【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「MDR」 (1000)

このスレは「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」第一話まで見ていた少女、蒼井翠ちゃんが「戦姫絶唱シンフォギア」の世界に転生して、月を破壊する為に頑張ったと思ったら並行世界に飛ばされたりゆゆゆコラボやとじみこコラボを交えて突っ走るスレです
シンフォギアのアニメの無印、G、GX、AXZ、XV、スマホゲームのXD、勇者であるシリーズ、刀使ノ巫女シリーズのネタバレを含みます


女神「因果は巡る糸車、明日はわからぬ風車」

翠「...」

1スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 - SSまとめ速報
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2スレ目
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3スレ目
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5スレ目
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「AXZ」 - SSまとめ速報
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6スレ目
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【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「戦」 - SSまとめ速報
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8スレ目
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9スレ目
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10スレ目

11スレ目

12スレ目
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『翠』「たぁぁっ!」

マリア「はぁっ!」

正面から押し寄せるアルカノイズの群れ
イミテーター(シュルシャガナ)を纏う『私』とアガートラームを纏うマリアさんは、それぞれアームドギアを手に活路を開いていく

ネロ「微力ながら...ランチタイムと行きましょうっ」

倒し損ねたアルカノイズは、『私』達に付いて来る形になったネロさんが右腕に生やしたネフィリムの頭で食らいつき捕食、吸収していった

『翠』「分かれ道!右と左どっち!」

ネロ「右から人の気配...あーでも左からも若干?」

マリア「どっちにもいるということ?」

ネロ「黒服に回り込まれた可能性と風鳴訃堂がいる可能性も」

それくらいは嗅ぎ分けてほしかった
わかることは右に曲がった方の部屋には確実に誰かしら人がいて
左の部屋にはいるかもしれない、程度の反応ということ



安価下1
1 二手に分かれる(『翠』ちゃんとどちらが組むか記述)(『翠』ちゃん一人で、というのも可)
2 全員でどちらかに行く

安価下2
1 右に行く
2 左に行く
(安価下1が1の場合『翠』ちゃんが含まれる組が行く方になります)

(翠「今日は切歌さんのお誕生日!悩んだ結果エルフナインちゃんと『翠』と合作で調ロボMk-2を作るって案が出ましたけどどうでしょう」

『翠』「変形合体は欠かせないよね、うん...でもこの変形の仕方は切歌さん泣くんじゃないかな、いくら調さんの許可取ったっていっても...やっぱここは調ロボMk-2の目と髪が金色になる仕掛けをだね?」)

『翠』「右からは人の気配がして、左からは気配がするような気がする、つまりそういうことだよね!?」

ネロ「えぇ、人の気配というか人のような気配というか」

『翠』「ならここは右...と見せかけて左っ!」

先頭を行く『私』は左の廊下に曲がった

マリア「ちなみに理由は」

『翠』「勘!」

こればかりは本当に勘だ
お約束として考えても、ネロさんの察知したものが当たっている場合、そしてネロさんのことを考慮してそれを逆手に取った罠を張られた場合、どちらも考えられる
ただ、意図的かはともかく霊的なものを弱体化させるような場所を根城にする訃堂のことだ、後者の可能性は十二分にあり得る

『翠』「最悪ハズレたら来た道戻ればいいし!」

ネロ「それはフラグというやつでは?」

そうこうしているうちに扉が見えた

『翠』マリア「「せーのっ!!」」

息を合わせた拳で扉をぶち破る

殴ってから気付いたけどこれ扉のすぐそばに誰かいたら重傷になるね...うん、装者だったらアスクレピながら謝ろう、そんなことより

扉の向こうには...


響「『翠』ちゃんネロちゃんっ!」

切歌調「「マリアっ!!」」


YES!ビンゴ!
響さんに切歌さん、調さん、翼さん、後何故か未来さんも!

『翠』「良かった...」



コンマ下
奇数 だけとは言ってない
偶数 流石にもう何もない

「へー、本当に来れたんだ!おねーさんたち!」


次の瞬間、悪寒と共にヒュンッと空気を斬る音が聞こえた

ネロ「危ないッ!」

振り向くと、ネロさんの右腕のネフィリムの口で刀の刃を掴んでいる
そしてその刀を振るっていたのは


結芽「ちぇーっ、受け止められるなんて思わなかったなー」


淡いピンクの髪を揺らす幼い刀使だった

『翠』「うわ出たよ」

結芽「何それひっど!」

あ、声に出てた
いやいやそんなことよりこの目の前にいる敵対心...というか好奇心?丸出しのロリ刀使が問題だよ何でいるの!?いろんな意味で!

結芽「まぁいいや、そんなことよりおねーさんたち...一人おねーさんじゃないのもいるけど」

ネロ「...」

結芽「おねーさんたちは強いの?強いんだよね?」



安価下
1 バトル!
2 とにかく逃げる隙を探る
3 話し合おう!(高難度判定)
4 その他(記述)

ネロさんの握力(咬合力?)をものともせず御刀...ニッカリ青江を取り返し今にも斬りかかってきそうな少女は燕結芽
刀使界では神童と呼ばれ、その実力は可奈美ちゃんにも匹敵するとかしないとか...

結芽「ね?もっと遊んでくれるよね!」

『翠』「待った!待ってください!」

結芽「んー?」

とにかく問答無用で斬りかかられたら相手出来るかわからない、少しでも彼女のテンションがMAXになるのを長引かせて打開策を

『翠』「...紫様」

結芽「?」

この際『私』が知らないはずの事とかも使おう、皆には後で誤魔化せばいい

『翠』「折神紫様がシンフォギア装者に攻撃しろと命令するとは思えないんですが?」

彼女が耳を貸すとしたら紫様関連くらいしか思いつかない、それくらい自由奔放な子だ

『翠』「というか貴女何故ここに?」

結芽「んー...」



コンマ下
奇数 確かに紫様は言わないかも
偶数 紫様って誰?

結芽「確かに、紫様は言わないかもー」

よし、反応は悪くない!

結芽「何でって聞かれてもこっちが聞きたいくらいだけど、でも~」

『翠』「後で飽きる程相手してあげるから!今は見逃して!」

このまま畳み掛ける!



コンマ下
01~30 それはそれとして殺さないから遊ぼう!
31~60 仕方ないなー
61~98 ちょっとくらいなら紫様も許してくれるよねー!
ゾロ目 じゃあ後で私の言うこと何でも聞いてよ!(強制)

結芽「わかった!」

『翠』「よっし!」

わかってもらえた!

結芽「絶対殺さないようにするよ!だから遊ぼう!おねーさん!!」

わかってもらえてなかった


ヒュンッ


『翠』「危っ!」

最初の一手は寸止めでも首狙いかなと予想付けてなかったら対応出来てなかったよ、本当に厄介だね迅移は!
ヨーヨーの糸で御刀の刃をどうにか受け止めた『私』は、そのまま腕を回して糸を巻き付かせる

結芽「あ!それずるいよ!」

そりゃ闘う気満々の子相手にズルもするよ!

『翠』「ッ...?」

ふと、例の首飾りが反応していることに気付いた
もしかしてキューブが近くに...

結芽「むー、もしかしておねーさんは弱いのー?」

っと、そんな場合じゃない
糸が今にも断ち切られそう


安価下1
1 あの人が一番強いよ!(誰を指名するか記述)(この場にいる人限定)
2 『私』は強いよ!(戦闘開始)

どう戦う?安価下2以降
(安価下1が1の場合は翼さん以外はギア有りとします)
(安価下1が2の場合は『翠』ちゃんのギアチェンジ可とします(トツカノツルギ、勇者ギア、アメノオハバリ、フツノミタマは不可))

undefined

実際のところ、『自分』のことは胸を張って自画自賛出来るほど強いとは思っていないけど
この子の相手を他の誰かに押し付ける、なんてことはしたくないし
何より今ここで刀使の相手が出来る純粋な剣使いは『私』だけ

『翠』「いいや...『私』は強いよっ!」

『私』は腕を先程と逆に回し、御刀の刃から糸を解きながら上に押し上げた
結芽ちゃんはその勢いに合わせてバク宙し一度距離を取る
もう一度来られる前に!


「Imyuteus amenomurakumo tron」


イミテーターと交換して纏ったのはアメノムラクモ
振りかぶりながら手元に生成したアームドギア...天叢雲剣で再び襲い掛かる結芽ちゃんのニッカリ青江を受け止めた

結芽「また防がれた...へぇ、おねーさん御刀...じゃないけど、剣も使えるんだ」

『翠』「むしろこっちがデフォルトでね」

結芽「なら丁度いいね!」

いい笑顔
向けられたこっちは生きた心地がしないけど

マリア「『翠』っ!」

ネロ「『翠』さん!」

『翠』「いいから皆の手錠とかやっといて!あと部屋のスペース空けて!」

目で捉えるのも大変な超スピードを相手にどうにか打ち合えてるけど、それは一対一だからだ
他の誰かと協力したとして、連携もフォローも多分咄嗟に出来ない
それに結芽ちゃんなら手出しさえしなければ他の皆にまで襲い掛かったりはしないはず

結芽「きゃっはははははっ!!アハハッ!きゃはははははっ!!!ははっ!うはっ!!あははっ!」

『翠』「っ、くぅ...!」

『翠』「でもっ!」


ギィンッ


段々と目が慣れてきた
少なくとも見失うことはないくらいには
こっちだって伊達にバーテックスとか勇者様相手に鍛えてないんだ!

結芽「アハッ!そう来なくちゃ!楽しいねおねーさん!」

『翠』「そりゃ良かったよ!」

こっちは全然楽しくないけどね!何で笑いながら戦ってる人ってこんなに怖いんだろう、ネロさんとかティキちゃんとかどっかの天才アーティスト魔法少女とか
絶えず声上げて笑い続けながら戦うってかなり体力要りそうだけど...え?むしろ有り余ってるの?無尽蔵なの?

『翠』「ッハァ!!」

御刀を退いた直後、間髪入れずに斬撃を飛ばす

結芽「ハハッ!」

そしてそれを当然のように真っ二つに斬り裂いて向かってくる結芽ちゃん

結芽「そこっ!」

下からの喉を狙った突き
殺さないとは言っていたからそれを信じるなら寸止めかギリギリで逸らしてくれると思うけど

『翠』「させないッ」

天叢雲剣とは別に新たに短剣を生成し、御刀の延長線上に構えた


『剣刃ノ防壁』


すると短剣の先からハニカム構造の障壁のようなものが広がり、御刀の刃を弾く

結芽「ッ!?」

忘れてるかもしれないけど、こっちはこういうのがあるシンフォギアだよ結芽ちゃん

『翠』「決めるッ!」

結芽「まだっ!」



『翠』ちゃんコンマ下1
結芽ちゃんコンマ下2
(コンマが大きい方が勝ちですが、ゾロ目だった場合相手より数値が低くても勝ちになります)
(両方ゾロ目なら大きい方が勝ちとなり、同じ数値なら引き分けです)

障壁を展開していた短剣をそのまま放り、姿勢を低くして結芽ちゃんの懐に天叢雲剣の刃を滑り込ませた
結芽ちゃんは即座に腕を下ろしそれを叩き落とそうとするが


ズバッ...!


間一髪、『私』の方が速かった

結芽「うッ...」

結芽ちゃんの身体が...正確には写シが胴体のところから斬れ、結芽ちゃんが膝をつく

『翠』「疲...れた...」

それと同時に『私』も倒れそうになったところを、床に剣を刺して支えにしてどうにか耐えた

結芽「...アハッ、やるじゃんおねーさん」

『翠』「お気に召した?」

結芽「でも悔しー!!!ね、もっと遊んでよ!次は私が勝つ!」

『翠』「えぇ...」

本当に体力無尽蔵かこの子は
...そういえば、咳き込んだり血を吐いたりする様子はない

燕結芽ちゃんは、生まれつきの病気を紫様に勧められた通りにノロを投与することで病弱な身体を克服している子だ
ただ病気そのものは完治しておらず、無理に動けば悪化は止められない
それでも刀使として暴れていた結果血を吐くほどになり、最終的には...

そんな彼女だけど、紫様を知っているということはノロは投与している段階のはず...いや、そもそも病気になっておらずただ強い刀使になった平行世界もあるかもしれないけど、でもそんな上手い話があるかな

結芽「ね!いいでしょ!」

おっと、そんなことよりとりあえずどうにかここを切り抜けねば
正直第二ラウンドは御免被りたいんだけど



安価下
1 仕方ないから第二ラウンド
2 協力してくれたら全部終わった後にまたやろう
3 知るか!やらん!サラダバー!

ネロ「『翠』さん、そろそろ」

調「うん、いつ誰が来るかわからないし」

そう、『私』の体力云々の前にこんな事をしている場合じゃない
何せここは敵地の中、皆と合流出来たとはいえここから脱出出来て初めてこっちの勝ちだ
だからいくら結芽ちゃんが頼んできたところで

結芽「おねーさん!」

頼んできたところで

結芽「遊ぼ?おねーさん...」

頼んで...

結芽「おねーさん...」

...

『翠』「...うぅ...後一回だけだかんね!」

マリア「『翠』ィ!?」


どう戦う?安価下
(ギアチェンジは一応可能です)

結芽「やったー!早速やろー!」

仕方がない、これは仕方がないことだ
原作知識...といっても翠の記憶の中にあるものだけど...を持っている『私』は、彼女の立ち合いに対する拘りがただの趣味ではないことを知っている
あれは謂わば彼女の生きる意味そのものなんだ
だから決して結芽ちゃんの上目遣いに負けたわけじゃない

『翠』「まぁ」

おねだりする姿に、もう会えないいつかの妹の姿を重ねなかったと言えば嘘になるけれど

結芽「アハッ!」

剣を地面から引き抜き構えた『私』を見て準備が整ったのを察した結芽ちゃんは、御刀を構え写シを貼ると一直線に向かってきた
第一ラウンドと同じ、迅移も用いての攻めのスタイル
さっきはその攻めに対して受け切りカウンター重視で行ったけど

『翠』「ふっ!」

結芽「!...あははっ!」

今度はこっちからも行かせてもらうよ!

真正面から向かい合うように地面を蹴った『私』は、彼女の御刀の刃を剣の刃で滑らせるように受け流しすれ違う
そして振り向き様に横一線を放てば彼女もまた即座に振り向き前方にバク転、『私』の懐に潜り込み第一ラウンドのお返しとばかりに御刀を振るってくる
後方バク転でそれを避けつつ距離を取った『私』は剣を突き出し、彼女の御刀と刃を重ね上へ捻り上げた

結芽「ハハッ!もうそれ知ってるよっ!」

御刀が手から離れてくれればあるいは、と思ったけど
結芽ちゃんは御刀を離すことなく、逆再生のように御刀を『私』の剣ごと捻り元の場所まで戻す

『翠』「だったら!」

必然的に再び上にある『私』の剣の刃
それをそのまま振り上げ結芽ちゃんの胴体を狙う

結芽「アハハッ!アハッ!」

結芽ちゃんは仰け反り御刀を持ち上げた
御刀は『私』の剣に当たり、『私』の狙いは外れてしまう

結芽「どーんっ!」

『翠』「うっ、ぐぅっ!」

そのまま振り下ろされる刃を、手首を無理矢理外側に向け剣を捻り込ませ止めた
今度はこっちが!
御刀の刃に沿った形で剣を滑らせようとすると

結芽「負けないッ!」

それすら留め押し潰そうと下ろす手に力を込めてきた



『翠』ちゃんコンマ下1
結芽ちゃんコンマ下2
(コンマが大きい方が勝ちですが、ゾロ目だった場合相手より数値が低くても勝ちになります)
(両方ゾロ目なら大きい方が勝ちとなり、同じ数値なら引き分けです)

『翠』「ぐ...あぁっ!」

安定した持ち方ではなかったのもあって、遂に結芽ちゃんの力に耐え切れず『私』は剣を手から離してしまう

結芽「はっ!」

結芽ちゃんはその隙を見逃す事なく御刀を振り上げ


ピタッ


結芽「今度は、私の勝ちだよね!」

首筋ギリギリで刃は止められた

『翠』「...完敗」

流石、と言ったら一度は勝っているから嫌味に聞こえてしまうかもしれないけど、彼女は強かった
対処出来てるように見えて息も絶え絶えな『私』に対してほとんど息を乱していないその姿を見ればその差は歴然だろう
あるいは、真剣勝負と捉えている『私』と遊びと捉えている結芽ちゃんの意識の差か...いや、これに関してはきっと違う、結芽ちゃんは『私』以上にこの戦いに拘っていたと思うから



結芽ちゃんコンマ下
奇数 満足
偶数 他の強い人とももっと遊びたい!

響「『翠』ちゃん大丈夫!?」

『翠』「大丈夫大丈夫、最後も寸止めだったし」

マリア「ヒヤヒヤさせないで...今度こそ本当に先を急ぐわよ」

追手こそまだ来ていないけど、それが『私』達を見失っているからなのか見逃してもらえてるからなのかはわからない
その上こんなにドンパチやったのだから仮に前者でもここに留まっているのは危険以外の何物でもないだろう

『翠』「わかってる」

見れば、捕まってた皆も準備万端のようだ
翼さんもマリアさんの生存を確認出来たからか、完全復活とまではいかないものの大分元の調子を取り戻している
『私』はといえば...マリアさんに慰めてもらったこと、そして結芽ちゃんとの立ち合いでかなり吹っ切れたと思う
あぁ、そうだ

『翠』「ここで会ったのも何かの縁、結芽ちゃんも一緒に...」

一緒に行かないかと、そう尋ねようと振り向くと

『翠』「...ぇ?」

彼女の身体が、向こう側の壁が見えてしまうほどに透け始めていた

結芽「...うん、薄々はね、わかってたんだ」

『翠』「何、を」

結芽「1回目勝てなかった、私より強いおねーさん、でも今度は勝てた、私より強いおねーさんに勝つ事が出来た...今すっごく嬉しい!」

さっきまでのギラギラしたのとは違う、心からの笑顔で

結芽「ね、おねーさん、お願い...私が強かったってこと、いっぱいいーっぱい!広めてほしいんだ!」

...あぁ、『私』も、なんとなくわかってしまった
もしここでそのお願いを拒絶したら、彼女は怒ってその場に留まってくれるだろうか
いいや、多分留まってはくれない、悔しそうな、あるいは悲しそうな顔を浮かべて、それでも一度満足してしまったから、消える事を止められはしないだろう

『翠』「...約束する、貴女がどれだけ強い刀使だったのか、必ず語り継ぐ」

だから『私』は、そのお願いを聞き届ける


結芽「アハッ!ありがとうね!装者のおねーさん!」


そうして彼女...燕結芽ちゃんは、鞘に収まった自身の御刀を残し消えてしまった

・・・

消え行く彼女が残した物はニッカリ青江だけじゃなかった

『翠』「...やっぱり」

彼女の中から出てきた物、それは一つの立方体
水色のキューブ

未来「あの子、一体...」

切歌「まさか、ゆ、ゆゆゆ、幽霊だったのデスか!?」

幽霊...多分似て非なるものだろう

『翠』「ネロさん、あの子はもしかして」

ネロ「えぇ、恐らくは彼女の御刀の残留思念にそのキューブが反応し、実体を得たものだったのでしょう」

残留思念、本人の霊体ではなく、例えば思い残した事、強い感情や思考等が物や場所に残ってしまった思念
近いもので言えばあの贈られた花に付与されていた千景ちゃん達だろう

つまりあの結芽ちゃんは本人ではない
本人の未練が具現化した、そういう存在だろう
結局本当の結芽ちゃんが救われたわけではない

『翠』「...あれで、良かったのかな」

彼女は満足していた、していたからこそ消えてしまった
でもそれは、幽霊が存在することを知っている『私』からすれば所詮残留思念とも思えてしまって

響「でも、『翠』ちゃんの手は届いてたよ」

ネロ「確かに大元の彼女を救えたわけではないでしょう、しかしあの残留思念もまた、彼女の一部です」

一部...それなら、『私』がしたことにはちゃんと意味があったのかな

『翠』「...絶対、語り継ぐからね」

『私』はキューブと共に彼女の御刀を拾い上げ、もう一度約束した



安価下
1 出口を探す!
2 シェム・ハの腕輪を探す
3 イベント判定
4 その他(記述) (その場にいないキャラの登場や活躍は内容によって判定を入れる場合があります、ご了承ください)

「Healing almighty Asclepius tron」


アスクレピオスにギアチェンジした『私』は、皆の...そして勿論『私』自身のも含め、傷を治していく
その傷のほとんどは訃堂との戦いで出来たものだ

『翠』「マリアさんは?神獣鏡もあるし治しとく?」

マリア「そうね...でも今がいつも以上に力が出せているのも事実、ここを出るまではこのままというのも手かもしれない」

未来「そういえばマリアさん、無事だったんですか?翼さんからその、撃たれたと聞いていたから...」

切歌「そうデスよ!心配通り越して絶望しかなかったのデス!」

調「セレナに続いてマリアまでって...翠達ならともかく」

『翠』「どういう意味!?」

調「いや翠と『翠』は生き返りそうだから...」

そんな寺生まれのT殿じゃないんだからポンポン生き返んないよ!...多分

マリアさんが如何にして一命を取り止め今に至るのか、マリアさんとネロさんと『私』によるその説明を聞いた皆の顔は揃って微妙なものだった
喜んでいいのかなんなのか...特にマリアさんが得意げなのが大きな要因だろう
得意げになっていいのはどちらかといえばネロさんだし、そもそも得意げになっていい延命方法でもないし

ネロ「それは置いておいて...皆さんにギアを」

傷の治療が終わると、今度はネロさんが皆にそれぞれのギアペンダントを渡し始める
ただそこで問題になるのがやはり

翼「私か」

『翠』「一応この中に入ってるとは思うんだけど...」

『私』がそう言って軽く振っているのは水色のキューブ
翼さんのアメノハバキリ、『私』のアメノオハバリとフツノミタマは恐らくここに入っている
そして戦闘時使おうとすればこのキューブは再び一振りの刀に姿を変えるだろうとも思う
しかし分離方法がわからない...

『翠』「うーん...翼さん、こっちは使えない?」

試しに渡してみたのは『私』のアメノムラクモのギアペンダントだった



コンマ下1
01~70 特になし
71~00 何か起こる

何が起きた?安価下2以降
(コンマ下1が71~00の場合のみ採用)
(翼さんがアメノムラクモに触れたときに起きたことの内容です)

(翠「まさかと思い!...その『まさか』って何なんでしょうか」

女神「振り向かないことじゃないですか?」

翠「若さ!」)

翼「何を今更...私がアメノハバキリ以外は適合していないことは知っているだろう、以前試した時も...」

『翠』「まぁダメ元で、アメノ繋がりとか八岐大蛇伝説繋がりとかあるし...ん?」

試した、というのは知らない情報だ
共有した翠の記憶を探っても思い至らない...まさか知らない間に勝手に?
ジトっとした目で訝しげに見てみれば、ハッとした顔をした翼さんがそっと目を逸らした

ま、まぁ今は不問としよう
とにかくアメノ繋がり、八岐大蛇伝説繋がりとは言ってみるものの、実はもう一つだけこの提案を持ちかけた理由がある
あの血縁相関図...消されていた箇所に入るはずだったのが『私』なら、あるいはと思ったのだ
セレナさんが使っていたアガートラームに、マリアさんが適合したように
けれどこの事は、察して言及しないでくれても、思い至らないでいてくれてもいい
翼さんのことは好きで今では家族のように思っているけれど、本当に家族と捉えるのにはまだほんの少し時間がかかるから

翼「仕方がないな...」

翼さんがアメノムラクモのギアペンダントを受け取る
しかし様子から、やはりアメノムラクモを纏うにあたって必要となる聖詠...胸の歌は浮かんでこなかったようだ

翼「やはり」

クリス「まぁそれでいいならザババ繋がりのシュルシャガナとイガリマも交換出来ちまうしな」

やっぱりそんな簡単にはいかないか
そんな風に小さくため息をつきギアを返してもらおうとしたその時

『翠』「へ?」

キューブが、反応し出していた
突然の事に思わず手を離してしまうと、キューブは重力に従って床に落ちる...ことはなく、ふわふわとその場に浮き上がり
翼さんの手元まで飛んだかと思うと、そこにあったアメノムラクモのギアペンダントを吸収、さらにキューブそのものも一つのギアペンダントの形へと変化していった

『翠』「何で...」



コンマ下
奇数 アメノオハバリ、フツノミタマは排出
偶数 排出されず

アメノハバキリ、アメノオハバリ、フツノミタマを吸収していたキューブは新たにアメノムラクモを吸収し、そのいずれも排出することなく一つのギアになってしまった

翼「これは...」

目の前に浮かぶそれを掴む翼さん
その反応だけで、そのギアペンダント(の形を模したキューブ)の聖詠が、胸の歌が浮かんだのだろうという事がわかる

『翠』「...今度は翼さんかー」

最初こそ『私』の力になってくれたはずのキューブは、次は結芽ちゃんを、そしてその次は翼さんを選んだ
そういうシステムではないのかもしれないが、何というかこう...捨てられた気分だ
いいけど...そもそもエルフナインちゃんにあげちゃってたやつだしいいけど...

『翠』「いや良くはないよ!」

響「うわぁ!?」

良くないよ!『私』のギア3つも持っていかれてるんだけど!?あれ後で返ってくるよね!?
はぁ...幸いギアは沢山持っている、戦えないことはない
それでも

『翠』「ムラクモ...」

アメノハバキリ、アメノオハバリ、フツノミタマ、それから彼岸花の花びら...すなわち千景ちゃんの力...大葉刈
それら4つは繋がりを推測出来る、だからこそ納得はしていた
けれどアメノムラクモはそこに含まれない...まさか本当にアメノ繋がり、八岐大蛇伝説繋がりで吸収されてしまったわけではないだろうし

『翠』「...」

まさか、いずれ全てのシンフォギアをあのキューブに吸収されてしまうのではないか
全部乗せアイテムはよくある話、けれどそれが本当に『私』達に扱えるものなのか不安にならないわけがない
そして吸収されたものが不可逆かもしれない...それが一番の懸念だ

『翠』「いっそ信頼出来る誰かの残留思念に居座ってもらう...?」

しかしそれも、いかに強い残留思念だろうとそうなった理由、心残りのようなものが解決してしまえば振り出しになる
気を付けていてもひょんなことから解決してしまうかもしれないし

翼「『翠』?」

『翠』「...うん、とりあえず翼さんは使えそうなら使ってていいよ、というか今は絶対に手放さないでほしい」

翼「あ、あぁ」

こんな時、あの謎の声の主に念話が飛ばせれば...考えても仕方がないけど、意味深な、それでいてやや分かりにくい事しか伝えず一方的にコンタクトを取ってくる声の主に心の中で悪態をついてしまう
せめて説明書くらい用意しておけー!

・・・

マリア「それで、方針としては出口を探す、でいいわね?」

ネロ「出口が見つからなければ、強行突破ですね」

響「壁でも天井でも!」



コンマ下
01~30 アルカノイズ
31~60 出口
61~90 アルカノイズ
91~98 風鳴訃堂
ゾロ目 ???

あれ、奇数だから排出される筈だけど…

はい

***
失礼しました>>50>>51はミスです
修正し>>52のコンマ判定を踏まえたものを改めて投下します
***

アメノハバキリ、アメノオハバリ、フツノミタマを吸収していたキューブは新たにアメノムラクモを吸収し、一つのギアになってしまった
代わりにアメノオハバリとフツノミタマを排出して

翼「これは...」

目の前に浮かぶそれを掴む翼さん
その反応だけで、そのギアペンダント(の形を模したキューブ)の聖詠が、胸の歌が浮かんだのだろうという事がわかる

『翠』「...今度は翼さんかー」

最初こそ『私』の力になってくれたはずのキューブは、次は結芽ちゃんを、そしてその次は翼さんを選んだ
そういうシステムではないのかもしれないが、何というかこう...捨てられた気分だ
いいけど...そもそもエルフナインちゃんにあげちゃってたやつだしいいけど...
幸いギアは沢山持っている、一番使い慣れているアメノムラクモが使えないのは痛手ではあるけど、まぁアメノオハバリとフツノミタマも返ってきたし
それでも

『翠』「ムラクモ...」

アメノハバキリ、アメノオハバリ、フツノミタマ、それから彼岸花の花びら...すなわち千景ちゃんの力...大葉刈
それら4つは繋がりを推測出来る、だからこそ納得はしていた
けれど今度はどうだろう、未だ返ってこないアメノハバキリとアメノムラクモに繋がり...まさか本当に八岐大蛇伝説繋がり?

『翠』「...」

もしもそういう、人間の勝手な解釈、区分分けに左右される選択をしているなら、あるいは解釈次第では組み合わせも多く考えられるかもしれない
ただ、今回のように意図せずして選択、吸収、融合が起きるとなると気が気でないのも事実

『翠』「いっそ信頼出来る誰かの残留思念に居座ってもらう...?」

しかしそれも、いかに強い残留思念だろうとそうなった理由、心残りのようなものが解決してしまえば振り出しになる
気を付けていてもひょんなことから解決してしまうかもしれないし

翼「『翠』?」

『翠』「...うん、とりあえず翼さんは使えそうなら使ってていいよ、というか今は絶対に手放さないでほしい」

翼「あ、あぁ」

こんな時、あの謎の声の主に念話が飛ばせれば...考えても仕方がないけど、意味深な、それでいてやや分かりにくい事しか伝えず一方的にコンタクトを取ってくる声の主に心の中で悪態をついてしまう
せめて説明書くらい用意しておけー!

・・・

マリア「それで、方針としては出口を探す、でいいわね?」

ネロ「出口が見つからなければ、強行突破ですね」

響「壁でも天井でも!」

念の為ギアを纏った状態で...と行きたいところだけど、曲がり角でばったり黒服の人達と衝突!なんてしてしまったら
生身の人間とシンフォギアを纏った装者、どうなるかは火を見るより明らかだ
勿論気を付けるけど、最悪挽肉が出来上がってしまう、折角のシチュエーションなのにロマンスの欠片もない
それならまだ即死の可能性が低い分、アルカノイズと衝突して分解され切る前に衝突箇所を斬り落としアスクレピる方がマシだ(マシかな?)

とか思っていたら

未来「!みんな、アルカノイズが!」

しまった...フラグだったかも



『翠』ちゃんどのギアで行く?安価下1
1 アスクレピオス(戦闘不向き?)
2 イミテーター(イグナイトなし)(何か模倣する際は何を模倣するか記述)
3 イミテーター(銀色のギア)
4 ミョルニル(イグナイトなし)
5 神獣鏡(他のギアと同時展開する場合はどれと同時展開するか記述)
6 フォーク
7 アメノオハバリ
8 レーヴァテイン
9 フツノミタマ
10 わっしーセット
(1、5、6、7、8、9、10はイグナイトも可、その場合は数字の他にイグナイトと記述してください)

どう戦う?安価下2以降

廊下を塞ぐアルカノイズの群れ
この家は一体どれほどの数を錬金術師から受け取っていたのだろう、あるいはレシピそのものを手に入れているのか
どちらにせよ、ここを鎮圧した暁には全て回収する必要があるからどっちでもいいけれど


「Stealer Imitator tron」


響さんがガングニールを、クリスさんがイチイバルを...とそれぞれがギアを纏っていく中、アメノムラクモが選択肢から外されていた『私』は戦闘時2番目に良く使っているギアを選んだ
少し前までは頻繁に使っていたが、勇者ギアを習得してからは出番が減っていた、そして今日2度目となるイミテーターだ

『翠』「これからはこっちがまた基本かな?」

そう言いながらも、やはり一番慣れているのはアメノムラクモ、使えないとなると途端に恋しくなってしまう

『翠』「コピー・アメノムラクモっ!」

なので結果として、アメノムラクモを模倣する事にした
手に馴染むアームドギアの天叢雲剣を構え、皆に並んでアルカノイズを斬り伏せていく


「Imyuteus amenohabakiri tron」


次に聞こえてきた聖詠は翼さん
早速あのキューブが変化したギアペンダント擬きを使うのだろう
聖詠からしてアメノハバキリになるのかな、そう思い翼さんの方に目を向けると、それは半分正解であり半分不正解だった

『翠』「...いつもと、少し違う?」

肌の露出がやや増えているのは置いておくとして
正面や腰回り等の所々の装甲が艶のない黒になり、腕には勾玉のような装飾、頭に巻かれた鉢巻を始め全体的に侍のような風貌に
そして何より両脚部に携えた刀...つまり二刀流になっていた

翼「感じる...これはアメノハバキリの力だけではない」

二本の刀を器用に振るい、着実にアルカノイズの数を減らしていく翼さん
『私』は役割をこなしつつ、イミテーターの能力でその翼さんのギアを解析する
そこに映し出された解析結果は

『翠』「ムラクモ...!?」

てことはあれは、アメノハバキリのムラクモギアになるってこと!?
ふと思い出されるのはマリアさんのアガートラームのガングニールギアだ
あれもガングニールのギアペンダントの中にある欠片が反応しアガートラームに変化をもたらしたもの...なら、今翼さんが纏っているのも同じように?

翼「ハァッ!!」

高い天井ギリギリから急降下してきた鳥型のアルカノイズを迎え撃つように、翼さんは両手の刀の刃の内側を合体させ巨大な一本の剣にして振り上げた
否、アレが天叢雲剣を模していたとすれば、元々二本の刀だと思っていたものは縦に両断されて片刃になっていただけなのか


『叢雲ノ一閃』


エネルギー波を纏い膨れ上がった刃
それを躊躇なく振り下ろすと、天井や壁を傷付けながら鳥型アルカノイズを簡単に一刀両断

クリス「うおっ!?」

むしろ振り下ろした所の近くにいたクリスさんが少し危なかったくらい

翼「すまない雪音、だが先を急ぐぞ」

クリス「お、おい!」

すると翼さんのギアがさらに姿を変える
今度は装甲とギアインナーに茶色が増え、ともすればどこかの学校の制服のようにも見える
しかし、ように見えるだけで恐らく元ネタとなるものは学校の制服ではない

切歌「さっきのちっちゃい子みたいな格好デス?」

折神家親衛隊の制服...切歌さんの言う通り、結芽ちゃんの格好に似ていた
というか多分それだろう、イミテーターのバイザーにもニッカリ青江及び使用者の能力が反映されているといった内容が表示されている

『翠』「刀使ギア...」

翼「ふっ!」

ニッカリ青江を模しているであろうアームドギアに手を添えた翼さんの身体が白い光に包まれ、走り出せばその後ろ姿は見る見るうちに小さくなっていく

響「翼さん速い!」

調「確か、迅移?」

マリア「まったく、一人で遅れを取り戻すつもり!?」

確かにあの翼さんの姿は見ようによっては焦っているようにも見える
けれどきっとそれだけじゃないし、その気持ちはわからなくもない

未来「マリアさんの、為?」

一度は溢しかけたものが、失いそうになった人がいる
ならば意識してか無意識か、その人にかかる負担を少しでも減らそうと身体が動いてしまうのは致し方ないことだ

『翠』「『私』もッ!」

クリス「ったく『お前』もか!」

迅移を使っている翼さんには流石に追い付けないけど、『私』も負けじと走り出し増え続けるアルカノイズを斬り捨てていった

翼「ハッ!」


『胡蝶雷迅』

しかしあのキューブ、消えてしまったはずの結芽ちゃんの力までまだ引き出せるなんて...翼さんは結芽ちゃんと恐らくそこまで交流していなかったと思うし、なら勇者ギアの時のように交流したことが反映したり相手のことをイメージしたり、というのではないと思う...となればやっぱりキューブの中に情報が残っている、というか記録されている?


《元のシンフォギアに戻りたかったら、キューブに思念体...イメージを送りなさい》


『翠』「っ、また!?」

戦闘中聞こえてくるのは、例の謎の声
またしても一方的なものだった

元のシンフォギアに戻る...?アメノムラクモを取り戻すってこと?それともキューブのギアをアメノオハバリやフツノミタマが吸収されていた時の状態に戻すことの方か...
今キューブのギア擬きを使っているのは翼さんだし、翼さんにこの事を伝えるべきかな?

『翠』「翼さん!...翼さん?」

そこに立っていた翼さんのギアは、ギンガムチェックの袴のような素体に艶のない黒の装甲
今度はどうやら、アメノオハバリとアメノムラクモの同時併用に近い姿らしい
ムラクモオハバリギアってとこかな

てか目を離した隙にまた変わってる...

翼「いざッ!」

翠の時は白黒だったギンガムチェックの色が青になっている
ギアの色が使用者によって変わることは珍しくないし、翼さんの心情がその色にアメノオハバリを染めたのだろう
しかしやはりというか...

『翠』「排出されたオハバリの力を...ね」

あのキューブ、少なくとも一度吸収したもののデータを記録しているようだ
後から授けられた...と思う...首飾りも、今思えばあのキューブの内部データを別の場所から観測する為に使うものなのでは?

『翠』「こんな物を積極的に使わせて、何させたいんだかあの猫耳は」

そうと決まったわけではないけれど、薄々そうなのではないかと思う心当たりを謎の声の正体に当て嵌め、それが当たっていた時の事を考えて『私』は冷や汗をかいた

翼「ハァァァッ!!!」



コンマ下
奇数 出口!
偶数 出口見つからず(強行突破に移行)
ゾロ目 AIさん合流

・・・

未来「あった!出口!」

アルカノイズを倒しながら進み続けた『私』達は、無事に出口までたどり着いた
運が良かったのか、それとも誘導されたのか

クリス「とにかく本部に戻んぞ!ここまで来て振り出しなんてやってられっか!」

ネロ「敷地さえ出れば宝物庫が使えます、走ってッ!」

屋敷を飛び出し、門を出てすぐ宝物庫の扉に駆け込む『私』達
目指すは風雲イリy...じゃなくて、S.O.N.G.の本部!



タギツヒメコンマ下1
奇数 健在
偶数 元の世界へ戻るところ
ゾロ目 撃破!

本部(外の状況)コンマ下2
01~25 皆無事
26~50 苦戦中(驚きの長期戦)
51~75 占拠状態
76~98 壊滅状態
ゾロ目 無事だけどそれどころじゃない

・・・

宝物庫を抜けると、そこは酷い有様だった
本部である潜水艦は床は水浸しで天井もほとんど残っておらず、壁は至るところから電線コードや鉄骨が飛び出し、ひっきりなしに色々なアラートが鳴り響いている

調「酷い...」

響「っ、皆は!」

こんな状態だ、全員無事に逃げ出してくれていればいいけど、少なくともししょー達は中々そうしない気もする
何よりここをこんな風にした相手が簡単に逃してくれるのかすら...


タギツヒメ「ん...何だ、遅かったなシンフォギア」


誰かいないか探そうとしたその時、タギツヒメの声が
聞こえてきた方を向くと、やはりそこにはタギツヒメ...

『翠』「タギツ...ヒメ?」

タギツヒメ...だと思うけど、記憶にある姿とは随分違う
特に肌の色だ、真っ白なはずの肌が『私』達のような薄橙になっている
まるで普通の少女のように

タギツヒメ「全て終わった、この世界にもう用はない」

ニヤリと笑い、空間に裂け目...恐らく隠世、そして刀使の世界に繋がる穴...を開けた


安価下1
1 追う
2 追わない

タギツヒメコンマ下2
奇数 何か持って行こうとしてる
偶数 特になし
ゾロ目 ???

何を持って行こうとしてる?安価下3以降
(コンマ下2が奇数の場合のみ採用)
(聖遺物でも哲学兵装でも人でもその他何でも(何でもとはいえ現実的に不可能に近い物(概念や巨大過ぎる物)や矛盾する物(元々シンフォギアの世界に存在しない物)等は判定が入る場合があります))

世界を渡ろうとしているタギツヒメ
その手に引きずる何かがあった
機械のような、人のような...

『翠』「!」

それは、左腕は最早人工皮膚が剥がれ落ち中の大破したサイボーグアームが見えてしまっているほどに
全身無数の傷を負った夏菜の身体
目は虚で、気を失っているのかそれとも...いや、そんなはずはない、気を失ってるだけに決まってる

タギツヒメ「我は寛容だ、追いたければ追えばいい」

『翠』「言われなくても!...ッ!」

脚を動かそうとすると、タギツヒメはこれ見よがしに夏菜の身体を持ち上げる
それは人質を取られていると『私』達に認識させるのに十分過ぎた

タギツヒメ「しかしあの娘は足止めにはならなかったか...今更関係ないが」

空間の穴に歩を進めるタギツヒメ
夏菜を取り戻す為にも追わなきゃ
でも、ここをこのままにして、その上無策のままで追い掛けたとして『私』にどうにか出来るのか
本部の惨状は風鳴宗家から脱出してきた『私』達全員でも手が足りないくらいには人手が必要になるだろうし

タギツヒメ「せいぜい我を前に抗おう等と思った貴様らを呪うがいい」

迷っているうちに、タギツヒメは姿を消し遂に穴は塞がってしまった



安価下
1 怪我人の捜索と手当て
2 刀使世界に行く為の方法模索
3 イベント判定
4 その他(記述)(その場にいないキャラの登場や活躍は内容によって判定を入れる場合があります、ご了承ください)

クリス「...くそッ!次から次にっ!」

クリスさんが行き場のない怒りをぶつけるように踏み付けた足下から、バシャッと音を立てて水面が広がった
ダメだ、どうしてこうなった
翼さんとマリアさんが連絡取れなくなって
助けに行ったネロさんも帰ってこなくなって
それを探しに行った先で『私』達が捕まって
帰ってきたら今度は夏菜が連れ去られた

『翠』「上手くいかない...ッ!」

でもその原因の一つは『私』だ
『私』の心が乱されたから、『私』達が捕まってしまったんだ
あそこでそうならなければ早くここに戻ってきて助太刀出来た筈なのに

マリア「必ず助ける、その為にも皆を探してここを最低限立て直し、向こうの世界に向かうわよ!」

こんな時、こうして判断をすぐに出来る人がいるのはありがたい
そうだ、まずはここにいるはずの皆を探さないと
そして怪我をしていれば手当てをして、夏菜を助ける

・・・

響「私達はこっちを!」

『翠』「わかった、『私』はこっち探す」

かくして、手分けして始まった生存者捜索
廊下もどこもかしこも瓦礫が多く、それに浸水している上に時々切れた伝染から火花が散っていて
言いたくはないけど怖い、感電とか火事とかが
シンフォギアは纏ったままとはいえ怖いものは怖い

『翠』「誰かいる~!?翠~っ!」

こんなにも酷い有様だ、一番いいのは皆でテレポートジェムを使って安全な場所に移動してくれていることだけど
そういうわけで、移動したという趣旨の書き置きなんかがないかというのも探しながら声を上げ続けた
ただ書き置きも『私』達が自力で風鳴宗家を脱出出来た前提だからあるかどうかは...
周りを見渡し、瓦礫を退かしながら進んでいると

『翠』「!」

こっちに走ってくるルシエドときりしらさん2号、そして上に乗ってる蛇達の姿が見えた

『翠』「無事だった良かった...」

まだ皆見つかったわけじゃないけど、少なくとも0ではなかったよ
と、よく見るときりしらさん2号が中身の入った風呂敷のような物を咥えてきていた

『翠』「コレは...」

風呂敷の中に入っていたのはいくつもの花...園子ちゃん達、勇者の皆の花だ

ソリッド「これらは入物こそ破られたが、奇跡的に無事であった中の草木だ、『主』よ」

花や草は、確かに濡れてしまってはいるけど無事な様子

園子《大丈夫、これくらいのことで私達は消えたりしないんよ》

それらを受け取った時、少し懐かしささえ覚える声が届いた

『翠』「...うん、良かった」

繋がりは、確かにここに残ってる
少なくとも園子ちゃん達との繋がりは
全てが終わってしまったわけじゃない



コンマ下
奇数 テレポートジェム使用跡と書き置き
偶数 怪我人多数死者無し
ゾロ目 死者有り
00 生存者無し
(ゾロ目の場合、その数値の1の位が死者の人数になります)

・・・

マリア「重症者から運んで来て!慎重に!...『翠』、お願い」

『翠』「うん」

結果から言おう、怪我こそしてるものの、本部にいた皆は全員無事に発見、救出出来た
アスクレピオス、イミテーターを使える翠や夢姫ちゃんは早い段階で目を付けられたらしく怪我もそうだし気を失っていて他の皆の治療を出来ない状態だったらしい
それでもあまり分散せず何箇所かで纏まっていたのはししょー達の迅速な判断と伝達のお陰だろう

とにかく『私』はアスクレピオスで片っ端から怪我を癒し手当てしていく

弦十郎「お前達も、無事で良かった...済まない、放置するような形になってしまって」

翼「いえ、現状を見ればここが如何程の戦場だったのか想像に難くありません...してお祖父様...風鳴訃堂の行方は」

ふと聞こえてきた会話は訃堂についてだった


コンマ下1
奇数 足取りはつかめてる
偶数 行方知れず
ゾロ目 遺体回収済み

コンマ下2
奇数 特になし
偶数 刀使6人から更に増えてる?

コンマ下3
奇数 有能狼ルシエド
偶数 そんなことはない

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弦十郎「幸い...と言っていいか分からないが、足取りは掴めている...今回のことで風鳴訃堂の実態も明るみに出た、準備が整い次第強制捜査及び逮捕が出来るよう八絋兄貴が根回しをしてくれている」

翼「そうですか...」

弦十郎「懸念されていたのは抵抗の意思を見せる際に向けられる可能性のあったアルカノイズ、そして人質として盾とされる可能性のあったお前達...だが後者は解決した、連絡手段がこうなってしまっている為すぐにその事を伝えることは出来ないが、代わりに緒川を向かわせる、いいな緒川」

緒川「わかりました、出立します」

聞こえてきた内容に、『私』は大きく溜め息をついた
といっても安堵の
足取りが掴めているということもそうだし、そもそもあの時...『私』が取り乱した時、訃堂は「儂は死んで護国の鬼と~」とか何とか言ってた気がする
だからもしかしたらあの時『私』は訃堂を殺してしまった、というか訃堂が殺されに来ていたのではないか、とも思っていたのだ
『私』の血筋云々の事実に関係なく翼さんやマリアさんにした事を思えば殺したいほど憎んでいるというのは嘘ではない
でもそれはそれとして、誰かを殺す、殺したかもしれないというのは、想像するだけでもあまり気持ちがいいものではなかった

『翠』「はぁ...」

『私』がした事で間接的に殺してしまった人はきっと沢山いる、それはわかっている
けれどそれとこれとで捉え方が変わってしまう『自分』が何だかとても醜く思える

『翠』「って、また関係ない事まで考えようとしてた...はい次の人~」

姫和「すまない、頼む」

重症者からとは言っても、一般人や職員さん達のような非戦闘員が優先されていたのは、彼女達刀使が決して浅くない傷を負っていたのに断固として先に傷を癒す事を拒んでいたからだ
次の戦いに備える為にもむしろ先に怪我を治して体力回復に専念した方が、とは思っても、良心が痛むらしい
単純に慣れているからというのもあるだろうけど

『翠』「やっと姫和さん達の番か、えっとひぃふぅみぃ...ん?」

確か6人だったはず...

『翠』「...そこのお二人はいつ合流なされたので?」

真希「...」

寿々花「ご迷惑おかけしますわ」

薫(刀使)「こいつらの紹介は必要か?」

一応お願いします
というか、片方は予想してたけどもう一人もこっちに来てたとかしらそん...

新たに増えていた刀使のお姉さんは獅童真希さんと此花寿々花さん
どちらも折神家親衛隊...元かな?...のはずだ



何か話す?安価下
(刀使メンバーとの質問内容や会話内容)
(その場にいないキャラの登場や活躍は内容によって判定を入れる場合があります、ご了承ください)

真希からは「タギツヒメが聖遺物に目をつけた事、人質を取った事は完全に予想外だった」
寿々花からは「あの子を攫ったのは少なからず意味がある」
腕輪と夏菜ちゃん、どちらを優先するべきか

大まかな、それこそ名前や刀使であること以外は紹介らしい紹介も必要じゃないからほとんどなかったけど、ひとまずの紹介はしてもらった
結芽ちゃんの時はそんな暇もなかったし聞いてないのに普通に名前呼んじゃったけど、先に聞いておけばふと名前を呼びそうになっても安心だ
ちなみに『私』達については姫和さん達によってもう紹介が済んでいた

ふむ、しかしこれはこれで好都合かもしれない
初対面の段階で姫和さん達仲介役がいることで、やり取りもある程度はスムーズに出来るだろう
知らない相手だからとりあえず敵対!バトル!和解!という流れは様式美としてはいいけど実際やると面倒この上ないからね

『翠』「あー...えっと...真希さんと寿々花さんは、いつこっちの世界に来たの?来た理由とか、ここまでの経路とか」

そう、まずはそこからだ
ある程度の前提を共有しておかないと噛み合わない会話になってしまう
そうなっても困らない(困る)のは渡部さんと大島さんだけだ



いつ頃来た?安価下1
(『翠』ちゃん達が◯◯していた頃、等の書き方でも可)
(ちなみに黒フードの刀使が初めて目撃されたのは翼さんマリアさんのライブの時です)

どんな理由で来た?経路は?安価下2以降
(あまりにも矛盾する内容(他の安価との矛盾と本スレのここまでのどちらに対しても)が出てこない限りは全部合体したものになります)
(矛盾する内容が出た場合は本人による訂正や変更が無い限り先に来た安価内容が優先されます)

真希「こちらの世界に来たのは少し前、12月の終わり頃だ」

寿々花「経路、来た手段については...そうですわね、他の皆さんとは違いますし説明致しましょう」

経路が違う、というのは想定内
もっとも真希さんはともかく寿々花さんについては来てると思ってなかったから最初は『私』達が捕まってる間に可奈美ちゃん達と同じやり方で来たのかなとも思ったけど

寿々花「わたくし達が用いたものは、突如出現したもの...ワープポイントのようなものです」

『翠』「ワープ...ポイント?」

ギャラルホルン然り、偶発的に発生したワープゲート然り、てっきり空間の中のようなものがまた出てきたのかと思ったけど
どうやら今回は地面に何かあるパターンみたい
それが台のようになっているのか魔法陣的なものが置かれてるのか空間が歪んでいるのかはわからないけど

寿々花「えぇ、そしてそこから異なる現世...こちらの世界に渡ったタギツヒメを追って来たのですわ」

真希「そもそも、タギツヒメの追跡が僕達に与えられた任務の一つだったからね...そのワープポイントも最初はタギツヒメが作り出したものかと思っていたけれど、調べていくうちにどうもこちらの世界の現世に発生した強力な磁場、そして僕達の世界の現世との差の大きさが互いに影響を及ぼし合い縺れてしまった結果かもしれない、と」

寿々花「つまり、異なる大きな出来事が、分岐点が処理し切れなかったのでは、という話でしたわ」

異なる分岐点と言われても、メタ的な視点を除いたとしても星の数ほどある
ただそれでもズバリこれ、と言えるものといえば

舞衣「そういえばこっちの世界って月が何だか...」

沙耶香「崩れてる」

エレン「割れた欠片が集まってるような感じに見えマスね」

可奈美「それが関係してるかもしれない?」

真希「可能性としては大きいだろう」

『翠』「ぁ~...」

そこかぁ
そこだよね...
まぁ待とう、確か12月の終わり頃とも言ってた、その頃は丁度南極で棺...そしてシェム・ハの腕輪を掘り起こした頃だ
きっとそっちが原因だよね、うん

姫和「それはこの際いいだろう、だがその前に、だ...何故私達が来てすぐに合流しなかった?いや、それ以前にシンフォギア装者...S.O.N.G.と合流するべきだろう」

薫(刀使)「任務って言ったな、それに理由の一つとも、つまりお前らにこそこそしとけって命令してたやつがいるわけだ」

寿々花「えぇそうですわ、貴女方ともこの組織とも今この時まで合流しなかったのはタギツヒメにわたくし達の存在を悟らせない為、そしてその任務を与えたのは」

真希「刀剣類管理局局長...紫様だ」

全員息を飲む、といってもこの中にその名前を予想しなかった人は一人もいなかったけど
『私』も含めて

真希「紫様はお前達に協力を仰いだのとは別に、僕達にも独自に任務を与えた、刀剣類管理局が進めていた二つの現世を繋ぐ装置の完成を待たずに先にタギツヒメの追跡をしておくこと、僕達の世界の現世に起きている問題を解決の為に聖遺物を扱える者達の捜索と見極め、可能なら支援を仰ぐこと、そして...いや、これはほとんど僕達の個人的なものだ、忘れてくれ」

『翠』「あっ...」

真希「ん?」

最後の一つ、それに当たるものに心当たりがある『私』は話の切り出し方に頭を悩ませていた
どこから話したものか...いやもう大体話すしかないかな、信じてもらえるかはわからないけど

『翠』「その最後の一つって...この御刀のこと、じゃない?」

『私』は全員の傷を癒し役割を終えたギアを解除し、背中に背負っていた御刀...ニッカリ青江を差し出す

・・・

ニッカリ青江は、タギツヒメが世界を渡る際に持ち去ったものだったらしい
その行方も含めての任務だったけど、優先度は残念ながら低かった...ただ、紫様が気を利かせて他の任務と同レベル扱いで命令してくれたのだろうと

結衣ちゃんの残留思念と二度戦ったこと、彼女の強さを広めてほしいと頼まれたこと、そしてそれを引き受けたこと
『私』は結衣ちゃんがどんな風だったかをなるべく事細かに話した
最初は懐疑的な目で見てこられてもいたけど、約束の話をしたあたりでそれもなくなっていた
各々思い当たる節や府に落ちたことがあったのかもしれない

真希「にわかには信じられない、けれど」

寿々花「結衣らしいですわね...」

こんな突拍子もない話を信じてくれたのはひとえに姫和さん達が事前に『私』達について話してくれていたからだろう

『翠』「彼女は自分の強さを少しでも多くの人に知って欲しがってた、自分がそこにいたという証を残すみたいに、広く沢山の人に」

そしてきっと、両親にいつか届いてほしいと

『翠』「信じてくれなくてもいい、でもそれならせめて、そっちの世界であの子がどれほどすごい刀使だったのか...そういうのを、広めてあげてほしい」

・・・

ニッカリ青江も無事渡せた
なら次はこれからの話だ
壊れた中でも幾分かマシだったテーブルを囲むのは『私』達装者にししょー達OTONA、姫和さん達刀使

『翠』「寝てなくていいの?」

翠「寝てたらこんな事になってたんです」

そんなわけで、翠と夢姫ちゃんも復活した
まぁ夢姫ちゃんは臨時要員だから安静にしてもらっててここには参加してないけど

真希「助けられなかった僕が言っても神経を逆撫でするだけかもしれないけれど...タギツヒメが聖遺物に目をつけた事、人質を取ったことは完全に予想外だった」

寿々花「あの子を拐ったのには少なからず意味があるはずですわ」

詰まる話、こちらの世界に残って風鳴訃堂が持ち出しているシェム・ハの腕輪を確保するか
それとも刀使の皆と一緒に世界を超えて、夏菜さん救出に参加するか
そういう二択だ



今後の方針安価下
1 神の力とか危険過ぎる!先にシェム・ハの腕輪関連
2 人質の命がかかってる!先に夏菜さん救出作戦
3 二手に分かれて同時進行
4 その他(記述) (その場にいないキャラの登場や活躍は内容によって判定を入れる場合があります、ご了承ください)(夏菜さんの安否に関係する内容ははっきりしてしまう内容はry)

翼「そちらの世界が今どういった状況なのかを確認することは出来ないのか?」

マリア「こちらの問題とそちらの問題、夏菜を助ける為に二手に分かれるとしてもその人選や人員が変わってくるわ」

薫(刀使)「オレ達が行き来に使っていた道もタギツヒメによって大破してる、直せりゃ行き来も通信も出来るようになるだろうが」

エレン「一度切れてしまっている現在、その為には私達の世界の座標を特定しなければいけマせん...難しくはありませんが、時間はかかってしまうでしょう」

ほぼ不可能、とかいう話じゃなかったのは幸いだけど、簡単ではなさそう
タギツヒメはこれも見越して本部を壊滅状態にまでしていったのかな

真希「僕達が使ったワープポイントも不安定なものだった、いつまで保つか...いや、タギツヒメがわざわざ自身の能力を使って隠世を通って姿を消したことを考えると、もう既に」

せめて誰かしらギャラルホルンを使ってこっちに来ていれば、繋がった世界の座標を記録出来ていたのに...いやその時はタギツヒメにギャラルホルンを狙われてたか

『翠』「黙って待つしか...ん?」

その時、服の裾を引っ張られる感覚があった
そっちに目を向けると、裾を噛んで『私』に目を向けるルシエドの姿が

『翠』「どうしたの?」

翠「ルシエド?」

ルシエドは裾から口を離し、首を捻る
背中を見てほしいらしい
ルシエドの背中に目を向けると、変形前の状態のフライユニット、そしてそれに有線接続されたAIさんが乗っていた

『翠』「いたのAIさん」

AI『いましたよ、というか未来さん!私のこと忘れてましたね!?」

そうなの未来さん!?

未来「あっ...ほ、ほら、ギアと一緒に取り上げられてたから...」

AI『この御犬様が気付いてくれてなかったらあの屋敷に取り残されてましたよ!』

犬じゃなくて狼だけどね
刀使の皆は急に喋り出した懐中時計らしきものに驚いてるけど、そこはスルーしてくれるとありがたい
ってそれより

『翠』「もしかして」

翠「もしかして夏菜さんがいる世界の座標がわかったりしますか!?」

『翠』「そうそれ」

何せAIさんは夏菜さん達がなくした記憶...というか、無かった事になった出来事の記録を保持していられるような存在だ
世界線くらいならもしかして

AI『つまりそういうことです』

翠「エレンさん!座標がわかれば修理は早く進むんですよね!」

エレン「い、イエース」

お手柄犬...じゃなかった、お手柄狼のお陰で、一つ懸念は解消されそうだ
こうして『私』に翠、エレンさん、エルフナインちゃん、S.O.N.G.の技術班の総力を結集させ、異世界同士を繋ぐ装置の修理が始まった



刀使の世界の現在の状態安価下

・・・

何とか稼働させられるくらいまで装置は修理出来た
AIさんの座標特定、そしてエレンさんがお爺ちゃんから装置の設計や仕組みを教えてもらっていたお陰だ
同じ祖父でもここまで違うかな...風鳴訃堂も見習え

エレン「あちらでは流石にまだタギツヒメは動きを見せていないようデス、他のヒメや荒魂に関しても、今のところ特に異常らしき異常は起きていないと...ただ、よくない雰囲気を感じるらしく、油断は禁物な感じデス」

油断禁物...雰囲気だけでそう判断するということは、それだけ空気の流れがおかしいってことだろう
これをセーフと見るかアウトと見るか...



安価下
1 先にシェム・ハの腕輪関連(夏菜さんは後回し)
2 二手に分かれる

『翠』《...もし、タギツヒメに動きがないのが何かを企んでいてそれに時間がかかっているとかなら、それこそ夏菜も危ない》

翠《えぇ、けれどそうでなかったとしたら...追ってくるであろう私達をわざわざ待っている、待たざるを得ない何か理由があったとしたら》

『翠』《『私』達がもう追えないとタカをくくってる可能性もある、装置を破壊した張本人だし》

翠《そもそも夏菜さんを何の為に連れ去ったのかもわかっていません、考察しようにもタギツヒメの考え方はあらゆる意味で推測し難い》

どう転んでも考えつくのは所詮は可能性の話だ
夏菜が無事でいられる保証はない、でも何も考えずに突っ込めば負ける
実際、ここにいる全員が大きなミスを犯したばかりだ

・・・

エレン「連絡はこまめに、出来るだけ多く取るようにしマス、何かあったら...いいえ、何かある前に向かえるように」

二手に分かれるのは今回の二の舞になる、ということ
このままでは仮に全員でタギツヒメに立ち向かっても勝ち目が薄いこと
タギツヒメに比べれば、手負いの風鳴訃堂の方が
そんな消去法混じりの判断で、先に風鳴訃堂の拘束及びシェム・ハの腕輪の奪還をすることになった

翠「夏菜さん...」

夏菜のことが心配でならない
でも今は、その焦りを力に変えるしかない



誰視点?安価下1
1 『翠』ちゃんで続行
2 他の人の視点にチェンジ(記述)

風鳴訃堂拘束&シェム・ハの腕輪奪還作戦内容安価下2以降
(風鳴訃堂の足取りは掴めています)

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☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆

私が目を覚ました時、現状は少々...いえ、かなりまずいものでした
何だかんだ未来さんの神獣鏡の光をタギツヒメに浴びせることは出来たようですが、結果はタギツヒメの穢れを消し去った...つまりねねちゃんのような状態にさせられたのみで、性格はそのまま、強さも多少は弱くなってるらしいですがこちらからしたら誤差程度
さらには夏菜さんを拐って刀使の世界に帰ってしまったと
風鳴宗家に捕まっていた翼さんマリアさんネロさん(ネロさんは別に捕まってはなかったみたいです)を助け出せたのは良かったですが、他に色々あったのか『翠』達の様子が変な気もします

翠「...それよりも」

私が気を失っていた間に、すなわち翼さん達を救出する時に何があったのかはよくわかりませんが、今は夏菜さんのこと、シェム・ハの腕輪のことが最優先です
『翠』と念話で相談した通り、どちらの件についてもほとんど無策になってしまうのなら上手くいく可能性が高い方を確実に成功させて、最低でも夏菜さんを助けに行かなければ
それにあくまで元視聴者、転生者としての視点になってしまいますが、もしもこの展開がアニメやゲームならタギツヒメを倒すのにシェム・ハの腕輪が必要、なんて条件があったりしても驚きません
大丈夫、夏菜さんも『夏菜』さんも強い、そう簡単に死んだりしない
何なら芽吹ちゃん達だって付いているんです
...もし、ダメだった時は...その時は

マリア「手負いとはいえあの人間離れした強さの持ち主、本当ならなるべく戦力を当てたいところだけど」

翼「アルカノイズをまだ所持している可能性は十分にある、それに奥の手がないとも限らない...貴女達刀使にはその時のこちらの奥の手として、待機していてもらいたい」

やはりもっとS装備の改良を進めておくべきだったでしょうか
その道のプロが揃って取り組んでここまで進んでいる改良に素人の私がケチをつけるのも失礼な話ですけど

薫(刀使)「それは構わないが、大丈夫なのか?装者5人がかりでも差は埋まらなかったんだろ?」

寿々花「生身でそうも圧倒する強さ...力で押せないのなら、相手の精神を揺さ振り極限まで追い詰めるでもしない限り勝機は薄いのでは...」

訃堂さんが揺さぶられるような精神攻撃なんてあるんでしょうか...原作知識的にもこっちに来てからの情報的にも、訃堂さんについてはそれほど多くは知らないのであまりピンと来ません

クリス「となると...腕輪をぶっ壊したように見せかけるか、完全に論破するしか方法はねえんじゃねえか?」

弦十郎「論破か、だがあの男の考え方は独特だ、息子の俺達ですら理解に苦しむことばかりで」

クリス「そりゃおっさんはそういうの向いてねえだろうから元々あんま期待してねえけど」

弦十郎「クリスくん!?」

酷い...仮にも司令ですよその人...

・・・

襲撃...もとい拘束しに行くタイミングを見計らうため訃堂さんを見張っている職員さん達の新たな報告を待つ間、寿々花さんやクリスさんの出した案以外にはこれといって有効になりそうな手は出てきませんでした
夏菜さんのことが心配で頭が回らなかったとも言います

翠「腕輪をどこに隠し持っているかはイミテーターやAIさんの機能で探し当てられるとして...」

本当に腕輪を破壊するのは、危険性ともしかしたらタギツヒメを倒す一手になり得るかもしれないという点から最後の手段として
破壊したように見せかけられたとして訃堂さんがどれほど狼狽えるか
そして訃堂さんの倫理観を否定してどれほど効果があるのか
そもそも効果的な論破を出来るのか

翠「翼さんやししょーには申し訳ないですが、面倒な敵ですね本当に...」

ただの人間でありながらラスボスクラスじゃないですか?ここまで来ると
もしや私が見られなかったシンフォギア5期では本当にラスボスやってたりして...いやいや、フィーネさん、糞P、キャロルちゃん、アダムさん(でしょうか?)と来て人間がラスボスっていうのは流石に
いくら風鳴家最強でも

翠「おっと思考が逸れました...あ」

そういえば私、今若葉ちゃん達の花をそのまま持っていたんでした
ケースは壊れてしまいましたし、新しいケース...せめて訃堂さんを倒しに行く時には誰かに預けられたらいいんですが

・・・

翠「エルフナインちゃ...ん、と、ナスターシャ教授?」

エルフナインちゃんの部屋を訪れると、珍しい先客がいました

エルフナイン「翠さん?」

翠「ごめんなさい、後の方が良かったですか?」

ナスターシャ「構いませんよ、S装備の改良点について話し合っていたところですが、それも難航していましたから」

エルフナイン「それで翠さんは一体?」

ふむ、まぁいいと言うのなら少しお願いしましょう

翠「実はこの花や草を入れる保存用のケースか何かを貰えないかと、そして出来れば預かっていてもらえれば」

エルフナイン「それは...翠さん達に匿名で届けられていたという花ですか?」

翠「コレ、ある意味聖遺物、というか哲学兵装のようなものなんです、だから剥き出しにしておくのは危険かもしれないと」

こんな時に花のことなんて、と言われるかもしれないと咄嗟に哲学兵装扱いしましたが、あながち間違いでもないのでは

エルフナイン「哲学兵装...詳しくお話を聞きたいところですが、わかりました」

ナスターシャ「では使っていない箱を探してきましょう、いくつかあったはずです」

使っていない箱って表現すると何というか
空になったお菓子の缶の箱とか出てきそうですね



誰かと交流する?安価下
(本部内限定とします)
(特になければ作戦開始)

・・・

若葉ちゃん達の花をエルフナインちゃんとナスターシャ教授に預けた私は、未だ完全には海水が抜け切っていない廊下をぴちゃりぴちゃりと音を立てながら適当に歩いていました

翠「流石に本部の工事は手伝えませんし...邪魔にならないようにしないとです」

エルフナインちゃんやナスターシャ教授は違いましたけど、装者メンバーの何人かは多分自室の掃除なんかをやっていたりするかもしれません、各部屋も浸水の影響で床に置いておいた物なんかはぐっしょり濡れてるでしょうし
私と『翠』の部屋はそもそもあまり物を床に直置きしていないですし、戦いの衝撃で床に落ちた物も蛇達が軽い物なら机やベッドの上に避難させてくれていましたからそれほど問題ありません
問題あるとすれば...

翠「...翼さんの部屋とかどうなっちゃってるんでしょう」

ある意味どこが変わったのかわからないなんてことも十分あり得ますけど、思い立ったが何とやら
邪魔にならなそうなら部屋の片付けの手伝いに行きましょうか

・・・

翠「翼さん、失礼しまーす...おぉう」

ただでさえ物が散乱しているのにどれもびしょ濡れで、何だかとんでもないことになってますね...

翼「翠か?すまない、少し待ってくれ今は足の踏み場がなくてな」

翠「いつもないですよね?というかそう言いながらさらに散らかすのは何でなんですか」

緒川さんヘルプ!それどころじゃなくてそんな暇ないから来ないのはわかってますが!

翠「手伝います、意見は聞きません」

翼「翠」

翠「手を動かしていると逆に冷静さを保てたりするものです」



何か話す?安価下

翼さんが「祖父に関しては私から論破を試みたい」と決意を固める
一方で少女の「本当に来れたんだ!」とタギツヒメの「あの子は足止めにはならなかったか」の発言に何か引っかかってる様子

明らかにゴミと思しき海水に浸かってしまって使えなくなってしまっている物と、服や文具等の洗えばまだセーフなものとを分けながら、床の見える面積を広げていきます
戦力外の翼さんには比較的無事なベッドの上に座っていてもらいましょう、アレがかの有名な『話を聞く時に使うベッド』ですね...そういえばまだS.O.N.G.が二課だった時にお邪魔したこともありましたっけ

翼「...わかっている、お祖父様のこと、それからお前や『翠』のことについて聞きに来たのだろう?」

翠「え?あ、はい...?」

別に何かを聞きに来たわけではないんですが...まぁわざわざ否定から入ってしまうのも良くないかもですし
何より今でこそ無事に帰ってきてくれましたが翼さんが訃堂さんのところでどんな扱いを受けていたのか、どれだけ心が疲弊しているのかもわかりません、ここは翼さんの話に合わせていく方向で

翼「祖父の考えが理解出来るなどと言うつもりはない、したいとも思えない...だが、それでも私にとっては間違いなく身内だ、そして一度屈し心を折られたからこそ、次こそ私が向き合わねばならぬ敵だと思っている」

翠「それって...」

翼「私が祖父の論ずるものを、必ずや斬り捨ててみせよう」

翼さんはしっかりと、まるで炎が灯っているような真剣な目でそう言い切りました
正直翼さんはいい意味でも悪い意味でも頑固...いや頭が硬い...いや話が通じな...とにかく!今回の論破作戦には向いてない性格をしていると思ってます
が、覚悟を決めたのでしょう...身内の尻拭いのような形となりますが

翼「私は身内という言葉を選んだが、いやだからこそ、お前達が何かを感じる必要はない...私はお前も『翠』も妹のように想っているのは揺るがない事実だ、だがお祖父様のことは、風鳴訃堂のことはそう思う必要は絶対にない」

翠「な、何ですか急に!?」

突然の妹発言に思わず拾っていた衣服を落としそうになってしまいます
いえ、私も(多分『翠』も)翼さんのことはそりゃ仲間、友人、先輩、そして姉のように想ってはいますけども!
そんな改めて言われるともにょります!

