【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「XV」 (70)

【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「XV」

このスレは「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」第一話まで見ていた少女『蒼井翠』ちゃんが「戦姫絶唱シンフォギア」の世界に転生して、月を破壊する為に頑張ったと思ったら並行世界に飛ばされたりしてるスレです
ちなみにスレ内の時間軸はまだAXZまで行ってませんので悪しからず
アニメの無印、G、GX、AXZ、スマホゲームのXDのネタバレを含みます

1スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1499084737/)

2スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「G」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1500550444/)

3スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「GX」 - SSまとめ速報
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4スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「3.5」 - SSまとめ速報
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5スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「AXZ」 - SSまとめ速報
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6スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「XD」 - SSまとめ速報
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7スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「戦」 - SSまとめ速報
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8スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「姫」 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1542908833

フィーネ「さて、もう夜も遅いし子供は寝る時間よ」

フィーネさんはパンパンと手を叩いてそう言いました
夢姫ちゃんも戻ってきたしここで切り替えろ、ということでしょうね

翠「私はいいですけど、皆さんは...」

夢姫「わたくしは翠さんと一緒に寝るから大丈夫ですわ」

あっはい
拒否権はなさそうです

フィーネ「私達はその辺に布団を敷く、気にせず休みなさい」

じゃ、借りてくるわね~と部屋を後にしたフィーネさん
まさかフィーネさんとネロさんの二人分の布団を一人で?

・・・

翠「当然のように一人分...」

フィーネ「今更こんな程度で恥じるほど乙女でもない...ほらいい加減起きなさい、布団敷いたから」

何往復かして敷布団や掛け布団、そして枕を三つ持ってきたフィーネさんは枕を一つ夢姫ちゃんに渡しつつネロさんを軽く足で蹴っています
ネロさん全然目を覚ましませんね...

フィーネ「まったく...」

結局フィーネさんがネロさんを持ち上げて布団に寝かせ、その隣に入っていきました

夢姫「わたくし達も寝ましょう?」

翠「...」

がっつり私の隣に入ってきて掛け布団も掛けている夢姫ちゃん
ま、まぁ、ずっと心配をかけてしまっていたようですし、これくらい
別に嫌な訳でもありませんしね

翠「じゃ、寝ますか」

私はリモコンで電気を消し、上体を寝かせて枕に頭を置きました

・・・


朝、目が覚めると隣から微かな寝息が聞こえてきます
ふと横に顔を動かしてみれば、こちらを向きながら眠っている夢姫ちゃんの姿が

翠「ふふっ...おはようございます、夢姫ちゃん」


どうする?安価下
(特になければイベント判定)

さて、と...たっぷり寝て疲れも取れましたし、夢姫ちゃんが持ってきてくれたコレもありますし

翠「早速...」

ネロ「ひぃっ」

翠「ひゃっ...な、何だ、ネロさんですか...おはようございます、早いですね朝」

昨日はお昼近くまで寝てしまっていましたが、今日は目が覚めたのが結構早く学校がある日なら余裕で行ける時間です
まぁネロさんも布団に入ったまま上体を起こしているだけなのでついさっき起きたんでしょうが

ネロ「お、おはようございます...」

翠「...そ、そんなによそよそしくしなくても」

ネロ「そ、そうですね...」

本当、昨日私はネロさんに何したんでしょう...


・・・


あのまま部屋にいても夢姫ちゃんやフィーネさんを起こしてしまうということで、私とネロさんで歯磨きと顔を洗いに洗面所に行くことにしました

翠「お、もう私達の分の歯ブラシとコップが用意されてます...経費で落ちるんでしょうかこういうの」

ネロ「誰用なのかメモが付いてますね...後から請求してくる人達でもないとは思いますが、請求されたら無一文の私は一体どうしたら...神の恵みでも与えればいいんでしょうか」

