前々々作
神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」【安価】
神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522944180/)
前々作
神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」 2【安価】
神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」 2【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1542794366/)
前作
神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」 3【安価】
神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」 3【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1558598660/)
前作を読んでいなくても理解できるように書きますが、よろしければ前作もお読みください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1601199218
天界
天使「どうしました神様」
神「暇じゃん」
天使「帰っていいですか」
神「という訳でまた異能力者七人のバトルロワイヤルを企画したよ。これがルールだよ」パサッ
天使「もう四回目ですよ」
【ルール】
・参加者は七人。全員、異能力を一つだけ持っている。
・能力には消費MPが設定されている。
・参加者は開始時にMPを100持っている。
・参加者の持ち物は普段の衣服と、特殊レーダー(後述)のみ。
・フィールドは参加者以外の人間が存在しない無人の街。
・普通の街に有る物であれば、道具の調達が可能である。
・毎日午前十一時に、参加者は街にランダムに転送される。
・毎日午前十一時に、死んでいる参加者は生き返る。
・毎日午前十一時に、参加者はMPを50回復する。
・参加者はMPを最高150までしか保持できない。
・毎日午後零時に二つの宝石が、参加者七人の内二人に、ランダムに配布される。
・毎日午後二時に、何らかのイベントが発生する。
・特殊レーダーには、宝石の位置、登録した参加者の位置が表示される。また、登録された参加者との通話も可能。
・特殊レーダーと宝石は、どんな能力を用いても、破壊、消失させる事はできない。
・午後四時に宝石を持っていた参加者は、宝石と引き換えに同じ個数のポイントを得る。
・最初に2ポイント獲得した参加者が勝者。願い事を一つ叶えられる。
天使「……それで、やっぱり今回も?」
神「後は頼んだ」
天使「きつい」
・・・・・・
天使「ふぅ……フィールド、小道具、諸々の準備が終わったな。後は参加者とそいつの能力だけど……」
天使「こいつら(下1~下7)でいっか」
【キャラシート】
名前:
能力名:
説明:
発動条件:
消費MP:
効果範囲:
持続時間:
性別:
年齢:
誕生日:/
職業:
性格:
外見:
特技:
身体能力:
一人称と口調:
言いそうな言葉:
好きな物:
嫌いな物:
生い立ち:
願い事:
キャラクターを安価してくださる時は上記のキャラシートを使ってください。
(安価してくださったオリキャラについては極力キャラ崩壊しないように尽力しますが、不明瞭な箇所があった場合、>>1の解釈、もしくは安価による判断で進行します。ご了承ください)
(能力があまりに強すぎてゲームバランスを著しく崩壊させるキャラクターであれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。 ご了承ください)
(オリジナルでない既存のキャラクター、もしくはそれを強く連想させるキャラクターは>>1の判断で再安価とさせていただきます。 ご了承ください)
また、【ルール】等で分からない所があれば、いつでも質問してくださって構いません。
名前:柏手 葛斎(かしわで かっさい)
能力名:付喪神
説明:道具の持つ力を強化させたり自在に宙に浮かせたりして操れる。(カッターなら岩すら切断出来たり、ライターなら火炎放射器位の火を起こせる)複数の道具への同時使用も可能。
発動条件:一度触れた道具なら発動可能、道具や乗り物には使えるが建物には使えない。一度でも付喪神を使用した物にはもう付喪神を使えない。
消費MP:MP20消費して10秒間付喪神を発動可能。更に能力発動中にMPを10追加で消費すれば効果時間を10秒延ばせる。
効果範囲:消費MPに依存
持続時間:消費MPに依存
性別:女
年齢:23
誕生日:8/8
職業:手品師
性格:前向きな頑張り屋
外見:ウェーブのかかった栗色のロングヘア、高身長で爆乳。
特技:手品
身体能力:絶望的
一人称と口調:わたくし/~ますわ口調
言いそうな言葉:これから奇跡を起こしますわ!
好きな物:手品、笑顔、おじいちゃん
嫌いな物:スベる、運動
生い立ち:体が弱く部屋に引き籠りがちだった幼少期におじいちゃんが手品でじぶんを楽しませてくれた事を切っ掛けに手品師を目指した。上京して上手くそれなりに手品師としてやっていたが最近おじいちゃんの訃報が届いてから急に手品を上手く出来なくなった。因みに名付け親はおじいちゃん。
願い事:死んでしまったおじいちゃんにもう一度会って、上達した手品を見せたい。
能力名:一刀絶閃
説明:触れたものの硬度大きさに関わらず必ず両断する
発動条件:敵と自分が触れ合ったら発動する。
消費MP:20
効果範囲:己の肉体が範囲だが、これは捨てた髪の毛や吐いた唾や装備してる刀に触れても同様に発動する。
持続時間:一瞬
性別:女
年齢:20
誕生日:1/1
職業:反政府ゲリラ
性格:人斬りたくて仕方ない危ない人
外見:黒軍服に黒帽子、黒髪長髪赤目ギザ歯美人
特技:変装
身体能力:糞高い
一人称と口調:私
言いそうな言葉:私は何をすればいいの?
好きな物:争い、頼られること、必要とされること
嫌いな物:必要とされないこと
生い立ち:紛争地域で生まれてから現在まで戦い続けてきたが、今紛争が終わりそうになっておりこのまま平和になったら己の存在意義がなくなるという恐怖に苛まれている
願い事:いつまでも母国の紛争が続くこと
名前:姉帯 ゆりあ(あねたい - )
能力名:妄想姉妹(イマジナリーシスターズ)
説明:理想の妹を具現化する能力。人間の限界を超えた設定や異能力を持たせることはできない。死ぬと灰になって消滅する。
発動条件:明確な設定をイメージする。抽象的だと具現化できない。
消費MP:具現化した妹の年齢分のMPを消費
効果範囲:特になし。1人の人間として単独行動が可能
持続時間:死ぬまで持続
性別:女
年齢:18
誕生日:6/12
職業:漫画家/高校生
性格:妹モノをこよなく愛する変態淑女。善人。陽キャオタク
外見:茶髪ポニテ赤縁眼鏡。身長170cm、Fカップ。女子校の制服
特技:人間観察
身体能力:筋力は人並み、足が速く持久力が高い
一人称と口調:一人称はあたし、ネットスラングを放ったりオタクっぽいしゃべり
言いそうな言葉:来世はあたしの妹としてやり直すがよいぞ!
好きな物:妹
嫌いな物:寝取られ
生い立ち:子宝に恵まれなかった漫画家の両親に養子として引き取られた孤児院育ち
願い事:この能力ください
【キャラシート】
名前:善夜 小尋 (ぜんや さひろ)
能力名:心音零
説明:
モザイク透明化&解除後数秒の間だけ加速化
モザイク透明化について
モザイク透明化中は移動以外のアクションはできない
基本的には周りの風景に同化させる透明化だが
型板ガラスを通してみるように、その存在は人に目視されてしまう。
【自ら悟られないよう遠くから相手を観察しつつ奇襲を行うのに向いてる能力である】
また、透明化解除の後ほんの少しの間だけ行動の加速化がある
発動条件:自分のスマフォで呼出音を鳴らす
消費MP:心音零発動に消費MP10
効果範囲:消費MP10を払えば体全体透明化に覆われる
持続時間:5時間
性別:男
年齢:23
誕生日:3/6
職業:フリーター(コンビニのバイト)
性格: 大人しめでしらけた性格
外見:パッしないモブキャラのようなカジュアルな容姿
特技:ペン回し
身体能力:やや平均以下
一人称と口調:一人称は俺 ネットスラングにも強い
言いそうな言葉:ふーんエモいじゃん
好きな物:元同級生友達との会話
嫌いな物:蛸
生い立ち:
願い事:実際チート能力持って異世界生活してみたいな
名前:後藤結衣
能力名:分身
説明:自分と同等の能力を持った分身を作り出す。分身と視覚聴覚を共有できる。最大5人
発動条件:任意。倒されるか本人が死ぬと消える
消費MP:30
効果範囲:3m
持続時間:無制限
性別:女の子
年齢:10
誕生日:2/28
職業:小学生
性格:強がりな臆病者。基本良い子
外見:栗色のふわふわロング
特技:足が早い
身体能力:女子小学生にしては少し高い
一人称と口調:わたし、男っぽい
言いそうな言葉:わたしのほうがつよいわ
好きな物:辛いもの
嫌いな物:勉強
生い立ち:裕福な家庭で育った女の子。育ちが良く、過去に誘拐されかけた事がある。その際に、友達に怪我をさせてしまった
願い事:友達の顔の傷痕を消してあげたい
名前 : ゼーレ・フォン・ロックウッド
能力名:支配者
説明:あらゆる生物を完全に支配下におき操ることができるその時に相手は支配されてる自覚もない。
操る以外にも支配下においた相手の場所を把握できるし、己の怪我ダメージを押し付けることもでき、果ては攻撃されて命を落としてもそれすらも押し付けることができる。
発動条件:相手と握手したら
消費MP:100
効果範囲:どこまでも
持続時間:本人が気絶や解かない限りいつまでも
性別:男
年齢:38
誕生日:12/31
職業:政治家
性格:狡猾、猜疑心が強い
外見:歳の割りには若いナイスミドル
特技:演説、口八丁
身体能力:歳平均よりは少し動ける程度
一人称と口調:私、丁寧口調
言いそうな言葉:皆の協力なくして大願は成就しません!
好きな物:私腹を肥やすこと
嫌いな物:責任をとること
生い立ち:普通に裕福な政治家の家庭に生まれて普通に政治家になった
願い事:世界政府をつくってそこの初代総帥となること
名前:漆崎 夜留(うるしざき よる)
能力名:偽造通貨
説明:偽造硬貨、偽造紙幣を身体から生成する能力
ジャックポットのように大量に出すことも可能
また身体から出ようとする偽造硬貨を押さえて溜めを作れば射出速度は上がり弾丸のようになる
発動条件:偽造したい通貨を手・足・口などで掴んでいること
消費MP:MP1消費で1分間好きなだけ生成
効果範囲:特になし
持続時間:生成した偽造通貨は24時間経つと消える
性別:男
年齢:38
誕生日:7/7
職業:ギャンブラー
性格:クールで冷たいが強い正義感を持ち約束は死んでも守るハードボイルド
外見:黒の革ジャンとジーパンにサングラスを着用した筋肉質な大人
特技:頭の回転の早さ
身体能力:元警察官で身体能力に優れる
一人称と口調:俺 ぶっきらぼう
言いそうな言葉:まずは疑ってかかるのが性分でな
好きな物:葉巻煙草
嫌いな物:不正
生い立ち:親友を破滅させた闇組織に復讐するため闇社会に足を踏み入れる
願い事:裏社会の黒幕とのギャンブルで約束を守らせる審判役を神に務めてもらいたい
>>3 『柏手 葛斎』【付喪神】
>>4 『イット』【一刀絶閃】
>>5 『姉帯 ゆりあ』【妄想姉妹】
>>7 『善夜 小尋』【心音零】
>>8 『後藤結衣』【分身】
>>9 『ゼーレ・フォン・ロックウッド』【支配者】
>>11『漆崎 夜留』【偽造通貨】
安価ありがとうございました。上記の七名で進行します。
高身長の女性が好きなので『柏手 葛斎』の視点から物語を始めます。
・・・
天使「はい。天使でっす。『柏手 葛斎』お前は選ばれた」
葛斎「……はっ!?」
葛斎(気が付くと私はビル(?)の一室に座っていました)
葛斎「こっ、ここはどちら……?」キョロキョロ
天使「今からお前達には殺し合いをしてもらう」
葛斎「こっ、殺し合いぃ……!?」
天使「これがルールの紙、お前の能力について書かれた紙。そして特殊レーダーだ」
葛斎「残念ですが、そんな物騒な催しに付き合うつもりはありませんわ!帰らせていただきます!」バッ
天使「はいはい」スッ
葛斎(天使を名乗る少年が私に向かって手をかざす。瞬間、私の体が硬直しました)
葛斎(頭からつま先まで全く動かせません。手品師である私の眼をもってしてもワイヤーなどの種は見受けられず……というかどんなトリックを使ったって眼球すら動かせないのはありえませんわ!)
葛斎(つまりこれは本物の……!ということは、さっきの殺し合いというのも……本当……!?)
天使「全く……前回も前々回も前々々回思ったが、人間っていうのは本当に話が通じないな。まぁいいや。一回しか説明しないから、よく聞いとけよ」
天使「とある天界に、暇を持て余した一柱の神が居た」
葛斎(なんですのそのモンスターエンジンのコントに出てきそうな神様は)
天使「そしてあんまりに暇だったもんで、こんな催しを企画なされたのさ」ピラッ
葛斎(さっき持ってた紙……。そこには『異能力者七人のバトルロワイヤル』という題の下に、細かいルールが箇条書きになっていました)
天使「これの『参加者』にお前は選ばれたのさ。葛斎。そしてここは『参加者』と案内役の私しかいない無人の街だ」
天使「つまりお前はコロッセオの中の剣闘士。リングの中のプロレスラー。切り株の上の昆虫って事だ。ここまでに何か質問は?」スッ
葛斎「……先程申し上げた通り、殺し合いなんてやーですわ!私まだ23でしてよ!」
天使「……ちゃんとルール読んでから質問しろよな。このバトルロワイヤルで死亡する人間は出ない。最終的には全員生き返るんだからな」
葛斎(あんな一瞬で読めるもんですか……)
葛斎(彼(?)の指示通りルールの紙を読み込んでみると、そこには『・毎日午前十一時に、死んでいる参加者は生き返る。』と書いてありました)
葛斎「……ん!?」ピクッ
天使「どうした?」
葛斎「こっ、ここの『・勝者は願い事を一つ叶えられる。』……って、本当ですの!?」
天使「あぁ。神と天使は嘘をつかない」
葛斎「じゃあ、……死んだ人間にもう一度会えるなんて……できまして?」
天使「ついさっき死んだ人間を生き返らせられると説明したところなんだが?」
葛斎「……!」
天使「……どうやら、やる気になってくれたみたいで嬉しいよ」
葛斎(このバトルロワイヤルに勝てば……もう一度おじいちゃんに会える……!)
天使「そいじゃ、自分の異能力の詳細をちゃんと読んどけよ」ピラッ
葛斎「……はい!」
能力名:付喪神
説明:道具の持つ力を強化させたり自在に宙に浮かせたりして操れる。
葛斎「これは……強いんですの?弱いんですの?」
天使「お前次第ってところだ。まぁ、他の奴らへの説明が終わるまでは試し打ちさせてやっても……」
天使「……ん。いや、他の参加者への説明を終わったみたいだ。はい、それじゃスタート!」パンッ
葛斎「えっ?」
天使「また何か質問があれば呼んでくれ。それまでは私は消える」スウゥ
葛斎(なんと雑な始まり方でしょう……)
葛斎(配られたレーダーを開くと、そこには時刻が表示されていました。『11:00:23』。バトルロワイヤルの始まりですね)
葛斎「絶対にこのバトルロワイヤル……勝ち残って見せますわ!」
葛斎(見ててね……おじいちゃん)グッ
ビル街・北
葛斎(……と、勢いのままにビルを飛び出したものの……何も考えずウロウロしてていいのでしょうか?ビルに隠れていたままの方が良かったのでは……)トコトコ
葛斎(いえ、でもこのバトルロワイヤルの勝利条件は生存ではなくあくまで宝石。結局戦闘は不可避……でも試し打ちもできませんでしたし……ならむしろ一度経験を積むべき……?)
葛斎(……などと考えていたら前方に人影が見えますわ!どうしましょう!)
下1「……」
2.黒づくめ辻斬り『イット』
3.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』
『柏手 葛斎』が出会ったのは誰!?2~7番の中から選んでね!(葛斎の1番は除外)下1だよ!