翼「いや、触れていいものか迷ったが、やはり目をそらし続けるのも悪手と思ってな...私はもちろん、そしてお父様や叔父様もきっとお前達に仮にその気があったのなら歓迎はするだろう、しかし無理に急いでどちらをと決める必要もない、何よりお前達のご家族が蒼井家の方々であることは変わらないのだからな」

翠「そりゃ...ん?」

何でしょう、何かおかしいような
ちょっと話の流れがいまいちよくわからないところがちょくちょく...

翼「...急ぐ必要はないと言いながら、私が急かしたような形になってしまったな、話を変えよう」

翠「あ、はい」

変えないで!もう少し詳しく話して!という気持ちもなくはありませんが
何より今の翼さんは文字通り命かながら帰ってきたばかりですし
話のペースは翼さんの自由にさせましょう

翼「私達がここへ帰還した時、タギツヒメは我々の姿を見て「あの娘は足止めにはならなかったか」と言っていたのだが」

翠「ほう、娘?」

足止めにってことは私達の敵...少なくとも敵対している、そしてタギツヒメ側に付いている誰か、ということでしょうか
エルザさんやミラアルクさん...ではないでしょうし

翼「他にも風鳴宗家地下にて遭遇した少女が「本当に来れたんだ」と、まるで私達とは別に隔離されていたマリアと『翠』、あるいはそこに合流していたネロが私達のところまで辿り着くことを誰かから示唆されていたかのように発言していたのも気になっていてな...」

その少女が誰なのかは知りませんけど、あるいは両者が示す存在が互いのことであったなら、辻褄も合う気がします

というかそんなまさしく足止めするような感じで立ちはだかった少女がいたならその娘のことなんでしょう...他にも敵がいると考えたくないからそう考えてしまうだけかもですが、タギツヒメが足止めになり得るかもしれないと思っていた誰かが翼さんや『翠』達の前に姿を現しもしないなんてあり得ないでしょうし

翼「そう、確か...『翠』は「ユメ」と呼んでいたか、何故あの刀使の名を知っていたのか...お前達の知り合いだったのか?」

翠「あ、その娘「ユメ」って名前なんですn...」


刀使の「ユメ」!?

「ユメ」って結芽!?燕結芽ちゃん!?


えっ待ってください結芽ちゃんまでここの世界に来てるんですか!?いや、てか来てるのおかしくないですか!?まさかアプリ版!?刻みし一閃の灯火世界だったんですか!?
うわぁ寝起き(気絶から覚めたのを寝起きと呼んでいいのかはさて置き)だったからって私が寝ている間にあったことを『翠』から聞くの後回しにしてましたけど思った以上に色々起きてません!?えっ結芽ちゃん!?結芽ちゃんいるんですか!?さっき集まった時にいなかったですけどまさか敵なんですか!?しっかりしてくださいよ折神親衛隊2人もいるのに!



安価下
1 寝ている間何があったのかを改めて聞く(とんでもなく気まずい空気になります)
2 とりあえず「うんうん知ってた知ってたもう『翠』に全部聞きました」という態度で話の続きを促す(後で『翠』ちゃんに改めて色々聞きます)

翠「...こほん、えぇ、「ユメ」ちゃん、結芽ちゃんですよね?まぁ知り合いというより一方的に知っている感じです」

冷静に、冷静になるんです蒼井翠
明らかに翼さんは私が寝ている間に何があったのかを把握している前提で話しかけてきています
勿論ここでその誤解を解き改めて最初から説明してもらった方がすれ違いも起きずに済むでしょう
しかし、しかしですよ?それってつまり翼さんに「何も知らない相手に1人だけシリアスな雰囲気出して語ってしまった!」と感じさせてしまうことになるのではないでしょうか
いえ、翼さんがそんな風に考えるかはわかりませんけど、気まずい空気になることは確実です

翠「その、こちらの界隈では名が知れていたりするんですよ」

翼「ふむ、そうだったのか」

なので、ここはひとまず私が大体のことを把握しているというていで話を聞きましょう
当たり障りのない返事をしつつ、色々聞き出せれば御の字...後で『翠』に事実確認しますが



会話の流れで翼さんから聞き出せた情報安価下
(現在は「翠ちゃんズの家族関連で新情報?(翠ちゃん視点)」と「燕結芽ちゃんらしき刀使がこっちの世界にいたらしい?(翠ちゃん視点)」です)

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翠「しかし、個人的には結芽ちゃんがタギツヒメと手を組んでいた、というのはあまりしっくり来ませんね」

そもそも私の知る限り結芽ちゃんとタギツヒメの間に接点はありません
タギツヒメは紫様の中にいた時に一方的に知っていましたが、結芽ちゃんは紫様に対しては紫様と思って接していたはず...紫様の中にタギツヒメ、すなわち大荒魂が潜んでる事自体知らなかったんじゃないですかね?媒体によっては違いましたっけ

翠「タギツヒメを見て荒魂とは見抜けるでしょうし...そこで強さを示し、好敵手を用意するとだけ言われれば一時的な利害の一致は可能...?」

翼「あるいは彼女...いや、彼女の残留思念だったか、その新たな器を用意したのもタギツヒメであったなら、多少の協力は仰げるか?もっともその器が『翠』の物を勝手に持ち出したとは当然言わないのだろうが」

残留思念?
おっとこれは新情報...しかも幽霊ではなく残留思念ということは、結芽ちゃん本人がこっちの世界に来たというわけではなく本人に所縁のある何か...例えば御刀とかイチゴ大福ネコのストラップとか...が付喪神のような状態になったか、そうさせていたか
近いもので言えば例の花を介して接触出来ている若葉ちゃん達でしょうか
もっとも残留思念となると幽霊とも生き霊とも違ってくるので結局結芽ちゃん本人がどんな状態なのかはわかりかねますが

翼「あぁ、そういえばコレを借りたままだったな」

翠「ん?」

翼さんが取り出したのはギアペンダント
借りた、ということは翼さんのアメノハバキリではないのでしょうが、翼さんはアメノハバキリ以外使えないはず...まさかまた増えたんですか!?新しいギアが!?
もしそうなら翼さん実はダブルコントラスト?今更そんなこと...いやそれ以前にハバキリと何のギアが使えてるんでしょう

翼「いつまでも借りておくのも忍びない、せめて吸収されてしまったアメノハバキリをアメノオハバリやフツノミタマのように排出させられれば心置きも無くなるのだが」

翠「???」

待って、本当に話が見えませんが
私が寝てる間にどんだけ色々起きてるんですか何ですか吸収とか排出って
何のギアなんですかそれ

翠「ちょ、ちょっと見せてもらっていいですか?」

翼「ん、あぁ勿論だ」

吸収って...このギアの中に、アメノハバキリのギアが入ってるんですか?
パカっと開いて収納されてるわけではなさそうですし...ギアの融合?それともこのギア自体が他のギアを吸収、排出出来る特性持ちの聖遺物から出来ている?
しかしコレを翼さんが借りていた、ということはコレに吸収されていてもなおアメノハバキリの能力自体は失われず翼さんは問題なく使えるということ...むしろコレがなければ今使えるギアがないということでは?

翠「...とりあえずコレは翼さんが持っていてください、ハバキリは予備がないはずですし」

翼「そうか...すまない、ムラクモも一つずつしか無いというのに、お前にも『翠』にも世話をかけてしまうな」

ムラクモもその中に入ってるんですかあぁぁぁっ!
えぇ...ハバキリにムラクモにオハバリにフツノミタマ?何ですか剣大好きですかそのギア...

翠「まぁ、『翠』もそこは気にしないでしょう、緊急事態ですし私達は使える手も多いですし」

確かにムラクモは私も『翠』も思い入れが強いギアではありますが、翼さんが丸腰になるのに比べれば些細なことです
紛失した、敵に奪われた、なんてことだったら大変ですが、行方は知れていてしかも身内の手の中
それにどうしてもなら私のを渡せばいいだけですし

翼「あぁ、そうだったな...だが本当なら、『翠』にも当然お前にも、出来ることなら、せめて一度戦いから離れ気の済むまで悩み考える時間を与えてやりたかったんだが...強いな、お前達は」

翠「ん、あ、はぁ...」

わからんですね...その辺全然わからんので何を悩めばいいのか
え?つまり『翠』は今そういうなんか悩まなきゃいけないことがあるのを無理して戦おうとしてるとかそういうことなんでしょうか

翼「こんなことを言っても仕方がないが...私も知らされたばかりなんだ、お祖父様...風鳴訃堂はそれが真実だと突き付ける為か、『翠』の血筋を明らかにする家系図を用意していたが」

翠「家系図...?」

家系図が必要になる真実、すなわち新事実...

あっ!家族関連!?

えっと...例えば実はよもぎの他に姉妹がいました、とかならそれをわざわざ訃堂さんが突き付ける意味もない気もしますし...となると親?
親が実は違いました的なお約束だと...実は養子だったんだよ!とか、橋の下で拾ったんだよ!とかそういう

翼「しかしどうも、府に落ちないという感覚があってな...」

翼さんはまるでその家系図がでっち上げなのではないか、と訝しんでいるようですが
そこはもう用意した訃堂さん本人に聞くしか...いや、DNA鑑定があるじゃないですか普通に

翠「でっち上げかどうかは置いておくとして...翼さんはその家系図を見た、ということですか?なら、そこに書かれていた『私』の両親は誰だったのか知っている....教えてくれませんか?」

その家系図を『翠』も見ている可能性はあります
が、それはそれとして



家系図の親は誰?安価下
(過去の安価では一応翼さんのご両親が(血縁相関図通り)ということになっています)

(翠「柏餅の柏の葉って食べます?いえ、食べられなくはないんですけどね...あ、欲しかったらあげますよ!葉っぱだけ!...ごめんなさい嘘ですちゃんと餅ごと用意してますよ」

『翠』「屋根より高い鯉のぼり...屋根まで飛ぶシャボン玉とどっちが上なんだろ」)

翼さんの記憶では少なくとも風鳴家の人間は関わってなかった…とかはダメですか?

AIさんの解析もあって『翠』と『翠』の家族は血の繋がりがある事は確定してる

まとめると本当の親は翼さんの両親で、育ての親は「実の親ではなく他人」「けど『翠』ちゃんと血は繋がってる」「翼さんは繋がってすらないと思ってた(秘密にされてた?)」でいいのか?
安価下

***
明日(5月10日)の午前2時までに「家系図に書かれていた『翠』ちゃんのご両親の名前についての安価」が特になかった場合、「翼さんは家系図に目を通していない、『翠』ちゃんの家系図上の両親について知らない」というていで進めます
なお前回の安価の際に特に規制はしていなかったので>>137>>138は一応組み込みます(指摘、訂正がなければ概ね>>139のまとめの通りで合っていると思われます)


家系図上のご両親安価下(5月10日午前2時まで)
1 翼さんのご両親(血縁相関図通り)
2 1とは別(記述)(名前がわからない人物の場合「◯◯の母」等の書き方でも構いません)
3 見てないから知らない(午前2時を待たずに同じ結果に決まります)

翼「...いや...私は家系図を前にして、結局目を通していないんだ...すまない」

翠「...!?」

府に落ちない、でっち上げではないか
そうとまで言っていた翼さんですが、『翠』の両親が誰なのか...少なくとも家系図上では...というのを知らぬまま判断したようです
それは予想していませんでした...しかしいくら翼さんが私達より歳上でもあくまでまだ19歳の少女、仲間の衝撃の真実というのは知ろうとするのにいくらか勇気がいることだったのかもしれません
ある意味では無責任とも思えることですが、誰もが「何かを知る」という行為に容易に手を出せるわけではない...ということでしょう

翼「すまない...お前達の事を思えばこそ、あそこで恐るべきではなかった」

翠「いえ...」

翼「だが、それ以前にお前達の過去に風鳴家の人間は関わっていなかった...少なくとも私の記憶では、そうだったはずだ」

翼さんが嘘をついているようには見えません、というよりむしろ、その事前知識故に『翠』の出生の新事実を否定しようとしてしまったのかも
...ん?風鳴家が関わっていなかったはずと思っていたということは、今回わかった新事実には風鳴家が大きく関わっていたということでしょうか
『翠』の過去を改竄したのが風鳴家の指示...もしくはもっと密接な関わり...例えば『翠』が実は風鳴家の人間だった、とか...

翠「翼さん、翼さんはそういう風に聞いていた、ということですか?」

翼「あ、あぁ」

まぁそれはそうでしょう、まさか翼さんが独自に調べたなんてことは無いと思いましたし

それはそれとして、S.O.N.G....当時は二課でしたか、二課からしたら、『翠』もとい私という存在は非公式のシンフォギアシステムを所持している不審人物という扱いだったはず
仮に公式であったとしても、それこそ翼さんのように上層部と本当の意味で身内の人間でない限りは身元は隅々まで調べられるはずです
偽造や改竄があっては一大事、そんな組織ですから
ならば仮に『翠』の出生が改竄されていたとなれば、それに風鳴家が一枚噛んでいたとしてその事自体には辿り着くでしょう
むしろそうなった時の為に追求しないよう命令が下る可能性すらあります

となると...この事はししょー達は以前から知っていたのでは?

翠「むむむ...」

勿論知っていて黙っていたというような善意からの行動もあり得るでしょう、ししょー達を視聴者という視点から見てしまう私は彼らをきな臭いと疑うことに強い抵抗がある為そう思ってしまいます
だから責めよう等とは微塵も思いません
ただ、真実を知る近道にはなるのではないかとは思います

翠「...さて、床もある程度は見えるようになりましたし、私は行きますね」

翼「翠」

翠「お話、聞かせてくれてありがとうございました翼さん」

まだまだわからないことは多いですが、それでも翼さんのくれた情報は何も知らない私にとって貴重なものでした

・・・

翼さんの部屋を後にした私は、『翠』と記憶共有を...精神的に難しそうであれば無理強いはしませんが...しようと思い、自室に戻ってきていました
しかし『翠』はまだ戻っていないらしく姿は見えません

翠「どこか他人事のように冷静に考えられてしまう私と鉢合わなかったのは良いことだったのかもしれません」

『翠』は私で私は『翠』、そう思っていても私もまた生前の両親の存在がある為に『翠』の両親は『翠』の両親と思えてしまいますし、『翠』に家族関連で新事実があると知っても驚愕こそすれ、深い絶望だとかそういった物をすぐに抱けなかった辺り、我ながら薄情だと感じてしまいます
そしてそんな私の感情を、心の声を『翠』と共有したくない、知られたくないとも感じてしまい自己嫌悪のループ

翠「最低...」

今の私が『翠』の出生の新事実を突き止めようとしたところで、それは野次馬根性と何が違うのでしょうか
『翠』が深い絶望を感じているようなら慰めたい、そう思うこの心も、所詮は相手の気持ちを考えない迷惑な探究心を正当化する為の醜い建前なのでは

翠「『翠』に頼まれたわけでもない、頼られたわけでもないのに、こんな事をするのは最低ですよね...」

静寂が支配する事実の中、翼さんから聞けるだけ色々聞き出そうとしたさっきまでの自分の行いが如何に低俗だったのかをじわじわと自覚してきました
吐きそう

翠「うぅ...ぅ?」

吐きそうだけど吐けない、実際は吐きそうなほど胃の中のものは上がってきていないという心のモヤモヤに顔を顰めていると、部屋に入ってくる何かの影に気付きます
顔を上げると、入ってきていたのはヘビ達ときりしらさん2号、そしてルシエドでした



ヘビ達、きりしらさん2号、ルシエドと何かする?安価下

翠「いらっしゃい、お揃いですね」

もう前ほど露骨には威嚇し合わない蛇達ときりしらさん2号、それに珍しくフライユニットの中に篭らず出ずっぱりなルシエド
私は手招きをし、順番に1匹ずつ濡れてしまっている脚(蛇達はお腹?)をタオルで拭きながら抱き寄せベッドの上に上げました
どの子も勝手に濡れたままベッドの上に登ろうとはしない辺りとても利口です、思えば今回の件でも影の功労者と言っても過言ではないファインプレーでしたし
ご褒美になるかはわかりませんが、お礼の気持ちも込めて拭き終わった後に撫でてあげましょう

翠「あなた達は本当いい子ですね...」

私とは違って
あぁ、ツルツルした鱗やふわふわした毛並みを撫でていくうちに、段々と荒んだ心が安らいでいきます
こういうの何て言うんでしたっけ...アニマルセラピー?

翠「ほら、最後はルシエドですよ」

撫でるのもほどほどにしながや蛇達ときりしらさん2号を床から避難させ終え、ルシエドの前脚に手を伸ばすと


すかっ...


翠「...今避けました?」

ルシエドは何も答えません、まるで聞こえていないかのような無視っぷり
でもさっき明らかに私の手を避けましたよね...?

翠「傷付きます...死にたい」

あぁ!アニマルセラピーの効果が薄れていきます!

翠「まぁ死にたいは嘘ですけど...」

傷付いたのは事実です
私ルシエドに何かしましたっけ?
そんな暗いオーラを発していると、やれやれみたいな表情を(多分)したルシエドが前脚を片方差し出してきました
ルシエド...!

翠「綺麗にしますね...!」

訃堂さんの件を終わらせて夏菜さんを助け出したら、今度はちゃんとお風呂に入れてもっと綺麗にしてあげますからね...!

翠「はい、じゃあ前脚はベッドに乗せて...後脚もこれでよし、ほぅらもふもふ~!!」

蛇達や子猫のきりしらさん2号と違いルシエドは大きいので何なら顔も埋められます
でもやろうとしたら軽く叩かれました、悲しい

ルシエド《忠告する》

翠「うおっ、な、何ですか急に」

この子が念話を使えることは忘れてませんでしたが、完全にもふる対象として接している時にそういう面を見せられると複雑になるので勘弁してほしいと思いました

ルシエド《あの腕輪から、何か危険が存在が眠っているのが感じられる》

翠「腕輪...って、シェム・ハの腕輪ですか?」

危険な存在?機能的な事か、それとも怨念とかそういうことでしょうか
そういえばルシエドも今ではフライユニットを主な犬小屋...こほん、住処として使っていますが、元々は石で出来たプレートの中にいたんでしたね
そういう感じで何かが宿っているとかなのかもしれません

ルシエド《極力何かに役立てよう等とは考えない方がいい》

そう言い終えるとルシエドは身をぶるりと震わせて撫でていた私の手を払い除け、ベッドの端に移動し丸くなってしまいました
用は済んだ...ってことですか?

翠「危険なアイテム、ということですか...」

呪いのアイテムか、はたまた制御するのが難しい強化アイテムか

翠「扱いは慎重にした方が良さそうですね...」

ルシエドが逃げた為再びきりしらさん2号を抱き上げ撫で繰り返します
良きもふもふ
ここももふもふ、ここももふもふ、ここもぬるぬる...ん?ぬるぬる?

翠「まだ拭けてなかったところが?」

そう思い濡れた手を見てみると、その手に付いていたのは海水ではなく

翠「血...血!?あなた怪我してるんですか!?」

その箇所に触れないようにしながら毛を避けると、確かに血が滲んでいました
さっき撫でた時はきりしらさん2号も痛そうなアクションを見せないので気付きませんでしたよ...


「Healing almighty Asclepius tron」


きりしらさん2号の怪我を癒す為すぐさまアスクレピオスを纏った私
エメラルドグリーンの光がきりしらさん2号を包み、体内に入った雑菌は消滅し傷は塞がっていきます

翠「もう大丈夫ですよ」

そう言って私はギアを解除し、きりしらさん2号の頭をひと撫で
きりしらさん2号はにゃーと返事すると、シュタッとベッドから降りてドアの方へ


調「わっ...どうしたの?切ちゃん2号」

沙耶香「よく懐いてる、可愛い」


そして丁度廊下を通りかかっていた調さんと沙耶香ちゃんの脚に擦り寄っていきました

...あなたももう私には用は済んだと、そういうことですか!?



調さん沙耶香ちゃんと何か話す?安価下
(特になければそろそろ作戦スタート)

・・・

調「ふぅん、切ちゃん2号達を撫でて癒されてたんだ」

翠「アニマルのセラピーだったんです...!」

沙耶香「違うと思う」

2人で歩いていた調さんと沙耶香ちゃんでしたが、特に用事があったわけでもなくたまたま一緒になっただけらしく
私も今すぐ何かやるような用事はないということで、2人を部屋に招くと自然と雑談が始まりました
それぞれ私は蛇達、調さんはきりしらさん2号、沙耶香ちゃんはすぐ側に丸まっていたルシエドを撫でながらの取り留めのない会話、俗に言うガールズトークというやつですね



話題安価下

調「あ...切ちゃん2号、眠い?」

さっきまで上機嫌で撫でられていたのに、いつの間にか反応が鈍くなってきていたきりしらさん2号
さっきまで沢山働いてくれていて、その上怪我もしていたので安心して疲れがどっと出てきてしまったのかもしれません

調「いいよ、ゆっくり休んで」

きりしらさん2号は短く鳴くと、調さんの腕の中で丸くなりました
これは後数分も保たないでしょう

沙耶香「寝顔も可愛い、重くはないの?」

調「うん、全然...それにもう慣れたかな」

慣れるくらいにはいつも抱き上げているんですね
眠りにつくきりしらさん2号を優しく撫でる調さんの姿はまるで子供を抱く母親のようです

翠「調ママ...!」

調「斬り刻むよ?」

ひえっ

調「でも、この子とももう結構長い付き合いになるからその分愛情も深くなる」

長い付き合い...確かにもう一年くらいら経つんですよね、きりしらさん2号がS.O.N.G.にやって来てから
最初はそれこそメヌエットさんが拾って...気付いたら切歌さんと調さんに懐いていたような
初めてお二人ときりしらさん2号が一緒にいるのを見たのもそのメンバーで散歩に行っている時でしたし

調「そう、あれは...」



調さんときりしらさん2号との出会いエピソード安価下
(仲良くなるまでの経緯や名付けエピソード等でも可)

調「あれは夏のある日のこと...S.O.N.G.で保護されたこの子が、担当していた緒川さんの腕の中から逃げ出したのを私と切ちゃんで捕まえたのが最初だった」

調さんがその時のことを懐かしむように話始めます
しかしあの緒川さんから逃げるなんてきりしらさん2号凄いですね...

調「捕まえた時、大人しく私達に抱き抱えられるこの子がすごく可愛く見えた、それはもう切ちゃんと同じくらい」

沙耶香「それが名前の由来?」

翠「ということは...」

切歌さんからは調さんと同じくらい可愛く見えていたということでしょうか
あの2人の場合可愛いの一番上にお互いを置いていそうですけどね

調「始めのうちは私も切ちゃんもたまに相手するくらいだったしこの子もただ大人しいって感じだったけど、それからメヌエット...元の飼い主が...まぁ、飼えなくなっちゃってからは、私達が本格的に面倒を見ることにして」

メヌエットさんが亡くなってしまって
それこそその魂とは今でも交流出来ますから、そこまでしんみりはもうしませんが
ですが幽霊の状態ではお世話することは出来ませんから

調「...今ではずっと懐いてくれてる、よく甘えてくれるし」

沙耶香「その子猫のこと、好き?」

調「うん、とっても」

・・・

それからしばらく調ママのきりしらさん2号自慢だったり、そんな何気ない話をしていました

翠「楽しいですね、本当に」

束の間の休息だとわかっているからこそ、ポロッとそんな言葉が漏れてしまいます
次は、きっとここに夏菜さんも

沙耶香「だから、解決しないと」

調「うん、シェム・ハの腕輪も、夏菜も」

その為には立ちはだかる訃堂さんとタギツヒメを倒さないといけないんですよね
どちらに対してもすでに大敗北を喫している私達、それでも諦めたりはしません

沙耶香「そういえば、腕輪の方の事件の首謀者...話し合い、するの?」

翠「一応、それで解決出来れば御の字ですよね」



訃堂さんとの話し合い解決について意見安価下
(特になければガールズトークタイム終了)

私は訃堂さんと直接対決した事はないのでその実力を正確に推し測れてはいませんが、ししょー達や蛇達があれほど警戒しその上『翠』達が揃って負かされているという事実だけでどれほど強大な相手なのかは嫌でも理解させられます
とすれば、戦わずして勝つというのを実践出来ることが一番理想と言えるでしょう

沙耶香「人が極端な考えに走る影には、必ず切っ掛けがある」

調「切っ掛け...護国の鬼を作ろうとする、切っ掛け...?」

ゴコクノオニ?...あぁ、護国の鬼でしょうか
いや漢字当てはめてみても護国の鬼って何なのかさっぱりなんですけど、訃堂さんそんなものを作るのが目的なんです?神の力云々もそれ関係で?
まさか錬金術師、自動人形、改造人間と来て今度は鬼がラスボスなんですか?鬼っていうと鍛えてますからシュッていうあの?

調「確かに、あるかもしれない...説得の材料にはなるかも」

沙耶香「それに、多分実力も認めさせないと」

調「翼さんなら、きっとやってくれる」

護国の鬼って何なんですか~!?

・・・

あれからすぐ、作戦は決行されました
伝えられた訃堂さんの隠れ家はお約束と言わんばかりに山の奥深くにあり、しばらく移動してようやく見えてきたところです

翼「私にやらせてほしい、援護を頼めるか」

頷く私達
翼さんが説得役をやるというのは全員納得済みなので、私達は出てくるであろう黒服の人達やアルカノイズの相手、そして隙を見てシェム・ハの腕輪を奪還することです

翠「『翠』、大丈夫なんですか?」

『翠』「うん」

『翠』の方の事情はほとんど知らないので実際どうなのかわかりにくいですが、今はその言葉を信じましょう



誰視点?安価下
1 このまま翠ちゃん(雑魚撃破&シェム・ハの腕輪奪還作戦)
2 翼さん(説得作戦)
3 その他(記述)

案の定これでもかというほど出てくるアルカノイズ

マリア「翼!行きなさいっ!」

未来「こっちは任せてください!」

翼さんを無事一番奥まで向かわせ、それまでの間に出てきたアルカノイズを私達は手分けして翼さんを追わせないよう押し留めます

クリス「とっとと片付けて腕輪探すぞッ」

切歌「けれどいかんせん数が多いデスよ!」

一体どれだけ隠し持っていたのでしょう、それに自動で起動させる仕組みでも用意しているのか、倒してもすぐに新しいアルカノイズが解き放たれていました

調「一体一体は強くない、確実に仕留めていけば...」



コンマ下
奇数 謎の赤い煙
偶数 特になし(アルカノイズ撃破)

調さんの言う通り、確かに数は多いですがアルカノイズ単体は決して強くはありません
だからこうやってどんどん斬っていけば...

翠「なぁっ、再生!?」

しかし予想と反し、アルカノイズは崩れ落ちることなく逆にその身を復元してきました

響「どうして!?」

クリス「強くなってきてやがる...いや、アタシらが弱くなってんのか!」

マリア「それに、身体が、重い...!」

どうやら私だけではないらしく、皆さんも段々とアルカノイズにダメージが与えにくくなってきているようです
それにこの動き辛さは一体...

『翠』「翠!何か周り赤いの充満してきてない!?」

翠「ッ...赤い煙...まずいです!」

これはまさか...Anti LiNKER!?



コンマ下1
奇数 LiNKER組に至っては変身解除レベル
偶数 そこまでではない

どうする?安価下2以降

すっかりその存在を忘却の彼方になっていたAnti_LiNKER
まさか今になって出てくるとは...

『翠』《コレ何だっけGの時に出たやつだっけ!?対策は!?》

翠《ギアの出力を抑えて一期バージョンに戻す...だったと思いますけど...》

『翠』《...やり方知らなくない?》

というかそんな事意図して出来るものじゃないですよ普通!だからこそ翼さんの凄さがわかる本編だったんですが

翠「皆さん!この霧は恐らくAnti_LiNKERです!とにかくなるべく触れないように!あとLiNKER組は特に気を付けてください!」

確か本編では響さん翼さんクリスさんは霧状のAnti_LiNKERで出力低下して、調さんはLiNKER一本分のAnti_LiNKER投与でギア解除だったはず
ただ融合症例と適合者とLiNKER組、霧状と投与タイプ、見事に条件がバラバラなので今この段階で誰がどの程度霧状のAnti_LiNKERに触れているとギア解除になってしまうか正確な予想は立て難いです
結果、注意喚起くらいしか出来ません

クリス「はぁ!?そんな骨董品まで出てくんのかよ!」

マリア「敵はただのアルカノイズ、けれどここでギアをなくしたらとてつもない脅威ね」

響「だったらここはッ!」

私達の中心に移動した響さんはその場で右腕の装甲をプロペラ状の形に展開、高速回転させました
そこで発生した竜巻がAnti_LiNKERの霧、そして何体かのアルカノイズを巻き込み収束していきます

響「でやぁっ!!!」

竜巻を奥の壁に叩き付ける響さん
おかげでAnti_LiNKERも薄まり...


フシュー...


未来「ダメ!またすぐにどこかからか噴射してる!」

クリアになっていた視界が再び赤くなり、身体の重さも復活してしまいました
心なしか手に握るアームドギアも小さくなってしまいます
そして呼応するかのように追加で召喚されていくアルカノイズ達
万事休すでしょうか...


翼『援軍を送る!こちらも必ず務めを果たしてみせる、だから持ち堪えてくれッ!』


聞こえてきたのは翼さんの通信、そして何かが床を這う音

翠『翠』「「大蛇っ!」」

翼さんの送った援軍、それは翼さんの持つギアの中にあるアメノムラクモのギアによって召喚された八岐大蛇でした

・・・

Anti_LiNKERが充満する中、アルカノイズ達を蹴散らしていく八岐大蛇

『翠』「『私』達も行くよ!翠っ!」

翠「えぇ!」


『『逆巻ク大蛇』』


『『天の岩戸』』


アメノムラクモの私とイミテーターでアメノムラクモを模倣している『翠』はそれぞれ八岐大蛇を呼び出し、さらに羽衣の盾を構えます

翠「まずは一ヶ所に!」

さっきの響さんのやり方は一時的とはいえAnti_LiNKERが充満する現状を打破するという点では確かに効果的でした、なのでそのまま採用
私と『翠』は羽衣の盾を団扇のように動かし、Anti_LiNKERの霧とアルカノイズを纏めて奥に吹き飛ばしました

『翠』「大蛇達、お願い!」

翠「アルカノイズを倒すのとAnti_LiNKER噴射口の破壊、手分けしてやりましょう!」

装者八人と八岐大蛇三体、手は余るほど足りています
Anti_LiNKERと共に奥へ追いやられたアルカノイズ達を八岐大蛇達はAnti_LiNKERを吸い込み薄ませながら食い破り、私達もAnti_LiNKERを噴射させている箇所を探して穴を塞いでいきます

翠「ししょー!そっちからこの霧止めさせられませんか!?ハッキングとか!」

弦十郎『すでに現在手を回している!』

エルフナイン『もう少し待ってください!必ずネットワークに潜り込んでみせます!』

AI『私も頑張っちゃってますよ』

ならエルフナインちゃん達を信じて私達は地道に噴射口を潰すしかありませんね
しかし噴射しているところを正面から塞ぎにいくのは一気にギアの出力が低下させられてしまいます

翠「くっ...!」


若葉《私達も手を貸そう》

園子《感度は少し悪いけど、無いよりマシだと思うんよ!》


その時、私達装者、そして八岐大蛇達にも

切歌「デス...?」

未来「花弁?...身体が、軽くなってる!?」

響「!この感覚、どこかで...」

それぞれ色鮮やかな花弁がどこからともなく舞い落ち、ギアに触れると同時に身体を包むように結界が張られました
それはAnti_LiNKERの効果を抑え、絶好調とまでは行きませんが大分楽にさせてくれます

マリア「何だかわからないけれど、今は何でも構わないわ!」

響「ここを突破して、先を急ごう!」



安価下
ゾロ目以外 余裕で突破!
ゾロ目 ちょっとやり過ぎた

・・・

勇者の皆がくれたAnti_LiNKERを抑える結界、それにエルフナインちゃん達がAnti_LiNKERの噴射を止めさせてくれたおかげで、どうにか突破出来ました
アルカノイズも流石に打ち止めなのか出てこなくなりましたし

切歌「翼さんの方は大丈夫デスかね...」

未来「信じるしかないよ、その間に私達は」

調「シェム・ハの腕輪を探し出す...!」



コンマ下
奇数 見つけた!
偶数 見つからない...
ゾロ目 覚醒済み!

今回の調査で...我々は...今回も...なんの成果も!!得られませんでした!!

翠「とか言ってる場合じゃないです!」

『翠』「これもうかなり厳重に隠してあるか訃堂が持ち歩いてるかなんじゃないの!?」

イミテーターを使っている『翠』にすら場所の特定が出来ていないのは、視界に入る場所に存在しないのかイミテーターの探索機能に感知させない特殊な効果でもあるのか

翠「見つけないことには確保も利用も破壊も出来ないのに、どうしたら...」



安価下
1 壁も床も手当たり次第に破壊
2 もう少し粘る
3 翼さんのところに向かう
4 いっそその場から覚醒させられないか試してみる

厳重な扱いが必要とされる神の力を宿した聖遺物
そんな物が相手となると、いくら見つからないとはいえ手荒な方法で探そうとするのは嫌な予感が...それは最終手段にしておきますか

翠「大蛇達、どうで...っ、大丈夫ですか!?」

見てみれば、三体の八岐大蛇は身体が所々崩れ始めていました
それもそのはずです、その身はあくまでシンフォギアの力で形成されたアームドギアのようなもの、それなのにAnti_LiNKERをモロに浴びるような役目を任せてしまっていましたから...
召喚し直せばいいだけですが、その為に一度ギアを解いたり八岐大蛇に倒れてもらうのは

『翠』「ごめん、もう少しだけお願い」

結局そうするしかありません
八岐大蛇達は気にするなと言わんばかりに頷き、辺りを見渡し始めました

『ピット器官』...かつて私や『翠』が透明化した神獣鏡の未来さんやアルカノイズを探すのに用いたアメノムラクモの能力は当然八岐大蛇達にも備わっています
今回私はその能力を用いても見つけられませんでしたが、力の本来の持ち主である八岐大蛇ならあるいは...



コンマ下1
奇数 見えた!
偶数 見えない
ゾロ目 深淵を覗く時...

何処にあった?安価下2
(コンマ下1が奇数かゾロ目の場合のみ採用)
(奥の部屋、壁の向こう、訃堂さんの懐etc)

『翠』「ダメか~」

翠「お疲れ様、ゆっくり休んでください」

遂に身体を維持出来なくなってしまった八岐大蛇達を見送り、改めて私達はこの後の方針について話し合うことに

クリス「こんだけ探して見つからないって、ここにはねえんじゃねえか?」

マリア「翼の方も気になるわ、上手くいっているといいのだけれど」



安価下
1 壁も床も手当たり次第に破壊
2 翼さんのところに向こう
3 いっそその場から覚醒させられないか試してみる
4 その他(記述)(確実に腕輪の所在が明らかになるような内容は採用されない場合があります)

・・・

トラップらしきものも片っ端から見つけては破壊
こうしてこの辺での続きの捜索を外で待機している緒川さんや職員さん達、それにサポートをししょー達に任せ
私達は一度翼さんの方に向かう事にしました

切歌「説得、上手く行ってるといいんデスけど」

『翠』「...」



翼さんの状況コンマ下
奇数 善戦
偶数 苦戦
ゾロ目 まさかの説得成功!?

翠「成功ですか!?」

翼「あぁ、少なくとも大人しく捕まってくれてはいる」

そういう作戦で、多少は戦いもしたであろうとはいえ、まさか本当に話し合いで解決するとは...『翠』なんて大人しく捕まっている訃堂さんに驚き過ぎて目を見開いています
よほど翼さんの説得(言葉と物理どちらにしても)に心打たれたのか、それとも

響「良かった...」

マリア「本当にね、何も企んでいなければいいけど...」

思っていた以上にあっさりと解決したことにやや拍子抜けですが、早く解決するに越したことはありません
もし仮に何か企んでいたとしても、S.O.N.G.の目の届く範囲にさえいれば何とかなるでしょう
私としては、翼さんの作戦勝ちと信じていますが


どうする?安価下
1 腕輪捜索再開
2 刀使の世界へ
3 その他(記述)

大きな問題が一つ片付いたところで、さて次はどうしようとなるわけですが
そもそも今回の作戦の一番重要なシェム・ハの腕輪に関しては未だ見つかっていませんし
見つからなければ見つからないほど、この時間を夏菜さんの救出の為に使いたかったと、考えても仕方のない後悔が私を蝕むのは事実です

可奈美『全然見つからないの?』

切歌「これっぽっちもデスよ...」

どうしたものでしょう...

薫(刀使)『そんだけやって見つかんねえなら隠し部屋でもあるんじゃねえか?』

エレン『ジャパニーズKAKUSHIBEYA!壁がクルッ!みたいなやつデスね!』

未来「そんな忍者屋敷じゃあるまいし...って言い返せないよね」

隠し部屋ですか...あったとして、八岐大蛇の能力やイミテーターの能力をも弾くほどの部屋となると探し当てるのも厄介になりますね

マリア「ここまで腕輪を探し続けたのだから、隠し部屋なんてものがあればとっくに見つけていそうなものだけれど」

翠「こういう時によくある流れとしては、視点を変える...とかそういうのですよね」

また虱潰しに探すしかないのでしょうか



安価下
1 虱潰しに探す
2 訃堂さんを問いただす(答えるかはコンマ次第)
3 その他(記述)(確実に腕輪の所在が明らかになる内容はry)

隠し部屋、あるいはそれに通じる隠し通路、あるいはそれらが現れるスイッチ
そういうのって大体隠されている場所はお約束で決まっているものです

翠「灯台下暗しとも言いますし」

探したつもりで探していなかったところ、そこはないだろうと勝手に候補から外してしまっていたところなんかがないとも限りません
例えばこの飾られている絵とか、あそこに掛けられている掛け軸の裏とか...



コンマ下
奇数 何かあった!
偶数 何もない
ゾロ目 罠発動

私の予想は見事に外れ、それらしき部屋も通路もスイッチも見当たりませんでした
もうこれはここに腕輪無い説が濃厚なのでは?

翼「致し方ない、これより後に何もなければこのまま捜索を続けてもいいが」

翠「はい、夏菜さんが心配です」

とりあえず訃堂さんの身柄は確保出来ているのですから、シェム・ハの腕輪捜索の続きは緒川さんをはじめとしたS.O.N.G.の職員さん達に任せ、私達は刀使の世界へ行きましょう


コンマ下
ゾロ目以外 特になし(刀使の世界へ)
ゾロ目 悪足掻き

・・・

異様に(と見えてしまうのはそれまでの過程を見ていないからでしょうが)大人しく捕まっていた訃堂さんの身柄をししょーや八絋さん達に渡し、私達装者と刀使のメンバーは揃って刀使の世界へ向かいます

エレン「座標もばっちり、他世界移動間は念の為刀使は写シを、装者はシンフォギアを纏ってくだサイね」

姫和「タギツヒメが動きを見せたという報告は来ていない、だがくれぐれも」

えぇ、訃堂さんを捕まえられたからといって浮かれるわけにはいきません
十分に注意して行きましょう

翠「必ず助けます、夏菜さん、『夏菜』さん」

・・・

で、やってきました刀使の世界

真希「帰ってきたのか、僕達は」

寿々花「えぇ」



何をする?安価下

刀使の世界にやってきてまず最初に行ったのは、私達のS装備をエレンさんのお爺ちゃん...リチャード・フリードマンさんに預けることです
メンテナンス、改良、それに装者用S装備に蓄積されているであろうシンフォギアの戦闘データを今後に役立てる為に届けるのが主な目的と言えます

翠「出来れば今度こそ、刀使用S装備にバリアコーティングを施せるようになるといいんですが」

エレン「デスね...私達の分も貴女達の分も、いざという時にすぐにまた使えるようにしておいてもらいマース」

メンテも改良も大切ですが、装者用S装備がなければ私達装者は荒魂に対してほぼ無力と言っても過言ではありませんからね
ともすればむしろ外に出ても足手まといになってしまう装者
では屋内で保護されていればいいのでは?と言われればそうはいきません
夏菜さん『夏菜』さんのこともそうですし、この世界で行動する為に先にあっておかなければいけない相手がいます

・・・

調「今回の異世界も」

切歌「異世界っぽさは無いのデス」

シンフォギアの世界も刀使の世界も世界観は現代、なので当然街並みに違和感を抱くことはありません
あっても異なる建物の並び等々...第一印象としては異なる世界にというより、知らない街にやってきた、というようなものでした
恐らく調さん達の思い描く異世界というのは『剣と魔法の~』とか『中世ヨーロッパ風の~』とかだと思いますし

未来「異世界というか、平行世界だからね」

薫(刀使)「S装備なんつーバリバリ現代兵器があって文明に差があったらむしろ驚きだろ」

S装備も!シンフォギアも!どっちかというと近未来!SFですから!!
久々に転生者故の現地民には伝わらないツッコミをぐっと堪えながら、刀剣類管理局の職員さんの案内のもとやって来た潜水艦

クリス「S.O.N.G.といい、流行ってんのか?潜水艦」

潜水艦の中をしばらく進み、厳重な警備の先の部屋で待っていたのは

紫「よく来てくれた、装者諸君」



紫様の容態や話したい事安価下
(怪我等あれば)

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そこに座っている紫様は、多少怪我をしている様子でした
タギツヒメと別れた時...本編で言えば1クール目のラストバトル...に付いた傷がまだ癒えていないのか、それとも他の戦闘で出来た傷か
どうやらそれほど深刻なものではなさそうですが、あれでは立場的にも肉体的にも身動きは取り難いでしょう

翠「あの...」

なのでここはアスクレピオス、と思いましたが
はて、いくら協力関係を結べているとはいえあちらからしたら赤の他人、むしろ信用出来るかわからないのが私達です
そんな相手から出会って数秒で怪我を治してもらうことに抵抗とか、そういうものがあったりしませんでしょうか...

マリア「任せなさい...貴女が刀剣類管理局局長、折神紫さんとお見受けします、見たところ怪我をされている様子、同盟の印ではないけれど、手始めに...」

・・・

マリアさんの助け船もあり、どうにか紫様の治療に漕ぎ着けることが出来ました
そこに打算的な考えはありませんでしたが、良い印象が与えられたのならなお良いでしょう

紫「世話を掛けた、礼を言う」

翠「いえ、そんな」

で、そこまではいいんですが...

何で私が紫様と話す流れになってるんですか!?普通代表とかは翼さんかマリアさんでしょう!?私むしろ装者の中で最年少!

マリア「どうせ翠のことだから、私達より詳しいのでしょう?彼女達について」

翠《よくわからない謎の信頼を得ていて困惑しかないのですが》

『翠』《あれは信頼とは言わないと思う》

思えば姫和さん達もそんなスタンスだったような...はぁ、仕方ありません
少しずつ、着実に人見知りを解消しつつある私の対人スキルをお見せしましょう

翠「ここまでの経緯なんですが」

私は紫様に、元の世界でのタギツヒメや荒魂が出現してからの流れを一通り説明しました
時折『翠』や姫和さん達が捕捉してくれたのもあり、上手く伝えられたと思います

紫「やはり侵食は...だが多くはタギツヒメによるものか...」

翠「こちらの世界ではノイズ...もとい、半透明の怪物の目撃情報等はありませんか?」

私達の世界で出現した荒魂はタギツヒメが用意した可能性も大きいですが、かといってそれだけとも限りません、そして逆も然り
この刀使の世界の荒魂に多少の影響が出ている以上、ノイズそのものも出現していてもおかしくありません

翠「それと...人質をとって帰ったタギツヒメに、あれから大きな動きはありましたか?」



コンマ下1
奇数 ノイズ出現報告あり
偶数 ノイズはまだ見かけていない

タギツヒメコンマ下2
奇数 動きあり
偶数 動きなし

どんな動き?安価下3以降
(コンマ下2が奇数の場合のみ採用)

紫「そういった怪物...ノイズの目撃情報は今のところ聞いていない、だが...」

紫様が渡してきたのは一台のタブレット端末
私達は身を寄せ合いその画面を覗き込みます

紫「これはお前達が来るほんの少し前、刀剣類管理局に奴が姿を現した時の防犯カメラの映像だ」

そこに映っていたのは体色が人間のものに近くなっているタギツヒメ
そして

翠「夏菜さん...!」

拘束されタギツヒメに連れられている夏菜さんの姿
無事でしたか...と安心するも、映像を見ていくうちに全然無事ではないことに気付いてしまいました

マリア「...あの子、様子がおかしくないかしら」

真希「まさか、これは...」

紫「あぁ...どうやらタギツヒメはすでに手を出したらしい」

夏菜さんの身体の一部が黒く染まっています
表情も苦しそうで、今にも叫び出しそうな
つまるところ、ノロを注入され荒魂に支配されかけていました

翠「遅かった...いいえ、まだです...」

絶対に助けるって誓ったんです
だから夏菜さんも、負けないで...!



安価下
1 早速タギツヒメを探す
2 その他(記述)

(翠「翼さんに渡すプレゼント...やっぱりエルフナインちゃんと協力してバイクですかね?もう少し構想を詰めればスマホから変形するバイクも出来そうな気がするんですよ...でもOPで乗り捨てられる可能性を考えると他のにした方が?」

『翠』「ん?翼さんの誕生日ケーキはもう用意出来てる?大丈夫わかってる、こっちのはテレビの前で勝手に翼さんのお誕生日をお祝いする用のケーキだから、気にしないで」)

すぐにでもタギツヒメを見つけ出して夏菜さんを助けたい
ですが、シェム・ハの腕輪も手に入れられなかった今(ルシエドはそもそも危険だから利用しようと考えるなと言っていましたが)、タギツヒメへのろくな対抗策もありません
それにタギツヒメがどこにいるのかも

クリス「下準備は念入りにしとくべきだろ、今回は明確にあいつが無事じゃないことがわかってるしな」

そうです、恐らくわざわざタギツヒメが夏菜さんを連れて姿を現したのは挑発...私達の判断力を鈍らせようとしているに違いありません
そうなればどうなるのか...ちょうどミイラ取りがミイラになりまくったのを訃堂さんのところで経験済みです

翠「出来ることはS装備の更なる改良、仮にノイズが出現した際近くに装者がいない場合の対処法、そして夏菜さん奪還作戦の内容...」



S装備改良案、ノイズ対処法、作戦内容等安価下

・・・

S装備に関してまず行われた改良は、アルカノイズに対するバリアコーティングでした
シンフォギアでもノイズに対するそれとは違い後付けの、それも明確に仕組みが判明しているものなので、S装備に反映させる事は容易です

翠「アルカノイズは錬金術によって生み出された、見た目と名前こそ似ていてもノイズとはほとんど別物、単独の他世界渡航も不可能、刀使の世界での活動では必要にはならない...と思っていましたが」

エレン「タギツヒメがそちらの世界の錬金術師と接触していた以上、その欠点を無くした新個体が出てくる可能性、デスか」

翠「もっと単純に、タギツヒメがこちらの世界にアルカノイズを持ち込んでいる可能性もありますね」

アルカノイズそのものでなくとも技術とか...考えればキリがありません
本来それだけ別の世界同士の接触というのは危険性が高いわけです、気軽にS装備にシンフォギアの技術を混ぜようとしたりしていますが
信頼関係という不確定で不安定な、それでいて構築の難しいものがあってこその早期技術共有です

翠「うん、これならアルカノイズに触れられても分解されることはないはずです」

簡単な設計図を渡したり改良の際にも立ち会ったり、そんなことをしながら勧められた刀使用S装備の改良は程なく終わりました
相変わらずノイズに対しては『最低でも装者1人を同行させる』しか確実な対処法はありませんが、こればかりは使用者に適合した聖遺物の有無が大きいので難しいところです

・・・

薫(刀使)「んで、肝心の人質の助け方で良い案あるやついるかー?」

集められた装者メンバーと刀使メンバー
詰まるところ作戦会議です

未来「あの...まずタギツヒメに迅移を使われると迅移が使えない私達じゃ追い付けないのをどうにかしないとダメじゃないかな」

可奈美「装者の皆も刀使になる...ってこと?」

姫和「簡単に言うな、私達でさえ稀な存在なんだ」

装者と刀使はそういう点ではよく似ています
適合する聖遺物、認められる御刀...それぞれそんな相棒のような存在が必要不可欠

マリア「私達の中で付いていけそうなのは...翼、かしら」

翼「私...?」

響「そういえば翼さん、あの時刀使の女の子の服によく似た姿にギアを変化させて、迅移使ってましたよね!」

何デスと!?

翠《今の話本当ですか『翠』っ!その場にいたんでしょう!?》

『翠』《え?あ、うん言い忘れてた...翼さん今結芽ちゃんギア使えるから》

翠《早く言っといてくださいよそういうの...》

これまだまだ私の知らないことがありそうですね...

翼「あぁ、だがあの時こそ何とかなったが、所詮は真似事の力...次も使いこなせるかは」

可奈美「じゃあ練習しましょう!実践が大事だからまず立ち合いから!!!」

翼「な、いや、ちょ」

可奈美「てことで行ってきます!」

姫和「待て可奈美!可ー奈ー美ーっ!!」

...行っちゃいました
嵐のような人ですね

薫(刀使)「おいこんな時にアイツあれでいいのか?」

舞衣「あはは...あぁ見えて可奈美ちゃんも色々考えて行動する子ですから、大丈夫だと思うよ...多分」

マリア「まぁ、慣らすのが簡単でないなら悩んでいる時間も惜しいのは確かだものね」

エレン「それで、話を戻しマスが...タギツヒメは私達刀使...それに翼さんを含め仮に9人で迅移を使い挑んだとしても、恐らく対応されてしまいマス」

沙耶香「囮役を作って人質を助けるのは難しい」

えぇ、タギツヒメが迅移を使わない舐めプをしていても刀使6人に私と『夏菜』さん、未来さんが加わった状態でいなされてしまったんです
その目を欺くようなことは恐らく失敗に終わるでしょう

調「でも、手はないことはない」

クリス「タギツヒメはわざわざ人質を連れて出向いて来たんだ、直接見せなくても写真なりなんなり挑発のしようはあったはずなのに、だ」

『翠』「つまり...今度も見せ付けるように、戦場に夏菜を連れてくる可能性はある?」

マリア「それどころか、あるいは挑発が趣味なら戯れ半分に盾として持ち出してくる可能性すらあるわ」

なるほどそれはとても効果的な挑発です
もしかすれば訃堂さん以上に下衆なやり方とも言えるでしょう

マリア「気持ちはわかるけれど落ち着きなさい翠、こっちを睨まないの」

翠「っ、すみません...」

マリア「ふぅ...とにかく、つける隙があるとすればそこ」

つまり、タギツヒメが夏菜さんを盾として見せ付けてきた時
そここそが唯一不意を突いて奪還出来るタイミング、ということですね

未来「タギツヒメは強いけど、不意打ちには弱い...翠ちゃんの時もエルザちゃんの時も、トドメこそ刺せなかったけど接近と接触を許してしまってた...」

薫(刀使)「決まりだな...お前らもそれでいいか?」

薫さんが声を投げ掛けた方向に座っているのは真希さんと寿々花さん
意見こそ出してきませんでしたが、特に異論は無いようです
まぁかつて敵対していた身としては混ざり難かっただけでしょう



何かする?安価下
(特になければ作戦開始)

翼さんと可奈美ちゃん、それを追いかけていった姫和さんが帰ってくるのを待つ間タギツヒメをどう倒そうか話し合っていると、元の世界...シンフォギアの世界の方から通信が端末に入りました
ギャラルホルンを用いずに繋げられた今回の二世界間は刀使の世界側が用意した専用の回線があるので出来るのではと思いましたが、これは定期報告の手間が省けて便利ですね
もっとも定期報告が必要なほど長居しなくて済むのが一番ではありますが

エルフナイン『皆さん、電波は良好でしょうか』

マリア「えぇ、問題なく聞こえているわよエルフナイン」

丁度良いタイミングということで、軽くエルフナインちゃんを通じて本部と情報共有を
刀使用S装備にアルカノイズのバリアコーティングを施したこと、そして

エルフナイン『夏菜さんにノロが...ですか』

夏菜さんの現状について
安否という意味での無事が確認出来たことはあちらも安堵したようですが、やはりノロを注入されたという点は大きな不安材料になります

エルフナイン『対処法は』

翠「一応、アスクレピオスが有効なことは証明されました...消せないことはありません」

エルフナイン『そうですか』

ふと端末から目を離して顔を上げると、周りにいたほとんどがギョッとした...というより信じられないものを聞いたような顔をしていました
頷いていた、あるいは呆れたような顔をしていたのは『翠』と舞衣ちゃん、沙耶香ちゃん、薫さん、エレンさんだけです

翠「あれ...?」

『翠』「アホ...その事まだ言ってないでしょ」

その事って、体内に注入されたノロがアスクレピオスで消滅させられることですか?でもミラアルクさんの時に成功したことはもう...あっ違うこれ秘密にしてたんでした

未来「翠ちゃん?」

翠「はいっ」

未来「後でどこで何をして知ったのかちゃんと教えてね?」

翠「ひぇっ」

もしかしてこれやらかしましたかね...いやそうですよね、アスクレピオスで、つまり戦場で即座にノロを消滅させられるってなったら作戦若干変わってきますよね

エルフナイン『あの...?』

翠「あ、エルフナインちゃん!何ですか!」

エルフナイン『いえ...念の為なんですが...もし仮に、万が一にも夏菜さんの機械化している部分にまでノロが侵食、影響を受けているようであれば、危険ですので除去する際は慎重に行ってください』

翠「あぁ、わかりました」

機械化した部分にノロの影響が出ていたとしたら、ノロが消滅した瞬間元に戻る、なんて都合のいいようなことには多分ならないでしょう
よくて整備不良レベル、下手したらとんでもない誤作動を起こす可能性もあります

翠「機械はアスクレピオスでも戻せませんからね...」

もっともアスクレピオスの効果は未だ未知数なので、断言は出来ませんが
十中八九、少なくとも夏菜さんの機械化した部分はアスクレピオスに人体として判定されないでしょう
されるとしても怪我、手術の後の部分って判定になるんでしょうか?

・・・

で、肝心のタギツヒメへの対抗策ですが

エレン「簡単に案が出たら苦労はないのデース...」

切歌「単純に強いっていうのが一番厄介デース...」

ただ強さに全振りしたような敵といえば、最近はアダムさんでしょうか
アダムさんの時はとにかく反撃されようとも食らいついて、フォークとアスクレピオスを使った擬似コンティニューの連続でごり押ししたんですよね...でもタギツヒメの場合は迅移使われたらその作戦も崩れてしまいます
距離を取られれば取られるほど連続攻撃が途絶えて振り出しに戻りますからね

『翠』《ねぇ翠、例えばタギツヒメっていう『神様』に『神殺し』をぶつけるってのはどうよ》

翠《『神殺し』...響さん、ガングニールですか》

神を殺したという伝説が無いはずなのに付与された『神殺し』の力
正確には神を殺した事実を隠されていたということらしいです

翠《でもタギツヒメは確かに神、禍神を名乗ってはいますが、名乗っているだけで実際は...》

『翠』《名乗ってさえいれば、『私』達がそれをそうであると認識してあげれば、『私』達の世界じゃそう成り得る...とは思わない?》

翠《発信と他者の認識...哲学兵装ですか!》

あまり哲学兵装の概念を拡大解釈するのも怖いですが
可能性は0ではないでしょう

翠《今のタギツヒメは未来さんの神獣鏡の影響を受けています、すなわちこちらの...シンフォギアの世界の理の影響を受けている存在》

『翠』《なら、こっちの常識をぶつけるのだって出来るはずだよ》

希望的観測に希望的観測を重ねるような考え方ですが、筋はちゃんと通っています

翠「皆さん、聞いてください!」

・・・

やや疲れ気味の翼さんと姫和さん、満面の笑みの可奈美ちゃんが戻ってきてから少し休憩を挟み
現在、タギツヒメの捜索が開始されています

姫和「見つけ次第作戦を開始する」



コンマ下
奇数(01~49) タキリヒメの所
奇数(51~97)イチキシマヒメの所
偶数 全然見つからない
ゾロ目 現世と隠世を繋ぐ扉

切歌「全っ然見つからないのデス!挑発してきたのあっちからデスよね!?」

調「切ちゃん落ち着いて」

翠「もしかして隠世に籠もってるんでしょうか...」

タギツヒメの捜索は難航し、当然夏菜さんも見つからず
時間だけが刻々と過ぎて行きます

未来「やり忘れたことがあって私達の世界にまた...なんてことは」

『翠』「だとしたら通信が入るだろうけど...」



どうする?安価下
(特になければ判定)

紫『このまま無策に探し続けても恐らく良い結果は得られないだろう』

何人か同士で手分けしていた捜索ですが、これ以上はアプローチを変えるべきという話もあり
紫様から一度管理局に全員戻るよう連絡が来てしまいました

『翠』「仕方ないとはいえ、手掛かりもロクにないし相手は隠世にも行けるしで...」

翼さんマリアさんが訃堂さんの所に捕まっていた時には場所自体は把握出来ていましたが、今回夏菜さんのはそこからです
こうしている間にも荒魂の侵食が進んでいるというのに...

翠「AIさん、ここの世界の座標見付けた時みたいに大まかな場所を探せたりしませんか!?」

AI『全力でやってる最中ですよ!でもそのノロとかいう物質が混ざってるせいか雑音とかの方のノイズが多くて...』

頼みの綱があるとすれば文字通り発信器で位置を特定出来るAIさんなんですが
微弱な電波をキャッチする為に私もAIさんを高く掲げてあっちへ行ったりこっちへ行ったり
段々AIさんがWi-Fi探してる時のスマホに見えてきました



コンマ下
01~80 見付からず
81~00 微弱ながら見付けた!

AI『ぐぬぬ...』

どうやら成果は芳しくないようです
出来ることなら夜通し探し回りたいというのが本音ですが、タギツヒメと戦うことになった際その無理が祟って支障が出たら更に状況が悪くなると理解もしていました

翠「夏菜さん...『夏菜』さん...」

何か...何か手は残っていないのでしょうか
思い出すんです、これまでのことを...きっと何か...
記憶を辿り、糸口を探しながら、私達は管理局まで戻ります



どうする?安価下
(特になければ休憩後捜索再開)

・・・

管理局に戻ってきた私達ですが、事態が好転するわけもなく
刀使のうちの何人かは何かしらの用事があったのか呼び出されていましたが、他の皆さんや私達装者は歯痒さもどかしさをどうにかするための何かを、あるいは一分一秒も無駄にするべきではないと打開策を探し頭を働かせています
私はというと

翠《こんな感じがここまでの流れです...何か良い案ありませんか、女神様》

文字通り神頼みをしていました

女神《一向に見付からず発信器は使えず、けれど明確に一刻の猶予もないことだけは先にはっきりしてしまっている...詰みですね》

翠《ですか...》

簡単に打開策が聞けるとは思っていませんでしたが、側から見ても詰んでいるとわかってしまうのは中々にこたえます
焦り故に見落としている点があるのでは、と期待していなかったと言えば嘘になりますし

女神《望ましいのは『夏菜さん『夏菜』さんとの連絡手段を確立させること』か『タギツヒメを誘い出すこと』...最低でもそのどちらかが出来なければ、流れは変えられないでしょう》

翠《後者に至ってはそれが出来れば私達が関わる前にとっくにやっていそうです》

そもそもタギツヒメが誘い出されていることに気付かないわけもないですし気付いた上で出てきてやりたい放題して一人勝ちするタイプでしょう

翠《前者も、夏菜さん『夏菜』さんが私達のように念話で繋がっていたりすれば良かったんですが》

女神《そもそも普通念話は使えない人が大多数ですからね?感覚麻痺してますか?》

それはわかっていますが...



他に案や話したいこと安価下
(特になければ判定)

女神《とはいえ、動きがないということはサボっているわけでないのなら何かを企む、待っている時にしか起こり得ません...思考するにしろ模索するにしろ、身体を休め体力を温存させて備えるべきだと思います》

翠《それは、言われなくても》

女神《そう言っておいて現実や若葉さん達のいる深層世界で模擬戦するのが翠さんでしょう?身体の疲労は魂に影響しますが、逆もまた然りです、肝心な時に回り回って来てしまったら今度こそその隙を突かれますよ》

うぐっ...

翠《わかりました...確かに、挑発をするだけしておいて姿を見せないのはこちらが捜索で疲労するよう誘導している可能性もありますよね》

何か大きな事をやらかすかもしれない...そうなった時夏菜さんの無事は絶望的です
疲労はアスクレピオスではどうにも出来ません、であるなら、今回は無闇に模擬戦やなんかをやるべきではないのでしょう

女神《それにノロの事もそうですが、身体のメンテの方は大丈夫なのでしょうか?いえ、むしろ充電切れで荒魂ごと動きが止まるーみたいなことになってくれると助けやすくなるかもしれませんが》

翠《荒魂にそういうのは関係無くなると思いますが...それに充電って、夏菜さん別に電気で動いているとかではないですし》

動力源にしているのはミョルニルなので起動している限り半永久的に動けるはず

翠「...ん?ミョルニルが、起動...?」

夏菜さんは擬似ギアを纏っていなくても常に体内にあるミョルニルの欠片を起動させています
であれば、規模は違えどシンフォギア起動時と同じ...

翠《すみません女神様!またあとで!》

女神《何か思い付きましたか?》

ひとまずエレンさん達のところに...その前にエルフナインちゃんにも

・・・

エルフナイン『夏菜さんの中のミョルニルのアウフヴァッヘン波形を、ですか?』

翠「そうです、探知をミョルニル一個に絞ればあるいは、と」

エルフナイン『ですがこちらから他世界に範囲を広げるのは...本部ごとそちらの世界に移すわけにもいきませんし』

翠「大丈夫です、恐らくこちらの世界にも基礎はきっと」

初めて姫和さん達と御刀越しに話した時にどういうわけか私達の存在を探知していました
つまり特定のものを探知する機能はある...そこを少し改良すれば、こちらでもアウフヴァッヘン波形を捜索、探知することは出来るはず

翠「何とか出来ないか交渉してみます、エルフナインちゃんはししょー達に説明、それから構造の説明をお願いします」

エルフナイン「わ、わかりました」

・・・

エレン「グランパから「話はわかった、少しばかり時間は必要になるがそう難しいことではないよ」とのことデス」

翠「ということは...!」

エレン「絶対ではありマせん、が...やってみる価値はあると思いマス!」

これでアウフヴァッヘン波形については探知装置の完成待ちですか

エレン「あ、そういえばかなみん達が他のヒメのところに会いに行くらしいデスけど、みどりん達はどうしマス?」

翠「他のヒメ...ですか」



安価下1
1 行く
2 行かない

コンマ下2
奇数 タキリヒメから
偶数 イチキシマヒメから

・・・

イチキシマヒメ「そうか、遂に差し出される時が来たか...それともそこの見ぬ顔の人間達と共に我は滅ぼされるのか...」

紫「それなら元より保護しないと以前言っただろう...はぁ...」

紫様引率のもと、結構な人数で押し掛けたのは潜水艦の奥深く
イチキシマヒメが保護されている部屋でした

姫和「相変わらずだな」

未来「わ、本当にタギツヒメに似てる...けど違うね」

クリス「あっちの耳当てが無くてこっちはマスクか?」

荒魂特有の黒い皮膚組織で作られた装甲に口元が覆われているため、イチキシマヒメの声は篭り反響していて、やや聞き取りづらく感じます
タギツヒメはそういった装甲が耳に、タキリヒメは目元に装着されていたり、装甲の形がどこか人の手の形を思わせることから元ネタが何なのかは察せますね

『翠』《 で、ここまで付いてこさせてもらったけどどうする?とりあえず外野に徹する?》

翠《そうですねぇ...》



何か話す?安価下

本来なら質問する...というか、話しかけることすら憚られる、恐れ多いとなりますが
こう言ってはなんですが圧全開だったタギツヒメを何度か相手したこともあってそこまで緊張せずに済んでいます
他にもイチキシマヒメのマイナス思考っぷりがあるからかもしれませんが

翠「あの...」

とはいえだからこそ、私は声を掛け質問することが出来ました

イチキシマヒメ「我に質問か、あぁそれならこの一時我に意味が見出されているのか、だがしかしその問いが、我の答えが不要な存在とならぬと何故思えようか?我の答えなぞ誰も欲さぬ、なればこそ我は」

クリス「うわコイツめんどくせえ」

薫(刀使)「まったくだ、てか長え」

可奈美「まぁまぁ2人とも...」

...何でしょう、この話聞く前から色々良くない方に思考が行く流れは聞いていて呆れてしまうのに共感出来てしまうのが悔しいです
いや悲しいんでしょうか?

紫「気にしなくていい、続けてくれ」

翠「あ、はい」

紫様の言葉にイチキシマヒメも思うところがあったのか、黙って聞く姿勢になってくれます
私はタギツヒメが聖遺物に目を付けたような言動を取っていたにも関わらず、聖遺物ではなく人質を取るという行動に出たことについて、そこにどんな意味があるのか思い至らないか、聞いてみました

イチキシマヒメ「タギツヒメ...人への報復を望む奴が態々生かし残すとは思えぬ、望むものがあったとしてそれを力に任せて奪うでも無く...」



イチキシマヒメの意見安価下

イチキシマヒメ「であれば生かす理由が存在したと考えるのが妥当、その人質とやらの人間を利用し何かを企んでいるのではないか?...恐らくはお前達にとっては望ましくない、良からぬことを」

良からぬこと...ですか
とりあえずやはりイチキシマヒメから見てもタギツヒメは理由がない限りはそういうことをしそうにないんですね

紫「良からぬこと、それについて具体的なことは思い至らないか?」

イチキシマヒメ「難しいな、元より我とタギツヒメ、タキリヒメは倫理矛盾を起こすほど思考に差がある、それに分離して以降は個々の動きや思考は共有出来ていない...そして我は切り捨てられた存在、それほどに分かり合えぬのだ...あぁ、また一つ我は我の意味を得損ねた」

結局、イチキシマヒメ視点ではタギツヒメが意味もなく人質を取る...というか、誰かを生かすとは考え難い、何か良くないことを企んでいるのでは、具体的なことは予想出来ない、ということでした

紫「次はタキリヒメのところか...そちらは朱音に任せてある、この後は朱音と合流してくれ」

可奈美「わかりました!」

マリア「アカネ...というのは?」

紫「私の妹だ、表向きには局長代理をしている」

名前の漢字だけでいえばワンチャン装者になれそうな人来ましたね...



コンマ下1
奇数 特になし
偶数 荒魂
ゾロ目 アウフヴァッヘン波形検知!

タキリヒメと何か話す?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

イチキシマヒメの所から離れ、何人かはイチキシマヒメ防衛の為その場に残り私を含めタキリヒメに興味があるメンバーは可奈美ちゃん達と共にタキリヒメを訪ねる予定でした
そう、予定だったんです

舞衣「市ヶ谷周辺に大量の荒魂が現れて民間人も無差別に襲ってるって...」

管理局に戻り知らされたのは荒魂出現の知らせ

マリア真希「「狼狽えるなっ!」」

寿々花「えぇ、これほどあからさまな陽動もありませんわ」

もしノイズの効果を持つ個体が混ざっていたら被害はより拡大してしまいます
ですがモニターに映し出されている荒魂はどうにも普通の大型のではなく

寿々花「わたくしと真希さんが出ます」

真希「古馴染みが来ているようでね」

大量の蝶の様な形をした小型の荒魂...そこに誰がいるのかは、私と『翠』も声には出しませんが察しました

翠《この流れ...この陽動と同時に、別の場所でもこれから戦闘が起こる可能性は高いですね》

『翠』《でも、夏菜が来ないとも限らない》

翠《えぇ、わかってます》

タギツヒメの狙いがわからない以上、この陽動の方と次に別の場所で起こるであろう乱闘
そのどちらかに夏菜さんが送り込まれる可能性は大いにあります
ここは...