翠「そうですね、ハイパームテキとかいいんじゃないですか?」

ネロさん的に神の恵みが冗談でも何でもないのがすごいですよね...具体的にどんなものなのかわかりませんけど
体験したのは祟りだけですし

翠「あ、そういえば...あの祟りの時、私一時的に大人になったじゃないですか」

ネロ「ありましたね、そんなこと」

翠「あれって頼めばまた大人モードになれるんですか?...はむ...シャコシャコ」

歯磨き粉を乗せた歯ブラシを口に放り込み歯にブラシ部分を当てて磨く私

ネロさんが関係ないところでいうとダウルダヴラを纏った時にも大人の体型になれます
あれは個人的な趣向抜きにしても、例えば職員さんを抱き上げて移動したり、何かと便利でした
それに大人と子供(子供とは言っても前ほど小さくはありませんよ!)の二つを使い分けられるのは他にも使い道がありそうですよね、高校生探偵と少年探偵団、みたいな

ネロ「当然出来なくは...でも大人化は多様すると寿命が縮みますよ?」

翠「っ!?えほっえほっ...」

ネロ「はい水」

翠「ぶくぶくぶく...ぺっ...ふぅ、じゃないですよ!えっなんて言いました!?」

ネロ「寿命が縮むって言いましたよ...はむ...シャコシャコ」

翠「そんなものを私やクリスさんに掛けたんですか!?えっしかもお供え物貰いたいがために!?」

ネロ「ぶっ、あ、あぶっあばばばばば」

歯を磨いてる最中なのにも構わず私はネロさんの肩を掴んでがくがく揺らしました
何勝手に他人の寿命減らしてんですかネロさん!?


コンマ下
奇数 あの時の祟りは寿命減らない仕様
偶数 ごめんちゃい
(この辺の会話が終わったらアスクレます)

(翠「あはは~小玉スイカた~のし~あはは~」

クリス「...何だ?あれ」

女神「タジャドルウォッチが売り切れてたそうですよ」

夏菜(...言えない、まさか買えたなんて言えない)

翠「あはは~スカッシュタイムブレ~ク~」)

ネロ「ご、ごべぶばばばばば」

翠「ネロさーん!?!?」

今謝りました!?謝りましたよね!?つまり本当に寿命勝手に減らしたってことですよね!?

ネロ「ちょ、いっあい、いっあい...」

ネロさんは私の手を振りほどき、口の中の泡を洗面所の流しに吐き出して歯ブラシを軽く水で洗いました
そして水を口に含みガラガラガラガラガラガランダ

ネロ「ふぅ...そこはまぁ...ごめんちゃい」

翠「ぶち◯すぅ!!!」

ネロ「にゃー!!!」

・・・

フィーネ「で?また気絶するまでやったのか」

翠「みたいです...」

記憶は例の如く飛んでます
多分私の中の何か理性とかが記憶にストッパーをかけてますねこれ
にしても寿命...減っちゃったものは仕方ないといえば仕方ないですけど割り切れるものでも...

フィーネ「まぁコイツのことは寝かせておけばいいわ...それより、今日は?」

翠「あ、そうでした!ししょーにトレーニングルームの使用許可貰いに行かないとです!」

・・・

というわけで「怪我人は寝てろ」と言われたところを「トレーニングルームを使うけどトレーニングするわけではなくギアを纏いたいだけ」と説き伏せ、フィーネさんの助けもあって無事トレーニングルームを使えることになりました


if響『何々~?何するの~?』

夢姫『早速なんですのね...いえ、何も言うまいですわ』

if弦十郎『ふむ...』

if友里『動くにしても腕の怪我のことも配慮してね~』

フィーネ『調子に乗らないようにしなさいね』


ただ、見世物ではないんですが...
起きてきた夢姫ちゃん、朝っぱらから訓練しに来てた響さん、監視役にししょーと友里さん、あと流れでついてきたフィーネさんがモニタールームにいます
パンダってこんな気分なんでしょうか...あーそんなこと考えてたら元の世界で物凄い面倒なことになってるの思い出しました
マリアさんと変態はシバきましょう絶対
と、気を取り直して


