【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」照月「その35!」【安価】 (968)

艦娘がショタ提督を攻略していくスレです。
登場艦娘は全員ショタコンになるのでキャラ崩壊が激しいです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1568034620

前スレ

【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」多摩「その10にゃ!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」浜風「その13です!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」曙「その14!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」衣笠「その15♪」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」龍驤「その16や!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」伊401「その17!」【安価】
【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」伊401「その17!」【安価】 - SSまとめ速報
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」夕張「その18!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」秋月「その19です!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」青葉「その20です!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」翔鶴「その21です!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」天津風「その22!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」北上「その24だね」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」妙高「その25です!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」春雨「その26です!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」響「その27だよ」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」葛城「その28!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」雷「その29よ!」【安価】
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」リットリオ「その30です!」【安価】
【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」リットリオ「その30です!」【安価】 - SSまとめ速報
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」五月雨「その31です!」【安価】
【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」五月雨「その31です!」【安価】 - SSまとめ速報
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」瑞鳳「その32!」【安価】
【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」瑞鳳「その32!」【安価】 - SSまとめ速報
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※SS速報VIPが開けなかった時期に↓のスレで、復旧後に↑のスレで進行していました。

【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」瑞鳳「32……出張版?」【安価・コンマ】

【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」大鳳「その33です!」【安価】
【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」大鳳「その33です!」【安価】 - SSまとめ速報
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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」リベッチオ「その34!」【安価】

★1周目:普通の少年
秋月
春雨
鈴谷
足柄

鈴谷END

★2周目:見た目は子供、中身は大人の25歳
朝潮
五月雨
舞風
瑞鶴

朝潮・瑞鶴END

★3周目:記憶喪失
島風
如月
名取
五十鈴

島風・如月END

★4周目:虐待を受けた少年
川内

呂500
扶桑

川内END

★5周目:薬で子供になった32歳
球磨
間宮
多摩
陸奥

球磨・間宮・多摩END

★6周目:天然
朝雲
榛名
鳥海
隼鷹

榛名END

★7周目:生意気
雲龍
白露
大和
長門

白露END

★8周目:タイムリープ&見た目は子供、中身は60歳の20歳(異世界出身)

伊58
浜風
衣笠

浜風・曙・衣笠END

★9周目:幽霊
不知火
伊19

龍驤

龍驤END

★10周目:両親死別の鎮守府育ち
天津風
大鳳
伊401
瑞鳳

伊401END

★11周目:見た目も中身も子供っぽい26歳
夕張
明石
あきつ丸
磯風

夕張END

★12周目:幸運体質の男の娘
時雨
山雲
大淀
秋月

秋月END

★13周目:世話焼き(ダメ艦娘製造機)
敷波
文月
青葉
春雨

青葉END

★14周目:捻くれ者&前科持ちの19歳
長門
綾波
翔鶴
加古

翔鶴END

★15周目:800歳の不老不死
阿武隈
天津風
武蔵
舞風

天津風END

★16周目:60年後から送り込まれた未来人
金剛
磯風
五月雨
龍鳳

磯風END

★17周目:超恥ずかしがり屋&見た目は幼い箱入り息子18歳
北上
大和
三日月
妙高

北上・妙高END

★18周目:変幻自在の少年
春雨
葛城
加賀


春雨・響・葛城END

★19周目:セクハラ大好きエロ少年
扶桑
天龍

リットリオ

雷・リットリオEND

★20周目:女性不信の21歳
五月雨
大和
阿武隈
由良

五月雨END

★21周目:深海棲艦と人間のハーフ
鳥海
木曾
那珂
瑞鳳

瑞鳳END

★22周目:クローン
大鳳
赤城
照月
リベッチオ

大鳳・リベッチオ・照月END

★23周目:ドジで失敗ばかりだけど真面目な23歳

鬼怒
舞風
金剛

舞風END

★24周目:300歳の宇宙人
ビスマルク
グラーフ・ツェッペリン
不知火
Z3

不知火END

★25周目:感情を抑え込んだ少年
雲龍
大和
伊勢


暁END

★26周目:めんどくさがりだけど要領が良い22歳
那珂
那智

卯月

嵐END

★27周目:何でも出来るツンデレ超能力者
能代
荒潮
吹雪
長良

吹雪END

★28周目:大好きな兄を目指すブラコン少年
足柄
酒匂
夕立


酒匂・電END

★29周目:フリーター&浪人し続けた弟想いの25歳
U-511
ビスマルク
長門
加賀

長門END

★30周目:平行世界へ自由に移動出来る少年
ポーラ

ヴェールヌイ
アイオワ

ヴェールヌイEND

★31周目:深海棲艦が派遣した子供スパイ
鬼怒
ローマ
名取
阿賀野

阿賀野・鬼怒END

★32周目:艦娘達の幼馴染20歳
親潮
比叡
三隈
朝雲

三隈END

★33周目:深海棲艦の心臓を移植した少年
ビスマルク
山雲
利根
グラーフ・ツェッペリン

山雲END

★34周目:無口で引っ込み思案な人見知り
摩耶
ウォースパイト

加賀

朧END

★35周目:妻を亡くした寡男24歳
大井
ビスマルク
木曾
望月

大井END

★36周目:前世の記憶を持つ中身は50歳の転生者25歳
Z3
朝雲
大和
夕立

大和END

★37周目:やたらポジティブな馬鹿少年
天龍
風雲
加賀
山風

山風END

★38周目:何でもこなすけどマッチョに憧れる同性愛者21歳
神通
皐月
木曾
卯月

皐月END

★39周目:先祖代々伝わる少年忍者
加賀
夕立
秋雲
朝雲

朝雲・夕立END

★40周目:艦娘達の記憶の化身
龍田
木曾
文月
ビスマルク

ビスマルク・木曾END

★41周目:料理の天才20歳
三日月
松輪
卯月
神風

松輪END

★42周目:ギャグ補正が強すぎるトラブルメーカー
狭霧
羽黒
速吸


潮・羽黒END

★43周目:心を閉ざした艦娘達の救世主
加賀
愛宕
由良
コマンダン・テスト

愛宕・加賀END

★44周目:自我や感情を得たアンドロイド
鹿島
あきつ丸
夕雲
伊400

鹿島END

★45周目:表は気弱で引っ込み思案、裏は気性が荒い二重人格持ち
浜波
巻雲
天霧
隼鷹

巻雲END

★46周目:部屋に引きこもりがちで他人と話すのは苦手だけど母性があって常に女装している男の娘
鳥海
那智
名取
武蔵

那智END

★47周目:嬶天下の嫁に苦しんでいた2児の父26歳
浜波
霧島
伊168
春風

浜波END

★48周目:末期癌により余命が残り僅かだった22歳
天城

神風
神通

神風END

★49周目:ファンタジー世界から来たドジっ子魔法使い
弥生
鳳翔
伊168
村雨

システムについて
※読むのが面倒な人は『艦娘の行動を安価で指定して、ショタ提督に好かれるようにする』と考えていただければ大丈夫です。


上旬コミュ→中旬コミュ→下旬コミュの計3回です。毎回艦娘が取る行動を安価で決め、ショタ提督に懐かれるようにするのが目標です。

期間が入れ替わる(上旬→中旬→下旬→上旬…)ごとにコンマで登場艦娘を決めます。最大値の艦娘が行動権を得ます。

ショタ提督には好感度と信頼度が設けられています。好感度は0から、信頼度は50からスタートします。信頼度は変化が無い限りリザルトには表示されません。


信頼度は基本的に変化はありませんが、ショタ提督が嫌がったり怖がるような展開になってしまうと減少します。

信頼度が0になってしまうと、その艦娘は解体されて鎮守府から追放or憲兵に更迭されてBADENDになってしまいます。信頼度は増加させることが出来ません。

なおBADになった場合はコンティニューして続行しますが、BAD対象となった艦娘は1ヶ月分(計3回)コミュが取れなくなります。好感度も下がりますのでご注意下さい。ただし信頼度は50に戻ります。

好感度がMAX50まで貯まった状態で再度コミュを取ると無事HAPPYENDです。


※好感度MAXヒロインがいる状態で好感度40超えヒロインが登場した場合について

好感度40以上のヒロインの告白イベント時に、乱入コンマ判定が追加されます。これを踏んでしまうと強制的にコミュが終了してしまいます。

なお別のヒロインも好感度MAXになった場合、MAXヒロインのうち1人でも最大値が出れば即ENDです。

ハーレムを目指す場合は、MAXヒロインが増えるほど難易度がUPしていきます。


※R-18安価・信頼度に関わる安価について

R-18安価は全て安価下にします。ただし小ネタ安価時は例外とします。R-18安価については“提督の行動時”にも上記のルールが適用されます。

信頼度に関わる安価の場合、実行するか否かを反転コンマ判定(厳しめ)します。

成功で実行(さらに反転コンマ判定)、失敗で踏み止まり自動的に2番目に高いコンマの行動安価を採用します。失敗確率の方が高めです。

1度信頼度に関わる安価を取った場合、実行コンマ時点で失敗した時も含めて1ヶ月間(コミュ3回分)全て安価下にします。


※その他注意事項

★前後の展開と比べてあまりにも飛躍し過ぎた内容の安価や、脈略が無さすぎる内容の安価は安価下とさせていただきます。

コンマ判定(反転含む)時、00は10もしくは100とします。

上旬・中旬・下旬最初の艦娘コンマ、提督と艦娘の行動安価、コンマ判定時(上昇度低~特大を決める部分)は反転コンマとします。

好感度上昇コンマ(一の位に上昇度をかける部分)は従来通りです。

ショタ提督or艦娘の行動安価や、ヒロインを決める際の艦娘安価での連取りは基本的にNGです。好感度上昇コンマ判定等、数字のみが関わる場合はOKです。


★※小ネタ安価について

★★本編終了後や本編開始前に小ネタ安価を取ることがあります。採用条件等は基本的に以下の通りですが、場合によってはこちらで追加条件を指定することがあります。

その時に周回指定が無ければ、こちらで小ネタにあった周回を決めさせていただきます。

同一艦娘の似たような内容の小ネタor前回と同一周での連続エロ小ネタは、最低でも小ネタ5回分以上間隔を空けていただければ幸いです。
(例:前回『○○とお花見』→今回『○○とピクニック』、前回『□□とエッチ』→今回『□□と▽▽エッチ』等はNGとさせていただきます)

★また、似た内容の小ネタが範囲内に複数含まれていた場合、その中で1番先に書かれている小ネタの反転コンマのみ判定対象とし、残りは安価下とさせていただきます。

エロ小ネタにつきましては、本編で1度でも艦娘安価で選ばれたことがある艦娘でお願いします。ENDを迎えたか否かは問いません。

尚、エロ小ネタは別板の小ネタ専用スレにて投下いたします。他の小ネタにつきましては、従来通りこの板のスレで投下いたします。

あまりにも支離滅裂な内容は安価下とさせていただきます。また、小ネタの内容は『本編の設定を踏まえた世界観』が主軸となるようにしていただけると幸いです。パラレルワールドに分岐させるかどうかはこちらで判断させていただきます。


※ショタ提督の設定について

ガチショタ→合法ショタ→安価ショタ→ガチショタ……のサイクルを繰り返していきます。

安価ショタに関しては、その名の通り安価で提督の設定を決めます。

http://ss.vip2ch.com/jmp/1422605769

読者の方々がWikiを作成して下さいました。
こちらもご参照下さい。

前スレを使い切り次第、こちらに投下します。

21:30~22:30頃開始予定です。

始めます。

エントランス

比叡「とりあえず飾ってみました!」

鳳翔「わぁ……」マジマジ

間宮「まぁ……」マジマジ

ショタ提督型の石像「」

鳳翔「本当によく出来てますね。もしかして、提督が魔法で……?」

間宮「う~ん……提督がそうする理由やメリットがありません」

間宮「それに、提督だとここまできめ細やかな石像を作るのは難しそうですし……」

鳳翔「………」マジマジ

ショタ提督型の石像「」

鳳翔「まさか、提督自身が何かの間違いで石になっちゃったりは……」

間宮「それはあり得ません。さっき、何故か憔悴している提督を見かけましたから」

鳳翔「そうなんですか?とりあえずは一安心ですけど……」

鳳翔(憔悴……?また何か失敗してしまったんでしょうか?)



ショタ提督は……

直下

モシャスの解釈を間違っていたらすみません。


ショタ提督「へぇ~……」つスマホ ポチポチ

鳳翔「……?」

鳳翔(提督、スマートフォンで何を調べているのでしょうか?)

鳳翔(いやそれより、この世界の道具を普通に使いこなしているのも驚きと言いますか……)

ショタ提督(姿を変える呪文かぁ……僕が住んでいた世界には無い魔法だよ~……)

ショタ提督(失敗が怖いけど、もしかすると僕でも上手く使える魔法かもしれないし……)

ショタ提督「……よ、よしっ!」つ杖 ポンッ

鳳翔「……!」

鳳翔(提督の手に杖が……もしかして、魔法を使うんですか?)

ショタ提督(とりあえず、頭で他の……身近なお姉さんの姿を想像して……!)

ショタ提督「……も、モシャスっ!」つ杖 ブンッ!

シュパッ!

鳳翔(きゃっ!?)

シュウウゥゥン…

鳳翔(い、今の光は……まさか、提督がまた魔法で失敗を……)チラッ









村雨(ショタ提督)「……うん。腕は動くし、足も動く。あっ、声も違う……えっと、成功、かな……?」※CV:タニベユミ









鳳翔「」

村雨(ショタ提督)「わぁ……本当に村雨お姉さんの姿になっちゃった!あっ、服まで変わってる……!」

村雨(ショタ提督)「それに髪の毛も凄く長くなって……わぷっ、目に引っかかっちゃった……!」

鳳翔「」

村雨(ショタ提督)(確か、この魔法は姿だけでなく能力もコピーするはず……じゃあ、僕も艤装を使えたりするのかな……?)

鳳翔「………」

鳳翔(て、提督……珍しく魔法を成功させたと思ったら、またとんでもないことを……!)

鳳翔(いえ、姿を変えることが出来る子は他にもいますけど、提督もその1人になってしまうなんて……)


鳳翔の行動

直下

村雨(ショタ提督)「……ふぅ」ポスッ

鳳翔「!?」

村雨(ショタ提督)(魔法が成功したのは良いけど、さっきの転移魔法で失敗した時の疲労がまだ抜けてないかも……)

鳳翔(い、いけません提督!スカートで足を広げて座ったら、下着が見えてしまいます!)アセアセ

村雨(ショタ提督)(それに思ったより厚着なんだ……ちょっと服の中が蒸れちゃって……)パタパタ

鳳翔(あぁっ!?そんな胸元をヒラヒラさせたら、それこそ危ない人のターゲットにされてしまいますよ!?)

鳳翔(仕方ありません!ここは私が……!)


村雨(ショタ提督)「………」パタパタ

村雨(ショタ提督)(1度元の姿に戻ろうかな?このまま村雨お姉さんの姿でい続けるのは、何だか悪いし……)

コンコンコン

村雨(ショタ提督)「ひゃあっ!?えっ、あ、はいっ!どうぞ!」

鳳翔「失礼します!」ガチャ

村雨(ショタ提督)「ほ、鳳翔お姉さん……あっ!えっと、僕は村雨お姉さんではなくて、いやでも村雨お姉さんの姿で……」アタフタ

鳳翔「大丈夫です。通りすがりに魔法で変身するところを見ていましたから。提督ですよね?」

村雨(ショタ提督)「あっ、ひゃ、ひゃい……」

鳳翔「それにしても、本当に村雨ちゃんにしか見えませんね……」マジマジ

村雨(ショタ提督)「な、何とか魔法が成功したので……」

鳳翔「ってそんなことより!提督、女の子になったからには、女性らしい身だしなみや振る舞いを身に付けないといけません!」

村雨(ショタ提督)「ふぇ?」

鳳翔「今の無防備なままでは、いつ悪い人に襲われてしまうか分かりません!」

村雨(ショタ提督)「わ、悪い人?えっと、盗賊や敵の魔術師でしょうか?」

鳳翔「とにかく私にお任せ下さい!1から分かりやすく説明致します!」

村雨(ショタ提督)「は、はい……お願いしましゅ……?」

村雨(ショタ提督)(もしかして、僕が姿を変えた時に行動しやすいよう……色々と教えてくれるのかな……?)

鳳翔(淑女たるもの、最低限のマナーや身だしなみは身に付けてこそです!)


反転コンマ判定:提督の反応は?

01~49:ちんぷんかんぷん
好感度上昇:小 ×1.0
50~98:何となく分かったような
好感度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:鳳翔さんの教え方が上手いお陰で……
好感度上昇:大 ×2.0

直下

56→65:惜しい!


村雨(ショタ提督)「こ、こうでしゅか?」スッ

鳳翔「はい。こうして足を折り曲げる座り方を正座と言います。これならスカートがめくれません!」

村雨(ショタ提督)「は、はぁ……」

鳳翔「次に暑い時は服をはだけさせるのではなく、ハンカチで汗を拭いて下さい」

村雨(ショタ提督)「はんかち……もしかして、この布切れのことでしゅか?」スッ

鳳翔「はい。その姿では、外を歩くにしても油断してはいけません。どこで誰が見ているか分かりませんから」

村雨(ショタ提督)「………」

村雨(ショタ提督)(よく分からないけど……何となく、鳳翔お姉さんが言いたいことは伝わったかも……)

村雨(ショタ提督)(お母さん達がよく『身だしなみはきちんとしないと男に舐められちゃう』って言ってたけど、そのことかな……?)

鳳翔「後は乱れた髪の毛と服を整えて……」スッスッ

村雨(ショタ提督)「んんっ……くしゅぐったいでしゅ……」

鳳翔「出来ました!後は振る舞いに気を付けていれば、どこからどう見ても可愛い女の子です!」

村雨(ショタ提督)「あ、ありがとうございましゅ……」

村雨(ショタ提督)(鳳翔お姉さん、僕が元は男の子だということ……忘れちゃってるのかな……?)

鳳翔(いつもの村雨ちゃんとは表情が違うせいで、儚げな美少女みたいになってますね……長門さんには絶対会わせられません)

鳳翔(今の提督を見た瞬間、我慢出来ず飛びかかる未来しか見えませんから……)














長門「ぶえっくしょいちきしょおっ!ハッ!?これは提督か駆逐艦か海防艦の皆が私の噂をしているのか!?」

陸奥「絶対に気のせいだから落ち着きなさい」


ショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

1×1.5=1.5 1.5+7=8.5/50


鳳翔「ところで、その魔法は他の姿にも変身出来るんですか?」

村雨(ショタ提督)「えっと、はい。多分……試しにやってみますねっ!」つ杖 ブンッ

鳳翔「あっ、待って下さい!魔法を発動してほしいという訳じゃ……」

シュパッ!

鳳翔(ショタ提督)「わっ!急に目線が高くなっちゃった!?」※CV:洲崎綾

鳳翔「……えっと」

鳳翔(ショタ提督)「それにこの声って……電お姉さんでしょうか?」

鳳翔「……いえ、違います」

鳳翔(ショタ提督)「ふぇ?それなら青葉お姉さんでしゅか?」

鳳翔「………」フルフル

鳳翔(ショタ提督)「えっ、じゃあ……もしかして、鳳翔お姉さんだったり……?」

鳳翔「……はい」

鳳翔(ショタ提督)「ひゃわわわわぁっ!?ご、ごめんなさいっ!目の前にいたので、つい頭で想像してしまいましゅたぁっ!?」

鳳翔「あっ、いえ!怒っている訳では無いんです!少し混乱してしまって……」

鳳翔(ショタ提督)「ふえええええええええええええんっ!」

鳳翔「………」

鳳翔(涙目で慌てふためく私……いえ、中身は提督ですけど、何だか新鮮と言いますか……)

4ヶ月目:中旬


ミーンミンミンミンミーン…

望月「あづぅ……」グデー

初雪「死ぬ……」ダラー

ショタ提督「確かに暑いでしゅね……」

ショタ提督(この世界にも四季があるんだ……)

望月「しれぇかぁん……魔法で何とかしてよぉ……」

ショタ提督「ふぇっ!?そ、それは……」

初雪「エアコン付けに行くのもめんどくさい……」

ショタ提督「ですが、温度を操る魔法は難しくて……」

望月「だったら私がやる……ほい」つ杖 ガシッ

ショタ提督「あぁっ!?だ、ダメですってばぁ!」

初雪「この際だから秋みたいに涼しくしちゃって……」

望月「言われなくても。えっと、頭で想像して杖振れば良いんだっけ?えい」つ杖 ブンッ!

ショタ提督「そんなことしたら魔法が暴走して……」

ヒュゴオオオオォォォォォォォォ…ッ!

望月「!?」

初雪「!?」

ショタ提督「ふにゃあああああああああああああああああああああっ!?」

望月「さ、寒ぅっ!?どうなってんのこれ!?」

初雪「ちょっ、望月……やり過ぎ……!」

ショタ提督「そ、外が猛吹雪になってましゅううううううううううううっ!?」

望月「ご、ごめん司令官!?これどうしたら元に戻るの!?」

初雪「あ、あぁ……一瞬の内に広場が雪広場に……」

望月「そうだ!さっきと逆の魔法を使えば……!」つ杖 ブンッ!

カァァ…ッ!

望月「あづぅっ!?」

初雪「こ、今度は暑過ぎ……!砂漠みたい……!」

ショタ提督「あわわわわわわわっ!?ど、どうしよおおおおおおおおおっ!?」












※この後滅茶苦茶魔法をかけまくって何とか元の気温に戻した

↓1弥生のコンマ 好感度:15/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:8.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:11/50
↓4村雨のコンマ 好感度:36/50

反転コンマが最大の艦娘が行動します

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
前スレが埋まり切っていないみたいですので、向こうで埋めネタ安価を行いたいと思います。
もしよろしければご参加いただけると幸いです。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:00~23:00頃開始予定です。

始めます。

間宮「……い、今のは凄かったですね」

鳳翔「はい。ふと窓の外を見てみたら、この季節に猛吹雪だなんて……」

間宮「そして10分もしない内に、積もった雪が一瞬の内に溶けて……」

鳳翔「……提督、また魔法で失敗してしまったのでしょうか」

間宮「十中八九そうだと思います。でも、提督ならこういう大がかりな魔法は安易に使わない気が……」

鳳翔「きっと他の人にせがまれたか、杖を取られて他の人に魔法を使われてしまったのかもしれません」

間宮「あ~、その可能性は十分考えられますね。提督、頼みごとを断れ無さそうな子ですし」

間宮(それより、建物の中に影響が無かったのは幸いね。食材が熱や寒さで傷んでしまったら大変だもの……)

鳳翔「………」

鳳翔(さっきの猛吹雪と急激な気温変化……恐らく魔法で涼しくしようとして失敗し、元に戻そうとしたらまた失敗……こんなところでしょうか)

鳳翔(誰が提督に無理を言ったかは分かりませんけど、横着はいけませんよ?増して提督の魔法の場合、どんな結果になるか分からないのですから)



ショタ提督は……

直下

ショタ提督「―――」

妖精「―――」

鳳翔「……?」

鳳翔(おや?妖精さんとお話していますね)

妖精「冷気の使い道、かぁ……」

ショタ提督「……は、はい」

妖精「加減を調節出来るなら色々なことに応用出来そうだけど、さっきみたいに周囲が極寒の世界になるレベルだと……」

ショタ提督「でしゅが、何とかして皆さんのお役に立てたいんです……!」

鳳翔「………」

鳳翔(私達の力になりたいと考えて下さるのは嬉しいですが、如何せん失敗してしまった時のリスクが……)

妖精「その魔法って、1度使えば解除しない限りそのままなの?」

ショタ提督「ふぇ?あ、はいっ。一応は……」

妖精「う~ん……それなら冷凍庫に冷気の魔法を使えば、多少の省エネは出来るかも……」

ショタ提督「しょうえね?」キョトン

妖精「提督の世界で言うところの、魔力の節約みたいな感じかな?」

鳳翔「………」

鳳翔(魔法の使い方が庶民的と言いますか、話のスケールが小さいと言いますか……)

鳳翔(ですが、実際に提督の魔法を利用するとしたら、迂闊に大がかりなことは出来ませんし……何か他に良い使い道は……)


鳳翔の行動

直下

鳳翔「………」

鳳翔(妖精さんはさっき『魔法を冷凍庫に使って省エネ』と言っていましたね。でしたら……)


妖精「望月ちゃんや初雪ちゃんが提案したように、エアコン代わり……は無理か。鎮守府全域が氷漬けになっちゃうし」

ショタ提督「あうぅ……」

ショタ提督(えあこん……?あっ、ひょっとして、冷たい風が出る白い箱のことかな……?)

鳳翔「あの……」

ショタ提督「ふぇっ!?あっ、鳳翔お姉さん……」

妖精「鳳翔さん!ちょうど良かった!今、提督の魔法を有効活用出来ないかを考えてて……」

鳳翔「みたいですね。話し声が聞こえてきました」

妖精「何か良い使い道は無い?」

ショタ提督「えっと、細かい調節はまだ出来ないでしゅけど……」

鳳翔「冷凍庫の話を聞いて思いついたんです。提督、その魔法を使えば、どんな物でも瞬時に凍らせることが出来るんですよね?」

ショタ提督「う~ん……た、多分……」

鳳翔「でしたらアイス作りに利用させてもらおうかと考えまして」

妖精「なるほど!凄く良いかも!」

ショタ提督「あいす……?」

鳳翔「暑い季節に食べる、冷たくて甘いお菓子です。本来なら時間をかけて凍らせる必要があるのですが……」

鳳翔「提督の魔法を使えば、凍らせて作るアイスを素早く大量に作ることが出来るかもしれません!」

妖精「冷たいアイスをいつでも食べられるなんて最高だよ~!提督、鳳翔さん!早速作ろ作ろ!」

鳳翔「ふふっ、分かりました。提督、私は今からアイスの下準備を致しますので、準備がで出来次第、冷気の魔法を使っていただいてもよろしいでしょうか?」

ショタ提督「わ、分かりましたっ。何だかよく分からにゃいですけど、頑張りますっ!」

鳳翔(そうと決まれば間宮さんにも連絡して、皆の為に沢山のアイスを作りましょう!)


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:寒すぎて異常なほど凍ってしまい、硬すぎるアイスに
好感度上昇:小 ×1.0
50~98:大量生産とはいかないまでも、そこそこの早さでアイスを作れるように
好感度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:魔法との相性が良かったらしく、超スピードで大量生産出来るように!
好感度上昇:大 ×2.0

直下

96→69:アイスprpr


鳳翔(少し濃い味付けにしたジュースを容器に注いで……)トポトポ

間宮(甘味処で使っている特製クリームをよそって……)スッ

鳳翔間宮「提督!お願いします!」

鳳翔間宮(すかさずテーブルから離れるっ!)タタタッ

ショタ提督「は、はいっ!では、いきましゅ!えーいっ!」つ杖 ブンッ

ヒュゴオオオオォォォォォ…ッ!

鳳翔「へ、部屋の中に吹雪が……」

間宮「は、離れていても冷気が漂ってきて……」ブルッ

ショタ提督「こ、これで良いですか……?」

鳳翔「えっと……ひうっ!?さ、寒いです……!」プルプル

間宮「ここだけ真冬になったみたい……へくちっ!」プルプル

鳳翔間宮(か、肝心のアイスは……あっ!)

鳳翔「凄い……!もうこんなに固まってます……!」

間宮「大量生産とまではいきませんけど、これなら今まで以上に素早く作れますね!」

ショタ提督「ほ、本当ですかっ!」

鳳翔「ただ、ずっと吹雪が起こっている状況だと、アイスに雪が……」

間宮「それにずっと放置していると、食べごろを通り越してカチコチに……」

ショタ提督「あっ、すみません!今止めます……!」つ杖 ブンッ!

カァァ…ッ!

鳳翔間宮「暑っ!?」

ショタ提督「ひゃわわわわぁっ!?ご、ごめんなさいぃっ!魔法を間違えちゃいましたあああぁぁぁっ!?」アタフタ


ショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

6×1.5=9 9+8.5=17.5/50


鳳翔「お代わりは沢山ありますからね~!」

間宮「お腹一杯食べて下さいね~!」

艦娘達「はーい!」

赤城「はぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐっ!」

加賀「あぐあぐあぐあぐあぐあぐあぐあぐっ!」

大和「ばくばくばくばくばくばくばくばくっ!」

武蔵「がつがつがつがつがつがつがつがつっ!」

長門「っくおぉ……!頭にキたぁ……っ!」プルプル

陸奥「いきなりそんな頬張るからよ……」

ショタ提督「はむっ……んうぅ!?」

鳳翔「ふふっ、お味はいかがですか?」

ショタ提督「お、美味しい……美味しいでしゅっ!こんな食べ物、元の世界では食べたことありません……!」

鳳翔「……提督が住んでいた世界には、アイスが無いんですか?」

ショタ提督「はいっ。そもそも、お菓子という食べ物すら……おやつという概念はあったんでしゅけど……」

ショタ提督(基本的に、魔物のお肉と野菜を使った料理ばかりだったから……あっ、魔法薬も食料と言えば食料かな……?)

鳳翔「そうですか……でしたら、この世界の美味しいアイスをしっかり堪能して下さい」ニコッ

ショタ提督「ありがとうごじゃいましゅ!あむっ、んぅ……♪」

ショタ提督(僕の魔法が鳳翔お姉さん達のお役に立てて、こんな美味しい物まで食べられるなんて……!)ニコニコ

鳳翔「………」クスッ

鳳翔(提督、本当に嬉しそう……よっぽど美味しかったんでしょうか♪)

4ヶ月目:下旬


ショタ提督「………」つスマホ マジマジ

涼月「提督?どうしたんですか?」

ショタ提督「いえ、その……魔力を使わず遠距離の人々と会話が出来る『電話』って、凄いなと思いまして……」

涼月「……確かに、私達から見ても凄い技術だと思います。ほんの数十年前までは、遠い所にいる人とは手紙でしか情報を交換出来ませんでしたから」

ショタ提督「そうなんでしゅか……それに、電話だけじゃなくて、他にも……」チラッ

涼月「……?」チラッ

秋月「ずるるるるっ!もぐもぐ……ぷはっ!美味しい~♪」つカップラーメン

ショタ提督「魔力無しで水を温めたり、それを注いだだけで食事が完成したり……」

照月「はぐはぐっ、んぅ~♪ひあわへ~♪」つレトルトカレー

ショタ提督「温めた水で煮込むだけで、僕があれだけ苦労しても作れなかった食べ物が出来上がったり……」

『あれでもないこれでもない……あった!スモールライトー!』

初月「やっぱりドラえもんの道具は凄いな!」

ショタ提督「絵が動いて音まで聞こえる箱……てれび、と言うんでしたっけ?とにかく、身の回りに驚きのアイテムが多すぎて……」

涼月「………」

涼月(『高度に発達した科学は魔法と区別が付かない』という言葉を聞いたことがありますけど……提督にとっては、この世界の物が未知の魔法としか思えないんですね……)

涼月「……提督の世界では、これらのことを全て魔法で行うんですか?」

ショタ提督「は、はいっ。なので、本当に素晴らしいかがくぎじゅつ?だと思います!魔力も無しに、こんなことを手軽に出来てしまうなんて!」

ショタ提督(魔力を使わず色々なことを可能にする……魔力に頼って生きている僕達からすれば、考えられない世界だよ……!)キラキラ

涼月「………」

涼月(提督の世界は魔法、私達の世界は科学……どちらにしても、人間が何か特別な技術に依存して暮らしていることは変わらないのかもしれません)

涼月(ただ、提督の言葉から想像すれば……向こうの世界の技術レベルは、この世界の100年前よりも未発達ということでしょうか……?)


↓1弥生のコンマ 好感度:15/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:17.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:11/50
↓4村雨のコンマ 好感度:36/50

反転コンマが最大の艦娘が行動します

村雨(まだ結構な差があるけど、このままだと追いつかれちゃいそうね……)

鳳翔「絶対に……!」

弥生「追いついて……!」

伊168「見せるんだから……!」


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

21:30~22:30頃開始予定です。

始めます。

大鯨「科学の代わりに魔法が発達した世界……どんな所なんでしょうか?」

鳳翔「想像も出来ません……やっぱりゲームで描かれる舞台のように、ビル等の無い世界かもしれません」

大鯨「テレビや電話すら存在しないみたいですしね……」

鳳翔「ですが魔法がある訳ですし、空飛ぶ絨毯や不思議なアイテムもあったり……」

大鯨「提督の話を聞く限り、魔法薬はあるんでしたっけ」

鳳翔「何よりインスタント食品すら無いとなると、提督が住んでいる世界の食生活は一体どうなっているのでしょう?」

大鯨「お料理に携わる私達からすると、技術レベルより興味がある話ですよね」

鳳翔「やっぱりモンスターのお肉を魔法で調達したり……」

大鯨「そして調理や加工も魔法で……」

鳳翔「………」

大鯨「………」

鳳翔大鯨(凄く気になるかも……機会があれば食べてみたい……!)



ショタ提督は……

直下

ショタ提督「むむぅっ……!」つ杖

鳳翔「……!?」

鳳翔(あれは魔方陣……それに杖を握って……提督、まさか難しい魔法を使うつもりですか!?)

ショタ提督(この前は失敗しちゃったけど、もしかしたら……お姉さん達が知らないだけで、この世界のどこかに友好的な魔物がいるかもしれない)

ショタ提督(もしいなかったとしても、その場合は誰も呼び出せないだけで済むから……やってみる価値はあるよね……!)

鳳翔「………」オロオロ

鳳翔(ど、どうしましょう!?止めた方が良いでしょうか……ですが提督の顔は真剣そのものですし……)

ショタ提督「んうぅ……!」

ショタ提督(魔力を流し込めた!後は呼び出したい対象をイメージして……)

ショタ提督「……っ」ムズッ

ショタ提督(あっ、ま、また鼻がムズムズしてきちゃった……!確か前にも……ダメっ!我慢しないと……!)

ショタ提督「あっ……ふぁ……へ、へっくしゅっ!」つ杖 カッ

ボワアアアアアアアアアンッ!

ショタ提督「ふえええええええええっ!?」

鳳翔「!?」

鳳翔(て、提督!?またやっちゃったんですか!?)

ショタ提督「し、しまったぁ~!?またくしゃみで魔法が暴発しちゃったああああああああっ!」

シュウウウゥゥゥ…

鳳翔「………」ドキドキ

鳳翔(ど、どうやら提督や執務室は無事みたいですけど……一体何が起こって……)チラッ














綾波(アズールレーン)「また那珂ちゃん……これでもう20隻目です……」つスマホ ポチポチ ※ニコニコの服を着てる状態

鳳翔「」

ショタ提督「……ふぇ?」

綾波「いい加減雪風か島風を……え?」クルッ

綾波「……どちら様、ですか?」

ショタ提督「え、えっと……?」

鳳翔「………」

鳳翔(……え?あの子って、確か皆さんが遊んでいるゲームに登場する綾波ちゃんでは……提督、まさか別世界から人を呼び寄せたんですか!?)

ショタ提督「あっ、そ、そのっ、貴女は……?」

綾波「綾波です。その格好からして、貴方は指揮官なのですか?ですが子供の指揮官なんて聞いたことないです……」

綾波「それよりここは……?私、さっきまでロング・アイランドと一緒に自室でくつろいでいたはずなのに……」キョロキョロ

ショタ提督(そ、そうか!さっきの召喚魔法の失敗で、別の世界から人を呼び寄せちゃったのかも……!僕、またやっちゃったんだ……!)ガクガク

鳳翔「………」

鳳翔(ど、どうしましょうか……提督のフォローをするか、そこの綾波ちゃんに話を聞くのが先か……)


鳳翔の行動

直下

鳳翔「………」フルフル

鳳翔(いえ、落ち着きなさい鳳翔。私まで慌てていたら、提督や綾波ちゃんがますます混乱してしまうだけ……)

鳳翔(ここは私が提督を落ち着かせて、綾波ちゃんに事情を説明しないと……)


ショタ提督「あわっ、あわわわわわわ……!?」アタフタ

綾波(寮舎ではないですね……それに、いつも私達が出入りしている執務室と比べても部屋自体が違うような……)キョロキョロ

コンコンコン

ショタ提督「ふぇっ!?は、はいっ!」

鳳翔「失礼します」ガチャ

綾波(……誰ですか、この人は)

ショタ提督「あっ、ほ、鳳翔お姉さん!えっと、あのっ、その……」オロオロ

綾波「!?」

綾波(えっ、鳳翔……!?この人、艦これの鳳翔さん……!?一体、何がどうなって……)

鳳翔「一部始終を見ていました。提督、また失敗してしまったんですね」

ショタ提督「ご、ごめんなさあああああああいっ!」ペコペコ

鳳翔「あ、いえ。責めている訳では無いんです。とにかくまずは落ち着いて、そこの綾波ちゃんに事情を伝えないといけません」

ショタ提督「あっ……そ、そうですね……」

綾波「えっと……」

鳳翔「……落ち着いて聞いて下さい。実は……」

・・・÷

ショタ提督「……という訳なんです。本当にごめんなさいっ!」ペコペコ

綾波「別の世界に……?」

鳳翔「誤解しないでいただきたいのは、提督は決して悪意を持って貴女をここに呼び出した訳では無いんです」

ショタ提督「は、はいっ。その、召喚魔法の暴発で……」

綾波「……事情は分かったのです。いえ、正確には、まだ理解が追いついてませんけど……とりあえず、小さい指揮官の魔法のせいだということは把握したです」

綾波(じゃあ、ここは紛れも無く艦これ世界……私はゲームの世界に入り込んだということでしょうか……にしても魔法って……)

綾波「あの、それで……私はどうなるのですか?」

ショタ提督「そ、それは……」

鳳翔「……もしかして、元の世界に戻せなかったりしますか?」ボソッ

ショタ提督「え、えっと……魔法の暴発なので、僕と同じように……次元座標の特定から始めないと……」ボソッ

鳳翔「なるほど……となると、かなり時間がかかりそうですね」

ショタ提督「あぅ……」

鳳翔(とすれば、綾波ちゃんにはどう説明すれば……いえ、嘘を言う訳にはいきません。しっかり事実を伝えた上で、ここで保護することを検討しないと……)


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~09:綾波、かなり慌ててしまい……
10~49:綾波、動揺するも何とか話を受け入れようとする

どちらでも好感度上昇:小 ×1.0

50~98:綾波、若干不安に思うも話をしっかり受け入れる
好感度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:綾波、開き直って艦これ世界での生活を楽しむことに
好感度上昇:大 ×2.0

直下

32→23:そりゃ動揺しまくるよね、うん


綾波「じゃ、じゃあ……座標が判明するまで、私は元の世界に戻れないのですか……?」

鳳翔「……はい」

ショタ提督「ごめんなさい!本当にごめんなしゃいっ!」ペコペコ

綾波「……っ」ゾクッ

綾波(えっ、つまり私は先が分からない状況でこの世界に居続けないといけない、ですか……?)

綾波(それだけじゃないです。向こうの世界でも、指揮官やロング・アイランド達がきっと心配して……)

綾波「………」

鳳翔「その……提督が綾波ちゃんの世界の座標を割り出すまでの間、責任を持ってこの鎮守府で保護します。ですから安心……出来ませんよね。すみません」

綾波「………」

ショタ提督「い、1日でも早く座標を特定しましゅから!ごめんなさい別世界の綾波お姉さん!僕のせいで……!」ペコペコ

綾波「……わ、分かったのです。では、しばらくお世話になるのです……」

鳳翔「……はい。その、よろしくお願いします……ね?」

ショタ提督(うわあああああああああんっ!こんなことになるなら、召喚魔法なんてするんじゃなかったあああああああ!)

ショタ提督(僕の馬鹿馬鹿馬鹿っ!どうしていつも失敗ばっかりなんだああああああああっ!)ポカポカポカポカ

綾波「………」

綾波(本当は、まだ……すっごく不安です。でも……この小さな指揮官、いえ、提督は……自分の失敗を悔やんでいるみたいで……)

綾波(涙目で謝罪し続けて、今でも慌てている姿を見ていたら……責める気にはなれないのです)

綾波(指揮官、ラフィー、ニーミ、ジャベリン……心配かけるかもですけど、待っていて欲しいです……絶対に、帰って来ますから……!)


ショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

6×1.0=6 6+17.5=23.5/50


ショタ提督「むぅ……っ!」

綾波「………」

綾波(杖を持って目をつぶってるだけにしか見えないです……けど、提督が言うには、こうやって座標を探して……)

ショタ提督「……っはぁ!ダメです、まだ見つかりません……」

綾波「確か、指揮k……提督も、別の世界から来たです?」

ショタ提督「は、はいっ……転移魔法の失敗で、次元を飛び越えちゃいまして……」

綾波「それで魔法を使えるということですか。最初に聞いた時は驚いたのです」

ショタ提督「うぅ……ごめんなさい。僕のしぇいで……」

綾波「……過ぎたことを悩んでも仕方ないです。それよりも、私や提督の世界の座標を探す方が大事、です」

ショタ提督「……はい。が、頑張ります……んぅっ!」

ショタ提督(あちこちの次元を探ってるけど、一向に見つからない……もしこのまま、ずっと見つからなかったら……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(あ、あれ?僕、どうして……あまり不安に……)

ショタ提督(……いや、違うっ!綾波お姉さんの世界が見つからないことは今でも不安で一杯だよ!一刻も早く探さないといけないって思ってるけど……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(どうして、『僕の世界の座標が中々見つからない』ことに対して……最初の時よりも、不安に感じなかったんだろう……)

綾波「……提督?」

ショタ提督「あっ、ご、ごめんなさい!ちゃんと探してますからっ!」

ショタ提督(……気のせい、だよね?)


今月のリザルト:4ヶ月目

弥生 :15/50『水を温めるだけで作れるお料理って凄いですよね!』
鳳翔 :23.5/50『綾波お姉さんごめんなさいいいいいいいいいいっ!』
伊168:11/50『最近、あまりお話ししてないような……』
村雨 :36/50『も、もっと失敗しないよう頑張らないと……っ!』

5ヶ月目:上旬


綾波「わぁ……」マジマジ

綾波(アズレン)「………」マジマジ

綾波「本当にアズールレーンの私だ……!」

綾波(アズレン)「いつもスマホ越しに眺めていた、艦これの綾波……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(やっぱり、ギルド中で話題になっちゃった……ごめんなさい、別世界の綾波お姉さん……)

敷波「ちょっと司令官!?どうやったのこれ!?」

ショタ提督「え、えっと、召喚魔法の暴発で……」

漣「だからってアズレン世界のKAN-SEN呼び出すとか正気の沙汰じゃないんだけど!?」

ショタ提督「あ、あぅ……」

綾波「でもどうしてその服装なの?いつもの服は……」

綾波(アズレン)「それは……艦これしていたら、急にここへ呼び出されて……」

朧「えっと……災難だったね」

ショタ提督「ごめんなさいごめんなさいごめんなしゃいっ!」ペコペコ

綾波(アズレン)「いえ、その……」

曙(これ、向こうの世界では今頃行方不明事件になってるわよね……)

潮(アズールレーン世界の指揮官さん達、凄く心配してそう……)

綾波「あの、演習でお手合わせ出来ませんか?是非アズールレーン世界での私の戦法を学びたいです!」

綾波(アズールレーン)「……私も、艦これ世界での綾波の戦術を身に付けたいです」

ショタ提督「わ、分かりました。そういうことでしたら、後で演習の手続きを……」

W綾波「今すぐお願いしますっ!」キラキラ

ショタ提督「ひょわぁっ!?」

敷波「どっちの綾波も興奮し過ぎ!ちょっと落ち着きなって!」


↓1弥生のコンマ 好感度:15/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:23.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:11/50
↓4村雨のコンマ 好感度:36/50

反転コンマが最大の艦娘が行動します

五月雨「えっと……」

村雨「綾波のことよね?」

五月雨「う、うん。流石に予想外だったよ……」

村雨「まさかアズールレーンの世界から綾波を呼び出しちゃうなんて……」

五月雨「それに、向こうの世界には艦これが存在するんだって」

村雨「そうなの?だから私達のこと、説明せずともすんなり分かったのね……」

五月雨「逆にこっちの世界にアズールレーンが存在してたのはびっくりしてたけど」

村雨(そこは私達の世界と違うんだ……こっちはこっちで艦これが存在してるし、私達もそれを知ってるから……)

五月雨「でも、向こうの綾波ちゃんのお友達……心配してるよね」

村雨「それはそうよ。でも、それは提督と離ればなれになったご両親も同じね」

五月雨「……!」

村雨「元々、提督だって1人でこの世界に来てしまったもの。綾波を自分と同じ状況にしてしまったことに対する責任……凄く感じてると思う」

五月雨「……提督」

村雨(そのことを必要以上に思い詰めてなければ良いけど……)



ショタ提督は……

直下

ショタ提督(猫耳&尻尾)「………」ピョコッ

村雨「!?」

村雨(えっ、提督!?何その猫耳と尻尾!?今度はけものフレンズの世界に干渉しちゃったとか!?)

ショタ提督「……まさかモシャスの失敗でこんなことになっちゃうなんて」

村雨「……?」

村雨(モシャス?それって確かドラクエに出てくる変身技だったような……そういえば、鳳翔さんがそんなこと話してたっけ)

ショタ提督「人間以外の姿になろうとしてみたら……中途半端に変身しちゃうなんて」

ショタ提督(何だか不思議な感覚……耳はともかく、お尻の尻尾がムズムズするよぉ……)ピョコピョコ

村雨「……っ」プルッ

村雨(か、可愛い……!提督、元々可愛らしい顔してたけど……それに猫耳と尻尾だなんて……!)

村雨(あざとい!狙い過ぎ!でもそれがまた可愛い!ベタだけど惹かれるケモ耳属性っ!)

ショタ提督「……ひゃうっ!や、やっぱり神経繋がってる……!」ピョコッ

村雨(やめてやめてやめてっ!自分で耳触って悶えないで!可愛過ぎるでしょもうっ!)

ショタ提督「………」

村雨「………」

ショタ提督「……にゃん♪」※招き猫みたいなポーズ

村雨「」

ショタ提督「な、なんちゃって……何やってるんだろ、僕……///」

村雨「」

村雨(い、今の破壊力は……っ///)プルプル


村雨の行動

直下

村雨「……っ!///」ウズウズ

村雨(も、もうダメ……!その耳と尻尾、思う存分モフらせt)

長門「ケモ耳ショタだやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいッ!!」ドビューンッ!

村雨「!?」

ショタ提督「ふぇっ!?な、長門お姉しゃん!?」

長門「その耳と尻尾は私に襲われたいんだろう襲われたいんだなよしこれはもう合意の上だよなふおおおおおおおおおおっ!」ガバァッ!

ショタ提督「ひゃあああああああああああっ!?」

長門「柔らかい耳にフニャフニャの尻尾っ!これはダメだ!病み付きになるっ!もう2度と離さないぞ提督うううううううううっ!」モフモフモフモフ

ショタ提督「んふぁっ!?や、やめっ……ひゃうっ!?あっ、んんっ……!///」ピクピク

ショタ提督(そ、そんな……ただでさえ敏感な耳と尻尾を、同時に触るなんてぇ……!///)

村雨「……っ」プルプル

村雨(くっ……!ロリコンに先を越された……!第一発見者は私なのにぃ……!)

長門「はぁはぁはぁはぁんふふぅ~可愛いなぁ~提督はぁ~!ほらもっと私とニャンニャンしようそうしよう!」モフモフモフモフ

ショタ提督「んにゃぁ……あっ、はぁっ……ひぃんっ!んやっ……///」

村雨「……っぐ///」

村雨(そ、その喘ぎ声やめて……!ただでさえ可愛いのに、理性無くなるからぁ……っ!///)

村雨(というか長門さんばっかり独り占めだなんてズルいじゃない!私だって……私だってぇ……!///)

長門「あぁ^~心がにゃんにゃんするじゃぁ~~///」モフモフモフジュルモフモフ

ショタ提督「ふあぁっ!んにゅっ、にゃ、にゃがとお姉えしゃ……あんっ!///」

村雨「………」


反転コンマ判定:村雨の理性は!?

01~49:ながもんを体当たりでぶっ飛ばしてモフモフ
好感度上昇:小 ×1.0
50~98:ながもんと一緒にモフモフ
好感度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:寸前で理性が勝ち、陸奥を呼んで提督からながもんを引き離す
好感度上昇:大 ×2.0

直下

25→52:加賀(39周目)「貴女も立派なヒロイン兼変態の仲間入りね」


村雨「」プツン

村雨(もうダメ我慢出来ないロリコンとかどうでも良いから提督モフりたいモフろうそうしようすぐモフるッ!!///)ダッ

長門「む?駆逐艦の反応!?」クルッ

ショタ提督「ふぇ?」

村雨「提督ぅ~~~~~~~~!その耳と尻尾モフらせてぇ~~~~~~~~!///」ガバァッ

ショタ提督「ひゃうううううううううううううううっ!?」

長門「おぉ村雨!お前もニャンコ提督の耳と尻尾を堪能しに来たのか!?」

村雨「そうです!これ見てモフらないという選択肢はありませんっ!」モフモフッ

ショタ提督「んにゅうっ!?///」ピクッ

長門「よく言った!それでこそ同志だ!」モフモフッ

ショタ提督「はうぅっ!?///」

村雨「見境なく子供を襲う貴女と同じにしないで下さい!んぅ~~~もふもふぅ~~~!///」モフモフモフモフ

ショタ提督「む、村雨お姉ひゃ……やぁっ!そ、そこはぁ……っ!///」

長門「おっほ辛辣!ますます興奮してきた!ということで提督食べりゅううううううう!はむぅっ!」ハムッ

ショタ提督「ふにゃああああああああああっ!?///」

村雨「あっ自分だけズルいですよ提督の耳をハムハムするなんて!だったら私も……はむぅ♪」ハムッ

ショタ提督「ふわあああああああああああっ!?///」

長門「はむはむはむぅっ!んんっ!///」モフモフハムハム

村雨「あーむっ、もむもむ……んふぅ///」モフモフハムハム

ショタ提督「ひゃああぁぁ……!お、お願いでしゅ、もうやめぇ……んあっ、やんっ!そ、そこ、敏感でぇ……はうっ!///」


ショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

村雨「よしリーチ!このままゴールまで一気に駆け抜けちゃうわよ~♪」スリスリモフモフ

ショタ提督「も、もうやだぁ……んあっ!やめ……あんっ、んうぅっ……!///」ビクビク

鳳翔(羨ましいです……)

弥生(私もモフモフしたいです……)

伊168(私全然出番回って来ないんだけど……)

綾波(アズレン)(私の世界のアーク・ロイヤルが鼻血を出しながら飛びつきそうな光景です……)


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

17:30~18:30頃開始予定です。

始めます。

7×1.5=10.5 10.5+36=46.5/50<リーチ!>


長門「ふぅ……」キラキラ

村雨「はふぅ……♪」キラキラ

ショタ提督「」ピクッピクッ ※アヘ顔&赤面&涎を垂らしている提督をご想像下さい

長門「これで後1万年は戦える!早速出撃だあああああああああああああッ!!」ダッ! シュタタタタタッ!

村雨「……はっ!?しまった!思わず我を忘れちゃってた!?提督、大丈……夫……」クルッ

ショタ提督「」ピクッピクッ

村雨「あっ……えっと、そのぅ……ご、ごめんなさい!耳と尻尾が可愛過ぎて、つい……」

ショタ提督「う、ぅ……い、いえ、僕は……///」

ショタ提督(だ、ダメ……腰が抜けて立てなぃ……///)

村雨「………」

ショタ提督「……///」

村雨「……て、提督。あの……」

ショタ提督「……ふぇ?///」

村雨「……っ///」

村雨(ど、どうしよう……さっきの出来事のせいか、つい意識しちゃって……///)

ショタ提督「………」

ショタ提督(だんだん頭が冷静になってきたかも……僕はさっき、村雨お姉さんと長門お姉さんに耳と尻尾を弄られちゃって……)

ショタ提督(でも、それが気持ち良くて……特に、村雨お姉さんに触られた時……フワッとして……)

村雨「………」

村雨(いや、違う……さっきのはあくまでも自覚するきっかけ。私は提督と一緒に過ごしていく内に……)

村雨(ドジでおっちょこちょいな所も含めて、提督に……///)

ショタ提督「………」

ショタ提督(これって……そういうこと、なのかな……?でも、僕はいずれ……元の世界に戻らないと……)

ショタ提督(だけど、この気持ちがそうだとしたら……まさか、僕が元の世界に戻れないことをあまり不安に感じなかったのって……)

ショタ提督「……っ」ズキッ

5ヶ月目:中旬


ショタ提督「………」ポヤー

綾波(アズレン・以下同じ)「……提督?どうしたのですか?」

ショタ提督「……え?」

綾波「さっきから時々、ボ~っとしてるです」

ショタ提督「あっ、ご、ごめんなしゃい!えっと、早く綾波お姉さんの世界を見つけないと……」つ杖 グッ

ショタ提督(……言えない。言える訳、無いよ……元の世界に戻ることを、躊躇っているだなんて……)

ショタ提督(村雨お姉さんや、他のお姉さん達と……離れたくない。そう考えてしまっているなんて……)

ショタ提督(いや、そもそもまだ座標を見つけてすらいないんだけど……この調子なら、近い内に……)

ショタ提督「……っ!」フルフル

ショタ提督(だ、だからダメだよ!僕のことと、綾波お姉さんを元の世界に戻すことは全然別の問題なのに!)

ショタ提督(今は綾波お姉さんの世界を探すことに集中しないと……!)

綾波「………」

綾波(やっぱり、いつもと比べて様子がおかしいです。何かあったのでしょうか……)



村雨「……///」

村雨(お姉さんらしく、ドジっ子な提督をお世話しようと考えてたのに……まさか私の方が、提督に惹かれちゃうなんて……///)

村雨「……っ」ズキッ

村雨(だけど、冷静に考えてみれば……提督は、いずれ元の世界に帰ってしまう。この世界から、いなくなってしまう……)

村雨(つまり、2度と提督と会えなくなってしまうかもしれない……そんな、そんなのって……)

村雨「……っ!」

村雨(初恋を自覚したと思ったら、今度は永遠の別れになるかもしれないだなんて……!)

村雨(でも、私の都合で提督をこの世界に引き留めることは出来ない。提督だって、元の世界に戻りたがってるのに……!)



↓1弥生のコンマ 好感度:15/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:23.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:11/50
↓4村雨のコンマ 好感度:46.5/50<リーチ!>

反転コンマが最大の艦娘が行動します

鳳翔「……提督、朝からずっと上の空でした」

間宮「そうですね。ご飯の時も、俯きながら黙々と食べていましたし……」

間宮「やはり元の世界へ帰れないことを不安に思っているのかもしれませんね」

鳳翔「………」

鳳翔(本当にそうなのでしょうか……?いつも慌てながらも一生懸命頑張っていた提督が、あそこまで悩むだなんて……)

鳳翔「………」

間宮「……鳳翔さん?」

鳳翔「……提督の様子を見て来ますね?」

間宮「あ、はい。お願いします」

鳳翔(提督……何か悩みがあれば、是非私達に相談して下さい。お力になれることでしたら、問題解決に向けてご協力しますから……!)ガチャ

バタン…

間宮「………」

間宮(提督、大丈夫でしょうか……?)



ショタ提督は……

直下

ショタ提督「………」つ杖 パァッ…

鳳翔「………」

鳳翔(無言で杖を握り締めていますね……杖が光っているということは、魔法を使って……)

ショタ提督「……はぁ」

鳳翔「……?」

ショタ提督「まずは綾波お姉さんの世界を優先的に探すと決めたのは良いけど……やっぱり、中々見つからないよ……」

ショタ提督「魔力を沢山使って、1度に広範囲の次元を探知しても……綾波お姉さんがいた世界の座標と一致する世界が見当たらない……」

鳳翔「………」

ショタ提督「だけど、僕の所為でこんなことになっちゃったんだ……絶対に見つけ出さないと……!」つ杖 パァッ…

ショタ提督(……何かに集中していれば、とりあえず僕の問題は忘れられる。考えずに済むから……)

鳳翔「………」

鳳翔(提督……別世界の綾波ちゃんに対しての責任を取る為に……ですが、ここから眺めていると……)

ショタ提督「……っ」

鳳翔(どことなく、いつもより提督の表情に余裕が無いような……単に綾波ちゃんへの責任を感じているだけでなく……)

鳳翔(目の前のことに執着して、何かを考えないようにしているような……もちろん、私の予想でしかありませんけど……)

ショタ提督「………」

鳳翔「………」

鳳翔(どちらにしても、今の提督が辛そうな顔をしていることは事実。何とかして、少しでも提督の気を楽にして差し上げたいですが……)



鳳翔の行動

直下

鳳翔「……!」

鳳翔(そういえば、前に提督と一緒に作ったアイスの残りがまだありましたっけ。それなら……!)スタスタ…


ショタ提督「……っはぁ!」

ショタ提督(やっぱりダメ……ずっと探知し続けていると、どうしても頭が疲れちゃう……)

ショタ提督(だけど、ここで休んでいたら綾波お姉さんを元の世界に帰してあげられない……もっと頑張らないと……)

コンコンコン

ショタ提督「……?どうぞ……」

鳳翔「失礼します」ガチャ

ショタ提督「あっ……鳳翔お姉さん……」

鳳翔「提督、随分とお疲れのようでしたので……間食をお持ちしました」スッ

ショタ提督「これって……この前作ったあいす?でしゅか……?」

鳳翔「はい。ですがこちらは以前提督に食べていただいたものとは違う種類のアイスです」

ショタ提督「違うあいす……」スッ

ショタ提督(本当だ。前に食べたのは棒が刺さったものだったけど、こっちは紙の器に入って……)

ショタ提督「……いただきましゅ。はむっ……んっ……?」

鳳翔「……どうですか?」

ショタ提督「わぁ……美味しいです。それに、いつもより味がしっかり付いていて……食べた後にも、口の中に良い香りが……」

鳳翔「ふふっ。それはフレーバーです」ニコッ

ショタ提督「ふれーばー?」キョトン

鳳翔「ただ美味しいだけではなく……食べている時に舌から、そして食べ終わった後の喉からも風味や香りを楽しめるアイスのことです」

ショタ提督「そうなんでしゅか……前よりも美味しいあいすがあるだなんて……!」

鳳翔「……提督。これで少しでも気持ちを楽にしていただけましたか?」

ショタ提督「ふぇ?えっと……あの……」

ショタ提督(もしかして、鳳翔お姉さんが僕にあいすを持って来てくれたのって……)

鳳翔「何やら悩んでいるように見えましたので、せめて美味しいもので肩の力を抜いていただければと……」

ショタ提督「………」

鳳翔「提督……どのような悩みを抱えているかは、私には分かりません。そして、無理に聞き出すつもりもございません」

鳳翔「ですが……少し落ち着いて、悩みを別の視点で考えてみれば……もしかすると、思わぬ解決法が浮かんでくるかもしれません」

ショタ提督「……!」

鳳翔「その為には、微力ながら……私達にも、お手伝いをさせて下さい」ニコッ

ショタ提督「……鳳翔お姉さん」


反転コンマ判定:提督の反応は?

01~49:提督、少しだけ気持ちが楽になる
好感度上昇:小 ×1.0
50~98:提督、かなり気持ちが楽になる
好感度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:提督、悩みをほぼ正確に伝える
好感度上昇:大 ×2.0

直下

70→07:あまり思い詰めてはいけませんよ?


ショタ提督「………」

ショタ提督(鳳翔お姉さんが持って来てくれたあいすのお陰で、少しだけ……心が落ち着いた)

ショタ提督(甘くて良い香りの、美味しいあいすを食べて……ソワソワしていた気持ちが、ちょっぴり冷静になった)

ショタ提督「……ありがとうごじゃいます、鳳翔お姉さん」

鳳翔「いえ。むしろこれくらいのことしか出来ず申し訳ありません」

ショタ提督「い、いえ!そんな……」

ショタ提督(……だけど、ずっと落ち着いてはいられない。綾波お姉さんを元の世界に戻さないといけないのは本当のことだし……)

ショタ提督(いずれは僕の世界も探し出すことが出来て……お姉さん達との別れの時が……)

ショタ提督「………」

鳳翔「……提督?」

ショタ提督「………」

鳳翔「………」

鳳翔(さっきの表情に戻って……やはり提督は深刻な悩みを抱えているのでしょうか)

鳳翔(それこそ、美味しいアイスを食べても……すぐに真剣な顔になってしまうほど……)

ショタ提督「………」フルフル

ショタ提督(いや、今はとにかく綾波お姉さんのことだけ考えないと……僕のことは、後回しで……!)

ショタ提督(何より、僕が悩んでいるせいで……これ以上、鳳翔お姉さん達に迷惑をかける訳には……!)


ショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

5×1.0=5 5+23.5=28.5/50


ショタ提督(早く綾波お姉さんの世界を見つけなきゃ……!)つ杖

鳳翔「……提督。あらゆる次元から、特定の世界を見つけ出すのは……やはり、難しいことなのですか?」

ショタ提督「……はい。広い砂漠から、小さな宝石の欠片を探し出すことよりむじゅかしいです」

鳳翔「……っ」

鳳翔(予想はしていましたが、提督本人の口から伝えられると……事実として重く圧し掛かってきますね)

ショタ提督「でも、やりゅしかないんです。きっと、綾波お姉さんの世界の人々も……綾波お姉さんの行方を心配して……」

ショタ提督(僕の失敗が原因だから……僕のことは後回しにしてでも、綾波お姉さんの世界を探さないといけない……!)

鳳翔「………」

鳳翔(出来ることなら、私も力になって差し上げたい……でも、魔法が使えない私達に手伝えることは……)

鳳翔「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(お父さん、お母さん……ごめんなさい。でも、先に綾波お姉さんのことを何とかしないと……)

ショタ提督(その後は、僕の世界を……でも、村雨お姉さん達と離ればなれになるのは……)

ショタ提督「……っ!」ブンブンッ!

ショタ提督(だから、僕のことは今考えちゃダメ!綾波お姉さんを戻すことだけ考えないと……!)

ショタ提督(だって、この先のことを考えるのは……怖いから……)

鳳翔「……っ」

鳳翔(提督……何も力になれず、申し訳ございません……)

5ヶ月目:下旬


15周目鎮守府

15周目提督「なるほどのぅ。この世界の者達と別れるのが辛い、か……」

ショタ提督「……はい」

15周目提督「少々状況が違うが、ワシもお主が感じている気持ちを何度も経験している。他の人間よりはお主の悩みを理解出来るはずじゃ」

ショタ提督「えっと、その……15周目提督さんは、不老不死の呪いを受けて……」

15周目提督「呪いかは未だに分からぬが、そう考えてもらって差し支え無いの」

ショタ提督「ですが、この世界には魔法が存在しないとお聞きしたのでしゅが……」

15周目提督「あれは今思い出しても不思議じゃった。溺死しかけたワシの命を救った、謎の女……」

15周目提督「天津風達が戦っている深海棲艦と似た外見をしておったが、当時はそのような奴らはまだ存在していなかったはずじゃ」

ショタ提督「じゃあ、魔女か何かでしょうか……?」

15周目提督「分からぬ。確実に言えることは、皮肉にもワシは命を助けられたことで……ある意味、死より辛い経験をすることになってしまったことじゃな」

ショタ提督「………」

15周目提督「49周目提督。どのような決断をするかはお主次第じゃが……何か悩みがあれば、いつでも相談してほしい」

ショタ提督「……!」

15周目提督「こうして出会えたのも何かの縁。同じ提督の好じゃ、困った時は力になろう」

ショタ提督「……ありがとうごじゃいましゅ」ペコッ

ショタ提督(15周目提督さん、やっぱり落ち着いてるなぁ……いつも慌ててる僕とは大違いだよ……)



天津風(15周目)「………」

天津風(別世界に漂流するなんて、冷静に考えてみれば……かなり怖いことのはず)

天津風(それも、元の世界に帰れる保証も無い……そんな状況の中、49周目提督君は必死に頑張って……)

天津風「………」チラッ

村雨「……っ」

村雨(提督……)

天津風(そして、何故か部屋に入らず遠巻きに眺めている村雨……どうして49周目提督君と顔を合わせようとしないのかしら)



↓1弥生のコンマ 好感度:15/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:28.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:11/50
↓4村雨のコンマ 好感度:46.5/50<リーチ!>

反転コンマが最大の艦娘が行動します

すみません!少し急用が入りました!10分程お待ちいただけると幸いです。

U-511「提督、最近ずっと何か悩んでる……」

伊168「えぇ。演習で指揮をしている時も、いつもより慌てがちだったり……」

U-511「やっぱり、別世界の綾波ちゃんのことかな……」

伊168「う~ん、それもあると思うけど……鳳翔さんが言うには、何か別の悩みがある感じみたいよ」

U-511「別の悩み……?」

伊168「それは分からない。でも、司令官の様子から考えると……少なくとも、些細な悩みでは無さそうね」

U-511「うん……」

伊168「………」

伊168(さっきだって、他の鎮守府の提督に相談しに行ったみたいだし……一体、どうしちゃったんだろう)



ショタ提督は……

直下

ショタ提督「よいしょ、よいしょ……」カンカン

伊168「……?」

伊168(司令官、何してるのかしら……光る宝石をハンマーで叩いてるみたいだけど……)

ショタ提督「やぁっ……!」カンカン

ショタ提督(僕が使っている杖は、あくまでも見習い向け……強力な魔法を安定して使う為には、杖を強化しないといけない……!)

ショタ提督(本当は、魔法を使うことに慣れてから強化するつもりだったけど……もう、そんなこと言っていられない……!)

ショタ提督(少しでも綾波お姉さんの世界を効率的に探す為には、杖や魔法を強化しないと……!)

ショタ提督(こういうことは、普段は鍛冶屋の人にしてもらうんだけど……自分でやるしか……!)

ショタ提督「えいっ、えいっ……!」カンカン

伊168「………」

ショタ提督「はぁはぁ……これで、少しは強化されたかな……見よう見まねでやったから、ちゃんと出来たかは分からないけど……」

宝石「」キラキラ…

伊168「……!」

伊168(宝石の色が、青色から緑色に……)

ショタ提督「後はこれを杖に付けて……」カチッ

杖「」ピカァ…ッ!

伊168「……!」

伊168(あの宝石、どこかで見たと思ったら……司令官の杖の先に付いてる宝石だったんだ!)

ショタ提督「えっと、強化具合は……あれ?ちょっとだけ……いや、失敗するよりはマシだよ!成功しただけありがたいと思わないと!」

ショタ提督「これで今までよりも綾波お姉さんの世界を探しやすくなる……!」

ショタ提督(でも、同時に……僕の世界も、探知しやすく……だからっ、今はそのことを考えちゃダメだってば!)フルフル

伊168「……?」

伊168(司令官、今……一瞬だけ、悲しげな表情をしたような……)


伊168の行動

直下

少し休憩します。22:00~23:00頃再開予定です。

再開します。

伊168「………」

伊168(……いや、今は詮索してる場合じゃないか。まずは司令官の力になれそうなことをしないと)

伊168(杖を強化してるみたいだけど、何か手伝えそうなことは……う~ん……)

伊168「……!」ピーン

伊168(そうだ!こういうことにうってつけの人達がいるじゃない!)


ショタ提督「………」ジー

杖「」キラキラ

ショタ提督(本音を言えば、もう少し強化したかったけど……仕方ないよね。まずはこの杖で……)

伊168「司令官っ!」ガチャ

ショタ提督「ひゃうっ!?えっ、い、イムヤお姉さん……?」

伊168「杖をパワーアップさせたいのよね!だったら良い方法があるわ!」

ショタ提督「えっ!?で、でも、この世界には魔法が存在しないんじゃ……」

伊168「えぇ。だからこの世界ならではの手段……科学の力を使うの!」

ショタ提督「かがく……?」

伊168「とにかくついて来て!」ダッ

ショタ提督「あっ、お、お姉しゃん!待って下さ~い!」タタタッ

・・・÷

工廠

伊168「という訳で司令官の杖を強化してほしいの!」

明石夕張「とんでもない無茶振りされたんだけど!?」

ショタ提督「こ、ここって……」

伊168「お願い!司令官や綾波を元の世界に戻してあげる為なの!」

明石「いや~、そうは言うけど……」

夕張「流石に魔法を扱うアイテムを弄るのは……」

伊168「無理なお願いしてるのは承知の上なの!何とか出来ないかな?」

ショタ提督「……え、えっとっ、お願いしますっ!」ペコッ

明石「……分かりました。ですが、上手くいかなかったとしても文句言わないで下さいね?」

夕張「機械ならまだしも、異世界の技術に手を加えるのは初めての試みですし……」

伊168「もちろんよ!ありがとう!」

ショタ提督「あ、ありがとうごじゃいましゅっ!」

ショタ提督(でも、異世界のぎじゅつ?で本当に杖を強化出来るのかな……いや、やってみなきゃ分からないよ!明石お姉さん達を信じなきゃ!)


反転コンマ判定:科学と魔法……前代未聞の改修の結果は!?

01~49:失敗……
好感度上昇:小 ×1.0
50~98:成功!
好感度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:大成功!!
好感度上昇:大 ×2.0

直下

04→40:流石に無理でした


明石「………」

夕張「………」

杖「」キラキラ…

明石「……ねぇ夕張ちゃん。これどうしたら良いと思う?」

夕張「え、えっと……まさか工具で穴をあける訳にもいかないよね?」

明石「万が一壊しでもして、提督が永遠に元の世界へ戻れないなんてことになったら……」

夕張「お、恐ろしいこと言わないでよ!?ますます手を加えるのが怖くなっちゃうじゃない!」

明石「………」

夕張「………」

杖「」キラキラ…

明石「……とりあえず、周囲に演算装置でも付けてみる?」

夕張「……えぇ。杖には出来るだけ何もせず、外部に何かを取り付ける方針でいきましょうか」

・・・÷

ショタ提督「………」ソワソワ

伊168「………」

伊168(我ながらかなりの無茶苦茶を言っちゃったけど……明石さんに夕張さん、上手くやってくれたかな……)

明石夕張「………」ガチャ

ショタ提督「あっ……!」

伊168「どうだった!?」

明石「……無理でした」ズーン

夕張「色々試してはみたんですけど、如何せん専門外なので……」ズーン

ショタ提督「そ、そうでしゅか……」シュン

伊168「あー……えっと、無理言ってごめんなさい」

明石夕張(私達の技術では無力……何か無性に悔しい。そしてヘコむ……)

ショタ提督「あ、あのっ、僕は気にしてましぇんから……」アセアセ

伊168「………」

伊168(明石さんと夕張さんでもお手上げかぁ……やっぱり魔法って私達には理解出来ない領域なのかしら……)


ショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

5×1.0=5 5+11=16/50


ショタ提督「………」つ杖 パァッ…

綾波(アズレン・以下同じ)「………」

ショタ提督「……っ」つ杖 スッ…

ショタ提督(うぅ、ダメ……頭が疲れて……でも、こんなことじゃ……)

綾波「……大丈夫ですか?」

ショタ提督「え……?」

綾波「提督、最近ずっと杖を握ってるです……もしかして、ずっと座標を探して……」

ショタ提督「……一刻も早く、綾波お姉さんを元の世界に戻さないといけませんから」

綾波「………」

ショタ提督「んうっ……!」つ杖 パァッ…

綾波「………」

綾波(明らかに無理をしてるのです。提督、この前から必死に座標を特定しようとしてます……)

綾波(この作業に没頭することで、何かから目を背けようとしているような……)

ショタ提督「はぁはぁ……んくっ……!」つ杖 パァッ…

ショタ提督(前より少しだけ、同時探知範囲が広くなってる……これなら、綾波お姉さんの世界を見つけやすくなるかも……!)

ショタ提督(……そう。綾波お姉さんの世界を見つけないと……今は、それだけを考えないと……)

綾波「………」

綾波(……指揮官も、この提督のように……私達の為に悩み、苦しみ……頑張ってくれていたのです)

綾波(指揮官、皆……会いたいです。でも、提督に無理をさせたくないです。提督だって、私と同じで……元の世界に……)

綾波(……元の世界?目を背けるように……提督、もしかして……いや、でも……)

ショタ提督「………」


今月のリザルト:5ヶ月目

弥生 :15/50『そういえば、最近お喋りしてないような……』
鳳翔 :28.5/50『美味しいあいす……ありがとうございます』
伊168 :16/50『僕の為に頼み込んでくれて……ありがとうございます』
村雨 :46.5/50<リーチ!>『………』

6ヶ月目:上旬


ショタ提督「………」つ機材 ポチャポチャ

ショタ提督「………」つフラスコ シャカシャカ

ショタ提督(魔力を込めて……あっ、でも強く込め過ぎないようにしないと……)カッ

ショタ提督(ゆっくり、ゆっくり振り混ぜて……加減を間違ったら、すぐ変になっちゃうから……!)シャカシャカ

ショタ提督「……えいっ!」カッ

ポゥンッ!

ショタ提督「こ、これなら……」チラッ

フラスコ「」プスプス…

ショタ提督「あぅ……また失敗しちゃった……」

ショタ提督(座標探知の補助に魔法薬を作ろうとしたけど……何度やっても失敗しちゃう……)

ショタ提督(簡単な回復薬なら、僕でも何とか作れる……はずなんだけど、どうしてもこうなっちゃって……)

ショタ提督「……やっぱり、元の世界の物を使わないと……上手くいかないのかな」

ショタ提督(お姉さん達から、使わない艤装や装備を譲ってもらって……それを材料にしても、成功したことが無い)

ショタ提督(もちろん他にも食材や色々な物で試してみたけど……結果はどれも失敗……)

ショタ提督「うぅ……」

ショタ提督(僕自身の未熟さが原因なのはもちろんだけど、この世界の物が魔法と相性が悪いのもある……かも)

ショタ提督「……っ!」フルフル

ショタ提督(いや、こんなところで落ち込んでる場合じゃない……綾波お姉さんの為にも、早く座標を特定しなきゃ……!)









村雨「………」

村雨(提督、フラスコで何か作ってるみたいだけど……それもやっぱり、元の世界に戻る為の物……?)

村雨「……っ」ズキッ

村雨(ダメよ、私……本当なら、提督が元の世界に戻れることを祝福しなきゃいけないのに……)

村雨(それを嫌だと感じちゃ、ダメなのに……でも、やっぱり……離れたくない……傍に居て欲しいよ……)

村雨「……っ」ギュッ


↓1弥生のコンマ 好感度:15/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:28.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:16/50
↓4村雨のコンマ 好感度:46.5/50<リーチ!>

反転コンマが最大の艦娘が行動します

伊168「………」

伊168(明石さんや夕張さんでもダメだったなんて……やっぱり科学技術での応用は難しいのかしら)

伊168(いや、そもそも魔法道具を科学で何とかするという発想が悪かったのかも)

伊168(とりあえず魔法は抜きにして、単純に司令官の助けになる物を作ってもらった方が……)

伊8「……イムヤちゃん」

伊168「……え?何?」

伊8「さっきからずっと無言だから、何か悩みがあるのかなって……」

伊168「あー……ごめん、ちょっとね。でも、私は大丈夫だから」

伊8「そう?なら良いけど……」

伊168「………」

伊168(……私“は”ね。司令官、今も何か悩んでるのかな。やっぱり様子を見に行こうっと)スクッ



ショタ提督は……

直下

伊168「……?」

伊168(あれ?てっきり部屋にいると思ったんだけど……)

衣笠「提督ならさっき、別世界の綾波ちゃんに誘われて食堂に行ったよ?」

伊168「食堂?」

・・・÷

食堂

綾波(アズレン)「……ということがあったのです」

Z1「へぇ~、セイレーンかぁ」

深雪「こっちで言う深海棲艦的な奴らだな!」

ショタ提督「……どこの世界にも、悪い人はいるんですね」

伊168「……!」

伊168(いた!司令官や綾波だけじゃなくて、他にも駆逐艦の娘達が何人か集まってるわね……何の話してるのかな)

綾波(アズレン)「指揮官の的確な指示のお陰で、何とか窮地を乗り越えることが出来たです」

響「指揮官……私達にとっての司令官に当たる人物だね?」

綾波「司令官の世界には、深海棲艦やセイレーンのような存在はいるんですか?」

ショタ提督「えっと、はい。でも、海に限らず……色々な勢力がいて……」

綾波(アズレン)「それって、主に魔物達ですか?」

ショタ提督「は、はいっ。ただ、敵対国との戦争も……」

深雪「マジで!?それじゃあたし達の世界より殺伐としてるのか!?」

ショタ提督「え、えっと……僕がここに転移する直前は、そんなこと無かったですけど……」

ショタ提督(ただ、お父さんとお母さんが言うには、僕が生まれる少し前まで戦争してたらしいんだよね……)

伊168「………」

伊168(取り留めない雑談と取るか、お互いの情報交換と取るか……何ともいえない会話ね)

綾波「……どこの世界にも戦争はあるんですね」

雪風「それに国の名前も違うなんて驚きですっ!」

秋月「重桜、ユニオン、ロイヤル、鉄血……どれも初めて聞く名前ですし……」

綾波(アズレン)「私からすると、日本、アメリカ、イギリス、ドイツという国の方が初耳です」

ショタ提督「僕の世界では、海を渡った国もありますけど……広大な大陸同士で繋がっていて、その国同士が共闘したり、戦争することも……」

伊168「………」

伊168(綾波の世界は私達の世界とそこそこ似てるみたいだけど、司令官の世界は本当に文明レベルで違うみたいね……)

伊168(やっぱりリアルファンタジーRPG世界なのかしら。行ってみたい気はするけど、変な魔物や兵士達に襲われるのはちょっと……)


伊168の行動

直下

今回はここまでです。長時間お付き合いいただきありがとうございました!
アズールレーンに関してはアプリ版を少し、クロスウェーブをプレイしただけなので、口調や舞台設定等細かなミスがあれば申し訳ありません。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

21:30~22:30頃開始予定です。

始めます。

望月「そういやさ、そっちの綾波って確かスマホで艦これ遊んでたよね?」

綾波(アズレン)「はい。とは言え、ゲームと比べるとこの世界は色々と違いますけど……」

初雪(逆にアズレンをプレイしてる私達にとっては、綾波の話はゲームとほぼ同じ……アズレンをしたこと無い人にとっては、初めて聞く話みたいだけど)

伊168「………」

伊168(そういえば、前に綾波のスマホを見せてもらったことがあるけど……確か艦これ以外は入って無かったわね)

伊168(もしかして、スマホゲーを始めたばかりなのかしら……それに司令官は最近、娯楽を楽しむ余裕すら……よし、そういうことなら……!)


綾波(アズレン)「FGO……聞いたことが無いです」

龍驤「こっちではめっちゃ人気なゲームやで?ウチはやったこと無いけど」

ショタ提督「???」

ショタ提督(お姉さん達のお話についていけません……やっぱり、この世界の娯楽って凄い……!)

伊168「司令官、皆!」

ショタ提督「ふぇ?あっ、イムヤお姉さん」

綾波(アズレン)「……イムヤ」

駆逐艦娘「イムヤ(ちゃん)!」

伊168「食堂で集まってるから、何をしてるのかと思ったら……中々面白い話してるみたいね」

響「最初は司令官や別世界の綾波の世界がどんな所かを聞いていたんだけどね」

綾波「いつの間にか話が脱線しちゃって……」

伊168(うん、知ってる。でも私としては好都合!)

