替わるように出来ませんかね
無理だねーイマ◯ンじゃないからねー
夏菜「あの木偶人形の設計図やなんかを知っているわけじゃないので絶対じゃないですけど、多分メインコンピューター的なものはやっぱり頭に詰めてあると思うんですよ」
翠「そう見せかけてあれはただのメインカメラという可能性は?」
夏菜「なくはないです、けれど他のオートスコアラーの傾向を見るにその可能性は低いでしょう」
ならその話に乗りましょうか
翠「じゃあもう一度、今度は頭をぶっ潰す!」
翠ちゃんコンマ下1
『夏菜』さんコンマ下2
レ妹人形コンマ下3
(コンマ下1と2の合計数値がコンマ下3の3倍の数値を超えていればレ妹人形の頭が潰れます)
(ええそうです、今度は3倍です)
***
67+83=150
12×3=36
PERFECT!!
***
翠「私が行きます」
そう夏菜さん...と『夏菜』さんに言い、私はレ妹人形向き直して手に握っていた剣を再度構え直しました
対するレ妹人形は数度地面を軽く蹴り、一気に加速
最速で最短でまっすぐに一直線にといえるような勢いで向かってきます
翠「来いッ!」
ビームを纏わせたとはいえこの剣もそろそろ限界、だけど新しいのを作る余裕はない
振り下ろして「折れた!」なんてならないためには...
翠「やあぁっ!!!」
斬らずに刺すッ!
ズシャッ!
前に突き出したビームソードはこちらに向いていたレ妹人形の脳天に見事突き刺さり、切り口からは火花が飛び散った
けれどそれだけでは突進の勢いは止まらず押されてしまう
翠「ぐぐぐっ...エンジン、もっと全開続けて...!」
ビームソードの刃がズブズブと深く刺さっていくのも気にせず進むレ妹人形
なんとかフライユニットの力を借りてその突進を真っ向から押さえつけていますが、いつ突き飛ばされてもおかしくありません
翠「でも、ここを通すわけにはいかないんですよ...!」
街の被害、それに皆さんがキャロルちゃんの相手をしている手前、このデカブツだけでもこっちで対処しないと...
『夏菜』「そうするのは貴女の勝手ですけど...右に避けろ」
翠「右!?」
ブンッ
後ろから嫌な予感がした私は思わず握っていた剣の柄を手放して右へ飛んだ
次の瞬間そこを『夏菜』の巨大ハンマーがクルクルと回りながら飛んできて
ガンッ
グシャッ
剣の柄をそれこそ釘打ちのように思いっきり叩き込み、その圧力でレ妹人形の頭が文字通りぶっ潰れ、さらに後ろに大きく体制を崩した
『夏菜』「顎!」
翠「えっあっはい!」
翠『夏菜』「せーのっ!!!」
倒れかけている今がチャンス!
体勢のおかげで無防備なレ妹人形のまだギリギリ形が残っている顎に向かって私達は力の限りアッパー蹴り!
ズンッ...
それが最後の一押しとなり、頭が完全に潰れたレ妹人形は後ろ向きに倒れこんだ
奏《やったか!?》
翠「あっ」
コンマ下
奇数 動かない!アレはもう動かない!
偶数 あれなんか自爆とか言ってない?
ゾロ目 アン◯ンマン!新しい顔よ!
『ジッ...ジジッ...自爆装置、起動。この機体は、機動を停止致しました。この機体は、機動を停止致しました。排熱、及び機動エネルギーの消費が出来なくなっています。派手に爆発まで、後60秒。派手に爆発まで、後60秒。この機体は……』
翠「奏さんんんんっ!!!!」
奏《へあっ!?あ、アタシのせいか!?》
夏菜「はい!?な、何でしょう!?」
翠「あ、いや夏菜さんじゃなくて奏さん...っていうかどうするんですかあれ!自爆とか言い出しましたよ!?」
しかも60秒って!もうすこし余裕持ちましょうよ!?というかだからなんでオリジナルに無い(無かったですよね?)機能を木偶人形には付けてるんですか!
レ妹人形から発せられたアナウンス(しかもレイアさんの声ですねこれ...)と共に、身体の方も段々と赤く光り始めました
爆発ってどの程度の!?どこまで持っていけばいいやつなんですか!?
どう対処する?安価下
(対処の仕方によってはどの程度の爆発なのかをコンマ判定します)
翠「れ、冷静に、時間がないときこそ冷静に...爆弾、威力不明、そういう時は...海が空!」
そして海はここからそんなに近くない!となると爆発する前に上空に持っていくのが最善!!
翠「一緒にあの巨大木偶人形を空に!」
『夏菜』「持ち上げて飛ばせばいいんですね、わかりましたよっ!」
レ妹人形を持ち上げる為その下まで飛んでいく『夏菜』さんに続き私もレ妹人形の元へ降り立ちました
どうにかして持ち上げ...
ジュッ...
翠「あっつ!?!?」
あっつ熱っあっ!?
木偶人形の全身が触れただけでギアが溶かされそうなほど熱くなってます
大丈夫?ねぇこれ大丈夫?ギア解除しようとしたら掌がギアと溶け合ってたりしない?むしろ腕全部溶けたりしない?
『夏菜』「この程度じゃギアは壊れても溶けませんッ!ほら早くッ!!」
翠「ぐうぅっ...!!!」
熱い熱い熱い熱い熱いっ!!!
掌から伝わってくる熱に必死で堪えながらレ妹人形を持ち上げる腕に力を入れていく
もうこれは意地だ
翠「っ!」
そのとき、私の身体...正確にはギアが青く光り出しました
翠「...えぇ、ルシエド、あなたももう少しだけ力を貸してください!」
翠《奏さん!セレナさん!翔子さんも!手伝ってお願いっ!!!》
セレナ《わかった!》
奏《ま、任せろ!腕壊れても知らねえぞ!》
翔子《まぁ、これで死なれても困りますしね》
少しずつ持ち上がるレ妹人形の身体
『夏菜』さんも身体に無理を言わせて頑張っている
『ジジッ...地味に後10秒...9...』
翠「フライユニット、後一度でいい、全力で動いてっ!!!」
『8』
『夏菜』「絶対に、落とさない...!!!」
『7』
奏《高くッ!》
『6』
セレナ《高くッ!!》
『5』
翔子《いい調子ですよ!》
『4』
夏菜「もっとぉぉ!!」
『3』
翠「上げるよっ!!」
『2』
翠夏菜「「いっけええぇぇぇぇっ!!!!!」」
『1』
カッ...
コンマ下
奇数 レ妹人形が木っ端微塵になる程度の爆発(その他被害なし)
偶数 それでも地上まで衝撃来る程度の爆発(GXラストの碧の獅子機の爆発くらい、地上も多々被害あり)
ゾロ目 爆発は奇数の時程度だけど...
空高くまで飛ばされ、一瞬より一層強く光ったレ妹人形は
...ドッ!!!!
凄まじい爆発により、完全に木っ端微塵
跡形もなく消え去りました
翠「...っはぁ~...疲れた」
爆発による地上への影響はなし
なんとかなりましたね...
『夏菜』「ほんっとう...もうごめんです」
くたくたなせいで思わず地面に大の字で倒れていると、『夏菜』さんも近くへ寄ってきて同じように倒れ込みました
翠「ははっ...口調変わっちゃってますよ」
『夏菜』「たまにはいいでしょう、別に」
まだすぐ近くでは戦闘が行われているというのに、私達に流れる空気はまるでそんなものを感じさせません
ラスボス相手でなくとも大きい敵相手は疲れるものです
やはり巨大ロボとか自分で巨大化とかそういうの欲しい...
『夏菜』「疲れた、とはいえいつまでも寝てる場合じゃない、でしょう?」
翠「今あっち、どうなってるんでしょうかね」
よっこらせと踏ん張って胴体を上げ、響さん達の方を見てみると
コンマ下
奇数 イグナイト7人で押してる!
偶数 まさかのエクスドライブ!?
ゾロ目 あれ?押されてない?
(『翠』「今日は何の日~?」
翠「...」
『翠』「ほらほら~」
翠「...」
『翠』「ヒントは~...L・I・O・N!ライオ~n」
翠「言いませんよ!?」)
あれは...おぉ、クリスさんも切歌さん調さんも、未来さんも!!!
翠「力と数で押してますね...!」
キャロルちゃん...というかキャロルさんの方もダウルダヴラのファウストローブで応戦しているようですが...ひっちゃかめっちゃかな戦い方をしているように見えます
あれほとんど背中のハープみたいなとこの弦触らずに肉弾戦してない?
ですね...ある意味新鮮ですねあぁいうの、響さんとは相性良さそうですけど
『夏菜』「ダウルダヴラは聖遺物...数の差もそうですが、やはり神獣鏡がダウルダヴラ由来の攻撃を相殺出来るのが大きいようですね」
正直私は今猛烈に興奮しています
何せ未来さんのイグナイト見たことありませんでしたからね!!!
翠「と、それは置いておくとして...やっぱりキャロルちゃん、別人のようというより別人そのもの?」
キャロルちゃんであればあんな戦い慣れていなさそうな戦い方はしないはず...まだ以前の調子悪そうなときのキャロルちゃんの方が上手く戦っていました
イザーク《キャロルは...今、どういう状況なんだい?》
メヌエット《他人が混ざってる、あるいは別人格が生まれている...そんなところ》
あ、そういえば今キャロルちゃんのお父さんいましたね
メヌエット《それよりそっちの『蒼井翠』...さっき何で声をかけなかった》
翠《え゛っ...だってメヌさん声かけるまでもなく手伝ってくれてたじゃん...じゃないですか...》
メヌエット《...それとこれとは別》
あ~んメヌさんが拗ねたどうしよう~!
知りませんよ...謝っておきなさいよ
行動安価下
1 いらないかもしれないけど加勢
2 邪魔にならないように撤退
『夏菜』「で...加勢するんですか?」
翠「そりゃまぁ...やらなきゃでしょう」
いくら押してるとはいえそれはあくまで互角を少し超えただけ
どう転んでも確実に勝てると思える状況でない限り、楽観視するわけにはいきません
翠「あそこのキャロルちゃん...キャロルちゃん?がまだ隠し球を持ってた~なんてことになったら大変です」
キャロル《アレは予備の身体に偶然生まれた魂だ、おr...私じゃない》
翠「あ、やっぱりあれはキャロルちゃん本人じゃな...っ!?」
キャロル《少し借りるぞ》
どこからともなく聞こえてきた水瀬いのりさんみたいな声に呆然としていると、次の瞬間私達の意識はいつものちゃぶ台がある所の方まで突き飛ばされた
多数決安価下1~3
1...強制交代させられた翠ちゃん(『翠』ちゃんも一緒に強制交代させられています)の方を見る
2...乱入してきたキャロルちゃんの方を見る
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
ほう...試してみるものだな
以前から躯体を変えることについて『魂の定義と本質』を自分なりに考察し検証してきたが、こうも上手く行くとは
キャロル「もしもの為に残しておいたエルフナインを使ってもよかったが」
『夏菜』「ッ...今、誰が出ているんですか」
何かを感じ取ったのかはたまた目が鋭いのか
見破ってみせたのだ、蒼井翠からオレに変わったのを、この一瞬で
それにしても、オレの記憶そのものは壊れる前...つまり最後の予備躯体へと移り『錬金術を超える錬金術』を行う前までだが、その中で蒼井翠について覚えている一番最後の記憶がその予備躯体へ移る前の躯体をコイツと共に台無しにされたやつだったな
確かコイツ...この目の前の浅井夏菜?とかいう人形に酸か何かをぶっかけられたことだ
今思い出しても恐ろ...否、怒りが湧き上がってくる
鬼畜しかいないのかと思わず震えたぞあの時は
キャロル「丁度いい...あの時の恨みをk」
翠《何勝手に他人家に土足で上がってそのまま居座ろうとしてんですかこのとんがり帽子がぁぁぁぁっ!!!》
キャロル「うるさいわっ!今おr...私がキメ顔で話そうとしているところだろうがッ!!」
『翠』《ねぇ何でさっきから一人称直してるの?親の前だからオレっ娘が恥ずかしいの?ねぇあとメヌさんが今にもそっちに殴り込みに行きそうなんだけど》
メヌエット《錬金術師ぃぃぃっ!!!!》
カオスか!!!
何だコイツの中はどうなっているんだ!!!
あとべ、別に恥ずかしくなんかないわっ!!!
どうする?安価下
(イザークさんは様子見をしています)
(奏(そりゃここじゃあなぁ...シリアスは無理だわなぁ))
キャロル「ちっ...まぁ、おかげで頭も冷えた...おい浅井夏菜」
『夏菜』「気安く『私』とあの子の名を口にしないでもらえますか」
キャロル「オレはそれを我慢している、見習ってもいいんだぞ?」
コイツといいあの話し合おうとか言い出す能天気な装者といいオレをちゃん付けで呼びやがって...いや、さっきはとんがり帽子とか言ってたな
コイツ鬼畜な上に怒りが増すと口も汚いな
『翠』《今度は言い直さないんだ》
コッチはコッチで煩い...というか何で2つも同じ...いや、正確には数値が微妙に異なっていたが、同じやつの魂が2個もここにあるんだ
オレとエルフナインのようなもの...でもなさそうだが...今はどうでもいいか
キャロル「それより、オレの相手をしている場合ではないと思うがな」
『夏菜』「現在敵対している相手、それもそこのボスが目の前にいるんです、武器を向けるなと言う方が無理な話」
キャロル「いいのか?この身体が傷付いても」
『夏菜』「えっ...別に構いませんけど」
キャロル「鬼畜の極みか貴様らはぁっ!!!」
こ、この人工装者、仮にもコイツの仲間だろう!?オレだってオートスコアラーよやつらや(パパを裏切り見捨て殺した奴らやそれと同じような中身の奴ら以外の)犠牲に対しては少しは思うところないこともないぞ!?それでも目的の為慈悲はないが
キャロル「はぁ...とにかくだ、今はそれよりあっちにいるオレ擬きを消すのが先だろう?」
『夏菜』「まさか手を組めと?」
キャロル「本当ならこの身体を質に取り聞かせようと思っていたが...どいつもこいつも」
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
メヌエット「離せぇ...!」
『翠』「だからもう少し待ってって...あぁもう力強い!」
キャロルちゃんが来てからずっとこうです
まぁメヌエットさんからしてみれば仲間の仇ですしこればかりは
イザーク「すまない...」
奏「事情は大体わかってるからさ...確かにアンタも親として思うところあるかもしんないけど、アンタに頭下げられても正直...な?」
セレナ「無責任よりはいいと思いますが...」
キャロルちゃんのお父さんは...後で落ち着いてからキャロルちゃんと話す時間をどうやってでも作った方がよさそうですね
メヌエット「あの錬金術師だけはぁぁっ!!」
『翠』「まだ!まだわからないから!まだどうなるかわからないから!あと幽霊なのかわからないけどそれ系になってる今のキャロルちゃんの倒し方なんてそれこそそこのキャロルちゃんのお父さんにキャロルちゃんの恥ずかしい黒歴史とかキャロルちゃんの目の前で話すとかそれくらいしか思いつかないから!」
何それ怖い
...じゃなくて!!!
翠「それよりここどんだけ人が増えるんですかッ!!『翠』もこれでいいんですか!?そろそろ軽くその辺の小さいアパート並みに増えてきましたよ!?ひだ◯り荘ならもう超えてますよ!?」
『翠』「いや、そうなんだけどさ...いや本当何でこんなにって思うよ、うん、普通の人もこんなものなのかなっていうとそうでもないし...守護霊多い人とかはたまにいるらしいけど」
でもこの人達守護霊じゃないでしょう
はぁ...電車の王様ライダーの不幸主人公みたいな感じ~なんて前は笑えてましたけど、すみませんあの人はとても苦労していたんですね、もう笑ったりしないのでどうにか...
あ、そういえば次は時間の王様だか字の王様だかでしたね関係ないですね
翠「ダメです...頭痛くて考え事しても脱線してしまいます...」
翔子「大丈夫ですか?頭大丈夫ですか?アイドル稼業が大変なんじゃないですか?ブフッ」
翠「よしその喧嘩買いましょうか」
翔子さんは本当初対面の面影がどこにも残ってませんね
一回絞められればいいのに
セレナ「翠ちゃん今そんなことしてる場合じゃないから!翔子さんも煽らないでください...って、翠ちゃんちょっと薄くない?」
翠『翠』「「えっ胸が?その喧嘩買いましょうか?」」
セレナ「ハモらないで!?いやそうじゃなくて...全体的に透けてるっていうか...」
奏「あ、本当だ...翠それやばいんじゃないの?」
透けてるって何が...うおぉっ!?
ふと掌を見てみると、確かにスケスケとまではいきませんがやや向こう側が透けて見えていました
というか脚も!?あれ、全身!?
あれです、あの...千と千尋◯神隠しのやつみたいな!
翠「えっえっえっ!?」
『翠』「うわ本当じゃん嘘っ、今までなんともなかったのに...『私』は透けてない...」
メヌエット「さっきから何を...クリア成形?」
翠「そんなポケ◯ンキッズじゃないんですから!」
何これ何これ何これ何これ!!!まさか消えちゃうんですか!?20歳になったら死んじゃうよってやつですか!?
突然のことに取り乱していると、翔子さんが女神様に何か呼びかけていました
そして数秒後
女神「はいは~い呼びましたか~?」
本人が来ました
女神「チャリで来た」
うそつけ
でもそのサムズアップとドヤ顔のおかけで少し冷静になってきました...あれ?また少し透明度が上がったような?
女神「キャロルちゃんまで来たんでしたっけ...あ~えっとですね?翠さん」
翠「はい」
女神「それは体質です」
翠「は?」
この人(神様)遂に頭が...
女神「今失礼なこと考えてませんか?...とにかく、貴女は近くにいる魂を自動で取り込む体質なんです」
翠「..............................は?」
女神「これだけ熟考してその反応ッ!」
いやいやいや、何ですかその体質!
『翠』「最近さ...翠の周りって若干ジャ◯プ漫画みたいなテンションだよね」
それはどうでもいいです心底
そんなんシンフォギア自体見方によってはそういうところあったでしょうが
翠「それより!えっそれどういう」
女神「言葉のままです、まぁとは言っても見境なしというわけではありませんけどね」
あぁまぁそうでしょう
見境なしだったら今頃満員電車じゃ済みませんよ
女神「詳しい話はまた今度...それより大事なのは今翠さんが透けてきてるということです」
翠「あっそうそれです!これどうなるんですか!?というか何でこんなことに!?」
女神「え~でも何となく察しはついてますよね~?よくあるじゃないですか、こういう展開」
ありますけど!あぁもう今その態度はイライラします...
女神「アレです、1つの肉体に魂を抱え込みすぎて定員オーバーになりかけてるってことです」
やっぱり!そうだろうとは思いましたよ!!!
『翠』「でも何で翠だけ...」
女神「それは...ちょっと」
来い来いと手招きされた私と『翠』
何だろうと思いつつ女神様の近くへ
そして女神様は私達を連れてちゃぶ台から離れたところまで移動しました
女神「翠さんは、転生者...つまりこの世界の人ではないわけです」
翠「はい」
『翠』「それは知ってる」
女神「つまり、この身体には転生させられているため繋がりは強いですが、この世界そのものとは繋がりが弱いわけです」
翠「うん...うん?」
女神「結論から言いますと、このままここに人が増え続け透けてる翠さんが完全に消えると...もう二度とこの身体に宿れないどころか、この世界から出されてしまいます」
...ん!?
この世界から出される!?
翠「そ、それどういうことですか!?」
女神「消滅するわけではなく、まぁ私が元々いたあの空間といいますか...ほらあの私と翠さんが初めてあった場所、死んですぐきた場所、あそこまで戻されます」
『翠』「しょ、消滅したりとかは」
女神「いえいえ!透けてるのは...そうですね、スライムをザルに通してる状態と言いましょうか...ザルを通している間は減ってしまいますけど、ザルを通し終わったスライムは例え一度バラバラになっていてもまた1つの塊に戻るでしょう?」
翠「はあ...」
『翠』「で、でも何で戻れないの!?」
女神「それはそういうものだから、としか言えませんね...正直まさかこんな体質になってしまうとは思っていなかったので私も想定外なんですよ」
翠「それって、私がここに、この身体に転生者として入ってきたからそんな体質になってしまった...と、いうことですか?」
女神「まぁ...他にも色々と理由はありますが、大元を辿ればそうなりますね...現にそちらの『翠』さんは元はそういった体質ではありませんでしたし」
『翠』や奏さん、セレナさんが来たのはある意味必然だった...?
メヌエットさんが成仏出来なかったのも、キャロルちゃんやキャロルちゃんのお父さんが来てしまったのも...いえ、キャロルちゃんは自力で来たようなこと言ってた気もしますが...
『翠』「うぅ...難しい話は後!それよりどうすれば翠は大丈夫になるの!?」
そうです、それが今必要なことです
女神「まだ戻れる段階ですから...とりあえず定員を減らせば」
翠「よし!手始めに女神様帰ってください!」
女神「辛辣!?」
そう言いながらもすぐに姿を消す女神様
さては言われるのを見越してましたね
『翠』「こうしちゃいられない、どうする!?」
翠「一石二鳥作戦でいきましょう」
『翠』「わかった!」
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
キャロル「オレの目的は変わらない、だがあのオレ擬きが邪魔なのはお前達も同じだろう?」
『夏菜』「えぇ、ですが彼女達は今のままでも十分互角に、互角以上に戦えています」
キャロル「とも限らん...見てみろ」
離れた場所、7人の装者と対峙しているオレ擬きは3つの錬成陣を装者達に向けた
それぞれ青、赤、緑...そこから現れたのは攻撃でも武器でもなく
『夏菜』「っ...!」
キャロル「ガリィ、ミカ、ファラのスペアボディだ。それも中身のない文字通りの人形...自律して行動させることは出来るが所詮は決められた選択の中を彷徨うことしか出来ないプログラム、それでもお前達にとっては十分脅威なはずだ」
中身を入れる前だからこそ操る必要はないが意思もない、故に融通の利かない(ガリィなんかは意思があっても融通が利くかと聞かれれば疑問だが)状態、本当なら『ダインスレイフによる呪われた旋律を手に入れる前に壊れた時のみ使う』予定だったが、少しばかり想定内と想定外のことが重なってお蔵入りになっていた
レイアのスペアボディは出していないのか...いや、そもそもレイアはまだ壊されていない、スペアボディはまだ動かせないんだったか?だがレイアが勝手に自身のスペアボディを使って何か作っていたような...ダメだ、思い出せん
そっちの想い出は全てあっちのオレ擬きが持っているからな...すでに焼却した後だろうが
キャロル「中途半端に自律機能を付けたはいいが使い勝手が悪くてな、余りで作った木偶人形の方がよほど役に立った」
『夏菜』「なら破棄してくれればよかったものを...!」
キャロル「この国には『モッタイナイ』という文化があるのだろう?」
だが、そうだな
それを偶然の産物、成り損ないのオレ擬きに利用されるくらいなら破棄した方がマシだったか
キャロル「そぉれよく見るんだ、数は未だ優位に立とうが、その力は拮抗しやがて逆転する」
『夏菜』「くっ...」
キャロル「協力しようがしまいがこの際好きにしろ、だがオレは何としても万象黙示録をオレの手で完成させなければならない、その為にアレは邪魔なのだッ!!」
オレは地を蹴り、こちらに背を向けているひどく歪んだオレ『だったもの』の中に産まれ堕ちたオレでないものに一瞬で距離を詰める
戦いに慣れてない、そんなお前にその鎧は持ち腐れだ
響「っ!翠ちゃん!?」
キャロル(江戸っ子)「あ゛ん?」
キャロル「後ろがガラ空きだ、オレ風情」
オレ擬きの背に手を伸ばし、その身に纏うファウストローブ...ダウルダヴラを掴む
本当の所有者が誰なのかはっきりさせてやろう
キャロル「来いっ!!!」
キャロル(江戸っ子)「っ!」
オレの呼び掛けに応じ、ダウルダヴラは鎧から琴へと姿を戻しオレの手の中に
そして鎧を失ったオレ擬きは肉体が成長する前の状態と服装へ戻っていく
キャロル(江戸っ子)「おめぇ...!」
キャロル「詰めが甘かったなぁ...背後には気を付けろ」
翠《なんて盛大なブーメランッ!!》
『翠』《W勇者パンチwith!!》
メヌエット《みんなの仇ッ!!!!!》
ドンッ!!!
キャロル「ぐっ...!?」
ダウルダヴラを取り戻し上機嫌だったオレに起こったのは、身体ではなく精神体そのものに対するダイレクトなダメージ
そして蒼井翠の身体から弾き出されるという想定外のこと
何だ、何が起こった...!
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
キャロル《貴様ら何をッ!》
翠「ふっふっふ...ガラ空きな背中に入れられた3人分のパンチはどうですか?キャロルちゃん...」
ちなみに私が結城、『翠』が高嶋、メヌエットさんが赤嶺でした
まぁ赤嶺さんが味方になるのかは知りませんけど
あとあくまでメインで殴ったのは私と『翠』なのでW勇者パンチ
翠「身体は返してもらいましたよ...さらにはダウルダヴラのおまけ付きっ!!」
最っ高ですね!!!
安価下
1 このまま9人装者VS江戸っ子キャロルちゃん&3人形
2 せっかく入れ物があるなら活用しなきゃ!GO奏さんセレナさんメヌエットさん!
(キャロルちゃん(精神体)はしばらくその辺に浮いてると思います)
(ちなみにししょーはRN式回天特機装束が早々に現段階での限界を迎えたので離脱中)
***
すみません今の安価は多数決下1~3です
安価下
***
キャロルちゃんがさっきまで『夏菜』さんに何かペラペラと長ったらしく話していたようですが、こうなってしまえばこちらのものです
身体の操縦権は奪い返しました
ダウルダヴラも付いてきて
翠「ここからは私と『夏菜』さんも混ぜてもらいますよッ!」
江戸っ子みたいな喋りをする方の...つまり実体を持っている方のキャロルちゃんへ剣先を向け!そう宣言しました
『夏菜』「...はぁ、気にするだけ無駄ですね」
『夏菜』さんなに私を見てため息ついてるんですか
こちとら一回消えかけてたんですからね?
マリア「正直、有難い増援ね」
調「アルカノイズは」
翠「一掃済みです!」
未来「ならやろう、これで終わらせる!」
えぇ、ここで勝てばこの戦いは終わります
GX編的にはラストバトル...のはず!
キャロルちゃん(霊体?)のこととか色々残ってますけど今はそのこと置いておいて
響「よし、行くよみんなッ!」
コンマ下
奇数 ひとりでできるもんてやんでえ
偶数 僕に力を分けてくれってんだべらぼうめえ
ゾロ目 黒いアイツは忘れた頃に出てくる
キャロル《ちっ...出直すか》
私のところから追い出したキャロルちゃんはそう念話で呟くとそれっきり声が聞こえてきませんでした
『翠』《あ~怒ってどっか飛んでっちゃった...多分そう遠くまでは行ってないと思うけど》
翠《流石にあっちもこっちも同時に相手はキツイので今はそれで》
イグナイトもそろそろ時間がありません
出来ることなら響さん達がエクスドライブになって勝ち確定になってくれるとありがたいんですけどね...
そうこうしている間に実体がある方のキャロルちゃんも外見だけのオートスコアラー三体も動き始めています
調「赤い相手は私達に」
切歌「任せるデス!」
鉤爪をギラつかせるミカさん人形の相手は切歌さんと調さんが
翼「私達はファラを」
クリス「あぁ!」
ソードブレイカーはなく竜巻に乗って空を舞っているファラさん人形の相手は翼さんとクリスさん
未来「マリアさん、手伝います!」
マリア「お願いするわ」
身体から冷気を放ちながら佇むガリィさん人形の前には未来さんとマリアさんが立ちはだかり
響「必ず届ける、この拳を、エルフナインちゃんの想いをッ!」
『夏菜』「なら『私』達はその為の道を作りましょうか」
翠「鞄持ちみたいなものってやつですね」
やる気...殺る気まんまん?な響さんと、そんな響さんの両隣に並び立ち構えるのは『夏菜』さんと私
もちろんその相手は
キャロル(江戸っ子)「かかってこい...!」
・・・
江戸っ子キャロルちゃん、略して江戸ルちゃんはテレポートで何度も位置を変えながら時に錬成陣からエネルギー波、時に肉弾戦で向かってきます
なので響さんと背を合わせた私と『夏菜』さんで響さんの真横から後ろまでを見張り、テレポートで消えた江戸ルちゃんを見つけ次第攻撃または防御、そしてすぐに身を翻し響さんに続きを任せるという戦法を取ることに
パリンッ
キャロル(江戸っ子)「喰らいやがれッ!」
翠「!」
声のする方、前方の上空から放たれたエネルギー波を一刀両断し、江戸ルちゃんの姿を視認し
翠「今です!」
響「ハァァァッ!!!」
ドッ!
軽くしゃがんだ私の肩を踏み台にし響さんは江戸ルちゃんの眼前までジャンプ
身体を大きく後ろに捻っていた響さんはそれを戻す力をそのまま拳に乗せ付きだしました
咄嗟に腕をクロスさせた江戸ルちゃん
キャロル(江戸っ子)「ぐっ...!」
響「もう一発ぅっ!!!」
ドッッ!