「Healing almighty Asclepius tron」


私はアスクレピオスのギアペンダントを握り、聖詠を口にしました
そしてそれに応えるように私の身体はアスクレピオスのギアに包まれていきます


if友里『これは...あの日観測されたアウフヴァッヘン波形とは別の!?』

if響『おおぉ!?な、なんかナースさんみたい』

夢姫『ナース服の翠さん...アリですわね』


淡いライトグリーンの光が私の身体、特にギプスを巻いた腕を覆い、やがて収まりました
痛みは消えています...よし

翠「よい...しょっと」

ギプスを外し、腕を曲げたり伸ばしたり回したりしてみます
うん、完全に治りましたね

翠「完・全・復・活!!」

思わずガッツポーズ!その為のry


どうする?安価下
(他の装者の怪我も治すのもアリです)

・・・

if弦十郎「傷を癒す聖遺物...か」

腕が治ってウッキウキだった私は所変わって現在
会議室にて軽い事情聴取を受けていました

ifエルフナイン「念の為行ったメディカルチェックの結果、確かに翠さんの腕の骨のヒビ、それどころか全身の擦り傷に至るまで完全に...ほぼ完全に治っていました」

ifクリス「有りなのかよそんなん...」

if切歌「で、でも怪我がすぐに治せるなんてすごいデス!無敵デスよ!」

ちなみに今回私がアスクレピオスを使って怪我を治したことがこっちのS.O.N.G.からしたらまぁまぁ大事件だったらしく、クリスさん切歌さん調さんも召集されてます
でもこの時間じゃまだ寝てた人とかいたんじゃ...今夏休みですし

夢姫「怪我をしてもすぐに治せる、というのも良いことばかりではありませんわ、何せわたくし達は心労が絶えませんでしたし...いっくら言ってもタヒぬギリギリを責めるおバカさんのせいで」

翠「いやいやいや、そんなことないですよ、せいぜい吐血とか全身打撲とか...」

夢姫「せめてそれを敵との戦闘のみで受けるのなら、まだ理解は出来たというものですわよ?」

うっ...
珍しくジト目でこちらを見てくる夢姫ちゃんに思わず目を背けてしまいます
で、でもほら!私はあくまで普通の元一視聴者で、補正とかありませんから!所詮転生者なんてそんなもんですから!
とまぁそんなことは今思い出しただけですが

if調「それで、私達を呼んだのはもしかして」

if弦十郎「あぁ、本当にいいんだな?翠くん」

翠「過程はどうあれ保護してもらって衣食住与えてもらってる身ですし、この前のこともいくら私が大元の原因ではないといっても少しは関係してますしね」

そう、ここにクリスさん切歌さん調さんが呼ばれたのはただ私が『怪我を治せる聖遺物を持っている』ということの情報共有のためだけではありません

翠「響さん、クリスさん、切歌さん、調さん...皆さんの怪我、治させていただきます」

つまり、こういうことです

・・・

if響「おぉー!痛くない!」

ifクリス「ふぅん...」

if切歌「ばっちぐーデスね!調!」

if調「うん、ぐー」

ばっちぐーて...兎にも角にも、滞りなく終わって何よりですね
本当に良かったです...いつ3.5期が始まっちゃうかわからない今、日本に残った装者全滅とか笑えませんし

フィーネ「私達の世界ではある程度アレの使用条件なり制限なりは決められていたけれど...わかっているわね?弦十郎くん」

if弦十郎「あぁ、程度に関わらず完治させることが出来る聖遺物など、それこそ下手をすれば他の聖遺物以上にどの国も喉から手が出るほどの一品だろうからな、それも起動させられる者が限られるとすれば...この件については最低でも最高機密、口外厳禁だな」

フィーネ「流石ね」

フィーネさん切歌さんの声だからか、話しているのを聞くとモカさんとかりんさんとかニナさんみたいですね...やはりCV:茅野◯衣さんは強い...

翠「う~ん...フィーねえ?」

フィーネ「こ~ら、フィーねえじゃなくて櫻井先生でしょ!」

翠「いや櫻井先生でもないでしょう」

意外とノリが良いということが一期終わってから判明したんですよね...この人が私を誘拐しに来たりえっちぃ格好のクリスさんをビリビリやってたとは到底

フィーネ「それで、何かしら?」

翠「いや、大した用はなかったんですけど...あっ、フィーネさんコレって直せます?夏菜さんから預かってるフライユニットなんですけど」

声をかけたつもりもなかったのにわざわざこっちに来てくれたフィーネさん
このまま追い返すのもなんだなと思い思考を巡らせた私は、ポッケに突っ込んでいたフライユニットのことを思い出しフィーネさんに渡しました

フィーネ「ん?...ほう、あの娘が作った...良いだろう、私に不可能はない」

あれ?この人は誰なんでしょう
もしかして久々に長々とこっちの世界(並行世界ですが)に降りられていてテンション上がってます?