伊168「司令官、別世界の綾波!これを見て!」つスマホ スッ

ショタ提督「は、はいっ!えっと……?」

綾波(アズレン)「……?」

伊168「司令官はもちろん、綾波も知らないだろうけど……この世界には、艦これ以外にも色々なゲームがあるのよ?例えばこれ!」ポチッ

ショタ提督「あっ!こ、これって、僕の世界そっくりでしゅ!」

望月「えっ嘘!どれどれ!?」

響(人とモンスターがバトルしている……なるほど。確かに司令官の話と一致してるね)

伊168「他にもこれとか!」ポチッ

綾波(アズレン)「あっ……私達と同じような人が、海で戦ってるです……!」

ショタ提督「わぁ……本当でしゅ……!」

初雪(これ、戦艦少女……)

伊168「司令官、綾波。この世界には、楽しいゲーム……娯楽が沢山あるんだよ?」

伊168「だから、元の世界に戻れないのは辛いと思うけど……こういう時こそ、何か楽しいことをして暗い気持ちを跳ね除けちゃうの!」

伊168(私には、これくらいのことしか言えないけど……2人、特に司令官には、少しでも元気でいて欲しいから……)

ショタ提督「………」

綾波(アズレン)「………」


反転コンマ判定:提督達の反応は?

01~49:綾波、ホームシックで泣いてしまう。それを見た提督、余計に責任を感じてしまい……
好感度上昇:小 ×1.0
50~98:提督と綾波、少しだけ元気を取り戻す
好感度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:綾波、戦艦少女Rに凄く興味を示す。提督、その様子を見て心が軽くなる
好感度上昇:大 ×2.0

直下

70→07:故郷を思い出しちゃった


綾波(アズレン)「………」

伊168「……綾波?」

綾波(アズレン)「……っ」ウルッ

ショタ提督「……!」

伊168「!?」

駆逐艦娘「!?」

綾波(アズレン)「あっ……ご、ごめんなさい、です……」ウルウル

伊168「ど、どうしたの!?もしかして、私がさっき言ったこと……無神経だった?」

綾波(アズレン)「いえ、そうじゃなくて……このゲームを見ていたら、元の世界のことを思い出しちゃって……」ウルウル

ショタ提督「っ!」ズキッ

伊168「あ……」

綾波(別世界の私……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……そう、だよ。綾波お姉さん、いつも普通に振る舞ってくれているけど……本当は、心細いんだ……)

ショタ提督(僕のせいで……本当は、こんな風にお喋りしてる場合じゃないのに……!)

伊168「……ごめんなさい。私、やっぱり無神経だったわ。貴女に辛いことを……」

綾波(アズレン)「違う、です……私が、勝手に寂しいと感じただけで……」ウルウル

ショタ提督「……ごめんなさいっ!」ペコッ

伊168「っ!」

綾波(アズレン)「……!」

ショタ提督「あ、あのっ、僕のせいで……本当に、ごめんなさい……!僕が、あんなことをしなければ……」

綾波(アズレン)「……提督」

伊168「………」

伊168(司令官と綾波に、元気を出してもらうつもりだったのに……うぅ、やっちゃった……)


ショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

6×1.0=6 6+16=22/50


綾波(アズレン)「………」ウルウル

綾波「………」ナデナデ

伊168「……ごめんなさい。私が余計なことをしちゃったせいで……」

ショタ提督「そんなっ!悪いのは僕でしゅ!元はと言えば、僕が召喚魔法を失敗しちゃったせいで……」

綾波(アズレン)「……いえ、大丈夫、です。もう、落ち着きましたから……」

ショタ提督「あ……」

伊168「………」

綾波(アズレン)「ご迷惑、おかけしたです。こんなことで落ち込んでいたら、指揮官に呆れられてしまうのです」

ショタ提督「………」

伊168「………」

綾波(アズレン)「提督……私の為に一生懸命になってくれるのは、嬉しいです。けど……無理はしないでほしいです」

ショタ提督「……!」

綾波(アズレン)「私だけじゃなく……提督だって、別世界から漂流してきたのですから……」

ショタ提督「……綾波お姉さん」

伊168「………」

綾波(アズレン)「……イムヤ。気を遣ってくれてありがとう、です。この世界のゲームも、楽しんでみるのです」ニコ…

伊168「あ……う、うん。でも、その……辛いなら……」

綾波(アズレン)「これでも私は、元の世界で鬼神と言われているのです。これくらいのことで心が折れていたら、皆に笑われてしまう……です」

伊168「………」

伊168(綾波……)

6ヶ月目:中旬


いつもの喫茶店

ショタ提督「………」

16周目提督「魔法使いかぁ……流石に初耳かも」

3周目提督「あれ?未来の世界にはいないんですか?」

16周目提督「うん。超能力者や忍者ならいるけど、魔法使いは初めて見たよ」

2周目提督(いや、待てよ?既に49周目提督がここにいるのだから、未来でも……いや、それとも隠しているのか?)

ショタ提督「………」

ショタ提督(村雨お姉さん達がお話してくれたように……この世界の人々は、基本的に魔力を持っていないみたい……)

ショタ提督(だけど、他のギルドに所属する人達からは……どこか温かくて、優しい気持ちになれる力を感じる……)

ショタ提督(それだけじゃなくて……村雨お姉さん達からも、同じような力を……)

6周目提督「それじゃあ魔法で空を飛んだりも出来るの~?」

8周目提督「いや、前にも本人が言っていたが、難しい魔法はまだ使えないらしい」

19周目提督「ちぇっ!透明になれる魔法とかあったら女湯覗き放題なのに!」

23周目提督「お前はそればっかりだな……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(そして、深海棲艦達からは……近寄るだけで震えてしまうほどの、怖い力を感じて……)

ショタ提督(いや、時々すれ違う人の中にも……そういう、恐ろしい力を感じ取る時が……)

ショタ提督「……っ」ギュッ

ショタ提督(分からない……この世界は、本当に謎だらけで……僕も綾波お姉さんも、ここに迷い込んで……)

ショタ提督(だからこそ、早く綾波お姉さんを元の世界に……でも、その後は……)

ショタ提督(……僕の、問題……先延ばしにしても、向き合わないといけない時が来る……来ちゃう……)









村雨「………」ジー

村雨(他の鎮守府の男の子達に相談したら、提督を引き留めるのを……手伝ってくれたり、しないかな……)

村雨「……っ!」フルフル

村雨(い、今……私、何を考えて……!自分の都合で、提督をこの世界に縛り付けようと……!)

村雨(最低だ、私……っ!提督のことより、自分のことを優先しちゃうなんて……っ!)


↓1弥生のコンマ 好感度:15/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:28.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:22/50
↓4村雨のコンマ 好感度:46.5/50<リーチ!>

反転コンマが最大の艦娘が行動します

村雨「………」

村雨(離れたくない……提督と、ずっと一緒にいたい……)

村雨(でも、そんな我儘……言えるはずが無い。だって、提督は……元の世界に帰ろうと、ずっと努力して……)

村雨(私達は、提督が元の世界に帰るまでお世話をするという約束で……)

村雨(だけど……私は、好きになっちゃった。提督のことを……いずれ、ここからいなくなってしまう人のことを……!)

村雨「……っ!」ギュッ

村雨(提督は元の世界に帰らないといけない……帰してあげないといけない……そう考えれば、考えるほど……!)

村雨(私の中の気持ちは、どんどん強くなっていって……そして……っ!)

村雨「……帰って、欲しくない」

村雨(こんな、最低なことを……考え出しちゃうようになって……!)

村雨「提督……提督っ……!」

村雨(ねぇ、どうすれば良いの……?提督に辛い思いはさせたくない……でも……)

村雨(提督の気持ちを無視して、ここに残って欲しいと考える私もいて……)

村雨「………」



特殊多数決

1.せめて想いだけでも伝えに行く
好感度50確定 END開放

2.この気持ちは封印しておかなければならない
好感度上昇コンマ判定へ

↓1~↓5

村雨「………」

村雨(このまま、ずっと考えていても……何も変わらない。いずれ、提督が元の世界へ帰ってしまうだけ……)

村雨(だったら……せめて、この気持ちを……提督に、伝えたい。知っていてもらいたい……!)

村雨「………」スクッ

村雨(提督……我儘な女の子で、ごめんなさい……)

村雨(ただでさえ、元の世界に戻ろうと頑張っているところに……混乱させてしまうようなことをして、ごめんなさい……!)

村雨(それでも……この気持ちだけは、聞いて欲しいの……!伝えさせて欲しいの……!)

村雨「………」ガチャ…

村雨(……白露ちゃん達はいない。このことを話せば……きっと、止められる。だから……今しか……!)

村雨「………」バタン…

村雨「……っ」スタスタ…

村雨(提督……!)





ショタ提督「……っ」つ杖 パァッ…!

ショタ提督(見つけなきゃ……綾波お姉さんの世界を、見つけ出さなきゃ……!)

ショタ提督(今はそれだけを考えないといけない……だって、そうしないと……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(僕が感じている、この気持ちと……向き合わないといけない。でも、それは……)

ショタ提督(僕にとって、凄く辛いことで……でも、避けられないことで……)

ショタ提督「……村雨、お姉さん」ボソッ…

ショタ提督(元の世界で、お父さんとお母さんが……きっと、心配してくれているのに……)

ショタ提督(そんな時に、僕は……こんなことを、考えちゃってるなんて……!)

ショタ提督「……っ!」つ杖 パァッ…!

ショタ提督(い、いけないっ!今は綾波お姉さんのことに集中しないと……そう、今は……今だけは……)

コンコンコン

ショタ提督「ひうっ!?」

村雨『提督……入って、良い……?』

ショタ提督「えっ、えっ……!?」

ショタ提督(この声って……村雨、お姉さん……!?いや、もしかしたら、由良お姉さんやコマンダンお姉さんの可能性も……)

ショタ提督「……は、はいっ。どうぞ……」

村雨「………」ガチャッ

ショタ提督「あ……っ」

ショタ提督(む、村雨……お姉さん……)

村雨「………」スタスタ…

ショタ提督「えっ、あ、む、村雨お姉しゃ……」

村雨「……っ!」ダキッ!

ショタ提督「ひゃうっ!?あっ、えっ……!?///」

村雨「………」ギュウッ

ショタ提督「あ、あのっ、そのっ……///」

ショタ提督(ど、どうして急に抱き着いて……うぅ、胸のドキドキ、聞こえてないよね……///)


























「……私、提督のことが好き。大好きなの……!」
























ショタ提督「……え?」

村雨「……っ」ギュッ

ショタ提督「そ、それって……あの……」

村雨「……ごめんなさい」

ショタ提督「……!」

村雨「元の世界へ帰ろうとしている提督に、こんなことを言ったって……迷惑、よね……?」

ショタ提督「あ……」

村雨「でも、どうしても……我慢出来なかったの。どうしても……伝えたかったの……っ!」ギュッ!

ショタ提督「んっ……」

村雨「初めて出会った時は、とんでもない子が来たと思って……でも、一緒に過ごしていく内に……」

村雨「失敗し続けても、諦めずに前を向いて……1人で知らない世界に飛ばされて、心細いはずなのに……私達の為に、頑張ってくれて……」

村雨「そんな提督を間近で見てきて……いつの間にか、好きになっちゃってたの……!」

ショタ提督「………」

村雨「だけど……提督は、いずれ元の世界に帰る時が来る。この世界に留まってもらう訳にはいかない……」

ショタ提督「……っ」ズキッ

村雨「……それでも、提督……貴方のことが好きなの。好きでたまらなくなっちゃったの……!」ギュッ

ショタ提督「あっ……」

村雨「ごめんね……こんな、勝手なこと言って……でも、好きなの……!離れたくないの……!提督ぅ……っ!」ギュッ

ショタ提督「………」

ショタ提督(まさか……村雨お姉さんも、僕のことを……てっきり、僕の片思いだと思ってたのに……)

ショタ提督「……村雨お姉さん」

村雨「……うん」

ショタ提督「えっと、ありがとうごじゃいます……僕のことを、好きになってくれて……」

村雨「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(本当は、こんなこと……言わない方が、良いのかもしれない……でも……)

ショタ提督(村雨お姉さんが、勇気を出して……僕に、伝えてくれたんだ……だから、僕も……ちゃんと、伝えないと……)

ショタ提督「……あ、あのっ!」


























「ぼ、僕も……村雨お姉さんのこと、好きでしゅ……!」
























村雨「……っ!?」

ショタ提督(あぅ……こんな時まで、噛んじゃうなんて……)

村雨「て、提督……今の、嘘じゃ……ない、よね……?」

ショタ提督「……はい」

村雨「私の聞き間違いなんかじゃ、無い……よね……?」

ショタ提督「……はいっ」

村雨「私と提督……両想い、なのよね……?」

ショタ提督「……はいっ!」

村雨「……っ!」パァッ

ショタ提督「……!」

村雨「嬉しい……!凄く、すっごく……嬉しくて、たまらないよぉ……!提督っ……!」ギュウッ

ショタ提督「……僕もです、村雨お姉さん」

村雨「……でも、やっぱり……元の世界に、帰るのよね……」

ショタ提督「………」

村雨「………」

ショタ提督「……実は、迷っていたんです」

村雨「え……?」

ショタ提督「僕はずっと、元の世界に戻ろうとしてきました……そんな時、村雨お姉さんのことが好きになって……」

ショタ提督「初めてここに飛ばされちゃった時より……元の世界へ帰れないことの不安が、無くなっていて……」

村雨「……!」

ショタ提督「でも、お父さんとお母さんが心配してるから……僕は元の世界に戻らないといけない……」

ショタ提督「それと同じくらい……村雨お姉さんと、一緒にいたい……そう、考えるようになってきちゃって……」

ショタ提督「どうすれば良いか、自分でも分からなくて……ずっと、悩んでて……」

村雨「………」

ショタ提督「村雨お姉さん……僕、分からないんです……!自分でも、どうしたいかが……!」

村雨「提督……」

ショタ提督「……っ」

村雨「………」

「だったら、魔法で往復出来るようにすれば良いと思うです」

ショタ提督「……ふぇ?」クルッ

村雨「……えっ?」クルッ

綾波(アズレン・以下同じ)「………」

ショタ提督「あ、綾波お姉しゃん!?」

村雨「あ、綾波!?いつからそこに……」

綾波「いや、たまたま執務室を通りがかったら……何やら提督と村雨の、熱い告白が聞こえてきて……」

綾波「盗み聞きするのも悪いと思い、そのまま立ち去ろうとしたのですが……」

村雨「……私と提督の、悲痛な声が聞こえたと」

綾波「ご名答、です」

ショタ提督「あ、あぅ……」

綾波「話を戻すです。提督、ここに来ることが出来たのですから……戻ったら戻りっぱなしではなく、往復することは出来ないのですか?」

ショタ提督「往復……」

村雨「いや、確かに私もその発想が浮かんだことは……次元を超える転移魔法なのよ?こんな言い方は悪いけど、提督には難しすぎて……」

ショタ提督「……いえ、もしかしたら……出来るかもしれません!」

村雨「えっ!?」

ショタ提督「たしゅかに、僕だけだと無理かもしれませんけど……お父さんとお母さんに、手伝ってもらえば……!」

村雨「……!」

村雨(そういえば、提督のご両親って凄い魔法使いなんだっけ……すっかり忘れてた!それなら何とかなるかも……!)

綾波「それに私も、この世界での暮らしに馴染んでしまって……元の世界に戻った後、また遊びに来たいと思ったのです」

ショタ提督(綾波お姉さん……)

村雨「……じゃあ、永遠のお別れじゃないってこと?」

ショタ提督「……そう、みたいです」

村雨「あ……や、やったあああああああああああっ!」ギュウッ!

ショタ提督「わぷっ!?」

村雨「提督……提督提督提督ぅっ!私達、離ればなれにならなくて済むのね!また会えるのよね!?」ギュウウウッ!

ショタ提督「は、はいっ……あ、あの、村雨お姉さん、ちょっと苦し……」

綾波「………」ニコ…

綾波(伝えるべきことは伝えました。部外者はクールに去る、です)スタスタ…

村雨「嬉しい……嬉しいよぉ……!」

ショタ提督「……村雨お姉さん。僕もです……お姉さんと一緒にいられると思うと、凄く……嬉しいです……!」ギュッ

村雨「えへへ……提督っ!」

ショタ提督「……はいっ」


























「いずれ、元の世界に戻る時が来ても……また、この世界に来てね?私、待ってるから……ずっと、待ってるから……!」


「……もちろんです。お父さんやお母さんと一緒に、全力で頑張って……また、ここに戻って来ましゅから……!」
























――好感度50/50

6ヶ月目:下旬


ショタ提督「ひううううぅぅぅぅっ!?ど、どうして深海棲艦がここにいいいいぃぃぃぃっ!?」

ヲ級(見守る会)「え、えっと……」

レ級(見守る会)「ちょっと村雨!私達が味方だってこと、この子に伝えて無かったの!?」

村雨「あ、あはは……ごめんなさい。この前までそれどころじゃなくて……えっと、提督。この人達は味方なの」

ショタ提督「あわわわわわ……ふぇ?」

カ級(見守る会)「……そう。私達は小さな男の子の味方で、ついでに人類や艦娘の味方」

ショタ提督「……怖いお姉さん達じゃ、無いんでしゅか?」ビクビク

ヲ級「ふぐっ!?///」鼻血ブッ

レ級「上目使いに舌足らずっ!?///」鼻血ブッ

カ級「こ、これは……///」

村雨(相変わらずショタコンね……まぁ、私も人のこと言えないけど……ふふっ♪)チラッ

ショタ提督「ひゃうっ!?だ、大丈夫でしゅか!?」オロオロ

ヲ級「も、無問題……///」b グッ

レ級「むしろ元気になったというか……///」

カ級「……これでご飯3杯はイケる///」b グッ

ショタ提督「……!」

ショタ提督(あ、あれ?そういえば、この深海棲艦のお姉さん達……普通の深海棲艦と違って、怖い力を感じない……)

ショタ提督(それどころか、他のギルドの人達や艦娘のお姉さん達と一緒で……温かい力が……)


↓1弥生のコンマ 好感度:15/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:28.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:22/50
↓4村雨のコンマ 好感度:50/50<END開放!>

反転コンマが最大の艦娘が行動します
ただし村雨が最大値の場合は即ENDです

鳳翔「まだ諦める訳にはいきません……!」

伊168「勝負はこれからよ……!」

弥生「………」シュン

弥生(また、出番が無くなっちゃった……)


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:00~23:00頃開始予定です。

始めます。

間宮「提督と村雨ちゃんがお付き合いを始めたそうですよ」

鳳翔「まぁ、いつの間に……いや、ちょっと待って下さい。それっていずれ提督と村雨ちゃんが離ればなれになるということでは……?」

間宮「私も最初はそう思いました。ですが提督が言うには、ご両親に協力してもらうことでお互いの世界を往復出来るようにするみたいです」

鳳翔「往復……」

間宮「はい。提督のご両親は凄い魔法使いみたいで、難しい魔法も上手く使いこなせると聞きました」

鳳翔「……それなら何とかなりそうですね」

間宮「ただ、ご両親も提督と同じようにドジで魔法を失敗することもあるみたいですが……」

鳳翔「ダメじゃないですか!」

間宮「ま、まぁ、そこは努力で補うという感じだと思います。私も正直心配ですけど」

鳳翔「………」

鳳翔(村雨ちゃんは、提督がここに現れなくなる可能性を覚悟の上でお付き合いする道を選んだということでしょうか……)

鳳翔(そして提督も、村雨ちゃんの為にこちらの世界へ戻って来る決意をして……)



ショタ提督は……

直下

村雨「………」つ杖 マジマジ

ショタ提督「あ、あのぅ……」

鳳翔「………」

鳳翔(提督に村雨ちゃん?もしかして、2人でイチャついて……いるようには見えませんね)

村雨「……言われるまで気づかなかったわ。宝石の色が変わってる」

ショタ提督「この前、ほんの少しだけ強化しまして……」

村雨「じゃあ、使える魔法もパワーアップしてるの?」つ杖 ブンブン

ショタ提督「は、はいっ。でも、本当にちょっとだけで……ってダメでしゅ!あんまり振り回しちゃったら……」

村雨「え?あっ、しまった!?つい……」つ杖 カッ

パシュウウウウウウンッ!

鳳翔「!?」

鳳翔(む、村雨ちゃん!?貴女が騒動を巻き起こしてどうするんですか!?)

シュウウウウゥゥゥ…

「うぅ……大丈夫?提と……あら?声がいつもと違う……」

「む、村雨お姉しゃん!無事でしゅ……あっ、この声、この感覚……まさか……」

鳳翔「………」

鳳翔(……何だかデジャヴを感じます。確か前にもこんなことが……)



















ショタ提督(※精神は村雨)「……えっ!?どうして私が目の前にいるの!?」

村雨(※精神は提督)「もしかして、またモシャスが……ふええええええっ!?ぼ、僕が目の前にいるううううううっ!?」

鳳翔「………」

鳳翔(……変身の次は入れ替わりですか。提督の魔法には本当に驚かされてばかりです)

ショタ提督「えっと、貴女まさか……提督?」

村雨「は、はい……それじゃ、貴方は……村雨お姉さん、ですか?」

ショタ提督「え、えぇ……まさか今の魔法で、私達の中身が入れ替わっちゃうなんて……」

村雨「ひょっとすると、今ので何かの魔法が暴発して……お互いの魂を交換しちゃったんでしょうか……?」

ショタ提督「ごめんなさい!私がつい杖を振り回したせいで……」

村雨「い、いえ、こちらこそ……」

ショタ提督「早く元に戻……ハッ!?」ピーン!

ショタ提督(ちょっと待って。今の状況って、私が提督の体を好き放題出来るってこと……!?///)

鳳翔「……!」

鳳翔(村雨ちゃん、今、長門さんのような顔をしたような……貴女、まさか……!)


鳳翔の行動

直下

鳳翔「………」

鳳翔(……今の村雨ちゃんを1人にしておくのは、提督の身体の貞操が危ない気がします)

鳳翔(何とかして村雨ちゃんの関心を提督の身体から逸らさないと……その為にはまず……!)ダッ


ショタ提督「はぁはぁ……///」

ショタ提督(つ、付き合ってるんだから少しくらい良いよね?服の下はどうなって……///)ドキドキ

村雨「あ、あの……村雨お姉さん?顔が赤いでしゅけど……あっ!もしかして、気分が悪いんですか!?」

ショタ提督「え?い、いや、そうじゃなくて……///」

鳳翔「失礼しますっ!」ガチャッ

村雨「うひゃうっ!?ほ、鳳翔お姉さん!?」

ショタ提督「あっ……」

鳳翔「先程の昼食で余った食材を使い、おやつを作りました!提督も村雨ちゃんも、是非食べに来て下さい!」

村雨「お、おやつでしゅか?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(鳳翔さん、私達が入れ替わったことに気づいていない……?だったらここは……)

ショタ提督「……ご、ごめんなさい鳳翔お姉しゃん。えっと、僕、まだお仕事が残って……」モジモジ

村雨(えっ!?む、村雨お姉さんが急に僕みたいな喋り方してる!?どうして!?)

ショタ提督(伊達に提督と恋人になってないわ!この程度の演技なら楽勝よ!そして提督と鳳翔さんを一時的に退室させて、その間に……///)

鳳翔(そうはさせませんっ!)ガシッ

ショタ提督村雨「え?」

鳳翔「ご遠慮せずに!お仕事なら後ほど私も手伝いますから!」スタスタ

村雨「あわわわっ、ほ、鳳翔お姉さん……!」

ショタ提督(ちょっ!?鳳翔さん何で今回に限ってそんな強引なの!?離して!?私には提督の体を視姦する義務がああぁぁぁ……)

・・・÷

食堂

村雨「はむっ、もぐもぐ……美味しいでしゅ!これがドーナツと言う食べ物なんでしゅね……!」キラキラ

ショタ提督「……美味しいです」モグモグ

鳳翔「ふふっ♪喜んでいただけて何よりです」ニコッ

間宮「………」

間宮(鳳翔さんから突然『提督と村雨ちゃんが入れ替わってしまいました!なので急いでドーナツを作って下さい!』と言われた時は何事かと思いましたけど……)

間宮(提督……いえ、中身は村雨ちゃんでしたっけ。彼女の様子を見ていたら、鳳翔さんの狙いが分かりました)チラッ

ショタ提督(むうぅ……美味しい。美味しいけど、今はおやつより提督の体を隅々まで調べたいのに……!///)

間宮(村雨ちゃん、明らかに挙動不審ですし……時々、自分の身体を舐め回すように眺めていますから……)

鳳翔「……村雨ちゃん。そういうことはせめて、提督の許可を得てからにして下さい。無断で行うのはダメですよ?」

ショタ提督「っ!?」ビクッ

鳳翔「一部始終は見ていました。魔法の暴発で提督と中身が入れ替わり、その体を堪能しようとしていましたね?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(さっきは気づいてないと思ってたけど、まさか分かっててやっただなんて……!)

反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:我慢出来ず途中で服を脱ぎ出す
好感度上昇:小 ×1.0
50~98:鳳翔、少し強引に説得する
好感度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:鳳翔、村雨を優しく諭す
好感度上昇:大 ×2.0

直下

13→31:憲兵さんこっちです


ショタ提督「……そう。全てお見通しという訳ね」

鳳翔「………」

間宮「………」

村雨「はむっ、はむっ……村雨お姉さん……?」

ショタ提督「……鳳翔さん、1つ言っても良いですか?」

鳳翔「……何ですか?」

ショタ提督「貴女は大好きな人の身体を手に入れられて、込み上がる本能を理性で抑えることが出来る?」

鳳翔「急に何を言って……」

村雨「え、えっと……どうしたんでしゅか?村雨お姉さん……」

間宮(そういえば提督、入れ替わったことを隠す気が無いんですね。さっきから普通に私達を『お姉さん』と呼んでいますし)

ショタ提督「私にはそんなこと無理に決まってるでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」ガバァッ!

村雨「ふええええええええええええええええええっ!?///」

鳳翔「ちょっ、村雨ちゃん!?」

間宮「貴女何を!?」

ショタ提督「こうなったらヤケよ!ここで提督の身体を全部見ちゃうんだからあああああああああああっ!///」ヌギヌギ

村雨「ひゃわわわわっ!?む、村雨お姉しゃん!?どうして服を脱ぎゅんでしゅかあああああああああっ!?///」

鳳翔「だ、ダメですっ!」ガシッ!

間宮「それでは長門さんと同じですよ!?」ガシッ!

ショタ提督「そんなことどうでも良い!もう我慢出来ないの!その手を離して!離してよおおおおおおおおおっ!」グググッ!

鳳翔「そうはさせませんよ!」グッ!

間宮「今の村雨ちゃんは提督の体です!私達の力には敵いません!」グッ!

ショタ提督「提督の体を見るのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」グググッ!

鳳翔間宮「っく……!」グッ!

村雨「え、えっと、あのっ!?何がどうなって……!?」アタフタ

鳳翔間宮「提督っ!今の内にお互いの中身を元に戻して下さい!」

村雨「ふえっ!?は、はいぃっ!えっと、杖……あぁっ!?部屋に置きっぱなしだ~!?」

鳳翔間宮「今すぐ取って来て下さい!ここは私達が抑えていますから、早くっ!」

村雨「わ、分かりましたぁ~!」ダッ

ショタ提督「あっ、待って提督!戻さないで!もう少しこのままでいたいのにいいいいいいいいいいいいっ!」


ショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

2×1.0=2 2+28.5=30.5/50


綾波(アズレン)「……何やってるですか貴女は」

村雨「いや、その……あの時はつい理性がどこかへイっちゃって……///」

ショタ提督「………」つ杖 パァァ…ッ!

村雨「提督、本当にごめんね!私、とんでもないことをしようとしちゃって……」

ショタ提督「………」

村雨「……提督、やっぱり怒ってる?」

綾波(普通に考えれば当たり前です)

ショタ提督「………」

村雨「やだああああああっ!提督、嫌わないでええええええっ!」ガバァッ!

ショタ提督「ふえっ!?む、村雨お姉さん!?どうしたんでしゅか!?」

村雨「……え?あの、どうしたんですかって……提督、怒ってないの?」

ショタ提督「怒る?えっと……?」

綾波「……提督。もしかして、今の話……聞いて無かったのですか?」

ショタ提督「あっ、ご、ごめんなさい!座標の特定に集中していて……」

綾波「あ、いえ。責めている訳じゃないです。提督が気にしていないみたいで良かったですね、村雨

村雨「……うん。無視されてた訳じゃなかったんだ……良かったぁ……!」

ショタ提督「???」キョトン

ショタ提督(村雨お姉さんと綾波お姉さん、一体何を話をしてたんだろう……?)

ショタ提督(それより、徐々に僕の世界や綾波お姉さんの世界の座標と、調べている次元の座標が近づいてきてる……)

ショタ提督(この調子なら、もうすぐ僕や綾波お姉さんの世界を特定出来るかもしれない……!)


今月のリザルト:6ヶ月目

弥生 :15/50『え、えっと……お仕事以外で、最後にお話したの……いつだったっけ……?』
鳳翔 :30.5/50『まさか魂が入れ替わっちゃうなんて……でも、どーなつ美味しかったです!』
伊168 :22/50『魔法とかがく……やっぱり全然違うんですね』
村雨 :50/50<END開放!>『絶対に、この世界へ戻って来ますから!』

7ヶ月目:上旬


3周目鎮守府

明石(3周目)「ふ~む……」つレントゲンスコープ ジー

夕張(3周目)「う~む……」つレントゲンスコープ ジー

ショタ提督「え、えっと……」

※レントゲンスコープ
漫画版『ロボット王国』に登場したひみつ道具。これで覗いた相手の体内を見ることが出来る。

明石「身体の構造は私達の世界の人間と変わりませんね……」

夕張「となると、こっちの道具で調べた方が良いかもしれません」スッ

ショタ提督「………」

ショタ提督(僕のことを調べたいと言われから、3周目鎮守府に来てみたけど……明石お姉さんと夕張お姉さん、さっきから何してるのかな……?)

明石「これならどんな得体の知れない現象でも分かります!」つ正体スコープ ジー

夕張「一々大がかりなCTスキャン的な装置を引っ張り出すのも面倒ですし、こっちの方が便利ですもんね!」つ正体スコープ ジー

※正体スコープ
『創世日記』に登場したひみつ道具。これで覗けばどんな怪奇現象でも解明することが出来る。

ショタ提督「うぅ……」モジモジ

明石「………」

夕張「………」

明石(体内に色々な可能性に変貌出来る、特殊な力が宿されてる……どうもこれが魔法の源である魔力みたい)

夕張(そして杖の宝石も、この世界には存在しない物質で作られてる……なるほど。使用者の魔力に反応・共鳴して、様々な現象を引き起こす仕組みね)

明石(魔力の行使の仕方次第で、色々な無茶を実現出来るみたいだけど……この技術を科学で再現・応用すれば、すぐにでも魔法事典を作れちゃいそう!)

夕張(これは良い発見だわ!早速開発に取り掛からないと!)

ショタ提督「………」モジモジ

ショタ提督(何だか、変な感じ……)


↓1弥生のコンマ 好感度:15/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:30.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:22/50
↓4村雨のコンマ 好感度:50/50<END開放!>

反転コンマが最大の艦娘が行動します
ただし村雨が最大値の場合は即ENDです

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

17:30~18:30頃開始予定です。

始めます。

水無月「司令官、最近元気になったよね」

弥生「……うん。村雨と付き合い始めたから、かも」

水無月「ちょっと前までは誰が見ても分かるほど悩んでたし、今の様子なら安心かな」

弥生「同感……でも、それなら……司令官、何を悩んでたのかな……」

水無月「う~ん……それは分からないけど、村雨が上手く慰めたんじゃない?」

弥生「………」

弥生(あの時の司令官は、本当に不安そうで……やっぱり、元の世界に戻れないことが怖いのかなって思ってたけど……)

弥生(村雨と付き合う話を聞いた時くらいから、急に悩みが晴れたような感じに……何か、あったのかな……?)

弥生「………」

水無月「……弥生姉さん?」

弥生「……ううん、何でもない。司令官の悩みが無くなって良かったなって」



ショタ提督は……

直下

弥生「……?」

弥生(あれ?司令官、また部屋にいない……前みたいに、工廠へ行ったのかな……)

三日月「司令官なら食堂へ行きましたよ?」

弥生「あっ、三日月……食堂?」

・・・÷

食堂

ショタ提督「ふにゃぁ……」グデーン

弥生「………」

弥生(机に倒れ込んでる……隣にあるのはジュースかな……)

ショタ提督「うぅ……流石に、これ以上集中するのは頭が持たないかも……」

弥生(……集中?)

ショタ提督「出来ることなら、次元探知を続けたいけど……頭がオーバーヒートしちゃうよぅ……」

弥生「……!」

ショタ提督「ずずっ……ぷはっ。このおれんじじゅーすという飲み物、冷えてて美味しい……♪」

弥生「………」

ショタ提督「間宮お姉さん達は『疲れた時には糖分を!』って言ってたけど……とうぶんって何だろう……?」

ショタ提督「いや、そんなことより、今は頭を休めることを考えないと……はふぅ……」

弥生「………」

弥生(司令官、ずっと元の世界へ戻る為に頑張ってたんだ……それで、今は休憩中ってこと……?)

弥生(確かに、この広い世界から自分が住んでた世界を見つけることは……その、かなり難しそうだし……辛いのかも……)

弥生「………」



弥生の行動

直下

弥生「………」

弥生(そういうことなら、もっと甘い物を食べて疲れを癒すべき……ここは……)


ショタ提督「じゅぅぅ……あっ、無くなっちゃった……」

ショタ提督(どうしよう……お代わり、お願いしちゃおうかな……)

弥生「……司令官」

ショタ提督「ふぇ?あっ、弥生お姉さん……」

弥生「大丈夫、ですか……?疲れてるように見えますけど……」

ショタ提督「は、はい……次元座標を探し続けていたら、ちょっと頭が重くなって……」

弥生「……無理は禁物です。良ければ、その……一緒に、甘味を食べませんか……?」

ショタ提督「かんみ?」キョトン

弥生「あっ……えっと、甘いおやつのことです。以前、司令官からもらった……甘味処間宮の券がありますから……」

ショタ提督「えぇっ!?そ、それは悪いでしゅよ!」アセアセ

弥生「いえ……ずっと、使う機会が無くて……今がちょうど良いと思いました」

ショタ提督「で、でも……」

弥生「……もしかして、ご迷惑でしたか?」

ショタ提督「そ、そんなことは……あの、本当に良いんでしゅか?」

弥生「はい。是非、一緒に……」

ショタ提督「うぅ……じゃ、じゃあ……えっと、ありがとうごじゃます……」ペコッ

弥生「………」

弥生(……うん、別に嘘はついてない。本当に、いつ使うか迷ってたから……)

・・・÷

甘味処間宮

間宮「お待たせ致しました」コトコトッ

ショタ提督「わ、わぁ……!」キラキラ

甘いお菓子×複数「」ズラーッ

ショタ提督「ど、どれも美味しそうです……!本当に、食べて良いんですか……!?」

弥生「……はい。私も、いっぱい食べるつもりですから……どうせなら、食べ比べしませんか?」

ショタ提督「たべくらべ?」

弥生「おやつを1人で食べずに、同じおやつを2人で味わって……どれが1番美味しかったか、言い合うんです」

ショタ提督「わぁ!良いですね!やってみましょうっ!」

弥生「………」

弥生(これで、1粒で2度美味しい……♪司令官も、疲れを癒してくれるかな……?)


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:自然な流れで弥生と食べさせ合いっこ……しようとしたら村雨が乱入
好感度上昇:小 ×1.0
50~98:自然な流れで食べさせ合いっこ
好感度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:食べさせ合いっこするが、途中で弥生が提督と間接キスしてることに気がつき……
好感度上昇:大 ×2.0

直下

65→56:村雨「何で貴女が提督とイチャついてるのー!?」


ショタ提督「はむっ、んんっ!?お、おいひいでひゅっ!」

弥生「あむっ……んぅ……♪」キラキラ

弥生(間宮さんのお菓子……いつ食べても、絶品……♪)

弥生「……ほら。司令官も、食べてみて……?」スッ

ショタ提督「はいっ!はむっ……ふわぁ……♪」

弥生「……どう?」

ショタ提督「美味しいですっ!あ、それじゃあ僕のも……」スッ

弥生「ありがとうございます……あむっ……」

ショタ提督「……どうですか?」

弥生「んむ……美味しい……♪」

ショタ提督「それなら良かったでしゅ!次はこっちのあいす?を……はむっ、わぁ……♪甘くて、冷たくて……幸せでしゅ……♪」

弥生「……私も食べてみて良い?」

ショタ提督「もちろんですっ!どうぞ!」スッ

弥生「あーん……んむっ、わぁ……♪アイスも良いけど、ジェラートも格別……♪」

ショタ提督「じぇらーと?」キョトン

弥生「えっと……アイスの兄弟みたいな食べ物です。私も詳しくは知らないですけど……」

ショタ提督「そうなんですか!この世界には、本当に見たことのない食べ物が一杯でしゅ!」

弥生「……じゃあ、こっちのパフェも食べてみますか?あーん……」スッ

ショタ提督「ぱふぇ?あむっ……美味しいでしゅ!口の中にトロトロの甘い味が広がって……♪」

間宮「………」ジー

間宮(提督と弥生ちゃん、カップルみたいにイチャついてる……当の2人は気がついていないみたいだけど)

間宮(もし村雨ちゃんがこの光景を見たら、迷わず提督を弥生ちゃんから引っぺがしそうね……)


ショタ提督の好感度 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

3×1.5=4.5 4.5+15=19.5/50


弥生「はむっ……このミルクアイスも美味しい……♪」

ショタ提督「みるく……ホルスタインさんの母乳ですか?」

弥生「ゴフッ!?」

ショタ提督「ひゃうっ!?だ、大丈夫でしゅか!?」

弥生「ゲホッゲホッ……ほ、ホルスタイン……」

ショタ提督「えっと……もしかして違いました?」

弥生「いや、その……当たらずとも、遠からず……?」

ショタ提督「ほぇ?」

弥生(そっか。司令官の世界は、私達の世界と違うこと……忘れてた……)

弥生(でも、よりによってホルスタイン……やっぱり、秋雲の薄い本みたいなことが横行してるのかな……)

弥生(いや、もしかしたら……この世界で言う牛を、ホルスタインって言うだけかも……)

弥生「……ホルスタインって、牛のことですか?」

ショタ提督「うし?いえ、僕達みたいな人に近い種族ですけど……母乳が沢山出るのが特徴で……」

弥生「………」アタマカカエ

ショタ提督「や、弥生お姉さん……?」

弥生「ううん、何でもないんです……何でも……」

ショタ提督「???」

弥生(向こうの世界のホルスタインさん達、大丈夫かな……怖いことされてないと良いけど……)

ショタ提督(お父さんとお母さんは、確かそう言ってたような……他にも、美味しいミルクを売ってくれる良い人達だって……)

7ヶ月目:中旬


比叡「自信作ですっ!」

磯風「遠慮無く食べてほしい!」

村雨「」ガタガタガタガタ

ショタ提督「わぁ……!」


恐怖の比叡&磯風カレー「」ズオオオオオオオオッ


ショタ提督「紫色のかれー?もあるなんて初めて知りました!」

村雨「……提督、違う。これはカレーじゃないわ。恐ろしい化学兵器よ」ボソッ

ショタ提督「えっ!?そうなんでしゅか!?でも、比叡お姉さんと磯風お姉さんはカレーを作ったと言って……」

村雨「本人達はそう認識してるかもしれないけど、私達からすれば一口食べるだけで死んじゃう猛毒なのよ!」

ショタ提督「じゃ、じゃあ今すぐ何とかしないといけないじゃないですか!」

村雨「そこで提督の魔法よ!このカレーとは呼べないナニかの味と成分を変えてしまえば、何とか食べられるレベルの物に……」

ショタ提督「そ、それはダメでしゅよ!?ただでさえ僕の魔法は失敗ばかりですし……」

村雨「良いから早くっ!死にたくないなら急いでっ!でないと私達2人共あの世逝きよ!?お願いだからぁっ!」グイグイグイグイ

ショタ提督「ひゃわわわっ!?ゆ、揺らさないで下しゃい!?また魔法が暴発……」つ杖 カッ

バシュウウウウウウウウンッ!

比叡「ひえーっ!?」

磯風「うおっ!?」

村雨「やった!これで何とか……」

ショタ提督「あっ、ああぁぁぁ……」






猛毒カレーモンスター「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

村雨「」

村雨(ええええええええええええっ!?何これ!?余計悪化してるうううううううううううっ!?)

比叡「な、何ですかこれは!?」

磯風「わ、私達のカレーが怪物に!?」

ショタ提督「ひゃあああああああああああああっ!?またやっちゃったああああああああああああっ!?」

猛毒カレーモンスター「ブエエエエエエエエエエエエエッ!」ビシュッ!

ビチャアッ!シュウウウゥゥゥ…!

村雨「あぁっ!?あの謎の生物が液を吐き出したかと思ったら、当たった部分が溶けちゃってる!?」

比叡磯風「何ですって(何だって)!?」

猛毒カレーモンスター「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」

村雨「皆逃げてえええええええええ!でないと溶かされちゃううううううううっ!」ダッ

比叡磯風「ひえええええええええええ(うわあああああああああああ)っ!?」ダッ

ショタ提督「ご、ごめんなさああああああああああああああああああああいっ!」ダッ

※この後滅茶苦茶モンスターを倒して事なきを得た。

↓1弥生のコンマ 好感度:19.5/50
↓2鳳翔のコンマ 好感度:30.5/50
↓3伊168のコンマ 好感度:22/50
↓4村雨のコンマ 好感度:50/50<END開放!>

反転コンマが最大の艦娘が行動します
ただし村雨が最大値の場合は即ENDです

村雨「やった~!ゴールインっ!」

鳳翔「巻き返せませんでしたか……」

伊168「あぁ、これでもうチャンスは無くなったのね……」

弥生「残念です……」


と言う訳で、提督がドジで魔法を失敗して大変なことばかり引き起こしてしまう49周目は幕を下ろしました。
続いて艦娘安価へ移りたいと思いますが、今回は正真正銘ラストの艦娘安価となりますので、1時間ほど時間を空けようと思います。
20:00頃に安価を取ろうと思いますので、宜しければ是非ご参加いただけると幸いです。その間にどの艦娘を登場させたいかをお考え下さい。
注意事項は先に投下しておきます。20:00になった際は再度、安価を募集する告知をさせていただきます。

恒例の注意事項です。

※今回ENDを迎えた艦娘(村雨)はNGです。

※今回登場した艦娘(弥生、鳳翔、伊168)はNGです。

※今までにENDを迎えた艦娘(>>4-8をご参照下さい)もNGです。

※深海棲艦もNGです。

※浦風・日進は安価下にします。

※名前が違う同一艦は、同じ周に2人登場させることは出来ません(例:大鯨と龍鳳)。
ただし周を変えれば登場可能です(例:2周目でU-511、5周目で呂500)。
また、連続で登場させることも出来ません(例:響が出た次の周でヴェールヌイを登場させる)。

※反転コンマで判定します。


20:00頃に再び告知を致しますので、それまでお待ちいただけると幸いです。

それではこれから艦娘安価を行いたいと思います。>>1が次に投下したレスからスタートです。

1人目

↓1~↓6で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※20:06の時点で↓6まで安価が埋まらなかった場合は、それまでで反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

同数(49→94)なのでもう1度

↓1伊8のコンマ
↓2朝風のコンマ

反転コンマが高い方を採用します

1人目:朝風(49→94)
2人目

↓1~↓7で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※20:08の時点で↓7まで安価が埋まらなかった場合は、それまでで反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

2人目:U-511(99)
3人目

↓1~↓7で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※20:11の時点で↓7まで安価が埋まらなかった場合は、それまでで反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

3人目:名取(69→96)
ラスト4人目!

↓1~↓8で反転コンマが最大の艦娘採用

※00はMAX100とします
※同数の場合は更に反転コンマ対決
※20:13の時点で↓8まで安価が埋まらなかった場合は、それまでで反転コンマが最大の艦娘を採用させていただきます

4人目:グレカーレ(79→97)

と言う訳で、最終回となる50周目のヒロインは、
朝風、U-511(29周目より再登場)、名取(3周目、46周目より再登場)、グレカーレとなります。

朝風とグレカーレはいきなり最終回にて初登場となりますが、果たしてどのような活躍を見せてくれるのか……
再登場となるU-511は29周目でのリベンジを決めることが出来るのか……!
名取は今回こそ提督を寝取ゲフンゲフン!提督と結ばれることが出来るのか……!!
泣いても笑っても最後となる50周目……こちらとしても凄く緊張します。

それでは今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
エピローグはそれほど時間がかからないと思います。問題はオープニングです。
大まかな構想自体は既に出来上がっているのですが、何せ最終回ですので……細部の設定等はこれから肉付けしていきます。
場合によっては少しお時間をいただくかもしれませんが、必ず完成させますので、それまでお待ちいただけると幸いです。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

エピローグ、投下します。

ショタ提督「………」カキカキ

村雨「それって……魔方陣?」

ショタ提督「はい。少しでも魔法を安定させないといけないので……」カキカキ

ショタ提督(あれから僕は、毎日座標を探知し続けて……ついに特定出来た)

ショタ提督(僕が住んでいた世界と、綾波お姉さんが住んでいた世界の座標を……!)

ショタ提督「……よしっ、出来ました!」

綾波(アズレン)「……本当に、これで元の世界へ戻れる……ですか?」

ショタ提督「はいっ。後は失敗さえしなければ……」つ杖 グッ

ショタ提督(この日の為に、少しずつ杖を強化してきたんだ……!それに、魔法の練習だってかかさずやってきた……!)

ショタ提督(大丈夫、落ち着いてやれば……何より、失敗したら綾波お姉さんが大変なことになっちゃう……!)

ショタ提督「……はっ!」つ杖 カッ!

魔方陣「」ピカァ…ッ!

綾波「あっ……!」

村雨「魔方陣が輝いてる……!」

ショタ提督「………」つ杖 パァァッ

ショタ提督(焦っちゃ駄目!落ち着いて……綾波お姉さんが住んでいた世界の座標を、正確に思い浮かべて……!)

ショタ提督(そこへ、綾波お姉さんを送り届けるイメージで……!)

ショタ提督「……綾波お姉さん!」

綾波「……!」

ショタ提督「僕、頑張ります!次元同士の往復が出来るようになったら……今度は、僕達が綾波お姉さんの世界へ遊びに行きますからっ!」

綾波「……はい、待っているのです」ニコッ

ショタ提督「やぁっ!」つ杖 ブンッ!

綾波「っ!」パシュンッ!

村雨「あっ……綾波が、消えた……」

ショタ提督「はぁはぁ……や、やった!成功したぁ……!」

村雨「成功……じゃあ、綾波は無事に元の世界へ……?」

ショタ提督「は、はいっ!そのはずですっ!今回は魔法の乱れが一切ありませんでしたし、物で練習してた時と同じ手ごたえでした!」

村雨「………」

村雨(良かった……一先ずは安心ね。だけど、そうなると……次は……)チラッ

ショタ提督「………」

ショタ提督「……村雨お姉さん」

村雨「……!」

ショタ提督「その、全然頼りない僕でしゅけど……絶対、戻って来ますから……!」

ショタ提督「魔法を沢山練習して、お父さん達に手伝ってもらって……もう1度、村雨お姉さんに……会いに来ますから……!」

村雨(……提督)

ショタ提督「……はっ!」つ杖 カッ!

魔方陣「」ピカァ…ッ!

ショタ提督「それまで、待っていてくれますか……?」

村雨「……当たり前でしょ?約束したもの!提督が帰って来るまで、ずっと……ず~っと、待ってるって……!」ダキッ

ショタ提督「あっ……」

村雨「でも、やっぱり寂しいから……出来るだけ早く、戻って来てね……?」

ショタ提督「……もちろんです。僕も、全力で頑張ります……!」ギュッ

村雨「……ん、もう大丈夫。待ってるからね、提督……!」

ショタ提督「……はいっ!それじゃあ、行って来ますっ!やぁっ!」つ杖 ブンッ!

パシュンッ!

村雨「……っ!」

シーン…

村雨「………」

村雨(……行っちゃった。さっきまで賑やかだったのに、急に静かになって……)

村雨「………」フルフル

村雨(ううん。まだ提督が元の世界へ帰ったばかりなのに、こんなところで落ち込んでたら提督を心配させちゃう!)

村雨(提督が戻って来てくれるまで、この鎮守府を守らないと……提督が帰って来る場所を、しっかり残しておかなくちゃ……!)

剣と魔法のファンタジー世界


シュパッ!

ショタ提督「……あっ、ここは……!」キョロキョロ

ショタ提督(見間違うはずが無い……!僕が生まれ育った世界、それも……僕が住んでた家の前……!)

ショタ提督「……やったぁっ!元の世界へ帰って来られたんだ!良かったぁ……魔法が成功して……!」

ガチャ

ショタ提督「っ!?」ビクッ

母「えぇ。絶対に諦めないわ。あの子は絶対にどこかで生きて……る……」

ショタ提督「……え、えっと」

母「」

父「どうした?玄関の前で固ま……って……」

ショタ提督「あっ……」

父「」

ショタ提督「……そ、その……ただい、ま……?」

父「………」プルプル

母「………」プルプル

ショタ提督(って違うよ僕っ!ただいまじゃないでしょ!?もっと他に言うことが……)

父母「提督ううううううううううううううううううううううううううッ!!」ガバァッ!

ショタ提督「うひゃあっ!?」

父「今までどこにいたんだ!?ずっと、ずっと探し続けて……っ!」ギュウッ

母「ぐすっ……急に私達の前からいなくなって……!心配したんだから……っ!」ギュウッ

ショタ提督「……ごめんなさい、お父さん、お母さん……心配かけちゃって、本当にごめんなさいっ……!」ギュッ

父母「うぅっ……でも、生きてて良かった……!良かったぁ……っ!」ポロポロ

・・・÷

ショタ提督「と言う訳で……」

父「異世界に!?道理で探知魔法で探しても見つからなかった訳だ……」

母「それにしても転移魔法で次元まで飛び越えちゃうなんて……本当に才能だけは一人前ね……」

父母「後はドジさえ無ければ完璧なんだけど」

ショタ提督「あぅ……」

父「でもま、無事に戻って来てくれて何よりだ。そっちの世界の……ムラサメ?とか言う人達にも世話になったんだろ?」

ショタ提督「う、うんっ!それに、あの……///」

母「どうしたの?」

ショタ提督「……村雨お姉さんとは、その……お付き合い、してて……///」

父「」

母「」

ショタ提督「……///」

父(……知らない間に息子に春が来ていたようだ)

母(これって仲間でお祝いした方が良いのかしら)

ショタ提督「そ、それでっ!あの……戻って来たばかりで、こんなことをお願いするのは……怒るかもしれないけど……」

父「……向こうの世界とこっちを往復出来るようにしたい、か?」

ショタ提督「えっ!?どうして分かったの!?」

母「そりゃあ、ねぇ……?この状況で私達にお願いすることなんて、大体予想出来るし……」

ショタ提督「うぅ……」

父「何にせよ、いずれは俺達も息子が世話になったお礼を言いに行かないといけないしな」

母「そういうことなら喜んで協力するわ」

ショタ提督「ほ、本当!?ありが」

父母「ただし今後は自分の魔法で無茶することは禁止!それだけは約束すること!分かった?」

ショタ提督「あうっ……ご、ごめんなさい……うん、約束する……!」

父「よろしい。じゃあ早速取り掛かるぞ!言っとくけど、ただでさえ難解な転移魔法を強化する訳だ」

母「長期間の猛練習は避けられないわよ?もちろん、無理をさせるつもりは無いけど」

ショタ提督「だ、大丈夫!村雨お姉さんと約束したから……!絶対、帰って来るからって……!」

父「………」

母「………」

ショタ提督(村雨お姉さん……待ってて!必ずそっちへ戻るから……!)グッ

父(提督、何かを決意した目をしている……今まで、こんな目をしたことは無かったのに……!)

母(これは本気みたいね。なら私達も全力で手伝ってあげないと……!)



















ショタ提督「ところで、僕が異世界へ飛ぶ前にいたドラゴンはどうなったの?」

父「あぁ、あいつか?俺達が勝手に敵と判断してただけで、実際には友好的な奴だったぞ?」

母「襲い掛かって来たかと思ったら、むしろ洞窟の貴重な鉱石を譲ってくれたり……尤も、言葉が通じないからよく敵と誤解されるらしいけど」

ショタ提督(えっ!?じゃあ僕が決死の思いで発動した転移魔法は無駄だったの!?)ガーン!

――

ショタ提督(それから僕は毎日、ひたすら転移魔法の強化と安定化に努めた)

ショタ提督(最初の日はお父さん達の仲間へ僕の無事を連絡したり、僕に好きな人が出来たことを祝ってくれたりで忙しかったけど……)

ショタ提督(それからはずっと練習し続けた。クエストに参加出来ないのは申し訳無かったけど、村雨お姉さんとの約束を蔑ろにしたくなかったから……)

ショタ提督(何度も失敗しながらも、どこがおかしかったかを確認して……少しずつだけど、成功率が上がっていって……)

ショタ提督(もちろん魔法の強化だけじゃダメだから、鍛冶屋さんの人にお願いして……杖を沢山強化してもらって……)

ショタ提督(村雨お姉さんの世界で言うところの、数ヶ月くらい経った頃かな……ついに……!)

――

ショタ提督「……はっ!」つ杖 カッ

スライム「………」パシュンッ!

ショタ提督(……さっき、僕が目印に帽子を被せたスライムだ。指定した世界に飛ばした後、ここに呼び戻せた……もう、1度も失敗して無い……!)

父「……よし、これなら大丈夫だろう」

母「提督、おめでとう。これで次元転移魔法をマスターしたわね」

ショタ提督「……やったぁっ!これで……これでまた、村雨お姉さんの世界に行くことが出来るんだ……!」

父「でも、みだりに目的世界以外へ移動するなよ?提督のことだから、また行方不明にでもなったりしたら……」

ショタ提督「だ、大丈夫だよ!そんなことしないもん!」

母「………」

ショタ提督(あうっ、信用されてない……)

母「……冗談よ。でも、本当に無茶だけはやめてね?ただでさえデリケートな魔法だから、暴発したらどうなっちゃうか……」

ショタ提督「……分かってる。だからこそ、一生懸命特訓したんだ……絶対に、村雨お姉さんの所へ行きたいから……!」

父「……向こうで落ち着いたら、俺達にも伝えに来てくれよ?親として挨拶しておかないといけないからな」ニカッ

母「息子を保護してくれた上に、将来は奥さんになってくれるかもしれない子だしね」クスッ

ショタ提督「お、奥さん……そ、それじゃ、そろそろ行くね!///」

父「おっ、照れてる照れてる」ニヤニヤ

母「よっぽどその子のことが好きなのね」ニヤニヤ

ショタ提督「う、うぅ……もうっ!行って来ますっ!はぁっ!///」つ杖 カッ

パシュンッ!

父「……あの未熟だった息子に彼女、か。まだ少し信じられない俺がいるな……」

母「正直、まだ先の話だと思ってたけど……でも、右も左も分からない異世界で優しくしてもらったら、惚れちゃうのも無理はないかもね」クスッ

本編世界・49周目鎮守府


村雨「………」つ箒 サッサッ

村雨(私達は提督がいつ帰って来ても良いように、鎮守府の管理を徹底している)

村雨(特に私は、毎日のように執務室をお掃除してるもの。提督を出迎える準備なら万端よ)

村雨「………」

村雨(だけど、あの日からもう数ヶ月……毎日、執務室で待っていても……提督は一向に戻って来ない)

村雨(もしかしたら、魔法が失敗して元の世界に戻れなかったり……いや、それだけならまだマシかもしれない)

村雨(ここより危険な世界に飛んでしまって、もしものことがあったら……)

村雨「……っ」

村雨(考えれば考えるほど、不安は付きまとう。提督を信じる気持ちはあっても、同時に提督の安否を心配する気持ちも……)

村雨「……会いたいよ、提督」ポツリ…

村雨(だけど、私は約束通り……ずっと待つ。待ち続ける。提督がもう1度、この世界へ戻って来てくれることを……)

村雨(私にとって、提督はあの子しかいないもん……もう、あの子以外考えられない……)

村雨「………」












パシュンッ!

村雨「っ!?」ビクッ

村雨(今の音……聞き覚えがある。忘れるはずが無い……!私が初めて、あの子と出会った時の……!)

村雨「………」クルッ…

村雨(込み上がる期待を胸に抱きながら、私はゆっくりと振り返る。あぁ、やっと……!)

ショタ提督「ふぅ……成功、だよね?よく似た別世界だったりしないよね……?」キョロキョロ

村雨「提、督……!」

村雨(提督が、帰って来てくれた……!)

ショタ提督「あっ、村雨お姉さん!待たせちゃってごめんなさいっ!約束通り、戻って来ました!」ニコッ

村雨「っ!」ダッ

ダキッ!

ショタ提督「ひゃっ!?」

村雨「提督……会いたかったぁ……!このまま、ずっと会えなかったら……どうしようって……!」ギュウッ

村雨「もし、魔法が失敗しちゃってたらどうしようって……どうしても、不安で……!」

ショタ提督「……村雨、お姉さん」

村雨「でも、帰って来てくれた……!数ヶ月間、すっごく寂しかったのよ……?」

ショタ提督「………」ギュッ

村雨「あっ……」

ショタ提督「僕だって、ずっと……会いたかったです。だから必死に、魔法の特訓をして……こうして、戻って来たんでしゅ」

ショタ提督「でも、やっぱり僕は未熟だから……何ヶ月もかかっちゃいましたけど……」

ショタ提督「それでもっ!村雨お姉さんともう1度会う為に……頑張って、次元転移魔法をマスターしました!」

村雨「提督……」

ショタ提督「でも、あちこちの世界へ自由に飛べる訳じゃなくて、僕が明確にイメージ出来る世界じゃないと安定して移動出来ませんけど……」

ショタ提督「練習中だって、物で試した時も何度失敗しちゃったか……あはは……」

村雨「……相変わらず、魔法でドジっちゃうところは変わってないのね」

ショタ提督「あぅ……」

村雨「だけど、安心したわ。私がよく知ってる、いつもの提督で……私が好きなった提督なんだって……!」ギュッ

ショタ提督「んっ……村雨お姉さん……///」


























「……改めて、お帰りなさい、提督っ!」


「……はい。ただいま、村雨お姉さんっ!」
























村雨 HAPPY END!





















HAPP[ザザッ…]  EN[ザザッ…]












                                               HA[ザザッ…] E[ザザッ…]












H[ザザッ…!]








































「………」

(長かった……ここまで、本当に長かったわ)

1人の少年と、1人の少女の想いが結ばれた裏で……彼女、いや、“その存在”は……ほくそ笑んでいた。

(全盛期の力を取り戻す為に、ここから干渉し続けて……)

“その存在”は、ずっとここで待ち侘びていたのだ。

(時には“あいつ”に邪魔されることもあったけど……)

己の力を最大限行使出来るようになった時。それこそが、“その存在”にとって……自らの望みを実現出来る。

(ようやく、集まった。“あの日”と同じように、私の力を思う存分発揮出来る……)

“その存在”は、ゆっくりと上がってゆく。目指すは……“その存在”にとっての、倒すべき存在がいる場所。

(“あの日”のようにはいかない。邪魔するというのなら……今度こそ、潰してやる……!)

真っ赤な瞳に込められた想い。その本質は“憎悪”……そして“嫉妬”。

(絶望こそが、全てを支配する強大な力……その事実を、お前に刻み込んでやる……!)

“その存在”が自らの感情を強めるにつれ、周囲が赤黒く染まっていく。

「……あはっ。あははははっ!」

(いよいよ、全てが終わる……!私の望みが叶う……!)

“その存在”は全てを諦めた瞳で、高らかに笑う。その様は正しく狂人と呼ぶに相応しい。

“その存在”の目的は何なのか。正体は何者なのか。

全ての答えは、これから引き起こされる出来事と……我々がまだ知らない、遥か昔に隠されている――――――



















50周目の設定を組み立てていたせいでエピローグ投下が遅れてしまい申し訳ありません。
オープニングはもうしばらくお待ち下さい。大方の設定は出来ましたが、後少しだけ時間がかかりそうです。

オープニング、投下します。











「………」

「……どうしたの?もしかして、眠れない?」

「……うん」

「そっか。じゃあ、絵本でも読んで……」

「どれも飽きちゃった……」

「……そうだよね。この本、もう10回以上読んだもんね」

「ねぇ、何かお話して?」

「お話?」

「うん。絵本じゃなくて……」ジーッ

「……ひょっとして、僕の昔話とか?」

「そう!」

「う~ん……確かに、色々なことがあったけど……きっと、凄く長くなるよ?」

「それでも良いの!私、聞きたい!」

「あはは……うん、分かった。どこから話そうかな……」

「わくわく」

「……よし、決めた!つまらなかったら、途中で眠っても良いからね?」

「そんなことしないよ!絶対に最後まで聞くっ!」

「ふふっ……それじゃ――――」





























――真っ暗で、何も見えない……

――私は、“何”……?何、なの……?

――分からない……何も、分からないよ……

――だけど……どうして、かな……?




――――――ずっと、待ち望んでいたかのような……




――温かくて、安心する……でも、それと同じくらい……

――切なくて、悲しい……

――私、どうして……こんな気持ちに……?

――自分が“何者”かも、はっきりしないのに……




――――――でも、これだけは言い切れる。

――――――私の、この気持ちは……!今、抱いている“想い”は……!



















――50周目鎮守府

シュウウゥゥゥゥ…

妖精達「よし、建造完了……のはず……」


妖精達は困惑していた。目の前に佇んでいるのは、正に今……彼女達が“生み出した”少女達。

深海棲艦から国民を守る為、人類の知恵と科学技術の結晶……とされている少女達。



朝風「………」

U-511「………」

名取「………」

グレカーレ「………」



そう。かつて世界各国と戦い、同時に深海棲艦とも砲を向け合った“初代”の名と魂を継ぐ者……とされている、艦娘である。

彼女らは妖精達の手によって、この世に生を与えられ……己の役割を自覚し、人類の為に尽くす存在。


妖精達「………」

妖精達(……おかしい。艦娘の建造は、こんなあっさりと行えることじゃない)

妖精達(私達が丹精を込めて……気持ちを込めて、作業しないといけないはずなのに……)


その彼女らを生み出した妖精達が、不可解だと感じている。艦娘は、決して簡単に作り出せる存在では無い。

妖精達が、文字通り“魂を込める”ほどに集中しなければ……間違いなく失敗してしまうと断言して良いだろう。

だが、彼女らは文字通り“簡単に”誕生した。妖精達が建造の準備を行っただけで、一瞬の内に生まれたのだ。


50周目ヒロイン「……?」

妖精達「……!」


彼女達が目を開ける。本来ならば、艦娘は生み出されてすぐ己の存在を理解し……役割を全うする為に行動する。

だがしかし、彼女達の場合は……やはり、通常の艦娘とは異なる特徴を持っていた。

朝風「……?」キョロキョロ

U-511「………」キョロキョロ

名取「……?」キョロキョロ

グレカーレ「………」キョロキョロ

妖精達「………」


目を覚ますや否や、彼女達は何かを探すかのように辺りを見回し始めたのだ。

生み出されたばかりの艦娘が、そのような行いをする等……到底あり得ない。

何故ならば、彼女達には艦娘としての自覚はあれど、それ以外の記憶は一切持たないはずだからだ。


妖精達「……あの」

朝風「え……?」

U-511「何……?」

妖精達「どうして、周りを見てるの?」

名取「……そう、いえば」

グレカーレ「どうして、かな……」

妖精達「……まさか、自分達が艦娘という自覚が無かったりは……しないよね?」

朝風「いや、それは大丈夫だけど……」

U-511「……うん。私は、艦娘……」

名取「……艦娘、だよね。うん……」

グレカーレ「深海棲艦と戦う為に、生み出されて……」

50周目ヒロイン「………」

50周目ヒロイン(……やっぱり、引っかかる。私は、艦娘……それは間違いない……)

50周目ヒロイン(だけど、違う……そうじゃなくて、えっと……)

50周目ヒロイン(……あれ?私、今……そもそも、何を探そうとして……?)


彼女達もまた、妖精達と同じように困惑する。自身が艦娘であるということに疑いは無い。

しかし、無視出来ない違和感が付きまとうのだ。彼女達にも分からないが、自分は……何かが違う。

同時に、何かを探そうとしていた。ほぼ無意識の内に行動に移していたようだが、確かに何かを見つけようとした。

だが、その何かも分からない。どれだけ思考を巡らせても、答えは一向に出てこない。

妖精達「……もしかして、提督を探してたの?」

朝風「……司令官」

U-511「admiral……?」

名取「提、督……」

グレカーレ「テートク……」

50周目ヒロイン(……そう、か。私は……司令官〈admiral〉〈提督〉を、探そうとして……?)


艦娘は提督を慕い、自らの生き甲斐とする。提督と出会えないままとなってしまえば、いずれ自我の崩壊を引き起こしてしまう。

それを考慮すれば、彼女らが提督を探す行為は断りに適っていると言えるだろう。


50周目ヒロイン「………」

50周目ヒロイン(本当に、そう……なの?さっきの感覚は……そうじゃ、無いような……)

ザッ…

50周目ヒロイン妖精達「……?」





「………」





50周目ヒロイン「……!」

妖精達「あっ……」


いつの間にか、彼女達の後ろに……1人の少年が立っていた。

音も無く、気配さえ感じさせず……まるで、最初からその場に存在していたかのように。

だが、彼女達は少年の容姿を見て即座に理解した。白い帽子に白い服装……外見が幼いことを除けば、彼は恐らく……


妖精達「……もしかして、ここに着任してくれる……新しい、提督……?」

「……うん」

妖精達「………」

妖精達(何だろう。この子を見ていると、何だか安心する……それに、胸の奥が温かくなるような……)

「………」

妖精達「まさか、もう来てくれるなんて……ここ、数日前に建設されたばかりだったから……」

(……知ってる。いや、知らないはずが無い……だって、僕は……)


妖精達が言う通り、この鎮守府……50周目鎮守府は、建設されて1週間も経っていないほどの新築である。

大抵の場合、建設されたばかりの鎮守府には……新しい提督はやって来ないことが多い。

理由としては、既存の鎮守府に提督を着任させることを優先している為だ。もちろん、3周目鎮守府のような例外もあるが。

だが、この方針のせいで何年も提督が着任しないまま廃れていく鎮守府も……決して少ないとは言えない。

そのような状況の中、建設直後に提督が着任することとなる50周目鎮守府は……恵まれている方と言えるだろう。


50周目ヒロイン「………」ジッ

「………」チラッ

妖精達「……?」

妖精達(朝風ちゃん達、今度は新しい提督を眺めてる……それに提督の方も、朝風ちゃん達の方を……)

「………」

(……やっぱり、そうか。いや、贅沢は言えない……十分、奇跡と呼ぶに相応しい……!)


少年は、彼女達を見て……懐かしげな表情をしたかと思えば、すぐさま寂しげな表情をする。

だが、瞬く間に……何かを決意したような表情へと変える。その拳は、固く握り締められている。


50周目ヒロイン「………」

朝風(何かしら……この、既視感……)

U-511(この子が現れてから……急に……)

名取(さっきまでの、不思議な感覚が……強くなったような……)

グレカーレ(でも、私とこの子は……今、初めて会ったばかりで……)


彼女達は少年を見て、違和感が強くなったことを自覚する。しかし、先程も述べたが彼女らは誕生したばかりの存在。

少年とは紛れも無く初対面であり、彼女らが既視感を覚えるはずが無いのだ。


50周目ヒロイン(何か……何か、大切なことが……あった、ような……)

50周目ヒロイン「………」

50周目ヒロイン(それとも、気のせい……なのかな。いくら記憶を辿っても、何も分からないままだから……)

50周目ヒロイン(やっぱり、私は……単に司令官〈admiral〉〈提督〉を、探してただけ……)

「………」チラッ

50周目ヒロイン「………」

(……これは、最初で最後のチャンスと言える。何としてでも、食い止めなければ……)

(その為には、余計な混乱を与える訳にいかない。少しでも、力を分け与えて貰わなければならないから……!)


少年はひとしきり思考を終えると、彼女達や妖精達と向き合う。その様は、幼い外見に似合わぬほど……凛々しく、逞しい。

歴戦の提督でさえ、彼を一目見れば……瞬時に『只者では無い』と気がつくことだろう。


「……“初めまして”。今日からここで提督として活動させていただく……」

「………」

50周目ヒロイン「……?」

妖精達「……?」

(……この名前を名乗るのは、久しぶりだな。本当に……)

ショタ提督「……“50周目提督”です」ペコッ

50周目ヒロイン「……っ」ピクッ

50周目ヒロイン(50周目、提督……今、また……あの感覚が……)

妖精達「………」

妖精達(あれ?普通なら、新しい提督が着任する時は特別学校か海軍学校から連絡が来るはずだけど……伝達ミスかな……?)

ショタ提督「………」

ショタ提督(僕には、“この名前”しか無い。他の名前なんて、存在しない……)

50周目ヒロイン「……えぇ(うん)(はい)、よろしくね(よろしくお願いします)」

妖精達「……うん。今日からよろしくね」

ショタ提督「………」コクリ

妖精達(やっぱり、不思議な子……だけど、一緒にいて落ち着く……)

50周目ヒロイン「………」

50周目ヒロイン(……悩むのはやめよう。私は艦娘……これからは、深海棲艦を倒す為に頑張らないと……!)


彼女達は既視感の正体を探ることを止め、己の役目を果たすことに意識を向ける。

まるで違和感の謎から遠ざかるかのように……先程までの思考を、すぐさま放棄する。

彼女達は、新しくやって来た提督と共に過ごすことを受け入れることに決めた。

そして“50周目提督”と名乗る少年は、幼き提督として彼女らの指揮を務めることを決意した。


























――謎の少年と、彼女達の出会い。彼らの邂逅は、後に……大きな意味を持つこととなる。


――否、既に……とてつもなく重大な意味を持っていたのだ。

















































――果たして少年は何者なのだろうか。彼の目的とは何なのだろうか。


――彼女達は自らが抱いた既視感の真実を導き出すことが出来るのか。









――――――――謎はそれだけに留まらない。









――人類に害をなす深海棲艦。彼女らはいつ、どのようにして誕生したのか。どうして人類に牙を剥くのだろうか。


――そして……人類はどのようにして、艦娘の建造技術……既存の科学力を遥かに上回る技術を確立したのだろうか。













































――それは、全ての始まりの物語










【~ ショタ提督に好かれたい ~】

《-- 最終章 --》










――それは、全ての終焉が訪れる物語
















































この物語が終わりを告げる時、全ての謎が解き明かされることとなるだろう――――――





























どうもスランプがまだ続いてしまっているみたいで……納得のいく文章が中々書けず、お待たせしてすみません。
最終回と言うことで、今回は通常通り時系列は最新です。
よって1周目から49周目まで全周の歴代提督(48周目提督は除く)が登場可能です。分かりづらい描写で申し訳ございません。
実は進行形式がまだ定まっておらず、本編開始までもう少しお時間をいただくことになるかもしれません。
通常通り艦娘から行動するか、40周目や43周目のように提督から行動するか……
それに加えて、出していただいた安価の内容をアレンジすることも多くなるかと思います。
何にせよ、本編開始時に説明致しますので、それまでお待ちいただけると幸いです。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

《-- 1 --》


ショタ提督「………」

鈴谷「………」ジー

朝潮「………」ジー

瑞鶴「………」ジー

彼女達は提督の様子を、少し離れた位置から不思議そうに眺めている。

理由はもちろん彼に対する好奇心もあるが、それ以上に……

鈴谷「……やっぱり、提督が近くにいると……何となく、心が落ち着いて……力が溢れるような感じがする」

朝潮「はい。最初は気のせいかと思いましたが、司令官が視界からいなくなると……」

瑞鶴「少し脱力するし、穏やかだった心がザワつくのよね。どうしてかな……」

そう。彼が彼女達の近くにいると、それだけで彼女達の精神に癒しを与える。

しかし一方で、彼が彼女達の傍から離れると……彼女達の精神状態に、僅かな乱れが生じてしまう。

提督は艦娘達の生き甲斐となる。だが、“存在するだけで”彼女らの心を揺さぶることは無いはずなのだ。

鈴谷「提督本人は、幼いことを除けば物静かな普通の提督……だよね?」

朝潮「だとしたら、私達の精神状態に異常があるのでしょうか……」

瑞鶴「でも、私達ってまだ建造されたばかりだし……良くも悪くも、自分の心に影響を与えるような経験はしてないけど……」

考えれば考えるほど謎が深まるが、答えが出ることは無い。むしろ疑問が深まるばかりだ。

そして彼女達は、いつ終わるか分からない自問自答を続けるほど暇を持て余している訳では無く……

鈴谷「……まぁ、別に良いか」

朝潮「そうですね。きっと気のせいでしょうし」

瑞鶴「そんなことより、次の出撃に備えて自主練しないと……」

スタスタスタ…

彼女達は考えることをやめ、各々がすべきことに意識を向けていく。

ショタ提督「………」チラッ

ショタ提督(今、鈴谷さん達の……そうか。これは……)

ただ1人残された提督。しかし彼には、ある1つの疑惑が浮かび上がっていた。

否、疑惑では無い。ほぼ確信に近い仮定と言った方が正しいだろう。

ショタ提督(……時間は限られている。僕が皆を……そして、皆から……分け与えて貰わないと……!)

彼は口数が少なく、一見何を考えているか分からないと誤解されることがある。

だが、その内心には確固たる決意と想いがあり……その気持ちは、艦娘達へと向けられているのだ。


↓1朝風のコンマ      ----との---:0/--
↓2U-511のコンマ      ----との---:0/--
↓3名取のコンマ      ----との---:0/--
↓4グレカーレのコンマ   ----との---:0/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流を深めます

※分母が『--』となっていますが、これは演出で最大値は通常通り50です

★今回は行動コンマを判定後、こちらで予め提督or艦娘の行動を描写するという方針で進行致します。40周目の進行方式とほぼ同じです。
その後は通常通り安価で艦娘or提督の行動を指定するといった感じですが、場合によっては途中で進行方式を変更するかもしれません。
ただ、他の周と比べて今周ヒロインが不利になるということはありません。ややこしい説明で申し訳ございません。

ショタ提督「………」

名取「………」

名取(何となく、様子を見に来ちゃった……)

ショタ提督「………」

提督は海を眺めている。ただ気分転換という訳では無く、その表情には……様々な想いが散りばめられている。

何かを思い出すかのように。それでいて、どこか辛そうで……同時に、何かを懸念するかのように。

ショタ提督「………」

ショタ提督(これも、奇跡なのか……それとも……)

名取「………」

名取(提督、海を見てるけど……もしかして、悩みがあったりするのかな……?)

彼女は彼の心情を読み取ることが出来ない。何故なら、彼とはまだ出会ったばかりだからだ。

しかし、それでも彼女は彼を心配する。理由はもちろん、艦娘として提督を労わろうという気持ちからだ。

名取「………」

名取(何だか、放っておけない……何か、力になってあげたい……!)

彼の困り顔を見た彼女は、不思議と彼を助けたいと思う。そうしたいという気持ちが、胸の奥から湧き上がる。

艦娘は人類の為、そして提督の為に尽くす存在。彼女は何らおかしくは無く、自然な気持ちを抱いている。

ショタ提督「……!」

彼は、何かを察知したかのような表情を露わにする。大海原に、何か気になる物でも見つけたのだろうか。

それとも……海とは関係の無い、別の事柄に対して……何かに気がついたのだろうか。

ショタ提督「……っ」ギュッ

ショタ提督(……温かい。今まで、ずっと……)

名取「………」


名取の行動

直下

名取「………」

名取(提督が海を見ている理由は、私には分からない。だから……)スッ…

ガチャッ…

ショタ提督「………」クルッ

彼女は静かに部屋の中へ足を進める。すると足音を聞いた彼は当然振り返り、彼女を見る。

しかし驚いている様子は無い。まるで最初から彼女の存在に気がついていたかのように、落ち着いて彼女と対話する。

ショタ提督「……名取さん」

名取「え、えっと……歩いていたら、提督がずっと海を眺めているのが見えて……」

ショタ提督「………」

名取「……お邪魔でしたら、ごめんなさい」

ショタ提督「……ううん。そんなこと、無いよ」ニコ…

名取「あっ……」

名取(柔らかくて、温かい笑顔……そういえば、この感覚……どこかで……)

彼は静かに微笑む。その笑顔を間近で見た彼女は、彼と初めて出会った時と同じ違和感を覚える。

だが、今は自身のことを考えている時では無い。目の前にいる提督に、海を眺めている理由を聞くのが先だ。

名取「………」フルフル

名取(ううん。今は提督のことを考えないと……)

名取「……提督。何を見ていたんですか……?」

ショタ提督「え……?」

名取「海を眺めていたみたいですけど、その……何か、別のものを見ているような気がして……」

名取「それこそ、悩みとか……あ、あのっ、勘違いでしたらすみません!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(“何を”、か……)

彼は一瞬だけ不思議そうな顔をするが、すぐに穏やかな表情へと戻る。

彼は一瞬、彼女に真意を見抜かれたかと考えたが……それは違うと気がついたのだ。

もし、真意を見抜かれていたとすれば……これほど冷静に会話することなど、出来ないはずなのだから。

ショタ提督「………」


反転コンマ判定:提督の対応は?

01~49:「……何でもないよ。ありがとう、心配してくれて」
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:「少しだけ……懐かしい思い出に、ふけっていたんだ」
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:「……こういうのを、以心伝心と言うのかな」
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 88 --》……末広がり


ショタ提督「………」

とは言え、やはり彼は少し驚いていた。彼女は彼が何かを言うまでも無く、彼の“心情”を僅かに見抜いたのだから。

無論、全てを見抜いた訳では無い。しかし、それでも……彼にとっては、“繋がり”を意識することだったのだ。

ショタ提督「……こういうのを、以心伝心と言うのかな」

名取「……え?」

ショタ提督「名取さん。どうして僕が、海では無い何かを眺めていると思ったの?」

名取「それは……何となく、です」

ショタ提督「何となく……」

名取「顔を見て、そうなのかなって……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(やっぱり、僕がここにいるから……なのか)

名取「……提督?」

ショタ提督「………」

彼は自らが影響を与えていると考えた。と言うより、それ以外の理由が存在し得ないからだ。

無意識の内に、彼の心情を僅かに見抜いた彼女。その事実は、彼の“心”を少しばかり揺れ動かせた。

ショタ提督「……うん。少し、色々なことを考えていて」

名取「色々なこと……」

ショタ提督「だけど、大丈夫。少なくとも、悩んでいる訳じゃない」

ショタ提督(そう。悩んではいない……むしろ、既に……)


----との--- コンマ一の位× 上昇

直下

すみません!上昇倍率が抜けていました!正しくは『×2.0』です。度々すみません!
このレスは安価下でお願いします。

8×2.0=16/--


名取「……本当に、大丈夫ですか?」

ショタ提督「うん。ありがとう、心配してくれて」ニコ…

名取「あっ……」

名取(また、だ……胸の奥が、温かくなって……)ギュッ

彼の笑顔には、何か特別な力があるのだろうか。それとも、単に提督の笑顔を見て癒されただけだろうか。

どちらにしても、その答えは分からないままだ。彼女は少しだけ考えを巡らせ、すぐに思考を放棄した。

ショタ提督「………」

ショタ提督(ただでさえ奇跡だというのに、まさか……いや、そうとしか……)

彼は彼で、何やら胸の内で考えを巡らせている。だがしかし、こちらは既に答えが出ているのだ。

だが、答えが出たからと言って、それを彼女に伝えることはしない。彼はそう結論付けている。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……皆の、特に名取さん達の気持ちを乱してはダメだ。そんなことになれば……)

名取「……提督?」

ショタ提督「………」

名取「………」

名取(本当に、悩んでないのかな……提督、また険しい顔に……)

ショタ提督「……!」

ショタ提督(名取さん……ごめんなさい。でも、その気持ちは……しっかり、僕に届いたよ。安心して。僕が絶対……皆を……!)