キャロル(江戸っ子)「うああぁっ!!」
さらに反対に身体を捻った響さん渾身の二発目
江戸ルちゃんは大きく吹き飛ばされコンクリートの地面抉り砂煙を上げながらバウンドしています
響さんの拳、見るたびオーバーキルになっているような
『夏菜』「手応えは?」
響「あった...けど」
翠「まだ立ち上がるあたり、あちらもタフですね」
ボロボロになりながらも立ち上がる江戸ルちゃん
肩を震わせ顔は怒りに満ちています
キャロル(江戸っ子)「まだ...僕ぁやらなぁいけねぇんだ...!」
パリンッ
パリンッ
パリンッ
怒り任せに地面に叩きつけられた結晶は割れ、十数体のアルカノイズが出現しました
翠「今更アルカノイズ?」
『夏菜』「あれくらい一撃で」
響「待って...様子が変」
響さんに言われて見てみると、確かに様子がおかしい気もします
アルカノイズ達は襲いかかってくるどころか振り返って江戸ルちゃんの方に向き直していました
キャロル(江戸っ子)「果たさなきゃならねぇことがあんだよ、こんちくしょうが...だからっ!」
バッと手を天にかざす江戸ルちゃん
何を...
切歌「っ!どこ行くデスか!」
翼「逃げるつもりかっ!?」
マリア「まさか...主人の元へ戻っている!?」
辺りから聞こえてくる皆さんの困惑した声
何事かと思い見回すと、それぞれ少し離れて戦闘していたオートスコアラー人形達が江戸ルちゃんのところへ集まってきていました
キャロル(江戸っ子)「全て燃やしてでもっ!!!」
そして江戸ルちゃんを包み込むようにオートスコアラー人形達が、そしてアルカノイズ達が覆いかぶさっていきます
クリス「何だ...そんなことしたって、分解されちまうだけだろッ!」
未来「自殺...?」
江戸ルちゃんとオートスコアラー人形達とアルカノイズ達がおしくらまんじゅうや将棋崩しの始めの状態、まるで一つの塊のよう
そしてそれはもぞもぞと動き、その度に赤い粒子が色々なところから漏れています
翼「...いや、違う!あれは」
マリア「確か錬金術の根底は分解と解析、そして...」
翠「再構築...!?」
江戸ルちゃんだったその塊はもぞもぞする度に赤い粒子を漏らすだけでなく、徐々に大きくなっていきます
そしてそれはやがて形を作り...
未来「大樹...?」
大きな...それこそレイアさんの妹さんと勝るとも劣らないほど大きな真っ黒い樹木へと変わりました
そして上の方に伸びる枝には果実の代わりにいくつもの火球が生っています
女神《気を付けてください翠さん!それは...》
切歌「動かなくなったならむしろ楽デス!切り倒してやるデスよッ!」
調「切ちゃん!」
鎌を振り上げ走っていく切歌さん
突如その黒い樹木は枝の一本を更に伸ばし
切歌「っ!?」
バシッ
切歌「ぐうっ...!」
その枝を鞭のようにして切歌さんを弾いてしまいます
女神《その樹木は、ソウル化しています!!!》
調「切ちゃんっ!!!」
翼「っ!全員伏せろ!!」
次の瞬間、樹木に生っていた火球の一つがこちらへ飛んできました
どうする?安価下
(樹木の攻撃は基本枝で打ってくるか火球を飛ばしてくるかです)
(スレに関係ありませんが作者は実家に帰省した先の玄関の端に4本割り箸が刺さった人参とジャガイモが置いてありました)
(ちなみにお墓参りと言えば、お墓参りイベントをやっていた場合イグナイトは無条件で成功したりしてましたがもう関係ありません)
ぐんぐん近付いてくるのは煌々と燃え盛る火の球
直径は大きく、私の身長くらいありそうです
伏せろとは言われましたが、伏せた程度で避けられるのか...難しいところでしょう
ならここは正面から受け止め防ぎきる方が確実!
翠「天ノ岩戸!!!」
『天ノ岩戸』
私は火球の正面へ躍り出て、瞬時に羽衣による盾を前へ着き出しました
コンマ下
奇数 羽衣は無敵
偶数 ギリギリ防げるけど次はない
ゾロ目 羽衣なんぞに防がれる火球ではない
ドッ...
羽衣による『天ノ岩戸』は見事火球の勢いを殺すことに成功しました
翠「ぐっ...」
が、こちらまで熱が伝わってくるほどの熱さ
触れている火球の熱によって羽衣がやや溶け出し変形してきてしまいます
翠「それでも...防ぎきるッ!」
ぐにゃりと羽衣が変形仕切る前に火球の軌道を逸らせ、私達がいるところから大きく離れたところへ行かせました
ドーン...ッ!
あっ爆発...ま、まぁあの辺は元々今回の戦いでボロボロになってましたし、多少持ち堪えたビルが崩壊しても...ね?
翼「無事か翠!まったくなんという無茶を...」
翠「無事です...けど、次はもう出来ませんね」
さっきのことで羽衣はもう完全に使い物になりません
一度ギアを解除して再変身すれば羽衣も直るでしょうけど、今はそんな余裕ありませんし
実質これで盾を失うと同時に飛行機能もいよいよ本格的にフライユニットに頼らざるを得なくなりました
当のフライユニットはさっきまで酷使し過ぎていつ調子が悪くなってもおかしくありませんが...
翠「とにかく火球は避けて、枝を減らすことに集中した方がいいかもしれません」
響「そうだね」
それしか今のところ攻略方法が思い付きません
木なら燃やせばいいのでは?と思えばそもそも火球が生っている木が燃えるようにも思えませんし
そして私の場合霊体(?)になっているキャロルちゃんがいつまた来るか...そっちも警戒しないといけないんですよね
フィーネ《意識が散漫しているわよ、翠》
翠「っ!?」
その声、フィーネさん!?
フィーネ《錬金術師の魂は私が相手をする...貴女は目の前の敵に集中しなさい》
フィーネさんの言葉にハッとした私は樹木の方を向き直しました
するとまさしく樹木が枝の一本を私達に向けて突き出そうとしているのが目に映り
翠「散開!!」
ズンッ
私達がそれぞれ地面を転がりながらその場を離れると、さっきまで私達がいたところにその枝の先端が突き刺さっていました
上を見上げると他の枝も伸び縮みしながらうねうねと動き、こちらを狙っているかのようです
翠「おまけにまた火球が飛んでくるかも...と」
やっぱり巨大化か巨大ロボの選択肢を用意するべきだと私は思うわけですよ
ダメですかそうですか
翠「とにかく、一本でも多く枝を斬り落とさないと」
フライユニット、保ってくださいよ...!エンジン全開!!
コンマ下
奇数 順調に枝を斬り落としていく
偶数 切っても切ってもキリがない
ゾロ目 oh
・・・
翼「共に行くぞ!」
翠「えぇ、恋愛発破!」
『千ノ落涙』
『天叢雲剣ノ雨』
エクスドライブモードならいざ知らず、今の翼さんではただの跳躍では届かない樹木の上までは行けませんからね
なので私は翼さんの手を取り引っ張り上げながら樹木の上空まで逃げ太陽を背に振り向き...翼さん思ったより軽いですね、ギリギリ片手でもいけますよ
空いた片手で剣を振り上げた私と両手両足を広げ大の字になった翼さんは私達のさらに上空の空間に無数のエネルギーの剣を出現させ、一斉に樹木に向けて落下させました
もちろん他の装者の皆さんには当たらないようにしましたが...
『夏菜』「大部分は枝と本体に命中、ですが外れている剣も」
翼「わかっているとも、無駄にはしない」
畝る枝や幹に刺さることなくすり抜け地面に向かって一直線していった剣がちらほらと
それらは樹木の影に突き刺さり
『影縫い』
その瞬間、樹木は動きを止めました
翠「あっすごい私もそれ付与しとけばよかったです」
響「って翠ちゃんのは違うんだ...」
私の外れたやつはただ外れただけです
無駄地面刺さり、南無
翼「だがあの樹木に意思は残されていないのだろう?」
翠「えぇ」
翼「そうなるとあの影縫いも長くは保たない、短期決戦で行くぞ」
切歌「わ、わかったデス...」
キリッとした顔で方針を示す翼さん
こんな時になんですけど、私の腕に捕まって宙ぶらりんでなければもう少しキマってたと思います
調「切ちゃん大丈夫?」
切歌「まだちょっと痛いデス...」
ちなみに響さんと切歌さんも未来さんと調さんの腰にそれぞれ掴まって上空まで追いついてきてます
・・・
動きが止まった枝の上に降り立った私達
翼「はぁっ!」
『蒼刃罰光斬』
切歌「デェェスッ!!」
『対鎌・螺Pぅn痛ェる』
調「これでっ!」
『β式 巨円断』
翠「せいっ!」
『ディメンション・スラッシュ』
出し惜しみなしで一人一本を相手に技の根元に繰り出しました
意外にも枝は刃が通らないなんてこともなくあっさりと斬れ、その枝に生っている火球ごと赤い粒子へ分散していきます
翠「まずは4本!」
この調子なら...
ぐらぐらっ
未来「っ!動き出したよ!!」
もう!?
早くも影縫いを解いてしまった樹木は残った枝を大きく揺らし火球を投下させ始めました
響「街に飛ばされてる火球はクリスちゃんとマリアさんが防いでくれてる、私達はこっちに集中しよう」
『夏菜』「それが正解ですね、行きますよ」
響「うん!」
響『夏菜』「「はああぁっ!!!」」
ドンッ!!!
響さんと『夏菜』さんが幹の真上に拳と槌を同時に振り下ろします
その衝撃は樹木全体に広がりビリビリと振動が伝わってきました
『翠』《翠!イグナイトの時間もう残ってないよ!》
翠「あっと...モジュールだけ解除しとかないと」
強制解除だけは避けないとですからね
コンマ下
奇数 なんか残った枝から湧いてきた
偶数 特になし、このままガンガン行こう
(樹木の元ネタは一応あります、が、作者はそこまで錬金術に詳しくないのでそこまで凝ってはいません、むしろまんまだと思います)
私はイグナイトモジュールを解除し、ルシエドのアクセスはそのままですが下地を通常ギアに戻しました
翠「さて、気を取り直して他の枝も...ん?」
ガシッ
前へ踏み出そうとしたそのとき、足が前に進まなくなります
正確に言うと前に出そうとした右足首をまるで誰かに掴まれているみたいな...
翠「...ひっ」
違いました、文字通り掴まれていました
私が立っているすぐ枝から、つまり足元から人の手のようなものが伸び、私の右足首を強い力で掴み引っ張っています
振り払おうとすると、周辺の足元からさらに二本、三本と次々と腕が生えてきて私の脚や腕を掴み始めました
翠「ちょっ何っ!?」
『翠』《見たことある!うららのやつ!》
翠「言ってる場合じゃもごっ...~っ!」
ズズッ...
助けを呼ぼうとする前に口も塞がれ声も出せず
というか(錬金術師とかアルカノイズ相手は平気なのにどうかと思いますが)普通に恐怖心のせいで声が出ず
そしてズブズブと脚が、腰が、胸が足元の枝に沈んでいき、遂に
ドプンッ...
完全に頭の先まで沈んでしまいました
樹木の中の世界安価下
(翠「はぁ...」
『翠』「どったの?」
翠「私も月はただ破壊するんじゃなくて吸収してパワーアップすれば良かったかなと」
『翠』「なお副作用で不味いコーヒーしか作れなくなる...」
翠「それ吸収する前から...あと赤い怪盗もコーヒー不味いらしいですね」)
・・・
翠「ぷはっ...うぅ、まだちょっとぞわぞわします...」
口元を塞いでいたものが消え、ようやく息が出来ました
脚や腕を掴んでいた腕もいつの間にか消えています
翠「で...ここどこ」
辺りを見回してみると、そこはだだっ広い空間...周りの空中には始まりと終わりが見えない管が数本あり、遥か遠くに見えるこの空間の中央には大きな物体が吊るされていました
翠「確か足場の枝から出てきた腕に引っ張られて沈んで...なのに天井は見えないくらい高い...」
どういう原理の場所なんでしょう
そもそもここはあの樹木の中と考えていいんでしょうか
『翠』《地面に穴開けて外に出られたりしないの~?》
翠「地面...えいっ」
ガンッ
翠「...ダメですね、剣が弾かれるほど硬いです」
『翠』《裏技はダメか...》
奏《とりあえず中央まで行ってみたらどうだ?》
翠「ですね」
一歩前へ進もうとしたその時、目の前を赤い粒子が舞った気がしました
コンマ下
奇数 花咲く道
偶数 暖かな食卓
<・><・><・><・><・>
翠「...あれ!?」
一歩進んだ直後、まるでテレビでチャンネルを変えた時のように周りの景色が一瞬にして一変しました
どこまでも続く高原、そこには黄色い花が沢山咲いていて、遠くには川や湖、森林や山、そして晴天の空
『自然』と聞いて誰もが思い浮かべそうな豊かな自然が広がっています
翠「またどこかに飛ばされて...おっ」
あそこに誰か歩いていますね
茶色っぽいグレーのコートと帽子を被り大きなリュックを背負う大人の男の人と、赤っぽい洋服に黒いとんがり帽子の女の子...親子でしょうか
...んん?
キャロル『パパ、どこまで行くの?』
イザーク『この先で採れるアルニムという薬草には高い薬効があるらしい、その成分を調べて流行り病を治す薬を作るんだ』
よく見るとあの親子...キャロルちゃんとキャロルちゃんのお父さんじゃ
この光景私見たことありますよテレビで
イザーク《間違いない、あれは僕とキャロルの過去だ》
本人もこう言ってますしそうなんでしょう
安価下
1 話しかけてみる
2 スルーして先へ進んでみる
3 その他(記述)
翠「ふむ...」
これはアニメとかでよくある『過去の再現』的なやつでしょうか
イグナイト実験の時も似たようなことがありましたが、あれはまた別ですし
キャロルちゃんの錬金術も『想い出』をエネルギーに変換したりしてますし、そういった記憶関連のイベントが起こってもそれほど不思議には思いません
思いませんけど...やっぱり不思議な感じですね
『翠』《ぼーっと見てるだけじゃ何も起きないよ?》
翠「行動あるのみ...試しに話しかけてみますか」
念の為変身は解除せず、そのキャロルちゃん親子のところまで走って近づいてみます
翠「あ、あの~...」
イザーク『見てごらん』
翠「あっはい!?」
キャロル『わぁ...!』
えっどこどこ!?どこ見ればいいんです!?
イザーク『パパはね、世界の全てを知りたいんだ』
翠「あの、聞こえてますか~?」
イザーク『人と人が分かり合うためにはとても大切なことなんだよ』
聞こえてないですねこれ
見事なまでのシカト...これでも(知り合いでなくとも一方的によく知っている相手ならともかく)人見知りな私的にかなり頑張ったと思いますえぇ
どうする?安価下
まさかのシカトに多少狼狽えましたが、そもそもこういった記憶関連、それも他者の記憶関連のことで干渉出来るのはかなり精密に当時を模倣して再現された場合
それもリアルタイム、あるいはあらゆる反応を考慮した場合のみです
ならまぁむしろこの方が普通でしょう
『翠』《ノベルマイティとは違うか~》
翠《いい加減ゲーム感覚なのやめましょうよ...》
『翠』《いっそ攻撃とかしてみたら?》
それで本当にズバッと斬れたり死んだりされたら結構トラウマになりそうなのでまだ却下です
翠「聞こえてない、話しかけられないのならこのまましばらく会話を聞いてみましょう」
3歩下がり、キャロルちゃん親子を後ろから眺める形で成り行きを見守ることにしました
イザーク『さぁ、もう少しだ、行こう』
と思ったらもう移動再開...あぁ、そうだった気がします、本編の方も
でも歩きながらでも会話は続くみたいですし、気を取り直して
キャロルちゃん親子の会話内容安価下
(アルニム探しの中、錬金術師の親子の繰り広げる会話とは...)
・・・
キャロル『ねぇパパ』
イザーク『何だい?キャロル』
キャロル『さっき言ってたの、人と人が...えっと』
イザーク『分かり合う、かい?』
キャロル『そう!そのためにパパは世界の全部を知りたいんでしょ?』
イザーク『そうだね、今こうしているのも、それに繋がると僕は思っているよ』
キャロル『人と人が分かり合うことは、パパにとって大事なこと?』
イザーク『...あぁ、僕にとっても、キャロルにとっても、ね』
キャロル『私にとっても?』
イザーク『僕はね、キャロル...いつかキャロルには人々について、この世界というものについて知ってほしいと思っているんだ、それはとても大切なことを知ることと同じだからね』
キャロル『それって?』
イザーク『誰かを思いやる熱くて深い感情、この世で最も尊ぶべきものだよ...おっと、話しているうちに着いたようだね』
キャロルちゃんとキャロルちゃんのお父さんの会話をなんとなく聞きながら着いて行っていると、どうやら目的地に到着したようで二人が足を止めました
翠「森...?」
眼前にあるのは先程までの草原ではなく木々が所狭しと並ぶ森
その奥へとまたキャロルちゃん達はずんずん進んでいってしまいます
翠「あっ置いてかないでください!」
通じないと知っていても思わずそう声を掛けながら私は二人の背を追いました
イザーク『この森の奥にあるという話だ』
キャロル『これでやっとお薬作れるんだね』
イザーク『あぁ、それに資金援助の話も持ちかけてもらえているからね、ありがたいことだ』
キャロル『資金援助?』
イザーク『僕の錬金術の腕を見込んで、是非うちに来ないかという話をとある団体からね...協力してくれるのなら前金として...あー...一緒に力を合わせてくれるなら、約束する代わりに先にお金を貸してくれる人達がいるんだ、必要な機材もそれで揃えられる』
キャロル『ふーん?とにかくよかったね!パパはたまにドジだから心配してたんだから!』
イザーク『はははっ、耳が痛いね』
キャロルちゃんにもこんな頃が...いえ、こうだったというのは知識としては知ってますが、直で見るとすごいですね
エルフナインちゃんをもっと元気いっぱいにした感じです
キャロル『ところでその人達ってどんな人達なの?』
イザーク『あぁ、つい最近...といっても結成してからもう100年かそこら経っているらしいけど...とにかく、世界のために尽力している人達だそうだよ、名前は確か...
イザーク『パヴァリア光明結社』
次の瞬間目の前が突如どこからか舞い上がった赤い粒子で真っ赤になり、気がつくと私は知らない家の中に立っていました
翠「っ!?」
何?今一体何が...
イザーク『ぬあぁあぁっ!!』
翠「へぁっ!?」
キャロル『うぁっ!』
今度は何だと辺りを見回すと、すぐ側に設置されたキッチンに立つキャロルちゃんのお父さんが手元のフライパンから煙を出していました
それと近くのテーブルではさっきまで分厚い大きな本を読んでいたであろうキャロルちゃんがびっくりした顔でキャロルちゃんのお父さんの方を向いています
キャロル『パパ...?』
イザーク『爆発したぞ...』
キャロル『...うっふっふっふっ、あっはっは!』
・・・
どうやらここはさっきまでいた森とは場所も時間も違う記憶の再現のようです
さっきまでと違う行動をしているキャロルちゃん達を見てもそれがよくわかります
キャロル『...はむ...ぅ...ん』
イザーク『...う、美味いか?』
キャロル『苦いし臭いし美味しくないし、0点としか言いようがないし』
辛辣ぅ!
いやでも一目でわかりますよ、この今キャロルちゃんに出されてるハンバーグが美味しいかどうかは
翔子《翠さんもダメなときはこんな感じでしょう》
あーあー聞こえないー
イザーク『...はぁ...料理も錬金術も、レシピ通りにすれば間違いないはずなんだけどなぁ』
本当それです
翠《なんで料理はあぁも難しいんでしょう...あれは運ゲー、ガチャと同じです、すっごく上手くいく、美味くいくときもあれば全然の時もある》
『翠』《えっ翠ってガチャ気分で料理してたの?》
翠《でもほら、時々星5出ますよ》
奏《ちなみに悪いときは?》
翠《...星3?》
翔子《1すらないでしょう》
そ、そんなこと!...ない...と、思いたい...
翠《難しいですよね、料理》
イザーク《まったくだ、ガチャ?というのはよくわからないが、あれは運が大きく作用していると思うね》
奏《なわけあるかい》
ま、まぁでもお好み焼きでダークマターを作る未来さんよりは勝ってるはず!うん!
イザーク『どうしてママみたいに出来ないのか...』
そう目の前の、つまり記憶の方のキャロルちゃんのお父さんが漏らすと、キャロルちゃんは立ち上がり
キャロル『明日は私が作る!その方が絶対美味しいに決まってる!』
イザーク『コツでもあるのか?』
キャロル『内緒!秘密はパパが解き明かして、錬金術師なんでしょ?』
イザーク『あっははははっ、この問題は難題だ』
キャロル『問題が解けるまで、私がずっとパパのご飯作ってあげる、ふっふふっ!』
笑い合う二人
とても仲睦まじい親子のなんてことない日常の一コマです
にしてもこのキャロルちゃん可愛い...お持ち帰りしたい...
・・・
そんなことを思ったり思わなかったりしながら眺めていると、また視界が突然舞った赤い粒子で遮られ
翠「っ...今度は」
気が付けば、そこは室内ではなく外、どこかの街の中
そして周りは人でごった返しています
キャロル『パパ!パパ!』
今の声!
声のする方にいたキャロルちゃんは黒いローブを着た大人達に抑えられていました
『それが神の奇跡でないのなら、人の身に過ぎた悪魔の知恵だ!』
『裁きを!浄罪の炎でイザークの罪を潔めよ!』
そしてキャロルちゃんの手を伸ばす方には大きな棒に括り付けられ火に囲まれるキャロルちゃんのお父さんの姿が
周りの人達はそんな彼に対し散々な言葉を浴びせています
翠「この光景はまさか...」
イザーク《これは...僕が火刑に処されている時の記憶だ》
火はどんどん燃え上がり
キャロル『パパッ!パパッ!パパーッ!!』
イザーク『キャロル、生きて...もっと世界を知るんだ』
キャロル『世界を...?』
イザーク『それがキャロルの...』
キャロルちゃんのお父さんがその言葉を言い終える前に炎は彼を包み込み、そして私の目の前をまた赤い粒子が舞いました
・・・
翠「...戻ってきた、のでしょうか」
さっき見た光景が最後だったのか、そこは記憶を見させられる前にいた場所、樹木の中と思われる場所へと戻っています
いえ、正確に言うとそこの心臓部、私が当初向かおうとしていたところまで移動していました
翠「さっきまでのは一体...」
単なる戯れか、何かを伝えようとしていたのか、他の何かか...
考えても答えは出ず、諦めて私はまじまじと心臓部にぶら下がった目の前の物体を観察します
翠「...心臓部とは我ながらよく言ったものですね」
間近で見てようやくわかりましたが、それは紛れもなく心臓そのものでした
人が持つ臓器の1つ、それの巨大版がドドンと吊るされています
どうする?安価下
(キャロルちゃんより先にパヴァリア光明結社3人娘()が実装とは思わなんだ...)
(ご心配おかけしました!大丈夫です、少し夏休み(休みとは言ってない)中に追加されたノルマに追われているだけです)
さて、正直ここで見た記憶の再現の中でもいくつか気になること...例えばまさかここで聞くことになるとは思っていなかったパヴァリア光明結社の名とか、色々あるわけですが
翠「今はそれよりここから出るのが先ですよね」
何でしょう、この目の前にぶら下がっている心臓らしきものをぶった斬れば案外さくっと戻れたりするんでしょうか
翠「っと...ルシエド?」
その時ふっとギアが淡く光ったかと思うと、ルシエドがギアから離れて実体化しました
もちろんギアも通常のものに戻ってしまいます
翠「急に何を...え?後ろ向けって?」
首をあっち向けあっち向けと言わんばかりに動かしてくるのでそう尋ねると肯定するように頷きました
仕方なく後ろを向くと
翠「うわっ...えぇ?」
再び光り出したルシエドは今度はフライユニットに一直線
そのまま取り憑いてしまいます
翠「えっこれ平気なんですか!?ギアに取り憑けるから機械全般いけるとかそういう!?」
『Wake Up!~♪~...光の、大空、身に纏い』
翠「今度は何ですか!」
なぜ急に歌がフライユニットから!?しかも原曲...もしかして着信音?
そう思って首をギリギリまで回してフライユニットの側面を見てみると
翠「あっ何か点滅しているボタンが...ポチッとな」
ポチッ
響『翠ちゃん聞こえるっ!?!?』
翠「うひぃっ!?」
急な大声に変な声が出てしまいました
その声、響さん?
『夏菜』『繋がったようですね...貴女ギアの方の通信機切っているでしょう、ダメ元でフライユニットの方の通信を繋いでみましたけど...というかそのユニット、いくつか武装解禁されてますね...フォニックゲインや諸々が足りないと解禁されないはずなのになぜ...』
響『それより翠ちゃん無事!?今どこ!?』
響さん珍しく...珍しく?焦ったようなあわあわした感じ
まぁ戦ってる最中急に1人減ってたらホラーですもんね
翠「一応無事ですよ、場所は...多分樹木の中だと思うんですけど...」
どこと聞かれると...いや本当どこなんですかね、ここ
響『ここの中...?』
『夏菜』『もう少し詳しい説m』
翠「あっ切れました」
電波が悪いんでしょうか、プツッと通信が切れてしまいました
キャロル(江戸っ子)「違ぇ、僕が切ったんだよ、通信をな」
ッ!
声がした方、心臓のようなものが吊るされているところの真下の陰で暗くなっているところから姿を現したのはキャロルちゃん...
翠「...いえ、キャロルちゃんではないんでしたね」
キャロル(江戸っ子)「いんや、僕もキャロルで間違いねぇさぁ」
姿は綺麗なままのキャロルちゃんそのもの
ですがこの変な話し方、江戸っ子みたいな方です(その口調が正しい江戸っ子の言葉かは知りませんけど)
キャロル(江戸っ子)「ここは僕ん中だ、でぇ僕ぁその魂?思念体?精神体みてえなもんって考えてくんな」
ようはここの主が来た、みたいなものでしょう?
精神体が目ではっきり見えているのはこの場所が特殊なのか相手が普通じゃないのか私が普通じゃないのかわかりませんが
翠「で、ラスボスが何の用ですか?」
キャロル(江戸っ子)「バーロー、客が来てんなら迎えるもんだろうよ、茶は出せねぇけどな」
翠《奏さん台詞取られてますよ》
奏《何の話だ!?》
あれれ~?おかしいぞ~?は今でもテレビで見てますよ奏さん
それは置いておいて
翠「それは何ですか、今から戦う、と?」
キャロル(江戸っ子)「んな喧嘩っ早くはねぇ、ちったぁ話でもしようってこった」
翠「話?」
キャロル(江戸っ子)「まぁ座れよ、それとも椅子がないと座れねぇってタチか?」
翠「...いいでしょう、それに私だって椅子がなくても座れます、これでも頻繁にちゃぶ台を前にして床に腰を下ろしていますから」
何話す?安価下
(ダウルダヴラは会話の後で)
翠「それで...何を話すんです?言っておきますが、この星を滅ぼすというのが本当なら貴女の言葉には一切耳を傾けません」
私は本気であると示す為、座ったまま拳を握りその切っ先を心臓部の物体に向けました
しかし江戸っ子のキャロルちゃん、江戸ルちゃんは焦った様子もなく
キャロル(江戸っ子)「まぁまぁそんなガツガツすんなって、糖分足りてねぇんじゃねぇか?おめぇ」
翠「足りてないのは睡眠時間ですよ」
キャロル(江戸っ子)「あっそ、つうかおめぇ、そもそも話し合い~って言い出したんおめぇの仲間の方だろ?そういう記憶こっちにも来てんだぞ?」
あー...いや、私は響さんじゃないですし
展開によっては仲間になりそうな人相手ならともかく、多分この江戸ルちゃんはそうではないでしょうから
キャロル(江戸っ子)「それにそいつぁ僕の存在理由、早い話が命題だ、オリジナルが成そうとしたそれを完遂すんのが僕の役目...ダメと言われてもなぁ」
翠「...」
やれやれ、これで理解出来たか?みたいな顔をされても私だってはいそうですかと言えるわけもありません
その上で...この変な話し方の江戸ルちゃんはキャロルちゃんではありませんが、記憶は一部受け継いでいる、あるいは模倣、トレース、コピーアンドペーストしているのは確実のようです
ならばそう、そこから説得すればいいのでは
翠「...貴女の、そして貴女のオリジナルのお父さん、イザークさんのしたかったことは、してほしかったことはこんなことじゃ、そんなことじゃないはずです」
人と人が分かり合うことこそが大切だと語ったキャロルちゃんのお父さん
そこから様々なことを経て解釈が違ってしまったとして、それはまだ引き返せるはずです
キャロル(江戸っ子)「...」
翠「人々やこの世界について知ってほしいと言ったかもしれません、でもそれはこういうことじゃ」
キャロル(江戸っ子)「なぁおめぇ...一ついいか?」
翠「っ...え、えぇ」
まだ途中なんですが
キャロル(江戸っ子)「さっきっから言ってるやつ...誰でぃ、そいつぁ?」
翠「...は?」
誰って...いや!今さっき思いっきり記憶の再現で何度も出てたじゃないですかッ!!
キャロル(江戸っ子)「父親?だったか?そんな記憶は...あったんかもわかんねぇけど、大分想い出の焼却もしちまってもう残っちゃいねぇからわかんねぇ」
翠「で、でもさっき」
キャロル(江戸っ子)「何か見たんだろ?そいつぁ僕自身が拾い上げられねぇほどしか残ってねぇ燃えかすか僕以外のやつに残ってたもんだろうさ、とにかくそのよくわかんねぇ説得じゃ何も響いてこねぇよ」
そんな...よりにもよって、その命題の根底となる記憶が受け継がれていないなんて...