ゆりあ「お……早速他の参加者と出会いましたな」
葛斎(目の前に私以外の参加者が……)
一花「はやくあんなの倒しちゃおうよお姉ちゃん!」
二葉「こら一花。初対面の人に『あんなの』なんて言っちゃダメでしょ?」
三夏「あたしは暴れられるならなんでもいいぜ!早く指示してくれよ姉ちゃん!」
四雫「……姉上。ここは私を捨て駒に、敵の能力を探るのがよろしいかと」
五樹「お、お姉ちゃん、戦うなんて怖いよ、逃げようよ……」
六夢「……ねむい」
七音「もーっ、六夢?お姉ちゃんにもたれかかったらお姉ちゃん動けなくなっちゃうでしょ?」
ゆりあ「よいのです七音……お姉ちゃんは妹とくっつけれて幸せですぞ……」
葛斎「いっぱい居ますわ!?」ガビーン
葛斎「て、天使さん!バトルロワイヤルは七人でやるのではなくて!?」
天使「天使と神は嘘をつかない。この街に居る参加者は間違いなく七人だ……つまり八、九……最低でもあいつらの内二人は参加者じゃない。なんらかの能力で生み出された存在って考えるのが妥当だろうな」
葛斎(能力で生み出された存在……バトルロワイヤル開始とほぼ同時に出会ったことを考えると、あのグループに二人以上の参加者が居るとは考えづらいですわね。誰か一人が残り七人を能力で生み出したと考えるのが自然ですわ……)
葛斎(そしてその誰か一人とは、見るからに全員からお姉ちゃん呼びされてるあの子……!)
ゆりあ「こんなに早く他の参加者と巡り合えるとは……幸運ですなぁ」
葛斎(戦う気ですの!?)サッ
ゆりあ「そこの人!あたしの仲間に入りませぬか!?」
葛斎「へっ?……な、仲間?バトルロワイヤルですのに……?」
ゆりあ「ちっちっち……これは普通とは違い、優勝者が複数たりえるバトルロワイヤルなんですぞ?一日に配られる宝石は二つ。つまり、例えば今日二人で宝石を一つずつ分け合い、明日も同じようにすれば……?」ビシッ
葛斎「二人同時に2ポイント獲得、優勝条件を満たすことができる……そんなことが可能ですの!?」
天使「上手く行けばな」
葛斎(そうでしたの……なら、理論上二人までならチームも成り立つというわけですわね)
葛斎(しかし、それはあくまで理論上の話……実際には、あの子が私を裏切る危険性も……)
ゆりあ「……どうやら、あたしのことが信用ならないみたいですな。でしたらば天使さん!私の能力が書かれた紙をあの人へ!」
天使「ほ-いよ」フヨフヨ
葛斎「能力が書かれた紙ですって……!?」
天使「これは……本物だな。あいつは本気でお前に弱点をさらけ出している」
ゆりあ「これで……どうですかな?」
葛斎(ここまでするなら、信用しても……)ピラッ
能力名:妄想姉妹(イマジナリーシスターズ)
説明:理想の妹を具現化する能力。
消費MP:具現化した妹の年齢分のMPを消費
葛斎「ん?」
葛斎「……七人」
ゆりあ「いかにも。あたしは七人の理想の妹をこの世に生み出しましたぞ」
葛斎「あなた……残りMPはいくつ……?」
ゆりあ「ゼロですぞ!」ババーンッ
葛斎「バカですわーっ!?」
葛斎「序盤からそんなに生み出す必要がありまして!?」
ゆりあ「妹ハーレムを生み出せたので悔いはありませんぞ!」バババーンッ
葛斎「ド変態ですわーっ!?」
葛斎が取った行動は『下1』だった!
1.『姉帯ゆりあ』と協力する!こんなのでも仲間は居た方がいいですわよね。
2.『姉帯ゆりあ』と戦闘する!こんなのと協力するなんてまっぴらごめんでしてよ!
3.『姉帯ゆりあ』から逃亡する!なんか色々怖いので逃げますわ!ごめんあそばせ!
どれだった!?1~3番から選んでね!下1だよ!
葛斎「ま……まぁまぁまぁまぁ、まぁ、いいでしょう。あなたとチームを組むことに決めましたわ」
ゆりあ「どうやら分かってくれたみたいで嬉しいですぞ」
葛斎(私の能力がどこまでやれるのか……それが分かってない内は特に味方が欲しいですものね)
葛斎(それに、こんな序盤からMPを空っぽにしているのには度肝を抜かれましたが……戦いは数。この人数が頼りになる場面がきっとありますわ)
ゆりあ「あたしの名前は姉帯ゆりあ!よろぴく!」
葛斎「私は柏手葛斎ですわ。頼りにしてますわよ、ゆりあさん」
ゆりあ「あいや、頼りにはしないで欲しいですな」
葛斎「へっ?」
ゆりあ「あたしは我が妹達を危険な殺し合いに巻き込むつもりはないですぞ」
二葉「お姉ちゃんはいっつも私達のこと考えてくれてる……好き!」
ゆりあ「よせやい」ヘヘッ
葛斎「は……な、なら一体誰が戦うんですの!?」
ゆりあ「……葛斎殿以外に、誰が?というかあたしは元々あたし達の代わりに戦ってくれる人が欲しくてチームを提案したのですぞなが?」
葛斎「はあああ!?じゃああなたは私に対して何をしてくれるというんですの!?」
ゆりあ「敵が来たら教える……とか」
葛斎「……っ!?!?」
ゆりあ「まぁまぁ、あたしは皆のお姉ちゃん。妹達に恥じぬ姉であるためにも、あなたを裏切るようなことだけは絶対にしないので、そこは安心して欲しいですな」ウンウン
四雫「ご立派です。姉上……!」パチパチ
葛斎(……こんなのでも、一応、本当に一応、居ないよりはマシのはずですわ……!)プルプル
一方その頃、『下1』と『下2』が出会っていた!
2.黒づくめ辻斬り『イット』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』
誰と誰が出会った!?2番、もしくは4~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)
住宅街・北西
イット「ふむ……ここが行き止まりか」ピタッ
イット(スタート地点からレーダーを頼りに北へ歩いて、数十分……概算して、フィールドの端から端まで行くには徒歩で二時間かそこらか……頭に入れておこう)
イット(しかし……少し歩いただけでは他の参加者と遭遇することはなかったな。このフィールドの広さでバトルロワイヤルが成り立つのか?)
イット(いや……今は序盤ゆえ、他の参加者は鳴りを潜めているのか……本番は宝石配りの後、狙われる者の居場所が分かってからということだな)
イット(それまでは『お預け』か……)ウズウズ
イット「……ん?」ピクッ
イット(今……視界の端で『もや』のような物が動いた気が……)
イット「……いや、気のせいか」クルッ
小尋(あっっっぶねー!バレたかと思った!)バクバク
小尋(こっちはモザイク化して!そこそこの距離保って!なるべく全身が映らないように尾行してんのに!なんで分かったんだあの女!)
小尋(黒づくめの軍服軍刀に赤い目……さっきまではコスプレイヤーさんだと思ってたけど、モノホンの軍人さんなのか……?)
小尋(いやでも、コスプレイヤーさんだからこそあんな意味深な行動を……?中二病の奴は意味もなくああいうことするからな……)
小尋(クソ……ますますどうしたらいいか分かんなくなってきたな……『あいつを殺すかどうか』)
小尋(多分、あの女がただのコスプレイヤーなら、俺の『心音零』の解除後加速状態で倒せる。不意を突いて、かっぱらってきたナイフで一刺しだ)
小尋(だが、あいつが凄腕の軍人なら反応されて捌かれてしまうかもしれない……一回しか試せなかったから、加速状態にもまだ慣れてねぇし)
小尋(更に能力次第では、あいつが軍人なんかじゃなくてもこっちが負ける可能性がある……)
小尋(どうする……『宝石は死体にも配られる』殺すなら宝石配りの前がいい。そして俺が宝石配りに当選する可能性も考慮すれば……逃げるにしても宝石配りの前がいい)
小尋(あと数分で宝石配り……戦うにしろ逃げるにしろ、今決めねぇと……!)
小尋が取った行動は『下1』だった!
1.『イット』と戦闘する!尾行してた時間がもったいないし、やってやる!
2.『イット』から逃亡する!相手の能力が分からないまま近くに潜んでるのは危険!怖い!
3.『イット』の尾行を続ける!現状維持は得意だぜ。
どれだった!?1~3番から選んでね!下1だよ!
小尋(どうする……戦うか、逃げるか……戦うか!逃げるか!)ジリ
小尋(……決断するのやーめた!)
小尋(『心音零』のモザイク化は俺が解除しない限り五時間、一日フルで使えるし、このまま尾行を続けてればあいつの弱点が分かったりするかもしれないし……)
小尋(要は俺が宝石配りに当たらなきゃこのままでいいんだし……じゃあこのままでいいや!何か決断して間違えたりしたら嫌だしな……)
小尋(というわけで現状維持。引き続きあの女の尾行を続ける……)コソコソ
現状
1.柏手 葛斎
ポイント:0
M P:100
登 録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター
『姉帯 ゆりあ』、『妄想姉妹s』と一緒にビル街をうろうろ。
2.イット
ポイント:0
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)
『善夜 小尋』に住宅街にて尾行されている。(本人は気付いていない)
3.姉帯 ゆりあ
ポイント:0
M P:0
登 録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし
『柏手 葛斎』、『妄想姉妹s』と一緒にビル街をうろうろ。
4.善夜 小尋
ポイント:0
M P:90
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
モザイク状態で住宅街にて『イット』を尾行している。(気づかれていない)
5.後藤結衣
ポイント:0
M P:70
登 録:なし
持 ち 物:分身一体
6.ゼーレ・フォン・ロックウッド
ポイント:0
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:なし
7.漆崎 夜留
ポイント:0
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
そんなこんなでついに午後零時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!
誰と誰だった!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)
ビル街・北
天使「ほいよ。宝石配りの時間だ。今日はお前」ポイッ
ゆりあ「おっ早速一個ゲット!ついてますな」パシッ
葛斎「む……」
葛斎(向こうに配られてしまいましたか……チームだからどっちみちもう一個獲得するのですが、ちょっと不安ですわね……ここは少しふっかけてみますわ)
葛斎「……チームを提案したのはそっちなのですから。ここは信頼を示すためにも、先にこっちへ宝石を渡すのが道理ではなくて?」
一花「はぁ?何それ、チームなんだからどっちが持っててもいいじゃん!」
葛斎「それなら私が持っていてもよろしいはずですが?」
一花「ぐぬぬ」
ゆりあ「まぁまぁ、一花ちゃん。葛斎殿の言うことももっとも。ここはあなたに宝石を預けさせてもらいましょう」スッ
ゆりあ「ふん……ぐぐぐ……うぅ……っ!」プルプル
葛斎(めっちゃ嫌そうですわね……)
三夏「頑張れ姉ちゃん!」
五樹「じ、自分に負けないで……」
葛斎「そんなに必死に……そうまでして叶えたい、あなたの願い事ってなんですの?」パシッ
ゆりあ「ふぅー……無論!神様からこの能力を受け取り!現実世界でも彼女たちを愛でることですな!」
六夢「えへへ……お姉ちゃん……一緒……」
葛斎「予想通りですわね……」
ゆりあ「そういうそっちはどんなお願いですかな?ん?」ズイッ
葛斎「私は……その、手品師をやらせていただいておりまして……」
二葉「手品師!すっごーい!葛斎さんマジシャンなの!?すごいすごいっ、見せて見せて!」キラキラ
ゆりあ「ほほう……見せてもらえますかな」
葛斎「……こほんっ、ではオーソドックスに手のひらから鳩を出すマジックを」
葛斎「3、2、1……はいっ!」ビリッ
鳩「ポポーッ!」バッサァ
ゆりあ「……手のひらからではなく、ポケットを突き破って出たように見えましたが」
葛斎「うわぁーん!いつもはこんな感じじゃないのにーっ!」ヒーン
葛斎「折角……死んだおじいちゃんに会えるのに……上達したマジックを見せてあげれると思ったのに……これじゃ会えても……」グスッ
ゆりあ「……葛斎殿……」
住宅街・北西
天使「宝石だ」ポイッ
イット「ん、私か……」スッ
小尋(惜しい……いや、宝石配りに当たってたら位置バレてたんだし、ここは俺に配られなくてよかったと喜ぶべきか)
小尋(そうだよ。宝石の位置はレーダーでバレる。ってことは他の奴もここにやって来るんじゃ……このままあいつの側にいたら巻き添え食うかも?)
小尋(いや、まぁフィールドの行き止まりを背にしてるんだし、あいつがここから動かなければ問題はないか……むしろ観察対象が増えてお得……)
イット「レーダーでもう一つの宝石の位置も分かるんだったな……よし、奪いに行くか」サッ
イット(やっと戦闘できる……っ)ワクワク
小尋「……!」
小尋(どうする……この場に残るか、ついていくか……)
小尋(まぁ……ついてくか。他の参加者の能力も知りたいし、やばくなったら加速状態で全力疾走すれば大体大丈夫だろ……多分)スッ
河川敷・中央
ゼーレ「天使さん。宝石配りの結果は?」
天使「レーダー見てみな」
ゼーレ「別の場所に反応が二つ……残念。外れてしまいましたか」
ゼーレ「ん……片方の反応はもう片方の反応へ真っ直ぐ向かって行きますね……自信満々ということですか」
ゼーレ「位置的には……私の方が動かない宝石に近い。ならば先にあちらへ行って、もう片方の宝石を待つことにしますか」
天使「そんなに軽率に動いて大丈夫か?」
ゼーレ「宝石が集まるということは、私以外の参加者も同じ場所に集うでしょう。皆さんのことを知るのは大事なことですから……」
ゼーレ「それに、ゲームのシステム上、このバトルロワイヤルが一日や二日で終わるとも思えない。今日一日は、情報収集に終始しても問題ないでしょう」
ゼーレ「勝利のためには大局的な視点こそが肝要なのです」
ゼーレ「それでは……会いに行きましょうか。将来の『お友達』に」スッ
寺
夜留「ふんっ……!」バッコォ
ジャラジャラ……
夜留「……出てきたな。賽銭泥棒なんて生まれて初めてだが、存外悪くない」スッ
夜留(五百円と千円を一枚ずつ拾って……これで俺の能力、『偽造通貨』の発動条件が満たせる)
天使「おい、宝石配りの時間だぞ」
夜留「ん……もうそんな時間か。当たったか?」
天使「いや、今回の当選者は別だ」
夜留「外れたか……まぁいい。どちらかといえば奪う方が性に合っている……!」ググッ
夜留(さて、その宝石はどことどこだ……?)パカッ
夜留(どっちもかなり遠いな……それから、片方が片方に向かっている。一人喧嘩っ早い奴が居るな)
夜留(だが、二つの宝石の距離もかなり離れている。所持者同士がぶつかる頃には、俺も戦場に入れるだろう……)
夜留「なら、行くか……」
夜留(俺以外の参加者全員の能力が分かってない今だと、乱戦で俺が勝てるかどうかは博打だが……)
夜留「これが終わればもっとでかい勝負が待ってる。その前哨戦……だな」ザッ
工事現場・中央
結衣「……私、そっちの様子はどう?」
結衣Ⅱ「人影なし。そっちは?」
結衣「こっちも同じ……とりあえず、宝石配りまで他の参加者と会うことはなかったわね」
結衣Ⅱ「まぁ、そのために初期位置から動かなかったんだけど……」
結衣「……来た。十二時。天使さん」
天使「ああ……残念だが外れだ」
結衣「運が悪いわね……『分身』を使って当選確率上げてるのに」
天使「いや、分身に宝石は配られない。先に私に聞いておけ、そういうのは」
天使(それアリにしたら姉帯ゆりあの当選確率がえらいことになるからな)
結衣Ⅱ「宝石のレーダー反応はどんな感じ?」
結衣「片方は動く気配なしね。もう片方がそこに真っ直ぐ向かってるわ。多分、他の参加者もそこに行くと思う……ねぇ、どうする?」
結衣Ⅱ「……同じ自分に聞いても答えが返ってくるわけないでしょ」
結衣「それもそうね」
結衣(動かない方の宝石はかなり近い。今行けば多分、他の参加者が来る前に宝石の所持者と戦える。でもそれでも勝てるかどうかは分かんないし……勝っても、今度は私達が追われる側になるのよね)
結衣(やっぱりここは他の参加者があるていど削り合った所を、横から漁夫の利を得る作戦で行くべき……でもそうしたら他の人の能力がほとんど分からないまま一日目が終わっちゃう)
結衣(今日だけで二つ揃えられたらいいけど、多分無理だし……私だけ経験が浅いまま二日目、三日目って続くのは怖いわね)
結衣「……どうするのがいいのかしら」
結衣Ⅱ「だから分かんないってば」
結衣が取った行動は『下1』だった!