《-- 名取と交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------がかなり強まった --》

《-- 2 --》

繁華街


島風「おっそ~い!早く早く~!」

如月「こらっ、島風ちゃん!ごめんなさいね?司令官……買い出しに付き合わせちゃって」

ショタ提督「大丈夫。むしろ皆のサポートが、僕の……“提督”としての役目だから」

提督達は、鎮守府での生活必需品の買い出しに繁華街を訪れていた。

道を歩けば人々とすれ違い、周囲を見渡せば多くの人々で賑わっている様子が伺える。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……うん。どの人間も皆、楽しさと喜びに溢れている。これなら安心……)

「うわあああああああああああんっ!」

ショタ提督「……!」チラッ

島風「……?」チラッ

如月「あっ……」チラッ

子供「お母さぁーん!どこ行ったのー!?うえええええええええんっ!」

歩道から聞こえる金切声。振り向いてみると……小さな少女が1人で泣いていた。

母親とはぐれてしまい、孤独感と恐怖に耐えられなくなったのだろう。

島風「あれって、迷子かな……?」

如月「多分……いえ、絶対にそうよね……」

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(……そうか。これも……)

心配そうな顔で少女を眺める島風と如月。それに対し提督は、険しい顔つきで少女を見つめる。

もちろん、少女に対して怒りを抱いている訳では無い。彼は“少女が迷子となった要因”に意識を向けているのだ。

ショタ提督(相変わらず、些細なことに対しても妥協を許さない訳か。なら、僕だって……!)カッ…!

母親「……あっ、いた!」

子供「ぐすっ……お母、さん……?」

母親「ごめんね~!?まさか手が離れちゃうなんて!今度は絶対に離さないからね?」ナデナデ

子供「うぅっ、お母さぁん……!会いたかったよぉ……!」ダキッ

島風「………」ホッ

如月「良かった……お母さんが見つけてくれて」ホッ

ショタ提督「………」

ショタ提督(これで良し。あの子の悲しい気持ちが、母親と再会出来たことで……温かい気持ちに変わった)

先程とは対照的に、彼は優しく柔らかい笑みを浮かべて少女を見つめる。

彼によって、迷える少女は母親と再会することが出来たのだ。もし彼が何もしなければ、少女は迷子のままでい続けただろう。

否、最悪の場合……更に悲惨な結末となっていたかもしれない。彼の手により、そのような未来は未然に防がれたのだ。


↓1朝風のコンマ       ----との---:0/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:0/--
↓3名取のコンマ       ----との---:16/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:0/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

ショタ提督「………」カキカキ

グレカーレ「………」

グレカーレ(提督、本当に無口ね……この年頃の子供なら、もっと腕白なんじゃないの?)

この日の秘書艦であるグレカーレは、歳不相応に大人びている提督に疑問を抱いている。

外見は確かに少年なのだが、周囲への対応や気配りの仕方が子供のそれでは無い。

時には微笑んだり、険しい表情を見せることもあるが……言うなれば、まるで子供を見守る親のような顔なのだ。

ショタ提督「………」カキカキ

グレカーレ「……提督」

ショタ提督「何?」カキカキ

グレカーレ「ずっと仕事ばかりで疲れないの?もっとこう、外で遊んだりとか……」

グレカーレ(私に話しかけている間も手が止まってないし……)

ショタ提督「ううん。僕は“提督”だから。皆の為に、自分の役割を果たすまでだよ」カキカキ

グレカーレ「………」

グレカーレ(こうやって声をかけても、いつもこの調子だもん)

彼女は彼を不思議に思い、同時に心配している。どうしてその幼さで不気味なほど真面目に仕事と向き合えるのか。

どうしてその幼さで……自身の責任をしっかりと自覚し、自分達の為に尽くしてくれるのか。

そして……その幼さで、そのようなことを続けていれば……ストレスが溜まってしまうのではないか、と。

ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(……僕には疲れなんて存在しない。だけど、グレカーレちゃん達から不審に思われてしまうのも……)カキカキ

そして彼は彼で、彼女の心情を理解している。自身が無茶をしていないか、気にかけてくれていることを知っている。

だが、それでも彼は……自身のことより、彼女達のケアを最優先している。無論、彼の目的の一つだからだ。

グレカーレ「………」


グレカーレの行動

直下

グレカーレ「……!」ピーン!

グレカーレ(そうだっ!ちょっとだけいたずらして、提督の緊張を解いてあげよっと……ふふっ♪)

彼女は自分なりに、彼のストレスを和らげてあげようと考える。

真面目な彼の雰囲気に影響されていたとはいえ、彼女は“本質的に”いたずらっ子なのだ。

ショタ提督「……!」カキカキ

ショタ提督(グレカーレちゃん……)カキカキ

しかし、彼は既に彼女の目的に気がついていた。仕事をしていても、彼女達の心情は常に把握している。

だが、彼はあえて何も知らない素振りをする。理由はもちろん、彼女の気持ちを尊重する為だ。

ショタ提督「………」カキカキ

グレカーレ「………」

グレカーレ(仕事に夢中で、私が目の前まで来てることに気づいてなさそう……これなら簡単にいたずら出来るかも♪)

グレカーレ(ただ、問題はどんないたずらをするかなんだよね~……あっ、良いいたずら思いついちゃった!)

グレカーレ(提督だって男の子なんだし、絶対に意識しちゃうよね?うっふふ♪)

そう考えると、彼女はスカートを少しだけたくし上げる。

ただし下着が見えそうで見えない位置を維持しながら、彼に向かって露骨にアピールする。

グレカーレ「ほ~ら、提督~。ひ~らひら~♪」

グレカーレ(女の子がスカート引っ張ってるんだよ?しかもパンツが見えそうなんだよ?男の子なら気になっちゃうよね?くすっ♪)

グレカレー(……まぁ、実際のところは、これで少しでも提督が仕事から気をそらしてくれれば良いんだけど……)

ショタ提督「………」カキカキ


反転コンマ判定:提督の反応は?

01~49:「そういういたずらは、安易に行うことじゃないよ」
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:「気を遣ってくれてありがとう。でも、僕なら大丈夫」
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:(……懐かしいな)
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 50 --》……人を思いやる優しい気持ち


ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(……“伝わる”。僕のことを思いやってくれる気持ちが)

彼女の意図とは少し違うが、彼には確かに“伝わって”いた。

彼女が彼を心配し、労わろうとする気持ち……それは彼に、しっかり“届いて”いたのだ。

ショタ提督「………」スッ…

グレカーレ「……提督?」

ショタ提督「……気を遣ってくれてありがとう。でも、僕なら大丈夫」ニコ…

グレカーレ「あっ……」

グレカーレ(また、だ……よく分からない、感覚が……)ギュッ

彼の柔らかな笑顔を見た彼女に、自身が生み出された直後の違和感が蘇る。

考えても分からない。理解出来ないはずなのに……何故か感じたことがあるような気持ちが。

グレカーレ「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(これは……いや、流石に……そう簡単には……)

彼は何か思い当たる節があるようだが、瞬時に思考を切り替える。

今はそのことより、彼女達と“提督”として交流を深めることが重要なのだ。

ショタ提督「……グレカーレちゃん」

グレカーレ「う、うん……」

ショタ提督「僕は本当に大丈夫だよ。仕事をするのは当然のことだし、疲れてもいないから」

グレカーレ「なら、良いんだけど……」

グレカーレ(……もしかして、余計なお世話だったかな)

ショタ提督(……そんなこと無い。その温かい気持ち……しっかり受け取ったから)


----との--- コンマ一の位×1.5 上昇

直下

8×1.5=12/--


ショタ提督「………」スッ…

グレカーレ「あっ……」

ショタ提督「これで今日の分は終わったかな」

グレカーレ「………」

グレカーレ(す、凄い……これだけの量を、こんな短時間で終わらせるなんて……)

彼の机の上には、1日の終わりにお目にかかるであろう書類の束が置かれていた。

通常の提督であれば半日近くかかるであろう書類を、彼は午前中の内に終わらせてしまったのだ。

グレカーレ「……て、提督?本当に大丈夫?」

ショタ提督「うん」

グレカーレ(即答……確かに、顔を見てもキリッとしてるし……疲れてるようには見えないけど……)

ショタ提督「遠征の皆が帰って来るまで、まだ時間があるな……明日の分もこなしておこう」ドサッ

グレカーレ(まだやるの!?いやちょっとは休憩したり遊んだりしないの!?)

彼女は驚愕していた。外見だけの問題では無い。仕事に対しても通常の提督以上に有能なのだ。

より正確には、彼以外の提督を知らない彼女の想像でしかないが……それでも、彼女は到底信じられないという顔をしている。

ショタ提督「……!」

ショタ提督(あっ、今……そうはさせない……!)カッ…!

彼女は知らないが、彼は“提督”としての業務以外にもすべきことがある。

先程から……否、この地に現れる以前から、彼は己の役目を確実にこなしている。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……よし。これ以上……させる訳には……!)


《-- グレカーレと交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が強まった --》

《-- 3 --》

甘味処間宮


間宮「お待たせしました。フルーツパフェです」コトッ

川内「ありがとう間宮さ~ん……」

ショタ提督「………」

提督は普段から出撃や遠征で疲労困憊している艦娘達の為に、可能な限り全員に間宮券を配っている。

肉体の傷は入渠や修復バケツで癒せたとしても、心の疲れはそう簡単に取れるものでは無い。

それを痛いほど理解している彼は、こうした艦娘達のケアもかかさず行っている。

球磨「うぅ……深海棲艦、思った以上に強かったクマ……」

ショタ提督「……!」

多摩「おかしいにゃあ……提督や余所の鎮守府の多摩の話なら、正しい編成と装備、後は練度が足りていれば十分撃破出来るはずなのに……」

川内「妙に強いんだよねぇ……勝てないほどじゃないけど、毎回苦戦してるというか……」

ショタ提督「………」

川内達は、深海棲艦の強さに疑問を抱いていた。無論、彼もそれに気がついていない訳が無い。

適切な装備と編成、海軍により提示されている適正練度をしっかりクリアしつつ出撃させているにも関わらず……ほぼ必ず苦戦を強いられている。

決して彼が無能という訳では無い。むしろ彼ほど優れた手腕でも突破出来ないほど、深海棲艦の脅威が高まっているのだ。

ショタ提督「……ごめんなさい。僕のせいで」

球磨「えっ?いや、提督は悪くないクマ。むしろこうして、いつも球磨達のことを労わってくれてるし……」

多摩「編成だって問題無いはずにゃ。これはむしろイレギュラーだと思う」

川内「そうだよ!むしろ謝らなきゃいけないのは私達の方!ごめん、いつもこんな体たらくで……」

ショタ提督「……そんなことない。皆が一生懸命頑張ってくれているのは、僕が1番知っているから」

ショタ提督(これは本当に“僕”のせいなんだ……だからこそ、僕が何とかしなければならない……!)


↓1朝風のコンマ       ----との---:0/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:0/--
↓3名取のコンマ       ----との---:16/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:12/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

朝風「絶対私だと思ったのに……」

U-511「……勝った」グッ


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

工廠


ショタ提督「………」

U-511「………」

U-511(執務室にいないと思ったら、工廠にいたんだ……)

ショタ提督「………」ジッ…

ショタ提督(皆はもちろん、妖精達や……この艤装だって……)

提督は工廠の……それも、この日は非番である艦娘達の艤装を眺めていた。

彼女らが深海棲艦と戦う為に必須と言える装置であり、同時に敵の攻撃から身を守る為の物でもある。

U-511「………」

U-511(艤装を見つめて、どうしたんだろう……もしかして、整備しようとしてくれてるの……?)

ショタ提督「………」ギュッ…

彼は両手を握り締め、祈るような姿勢をとる。

まるで何かを願うかのように、彼は静かに祈りを捧げているように見える。

U-511「……?」

U-511(admiral……?一体、何してるの……?)

U-511は、彼の行動の意味を理解出来なかった。

艤装に対し、何を祈っているのか……彼女には想像もつかない。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……良し。これなら……)

すると彼は祈りの姿勢を止めた。その行為に何の意味があるのかは、彼のみぞ知る。

尤も、今の光景を見て、真実に辿り着ける者は……ごく一部の例外を除き、まずいないだろう。

U-511「………」


U-511の行動

直下

ショタ提督「………」

ショタ提督(……いや、やっぱりダメだ。皆にも……)

U-511「………」

U-511(……気になる、かも。admiral、何を祈ってたのかな……)

彼が祈るその姿は神秘的で、見る者全員を不思議な気持ちにさせる。

彼女は彼が祈る理由が気になった。どうしてわざわざ、工廠で祈りを捧げるような行動を取ったのだろうか。

ショタ提督「……!」

ショタ提督(これは……)チラッ

U-511「……admiral」

ショタ提督「……ユーちゃん」

U-511「今、何を祈っていたの……?admiral、もしかして……外国の人だったり……?」

ショタ提督「……外国人、か。そうとも言えるし、違うとも言えるかもしれない」

U-511「……?」

彼はあえて回りくどい言い方をする。これは意地悪を言っているのでは無く、彼なりの彼女への配慮なのだ。

ショタ提督「それで、祈っている理由だったね。答えは簡単だよ。“皆が深海棲艦を倒せる”こと」

U-511「私達が、深海棲艦を……」

ショタ提督「………」

“嘘はついていない”。実際に彼は、彼女達が深海棲艦を撃破することが出来るよう、あのような行動を取っていた。

だが、これでは少々語弊があるが……彼は、現時点で全てを説明するつもりは無い。

ショタ提督(ごめんね……だけど今、皆の……ユーちゃん達の気持ちに、強い揺さぶりをかける訳にはいかない)

U-511「………」


反転コンマ判定:ユーの反応は?

01~49:少し引っかかるが感謝する
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:特に疑問に思うことなく感謝する
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:「……それ、本当の理由じゃない……よね?」
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 34 --》……惜しい


ショタ提督「………」

U-511「………」

U-511(それだったら、工廠で祈る必要は無いと思うんだけど……)

彼女は疑問を抱いていた。恐らく彼は本当のことを話していない、と。

その一方で、彼女は何故か“彼は嘘は言っていない”という確信も得てしまった。

U-511「………」

U-511(話しづらいこと、なのかな……明石さんや夕張さんがいない状況で、1人静かに祈ってたくらいだから……)

彼女は自分なりに納得がいく結論を出した。疑問は完全に晴れていないが、誰しも触れられたくないことの1つや2つあるだろう。

それに彼なら、不思議なことをしても“自分達の味方でいてくれる”。不思議とそう信じることが出来たのだ。

ショタ提督「……!」

ショタ提督(……そう、か)

U-511「……ありがとう、ございます。私達のことを、考えてくれて……」

ショタ提督「……気にしないで。“提督”である僕が、皆の無事を祈るのは当然のことだから」

U-511「admiral……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……いつか、話せる時が来るのだろうか。それこそ、僕の“目的”を終えることが出来たなら……)

彼は彼で、彼女に本当のことを伝えられない現状に胸を痛めている。

歯がゆい思いをしているのは、決して彼女だけでは無い。彼もまた、同じなのである。


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

3×1.0=3


ショタ提督「………」

ショタ提督(深海棲艦の凶暴化……以前まで、そんなことは無かった……)

ショタ提督(いや、既に残虐な深海棲艦は存在していたが……通常の深海棲艦まで……)

彼女と別れてから、彼は1人……考えていた。どうして深海棲艦が以前より強くなったのか。

否、答えは出ている……彼は知っている。知らないはずが無い。

ショタ提督「……っ」グッ…!

ショタ提督(このままでは、近い内に……)

己のすべきことは理解している。だが、それは“最善策”では無い。

“現状では最も有効な策”というだけで、必ずしも脅威に対抗出来るかは……彼にも分からない。

その上で、足掻くしか無いのだ。その為に、彼はここで“提督”となったのだから。

ショタ提督「………」ギュッ…

ショタ提督(やり過ぎてしまえば、僕自身にも影響が出てしまう。だからといって、何もしない訳には……)

彼は再び、先程と同じ姿勢を取る。何かに対し、必死に祈りを捧げようとする。

ショタ提督「……っ」

ショタ提督(集中しろ……さっきと同じように……!)







U-511「………」スタスタ…

U-511(さっきのadmiral……少しだけ、悲しげな顔をしてたような……)

U-511「……?」

U-511(あれ……?今、何か……)ギュッ…

U-511「………」

U-511(……気のせい、かな)

《-- 4 --》

いつもの喫茶店


1周目提督「最近、鈴谷お姉ちゃん達が中々深海棲艦に勝てなくて……」

2周目提督「1周目提督の所もか。俺も朝潮や瑞鶴達から、似たようなことを相談されてな……」

3周目提督「あっ、うちもです。島風ちゃんと如月ちゃんが熱線銃を持ち出そうとした時は流石に止めましたけど……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(ここには昔から、提督の人達がよく集まるな……)

提督は同僚との親睦を深めようと、繁華街に位置する喫茶店に出向いていた。

そこには彼と同じく、艦娘達を指揮する幼き提督達が集っていた。

ショタ提督「………」ジッ…

3周目提督「明石さんと夕張さんもノリノリで新しい道具を開発しようとしますし……」

8周目提督「あ、相変わらずお前の鎮守府の技術力は凄まじいな……」

9周目提督「今でも真価を続けてるくらいだもんねぇ……」フワフワ

ショタ提督「………」

とてつもない発展を遂げた技術。記憶だけ……すなわち魂だけが次元を超えて来た存在。そして現世に留まり続ける幽霊……

彼は改めて、彼らに対して驚愕し……同時に、悲しげな表情を浮かべていた。

4周目提督「……ご、50周目提督さん?」

ショタ提督「……え?」

5周目提督「大丈夫か?さっきから辛そうな顔してたぞ?」

6周目提督「もしかして具合が悪いの~?」

7周目提督「だったらこんなとこにいないで早く帰って休め!軽い病気でも拗らせると大変だからな!」

ショタ提督「………」ジッ

7周目提督「……な、何だよ。そんなじっと見つめて」

ショタ提督「……ううん、何でも無い。心配してくれてありがとう。僕なら大丈夫だから」ニコ…

5周目提督「なら良いけど……」

ショタ提督「………」グッ…

ショタ提督(イレギュラーが多ければ多いほど……)


↓1朝風のコンマ       ----との---:0/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:3/--
↓3名取のコンマ       ----との---:16/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:12/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

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22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

ショタ提督「………」スタスタ

ショタ提督(どの鎮守府の提督も、皆……艦娘達の為に頑張ってくれて……)

ひとしきり話し終えた彼は鎮守府に戻っていた。

どの提督達も個性こそ違えど、艦娘の為に努力する姿は……彼にとって、感謝の気持ちを抱くことだった。

『そうなの?』

ショタ提督「………」

ショタ提督(この感じ、それにこの声……)チラッ

名取「31周目提督君、笑顔を見せることが多くなったんだ……え?こっちの様子?」

名取「大丈夫だよ。提督、物静かだけど良い子だもん。ありがとう、31周目鎮守府の私。心配してくれて」

ショタ提督「………」

ショタ提督(やっぱり……電話の相手は、“別の”名取さんか……)

名取は自室でスマートフォンを使い、31周目鎮守府の自分自身に電話をかけていた。

各地で建造が行われる以上、同一の艦娘が複数人存在することは特に珍しいことでも無い。

むしろ同一存在同士だからこそ意気投合する場合が多い。目の前の彼女が良い例である。

ショタ提督「………」

ショタ提督(艦娘を建造で生み出す以上、どうしても同じ姿・名前・性格の存在が数多く存在する……)

ショタ提督(だけど、決して……皆が皆、全く同じという訳じゃない。変えが効く存在じゃないんだ……)

彼は“知っている”。同一の艦娘が複数存在出来るからこそ……彼女らをまるで道具のように酷使する人間を。

そして、絶望してしまった彼女らの心が壊れ……悲劇的な結末を辿ってしまった例が存在することを。

ショタ提督「………」グッ…

ショタ提督(皆、それぞれが生きているんだ……例え、“元が同じ”だったとしても……)

彼は彼女らの存在について、誰よりも“知っている”。だからこそ、こうした事実が胸に深く突き刺さる。

名取「あー……46周目鎮守府の私は、相変わらずなんだね……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(いけない。僕まで、負の感情に支配されてしまっては……今は、皆と……名取さん達と、交流することが大事なんだ……!)


提督の行動

直下

名取「それじゃあ、またね……」スッ…

ショタ提督「……!」

ショタ提督(電話を終えたのか……)

名取「ふぅ……あれ?提督?戻ってたんですか?」

ショタ提督「………」コクリ

名取「確か、他の鎮守府の提督に会いに行ってたんですよね?私もさっきまで、余所の鎮守府の私とお話してたんです」

ショタ提督「………」

彼の目的の1つは、彼女らと仲を深めることである。深めるとは言っても、恋愛関係にまで持ち込むことはない。

提督と艦娘……その関係の上で、十分な信頼を得ることさえ出来れば良い。

ショタ提督「……他の鎮守府の名取さんとは、仲良くやっているの?」

ショタ提督(答えは既に分かっている。けれど、名取さんと会話をする為には……あえて“知らないフリ”をしなければならない)

名取「あ、はい……どの鎮守府の私とも、こうして定期的にお話してます。一部、ちょっと苦手な“私”もいますけど……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……3周目鎮守府と、46周目鎮守府の名取さんか)

彼も知っている。あの鎮守府の名取らは、通常の名取と比べて……どちらも別方向に、個性が突出している。

元は同じ艦娘だとしても、その後の経験によっては……こうして個体ごとに特徴が現れることもある。

それはすなわち、他の名取には無い新鮮な体験をしているということだ。尤も、個性が悪い方向へ傾いてしまうこともあるが。

ショタ提督「………」

名取「……提督?」

ショタ提督「………」


反転コンマ判定:提督が次にかける言葉は?

01~49:「……なら良かった。同じ自分同士でも、仲が良いに越したことは無いからね」
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:「……なら良かった。でも、僕にとっての名取さんは……貴女だけ、だから」
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:「……貴女は、他の名取さんとは……」
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 18 --》……無難


ショタ提督「………」

ショタ提督(本当は……いや、こんなタイミングで話すことではない。状況を考えろ、僕……)

ショタ提督「……なら良かった。同じ自分同士でも、仲が良いに越したことは無いからね」

名取「えへへ……そう、ですよね?」ニコッ

ショタ提督「………」

言えない。否、目的を果たすことが出来たその時まで……言ってはいけない。

現状で全てを話すということは、多かれ少なかれリスクを伴う。そのリスクを0にする術は、彼には無い。

ショタ提督(……例え、可能だとしても……そんなこと、出来るはずがない。だって、それは……)

彼は彼女らに希望を抱いており、同時に“罪悪感”も抱いている。

出来ることなら、彼女らには平穏で温かい日々を過ごしていて欲しい。だが、それは叶わない。

ショタ提督「……!」

ショタ提督(あ……)

名取「……大丈夫ですか?」

ショタ提督「………」

名取「もしかして、また……この前みたいに……」

ショタ提督「……ううん、何でもないよ」

名取「……そう、ですか」

名取(きっと、違う……提督の、今の表情……上手く言葉で言えないけど、何かを耐えるような感じだったもん……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(少し怪しまれている、か……だけど、こればかりは……)

ショタ提督「………」グッ…


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

3×1.0=3 3+16=19/--


ショタ提督「………」

ショタ提督(名取さん達を見ていると……どうしても……)

全てを伝えることは出来ない。だが、それは同時に……彼が耐えなければならないことを意味する。

彼は決して心が折れることはない。そうでなければ、こうして今……この場所に立っていないのだから。

ショタ提督「………」グッ…

ショタ提督(しっかりしろ、僕。僕がこんなことでは、本当に……どうなってしまうか、分からない……!)

彼は自分の目的を改めて思い返す。ここで己が目先のことに心が揺れてしまっては……最大の目的を達成出来なくなる。

そうなってしまえば……自分だけではない。彼女らも……ただでは済まないだろう。

ショタ提督「………」

名取「………」

名取(今度は無表情になっちゃった……提督、何を考えてるのかな……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(何とかしなければならない。だって、これは……“僕”のせいだから……!)

彼は責任を感じている。こうなってしまったのは、自分自身のせいとも言えるのだ。

だからこそ、自分で決着を付けなければならない。しかし、その為には彼女らの力も必要である。

ショタ提督(……ごめんなさい。だけど、絶対に……!)

《-- 5 --》


ショタ提督「……ありがとう、手伝ってくれて」

榛名「いえいえ、こちらこそ」

白露「提督には、いつもお世話になってるから!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……優しくて、温かい想いが伝わる)

提督が艦娘達を思いやるように、彼女らもまた、彼の力になりたいと考えている。

それを“体感”している彼は、彼女らの気持ちを嬉しく思い……同時に、活力が湧いてくる。

ショタ提督「……!」

ショタ提督(あっ、今……)

彼は確かに“知覚”した。ここから少し離れた場所で……新たな命が生み出されたことを。

しかし、それを理解したのは……恐らく“現地にいた者”と、彼のみであろう。

榛名「……提督?」

白露「どうしたの?」

ショタ提督「……ううん、何でもないよ」

榛名「……?」

白露「……?」

白露(提督、時々不思議な感じがするんだよね……)

榛名(まるで、何かを感じ取っているような……)


↓1朝風のコンマ       ----との---:0/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:3/--
↓3名取のコンマ       ----との---:19/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:12/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

朝風「よ、良かったぁ……っ!最終回で出番が無いまま終わるだなんて洒落にならないもの……っ!」ドキドキドキドキ


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!更新中の投下速度が遅くて申し訳ございません。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

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朝風「ん……」スタスタ…

朝風(早起きは三文の徳とは言うけど、流石にまだ早過ぎよね……何となく、胸がざわついて目が覚めちゃった……)

深夜とも早朝とも言い難い時刻。彼女は自分でも分からない違和感により目を覚ました。

そのまま寝なおそうとも考えたが、布団の中では胸騒ぎのような感覚が治まらない為、夜風に当たることにした。

朝風「……?」

朝風(執務室が明るい……ま、まさか……)

彼女は光が漏れるドアの隙間から、執務室の様子を伺う。すると……彼の姿が見えた。

ショタ提督「……!」カキカキ

ショタ提督(……気づかれてしまったようだ)

朝風(し、司令官!?今何時だと思ってるのよ!?)

ショタ提督「………」カキカキ

彼女達からしてみれば、彼が……提督が食事時等を除き、休んでいる姿を見たことが無い。

それもそのはず、彼は文字通り“一切の休息を取っていない”。何故なら“休憩する必要性が皆無”だからだ。

ショタ提督「………」ピタッ

ショタ提督(またか……ここのところ、頻度と規模が上がっている……!)

朝風(まだ幼いのに夜中まで働き詰めだなんて!一体いつ寝てるのよ!?)

朝風(大人でも無理は禁物なのに、子供の司令官がこんな無茶をしたら……!)、

彼女がそう思うのも無理は無いだろう。子供にとっての睡眠不足は、成長に悪影響しか与えない。

だが、彼は普通の子供では無い。故に、このような無茶を続けていたとしても全く問題が無いのだ。

否、彼にとっては……この程度、無茶の範疇にさえ入らない。

ショタ提督「………」カッ

ショタ提督(させない……これ以上、好きには……!)

朝風「………」


朝風の行動

直下

朝風「………」

朝風(だけど、もしかしたら……今日1日だけ、徹夜しないといけないほど急ぎの仕事が入ってるのかもしれないし……)

彼女は迷っていた。健康上の問題を考えれば、今すぐ彼に休息を取らせるべきだが……

重要な仕事を優先的に処理してくれているとなれば、無理に休ませて結果的に彼を追い詰めることになりかねない。

朝風(……だったら!)ダッ

だから彼女は、執務の邪魔にならない範囲で彼に疲れを癒してもらう方法を考えた。

ショタ提督「………」

彼は既に彼女の存在に気がついており、尚且つ彼女の心配りも“把握”している。

自身は休憩が不必要な存在……だが、現状それを話す訳にもいかず、歯がゆい気持ちを抱いていた。

朝風「……司令」

しばらくすると、おにぎりを持った彼女が戻って来た。彼に為に作った夜食だ。

ショタ提督「……朝風ちゃん。こんな夜分遅くにどうしたの?」

本当は分かっている。だが、少しでも自然な会話となるよう……知らないふりをしなければならない。

罪悪感こそあるものの、これも目的を達成する為に必要なことだと考えるようにする。

朝風「それはこっちの台詞よ。一生懸命頑張ってくれるのは嬉しいけど、ちゃんと休憩してる?」

ショタ提督「………」

朝風(だんまりか。これは図星みたいね……)

ショタ提督(ごめんなさい、朝風ちゃん。だけど、僕はもう……ずっと……)

朝風「だからこれを作ってきたの。はいっ!」スッ

ショタ提督「おにぎり……」

朝風「本当は今すぐ寝なさいと言いたいけど、そうもいかないんでしょ?ならせめて、これを食べて体力を回復させないと!」

朝風(麦飯で握ったから、普通の白米よりも栄養があるはず!)

ショタ提督「……ありがとう。僕の為に」

朝風「それもこっちの台詞。私達の為にありがとうね?でも、無理だけはしちゃダメよ?」

ショタ提督「………」


反転コンマ判定:提督の反応は?

01~49:食べながらも手が動きっぱなし
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:手を止めてゆっくり食べる
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:(……懐かしいな)
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 91 --》……ゆっくり味わって食べる


ショタ提督「……いただきます」

朝風「召し上がれ!」

朝風(あ、流石に食べる時は手を止めるのね。てっきり片手で食べながら、もう片方の手で仕事し続けるのかと思ったけど)

ショタ提督「……はむっ、もぐもぐ」

彼にとって重要なのはおにぎりでは無い。彼女が“彼の為に夜食を作った”という……温かい気持ちこそが、彼の力の源となる。

そして、彼はおにぎりを通じて……彼女の気持ちを“感じ取る”。

ショタ提督「………」

ショタ提督(おにぎりに込められた“想い”が……体の中に、染み渡っていく……)

ショタ提督「……うん、美味しいよ」ニコ…

朝風「そう、良かった」ニコッ

朝風(今、司令官が笑顔を向けてくれた時……一瞬、よく分からない感覚が……)

ショタ提督「あむっ……」

ショタ提督(どんな食べ物にも、作った人の“気持ち”が込められている……それこそが……)

美味しい食べ物は、作り手や栽培している者が人々を喜ばせる為、あるいは自身が美味しい物を食べて良い気分になる為に作られる。

彼はそれらの“気持ち”を……彼女が自身の身を労わってくれた“気持ち”を、とても嬉しく感じている。

ショタ提督「はむっ……」

朝風「……♪」

朝風(ま、別に良いか。それにしても司令官、嬉しそうに食べてくれてる……作って来た甲斐があったわね)


----との--- コンマ一の位×1.5 上昇

直下

2×1.5=3/--


ショタ提督「……ごちそうさまでした」

朝風「お粗末様。それにしても1粒も残さず食べるなんて……」

ショタ提督「食べ物はもちろん、作ってくれた人の為にも……全部食べるのは当たり前だよ」

ショタ提督(もちろん、その考えを押し付けるようなことは決してしないけれど)

彼はおにぎりを完食した。海苔や具材はもちろん、米粒すら残すことなく……全てを味わった。

食い意地が張っているという訳では無い。むしろ、彼にとって食事“そのもの”は無意味とさえ言っても良い。

重要なのは食べ物に込められた“想い”と、作った者の“気持ち”をありがたくいただくことなのだ。

ショタ提督「凄く、凄く……美味しかったよ」

朝風(そこまで褒められると照れるわね……だって、麦飯を握っただけだもの)

ショタ提督「………」

ショタ提督(ただ握っただけじゃないんだ。朝風ちゃんは、おにぎりを作ってくれている時……僕のことを、考えてくれていたよね?)

ショタ提督(それが、たまらなく嬉しい。そして、凄く……)

彼はおにぎりで“回復”した。普段の食事と比べても、劇的な“回復”と言って良いだろう。

ショタ提督「お陰でまだまだ“頑張れそう”だよ」

朝風「でも、一息ついたらちゃんと寝なさいよ?寝不足は万病の元なんだから」

ショタ提督「……ありがとう」

ショタ提督(そして、ごめんなさい。僕には、もう……“眠っている”時間は無いから……!)


《-- 朝風と交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が強まった --》

《-- 6 --》

――戦闘海域


ル級「沈める……絶対に沈めてやる……ッ!」ズドンッ!

タ級「1人残らず……ぶっ殺す……ッ!」ズドンッ!

チ級「はぁ~っ……はぁ~っ……!」ズドンッ!

リ級「失せろ……目の前から失せろぉっ……!」ズドンッ!

深海棲艦達の眼光は、この世のものとは思えないほどの憎悪が込められている。

まるで周囲の存在が全て敵か、あるいは……それすらも凌駕する恐るべき存在に見えているのかもしれない。

浜風「っく……!相変わらず凄い猛攻……!」

曙(姫クラスならともかく、イロハ級でさえここまで殺気立ってるだなんて……!)

衣笠「私達、またボロボロで帰る羽目になるの!?」

彼女達はこれまでの戦績から、今回も劣勢となることを覚悟していた。

しかし、龍驤が放った艦載機により……その予測は大きく外れることとなる。

龍驤「最初から諦めてどないするんや!勝負は最後まで分からへんもんやろ!」パシュッ!

ズガァァァァンッ!!

チ級「うぁっ……!?」パシュンッ…!

ルタリ級「チ級!?」

曙「……え?」

龍驤「あ、あれ?一撃で勝ててしもた」

衣笠「ど、どうなってるの!?この前まで凄く強かったのに……」

今までは致命傷にまで至らなかったはずの攻撃が……深海棲艦の1隻を瞬時に“無力化”した。

ル級「よ、よくもやったな……!」ギロリ

タ級「倍にして返してやる……!」ギロリ

リ級「たかが1隻いなくなったところで、お前らの未来は変わらない……!」ギロリ

浜風「っ!?」ゾクッ

想定外の事態に彼女らは困惑する。しかし、深海棲艦の殺意を真っ先に感じ取った浜風が彼女らに言い放つ。

浜風「……呆気に取られてる場合ですか!敵はまだいるんですよ!」

曙衣笠龍驤「……!」

浜風「……こっちだって、黙ってやられるほどヤワじゃない!」ガシャッ!

曙「……そう、よね。1人でも沈んだってことは、こっちにも勝機があるってことよね!」ガシャッ!

衣笠「戦場で慌てるなんて、馬鹿だなぁ私……こういう時こそ冷静でいなきゃいけないのに!」ガシャッ!

龍驤「全くやな……さぁ艦載機の皆!もう一仕事だけ頑張ってや!」





――執務室


ショタ提督「……!」

ショタ提督(この感じ……僕がいくら食い止めようとしても……)

ショタ提督(だけど、同時に伝わって来た……彼女達の力も、負けていないことが……!)


↓1朝風のコンマ       ----との---:3/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:3/--
↓3名取のコンマ       ----との---:19/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:12/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

18:00~19:00頃開始予定です。

始めます。

名取「大勝利、ですか……?」

ショタ提督「うん。いつものような辛勝、あるいは撤退ではなく……完全勝利だったらしい」

名取「………」

名取(今まで、ずっと苦戦ばかりしてきたのに……どうして、急に……?)

秘書艦を務めていた名取は、提督からの戦況報告に疑問を抱いていた。

つい数週間前まで、彼女達は深海棲艦に対し苦戦を強いられてきた。

それが今回、完全勝利を遂げたと言う。これで不思議に思わない方がおかしいだろう。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……やっぱり、おかしいと思ってしまうか)

無論、彼も彼女が抱く疑問に気がついていないはずが無い。

だが、ここで真実を話す訳にはいかないのだ。少しの“乱れ”が、致命的になりかねないのだから。

名取「……不思議ですね」

ショタ提督「……!」

名取「これまで、中々勝てなかったはずなのに……急にあっさり勝てるようになるなんて……」

彼女は彼に対し、自分が抱いた疑問を口にする。

答えが返ってくるとは考えていない。それでも、聞かずにはいられなかった。

ショタ提督「……そうだね。僕も……驚いているよ。皆がこの短期間で、成長したことに」

名取「成長……でも、それならもっと、徐々に強くなると思います。こんな、急激には……」

ショタ提督「………」

名取(……提督、何か知ってるのかな。複雑な顔をしてるから……)

彼としては、彼女らが深海棲艦を“無力化”出来るほどの力を身に付けたことを嬉しく感じている。

同時に、彼女らが強くなった本当の理由を話せないことに……後ろめたさを感じている。

ショタ提督(……ごめんなさい。今はまだ、話す訳にはいかないんだ……)グッ…

名取「………」


名取の行動

直下

名取「………」

自分達が強くなっているのか、あるいは深海棲艦が弱体化しているのか。

頭に浮かぶ疑問が尽きることは無い。だが、それ以上に……

名取(もしかして……言えない理由があったり、そんなことを考えていられないほど……)

彼女は彼に、何か話せない事情があるのではと考えた。

あるいは、この現状を考察する余裕が無いほどに……深刻な悩みを抱えているのではないかと考えた。

その仮説は、半分ほど正解と言えるだろう。実際に彼は、悩みでは無いが彼女達に話せない理由があるのだ。

ショタ提督「……!」

ショタ提督(……心配をかけてしまった。だけど、それでも……)

名取「……提督」

ショタ提督「……何?」

名取「えっと、その……私達が、ついてますから……!」

ショタ提督「………」

名取「いくら深海棲艦が強くても、絶対に……倒してみせますからっ!」

彼女は自分なりに、彼を安心させようと励ました。

例え事情を話してくれなかったとしても……自分達は提督の味方なのだと、伝えることにした。

ショタ提督「……名取さん」

名取「だから……私じゃ、頼りないかもしれませんけど……辛い時は、いつでも相談してして下さい……!」

ショタ提督「………」


反転コンマ判定:提督の反応は?

01~49:「……ごめんなさい」
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:「……ありがとう」
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:「………」
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 62 --》……嬉しい


ショタ提督「………」ギュッ

彼女の優しさは、確かに彼に届いている。

彼女の彼を思いやり、寄り添おうとする温かい“気持ち”は……彼を柔らかく包み込む。

ショタ提督「……ありがとう」

名取「あ……」

ショタ提督「名取さん達から、優しい言葉をかけてもらえる僕は……間違いなく、幸せ者だよ」ニコ…

名取「……!」

名取(また、だ……この感覚……)ギュッ

彼の笑顔を見る度に、彼女はいつも……口では言い表せない違和感を抱く。

だが、それは決して嫌な感情では無く……むしろ、どこか安心する感覚だ。

ショタ提督「………」グッ

ショタ提督(そう。僕“は”幸せ者と言えるだろう……だけど、その裏で……)

彼はやはり複雑そうな表情を浮かべている。

懸念すべきは、彼が果たすべき目的に関わる……重大な存在。

ショタ提督「………」

名取「………」

名取(あっ、またさっきの表情に戻っちゃった……)

彼女は自分の慰め方が微妙だったのかと心配しているが、それは間違いだ。

彼女の言葉は……文字通り、彼に優しい力を与えたのだから。


----との--- コンマ一の位×1.5 上昇

直下

4×1.5=6 6+19=25/--


名取「………」

名取(あの後、出撃艦隊が帰って来たけど……本当に、ほぼ無傷だった……)

彼から聞かされていたとはいえ、実際に目にしてみると……やはり驚いた。

大破や中破が誰1人おらず……いたとしても、小破のみなのだ。

名取「………」チラッ

ショタ提督「………」

ショタ提督(……やはりあの時か?それとも……とにかく、これで皆が傷ついてしまう可能性を減少させることが出来る)

名取(……良かった。少しだけ、嬉しそう)

彼女には、彼の本心は分からない。だが、彼の表情を見て……少なくとも、悲しんではいないことは理解出来た。

それだけでも、彼女の心は少し軽くなる。先程、自分が投げかけた言葉は無意味じゃなかった……そう思うことが出来た。

ショタ提督「………」

ショタ提督(だけど、依然として深海棲艦の力は強まっている。それが意味することは……)

ショタ提督「………」グッ

名取「……!」

ショタ提督(本当に、どうしてこうなってしまったんだ……!)

名取(提督、また……さっきまでの表情に……)

《-- 7 --》


元帥「………」

元帥(おかしい。どこの鎮守府の戦果も、目に見えて減ってきている……)

深海棲艦の脅威が高まったことに気がついているのは、何も提督や艦娘達だけでは無い。

海軍の中でも最上位クラスに立つ元帥……今は亡き48周目提督の良き先輩だった彼も、事態を把握していた。

元帥(どういうことだ?ワシらが長い年月をかけて割り出した適正練度が、全く意味をなさないだと……!?)

彼は48周目提督の遺言を心に刻み、30年間必死に人類や艦娘の為に人生を捧げてきた。

そんな彼だからこそ、この異常事態を誰よりも懸念しているのだ。

元帥「………」

元帥(……長年ここで働いていれば、自ずと分かるようになる)

元帥(何やら、嫌な予感がする……何か良くないことが起こりそうな……)

年長者の、色々な経験を積んできた者故の勘が告げている。

これは何かの予兆では無いのかと。近い未来、何かとてつもないことが起こるのではないかと。

元帥「………」カチャッ

元帥(……2周目提督や36周目提督、他の提督達にも、注意喚起をしてかねばなるまい)

彼は電話を取り、自身が把握する鎮守府へ連絡する。

ここで迷わず鎮守府に、直々に連絡することが出来る……その人柄があったからこそ、彼はここまで上り詰めることが出来た。

それだけではない。48周目提督への強い思いがあったからこそ……彼はどんな挫折があろうと、必ず立ち上がってきたのだ。

元帥(ここでワシが狼狽えていたら、あいつに……48周目提督に、笑われてしまう……!)


↓1朝風のコンマ       ----との---:3/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:3/--
↓3名取のコンマ       ----との---:25/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:12/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

名取「今回こそは……!」

グレカーレ「最初で最後のチャンス……無駄に出来ない……!」





U-511「私だと思ったのに……」シュン

朝風「あの、私も最初で最後のチャンスなんだけど……」


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

ショタ提督「はい……はい……」

グレカーレ「………」

グレカーレ(相変わらず、いつ見ても仕事してる……)

提督は電話を片手に深刻そうな表情を浮かべている。

恐らく相手は偉い立場の人間で、話している内容も決して明るい話題では無いということはグレカーレも瞬時に理解した。

ショタ提督「えぇ、こちらは大丈夫です。現在も、〇〇海域にて深海棲艦の"無力化"に成功しています」

グレカーレ(……そうそう、急に勝てるようになったのよね。どうしてか分かんないけど)

ショタ提督「はい……ありがとうございます。そちらもお気をつけて」ガチャ

ショタ提督「………」

グレカーレ「……!」

グレカーレ(提督、今……凄く辛そうな顔を……)

彼は電話を終えると、切羽詰まったような表情を浮かべ……俯いた。

電話の相手は元帥で、深海棲艦の脅威が高まっていることに対する注意勧告……

彼が一般人だったとしても、このような連絡を受ければ気を引き締めるだろう。

ショタ提督(……海軍全体が心配するほど、か)

だが、彼はそれだけでは済まない。彼にとって、深海棲艦の凶暴化は……本当に、大変な事態なのだ。

グレカーレ「………」

ショタ提督「……!」

ショタ提督(グレカーレちゃん……そうだ。僕も……同じだ。方向性が違うだけで、やっていることは……"同じ"なんだ……)

彼は罪悪感に苛まれる。彼の目指す目的は、艦娘達や人々を守る為だ。

しかし、その手段は"変わらない"。増して、それだけではなく……

ショタ提督(……ごめんなさい。僕のせいで……"僕"の、せいで……っ!)

彼は人知れず謝罪する。無論、この状況で謝罪しても事態が好転することは無い。

それでも、彼は……"己"の行動に対し、深く謝罪する。今の彼には、こうすることしか出来ないのだ。

グレカーレ「………」

グレカーレ(まさか、今の電話のせいで……?それとも、別の悩みか何か……いや、どっちにしても、提督をほっとけないよ……!)


グレカーレの行動

直下

グレカーレ「………」

グレカーレ(この前はイタズラで気を紛らわせようとして失敗しちゃったから……今度はちゃんと……!)ダッ

彼女は執務室の前から立ち去ったかと思うと、数分で戻って来る。

その手には、提督から貰って以来まだ使っていなかった間宮券が握られていた。

グレカーレ「提督っ!」ガチャ

ショタ提督「……グレカーレちゃん」

グレカーレ「見てたよ?電話で何の話をしてたかは知らないけど、こういう時は美味しい物を食べて嫌なことを忘れちゃえ!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……また、気を遣わせちゃったのか)

彼女は理解している。彼の悩みは、少なくとも自分では解決まで導いてあげられないことを。

だからこそ彼女はあえて踏み込まず、自分なりの方法で彼を元気付けようとした。

そしてまた、彼も彼女の気遣いを……しっかりと"把握"しているのだ。

ショタ提督「……良いの?その券は、グレカーレちゃんの為に……」

グレカーレ「気にしないで!今度また深海棲艦をやっつけて、その時にご褒美として貰うから!」

グレカーレ(私らしく、私らしく……きっと、こうした方が提督も気楽でいられると思うから……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……温かい。グレカーレちゃんの"気持ち"が、伝わって来る……)

ショタ提督「……ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えるね?」

グレカーレ「そうこなくっちゃ!」


反転コンマ判定:この後の提督の反応は?

01~49:申し訳無いと思いながら楽しむ
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:今だけは何も考えないようにして楽しもうとする
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:"懐かしむ"
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 49 --》……やはり罪悪感が勝る

――甘味処間宮


グレカーレ「はむっ、んぅ~♪このパフェおいひ~♪」

ショタ提督「………」モグモグ

ショタ提督(間宮さんが作るお菓子……本当に、いつ食べても美味しい……)

ショタ提督「………」モグモグ

ショタ提督(だけど、間宮さんが"そう"なったのは……)

彼らは甘味処間宮でスイーツを食べていた。彼女は見るからに幸せそうな笑顔でパフェを食べている。

そして彼も、間宮が作るスイーツの美味しさと、グレカーレが抱く"幸福感"をしっかりと感じていた。

ショタ提督「………」モグモグ

グレカーレ「………」モグモグ

グレカーレ(……いや、私だけ喜んでてもダメでしょ。肝心の提督がこれじゃ……)

だが、それでも彼の表情が晴れることは無い。やはり先程と同じように、険しい顔付きのままだ。

彼は思考が尽きることは無い。今もなお、あらゆることに意識を向けている。

ショタ提督「……気を遣わせてしまってごめんね」

グレカーレ「……!」

その中には、彼女への申し訳無さも含まれている。

本来、彼が彼女らを支えなければならないのに、自分が労わって貰っているようではダメだ……彼はそう考えている。

もちろん、彼が彼女らに抱いている想いはそれだけでは無いのだが、その先を知る者は……現状、"彼"以外いない。

グレカーレ「……もう。だから気にしないでってば。むしろお世話になってるのは私達の方だし、せめてこれくらいの恩返しはさせてよ」

ショタ提督「……ありがとう」

ショタ提督(……ごめんなさい、グレカーレちゃん、間宮さん)


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

2×1.0=2 2+12=14/--


グレカーレ「あ~美味しかった~!提督もそう思わない?」

ショタ提督「うん、そうだね……美味しかった。とても……」

グレカーレ「………」

グレカーレ(さっきの電話、そんなに深刻なことだったのかな……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(そう、美味しかった……それは、間宮さんが……)

彼は全てを知っている。そして、責任を背負っている。その2つが、彼の表情を険しくしている。

しかし、そのお陰で……"奇跡が起こった"のも事実。故に彼は、言葉では言い表せない心境なのだ。

ショタ提督「……電話のことなら、心配いらないよ」

グレカーレ「……!」

ショタ提督「元帥から、深海棲艦の動向に気を付けて欲しいという連絡が来ただけだから」

グレカーレ「……本当に?」

ショタ提督「うん。だから……僕なら大丈夫だよ」ニコ…

グレカーレ「………」

グレカーレ(提督の、笑顔……見てると、何だか安心する……でも、やっぱり今の提督は心配よ……)

ショタ提督「………」グッ…

彼は彼女の気持ちを"知る"。そして、何が何でも目的を達成しようと心に誓う。

そうでなければ、自分の身だけでは済まない。彼女達にも、多大な危険が迫って来るのだから。

ショタ提督(……絶対に何とかしなきゃ。もう、グレカーレちゃん達に……危害を加えさせない……!)


《-- グレカーレと交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が少し強まった --》

《-- 8 --》

――いつもの喫茶店


10周目提督「最近、出撃ばかりでシオイお姉ちゃんのケーキが全然食べられないよ……」

11周目提督「深海棲艦の奴ら、急に強くなってきたもんな……ただ、うちは出撃が増えたせいで夕張達が変な物を作らなくなって平和になったってのが皮肉だが」

ショタ提督「………」

提督はまた、多くの同僚達が集まる老舗にやって来ていた。理由はもちろん、彼らと交流を深める為だ。

艦娘達と交流を深めるだけで無く、彼らとも仲良くし……そして、"観察"しなければならない。

12周目提督「秋月お姉ちゃん達に申し訳無いよ……」

14周目提督「でも、出撃させない訳にもいかねぇし……」

13周目提督「その分、あったかいご飯を作って迎えてあげてるんだ~!」

18周目提督「流石18周目提督君!相変わらずお母さんみたいだね!」

16周目提督「………」

16周目提督(おかしいな。僕がいた時代では、この時期に深海棲艦が強くなったなんて話、聞いたことが無いけど……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(人類が、独力でここまでの技術を確立することになるなんて……)

高い技術力を持つ鎮守府、及び『変身』を可能にした研究所……極めつけは時を超える装置。

既に知っていたとはいえ、やはり彼は驚きを隠せない。

ショタ提督(でも、因果への干渉は……)

15周目提督「……50周目提督?」

ショタ提督「……!」

17周目提督「だ、大丈夫ですか……?何か、考え事してたみたいですけど……」

ショタ提督「……ううん、ちょっとね」

15周目提督「なら良いが……何か困ったことがあれば、いつでも相談するのじゃぞ?」

ショタ提督「うん。ありがとう」ニコ…

13周目提督(あれ?50周目提督君の笑顔を見たら、胸がフワッとしたような……)

12周目提督(……?何だか、穏やかな気持ちに……)

15周目提督(む?天津風と一緒にいる時のような安心感が……おかしいのう……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(歪んだ幸運に、死から引き離された力……そして、炎の力の発現……)

彼は"知覚"していた。一部の仲間から感じ取られる……かすかな邪気を。

そして、その影響で……不幸な思いをしてきたということを。

同時に、一部の仲間から感じ取っていた……"己"の力を。


↓1朝風のコンマ       ----との---:3/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:3/--
↓3名取のコンマ       ----との---:25/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:14/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
このペースですと年内かつ35スレ目で終わることが出来るかどうか……
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

U-511「凄い、ですよね……16周目提督君って」

ショタ提督「………」

U-511「タイムマシンで、未来から来て……歴史を、変えちゃうなんて……!」

U-511は現在、秘書艦として提督の補佐をしている。

尤も、仕事は既に終え……というより、彼がほぼ全て独力でこなしてしまう。

その為、彼女はやることが無く、こうして彼と雑談している。

ショタ提督「………」

彼は彼女の言葉に賛同しつつも、同時に危惧している。

人類が、近い将来……時の流れにさえ干渉し得る物を発明することを。

同時に、それらによってもたらされる……1度刻まれた歴史の改ざんを。

ショタ提督(……これも、理由の1つか)

U-511「……admiral?」

ショタ提督「……何?」

U-511「その、大丈夫……?何か、不安なことがあるの……?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(いけない。どうしても、顔に出てしまう……本来なら、僕は……)

彼女が心配そうに彼の顔を覗き込む。そして彼も、彼女の心情を"把握"している。

だからこそ、彼は悩む。彼女らが簡単に気付いてしまうほど、自分が"感情"を露わにしているということを。

しかし、彼にとって……感情は大切であり、決して無くしてはいけない……かけがえの無い概念であることを。

ショタ提督「……ちょっと、ね。タイムマシンが、どういう仕組みなのかと思って」

ショタ提督(……嘘は言っていない。ただ、それ以上に……)

U-511「………」

U-511(この前の、お祈りもそうだけど……admiral、時々、何を考えてるか……分からなくなる……)


U-511の行動

直下

U-511「………」

U-511(えっと、こういう時は……何か遊びをして、肩の力を抜いてあげれば……)

彼女には彼の目的及び本音は分からない。仮にそれを知ったとしても、自分が力になれるかどうかは分からない。

それでも、彼には出来るだけ辛い気持ちでいてほしくない……そう思った彼女は、おもむろに彼の眼前に立つ。

ショタ提督「………」

ショタ提督(また、皆に気を遣わせてしまった……本当に、僕は……)

彼は既に彼女の思惑を"把握"した。そして、彼女が自分を労わる気持ちも"感じている"。

故に彼は、彼女の提案を全て受け入れる心づもりが出来ていた。

U-511「……に、にらめっこ」

ショタ提督「……にらめっこ?」

U-511「うん……admiral、たまには休まないとダメ……だから、私と一緒に……遊ぼ?」

ショタ提督「……分かった」

ショタ提督(だけど、にらめっこか……)

U-511「あっ、ちょ、ちょっと待って!特別ルール……!」

ショタ提督「特別?」

U-511「……笑うのはもちろんダメだけど、ずっと真顔なのも……今と同じ表情なのも、ダメ……」

ショタ提督「……!」

U-511(こうでもしないと、admiral……ちゃんと、気持ちを楽にしてくれないと思うから……)

ショタ提督(……ユーちゃん。僕のことを考えてくれて……)

ショタ提督「……そう、だね。なら僕も、ユーちゃんを精一杯笑わせてみせるよ」

U-511「あっ……が、頑張るっ……!」

U-511(良かった……断られたら、どうしようって思ったから……)

ショタ提督(……そんなこと、する訳が無いよ。他でも無い、ユーちゃんの頼みなのだから)


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:提督の勝ち
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:U-511の勝ち
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:提督、途中で……
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 30 --》……勝ちました


ショタ提督「に~らめっこし~ましょ」

U-511「わ~らう~と負~けよ」

U-511「あっぷっぷ!」



 ,.r-=

          (( -――-.(ソ
        /:::::::::::::::::::::::゚丶
        /::/レヘ::::;ヘ:::::i:::::::|
      〈|::::l ┃`' ┃`-!:::::j  
       ji::〈 "  ヮ  "/::::::|
        V`ゥrr-.rュイ人人
         ,/1::ー:'::! i
   .  ( ̄) ̄  ̄ ̄i.ノ ̄ ̄><
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

↑U-511の顔のイメージ図(※U-511のAAが見当たらなかったので、伊58のAAで代用しました)



ショタ提督「あっぷっぷ」

  ,-、            ,.-、
        ./:::::\          /::::::ヽ
       /::::::::::::;ゝ--──-- 、._/::::::::::::::|

       /,.-‐''"´          \:::::::::::|
     /                ヽ、::::|
    /    ●                  ヽ|
     l   , , ,             ●      l
    .|        (_人__丿     、、、  |    
     l                      l
    ` 、                       /
      `ー 、__               /
         /`'''ー‐‐──‐‐‐┬'''""´


↑提督の顔のイメージ図



U-511「………」

ショタ提督「………」

U-511「………」

ショタ提督「………」

U-511「……っ」プルプル

ショタ提督「………」

U-511「うっ……ふっ……!」プルプル

ショタ提督「………」

U-511「……ふふっ、だ、ダメ……!」

ショタ提督「……僕の勝ちだね」

U-511「だ、だって……変な顔で笑わせなきゃいけないのに……そのフワッとした顔は、反則……!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(それを言ったら、ユーちゃんの顔も可愛かったけれど……)


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

9×1.0=9 9+3=12/--


U-511「ふぅ……残念」

ショタ提督「………」

U-511「……どう?力、抜けた……?」

ショタ提督「……うん。ありがとう」ニコ…

U-511「……!」

U-511(admiral、笑ってくれた……良かった……)

彼の笑顔を見た彼女は、胸の奥が温かくなった。

しかし、それはただ単に彼が微笑んだことによる安心感だけでは無い。

ショタ提督「………」

ショタ提督(ユーちゃん……あの時も……)

そして、彼女が抱いた安心感の正体は……彼が深く関わっている。

同時に、彼もまた……彼女が抱いている安心感を"知覚"している。

U-511「……もう1回、やる?」

ショタ提督「……ユーちゃんがそう言うのなら」

ショタ提督(……無意識、なのだろうけど……やっぱり……)

ショタ提督「………」ギュッ

U-511「……?」

U-511(admiral……?)


《-- U-511と交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が少し強まった --》

《-- 9 --》

――公園


伊401「書類くらいなら、私達が届けるのに……」スタスタ

ショタ提督「そういう訳にいかないよ。これは"提督"の仕事だから」スタスタ

夕張「そうは言いますけど、提督は少し働き過ぎです!少しは休まないと!」スタスタ

提督達は駐屯地に書類を届けに行っていた。今はその帰りである。

彼は自分でこなせる仕事は全て独力でこなし、彼女らに頼ることはほとんど無い。

ショタ提督「僕なら大丈夫。むしろ、皆こそ……しっかり心と体を休めてね?特に心の休息は、体を休めること以上に大切だから」

伊401「………」

夕張「………」

伊401(提督、ず~っとこの調子だもんなぁ……)

夕張(私達がいくら休んでと頼んでも、全然休憩しないのよね……)

ショタ提督(……ごめんなさい。だけど、本当に"大丈夫"なんだ)

だからこそ、彼女らは彼が無茶をしないか心配する。無論、彼もそれを"理解"している。

しかし、それ以上に……彼女らに無理をさせたくないのだ。

ただでさえ出撃や遠征に出て貰っている彼女らに、更なる負担を背負わせる訳にはいかない。彼は常にそう考えている。

「っく……!」

ショタ提督「……!」クルッ

伊401「え?」チラッ

夕張「今、向こうから声が……」チラッ

一般人「いっつつ……!自転車乗ってる時に滑って転ぶとか、今日はツイてねぇ……!」プルプル

伊401「うわ~、痛そう……」

夕張「あの様子だと、曲がる時にツルッといっちゃったのかも……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……これは"そこにいる人間の単なるうっかり"か。あまりこういう言い方は良くないけれど、一先ずは安心かな。だけど……)カッ

一般人「……あれ?急に痛みが軽くなったぞ?」

伊401「……?」

夕張「……?」

一般人「いやそれより自転車だよ自転車!まさか壊れてたり……良かった、大丈夫そうだ!不幸中の幸いだな!」

カシャカシャカシャ…!

伊401「……さっきまで腕を抑えてたのに、すぐに立ち上がって行っちゃった」

夕張「ただの強がり?それとも、本当に軽傷だったのしら?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……ある程度のことなら、何もしなかったとしても……ほとんど影響しない)

ショタ提督(だけど、目の前にいる状況で無視することは出来ない。だって、僕は……)

ショタ提督(いや、それだけでは無い。今は……今、この状況だからこそ……!)


↓1朝風のコンマ       ----との---:3/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:12/--
↓3名取のコンマ       ----との---:25/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:14/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

ショタ提督「……体調不良」

朝風「えぇ。姉さん達、朝から調子が悪いみたいで……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(僕も、"それ"は感じていた……皆への影響も、強くなっている……)

朝風によると、今朝から体調を崩した艦娘達が何人か現れているらしい。

無論、提督もそれは気付いており、本日の出撃や遠征を休止したほどだ。

それだけでは無い。これがただの体調不良では無いことも、彼は既に"理解"している。

ショタ提督「……皆の様子は?」

朝風「凄く辛いという風では無かったけど、今も部屋で安静にしてるわ」

ショタ提督「了解。後で僕も、皆の部屋へお見舞いに行くよ」

朝風「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……そう、か。このような状況であれば……)

朝風「……本当なら、司令官が1番休まなきゃいけないのよ?」

ショタ提督「………」

彼の予想……否、"確信"通り、彼女は姉妹や仲間のことだけで無く、彼のことも心配していた。

それもそのはず、艦娘でさえダウンする状況で……いつも働き詰めである彼が元気であると考える方がおかしいと言えるだろう。

ショタ提督「……僕なら大丈夫」

朝風「そうは言うけど、やっぱり不安なのよ。このまま無茶ばかりして、いつか過労で……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(理由を話す訳にはいかない。けれど、朝風ちゃんが気にかけてくれる"想い"もしっかり伝わっている。僕は、どうすべきだろうか……)


提督の行動

直下

ショタ提督「………」

ショタ提督(朝風ちゃんには申し訳無いけど、ここは……)

ショタ提督「……やっぱり、今すぐ神風ちゃん達のお見舞いに行くよ」

朝風「え?」

彼はまず、体調を崩した艦娘達の見舞いに行くことにした。

自分のことを心配してくれる気持ちは嬉しいが、それ以上に……彼は彼女達が心配なのだ。

朝風「いや、私の話聞いてた?」

ショタ提督「もちろん。だけど、僕は本当に大丈夫だから。それより今は、体調が悪い皆のことを考えないと」

朝風「………」

朝風(中々強情ね、司令官……でも、姉さん達が心配なのは私も同じだし……)

朝風「……分かったわ。でも、無理だけはしないでよね?」

ショタ提督「………」コクリ



――神風型の部屋

神風「ごめんなさい、司令官……」

ショタ提督「良いんだ。今はゆっくり休んで?」

旗風「……ありがとうございます」

彼は冷たい水で濡らしたタオルを、神風達の額に乗せていく。

朝風の言う通り、酷く辛そうには見えないが……原因を"把握"している彼は、神風達の姿を見て険しい顔つきとなる。

松風「くっ……」

春風「うぅ……」

朝風「……風邪、かしら。でも、艦娘が人間の、それも風邪なんて軽い病気にかかることなんて……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(全身から力が入らなくなるような倦怠感……間違い無い。これは……!)

朝風「……司令官?」

ショタ提督「………」

朝風(よっぽど姉さん達のことが心配なのかしら……でも、それにしては重く受け止め過ぎてるような……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……どうすれば良い?今すぐ神風ちゃん達を……でも、そうすると……)


反転コンマ判定:提督の行動は?

01~49:このまま看病する
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:少しだけ……
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:リスクを承知で……!
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 10 --》……艦娘達には――


ショタ提督「………」

ショタ提督(いや、これは恐らく一時的なもの。皆なら……必ず……!)

彼は悩んだ末、このまま看病して神風達を支えると決めた。

体調不良の原因と同時に、彼女らのことを"よく知る"彼は……いずれ回復すると確信した。

だからこそ、今は提督として……人として、彼女達を癒すことにしたのだ。

ショタ提督「……食欲はある?」

松風「……少しは」

朝風「だったらお粥を作るわ。司令官、手伝ってくれる?」

ショタ提督「もちろん。少しだけ待っててね?」

春風「ご迷惑、おかけします……」

朝風「……そんなに心配なの?神風姉達のこと」

ショタ提督「……うん」

ショタ提督(だって、体調不良の原因は……)

言ってはならない。だが、その考えが彼の"心"を締め付ける。

そして、そうなると彼女らが……だからこそ彼は、すぐに思考を切り替える。

ショタ提督(……耐えろ。今は耐えるしか無い……いずれ、話せる時が来た時に……)

朝風「………」

朝風(……私達のことを考えてくれる、凄く良い子なのよね。だからこそ、子供らしさが無くて心配になるけど……)


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

9×1.0=9 9+3=12/--


あれから提督と朝風は神風型の看病をし、彼は同時に他の体調を崩した艦娘の所へも看病をしに行った。

その甲斐があったのか、あるいは"彼女達の力"か……次の日を迎えると、彼女達は回復の兆しを見せた。


――翌日

朝風「神風姉達、何とか鎮守府を歩き回れるまで回復したわ」

ショタ提督「……良かった」

ショタ提督(……僕の考えは、間違っていなかった。本当に、良かった……!)

朝風「他の皆も、同じくらい回復したみたいよ」

ショタ提督「………」ホッ…

朝風「……ふふっ、嬉しそうね」

ショタ提督「え……?」

朝風「今、凄く安心そうな顔したもの」

ショタ提督「………」

実際、彼は彼女達を心配し続けていた。もしこのまま回復しなければ、彼自身の手で治療することも視野に入れていた。

しかし、彼女達は自力で回復してみせたのだ。それを既に"知っていた"彼は、安心感が表情に現れていたらしい。

ショタ提督「……うん。皆が元気になってくれて、本当に嬉しい」ニコ…

ショタ提督(皆が元気と活力に満ち溢れている姿を見ているだけで、僕は……)

朝風「………」

朝風(本当に、良い司令官。この子の笑顔を見ていると……私まで、温かい気持ちになっちゃうもの……)クスッ


《-- 朝風と交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が少し強まった --》

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
スランプが続いていて、投下速度が遅くて申し訳ありません。

ここからは日常パートのリクエストを募集したいと思います。
本来なら36周目同様、リクエスト募集は無しで進行しようと思いましたが、スランプで文章が中々思い浮かばない為、急遽募集することにしました。
ただ、今回はリクエストしていただいた内容を、こちらが組み立てた設定と矛盾が発生しないようアレンジすることが多くなるかと思います。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

《-- 10 --》


ショタ提督「………」

ヲ級(見守る会)「………」

レ級(見守る会)「………」

カ級(見守る会)「………」

提督の傍にいるのは、深海棲艦の中でも人類や艦娘と友好的な者達。

彼女ら自身は『ショタ提督を見守る会』と名乗っており、今回は彼を愛でようと50周目鎮守府を訪れた。

しかし、彼女らはいつも幼い少年提督達に抱く心情とは別の気持ちを抱いていた。

ヲ級(……どうしてかな)

レ級(50周目鎮守府に来てから……特に、50周目提督君と一緒にいると……)

カ級(……胸の奥が、温かくなって……どこか、安心する……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……やはり、奇跡としか言いようが無い)

"既に"彼女らの存在を"把握していた"彼は、改めて驚愕する。

人類と艦娘に殺意と憎悪を振り撒く深海棲艦に、彼女らのような者が存在することに。

ショタ提督「………」

ヲ級(でも、それ以上に……)

レ級(50周目提督君、さっきから無言で……)

カ級(この子も、やっぱり……何か、辛い過去を背負って……?)

彼女らは今まで数多くの少年提督と出会って来た。その中には、壮絶な人生を歩んで来た者もいる。

だからこそ、彼女らは心配する。彼もまた、そのような不幸を経験し続けてきたのだろうかと。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……確かに"僕"は辛い思いをしたと言えるだろう。だけど、僕は……)


↓1朝風のコンマ       ----との---:12/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:12/--
↓3名取のコンマ       ----との---:25/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:14/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

ショタ提督「………」

ショタ提督(見守る会の人々は、鎮守府内の艦娘と話があると言っていたけれど……)

あれから彼女らは1度彼と別れ、艦娘と相談することにした。

内容はもちろん、彼についてだ。無論、彼も既に"把握"しているが。

ショタ提督「………」

ショタ提督(盗み聞きするつもり等無い。けれど、どうしても……分かってしまう)

――

ヲ級「50周目提督君……何か、悩みや不安を抱えてないかな……?」

名取「……やっぱり、分かりますか?」

レ級「見るからに訳ありって顔してたもん」

見守る会の者達は、彼をよく知る艦娘の内の1人……名取と相談していた。

そして同時に、名取も多くの少年提督達と出会って来た彼女らを……快く出迎えた。

名取「………」

カ級「でも、その様子だと……貴女も、知らない……?」

名取「……はい。提督、いつも大丈夫としか言いませんし……」

レ級「そっか……話したくないこと、なのかな」

名取「無理強いすることなんて出来ませんし……でも、それじゃ……提督は、ずっと険しい顔付きのままで……」

ヲ級「何とか、力になってあげたいけど……」

カ級「悩みが分からないとなると、迂闊な行動は……」

名取「………」

彼女らは皆、彼のことを思いやり……心配している。

彼の悩みや不安を解消してあげたいと、心から考えている。

――

ショタ提督「………」

そして、その"想い"は……彼にしっかりと"伝わっている"。

その"想い"が、そのまま彼に"注がれていく"。彼も確かに、それを体感していた。

ショタ提督(……名取さん。それに、見守る会の皆……)


提督or名取の行動

直下

※今回はどちらから行動を起こしてもOKです

ショタ提督「………」スクッ

ショタ提督(……伝えなければ。感謝の気持ちを……)

彼は徐に立ち上がると、そのまま彼女らがいる部屋へと向かう。

例え直接聞いた訳では無かったとしても、感謝しているという想いを伝えなければならない。

特に彼は、そのようなことに人一倍敏感……否、重視するのだ。

ショタ提督「………」スタスタ…

ショタ提督(言葉の力は侮れない。ほんの些細なことだとしても……それをきっかけとして、大きな結果を生み出すことに繋がるから)

まるで、その過程を見てきたかのように彼は考える。その表情は、喜びとも寂しげとも言えるものだ。

そう。言葉は良くも悪くも、他者に影響を与えるものである。

時には、誰も予想だにしなかった結末となることさえある。彼は、それを誰よりも理解している。

ヲ級「36周目提督君も、最初は多くを語ろうとせずに……あっ」

名取「……?ヲ級さん、どうし……!」

ショタ提督「……名取さん。そして、見守る会の皆」

レ級「……50周目提督君」

カ級「……いつから、そこに?」

ショタ提督「……少し前から。皆の話し声が聞こえてきて……」

名取(……全部、筒抜けだったんだ)

ショタ提督「ごめんなさい。盗み聞きするつもりでは無かったんだ。でも、聞いてしまった以上は……しっかり、伝えないといけないと思って」

名取達「……?」

ショタ提督「……僕のことを心配してくれて、本当にありがとう。その気持ちだけでも、凄く嬉しくて……心が温かくなるんだ」ニコ…

名取達「……!」

ショタ提督(本当に、温かくて……溢れ出してくる……)ギュッ

名取「………」


反転コンマ判定:名取達の反応は?

01~49:本当に悩みが無いのか、改めて提督に聞く
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:お礼を受け取り、一先ずは提督の言葉を信じる
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:名取達は↑の反応で、提督の様子が……
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 18 --》――それでも心配


名取達「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……僕の言葉は、名取さん達に伝わった。けれど……やはり、そうか……)

彼の言葉は確かに彼女らに届いていた。

彼女らは、彼から感謝の気持ちを伝えられ……そして、彼の笑顔を見て、胸の奥が温かくなった。

名取「……本当に、大丈夫ですか?」

ショタ提督「………」

しかし、それでも……彼を心配する気持ちが消えることは無かった。

確かに彼は優しい笑顔を向けていたが、その内側に秘められた心情を……彼女らは無意識ながら、見抜いていたのだ。

ヲ級「……無理、してない?」

レ級「私達に出来ることがあったら、何でも言って良いからね?」

カ級「力になるから……!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(あぁ、温かい……その言葉、その気持ち……本当に……!だけど……だからこそ……!)

ショタ提督「……ありがとう。僕のことなら、心配いらないから」

名取達「………」

名取(提督……)

ヲ級(……言えない事情、なのかな)

レ級(それとも、私達の勘違い……いや、それだけは絶対に無いはず)

カ級(伊達に今まで、色々な男の子達と触れ合ってきていないから……)

ショタ提督「………」


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

8×1.0=8 8+25=33/--

――深海鎮守府


カ級「……おかしい」

レ級「何が?」

カ級「50周目提督君……どれだけ探しても、これまでの経歴が存在しない」

ヲ級「存在しないって……」

カ級「……文字通り、正体不明」

レ級「となると、過去に何かあったのは間違いないか」

カ級「うん……」

カ級(もしかして、9周目提督君みたいに……人間じゃない、のかな……?だとしても、データが一切存在しないなんて……)

ヲ級(……50周目提督君)

レ級(一体、どんな悩みを抱えて……)


――50周目鎮守府


名取「………」

名取(何となくだけど、あの時の提督の笑顔……少し、影があったかも……)

名取(上手く言えないし、根拠も無いけど……そう、感じて……)

名取「………」ギュッ

名取(……何とかしてあげたい。提督が困っているなら、絶対に何とかしてあげたい……!)

名取(今まで、お世話になってきてるから……恩返しとして……)


――


ショタ提督「………」

ショタ提督(ありがとう、名取さん、見守る会の皆……本当に、その気持ちだけで十分だよ)

ショタ提督(その温かい気持ちを与えてくれるだけで……僕は、立ち向かうことが出来る)

ショタ提督「………」グッ

ショタ提督(……させるものか。これは、僕が何とかしなければならないこと……)

ショタ提督("僕"のせいとも言えるから……だから、絶対に……皆を……!)


《-- 名取と交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が少し強まった --》

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

《-- 11 --》

――48周目鎮守府


ショタ提督「………」

神風(48周目)「ふふっ、凄いでしょ?ウチのシンボルなの」

ショタ提督「………」

48周目鎮守府の広場にそびえ立つ大木。かつてこの地で提督として活動していた48周目提督が植えた木だ。

30年間、この鎮守府に住む神風達が世話をし続けてきたお陰で……強く逞しい大木へと育った。

ショタ提督「………」スッ…

ショタ提督(……感じる。温かくて、優しい……それでいて、強い……)

彼は大木にそっと手を触れ、優しげな表情をする。

それは見る者全てを穏やかな気持ちにさせる、不思議な魅力があった。

神風「………」

神風(病気と闘っていた時の司令官も、あんな笑顔を……私に向けてくれたっけ……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(それだけじゃない。この木"そのもの"からも……もっと生きようとする想いが伝わって……)

ファサッ…

ショタ提督「……!」

神風(あっ、風……まるで木が喜んでくれているみたい……)クスッ

ショタ提督「………」

少し強い風が吹き、大木に生い茂った葉っぱと枝が静かに揺れる。

耳に伝わるのは、生き生きとした葉っぱ達から奏でられる"生"の音。

ショタ提督「………」チラッ

漣(48周目)「……っ」グッ…

ショタ提督「………」

ショタ提督(込められているのは、温かい感情だけでは無い、か……)


↓1朝風のコンマ       ----との---:12/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:12/--
↓3名取のコンマ       ----との---:33/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:14/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

グレカーレ「う~ん……」スタスタ…

グレカーレ(お菓子で元気付けるのはダメだとしたら……)

グレカーレは悩んでいた。この前、彼を甘味処間宮に連れて行ったものの、彼じゃ終始険しい顔つきのままだったからだ。

しかし事情を知らず、それでいて彼について何も"分からない"彼女は……どうすれば彼が元気になってくれるかが思い浮かばない。

グレカーレ(って、歩いてる内に鎮守府の外に出ちゃった……あれ?)

ショタ提督「………」

グレカーレ(提督……?あんなところで何してるんだろ……?)

彼は道端に咲いていたタンポポを眺めていた。

それも、ただ眺めているのでは無く……しゃがみ込み、手で優しくタンポポを撫でながら。

ショタ提督「………」

ショタ提督(あぁ、感じる……強く、逞しく……生き延びようとする想いを……)

グレカーレ「……!」

その表情は、いつもの険しいものでは無い。

親が子を見守るような、母性と父性を併せ持つかのような……慈悲に満ち溢れたものだ。

グレカーレ「………」

グレカーレ(提督、笑顔になってる……それも、凄く安心出来るような感じの……)

彼女も彼の笑顔を見たことが無い訳では無い。

しかし、あそこまで人に安らぎを与える程の笑顔を見せる彼は……今まで、1度も見たことが無い。

グレカーレ「………」


グレカーレの行動

直下

ショタ提督「………」ナデ…

グレカーレ「………」ジー

グレカーレ(綺麗……幼い男の子が見せる表情とは思えないよ……)

彼女は、彼の見る者全てを魅了するかのような笑顔に……見惚れてしまった。

先程まで悩んでいたことを忘れ、その場に立ち止まり……少し先にしゃがむ彼を見つめる。

ショタ提督「………」

ショタ提督(動物も、植物も……皆、一生懸命生きている。その気持ちや想いが、僕の……)

彼は彼で、神秘的とも言える笑顔を浮かべたまま……タンポポを優しく撫で続けている。

グレカーレ「………」ジー

ショタ提督「………」

ショタ提督(グレカーレちゃん……)

そして彼は、既に離れた位置から自身を見つめる彼女の存在に気がついている。

より正確に言えば、彼女が彼のことで悩んでいたことさえ"把握している"。

グレカーレ「……っ」ギュッ

グレカーレ(提督の笑顔を見ていると……何だか、胸の奥が……変な感じになっちゃう)

グレカーレ(だけど、嫌な感じじゃない……むしろ、凄く……安心出来るような……)

ショタ提督「………」

そして、彼女が今まさに抱いている心情も"知っている"。

だが、彼はそのことを話す訳にはいかない。そうすれば、おのずと全てを伝えることになってしまうからだ。

グレカーレ「………」ジー

ショタ提督「………」ナデ…

ショタ提督(……僕は、どうすべきなのだろうか)


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:提督、このまま鎮守府へ戻る
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:提督から声をかける
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:グレカーレが声をかける
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 42 --》――今はまだ、伝える訳にはいかない


ショタ提督「………」スッ…

グレカーレ「あっ……」

彼はタンポポを撫でることを止め、そのまま岐路につき始める。

その様子を、彼女は少し名残惜しそうに見つめていた。

グレカーレ「………」

グレカーレ(もうちょっとだけ、眺めていたかったな……)

ショタ提督「………」スタスタ…

ショタ提督(……ごめんなさい、グレカーレちゃん。だけど、今は……)

無論、彼も彼女の心情に気がついていないはずが無い。

だが、それでも彼は……今は話すべきでは無いと己に言い聞かせる。

グレカーレ「………」

グレカーレ(もしかして、提督……お花を見るのが好きだったりするのかな……?)

ショタ提督「………」スタスタ…

ショタ提督(……当たらずとも遠からず、と言えるか)

彼は花を眺めるのが好きという訳では無い。むしろ、趣味の範疇には留まらないと言って良いだろう。

しかし、現時点で彼女にそれを話す訳にはいかない。己の目的を果たすことが先なのだ。

ショタ提督「………」

ショタ提督(耐えろ、僕……!リスクを考えて行動しなければ……!)