安価下
1 真希さん寿々花さんに付いていく
2 残って次に起こる乱闘に参加
3 その他(記述)

翠「あそこに、夏菜さんも来るかもしれません...真希さん、寿々花さん、私も連れて行ってください」

付いていくことにしましょう

翠「お二人とその古馴染みさんの戦いには極力手を出さないとお約束します」

真希「...わかった」

寿々花「仕方ありませんわね、お気持ちは痛いほどわかりますし」

助けたい知り合いがそこにいるかもしれない
確率は全然違いますが、戦場に向かう理由は同じでした

翠《ここは私が行きます、そっちに夏菜さんが来た時にはお願いします》

『翠』《うん、こっちは任されたよ》

タギツヒメがどんな手で来るか分からない以上、訃堂さんの時のような特殊な結界でも張られない限りは妨害され難い念話を使える私と『翠』は別れて行動した方が連絡面からして安心です

マリア「ノイズの効果を持つ個体にしろ夏菜にしろ、翠1人というのは心許ないわ、刀使も2人行くことだし」

未来「あ、なら私が...神獣鏡なら体内のノロを消せるんだよね?」

翠「えぇ、未来さんが来てくれるなら私は戦闘に集中出来ますし助かります」

『翠』「んじゃ『私』がこっちの班の神獣鏡担当かな」

刀使の数にも合わせて装者メンバーを二手に分け、それぞれの戦場に向かうことにしました
『翠』達は可奈美ちゃん達と共にタギツヒメに場所がバレているタキリヒメの防衛に
私達は真希さん寿々花さんと共に荒魂が出現した場所に

・・・

真希「久しいな、夜見」

寿々花「お元気そうで何よりですわ」

現場に着くと、そこにいたのは真希さん達と同じ制服...親衛隊の服に身を包み手首から小型の荒魂を解き放っている少女

夜見「やはり来られましたか」

そして...



コンマ下
奇数 夜見さんだけ
偶数 もう1人
ゾロ目 荒魂...?

翠「...」

夏菜さんの姿は、ありませんでした
しかし残念がってばかりはいられません
今この場で目の前の少女...夜見さんは間違いなく敵でおまけに辺りそこら中に荒魂がいるんですから

未来「その子も、ノロを...!」

寿々花「そちらの装者同様、貴女も手出し無用でお願いしますわ」

夜見さんの身体もまた夏菜さんのようにノロを含んでいると気付いた未来さんがすぐにアームドギアを向けようとしますが、寿々花さんに止められてしまいます

翠「未来さん、私達は周りの荒魂を倒すのに集中しましょう」

未来「う、うん...」

荒魂が暴れ、実害が出ているのも事実
ならばそれを止めるのが私達の役目!

真希「戻ってこい、もう高津学長の言いなりになる必要もない」

寿々花「紫様は現在ですわ、再び親衛隊として忠を尽くしましょう!」

夜見さんの方は真希さん寿々花さんの説得が始まりました
ここからの流れは恐らく私の知っている通り...となるとこの説得は十中八九失敗するでしょう
予想通り、というか記憶通り、夜見さんは2人の説得に対し僅かに口元を歪ませたようです

真希「夜見が...笑った?」

寿々花「何がおかしいんですの?」

夜見「だって獅童さんも此花さんも何もわかっていないから」

そして追加投与されるノロ

寿々花「なら遠慮はいりませんわね」

真希「君を止める、結芽のような最期を他の誰にも迎えさせはしないっ!」

それはつまりこの場に解き放たれる荒魂が増えることも意味していて

翠「未来さん!食べ切る前からおかわりですよ!」

未来「荒魂って神獣鏡じゃ消せないの!?」

翠「体内に限るだと思います」

第一それもアスクレピオスなら成功していて、なら多分神獣鏡でもって話になっての実験でしたし
流石にノロ関係なくどんな怪我や欠損も治せる聖遺物の存在はあまり公には出来ないということで、管理局内で行われたノロ体内除去実験で使われたのは「あるべきカタチ」にする聖遺物の神獣鏡
それが成功したので、これからはこっちの世界で体内に投与されたノロを消す際は公の場や報告書を作成しなければいけない時は神獣鏡ということに

翠「荒魂のあるべきカタチが無という訳ではない、ということでしょうね」

未来「そっか...」

翠「というかタギツヒメの穢れを祓ったんですよね?」

未来「あ、そうだった」



コンマ下
奇数 『翠』ちゃん達の方に夏菜さんが!?
偶数 そんなことはない

(『翠』「さらっとやった覚えのない出来事が差し込まれてなかった?」

女神「前回の更新で思いっきりミスした事に今更気付いたけど今更修正出来ないので苦肉の策です、大丈夫です多分誰も気付いてません...いや、本当すみませんでした」)

小型の荒魂を片っ端から斬り祓い、数を減らしていると

『翠』《こっちがビンゴだった!でも綾小路のS装備刀使も来てて手が足んないッ!》

翠《ッ!》

そっちには来ましたか、夏菜さん...!

未来「翠ちゃん!今通信が」

翠「こっちも知らせは聞きました!」

荒魂はこの分なら倒し終えるでしょう
しかし夜見さんの身柄確保までと考えると時間はかかります
それまで『翠』達が時間を稼げるか...


安価下
1 『翠』ちゃん達の方に合流
2 夜見さんの説得をしてから

翠「ッ、ごめんなさい!」

いくら手は出さないと約束し、周りの荒魂も粗方片付けたとはいえ、私情を挟んで戦闘の途中で離脱するのは相手が納得してくれたとしてもあまり褒められたことではないでしょう
ですが、そうわかっていても夏菜さんの元へ一刻も早く駆け付けたいという思いを抑えきれません

真希「構わない、行けッ!」

寿々花「元よりそのつもりでしたわ!」

翠「...はい!ありがとうございます!」

快く送り出してくれるお2人に少しばかり心が痛みますが
今はその好意を有難く頂戴します

未来「なら残りを一気に!はぁっ!!」


『流星』


残っていた小型の荒魂をビームで焼き払い、私達は駆け出しました

翠「真希さん寿々花さん!くれぐれもノイズには警戒してください!そっちのバリアコーティングはまだですからッ!」

夜見さんとの戦闘が激化し、声が届いたかはわかりません
でも一瞬こちらに目線を向けた真希さんに、きっと届いていたと信じて

・・・

『翠』達がいたのはタキリヒメが祀られ(保護され)ている建物
一階のガラスは破られ、S装備を纏う装者と刀使と相対するように色違いのS装備を纏う刀使達がズラリと並び御刀を構えていました

未来「黒い、S装備...?」

装甲が銀で流れるノロは橙色な私達のS装備と違い、敵対する彼女達のS装備は装甲が黒く流れるノロは赤
わかりやすく悪役っぽいカラーリングです

翠「綾小路...はっ!夏菜さんは!」



コンマ下
奇数 苦しそう
偶数 苦しくなさそう?
ゾロ目 もはや獣

夏菜「ぐっ...ウゥ...!」

『翠』「気をしっかり持って!くっ...」

身体の自由が効かないのか、顔を苦悶に歪め『翠』に襲い掛かる夏菜さんの姿がそこにありました
ミョルニルの擬似ギアが全体的にパチパチと放電し、見える範囲では肌の半分以上が荒魂に侵食されつつあります

翠「夏菜さん!『翠』っ!」

まだ夏菜さんの意識は残っているようです
が、先に大人しくさせるか身体の主導権を夏菜さんに奪い返してもらわないと



どうする?安価下
1 夏菜さんと戦う(記述)
2 夏菜さんに呼び掛ける(記述)(難易度高)
3 手甲になって夏菜さんに憑依
4 その他(記述)

夏菜さんの身体の構造上、理想的なのはアスクレピオスでノロを消し去ること
ですが機械部分にどんな作用をするかわからないので、慎重にならざるを得ません
なので、まずは大人しくさせないと

翠「手荒にやらせてもらいます、耐えてください!それが嫌なら夏菜さん『夏菜』さん、荒魂を自力で押さえつけるくらいやってみせてくださいッ!」

私は夏菜さんを行動不能にさせるべく、そこへ乱入しました



どう戦う?安価下
(特になければ判定)

翠「ハァッ!」

夏菜「グッ...翠、さん...!」

空中から夏菜さんの槌に向かってキックを放ち、『翠』と距離を取らせます

『翠』「どうするの」

翠「こうします!」


『逆巻ク大蛇』


私は大蛇を呼び出し、共に駆け出しました
迫り来る電撃を避けながら近付いていきます

夏菜「ぅ...アァッ!!」

しかしそこで夏菜さんが床を強く槌で叩き、より一層大きな雷が

翠「まずっ」

避け切れな...


可奈美「ふッ!!」


その時、迅移を使いそこへ割り込んだ可奈美さんがその雷を一刀両断しました

可奈美「今だよ!」

翠「ありがとうございますっ!」

大技を出した直後だからか次の攻撃がすぐ来ることもなく、出来上がったのは夏菜さんに続く一本道
一気にそこを駆け抜け、私は夏菜さんを抱き締めます

夏菜「っ!」

翠「大蛇ッ!」


ダァンッ...


私ごと夏菜さんに叩き付けられる大蛇の尻尾
悲鳴を上げる暇もないまま、圧倒的圧力に目を見開きながら夏菜さんは意識を遠のかせていきました
かく言う私も全身の鈍痛が止まず今にもギアが解除されてしまいそうなほどですが

翠「後、は...これで...」


『影縫い』


痛みを堪え、夏菜さんの影に短剣を突き刺します
これで安全にアスクレピオスで夏菜さんを治せるはず

翠「よっこい...痛ッ」

『翠』「ほら、肩貸すよ」

翠「『翠』...」

すでにアスクレピオスのギアに変えていた『翠』が私の傷を癒しながら、手を差し伸べてきました

翠「じゃあ、やりますか」

私もギアをアスクレピオスに変え
ここからは手分けして、夏菜さんの身体の中のノロを慎重に消していきます
誰の目があるかわからないどころかかなり公の場ですが、ここまで荒れていれば神獣鏡じゃなくても誤魔化しは効くでしょう、きっと
念の為こういう時監視カメラやなんかには手回ししてもらう算段ですし、夏菜さんに神獣鏡を使うのは危険性が高いので避けたいところです



コンマ下
ゾロ目以外 治癒完了
ゾロ目 ???

・・・

夏菜さんの身体からノロは無事消滅させられました
AIさんにも確認してもらいましたが、気を失っているだけでもう問題はないそうです

『翠』「あっちもそろそろ終わりそう?」

綾小路の刀使達と戦っていた皆さんですが、原作と違いそこに響さん達装者もいるからか勢力としては互角...いえ、むしろこちらが勝っています
そりゃ薫さんが振るう御刀...祢々切丸すらも超えるほどの巨大なアームドギアを振るわれたりしているわけで

翠「響さんや未来さんは少し躊躇が残ってしまっているようですが、皆さんは容赦ないですね...」

おまけに刀使は皆揃って写シを張っています、つまりそれが剥がれない限りは最悪どう攻撃してしまっても相手の命は保証出来るということ
対人戦において『相手の命を奪ってしまうこと』が唯一の懸念ですが、それがなくなってしまえば皆さん今更ちょっと身体強化された程度の刀使に負ける通りはなかったようです



多数決安価下1~3
1 ここから先は彼女達刀使の物語、干渉するのは一先ずここまで!(コラボ終了)
2 いやいやここまで来たらタギツヒメ倒すまで付き合うよ!(コラボ続行)

***
2/3票入ったため2とします
***

『翠』《それで?》

翠《何です?》

『翠』《どうも今回、というか現在?ここの世界は本編終盤ら辺の時間軸っぽく見てるんだけど?このまま介入しちゃっていいの?》

『翠』の言うそれは、私も考えていたことです
例えばこれが大雑把に『タギツヒメ、タキリヒメ、イチキシマヒメに分裂した後辺り』くらいのタイミングであったなら、私達の世界の事情を終えて後は刀使は刀使、こちらはこちらでというのが理想的でした
本来互いの世界が干渉し合うべきではないというのはメタ視点を除いても常識ですし、メタ視点を込みにするなら所謂コラボ回を乗り切りさえすれば、のような感じで

しかし今回はそれ以前に、私の知る刀使ノ巫女の物語の本編に紛れ込んでしまうような時間軸であるとわかりました
つまりこの刀使の世界の結末...あるいは将来に、明確に影響を与えてしまうということです

まぁ未だに勇者ギアを頻繁に使っている辺りそういう概念はもう無いようなものですし、そもそもここ(転生後の世界)はシンフォギアの世界や刀使の世界があったとして、それらは物語ではなく現実ですからそういった希望的観測は厳しいところがありますが

『翠』《例えばこの刀使の世界の皆が原作通りの流れを辿ればハッピーエンドになれたとして、なら早い段階で流れを修正させるのも手じゃないかな...って》

翠《確かに私達の目的はもう達成したようなものです、刀使の皆さんも一番重要な目的であるタギツヒメの呼び戻しも成されました》

荒魂にノイズの効果が付与されてしまっている件は残っていますが、それは互いの世界同士でその都度、あるいは定期的に情報交換をすれば対処は出来ます
ですが

翠《ですが、ここは現実...すでに大きく流れが変わってしまったものを戻せるとは限りません、第一タギツヒメがアルカノイズを持ち帰っていたりする可能性も残っています》

『翠』《だよね...》

翠《それに敢えて言いましょう、原作ブレイクが今更何です!》

こちとらシンフォギアを一期から引っ掻き回す為に転生してきた身ですよ!

『翠』《じゃあ、このままタギツヒメを倒すまで...手を貸し続けるってことでいいんだね?》

翠《えぇ、乗り掛かった船です》

勝手に決めてしまった方針ですが、きっと響さん達もこんな中途半端なところではいさようなら、というのは納得出来ない性格でしょう
ししょー達に反対されたら説得するくらいの覚悟を今ここで決めてしまうべきです

『翠』「よし、そうと決まったら急ごう」

翠「ですね」

ここは現実と言ったばかりですが、原作に限りなく近い出来事が起きた、そして起きる可能性の高い現実という意味です
つまり多少は原作知識が役に立つのはこの2年でよく学んでいます
すでに綾小路の刀使達が押されるという原作との違いが起きていますが、もしその他のことが変わらなかったら...

翠「まず本部に夏菜さん救出の報告と、変わったこととか起きていないか聞いておきましょう」



コンマ下1
奇数 変わったこと有り
偶数 特になし

どんなこと?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

・・・

エルフナイン『夏菜さんを無事救出出来て何よりです、それでこちらで起きたこと、ですか...あ、そういえばつい先ほどお預かりしていた草花の中のナズナの葉が元気になりました、元々萎れていたんですけど』

翠「ということは夏菜さんは本当に助かった、ということですね...」

聞いたわけでも見たわけでもありませんが、もしかしたら芽吹ちゃんも...いえ、芽吹ちゃん達も、荒魂に争い戦っていたのかもしれません
だからこそ、復活出来たのでしょう

翠「他にはありますか?」

エルフナイン『えっと...』

通信越しに聞こえるエルフナインちゃんの声は、何か考え込むというか何を話すか整理しているように聞こえます
ですがそういう素振りということは、急ぎ戻らなければいけないようなことは起きていないということでしょう

エルフナイン『急を要するかもしれないことというと、まずウェル博士のご協力もあり、アルカノイズの反応の検知範囲をそちらの世界にまで広げることに成功しました、こちらからでも反応を検知出来ます』

アルカノイズの反応を?
そういえばあの糞P腕だけは確かなんですよね...しかしこれなら今回一時的に元の世界に戻ったり、今回の件が終わっても今後もすぐにこちらの世界に助太刀に行けるということ

エルフナイン『検知関連の機器類だけでなく、本部全体の復旧作業がある程度進みました、おかげで医療班もようやく動き、怪我こそアスクレピオスで治せましたが疲労していたり作業中に出た怪我人も安全に処置を受けさせられています』

翠「それは良かったです」

酷い惨状でしたからね...それに何かあった時に怪我の手当ても出来ないのではS.O.N.G.自体が回らなくなってしまいます

エルフナイン『ただ...気を失っていたエルザさんが目を覚ましたんですが、彼女は何故か衰弱が激しくて』

翠「エルザさんが?」

私はエルザさんより先に気絶してしまっていたので見ていませんでしたが、彼女は力を制限された身でありながらもタギツヒメに立ち向かってくれたらしいのです
怪我は治せたはずですが、タギツヒメとの戦いの影響か、それとも彼女の身体自体に何か原因が...?



コンマ下
奇数 タギツヒメ参上!
偶数 来なかった

エルザさんの事に関して...つまり一度誰かが様子を見に行くかどうかについては皆さんとも相談するとして、エルフナインちゃんとの通信は終了しました

『翠』「終わった?」

翠「えぇ、それでこっちは...」

通信をしている最中も周りを警戒し続けていましたが、どうも想定していた流れにはなっていないようで

翠「来ませんね...」

本編では訪れていたはずのタギツヒメは姿を現しませんでした

『翠』「タキリヒメも襲われなかった、そして襲撃してきた綾小路の刀使達がまとめて」

翠「こちらの戦力に倒され、保護されている...と」

視線をズラせば、装者や刀使の皆さんによってズルズルと運ばれていく気絶した綾小路の刀使の皆さん
一見すれば本来よりも良い流れのように思えますが、タギツヒメは撃退したわけではなくそもそも来ていないというのが不安です
何を考え、何をしようとしているのか



行動安価下
1 予定通りタキリヒメに会う
2 これだけ大きな事があったのだから作戦会議
3 夏菜さんが目を覚ますのを待つ
4 その他(記述)

・・・

タキリヒメに会うのはまた日を改めて、ということになり
私達一同は管理局の本部、そこの会議室に戻ってきました

エレン「保護した綾小路の生徒は全員拘束した後寝かせマした、かなかなはこっちの部屋でいいんデスよね?」

翠「ありがとうございます」

夏菜さんに関してはこちらの機器でメディカルチェックするわけにも行きませんでしたが、かといってただどこかの部屋で寝かせておくだけでもいつタギツヒメがまた攫いに来ないとも限りません
なので少々騒がしくなってしまいますが、夏菜さんは私達がいるこの会議室にそのまま運び込むことになりました

紫「綾小路の洗脳されていた生徒達のノロに関しては我々で全力を尽くす、だがもしもの時はお前達に協力を仰ぐかもしれない」

マリア「そういうのも想定内、こちらの本部の許可はすでにもらっているわ」

将来的には私達の助力無しに為し得なければいけない体内のノロ完全除去
なので極力、ギリギリまではこちらの世界で可能な治療法を探るらしいです
ノイズの効果を持つ荒魂と違いそちらは目処が立っていますから

薫(刀使)「親衛隊の2人はまだか」

未来「やっぱり戻った方が...」

夜見さんと戦っている真希さん寿々花さんは未だ帰らず
行ったっきり帰って来ない、というのはつい最近あった出来事もあって不安が増しますが、紫様は待つと決めているようです
それだけ信頼している、ということかもしれません



会議内容安価下

薫(刀使)「回収した黒い方のS装備はどうすんだ?」

紫「破棄、と言いたいところだがこちらも材料不足になる可能性は大いにある」

エレン「なので量産や改良の為に動いている班に回収してもらうことになりマス、使える部分は再利用デス!」

紫「それに当たって今後増える分についても出来るだけ対アルカノイズ用のバリアコーティングを頼む、対ノイズ用のバリアコーティング付与実験と並行してほしいと伝えてくれ」

S装備を増やし、タギツヒメに対抗する戦力を増やす...それが今最も急ぐべき案件です

紫「それから奴はあれから一向に姿を見せないが...今でこそ人体に投与するノロ等を完成させた思考であるイチキシマヒメと分裂したが、その知識、記憶と経験がタギツヒメからなくなるわけではない、もし懸念しているよう奴がそのノイズに似た兵器...アルカノイズを持ち帰っているとすれば、手を加えようとする可能性がある」

マリア「っ、アルカノイズを改造...?」

クリス「アルカノイズと荒魂のキメラでも作るってんのか?」

アルカノイズも荒魂も、私達装者や刀使にとってはそれぞれ大した敵ではなくても合わさっただけでどんな化学反応を起こすかわかりません
いえ、むしろ私達が想像も付かないような改造をしてくる可能性も
私達は単にアルカノイズが戦場に投下されることのみを想定していましたが、考えを改めることになりました

翼「小日向、確かタギツヒメの体色に変化が起きたのは神獣鏡の光を浴びてからだったな?」

未来「翼さん?はい、そうですけど」

翠「肉体の穢れを排除されたタギツヒメ...他に変化とか、おかしな様子はありませんでしたか?」

薫(刀使)「おかしなって...ねねに喧嘩売ってねえよな?」

売ってないです



コンマ下1
奇数 そういえばあったような
偶数 思い至らない

どんな様子?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)
(以前の判定より改心等は見られなかったものとします)

未来「どうだろう、私は変わる前も後もそんなに長い間見てきたわけじゃないから...あ、でも、タギツヒメが普通の女の子みたいな色になった後からは何となく攻撃が若干...ほんの少しだけ軽くなったというか、力が抜けてるように見えた、かな」

力が抜けてる...全力が出せなくなった、もしくは全力の上限が下がったということでしょうか
そういえばねねちゃんも全盛期(?)の頃は常に巨体を保っていましたが、穢れがなくなるに連れて小さくなり今のサイズになっていったんですよね
もっともねねちゃんは本気を出せば一時的にはまた巨体に戻れるようですが

姫和「そうだな、刀を交えて私もそう感じた」

薫(刀使)「現にタギツヒメ自身も「力を酷く抉り取られた気分だ」っつってたしな...あの様子じゃちったぁ焦って何割かやる気出してだと思うが、それで普段の舐めプより弱くなったってんなら有り難い」

沙耶香「ダメージは与えられてなかったけど、影響は0じゃなかった」

しかしそれだけではまだ勝ち目が薄いほどに強いそうです
しかしきっともう一度神獣鏡の光を浴びせたところでこれ以上の弱体化は望めないでしょうし

可奈美「私...タギツヒメが少し、態度が柔らかくなったように感じたんだ」

舞衣「可奈美ちゃん?」

可奈美「優しくはないけど、弱々しく...そう、弱気になってた!」

態度が...弱気に?
あのタギツヒメが

紫「力を削がれ、不測の事態に動転したということか?」

クリス「アイツにそんな可愛げあるか?まぁ...根っこんとこが違うなら、人類憎しの考え方も初心に帰って揺らいだ、なんてな」

タギツヒメにとっての初心?でもそもそも荒魂が荒魂たる在り方は人間に対する憎しみ無しにあり得るのでしょうか
ねねちゃんのように改心、心変わりしたというようなものは初心とは真逆ですが

姫和「喪失感...」

可奈美「あっ...確か累さんが」

姫和「あぁ、ノロが融合し知能、感情を芽生え荒魂となる時、最初に抱くのは喪失感...憎しみに直結はするが、憎しみそのものではない」

マリア「もしもタギツヒメの知能が神獣鏡の光の影響を半端な形で受けていたとしたら、抱く感情がブレる可能性はある...?それこそ初心とも言える喪失感を想起させる出来事を前にすれば、例え影響がなくとも」

紫「ただでさえ三つに分かれた際にもそれを強く感じた筈だ、ならば見た目以上に堪えているかもしれない」



他に何か話す?安価下
(特になければ判定)

・・・

紫「議題は変わるが、今回の一件でお前達...正確にはシンフォギアの戦闘面での能力が半ば公のものとなってしまった...無論付近の人払いは速やかに行われ、関係者にも箝口令が敷かれているが、人の口に戸は立てられん」

響「えっと...?」

未来「タギツヒメとは関係なく、シンフォギアを奪おうとする人がいるかもしれない、っていうことですか?」

元の世界...シンフォギアの世界では国家レベルで情報管理がされていましたし、公に発表されてからもまぁ適合云々の事も含めてだったのもあってかはぐれ錬金術師くらいしかギアペンダントを狙ってくる人はいなかった気がします
多分いても大抵は私達に知らされる前に緒川さんがOHANASHIして阻止してたりするんでしょうが
ですがこちらでは刀剣類管理局が保護してくれているとはいえ政府に比べれば権力は弱く、管理局自体一枚岩ではありません
公にシンフォギアシステムの概要を説明したわけでもないので管理局と無関係の人から見たらS装備の新型的な捉え方をされてもおかしくないです

紫「細かいことはそちらの責任者とも話し合いたいところだが、私達としてはもしそんな輩が現れた際は遠慮なく無力化する程度に抵抗する姿勢を取ってもらいたい、責任はこちらが取る」

クリス「不可抗力で傷付けちまってもいいからギアを守れってことか?」

紫「そのつもりであろうが、念の為だ」

確かに先に手出しOKと言ってもらえていると咄嗟の時に躊躇して隙が生まれる心配がなくなりますね

翼「それは管理局の人間を相手でも、ということですか?」

紫「最低限協力をお願いしたい案件の場合は朱音かここにいる刀使の誰かに伝えておくことにする、私か彼女達に確認が取れなかった場合は申し出を断ってくれて構わない」


なお、ししょーに通信を繋ぎ再度この話し合いを行った結果

弦十郎『こちらこそお願いしたい、だが何かしらの問題が起きた際は惜しみなく協力させてもらおう』

という快い返事により、ギアペンダントを狙われた際の姿勢は決定しました

『翠』《これあれじゃない?高津学長ら辺が手を回してきたら返り討ちに出来るやつ》

翠《その場合こっちに接触しに来るのは夜見さんじゃないですかね》

勝てますかねぇ...というか夜見さんと戦ってたはずの真希さんと寿々花さん遅いですね

切歌「そういえばさっきの通信で腕輪のこと、何も言ってなかったデスね」

調「捜索は難航してるのかな」

マリア「あの男があまり手元から離すのは考え難いけれど、離すとしたら絶対に奪われないと確信出来るほどの安全な場所があるのかしら」

翼「...あぁ、そうだな」

私達が夏菜さんを助けに来ている間にも、元の世界ではシェム・ハの腕輪を本部が総力を上げて探しているはずです
しかし見つかったのならその連絡くらいは来るはずで、つまりまだ見つかっていないと
まるで神隠し...神様の物?のようですしそれはただの返却では

紫「腕輪...?」

薫(刀使)「あっちの世界のキーアイテムっぽいやつの事だろ」

...一応話しておいた方がいいんでしょうか

翠「便宜上『シェム・ハの腕輪』と私達が読んでいる金色の腕輪で、神様の遺体に装着されていた聖遺物です...それを起動させれば『神の力』が手に入るかもしれなくて、悪用されそうになったところを犯人を捕まえて阻止出来たはず...なんですが」

沙耶香「肝心の腕輪の行方がわからない」

舞衣「沙耶香ちゃんっ!」

何かの拍子でこちらの世界に紛れ込んでしまっている可能性もなくはありません
私は見た目や大きさ等を紫様に説明してみました

紫「『神の力』か...穏やかではない、それにそれ程のエネルギーを秘めた物にタギツヒメが目をつけたら面倒な事になりかねないな」

デュランダルの次はシェム・ハの腕輪とか勘弁してほしいですね...でもそういえばシェム・ハの腕輪を巡るやり取りとタギツヒメが私達の世界にちょっかい出しに来たのは同じタイミングでしたよね
イヤー偶然ッテ怖イナー



コンマ下1
奇数 親衛隊帰還
偶数 まだ戻って来ない

コンマ下2
ゾロ目以外 特に無し(原作通り)
ゾロ目 夜見さん付き
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

薫(刀使)「つーか親衛隊、いい加減帰り遅くねえか?」

ねね「ねー」

そろそろ日を跨ぐというのに、相変わらず真希さんからも寿々花さんからも連絡はなし
まさかずっと夜見さんと戦い続けている...なんてことはないと思いますが

姫和「まさか連絡もロクに入れず、捕まえるまで戻らないと意気込んで相手を追い続けているわけじゃあるまいな」

エレン「ありそうな話デース」

未来「そ、それか2人でどこか休憩に」

響「未来」

未来「待って響!真面目に!真面目にそう思ったのだからふざけてないの!」



安価下
1 誰か探しに行く
2 朝まで待ってみる
3 その他(記述)

流石に知らん顔して放置...というのは、音信不通に若干のトラウマがある私達は気が引けます

クリス「誰かしら様子見に行ったほうが良くねえか?」



誰が行く?安価下
(複数人も可)

翼「私が行こう、装者の中でいざという時彼女達の速さについて行けるのは私だけだ」

響「私も!放って置けませんっ!」

立候補したのは翼さんと響さん
翼さんはともかく響さんは何に対して、誰に対して放って置けないのかはあえて聞きません
場合によっては余計拗れるかもしれませんが、それを今ここで言っても意味がありませんし

翠「なら、道案内は私がします」

とはいえ他の皆さんよりは事情を知ってしまっている身として、何もせず任せるというのも
なので私も行くことにしました

『翠』《くれぐれも気を付けて、これでタギツヒメが待ち構えてました、捕まりましたのコンボは困るよ》

翠《わかってます、そっちも夏菜さんのことお願いしますよ》

・・・

こうして私達3人は真希さん達が戦闘を行なっていた場所までやってきました



コンマ下
01~25 誰もいない
26~75 2人だけ(戦闘終了後)
76~98 まだ戦ってる
ゾロ目 夜見さん負けてる!?

そこに着いた時、聞こえてきたのは金属音
そしてこげ茶の残像が3つ...

翠「まだ戦ってました!?」

かれこれ数時間
まさか休みなく戦い続けていたんでしょうか...
私達も経験がないわけではありませんが、まさか本当にまだ戦ってるとは



どうする?安価下
(翠「ところで園子ちゃん」

園子「なーにー?」

翠「そっちの世界...ゆゆゆの世界って公式で女の子同士の間に子供作れる世界だったんですね...(ゆゆゆい石紡ぎの章第24話参照)」

園子「きっとりんりん達の世界もそのうちそうなるんよ~」)

私達が来たことに3人は気付いていない...ことはないでしょうが、見向きもしません

翼「互角故の停滞か、あるいは」

翠「いずれにしても、手出しは無用...いえ、無粋というやつでしょう」

これは彼女達の問題...とりあえず管理局にいる皆さんには現状を伝えるとして、私達に他に出来ることなんて事の成り行きを見守ることだけ

響「どうして...」

翼「立花?」

響「どうして戦ってるんですか...仲間なのに...」

翠「響さん...」

響さんの悲痛な声に真希さん達は当然答えることもなく、戦いは続きます

翠「戦う必要はない、ですか」

響「だって...私達は言葉が通じるのに」

翠「...?」

ふと、響さんの態度に若干の違和感を抱きました
何でしょうこの...懐かしいような感じは

翠「...あっ」

あれ?もしかして響さん、私が色々動いた結果今日まで「戦場で何を莫迦なことを!」のノルマ達成してないんじゃ
...まぁ、別にだからといって何かあるわけでもないですし大丈夫でしょう

翼「彼女達にとっては言葉より刀でこそ通じ合えるのだろう」

翠「それは多分可奈美ちゃんクラスじゃないと厳しいんじゃ」

むしろ可奈美ちゃんは一方的に心情を読み取ってきたりしかねません
真希さん達3人のはすれ違っている認識を合わせない限り話し合いでは解決出来ないというだけのことです
もっとも認識を合わせたところで、今度は別の問題が出てくるわけですが

翠「...厳しいですよね」

それはつまり、相互理解が不可能だからこそ起きてしまった対立です
すれ違い、勘違い、読み違い...それらが引き起こす争いは時として残酷な方へと...

その時、少し離れた場所から悲鳴が聞こえてきました

翼「ッ、荒魂か!?」

悲鳴がした方を注視すると、そこには黒い獣のような怪物ではなく、ほとんど透明のキグルミのような怪物が

翠「いえ、あれは...ノイズ!」


紫『ノイズの発生が確認された、すでにこちらからも数名向かわせたがお前達の場所からの方が近い、至急向かってくれ』


紫様からの通信もそう言ってますし、やはりアレは見間違いなどではなくノイズのようですね

響「翼さんは真希さん達の方お願いします!行こう翠ちゃんっ!」

翠「あっ、はい!」

流石に心配で見に来たのにまた全員で移動するわけにも行かず、迅移が(刀使ギアになれば)使える翼さんに後を任せることにしました


翠ちゃんどのギアで行く?安価下1
1 アメノムラクモ
2 アメノムラクモ(勇者ギア)
3 アスクレピオス(戦闘不向き?)
4 イミテーター(イグナイトなし)(何か模倣する際は何を模倣するか記述)
5 イミテーター(銀色のギア)
6 ミョルニル(イグナイトなし)
7 神獣鏡(他のギアと同時展開する場合はどれと同時展開するか記述)
8 フォーク
9 アメノオハバリ
10 レーヴァテイン
11 フツノミタマ
12 わっしーセット
13 ロンゴミニアド(イグナイトなし)(未使用)
14 玉手箱(イグナイトなし)(特殊)
(1、2、7、8、9、10、11、12はイグナイトも可、その場合は数字の他にイグナイトと記述してください)

どう戦う?安価下
(手甲になり響さんに憑依するのも可(戦闘力やフォニックゲインはユニゾンレベルとします))

「Imyuteus amenomurakumo tron」

「Balwisyall Nescell gungnir tron」


ギアと、念の為S装備を纏い現場に向かう私と響さん
私達のフォニックゲインに当てられたノイズ達はその存在を調律され、鮮やかなビビッドカラーに変わっていきます

響「皆さんここから逃げてください!」

響さんが逃げ遅れた人達を助けている間、私はアームドギアの剣を生成しノイズ達を斬り殴り

翠「手伝ってください、大蛇ッ!」


『逆巻ク大蛇』


さらに呼び出した大蛇にもその巨体を活かしてもらい、ノイズ達を一箇所に纏め

翠「響さんっ!」

ラストは救護を終えた響さん

響「でやぁぁぁぁぁっ!!!!」

纏められたノイズ達の群れの中央に向けてブーストを吹かし飛び込むと、地面と直角に拳を振り下ろします
全方位にその拳の衝撃が広がり、強い突風と共にノイズ達が塵...もとい炭と化し散っていきました



コンマ下1
奇数 終了!解散!(翼さんの方に戻ります)
偶数 おかわりもあるぞ!
ゾロ目 タギツヒメ「よっ」

どうする?安価下2以降
(特になければ判定)

響「終わり...みたいだね」

翠「ですね」

あるいはソロモンの杖のようにノイズを自在に操れる物を持った誰かの仕業なら、さらに多くのノイズを嗾けられていたかもしれません
ですが終わってみればそのようなこともなく、召喚にせよそうでないにせよ今回はもう打ち止めのようです

翠「S.O.N.G.本部の手は借りれませんから、炭化したノイズの残骸は縁様にお願いして誰か呼んでもらいましょう」

響「あーそっか、いつもは職員さん達がやってくれてるんだもんね...それじゃ引き継ぐまでの間にせめて炭纏めておこうよ!」

放っておいても風に乗って飛んでいきますが、元はノイズ...もし良からぬことを考える輩にこの炭から何か調べられたらこちらの世界でどんな事が起こるかわかりません
それに何より、ここにある炭は全てがノイズというわけではなく

響「...間に合わなくて、ごめんなさい」

私達が駆け付ける前に、ノイズに襲われ炭化してしまった被害者も混ざっています
それも、私達の世界の事情によって死んでしまった、本来ならこんな形で死ぬ筈がなかった誰か
ちゃんとした供養は出来なくとも、せめて手を合わせるくらいは

翠「...」


ノイズが現れてしまった


突然強い個体の荒魂が出現し、私達の世界特有の何か...それこそ例えばノイズが影響を及ぼした結果がそれなのではないか、そんな推測は荒魂と直接対峙した刀使の皆さんに何らかの心当たりがあったのか半ば正解のように扱われてきましたが、遂にノイズそのものが現れたことで現実味を帯びてきました
そしてそれは同時に、私達の世界とこちらの世界の共鳴、共振、が下手をすれば取り返しのつかないレベルにまで発展してしまっている可能性を大きく跳ね上げたことになります

このノイズが私達の世界から漏れてしまったものであれば、世界間の繋がりを絶ってしまえば駆逐は難しくないでしょう
ですがもし、もしもです、こちらの世界で自然発生したものだったとしたら...

翠「過去が...変わってしまいます...」

こちらの世界...刀使の世界の太古の昔に『先史文明期の人類がノイズを作り出した』という存在しないはずの事実が発生し、現在までの歴史が書き変わってしまいます

実際、ゆゆゆの世界も現在から遡り過去まで影響を受け、勇者という存在は初代の段階からバーテックスではなくノイズに対抗する為の装者に置き換わっていました

では刀使の世界もまた刀使という存在が装者に置き換わりパラレルな世界に変わるだけなのでしょうか
いいえ、決してそうとは限りません

『ノイズがいたから装者が出来る』のと『ノイズがいるから装者が出来ていた』では順序がまるで違います

『太古の昔に介入しノイズを作るように歴史を改変させた』のであれば、その後の歴史の中で装者が生まれても自然な流れです
ですが『現在でノイズが自然発生したから太古の昔にノイズが作られないといけなくなった』のでは、結果が先にあり原因を後から作ることとなってしまい、つまりその過程で生まれるべき装者の誕生は必然ではなくなります...まず現代で装者や他の対ノイズ装備が存在しないこの世界を元にして改変されるのであれば、装者が改変によって生まれる可能性はますます低くなるでしょう

ゆゆゆの世界は神樹様がいち早くその可能性に気付き自ら歴代勇者(や恐らく歴史巫女、歴代鏑矢等も)の魂に働きかけ更なる過去改変を被せた為、ギリギリ世界を保っていました

ですが、刀使の世界でも同じ事が起こるとは限りません
現在を基準にした過去改変は必ず逆因果律により世界に強大な負荷をかけます
世界が、あるいは世界を維持する神様のような上位的存在が世界を保つ為に神樹様のように過去改変を起こし刀使を装者に、もしくは刀使とは別に装者が生まれる歴史を作る可能性
未だ人類には正確な計算も把握も不可能な偶然...所謂不可思議現象、あるいは奇跡、あるいはご都合主義と呼ばれることもある事象により丸く収まる可能性
因果の葛藤に耐え切れず、世界が消滅する可能性
一つ目と二つ目はほとんど同じですが、考えられる可能性としてはこんなものでしょう

まぁ本来なら過去から未来、未来から過去を改変しようとしたところでどちらにしても、そしてそれを行おうとしているのがその世界の人間であれ他の世界の人間であれ『改変しよう』と考え行動に移した結果『改変しよう』と考えることはなくなるので矛盾は発生するはずですし、それが起きないなら過去あるいは未来に影響を及ぼしたと思ってもそれは単なるよく似た平行世界に過ぎず改変も平行世界を増やすだけという考えもあったり

ただ私は私の視点においての同一時間軸が本当に同一時間軸であったなら、この世界(正確にはシンフォギアの世界)というのは原作知識...限られた範囲においての未来の可能性...を持つ転生者の介入を許容したり、ほんの数秒、数分とはいえ記憶を保持したタイムリープを許容するくらいには融通の効く世界だと知っているので、ある程度は奇跡(ご都合主義)を当てにしてもいいとも思っています



響「もうすぐ管理局の人達が来るって~...ってどしたの翠ちゃん、炭見詰めながらボーッとして」

翠「いえちょっと...早いところ対ノイズのバリアフィーリングを刀使用S装備に搭載しないとな、と」

詰まるところ過去改変が起きるかどうか、起きたかどうかまだ把握出来ていない私がやらなければいけないことはそれですからね
歴史改変も逆因果律もまだ私にはどうすることも出来ません、起きてしまったらそれから考えましょう

・・・

やってきた管理局の人達に炭の山の後処理をお願いし、私と響さんは来た道を戻ります
真希さん達の戦いはあれからどうなったでしょうか...



コンマ下1
奇数 真希さん寿々花さん優勢
偶数 夜見さん優勢
ゾロ目 何か起きてる

何が起きてる?安価下2以降
(コンマ下1がゾロ目の場合のみ採用)

真希「夜見...っ!」

寿々花「夜見さん...」

夜見「...」

戦場に戻ると、そこでは真希さんも寿々花さんも肩で息をし膝を付かされるほどに押されていました
すでに迅移が解かれてしまっている現状、ここからの巻き返しは厳しいでしょう

響「ッ、翼さん!」

翼「あぁ、これ以上は!」

見ていられなかったのか、響さんと翼さんは今にも飛び掛からん勢いで拳と剣を構えます

夜見「邪魔はしないでください」

響翼「「!」」

しかし、夜見さんが自身の手首に御刀の刃を軽く当て牽制するのを見て動きを止めてしまいました
このまま突っ込めば新たに荒魂を放たれてしまう、そうでなくとも『手首を切る』ということ自体響さん翼さんにとって受け入れ難い行為でしょう

翠「...」

このまま何もしなければ夜見さんは恐らく逃げます
ですが無理に捕らえようとしても荒魂は放たれ、最悪ここにいる私達まで全滅しかねません
これは真希さん達の問題故、干渉せず彼女が逃げるのを黙って見過ごすべきかもしれませんが...



安価下
1 黙って見過ごす
2 戦う
3 その他(記述)

翠「...」

やはりここは静観するのが正解でしょう
任務も無理矢理にでも夜見さんを捕まえる、ではなく、あくまでその場に出現した荒魂を祓うこと、そして真希さん寿々花さんを無事戻らせることです
それにこれは原作知識持ちとしての視点となってしまいますが、これが最後ではありません
また会い話す機会はきっと



夜見さんコンマ下1
ゾロ目以外 特になし(撤退)
ゾロ目 まだ何かする!

何してきた?安価下2
(コンマ下1がゾロ目の場合のみ採用)

どうする?安価下3以降
(コンマ下1がゾロ目の場合のみ採用)

(コンマ下1がゾロ目以外の場合は見過ごした上でこちらも撤退)

・・・

あの後やはり夜見さんは私達に何をするでもなく、夜の闇に消えていき
それを見送った私達は真希さん、寿々花さんを連れ、管理局へと戻りました

薫(刀使)「ったく...もうすぐ日も昇るって時間まで粘りやがって」

切歌「それって相手がデス?2人がデス?」

エレン「どっちもデース」

薫さんが愚痴ってしまうのも無理はありません
結果的に私達全員がオールすることになってしまったわけですから

真希「長引き心配させ、あまつさえ夜見を引き戻すことも出来なかった、僕には何も言い返す権利はないよ」

寿々花「ですわね...」

紫「ひとまずは、無事に戻ってくれたことに礼を言いたい、それからここからは交代で仮眠を取ってくれ」



安価下
1 何か起こるまでスキップ(判定)
2 誰かと交流(誰と交流するか記述)
3 その他(記述)

・・・

あれから仮眠を交代で取り、やがてそのサイクルも落ち着いていきました
いえ、落ち着くくらい、あれ以降音沙汰がほとんどありませんでした
あっても野良の荒魂が出現してはそれを祓いに誰かが出動する程度

翠「まぁ、そんなに連日大事が起きても困りますが...はぁ...」

現在待機を言い渡されている私は、管理局のだだっ広い食堂の端の席に座っていました
何か起きてくれないと事態は進展しない、けれど何も起きない平和が続いてくれるのが一番
私の持つ原作知識が役に立てるのはタギツヒメの動き次第ですが、よりにもよってそのタギツヒメが恐らく一番今回の...シンフォギアの世界と刀使の世界との交わりの影響を受け思考も行動も変わってしまっています
ならばその思考と行動を予測する必要があるわけですが...

寿々花「ため息をつくと幸せが逃げますわよ」

急に後ろから声をかけられ、悲鳴を上げそうになるのを必死で堪えながら振り向くと、そこには寿々花さんが立っていました
その隣には当然真希さんの姿も



何か話す?安価下
(仮にあまり大きな声で話せない内容の場合は別室に移ります)

翠「寿々花さんと真希さん...」

真希「たまたま見かけたものだからね」

確かに話しかけるのに普通それほど理由は要りませんからね
私としては未だにハードルが若干高い事とはいえ
それともあまり話していないからこそ、距離を縮めようとしてくれているのかもしれません

翠「あ、でも」

寿々花「?」

翠「丁度良かったかもです、お二人に話したいこと...というか、聞きたいことがあって」

真希「聞きたいこと?何だい、何でも聞いてくれ」

翠「えっと...」

会話が途切れてしまうというのは避けられそうなものの、それは誰が聞いているかわからない食堂で話していいものか悩ましい話題なことに今更気が付きました
大丈夫ではあるんでしょうが

寿々花「...なら、少し場所を変えましょう」

・・・

寿々花「ここなら誰も来ませんわ」

翠「すみません...」

ここは普段真希さん寿々花さんがよく利用している部屋...多分レンジでチンしたお弁当とかよく食べてる部屋です

真希「それで?」

翠「はい、あの...夜見さんのことです」

夜見さんの名前を出すと、やはり2人は真剣な顔付きになりました

翠「アスクレピオス...シンフォギアの力を使えば、体内のノロを取り除くことは出来る、これはお二人も知ってますよね?」

真希「あぁ」

寿々花「こんな言い方は失礼と承知していますが、羨ましい限りです」

実際私達も便利に使っている力なので、そんな言い方をされても思うところはありません

翠「これは当然夜見さんにも言えることです...それで、次に彼女と会った際、どうしますか?」

今回は真希さんも寿々花さんも特に何も言わなかったので夜見さんの撤退はそのまま見逃しました
ですが言ってしまえば、アスクレピオス(あるいは神獣鏡)の効果を当てさえすれば最低でも荒魂を放出、使役する能力は無くせます

翠「彼女の意思を尊重するか、問答無用で試してみるか」



安価下
1 意見を尊重(勝ってから判定、アスクレピるかどうかは夜見さんに委ねられます)
2 問答無用(積極的にアスクレピる、勝敗とは別判定)
3 シンフォギアの力は借りない(刀使の世界の技術発展に賭ける)

真希「僕は...夜見の意思を尊重したい」

寿々花「わたくしも、夜見さんの考えをきちんと尋ねるのが先の方が良いと思いますわ」

真希さんと寿々花さんの意見は一致していました
夜見さんが望むものをこそ尊重する...例え次相対したとしても、ノロを消し去るかどうかは彼女次第

翠「...はい、私もそれが良いと思います」

夜見さんには夜見さんの考えが、思いが、信念があります


夜見『だって獅童さんも此花さんも何もわかっていないから』


あの時の言葉はまさにそれを示していました

真希「夜見は言った、僕らは何もわかっていないと...なら、彼女を理解するのが先だ」

翠「もしそれが、相容れない事だったとしても?」

あえて確認するような聞き方をしてみますが、2人の目は揺るぎません

寿々花「例えそうだとしても」

真希「あぁ、例え僕らの進む道が異なっていたとしても」

・・・

少し空気が暗くなってしまいました
ですが、こういうことは早めに聞いておくべきことでしたから、聞けて良かったと思います

寿々花「そういえば、確か腕輪を探しているんでしたわね?」

翠「え?あ、はい、そうですね」

突然の話題の急カーブに振り落とされそうになりましたが、なんとかしがみ付きました
しかしそういえばそうでした、シェム・ハの腕輪はいつになったら見つかるんでしょう...流石に忘れた頃に、なんて悠長なことを言っていられるほど放っておける代物ではないので心配です

寿々花「神の力...でしたか?それがどんなものかはわかっているんですの?」

翠「それに近いものかな、と思えるものは体験したことがありますが...ただただ暴力的なまでの強大な力と言いますか、自我を塗り潰されそうになるような...」

デュランダルやイグナイト(克服するまでの間)もそうだったりしますが、アダムさんがティキちゃんを使って発動させた神の力をこの身に受けた時にはそれとは比べ物にならないほどの強大さを感じました
苦しみ故に自我が崩壊するというよりも、塗り替える、書き換えるかのように記憶が抜け落ちるような

寿々花「自分が自分でなくなる...そんな感覚と?」

翠「近いかもしれません、そういった力が込められていると考えられているのが私達の探すシェム・ハの腕輪です」

あんな力、誰の手に渡ったとしても使いこなせず暴走してしまえば危険なのは言わずもがな、仮に使いこなせてしまったら
そしてその力を悪事に利用されてしまったら

真希「寿々花、何か思い至ることがあるのか?」

寿々花「いいえ、ですがどうにも邪推してしまうのですわ、以前までの紫様と重なる点が見られる気がして」

紫様と...?

寿々花「例えばそう...神の力とは単なるエネルギーではなく意思...タギツヒメのような強大な存在が眠っている...そんな気がしてしまって」

真希「考え過ぎじゃないか?実際神の力を手にしても自我を失いかけはしても、全く別の誰かに乗り移られたりはしなかったんだろう?」

翠「はい...」

しかしその発想はアリかもしれません
アダムさんがティキちゃんを使って発動させた神の力は謂わば天からの寄せ集め
ですがシェム・ハの腕輪は恐らくあのミイラの持つ力が恐縮されている感じでしょう
神様がどのようなことまで出来るのかはわかりませんが、そこに自分の意思も含めさせるのは可能かもしれません
事実、分霊であったり残留思念であったりと霊的な事は人間にも時と場合によっては可能であることを私は知っています

翠「しかしもしそうだったとしたら訃堂さんは何故そんなものを...いえ、知らなかった、思い至らなかったか、それか純粋な力のみだと確信出来ていた?それともあの腕輪に込められた神様の人格は護国の鬼だかなんだかの役に立つものだった...?」

訃堂さんが自分こそが頂点に立つべき、と考えているのかそうでないのかも知りませんけど...いやこれは『翠』や翼さん、ししょーに後で聞いておきましょうか
訃堂さんが大人しく捕まっているなら本人に聞きに行くのもアリかも

真希「ん?その『ゴコクノオニ』って?」

翠「え?あぁ...どういう意味なんです?護国の鬼って」

真希「いや僕が聞いているんだけど」

寿々花「ゴコク...は、五穀米の五穀ですの?それとも五つの国?」

翠「訃堂さんの家柄的には多分国を護る、で護国じゃないかなと」



どんな意味かな護国の鬼?安価下
(この場に知ってる人はいないので語感から連想する形になります)

(翠「XD3周年おめでとうございます!!!丁度話題になってますね、皆さんはXDでシェム・ハさんゲットしましたか?」

女神「私はゲットしましたよ!」

翠「ちなみにコンティニューは...」

女神「...コンティニューしてでもクリアする!」

翠「したんですねどっちの意味でも」)

『護国の鬼』...漢字もこれで合っているのかすら自信がありませんが、今それを言っても仕方がありません
それにそもそも別段私達もそこまで真面目に考察しているわけではなく、あくまで共通の話題が少ない故の適当な話題提供の末なので
とりあえず『護国の鬼』で行きます

寿々花「鬼、というくらいですし、鬼のように強いだとか、鬼と呼ばれるほどに護国...国を護っている、という方かもしれませんわ」

真希「例え命を賭したとしても、その姿はまさに鬼...か」

翠「鬼がかってますね...」

直接見たわけではありませんが、訃堂さんですらししょーも敵わないかもしれない程の強さと聞きますし
その訃堂さんが鬼と呼ぶなら本当に強さも鬼レベルかもしれません
それでいて風鳴家ならきっと武器は刀...

翠「鬼のように強い剣豪...宮本武蔵?」

決闘ズバッと超剣豪!
ともあれ風鳴家の剣豪に対して防人ってる翼さんのイメージが強いせいか、むしろ名乗りで噛んじゃう方の宮本武蔵さんの方を思い浮かべてしまいますが

真希「宮本武蔵...紫様の流派、二天一流の開祖か、もしそんな英雄が敵として現れたら劣勢は魔逃れないだろうな」

...まさか本当に英霊召喚するつもりなわけないです...よね?

真希「強いこと、信念を貫くことにも鬼という言葉は用いられるが、逆に良くない意味でも使われることは多いと僕は思う」

翠「良くない意味...悪口で使われることは確かによくありますね」

鬼!悪魔!ちひろ!みたいな

真希「例えば、目的の為...護国の為なら非情に、非道になれる...如何なる犠牲も厭わないまさしく鬼となった人...それもまた、護国の鬼と言えないか?」

なるほど、言われてみればそれもまた鬼と呼ばれるにふさわしい在り方です

寿々花「自身をも犠牲にする鬼と、他者をも犠牲にする鬼...正反対ですわね」

訃堂さんの言う『護国の鬼』は果たしてどちらの意味なのか、あるいはどちらでもないのか
機会があればその真意を聞いてみたいと、私は思いました

・・・

真希さん寿々花さんと別れ、次に訪れたのは医務室のうちの一室

翠「失礼します...まだ、眠っていますか」

そこのベッドに寝かされているのは、未だ目を覚さない夏菜さん
何か異常をきたしてしまっているのか、それとも精神的なショックを受けたのか

翠「私は専門ではありませんが」

ベッドの横の椅子に腰掛け、医療班の方から頂いた夏菜さんのメディカルチェックの結果を眺めます
私は医療知識こそ一般レベルですが、夏菜さんの身体は結構な割合が機械
なのでそちらの面からなら、異常がないかを少なからず探せると思い資料を見せてもらえないか頼みました
というのはまぁ半分くらいの理由で、もう半分はいてもたってもいられなかっただけですけど



コンマ下1
奇数 異常は見当たらない
偶数 気になる点有り

どんな点?安価下2以降
(コンマ下1が偶数の場合のみ採用)

翠「異常は無し...ですか」

そりゃ、ここも一応そういった方面のプロも揃っているわけで
そんな人達が見逃して素人の私が見つけられる程度の異常があるとは思ってませんでしたが

翠「夏菜さん...『夏菜』さん...」

なら、どうして目を覚ましてくれないんですか...



何かする?安価下
(特になければイベント判定)

紫「気を張り続けるようでは、先が思いやられるぞ」

医務室の戸を開け話しかけてきたのは、紫様でした
口調こそやや厳しめでしたが、その表情には罪悪感のようなものが見て取れます
他世界同士の干渉...自分達の世界の事情に巻き込んでしまったと考えているのでしょう
それか、タギツヒメが動きを見せない今気を張り続けざるを得ないからか
干渉云々は被害の大きさは別として、お互い様であることに変わりはないのですが

翠「...ずっとここにいたわけじゃありません」

紫「それでも、だ...今は英気を養え」

いつ来るかわからない、けれど必ず来る次の戦いに備え身体を、そして何より精神を休める
夏菜さん『夏菜』さんのことを頭の片隅に追いやる事は出来ませんが、しかし無理にでも休ませなければいけない

翠「...はい」

私は紫様の言葉に甘えることにしました



クリスさんと何話す?安価下

undefined

・・・

夏菜さんの寝かされている医務室を後にした私は、何処に行く用事も誰と会う用事も急を要するものはなく
また食堂の端の席に戻ってきていました
適度に周りに人が少なく静かにしていられる場所という条件だとこの施設ではここが一番合いますからね

翠「与えられてる部屋...でもいいんですが」

S.O.N.G.の本部と違い空き部屋の数にそれほど余裕もなく、加えて訪れた私達は大人数
必然的に相部屋...というか少し広めの部屋に装者メンバー全員一緒に、という状況です
それ自体に不満は全くありませんが、考え事をしたいときにはあまりいい環境とは言えません

翠「はぁ...」

幸せが逃げると寿々花さんには咎められてしまいましたが、心の中にあるモヤモヤのような、灰汁のような濁った何かを吐き出すにはやはりこうなってしまいます

夏菜さんの身体には、生身の部分にも機械の部分にも異常は見られませんでした
それは私も、ここにいる誰も突き止められない何かがあるのか、精神が目覚めることを拒否しているのか

翠「...私がどうすれば、応えてくれるんですか」

前者であったなら、私が何者になればそれを発見出来るのか
後者であったなら、私が何て呼び掛ければ戻ってきてくれるのか

翠「それとも、どちらも私には...」

私では夏菜さん『夏菜』さんを目覚めさせるに値しない、そういうことなんでしょうか

私は、ある意味文字通りの特別です
シンフォギアの世界、刀使の世界それぞれの原作を...ここや元の世界からすれば限られた未来の可能性を、知っています
シンフォギアの世界でこそすでに知っている期間を過ぎ、誰も知らない時間を歩むことで私も他の皆と一緒になれたと思っていました
けれどそれは勘違い、ただの現実逃避だと、この刀使の世界にやってきて思い出しました
何処まで行っても私は異物、イレギュラーなのだとしたら
異物ゆえに、イレギュラーゆえに出来る事と出来ない事がはっきりと分かれてしまう
例えば夏菜さん『夏菜』さんを目覚めさせるのは、その役割を持つのは、同じ世界の誰かなのだとしたら
私は私であるが故に何処まで行ってもその役割になることは出来ないでしょう

では私が異物、イレギュラーであったとして、ならその本領を他で発揮すればいいのかと聞かれれば
きっとそうでもなくて

翠「元の世界のことだけなら...」

シンフォギアの世界のことだけなら、身勝手な言い方ですがその世界でずっと生きていく、罪を背負っていく責任と覚悟のようなものがあったので多少の改変行為...原作の流れから逸れるような事もやれていました
ですが刀使の世界はそうではありません
今更な問題でしかないとはいえ、その世界の先を知っていて、変えた後のことに責任を持てないとして、変えられるのか、変えてしまっていいのか

個人の想いとしては
夏菜さん達の仇(死んでません)という意味でも、出来ることならタギツヒメには結末どうあれ痛い目を見てほしい、見させたいとも思いますし
互いの世界同士がもはや他人事では済まないくらい干渉し合っているのは明白なので、多少の改変は致し方ないとも思います
そして、『刀使の巫女』において私の知る原作...そしてこの世界の遠くない未来でもきっと...決してハッピーエンド とは呼べない結末を迎えてしまう人を、出来ることなら

翠「...いえ、これはエゴですね」

何が出来るのかもわかっていないのに、出来る前提で悩むことはこの上なく傲慢な行為です

私が何かしたところでこの世界の運命は変わらないかもしれない
私が如何に無力かなんてこれまで何度も、それこそ目を覚さない夏菜さんの異常を見つけられなかったこと自体それを如実に示していたじゃないですか

けれど低い確率から目を逸らすのも怠惰な行為
どうせ何も変わらない、そう言って好き勝手した挙句取り返しのつかない改変が起きた時、私にはそれを無かったことにする力はまだありません

だとすれば私がすべき事は?何に対しても対処可能な力を手に入れる事?それともやり直せる手段を手に入れる事?
それとも、すべき事なんてもう


クリス「いい加減、一人で抱え込むのはやめろ」


翠「...」

デジャビュ
ですが今回後ろから声をかけてきたのはクリスさんでした
案外この席も考え事するには向いていないのかもしれません、すぐに誰かしらに見つかってしまいます

翠「一人で抱え込んでるように、見えますか?」

クリス「見えないと思ってんならアタシらを舐めすぎだ」

まぁ、実際一人で座っているわけで
ならそう見えても仕方がないでしょう

翠「ずっと一人なわけじゃないですよ、真希さんや寿々花さんとも話しましたし」

クリス「話した、じゃなく話しかけられた、だろ?」

翠「...そうとも言いますか」

クリス「お前ずっとそういうとこわかりやすいんだよ」

翠「でも、なら私が一人で考えたいのかもしれないじゃないですか」

ふと、嫌な言い方をしてしまいました
しかしクリスさんはそれを気にせず追撃してきます

クリス「...お前は一人じゃない、周りには装者や刀使がいる、何か悩んでる事があったら抱えてないで言え」



コンマ下1
奇数 もう少し会話タイム
偶数 エルフナインちゃん凸

どうする?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)
(クリスさんへの返事等)

翠「...クリスさん」

あぁ、わかっていました
私が今、他人を避けていることを
一人で考えようと、抱え込もうとしていることを
当然自覚していました

翠「それは、きっと無理ですよ」

でも仕方ないじゃないですか

翠「本部が襲撃を受け、荒らされたこと」

だってこれは、私が上手くやれていれば避けられたかもしれないことで

翠「夏菜さんが拐われたりしたこと」

そもそも私がいなければ、起きなかったはずのことで

翠「それら全部、私のせいですかって...私の詰めの甘さが招いてしまったことですかって...」

クリス「おい、お前...」


翠「そう尋ねられて、答えられますか?」


クリス「違っ...!」

クリスさんは優しいですから、反射的にそれを否定しようとします
でも、私の目を見て言葉に詰まってしまいました

翠「私だって、何でもかんでも自分のせいだって考えるほど自意識過剰じゃないです、でも、だからこれは、私なりに考えた結果なんですよ」


コンマ下
00~33 そうだな
34~66 沈黙
67~99 違う

クリス「...そうだな」

翠「!」

クリス「お前が言うんなら、そうなんだろうな...ならその上で相談しろ」

そう言うクリスさんの声はほんの少し怒っていた気がします
それに呆れも

クリス「アタシらが間違えて、許されて、でもってそれでも勝手に償おうとして、手を握ってきたやつがいた...そうだろ?」

翠「それは...」

クリス「諦めろ、お前もアタシもあのバカに目ェ付けられて絆されてんだ、バカだけじゃない、もうどいつもこいつもすっかり影響されちまってる」

それは、そのうちの一人はまさに今目の前にいる人でしょう

クリス「...だから無理にとは言わねぇ、すぐにとも言わねぇ、けどどうせ首突っ込まれて手ェ掴まれて引っ張り上げられるんだ、どっかでとっとと降参するんだな」

翠「...」

どうやらクリスさんは、私が言う気がないのを察してその気になるまで待ってくれようとしているみたいです
痺れを切らしてやってきたはずなのに、まだ延長してくれるなんて

翠「...ありがとうございます、クリスさん」

クリス「ふんっ」

やや頬を赤く染めてそっぽを向くクリスさん
照れてるんでしょうか
...流石に転生云々は無理でも、そういうのを抜いてなら、話してみるのもアリ...かもしれませんね

翠「...あの、クリスさん」

意を決し、いざ相談しよう...と思った矢先、端末に通信が入ったらしく着信音が私のポケットから鳴り出しました

翠「あっ...すみません、ちょっと」

タイミングはあまり良いとは言えませんが、緊急連絡かもしれませんからね
通信をONにすると、その相手はエルフナインちゃんでした

エルフナイン『失礼します、今大丈夫ですか?』

翠「はい、そっちで何かありましたか?」

エルフナイン『実はようやく根回しが整って、S.O.N.G.だけでなく外部の信頼出来る組織とも協力してシェム・ハの腕輪の本格的な捜索が始まりました』



どうする?安価下
1 あえてこのタイミングで一旦元の世界へ
2 イベント判定
3 その他(記述)

今までは他国、それに訃堂さんが拘束された事により今まで押し付けられていた権力者達がここぞとばかりに声を上げ国内からも横槍が多く中々思うように(あくまで公にという意味ですが)進められていなかったシェム・ハの腕輪の捜索
それが満を辞して、つまり今度こそ設備や道具等を自由に糸目を付けずに導入する事が出来る様になったとのことです

エルフナイン『ただ事態が動いたという事は、後先考えず手段を選ばなくなる勢力が現れる可能性もあるという話が出てきまして』

それはつまり、全員が平行世界...刀使の世界に出払ってしまっている現在そういった場合、例えばアルカノイズが用いられるような事態になった場合に対処が出来なくなってしまうかもしれない、ということですね
RN式回天特機装束を持つししょーと緒川さんは最終手段ですし、同じくRN式回天特機装束を持つ『凜音』ちゃんとダウルダヴラを持つエルフナインちゃんはそれ以上に最終手段、非戦闘員ですし
急を要するシェム・ハの腕輪探しも、事態が好転しても良い事ばかりではありません

クリス「てことは何人か戻った方がいいな」

エルフナイン『そういう事になります』

クリス「他のやつにも伝えとく」



誰が戻る?安価下
(複数人可)

・・・

話し合いの結果、元の世界に出動するメンバーが決まりました
まず、こちらの世界にタギツヒメがいる手前、あまり戦力を分散させたくないということで単体で比較的戦闘力の高いマリアさん
特殊な結界でも張られない限り機器に頼らず通信(というか念話)が使える私と『翠』のどちらかを、ということで、訃堂さんに話を聞く可能性も考慮すると不安定になりかねない『翠』を残し消去法で私
シェム・ハの腕輪の暴走その他に備え聖遺物殺しの神獣鏡を纏う未来さん
この3人です

マリア「一度は任務に失敗した身、汚名返上ね」

未来「皆、響のことよろしくね」

翠「いってきます」

出来ることなら夏菜さん達にも一言行ってからにしたかったところですが

クリス「翠」

翠「っ...」

クリス「さっきの話、忘れんなよ」

・・・

そんなこんなでS.O.N.G.の本部に戻ってきた私達
行きの時はほぼ壊滅状態だった本部も、もう既にほとんど修復されていました

エルフナイン「皆さんおかえりなさい!準備が出来次第呼びますので、それまで身体を休めていてください」



どうする?安価下
1 腕輪捜索開始までスキップ
2 その他(記述)

(翠「七夕の短冊に書く願い事って、悩みますよね...ハッピーエンド、なんて願ってみましょうか?」

『翠』「一年に一度だけ掛けられる天の川の橋...でもそれ以前に大体いつも曇ってるよね、今年は晴れるといいな」)

身体を休めていて、と言われましたが
私としてはシェム・ハの腕輪捜索の護衛の他にもう一つ用事がありました
用事というか、単に気になっていたことというか

エルザ「戻って...シュコー...きたんで...シュコー...アリマスか...」

翠「まだ一時的に、ですけどね」

衰弱が激しいと聞いていたエルザさんは、実際本当に...ベッドに寝かされ呼吸器も付けなければいけないほどに、弱っています
何故これほどまでに衰弱してしまっているのか、原因は未だわかっていないようですが...