1.今すぐ宝石の下(葛斎・ゆりあチーム)へ!不確定要素が少ないうちに行きましょう。
2.頃合いを見て宝石の下(葛斎・ゆりあチーム)へ!他の参加者が集まる頃を目指しましょう。
3.河川敷から動かない!事態が動くまでは静観して、漁夫の利を狙いましょう。
どれだった!?1~3番から選んでね!下1だよ!
結衣「……宝石の下へ行きましょう」
結衣Ⅱ「今すぐ?」
結衣「……いや、もう一つの宝石が到着する頃を見計らって行くわ」
結衣「私達は二人。他の参加者が複数居る時こそ、視点の広さが活きるはず」
結衣Ⅱ「了解。それじゃそれまでここで待機ね」
結衣「……〇×ゲームでもする?」
結衣Ⅱ「よりによって一番決着がつかない物を」
ビル街・北・物陰
ゼーレ(さて……宝石の反応のすぐ近くまで来ましたが)
三夏「安心しろよ姉ちゃん!あたし達七人で、どっから敵が来てもすぐ知らせるからさ!」
六夢「むにゃ……」
七音「ちょっと六夢!ちゃんとそっち見張ってなさいよ!」
ゆりあ「あぁ^~四方八方妹だらけなんじゃ^~」
ゼーレ(一人の少女が……複数の少女に囲まれている?)
ゼーレ(このバトルロワイヤルの参加人数は七人。あの少女達はその数を超過している。おそらくあの少女達は中央の少女の能力による物……幻覚か、実体をもった人形か)
ゼーレ(……幻覚の線は薄いか。よほどMPの消費が軽くない限り、会敵前から能力を発動するのは無駄遣いはなはだしい。おそらく彼女らは実体を持っている)
ゼーレ(『敵が来たら知らせる』という発言を考えるに、おそらく彼女らは戦闘が不得手、特殊な能力が付与されているわけではないのでしょう)
ゼーレ(だが応用力のある能力です。ああやって全方位見張らせるにとどまらず、個々に偵察に出してもいいですし、肉壁にするもいいでしょう。更には、相手によっては数に恃んだ暴力で勝てる)
ゼーレ(ふむ……『欲しい』ですね。なるべく全ての参加者を把握してから選びたかった所ですが、いきなり彼女を『お友達』にしてもよいかもしれません)
四雫「……姉上。おかしいです」
ゆりあ「ほ?何がですかな?」
四雫「姉上に宝石が配られてから数十分経ちましたが……まだ誰もこの場に現れていません。不自然です。おそらく、物陰に隠れて私達の動向を探っているものかと」
ゆりあ「なるほど……ですがこちらからできることはありませんし、相手の出方を待つしかありませんな」
四雫「そんなことはありません。私を、偵察に出せばよいのです。そうすれば少なくとも敵がどこに居るか、上手く行けばどんな風貌か、どんな能力かが分かります。ここは……」
ゆりあ「……だーめっ。そんな危ないことさせられません」ブブーッ
四雫「……姉上……」
ゆりあ「四雫。あたしはあなたのことが大好きですぞ。あたしの大好きな妹のこと、軽く扱ってほしくないですな」キラキラ
四雫「あ、姉上ぇ……!」キュンッ
ゼーレ(……駄目ですね。あのやりとりが中央の少女の自作自演でない限り、あの人形は『自我』を持っている。おそらく能力者本体を『お友達』にしても無駄……)
ゼーレ(となると、ここは他の参加者がここに集まるの待つとしますか……)スッ
一時間後
ゆりあ(もう一つの宝石の反応が、もうすぐそこに……)
五樹「お、お姉ちゃん、あれ……」
ゆりあ「……ええ。見えてますぞ」
イット「……見つけた」スッ
イット(あの数……一人を除いて人間ではないな)
イット「人形を作る能力か」
ゆりあ「人形……?いいえ、この子達は全てっ!私の可愛い妹ですぞっ!」ババーンッ
イット(まぁ、いくら肉壁が居ようと関係はない。文字通り、本体までの道を『切り開けば』……!)ウズウズ
ゼーレ(……もう一人の宝石所持者が来た!おそらく戦闘が……)
夜留「……」ザッ
ゼーレ「……っ!」バッ
ゼーレ(不運……!他の参加者がここで!)
夜留(こいつ……レーダーの位置が微妙にズレてる。多分宝石を持ってる奴じゃあないな)
夜留(ここで本当の宝石所持者を観察してたってことか……ということはおそらく、戦闘には不向きの能力……なら、殺すか)スッ
ゼーレ(手をこちらに……このプレッシャー、何かを発射する能力!)バッ……ススッ
夜留(手を挙げて、俺に道を開けた……降参ってことか?……ここでこいつを見逃すメリットは……)
ゼーレ(ある。ここで私と戦闘を起こせば、自分の存在を向こうの二人の宝石所持者に知らせることになるからです。ですがそれがなければ、物陰から二人を狙える)
ゼーレ(宝石所持者に対する『先手』を取る権利……この男は私の命よりもそっちが欲しいはず。先程から一言も発さないのがその証拠!)
夜留(こいつ……何も喋らない。声を出せば俺が見逃す理由がないと理解してるってことだな)
夜留(逆に言えば、俺がここでこいつを殺そうとすればこいつはなんとしてでも向こうに俺の存在を示そうとするだろう。そして俺には、相手に悲鳴を出させずに殺す手段はない)
夜留(さて……どうするか)
夜留が取った行動は『下1』だった!
1.『ゼーレ・フォン・ロックウッド』を見逃す!何も持ってない奴より、宝石を狙うべきだな。
2.『ゼーレ・フォン・ロックウッド』を殺す!殺せる時に殺しておくべきだな。
どれだった!?1~3番から選んでね!下1だよ!
ゼーレ(さぁ……向こうの戦闘が始まらない内に、早く私を見逃して……)
ギャリィインッ!
ゼーレ「な……っ!?」
ゼーレ(こちらへ向けられた男の手のひら一瞬光ったかと思うと、次の瞬間、鈍く鋭い音が鳴り響き、私の胸は指一本分ほど大きく抉れていた)
ゼーレ「がはっ……!」
夜留「……まずは疑ってかかるのが性分でな。念のため、先に死んでもらおうか」
ゼーレ「……っ!非……合理的だ……っ!」
夜留「異能力なんて持ってる奴が手を挙げたくらいで信用する方がどうかしてると思うがな。この通り、一つも動かないまま人を殺せる奴だって居るんだから……」ギャリギャリ
ゼーレ(やはりあの男の能力は何かを発射する能力。二撃目のチャージが始まった……)
ゼーレ(次は避けれるだろうか……いや、血が……止まらない。弾を避けるどころか、もって後数分の命……おそらく今日はもう無理でしょうね)
ゼーレ(ならば……二撃目が来る前に!)
イット「可愛い妹、か……どこまで本気か知らんが、そう言うなら黙って私に首を差し出せ」
イット「そうでなければ……お前は妹の血を見ることになるっ!」ダッ
ゆりあ(来た……!)スッ
ギャリィインッ
イット「!?」ピタッ
ゆりあ「!?」バッ
イット(なんだ、今の音は……!)
ゆりあ(あの軍服さんとは真逆の方角から聞こえましたな。四雫ちゃんが言っていた、あたし達を探っていた他の参加者が動いたということ……!)
ゼーレ「がぁ……っ!」ダッ
ゆりあ(物陰から知らない人が出てきましたぞ!胸から血を流している……おそらく致命。ですが、真っ直ぐこちらに向かってくる!これは、どう対処すれば……?)
葛斎「くっ……『付喪神・カッター』!」ズバンッ
ゼーレ「ぐおっ……」
イット「!?」
イット(カッターの刃渡りが伸びて、人一人を容易く切り裂いた……!?)
イット(いや、真に驚くべきはそこじゃない。周りの少女が異能力を……まさか、あの少女達全員が異能力を付与されているのか……!?)
結衣(いいえ、そんなわけはない……!)
結衣Ⅱ(私達の能力もあの人と似た能力だけど、こっちはMP30も使って創れるのは何の変哲もない私一人だけ)
結衣(だけどあの人は八人も創り出してる。全MPつぎ込んでも一体にMP12.5までしか使えない!そんな低コストで異能力持ちの人間を創れるわけがない!)
結衣(つまり答えは一つ。今能力を使った人だけは本物の人間!このバトルロワイヤルに選ばれた私達と同じ参加者!)
ゼーレ「協力者が居たというわけですか……他の人形に紛れて、返り討つ算段だったと……」ガクッ
ゼーレ(一日目に能力を知れたのは三人……ですか。まぁ最低限は……果た……した……で……しょ……)
ゼーレ「……」ドサッ
ゼーレ・フォン・ロックウッド:死亡
イット(協力者が居たとは……あのまま突っ込んでいたら、ああなっていたのは私だったかもな……)スッ
葛斎(絶対に不意を突ける最初の一撃はできればあの軍服さんに当てたかったのですが……これでばっちり警戒されてしまいますわね)
葛斎(しかも……)チラッ
夜留「……どうせ俺が撃ち殺してた所を……わざわざ能力見せてくれてありがとうよ」ザッ
イット(同じ方向からもう一人……さっきの男の胸に穴を開けたのはこいつか)
ゆりあ(……まずいですな。前に後ろに敵が一人ずつ、自然に挟み撃ちの構図に……!)
夜留「『偽造通貨』!」ギャリィンッ
二葉「きゃっ!」
葛斎「危ないですわ!」ギンッ
イット「今度こそ……行くぞっ!」ダッ
ゆりあ「葛斎殿!カッターを!」
葛斎「残念ながらこれ一本しかありませんわ!」
葛斎(軍服さんが来る……けどあちらに対応すると、今度は後ろからあの人の射撃が……)
ゆりあ「とにかく借りますぞ!」バッ
葛斎「あっちょっ」
ゆりあ「えいっ」パキッ
葛斎(……!カッターの刃を折りましたわ!)
ゆりあ「確か葛斎殿は浮かせて使えるんでしたな。葛斎殿は刃だけであっちの人の相手をしておいてくだされ」ポイッ
ゆりあ「あたしはこっちの柄があるほうで、あのコスプレイヤーさんの相手をしておきますぞ!」
葛斎「……『付喪神・延長』。そっちのカッターの強化は後13秒で消えるので、それまでに決着を!」バッ
ゆりあ「十分ですな!」ダッ
イット(もう片方の女の能力……様子からしておそらく『道具を強化する能力』……そしてそれは自身の手から離れても継続するということか)
ゆりあ「――お覚悟を。」ダッ
七音「お姉ちゃん!」
イット「ふん。宣言通りに本体が向かってくるか……」
イット(いや、それとも影武者か?本体はあの中に紛れているとか……?さっきの作戦を考慮すると……あり得る)
イット「……まぁいい。とにかくその強化カッターを持つお前を殺せば後は丸腰!取るに足らんっ!」
ゆりあ「ちぇええすとおおおっ!」グンッ
イット「これでもくらえっ!」バッ
ゆりあ(……!大量の小石!目晦ましですかな!?)
ゆりあが取った行動は『下1』だった!
1.そのまま切りかかる!小石程度で怯むお姉ちゃんじゃありませんぞ!
2.一旦距離を取る!軍人を相手に油断するお姉ちゃんじゃありませんぞ!
どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!下1だよ!
ゆりあ(ここは一旦距離を取って、元の態勢に戻しますぞっ!)タッ
イット「ちっ……」
イット(あの小石群には、いくつか私の髪の毛巻き付けてある……どれか一つにでも触れれば私の『一刀絶閃』が使えたのだが……)
イット(まぁいい。投げた小石は私とあいつの間に散らばった。奴があれを踏めばその瞬間に足を削げる……!)
イット(奴が味方から受け取った強化カッター……あれほどの戦闘力を常時発揮できるとは思えん。おそらく時間制限があるはず。そしてアイテムを借り受けただけのあいつはその時間を延長することはできない)
イット(奴は時間制限内にどうしても私を倒さねばならない!そのためには、私までの最短距離、あの小石の上を通るはず!)
ゆりあ「……」グッ
イット(さぁ来い!踏め!踏めぇ!)
ゆりあ「……ふんっ!」ザクッ
イット(伸ばした刃を地面に突き刺した……?まさか!?)
ゆりあ「伸びろっ!」ギュンッ
イット(刃を伸ばすパワーで私の元まで跳んできただと……!?)
ゆりあ「これが真の最短距離……ですぞ!」
ゆりあ「今度こそっ!」グンッ
イット(まずい!奴の方が早い!軍刀での防御が間に合わん……なら!)パッ
ゆりあ(軍刀を捨てた!?)
イット「素手だ!『一刀絶閃』!」カカッ
ゆりあ「ぐぅ……っ!?」ズババッ
ゆりあ(腕が……!)
イット(左右両方の腕を落とした!二回分のMPを消費してしまったが……これでもう奴は!)
ゆりあ(腕が使えない……なら!)バッ
ゆりあ「んんああうっ!」ガチンッ
イット(……こいつ、口でカッターを!)
ゆりあ「うらあああっ!」ブンッ
ズバンッ
イット「がはっ……」
イット(両腕切り落とされておいてこの女、ここまでの動きを……正気か……!?)ドサッ
ゆりあ「ぷっ……柄のある方じゃなければ、口がズタボロになってた所、でしたな……」カランカラン
イット:死亡
葛斎「行きますわよ……『付喪神』!」ビュンッ
夜留(刃がこちらに向かって飛んでくる……浮かせて操ることもできるのか)
夜留「『偽造通貨』!」ギャンッ
葛斎(硬貨を撃ち出す能力……?)
葛斎「お金なんぞで!私の能力を打ち破ろうなんて片腹痛いですわ!」ギィンッ
夜留(一瞬動きを止めることができるが、撃ち落とすのは無理って感じか……)
夜留「くっ!」サッ
葛斎「まだまだぁっ!」グインッ
夜留「ぐあっ……」ズバッ
夜留(傷は浅い……が、何度避けても曲がって俺を狙ってくる。このままだとジリ貧か……?)
夜留(いや、これだけパワーがあって効果範囲も広い能力。おそらく何らかの制約があるはず。消費MPが高いとか……制限時間があるとかな……)
夜留「これが何秒持つかしらんが、粘るだけ粘らせてもらう!」ギャンッ
葛斎「……っ」ギィンッ
夜留(さぁ、あいつの表情はどうだ?今の俺の言葉で焦るようなら、俺の読みは当たってるはず。逆にまだ余裕があるようなら、体力を削られる前に逃げるのも……)チラッ
葛斎(さぁ……ここからですわよ……!)キッ
夜留(焦り……?いや似てるが違うな。今のあいつの表情は不安、緊張、集中……人を欺かんとする勝負師の眼だ……!)ピクッ
シャリッ……
夜留(……!飛ぶ刃の裏に、もう一枚刃が……!あの時余分に折って、俺の側まで重ねて操作していたのか!)