キャロル(江戸っ子)「ってぇかよぉ、蒼井翠」
翠「うえっ!?」
突然フルネームで名指ししてきた江戸ルちゃん
彼女はさっきまでの飄々とした態度から一変しこちらを冷たく睨みつけ
キャロル(江戸っ子)「おめぇは他人の迷惑無視して自分のやりてぇこと完遂させたってのに、僕はダメってのは随分と勝手じゃねぇかい?」
...えっ
キャロル(江戸っ子)「何でぇその面...おめぇどれだけのやつらに必死こいて調べられてっか知らねぇのか?オリジナルもその一人だったってやつだ...おめぇにとってそれが命題って呼べるもんだったかはわかんねぇけど、少なくとも僕の命題とそう変わんねぇだろ」
翠「待っ...待ってください、何を」
キャロル(江戸っ子)「それとも何か?月はいいけど地球はダメってか?そら被害がどーのは規模違ぇだろうけど、そこはそもそもその被害目当てのとこもあっからなぁ...てか、おめぇにだけは言われたくねぇんだよな」
どうする?安価下
(翔子「処す?処す?」)
正直、目を逸らして来たわけじゃないと言うと嘘にならないこともありません
私が(正確には最終的にフィーネさんが主犯で『翠』がそれを手助けするのを後押ししたわけですが)行ったことは、キャロルちゃんがやろうとし今江戸ルちゃんが命題としていることとそう変わりません
ただそれが直接及ぼす影響がどれほど違うか、差はそれだけです
キャロル(江戸っ子)「哲学兵装としての働きかはたまたどっかの誰かの介入か...おめぇがやったことのその後は本来起こることの半分も起きてねぇ、だからって他人事みてぇな顔して、挙げ句の果てに正義面はちっと肝が座り過ぎてねぇかぃ?それとも何か、許されたって?そいつぁ違ぇよなぁ?おめぇさんがやったことを知ってるやつだって数えるほどしかいねぇんだ」
私の罪は、二課...S.O.N.G.の人達や他の人達も、結果的には許してくれました
でも逆に言えばその人達だけであって、あの日月が墜ちたことを、事の顛末を知らない人達からは許されていない、それ以前に私の事、私がした事だということすら知らされていないのだから許すも許さないも出来るはずがありません
キャロル(江戸っ子)「なぁ...僕ぁやらなきゃならねぇんだ、何故も無い、その為だけに生まれその為だけに死ぬ、そういう存在なんだよ...何もまた悪役になれとは言わねぇ、正義のフリをしてぇなら好きにしたらいいじゃねぇか、ただ...今だけは、見逃してくれねぇか?」
翠「...」
キャロル(江戸っ子)「いいじゃねぇか、騙す偽るは今に始まった事じゃねぇ、今回は戦ったけど勝てませんでした、そう伝えてくれるだけでいいんだ」
江戸ルちゃんはふっと目を閉じ次に開けた時にはさっきまでの冷たい目線から元の何でもない、ごく普通に知り合いと世間話をしているような目線に戻りそう語ります
見逃してほしい、お前がそうしたように自分にもやるべきことをやらせてほしい、と
私は本当なら強く言い返すことが出来ません、出来てはいけません
出来ていい立場ではない、そんなことは百も承知です...それでも
未来『...なら、貴女が本当に響のことを想ってくれるなら、今度は響の近くで、守ってあげてほしい、支えてほしい、友達として』
未来『一緒にいることが、響の安心に繋がるから...だからもう誰かを裏切って傷付けるようなことを二度としないで』
翠「それでも、私は...決めたんです」
私は雑念を振り払うように首をふるふると震い、立ち上がって江戸ルちゃんの目を真っ直ぐと見つめ返します
翠「確かに私は、間違った事をしてしまったかもしれません、それは言い逃れも誤魔化しも出来ない事実です...けれど私は、今一緒にいたい人、いてあげてほしいと言われた人...今ある守りたいものの為に、貴女の命題を否定します」
もうやめろとは言いません
言っても無駄なのは私も同じでしたから
だから
翠「貴女を倒して、この星の分解を必ず阻止します」
私は目の前の少女に向けて改めて、そう宣言しました
いつかの私を否定するように
キャロル(江戸っ子)「...ちっ、どこまでも...ぐっ!?」
舌打ちをし私を睨み返してきた江戸ルちゃん
しかし次の瞬間顔を苦しげに歪め、胸の辺りを抑えて呻き始めました
キャロル(江戸っ子)「あがっ...何でぇ、急にッ...っ!まさか、此処へのダメージが相殺しきれてない!?」
何だかよくわかりませんが、今のうちに!
翠「手始めに、アレをっ」
私は剣を握り締め心臓部に吊るされている物体、巨大な心臓へ跳びかかります
きっとこれが此処の...江戸ルちゃん達が合体している樹木の核
翠「はあぁっ!!!」
ズバッ...
巨大な心臓を超えた高さまで跳び上がった私は剣を大型化させ、落下エネルギーに身を任せ巨大な心臓を一刀両断しました
どうなる?安価下
(『江戸ル「お前さんも命題やったやん!」
翠「せやな!せやけどアンタにはやらせん!」
江戸ル「えぇ...?」』
翔子「大体こんな感じの流れです」
奏「何で関西弁風...」)
中央を縦一文字に斬り裂かれた巨大な心臓
それは脈動を止め機能停止...
翠「していない!?」
することはなく、ガコンガコンとまるでスマホをミキサーにかけた時のような荒々しく不規則的な揺れ方を始めました
そして一度揺れが収まったかと思うと
カッ...
翠「きゃっ!」
その巨大な心臓が眩い光を放ち、私は目を瞑ってしまいます
そして次の瞬間強烈な衝撃波が身体を襲い私は宙に飛ばされ...
・・・
翠「...うあぁっ!」
響「わわっ!?」
ドーンッ
翠「いったた...あれ?ここ...外?」
尻餅をつきやや痛むのを堪えながら周りを見渡すと、そこはさっきまでいた場所ではなくその前にいた場所、つまりは外の世界でした
早い話が樹木の中から樹木の上へ戻ってこれたようです
未来「翠ちゃん!?大丈夫!?」
翠「あ、えぇ、一応...」
未来さんだけでなく翼さんや切歌さん調さん、『夏菜』さんも一応、駆け寄ってきてくれした
響「そ、それは良かった...あの、出来れば退いていただけるとですね...」
翠「へ?...うわぁっごっごめんなさい響さん!」
なんかそこまでお尻痛いわけでもないなと思っていたら、響さんの背中が下敷きに
すぐ立ち上がってそこを退きました
ぐらぐらぐらっ
倒れてしまっていた響さんに手を貸していると、今度は急に足場の樹木が揺れ始めます
切歌「今度は何デスか!!」
その揺れはどんどん大きくなり、ついには地に張っていた根をブチブチと引きちぎりながら樹木そのものが宙へ浮かび上がりました
翼「一旦ここから降りるぞ!」
調「ひとまずマリアとクリス先輩と合流」
翠「了解、翼さん手を」
樹木の上まで来た時と同じやり方で樹木の上から飛んで降り、クリスさんとマリアさんがいる地上まで戻り始めます
しかし何で樹木が揺れ始めたり宙に浮いたりしたんでしょう
はい、私が中で巨大な心臓斬ったからですよね、多分
翼「...ッ!あれは!」
腰にしがみ付いている翼さんが後ろを向いて何か叫びました
そっちにあるのはさっきまで私達がいた樹木
まさか空中都市みたいになってるとかではないですよね?
そう思い私も地上へ向かいつつ振り向くと
翠「...獅子機...ですか?」
樹木はその身のパーツを組み替えるように、機械が変形するように、各部のカラクリの装置が動き出したかのようにその姿を変え、大きな1匹の獅子となりました
それは形だけでいえば原作のキャロルちゃんが創り出した『碧の獅子機』と似ています
しかし手脚を始めとした関節部やそれ以外の可動部はエネルギーそのものによって形成されているものではなく、オートスコアラーを彷彿とさせるようなまさしくカラクリ人形のような見た目をしています
地上に降り再び他の皆さんと合流してもやはり誰もがその獅子機に目を奪われていました
マリア「まさか、あんな隠し球がまだあったとわね」
切歌「何なんデスかあのガ◯ライオンは...」
『夏菜』「でも色は樹木の時と同じ黒...ガオレオ◯の方が近い」
翠「ガオ◯イオンと言えば青いのと白いのもありますよね」
クリス「今関係ねぇだろうがっ!!!」
しかしアレは言うなれば『黒の獅子機』
太陽を喰らう獅子、それが不純な存在...皮肉にも偶然の産物である江戸ルちゃん、どこまでいっても本物にはなれない彼女を指しているようにも感じられる姿です
キャロル(江戸っ子)「グウゥ...例え全て燃エ尽キようと...完遂すル...でなイとヘソの疼きガ収マらねェっ!!!」
その時、黒の獅子機の中からそんな叫び声が聞こえてきました
あぁ...やはりあの姿は彼女の覚悟の姿
例え本物でなくとも、どこか似通っていたのかもしれません、彼女とキャロルちゃんの思考は
翠「...なら、えぇ、私もとことん付き合いますよ」
翼「...翠?」
私はギアに閉まっておいたダウルダヴラを取り出し、弦にそっと指の腹を当てます
『夏菜』「っ!何を」
そして一気に?き鳴らしました
変形する琴
張り巡らされる弦
そして更なる急成長を遂げるこの私
ダウルダヴラのファウストローブ
翠「さぁ...行きましょうか」
多数決安価下1~3
1 このままの状態で戦闘再開(かなり不利)
2 獅子機には獅子機(頑張れば互角)
3 そろそろエクスドライブの出番!(かなり有利)
(翠「観ましたよ!とても良いドラマだったと思います!新1号がベレー帽戦闘員と戦ってるのはタイムジャッカーってやつらの仕業なんですよ...」)
背中にある羽のような琴を展開させ、さらにそれを下方部にも展開
ダウルダヴラの下に纏っているアメノムラクモの羽衣のみをダウルダヴラの外側に持ってきたことで原作のキャロルちゃん同様宙に浮くことが出来ている私は黒の獅子機と目線を合わせ、手始めに弦で黒の獅子機を付近のビル群で繋ぎ動きを止めさせます
火球でも吐き出しそうな大きな口を弦でぐるぐる巻きにして閉じさせるのも忘れずに
翠「動きは止めました...が、長くは保たないでしょう...『夏菜』さん、3...いえ、2分時間を稼いでもらえますか」
そのまま後ろ、つまり響さん達がいる方に振り向き『夏菜』さんにそう願い出ました
それを聞いた『夏菜』さんはため息をつきながら私の隣の高さまでフライユニットで飛んできます
『夏菜』「長い、と言いたいところですが...わかりました、それで何する気なんです?」
というか誰も私がダウルダヴラ纏えたことにはスルーですか今更ですかそうですか
まぁ今は時間が惜しいのでいいでしょう
翠「思い付きは数字では語れない、けれどやっぱり勝率は高いに越したことはないと思いませんか?」
『夏菜』「高くなるんですか?」
翠「高くするんですよ」
ぶっちゃけ黒の獅子機...と勝手に命名しましたが、あれは私の想定外の敵です
強さも攻撃も何もかもが未知...じゃあもう最大火力でいくしかありません
『夏菜』「...失敗は、許しませんよ」
そう言って『夏菜』さんは槌を構え、黒の獅子機の元へ飛んでいきました
私も、失敗するつもりはありません
必ず成功させてみせます
響「翠ちゃ~ん、どうするの~?」
私と『夏菜』さんの話が終わったのを見計らい、響さんが尋ねてきました
翠「響さんとマリアさんならきっと...私はその為のエネルギーを」
響「え~?今何か言った~?」
私の呟きは響さん達に聞こえることはなく、再度尋ねられます
私はそれに答えることなく、歌を口にすることにしました
「Gatrandis babel ziggurat edenal...Emustolronzen fine el baral zizzl...」
歌はシンフォギアシステムと同じくダウルダヴラの力と錬金術を兼ね合わせたエネルギーの創造を成し得る為のトリガー
そしてキャロルちゃんの世界を壊す歌は私では使うことは出来ません
だから今、私が出来る最大のフォニックゲインの歌を
翼「その歌はまさか...」
未来「翠ちゃんどうして...ダメッ!」
響「違う...そうかッ!!」
クリス「全員構えろ!オールセーフティだ!!」
70億には到底届かない私の歌
それでも...それこそ記憶をエネルギーに変えてさらに上乗せすれば、少しの足しにはなるはずです...っ!
イザーク《君が君の記憶を燃やす必要はない...僕にやらせてくれないかい?》
翠《キャロルちゃんのお父さん...?》
イザーク《罪滅ぼし...ではないけれど、少なくとも錬金術師である僕のやり方なら、君がするよりも多くのエネルギーを生み出すことが出来る...それに、僕はキャロルに伝えなければいけないことがあるからね、ここでお別れだ》
翠《すでに覚悟を決めている、ということですか》
イザーク《何も記憶の焼却は消滅に繋がるわけじゃない、ただ僕は僕でこれまで通りに戻るだけだからね》
なら、えぇ、お任せしましょう
そこまで言うのなら、私の記憶を焼却するのは最後の最期の手段にします
私の歌、そしてキャロルちゃんのお父さんの記憶...
『翠』《『私』達も歌うよ、当たり前じゃん》
奏《まー血ぃ出る自分の身体もねぇしアタシらは今となっちゃ気楽だしな》
メヌエット《きっとその為に...後今ここにいない錬金術師を倒す為に、私は未だ残っている》
セレナ《でも私達の分まで翠ちゃんの身体が傷付く...》
翠《...死にそうになったことは多々ありました、でも私は、文字通り死んでも死なない女ですよ》
翔子《どちらにしろ繋ぎますよ、一応それが私の役目ですから》
『翠』と奏さんとセレナさんとメヌエットさんの歌も
後のことは翔子さんにお願いするとして
「「「「「Gatrandis babel ziggurat edenal...Emustolronzen fine el baral zizzl...」」」」」
私の周りに金色の正六角形の錬成陣がいくつも展開され、エネルギーが充填されていきます
これが5人分の絶唱、そして一人の父親の想いの力!
翠「響さんッ!マリアさんッ!」
ドッ!!!
それを一気に、視線の先にいる7人の装者に向けて放ちました
私の意図が伝わっていれば、あるいは...
「「「「「「「Gatrandis babel ziggurat edenal...Emustolronzen fine el baral zizzl...」」」」」」」
身体が軋み、血の味がし、視界も血が滲む中
私が歌ったのと同じ歌が、確かに聞こえてきます
「「「「「「「Gatrandis babel ziggurat edenal...Emustolronzen fine el baral zizzl...」」」」」」」
そう、それでいいんです
響「S2CA!ヘプタコンバージョンッ!!!!!!!」
私の放ったエネルギーは装者達を飲み込み、否、包み
響「私が、ガングニールで束ねッ!!」
マリア「アガートラームで制御ッ!再配置するッ!!!」
ふっと身体に力が入らなくなり、ギリギリまだギアもダウルダヴラも纏えている状態ではありますが、ゆっくりフラフラと私は地面へ落ちていきます
マリア「ジェネレイトォォォォォォォッ!!!!!!!」
響「エクスゥゥゥゥドラァァァァィブッ!!!!!!!」
そしてそれとは反対に、装者達が虹色の竜巻に乗って空へと飛び立っていきました
それはまるで虹
光り輝く衣を纏った7人の天女
あれこそが奇跡の形
翠「少しだけ...休憩...」
皆さんのエクスドライブを見届けた私は瓦礫に背もたれ、息を整えることにしました
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
キャロル...いいかい?キャロル
世界を知るんだ
いつか人と人が分かり合うことこそ、僕達に与えられた命題なんだ
賢いキャロルならわかるよね?
そして、その為にどうすればいいのかも
世界を知って、僕という大人の壁を乗り越えたら
大人として
困っている誰かに手を差し伸べられる人になってくれないか?
キャロル《...パ、パ?》
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
弦を引きちぎり自由になった黒の獅子機の鬣から伸ばされたいくつもの枝は翼さんをはじめとした斬撃武器チーム(マリアさん含む)が次々と斬り落とし、本体への攻撃は響さんの拳、『夏菜』さんの世界一かっこいいピコハンの連打、二人が退いた瞬間そしてクリスさんの矢と未来さんのビームで一気に攻める、といったものを繰り返していました
しかし
クリス「仕掛けてくるぞッ!」
時々放たれる火球は樹木であったときとは比べ物にならないほどの威力
まともに受ければひとたまりはないのは避けた後ろで爆散する街の残骸を見れば明らかです
動けてない私もそこにいるのでいつこっちに火球が飛んでこないかヒヤヒヤものですよ
そして流れは私が知るものと同じ、響さんがより大きな攻撃を留め、翼さん達がエネルギーを纏めて黒の獅子機へとぶつけていきました
もちろんそのエネルギーとは別に、響さんのアームドギア、拳にも同様にエネルギーが溜まっていき
響「はぁぁぁぁぁっ!!!!!」
翼「立花に力を!アメノハバキリッ!」
クリス「イチイバルッ!」
調「シュルシャガナッ!」
切歌「イガリマッ!」
マリア「アガートラームッ!」
未来「神獣鏡ッ!」
『夏菜』「ミョルニルッ!」
一度は体勢を崩されてもなお黒の獅子機は再び口からエネルギーを放とうとしました
その力を押し返そうとする、響さんを包み込む巨大な巨大な拳に、仲間の力が集まっていきます
私も、ノッておきますか
翠「アメノムラクモ...ッ!」
そして力は遂に互角...
いいえ
響「ガングニィィィィィルッ!!!!!!!」
『Glorious Break』
黒の獅子機コンマ下1
装者コンマ下2
(コンマ下1の数値と、コンマ下2の数値を9倍にした数値を比べて大きかった方の勝ちです)
***
71
89×9=801
PERFECT!!
***
『Glorious Break』
ドゴッ!!!
響さんの色鮮やかな拳は黒の獅子機の口から放たれようとしたエネルギーを獅子機の顔面ごと潰し、見事相殺し切って見せました
そして役目を終えた拳は中にいた響さんを残して消え、空には頭をなくし力無く4本足を垂らした黒の獅子機が浮かぶばかり
翠「倒した...?」
原作キャロルちゃんの碧の獅子機と違って黒の獅子機はそれそのものが一つの生物として融合、統合されていました
つまり、今見えるあの姿は倒せた、と見て間違いないはずです
未来「終わった...」
『夏菜』「えぇ、ようやく」
響「未来~!みんな~!!」
翠「終わった...終わった~...」
やっと終わりました...厳密に言えばフィーネさんに任せてしまったキャロルちゃんのことが残ってますが、ようやく今回の戦いは終わりました
響「未来ぅ未来未来未来ぅ~!!」
未来「わっ!」
切歌「調ぇ~」
調「お疲れ様、切ちゃん」
翼「やったな、マリア」
マリア「えぇ、やったわね」
遠くの方で地上に降りてきた響さんが未来さんに抱きついているのが見えます
抱きしめられている未来さんも嬉しそう、色々な意味で
切歌さんと調さんも抱き合ってますし、翼さんとマリアさんは手と手を上にあげてパーンしてます
クリス「うわっ何だくっ付くな!は~な~れ~ろって!ちょっおい見てないで助けろ!!」
『夏菜』「...」
クリス「おいっ!」
あ、響さんと未来さんが一緒にクリスさんに抱きつきにいきました...助けを求められた『夏菜』さんはスルー
翠「久々の平和...ですね」
私も、合流しに行くとしましょうか
これにて、GX編完!!!
翔子《...いいえ、あれは生物と機械人形の仕組みを分解と再構築によって合成した言わばサイボーグ...確かに各部に命令や信号を送っていた頭脳は潰えたでしょうが》
そのとき、空に浮かぶ頭の無い黒の獅子機の関節部から眩い光が漏れ始めました
とてつもなく嫌な予感がします
それに気付いた響さん達も獅子機を見上げて一瞬唖然としますがすぐに表情を引き締めていました
翠「まさか...まだ!?」
翔子《メインコンピューターが使えなくなった損傷の激しい機械の末路といえば...爆発の規模が如何程かは測れませんが、恐らく危険なのは二次被害の方でしょうね》
二次被害?
翔子《ボディのほとんどをアルカノイズが占めている造りなのですから、下手に分解機能を残した破片が散らばり、もしそれがさらに風に流されようものなら》
翠《...ものなら?》
翔子《それはアルカノイズそのものが拡散するのと同じことでしょうね》
マジですか...
この辺だけなら街の被害がどうのこうのは今更(本編の方でも爆心地になってましまし)ですが、そもそも碧の獅子機と同じくらいの爆発の規模で済むのかわかりません
おまけに破片が触れると分解する組織で出来てる可能性があるとか...
翠「一難去ってまた一難ってレベルじゃないほど面倒ですね本当にッ!!!」
ラスボス戦何段階あるんですか本当にっ!!
多数決安価下1~3
1 もう無理!あまり被害が出ないのに祈る!!(後に人や街の被害判定、最悪知り合いや周辺国さようなら)
2 よし、あのライオン別次元に捨てよう(街へのこれ以上の被害は出ない、ただまだ休めなくなる、もう少しだけ頑張る)
嘆けば爆発しなくなってくれるのなら私はもっともっと文句を言い続けていたでしょうが、そんなはずもありません
なのでこれ以上文句を垂れ流すのは時間の無駄...
翠「よっこらせ...っつ...ははっ、顔中から血が出てるのがわかります...今は鏡とか絶対見たくないですね」
神獣鏡とかではなく普通の鏡のことですけどね
いい加減身体中ガタが来ているというか、骨も多分結構...動けるのはギアとダウルダヴラを纏っているのと、翔子さんが生かしてくれているからでしょう
翔子さんが私や『翠』とどんな関係なのかは未だにわかりませんが、翔子さんや女神様の話ぶりからして私を生かせるのが翔子さんの役割なのだと思います、火事の時も起こしてくれましたし
翠「まるでどっかの勇者の精霊ですね...あっちより断然好ましいですけど」
『翠』《痛いならなるべく喋らない方がいいんじゃ》
軽口でも言っていないと痛みでまたぶっ倒れてしまいそうなんですよ
いくら鍛えても戦いに慣れても、痛みだけは慣れません
痛みに苦しみ耐えかねて死んだのならともかく、死んだことすら気付かない死に方をした私からすれば、死ぬ程の痛みもわからないわけですし
翠「さぁ!これで本当に最後の大仕事ッ!!!」
私は羽衣で身体を浮かせ、こちらも私同様そろそろ限界が近そうなフライユニットを再稼働させて黒の獅子機の元へ飛び立ちました
翠「ぐっ...けほっ...ゲホッ」
今日だけでも何度も繰り返したこの動作でもかかるGに身体が悲鳴を上げ、喉を登ってきた何かに咳き込んでしまいます
ドバッと口から吐かれたのは私の血
胸元の装甲にかかり、そこが赤黒く染まってしまいました
響「翠ちゃん...!?」
『夏菜』「あの馬鹿...!」
下の方で何か叫ぶ声が聞こえてきましたが構わず飛び続けます
翠「着きました...はぁっ!!」
そして黒の獅子機の真上まで来た私は、獅子機の手脚と胴体にダウルダヴラから伸ばした弦を巻き付けました
何本も、そして何重にも巻き付けたそれらを私の腰にもぐるぐると巻き付け手で握りました
翠「ネロさんッ!扉を!早くッ!!!」
爆発が起きても被害が出ない、今すぐ行けるところ
それはここではない他の次元...つまりバビロニアの宝物庫だけです
ネロ《また無茶を...私も怒られたくはないんですがね》
そう言いながらも一刻を争うのを理解しているネロさんは私の頭上に大きくバビロニアの宝物庫へと続く穴...扉を開いてくれました
ネロ《そこからノイズが出て行かないように制御しておきます、今私に出来るのはここまでです》
翠《ありがとうございます、私が閉じてと言ったら扉を閉じてくださいっ!》
私は黒の獅子機に縛り付けた弦を引っ張りながら扉の向こうを目指し飛んでいきます
重い...けれど、相手も空中に浮いている物体、感覚としては浮力がある水中で物を持ち上げる感覚
翠「うぎぎぎぎ...っ!」
フライユニットから遂にボフンッという音と共に煙が!あと少し!あと少しでいいから保ってください!
翠「こうなったら...獅子機には、獅子機ッ!!!」
引っ張る力を増やす為、私はダウルダヴラから更に増やした弦を用いて形を作ります
原作キャロルちゃんと同じ、正真正銘の碧の
翠「否!翠の獅子機ッ!そして着装、オールセーフティッ!リリィィィスッ!!!」
ニ-ベルング
さらにもっと力を!ルベドフェイズッ!!!
私のギア、そしてそこからさらに翠の獅子機までが黒く染まっていきます
...結局こっちも色的に黒の獅子機では
言ってる場合じゃありません、あともう一振り...もう一振りの力を今
「Gatrandis babel ziggurat edenal...Emustolronzen fine el baral zizzl...Gatrandis babel ziggurat edenal...Emustolronzen fine el baral zizzl...」
ぐっ...流石に絶唱した後の絶唱は...
翠「でもこれで!ぐぅおおおぉぉぉぉっ!!!!!」
例え腰の骨が軋もうと!腕の神経が千切れようと!何が何でもぉぉぉぉっ!!!!!
響「翠ちゃんッ!!!」
同時併用のおかげでアメノムラクモの羽衣の効果が翠の獅子機にも影響を与えたのか、さっきまで以上の力と速さで私と私が引っ張り上げている黒の獅子機は上へ上がり、どうにか黒の獅子機全体をバビロニアの宝物庫に入り切らせることに成功しました
翠「今ですネロさん!!閉めてください、早くッ!!!」
ネロ《ですが貴女は》
翠「ダメですっ!」
今ここで黒の獅子機に結んだ弦を離したら、またバビロニアの宝物庫の外に落ちないとも限りません
だからこのまま閉じないと
翠「自分の身は、自分で守れます、だからッ!」
ネロ《...わかりました、必ず戻ってください、責められるのは私です》
そうしてネロさんは念話を切り、ちゃんと言う通りバビロニアの宝物庫の扉を閉じてくれました
さて、自分の身は自分で守れますとは言いましたが...
『翠』《行けるの!?》
翠「ダメならあの世でまた仲良くしてください」
ま、私の場合は転生前に女神様と会った所まで戻されるかもしれませんけど
奏《うわぁ》
セレナ《笑えないよそれ...》
翠「知ってます」
バビロニアの宝物庫が完全に密室になった今なら問題ありません
今にも爆発しそうな黒の獅子機から弦を離し、私は体育座りから腕で頭を抱え込むようにして
『天ノ岩戸』
身体全体を羽衣で包み、球体になって衝撃に備えます
いつかのししょーと対立したときのことを思い出しますね...あの時もこんな風に羽衣の球体になって逃げようとして、素手でこじ開けられたんでした
翠「さぁ黒の獅子機...あなたの爆発とししょーの素手、どちらが上でしょう」
そして羽衣の向こう側でそれは遂に臨界点を突破し...
コンマ下
奇数 セーフ
偶数 セーフ...?
ゾロ目 おお みどりちゃん!しんでしまうとは なさけない...。
(4連ゾロ目は本当にめでたいので翠ちゃんに掛かる不可も特別仕様にさせていただきました(^ω^))
○○○
・・・
翠「...ぅ...っ!」
助かった...?
どうやら気絶していたようで、目を覚ますと同時に全身のありとあらゆるところから痛みが走ってきました
痛いと声を発するのもままならないほどです
いえ、何か話そうと思えば我慢すれば出来なくもないと思いますが...
ここは...?
私は今うつ伏せの状態で倒れ込んでいる体勢...あまり動くと痛いので、目だけ動かして辺りを見回しました
外...?バビロニアの宝物庫の中ではなく?
視界から入ってくる情報から察するに、どこかの草むら...なのでしょうか
ネロさんがあの後爆発が終わったのを見計らって外に出してくれたとか?でもそれならこんなところに置き去りのままとは考えにくいですし...
翠《ネロさん...ネロさん?》
事情を聞こうと念話を試してみますが、これがどうして繋がりません
電波とかならまだしも念話が繋がらない?
翠《女神様...女神様!女神様聞こえますか!》
...嘘...全然繋がりません
翠《『翠』!奏さん!セレナさん!メヌエットさん!翔子さん!》
コンマ下
奇数 返事あり
偶数 返事なし
返事なし...
翠「何...で...痛っ」
声出すのはまだやっぱり
ま、絶唱5人分ともう一回分、その他諸々やらかしてまだ死んでないならダメージとしては幸運にも少ない方なのでしょうが
いえ、今はそれより
翠「...誰も、私の中に?」
家出...なわけないですよね、何も言わずに一斉になんて
翠「とにかく...動か、ないと...ゴホッ」
ぺちゃっ
血と唾液と胃液が混ざったようなそんなものが口から溢れ、意識がまた飛びかけていました
一気に脳をフル回転させて必死に冷静なふりして強がってみましたが、体力の限界が先に来てしまったようです
「そこの君...大丈夫?ねぇ君?」
ぐらぐらと視界が揺れ身体が冷えていくような感覚に襲われる中、誰か女性の声が聞こえてきました
何か応えないと...そう思っても思うように声が出ません
「君!ねぇ君!?うそ、救急車...」
あぁ、多分今声をかけてくれているこの人には迷惑をかけてしまうなと思いながら、私は再び目を閉じてしまいました
・・・
そして次に目を覚ました時、私はここが並行世界なのだとようやく理解しました
どこの世界?多数決安価下1~3
1 本編の世界(3.5手前の時期)
2 XD関係の世界(後にさらに選択)
3 『ルナブレイク失敗』の世界(ルナブレイクが失敗しIF翠ちゃん(IF『翠』ちゃん?)が死亡している世界)(詳しくは【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「XD」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1513177414/)の<<877以降をお読みください)
4 未発見の世界(どんな世界なのか後に再安価)
・・・
目が覚めたとき、そこは病院でした
真っ暗ですが、どうやらどこかの病室...一人部屋のようです
身体中を包帯やら何やらで巻かれ首と片腕にはギプスが付けられ、点滴や医療機器と思しき機械も付けられています
治療してもらった後なのでしょうか
翠「...あー、あー...ん゛ん゛っ...あー、あー」
喉は大分回復していますね
声を出してもそれほど痛くありません
翠「...夜、ですね」
ふと見回すと、ちょうど窓の外の空が見えました
病室の電気が付いていないからか星もちらほら見えます、それに月明かりも...