エルザ「ということは...シュコー...タギツヒメがまだ...」

翠「えぇ...」

エルザ「頼むで、アリマス...シュコー...ティキを...シュコー...壊した...シュコー...仇を...シュコー...倒して...」

ティキちゃん...かつてアダムさんと行動を共にしていたのとは恐らく別物の、ヴァネッサさん達3人の仲間だった存在
いえ、やり取りだけなら彼女達の関係を仲間と呼ぶのは些か疑問が残りますが、それは彼女達のみぞ知ることです


返事安価下1
1 必ず倒します
2 きっとどうにかします
3 だが断る

それはそれとして安価下2
1 アスクレピってみる
2 ヴァネッサさんやミラアルクさんとも話してみる
3 交流終了、次に行く

翠「きっと...きっとどうにかします」

私はエルザさんの手に手を重ね、そう約束しました
はっきりと倒すと言い切れない、言い切らない少しズルい言い方をしてしまいましたが、それはタギツヒメの原作での結末...『答え」を知っているから
勿論その答えに辿り着けるとも限りませんし、またその道を諦め倒そうとしたとしても、勝つと大口を叩けるほどの状況でもありません
だとしても、解決策なんて思い付きませんが、きっと解決してみせましょう

ミラアルク「けっ!話終わったならとっととどっか行くんだゼ!」

ヴァネッサ「こーら、ミラアルクちゃん?」

ちなみにさっきまで、エルザさんと話している間静かだったミラアルクさんは
未だ変わらず敵意を向けてきますが、ヴァネッサさんの鶴の一声で大人しくしてくれていたらしいです
エルザさんといい、微妙に私に肩を持ってくれる事があるのは何故なのかよくわかりません
好感度ぅ...ですかねぇ...?
いえまぁ何にしても味方してくれるというのならそれに越したことはないんですが

・・・

エルザさん達を後にした私は、刀使の世界の方で借りた夏菜さんのメディカルチェックのコピーを片手にナスターシャ教授やエルフナインちゃんのいる研究室へ

エルフナイン「異常が見られないのに目を覚さない...確かに、資料を見る限りそれらしい異常は見られないようですが」

ナスターシャ「聖遺物...ミョルニルも起動状態を保ち、それでもなお...タギツヒメとの接触を境に、ですか」

エルフナイン「まるで...」

まるでエルザさんと似たような
そうエルフナインちゃんは溢しました
片や衰弱、片や覚めない眠り...結果こそ違えど、そうなる直前は必ずタギツヒメと関わっています
それだけを理由にタギツヒメのせいだと決めつけるのは軽率ですが



安価下
1 もう少し話す(内容記述)
2 次に行く

・・・


ウェル「だーかーら!ちゃんとした手術かあるいは検査を受けとけって言ってんでしょうがッ!」


廊下を歩いていると、言い争い...というか、怒鳴り声に近いような声が聞こえてきました
あの糞Pは何を騒いでいるんでしょう


マリア「問題ないわ、事実あそこから抜け出す時までずっと私はピンシャン、むしろ調子良い、それにもうアスクレピオスによって完治しているはずよ」

ウェル「むしろ調子良かったら影響出てるでしょうがッ!それに取り込んだのは起動済みの自立型完全聖遺物で神の依代というおまけ付き、聖遺物の欠片とは訳が違うんだよアホが」

マリア「なっ!大体ネフィリムとの融合ならドクターも人のこと言えないじゃない!」

ウェル「はんっ!天才の僕と凡人のマリアが同じな訳ないでしょう?んなことより余計な不安要素残されると仕事に差し障りが出てくるからこっちが迷惑被るって言ってんの」


...うーん


安価下
1 巻き込まれたくない、スルーしよう
2 その他(記述)

あの2人が言い争っているというのも中々珍しいので、もう少しこのまま聞いてみますか


マリア「仕事ぉ?私達を騙くらかして英雄英雄ほざいてた人が随分と真面目なことね」

ウェル「真面目なことを詰ることほど頭の悪いことはないって理解出来ないのは流石に想定外、頭の検査の方が必要なんじゃないの~?」

マリア「ぅぐっ...と、とにかく必要ないわ、今はこちらでもあちらでも時間が惜しいもの」

ウェル「どうせ居てもいなくても大して変わらんでしょうに」

マリア「あら自己紹介かしら?」

ウェル「オバハン治ったからってあんま調子に乗るなよアイドル大統領」

マリア「たまに言われるけれどそれ何なの!?誰が言い出したの!?」


蕎麦の人です



2人の会話内容安価下
(特になければ出動までスキップ)

マリア「はぁ...わかったわ、なら残ってはいないでしょうけどこの後未来に頼んで神獣鏡で隅々まで聖遺物を消してもらう、そして検査を受ける、これで満足かしら?」

ウェル「最初からそう言っておけばいいんですよ」


結局、マリアさんが折れる形になりました
まぁ今回は珍しく糞Pの言っていることはまともでしたし、マリアさんも恐らくそこまで本気で嫌がっていたわけではないのでしょう
そこにあるのは反発心...わかります


マリア「それにしても...」

ウェル「はぁん?」

マリア「いいえ、ただ...それこそドクターが真意を曝け出したあの時からしばらくは事あるごとに英雄英雄~という状態だったのに、最近は聞かなくなったと思っただけよ」


言われてみれば、いつからか全然英雄って言わなくなりましたね
興味がないので具体的に何時頃からかとかは思い出せませんが...


ウェル「別に、今は翠をアイドルにするのに忙しいし、そんなものはここにいる連中に任せればいい、それだけのことですよ」

マリア「へぇ...そんなこと、ね」

ウェル「以前君も言ってたでしょう?ここのやつらのがよほど英雄だと...当然僕に掛かればプロデュース業と英雄の二足の草鞋など造作も無いッ!...ですが」


ふっと、遠い目をした彼は


ウェル「ただ一人だけ、僕を英雄と呼んでくれた人がいた...だから、もうそれでいい」


そう言って話を締めました


マリア「あったわね...あの時は槍でも降ってくるのかなんて茶化してしまったけれど...そう、あの時のことはドクターにとってそれほどまでに」

ウェル「...さぁとっとと行きなさいよ!チンタラやってて間に合いませんでしたじゃ話にならないんだよっ!」

マリア「ちょっ、貴方ねぇ!急かすくらいなら!」


翠「...」

あの男を英雄と呼ぶような稀有な存在がいたことは驚きですが
その事もあってここまで丸くなったのなら、良かったのでしょう

翠「むぅ」

出来ればそのやる気の矛先が私のプロデュースなんかではなくもっと別の事に向いてくれたらなお良かったんですが
まぁ、めでたしめでたし、なのでしょうか

・・・

未来「急にお願いされたからびっくりしちゃいましたよ」

マリア「悪かったわね、なにぶん任務が終わってからに後回ししたらまたぐちぐちとうるさそうな輩がいて」

神獣鏡→アスクレピオス→精密検査と異常がないかを念入りに確かめられたマリアさんの身体は健康そのもので
ともすれば危惧していたような事も無さそうでした

未来「そんなに心配されてるってことは、それほど大切にされてるってことかもしれませんよ?」

マリア「それはないわ、本当に、申し訳ないけれどやめて頂戴」

翠「真顔怖いですマリアさん」

とまぁそんなやり取りがあったりして

弦十郎「準備はいいかお前達ッ!」

遂に任務開始です



コンマ下1
奇数 問題発生
偶数 特に無し
ゾロ目 早々に腕輪発見!?

どんな問題?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)
(アルカノイズ、荒魂、はぐれ錬金術師等も可)

・・・

翠「開始早々これは...」

目星を付けていた場所...目星を付ける時点で有力候補ということになるので、こうなることも予想は出来ていましたが

未来「いきなりアルカノイズが出てくるなんて...!」

マリア「派手なお出迎えなんて、ここの主人は随分と礼儀がなっているようね」

果たしてその主人はどんな敵なのでしょうか
アルカノイズが出現した理由として考えられるのは、

ここがビンゴだった場合
ここではないが故の足止め
嫌がらせ

自然発生がほぼあり得ない為、まぁこんなところでしょう
しかしこれ結局奥に進んで確かめないとわからないという意味のない考察なんですよね

マリア「風鳴訃堂かはたまた錬金術師か...少なくともこの場所がノータッチではなかったことはわかったわ」

翠「例えハズレでも手掛かりくらいは!」

ということで、お仕事の時間です!



翠ちゃんどのギアで行く?安価下1
1 アメノムラクモ
2 アメノムラクモ(勇者ギア)
3 アスクレピオス(戦闘不向き?)
4 イミテーター(イグナイトなし)(何か模倣する際は何を模倣するか記述)
5 イミテーター(銀色のギア)
6 ミョルニル(イグナイトなし)
7 神獣鏡(他のギアと同時展開する場合はどれと同時展開するか記述)
8 フォーク
9 アメノオハバリ
10 レーヴァテイン
11 フツノミタマ
12 わっしーセット
13 ロンゴミニアド(イグナイトなし)(未使用)
14 玉手箱(イグナイトなし)(特殊)
(1、2、7、8、9、10、11、12はイグナイトも可、その場合は数字の他にイグナイトと記述してください)

どう戦う?安価下
(手甲になり他の装者に憑依するのも可(戦闘力やフォニックゲインはユニゾンレベルとします))

「Imyuteus amenomurakumo tron」

「Rei shen shou jing rei zizzl」

「Seilien coffin airget-lamh tron」


私はアメノムラクモを、未来さんは神獣鏡を、マリアさんはアガートラームをそれぞれ纏います

マリア「仮に近くに目的の腕輪があったとして、余計な起動を招いてしまわないよう短期戦で行くわ」

まず飛び出したのは私とマリアさん

翠「手伝ってください、大蛇!」


『逆巻ク大蛇』


そこにさらに大蛇を召喚し、2人と1体で群れの正面から削っていきました

翠「ハッ!」


『影縫い』


マリア「任せなさいッ!」

アルカノイズの密集した、言い換えれば影が重なり一つに繋がってしまっている箇所に短剣を投擲
そうして動きが止まった所にマリアさんがしならせた蛇腹剣を振るい、一気に真っ二つにしていきます
それを見届けた私は前に向き直り、剣を二つ生成し合体、薙刀のようにして構えました
そこへ飛んでくるのは大蛇が尻尾で飛ばしたアルカノイズ達

翠「ふっ!はっ!はぁッ!」

飛んでくるそれらをすれ違い様に斬り続け、斬られたアルカノイズ達は私の後ろで破裂し赤い粒子を撒き散らしていきます

未来「2人には近付けさせない!やぁっ!」

そして前線に上がっていなかった未来さんは、空中浮遊とビーム攻撃を利用して空から遠距離射撃による援護
私達に死角から近付く敵や空を飛び回る敵を確実に仕留めていきました



コンマ下
奇数 もぬけの殻
偶数 錬金術師?
ゾロ目 シェム・ハの腕輪

ガサッ...


アルカノイズを順調に減らしながら進んで行くと、物陰から音が

翠「ん...?」

その方向をよく注視すると、黒いフードの女性の姿が
一見するとその特徴だけでは何者なのかを特定することは出来ませんが、そのフードには見覚えがあります

翠「ッ、錬金術師!」

それも恐らくはパヴァリア光明結社の残党

「見つかった...くっ」



コンマ下1
奇数 アルカノイズおかわり&逃走
偶数 戦闘

どうする?安価下2以降

女性は見つかったと見るや隠れるのをやめ、こちらに両腕を突き付けました
そこに握られているのは二丁の銃


ダァン!ダァン!ダァン!


躊躇無く引き金は引かれ、交互に弾が射出されます
私は咄嗟に羽衣を盾にしてそれを防ぎますが、伝わる振動に冷や汗をかいてしまいました
そんじょそこらの戦争で使われるような銃の威力くらいならびくともしない筈のシンフォギア...それが傷こそ付きませんが、僅かに押されるということはかなりの威力か、あるいは特殊な加工が銃か弾に施されているのでしょう
しかし受けた限りはそこに錬金術の属性を感じません
それはつまり、あの双銃が聖遺物や哲学兵装の類か、もっと特別な何かの可能性が

翠「っ」

しかしそれ以上に恐ろしいのが、軌道が眉間や心臓等、所謂急所を的確に捉えていたこと
殺す事を厭わない敵というのは初めてではありませんが、それがシンフォギアで防げないかもしれない武器と単純な技量で来られると

マリア「今度は何!新手!?」

未来「翠ちゃんっ!」

アルカノイズ達をほとんど退き終わっていた2人もこちらの様子に気付いたのか、加勢を試みようとしてくれます
未来さんのビームをバックステップで避け、そこに突っ込んできたマリアさんの剣による猛攻を女性は双銃で弾き器用にいなしていきます

マリア「そこっ!」

「!」

しかし前触れなく剣を蛇腹にし、女性の脚を絡め取りました
不意を突かれた女性は後ろ向きに跳んでいた勢いが殺せずバランスを崩してしまいます

マリア「今よッ!」

翠「ウルトラソードッ!!!!」


『ウルトラソード』


このまま畳み掛ける!私はマリアさんが退くのと同時に巨大化させた剣を女性に向けて振り下ろしました

「ぐぅっ...!」

双銃の側面で身を守ることで直撃は間逃れたようですが、女性は大きく吹き飛ばされてしまいます
勿論私は何も真っ二つにするつもりで振り下ろしたわけではありませんでしたが
双銃に当てようとした私の攻撃と女性の積極的な防御が合わさり思いの外吹き飛んだようです

翠「しかし連続で畳み掛けたことで多少はスタミナ削れたはず...」

現に立ち上がる彼女の肩はやや上下していました

翠「貴女は何者なんですか、目的は?」

ここで交渉に出ます
響さんではありませんが、話し合いで解決出来ればそれほど楽なことはありません
えぇ、響さんではないのでまず大人しくさせてから話し合いです

翠「アルカノイズも、貴女がけしかけたんですか?」

アルカノイズと錬金術師らしき人物が一緒にいて、無関係とは考え難い
しかし決め付けるのは早いので、まずは確認を...


「アレは、起動させちゃいけない...!」


翠「...ぇ?」

その時、彼女の背後の空間が揺らめき
滲み出てくるように、異形の生き物の軍勢が姿を現しました

さらに言うと、その異形の生き物達は見覚えが

翠「バーテックス...!?」

それも模造品...フェルマータやアタッカ、リッサンドにカデンツァ等の擬似バーテックス

未来「やぁっ!...嘘、全然効いてない」

マリア「翠!アレが何なのか知っているの!?」

マリアさんが話しかけてきますが、私はそんな声が聞こえてこないほど同様を隠せずにいます

翠「あり得ない...どうして...」

錬金術師のようでありながら錬金術を使わないだとか、このタイミングで召喚するのがアルカノイズではないだとか
そんなことよりも
だって、ただでさえバーテックスがいるということは、消えたはずの、切ったはずの繋がりがもう一度繋がった可能性を示していて
それだけならまだしも、擬似バーテックスは...

翠「...いえ、考えるのは後です!2人は援護をお願いします!」

ドツボにハマってしまいそうな思考を振り払い、私はギアのマイクユニットを掴み再び聖詠を口にしました

若葉ちゃん、力を貸してくださいっ!


「Imyuteus amenomurakumo tron」

・・・

舞い散る桔梗の花弁
その中を駆け抜けた私の姿は先ほどまでとは大きく異なり、若葉ちゃんの勇者服をモチーフとした勇者ギアに

翠「厄介な奴から先にっ!」

大きく跳躍した私が着地と同時に叩き斬るのはフェルマータやカデンツァ
先に叩いておかないと危険な個体です

未来「効いてる!」

マリア「なるほど、そのギアなら」

手を休める暇もなく、今度はアタッカやリッサンドに何度も斬り付け確実に消していきました
その間近付く擬似バーテックス達は未来さんのビームやマリアさんの短剣により、倒れこそしないものの動きを鈍らせます
そしてそこを私がズバッと

翠「はぁ、はぁ...本当に、貴女は一体...!」

擬似バーテックス達を斬り伏せながら、もう一度女性にその素性を問いました
擬似バーテックスという特殊なバーテックスを従える存在...それは、まさか


「...造反神の命令でシェム・ハの腕輪を破壊しに来た」


翠「ッ...!」

造反神...それは
その単語が出てくるのは、私の知るキャラクターの中でもそう多くなく
ならばこそ余計に、どうして彼女がここにいるのか、そんな疑問が止まらなくて


安価下
1 決着付くまでバトル!
2 もう少し聞き出す(話す内容記述)
3 その他(記述)

彼女の正体...それについては大方の予想は付いています
少なくともあの武器も格好もフェイク、結社の残党どころか錬金術師でもないでしょう
ならば何故アルカノイズがいた所に居合わせたのか...そこについては偶然なのか、それとも彼女が何らかの手段を手に入れているのかはわかりません
今重要なのはそこではありませんし

翠「ちょっとばかし無茶します...『源義経』っ!」

切り札を切った私
『源義経』の能力により目にも留まらぬ速さで辺りを駆け、擬似バーテックスの影に次々と生成した剣を突き刺していきました


『影縫い』


翠「っぐ...」

若葉ちゃんの力と技を再現する為の勇者ギア
それを使用したまま通常ギアの技を使うのは、元が同じアメノムラクモとはいえやや余計な負担が掛かってしまいます

「動きを?...そんなの、一時のその場凌ぎにしか」

翠「えぇ、それでもいいんです...貴女と話す時間が稼げれば」

「...」

フードで顔が見えない...それ以前にフード自体が本物であれば認識阻害効果が付与されているので、あるいはあのフードをどうにかしない限り私の予想が当たっているかは確かめようがないでしょう
けれど、きっとある程度察している事を匂わせれば自ずと

翠「この世界とそちらの世界...神世紀との繋がりは確かに途絶えたはず、なのに何故関係者がいるんですか」

「へぇ...ズバリ断定しちゃうんだ?」

否定はしない...

翠「それに、方法がどうあれ造反神がわざわざ貴女を派遣するような代物...あの腕輪は、シェム・ハの腕輪はどんな影響を及ぼしているんですか」

もはや彼女は双銃を向けることすらしてきません
そしてもう動けるであろう擬似バーテックス達を動くよう命令する様子も



コンマ下
奇数 答える
偶数 答えない
ゾロ目 ご想像にお任せするよ

「うん、聞いていた通り話が早くて助かるね...ならもういっか」

彼女はそう言ってフードを脱ぎ、肩に引っ掛けました
認識阻害効果が消え、そこに立っていたのはやはり

翠「赤嶺...友奈さん...」

友奈(赤嶺)「ばぁーん...そ、初めまして...私の名前は、赤嶺友奈だよ」



ゆゆゆ世界との繋がりが復活した理由や腕輪の影響安価下
(翠「赤嶺...友奈さん...」

友奈(赤嶺)「赤嶺友奈だよ」


未来(誰...?)

マリア(誰...?))

赤嶺友奈


いつか直接対面した結城友奈ちゃんによく似た顔と声
わかりやすい違いとなると、その健康的な褐色の肌でしょうか

マリア「知り合いかしら?いえ、それより...彼女は敵?それとも味方?」

翠「目的が合えば味方...のはずです」

彼女は性格からしても、悪い人では決してありません
ですがはっきりと言い切れないのは、彼女が『悪役』を演じ切れてしまう人だから
それこそ擬似バーテックスをけしかけてきたのが牽制なのか試してきたのかはさて置き、仮に味方ならやややり過ぎです
その場合十中八九造反神がそれも命じているのでしょうけど

未来「でも、あの娘がアルカノイズを召喚したんだとしたら」

翠「いえ、それも別の要因が重なっただけの可能性があります...彼女は錬金術師ではないはずですし...擬似バーテックスが居ながらそっちにまで手を出すとは」

未来「擬似の...ばーて...って何?」

あー...前回のゆゆゆ世界との繋がりが記憶ごと修正されたからその辺の説明しなきゃですか...

友奈(赤嶺)「警戒されてるね、それもそっか...それに赤嶺って言えば大赦ではそこそこ有名だけど、本当にこっちじゃ通じないんだね」

貴女の場合ゆゆゆ世界でも警戒されるでしょうが!そういうお役目とかだったんですから!

友奈(赤嶺)「それで、そろそろいいかな?それとも質問に答えなくてもいい?」

マリア「っ、いいえ、答えてくれるのなら答えて頂戴...翠、質問の内容は所々よくわからないものだったけれど、必要な問いなのよね?」

翠「は、はい」

赤嶺さんは、答えるとは言ったものの、唸ってしまいます

友奈(赤嶺)「うーん...説明はあまり得意じゃないんだよね...擬音が入りそうで、どーんときて、ばーんとか」

やっぱりこの人本物ですね...

友奈(赤嶺)「でもある程度は予想して練習してきたから...えっと、私がここにいるのはさっき言った通り腕輪をどうにかさせる為、そして来られたのは神樹様、と言うより造反神が送り込んだから、もっともわざわざ途絶えさせた繋がりをこっちから復活させたんじゃない...繋がったのはズバリ腕輪のせい、腕輪に眠っている強大な存在の影響だよ」

未来「腕輪に眠ってる...存在?」

シェム・ハの中に何かが眠ってる...そんな予想も真希さん達と話している時に冗談混じりで出ましたが、まさか本当に?

友奈(赤嶺)「きっと封印か何かされていたであろう腕輪が表に出てきたからだろうね、この世界...そしてこの世界と繋がっている世界、繋がっていた世界にまで、差はあれど影響を受け始めている...あ、一応前回ほどの大事にはまだなってない、今を生きる勇者達は気付くことなく普通に暮らしてるよ」

ということは、現実にいる勇者部の皆がまた改変されてしまっていたりはしていないんですね

マリア「前回?前にもこんなことがあったというの?」

友奈(赤嶺)「貴女達は覚えてないし、そもそも知らないのかもしれない、でも貴女は覚えているし知っているよね?翠さん」

翠「うっ...」

友奈(赤嶺)「ふふ...翠さん、神樹様を守ってくれて、私がかつて生き、今は私達の意志を継ぐあの子達が生きる世界を守ってくれてありがとう...会ったら伝えたいって思ってた」

翠「いや、その...どうも」

未来さんとマリアさんの視線が痛い...しかも「そんなまさか!」みたいな驚愕の視線とかならわかりますが「またか」みたいな呆れた視線を向けられているのがわからない...

友奈(赤嶺)「とにかく、途絶えさせたはずの繋がりを再び紡ぎ直し、いずれまた互いの歴史を混じり合わせてしまう、それが腕輪の影響...どうかな、答えにはなってるはずだけど」

腕輪の中にいる存在が意図したことなのか、存在しているだけで起きてしまう事故のようなものなのかはともかく、確かにこうして赤嶺さんが派遣されるほどの事ではあるようです

マリア「つまり、貴女は別の世界から来た人間、と言いたいのね?」

友奈(赤嶺)「概ねそうかな」

マリア「けれど、組織としてはまだ貴女一人の話を鵜呑みにして腕輪の破壊を許すのは難しいわ」

翠「マリアさん...」

マリア「その話は本当なのでしょうね、翠も一人で納得しているようだし...でもダメよ、私達だけでは決められないわ」

それはそうなのでしょう
やっとししょー達OTONAが...S.O.N.G.の皆さんが上層部の首を縦に振らせた今回の作戦
それをたった一人の身元不明の異世界人の言葉を信じ成果を0にするのは、大きな圧力を...もとい権力を持った人達が即復活してやめさせようとするに決まっています

友奈(赤嶺)「だから本当は見つかる前に終わらせたかったんだけど...それに破壊とは言ったけど、事足りるなら封印でもいいんだ...今の勇者達の事や別の世界の事を考えるなら、封印だけでもさせてほしい」

最後はさりげなく私の方を見て言ってくる赤嶺さん
ですが私にだってそんな権限は...



安価下
1 協力します(無責任な発言)
2 時間をください(判定)
3 ダメです

翠「...私からも、説得はしてみます」

赤嶺さんの事情を理解出来るのは、きっとこの中で私だけ
そして造反神がわざわざ、あちらの世界での過去に生きた者を蘇らせてまで派遣してきたのだから、本当に腕輪を破壊ないし封印するのが最善なのでしょう

翠「だから、時間をください」

私が今ここで無責任に彼女の手を取ったところでいつどこから横槍が来るかはわかりません
それに、一人で抱え込むなと言われたばかり...まず先にししょー達を説得して、それから



コンマ下
奇数 待つ
偶数 待てない
ゾロ目 手遅れ?

友奈(赤嶺)「ふーん...時間、かぁ...」

赤嶺さんは少し考えるふりをして、不敵な笑み...に見えるだけできっとただの笑み...を浮かべました

友奈(赤嶺)「いいよ、少しくらいなら...でも本当に少しだけ、なるべく早く結論を出してくれると嬉しいな」

翠「あ、ありがとうございます、赤嶺さん!」

良かったです...これで断られて実力行使に来られたら、流石に勇者ギアを私しか使えない現状勝つのは難しいところでした

友奈(赤嶺)「固いなー、それにさん付けじゃなくてもいいのに、そっちの方が先輩なんだし」

翠「えぇと...赤嶺、ちゃん?」

それはそうなんですけど、どこかまだ私は若干緊張してしまっているんでしょうか
まぁ第一印象からして敵でしたし、特に大人びてますし...
それから名前だと友奈ちゃんと被りますし

友奈(赤嶺)「ま、好きに呼んでくれて良いけどね、まだちゃんと手を組んだわけじゃないし」

翠「えっ...」

友奈(赤嶺)「それじゃまたね、シンフォギアの装者さん」

赤嶺さん...赤嶺ちゃんは擬似バーテックスのうちの一体の上に飛び乗ると、擬似バーテックス達が一気に踵を返し
そのまま空間に溶け込むように姿を消しました



どうする?安価下

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赤嶺ちゃんが姿を消してから、捜索班の一部を待機させ私達を含めた他のメンバーは一時撤退をししょーに命じられてしまいます
まぁさっきまでのやり取りは私達のギアを通して本部にもリアルタイムで伝わっていたはずですから、当然と言えば当然かもしれません

翠「ししょー、あの腕輪は思っていた以上に危険な物かもしれません...」

弦十郎『あぁ、方針を見直す必要が出てきたな』

赤嶺ちゃんが言っていた事も含めて詳しいことを聞きたいと言われてしまい、何をどこまで話しどこからどう誤魔化そうか悩む羽目に
仕方ないので帰る途中の道すがらにでも考えましょう

翠「それじゃ戻りま...」


どさっ


本部に戻る帰路に立とうとしたその時、私のギアが突然解除されさらに身体に力が入らなくなりました
その場でうつ伏せに倒れ込んでしまいます

未来「翠ちゃん!?」

マリア「翠っ!」

意識が朦朧とする中、そういえば切り札使った後はこうなるんだったと今更ながらに思い出していました

・・・

夢姫「まったくもう!翠さんは本当にまったくもう!」

『凜音』「まぁまぁ...」

目を覚ますとそこは本部の病室
そして隣に立っているのは『凜音』ちゃんと、アスクレピオスを模倣したイミテーターのギアを纏う夢姫ちゃん

夢姫「帰ってきて早々別の任務はわかりますわ、けれどどうしてまた気を失った状態で戻ってきますの!?自分でももう心配しているのか怒っているのか呆れているのかわかりませんわよ!?」

翠「すみません...」

『凜音』「でも本当に心配しました...お決まりのように生死の境を彷徨っていますから」

翠「すみま...えっ生死の境を!?」

確かに『源義経』の切り札を使い、ついでにギアの形態に合っていない技も繰り出して無茶した自覚はありましたが...
というかお決まりって言われるほどいつもやらかしてますっけ...?

夢姫「ただでさえ最近はお話しする時間もほとんど出来ませんのに...とにかく、まだ終わっていないんですわよね?」

翠「...えぇ、夏菜さんも目を覚まさず、腕輪も見つからず、タギツヒメも動きを見せない...こうしている場合じゃ」

『凜音』「ダメですよ、今は安静にしていないと」

夢姫「疲労は身体だけには留まりませんしアスクレピオスに体力回復の効果はないことは、翠さんもわかっていますわよね?」

翠「はい...」

こう言われてしまっては今すぐここを抜けるのは難しいでしょう
それとも以前のようにベッドに手錠で繋げられていないだけマシと考えるべきか

夢姫「また来ますわ、翠さん」

『凜音』「お大事に、蒼井か」

そう言い残し、夢姫ちゃんと『凜音』ちゃんは病室を後にしました


安価下
1 こんなところで寝ていられるか!(何をするか記述)
2 大人しくしている
3 その他(記述)

・・・

夢姫ちゃんと『凜音』ちゃんが病室を出てしばらく経ちますが
私は、言われた通り大人しくベッドに横になっています

翠「拘束は、されてないんですが」

しかし以前の事を考えると、むしろ拘束されてないのは試されている気にもなりますね...
後単に思いの外体力回復に時間がかかっていて身体を動かし辛いのもあります
やはり切り札を定期的に使って身体に慣れさせるべきでしょうか...慣れる前に壊れる可能性も?

翠「...」

これで何も心配することがなければ、時間を潰す方法はそれなりに思い付くんです
それこそ生前は本さえあればいくらでもでしたし
けれど今は、問題がいくつも起こってしまっている今は恐らく何も手に付かないでしょう

翠「体力回復系の聖遺物とか欲しいですね...」

治癒能力のアスクレピオスに蘇生のフォークがあって体力回復が無いのは本当痒いところに手が届かないというか手が長過ぎて通り越しているというか
いえ、何も『翠』の両親に対して体力回復系の聖遺物を持っていなかった事に思う所があったりとかそういうのは無いんですが

翠「そもそも最後の方はよもぎを黄泉還らせる為に色々集めてたんですから、体力回復系があっても意味無いんですよね...そりゃ眼中に無くて当たり前です」

両親...そういえば『翠』は平気でしょうか
なんか家族関連の事で色々あったみたいでしたけど、結局その辺の話も翼さんから聞き出した事くらいしかわからないのでつぎはぎです
実は翠が風鳴家の人間だった~みたいな事でしたっけ
ということはこの世界にいる限りは私も一応風鳴家の血筋扱い?



安価下
1 他の人の視点に変える(誰の視点か記述)
2 イベント判定
3 その他(記述)

翠「そういえば...」

赤嶺ちゃんが言っていたこと、園子ちゃん達なら何か...知らなかったとしても予想は立てられるかも
そうとなれば

翠《園子ちゃん、聞こえますか?》

直接園子ちゃん達のいる深層世界に行ってもいいですが、とりあえずは先に念話で

翠「...あれ?」

と思ったのですが、返事がありません

翠《園子ちゃん?若葉ちゃん?》

まさかの既読無視...じゃなくて、この場合着信拒否でしょうか...


ガラッ


翠「ひゃぅっ!?」

その時、ドアが急に開きました

翠「...なんだ、あなた達でしたか」

その犯人はルシエド
器用に前脚でドアをスライドさせたみたいです
しかもよく見ると背中に蛇達を乗せています
ルシエドが私のいるベッドの脇まで来ると、背中の蛇達が何かを渡してきました

翠「箱?...いえでもこの箱、どこか見覚えが...」

このダイヤルのような部分に書かれてるのルーン文字ですよね?しかもこの箱ミレニアムパズル構造...

翠「ダインスレイフ入ってたやつじゃないですか!?」

ちょっとこんなの届けられても開けられないんですが!?

翠「えっ何で...あぁもうやってやりますよッ!!」

その後、気合で開けました

・・・

翠「やっと開きました...」

これで中にスカって書かれた紙一枚とかだったら泣きますよ
で、中身はというと

翠「花...桔梗に、蓮の花弁ってこれ...」

私宛に届いた若葉ちゃんと園子ちゃんの花?



エルフナイン『それは...翠さん達に匿名で届けられていたという花ですか?』

翠『コレ、ある意味聖遺物、というか哲学兵装のようなものなんです、だから剥き出しにしておくのは危険かもしれないと』

エルフナイン『哲学兵装...詳しくお話を聞きたいところですが、わかりました』

ナスターシャ『では使っていない箱を探してきましょう、いくつかあったはずです』



使ってない箱って、もっとマシなのあったでしょう!?!?

翠「この調子だとまさか他の花も似たような厳重警備なんじゃ...」

いえ、まぁ厳重なのはいいことですが
それに勇者ギアは問題なく発動出来てましたし...いやでもこれは

翠「...うん、後にしましょう」

なんかもう疲れました
箱のことは置いておいて、今度は直接園子ちゃん達がいる深層世界に向かうことに

翠「行ってきますね」

隣で見守ってくれている蛇達とルシエドの頭をそれぞれひと撫で...ルシエドには避けられました...して、私は目を閉じました

・・・

園子「いらっしゃい、りんりん」

翠「いらっしゃいました...ところでさっきまでって電波悪かったですか?」

若葉「外の様子やなんかは問題なく把握出来ていた、だがこちらからの声は届きにくくなっていたようだ...これも腕輪に封じられた存在の影響か」

翠「箱のせいだったらごめんなさい」

園子「まぁまぁ、流石にいくら厳重とはいえ仮にも神樹様の作ったケース以上に強力でピンポイントな遮断は難しいはずなんよ...多分」

うん...やっぱり後でエルフナインちゃんとナスターシャ教授に箱変えてもらいましょう
さて、それはさておき本題です

翠「外の様子を把握出来てたってことは、見てましたよね?」

園子「うん、赤嶺ゆーゆのことだよね」

園子ちゃんの表情が真剣なものに変わります
恐らく全部聞いていたと思いますが、念の為私が聞いた話を改めて園子ちゃん達に伝えました

園子「神樹様...造反神って単語が出てくるってことは、あの赤嶺ゆーゆは勇者かもしれないんよ」

翠「ですよね、擬似バーテックスも従えてましたし...その辺の事情は何か聞いてたりしませんか?」

園子「私達はあくまでもう切り離された存在、現状の神樹様の様子をこっちから知ろうとするのは無理なんよ」

若葉「しかし再びこちらにも接続してくる可能性はあるな」


何か話す?安価下
(翠「今日は海の日ですか...そういえば浜辺に出口がある平行世界もありましたね、たまには様子を見に行くのもいいかもしれません」

『翠』「海かぁ...泳ぎはあんまり得意じゃないんだよね...いやいや、水面走るのはってそっちはもっと無理だから!」)

早い話、今回の件については園子ちゃん達が知っているのは私が知っているのとそう大差ないということです
実際現実、あるいは当時と常にリンクしているわけでもなければ、この深層世界が神樹様の中というわけでもないはずですし

翠「...彼女の言う通り、他の世界に影響を与えているなら腕輪は破壊した方がいいんでしょうか」

園子「破壊をした場合、中身が一緒に消滅するか抜け出て逃げるかのどっちかだけど、神樹様が破壊を視野に入れてるってことは前者か、少なくとも他の世界にまで影響を及ぼすほどの力は出せなくなるってことだと思うんよ」

若葉「むしろ、最低限が封印というのなら破壊が一番望ましいということだろう」

翠「はい...」

シェム・ハの腕輪はもしかすればタギツヒメに一矢報いる鍵になるかもしれない
そうでなくともこれから先、更に強大な敵が現れた時に利用出来るかもしれない
その為には多少の危険性は覚悟の上で制御出来る様に...
そんな風に考えていましたが、もうそんな甘いことは言っていられないほどに事態は深刻になっていました
破壊、するしかないのでしょうか...

若葉「封印はいずれ破れる、それが今回の件の発端だ、仮に封印し直したとしてもそのまま破壊するべきだろう」

園子「りんりんはどうしたい?確実にその存在を消し去る為に腕輪を破壊するか、それともその存在すらも抱き込んで力を手にするか」

翠「私は...」



多数決安価下1~3
1 破壊したい
2 手に入れたい
(今後の方針として決定されるのでよほどの事がない限りはここで選ばれた事が目標になります)

破壊か、制御か
思えばその危険性は確かに嗅ぎ取られていました


ルシエド《あの腕輪から、何か危険が存在が眠っているのが感じられる》

ルシエド《極力何かに役立てよう等とは考えない方がいい》


寿々花『いいえ、ですがどうにも邪推してしまうのですわ、以前までの紫様と重なる点が見られる気がして』

寿々花『例えばそう...神の力とは単なるエネルギーではなく意思...タギツヒメのような強大な存在が眠っている...そんな気がしてしまって』


そしてそれらは、腕輪に何かが封じ込められていることは『そう感じる』『そんな気がする』ではなく『そうである』と
決して楽観視してはいけないものが確実に腕輪の中に存在していると、遂にはっきりして
だから、私は

翠「私は...シェム・ハの腕輪を、破壊すべきだと...破壊したいと思います」

そう、決断しました

・・・

そうと決めた私の行動は早かったです
まず園子ちゃん達と別れ表に戻ってきてからししょーを呼び、腕輪を破壊すべきだという趣旨を出来る範囲で説明しました

弦十郎「シェム・ハの腕輪に眠る存在、そしてそれが及ぼす並行世界への影響か...翠くんは、破壊するべきだと結論付けたんだな」

翠「きっと一刻の猶予もないんです、あの腕輪は、腕輪に封印された何かは目覚めさせてはいけない...私達の、誰の手にも負えないんだと思います」

けれどそんな存在の封印が解け始めている、だからこそ赤嶺ちゃんが派遣されてきた
多分そういうことです

弦十郎「...良いだろう、上には俺が説得する」

翠「!」

弦十郎「今回はよく動く前に話してくれた、それで十分だ」

翠「あ、ありがとうございます...!」

きっと聞きたいこと、言いたいことはいっぱいあったでしょう
ですがししょーは多くは聞かず、私の決断を信じてくれました
これは、失敗出来ません



何かする?安価下
(特になければ体力回復の後、赤嶺ちゃんと交流)

翠「次は...」

刀使の世界にいる皆さんにも連絡...いえ、いきなり赤嶺ちゃんが~なんて言っても誰ってなるだけですし先に『翠』に連絡して、その辺の説明は上手いこと伝えてもらいますか
えぇ、これくらいの多少の無茶振りは『私』なら大丈夫なはず

翠《『翠』、聞こえますか?》



コンマ下
奇数 通じる
偶数 通じない

『翠』《ん、聞こえてるよ、腕輪見つかった?》

翠《それはまだです、でもシェム・ハの腕輪は見つけ次第破壊することにしました》

『翠』《破壊ね、わかっt...はぁっ!?!?》

『翠』のあまりの大声に、念話だから耳関係ないはずなのにキーンとした気がしました
やはり順序立てて説明した方が良かったでしょうか

『翠』《待て待てどうしてそうなった!?》

翠《実は赤嶺ちゃんがその為に派遣されてて、それで腕輪に封印されてる存在は他の世界にも影響及ぼし始めてるとかで》

『翠』《情報量が多いよ!てか、え、今アカミネって言った!?それ...赤嶺友奈ちゃん、とか?》

翠《えぇまぁ、造反神の命令とかで》

『翠』《待って!だから待ってって!次々と新情報増やさないで!!!》

この後無茶苦茶説明しました

・・・

『翠』《現実の方にゆゆゆい時空混ぜなきゃいけないほどの大事とかどうなってるの...》

翠《むしろ青い鳥とか牛鬼みたいな感じかなって思ってるんですけど》

『翠』《精霊風にして召喚した的な?いやまぁそれはこの際どうでも良くて...でもいいの?破壊ってことは今後腕輪の...というか『神の力』が必要になった時、探すところからやり直しだよ?代わりの力なんてそうそう見つからないだろうし》

翠《その時はその時...って言って目を逸らすのが多分今は最善なんだと思います》

もう私に迷いはありません
腕輪を封印された存在ごと破壊する、そうするべきです

『翠』《中の存在そのものが力を持つなら、その入れ物になってる腕輪が聖遺物やら哲学兵装やらになってる可能性は五分五分、仮に破壊した欠片を拾ったところで有効利用出来るかわからない...ここまでわかってて、決めたんだね?》

翠《えぇ、むしろ有効利用も出来ないほどに砕く必要すらあると思っています、何かがあってからではきっと》

欠片とはいえ一箇所に集めて管理するのも危険でしょう
それなら集められないほどの大きさまで砕き、風に乗せて散り散りにする方が安全です

『翠』《ま、ししょーにも許可貰っちゃってるってことは今更どうこう出来ないし...わかった、こっちの皆には『私』から伝えとく》

翠《お願いします》



何か話す?
(特になければエルフナインちゃんと交流)

流石『私』、理解が早くて助かります
腕輪についての方針は概ねこれで大丈夫でしょう

翠《そういえばそっちでは私達がいない間に何か変化あったりしましたか?タギツヒメのこととか》

『翠』《変化、か...》



コンマ下1
奇数 特に無し
偶数 あり

どんなことが起きた?安価下2以降

『翠』《それこそタギツヒメかな》

私が一時的に気絶していたとはいえ、その時間を含めてもまだ一日と少し
そんな短時間でしたからどうせ何も起きていない...そう思っていた私を嘲笑うかの如く、思いっきり大事件が起きていました

翠《たっ、タギツヒメ!?動いたんですか!?まさか戦ったり!?》

『翠』《落ち着いて、戦ったっていってもあっちが軽くけしかけた荒魂を撃退したくらいだし...一応タギツヒメが姿を見せたって意味じゃざわついたけど》

その口振りでは、荒魂こそ倒してもタギツヒメとの直接対決はしなかったということでしょうか
良かったです、良くはありませんが、そこまでの大事件ではありませんでした

『翠』《あっでも...》

翠《何です?》

『翠』《いや、響さんがタギツヒメに何か話しかけたりとかしてたっぽいんだけど》

あの人はもう...戦場で何を馬鹿なことをってやつじゃないですか

『翠』《その内容とかは聞こえなかったというか聞けなかったけど、響さん的には和解一歩手前まで行けたんじゃないかって》

翠《和解!?》

あっいやでも響さん的にってだけで側から見たら全然って可能性も大いにありますし...
ただ響さんに他人を絆す天才みたいなところがあるのも事実...まさかのラスボス最終的に和解エンドは何回か実績あるんですよね原作で
一歩手前っていうのが引っかかりますが...

翠《あ、響さんといえば》

『翠』《ん?》

翠《響さんのガングニールの効果、神殺しの力って腕輪にも効くんでしょうか》

『翠』《あー...腕輪自体神の力があるだとかいう話で、さらに中に何か眠ってるならそれ十中八九神様なんだろうし...可能性はあるかもね》

腕輪を見つけて、もし私達だけで破壊出来ないようでしたら響さんを呼ぶという手も考えた方がいいかもしれません

・・・

『翠』との念話を終えた私が次に話しかけたのはエルフナインちゃん
というのも別にベッドを抜け出したわけではなく、エルフナインちゃんがメディカルチェックの結果を伝えに来てくれていたからです

エルフナイン「異常は見られません、ですが精神面での疲労は未だ不明瞭な点もある分野ですし、なるべく安静にしてください」

翠「善処します」

エルフナイン「...してくださいね?」

あぁ、エルフナインちゃんの信頼も段々なくなってきてるような
これはまずいですね...っと、それより

翠「エルフナインちゃん、この花のことなんですけど」

エルフナイン「花?あ、翠さんから預かった...えっ!どうしてここに!?まさか勝手に取りに行ったんですか!?」

翠「ストップ、ストップです、単に蛇達とルシエドが持ってきてくれただけです」

真っ先に私が取りに行ったという発想になる辺り本当にまずいですね

翠「それよりその...もう少し緩いというか、ここまで厳重な箱にしなくても、と...花からの影響まで若干遮断出来てしまうかもしれませんし、何より開けるの物凄く大変でした」

エルフナイン「開けられたんですね...」

あのまま開かなかったらいっそアメノムラクモで叩き斬ってしまおうかと思うくらいには大変でしたよ

エルフナイン「厳重であればあるほどと思いましたが、翠さんにも考えがあるんですよね、わかりました!他の花も新しい箱に移しておきます!」



何か話す?安価下
(特になければルシエドと交流)

エルフナイン「あ!お伝えし忘れるところでした!」

メディカルチェックもとっくに終わり、エルフナインちゃんの用事は終わりかと思っていましたが
どうやらまだ残っていたようです

エルフナイン「まだあくまでも仮説ですが、シェム・ハの腕輪に施された封印が弱まり起動していないにも関わらず周りに影響を及ぼし始めていると聞きましたから...」

翠「ということは、腕輪に関することですか?」

エルフナイン「いえ、無関係ではありませんが違います」

エルフナインちゃんは若干言い淀み、しかし覚悟を決めたような表情をして


エルフナイン「翠さん達が何故神の力の依代となり得たのか、その理由がわかりました」


翠「ッ...神の力の、依代...」

いつかアダムさんやティキちゃんとの戦いの時、破壊されたティキちゃんが手放した神の力の粒子が私と『翠』が一体となった身体に集まり蓄積した事がありました
あの時神の力が宿ったのが私達の身体だった理由...偶然ではなく必然だったと、そういうことですか?

エルフナイン「曰く『原罪を背負う人類には神の力を手にすることは出来ない』とのことですが...この原罪とは魂に施されたバラルの呪詛」

エルフナインちゃんはタブレットの画面を操作し、私に見えるように渡してきます
その画面に映っているのはとある聖遺物についてのデータ

エルフナイン「恐らくはあの日、魔を払う神獣鏡の輝きに飲み込まれることで、翠さんの呪いは解かれた」

神獣鏡のデータを見せながらするということは、それは

翠「ま、待ってください!それじゃ神獣鏡の光は、あるべきカタチへと戻す神獣鏡の光は、バラルの呪詛すらも浄罪して、だから私は神の力の依代になれたと、つまりはそういうことですか!?」

エルフナイン「さっきも言った通りこれは未だ仮説の域を出ません、ですが僕は9割方確信しています」

まさか、そんな事
神の力を手にする為に必要なのがバラルの呪詛を解く事で、私は知らず知らずのうちにその条件を達成していたなんて



...あ

翠「...バラルの呪詛」

私の、最初の目的




女神『貴女生前『統一言語が取り戻せるなら月がなくなって人類の滅びが早くなってもいいのでは?』なんて言ってたらしいじゃないですか』



翠「神獣鏡の光は、バラルの呪詛を浄罪する」

エルフナイン「え、えぇ、恐らくは」

おかしいと思っていたんです
月を破壊しても解かれることの無かったバラルの呪詛
私も考えた事がありました
そもそも『バラルの呪詛を解く為に必要な事が月を破壊することではない』んじゃないかって



安価下
1 統一言語復活の為に神獣鏡の光をばら撒いてみるべきでは...?
2 まぁだからといって今更どうこうしませんが
3 その他(記述)

(翠「奏さんお誕生日おめでとうございます!許可は取ってますからね、今日は一日身体貸してあげますので、生身で誕生日を楽しんでください!...あ、何してもいいですけど流石に常識は弁えて加減はしてくださいよ?」

『翠』「あ、改めて言おうとするとやっぱり緊張する...か、奏さん!ずっとファンですっ!お誕生日おめでとうございますっ!!...な、何で笑うの!?もー!」)

...いやいやいや
ここに来てちょっと衝撃の新事実が判明して同様してしまいましたが、この数年間で良くわかったじゃないですか
この世界はアニメなどではなく現実、そうです、そんな思いつき程度でこれ以上やらかしていいわけがないんです

...まぁ、でも、この情報自体は、思いつき自体は一応、頭の隅に入れておくとしましょう

エルフナイン「あの、翠さん...?」

翠「いえ、何でもありません...それよりエルフナインちゃん」

エルフナイン「へ?あ、はい!」

翠「私が神の力の依代となり得るとして、なら腕輪の事を考えたら距離を取った方がいいってことですか?」

腕輪も神の力を宿している...むしろ神様そのものを宿している可能性すらある...という話でしたし
なら私が近付くのは危険ということでしょうか

エルフナイン「わかりません、もしかしたら一度神の力の依代となったことで腕輪に対し何らかの影響を及ぼすかもしれませんし、あるいは神の力に触れられるからこそ翠さんなら破壊出来る、なんて可能性もあります」

翠「響さんの神殺しでなくとも、有効打を出せるかも、と?」

エルフナイン「ですが翠さんが危惧している通り、腕輪に封印された存在と同調し易い可能性も大いにあります、加えて翠さんは他者の魂を寄せ付け易い、憑依させ易い体質と聞きました」

翠「ここからの作戦、やるなら慎重に...ってことですね」

私が勝手に決め、赤嶺ちゃんとも約束を取り付けてしまった手前、ほんの少しの憶測のみを理由に参加しないなんてことは出来ません
ですが、腕輪に封印された何者...それが神様であろうと敵対する存在なら憑依されてあげる道理はありませんし、憑依されて皆さんと戦わされるのも御免です
再三敵対行動っぽいことしておいてって話ではありますが

・・・

エルフナインちゃんが部屋を出ると、入れ違うように入ってきたのはルシエドでした

翠「ルシエド?」



何話す?安価下

今度は蛇達を乗せていません
そういえば最近は珍しくこうしてフライユニットから出ていることがあります
あれでしょうか、もしや散歩とか行きたいんでしょうか

ルシエド《賢明な判断だ》

翠「ふぇ」

ルシエド《愚かな思考を否定し、生に執着し貪欲になる...良い心掛けだ》

と思ったら違ったみたいです
これまた珍しく機嫌が良さそう...というかもしかして今褒められてます?
賢明な判断...腕輪を破壊することに決めたことでしょうか

翠「あなたにも、忠告を受けていましたからね」

わふっ、と(多分)満足げに鳴いて頷くと、私のベッドの傍らまで近付いて来て丸くなりました
やや信頼度が上がった気がします
この勢いならと思い撫でようとしたら避けられましたが

翠《あ、そういえば他の花達は結局あの後どうなりました?》



どうなった?安価下
(無難に箱が変わっただけでも可)

ルシエド《待て...ふむ、収める箱が変わった、仕事の早いことだ》

良かったです、エルフナインちゃんすぐに変えてくれたんですね
というかさっきエルフナインちゃんと入れ違いで入ってきたのに何で知って...千里眼?それとも蛇達に見に行ってもらったとか?
後者だったとしたら本当に仲良くなりましたねルシエドと蛇達...きりしらさん2号とも前ほど威嚇し合ったりしてませんし、良い傾向です

翠《他に特に変化とかは》

ルシエド《皆無だ、器が変われど中身が変わることなどそうそうない》

翠《あったにはあったんですけどね...とにかくそれなら良かったです》

そうそうないはずなのにあったということは、それだけあのダインスレイフが入っていた箱が凄かったってことでしょう

ルシエド《...確かに器が影響を及ぼす事を稀と切り捨てるのもまた愚かな思考か、妙な前兆が起これば伝えよう》

翠《はい、ありがとうございます》

用件が済んだからか飽きたのか、ルシエドはゆっくり立ち上がりのそのそと病室を後にしました
さて、これなら...といっても勇者関連の人達と繋がってる事を自覚しているのは私と『翠』と夏菜さん達だけですが...園子ちゃん達との念話に支障が出ることはないでしょう

翠「...勇者、ですか」

まさかまた、あの世界と関わり合う事になるなんて



安価下
1 赤嶺ちゃんと交渉
2 刀使の世界の様子を見る(『翠』ちゃん視点)

・・・

療養の為2日ほど間を開け、遂に赤嶺ちゃんと接触を図る時が来ました
とはいえ私達と赤嶺ちゃんとの間ではちゃんとした約束どころか、何時何処でといった大まかなことすら決めていません
何となく呼べばその辺の空間から姿を現してくれそうな気もしますが、赤嶺ちゃんからすれば協力するつもりとはいえ得体の知れない組織の本丸にお呼びされるのはあまり気持ちの良いものではないかも
ということで、私と未来さんとマリアさん、そして念の為腕輪捜索班の人達はあの人同じ場所...赤嶺ちゃんと初めて会った場所にやって来ています

翠「すぅ...はぁ...」

大丈夫、彼女の人となりは勝手ながら原作という形で知っています
ただそれは身内に対してのものや敵対するフリをしている時のものであって、本当に敵対、あるいは疑心感を持つ相手に対するそれは知りませんが
でもきっと

園子《しっかり、りんりん》

若葉《あぁ、真っ直ぐ向き合えばいいだけだ》

2人からの声援も受け、心の準備を済ませました

翠「...赤嶺ちゃん、いますか!」

敵意が無いことを示す為、私達装者はギアを纏わず
捜索班の人達も武器を下ろしています
つまり不意打ちで擬似バーテックスでも向けられたら終わりですが、赤嶺ちゃんならそんなことはしないはず

その時、目の前の空間が揺らぎ、1人の少女が姿を現しました
後ろで括った桃色の髪、健康的な褐色の肌
スポーティなラフな格好の彼女は

友奈(赤嶺)「いるよ、結構...ううん、思ってたよりは早かったね」

果たして、私達がここに来た理由、会いに来た相手でした
いきなりズドン、ではなくて良かったです

友奈(赤嶺)「それで、説得は出来たのかな?」

翠「はい、シェム・ハの腕輪は発見次第破壊する、そう許可を貰ってきました」

赤嶺ちゃんはそれを聞き、どこかほっとしたように見えた気が

友奈(赤嶺)「とりあえず貴女のことはそれなりに信用もしてるし...うん、ならこういう時は」

そして彼女は私に手を差し出して

友奈(赤嶺)「少しの間だろうけど、よろしくね」

翠「!はい、よろしくお願いします!」

その手を、しっかりと握りました

・・・

空気を読んでか捜索班の人達は特に何も言わずむしろ逆に本人達が空気に徹しているように感じられます
現に、私と赤嶺ちゃんが握手を交わした後にはせいぜい未来さんマリアさん赤嶺ちゃんの間で軽く自己紹介があった程度ですし

マリア「本来なら貴女のこと、先日出会い頭に私達を襲わせた生物のことも聞きたいのだけれど」

友奈(赤嶺)「あー、うん、ごめんなさい...正直あれは実力を試すっていう意味もあったし私も言われてやったことだから...それに、本当なら...いや、言っても仕方ないか...とにかくごめんなさい」

未来「ま、まぁ私達も被害は無かったし...」

それからこういった事は後々嫌な雰囲気にならない為に、加害者側が早めにはっきり謝罪する姿勢を、被害者側が許す姿勢を見せるのが協力関係を築く事において大切です
ちなみに私もちょくちょく加害者側になっていたので経験則です

翠「ところで赤嶺ちゃん」

友奈(赤嶺)「何?翠さん」

腕輪を破壊する、その方針が決まったのはいいとして

翠「腕輪の場所ってわかってるんですか?」



コンマ下
奇数 もちのロン
偶数 これから探せばいいんじゃない?
ゾロ目 それが困った事に

(翠「園子ちゃん!3期決定おめでとうございます!」

園子「ありがとー!まさか後日談的なものじゃなくてちゃんと続編らしきものが決定するとは思わなかったんよ」

翠「2期があの終わりでしたからね...園子ちゃん達も目指せ5期!」

若葉「...なぁ、私達の時代のノベルのアニメ化はいつになったら決まるんだ?」

翠園子「「...ど、どんまい(なんよ)」」)

友奈(赤嶺)「場所?知らないけど」

翠「ですよね、知らなうえぇっ!?知らない!?今知らないって言いました!?」

薄々、心のどこかでそんな可能性も考えてはいました、だからこそこうして質問するに至ったのでしょう
ですが、赤嶺ちゃんのあっけらかんとした様子に思わず激しく聞き返してしまった私を誰も責める事は出来ないと思います

マリア「貴女知ってて妨害...いえ試していただったかしら、してたんじゃないの!?」

未来「私もてっきり...だからここが当たりだと思ってたのに...」

友奈(赤嶺)「いやぁほら、これから探せばいいんじゃない?怪しいとこ全部虱潰しに」

それしか方法が無いとはいえ、赤嶺ちゃんが言うとなんというか

翠「脳筋...」

友奈(赤嶺)「ひどっ!?」



コンマ下1
奇数 発見!
偶数 発見ならず

どうする?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合は発見した腕輪を前にどう動くか、偶数の場合は捜索続行や他に会話等あれば)

・・・

マリア「誰も本当の場所を把握していないと知った時には焦ったけれど」

装者3人に勇者1人という戦力はここの場所に張り巡らされていた罠の数々には過剰だったようで、遂に最深部まで捜索班の人達も含めて誰一人欠けることなく、それどころか怪我も無く辿り着きました
そしてそこに厳重に保管されていたのは

友奈(赤嶺)「杞憂で済んで良かった、一ヶ所目なのに当たりも当たり、大当たりだよ」

未来「本当にあった...」

私達が探し求めた物、この騒動の原因の一つ

翠「シェム・ハの腕輪...」

ここまでの罠を突破する為既にアメノムラクモのギアを纏っていた私は、腕輪を前にし剣を握る力がぐっと強くなってしまいます

友奈(赤嶺)「待った、破壊するとは言ったけど今この場でってのはちょっと危ないかも」

翠「えぇ...この場所に、あるいは腕輪そのものに、危害を加えようとした瞬間何らかの機能が発動する可能性は否定出来ません」

実際腕輪が、というか腕輪を嵌めていたミイラが眠っていた棺も攻撃機能を備えていましたし

マリア「なら何が起きても問題のない場所まで運び出しそこで破壊...ということでいいかしら」

友奈(赤嶺)「そ、ついでに私達が今やるべき事なのはアレを安全に確実に運び出せるようにしておくこと、気概を加えるどころか触ろうとしただけで罠発動、なんてこともあり得るし」

未来「今通信で、確保の為に緒川さん達を向かわせてるって」

翠「では、腕輪の周りに罠がないか調べますか」

気分は爆弾処理班
いえ、むしろ地雷処理班?
ともかくそうして万全の態勢にし、緒川さん達に腕輪を確保してもらいました

・・・

S.O.N.G.許可受諾済みのだだっ広く周りに人の住んでいない場所ヨシ!

友奈(赤嶺)「さて、それじゃ早速始めよう」



破壊方法安価下
(翠ちゃんに影響が出るかどうか等は後に判定)

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赤嶺ちゃんには既に、私が腕輪に対し良いものか悪いものかはさて置き何らかの影響を及ぼすかもしれないということは話してあります
もっとも赤嶺ちゃんもそれはわかっていたのかすぐに察していましたが

友奈(赤嶺)「じゃ、翠さんが手を出すのは最終手段として...」

未来「あの腕輪が聖遺物なら、私の神獣鏡の光で消し去れるかもしれないけど」

マリア「効かなかった場合、あるいは起動と同時に効果を無効化させる何らかの機能を備えていた場合、神獣鏡から発せられるフォニックゲインは恰好の餌になってしまうわね...」

フォニックゲインは装者とは切っても切れないものです
それに聖遺物自体、起動済みのものは大なり小なりフォニックゲインやそれに近しいエネルギーを発生させています
それを一切発生させずにとなると、それはもう聖遺物に一切頼らない方法を取るとか...

翠「神獣鏡のフォニックゲインを神獣鏡のステルス機能で...いえ、それは流石に、フォニックゲインを隠すのに使うフォニックゲインを感知出来なくしてしまうのでは停止問題、葛藤が生まれてしまいますか」

未来「別の神獣鏡でっていうのは...あ」

マリア「その神獣鏡が発するフォニックゲインを隠す別の神獣鏡、その神獣鏡が発するフォニックゲインを隠す別の~なんて、腕輪の認識範囲外まで繋げ続けるのは無理があるわ」

翠「範囲の大きさもわかりませんし、いくら神獣鏡が遠距離攻撃可能と言ってもステルス機能の方がそう範囲が広くありません」

そして敢えて言っていませんが、神獣鏡の聖遺物ではない極々普通の鏡を大量に設置し神獣鏡のビームを反射させ腕輪に届ける、というのは可能性としては低くはないでしょうが微妙です
原作でエアキャリアから射出されたシャトルマーカーは神獣鏡の光を反射していましたが、同じく鏡面であるはずの水面はほとんどではなく全く反射していなかったように見えました
エアキャリア自体神獣鏡を組み込む前提の乗り物である手前、シャトルマーカーも神獣鏡対策の何らかの加工がされてないとも限りません
試せば早い事ですが...それ以前の問題でもあります

翠「そもそも、神獣鏡の光にはあるべきカタチを映し出す力...封印といった類のものを打ち破る効果もあります、腕輪ごと消せるか、封印が解け中の存在が抜け出るか、五分五分にしては被害に差が出過ぎる賭けにも思えます」

友奈(赤嶺)「造反神は破壊が対処方法として問題無いって判断した、なら敢えて今の解けかけた封印をし直してから起動するほどのエネルギーが溜まる前に壊すのも手だね」

翠「ですね、封印し直すのが先かと...でも出来るんですか?というかその封印し直す...っていうのは、やり方とかわかるんですか?」



封印方法安価下
(封印の儀でも良し、巫女の舞でも良し、アロンア??ファでも良し)
(この後多分やっと封印に入ります)

疑っているというわけではありませんが...いえ正直疑ってます
だってあんな待ち伏せ(偶然)して襲って来た(見つかっちゃっただけ)感じの流れで実はそこに腕輪があるかどうか知ってるわけじゃなかったんですよ!?
あと赤嶺ちゃんの場合「圧縮すれば封印出来るでしょ!」みたいなノリでプレスしにかかる可能性も

友奈(赤嶺)「あー、うん、何想像してるのか大体わかるけど違うよ?そっちはちゃんとやり方聞いてきてるから...まぁ聞いたというか一方的に聞かされたというか」

マリア「なら、再封印に関しては任せていいのかしら」

友奈(赤嶺)「良いよ、元より装者には破壊の方を手伝ってもらう予定ではあったし...じゃあ少し待ってね」

そう言ってスマホを取り出し、表示されたアプリのボタンをタッチしました
すると舞い散る花弁と眩い光の後、赤と黒に彩られた勇者服に身を包んだ赤嶺ちゃんの姿が顕になります

翠「勇者服...」

最初に会った時もそうだったので今更驚きはしませんが、やはり彼女は勇者としての能力を付与された状態で派遣されているようです
本来の『鏑矢』ではなく

未来「変身した...ね、ねぇ、その恰好は聖遺物じゃないの?」

友奈(赤嶺)「えっ...や、違うと思うけど...何て説明したらいいかな...翠さんよろしく!」

翠「へぁ!?」

赤嶺ちゃんは面倒な説明を押し付けると、とっとと腕輪の封印に向かってしまいました
そして押し付けられた私は結局封印の様子を見る余裕も無く、勇者服が聖遺物ではないなら何なのかに頭を悩ませることに
神樹様の力を科学的呪術的に研究し形にしたものが勇者システムですから...神具とは一応別物?って事になるのでは
でもそれつまりあの腕輪やいつかの光と同じ『神の力』の括りに入りますし、科学的呪術的に研究したって点ではそれこそシンフォギアと似たような...フォニックゲインはまず絶対使ってないってことはわかりますけどそれはあくまで別作品って知ってる視聴者目線の意見ですしそもそもここではどちらも現実として存在しているので必ずしも言い切れるとは

未来「ご、ごめんね?そこまで真剣に知りたいわけじゃなくって、腕輪に影響出ないかだけ知りたかっただけで」

マリア「どうやらもうすぐ終わりそうよ」

フォニックゲインといえば歌を必要としないファウストローブなら大丈夫なんでしょうか
いえでも少なくともキャロルちゃんのダウルダヴラはフォニックゲインに似た波形を...でもあれはダウルダヴラが楽器だったからっていう可能性もありますしフォニックゲインでなくともそれなりのエネルギーなら聖遺物起動に事足りてしまうのでは?聖遺物起動といえばフォニックゲイン以外の起動手段も検討しているといったような内容を結社にいたとき資料で読んだような...

未来「み、翠ちゃん?」

マリア「聞いてないわこの娘...」



コンマ下
奇数 再封印完了
偶数 再封印出来ない
ゾロ目 最速で最短で真っ直ぐに一直線にその再封印ちょっと待った!

友奈(赤嶺)「...参ったね」

戻ってくるなり、赤嶺ちゃんはお手上げと言わんばかりに溜息をつきました
それってつまり、再封印が出来なかった...ってことでしょうか

翠「どういうこと、ですか?」

未来「あ、翠ちゃんも戻ってきた」

今私のことはどうでもいいんですよ
それより再封印のことです

友奈(赤嶺)「内側からの抵抗が強いのか、外れた鍵が修復不可能な程壊れてるせいか...そこまでは流石にわからないけど、ちょっとこれは不味いね」

マリア「どうするつもり?」

友奈(赤嶺)「造反神の次の命r...神託を待つか、このまま破壊を始めるか...猶予は無いけど失敗も出来ないよ」



安価下
1 造反神の次の神託待ち
2 破壊開始
3 その他(記述)

(翠「マリアさんのお誕生日...と言っても主役本人はバースデーライブがありますからね、疲れを取ってもらう意味でも、ライブ後のパーティーでいっぱいお世話させてもらいましょう!」

『翠』「マリアさんお誕生日おめでとう!また一つ少女から遠ざかっ...嘘嘘!冗談だからごめんごめんなさアッ-!」)

これは造反神にとって間違いなく不測の事態と言えます
何せ前回赤嶺ちゃんは『封印だけでも』と、つまり『最低でも封印したい』という言い方でした
つまり造反神は腕輪を破壊することより封印し直す方が容易であると判断したということ
これが覆った、再封印が出来なかったということは破壊は更に難しい可能性が出てきます

翠「練習なんて出来ない、一回の失敗で全て終わるんです、造反神の神託を待った方がいいと思います」

友奈(赤嶺)「うん、賛成...一時中断にしておこうか」

一難去ってまた一難、タギツヒメの方も気になるというのに、道のりはまだまだ険しそうです

友奈(赤嶺)「そうそう、造反神の気分によっては神託は巫女の素質持ちの翠さんの方に行くかもしれないから心構えしておいてね」

翠「えっ」

・・・

変わらず腕輪が周辺ごと徹底管理のもと厳重に監視されている中、神託が来る、あるいは何か出動せざるを得ない事態になるまで待機を命じられている私達は手持ち無沙汰...つまり暇していました

友奈(赤嶺)「ガングニール ...?」

翠「様々な伝承が紡がれたりした結果、神殺し...神の力をも破壊する特性を得た、らしいんですが...」

世間話と呼ぶには些か物騒な内容も含まれたりしている雑談をしているうちに話題はガングニールについて
赤嶺ちゃんは腕を組み考え込みます



赤嶺ちゃんの反応安価下

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友奈(赤嶺)「ある意味羨ましいような力だね、それこそ天の神を討ち破る一手になりそうな...けれど同時に神樹様とも相性が悪過ぎるかな、いやそもそも解釈の問題ならこの世界での神の定義に対してしかってことも...それより腕輪か、それこそ腕輪が、そして封印された存在が神そのものなら...」

『神殺し』という強力で、それでいてふわっとした事しかわかっていないガングニールの隠された能力
世間一般で『神殺しの槍』といえば『ガングニール』ではなく『ロンギヌスの槍』であることも、ガングニールが神殺しだという事実を理解し難くしている要因の一つでしょう
とある槍を神殺したらしめた経緯、後世に伝えられた歴史が作られたもの、捏造されたもの、偽りのものであり、ガングニールこそが神殺しの槍...それが本当であるならばとても大掛かりで、けれどよくある話だったのかもしれません
事実隠蔽などという事柄はそれこそS.O.N.G.の装者なんてやっていれば未だにどこでも行われていることだと嫌でも実感出来ます

翠「にしてもこう...赤嶺ちゃんには申し訳ないですけど、考えてることが声に出ててぶつぶつ呟いてるのって側から見ると...」

未来「翠ちゃんいつもあんな感じだよ?」

翠「えっ?」

マリア「というかさっきもあんな感じだったわ」

翠「えっ!?」

こ、これからは気をつけましょう...
そんな風に私が思わぬ事実を突きつけられ軽く凹んでいると、赤嶺ちゃんが一つの結論、というか案を出しました

友奈(赤嶺)「よし、そのガングニールは奥の手として取っておこう」

未来「奥の手?」

友奈(赤嶺)「その『神殺し』の力の有効範囲もわからないしね...けれどきっと意味はある、だからいざとなったら頼りたい」

翠「わかりました」

その場合、仮に響さんに手伝ってもらえなくても私か『翠』がイミテーターである程度までなら模倣出来ますし
夢姫ちゃんもイミテーターで響さんのガングニールをほぼ完璧に模倣し闘っていましたが、出来れば頼りたくない、戦わせたくないです

友奈(赤嶺)「それにしても、哲学兵装ね...言葉、言霊が科学じゃ説明出来ない事を現実のものにするのはどこの世界も同じだけど、この世界は特にその影響は強く出やすいのかな」

翠「とは言っても、哲学兵装になる条件...例えばどれほどの年月が必要なのかもはっきりとわかってるわけじゃありませんし」

友奈(赤嶺)「重要なのは年月か、それとも言霊に込められた想いの大きさか...」

その時、ふと頭の中に何かを示すイメージ映像のようなものが降ってきました
降ってきたというより、ぶつけられた、与えられたような、強烈な



神託の内容安価下

翠「今のは...」

友奈(赤嶺)「神託、だね」

私と赤嶺ちゃんの両方に送られてきたイメージ...造反神の神託
勿論念話や文字として送られてくるわけではないのでその神託は抽象的なものでしたが、造反神の力がそうさせるのか私達は自然とそのイメージが示す内容を理解出来ていました

友奈(赤嶺)「造反神の考えはそこまで大きくは変わらないね、封印の儀で力を抑えてから破壊、もしくは...『神殺し』のガングニールに頼る」

翠「腕輪の覚醒を避ける事が最優先のようですね...でも赤嶺ちゃん、封印の儀って言ってもさっき」

再封印は失敗したはず
封印の方法が封印の儀とは違っていたかもしれませんが、今度は大丈夫なのでしょうか

友奈(赤嶺)「ま、私に確認出来るのは封印が出来たか、出来なかったか...その途中はわからないけど、造反神は少なくとも無意味じゃないって結論になったんじゃないかな」

翠「封印に至らなくても効果はあった...」

まぁ、他に狙いがあるのかもしれませんし
今は造反神を信じる他ありません

未来「どうするの?」

友奈(赤嶺)「とりあえず私と翠さんで封印の儀を始める、それから...」



安価下
1 とにかく腕輪を攻撃
2 とにかく腕輪を攻撃(遠距離)
3 次の神託が来るまで封印の儀を続ける
4 その他(記述)

・・・

腕輪を間に置くようにして向き合って離れて立つアメノムラクモの勇者ギアの私と勇者服の赤嶺ちゃん、そしてそんな私達とは垂直になるようにさらに離れた所から並んで立つ神獣鏡の未来さんとアガートラームのマリアさん

マリア「いつでも行けるわよ」

未来「こっちも大丈夫!」

封印の儀の手順はざっくり2つ
まず1つは、『対象を囲む事』
まぁ今回これに関しては対象が動くバーテックスではなく動かないシェム・ハの腕輪なので何一つ難しいことではありません、強いて言うならフォニックゲインが必要以上に当たってしまわない距離が大切ですね

そして2つ、『封印の祝詞を唱える事』ですが、ぶっちゃけこれは何でもいいやつです
初心者や慣れてない人でも『祝詞=封印に必要な大切なもの』という先入観...より正確にはその先入観により祝詞をより真剣に読み上げ魂が込もるのを狙っただけで、つまり魂が込められれば言葉は何でもいいらしいです

赤嶺ちゃんが立てた作戦というか計画はとても簡単
私と赤嶺ちゃんで腕輪に対して封印の儀を行い、その間未来さんとマリアさんが腕輪に対し全力の遠距離攻撃をし続けるというもの

友奈(赤嶺)「了解、やるよ翠さん」

翠「はいっ!」

やってやりましょう!