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

5×1.0=5 5+14=19/--


ショタ提督「………」カキカキ

グレカーレ「……あのさ、提督」

ショタ提督「……どうしたの?」カキカキ

ショタ提督(何を疑問に思い、何を聞こうとしているかは……既に分かっているけれど)カキカキ

グレカーレ「提督って……お鼻とか、好き?」

ショタ提督「……うん、好きだよ」カキカキ

ショタ提督(正確に言えば、花が好きと言うより……)カキカキ

グレカーレ「そっか……じゃあ、鎮守府で何か花を育ててみたらどうかな?」

ショタ提督「………」カキカキ

グレカーレ「その、お世話がめんどくさいなら私達が……」

ショタ提督「……ありがとう。その心遣いだけでも、凄く嬉しいよ」ニコ…

グレカーレ「あっ……」

ショタ提督「だけど、大丈夫。花なら、外に行けばいつでも眺められるし……少しでも、提督として頑張らないといけないからね」カキカキ

グレカーレ「………」

グレカーレ(今の笑顔も、一瞬だけ胸が騒めいたけど……さっきの笑顔と比べると、あんまり……)

ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(気を遣ってくれているのに、こんな返答しか出来ずごめんなさい。だけど、いずれは話すから……それまでは……!)カキカキ

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

《-- 12 --》


初月「どうしてあそこで前に出たんだ!」

衣笠「それはこっちの台詞よ!貴女がもっと早く……」

先程行った演習で、初月と衣笠のそれぞれの行動が互いの足を引っ張る形となってしまった。

そのせいで、訓練終了後もこうして言い争いが止まることは無い。

秋月「あわわわ……!?」

青葉「ちょ、ちょっとガサ……!」

何とか宥めようとしている秋月と青葉も、この光景には驚きと困惑を隠せない。

妹が怒る場面を見たことがあっても、ここまで自分の非を認めず相手を責める姿は……今まで見たことが無い。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……これも、"あの"影響が強くなって……だから、こうしたきっかけがあると……)

そして提督は、彼女らが言い争いを止めない本当の理由について……おおよその検討が付いている。

ここで真実を話す訳にはいかないが、このまま争いを続けて……彼女らが負の感情を溜め込んでしまうことは避けなければならない。

ショタ提督「……ごめんなさい」

初月衣笠「……!」

秋月青葉「あ……」

ショタ提督「僕がもっと的確な指示をしていれば、こんなことには……」

彼は頭を下げて謝罪する。実際に彼の指示に問題は一切無かったのだが、彼からすれば部下のミスは己のミスなのだ。

初月「い、いや、提督のせいじゃ……」

衣笠「う、うん。むしろ私達が勝手な行動を取ったせいで……」

そして彼女らは、彼の指揮を信頼している。すなわち、自分達が言い争っていたせいで、彼に責任を感じさせてしまったということになる。

ショタ提督「………」

初月「……悪かった、衣笠」

衣笠「……ううん。私こそごめんね」

秋月「………」ホッ

青葉(良かった……司令官が来てくれたら、すぐに喧嘩が収まりました……)ホッ

故に彼女らは、彼をこれ以上困らせない為にも……自分の非を認め、相手を許す選択を取った。

ショタ提督「………」

ショタ提督(これ以上、あんなことを……させるものか……!)

これも、彼が彼女らに間接的に干渉した結果なのだが、現時点でそれを知る者は……彼1人である。


↓1朝風のコンマ       ----との---:12/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:12/--
↓3名取のコンマ       ----との---:33/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:19/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

グレカーレ「最近、艦娘同士の喧嘩が増えてきてるような気がする……」

ショタ提督「………」

グレカーレ「ちょっとしたことで、急に怒り出したり……どうしちゃったんだろう、皆……」

グレカーレは、ここ最近の艦娘達のおかしさに気がついていた。

彼女の姉妹や、その周りの艦娘らも……ふとしたことがきっかけで、言い争いにまで発展してしまうことが増えている。

ショタ提督「………」

しかし、彼女はあることを自覚していない。それに対し、彼は当然分かっている。

ショタ提督(……グレカーレちゃん達は、影響を受けていないのか……?)

そう。短気になりやすくなった艦娘達の中に、グレカーレ達"4人"は含まれていない。

彼女らはむしろ、些細なことで怒りを露わにする艦娘達に疑問を抱いているほどだ。

グレカーレ「深海棲艦達に中々勝てない時期があったから、それでピリピリしてるのかな……」

ショタ提督「………」

グレカーレ「………」

グレカーレ(あ、また思いつめた顔してる……)

ショタ提督(恐らく、以前のようなピンポイントでは無い……それこそ、無差別に……)

彼は原因を知っている。しかし、現時点でこの状況を打開する術を持っていない。

だからこそ、今の彼はこうして艦娘達を傍で支えることしか出来ない。

ショタ提督「……っ」グッ…

ショタ提督(本当に、卑怯な奴だ……"僕"は……!)

グレカーレ「………」


グレカーレの行動

直下

グレカーレ「………」

グレカーレ(きっと、また私達のことで悩んでくれてるんだろうけど……)

ショタ提督「………」

グレカーレ(このままじゃ、いつか提督がストレスで倒れちゃう。何とか提督の気分をリフレッシュしてあげられないかな……)

彼が己の目的についてを考え険しい表情をするのと同じように、彼女もまた、彼のことを考え不安そうな顔をする。

ショタ提督「……っ」

ショタ提督(グレカーレちゃん……ごめんなさい)

正に悪循環であるが、彼はこのことに気が付いている。しかし、それでも彼の懸念が消えることは無い。

グレカーレ「……そうだ!良いこと思いついた!」

ショタ提督「……!」

グレカーレ「提督、ちょっと来て!」グッ

ショタ提督「……どこに行くの?」

ショタ提督(既に"察している"けれど……)

グレカーレ「良いから早く!あっ、どうせなら姉さんとリベも誘おっと!」

ショタ提督「………」



――広場


リベッチオ「えーいっ!」ビュッ!

マエストラーレ「あうっ」ポコッ

グレカーレ「はい!次は姉さんが鬼ね!」

マエストラーレ「うぅ……やったなぁ~!」

ショタ提督「………」

彼はグレカーレ達に連れられ、広場でボール遊びをすることになった。

とはいっても、この人数で出来ることは限られている。故に彼女はボール鬼ごっこを提案した。

ボールを当てられた人が鬼となり、他者を追いかけてボールを当てるというシンプルなルールだ。

グレカーレ「ほら!提督も逃げないと鬼にやられちゃうよー!」

グレカーレ(ずっと部屋に籠ってたり、仕事のことばかり考えてるからモヤモヤするのよ!だからこうして子供らしく外で遊べば……!)

ショタ提督「………」


反転コンマ判定:提督の反応は?

01~49:遊ぶことは遊ぶが、やはり表情は暗いまま
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:少し楽しそうになる
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:歩みを止め……
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 31 --》――こいついつも暗い顔してんな


マエストラーレ「えーいっ!」ビュッ!

ショタ提督「………」ガシッ!

マエストラーレ「あっ、またキャッチされちゃいました……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(グレカーレちゃんも、他の2人も……僕のことを心配して……)

彼女らの気持ちは彼にしっかりと"伝わっている"。

しかし、やはり彼はそのことに対し……罪悪感と申し訳無さを抱いてしまう。

マエストラーレ「こうなったらまたリベを!」

リベッチオ「ほらほら、こっちよ!鬼さんこちら~!」

グレカーレ「………」チラッ

ショタ提督「………」

グレカーレ(これでも気分転換にならないなんて……)

遊んでいる間、ずっと暗い顔付きだった彼を見て……彼女はますます心配になる。

無理をしていないか、どれほど大きな悩みを抱えているのか……考え出せばきりが無い。

グレカーレ「………」

グレカーレ(本当なら、今すぐにでも聞きたいけど……無理強いして、返って提督がストレスを溜めてしまったら……)

ショタ提督「……っ」

ショタ提督(ごめんなさい……だけど、グレカーレちゃんの"気持ち"は……しっかりと、"受け止めている"から……!)


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

名取「いける……今度こそいけるかも……!」

グレカーレ「このまま勢いに乗れば……!」






朝風「あの2人ばっかりズルいじゃない!どうして私達はこんなところで躓いてるの!?」

U-511「落ち着いて……まだチャンスはあるから……」アセアセ


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
自由安価を考えにくい展開が続いてしまい申し訳ありません。
試験的に、次回の更新では進行形式を少し変えてみようかと思います。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

18:00~19:00頃開始予定です。

始めます。

10×1.0=10 10+19=29/--


マエストラーレ「はぁはぁ……リベ、逃げ足速過ぎ……」

リベッチオ「や、やった……逃げ切ったぁ……!」グッ

ショタ提督「………」

グレカーレ「………」

グレカーレ(提督、結局あまりはしゃいで無かった……運動でもダメなら、一体どうすれば……)

ショタ提督「……っ」

彼は考える。空元気でも見せれば良かったのか、嘘を付かない方が良いのか……

もちろん、最適解は分かっている。だが、彼は可能な限り……彼女らに嘘を付きたくない。

現時点でさえ、重大なことを話していないのだ。そんな状況で、彼女らを必要以上に騙すようなことなど……

ショタ提督(……今の僕は"提督"なのに、グレカーレちゃん達を心配させているようでは……いけないのに……)

グレカーレ「………」

グレカーレ(あっ、また暗い顔してる……)

マエストラーレ「提督?あの、大丈夫ですか?」

リベッチオ「もしかして、疲れちゃった?」

ショタ提督「……ううん、大丈夫だよ。ありがとう、心配してくれて」

ショタ提督(あぁ、2人の優しさが……温かい気持ちが、"伝わってくる"……)ギュッ

グレカーレ「………」


《-- グレカーレと交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が少し強まった --》

《-- 13 --》

――いつもの喫茶店


22周目提督「最近、姉さん達がよく喧嘩するようになっちゃって……」

23周目提督「……君の所もか」

24周目提督「では、23周目提督さんの所も?」

19周目提督「う~ん……この様子だと、どこの鎮守府もそんな感じっぽいな。俺んとこも姉ちゃん達が喧嘩ばっかしててさ~、宥めるのに精一杯でセクハラも出来ないんだよ~」

20周目提督(僕はセクハラなんて、しようとも思わないけどね……)

ショタ提督「………」

艦娘達の異変は50周目鎮守府だけで無く、やはり各地で起きている。

無論、提督は既に"知っていた"のだが、それでもあえて彼らと交流する。

人々との繋がり、あるいは心の繋がりは馬鹿に出来ない。彼はそれを熟知している。

21周目提督「僕の所は大丈夫だよ?」

26周目提督「それはお前が強過ぎるからだろ。下手に喧嘩して両成敗でボコられたらたまったもんじゃないだろうからな」

25周目提督「26周目提督さんの所は……どうなの?」

26周目提督「喧嘩してようが僕はスルー決め込んでるけど。鎮守府さえ壊さなけりゃ好きにしろって感じ。何より関わるのもめんどくさい」

27周目提督「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……深海棲艦と人間の子供に、異星人……そして、あらゆる事象を実現し得る力……)

またもや彼は"改めて"驚愕する。本来、人類と深海棲艦が子を成すこと等、前例そのものが存在しなかったのだ。

しかし、21周目提督の両親はそれを実現した。無論、そうなった決定的な要因を、彼は"理解"しているが。

それだけでは無い。他者から気配を悟られない力に、万物を司る超能力……これらについても、彼は"知っている"。

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(だけど、それ以上に……)

かつて大本営の命令で瀕死の重傷を負った22周目提督、訪れた先の鎮守府で艦娘に失望された23周目提督……

彼は2人を見て、悲痛な表情を浮かべる。まるで何かを堪え、耐え忍ぶように……

ショタ提督(……ごめんなさい。僕が……"遅れた"ばかりに……)

27周目提督「………」

27周目提督(……こいつ、普通の人間では無いな。俺に宿っているであろう力が反応を示してる……一体、どういうことだ?)


↓1朝風のコンマ       ----との---:12/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:12/--
↓3名取のコンマ       ----との---:33/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:29/--

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

ショタ提督「………」カキカキ

グレカーレ「………」

グレカーレ(やっぱり、相変わらず休憩もしないで仕事してる……ただでさえ艦娘達の揉め事を仲裁したりで忙しいはずなのに……)

他所の鎮守府に住む自分自身の話を聞く限り、各地で艦娘達がピリピリしているらしい。

そしてこの鎮守府の艦娘達も、日を追うごとに喧嘩が起こる頻度が増えつつある。

その度に彼が出向いて宥めているのだが、そのせいで彼がゆっくりしている所を彼女は見たことが無い。

グレカーレ(いつ見ても何かしているようで……だけど、何度聞いても『大丈夫』としか言わないし……)

ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(……ごめんなさい、グレカーレちゃん)カキカキ

そして、彼は彼で彼女の存在と心情を"把握している"。

手は止まらずとも、彼女が自分を眺めていることに"気がついている"。

ショタ提督「……っ」カキカキ

ショタ提督(だけど、僕に疲労は存在しない……仮に疲労が蓄積したとしても、僕は休息を取っている場合では無いんだ……)カキカキ

グレカーレ「………」

グレカーレ(スイーツもダメ、運動もダメ……どうすれば提督が気を落ち着かせてくれるのかな……)

いくら彼自身に問題が無かったとしても、彼女は心配でたまらない。

彼女は何とかして、彼に休んで貰いたいのだ。しかし、その方法が分からない。

グレカーレ(う~ん……何か良い案は……)

ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(本当なら、グレカーレちゃん達に心配をかける訳にはいかない……けれど、ここで僕が気を緩めてしまう訳にも……)


反転コンマ判定:グレカーレの行動は?

01~49:やはり言葉で伝えるしか無い
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:頭を撫でる
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:抱き締める
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

※試験的にこのような形で進行致します。もし問題が無ければ、このままの形式で進行しようと思います。

《-- 52 --》――良い子良い子


グレカーレ「……っ」グッ

グレカーレ(言葉だけじゃ、きっと今までと同じ……だったら……!)

ショタ提督「……!」カキカキ

ショタ提督(グレカーレちゃん……)カキカキ

今まで色々な方法で彼の疲れを癒そうとしてきた彼女だが、まだ試していないことがあった。

そう。子供が頑張っているのなら、良い子にしているのなら……年上の者が、つい子供にしてしまうであろう行為。

グレカーレ「……提督」ガチャ

ショタ提督「……グレカーレちゃん。どうしたの?」カキカキ

ショタ提督(……どうしたの、か。本当は、既に知っているのに……)カキカキ

彼は自分の行動に胸が痛くなっていた。彼女に対し、嘘を付かなければならないことを。

しかし、これも目的の為。そして、彼女達の為でもある。そう言い聞かせ、彼は平静を装う。

グレカーレ「………」スタスタ

ショタ提督「………」カキカキ

グレカーレ「……えい」ポフッ

ショタ提督「………」

グレカーレ「私達の為に頑張ってくれるのは、凄く嬉しいけど……無理しちゃダメだからね?」ナデナデ

ショタ提督「………」

頭を撫でる。単純だが、立派な子供に対して大人や年上の者がついやってしまう行為だ。

彼女は正に、努力している子供を褒め称えるかのような、優しい笑みを浮かべている。

そして、その笑みは……その表情と、撫でられる手に込められた"気持ち"は……

グレカーレ「………」ナデナデ

ショタ提督「………」

ショタ提督(……温かい。手と言葉を通じて……染み渡っていく)

確かに、彼に"届いていた"。彼女の、彼を優しく労わる"気持ち"が。

ショタ提督「………」

ショタ提督(懐かしいな……あの時も、こんなことが……)

グレカーレ「……!」

グレカーレ(あっ、提督の顔が少し嬉しそうになった!良かったぁ……まだちょっと表情が固いけど、それでも……少しでも、提督が気持ちを落ち着けてくれたみたいで……!)


----との--- コンマ一の位×1.5 上昇

直下

8×1.5=12 12+29=41/-- 《-- リーチ --》


グレカーレ「………」ナデナデ

ショタ提督「………」

グレカーレ(ふふっ……提督、気持ち良さそう……あの時も、こんな顔してたっけ……)ナデナデ

ショタ提督「……!」

グレカーレ(……"あの時"?今、私……何を考えて……うっ!?)



――



『……何してるの?』

『えっとね?50周目提督、元気無かったから……こうすれば良いと思って!』

『………』

『……もしかして、嫌だった?』

『……ううん。凄く、温かい……もっと、してくれる……?』

『あっ……うんっ!えへへっ』



――



グレカーレ「……!?」

グレカーレ(な、何、今の……頭の奥に、変な……ううん、どことなく、見覚えのある光景が……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(まさか……いや、違う。まだ、"完全には"……だけど、これは……!)

グレカーレ「………」

グレカーレ(この感覚……最初に、提督と会った時とほとんど同じ……おかしい。こんなこと、今まで無かったはずなのに……)

ショタ提督「………」


《-- グレカーレと交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が強まった --》

《-- ----の-----がより強くなったことで、グレカーレの----に刻まれた---が……蘇ろうとしている --》

《-- 14 --》


グレカーレ「………」

グレカーレ(一瞬だけ目の前をよぎった、あの光景は……)

覚えが無いはずなのに既視感を抱く、あのフラッシュバック。

彼女はそのことについて、ずっと考えていた。そのことだけを考え込んでいた。

翔鶴「……グレカーレちゃん?」

グレカーレ「……え?」

天津風「どうしたのよ?最近、ずっと考え事してるみたいだけど……」

グレカーレ「あっ、ううん、違うの。ちょっとね……」

グレカーレ(って、これじゃ提督みたいな返しね……もしかして、提督もこんな風に……?)

翔鶴「……悩みがあるならいつでも相談してね?」

天津風「私達相手に言いづらいことなら、提督やマエストラーレ達に……」

グレカーレ「大丈夫!悩みってほどじゃないから……」

グレカーレ(……分かんない。何なの、本当に……)






ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(グレカーレちゃん、あの時……確かに、一瞬だけ……)カキカキ

一方、彼も彼女が抱いた既視感について考えを巡らせていた。

尤も、彼の場合は既視感の正体を知っている。だが、それを話す訳には……いかないと考えている。

以前のように断定では無いのも理由がある。ここまでくると、頑なに話さないと考える訳にもいかなくなってしまっているのだ。

ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(……話すべき、なのだろうか。しかし、これがきっかけでグレカーレちゃんが混乱してしまったら……)カキカキ


↓1朝風のコンマ       ----との---:12/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:12/--
↓3名取のコンマ       ----との---:33/--
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:41/-- 《-- リーチ --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

名取「……グレカーレちゃん、何かあったんでしょうか」

ショタ提督「……!」カキカキ

名取「最近、悩んでるみたいで……いつもはもっと明るく、はきはきしていたはずなのに……」

ショタ提督「………」カキカキ

彼女はグレカーレのことを心配していた。それも、単なる艦娘同士や仲間としてでは無く……まるで昔ながらの幼馴染のように。

いつもの彼女であれば、心配こそすれども彼に相談することは無かっただろう。それこそ、話を持ち掛けるとすればグレカーレの姉妹達が自然と言える。

しかし、彼女は本気で心配しているかのような……それこそ姉妹艦よりも、彼女のことを気にかけているようだった。

ショタ提督「……どうしてそう思ったの?」カキカキ

名取「……いえ、その……どうしても、放っておけなくて……」

ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(……自覚は無い、か。だけど、名取さんも……僅かに……)カキカキ

全てを知るからこそ、彼は悩んでいた。いきなり全てを打ち明ける訳にはいかない。

しかし、このままはぐらかす訳にもいかない。彼女が本気で心配しているという気持ちは、既に彼は"把握"している。

名取「何とかグレカーレちゃんに力になれないでしょうか……」

ショタ提督「………」カキカキ

名取「提督からも、グレカーレちゃんに声をかけてあげてくれませんか……?」

ショタ提督「……もちろんだよ。今度、何か悩みがあるのか聞いてみるね」カキカキ

名取「はい。お願いします……」

ショタ提督「………」カキカキ

彼女はやはり疑問に思っていない。"どうして自分がグレカーレにそこまで親しげな感情を抱いているのか"を。

しかし、それに気がつけば……恐らく彼女もまた、グレカーレと同様に考え込んでしまうことになるだろう。

ショタ提督(……僕は、どうすれば良いのだろうか)カキカキ


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:名取「って、私がそこまで重く受け止めていたら……返って、グレカーレちゃんに気を遣わせてしまうでしょうか……?」
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:名取「後、提督も……無理、してませんか……?」
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:名取「……何だか、自分でも不思議なんです」
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 70 --》――心配しているのは、グレカーレのことだけでは無い


名取「後、提督も……無理、してませんか……?

ショタ提督「………」カキカキ

ショタ提督(……分かっていた。名取さんが、グレカーレちゃんのことだけで無く……僕のことも、気にかけていたことは)カキカキ

彼女は、グレカーレのこと以上に……やはり、彼について心配していた。

日頃から常に仕事しており、彼が休んだり眠っている姿を見たことが無い。

これでは心配するなと言う方が無理がある話である。無論、彼も既に"把握"していたが。

ショタ提督「……心配してくれてありがとう。だけど、僕なら……」カキカキ

名取「……本当ですか?」

ショタ提督「……うん」カキカキ

名取「でも、今だって……私の話を聞きながらも、手が動いて……」

ショタ提督「こればかりは"提督"の仕事だからね。仕方無いよ」カキカキ

名取「………」

名取(提督……なら、その思い詰めた顔はどういうことですか……?やっぱり、無理をしてるんじゃ……)

ショタ提督「……っ」カキカキ

彼女に真実を隠し続けている罪悪感と、彼女から伝わる温かい気持ち……この両者が、彼を同時に襲う。

だが、それでも彼は……まだ全てを話すことは出来ないと結論付ける。

グレカーレのような状態となってしまえば話は変わるが、今の彼女には……伝えない方が良いだろう。

ショタ提督「……本当に大丈夫。だから名取さんは、グレカーレちゃんのことを気にかけてあげて?」カキカキ

ショタ提督(その優しい気持ちをくれるだけで……僕は頑張れるから)カキカキ

名取「……提督」

名取(確かに、グレカーレちゃんのことも心配だけど……提督、ずっと前からこの調子で……いつも、自分のことより私達のことを考えて……)


----との--- コンマ一の位×1.5 上昇

直下

6×1.5=9 9+33=42/-- 《-- リーチ --》


名取「………」

名取(提督もグレカーレちゃんも心配だよ……特に提督は、あの時も……)

ショタ提督「……!」

名取(……あれ?"あの時"?それって、いつのこと……?確か、随分前……ちょっと待って。提督とは数ヶ月前に出会ったばかりなのに、"随分前"だなんて……うっ!?)



――



『……大丈夫?』

『……え?』

『ずっと、上の空だったから……』

『………』

『……私がいるから』

『……!』

『不安になったり、怖くなっちゃったりしても……私達が、いつも傍にいるからね?』

『……うんっ』



――



名取「………」

名取(今のって……私と、提督……?でも、あんな所、1度も行ったことが無いはずなのに……どうして……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(グレカーレちゃんに続いて、名取さんも……これは、やはり間違い無く……)

名取「……っ」ギュッ

名取(この感覚って、提督と初めて会った時も……うぅ、どういうこと……?)

ショタ提督「………」


《-- 名取と交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が強まった --》

《-- ----の-----がより強くなったことで、名取の----に刻まれた---が……蘇ろうとしている --》

《-- 15 --》


名取「………」

グレカーレ「………」

磯風「………」

磯風(グレカーレに続いて、名取さんもか……一体、何があったんだ……?)

名取(……いくら考えても分からない)

グレカーレ(知らないはずなのに、"知ってる"ような……)

名取(言葉では言い表せない、複雑な感覚が頭の中をうずめいて……)

グレカーレ(だけど、掘り起こそうとしたら……その度に、消え失せてしまいそうになって……)

名取とグレカーレは、自身が抱く違和感の正体を突き止めようとしていた。

しかし、どれほど考えても……一向に答えを導き出すことが出来ない。

それどころか、今もその違和感が曖昧で……気を抜くと、忘れてしまいそうになるほどだ。

名取「………」

グレカーレ「………」

名取(そういえば、あの時の光景には……提督がいたような……)

グレカーレ(もしかして、提督なら……何か、知ってるの……?)





ショタ提督「………」

ショタ提督(最初は偶然だと考えたけれど、これで確信した……名取さんとグレカーレちゃんは、恐らく……僕と、触れ合ってきた影響で……)

違和感の謎こそ知っている彼だが、どうして彼女らが突然……その違和感の謎を意識しだしたかは、彼も判断に困っていた。

しかし、彼女らがあの状況でフラッシュバックを起こしたことで……彼は理解した。

ショタ提督「………」グッ

ショタ提督(このまま、名取さんとグレカーレが"忘れなければ"……全てを話す必要があるかもしれない。けれど、それは……)


↓1朝風のコンマ       ----との---:12/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:12/--
↓3名取のコンマ       ----との---:42/-- 《-- リーチ --》
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:41/-- 《-- リーチ --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

名取「ゴールはもう目の前……!有終の美を飾らなきゃ……!」

グレカーレ「私だって後が無いもん……!絶対にゴールしてみせるんだから……!」














U-511(ここから、巻き返せるのかな……うぅ……)シュン

朝風(追い付ける気がしない……)ズーン


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
しばらくはこの形式で進行させていただきます。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

18:00~19:00頃開始予定です。

始めます。

U-511「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(ユーちゃんが落ち込んでいる……原因は分かっているけれど……)

彼女は先程、伊58と伊168の言い争いを仲裁したところだ。

これまで仲の良かった2人が、ほんの些細なことでお互いを言葉で攻撃し合う……

艦娘同士の喧嘩が増えてきたことは把握していたが、親しい者同士が激しい喧嘩をする様子を見てショックを受けていた。

U-511「……admiral」

ショタ提督「……何かな」

U-511「おかしいよ……どうして、でっち達……あんなに、ピリピリしてるの……?」

ショタ提督「……っ」ズキッ

U-511「最初は、そんなこと……無かったのに……」

ショタ提督「………」

艦娘達が他者に対し攻撃的になっている理由を、彼は知っている。

しかし、それをすぐ解決することは出来ない。これは"しない"のでは無く、本当に"出来ない"のだ。

今の彼は文字通り力不足。この現状を打開するだけの能力を持ち合わせていない。

ショタ提督「……ごめんなさい」

U-511「あ……」

ショタ提督「"提督"である僕が、こんな体たらくじゃ……ダメなのに」

ショタ提督(本当なら、僕が責任を持って……何とかしなければならないのに……)

U-511「………」

U-511(そう、だよね……admiralだって、そのことを……気にかけてくれてるのに……)


反転コンマ判定:この後どうなる?

01~49:ユー、謝罪する
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:ユー、感謝しつつ心配する
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:↑に加えて、提督の反応が……
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 30 --》――彼もまた、辛い


U-511「……ごめんなさい」

ショタ提督「……!」

U-511「admiralだって、私達のことを心配してくれてるのに……」

ショタ提督「………」

U-511「辛いのは、私だけじゃないのに……」

ショタ提督「……ユーちゃん」

ショタ提督(また、気を遣わせてしまった……僕がユーちゃん達を困らせているようでは、いけないのに……)

彼は彼で、この状況に頭を悩ませている。彼女は彼の謝罪から、それを読み取ったのだ。

故に彼女は、彼に苦言を呈したことを申し訳無く感じた。周りの艦娘がピリピリして辛いのは、自分だけでは無いのだと。

U-511「………」シュン

ショタ提督「……ユーちゃんが謝ることは無いよ。僕のせいで……」

ショタ提督(……そう。"僕"のせい、だから……!)グッ

U-511「そんなこと……」

ショタ提督「………」

U-511「………」

U-511(admiral、凄く暗い顔してる……やっぱり、責任を感じて……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(ユーちゃん、僕を労わってくれてありがとう。だけど、こんなことになってしまっているのは……)


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

4×1.0=4 4+12=16/--


ショタ提督「………」

U-511「………」

U-511(き、気まずい……何か言った方が良いかな……)

ショタ提督「………」

U-511(うぅ……)

ショタ提督「……ユーちゃん」

U-511「っ……う、うん」

ショタ提督「もし、また誰かが喧嘩していたり、言い争いになっていたら……すぐに僕を呼んで?」

U-511「え……?」

ショタ提督「僕がちゃんと、喧嘩を収めてみせるから」

ショタ提督(何故なら……それが僕の役目の1つでもあるから)

U-511「………」

ショタ提督(今回の喧嘩も、もちろん気がついていた。けれど、ユーちゃんが仲裁してくれたんだ……これ以上、彼女に負担をかけさせる訳にはいかない)

U-511「でも……」

ショタ提督「………」

U-511「……ん、分かった。その時は……お願い、します……」

ショタ提督「うん、任せて」

U-511(……どうして、かな。本当なら、admiralに迷惑をかけちゃダメなのに……admiralなら、本当に喧嘩をすぐ収めてくれる気がして……)


《-- U-511と交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が少し強まった --》

《-- 16 --》

――いつもの喫茶店


28周目提督「それじゃあ、兄さんの所も……」

29周目提督「あぁ。長門が俺と一緒に宥めてくれているが、それでも毎日数回は言い争いが起きてしまう」

33周目提督「急にどうしたんだろう。今までは皆、喧嘩なんて滅多にしなかったのに」

ショタ提督「………」

彼らの話を聞く度に、彼は罪悪感に締め付けられていく。

ここで彼らに真実を話せば、彼らは快く協力してくれるだろう。

だが、それは同時に彼らを巻き込むことに繋がってしまう。それだけは避けたいのだ。

30周目提督「おかしいなぁ……パラレルワールドのお姉ちゃん達は、そんなこと無かったけど……」

32周目提督「別世界のことは言い出したらキリが無いと思うけど……」

31周目提督(……まさか、また奴らが何か企んでいるのか?僕の両親を殺したくらいだから、可能性はある……)

34周目提督「………」オロオロ

ショタ提督「………」

36周目提督「……50周目提督君?大丈夫?」

ショタ提督「……!」

35周目提督「さっきから思い詰めたような顔をしてるけど……」

ショタ提督「……うん。少し、考え事をね。大したことじゃないよ」

ショタ提督(異世界人と、転生者……)

残虐な深海棲艦に両親を葬られた31周目提督に、かつて自殺するも転生して人生をやり直した36周目提督。

彼らの生い立ちを既に"知っている"彼は、己が抱く罪悪感が強まってしまう。

同時に、次元を超えて異なる宇宙からやって来た30周目提督……彼を見て、ある懸念が浮かび上がる。

無論、それを口に出すことはしない。だが、彼の悪い予感は……当たっていた。彼もそれを実感している。

ショタ提督「………」

ショタ提督(彼らに罪は無い。むしろ、36周目提督は被害者だ……けれど、転生という行為は……)


↓1朝風のコンマ       ----との---:12/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:16/--
↓3名取のコンマ       ----との---:42/-- 《-- リーチ --》
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:41/-- 《-- リーチ --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
スランプから中々抜け出せないせいで、投下速度が遅くて申し訳ありません……
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

ショタ提督「……ただいま」

朝風「お帰り。他の提督の子達は元気だった?」

ショタ提督「………」コクリ

朝風「なら良かった。私も他の鎮守府の自分と会話してるけど、ピリピリしてることが多くて……」

ショタ提督「………」

朝風「………」

朝風(……司令官、また暗い顔してる)

彼女からしてみれば、あれだけ艦娘達がピリピリしているのだから、他の提督もその影響で辛辣になっていても不思議では無い。

ただ、彼は険しい表情をしていることを除けば常に冷静だ。ピリピリする者とは対極の存在と言えるだろう。

だからこそ、周囲と意見が合わず、言い争いになってしまったのでは無いか……彼女は心配しているのだ。

ショタ提督「………」

朝風「………」

朝風(だけど、事情を聞いたとしても……司令官のことだから、きっと『大丈夫』としか言わないわよね。だったらいっそ、話題を変えた方が……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(また、心配をかけてしまった……ごめんなさい、朝風ちゃん。だけど、今はまだ……)

朝風「………」

朝風(でも、話題といっても何を話せば良いのかしら。やっぱり、ここは司令官に合わせて他所の提督について……)


反転コンマ判定:朝風が話題にした歴代提督は?

01~49:30周目提督の話題
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:16周目提督の話題
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:36周目提督の話題
----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 100 --》――――


ショタ提督「……っ!」

ショタ提督(そ、そんな……何で……いや、落ち着け。これはただの偶然……偶然のはずだ……)

朝風「……ねぇ、司令官」

ショタ提督「……何、かな」

朝風「36周目提督って……1度、転生してるのよね?」

ショタ提督「……そう、みたいだね」

朝風「司令官は……転生って、信じてる?」

ショタ提督「………」

彼女の目は透き通っている。迷いが無く、その目には彼の顔が綺麗に映し出されている。

まるで確信を突き、彼に何かを確認するかのように……その目は彼を捉えている。

ショタ提督(……本当に、ごめんなさい)グッ…

だが、彼女は"偶然"……"無意識の内に"、この質問を投げかけていることは……

彼は当然ながら、既に"把握"している。だからこそ、彼は……その質問に対し……

ショタ提督「……どうだろう。36周目提督さんが嘘を言っているとは思わないけど……僕としては、半信半疑かな」

朝風「そうなの?」

ショタ提督「だって、証明しようが無い。仮に大和さん達の危機を救ったと言われても、僕達にはただの偶然と受け止めることも出来てしまう」

朝風「………」

ショタ提督「もちろん、36周目提督さんが本当に転生した可能性もあるけど……やっぱり、全てを信じるのは難しいかも」

朝風「……そっか。そうよね、何言ってるんだろ、私……」

ショタ提督「……っ」ググッ…!

ショタ提督(ここで、話す訳にはいかない……まだ、ダメなんだ……!リスクがあり過ぎる……!)

歯を食いしばる勢いで、彼は全てを打ち解けたい気持ちを抑え込む。

己の目的を無事に達成してからでなければ、最悪……大きな失敗をしてしまう可能性がある。

故に彼は、罪悪感に耐えながら……目的の為に、彼女らの為に……隠し続けなければならない。


----との--- コンマ一の位×2.0 上昇

直下

10×2.0=20 20+12=32/--


朝風「………」

朝風(司令官は、あくまでも転生は半信半疑……か)ズキン…

朝風「……?」

ショタ提督「……っ」

朝風(あ、あれ……?今、一瞬……胸がズキンとしたような……)

ショタ提督「………」

謎の感覚を抱いた彼女以上に、彼は胸を締め付けられていた。

本当なら、今すぐにでも全てを話したい……全てを、伝えたい……!

ショタ提督「………」グッ

ショタ提督(目先のことだけを考えてはならない……でないと、朝風さん達の心の乱れさえ……!)

だが、彼はそれを自制する。己の一時の我儘のせいで、全てが手遅れとなってしまうかもしれないのだ。

もしそんなことになってしまえば……最悪の事態を想定し、自身の気持ちを落ち着ける。

朝風「………」

朝風(……気のせい、よね?)

ショタ提督「………」

ショタ提督(ごめんなさい……だけど、いずれは必ず話すから……それまで、待っていて……!)

《-- 17 --》


ショタ提督「………」

ショタ提督(どうして、こんなことになってしまったのだろうか……)

心の中で呟く彼だが、原因は全て分かっている。その元凶さえ、判明している。

だからと言って、今までのことを悔やんでいても仕方が無い。それよりも、前を向いて進むことが何よりも大切なのだ。

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(それが出来ない……いや、出来ない程に狂ってしまったのが……"僕"なのか)

虚空か、あるいは水平線の向こう側か……ある一点を見つめ、彼は悲しげな顔をする。

その表情に込められた想いは、とても一言では語り尽くせないだろう。

ショタ提督「……僕が、何とかしないと」

ショタ提督(そう。これは、僕が責任を持って何とかしなければならない……必ず……!)

彼は己の決意を再確認するかのように……静かに呟く。

そして……その様を、静かに見つめる者が……2人いた。

名取「………」

グレカーレ「………」

名取(やっぱり、おかしい……提督を見ていると……)

グレカーレ(胸の奥が、熱くなって……だけど、それが何なのか……分からなくて……)

名取「……っ」ギュッ

グレカーレ「……っ」ギュッ

手で胸を押さえても、違和感の正体は分からない。

だが、あの謎のフラッシュバック以来……言いようのない感覚が、ずっと彼女らに付きまとう。

それでも、彼を見ていると……違和感が強まると同時に、安心感が芽生えるのだ。

だからこそ、彼女らは察する。この違和感の正体を知る手掛かりは、彼が握っているはずだと。


↓1朝風のコンマ       ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:16/--
↓3名取のコンマ       ----との---:42/-- 《-- リーチ --》
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:41/-- 《-- リーチ --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します

名取「………」

名取(分からない……この感覚は、一体何なの……?)

彼女はずっと考えに考えていた。この胸がざわめく違和感の正体。そして……

名取(あの時のフラッシュバックには、確かに提督がいた……だから、きっと……提督が関係するはず……)

彼の存在。この両者はきっと……否、必ず何らかの関係があるはず。彼女はそう確信していた。

しかし、だからと言って謎が解明する訳では無い。結局のところ、1人で答えに辿り着くのは不可能なのだ。

名取「………」

名取(提督に聞けば……何か分かるかもしれないけど……)

そう。彼に尋ねれば、この違和感の謎を解き明かすことが出来るかもしれない。しかし、彼女は躊躇していた。

ただでさえ普段から険しい表情をしている彼に、更なる負担を与えてしまうことになるかもしれないと。

そう考えると、どうしても彼に問いただすことが出来ずにいた。

名取(だけど……このまま、モヤモヤし続けるのは……)

もしかすると、何か重大なこともかもしれない。あるいは、ただの勘違いかもしれない。

どちらにしても、この違和感の正体を知ることは……自分にとって、何か意味があるものだと感じていた。

名取「……っ」ギュッ

名取(私、は……)




《-- 特殊多数決 --》

《-- 1 --》――全てを解き明かし、謎の向こう側へ 《-- END開放・回想パート突入 --》

《-- 2 --》――もう少しだけ、自力で考えてみる 《-- 好感度上昇コンマ判定へ --》

↓1~↓5

名取「………」

名取(……やっぱり、もう少しだけ……自分で、考えた方が……)

違和感は確かに気になる。しかし、それ以上に……彼を困らせることは、出来るだけ避けたかった。

自力で正体を明かせるのであれば、それに越したことは無いからだ。

名取「………」

だが、同時に……自分1人で、本当に解明出来るのかという不安もあった。

あれから毎日、ずっと考え続けていても……一向に答えが出なかったのだ。

そのような状態で、このまま思考を巡らせたとして……答えに辿り着けるとは、到底思えない。

名取「……提督」

彼の名を呟く。すると、心と頭を蝕んでいた靄が……少しだけ、晴れた気がした。

やはりこの違和感には、彼が深く関わっているのかもしれない。

あるいは、彼と共に過ごしてきたことで……いつしか彼に、特別な感情を抱いていたのかもしれない。

名取「………」ギュッ

名取(……提督。私、どうしちゃったんでしょうか……)

彼女は再び考え始める。この違和感は一体何なのか。彼がこの違和感とどう関係するのか。

そして……どうして彼のことを考えると、これほど胸が温かくなるのだろうか……



----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

7×1.0=7 7+42=49/--


――――


《-- 18 --》


名取「………」フラフラ

名取(あれから徹夜で考えたけど……やっぱり分からないまま……)

彼女はその後、寝る間も惜しんで違和感の正体を突き止めようとしたが……結局、心の靄が増すだけだった。

目の下にクマを作り、今にも倒れそうなほどだ。実際、姉妹達からも心配されている。

北上「………」

妙高「………」

北上「……ねぇ、妙高さん。名取、一体どうしちゃったの?」

妙高「それが……心配して声をかけても、上の空みたいで……」

そして、このような状況に陥っている者は名取だけでは無い。

彼女と同様、違和感の正体に考えを巡らせるも……一向に答えが見えない少女がいた。

グレカーレ「………」フラフラ

グレカーレ(絶対、何か大切なことのはず……理由は分かんないけど、何故かそう感じるから……)

グレカーレもまた、睡眠時間を削ってまで考え込んでいたが……結果は御覧の通りである。

彼女らは違和感がただ事では無いと確信しているが、肝心の内容が不明瞭なのだ。

名取「………」フラフラ

グレカーレ「………」フラフラ




ショタ提督「………」

そして、そんな彼女らを眺めている彼もまた……悩みに悩んでいた。

違和感の正体を知る彼だからこそ、彼女らに真実を伝えるべきかどうかを迷っている。

ショタ提督(このままでは、名取さんとグレカーレちゃんが……だが、本当に伝えて良いのか……?)

彼自身は、出来ることなら全てを打ち明けたいと考えている。

だが、一歩間違えれば、思わず混乱を引き起こしてしまう危険性もある。

ショタ提督「……っ」

故に彼は、最後の一歩を踏み出せずにいたのだ。


↓1朝風のコンマ       ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:16/--
↓3名取のコンマ       ----との---:49/-- 《-- リーチ --》
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:41/-- 《-- リーチ --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します
ただし名取が最大値の場合はEND開放が確定します

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

ショタ提督「………」

U-511「………」

U-511(admiral、最近……いつも以上に暗い顔、してる……)

普段から少し儚げな表情でいることが多い彼だが、彼女が考えている通り、ここしばらくは明らかに様子がおかしい。

流石に、彼女も彼が何かに対して思い悩んでいることは見抜いている。問題はそこでは無い。

U-511「………」

U-511(でも、私が聞いても……話して、くれないよね……)

そう。いくら彼女が彼を労わり、悩みの相談に乗ろうとしても……彼がそれを打ち明けることは無い。

正確に言えば、"現時点での"彼女には打ち明けることが出来ない。

ショタ提督「………」

無論、彼とて彼女が自身を気にかけてくれていることは"把握"している。

だが、それでも……彼は彼女に、思い詰める理由を伝える訳にはいかないと考えているのだ。

ショタ提督(……全てを終えるまで、私情を挟んではならない)

彼は決して、真実を永遠に隠そうと思っている訳では無い。そのタイミングが、今では無いだけだ。

しかし、彼女にとっては……自分達に話せないほどの、深刻な悩みを抱えているのではないかと感じてしまう。

それさえ"把握"している彼は……彼女らが心配すればするほど、彼女達に真実を隠していることに対する罪悪感に苛まれることとなる。

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(これは、皆の為……僕1人の我儘で、皆を混乱させてはならないんだ……!)

ショタ提督(例え、今まさに……ユーちゃんが、僕のことを心配してくれていたとしても……!)

U-511「……っ」ギュッ

U-511(もう、見ていられない……何とか、admiralの助けになりたい……でも、どうすれば……)


反転コンマ判定:U-511の行動は?

01~49:やはり言葉で伝えるしかない
----との---上昇率:小 ×1.0
50~98:手を握りながら言葉で伝える
----との---上昇率:中 ×1.5

ゾロ目(00以外):抱き締める
00:――――
どちらも----との---上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 16 --》――例え話してくれなくとも……


U-511「………」

U-511(……せめて、ちゃんと……伝えるしか無い、よね……)

恐らく何を言い、何をしようと、彼が自分に悩みを話すことは無いであろうことは彼女も分かっている。

だからこそ、今は無理に彼の悩みを聞き出そうとするのでは無く……彼に少しでも安心してもらうことを優先したのだ。

ショタ提督「……っ」

そして、彼女の思いやりと優しさは……全て彼に"届く"。

彼女が言葉にする前から、彼は彼女の気持ちを……"受け止めている"。

だからこそ、彼は板挟みに苦しむ……彼女達が自身を労わってくれている優しさと、彼女達に真実を隠している後ろめたさに。

U-511「……admiral」

ショタ提督「……ユー、ちゃん」

U-511「大丈夫……?ずっと、辛そうな顔……してるけど……」

ショタ提督「………」

U-511「あの、えっと……悩みや不安があるなら、いつでも……相談して……?」

U-511「力になれるかは、分からないけど……話を聞くことなら、出来るから……」

ショタ提督「……っ」ギュッ

ショタ提督(……優しい。ユーちゃんは、変わっていない……"あの時"から、ずっと……)

U-511「……admiral?」

ショタ提督「……ありがとう。そう言ってもらえるだけでも……気持ちが軽くなったよ」

U-511「………」

U-511(やっぱり、話してくれななかった……でも、それでも良い。私が味方だということだけでも、分かってもらえたら……!)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……ユーちゃん達は、最初からずっと……僕にとっての、大切な人なんだ……)


----との--- コンマ一の位×1.0 上昇

直下

2×1.0=2 2+16=18/--


ショタ提督「………」

ショタ提督(ごめんなさい……)

"今の"彼は心が決して壊れることは無い。否、既に"精神崩壊"という概念自体が存在しない。

だが、心は確かに存在する。故に彼は己の行動や彼女の心遣いで心が締め付けられ、胸を痛め続ける。

U-511「………」

U-511(admiral……)

彼女は覗き込むように彼の顔を眺める。彼は目を逸らすことはしないが、彼女を真っ直ぐ見ることは出来なかった。

ショタ提督「……っ」

ショタ提督(だけど、全てが終わるまで……話す訳には、いかないんだ……)

名取やグレカーレのような状態であれば、むしろ真実を話さないことによるリスクが発生する。

だが、目の前の彼女では……話さないリスクより、話すリスクの方が高いのだ。

だからこそ彼は、彼女に全てを打ち明けることはしない。これも全て、目的遂行の為……そして、彼女らの為だ。

ショタ提督「………」

ショタ提督(いずれ、話すから……それまでは、待っていて欲しい……僕が、全てを終えるまで……!)

U-511「………」

U-511(あっ……admiralの顔、少しだけ……勇ましくなった、ような……)


《-- U-511と交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が少し強まった --》

《-- 19 --》

――波止場


ザザー… ザザー…

ショタ提督「………」

多くの者が眠っているであろう早朝、彼はただ1人、静かに波止場で佇んでいた。

しかし、その表情は……いつものような深刻では無く、どこか優しげで、遠くを見つめている。

まるで何かを懐かしみ、思い出すかのように……

ショタ提督「………」

ショタ提督("ここ"には、数多くの思い出がある……それはもちろん、僕の記憶だけに留まらない……)

ショタ提督("想い"というものは、何も生物だけが持つものでは無い。誰かの手により生み出された無機物はもちろん……)

ショタ提督(……最初から存在していたものにも、想いは宿っていくのだから)

そう心の中で呟いた彼の目は、言葉では言い表せないものであった。

喜怒哀楽だけでは説明の付かない……複雑な思いが込められていて、どこか神秘的な眼差し。

まるで見る者全員を惹きつけるような、不思議な魅力がある。

ショタ提督「………」ギュッ

ショタ提督(……守らなければ。この地は……皆は……必ず、僕が守る。守ってみせる……!)


↓1朝風のコンマ       ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:18/--
↓3名取のコンマ       ----との---:49/-- 《-- リーチ --》
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:41/-- 《-- リーチ --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します
ただし名取が最大値の場合はEND開放が確定します

名取「や、やった……やったぁ……っ!最後の最後で、寝取りの汚名返上出来ました……!」ウルウル

グレカーレ「くっ……!ま、まだチャンスは残ってるもん!」

朝風(う、う~ん……私もゴールしたいけど、中途半端に出番が回って失恋しちゃうのは嫌だし……)













U-511「………」

U-511(……私だけ、置いてけぼり……ドイツの呪いって、ビスマルク姉さんで終わったんじゃないの……?)グスッ


今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
長らく寝取りと弄られ続けてきた名取が最終回でEND確定……こちらとしても感慨深いです。
次回からはしばらく回想パートが続きます。恐らく歴代で1番長い回想になるかと思います。プロットの時点で文字がギッチギチなので……
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

名取「………」

名取(……ダメ。どれだけ考えても、どうしても……分からない。後少しで、この違和感の正体を掴めそうな気がするのに……!)

姉妹達の心配を他所に、彼女は思考を巡らせ続けていた。

しかし、その答えは一向に見えてこない。どうしても真実に辿り着けないのだ。

名取「………」

名取(やっぱり、提督に尋ねるしか……無い、のかな……)

頼みの綱は彼しかいない。自力で答えを導き出せないのなら、後はもう……彼を頼るしか、術は無い。

しかし、彼は目に見えて思い悩んでいる。もしかすると、より一層彼を追い詰めてしまうかもしれない。

そう思っていた彼女は、どうしても一歩を踏み出せずにいた……これまでは。

名取「……っ」グッ…

名取(ごめんなさい、提督……こんな時に、訳の分からない相談を持ち掛ける私を、許して……)

名取(だけど、もう……無理なんです。心の中に靄がかかった状態で、見えない答えを探し続けるのは……無理、なんです……!)

彼女は……決心した。彼に、己が抱く違和感の謎を相談することを。

そして、あの時のフラッシュバック……その謎を、打ち明けることを。

名取「………」ガチャ…

名取(見覚えの無いはずなのに、提督は確かにそこにいた……だから、きっと……提督なら、何か知ってるはず……!)バタン…

名取「………」スタスタ…

彼女は静かに歩く。行き先はもちろん、彼がいる執務室。

途中、数人の艦娘達とすれ違い、彼女らから声をかけられるが……彼女は全て無視した。

決して意図的では無いのだが、今の彼女は……心の靄を取り除くことしか、頭に無かったのだ。

名取「………」スタスタ…

名取(提督……貴方なら、私の違和感を……取り払ってくれますよね……?)

ショタ提督「………」

ショタ提督(名取さん……)

同時刻。執務室にいた彼は、彼女の決心を……既に"把握"していた。

彼女が違和感と謎の正体を、自身に問いかけようとしていることを。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……これ以上、隠す訳にはいかないかもしれない)

彼女がもし、建造直後のように何も知らない状態であれば……彼はやはり、真実を話すことはしないだろう。

だが、今の彼女は……彼と深く交流したことで、真実のすぐ傍まで近づいているのだ。

そのような状況では、むしろ隠し通そうとした方が……彼女に不信感を抱かせてしまうこととなる。

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(……覚悟を決めろ、僕。ここから先は……"提督"としてでは無い。"50周目提督"として……)

そもそも、どうして彼は彼女らの心情を全て"把握"することか出来るのだろうか。

どうして視界にさえ入っていないはずの彼女らを、彼は"気がつく"ことが出来るのだろうか。

それは偶然でも勘でも、何でも無い。それにはれっきとした理由がある。

コンコンコン…

ショタ提督「……どうぞ」

ガチャ…

名取「……失礼します」

ショタ提督「……名取さん」

名取「今……良い、ですか……?」

ショタ提督「………」コクリ

ショタ提督(向こうも覚悟を決めた顔をしている、か……)

名取「……この前、一瞬だけ……目の前を、ある光景がよぎったんです」

ショタ提督「………」

名取「今まで、1度も行ったことが無いはずの場所で……私と提督が、一緒にいて……」

ショタ提督「………」

名取「それだけじゃ、無いんです……頭の中に、靄がかかっていて……その光景を思い出そうとすると、何も浮かばなくなっちゃって……」

ショタ提督「………」

名取「ずっと考えても……分からないんです。あの光景は、この靄は……何なのかが……!」

ショタ提督「………」

名取「……提督。今から凄く、変な質問をしますけど……真剣に答えて下さい」

ショタ提督「………」コクリ











名取「……私と提督は、ここでは無いどこかで……出会ったことが、ありませんか……?」


名取「そして……何か、大切なことがありませんでしたか……?」









ショタ提督「………」

名取「……あ、あれ?」

ショタ提督(……そこまで、"思い出そうと"してくれていたのか。やはりこれは、奇跡に違いない……!)

名取(大切な、こと……?私、何を言って……)

ショタ提督「……名取さん。いや……"ナトリ"」

名取「"ナトリ"……うぅっ!?」ピキ…ッ!

名取(い、今……頭と心の中に、何か……凄い衝撃が……っ!?)

ショタ提督「……今の名前、覚えているはずだよ。僕は何度も、その名前を呼んだから」

名取「うっ……うぅっ……!」

ショタ提督「………」

名取(あ、あぁっ……そう、だよ……!私は、前に……凄く、凄く……気が遠くなるほど、前に……提督と、出会って――――――)





















――彼の口から告げられた"ナトリ"と言う名。それは正しく……彼女の"本当の"名である。


――だが、彼女は長良型軽巡洋艦・名取。それ以外の名前など、存在しないはずではないだろうか?


――その答えは、彼と彼女の"記憶"……彼という"存在"と、彼らの邂逅に隠されている。


――彼は"己の記憶を思い出し"、彼女は"己に刻まれていたにも関わらず、失われていた想いを取り戻す"……


――特に、彼女が想いを取り戻すことが出来たのは……今の彼と親密になり、"共鳴"したからだ。


――彼は、自身が持つ最古の記憶……常人であれば、発狂してしまうほどに昔の出来事を思い浮かべる。

















































――――――――それは、天地創造される前……この世界全てが、文字通り"無"であった頃まで遡る。





























見渡す限り何も無く、暗黒に包まれた世界。否、暗黒や世界という概念さえ存在しない空間。

突き詰めて言えば、空間という定義さえ当てはまらないと言えるかもしれない。

そんな時間と空間が生み出される前の世界に……"その存在"は突然、その場に現れた。

「………」

その存在は、我々人間の言葉では説明することが出来ない。

姿形はもちろん、どのような存在であるかも定義出来ないだろう。

ただ、あえて我々が知る言葉で例えるならば――

(……新たな世界を作らなければ)

――"神"。

その存在は万物を司り、この無が支配する場に新たな世界を創造する為に姿を現した。

姿を現すと言うが、実際には我々に視認することが出来るかさえ怪しいだろう。

分かることはただ1つ。彼とも彼女とも言えないその存在は、この世界に意味をもたらす為に現れたことだけだ。

「………」

その存在は集中する。これから無の世界に、あらゆる万物を与えるのだ。

仮に、このまま事が進めば……この世界は、我々が住む現実世界とほぼ同じ世界となっていたことだろう。

だが、そうはさせまいと、その存在の行動を邪魔する者が現れる。

「――――ッ!」

「……?」

(何だ?どこからか、声が……おかしい。ここには誰も存在しないはず……)

否、既に"存在していた"と言った方が正しいだろう。

神でさえ"彼"の存在は予想外で、ある種"全ての元凶"とも言える人物がそこにいた。





















42周目提督「うがあああああああああああああああああああッ!!いつになたらビッグバンが起こるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!?」

「っ!?」

(ど、どうして生物がここに……!?)



















そう。場をかき乱すことに関しては右に出る者はいない……42周目提督である。

覚えているだろうか?彼は1度、自力でタイムマシンを開発し、起動したと同時に"遥か遠くの過去へ飛ばされた"ことを。

42周目提督「株や競馬でボロ儲けしようとしてただけなのに!何でこうなっちまうんだよおおおおおおおおおおおッ!!」

42周目提督「気がついたら真っ暗闇って時点でアレなのにさぁ!何十年何百年何万年何億年何兆年!いやそれ以上待っても一向にビッグバンが起こらないってどう考えてもおかしいだろうが!?」

42周目提督「流石の俺でも我慢の限界なんだよッ!!とっとと爆発して宇宙作りやがれやゴルァアアアアアアアアアアアッ!」

彼はあろうことか、この世が創造される前に遡ってしまい……以後、気が遠くなるほどの時を待ち続けたのだ。

いつかはビッグバンが発生し、そのまま時の流れに身をゆだねていれば元の時代へ追い付くはず……彼はそう考えていた。

ところがどれだけ待っていてもビッグバンはおろか、爆発の予兆さえ感じられない。そのことにイライラを感じていた彼は、ついに我慢の限界を迎えた。

(そ、そんな!?ここは生物が生存出来るような環境では無い!それ以前に物質さえ存在不可能であるはず……)

このような異常事態は、流石に神とも呼べるその存在も想定外であったのだ。

目の前で怒り狂う42周目提督の姿に、その存在は驚愕して呆然としていた。

そして42周目提督は、怒りのままにとんでも無いことをしでかしてしまう。

42周目提督「畜生!こうなったら俺が直々にビッグバンを起こしてやるッ!!」シュバババババッ!

(どこからともなくミサイルや爆発物を取り出した!?そんな物をどこに、どうやって隠し持って……いやそれより先に彼を止めなければ!)

焦ったその存在は咄嗟に彼の精神に干渉し、怒りを鎮めようとする。しかしその行動がまずかった。

「ッ!?」

(な、何だこれは!?思考が支離滅裂で何を考えているか分からない!?)

42周目提督「むっ!?俺様の心に語り掛けてくる奴は誰だ!?」

(しまった!気がつかれてしまった!?)

42周目提督「誰かは知らねえけどなぁ!邪魔するっつーなら容赦しねーぞ!うおりゃあああああああああああああああっ!」ブンッ!

バシィッ!!

「はぐっ!?」

42周目提督は何と、いつの間にか手に持っていたハリセンで、その存在を力任せに叩いてしまう。

するとその存在は、想定外の"力の相互反発"を受けてしまったことで暴走し……

「うぅっ……ぁ、ぁぁぁぁああああああああああああッ!!」カッ

42周目提督「へ?」









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42周目提督「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああッ!?」ヒュウウウウゥゥゥゥ…ッ!



その存在は2つに分かれて破裂してしまい、その余波でビッグバンが発生してしまう。

更にこの出来事がきっかけで宇宙が誕生し、何も無い世界にあらゆる物を与える結果となった。

この世のものとは思えないほどの大爆発をまともに受けた42周目提督は、遠い宇宙のどこかへ凄まじい速度で吹っ飛んでしまう。

尤も、彼はその後何とか地球に辿り着くことになるのだが、それは今語るべきことでは無い。

それ以上に問題なのは、2つに分かれてしまい破裂してしまった存在である。

"自身の力を持ち、尚且つ暴走した力を直撃させられた"その存在は、2つに破裂する際に己の力を各地へばら撒いてしまった。

厄介なのは、ただばら撒いてしまっただけでは無い。空間と同時に、時間さえ超越してばら撒いてしまったのだ。

己の力を失ったその存在2つは、自身の存在が不明瞭なものとなってしまい、そのまま意識さえ取り戻せなくなってしまう。

そのまま気が遠くなるほどの時間が経過し、その存在が再び目を覚ますまで……永い永い眠りにつくこととなる。

実に100億年以上もの間、その存在は力を失ってしまった影響で眠り続けていた。

だが、失ってしまった分の力は……新たに生まれた生命から分け与えられ、徐々に不明瞭だった存在が元の状態に戻ってゆく。

そして人類が誕生。そこからある程度の進化を重ね、彼らの外見が現代の人間とそれほど変わらなくなってきた頃のことである。

「……ぅ」

名取?「あっ……!」

グレカーレ?「よ、良かった……生きてるみたい……!」

朝風?「見たところ、怪我は無いみたいだけど……」

U-511?「……っ」オロオロ

(ここ、は……それに、"僕"は一体……)

ついに"彼"は、およそ100億年振りに意識を取り戻したのだ。

しかし、2つに分裂してしまった上に、己の力をばら撒いてしまった為……彼の自身の存在や役目に対する認識が消失してしまっていた。

それでも、生命が宿すエネルギーを受け取り続けた結果……彼は何とか、その姿を具現化させることが出来るほどに回復した。

「……えっと、貴女達は……?」

名取?「だ、大丈夫……?」

グレカーレ?「どこか痛いところは無い!?」

彼の目の前には、4人の少女が顔を覗かせていた。それぞれが名取、グレカーレ、朝風、U-511と非常によく似ている。

尤も、彼女らと違い……目の前の4人は全員が黒髪であり、艦娘では無く原始人なのだが。

「……う、うん」

朝風?「ふぅ……一先ずは安心ね」

U-511?「……どうして、ここに倒れていたの?」

「倒れて……?」キョロキョロ

(……浜辺?僕は、どうして……ここに……?)

彼は姿が具現化しているものの、まだ全快には程遠い。故に自身が置かれている状況を正確に把握することが出来なかった。

彼は少年の姿に具現化しており、服装も提督が着用する白い服だ。これは意識を失う直前、42周目提督の精神に干渉したことが原因である。

記憶が消失してしまっている彼だが、姿を具現化する際、無意識の内に42周目提督と類似する姿を反映したのだ。

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
回想パートはまだまだ続きます。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

21:30~23:00頃開始予定です。

始めます。

名取?「……もしかして、自分のことが分からないの?」

「自分の、こと……」

グレカーレ?「うん。お名前とか、どこから来たのか、とか……」

「……分からない」

朝風?「……!」

「分からない……何も……」

U-511?「もしかして……倒れてた時に、覚えてたことを忘れちゃったの……?」

「………」

名取?達「………」ジー…

名取を始めとする艦娘と似た容貌の彼女達は、彼のことを心配していた。それと同時に……不思議な感覚を抱いていた。

彼を見ていると……胸の奥が温かくなっていく。初対面であるはずなのに、長年共に過ごしたかのような安心感が芽生えるのだ。

名取?「……あの」

「……?」

故に彼女らには、彼のことを見捨てるという選択肢等無かったのだ。

右も左も分からないであろう彼を、何とかして助けたい。そう考えた彼女らは……

名取?「……私達の住処に、来る?」

「……すみか?」

グレカーレ?「あっ、それ良いかも!」

朝風?「私も同じこと考えてたわ!」

U-511?「……賛成」

彼を保護し、自分達が住む居住地へ連れて行くことにしたのだ。

彼の記憶が蘇るまでを共に過ごす。危険があれば、自分達が彼を守る。

名取似の少女がそう言うと、残りの3人も即座に同意した。文字通り、"以心伝心"である。

グレカーレ?「君も、それで良い?」

「………」

朝風?「……えっと、聞いてる?」

「……あっ、僕のこと……?」

U-511?「……名前が分からないの、ちょっと困るかも」

グレカーレ?「うん。近くにいる時はまだしも、遠くから声をかける時に何て言えば……」

「………」

彼自身は記憶を失っているが、元より彼に名は存在しない。

以前は神、現在は2つに分裂し、その存在が弱まっている状態である彼に……名付け親がいるはずが無い。

名取?「……"50周目提督"」

「……"50周目提督"?」

だが、そんな名無しの彼に……名取似の少女は、自らが考えた名を与えようとする。

グレカーレ?「何それ?」

名取?「えっと、この子の名前……」

朝風?「貴女が考えたの?」

名取?「………」コクリ

「僕の、名前……」

U-511?「……良いと思う」

グレカーレ?「うんうん!呼びやすいし、この子の感じに合ってる!」

名取?「……ダメ、かな?」

「………」

(僕の名前を、考えてくれたんだ……ん、何だか、体が少し軽くなったかも……)ギュッ

彼女らの、自身を思いやる"気持ち"が……そして、初めて与えられた"名"が……彼の身に染み渡ってゆく。

同時に、先程まで不安定だった彼の存在が……僅かに安定する。彼は無意識ながら、それを"体感"した。

「……50周目提督。僕は、50周目提督……50周目提督……」

その名を噛み締めるかのように、何度も復唱する。その度に、身体が温かくなり……奥から力が湧いてくる。

ショタ提督「……うん。僕の名前は、50周目提督……ありがとう。えっと……」

名取?「え?あっ……ごめんね?私達、まだ……名前、言ってなかったよね……?」































ナトリ「私は"ナトリ"。よろしくね……?」



グレ「私は"グレ"よ!」



アサカゼ「私は"アサカゼ"。よろしく、50周目提督!」ニコッ



ユー「……"ユー"、です」



――これが、彼と彼女らの……正真正銘、初めての出会いだった。


――そして同時に、彼がこの先名乗ることになる"名"が与えられた瞬間だったのだ。





























彼は記憶が朦朧とする中、しばらく彼女達と生活を共に過ごすこととなった。

当然、何も分からない彼が出来ることは少なく、彼女らに世話をしてもらう日々を送っていた。

ショタ提督「……これ、は?」

ナトリ「えっと、木の実って言うんだけど……美味しいよ……?」

グレ「私達が集めてきたの!」

ショタ提督「………」ジー

アサカゼ「そんなに怖がらなくても大丈夫よ」

ユー「いつも、私達が食べてるから……」

ショタ提督「………」スッ…

ショタ提督(あっ……)

彼が、彼女らが集めて来てくれた木の実に触れる。するとその瞬間、彼女らと出会った時のように……温かい"気持ち"が流れ込んでくる。

木の実に込められた"元気に育とうとする想い"と、彼女達の"提督に美味しい物を食べてもらいたい想い"。

この2つが、彼の胸に、心に……否、"存在そのもの"に染み渡ってゆく。

ショタ提督「……はむっ」

ナトリ「……どう、かな?」

ショタ提督「………」ムグムグ

ショタ提督(口の中に、甘くてみずみずしい感覚が広がっていく……これが、"美味しい"ということ……?)

木の実を口に含み、伝わる気持ちと共に優しい味を舌と肌で味わっていく。

彼は本来、人間と違い飲食の必要は無い。しかし、彼は無意識ながら……確かに感じていたのだ。

ショタ提督「……美味しい」

ナトリ「本当……?良かった……喜んでもらえて……」ニコッ

ショタ提督「………」ギュッ

ショタ提督(また、胸の奥が温かく……?)

木の実から、そして彼女達から……人が抱く"善意"を。優しくて、温かい気持ちを。

もちろん、食べ物を食べることだけが生活ではない。

時間の許す限り、彼と彼女らが交流し……触れ合うことも生活の1つだ。

ショタ提督「………」スタスタ

ナトリ「わぁ……♪今日も明るくて、見晴らしが良いかも……!」スタスタ

ショタ提督(……感じる。ナトリから、温かさを……)

彼と彼女は住処の周辺を散歩していた。無論、誘ったのは彼女の方だ。

明るい日差し、漣の音を静かに奏でる海、生き生きと生い茂る植物……正しく、生気に満ち溢れた場所だ。

彼はこの場に立っているだけでも、その生気を……活力に満ちた生き物のエネルギーを、受け取っていく。

ナトリ「……あっ」

ショタ提督「……?」

ナトリ「この植物、枯れちゃってる……かわいそうに……」スッ…

ショタ提督「……!」

ショタ提督(今、胸の奥が……締め付けられたような感覚が……)

彼女は、枯れてしまった花を見つけ……悲しい気持ちを抱く。

すると、その想いは彼に流れ込み……いつもと違う"感情"が流れてきたことで、彼は僅かに動揺する。

ナトリ「………」シュン

ショタ提督(何故か分からないけど……嫌だ。ナトリが、こうしているのを見るのは……僕も、同じ感じになってしまう……)

ショタ提督「………」スッ…

ナトリ「……50周目提督?」

ショタ提督(……感じない。生きようとする想いを、活力を……つまり、この植物は……"死んだ"……?)

ショタ提督(……嫌だ。このままでは、ナトリがいつもの顔に戻らない……何とか、しなければ……!)カッ

パァァ…ッ!

ナトリ「あっ……!」

彼は無意識の内に……己の力を、枯れた植物に注いだ。

2つに分裂してしまっている上に、力をばら撒いてしまった為、以前ほどの能力や効果は無い。

だが、それでも……1つの枯れた植物に生気を宿すには、十分の力だった。

ナトリ「枯れた植物が……また、元気になって……!50周目提督、今の……どうやったの……!?」

ショタ提督「……分からない。ナトリの、さっきの顔を見たくないと思ったら……こうなって」

ナトリ「私の、さっきの顔……それって、悲しんでる私を励まそうと……?あっ……!」

ナトリ(あ、あれ……?心の中が、温かくて……フワッとする……)ギュッ

その力に反応したのは、枯れていた植物だけでない。

傍にいた彼女もまた、彼と"共鳴"し……心が温かい気持ちで満たされてゆくのを感じていた。

そんな日々を過ごしていく内に、彼や彼女らに心境の変化が表れていく。

彼女達から、人の"優しさ"……言い換えれば、"善意"を注がれ続けてきた。

特にナトリとは多くの時を共に過ごし……彼の中でも、彼女の存在は大きくなっていた。

ナトリ「はぁ……はぁ……っ!」

グレ「ナトリ!しっかりして!」

ショタ提督「………」

ある時、ナトリが体調を崩してしまう。それも、誰が見ても症状が重いと分かるほどに苦しんでいた。

アサカゼ「ずっと休んでいても、熱が下がらないなんて……」

ユー「ど、どうしよう……」アセアセ

ナトリ「うぅっ……」

ショタ提督「……ナトリ」

ナトリ「ご、50周目提督……私なら、大丈夫だから……」ニコ…

ショタ提督「……っ」ズキッ

ショタ提督(そんなはず、ない……ナトリからは、苦しんで辛いという気持ちが伝わってくる……これは、ただ事じゃない……!)

彼は無意識の内に、彼女の容態の重さを感じ取っていた。

同時に、このままでは……その命の灯火が消えてしまうことも、分かってしまったのだ。

ショタ提督(……嫌だ。このまま、ナトリが目の前で苦しんで……"死んでしまう"だなんて、そんなの……嫌だ……!)スッ…

ナトリ「……?」

ショタ提督(ナトリは……僕が助ける。このまま、苦しませたりはしない……!)カッ…!

パァァ…ッ!

ナトリ「……!」

ナトリ(あ、れ……?熱さと辛さが抜けていって……体が、軽くなっていく……)

グレ「……あれ!?熱が下がってる!」

アサカゼ「本当……そんな、こんなことって……!」

ショタ提督「………」

ナトリ「……50周目提督、もしかして……貴方が……?」

ショタ提督「……うん。僕、苦しむナトリを助けたかった。それだけじゃない。ナトリが死んで、離れ離れになるのが……嫌だった」

ショタ提督「どうしてかは、よく分からないけど……とにかく、嫌だった。そう思ったら、手が動いて……」

ショタ提督「そして……ナトリが助かったことが分かると、胸の奥が……いつもより、凄く温かくなったんだ……!」

ナトリ「………」ギュッ

ナトリ(50周目提督……私の、為に……)

彼はまた、己の力を無意識の内に行使し……彼女の病を、見事完治させたのだ。

本来であれば、彼女は助かることはなかった。だが、彼の干渉により……彼女の命は救われることとなったのだ。

このようなことが可能となったのは、彼が彼女達から"善意"を注がれたことで……以前より、その存在の安定が強まったからだ。

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(僕が触れた生き物は、生気と活力で満ち溢れるようになる……もしかして、僕には……そんな力が……?)

彼はこの時点で、生物に対して己の力が有効であることを理解した。

同時に、彼女達から"感謝"の気持ちを与えられたことで……彼はこの力を使い、他の生物を元気にする為に活用しようと決めた。

そして、彼と彼女達は更に多くの時を共に過ごし……数年の月日が流れた。

未だ己の存在に対する認識が完全に戻っていない彼にとっては、その時間は自らの想いを募らせるのに十分過ぎた。

そしてそれは、彼だけでなく……彼女にとっても、同じであったのだ。

ザザー… ザザー…

ショタ提督「………」

ナトリ「………」

日が沈み、辺り一面が暗くなってゆく。そんな中、彼と彼女は……2人静かに浜辺に座り、夕焼け空を眺めていた。

そして同時に、彼は己が抱く気持ちについて考えていた。時が経つにつれて膨らんでいく、この想いの正体を。

ショタ提督「………」

ナトリ「……大丈夫?」

ショタ提督「……え?」

ナトリ「ずっと、上の空だったから……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(やっぱり、そうだ……ナトリと一緒にいる時や、ナトリの顔を見ている時……いつものような温かさではなく、胸が熱いと感じる……)

ナトリ「………」

ナトリ(……まだ思い出せないことを、不安に思ってるのかな。私には……見ているだけしか、出来ないのかな……)

ナトリ(目の前で、50周目提督が困っているのに……私を、助けてくれたのに……!)

彼女も彼と共に過ごし……彼に特別な感情を抱いていた。そして、彼とは違い……その感情の意味を理解していた。

しかし、彼女から見れば……彼がそれどころではないことは、分かっている。

ナトリ「……私がいるから」

ショタ提督「……!」

ナトリ「不安になったり、怖くなっちゃったりしても……私達が、いつも傍にいるからね?」

ショタ提督(……ナトリ)

彼女は、自分の気持ちを伝えるより先に……彼が記憶を取り戻すことを優先した。

自分が想いを告げることで、彼に負担をかけたくないと考えていたのだ。

ショタ提督「……うんっ」

ショタ提督(……ナトリはいつも、僕のことを考えてくれる。そして、温かい気持ちを注いでくれる……その度に、胸の奥の熱が込み上がって……)

しかし、彼女のその心遣いが……彼が抱く、彼女への気持ちに火をつけることとなる。

我々の感覚で言う、親友と呼べる程に親しくなったグレやアサカゼ、ユーとは違い……彼は、ナトリに対して……

ショタ提督「……ナトリ」

ナトリ「……何、かな?」

ショタ提督「僕、実は……さっきから、胸の奥が……凄く、熱い」

ナトリ「胸の奥が……?」

ショタ提督「うん。こうして、ナトリと一緒にいる時や……ナトリが僕のことを、考えてくれている時……凄く、凄く……熱くなる」

ナトリ「……!」

ナトリ(そ、それって……!もしかして、この子も……私のことを……?)

ショタ提督「……分からない。この胸の熱は……何……?ナトリのことを考えれば、考えるほどに……熱くなっていって……」ギュッ

ナトリ「……それはね?」スッ…

ショタ提督「……?」

ダキッ…

ショタ提督「あ……」

ナトリ「……こういうこと、だと思う」ギュッ

ショタ提督「……温かい」ギュッ

ナトリ「それは、体?それとも……胸?」

ショタ提督「……両方。ナトリから、温かさを感じて……胸の奥にも、温かさが伝わってくる……」

ナトリ「そっか……私も、同じだよ」

ショタ提督「同じ……?」

ナトリ「貴方のことを考えると、胸がドキドキして……貴方の顔を見ると、嬉しくなって……」

ショタ提督(……同じだ。僕と……)

ナトリ「……一緒に過ごす内に、貴方のことが……好きになっちゃったみたい」ギュッ

ショタ提督「"好き"……?」

ナトリ「うん、好き。大好き……ずっと、一緒にいたい……この温かさを、ず~っと感じていたい……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(……そう、か。やっと分かった……これが、胸の熱の正体……僕は、ナトリのことが……"好き"なんだ。きっと、いや、絶対……そうに、違いない……!)

ショタ提督「……僕も」

ナトリ「……?」

ショタ提督「僕も、ナトリのことが……好き」

ナトリ「……!」

ショタ提督「ずっとこうしていたい……僕も、ナトリと一緒にいたい……!」

ナトリ「……嬉しい。凄く……すっごく、嬉しいよ……!」ギュッ

ショタ提督「……うん」ギュッ

ナトリ「えへへっ……私達、両想いなんだよね……?」

ショタ提督「両想い……?」

ナトリ「こうして、お互いが相手の傍にいたいと思うこと。それだけじゃない……相手のことを考えると、ドキドキすること……だよ」

ショタ提督「……じゃあ、両想い。僕とナトリは、両想い……」

ナトリ「……うんっ」

ショタ提督「……温かい」

ナトリ「私も……」

ショタ提督「………」ギュッ

ナトリ「………」ギュッ

ショタ提督(あぁ、伝わる……ナトリから、今までにないほどの温かい気持ちを……!体の奥から、力が湧き上がってくる……!)

……恋愛感情を抱いていた。ナトリを1人の女性として、好意を抱いていた。

彼は本来、人間に対して……恋愛感情を抱くことはない。

だが、今の彼は己について認識が曖昧となっている。言わば普通の人間と近い感性を持っている状態だ。

故に、彼は自分のことを大切に考えてくれて、最大限の優しさで包んでくれた彼女を……愛してしまったのだ。

だが、問題は無い。神……今は神とは呼べない存在だが、それに準ずる者と人間が恋し合ってはいけない等、誰が決めただろうか。

彼と彼女は、互いに相思相愛となり……彼女の寿命が尽きるその時まで、共に歩み続けてゆく――


























――そうなるはずだった。しかし、運命の歯車は……既に狂い始めていたのだ。



――その狂いが……"彼女"が、彼と彼女に……容赦無く牙をむくこととなる。
























今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:00~23:00頃開始予定です。

始めます。

話は数年前……彼が浜辺で目覚め、彼女らに保護されたところまで遡る。

既に述べたが、"その存在"は42周目提督により2つに分裂させられてしまっている。

彼が目覚めたということは……もう片方の存在も、意識を取り戻すことは予想出来たことだろう。

しかし、もう1人の"彼"……否、"彼女"は……運命の歯車の狂いによるしわ寄せを、とてつもなく受けてしまったのだ。

「……ん」

(ここは……どこ?それに、私は……一体……)

彼女は、彼との分裂の果てに具現化された存在。故に、彼とは"同一の存在"と言える。

しかし彼女は、彼とは対照的に……少女の姿をしていた。理由はもちろん、42周目提督への精神干渉による影響だ。

彼は42周目提督自身の姿を参考としていたが、彼女は42周目提督の記憶にある……潮と羽黒の姿を、無意識の内に再現した。

よって、彼女は潮と羽黒を足して2で割ったような外見をしていた。それが後々、彼女に不幸をもたらすこととなる。

だが、彼女には既に危機が迫っていた。目が覚めた場所は森。猛獣等が数多く生息している地だ。そんなところに丸腰でいれば……その後の末路は想像に難くない。

「グルル……」

「……え?」

(な、何……この、大きい生き物は……?)

「……グワアアアアアアアアアアッ!」

「こ、こっちに来た!?いやっ、来ないで!?ひゃああああああああああああっ!?」

猛獣にとって、人間は良い餌だ。そして武器を持たない人間が、突然襲い掛かってきた猛獣に勝つことなど出来るだろうか?

答えは否。彼女は無残に猛獣に襲われ……その身を噛み千切られ、貪り食われることとなる。

「グルルルルッ!グワアアアアッ!」

「嫌ああああっ!?痛い!?やめっ、やめてええええええええええっ!?」

だが、彼女は人間ではない。どれだけ痛めつけられたとしても、その傷は瞬く間に回復する。

更に、血しぶき等が飛び散ることさえ無い。傍から見れば、猛獣が人型の玩具にじゃれ付いていると言えなくもないだろう。

しかし、今の彼女の認識は人間のそれと変わらない。故に、彼女にとっては噛み殺される痛みが延々と続くこととなる。

それでも、やはり元が神である為、通常の人間とは違い精神崩壊を引き起こすことはない。

だが、その肉体及び精神に与えられる苦痛は決して無視出来るものではなく……

「ガアアアアアアアアッ!グルルルルルルルルッ!」

「嫌……嫌ぁ……っ!」

(顔を食べないで……腕を引き千切らないで……!お腹を抉らないでぇ……っ!)

グサッ!

「ギャアッ!?」

「うぅ……え?」

グサッ! グサッ! グサッ!

「アガァ……ッ……!」

(な、何が起こったの……?)

彼女が痛みと混乱に取り乱していると、突如猛獣に向かって何かが投げ付けられる。

そして無残に猛獣の体中に刺さっていく。しばらくすると、猛獣が痛みと出血で動きを鈍らせていく。

「グルゥッ……」ピクピク

「……!」

(あれは……私と同じような姿をしてる人達が……もしかして、私を助け……)

彼女は、少し離れた位置にいる者が自分のことを助けてくれたのだと考える。

しかし、その期待は一瞬にして裏切られることとなってしまう。

グサッ!

「はぐっ!?」

グサッ! グサッ! グサッ!

「ど、どうして……うぐっ!?い、嫌っ!やめ……うぁっ!?」

猛獣の息の根を止めた何か……石槍が彼女の身体を貫いていく。

石槍を投げる者……狩りをする原始人達は、まだ猛獣を仕留めたと考えていない。

同時に、猛獣と比べて小さい彼女の体が見えておらず……彼らは容赦無く石槍を投げ続けた。

その結果、彼女の身体のいたるところに石槍が刺さることとなった。

無論、石槍が刺さったと同時に石槍は消滅し、彼女の傷も完治する。だが、それでも彼女にとっては耐え難い苦痛に変わりないのだ。

(こ、ここから逃げなきゃ……でないと、ずっと痛い目に遭わされる……!)ヨロヨロ

彼女は震える手足で、体中を石槍で貫かれながらも、何とかその場から遠ざかることに成功した。































――――――だが、彼女の苦しみはまだ終わらない。否、まだ始まったばかりなのだ。





























「はぁっ、はぁっ……!」

彼女は飲まず食わずで、汗と土で汚れた身体を動かして……眠ることさえせず、走り続けていた。

飲食・睡眠・その他休息等を一切必要としない存在でも、今の彼女は己に対する認識が人間と同等である。

そのような状況で、こんな無茶を続けていれば……彼女の精神は疲労困憊していく。

「ぜぇ……ぜぇ……ここ、は……?」キョロキョロ

無我夢中で走っていた彼女は、気が付けば見知らぬ土地へと辿り着いていた。

少なくとも、獰猛な野生生物と殺意に満ち溢れた人間に襲われた場所ではない。

「………」ヘナヘナ

彼女は一先ず安全を確保出来たと考え、ようやく警戒を解き、その場に座り込む。

本来であれば、体力の概念等存在しない彼女だが……今だけは、ボロボロの身体を休めなければと思っていた。

「………」キョロキョロ

(周りに、何もいない……これなら、大丈夫……よね……?)