翠「月っ!?」
よーく凝らして見てみると、確かに空に月が浮かんでいます
空気が澄んでいるのか思いの外はっきりと見えるそれは土星のように周りに輪のようなものが薄っすらと存在していて...早い話が原作のシンフォギアの月のような
翠「...まさか本当に」
ここは、並行世界...?
・・・
今回『翠』達が居らず私だけ知らない場所にいたことについて、考えられるのは『みんなが来る前に戻ってしまった』か『みんなが着いて来られないところに来てしまった』か...みんなが消えてしまった可能性は考えたくないですね...
どちらも非現実的ではありますが、シンフォギア世界に転生させられてる時点でもうそっち方面に考え方を切り替えるのがいい!多分!
無論これら全てが幻覚とかそういう可能性も考え始めたらいくらでも出てきますが、ここは女の勘で
どちらでもなくそれこそただ全員出かけていただけならそれならそれで笑い話にでもすればいいだけです
『みんなが来る前に戻ってしまった』だとすると...タイムリープとかシンフォギア だと聞かないですね
何らかの聖遺物を使えば不可能ではないかもですが、少なくとも心当たりはありません
第一それなら傷だらけの身体のままというのも...ならタイムスリップという線もありますか
医者の人か看護師さん辺りが置いてくれたのか、ベッドの脇の棚に置いてあった私のスマホを手に取り日付を確認してみます
一日経ってはいます...が、これは何度か気を失っていたからでしょう
そして『みんなが着いて来られないところに来てしまった』...こちらの方がしっくりきます
つまりは並行世界、アパレルでもパラソルでもなくパラレルワールド
仮に本当に世界線移動をしてしまったのだとしてそれがギャラルホルンの暴走なのかはたまた別の要因なのかはわかりませんが
何より、スマホが圏外になってしまっているのがより信憑性を高めています
そこまで考え、そしてついさっき自分の目で確かめた『欠けた月』の存在
これらから考えるに、やはり後者で間違いないでしょう
ここ最近のニュースでも調べれば私が元いた世界との差異がわかるはずですが、スマホが圏外ではそれも出来ません
翠「あるのは...」
棚には私が倒れていたときに持っていたからそのまま置いておいてもらえたのであろうアメノムラクモのギアペンダント、小さくした状態の壊れたフライユニット、おそらく元々置いてあるメモ用紙とペン
そのすぐ近くの壁にはハープ...ダウルダヴラが立て掛けてあります
あれも倒れてた時に近くにあったんでしょうか...不用心極まりないですねあれ
そして手元にはさっき手に取ったスマホに、ナースコールのスイッチ
どうする?安価下
(この世界はシンフォギアTV本編の世界と決定しましたので、そういうていで進めていきます)
翠「まずどうしますかね...『翠』はどう思...はぁ」
いないんでしたね
こういう時、ここ最近はいつも『翠』にどうしようか相談したり、するまでもなく色々提案してくれたりしていました
『翠』がいると知る前までは女神様に話しかけたり...
改めて本当に独りになってしまったんだと実感が湧いてきて、寂しさが込み上げてきます
流石に泣きはしませんが
翠「あっちの世界に来たばかりとあまり変わらないはずなのに」
でもよく考えたら転生初日からギア纏ったり二課の本部に協力することになったり
結局私はあの時、早い段階で『独り』ではなくなっていたということでしょうか
自分の目的も正体も何もかも偽っていたのに
翠「...はぁ」
ダメです、弱くなってます
どんどん思考が良くない方向に進んでいる気がします
くよくよしている場合じゃありません、何をすべきか考えないと
翠「よしっ!」
気合を入れ直し、やるぞーと意気込んでいると
すっ...
ふわっと空気が流れた気がしました
その流れを追うようにベッドの傍に目を向けると、そこには1匹のオオカミが
翠「...ルシエド?」
青く、そして僅かに光っているそのオオカミは私の問いかけに首肯で応えました
翠「る、ルシエド!あなたいたんですね!?」
思わず片腕ギプスなのも忘れて抱きつこうとしたらさっと避けられてしまいます
ですが今は避けられた悲しみより独りではなかったことの喜びの方がはるかに上
翠「ようし、あなたのことは今日から万丈と呼びましょう!!!万丈!!!」
全力で首を横に振る姿はまるで水浴びしたあとの犬みたいで可愛かったです
・・・
つい騒いでしまいましたが、ふと疑問に思うことが1つ
何故今まで姿を見せなかったんでしょう...私が気絶していたから?
ルシエド《そうではない》
翠「んっ!?」
今の声誰...えっまさか
翠「あなた...話せるんですか?」
少し離れたところでお座りしている万丈を見つめると見つめ返してきました
あなた直接脳内に...え?テレパシー?念話?念話出来るんです?最近の蛇とかオオカミは話せるんですか?
まさかあのきりしらさん2号(子猫)も...いやまさか
ルシエド《探していた、通ずる穴、空間の歪を》
このオオカミってそっちの原作で喋ってましたっけ...あっちのはあまり詳しくないんですよね...
ルシエド《この近くに一つ、そこから帰ることが出来る》
翠《帰るって...元の世界、『翠』達がいる世界ですか!?》
万丈...!あなたなんて優秀で賢いオオカミなんですか!!
ルシエド《ある程度回復した後、そこまで連れて行け》
翠《近くって具体的には...あっ》
それだけ言い残し万丈は姿を消してしまいました
翠「場所聞かないと連れてけないんですけど...」
とにかく動けるくらいまで治ったらまた姿を見せますかね...?
翠「はぁ...とりあえず、自分の持ち物をまとめて手元に置いておきましょう」
まだここを勝手に抜け出そうとかは思ってませんが、そうしないとも限りません
特にアメノムラクモのギアペンダントやダウルダヴラは絶対に失くしても誰かに盗られてもいけないものですし
翠「...ダウルダヴラ嵩張りますね」
地味にでかい...動けるようになったら大きめのバッグとか欲しいかもです
この病院の売店とかに売ってるでしょうか...あっというかお金持ってない...詰みましたね...
《...ザザッ...ザ-ッ》
・・・
朝になってからが大変でした
何しろ(多分)私の様子を見にきた看護師さんが私が起きているのを見て物凄く驚いて医者の人を呼びに行こうとして転んだり、その医者の人に住所とか保護者の連絡先とか何故ボロボロの身体(しかも病衣姿)で倒れていたのか聞かれて言い淀んでいると何か勝手に察さられたり
辛かったら言わなくていいって...どういうことだと思われたんでしょうか
あ、あと一応救急車を呼んでくれた人の名前も頼み込んで教えてもらいました
そのことでまさかの偶然にびっくりしましたが、まぁそれは置いておいて
if弦十郎「突然済まない、俺は風鳴弦十郎。超常災害対策機動部タクスフォースSquad of Nexus Guardians...通称S.O.N.G.の責任者をしている」
if友里「私は事務員の友里です、怖がらなくてもいいわ」
ifクリス「雪音クリスだ」
...どーしましょこれ
・・・
病室の外が騒がしくなったなと思ったら、ししょー達が...正確に言えばこの世界のししょー達が訪ねてきていました
そしてちらりと私の手元のギアペンダントとダウルダヴラを一瞥すると、ししょーは自己紹介を始めてきます
ガンガン国家機密的にあまり言ってはいけなそうな組織名とかを出してくるあたり、逃すわけにはいかないというかタダでは帰せないというか、つまりは『そちら側』に引き込もうとしているようです
少なくとも恐らく何か気になることがあってここを訪ね、それについて聞くまでは帰らないつもりなのでしょう
if弦十郎「少し、君に聞きたいことがあって訪ねた次第だ」
ほらさっそく
色々ぼかしていましたが、要は「自分達の知らないアウフヴァッヘン波形を検知して、その近くの場所に少女が倒れていたという情報を得たから何か知らないか聞きたい」ってことらしいです
検知したアウフヴァッヘン波形は複数と言っていましたが、おそらくはアメノムラクモ、それと正確にはアウフヴァッヘン波形ではありませんがダウルダヴラのものでしょう
事実話していたししょー...こっちの世界のししょーが『アウフヴァッヘン波形とそれに近いもの』と分けていましたし
というかダウルダヴラに至ってはこの世界が原作の世界と同じ歴史を歩んでいたとしたらバレてますよね、それがダウルダヴラだと
警戒心0にしか見えない態度でありながら多分一応警戒はしているであろうししょー、そして警戒心が隠しきれていないクリスさんと友里さん
そりゃまぁ、最初にこの部屋に入ってきた時点でわかってましたけど、この世界のみなさんとこの世界の私はおそらく知り合いではないのでしょう
つまり認識的にも実際にも私達は赤の他人
わかっていても知ってる人からそういう目で見られるのは...そもそも知ってる人といっても本人ではないとわかっていても、あまりいい気持ちにはなれません
それが顔に出ていたのか、一番警戒していたクリスさんが「大丈夫か?」と心配してくれる始末です
if弦十郎「聞きたいのは、君と君が今持っているそのペンダントについてだ...教えてはもらえないだろうか」
安価下
1 並行世界から来たことは伏せて、ギアの出所等について嘘八百を並べる
2 並行世界から来たことは伝えて、ギアの出所等について嘘八百を並べる
3 並行世界から来たことは伏せて、記憶喪失を装う
4 並行世界から来たことは伝えて、記憶喪失を装う
5 全て話す
(女神「もう少し!あと少し...あ!今ちょっとだけ繋がりました!」
翔子「頑張ってくださいお義姉様!」
ネロ「この辺を...こうやって...」
『翠』《翠...聞こえたら返事して...!》)
この人達は私が知っている人達ではありません
ですがきっと、私が知る人達とそう変わらない、そんな人達なのだと思います
だから
翠「信じてもらえるかはわかりませんが...私は多分、別の世界から来ました」
私はこっちの世界のししょーとクリスさんと友里さんに、全て話すことにしました
月が破壊され、私という人間がS.O.N.G.に所属している、こことは別の運命を辿った並行世界から迷い込んでしまったことを
ifメンバーコンマ下1
ゾロ目以外 信じる!
ゾロ目 ちょっと信じ難い(この子は痛い子だ!判定になります)
ifメンバーの反応安価下2以降
(コンマ下1の結果を踏まえた内容でお願いします、そうでないと判断された場合は申し訳ありませんが不採用となる可能性があります)
(言い忘れていましたがこの世界(本編の世界)の人達は元の世界(転生後の世界)の人達と区別するため全員名前の前に『if』が付きます)
翠「...ちらっ」
***
翠「終わりのない運命(笑)のスレ...強制休載の続きが始まる...?」
ウンメイノ-
翠「運命(笑)のスレの再生産...!」
はい、正直「鯖復活しないなーこれはもうダメかなー」と思っていました
鯖「まだ歌える...頑張れる!戦えるッ!!!」
復活しましたね~
『月破壊協力ウーマン』兼『聖遺物何でも纏うウーマン』兼『謀られデビュー系アイドル』兼『平行世界飛ばされウーマン』な翠ちゃんはもう元の世界に帰れないままさようならかと
...べ、別に翠ちゃんの立ち位置が収集つかなくなってきて「鯖落ちからのエタはセーフだよね、てか緒川さん何勝手にロンドンから戻ってきてんの」とか思ってませんからね!
驚いた事に待ってくださった方もいらっしゃったので、そろそろ再開しようと思います
とりあえず出しっ放しだった安価を消化するところから
それにあたりその後の展開について先に多数決取っておきたいと思い書き込みに来た次第です
なおこの多数決安価は本日10月22日の21時までとします
多数決安価
1 このまま一ヶ月ほど入院
2 とりあえずS.O.N.G.に重要参考人として保護してもらう(S.O.N.G.の医務室に移り、アメノムラクモとダウルダヴラとフライユニットは一旦押収されます)
3 if弦十郎らが帰った後隙を見て無断離院(脱走)
***
大人しくしていられない怪我人、それが翠ちゃん
if弦十郎らが帰り次第脱走計画開始となります
***
・・・
if弦十郎「ふむ...なるほどな」
なるほどなて
平行世界とはいえししょー達ならとは思ってなかったわけではありませんけど
ifクリス「ん?何だ?拍子抜けだったか?」
翠「というより、『知 っ て た』ってやつです」
そういう人ですもんね
特にししょーはギャラルホルンの事もおそらく知ってますし、そういうことなんでしょう
ただまぁ何というか...多分人を見る目とかそういうので平気なんだとは思いますが、あまりにもあっさりと信じてもらえるとやはり「詐欺とかあいそうな人だ」と思ってしまいます
S.O.N.G.的にこれから裏取りとかするつもりなんでしょうけど、ししょーの場合勘だけで信じてると言われても違和感ないのがまた
if友里「信じ難い話であることには変わりはないけれど、最初から疑ってかかるのはね」
if緒川「それとも、疑った方が良かったですか?」
翠「まぁ私としては信じてもらえるならそれに越したことはないんですが...って緒川さん!?」
どの世界の緒川さんも音もなく現れるのは変わらない...というかこの世界が仮に原作に近い展開の流れを辿ってるなら貴方今頃はロンドンじゃないんですか!?
翠「いやでも翼さんやマリアさんを仕事先で放っておくとも...海を跨ぐ分身?」
if緒川「僕のことも知っているようですね...いえ、それは大変なので他の信頼出来るエージェントに任せて帰国した次第です」
大変であって不可能ではないと
これがNINJA...!
if弦十郎「俺が召集した、消滅したと思われたダウルダヴラ、そして未知の聖遺物の反応が検知されたというのはそれだけ大ごとということさ」
消滅...あぁ、となるとやっぱり
翠「碧の獅子機...」
ifクリス「それも知ってんのか」
ふんふん、なるほどなるほど
爆散したとばかり思っていたダウルダヴラの波形が再び感知されたら確かに必要以上の警戒はしますよね
if緒川「しかし突然信用されて戸惑うというのならあえて...それで、アメノムラクモとダウルダヴラはどうやって盗み出したのですか?」
ifクリス「おい」
やだこの緒川さん黒い
悪ノリなのかなんなのか
翠「って、ビビらせて反応を見たいならせめて眼鏡外すくらいしないとですよ、マネージャーモードのままじゃ試してるってのがバレバレです」
if緒川「おっと」
気を使ってくれたのなら有難い?気がしなくもない?ですが
if弦十郎「それに、俺が信用した人間をお前が疑うことはないだろうということは恐らく彼女も察しているだろうよ」
翠「でもあえてそれに乗るなら...盗んだとか奪ったっていうより継承したと言ってほしいですね」
そしていずれは魔王に...冗談です
翠「どちらもこの世界のものではない私が持ち込んだものですし、アメノムラクモはもちろんのことダウルダヴラもまぁ継承した...した?ものですよ」
正確には私の身体を乗っ取ったキャロルちゃんが取り返したダウルダヴラを私が私の身体を取り返したときに付いてきたおまけですけど
・・・
ifクリス「で、だ」
翠「はい」
ifクリス「お前のその話が本当だとして、帰れる見込みはあんのか?」
帰れる見込みは...ルシエドもとい万丈が言うには一応空間の歪みがあるから帰れるはずです
ある程度回復したら~って
なのでまぁ見込みはあるのかと聞かれたらあるんですよね
安価下
1 ある(ここは正直に)
2 ない(S.O.N.G.による善意の監視がより厳しくなります)
undefined
翠「見込みは、あります」
ま、ここで無いと嘘をつく必要性はありませんね
仮に嘘をついたとして、バレるまではもしかしたら帰る手段を探すくらいの協力は申し込んでくれるかもしれませんがだからどうということもありません
というかお人好し集団のS.O.N.G.なら別に敵対したりしてなければ普通にどんなこと頼んでも協力してくれそうです
どんなことといっても...シンフォギアのマイクユニットとかLiNKERとかテレポートジェムの材料譲ってもらったり?
ifクリス「なら、怪我が治り次第ってことか?こっち来たのも事故みたいなもんなんだろ?」
翠「ですね~」
そこはまだ!ノープラン!
if友里「でもそれなら一安心ですね、貴女が元いた世界の我々や彼女の友人もきっと心配しているでしょうし」
if弦十郎「あぁ、そうだな」
心配してくれてるといいですね~...
『凜音』『ダメなものはダメですッ!!』
喧嘩別れ...とも違う気がしますが、『凜音』ちゃんの静止を半ば強引に振り払って(というか気絶させて)、そのままですね
翠「...」
帰ってちゃんと謝らないと
『凜音』ちゃんだけじゃありません、きっと夢姫ちゃんも、皆さんも
『翠』や女神様達だって
ifクリス「なぁ、お前のいた世界ってどんなのだ?」
翠「え?」
ifクリス「だから、お前のいた方の世界、月がもう...ってのは聞いたけど」
いつの間にかちゃっかりベッドの隣に置かれてるパイプ丸椅子に腰を落ち着けていたクリスさんは、少し沈んでいた私に気を遣ってくれたのかはたまた単なる興味なのかはわかりませんが、そんなことを聞いてきました
ししょー達が何も言わないということは、私の答えを待っている、ついでに言うとまだ帰らないってことですかね
翠「と言っても、こっちの世界のことをまだよく知らないので、どこがどう違うのかとかわかりませんよ?もしかしたらこっちだとあり得ないことでも私の世界だと普通だったらパッと出てきませんし」
この世界はおそらく原作に近い世界
ですがそれに確信していない上、転生者であることを黙っているこの状態で私がこの世界の流れに詳しいのはどう考えても不自然です
ifクリス「まぁそれもそうか...」
翠「...」
ifクリス「...」
でも何かしら会話を続けた方が良さそうな雰囲気が
私だって元々根は...未だに初対面の人に対しては...コミュ障なわけです
生前のいつだったか親に内弁慶とか言われたことがあったような
なんて答える?安価下
(この世界(原作世界)と比較するようなものはNGです(月の有無の話題は既に終了済み))
翠「そうですねぇ...あー例えば、こっちだとどうだかわかりませんけど、ホムンクルスとは別ので人工的に作られた人間、つまり人工装者がいる、とか」
ifクリス「ふーん...は?」
if弦十郎「人工装者...だとぉ!?」
翠「いやそんな大したあれじゃないですよ?」
ifクリスif弦十郎「「大したあれだろぉ!!!」」
でも女神様の調べが確かならこっちだと多分夏菜さんはもう...そして芋蔓式にメヌエットさん達も生まれてきてないはず...
つまりこの情報はあまり役に立たないんですよね、メヌエットさん達を造った組織が動きを見せたりしない限りは
翠「後は...神獣鏡のシンフォギアがあったり」
if緒川「先程の話のインパクトが強過ぎて聞き流してしまいそうになりましたが、それも驚きですね...現在も?」
翠「ありますよ、私がこっち来てすぐ壊れた~とかなければ」
if友里「ねぇ、それって」
なんとも言えない表情で言い淀む友里さん
そうですよね、神獣鏡といえばあの人ですよね
翠「多分今友里さんが想像した通りの人が使ってますよ、今でも」
私も使える、というのは言わなくてもいいでしょう
どうせ今は手元にない為証明も出来ませんし
こちらからも何か質問(という名の確認)する?安価下
(質問内容を記述してください)
翠「えーっと...あの、そろそろ...」
if弦十郎「む、そうだな...君は、何か我々に聞いておきたいことはあるか?」
うーん...この世界が原作とどれほど近いのか、どこか違いがあるのか知っておきたくなくもないですが、流石にそんな内部情報に直結しそうなことは濁されるでしょう
されなかったらそれはそれで本格的に心配になってきますよ、私のような『普通知らないはずのことを知ってる自称並行世界の装者』にペラペラと話すようなら
なのでここは
翠「いえ、大丈夫です」
ここはこの辺でやめておきましょう
あとあまり話を続けていると『私が月が破壊に加担した』ということもポロっと口を滑らしてしまいそうですし...バレても平気そうですけどなんとなく言うのが憚れるというか
if弦十郎「そうか...さて、本題なんだが」
翠「本題?」
if友里「私達のところへ来ない?私達としては貴女の身柄を保護したいと思っているの」
聞けば、要は未知のシンフォギアやダウルダヴラを持っていることに加えて並行世界の情報を持っていること、自分達のことを知ってしまっていること等から私をS.O.N.G.内の医務室に移すことで保護(といいつつ監視だと思います)したいとのことです
危険人物、要注意人物、重要参考人、協力者、保護者皆無の少女
この内のどれとしての扱い、あるいは全部まとめての扱いか
if弦十郎「すぐに答えを出す必要はないさ、無理強いはしない」
if友里「貴女が貴女の世界の私達と知り合いだとしても、やっぱり私達は貴女のことを知らないから、少し不便を覚えてしまうかもしれないけれど」
意外と言えば意外ですね
問答無用で手錠かけて本部にGOかと身構えていましたが
私が怪我人だからでしょうか
もしくは「すでに常に監視しているから保護しなくても動きは把握しているすぞ」という可能性も...
時期的にこれから3.5期、AXZの流れ、もしくはXDの片翼の奏者の流れになると思います
その際後者ならある程度ノイズやカルマノイズを気にしていればこっちにいる限り安全ですが、前者だった場合私はAXZ1話分の知識しかありません
どう動いたらいいのか、どう動いたらいけないのかもわからず、下手したら何の冗談かパヴァリア光明結社だとか他の何か敵組織っぽいのに目を付けられる可能性も0ではありません
いやないといいんですけどね...なぜかキャロルちゃんに私もそれなりに警戒されてる節があったので
そういった諸々のことも考えて私は...
翠「いえ、申し訳ありませんが、今日のところは遠慮しておきます」
その誘いを断ることにしました
・・・
私の返答を予想していたのか、ししょー達はそれ以上誘ってくることはありませんでした
また様子を見に来るとは言ってましたが
ifクリス「こっちに何人かアタシらのとこのが見舞いに来るかもしれないけど、まぁ頑張れ」
翠「無責任な...」
ifクリス「どっかの馬鹿はしつこいからな...お前もそいつのことは承知だったりするか」
あー確かにあの人は来そうですね...
そんなこんなで、ししょー達はようやく私の病室を後にしました
私は窓からししょー達が病院の敷地を出ていくのを確認し、ふぅと息を吐きました
翠「さて、と」
確か看護師さんは私は全治一ヶ月とか言ってましたっけ
一ヶ月...このままここに入院させてもらって一ヶ月後に帰還を試みるかそれとも...
翠「一か所に留まるともしすでに誰か敵っぽい人に目を付けられていた場合圧倒的不利」
ならばァ...答えは一つッ!!!
安価下
1 今すぐ(現在昼)脱出を試みる
2 夜になるのを待って脱出を試みる
undefined
現状私の所持品はアメノムラクモのギアとダウルダヴラ壊れたフライユニットと圏外のスマホ
片腕とクビにはギプスがはめられてますが、幸い脚は動かせますし点滴も昨日の段階で外してもらえてます
翠「手は片方しか使えない...両手使えないよりはマシですね」
首が動かし辛いのは我慢我慢
やはりアスクレピオスは持っておきたかったと一瞬思ってしまいますが、無い物ねだりをしていても始まりません
翠「第一、ギア一つに念話の通じる仲間がいないのは最初の頃に戻っただけです、それに比べれば今はダウルダヴラもありますし万丈もいます」
なせば大抵何とかなる!あっこれ違う作品ですね
翠「善は急げ、まずはそう、手始めにあまりこそこそせず堂々と」
今はまだ昼間、これが夜なら窓から出るも良し、屋上やら裏口やらに侵入してそこから逃走を謀るも良しですが、今は目立ち過ぎます
なのであえて堂々と真正面から、理想的なのはここの病院に出入りするお見舞いの人とかと混ざってここを後にすること
翠「途中で呼び止められるまでが勝負...」
いざ!
・・・
翠「何っでなん!?」
叫びたいのを必死に抑え声を殺してそう嘆き、廊下の曲がり角に隠れる少女が一人
というか私です
思わずなんか変な口調になりました
数刻前、使える方の手でギアペンダントとスマホとフライユニットとスマホをポッケがパンパンになるのも気にせず押し込み、ダウルダヴラを脇に抱えて病室を出た私は、最悪その瞬間看護師さんだとかししょー達が残していたのならいるであろうS.O.N.G.の職員に止められるのも覚悟していましたがなんてことはなくそのまま階段へ
「お、これはもしかするかも」と思ったり思わなかったりしながら一階まで降り、いざ正面玄関へ!と意気込み廊下の角を曲がったその時
その先にある売店、その中にいる人達の姿がふと視界に入ってきました
そこにいたのは、売店に陳列された商品を物色するししょー達
そう、さっき病院の敷地から出たはずのししょー達です
そして今に至ります
翠「まさか戻ってくるとは...わざわざ戻ってきて病院の売店で何か買うくらいならそのまま近くの店で買えばいいものを!」
あるいは私が病室を出たことがもうすでにバレてる?バレてなくても警戒されてる?
敷地を出たのはブラフ...可能性は0ではありません
杞憂だとは思いますが、0ではない以上油断は禁物です
多数決安価1~3
1 見つかるかはコンマ判定
2 安価は絶対!病室からリスタート
(少し意見が割れているようなので念の為...選択肢の安価の際に追加内容が書かれているのは以前からも多々ありましたが、それは最初に禁止にしなかった私にも落ち度があるので...)
翠「焦りは禁物...下手に意識せず、背景に溶け込むんです」
余計なことはしない
ただただ、そこを進むことになんの違和感も罪悪感も持たずそれが当然の権利
否、そんなことすら意識しないほど当たり前のように
私は力みかけたのを深呼吸で落ち着かせ、散歩でもするように正面玄関を目指しました
コンマ下
奇数 セーフ!
偶数 アウト!
ゾロ目 セーフと見せかけて
・・・
翠「...っ...はぁ~...っし!やってやりました!」
病院の敷地を出てからさらにしばらく歩き、病院から大分離れたことを確認した私はいつの間にか止めていた息を吐き出してガッツポーズ
完 全 勝 利
人間やれば出来るものですね!これはもうスターマーク勲章を与えて貰えるレベルじゃないですか!?
...それは言い過ぎですが、まぁ私にしては上出来でしょう
翠「あえて見逃された可能性ももちろんありますが」
今は素直に喜んでおいてもバチは当たらないはず!いや脱走してる時点で十分バチ当たっても文句は言えませんが
翠「さてと...」
まだ怪我も治っていませんし、何より空間の歪みのある場所は確か病院からさほど離れてないらしいですし
どうする?安価下
1 ホームレス中学生
2 この世界の『自分』の家に行ってみる
3 一回離れたけど途中まで引き返して空間の歪みチェック
4 こういう時は寝カフェ
5 その他(記述)
翠「病院にほど近いというか空間の歪み?に今近付くのは流石に...」
犯人現場に戻る、とは違いますが、脱走した身で戻るのは病院に連れ戻せって言ってるようなものですよね...
ていうか、そもそも病院に近い場所ってのはわかりましたけどそういえば詳しい場所自体はわからないまんまじゃないですか
翠「今足を運ぶのは出来ませんが、詳しい位置は予め知っておいて損はないのも事実...」
夜とかなら闇に紛れてチェックしに行けるかもしれません
それに、こうなったことに関しての何らかの手掛かりとか...
私はポッケからフライユニットを取り出し中にいるであろう万丈(ルシエド)声をかけてみることに
翠「万丈、聞こえますか?ちょっと聞きたいことが...」
コンマ下
奇数 返答あり
偶数 返答なし
手元のフライユニットが一瞬青く発光すると、中からルシエd万丈が姿を現しました
...まさか本当にまたフライユニットの中にいたとは
ともかく、ルs万丈は何の用だと尋ねるようにこちらを一瞥してきます
翠「いや、空間の歪みの詳細な位置を知りたいっていう話なんですけど」
大体どの辺?安価下
(地図があるわけではないので『病院の近くにある◯◯の右』『病院の敷地内にある◯◯の側』といった感じの書き方をしていただけると助かります)
(病院の近くであることが大前提となり、それに矛盾している場合は申し訳ありませんが不採用となります)
また喋ってくれるかな~と少し期待しつつしゃがんで目線を合わせそう尋ねると、万丈はじっとこちらを見つめた後片方の前足を上げ
ぽすっ
翠「...え、何ですこれ」
まるでお手をするような形で私の額に前足を当ててきました
うん?これは肉球気持ちいい的なそういう反応すればいいわけで?
翠「...っ!」
斜め上の反応に困惑し真意を図りかねていると、突然脳内に映像のようなものが流れ込んできます
正確には、万丈の手のひら...もとい前足のひらから流れ込まされてるいる?
まず映ったのは、病室
視界は低く、ベッドの上を真横から見るのが精一杯高さ
そこには私が横になって寝かされていました
翠(万丈視点...の記憶?)