魂込める言葉安価下1
(気合が入れば何でも可)

破壊判定
シンフォギアコンマ下2
シェム・ハの腕輪コンマ下3
(コンマが大きい方が勝ち(シンフォギア側が勝ちなら封印成功、腕輪側が勝ちなら封印失敗)ですが、ゾロ目だった場合相手より数値が低くても勝ちになります)
(両方ゾロ目なら大きい方が勝ちとなり、同じ数値なら引き分け(封印解除)です)

翠「最速で!最短で!真っ直ぐに!」

友奈(赤嶺)「唸れ!」

私がアームドギアの生太刀を、赤嶺ちゃんが手甲を構え


翠「一直線にッ!!!」

友奈(赤嶺)「鍛えた筋肉ッ!!!」


掛け声...もとい独自の祝詞を叫びながら地面に振り下ろします
すると凄まじい衝撃と共にシェム・ハの腕輪を中心として光の陣が広がりました
ちょこっとだけこちらを見てくる未来さんの笑顔が怖かったりしますが気にしたら負けです

友奈(赤嶺)「封印の儀自体は正常に発動、カウントは...2人ならこの程度か」

陣には3桁の漢数字が表示されていますが、とても多いとは言えない数値な上刻々と減っていっていました
このカウントは私と赤嶺ちゃんとで封印の儀を保っていられる時間制限、零になったら封印の儀は解けてしまいます
腕輪が覚醒したり動いたりしていない以上そこまで問題ではありませんが、この封印の儀に多少なりとも意味があるならカウントを気にするに越したことはありません

翠「未来さん!マリアさん!」

私が声をかけたとき、すでに2人は攻撃態勢に入っていました

マリア「行くわよッ!」

未来「はぁぁっ!!」


『HORIZON†CANNON』

『流星』


極太の破壊光線が連続で腕輪を飲み込み、さっきよりも大きな衝撃と砂煙が

翠「けほっ...腕輪は!」

ここで「やったか!」なんて台詞を吐くような真似はしませんが、やはり小さな腕輪一つに対しての攻撃二つのインパクト故か若干期待してしまいます
というか破壊出来てくれているととても嬉しいんですが

友奈(赤嶺)「...流石は神具、傷らしい傷がどこにも見えないね」

抉れた地面の真ん中に落ちているシェム・ハの腕輪
それは傷一つ、それどころか砂の一粒も寄せ付けないと言わんばかりに美しい黄金の輝きを保ったまま

翠「くっ...カウントはまだ残ってます!」

未来「次ですマリアさん!」

マリア「えぇ!」

・・・

ドカンドカンと、この辺の地形を変えるような勢いで続いた腕輪への攻撃
ですがどれだけやっても腕輪にダメージは入らず、遂にカウントも零となり私のギアも赤嶺ちゃんの変身も解けてしまいました

未来「2人とも大丈夫!?」

翠「は、はい...ちょっと疲れただけで...」

友奈(赤嶺)「封印の儀を維持するだけでこの疲労、あの腕輪には相当厄介なのが入ってるってことかな...」

しかし収穫がなかったわけでもありません
腕輪はあれほどのシンフォギアの攻撃を受けても未だ封印が解けたり覚醒する様子もなく、また大きな衝撃を与えても問題なさそうなことがわかりました


安価下
1 少し休んでから今度はガングニール攻撃
2 刀使の世界の様子確認
3 その他(記述)

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・・・

私と赤嶺ちゃんがダウンした事で作戦は一時中止
また、ガングニールこそ試していませんが一先ずは腕輪の異常な耐久性が判明したこと、それこそ聖遺物殺しすら効かなかったことはより今後慎重にならざるを得ない理由になり得るということで、本部への帰還、待機命令が出されました

友奈(赤嶺)「それで、私はどうした方がいいのかな?」

マリア「出来ることなら保護、悪い言い方をしてしまえば監視...目の届くところにいてほしいというのが本音でしょうね」

友奈(赤嶺)「ふーん」

赤嶺ちゃんは恐らくS.O.N.G.がどういった組織なのかもほとんど知っているのでしょう、調査したにしろ造反神...神樹様に教えてもらったにしろ
演技でなければ、監視とまで言われてもそこまでの警戒心を見せずにいることが何よりの証拠です
とはいえ、ホイホイと監視されに行くのも、という感じでしょうか
何か一つ後押しが欲しい、そんな様子です

翠「腕輪といえば...」

友奈(赤嶺)「うん?」

翠「あ、いえ、もしかしたら何か知ってる、知らされてるかもしれなくもないかな~くらいの人達が今丁度本部に保護されてまして」

そこで私は、それに応えられるかはわかりませんが、ヴァネッサさん達の事を伝えてみることにしました
仮にも腕輪強奪を命令され成し遂げたヴァネッサさん達です、それに起動させるところまで命令に含まれていたとしたら、起動条件のより詳しいことなんかもわかるかも
...よくよく考えてみたら割と本当に先に話聞きに行っておくべきだったのでは?

翠「まぁ、私はヴァネッサさんやエルザさんはともかくミラアルクさんには思いっきり敵視されてるので無理でしょうが...」

友奈(赤嶺)「...よし、じゃあそっちの接触も視野に入れて動かせてもらおうかな、むしろそっちは本職みたいなものだからね」

赤嶺ちゃんの本職は聞き出した後消すところまでじゃないですかやだー
とはいえどうやらこの後押しはお眼鏡に適ったようで

未来「こっちのこと、響達にも知らせておいた方がいいかな」

翠「ですね、あっちのことも気になりますし」

何かあるようなら刀使の世界に一旦また向かうつもりでもあります
タギツヒメとの決着もエルザさんから頼まれていますしね
まずは『翠』にどんな様子か聞く所から

翠《『翠』、聞こえますか?》



刀使の世界今どんな感じ?安価下
(状況によっては刀使の世界に向かいます)

『翠』《あぁ、うん...聞こえてる...》

翠《...あの、物凄く疲れてます?》

念話なのにわかるくらい声が疲れて聞こえます
今にも溜め息つきそうな程に

『翠』《そりゃね...一応聞くけどそっちにいる赤嶺ちゃん、味方でいいんだよね?》

翠《え?え、えぇ、それが何か》

『翠』《だよね、うん、なら良いんだよ...いや良くないけど...》

何の確認だったんでしょう...

翠《そっち何かありました?というか、何かあったんですね?》

あんな様子の『翠』、何もなかったはずありません
タギツヒメを倒すなり逆に強化されてしまうなりしたなら真っ先に報告してくるでしょうから、そういうのではないでしょうが


『翠』《あのね...こっちにまでバーテックスが出てきた》


翠「はぁっ!?!?」

友奈(赤嶺)「ふぇっ!?えっ何何!?」

翠「あっすみません思わず...もう少し色々聞いてから後で赤嶺ちゃん多分改めて呼びます」

友奈(赤嶺)「えぇ...?」

いやいや待て待て待ちなさい
バーテックス、だとぉ!?何故そこでバーテックス!
いえ、ゆゆゆの世界に影響が出ているのならその逆も大いにあり得る事ではありますが

翠《もう少し詳しく聞かせてください》

『翠』《言葉の通り、荒魂ともノイズとも違う反応が出たっていうから見に行ってみればそこにいたのはどでかいバーテックス...幸い数はそんなに出現しなかったから騒ぎにはなってないけど》

元々荒魂が存在している世界ですからね、仮に一般人の目に止まっても荒魂の亜種程度の認識でしょう

『翠』《でもまともに攻撃通じるのは勇者ギアがある『私』だけ...わかる?ほとんど一人でバーテックス数体まとめて相手する気持ち...めちゃくちゃ疲れた...》

翠《あー...お疲れ様です》

それは私も赤嶺ちゃんとのファーストコンタクトの際にやりましたとは言わないでおきましょう

『翠』《皆そもそもバーテックス知らないし勇者ギア使えないし、かといって病み上がり?の『夏菜』を戦わせるわけにも》

うんうんそうで...ん!?

翠《夏菜さん目が覚めたんですか!?》

『翠』《あ、うん少し前に、まだ安静にしてる状態だけど》

翠《良かったです...》

本当に安心しました
タギツヒメの攻撃に相手を眠らせる呪いのようなものはなかったと思いますが、それでも中々目を覚さない姿にもしもを考えてしまいます
何せタギツヒメについて...いえ、あらゆることについて、私は原作知識があるとはいえ逆にいえば原作知識以上のことは何も知らないわけですから
とはいえ今回は杞憂に済みそうです



安価下
1 刀使の世界にイクゾ-
2 まだこっちの世界でやることがある!
3 その他(記述)

翠《とにかく、私も一度そっちに行きますね》

『翠』《ん、了解》

『翠』と念話を切り、ししょー達に許可を貰いに...っと、その前に

翠「赤嶺ちゃん、ちょっと」

友奈(赤嶺)「はいよ」

・・・

友奈(赤嶺)「こことは別の、今繋がってる平行世界にバーテックス、か...それでさっきあんな」

翠「一度事実確認諸々兼ねて行ってきます、その間もしこちらの世界でもバーテックスが現れるようなら」

友奈(赤嶺)「ま、それは任されたよ...でもかなり腕輪の影響が広がってる、どうにかしないと」

翠「やはり先に厄介なタギツヒメ関連の問題を片付けて、響さんも含めた万全の状態で複数ガングニールタコ殴り作戦が有効でしょうか」

友奈(赤嶺)「作戦名はともかく、不安要素は減らした方がいいし腕輪の対抗策は多い方がいいのは確かだね、でもそのタギツヒメの問題にばかり集中していて腕輪覚醒を防げませんでした、じゃ本末転倒だよ、長くかかりそうなら戻ってきて」

翠「わかりました」

・・・

ししょーからの許可を得て、やってきました刀使の世界!


どうする?安価下
(特になければイベント判定)

(友奈(赤嶺)「それはそうと今日はレンちの誕生日だよ!!!」

翠「えっあっはい、おめでとうございます」

蓮華「弥勒は見知らぬ平行世界でも祝われてしまう、当然の事ね」

翠「!?」)

管理局で伝えられた話によると、現在『翠』達は丁度出現したバーテックスの討伐任務に当たっているとのこと
紫様の命令もあり飛び出した私でしたが

翠「バーテックスだけじゃないじゃないですか...」

現場に着くと、そこにいたのはバーテックスの背に立ち刀使達をあしらっているタギツヒメの姿でした
装者メンバーはというと、『翠』が主に前へ出てバーテックスの相手、他の皆さんがそのサポートのようです

翠「響さん...?」

ただ、時折響さんが軽く頭を押さえて顔を顰めているのが気になりましたが
ともかく今は!


翠ちゃんどのギアで行く?安価下1
1 アメノムラクモ
2 アメノムラクモ(勇者ギア)
3 アスクレピオス(戦闘不向き?)
4 イミテーター(イグナイトなし)(何か模倣する際は何を模倣するか記述)
5 イミテーター(銀色のギア)
6 ミョルニル(イグナイトなし)
7 神獣鏡(他のギアと同時展開する場合はどれと同時展開するか記述)
8 フォーク
9 アメノオハバリ
10 レーヴァテイン
11 フツノミタマ
12 わっしーセット
13 ロンゴミニアド(イグナイトなし)(未使用)
14 玉手箱(イグナイトなし)(特殊)
(1、2、7、8、9、10、11、12はイグナイトも可、その場合は数字の他にイグナイトと記述してください)

どう戦う?安価下2以降
(手甲になり他の装者に憑依するのも可(戦闘力やフォニックゲインはユニゾンレベルとします))

「Imyuteus amenomurakumo tron」


翠《若葉ちゃん!勇者の力お借りしますッ!》

若葉《あぁ!》

私は勇者ギアのアメノムラクモを纏い

翠「はぁっ!!」

近場のバーテックスに一閃
そのままそのバーテックスを足場にして跳躍し『翠』の隣に着地しました

『翠』「悪いね、来て早々手伝ってもらって」

翠「いいえ...というか聞いてませんよ、大型複数だけじゃなく星屑までうじゃうじゃいるなんて」

『翠』「だから言ったでしょ、めちゃくちゃ疲れたって」

数体どころじゃないんですが
とはいえ、今回のように周りの建物の被害を気にしなければいけない状況とは違ったとはいえ仮にも何度か深層世界での仮想バーテックス相手の試練を受けてきた『翠』が割と簡単に根を上げた理由が分かった気がします

翼「翠か...!?」

翠「あっちでちょっと事態が停滞したのでこっちに助っ人に」

切歌「とにかくこの大きい怪物倒せるなら助かるのデスが!」

その為の助っ人ですからね
出し惜しみ無し、最初からクライマックスで行きますよ

翠「先に面倒な大型から減らしますッ!」

大型バーテックス...これは乙女座ですね...の頭上に跳んだ私は、フォニックゲインを込め刃をエネルギーで覆い巨大化させたアームドギアの生太刀を思いっきり振り下ろします
頭部のような場所が開き中から逆さの三角錐...御霊が出てきましたが、即座にそこに飛び乗り上から生太刀を突き立てました

翠「流石にスパッと真っ二つに斬れたりはしませんか」

ガンッと金属音のような音が響き、ほんの少し先っぽが刺さりヒビが入りますがそれだけです
これが普通の硬さなのか平行世界故に独自の強化が成されているのかは本物相手の経験が少ないので判断がつきませんが、いちいち本体と御霊で二回分苦戦出来るほど余裕のある戦況ではない為早急に破壊しないと

舞衣「きゃあっ!」

その時、視界の端で刀使の何人かが吹き飛ばされていくのが見えました

翠「そうでしたタギツヒメもどうにかしないと...『翠』!」

『翠』「何ー?」

目を付けたのは私と同じく勇者ギアのアメノムラクモを纏いバーテックスに鎌で斬りかかっている『翠』
ですが休む間もなく戦い続けているからか、若干動きが鈍くなっています

翠「バーテックスはしばらく私が何とかします!『翠』はその間に刀使の皆さんの怪我の治癒を!」

『翠』「何とかって...」

ついでに怪我の治癒している間だけでも少し身体を休ませてください

翠「まだ戦い始めたばかりの私の方が体力ありますから!『源義経』ッ!」

切り札は使う時に使わないと意味無いですからね!


☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


翠が『切り札』を使い『源義経』の力をその身に宿すと、乙女座の御霊に攻撃しては他の大型バーテックスを斬り付け、また乙女座の御霊に攻撃という往復を目にも留まらぬ速さでやり始めた
あっち行ったりこっち行ったりで忙しい動き、それならむしろ『私』の『七人御先』で分担した方が

『翠』「って、それがキツいって見抜かれてんだけど」

『私』は翠に感謝しつつ、星屑を斬りながら倒れてる刀使メンバーの所に走り出した
まずアスクレピオスを纏って皆とついでに『私』の傷も治して、そんでまたアメノムラクモを纏って...『私』もあっち纏ったりこっち纏ったり忙しいね!?

『翠』「ん、いや待てよ」

アスクレピオスもアメノムラクモも切り替えられるギアがあるじゃん!


「Stealer Imitator tron」


『翠』「コピーアスクレピオス!」

☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


翠「セイヤーッ!!!...っはぁ、はぁ...」

『翠』がアスクレピオスを模倣したイミテーターで刀使の皆さんのところを回っていくのを尻目に、私は何体かの大型バーテックス(ついでに通り道にいた星屑も)を倒していました
けれど流石に行ったり来たりが大変で、というか乙女座の御霊がまだ破壊出来てないのに他の大型バーテックスの御霊の方がむしろ先に楽に破壊出来てるまであります

翠「ヒビは大分広げられてると思いますけど...もう一発...うわっ!?」

その時、大人しくしていた乙女座本体が羽衣のような箇所を振るい、叩かれた私は御霊の上から落とされてしまいました
そして追い討ちとばかりに再び羽衣のような箇所がしなり私を狙います
普通のアメノムラクモであれば浮遊出来たでしょうが今は無理、足場があれば跳躍出来たでしょうがそれも無理

翠「くっ!」

ならせめて空中でその羽衣を斬り落としてしまえば!
私は自由落下しながら生太刀を構え...



響「勇者...パァァァァァンチッ!!!!!!!」


ドッ!!


次の瞬間、跳んできた誰かが乙女座の御霊のヒビにパンチをトドメをさしていました
否、それは誰かではなく

翠「友奈ちゃん...響さん...!」

勇者ギアを纏った響さん

山桜の花弁が舞うその姿はまさに、友奈ちゃんのよう
あと伸びた髪とかポニテとか

御霊を失った乙女座は全身砂へと変わって崩れ落ち、響さんと羽衣を受けずに済んだ私は地面に降り立ちます

響「ずっと何か忘れてる記憶がある気がしてた...この事だったんだね」

翠《響さんが自力で記憶取り戻してる件について》

園子《ゆーゆとのシンクロだからね、勇者適正に友奈因子、びっきー先輩も神殺しに記憶保持状態での時間跳躍経験...他にも色々考えられる理由はなくはないけど、今は奇跡が起きたって思えばいいんじゃないかな》

まぁメタ視点では主人公補正×2みたいなものですもんね!強い...

響「このギアならあの敵も倒せるんだよね?」

翠「はい」

そうこうしているうちに周りの空間がいくつか開き、星屑のおかわりが来ていました
大型が結構減らされたからでしょうか...っていうか星屑が集まって大型を形成しようとしてますね

響「なら、私は歌でぶん殴るッ!」

そう言うと響さんは星屑達が集まっている所へ飛び込んで片っ端から殴り、弾けさせていきます
そこが終わればまた次の集まっている所へ、ともすれば触れただけで倒しているようにも錯覚してしまうほどの圧倒的な威力

翠「負けてられませんね」

『切り札』の反動に疲労している場合じゃありません
私も後に続きましょう!

☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


『翠』「はい、これで最後!んじゃ『私』も戻って...」

って何あれ...響さんいつの間にか勇者ギア纏ってるんだけど...

千景《どうやら自力で記憶を取り戻したようね》

『翠』《失った記憶まで繋ぎ束ねたってこと?やっぱ凄いね響さんは...》

幾度となく奇跡を手繰り寄せる手腕は伊達じゃないわ

『翠』「さて、もう一踏ん張り!コピーアメノムラクモっ!」



コンマ下1
ゾロ目以外 問題なく勇者ギア
ゾロ目 あれ?出来ない?

コンマ下2
奇数 タギツヒメ撤退
偶数 『夏菜』さん参戦

undefined

こっちはこっちでアメノムラクモを模倣、さらに千景ちゃんの勇者ギアへと変化させた
本来のアメノムラクモでの勇者ギアとほとんど見た目は変わらないけれど、装甲に光が走っていたりと所々にイミテーターとしての主張も残っているように見える

『翠』「ふっ!」

アームドギア...大葉刈を振り被り、『私』もまた戦火へと舞い戻っていった

☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


翠「キリがない...!」

増え続ける星屑達
響さんが勇者ギアで参戦したり『翠』が前線に戻ってきたりしたことで倒した数に増える数が追いつかない、なんてことは避けられていますが
それでも追いつかなくさせられてるだけで差のひらく速度は遅く
むしろこちらのパワーバランスが崩れでもしたら途端に逆転してしまいそうです


タギツヒメ「無尽蔵の力...圧倒的、暴力的なまでの愚策だが、中々どうしてやはり心地の良いものだ」

薫(刀使)「けっ、つっても今回はお前自身の力が無限なわけじゃねえだろうが」

タギツヒメ「ふふ」


完全にバーテックスのことは自身と協力関係にあると思っているのか、支配下に出来ていると思っているのか
タギツヒメは刀使の皆さんを相手取りながら笑っていました
天の神がタギツヒメに協力したり支配下に置かれたりするイメージが全く想像出来ませんが、その辺は確かめる方法もありませんし

翠「っく...!」

そうこうしているうちに『切り札』を維持出来なくなってしまいます
自身を奮い立たせギア解除だけは間逃れた為まだ勇者ギアでいられますが、やはり数時間前の封印の儀の疲れがまだ


『夏菜』「とぅッ!!」


ザンッ

翠「『夏菜』さん...!」

そこへ姿を現したのは芽吹ちゃんの防人ギアを纏う『夏菜』さん
私のすぐ側に着地すると手に握る砲剣で周りの星屑達を斬り伏せてみせました

翠「目が覚めて良かったです!でも動いて大丈夫なんですか?というか今どこから出てきました!?」

『夏菜』「いっぺんに3つも...まず1つはご心配おかけしました、2つ動いて大丈夫です、そして3つ...画面外とか言ったらかっこよくないですか?」

まぁ実際は多分その背中に背負っているフライユニットで管理局から空を飛んで来てたんでしょうけども



何か話す?安価下
(戦いながらですが、特になければ戦い終わってから改めて)

背中合わせになり近付く星屑を斬っていく私と『夏菜』さん
先程までより効率良く敵を減らせているのは確かです
確かではありますが、やはりそれより『夏菜』さんについて色々心配になってしまいます

翠「紫様からの許可はちゃんと下りたんですか?それに体調が良くてもフライユニットの整備とか」



コンマ下1
奇数 許可下りてる
偶数 そんなものは知らぬ

コンマ下2
奇数 整備バッチリ!
偶数 ぶっちゃけ火を吹きそう
ゾロ目 実はもうさっきの登場で力尽きた

『夏菜』「大丈夫、折神さんの許可は得ています」

翠「そうですか」

『夏菜』「そうですよ、翠さんじゃないんですから」

翠「ん゛っ」

さ、最近はちゃんと許可下りてから行動してますよ、えぇ、多分!
いやまぁ仮に逆の立場でなおかつ紫様に許可貰えなかったら...い、いえ、こんなたらればに意味などありません!

翠「...あれ?フライユニットの方は?」

さっきそのフライユニットで飛んできたんですから、バッテリーとかは平気でしょうが

『夏菜』「...言い難いことですが」

翠「?」

『夏菜』さんがフライユニットを小型化させ手のひらに乗せると、フライユニットはプスプスと嫌な音を立てながら煙を吐き出し始めました

『夏菜』「実はさっきの登場で力尽きたようでして...」

翠「あっ...」

【悲報】フライユニット早くも戦線離脱

どうやらこれまでの戦いでボロボロになっていたフライユニットはそのままだったみたいです
今回それを修理せずに...それだけ急いで来てくれたということなのでしょうし強くは言えませんが

翠「登場シーンで出番が終わるなんて...!」

『夏菜』「『私』としては悔いはありません」

さいですか...どんだけ視聴者がいるわけでもない登場シーン再現にこだわってたんですか...
気持ちはわかりますけども

『夏菜』「なので今日はもう空中戦が出来ません...『私』この戦いが終わったらフライユニット修理するんだ...」

翠「わざとですか!?わざとですね!?」

タギツヒメが戦場に出張ってきているので洒落にならないんですがそれは

『夏菜』「まぁそれは置いておいて...散々寝過ごしてしまったんです、心配もそれくらいで、『私』達にもどんどん頼ってください」

翠「『夏菜』さん...」

『夏菜』さんも夏菜さんも、自分のことを責めてしまっているかもしれません
そんな必要はないのに、それでもと思ってしまうのはよくわかります、私も同じでしたから
こんな時、大丈夫という言葉より、遠慮なく頼ってもらえた方がずっと助かるというもの

翠「わかりました...『夏菜』さん、刀使の皆さんを支援出来る装備やドローンはありませんか?あと...出来れば回復の時間稼ぎを頼みます」

『夏菜』「頼まれました!」



支援出来る装備やドローンの詳細安価下
(どんな装備があるのか、どんな機能があるドローンがあるのか等)

『夏菜』さんの言葉に甘えて私は一時戦線離脱
『夏菜』さんはリモコンで数体のドローンをどこからか呼び出し、それぞれに取り出したアイテムを持たせ装者や刀使の皆さんに向けて飛ばしていました

『夏菜』『先の戦いで使用した際より強度を強化したワイヤー搭載型サポートドローンです、それから炸裂式のグレネード砲に、装者メンバーにはフォニックゲインを用いたカノン砲を!』

一斉通信で伝えられた短い説明に、(戦線離脱した私以外の)全員がすぐに頷いて武器を手に取り戦い始めます


翼「これは...!」

調「あの怪物にも効いてる...?」

クリス「んだよ、結構当んじゃねえか!」


その様子を見ていると、グレネード砲もカノン砲も勇者ギアではない装者が扱っているにも関わらずバーテックスに確実にダメージを与えられているのがわかりました
勇者ギアを用いた場合に比べればそのダメージは少ないものですが、無いより断然、むしろ大いに助かる武器です

AI『防人ギアの解析結果が役に立ちましたね』

翠「どおりで」

AIさんの個人通信を聞き、納得しました
とはいえ心象変化によって成り立っている状態のものを解析し、心象変化に頼らずその能力を再現するなんて



安価下
1 体力回復後まで飛ぶ
2 体力回復中何かする(記述)
3 体力回復中他の視点にする(記述)
4 タギツヒメ勝負判定
5 その他(記述)

『逆巻ク大蛇』


物陰に隠れ座り込み壁に背をもたれ掛からせた私は、既に筋肉がパンパンになって上がらなくなりつつある腕を無理矢理動かし空間に一閃...大蛇を呼び出します

翠「皆さんの援護を...タギツヒメには直接攻撃加えなくていいですから、隙を作らせたりスタミナを消耗させる方向でお願いします」

大蛇は頷き、戦場に向かっていきました
勇者ギア経由で呼び出したので、今の大蛇ならバーテックスにも効果的にダメージを与えられるはずです

翠「ふぅ...」

周りへの警戒こそ怠りませんが、大きく息を吐いて身体から力を抜きました
すると腕だけでなく脚や腹筋、至る所がぴくぴくと軽く痙攣していくのがわかります
それだけ動き続けていて、また多少無駄に力が入っていた箇所もあったということですね

翠「スタミナだけの問題ではない、ですか」

早く戦場に戻る為にも、今は身体を休めることに専念しましょう



コンマ下1
奇数 2号機持ってる(体力回復後返却)
偶数 持ってない

他に何かする?安価下2以降
(特になければ色々判定)
(女神「やりましたね!私達遂に実装ですよ!」

翠「ん!?...あぁ、マギアなレコードの話ですね、勿論当てました100回目で」

『翠』「プレイヤーのガチャ実装...そういうのもあるのか...!」

女神「シンフォギアもそれこそプレイヤーを装者は無理でも新米職員視点とかにしたアプリゲーだったら...」

翠「それで実装されたら実質プレイヤー全員OTONAだったってことになりません...?」)

・・・

翠「よし...」

息も整い、疲労による震えも治まってきました
『切り札』をもう一度使うにはまだ回復が足りませんが、少し動くくらいなら出来るレベルです
私はつってしまわないように脚を軽く揉みながらゆっくり立ち上がり、壁の端まで移動して顔を出し戦場の様子を確認しました

翠「星屑はもうほとんど残っていませんね、この分ならおかわりが来てもすぐ倒せそうです」

勇者ギアの『翠』、響さんと防人ギアの『夏菜』さんに加え、他の装者刀使までもがバーテックスへの有効的な攻撃手段を得た今、バーテックスの数による優位性は完全に崩れています
タギツヒメもまた足場にしていた大型を倒され、時折近くにいた星屑を盾ながらももはやいつも通りの戦い方になりつつありました

翠「とはいえ剣術が厄介なのは変わりませんし、迅移に追い付けるのも刀使の皆さんとせいぜい結芽ちゃんの刀使ギアの翼さん...クリスさん!調さん!」

私の『切り札』なら低位...浅い層の迅移程度なら食らいつけるかもしれませんが、それがまだ出来ないからこうして身体を休ませているわけで

翠「お二人は刀使の皆さんの援護に向かってください!遠距離攻撃でタギツヒメになるべく隙を作らせて!」

クリス『おう』

調『わかった』

せめて、何もしないより現状把握と戦略を練ることくらいは
私の通信を聞きクリスさんがクロスボウの矢を、調さんが丸鋸をタギツヒメに向けて跳ばし始めるのを見て、私は次に誰が何をするべきかを考えます
と、そんな時

紫『聞こえているか、蒼井』

翠「っ、紫様?」

突然の紫様からの通信
まさか、他の場所にも荒魂やノイズやバーテックスが?

紫『いや、そういった報告はない、ただの忠告だ』

翠「忠告...」

紫『あまり手を出し過ぎるとタギツヒメに狙われるから注意しろ』

その忠告は、かつてタギツヒメに目を付けられ、遂にはその身体を乗っ取られた者の実体験から来るアドバイスでした

翠「はい」

タギツヒメに狙われたとき殺されるか乗っ取られるかのどちらかです
後者だった場合、なまじこの身体がマルチプルコンタクトな事もあり、そこを利用されるとそれなりに厄介な敵になるのは自画自賛ではなく事実として知っています
いや、だからといってなら前者なら良いのかと聞かれれば全力でNOですが
いくら転生から始まりその後も割と何度か死んだり死にかけたりしているとはいえ無意味に殺されたくはありません



コンマ下
奇数 後はお前だけだ...タギツヒメ!
偶数 ノイズも荒魂も大盤振る舞い!
ゾロ目 実はもう手遅れ

翠「震えなし...立ちくらみもなし...これなら!」

生太刀をぐっと握り、建物の影から出た私は準備運動がてら残り僅かだった星屑達を斬り始めました

翠「ふっ!はっ!」

息も切れず、身体も思った通りに動いてくれます

『翠』「翠!」

『夏菜』「翠さん!」

翠「お待たせしました」

『翠』達と合流し辺りを見回すと、気付けばバーテックスは一体残らず倒されていました
追加で現れる様子もありません

エレン「自慢の増援も打ち止めのようデスね」

翼「数での圧倒、そのアドバンテージ、遂に覆ったぞ」

姫和「後はお前だけだ...タギツヒメッ!」

装者8人と刀使8人、合わせて16
大蛇もいますし、まさしくさっきまでとは状況が逆転したといって良いでしょう

タギツヒメ「ならばどうする、所詮貴様らにとっては振り出しに戻ったに過ぎぬ」

しかし振るわれる御刀を受け止めつつ答えるタギツヒメには一切の焦りは見えません
いえ、さっきまで刀使の皆さんの連携、そして大蛇にクリスさん調さんのサポートもありかなりダメージは負わせられたはずです
傷こそ修復してしまっていて見た目に変化はありませんが、タギツヒメといえどもスタミナは無限ではありません
であればあれはまだまだ余裕ということか、虚勢か、それとも...

切歌「減らず口をデス...!」

響「タギツヒメ...」



どう戦う?安価下
(スーパーリンチタイム(相手は自称神))

繰り広げられる高速の戦闘
より高位にシフトしていく迅移と迅移のぶつかり合い
それを辛うじて目で追い続けられ、尚且つ手を出せるのは、私達が装者であることの他にこれまで積んできた様々な訓練の成果でしょう
目が慣れた、とも言いますが
つまり何が言いたいかというと

タギツヒメ「ッ...脅威足り得ぬ手もこうも続けば羽虫程度には煩わしい...!」

効率的にタギツヒメの妨害、嫌がらせが出来る様になってきたということです

クリス「オラオラこっちだッ!」

調「そこっ!」

『夏菜』「ワイヤー射出っ」

誰から言うでもなく自然と完成した『装者が翻弄し刀使が隙を突く』というスタイル
迅移が更に速いものに変わったため翼さんもまた刀使達の連携から外れサポートにまわりました
飛び道具、時に斬撃打撃、ワイヤーなど、私達の攻撃は最悪避けられてしまってもいいという形で行われながらも、タギツヒメに息つく暇を与えないよう徹底的に行われます
そしてタギツヒメが次の動きの対処が遅れる、そんなタイミングを見計らい刀使の誰かが決定的な当てるための攻撃をする、これの繰り返し

タギツヒメ「我の気を逸らそう等...!」

真希「行かせないッ」


キィンッ


また、装者の方を狙われた場合は刀使がカバー
あるいは出来る限り攻撃を受け止め、力負けしそうなら後ろへ跳んで威力を抑える...悪くないのではないでしょうか

『翠』《でもタギツヒメの体力の底が見えないよ、これじゃジリ貧...また次に持ち越しになるかも》

持ち越しならまだマシです、こちらが誰も動けなくなってしまってから揃ってトドメを刺される可能性だって十二分にありますし

翠《なら、嫌がらせついでに》

私は大蛇の方を向きます
するとそれだけで察したのか大蛇は頷き、最後に一度タギツヒメに大振りの尻尾のなぎ払いをぶつけてスッと姿を消しました

翠「お疲れ様でした、大蛇...」

そして取り出したのは一つのギアペンダント


「Duplicate shen shou jing duplicate tron」


それは神獣鏡
ギアを変えた私はアームドギアの扇子の先端をタギツヒメに向け、ビームを放ちます



コンマ下
奇数 余計煩わしそう
偶数 隠されていた事実が露わに

タギツヒメ「!...また、その光を使うかッ!」

翠「っ」

ビームを受けたタギツヒメは目に見えてダメージを受けたということはありませんでしたが、思わず迅移を止めてまでこちらを睨み付けるくらいには嫌がらせ足り得たようです

翠《『翠』、あれどう思います?障ったの気でしょうか癪でしょうか》

『翠』《むしろ触ったまであるんじゃない?逆鱗に》

しかし今のはそれなりに大きな隙を作らせることには成功しました
一度迅移を止めたことによりリズムが狂い始めています

翼「畳み掛けるぞ!刀使に勝機を掴ませるんだッ!」



判定
刀使&装者コンマ下1
タギツヒメコンマ下2
(刀使&装者側はタギツヒメ集中力途切らせボーナスで+20)
(コンマが大きい方が優勢(刀使&装者側が優勢なら勝利まであと少し、タギツヒメ側が優勢なら...)ですが、ゾロ目だった場合相手より数値が低くても優勢になります)
(両方ゾロ目なら大きい方が優勢となり、同じ数値なら引き分け(現状維持状態)です)

***
67+20=87

87>50
YOU WIN!
***


私達はタギツヒメを追い詰め続けました
迅移を更に高位のものに上げようとすれば神獣鏡で力を削ぎます
御刀を振り上げれば鉛玉や各々の飛び道具でそれを弾き、ワイヤーで縛り
そのワイヤーを引きちぎられる間に刀使の皆さんが太刀を浴びせ

姫和「ふっ...!!!」


ズッ...


タギツヒメ「っ!」

そうして遂に、姫和さんがタギツヒメの胸元を貫きました

姫和「捉えたぞ」

タギツヒメ「あぁ...貴様の、貴様らの勝ちだ」

そのタギツヒメの言葉は悲しいようにも、悔しいようにも、安心したようにも聞こえるような
何とも言えない、人が変わったように静かな声色をしています
タギツヒメが何を思い負けを認めたのか、それは私にもわかりませんが
タギツヒメを倒す...細かく分け、離れ離れに保管する...のに、もはやそう手間は掛からないでしょう
ようやく長かった戦いもこれでおしまい

響「...これで」

翠「響さん?」

響「これで...本当に良かったのかな」

しかし、響さんは納得がいっていない様子
あれ、そういえば『翠』が少し前に響さんがタギツヒメと和解しかけたって感じたとかなんとか...

響「私はまだ、タギツヒメと手を繋げていない...まだ手は届く...だから...」

あっこれ響さんが手を伸ばしちゃうやつでは!?



多数決安価下1~3
1 そこはまぁ主人公だし大丈夫でしょ、好きにさせる
2 確かに和解は出来なかったけどそれはそれ!響さんを止める

真希「おい!何を馬鹿なことを言っている!」

真希さんが声を上げたことで、他の皆さんも響さんの様子に気が付きました
ある者は同じ様に困惑し、またある者はまたかと呆れ
私は

翠「...」

それでも響さんならもしかしたら
そんな期待も少しあり、静観することにしました

響「タギツヒメ...ううん、タギツヒメさん!」

響さんは一歩、また一歩とタギツヒメの元に近づいて行きます
その間姫和さんはタギツヒメを見張る様にその場に留まりながらも、響さんを止めることはなく私達と同じように黙って事の成り行きを見守っていました


響「タギツヒメさんの本当にしたいことは何?」

タギツヒメ「何故そんなことを聞く、シンフォギアの娘」

響「響」

タギツヒメ「ん?」

響「私の名前は立花響、シンフォギアの娘なんて名前じゃない」

タギツヒメ「...それで、何が言いたい」

響「私達は戦う必要なんてない」

タギツヒメ「我は荒魂だ」

響「でも言葉が通じる!話すことが出来る!」


響さんはタギツヒメに手を差し伸べ


響「私達は分かり合える!」


しばらくその手を見つめたタギツヒメ
やがて、タギツヒメもまた手を伸ばし...


コンマ下
奇数 分かり合えるはずもなく
偶数 その手は繋がれた

(翠「お誕生日おめでとうございます!園子ちゃん!」

『翠』「プレゼントは別にあるけど、とりあえずそっちの世界のやり方に合わせて『私』達からおめでとうのハグを」

園子「何でそこでゲーム基準なのかわからないけどありがとう~」)

タギツヒメ「...ふ」


その瞬間タギツヒメが浮かべた笑みに、私は...否、私達全員が胸のざわめきを抱きました

翠「響さん!」

翼「退け!立花ッ!」

姫和「させるか!」

皆響さんを呼び止め
姫和さんは御刀をより深く押し込もうとし

響「...え」

響さんは呆けた声を出してしまいますが


タギツヒメ「もう遅い」


ズブッ...


タギツヒメの伸ばした手が響さんの鳩尾の辺りに届き、そのまま溶けるように入っていきました

姫和「なっ...」

姫和さんがタギツヒメを斬り祓おうとしますが、タギツヒメの身体はまるでスライムのようにその御刀の刃を擦り抜けさせます


響「あっ...ガッ、アァアア!!!」

タギツヒメ「通じる、話す、分かり合う、なるほど言の葉を音に乗せ力と変えるお前達のらしさがよく出た戯言だ、だが...」

響「ッ!...」


そして完全に響さんの中に入ってしまいました

翠「響、さん」

『翠』《やばいよどうすんの割と最悪の事態だよ目もオレンジ色だし完全に意識持ってがれてるよアレ!》

翠《わ、わかってます!》

『翠』の言う通り、響さんの瞳はノロのようなオレンジ色に染まっており、またポニテになっている髪の隙間からは同じくオレンジ色の大きな目が
紫様がタギツヒメに乗っ取られていた時と同じです


響(タギツヒメ)「であれば剣を取るべきであった、我が望むは元来剣を通じ語らうこと...他の者ならいざ知らず、武器を持たぬお前の言葉は我の心を動かすには盤石過ぎる、シンフォギアの娘」


響さんの顔で、響さんの声で、響さんらしからぬことを言う姿
誰かが誰かに憑依する姿は何度も見てきていますが、今回は一際違和感が大きく感じました
あるいは単に中身がタギツヒメだということを脳が理解を拒んでいるだけかもしれませんが

薫(刀使)「くそっ、ねねとは違うってわかってたのにな...おい!今更そんなことしたってまだこっちが優勢なままって知ってんだぞ!」

エレン「そうデス!所詮体力すっからかんの貴女が体力すっからかんのビッキーに入ったところで取り押さえるのに苦労はしマせんっ!」

薫さんとエレンさんの言葉に、私達はハッとしました
そうです、今のタギツヒメは響さんの身体を人質にすることこそ出来ても、この人数相手に戦えるほどの体力は響さんの分を合わせてもありません
姫和さんにトドメを刺された傷はいくら荒魂とはいえ、むしろ荒魂だからこそそうそう回復出来るものではないはず

響(タギツヒメ)「その言葉は否定せぬ、だがその仮説は我に心当たりがなければの話だ」

調「心当たり...デュランダル?」

切歌「デュランダルはもうなくなったデス!」

沙耶香「タキリヒメやイチキシマヒメ?でもどっちも渡さない」

可奈美「何だろう...どれも違う気がする」

体力回復がすぐに出来そうなものなんて私達の方が欲しいくらいなんですが
こちとら地道に選手交代しながら休むしかありませんし
ただ、それは許される手段の範囲、効果がわかっている手段の範囲であって

『翠』《すっごく嫌な予感がするんだけど》

翠《奇遇ですね私もです》

特にあの響さん...じゃなくてタギツヒメが後ろ手に隠世の入り口を開いているのを見るに当たってしまいそうな嫌な予感が
私は響さんの身体のタギツヒメが隠世に逃げ込むのとほぼ同時に、私達の世界に通信を繋いでいました

翠「シェム・ハの腕輪の警戒マックスにしてください!早くッ!」

☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


響(タギツヒメ)「一度は弾かれたが、あるいはこの娘の身体なら」

目の前には経年による劣化を全く感じさせないほどに傷一つなく周りの光を反射させる黄金の腕輪
あのデュランダルという剣にも匹敵するか、ともすればタキリヒメ、イチキシマヒメを吸収したとしても得られぬ程の強大な力を感じる

響(タギツヒメ)「ヒルコミタマに繋がるため、ひいては境を取り払うため...その力、我の物とするっ!」

我はそれを手に取り、腕を通した



コンマ下
奇数 タギツヒメの出番はもう
偶数 まだまだしつこく頑張るタギツヒメ
ゾロ目 何も起こらない...?

(女神「ここからメタ時空、関係ないですがXDのイベントで遂にアスクレピオスも出ましたね!」

翠「本当に関係ないですね...」)

響(タギツヒメ)「ふっ...さぁ、もっと我を高みに...うん?」

何だ、急に感覚が...

響(タギツヒメ)「何故だ、我を分断した時にも、あの鏡の光を浴びた時にも感じなかった...これほどの喪失感はッ」

馬鹿な

馬鹿な馬鹿な馬鹿なッ!

我が力を得ているのではない


我が我自身を奪われている、だと!?


響(タギツヒメ)「我を吸い付くそうというのかっ!荒魂、ノロ、穢れとしてすらでもなく!ただのエネルギーとしてッ!」

咄嗟に腕輪を外そうとする
が、外れない
なおも腕輪は我を変換し吸収し続けている
これでは本当に

響(タギツヒメ)「あり得ぬ!認めぬ!こんな、こんなっ!」

こんな...あぁ、だが、しかし
今が頃合であったのか

ならば、小烏の娘に討たれた時に、終わっておけばマシであった


響(タギツヒメ)「これで、幕引きか...」



☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


未来「響っ!!!」

翠「響さん!」

タギツヒメを追い先に元の世界に戻った私は、事情を知り飛び出した未来さんを追う形になりながらも腕輪が保管されている場所までやってきました

友奈(赤嶺)「結城ちゃん...じゃ、ないけど、これは...」

マリア「どうなったの!」

後から追いついてきたのは赤嶺ちゃんやマリアさん
私達が見たものは


コンマ下
奇数 倒れてる響さん
偶数 立ってる響さん

未来「響...?」


響(???)「...遺憾である」


そこに立っているのは確かに響さん
ですが、髪はタギツヒメに乗っ取られていたさっきとは違い正常で、瞳はむしろ紅く染まり


響(???)「我が名はシェム・ハ...人が仰ぎ見るこの星の神が、我と覚えよ」


そしてその右腕には、金に輝く腕輪が嵌められていました



どう動く?安価下
(現段階では腕輪を外せさえすればまだシェム・ハさんを引っぺがせるものとします(友奈ちゃんボーナス))

友奈(赤嶺)「最悪の展開になった...」

そう呟き、赤嶺ちゃんは唇を噛みます

翠「それって...」

響さんは今、確かに自身を「シェム・ハ」と名乗りました
タギツヒメではなく
そして赤嶺ちゃんの言う最悪の展開...つまり、目の前に立っている響さんはやはり

翠「腕輪の中にいた、神様」

一難去ってまた一難
むしろもう四難か五難くらい続いてる気もしますが


☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


弦十郎「シェム・ハ...だとぉ!?」

モニターに映し出されたシェム・ハの腕輪の保管部屋での光景と音声に弦十郎さんが驚愕の声を上げました
かく言うボクも、響さんが次々と様子を変えていたのもありその目まぐるしい展開に状況を整理するのが大変です

エルフナイン「腕輪の起動、封印された神の目覚め...こんな時キャロルなら...!」

頼ってはいけない、ボクなりにどうするべきか考えなきゃ
そうわかっていても、つい弱音を吐いてしまいそうになります
ふと、視界の端に何か震えているものが映りました

エルフナイン「2号さん...?」

それは、司令室の隅で縮こまっている1匹の子猫
皆さんが切歌さんや調さんの名前の後に『2号』を付けて呼ぶ、決まった名前を持たない子猫です
しかし2号さんのあんな怯えるような姿、初めて見ました

エルフナイン「一体、これからどうなってしまうんでしょうか」

野生の勘、というものを聞いたことがあります
2号さんもまた動物特有の感覚で何かを感じ取っているのかも
とても、嫌な予感がしてしまいます

エルフナイン「...それでも、だとしても、ボクはボクに出来ることを!」

☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


友奈(赤嶺)「とにかく、腕輪を響さんから離さないと...まずは交渉とかどうかな?」

こっそりと話すように小声でそう提案してきた赤嶺ちゃんですが、神様相手の穏便な交渉なんてやったこと...女神様やネロさんや園子ちゃんを仲介役にした神樹様くらいしか...意外とある気がしてきました

翠「で、でも、響さんから出てくださいって言って聞いてくれますかね」


フィーネ 《翠、今すぐ私と代りなさい》


翠「っ!?」

その時、突然フィーネさんが念話を送ってきました
それもかなり真剣な声色で、どこか焦ったような感じで

フィーネ 《気を感じ取ったのよ、恐らくこれは彼女の...あのお方が命をかけて封じ込めてくださったのに、私があのお方を信じる事が出来なかったから...》

翠《フィーネさん?...もしかしなくても、シェム・ハさんと名乗ってる神様は知り合いなんですか?》

フィーネ《一応ね、ここは私に任せなさい》



安価下1
1 憑依形態(翠ちゃんの身体はそのままで中身フィーネさん(ギアが纏えます))
2 手甲装着形態(身体もフィーネさんに変化(ネフシュタンの鎧のみ纏えます))

どんな交渉や策?安価下2以降
(XDにある4.5のフィーネさんとあのお方のやり取りやXVもうすぐー!な某イラストを参考に、フィーネさんとシェム・ハさんもタメ口で話せる程度の距離感とします)

シェム・ハさんについて何一つ知らない私より、一応と念押しはしても知り合いというフィーネさんの方が交渉には向いているはず
なら、ここは任せる事にしましょう

友奈(赤嶺)「今の状況は造反神にも伝わってるはずだから何とか時間を稼がないと...翠さん、封印の儀とコピーverのガングニールは本当の最後の手段として取っておいて?」

翠「わかってます、そしてちょっとここから交代するので、驚かないでくださいね」

友奈(赤嶺)「...へ?交代?」

未来さんとマリアさんには...まぁ察してもらえるでしょう
というか未来さんがそろそろ危なそう、暴走しないか心配です

フィーネ 《いざとなったら軽く眠らせるわよ》

翠《よろしくお願いします》

私は念話もそこそこに、降臨し憑依したフィーネさんと意識を交代しました


・・・


深層世界
若葉ちゃん達がいる方とは別の、翔子さん達がいた方...もっとも今は『翠』と別々の身体になり翔子さん達は『翠』の方に憑いている為無人となっていますが...に移った私は、そこから外の様子を見ていました


響(シェム・ハ)『ふむ、悪くない心地だ...』

未来『...から』

響(シェム・ハ)『うん?』

未来『響から...出てってぇッ!!!!』


いきなり最速で最短で真っ直ぐに一直線にビーム!穏便のおの字もない!
シェム・ハさんはその神獣鏡のビームを金色の光のバリアのようなもので防ぎ、同じ色の玉を弾にしてお返しとばかりに未来さんに放ってきました

翠(フィーネ)『ふっ...!』


『ASGARD』


幸いフィーネさんの十八番の防御シールド、桃色のハニカム構造によって出来たそれが未来さんを守り難を逃れましたが

翠「響さん、どうか早く戻ってきてください...!」

☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆


翠(フィーネ)「未来ちゃん、下がりなさい」

未来「えっ...」

危なかったわ...この子の響ちゃんを想う気持ちを考えれば不思議はないけれど、今回は相手が悪過ぎる

響(シェム・ハ)「ほう...その瞳」

今の攻撃の威力...依り代となっている響ちゃんが疲れ切っているというのもあるでしょうけど、恐らくそれだけじゃないわね

弦十郎『了子くん、か』

翠(フィーネ)「気付くのが早いわね、と言ってもヒントがあったし簡単だったかしら」

弦十郎『無くても気付いたさ...それよりも了子くん、くれぐれも交戦だけはするな』

翠(フィーネ)「難しいことを言ってくれるわね...まぁ私も出来ることなら避けたい相手よ」

弦十郎くんからの通信を適当に返しつつ、決して目の前の彼女から視線を外さないように注視し続けた
彼女...シェム・ハはこちらを観察、否、値踏みをするかのように頭の天辺から足の先まで見てくる

響(シェム・ハ)「貴様、誰かと思えばフィーネか」

翠(フィーネ)「久しいわね、シェム・ハ」

隠す事もない、というより、隠せるはずもない
私は素直に正体を明かす
私の返事を聞き彼女は僅かに笑った

響(シェム・ハ)「まさか今日まで生き永らえたのか?いや魂を変質させたか、何れにせよ善きかな、目覚めたところで道具風情ばかりで詰まらぬだろうと思っていたが...そうか貴様がいたか...」

翠(フィーネ)「あら、再開を喜んでもらえるなんて嬉しいわ」

響(シェム・ハ)「思い上がるでない、所詮貴様と言えど懐かしさに頬が緩む程度の事」

いつぶりだろうか、平然を装いつつもこんなに緊張し恐怖するのは
確かに知り合いではある、けれど当時の頃も神である彼女に対し私は単なる巫女...それこそあのお方のように人間にも優しく接してくれる神以外は皆、私達を道具としてしか見ていないだろう
道具、あるいは実験動物、あるいは観察対象、そんなところね

マリア「フィーネ、これはどういうことなのかしら」

マリアちゃんが小声で話しかけてくる
けれど下手に動いてもらおうとすればシェム・ハの機嫌を損ねかねない

翠(フィーネ)「黙って見てなさい、いざとなったら未来ちゃんとそこの娘のこと頼むわよ」

響(シェム・ハ)「何をこそこそと話している」

翠(フィーネ)「何でもないわ」

響(シェム・ハ)「ふん...してフィーネ、貴様は如何なる理由を以ってして我の前に立つ」

翠(フィーネ)「...少なくとも交流する意思は持ち合わせていないわ」

響(シェム・ハ)「だが我との再会を憂う貴様ではあるまい?」

彼女の目がスッと細くなる
試されているのかしら
えぇ、元々の仲も特に良好というわけでもなければ、むしろ彼女の存在は私にとって仇のようなもの
もっとも仇であるという事実はあのお方から聞くまで...ついこの間まで知らなかったし、結果的にあのお方が勝っていたのだからその点で考えれば仇ですらないけれど
シェム・ハはそのことを知らない...私が彼女とあのお方の戦いのことを知っていると仮定すれば私が敵になることは容易に想像出来るでしょうし、事実それは正解
けれどそれを悟られれば私に勝ち目はほぼない

響(シェム・ハ)「答えられぬか、よもや貴様は我の気に触れるほどの鈍つくではないと思っていたが...いや、我に凶祓いの煌めきを向けた其奴を庇う時点で察して余りあるべきであったな」

翠(フィーネ)「ッ...!」

シェム・ハは逆転させた星と円を合わせたような陣を描きこちらに向けてきた
アレは不味い、あのお方が言っていたものは恐らくアレのことだもの!交戦はするなと言われたけれど不可抗力よっ!
咄嗟に再び『ASGARD』を使おうと構え


響(フィーネ)「うッ...くっ...」


しかしその陣は行使されることはなく、シェム・ハが苦しそうに顔を歪めるばかり

未来「響っ!」

マリア「貴女も落ち着きなさいッ!」

翠(フィーネ)「やはり...」

思った通り、今の彼女は完全には力を行使出来ていない
それは恐らく響ちゃんの体力の問題だけじゃないわ

友奈(赤嶺)「まさか、神殺しの力で?」

翠(フィーネ)「いいえ、あれはただ腹を下しただけよ、意思を持つ穢れなんてものを飲み込んだんだもの」

不調の原因は目覚め...あの腕輪の起動に荒魂とか呼ばれている穢れを利用したこと
目覚めた後の彼女ならどんなものでも自分にとって扱い易いエネルギーに変換出来てしまうでしょうが、自身の目覚めの為に使うとなれば話は別、対処にも少しは苦戦するはずよ
だから彼女をどうにかするチャンスは今しかないわ

響(シェム・ハ)「まぁ良い...あとは忌々しき月の、バラルの呪詛を...」

翠(フィーネ)「ッ!ま、待ちなさいシェム・ハ!」

彼女が天井を...その先にある月を見上げた時、私は咄嗟に呼び止めた
呼び止めたはいいけれどどうする...いいえ、ここは畳み掛けてこちらのペースに乗せるしかない

翠(フィーネ)「月の遺跡、バラルの呪詛を破壊し統一言語を取り戻す...その為にシェム・ハ、貴女は世界樹を使おうとしている...そうよね?」

遠い昔、まだ私がただの巫女だった頃、まだあのお方とも彼女とも交流があった時代の記憶を手繰り寄せ、彼女がやりそうなことを思い出す
他の面々は聞き覚えのない単語に訝しげな表情を浮かべるが説明は後にさせてほしいわね

響(シェム・ハ)「よく覚えているものだ...それで、だとしたらどうする?」

翠(フィーネ)「さっきも言ったはずよ、交戦する意思は持ち合わせていない...聞いてシェム・ハ、もうすでに月は砕け遺跡は崩れ落ちているの」

響(シェム・ハ)「!」

シェム・ハは目を見開いた
私の言ったことはそれほどまでに衝撃だったのだろう

翠(フィーネ)「だから世界樹を、ユグドラシルシステムを使う必要はない...争う必要もない...お願いシェム・ハ、ここは私達人間を信じてほしいの、人間にチャンスを...」



コンマ下
奇数 もう少し話す
偶数 もう話すことはない

響(シェム・ハ)「ふっ...ふふふっ...」


翠(フィーネ)「っ!?」

ここに来て場にも柄にも合わぬ笑い...だと
シェム・ハは先史文明期にも見せた事もないような思わずと言った吹き出し笑いを繰り返した後、もはや歓喜を隠さぬ様子で仰々しく腕を広げた

響(シェム・ハ)「驚愕だ、だが万謝するぞ人間、いや...あるいはフィーネ、貴様に、か?」

翠(フィーネ)「!」

響(シェム・ハ)「我の居ぬ間に忌々しきは全て塵芥に...中々に気の利いた出迎えだ...あぁならばこそ!かつて見た夢を今一度ッ!!!」

シェム・ハの、夢...?
いえ、それより

翠(フィーネ)「貴女達!今尚異なる次元と繋がっているのだろう!跳ぶぞっ!」

シェム・ハという存在が最後に行き着いたもの、それが今発揮されようとしているのだとしたら
もはや口調を取り繕う余裕もなく、私はこの場にいる装者と勇者、そして通信を聞いているであろう弦十郎くん達に向けて叫び、シェム・ハから離れるようにマリアちゃん達の背を押した

マリア「ッ!?...フィーネ!翠の身体は任せたわよっ!」

友奈(赤嶺)「ここまでか、それでもきっと...逃げるよ、未来さんも!」

未来「嫌っ!だって響が!響!響ぃぃぃッ!!!!!!!」

未来ちゃんの悲鳴にも近い叫びが耳に痛い
私もこんな風に響ちゃんを犠牲にするような手は取りたくはなかったわ
けれどこのままじゃ...


走り出した際に落としたのか、ヘッドギアからシェム・ハの声が通信機越しに聞こえた

響(シェム・ハ)『ほう、この身に纏う衣、いやこの身体自体がそう在れと...ふっ、ならばもはや世界樹を使うまでもない』


あぁ、それに気付いてしまっては本格的に時間がない

フィーネ《備えろ蒼井翠!でなければ呑まれるぞッ!》

翠《フィーネさんそれってどういう》

フィーネ《いいから個を保てッ!私にもどこまで抗えるか測れんッ!》

なぜなら響ちゃんは誰とでも、何処までも


繋がれてしまう


響(シェム・ハ)『さぁ、還るのだ...5000年前のあるべき形へッ!』



コンマ下
奇数 セーフ
偶数 アウト
ゾロ目 セウト

☆☆☆

で~れれ~で~でん!

☆☆☆

未来「あぅっ」

友奈(赤嶺)「よっと」

マリア「ふっ」

翠「うきゃっ」

痛つっ...はっ!

翠「フィーネさん!?」

フィーネさん視点の光景を見ていたら、丁度ここ...刀使の世界に跳んだところで意識が強制的に表に戻ってきてしまいました

フィーネ《ここよ、少し力を使い過ぎた...それより早く世界同士の繋がりを切りなさいッ!》

翠「あっはい!誰か早く装置!転移装置座標切ってください!早くっ!」

私達が慌てた様子で戻ってきたからか、刀剣類管理局の人達も唖然としていましたが、私の言葉を聞きすぐに動いてくれました

切歌「マリア!翠さん未来さん!」

調「と、誰?」

『翠』「翠!どうなったの!?響さんは!」

私達は駆け寄ってきた『翠』達に肩を借りつつ、ひとまず紫様のところに集まることに



他に逃げ延びられた人コンマ下1
奇数 司令室にいたメンバー
偶数 無し
ゾロ目 エルフナインちゃん+α

何かする?安価下2以降
(仮にシンフォギア世界に戻る場合は判定が入ります)

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・・・

友里「とにかく、4人共無事で良かったわ」

マリア「貴女達も間に合ったみたいでホッとしたわ」

私達が来る少し前、司令室にいたメンバー...ししょーや緒川さん、友里さんに藤尭さん、エルフナインちゃんはフィーネさんの言葉をしっかり理解し、この刀使の世界に逃げ延びていました
これがこれまでの他の平行世界のようにギャラルホルン経由でしか行けない世界であったら当然私達のみか、赤嶺ちゃんすらも逃げられなかったかもしれません

翠「それに、あなた達も...ありがとうございます、エルフナインちゃん」

エルフナイン「いえ!間に合って良かったです!」

逃げ延びられたのはししょー達だけではなく、もう数人...いえ、もう数匹
蛇達とルシエドです
どういうわけか、珍しく司令室にいたようで、エルフナインちゃんのファインプレーによって救われました
こんな時にだけ司令室に集まっていたなんて野生の勘なのでしょうか

エルフナイン「その前に見た時は2号さんもいた筈なんですけど、逃げる時にはいつの間にかいなくなってて...ずみ゛ま゛ぜん゛...」

切歌「きっとあの子なら大丈夫デスよ!」

調「うん、きっと、あの子は強く逞しく育ってる」

蛇達とルシエドとは逆にきりしらさん2号はどこかへ行ってしまっていたようです
果たしてどっちの野生の勘が正しかったのか...

マリア「必ず救いましょう、逃げ損ねたのは子猫1匹だけじゃない」

友里「そうね、逃げ遅れは友人や家族に留まらず」

弦十郎「恐らくは全人類、そして何より」

未来「響...」

久々にあまりの事件の規模の大きさに俯きたくなってしまいますが、それこそそんなことをしている場合ではないのは先のフィーネさんの様子から察せます
まさに私達だけが人類の生き残りになってしまうかどうかの瀬戸際のようですから

フィーネ《全人類、ね...彼女が完全に目覚めればそれだけでは済まないわよ》

翠《それって》

フィーネ《悪いけれどもうしばらく回復に専念させてもらうわ》

フィーネさんはまだ表に出てこれるほどは回復出来ていないようです

クリス「話がまるで見えねえんだが、そっちじゃどんなしっちゃかめっちゃかが起きてんだ」

翼「ただ事ではないようだが、タギツヒメが?」

紫「そちらの客人についても含め、説明願おう」

弦十郎「あぁ、すでに聞いていると思うが我々はS.O.N.G.の...」

・・・

紫様に、そして刀使の皆さんや刀使の世界に残っていたメンバーに対して一連の流れを説明した私達
と言っても見てわかることや計測されたこと以外の、例えばシェム・ハさんがどんな存在なのか等はシェム・ハさんを前にした時のフィーネさんの言動やその時流れ込んできた思考を思い出しながら私がおおよその予測を説明したわけですが

姫和「タギツヒメが吸収された、だと」

翠「シェム・ハさんが枷となる腕輪の封印を解き甦るためのエネルギーに変換した、らしいです...穢れと認識される物質の塊だからか、荒魂という存在自体元々私達の世界に無かったからか、はたまたタギツヒメという自己意識が芽生えていたからか、完全な変換は為されずシェム・ハさんは不完全な復活の仕方をしたとか」

紫「ならば、恐らくそう時間がか経たないうちに荒魂に意識もコントロールも掌握される、荒魂としての存在が消えていないのなら奴は何度でも甦る筈だ」

確かに、刀使ノ巫女の原作でも姫和さんがタギツヒメを倒し吸収した後それを内側から食い破るかのように甦り吸収し返していました
なら、いくら神様といえどそこに勝機は

翠(フィーネ)「それは今回に限っては希望的観測にしかならないわね、それも絶望的に低い確率の」

翠《フィーネさん!?》

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もはや一言もなく交代される始末...と思いましたが、よっぽどギリギリの回復率で出てきたのか私の意識は深層世界に飛ばされず
一歩後ろに下がらせられた程度といった感覚...目と口の動きだけ乗っ取られたような状態に

弦十郎「了子くん!もう大丈夫なのか!」

翠《そうですよ!結構無理してるんですよね!?》

翠(フィーネ)「無理を通してでも伝えておくべきだと思ったのよ、彼女の...シェム・ハの厄介さを」

それからフィーネさんは、思い出せる限りの、そして『あのお方』ことフィーネさんの彼氏さんから聞いたというシェム・ハさんのことを話し始めました


シェム・ハ...フルネームはシェム・ハ・メフォラシュ
自称していた通り神様、すなわちアヌンナキの一柱であり、その名前は『力ある言葉』を意味しそれはまさしく彼女の能力そのものを指す

シェム・ハさんの能力は『言葉によって構造式を書き換える力』

例えば、すでにあるプログラム、在り方にプログラム言語化させた自身の一部を滑り込ませ全く別の存在に改造するような不条理、それこそが彼女の十八番
地球生物の進化と滅亡に大きく関与した存在であり、その功績と手腕から先史文明期には『改造執刀医』とも称された



翠(フィーネ)「豊富なエネルギーに触れた時それを利用するよう予めプログラムしていたのか、それとも無意識か...いずれにせよ目覚めた彼女ならすぐにでも不調の原因である荒魂、タギツヒメという意識の残骸は残らず書き換えてしまうでしょうね」

エルフナイン「構造式の書き換え...埒外物理学...錬金術とはまるで異なる強引なやり方です...」

翠(フィーネ)「おまけにプログラムに自身を滑り込ませるのにおいて響ちゃんの『繋ぐ力』は相性が良過ぎる、本当なら世界樹を創り出して地球を遊星神殿へと改造し、そこから地球上の全生命体を怪物へと作り改めるという筋書きでしょうが、直接繋がれてしまうのならもはやそんな手順を取る必要もない...だからこそ時間がないわ、今の彼女が完全に復活出来ていないのはその荒魂を書き換えること、そして恐らくは響ちゃんの身体に馴染むのに時間がかかっていること」

未来「!響と、馴染むのには時間がかかるんですか!?」

翠(フィーネ)「そればっかりは個人差ね、存在を保つ為の肉体なのだからおいそれと書き換えるなんてことはないでしょうけど、本来の持ち主の意識...響ちゃんの意識を捕まえる、掌握するのに時間がかかるかどうかは本人がどれほど抗うか、あるいはどれほど逃げるかによって変わるわ」

『翠』「逆に弱っていたり受け入れたりしてしまったら時間はかからない、か...」

フィーネさんが悪さをする存在なら響さんが手を伸ばすことはあっても自身を差し出すことは考え難い...と思います
ただ体力的な問題で弱ってはいる筈なのでなんとも言えません

薫(刀使)「結局そのシェム・ハってのは書き換える力とやらで何しようとしてんだ?全人類改造人間化計画でも企ててんのか?」

夏菜「人間は皆仮面ライd」

『翠』「今真面目な話してるから」

あとその台詞に出てくるライダーは改造人間のことじゃないですしね
ってそれはどうでもよくて


翠(フィーネ)「まずはそう、けれど彼女の真の目的は権力と力の掌握...その為に自身以外のアヌンナキを全て亡き者とすること...そうあのお方は言っていたわ」


全員「!!!」

なんて自分勝手で傲慢な
その為の戦争の道具に人類を改造しようというのでしょうか

マリア「私達は言葉通りの道具というわけね...」

翠(フィーネ)「自身を言語と置き換えることであらゆるシステムに潜伏するシェム・ハを覆滅させることは不可能...それ故にあのお方達は封印した」

翼「それがあの腕輪」

翠(フィーネ)「いいえ...」

そこで否定の言葉を口にするフィーネさんに、全員が首を傾げてしまいます
その流れで封印となれば腕輪ではないのでしょうか

翠(フィーネ)「データの断章となったシェム・ハは全人類の遺伝子情報内に記憶され保存され続けている、何度倒そうとデータ断章から再生を果たすシェム・ハは事実上の不死身」

そこでフィーネさんは言葉に詰まり、やがて重い口を開きました


翠(フィーネ)「故にあのお方はネットワークジャマー・バラル...バラルの呪詛によって統一言語で繋がれた人類を分断、封印に成功した...」


翠《あっ...》

『翠』「嘘...」

私が転生してまで成そうとし
『翠』が自己満の為に手伝い
フィーネさんが遂に成し遂げたバラルの呪詛からの解放

それは最凶最悪の神様を復活させない為の最後の砦だったようです

・・・

クリス「フィーネ...お前それって」

翠(フィーネ)「そうよ笑えばいいわ、私が自分勝手で傲慢な理由で破壊した月の遺跡は、あのお方が命懸けで施した私達人類の守護だった...あのお方が私のことを見捨てるはずがない、そんな風に信じることが出来なかったばかりに私は...っ」

クリス「いや、まぁ」

翠(フィーネ)「月ごと破壊したと伝えたら物凄く怒られたわ」

クリス「うん、いや知らねえけど」


翠《タイムリープマシンありませんか...いやもうタイムマシンで過去の私を消すとかでもいいんで...》

『翠』《気持ちはわかるけど...いやもうドンピシャで一番やっちゃいけないとこだったよ月の破壊なんか》

フィーネさんが暗くなる中、私と『翠』もまた落ち込んでいました
というか私はちょっとふざける余裕がないほどにダメージが大き過ぎて...
だってまさか統一言語を取り戻したら詰む敵が出てくるなんて...
つまりこの事態が引き起こされたのって今回こそ完全に1から10まで私のせいってことじゃないですか
私が余計なことをしなければ二期で月の遺跡も再起動して何の問題もなくなりますし例え後々にシェム・ハさんが何らかの流れで復活したとしてもこんなことには...