辺りは既に暗闇で覆われている。これ以上、無暗に移動したとしても迷ってしまうだけだろう。

彼女はそう結論付け、その場で仰向けとなり、静かに目を閉じる。

(……日が昇ったら、もう少し安全そうな所へ行かないと……)

例え睡眠が不必要な存在だとしても、意識を休ませることは出来る。

だが、彼女の選択は間違っていた。闇夜に紛れていた上に、己の認識が朦朧としていた彼女は見逃してしまったが……

原始人A「あれは……女、か?」

原始人B「……みたいだな」

彼女を舐め回すように見ていた、人の皮を被った野獣が近づいていたことに……

しかし彼女は、身体を休めることに意識を集中させていた。故に彼らの接近を察知出来なかったのだ。

彼女はそのまま彼らに拉致され、住処まで運び込まれる。無論、それだけで済むはずがなく……

原始人A「はぁはぁ……」

「んっ……ぁ、え……?」

(何だか、身体が……おかしような……)

原始人B「早くしろよ」

原始人C「次は俺だぞ」

原始人A「分かってるよ!いいから黙ってろ!」

「……っ!?」

(えっ、こ、これって……嫌っ!嫌ぁっ!?)

例え汚れだらけで、ボロボロだったとしても……彼女の容姿は間違いなく美少女に分類される。

そんな彼女が、現代人よりも本能のままに行動する原始人に見つかれば……こうなることは確実だった。

「や、やだ……!やめっ……!」

原始人A「ん?目が覚めたのか?」

「あっ、あぁっ……!嫌……っ!」

原始人B「どうせならそのまま眠ってくれてた方が良かったんだがな」

原始人A「関係無い。このまま犯すだけだ」

「やめてっ……!お願いだからぁ……!」

彼女の肉体を堪能する原始人。当然、そこに愛情等は無く、あるのは醜い欲望だけ。

彼女が必死にやめてほしいと訴えたところで、猿と化した彼らの耳に届くはずがない。

原始人A「んくっ……!」

「うぅっ……どうして……どうしてぇ……!」ポロポロ

原始人C「よし、交代だ!」

無論、今の彼女はどれだけ性行為をしたとしても……本人が望まない限り、妊娠することはない。

だが、それを忘れてしまっていた彼女は……目の前が真っ暗になった。汚らわしい男達の欲を何度もぶつけられ、そのたびに――

原始人D「お前は女なんだ……!俺達の子孫を産んで、増やしてもらわなきゃな……!」

「ぐすっ……うぅっ……!」ポロポロ































――――――計り知れない絶望が、彼女の精神を蝕んでいき……同時に、彼女の目から涙が溢れ出していった。





























原始人B「あースッキリした!明日もこいつでヤろうぜ!」

原始人A「だけど生かしておくとなると、その分の食料も必要だぞ?」

原始人C「こいつに取らせればいいだろ。誰が奴隷の為の飯なんざ調達するかよ」

原始人D「それもそうだな!」

スタスタ…

「………」ピクピク…

(……どう、して……私が、こんな目に……)

彼女の目には光が宿っていなかった。その瞳の奥は、ドス黒い闇で澱んでいた。

だが、彼女の絶望はこの程度では終わらない。心無い男達に犯された翌日、彼女は無謀な狩りへと連れ出されていた。

原始人「ほら!とっとと歩け!」ガッ!

「うっ……」

原始人「ここで適当に狩りをして、自分の飯くらい何とかしろ!」

「………」

原始人「何だ?逆らうのか?それとも逃げようと企んでるのか?」

「………」

原始人「この辺りは俺達の狩り場なんだ。変な気を起こそうとしたら、すぐに仲間を呼んでお前を犯すからな」

「……どうせ私が言う通りにしても、後で……昨日のようにする気でしょう?」

原始人「当たり前だ。お前の体、最高に気持ち良かったからな!」

「………」ジワッ

(酷い……私、何も悪いこと……していないのに……)

助けを求めようとしても、周りには敵しかいない。自分1人で立ち向かおうにも、あんな大人数の男に敵うはずが無い。

彼女は彼らの言う通りにせざるを得なかった。そこから先は、彼女の地獄のような日々が続いてゆく。

「ガルルルッ!ガアアアアアアッ!」

「かはっ……!うぐっ……!」

ある時は、無謀な狩りのせいで猛獣に襲われ、その身を噛み千切られる。

それで絶命することが出来れば、どれほど楽だったことだろう。

だが、どれほどの傷も瞬く間に全快する彼女にとっては、延々と苦痛が続いてしまう。

原始人「1つも取れなかっただと!?まさか俺達の飯をあてにしてるんじゃないだろうな!?」

「そんな、つもりじゃ……」

原始人「うるせえ!だったら今日は飯抜きで俺達に犯されてもらうからな!」グイッ

「うぐっ……!」

(目の前の人達は、何かを口にして……私は、それさえ与えられず……ただ、体を汚されて……)

ある時は、ロクに食料を得ることすらままならないまま、飲まず食わずで強姦される。

それだけではない。彼らは彼女を人として扱わず、性奴隷としか見ていなかった。

彼女に人権等存在しない。ただ強姦されるだけでなく、彼らの機嫌次第では……

原始人達「糞ッ!お前のせいで俺達まで飯抜きじゃねえか!!」バキッ!

「あうっ……!?」バタッ

原始人達「せめてお前が食い物を取っていれば、それでしのげたかもしれないのに……っ!」グイッ

「く、苦し……っ!私のせいに、しないで……っ!」

原始人達「俺達に口答えするなッ!!」バキッ!

「かはっ……!?」バタッ

ストレスの捌け口として、サンドバッグのように暴行を加えられることも多かった。

どれだけ「やめて」「嫌だ」と叫んでも、彼らの心に……彼女の心情が届くことは無い。

否、むしろ……彼らの醜い欲望ばかりが……"穢れを知らなかった"彼女に注がれてゆく。

「……っ」プルプル

(最低な、人達だ……いつも、私に……酷いことばかり、して……今だって、私のことを……汚すことしか、考えていない……)

(それだけじゃない……イライラしたり、何か気に入らないことがあれば……私を、殴って……蹴りつけて……っ!)































――――――そんな日々を過ごす内に、彼女の心には……人の"悪意"ばかりが植え付けられていき、彼女自身も……歪んでいった。





























あれから何年経過したことだろう。彼女は強姦され、猛獣に身体を食い千切られ、暴行される日々が当たり前となっていた。

最初は事あるごとに絶望していたが、いつしか……彼女は常に濁った目で、何もかもを諦めていた。

途中、彼らが狩り場を移動したり、住処に集う原始人が入れ替わったりもしたが……不幸なことに、彼女を労わる者は誰1人いなかった。

「………」

原始人A「はぁっ、はぁっ……こいつ、最近何も喋らないな」

原始人B「下手に反抗されるよりはマシじゃないか?」

原始人A「それもそうだな。この体をずっと使えると思うと興奮するぜ!」

「………」

だが、彼女は気がついていなかった。全てに希望を見失っていた彼女であったが……

「………」ギロッ

原始人A「……ん?」

原始人B「どうした?」

原始人A「いや、こいつ、こんな真っ赤な目してたっけか?」

彼女には……"その存在"には、彼らや猛獣達の欲望と憎悪……"悪意"が注ぎ込まれ続けていたことに。

それだけでは無い。彼女は、己を支配する"絶望"と、その身に植え付けられた悪意に侵食され……

「……す」

原始人AB「は?」

「……す……す……」

原始人A「な、何だよ?」

原始人B「全然聞こえねえぞ?言いたいことがあるならはっきり言えよ」

彼女の心は……既に限界を超えていたことに。そして、悪意と絶望が入り交じり、今にも破裂寸前だった彼女の"感情"が……































「お前達、全員……皆殺しにしてやる……ッ!!」


原始人AB「ッ!?」


――――――今まさに、大爆発を起こしてしまったことに。





























一瞬であった。彼女の溜め込んだ怒り、憎悪、絶望……その全てが、この一帯に拡散した。

「はぁはぁ……」

原始人A(骨)「」ガラガラ…

原始人B(骨)「」ガラガラ…

その他原始人達(骨)「」ガラガラ…

「……は、ははっ。凄い……急に胸の奥からドス黒い感情が込み上がってきて、それに身をゆだねたら……憎くて仕方なかった奴らが、亡骸に変わり果てるなんて……!」

それが直撃した原始人達は、彼女の膨大な絶望に飲まれ……その命が即座に散ることとなった。

「………」キョロキョロ

(いや、こいつらだけじゃない。よく見ると、周りの動植物も……)

骨×大量「」ガラガラガラ…

周囲は地獄絵図と化していた。動物は肉さえ残らず骨となり、植物は真っ黒に変色し、全てが朽ち果てていた。

この光景を見て、彼女は……確信した。自分には、生物や無生物を問わず……全てを破壊する力が宿っているということに。

否、正確には……彼女が本来持っていた力が、人の悪意に染められてしまったことで……このような力に変異してしまったのだ。

「……ははっ。あははっ……あははははっ!」

(そう……そうよ……!この世を生きている奴らなんて、どいつもこいつも……汚らわしくて、醜くて、最低で……ゴミのような奴ばっかり……!)

(私だって、ずっと酷い目に遭わされてきた……!どいつもこいつも、人間も動物も……みな存在価値など無い。あるとすれば、醜くて反吐が出る憎悪と欲だけ……!)

そして彼女は、最悪の存在と化する。彼らのせいで、本来であれば宇宙に生を与えるはずの存在だった彼女が……

(だからこそ、私が……全部、ぶっ壊してやる……!1人残らず、欠片も残さず……滅ぼしてやる……ッ!!)

この世の全てを憎み、滅ぼす存在となってしまう。今や彼女に、かつての面影は無い。

目は怒りで赤く染まり、身体は絶望で黒く染まり……肌は"無を望む"かの如く、真っ白となっていく。

彼女の姿が変貌を遂げた、まさにその時……彼女は、ある"少年"と少女達を見つける。

「……ふふっ」

(ちょうど良い。手始めにあいつらから滅ぼして…………ッ!?)

そして、彼女は衝撃を受ける。人間は滅ぼすべき醜い存在としか思っていなかった彼女にとって、少年と少女達の様子は……あり得ない光景だったのだ。

グレ「そっかそっかぁ。2人が夫婦になるとはね~!」

ショタ提督「………」ニコ…

ナトリ「えへへ……♪」

アサカゼ「それで子供はいつ作るの?」

グレ「あっ!それ私も気になる!」

ショタ提督(……子供?)

ナトリ「ふえっ!?そ、それは……///」モジモジ

ユー「あ、アサカゼ……!それにグレも……!」アセアセ

アサカゼ「あははっ、ごめんなさい」

ナトリ「え、えっとっ……いずれは、その……///」モジモジ

ショタ提督「……?」

グレ「……50周目提督、もしかして……意味、分かってない……?」

ショタ提督「………」

ナトリ「……そっか。そうだよね……何もかも、忘れちゃってるもんね……」

グレ「でも大丈夫!ナトリが1から全部教えてくれるから!」

ナトリ「ふえええええっ!?///」

ショタ提督「……本当?」

ナトリ「あぅ……///」

アサカゼ「もう。そんなことで照れてたら、いつまで経っても子供を産めないわよ?」

ユー「だ、だからその話題からは離れた方が……」アセアセ






「……何よ、あれ」

(どうして……あんなに楽しそうに、会話して……)

少年……50周目提督は、ナトリ達と楽しく会話し……明るく賑わっていた。

彼女がこれまで味わってきた、耐え難い苦痛とは……何もかもが正反対だ。

(どうして……人間は、酷い奴らばかりじゃ……)プルプル

彼女は混乱していた。今まで辛い思いばかりしてきた彼女にとって、ナトリ達のような人間は……受け入れるには、眩し過ぎたのだ。

それだけでなく、彼らが仲良くしている姿を見ていると……心の奥から、今まで感じたことが無い……ドロドロとした黒い感情が湧き上がってくる。

























――どうして……お前は人間と仲良くしている?




――私は人間共に酷い目に遭わされたのに。




――どうしてお前は人間と話していて、そんな幸せそうな顔をする?




――私は人間に対して、殺意しか抱いたことが無かったのに。




――どうシてお前ダけ良い想イをしテいル?




――私ハずっとト辛い思イばカりしテきたノニ




――許セナイ。




――許セナイ……許セナイ……!























ユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ――――――

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
更新頻度が少なくなってしまい申し訳ありません。ただ、回想パートはまだまだ続きます。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:00~23:00頃開始予定です。

始めます。

それは、我々の言葉で言い表せば……"嫉妬"。

自分ばかりが人間共に虐げられてきたのに、目の前の少年はあろうことか、人間と楽しげに会話しているではないか。

そのような光景が……残酷な事実が、心に飛び込んできて……平然としていられるほどの冷静さは、既に彼女から消え失せていた。

ショタ提督「……っ!?」ゾワッ

ショタ提督(な、何だ……!?今、氷のようにつめたく、マグマのように熱い悪意を感じたような……)

ナトリ「……50周目提督?」

それほどの黒い感情を込めていれば、人の想いに敏感である彼も当然それを察知する。

しかし、彼女は彼よりも早く己の力を解き放っていた。

彼女の心が、炎のような"嫉妬"という悪意で埋め尽くされ……気がつけば彼女は……彼らを攻撃していた。

「………」カッ

ショタ提督「……危ないッ!!」バッ!

ナトリ達「え?」

バシュウウウウウウウウウンッ!

ナトリ達「きゃあっ!?」

ショタ提督「はぁはぁ……」

ショタ提督(と、咄嗟に身体が一人でに動いて……だけど、そのお陰でナトリ達を守れた……!)

彼は反射的にナトリ達の前に立ち、その身に込められた"善意"の力を発揮し……彼女の力を防ぐ。

しかし、彼女の力はとてつもなく強い。故に、完全には防げず……周囲に分散してしまう。

彼とナトリ達の周辺に生えていた草花は黒く染まり、その生命に終止符が打たれてしまった。

ナトリ「は、花が枯れてる……!」

グレ「木もシワシワになっちゃたよ!?」

アサカゼ「う、嘘……何で……」

ユー「こんなことって……」

「……へぇ。まさか、今のを防ぐなんて」

ショタ提督「……!」クルッ

ナトリ達「だ、誰……!?」クルッ

「………」ズゴゴゴゴゴ…

ショタ提督(……ナトリ達と同じ、女の人……?)

ナトリ達(女の、子……?だけど、目が赤いし……肌も真っ白で……)

「……どうしてお前達は仲良くしているの?」

ショタ提督「……どういう、意味?」

「どうしてそんなゴミ同士で楽しそうにしてるかって言ってるのよッ!!」カッ!

ショタ提督「っ!」バッ

バシュウウウウウウウウウンッ!

ナトリ達「ひゃあっ!?」

ショタ提督「……っ!」

ショタ提督(ま、また身体が一人でに……それに、あの女の人の力を防ぐと……周りの植物から、生気が失われて……!)

彼と彼女は、元が同一の存在だとしても……今、己に宿る力の方向性は真逆と言って良いだろう。

ナトリ達から優しさや思いやり、温かさ……"善意"を注がれた彼は、人間や生物を癒し、幸福に出来る力に変貌した。

だが、心無い男達から凌辱され、人としての尊厳さえ与えられなかった彼女は……あらゆる者を破滅させる、災厄を起こす力へ変り果ててしまった。

そして、両者の考え方も正反対……彼と彼女の対立は、もはや定められた運命と言って良いだろう。

ショタ提督「……どうしてこんな酷いことをするんだ」

「酷い?馬鹿じゃないの?人間なんて……いや、この世全ての者は、どいつもこいつも醜い欲だけでのうのうと生きているゴミばかりじゃない!」

ショタ提督「そんな訳無い。人間は……いや、どの生き物も、生きる為にいつも一生懸命で……生気と活力で満ち溢れている」

「ハッ!自分のことしか考えていない馬鹿な奴らの集まりでしょうが!お陰で私は……私はずっとっ……!」ギリッ…!

ショタ提督「………」

ショタ提督(やはり感じる……彼女から、全てを埋め尽くすほどの……黒い感情を)

「それに……お前達を見ていると、凄くイライラするのよ……!」

ナトリ「い、イライラ……?」

「どうしてうわべっつらだけの、まやかしの優しさなんて向けてるのよ。どうせお前だって、そこの餓鬼のことなんか……どうでも良いと思ってるんでしょ?」

ナトリ達「……!?」

ショタ提督「………」

「だって、こいつと仲良くする理由が無いじゃない!夫婦?何を馬鹿なことを!一緒にいれば食料は多く減っていくし、狩りに出そうにもチビで役立たずでしょうが!」

ナトリ「………」

グレ「役立たず!?そんな風に考えたことなんて無いよ!」

「はっきり言ってただの邪魔者でしかない!それなのに夫婦!?どうせ性欲処理用の道具としか考えていないんでしょ!?」

アサカゼ「せ、性よ……っ!?」

「だったら何?何の利用価値さえ無いこいつと仲良くしたり夫婦になる理由は!?無いでしょ!?無いわよねぇ!?ただの無駄な行為でしかないものねぇ!?」

ユー「……何、言ってるの、この人……怖い……」

「私からすればお前達人間の方が醜くて最低な存在よ!この期に及んで性処理の為に餓鬼に媚びを売るなんて!これだから人間は度し難いゴミでしかないのよ!」

もはや彼女は自分でも何を言っているか分かっていなかった。だが、それだけ人間を含む全てに憎悪を抱いていた。

光を失った瞳で、狂気的な笑みを浮かべながら……ただ彼らに自分が抱く憎しみを洗いざらい吐き出していた。

その姿は、まさに狂人と呼ぶに相応しい。人間の"悪意"を、その身に刻まれ続けてきた彼女は……もう、戻れない領域まで堕ちてしまっていたのだ。

ショタ提督「………」

ショタ提督(ダメだ。話が通じそうにない……一体、何故この女の人は僕達を……人間をそこまで憎んで……)

対する、人の"善意"に包まれてきた彼は……彼女の言っていることが理解出来なかった。

人は優しく温かい気持ちを抱いていることを体感してきた彼は、彼女と反対の考え方なのだ。それで彼女の気持ちを理解しろというのが無理な話。

だが、彼女が異常な程に全てに対して憎悪を抱いていることだけは把握していた。彼女の思考が危険であることも、無意識の内に感じ取っていたのだ。

ナトリ「……して」

「は?」

ナトリ「今の言葉……取り消して」

「取り消す?」

ショタ提督「……ナトリ?」

ナトリ「利用価値?性欲処理……そんなこと言わないで!私は……そんな馬鹿な考えで、50周目提督と一緒にいる訳じゃないよ……!」

「……ッ!?」

ショタ提督「……!」

だが、彼女の"悪意"に真正面から反発する者が現れた。そう、50周目提督と恋仲となった……ナトリである。

ナトリにとって、彼女の言葉は……最愛の50周目提督を馬鹿にされただけでなく……

自身が抱く気持ちさえ、勝手な理由で否定されたのだ。そんな彼女の言葉を、許す訳にはいかない。絶対に、許してはいけないのだ。

ナトリ「貴女がどうしてそんなことを考えてるかは分からないけど……そんな言い方されて、黙っていられるほど……私は落ち着いていられない……!」

ナトリ「私はこの子を……右も左も分からないこの子を、ただ助けたいと思っただけ……!」

ナトリ「狩りがどうとか、役に立つかなんて……そんなこと、関係無い……!一緒にいたいと思ったから、私はこの子と一緒にいるんだよ……!」

「……やめて」

ナトリ「そんな捻くれた考えでこの子を傍に置くほど、私は酷い人間じゃない……!」

「やめなさいよ……」

ナトリ「でも、それ以上に許せないのは……!」

「やめなさいって言ってるでしょ……!」









ナトリ「大好きな50周目提督の悪口を言ったこと……!この子を悲しませるようなことをするなら、私が許さない……!」









「――ッ!!」

ショタ提督「ナトリ……」

ナトリ「……これが私の気持ち、だよ?」ギュッ

ショタ提督「……うん。僕も、同じだよ……」ギュッ

ナトリの心の叫びは、彼にしっかりと届いていた。彼の心に……その存在全てに、温かさと優しさ……"絆"が刻まれた。

「……殺す」

だが、その言葉は……感情は、彼女にとって、最も不愉快で……すぐにでも消し去ってしまいたいと思える程に、憎い言葉だったのだ。

「殺す……殺す殺す殺す殺す殺す殺すッ!全員殺してやるうううううううううううううううううッ!!」カッ

ナトリ達「っ!?」ビクッ

ショタ提督「危ないっ!」バッ

バシュウウウウウウウウウンッ!

グレ「あぁっ!?向こうの花まで枯れて……!」

アサカゼ「そ、それに……遠くで走っていた動物が、ほ、骨に……!」

ショタ提督「……どうしてこんなことをするんだ。何の罪も無い生物を痛めつけるなんて……」

「うるさいっ!お前なんかに……お前達なんかに、私の気持ちが分かってたまるかああああああああああああああああッ!!」カッ

ユー「ま、また……!」

ショタ提督「っく……!」バッ

バシュウウウウウウウウウンッ!

ショタ提督(このままでは、周囲が死の土地となってしまう……何とかしなければ……!だけど、どうやって……)

「糞ッ!」

(あいつがいる限り、私の力が分散される……周りはどんどん酷いことになっていってるけど、肝心のあいつらを滅ぼせないんじゃ……!)

(そもそも、どうして私の力を防げるのよ!さっきの男共も、向こうにいた動物も一瞬で骨になっただけなのに……!)

怒りに身を任せている彼女だが、同時に現状を分析することも怠っていなかった。

彼は少なくとも、普通の人間でないことだけは分かる。もしかすると、彼女のように得体のしれない力を行使出来る存在かもしれない。

だが、こちらの力を分散させることしか出来ないということは……少なくとも、彼女を消し去れるだけの力は持っていない可能性もある。

(……それだけじゃない。あいつは自分よりも、傍にいる女共を守ろうとしている……チッ、反吐が出るわね……)

自分より他人を優先する等、かつて自分の身体に欲をぶつけてきた人間からは想像も出来ない行動だ。

それも、私に似た力を持っているにも関わらず……人間というゴミを守る為に力を行使するという、愚かにも程がある行為。

(……気持ち悪い。気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いッ!!こいつだけは……こいつらだけは絶対に滅ぼす……ッ!)サッ

そう考えた彼女は、力の使い方を変化させる。今までは彼らに対し、己の力をぶつけようとした。

しかし、それは彼の手によって防がれてしまう。しかし、それが突然……"ぶつける"のではなく、こちらに"引き寄せる"性質に変化したとすれば……

「……だったらこれならどう!?」カッ!

ナトリ「……っ!」ギュッ

ショタ提督(またか……!でも、力を分散させれば……!)スッ

(引っかかったわね?)ニヤリ

グレ「……あぁっ!?」ドクンッ

アサカゼ「……うっ!?」ドクンッ

ユー「……あぅっ!?」ドクンッ

ナトリ「……っ!?」ビクッ

ショタ提督「……?」

ショタ提督(おかしい……先程までとは違って、こちらへ向かって来る力を感じない……)

グレ「」バタッ

アサカゼ「」バタッ

ユー「」バタッ

ナトリ「い、今……身体が、フワッとしたような……えっ、ぐ、グレ?アサカゼ?ユー!?」チラッ

ショタ提督「ナトリ!?どうし……ッ!?」ゾクッ

ショタ提督(そ、そんな……!グレ達から、生気を感じない……!?)

「……ふふっ。くっふふ……あはっ、あはははははははははははっ!見事に騙されてくれたわね!」

ショタ提督「……グレ達に何をした」

「決まってるでしょ?力をぶつけても防がれるなら、いっそのこと……お前達の魂を吸い取って、私が直々にぶっ壊してやろうと思ったのよ!」

ショタ提督「っ!?」

ナトリ「た、魂を……?」

「でも、どうしてお前だけ無事なのかしら?4人仲良く魂を奪い取ってやろうと思ったのに」

そう。彼女の言う通り、ナトリだけは彼女による攻撃から免れることが出来ている。

結論から言えば、ナトリが彼の手を握っていたからである。そのお陰で、ナトリは彼と"共鳴"し……守られたのだ。

ナトリ「………」ギュッ

ショタ提督「……!」

ショタ提督(もしかして、僕の手に触れていたから……)

「ま、1人くらい後でどうにでもなるか。まずはこいつらの魂から消滅して……っぐ!」

ショタ提督「や、やめろ……!」

ナトリ「グレ達に何をする気……!?」

「……チッ」

(こいつら、魂になってまで抵抗するなんて……!しかも、変な力を感じる……!)

魂となったグレ達は、肉体から引き離されるも……まだその意識や精神まで消し去られてはいなかった。

それに加えて、グレ達の魂には……ある共通点があった。それは――

(眩しくて、生温くて……耐え難い気持ち悪さが体を駆け巡る……!あいつから感じる嫌悪感と同じ……!)

(……そうか。そういうことか……これがあいつの力か。どうしてこいつらに同じ力が宿っているかは分からないけど……)

――かつて彼と彼女がばら撒いた"力の欠片"。それらがナトリ、そしてグレ達の魂に宿っていたのだ。

無論、彼と彼女が持つ力と比べれば、その魂に宿る力は微々たるもの。

だが、その力は……彼と彼女が証明しているように、己が抱く想いに比例して変質し、強化されてゆく。

(……私にとって、身の毛がよだつくらい……憎くて、たまらない……ッ!!)ギリッ…!

このまま消滅などしたくない。そして……彼とナトリを守りたい。その想いが、彼女の力に抗っていた。

ショタ提督「……!」

ショタ提督(……感じる。目の前の女から……グレと、アサカゼと……ユーの想いを……!)

彼はグレ達の魂と、己の力の欠片と"共鳴"し……グレ達がまだ生きていることに気がつく。

ナトリ「……!」

ナトリ(……どうして、かな。グレ達は……まだ、死んでない……はっきり、分かる……心に、そう伝わってくる……!)

そして、グレ達と同じように彼の"欠片"を宿したナトリも、また……同じ欠片を持つ者同士で"共鳴"し、グレ達の生存を確信する。

まだ間に合う。例え肉体から魂が引き離されてしまっても、魂さえ失われていなければ……助けられる可能性は残されているのだ。

ショタ提督「……今すぐグレ達の魂を元に戻すんだ」

「言う通りにするとでも?」ギロッ

ショタ提督「………」

「あのねぇ?お前、自分の立場を分かってるの?私があのゴミ3人の魂を握ってるのよ?」

「仮にお前が私を攻撃したとしたら、私の中にいるゴミ3人も一緒に苦しむでしょうねぇ?」

ショタ提督「くっ……」

ナトリ「どうして……どうしてそんな酷いことが出来るの……!?」

「うるさいッ!!優しさなんて、思いやりなんて……全部、幻想に決まってるでしょうが!」

「人間なんか……いや、この世の何もかもがいらない……全部滅ぼしてやるッ!!」

ショタ提督「そんなこと……させる訳が……!」

「まだ言う!?それなら早く私を消してみなさいよ!私が握っているゴミ3人を犠牲にしても良いならね!」

ショタ提督「……っ!」

「ほら、早くやりなさいよ。やりなさいよ……やりなさいって言ってるでしょッ!?」

ショタ提督「………」

「どうして何もしないの!?どうせ上辺だけで仲良くしてた奴らでしょう!?どうしてそんな苦しそうな顔をするのよッ!?」

(悩むような表情をするな……悲しげな表情を見せるな……!誰かを思いやるような、生温い顔を見せるなああああああああああああああああッ!!)カッ

ショタ提督「ッ!?」

ナトリ「あっ……!?」

彼がグレ達を心配し、その身を案ずる表情を見れば見る程……彼女の"嫉妬"は膨れ上がる。

私はこんなにも苦しんだのに。私は誰にも心配されなかったのに。私は誰からも助けてもらえず、ずっと酷いことばかりされ続けてきたのに。

その黒い感情が、彼女の力を更に凶悪なものにし……今もなお抗おうとするグレ達の魂を、更に消滅まで追い詰める。

そして同時に……この世で最も憎み、汚らわしいと思う目の前の存在を……

かつて同一の存在であった彼を、消し去らんとばかりに絶望の力を打ち込む。

ショタ提督(さ、さっきの何十倍も……いや、何百倍も強い感情の力が……!だ、ダメだ、防げな――)

ナトリ「ご、50周目提督……ッ!」バッ!

ショタ提督「――!?」

彼女の力をまともに受ければ、恐らく彼は無事では済まない。本能的にそう感じた彼女は、思考より先に体が動いていた。

そして彼に覆い被さるように抱き締め、迫り来る攻撃から彼を守ろうとする。

(馬鹿ね!お前如きが盾となったところで、どっちもまとめて地獄に叩き落して……!)

ズバアアアアアアアアアアアンッ!

「……なっ!?」

ショタ提督「……え?」

ナトリ「……うぅ」バタッ

ショタ提督「な、ナト……リ……?」

ナトリは彼女の攻撃を、その身で全て受け止めた。普通の人間であれば、そのまま骨と化し……否、肉体さえ残らないだろう。

だが、ナトリは彼の"欠片"を宿し……彼と深い絆で結ばれ、そして……

彼を救いたいという強い想いが、ナトリの存在を強くし……彼女の力に抗ってみせたのだ。

それでも、やはり無傷では済まない。ナトリの身体は、生きているのが奇跡と言えるほどボロボロとなり……

ゆっくりと倒れたナトリは、既に虫の息だった。

ショタ提督「そんな……どうして……!」

ナトリ「ゴホッ……だって、50周目提督を……守りたかった、から……」

「嘘……嘘よ。あの力を食らって、生きているはずが無い……そんな馬鹿なこと、あり得る訳……!」ワナワナ

ショタ提督「……っ!」

ショタ提督(ナトリから、生気が失われていく……!このままでは、ナトリの魂が……!)

ショタ提督「……嫌だ。嫌だよ……ナトリ、死なないで……!」ギュッ

ナトリ「ぅ……」

「……こ、こんなことがあってたまるかぁッ!!自分を犠牲にして人を守る!?人間共にそんな思考が出来る訳無いッ!!これは嘘!嘘嘘嘘ッ!!嘘に決まってるッ!!」

ナトリ「……嘘なんかじゃ、無い……!」

「何……!?」

ナトリ「私、は……ゴホッ……50周目提督のことが、大好き……だから……っぐ、心の底から、愛してる……から……っ!」

ナトリ「だから……私は、自分が傷ついたとしても……ううっ、はぁっ……!この子を、守りたい……この、気持ちに……嘘なんか、無い……!」

「――ッ!!」ギリッ…!

ショタ提督(ナトリ……僕の為に……僕の、為に……そこまで、してくれて……)

ナトリ「はぁっ、はぁっ……ゲホッ!」

ショタ提督「っ!な、ナトリ!しっかり……!」パァッ…!

吐血したナトリを見て、彼はすぐにでも己に宿る力でナトリの苦痛を癒そうとする。

だが、そうは問屋が卸さないとばかりに、怒りが頂点に達した彼女が……刃を向ける。

「……させるか。これ以上、私に……その忌々しい光景を見せつけるなあああああああああああああああああッ!!」バッ!

ショタ提督「……っ!」

ショタ提督(あの女の攻撃を防がないと、全滅する……!だけど、ここで治療を止めれば、ナトリが……!どうする!?一体、どうすれば……!)

ナトリ「……50周目、提督……」ギュッ

ショタ提督「あっ……」

ナトリ「もう、いい……もう、いいの……きっと、この"身体"は……もう、助からない……」

ショタ提督「諦めちゃダメだよ!生きている限り、望みは……!」

ナトリは既に覚悟していた。このままでは、自分の身体は数分ももたないということに。

そして、仮にもう少しだけ身体が持ちこたえたとしても……目の前にいる女が攻撃すれば、自分達はただでは済まないと。

そして同時に、ナトリは確信していた。彼女がグレ達の魂を奪い取ったように……不思議な現象を引き起こせる彼なら、同様のことが出来るかもしれない。

ナトリ「……50周目提督」

ショタ提督「な、何…………ッ!?」

ショタ提督(い、今……ナトリを通じて、頭の中に……何かが、伝わってきて……!これって、ナトリの考えていること……?)

互いに親密な関係となり、魂の"共鳴"が強まった2人。既に彼とナトリは、言葉にせずとも……想いが通じ合う絆で結ばれていた。

そして彼は、ナトリの最後の手段を"把握"する。もはや賭けに近いが、現状を打開出来るとすれば……この方法しか無いだろう。

ナトリ「伝わった……みたい……うん、これなら……!」

ショタ提督「で、でも……万が一、失敗したら……」

ナトリ「大じょ……うくっ!あぁっ……大、丈夫……私を、信じ……て……!」

ショタ提督「ナトリ……」

「死ね……死ね死ね死ね死ねッ!死ねええええええええええええええええええええええッ!!」カッ!

ナトリ「お願い……っ!」

ショタ提督「っ!!」カッ…!

ナトリが彼の手を強く握り、同時に彼もナトリの手を強く握る。その瞬間、彼らの視界は眩い光に包まれ……































――――――ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!





























「はぁはぁ……や、やった!目障りな奴らを、これで……!」

彼女は勝利を確信していた。怒りに身を任せ、己が持つ力を……彼らにぶつけた。

あれを食らえば、いくら謎の力を持った人間だったとしても……ひとたまりもないだろう。

「……なッ!?」

だが、彼女が確信した勝利は、すぐさま撤回されることとなる。何故なら、彼女の眼前には……

ショタ提督「……っ!」バッ!

凄まじい速度で接近する、彼の姿が……無傷どころか、身体に光を纏った彼の姿があったからだ。

「ど、どうして!?あれほどの力を込めたのに!?どうして無事なのよ!?」

ショタ提督「……ナトリの力」

「は……?」

ショタ提督「ナトリが、僕に……グレ達を救い、お前を退ける力を与えてくれたからだ……!」

「な、何を言って…………ッ!」

彼女は彼の背後に視線を移す。すると、そこには……

ナトリ「」

絶命し、瞳から光が失われていた……ナトリの姿があった。否、そこにはるのは、ナトリの亡骸だ。

「……は、ははっ。あはははははっ!お前、やっぱり人間だな!私からあのゴミ共を助ける為に、夫婦だとか言っていた奴を犠牲にするなんて!」

ショタ提督「………」

彼女は、後ろに横たわる亡骸を見て……彼はナトリを盾とし、その隙を突いて自分に接近したと思い込んでいた。

ショタ提督「……何を誤解しているんだ?」

「……え?」

ショタ提督「……ッ!」ドンッ!

「あっ……!?」ドサッ

(う、動けない……!それに、

彼は有無を言わさず彼女を押し倒し、両手で掴みかかる。そして己の力を込め、彼女が再び力を行使出来ないようにする。

ショタ提督「僕は言ったはずだ……ナトリから、力を与えてもらったと……」ググッ

「は、離せっ!だからそれは、あの女を犠牲に……」

ショタ提督「犠牲になんか、していない……ナトリは、今も……!」































ショタ提督「僕の中にいる……!」



ナトリ『私なら、50周目提督の中にいる……!』





























「ッ!?」

(まさか、そんな……こいつは、私と同じ力を使って、あの女の魂を自分の中に取り込んだとでも言うの……!?)

ショタ提督「……そうだ」

「なっ……!?」

(今、私の心を読んで……)

ショタ提督「それだけじゃない。こうして、お前に触れて……ようやく分かった。いや、"思い出した"……!」

ナトリ『私も、50周目提督と1つになって……そして、貴女を魂で感じて……全部、分かった……!』

「思い出す……うぅっ!?」

その瞬間、彼女の脳裏に……失われていた記憶が蘇り、朦朧としていた認識が……覚醒した。

彼と彼女は、元は同一の存在であったこと。第三者の襲撃により、2つの存在に分離してしまったこと。

片方は、少年の姿となり……ナトリ達と共に幸せな日々を送っていたこと。

もう片方は、少女の姿となり……心無い人間や、猛獣達に……壮絶な苦痛を与えられ続けてきたこと。

そして、彼女が思い出した出来事は……同時に、元が同じ存在である彼も思い出し、彼に取り込まれたナトリにも知れ渡る。

ショタ提督「……そう、だったのか。それで、あんなことを……」

ナトリ『………』

「……ああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

ショタ提督「うわっ!?」

ナトリ『ご、50周目提督!?大丈夫!?』

「殺す殺す殺すッ!!お前だけは……お前だけは絶対に!何としても殺してやるッ!!うがあああああああああああああああああああああああああッ!!」

全てを思い出したことにより、彼女の絶望は……より一層、深くなってしまった。

どうして元が同じ存在なのに、少年となった自分自身ばかりが良い思いをして、私ばかりが惨めな思いをしなければならないのか。

私が醜い人間共から欲望のままに乱暴されていた裏で、こいつは呑気に楽しく暮らしていたのだ。

それを許すことなど、出来るはずがない……受け入れて、納得出来るはずが無い……彼女の怒りは暴走し、自分を押し倒す"自分"を滅ぼそうと決めた。

ショタ提督「っぐ……!?ば、馬鹿な真似はやめるんだ……!」

「お前なんかに私の気持ちが理解出来るかッ!!お前が楽しく暮らしていた時に、私は……私はあああああああああああああああああああッ!!」

ナトリ『だからって……何の罪も無いグレ達の魂を奪うことが、許される訳……!』

「うるさいって言ってるでしょッ!!こいつ諸共、お前も消してやる!絶対に消してやるううううううううううううううううッ!!」

ショタ提督(す、凄くドロドロした、黒い感情の力が流れ込んでくる……!それだけ、"僕"が感じた絶望は……!)ググッ

ショタ提督(……だけど、それでも……ナトリや、グレ達を傷つけようとするなら……僕は、"僕"を……退けなければならない……!)

彼女の途方も無い絶望……そして、その記憶……彼は彼女の全てを知るも、やはり彼女との和解は出来ないと結論付けた。

何より、彼女は既にグレ達の命を殺めようとしているのだ。せめて、グレ達を救ってからでないと……まともに話し合うことなど、出来ないだろう。

「殺す殺す殺す殺す殺すッ!絶対に殺すッ!お前だけは許さないッ!死ねええええええええええええええええええええええええッ!!」

ショタ提督「ぐぅっ……!」

ナトリ『だ、大丈夫……!?』

ショタ提督(な、何とか……一刻も早く、グレ達の魂を救い出さないと……!)

『……けて』

ショタ提督「……!」

ナトリ『この声って……!』

グレ『助けて……!もう、限界……っ!』

アサカゼ『ずっと抵抗してたけど、これ以上は……っ!』

ユー『私達、消えちゃう……!』

ナトリ『皆……!』

ショタ提督「……っ!」

彼女の心の奥から、確かに聞こえてきた……グレ達の声。

それは今にも消えてしまいそうで……グレ達の魂、すなわち、命が尽きるまで……猶予が残っていないことを示していた。

その瞬間、彼の中に……今まで抱いたことが無かった、強い感情が湧き上がってきた。

ショタ提督「……せ」

ナトリ『あっ……!』

ショタ提督「返せ……グレを、アサカゼを、ユーを……僕の大切な人達を……返せえええええええええええええええええええッ!!」カッ!

「うぐっ!?あっ、ぁ、ぁあああああああああああああああああああああああああああああッ!?」

それは"怒り"。それも彼女のような、自分本位の怒りでは無い。

彼の怒りは、大切な者を傷つけ、その命を散らそうとしている……誰かの為の怒りだ。

ナトリ『……そうだよ。返してよ……!私の大切な友達を、返してええええええええええええええええええッ!!』カッ!

「がああああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」

それに加えて、彼に取り込まれたナトリも……彼と同様、グラ達を傷つけたことに対する怒りが爆発した。

両者の怒りが莫大なエネルギーとなり、容赦無く彼女を襲い掛かった。

その瞬間、彼と彼女、そしてナトリのエネルギーが……彼と彼女の身体の中で1つとなり、互いに激しく衝突した。































――――――だが、今の彼と彼女は……既に互いが背反する存在となっていた。



――――――そのような者同士が、強い力を持って衝突すれば……あるいは、1つになろうとすれば……待ち受ける結果は、ただ1つのみ。





























ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」

ショタ提督「うわあああああああああああああああああああああああああああああッ!?」

ナトリ『きゃあああああああああああああああああああああああああああっ!?』

互いに正反対となった存在が持つ力が触れ合ったことで、彼と彼女は互いに反発する力に耐えられず……再び破裂してしまう。

ただ、42周目提督が介入した時とは異なり、今回はあくまでも彼と彼女の存在が分裂してしまったことに留まり、物理的な爆発は起こらなかった。

しかし、破裂した彼と彼女は無事で済むはずが無く、身体が凄まじい勢いでバラバラとなってゆく。

同時に、彼と彼女の身体が破裂したことにより、2人が持つ力の破片を……再び、時空を超えてこの世へばら撒いてしまうこととなった。

「あ……あがっ……糞っ……糞ぉっ……!絶対……絶対に、殺してやる……ぅ……」

ショタ提督「……"僕"が……消え、た……」チラッ

魂(グレ)『………』シュンッ…

魂(アサカゼ)『………』シュン…

魂(ユー)『………』シュン…

ショタ提督「……っ」

ショタ提督(ごめん、なさい……グレ達のこと、救ってあげられなかった……元に、戻して……あげられなかった……)

ショタ提督(だけど……魂さえ消滅していないなら……あの世へいくか、もしくは……輪廻転生して、新たな生命に……)

ショタ提督(強い未練を残した時は、幽霊としてこの世を彷徨うこともあるけど……でも、グレ達は違う……既に、旅立とうとして……)

薄れゆく意識の中、グレ達の魂が彼女から解放され……肉体を失ったことにより、天に召される姿が見えた。

恐らくこのまま、あの世へと旅立っていくのだろう。もし、彼に十分な力が残されていれば、すぐにでも魂を肉体に戻していたことだろう。

だが、彼にはもう、そのような力は残されていなかった。旅立つ魂を、眺めていることしか出来なかったのだ。

グレ達を救えなかった無力感と悲しさが、彼の心を締め付ける。だが、それ以上に……彼にとって、救えなかったことが悲しくてたまらない人物がいた。

ナトリ『……50周目、提督……』

ショタ提督「……ナト、リ……君も……」

ナトリ『……うん。グレ達と一緒に……消えちゃう、みたい……』

ショタ提督「……ごめん、なさい……僕が、ナトリを……救えなかった、から……!あんなことを、させて……しまったから……っ!」ジワッ…

それは、彼が初めて流した"涙"だった。今まで、彼はナトリ達人間が持つ優しさに包まれて過ごしてきたが、別れは経験したことが無かったのだ。

無論、全てを思い出した彼は、知識として別れを理解していたが……それでも、このような形で……最愛の人と別れることになるとは、思ってもいなかったのだ。

ショタ提督「……っ!」ポロポロ

ショタ提督(離れたくない……!僕に、温かい気持ちを……ずっと、注いでくれたのに……!僕が、初めて……好きになった人なのに……!)ポロポロ

ショタ提督(逝かないで……!僕の傍にいて……!お願いだから……っ!)ポロポロ

涙がとめどなく溢れ出す。最愛の人との、永遠の別れになるかもしれないという状況とならば……元が神と言える存在だったとしても、悲しくてたまらない。

否、彼がこれほど人間らしい感情を持つようになったのは……やはり、ナトリやグレ達との交流を経たお陰だろう。

ナトリ『………』ダキッ

ショタ提督「あ……っ」ポロポロ

ナトリ『……ありがとう。私のことを、そこまで……好きになってくれて……』ギュウッ

ナトリは消えゆく身体で、彼を力一杯抱き締め……既に透け始めた手で、彼の頭を撫でる。

同時に、ナトリの魂を通じて……彼に、温かい感情とナトリの"心情"が注ぎ込まれてゆく。

ショタ提督「……ナト、リ……」ポロポロ

ナトリ『50周目提督、今……輪廻転生って、考えたよね……?また、新しい生命として……生まれ変わるって……』

ショタ提督「………」ポロポロ

ナトリ『……大丈夫。私と50周目提督の"絆"は……こうして、魂同士で繋がった"絆"は……そう簡単に、途切れたりはしないよ』

ナトリ『今はお別れになっちゃうかもしれないけど……私は、また……絶対に、貴方へ会いに行く』

ショタ提督「……!」ポロポロ

ナトリ『どんなに気が遠くなるほど、離れ離れになったとしても……いつか、必ず……もう1度、こうして貴女を抱き締めに戻って来る……!』ジワッ

ナトリ『約束、する……!私が好きなのは、今も……そして、これからも……こうして、命がけで守ってくれた……貴女だけ、だから……!』ポロポロ

ショタ提督「……うん、うんっ……!約束、だよ……?絶対に、また……会おうね……?ずっと、待ってるからね……!」ポロポロ

互いに薄れゆく意識の中、彼とナトリは……再び出会うことを約束した。彼はいつか目が覚めた後に、ナトリは輪廻転生を経た後に。

ナトリ『……んっ』チュッ

ショタ提督「ん……」

彼とナトリは……生まれて初めて、キスをする。お互いの、不滅の愛を誓い合うように。

そして……どれほど離れ離れになったとしても、いずれ再会すると誓い合うように。

ナトリ『……50周目提督』

ショタ提督「……ナトリ」































魂(ナトリ)『……また、ね……?今度は、ずっと一緒に――――』シュン…


ショタ提督「……うん。また……今度こそ、ずっと……一緒に……」


ショタ提督(……恐らく僕は、再び永い眠りにつくだろう。けど、次も必ず目を覚ましてみせる……ナトリの為に――――)


そして、ナトリの魂はあの世へ旅立ち……彼の意識は無くなり、再び力が集うまで……永い永い眠りへとついた。





























今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
え~っと、もはや艦これ要素がほとんど無いような……(白目)
ですが回想パートとしてはようやく半分~2/3が終わったかな?という感じです。はい、まだ続くんです。
打ち切りみたいな〆ですが、まだまだ続きます。相変わらず長くてすみません。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

黒字に戻すのを忘れるミス……何度もすみません!今度こそ次回の更新でお会いしましょう。

22:00~23:00頃開始予定です。

始めます。

ナトリ「……!」ガバッ

グレ「うぅ……」ムクリ…

アサカゼ「あ、れ……」ムクリ…

ユー「私……さっき、消えちゃいそうになって……」ムクリ…

魂となり、現世から旅立ったナトリ達は……とある場所で目覚める。

そこは綺麗な花畑が広がり……虹がかかる青い空を、小鳥が飛びながらさえずっている。

グレ「ここ……どこ……?」

アサカゼ「凄く綺麗な場所だけど……」

ユー「……何だか、温かい」

ナトリ「………」

温かいそよ風が、ナトリ達の体に優しく触れる。そう、ここは正しく、死者の魂が集う"あの世"だ。

グレ、アサカゼ、ユーは現状を把握出来ていなかったが……ナトリだけは違っていた。

ナトリ(……私達がここにいるということは、やっぱり……)

彼と文字通り"1つ"となり、様々な想いを共有したナトリは……この場所の意味を理解していた。

自分はやはり"死んだ"のだと。そして……グレ達も"死んでしまった"のだと。

グレ「それに、私達以外……誰もいないよ……?」

アサカゼ「そういえば、確かに……」

ユー「……?」キョロキョロ

ナトリ「………」グッ…

ナトリ(だけど、私は諦めない……約束したから。50周目提督と……あの子の元へ、必ず戻るって……!)

ナトリ(こんな場所で立っている場合じゃない……一刻も早く、"転生"しないと……!でも、どうやって……)































「……それについては、僕が説明するよ」





























ナトリ達「……っ!?」クルッ

「………」

ナトリ(50周目提督と、同じ服を着た……男の子……?)

突然、後ろから声が聞こえる。ナトリ達が振り向くと、そこには……彼と同じ白い服と帽子を身に着けた、"少年にしか見えない男性"が立っていた。

その表情は、どこか穏やかで……同時に、どこか悲しげで……しかし、そこには確かな意志が宿っていた。

ユー「だ、誰……?」

「……ごめんなさい。驚かせちゃったね」

グレ「………」

アサカゼ「………」

「………」

(本当に、名取さんやグレカーレちゃん、朝風ちゃんやユーちゃんにそっくり……そうか。彼女達が……)

ナトリ「……説明」

「……!」

ナトリ「説明、してくれるんだよね……?"転生"して、もう1度……50周目提督に会える方法を……」

グレ「……ハッ!?そ、そうだよ!私達、さっきまで50周目提督に守ってもらって……」

アサカゼ「あれ?だったらどうして私達はこんな所に……」

ユー「それに、ナトリも……」

「……うん。順を追って説明するね?まず、落ち着いて聞いて欲しいんだけど……君達は"死んでしまった"。ここは"あの世"……死んだ人達が来る場所なんだ」

グレ達「ッ!?」

ナトリ「………」

謎の少年から告げられた事実に、グレ達はショックを受け、激しく動揺する。

無論、既に全てを察していたナトリだけは、少年からの言葉を冷静に受け止めているが。

グレ「そ、そんな……!」ガクガク

アサカゼ「じゃあ私達は、皆あいつに……っ!」ギリッ

ユー「嫌……嫌ぁっ……!」

ナトリ「……だけど、貴方がこうして来てくれたのは……それで終わりじゃないから、だよね?」

「……うん」

グレ達「……え?」

「貴女達は、現世に強い未練を……あるいは、それに近い信念を持って……絶命した。だからこそ、チャンスを与えられることになったんだ」

グレ達「チャンス……?」

ナトリ「………」

「ほら、あれを見てごらん?」スッ…

サアァ…!

ナトリ達「……!」

少年が指を向ける先。そこには虹色の光に包まれた……1つの穴があった。

「あの穴に飛び込めば、貴女達はもう1度……人生を初めからやり直せる……」

グレ「ほ、本当に!?」

アサカゼ「じゃあ、生き返ることが出来るの!?」

ユー「また、50周目提督に……会える……!?」

「………」

ナトリ「……!」

しかし、ナトリは見逃さなかった……少年が一瞬だけ見せた、僅かな陰りを。

そして、ナトリは確信した。恐らく少年は、次に辛い事実を突きつけて来るであろうことを。

「……普通なら、ね。だけど、貴女達の場合は……魂に、真っ黒な呪いが染み付いてしまっている」

グレ達「の、呪いって……まさか……!」

ナトリ「……あの女の子の力?」

彼女の力をまともに受けてしまったグレ達、彼と共に彼女に対抗したナトリ。

その魂には、多かれ少なかれ……彼女の、ドス黒い絶望が混ざり込んでしまっていたのだ。

「正解。今は"あの世"……死後の世界にいるから、その呪いの影響を受けていない。でも、このまま現世に戻れば……どんなことになるかは、僕にも分からない」

ナトリ達「………」

「少なくとも、同じ自分に乗り移る完全な"転生"は……ただ、来世の自分に乗り移る"輪廻転生"なら、何とかなるかもしれない。その時には1度、魂が浄化されるはずだから」

ナトリ「……!」

「だけど、それでも……きっと、何かしらの影響は出てしまう。恐らく、染み付いた呪いを洗い流す時に……前世の記憶、つまり、今の貴女達の記憶が失われてしまうかもしれない」

ナトリ達「……ッ!」

「……転生出来るタイミングはこの瞬間だけ。この機会を逃してしまえば……もう2度と、転生することが出来なくなってしまう」

ナトリ「………」

グレ「………」

アサカゼ「………」

ユー「………」

グレ達は大いに悩んだ。例え生き返ることが出来たとしても、今まで過ごして来た思い出を全て忘れてしまうこととなるのだ。

そうなってしまえば、自分の今までの人生を全て否定し、壊してしまうことと同義だ。

ナトリ「……それでも」

グレ達「……!」

だが、ナトリだけは違った。仮に記憶を失ったとしても……ナトリには、確固たる意志があった。

ナトリ「このまま、本当の意味で死んでしまうより……もう1度、新しい人生を歩みたい」

ナトリ「そして……50周目提督に会いたい。約束したから……絶対に、また会うって……!」

ナトリ(もし、記憶が消えてしまっても……私の魂に刻まれた、50周目提督への想いは消えない……絶対に、消えたりしない……!)

彼を愛する気持ち……彼と魂を通じて1つとなった、あの時の感覚……彼と出会い、今まで深め合ってきた絆……それが消えることは無い。

記憶が無くなってしまっても、彼と出会うことさえ出来れば……必ず思い出す。ナトリはそう信じていた。

グレ「……そう、だよね。私、まだ……お礼言ってないよ。助けようとしてくれて、ありがとうって……!」

アサカゼ「……えぇ。50周目提督は、自分の身を削る思いで、私達を助けようとしてくれたのに……感謝の気持ちさえ伝えられないままだなんて……!」

ユー「そんなの、嫌……!ちゃんと、50周目提督に……お礼を言いたい……!」

「……決まったみたいだね」

少年はまるでこうなることを予想していたかのように、微笑みながらナトリ達を眺める。

ユー「うん……!」

アサカゼ「私達は……」

グレ「全員……転生して……」

ナトリ「……50周目提督と、再会する」

ナトリ(そして……今度こそ、ずっと一緒に……!)

「………」ニコッ

(うん、感じる……4人の気持ち、いや、魂が……1つの気持ちで繋がっているのを……!)

ナトリ達「………」ザッ…

ナトリ達は静かに、しかし力強く穴の前に立つ。その瞳に迷いは無かった。

ナトリ「……ありがとう」

「……ううん。お礼を言われる程のことじゃないよ。僕はただ、貴女達に……転生出来るという事実を教えたに過ぎない」

ナトリ「それでも、言わせて……?私に……私達に、あの子と再会出来るようにしてくれて……本当に、ありがとう……!」

グレ達「ありがとう……!」

「………」ニコ…

(……僕が知っている名取さん達とは違う。紛れも無く別人のはずなのに……やっぱり、重ねてしまう。どこからどう見ても、その笑顔は……名取さん達で……)ギュッ

ナトリ達「………」

ナトリ達(この穴に入れば、私達は……よし、覚悟は出来た。せーのっ!)

ナトリ達「……っ!」ピョンッ!

パシュウウウウウウウウウウウンッ!

「うっ……!」

スゥッ…

ナトリ達が穴に飛び込んだ瞬間、穴は眩い光を出しながら輝き……ナトリ達と共に消失した。

それを見た少年は、ナトリ達が現世へと旅立ち……輪廻転生していったのだと確信する。

「………」

(大丈夫。名取さん達に、その強い想いがある限り……いつかきっと、今までの出来事を思い出すはず)

(僕だって、ここに来てから……1度も忘れたことが無い。今だって、ずっと……"見ている"から)

(最愛の人の人生を……息子と娘、そして……"孫"が歩む人生を……それだけじゃない。尊敬する"先輩"の人生を……)































48周目提督(……神風ちゃん、1周目父、かみかぜ……1周目提督……今は元帥となった、先輩……)

48周目提督(約束したから。例え死んでしまっても、僕は……ずっと、神風ちゃん達を愛してるって……!)ギュッ

48周目提督「………」

48周目提督(でも……現世へ旅立っていった、名取さん達のことも……時々、見るようにしようかな)

48周目提督(乗りかかった船だし……いずれ、また……出会うことになるだろうから。もしかすると、近い内に……)































――体が、フワフワして……落ちているはずなのに、宙に浮かんでいるような……


――同時に、頭の中が……洗い流されていくような……あれ?私……何して……


――ッ!?いけない!忘れちゃダメ……!私は、50周目提督と再会する為に……


――50周目提督……?誰のこと、だろう……


――うっ、うぅっ……!だから、忘れちゃ……ダメ……!


――あの子は、私の……大好きな、人で……それで……


――それ、で……?私、一体……何を考えて……



























































――――――ナトリ達……否、彼女らは、その魂が浄化され……少年の懸念通り、前世の記憶を失ってしまった。


――――――永遠と言えるかもしれない。あるいは、ほんの一瞬の出来事だったのかもしれない。


――――――己が何者で、どのような存在であるかさえ、不明瞭だった彼女らが……再び目を覚ます時が訪れる。


――――――全てが消え失せてしまったかと思われたが……そうでは無かった。ただ1つだけ、忘れてはいなかったのだ。






















































――真っ暗で、何も見えない……

――私は、“何”……?何、なの……?

――分からない……何も、分からないよ……

――だけど……どうして、かな……?




――――――ずっと、待ち望んでいたかのような……




――温かくて、安心する……でも、それと同じくらい……

――切なくて、悲しい……

――私、どうして……こんな気持ちに……?

――自分が“何者”かも、はっきりしないのに……




――――――でも、これだけは言い切れる。

――――――私の、この気持ちは……!今、抱いている“想い”は……!






















































――――――"彼"との再会を望む気持ちを。そして……"彼"を、この世の誰よりも愛しているという……"魂に刻まれた想い"を。



























































――――――だが、その間に……"彼"と"彼女"による、骨肉の争いと言う言葉さえ生温く、それでいて……静かな攻防が繰り広げられていたのだ。





























彼と彼女の拒絶反応により、2つの存在は再び破裂してしまい……時空を超えて力の欠片をばら撒いてしまう。

それがきっかけで、彼と彼女は己の存在を維持出来なくなり……永い眠りにつくこととなった。

その間に、各時代で力の欠片を宿した存在が生まれ……時には"善意"を、時には"悪意"を生み出すこととなる。

無論、そのような力とは無関係に……人は他者を思いやり、同時に憎しみを抱く。

彼と彼女は、無意識の内に……前者は"善意"、後者は"悪意"の想いを集めてゆく。

だがそれは、1つ1つが小さい力にしかならない。故に、再び彼と彼女が具現化されるまで……実に数万年の時が流れた。

それも、彼と彼女が全く同じタイミングで具現化されたのでは無い。

「……うぅ」

冷たく暗い海の底。そこで……"彼女"は目が覚めた。

彼が抱いていた"希望"より、彼女が感じていた"絶望"の方が大きく深い。故に彼女の"悪意"を引き付ける力が上回ったのだ。

「ここ、は……海?それも、かなり底の方ね……」

彼女は具現化された直後、全てを把握した。以前のような、自我さえ朦朧としている状態にはならなかった。

1度は彼と合体し、全てを"思い出した"ことは……彼女の絶望を深めるだけでなく、存在の安定にも繋がったのだ。

「………」

(あれから一体、どれほどの時が経ったのかしら……本当なら、今すぐにでも全てを破壊してやりたいけど……)

(自分の姿形を保つのがギリギリである以上、"今"はまだ無理ね……しばらくはここから、ゴミ共の憎しみを集め続けないと……)

今は憎悪の化身となってしまった彼女だが、元は神と言っても差し支えない存在。

仄暗い海の底にいたとしても、人間が生み出す"悪意"を吸収する程度のことは造作も無いのだ。

(真っ赤な瞳に、真っ白な肌……ハッ。確かに私には、こういう誰も近付けない深海がお似合いかもね……)

(それにしても、あんなこの世に必要の無いゴミ共の感情を利用しないといけないなんて……っ!)ギリッ…!

(でも、そいつらを利用するだけ使用して……後で文字通り、ゴミとして処分してやれば……そう考えれば、少しは怒りも鎮ま…………ん?この気配って……)

そこで彼女は気が付く。海の底に、それはもう憎く……同時に、今まさに必要としていた存在が近づいていたことを。

そしてそれは、同時に"その人間"にとって……とてつもなく不幸と言えるであろう運命の時が迫っていることを意味していた。

15周目提督(10)「」ゴボゴボ…

(まさか……人間?でも、こんな過酷な場所、あんなゴミが生存出来るはずが……)

そう。謎の存在により不老不死の力を与えられ、孤独に苦しみながら800年を生き続けた……15周目提督である。

彼女が目覚めたのは、正しく15周目提督が溺れてしまった日……言い換えれば、彼に不死の力が植え付けられた日であったのだ。

「………」

(いや、違う。あいつ、後少しで死ぬわね。呼吸も止まってるし、魂がいまにも肉体から離れようとしている……)

彼は溺死寸前であった。このまま放置していれば、ものの数分で死に至るだろう。

仮に命だけが助かったとしても、長時間の呼吸停止による何かしらの後遺症は避けられない。

(あははっ、無様ね。人間の分際で調子に乗って海を泳ぐからよ。このままこいつの身体が腐り果てていくのを眺め……いや、待てよ?)

そこで彼女はあることを思いつく。目覚めたばかりの状況で、自身の力がどこまで人間に作用するのか。

いずれはこの世を滅ぼそうと考えていても、力が足りなければただ深海で身を潜めることしか出来ない。

しかし、もしかすると……現時点でも、深海から人間に干渉出来るだけの力は集っているかもしれない。

(……こいつで試してみましょうか。どうせ失敗したところで、こいつが無残な死を遂げるだけだもの)スッ…

彼女は、顔面蒼白となった彼に手を向け……己が持つ力の、それも僅かな量を注ぎ込む。

最大の力を発揮し、また永い眠りにつくことになってしまえば本末転倒だ。こんな状況で無茶は出来ない。

「……っ!」ピカッ!

15周目提督「」

「……さて、どうなるかしら」

15周目提督「」

「………」

(反応が無いわね……やはり失敗かしら。となると、しばらくはここで"悪意"を集めるしか……)

15周目提督「」ピクッ

「……!」

15周目提督「………」ピクッ…ピクッ…

(……死にかけていた肉体の生命活動が再開した?それに、血色もどんどん良くなって……こいつの魂が、私の力で……肉体に縛り付けられて……)

彼女が力を注ぐと、死亡直前まで追い込まれていた彼は……再び息を吹き返し、みるみる内に健康体となってゆく。

まるで先程まで溺死寸前だったと言われても信じられない程に……"死の概念さえ存在しない"と思い込んでしまう程に。

「……これは収穫だわ。どうやら、今の私でも……ゴミ共にここまで干渉することが出来るなんて」

(まさか、魂と肉体ががんじがらめになることで不老不死となるなんて……ま、私が与えた力だし、その気になればいつでも取り払えるけど……)

15周目提督「うん……あれ?オラ、確か溺れとったはず……」

「………」ニヤリ

(当然そんなことする訳無い。こいつには、無限の寿命を生き続ける地獄を味わってもらわないとね……そして私の糧にしてあげるわ)

己の力が人間に干渉出来る。その事実を知ることが出来ただけでも、彼女にとっては朗報だった。

無論、彼のように至近距離では無く、深海から干渉するとなれば、それだけ彼女の干渉による影響力は小さくなってしまう。

だが、1人の人間を容易く不老不死にしてしまう程の力であれば、人々の不幸をかき集めるには十分過ぎる程だ。

「気がついた?ふぅ……その様子だと間に合ったみたいね」

(本当なら、今すぐこいつに絶望を突き付けたいけど……まずは希望を与えて、その後に叩き落した方が……あはっ)ニヤッ

15周目提督「んぁ?おめぇ誰だ?もしかしてオラを助けてくれたんか?」

「まぁそんなところ。危なかったわね~、私が見つけなかったら今頃海の底で骨になってたわよ?」

(うげぇっ……嘘でもこんな演技をしなきゃいけないなんて反吐が出るわ。でも、後に取り込む絶望の為……!)

15周目提督「うえぇ!?そ、そうだったんか……あんがとな!おめぇはオラの命の恩人だ!」

(恩人、ね……あははっ、馬鹿じゃないの?)

「まったく……次はもっと浅瀬で泳ぎなさいよ?」

15周目提督「いやぁ~あはは……」

「………」

(何も知らないまま地上に返すか、あえて不老不死の事実を教えておくか……後者ね。この歳のガキなら、きっと不老不死になったと思えば喜ぶはず……)

(そしていずれは、自分が不老不死という呪われた存在にされたことに絶望……あはっ。ゴミにはお似合いの末路ね)ニヤリ

「……1つだけ、いい?」

15周目提督「ん?どした?」

彼女は彼に、自身の力を与えて不老不死にしたことを伝える。現在とは違い、まだ不老不死の怖さを理解出来なかった彼は、当然喜んだ。

見事に己の策略通りの展開となり、彼女は彼に気づかれないようほくそ笑む。

同時に、人間がいかに浅はかで救いようのない存在であることを再確認した。

「それこそ矢が刺さろうが火で焼かれようが刀で斬られようが……痛くも痒くも無いわ」

15周目提督「おおー!オラの体は鋼鉄じゃー!どんな敵でもかかって来い!あはははは!」キャッキャ

(ハッ。本当に何も知らないのね……"殺してくれと思う程の絶望を味わっても、死ぬことさえ許されない"ことが、どれほど苦痛なのかを……)

15周目提督「そんで、オラはどうやって元の場所に帰ればいいんだ?いつも遊んでる2人が待って……」

「それなら普通に泳いで行けばいいわ。ここは貴方が溺れていた場所の真下だから、上に泳ぎ続ければ10分くらいで浜辺に着くわ」

15周目提督「そっか!あんがとな~!んしょんしょ!」ゴボゴボ

「……はぁ。私って甘いなぁ……どうせこの先、人類と争うことになるのに……」

彼は……無限の命を与えられてしまった15周目提督は、上機嫌で海上へと泳いで行った。

その様子を、さも申し訳無さそうな表情を……浮かべる演技をしながら、無知な彼を見上げる彼女。

「……なんてね。恩人?甘い?馬っ鹿じゃないの!?誰がお前のようなゴミを善意で助けるかっての!」

(お前は後で想像を絶する苦しみを味わえ……不老不死という事実が、どれ程に耐え難い苦痛なのかを……あはっ、あはははははっ!)

彼女の思惑通り……彼はその後、村から化け物として追い出され、両親に先立たれてしまう。

それどころか、自殺して後を追うことさえ許されず、800年もの長い間、出会いと別れ……そして、孤独に苦しめられることとなる。

だが、それはまだ彼女が引き起こす絶望の前座に過ぎないのだ。現に彼女は今……

「まだこの世を全て壊し尽くすには足りない……全ッ然足りない!だけど、人間に干渉出来ることは分かった……」

「だったら、私が全盛期の力を取り戻すまで……深海からでも、ゴミ共を不幸のどん底に叩き落してやる!」

(直接は干渉出来なくても、間接的な干渉なら……そうね。人間共の思考や精神に影響を与えて、憎悪を引き出すくらいのことなら簡単じゃない)

……人の精神、否、"魂"に干渉し……人々が自ら"悪意"を生み出す方向へ誘導するという最悪な手段を思いついてしまったのだ。

言わば因果へ干渉するのと同義。無論、今の彼女の力では、全人類を同時に操ることは不可能だろう。

しかし、それならば1人1人の悪意を増大させてしまえば……その後は人間同士が勝手に同士討ちし、醜い争いを勃発させるだろう。

(あははははっ!どうよ!止められるもんなら止めてみなさい!この世の誰よりも憎くて、今すぐにでも消し去ってやりたい……もう1人の"私"……!)

(お前がいつ目覚めるか、もしくは永久に目覚めないか……どっちにしても関係無い!お前が私の前に現れる頃には、全てを手遅れにしてやるッ!!)

もう1人の自分……"彼"に対する執念と怒り、その他考え得る"悪意"が、彼女の持つ力をより一層強化してしまう。

彼女と彼は、元は同一の存在。そう言われて瞬時に理解出来る人が、果たしてこの世にいるだろうか……否、いるはずが無いだろう。































――――――後に15周目提督は"不思議な男の子"、彼女は"海の精霊"として……人々の間で、伝説として語り継がれることとなる。


――――――その正体は、不老不死という絶望を抱えてしまった不幸な少年と……この世に災厄を振り撒く邪神とも言える、最悪の存在だったのだ。


――――――そして彼女は、"彼"が再び目覚めるまでの数百年間……世界各地の人間の魂に干渉し、ありとあらゆる不幸を生み出すこととなってしまう。


――――――同時に、人々の"悪意"を全て吸収し……時が経つにつれて、彼女は失われた力を取り戻してゆく。


――――――しかし、そのような状況は彼女のある1つの考えによって変わることとなる。実はこれこそが……



























































――――――――――――人類史のターニングポイント。"艦娘"と"深海棲艦"の誕生である。





























今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。進行が遅くなってしまい申し訳ありません。
実は15周目提督を不老不死にした存在というのは、40周目くらいまではかなりフワッとしていて、細かい設定等は考えていませんでした。
しかし50周目を最終回にすると決めた以上、伏線回収もとい後付け設定で何とかしようと考えた結果、このような展開となりました。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

更新が滞ってしまい申し訳ありません。
何とか三が日前後に1回は更新出来るよう努力しますので、それまでお待ちいただけると幸いです。

18:00~19:00頃開始予定です。

始めます。途中で休憩を挟む予定です。
そして申し遅れましてすみません。あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願い致します。
このスレも残り僅かとなりましたが、最後までお付き合いしていただけると幸いです。

彼女が15周目提督に絶望を植え付けた日から、実に数百年の時が流れた。西暦にして、およそ1900年前後と言ったところだろうか。

その有り余る時間を、彼女は人間の魂に干渉し……"悪意"を貪ることに費やした。

1日、否、1秒たりとも休まず……ただひたすら悪意を吸収し続けた。

全てはこの世を絶望で覆い尽くし、破壊する為。そして何より、最も許せない存在……"彼"を葬り去る為。

それだけを考えながら、彼女は己の都合で……罪の無い、多くの人々を不幸に叩き落してきた。

冷たく暗い、海の底に佇みながら……執念の炎に燃えた、赤い瞳を輝かせながら。

「………」

(足りない……まだ足りないわ。これだけじゃ、まだ全てを壊すには……全然足りないッ!!)

だが彼女は憤慨していた。人間の精神に干渉し、これまで多くの争いを生み出してきたものの……

かつて全盛期だった頃の、万物を手に取ることが出来る程の力は取り戻せていなかったのだ。

(ゴミ共の醜い欲を刺激して、見るに堪えない戦争ばかり引き起こして来たというのに……まだ足りないというの……!?)

彼女は焦りを感じていた。いくら自分が先に目覚めたとしても、いずれは彼も再び具現化するだろう。

無論、彼女とてその可能性を危惧していなかった訳では無い。だが、今の力では彼を消滅に追い込むには……まだ不十分だ。

(……このままあいつらの悪意を煽るだけでは限界がある、か。だからと言って止める訳にはいかない。何か、あいつらを更に絶望へ叩き落す方法は……)

ドォーン…

「ん?この音は……戦艦か。本当に、少し悪意を刺激するだけであいつらってすぐ争いごとを始めるのよね。ハッ、私を苦しめた時と何も変わっちゃいない」

(お前達のせいで、私は……あんな目に……っ!出来ることなら、私が自らの手であいつらを皆殺しにしてやりたいのに……"自らの手で"……私、が……)

「……!」

彼女は閃いた。閃いてしまった。今まで以上に効率的に人間達から絶望を吸収し、己の糧にする方法を。

「……そうよ。私が自ら戦争を……ゴミ共の争いを激化させてやれば良いのよ。目覚めたばかりの私なら無理でも、今の私なら……!」グッ…

「もちろん、私が"直接"大暴れするには……悔しいけど、まだ力が足りない。だけど、今までと同じように"間接的な"方法でやれば……!」

「それこそ、深海からゴミ共に干渉するのと同じように……遠隔操作で海上に出現させて、そこで大暴れさせてやれば良い……!」

(今まで溜め込んだ力を節約し、尚且つあいつらを震え上がらせる為には……そうね。あいつらが戦争で使う"破壊兵器"で……!)

(それも、奴らと同じ姿をした……それこそ、私のような女から、容赦無く攻撃されれば……惨めで、悔しくて、情けなくってたまらないでしょうねぇ!)

人類が開発した兵器は、実に多くの人間達を殺めてきた。それなら、奴らの絶望をより深くする為にも……奴らと同じ兵器で攻撃してやれば良い。

そう考えた彼女は、己に込められた悪意の力を凝縮させ……人類の破壊兵器を、それも"人間の姿"で具現化する。すると、彼女の目の前に現れたのは――

パシュンッ…!

ヲ級「………」

レ級「………」

深海棲艦「………」

「……あははっ、どこからどう見ても人間にしか見えないわ。一部どう見ても人間じゃ無い奴もいるけど、それはそれで怪物みたいだしゴミ共も悲鳴を上げるはず……」ニヤリ











――深海棲艦。人類や艦娘達を攻撃する、謎に包まれた存在。

そう、彼女こそが……深海棲艦の"生みの親"ということになる。











深海棲艦が海で大暴れしていた全ての原因は……文字通り、彼女の海よりも深い絶望にあったのだ。

そして深海棲艦が人間の少女のような外見をしていたのも、彼女の策略と……

そして、42周目提督から読み取っていた記憶が無意識の内に反映された結果だ。

同時に、"彼"が人間達にもてはやされていたことに対し、強い"嫉妬"を感じたからこそ……

似た外見の少女で人類を襲うという、歪んだ"憎しみ"が反映されたとも言えるだろう。

故に深海棲艦は、人類や艦娘達に殺意を抱き……理由も無く攻撃し、不幸に陥れる存在となってしまった。

(こいつらを深海から操って、人間共を無残にぶっ殺していけば……今まで以上に奴らの絶望や憎しみを取り込むことが出来る……!)

(しかも具現化するのに消費する力より、人間共から得られる悪意の方が遥かに多い。これからはこいつらを増やせるだけ増やして、今まで以上にゴミ共を苦しめてやる……!)

(そしていずれは、全盛期の力を取り戻して……何もかも、滅茶苦茶にしてやる……!)

(この世に生き物なんて、必要無い……あんな馬鹿で、愚かで、どうしようもない奴らなんか……ッ!)ギリッ

深海棲艦「………」ギラリ

「……ふぅん。良い目をしてるじゃない。じゃあ早速、奴らが戦争してるところに突撃して、思う存分血の雨を降らせて来なさい!」

深海棲艦「………」コクリ

彼女がそう言うと、深海棲艦達は殺意に満ち溢れた表情をしながら……ゆっくりと、海上へ向かって行く。

今正に世界各地で戦争を始めている人類を、より深い奈落の底へと叩き落とす為に……































――――――彼女が深海棲艦を生み出したことがきっかけで、各国で戦争中の人類の前に……最悪の存在である深海棲艦が現れる。


――――――ただでさえ人間の醜い欲で包まれていた状況に、深海棲艦が介入したことで、戦争は我々が知る歴史より泥沼化する。


――――――当然、犠牲者も激増してしまい、太平洋も大西洋も……どの海にも血が降り注ぎ、正しく彼女の目論見通りとなってしまった。


――――――無論、彼女は深海棲艦によって生み出された人々の悲しみ、憎悪、絶望……全てを飲み込んでいく。



























































――――――だが、世界は……人類はこのまま絶望で支配されることにならなかった。


――――――何故なら……彼女より数百年の遅れをとってしまったが、ついに……"彼"が目覚める時がやって来たからだ。





























ショタ提督「……ん」

彼は偶然にも、かつてナトリ達と共に過ごした浜辺の浅瀬で意識を取り戻す。彼女程ではないが、彼もまた、海の中で目が覚めた。

ショタ提督「ここ、は……そうだ!?ナトリ達は!?」ガバッ

彼女同様、彼も分裂前までの記憶を失っていなかった。最愛の人であるナトリや、グレ達を探そうとするも……

ショタ提督「……いない、か」

当然、見つかるはずが無い。彼はまだ知らないが、ナトリ達は既に転生している。

そして、転生したナトリ達は……"まだ"この世に存在していない。

ショタ提督「………」

ショタ提督(ナトリ達の生命反応を感じない……でも、僕は諦めない。このまま待ち続ければ、いずれ……)

ズドォォォォンッ…!

ショタ提督「……何の音だ?海の上から聞こえて……っ!?」

そして、彼は気が付く。自分が長い時を眠っていた間、何が起こっていたかを……

ショタ提督(あ、あれは一体……海の上に立ち、人間達に攻撃している……それに、あの姿は……!)

ショタ提督(まさか……"もう1人の僕"の仕業か?くっ……!そうか、僕より先に具現化されて……)

彼は全てを"見通し"、瞬時に把握した。彼女が先に意識を取り戻していたことと……

彼女が人間の魂に干渉することで争いを生み出し、挙句の果てには得体のしれない存在で人類を攻撃していたことを。

ショタ提督(人間同士の争いで、罪の無い多くの人々が命を落とし……それだけじゃない。"僕"のせいで、更に犠牲者が……)

人類は自らが開発した兵器で深海棲艦に攻撃するが、全くと言って良い程に効果が無い。

仮にもかつては神とも言える存在だった彼女が生み出した産物に、人類程度の力は……無意味なのだ。

こうしている間にも、深海棲艦は人類を攻撃し……その命を奪っていく。人類を絶望で覆い尽くしてゆく。

傷つき、絶望に呑まれ、悲鳴を上げる者もいれば……発狂し、自ら命を絶つ者も現れる。

ショタ提督「……させない。そんなこと……させるものか……!」

ショタ提督(これ以上、"僕"の思い通りにはさせない……!絶対に、食い止めなければ……だけど、どうすれば……)

人類同士の紛争であれば、こちらも彼女の同様の手段で対抗することが出来る。

しかし、深海棲艦という存在にどう対抗すべきか。人類の兵器が通用しない以上、人間の力では太刀打ち出来ない。

かといって、今の彼の力では正面から戦うことは不可能だ。眠る間に吸収した力は彼女より多いとしても、先に目覚めた彼女が貪り続けた力にはまだ及ばない。

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(……"僕"を止められるのは、僕しかいない。あの得体のしれない存在……深海棲艦の暴走を止める為には、僕も……!)カッ

彼女が生み出す"悪意"に対抗する唯一の方法。それは、彼女とは正反対の"善意"の力……そう、彼が持つ力のみ。

そう考えた彼は、彼女と同じように……自身に込められた力を利用し、"ある存在"を生み出す。

パシュンッ…!

妖精達「………」

ショタ提督「………」

ショタ提督(僕の力では、まだ深海棲艦に対抗出来る存在を直接生み出すことは出来ない。だからこそ、こうして……)

彼は"装備妖精"を生み出す。彼女らは彼の力を保有しているが、彼女らだけで深海棲艦と戦うことは難しい。

無論、彼もそれは理解している。妖精達を生み出した理由は……彼女同様、"間接的に"人類に干渉する為だ。

妖精達「………」

ショタ提督(彼女達を海の上……それも、人類の軍施設に送り込む。その後は、彼女達に僕の力を利用してもらって……)

ショタ提督(……深海棲艦に対抗することが出来る技術を組み込む。既存の兵器に、僕の力を注ぎ込めば……)

力を直接行使することが難しいのであれば、既に完成した兵器に力を宿せば良い。

そうすれば、力の消費を可能な限り節約しつつ……深海棲艦から人類を守ることが出来る。

ショタ提督「……皆、ごめんなさい。本当なら、こんなことに皆を巻き込みたくないけど……」

ショタ提督「でも、"僕"を止める為……そして、この世界を守る為なんだ。だから、お願い……!」カッ

妖精達「………」シュンッ…

ショタ提督「………」

ショタ提督(妖精達を海上の、それも人類が持つ海軍施設へと送り込む。そして妖精達と人間の精神に少しだけ干渉して……それだけではダメだ。後は……)

―――

元帥(※本編時間軸に登場する元帥とは別人)「はぁ……」

元帥(突如海から現れ、我々を襲う謎の存在……更に、こちらの攻撃が一切通用しない。)

元帥(このままでは、我が軍の損害は大きくなるばかり……どうすれば奴らに対抗することが出来るんだ……?)