葛斎「『付喪神』!」
夜留「うおおっ!」グルンッ
葛斎(……!?避けられましたわ!)
夜留「ふぅ……中々やるじゃねぇか嬢ちゃん」
夜留(今の感じで、二枚同時に攻撃されたら流石に体力が持たねぇな……ここは逃げるしかない、か)ダッ
葛斎「……はぁ……」ガクッ
葛斎(倒すことはできませんでしたが……なんとか追い返すことには成功したみたいですわね)
葛斎「……ゆりあさんは!?」バッ
五樹「……四雫ちゃん!左腕の止血をお願い!私は右腕を!」バッ
四雫「はい!」ビリッ
二葉「お姉ちゃん!」
ゆりあ「……」
五樹(反応がない、気絶してる……両腕が切り落とされれば当然だよね……最後の一撃は、私達を守る一心で……)ウルッ
七音「お姉ちゃん……死んじゃうの?」
五樹「……このままだと、一日も持たないと思う。でも、あと二時間とちょっとぐらいなら……」
葛斎「……つまりバトルロワイヤル一日目が終わるまでは持つということですわね?」ザッ
五樹「葛斎さん……」
葛斎「あの軍服さんの服から、宝石取ってきましたわよ……天使さん?お手々がない人はどうすれば宝石を獲得できるんですの?」
天使「その宝石に体のどこか一部でも触れている場合はポイントに換算される。丁度良い隙間があるみたいだからそこに挟んでおいたらどうだ?」
葛斎「そうしますわ」ムニュッ
葛斎「さて……ゆりあさんをここから動かすわけには行きませんし、後は一日目が終わるまで、ここで防衛線ですわね」
四雫「……裏切らないのですか?」
葛斎「……どういうことですの?」
四雫「姉上は瀕死……周りの私達は丸腰。数の差こそあれど、あなたの『付喪神』があれば一撫ででしょう。そうすればあなたは安全に宝石を二個独占できる」
三夏「おい、四雫……!」
葛斎「四雫さん……でしたわね。既に申し上げた通りですの。私は手品師でしてよ?」
葛斎「手品師のお仕事とは、人を騙すことではなく、人を驚かすことでもなく、人を笑顔にすることがお仕事なのですわ!……あなた方の笑顔を損なうような真似は、私いたしません」
一花「……葛斎さん……」
四雫「……良かったです。姉上と、私達と最初に出会ったのが、あなたで」
ビル街・北・物陰
結衣(ひとまず、戦闘は一区切りついたみたいね……あの女の人の『カッターを操る能力』来る人皆やっつけて、強かった……)
結衣(でも、何人も相手して、かなりMPを消費してるはず。後一、二回使ったら……いや、もう既にガス欠かも)
結衣(……あんまり気は乗らないけど、相手が丸腰なら、私の『分身』で一方的に……!)
結衣Ⅱ「……!」バシバシ
結衣「!」クルッ
小尋「あー……やっぱこんだけ近づいたらモザイク化とか関係ないか。っていうか君も分身系の能力?前後ろ同時に警戒されたら、俺の能力ほぼ無意味なんだけど……ズルくない?」
結衣「……何か御用ですか」サッ
小尋「あ、いや、戦うつもりはない。安心してくれ。俺は君と……君達?と、チームが組みたい」
結衣「……はぁ」
小尋「君もここでさっきまでの戦い見てたんだろ?あれ見て俺は思ったんだよ。チームは有利だって。複数人居れば、同時に色んなことに対処できるからな。どうだ?」
結衣Ⅱ「複数人居れば、ということなら、私はこの通り自前で複数人になれるんですが」
小尋「うっ」
結衣「それにあなたの能力って自分にモザイクかけるだけですよね?完全に透明になれるならまだしも……全然頼もしいって思えません」
小尋「ううっ」
結衣「あなたよく考えが浅いって言われません?……あと、タイミングも悪いですね」
小尋「タイミング?」
結衣「後数十秒待った方が、話はスムーズだったと思います」
カチッ
天使「イベントタイム!」
小尋(……そういやそんなのあったな!)
現状
1.柏手 葛斎
ポイント:0
M P:30
登 録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッターの刃
『姉帯 ゆりあ』、『妄想姉妹s』と一緒にビル街・北に。
2.イット
ポイント:0
M P:60
登 録:なし
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)
ビル街で死亡。
3.姉帯 ゆりあ
ポイント:0
M P:0
登 録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし
両腕を失い気絶。『柏手 葛斎』、『妄想姉妹s』と一緒にビル街・北に。
4.善夜 小尋
ポイント:0
M P:90
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
ビル街の物陰で『後藤結衣』と会話中。
5.後藤結衣
ポイント:0
M P:70
登 録:なし
持 ち 物:分身一体
ビル街の物陰で『後藤結衣』と会話中。
6.ゼーレ・フォン・ロックウッド
ポイント:0
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:なし
ビル街で死亡。
7.漆崎 夜留
ポイント:0
M P:95
登 録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
ビル街付近に逃亡。
そんなこんなでついに午後二時!『イベント』の時間に!『下1~3』のどれかが起こった!
(起こるイベントを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
天界・ルーレット
神様「どうも、企画発案の神様です」
天使「進行、補助の天使です」
神様「はい。では二時になったということでね。イベント。やらせていただきたいと思います。天使くん。ルーレットとダーツを」
天使「はいはい」ガラガラガラ
天使「ほっ」ギュルンッ
神様「行くぞ~」
次のレスのコンマが
01~33で『ダミーの宝石があちこちに配置される』
34~66で『先着1名限定でMP100支払うことにより宝石を一つ手元にワープ』
67~99で『街が爆撃され常時死ぬ危険性に曝されることとなる』
00は全部
神様「とぉっ!」トスッ
ビル街・北
天使「……というわけで、イベント開始」
葛斎「イベントとは、どんな……」
天使「……それは私の説明を聞くより、空を見た方が早いな」スッ
葛斎(あれは……でっかい火の玉ですわ!?)
ドカーンッ
葛斎「街中が火の海に……!妹さん達!あなた達の中で一番身体能力が高いのは……」
三夏「あたしだ!姉ちゃん担げってんだろ!?腕がない分、軽いよ畜生……!」スッ
葛斎「このままビル街に居続けたら、爆撃と延焼でいずれ逃げ場がなくなってザ・エンドですわ。延焼のない場所まで移動しますわよ!」
四雫「三夏。なるべく背中の姉上を揺らさないように……」
三夏「分かってるよ!」
五樹(さっきお姉ちゃんを動かせないって言ったばかりなのに……お姉ちゃん、頑張って……!)
交差点・d4
ドカーンッ
夜留「なっ、爆撃だぁ……!?」
夜留(まったく、大味なのが来たな……が、落ちてくる火の玉のスピードはそこまででもない。火の玉の影にしっかり注意しておけば、都度避けることはできる……)
夜留(脅威なのは爆撃本体じゃなく、それによって起きる火災だな……街中で煙が上がってちゃ、ものの数時間で火の手に迫られて燃え死ぬか、よくて一酸化炭素中毒だ)
夜留(となると、留まっていられるエリアは限られてくる。宝石の動きを見る限り、嬢ちゃん達も同じ結論に至ったようだな)
夜留「初期位置でたむろしてたら、あそこに間に合わなくて死んでたかもな……!」ダッ
ビル街・北・物陰
ドカーンッ
小尋「うおおおおっ!?」
小尋(ば、爆撃って!)
結衣「……イベントの内容次第では……と思いましたけど、やっぱりあなたとチームを組むメリットが感じられません。それでは」タッ
結衣Ⅱ「さよなら」タッ
小尋「えっ」
小尋(くっ……あのメスガキ、俺のことを舐めてやがるな……!?怖がらせないように優しめに話しかけてやったのに……なんか腹立ってきた)
小尋が取った行動は『下1』だった!
1.『後藤結衣』と戦闘する!大人の怖さをメスガキに理解らせてやる!
2.『後藤結衣』を尾行する!どうにかしてやりたいが戦闘は怖いのでまずは情報収集!
3.特に何もしない!よく考えればあの子の言うことも一理ある。
どれだった!?1~3番から選んでね!下1だよ!
小尋(あー……キた。これ完っ全にキたわ)
小尋「こんのメスガキぃ!ぶっ殺す!」ダッ
小尋(俺の能力が『モザイク化』だけだとぉ……!?そんなら見せてやるよぉ!『心音零』解除による加速状態!)ヴンッ
結衣「……!」クルッ
結衣(来た……!大丈夫、ちゃんと発動のタイミングを間違えなければ、作戦通りに行けば勝てる!)
結衣「……私の方が強いわ!」バッ
小尋「……!?」
結衣(私の能力、『分身』の効果範囲は3m……これは私から分身体が3m以上離れたら消えてしまうことを表すと同時に)
結衣(3m以内の好きな場所に、分身体を発生させられることを表す。例えば敵の胃の内側にでも発動すれば……!)
小尋「う……!?」メリッ
小尋(なんだこれ、俺の内側が、内側から、膨らむ、破ける……!)メキメキ
メシャアッ
結衣「ふぅー……予想通り、殺せたわね」ホッ
結衣Ⅱ「……そして残念ながら、こっちも予想通り」
結衣Ⅲ「……」グチャアッ
結衣(人間の骨格は小さく複雑なジャングルジム。その内側に無理矢理、体を具現化させれば……生まれた方もただじゃすまない……わね)
結衣「さて、ここに長く留まってると危ないし……さっさと宝石の反応を追いかけましょうか」タッ
善夜 小尋:死亡
河川敷・南
葛斎「さぁ!河川敷に到着しましたわ!」キキーッ
葛斎(ここなら水場だし、周りに建造物もなく開けている……延焼、崩落の危険はありませんわね)
葛斎(それでも呼吸は辛い所ですが……あと一時間とちょっとタップダンス踊る余裕くらいは……)
夜留「よぉ……考えることは一緒だな」ザッ
葛斎(さっきの『硬貨を発射する』男……!)サッ
夜留(できれば、こんな風にのこのこ姿を現さず、不意を突いて有利に立ち回りたかった所だが……こんな開けた場所に来られちゃそれも難しい……)
夜留(イベントがなければあの瀕死の女を大事にあのビル街から動かなかっただろうことを考えると……この爆撃は俺にとっちゃ不都合だったな)
夜留(さて、射程範囲まで近づきたい所だが、その一線を越えればあいつらもこっちに襲い掛かってくるはず。どうするかな……)
葛斎「……!」
夜留(……なんだ?奴らの視線が俺の後ろへ……)クルッ
結衣「……こんにちは」
結衣Ⅱ「こんにちは」
葛斎(他の参加者……!)
夜留(同じ姿の子供が二人……双子か?いや、双子なら服装で差異を出そうとするはず。だがこいつは服装も髪型も全く一緒……分身か)
夜留「……何の用だ?」
結衣「ここ以外に爆撃に耐えれる場所はないと思うので……おそらく、生き残っているのはここに居る人達ですね」キョロキョロ
結衣Ⅱ「あの協力しあってる二人を除けば、私とあなただけということになります」
夜留「それがどうした?」
結衣「単刀直入に言います……協力しませんか?この戦力差を埋めるにはそれしかないと思います」
夜留「……先に作戦を聞かせてもらおうか」
結衣「二人同時に攻勢を仕掛け、相手の戦力を分散させた後、各個撃破します」
夜留「もっと分かりやすく言ってみな」
結衣Ⅱ「突撃あるのみです」
夜留「はっ……とんだ博打だな。まっ、俺はそういうのが大好きだけどよ。いいぜ、乗ってやるよ嬢ちゃん」ニィッ
結衣「では、レーダー登録を」スッ
夜留「あ?」
夜留(さっきの作戦だと、ここでレーダー登録なんて要らないはずだが……)
結衣「……」プルプル
夜留(……どうしたものか)
夜留が取った行動は『下1』だった!
1.レーダー登録する!まぁ、損はないだろう。
2.レーダー登録しない!協力するのはこれっきりだ。
どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!下1だよ!
夜留「……悪いが、そっちは断る。無用の繋がりを作るのは趣味じゃないんでね」
結衣「……っ、そうですか。まぁ別に私は元からどっちでも良かったですけど」フン
夜留「そうかい。それじゃあ……行くぞ!」ダッ
四雫「……どうやら、向こうは協力の方で話がまとまったみたいですね」
葛斎「来ますわっ!」
葛斎(向こうの少女は問題じゃありませんわ。おそらく分身する能力なのでしょうが、女児が何人居ようと所詮は女児。それに物量に頼る戦いならこっちの『妄想姉妹』達に分がありましてよ!妹達もゆりあさんを守るためなら自発的に戦ってくれるはずですわ……!)
葛斎(問題はあっちの『硬貨を発射する』男……あちらは……)
葛斎「三夏さん!他の動ける人であの少女の相手を!男の方はもっかい私がお相手いたしますわ!」ポンッ
三夏「……分かった!一花!二葉!あと六夢!ちょっと姉ちゃんのこと頼む……他の奴らはあのがきんちょの相手だ!」ダッ
四雫「姉上と出会うまでに身につけたこの力……全ては姉上のために!」
五樹「できるかな、私に……ううん、やらなくちゃ!」
七音「……お姉ちゃんの所には行かせない!」
結衣Ⅱ(来た……!大丈夫。タイミングが合えば、さっきみたいに殺せる。私が何人か殺せば、もう一人の私が抜けて、本体を殺してくれるはず……!)
結衣Ⅱ(タイミング。相手が私から3m以内に入るタイミング。そのタイミングにさえ気を付けていれば……)
ビュンッ
結衣Ⅱ「え……」
夜留「俺の相手はまたお前か……今度はどうなるかな!」バッ
葛斎「行きますわよ!付喪神・カッター!」
夜留「『偽造通貨』!」ギャリィンッ
ドシュッ
葛斎「うっ……ぐぅ……っ!まだまだぁ!」グラッ
夜留(こいつ……刃を飛ばさない。それどころか、カッターで俺の弾丸をはじき飛ばすことすらしない。どっちもビル街ではできてたはずだ)
夜留(さっきの戦闘でよっぽどMPが削れたか……最早近くで浴びせる一振り分しか残っていないんだろう)
夜留「はっ……そんな状態でどこまで俺に近付ける!」ギャリィンッ
葛斎「うぐぅっ!」ドサッ
夜留(当たり所が悪かったか、元々体力がないのか、もう膝をつきやがった。あと二、三発撃ち込めば殺せる……!)
夜留(いや……待て。戦闘になれば、こうなるのはあいつも分かっていたはず。だがこいつは逃げるどころか俺へ迷いなく向かってきた……まさか、さっきみたいに何か策を……?)ピタッ
葛斎「ぐっ、また、バレてしまったよう、ですわね……?」
葛斎「ですが!今回のタネはバレても問題のない奴でしてよ!」ビシッ
ビュンッ
三夏「……よぉ」ザッ
夜留「なっ……!?」
夜留(こいつ、いつの間に俺の後ろに!?もうあの少女を片付けたのか!?いやそれよりも、なんてスピード……!)
葛斎(私の能力で浮かせていただけの刃とは違う……『付喪神』の本能力により、元々三夏さんが持っていた『動く力』が強化されているのですのよ!)
葛斎「避けれるもんなら避けてみなさい。ですわ……!」ニヤッ
三夏「らぁっ!」ブンッ
パゴォッ
夜留「ぐっ……おぉぉおぉ……!」ズシャアーッ
夜留(体ごと吹っ飛ばされた……!なんて威力の蹴りだ……!普通の人間の蹴りじゃない!明らかに異能によって身体能力が強化されている!)