友奈(赤嶺)「反省も後悔も後にするべきじゃないかな、少なくとも私の世界も今無関係じゃいられないから手伝わせてもらうよ...それに書き換える力を持つ存在ってのは私達にとっては馴染みもある」

その時、フィーネさんが暗くなっていたからかそれとも私が落ち込んでいるのに気付いたのか、赤嶺ちゃんが肩に手を乗せてそう声をかけてくれました

友奈(赤嶺)「とりあえず時間稼ぎなら何とかなるかもしれない、貴女達の世界...シンフォギアの世界は造反神が何とかしてくれるって」

『翠』「何とかって...」

友奈(赤嶺)「一時的に塗り替えて停止、効かなければ隔離...やりようはあるよ、何せこっちも神様だからね」

言われてみれば、造反神...神樹様も、天の神も、人の魂に干渉したり世界を書き換えたり
赤嶺ちゃんの言う通りゆゆゆの世界目線ではシェム・ハさんの能力も目新しいものではないのかも
だからといって私の受けたショックが和らぐことはありませんが、希望が失われたわけではないと気付けました

弦十郎「彼女の言う通りだ、まず我々が考えるべきことは響くんの奪還、そして」



刀使の世界を巻き込まずに元の世界に戻る方法安価下
(普通に戻ろうとすると戻った瞬間シェム・ハさんに乗っ取られたりシェム・ハさんのデータ断章が刀使世界に流れ込んだりします)

刀使の世界の皆さんとここまで共に戦ってきたのはタギツヒメを倒すという共通の目的があったから
それがなくなった今、これ以上この刀使の世界に迷惑をかけることは出来ない
それがししょーの...否、私達シンフォギアの世界のメンバーの総意でした

可奈美「待ってよ!皆困ってるなら私達もまだ!」

薫(刀使)「乗り掛かった船だ、オレ達にも手伝わせろ」

エレン「薫が自分から働きを求めてるのデス...!」

で、まぁこうなるのは予想していましたが

翠(フィーネ)「迷惑が~なんていう心情的なものはこのお人好しさん達に任せるとして、外部の協力を仰ぐのは私としてもあまりオススメしない、極力少数に留めるべきだと思っているわ」

紫「つまり、こちらの助けが状況に不利に働く可能性があるということか」

翠(フィーネ)「そういうことね...もっとも手遅れであるならむしろ...」

フィーネさんの言葉にどういうことなのか、と刀使の皆さんが説明を求めてきます

翠(フィーネ)「世界同士の繋がりを利用してシェム・ハがこの世界にまで渡ってくる可能性がある、ということよ...転移システムを経てこちらのネットワークに自らの断章を潜り込ませることも彼女には容易い、元々その種を植え付けられている私達だけでなく、貴女達にも新たに植え付けることすらも」

この世界に逃げ込む際にフィーネさんが急かした理由はコレです
現在は繋がりを切った状態なのである程度流入してくるのを防げているとは思いますが、あのままでは転移装置から...下手をすれば私達の誰かからシェム・ハさんの断章の感染が広がっていたかもしれないと

『翠』「それだけじゃないよ、もうこっちの世界には存在しないはずのノイズが自然発生し始めてる...つまりこの世界の過去に『ノイズを内包するバビロニアの宝物庫が存在していた』っていう事実が書き足されているかもしれないってことになる」

翠(フィーネ)「そう、干渉が長引き互いの世界の常識が浸透し続ければいずれ『刀使の世界のシェム・ハが存在していた』という改変が起こりかねない」

こっちの可能性は赤嶺ちゃんが知らせてくれたゆゆゆの世界の現状から推測出来るものです
世界同士の歴史が交わる...正確には現在のそれぞれの世界の時間空間が干渉し合うことで歪みが生じ、その歪みに理由、原因を付け歪みではなくさせる為に世界そのものが過去を現在から連続した過去に改変してしまうということ

翠(フィーネ)「そうなってしまった時そのシェム・ハ同士がどうなるかはわからない...互いに潰し合うなり対消滅するなりしてくれるなら万々歳だけれど、恐らくそうはならないわ、シェム・ハを2柱同時に相手なんてあり得ないしシェム・ハ同士が繋がってしまえば余計に厄介になる」

エレン「今度こそ2つの世界が1つになってしまうかも、ということデスね」

翠(フィーネ)「あのシェム・ハに平行世界なんて武器を持たせたら終わるわ」

姫和「隠世を翻弄してきていたとはいえ、タギツヒメの方がいくらかマシだったか...」

クリス「隠世...なぁ、その隠世って一応この世界とは別れてんだよな?タギツヒメと同じようにとりあえずそこ通って元の世界に戻れねえのか?ここに乗り込まれるリスクは減らせんだろ」

真希「あるいはネットワークを介さない方法であればボク達が使ったようなワープポイント...アレがまた使えれば」

刀使の世界の現世とは別の世界として存在する隠世...シンフォギアでいうところのバビロニアの宝物庫のような扱いのそれや、原理不明のワープポイント

翠(フィーネ)「シェム・ハが自身を潜らせられるのは存在し繋がれるもの...原理を解析されなければあるいは、といったところかしら」

確かに転移装置を使うよりは遥かにシェム・ハさんに断章を潜らせられる可能性は低い方法です

弦十郎「ちなみに、了子くんは他に案があるのか?」

翠(フィーネ)「そうね、利用する異世界への影響を最低限許容したとすれば...例えばすでに影響が出てしまっている世界、それに元々シェム・ハが存在している可能性の高い『元の世界に近い歴史を歩んだ平行世界』を選ぶかしら」

友奈(赤嶺)「それに当てはまるのは私の世界だね」

『翠』「それに一回翠が飛ばされた世界とか、ギャラルホルンの出口が浜辺に直結してる世界が後者に当たるかな...でもそれって、影響がもっと深刻になったり平行世界側のシェム・ハさんに余計な刺激与えたりは」

翠(フィーネ)「するでしょうね、それが最低限を許容すると言った理由よ」

最低限がでかい...
それほどまでの事態というのは理解出来ますが、あまりしたくはない手段ということがわかりました

翠(フィーネ)「だけどその隠世というものを使うにせよワープポイントを探すにせよ、元の世界に戻った瞬間にシェム・ハの支配が私達に広がればその時点で自我も奪われる可能性も大いにあるわ」

友奈(赤嶺)「書き換えの力...造反神が抑え込めるかもしれないけど、絶対でもないし」

夏菜「可能性があるとすれば神殺しですかね、シェム・ハさんとやらは文字通り神様なのでしょう?」

翠(フィーネ)「神を殺す、神の支配を打ち消す...切り札になり得るのは間違いないわ」

未来「でも、響は...っ」

調「翠達がイミテーターで響さんと同じ事をするのは可能だよね?その力を私達に付与することは出来ないの?」

イミテーターで模倣したものを皆さんに付与...そんな都合のいい方法なんて...

翠《あっマリアさん!》

翠(フィーネ)「ん?マリアちゃん?」

マリア「私!?...あ、まさか制御と再配置のコンビネーションアーツを哲学兵装に応用!?」

『翠』「それだ!!!」

響さんが束ねたフォニックゲインを再配置し仲間まで含めてエクスドライブにしてしまうマリアさんのアガートラームなら!

エルフナイン「本来マリアさんのアガートラームの絶唱特性はエネルギーベクトル操作...フォニックゲインならいざ知らず哲学兵装の操作は...」

翠(フィーネ)「...いいえ、その銀の左腕ならばきっと...」

申し訳なさそうにエルフナインちゃんが出た案の甘い点を指摘しようとしましたが、フィーネさんはそれを否定しました
しかし多くを語ろうとはしません
フィーネさんがマリアさんのアガートラームなら出来るかもしれないと思ったのは何故なのか、根拠は明かされぬまま

マリア「...いいわ、やってみましょう、成功するまで何度でも試せばいいだけの話よ」

・・・

こうしていくつかの案が出揃い、これから確実なものとするためブラッシュアップが為されます
隠世を利用するのであれば隠世に行く方法やそのまま安全に通る方法、目的の場所に出る方法をタキリヒメやイチキシマヒメに尋ねたり
ワープポイントを探したり
造反神...神樹様の力を借りるなら神託を待ったり
後はマリアさんによる哲学兵装の制御と再配置実験...と思ったのですが

マリア「やってみましょうとは言ったけれど...神殺しの力が付与されていることをどう確かめればいいのかしら」

翠「試しに殺せる神様なんていませんしね...」

かなり最初のところでつまづいてしまいました
ですが皆さんのギアが神殺しになれない以上、他にいい手も思い付きませんし...

フィーネ《『無かったことになるダメージ』とやらを無効化出来れば証明になるのでしょう?》

再び体力回復に専念するため私の中で休んでいるフィーネさんは、私と『翠』に念話でそう話しかけてきます

『翠』「そっか...この中で『無かったことになるダメージ』が使える人~」


シーン...


翠「そりゃまぁアレは神の力ありきですし...仮に出来たことがあっても今は無理なんじゃ」

『翠』「知ってた」

友奈(赤嶺)「ある意味神樹様の加護もそれに近いんじゃない?でも足りないか」

加護程度の量では足りないでしょうね
とはいえ神樹様も限界が近い状態ですし流石に実験の為に沢山力をくださいとは頼めません
というかそれが許された場合どんな形で来るんでしょう...記念の花みたいに送られてくるとしたら花束とか?

翠「そういえば響さんがあぁなってしまって何か変化が起きてしまうかと思っていましたが、そんなことはありませんでしたねこの山桜」

ふと手に取ったのは響さんの...友奈ちゃんの力が込められていると思われる記念の山桜の花
響さんが、元の世界がシェム・ハさんに支配されている今、それこそその直前に記憶を取り戻した響さんにはこの花とも完全に繋がりが出来たはず
なので元気がなくなったり枯れたりなんかするかと思いましたが、普通に生き生きとしています
これが響さんの無事を意味するならこれほど力強く心強いものはないとも言えますね

翠「...ん?」

『翠』「どしたの」

翠「いえ、今何か...」

その時、ふと手元の花から声が聞こえたような...



安価下
1 友奈ちゃんのところ(深層世界)に行ってみる
2 耳をすませてみる
3 声が聞こえる怖い...放っておく

(沙耶香「そういえば、タギツヒメは増えても3体までだったから、乗り移っても3人までだった?」

寿々花「まさかシェム・ハと共にタギツヒメも無限増殖なんてことありませんわよね?」)

翠「もしかして...」

例えば誰かに憑依されたとして、元の意識、人格、魂はその場合どうなるのか
普通なら深層世界...私でいえば翔子さん達がいたり、今はフィーネさんが休んでいるような、憑依した方も干渉出来る領域に追いやられます
そして翔子さんは以前(冗談半分とは言っていましたが)魂だけの状態であれば消すのも容易い、なんていう話もしていました
つまり深層世界は憑依する存在によっては決して安全とは言えずむしろ逃げ場のない袋小路ということになりますが...

そうではない、許された者のみが干渉出来る領域...もう一つの深層世界が私達には存在しています

翠「勇者ギアを纏えた響さんなら、もしかして...『翠』!夏菜さん!」

・・・

『翠』「理解は出来た...けどそれって」

夏菜「ある意味敵の懐に潜り込むようなものですよね...大丈夫なんですか?」

翠「あそこは深層世界に広げた樹海のようなもの...赤嶺ちゃんも言ってたじゃないですか、一時的に塗り替えて停止、効かなければ隔離って...つまり逆に樹海内を隔離した安全圏にするのも可能なはずです!」

夏菜「可能だとしても今そうなってるのかわかりませんよ?むしろそこすらシェム・ハの手に堕ちて私達がこちらに持ち帰ってしまう可能性も」

そこは...まぁ、賭けですが
とにかく響さんの無事が確かめられる方法があるのなら、試すべきです

翠「それにもしあの樹海の方の深層世界がダメだったらどっちにしろ私達がシェム・ハさんの支配圏内に入るのは時間の問題です、なら先にその可能性があるのかどうかを知っておくのも必要でしょう」

『翠』「知らなかったじゃ済まないか...わかったよ、響さんも心配だし」

夏菜「ちゃんと考えあってのことなら...私も助けられた身ですし、付き合いますよ」

こうしてどうにか2人の説得は済みました

翠「ありがとうございます...フィーネさん、私達が居ない間はよろしくお願いします」

2人は深層世界へ行く為眠るとして、私はフィーネさんに身体を預けます

フィーネ《わかったわ、力も大分戻ってきたし任せなさい》

翠《くれぐれも服は着ていてくださいよ...》

・・・

樹海のような景色の深層世界
園子ちゃんや若葉ちゃんといった私達が力を借りた、あるいは個人的な繋がりが出来たゆゆゆ世界の人達の魂の欠片のような存在がいる場所
そして、ここに関しては私や『翠』、夏菜さんそれぞれに別々の深層世界として独立しつつも、任意で接続することが可能です

翠「てことで来ました」

園子「いらっしゃ~い」

若葉「よく来たな」

『翠』「皆いる?」

千景「いるわよ」

芽吹「話は聞いていたわ、友奈...結城の友奈のところまで行くのよね」

『夏菜』「響さんもそこにいるんですよね?」

夏菜「そうだと助かるんですが」

翠「いいえ、居るはずです...絶対に」

8人集合した私達は、挨拶もそこそこに響さんの(友奈ちゃんの)領域を探して歩き出しました
流石表の身体が世界を超えている為全然遠く感じますが...

翠「...!いました響さんっ!!友奈ちゃんっ!!」

しばらく進んだところで、見つけたのは2人の姿
間違いありません、響さんと友奈ちゃんです

響「...ぁ、翠ちゃん、皆」

友奈「わっ!園ちゃん達もいる!みーんなー!!」

しかしどうも様子が
友奈ちゃんは元気いっぱいですが、響さんは随分と落ち込んでいるような



何話す?安価下

・・・

翠「響さんのこと、助けてくれてありがとうございます、友奈ちゃん」

正直響さんがこの深層世界に避難させられていなかったら、本当にシェム・ハさんをどうにかするまで手も足も出ないところでした

友奈「ううん!勇者部の活動は皆の為になることを勇んでやることだから!」

千景「結城さんらしいわね」

友奈ちゃんはそう言いますが、仮に彼女が勇者部の部員でなくとも結果は変わらなかったでしょう
要は彼女もまた人を思いやり行動することが出来る良い子なのです

翠「それにしても、あれだけのことがあったのに山桜の花が普通に元気なのすごいですね...」

夏菜「タギツヒメとかシェム・ハとか、ソウルジェムだったら疲労と心労で真っ黒になるレベルですよね」

芽吹「ソウル...?」

友奈「あはは、確かに色々すっごいことが起きてたけど...勇者部五箇条一つ!なるべく諦めないっ!もう一つ!なせば大抵なんとかなるっ!」

ぐっと握り拳を作り、上に高く突き上げながらこれまた元気よく発言する友奈ちゃん
逆に言えばなんとかなると信じられなければ諦めてしまうようなことだったということになりますが、こういうところも友奈ちゃんの強さでしょう

若葉「あの花は私達それぞれの心理状態とも深く関係しているからな、結城が折れぬ限り山桜もまた力強く咲き続けるだろう」

園子「ゆーゆは今日も元気いっぱいだね~」

友奈「うん!響さんに気付いてもらえたし!それに今は園ちゃん達にも会えてもっと元気が出てきたよ!」

園子「嬉しいこと言ってくれるZE~!」

友奈「わーい園ちゃーん!」

もはや部室のノリでキャッキャ抱き合いくるくる回る園子ちゃんと友奈ちゃんはなんとも微笑ましい光景です

で、それはいいとして

『翠』「ここまでずっと会話に参加しない人がいるわけだけども」

『夏菜』「いやいや、あんなあからさまに落ち込んでる人には簡単に話しかけられませんよ...というか響さんがあんなになってるの初めて見るかもしれません」

やはり気になるのは響さんの様子です
勿論私は響さんが落ち込むのを見るのは初めてではありませんし、なのでいつもと違いすごく静かなことにそこまで驚きはしませんが

翠「...あの、響さん...再会出来たのにどうしてそんなに落ち込んでるんですか?」

『翠』「行ったー!いやむしろ言ったー!」

『夏菜』「ど直球とは大胆な」

外野がうるさいですね...

響「ぁっ、えっと、違うよ?再会出来たのはすごく嬉しいし、安心もした...なんだけど...」



コンマ下
01~30 タギツヒメと分かり合えなかった
31~60 上記+シェム・ハさんを止められなかった
61~90 上記+向き合わず逃げてしまった
91~00 上記+シェム・ハさんの真意を知ってしまった

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響さんは自分の手のひらをじっと見つめ

響「私は...結局、タギツヒメさんと分かり合えなかった...タギツヒメさんの手を掴むことは出来なかった」

翠「響さん...」

なるほど、それが響さんがこうなってしまっている理由ですか
確かにタギツヒメに伸ばした響さんの手は取ってもらえることはなく、むしろ裏切られたような形で響さんは乗っ取られ、そしてそんなやり取りが最後になってしまっていました

響「私の伸ばしたこの手は、偽善じゃないって信じたい...でも、言葉がタギツヒメには...」

夏菜「た、タギツヒメが本当に分かり合えない相手だったか、最期まで強情だったってことじゃ...響さんは悪くないですよ!ね?ね?」

『翠』「そ、そうだよ響さん!」

響「違うよ」

ピシャリ...と、響さんの否定の言葉で静まり返ってしまいます

響「タギツヒメは武器を持たない私の言葉じゃダメだって言っていた...タギツヒメにとっては言葉より剣だって...私のしたことはタギツヒメにとって偽善ですらなかった...言葉が通じるのに、言葉じゃないものじゃないと分かり合えないんだって、言葉じゃないものを心から望んでいたんだって、タギツヒメと一つになった時わかったんだ...」

タギツヒメは響さんの手を拒んだ時、言っていました


響(タギツヒメ)『であれば剣を取るべきであった、我が望むは元来剣を通じ語らうこと...他の者ならいざ知らず、武器を持たぬお前の言葉は我の心を動かすには盤石過ぎる、シンフォギアの娘』


タギツヒメにとっては言葉で歩み寄られる事よりも、立ち合いの中で歩み寄られる事の方が良かったと

思えば原作の、本来の流れでも、タギツヒメは立ち合いを楽しみ剣を通しての会話をしていると気付いた可奈美ちゃんによって、そしてそれを理解し共に剣を通して語らおうとした姫和さんによってタギツヒメは...

響「言葉が通じれば...価値観は仕方ないけど、それでも話し合うことは出来ると思ってた...その為に私の手にアームドギアが無いんだって...でも、タギツヒメは分かり合う為に戦ってたんだ...」

目の前の響さんが剥き出しの魂、精神そのものだからか、隠す事もなく思っている事を全て話してくれていますが
それを聞いた私達は言葉に詰まってしまいます

『翠』「タギツヒメの在り方というか性格が思いっきり響さんと合わないって今気付いた...」

翠「響さんの取り柄であるはずのアームドギアを持たないということが、こんな形で響さんを追い詰めてしまうとは...」

これから先、それこそ戦う事でしか分かり合えないどころか、戦う事でしか分かり合いたくない、なんていう敵が現れないとも限りません
そういうのは何処ぞのすぐつまらない物を斬ろうとする石川さんにでも相手しておいてほしいばかりですが...



どうする?安価下
(千景「理解や認識じゃなく生き方やポリシーの問題は他人に左右出来るものではないし...適材適所で響さん以外が担当になればいいんじゃない?」

翠「それで響さんが妥協してくれるかどうか...」

『翠』「もう未来さん呼ぶ?」)

夏菜「今考えてる事は後で折神さんに打ち上げましょう。きっと聞いてくれます」

友奈「今あの神様を止めればタギツヒメも救えるんじゃないかな?」

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これはいわば、響さんのアイデンティティを揺るがす問題です
今までは(ノイズのように元々意思疎通が不可能な敵を除けば)なんやかんや結局話し合うことは出来ていたり、和解は出来ずとも会話が成り立っていたりする敵ばかりでした
それはどの相手も戦うことが目的ではなく、過程の中で戦うことを選んだ人達ばかりだったからです

元視聴者、現転生者としてのメタ視点では『統一言語の消失』を『話し合う』という形で補うことが出来るのが人類だということが描きたいことの一つになっているからかな、とも思いますが、それは置いておいて

ただただ戦いたい、そこに他者の理解や共感は関係なく、妥協も理由も存在しない
例えばそれは趣味であり、あるいは生きがいであり
それがたまたまスポーツの域を出て命のやり取りにまで及んでいた

そんなタギツヒメのことを理解するべきだ、共感するべきだとは私も、そもそもタギツヒメ自身も思っていないことでしょう
命のやり取り云々はともかく生きがいそのものには共感出来る可奈美ちゃんが少し特殊なだけです
しかし響さんはそれを共感は出来ずとも理解してしまった、そしてそのタギツヒメの生きがいを無条件で否定してしまう自分自身に苦悩することになってしまった...と、こんな感じでしょうか

翠「理解出来ないものは理解出来ないもの、共感出来ないものは共感出来ないもの...普通そんな風に割り切るものですが」

もしかしたら、その普通が中々出来ない響さんだからこそ手を繋ぐことを武器に出来たのかもしれませんし、逆にそのアームドギア故に他者の意見を理解しようという想いが強まってしまっているのかも
等とまた思考が逸れてしまいました
今は響さんに元気を取り戻す...もとい、現場に折り合いをつけてもらわないと

千景「前提から間違っているのよ」

若葉「...千景?」

千景「刀使達は人類の脅威と分かり合う為に戦っていたんじゃない」

そこでばっさりと切り捨てたのは千景さんでした
千景さんの言う通り、刀使達は昔から荒魂を斬り祓い退けてきましたし、荒魂を利用する研究こそ行われていても少なくともタギツヒメに対し共存を望みながら戦っていた刀使はいません

千景「過ぎたことを悔やむ暇があったら今やるべき事を考えなさいッ!」

響「...」

千景さんの叱咤に、響さんは余計俯いてしまいます
千景さんの言葉は正論であり、千景さんなりの励ましも含まれていたのでしょうが、響さんにそれは伝わったのか...

夏菜「...と、とりあえず、今考えてることは後で折神さんに打ち明けましょう、きっと聞いてくれます」

翠「ですね」

ある意味今の響さんの状況はそれほどタギツヒメに対して真剣に向き合い考えていたということにもなりますし
それなら、紫様なら何か言ってくれるかも
そして夏菜さんの提案はまぁ響さんの悩みの先延ばしのようなものでもあります
今一番大切なのはシェム・ハさんを相手にどう動くか、そしてそれまでの間響さんには無事でいてもらうこと...

友奈「あのー...」

その時、友奈ちゃんが挙手しました

友奈「今あの神様を止めれば、タギツヒメも救えるんじゃないかな?」

...えっ



響さんコンマ下
奇数 今度こそ助ける!
偶数 私はもう...
ゾロ目 でも、神様にも...シェム・ハさんにもやりたいことがあるんだよね...

(翠「響さんの誕生日は913の日!イメージカラーの黄色も同じですね!...あぁダメですその部屋は!まだ準備終わってな...げふんげふん、ナンデモナイデスヨ」

『翠』「緊急!ターゲットこっちに接近中!ケーキ班急いで隠して!...毎年やってるから流石に響さんも気付いてると思うんだけど、でも響さんだからね...どうかな...」)

(翠「特殊ボイス時空の私と『翠』がお誕生日おめでとうございますとは言いましたが...今本スレ内で微妙な空気ですね響さん」

女神「XDの新イベもアレな空気ですど、特にグレてる方...というか新OPといいすごいですね今回の!IF装者も増えそうですし!!!」)

若葉「どういうことだ?結城」

友奈「えっとね?ぶわぁ~ってなってたのが、しゅ~ってなって消えちゃったと思ってたんだけど、まだ何となく気配を感じるの...だから多分まだ大丈夫だよ!タギツヒメ!」

どうやら...タギツヒメが響さんの精神、深層世界を支配して...多分、その後タギツヒメはシェム・ハさんの腕輪に吸収されたかのように見えましたが...きっと、それは不完全だったが故にタギツヒメは消滅し切っておらず、今ならタギツヒメの魂を元に戻せるのでは、ということ...だと思います
前半抽象的な表現が多くて推測になりますが

『翠』「むしろ最後の最後だけ気配を感じるとか具体的なこと言ってくるのが怖いんだけど」

翠「そこだけ武術を習う者としての感覚なのでしょう...知りませんけど」

というかそんなことよりタギツヒメまだ健在なんですか!?

園子「シェム・ハと名乗る神様が体調を崩したということは荒魂としての特性が残ったままだろうし、ゆーゆの言ってる通りなら可能性は十分高いと思う...もっとも放っておけば霧散し変換までされた魂は二度と元には戻らないから、もし助けるのなら今が最後のチャンスってことになるんじゃないかな」

なんてしぶと...あぁいえ、強い生命力と言いますか
正直物凄く苦労させられたの上に別段和解出来る算段もないのでタギツヒメがまだ生きていると知ってもこう...こみ上げるようなものはありませんでした
これは私が薄情なのでしょうか
しかし、響さんにとっては朗報です

夏菜「立花さん!まだ終わってませんよ!タギツヒメはまだ生きているって!」

『翠』「今ならまだ手は届くかもしれない、なのに手を伸ばさなかったら一生後悔するよ、響さんっ!」

響さんの伸ばした手がお節介であったのなら、今度こそタギツヒメの想いに沿う形で最期を迎えさせてあげればいい

私達だけではこれほど苦労して追い詰め、全員ぼろぼろになりながらやっと倒すまで後一歩というところまで持って行けたタギツヒメ...そんな相手を今一度現世に呼び戻し再び倒すのは正直骨が折れるレベルではないでしょう
ですが、もし上手く行けば響さんも立ち直りシェム・ハさんは大きく力を失うというまさに一石二鳥状態...
そこまで考えていなくとも、響さんなら迷わずタギツヒメを助ける為に動くはず...


響「...やらない」


...えっ

思わず物凄く最近、正確にはついさっきと全く同じ反応をしてしまいます
響さんの方を見てみると、響さんは椅子の上で膝を抱えていました

響「私はもう...余計なことは出来ないよ、やりたくないよ...」

翠「響、さん...?」

この人は、誰なんでしょうか
本当にこの人は『あの』響さん...?

...いえ、勝手に理想を押し付けて、勝手に原作だのなんだのと言ってキャラに当て嵌めて、私は本当の彼女を見られていなかったのでしょうか
普段の笑顔の裏には、こんなに苦悩する1人の少女がいたということでしょうか
目の前の彼女は魂、精神を剥き出しにした状態...普段以上に自分を隠すことが下手になります
だから、これこそが本当の響さん...

『夏菜』「...翠さんが、皆が救われたその手を...余計だと言うんですか」

響「...」

『夏菜』「貴女のその繋ぐ手は!」

響「だとしてもッ!!」

響さんは勢いよく立ち上がり、『夏菜』さんの言葉を遮るようにして叫びます

響「だとしても...タギツヒメさんにとっては、余計なことでしかなかった...誰かと繋ぐための手だと信じて拳を握ってきたけれど...この手じゃ繋がれないものが確かにあった...タギツヒメさんはきっとあの時私がこの手を差し伸べなければ満足していた筈なんだ...」



安価下
1 とりあえず響さんは友奈ちゃんに任せて帰る
2 響さんのことはそっとしておいてもう少し深層世界を探索
3 その他(記述)
(響「私のこの手なんて、S2CAくらいにしか役に立たない!」

夏菜(それはそれで十分過ぎるのでは)

『翠』《ちょっと翠!翠の急に怒鳴る感じの感情の爆発のさせ方が響さんにまでうつっちゃってるじゃん!》

翠《知りませんけど!?》)

両手を強く握り締め、ぷるぷると震わせている響さん
その憤りは自身の行いの失敗に対するもの
こう言ってはなんですが、響さんが何かを成そうとして失敗してしまったのは何も今回が初めてではありません
では何故...それは、これまではその後悔をへいきへっちゃらと押し殺したり、それこそ未来さんに支えられてきたからでしょう

翠「...皆さん」

その代わりを私が努める、なんてことは勿論不可能ですが

翠「ここは...響さんのことは任せてほしいです...2人だけで、話をしたいんです」

それでも私は、何もせずに帰ることより、何かをすることを選びました

『翠』「任せてって、どう...ううん、いいや任せる、何かあったら呼びに来るから」

夏菜「翠さん...」

園子「流石にここは茶化せないんよ、行こうゆーゆ、わかちゃん達も」

若葉「あ、あぁ」

千景「せいぜい説得が成功するのを祈ってるわ」

私のことを信じて、1人、また1人とこの場を後にしていきます
そして

『夏菜』「...立花さん、貴女にも大切な人がいるはずです...改心する気のなかった悪役と大切な人、どっちが大事か考えてほしい」

『夏菜』さんも、最後にそう言い残して離れて行きました

・・・

さて、と



何話す?安価下
(芽吹「話すって、何を話すつもりなのかしら」

夏菜「『蒼井』さんはどう見ます?」

『翠』「アレだと思う、こう...拳で語り合う的な」

千景「クエストばかり間に挟んであって全然進まないイベントストーリーじゃないんだから...」)

樹海の様な内装を施されている深層世界
そこに置かれたとても場違い感のあるダイニングテーブルといくつかの椅子
昂った気持ちが落ち着いたのか再び着席していた響さんの正面の椅子に、私も腰を下ろしました

響「...」

翠「...響さん」

空気は重く暗い
悠長にしていられないというプレッシャーもあります
けれど、焦るべきではありません
今はタイムリミットを忘れて、ただただ響さんと向き合いましょう

翠「ねぇ、響さん...初めて私が響さんと会った時のこと、覚えてますか?」

響「...」

響さんの返事はなし
最初はそんなものでしょう

翠「あの日、私転校初日だったんですよ...教室で自己紹介して、物珍しさで集まってきたクラスメイトに囲まれて...でも上手く話せる気もしなくて読書しながら話しかけないで~ってバリア張って」

響「...」

翠「次の日からは頑張ろうって先延ばしにしてその日の学校をやり過ごして、放課後はどうせ家に帰っても誰も居ないからって辺りのお店とかぶらぶらして...気付いたらすぐ近くにノイズがいたんです」

まさか、転生してその日のうちにノイズと出会すとは思いませんでした
いくら発生率が高い(フィーネさんの仕業)とはいえ

翠「怖いとか、死にたくないとか、そういうのより先にとにかく逃げなきゃってことだけで頭にいっぱいになってとにかく走ってました、走って走って、必死になって逃げて...その先で、響さん、貴女と出会ったんです」



響『あ、君も逃げて来たの!?なら早くこっち!!』

翠『は、はい!』



翠「今にして思えば、あの時すぐに私がギアをいれば、その後も逃げ続けなくて済んだのかもしれませんね...ごめんなさい、私もあの時はギア纏った事なくって、ギリギリになってしまいました」

逃げに逃げて、どこかの屋上で遂に限界が来て座り込んでしまうまで、それが一期一話なのだと気付けもしないほどでしたから、結構テンパっていたのだと今ならわかります
いえ、まぁその後もここで響さんの覚醒という原作に介入してしまっていいのかという葛藤があったのでギアを纏った事がなかったからという理由だけではなかったのですが

響「....初めて、だったの?」

翠「そうですよ、聖詠も初めて、戦うのも初めて...あの日あの時まで私はシンフォギア装者でもなければS.O.N.G....当時は二課でしたが...とも無関係な一般人、ちょっと普通の人は持ってないペンダントを持っているだけの中学2年生」

何故ペンダントを持っているのかは、女神様や『翠』の両親辺りの事情が絡んでくるので割愛

翠「もしあの場に私1人だったら...」

逃げてる途中で響さんに会わなかったら...ノイズを振り切れればそれで良し、振り切れなかったら...原作への影響を考えて

翠「ギアを纏うか迷っているうちにノイズに殺されていたかもしれませんね」

転生しておきながら、と女神様の様に第三者視点から見ている誰かが居たとすれば、そんな風に思われてしまうかもしれません
でも私も、積極的に介入してしまえと開き直ってしまえたのは最初にギアを纏ったその時からです

翠「力があるのだから、後ろにいる誰かのことを守らなくちゃ...そんな風にギアを纏ったのがきっかけでしたから...今こうして生きていられるのは響さんのお陰ですね」

なんて、少し大袈裟だったでしょうか

響「...逆だよ、あの日助けられたのは私の方」

確かに、あの場においてはそうでしょう
でも、そうじゃないんです

翠「貴女が手を差し伸べてくれたから、私達はあそこまで逃げられたんです...生きようと、戦おうと思えたんです」

つい熱くなってしまいました
ふぅっと息を吐き、仕切り直します

翠「...私と会う前に、もう1人小さな女の子の事も助けようとしていましたよね?ノイズに追われ、ただでさえ逃げるのに身軽でいたいような状況で...おまけに私まで見つけて迷う事なく手を差し伸べて」

響「それは...絶対助けなきゃって、思って...」

そうです
響さんはいつだって、見ず知らずの誰かの命すらも天秤に掛ける事もなく即座に守るべきものだと判断出来る人です

翠「えぇ、あの日私もあの女の子も確かに貴女に救われました、響さんのその想いが、私達の運命をその先のミライに繋げたんです」

私は身を乗り出し、響さんに手を差し伸べました

翠「確かに誰も彼もが言葉で解決なんて出来ないかもしれない、争い戦うことでしか分かり合えない人もいるかもしれない...でも、だから貴女は手を繋ぐことをやめてしまうんですか?その手に刃を持ち、その人達の為に戦うんですか?」

響「それ、は...でも...」

翠「戦いを望むのなら、貴女の武器で答えればいい、武器を持たないその拳こそが、いつでも開けば争うことを止められるその拳こそが私の武器だと分らせてやればいいんです」



安価下
1 もう少し説得(記述)
2 立ち直り判定(後にコンマ)
3 その他(記述)

undefined

仮にタギツヒメとまた戦うことになったとして、その時果たして彼女は響さんの拳を、剣以外の武器による対話を認めるかどうかという問題は当然あります
タギツヒメでなくとも似たようなことを言う人はいるかもしれない
ですがそんな、自分が認めた武器しか武器と認めないような相手は多分元々分かり合えないでしょう
ふとそんな事が脳裏を過ぎりましたが、そんなところまで響さんに言う事もないですよね

翠「響さん」

響「ぁ...ぅ...」

響さんは私の差し出した手に視線を向けながらも、そこに手を伸ばそうとしては引っ込めての繰り返し
簡単に握ってはくれません
もう一押し必要ですか...

翠「...それでも納得出来ない、切り替えられないというのなら...私の為に、前を向いてくれませんか」

響「...ぇ?」

響さんのお人好しなところに付け込むようで少しズルいかもしれませんが
こうなれば私も恥を捨てます

翠「月の遺跡、バラルの呪詛...その支配から逃れる為、私はかつてフィーネさんの策に乗り...月を穿ちました」

本来カ・ディンギルの一撃は月の表面を擦り、一部を欠けさせるのみに留まるはずの通称ルナアタック
私や『翠』がそこに介入したからこそ、と少々自惚のように聞こえてしまいますが、実際カ・ディンギルの一撃は月の中心を射抜き完全に破壊、その事件の名もルナブレイクと変わっていました

翠「私が月を砕いたあの時、未来さんと約束した事があるんです...『もう二度と響さんを裏切らない、ずっと響さんの側にいる』と」

響「未来と...そんな、約束を...?」

おっとちょくちょく裏切ってないかとか遠くに行ってないかとかそういう突っ込みはノーサンキューですよ、アレです、気持ち的には約束破ってない的な感じで通してますから
えぇ、平行世界に飛ばされるのは事故ですし結社にいた時のは洗脳されていたということにしてますからね、申し訳ないですが全部アダムさんのせいです

翠「あの時の約束は私なりの贖罪だったのかもしれません...それでも、あの日からずっと貴女と過ごした今の私は、心から貴女を支えたいと思っています」

響「翠、ちゃん...」

行き場を彷徨わせている響さんの手を、私の方から取りに行きました

響「っ」

緊張からかビクッとしながら閉じてしまった響さんの両手をそれぞれ包み、合わせて響さんの目の前まで持っていきます

翠「ですからどうか、私と繋いだその手を信じてあげてください、その手は皆と手を繋ぐ事が出来る貴女だけの特別な手だと」



コンマ下(説得ボーナスにつき難易度やや低め)
01~30 それでもやっぱり信じられない
31~98 もう一度信じる
ゾロ目 シェム・ハ「間に挟まりてぇ~」

響「私だけの、特別な手...」

響さんだってわかっているはずです
響さんがこれまで手を伸ばし、掴んできた手は、決して少なくないということを
何も戦闘時だけではありません、日常的に、誰に対しても人助けをしていた響さんですから

響「...次は、大丈夫かな」

翠「それは響さん次第です」

どうやるのかも、どこまでやるのかも
そして今度は大丈夫だと判断するのも
全て響さん、貴女の匙加減です

響「...うん、わかったよ...もう一度信じてみる...翠ちゃんが救われたと思ってくれたこの手を...特別だと言ってくれたこの手を」

そう言う響さんの言葉に、目に、もう迷いはありませんでした



安価下
1 とりあえず表に戻る
2 もう少し何か話す
3 その他(記述)

全て綺麗さっぱり吹っ切れたというわけではありませんが、大分持ち直した響さん
あるいはもしかすれば、再びタギツヒメと相対することになればまた状況は変わってくるかもしれませんが
今はそれより

翠「シェム・ハさんに此処のことがバレたら全ておじゃんですからね...もう当初の予定より随分長居してしまいましたし」

『翠』達と合流し次第、戻った方がいいかもです
此処には...響さんのところには友奈ちゃんも残ってくれますし、そこまでの心配はないでしょう

響「来てくれてありがとう翠ちゃん、皆にも伝えておいてね」

翠「どう致しまして...でも、そう思っているなら伝言じゃなく直接伝えたらどうですか?表で再開出来てから皆さんに」

席を立ち、帰り道の方角をちらりと見て

翠「此処に来た私達だけじゃありません、未来さんも他の皆さんも響さんのことを心配してます」

響「未来...皆...うん、絶対に戻るよ!」

響さんの笑顔に私も笑顔で返し、手を振りながらその場を後にしました

・・・

『翠』「長い!遅い!」

翠「まぁまぁ...あの調子なら、しばらくは...余程響さんの心を揺らす何かでも起きない限りは大丈夫だと思います」

私が戻るのを待ってくれていた『翠』達と合流し、私は無事響さんを説得出来たことを伝えます
反応は様々でしたが、最終的には全員が安堵のため息を付きました

千景「何にせよ本人の意識が改善されたのなら良かったわ、弱れば弱るほど精神は強い精神に飲み込まれやすい...憑依ものの定番だもの」

園子「異常な後ろ向きな思考、ネガティブな考え方になってること自体が他の精神からの影響を受けた結果とも考えられるから、それを弱められたのなら最悪の事態は避けられそうだね~」

『夏菜』「世話が焼けます...」

夏菜「本当に、困ったものですね」

『翠』「それを君らが言うんかい」

千景「ブーメラン刺さってるわよ、『蒼井』さん『貴女』にも」

翠「全員なんだかんだ面倒くさい人達ということで」

芽吹「そうね貴女も含めてね」

友奈「あはは...とにかく私は響さんのところに行くね!またね~!」

・・・

翠《終わりました、フィーネさん身体のことありがとうございました》

フィーネ《そっちは無事会えたみたいね》

表での行動を交代してもらっていたフィーネさんにお礼を言い、私は表に戻ります



表の世界(刀使の世界やシンフォギアの世界等)で何か起きてる?安価下
(特になければ紫様等にここまでの経緯を説明したりします)

翠「っとっと...」

表に戻ってきて周りを見渡し、一先ず目に見えて何か変化が起きているわけではないことはわかりました
まぁ何かあったら交代するタイミングでフィーネさんが一言二言何かしら言いますよね

翠「まずは『翠』と夏菜さんを起こしに行って...」

・・・

既に私と同様に表に戻ってきていた『翠』と夏菜さんと合流し、それぞれがきちんと共通の深層世界に訪れていたことを確認します
それが終われば今度は、響さんのことやタギツヒメのことを相談する為紫様に会いに行くことにしました

翠「一応は立ち直った様子の響さん、ですがそれが虚勢でないとも限りませんし、紫様からならもしかしたら別の角度からの意見が聞けるかもしれませんからね」

夏菜「そういえば司令達には?」

『翠』「勝手に響さんに会いに行ったとか怒られそうだし乗り気になれない...とりあえず紫様だけでいいんじゃない?」

翠「響さんの無事を知らせる方を取るか、知らせてしまって緊張が緩んでしまわないよう敢えて確実に助けられる方法が見つかるまで黙っておくか...皆さんの様子次第にしておきましょう」

知らせるべきだとは思いますが、もしこれで皆さんが響さんの無事を少しでも疑っているならまだしも、絶対に無事だ、そうでなくとも絶対に助けると意気込んでいるはず
ならむしろその意気込みを維持してもらっていた方が...いえ、戦闘に支障をきたすほどに心配していたりする場合はすぐにでも知らせて安心させるべきではありますが
しかし具体的に助ける方法はまだ分からず、ぬか喜びになる可能性も...

・・・

紫「夢を介しての接触、深層世界...隠世のようなものか」

翠「ですね」

今ちょっと説明面倒になって適当に返してしまいましたが、まぁ考えてみれば可奈美ちゃんの夢の中の世界に見せかけた隠世も似たようなものだと思うのであながち間違いではないでしょう

紫「危険な真似、というのは百も承知であろうし、戦闘に立たせている私にお前達の行動に対しどうこう言うことは出来ない、そういった小言はそちらの大人に任せるとして...そうか、立花響は無事だったか」

『翠』「それに、タギツヒメも...まだ助かる見込みがあるっていうレベルの話だけど」

紫様はふむと頷き

紫「タギツヒメが...タギツヒメを形成していた荒魂が消失もとい変換を拒み神シェム・ハの影響下から逃れようとしているのは間違いないだろう、それはこちらも観測したことだ」

翠「観測...?」

紫「あくまで世界同士を繋げることはせず外側からの計測を用いてそちらの世界の観察を試みた結果だ、お前の身体を借りたというフィーネはその結果を読み取り『世界中の活動が停止こそされてはいるが変化も無く、シェム・ハは依然として荒魂の汚染と戦っている、次の段階に進めずにいる今ならまだ世界を取り戻すことは可能』と結論付けていた」

フィーネさんそういうの交代するときにこっちにも共有しておいてくださいよ!!!
ですがつまりそれはシェム・ハは私達の世界の生物の精神を掌握しながらも荒魂が邪魔をして肉体の改造にまで手が回っていないということ

紫「それからその観測者としての立場を保ちながら等の方法を模索しつつ装置の改良を進めてはいる、元からそういった改良を目指す予定ではあったがこれは小日向の強い要望だったか」

夏菜「小日向さん...」

聞けばやはり一番取り乱しているのは未来さんだそうで
あれやこれやと意見を出しながら慣れない技術班の手伝いをしようとしたりしたと思えば、最終的にひたすら響さんの無事を祈るしか無くなっているそうです

翠「未来さんには...伝えた方がいいでしょうか」

『翠』「冷静じゃないところに情報ぶつけて平気かな...静止を振り切ってシェム・ハさんを殴りにでも行ったら大変だよ」

ですね...
気が重くなっていると、紫様がそういえばと言葉を紡ぎました

紫「立花に伝えてほしい、仮にタギツヒメと分かり合えたのならとうの昔に私や篝、美奈都が説得している...立花が気に病む必要は無い、と」

翠「...はい」

やはり、対話による和解は不可能...そう紫様はとうの昔から身をもって知っています
タキリヒメ、イチキシマヒメのような特殊なことになっていればあるいは...ですが、タギツヒメにはその可能性は低いということでした



安価下
1 誰かと話す(記述)
2 イベント判定
3 その他(記述)
(翠「節子、それシンフォギアやない、シンフォニアや...あれ?」

女神「世界は救われる...彼女を失えば...このやり取り既視感が」

『翠』「XDのコラボは迷走しまくってやっと安定してきたように思えるね、やると思ってたよ!」)

紫様からの伝言を貰い...と言ってもすぐにまた響さんに会いに深層世界に行くというのは今度こそシェム・ハさんに察知される危険性がある為出来ませんが...部屋を出て、次は何をするかを話し合いながら廊下を歩いていた私達

翠「響さん、それからタギツヒメには自力で抗ってもらうしかないとして...シェム・ハさんとどう戦うか...」

夏菜「腕輪が本体なら腕輪を外すなり壊すなりすれば良いんでしょうかね」

『翠』「確か赤嶺ちゃんも最悪破壊する予定だったんだっけ?」

翠「ですね...でもシェム・ハさんもそこは守りに来るでしょうし...」

それに腕輪...腕に付いているというのがネックです
そこを狙いに行ってこちらが掴まれれば、今度は響さんの『繋ぐ手』というアームドギアを利用してシェム・ハさんの支配を受けてしまうかもしれません

翠「どうしたものですかね...」


未来「戻ったんだね...翠ちゃん...」


翠「ひょわっ!?」

左肩に突然の気配、そこにあったのは超至近距離の未来さんの顔でした
思わず飛び退いて振り返ると、笑っている未来さんが立っています...いえ、目だけ笑ってませんね

『翠』《どうする翠、どう見ても未来さん限界だよ》

翠《だからこそ困るんですよ》

このままでも不味い気はしますが響さんの無事を知らせても不味い気がするという



コンマ下
奇数 バレる
偶数 バレない

未来「...気のせいだったかな?」

未来さんは的が外れたと言いたげな表情をしながら顔を傾けました

夏菜「な、何が?」

未来「3人から響の匂いがした気がしたんだけど」

翠「未来さんそういう人じゃなかったですよね!?」

未来さんもっと普通の...せいぜい元陸上部なだけの普通の人でしたよね!?性格もキャラも!
しかしまぁ、未来さんに何も言わずに響さんに会いに行っていたことがバレたら不味かったみたいです...



何話す?安価下

冗談か本気かはともかく、少なくとも取り乱し過ぎてロクに話も出来ない~なんてことにはなっていなくて一安心

未来「それより翠ちゃんが意味もなく了子さんに身体を任せるとは思えない、『翠』ちゃんと夏菜ちゃんも休んでたよね...もしかして響を助ける方法、何か思い付いたの?」

いやこれバレるの時間の問題かもしれませんね!?

翠「えっと...じゃああの、未来さん」

未来「うん」

響さんの為なら何でもすると言わんばかりの未来さん

翠「響さん...いえ、シェム・ハさんと戦うことになったとして、神獣鏡の光を腕輪に...腕輪だけに当てられる自信はありますか?」

汚染が進んでいるであろう腕輪
恐らくシェム・ハさんの切り札であり弱点でもあると思われるそれの存在を少しでも揺るがせられれば、あるいは


自信コンマ下
(低い 00~99 高い)

未来「腕輪だけに...に、2割...」

『翠』「えぇ...」

未来「あっえっと...ごめんね、もう少し...18%くらいかも」

翠「さらに減りましたが」

しかし仕方がないともいえます
未来さんの神獣鏡での戦い方はとりあえず大きいのをぶっぱか周り全方位を囲んでぶっぱです
精密な射撃のようなものはほとんどやってきていません

夏菜「小型のノイズくらいの大きさなら、皆さんを避けて撃ち抜くのはよくやっていますよね」

未来「うん、でもそれは勿論気を付けてるけど、皆も避けてくれるって信じられるから...」

まぁ見栄を張ったり責任感を感じたりなんかして大いに自信があると宣言されるよりは
むしろそれほど未来さんが真剣に響さんを助けることを考えている証拠です

『翠』《いっそ後でアスクレピる前提で響さんの腕ごと斬る...とかは?》

翠《私も考えましたけど色んな意味でどうなってしまうかわかりませんし、何より皆さんの倫理観的に最終手段にしておくべきでしょう》

『翠』《だよね》

私がシェム・ハさんに取り憑かれたりしたのであれば迷いなく腕ごと斬るか斬ってもらうのも全然有りですが
そして響さんも聞けばいいよとは言ってくれるとは思いますが...出来ることなら嫌な思いはもうしてもらいたくありません



安価下
1 イベント判定
2 その他(記述)

ひとまずクリスさんに稽古を付けてもらうと言って行ってしまった未来さん
こちらもこちらで私達なりにシェム・ハさんと正面からやり合える手立てがないか考えるとしましょうか

『翠』「逆に敵味方関係無しにこの人だったらシェム・ハさんと戦えるかもしれない、なんて人はいないかな?」

翠「とにかく強いキャラ...フィーネさん...ネフィリム・ノヴァ...キャロルちゃん...アダムさん...」

見事にラスボス級ばかり思い付いてしまいますね
フィーネさんは私の中で無理無理と首を振っていますが

夏菜「神の力で暴走したお二人も中々に厄介でしたけどね」

『翠』「その節はご迷惑を...でも仮にまた神の力を得られたとしても神に神擬きじゃ無理ゲーな気がする...やっぱり神殺しの概念かー」

しかし響さんのガングニールが使えたところで、概念、哲学兵装だけでは覆せないレベル差や実力差があるかもしれません
というのは推測に過ぎませんが、強くなければ近付くことすらという可能性は高いのも事実
何せ響さんのガングニールは拳...接近しなければ神殺しも発動出来ません

翠「イミテーターなら響さんのガングニールも出来ますが、それだけでは...イグナイト、あるいはエクスドライブまで再現した方が...」

『翠』「...金ピカの響さん」

思わずあっ...と思わず声を出してしまいます

『翠』「樹海での戦いの中、大満開の友奈ちゃんと一緒にあの場に再現された響さんのいつかどこかの可能性...エクスドライブより優先されたってことは、少なくとも限定的な部分での数値はエクスドライブを超えてる...ってことにならない?」

翠「圧倒的な強さはすでにいつかの深層世界での試練で確認済み、確かに試す価値はあるかもしれないです」

あの金ピカ状態がどういったものなのか...輝け流星の如くなムテキの光る蕎麦なのか、それとももはや言葉は不要でその瞬間を味わうだけでいい魔王なのか、はたまた1000%なのかは実態を解析出来ていないのでわかりませんが
あの段階で神樹様があの場でエクスドライブより相応しい形態だと判断するくらいの実力があるのは確実です

『翠』「神樹様なら能力値諸々なら再アクセスして再現出来る、それをイミテーターに解析させて」

翠「模倣する...えぇ、やってみましょう!」

活躍は知らない、けれど存在は知っている響さんの金ピカフォーム
未知数なところは沢山ありますが、未知に手を伸ばし既知にしていくのはこれまでも何度もやってきたことです!

夏菜「は、話が進んでいく...ちょっ、2人とも待ってください!許可!先に許可取ってから~!」

・・・

「Stealer Imitator tron」


紫様にここなら使っていいと許可を貰った刀使用のシミュレーションルーム
私はイミテーターを纏い、園子ちゃんに念話を送ります

翠《以前再現してもらった金ピカ響さんの詳しい情報、お願いします》

園子《うん、わかったよ...くれぐれも気を付けて》


コンマ下
奇数 再現出来そうだけど
偶数 負荷が強過ぎる
ゾロ目 成功!

翠「ふぅ...」

データ受信、フィードバック、ギアに反映...

翠「コピー・金ピカガングニールッ!」

私の声に応えるように、イミテーターのギアの目元にある画面には解析結果のようなものが表示されていきます


《UNDER ANALYSIS》

《THE CORE IS GUNGNIR》

《DETECT MORE THAN ONE RELIC》

《MYSTERIOUS REACTION CONFIRMATION》

《ANALYSIS COMPLETED》

《ALCHEMIC GOLD》


翠「うっ...くっ...」

いつもとは異なり、非常に解析までの時間がかかっていた今回の模倣
その間ギアは熱を発し、それに当てられ周りの水分が蒸発して水蒸気が発生するほどで
勿論それを纏っている私もかなりの熱さを感じていましたが、デュランダルを模倣した時に比べればなんてことありません

翠「!」

その時、イミテーターが響さんのガングニールを模倣した姿、更に形状こそガングニールから変わらないもののいつかの虹色のオーラを携えた銀色のギアに
そして

翠「出来た...」

そのオーラを全て跳ね除けるかのような内側からの激しい光の後、ギアは黄金に輝いていました

翠「これが金ピカガングニール...あ、あれ?」


《EMERGENCY CANCELLATION》


しかしその輝きは一瞬のものでしかなく
まるでメッキが剥がれるようにパラパラと黄金が取れていき、遂に普通のガングニールを模倣した姿に戻ってしまいます

『翠』『何事!?なんで戻ってんの!』

私の様子をモニタールームで見ていた『翠』から声がかかりますが、それはこっちが聞きたいくらいでした

翠「元々が短時間しか運用出来ないのか、それともイミテーターでも完全な再現が難しい...?」

過剰な疲労もなくイミテーターのギア自体も問題なく動かせているので、何らかの負荷がかかってしまったわけではなさそうですが
そもそも本来がどういった経緯で誕生した姿なのか...文字通り理屈では説明出来ない奇跡や、決して人類が辿り着けない超高次元の技術によるものだったとしたらイミテーターが白旗を上げることもあるのかもしれません
しかし神樹様には完全な再現が可能なこと、その神樹様が作った勇者システムを反映させることがシンフォギアに可能なことから、ある程度までのトンデモならイミテーターに出来ないことはないと思うんですが

翠「金ピカガングニール...それが生まれた経緯だけでも知れれば何かわかるかもしれませんが...流石に平行世界の事情をポンポンと知ることは出来ませんし」



安価下
1 再チャレンジ
2 もう少し何かする(記述)
3 イベント判定

・・・

響さんの金ピカガングニール
それ自体はイミテーターで解析も再現も可能でした
が、それは十分に持続させることが出来ないという新たな問題も出てきてしまって
これまでイミテーターはノイズやアルカノイズ、ファウストローブ、心象変化ギア等多岐に渡って模倣が可能だったのでかなりの衝撃です

翠「あ、いえ、出来ないことがないわけでもありませんでしたね...イグナイトモジュールの搭載とか」

ニーベルングとの拒絶反応...というより、他の聖遺物を組み込むことがダメなんでしょうか
もっとも『イグナイト状態のギア』を模倣することは可能ですしそれはそこまで問題はありませんけど

翠「何にしても金ピカに関してはもう少し詳しく調べないといけませんね」

イミテーターの解析結果を後で確認しますか...

エルフナイン『さっきの光は一体!?何をしているんですか!』

夏菜『あ、エルフナインさん』

その時、モニタールームにエルフナインちゃんが駆け込んで来ました
金ピカガングニールを模倣した時の光がどうやら部屋の外まで漏れていたようです

『翠』《丁度いいしエルフナインちゃんにも意見聞いてみる?金ピカのこととか他の手立てとか》

翠《ですね、そっちに行きますね》

金ピカも不安定なことがわかった以上、シェム・ハさんに対抗する手立て...倒すまで行かずとも気力を削ったりスタミナを消耗させられるような案はやはり欲しいところです



コンマ下1
奇数 問題発生
偶数 まだ大丈夫

エルフナインちゃんの意見安価下2以降
(コンマ下1が偶数の場合のみ採用)

イミテーターのギアからエルフナインちゃんのタブレットにデータを送り、より詳しい解析が行われました
といっても元はあくまでイミテーターが対象を模倣する為の解析...それも実物や記憶どころか神界や霊界に近いような所からのものをタブレットでも見られるように形式を無理矢理変えたものなので、全部が全部わかるようになるわけではありませんが

エルフナイン「これは...」

『翠』「何か分かったの!?」

エルフナインちゃんは画面いっぱいに並ぶ文字の羅列のいくつかにマーカーを使い、画面をこちらに向けながらその強調したい箇所を指差しました

エルフナイン「ガングニールの模倣という話でしたが、まずここ...その形態には錬金術が関わっていると書いてあります」

翠「錬金術...ファウストローブってことですか?」

エルフナイン「いえ、形態そのものに何らかの術式が加えられている...という方が正しいかもしれません、単なる付与か形態変化に必要不可欠なプロセスに組み込まれているのかまではわかりませんが」

錬金術...ならあの金ピカの響さんは錬金術師の道を選んだ響さん?
いえ、ファウストローブでないならシンフォギア装者ではあるはず、なら私のように装者でありながら錬金術を使えるようになっているとか

夏菜「誰かに術式をかけてもらった...とか、ですかね?」


あぁ、確かに響さんであればどこかにキャロルちゃんやサンジェルマンさん達のような錬金術師と手を取り合う並行世界があっても不思議ではありません

エルフナイン「それから、ここです...ガングニールの他に複数の聖遺物、それもシンフォギアのアウフヴァッヘン波形にとても近いものが検知されています」

『翠』「複数...同時併用みたいなこと?」

エルフナイン「あくまで核となっている反応はガングニールです、ですが計測間違いとはとても思えないほどにはっきりと別物になっている...いえ、別物が重なっている箇所があるんです、どうやらそちらは途中経過で薄れてしまいその詳細までは残っていないようですが」

ますます謎になっていく金ピカガングニール
あるいは途中経過というのがあの虹色のオーラを纏う銀色のギアなのかもしれません
複数のギアのアウフヴァッヘン波形というのと虹色のオーラ...揃ってしまえば無関係とは思えませんし

エルフナイン「もしかしたら模倣の改善には、その錬金術や複数のギアの力が必要かもしれません」

翠「術式の解析は出来そうですか?」



コンマ下
奇数 恐らく『黄金錬成』
偶数 見当も付かないし不可能

undefined

エルフナイン「すみません...恐らく現段階でのこれ以上の解析は不可能です...キャロルが僕に転写した錬金術の知識の中にはこれらのデータが何を示しているのかがわかるようなものもありません...」

エルフナインちゃんが生まれた段階で持たされている知識はチフォージュ・シャトー建設に関わるもののみ
勿論S.O.N.G.に所属してからはそれ以外の錬金術も時間がある時に勉強しているらしいですが、その中にもこの金ピカガングニールの正体を解き明かせるものは無かったようです

『翠』「翠も見当の一つや二つ付かないの?一応は錬金術師...見習い?みたいなものでしょ?」

翠「付いていたらとっくに検証段階ですよ、でも...」

錬金術の基本は分解、解析、再構築
それに則って調べればまた結果は変わってくるかもしれませんが、流石に金ピカガングニールやそれを模倣した状態のイミテーターを分解するわけにはいきません
分解してギアや逆に私自身が手遅れになった~なんてことになれば、普通の時ならともかく今は戦力的に問題になります

『翠』「なら、いざ使うとしたら『私』と翠とで交互に模倣するとか」

夏菜「どこぞの光の巨人ではありませんが、模倣が強制解除されてしまうようなものを連続して模倣したらお二人やイミテーターが耐えられるとは思えません、それに3分どころか30秒も保ててませんでしたよね?」

翠「やるとしても1人1回か2回ずつくらいが限度...と考えておくべきでしょうか」

ギアが熱暴走を起こす、なんてことは考え難いですが、念のため時間を置く必要はあるでしょう
イミテーターを休ませている間は別のギアで時間稼ぎ...複数のギアを持つ私達ならではの戦い方としてはこの辺がベストでしょうか

体力の問題もありますが、勇者ギアの『切り札』を多用したりしなければ多少は...あぁ、となると『切り札』もおいそれと使えなくなります...強力な力はどれもこれもバカスカ使えないのが痛いです

エルフナイン「あの...」

その時、一度は不可能と言いつつも諦めず賢明にタブレットを操作していたエルフナインちゃんがふと顔を上げ

エルフナイン「ずっと気になっていたんですが、この金のガングニールはいつどこでどのように知り得た形態なんですか?」



安価下
1 正直にゆゆゆ世界云々のことを話す
2 夢で見た的な
3 それは言えない
4 その他(記述)

私達は3人揃って声を詰まらせてしまいます
ただでさえ行ったことも認知したこともない平行世界の存在していることだけがわかっている形態だというのに、さらにそれを知り得た経緯を説明するには私達...正確には私と『翠』とAIさん(あと響さんも思い出したかもしれません)だけが保持している記憶のことを話さなければいけません
無かったことになった歴史、記録、記憶...そうするしかなく、また、人の記憶に残れば残るほどその無かったことになったという結果そのものが再び覆されてしまう危険性もあるわけで

翠「えっと...それは...」

ですが、あるいはエルフナインちゃんに話すことで何かわかるかもしれません
もしくは気付いていなかったことに気付けるかも

翠「...エルフナインちゃん、これから話すことは他言無用でお願いします」

夏菜「翠さん...」

『翠』「翠いいの!?」

翠「えぇ、多分」

少し待ってみましたが園子ちゃん達が止めてくる様子もありませんし、大丈夫でしょう

エルフナイン「わかりました...誰にも話しません!」

翠「くれぐれも、誰にも、です...」

私は、エルフナインちゃんに正直に全てを話しました
シンフォギアの世界とは大きく異なる歴史を持つ平行世界(ゆゆゆの世界)に私だけが呼ばれたこと、二つの世界が交わったこと、そこでその平行世界の神様...神樹様によって再現されたものこそが金ピカのガングニールだったこと等

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翠「これらは全て歴史から、記録から消え、そもそも起こらなかった出来事として世界に修正されたことです...もっとも私と『翠』以外の装者や勇者の記憶は封印に留まり、響さんのように何らかの切っ掛けがあれば戻ってしまうようですが」

『翠』「認識されなければ存在しないのと同じで、認識されれば存在してしまう...数が増えれば増えるだけ、だからこの消えた出来事はあまり多くの人の記憶に残っちゃいけないことなんだよ」

AI『私は優秀なので神様だろうと簡単に大事なところまで届かせたりしませんけどね~』

エルフナインちゃんは一通り話を聞き、緊張が解けたというように溜め息をつきます

エルフナイン「記録に存在しない形態の出所を聞いただけのつもりが、まさか他の謎にも繋がっていたなんて」

『翠』「他?あと何かあったっけ」

エルフナイン「まさしく『翠』さんのことです...突然現れたもう1人の翠さんの存在に、差出人不明の花草...そのどちらも出自に関する調査がことごとく失敗、いえ、むしろ調査のしようがないほど何も出てこなかった...それもそのはずです、無から有をとは少し違いますが、別の世界の神によるものだったなら僕達にそれを正確に暴くことは出来ませんから」

翠「そういえば『翠』と別々になったのもそのタイミングでしたね...」

そう思うと金ピカガングニールを初めて見たのも随分前のように感じます
まぁそれだけ経ってもまだほとんどその概要も掴めてないんですが

エルフナイン「無数に存在する平行世界から選ばれた可能性の姿...しかしそうなるとその平行世界を探し当てられでもしない限りは」

夏菜「砂漠でたった一つの砂粒を見つけるのより難しいでしょうね、それに平行世界が可能性の数だけあるのなら見つけられた世界と見つけられなかった世界が発生するはず」

翠「それを言い出したら終わりですよ」

結局今の私達にこれ以上金ピカガングニールの詳しいことを調べる方法はありません
こうしている間にも、響さんやタギツヒメはシェム・ハさんに完全に支配されてしまわないように抗っているというのに...



シェム・ハさんコンマ下1
タギツヒメさんコンマ下2
響さんコンマ下3
友奈ちゃんコンマ下4
(響さんと友奈ちゃんは仲間なので合計値でシェム・ハさんタギツヒメさんと競います(つまり三つ巴です))
(コンマが大きい方が勝ちですが、ゾロ目だった場合相手より数値が低くても勝ちになります(響さん友奈ちゃんは合計値))
(両方ゾロ目なら大きい方が勝ちとなり、同じ数値なら引き分け状態です)

***
19
67
70+92=162

19>67>162
YOU WIN!
***

エルフナイン「あれ?この通知は...はっ!み、皆さん!」

突如エルフナインちゃんのタブレットに何かの通知が届くのとほぼ同時に、私達は召集をかけられました
集まったのはいつも通り装者を始めとしたシンフォギア世界の面々、私達と関わった刀使の皆さん、それに赤嶺ちゃん

紫「集まってもらってすぐで悪いが、本題から入らせてもらう」

召集をかけた張本人である紫様は早速集めた理由を話し始めました


紫「あれから一定の距離を保ちつつ観測を続けていたお前達の世界が、活動を再開した」


その内容は予想を遥かに超えて衝撃的なものでした

弦十郎「何だとっ!」

エルフナイン「僕の方にも先程観測結果が送られてきました、神シェム・ハの支配により停止していた世界が活動を再開し始めたと、それも元通りのままで」

クリス「そいつぁつまり、神様が諦めて尻尾巻いて逃げたってことか!?」

シェム・ハさんが支配を完全なものとしたのなら、世界が動き出したとしてもそれは地球上の生命体の改造が始められるということ
その様子がないということはシェム・ハさんが支配権を放棄したということか、もしくは

翠「タギツヒメか響さんのどちらかがシェム・ハさんの意識を上回り、世界の支配を解いた...ということでしょうか」

響さん...友奈ちゃん...お二人がきっと勝ったんですよね...?

弦十郎「本部からの通信は!」

緒川「まだありません、恐らくあちらも混乱しているのかと」

友里「指揮を取れる人間がまとめてこちらに来てしまっていますから、現場判断ではすぐにというのは」



安価下
1 何人かシンフォギア世界に様子見に行かせる
2 本部からの連絡を待つ
3 多分行ける気がする!シンフォギア世界メンバー全員帰投
4 その他(記述)

シェム・ハさんの支配が何らかの理由で中断されたのか、あえて支配を止めることでこちらの接触を誘っているのか
しかしどちらだったとしても、あちらの世界の更なる動きを待っていられるほど余裕があるわけでもありません
むしろ後者であったなら次に何かあった時は手遅れということ...

弦十郎「万全の態勢の上で、本部との通信を試みたいと思う、手を貸してもらえるだろうか」

紫「あぁ、勿論だ」

なんていう答えのわかりきった形式上のやりとりがあったりして
本部以外にはこの世界の他のどのネットワークにも繋がっていない独自のネットワークを用意したり、仮にシェム・ハさんの支配が直接誰かに移ってしまいそうになった時ように私や『翠』が響さんの普通のガングニール...すなわち神殺しを模倣したイミテーターで構えたり

藤尭「準備出来ました」

弦十郎「よし、始めてくれ」

そして遂に、通信が開始しました


コンマ下
奇数 繋がった!
偶数 繋がらない
ゾロ目 ???

・・・

結論から言うと、通信は滞りなく行われました
長時間支配され意識そのものの時間を止められていたからかすぐに普段通り身体を動かすというのは難しく、若干の鈍りのようなものはあったようですが
それでも支配から解かれてから通信を試みたこの間にただの人の身で感覚を取り戻せているのは伊達にS.O.N.G.に勤めているわけではないのだろうというのはフィーネさんの意見です

友里「支配されていた間の記憶はなく、体感としては一瞬の間に何時間も経っていた、と...どうやら世界規模で混乱が起こっているようです」

昼だったはずが夜に、夜だったはずが昼に...当然時計の針はシェム・ハさんが人類、いえ全生物を支配していた間も進んでいますから、空がおかしくなったのではなく自分達が止まっていたのだと気付くのにそう時間はかからないかもしれません
それを正しく認識出来るのかは別として

未来「響!響はどうなったのっ!?」

友里「今その確認もしてもらってるわ、最後にシェム・ハに乗っ取られた響ちゃんが確認された場所にはもういないみたいだけれど...」



コンマ下
奇数 繭
偶数 巨人
ゾロ目 神

その時、通信先がより一層慌ただしくなりました
遠くで出された指示が漏れて聞こえてくるほど大声になり、バタバタと忙しなく走り回る足音も多く聞こえます

弦十郎「どうしたッ!そっちで何が起きたッ!」

ししょーが呼び掛けると、通信先の職員さんは叫びました


『巨人が...街に、巨人がッ!』


それと同時に本部から送られてきた画像ファイル
開いてみると、そこには確かに街に佇む一体の巨人の姿があります
白にオレンジラインが走る女性型の巨人が...