翠「あ、中に万丈...ルシエドがいるので気をつけて、多分声をかければ勝手に出てきてくれると思います」

夢姫「何で夏菜さんに借りた物をポケ◯ンボールみたいに扱ってるんですの?」

いや、だって万丈が勝手に...

フィーネ「とはいえ私もこれの中身の仕組みは初見だから...出来る限りはするわ♪ほらそこの、エルフナインだったかしら?」

ifエルフナイン「は、はい!」

フィーネ「ちょっと手と頭を貸しなさい、あと工具も」

そう言いフィーネさんはエルフナインちゃんを引き連れて部屋を出て行きます
酷使に次ぐ酷使で大破してしまったフライユニット...すぐにまた使うような場面には遭いたくありませんが、直るといいですね

if響「ね、翠ちゃん!」

と、フィーネさん達が出て行ったドアを見つめていると後ろから声をかけられました

翠「わっ...は、はい」

if響「私だけ全然話せてなかったから...改めまして!私は立花響!よろしくね!」

響さんはあっちの響さんと変わらない眩しい笑顔で、私に向けて右手を差し出してきます
これは...握手でしょうか

翠「蒼井翠、です...」

私は差し伸べられたその手を


多数決1~3
1 掴む
2 掴まない
(ちょっとリアルの方で仕事が溜まってまして...ひとまず片付いたので再開します)

(ifエルフナイン「ところで翠さん」

翠「何ですか?」

ifエルフナイン「その...無神経だったらごめんなさい!翠さんはもう既に初めてを」

翠「わー!わー!ストップストップ!!(だからさっき『ほぼ』完全に治ってるって言ったんですか...///)」)

翠「...よろしくお願いします、響さん」

その手を、私は掴みました

響「!...うん!」

握り紡がれたその手は温かくて、この手だからこそ、世界で一番優しい拳になれるんだと

響「ところで翠ちゃん、怪我も治ったことだし...」

その時、僅かに響さんの掴む力が強まった気がしました

響「ちょーっとトレーニングも兼ねて...手合わせしない?」

ニコッと
それはもう眩しい笑顔で
でもさっきまでとは明らかに違う意味を含んでいそうな顔で

翠「えっ...と...」

あっ手が!手が抜けない!ちょっ力強っ

響「ね!」

翠「...はい」

逃げられない
私はそれを強く痛感し、首を縦に振らざるを得ませんでした
何がそこまで響さんにトレーニングさせたがるのかわかりませんけど...

翠「...はぁ、でもそうですね、やりますか」

響さんにはほとんど勝てた試しがありません
いえ、正確には逃亡したり暴走した響さんを止めたりだとかそういうことはありましたけど、あれは何というか響さんのコンディション的にノーカンなので...


安価下
1 ギア有り手合わせ
2 ギア無し手合わせ

・・・

if友里「ギアは無し、どちらかが降参するか私達が続行不可と判断したところまでで試合は終了...二人ともわかった?」

if響「はいっ!」

翠「わかりました」

響さんはオレンジを基調とした何処と無くガングニールっぽい色合いのジャージ姿
私は緑色を基調としたイガリマっぽい色合いのジャージ姿、こっちの切歌さんのを借りました

今回ギアは無し
つまり最終的に多分殴り合い...なんでしょうね

if弦十郎「双方やり過ぎないようにな」

翠「でぇじょぶだアスクレピオスで治る」

夢姫「言ったそばからですわ...」

翠「じょ、冗談ですよ!」

まぁどちらにせよ終わったらアスクレピオスはしますけど

ifクリス「どうだか」

if調「苦労するね、無茶する人がいると」

夢姫「全くです」

if切歌「...?何デスか?調」

if調「...私も他人のこと言えないか」

・・・

私と響さんはトレーニングルームに入り、真ん中から少し離れて向き合いました
他の皆さん(フィーネさんとエルフナインちゃんはまだ戻ってません)はモニタールームにいます