そこから流れるように景色が変わっていきます
壁にぶつかると思いきやそのまますり抜け隣の部屋へ
他の人達の姿も映りますが、こちらには気付いてないのか気に止める人はいません
どんどん進み階段を駆け降り...壁はすり抜けるのに階段は律儀に降りるんですか
一階まで降りて壁を抜け外へ
そして最終的に辿り着いたのは
翠(病院のすぐ隣の...ファミレス、ですね)
血液のビートを刻みそうな名前のファミレス、その駐車場の一角で視界は留まりました
そこには確かに、空間の歪み...穴、というかヒビのようなものがあります
その奥はまるでオーロラのような、宇宙のような不思議な色合いの空間が広がっており、所々金を基調とした色の幾何学など立体物が浮かんでいて...はて、何処かで見たような
翠(あっふーん...なるほど、まぁ順当に考えてそりゃそうですよね)
その歪みは開いたり閉じたりを繰り返しつつも完全に閉じるということはなく、それこそ辛うじて歪みを保っている、といった状態に見えます
そして映像はここで終わり
見「っは...思った以上に病院のすぐ側...ですね」
記憶を流してもらった影響か万丈が前足を離した後も若干頭に痛みが走りましたが、おかげで場所の正確な位置は把握出来たので良しとします
翠「ありが...」
とう、と続ける前に
気がつくと万丈はまた姿を消していました
多分またこのフライユニットの中に戻ってるんでしょうが、何でしょう、私にはやや冷たい気が
助けてはくれるけど主と認めてないってやつですかね?
翠「いいですよ、メヌエットさんが成仏してなかった今、あなたのことは借りてるって状態ですし」
多少モフらせてくれるくらいに心を開いてくれたら嬉しいな~なんて
どうする?安価下
1 ホームレス中学生
2 この世界の『自分』の家に行ってみる
3 一回離れたけど途中まで引き返して空間の歪みチェック
4 こういう時は寝カフェ
5 その他(記述)
しかし、病院の近くとは知ってましたがすぐ隣のファミレスですか...うーん...
翠「近い...けれど、うーん...」
脱走直後の今、あそこに近付くのは駄目...駄目なのはわかってるんですが...
翠「自身の帰還云々『以前』の問題が、浮上してしまいました...そこが気掛かりでないと言えば嘘になります...」
今はやめておいて夜に見に行く
安全そうであればそれが一番だったんですが
いかんせんそういう訳でもない可能性が出てきてしまいました
翠「...」
故意ではなかったとは言え、私が原因でこっちの世界に迷惑がかかる可能性が出てきた訳です
それは、あまりよろしくないことですよねぇ
翠「う~...念の為!念の為一回だけ!」
最悪見つかって病院に連れ戻されたとしても、それはこの際仕方ありません
もちろんそうならないのがベストですが
翠「知ってしまうと、どれだけこの行為が私にとって不利な状況を作りやすいものだと理解出来ていても、気になってしまって仕方がなくなってしまうのはどうしようもないものですね...」
さっきも思った、犯人現場に戻る...今はある意味それにより近い感覚を持ってしまっていることを自覚し、苦笑してしまいます
翠「せめて病衣でなければもっと目立たないんですがね」
・・・
慎重な足取りで病院とは反対方向からファミレスに近付いた私
新たに車が入ってきていないのを確認し、駐車場の中に向かいました
そして空間の歪みがしっかり視認出来る場所まで移動し、様子を伺います
翠「とりあえず五分程様子見、何事もなさそうなら、それで...」
短過ぎるかもしれませんが、私とてここに長居するわけにはいきません
もし私がここを離れてから事が起きてしまったらそれはもう本当に申し訳ないですがこっちの装者の皆さんに頑張ってもらいましょう
コンマ下
奇数 何か出てきた
偶数 異常無し
ゾロ目 現場に戻っておいて見つからない筈もなく
・・・
結論から言いましょう
あれから起こった三つの出来事
一つ...背後に出現した緒川さんに敢えなく確保される
二つ...再び病院のベッドに戻される
そして三つ...病室の警備がやたら厳しくなる
翠「きっともうすぐ大黒◯季さんの歌が...」
ifクリス「何言ってんだ?」
早い話がずっと行動は把握されてて、牽制の意味を込めてわざと先回りして見せたけど私の行動が挙動不審だった(直接こうは言われてませんがそういうことだと思います)のでついに強硬手段で戻された、と
if弦十郎「君がいずれかのタイミングで自主的に戻るようなら何も言うまいと思っていたんだがな」
翠「はぁ」
それを知らなければししょー達の方こそよほど挙動不審な場所移動でしたがね
安価下
1 とりあえず大人しくしておく(ししょー達は帰りますが病室の外の監視はそのままです)
2 少しししょー達と会話タイム(会話内容を後に安価)
3 私は自由が欲しいッ!行きなさい万丈ッ!(微敵対フラグ?)
4 歌って逃げるッ!(微敵対フラグ?)(逃げられるかは後に判定)
いっそがっつり敵対してしまった方が行動が自由になるのでは?と一瞬思いましたが...負ける気しかしません
まぁそりゃ?模擬戦とかでは?客観的に見れば私の成績は悪くないかもしれませんが?
いつもかなりギリギリの勝利、おまけにあっちの皆さんとこっちの皆さんとでは実力も戦い方も異なるかもしれません
あと今片腕使えないハンデが大きいのも事実
そして何より一応話を信じてもらえた手前それは...
翠「...はぁ、わかりました、今はここで大人しくしておきます」
if友里「警戒も0ではないけれど、あくまで貴女の身を案じてのことだから」
それは事実なのでしょう、私の知るS.O.N.G.という組織は大体そうでした
しかしそうは言っても、ジーッとしててもドーにもならねぇというやつで
if友里「もしすごく暇だ~とかいうことなら本とかも用意させてもらうけれど」
翠「詳しく聞きましょう」
・・・
それから今度こそししょー達は帰って行きました
そして私は私で
翠「柄にもなく大量に注文してしまいました...」
で、でも仕方ないじゃないですか!最近忙しくて買っても読んでない小説とか買えてない雑誌とかあったんですよ!
そして余りにも多いから途中からは自分で注文してほしいと言われ...
Wi-Fiに繋がったノートPCを貸してもらいました
翠「...期せずしてインターネットに繋がる手段を得てしまった」
もちろんコレの検索履歴等も監視対象でしょうし、ある程度の制限(何の制限かと聞かれると...?)もあるんでしょうが
あ、お金はS.O.N.G.が払ってくれると言ってましたがそれは心苦しいのでどうにかしないとですね
こっちの世界で働く?もし元の世界で帰れたらそっちから自分のお金を持って来られると楽ですが
翠「...S.O.N.G.の装者として働いて返す...いやいやいや」
そんな本末転倒なことは...これ本末転倒で合ってますかね?
コンマ下
奇数 何もなし!寝る!
偶数 お見舞い
ゾロ目 念話
緑「さてと...寝ますか」
しばらくは動けない、というかこの部屋から出られなさそうですが、ネット環境は整いましたし
そうでなくても出来ることは少ないと今日実感しましたし
気長に行きましょう
翠「おやすみなさい...」
・・・
朝、看護師さんに色々測定してもらい、朝食を食べ
翠「さて...どうしましょ」
安価下
1 何かググってみる
2 念話再チャレンジ
3 お見舞い
4 二度寝ッ!!!!!
(翠「3.5期ってGX最終回ラストから何週間後とかあるんですかね...一週間くらいですかね...」)
コンコンッ
このまま起きているか二度寝するかという究極の選択に頭を悩ませていたそのとき、誰かが病室をノックしてきました
ここは私の一人部屋で今は私一人きり、そして監視の人も外にいます
ということは今訪ねてきた人は私以外の誰かに用事があったり他の病室と間違えてここへ来たわけではない、ということ
翠「...」
居留守は無意味ですし...S.O.N.G.職員の監視の人が通したということはS.O.N.G.関連の人か、そうでなく強行突破してきたのならやべーやつです
私は念の為首から下げたギアペンダントをギュッと握りしめ、返事をしました
翠「どうぞ」
コンマ下
ゾロ目以外 S.O.N.G.関係
ゾロ目 錬金術師
***
お見舞いメンバーコンマ下1~3
1、6 響さん
2、7 未来さん
3、8 クリスさん
4、9 切歌さん
5、0 調さん
ゾロ目 +エルフナインちゃん
(コンマ一桁で判定します、なおコンマ一桁が被った場合(1と6の様に対応したキャラが被った場合も含む)でもコンマ下4以降は採用せず訪問者を2人以下として進めます)
(ゾロ目だった場合はコンマ一桁を採用した上でさらにエルフナインちゃんが付いてきます)
***
・・・
ガラッ
開かれた病室のドア、その向こうにいたのは...
ifクリス「よっ、ちゃんといるな」
翠「クリスさんでしたか...昨日ぶりですね」
その言い草に思わず苦笑してしまいます
流石に昨日のアレで夜のうちに脱走なんてしたらどうなるかくらいわかってますよ
翠「ところで、クリスさんお一人じゃなさそうですが」
ifクリス「あぁ、ほら、入ってこいよ」
クリスさんの後に続く様に入ってきたのは三人
それはやはり私にとっては馴染みのある顔ぶれで
if未来「こんにちは」
if調「お邪魔します...」
ifエルフナイン「は、初めまして!」
翠「初めまして...まぁ、そうですね、初めまして」
未来さんに調さんに...
翠「キャロルちゃん...いえ、エルフナインちゃんですね」
そうそう、本来エルフナインちゃんはキャロルちゃんの身体になるんでしたよね
一瞬その顔にキャロルちゃんかと思ってしまいましたがよくよく見てみれば表情や声や仕草でエルフナインちゃんだとわかります
そもそもこっちの世界だと多分キャロルちゃんはもういないはずですし...というか中身で声変わるの便利ですね...私も是非ともそういう感じにしたいんですが
ifエルフナイン「わ、わかるんですか?というかやっぱりキャロルのことも知って...」
翠「知ってますよ~?小日向未来さんと月読調さんのことも」
未来さんと調さんは名前を言い当てられたからか少しびくりと肩を震わせましたが、予め私のことは知らされていた様でそれ以上のリアクションはありませんでした
にしても...
翠「こう言っては何ですけど変わった組み合わせと言いますか」
ifクリス「ま、一気に押しかけるもんでもないしな」
何話す?安価下
(if響「休み明けまでの宿題が~!助けて未来ぅ~!」
if切歌「調ぇ~!」)
ひとまず警戒の必要はないと判断し、私はギアを握り締めていた手をそっと開きました
クリスさん達も各々椅子に座り落ち着いています
ifクリス「さて、紹介の必要はなさそうだけど一応しとくか?」
クリスさんは未来さん達を見やりながらそう言い
翠「私の方は必要そうですしね...改めて初めまして、蒼井翠です」
私は簡潔に名乗って頭を下げました
if未来「小日向未来です、よろしくね」
if調「月読調...です、よろしく」
ifエルフナイン「ぼ、僕はエルフナインです!よろしくお願いします!」
翠「よろしくお願いします」
並行世界ものにたまにある名字が違う展開は今のところなし、と
性格も見た感じ差異はなさそうです
・・・
軽く世間話ならぬ並行世界間話を...といってもアメノムラクモやダウルダヴラについてエルフナインちゃんに色々聞かれたのが大半ですが...繰り広げ、ひと段落ついた時
ifクリス「そういえばそれ、後生大事に持ってるけど何なんだ?」
丁度私の手元に置いていたフライユニットを指差し尋ねてきました
翠「これですか...そうですね、大切な物、でしょうか...」
クリスさんはそこまで言いませんでしたが、側から見れば壊れてボロボロになった何かの機械...というか、小型に変形させているのもあって玩具か何かだと思う人がほとんどだと思います
まさかこれが大きくなって空を飛ぶ装備になったり、中にオオカミが入っているなど想像もつかないでしょう
ですが私にとってはそれ以前に、夏菜さんと『夏菜』さんに託されたものでもあります
翠「友人から貸与された、私を信じて託してくれた物です」
if調「友達から?」
翠「えぇ、まぁここに来る前に酷使し過ぎて動かなくなってしまいましたが」
うんともすんとも
そりゃ後一回後一回と何度も無理させましたからねぇ
エンジンがいつタヒんでもおかしくない使い方をして、よく保ってくれたものです
翠「直し方とか聞いておけばよかったですかね...いや、すぐに必要になる様なことはないでしょう」
ifエルフナイン「未知の機械...!」
この世界で何か起きてもなるべく手は出さない方が賢明ですし
あとエルフナインちゃん、そんなキラキラした目をしても渡しませんよ?
ifクリス「あー...悪い」
翠「何がですか?」
ifクリス「いや、何つうか」
今の会話のどの辺に罪悪感を覚えてしまったのかいまいちわかりませんが
翠「...ふふっ、はははっ!」
さっきまで私に気を遣ってか率先して話題を振ろうとしてくれたり、かと思いきや今はばつが悪そうな顔をするクリスさんを見ていると何だか可笑しくなってきました
ifクリス「な、何だよ!」
翠「いやっ、何って!...はっふぅ...どの世界でも、クリスさんはクリスさんですね」
ifクリス「なぁ!?///」
if調「クリス先輩真っ赤」
ifクリス「っるせ!///」
if調「貴女の世界のクリス先輩も、こんな風だったの?」
翠「あ、聞きたいですか?」
ifエルフナイン「僕も聞きたいです!」
ifクリス「うわぁやめろバカっ!!」
if未来「クリス、騒がしくしちゃダメだよ?」
ifクリス「うっ、ぐっ...」
翠「大変ですねクリスさん」
ifクリス「お前がどんなやつなのかわかった気がしたわ...どの口が言ってんだ...」
翠「この口ですっ」
if未来「翠ちゃんもあんまりクリスをいじめないの」
翠「は~い」
クリスさんを弄るのは楽しいですね~
if未来「そういえば調ちゃん、切歌ちゃんの方は大丈夫なの?」
if調「あ...一応、私のノートは置いてきたから」
ifクリス「てっきりお前らどっちもアイツらに付きっきりで手伝ってやるのかと思ってたけどな」
それを言うならクリスさんだって後輩の勉強見てあげそうな気がしますが
翠「こっちの響さんと切歌さんもやっぱり」
if調「私は同じ轍は踏まない」
なるほど、調さんは前回の反省を活かして計画的に進められたと
if未来「見てあげて教えてあげてばっかりだと響の力にならないもの」
ifクリス「でもあのバカなら泣きついてきたりすんじゃねえか?」
if未来「泣きつかれても甘やかしません!応援はするけどね」
おぉ...
翠「こっちの未来さんはまともだ...」
if未来「...ん!?」
翠「あ、そうそうクリスさん、身体がある程度治ったらお願いしたいことがあるんですけど」
if未来「ね、ねぇそっちの私どんななの!?」
ifクリス「頼み事?どんなだ?」
翠「ここの隣のファミレスに連れてってもらえませんか?調べたいところがあるんです」
ifクリス「そこ昨日行ってたとこか...つまり今度は勝手はしない代わりに監視としてついてきてほしいってことか」
話が早い、流石クリスさん
if未来「ねぇ!?私まともじゃないの!?」
ifエルフナイン「病院ではお静かに...」
安価下
1 まだ話す(会話内容記述)
2 お見舞い終了(みなさん帰宅します)
(翠「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃイタズラしますよ~!な~んて...へ?どんなイタズラかって?う~ん...くれなかった人にフィーネさんを取り憑かせる、とか」)
・・・
厳密には私が知る皆さんではないとはいえ、知ってる人と話している時間はやはり心地良いものです
クリスさん達が私を早々に受け入れてくれたのも大きいでしょう
翠「だからこそ、帰ってしまうと少しだけ寂しく思えてしまうのは...私も随分贅沢になったものです」
知らない人に話しかけるのは勇気がいること
相手の事前知識もないのにどうしろっていう話ですよね
前にネットで『コミュ症がリア充になる方法』とかいうサイトの一つ目のステップに『まずは街などで知らない人に話しかけてみよう』と書いてあったのを見たときは脳内クラヒでその記事書いた人(イメージ)をドリルアームで殴りまくってブレストキャノンをドーンしまくったものです
翠「相手は私を知らない、でも私はみんな知っている...」
そういう意味でも、今のこの状況はある意味転生したての時とよく似てますね
翠「知ってないとまともに話せもしないのに...現金ですね、私というやつは」
安価下
1 何かググってみる
2 念話再チャレンジ
3 お見舞い
4 その他(記述)
(夏菜「私とメヌエットさんは話しかけられた方だったような?」
メヌエット「ギアを纏ってれば調子に乗って知らない人にも話しかけられるという現金な人」
女神「つまりその条件すらなく初対面の時話せていた私はやはり翠さんのお姉ちゃんッ!!!」
翔子(その法則はおかしい、そして先に話しかけたのお義姉様ですよ))
さて、と
ここと元の世界を繋ぐ道は確認出来ました、安全も...テレポート使ってくる錬金術師なんかに目を付けられたらまた別問題ですが、一応の衣食住は入院している間は揃っています
情報社会と繋がれるパソコンもあります
翠「中々に万全、なら次は」
今一度あちらとの連絡手段を
道が残されている今、きっと完全には切れていないはず
女神様達との念話が...!
翠「前は失敗してしまいました、それでも!」
コンティニューしてでも、クリアしてみせますッ!!!
翠《女神様!女神様聞こえますか!女神様!!》
コンマ下
奇数 返事あり
偶数 返事なし
ゾロ目 ???
翠《女神様!め~が~み~さ~ま~っ!!!...お、お姉ちゃん!!!》
...返事なし
もうかれこれ一時間
翠「頭の中で叫び続けるだけとはいえ疲れます...てか頭痛い気もしてきました」
今回はここまでですね...どうしたら繋がるんでしょう
翠「もしや何かしらの条件があるとか...あっちとこっちで同時に念話しなきゃ、とか?」
いやいや、そんなん宝生◯夢ゥとパ◯ドォみたいに平行世界に飛ばされてても心が繋がってる的な超強力な繋がりでもない限り出来るわけないですよ
というか念話こそそういうのじゃないんですかね...
翠「はぁ...少し休みましょう」
幸いここはベッドの上、寝たいときに寝られます
翠「...や~がて、星が降る~頃~♪」
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
???「驚いたね、これには僕も」
使える人類がまだいたとはね、テレパスを
???「忌々しいフィーネの忘れ形見シンフォギア、それを使えば可能さ、今の彼女らにも」
だが行えているようだ、ただの生身で
おまけにその相手は...厄介だね、ほんの少しだけ
???「伝えておこうか、サンジェルマンに...むーん...はっ!」
僕は手に取るのさ、手のひらに出現させた物質変換した精神信号...固定電話の受話器を
☆☆☆
で~れれ~で~でん!
☆☆☆
まぁ全治一ヶ月、となるとAXZの流れ的にも中盤か後半辺りの時期には怪我も治るでしょうし
翠「3.5期の中身知りませんけどAXZは1話の時点で9月だったはず...」
どちらにしてもAXZの1話以外展開知らないから対策出来ませんけど、そこまでいったらもうS.O.N.G.の方もAXZの敵の概要とか情報集まってるでしょうし、アドリブでもなんとかなるはず!
安価下
1 何かググってみる
2 お見舞い
3 その他(記述)
4 イベント判定(イベント判定で何もなければこの日は何もなく終わり次の日に移ります)
ルシエド《方針は決したか》
翠「うわっ...と、な、何だ...」
誰も見てないと思って頑張るぞいしていた所に、突然万丈が姿を現して声をかけてきました
緒川さんといい何でこう急に出てくるんですかね...『CMのあと...◯◯が登場!』とか視界の端に出てくれたらいいのに
無理ですねそうですね
翠《今度はどんな用で出てきてくれたんです?用がなくともモフらせてくれるなら...》
ルシエド《空間の歪みの大きさは常に揺らいでいる、故に通る際は広く開く必要がある》
翠《無視ですか...確かに、見た感じあのままでは通れるかどうかギリギリの大きさでしたね》
あぁいうのって縁をガッと掴んで引っ張るんじゃダメなんですね
ルシエド《空間の歪みを開く時、フォニックゲインを当てろ》
翠《フォニックゲイン...とりあえずギアを纏うとか?》
こくり、と頷き応える万丈
まぁ、もとよりそのつもりではありましたが
あの中を生身で行くのは自殺行為ですし
何せこっちの世界のは全滅してても元の世界の方のは健在
そうでなくとも黒いのもいるはずです
それだけ伝えて満足したのかルシエドは姿を消しながら踵を返そうと...
ルシエド《そして...あるいはひょっとすると》
して、再びこちらに目線を向けてきます
ルシエド《我々の世界で月が砕けた影響が、この世界にも何らかの影響を齎すかもしれぬ》
そしてそれだけ言い残し、今度こそ姿を消しました
翠「...いや、何をまた中途半端に気になることだけ言い残して消えてんですか!もっと具体的なこと言い残してくださいよ!?」
あと万丈あなた一人称『我』なんですね!?
・・・
翠「まったく...結局モフらせてもくれませんし」
ドッグフードですか!ドッグフードあげればいいんですか!えぇ!?
メヌエットさんどうやって万丈に懐かれ...もとい、認められたんでしょう
思えばメヌエットさん、子猫にも懐かれてましたね
まさか動物に懐かれやすい?
翠「私は蛇達と大蛇と後は...あ、あれ?」
バカな...人間相手だけでなく生き物相手でもコミュ症だというんですか、私は!
意外と心に来る事実...
翠「...動物に懐かれる方法とか検索したら出てきますかね」
それかもう今後『みどりスネーク』としての人生を送るかです
あ、でもそれだと『みどりメデューサ』に?
翠「もうなんかそれでもいい気がしてきました...」
そんなよくわからないテンションになりながらPCの電源を入れヤホーを開いた私は、検索する前にホームで適当にバーっとスクロールすることに
翠「あ、来期の一覧とか出てますね、後でチェックしないと...ん?」
ふとヤホーニュースの一つが目に止まりました
翠「『ギリシャエジプト展』...?」
コンマ下
奇数 興味あり
偶数 興味なし
ゾロ目 うわこれ絶対聖遺物or哲学兵装案件じゃないですか
エジプト...エジプト...ピラミッドとかスフィンクス...ミイラとか?
翠「うーん...あの辺は守備範囲外なんですよねぇ」
ギリシャって言ってもそれこそ神話とかは割と好きですけど、古代の王族っていうとそんなに興味沸かないといいますか
翠「そういうのは日向さん家の冬樹くんにお任せします」
ミイラのミーくんは可愛かったですけどね、かといってエジプトに興味湧くほどでは
翠「ピラミッド~は~三角~、王家~の資~格~」
私はそれ以上特に気に留めることもなく、動物に懐かれる方法や来期の一覧の確認を終えて一旦PCを閉じました
コンマ下
奇数 来訪者
偶数 特になし
(『いつかの思い出』
瑠璃「ねぇ、みーちゃん」
翠「ん~?何です?りっちゃん」
瑠璃「どこかの時空、どこかの可能性には、私とみーちゃんが姉妹の世界線があったりするのかな」
翠「...え゛、まさかよもぎを狙ってるんですか!?」
瑠璃「違うから!...それに私はどうせならみーちゃんの姉になりたいし、妹より」
翠「おねーちゃん!」
瑠璃「何だい妹よ!」
蓬「...さっきから何してるの?お姉ちゃん達」)
コンコンッ
翠「...また?」
本日2回目の来訪者
今度は誰が来たんでしょう
コンマ下
ゾロ目以外 S.O.N.G.関係
ゾロ目 錬金術師
***
お見舞いメンバーコンマ下1~3
1、6 響さん
2、7 未来さん
3、8 クリスさん
4、9 切歌さん
5、0 調さん
ゾロ目 +エルフナインちゃん
(コンマ一桁で判定します、なおコンマ一桁が被った場合(1と6の様に対応したキャラが被った場合も含む)でもコンマ下4以降は採用せず訪問者を2人以下として進めます)
(ゾロ目だった場合はコンマ一桁を採用した上でさらにエルフナインちゃんが付いてきます)
(ゾロ目なんてそうそう出ないという至極もっともな意見が出たので要望が多いようであれば今後錬金術師は5割になるかもしれません^ ^)
翠「どうぞ~」
今回も一応警戒しつつ、入室を促してみます
果たしてそこにいたのは
ガラッ
if調「...」
ifエルフナイン「お邪魔します...!」
調さんにエルフナインちゃん?お昼ぶりですが...
if切歌「こんにちはデースッ!!!」
翠「うおぉっ」
if調「はぁ...切ちゃん、病院は静かに」
二人の後ろから飛び出すように姿を現したのは元気いっぱいな切歌さんでした
あまりの迫力に思わず仰け反ってしまいます
if切歌「アタシは暁切歌デス!!!」
翠「...あっはい、蒼井翠です」
高い、テンションがリミットブレイクしてます
if調「切ちゃん、今さっきようやく課題を終わらせたばっかりで...」
翠「あー...」
コソコソっと教えてくれた調さん
つまりあれですね、徹夜明けとかによくある謎テンション
ifエルフナイン「切歌さんが是非会ってみたいということで、僕と調さんが案内で」
if調「ちなみに未来さんとクリス先輩は響さんの方に」
ついに二人掛かりで手伝っているということでしょうか
それはもう本当に危ないやつですね...どこの世界の響さんも変わりませんね...
if切歌「蒼井翠、さん?デスね!調に聞いた通りの子デス!」、
翠「あ、呼び捨てでいいですよ、私の方が年下ですから」
それより調さんが私のことをどんな風に紹介してたのか気になるところです
if切歌「了解デス!よろしくデスよ、翠」
if調「ね、言った通りだったでしょ?」
翠「調さん本当私のことどんな風に紹介したんですか?」
何話す?安価下
(響「切歌ちゃんの裏切り者~!!!」
未来「ほら響、叫んでないで手を動かして」
クリス「発破だけかけるスタイルか」)
undefined
if切歌「そっちの世界にもアタシはいるんデスよねッ!?二人でやれば夏休みの宿題も二倍の速さで終わるデスッ!!」
さて、何を持ってして興味を持たれてしまったのか、あるいは単なる新しいものに対する物珍しさか
課題明けテンションで一気に距離を詰めてくる切歌さんに圧倒されながら、どうにか落ち着くまで耐え切ました
でもやっぱりあれですね、切歌さんには呼び捨てにされる方がしっくりきます
...なんであっちの世界の切歌さんは私をさん付けするんでしょう
if調「切ちゃん、翠が困ってる」
調さんも調さんであっちの世界の調さんより私に対する態度が柔らかいというか、敵意が圧倒的に少なく感じます
初対面が「この偽善者!」の流れじゃなかったのが大きい...のでしょうか?
こっちだと初対面が丸くなってからの調さんですから、そういうことですかね
翠「ははは...」
似ているようで、否、同じ人ではあっても同じではない
良い意味でも悪い意味でもそれを再認識させられてしまうのを、私は顔に出さないように努めるので精一杯でした
翠「ふむ、切歌さん、例えばそこにさらに二倍のジャンプを加えます」
if切歌「おぉ!?」
翠「そしていつもの三倍の回転を加えます、するとあら不思議」
if切歌「おおぉ!?!?」
翠「一人×2×2×3で!怒涛の十二倍の速さで宿題が終わるって寸法です!!!」
if切歌「おおおおぉぉぉぉ!!!完璧デスッ!!!!!」
if調「どこも完璧じゃないことに気付こうね切ちゃん」
うん、まぁ宿題にジャンプだの回転だの関係ないですからね
undefined
翠「それに、半分ずつに分けて終わらせてもう半分を写すようなやり方じゃ自分の力になりませんよ?どちらの切歌さんも」
if調「そうだよ切ちゃん、あくまで写させてあげてるのは提出しないよりはマシだからって復習を先延ばしにしちゃうのに目を瞑ってるだけなんだよ?」
if切歌「うぐっ...で、でもアタシ達は装者デス!出撃とかで忙しくて宿題終わらないのは仕方ないって響さんも言ってたデス!」
その人は参考にしてはいけない
というか調さんに写させてもらってる=同じ装者である調さんが宿題終わらせられてるっていう時点で成り立っていないような
確か調さんも切歌さん同様宿題は溜まってしまう方ではあっても、何だかんだ間に合ってるんですよね
ifエルフナイン「あの、翠さん、少しいいですか?」
翠「あ、はい、何ですか?」
いつの間にか私の関係ないところでじゃれ始めた切歌さん調さんを尻目に、真剣な表情でこちらを見てくるエルフナインちゃん
私も姿勢を(ベッドに寝かされているので気持ち程度ではありますが)正し向き合います
ifエルフナイン「翠さんは帰る方法に見込みがある、と仰ってましたよね?」
翠「えぇまぁ...」
ifエルフナイン「あの日S.O.N.G.が検知したアウフヴァッヘン波形...それ以外、翠さん自身に対してでも僕達以外の誰かがその存在に気付き目を付けている可能性は0ではありません」
...それは、S.O.N.G.以外に私がこの世界に『出現』したことを察知した者がいるかもしれない、ということでしょうか
ifエルフナイン「確証があるわけでも検討が付いているわけでもありません、ですが」
翠「錬金術師なら気付く者がいるかもしれない」
ifエルフナイン「そうです、それに聖遺物、シンフォギアシステムを研究している施設、団体、個人はおそらく僕達が把握出来ていないものもあります」
正直、ありえない話ではないとは思っていました
それこそフィーネさんのような人がこの星にたった一人しかいないのか、宇宙がこの物語に絡む可能性はないのか、そもそも『翠』の両親が非公式の研究者だった時点で、他にもいないはずがない、と
ifエルフナイン「翠さん、貴女を狙う人が現れる可能性も少なくありません...問題なく動けるようになったら、可能な限り速やかに元の世界に戻った方が賢明です」
真っ直ぐな目
私のことを心から心配してそう言ってくれているのがわかります
きっと他にも言いたいことはあるのでしょうが、私が彼女達に護られることを...事実上どうあれ表向きには断っているのです
だからこそ、忠告に留める他ない
翠「そう、ですね...エルフナインちゃんの心遣いを無駄にするなんてこと、私には出来かねますし、全治一ヶ月、それさえ乗り切ったらすぐにでも」
もちろん我が身可愛さもないことはありません
ですが、それよりこの世界に長居すればするほどこの世界に迷惑がかかる可能性が大きいのが事実
元の世界にも現れていたカルマノイズ
あれを持ち込まないうちに...