安価下
1 変化があるまで待機命令
2 シンフォギア世界に戻る
3 その他(記述)

弦十郎「巨人...だとぉ!?」

それはまさしく巨人
それもヒロイックな見た目で、これが新しいウルトラマn...もとい、ウーマンと言われても納得してしまいそうです

翠「ここに来てまさかの新勢力?いえ、ですがあのカラーリング...」

『翠』「神の力と依代足り得る人間が揃ってて、そこに現れた巨人...どうにも聞いたことがあるようだけど」

えぇ、かつてアダムさんやティキちゃんとの戦いの最中、神の力によって私と『翠』が変貌した姿もまた

未来「これが...響...?」

状況からの判断になってしまいますが、そういうことなのでしょう

フィーネ《恐らくは響ちゃん自らフィーネに、あるいはタギツヒメ諸共自身と繋ぎ、その上で主導権を奪い返して世界中の支配を解いた...けれど意識は取り戻せてもそこに存在する『神の力』は響ちゃんに制御出来るようなものではなかった...他者との支配という名の繋がりを絶った結果響ちゃんの身体は自己完結し『神の力』もまた行き場を失い、ガングニールがそれを引き受けたのがあの巨人なのでしょうね...まぁ貴女達の時と大体同じよ》

翠《シェム・ハさんやタギツヒメの仕業、ではないと》

フィーネ《わざとというのなら不可能ではないでしょうけど、生憎シェム・ハの柄でもない...タギツヒメとやらも観察していた限りは仮に力を受け入れ切れずとも自己完結するメリットは少ないと思うわ、それこそ隠世の門とやらを開くことに使おうとするはず》

つまり、十中八九あの巨人は響さんが袋小路に迷い込んだ結果のようですね
幸い暴れることもなくただ佇んでいるだけですが、人間というのはただそこにあるだけで意識してしまうもの
いつどの機関から攻撃命令が下ってしまうかわかりません
そういえば私達の時も反応ミサイルだかが飛んできてましたし

翼「翠の時は外部からの攻撃を認識し、反撃をしていた...もし今回も同じなら余計な手出しは危険だ」

マリア「でも一度は仲間を取り戻せている私達よ、全くの無策というわけでもないわっ!」

弦十郎「ひとまずは手を出すなッ!手を出させるなッ!中に響くんがいる可能性がある、変化があるまで待機を続けるんだッ!」

本部の職員さん達に、そして私達に向けてししょーは待機命令を出しました
未来さんはやはり気が気でないようですが

エレン「念の為、万が一に備えてS装備も最低限の調整を頼んでくるデス!」

紫「頼む、お前達も身体を休めておけ、次の相手は倒せばいいだけの敵ではないようだ」

あの巨人を見ても、誰が言い出すわけでもなく、自然と誰もが響さんを救い出す方向で考えて動いてくれる
それはとっても嬉しいなって

『翠』《友奈ちゃんの所に行って状況確認出来ないかな》

翠《乗り込む...のは今度は危険度桁違いな気もしますが、とりあえず声をかけるくらいなら》

・・・

私と『翠』は記念の花、山桜が保管してある部屋までやってきました



コンマ下1
奇数 通じる
偶数 通じない

友奈ちゃんとの会話内容安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

翠《友奈ちゃん、聞こえますか?》

友奈《はい、聞こえてますよ翠先輩!》

世界を隔てている為普段園子ちゃん達と話す時よりは声が遠いように思えますが、問題ないレベルで念話は通じています

翠《本題から入りますけど、そっちにいる巨人って響さん、でいいんですよね?》

友奈《そうなんです!どうしましょう翠先輩っ》

翠《んん゛っ》

友奈《?》

翠《い、いえ何でも...》

まぁやはりあの巨人は響さんだったということで
もしそうではなく、暴走したエネルギーの塊だった~とかなら倒す方向で作戦を立てられたんですがこれはもう言っても仕方ありません

翠《それで、どうしてこんなことに》

大方のことはフィーネさんが推測していましたが

友奈《えっと...タギツヒメなのかな、もやもや~っとしたのが強くなって、あの神様がぐぐぐ~ってなって》

多分...タギツヒメの残滓、荒魂としての穢れによる汚染をタギツヒメが抑え切れなくなって

友奈《そこに響さんと一緒にやぁーっ!って突っ込んでいって、響さんが皆を元に戻そうとして》

隙を見て響さんと友奈ちゃんが身体の主導権を奪い返し、支配を解いて

友奈《そうしたら...》

翠《こうなった、ということですか》

大体は予想通りでしたが、果てさてここからどうしたものか
友奈ちゃんが特に言及しないということは響さんを救える可能性が0になるような事態にはまだなっていない、と思いたいところですが



安価下
1 もう少し話す(記述)
2 その他(記述)
3 イベント判定

(1日遅れのセレナさん誕生日ボイス

翠「セレナさんお誕生日おめでとうございます!...で、プリンになってみたいというので依代に出来そうなプリン作ってみましたが...使い終わったらこのプリンどうしましょう、食べたくはないし誰かに食べてほしくもない...へ?作り方!?そ、それは私の尊厳に関わるのでダメです!秘密です!」

『翠』「セレナさんへのプレゼント...やっぱりマリアさん関連とかプリン関連のが良いのかな?でも他の皆と被りそうだし...はっ!マリアさん型プリン!?」)

とにかく、なるべく急いで事態の収束を試みるとはいえ、時間的猶予がどれくらいあるのかも知っておきたいところです
一刻の猶予もないのなら作戦なんて立てていられる余裕もなくなります

翠《友奈ちゃん、シェム・ハさんは今、もう何も出来ないような状態になっていますか?それとそちらの世界で他に何か異変は起きていますか?》



シェム・ハさんの様子コンマ下1
奇数 わからない
偶数 現状動けないはず

異変コンマ下2
奇数 あり
偶数 なし

どんな異変?安価下3以降
(コンマ下2が奇数の場合のみ採用)

友奈《あの神様はわからないです...居なくなってはないと思うけど、すぅって見えなくなっちゃって》

見えなくなった...消滅や成仏でないとしたら、荒魂の侵食による疲労から存在を一時的に保てなくなったとか?
いえ、わざと姿を消している可能性も大いにあります、何せ相手は神様ですから

友奈《それと異変...実はさっきから周り...私達のというか、おっきくなった響さんの周りがぐにゃぐにゃ~ってなってて》

翠《ぐにゃぐにゃ?》

友奈《少し変っていうか、景色も音もぐわんぐわんっていうか、びやおぉ~んって感じなんです!》

何ですかその平成の世に悪と戦ったNOライダーみたいな...

園子《ヒビトラマンの周りの時空が不安定になってるようなんよ》

友奈《園ちゃん!》

園子ちゃん!?友奈ちゃんの花に園子ちゃんの花含まれてませんけど入ってこられたんですか!?

園子《遠いけど繋がってるからね~...それよりゆーゆ、りんりん、その時空の不安定さは危険なんよ》

翠《具体的には?》

園子《『何が起きても不思議じゃない』が『何が起きるかわからない』になったかもしれないんよ》

何か起きるのは確定ってことですか...


歪みレベルコンマ下
01~25 当たり判定がズレる
26~75 無かったことになるダメージ(常に平行世界とリンク)
76~98 あらゆる過去も未来も平行世界も交わる世界の終わり
ゾロ目 宇宙の法則にすら支配されない

園子《こうしてゆーゆを通じて状況を確かめられるのもいつまで出来るかわからない、本体がその周りごと別の時空に飛んでしまえば行方も...》

しかし逆にこちらから近付いても、響さんのところに到達する前に何処かへ飛ばされてしまうかもしれない、と

友奈《勇者部五箇条ひとーつ!なせば大抵なんとかなーる!だよ、園ちゃん!翠先輩!》

翠《...えぇ、そうですね、何もしない事が一番ダメなことです》

園子《うん、ゆーゆの言う通りなんよ、希望は捨てちゃいけない...なるべく諦めない!》



コンマ下1
奇数 巨人に動きあり
偶数 巨人変わらず

どんな変化?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合のみ採用)

友奈ちゃんとの念話を終えてからも、変わらず巨人の響さんはただ佇むだけでした
暴走やらなんやらで暴れられるよりは全然良いんですけど...

『翠』「手を出したら反撃する、手を出さなくても周りに影響が出る...放っておけないって点だけならどこぞの完全生命体より厄介なことになったね」

翠「あぁなってしまった時、自分が何者なのかも思い出せなくなってしまうことを私達は知っています、そして外の声が届かないなんて事も決してないということも」

今は私と『翠』が巨人になった際に使ったというAnti_LiNKERをエルフナインちゃんが準備してくれています
それを打ち込めばガングニールのギアが解除され、響さんもまた神の力から解放されるはずだ、という話ですが...



安価下
1 Anti_LiNKER準備出来次第ヒビトラマンの元へGO
2 待ってられない!近くまで様子見に行く
3 その他(記述)

例えガングニールのギアが解除されたとして、シェム・ハさんを響さんから追い出せなければ響さんは取り戻せません
そしてその為には恐らくあの黄金の腕輪をどうにかしなければいけない、逆に言えばあの黄金の腕輪さえどうにか出来れば一先ず...というのがフィーネさんも太鼓判を押した私達の共通見解でした
元々赤嶺ちゃんの目的もそれでしたから、当然といえば当然です
ということで、集まった私達はエルフナインちゃんと元の世界の方にいるS.O.N.G.職員の皆さんの準備が整うまでの間、シェム・ハさんの腕輪を如何にして破壊するかを改めて考えてみることにしたわけですが...

翠「赤嶺ちゃんは装者に協力を依頼するつもりだった、ということは赤嶺ちゃんだけで破壊するのは不可能...マリアさんと未来さんのビームではビクともせず...」

マリア「より圧倒的な物量をぶつけるか、あるいは」

聖遺物殺しの光が通じないとなると、オカルトな方向性で可能性があるのはやはり神殺し...ですが腕輪にせよシェム・ハさんにせよ、もしそれが効いたとして依り代となっている響さんまで殺してしまわないかはわかりません
そもそも『神殺し』が物理的に強制成仏のようなものならフォークでの蘇生が出来たかもしれませんが、『神の力』の効果を無効化するということは概念的な死...つまり存在そのものに干渉するもの...

翼「神を宿した者をそのまま神と崇めるならば、シェム・ハを封じた腕輪もシェム・ハに取り憑かれた立花も等しく神...」

夏菜「一度巨人という形で完全に一つの生物の形を取ったことも相まって、その認識はより強固なものになっていると思います」

『翠』「早い話、神殺しの力は選択肢から外すってことだね」

友奈(赤嶺)「おまけに前回と違って今回は神様本人...本柱?が積極的にその腕輪を守ろうとしてくる、厄介なことこの上ないね」



破壊方法案安価下
(女神「神殺し...その拳は呪いの積層、神すらも殺して殺す2000年の誰かの想い」)

夏菜「シェム・ハという存在の物理的な耐久性に関して、というよりその耐久性を下げる方法に関して検討がつかないなら、そこに一体となっているタギツヒメ側から崩す...というのはどうでしょう」

今のシェム・ハさんは神でありながら荒魂の一面も持つ、腕輪もまた神を封じた物でありながら荒魂を封じた物と解釈出来る...ということでしょうか

翼「荒魂...いや、タギツヒメに、それそのものの魂を封じた物の耐久性を下げるといった効果はあるのだろうか」

紫「断言は出来ない、タギツヒメに限らず荒魂が物や人の中に留まるということ自体が稀だ、祀る際も封じるというより無力なサイズまで分けてから囲うやり方だ...この約20年タギツヒメを宿し続けた私は身体の成長が止まり、逆にノロを撃ち続けた親衛隊...元親衛隊の彼女達は一体化が進み取り除くのが困難になりはしたとはいえ、元々病を抱えていた燕結芽以外は目に見えた変化はない」

クリス「1から100まで前例無しか...けど突ける隙はそこしかねえんだ、せめて壊せる可能性がありそうな方法をとことん突き詰めるしかねえ」

切歌「混ざれば混ざるほど荒魂に近付くなら、もっとタギツヒメに頑張ってもらって腕輪を完全に荒魂にして普段通りのやり方で倒してもらうのはどうデスか?」

調「切ちゃん、その場合響さんに影響が出ないように腕輪にだけ影響を出させるには?」

切歌「むむむ...」

翠《何にしても、それこそ腕輪の強度に変化があるのかどうかにしてもデータが不足し過ぎです、ならいっそ腕輪を害の無い物にしてしまう...シェム・ハさんの魂そのものを完全にどうにかする、というのはどうでしょう》

『翠』《響さんにはあんな話したのに、それだとタギツヒメごとさよならしない?》

翠《だからこうして念話でこっそり相談してるんです、上手くいったとしてそこをどう響さんに納得してもらうか...》



Anti_LiNKERコンマ下
奇数 準備完了
偶数 まだかかりそうですかね

念には念を入れて、ということでこちらの世界...刀使の世界に留まったまま、こちらの世界で集められる材料を用いてAnti_LiNKERを作ってくれているエルフナインちゃんですが
やはり材料も設備も前回と異なる部分は中々難航するらしく、その準備の進み具合は当初予定されていたものより大分遅れが出始めていました

翠「かといって会議もこれ以上進展することも...」

シェム・ハさん、というよりはそこを侵すタギツヒメ、荒魂に注目した作戦ばかりが出ましたが、つまりそれは刀使の皆さんに協力してもらうということです
何せ刀使ギアを使える翼さん以外の装者には雑魚の荒魂ならともかくタギツヒメレベルともなるとS装備があっても届かないのは直接対決ですでに分かっていることで
そこに神の力や戦闘センス抜群な響さんまで素材に加わると、この場にいる装者、刀使、勇者を総動員しても立ち向かえるかどうか



何かする?安価下
(特になければAnti_LiNKER完成まで飛びます)

刀使の皆さんや赤嶺ちゃんにも手伝ってもらうことになる為、シェム・ハさんの他に危険視する必要があるのはやはりアルカノイズです
未だ決定的なアンチバリアを刀使用のS装備に搭載出来ていませんし、赤嶺ちゃんの方は勇者服をどこまで弄っていいのかわからないので手も出せません

翠「ということです」

姫和「早い話、方針に変わりはないということか」

友奈(赤嶺)「まぁ実際出てきたら貴女達に任せるよ」

シェム・ハさんがアルカノイズを利用してくるとは思えませんが、はぐれ錬金術師や訃堂さんのような権力者がここぞとばかりに場を引っ掻き回しに来ないとも限りませんからね
それに、様々な平行世界同士が干渉し合っている今過程や理由の存在しない現象も発生する可能性が大いにあります
勿論アルカノイズだけではありません、ノイズ、カルマノイズ、荒魂、バーテックス...あらゆる可能性は考慮に入れておきましょう

・・・

夏菜「フライユニットの修理ですか?当然進めてはいますが...」

翠「何か足りない物が?」

夏菜「強いて言えば時間ですかね、何せ私も翠さん達もこのところぶっ続けで酷使してますから...とはいえ、決戦に使ってこそ決戦仕様、なるべく急ぎます」

改めて気合いを入れる夏菜さんに手伝えることがあれば呼んでほしいと伝えました

・・・

そして時間は過ぎていき
遂に必要分のAnti_LiNKER完成...つまり作戦決行の時です

エルフナイン「特殊車両はすでにボク達の世界の方で用意してもらっています」

弦十郎「流れとしてはここにあるAnti_LiNKERを我々の世界に運び込み特殊車両に搭載、今は動きを見せないが念の為装者、刀使、勇者の連携で響くんを拘束しAnti_LiNKERを注入する」

エルフナイン「ほぼ皆さんに頼ってしまう形になってしまいました...でもボク達も精一杯サポートします!」

Anti_LiNKER注入までは何の捻りもないシンプルな作戦です
まぁ本番はその後、巨人形態から戻した後にシェム・ハさんをどうにかする方ですからね
私達は早速Anti_LiNKERを携え、シンフォギアの世界に向かいます

翠「おっと、その前に」

エルフナイン「翠さん?」

翠「エルフナインちゃん、今回も蛇達とルシエド、それから花をよろしくお願いしますね」

エルフナイン「はい!」

私達のやり取りを聞き、蛇達とルシエドは特に意見をすることもなく頷きエルフナインちゃんの足元に集まりました
それは私の実力を信じてくれている...と解釈しておきましょう
今度こそ、私はシンフォギアの世界へ...



コンマ下
00~30 時空の歪み<繋ぐ力
31~99 時空の歪み>繋ぐ力

・・・

無事本部への帰還を果たした私達ですが、目的はそれではありません
Anti_LiNKERを職員さん達に託し、早々にヘリで本部を出発...巨人形態の響さんのすぐ近くまでやって来ました

マリア「何があってもギアとS装備は解かないこと、調、切歌、未来は予備のLiNKERを忘れないようにしなさい」

調「うん、マリアも」

エレン「私達もS装備は絶対デース!窮屈でも脱いじゃダメデスよ」

翠「赤嶺ちゃんは勇者服オンリーですから、それが解除されてしまうようなら一番に逃げてください」

友奈(赤嶺)「ま、なるべく頑張るよ」

会話もそこそこに、それぞれがギアを、S装備を、勇者服を纏います
私と『翠』はイミテーターで響さんのガングニールの模倣...神殺しの力ではありますが、あくまで神の力の影響を防ぐ為

マリア「エネルギーベクトルの操作の応用は結局ここまで失敗続き...情けない話だけれど、誰かがダメそうになったら」

『翠』「なるべくその都度『私』達で助けに行く」

薫(刀使)「けど優先順位は間違えるなよ、大元断ちゃいいっつうありがちな展開だ」

翼「全員...行くぞッ!!!」

変わらず佇む巨人響さん
見上げなければそれが人型であることすら忘れてしまいそうなその相手に向かい、私達は走り出しました

翠「はぁぁっ!」



ぐわん...



その瞬間、視界が...否、五感全ての感覚が違和感を覚えます
景色が歪み、耳鳴りや不協和音のようなものが聞こえ、まるで無重力空間に居るかのように地面が感じられなくなって

翠「ッ...」

突然の、強烈なソレに車酔いの時のような気持ち悪さを感じてしまいました
ですがこの感覚、ここまで酷くはないにしろ似たようなものを知っています...ギャラルホルン、あるいはその他の方法を用いた際の平行世界を渡る感覚

翠「これ、が...時空の歪み...」

響さんの周りの時空がおかしくなっている、とは聞いていましたが、思った以上に大事のようですね
近くに皆さんもいるはずなのに、まるでたった1人何もない空間に放り出されたみたいな

翠「それ、でも...!」

ふと、ずっと先の方に何かが見えました
それは手...黄色がかった光を放つ、神々しくどこか暖かい手

翠「っ、あぁあっ!」

私は手を伸ばします
その手は間違いなく掴むべきもの、掴まなければいけないものだと脳が訴えているから

翠「届いて...っ!」

私はその手を


がしっ


そして、視界はより一層強い光に包まれました



何処の世界安価下1
(例:原作→シンフォギア本編の世界
ゆゆゆ→ゆゆゆ本編の世界
元の世界→本スレのシンフォギアの世界)

いつの時代?安価下2
(何年前という書き方や◯◯が起きた時等でも可)

どの場所?安価下3
(場所名や◯◯の近くという書き方等でも可)

・・・

翠「...ぅ...ん...?」

気が付くと、私は芝生の上に倒れていました

翠「ここは...はっ!」

私が今まで何処で何をしていたのか、それを今回はきちんと覚えています
巨人化した響さんを拘束する為に近付き、そして...

翠「時空の歪みに呑まれた...ということは、ここは平行世界...?」

それも時代すらわからないおまけ付きです
自分の身なりを確かめると、S装備こそそのままですが流石にギアは解除されていました
気を失った際に勝手に解除されてしまったのでしょう
マリアさんに注意された直後にこれとは...とはいえ多分マリアさんや他の皆さんも平行世界に飛ばされたとしたら同じようになっていると思いますしノーカンですノーカン

翠「ん?これは...」

手に何か握っています
開いてみると、握っていたのは黄色いオーラを放つ山桜の花弁
そういえばこっちの手はあの時差し伸べられた光る手を掴んだ方...この花弁のおかげで記憶を保っていられたということでしょうか?

翠「とにかくここが何処でいつなのかを確かめないとですね」

平行世界に飛ばされたのももう何度か経験したことですし、慣れっことは言いませんがあまり動じなくなった自覚はあります



安価下
1 とりあえず街をぶらつく
2 『翠』ちゃんに念話を送ってみる
3 ギアを纏ってみる
(流れ星を見に行ってる場所=XV最終回の場所という解釈になっています)

翠「現状で出来ることといえば...」

通信機は流石に平行世界はともかく時間まで超えていた場合無理ですし、ギアを纏うのは...神獣鏡ならともかく他のギア単体ではこの世界にS.O.N.G.が存在していたら即捕捉されてしまうでしょう、それは最終手段です
となるとやはり

翠「可能性があるのは『翠』に念話、ですね」

私は『翠』に念話を試すことにしました

翠《『翠』、聞こえますか!無事ですか!?》



コンマ下
奇数 翠ちゃん
偶数 『翠』ちゃん
ゾロ目 ???

《...》

翠《...『翠』?聞こえてますか?聞こえてますよね?》

感覚的に念話が通じているのはわかります
ですが一向に返事が...

《...え、えっと...はい、あの...聞こえてます...返事、出来てますか...?》

と思った矢先に来ましたね
あれ、でもなんか

翠《出来てます、けど...『翠』?何か様子変じゃないですか?》

声は完全に『翠』ですが、口調というか態度というか...

翠《『翠』ですよね?》

《ぁ...その...翠です...よ?》

翠《何故に疑問形...》

やっぱりおかしいです
まるで初対面...いえ、初対面なのを隠そうとするかのような手探りな感じがします
この人、『翠』じゃない...とすると、誰何ですか!?

《あの...すみません、違ってたら全然無視してもらっていいんですが...女神様のお知り合いの方、とかだったり...》

翠《へ?女神様?》

女神様って、女神様の事でしょうか
どうしてここで女神様の事が

《あぁいえ!な、何でもないです!...えっと、そう!今から学校が...急ぐので、失礼したいんですが!》

翠《え、あ、はぁ...学校?》

《は、はい...今日が転校初日らしい...じゃなかった、初日なので...》

転校初日『らしい』?自分の事でしょうにそんな誰かから知らされたばかりみたいな...ん?

『翠』と同じ声で、女神様を知ってて、転校初日なのを知って急いでる...

翠《ま、待ってください!あぁいえ急いだままでいいので!そのまま質問に答えてください!》

《へぁっ!?あ、はい...な、何ですか...?》

まさか、そんな...でも、もしそうだったとしたら...

翠《今日が貴女にとってのこの世界での最初の日で》

《...!》

翠《ここがシンフォギアの世界だとわかっていて》

《...!!》

翠《家にあったギアはアメノムラクモ...ですよね?》

《...や、やっぱり...貴女は》

杞憂であってください...でないとこれは結構面倒なことに...!


翠(過去)《女神様のお知り合いの方...なんですね?》


あっ...ここ振り出し(転生初日)ですね...



安価下
1 とりあえず街をぶらつく
2 もう少し話す
3 他の誰かへの念話も試す(『翠』ちゃん(再チャレンジ)、女神様、翔子さん、奏さん、セレナさん、ネロさん、メヌエットさん、園子ちゃん、若葉ちゃん、友奈ちゃんの中から記述)

まさか...時空の『時』の方だけ飛ばされるとは

翠(過去)《...ぁ、あの...?》

翠《いえ、ちょっと...続きはまた後にします、学校頑張ってください》

翠(過去)《は、はい...が、頑張ります?》

しかも、よりにもよって最初に接触してしまったのが過去の私自身
えぇ、一応平行世界の私自身である『翠』ではなく、正真正銘の過去の私

翠「いえ、私にはこのタイミングで念話が来た記憶はありませんから、この時点で...というか私がこの時間に飛ばされた時点で分岐した、と思いますが...」

過去の私との念話を切った私は、あまりの事態に思わずその場で頭を抱えて唸ってしまいます
幸い周りに人はいませんが、いたら奇異な目で見られたことでしょう

翠「あるいはタイムパラドックスが起きて私がいた現在...ここから考えると未来が消える...?」

ですがほんの数秒とはいえ2度のタイムリープの経験からして、案外世界というのはタイムパラドックスに対して柔軟だということも知っています
今は最悪の可能性に怯えるより本来の時間に帰る方法を考えましょう

翠「とりあえず『翠』に念話を送ろうとするとこの時間の私に...正確にはこの時間の『翠』の身体に繋がることはわかりました」

よく考えたら私と『翠』が別々になってからあの身体は『翠』が入ってますし、言ってみればチャンネルが同じなんですよね
ということはそのチャンネルに左右されない、もしくはこの時間にはまだ存在しないチャンネルに向けて念話を送れば...


ネロさんコンマ下1
奇数 繋がった!
偶数 繋がらない

若葉ちゃんコンマ下2
奇数 繋がった!
偶数 繋がらない

色々考え、とりあえず若葉ちゃんとネロさんに向けて念話を送ってみることにしました
若葉ちゃんに繋がれば樹海風の方の深層世界にまだ繋がれているということになりますし、ネロさんはこの時間では活動休止状態のフロンティア...鳥之石楠船神とネフィリムですからチャンネルは異なるでしょうし

翠「繋がってください...!」

・・・

まず、若葉ちゃんには繋がりませんでした
神樹様といえど流石に時空の壁をあれ以上越えさせるのは難しかったのか、それとも若葉ちゃんの花が同じ時間に無いからか
樹海風の方の深層世界には行けませんし、勇者ギアも使えないものと考えた方がいいでしょう
そしてネロさんは...

ネロ《突然皆さん揃いも揃って姿を消したのでこちらは大慌てですよ...とはいえ無事なようで何よりです》

翠《無事...と言っていいのかわかりませんけどね...でもネロさんにだけでも連絡ついて安心しました》

流石は神様といいますか、私からの念話を時空を超えてちゃんと気付いてくれたようです
そして同時に、私がいた本来の現在もまたタイムパラドックスによって消えてはいないことがわかりました

翠《いやもう、本当に安心しました...》

ネロ《どうやらあの巨人響さんから翠さん達全員にそれぞれか細くはありますが繋がりが出来ているみたいですね、何か心当たりは?》

繋がり...やはりあの時繋いだ手が?それに

翠《持っていた覚えのない山桜の花弁...》

ネロ《それが目印となっているのでしょう、あるいはそれが意図的なものなら響さんの意識が健在ということ...何らかの方法で響さんの方からこちらの世界に引き戻してもらえる可能性もありますね》

翠《つまり、この花弁を持っていれば響さんに見つけてもらえて元の世界に戻れる、と?》

ネロ《あくまで希望的観測ですが...その花弁とやらは手放さない方が賢明でしょう》



安価下
1 もう少し話す(記述)
2 とりあえず場所を変える
3 イベント判定

あの時の差し伸べられた手やこの花弁が響さんや友奈ちゃんの意思によるものなのか、偶然に偶然が重なっただけなのか
しかし少なくともこの花弁が目印になっていたりそれを辿ってネロさんに見つけてもらえたというのなら、意味はあったということですね

翠《ネロさん、私を見つけられたように他の皆さんのことも今どの世界、時間にいるのかわかりませんか?それにここへ飛ばされたということはどこかにその出口...時空の歪みもあるはず、そこから元の世界に帰れたりは》



コンマ下1
奇数 見つけられる
偶数 一方的なアプローチでは難しい
ゾロ目 もう見つけた!

コンマ下2
奇数 歪みさえ見つかれば
偶数 望み薄

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ネロ《他の皆さんを、というのは...確かにその花弁とやらを頼りに辿れれば不可能ではありませんが、難しいですね》

翠《私のことは、見つけられたですよね?》

ネロ《あくまで翠さんから念話を発したからこそ、その目印となる花弁に気付けたというだけのことですから...例えば同じく私と念話が可能な『翠』さんが同じように念話を送ろうとしてくれれば目印を探しやすくはなるでしょうが、他の皆さんは...私からの一方的なアプローチでは探すのに限界があります》

この花弁を持たせてくれた響さん、あるいは友奈ちゃんであれば恐らくは探し当てるのに必要な条件だとか、あるいは繋がりそのものを頼りに出来るでしょうが、ネロさんにとっては無数の時空からこの花弁を探すということは砂漠でたった一粒の砂を探すのと同義...つまりはそういうことのようです

ネロ《それから時空の歪みから、というのはその歪みが見つかりさえすれば帰れる可能性はあると思います、こちらの世界に近づけば近づくほど響さんも見つけやすくなるかもしれませんし》

翠《やはり》

いつか、別のシンフォギア世界に飛ばされた時もそうして元の世界に戻ったことがありました
歪みはある種のワームホールのようなものと捉えれば、そう簡単に出入り口が変わったりすることはありません
歪みそのものが不安定ではありますが

ネロ《それに今回は通常の歪みではなく、響さんと花弁に繋がりがあるとすればそれを繋ぐ線のようなものが常に歪みを通した状態...場所や在り方が変わることはあるでしょうが、歪みそのものは常にその世界のどこかに存在し続けると思います》

翠《場所や在り方、ですか?》

ネロ《場所は単純に歪みの位置です、在り方は空間に存在する穴だったものが、何かを媒介にして発動するような鍵を必要とする概念に変化したり...例えばその花弁と◯◯が揃った時歪みが復活する等の特殊な状況下にのみ発動するようになることもあり得る、と》

前者であればひたすら歪みを探すことになり、後者になればノーヒントで答えを探ることになり...どちらにしても骨が折れそうです

翠《それなら...神様であるネロさんを介して、本部や記念の花とのアクセスを取れませんか?》



コンマ下
奇数 難しい(本部には伝言になる)
偶数 出来る(樹海風深層世界、勇者ギア解禁)

ネロ《機械端末や構造不明の植物とのアクセスは、流石にカバー出来ませんね...出来てもここの人達に直接の伝言を、となってしまいます》

翠《なるほど...難しいですか》

ネロ《神にも適材適所というものがありますからね、火の神が火を司り水の神が水を司るように、それこそシェム・ハが改造に秀でていたり自身を言の葉や文字に書き換えたり出来るように》

何を司る神様なのか、というのはやはり軽視するべきではない項目なのでしょうか

翠《ちなみにネロさんは》

ネロ《私は...船?》

船を司るって何ですか...

ネロ《それでどうしますか?どのような平行世界に飛ばされているのかだけでも伝言しますか?》

うーん...いつものように元の世界と多少異なっている平行世界ならともかく、限りなく近い...というか恐らく全く同じ世界の過去に飛ばされている、というのはししょー達に話していいものなのか悩みます
いくら私が飛ばされてきた瞬間分岐し別の世界になってしまっているかもしれないとはいえ
そこで私は、私が大体一年半強前の時間に...初めてギアを纏った日に飛ばされたことをネロさんに説明しました

ネロ《過去に、あー...なるほど、それは...その改変、分岐が修正可能な範囲であるべきなのかそれとも...ともかくあまり大事になるようなことはしない方がいいかもしれないよ》

ネロさんも今まで私が飛ばされたり訪れたりした平行世界がどれも別世界と呼べるような平行世界だっただけに、同じ時間軸の縦移動が来るとは思っていなかったようで
声も若干慌てているようでした

翠《ですよね...まぁもうそれに関しては手遅れ一歩手前みたいなものなんですが》

ネロ《この短時間で一体何を》

翠《過去の自分と念話を...》


ネロ《...なぁ!?な、何しでかしてるの翠ちゃんっ!?!?》


うぉっ!念話だから耳関係ないはずなのにキーンってしてる気がします!

翠《ネロさん口調口調、神様っぽいのが剥がれてます》

ネロ《はっ...と、とにかく!それはもう上手いことやるしかありません!それよりもまだそちらの世界では昔の翠ちゃんが装者として認識されてないから、少なくともS.O.N.G....もとい二課にそちらの翠ちゃんが保護されるまでは出来る限りギアを纏わない方がいいです!特にアメノムラクモ以外!わかった!?》

完全に仕事モードとプライベートモードがごっちゃになってしまっているネロさんは捲し立てるようにそう言い、念話は切れました



安価下
1 場所移動
2 イベント判定

翠「それにしても、ありませんねゲート...」

見渡す限りは時空の歪みが近くにある様子は無く、消えてしまってないのならネロさんの言う通り場所や在り方が変わっているのでしょう
そうと分かればいつまでもここにとどまる理由はありません

翠「とりあえず街に探しにいきましょう、上手くいけば誰か他にもこの時間に飛ばされていて合流出来るかもしれませんし」

大人数で固まっていた時に時空の歪みで飛ばされたわけですから、そういう可能性もあります
私はS装備を外して近くにポイ捨てされていたビニール袋に入れ、それを片手に街へと歩を進めます

翠「持っててよかったネオ潜入美人捜査官メガネ~」

いつかの訃堂さんの家に襲撃した時のやつです
そもそもこの世界...この過去の時間にこの時間の私の知り合いはほとんどいませんからこの時間の知り合いに会ってしまわないように~的な意味合いは低いですが、念のためです
あとこの時間の私が二課に保護された後未来から来た私の存在が知られるのも危険な気がしますし

翠「そして何より補導対策...は結局あまり意味ないという」

年齢は流石にそこまで誤魔化しきれないんですよね、認識阻害が簡易的なもの故に



どこに行く?安価下1
1 本屋さん
2 公園
3 自宅(拠点候補)
4 ネカフェ(拠点候補その2)
5 その他(記述)

コンマ下2
奇数 特になし
偶数 ナカーマ?
ゾロ目 ナカーマ!
00 補導

・・・

私は挙動不審にならない程度に周りを観察しつつ、街の中を歩いていました
しかしそう簡単には時空の歪みらしきものも見付からず

翠「ここはどうですかね...」

訪れたのは公園
備え付けられた時計は7時半過ぎを示していて、人もあまり多くはありませんでした
いても登校中の学生や出勤中の大人、ペットの散歩をしてる人くらいです

翠「ふぅ...」

それほど長い時間歩きっぱなしというわけではありませんが、手に持つビニール袋に入っているS装備はそれなりの重さがあり疲れてしまいました
私は丁度設置されていたベンチに腰を下ろし、息を吐きます

翠「せめて手がかりでもあれば違うんですが」

そんな無い物ねだりをしながら公園内を見渡しますが、やはり時空の歪みはどこにも...


「え~!昨日の猫ちゃんまた降りられなくなってる!?」


いえ、歪みはともかくなんか気を見上げながら叫んでる女子高生がいたりしますね
どうやら木に登って降りられなくなった猫がいるらしく、その女子高生は迷うことなく木を登り始めました...ってこの声は!


響(過去)「よ~しよし、いい子だからジッとしててね...」


あの女子高生響さんじゃないですか!!!


安価下
1 手伝う
2 声をかける
3 干渉しない

この公園、リディアンの高等部校舎と近いと言えば近いですが、それでもこの時間にいるのは割と遅刻ギリギリになるんじゃ...というか響さん寮生活の筈なのに何故こんな場所に朝から寄り道を...

翠「何でしょう、聞いたらどこぞの根性勇者みたいにトラブル体質な理由が聞けてしまいそうです...」

道案内したとか、迷子の親を探し回ったとか、お婆さんの荷物を持ってあげたとか、そういう感じの
いえ、それより手伝った方が...


ネロ『あまり大事になるようなことはしない方がいいかもしれないよ』


...しかしネロさんに釘を刺されたばかりではないですか
この時間にいる間、なるべく何事にも干渉を避けるべきです

・・・

そうこうしているうちに無事猫も助かり、響さんは慌てた様子で駆けて行きました
すでに時計は8時を過ぎていて、あれは遅刻でしょう

翠「猫も連れて行きましたけどどうするつもりなんでしょうか...」



安価下1
1 更に場所移動(記述)
2 イベント判定
3 その他(記述)

さて、あまり留まっていても冗談抜きで補導されてしまうかもしれませんし
私は公園を後にし、また歩き出しました

翠「ギアはなるべく避け、端末の通信は使えないとして」

S.O.N.G.から支給されている端末も自分のスマホもタイムトラベルもののお決まりの如く圏外
仮に圏外でなかったとしても、通信が繋がるのはこの時間の相手でしょうし...

翠「後はS装備の通信...試してみますか」

S装備の通信が繋がるのは同じくS装備を持っている相手、S.O.N.G.本部、刀剣類管理局、それに赤嶺ちゃんにも今回の戦いの為に通信機能のみを搭載した専用簡易端末が渡されています
過去の世界となるこの時間においては平行世界であるこの時間の刀使の世界を除けば、今繋がれるのは恐らく私と同様この時間のこの世界に飛ばされた誰か

翠「刀使の世界がこの世界との繋がりを得たのは6本の御刀がこの世界に出現したタイミングのはず、そして流石に過去や未来に繋げる技術は搭載されていません」

あるいは響さんや友奈ちゃんが作ってくれた繋がりを辿れさえすれば他の皆さん...装者メンバー、刀使メンバー、赤嶺ちゃんに対してだけなら...いえ、それは期待のし過ぎでしょうか

・・・

S装備の通信機能を試すということは、すなわちS装備を(ヘルメットのみとはいえ)装着する必要があります
いえ、しなくても出来はしますが聞き取りづらくなりますしこちらの声もマイクが拾いにくくなります
私は人目を避けるため、人気のない路地裏に入りました

翠「まぁ、それ以前に人前で堂々と出来る通信でもないという理由がありますが」

簡単に言ってしまえば今の私は目立つべきではない、それに尽きます

翠「さて...誰か聞こえますか?聞こえたら返事をしてください!」



コンマ下1
奇数 繋がった!
偶数 繋がらない
ゾロ目 ???

誰と繋がった?安価下2
(奇数の場合のみ採用(ゾロ目の奇数も含))
(『翠』ちゃん、翼さん、クリスさん、未来さん、マリアさん、切歌さん、調さん、夏菜さん、可奈美ちゃん、姫和さん、舞衣さん、沙耶香ちゃん、エレンさん、薫さん、赤嶺ちゃんの中から)
(複数人可)

応答は無し...仕方ありませんね
こうなってしまえば皆さんの無事を祈りつつ私自身も無事に帰る手立てを探すのに全力を注ぐだけです
時空の歪みの場所、あるいは在り方を探る...もしくは元の時間の響さん、友奈ちゃんに早く見つけてもらえるように何らかのアピール方法を...

ネロ《言い忘れていましたが》

翠「ひょわっ!?」

ネロさんの不意打ち念話に、私は変な声が出てしまいました
人気の無いところで良かったです...

ネロ《時空の歪みの影響で荒魂が現れたり、その影響でこちらとの通信が繋がる可能性もあります、覚えておいてください》

翠《は、はぁ...うん?荒魂はともかく通信もですか?》

荒魂が現れるのは平行世界同士の干渉でも起こり得ることですから、異なる時間...縦軸でもそれが起こるのは十分にわかります
しかし通信も?

ネロ《今の...こちらの時間の響さんの中には元タギツヒメの荒魂が存在します、荒魂と荒魂は惹かれ合う...その性質を利用した時間空間に囚われない通信を構築出来ないか現在刀使世界で実験が行われているとか》

なるほど
響さん友奈ちゃんの作り出した繋がりがある以上響さんの中のタギツヒメが引き付ける、引き付けられる対象はその繋がりの先なのではないか
そして仮に時空の歪みによってこちらに荒魂が出現するとしてその荒魂もまた繋がりを得ているのではないか
可能性に次ぐ可能性、憶測に次ぐ憶測
確証も何一つない理想論

翠「...ふふっ」

ですが、だからこそ、可能性を、憶測を、理想を、否定的に捉えて終わらせないこと
最後まで諦めず、どんなに小さなことにも全力を注ぐ大切さを思い出しました



コンマ下
奇数 特に無し
偶数 ノイズ
ゾロ目 荒魂

・・・

翠「まぁ、だからといって、心持ちが変わったところで、という話なんですが」

あれから数時間、適度に休憩を挟みつつも色々と、行ける範囲なら思い入れのある場所もちらほらと立ち寄ってみましたが
時空の歪みの場所も、発生させる条件も
何一つ進展しませんでした

翠「はぁ...」


くぅ~...


電子マネーが入った財布代わりの端末も圏外、その結果出来上がったのがお腹の虫に恥じらうくらいの体力は残っていた私です
勿論如何なる任務においてももしもの時の為の現金は多少持ち歩いていますし、それは今もちゃんとポッケにしまってありますが

翠「いつ元の時間に帰れるかわからないのに初日から無駄遣いするほど、私は考え無しでは...!」

衣食住の食が無駄遣いかと聞かれれば、最低3日は耐えるべきと答える
これくらい小学生でもわかる義務教育の範囲内ですよね

翠「んく、んく...ぷはっ...」

水分は公園の水飲み場...これもまた義務教育

公園...つまり私はこの街をぐるっと回った今、今朝休んだ場所に戻ってきていました
日は傾き、公園の時計が示す時間はそろそろ放課後でしょうか

翠「...初日の、夕方」

私が転生した初日、あるいは原作第1話...その夕方に起きることを、私は知っています
響さんがノイズに炭化させられた人だったものを見かけ、ノイズに遭遇し、逃げ、そして...

翠「...今なら」

まだノイズが発生しておらず、それでいて土地勘を得て大体の当時の、あるいは今回の発生場所を把握出来ている今なら
逃げる響さんを、あるいはそれ以前にノイズに襲われ炭化した人達を、多少なりとも救うことが出来るかもしれません


ネロ『あまり大事になるようなことはしない方がいいかもしれないよ』


けれどそれはつまり、仮にギアを使わず避難誘導が出来たとしても、二課に目をつけられる可能性がある行動となります
フィーネさんや、もしかしたらししょーも...『まるでノイズが発生することを知っていたかのような迅速な動きだ』と、そんな突拍子もなくそれでいて意外と確信をつくような発想が出来てしまっても不思議ではありませんから
それにこの時間のノイズはこの時間の装者が倒すべき存在であり、この時間の人達もこの時間の装者が救うべき存在
例えそれが取り零されてしまう人達だとわかっていても...



多数決安価下1~3
1 助ける
2 助けない

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翠「...一体いつから、私はこんなに」

結局私は、走り出していました
単なる転生ではなく、過去への介入
そしてこの時間の二課を始めとした、これから関わりを持つ人達への影響
それらのリスクを承知した上で、それでも
救える命を前にして、救いたいと、救わなければと思ってしまう

翠「こんなに!」

原作で人となりを知っているから、協力してくれそうだから、死ぬには惜しい人だから、任務だから
そういった屁理屈すらない自分勝手な我儘で
自分に利益なんて一つもない...むしろ不利益なことしかないようなことだとわかっているのに

翠「...我ながら、すっかり毒されてきてますねッ!」

私が現場に着くのとほぼ同時、空間が揺らぎ
ノイズが姿を表しました

出現にはギリギリでしたか、ですがこれはこれで避難誘導をすぐに始められます
まだ現れてもいないノイズに対しての避難誘導なんて誰もまともに聞いてくれないでしょうし

翠「皆さん逃げてくださいッ!ノイズですッ!!」

私の声を聞き訝しみながらこちらに振り返った何人かの人達はノイズの姿を確認して顔色を変え、その人達の様子を見て混乱は伝わっていきます
ですがまだノイズからの距離が多少保たれていることもあり、すぐには被害者が出る心配はありません

翠「シェルターに早く!あっちです!」

阿鼻叫喚ながらも昨今ノイズ発生件数が急激に増えている地域ですから、同じく避難誘導を始める人や混乱している人を落ち着かせる人などもちらほら

翠「皆さん冷静に!迅速に避難を...っ!」

その時、直感に従いその場を横にズレると、次の瞬間足元の地面に身体をドリル状に変化させたノイズが突き刺さりました

翠「これ以上生身でいるのは危険ですかね...」

ここにいる人達を逃すのにも、私自身が生き残るのにも



翠ちゃんどのギアで行く?安価下
1 アメノムラクモ
2 アメノムラクモ(勇者ギア)
3 アスクレピオス(戦闘不向き?)
4 イミテーター(イグナイトなし)(何か模倣する際は何を模倣するか記述)
5 イミテーター(銀色のギア)
6 ミョルニル(イグナイトなし)
7 神獣鏡(他のギアと同時展開する場合はどれと同時展開するか記述)(透明化を使うとそれ以降アウフヴァッヘン波形含め反応を誤魔化せます)
8 フォーク
9 アメノオハバリ
10 レーヴァテイン
11 フツノミタマ
12 わっしーセット
13 ロンゴミニアド(イグナイトなし)(未使用)
14 玉手箱(イグナイトなし)(特殊)
(1、2、7、8、9、10、11、12はイグナイトも可、その場合は数字の他にイグナイトと記述してください)

***
すみません!消し忘れです!
ということで1とさせていただきます
***


「Imyuteus amenomurakumo tron」


再び飛んできたドリル状のノイズをバリアフィールドで跳ね除け、ギア装着と共にアームドギアの天叢雲剣で斬り払います

翠「やってしまったからには、時間との勝負...」

二課が、翼さんが来る前に撤収しここでの事は最悪この時間の私に押し付ける、それが今の目標です
念の為ネオ潜入美人捜査官メガネは付けたままですが、アウフヴァッヘン波形はすでに探知されているでしょう
それでもまぁ、なるようになれです

翠「自然発生分なんて今更!ここから先には通しませんよッ!」

私は避難する人達を背に、剣を構えました



コンマ下
奇数 耳が早い二課
偶数 逃げ遅れ?
ゾロ目 駆け付ける仲間

翠「ふっ!ハァッ!」

右から左へ、あるいは上から下へ
剣を振るい、着実にノイズの数を減らして行ったその時



駆け付けた仲間安価下
(ゾロ目数値「22」より駆け付けた仲間は2人まで選択可)
(『翠』ちゃん、翼さん、クリスさん、未来さん、マリアさん、切歌さん、調さん、夏菜さん、可奈美ちゃん、姫和さん、舞衣さん、沙耶香ちゃん、エレンさん、薫さん、赤嶺ちゃんの中から)

「伏せなさいッ!」


翠「!」

私は聞こえた声に従い身を屈めます


『INFINITE†CRIME』


直後、頭上を通過した無数の短剣がノイズ達に突き刺さりました
今の声、それに今の技...

翠「マリアさん...!」

マリア「その反応にその眼鏡、私達の知っている翠で間違いなさそうね」

駆け寄り話しかけてきたのはやはりマリアさん
私と同様ネオ潜入美人捜査官メガネをかけていますが、お互いその眼鏡の存在をわかっていれば認識阻害を受ける事はありません

エレン「私もいマスよみどりん!」

翠「エレンさん!?」

さらにマリアさんのすぐ後ろからひょこっと顔を出したのはエレンさん
S装備に、御刀である越前康継の代わりにアガートラームのアームドギアの長剣を握っています

マリア「再開を喜ぶのは後、エレンもそのアームドギアはあくまで護身用、私の手を離れてからは長くは保たないからなるべく私達から離れないように」

翠「はい!」

エレン「了解デース!」

何だかんだ言いながら私は心細かったのか
戦闘はまだ続いているというのに、マリアさんとエレンさんに...仲間に再開出来たことに心強さと安堵を覚えました
もう何も怖くない!私ひとりぼっちじゃないもの!



コンマ下
奇数 ノイズ殲滅
偶数 荒魂!
ゾロ目 カルマノイズ

・・・

その後マリアさんとの連携もあり、ノイズは遂に殲滅し終わりました
殲滅といっても、今回自然発生した分だけですが

翠「...」

戦っている間は見かけませんでしたが、付近にこの時間の私や響さんもいたはず...私の経験から考えれば今日響さんの覚醒イベントが無くともそのうち...とは思いますが
この時間の私は、いつどのタイミングで装者になるのか...

翠「ってそんなことより!」

うかうかしていたら本当に二課に事情聴取(強制同行)が行われてしまいます



安価下
1 敢えて強制同行される
2 逃げるとにかく逃げる
3 その他(記述)

翠「逃げましょう!とにかく撒くんです!」

マリア「え、えぇ」

エレン「何だかワクワクしてきマした!」

私は道の端に寄せていたS装備を詰めたビニール袋を拾い上げ、マリアさんとエレンさんと共に路地裏や屋根の上を駆け抜け人混みを探しました
ギアを解除してすぐこっそりそこへ紛れよう、ということです

翠「そういえばマリアさんエレンさん、他の皆さんは」

もし2人以外にも誰かこの時間に飛ばされていたとしたら、連絡かあるいは合流が出来るのでは、と思っての質問でしたが



コンマ下1
ゾロ目以外 そう甘くはない、他の仲間に関する進展は無し
ゾロ目 まだいる

コンマ下2
ゾロ目以外 逃げ切れた!
ゾロ目 逃げ切れない

マリア「少なくとも見かけてはいない、連絡も付かないわ...私達も来たばかりなのよ」

エレン「デスが、この3人だけでも合流出来たのは幸いデス」

残念ながら、現段階では他の皆さんとも合流するのは絶望的ですね...そもそも恐らく3人も同じ時空に飛ばされていたことが奇跡なのでしょうし

・・・

マリア「逃げ切れた...と見ていいのかしら」

翠「もしくは逃されたのか...追ってはもういないようですが」

エレン「ジャパニーズニンジャから逃げるだなんて貴重な体験が出来マした!」

武士か侍みたいなことをやってる人が何か言ってます...いや巫女なんでしょうけども、題名的に

翠「この時間にはフィーネさんが了子さんですから、何かしらの理由を作って捜索を中断させてくれた可能性もあります」

マリア「油断は禁物ということね...それにしても、日が傾いてきたわ」

もうじき夜になります


安価下
1 寝なければいい、オールで街を練り歩き
2 ホテルに泊まる(現金が宿泊料分あるかどうか後に判定)
3 公園で野宿
4 翠ちゃん家
5 その他(記述)

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マリア「それにしても、本当に過去へ飛ばされたのね...1年ちょっとしか変わらないとはいえ、言われてみれば街並みも少し違っているわ」

エレン「そういうものなんデスね...この時間のまりーはこの辺に住んでなかったんデスか?」

マリア「それ私?そうね、この頃は...」

二課の追跡を無事掻い潜り、マリアさんとエレンさんが過去の世界の街並みを見て話している間、私はネロさんに念話で2人のことを報告していました

ネロ《そうですか、マリアさんとエレンさんが...時差はあったとはいえ同じ世界線、それも翠さんの若干の改変によってほんの少しズレてしまっているその時間軸に飛ばされたのは奇跡...いえ、繋がりがもたらした必然かもしれませんね》

翠《だといいんですけどね》

私達それぞれに響さんが手を伸ばし繋いだというその繋がりが惹かれ合い、あるいは一箇所に集まるよう誘導された結果が今の状況であれば、マリアさん達以外の皆さんもそのうちこの世界線、この時間軸、この過去の世界に集まるかもしれません
しかし単なる奇跡的な偶然である可能性や、仮に何らかの要因があったとしてそれが一箇所ではなく複数箇所に分かれている可能性もある為、楽観視は出来ません

翠《ところでそっちは何か進展ありましたか?》

ネロ《巨人響さんは相変わらず、ですが朗報もあります...いえ、朗報になるかもしれない新情報、でしょうか》

含みのある言い方をするネロさん
何でしょう朗報、いえ、朗報になるかもしれない新情報とは

ネロ《現在ウェル博士とフリードマン博士の技術提携によって、散り散りになった装者刀使勇者を探知する設備を制作しているとのことです》

翠《本当ですか!?》

S装備の生みの親でありエレンさんのお爺ちゃんであるリチャード・フリードマンさんなら、もしかすれば本当にそんな設備を完成させられるかもしれません
糞眼鏡も能力だけは確かですし...頼るのは癪ですが

ネロ《話を聞く限りではこちらの時間とそちらの時間とで時の流れる速さにそう差は無いと思われますから、次の瞬間に完成の報告を、というのは難しいですが》

翠《えぇ、それでも希望が...選択肢が増えたことは喜ばしいことです、こちらも変わらず変える方法を探すつもりではありますが》

・・・

ネロさんとの念話を終え、そういえばとマリアさんとエレンさんの様子を見てみるとどうやらお二人も会話がひと段落ついたようです

翠「この辺で、情報共有をしたいと思います」

エレン「と言っても私達は新しく知っていることほとんどありマせんよ?」

翠「私はあるので大丈夫です」

私が説明したのは今回の一件に関しての、元タギツヒメの荒魂や神の力による時空の歪み、そしてそれらが平行世界同士に及ぼす影響について
それと

翠「お二人とも、この世界...この時間に飛ばされた時に、花弁を持っていませんでしたか?山桜の花弁を」

マリア「花弁?...そういえば」

マリアさんとエレンさんはそれぞれポケットから山桜の花弁を取り出して見せてくれました

エレン「不思議と捨てちゃいけないような気がして、しまっていたんデスよね」

翠「それは元の世界との繋がりであり目印になっているらしいです、なので肌身離さず持っていてください」

・・・

で、本格的にぼちぼち時間も遅く
今晩寝る所をどうするか、という話になったのですが

翠「寝床の為に二課に保護してもらうのは無しの方向で」

マリア「わかっているわ、ここでその提案が出たら何の為に逃げ回ったのかわからなくなるもの」

ホテルや宿は現金節約の為に除外、公園や橋の下で野宿というのも危険という判断で却下
ならば空き家にお邪魔するか、泊めてもらえそうな所に、ということになるわけですが

翠「ふむ...」

空き家といえば一期であんぱんと牛乳もらったクリスさんが窓からダイナミック外出した所とか...ん?それつまりししょーが見つけてやってくる可能性大では?
もしくは私の家...元の時間でもしばらく使っていなかったとはいえ一応鍵は持ち歩いているので、この時間の私の家にも入れますが


安価下
1 翠ちゃん家
2 原作クリスさん隠れ家(ししょー襲来イベの可能性有)

マリア「ねぇ...本当に空き家を使うのは見つかりやすいの?」

翠「マリアさん達もアジト見つかってたじゃないですか」

とは言うものの、二課に補足されやすいから空き家を避けたというのは原作知識ありきですが

エレン「それを言ったらどこでも変わらないデスよね?」

翠「協力者を増やすなら口裏合わせやすい方が良いでしょう、まぁ鉢合わせしないのが一番いいんですけども」

そうして結局私達が選んだのは

翠「違う時間なので変な気分ですが...久々の我が家ですね」

私の...この時間の蒼井翠の家でした

翠「認識阻害は効果を変更出来ないので、気休めですがエレンさんが眼鏡をかける代わりに私とマリアさんは眼鏡を取って家に入りたいと思います」

マリア「わかったわ」

エレン「了解デス」

そうこうしているうちに、家の前までやってきました
鍵を刺して...


ガチャッ


コンマ下
奇数 家主いる
偶然 いない
ゾロ目 更なる再開

翠「よし...お二人も早く」

マリア「お邪魔します...?」

エレン「しますデース」

玄関ドアを開けた私はマリアさん達と共に家の中に入り、素早くドアを閉め鍵をかけました
流石にさっきの今でこの家の中まで見張られている、なんてことは二課もしないはず...多分しない...と思うので、これで気兼ねなく休めます

マリア「それでまずは?」

翠「一旦落ち着いて腰を下ろしたいです...」

私はリビングへ向かい...


「や、やぁ~っ!」


翠「うわっそんな気がしてました!」

部屋の影から振り下ろされたフライパンをギリギリで受け止めました

マリア「奇襲!?」

エレン「ま、不法侵入はこっちデスしね」

翠「ですね...」

フライパンを取り上げると、それを振り下ろしてきていた犯人はフライパンから手を離し尻餅をついてしまいます

翠(過去)「ひ...ぁ、あれ...?」

それはこの時間の私でした
えぇ、そうですよね...響さんの覚醒イベもとい私の初戦闘イベのフラグを折ったわけですから、初日に普通に帰宅してますよね

翠「私が言うのもなんですけど、鍵だけじゃなくチェーンも閉めた方がいいと思いますよ」



安価下
1 首トンッで眠らせる
2 事情を説明する
3 聞かれるまでは話さない
4 その他(記述)

・・・

翠(過去)「えっと...未来の私...です、か?」

翠「えぇ、と言っても1年半...よりちょっと先、くらいですが」

敵意が無い事を説明したりしてもはいそうですかと簡単に信用してくれないこの時間の私でしたが、私しか知らない事...それこそ転生前の事についてそれとなく言い当て私が本当に私...転生した蒼井翠と完全に同一人物であることを理解してもらってからは、とんとん拍子で信用を得ました
えぇ、誰しもが一度は想像する『未来から自分がやって来るシチュ』が現実に起こったということですからね...

いやまぁだからといってとんとん拍子でそれを信じて敵意が無いのも信用するってのは側から見ると我ながら大分無用心と言いますか
LO◯PERとか超◯王のエピソードイエロー系のシチュだったらタヒんでますよ私...

翠(過去)「1年半...えっと」

翠「全然先です、多分終盤か、下手したら5に入ってるんじゃないかなっていう濃密さです、もしくはアプリの」

翠(過去)「あー...」

今この時間の私はこの場にマリアさんとエレンさんがいた為言葉に迷っていましたが、私なら何を言いたいのかわかります
「1年半先の時間って、原作で何期のどの辺でしたっけ」的なことです

マリア「何の話をしているのかしら」

エレン「さぁ...」

さて、マリアさん達も待たせてしまっていますしそろそろ本題に入りますか

翠「過去の私...まず私達がここに、この時間に来たのは助けに来たとか、呼びに来たとかではありません、いわば事故です」

翠(過去)「あ、はい...その、それはどんな...とか、聞くのは...」

翠「詳しいことは伏せておきます...私にこの時間未来から来た私と会った記憶は無いのでタイムパラドックスの影響はそれほど無い、というかこの時間と私達の時間はすでに分岐した別の世界だと思いますが、それでもなるべく干渉は避けたいと言いますか...そんな感じのアレです」

翠(過去)「なる、ほど...」

エレン「今ので納得するんデスね!?」

流石私、察してくれました
原作知識を持って介入するのと未来の知識を持って介入するのとでは似て非なるもの...この解釈は私と私で変わりませんからね

翠「で、察しついでにこっちも察してほしいんですが...元の時間に帰る方法が見つかるまでの間、ここに泊めさせてほしいんです」

翠(過去)「わ、わかりました、未来の私...私でも、そうするって思いますから」

今日何度目かの流石私!話が早い!
いきなりフライパン振り下ろしてきたことは許してあげましょう



安価下
1 もう少し話す(記述)
2 今日はここまで、明日に飛ぶ
3 イベント判定
4 その他(記述)
(翠(過去)「それで、その...(100歩譲ってマリアさんはいいとして何故刀使のエレンさんが!?違うアニメですよね!?えっそっくりさん!?コラボ回でも挟んだんですか!?)」

翠「(と貴女が考えているのはわかっています)色々、本っ当に色々あったんです...」

翠(過去)「そ、そうですか...(初日からもう不安しかないんですが)」)

・・・

エレン「さっぱりしたデース!」

マリア「悪いわね、着替えまで借りてしまって」

翠(過去)「い、いえ...」

予想外、想定外の続く中、いくらこの時間での拠点を得られたからと言って警戒を怠るのは禁物
とはいえ元の時間に戻るまで長期戦になるなら尚更、戦闘や駆け回った時の諸々の身体の汚れは気になるもの
この時間の私もまだだったようなので、話し合いは一旦保留にして4人とも入浴を済ませてしまうことにしました

エレン「私とまりーに貸してくれたこの服はみどりんママのデスか?」

翠(過去)「ぇっ!?ぁ、えっと...」

翠「...えぇ、そうですね、お母さんのです」

わかりませんけど女物の服で私の...もとい『翠』のでもよもぎのでもないサイズなら消去法でそうでしょう
いやまぁ『翠』のお父さんにそういう趣味があったとしても...えぇ、否定とかはしませんけども
というかこの時間の私!それくらいは察せたんでしょうにこっちチラチラ見て代わりに返事させるんじゃないですよ!自分でしなさいよ!

翠「そんなことより今後の方針決めですよ、私が最初にやらかしたことではありますが私達はこの時間の二課に目をつけられたでしょうし...なにより、他の皆さんとの合流とか元の時間に戻る為に出来ることや試すことを整理しないとです」

マリア「ちょっ、貴女まだこの時間の翠がいるのよ!?」

エレン「この時間のみどりんは装者じゃないんデスよね?S.O.N.G....二課の事は」

翠「あー...」

転生者故に普通にこの時間の私は二課のこと知ってますし、何なら経験故に考え方も違っているであろうこの時間の私なりの意見とかも聞いておきたいところですけど


安価下
1 大丈夫!もう二課のこと知ってる知ってる!
2 そ、ソウデシター、この時間の私には席を外してもらわないとー

しかしここでなんやかんや二課のこと知ってました~ってなるとそれはそれでもし後々突っ込まれた時に大変ですよね...情報漏洩、それもフィーネさんすら知らないルートってことになりますし

翠「そ、ソウデシター、この時間の私には席を外してもらわないとー」

翠(過去)「...え?あの...え?」

翠「ほら明日も学校があるでしょうもう寝た方がいいですよほらほら」

私は自室に入っていてもらおうとこの時間の私の背中を押します

翠「なるべく干渉はって話したでしょう、もしアレだったらまた念話で伝えますから!」

翠(過去)「!...や、やっぱり、今朝のって...」

声で気付いてなかったんですね...でも自分の声って案外わからないものかもです、私は『翠』がいるので聞き慣れていますが

エレン「今朝?みどりん達今朝何かしたんデスか?」

翠(過去)「あぅ!?...その...」

だからそこでこっちをチラチラ見ないでくださいよ私...

マリア「ふふっ、それにしてもこの頃の翠は大人しくて可愛らしい感じだったのね」

翠(過去)「っ...!?///」

翠「なぁっ!か、揶揄わないでくださいよ...///」

マリアさんずっと真面目な雰囲気だったのに急に変なことぶっ込んでくるんですから

翠「というか!それはどういう意味ですか」

マリア「大丈夫よ、今の翠もちょっと生意気だけど可愛いわ、じゃなかったらあんな事させな...ってこれは言っちゃダメなことね」

翠(過去)「!?」

翠「今でこそ楽しんではいますが許してませんからね」

マリアさんが言いかけたのは糞眼鏡と結託して私をアイドルにしたことでしょう
正直もうそれほど恨んでませんしアイドルも大変ですが楽しいですが...それはそれこれはこれです
後こういう裏口っぽいやり方は真面目にアイドル目指している人達にも申し訳ない気持ちが残るんですよね
なのでその人達に胸を張れるよう頑張っていく所存です

翠(過去)「な、何されるんですか!?何されたんですか!?ねぇ何を楽しめるようになったんですか未来の私!?」

翠「そのうちわかりますよ...私と同じ道を歩めば...」

翠(過去)「今日ただひたすらに将来が不安にしかなってないんですが!?たった1年半で私の身に何が起きてしまうんですか!?」

エレン「この時間のみどりんは自分に対してだけはガンガン行きマスね」

・・・

わーわー騒いだりマリアさんとエレンさんの存在を思い出して恥ずかしくなって縮こまるこの時間の私を今度こそ自室に押し込め、私とマリアさんとエレンさんとでリビングのテーブルを囲み今後の方針決めを始めました

マリア「何にしても仲間との合流は必須ね、今回は戦闘中の翠を見つけることが出来たけれど」

翠「そもそもこの時間...というか、時間軸に他の皆さんも飛ばされている、飛ばされるとも限りませんよ?」

他の並行世界...例えばゆゆゆの世界や刀使の世界、バンドリの世界なんかもありましたが、それらの世界の現在や過去や未来に飛ばされたりしていたら集まれるものも集まれません
それこそ出来たとしても響さん友奈ちゃんに見つけてもらって元の世界、元の時間でようやく再開、という可能性は大きいです

エレン「デスが、私達は出会えマした...それに共通の目印もありマス」

エレンさんはテーブルに山桜の花弁を置きました
それを見た私とマリアさんもエレンさんに続き、それぞれが持っていた山桜の花弁を置きます

エレン「希望的観測...むしろ単なる願望に過ぎない意見になりマスが...散らばってしまったものをかき集めるなら、一度一箇所に纏めてから拾い上げる方が効率的だと私は思いマス」

翠「それはつまり、この世界の、この時間になるべく集合させようという働きがあるのではないか、と?」

エレン「確かにこの時間に私とまりーが一緒に飛ばされたことも、みどりんを見つけられたことも偶然かもしれない...でもみどりんがいるとわかるよりも前から、私達は不思議とその方向に行けば誰かに会える...そんな気がしていたんデス」

翠「...!」

気がしていた...意識に干渉する何らかの働きの存在の可能性、ですか
仮にそれが、例えば響さん友奈ちゃんの意志の力だとか
あるいは必要以上の他世界同士の干渉を抑えようとした世界の意志の力だとか
あるいは誰かの術、哲学兵装のようなものだとか
あるいはただの勘、偶然、気のせいだとか
証明のしようがないものは何とでも言えてしまいますが

マリア「あらゆる可能性を考慮するなら、悪い可能性だけじゃなく良い可能性も視野に入れるべきじゃない?」

翠「...私も、何も意地悪で希望を否定したいわけじゃありません」

それにシンフォギアの世界は奇跡も錬金術もある世界ですから
もしここに私達が集まれたのがただの偶然で、他の皆さんがこの時間に来ることがなくても
それならそれで、他の世界から探し出す方針に変えればいいだけですし

翠「わかりました、元の時間に戻る為の歪みやそれを発生させる条件はもとより、他の皆さんがいそうな場所も探ることにしましょう」

エレン「わかってくれて嬉しいデース!みどりん大好き~!」

エレンさんの激しいスキンシップに身を委ねつつ(好きにさせているとも言います)、次に考えるべきことは何かを整理します
皆さんがいそうな場所を探すとして...そうなると二課にも見つかりやすくなるでしょう



仲間を探す場所や二課に見つかった場合の対処法安価下

(翠(過去)「あんな事...あんな事ってどんな事ですか...わ、私は何をやらされるんですか...!?」

翠(いくら考えたところでまさかアイドルやることになるとは思い至りませんよ))

翠「場所としてはこんなところでしょうか」

ざっと書き出してみた私達装者メンバーがよく行く場所、施設
それに拠点として却下した空き家に、私が手甲を拾った場所等...
もっとも空き家は原作ではクリスさんがとった行動もありますので、その家も探るつもりです

翠「時空を飛んだ際は気を失っている場合が多いですから、誰かが通報して病院に...というのも視野に入れて聞き込みをしてみましょう」

マリア「それはもしかして経験則かしら」

翠「えぇ、経験則です、ただし経験則ついでに言っておくと病院に送られていた場合二課がマークしてる可能性も大きいです」

エレン「流石国家組織、何処からでも出てきマス」

二課に関してはもし仮に見つかった場合はひたすら逃げる、これに決まりました
この時間の二課への影響を考えるとまだタイムパラドックス関係がはっきりしていない今は極力接触をさけるべきです
関わっている場合ではないとも言います

翠「事情を話せばこの頃は...翼さんはともかくししょー達は助けようとしてくれるでしょうけど、フィーネさんの出方が予想つきませんし」

エレン「もし振り切れず捕まってしまったら?」

翠「なるべくその場での最小限の話し合い、説得に留めるように心がけて再度逃げる、ですかね」

いざとなれば数に限りはありますがテレポートジェムもいくつか手持ちがありますし、神獣鏡のギアで私達の姿もアウフヴァッヘン波形も眩ませられます
あくまで最終手段ですが

マリア「そういった状況以外は、他の仲間と合流出来るまではなるべく私達は単独行動を避けるべきね」

翠「何が起こるかわかりませんし、ここで散り散りになってまた合流出来るかもわかりません...もしもの時の集合場所はとりあえずこの家ということで」

ひとまず今のうちに決めておきたいことは大体決まったと思います
そろそろ夜も遅いので、私達はここで話し合いをお開きにすることにしました

・・・

マリア「確かに、単独行動は避けるべきとは言ったけれど...何もわざわざ全員同じ部屋で寝る必要は無いんじゃないかしら?」

エレン「それは違いマスよまりー!就寝時が一番無防備なのデス!」

と、いう意見や
そしてもう疑われてはいないでしょうが一応家主の目の届くところに、という配慮もあって
私とマリアさんとエレンさんはこの時間の私と共に、私の部屋で寝ることになりました

翠(過去)「部屋が、その...狭いので布団が...」

翠「一個しか敷けなかったんですよね、知ってます、そして私の時は布団とベッドに2人ずつ寝たので大丈夫です」

翠(過去)「さ、3人も呼んだんですか!?この部屋に!?まさかそれは友人ですか!?」

翠「あー、その時呼んだのは2人...いえ、何でもないです」

翠(過去)「えっ呼んでないのに出てくる1人って誰ですか...ざ、座敷わらし?」

翠「真っ先にその可能性を考えるあたりやはり貴女は私です」

で、家主特権的な流れで私とこの時間の私がベッドに、マリアさんとエレンさんが布団に並んで寝ることに



この時間の翠ちゃんと何か話す?安価下
(特になければ翌日に飛びます)

・・・

夜も深まり、恐らくは大体の深夜アニメも放送を終えたくらいの時間
身体は疲れているはずなのに、不思議と寝付けずにいました

翠「...もう、寝ましたか?」

寝ているだろうなと思いつつ、私は隣の私に小声でそう話しかけます

翠(過去)「...えっと...明日も学校があるから寝たほうがいい...そう言ってませんでしたっけ?...もう今日ですけど」

意外です、まだ起きていました

翠「あれ、眠れないんですか?」

翠(過去)「こんなにそれは私の台詞って台詞が合う場面も中々ありませんが...」

翠「それもそうですね」

マリアさんとエレンさんも同じ部屋の中にいるので変わらず小声で
私達はお互い向き合うこともなく天井を向いたまま、話していました

翠(過去)「ねぇ、未来の私...私も、やっぱり手伝った方がよくないですか...?」

翠「そういうのは、いちいち私に仲介役をさせずにマリアさんやエレンさんと話せるようになってから提案してください」

翠(過去)「...意地悪」

翠「こういうの自傷行為に入るんですかね」

翠(過去)「知りませんよ...」

拗ねてしまいました
ついつい『翠』と話す感覚で返してしまいましたが、まさかこの頃は私自身の返しにすら負けるほどとは

翠「...私達と同じように別の時空に飛ばされているのは、今貴女が思い浮かべているメンバーとは少し違っていますよ」

翠(過去)「え?」

思い浮かべているのは恐らくマリアさん以外の本編メイン装者5人と、エレンさん以外の本編メイン刀使5人なのでしょうが

翠「助っ人の赤嶺ちゃんだとか、とある事情で現在分離しているもう1人の私...『翠』だとか」

翠(過去)「ぇ...?」

・・・

翠(過去)「ゆゆゆの世界...それに、この世界の本来の『私』...」

細かいことは説明せず、大体のことだけを話しました
この世界の、この時間の『翠』は今もこの時間の私の中から話を聞いているだろうから、というのもありますが
互いを知り分かり合うのは、わざわざ私が間に入る必要なんてありませんし
今は、あくまでこの時間の私が『翠』を見かけた時に私に報告出来る認識があればいいわけですから
赤嶺ちゃんについて同様です

翠「それとついでに...今回の件が終わるまで、行動を控えてくれると恐縮です...」

翠(過去)「...分岐しているらしいとはいえ、干渉は避けたい、避けさせたい...ですか」

翠「それもですが...同じ私なら、わかりますよね?行動を起こすことの意味が」

翠(過去)「...」

行動を起こす...すなわち、転生した目的を達成する為に動く...もっと具体的に言えば、装者になるということです
装者になればアウフヴァッヘン波形が出る、アウフヴァッヘン波形が出れば二課に見つかる
そして今二課に見つかれば、芋蔓式にこの時間に飛ばされてきている私達のこともすぐにバレてしまうでしょう
より正確には、出自不明な人間を匿っていることが

翠「こちらはこちらで何とかします、だから」

翠(過去)「みなまで言わなくてもわかります...同じ私ですから」

それからは何となく私達は何も言わなくなり、揃って気が付けば眠りについていました

・・・

朝、登校するこの時間の私を見送ってから、私とマリアさんとエレンさんは揃って街へ
目的は元の時空に変える歪みを探すのと同時に、他の皆さんを探すこと!