if友里『それじゃ...始め!』


どうする?安価下
(ちなみに最終的な勝敗はコンマ判定ですが、流れによっては確率が変動します)

if響「はぁぁっ!!」

開始と同時、響さんはその脚力をフルに活かし私に向かって殴りかかってきました

翠「ぐっ...」

右からのストレート
私は左腕でそれの軌道を外に逸らさせつつ後退

if響「まだだよっ!」

しかし逃がさないとばかりに押してくる響さん
左、右、時に下から斜め上へ蹴り上げてきます

翠「かはっ...ガッ」

避け損ねた拳は脇腹を抉るように入り、さらに続けて来た蹴りが大勢を崩しかけた私の胸に
肺が圧迫され、さらにどこか血管が切れたのか鉄の味が口の中に広がります


夢姫『っ!翠さん!』

if友里『司令...』

if弦十郎『まだだ、まだ翠くんの目はタヒんでいない』

えぇ...目がタヒぬまでやるんですか...
とはいえ、まさしく手も足も出ない...

翠「ッ...」

のではなく、あえて出しません、今は

if響「だぁっ!」

響さんの攻撃は一撃一撃が必殺...殺されはしないでしょうが当たれば致命傷
それも高速で放たれます
ですがその動きは読めなくはありません

if響「はぁっ!!」

翠「ふっ!」

軌道を逸らさせ、掠らせ、受け流し、避ける
これをどうにか繰り返し、響さんの攻撃の法則性を探しました
いつかの手合わせ、それに少し前の『翠』と響さんの手合わせ...それらはこっちの響さんとは別人の響さんですが、共通点がないわけではありません
故に分析はそう難しくはない...

if響「避けて、ばっかりじゃ!」

翠「それは...」

響さんは優勢の時、その攻撃は彼女の生き様と同じ、最短で真っ直ぐに一直線に猛攻を仕掛けてきます
それは慣れてしまえば単調で、次何が来るのかは必然的に絞られてくるということ
唯一キツイことがあるとすれば慣れるまでの間は常に更新される鈍痛に耐え続けなければならないくらいですね

引き絞られた響さんの右腕
それはこのままなら1秒にも満たない次の瞬間には私の頬を貫いている、そういった軌道を描いています
その結論に至るが早いか、私は顔をほんの少し後ろに逸らせました

if響「やあぁっ!!!」

予想した通りの軌道
その拳は私が顔を逸らしたことにより頬を掠めるだけにとどまります
しかし掠めただけでも油断すれば首が持っていかれそうなほどの威力
私は踏ん張...

翠「どうでしょう...」

ることなく、その勢いに身を任せて反時計回りに回転

翠「ねッ!!!」

その動きを回し蹴りに繋げ、拳を振り抜いた直後の隙だらけな響さんの鳩尾を蹴り抜きました

if響「お゛っ...」

防ぎ損ねまともに蹴りを、それも鳩尾に喰らえばどうなるのか
かつて私が『翠』の視界越しに見た時と同じ光景が今私の目の前で起ころうとしています
胃の中の物が一気に駆け上がり、そして...


コンマ下
奇数 きちゃない!避ける!
偶数 避けられない!
ゾロ目 否!お前がリバースするんだよ!

if響「ゲェぉ...」

ダムは遂に決壊し、口一杯に溜められたそれは私の方に向けて吐き出されました


びちゃっ...


翠「ぎっ...~ッ!」

頭上から被り額から伝うそれはドロドロともサラサラとも言い難い液体状の感触、そして特有の酸っぱいようななんとも言えないただこれが臭いということなんだと脳が瞬時に判断する匂い
咄嗟に目と口を閉じた為最悪の状態にはなっていませんが、正直すぐにでもシャワーを浴びて思いっきり頭から何から何まで全身洗いたいです


if切歌『アタシのジャージがぁ!』

if調『どんまい切ちゃん』

if友里『未来ちゃんがいなくて良かったわね...』


目の前にはお腹を抑え口元を拭う響さん
前に『翠』に今と同様吐かされていた翼さんもそうでしたが、やはりこの程度(この程度?)では戦いを放棄するに値しないようです


どうする?安価下

(if切歌「ジャージ...」

if弦十郎(...切歌くんのジャージは買い替えも検討しておくか))

今ここがチャンスっ!