「……ねぇ」

元帥「……ん?」チラッ

妖精達「深海棲艦を何とかしたいの?だったら私達に任せて!」

元帥「なっ……!?こ、これは一体……私はついに幻覚を見てしまう程に追い詰められたというのか!?小さい女が目の前に……」

妖精達「幻覚なんかじゃないよ!本当に、私達なら深海棲艦と戦う武器を作ることが出来るから!」

元帥「……本当、なのか?」

妖精達「うん!だからさ、私達を船渠に案内してくれないかな?」

元帥「………」

元帥(……ダメで元々だ。今は藁にも縋る思い……こいつらに賭けるしかない、か)

元帥「……分かった。ついて来ると良い」

妖精達「はい!」

―――

元帥「着いたぞ。ここが船渠だ」

妖精達「わぁ……大きな船が沢山あるね!」

元帥「当然だ。我が軍が誇る軍艦の数々だからな」

妖精達「ようし!それじゃ早速……作っちゃうね!」シュバババ

元帥「え?」

妖精達はどこからともなく工具を取り出し、小さな身体とは思えない程の動きと速度で船を改造していく。

元帥「お、おい!?何を……」

妖精達(深海棲艦と戦う為には、このままじゃダメ……"私達が"、ちゃんと作り替えないと……!)シュバババ

妖精達は目にも止まらぬ早さで、軍艦に彼の力を注ぎ込んでゆく。

ただ、妖精達には"己に込められた彼の力を宿している"という"自覚が無い"。

そして数分もしない内に、船の改造が完了する。それを見た元帥は、その変貌に度肝を抜かれることとなる。

妖精達「これでよし!」

元帥「なっ……!?」

元帥(う、嘘……だろ……!?あの巨大な船が……)




吹雪「………」キラキラ

電「………」キラキラ

五月雨「………」キラキラ

漣「………」キラキラ

叢雲「………」キラキラ




元帥(人間の女の姿になった、だと……!?)

そう。吹雪、電、五月雨、漣、叢雲。この5人こそが、人類史上初の艦娘だったのだ。

軍艦だった彼女らに妖精達の技術……彼の力が注がれたことで、深海棲艦と同様に人間の姿へと進化を遂げた。

妖精達「どう?凄いでしょ!これなら深海棲艦相手でも十分に戦えるはず!」

元帥「……そう、なのか?いや、あれだけの巨体がここまで小型化する技術……そう考えれば、奴らに応戦することも……!」

元帥(だが、いきなり実戦に利用するのは不安だ……まずは試験的に運用してみなければ……)

―――

ショタ提督「……!」

ショタ提督(やはり僕と"僕"は、本質的に同一の存在、か……船が人間の姿へ形を変えるとは……)

海の中から"見通して"いた彼も、吹雪達の姿を見て驚いていた。

深海棲艦を生み出した彼女と同じように、自分も力を行使した結果……船を人間に変貌させてしまったのだ。

これもまた、42周目提督の記憶を読み取った影響である。彼も彼女も、無意識の内に42周目提督の記憶に感化され、彼女らを生み出した。

ショタ提督「………」

ショタ提督(いや、今は驚嘆している場合ではない。とにかく、これで深海棲艦から人類を守ることが出来るはず……)

ショタ提督(僕の"誘導"通り、人間は"妖精達の存在に対して必要以上に疑問を抱いていない"し、妖精達も"自分自身の存在や能力を疑問に思っていない")

彼は人間や妖精達の精神に干渉し、船を人間にする技術や妖精達の存在を追及しないようにした。

そして同時に、妖精達や人間となった船……艦娘も、自分の存在を深く考えないようにした。言わば思考・因果のプロテクトだ。

こうすることで、人間と妖精達がスムーズに交流することが出来るようになり、そして艦娘とも交流することが出来る。

それだけでなく、万が一人間や妖精、艦娘が真実に辿り着いてしまい……混乱してしまうことを防ぐ為でもある。

一刻も早く人類を深海棲艦から……彼女から守る為、彼は罪悪感を抱きながらも、人の心に干渉することに決めたのだ。

少し休憩します。21:30~22:30頃再開予定です。
吹雪達の進水日(?)が現実と違っていますが、この世界ではこういう歴史だと考えていただければ幸いです。

再開します。

その後、元帥は吹雪達を「艦娘」と名付け、妖精達と共に旧15周目鎮守府や一部の鎮守府に派遣する。

そこで活動させることで深海棲艦にどこまで戦えるかを見極めようとしたのだ。

ショタ提督「………」

ショタ提督(良かった……旧15周目提督が、艦娘達を人として扱ってくれる良い人で……)

元々が船だった艦娘を不気味に思うことなく、1人の人間として受け入れてくれるかどうかが彼の不安だった。

しかしその心配は杞憂に終わる。旧15周目鎮守府に所属する旧15周目提督は、吹雪達や妖精達を温かく迎え入れたのだ。

―――

旧15周目提督(以下・旧提督)「見ろ!これが我が鎮守府自慢の艦娘だ!」

15周目提督「艦娘とな?」

吹雪「あの、司令官。この子は一体……?」

叢雲(随分とボロボロの服を着てるのね)

漣「うはっ!ショタktkr!」

五月雨(ネットすら存在しない時代でネットスラングを使うなんて……)

電(五月雨ちゃんのその台詞もアウトなのです……)

しばらくすると、かつて彼女によって不老不死となってしまった15周目提督が旧15周目鎮守府を訪れた。

その様子を"見ていた"彼は当然、15周目提督に宿された力の正体を看破する。

―――

ショタ提督「ッ!?あ、あれは……まさか……!」

ショタ提督(あの子の魂から、"僕"の怨念を感じる……魂が肉体と雁字搦めになっていて、絶対に死なないように……それも、数百年以上の間……)

彼女と同じく魂に干渉出来る彼は、15周目提督が過ごして来た時間を瞬時に理解した。

同時に、15周目提督が抱き続けて来た絶望と孤独感も見抜いてしまう。

ショタ提督「……っ」グッ…!

ショタ提督(くっ……僕が先に目覚めていれば、こんな悲劇を防ぐことが出来たかもしれないのに……っ!)

ショタ提督(だけど、今の僕にあの子の呪いを解く程の力が無い……"僕"が込めた"憎しみ"の力が、あまりにも強過ぎる……)

ショタ提督(……ごめんなさい。"僕"のせいで……!)

だが、そんな彼に追い打ちをかけるような悲劇が起きてしまう。

そう。15周目提督が現代にこの地へ赴く理由となった、あの悲しい出来事が……

―――

15周目提督「………」

旧提督「」ゴボボ…

15周目提督「……っ!」ギリッ

吹雪達や旧提督が深海棲艦相手に応戦するも、数の暴力には敵わず……敗北してしまう。

否、ただ負けただけならまだ良い方だっただろう。だが、この戦いで旧提督は……死亡してしまった。

15周目提督「……こんな……こんなことって……っ!」

無論、15周目提督は呪われた不死の力を宿している為、ただ1人生還した。生還"してしまった"。

15周目提督「くそッ!!ワシは……ワシは子供の頃から何も変わっとらんじゃないか!親しい者1人助けることが出来ないなんて……っ!」プルプル

旧提督「」

だが、それが15周目提督の心をより追い詰める結果となってしまった。彼は再び絶望したのだ。

無限の命を持つ15周目提督では、後を追うことさえ許されない。常にただ1人……この世に取り残されてしまう。

―――

ショタ提督「そ、そんな……」

一方、海から様子を"伺っていた"彼も、この敗戦に驚愕していた。

確かに苦戦することは想定内だった。相手が大人数で攻め込むことも考慮していた。

しかし……最初こそ善戦していたが、相手に数隻増援が来ただけでここまで惨敗するとは思ってもいなかったのだ。

ショタ提督(僕は確かに、吹雪達……いや、吹雪さん達に、妖精達を通じて僕の力を注いだはず、なのに……)

―――







吹雪(駆逐艦)「」ゴボゴボ…

五月雨(駆逐艦)「」ゴボゴボ…

漣(駆逐艦)「」ゴボゴボ…

叢雲(駆逐艦)「」ゴボゴボ…

電(駆逐艦)「」ゴボゴボ…







ヲ級「あの駆逐艦達……案外弱かった」

レ級「そりゃあ5対10じゃね~!」

ル級「私達の圧勝でしょ!」

吹雪達は戦いに敗れ、海の底へと沈み……"人の姿から、傷付いた軍艦の姿へと戻った"。

現代の艦娘とは異なり、吹雪達は"既存の船に彼の力を宿した存在"……故に、その命が尽きた瞬間、"元の軍艦の姿へと戻ってしまう"。

―――

ショタ提督「………」

ショタ提督(……ごめん、なさい……僕のせいで……そして、"僕"のせいで……ごめんなさい……っ!)

彼には謝罪することしか出来なかった。自らが生み出した存在が傷付き、命を落とす光景に……胸が締め付けられる。

だが、彼はその光景から目を背けることはしなかった。出来なかった。せめて、沈みゆく吹雪達の姿を……心に焼き付ける。

この先、このようなことが起こらない等という楽観的思考は許されない。この現実を噛み締めて、彼はそれでも……人類を守る。

ショタ提督(……だけど、ここで止まる訳にはいかない。ここで全てを投げ出してしまえば……"僕"や深海棲艦が、何をするか……分からない……!)

ショタ提督(僕が食い止めないと……それが出来るのは、僕しかいないんだ……っ!)グッ…!































「……ふぅん。あいつ、ついに目を覚ましたんだ」


「何やら私の真似をして、よく分からない奴らを生み出してるけど……そんなガラクタで私を止められると思ってる訳?」


「私が感じた苦しみや絶望は、その程度なんかじゃない……お前如きが、理解出来るはずが無い……!」


「これ以上、邪魔をするというのなら……潰す。潰してやる……ぶっ潰してやる……!」


「そして、今度こそ……お前をこの世から葬り去ってやる……ッ!!」





























その後、人類は深海棲艦との戦いだけでなく、世界規模の大戦争を引き起こすこととなる。

彼女が人間の悪意を刺激し、その度に彼が人間の善意を刺激するも……数百年間の重みが、彼にハンデとして圧し掛かる。

大日本帝国海軍は、連合国及び深海棲艦との戦争に対し、少しでも技術的に優位に立とうと妖精達を総動員させて軍艦を艦娘に変えてゆく。

しかし、そうすればそうするほど……当然だが、犠牲も増えてゆく。人となった艦娘が傷付き、海底に沈んでは大破した船へと変貌する。

当然、彼もその光景を目の当たりにしていた。そして彼にとって、最も辛かったのは……

―――

妖精達「完成!」

名取「………」キラキラ…

軍人「よし!お前にも早速戦ってもらう!」

名取「は、はい……!」

―――

ショタ提督「……!」

ショタ提督(な、ナトリ……いや、違う。彼女は……名取さんは、ナトリとほぼ同じ姿だけど、別人なんだ……"宿っている魂が違う")

軽巡洋艦『名取』が……彼にとっての最愛の人、ナトリと非常に似ていたことだ。

愛する者と瓜二つな少女を戦場に出さなければならない……その事実が、彼の心をより締め付ける。

ショタ提督「……っ」フルフル

ショタ提督(いけない……私情を挟んではならない。"僕"や深海棲艦から、人類を守らなければ……)

だが、彼は彼女と深海棲艦の暴走を食い止める為、妖精を通じて軍艦に己の力を注ぎ込み続ける。

そしてその度に、艦娘達は深海棲艦と戦い、傷付き……犠牲となった者が増えてゆく。

それだけでは無い。元は深海棲艦から人類を守る為に艦娘を生み出したというのに、人類同士の戦争にまで利用されてしまっている。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……まさか、"僕"の仕業……なのか……?"僕"が誘導したからか……?)

彼はその可能性に気が付く。深海棲艦や人類同士の争いは、目覚めた時から既に彼女の仕業だと把握していた。

しかし彼女はそれに加えて、彼が生み出した艦娘さえ人類同士の争いに利用し、人々の絶望を生み出す手段として活用しているのだ。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……いずれにしても、このままではダメだ。深海棲艦との戦いだけでなく、人類の戦争の被害にまで……)

彼は彼で人間に干渉し、少しずつだが確実に人々の人生を幸福に向かわせ、その都度"善意"や"温かい気持ち"を吸収している。

そして彼女による"悪意"の誘導も、可能な限り横から介入して阻止している。だが、それでも限界がある。

この状況が続けば、艦娘達は深海棲艦と世界大戦の板挟みとなり、犠牲者が増えてゆく一方となってしまう。

ショタ提督「………」グッ…

ショタ提督(これ以上、僕の力を争いに利用したくない……利用されたくない……)

ショタ提督(だけど、そんな我儘を言っている状況ではない……艦娘達を、今までよりも"強く"しなければ……)

彼は"善意"を集め続けたお陰で、現在は目覚めた時よりも多くの力を宿している。

すなわち、艦娘達に注ぎ込む力を増やすことが可能となったのだ。

ショタ提督(最初は人類が生み出した兵器に力を宿せば、僕の力の節約になると考えていたけれど……それが間違いだったんだ)

ショタ提督(そのせいで艦娘達は少ない力で深海棲艦と戦い、消耗しているところに人類同士の戦争にまで巻き込まれてしまった)

ショタ提督(理想を言えば艦娘を戦わせず深海棲艦の暴走を鎮めることだけど、それが不可能である以上……艦娘達を強化するしかない)

彼は大いに悩んだが、罪の無い人々を深海棲艦から守る為と考え……苦渋の選択で艦娘達を強化することを選ぶ。

今までは既存の船に力を注いでいたが、それでは宿す力が少ない為、艦娘達は真価を発揮することが出来ない。

ショタ提督「………」スッ…

ショタ提督(……"0から生み出す"。それでいて、"注ぐ力の量を増やす")カッ

―――

妖精達「……っ!」ドクンッ…

軍人「……どうした?」

妖精達「……作らなきゃ」

軍人「え?」

妖精達「艦娘達を"0から生み出す"為の設備を……作らなきゃ……!」ダッ

軍人「あっ、おい!?どこへ行く!?お前達にはまだ改造して欲しい船が……!」ダッ

―――

ショタ提督「……成功、か」

ショタ提督(本当なら、その場で艦娘を生み出すことも出来たけれど……少しでも自然な形にする為に、設備を開発するところから始めた)

ショタ提督(僕が干渉すれば、その技術に疑問を持たないようにすることは可能だ。でも、その手段を乱用すれば……やっていることが、"僕"と同じになる)

ショタ提督(後は設備が完成次第、僕がその都度妖精達に力を注ぎ……生み出された艦娘達にも、僕が力を注ぐ)

ショタ提督(そうすれば、以前よりも飛躍的に強い艦娘達を沢山生み出すことが出来る。もちろん、無暗に増やす訳にはいかないけれど……)

ショタ提督(僕が持つ力にも……限界がある。せめて、人類同士の戦争が終わらないと……多くの艦娘達を生み出すことは……)

妖精達が迅速に工廠を改造し、以後は既存の船が無くとも艦娘を"建造"出来るようになった。魂も安定し、轟沈さえしなければ不老の存在となった。

それだけでなく、艦娘達がいつか戦いを終えて自由となった時、あるいは愛する者と人生を歩むことを誓った時、限りなく"人間"に近い存在になれるようにもした。

艦娘達の艤装を"解体"すれば、すかさず彼が艦娘に宿った力の一部を回収し……不老の効果を無くし、人間として余生を歩めるようにしたのだ。

何故"一部"なのかと言うと、力の全てを回収してしまった場合、艦娘は人としての姿を保てなくなり、その存在が消滅してしまう為だ。

これにより大日本帝国海軍の戦力は飛躍的に向上し、深海棲艦に対しても以前より善戦するようになる。

もっとも、世界大戦に関しては既に大日本帝国は敗戦寸前まで追い込まれていた為、そこから事態を好転させることは出来なかったが。

だが、これで戦力の問題は解決したとしても……新たな問題が浮上することとなる。

今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
次回、あるいは次の次の更新で、ようやく回想パートが終了すると思います。
文中に入れ忘れましたが、50周目提督は「艦娘の生みの親」です。
今月の末で5周年を迎えるこのスレですが、ここまで来たら5周年に合わせて完結出来るよう努力したいと思います。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

―――

元帥「……これだけの鎮守府を同時に建設するのか?」

軍人「はい!深海棲艦の脅威を減らす為にも、戦力の強化は不可欠です!」

元帥「だが、戦争で焼け落ちてしまった建物等の復旧が……」

軍人「確かにそれも大切です!だからと言って無防備のままでいれば、それこそ日本は更なる被害を負うことになりかねません!」

元帥「う、うむ……」

軍人「とりあえず鎮守府を建設し、一通りの艦娘を用意さえしておけば、最悪の事態だけは防ぐことが出来ます!違いますか!?」

元帥「……分かった。鎮守府の増設を許可しよう」

軍人「ありがとうございます!」

日本はアメリカからの指示により、武装することは出来なくなった。しかし、深海棲艦の被害は既に世界各国に広がり……

例外として、深海棲艦からの脅威に対抗することを目的とするならば、日本が艦娘を保有することを許可されたのだ。

だが、日本は数年前までの世界大戦により、戦争に対して非常に恐怖心を持っていた。

その為、政府や海軍は鎮守府を日本各地に増設し、いつでも深海棲艦に応戦出来るよう準備を整えたのだ。

しかし、彼らは知らなかった。艦娘を増やすだけ増やすということが、彼女らにどれ程の苦痛を与えるのかを……

―――

名取「……提督、いつになったら来てくれるのかな」

長良「あ、諦めちゃダメだよ!待ち続ければ、いずれは……ね?五十鈴っ!」

五十鈴「………」

長良「……五十鈴?ちょっと、ねぇ?」

五十鈴「………」

長良「……っ」ジワッ…

とある鎮守府は、建設後から10年間放置され続け……既に艦娘達の精神崩壊が始まってしまっていた。

五十鈴もその1人であり、彼女の心はもう壊れてしまった。姉妹がどれだけ声をかけようと、返事が返って来ることは無い。

名取「……もう、無理だよ。ずっと、待ち続けて……期待を裏切られ続けて……限界、だよ……」

長良「……うっ、うぅっ……あぁっ……」ポロポロ…

―――

ショタ提督「……っ」

ショタ提督(鎮守府や艦娘を増やし過ぎたせいで、どの鎮守府も提督が不足している……そのせいで、艦娘達が……)

その光景を"見ていた"彼は、やはり胸を痛めていた。自分が生み出した艦娘達が、そのような絶望を感じてしまっていることに。

艦娘達は彼の力によって具現化された存在であり、力の源は"人が持つ温かい気持ち"……言うなれば"善意"だ。

彼が人の善意を取り込んで力を発揮するように、艦娘達もまた、同じ性質を持っている。

すなわち、艦娘達は身近な存在……この場合は"提督と触れ合い、優しい気持ちを受け取らなければならない"。

そうでなければ、艦娘達は己の存在や魂を保ち続けることが出来ず……いずれはその力が弱まり、魂が消滅してしまうのだ。

人間や艦娘達は精神崩壊と考えていたが、実際には"魂の死"……艦娘達は人の温もりを与えられないと、その身体は魂の"抜け殻"となってしまう。

こうなってしまえば、2度と正気に戻ることは無い。仮に彼が新たに力を込めたとしても、1度消滅した魂が蘇ることは無い。

ショタ提督(……それだけでは無い。中には、心無い提督が着任してしまった鎮守府の艦娘達は……)

―――

駆逐グ級「よくも……よくも私達をこんな目に……!」グイッ

ブラック提督「うぐっ……ゆ、許してくれ!命だけは!」

駆逐ア級「はぁ?今更命乞い?馬鹿にしてるの?」ガシャッ

潜水ユ級「……私達と同じ痛みを、味合わせてあげる……覚悟、して……!」ガシャッ

ブラック提督「ヒッ!?い、嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だっ!誰か!誰か助けてくれええええええええッ!?」

ズドオオオオォォォォンッ!!

ブラック提督「ぎゃあああああああああああああああああああああああああッ!?」

―――

ショタ提督「………」

ショタ提督(例え提督が着任したとしても、深い絶望を持って沈んでしまった艦娘達は……そのまま消滅してしまうか、あるいは……)

ショタ提督(……魂の性質が反転して、この世を憎む存在となり……"僕"が生み出す、深海棲艦となってしまう……)

艦娘も深海棲艦も、元は同一の存在であった彼と彼女から生み出された。すなわち、艦娘と深海棲艦は表裏一体の関係と言える。

故に艦娘の心が憎しみで染まってしまえば、彼が注ぎ込んだ力そのものが反転し……深海棲艦として生まれ変わってしまう。

だが、深い絶望を抱いた彼女が生み出した為に存在が安定している純粋な深海棲艦とは違い、艦娘から変異した深海棲艦は、その存在そのものが不安定なのだ。

これは数百年早く彼女が目覚めたことと、彼女が抱く"絶望"の大きさが彼が持つ"善意"の大きさを上回ることが深く関係する。

通常の深海棲艦は轟沈してもいずれは復活するが、艦娘や艦娘から変異した深海棲艦は……轟沈した場合、そのまま消滅する。

艦娘の場合は魂までは消滅せず、あの世へ旅立つか転生を果たすが……1度深海棲艦となってしまった者は、肉体だけでなく魂まで消滅してしまう。

もっとも、深海棲艦とて無敵という訳では無く、正反対の力を宿した艦娘達の攻撃には多かれ少なかれダメージを受ける。

しかし、彼女が人の悪意を吸収し続ける限り……人間の醜い欲が消えない限り、深海棲艦は何度沈められたとしても復活してしまう。

ショタ提督「……ごめんなさい。僕のせいで……"僕"のせいで、辛い思いをさせてしまって……ごめんなさい……」グッ…

ショタ提督(……心無い提督が着任してしまうのも、"僕"が干渉しているせいだ。僕がそれを食い止めたとしても、"僕"はすぐに他の人間に干渉して……)

彼女が人類や艦娘を陥れようとすれば、すかさず彼がそれを制止する。しかし彼女はまた別の人間へ干渉し、それを彼が制止……

実に100年近くの間、彼と彼女の海底での攻防が繰り広げられることとなる。その中には、彼女のせいで不幸な人生を歩む者もいれば……

彼が干渉したことで、不幸な人生から抜け出すことが出来た者もいる。だが、当の本人らはそのようなことは当然知らない。

その後も彼は、自らが目覚めた浜辺の底に留まり続けながら……人知れず艦娘達や妖精達に力を与え続けてきた。

同時に、多くの人々や動植物が持つ活力や温かい気持ちを分け与えてもらいながら、彼女の暴走を食い止める為に行動し続けた。

ショタ提督「……!」

ショタ提督(あの深海棲艦、通常の深海棲艦よりも憎悪が強く宿っている……これではますます犠牲者が……!)

「艦娘とかいう奴ら、少し前までは雑魚だった癖に……最近になって、急激に強くなってくるなんて……」

当然、彼が人の幸福を願うなら、彼女は人の破滅を望む。

彼の行動により、彼女は目的や力の吸収を邪魔されることとなる。無論、そのような状況で黙っている彼女ではない。

「だったらこっちもより凶悪な深海棲艦を生み出すまでよ!あいつとは違って、私には大いなる絶望の力がある!」

「あんなゴミ同然の奴らにやられるような失敗作なんかじゃない……もっと、全てを殺し、破壊出来るだけの強さを……!」カッ…!

「いや、それだけじゃダメ。あのガラクタ共が所属する場所の人間共にも干渉して……!なんなら、あのガラクタ共も利用して……!」

(あいつらが絶望で消滅すれば、それだけで私が優位に立てる。いや、上手くいけば、そいつらからも悪意を吸収出来るかもしれない……!)

これにより、通常の深海棲艦よりも"残虐かつ冷酷な"深海棲艦が生み出されることとなる。

彼女らは後に様々な被害を出すが、彼と彼女がそれを知ることとなるのは……まだ先の話である。

―――

22周目提督「」ゴボゴボ…

リベッチオ「あ……!」

照月「……え?」

赤城「そ、そんな……!」

大鳳「……て」

22周目提督「」ブクブク…

トプン…

22周目ヒロイン「提督(提督さん)ッ!!」

―――

ショタ提督「……っ」グッ…

ショタ提督(大本営が提督に艦娘達の戦闘を視察するよう命令したせいで、1人の男の子が瀕死に……どうしてそんな無茶な命令を……)

ショタ提督「……!」

ショタ提督(まさか、"僕"が……人を不幸に誘導するだけでなく、艦娘達を絶望させる為に……!)

彼女の妨害は、決して無視出来るものでは無かった。

時にはこうして、本来なら何事も無く人生を歩むはずだった者さえ……絶望に叩き落されてしまう。

彼は己の無力さと、彼女の身勝手な行動に怒りを覚える。

ショタ提督「……どう、して」

ショタ提督(いくら自分が辛い思いをしたからって、無関係な人間を陥れるだなんて……こんなこと、許されるはずが無い……!)

瀕死となった少年……22周目提督を見ていた艦娘達は、当然のことながら魂を絶望が支配してゆく。

しかし一部の艦娘……大鳳達は決して諦めず、その少年が再び目を開ける可能性を信じ続けた。

およそ半世紀後、艦娘達が抱いていた希望が無駄では無かったことが証明されることとなるが、彼と彼女がそれを知るのは……やはりまだ先の話である。

だが、その間にも彼女による被害者は増える。増え続けてゆく。

これ以上彼女の被害者を増やさない為にも、彼は出来る限り彼女の干渉を妨害し、人々を不幸から救おうと努力し続ける。

だが、それでも彼女の妨害は牙を剥く。どれだけ彼が死力を尽くそうとも、犠牲者は必ず出てしまう。

ショタ提督「………」

ショタ提督(一部の鎮守府に、心無い提督ばかりが着任している……やはり"僕"の仕業か……)

ショタ提督(艦娘達は度重なる提督の悪行で、精神が疲労困憊している……このままでは、魂の消滅か、深海棲艦となってしまう……!)

人格に問題がある提督ばかりが着任してしまい、"呪われた鎮守府"と呼ばれた……43周目鎮守府。

彼女による干渉は、このような形でも人々や艦娘を不幸にしようと襲い掛かって来る。

ショタ提督(僕がいくら干渉しても、その度に"僕"がそれを上回る干渉で……元は同じ存在なのに、こんなことって……!)

その後、43周目鎮守府には43周目提督が着任し、愛宕や加賀を始めとする艦娘達の冷え切った心を溶かすこととなる。

しかし、その時代に至るまでに……彼と彼女は、ある現象を"知覚"することとなる。

ショタ提督「………」

ショタ提督(また、新たな生命が生まれようとしている……どうか、あの子には"僕"が干渉せず……幸せな人生を歩んで欲しいけど……)

彼は生物の善意を司る存在であり、新たな生命が生まれれば……即座にそれを把握することが出来る。

そして、そのようなことを繰り返していれば……このようなケースも存在する。

―――

36周目提督「……うわあああああああああああん!」

36周目父「お、おぉ!泣いた!ちゃんと泣いたぞ!ほら!」

36周目母「……えぇ。本当に……元気な声で……!」

36周目提督「うわあああああああああああああああああああああんっ!」

36周目提督(会いたかったよ……ずっと、ずうっと……会いたかった……っ!)

―――

カッ…!

ショタ提督「……!今、心に何かがよぎって……これは……」

ショタ提督(あの子が"かつて歩んだ"25年の記憶……いや、時間……そうか。あの子も"転生"したのか……)

ショタ提督("僕"のせいで、悪意を増大させられた心無い提督や……深海棲艦に、絶望に陥れられて……!)

そう。転生し、大和を始めとする艦娘達の運命を変えた……36周目提督。彼は36周目提督が転生した事実をその場で見抜いたのだ。

同時に、"本来の"歴史で36周目提督がどのような末路を迎えてしまったのか……それらも全て把握し、理解した。

ショタ提督「………」

ショタ提督(ごめんなさい……僕のせいで……"僕"のせいで、それほどまでに辛い思いをさせてしまって……)

ショタ提督(だけど、今の君なら……きっと大丈夫。君の魂は輝いている……強い想いを宿している)

ショタ提督(これなら絶対に、"僕"の干渉を退けて……艦娘達の運命を変えられる。僕が保証する……!)

「所詮はガラクタね。ちょ~っと糞野郎を送り込めば、簡単に絶望して追い詰められてくれるもの」

「あんな奴らなんかが人類を守る?あははっ、寝言は寝て言いなさいよ!そんなんだから私が生み出した深海棲艦にボロボロにされるのよ!」

(もっとも、ガラクタの分際で妙に強い奴らがいることも事実……糞ッ!全部あいつが私の邪魔をするから……!)

カッ…!

「ん?この感覚は……チッ、また転生者か。それもこいつ、私が干渉したことで自殺まで追い詰められただなんて……やっぱりゴミはゴミね」

(ただ、転生者の厄介なところは、同じ手段が通用しないところなのよね……ゴミの分際で汚らわしい。大人しく死んでくれれば良かったのに)

同時刻。彼女もまた、36周目提督が転生した事実を見抜いていた。同時に、自分が干渉することで得られる絶望が僅かに減少したことを嘆いていた。

しかし、彼女は転んでもただでは起き上がらない。彼女は既に、36周目提督の転生が起こす"代償"を掴んでいたのだ。

「……でも、こいつが転生したお陰で、ゴミ共の絶望以上に素晴らしい力が手に入ったわ」

(輪廻転生であれば、私にとっては何も影響しない……単に前世の記憶を持つ輩が現れたところで、別の人間に生まれ変わっているならいつも通り絶望に染め上げれば良いだけ)

(だけど、今回のような……同じ存在として生まれて来る転生であれば、多かれ少なかれ因果に矛盾が生じる。その歪みを糧にすれば……!)

36周目提督の場合、過去の自分の身体に魂を宿すことで転生を遂げた。言わば魂を通じたタイムスリップだ。

そして彼は死に物狂いで過去を変える。本来なら全滅していた艦娘達を、全員が生存する歴史へと改変する。

その際、歴史に歪みが生じてしまう。彼女はその歪みさえ、己の力として取り込むことが出来るのだ。

更に、歪みによる力は、人間の絶望よりも遥かに強く……影響力は計り知れない。何せ"時間"という、この世の摂理を覆すほどの力なのだから。

「……こいつのお陰で、下手に絶望を集めるよりも大きな力を吸収出来たわ。もちろんお礼なんて言わないけど」

(いずれ私が完全復活を遂げたら、せめて功労者として楽に殺してあげようかしら。あははっ!)

そして、因果の矛盾は転生だけに留まらない。

いずれこの時代へとやって来る16周目提督のように、タイムマシン等による過去改変も因果の歪みを生じてしまう。

それだけでなく、30周目提督や49周目提督のように"次元の壁を越えて"現れ……

本来であれば交わることの無かった世界に、強引な手段で干渉する者の存在。

過去改変ほどでは無いものの、異なる次元からの干渉も……多かれ少なかれ、この世の摂理に影響を及ぼしてしまう。

そして、次元干渉と歴史改変、2つの特性を合わせ持つ8周目提督……

彼がこの世界の、この時代に現れた瞬間、因果に大きな歪みを引き起こし、彼女はそれを全て吸収することとなる。

もっとも、どちらの歪みも……いずれは新たな歴史として刻まれ安定する。よって、重大な問題を引き起こすことは無い。

「今に見てなさい……この力で、何もかもぶっ壊してやる……!」

無論、それは彼女が存在しなければの話だが。彼女がいることにより、因果の歪みは最悪な形で人類に襲い掛かろうとしていたのだ。

しかし、何も悪いことばかりが起きた訳では無い。

覚えているだろうか?彼と彼女が合体したことで拒絶反応が起こり、互いの力をばら撒いてしまったことを。

その力はあらゆる場所に飛び散り、時には人間に、時には艦娘に宿り、そして……深海棲艦とて例外では無いのだ。

―――

21周目父「……ショタ提督を見守る会、か」

戦艦棲姫「そんな組織が発足してたのね……」

ヲ級(見守る会)「……はい」

レ級(見守る会)「争おうとする深海棲艦が馬鹿なんですよ!」

カ級(見守る会)「………」

―――

ショタ提督「……まさか、争いを好まない深海棲艦が生まれるだなんて」

ショタ提督(最初は驚いたけれど、彼女達の魂を見て……納得した。彼女達には、僕の力の欠片が宿っている……)

そう。『ショタ提督を見守る会』を発足した深海棲艦達の魂は、彼がかつてばら撒いた……温かくて優しい力で包み込まれている。

そのお陰で、彼女らは憎しみに囚われることなく……人類や艦娘の味方となってくれた。

彼女により生み出された存在が、憎悪以外の感情を持って生きてくれる……それだけでも、彼は嬉しかったのだ。

ショタ提督「………」ギュッ

ショタ提督(それだけじゃない。人間と深海棲艦が、共に分かり合い……それどころか、子を成すことさえやってのけただなんて……)

ショタ提督(やはり僕の考えは間違えていなかった。優しさと温かい気持ちを持っていれば……気持ちを通じ合うことが出来るんだ……!)

後に彼女らは、絶望により深海棲艦となってしまった元艦娘達を救うこととなる。

彼女らがいたお陰で、元艦娘達は消滅を免れ……姿こそ深海棲艦であるものの、艦娘だった頃の……

絶望に支配される前の、温かい心を取り戻すことが出来たのだ。

「……ッ!」ギリッ

(どうしてよ……どうして、こうなるのよ……どうしてよッ!お前らは私が生み出した破壊兵器なのよ!?どうしてゴミやガラクタを攻撃しないの!?)

(よりによって"あいつ"の力が宿るなんて!それでまんまと生温い性格になってしまうだなんて……!)

(それどころか、あんなゴミと餓鬼を作るなんて……!許せない。許せない許せない許せないッ!!)

「……見守る会だか何だか知らないけど、私の意に反する行動を取るというのなら……そんな失敗作、私の手で潰してやる……!」

(今に見てなさい……私が全盛期の力を取り戻した時が、お前達の最期よ……生みの親である私の顔に泥を塗ったことを、後悔させてやる……ッ!)

だが、彼の力が宿るということは……当然、彼女の力が宿る者も現れるということ。

それどころか、彼と彼女は元が同一の存在。当初は善悪の区別が無い力だったとしても、宿主の思考次第で……その力はいかようにも性質を変える。

彼はそのような者が不幸な人生を歩んでしまう様子も……この目で見届けていた。

―――

12周目提督(ま、万引きなんて嫌だよぉ……うぅ、どうして僕ばっかり……いっそ"いじめっ子達が酷い目に遭っちゃえば"いいのに……)

男子1「ほらさっさと歩けよ!」

男子2「ったく……あんまりボスを怒らせない方がいいぜ?」

男子3「………」

ヒュウウウウゥゥゥ…

男子1・2・3「ん?」

ズシャアアアアアアアアアアアン!!

12周目提督「っ!?」クルッ

男子1・2・3「」

12周目提督「あ……あぁ……」ガクガク

おっちゃん「おい!大丈夫か!?うわっ!てーへんだ!早く救急車を……!」ピポパ

12周目提督「ま、まただ……また僕のせいで……あぁ……あああああっ!!」

―――

ショタ提督「……っ」

ショタ提督(あの子は……"僕"の力の欠片が宿ってしまったせいで、自らの望みが歪んだ形で叶ってしまう……)

ショタ提督(これも、僕のせいだ……"僕"のせい、なんだ……ごめんなさい……本当に、ごめんなさい……!)

呪われた幸運の持ち主……12周目提督には、正しく彼女の力の欠片が宿ってしまっていた。

増して12周目提督の父親が心無い人間だったせいで、彼女の欠片は……12周目提督に牙を剥く。

仮に12周目提督の父親が真っ当な人間だったとしたら、その力は親からの愛で性質が逆転し……彼が持つ力と同じ性質を持つはずだった。

しかし、現実は甘くなかった。父親が歪んでいたせいで、12周目提督は周囲の人々を不幸にする呪われた力を発現してしまったのだ。

もし12周目提督が秋月達と出会わなければ……自殺を望んだ時、自らに力が発揮され……そのまま命を落としていたことだろう。

一方、己に宿った力を上手く利用する者も存在する。

炎の力に目覚めた13周目提督、プラズマを生み出せるようになった28周目提督、忍術を扱うことが出来る39周目提督……

彼らのように、何かしらの特殊な力を持つ人間はほぼ全員、彼及び彼女の力を宿していると言えるだろう。

無論、24周目提督や49周目提督のように、彼や彼女の力とは無関係に特殊な能力を発揮する者もいるが。

そして中には、このような珍しい者も現れる。

―――

いじめっ子A・B「うええええええええん!」

先生「こら!45周目提督君!どうしてそんなことをしたの!」

45周目提督「そ、その……」オロオロ

先生「お兄ちゃん達を殴るなんてダメじゃない!」

45周目提督「うぅ……――」カッ

裏45周目提督「……は?何言ってんだお前」

先生「えっ……」

裏45周目提督「表の俺が大人しく遊んでいた時所に、年上だからどけと言いながら先に殴ってきたのはこいつらだぞ?」

裏45周目提督「俺はやり返しただけだ。何も知らない癖に表を責めるんじゃねえよ」ギロ

先生「ヒッ……!?」ビクッ!

先生(な、何この子……!?急に態度が……それに、怖い……!)ビクビク

―――

ショタ提督「………」

ショタ提督(僕と"僕"、両方の力の欠片を宿している子が現れるなんて……)

二重人格である45周目提督。その原因は、現代医学で"解離性人格障害"とされている病では無い。

文字通り、2つの魂……彼の力を宿した45周目提督自身の魂と、彼女の力により具現化された魂の2つを持っていたのだ。

それだけでなく、彼女の力により具現化された魂は……彼の力により、憎悪が取り除かれ……45周目提督を思いやる性格となった。

そして極め付けは……ある2人の少年。彼らこそが、彼にとっても、そして彼女にとっても……非常に稀なケースだった。

―――

27周目提督「………」シュパッ

42周目提督「んー!宇宙遊泳も悪くないけど、やっぱ地球の空気が1番だな!ガハハハハ!」

27周目提督「……こいつは」ガクッ

42周目提督「何だよぅ。今回の地球滅亡は俺のせいじゃないだろぅ」ブーブー

27周目提督「ふざけんな!元はと言えばお前がバナナの皮を捨てなかったからだろ!?」

42周目提督「あ、そだっけ?反省~」

27周目提督「………」アタマカカエ

―――

ショタ提督「……し、信じられない」

ショタ提督(僕や"僕"の欠片では無く、僕がまだ"完全な存在"だった頃にばら撒いた欠片を宿している子がいるなんて……)

ショタ提督(いや、それだけならまだ可能性の範囲内だ。それ以上に驚いたのは……"僕"の力を、ここまで使いこなす子が現れるなんて……)

ショタ提督(しかも先祖代々、魂と遺伝子で受け継がれて来たせいか……とてつもなく強化されている。27周目提督でなければ、彼を止めることは難しい……)

彼が文字通り、万物を司る存在であった時に持っていた力の欠片を宿した27周目提督。

欠片とはいえ、その力は凄まじく……正に不可能を可能にする、"全知全能"の力と言って良いだろう。

それに対し、彼と彼女を分裂させ、この世の全てを創造する原因の1つとなった42周目提督は……彼女の力を宿していた。

先祖の魂と遺伝子により、力の欠片が受け継がれて来たことで……その力が長い時を経て、非常に強力なものと化した。

42周目提督もまた、あらゆる可能性を実現出来る力を持つ存在と言えるだろう。

だがしかし、42周目提督が持つ力はあくまでも彼女が宿していたもの。全能の欠片を持つ27周目提督を上回ることは決して無い。

そして27周目提督も、全能の力と言えど所詮は欠片。それすら上回る力の前には、抗うことさえ困難なのだ。

ショタ提督「………」

ショタ提督(27周目提督が、綺麗な魂の持ち主で本当に良かった……)

ショタ提督(万が一、この子が己の力で暴走していれば……今の僕と"僕"が結託しなければ、止めることが出来なかっただろうから……)

ショタ提督(もっとも、既に42周目提督が己の力で暴走しているけれど……けれど、やはり本当に恐ろしい存在なのは……"僕"だ)

ショタ提督(もし"僕"が全盛期の力を取り戻してしまえば……いや、悲観的になるのはやめよう。それを防ぐ為に、僕が存在するのだから)

やがて彼女により生み出された、通常よりも残虐な深海棲艦達は……あろうことか、外道とも言える手段に出る。

―――

31周目父「」

31周目母「」

レ級「残り2人は、見るも無残なことになってるけど♪」

ヲ級「……私達じゃなかったら、目に映った瞬間気絶してるかも」

レ級「だねぇ……よし!他の奴らに見つかる前に、とっとと赤ちゃん連れて退散しよっか!」

ヲ級「うん」

31周目提督「うわぁぁん!うわぁぁん!」

ヲ級「………」ニヤッ

レ級「………」ニヤリ

ヲ級(この子を使って、あいつらを……!)

レ級(徹底的に叩き潰してやろっと♪)

―――

レ級「……ふふっ」

3周目提督「!?」

レ級「それっ!」ブンッ

ズガッ

3周目提督「」バタッ

運転手「っ!どうした坊主……なっ!?」

レ級「じゃあねー♪」

運転手「……あの野郎!坊主、しっかりしろ坊主!」

―――

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(酷い……生まれたばかりの子供にまで……!)

相手が小さな子供、あるいは生まれたばかりの生命であろうと容赦をしない。

彼女は人類を、生命を滅ぼす為……憎しみを集める為には、手段を選ばないのだ。

人々の幸福を願う彼にとって、彼女の行為は……許されざることだった。

ショタ提督(これ以上、"僕"のせいで不幸な人間を増やす訳にはいかない……絶対に、僕が何とかしなければ……!)

だが、およそ9年後、彼女や深海棲艦達は予想だにしない形で手痛い反撃を受けることとなる。

―――

空母棲姫「……ね、ねぇ。これって……」

集積地棲姫「……私達、絶体絶命なんじゃ」

ヲ級「っく……ひるまないで!数はこっちの方が上!」ヨロヨロ

レ級「そ、そうそう!片っ端からやっつけっちゃえ!」ヨロヨロ

全深海棲艦「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」

4周目提督「き、来ました……!」

1周目提督「よ~うし!皆で31周目提督君達を全力で守るよー!」

歴代提督&見守る会「おー!」

―――

ショタ提督「す、凄い……!皆が31周目提督の為に、そこまでするなんて……!」

ショタ提督(友達を想う温かい気持ちと、明石さんや夕張さんが生み出した技術が……奇跡を起こしたんだ……!)

31周目提督を救う為に駆け付けた少年提督と見守る会所属の深海棲艦達。それから先は、正にワンサイドゲームだった。

彼の力を宿した少年達による攻撃と、見守る会所属の深海棲艦による攻撃、そして明石と夕張が開発した武器による攻撃。

それらが全て、31周目提督を守る為に繰り出され……残虐な深海棲艦達は、無残に敗北した。

ショタ提督「………」ギュッ

ショタ提督("僕"、見ているのだろう?人の想いは、そう簡単に壊せるものでは無いんだ。だから、もうこんなことはやめて欲しい……)

ショタ提督(君がどのような仕打ちを受けてきたかは、僕もよく"知っている"……だけど、こんなことは……絶対に、間違っている……!)

「糞ッ!糞糞糞ッ!糞ったれがああああぁぁぁぁッ!!」

(どうして!?どうして負けるのよッ!?あれだけ私が憎悪を込めた傑作だったのに、あろうことかゴミ共とガラクタ、しかも失敗作に負けるだなんてッ!!)

同時刻、彼女も彼と同じ光景を目にして……憤慨した。己が生み出した深海棲艦が、なす術も無く無様に負けたのだ。

そのような事実を突きつけられて、人類の破滅を望む彼女が怒りを抑えられないはずが無い。

「これも全部あいつのせいよ!あいつがあんなガラクタを生み出すから……あいつが変な力をばら撒くから……ッ!」

「それに、あいつらが使っていた謎の道具……ゴミとガラクタの分際で、あんな得体のしれない物を作り出すなんて……!」

27周目提督や42周目提督でさえ、その力に打ち勝つことが出来ないとされる……"ひみつ道具"。

人類の最新技術と、明石と夕張が持つ"彼の力"を組み合わせて生み出された……人知を超えた力を持つ"神器"とも呼べる代物。

彼女はその力を、これでもかとばかりに見せつけられた。このような物を使用されれば、恐らく全盛期の力をもってしても……全く歯が立たないだろう。

「……でも、奴らは気が付いていない。どれ程凄まじい力を持っていたとしても、所詮は"道具"。その気になればいくらでも対処出来る」

(私が完全復活を遂げる時には、この厄介な物を封じておかないと……それを知ることが出来たと考えれば、この惨めな敗北も……無駄では無い)

(……だけど、それで私の怒りが静まるはずが無い。見てなさい……次に戦う時は、地獄を見せてやる……!)

その後も彼と彼女の、海の底からの攻防は続いてゆく。人が善意を持つ限り、人が悪意を持つ限り……その争いが終わることは無い。

彼女の絶望を支配する力は日に日に強くなっていき、同時に彼が宿す希望を司る力も強くなってゆく。

深海棲艦の脅威も激しさを増していき、艦娘達の精神も不安定になるが……それを彼が食い止め、艦娘達の希望を繋ぎ止める。

そしてようやく、彼にとって……待ち望んでいた、運命の瞬間がやって来る。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……まさか、僕とナトリが初めて出会った場所に……鎮守府が建設されるだなんて)

ショタ提督(僕がこの地に具現化して、もうどれ程の時が経ったことだろう……だけど、はっきりと思い出せる……)


ナトリ『貴方のことを考えると、胸がドキドキして……貴方の顔を見ると、嬉しくなって……』

ナトリ『……一緒に過ごす内に、貴方のことが……好きになっちゃったみたい』ギュッ

ナトリ『ずっと、一緒にいたい……この温かさを、ず~っと感じていたい……』


ショタ提督「……っ」ジワッ

ショタ提督(ナトリ……僕、信じているから……きっと、いつか……再会出来ることを……)

ショタ提督「……!」

ショタ提督(早速、ここで新たな艦娘が生まれたようだ。よし、僕の力を…………ッ!?)

彼は目を疑った。生み出された艦娘は名取、グレカーレ、朝風、U-511。ここまではただの偶然で片付けることが出来た。

しかし彼は名取達に、妖精達を通じて己の力を込めようとした時……その魂を見て、気が付いたのだ。

―――

朝風「……?」キョロキョロ

U-511「………」キョロキョロ

名取「……?」キョロキョロ

グレカーレ「………」キョロキョロ

妖精達「どうして、周りを見てるの?」

名取「……そう、いえば」

グレカーレ「どうして、かな……」

妖精達「……まさか、自分達が艦娘という自覚が無かったりは……しないよね?」

朝風「いや、それは大丈夫だけど……」

U-511「……うん。私は、艦娘……」

名取「……艦娘、だよね。うん……」

グレカーレ「深海棲艦と戦う為に、生み出されて……」

50周目ヒロイン「………」

50周目ヒロイン(……やっぱり、引っかかる。私は、艦娘……それは間違いない……)

50周目ヒロイン(だけど、違う……そうじゃなくて、えっと……)

50周目ヒロイン(……あれ?私、今……そもそも、何を探そうとして……?)

―――

ショタ提督「……同じ、だ」ウルッ

ショタ提督(僕が出会った、グレ、アサカゼ、ユー……そして、ずっと会いたかった……ナトリと……同じ"魂"だ……)ウルウル

ショタ提督(見間違えるはずが、無い……あの魂は、僕に温かい気持ちを注いでくれた……ナトリ達だ……)ウルウル

ショタ提督(僕が初めて恋愛感情を抱いた……ナトリの魂だ……やっと、会えたんだ……!)ウルウル

そう。名取達は、正しく輪廻転生を遂げた……ナトリ達だったのだ。彼は気が遠くなる程の時を待ち続け、ようやく再会を果たすことが出来たのだ。































――――――しかし、現実は甘くなかった。





























ショタ提督「……ッ!」ズキッ

ショタ提督(ナトリ達……名取さん達の魂は、綺麗に……"洗い流されている"……)

名取達の魂は、転生する時に彼女の呪いを洗い流したことで……記憶も流れ落ちてしまっていた。

彼はそれを、一目見ただけで気が付いた。伊達に彼女と長くの間戦い続けて来た訳では無い。

ショタ提督「………」フルフル

ショタ提督(……いや、悲しんではダメだ。こうして、再び出会うことが出来ただけでも……紛れも無く、奇跡なのだから……!)

ショタ提督(せめて……名取さん達と触れ合いたい。もう1度、あの時のように……名取さん達との日々を過ごしたい……!)カッ…!

そう考えた瞬間、彼と名取達の魂が"共鳴"し……彼の身体が完全に具現化され、海の底から地上へと引き込まれてゆく。

―――

ショタ提督「………」スタッ…

50周目ヒロイン「……!」

妖精達「あっ……」

ショタ提督(……肉体の感覚が鮮明になっている。そうか、僕は……また、完全に具現化して……)

ショタ提督(それも、あの頃の姿と全く同じ……僕の記憶が再現したのか、名取達が無意識の内に再現してくれたのか……どちらでも良い)

ショタ提督(これでまた、名取さん達と……あの頃と同じように、同じ時を歩むことが出来るんだ……)

ショタ提督(例え記憶を失っていても、名取さんは……ナトリは、きっと……僕のことを想ってくれていた気持ちは、忘れていないはず……)

妖精達「……もしかして、ここに着任してくれる……新しい、提督……?」

ショタ提督「……うん」

ショタ提督(幸い、この鎮守府にはまだ提督が着任していない。だからこそ、僕が提督となって……名取さんや、皆を……守るんだ……!)

ショタ提督(そして、今度こそ……"僕"の暴走を、食い止めなければ……これ以上、"僕"の好きにさせる訳にはいかない……!)

50周目ヒロイン「………」ジッ

朝風(何かしら……この、既視感……)

U-511(この子が現れてから……急に……)

名取(さっきまでの、不思議な感覚が……強くなったような……)

グレカーレ(でも、私とこの子は……今、初めて会ったばかりで……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(……やっぱり、そうか。いや、贅沢は言えない……十分、奇跡と呼ぶに相応しい……!)

ショタ提督(記憶は失っていても……名取さん達の魂に刻まれた想いまでは無くなっていない。これなら、いずれは……)

自らが生み出した艦娘であり、名取達とは魂で繋がっている彼は、名取達が何も言わずともその心情を感じ取ることが出来る。

故に彼は、名取達が記憶を失っていたとしても、その想いが消えていなかったことを瞬時に"把握"した。

ショタ提督(……だけど、そんなことをしたら……今、まだ生まれたばかりの名取さん達を……混乱させてしまうのではないか?)

ショタ提督(それこそ、僕が無理に思い出してもらうよう誘導すれば……転生したばかりの魂に、負担を与えてしまうのではないか?)

彼は不安だった。名取達に全てを思い出してもらいたいのが本音だが、強引に促して名取達の心を苦しめてしまえば本末転倒だ。

増して自分の私利私欲で、人の魂に干渉するような真似をしてしまえば……それこそ、彼女と同じ立場まで落ちぶれてしまうこととなる。

ショタ提督「………」

ショタ提督(……名取さん達が思い出してくれるまで、待つしかない)

ショタ提督(こうして、再び出会えただけでもありがたいのだから……これ以上を求めるのは、贅沢だ)

彼は名取達が記憶を取り戻すその日まで、待ち続けることにした。

大丈夫、きっと思い出してくれる……彼は心の中で、そう言い聞かせる。

再会出来たことの嬉しさで、相手を思いやる気持ちを忘れてはいけない。自分の気持ちを押し付けるようでは、彼女と同じなのだから。

ショタ提督「……"初めまして"。今日からここで提督として活動させていただく……“50周目提督”です」ペコッ

50周目ヒロイン「……っ」ピクッ

50周目ヒロイン(50周目、提督……今、また……あの感覚が……)

ショタ提督(僕には、"この名前"しか無い。他の名前なんて、存在しない……)

ショタ提督(……ナトリが付けてくれた、この名前こそが……僕の、ただ1つの名前なのだから)

50周目ヒロイン「……えぇ(うん)(はい)、よろしくね(よろしくお願いします)」

妖精達「……うん。今日からよろしくね」

ショタ提督「………」コクリ

ショタ提督(グレカーレちゃん、朝風ちゃん、ユーちゃん……そして、名取さん……僕の最愛の人、ナトリ……)

ショタ提督(今度こそ、皆を守るから……"僕"から、皆を……必ず、守ってみせるから……!)

彼は固く決心した。もう、あの時のような過ちは犯さないと。

彼女の魔の手から、名取達を……ナトリ達を、守り切ってみせると。

名取達から、温かい気持ちを分け与えてもらって……彼女の企みを、阻止してみせると。

名取(――――――……)

ショタ提督「………」

名取「……ぁ」

名取(そう、だ……そう、だよ……私、どうして……こんな、大事なこと……忘れて……)

名取(あれだけ、絶対に忘れないと言い聞かせたのに……それなのに、私は……)

ショタ提督「……ナトリ?」

名取「……思い、出しました……ううん、思い出したよ……」ジワッ…

ショタ提督「……!」

ショタ提督(ナトリの魂から、とてつもない力を感じる……!温かくて、優しくて……それでいて、決して揺るがない強さを……!)

名取「それだけじゃない……貴方に何があったかも、全部……"分かった"の……」ウルウル

ショタ提督「……まさか、"共鳴"して……?」

名取「………」コクリ

名取(私より、ずっと先に意識を取り戻して……その間、ずっと……1人で、戦い続けて……)ポロポロ

名取(孤独で、暗い海の底で……たった1人で、人類を守る為に……)ポロポロ

名取(……私と、再会出来ることを……信じ続けて……)ポロポロ

名取「……っ!」ダキッ

ショタ提督「あ……」

名取「ごめんね……ずっと、待たせちゃって……ごめんね……っ!」ギュウッ

ショタ提督「………」

名取「もう1度会おうって、約束したのに……私、全部……忘れちゃってて……!」ポロポロ

名取「しかも、提督を……50周目提督を、長い間……凄く、長い間……1人にしちゃって……!」ポロポロ

ショタ提督「………」

ショタ提督(ナトリ……)

ショタ提督「……っ!」ギュッ

名取「あっ……」ポロポロ

ショタ提督「僕こそ、ごめんなさい……あの時、ナトリのことを……守ってあげられなくて……」ジワッ

名取「……!」ポロポロ

ショタ提督「ずっと、後悔していたんだ……どうして、ナトリ達を守ることが出来なかったんだ、って……」ウルッ

ショタ提督「そのせいで、大好きな人を失って……しかも、それは……もう1人の"僕"のせいで……」ポロポロ

名取「………」ポロポロ

ショタ提督「本当なら、ナトリ達が転生したと気が付いた時……すぐにでも、思い出してもらいたかった……だけど、出来なかったんだ……」ポロポロ

ショタ提督「魂に干渉して、強引に記憶を呼び戻そうとするなんて……そんなことをしたら、やっていることが"僕"と同じじゃないかって……」ポロポロ

ショタ提督「だけど、そのせいで……ナトリ達を、返って苦しめることになってしまって……!」ポロポロ

名取「……っ」ギュッ

ショタ提督「……!」ポロポロ

名取「謝らないで……貴方は、何も悪くないよ……それは、私達のことを考えてくれたから、でしょ……?」ポロポロ

ショタ提督「だけどっ……!」ポロポロ

名取「確かに、私達は1度死んじゃったけど……それは貴方のせいじゃない」

名取「貴方はあの子から私達を守ろうとしてくれた……それだけで、凄く嬉しかったの……!」ポロポロ

名取「それに、こうしてまた出会えたでしょ……?だからもう、良いの……!これ以上、自分を責めないで……!」ポロポロ

名取「悪いのは……貴方を待たせてしまった、私だから……!」ポロポロ

ショタ提督「そんなことない!ナトリは何も悪くない!悪いのは僕で……!」ポロポロ

名取「ううん!私が悪いの!私が貴方をずっと独りぼっちにしちゃったから……!」ポロポロ

ショタ提督「………」ポロポロ

名取「………」ポロポロ

ショタ提督「……初めて、だね」ポロポロ

名取「……うん」ポロポロ

ショタ提督名取(僕〈私〉が言い争いをしたのって……)ポロポロ

名取「あっ……今、50周目提督の声が……」ポロポロ

ショタ提督「……僕達はもう、魂同士で共鳴しているから。お互いの気持ちが、常に通じ合うんだ」ポロポロ

名取「……だから、かな」ポロポロ

ショタ提督「……うん」ポロポロ

ショタ提督名取(ナトリ〈50周目提督〉の、強い想いが……僕〈私〉の心に、注ぎ込まれていく……)ポロポロ

名取「……50周目提督。もう、大丈夫だよ……」ポロポロ

ショタ提督「……うん」ポロポロ

名取「私はもう、貴方を1人にしない……ずっと、貴方の傍にいるから……」ポロポロ

名取(解体なんてしない……未来永劫、この世の終わりまで……50周目提督と一緒に居続ける……!)ポロポロ

ショタ提督「……!」ポロポロ

名取「今まで離れ離れになっていた分、これからは……離れないからね……?」ポロポロ

ショタ提督「……僕も、今度こそ……ナトリや皆を、守ってみせる……必ず……!」ポロポロ

ショタ提督「そして……ナトリ達が笑って過ごせる世界に、してみせるから……!」ポロポロ

名取「……だから、そうやって自分を追い込んじゃダメ」ギュッ

ショタ提督「あっ……」ポロポロ

名取「"ずっと一緒"って言ったよね……?貴方はもう、1人じゃない……私もいるから、ね……?」

ショタ提督「……うんっ」ポロポロ































("死"という壁さえ乗り越え、再会することが出来た私と50周目提督の"絆"は……誰にも、壊させはしない……!)


(あの時も、今も……こうしてナトリと出会えたことが、僕にとって……1番の奇跡なんだ。僕とナトリの"絆"の力……"僕"に、見せてやる……!)




―― ----との---:50/--


――[シュパァッ…!]50/--


――[パシュン…!]50/-- ――





























――"提督との絆":∞/∞































《-- "魂"の"共鳴"がより強くなったことで、名取の"魂"に刻まれた"記憶"が……完全に蘇った --》


《-- 名取と想いが通じ合い、互いの"魂"が"共鳴"したことにより……提督の"神通力"が非常に強まった --》



























































「……あはっ、あははっ。あはははははははっ!」

(ついに……ついに集まった!何百年も時間をかけた甲斐があった!ようやく集めることが出来た……!)

(ゴミ共に干渉を重ねて……時にはガラクタ共に干渉して、ゴミに絶望を植え付けることもして……ま、それはあいつに邪魔されちゃったんだけど……)

(それでもめげずにゴミ共の醜い感情を拾い集めて……ついに待ち望んだ日がやって来た……!)

「これであいつを葬れる……人間は優しいなんてほざく、あの目障りな糞野郎を葬り去ることが出来る……!」

「それだけじゃない……憎い人間共や、艦娘とかいうガラクタ共もまとめてぶっ殺すことが出来る……!」

「この世のありとあらゆる生物を破滅に追い込むことが出来る……!あぁ、長かった……本当に長かったわ……!」

(……今の私は、あの時以上の力を宿すことが出来た。正しく全盛期と言って良いでしょうね……これで、これで……!)

「……くふっ。あはっ、あははっ!あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!」





























今回はここまでです。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました!
これにてようやく長い回想パートが終了です。怒涛の伏線回収もとい後付け設定のオンパレードとなってしまいました。
正直、この回想だけでは全て説明出来た感じがしない為、何か質問や疑問等がありましたら随時受け付けます。可能な限り答えます。
回想パートで語り切れなかった部分はエピローグで明らかにする予定ですが、それでもカバーし切れない部分が出てしまいそうなので……

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:00~23:00頃開始予定です。

始めます。

《-- 20 --》

――41周目鎮守府・食堂


37周目提督「はぐはぐっ!やっぱ41しゅうめていとくが作るケーキはうまいなぁ~!」

44周目提督「ふふっ……同感です。私に味覚を搭載して下さった明石様と夕張様、そしてこのようなケーキを提供していただいた42周目提督様に、心から感謝しています」

41周目提督「喜んでいただけて何よりです。お代わりもあるから、沢山食べてね?」ニコッ

49周目提督(ふぇ?50周目提督さんから、凄く温かい力を感じる……村雨お姉さん以上に……!)

40周目提督(……あの世界では、こんなに美味しい物……ずっと、食べられなかったっけ……)モグモグ

ロリ46周目提督「はい、あーん♪」

那智(46周目)「あーん……はむぅっ、美味しいよ、ママぁ……♪」

47周目提督(……46周目鎮守府の那智さん、一体どうしてこうなっちゃったんだろう)

名取「………」チラッ

ショタ提督「………」コクッ

彼と名取は、近隣に住む提督の様子を見に来ていた。ただし、彼と名取が知る真実を伝えることはしない。

名取(本当に、話さないんだね……?)

ショタ提督(……うん。皆を巻き込んで、危険な目に遭わせる訳にはいかないから……)

無論、彼と名取とて分かっていた。友人らに事情を話し、協力を得た方が彼女を抑えやすくなることを。

だが、それは友人らを危険に巻き込むこととなってしまう。ただでさえ彼女のせいで犠牲者が出てしまっているのだ。

全てを知る彼と名取は、これ以上の犠牲を出すことなど許されないと考えた。2人の意見は一致していた。

名取(それにしても……本当に、言葉を交わさずとも意思疎通が出来るなんて……)

ショタ提督(それだけ、僕とナトリが互いを想い合っているからこそだよ)

名取(……うんっ)ギュッ

ショタ提督(それにしても……何の因果か、僕や彼女の力の欠片を宿した子が近くに集まるなんて……)チラッ

39周目提督「こ、このみたらし団子……格別でござる!手が止まらないでござるぅ……!」

45周目提督「この肉まん、凄く美味しい……♪」

裏45周目提督『確かにこれは……1度食べたら病み付きになるな……♪』

名取(忍者に、二重人格……どちらも50周目提督の欠片の力、なんだよね……)

名取「……あれ?そういえば、42周目提督君は……」

43周目提督「42周目提督君なら、さっき潮さんと羽黒さんに連れられて行きましたけど……」

38周目提督「何だか凄く怒っていたようだけど、また42周目提督君が何か大変なことをしちゃったのかな?」

名取(大変どころじゃ済まないことをしでかしてるけどね……はぁ……)

ショタ提督「………」

ショタ提督(うん。確かに、ここから離れた場所から……42周目提督に宿っている、"僕"の力の気配を感じる。同時に、潮ちゃんと羽黒さんの気配も……)

――42周目鎮守府


潮(42周目)「何してくれてんですか?何しちゃってくれてんですか!?」ズイッ!

羽黒(42周目)「司令官さんのせいで私達が深海棲艦の祖先にされちゃったじゃないですかッ!!」ズイッ!

狭霧「深wwww海wwww棲wwww艦wwwwのwwww祖wwww先wwwwクッソワロタwwwwまさかの妹が深海棲艦の元ネタwwwwダメwwwwお腹痛いwwww」バンバン

潮「………」ズドドドドッ!ズガアアアアァァァァンッ!

狭霧「ほげえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーッ!?」チュドーンッ!!

42周目提督「いや~すまんすまんwwwwあまりにも暇だったもんでひと暴れしたら、まさかこんなことになるとは思わなくてさぁwwww」

潮「笑いごとじゃないですッ!!提督のせいで何もかもが滅茶苦茶になってんですよ!?」

羽黒「回想でいかにもヤバそうな人が出てるじゃないですか!!」

42周目提督「その代わり俺のお陰で天地創造出来たじゃん。むしろ感謝してほしいくらいなんだが?」フンス

潮羽黒「は?(威圧)」

42周目提督「だってさぁ?俺いなかったらお前達生まれて無い訳じゃん?だとしたら俺はお前達の生みの親になる訳じゃん?ほら今すぐ感謝しろよほらぁwwww」

潮羽黒「死にたいようですね([∩∩])」ガシャッ

42周目提督「おっいいのかなぁ?生みの親にそんな態度を取って?」ニヤニヤ

潮「それは50周目提督君……さん?そういえばあの子何歳なんだろう……とにかく!50周目提督さんこそが私達の生みの親でしょうが!!」

羽黒「今すぐ>>752を百万回見直して下さい!貴方の目は腐ってるんですか!?」

42周目提督「細かいこと気にしてるとハゲるぞ。ん?ちょっと待てよ?俺と潮姉ちゃん達って付き合って」

潮羽黒「監視役」

42周目提督「アッハイ。それってある意味さぁ、親(※もちろん俺こと42周目提督様のことな?)と子供(※潮姉ちゃんと羽黒姉ちゃんのことだゾ)がガチで付き合ってる的な?ヨスガっちゃってる感じに」

潮羽黒「おうえええええええええええええっ!」ビチャビチャ

42周目提督「うわ汚ねッ!?マジで吐いてんじゃねーよゲロインかお前らは!?あっでもそう考えると俺も気持ち悪くヴォエエエエエエエエエエエエッ!」ビチャビチャ

潮「いきなりそんな壮絶に気持ち悪いこと言うからでしょーがッ!!」

羽黒「何度でも言いますけど貴方はただの人格破綻者ですから!生みの親でも何でもありませんからッ!!」

42周目提督「お前達がそう思うんならそうなんだろう。お前達ん中ではな」キリッ

潮羽黒「………」ズドドドドッ!ズガアアアアァァァァンッ!

42周目提督「おぉっとぉ!お前達の攻撃なんざお見通しだぜ!」つハリセン スパパパパッ!

潮羽黒「大人しく死んで下さいッ!!」ズドドドドドドドドッ!

42周目提督「やなこったぁ!」スパパパパッ!

狭霧「」プスプス

速吸「………」

速吸(失恋してて良かったぁ……もし自分が敵対組織の祖先なんかになっちゃったら、絶対ネタにされまくってたでしょうし……)ホッ

――

ショタ提督「………」

名取「………」

ショタ提督(……本当にあの子は規格外だよ)

名取(42周目提督君のせいで50周目提督が苦労したのに、そのことに反省すらしていないなんて……)

ショタ提督名取(それ以上に今までのことを当然のように知っていることが1番驚きだけど)

42周目提督に常識は通用しないのだ。無論、傍にいる潮と羽黒も同じことが言えるだろう。

42周目提督「ナレーションよく分かってるじゃねーか!ギャグ時空のキャラに常識なんざ求めちゃいけねーんだよ!」

潮羽黒「ただでさえ最終回でシリアス路線なんだからメタ発言は自重しなさいッ!」

ショタ提督名取「……はぁ」

……このように、第4の壁を平気で突き破ってくるのだから。

――

グレカーレ「………」

グレカーレ(最近、提督と名取さん……今までより、一緒にいることが多くなったような……)

グレカーレ(それも、名取さんは提督を心配してるというより……何だろ。上手く言えないけど……深い仲になってる感じ……)

グレカーレ「………」

グレカーレ(良いことのはず、だけど……何だか、変な感じ……頭のモヤモヤが消えないだけじゃなくて……2人を見ていると……)

グレカーレ「……っ」ズキッ

グレカーレ(あ、あれ?私、どうして……胸が痛くなって……)

――悔しいから。

グレカーレ「……!?」

――自分は何も分からず遠巻きに眺めているだけなのに、名取は提督の傍を陣取っている。

グレカーレ(な、何、この声……頭の中に、いや、心の中に響いてくる……)

――自分だけ指を咥えて見ているだけなんて、そんなの……耐えられないでしょ?

――だからさ、奪っちゃえば良い。

グレカーレ「ッ!」

――提督と名取が一緒にいて嫌な気分になるのなら、自分が提督の隣にいれば良い。

――邪魔な奴は消してしまえば良い。そうすれば、私が提督と一緒にいられる。

グレカーレ「………」

――誤魔化しても無駄。自分の気持ちに嘘は……付けないでしょう?

グレカーレ(……確かに、そう……かも)

――簡単なことよ。名取を消して、私が提督を支えれば良い。たったそれだけのことよ。

グレカーレ(名取さんさえどうにかしてしまえば、私が提督の傍に――)

グレカーレ「――ッ!」フルフル

グレカーレ(い、いけない……私、今……何を考えて……!)ガクガク

グレカーレ(名取さんを、消す……?そんなことをして、提督が喜ぶはずが無い……!なのに、私は……そんな、怖いことを……!)ガクガク

グレカーレ(まるで"自分以外の誰かが囁いて来て、それに身を委ねる"かのように……!)


↓1朝風のコンマ       ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:18/--
↓3名取のコンマ       提督との絆:∞/∞ 《-- END開放 --》
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:41/-- 《-- リーチ --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します
ただし名取が最大値の場合、その時点で終了します

呂500「提督、最近少しずつ元気になってきたと思わない?」

U-511「……うん。名取さんが一緒にいるからかな……」

U-511と呂500は同一人物でありながら、生み出されたタイミングは違う。

故にU-511は"ユー"の魂を受け継いでいるが、呂500は新たに生み出された魂であり、その存在は別人と言えるだろう。

呂500「そうそう!名取さんも、提督といる時はどことなく嬉しそうだし……これはもしかして……」

U-511「……もしかして?」

呂500「付き合っちゃってたりするのかな?」

U-511「付き合う……」

U-511(admiralと、名取さんが……付き合って……)

U-511「……?」

U-511(あれ……何だか、随分前にも……そんなことが、あったような……?)

呂500「……ユーちゃん?」

U-511「……え?」

呂500「どうしたの?急に考えこんじゃって……」

U-511「あ……何でも、ない……」

呂500「?」

U-511(……気のせい、かな)

全てを思い出した名取とは違い、U-511はまだ記憶が蘇っていない。

しかし、その魂には50周目提督と過ごした日々が宿っている。

いつ思い出すかは、50周目提督とどれだけ交流し、魂の共鳴を強く出来るかにかかっている。


提督や名取は何をしていた?

直下

※回想にて50周目提督及び50周目ヒロインの設定を明らかにしましたので、ここからは通常通りの形式で進行致します。
ただ、取っていただいた安価の場合によっては、展開をアレンジさせていただくこともあるかもしれません。

すみません!赤字を解除し忘れていました!


呂500「提督、最近少しずつ元気になってきたと思わない?」

U-511「……うん。名取さんが一緒にいるからかな……」

U-511と呂500は同一人物でありながら、生み出されたタイミングは違う。

故にU-511は"ユー"の魂を受け継いでいるが、呂500は新たに生み出された魂であり、その存在は別人と言えるだろう。

呂500「そうそう!名取さんも、提督といる時はどことなく嬉しそうだし……これはもしかして……」

U-511「……もしかして?」

呂500「付き合っちゃってたりするのかな?」

U-511「付き合う……」

U-511(admiralと、名取さんが……付き合って……)

U-511「……?」

U-511(あれ……何だか、随分前にも……そんなことが、あったような……?)

呂500「……ユーちゃん?」

U-511「……え?」

呂500「どうしたの?急に考えこんじゃって……」

U-511「あ……何でも、ない……」

呂500「?」

U-511(……気のせい、かな)

全てを思い出した名取とは違い、U-511はまだ記憶が蘇っていない。

しかし、その魂には50周目提督と過ごした日々が宿っている。

いつ思い出すかは、50周目提督とどれだけ交流し、魂の共鳴を強く出来るかにかかっている。


提督や名取は何をしていた?

直下

※回想にて50周目提督及びヒロインの設定を明らかにしましたので、ここからは通常通りの形式で進行致します。
ただ、取っていただいた安価の場合によっては、展開をアレンジさせていただくこともあるかもしれません。

ショタ提督「………」カキカキ

名取「………」

U-511「………」

U-511(あ、やっぱり部屋でお仕事してる……admiralの表情も、前よりも穏やか……)

ショタ提督(……ゆーちゃんが部屋を覗いている)

名取(みたいだね。となると、ここからは"提督"と"艦娘"として接し合った方が良いかな?)

ショタ提督「………」コクリ

彼はもちろん、魂で通じ合った名取もまた、彼や艦娘達を知覚することが出来るようになっている。

自分達が特別な関係だと思われるのは構わないが、まだ記憶が完全に蘇っていないグレカーレ達や無関係な艦娘に……真実を知られるのはまずい。

そう考えた彼と名取は、鎮守府では今まで通りの接し方をしていこうと決めていたのだ。

名取「……ところで提督。少し良いですか?」

ショタ提督「……うん。何?」

名取「私達のルーツは理解しましたけど……"改二"はどういう仕組みなんですか?」

U-511「……?」

U-511(改二……それって、ろーちゃんみたいな子のこと……?そんなことを聞いて、どうするんだろう……)

全てを知った名取は、既に彼の干渉による魂のプロテクトの影響を受けていない。

それに対しU-511は、未だ自身についてを深く考えないプロテクトをかけられた状態にある。

だからこそ、U-511は名取がどうしてそのようなことを疑問に思うかが理解出来ない。

ショタ提督「……力の突然変異、かな」

名取「突然変異?」

ショタ提督「人の善意を元にした力。だからこそ、艦娘が『誰かを守りたい!』と強く願えば……稀に力の性質が強化されることがある」

ショタ提督「もちろん、全てのケースに当てはまる訳じゃない。こればかりは僕も予測不能だから……艦娘や人間の凄さを実感したんだ」

名取「それで改二になれたり、なれない人が……」

ショタ提督「そして1度"改二"を発現した艦娘は、改めて力を宿すと……その性質を共有し、他の同じ艦娘も同様の姿になることが出来る」

ショタ提督「ただ、力の変異の仕方によっては、本人の人格にまで影響を及ぼすことがあるけれど……それでも、今までの気持ちを忘れることは無い」

名取「……はい。それは由良ちゃん達を見ていると分かります」

ショタ提督「人間や艦娘の想いの強さを侮ってはいけない。だからこそ、僕は……"僕"がしていることを、止めなければならない」

名取「同感です」

U-511「……?」

U-511(さっきから何を言ってるんだろ……?全然、分からないよ……)

全てを知る名取にとっては、今の会話だけで意味を全て理解し……彼の目的の為に、共に戦おうと決意する。

しかし、外から覗いているU-511には……彼が施したプロテクトの影響もあり、2人の話が頭に入ってこない。

否、頭に入ってきたとしても……それを考え、理解することが出来ないのだ。

ショタ提督「………」

名取「………」

ショタ提督(……やっぱり、ゆーちゃんには伝わっていないようだね)

名取(それだけ50周目提督のプロテクトが強力なんだと思う。私もこの前まで、違和感こそ抱いていても……深く疑問に思うことは無かったから……)


提督達orU-511の行動

直下

短くてすみませんが今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。

22:30~23:30頃開始予定です。

始めます。

U-511「………」

U-511(2人に、聞いてみよう……かな。もしかしたら、私やろーちゃんに関係することかも……)

ショタ提督「………」

名取「………」

名取(……どうする?)

ショタ提督(……上手く誤魔化すしかない。今の彼女には正確に説明したとしても、恐らく理解出来ないはずだから)

名取「………」コクリ

彼と名取は無言で心を通わせ、U-511に対してどう対応するかを決める。

プロテクトはもちろん、まだ記憶を取り戻す兆候さえ見せていないU-511に包み隠さず話すのは危険を伴うと判断した為である。

U-511「……admiral」

ショタ提督「……ゆーちゃん」

名取「ゆーちゃん?どうしたの?」

U-511「えっと……今、改二について……話してなかった……?」

名取「うん。ちょっとだけ気になって」

U-511「それって、私やろーちゃんと関係……ありますか……?」

ショタ提督「いや、そういう訳じゃないけど……」

U-511「あ……そう、ですか……」シュン

U-511(じゃあ、やっぱり……無関係なんだ……)

ショタ提督「………」

名取「………」

ショタ提督(ごめんなさい、ゆーちゃん……だけど、今はまだ話す訳にはいかないんだ……)

名取(私でさえ、記憶を取り戻すまでかなりモヤモヤしたし……取り戻した直後も、混乱していたから……)

彼と名取は罪悪感を抱くが、これもU-511のことを考えての結論なのだ。

無理に真実を伝え、激しい混乱を引き起こすと……前世の魂を受け継いだU-511に、何が起こるか予想が付かない。

増して、その隙を"彼女"に狙われれば……最悪のケースに繋がってしまう。

U-511「………」


反転コンマ判定:U-511の反応は?

01~49:少し違和感を抱きながらも部屋に戻る
提督との絆上昇率:小 ×1.0
50~98:提督と名取に何か考えがあるのではと無意識の内に納得する
提督との絆上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:一瞬だけ前世の記憶が蘇りかける
提督との絆上昇率:大 ×2.0

直下

《-- 52 --》――惜しい


U-511「………」

U-511(よく、分かんないけど……もしかして、admiralと名取さん……私に、気を遣ってくれてる……?)

ショタ提督「……!」

名取「……!」

U-511は彼らの様子を見て、何故かそのような考えが頭に浮かんでいた。

それもそのはず、現在もU-511の魂は彼と共鳴しており……彼のU-511を心配する気持ちを、U-511は潜在意識で感じ取っていたのだ。

そして、U-511がそのような考えに至ったことを……彼と名取も、確かに心で感じていた。

U-511「………」

U-511(あまり、踏み込まない方が……良い、のかな……?)

ショタ提督「………」

名取「………」

ショタ提督(僕との距離が近ければ近い程、やはり影響を受けてしまうか……)

名取(みたい、だね……でも、幸い記憶を無理に呼び起こさせるようなことにはならなかったけど……)

U-511「………」

U-511(……うん。また、今度……聞いてみよう。admiralの、都合が良い時に……)

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(いずれは、本当のことを話す時が来る……その時には、必ず……全てを伝えるから……)


提督との絆 コンマ一の位×1.5 上昇

直下

2×1.5=3 3+18=21/--


U-511「えっと、それじゃ……失礼、しました……」

スタスタ…

ショタ提督「………」

名取「……大丈夫?」

ショタ提督「……うん。それに、本当に辛いのは……僕のせいで命を落としてしまった、ナトリやユー達だから……」

名取「だからそれは貴方のせいじゃ……」

ショタ提督「ううん。僕のせいであり、"僕"のせいでもある」

名取「………」

ショタ提督「……っ」グッ

ショタ提督(守らなきゃ……今度は、必ず……皆を……!)

名取「………」ギュッ

ショタ提督「あ……」

名取「あまり思い詰めないで?私は本当に気にしてないし……こうして再会出来ただけでも、本当に嬉しい……!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(ナトリ……)

名取「………」

名取(50周目提督ばかりに全てを背負わせる訳にはいかない。私も一緒に戦わないと……50周目提督を、守らないと……!)




U-511「………」スタスタ…

U-511(改二……ろーちゃんのように、強くなること……)

U-511(だとしたら、私は……弱い……?)