夜留(こいつを生んだ能力の追加効果……?いや、こんな兵器みたいな人形を七体も、全MP消費したって創れるわけがないし、もしそうならさっきの戦いでカッター女に頼る必要はなかったはず。だからこれはカッター女の能力……)
夜留(カッターの刃渡りや硬度を強化したり、人形の身体能力を高めたり……そうか、あいつの能力は『強化』!刃を浮かせて操るのはその応用か!)
三夏「追撃行くぞぉっ!」ダンッ
夜留(まずい!)
三夏「うおおおおっ、お?」ズルッ
三夏「あばっ」ベチッ
夜留(転んだ……?やはり時間制限付きの能力か!)
三夏(もう十秒か……短ぇ!)グッ
夜留「ぐっ……」ブルブル
夜留(衝撃で目が眩む……だが、かろうじて意識はある。立ち上がるのは難しいが、奴らも瀕死!ここから動けなくても、『偽造通貨』が発動できれば……!)
葛斎「……どうやら、蹴られたショックで意識が朦朧としているようですわね。あなたの倒れているその場所に、影が差していることにお気づきでないのかしら!?」
夜留(……影…………爆撃か……!)フラッ
夜留(クソ、逃げれない……!やっぱりこのイベントは、俺にとって……!)
ドカーンッ!
漆崎 夜留:死亡
葛斎「……倒した……」バタッ
三夏「お、おい大丈夫かあんた!」
葛斎「千円ほどいただきましたが……まぁ、縛っておけばあと数十分は余裕でしょう。あなたのお姉ちゃんよりは……あの少女の方は?」
三夏「あぁ、あいつらは一発ずつ殴ったきりだよ……早くしないとおっさんの所に行く前に十秒切れそうだったし……でももう、一日目終わるまでは起きないんじゃないかな」
結衣・結衣Ⅱ「う……あ……」
葛斎「そうですか……それじゃあ、あとは爆撃を躱し続ければ、それで……」ガクッ
葛斎「……ごめんなさい。ちょっとおぶってくださる?」
三夏「……あたしがあんたから宝石を奪い取れば、うちの姉ちゃんが優勝だ……あたしが裏切るとは思わないのか?」
葛斎「ゆりあさんは、妹達に恥じぬ姉であるために私を絶対に裏切らないと言った……そんなゆりあさんの理想の妹であるあなたも、きっと姉に恥じぬ妹でありたいで想っている……そうですわね?」
三夏「……大正解」ヨッコラショ
葛斎「分かるんですのよ……家族に恥じない自分でありたいという、その想いは、私にも……」
葛斎(おじいちゃん……)
天界・休憩室
ゆりあ(体が冷たい……これが……死……?)
1.マジで死!両腕切られて失血死しないわけないだろ。
2.ギリギリセーフ!妹達を遺して一人逝くわけには行きませんぞ!
どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!
ゆりあ「もちろん2ですぞーっ!?」ガバッ
ゆりあ「……ん、ここはどこ」
一花「お姉ちゃんっ!」ムギュッ
ゆりあ「おっほう!」ムギュッ
ゆりあ(……あれ?腕がありますぞ。私は確か……)
天使「目覚めたか。バトルロワイヤル一日目、お前はギリギリ生き延びた。傷は治しておいたから、明日までここで休んでろ」
二葉「本当に……良かったよ~」ダバァ
四雫「よくぞ生きて舞い戻られました、姉上……!」プルプル
五樹「おかえり……お姉ちゃん」グスッ
六夢「よかたね~」
七音「お姉ちゃぁん……っ」
ゆりあ「皆……そんなにお姉ちゃんのことを……!お姉ちゃんは感動……ん?」
ゆりあ「……三夏はどうしましたかな?」キョロキョロ
ゆりあ(まさか私が気を失ったあとに……!)
四雫「三夏ならば……おそらく葛斎殿と一緒に居るものかと」
ゆりあ「ファッ!?」
四雫「どうやら私達のような『能力によって生み出された存在』は道具としてカウントされるらしく……その日の最後に触れていた参加者の持ち物として翌日まで持ち越されるようです」
五樹「三夏ちゃんは最後葛斎さんのことおぶってあげてたから、多分葛斎さんの持ち物ってことになったんじゃないかな……」
ゆりあ「『道具』、『持ち物』……我が可愛い妹達をそんな風に!ちょっと天界さんサイドとは話し合う必要がありそうですな……!」
四雫(そうでなければ三夏に『付喪神』をかけることも、こうして姉上と同じ部屋に持ち越されることもなかったでしょうし……これで良かった気も)
ゆりあ「いや!それも重要なことですぞなもしが!葛斎殿と三夏が二人きりですと!?」
ゆりあ「N T R では……!?」
ゆりあ「どうやら明日、話し合わなければならない相手はもう一人居るみたいですな……!」
天界・休憩室
シュンッ
三夏「んおっ。どこだここ」
葛斎「ここは……?」
天使「よぉ、一日目生存おめでとう」
葛斎「あ……撃たれた傷が治って……」
天使「一日ごとに参加者の傷は修復される。じゃなきゃ生かさず殺さずが強すぎるからな。うちの神様はそんなつまらない展開は望んじゃいないんだ。そいじゃ、明日まではここで休んでな。私は街を修復してくる。厄介なイベントのせいで街中がめちゃくちゃだ……」ブツブツ
三夏「だってよ。良かったな」
葛斎「ふぅ……終盤は満身創痍でしたが、なんとか勝ち残れましたわね……!」
葛斎(MPが足りない明日はもっと厳しくなりますわ……このままではいけませんわね)
葛斎(例えば今日……二度もあの男に私の策を看破されてしまいましたわ。私の表情が原因で)
葛斎「ポーカーフェイスなんて、昔は大の得意でしたのに……」
三夏「あぁ……今日見せてもらった手品もあれだったな。あんたの視線のせいでどこにタネがあるか丸分かり」
葛斎(そしてそれを隠そうとして余計に失敗してしまう……)ズーン
葛斎「三夏さん!ちょっと私の手品特訓に付き合っていただいてもよろしくて!?」ビシッ
三夏「休めって言われたばっかだけど……元気なのはいいことだよな!付き合うよ!」ビシッ
『柏手 葛斎』『姉帯 ゆりあ』が1ポイントずつ獲得!
異能力者七人のバトルロワイヤル!一日目が終了した!
一日目終了・現状
1.柏手 葛斎
ポイント:1
M P:10
登 録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター
2.イット
ポイント:0
M P:60
登 録:なし
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)
3.姉帯 ゆりあ
ポイント:1
M P:0
登 録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし
4.善夜 小尋
ポイント:0
M P:90
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
5.後藤結衣
ポイント:0
M P:40
登 録:なし
持 ち 物:分身一体(MP70)
6.ゼーレ・フォン・ロックウッド
ポイント:0
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:なし
7.漆崎 夜留
ポイント:0
M P:90
登 録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
天界・振り返り
神様「『柏手葛斎』『姉帯ゆりあ』が一日目の獲得者か……」
天使「開始早々にチームを組めたのが良かった感じですね」
神様「ゆりあが開幕早々MPを使い切ったのは驚きだったけど、その数の差が活きる所もあったよね。最後とか、地味だけど気絶したゆりあを運ぶ所も妹がいなければゴタついてただろうね。葛斎は身体能力が絶望的だから」
天使「だとしても七人も一気に具現化する必要はなかったと思いますが……」
神様「まぁそれでも安定感のある勝利ではなかったよね。チームの二人ともが瀕死になってMPもほぼ使い切ってのギリギリの勝利だった」
天使「逆に言えば、他の参加者総出で挑んでも削り切れなかったとも言えますね。『善夜 小尋』がほぼ関係ない所で死んでましたが、もっと狡猾に立ち回っていれば彼が最後の一押しになってたかもしれません」
神様「今回は二人以外の参加者が個々で動いてた印象があるね。他の参加者同士でもっと連携が取れてれば……チームを組むとまでは行かなくても、状況を利用するとかさ」
天使「それを狙える場面が少なかったようにも思えます」
神様「今日の決め手は、さっきも言ってたけど小尋が結衣に殺された所かなー」
天使「あそこで結衣が協力に応じるか、小尋が矛を収めていれば……」
神様「特に後者なら葛斎・ゆりあチームが勝つのは難しかったんじゃないかな。『心音零』の解除後加速なら強化された妹相手にも……勝つとは言わずとも、時間制限まで凌ぐか逃げるかはできそう」
天使「明日は誰が勝つと思いますか?」
神様「……さぁー……?MPが切れかけだし他の参加者から警戒される葛斎・ゆりあチームが一段厳しいと思うけど……他の奴らはどいつもそこそこやれそうだと思う」
神様「強いていうなら小尋も無理かなぁ……彼はちょっと性格がバトルロワイヤルに向いてないよね。物事を大局的に見ることができないタイプというか」
天使「それは人生に向いてないと思いますけど」
神様「さて。皆は明日、誰が宝石を獲得すると思う?」
天使「……?皆?」
神様「順位予想最下位ボーナスゲーム!」テテーン
神様「今から皆に明日の勝者予想を書き込んでもらうよ!」
神様「被りは除外して、六人の名前が出た時点で予想締め切り!」
神様「最後まで名前が出なかった……つまり勝ち目がないと予想されている参加者にはボーナスをあげるよ!」
天使「マリパでお馴染みの奴ですね」
神様「あげるボーナスはまた安価で決めるよ!はい!勝者予想開始!」
1.祖父っ子手品師『柏手 葛斎』
2.黒づくめ辻斬り『イット』
3.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』
上記の七人の中から『こいつが勝ちそう』と思う奴を選んで書き込んでね!
(書き込む時はそう思う理由も一緒に書くと楽しいぞ!)
(被りを除外して、六人の名前が書き込まれた時点で予想を締め切って、ボーナスを決めるタイムに突入するぞ!)
神様「はい!六人の名前が出ました!予想締め切り!」
天使「最後まで名前が出なかった……勝ち目薄と思われる参加者は『6.ゼーレ・フォン・ロックウッド』となりました」
神様「まぁ今日一番最初に死んだし、分かりやすくいい所なしだったしねこいつ」
天使「死亡間際に葛斎・ゆりあチームに特攻し、策を一つ引き出すなど立ち回りは最善を尽くしていたように思えますが……いかんせん、能力がピーキーですからね」
神様「はい!というわけでゼーレくんにボーナスをあげたいと思います!」
ゼーレの身に『下1~3』のどれかが起こった!
(起こるボーナスを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物、ボーナスにならない物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
神様「ボーナスルーレット決定!天使くん。ダーツを」
天使「はいはい」ガラガラガラ
天使「ほっ」ギュルンッ
神様「行くぞ~」
次のレスのコンマが
01~33で『2日目開始時に好きな相手と同じ初期位置に出現できる』
34~66で『一度だけ死の運命をなかったことにする』
67~99で『初回限定でMP50で支配者を使用可能』
00は全部
神様「とぉっ!」トスッ
神様「ボーナス決定!」
天使「『2日目開始時に好きな相手と同じ初期位置に出現できる』……ですね。ちょっと説明してきます」
シュンッ
ゼーレ「おっと、ここは……?」スタッ
ゼーレ(私はさっきカッターを使う女性に切り裂かれて……)
天使「バトルロワイヤルの一日目は既に終了した。暫定最下位はお前っぽい……ということでお前にボーナスを授ける」
ゼーレ「ボーナス……!そのようなことはルールに記載されていなかったはずですが」
天使「まぁこっちも明確な判断基準があって『最下位』を決めてるわけじゃないから、ルールに書いても混乱の方が大きいだろうと判断した。変にボーナス狙いですぐ自滅する奴が出てきても興冷めだしな。隠し要素ってやつだ」
天使「はい。というわけでお前に授けられるボーナスはこれ『2日目開始時に好きな相手と同じ初期位置に出現できる』……お前の記憶から候補を並べた。この内から好きなの選べ」
1.妹囲いの女
2.硬貨を発射する男
3.カッター使いの女
4.軍服の女
5.知らない奴A
6.知らない奴B
7.このイベントをスキップする
ゼーレ(ふむ……1番と3番はチームを組んでいたようなので懐柔は難しいでしょう……2番の人も、今日のあの態度を考えると望み薄……)
ゼーレ(5番、6番は未知。故にリスキーだとなると4番かイベントのスキップ……)
ゼーレ(4番の軍服の女……確か彼女はチームの二人と戦う際、何の能力の展開もせず突撃していた……おそらく相手に近づかねば発揮できない能力)
ゼーレ(となれば、展開次第ではこちらも相手に触れる機会もあるか……これも賭けではありますが、他の選択肢と比べれば分は格段に良い)
ゼーレ(イベントのスキップもいいかも知れませんが……私は今日MPを一つも消費していないため、明日の開始時に保有限界の150を迎える。明後日の回復分を受け取るために、今日能力を使うことは確定していると言っていい。それをわざわざ後回しにすることもないでしょう……)
ゼーレ「4番の軍服の方と同じ場所へ」
天使「了解」スッ
神様「話は終わった?よし、じゃあ天界パート終わり!二日目開始!転送!」バッ
路地裏・西
イット「……っ!?」シュンッ
イット(なんだ!?私はさっきまでビル街に、そして殺されて……)パカッ
イット(レーダーの時刻は『11:00:04』……バトルロワイヤルの二日目が始まったということか)
ゼーレ「おや……」ザッ
イット(……!他の参加者!)バッ
ゼーレ「こんなに早い段階で他の人間と出会うとは。奇遇ですねぇ……」ニコッ
イット(こいつ……確か昨日、私が知る中では真っ先に死んだ男)
ゼーレ「奇遇ついでに、少しお話でもしませんか!」
イット「お話……?時間稼ぎか何かか。悪いが付き合ってやるつもりは……」
ゼーレ「……ふふっ」ニコッ
イット「……!?」ピタッ
イット(何故笑う……?まさか、今のは私に仕掛けさせるための挑発……?いや、考えてもきりがないな。まぁ、どうせ真っ先に落ちた雑魚だ。多少時間を与えた所で何もできないだろう)スッ
ゼーレ「……ではいきなりですが。私の願いはずばり、世界平和です!そのためにこのバトルロワイヤルを勝ち抜くつもりです。どうでしょう、もしあなたも私と同じ志を持つのなら……」
イット「ふん。残念ながら真逆だ。私の願いは戦争の継続!お前とは敵対するしかないようだ」
ゼーレ(想定内。軍人など余程の戦争嫌いか戦争好きしか居ないものですからね)
ゼーレ(相手が戦争嫌いのようならその甘さに付け入ればよし。戦争好きというのなら、それはそれでやりようはある)
ゼーレ「戦争は経済と技術を進歩させるから……ですか?」
イット「……なんだ?平和主義者らしからぬ発言だな。悪いが私はそんなものに興味はない」
ゼーレ(はずしましたか)
ゼーレ「では、戦っている時にこそ生を実感できるとか」
イット「そうだな。その通りだよ。だから私は戦争が好きなんだ」
ゼーレ(……これも違いますね。本性を言い当てられれば、動揺が現れるはず。ただ表面上は肯定したということは、部分的に正解、部分的に不正解ということ……これが当てはまるのは)
ゼーレ「戦争の中にしか自分の居場所がないと感じているから……ですね」
イット「!?」
イット「な、何を……」
ゼーレ「隠しても無駄です。あなた自身が一番それを理解しているはずなのですから」
イット「わ、私は……」ジリッ
ゼーレ「その上で、もう一度提案させていただきます。私と一緒に、世界平和を目指しませんか?」
イット「私に協力しろと……?断る!信用できるか!」
ゼーレ「…………信用ならないというのなら、こうしましょう」ビリッ
イット(自分の服を破いて、その布片で目隠しを……)
ゼーレ「見ていましたよ。あなた、おそらく相手に近づかなければ発揮できない能力ですね?……ならば、私はそれを承知であなたに腕を差し出します!この腕を握ってください。私を信頼できないなら、そのまま殺せばいい……ただ、もし信頼してくれるのであれば、この目隠しを取ってください」
イット「なっ……何故私にそこまでする!バカなのか!?私は、自分のためだけに戦争を願っている女なんだぞ!」
ゼーレ「いいえ。世界を変えるためにはあなたのような人間にこそ、協力していただきたい!」
イット「……本気か。本気で私を必要だと……」フラッ
ゼーレ(随分と読みやすくなった。なんと言って欲しいのか丸分かりですね)
ゼーレ「もちろん!皆さんの協力なくして大願は成就しません!私には、あなたが必要なのです!」
イット(……あるのか?望んでも、いいのか。血生臭い戦場以外に、私の居場所を……)スッ
ギュッ
イット(久しぶりだな……人の手を握るなど……)
イット(どうする……こいつを殺すか、殺さないか。信じるのか、信じないのか……私は……!)ブルブル
ゼーレ(随分迷っているようですね……まぁ、もう関係ないのですが)
シュルッ
イット「え……」
イット(手が勝手に、この男の目隠しを解いた……?)ゾクッ
ゼーレ「おお……!私を、信じてくださったのですね……!」
イット(そうか……私はこの男を信じたのか。信じることが……できたのか)
ゼーレ「私の名前はゼーレ・フォン・ロックウッドです」
イット「ゼーレ……私は、イットだ」
ゼーレ「よろしくお願いします、イットさん。あなたは今日から、私の『お友達』です」ニコッ
一方その頃、『下1』と『下2』が出会っていた!