翠「しっ!」

私は口元を拭う響さんの手を掴み、一気に引き寄せました
真っ直ぐ伸ばされる腕、私が狙うのはその肘
反対の手のひらの根元近くをそこに当て、一気に腕を響さんの関節の曲がる方向と逆に曲がる向きへ垂直に押し出しました

if響「ぐっ...あぁあ゛っ!?」

ミシッ...と嫌な音が聞こえましたが、所詮は二本のうち一本の腕が動かしづらくなっただけ

if響「っふぅ...せやっ!!」

そう物語るように響さんは片腕を掴まれたまま腰を捻ってこちらを向き、逆の手で私の肩を掴んできます

翠「まずっ...!」

掴んでいた響さんの腕を離し、私の肩を掴んできている方の腕を両手で引き剥がそうと...固っ!そして痛っ!

翠「せい...のっ!」

if響「わわっ!」

床を蹴り上げ両脚も響さんの腕に絡ませ、その勢いで響さんの体制を崩させつつ力が緩んだところを肩を離させました
そしてすぐにやや距離を取り、仕切り直します

if響「ふぅ...やるね、翠ちゃん」

片腕潰した筈なのに涼しそうな顔をされるとこっちは若干絶望するのでもう少し辛そうな顔してもらえると
しかし、『やるね』ですか

翠「はぁ、はぁ...そう言ってもらえると、嬉しいですね」

好きなアニメの主人公
多少なりとも憧れなかった筈もなく
思えば、ししょーに師匠になってもらったのも、そんな憧れからだったのかもしれません

翠「映画観て飯食って寝る、鍛錬はそれで十分です...なんてね」

if響「っ!」

私はししょーがよくやる構えと同じポーズを取り、そう言ってみました
私の師匠も貴女と同じですよ、と言わんばかりに


if弦十郎『今のは...まさか』

ifクリス『えぇ...アイツもそういう感じなのか?』

夢姫『いえ、翠さんは映画を観て強くなるっていうのはやってみても上手くいかなかったらしいですわ』

残された方の腕で拳を握り直し構える響さん
もう片方の腕も使えなくはないはずですが流石に痛むのか使おうとしていません

if響「はぁぁっ!」

繰り出される拳、しかしそれはもう見切りました

翠「ふっ!」

if響「せいっ!やぁっ!」

翠「よっ!」

片腕だけとは思えないほどのスピードですが、それでも慣れてしまえば遅く感じます
拳を手のひらで突っ張り弾き躱していき、そして

翠「せいっ!!」

if響「ぁっ」

強めに弾くことで遂にバランスを崩した響さん
すかさず私は肘を曲げた腕を下から彼女の顎目掛けて

翠「だぁぁっ!!!」

if響「がふぅっ!」

ねじ込みました


コンマ下
奇数 当たりどころが良い(悪い?)、完全勝利!
偶数 まだだっ!続行

入った...!
そう思ってしまったのがフラグだったのか

if響「ぐっ...ぐぎぎっ...」

翠「嘘っ押され」

if響「?ぅんっ!」

顎を殴られた響さんはその殴った私の拳を顎で押し返し、思わず一歩引いてしまった私のお腹へお返しとばかりに

翠「かはっ...」

膝蹴りを喰らわせてきました

if響「っはぁ、はぁ...」

翠「ぐぅっ...ふぅ...ふぅ...」

そろそろいい加減こちらも限界...形勢逆転とばかりに畳み掛けましたが、今のでいけなかったとなると
私も響さんも、足取りが段々と覚束なくなってきました
この瞬間身体が蓄積されたダメージを再確認させ、あえて無視していたのをやめさせたのでしょう