はて、そういえば何故私がこの世界に来ているのに、この世界のギャラルホルンは何も反応を示していないのでしょう
反応していてそれを隠されている?元々この世界にギャラルホルンが存在しない?
その可能性もありますが、もしそうでなく『存在しているのに反応していない』としたら
翠「私が脅威と見なされていないから、見逃されている、とか?」
ifエルフナイン「翠さん?」
翠「あ、いえ...きゃっ」
そのとき、突然吹いた強い風が前髪を撫でて行きました
ん?風?
窓の方に目を向けると、窓を全開にしていた切歌さんと目が合います
if切歌「わわっ、ごめんデス!空気の入れ替えしようと...」
翠「いえ、大丈夫ですよ、そういえば閉めっきりでしたね」
さぞ空気が淀んでいたことでしょう
空気清浄機があるわけでもなく、病室の空気が循環されるのはせいぜい誰かがドアを開けた時と時々看護師さんが今の切歌さんのように窓を開けて空気を入れ替える時です
今日は来客が2度もありその機会も一回分減ってました
すーっ
翠「...?」
開け放たれた窓
その向こうに、何か白い物体が浮いているのが見えました
それはどんどん大きくなり...訂正、こちらに向かってきています
if切歌「およ?」
窓に一番近いところに立っていた切歌さんはそれにいち早く気付き、その物体を目で追います
私もまたそれを目で追い...やがてそれは私の掛け布団の上に到達しました
翠「紙飛行機?」
そう、その白い物体はなんてことない、白い紙を折って作られた紙飛行機だったのです
ifエルフナイン「っ、まさか早くも誰かが翠さんを狙って!?」
翠「紙飛行機でどうこうされると思われてる私って何ですか...」
外で誰か遊んでたんでしょうか
紙飛行機を持ち上げ軽く眺めていると
翠「...おや」
折った内側に何か書いてあるのに気が付きました
軽く広げて見てみると
【危険な状況になったら窓際で伏せなさい。この内容は出来るだけ他人に漏らさない事】
翠「...」
if調「どうしたの?何かあった?」
翠「いえ、何も、ただの悪戯だったみたいです」
そう、とそれ以上聞いてくる事なく引き下がった調さんに内心ほっと息を吐き、私はその紙飛行機だった紙をくしゃっとして布団の中に突っ込みます
...ナニコレ
ええええぇぇぇ本当何ですかこれ!?えっ危険な状況って何!?そういう状況になりかねないんですか!?私が!?
まさか本当にやべーやつに目をつけられてます!?
翠「あー、ところで皆さん、最近何か変わったこととかありました?」
最近変わったこと安価下
(無ければ『無し』も可)
最近何か変わったこと
質問しつつ私は探偵かと心の中で突っ込みました
ここから先の展開は、AXZの1話の分しか知りません
それより前のこれから起こる、あるいはすでに起こっているのかもしれない3.5期すら内容を知らない私がここ最近起こったことを聞いたところでそれが『起こるべくして起こった正史』なのか『私がここに来てしまったから起こった風』なのかの区別がつくはずもなく
ですが、何か危険な状況になるかもしれないとわかった今、少しでも情報が欲しいところです
ifエルフナイン「変わったことですか?」
if調「...そういえば最近、地震が多い」
翠「地震?」
地震が多い...私がここに来て入院してからはまだ起きていない気がしますが、それよりなによりそんなこと本編では語られていなかったはず
いきなり当たりですかね...?
ifエルフナイン「言われてみれば確かに、キャロルとの一連の...魔法少女事変《アルケミックカルト》と名付けられた今回の騒乱ですが、それより前からここ周辺では約週に一度のペースで小さな地震...余震のようなものが観測されています」
翠「余震...」
元の世界でも、気に留めるほどでもないような小さな地震自体は普通にありました
ここで言うそれも同じものなのだとしたら、気にすることではないのかもしれませんが...ゴライアスが出てくるとかそんな展開だけは勘弁してくださいよ?
if切歌「はいはい!アタシも一個聞いたことあるデスよ!」
念の為『週一で起こる余震』と頭の中にメモしておいていると、今度は切歌さんが挙手しました
if切歌「なんでも最近、ふらわーに変な3人組が頻繁にご飯食べに来てるとか!」
翠「変な...3人組、ですか?」
if調「あぁ、あったね切ちゃんそんな話」
またも新しい情報
翠「ふらわーって...あのお好み焼き屋さんですよね?響さん達がよく入り浸っ...食事に行ってる」
if調「そう、響さんのお友達の人達から聞いた」
板場さん達でしょうか
if切歌「『最近いっつも来ててさ~!しかもどっか怪しい雰囲気!あれは間違いなく裏の組織とか悪の組織とかそういうのの人間だね!』って言ってたデス」
if調「すぐに『アニメの見過ぎ』って突っ込まれてたけど」
あ、間違いなく板場さん達ですね
そして裏の組織と悪の組織じゃ大分違ってきますけど
翠「3人組...」
この時期...GXが終わったこのタイミングで出てくる怪しい3人組...
一瞬脳裏に浮かぶ、歌いながら投げキッス紛いの事をするcv蒼井◯太さんのグラマラスな女性(だが元男だ)
翠「いやいやまさか」
そんなわけないですよね~
多分AXZでラスボスか、そうでなくとも敵ポジションなのは確定な人達があろうことか主人公達の活動範囲内でご飯食べてるところが目撃されるはずが...
そこまで考えて、和解前の武装組織フィーネの装者三人娘とカラオケでばったり会った私のことを思い出しマッハで棚にあげることにしました
知りませんそんなこと!2度もあってたまりますか!
安価下
1 まだ話す(会話内容記述)
2 お見舞い終了(みなさん帰宅します)
(元の世界でも現在進行形で時間は進んでいるので、もし仮にこのままこの平行世界でAXZ過ごしてから帰ると『翠ちゃんがいないままAXZ終わった後』から続くことになります)
(ですが「もう...いいだろォ!!!!!」という意見が多数あれば長かった本スレは終幕となります)
ifエルフナイン「変わったことというと、それくらいですね...それこそ翠さんが来たことが一番変わったこととも言えますが」
翠「あは~、そりゃそうですよね」
平行世界から謎の装者が来た、これほど変わったことはそうそうないでしょう
if調「役に立ちそう?」
翠「まだ何とも...ですが、ありがとうございます」
if調「何かあればまた伝えにくるよ」
if切歌「デスデス、タイタニックに乗ったつもりで待ってるデスよ!」
翠「沈みません?それ」
主役のうち一人は助かりますが
主役ではない私は果たしてどうなんでしょう
翠「それに一応私は敵でも味方でもない的な立場なんですけど、いいんですか~?そんな約束して」
半分嘘ですが、半分は本当です
かつては悪役に手を貸して自分のやりたい事をやってのけた私
今でこそ正義の味方みたいなことをしてますが、私が属しているのはあくまで元の世界のS.O.N.G.
いくら良くしてくれていても、きっと理由さえあれば、あってしまうのなら、この世界のS.O.N.G.と敵対することだってないとは限りません
ですがそんな私に対し調さん達は
if調「こうすることが、偽善でないと知ったから」
if切歌「こういう時、手を伸ばされることが苦じゃないと知ったからデス」
ifエルフナイン「だから僕達は貴女を信じますし、手を取り合おうとするんです!」
...ここに、この病室に一度も来ていないあの人の影がこんなにも
どこまでも広がる...感染力の強いあの人の伸ばした手の温もり
翠「...本当に、どこも変わりませんね、皆さんは」
呆れて何も言えなくなってしまいます
案外こういうものだと、格好付けるのはやめた方が楽になるととっとと認めた方が楽なんでしょうね
それが出来るかは別として
翠「どんな人が相手でも、きっと手を伸ばすのでしょうしね、話し合おうと口にしながら」
if調「たとえそこが戦場でも」
ifエルフナイン「はい!」
やっぱりあの人は主役だなぁと、改めて思います
if切歌「それにしても、錬金術師と聞いた時はもう後はどんな人が出てきても驚かないと思ってたデスけど、流石に別の世界?から来た人とは恐れ入ったデスよ」
ifエルフナイン「理論上あり得ないことではありませんが、僕も驚きました」
翠「実際体験した私はもっと驚きました」
まぁ別の世界に飛ぶという意味では二度目ですが
翠「たった一人だけ平行世界に迷い込む!アニメじゃないんだからって話です」
アニメですけどね!でもそれは今は野暮ってものです
if調「たった一人だけ...本当に、そうかな」
翠「え?」
if調「ひょっとしたら、翠以外にも別の世界から迷い込んだ子がいたりして」
翠if切歌ifエルフナイン「「「...」」」
if調「...なんて」
翠「...まっさか~」
・・・
あっはっはとみんなで笑い、調さん達はそろそろ遅いからと帰っていきました
翠「私以外の、平行世界からの迷い人...」
そうです...その可能性もあるじゃないですか
翠「私が来た道から私以外の誰か『人間』が、私と同時にこちらに来た可能性は極めて低い、というかほぼ0%と言っていいでしょう」
ですがそれ以外の方法でならあるいは...
翠「...やめましょう、何だかこれ以上続けたらフラグになりそうです」
でももし...もし誰か他にも来ているのなら
それはただ迷い込んだのか、訪れたのか、それとも
翠「転生したのか」
イレギュラー同士が出会ったら、仲良く出来...る気がしないですね
まず警戒しますし
というかメインストーリーと大きく変わってしまうのを恐れて自分以外の『原作知識持ち』を消そうとする可能性MAXですよね
翠「...やめやめ」
おやすみなさ~いと布団を頭まで被り、私は目を瞑りました
・・・
そして朝
安価下
1 何かググってみる
2 念話再チャレンジ
3 お見舞い
4 二度寝ッ!!!!!
5 イベント判定(イベント判定で何もなければこの日は何もなく終わり次の日に移ります)
翠「今日も今日とて念話チャレンジ...明るく振る舞ってる場合じゃないのはわかってるんですけどね」
こうも上手くいかないと...
帰る道自体は把握出来ているんです、だから自棄になる必要はありません
翠「それでも、いつまでもこっちのS.O.N.G.のみなさんに護られてばかりで何もしないのは」
数撃ちゃ当たる、『翠』達や女神様...今日はフィーネさんにもチャレンジしてみましょう
翠《すぅ...聞こえますか~ッ!?》
『翠』ちゃんコンマ下1
奏さんコンマ下2
セレナさんコンマ下3
メヌエットさんコンマ下4
フィーネさんコンマ下5
翔子さんコンマ下6
女神様コンマ下7
ゾロ目 返事あり
ゾロ目以外 返事なし
(連投ありです)
手当たり次第に念話が通じる相手に念話を送ってみます
しかしながら当然のごとくどれも空振り...
翠「いっ...頭ズキズキします...けど、後一回ッ!」
お願い、誰か...!
《...ザザッ...ザ-ッ》
その時、確かに何か聞こえた気がしました
翠「っ!来た!!」
やっとたぐり寄せた細い細い糸
見失うわけにも、切らせるわけにもいきません
翠《聞こえてますか!?もしもしっ!返事をして...!!!》
やがて大きくなる、ラジオの雑音のようなそれはだんだんと鮮明な音になり
《...ザッ...ジ-...ザザッザ-...聞こ...見つけ...》
翠《っ!聞こえてます!聞こえてますよ!!》
この声、繋がったのは...
メヌエット《...ながった、よく聞こえる...そっちは、よく聞こえてる?》
翠《はい、はい!聞こえます!メヌエットさん!!!》
メヌエット《なら、いい》
何話す?安価下
念話がメヌエットさんと繋がり安心から力が抜けたことで、私が思っていた以上に強張っていたことに気が付きました
なんか肩の変なところが痛い...どこ力ませてたんでしょう
翠《やっと繋がりました...メヌエットだけですが》
メヌエット《こちらも貴女の中から追い出されてから私達は総出で念話を送っていた...大方の状況は把握しているつもり、貴女はどこまで?》
状況はって言われてもどこからどこまでかわかりませんが...
翠《私が今いるところは多分、そこの並行世界です、S.O.N.G.に私がいなかったり月が欠けてはいますがまだあったりするので...近くに女神様とかフィーネさんがいたらそれを伝えてもらえませんか》
メヌエット《少し待って》
そう言われ、返答を待ちます
まんま電話みたいなやり取りですね
メヌエット《異なる次元に飛ばされているというのはあの女神という女性も予想していたらしい...バビロニアの宝物庫、そこから繋がる先は限られる》
やっぱりバビロニアの宝物庫経由だからこんなことになったんですね...
早い話、XDでギャラルホルンが異なる世界と繋がった際...あるいは別の要因で繋がったからこそギャラルホルンが反応した際の『メインの世界から消滅したはずのノイズの再確認』や『二つの世界に共通して確認されるカルマノイズの出現』と同じです
私が『元の世界からバビロニアの宝物庫を通り、別の世界に通じたバビロニアの宝物庫の扉から出てきてしまった』と
まさか私もノイズと同じ手順で世界を渡ることになるとは思ってませんでした
メヌエット《それに、フロンティアとネフィリムの合成...ネロ、と呼称?している彼女もその可能性を示唆していた、らしい》
らしいて...
翠《ちなみに私ってそっちだとどういう扱いになってるんですか?MIAとか、もしかして氏亡とか...》
コンマ下
奇数 氏亡(墓とか建っちゃう)
偶数 MIA(捜索してるけど見つけられるわきゃない)
メヌエット《一応、前者、捜索は為されている...一応ではあるけれど》
二度も一応と言うということは、形だけは捜索し続けている、ということですか
ま、バビロニアの宝物庫に入ってから見つからなくなった、では外に出た形跡もないのに見つかると思う方がどうかしてるのも事実ですからね
メヌエット《ようやく見つけたところでその手段が念話...説明のしようがない》
もっと念話使えるアピールをしておけと言われ、思わず苦笑してしまいます
ただでさえ故人と話せる、乗り移らせられる~なんて厨二も甚だしいことを公言しているのに、念話まで言い出したらいい加減設定の盛り過ぎだと言われる可能性があります
信じてはもらえるでしょうが、何分証拠が...
メヌエット《だから、早く帰ってこい》
翠《はい...ところで今こっちの病院に入院してて全治一ヶ月なんですが》
メヌエット《...なるべく早くして》
声に怒気を含んでいるような気がしました
翠《あっ、えっと...そっちの皆さんはどうしてます?》
私がこっちにいる間、もし何か起こっていたら把握しておくべきでしょうし
コンマ下1
奇数 問題ない、問題ない
偶数 正直に
何が起きた?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)
***
すみません、ものっすごい致命的な間違いしてますね
偶数のときです
お詫びに多分また翠ちゃんが酷い目にあう機会が増えます
安価『元の世界で起きたこと』じゃんじゃん書いていってください
***
メヌエット《...その質問、煽ってるわけでもない、で合っている?》
翠《おっふ...》
怒気がマシマシに...聞いたら不味かったでしょうか
メヌエット《はぁ...いい、話す》
念話でため息をするという器用なことをしたメヌエットさんは、努めて平静に緩急なく、まるで仕事場で相手に報告するように続けました
メヌエット《まず、貴女の仲間...他の装者の混乱と必死な...必死過ぎる捜索は未だ続いている》
翠《えっと》
メヌエット《次に暁切歌と月読調に渡っていた貴女のところの蛇の抜け殻、どういうわけかそれを媒介にして下界したフィーネが暁切歌に憑依、貴女のことについて「あの子は生きている、今は私に任せなさい」と公言するも誰も聞いちゃいない》
翠《め、メヌエt》
メヌエット《特に風鳴翼の精神的ダメージが大きい、かつて天羽奏を失ったときと今回のことがダブり仕事にも支障が出ている、本人談によれば貴女のことは天羽奏を失ってから初めての仲間だと思っており、望み薄の行方不明な現状が堪えていると》
翠《あの、怒ってます?》
メヌエット《そのこともあって風鳴八絋が率先して捜査に乗り出している、芳しくないのは言わなくてもわかるはず》
緑《お、怒ってますよね?》
メヌエット《もう一つ、あの女神という女性からのタレコミ、歌代夢姫と呼称ネロが何やら相談をしているらしい、しかしネロはその内容が漏れぬよう何らかの力を巡らせているようで女神含め誰もその内容を聞き出せない、ここまでの内容に関して興味半分でエルフナインに身体を借りていた時に次から次へと相談され、あまつさえ今こうして唯一貴女...お前と念話が通じているからと連絡役を任された私に何か言いたいことはあるか》
翠《ちっす!ご苦労様ですッ!!》
メヌエット《帰ってきたら覚悟しておけ》
底冷えするようなその声に、私は知らず知らずのうちに背筋をピンと伸ばしていました
本当に申し訳ない...
メヌエット《どこで漏れたのか知らないが私が『お前の妹的な存在』等という絶妙に大ハズレな見解が周りの人間達に流れ、もう1人の『お前』はあまり表沙汰に出来ない存在、ならばと矛先を向けようとすると女神も白鳥・W・翔子も気が付けばどこかへ消え、天羽奏やセレナ・カデンツァヴナ・イヴはそもそも取り憑いていたという接点しかないからそういう相手とはされないし誰かに身体を借りることもほとんどない、目を付けられた私がこれまでどれほど苦労したかわかるか、やれお前の居場所が~無事なのか~心配だ~と...私に言って何になると言うのだッ!!!》
翠《はい、すみません》
メヌエット《私とてお前のことを欠片も心配しないほど嫌っているわけではない、最期を看取ってもらった身だ、だがそれとこれとは話が別だ何故私に相談する他にいくらでも相談相手くらいいるだろうッ!!!!!》
口調が変わるほどの苦労をかけてしまって本当に申し訳ないです!!!
いや、私もそこまで心配されるとは思ってなかったのと、まさかメヌエットさんが相談相手に選ばれるとは微塵も思ってなくて...
メヌエット《はぁ、はぁ...あぁ、言い忘れていた、ここにいた最後のオートスコアラー...彼女はどこかへ行方をくらました...自身のマスターも頼みの綱も失ったから無理はないが》
翠《あっはい...そういえばキャロルちゃんってあの後どうなったんです?キャロルちゃんのお父さんと成仏したとか?》
半ば強引に身体の所有権を取り戻し追い出してからのことは知りませんし、すっかり忘れてました
メヌエット《フィーネ曰く「もう何も出来ないぐらいにまで痛めつけた」...その後どうなったのかは知らん、成仏はしていないかもしれないが、精々フィーネにこき使われる程度だろう》
当のフィーネさん本人は切歌さん乗っ取りゴーストしてるようですけど
メヌエットさんの勢いに押され大分聞き流しそうになってましたが、気になることが多々ありました
特に最後の方の...夢姫ちゃんがネロさんに何か相談しているとか...
何もなければいいんですが
メヌエット《念の為念話自体はしばらく繋げたままにしておけ、女神がこの線をより確実なものとすれば後は切っても今後はよりスムーズに念話を繋げられるようになる...他の線は未だ繋がっていないが》
翠《わかりました...本当すみませんでした...》
メヌエット《...私も八つ当たりが過ぎた、死を覚悟し受け入れた矢先霊魂が消滅を拒み、あまつさえこの仕打ち、溜まっていたんだ》
そこだけ聞くとさらに申し訳なさが加速するんですがそれは
成仏出来なかったの半分くらい私の身体の性質のせいですよね?
翠《...あっ!せっかくメヌエットさんに繋がったんですし一つ相談しt》
メヌエット《相談と言ったか?》
翠《...あ~、じゃなくて、質問!質問したいんですがご機嫌いかがでしょうか》
あまりの剣幕に日本語がおかしくなってしまいます
メヌエット《...一つだけ》
翠《ありがとうございます!...実は万丈...もとい、ルシエドもこっちに来てるんですよ》
メヌエット《把握している、この線が繋がったのもルシエドが近くにいたことが少なからず助けになっている》
あっそうなんですね...本当万丈には感謝ですね
翠《で、ですね?ルシエドとも念話で意思疎通が出来るようになったんですけど、ちと冷たいといいますか...仲良くなる方法とかってあったりしますかね?》
仲良くなる方法安価下
(「そんなものはない(無慈悲)」も可)
(翠「未来さん、お誕生日おめでとうございます!!!思えば色んなことがありましたね...本当に...こほん、これからも響さんと末永くお幸せに!!私ともそれなりに仲良くしてもらえたら嬉しいです!...あ、未来さんは本日の主役ですし多少羽目を外してもいいとは思いますけど、『つまみ食い』もほどほどにした方がいいですよ?」)
聞く前はほんの少し嫌そうな声だったメヌエットさんですが、質問してからはちゃんと考え込むようなこえになっていました
なんだかんだいい人ですよね...だから相談されちゃうんでしょうか
メヌエット《ルシエドに心を開かせたいなら...まず自己犠牲の行動を自重すべき》
そうして返ってきた答えは、予想の斜め上でした
自己犠牲の行動を自重...?
メヌエット《ルシエドはあれでも死に急ぐ者にはいい顔をしない、それでもある程度認めれば力は貸してくれるけれど...多分、ルシエドは貴女が自分の命を粗末にしてる事をよく思っていない》
だからそれを改善しろ、と
メヌエットさんは真剣な声でそう伝えてきました
ふむ、命を粗末に...
コンマ下
奇数 そんなことしたことありましたっけ(大真面目)
偶数 ぜ、善処します...
ゾロ目 そりゃ無理な話ですね~
undefined
翠《...ぜ、善処します...自己犠牲はなるべくしないように》
メヌエット《なるべく、ではなく必ず、であれば私の負担も少しは減るのだけれど》
翠《あはは、そう、ですね》
本当にキツそうですね...でも申し訳なく思う反面、やっと彼女の人間らしい部分が見えてきたりあっちの皆さんと溶け込めてるんだとわかってなんだか心がポカポカします
どうせならそれは、彼女がタヒぬ前に見たかったものではありますが
メヌエット《はぁ...そろそろいい?念話は繋げたままにしておけば勝手に女神が色々やる、貴女も疲れたでしょう》
翠《ですね、それに安堵した分余計に今まで無自覚だった疲れが一気に押し寄せてきました》
というより、力が抜けた、という感じです
メヌエット《何かあれば声をかけて》
メヌエットさんはそれだけ言い残し、これで終いだと言うように念話先から気配を感じなくなりました
電話でいうところの...通話中にしたまま受話器をその辺に置いておいてる状態でしょうか
私も念話を切らないようにしつつ、意識を外側に戻しました
翠「でもこれ寝落ちしたら念話知らないうちに切っちゃいそうで寝られないですね...」
二つのことを同時にやっている時のような気の抜けない感覚
これも慣れですかね
翠「それにしても...自己犠牲の行動...命を粗末に、ですか」
そんなに私は周りから見て危ういことしてるんでしょうか
一応これでも怪我とかする度にちょくちょくアスクレピオスしたりしてたつもりなんですが
...なんかそれっぽいことを言って『凜音』ちゃんに怒られたような
翠「タヒに急いでるつもりはない、はずなんですけどね~」
そもそも一回タヒんでる身ですし
とはいえその時の記憶が無い分微妙...実感がないからダメなんでしょうか
翠「すぅ...死にたくないな~!!」
声に出してみる、それだけで何かが変わったりするかもしれない
そう思い、試しにやってみました
果たしてこの言葉は私の本心なのか、心にもないことなのか
安価下
1 何かググってみる
2 お見舞い
3 イベント判定(イベント判定で何もなければこの日は何もなく終わり次の日に移ります)
(翠「そういえばもう過ぎちゃいましたけど、未来さんの誕生日の『11/7』ってカタカナの『ミク』に似てません?ほら『11/』が『ミ』で」
未来「そうかな?」
響「私は私は!?」
翠「響さんは母親になってくれるかもしれない女さん繋がりでしょ?」)
・・・
さて、何もしてないと寝落ちしそうな気もするので...
翠「そういえば最近余震のようなものが頻繁に起こってるって話でしたね...少し調べてみますか」
本来余震は大きな地震の前後に起こるもの
例えば生前の世界でも『震災』と称される大地震の前後には必ずと言っていいほどその地域では余震が起こっていました
それは元の世界でも変わりませんし、この世界でもそうなのでしょう
翠「えっと...?」
検索結果安価下
・・・
『地震』『余震』『最近』『多い』等々色々と手探りでワードを並べて検索してみると、一部でとある都市伝説が呟かれているのがちらほらと目に付きました
翠「都市伝説、街談巷説、道聴塗説...なんて大層なものでもないですね」
訂正、そこまでではないにしろ少しばかり流行っている噂が呟かれているのがちらほらと目に付くように
なんでも、ここ最近続く地震、それが始まった辺りから『何もない場所から人が現れたりする』という謎の現象が起きているらしい
ちなみに主な発信源は2ちゃんやツイッター
翠「どちらかというとオカルトじみた、こう言ってはなんですがこのご時世世間一般的に広まりやすいとは思えない内容...」
私はオカルト系全般はむしろ肯定派(幽霊の存在も知ってしまいましたし)ですが、世の中の誰もがそうというわけではありません
むしろ非科学的な話は時代と共にどんどん支持を得られなくなってきています
だからこそ、こういった内容の噂はほんの一部でのみ広まり、ひっそりと消えていくものが大半なのですが
翠「『流行っている』と断言していいくらいには、一般的にも広まっているようですね...」
ツイッターに関して言えば、こうこうこういう場所でこんな人が現れた~だの、その時の写真~だの
そういうのが簡単に全世界に発信されるからかより詳細な内容、鮮明な画像や動画が貼り付けてあるものは拡散されまくっており、芸能人がリツイなんてしようものならそのツイートはヤホーニュースにもなっているようです
翠「今年流行ったもの一覧とかに入りそうな勢いですね...クッ◯姫と並んで」
ニコ◯コ動画にも大量に動画が上がっているようですし
翠「何もない場所から人が...ですか」
ツイートや動画を漁っても「嘘松」「バグってる」「ほむほむやんけ」「角度が惜しい」「みえ」「ウィザード早瀬」等々ロクなコメントが書かれていませんが、私はそれらの情報が本当のものだったとしたら他人事ではないのでそう簡単に一蹴出来ませんでした
if調『ひょっとしたら、翠以外にも別の世界から迷い込んだ子がいたりして』
ふと数刻前ここにいた調さんの一言が思い出され、私は苦笑してしまいます
翠「ははっ...フラグ、回収しちゃうじゃないですか...」
まさか...ね?
冷や汗が流れるのを感じながら過去ツイ漁りを続けていると、一つのGIF動画が目に留まります
『赤いガチムチおっさんが器物破損だけして帰った』というコメントと共にツイートされていたそれは確かに
赤いシャツの筋肉隆々な男性が金網フェンスの向こうの『何もない空間から突然現れ』目の前にあったフェンスを掴んだかと思いきやいきなり己の腕の筋肉のみでそれをぶち破り、そのまま何をするわけでもなくふっと姿を消してしまうという
見方によってはとてもシュールな映像でした
...ブレブレな上遠くからの撮影なので絶対とは言えませんが、あの男性って
翠「...仮にそうでもどこの世界から来たら唐突にフェンスぶち破って帰るんですか」
どうやらこの世界、私以外にも訪問者がいるんじゃないかという見解、あながち冗談で済ませられるほど楽な世界ではなさそうです
・・・
翠「でもメヌエットさんが何も言ってなかったということは元の世界のししょーではないはず...」
というかまぁ帰ったようならそれはそれで...えぇ、あの動画をこの世界のS.O.N.G.が発見した時どういった見解を示すのか少し興味はありますが
翠「お、新着のツイートが...」
なになに...『親方、何もない空間から金髪と白髪の女の子が』?写真付きですか
翠「...は?」
画像をクリックして見てみると、そこに写っていたのは
どこからどう見ても切歌さんとネロさんの二人でした
翠「...いやいやいや、いやいやいやいやいや...嘘でしょう?」
思わず画像を拡大して確認してしまいます
あー切歌さん瞳の色が金色だしキリッとした表情ですしあれ中身フィーネさんかなーじゃなくてッ!!!
安価下
1 フィーネさんとネロさんに念話してみる
2 見なかったことにして一度PCを閉じる
3 メヌエットさんに念話
まさか、いやまさか
翠「何やってんですかあの二人...」
もしこの写真の二人が元の世界の二人だとしたら...
と、とにかく念話を飛ばしてみましょう、フィーネさんとネロさんに
翠《フィーネさん、ネロさん、聞こえてますか~!?》
コンマ下
奇数 返事あり
偶数 返事なし
翠《...返事なし》
届いてない?よもやこの写真の二人は元の世界の二人とは別の世界から来た人達?
もしくはもうすでに戻ったとか
翠「無視されたとかだと悲しいんですが」
しかし返事がない現状、どうすることも出来ませんし...
安価下
1 とりあえず寝よう、明日考える
2 メヌエットさんに念話
...もう結構遅い、夜更かしをするのなら別ですが、普通ならもう寝始める人が出てきてもおかしくない時間です
翠「本当訳がわかりませんけど...念話が通じないなら悶々としているだけ無駄でしょう」
ネロさんがこっち来ちゃってるとあっちとちゃんと繋げられているのか、もしまた繋げられるからと一回繋がり切っちゃっていたら私怪我治っても一人だと自力で帰れないどころかメヌエットさんとの念話も多分そのうちまた途切れちゃうんですが
翠「...はぁ」
もう今日は疲れました
明日また考えましょう
・・・
そして朝
コンマ下
奇数 特になし
偶数 二人揃って来てるー!?
ゾロ目 病院の外が騒がしい?
私は忙しない足音に目が覚めました
未だ覚醒し切っていない頭で察するに、誰か...それも複数人が部屋の外の廊下や上の階の部屋、もしかしたら下の階もかもしれませんが、そこら中あっちへこっちへ走り回っているようです
翠「うるさ...あれ、というかいつの間に寝て...」
確か昨日布団を被り、メヌエットさんからの念話が会話なく一度切れ再び繋がり...念話がちゃんと繋がるようになったかの確認らしいです...それを私の方も確認し、一安心して
翠「そのまま寝落ちしたっぽいですね」
ま、ネロさんが道切っちゃってたら昨日のそれも無駄ですけど
翠「というか本当に煩いですね...外も騒がしい?」
よく耳を澄ましてみると建物の外からも悲鳴や車のクラクションの音が聞こえてきます
なんでしょう、パンデミックでも起きましたかね?