1.祖父っ子手品師『柏手 葛斎』
3.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』
誰と誰が出会った!?1番、もしくは3~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(6.『ゼーレ・フォン・ロックウッド』と出会った場合、同時に『イット』とも出会うよ!)
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)
工事現場・北
小尋(バトルロワイヤル二日目開始早々……早速他の参加者を発見したが……)チラッ
ゆりあ「~」
妹s「~」
小尋(よりにもよってあいつらか……複数人相手は奇襲しようにも絶対気付かれるし相性悪いんだよな……あれだけ居れば、何人かは後ろを警戒する役だろうし……)
小尋(どうするかな……昨日は藪蛇で死んだし、今日はしばらくおとなしくしてるか……しばらくってどれくらいだ?宝石配り来るまで?イベント来るまで?最後の最後まで?)
小尋(そんなハイエナが通じるかどうか……かといって乱戦をうまく利用するなんてできる気しないしな……)
小尋(あの女達は……もうチーム組んでるから俺とはチーム組んでくれないだろうし……っていうか、中学生以上の女子は怖いから話しかけたくない)
小尋(いや、そうだよな……あいつらチーム組んでるってことは)
ゆりあ「~今行きますぞ~」
小尋(やっぱり……あいつら今からどっかで合流するつもりだな。合流されたらいよいよ勝てん。やるなら合流前だけど……)
小尋(……ま、とりあえず尾行するだけしとくか……折角の情報アドバンテージだしな)
線路・中央
葛斎「きゃっ」シュンッ
三夏「おっと」スタッ
葛斎(街に転送された……始まりましたわね、バトルロワイヤル二日目!)
葛斎「早速ゆりあさんと連絡を……と思ったら向こうから」プルルル
葛斎「もしもしですわ」
ゆりあ『三夏はそっちですかな!!!???』
葛斎「え、ええ……三夏さんはこっちに居ますわよ」キーン
ゆりあ『ではそこから動かないでいることですな!!今行きますぞぉ!』
葛斎「……どうやら、ゆりあさんはよっぽどあなたのことが心配のようですわね」クスッ
三夏「あたしはあんたのことが心配になってきたよ……」
葛斎「?」
交差点・c3
夜留「うおっ」シュンッ
夜留(これは……バトルロワイヤル二日目。俺は昨日死んで負けたってことか……)
夜留「やれやれ、勝負っていうのはカードも喧嘩も、甘くないな……どうも」
夜留(さて、情報収集は昨日で大体済んだ。まだ能力の分かってない奴が二人、内一人は姿も見てないが)
夜留(とりあえず真っ先に警戒するべきは『強化』と『人形』の女達のチーム……『強化』のパフォーマンスと『人形』の対応力が合わさると崩すのは難しい……昨日でかなりMPを削ったはずだが、今日の始まりにそれぞれ50ずつ回復されてるからな……少なくとも昨日の半分以上はまだやれるってことだ)
夜留(……だが言い換えれば昨日の半分程度しか使えないということでもある。ここは、前半はおとなしく、後半あいつらが削れた所を狙うか)
夜留(俺以外にも同じ考えの奴が居れば……そいつと即席チームでも組むか、昨日みたいに)
夜留(とりあえず今日はどこか身を隠せる場所で待機。今日生き残るのは、俺だ……!)
図書館
結衣「わっ」ポフッ
結衣Ⅱ「瞬間移動……いや、再配置ねこれは。バトルロワイヤル二日目ね」
結衣「……あなた、一回出したらずっと居るのね」
天使「能力で生み出された物は基本『持ち物』扱いだからな」
結衣「やったわね」
結衣Ⅱ「『持ち物』……ということは、私のMPは回復してないの?」
天使「え?」
天使(……考えてなかった。どっちの方がいいかな)
『天使』が取った行動は『下1』だった!
1.こいつ弱いし、分身体のMPも回復してやるか。
(結衣ⅡのMPが120になる)
2.分身体は参加者じゃないのでMPは回復させないでいいだろ。
(結衣ⅡのMPは70のまま)
どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!
天使「じゃ、まぁ……分身体もMP回復するってことで」ファァ
結衣Ⅱ「やったわね」キュイン
現状
1.柏手 葛斎
ポイント:1
M P:60
登 録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター
線路・北にて『姉帯 ゆりあ』、『妄想姉妹s』の到着を待つ。
2.イット
ポイント:0
M P:110
登 録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)
路地裏で『ゼーレ・フォン・ロックウッド』と一緒に行動している。
3.姉帯 ゆりあ
ポイント:1
M P:50
登 録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし
『柏手 葛斎』の所へ工事現場・北から移動中。
4.善夜 小尋
ポイント:0
M P:130
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
モザイク状態で『姉帯ゆりあ』を尾行している。(気づかれていない)
5.後藤結衣
ポイント:0
M P:90
登 録:なし
持 ち 物:分身一体(MP120)
6.ゼーレ・フォン・ロックウッド
ポイント:0
M P:50
登 録:『イット』
持 ち 物:『イット』
路地裏で『イット』と一緒に行動している。
7.漆崎 夜留
ポイント:0
M P:140
登 録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
交差点・c3からどこかへ移動中。
そんなこんなでついに午後零時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!
誰と誰だった!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)
学校
ゆりあ「ぬおおおお」ゼェゼェ
七音「ちょっとお姉ちゃ……ちょっと休んだ方が、走りっぱなしだと体力もたないよ……」ハァハァ
ゆりあ「ぐぅ……!ですが、こうしている間にもあたしの三夏が……バスケ部主将天真爛漫元気っ子の三夏が……っ!」
天使「ほい、宝石」ポイッ
ゆりあ「はい」パシッ
四雫「姉上、宝石を持ったからにはここで立ち止まるべきです!宝石を持った状態でもう一つの宝石以外の場所へ動けば、他の参加者にチームの合流が済んでないことを悟られます!ここは宝石に当選していない向こうに来てもらうべきです!」
ゆりあ「そんな物……!妹を見捨てる理由にはならないですぞ!」カッ
四雫「さすあね!」
ゆりあ「ぬおおおお今行きますぞぉ~!」スタコラ
六夢「むぇ~……」ヘロヘロ
商店街・東
夜留「さて……ここらへんが隠れるには丁度いいかな……」ザッ
天使「おーい」
夜留「ん……宝石配りか」
天使「ほらよ。今日はお前が当たりだ」
夜留「ほぉ……こりゃラッキー……」
夜留(……か?今日はここで終盤まで潜んでるつもりだったが、位置のバレる宝石を持ってちゃそれができない……)
夜留(もう一個の動きは……別の場所に真っ直ぐ向かってる。今の段階でどこか向かう場所がある奴は限られてくる。つまりチームの合流がしたい奴……あの女二人の内どっちかってことだな)
夜留(普通の奴ならチームを警戒するから、より俺から宝石を奪おうって輩が増えるわけだ)
夜留(ならばどうする。ここに宝石を捨ておいて別の場所へ逃げるか。いや、流石にそれは無駄が多い……じゃあ何もせず奪いに来る奴を返り討つか。まぁ負けることはないだろうが……怪我の一つや二つ負わないこともないだろう。本命の女二人との戦いの前に負傷は避けたい)
夜留「よし……ならここは……」ダッ
図書館
結衣「天使さん。私達の宝石は」
天使「はずれ」
結衣「また……?天使さん、私達ちょっと不遇じゃないかしら」
天使「さっきちょっと優遇してやったろ」
結衣Ⅱ「宝石の反応は……関係のない所に走ってる宝石が一つあるわね」
結衣「おそらくチームの合流中なのでしょう……『人形使い』さんか『強化』さんのどっちかってことよ。その二人には勝てそうもないし……行くとしたらもう一個の宝石ね」
結衣Ⅱ「……もう一個の宝石も関係ない所に走ってるんだけど」
結衣「……!これじゃどっちがどっちか分からないわね……どうしましょう」ムムム
公園
小尋(あーなるほど。こうすりゃどっちがっちか分かんないのか。向こうの宝石に当たった人頭いいな)
小尋(まぁ、俺はこっちがチームって分かってるから、俺には無意味な小細工だけど)タタッ
ゆりあ「ぬおおおお」
小尋(そういや……あいつ昨日も宝石持ってたよな。いや『カッター使い』が持ってたのかも知れないけど、チームの内どっちかが当たってたことは間違いない。運良いな……ズルっ)
小尋(っていうかこいつら結局昨日ポイントゲットできたんかな……一応レーダーには1ポイント獲得した奴が二人って出てたけど、その二人がこの二人だとは限らないし)
小尋(でもなんとなく俺を殺したメスガキには負けてて欲しいな……まぁそこら辺も尾行してたら分かるだろ、その内)
路地裏・西
イット「別方向に動く反応が二つ……」
ゼーレ「どちらかがチーム。どちらかが単独ということですね」
ゼーレ(チームの二人は合流前に戦いたい所ですが……この距離ではどちらも、合流前に叩けるかどうかは五分五分といった所……それを考慮するなら……)
ゼーレが取った行動は『下1』、結衣が取った行動は『下2』だった!
1.東側(『漆崎 夜留』が居る方向)の宝石へ行く。
2.西側(『姉帯 ゆりあ』が居る方向)の宝石へ行く。
3.どっちにも動かない。
どれだった!?1~3番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
また、安価が『2.西側』だった場合、それぞれ行動の結果も『下1』、『下2』のコンマで決定します。
00~49で合流前の『姉帯ゆりあ』と会敵。
50~99で合流後の『葛斎・ゆりあチーム』と会敵。(もう片方が合流前に会敵していた場合、戦況に依る)
線路・中央
ゆりあ「ただ今参上ですぞーっ!」ズサァーッ
葛斎「お、来ましたわね」
ゆりあ「……れろ」
葛斎「……何か言いまして?」
ゆりあ「今すぐ三夏妹から離れろっつってんだ、聞こえねえのか三下ぁッ!!!」
葛斎「ひっ!?な、なんですの……?急に大きな声出さないでくださいまし……」プルプル
三夏「あれだよ。あたしとあんたが仲良くしてるから嫉妬してんだ姉ちゃん」
葛斎「嫉妬……?確かに、三夏さんには昨日一晩中(手品の練習に)付き合ってもらいましたけど……」
三夏「葛斎さん、走るのとかはダメダメなのに、あれの体力だけはすごかったな」
ゆりあ「っぴぎゃあああ!聞き捨てなりませんぞぉぉおぉおお……柏手!葛斎!」ガシッ
葛斎「はい!」ビクッ
ゆりあ「あたしの妹になりませんか……?」ニヘラッ
葛斎「!?!?!?」
ゆりあ「お姉ちゃん、NTRは駄目でも妹同士の百合は許せる派なんですな!」ババーンッ
葛斎「ド変態ですわーっ!?」
やんややんや
小尋(こっちは無事合流成功……と。線路の上なんて開けた空間に、モザイク化の俺以外で隠れられる奴なんて居ないだろうし……他の参加者は動いてないかもう一個の宝石に集まったって感じか)
小尋(ってことは、今頃向こうは……)
ビル街・北
ゼーレ(ここを曲がった先に宝石があるはずですが……)スッ
イット「誰も居ない……?」キョロ
イット(宝石だけが道の真ん中に落ちている。他の参加者に追われるのを嫌って自ら手放したか……)
ゼーレ「罠か……といった所ですね」
ゼーレ(そしてこれは十中八九……)
イット「!」チャキッ
結衣「……!」ザッ
結衣Ⅱ(宝石だけ落ちてる……?更にその向こうには他の参加者!しかもチーム!?)
結衣(確か軍服の人は『触った物を切る能力』で、もう一人は……まだ分かんない)
イット「ここに宝石を置いたのはお前か!?」
結衣「……さぁ、どうでしょうね」
ゼーレ(……これはまた扱いやすそうなお嬢さんですね。まぁ、子供なんていうのは元より扱いやすいものですが)
ゼーレ(ああいう虚勢を張るのがクセになっているタイプは、心根では心細さを常に感じている。そこを軽く撫でてやればいい)
ゼーレ「私の名前はゼーレ・フォン・ロックウッド!お嬢さん、私と協力しませんか!?」
イット「!」
結衣「……!?」
結衣「協力って、そんないきなり……というか、あなた達は既にチームなのでは!?」
結衣(一日に配られる宝石は二個まで……つまり、どう頑張っても一度に優勝できるのは二人まで!三人のチームは成り立たない!)
ゼーレ「問題ありません!私とこちらのイットさんの願いは同じく世界平和!私かイットさん、どちらかが優勝できれば、もう一人の優勝者はあなたでも構わない!さぁ、あなたの願い事はなんですか?」
結衣「……友達の……顔の傷を、消してあげたい、です」
ゼーレ「……素晴らしい!友達想いのあなたとは、良いチームになれそうです。どうですか?是非、私達とチームに」
結衣「……い、いいでしょう!あなたと協力してあげます!」
イット(仲間が増えた……だが、なんでだ?達成感や、嬉しさが全くこみ上げて来ない……これで世界平和に一歩近づいたというのに、何か重大なことを見落としているような、うすら寒い違和感がある)
イット(このままじゃいけない……何がだ?……嫌な気分だ)
ゼーレ「ありがとうございます!では早速チームプレイと行きましょう!ここに宝石を仕掛けた人間を探し出します!お嬢さん、名前は?」
結衣「結衣……後藤、結衣です」
ゼーレ「では結衣さんは東側を!私は西側を調べます。あの宝石が罠なら、仕掛けた人間が近くに潜んでいるはずです!」
結衣「分かりました!」タッ
ゼーレ(さて、このビル街には私も一度訪れたことがある。あの位置にある宝石を横から狙うとしたら、その場所にも目星が付く。おそらくこちらに……)
夜留(ちぃっ……両方に争わせて、削れた所を横からって腹積もりだったのによぉ……)
夜留(舌と頭の回る奴だ。昨日はすぐさま殺しておいて正解だったな)
夜留(さて……どうする?おそらく俺が潜んでいるこの場所もほぼ把握されてるだろう。ここは……)
夜留が取った行動は『下1』だった!
1.その場に残って戦闘!折角チームがばらけてくれたんだ、返り討ちにしてやる!
2.逃げる!ここは初志貫徹、終盤までおとなしくしてよう。
どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!下1だよ!