U-511「………」フルフル

U-511(……違う。admiralは、ろーちゃんだけじゃなくて……私にも、出撃させてくれてる……)

U-511(私は決して、弱いだけの存在じゃない……!それは、admiralがいつも教えてくれてる……)

U-511(あの時だって、私達を守る為に……一生懸命……)

U-511「……?」

U-511("あの時"……?私、今……一瞬、何を考えて……)

U-511「………」

U-511(……疲れてるのかな)スタスタ…


《-- 提督と交流を深め、互いの魂が共鳴したことにより……提督の神通力が強まった --》

《-- 21 --》


グレカーレ『………』

名取『や、やめて……』ガクガク

グレカーレ『………』

――邪魔者は殺してしまえ。

グレカーレ『……お前さえ、いなければ』キラン…

名取『ヒッ……!?』

グレカーレ『お前を消し去れば、提督の隣にいられるのは……私だけになる……』

――自分の進むべき道に立ちはだかるというのなら、始末してしまえ。

名取『嫌……嫌ぁ……!』ガクガク

グレカーレ『だからさぁ……死んで?』ダッ

ザクゥッ…!

名取『あっ……かはっ……!』

グレカーレ『あはっ……血だぁ……すっごく血が出てる……!』

――全てを真っ赤に染め上げてしまえ。

グレカーレ『憎い奴を潰すのって、こ~んなにスッキリするんだぁ。あははははっ!』

ショタ提督『何をしているんだ!』

グレカーレ『ッ!?て、提……督……?』

名取『うぐぅっ……』

ショタ提督『な、何てことだ……グレカーレちゃん!どうして名取さんを……!』

グレカーレ『こ、これは……違……』オロオロ

――自分のことを受け入れてくれない奴なんて、いらない。

グレカーレ『……!』キッ

ショタ提督『……っ!?ど、どうして刃物を僕に……まさか……!』

グレカーレ『……私のことを好きになってくれない提督なんて、いらないッ!!』ダッ

ショタ提督『や、やめるんだ!こっちへ来るな!うわああああああああああっ!?』







グレカーレ「ッ!?」ガバァッ

グレカーレ「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ……ゆ、夢……!?」

グレカーレ(わ、私……また、あんな夢を……違う!そんなこと考えてない!あんなのただの悪夢で、私の考えじゃ……!)フルフル

――そんなことはない。紛れも無く、私の……

グレカーレ(うるさい黙れッ!!私の頭の中で囁かないでよッ!!そんなこと、無い……絶対、違う……!)フルフル

グレカーレ「………」

グレカーレ(……落ち着け、私……名取さんはともかく、提督を傷つけるような真似をする訳……)

グレカーレ(……"名取さんはともかく"?違うでしょ私ッ!名取さんも傷つけちゃダメに決まってる!)

グレカーレ(変な夢を見たせいだ!早く夢の内容を忘れなきゃ……でないと、夢と現実がごっちゃに……!)フルフル


↓1朝風のコンマ       ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:21/--
↓3名取のコンマ       提督との絆:∞/∞ 《-- END開放 --》
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:41/-- 《-- リーチ --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します
ただし名取が最大値の場合、その時点で終了します

グレカーレ「………」

グレカーレ(私……どう考えても、おかしいよ……ずっと、悪い考えばかり浮かんできて……)

グレカーレ(酷い時には、夢にまで……名取さんを排除するとか、思い通りにならない提督を傷付けるとか……)

グレカーレは追い詰められていた。彼を意識するようになってから、突然湧き出るようになった黒い感情。

まるで自分以外の誰かが、自分に悪魔の囁きの如く……思考を悪い方向へ誘導しているかのような錯覚さえ抱く。

グレカーレ「………」

グレカーレ(どうしよう……こんなことが、これからもずっと続いたら……私、どうにかなっちゃうよ……)

グレカーレ(仲間であるはずの名取さんに手をかけて……提督にまで、手を出すようになってしまったら……!)

恐怖でグレカーレの身体が震え上がる。思考が自分でなくなっていく感覚。

日に日にグレカーレは、思考が何かに上書きされつつあると考えていた。

グレカーレ「………」

グレカーレ(誰に相談すべき?明石さん?夕張さん?いや、ダメ……相談しても、どうせ何とかできっこない……)

グレカーレ(後は……頼れるのは、提督しかいない……だけど、提督に相談したところで……)

――相談しても無駄。誰にも解決出来やしない。

グレカーレ(うるさい!こんな時まで……あぁ、どうしよう……怖い、怖いよぉ……!)

姉妹にさえ相談出来なかった深刻な悩み。実のところ、これを解決出来るのは……正しく彼である。

しかし、グレカーレは己の囁きと精神の消耗により……正常な判断が出来なくなりつつあったのだ。

それだけではない。己の囁きにより、取り戻しつつあった前世の記憶さえ……再び忘れ去られていってしまう。




《-- 1 --》――勇気を出して提督に打ち明ける 《-- END開放 --》

《-- 2 --》――怖くて何も出来ない 《-- 好感度上昇コンマ判定へ --》

直下

※1を選んだ場合、反転コンマ90~98で名取による妨害が入ります

――怖くて何も出来ない


グレカーレ「……っ」

グレカーレ(ダメ……こんなこと、話せない……話せる訳が無い……!)

グレカーレ(提督に、変な子を見る目で見られちゃったら……絶対、立ち直れなくなる……!)ガクガク

グレカーレは彼に相談することよりも、彼に軽蔑されてしまうという恐怖が勝ってしまう。

ただでさえ心がすり減っていたグレカーレだが、彼に嫌われるかもしれないという恐怖心が一層心を締め付ける。

故にグレカーレは身動きが取れなくなってしまった。このまま震えているしかなかったのだ。

グレカーレ「うぅ……」

グレカーレ(……自分で、何とかしなきゃ……自力で、克服しなきゃ……)

――自分が苦しんでいる時に助けてくれない奴らなんか……

グレカーレ(うるさいって言ってるでしょ!?いつになったらこの声は止まるのよ!もう嫌ぁっ!)

――だったら周りを巻き込んで心中でも……

グレカーレ(うるさい……うるさいうるさい、うるさぁいッ!!)ボカボカボカッ!

グレカーレ「はぁはぁ……」

グレカーレ(頭が、痛い……だけど、お陰で少し落ち着けた……)

彼を想えば想うほど、隣に立つ名取に嫉妬し……その度に、心の奥底からドス黒い感情が込み上がってくる。

だが、それでも彼を憎いと思うはずが無い。思えるはずが無い。グレカーレはまだ完全には思い出していないが……

グレカーレにとって、彼は……最後の瞬間まで、自分の為に戦ってくれた……大切な人なのだから。



提督との絆 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

※50到達時のみ、反転コンマ90~98で好感度が49でストップします

3×1.0=3 3+41=44/-- 《-- リーチ --》

――

《-- 22 --》


グレカーレ「………」

――こんなに辛いのに、誰も手を差し伸べてくれない。仲間なんて、実際には薄情で酷い奴ばかりなんだ。

グレカーレ「………」

グレカーレ(あぁ、また聞こえる……心の声のはずなのに、誰かに囁かれているような感覚で……)

グレカーレ(毎日毎日、嫌になる……それに、何だか今までよりも身体に力が入らないような……)

グレカーレ「……っ!」フルフル

グレカーレ(いや、気のせい。きっと気のせい。絶対に気のせい!だから私はいつも通り頑張るだけ!)

グレカーレ(提督に迷惑はかけられない!絶対に悟られないようにしなきゃ……!)



ショタ提督「………」

名取「………」

ショタ提督(……気付いた?)

名取(……うん)

ショタ提督(グレカーレちゃん……グレ、最近、目に見えて顔色が悪いはずなのに……)

名取(私達が声をかけても『大丈夫だってば!』としか言ってくれないし……)

ショタ提督「………」チラッ

名取「………」コクッ

ショタ提督(心にノイズがかかっているみたいで……今までのように、グレの心情を感じ取ることが出来ない)

名取(こんなこと、今まで無かったんだよね?)

ショタ提督「………」コクリ

ショタ提督(まさか……いや、でも……そんな……)

名取「………」

名取(マエストラーレちゃん達にも相談していないみたいだし……せめて私達が気にかけてあげないと……)


↓1朝風のコンマ       ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:21/--
↓3名取のコンマ       提督との絆:∞/∞ 《-- END開放 --》
↓4グレカーレのコンマ    ----との---:44/-- 《-- リーチ --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します
ただし名取が最大値の場合、その時点で終了します

名取「エピローグまだかな~」ワクワク

~~現時点では超えられるか分からない壁~~

グレカーレ「ふんぬ!ふんぬ!ふんぬううううぅぅぅぅッ!!」ググググッ!

グレカーレ(今回が最終回……これを逃したら最初で最後の出番なのに失恋したという汚名が語り継がれちゃう!それだけは嫌ぁッ!)



朝風「流石に厳しいかも……いや、まだチャンスは……う~ん……」ブツブツ







U-511「………」つジョイコン ピコピコ

U-511(ここからの逆転は……無理、だよね……はぁ……)ピコピコ



今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
え~、昨日で『ショタ提督に好かれたい』がついに5周年を迎えることとなりました。
ここまで応援して下さった読者の皆様、本当にありがとうございます!

実を言うと5周年(2020年1月30日)と同時に最終回を描いてスレを綺麗に〆る予定でしたが……無理でした(白目)。
残りしばらくの間、エピローグまで最後までお付き合いいただけると幸いです。
ただ、もしかすると今後の展開やエピローグの長さ次第では次スレまでまたいでしまうかもしれません。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

>>815って反転コンマなら52じゃなくて65じゃないの?

22:30~23:30頃開始予定です。

>>844
またとんでもないミスを……倍率が合っていたのが不幸中の幸いでした。度々申し訳ございません。そしてご指摘ありがとうございます。

始めます。

グレカーレ「………」

――どうして私がこんな辛い思いをしなきゃいけないの?

グレカーレ「………」

――邪魔な奴を消してしまえば済む話じゃない。

グレカーレ「………」

グレカーレ(無視しようとしても、何度も心に囁いてくる……)

自分の艦娘としての役目以外のことを考えないようにしていても、黒い感情は少しずつグレカーレの心を侵食してゆく。

名取を殺す、自分に振り向いてくれない彼を傷付ける……甘い毒のような言葉が、グレカーレの心に響き渡る。

――自分が苦しむくらいなら、他の奴を不幸に叩き落してしまえば良い。

グレカーレ「……っ」ギリッ

グレカーレ(やめてよ……そんな馬鹿なこと、出来るはずないじゃない……!)

――だったら、私はこのまま指を咥えて見ているだけなの?

グレカーレ「………」

――邪魔者は蹴落としてしまえば、私は幸せに……

グレカーレ(そんな方法で、幸せが掴める訳が無い……!いい加減にして……!)

グレカーレ「……っ」フルフル

グレカーレ(毎日毎日得体の知れない囁きばかり聞かされて、もう嫌ぁ……!これ以上、耐えられない……!)

グレカーレ(だけど、こんなこと……提督や名取さんに相談したら、絶対におかしな子だと思われちゃう……!)

グレカーレはやはり怖いのだ。自分の心が自分で無くなっていく感覚……そんな悩みを相談して……

彼や名取から、自分が異常者だと思われてしまうことが。特に彼に嫌われてしまえば、グレカーレは生きる希望の全てを失ってしまう。

記憶が完全に蘇っていなくとも、今のグレカーレは……名取同様、既に彼に対して特別な感情を抱いてしまっているのだから。

グレカーレ「………」




《-- 1 --》――勇気を出して提督に打ち明ける 《-- END開放 --》

《-- 2 --》――怖くて何も出来ない 《-- 好感度上昇コンマ判定へ --》

直下

※1を選んだ場合、反転コンマ90~98で名取による妨害が入ります

――怖くて何も出来ない


グレカーレ「……っ」ガクガク

グレカーレ(嫌われたくない……提督に軽蔑されたら、私……)ガクガク

――私のことを受け入れてくれない提督なんて……

グレカーレ(黙ってよッ!!私がそんなこと考えるはずないでしょ!?)

グレカーレ「……っ」ジワッ

グレカーレ(何だか私……最近、おかしいよ……心にあることないことが聞こえて……)

グレカーレ(しかも、その言葉に身を委ねそうになっちゃって……!)

グレカーレ「………」グシグシ

グレカーレ(だけど、それを相談する訳にはいかない……提督や、他の皆に……悟られちゃいけない……)

グレカーレ(私がしっかりすれば良い話なんだ……私の心が弱いせいなんだ……!)

グレカーレ「………」

グレカーレ(大丈夫……"まだ"大丈夫……落ち着け、私……)

――そうやって自分を騙そうとしても無駄よ?

グレカーレ「………」

――自分の気持ちに蓋をしようとしても、いずれは……

グレカーレ(……黙れ)

――あはっ。今の私、きっと目つきだけで人を殺せそう。

グレカーレ「………」




提督との絆 コンマ一の位×1.0 上昇

直下

※50到達時のみ、反転コンマ90~98で好感度が49でストップします

8×1.0=8 8+44=52 → 50/-- 《-- END開放 --》


ショタ提督「………」スタスタ…

名取「………」スタスタ…

ショタ提督(グレが日に日にやつれていっている……)

名取(どう考えてもおかしいよ。やっぱり、何かあったんじゃ……)

ショタ提督(うん……心情を読み取れないし、グレから感じる生気が少しずつ減少している……)

名取(……ただ事じゃないよね?)

ショタ提督「………」コクリ

ショタ提督(1度、グレと1対1で話し合ってみた方が良いかもしれない)

名取(その時は、私は席を外した方が良いかな?といっても、今の私だと50周目提督やグレの近くにいるだけで全部分かっちゃうんだけど……)

ショタ提督「……!」ピクッ

名取「……!」ピクッ





グレカーレ「………」フラフラ…





ショタ提督「……グレ」

名取「………」チラッ

ショタ提督「………」コクリ

ショタ提督(少し声をかけてくるよ。申し訳無いけど……)

名取(……うん。向こうで待ってるね?)

ショタ提督(……ありがとう)

グレカーレ「………」フラフラ…

――どうして思い詰める必要があるの?今すぐ名取さんを殺して、その隣に私が……

グレカーレ「……っ」フルフル

グレカーレ(相変わらず、馬鹿なことばかり語り掛けてくる……いつになったら無くなるの……?)

グレカーレ(このままじゃ、私……本当に、こんな馬鹿げたことを……本気で……)

ショタ提督「……グレカーレちゃん」

グレカーレ「っ!?」ビクッ

ショタ提督「………」

グレカーレ「て、提督……」

ショタ提督「大丈夫?最近、調子が悪そうだったから……」

グレカーレ「あっ……そ、そんなことないよ!?私ならいつだって元気だし!ほらっ!」ピョンピョン

グレカーレ(提督には……提督にだけは、気付かれたくない……!嫌われたくない……!)

ショタ提督「………」

ショタ提督(嘘だ。グレの心からは、今もノイズが聞こえて……それに、言葉に込められた想いも、何かを耐えるような辛い気持ちが伝わってくる……)

ショタ提督「……無理、してるよね?」

グレカーレ「ううん!本当に大丈夫……」

ショタ提督「………」ジーッ

グレカーレ「………」

グレカーレ(あ、れ……おかしいな。提督には……嘘が通用しない。そんな気がしてきた……)

グレカーレ(まるで何もかもを見通すような、透き通った目……私の全てを見抜いてるような、純粋な目が……私を捉えて……)

ショタ提督「………」

グレカーレ「……あはは、提督は勘が良いなぁ。誤魔化しきれないなんて……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(グレ……やっぱり、何か隠して……だけど、真意が読めない……未だにノイズがかかって……)

グレカーレ「……怖いの」

ショタ提督「え……?」

グレカーレ「私が、私では無くなっていくような感じがして……凄く、怖いの……!」

ショタ提督「私が、私でなくなる……?」

グレカーレ「今だって、心の中で……ずっと、おかしなことばかり考えて……まるで、私じゃない誰かが囁いてきてるみたいで……!」ジワッ

ショタ提督「……っ!?」

ショタ提督(ま、まさか……"僕"が……そうか!それでグレの心にノイズが……!)

名取「……!」

名取(やっぱり、そうだったんだ……"あの子"が、グレに干渉して……!)

グレカーレ「……っ」ウルウル

ショタ提督「……辛かったんだね。苦しかったよね。だけど、もう大丈夫だから」

グレカーレ「……!?」

ショタ提督「……どうしたの?」

グレカーレ「……引かないの?」

ショタ提督「引く?どうして?」

グレカーレ「だって……急に変なことを言い出して、頭がおかしくなったって……思わないの?」

ショタ提督「……!」

グレカーレ「………」ウルウル

ショタ提督(そうか……それでグレは、このことを……僕達に相談出来ずにいたのか……)

ショタ提督「……思う訳が無いよ」ギュッ

グレカーレ「あ……」

グレカーレ(手を握って……)

ショタ提督「僕は何があっても、艦娘達の味方だよ。むしろ、辛い悩みを打ち明けてくれて……ありがとう」

ショタ提督「1人で抱え込まなくて良いんだ。これからは、僕やマエストラーレちゃん達、それに……名取さん達がついているから」

ショタ提督("僕"の魔の手から……絶対に、守るから……!)

名取(うん、うん……!グレ、私達がついてるからね……!)

グレカーレ「……っ」ズキッ

グレカーレ(そう、だよね……提督にとっては……"50周目提督"にとっては、私は……あくまでも、友人のような関係に過ぎないんだよね……)

グレカーレ("あの時"だって、私のことを助けようとしてくれたけど……50周目提督にとって、1番大切なのは……"ナトリ"だから……)

グレカーレ(……"50周目提督"?"ナトリ"?それに"あの時"?私、こんな時に一体何を考えて…………うっ!)カッ






グレカーレ(頭の中に、何かが……いや、違う……これは、頭の中から、出て来て……!)

グレカーレ(50周目提督との出会い、一緒に過ごした楽しい時間、そして……命を落とした日……)

グレカーレ(記憶が失われることを覚悟の上で、転生して……それで、私は……"グレ"から"グレカーレ"に生まれ変わって……!)

グレカーレ(50周目提督が生み出してくれた"艦娘"として……新たな生を与えられて……!)






ショタ提督「……!」

名取「……!」

ショタ提督(この反応……もしかして……!)

名取(あの時の、私と同じ……!)

グレカーレ「………」

ショタ提督「……グレカーレちゃん」

グレカーレ「……"グレ"」

ショタ提督「……!」

名取「……!」

ショタ提督(グレの心のノイズが無くなっていく……!)

グレカーレ「50周目提督……全部、思い出したよ……私がグレだったことを。そして……貴方が守ろうとしてくれたことを……」

ショタ提督「……ごめんなさい、グレ。今まで、黙っていて……」

グレカーレ「ううん、良いの。私のことを考えてくれたからでしょ?」

ショタ提督「………」コクリ

名取「………」

名取(良かった……!グレも、思い出したんだ……!)

グレカーレ「……嬉しかった。50周目提督と、こうして……再会することが出来て」

ショタ提督「……うん、僕もだよ。グレと、こうしてまた出会うことが出来て……」

グレカーレ「だけど、ね……"気付いた"時には、もう……遅かったの……」

ショタ提督「……"遅かった"?」

グレカーレ「……っ!」ダキッ!

ショタ提督「あっ……」

名取「!?」

名取(ぐ、グレ!?何して…………いや、違う。これは……グレから伝わる、この気持ちは……)

グレカーレ「……っ」ギュウッ

ショタ提督「………」

ショタ提督(……先程まで感じられなかったグレの想いの全てが、魂を通じて……伝わって来る。そうか、グレは……)

グレカーレ「……50周目提督」

ショタ提督「………」































「私は、貴方のことが好き……正確には、転生して記憶を失っている間に……好きになっちゃったの……!」





























ショタ提督「……グレ」

名取(グレ……)

グレカーレ「……そこにいるんでしょ?"ナトリ"」チラッ

名取「……!」

グレカーレ「………」ジーッ

名取「……やっぱり、分かっちゃうんだね」スッ…

グレカーレ「当たり前だよ。貴女と同じで、私も……50周目提督やナトリと、心を通わせることが出来るようになったんだから」

ショタ提督「……グレ。僕は……」

グレカーレ「分かってる。全部分かってるよ……貴方とナトリがもう、絆を深め合っていることは」

ショタ提督「………」

名取「………」

グレカーレ「だけど、私がこんなに苦しい思いをしたのは……ある意味、ナトリのせいでもあるんだから」

名取「………」

ショタ提督「………」

グレカーレ「私が50周目提督への恋心を自覚した時には、既にナトリが50周目提督の隣にいて……私は遠くから眺めているしかなかった」

グレカーレ「しかも私は記憶を失っていたから、"あいつ"に精神干渉を受けていることに気付くことすら出来なかった」

グレカーレ「それから私は、"あいつ"からの精神攻撃に苦しみながら……実ることが無い"今世"での初恋に、胸を痛めることになった……」ジワッ…

ショタ提督「………」

名取「………」

グレカーレ「想像してみてよ……事情を知らない時には、初恋の人に相手がいて……」ウルウル

グレカーレ「苦しみながらも記憶を取り戻して、全ての事情を知ったと思ったら……前世からの絆だったなんて……」ウルウル

グレカーレ「こんなのって……無いよ……!勝てる訳ないじゃん……!」ウルウル

ショタ提督「………」

名取「………」

グレカーレ「だけど、それでも……私は、50周目提督のことが……好きなのっ!この気持ちに、嘘はつけない……!」ポロポロ

グレカーレ「命がけで私達を助けようとしてくれて、そのまま何百年も眠り続けて……目が覚めた後も100年間、"あいつ"と戦い続けて……!」ポロポロ

グレカーレ「私達が生まれ変わった後も、いつも労わってくれて……傍にいてくれるだけで、温かい気持ちにしてくれる……」ポロポロ

グレカーレ「そんな人を、好きにならない訳……ないでしょ……!50周目提督……好き……大好き……!」ギュッ

グレカーレ「ナトリがいることは分かってる……!だけど、せめて……2番で良いから、一緒に居させて……!お願いだから……!」ポロポロ

グレカーレ「ぐすっ……うぅっ……!」ポロポロ

ショタ提督「………」

名取「………」

ショタ提督(……僕は、どうすれば良いのだろうか)

ショタ提督(艦娘達が"提督"と重婚することが出来るようにしたのは、紛れも無く僕だ)

ショタ提督(人の温もりを求める艦娘達が、1人の人間と共に生活するとなれば……必然的に、同じ人間を好きになることは想定していた)

ショタ提督(だからこそ僕は、人類が定める法律に干渉し……"提督"と艦娘限定で、重婚を認める方向へ誘導した)

ショタ提督(だけど、まさか僕自身がその対象となることは……想定していなかった)

ショタ提督「………」チラッ

グレカーレ「……っ」ギュッ ポロポロ

ショタ提督(これ以上、グレを泣かせる訳にはいかない……だけど、僕には既にナトリがいる)

ショタ提督(ここで僕がグレを2人目の交際相手としてしまったら、ナトリの気持ちを踏みにじることになってしまう)

ショタ提督(だけど、グレの気持ちを蔑ろにする訳にも……)

名取「………」

名取(50周目提督、やっぱり悩んでる……そうだよね。優しい貴方なら、こんなことになれば……凄く、悩むよね……?)

名取(むしろ、ここですぐにでもグレの告白を断るような切り替えが早い性格だったなら……これまで、"あの子"と戦う時だって……悩まなかったよね?)

名取「………」

名取(私は、そんな50周目提督だから……好きになった。この世を生きる者全ての幸福を願う貴方だからこそ……私は、永遠に愛すると決めた)

名取(だから、今度は私が……貴方を助ける番。安心して、50周目提督……貴方が悩み、苦しんでいるのなら……)

名取「……ふふっ。グレ、貴女も……50周目提督と、付き合っちゃおっか?」

グレカーレ「……え?」ポロポロ

ショタ提督「……な、ナトリ?」

名取(……その悩みを、苦しみを……私が取り除く。50周目提督を悲しませるようなことは、私が許さない……!)

グレカーレ「そ、それって……」ポロポロ

ショタ提督「………」チラッ

名取「"どうして?"って顔してるね。えっと……私も、グレの立場だったら……同じことを言うかなぁって」

ショタ提督「………」

名取「私の魂は前世の"ナトリ"のものだけど、同時に艦娘である"名取"としての意識もあるからかな?」

名取「提督が他の女の子と付き合っても、そんなに気にならない……かな?」

名取「だからこそ、同じ人を好きになっちゃったなら……その想いを否定したくない」

名取「むしろ、私と一緒に……50周目提督から、幸せを受け取りたい……!」

名取「そう思ったから、グレが50周目提督と付き合っても良いと考えたんだけど……もしかして、ダメだった?」

ショタ提督「……そんなこと、ないよ。むしろ、僕にとっては……凄く、ありがたい提案だけど……本当に、良いの?」

名取「………」コクリ

名取(例え1人増えたところで、貴方と私の絆が無くなっちゃったり……しないでしょ?)

ショタ提督「……!」

ショタ提督(……うん。神に誓って……って、僕が元々神みたいな存在だったか。あはは……)

名取(……ふふっ)

グレカーレ「……50周目提督」ポロポロ

ショタ提督「……グレ」

グレカーレ「……!」ポロポロ

ショタ提督「僕には既に、ナトリという女性がいる。だから、グレだけを見ることは……きっと、出来ないと思う」

グレカーレ「……うん」ポロポロ

ショタ提督「だけど、グレの告白を拒絶することも……僕には出来ない。いや、出来なかった。ナトリが、グレと交際しても良いと言ってくれたから」

グレカーレ「……うん」ポロポロ

ショタ提督「だから、僕は……男性として、いや、元々は僕に性別は無かったんだけど……」

ショタ提督「今の僕はほぼ男性だし、その……今から1人の男として、最低なことを言うけど……」

グレカーレ「……うんっ」ポロポロ































「グレ……2人目の交際相手として、よろしくね?前世からの分も、これから"絆"を深め合っていこう……!」


「うん……うんっ……!こっちこそ、よろしく……50周目提督っ……!」


(グレ、凄く嬉しそう……それ以上に、50周目提督から……温かい気持ちを感じる。大丈夫、貴方の幸せは……私が守るから……!)




―― ----との---:50/--


――[シュパァッ…!]50/--


――[パシュン…!]50/-- ――





























――"提督との絆":∞/∞

《-- 23 --》















「……糞ッ!まさか私の干渉に逆らうなんて……ガラクタの分際で……!」


「叶わない初恋は嫉妬や絶望を生み出すから、上手くいけばかなりの力を吸収出来たというのに……」


「……まぁ良いわ。絶望なんてあいつに限らずそこらに転がってるし、ダメ押しが出来なかったところで私の勝ちは変わらない!」


「つかの間の幸福を味わいなさい。すぐにその面を絶望へ変えてあげるから……ふふっ、あははははははははははははッ!!」















↓1朝風のコンマ       ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ       ----との---:21/--
↓3名取のコンマ       提督との絆:∞/∞ 《-- END開放 --》
↓4グレカーレのコンマ    提督との絆:∞/∞ 《-- END開放 --》

反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します
ただし名取orグレカーレが最大値の場合、その時点で終了します

名取「無事に有終の美を飾りました!」

グレカーレ「ギリギリで滑り込めて良かったぁ~!」

朝風「最初で最後のチャンスだったんだけど……残念ね」

U-511「……ビスマルク姉さん以外、ドイツ艦はまともな戦績を残せなかった……はぁ……」つPS4コントローラ ピコピコ

ショタ提督「………」

ショタ提督(この楽屋ネタもこれで最後、か……)


こうして、これまでの謎が解き明かされた50周目……最後の周が幕を下ろしました。
いつもなら艦娘安価&ショタ提督の設定安価へ移るところですが、最終回ということで……このまま"終了"します。
残りはエピローグを全力で描くのみです。出来る限り早く完成させますので、それまでお待ちいただけると幸いです。

次回作の大まかな内容・方針は決まりましたが、細かな調整をどうするか悩んでいます。
いずれにしても先にエピローグですが、もしかするとアンケートor意見を募集することになるかもしれません。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。

お待たせしてすみませんでした!23:00~0:00頃、エピローグを投下予定です。

それでは最後のエピローグ……投下します。

――50周目鎮守府前・波止場


ザザー… ザザー…

ショタ提督「………」

名取「……どう?」

ショタ提督「……やっぱり、"僕"や深海棲艦達の脅威が……どんどん強くなってきている」

グレカーレ「それって、やっぱり……」

ショタ提督「……うん。このままだと、近い内に……」

グレカーレ「……っ」ゾクッ

ショタ提督「……大丈夫」ギュッ

グレカーレ「……!」

ショタ提督「今度は必ず、グレを守るから……もう、あんな思いは……2度とさせないから」

グレカーレ「50周目、提督……」

ショタ提督「それだけじゃない。アサカゼやユー、他の艦娘達……この世界に住む人々……そして……」クルッ

名取「……!」

ショタ提督「ナトリ……」

ショタ提督(僕達の"絆"の力で……"僕"の暴走を食い止めるんだ……!)

名取(……うん。でも、それ以上にね……?)

ショタ提督「……?」

名取(もう、貴方を1人ぼっちにはさせない……必ず……!)

ショタ提督「……!」

グレカーレ(……私だって)

ショタ提督「あ……」

グレカーレ(ナトリだけじゃない。私だって……貴方のことを、守るから……!前世で助けられた分、今度は私が……!)

名取(……そう、だね。グレ、2人で一緒に50周目提督を守ろう……!)

グレカーレ(うんっ!)

ショタ提督「………」ギュッ

ショタ提督(感じる……2人の想いと、気持ちが……僕の身体に、伝わってゆく……この"絆"さえあれば、僕は……!)































――――――――なら、その絆とやらを私が盛大にブッ壊してやらないとねぇ!!





























ショタ提督「ッ!」ゾクッ

名取「……っ!」ゾクッ

グレカーレ「っ……い、今の声……」

グレカーレ(この前まで、私の心に聞こえてきた……悍ましい声と、同じ……!)

ショタ提督「……"僕"だ」

名取「………」

グレカーレ「え……?」

ショタ提督「今の、声……絶望と、悪意と、憎悪……人が抱く黒い感情を全て注ぎ込んだかのような、恐ろしい声は……間違いなく……」

名取「……まさか」

グレカーレ「じゃ、じゃあ……あの時の声の正体って……」





ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!





ショタ提督「っ!?」

名取「じ、地震!?」

グレカーレ「あわわわっ!?た、立っていられないよ!?」

ショタ提督「………」

ショタ提督(いや、これは地震ではない……!地面が揺れるというより、大地そのものを切り裂くような……このとてつもない力は……!)

名取「……っ、み、見て!」

ショタ提督「……!」

グレカーレ「ヒッ!?な、何これ……!?」

ショタ提督(海が……大海原が、全て赤黒く染まっている……!?それだけではない。綺麗だった青空が、真っ黒な雲に覆われて……雷まで……!)

朝風「し、司令官!皆……キャッ!?だ、大丈夫……って海が真っ赤になってる!?」

U-511「す、凄い地震……!でも、良かった……皆、もう安全な外に……えっ、う、海が……!」

ショタ提督「朝風ちゃん、ゆーちゃん……!」

名取「それに、他の艦娘の皆さんまで……!」

グレカーレ「だ、ダメっ!今ここに来たら……早く鎮守府の中に……!」

朝風「え?でも、結構大きな地震だったし……」

U-511「建物の中、物がいっぱい落ちてて……」

ズオオオオオォォォォォ……ッ!

ショタ提督「……っ!」

名取「……!」

グレカーレ「……っ!?」

朝風「え……な、何、あれ……」

U-511「う、海に……大きな、穴が……!」

ショタ提督(……遅かったか。記憶が蘇っていないアサカゼとユーは、出来れば巻き込みたくなかったけれど……)

ショタ提督(この状況では、僕達で守るしかない……!ナトリ、グレ……!)チラッ

名取(うん、分かってる……!)コクッ

グレカーレ(絶対に、何とかしないとね……!)コクッ

ズズズズズズズズ……ッ!

ショタ提督(……この世のものとは思えないほどの、憎悪を感じる……!)

名取(私達を襲った時よりも、殺意に満ち溢れていて……!)

グレカーレ(こ、怖い……だけど、ここで逃げたら……50周目提督とナトリを、守れない……!)

朝風「ちょ、ちょっと!?一体どうなってるの!?」

U-511「……!?」オロオロ

ショタ提督「………」

ショタ提督(アサカゼにユー、それに多くの艦娘達が慌てている……だけど、事情を話す猶予は……無さそうだ)

ショタ提督(僕はまだ、全盛期の力を取り戻せていない……だけど、覚悟は既に決まっている……やるしか、ない……!)

ショタ提督(そうでなければ、本当に……人類が、否、世界が滅亡してしまう……!)

名取(……うんっ!)

グレカーレ(わ、私も……!)





――――――――久しぶりねぇ。直接、顔を合わせるのは……何百年振りかしら?





ショタ提督「………」

名取「……!」

グレカーレ「……っ」

ショタ提督(来る……ッ!)グッ…!































「あはっ……あはははははははははっ!とうとうこの日がやって来たわ!今度こそ……今度こそ!何もかも滅茶苦茶にしてやるッ!!」ズゴゴゴゴゴゴゴッ…!





























朝風「えっ!?し、深海棲艦!?」

U-511「で、でも、艤装を背負ってない……それに、浮いてる……!?」

「深海棲艦?あんな駒と一緒にしないでくれる!?」ギロッ!

朝風「ヒッ……!?」ビクッ

U-511「っ!?」ビクッ

ショタ提督「……やめろ。朝風ちゃんとゆーちゃんを怖がらせるな」

「誰に向かって指図してるのかしら?」ギラッ

ショタ提督「………」

「お前を消す為……何が何でも、お前だけは消してやる為に……この数百年間、真っ暗な海底でゴミ共の悪意を回収してきた……!」

ショタ提督「……そのせいで、何の罪も無い人々を不幸な目に遭ってしまった。お前のしたことは、決して許されることではない」

「うるさいッ!!」

ショタ提督「………」

「お前に何が分かるというの!?この糞みたいな連中と呑気に暮らしてきたお前に、私の何が分かるっていうのよッ!!」

ショタ提督「……お前がどんなに辛い思いをしてきたかは、全て把握している。だからといって、人を不幸に陥れて良いはずが……」

「綺麗事ほざいてんじゃねえよッ!!」

ショタ提督「………」

「把握!?ふざけてるの!?たかが記憶を共有した程度で、私がどれほどの悪意、欲望、憎悪をぶつけられてきたか……分かるはずないだろうがッ!!」

「人間なんてどいつもこいつもゴミばっかりなんだよ!こんな奴ら、いなくなった方が良いに決まってるッ!!」

名取「………」

グレカーレ「………」

名取(ダメ、話が通じない……)

グレカーレ(とてもじゃないけど、話し合いで解決は……無理だよね。元々、そんな可能性は期待してなかったけど……)

ショタ提督「……どうしても、分かってもらえないのか」

「その台詞、そのままお前に返してやるよ!お前が存在することが……私の全てを否定してるんだよ!絶対……絶対に殺してやるッ!!」カッ…!

ショタ提督「……っ!」バッ

ショタ提督(くる……!)

「おーい!」

ショタ提督「……!」

「……ん?」チラッ

名取(えっ……この声って……)クルッ

グレカーレ(う、嘘……どうして……!)クルッ







歴代提督&歴代ヒロイン「大丈夫(か)ー!?」タタタッ…!

見守る会「急に海が真っ赤になっちゃったんだけど!?」ザバァッ







ショタ提督(しまった!騒ぎに巻き込まない為に、皆には黙っていたのに……!このような事態では、疑問を抱いて当然だ……!)

ショタ提督(それだけではない……僕には分かる。皆、危険は承知で……僕達を心配して来てくれたことが……!)

ショタ提督(何故なら、皆からの気持ちが……全て、伝わってくるから……!)

1周目提督「凄く大きな地震が起こったと思ったら、海と空が暗くなって……」

鈴谷(1周目)「幸い津波は来ないみたいだから、様子を見に来たんだけど……」

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴッ…!

49周目提督「ヒッ……!?」

村雨(49周目)「て、提督!?大丈夫!?」

49周目提督(こ、このお姉さんから……凄く、怖い力を感じる……!)

7周目提督「……ん?誰だこの姉ちゃん?深海棲艦?」

白露(7周目)「いや、だけど艤装を付けてないし……それに浮いてる!?」

38周目提督「……どうやら、ただの災害という訳ではなさそうだね」

皐月(38周目)「うん、多分……」

「……へぇ。たかが人1人の為に総出でお越しだなんて、どいつもこいつも友情ごっこ……本ッ当に!馬鹿みたいね!」ギロリッ

33周目提督「……友情ごっこ?」

山雲(33周目)「突然何を……」

ショタ提督「……皆。急いでここから逃げて」

6周目提督「どうして?」キョトン

名取「ここにいたら危険なんです!」

榛名(6周目)「危険……?」

グレカーレ「お願いだから逃げて!早くっ!」

吹雪(27周目)「いきなりそんなこと言われても……」

「……あははっ。馬鹿はどれだけ集まっても馬鹿みたいだけど、ここにいる奴らは全員……私の糧に出来そうね」

ショタ提督「……っ!そんなこと、させない……!」

27周目提督「………」

27周目提督(……50周目提督達の様子、尋常じゃないな。これは何か重大なことが……悪い。少しだけ調べさせてもらう……)カッ

27周目提督「……な、何だって!?嘘だろ!?」

吹雪(27周目)「し、司令官!?どうしたんですか!?」

27周目提督「こ、こいつは……この女は、深海棲艦の生みの親だ!それだけじゃない!今までずっと人類を不幸に叩き落してきた張本人だ!」

7周目提督「ど、どういうことだよそれ!?」

27周目提督「たった今アカシックレコードで調べたんだよ!こいつがいたから深海棲艦が生まれて、人類はずっと戦争する羽目になったんだ!」

白露(7周目)「う、嘘……!?」

ヲ級(見守る会・以下全員)「えっ、じゃあこの女の子が……!?」

レ級「確かに見た目はそっくりだけど……」

27周目提督「そしてそこにいる50周目提督こそが吹雪姉ちゃん……艦娘達と妖精の生みの親だ!」

26周目提督「……マジ?」

27周目提督「こんな状況で冗談なんて言うか!深海棲艦から人類を守る為に、50周目提督が姉ちゃん達を生み出したんだよ!」

嵐(26周目)「じゃ、じゃあ……50周目提督、いや、50周目提督さんが……俺達の、親ということに……!?」チラッ

ショタ提督「………」

27周目提督「そして極め付けは……42周目提督ッ!!」ガシッ

42周目提督「グッ!?な、何すんだよ!?」

27周目提督「お前は何てことしてくれたんだよ!?お前のせいで人類は……いや、世界は破滅の危機を迎えてるんだぞ!?」

歴代提督&歴代ヒロイン「!?」

42周目提督「あー、そ、それって……俺が天地創造される前に大暴れしたせい?」

20周目提督「て、天地創造……!?」

五月雨(20周目)(既に理解が追い付かないんですけど……!?)

27周目提督「それ以外にあるかッ!!大体お前ならあいつに見覚えあるだろ!?」

42周目提督「………」チラッ

「………」ギロリ

27周目提督「黙ってないで何か言え!!」

42周目提督「……い、いや~、まさか当時はこいつがラスボスになるとは思わなくってさ~。正直スマンカッタ★」ペコリンコ★

歴代提督(一部除く)&歴代ヒロイン(一部除く)「スマンカッタで済むかあああああああああああああああああああああああああッ!!」ズイィィッ!

42周目提督「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!?」

2周目提督「お前のせいでとんでもないことになってるじゃないか!?」

朝潮(2周目)「ちょっとどうするんですかコレ!?いかにも強そうでヤバそうじゃないですか!?」

瑞鶴(2周目)「しかも私達が普段から戦ってた深海棲艦の正体がこいつ!?どう見てもオーラだけで全生命を滅ぼす勢いなんだけど!?」

11周目提督「こいつのくだらない発明品でさえ精々俺達が煤だらけになる程度だったのに、それ以上にヤバい存在を生み出すなよ!!」

夕張(11周目)「そうですよ!私のくだらない発明品が……くだらない発明!?」ガビーン!

42周目提督「し、しぃましぇえええええええええええええええええええん!!」

潮(42周目)「この度はうちの馬鹿提督がご迷惑をおかけして申し訳ございませんでしたッ!!」ドゲザァッ!

羽黒(42周目)「何とかこのアホでマヌケでどうしようもない司令官さんに責任取らせますので何卒お許しをッ!!」ドゲザァッ!

ショタ提督「……大丈夫」

歴代提督&歴代ヒロイン「……!」

名取「"彼女"は私達が何とかするから……!」ザッ

グレカーレ「皆は危ないから早く非難して……!」ザッ

27周目提督(名取姉ちゃん、グレカーレ姉ちゃん……いや、確か前世の記憶を受け継いだ別人なんだっけか……?)

「私がこんなチャンスを逃すとでも?」サッ

42周目提督「へ!?俺いきなり狙われてんの!?しかもラスボスに!?」

「当然でしょッ!!誰のせいでこうなったと思ってるのッ!?お前のせいで……お前のせいで私はあああああああああああああああああッ!!」

42周目提督「うるせーよ!そんなこと言ったらお前が"欠片"とかいう変なモンばら撒いたから俺がギャグ補正持ちになったんだろうが!!」

42周目提督(つっても後付け設定だけどな!42周目終了時点では作者はこんな設定思いついてさえいなかったみたいだけど!)

潮「卵が先か鶏が先かなんて不毛な言い合いしてる場合ですか!?」

ショタ提督「いけない!早く僕の後ろに……!」

42周目提督「ハッ!ラスボスだか深海棲艦の生みの親だか知らねーけど、喧嘩売ってるなら買うぜ!やってやろうじゃねーかああああああああああッ!!」バッ

27周目提督「やめろ馬鹿!そいつは……!」

羽黒「ダメです司令官さん!いくら死んでも地獄で大暴れして生き返るゾンビのような司令官さんでも無謀過ぎです!!」

42周目提督「馬鹿野郎!ギャグ時空の登場人物が負ける訳――」

潮羽黒(それ死亡フラグ!!)

「……雑魚が」カッ

42周目提督「――へ?」

42周目提督(あ、あれ?体から力が抜けて……)

「死ねぇッ!!」ズバァンッ!

42周目提督「あがぁ……ッ!?」

潮羽黒「提督(司令官さん)ーーーーーーーーッ!?」

ショタ提督「くっ……!」カッ

ショタ提督(42周目提督から、凄まじい速度で生気が失われていく……そうはさせない……!)

42周目提督「」ポウッ…

潮「提督っ!しっかりして下さい!タチの悪い冗談はやめて下さいよ!?」

羽黒「司令官さん!まさか本当に死んじゃったんですか!?」

27周目提督(嘘、だろ……!?あの42周目提督が、負けた……!?なす術も無く……!?)

42周目提督「ゴホッ……勝手に殺すんじゃ、ねえよ……っぐ……」

潮羽黒「よ、良かった……!」

(……また邪魔したわね)ギラッ

ショタ提督("僕"の思い通りにはさせない……!)

42周目提督「ど、どうして……ヤバ過ぎるギャグ補正持ちの俺が、こんなシリアス展開みたいな負け方……」ヨロヨロ

名取「無理に立ち上がらないで!」

グレカーレ「50周目提督が咄嗟に助けてくれたとはいえ、君の体はボロボロなんだから!」

「馬ッ鹿じゃないの!?お前が持っていたその力は、元は私の力なのよ!それを吸収して取り返すなんて容易いに決まってるじゃない!」

「他の奴なら私の力で簡単にぶっ倒せたでしょうけど、同じ力が私に通用するとでも?ハッ!これだから人間は……」

42周目提督「そ、そういうことかよ……畜生……!」

42周目提督(体中が割れそうに痛ぇ……!気を抜くとマジで死ぬぞこれ……!)

「あははっ!こいつから"欠片"を取り返したお陰で、さっきよりも膨大な力が手に入った!これでより一層楽に世界をブッ潰せる……!」

ショタ提督「………」

21周目提督「や、やめてよ!これ以上僕の友達を傷付けるというなら……許さないよ!」ザッ

39周目提督「そうでござる!今こそ拙者が身に付けた忍術を活かす時でござるに!」ザッ

瑞鳳(21周目)「待って提督!」

朝雲(39周目)「多分……いや、間違いなくそいつは一筋縄ではいかないわ!」

夕立(39周目)「危ないからこっちに戻って!」

21周目提督「だ、だけど……」

「……本っ当に何にも知らないのね、お前達。愚か過ぎて反吐が出るわ」

39周目提督「……どういう意味でござる」

「私がどうしてここまで強大な力を取り戻せたか分かる?お前達を散々利用したからよ!」

歴代提督&歴代ヒロイン「……!?」

ショタ提督「やめろ!それ以上言うな!」カッ…!

「ハッ!その程度の力が効くとでも?」ズバァンッ!

ショタ提督「くっ……!」

ショタ提督("僕"は皆をわざと怒らせたり絶望させることを言って、悪意を更に吸収しようとしている……止めなければならないのに、僕の力がほとんど通用しない……!)

「そこの糞餓鬼。お前、どうして着任寸前で大怪我したか分かる?」

3周目提督「……ぼ、僕のことですか?」

「えぇそうよ。どうしようもないほど知能の足りない餓鬼にも分かりやすく説明してあげる。私が生み出した駒……深海棲艦に、お前に怪我させるよう誘導したのよ!」

3周目提督「っ!?」

島風(3周目)「う、嘘……どうしてそんなことしたの!?」

「決まってるでしょ?まだ幼い餓鬼が頭に怪我をして脳障害でも負えば、そこから得られる絶望は計り知れないもの!」

3周目提督「……っ」

如月(3周目)「そ、そんな理由で司令官を……!」プルプル

(そう……もっとキレろ。もっと憎しみを込めろ……その負の感情は、全て私の糧となるのだから……そうとも知らずこいつらは……あはっ!)

「それだけじゃないわよぉ?人類なんてみ~んな度し難い馬鹿ばっかり!ちょっと精神に干渉してやれば、どいつもこいつも憎しみのままに行動する!」

「あれは傑作だったわね~!人類同士の醜い戦争が始まって、最終的に原子爆弾とかいう笑っちゃうくらい面白い殺戮兵器が作られたもの!」

9周目提督「……!」

9周目提督(ま、まさか……!)

「それがあろうことか、お前の鎮守府の真上に落ちるんだもの!全てを見通す目で眺めてたけど、死んだことにさえ気づかず唖然としてたお前は傑作だったわぁ!」

9周目提督「………」

龍驤(9周目)「お、お前……お前が司令官を殺したんか……!?」

「はぁ?私はただ原爆が落ちた事実を言っただけよ?ま、原爆を落とした人間を辿っていけば、どこかで私が干渉した人間の1人や2人、いや、軽く数百人はいると思うけどねぇ?」

9周目提督「……っ」

15周目提督「……そういうことじゃったか」

「ん?お前は……あぁ!あの時の餓鬼じゃない!どう?不老不死になれて良かったでしょ?」

15周目提督「………」

天津風(15周目)「……っ!?」

天津風(えっ!?じゃあ、提督が不老不死になったのって……こいつが……!?)

「自分だけが長生きして、周りの人間は次々に死んでいく……ゴミに相応しい末路じゃない!」

天津風(15周目)「……貴女、自分が何をしたか分かってるの!?」

「誰に向かってモノを言っているのかしら?私が不死身にしなきゃ、こいつは死んでたのよ?」

天津風「うっ……で、でも!」

「私がいなければお前はこいつと出会うことさえ無かった。まさか、その残念な頭じゃこの程度のことも理解出来ないのかしら?」

天津風「……っ!」ギリッ

「後はそうねぇ……ガラクタ共の心を弄ってやったこともあるわね。お陰でただでさえ無能な奴が、あちこちの鎮守府に流され続けた時は思わずニヤけちゃったわ」

23周目提督「……っ」ピクッ

舞風(23周目)「ま、まさか……提督がどこへ行っても皆に受け入れられなかったのって……」

「ガラクタ共にちょっと干渉するだけで人は簡単に絶望する!本当に人間ってゴミばっかりなのよね!あまりに弱々しくて呆れ果てたものよ。まぁ、そこのガラクタと"あいつ"に邪魔されたけど」

ショタ提督「………」

23周目提督「………」

舞風「こ、こいつ……!」

(そうよ!もっと憎しみや憎悪を抱け!そして私の糧になりなさい!)

「他にも海軍の人間に干渉して、ゴミの中でも特に酷いゴミが特定の鎮守府に着任するようにしたけど、まさかガラクタ共からも絶望が得られるなんてね!」

43周目提督「……!」

愛宕(43周目)「そ、それって……」

加賀(43周目)「……貴女の仕業、ということ?」ギロッ

「そうだけど?でも良いところでそこの餓鬼に邪魔されたのよね。上手くいけばガラクタ全員が深海棲艦になって大暴れするところだったのに……余計なことしやがって」ギロッ

43周目提督「………」

愛宕「貴女……ッ!」ギロッ

加賀「……っ」ギリッ

「だけど流石にあの時は驚いたわね。駒の分際で餓鬼1人さえ洗脳出来ないだなんて!何の為に両親殺したと思ってるのかしら!」

31周目提督「……っ!」

31周目提督(まさか……!)

「死に際の絶望した顔も傑作だったけど、息子はガラクタ共に真実を伝えられるし……本当にあの駒共は無能ね。ま、絶望はそこそこ手に入ったから良いけど」

31周目提督「……ッ!!」

阿賀野(31周目)「あ、アンタ……アンタが黒幕だったの!?提督の両親を殺した……真の黒幕だったなんて……!」

鬼怒(31周目)「酷い……酷過ぎるよ!提督が何をしたっていうの!?そんな目的の為に提督の両親を殺したの!?」

「当たり前じゃない。ゴミとガラクタが何をほざいてるの?むしろこの世から無駄を省いてやったんだから感謝して欲しいくらいよ」

31周目提督「……殺す。殺してやる……絶対に、殺してやる……殺してやるううううぅぅぅぅッ!」つ銃 バンバンッ!

「ハッ!そんな玩具で私を倒せるとでも!?つうかさぁ……ゴミの分際で私に手を出すんじゃねえよッ!!」ズバァンッ!

31周目提督「あぐっ!?」

阿賀野鬼怒「提督(さん)ッ!!」

ショタ提督(いけない!また……!)カッ

31周目提督「あっ……ぐっ……!」ポウッ…

31周目提督(い、痛い……痛いよ……でも、お父さんとお母さんは……もっと、痛かったんだ……辛かったんだ……ッ!)ガクガク

(そうよ……もっと、もっとよ……!もっとキレなさい!惨めに怒りを露わにしなさい……!)

「でも、そんな中でも有益な行動を取った奴もいる。お前とお前とかね」

30周目提督「………」

36周目提督「………」

49周目提督「……っ」ビクッ

「次元移動に転生……どれも因果に歪みを生じるものばかり。お陰でその歪みを糧にすることが出来たわ」

「だからお前達は楽に殺してあげる。ゴミに情けをかけてやるのよ?感謝しなさい」

30周目提督「そ、そんな……じゃあ、僕がこの世界に来たことそのものが……!」

49周目提督「この世界の滅亡を招いてしまったってことでしゅか……!?」

ヴェールヌイ(30周目)「違う!司令官のせいじゃない!こいつが……!」

村雨「そうよ!提督は悪くないわ!だから責任を感じなくて良いの!」

36周目提督「……まさか、転生前に大和姉さん達に辛い思いをさせたのも……」

「もちろん私の仕業。お前が絶望して自殺してくれた時点で十分だったけど、まさか転生するなんてね……良い働きっぷりしてくれたじゃない」

36周目提督「……っ!」ギリッ

大和(36周目)「全部、貴女が招いたことだったんですね……!」ギロッ

「へぇ?ガラクタの分際で私にキレてるの?だったら攻撃してみなさいよ!どうせ効かないけどね!ほら!ほらほらぁ!」

大和「……っ」

(悔しそうね?でも私の方がお前達ガラクタなんかよりよっぽど辛かった!その程度のことで絶望する貧弱な奴が喚くからお前達はガラクタに過ぎないんだよ!!)

「他にもタイムマシンによる過去改変!これがまたかなり因果に歪みを生じさせるのよね~!」

16周目提督「っ!?ま、待ってよ!僕が生まれた未来は平和そのものなんだ!世界が滅亡するなんて……!」

「やっぱり馬鹿ね。お前……いや、お前を含む幾多の未来人が過去を変えたり転生した結果、私がこんなに早く覚醒する結果になったのよ?」

「こればかりはお前達の自業自得ね。大人しく私に滅ぼされなさい!それこそが正しい歴史になるのだから!」

16周目提督「そんな……!」

磯風(16周目)「……すまない、司令。未来の私達のせいで……!」

16周目提督「っ、そ、そんなことないよ!あの時の磯風お姉ちゃん達は、本当に辛そうだった……!だから、過去を変えたいと思う気持ちは間違ってない……!」

(そうやって心にも無い慰めばかり……裏ではどうせお互いを責めてるんでしょう?ゴミ共はいつだってそうなのよ!汚らわしい!)

「おまけにこいつに至っては、時間移動と次元移動の両方を同時にやったんだものね。自分の行いがどれほど因果を歪ませたか自覚してるの?」

8周目提督「………」

浜風(8周目)「……出鱈目を言うのはやめて下さい」ギロッ

曙(8周目)「提督は、やっとの思いでこの世界に来たのに……それなのに……!」ギロッ

衣笠(8周目)「提督が世界滅亡の原因!?ふざけないでよ!そんな訳……!」ギロッ

「そうやって事実から目を背けたければ勝手にしなさい。ま、後で私が直々に殺してあげるけど」

8周目提督(……これは、罰なのか……今でこそ明石も夕張も助け出したが、俺1人が別世界に逃げ出したことの……罰……)

浜風「提督、こんな奴の言葉を真に受けないで!貴方は何も悪くないんです!」

曙「浜風の言う通りよ!提督が思い詰める必要は無いわ!」

「そうやって現実逃避する気?現に私がこうやって復活してるのに?どうせお前達は滅ぶ運命なんだから、偽りの慰めの言葉なんて無駄よ無駄!」

衣笠「偽りなんかじゃない!いい加減変なことを言うな!!」

(そうそう!もっとキレろ!そしてもっと絶望しろ!その全てが私へと注がれてゆく!これよ!これを待っていたのよ!!)

ショタ提督「いい加減にしろ……!」カッ…!

「だから効かないって言ってるでしょうがッ!!」ズバァンッ!

ショタ提督「……っ!」

ショタ提督(こちらが力を行使しようとしても、片手であしらわれてしまう……!)

「お前も私も多くの"欠片"をばら撒いてしまったみたいだけど、お前のような雑魚とは違う……私はもう全盛期の力を超えているんだから!」

12周目提督「か、欠片?さっきから何を言って……」

「はぁ?まだ気づいてない訳?ちょっと考えたら分かることでしょうが。ただの人間風情が得体のしれない力を急に使えるようになると思う?」

秋月(12周目)「……司令が持つ幸運が、その欠片とやらの力とでも言いたいんですか」

「むしろ私が言わないと理解出来ないなんて馬鹿にも程があるわね!」

28周目提督「……27周目提督君。この女の子が言ってることは本当なの?」

27周目提督「……あぁ。13周目提督や28周目提督のような、特殊な力を使える人間は……間違いなく50周目提督とこいつの欠片を宿している」

酒匂(28周目)「それで司令はプラズマを生み出せるように……!」

電(28周目)「他の提督の皆さんが凄い力を使えるようになったのも納得したのです……!」

49周目提督(そ、そうか!それで皆さんから時々、温かい力や怖い力を感じて……!)

「特にお前は傑作だったわ!私の欠片を取り込んで、その力で周りのゴミ共を不幸にしていく様は!」

12周目提督「……っ!」

秋月「な、何を言って……!」

「お前のお陰であちこちから絶望を回収出来た!礼は言わないけど、後で楽に殺してあげる!あははははっ!」

12周目提督「僕の、せいで……」

秋月「あんな奴の言うことなんかに耳を貸しちゃダメです!司令の周りにいた、心無い人が悪いんですから……!」

「だけど……お前はどういうことよ!」

45周目提督「ヒッ!?」ビクッ

巻雲(45周目)「!?」

「まんまと"あいつ"の欠片に浄化されやがって!!ふざけんじゃねえよ!!何が『表を守る』だ!私の欠片の分際で……!」

45周目提督「――」カッ

裏45周目提督「……お前のことなんか知らねえよ。俺は生まれた時から表の為に生きると決めたんだ。分かったらこれ以上表をビビらせるんじゃねえ!」

巻雲「……そうですよ!司令官様は……どちらの司令官様も、貴女のような歪んだ人じゃありません!」

「ゴミとガラクタの分際で口答えしてんじゃねえッ!!」

「はぁはぁ……だけど、そんな私の欠片でも上手く使いこなしてる奴もいるから分からないわよね」チラッ

42周目提督「……何でこっち見るんだよ」

「私の力の欠片が次世代へ受け継がれることで、ここまで培養されたなんてね……お前だけよ?私の欠片をモノにしたのは。人間の分際で少しはやるじゃない」

42周目提督「ほ、褒められてもちっとも嬉しくねぇ……!」

潮「大体、その力のせいで私達は酷い目に遭ったんですよ!」

羽黒「そうですよ!どれだけ多くの犠牲者が出たか……!」

「あぁ、こいつ何度も世界滅亡させてたものね。その度にこいつらが元に戻してたのは癪に障ったけど」チラッ

27周目提督「………」

「だけど、今度はそうはいかないわよ。全世界が再起不能に陥るまで、徹底的に破壊しつくしてやるもの!!」

ショタ提督「そうはさせない……!」カッ…!

名取(50周目提督……!)ギュッ

グレカーレ(私達の力も……!)ギュッ

27周目提督「お前の好きにさせてたまるかよ……!」カッ…!

吹雪「司令官……!」

「うっ、流石は全能の欠片持ち……"こいつ"と手を組まれると少し煩わしいわね。だけど今の私は全盛期を超えた存在……その程度の力なんてこうしてやるッ!!」ズバァッ!

ショタ提督「くっ……!」

名取(だ、ダメ……!)

グレカーレ(やっぱり、効いてない……!)

27周目提督(くぁっ!?こ、こいつ……俺の超能力に抗っているのか……!?)

「いくら全能と言えど所詮は欠片!今の私の力に敵うと本気で思ってるの!?余計な真似をするなら、まずはお前から殺してやろうか……!」ズォォォッ!

27周目提督「がはっ……!?」

27周目提督(頭の中に、凄まじい悪意と憎悪が流れ込んで来る……!こいつ、俺の超能力……いや、欠片を奪う気か……!?糞ッ!そうはさせるかよ……っ!)パァッ!

吹雪「そ、そんな……司令官が押されてるなんて……!」

42周目提督「ゴホッ……お、俺でさえ敵わなかった、27周目提督が……読者の間で散々『歴代最強』とか言われてたあいつが、苦戦……こいつ、どんだけ強いんだよ……!?」

ショタ提督「……っ!」パァッ…!

ショタ提督(これは相性の問題……本来、27周目提督は文字通り"全知全能"の欠片を宿している。他の存在であれば、容易く追い払うことが出来たはずだ……)

ショタ提督(だけど、相手は僕から分裂し、災厄を招く存在と化した"僕"……いくら全能と言えど、欠片程度の力では……"僕"の、絶望を司る強大な力の前には……!)

ショタ提督(……それでも、勝機が無い訳ではない。僕と彼が力を行使すれば、"僕"も相応に力を消耗する……このまま"僕"を妨害すれば、いずれチャンスが……!)

ズドォンッ!

「……あん?」チラッ

ショタ提督「……!」チラッ

見守る会「………」

「……おい。今……何をした?」

ヲ級「……決まってるでしょ」

レ級「世界を破滅するだけじゃなく、提督君達を虐めるなんて……!」

カ級「……私達が、許すと思う?」

「……黙れ。"失敗作"共が」

見守る会「っ!?」

「お前達、一体誰が生み出してやったと思ってるんだ?誰のお陰でこうして活動出来るようになったと思ってるんだ?」

見守る会「………」

「何とか言えよ!まんまと"こいつ"の欠片で悪意を浄化されやがって!あろうことかゴミとガラクタ共側につくだと!?ふざけた真似もいい加減にしろッ!!」

「お前達はゴミ共に絶望を振り撒く存在だろうがッ!!それが何だ!?争いが嫌い!?人間と結婚して餓鬼を生むだと!?殺されたいのかてめえらはッ!!」

見守る会「……うるさい」

「何だと!?」

ヲ級「私達は……好きでお前から生み出された訳じゃない……!」

レ級「訳も分からず戦わされて、戦争は嫌だと言えば迫害されて……!」

カ級「……おかしいのは、お前の方。私達はむしろ、狂った状況から抜け出すことが出来た……数少ない深海棲艦……!」

見守る会「お前のような奴に、罪の無い人々を殺める兵器と扱われるなんて……死んでもお断りだッ!!」

「……失敗作の癖に生みの親に歯向かうのね。だったらお望み通り殺してやるよッ!!」ズバァッ!

見守る会「……っ!」

27周目提督「させないって言ってるだろ……っ!」カッ

ショタ提督「もう、やめるんだ……!」カッ

「糞ッ!邪魔すんじゃねえッ!!」

見守る会(50周目提督君、27周目提督君……!)

(畜生ッ!このままじゃ埒が明かない!まずは1番厄介な"こいつ"を潰して……いや、待てよ?)

("こいつ"も元は私……つまり、私の半分の力を持っているということよね……)

(だとしたら、"こいつ"を取り込んでしまえば……優しさだとか、善意だとか、反吐が出るけど……無いよりはマシか)

(今の私なら、"こいつ"の力も絶望で染め上げて……自分の力として扱えるはず……!ついでに、後ろにいる奴らの魂も……!)

「……!」キッ

ショタ提督「………」

ショタ提督(こっちを向いた……?何をする気だ……?)

「……まずは"お前"から消してやる」スッ…

ショタ提督「……ッ!?」

ショタ提督(あの構えは……まずい!"あの時"と同じ……僕達を取り込むつもりなのか……!?)

ショタ提督「……!」チラッ

名取「……っ!」

グレカーレ「……っ!」

ショタ提督(ナトリとグレは僕の腕を掴んでいる……僕と共鳴し、力を送り込んでくれている……)

ショタ提督(だけど、"僕"は本気だ……!力の消耗を気にせず、僕達を取り込もうとしている……!)

ショタ提督「………」チラッ

「はぁ……っ!」ズオオオオォォォォッ…!

ショタ提督(ダメだ!僕の力では、"僕"の攻撃を防ぎ切れない……!このままでは、僕達諸共"僕"に……!)

ショタ提督「……っ」グッ…

ショタ提督(……約束、したんだ。僕は……今度こそ、ナトリを……ナトリ達を、守るって……!)

ショタ提督(もう、あんな思いを……させるものか……!ナトリ達は、必ず……守ってみせる……ッ!)

「くらえッ!!」ズバァァァァンッ!!

ショタ提督「……くっ!」ズバッ!

名取「きゃっ!?」バタッ

グレカーレ「ひゃっ!?」バタッ

名取グレカーレ(ご、50周目提督に……弾き飛ばされた……!?)

「……!」

朝風「名取さん!」

U-511「グレカーレ、ちゃん……!?」

ショタ提督(……これで良い。この距離なら、2人に"僕"の攻撃は当たらな――)

バシュウウウウゥゥゥゥンッ!!

ショタ提督「――うああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

「……チッ」

名取「……え?」

グレカーレ「う、嘘……」

27周目提督「……ッ!」ギリッ…!

42周目提督「ま、マジ……かよ……」

朝風「し、司令が……」

U-511「あ、あの女の子が放った……黒い、炎に飲み込まれて……」

「後ろのゴミ共を庇うなんて、また気持ち悪い真似を……まぁ良いわ。私の最大の目的はこいつだったし」

ショタ提督「うっ……っぐ、ぁぁぁぁぁぁああああああッ!?」ズォォォォォッ!!

「無駄な抵抗はやめろッ!さっさと私の糧になれッ!!」カッ…!

ショタ提督「が、はぁっ……!ナト、リ……グ、レ……皆……ぁ、ぅ……」ズォォォォ…!

名取「あ……そ、そんな……!」ガクガク

グレカーレ「や、やだ……やだぁ……!」ガクガク










ショタ提督「………」ズズズ… シュンッ…

「やっと飲み込めたか。ったく、足掻きやがって……」

名取グレカーレ「ご、50周目提督ーーーーーーーーーーッ!!」










「ウゲェッ!やっぱり気持ち悪い……だけど、やっぱり元は"私"か……あはっ、あはははははははははっ!さっきよりも力が漲ってくるわぁッ!!」

「このまま私の悪意で"こいつ"の力の性質を上書きすれば、私は更なる存在へ……そう!正に全知全能の神へと舞い戻るのよッ!!」

27周目提督「く、糞ッ……!今すぐ50周目提督を元に戻せ……っ!」カッ…!

「無駄だと言ってるでしょう?お前のようなゴミの力なんざ、雑魚中の雑魚なのよッ!!」ズォォォッ!

27周目提督「ぐああぁぁッ!?」

27周目提督(あ、頭が……いや、体中が焼ける……ッ!超能力の力に抗うどころか、自分の物にしようと……侵食してきてるのか……ッ!!)ガクガク

吹雪「し、司令官っ!」

27周目提督(だけど……あいつの中には、50周目提督がいるんだ……!絶対に、助けないと……!でないと、吹雪姉ちゃん達も危ない……!)パァ…ッ!

「さて、そろそろこの世界と人類、いや、全生命体を破滅に……あん?」

27周目提督「させないって、言ってるだろ……ッ!」

「しつこいな……下手に全能の力があるのは厄介ね。お前の欠片も取り込んでやろうかしら」ズォォォッ!

27周目提督「があああああああッ!?」

27周目提督(頭が、絶望で染まる……!今すぐ諦めて、死を選べという思考で埋め尽くされて……!くっそぉッ!ここで負けてたまるか……ッ!!)

吹雪「ああっ!し、司令官が……司令官がぁ……っ!」ガクガク

42周目提督「やめ、ろ……!そんなことしたら、お前まで……!」

27周目提督「だからって、諦める訳には……っぐぅ!いかない、だろ……!」

名取「あ……ぁ……」ポロポロ

グレカーレ「う……ぁぅ……」ポロポロ

朝風「名取さん!グレカーレ!」

U-511「し、しっかり……!」

3周目提督(……そうです!鎮守府に戻って、明石さんと夕張さんが開発したひみつ道具を……!)

「無駄よ」

3周目提督「っ!?」ビクッ

「流石にアレを使われたら私でもひとたまりもないもの。予め全部破壊しておいたわ。さっきの地震でね!」

3周目提督「そんな……!」

30周目提督(どうする……!?皆を僕が住んでいた世界へ避難させれば、とりあえず助けることは出来るはず……でも、それだと50周目提督さんやこの世界が……!)

16周目提督(こうなったら、タイムマシンで過去の50周目提督さん達にこのことを伝えに……だけど、そんなことをすれば因果の歪みを大きくしちゃう……!)

21周目提督「……考えていても仕方ないよ!とにかく、皆で50周目提督さんや27周目提督君達を助けなきゃ!」

歴代提督&歴代ヒロイン&見守る会「……っ!」コクッ

21周目提督「50周目提督さんを返せーっ!」バッ

9周目提督(せめて憑依することが出来れば……!)ビュッ!

マッチョ提督(18周目提督)「こ、この体なら……!」パシュッ! バッ!

24周目提督(争いは気が進みません……ですが今はそんなことを考えている場合ではありませんっ!)つ超重力砲 ズバババッ!

31周目提督「……くっ!」つ銃 バンバンッ!

33周目提督「……!」バッ!

39周目提督「……火遁の術ッ!」カッ!

「……雑魚が」ズバァッ!

マッチョ(18)・21・24・31・39周目提督「うわあああああああああああッ!?」

33周目提督「ぐっ……!」

33周目提督(痛みはないけど、凄まじい衝撃が……この女の人の、力のせいか……!)

9周目提督(くっ……やっぱりダメか……!それに皆が……!)

歴代提督&歴代ヒロイン&見守る会「皆ッ!!」

27周目提督(ま、不味い!何とか治癒能力を……!)ポウッ…!

春雨(18周目)「よくも……よくも司令官をっ!」ズドドドッ!

響(18周目)「……許さないよ」ズドドドッ!

葛城(18周目)「絶対に……やっつけてやるっ!」パシュパシュパシュッ!

瑞鳳「例え攻撃が効かなかったとしても……!」パシュパシュパシュッ!

不知火(24周目)「黙ってやられるほど、私達は弱くありません……っ!」ズドドドッ!

阿賀野「また提督さんに怪我させるなんて……!」ズドドドドッ!

鬼怒「絶対に許さない……!」ズドドドドッ!

山雲「司令さんを傷付けるなら……許しませんからぁ~っ!」ズドドドッ!

朝雲「例え忍術が無くたって……!」ズドドドッ!

夕立「私達だって、強いんだから……!」ズドドドッ!

歴代ヒロイン「世界滅亡なんて……させない……!」ズドドドドドッ!!パシュパシュパシュッ!!

見守る会「よくも提督君達を……くらえッ!!」ズドドドドドッ!!パシュパシュパシュッ!!

ズガアアアアァァァァンッ!!

「……ハッ。その程度?ゴミとガラクタと失敗作じゃこれが限界か……どいつもこいつも目障りなんだよッ!!」ズバァッ!

歴代ヒロイン&見守る会「きゃあああああああああああああああッ!?」

27周目提督(み、皆……ッ!もう1回、治癒能力を……っぐ!頭が割れる……糞っ!これくらい……!)ポウッ…!

42周目提督(畜生……!ギャグ補正さえ取られてなければ、俺が滅茶苦茶に潰してやるのに……ッ!)

5周目提督「だ、ダメだ……どの攻撃も全く効いてない……!」

27周目提督「はぁっ、はぁっ……!そいつには、俺達の攻撃は……一切、通用しない……!唯一勝てる可能性があるのは、50周目提督だけ……だったんだ……ッ!」

球磨(5周目)「じゃあ、球磨達じゃ勝てないってこと……!?」

間宮(5周目)「そんな……!」

多摩(5周目)「やっぱり、50周目提督さんがいないと……」

14周目提督「でも、50周目提督はあいつに飲み込まれて……!」

翔鶴(14周目)「じゃあ、打つ手無しということですか……!?」

27周目提督「くっそぉ……ッ!」カッ…!

「っぐ、雑魚の分際で生意気な……だったら更に力を取り込むまでよッ!!」バッ!

27周目提督(っ!?ま、不味い!50周目提督だけじゃなく、俺達まで吸収する気か!?)

「おオオおおォおオおおオオオォおぉォおォぉおォォォオぉッ!!」ズゴゴゴゴッ…!

ザバザバザバァッ…!

全員「ッ!?」ビクッ

深海棲艦「………」フワッ…

4周目提督「……!」

川内(4周目)「し、深海……棲艦……!?それも、大勢の……!」

13周目提督「いや、でも……何だか様子がおかしいような……」

青葉(13周目)「全員、目が虚ろです……!」

17周目提督「……っ!あ、あれ……!」スッ…

北上(17周目)「どうしたの!?向こうに何か……っ!?」

妙高(17周目)「そ、そんな……!どうして彼女達が……!?」







舞風(2周目)「………」ハイライトオフ(※以下・全員)

朧(4周目)「………」

朝雲(6周目)「………」

加古(14周目)「………」

武蔵(15周目)「………」

金剛(16周目)「………」

大和(17周目)「………」

三日月(17周目)「………」

由良(20周目)「………」

那珂(21周目)「………」

鬼怒(23周目)「………」

Z3(24周目)「………」

足柄(28周目)「………」

加賀(29周目)「………」

ポーラ(30周目)「………」

神通(38周目)「………」

龍田(40周目)「………」

速吸(42周目)「えっ、ちょっ、これどうなってるんですか!?身体が浮かんでるんですけど!?」ジタバタ

由良(43周目)「………」

浜波(45周目)「………」

漣(48周目)「………」







47周目提督「どうして、舞風ちゃん達が……!?」

浜波(47周目)「ほ、他の鎮守府の私まで……一体、どうして……!?」

「さぁ、よこしさない……私に更なる絶望の力を……ッ!」バッ!

深海棲艦「………」シュルルルル…ッ!

失恋組「………」シュルルルル…ッ!

速吸「ひゃああああっ!?す、吸い込まれますううううぅぅぅぅ……」シュルルルル…ッ!

22周目提督(み、皆や深海棲艦達が……取り込まれていく……!?)

「あはっ、あははっ。アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!そうよ!どんどん胸の奥がドス黒い感情で支配されていくわぁッ!!」ズォォォォォッ!!

暁(25周目)「く、狂ってる……!何よ、コイツ……!司令官、絶対に私から離れないでね!?」

25周目提督「……うん」ギュッ

大鳳(22周目)(一体、彼女達に何を……!)

リベッチオ(22周目)(あいつの身体が……さっきより赤黒くなっていって……!)

照月(22周目)(深海棲艦だけならまだしも、どうして舞風ちゃん達まで……!?)

29周目提督「うっ……!?な、何だ、このとてつもなく気分が悪くなる瘴気は……!?」

長門(29周目)「……ッ!?て、提督!あれを……!」スッ

29周目提督「……なっ!?」

29周目提督(しゅ、周囲の植物が枯れて……真っ黒に染まっている……!?)

(これよ……これよこれよこれよッ!!あぁ伝わるわ!胸がきしんでいくわぁッ!!そうよ!そうよねぇ!今も苦しんでるわよねぇッ!!)

(好きな男が他の女とくっ付いて、自分はただ指を咥えて見てるだけ……愛なんてゴミ同然だけど、嫉妬という気持ちだけは理解出来るッ!!)

(これこそ私が求めていたもの!嫉妬!憎悪!殺意!あぁっ、素晴らしい!素晴らしいわぁっ!これこそ愚かなゴミ……いえガラクタ共が考えそうなことよ!!)

(辛いわよね!?苦しいわよね!?自分の気持ちが決して実らないなら、生きている意味なんてないわよねぇ!?何もかもが無意味で無価値よねぇ!?)

(だったらその願い、私が代わりに叶えてあげる!!お前達の代わりに私がこの世界を滅茶苦茶にブッ壊してやるからッ!!)

「手始めにあそこから破壊してやろうかしら!"あいつ"の思い出の場所なんでしょう……だったら盛大にブチ壊してやらないとねッ!!」スッ…

27周目提督「や、やめろ……!」

「黙れッ!!ゴミの分際で私に指図するなぁッ!!」ズバァンッ!!

ズガアアアアアアァァァァァァンッ!!

名取「……っ!」ポロポロ

グレカーレ「ぁ……」ポロポロ

朝風「嘘っ……私達の鎮守府が……」

U-511「一撃で、ボロボロに朽ち果てて……」

27周目提督(糞ッ……!すまん、皆……!俺の力が足りないばかりに……ッ!)

「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!そう!その顔よ!もっと見せて!そのゴミに相応しい悲しくて辛くてたまらない顔をもっと見せなさいよぉッ!!」

34周目提督「……っ」ガクガク

朧(34周目)(提督……)ギュッ

大井(35周目)(このままじゃ提督が……最悪、私が犠牲になってでも提督だけは逃がさないと……!)

35周目提督「も、もう……無理、だよ……」ガクガク

大井「……っ!?」

6周目提督「こ、怖いよぉ……榛名お姉ちゃん、助けてよぉ……!」ガクガク

榛名「……っ」ズキッ

4周目提督「こ、このまま……僕達、死んじゃうの……?」ガクガク

川内「そんなことないよ!私が助けるから……!」

17周目提督「ぐすっ……嫌……死にたくないよぉ……!」ポロポロ

32周目提督「や、やだよ!何でこんなことになっちゃったの!?うわぁぁぁんっ!」ポロポロ

三隈(32周目)「て、提督!落ち着いて……大丈夫、大丈夫ですから……!」ギュッ

38周目提督(……ここまで、なのか……!)ギリッ…!

皐月(38周目)(司令官……)

44周目提督(……現状を打開出来る確率は0.001%未満。全員生存は絶望的と言えるでしょう……どうして……ようやく感情を理解し、鹿島様と結ばれることが出来たというのに……!)グッ…!

鹿島(44周目)(……自分が悔しい。大好きな人が絶望しているのに、何もしてあげられないなんて……!)

46周目提督(ど、どうすればいいの……!?どうなっちゃうの……!?)オロオロ

26周目提督(……潔く諦めた方が良いか、これは)

(そうよ!もっと狼狽えなさい!絶望しなさい!お前達が希望を失えば失うほど、それが全て私の力となる……!)

名取「うっ……うぅっ……!」ポロポロ

グレカーレ「あぁっ……!」ポロポロ

名取(嫌っ!嫌ぁっ!折角再会出来たのに……今度こそ、貴方を1人にしないって……約束したのに……!)ポロポロ

グレカーレ(私達のせいで……50周目提督が、あいつに……!私達のせいで、また……離れ離れになっちゃう……!)ポロポロ

名取「………」ズォォ…

グレカーレ「………」ズォォ…

40周目提督(……っ!?名取姉さんと、グレカーレ姉さんが……)

ビスマルク(40周目)(深海棲艦に、なっていってる……!?)

木曾(40周目)(そうか……!50周目提督を失ったことに絶望して……!)

(あはっ!あまりの絶望でこいつら2人の魂が"あいつ"の欠片ごと真っ黒に染まろうとしてるのね!だったら好都合よ!さっきは失敗したけど、今度こそこいつらも取り込んでやる!)

「アヒャヒャヒャヒャッ!お前達のせいで"あいつ"は死んだのよ!!」

名取「……ッ!」ポロポロ

グレカーレ「……!」ポロポロ

「お前達がずーっと"あいつ"に引っ付いてたから、"あいつ"はお前達のようなガラクタを守る為に自らが犠牲になった!」

「"あの時"の私なら、その行為そのものを信じられなかったでしょうけど……考えが変わったわ。そんな愚かで無様だからこそ、私は"あいつ"を取り込むことが出来た!」

「馬鹿も扱い方によっては役立つわね!ま、私がやろうとしていることは"あいつ"の気持ち悪い思想と正反対だけど!」

名取「………」ポロポロ ズォォォ…ッ!

グレカーレ「………」ポロポロ ズォォォ…ッ!

「黙っていても全部分かるわよ!お前達からこれでもかと言う程に絶望と闇を感じる!その証拠に見なさい!お前達は私が生み出した深海棲艦になろうとしている!!」

名取「………」ポロポロ ズォォォ…ッ!

グレカーレ「………」ポロポロ ズォォォ…ッ!

レ級「名取!グレカーレ!希望を失っちゃダメ!」

ヲ級「1度あの姿になってしまったら……もう、元に戻れない……!」

「失敗作は黙ってろッ!!」

見守る会「……っ!」

「"あいつ"はとっくに私が取り込んだ!消滅した!もう2度とお前達のようなゴミ共の前に姿を現したりなんかしないッ!!」

名取「ッ!!」

グレカーレ「………」

「何てったってお前達が"あいつ"を殺したんだから!そう!お前達のせいで"あいつ"は死んだのだからッ!!」

名取「………」ズォォォォォッ…!

グレカーレ「………」ズォォォォォッ…!

朝風(な、名取さんとグレカーレの姿が……!)

U-511(半分以上、深海棲艦に……!)

名取「………」ズォォォォォッ…!

グレカーレ「………」ズォォォォォッ…!