翠「窓割れてね?いやそんなことはないですね」
欠伸を一つしつつ伸びをし、頭を軽く振って眠気を飛ばしてベッドを降りました
カーテンに手をかけ窓の外を見てみると
翠「...うわっ」
朝っぱらからですか...
そこには半透明の異形...ノイズの群れから逃げ惑う人々
幸いここから見える景色に黒い炭素はありません
翠「寝てる場合じゃありませんでした...?」
安価下
1 戦う!
2 この世界の装者に任せて避難誘導
3 二度寝(後に他の一般人と共に避難することになります)
さてこれはどうするべきか
私だって自惚れはしません、こっちの皆さんももうこの自体に気付いている筈ですし、そこに片腕使えない、おまけに連携の練習もしていない私が混ざったところで良くて足手纏い、悪ければ邪魔になります
かといって勝手に避難誘導を始めたところで傍から見ればただのクロニk...じゃなくて、怪我人の一般人が喚いているだけ
こっちのS.O.N.G.の職員の人達がすでに始めているであろう避難誘導にわざわざ首を突っ込むことも戦いに加わることくらい余計なことでしょう
翠「だから我慢...我慢する時です...」
ここにいれば...忘れられたり見捨てられたりしていなければ、誰か私を連れ出すなり戦闘許可を出すなりしに誰か来るはずです
そうすれば私が勝手にどこか行ったりしていないとS.O.N.G.に伝わり、ノイズ撃破に集中してもらえるでしょう
翠「ぐっ...我慢我慢ッ!」
この間も絶え間無く聞こえてくる悲鳴
そもそも、アルカノイズではなくノイズが暴れ回っているということは十中八九私がここに来たから
私が、連れて来たようなもの...私は布団を被り、フライユニットやスマホをポッケに突っ込み首から下げたギアペンダントを震える手で強く握り締め待ち続けます
ガラッ
S.O.N.G.職員「良かった、ちゃんといた!」
聞こえてきたのは私の監視を任されていたS.O.N.G.の女性職員さんの声
すぐに駆け寄ってきたようで、布団越しに肩を揺らされました
S.O.N.G.職員「起きて!逃げるよ!!」
逃げる、ですか
翠「わ、私は」
S.O.N.G.職員「早くっ!」
ギプスをしている方の腕をギプス部分に触れないよう配慮しながらではありますがぐっと掴まれ、強く引っ張られます
咄嗟に空いている方の手でダウルダヴラを掴み、これは抵抗しても無駄だと、大人しくついていくことにしました
翠「これ、どこに向かってるんですか!?」
逃げる様子がないのを察したのか並走する代わりに流石に腕を離してくれた職員さん
逃げる、と言っていたということはこの病院から遠ざかるということなのでしょうが
S.O.N.G.職員「シェルターよ、他の人達もそこに避難している、ノイズ対策のシェルターはもう使う機会はないって話だったのに...」
コンマ下
奇数 人混みドーン
偶数 シェルター到着
・・・
他に避難誘導を受けていた人とも合流し、走ること体感数分(実際はもっと短かったかもしれませんし長かったかもしれませんが)、ようやくシェルターまで辿り着きました
S.O.N.G.職員「ここにいて、もうすぐ担当の人が来るから」
そう言い残し、職員さんは他の職員さんの元へ
翠「シェルター...」
よもや私がこの対ノイズシェルターのお世話になる日が来るとは
きっと今、ノイズ達がいるあの場所で皆さんが戦っているんですよね
翠「...」
ここにいて、いいんでしょうか
理屈では理解していても、それでもやはりどこか...
コンマ下
奇数 特になし
偶数 ノイズ!
ゾロ目 カルマノイズッ!!!
...ズズッ
味「...ッ!」
ふと視界の端で何かが動いた気がしました
その方向を向くとそこには
「ノ、ノイズだぁっ!!!」
なんの偶然か、私達のいるシェルターのすぐ近くにもノイズが出現
身体をドリル状にして跳んでくるのも可能なくせに、力関係でこちらが下だと思っているのかジリジリとゆっくり近づいてきます
「ノイズが出たぞぉ!」
「ゆ、赦してぇっ!」
「逃げルォ!!」
「ダレカタスケテ-!!!」
辺りはまさに阿鼻叫喚
叫ぶ者、泣き出す者、走ろうとして転ぶ者
S.O.N.G.職員「皆さん落ち着いてください!早くシェルターの奥に!シェルターを閉めますから早くッ!」
職員さんの声も中々届かず、ますます騒然としていきます
翠「...」
私は...
多数決安価下
1 戦う
2 戦わない
***
すみません>>882の段階で下1~3です
安価下
どれでいく?安価下
1 アメノムラクモ
2 アメノムラクモ(イグナイト)
3 アメノムラクモ(イグナイト及びルシエドアクセス)
4 ダウルダヴラ
5 全部載せ(イグナイト及びルシエドアクセスのアメノムラクモ+ダウルダヴラ)
翠「...皆さん、下がってください」
私はギプスをした方の手でダウルダヴラを持ち、誰よりも前に出ました
ここまで我慢したんです、もういいでしょう?
それに今ここには私しかいません
なら、選択は一つ
S.O.N.G.職員「だ、ダメよ!戻りなさいッ!」
翠「あれは私のお客様、なら私が直々にもてなすのが筋ですよ」
アメノムラクモを纏っても良いのですが、あえて言うならそう...正体不明の未知のシンフォギアを使われるより、知ってる聖遺物の方が後から誰かが合流した時にぶっつけ本番の連携を取りやすいはず
私は弦にそっと指の腹を当て、一気に?き鳴らしました
琴はその音を奏でると共に変形し、弦を張り巡らせ、そして私自身の肉体は急成長を遂げます
翠「ふぅ...」
ダウルダヴラのファウストローブ
翠「さぁ、炭になりたいやつからかかってきなさいッ!!」
何歌う?安価下1
どう戦う?安価下2以降
(碧の獅子機改め翠の獅子機でドーンもアリですが町の修繕費がS.O.N.G.宛てになります)
あいも変わらず、ファウストローブを身に纏った私を見ても脅威にすらならないと判断したのかノロノロと寄ってくるノイズ達
翠「...天た~か~く~と~ど~ろ~け...波~打~つお~も~いた~ば~ねて」
彼らの優位性は位相差障壁による一方的な物理法則下のエネルギーの増減操作
存在を異なる世界に跨がらせそれぞれの世界での存在比率を変えることで、圧倒的な脅威と目されるほどの実績を誇っています
例えばこちらの世界に危害を加える時はこちらの世界での比率を上げて接触等の干渉を可能とさせ、逆に危害を避ける時はこちらの世界での比率を下げてダメージを軽減、あるいは無効化というまるで『そこにいるのに干渉出来ない』ような厄介な敵へと早変わり
つまりは人類側からから見た当たり判定のON・OFFが自在に出来るということだと私は解釈しています
そしてその当たり判定を強制的にONにし続けさせるものがシンフォギア・システムのバリアコーティング...別名『音楽のバリア』
これは本来ノイズの持つ『人体の炭素転換』という特性を無効化させるという別の機能
ですがシンフォギア・システムはその起動に『歌』を要する為構造上必然的にシンフォギア・システム本来の『位相差障壁無効化』と深く結びつけられています
結果『歌』の振動・音波がバリアとなり届く範囲に限り、ノイズ達の『位相差障壁』及び『人体の炭素転換』という二つの特性はどちらも無効化される...
ここまでが私がシンフォギアのマイクユニットの製作方法を知り、なんとか理解出来たところでした
翠「真じ~つ~の~音~い~ろ~は...」
櫻井理論の提唱者である了子さん、もといフィーネさんであればシンフォギア・システムのこの二つの異なる特性をそれぞれ別々に理解し、より効率的な解決方法を見つけるのでしょうが
今の私に出来るのは、せいぜいこの辺が限界です
翠「ここにある~か~ら~...」
イントロが始まるタイミングで、私は背中の弦を指で弾きました
すると次の瞬間弦から発せられた音はエネルギーを帯び、半透明だった目の前のノイズ達にカラフルな色を載せていきます
実験は成功...次は威力
翠「震えるこの胸の痛み(シグナル)、いくつもの夜を駆け~抜けて、君~をさ~が~し~ていた、狂お~し~いほ~どに~...!」
指先一本一本から伸ばした弦合計5本を鞭や鉤爪のようにノイズ達目掛けて振るいました
するとノイズ達は気持ちいいほど簡単にスパッと輪切りにされ、一拍遅れて炭素となって崩れていきます
翠「っし!」
予想通りになってくれて助かりました
これで大分楽が出来ます
翠「隠~した、なみ~だは、そ~ら~を彷~徨うッ!」
ようやく私を脅威と見なしたのか次々と現れるノイズ達
それに目掛けて再び弦を振るい、さらにもう一度背中の弦を弾く
そこから発生した竜巻はノイズ達に向かって飛んでいき何体もその風に混ぜられたエネルギーに巻き込み倒していきました
翠「このまま押し出す!」
シェルターの外とはいえまだここでは近過ぎます
なので少しでも遠ざけないと
翠「誘導を続けてください、早く!」
S.O.N.G.職員「わ、わかったわ!」
もう私を引き戻させようとはせず最善の行動をとる職員さんはきっと将来出世することでしょう
私がしていることは至極簡単、それでいてかなり無理矢理なものです
そもそも、対ノイズのバリアコーティングはもしかしたら施されているかもしれませんが、位相差障壁無効化を可能とする『歌』は少なくとも原作のダウルダヴラのファウストローブでは見られていません
最終決戦での『歌』もあれは所詮チフォージュ・シャトーの共振を起こさせる為のもの、シンフォギア・システムのそれとは全く別物です
ともすればどうするか
ならこの思った形、材質に自在に練金されるまるでアームドギアのような弦を使ってマイクユニットの構造を再現、ダウルダヴラそのものを聖遺物の欠片と見立てファウストローブを『歌のバリア』が使えるようにする
ダウルダヴラのファウストローブの擬似シンフォギア化
翠「い~まという、しゅ~ん間が、い~つだって~奇跡(明日)~をつ~くる~から~...」
身体をドリル状にして目の前まで飛んでくるノイズ
私は迎え撃つように使える方の腕に弦を巻き付け
翠「君の為に歌いたいよぉらぁッ!!」
ドリルにはドリル!!!
即興ドリルアームでぶん殴り、それを正面から相殺、粉砕しました
翠「ちっ...」
ギプスの方の腕は庇っていたつもりですが、やはり派手に動くと衝撃が伝わってくるようで
殴ってすぐ鋭い痛みが殴ったのとは反対の腕に走り、思わず舌打ちが漏れます
そういえば骨にヒビとか言われてましたっけ...ヒビ広がってませんよね?
翠「っ!?」
そしてその一瞬が隙となりました
私の眼前にはドリル状になって飛んでくるノイズ
つまりさっきのは捨て駒...二体連続で飛んできていた!?
翠「まずっ」
パァンッ!
後一秒もしないうちに来る、そう思った矢先、発砲音が聞こえ、飛んできていたノイズが僅かに揺れドリル状にしていた身体が元の人型に戻りました
咄嗟に横に避け、すれ違いざまにそのノイズの腹をドリルアームで貫きます
穴の開いたノイズは炭素となり私の背後で崩れ落ちました
翠「響き、合う、鼓動は!止~められな~い~よ~ッ!!!」
間髪入れず背中の弦を弾き残ったノイズ達に特大の竜巻をぶつけます
これで少しは時間稼ぎになるはず...私はさっき発砲音がした方を振り向きました
そこで銃を構えていたのは...
コンマ下
奇数 クリスさぁん!
偶数 S.O.N.G.職員のお姉さん!?
ゾロ目 男装の麗人
(ちなみに錬金術やファウストローブの際の記憶焼却については翠ちゃんの独自解釈があるので多分きっと後で説明が入ります、でももしかしたらコンマ判定でその独自解釈は無意味に...)
翠「職員さん!?」
やけに様になるポーズで拳銃を構えていたのは、私をここまで連れてきてくれたS.O.N.G.職員のお姉さんでした
さっきの弾...ノイズにとってみれば威力こそほぼ0でも、不意打ちで気を取られてしまうような一発
あれがまぐれでないなら、あのスピードで飛んでくるノイズに的確に当てられる職員さんはかなりの命中率なのでは...
翠「た、助かりました!」
S.O.N.G.職員「こう見えて銃の扱いは同僚に付き合わされて慣れてるの...気を逸らさせる程度しか出来ないけど、私もここから援護するから」
誰ですかそんな物騒な同僚さんは
とはいえ数が数、気を逸らしてもらうだけでもありがたいのは事実です
翠「貴女のことも出来るなら守りたい、でも危険だと思ったら逃げてくださいっ!」
S.O.N.G.職員「うん、ありがとう!」
私は職員さんの返事を確認し、ノイズ達の方に向き直します
さぁ、もうひと頑張り!
コンマ下
奇数 順調に完全勝利
偶数 やや苦戦
ゾロ目 呼ばれてないけどフィーネさん
(職員さんの戦力はいかほど...)
・・・
職員さんという心強い援護者を得たにもかかわらず、戦況は中々好転しませんでした
翠「どんだけ出てくれば...」
もう既に3桁超えていると思います
こんな数エクスドライブモードにでもならない限りやらないでほしいんですが
そして問題は数だけでなく
翠「っ!職員さん左!!」
少し前から、私の眼前からだけでなく職員さんの近くからもノイズが出現するように
S.O.N.G.職員「ふっ!」
パンッパンッ
幸い今さっき現れて職員さんに抱きつこうとしていたノイズは私の『歌のバリア』圏内、すぐに色が付き攻撃が当たるようになっていたので職員さんはすぐさまノイズの手足を的確に発砲、相手が怯んでいる隙に回避し、残ったノイズを私が伸ばした弦で切り裂きました
パンッ
そしてその間私に背後から近付いていた別のノイズを職員さんが撃ち抜き、私は振り返りつつそのノイズにトドメを刺す
これももうすでに何度か繰り返しています
翠「消耗戦狙い?それとも時間稼ぎや陽動...まさか数なら腐るほどいるぞと言いたいだけではないでしょう」
自然発生のノイズなのか誰かが操っているのかはわかりませんが、もし後者なら何の意図が...前者であってもこの数は異常です
翠「痛っ...怪我にも響きますし、長期戦は避けたかったんですがねッ!」
安価下
1 そのまま増援待ち
2 逃げるが勝ち
3 絶唱チャレンジ
意を決し、私は思いっきり弦を横一文字に奮って見える限りのノイズを切り裂きました
ですがすぐにまたどんどん新しいノイズが出てくるでしょう
それまでの僅かなタイミング、つまりここが肝心!
翠「職員さんッ!」
S.O.N.G.職員「どうし...きゃっ!」
職員さんの元へ跳躍し、動かせる方の腕で上体を、動かせない方の腕の肘に太ももを乗せる形で職員さんを抱き上げた私
そのまま後ろを警戒しつつノイズ達とは反対方向に一気に走り抜けます
翠「このままじゃジリ貧です、一旦退きます!」
S.O.N.G.職員「あぁ、そういう...追っ手は任せて」
そう言って職員さんは私の腕の上で後ろを向き、そっちに銃を持った腕を伸ばしました
S.O.N.G.職員「私達に、近付けさせない!」
パァンッ!
パンッパンッ!
器用に私の背中の羽のような装甲の弦と弦の間から弾を飛ばし、追ってきていたノイズの足止めをしてくれているようです
翠「シェルターの人達は」
S.O.N.G.職員「全員もう中に、この辺にはもう私達以外は外に出てないはず」
翠「なら多少場所を移動しても大丈夫ですね」
私達が逃げたから出る被害なんてあっていいはずありません
しかしどうしましょう、ノイズが勝手に自然消滅するのを待てればいいんですが、逃げても逃げても追いかけてくるようなら...
コンマ下
奇数 なんとか自然消滅まで逃げ切った
偶数 自然消滅まだまだ先そう
(S.O.N.G.職員「ところで私のことはずっと職員さんって呼ぶの?」
翠(名前知らないんだから仕方ないでしょう))
・・・
翠「まだですか!?」
S.O.N.G.職員「まだ減ってない!むしろ増えてる!!」
翠「何ですかそr...うひゃあっ!」
すぐ真横を飛んでいくドリル状の形状に変化したノイズ
少し前の地面に突き刺さったそれは姿を元に戻そうとしていた為、そこにジャンプして上から踏み潰し灰にさせます
S.O.N.G.職員「ご、ごめんね!?一匹抜けられた!」
翠「わかってます!出来るだけ上体と脚は下げないようにしてください!私より先に触れたりしたらそこから炭化しますから!」
さっきから飛んだり跳ねたり急カーブしたり
怪我に響くとか以前に体力の限界が近づいてきている気がします
アメノムラクモなら飛べる...飛べたところで空を飛ぶノイズもいるので意味ないですね
絶唱...ダウルダヴラを擬似シンフォギア化させている今なら出来るかもしれませんが、生身の一般人である職員さんを抱えたままでは使えません
翠「どこまで行けば...!」
フィーネさんもネロさんも!もし来てるなら少しくらい助けてくれてもよくないですか!?
安価下
1 この世界の装者達が戦っている場所まで走る
2 ひたすら遠くまで走る(逃げ切れれば勝ち)
3 アメノムラクモを上から纏って羽衣に籠る(助けが来るまで)
翠「助け...そうです!助け!!」
助けが来ないならこちらから行けばいいんですよ!!!
連携が取れない?もうそんなの知ったこっちゃないですよこの状況で!
翠「職員さんっ!装者の皆さんが戦ってるところってどの方向ですか!?」
S.O.N.G.職員「えっ?えっと...あっちの方の住宅街のはずだけど...」
翠「戦ってるってことは避難は済んでますよね!なら!」
目指すはこっちの世界の皆さんのいる戦場ッ!
・・・
見えた!あの辺ですね!
翠「あと一息、飛ばしますよ!しっかり掴まってください!」
S.O.N.G.職員「う、うん!わかったわ!」
ギュッと職員さんが私の腰を抱き締めたのを確認し、私はより一層強く地面を蹴って跳びました
目指す先には戦闘中の響さん、クリスさん、切歌さん、調さんの4人の姿が
私は息を吸い込み
翠「皆さーん!ノイズのおかわりでーすっ!!助けて下さーいっ!!!」
私の声に気が付いた皆さんはこちらを向き、その後ろを見てギョッとしています
ifクリス「おまっ...何ちゅうもん連れてきてんだ!!」
if切歌「あれもしかして翠デスか!?」
if調「キャロルと同じ...大きい」
皆さんの頭上を飛び越え、その少し先に地面をガリガリと削りながら着地
腕に抱いた職員さんが無事なのを確認しつつ振り向きました
コンマ下
奇数 ちょっと尋常じゃない量のノイズに苦戦
偶数 こういう時やってくれるのが主人公
ゾロ目 黒いやつもいるぞ!
うわぁ...後半ひたすら前だけ見て走ってきてましたからわかりませんでしたが、なんかもうすごいですね
不謹慎ですが思わず壮観と思ってしまうほどです...もしかしてほとんどの種類制覇してません?
翠「勢揃いとか春映画みたいですね...」
ifクリス「何呑気なこと言ってんだ!つかそういうのは家でやれッ!」
そういうの...?今別に『そういうの』に当たりそうなことしてないつもりなんですが
if切歌「ここはアタシ達に任せて怪我人と隊員のお姉さんは向こうで隠れてるデスよ!ね、調!響さん!クリス先輩!」
if響「もちろん!」
if調「うん...!」
ifクリス「ったく...」
そう言い私達を置いてノイズの軍勢に向けて走っていく皆さん
私は職員さんを抱えたまま近くの建物の陰に隠れ身体を休めることにしました
翠「痛た...」
職員さんを下ろし地面に腰を落とすと、ギプスをしている腕に走る痛みに顔を歪めてしまいます
S.O.N.G.職員「流石にそっちの腕は限界だよね...ごめんなさい、私がちゃんと逃げていれば」
翠「いえ、あの時もその後も助けてもらったのでむしろ感謝ですよ、それより...」
戦っている皆さんの方を覗いてみると、私と職員さんとで戦っていた時よりは確実に倒すペースは上ですが、それでもやはり数に押されているように見えます
翠「ノイズ達、連れてきたのは不味かったでしょうか...」
でも私達二人だけではあれ以上はもう...
コンマ下
奇数 なんとか勝った!けど全装者しばらく出撃不可
偶数 S2CA!響さんはしばらく出撃不可
奇数ゾロ目 切ちゃんが...2人?
偶数ゾロ目 被害者有り(誰がなるかは後にコンマ判定)
・・・
if響「これ、でぇっ!!!」
ifクリス「持ってけダブルだぁっ!!!」
if切歌「食らうのデェスッ!!!」
if調「終わってっ!!!」
フラフラになりながらも何度も叩きつけられた皆さんの全力
そうして数時間が過ぎ、ようやくノイズ達が出てこなくなり戦いは終了しました
if調「やっと...帰れる」
if切歌「デス...」
if響「流石に疲れた...」
ifクリス「先輩...アタシやりましたよ...先輩...」
疲れからか安心からか、ギアが解除さればたりと倒れる響さん達4人
私と職員さんは駆け寄り、後に来た救護班の人達と共にS.O.N.G.本部へ移りました
・・・
ifエルフナイン「響さん、クリスさん、調さん、切歌さんの4人は大きな怪我こそしていませんがが筋肉等の酷使による内部の損傷と疲労が激しいです、二週間ほどは安静にしててください...それから翠さんは各部のダメージが多く、さらに腕の骨のヒビが広がったのもあって2ヶ月ほど入院してもらいます」
翠「えっと...」
if弦十郎「君が朝までいた病院は今ノイズ発生の後処理でしばらく使えなくてな...思うところはあるかもしれないが、正式にS.O.N.G.の病室に移ってもらいたい」
で、デスヨネ~...
・・・
元の世界でもちょくちょくお世話になっていたS.O.N.G.の病室
軽い治療と検査を終え司令室でこっちの装者の皆さんと共に話を受けた私はその病室に案内、もとい運ばれ、入院を余儀なくされました
安価下
1 もう、寝よう
2 どこにいるんですフィーネさんネロさん
3 あ、もしもしメヌエットさん?
4 お見舞い
翠「はぁ...」
結局こっちの世界にノイズ出てきちゃった上こっちの皆さんにも大分無理させちゃいました...なるべく影響出させないようにと思ってたんですが
あっていうかこっちに転院しちゃいましたけどあの紙飛行機の手紙?の内容、どうしましょう
何か起こる前に場所変わっちゃったんですが...まさか今回のノイズ騒動の事だったとは思えませんし
翠「ま、今考えても仕方ないですね」
そもそも差出人わかりませんし
むしろこっちに転院してた方がより安全な可能性すらあります
それはそうと...
翠「こっちに、来てると思うんですが」
私が渡されていたPC
そのままこっちの病室に持ってきてもらえていたそれを見詰めながら、昨日の夜見かけた画像を思い返します
あれは間違いなくフィーネさんin切歌さんとネロさんでした
もう一回声かけてみますか
翠《フィーネさーん!ネロさーん!聞こえてますかー?どこにいるんですかー?》
コンマ下
奇数 返事あり
偶数 返事なし
翠《...》
返事なし
これはあれでしょうか
本当に私が元いた世界ではない世界から来てるだけっていう...
翠「まぁ、そうならそれで関わらなければ...触らぬ神に祟りなしと」
実はそのフィーネさんネロさんが元いた世界の方の私もこっちの世界に飛ばされてた、とかなら笑いますね
でもそう...私が女神様に見初められ、あるいは目を付けられて転生を果たしたその瞬間、ifの世界...『シンフォギア の外の世界から蒼井翠が転生した世界の並行世界』も同時に無限に増えたわけで
だからそんなこともないとも限らないんですよね
本当にありとあらゆる選択肢がifとして存在するなら、コンマ1秒以下の、刹那にも満たない時間毎に世界は無数に増え続ける
翠「...」
例えば、私がメヌエットさんと念話復旧したというこの私主観の世界線
しかしそれも次の瞬間から膨大な数増え続けています
では私がもし元の世界に戻れたとして、そこは本当に元の世界と言えるのか
そもそも、常に同じ世界線にいると誰が証明出来るのか
その瞬間だけを切り取った静止した世界線
無数に存在するそれらを観測出来ない速さで意識が、俗に言う魂が通り抜け移り続けているという可能性も...
翠「...はっ、何厨二臭いこと考えてるんでしょう」
どうにも一人だと、独りだと考えが纏まることなく広がり続けて変な方向に進んでしまいます
何を迷っているのか
翠「私を自分達の知る私だと確信してくれて、彼女達を私の知る彼女達だと確信出来る世界、それが私の元いた世界線、たったそれだけのことです」
考えが脱線したのも全てフィーネさんとネロさんの所為です
もしあの二人が元の世界の二人だったら思いっきりど突いてやりましょう
シカトしてんじゃねーですよって
安価下
1 もう、寝よう
2 あ、もしもしメヌエットさん?
3 お見舞い
4 イベント判定(後にコンマ判定)
翠「さて、もう寝ますか」
今日は...今日も?疲れました
でも今日は割と気分が良いのです
私の知る限り、視界に入った中で、犠牲者は0
こっちの響さん達に無理をさせちゃったり私も怪我が悪化したりしましたが、犠牲が出るより全然マシです
翠「そもそもノイズが出なければ、なんて言うよりも、出たけど最善を尽くせた、と言う方がいい夢見られそうですよね」
一度タヒに、転生やら何やらを経るまでの普通の一人の人間として生きていた頃では絶対に味わえないような一日
むしろ味わいたくないような一日
でも今となっては、良かったと思えた一日でした
・・・
コンマ下
奇数 来訪者
偶数 特になし
ゾロ目 ???
「...ど...みど...起き...どり...早く...」
翠「...ぅ...んぅ?」
朝、私は誰かの呼びかけるような声が聞こえた気がして目が覚めました
まだ若干重い瞼を開け上体を起こすと、そこには...
コンマ下
奇数 シカトした人達
偶数 ふぁ!?
フィーネ「ふっ、やっと起きたか、翠」
ネロ「無理に起こすことないでしょうに...おはようございます、翠さん」
...ベッドの脇に腰掛けこちらの顔を覗き込む切歌さんもといフィーネさんと、その後ろから顔を出すネロさんの姿が
翠「...えっ!?!?」
えっちょっ...はいぃ!?
えっ何でここに...結局あの画像の二人は私の知る二人だったという?いやでもどうやって!?
フィーネ「こちらの私と連携が取れれば楽だったろうに...だが、灯台下暗し、とはよく言ったものね」
ネロ「少し意味が違いますがね」
翠「えっと...お、おはよう、ございます?」
どうする?安価下
(ようやく合流です)
フィーネ「おはよう、でも残念、もう昼よ」
翠「いやっまぁそれはどうでもよくて...やっぱりお二人共こっち来てたんですね?」
ようし、やっと頭が働いてきましたよ
ここはガツンといきましょうか
シカトしてくれよってからにと...
ネロ「あぁ、実はもう一人...」
そう言いながらネロさんは視線を下に向けました
下?
私もつられて床の方を見下ろすと、ベッドの下から何かがぬっと
「ハァイ翠さぁん」
翠「ひゃあぁっ!?」
違いますそれ違う方のピエロ!
翠「って...夢姫...ちゃん?」
驚きのあまり思わずベッドから落ちそうになるのを堪えてよく見てみると、そこにいたのは
夢姫「やっと...見つけましたわ」
私を見て笑みを浮かべる夢姫ちゃんでした
翠「ど、どうして、というかどうやって...わっ夢姫ちゃん!?」
夢姫「翠さん...!!」
ベッドの下から出てきた夢姫ちゃんはそのまま全力でハグしてきます
ち、力強い...でもそれ以上に再開出来たことに私も嬉しくなって、動かせる方の手を彼女の背中に回しました
夢姫「翠さんッ!翠さん翠さん翠さんッ!!」
・・・
しばらく抱き合って満足したのか、それとも落ち着いて急に恥ずかしくなったのか、やっと夢姫ちゃんが離してくれ...手だけ頑なに握ってきて離そうとしてくれないので手は握ってますが、まぁさっきよりは話しやすい形になったあたりで改めてフィーネさん達と向き直しました
翠「それで、三人...切歌さん入れて四人?共、私が元いた世界の皆さん、ということでいいんですよね?」
フィーネ「それを言ってしまえば私達からしてもお前は私達が探している翠でいいのか、と聞くことになるが...まぁあの女も間違いないと言っていたし、間違いないのでしょう」
夢姫「この翠さんは間違いなく私の翠さんですわ」
うんうん...うん?今何か変だったような
ネロ「ちなみに、根拠は」
夢姫「愛です!」
何故そこで愛
ともあれ、こうして探してもらえて見つけてもらえたわけで
翠「話したいこと、聞きたいこと、言いたいこと、謝りたいことも沢山ありますが、その前に...今すぐにでも帰れますか?このままだとこの世界の人達に迷惑がかかる可能性が高くて...」
昨日の異様な数のノイズ
あれだけでもすでにこの世界の運命が変わりつつあるとわかります
そもそも本編に近い歴史を歩んでいると思われるこの世界にノイズが再び姿を見せること自体おかしいことで、XDでもカルマノイズは出てきてもノイズの異常な大量発生は起こってなかったはず...私の把握してない方のシナリオ関係ならわかりませんが
フィーネ「昨日のアレか...どう見る」
ネロ「今すぐに、ですか...それは」
ドンドンドンッ!