また、安価が『1.戦闘』だった場合、行動の結果も『下1』のコンマで決定します。
00~49で生存。
50~99で死亡。
ゼーレ(消去法で考えれば……ここの宝石に当選したのは、結衣さんが言っていた『モザイク化の男』か、『硬貨を発射する男』)
ゼーレ(もし後者なら、遠距離攻撃の利を生かしてあの宝石を罠として利用するはず……射線のことを考慮すれば、おそらくここに……!)バッ
シーン……
イット「誰も居ない……?」
ゼーレ「……いえ、正確には、居なくなった。と言うべきでしょう」
イット(微かに煙の匂いが……煙草か)クン
ゼーレ「私達の会話を聞いてここを放棄した……と」
ゼーレ(昨日の様子を見る限り、好戦的な人かと思っていましたが……中々に用心深い。厄介ですね……)
ゼーレ(とはいえ、これで私のチームは三人。おそらくこのバトルロワイヤルにおける最高勢力。男一人逃した所でどうということはない)
結衣「こっちには居ませんでした……ゼーレさんの方は」タッタッ
ゼーレ「こちらにも居ませんでした。どうやら逃げられてしまったようです」
結衣「そうですか」
結衣Ⅱ「これから……どうしますか?もう一つの宝石の所へ向かいますか」
ゼーレ「いえ……元の所持者が攪乱のために真逆の方向へ走ったせいで、向こうまでかなりの距離があります。このままでは戦闘中にイベント発生……ということになりかねません」
ゼーレ「こちらが劣勢ならばそれに賭けてもよかったですが、ありがたいことに今は三人チームのこちらが優勢。イベント発生を待って、不確定要素を可能な限り排除した後に戦闘と行きましょう」
結衣「了解です」
結衣Ⅱ「そういえば……ゼーレさんの能力はなんですか?」
ゼーレ「……相手に自分の傷を移す能力です。対象に触れないと発動できないので、遠距離の勝負は苦手です」
イット(そんな能力だったのか……ん?)
イット(何故私は、今まで彼の能力を知らなかった、いや、知ろうともしなかったんだ?チームなら真っ先に知るべき情報のはず……)
結衣「あっそうだ。レーダー登録もしておきましょう」ピコン
ゼーレ「いいでしょう。ですがイットさんとは登録しないでください」
結衣「……?どうしてですか?」
ゼーレ「考えたくないことですが、明日、チームとして合流するまえにあなた達のどちらかが他の参加者に敗北する可能性があります。そこでレーダーを奪われてしまうと味方の位置が筒抜けということに……それを避けるためにもなるべく登録は控えてください」
ゼーレ「何、私が両方と登録していれば三人全員で連絡を取ることは可能です」
結衣「はぁ……ならそうします」
イット(違う……少女は気付いていないようだが、さっきの論理には穴がある。ゼーレが最初に死んだ場合を考慮していない……もしゼーレが最初に死ねば、私と少女はチームとして動くことができなくなる)
イット(だが……それを指摘する気には、なれない……なんなのだ、これは……)モヤモヤ
線路・中央
ゆりあ「妹!妹!」グイグイ
葛斎「向こうの宝石、動きませんわね……」
四雫「先程まではこちらの動きに合わせて別方向へ移動していたようですが……」
葛斎「これは、イベント発生まで動かないつもりですわね……?」
四雫「こちらから行こうにも距離がありますし……イベント次第でどちらが有利になるか分かりません。他の参加者の動きにもよりますが、ここはこちらもイベント発生まで待機するのが得策かと」
葛斎「宝石はこちらにもあるのですし、慎重になって損はない……ですわね」
ゆりあ「妹!妹!」グイグイ
葛斎「うるさいですわ!ちょっとあっち行っててくださいまし!」
現状
1.柏手 葛斎
ポイント:1
M P:60
登 録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター
線路・北で『姉帯 ゆりあ』、『妄想姉妹s』と一緒にイベントまで待機。
2.イット
ポイント:0
M P:110
登 録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)
ビル街・北で『ゼーレ・フォン・ロックウッド』、『後藤結衣』と一緒にイベントまで待機。
3.姉帯 ゆりあ
ポイント:1
M P:50
登 録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし
線路・北で『柏手 葛斎』と一緒にイベントまで待機。
4.善夜 小尋
ポイント:0
M P:130
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
モザイク状態で『姉帯ゆりあ』、『柏手葛斎』を監視している。(気づかれていない)
5.後藤結衣
ポイント:0
M P:90
登 録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:分身一体(MP120)
ビル街・北で『ゼーレ・フォン・ロックウッド』、『イット』と一緒にイベントまで待機。
6.ゼーレ・フォン・ロックウッド
ポイント:0
M P:50
登 録:『イット』『後藤結衣』
持 ち 物:『イット』
ビル街・北で『イット』、『後藤結衣』と一緒にイベントまで待機。
7.漆崎 夜留
ポイント:0
M P:140
登 録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
ビル街から工事現場へ逃走。
そんなこんなでついに午後二時!『イベント』の時間に!『下1~3』のどれかが起こった!
(起こるイベントを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
天界・ルーレット
神様「もう二時か。天使くん。ルーレットとダーツを」
天使「はいはい」ガラガラガラ
天使「ほっ」ギュルンッ
神様「行くぞ~」
次のレスのコンマが
01~33で『上空で飛んでる複数の黄色いヘリコプターに監視』
34~66で『ポイント獲得方法が終了時の宝石の所有ではなく終了時に生き残っていることに改変』
67~99で『外の目立つところに時限爆弾が配置される』
00で全部
神様「とぉっ!」トスッ
線路・中央
天使「イベントは……ポイント獲得方法の改変!今日に限り、生存した参加者のみにポイントを与える!」
葛斎「これは……」
ゆりあ「私達にめちゃくちゃ有利なイベントですな!宝石を所持し続け居場所を晒すデメリットも、もう一個奪いに行かなくてはならないデメリットも無視できますぞ!」
ゆりあ「あとは宝石をポイして適当な場所に隠れていればそれだけで勝ちですぞ!」ダッ
葛斎「そっ、そうですわね!さっさとどこか隠れられる場所に行きましょう!」ポイッ
住宅街・南西
四雫「ここをこうして……」パキンッ
三夏「よし!窓が開いた、皆中に!」
ゆりあ「あとはこのお家に隠れてるだけ……こんないっぱいのお家からピンポイントに私達を探し出すなど、あと二時間にも満たない時間内では不可能ですな!」コソコソ
葛斎「これで私達のポイントは2……大勝利ですわ!」コソコソ
小尋(やっべー……)
小尋(昨日の獲得者があいつらじゃないなら、そいつの優勝を阻止するためにもここで隠れてるだけなんてできない。昨日の獲得者はやっぱりあいつら二人だったのか)
小尋(あいつらのどっちかが生きてるだけで、バトルロワイヤルが終わっちまう。今日あいつらを殺すのはマスト!)
小尋(でも……俺の能力じゃ無理だよなぁ。かといって他の奴らが代わりに殺してくれるのは期待できない……だってこいつらがここに居ることを知ってるのは俺だけだから)
小尋(となると……しゃーねぇ、あれ、やるか……)スッ
ビル街・北
ゼーレ「生存者にポイントを……!?」
ゼーレ(これは……大変まずいことになりましたね。相手のチームはこれであと隠れているだけで勝利できる。私達はそれを探し出して殺すことができねば、バトルロワイヤルが終了、敗北……)
ゼーレ(距離を置いたままイベントを待っていたのも裏目に出ました……近くなら隠れる所を抑える……あるいはどの辺りに隠れたか目星を付けるくらいはできたはず)
ゼーレ(だがこうも離れていては……何のヒントもない上に、そもそも距離があるせいで探す時間が短くなる)
ゼーレ(探し出すのはほぼ不可能……とはいえ、何もせずに居るわけにはいきません)
ゼーレ「……三手に別れて探しましょう。結衣さんは北西、私は西、イットさんは南西を」
結衣「……はい!」タッ
イット「了解」ダッ
ゼーレ(宝石の反応からして、少なくとも先ほどまでは西に居たはず……それ以上のヒントはない。僅かな可能性に賭けるほかない……!)ギリッ
ゼーレ「やはり性に合いませんね……何かが思い通りに行かないというのは……!」
河川敷・中央
結衣(あの二人を見つけないと私達の負け……だけど、本当に見つけられるのかな……街一つ使ったかくれんぼなんて、鬼がめちゃくちゃ不利だと思うけど……)タッ
結衣Ⅱ(……人影!もしかしてあの二人、いや、あれは……)ピタッ
小尋「うおっ、お前かよ運悪……いや、いいのか」キキーッ
結衣(昨日会った『モザイク化』の人!……けど、モザイクじゃない?)
小尋「よっと」コトンッ
結衣(何か置いた……スマホ?いや、この街にスマホって持ち込めないんじゃ……何かの能力で生み出した?でもあの人の能力って……)
小尋「お前なら、これが罠じゃないって分かるだろ……970306。写真……とメモ……後は任せた!」バビュンッ
結衣「わっ」
結衣(一瞬モザイクになったかと思ったらすぐに元に戻って、すごいスピードでどっか行った……昨日もなんか急に早くなったし、おまけ能力?)
結衣(スマホ置いてったけど……最後に言ってた970306ってパスワード?……罠じゃないだろうし、見てみようかな)スッ
結衣(写真とメモ……これは、二人がどこかの家に入る所の写真!……とそこへの行き方!)
結衣「ゼ、ゼーレさん!」プルルル
住宅街・南西
ゼーレ「写真を見る限り……ここ、ですね」ザッ
イット(ここにあの二人が……)
ゼーレ(僥倖でしたね……イベント前から彼女達の位置を把握している参加者がいたとは……)
ゼーレ(再集合に少し時間がかかりましたが、ここを攻め入る時間は十分に残っています……!)
結衣「……どうしますか?家に入るのは確定ですけど、誰が先頭を……」
ゼーレ「そうですね。ここは……『下1』が先頭を務めるとしましょう」
ゼーレが選んだのは『下1』だった!
1.ゼーレ・フォン・ロックウッド
2.イット
3.後藤結衣
誰だった!?1~3番から選んでね!下1だよ!
葛斎「新しいカッターに、はさみなんかも使えそうですわね。ホッチキス……はどうでしょう?」ガサゴソ
ゆりあ「むっ、もしかしたら周りに気付かれるやも、屋内とはいえあんまり物音立てない方がよいですぞ」
葛斎「そうは言っても……昨日、カッターに付喪神を使ってしまったので、付喪神を使えるアイテムがないのですわ」
葛斎(『付喪神』を一度使用した持ち物に再度付喪神を使うことはできない……)
葛斎「明日用にアイテムを調達しておかなければなりませんわ」ガサゴソ
ゆりあ「いや、今日でバトルロワイヤルはあたし達のダブルフィニッシュで終了なんですぞ?万が一にも三日目が来るとは……」
四雫「……姉上、こうも同じ部屋に全員が固まっているのは危険です。何人か別室に行くべきかと」
ゆりあ「なんですかな四雫まで……今日はここで隠れてるだけで終わりですぞ!可愛い妹達が戦う必要も準備も必要ないのですな!」
七音「それでも……万が一、万が一もお姉ちゃん達と離れ離れになっちゃう可能性があるなんて……嫌だよ、私」
ゆりあ「……七音……」
葛斎(このバトルロワイヤルが終わって願いを叶える権利がなければ、ゆりあさんと能力によって存在している妹さん達はお別れ……それは必死にもなろうというものですわね)
葛斎(……いや、ちょっと待ってくださいまし。今まで深くは考えませんでしたけど、これってまごうことなき人体錬成ですわね?しかも記憶含めて完全にゆりあさんが創り出したもの……えっと、道徳的にどうなんですの?これ)
ガチャッ
ゆりあ「!」
一花「い、今のって葛斎さん……?」
葛斎「いや、今のは……」
ゆりあ(ここに隠れているのがバレた……!?)
イット(慌てて隠れたのか、土足で廊下や階段を歩いた跡がある。それを辿るに、隠れているのはこの部屋か)グッ
ゼーレ(彼女らの性格上、人形含め全員が同じ部屋に居るはず。そこを一網打尽にしましょう……!)
ゆりあ(足音が扉の前で止まった……)
ゆりあ「葛斎殿……」ボソッ
葛斎「分かってますわ……」
葛斎(相手が誰だか知りませんが、この部屋に踏み込んできた瞬間に、強化カッターでざんばらりですわ!)ゴクッ
ゼーレ『……やはり、あなたの「真上」のようです。それでは、お願いします』
結衣Ⅱ「了解です……真上に『分身』っ!」
ポポポンッ
結衣Ⅲ~Ⅴ「……」スタタッ
葛斎「っ!?」バッ
葛斎(部屋の中に急に少女達が!?この子達は一体……!)
ゆりあ(全員同じ顔……他の参加者の能力ですかな!?)
イット(こうして扉の前から意識を逸らした所を……)ダンッ
葛斎「しまっ……!」
結衣Ⅲ(私達の『分身・体内召喚』と……)
イット(私の『一刀絶閃』で……虐殺する!)
三夏「っ!」
ビシャバシャアッ!
イット「……ふん」キンッ
ゼーレ「……いやぁ、あなたに先頭を任せてよかった。できれば明日も、チームに欲しいですね」
イット(……?何か含みのある言い方だな……?)
葛斎「……」ゴロン
イット(ふん……こいつ、服装からして手品師か何かか。手品師が視線誘導に引っかかるとは笑えないな)
葛斎「……う」ピクッ
イット「っ、傷が浅かったかっ!」バッ
葛斎(斬られる直前……誰かに、体を押され……誰に……いえ……今は……!)カッ
イット(こいつ、まだ意識がある……もう体は動かせんだろうが、能力を使われる前に早くとどめを……!)チャッ
ズダンッ!
ゼーレ(後方!まずい、伏兵が……!?)
四雫「はあああっ!」バッ
ゼーレ「ぐお……っ!」バゴンッ
ゼーレ(結衣さんに聞いていた、強化人間ですか……っ!ここまでとは……)
イット「ゼーレ!」
四雫「貴様ああああっ!誰を斬ったああああっ!」ビュンッ
イット(こちらに来る……だが奴の攻撃方法は徒手のみ!ならば問題はない、何も……!)
四雫「はあっ……あっ……!?」ズバッ
四雫(私の手刀が当たる寸前、いや当たった瞬間、腕が……!『付喪神』で強化された防御力を超越している……こいつの能力、斬撃ではなく『切断』か!しかも体に触れるだけで発動する!)
イット「触るもの皆……という奴だっ!」ズバッ
四雫「ぐあっ……」ドサッ
イット「はぁっ……忌々しい、くだらん抵抗を……っ!」ドスッ
葛斎「……っ」ビクンッ
姉帯 ゆりあ:死亡
柏手 葛斎:死亡
イット「ゼーレ!」バッ
ゼーレ「ふぅー……油断、しましたね。彼女らを侮っていました……」ゴフッ
イット(傍から見てあの威力……間違いなく内蔵が潰れている。意識を保っているのが奇跡だ)
イット「私の、せいか……?」
ゼーレ「ふふっ……心配ありません。私達二人の内、どちらかが生きていればよいのですから」
ズクンッ
イット「ごあっ……?」ビシャッ
イット(な、なんだこの痛みは……喉の奥から、血が溢れて、止まらない。痛みで立っていられない……っ)ドサッ
ゼーレ「……よし」スクッ
イット(何故、私が倒れゼーレが立つ……私に傷を転移させたのか……?)
イット「ゼーレぇえ……!」
ゼーレ「……」スタスタ
イット(いや、別に構わないんだ……だって私とゼーレの願いは同じ、だから、生きるのは彼でも……)
イット(……本当に、そうか……?身体、異能、共に勝る私がポイントを獲得しておくべきじゃないのか……?何か反論があるんだとしても、こんな、何も言わず、裏切るみたいに……)
イット(裏切り……いや、それだけはないんだ。それだけは絶対にない。奇妙な確信がある。でも、じゃあなんだ、この惨めな、惨めな……!)