(……これだけ刺激すれば良いか。魂もほぼ真っ黒だし……さて、お前達の絶望……糧にさせてもらう……!)スッ…





















名取(そう……だよ……私のせいで、50周目提督は……"彼女"に……)



グレカーレ(何の役にも立たない癖して、50周目提督の傍にいたから……)



名取(あははっ、私……馬鹿、だヨネ……自分デ約束してオイテ、それで50周目提督を死なせちゃうナンテ……)



グレカーレ(こんな馬鹿で最低な私ナンテ、今すぐニデモ……消えちゃった方ガ良いヨネ……)



名取(50周目提督……ゴメンナサイ……約束、守レナクテ……ゴメンナサイ……)



グレカーレ(謝ッテ許サレルコトジャナイケド……ゴメンナサイ……)



名取(イッソ、コノママ絶望シテ……深海棲艦ニデモ、何デモナッテ……)



グレカーレ(ソノママ、私達モ死ンジャッタラ……)



名取(50周目提督ニ……貴方ニ……)



グレカーレ(会エル、ノカナ……)







































ショタ提督『諦め……ないで……ナトリ、グレ……っ!』


名取「……っ!?」


グレカーレ「えっ……!?」





1周目提督「諦めちゃダメだよ、皆っ!」


歴代提督「ッ!!」





神風(48周目)「皆、諦めちゃダメっ!」


歴代ヒロイン&見守る会「……っ!?」







































ショタ提督『諦め……ないで……ナトリ、グレ……っ!』


名取「……っ!?」


グレカーレ「えっ……!?」





1周目提督「諦めちゃダメだよ、皆っ!」


歴代提督「ッ!!」





神風(48周目)「皆、諦めちゃダメっ!」


歴代ヒロイン&見守る会「……っ!?」



















――


名取「今、50周目提督の声が……!」

グレカーレ「うん!確かに聞こえた……!」

朝風(う、嘘!?何も聞こえなかったけど……だけど……)

U-511(何となく、admiralが……傍にいる、気がする……)

「はぁ?今更何寝言言ってんの?"あいつ"は確かに私が……」

ショタ提督『……僕は、まだ……ここにいる……!』

「ッ!?う、嘘!?何で……何でまだ消えてないんだよ!?お前は確かに私が……!」

ショタ提督『僕とナトリ、グレとは……強い"絆"で結ばれているんだ……!』

ショタ提督『2人が生きてくれている限り……僕は、負けない……絶対に……!』

「……糞ッ!!でも今のお前に何が出来る!?仮に消滅していなかったとしても、私に取り込まれて身動きさえ取れない癖にッ!!」

ショタ提督『……確かに、僕の力は些細なものかもしれない。だけど……』

ショタ提督『こうして、最愛の人に……絆で繋がる人に、声を届けることは出来る……ッ!』

名取「――!」

グレカーレ「――!」

「……ハッ!それがどうしたというの!?たかが声を出せたところで、それが何に……なッ!?」

名取「………」キラキラ…!

グレカーレ「………」キラキラ…!

名取(あぁ、50周目提督……良かった……!生きてくれていて……!)キラキラ…!

グレカーレ(本当に、良かったよぉ……!50周目提督がいてくれるだけで、私達は……まだ、戦える……!)

名取グレカーレ(絶望なんかに、支配されたりしない……ッ!!)パァァ…ッ!

(どうして!?さっきまで深海棲艦になりかけていたのに!?"あいつ"の声を聞いただけで、元の姿に戻った……!?それどころか、魂が真っ白に輝いて……!?)

名取(……感じる。胸の奥から、温かい力が溢れ出してくるのが……!)

グレカーレ(さっきまで絶望していたのが嘘みたい……力が漲ってくる……!)

(やめろ……やめろやめろやめろッ!!この状況で希望だなんて抱いているのか!?やめろッ!!気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いいいいいいいいいいッ!!)


――

――


1周目提督「まだ何もかもが終わった訳じゃないよ!ほら、僕も皆も生きてるでしょ!諦めるのは早いよ!」

37周目提督「そうだぞ!1しゅうめていとくの言うとーりだ!さいごまであきらめないやつが勝つんだよ!父ちゃんと母ちゃんがそう言ってた!」ニパッ

41周目提督(……1周目提督君、37周目提督君)

19周目提督「おう!俺はまだ世界中のエロ本を読破してないし、世界中のおっぱい大きな姉ちゃんと出会えてないんだ!こんなところで死ねるかってんだ!!」フンス!

38周目提督(……君はいつもそればかりだね。だけど、確かに……僕もまだ、世界のムキムキの男の人と出会えていない……19周目提督君の言う通りだよ……!)

27周目提督「俺は……絶対に、諦めない……!最後の瞬間まで、抗ってやる……ッ!吹雪姉ちゃんや、世界を守る為に……ッ!!」カッ…!

21周目提督「27周目提督、君……っく、そうだよ……僕だって、まだ……やれるんだ……!」ヨロヨロ

42周目提督「この野郎!俺のギャグ補正返せぇーっ!小ネタならまだしも本編しかも最終回で全滅ENDとか、そんな誰得鬱展開なんざ誰も望んでねえんだよッ!!」ヨロヨロ

33周目提督(元はと言えば君がまいた種と言えなくも無いけれど……でも、確かに伝わったよ。君の諦めの悪さと、どんな逆境でも突き進む不屈の心が……!)


――


神風「私は約束したもの!うんと長生きして、司令官に沢山思い出話してあげるって!だからこんなところで死ぬ訳にはいかないわ!」

松輪(41周目)(神風さん……)

那智(46周目)「そうだぞ!私はまだ後100年は生きて提督のあんな姿やこんな姿を激写したりあんなこと(意味深)やこんなこと(意味深)をするんだ!こんな訳の分からん奴に邪魔されてたまるかぁッ!!」

龍驤「こ、こんな状況でも君はブレへんな……なんか追い詰められてるのがアホらしくなってきたわ」

愛宕「私はまだ、提督へ恩返しが出来ていないわ……!」

加賀「人生をかけて、与えてくれたものを返すと決めた以上……ここで死んではいられません!」

阿賀野(……そう。そうよ……私だって、これから提督さんを支えるって決めたのに……!)

鬼怒(提督には、もう……私達しか、残されていない……もし私達が死んじゃったら、提督を悲しませちゃう……!)

潮「提督の言う通りです!最後の最後で鬱ENDだなんて!そんなことしたら読者がドン引きしちゃうじゃないですか!」

羽黒「最後だからこそパァーッと明るく締めて終わらないといけません!鬱は小ネタだけで十分なんです!」

山風(37周目)(潮も羽黒さんも、相変わらず何言ってるか分からないけど……提督の言う通り、諦めなければ……きっと、道は開ける……!)

大和「この世界は……この未来は、提督が死に物狂いで掴んでくれたんです……!その幸せな結末を壊すというのなら、私は最後まで抗います……!提督の為に……!」

大鳳「大和さんと同意見です。約50年も待ち続けて、ようやく提督が目を覚ましてくれたというのに……!」

リベッチオ「こんな奴に提督が殺されちゃうの!?そんなの認めない……絶対に認めないんだから……!」

照月「今度はもう、提督を危ない目に遭わせはしない……!死ぬ気で守ってみせるんだから……!」

鈴谷(……そうよ。弱気になってちゃダメ……!この状況で提督を守れるのは、私しかいないんだから……!)

ヲ級(……あんな奴から生み出されたなんて、考えるだけでも……身の毛がよだつ……!)チラッ

レ級(その通り!だったらさ、ここで『よくも私達を苦しめたな!』って一泡吹かせてやりたいと思わない?)チラッ

カ級(……同感。私達だけじゃない。あいつは、提督君達を苦しめようとしている……!)コクッ

見守る会(ショタ提督を見守る会として……あいつは、あいつだけは……絶対に許さない……!)キッ

ショタ提督『……!』

ショタ提督(皆から、希望を抱く想いが……"僕"に立ち向かおうとする、強い想いが伝わる……!)

「うぅっ!ぐぅっ……!」

(こ、"こいつ"……!内側から私の支配に抗おうとしてるのか……!?畜生ッ!そうはさせるかぁッ!!)

「お前は大人しく私の糧になれぇッ!!」ズォォォッ!

ショタ提督『っぐ……!負ける、ものか……!』

名取「50周目提督っ!」

27周目提督「はぁっ、はぁっ……!いい加減に、しろ……ッ!」カッ…!

「黙れッ!!お前諸共ブッ殺してやるッ!!」ズォォォッ!

27周目提督「あがぁぁぁぁッ!?かはっ、うああああッ!?」ガクガク

グレカーレ「27周目提督……!」

「希望なんて何の意味も無いんだよ!!今からそれを証明してやるッ!!」ズォォォォォッ!!

ショタ提督『くっ、かはっ……絶対に、負けない……ッ!!』

27周目提督「俺、だって……こんな奴なんか、に……ガハッ!吹雪、姉ちゃん達を……傷付け、させるかよ……っぐぅ!!」プルプル

名取「……っ!」ギュッ

名取(何とかしなきゃ……!何か、方法があるはず……!もしかして、私達の想いの力が足りないの……!?)

名取「っ!」キッ

朝風「ヒッ!?な、名取さん!?」

名取「お願い!今すぐ『私達は助かる!絶対に助かる!』って、強く願って!」

U-511「ど、どういうこと……?」

名取「いいから早くぅッ!!」

朝風U-511「は、はいぃぃっ!?」

朝風(わ、私達は助かる……絶対に助かる……!)

U-511(名取さん、凄い剣幕……じゃなくて、私達は……きっと、助かる……っ!)

ショタ提督(さっきよりも、力が伝わってくる……!これなら……!)

「あああああッ!やめろッ!余計なことをするなあああああああッ!!」ズォォォォッ!!

ショタ提督『うぐっ……!』

名取「……っ!」

名取(まだ、まだ足りないの……!?どうすれば、どうすれば良いの……!?お願いっ!誰か……誰でも良いから、50周目提督に……力を貸して……ッ!)カッ…!

ショタ提督『……!』

ショタ提督(ナトリから、力が放たれた……!?だけど、僕に対してではない……ッ!そうか!この力の行く先は……!)

「さっきから余計なことばかりしやがって!もう吸収なんてどうでもいい!お前からぶっ殺してやるうううううううッ!!」ズバァンッ!!

名取「……!」

グレカーレ「ナトリ……!」

ショタ提督『ナトリ……逃げて……ッ!!』































――――――そうはさせない……!





























バシュンッ!!

「なっ……!?」

名取「……え?」

グレカーレ「い、今……何が、起こったの……!?」

ショタ提督『……っ!』

ショタ提督(……そうか。"彼ら"が……今の力を受け取った、"彼ら"が……ナトリを、守ってくれたのか……!)

歴代提督「……っ、あ、あれは……!」スッ

歴代ヒロイン「……ッ!?」

見守る会「……嘘っ!?そんな馬鹿な……!?」



48周目提督(幽体・以下全員)『良かった……間に合って……!』フワフワ…

2周目父『強い想いの力に引かれてやって来てみれば……』フワフワ…

浜風(名取の寝取り)『まさか、こんなことになっていたなんて……!』フワフワ…

曙(名取の寝取り)『ったく!何余計なことしてくれてるのよ!?折角提督が新しい世界で幸せに暮らせるところだったのに!』フワフワ…

衣笠(名取の寝取り)『本当にね!こうして助けに来て正解だったよ!』フワフワ…

伊58(名取の寝取り)『ゴーヤ達が来たからには、もう大丈夫でち!』フワフワ…

10周目母『提督っ!大丈夫だった!?』フワフワ…

10周目父『あの時は死んでしまったけど、今度は……息子を、提督を守る……!』フワフワ…

12周目母『提督の将来を奪おうというなら、私が許さない……!』フワフワ…

14周目父『ようやく息子が真っ当な道へ進んでくれた矢先にこれか……!』フワフワ…

15周目父『だが、こうして我々が来たからには……』フワフワ…

15周目母『あぁ!絶対に守ってやるさ!』フワフワ…

旧提督『そうか、こいつが深海棲艦を生み出したのか……!安心しろ15周目提督!あの時とは違って、今度は必ず守るからな!』フワフワ…

22周目父『息子は50年間生死の境目で苦しみ続けて、ようやく目を覚ましたんだぞ!?』フワフワ…

22周目母『その命を殺めようとするなら、私達が全力で守らないと……!』フワフワ…

23周目母『安心して、提督……貴方は必ず、私が守るから……!』フワフワ…

31周目父『深海棲艦……いや、その元凶か?とにかく、また提督に辛い思いをさせようとしてるのか……!』フワフワ…

31周目母『あの時は守れなかったけど、今度こそ……提督、貴方を守ってみせる……!』フワフワ…

妻『提督君……大丈夫。貴方と大井さん達は……私が絶対に守るからね……!』フワフワ…



神風「し、司令……官……!?」

1周目提督「お、お祖父ちゃん!?お祖父ちゃんなの!?」

鈴谷「て、提督が2人……!?どういうこと……!?」

2周目提督「親父……!?」

8周目提督「まさか、沈んでしまった浜風達……なのか……!?」

10周目提督「えっ……お父さんとお母さん、なの……!?」

12周目提督「お母、さん……なの……!?」

14周目提督「親父……親父なのか……!?」

15周目提督「父上、母上!?それに旧提督……!?」

22周目提督「嘘……本当に、お父さんとお母さんなの……!?」

23周目提督「……母さん、なのか……!?」

31周目提督「お、お父……さん……?お母、さん……!?」

35周目提督「妻ちゃん!?妻ちゃんなの!?えっ、嘘!?妻ちゃん!?」

「お、お前達は……!?どうしてここに現れた!?死んだはずでしょうが!?」

48周目提督『そこにいる名取さんの強い想いの力で、一時的に現世に引き寄せられたんだ』

48周目提督『"大切な人を救いたい"……その願いを叶えるべく、僕達はここにいる……!』

「……チィッ!たかが幽霊如き、私の力の前には無力に決まってるッ!!」ズバァンッ!!

名取「あっ、危ない……!」

浜風(名取の寝取り)『大丈夫です。私達は貴女の想いのエネルギーを沢山受け取りました……ですから……はっ!』ブンッ!

バシュンッ!!

「なッ!?」

ショタ提督『……!』

27周目提督「い、今のは……!」プルプル

旧提督『こんなちっぽけな力、片手で振り払えるぜ!』

雷(19周目)「す、凄い……50周目提督さんがあれだけ苦戦していたのに……!」

リットリオ(19周目)「あっさり跳ね返すなんて……!」

42周目提督(うっそだろお前……あっダメだ、まだ草を生やすだけの体力が戻ってない……)ヨロヨロ

「う、嘘……そんな……ッ!!」

48周目提督『皆さん!急いで50周目提督さん"達"を救出します!力を貸して下さい!』

衣笠(名取の寝取り)『もちろん!』

妻『その為に来たもの!』

15周目母『ようし!全員でかかれええええぇぇぇぇッ!!』ビュンッ!

幽霊達『おおーっ!』ビュンッ!

「お、おい!?何をする気だ!?やめっ、やめろ!来るな!来るなああああああああああッ!!」

幽霊達『……っ!』バシュンバシュンバシュンッ!

「あああああああああああああああああッ!?」

名取「ゆ、幽霊さん達が……!?」

グレカーレ「"あいつ"の中に入って行っちゃった……!?」

――"彼女"の中


ショタ提督「っぐ……!」

ショタ提督(先程より、支配が強まってきている……!何とか、ここから逃げ出さなければ……!)

ショタ提督「……!」チラッ

失恋組「………」ユラユラ…

速吸「ちょっと何なんですかここ!?真っ暗で気味悪いんですけど!?早く出して下さいよ!?」ジタバタ

ショタ提督(僕と一緒に取り込まれてしまった人達の体力も、既に限界だ……!このままでは、いずれ"僕"に取り込まれて消滅してしまう……!」

『……おーい!』

ショタ提督「……!」クルッ

ショタ提督(この声は……!)

48周目提督『大丈夫ですかー!?』

ショタ提督「……48周目、提督……それに、他の皆も……!」

48周目提督『ご無事でしたか!貴方を助けに来ました!早くここから脱出しましょう!』

31周目父『貴方はそちらの娘を頼みます!君は向こうの娘を頼む!』

15周目父『……承知した』

14周目父『分かった!』

速吸「あっ!ゴーヤちゃん!こっちこっち!」

伊58(名取の寝取り)『……速吸さんだけ妙に元気だね』

速吸「いや~、よく分からない内にここに吸い込まれて……とにかく、助けに来てくれてありがとう!」

48周目提督『……皆さん、救出する方々の手を握りましたか?』

幽霊達『………』コクリ

48周目提督『分かりました。では、今度は50周目提督さん達を連れて外に出ましょう!行きますっ!』ビュンッ!

ショタ提督「……っ!」ギュッ

幽霊達『……っ!』ビュンッ!

速吸「あわわわっ!?ちょっと速過ぎませんか!?」

曙(名取の寝取り)「これくらいのスピードじゃないと"あいつ"の絶望から抜け出せないのよ!我慢しなさい!』

速吸「そんなこと言われても!?腕が!?腕が抜けちゃいますううううぅぅぅぅっ!?」

「やめろっ!?私の中で暴れるなッ!!やめろって言ってるだろうがッ!?」ジタバタ

27周目提督「……っ!」

27周目提督(身体にかかる負荷が軽くなった!?そうか、50周目提督達が……!)

名取「……っ」ギュッ

グレカーレ「……っ」ギュッ

名取(50周目提督……!)

グレカーレ(お願い、無事でいて……!)

「ガハッ!?く、糞っ!?やめろおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」カッ…!

ズバアアアアァァァァンッ!!

全員「ッ!?」

48周目提督『おまたせ、名取さん……!』

12周目母『全員、無事に連れ出すことが出来ました……!』

名取「……!」

グレカーレ「……!」

ショタ提督「……ナトリ、グレ!それに、皆……!」

名取「50周目提督……っ!」ダッ

グレカーレ「……50周目提督っ!」ダッ

朝風「司令官……!」

U-511「admiral……!」

ショタ提督「……ありがとう。ナトリとグレ、それに皆がいてくれたお陰だよ」ギュッ

名取「ぐすっ……約束、したでしょ……?今度はずっと一緒だって……今度は貴方を守るからって……!」ギュッ ウルウル

グレカーレ「私も……良かったぁ……本当に良かったよぉ……50周目提督が無事で……!」ギュッ ウルウル

23周目母『救出した人はここに……!』スッ…

失恋組「………」

歴代提督&歴代ヒロイン&見守る会(皆……良かった、無事で……!)

伊58(名取の寝取り)『こっちも救出完了でち!』グイッ

速吸「あだっ!?」

42周目提督「……何やってんだお前」

速吸「それはこっちの台詞ですよ!鎮守府で地震の後片付けをしていたら、急に変な場所に吸い込まれて……ところで提督さん、随分とボロボロですけど何かあったんですか?」キョトン

潮「………」

羽黒「………」

速吸「えぇっ!?どうしてそんな憐れむような視線を向けるんですか!?」

「はぁはぁ……糞ッ!!よくもやりやがったな!!もう1度取り込んで……!」

旧提督『させると思うか?』バッ

幽霊達『………』バッ

「……チィッ!!」

(こいつらがゴミやガラクタ共の前に立ちはだかるせいで吸収が出来ない!この期に及んで私の邪魔をしやがってぇ……ッ!!)ギリギリ

(……まぁ良い。今ので力の一部を失ったとはいえ、まだまだ全盛期並みの力がある。それにこいつらから絶望を吸収出来ないなら……!)ビュンッ!

歴代提督&歴代ヒロイン&見守る会「なっ!?」

ショタ提督「……!」

名取「……っ!」

グレカーレ「あっ……!」

幽霊達『……!』

(この有り余るパワーを利用して、地球の全生命体から負のエネルギーを吸収すれば良い!そして集めた力で、世界を終わらせてやる……ッ!!)

朝風「あ、あいつ……飛び去って行ったの……?」

48周目提督『……いや、違う。"彼女"は宇宙へ向かい、地球に住む全ての生き物から負の感情による力を吸収しようとしている』

U-511「で、でもっ、さっき力がいっぱい集まったって……」

ショタ提督「……恐らくダメ押しのつもりだ。この世を確実に破壊する為に、過剰な程のエネルギーを……!」

白露「だったら早く追いかけないと……!」

ショタ提督「………」

ショタ提督(先程"僕"に取り込まれてしまったせいで、絶望の支配に抗う為に……多くの力を消費してしまった)

ショタ提督(今の僕では、例え"僕"を追いかけることが出来たとしても……恐らく、かなり苦戦を強いられるだろう……)

ショタ提督(だけど、やるしかない……!僕が動かなければ、遅かれ早かれ……この世界が消滅してしまう……!)グッ…!

名取(50周目提督……)

グレカーレ(さっき"あいつ"に取り込まれたせいで……)

48周目提督『………』チラッ

48周目提督(50周目提督さん……さっき助けた時に感じたけど、やっぱり力が……だったら……!)

48周目提督『……皆さん!50周目提督さんに温かい気持ちを送って下さい!』

全員「……え?」

ショタ提督「……!」

名取「……!」

グレカーレ「……!」

11周目提督「あ、温かい力……?」

夕張「どういうこと……?」

27周目提督「……そう、か……そういう、ことか……!」ヨロヨロ

吹雪「何か分かったんですか!?」

42周目提督「決まってんだろ……50周目提督に、俺達の善意をぶち込むんだよ……!」ヨロヨロ

潮「善意……?」

羽黒「もっと分かりやすく説明して下さい!」

ショタ提督「……今の僕は、生き物が持つ温かい気持ち、優しさ、思いやり……善意を司る存在なんだ」

名取「なので、皆さんの温かい気持ち……特に、誰かを愛する気持ちが……!」

グレカーレ「50周目提督の、最高のエネルギー源になるの……!」

36周目提督(誰かを、愛する気持ち……)チラッ

大和「………」ギュッ

ショタ提督「……お願い。僕に……皆の気持ちを分け与えて下さい。世界を守る為に……皆を、守る為に……!」

名取(……50周目提督が受け取った力は、私達と共鳴して……全てが伝わる)

グレカーレ(つまり、単純計算で3倍の力になる……これならきっと、いや、絶対何とかなるはず……!)

37周目提督「どーゆーこと?」キョトン

山風「えっと……提督、私のこと……結婚したくらい、好き……よね……?」

37周目提督「おう!」

山風「その気持ちを、強く考えて……50周目提督さんに、伝える感じ……かな……?」

37周目提督「んー、なんとなくわかった!つまり山風姉ちゃん大すきだー!ってことを50しゅうめていとくに言えばいいんだな!」

山風「……うんっ」

歴代提督「………」チラッ

歴代ヒロイン&見守る会「………」コクリ

1周目提督(……僕は鈴谷お姉ちゃんが好き!大好きっ!)

鈴谷(私は提督が好き……!何があっても守ろうと思うくらいに、大好き……!)

2周目提督(……朝潮、瑞鶴。好きだ……!)

朝潮(大好きです司令官!)

瑞鶴(具体的にはコスプレさせて色々な写真を撮影したいくらいに!)

3周目提督(島風ちゃん、如月ちゃん……大好きです……!)

島風(提督……大好きっ!)

如月(し、司令官……好き……うぅ、こんな時に恥ずかしがってる場合じゃないのに……///)

4周目提督(せ、川内さん……だ、大好き……ですっ……!)

川内(大丈夫。何があっても、提督は……最愛の人は、私が守るから……!)

5周目提督(球磨も間宮さんも多摩も全員大好きだー!)

球磨(提督……大好きクマ!)

間宮(ふふっ……提督、愛してますっ)

多摩(提督……大好きにゃ!)

6周目提督(は、榛名お姉ちゃん……大好き……!だから、お願い……僕のこと、守って……!)ギュッ

榛名(……誰であろうと、私が愛する提督を……傷つけません!)

7周目提督(いつも長門姉ちゃんから守ってくれる白露姉ちゃん……好きだ!これからも一緒にいてくれ!いやマジで!)

白露(提督には私がついてないと危ないもんね……主に長門さん関係で。これからも、大好きな人を守ってあげないとね!)

8周目提督(……浜風、曙、衣笠。お前達はいつも俺を支えてくれたな……だからこそ、はっきり言える。俺は3人を愛している……!)

浜風(提督……愛しています)

曙(私達を助けようと、時と次元を超えて来てくれたのよ?誰だって好きになるに決まってるじゃない!)

衣笠(提督、大好きっ!これからも、ず~っと衣笠さん達と一緒だからね!)

9周目提督(……龍驤お姉ちゃん。既に命を失った僕の傍にいてくれてありがとう……大好きだよ)

龍驤(幽霊?亡霊?そんなん関係あらへん!ウチは司令官が好きなんや!それだけは何があっても変わらへんで!)

10周目提督(……シオイお姉ちゃん、大好き……!)

伊401(昔は弟として見てたけど……今は違う。私は、1人の男の子として……提督のことが、好き……!)



ショタ提督「………」ギュッ

ショタ提督(……感じる)

11周目提督(いつもいつも変な発明品ばかり作るけど……まぁ、その、うん……好きだよ。夕張のことは)

夕張(私が何度も発明品で失敗して、その度に怒られちゃうけど……何だかんだで許して、一緒に笑い合ってくれる……そんな提督のことが、大好き……!)

12周目提督(秋月お姉ちゃんは、僕の希望になってくれた人……僕が、初めて……好きになった人……!)

秋月(今まで散々盗撮やコスプレしてきちゃったけど……これも全て愛があるからこそ!それだけでなく、隣で支えると決めたから……!)

13周目提督(青葉お姉ちゃんのこと、大好きだよ!ずっとお世話してあげたいと思うくらいに!)

青葉(私はもう、司令官無しでは生きられません……あれほどの包容力に包まれれば、好きにならない訳ないじゃないですか……!)

14周目提督(最初はボコボコにされた記憶しかないけど、それでも……俺を更生させてくれたんだ。好きに決まってるだろ……!)

翔鶴(かつての過去と罪を背負いながらも、前を向いて進む提督……そんな貴方だからこそ、好きになったのかもしれません……)ギュッ

15周目提督(……不老の道を選んでまで、ワシの隣に居続けてくれることを約束してくれたのじゃ。愛していない訳がなかろう……!)

天津風(私は提督のことを愛している。もう、貴方を孤独に取り残したりしない……これからは永遠に、私が傍にいるから……!)

16周目提督(……大好きだよ、磯風お姉ちゃん)

磯風(司令は時を超えてまで、私達を救いに来てくれた……それだけでなく、私の悩みまで解消してくれたんだ……好きになって当然だろう……!)

17周目提督(……き、北上さんと妙高さんのこと……大好き……///)

北上(こんな状況で愛の再確認とはね~……それなら直球で言うのみ!愛してるよ、提督……!)

妙高(私の気持ちは、あの時から変わっていません……提督、お慕いしています……!)

18周目提督(春雨お姉ちゃんも、響お姉ちゃんも、葛城お姉ちゃんも……皆、大好き……!)

春雨(どんな姿の司令官でも、いついかなる時でも!私の愛は変わりません!)フンス

響(……春雨ほどにレベルの高い変態ではないけど、司令官……愛してるよ)

葛城(春雨ちゃんほどの変態にはついていけないけど……提督、好き……!)

19周目提督(例えおっぱいが無くても雷姉ちゃんのことは好きだ!そして当然、おっぱい揉ませてくれるリットリオ姉ちゃんも大好きだ!)

雷(おっぱいばかりに夢中になっちゃうのが玉に瑕だけど、それでも私は司令官のことが好き!)

リットリオ(よく私の胸に夢中になるのよね……でも、そんなところが可愛いというか……いつの間にか、好きになっちゃってたっけ……ふふっ)

20周目提督(……きっと、僕が女性で唯一……愛することが出来る人間だと思う。僕を女性不信から、救い出してくれたから……!)

五月雨(提督、安心して下さい。何があっても、私が貴方のことを愛する気持ちは変わりませんから!)



ショタ提督「………」

ショタ提督(皆、お互いのことを愛し合う気持ちが……)

21周目提督(……瑞鳳お姉ちゃん、大好きだよ!)

瑞鳳(強くて、可愛くて、優しくて……私は、そんな提督のことが……大好き……!)

22周目提督(大鳳姉さん、リベッチオ姉さん、照月姉さんは……僕の目覚めを、50年近く待っていてくれた、姉さん達……好きに決まってる。大好きに決まってるよ……!)

大鳳(50年間待ち続けて、目が覚めた後に自分の気持ちを自覚して……その気持ちは今も変わりません。提督、愛しています……!)

リベッチオ(もう提督さんから離れられない!それくらい大好き……!)

照月(ずっとずっと、待ち続けたんだもん……!これ以上無いくらい、好きでたまらない……!)

23周目提督(舞風はいつだって、失敗ばかりの俺を支えてくれた……そんな彼女を、俺は愛している。心の底から……!)

舞風(いつも一生懸命で、失敗してもめげずに前を向いて……そんな提督だから、私は……好きになっちゃったんだよ……!)

24周目提督(異星からやって来た私を優しく出迎えて下さった、不知火さん……この気持ちに嘘はつけません。不知火さん、お慕い申しています……!)

不知火(相手が宇宙人であろうと関係ありません。私は司令……貴方のことが、好きです……!)

25周目提督(……暁お姉ちゃん。好き……!)

暁(いつも私達の為に頑張ってくれて、何か失敗しても自分を責めて……この子は私が見ていないとダメ。好きになったからには、ずっと見守るんだから……!)

26周目提督(こんな僕のことも受け入れてくれたんだ……この先、僕は嵐以外の人を好きにならないし、嵐以外の人からは相手にもされないだろうな……)

嵐(確かに司令は色々とめんどくさがりでだらしないけど、それでも好きになっちまったもんは仕方ないだろ!誰かを好きになるのに理由なんていらないんだ!)

27周目提督(っぐ……!意識を保て、俺……50周目提督に、伝えるんだ……!俺は、吹雪姉ちゃんのことが……好きだ。あまり口に出すことはないけど、大好き……なんだ……!)

吹雪(何でも出来ちゃうほど凄い子なのに、恥ずかしがり屋さんで……それでいて、今も私達の為に頑張ってくれた……そんな司令官だからこそ、私は好きになっちゃったんです……!)

28周目提督(兄さんがいない時、いつも傍で励ましてくれた……酒匂お姉ちゃんと、電ちゃん……いつの間にか、好きになっていて……その気持ちは、今も変わらない……!)

酒匂(お義兄さん想いで、寂しくても一生懸命頑張ってくれる……だから私は、司令を支えるって決めたの……恋人として……!)

電(司令官さんの似顔絵、今も大切に飾っているんですよ?だって、大好きな人の絵だから……!)

29周目提督(……弟がいない寂しさを感じていた時、長門はいつも隣にいてくれた。だからこそ俺は……彼女を、好きになったんだ)

長門(提督……安心して欲しい。今でこそ弟さんと再会を果たせたが、私はいつだって……貴方の傍にいる。恋人として、貴方の隣に……!)

30周目提督(別世界からやって来た僕に優しくしてくれた、ヴェールヌイお姉ちゃん……えへへっ、大好きっ!)

ヴェールヌイ(司令官が別の世界の住人だったとしても、私には関係ない……司令官だからこそ、私は……好きになったんだ……!)



ショタ提督「………」

ショタ提督(僕に注がれてゆくのを……!)

31周目提督(あんなの酷い態度を取ってしまった、僕のことを受け入れてくれた……阿賀野さんと、鬼怒さん……僕は、決めたんだ……2人と、一緒に生きていくって……!)

阿賀野(提督さんは、深海棲艦達に騙されて……親まで失ってしまった。それでも、現実を受け入れて……前に進もうとしている。その強さに、私はいつしか惹かれちゃって……!)

鬼怒(もう提督をあんな目には遭わせない!大丈夫、私と阿賀野ちゃんで提督を守るからね!それも艦娘としてじゃなく、恋人として!)

32周目提督(三隈姉さんは、いつも俺のことをもみくちゃにしてくるけど……でも、昔から好きだったお姉ちゃんなんだ……!)

三隈(愚問ですわ!10年前からずっと、私は提督のことが大好きですもの……!)

33周目提督(……好きだよ、山雲ちゃん)

山雲(司令さんはいつもマイペースで、時々変なことをしちゃいますけど……冷静で、私のことを第一に考えてくれて……だから私は、司令さんのことが……好きになっちゃいました……!)

34周目提督(お、朧お姉ちゃん……大、好き……!)

朧(物静かで、あまり口数が多くない提督だけど……それでも、私達の為に一生懸命頑張ってくれた。そんな提督だからこそ、私は……好きになった……!)

35周目提督(妻ちゃんがいなくなって、絶望していた僕を……救い上げてくれた、大井さん……だから僕は、大井さんを……愛することに、決めたんだ……!)

大井(私では妻さんの代わりにはなれません。だからこそ、新しい妻として……提督を支えていくと、決めたんです)

36周目提督(前世という突拍子もない話を信じてくれて、ずっと支えてくれた……大和姉さん。愛してるよ……世界中の誰よりも……!)

大和(提督は自分の人生全てをかけて、私達を救おうと必死になってくれました……そんな人のことを、好きにならないはずありません……!)

37周目提督(山風ねえちゃーん!だいすきだー!大人になったらけっこんしようなー!)

山風(お馬鹿だけど、素直で朗らかで……どんな時も前を向いて突き進む……そんな提督だからかな?いつの間にか、好きになっちゃってた……!)

38周目提督(皐月ちゃんは、僕の唯一の例外。他の女性の方々には一切の恋愛感情が湧かないけど、皐月ちゃんだけは……好きになっちゃったんだ……!)

皐月(ちょ、ちょっと特殊な趣味の司令官だけど……それを除けば、優しくて仕事も出来て……うん、趣味なんて関係ないよね!僕、やっぱり司令官のことが……好き……!)

39周目提督(父上と母上の言いつけ通り……拙者は、愛する者を……朝雲殿と夕立殿を、守ってみせるでござる……!)

朝雲(忍術が使えて、ちょっと珍しい喋り方の子だけど……凄く良い子で、思いやりがある司令だからこそ……いつの間にか、惹かれちゃってたのかも……!)

夕立(忍術を悪用しようとせず、私達の役に立つ使い方をしてくれて……こんなに優しい子、好きになるに決まってるよ!)

40周目提督(……最初は仲間だから助けようとした。けど、今は違う……この世界に戻って、2人に告白されて……分かったんだ。僕は、ビスマルク姉さんと木曾姉さんのことが好きなんだって……!)

ビスマルク(命がけで私達を救いに来てくれたのよ!?これで好きにならない方がどうかしてるわ!)

木曾(こんな良い男、他にいないだろ……!自分の為に命を懸けてくれる奴なんだぞ?惚れない訳無いだろ……!)



ショタ提督「……!」ポウッ…

ショタ提督(力が漲ってくる……!)

名取「………」ギュッ

グレカーレ「………」ギュッ

名取グレカーレ(50周目提督と共鳴して、私達にも……皆の"絆"の力が伝わってくる……!)

41周目提督(いつも僕の料理を笑顔で食べてくれる……松輪ちゃん。僕が初めて好きになった人……!)

松輪(いつも美味しいご飯を作ってくれる司令……胃袋、掴まれちゃいました……!)

42周目提督(こんな状況で皆の想いを~って子供向けアニメかっ!でもやるしかないんだよな!?あー、コホン。俺は潮姉ちゃんと羽黒姉ちゃんのことが好k)

潮羽黒(やめて下さい気持ち悪い!あくまでも監視役と何度言えば分かるんですか!)

42周目提督(……こんな時くらい真面目にやれよお前ら)

潮羽黒(提督〈司令官さん〉にだけは言われたくありません。でもまぁ、こんな日常も悪くないかもとは思ってますよ。ほんの少しだけ)

42周目提督(ツンデレですね分かりm)

潮羽黒(はい次いきましょう次)

42周目提督(……畜生。俺がギャグ補正無くなってるからって調子に乗りやがって……あぁダメだ。まだ身体に力が入らねぇ……)

43周目提督(……愛宕さんと加賀さんは、最初に僕を信頼してくれた。僕の役目は艦娘達を救うことだけど……その中でも、愛宕さんと加賀さん……2人のことは、特に……!)

愛宕(提督……貴方は私達を、絶望の奥底から救い上げてくれました。恋人だとか、奥さんだとか……そんな贅沢は言いません……!)

加賀(私達は、貴方に助けられた身として……貴方がくれたものを、一生をかけて返していきます……必ず……!)

44周目提督(鹿島様は、私に"感情"がどういうものかを教えて下さいました。そのお陰で、自覚出来ました……私は、アンドロイドでありながら……鹿島様に対し、恋愛感情を抱いていたことを……!)

鹿島(ロボットだとか、そんなことは関係ありません!私は提督さんのことが好き!それ以上でもそれ以下でもありません!)

45周目提督(ま、巻雲お姉ちゃん……好き、です……!)

裏45周目提督『表が心から信頼した、数少ない相手なんだ……俺も表と同じくらい、信頼している……!』

巻雲(口数は少ないけど一生懸命な表の司令官様も、少し辛辣だけど表の司令官様の為に一生懸命な裏の司令官様も……どちらの司令官様も、大好きです……!)

那智(うおおおおおおお提督きゅん愛してるぞおおおおおおおスーハースーハークンカクンカジュルジュルッ!!)ペロペロ

46周目提督(な、那智さん……頬を舐めないで……もうっ、えへへ……僕も、那智さんのこと……好き……!)

47周目提督(……僕が嫁ちゃんに苦しめられている時、いつも隣で支えてくれた……浜波ちゃん。すぐにでも結婚したいくらいに……愛しているんだ……!)

浜波(司令はずっと、あの女に苦しめられてきた。だから私が、司令を癒さなきゃ……いずれ新しい、妻として……!)

神風(……司令官。貴方が亡くなってからも、私も気持ちは……変わったことがありません。司令官……愛してる。世界中の誰よりも……!)ギュッ

49周目提督(え、えっとっ!む、村雨お姉さんのこと、大好きっ!だって、異世界から来た僕に、優しくしてくれたから……!)

村雨(たま~に魔法で失敗しちゃうけど、舌足らずで可愛い提督……やっぱり大好き!長門さんじゃないけど、頬擦りしたくなっちゃうくらい……!)

見守る会(幼い男の子を愛する気持ちは誰にも負けない!争いなんて馬鹿がやること!愛こそ世界を平和にするのっ!)



ショタ提督「……っ!」パァッ…!

ショタ提督(胸の奥が、温かい……力強く、それでいて優しい……"善意"で満ち溢れてゆく……!)

名取(50周目提督の身体が……凄く、輝いてる……いや、50周目提督だけじゃない……!)パァッ…!

グレカーレ(私達の身体も……魂も、輝いて……!)パァッ…!

ショタ提督「………」キラキラ…

名取「………」キラキラ…

グレカーレ「………」キラキラ…

歴代提督「す、凄い……!」

歴代ヒロイン「50周目提督(君)達の身体が……!」

見守る会「眩しいくらいに……煌めいてる……!」

ショタ提督「…………ありがとう。確かに受け取ったよ……皆の、想いを……強い"絆"を……!」

ショタ提督(これなら、"僕"と互角に戦える……!今の僕は、全盛期の頃と同じ力を……!)

名取「………」チラッ

グレカーレ「………」コクッ

名取「……50周目提督」

ショタ提督「……?」

グレカーレ「あの時、ナトリの魂を取り込んだみたいに……私達のことを、もう1度……貴方の中に取り込んで?」

ショタ提督「……!」

名取「"彼女"は今も、ありとあらゆる絶望の力を吸収しようとしているはず……」

グレカーレ「それに対抗するには、互角程度じゃダメ……それを遥かに上回るくらいの力じゃないと……!」

ショタ提督「だけど、それは……」

名取「……"信じて"」

ショタ提督「――!」

グレカーレ「私達を、信じて……!それに、例え力が十分だったとしても……貴方1人だけを、行かせたくない……!」ギュッ

名取「貴方を愛する者として……どんな時でも、一緒にいたいの……!」ギュッ

ショタ提督「………」

ショタ提督(ナトリ、グレ……あぁ、感じる……2人が僕に抱いてくれている、強い想いを……深い"絆"を……!)

48周目提督『……僕達もいるよ』

ショタ提督「……!」

浜風(名取の寝取り)『幽霊となった私達も、50周目提督さんに憑依すれば……』

2周目父『……君に力を貸し与えることが出来るはずだ』

12周目母『何より、大事な息子に危害を加えようとする"彼女"のことを……』

14周目父『懲らしめてやろうと思ってな』

妻『提督君を助ける為……どうか私にも、お手伝いをさせて下さい……!』

9周目提督「そういうことなら僕も憑依するよ。同じ幽霊だから、50周目提督さんの助けになれると思う」

ショタ提督「………」

名取「………」ギュッ

グレカーレ「………」ギュッ

ショタ提督(皆……)

ショタ提督「……恐らく、かなり……いや、とてつもなく危険を伴う。だけど……答えは変わらないみたいだね」

名取「………」コクリ

グレカーレ「………」コクリ

9周目提督「………」コクリ

幽霊達『………』コクリ

ショタ提督「……分かった。それなら……よろしくお願いします」

48周目提督『……皆さん!一斉に50周目提督さんに憑依を!』ビュンッ!

幽霊達『了解!』ビュンッ!

9周目提督「ようし!」ビュンッ!

シュルルルルル…ッ!

ショタ提督「うっ……!」

ショタ提督(あぁっ……!さっきよりも、身体の奥へ……"絆"の力が、染み渡ってゆく……増幅してゆく……!)

名取「……次は私達の番だね」

グレカーレ「……うんっ」

ショタ提督「……本当に、良いんだね?」

名取「………」コクリ

グレカーレ「………」コクリ

ショタ提督「………」

ショタ提督(言葉にせずとも、共鳴で伝わる……ナトリもグレも、覚悟を決めて……!)

ショタ提督「……はっ!」カッ…!

名取「あっ……!」パァッ…!

グレカーレ「うっ……!」パァッ…!

朝風「……!?」

U-511「……!?」

朝風(な、名取さんとグレカーレの身体が……!)

U-511(真っ白になって、admiralの身体に……光となって、入り込んで……!)

名取「………」シュパァ…ッ!

グレカーレ「………」シュパァ…ッ!

名取(あぁ、この感覚……懐かしいなぁ……"あの時"も、こうして……50周目提督の中に、入っていって……!)

グレカーレ(これが、ナトリが"あの時"経験した……温かい光で包まれて、安心する……!)

ショタ提督「………」パシュンッ…!

ショタ提督「……ッ!!」パァァァ…ッ!

歴代提督(うっ……眩しい……!)

歴代ヒロイン(50周目提督〈君〉が、さっきの何十倍も光り輝いて……だけど……!)

見守る会(この光……凄く、安心する……心が、優しさで満ち溢れていく……!)

ショタ提督「……っ」ギュッ

ショタ提督(僕の"存在"全てが、ナトリとグレとの"絆"で……"善意"で、埋め尽くされた……!)

ショタ提督(皆の、大切な人を思う気持ちが……身体全てで感じ取れる。今の僕は……)

ショタ提督「……ッ!」ビュンッ!

ショタ提督(全盛期の力を、遥かに超えた……文字通り、人の"善意"の化身と言える存在だ……!)

27周目提督(……頼む、50周目提督……!)

42周目提督(俺達ではどうしようもない、あの"性悪女"を……)

歴代提督&歴代ヒロイン&見守る会(絶対に、止めて〈くれ〉〈下さい〉……っ!)ギュッ

――宇宙空間


ショタ提督「………」ヒュゴォォォォ…ッ!

ショタ提督(地面が……海が、地球が……瞬く間に小さくなってゆく。早く"僕"を止めなければ……!)

名取『……50周目提督』

ショタ提督「……!」

グレカーレ『どうして、"肉体ごと"取り込んだの?てっきり、魂だけだと思ってたけど……』

ショタ提督「………」

ショタ提督(魂だけを取り込むより、肉体ごと取り込んだ方が……その人の存在が安定するから……)

名取『………』

グレカーレ『………』

ショタ提督(……というのは、実は建前なんだ。本当は……さっき、ナトリとグレが僕に言ってくれた気持ちと同じ)

ショタ提督(僕も……ナトリやグレと、ずっと……一緒にいたかったから……!)

名取『……ふふっ、分かってたよ?』

グレカーレ『こうして取り込まれた時点で、50周目提督の気持ちは全部筒抜けだもん!』

ショタ提督(……そう、だね。うん、その通り……僕も、ナトリとグレが抱いている気持ちが……全て、伝わって来る……!)

名取『……絶対に、勝たないと』

グレカーレ『世界を守って……この世界で、50周目提督と……一緒に過ごしたいから……!』

ショタ提督(……もちろんだよ。僕はナトリやグレ、そして……皆の"希望"を背負っている。必ず、"僕"を止めないと……!)

名取『……いたよ!あそこ!』

ショタ提督「……!」







「くんぬぅ……ッ!!」ズォォォ…ッ!

(あいつを……地球を、宇宙を、全てを壊せるだけの"絶望"を……ッ!!)







グレカーレ『あいつ、何やって……』

ショタ提督(……地球の全生命体から、負の感情を吸い取っている。一刻も早く止めないと……!)

ショタ提督(このままでは、"僕"は本当に全てを破壊してしまう……!そんなこと、僕がさせない……!)

ショタ提督("僕"が犯そうとする過ちは、僕の手で食い止めなければ……!)

ショタ提督「……そこまでだ、"僕"ッ!!」

「ッ!?」バッ

ショタ提督「………」キラキラ…

「ど、どうして……お前、どうやってここに来た!?さっきまでもお前はもっと雑魚だっただろ!?宇宙まで追いかけて来るだけの力なんて……!」

ショタ提督「……皆のお陰だ」

「……!?」

ショタ提督「皆が、僕に……託してくれたんだ。優しさ、愛、思いやり……そして、"絆"……」

ショタ提督「"希望"を抱く"想い"を、僕に……注いでくれたお陰だ……!」

名取『あなたのような、絶望で支配された力なんかとは……訳が違う……!』

グレカーレ『世界の滅亡なんて……私達が、許さない……ッ!』

「……絆?まだ、そんなこと言ってるのか……いい加減にしろッ!!どうして私の邪魔をするんだッ!!」

ショタ提督「……分からないのか?同じ"僕"同士だろう?」

「お前こそ"私"の気持ちなんて分からない癖にッ!!もう良い!これで全て終わりにしてやるッ!!」バッ

ショタ提督「……!」

(まだ全生命体から絶望を完全に吸収出来ていない……だけど、こいつと世界をブッ壊すには……十分過ぎる力……ッ!!)ズォォォォォッ!!

ショタ提督「そうはさせない……!」バッ

ショタ提督(皆、お願い……!僕に、力を……力を、貸して……ッ!!)

名取『もちろん!』パァッ…!

グレカーレ『言われなくても!』パァッ…!

「……ッ!?」

(あのガラクタ共……光の姿で、あいつの傍に現れて……艤装を向けた!?ハッ!!所詮はゴミとガラクタ!!私に敵うはずが無いッ!!)

「地球ごと……いや、この世界ごと消し去ってやるッ!!死ねえええええええええええええええええええッ!!」ズバァァァァンッ!!

ショタ提督「世界は……ナトリやグレ、皆は……僕が守る……守ってみせるっ!でやああああああああああああああああああああッ!!」パシュゥゥゥゥンッ!!

名取『敵艦、見ゆ……当たってえええええええええええええええええええッ!!』パシュゥゥゥゥンッ!!

グレカーレ『ぶっ放せ!Fuocoーーーーーーーーーーーーーッ!!』パシュゥゥゥゥンッ!!

バシュウウウウウウウウウウッ!!

ショタ提督「っく……!」

「ぐぅっ……!」

ショタ提督(お互いが放った力が……衝突して……!)

(だけど、"あの時"のように……今度は、分裂なんて……するかぁ……ッ!!)

名取(ま、眩しい……!)

グレカーレ(50周目提督と"あいつ"の力がぶつかって、光の大爆発みたいな閃光が……!)

ショタ提督「……っ!」ググッ…!

ショタ提督("僕"の"絶望"の力が……これほどに、強大だったなんて……!)

「くっそぉ……っ!」ググッ…!

(こいつの力、予想以上に強い……!だけど、こんなところで負けてたまるかぁっ!絶対殺すッ!!)

ショタ提督「……!」

ショタ提督("僕"の力から、伝わる……"僕"が取り込んだであろう、絶望で埋め尽くされた"想い"を……!)

ショタ提督(どの想いも憎悪と悪意で満ち溢れていて、油断すると……僕まで、飲み込まれてしまう……っ!)

ショタ提督(……だけど、そんなことにはならない)

名取『うぅっ……!』

グレカーレ『くぅっ……!』

ショタ提督(僕には、ナトリとグレがいる。この世で1番愛している……2人が、傍にいてくれている!)

ショタ提督(2人がいてくれれば、僕は……絶望や悪意に、負けやしない……!)

ショタ提督(それだけではない……48周目提督を始めとする、僕に"希望"を託してくれた人々の想いも背負っているんだ……!)

ショタ提督(だから、僕は……必ず、食い止めてみせる……!"僕"を、"浄化"してみせる……ッ!!)カッ…!

ズゴゴゴ…ッ!

「ッ!?」

(わ、私が押されてる……!?どうして!?どうしてどうしてどうしてッ!?)

「……ば、馬鹿じゃないのかッ!!どうしてお前はあんなゴミ共の為にそこまでするのよッ!!」

ショタ提督「……!」

「いや、ゴミに限った話じゃない!生物なんて、どいつもこいつも殺意と憎悪を振り撒くだけの存在だろうがッ!!」

「あんな奴らがこの世に存在して良いはずが無いッ!!だから私の手で終わらせようとしているだけなのにッ!!」

ショタ提督「……そんな訳、ないだろう……っ!」

「はぁッ!?」

ショタ提督「確かに、心無い人間も存在する……だけど、優しさと愛に満ち溢れた人だって……いるんだ……!」

「そんなの幻想よ!まやかしよッ!!現に私は奴らに散々酷い目に遭わされたッ!!それでもお前は生物の心を綺麗とほざくのかッ!?」

「あいつらは醜いことばかり考えているクズでゴミばっかりなのよッ!!そんな奴らを守るだなんて……気持ち悪い!気持ち悪いッ!!」

名取『……だとしたら、貴女も同じじゃないですか……!』

「なッ!?」

グレカーレ『そうよ!お前だって、自分勝手な理由で私達に攻撃してるじゃない!』

「黙れ!黙れ黙れ黙れぇッ!!お前らのようなゴミなんかに私の気持ちが分かってたまるかッ!!」

ショタ提督「……確かに、"僕"は不幸だったかもしれない。だけど"僕"はそれを理由にして、自分の身勝手な理屈を正しいと決め付け、人々を利用し……罪の無い人々や生物を殺めてしまった」

ショタ提督「それは決して、許されることじゃない……!だから僕が責任を持って、"僕"を浄化する!これ以上、"僕"の好きにはさせない……ッ!!」

「黙れって言ってるだろうがッ!!死ねっ!死ね死ね死ねええええええええええええええええええッ!!」カッ…!

ズゴゴゴ…ッ!

ショタ提督「……っ!」

名取『"彼女"の力が……!』

グレカーレ『さっきより強くなって……!』

ショタ提督(……だけど)

名取(私達は……!)

グレカーレ(負けない……っ!)

ショタ提督「……憎しみからは、破滅しか生まれない。不幸の連鎖しか起こらない……!」

名取『そんな想いで世界を全て破壊するなんて……絶対に、間違ってる……!』

グレカーレ『優しさ、思いやり、友情、愛……人々の温かい気持ち、"善意"こそが……明るい未来を作っていく……!』

「っぐ……!?」

(な、何で……何でなのよッ!?どうして私が押されてるのッ!?これだけ憎しみを込めて攻撃してるのにッ!!)

ショタ提督「……もう、良いんだよ。これ以上……絶望に支配されるのは、やめるんだ……!」

「……ッ!!」

ショタ提督「同じ"僕"だから……せめて、僕の手で……"僕"を絶望から解放する。浄化する……!」

「くっ、あぁっ……!」

ショタ提督「だから……どうか安らかに、眠って欲しい……"もう1人の僕"……ッ!」カッ…!

名取グレカーレ『いっけええええええええええええええええええええええッ!!』カッ…!

バシュウウウウウウウウウウウウンッ!!

「うぐっ!?あっ、ああああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」











(身体中が、生温い光で覆い尽くされていく……!)

(気持ち悪い!気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いッ!私から憎しみを奪うなッ!私の心に入り込んでくるなッ!)

(私から……全てを憎み、恨む気持ちを……奪って、いくなぁ……!)

(あ、ぁ……)

(………)

(……心が、生温い……いや、生温かい……誤魔化すのはやめた。温かい"気持ち"で……包まれていく……)

(今まで、殺意ばかりに囚われていた心が……嘘のように、軽くなっていく……)

(人が抱く、思いやり……優しさ、愛情……私が知らなかった、いや、認めようとしなかった……"善意"が、注がれていく……)

(あぁ……私、馬鹿だなぁ……最初に、この気持ちに触れることが出来ていれば……こんな優しい想いに包まれていれば……)

(醜い感情……絶望や憎悪に、我を忘れることなんて……なかったかも、しれないのになぁ……)

(悔しい……あぁ、悔しいな……"もう1人の私"は、この想いを注がれてきたのだから……)

(あぁ、羨ましいなぁ……だけど、今更後悔しても……遅い。私は、このまま……)

(……"もう1人の私"が持つ、"善意"に浄化されて……消えてしまうのだから――――――











スゥッ…

名取『……消えた』

グレカーレ『跡形も無く……』

名取『それに……一瞬だけ、笑顔だったような……』

グレカーレ『さっきまで、あんなに悍ましい形相だったのに……』

ショタ提督「………」

ショタ提督(……さようなら、"もう1人の僕"。どうか、安らかに……)

――地上・50周目鎮守府波止場


失恋組(速吸を除く)「………」

カ級「……大丈夫。気を失ってるだけみたい」

16周目提督「良かったぁ……」ホッ

磯風(万が一瀕死だったらどうしようかと思ったぞ……)

五月雨「……50周目提督さん達、戻って来ませんね」

20周目提督「うん……無事だと良いけど……」

1周目提督「……見て!」スッ

鈴谷「……っ!?」

鈴谷(さっきまで赤黒かった空が、どんどん晴れ渡って……!海も綺麗に……!それだけじゃない!破壊された50周目鎮守府も、元通りに……!)

27周目提督「……そうか。やったんだな……」フラフラ…

吹雪「司令官!無理しちゃダメです!」

42周目提督「あぁ……50周目提督、あいつをぶっ飛ばしたみたいだな……」フラフラ…

潮「……全滅ENDは回避出来たってことでしょうか」

羽黒「恐らく……」

49周目提督「で、でもっ、50周目提督さん達が戻って来ましぇん……」オロオロ

村雨(まさか、同士討ちになっちゃったんじゃ……)

龍驤「………」

龍驤(司令官、大丈夫かな……いやいやっ!好きな人を信じられへんようじゃアカンやろ!司令官は大丈夫や!絶対に!)

37周目提督「……あぁっ!おい!アレ見てアレ!」スッ

山風「え……?あっ……!」

歴代提督&歴代ヒロイン&見守る会「……!」







ショタ提督「………」キラキラ…

名取「………」キラキラ…

グレカーレ「………」キラキラ…







歴代提督「50周目提督(さん)!」

歴代ヒロイン「名取(さん)(ちゃん)!」

見守る会「グレカーレも!」

ショタ提督達「………」スタッ…

19周目提督「あいつはどうなったんだ!?」

ショタ提督「……大丈夫。僕が"浄化"したから」

雷「それって……勝ったって、こと……よね……?」

名取「……うん」

グレカーレ「かなり強敵だったけど、3人でしっかり倒してきたよ」

リットリオ「……や」

全員「やったあああああああああああああああああああああああああああッ!!」

ショタ提督「……んっ」パァッ…

48周目提督『……よいしょ』シュポンッ

神風「司令官っ!」

1周目提督「お祖父ちゃん!」

9周目提督「ただいま~!」

龍驤「司令官!心配したんやで!」

幽霊達『……!』シュポンッ

33周目提督「……良かった。これで全員無事に揃ったみたいだね」

山雲「はい……!」

44周目提督「しかし、あの絶望的な状況を覆してしまうとは……やはり確率は参考程度と考えた方が良いかもしれません」

鹿島「そう、ですね……だけど、今回は50周目提督さん達が起こした奇跡としか言いようがありません。一歩間違えれば、本当に全滅していたかもしれませんし……」

6周目提督「良かったぁ……!うぅっ、怖かったよぉ……!」

榛名「………」ナデナデ

37周目提督「なっ!言っただろ?最後まであきらめないやつがかつんだって!」ニパッ

山風「……うん。提督の言う通り……」ニコッ

ショタ提督「………」

名取「………」

グレカーレ「………」

ヲ級「……どうしたの?」

レ級「さっきから、あまり嬉しくなさそうだけど……」

ショタ提督「………」スッ…

全員「ッ!?」

全員(ど、土下座!?どうして……)

ショタ提督「……ごめんなさい。僕のせいで……」

38周目提督「どうして貴方が謝るんですか?」

ショタ提督「僕が浄化した"僕"も……元々は、僕と同一の存在。だから、今回の騒ぎは……いや、それだけじゃない……」

ショタ提督「今まで、君達を不幸にしてしまった原因も……人類と深海棲艦が争うことになってしまった原因も、僕にあるんだ……」

皐月「いや、それは違うでしょ!27周目提督君から事情は聞いたけど、確かにあいつと50周目提督さんは元は同じ存在……なんだっけ?」

皐月「でもそれは向こうが勝手に暴走しただけでしょ?50周目提督さんは何も悪くないよ!」

ショタ提督「だけど……」

名取「………」ダキッ

グレカーレ「………」ダキッ

ショタ提督「あっ……」

名取「50周目提督のせいじゃないよ。皐月ちゃんの言う通り、"彼女"が心無い人間のせいで我を忘れただけで、貴方には何の罪も無い」

グレカーレ「そうだよ!むしろ50周目提督は私達から"あいつ"を守る為に……前世でも今も、必死に頑張ってくれたじゃない!貴方を責める人なんて、この場にいないよ!」

ショタ提督「……ナトリ、グレ」

27周目提督「第一、50周目提督が分裂する原因を作ったのはコイツだしな」

42周目提督「いやほんとマジすんません」ポリポリ

潮「申し訳ございません!うちのどうしようもないアンポンタンのせいで!」ドゲザァッ!

羽黒「私達がついていながらこんなことに!このスットコドッコイのせいで!」ドゲザァッ!

42周目提督「そこまで言うか……」

速吸「残念でもないし当然ですね」

42周目提督「畜生味方がいねぇ!!」ガクッ

名取「………」

グレカーレ「………」

名取グレカーレ(だけど、50周目提督が険しい顔つきの理由は……それだけじゃない)チラッ

神風「司令官っ!ほら、この子が1周目提督!貴方と私の孫よ!可愛いでしょう?」

1周目提督「えへへ~♪」

48周目提督『……うん。ずっと、見ていたからね。神風ちゃんはもちろん、1周目父やかみかぜ……そして、1周目提督のことも……』ナデナデ

1周目提督「ん~♪」

鈴谷(本当に瓜二つ……事情を知らないと、提督が2人いるとしか思えない……さっき私も混乱しちゃったし)

神風「それにしても、また司令官と会えるなんて……あぁ、夢みたい……!」

48周目提督『………』

神風「……司令官?」

48周目提督『………』スゥッ…

神風「っ!?」

1周目提督「あ、あれ?お祖父ちゃんの身体が……消えて……」

ショタ提督「……っ」

名取「………」

グレカーレ「………」

48周目提督『……ごめんね?僕達はあくまでも名取さんの想いの力で一時的に呼び出されただけだから、役目を終えれば……あの世へ戻らないといけない」

神風「そ、そんな……!折角会えたのに……!」

48周目提督『………』

神風「……っ」ジワッ

48周目提督『……神風ちゃん』

神風「……どうしても、逝かなきゃダメなの?」ポロポロ

48周目提督『………』コクリ

神風「……分かった、わ……無理を言って、ごめんなさい……」ポロポロ

48周目提督『……そんなこと、ないよ。僕だって、本当は……神風ちゃん達の傍に、いたいから……』

1周目提督「お祖父ちゃん……」

48周目提督『1周目提督……大きくなったね。しかも、僕と同じ……提督になってくれるなんて』ナデナデ

1周目提督「んっ……うん。お父さんやお母さんと一緒に、沢山勉強して……頑張って、提督になったんだ……」

48周目提督『うん、知ってる。ずっと、見てたから……鈴谷さんとお付き合いすることになったのも、ね?』チラッ

鈴谷「……!」

神風「1周目父も、かみかぜも……凄く、立派になって……先輩提督さんも、元帥として……頑張って……」ポロポロ

神風「私、も……ぐすっ……今でも、艦娘として……頑張って……えぐっ……」ポロポロ

48周目提督『……っ』ダキッ

神風「あ……っ」ポロポロ

48周目提督『ごめんね……1人残して、先に死んじゃって……本当に、ごめんね……!』ジワッ

神風「司令、官……」ポロポロ

48周目提督『だけど、死んでしまった後も……ずっと、見てたから……神風のことも、1周目父やかみかぜのことも……1周目提督や、先輩のことも……!』ポロポロ

48周目提督『神風ちゃんが歩んで来た人生を……ずっと、見てきたから……!』ポロポロ

神風「……うん、うんっ……!」ポロポロ

1周目提督「……っ」ジワッ…

48周目提督『……鈴谷さん』ポロポロ

鈴谷「……はい」

48周目提督『孫を……1周目提督を、よろしくお願いします……どうか、幸せにしてあげて下さい……!』ポロポロ

鈴谷「……もちろんです。約束します!」

48周目提督『……1周目提督』ポロポロ

1周目提督「……うん」ウルウル

48周目提督『提督として頑張る姿……ずっと、見てきたよ?これからも、無理をせずに……鈴谷さんや、おばあちゃんと……仲良く過ごしてね?」ナデナデ

1周目提督「……うんっ、お祖父ちゃん……!」ポロポロ

48周目提督『……神風ちゃん』スゥッ…

神風「あっ……!」ポロポロ

神風(司令官の姿が、ますます薄く……!)

48周目提督『本当は……伝えたいことが、沢山あるけど……もう、逝かないといけないから……これだけ、言うね……?』ポロポロ

神風「……うん」ポロポロ

48周目提督『僕は、今も……神風ちゃんのことを、愛してる。ずっと……ずぅっと……!』ポロポロ

神風「……私もっ!司令官のことを忘れた日なんて……1日も、ない……!例え離れ離れになっても、私の気持ちは変わらない……!」ポロポロ

神風「司令官……好き。大好き……世界で1番、愛してる……!」ポロポロ

48周目提督『………』スゥッ…

神風「……!」ポロポロ

神風(首から下が、消えて……)

48周目提督『ありがとう……そう言ってもらえただけで、僕は……世界一の、幸せ者だよ……』ポロポロ

神風「……私、も……!」ポロポロ

48周目提督『これからも……ずっと、見守ってるからね……!』ポロポロ

スゥッ…

1周目提督「あっ……」

鈴谷(提督のお祖父さん……消えちゃった……)

神風「……うぅっ、あっ……司令、官……しれぇかんっ……ぐしゅっ、えぐっ……!」ポロポロ

1周目提督「……お祖父ちゃん……ぐすっ……」ポロポロ

鈴谷「……っ」ウルッ

神風(……司令官。もう1度、私の前に現れてくれて……ありがとう……!また、会えなくなっちゃうのは寂しいけど……)ポロポロ

神風("ずっと愛してる"……この言葉を貰えただけで、私は……頑張れるから……!)ポロポロ

神風(だから、天国で待っててね……!思い出話、沢山してあげるからね……!)ポロポロ

2周目提督「……親父」

2周目父『立派になったな……その調子で、朝潮達と頑張れよ……!』スゥッ…

2周目提督「……あぁ、約束する。親父の意志は、必ず継いでみせる……!」

朝潮瑞鶴(お義父さん……!)

――

浜風(名取の寝取り)『提督、この世界では幸せになって下さいね……?』スゥッ…

曙(名取の寝取り)『提督を頼んだわよ、この世界の私……!』スゥッ…

曙「……えぇ、任せて」

衣笠(名取の寝取り)『天国から見守ってるからね……!』スゥッ…

伊58(名取の寝取り)『すぐにこっちへ来ちゃダメでちよ!』スゥッ…

8周目提督「……ありがとう。皆……もう1度、会いに来てくれて……本当に、ありがとうな……!」ポロポロ

浜風(沈んでしまった私達の分は、必ず……!)

衣笠(私達が、幸せにしてみせるからね……!)

――

10周目父『提督だけを残して死んでしまって、ごめん……本当に、ごめんな……!』スゥッ…

10周目母『シオイちゃん……提督のこと、よろしくお願いします……!』スゥッ…

10周目提督「お父さん、お母さん……!」ポロポロ

伊401「……もちろんです。任せて下さい!」

――

12周目母『お父さんが迷惑をかけてごめんなさい……!でも、今頃は地獄で苦しんでると思うわ』

12周目母『秋月ちゃん……私の分まで、提督の愛情を注いであげて下さい……!』スゥッ…

12周目提督「お母さん……」ポロポロ

秋月「……はい、お任せ下さい!」

――

14周目父『悪かった……俺が早くに死んじまったせいで、お前や母さんに迷惑かけて……』

14周目提督「親父、俺の方こそ……あんな情けない姿を見せちまって……」

14周目父『だが、もう立ち直ったんだろう?そこにいる翔鶴さんのお陰で……』

翔鶴「………」

14周目提督「……あぁ。こいつのお陰で、俺は……」

14周目父『翔鶴さん……息子を頼む。俺の分まで……』スゥッ…

翔鶴「……はい。もちろんです!」

――

15周目提督「父上、母上……旧提督……!」ジワッ…

15周目父『……すまなかった。お前だけを残して逝ってしまって』

15周目母『私も……出来れば、ずっと傍にいてやりたいけど……』

旧提督『どうやら、あの世へ戻らないといけないようだ……』

15周目提督「そんな……折角、会えたのに……!オラ、ずっと……ずっと、父上達にもう1度会いたいと思ってたのに……!』ポロポロ

15周目父『男がそんなことで泣くんじゃない。お前にはもう、守るべき女がいるだろう』

15周目提督「……!」

天津風「………」

15周目母『あんた……この時代では、そういう発言を時代錯誤って言うんだよ。でも、そこにいる女の子を守ってやれというのは同感だね』

旧提督『俺では成し遂げられなかった分を……お前に託す。どうか、新しい15周目鎮守府を……栄えさせて欲しい』

15周目提督「……分かった。分かったよ……父上、母上……そして、旧提督……オラ、頑張るから……ずっと、頑張るから……!」ポロポロ

15周目父『……その言葉を聞いて安心したぞ』スゥッ…

15周目母『あんたのことは、いつまでも見守ってるからね……』スゥッ…

旧提督『天津風……だったか?15周目提督のことを、頼んだぞ……!』スゥッ…

15周目提督「ぐすっ……うぅっ……!」ポロポロ

天津風「………」ギュッ

天津風(当然じゃない。私はもう、提督とは……永遠に一緒にいることを、選んだもの……!)

――

22周目母『……ごめんね、提督』

22周目父『後3年耐えていれば……目を覚ました提督と、対面することが出来たのに……』

22周目提督「……お父さん、お母さん」ジワッ

22周目父『大鳳さん、リベッチオちゃん、照月ちゃん……どうか、提督のことを……よろしくお願いします……!』スゥッ…

22周目母『提督が孤独を感じないよう……傍に、いてあげて下さい……!』スゥッ…

22周目提督「……っ」ポロポロ

大鳳「……分かっています」

リベッチオ「あの時から……手紙を貰った時から、ずっとそのつもりです……!」

照月「安心して下さい、お義父さん、お義母さん……提督のことは、絶対に1人にしませんから……!」

――

23周目母『……立派になったわね、提督』

23周目提督「母さん……」

23周目母『ごめんなさい……貴方に、母親として……傍にいてあげられなくて……』

23周目母『舞風ちゃん……提督のこと、よろしくお願いします……!』スゥッ…

舞風「……もちろんです!私がずっと提督の傍にいますから!」

――

31周目父『……ごめんな。あの時、父さん達が奴らに殺されていなければ……!』

31周目母『提督に、こんな辛い思いをさせずに済んだかもしれないのに……!』

31周目提督「……お父さん、お母さん」ジワッ…

31周目父『阿賀野さん、鬼怒さん……提督を奴らから救ってくれて、ありがとう……本当に、ありがとう……!』

31周目母『もし、貴女達が助けてくれなければ……この子はきっと、深海棲艦達に……!』

阿賀野「………」

鬼怒「………」

31周目父母『どうか、これからも……この子を、お願いします……!提督、天国から……見守ってるからね……!』スゥッ…

31周目提督「……っ」ポロポロ

阿賀野「……もちろんです」

鬼怒「提督は……この子のことは、私達が……絶対に、守ります……!」

――

35周目提督「妻、ちゃん……」ポロポロ

妻『ごめんね……こうして現実で再会出来たのに、また……貴方の傍を、離れることになっちゃって……』ジワッ…

35周目提督「何で……折角、会えたのに……!また、会えたのに……っ!」ポロポロ

大井「………」

妻『私だって、本当は……離れたくないよ……ずっと、提督君の傍にいたいよ……!』ポロポロ

妻『だけど、それは無理なの……!今だって、身体がどんどん消えていって……あの世へ、戻されちゃうから……』ポロポロ

35周目提督「ぐしゅっ……ひっく……!」ポロポロ

妻『……大井さん』ポロポロ

大井「……はい」

妻『あの時、夢の中でも言ったけど……もう1度、言うね?どうか、提督君のことを……よろしくお願いします……!』ポロポロ

妻『私が出来なかった分まで、提督君のことを……幸せに、してあげて下さい……!』ポロポロ

大井「……言われなくても、そのつもりです。貴女の代わりにはなれませんけど……新しい妻として、提督を……ずっと、支えていきますから……!」

妻『……良かった。提督君……いつまでも、見守ってるからね……!』スゥッ…

35周目提督「あっ……うっ、うぅっ……!妻ちゃん……妻ちゃぁん……!うあぁぁっ……!」ポロポロ

大井「………」ギュッ

大井(安心して下さい、妻さん。今度は私が、提督を守っていきますから……そして、いずれは……提督と一緒に、貴女へ会いに行きますから……!)



ショタ提督「………」

ショタ提督(これは、本当に奇跡なんだ……ナトリが"僕を救いたい"と、心から願ってくれたお陰で……)

ショタ提督(既にあの世へ旅立った人の魂を、一時的とはいえ……現世に呼び戻すことが、出来たのだから……)

名取「……っ」ギュッ

名取(再会を果たし、再び別れなければならないことに……皆、涙を流しているけれど……)

グレカーレ「………」ギュッ

グレカーレ(同時に、確かに感じる……あの世へ逝ってしまった人と、生き続ける人の間に……確かな"愛"が、"絆"があることを……)

47周目提督「……?あれは……」スッ…

浜波「……?」チラッ

キラキラ… キラキラ…

浜波「雪……?いや、でも……それにしては、凄く輝いているような……」

ショタ提督「……"欠片"」

全員「……!」

名取「………」

グレカーレ「………」

ショタ提督「あれは、僕と"もう1人の僕"からばら撒かれた……力の"欠片"」

名取「私達がさっき、死ぬ気で"彼女"とぶつかり合って……その時に、また……以前のように、散らばっちゃって……」

42周目提督「結局そうなるのかよ……んんっ!?」シュポンッ…!

42周目提督「おっ……おぉっ!急に身体が軽くなったぞ!これは正しく俺のギャグ補正の力!よっしゃあっ!俺にギャグ補正が返って来たぜ!」ガッツポ

潮羽黒「……は?」

ショタ提督「……彼に、先程まで持っていた……"もう1人の僕"に吸収された力が、再び……宿ったんだ」

潮羽黒「嘘でしょ!?じゃあ私達はまたあの騒ぎに巻き込まれることになるんですか!?」

42周目提督「そもそも俺からギャグ補正を抜き取ったら1周目提督と同じ無個性主人公になるだろうが!そんなの安価取ってくれた読者に申し訳無いだろ!?」

潮羽黒「被害受けるこっちの身にもなって下さいッ!!」

速吸「あ、あはは……」

ショタ提督(……欠片の加護を受け取ったのは、彼だけじゃない)チラッ

吹雪「し、司令官……!身体の傷が……!」

27周目提督「……いつの間にか、治ってる……?」キラキラ…

21周目提督「僕達の傷も……!」キラキラ…

見守る会「それに、枯れた植物も元通りに……!」

名取(50周目提督の"欠片"や、この子によって浄化された"彼女"の"欠片"が降り注ぐことで……)

グレカーレ(傷付いた人達の身体や心を癒し……心身共に、元気に満ち溢れる状態に……)

ショタ提督「……だけど、全てを完全に浄化出来た訳ではない」

全員「……!」

ショタ提督「"もう1人の僕"そのものは浄化することが出来たけれど……絶望があまりに強大過ぎて、浄化しきれなかった"欠片"も存在しているんだ」

名取「恐らく、その欠片から……再び、深海棲艦が生まれてしまいます」

見守る会「……貴方の力で、もう1度浄化出来ないの?」

ショタ提督「……ごめんなさい。さっき、"もう1人の僕"を浄化する時に……この身に宿った力の大半を使ってしまって……」

ショタ提督「今の僕は、自分の姿を具現化し……この世に存在させ続けることだけで、精一杯なんだ……」

全員「………」

グレカーレ「だけど、その"欠片"も多かれ少なかれ浄化されてるはずだから……奴らの強さや脅威は、かなりマシになってるはず」

名取「それだけではありません。もしかすると、私達が戦わずとも……お互いに話し合って、和解することも出来るかもしれません」

全員「……!」

ショタ提督「……お願いします。皆……これからも、どうか……"もう1人の僕"が残してしまった、深海棲艦から……人類を守る為に……」

1周目提督「……もちろんだよ!」

ショタ提督「……!」

29周目提督「俺達は海の平和を守る為に提督になったからな」

36周目提督「それだけではありません。大和姉さん達、艦娘の心の支えとしても……僕達がいなければなりませんから」

長門「私達も提督達と同意見だ。50周目提督……こうして貴方から生み出されたからには、最後までその使命を果たす」

大和「そんなに自分を責めないで下さい。貴方が私達を生み出してくれたお陰で……私は36周目提督という、最愛の人と出会うことが出来たのですから」

ヲ級「それに、貴方がいてくれたお陰で……私達も、絶望に呑まれることは無かった」

レ級「理由も無く人類と争うのはおかしいって気付くことが出来たからね!」

カ級「……ありがとうございます、50周目提督……さん……」

ショタ提督「………」

ショタ提督(皆……)

名取「そして、もう1つだけ……お願いがあるんです」

全員「……?」

名取「さっき、幽霊の皆さんが言っていましたけど……50周目提督の力の源は、人々の"善意"……"温かい気持ち"なんです」

グレカーレ「だからね?これからも、好きな人とはめいっぱいイチャイチャして欲しいの!」

全員「……!」

グレカーレ「そうすれば、50周目提督が皆の愛を分けて貰って……力を蓄えることが出来るから!」

那智「だとしたらウチは大丈夫だ!いついかなる時でも提督とラブラブチュッチュしているからな!」スリスリスリスリ

46周目提督「んっ……那智さん、くすぐったい……♪」

見守る会「私達も常に幼い男の子への愛で満ち溢れているから大丈夫!///」ハァハァ

名取「……それなら良かったです」ニコッ

グレカーレ「これなら大丈夫だよね?50周目提督」

ショタ提督「……うん。人々が愛し合ってくれれば……僕にも、その"絆"が伝わって……より一層、人々を幸せに導くことが出来る……!」

ショタ提督(僕は、皆からの"善意"を分け与えてもらいながら……これからも、人々の幸せを守る者として……活動を、続けていく……)

名取「……でも」ギュッ

グレカーレ「それだけじゃないよ?」ギュッ

ショタ提督「……!」

名取「私達だって……私だって、貴方のことを……愛しているからね?」

グレカーレ「何せ前世からの繋がりだもん!他の皆に負けないくらい……ナトリに負けないくらい、愛してるっ!」

ショタ提督「……ナトリ、グレ」

名取「……50周目提督」

グレカーレ「50周目提督っ!」































「……今度は離さない。未来永劫、ずっと……一緒だからね?」


「私もっ!50周目提督、絶対に離れないからね!」


「……もちろんだよ。僕も、ナトリやグレのことを……愛しているから。これからもずっと……一緒に、いよう……!」


――僕(私)達は……永遠に、魂に刻まれた"絆"で……繋がっている。それは、どれほどの時が経とうと……永遠に……!





























名取・グレカーレ HAPPY END!
















「――――こうして、50周目提督は名取やグレカーレと共に、不滅の愛を誓いながら……永遠に一緒だったとさ。めでたしめでたし」

「わぁ……!すっごく面白かったよ!お父さん!」

「あはは……そう言ってもらえると、話した甲斐があったよ」

「他の皆も、人々と深海棲艦が仲良く出来る世界を目指す為に頑張り続けるんだよね?」

「そうだよ。だからこそ、今のように……味方になってくれた深海棲艦が、少しずつ増えてきているんだ」

「うんっ!この前のニュースでもそう言ってた!でもこの話って、昔話なんだよね?じゃあ、お父さんが実際に体験したこと?」

「そうだよ。あの時は大変だったなぁ……本当に、世界の危機だったからね」

「だけど、私が今……ここにいるってことは、何とかなったんだよね?」

「うん。皆で力を合わせたお陰でね?」

「……ねぇねぇお父さん。その後のこと、もっと詳しく聞きたい!」

「え~?でも、もう夜も遅いし……」

「お願い~!」

「どうしようかな……」




「……あれ?2人共、まだ寝てなかったの?」

「あっ、お母さん!」

「それがね?この子にあの時……世界が終わりそうだった時のことを話したら、寝付くどころか逆に興奮しちゃって……」

「あらあら……でも、私もその話……聞いてみたいかも」

「えぇっ!?」

「じゃあさ!2人でお父さんの話、たっくさん聞こうよ!」

「ふふっ、それ……良いかも♪」

「やれやれ……これじゃ皆で夜更かしすることになっちゃうなぁ」

「たまには良いじゃない。ね?」

「うんうんっ!」

「……そうだね。たまには仕方ないか。よし、それじゃ……どこから話そうかな?えっと……まずは――――」












































「こんにちは!今日から――周目鎮守府で活動することになった……――周目提督ですっ!」



――――あの事件から――年後、新しく着任した……あの子の話をしようかな?


































*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜     *・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜





















――――Fin.





















*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜     *・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜





ついに……ついに完結致しました。5年間応援して下さった皆様には、本当に感謝しきれません!
最後なので書きたい要素を詰め込み、歴代提督&歴代ヒロインを全員登場させたら……案の定、人数と文量がとんでもないことになってしまいました。まさかの70レスとは……!
非常に長い上に、やや駆け足気味の展開・描写になってしまい申し訳ございません。

ちなみにグレカーレが失恋していた場合、"彼女"が失恋組と共にグレカーレを取り込んでしまいます。
その後、"彼女"の姿がグレカーレに変化し、提督や名取にグレカーレの絶望を言い放つことで、提督達を徹底的に追い詰めるという展開になっていました。

これにて『ショタ提督に好かれたい』は終了です。最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
次回作についてですが、1度は考えつくもお蔵入りになっていた『学園もの』にする予定です。スレタイは今のところは『提督「安価とコンマで学校生活」』にする予定です。
システム等はこのスレをほぼ流用する予定です。ただ、進行形式は多かれ少なかれ変更するかもしれません。
ただ、バランス調整や進行をどうするかはまだ決めかねていますので、しばらくお時間をいただくことになるかもしれません。

それでは……ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!よろしければ次回作でお会いしましょう!

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