ネロさんが何か言いかけたその時、突然ドアが何度もノックされました
if友里「翠ちゃん大丈夫!?入っていい!?入るわよ!!」
翠「えっあっど、どうしましょ」
フィーネ「ドンと構えておけ、どうせ間に合わん」
ガラッ
if友里「不法侵入者が目撃され...て...」
警戒心MAXな仕事モードっぽかった友里さんはドアを開けるなり唖然とした顔を見せ
if切歌「何ともないデ...デ、デデ、デェスッ!?」
さらにその後ろからゾロゾロと
if響「うぇえ!?」
if未来「え...何で?」
ifエルフナイン「そんな...!」
if弦十郎「これは、どういうことだッ!」
ししょーや未来さんまで!?
ロンドン行ってる人達以外主要メンバー全員集合してません!?
翠「こ、この人達、全然怪しい人達じゃないですよ!?むしろ味方です!なんていうか、心強い...」
if弓美「武器っていうか?」
翠「いやいやいやいや!武器じゃなくて...武士!ね、武士!ほら、侍ですかr...いや武器でも武士でも侍でもなくてッ!」
今変な茶々入れたの誰ですか!
フィーネ「邪魔しているわ」
ネロ「どうも」
ちなみに中でも一番驚いた顔をしていたのは
if調「えッ...切ちゃ...!!!お前は誰だッ!切ちゃんは独特な語尾を付けるし、何よりそんな賢そうな顔つきじゃないッ!!!!!」
if切歌「し、調ェ!?」
あ、切歌さんが一番ダメージ受けてます
夢姫「...もうこっちの皆さんと仲良くしてるんですのね、翠さん」
翠「ゆ、夢姫ちゃん?」
手、手が、手が痛いです夢姫ちゃん
ifクリス「...つうか聞きたいことは山ほどあるが、まずそういうことは家でやれ、連れ込み宿じゃねえぞここは」
if切歌「し...調...そんなはっきり言わなくても...デス」
if響「もうなんか皆新しく来た子と仲良くなってる...私が宿題に追われてる間に...」
if弓美「あの子、仲良くなれる気がするわ!」
if創世「ちょっとアタシ達はあっちの部屋行ってようか」
if詩織「ですね、また後で来ます、立花さん小日向さん」
if未来「あ、うん」
・・・
翠「えっと...」
私のベッドを挟んでドア側には装者メンバー四人に未来さんやエルフナインちゃんやししょーや友里さん
あ、藤尭さんは友里さんがこっち来てるので今二人分働いてるみたいです
そして反対側にはフィーネさん、ネロさん、それから相変わらず私の手を離さない夢姫ちゃん
これは私が説明する感じなんでしょうか
ちらりとフィーネさんの方に目をやると、何故か頷きで返してくる始末
それ何に対しての頷き?
翠「はぁ...この三人は、私を探して私が元いた世界から来てくれた人達です、まずそっちの銀髪の子がネロさん」
ネロさんはペコリと頭を下げます
翠「で、こっちは切歌さんと見せかけてフィーネさん」
if切歌if調「「フィーネっ!?」」
if響「了子さん!?」
翠「あ、別に切歌さんの魂が消えたりとかは...してませんよね?」
フィーネ「してないわ、いつものアレよ、でも一応外の光景は見えてるし声も聞こえている、今はそっちの切歌同様そっちの調の言い分に落ち込んでるところよ」
あ、はい
それはなんかもう...私の手には負えないので
翠「で、この子は友人の」
夢姫「親友の、歌代夢姫と申します、以後お見知り置きを」
で何で夢姫ちゃんは名乗りながら私の腕を組んでくるんでしょうか
何か話す?安価下
(ちなみにすぐに帰れるかどうかは後でコンマ判定します)
・・・
ひとまずこちら側の自己紹介を終え、あちら側の皆さんのことは三人共知っていた為簡単に済まされました
そして暫しの沈黙
さてどうしたものかと思っていると
if響「えっと...ネロさん...だよね?」
ネロ「はい、そう呼ばれてます」
響さんがなんとも言えない困ったような悩んだような顔をしながら沈黙を破りました
if響「初めて会う筈なのにどこかで会ったことがあるような...」
if未来「響?」
ifクリス「こっちのコイツにどっかで会ってたってことか?」
いやーそれはネロさんの正体的にあり得ないのでは...いえ、正体的にはこうなる前を見たことはあるはずなので勘がいいといえばそうなるんでしょうか
でもその場合どっちでしょう
フロンティアを見たことがあるから?
ちらりとネロさんの方を見てみると、こてんと首を傾げています
if切歌「どこかですれ違ったとか助けたとかデスか?」
if響「いや、何というか...」
ガラッ
if弓美「『夢の中で会ったような...』ってやつ!?」
ピシャッ
今誰か...いや誰なのかは知ってますが...ドア開けて入ろうとして引き戻されてドアも閉められてましたね
if友里「それで響ちゃん、どうなの?」
if響「いやーそういうのでもなくって...なんかこう...悪寒?がする?みたいな...」
あっ...それフロンティアじゃない方の...
翠「ね、ネロさん」
ネロ「んー...それは置いておくとして...響さんって美味しそうですよね」
ネロさんはニコッと笑いながらそう宣いました
翠「置いといてない!話題そのまま変わってませんよそれ!?」
ほら!勘違いした切歌さん調さんが顔真っ赤にしたり未来さんが謎の笑顔になったりする中響さんだけ顔青ざめてるじゃないですか!咄嗟に自分の左腕抱きしめてますし!
ifクリス「だからそういうのは...ってそういうのじゃなさそうだな」
ネロ「大丈夫ですよ、ちゃんと供えてもらえれば」
夢姫「あ、じゃあわたくしが」
フィーネネロ「「それはやめて」」
というかネロさん...というかネフィリム...響さんの腕ガブリンチョしたの融合症例だったからじゃなかったんですか...あぁでもそういえば私も肩の肉抉られましたっけ...
フィーネ「ん゛ん゛ん...他にそっちから聞きたいことはないか?」
if弦十郎「無いことはないが...」
ifクリス「むしろ山積みだけどな、特にフィーネ、お前に対しては」
フィーネ「それは知らん、こちらの私とこの私とでは過程も結果が違う...まぁ」
フィーネさんはふっと窓の向こうを見つめ、調さんの方を一瞥し
フィーネ「こちらの私はそれに納得がいっていたのだろう?なら、こちらの世界に余計な危害を加えるつもりはないわ」
if響「な、なら!協力してくれるってことですよね!!」
響さんがネロさんから徐々に距離を取りつつ、フィーネさんにそう問います
未来さんは相変わらず笑ってますね...
フィーネ「そうね...その前にまず、昨日のノイズの大量発生について」
コンマ下
奇数 翠ちゃんが来たことが大きな要因
偶数 そうでもない
ノイズの大量発生
原因があるとすれば、やっぱり...
フィーネ「はっきり言って私達だけでは根本的な解決は無理でしょうね、そもそもあれは私達の世界が繋がった...翠がここへ来たことは要因たり得ないもの」
翠「...ぇ?」
思わずフィーネさんの方をガン見してしまいました
私が要因じゃ...ない?
フィーネ「どうせお前はまた自分が蒔いた種とでも思っていたのだろう?自意識が過剰だ」
ネロ「正確に言えば、要因の一つではありますが全体から見ればほんの一部、むしろ翠さんのこの大冒険はいわばおまけに過ぎません」
おまけ...
夢姫「えぇ、翠さんは悪くありませんわ」
翠「嘘...」
背負っていた重荷を突然取り上げられたような、そんな気持ちになり視界がぐらつきます
てっきりそうだとばかり...
if弦十郎「翠くんはそんな風に思っていたのか」
翠「そりゃそうですよ...」
ifクリス「ま、気持ちはわかるけどな...よかったじゃねぇか」
良かった...んでしょうか...
うん、良かったのかもしれません...
if友里「ところで、お二人の言い分からするともう今回の件の原因に検討が?」
フィーネ「もっちろん!何せ私はあの櫻井了子よ?」
ふふんと手を腰に当て胸を張るフィーネさん
翠「フィーネさん、今切歌さんですよ外見」
if調「違和感しかない...」
if切歌「どうしてアタシはお遊び感覚でアタシの新たな黒歴史誕生の瞬間を見せられてるんデスか...」
ifクリス「フィーネ...そういうキャラでやってたのか...」
こほん、と一つ咳払いをして仕切り直しを図ったフィーネさんは何故かメガネ(あれはまさか潜入美人捜査官メガネ!)を掛け話を続けます
フィーネ「まず翠がこの世界へ流れ着いた際の道、それには見当がついているわね?」
翠「あ、はい、バビロニアの宝物庫ですよね?」
そこでこちらの世界の皆さんが一斉にギョッとした目で見てきますが今はスルーしてください
フィーネ「まず、いくら異世界に存在するバビロニアの宝物庫とはいえそれは本来なら世界線ごとに別々に存在し不干渉のはず...そうよね?」
ネロ「えぇ、つまり翠さんは異世界に入り、別世界線同士の異世界が繋がった部分を通り、そこから元の世界と別世界線のこの世界へ来た、ということになります」
ネロさんまでメガネ(やはりあれは潜入美人捜査官メガネ!)を
夢姫「つまりわたくし達が来た時と同じ道順を翠さんは偶然にも通ってしまったということですわよね?」
フィーネ「偶然か必然か...そこは今となっては大きな問題ではないけれど、そして次に真の要因は...っと、その前にもし次に今回のような大量発生が起きた場合の話だけれど」
コンマ下
奇数 閉じれるよ!
偶数 無理ぽ
ネロ「結論から言えば、バビロニアの宝物庫の扉は閉じることは出来ます」
翠「ほ、本当ですかっ!」
ネロさんはまたコクリと頷き
ネロ「勿論これは鍵が同じだから出来ること、開けることが出来るなら閉じることが出来る、ただそれだけのことです」
フィーネ「開閉自由なことはここに私達が来られたことが何よりの証明よ、開かないようにする、というのは無理でも、開かれたものをその都度閉じていく、これが可能か不可能かの違いは大きいでしょう?」
それはつまり、例え少しでも大量発生を食い止めることが出来るということ
ないに越したことはありません、何より昨日のような長期戦が減らせるのは大きいです
if弦十郎「待ってくれ、それはつまり...君達の世界には未だバビロニアの宝物庫の扉を自在に開閉することが出来る聖遺物...ソロモンの杖が健在、ということか?」
どうしても気になったのか、じっとフィーネさん達の話を聞いていたししょーが話を遮り尋ねてきました
翠「健在...健在?」
夢姫「健在って言うんですの?その状況」
ネロ「姿形ではなく性能が存在意義とするなら...健在?」
フィーネ「んー...奏ちゃんのガングニールがなくなっちゃった後響ちゃんが出てきたときには、ガングニールは健在ってことになったわね!」
翠「実のところマリアさんのとこにもありましたけどね」
フィーネ「いいのよ、ガングニールはもしもの時最も重要になる可能性を秘めているのだから、いくら残しても余計ではないわ」
夢姫「なんだかへそくりみたいですわね」
翠「そういう言葉は知ってるんですね夢姫ちゃん」
翠夢姫フィーネネロ「「「「...ふふっ♪」」」」
ifクリス「いや何笑ってんだよ」
とまぁ笑って誤魔化しましたが、ソロモンの杖が今どうなっているのか、それからネロさんの正体については率先してバラすようなものでもないでしょう
とりあえず健在だという結論でいいと思います
if未来「あの~...ノイズが出たらその都度宝物庫の扉は閉じられるっていうのはわかったんですけど」
フィーネ「えぇ、まぁ蟻が出てきたら巣穴を埋められる、くらいの解釈でいいわ、中の蟻はいるままだけれど外に出てくるのは抑えられる、ほじくり返して出させることも出来る」
if未来「そもそも、どうしてノイズが...いえ、それより結局要因って何なんですか?」
未来さんの問いに、フィーネさんは真剣な表情で向き直ります
いえ多分ふざけてるように見えてずっと真剣だったんでしょうが
フィーネ「簡単よ、バビロニアの宝物庫同士、そしてこちらの世界同士...どちらの世界もまた、それぞれの世界同士で干渉し合っていたからこそどちらも繋がってしまった...ノイズがすっからかんになったこの世界のバビロニアの宝物庫と、私達の世界、それから他の世界もそうだけれど、ノイズがまだいるバビロニアの宝物庫が繋がった、そしてこの世界に流れ出ている」
ネロ「さっきの例えで言えば、蟻が一匹もいない使われていない巣穴と蟻がいる別の巣穴が繋がり、使われていなかった巣穴が再び使われるようになった...というわけです」
フィーネ「厄介なのはバビロニアの宝物庫という異世界同士だけでなく、こちらの私達が住む世界同士までもが直結しているところもあるということね」
響さんと切歌さんが説明に追いつけていないのか首を傾げていますが、大体わかりました
翠「じゃあ私がここへ来たときの道のりは遠回りだった、と?」
ネロ「えぇ、辿るのに苦労しました...」
要はAからBに行くときに、AからまっすぐBへ一本道で来るのが楽なのに対し私の場合はAからCを通ってBに来たようなもの
翠「厄介な方が道のりだけでいえば簡単なんですね」
フィーネ「そうよ、どちらが本筋でどちらがおまけで繋がっただけの筋なのかは主観によるものだけど、一つ目の世界、一つ目の世界のバビロニアの宝物庫、二つ目の世界のバビロニアの宝物庫、二つ目の世界と四ヶ所が計4本の道でぐるりと繋がっている...」
ネロ「そしてそれがこの世界を中心にいくつも存在している、ということが真の要因というわけです」
翠「あー...」
そういう...
if響「え?え?」
ifクリス「そりゃまた本当に面倒なことになってんな...」
if響「えっクリスちゃん今の話わかったの?」
ifクリス「そりゃご丁寧に何度も同じ説明されりゃな」
if切歌「アタシは1回目からわからないままデス...」
ifエルフナイン「つまり今私達の世界は翠さんの世界だけじゃなく、沢山の世界と繋がっている...?」
サクッと言ってしまえばそういうことですよね
そういえばネットで検索した時にししょーが金網フェンスを破るだけ破って帰る謎の映像もありましたが、もしかしたらあれこそこの世界のししょーでも私が元いた世界のししょーでもない、第三の世界から来たししょーだったのかもしれません
フィーネ「10や20、あるいはそれ以上...今このタイミングでどうしてか、この世界を中心としていくつもの『可能性』が交錯しているのよ」
if弦十郎「事態は想像以上に深刻のようだな...しかし何故今なんだ?」
フィーネ「さぁ?考えられる可能性としては今が歴史のターニングポイントとなっているのかもしれないわね」
if友里「ターニングポイント...ですか」
宇宙の始まり、人類の誕生、神話の序章、世界大戦...あるいはそれは地球単位、日本単位という宇宙から見ればちっぽけな出来事であっても私達からすればターニングポイント足り得るのだとフィーネさんは言いました
フィーネ「例えば世界にとって大きな影響をもたらした者の誕生やタヒ、偉大とされる何らかの発明の瞬間、大きな災害なんてものも多少の差異はあれどターニングポイントと呼べるわね」
ネロ「そんなターニングポイント、分岐点、特異点...それは必ずしも認識出来るほどの何かが起こるとは限りません、人類が感知しえない何かが起きた、ともすれば『何も起こらなかった』ことすらそれとなる可能性を秘めています」
ややこしい説明...というかそれ
翠「変な言い回ししてますけど、それって結局いついかなる瞬間もターニングポイントってことじゃないですか」
フィーネ「それはそうよ、ターニングポイントなんて言い方してもそんなもの観測者次第でいくらでも変わるわ、こんなん記念日と一緒よ」
み、巳も蓋も無い...ッ!
結局そのターニングポイント云々の長々とした話無駄じゃないですか!
フィーネ「ただし、今回はその観測者、観測地点、視点が問題なのよ」
あ、まだ続きが
ネロ「今回のような大規模な因果の縺れ、可能性同士の共鳴と連結、多世界間が繋がってしまうのは異常としか言えません」
フィーネ「今回のターニングポイントはどこからの視点なのか...答えは世界線、もしくは必然、運命とでも言いましょうか」
ifクリス「運命だぁ?」
フィーネ「無限ともされる偶然の中にも偏りは存在する、そしてその母数に対して必然によって収束された子数が母数と近づけば近づくほど、運命は限られてくる...もちろんその子数は小数点を省き一概に纏めてしまった場合であって厳密には無限は有限にはならないけれど」
ネロ「そして今が、どういうわけか世界線的視点から見ると他の時期より子数が母数に近い...と、いうわけです」
...うん?
途中から私もちょっとよくわからなくなってきましたよ?
フィーネ「難しく考えると面倒ね、たまたま今は何かしらの理由で可能性同士が繋がっちゃってさぁ大変、でいいんじゃないかしら?」
ifエルフナイン「えぇ、興味深い話ではありますが、事解決に至ってその部分は僕もそれくらいで十分だと思います」
考えるな、感じろってやつですね
わかります
・・・
響さんと切歌さんが理解するのをやめたりそれを見てクリスさんが呆れたりしていましたが、とりあえずひと段落のようです
私は夢姫ちゃんに一言断りを入れて腕の拘束を緩めてもらい(それでもまだ抱きつかれてはいますが)フィーネさんを軽く手招きしました
フィーネさんは訝しげながらも寄ってきてくれます
フィーネ「どうした」
翠「少し聞きたいことが...耳貸してください耳」
フィーネ「ん?構わないが...こっちの切歌には聞こえてしまうわよ?」
翠「あーもうそれは仕方ないので」
別にコソコソ聞くことでもないんですが、あの時調さん達に対して誤魔化してしまった手前...というのがありまして
フィーネさんに耳を近づけてもらい、私は小声で
翠「病室にあの紙飛行機を飛ばしたのは、フィーネさんですか?」
コンマ下
奇数 そうだよ(便乗)
偶数 しらそん
フィーネ「...そうよ」
翠「あぁやっぱり違いま...えっ!?」
フィーネ「ま、それももう必要なくなったわね」
そう言ってまた少し離れるフィーネさん
まさかあれフィーネさんのだったとは...フィーネさんがこの世界に出現したところを目撃されるより前に届いたものでしたし、てっきり他の誰かかと
フィーネ「少し、警戒の必要があるわね」
離れて行く際何か呟いていたようですが、私の耳がその言葉を拾うことはありませんでした
・・・
警戒するべき相手では...ないとは言い切れませんが一応信じたということで一旦お開き、皆さんは戻って行きました
この病室に残ったのはベッドに寝かされてる私の他に夢姫ちゃん、フィーネさん、ネロさん
つまり皆さんが駆け込んでくる前の状況まで戻ったわけです
翠「気を遣われたんですかね」
フィーネ「でしょうね...それで、まだ貴女の質問に答えてなかったわね」
質問?...あっ!
翠「そうですよ!帰れるのかどうか!」
フィーネ「仮に帰れるとして、お前は帰るのか?いや...帰れるのか?この世界を放って」
そ、それは...まだちょっとわかりませんけど
私がいてもいなくても大変な状況に陥ることはわかりました
かといって部外者の私が手を貸すどうこうが正しいのか、そもそも私の手なんて必要としているのか
フィーネ「...まぁいい」
ネロ「それで結論から言いますと、今すぐに帰れるのかというと...」
コンマ下
奇数 帰れる
偶然 帰れない
ネロ「無理です、今は帰れません」
翠「...えっ」
ネロ「帰れません」
...嘘ぉ...えっじゃあ
翠「何で夢姫ちゃんもフィーネさんもネロさんも来ちゃったんですかこっちに!?」
夢姫「真っ先にそっちを言ってくださる翠さん大好きですわ」
あぁはいはい抱きつくのはもう慣れましたからいいですから
フィーネ「むしろ私達が付かなければその子は一人で来るつもりだったのよ、感謝されこそすれ非難される筋合いはないわ」
翠「そうなんですか!?」
夢姫「...えぇ、そうです、耐え切れなかったんですもの」
...んん、怒りにくい
ネロ「それに最初に無茶無謀して勝手に世界線移動した翠さんに誰かを怒る権利はないとアマt...アキさん、も言っていました」
...お、怒りにくい!
安価下
1 今のうちに詳しいこと(何故帰れないのか等)を聞いておく
2 お開き、解散
翠「そ、そういえば!」
私の為、というか私の所為で今こうなっている、と言われてしまえばそれは何も言い返せなくなるといいますか...なので話題を変えることにしました
フィーネさん...は切歌さんにも聞こえてしまうのでダメですね
翠「ネロさんネロさん、ちょっと」
ネロ「何です」
ネロさんに側まで来てもらい、夢姫ちゃんに聞こえないようネロさんの耳元で小声で
翠「念話に出られなかったのって何か理由あったんですか?」
聞きたかったことを聞いてみました
もしただ単にシカトしてただけなら割とキレます
コンマ下
奇数 理由があった(この場合聞こえていたことになり切歌さんにも念話筒抜けだったことになります)
偶数 そもそも念話通じてなかった
ゾロ目 SHIKATO
ネロ「え?あぁあの念話ですか」
翠「そうその念話です」
通じてはいたんですね
例えばそう、メヌエットさんの時のように念話が通じ難かったとか
あちらからは返事出来ない謎の現象が起きていたとか
そういう致し方ない理由が...
ネロ「返事が面倒でシカトしてただけです」
翠「ぶっ◯してやりましょうかこの《翻訳不可》ッ!!!!」
・・・
夢姫「翠さん、それくらいで許してあげた方が...何があったのかはわかりませんが」
フィーネ「そ、そうよ?落ち着きなさい?」
翠「言っときますけど次フィーネさんの番ですからね」
フィーネ「ま、待ちなさい!私の場合切歌に説明するので手一杯だったのよ!」
翠「問答無用じゃあぁぁっ!!!」
・・・
翠「すみませんでした、やり過ぎました」
結局騒ぎを聞きつけた友里さんに組み伏せられ、私はようやく落ち着きました
それと友里さんには帰り掛け「怪我人なんだから安静にしてなさい」とお灸を据えられました
というよりここまでの記憶が若干飛んでるんですが...まぁ誰もタヒ人は出てませんし?
フィーネ「あれを見て平然としているあたり貴女も大物ね」
夢姫「そうですか?まぁ...翠さんからの『愛』を一身に受けられるという点では、少し羨ましげふんげふん」
フィーネ「お前はあれを愛と呼ぶか」
ネロさんは相変わらずピクリともしませんがそのうち起きるでしょう
気を取り直し、次の質問をば
翠「で、フィーネさん」
フィーネ「っ!」
翠「いやいや、構えないで...私がこっちに来た時の空間の歪み...バビロニアの宝物庫の扉、一応場所は特定してるんですがそこからでも帰れないんですか?」
帰れない理由がどういったものなのか...フィーネさん達が来た時のものが閉じてしまった、道順がわからなくなった、というものならそれで解決出来そうですが
コンマ下
ゾロ目以外 それでも難しい
ゾロ目 そこからならもしかしたら
(帰れない判定が出た後なので今回のコンマ判定は難易度高めです...けれどまぁゾロ目出た後ですし大丈夫ですよね?)
フィーネ「ふむ...なるほどな、確かに翠が通った道ならあるいは...可能性はあるわね」
翠「本当ですか!!」
言ってみるものですね!!
フィーネ「あくまでまだ可能性が高いというだけだけれど、その扉はまだ開いているのよね?」
翠「えぇ、確かめにも行きました、不安定ながらも繋がったままだったはずです」
歪みの大きさは揺らいでいましたが、完全に閉じることなくそこに存在し続けていました...少なくとも、この間見に行った時は
それにあの扉に何かあれば万丈が知らせてくれるはずです
フィーネ「仮にこの世界に引き寄せられたのが意味のあるものだとしたら...えぇ、いざとなったらそこを第一候補にしておきましょう、ちなみに場所は?」
私はあの病院の隣のファミレスの駐車場の位置を伝えました
フィーネさんが改めて時間があるときにネロさんを連れて様子を見に行くそうです
翠「というか、何で帰れないんですか?来られたのなら帰れるんじゃ...」
フィーネ「引き返せなくなっていたのよ、色々な要因でね」
夢姫「正直もうダメかと思いましたわ...アレがずっと付いてきたりしていたら...」
アレ...?とりあえず帰れないのにはちゃんとした理由がありそうですね
翠「って、やっぱり夢姫ちゃん、ギアを纏って来てたんですか」
バビロニアの宝物庫を通ってくるのなら例えネロさんやフィーネさんが付いていたとしても生身では、と思っていましたが
そう言うと夢姫ちゃんは胸元に手を突っ込み、首から下げていたギアペンダントを取り出して見せてくれました
夢姫「えぇ、イミテーター、私が唯一纏える翠さんのギア」
フィーネ「この件を実行に移す前に弦十郎くんが嗅ぎつけたようでね...生身で行くのは危険だと、渋々持たせたのよ」
夢姫ちゃんに今とってそれは自身の身を守る力
だからか、それを両手でギュッと握って大切そうに胸元に寄せています
ちなみに他のギアは?コンマ下
奇数 持ってきた!
偶数 持ってこれなかった!
夢姫「まぁそれはそうと元々持っていくつもりだったんですけどね?」
夢姫ちゃんはそう言ってポッケを探り、何かを取り出して私の手に乗せてきます
一体何を...
翠「...へえっ!?」
夢姫「あっちの世界を発つ直前に、ネロさんが宝物庫を開いて司令さんの引き出しの中と空間を繋げてちょちょっと...ですわ」
ぺろっと舌を出し戯ける夢姫ちゃん
私の手のひらにはギアペンダントが
5つ
翠「これっ取り上げられた残り全部じゃないですか!?」
アスクレピオス、ミョルニル、神獣鏡、アメノオハバリ、フォーク
これに夢姫ちゃんが持っているイミテーターを合わせたら、私のギアが一気に全部戻ってきたことになります
フィーネ「発案はその子よ...それにこっちの世界に来た際こっちのS.O.N.G.あるいは二課、それに準ずる組織にアウフヴァッヘン波形を悟られないよう宝物庫を出る直前独断でイミテーターで神獣鏡を模倣したり...可愛い顔して末恐ろしい」
夢姫「失礼な!これもそれもまた愛ですわ!」
翠「だから何故そこで愛...」
でも、これなら私が出来ることが大幅に増えます
翠「ありがとうございます、夢姫ちゃん」
夢姫「...本当は、わたくしは翠さんに戦ってほしくはありません、でもきっとそんなわたくしの我儘を通しても翠さんは笑ってくれませんわ」
夢姫ちゃんは少しだけ寂しそうにそう呟き、私のギプスをした方の腕を優しく撫でました
夢姫「もう迷いませんわ、翠さんが一番そうしたいと思ったことを、わたくしは全力で応援し、支えます」
だから、と
夢姫「だから一つだけ約束してください...どんなに傷付いても、どんなに辛くても、どんなに苦しくても...絶対にタヒなないでください」
多数決安価下1~3
1 それに私は微笑んで
2 それに私は仕方なく頷いて
3 それに私は「ごめんなさい」と
絶対にタヒなないで
そう夢姫ちゃんは私に言います
そんな言葉が出てしまうほどに、私は彼女から見れば傷付いて、辛そうで、苦しそうで、何よりタヒにそうだったのでしょう
私のことを心配して、別の世界にまで探しに来てくれる
タヒなないでと言ってくれる
そんな友人がいる私はとても幸福な人間です
だから、私は
翠「...夢姫ちゃん」
そっと彼女の名前を呼び、微笑みました
それを見て、夢姫ちゃんもまた微笑み返してくれます
夢姫「絶対に、ですわよ」
・・・
お花を摘みに行ってくると言い部屋から出て行った夢姫ちゃん
そしてドアが閉じたタイミングを見計らい、フィーネさんが話しかけてきました
フィーネ「...随分と卑怯で酷い女になってきたわね、貴女」
翠「さぁ?なんのことやら」
フィーネ「とぼけちゃって...ここに来る前、泣いていたわよ、あの子...また泣かせる気?」
そんなの...泣かせたくはないですよ
でも、絶対になんて私には言えないから
翠「そうさせないように努力はしますよ...それで、フィーネさんはそんな卑怯で酷い私を手伝ってくれますか?」
フィーネ「具体的には?」
翠「仮にこっちでまた戦いがあった時...フィーネさんは私と一緒に戦ってくれますか?」
それはフィーネさんに乗り移られている切歌さんをも危険に晒すということですが、きっとフィーネさんなら切歌さんを傷付けないように配慮してくれるはず
その上で、もしもの時戦力に加わってくれるのか
コンマ下
奇数 戦う
偶数 あくまで傍観者
フィーネ「ダメよ」
答えはNO
ま、そんな気もちょっとはしてました
フィーネ「別に意地悪をしているわけではないわ、翠が何をしようと翠の勝手...でも、緊急時以外は切歌を戦わせないことを条件に私は今ここにいる、そういうことよ」
翠「じゃあ、私の中に来る気は?」
フィーネ「世界線移動と共に中にいた子達軒並み弾いといてそれは冗談かしら?何もないかもしれない、けれどあるかもしれない...私はこれでも切歌やあの子、それに貴女の保護者としての任も担っている...裏切り改心した訳でもない私をどうしてあそこまで信用するのかは知らないが、存外こういうのも悪くない、だから今回はダメ」
ですか...フィーネさんにもフィーネさんなりの思いと覚悟があるようですね
なら、もうこれ以上言うことはありません
ガラッ
夢姫「戻りましたわ」
翠「お帰りなさい」
安価下
1 もう寝る!
2 まだ何かする(何をするか記述)
3 イベント判定
今回もまたギリギリになってしまいましたが新スレ建てました
こちらは埋めてしまってください
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