翠「まずは空き家から...」


コンマ下
奇数 手掛かり有
偶数 特になし
ゾロ目 いた!

・・・

いくつかの空き家の中の様子を見ていくと、そのうちの一つに誰かがほんの少し前までいたような、そんな形跡が見られました
そこだけ床の埃が綺麗に掃かれていたり、それに...



どんな手掛かり?安価下
(特定の人物を指しそうな物も可(合流判定に影響するかもしれません))
(特に無しの場合は...)

翠「これは...すんすん...」

床に落ちていた小さな何か
拾って嗅いでみると、ほんのり甘い匂い

翠「クッキーの欠片でしょうか」

小指の爪くらいの小ささとはい塊と呼べる程のサイズ...食べかすというよりは、割った際に落ちてしまったように思えます

エレン「クッキーと言えば、まいまいのクッキーが恋しいデスね~」

マリア「案外その彼女が落とした物だったりすると一歩前進なのだけれど」

もしくは舞衣ちゃんのクッキーを持ち歩いてそうな可奈美ちゃんや沙耶香ちゃん...そもそもこれが舞衣ちゃんのクッキーと決まったわけではないですが

マリア「ん...こっちにはダンボール箱があるわね」

翠「中身はどうですか?」

エレン「何だか本格的に他人の家の中を漁ってるみたいでドキドキしマスね!壺とか割っちゃいマスか!」

せめてタンスを開けるくらいにしてください


ダンボール箱の中身安価下
(特になければ次の場所へ)

私とエレンさんがマリアさんの後ろからダンボール箱の中身を覗いてみると、そこには折り畳まれた別のダンボールが数枚入れられていました

エレン「オォウ...これまた随分とごちゃっと...もとい、雑な入れ方してマスね」

翠「意味変わってませんよ」

エレン「...おや?まりーどうしマした?もしやコレに心当たりが?」

マリア「まぁ、そんなところよ、心当たりというか見覚えというか...」

頭に手を当てながらそう答えるマリアさん
どうやら何かしら思い至るものがあったようですが...

・・・

翠「次はズバリ!手甲を拾った場所!...とはいえ」

最初にそこへ辿り着いた時は何かに呼ばれているような感じがしながら歩いて気付いたら...という流れでした
なので、その私の後を付いて行っていた『翠』から聞いた道を頼りに探しています

翠「大きな樹...恐らくこの辺に...」



コンマ下1
奇数 手掛かり有
偶数 特になし
ゾロ目 いた!

どんな手掛かり?or誰がいた?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合は手掛かり、ゾロ目の場合は誰がいたかを記述)

目的の樹は...『目的の樹』って文字にすると樹ちゃんの事みたいですね関係ないですねはい...樹は思いの外あっさりと見つかりました
当然この段階ではそこに手甲も落ちておらず、樹も何か特別な気配を放っていたりはしませんでしたが

マリア「こんな所にこんなに大きな樹があったのね...」

エレン「まりーは知らなかったんデスか?」

マリア「話だけは聞いていたし、この辺も...元の時間で訪れなかった訳ではなかったのだけれど」

何故今まで気付かなかったのかしら、と首を傾げるマリアさんをよそに、私は何かしらの手掛かりが無いか見てまわります
さっきの空き家もそうですが、仲間の誰かと結び付けられそうとはいえ唯一無二のアイテムでもない限りは偶然を否定出来ませんし、そもそもこれはアニメでもゲームではないので仮にここに誰かが来ていたとして必ずしも手掛かりを残すわけではありません
が、運命や奇跡、あえて言うなら哲学兵装...そんなものが働けば御の字で

翠「詰まる所、どれだけ御託を並べても...結局はじっとしていられないというだけのことだったり」

ジーっとしててもドーにもならねえというやつです
なんて独りごちながら地面をキョロキョロと見ていると

翠「...あれ?コレって」

どこか見覚えのある細長い何か...持ち上げてみると

エレン「蛇!?」

翠「の抜け殻ですね」

いえ、しかしコレは...えぇ、間違いなく蛇達、ソリッド達のどれかのものです

翠「少し前に、一斉に脱皮したとエルフナインちゃんが興奮してましたっけ...」

マリア「どういう事?この時間の貴女の所の蛇達のいずれかがここで脱皮したって事?」

翠「いえ、この頃はあの子達は家の地下にいた筈...」

抜け穴がありそこから外に出ていたという可能性も否定は出来ませんが、そうでなかったとしたら
私は持ち歩いていないので、蛇達の抜け殻を持っているのは私があげた相手...エルフナインちゃんと切歌さんと調さんの3人
エルフナインちゃんは元の世界、元の時間にいますから

翠「ここに、切歌さんか調さんが来ている...?」



コンマ下
奇数 勇者ギア解禁
偶数 特に無し
ゾロ目 ノイズ警報

その時、樹の枝葉を揺らす一際強い風が吹き抜けていきます
まるで何かを運んで来たかのような

若葉《...こ...るか...聞こえるか!翠さん、聞こえるか!》

園子《特定完了なんよ!》

翠「!!!」

偶然か、それとも本当に暗示していたのか
風が止むと同時に、私の中の深層世界が一つ

翠「その声、若葉ちゃん!園子ちゃん!」

戻ってきました

エレン「ど、どの声デスか!?いきなり空虚に話しかけるのは少しホラーなのデスが」

マリア「ッ、この声、知らないはずなのに何処かで...犬、吠埼...?」

エレン「こっちもこっちで何デスか!?流行り!?こっちの世界の流行の最先端!?」



安価下
1 若葉ちゃん園子ちゃんと何か話す
2 手掛かり探しに次の場所へ
3 イベント判定
4 その他(記述)

私達が時空の歪みに呑まれた時に園子ちゃん達のいる樹海風深層世界は私達から切り離され、それからずっと探してくれていたようです
今この瞬間再び繋がれたのはその努力故か、あるいはこの場所が繋がりやすい座標になっているのか...

若葉《再会を喜ぶのはこれくらいにして、現状打破の方法を考えるべきだろう》

翠《ですね...今って、例えば千景ちゃんや芽吹ちゃんも『翠』や夏菜さんの座標を探したりしてるんですよね?》

園子《うん、それに他にも...ただあまり芳しくは》

やはり一気に見つけられたりはしませんか

翠《私達が貰った例の花...アレをアレと私達との繋がりを使って装者の位置を特定出来ませんか?》



コンマ下
奇数 繋がりが切れてる
偶然 もう一押しあれば

undefined

若葉《勿論、この繋がりは時空を超えたくらいでは簡単に消えないものだ、利用はしている...だが、互いを認識出来ている私達と翠さんですらその繋がりをこうしてもう一度強固にするのに苦労しているのも事実だ》

園子《一度解いた問題文と答えは変わっていない、でもその途中の計算式が丸々リセットされてしまったようなものだからね...神樹様の力も、結果さえわかっていればある程度はカバー出来るとはいえ限度はあるよ》

やはり、一度切り離されてしまったことが大きいようです
途中の計算式...要は、園子ちゃん若葉ちゃんという出発点と私という目的地はわかっているのに道がわからない、ということでしょうか

園子《繋がりそのものはまだ生きてる...せめて、もう一押しあれば...》

翠《もう一押し...》

その時、ふと思い出したのはエレンさんの言葉でした



エレン『デスが、私達は出会えマした...それに共通の目印もありマス』

エレン『希望的観測...むしろ単なる願望に過ぎない意見になりマスが...散らばってしまったものをかき集めるなら、一度一箇所に纏めてから拾い上げる方が効率的だと私は思いマス』

エレン『確かにこの時間に私とまりーが一緒に飛ばされたことも、みどりんを見つけられたことも偶然かもしれない...でもみどりんがいるとわかるよりも前から、私達は不思議とその方向に行けば誰かに会える...そんな気がしていたんデス』



翠《花弁...》

園子《え?》

私は山桜の花弁を取り出し見つめます

意識に干渉する何らかの働きの存在の可能性、そう仮定したこの花弁の特性
それに対し私達は私達が合流する指標のようなものとして考えていましたが

翠《私達がそれぞれバラバラに飛ばされてから、揃っていつの間にか所持していたものがあるんです》

若葉《揃って...それはそこにいる翠さん、マリアさん、エレンさんが、ということか?》

翠《えぇ、それに恐らく他の皆さんも...時空の歪みに呑まれる直前掴んだ手、きっとそれに関係していると思われる...山桜の花弁です》

園子《それって、ゆーゆの...!》

もし私の仮説が正しかったとしたら、この花弁は時空の歪みに呑まれた私達装者、刀使、赤嶺ちゃん、それに巨人の響さんを繋いでいるということになります
こうして現在園子ちゃん達と私とで繋がりを復活出来ているので、遠回りにはなりますが私を経由して他の皆さんの繋がりを辿ることが出来れば

若葉《ま、待て、だがその繋がりは響さん...いや、その中にいるシェム・ハも含まれているはずだ》

園子《うん...花弁の持ち主同士が引かれ合う程度ならまだしも、あまり繋がりに刺激を与えるのは危険かも...》



安価下
1 構わん!やれ!
2 やめておく
3 保留

翠《それは...確かにそうですね》

元タギツヒメの荒魂に蝕まれているとはいえ相手は神様、警戒し過ぎて損することはありません
少しでも上手くいく可能性があるのなら、とは思いましたが...だからといって焦って行動するのは、違いますよね

園子《でも、直前辿るのはやめるにしても、その花弁を目印に出来れば状況は変わるかもしれない...進展があったらまた連絡するよ》

若葉《それから、こうして再会出来たからにはまた私達の力をギアで行使するのは可能だろう》

翠《えぇ、その時は使わせてもらいます》

・・・

さて、色々思わぬ収穫があったわけですが
結局この時間に来ているかもしれない他の皆さんとはまだ合流出来ていないわけで

マリア「次は病院...この辺で病院といえば」

翠「私もお世話になったことがあるあの病院ですが...よく考えたら思いっきり二課の息がかかってるんですよね」

まぁそれを言ったら多分日本のほとんどの施設は裏で二課と繋がってるんですが

エレン「つまり?」

マリア「職員に聞き込みをしても患者のプライバシー云々以前に二課の方でストップがかけられているかもしれないし、逆に待ち構えられているかもしれないということよ」

翠「それに、他の皆さんのうちの誰かが入院したり診察を受けていたとして、その後既に二課に拉致...もとい保護されている可能性も」

むぅ...これならどうにかしてこの時間の翠に二課に加わってもらって、その辺の事調べてもらえば良かったでしょうか
いえ、流石に所属して1日2日でそこまで教えてもらえたりは...保護された場合の待遇によりますか?

マリア「ま、とりあえず慎重に聞き込みをしましょう、出来れば職員だけじゃなく利用者の方達にもね」



コンマ下1
奇数 手掛かり有
偶数 特になし
ゾロ目 いた!

どんな手掛かり?or誰がいた?安価下2以降
(コンマ下1が奇数の場合は手掛かり、ゾロ目の場合は誰がいたかを記述)

・・・

マリア「結局、誰かしら入院しているということもなく、偶然の再会もなく...というままに終わったわね」

エレン「デスが収穫が無かったわけではないのデス!」

入院に関しては流石に病室を勝手に片っ端から開けていくわけにもいきませんし、二課の隠蔽工作が行われる可能性も低くはないのでなんとも言えませんが
確かに、収穫は一応ありました

翠「リディアンの制服じゃない子を見かけた...ですか」

この近辺にリディアンしかないということもありませんが、しかしリディアン生徒が多いのも事実
そして『◯◯の制服』ではなく『リディアンの制服ではなかった』と真っ先に、そしてそれ以上はわからないと話していたということは、少なくともこの近辺では見かけたことのない制服だったということです

翠「注意して見ていた人はいなかったのでその制服の詳細はあまり情報が集まりませんでしたが、見かけたという意見は複数ありました」

マリア「私達装者の...S.O.N.G.の仕事着も制服っぽく見えなくもないけれど、あぁも迷いなく制服と断定したということは」

エレン「薫達の内の誰か...だったら嬉しいデスよ」

赤嶺ちゃんは...終始勇者服を着ていたので解除したらどんな服なのかわかりませんね
私服にしろ制服にしろ、ゆゆゆいのやつでしょうか...



コンマ下
奇数 敵!
偶数 特になし(帰宅)
ゾロ目 ???

ピコピコッ...ピコッ...


ふと、コミカルな足音がすぐそばから聞こえてきました

翠「っ、ノイズ...!」

エレン「またこの展開デスか...」

マリア「面倒な事になったわね...」

前方から数体のノイズの姿が
あの程度の数で前方のみからなら逃げる事も不可能ではありませんが

翠「逃したら、病院に被害が」

私達のすぐ後ろには病院があります
すぐに逃げることが出来ない人が多くいる病院...避難誘導がスムーズにいくとは思えません

翠「二課が来る前に片付けて逃げ...」


翠(過去)《ぁ、あの!聞こえますか!》


その時頭の中に響いたのは、この時間の私の念話
何なんですか次から次へと!

翠《聞こえてますけど今少し取り込んでて》

翠(過去)《ノイズが出たんです!》

翠《えぇ、だから...ん!?》

まさか、この時間の私がいる場所の近くにもノイズが発生しているということですか!?

翠(過去)《クラスの子も一緒で、逃げてるんですけどどこまで逃げ切れるかわからなくて!それで!》

まずいです、いきなり大分まずい状況です
この時間の私の言い方からして、1日ズレて響さんと一緒に逃げてるというわけでもなさそうですし
律儀にギアを纏っていいか聞いてきてるということでしょう



安価下1
1 ギアはまだ纏わないで!
2 ギア纏っていいよ!

安価下2
1 ノイズを引き付けつつ病院から離れる
2 戦う
3 その他(記述)

翠《おーけー把握しました、初陣頑張れ私ッ!》

翠(過去)《えぇ、やってやります!》

念話を切り、私はこの時間の私に検討を祈ります
やる気に満ち溢れた返事だったのが少し気になりますが大丈夫でしょう
まぁそれよりこちらもこちらで忙しくなるので祈ってほしいくらいですが

翠「一先ずここを乗り越えましょうか!」

私はこの戦いの後に起こるであろう逃走劇という未来から目を逸らし、ギアペンダントを取り出しました


翠ちゃんどのギアで行く?安価下1
1 アメノムラクモ
2 アメノムラクモ(勇者ギア)
3 アスクレピオス(戦闘不向き?)
4 イミテーター(イグナイトなし)(何か模倣する際は何を模倣するか記述)
5 イミテーター(銀色のギア)
6 ミョルニル(イグナイトなし)
7 神獣鏡(他のギアと同時展開する場合はどれと同時展開するか記述)(透明化を使うとそれ以降アウフヴァッヘン波形含め反応を誤魔化せます)
8 フォーク
9 アメノオハバリ
10 レーヴァテイン
11 フツノミタマ
12 わっしーセット
13 ロンゴミニアド(イグナイトなし)(未使用)
14 玉手箱(イグナイトなし)(特殊)
(1、2、7、8、9、10、11、12はイグナイトも可、その場合は数字の他にイグナイトと記述してください)

コンマ下2
奇数 盾ではない
偶数 特になし
ゾロ目 歌が嫌いなあの娘

若葉ちゃん、使わせてもらいます!


「Imyuteus amenomurakumo tron」


私が纏うのはアメノムラクモ...若葉ちゃんの勇者ギア
一歩前に出て、後ろにいるマリアさんとエレンさんに声をかけます

マリア「病院には一体も近づけさせないわ」

翠「お2人は後衛をお願いします、特にエレンさんはなるべくノイズとは距離を取ってください」

エレン「わかってマス、ノイズ相手ではそれほど役に立てませんからね」

と言いつつS装備をいち早く着込みマリアさんからアームドギアを受け取っているのは誰でしょう
そう、エレンさんです

翠「大蛇、あなたもどうかマリアさんと一緒にエレンさんのことを守ってください」


『逆巻ク大蛇』


天叢雲剣...ではなく生太刀を一振りし割いた空間の裂け目から大蛇を呼び出しました
大蛇は私の声に頷くと、エレンさんの横へ移動していきます

翠「さて」

二課が来ても困りますし、この時間の私のことも心配ですし、短期決戦で行きましょう

・・・

翠「ハァッ!」


『抜刀緋那汰』


たったの数体、と侮っていたわけではありませんが
追加が3回ほど繰り返されたあたりで私達は違和感を抱きました

マリア「この感じ、とても嫌な予感がするのだけれど」

翠「奇遇ですね私もです」

いつの間にか私達を囲むほどに増えていたノイズ
エレンさんを守る形でマリアさんと大蛇は固まって戦っていたのとは違い私は単独で動いていたはずが、こうして話が出来るくらいに後退させられています
まるで私達を一ヶ所に集めるのが目的のようなノイズの動き方...となるとこれは


ビュルッ!


翠「ッ、上です!」

マリア「ふっ!」

次の瞬間、上空から降り注ぐ何かに対し、マリアさんがアガートラームの3本の短剣を頂点にした三角形のバリアを私達の真上に形成して防ぎました
バリアにへばり付いたのはトリモチのような粘り気のある液体...と言えば


「へぇ、良い勘してるじゃねえか」


バッと声をした方を見上げると、すぐ近くの建物の屋上に人影が
隣に鳥とチョコミントアイスを合体させたようなノイズを侍らせるその相手は...


クリス(過去)「けど抵抗されても面倒なんだ、まとめてとっととぶちのめされてくれよなぁ!」


ネフシュタンの鎧を纏う少女...この時間のクリスさんでした



安価下1
1 戦う
2 逃げる
3 二課が来るまで粘る

こちらを見下ろしてくるクリスさんの手にはソロモンの杖が握られています
やはり今回発生していたノイズは操られたものでしたか

エレン「ん~...あれって」

翠「違います、この時間の方です」

マリア「ほんの一瞬期待してしまったけれど...やっぱりそうよね」

もうすっかりツッコミポジションになってしまって今(元の時間)では見る影も無いノリノリな悪役クリスさん
そういえばこの頃の私は敵対する間もなく誘拐されたのでこうしてネフシュタンクリスさんと敵として対峙するのって初めてでは?

翠「と、とにかくこれは流石にダメです、倒しても倒されても...ノイズを倒しつつ逃げましょう!」

私と同じこの時間の私なら、私達の介入があっても原作知識で上手いこと立ち回るかすっぱり諦めて自由に動いてくれると思います
が、それ以外はやはりなるべく原作通りの運命を辿って欲しいと、あるいは私達の世界線と似た運命を辿って欲しいという欲が出てしまいます
特にクリスさんのような敵から味方へ変わり本当に安心出来る『帰る場所』を見つけられる人には
詰まるところ、捕まってこれ以上私達が関わるのも避けたいし倒してしまって巡り巡ってこの時間の響さんや翼さんとの接点が消えてしまったら悔やんでも悔みきれないということです

私達はこの時間のクリスさんのことは警戒しつつ、再びノイズ狩りを再開しました

クリス(過去)「チッ、無視してんじゃ...」


ひゅんっひゅんっひゅんっ



クリス(過去)「ねぇッ!!!」


『NIRVANA GEDON』


向かってくるでもなく先にノイズを倒し始めた私達にイラついたこの時間のクリスさんは、ネフシュタンの鎧から伸びた武器である鞭を振り回し生成した黒い電撃を纏うエネルギー球をこちらに投げ付けてきます

翠「させませんっ!」


『一心抜刀』


それがこちらに到達する前に跳躍して斬り裂くと、辺りは爆風が吹き、余波で残っていたノイズ達も形が崩れていきました
すると...

翠「なっ、鞭を!?」

クリス(過去)「まず1人捕まえたぜっ」

煙幕の向こうから伸びてきた鞭が振り抜いた生太刀に巻き付きます

マリア「今行くわ!」

翠「いえ!お2人は逃げる準備を!エレンさん迅移ッ!」

エレン「わかりマした、けど!」

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ネフシュタンの鎧は完全聖遺物だけあって、多少の強度は持っています
が、それでも所詮は多少...ししょーの元で鍛えた後の響さんが握り潰せたりする程度のものです
そして私は、同じ人の元で鍛えています

翠「せいっ...やぁぁっ!!」


ブチィッ!


私は生太刀に巻き付く部分はそのままにして、この時間のクリスさんと繋がっている部分に手をかけそのまま引き千切りました

クリス(過去)「こっこいつ...やるならせめて斬りやがれ剣使いッ!」

翠「...」

それもそうだ、と後から思ってしまいました
が、結果オーライです

翠《アレを使います、手伝ってもらえますか?》

若葉《いいだろう、私が手を貸す方があるいは負荷も減るかもしれない》

それに、戻ったばかりの繋がりを慣らすのも兼ねてです
私と若葉ちゃんは互いの意識を重ね合わせ、フルシンクロさせ叫びました


翠若葉「『源義経』ッ!」


切り札が発動し、勇者ギアも若葉ちゃんの通常の勇者服をモチーフにしたものから切り札発動時をモチーフにしたものに変化します

翠若葉「必要なのは逃げる為の隙、一瞬あれば十分!」

クリス(過去)「何ぶつくさ言って」

ぐっと腰を下ろし、生太刀を持つ手を反対の肩の辺りへまわし
切り札のその強力な力を最大限に利用した問答無用で必殺技を繰り出しました

翠若葉「報いを受けよぉぉッ!!」


『天駆の太刀・刹那』


狙うのは目の前の建物の屋上の手前...この時間のクリスさんが立っている場所のすぐ目と鼻の先の床を含む端っこ

クリス(過去)「ッ、ちぃっ!」

飛んでくる斬撃を避ける為この時間のクリスさんは反射的に半歩下がるでしょうし、屋上の床部分は細かい瓦礫と埃や砂煙が発生して目眩しにはなったはず
仮に攻撃が命中してしまっていても、ネフシュタンの再生能力なら大丈夫でしょう
多分、きっと、メイビー

翠若葉「今のうちにっ!」

エレン「ガッテン承知の助デス!」

この時間のクリスさんの視界が塞がれているうちに、私は『源義経』の効果である高速移動で、エレンさんはマリアさんを抱き上げながら迅移を使いその場から一目散に走り出しました



翠ちゃん達コンマ下1
クリス(過去)さんコンマ下2
(コンマ下1の方が大きければ逃走成功)
(コンマ下1は高速移動・迅移効果で数値×3とします)
(どちらかもしくはどちらもゾロ目だと...)

***

44×3=132
09
132>09
YOU WIN!

&ゾロ目ボーナス
【並行世界との高レベル精神リンクを観測しました】
【安価・コンマ判定時のゾロ目回数が現在合流済人数以上となりました】
【次元震にご注意下さい】

***

翠「逃げ...切れ、ました...か?」

途中まではなんとか食らいつこうと追ってきていたこの時間のクリスさんでしたが、それは人間が新幹線を追うようなもの...すぐにその姿は見えなくなりました
それ以降、途中でアウフヴァッヘン波形のこともあってギアを解除してからとまたがむしゃらに逃げてきた為、もはやここが何処なのかよくわかりませんが...私達は無事逃げ切れた、と見て間違いないでしょう

エレン「でも迅移に並べるなんて驚きデス」

翠「かなりのインチキをしてるので、ご覧の通り体力は持っていかれますけどね...」

とはいえ若葉ちゃんがフルシンクロしてくれていたからか、以前よりはマシ...シャトルランで70越えた辺りくらいの疲労で済んでいます
つまりタヒにそうということです

エレン「それと、ノイズを操っていたようデしたが...放置して大丈夫なんデスか?」

翠「クリスさんなら必要のない犠牲は出そうとしないはずです、この時間でも」

しかし参りましたね...クリスさんがあの装備で来たということは、この時間のフィーネさんの指示...私達はこの時間のフィーネさんにしっかり目を付けられているということ
今頃この時間の私ももしかしたら二課に連行されてるかもしれませんし、やはり何も起こらずに~というのは長続きしませんか

マリア「ひとまず翠の家に戻るか、それが危険なら別の拠点を探すことに...」



ぐわん...



次の瞬間、五感全てが異常を示すような...それでいて既視感のある感覚に陥りました

翠「うっ...」

思わず胃の中のものが上がってきてしまいそうになるのを堪えつつ、状況把握の為に周りを見回します
すると...



コンマ下
01~30 さらに過去
31~60 この時間から未来
61~90 元の時間から更に未来
91~98 別の並行世界
ゾロ目 元の時間

***

元の時間から

どれくらい経った未来?安価下1
どんな世界になってる?安価下2以降

翠「...へ?」

逃げる際人目につかない場所までと思い、私達は確かにさっきまでは人気のない場所に立っていたはず
ですが今周りは...いつの間にか、それこそこの一瞬の間に...がやがやした人通りの多い街中に変わっていました

翠「何、が...」

持ち歩き分しかない為数に限りがあるテレポートジェムは今回使っていませんし、そもそも逃げた先で更に使う事もしません
ですが、これは転移...いえ、さっきの感覚から察するに...また時空を超えてしまった...?
もしそうだとしたら、状況はふりだし...下手したらもっと悪く...

翠「っ、マリアさん!エレンさん!」

前の時間で折角合流出来たお2人とまた逸れてしまったのでは...そう思い振り向くと、マリアさんとエレンさんは変わらずそこに存在していました

マリア「今の、脳を揺さぶられるような感覚は...それに、ここは一体...」

エレン「新手の、不意打ちか何かデスか...?」

翠「良かった...今度は大丈夫でしたか」

私と同じように(恐らく)時空の歪みに呑まれた感覚に酔ったのかふらふらで顔色も優れていませんが、離れ離れの時空に飛ばされることは避けられたようです
その事実にホッとしていると、ふと周りを歩く人達のうち何人かがこちらを見ながらヒソヒソと話しているのに気が付きました
中にはスマホを取り出し私達を撮影しようとしているように見える人も

翠「...あー...やばいですね」

これアレです、急に何もない所から人が現れたって拡散される展開です

翠「逃げましょう!」

エレン「ま、また走るんデスか!」

マリア「ボヤかない!吐きそうなのは私も同じよ!」

・・・

元々人通りの多い場所に飛ばされたおかげですぐに人混みに混ざることが出来ましたが、さて

エレン「ふぅ...困った時の路地裏デス」



コンマ下
奇数 S.O.N.G.の素早い対応
偶数 特になし

マリア「少し休みましょう...翠?何をしているの?」

エレン「確かにお腹は空きマしたが、ゴミ漁りは...」

翠「ゴミは漁ってますけど違いますよ」

走り抜けている間に街の様子も見ていましたが、その景観は元の時間や前の時間のものとそう違ったものではありませんでした
せいぜいビルや電子広告が多いくらい...少なくとも昭和やそれ以前に飛ばされたようには思えません

翠「無いですね...そもそも電子書籍が増えたりしてもうこういうところに捨てられてるのは珍しいんでしょうか...」

マリア「結局貴女は何を探しているの?」

翠「新聞です、いえまぁ新聞でなくともいいんですが...こういう時は捨てられてる新聞とか風で飛んできた新聞とかで日付を確認するものですから」

前の時間では『翠』と連絡を取ろうとしてその時間の私に繋がり、そこから転生初日だと気付きましたが、やはり正攻法としてはこれでしょう
と思ったのですが...しかし買う人がいないのか路地裏のゴミ箱に捨てていく人がいないのか、そんなお約束のようには行きません

マリア「なるほどね、まずはここが何処なのかを確認してから...っ!」

エレン「みどりん、まりー...誰か来マス」

音がしたわけではありません
が、私達は曲がりなりにも戦場を駆ける戦乙女...空気の流れから近付いてくる人間の気配くらいは感じ取れます

翠「どうします?行き止まり...ではないので、遠ざかる事も出来ますが」

マリア「隠れて相手の出方を見ましょう、慢心はしないけれど、私達なら一般人からその辺の錬金術師くらいなら対処出来るわ」

エレン「その辺に錬金術師がいる生活とは」

私達は一先ずゴミ箱の影に隠れ、近付いてくる相手が誰なのかを確かめることに
もしかすれば、その相手によってはこの世界が何の世界なのかわかるかもしれませんし...


コツ、コツ、コツ...


「隠れてるのはわかってるのデス!」

「私達は危害を加えるつもりはない、少し話を聞きたいだけ」


相手は2人組の女性でした
いえ、それよりこの声...それにこの特徴的な話し方...

切歌(未来)「...出て来ないということは、やっぱり罠なんじゃないデスか?」

調(未来)「もしそうでも放っておけない」

あの2人組...知っているお2人より年齢が全然上ですが、面影が

マリア「まさか...調と切歌...?」

翠「もしくはお2人の姉とか...そっくりさん?」

いやいやそんな偶然...

切歌(未来)「あー!見つけたデスよ!...って、ま、マリアァ!?」

調(未来)「翠!?それに、エレン...?」

あれ、この反応

エレン「本人っぽいデスよ」

お互い驚きのあまり固まってしまう中、エレンさんだけがそう静かにボソッと突っ込みました



安価下
1 とりあえず保護してもらう
2 いや!成長したきりしらコンビなんて罠かもしれない!逃げる

・・・

私達の中で一番付き合いの長いマリアさんと切歌さん調さんらしき女性達とで互いにいくつかの問答を繰り返した後、やはり目の前のお2人は切歌さん調さん本人であること...あちらは少なくともマリアさんはマリアさん本人であり、ならば一緒に行動している私とエレンさんも恐らくは本人だろうという結論が出ました

調(未来)「聞きたい事と話したい事もあるから、私達と一緒に来て」

マリア「一応聞くけれど、何処へ?」

切歌(未来)「当然本部なのデス!」

艶のある長い黒髪のスレンダー美人と、少しハネっ気のある金髪ゆるふわヘアのナイスバディ美人
そこへ猫耳(?)ピンク髪ナイスバディ美人のマリアさんが備わり最強に見える...

切歌(未来)「と、いうわけで」


ガシャン


翠「...ガチャン?」

調(未来)「規則だから」

呆けている間に私の両手首には、もはや馴染みすらある手錠がかけられていました
いえ私だけではなくマリアさんとエレンさんも同様ですけども

切歌(未来)「こほん...こちら暁、目標3名無事保護しました、本部へ連行します」

耳につけられた通信機で恐らくS.O.N.G.本部の人に連絡を入れる大人切歌さん

翠「ご、語尾がデスじゃない...!?」

調(未来)「え?うん、何年前からか練習してたじゃない...お酒が飲める歳になったんだからそろそろ仕事中くらいはって...私達と一緒の時は変わってないし、そうじゃない時も油断すると戻っちゃうけど」

マリア「お酒...!?あ、貴女達ダメよお酒なんて!お酒はもう少し大きくなってから!」

エレン「いやもう結構大きくなってると思いマスよまりー...」

・・・

これまた馴染みのあるS.O.N.G.御用達の黒塗り高級車に乗せられた私達は、本部への道すがら大人切歌さんと大人調さんと色々話をしていました

切歌(未来)「それにしても、見つかったと思えば縮んでるし何があったんデスか?マリアとエレンまで」

調(未来)「マリアも日本に帰って来てたなら声をかけてくれれば良かったのに...その様子だとマリアとエレンも何かに巻き込まれたの?」

翠「えっと...私別に縮んでないといいますか」

マリア「貴女達こそいつの間にそんなに大きく?こうして合流出来たことは喜ぶべきことだけれど」

エレン「いやいやまりー、それは流石にいい加減現実受け止めた方がいいデスよ?私でもわかりマスよ?ねぇみどりん?」

翠「えぇまぁ...」

マリアさんはまだ微妙に把握出来てないようですし、大人切歌さんと大人調さんは何か勘違いしているみたいですが...ここはテンプレに則って

翠「あー、調さん?今年って何年ですか?」

調(未来)「え?えぇっと...」



悲報...8年後の世界に飛ばされていました

・・・


翠「8年...ただでさえ初日の段階で2044年とかいう近未来で字面に慣れるのに苦労したのに、それから2045年、そしてここは2053年...」

ファッションパッションクエスチョンの戦士どころか、もうサメクジラオオカミウオだったりそうじゃなかったりする戦士が過去になるレベルの時代じゃないですか...

切歌(未来)「過去から...それじゃあマリア達は若返ったわけじゃなくて」

調(未来)「響さんを助けようとして時空の歪みに...そういえば、そんな事もあった」

マリア「合流出来たわけじゃなかったのね...まさか過去の後は未来に飛ばされるだなんて」

またしても時空の『時』の方だけ飛ばされるとは



何か話す?安価下
(特になければ本部)

翠「とにかく、保護してもらえたのは良いとして...元の時間に戻る方法は分からないままなんですよね」

エレン「他の仲間と合流、時空の歪みを探す、とどちらもままならないまま今度は未来にタイムトラベルデスからね」

ネロさんや園子ちゃんの推測通り響さんや友奈ちゃんが探してくれていたとして、過去に留まらず未来にまで飛ばされてしまった私達を果たして見つけてくれるのか...

翠「あっでも...未来の世界ということは、この時間の切歌さん調さんは元の時間...この時間から見たら過去である私達の本来の時間での解決方法がわかってるってことですよね?それに他の皆さんがどの世界のどの時間に飛ばされているのかも...」

切歌(未来)「およ?」

マリア「確かにそういうことになるわね、それに前の時間での手掛かりが仮に本当に役立つ類のものだったとしたら、もしかしたら私達同様この時間に改めて飛ばされているのかもしれない」

エレン「おぉ!一気に解決デース!」

こればかりは『敢えてそこには触れない』というお約束を守る気はありません
過去へ飛び、歴史を僅かながら変えてしまっても私達に影響がなかった経験からして、干渉は平行世界を増やすだけという仮説はほぼほぼ立証出来ているようなものですし

翠「どう、ですか?」

調(未来)「それは...」



方法についてコンマ下1
奇数 覚えてる
偶数 何故か思い出せない

他の仲間についてコンマ下2
奇数 それらしき情報が
偶数 今のところ情報なし
ゾロ目 丁度何人か保護したと連絡が

調(未来)「...切ちゃん、どう?」

切歌(未来)「そりゃあいくら何年も前の事でも、一番忙しかった頃の事なんデスから当然昨日の事のように思い出せ...せ...ダメデス!何でデスか!?」

調(未来)「やっぱり...」

えーっと...この反応、もしかして

調(未来)「ごめん...確かに響さんが大変なことになって私達が別の世界に飛ばされた事、それが最終的に解決した事...それははっきり思い出せるのに、何故かその過程が思い出せない」

切歌(未来)「そうなんデス...その部分だけピンポイントで全然デスよ...」

翠「お約束ですね...」

となると、いくら分岐した並行世界といえどここは元の時間から直結した未来...取り返しのつかないレベルのタイムパラドックスは起こせないよう世界が制限をかけている、ということでしょうか
この場合のタイムパラドックスは未来の情報をもとに過去で解決する、つまり答えをカンニングするような事というわけですが
そのカンニングしようとした答えというのが不変的なものではなく過去の...というか現在の私達が発想したものであり、それを私達が先に知って行動に移し、私達が8年経った後に過去からやってきた私達に答えをカンニングさせて...というループが発生し、ならばそもそもその発想はどこから出てきたのかという最初が消えてしまう...という感じのタイムパラドックス
ちなみにそういったタイムパラドックスに後から更なる情報が足され最初と最後がきちんと存在していたというのが判明する場合の物語も世の中には存在しますが...今回に限っては考えるだけ無駄でしょう、大人切歌さんと大人調さんが揃って忘れるなんて偶然では説明がつきませんし

調(未来)「でも、過去...マリア達と同じ時間から飛ばされてきたかはまだわからないけど、3人と同じように突然何もないところから人が出現したっていう情報は他にもあった」

切歌(未来)「デしたね、そっちには誰が行ってるんデしたっけ」

調(未来)「確か今日本部に来てたのは私達の他には夏菜だったと思うから、夏菜じゃない?」

他にも私達と似たような目撃情報!これはもしかするかも...

マリア「その様子だと夏菜も元気にしていそうね、というか来ているメンバーとそうでないメンバーがいるのね」

調(未来)「うん、戦うことが少なくなったから...マリアや翼さんは今もほとんど海外だし、皆もそれぞれの生活を優先してる」

切歌(未来)「でも暇な人はたまにこうして本部に顔を出してるのデス!非常勤ってやつデスね」

それはちょっと意味が違うような...

翠「まぁ、ある程度は平和な未来が待っているとわかったのが収穫ですかね...あ、蛇達やルシエドも元気にしてますか?」



コンマ下
奇数 見かけない
偶数 変わらず
ゾロ目 ...

調(未来)「っ...う、うん、元気だと思う...最近あまり会ってないけど」

翠「そうなんですか?あぁでも本部に行くのもたまにならそうなりますか」

もはや住み込み状態の元の時間や、ほぼほぼ毎日放課後に寄っているであろう原作とは違い、気が向いた時に行っているようですし

切歌(未来)「というか少し前から見かけなくなったんデスよね、いつも翠さんと一緒デスし当然といえば」

調(未来)「き、切ちゃん!」

切歌(未来)「デ?...あーっ!今のなし!何でもないデス!」

必死で誤魔化そうとする大人切歌さん
ですが流石に私も聞こえなかったフリを出来るはずもなく

翠「あの...さっきも私を見て『見つかったと思ったら』って言ってましたよね?」

切歌(未来)「デッ...」

翠「やはり聞き間違いではありませんでしたか...」

最初は聞き間違いか、仮に合っていても例えばこの時間の私は今だけどこかに行っていて合流が遅れているとか、そういうことかとも思いましたが
蛇達やルシエドが少し前から見かけなくなり、それでいて私といつも一緒にいるから当然という結論になるということは...

翠「未来の私...この時間の私は、今どうしているんですか?」

外れてほしい予想をしつつ、私は大人切歌さんと大人調さんにそう尋ねました

切歌(未来)「うぅ...し、調ぇ...」

調(未来)「はぁ...でもどちらにしても本部に着いたらそのうちわかるだろうし...翠、心して聞いて」

調さんはそう前置きをし


調(未来)「翠は...翠と『翠』は少し前から、行方不明になっている」

・・・

エレン「ゆ、行方不明!?みどりんが!?」

衝撃的な、そして予想通りの答えに
落ち着いている私達の中でさっきまでとは反対にただ1人エレンさんだけが冷静さを失っていました

マリア「途中から展開が読めている自分がいたわ」

翠「我ながら何とまぁ...」

エレン「何でみどりんとまりーはそんなに冷静なんデスか!?」

いえ、驚いてないわけではありませんよ?8年後の未来で私が...私と『翠』が行方不明になっているということに
ただ...

マリア「この娘、行方不明になる事が割と多いのよ」

翠「誘拐されたり家出?したり並行世界に飛ばされたり...」

まぁでも『翠』も、というのは珍しいですね
それにルシエドはともかく蛇達も一緒にというのも
この8年間の事はわからないのであくまで私の主観でですが

調(未来)「うん、私達も最初は思ったよ、またかって」

切歌(未来)「そのうち戻ってくるだろうな~とも思ってたデスよ」

翠「それはそれで複雑な気分です」

心配されてもこそばゆいですが、されなかったらされなかったで少し寂しいような

調(未来)「でも連絡も付かず1日、また1日と過ぎていって...3ヶ月が過ぎた辺りからおかしいって話に」

翠「3ヶ月放置...いえいいですけども」

切歌(未来)「でも単に突発的に自分探しの旅に出たりする若者も多いと聞くのデス、それでとりあえず無事かどうかだけ調べてから考えようとS.O.N.G.が動いたのデスが」

調(未来)「総力を持って探しても手掛かり一つ見つからず、いよいよ持ってまずいのでは、と」

翠「それもうタヒんでるんじゃないですかね?」

冗談半分の私の言葉に大人切歌さんと大人調さんは俯き、エレンさんは真っ青になり、マリアさんはすかさず私の頭をパシンッと叩いてきました
痛い...

マリア「貴女ね、自分のことなのに...いえ、だからこそ?そういうことさらっと言うけれど、あまり笑えない冗談はやめておきなさい」

翠「酷いです...あとエレンさんはそういうキャラでしたっけ」

エレン「みどりんは私をどんなキャラだと思ってるんデスか!?」



安価下
1 もう少し話す(記述)
2 本部到着まで飛ぶ(仲間合流判定)
3 イベント判定

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『翠』はともかく私はそもそもがこの世界では死んでからのスタートでしたし、これまでの戦いで死を覚悟したことは少なくありません
というか、普通そんな長い期間音信不通で国家機関が見つけられないようならほぼほぼ死んでるか今の私のように別の時間や別の世界に飛ばされてるかのどっちかでは?
と思っての発言だったのですが...意外とウケませんでした

調(未来)「まぁでも、今の翠は司令との肉弾戦で互角に渡り合えるくらい強いから、誰かに襲われた...ってことはないと思うんだけど」

翠「...へぁ!?えっちょっ...8年後の私ってししょーと互角に渡り合えるんですか!?それ霊長類最強女子名乗れるのでは!?」

マリア「貴女遂に人間を辞めたのね」

年齢的に女子?となるのは本当の霊長類最強女子さんに失礼になるので置いておきます

切歌(未来)「でも実際霊長類最強女子の称号は翠さんと響さんが競ってるのデス」

あくまで身内でのお遊びの範疇で、と大人調さんが付け加えます

調(未来)「とにかく、だから私達は無事だと信じてる」

翠「そうですか...私も、この8年間にどんな心境の変化があるのかは知りませんがよほどの事でもない限り死ぬつもりも殺されるつもりもないとは思いますよ」

しかし、生きているなら一体どこで何をしているのやら...この時間の私と『翠』は

・・・

ようやく着いたS.O.N.G.本部は細部は元の時間のそれより高い性能のものに変わっていたりするのでしょうが、見た感じはほとんど変わりない姿のままでした
案外人の見た目以外は8年程度では変わらないものなのでしょうか

調(未来)「一応身体検査とかは受けてもらうけど、大丈夫だと思う」

切歌(未来)「その後は...」

段取りを聞いていたその時、私達の後から別の集団がやって来ました

夏菜(未来)「暁さん月読さん、お疲れ様」

大人調さん達に話しかけた女性...どこか夏菜さんを思わせるその人は、まさしく大人に成長した夏菜さん本人なのでしょうか

調(未来)「あ、夏菜もお疲れ様...てことは今夏菜が連れてるのが...」



人数判定コンマ下1
(コンマ下1の1桁が合流人数(例:15なら5人))

合流メンバー安価下2以降
(コンマ下1の1桁の人数分選択されるまで安価を続けてください)
(被った場合は1人と数えて続けてください)
(『翠』ちゃん、翼さん、クリスさん、未来さん、切歌さん、調さん、夏菜さん、可奈美ちゃん、姫和さん、舞衣さん、沙耶香ちゃん、薫さん、赤嶺ちゃんの中から)

***

この場合10人とします

翠「もうほとんど合流してんじゃないですか!!!バランス!!!」


合流メンバー安価下1以降
(10人分選択されるまで続けてください)
(人数が多いので1レス3人分までとします)

***

大人夏菜さんと思しき女性の後ろから、ひぃふぅみぃ...沢山います!?

翠「『翠』!夏菜さん!皆さんやっぱり無事だったんですね!」

エレン「まいまい!さあや!かなみん!ひよよん!」

マリア「そっちは順調に合流出来ていたみたいね」

『翠』に夏菜さん、未来さん、切歌さん、調さん、可奈美ちゃん、姫和さん、舞衣ちゃん、沙耶香ちゃん、赤嶺ちゃん
3人しか合流出来なかったこちらと違い、かなりの大所帯です

『翠』「無事だった、はこっちの台詞でもあるけどね」

未来「翠ちゃんもマリアさんもエレンちゃんも、また会えて良かったよ...」

友奈(赤嶺)「1度目はまだしも2度目の時空震は焦ったね」

舞衣「本当、今度こそダメかと思ったよ」

可奈美「私も~、でも何とかなって良かったね!」

姫和「喜んでばかりもいられないがな、現状の解決には程遠いままだ」

各々が手錠をかけられたままわちゃわちゃと再開を喜ぶ様子は中々にシュールなものでしたが、些細な事です
何せ時空...時間も空間も飛ばされてしまうような事態でこんなにも合流出来たんですから

夏菜「そっちにいる2人はこの時間の暁さんと月読さん?ということは、この時間の私と名乗る貴女のことも信用していいのでしょうね...本部のこともありますし」

夏菜(未来)「そうですね、この時間...貴女からすれば未来に飛ばされることも、何故か思い出せませんが記録には残っていますし...私も貴女達を信用しましょう」

AI『マスター!?私が私と同期して本物だって証明したのに!』

AI(未来)『まだ信じてないんですか!?この邂逅の記録見せましたよね!?』

調「この人達が未来の私と切ちゃん...」

切歌(未来)「はわわ...ちっちゃい調がいるデース...!」

切歌「調はやっぱり美人さんに成長したんデスなぁ!」

調(未来)「ありがとう、私の切ちゃんもこうして美人さんに成長してるよ」

そしてこっちはこっちで自分同士の会話が

翠「違う自分との邂逅だというのに皆さん順応性高いですね」

エレン「みどりんがそれを言うんデスか!?」

そういえば私も過去の私と会ってましたね

沙耶香「これで後3人」

マリア「そうね、翼にクリス、そして」

エレン「薫...」

・・・

身体検査を終え手錠を外された私達は、やはり司令室に通されました
そこにいたのは歳を重ねたししょー達OTONAの皆さん、それに...

翠「エルフナインちゃん!?」

『翠』「えっ!?エルフナインちゃんもこっち来てたの!?」

膝にきりしらさん2号を乗せている元の時間とほとんど変わらないエルフナインちゃんの姿が

エルフナイン(未来)「あぁいえ、僕はホムンクルスの身体ですから...」

翠「あー...」

そういえばキャロルちゃんも(どの程度の頻度で身体を新しい予備躯体に交換していたのかはわかりませんが)ずっと変わらない姿でしたね

調(未来)「切ちゃん2号のこと、ありがとうエルフナイン」

切歌(未来)「流石に留守番させるのは不安だったから助かったのデス」

エルフナイン(未来)「いえ、いつもの事ですし今は特に気をつけないといけませんからね」



誰かと交流する?安価下
(特にしない場合はイベント判定)

この時間の皆さんと元の時間の皆さんとで状況整理や記憶の照らし合わせ等、やる事は山積みです
が、私も私でやる事があります

翠《聞こえてますか?ネロさん》

まずはネロさん、それに若葉ちゃん達にも、今度は未来に飛んでしまった事を伝えないと...


ネロさんコンマ下1
奇数 繋がる
偶数 繋がらない
ゾロ目 返事はすぐ側から

若葉ちゃん達コンマ下2
ゾロ目以外 繋がる
ゾロ目 繋がらない

...繋がらない?
何度試してみても、何故かネロさんに念話が通じません

翠《っ、若葉ちゃん!園子ちゃん!》

若葉《私達は問題ない、きちんと繋がったままだ》

園子《ちゃんと聞こえてるよ》

良かったです、若葉ちゃん達には繋がっています
でも、それなら何故ネロさんには繋がらなくなってしまったのか...

『翠』「ちょっと、さっきからどうしたの」

翠「あぁいえ...」

言うべきか言わざるべきか...言うにしても今この場で言う必要はありませんか
推測が一つも建てられていないまま言っても混乱を招くだけです

翠「そ、それより『翠』達はあんな数...どんな風に合流してきたんですか?」

マリア「それは是非、聞いておきたいことね」



『翠』ちゃん達合流までの経緯安価下

話題を逸らしたことに『翠』は気付いた様子でしたが、それ以上の追求はせずにいてくれました

『翠』「まぁいいや...どんな風に、って言っても特別何かあったわけじゃないかな...『私』達が全員散り散りに別れたんだろうなっていうのは何となく想像ついたからとりあえず皆を探して」

夏菜「同じく皆さんを探し回っていた私、それに赤嶺さんと合流したんですよね」

聞いてみれば、それは確かに特別なことは何もなく
私達がしていたこととそう変わらないものです

友奈(赤嶺)「ただ、必ずしも1人ずつになっていたわけじゃないみたいだけど」

舞衣「うん、私は最初から沙耶香ちゃんと一緒で、その後」

調「私と切ちゃんが合流した、元々私と切ちゃんも一緒にいたし」

可奈美「私も!姫和ちゃんと一緒だったよ!その後未来ちゃんを見つけて3人になったんだ~」

友奈(赤嶺)「...とまぁ、こんな感じ」

『翠』「で、次の日に捜索を再開した結果2度目の時空震?の時までにこうなった」

切歌さんと調さん、可奈美ちゃんと姫和さん、舞衣ちゃんと沙耶香ちゃん...時空を飛ばされて尚離れることなく一緒にいられたメンバーもいたとは
いえ、そもそも時空を飛ばされておきながら結局は全員...少なくとも今ここにいるメンバーは皆同じ世界の同じ時間に着いていたということになるのでしょうし、そう珍しいことでもありませんか
それこそ切歌さん調さんだったり可奈美ちゃん姫和さんだったりの間にある『特別な繋がり』が離れ離れになるのを防いだとか...いえ、それだとエレンさんと薫さんが離れてしまった理由がわかりませんし、そんなメタ寄りの現象ではなく偶然でしょうが

・・・

マリア「そういうわけで、私達がこうして同じ世界の同じ未来にいたということは、翼達3人もこの時間のどこかにいる可能性が高いわ」

翠「ししょー、皆さん...手を貸していただけませんか」

弦十郎(未来)「無論だ、そもそもこれは他人事ではない、俺達も全力で探させてもらおう!」

2つ返事、それどころか頼む前から捜索は始まっているような雰囲気すらありましたが、改めて協力をお願いし良い返事をもらうことが出来ました

切歌「これでもう安心デスね!シャワー借りに行くデス!」

調(未来)「それフラグだよ切ちゃん」

切歌(未来)「ようし皆で行くデスよ!ちっちゃい調も早く早く!アタシが洗ったげるデス!」

調「それは大丈夫」

可奈美「ここって未来の私達もいるの?」

夏菜(未来)「定期連絡以外じゃこっちの世界に来ることはもうほとんど...会いに行こうと思えば行けますが」

姫和「この時間の私達は私達の世界で過ごしているんだろう、わざわざ巻き込みに行って余計に問題を深刻化する必要はない」

未来「私達が頑張れば響が平和な世界でちゃんと元気に暮らしていられる未来があるってわかっただけで大分心が軽くなったよ...未来の響にも少し会ってみたいかも」

『翠』「『未来の響』って字にすると未来さんの響さんみたいだよね」

夏菜「それだと未来の人は全員未来さんのってことに...?」

エレン「オゥ!みくみくのハーレムデスか!独占欲いっぱいデス!」

未来「『翠』ちゃん後でちょっと」

『翠』「ひぇっ」

あっちは...緊張感ゼロですね
そう見えるように振る舞っているだけかもですけど

弦十郎(未来)「それはそうと、翠くん」

翠「あ、はい?」

今度はししょーの方からです、何の用なのでしょう

弦十郎(未来)「すでに聞いているそうだからな...翠くん、君ならこの時間の君の場所、何処にいるのか分かる方法はないか?」

翠「あー...」

『翠』「何々、何の話?」

あれ、『翠』ってば未来さんのところから逃げてきたんですか

翠「ざっくり言うとこの時間の私達って少し前から行方不明らしくて」

『翠』「また?っていうか『私』も?」

翠「連絡付くかなくなって3ヶ月後に捜索始めたけど全然見つからないんだとか」

『翠』「それもう死んでるんじゃない?」

翠「ですよね!」

意見の完全一致に思わずハイタッチをしてしまいました
突然ハイタッチさせられた『翠』はひどく困惑していますが



未来の翠ちゃん達の場所を探す方法安価下
(特になければ特になくなります)

『翠』「はいはいそれで?結局のところどうなの?」

翠「さぁ...あぁでも、この時間の私や『翠』に念話なら通じるかも...」

前の時間でも過去の私とは念話が通じましたし、同じようにすればこの時間の私、あるいはこの時間の『翠』になら...
この時間のネロさんには何故か通じなかった為絶対とは言えませんが

弦十郎(未来)「試してくれるか?」

翠「やってみます」

私はこの時間の私に向けて念話を...



コンマ下
奇数 繋がらない
偶数 繋がった...?
ゾロ目 繋がる

(翠「メリークリスマス!例の如く料理担当からは外されてしまいましたが...その分飾り付けは頑張りましたよ!ほらあのツリー見てください!変形するんです!」

『翠』「メリクリメリクリ、とりあえず叱られてる翠と板場さんは置いておいて早く食べよ!冷めるし」)

翠《聞こえますか?》

この時間の私がどこにいるのかも、そもそもどんな私なのかもわからないので完全に手探りになりますが...それでも『翠』と同じでありつつ『翠』ではない、そんな風に念話のチャンネルを探します

翠《私、もしくは『翠』、聞こえてますか?この時間の私~...》

念話といえど手当たり次第では誰に聞こえているか分からないため『過去から来た』みたいなことはチャンネルを確定させるまで言わないべきでしょう
その結果よくわからない呼び掛けになってしまいましたが...


《...》


翠《!》

その時、誰かに念話が通じた感覚がありました

翠《貴女は私...ですか?》

《...》

何故かだんまり...ですが相手が本当にこの時間の私なら、少なくとも念話が通じる状況にいるということに...
あれ?でも念話で話せるのって『翠』や女神様達のような神格がある物、園子ちゃん達のようや神樹様よ後ろ盾がある人、そして...

翠《あの...まさかもう死んでるとかないですよね?》



コンマ下
奇数 念話切られる
偶数 お呼ばれ
ゾロ目 返事

念話だったから、とか
いつもは自分の意思で行くことがほとんどだったから、とか
油断していた理由はいくつか思いつきます
まぁそれらはもう後の祭りというやつですが

『翠』「翠!?」

睡魔というより、精神が首根っこ掴まれ何処かへ引っ張られるような、そんな奇妙な感覚を最後に
私は意識を手放させられました

・・・

もはや実家のような安心感すら覚える深層世界
ですが、感覚的にここが私の深層世界や『翠』の深層世界ではないとわかりました

翠「って、最近感覚だけで判断すること多いですね...」

感覚とはすなわち、よく言えば第六感...悪く言えばただの勘
根拠を聞かれても答えられないようなものはあまり多用したくないものですが、どうにも
そんなことより私の勘が当たっていたとして、私や『翠』の深層世界に非常によく似たこの深層世界が誰のものなのか、それを知るのが先決です

翠「状況から考えると、貴女の深層世界というのが自然ではありますが」

振り向くと、そこにはまたしても私や『翠』の深層世界にあるのとよく似たちゃぶ台と
それを前に腰掛け茶を啜る1人の女性がいました

翠「どうなんですか?この時間の私」

翠(未来)「...」



何か話す?安価下
(特になければイベント判定)

翠(未来)「...ふぅ...ようこそ、若き日の私」

翠「魔王にでもなったんです?」

翠(未来)「どうぞ、淹れたてですよ」

翠「...まぁいただきますけども」

何というか、この時間の皆さんが結構頑張って探してくれているのに他人事のようなこの態度...思うところがないこともないですが、私ならそうなるかなという気持ちもあって呆れてしまいます
私はこの時間の私の正面に腰を下ろし、出されていたお茶をいただきました

翠「ずず...あ、美味しい」

翠(未来)「でしょう、私もお気に入りなんです...貴女の頃はまだ飲んだことありませんでしたっけ?」

翠「そうですね...じゃなくて!」

いややっぱこの落ち着き払った態度微妙にイラッときます
こんなことしてる場合じゃないでしょうが!

翠(未来)「まぁまぁ、どうせここでゆっくりしたって手遅れになる前の時間に帰ればいいだけなんですから...それとも他にお菓子でも出しますか?」

翠「貴女行方不明だって探されてるのに今どこで何やってるんですか!連絡出来ない理由があったとしてもこんなところでお茶なんか飲んでる余裕あるんですか!?」

翠(未来)「元気いっぱいですね、流石若き日の私」

翠「だから何ですかそのどこぞの魔王みたいな呼び方は!」

翠(未来)「いいじゃないですか、こんな台詞そうそう言えるタイミングないんですから」

そう言ってまたお茶を啜るこの時間の私
私の咎める声にはこれっぽっちも揺ぎません

翠(未来)「ふぅ...そんなに言うなら、真面目な話でもしましょうか」

翠「ッ!...最初からそうしてくださいよ...」

この時間の私はお茶をちゃぶ台に置き、話始めました

翠(未来)「私は貴女達...8年前の私達装者、可奈美ちゃん達刀使、赤嶺ちゃんが今のこの時間軸に来ることはわかっていました」

翠「貴女は記憶がある、と?」

この時間の切歌さんや調さんのように、皆さん揃って私達がこの時間に来た時のことは覚えていない様子でしたが

翠(未来)「世界の理不尽やら強制力やらに抗う事は不可能ではありません、現に夏菜さんのAIさんは時間改変に耐性を持つメモリーが内蔵されていますし、貴女だって勇者の世界での出来事を一切忘れず持ち帰ったり響さん未来さんのみを対象とした筈のタイムリープに介入したりしたはずです」

翠「それは、確かにそうでした」

だから、この時間の私も何らかの理由...あるいは身も蓋もない可能性として転生者特典のような超常的なもので記憶を保持している、ということでしょうか

翠(未来)「だから私と『翠』は共に、貴女達を過去の時間軸へと送り返す為の帰り道を探していたんです」

翠「私達の、帰り道を...」

だからこの時間の『翠』まで行方をくらませていたと...

翠「それって、蛇達やルシエドも協力しているってことですか?」

翠(未来)「いいえ、あの子達には自宅の警備を任せています」

翠「そっちはただの留守番でした!?」

紛らわしいことを...見なくなった時期が時期だけに絶対関係していると思ったら別にそっちは探そうと思えば見つけられる場所にいたとは

翠「でも、だったらどうして皆さん...この時間の皆さんに何も話さずに隠れるような真似を...事情を話せば手を貸してくれるでしょうに」

翠(未来)「簡単です、姿を隠さなければいけない理由があるからですよ...だからこそ私達は皆さんの前から姿を消し、アイドルも引退したんです」

姿を隠さなければいけない理由...それってどんな...ん?

翠「アイドル引退したんですか!?」

翠(未来)「おや、まだ聞いていませんでしたか...まぁそこは戻ってから皆さんにでも聞いてください」

中々に衝撃的な未来を知ってしまいました
いえ、これからも衝撃的な未来は知るんだろうなとは思っていましたが、思わぬ方向からで驚いてしまいました

翠(未来)「とにかく、さっきも言いましたが私達は姿を見せるわけにはいきません...そこで若き日の私...貴女に手伝ってほしいんですよ」

翠「私に...?」



お手伝いの内容安価下

翠(未来)「私達が帰り道を見つけるまでの間、代わりにアイドルをやってほしいんです」

翠「なるほどアイドル...えっアイドル!?」

私に手伝ってほしいことって、アイドルなんですか!?
てっきり帰り道を探す方の手伝いで表に出ざるを得ない作業とかかと...いやその前に!

翠(未来)「あぁ心配は無用、この一連のことについてはプロデューサー...じゃなくて、ウェル博士だけは知っていますから、事情を説明すれば協力してくれると思いますよ」

翠「チェンジで」

翠(未来)「我ながら惚れ惚れするほどの即答ですね」

翠「何でよりにもよってあの糞Pに...実力があるのは知っていますが、せめて他にいないんですか!ほら女神様とかネロさんとか!」

糞Pに協力してもらうこと自体は100歩...シンフォギア風に70億歩譲ったとして、糞Pだけが協力者ってのは流石にやってられる気がしません
余程中身がまともになっていないと...泉のジャイ◯ンくらいまともになっていないと

翠(未来)「...この時間軸...この時代に飛んでから、特定の相手とだけ念話が繋がらなかったりしませんでしたか?」

翠「何ですか急に、そんなの...あ、さっき」

そういえばつい先程、元の時間のネロさんに念話を飛ばそうとして通じなかったばかりです
ネロさんといえば、この時間の本部の中でもこの時間のネロさんを見かけなかったような

翠(未来)「この時代において、神格を持つ上位的存在...所謂神様にあたる存在のどれもが何故か不安定になり消えかけいます...原因はまったくもって不明、そのせいで女神様もネロさんも私と『翠』以外の記憶からすらも消え、衰弱してしまっているのです」

翠「ど、どうしてそんな...女神様まで影響を受けるような大事なんですか!?」

神様の存在そのものが不安定...それは予想もつかない大事件でした
それこそ女神様やネロさんのように神様を身近に感じている私にとっては余計に

翠(未来)「私と共にこの世界に生きて10年弱、それだけこの世界に馴染んでいるということでしょうね...もっとも『翠』の両親と面識があったりと、私達が知らない女神様の過去のことも考えればそれだけではないかもしれませんが...」

翠「そんな...あっ、で、でも、私が念話しようとしたのはネロさん...元の時間の方のネロさんですよ!?」

この時間のネロさんに対しての念話が通じないのならまだしも、元の時間のネロさんは無関係のはず

翠(未来)「存在というのは認識が、記憶が大きな支えになるもの...であれば女神様もネロさんも、私と『翠』が認識し覚えている限りそこまで存在が不安定になるはずがない...しかし実際はそうではない」

翠「...貴女達の中からも、女神様やネロさんについての認識が消え始めている...ということですか?」

翠(未来)「視覚や聴覚、記憶に異常はありません、女神様やネロさんと触れ合い語り合うことも出来ます...ですがもっと根本的なもの...勘だとか、気配を感じることだとか...そういったものが薄れつつあるんです」

この時間の私は言いました
すぐ隣にいても話しかけられたりするまで全く気付けない時が多々あると
目の前にいても、念話が出来るほどの精神の繋がりが保てないと

翠(未来)「貴女もこの時代にいる限りはそうなりつつあるということですよ、若き日の私」

翠「私も...」

翠(未来)「自覚はないでしょうが、恐らくは元の時間のネロさんと念話する為のチャンネルが、わからなくなっているんです...貴女の精神が覚えていたネロさんのチャンネルが不安定になり、繋がらなくなってしまった」

それじゃあ...この時間にいることを、元の時間の皆さんに伝えることが出来ない...?

・・・

翠(未来)「まぁ、とはいえそれはこの時代の問題ですから本題はそこではありません、言いたかったのはアイドルをやってもらうのにあたって貴女が言った女神様やネロさんの手は借りられないということです」

翠「...あ!そうでした!そういう話でした!」

その後の事の方が衝撃的過ぎて忘れてました...
流石8年も経っていると衝撃的なこと多過ぎです

翠「ってそうですよ!糞Pもそうですがその前に!」

言いたいことがあったのに危うく言いそびれるところでした

翠「貴女アイドル引退したんですよね!?なのに代わりにって...まさか復帰でもしろって言うんですか!?」



多数決安価下1~3
1 復帰
2 元アイドルの芸能人
3 この時間で新人アイドルとしてデビュー

***
2/3票入ったため3とします
***

翠(未来)「いえいえ、まさかそんな...私にアイドル活動の未練はありませんし、仮に貴女に替え玉を頼むとしたら引退ではなく活動休止にしていたでしょう」

翠「で、ですよね...」

えぇ、いくらなんでもそれはないと思っていましたよ、というか引退して数ヶ月で復帰するアイドルとかいたたまれなくてとても代わりを勤められるとは思えません、主に精神的な意味で

翠「なら、冗談ですか...まったくなんて心臓に悪い冗

翠(未来)「貴女にはあくまで新人アイドルとしてデビューしてもらいたいということです」

談を...はぁぁぁ!?!?!?」

今なんて...デビュー!?私が新人アイドルとして、デビュー!?

翠「この時間で!?」

翠(未来)「えぇ、それにあたって仕事では偽名を使ってもらうことにはなりますがそれは任せます」

翠「いやいやいや!待ってくださいよ私ッ!」

ダンッとちゃぶ台を両掌をで叩きながら立ち上がり、この時間の私にずいっと顔を近づけ半ば叫びながら待ったをかけました

翠「姿を隠さなければいけない貴女の代わりをしろというのならまだわかります!貴女に成り済ますのでも、人目につく作業を代わりに引き受けるのでも!けど何で私がこの時間でデビューするって話になるんですか!」

翠(未来)「必要なことだから、だけでは説明不足ですか?」

翠「8年前の貴女はそれで納得しましたか!?」

この時間の私、私のくせに説明が足りなさ過ぎるんですよ!この8年でどうしてこんなんになってしまったんですか!

翠(未来)「コネはあります、何なら海外を飛び回っている翼さんマリアさんの手を借りるのも手でしょう」

翠「デビューした後の話してますか!?もしかしてもうデビューした後の話をしているんですか!?」

翠(未来)「えぇ、デビューするまでのはウェル博士が上手くやってくれます、翼さん達には事情を話していませんが...きっと察してくれます」

翠「さっきからこの時間の私が糞Pに対して微妙に評価ちょっと高いの一番イライラするんですけど」

翠(未来)「大丈夫、私達が帰り道を見つけるまでの間だけですよ」

翠「貴女少なくともそれ3ヶ月は見つけられてませんよね!?」


何か話す?安価下
(特になければ交流終了)

何を言っても態度を変えず...というかお茶を啜る時以外一切ポーズも変わっていないような...なこの時間の私
どうやら私がアイドルデビューするのはもう決定事項らしいです
あれ?シンフォギアってアイドルアニメでしたっけ?

翠(未来)「うんうんそれもまたシンフォギアですね」

翠「喧しいです」

この時間の私も8年前同じように8年後の世界でアイドルやらされたんでしょうか...

翠「はぁ...未来の私が悪戯や八つ当たりで過去の自分に変なことをやらせるような人ではないと信じたいですが...まぁそれはもういいです、置いておきます」

もう諦めました
私が私に対して何の理由もなくこんな事させるはずないじゃないですか
えぇ、きっと、多分、本当にそれは必要なことなんですよね...?

翠「それよりさっきの話です、この時間の女神様やネロさんの衰弱...それは今回の時空の歪みが影響している可能性はありますか?あと、衰弱っていうのは具体的に...例えば身体に何か問題が起きていたりとか」

特にネロさんはフロンティアとネフィリムが混ざっているという、知っている神様系の人、否、柱の中でも特殊な存在ですし...


コンマ下1
奇数 影響している
偶数 影響していない

コンマ下2
奇数 問題起きてる
偶数 問題起きていない

どんな問題?安価下3以降

(翠「今年も一年、お疲れ様でした!月並みな言葉しか出てきませんが...いい一年だったと思います、賑やかで楽しい、そんな年...来年もいい年になるといいですね!」

『翠』「もう今年もおしまいか...色々あったけど、一緒に過ごせてよかったかな...お疲れ様、来年も翠共々よろしくね!」)

翠(未来)「まぁ、聞かなかったことにとはいきませんよね」

翠「そりゃあ」

翠(未来)「えぇ、だから答えておきますよ...答えはどちらもNO、貴女達がこの時代に来たことは関係ありませんし、女神様もネロさんも存在こそ薄れてはいますがそれだけです」

翠「そうですか...」

では、この時間の女神様