if響「ッ...ガァァッ!!」

翠「アァァッ!!」

まるで示し合わせたかのように
私達はこれが最後だと言うかのように、同じ動きをしました
殴ろうにもロクに腰に力が入らない、蹴りも同じ、なら後は何が残っているのか

後はもう、この頭だけ

頭突きと頭突きがぶつかり合い、ガンッ!!!と大きな音が部屋に響き渡ります


翠ちゃんコンマ下1
if響さんコンマ下2
(コンマが大きい方が勝ちですが、ゾロ目だった場合相手より数値が低くても勝ちになります)
(怒涛の優勢ボーナスと相手の頭部へのダメージボーナスにより両方ゾロ目の場合翠ちゃんの勝ちです)

私と響さん、お互い石頭等ではないと思いますが、それでもまるで壁や電柱に打ち付けたかのような...それ以上の衝撃が前頭部を襲い脳が揺らされるのがわかります

翠「...」

if響「...」

しばしの間...1秒か1分か、あるいはそれにも満たない一瞬だったのか
静寂の中、フッと私の視界と意識はブラックアウトしていきました


どさっ

どさっ

コンマ下
ゾロ目以外 特になし(目が覚めたらアスクレピます)
ゾロ目 ???

(夢姫「さて、わたくしは翠さんをシャワー室へ運んで翠さんに付いている汗や血や諸々を流してきますわ」

ifクリス「...はぁ、んじゃアタシはあのバカの担当な」)

・・・

翠「...っは!」

目が覚めると、私はベッドに寝かされていました

翠「ッ!...いっ...たぁ...あー、そうでした...」

起き上がろうとした瞬間全身に痛みが走り敢え無く仰向けの状態に戻ってしまいます
確か...こっちの響さんと手合わせすることになって、それで

翠「...負けました、ね」

...また、勝てなかったか~
やっぱりなという気持ちもあれば、悔しいという気持ちもあって

翠「届かない...遠いです」

少し痛むのを無視して天井...目の前に向けて伸ばした手
その先に見ていたのは...

翠「こんなに鍛えても、やっぱり届きませんか」

必死で喰らい付いて、?いて、それでも
あぁ、悔しい、悔しいですね

・・・

気持ちを切り替え、現状の確認を
まず身体を起こせないほどに全身ボロボロなのはまぁ響さんと手合わせするってなった時点でわかってました
服は...変わってますね、またまた病衣
それに髪も顔も身体も汚れが綺麗さっぱり落ちています

翠「洗った記憶はない...無意識のうちに?まさかまた誰かが私に乗り移って」


ガラッ


夢姫「違いますわよ」

部屋へ入ってきたのは夢姫ちゃん
なるほど、つまり夢姫ちゃんが洗ってくれたってことですか

翠「ごめんなさい、洗わせちゃったみたいで...」

夢姫「本当ですわ、洗うのはまだしもボロボロで痣だらけ傷だらけの翠さんは見ていたくありません!」

うっ...そんなに言われるほど酷い状況ですか今
病衣の下が怖くて見られないんですけど

夢姫「それは響さんも同じですけれど...とにかく!翠さんと響さんのおバカなことをして出来た怪我はとっとと治すに限りますわ!」

翠「はい、ごめんなさい...そうですよね」

これで何かの拍子に今の響さんを未来さんに見られでもしたら私は今度こそ終わりの時です


何かする?安価下
(特になければ早速アスクレピます)
(なお何かするにしてもまともに動けない為精々話すくらいです)

***

ネロ「どうして夢姫さんが治してあげないんです?」

夢姫「あ、起きたんですのねネロさん...だって今回は完全に翠さんも響さんも意味のない力比べの所為、自業自得ですし...いくらわたくしが翠さんのことを大切に思っていても、甘やかすばかりではダメだと思うんですの」

ネロ「治すなら自分で治せ、と」

夢姫「それにわたくしが装者ということはまだこちらの誰にも話してませんし...隠すことでもありませんけど、わざわざ晒すことでもない、とフィーネさんも言ってましたわ」

***
と、一応そういう感じです
安価で夢姫ちゃんがギア纏って何かするような内容が来たらそこで装者であることが判明します

安価下

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