イット「なぁあ……違うだろう……私は、ゼーレは私を裏切ってなんか……なぁ……!」
イット「あぁあ……っ」カクッ
イット:死亡
ゼーレ「お疲れ様でした。上の敵チームは全滅しましたよ」スッ
結衣「ゼーレさん……イットさんは?」
ゼーレ「彼女は……敵チームの抵抗から私をかばって……」
結衣「そう、ですか……」
ゼーレ「いえ、あなたが気にすることはありません。なに、大丈夫ですよ。彼女の願いは私の願い……二人の内どちらかが生きていればよいのですから!」
ゼーレ(……そう、どちらかが)
『善夜 小尋』『後藤結衣』『ゼーレ・フォン・ロックウッド』『漆崎夜留』が1ポイントずつ獲得!
異能力者七人のバトルロワイヤル!二日目が終了した!
二日目終了・現状
1.柏手 葛斎
ポイント:1
M P:40
登 録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター、はさみ
2.イット
ポイント:0
M P:30
登 録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)
3.姉帯 ゆりあ
ポイント:1
M P:50
登 録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし
4.善夜 小尋
ポイント:1
M P:110
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
5.後藤結衣
ポイント:1
M P:90
登 録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:分身一体(MP60)
6.ゼーレ・フォン・ロックウッド
ポイント:1
M P:50
登 録:『イット』『後藤結衣』
持 ち 物:なし
7.漆崎 夜留
ポイント:1
M P:90
登 録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
天界・振り返り
神様「『善夜 小尋』『後藤結衣』『ゼーレ・フォン・ロックウッド』『漆崎夜留』が二日目の獲得者か……」
天使「大盤振る舞いですね」
神様「大味なイベントだったよね……『葛斎・ゆりあチーム』の居場所が割れなかったら全員ポイント獲得まであったんじゃないの?」
天使「まぁでもその『生き残ればポイント』って前提がなければ小尋も他の参加者に二人の位置を無条件に教える線は薄かったことを考えると……全体で見れば『葛斎・ゆりあチーム』には不利なイベントだったかもしれませんね」
神様「生き残れば勝ちだったけど……自分から閉所に入って、イットと結衣に先手を取られちゃあ……ねぇ」
神様「そこはイットと結衣を同じチームに引き込んでまとめたゼーレがファインプレーだったね」
天使「いかに『葛斎・ゆりあチーム』を倒すという目的が合致してるとはいえイットと結衣が二人で自然に協力していたかどうかは微妙な所ですしね」
神様「となると開始時、イットに『支配者』の発動を成功させたのもかなり大きいか」
天使「更に遡れば彼がボーナスを受け取っていなければこうはなっていませんでした」
神様「一つの行動が全ての結果に作用する。バトルロワイヤルっぽいよねぇ~」
神様「だけど一番大きかったのは小尋の行動……というか存在、かな」
天使「さっきも少し言及しましたが、彼が『葛斎・ゆりあチーム』を張っていなければ誰にも彼女達を見つけられずバトルロワイヤルが終了してましたからね」
神様「更に言えば彼の能力が隠密系じゃなかったら尾行すらできてないし……おまけ能力の加速状態がなかったら結衣に情報を伝えるのが遅れて『葛斎・ゆりあチーム』を倒す時間がなかったかも」
天使「しかもスマホが能力に組み込まれてなかったら、スマホが使えず今日みたいなスムーズな情報伝達できなかったでしょうね」
神様「こいつ今日のためだけに生まれて来たのかな……小尋というよりは能力の方が大事だったんだけど」
天使「色々なことが嚙み合って一つの結果を生み出す。大味な結果になりましたが、割とバトルロワイヤル要素の強い一日だったんじゃないでしょうか」
天使「明日は誰が勝つと思いますか?」
神様「三人チームの『イット・結衣・ゼーレ』……と言いたい所だけど、日を跨ぐと状態系の能力は効果が切れる(過去作「3」参照)から、イットへの『支配者』はもう切れちゃうんだよね」
神様「そうなると関係こじれるどころじゃないだろうし……チームとして動けないどころか敵同士になっちゃうから全員厳しいんじゃないかなぁ」
神様「となると……今ほぼ全員ポイントが横並びになって警戒が薄れてる『葛斎・ゆりあチーム』がやっぱり本命……いやそれでも二個も取れるかどうかは微妙か……」
神様「こうなると実は小尋が強いのかな……?最初の宝石配りに当たっちゃえば後は逃げまくるだけでなんだかんだ勝っちゃったり」
天使「一日目と言ってることが違いますけど」
神様「さて。皆は明日、誰が宝石を獲得すると思う?順位予想最下位ボーナスゲーム!」テテーン
神様「今から皆に明日の勝者予想を書き込んでもらうよ!」
神様「被りは除外して、六人の名前が出た時点で予想締め切り!」
神様「最後まで名前が出なかった……つまり勝ち目がないと予想されている参加者にはボーナスをあげるよ!」
1.祖父っ子手品師『柏手 葛斎』
2.黒づくめ辻斬り『イット』
3.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』
上記の七人の中から『こいつが勝ちそう』と思う奴を選んで書き込んでね!
(書き込む時はそう思う理由も一緒に書くと楽しいぞ!)
(被りを除外して、六人の名前が書き込まれた時点で予想を締め切って、ボーナスを決めるタイムに突入するぞ!)
神様「はい!六人の名前が出ました!予想締め切り!」
天使「最後まで名前が出なかった……勝ち目薄と思われる参加者は『7.漆崎 夜留』となりました」
神様「これまたいい所なしだったよね、こいつ。今日何もしてなくない?」
天使「まぁ……手がかりの宝石が無意味になった時点で特にできることなくなっちゃいましたし……余計な事せず、結果ちゃんと生存してポイント獲得してるので、行動自体は最善だったと思いますが」
神様「はい!というわけで夜留くんにボーナスをあげたいと思います!」
夜留の身に『下1~3』のどれかが起こった!
(起こるボーナスを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物、ボーナスにならない物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
神様「ボーナスルーレット決定!天使くん。ダーツを」
天使「はいはい」ガラガラガラ
天使「ほっ」ギュルンッ
神様「行くぞ~」
次のレスのコンマが
01~33で『昨日の戦闘の映像が見られる』
34~66で『好きな相手1人の能力が書かれた紙を貰える』
67~99で『バイクを使ってもよい』
00は全部
神様「とぉっ!」トスッ
神様「ボーナス決定!」
天使「『バイクを使ってもよい』……ですね。用意しときます」
神様「バイク、バイクかぁ……これ強すぎない?路地裏とか学校内とかじゃ使えないだろうけど……」
天使「逃げに関しては最強ですね。今回の参加者の中にバイクと並走できる能力はないでしょう。一度宝石を取ればあとは逃げるだけで勝てますね」
神様「強いていうなら小尋の加速状態か葛斎の強化状態なら、同じかそれ以上のスピードが出せるだろうけど……どっちも使える秒数が少ないからなぁ……」
天使「でも初日みたいなフィールド全体に作用するイベントが来る可能性も考えれば……まぁそれを差し引いても強いですね」
神様「よし、じゃあ天界パート終わり!三日目開始!転送!」バッ
天使「……って神様。『下1』と『下2』の初期位置がもろ被りじゃないですか」
神様「我々はランダムな点描と言えば満遍なく広がった模様を思い浮かべるが『満遍なく』という状態こそ一種の偏りであり、真のランダムな点描ならばむしろ(以下略)」
1.祖父っ子手品師『柏手 葛斎』
2.黒づくめ辻斬り『イット』
3.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』
誰と誰の位置が被った!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)
線路・南
結衣「わっ」シュンッ
結衣Ⅱ「また瞬間移動……なれないわね」スタッ
結衣「バトルロワイヤル三日目……早速イットさん、ゼーレさんと合流しましょう」プルルル
結衣(……?特殊レーダーの通話が繋がらない。通話できない状態なのか、先にイットさんと通話してるのか……)
結衣Ⅱ「じゃあ、レーダーの反応頼りに先にゼーレさんの方へ移動しておきましょうか」スタスタ
小尋(ま~た開始と同時に他の奴を見つけちまった~ぁ)コソッ
小尋(見つけたのは俺を殺したあのメスガキ……特殊レーダーで通話しようとしてたってことは、昨日誰かとチーム組んだってことか……?俺の誘いを断ってぶっ殺しておきながらあのメスガキ……!)
小尋(こいつを尾行してれば、もう一人の協力相手にも会える。とりあえずこのまま尾行しておくか。俺の必勝パターンだな)
小尋(昨日はこれでポイント獲得したようなもんだし、今日も漁夫って優勝してやる!)コソコソ
河川敷・南
イット(……街への転送、バトルロワイヤル三日目が始まって……)スタッ
イット(っ……?私は昨日……?)
イット「あっ!あああ、あぁ……っ!?」ガクッ
イット(なんだこの、記憶は……!これは本当に昨日の私か?何故、奴にこうも体よく利用されて何もしていない……!?)
イット(昨日の思考を辿れば辿るほど矛盾が生じる……っ!何が誰かを信じるだ……!明らかに操られているではないか!)
イット(そうか、これがあいつの能力……『人を操る能力』か!)ギリッ
イット(……通話?あいつからか……!)プルルル
ゼーレ『おはようございます、イットさん。今日も私と協力して……』
イット「うるさいっ!誰が、お前なんかとぉ!」
ゼーレ『……一応、心の底から私に従っていた可能性に賭けてみたのですが、いやはや残念です』
イット「そんなわけがないだろう……!能力で私の裡を侵した貴様を、私は絶対に許さない……っ!絶対に殺す!そこで怯えて待っていろ!」ブチッ
イット(チームとして振る舞うためとはいえ、私とレーダーを相互に登録したのは間違いだったな……!お前の位置は私に筒抜け……)
イット(……!?奴の反応がこちらに近づいてくる!?馬鹿な……洗脳が成功しなければ奴はただの無能力者、私から逃げる立場にあるはず……)
イット(洗脳が成功しなければ……そうだ、奴の能力発動の条件はなんだ?対象に触れること……?いや違う、操られもしない状態でこの私が他人の手を取ったりするものか。あの時既に私は洗脳にかかっていたんだ)
イット(ならば会話か、視認か……いや両方簡単すぎる。消費MPが100に設定されていたとしてもコストパフォーマンスが釣り合わない。それなりに難しい条件が付されているはず……会話と視認、その両方か?それならば辻褄は合う)
イット(しまった……!だとしたら、私はさきほど『会話』の方の条件を満たしてしまった……!あとは見られるだけで、私はもう一度、奴に……!)
イット(……奴が、近付いてくる。やはり私を洗脳する条件は既に整っている……!クソ……逃げるしかない!)ダッ
イット「うううう……!絶対、絶対に許さんぞぉ……!」
路地裏・西
ゼーレ(イットさんの反応が遠ざかっていく……どうやら、ちゃんと『勘違い』してくれたようですね……)
ゼーレ(心揺さぶられ、私の手を握るまでは間違いなく彼女自身の意思ですが……ああいったプライドだけ高いタイプはそれを絶対に認めない。その弱さを自分以外に求める。更に言えばそれ故にもう一度操られることに対する恐怖も強いはず……心理的に私に近づくことはできない)
ゼーレ「本当……扱いやすい人間ですよ、あなたは」ニヤッ
結衣『……あっ、繋がった。ゼーレさん?』
ゼーレ「はい、結衣さん。今日もよろしくお願いします」
結衣『あの……どこに向かってるんですか?先に三人で合流を優先させた方が……』
ゼーレ「いえ、三人も居るのですから、ここはフィールド全体の把握も行っておきたい所です。合流気味に動きますが、結衣さんは移動する私に合わせて合流を目指していただきたい」
ゼーレ(イットさんにプレッシャーをかけ続けておかねば)
結衣『はぁ……了解です』
ゼーレ(後はイットさんの動きをコントロールしながら、他の参加者を『お友達』にできれば、私が過半数の参加者の動きを支配することになる。勝利は半ば必定……!)
ゼーレ「うーん……やっぱりいいですね。努力がじわじわと実っていく様は」
ビル街・中央
葛斎「うわぁっ」フラッ
葛斎(街に転送……始まりましたわね!バトルロワイヤル三日目!)
葛斎(各参加者のポイントは……一人を除いて全員1ポイントで横並びですわね……これだけリーチの参加者が居れば、まず間違いなくバトルロワイヤルは今日が最終日!負けられませんわ……昨日はころころされてしまいましたが今日こそ大勝利してみせますわよっ!)キッ
葛斎「つきましてはゆりあさんに連絡を……」プルルル
ゆりあ『おっ、葛斎殿ですな!また初期位置は遠くに転送されてしまったようですが……またすぐそっちに行くので待っていて欲しいですな!』ガヤガヤ
葛斎(……向こうから話声が聞こえますわね)
葛斎「妹さん達は無事でしたの?」
ゆりあ『残念ながら無事ではなかったのですが……もっかいMPを全消費して全員生き返らせたったりましたぞ!昨日の回復分を温存しておいてよかったですな!』
葛斎「……生き返った……でもそれってあなたに作られた記憶と命であって……昨日の妹さん達と同一人物って言えますの?」
ゆりあ『…………葛斎殿は昨日の自分と、今日の自分。連続した存在であると証明できますかな。目をつむり眠り落ちた瞬間、あなたの世界は一度停止し……』
葛斎「うわああああ眠れなくなっちゃうからそういう哲学的に怖いこと言うのやめてほしいですわ!」ブチッ
葛斎(と、とにかく……頑張りますわよ!)
交差点・c3
夜留「おっ」スタッ
夜留(三日目が始まった……ってことは、やっぱりこのバトルロワイヤルは昨日で終わらなかったみたいだな)
夜留(イベント以降、できることもなくなって他力本願になってしまったが……こうしてポイントを獲得して次の日を迎えられたんなら結果オーライって所だな)
夜留「さぁて、今日はどうするか……」
天使「おい、夜留。お前にいい知らせがある」
夜留「……いい知らせ?宝石配りまではまだ時間があるはずだが……」
天使「このバイクをお前にやる」ズドンッ
夜留「あぁ……?どういう、ことだ」
天使「お前昨日いい所なしだったからな。皆お前は負けるだろうって考えてるんだ」
夜留(……皆?)
天使「そこでバランス取るためにこのボーナスってわけだ。好きに使え」
夜留「……まぁ、くれるってんならもらうか」
夜留(これがあれば追跡も逃走も群を抜く……ありがたく使わせてもらうか)ニヤッ
住宅街・南東
ゆりあ「えっほ、えっほ」タッタッ
一花「ねぇ、あとどれくらいで着くの?」
七音「距離的には……今日はそんなに急いでないから休み休み行くとして……葛斎さんの所に着くのは宝石配りのちょっと後かな」
五樹(宝石配りに当選すれば位置がバレる。それまでになるべく葛斎さんとの距離を詰めておきたい所だけど……)
六夢「……ん……」ピクッ
六夢(誰か……居る……?)
2.黒づくめ辻斬り『イット』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』
『姉帯ゆりあ』が出会ったのは誰!?2、4~7番の中から選んでね!(葛斎の1番は除外)下1だよ!
ゼーレ「おや……あなたは」
ゆりあ「むむっ、初日に真っ先に死んだ人……」
四雫「っ!姉上!こいつは昨日私達を襲ったチームの一人です!」
ゆりあ「なんですと!?」
四雫「能力は分かりませんでしたが……殺しますか!」バッ
ゆりあ(いえ、多勢に無勢と言えど相手も能力者……葛斎殿なしでは勝てる保障もない上に、そもそもガン逃げされたら勝負することすらできませんな)
ゆりあ「……この人は無視!ここは葛斎殿との合流を優先しますぞ!」
四雫「……では姉上。私が残ってこいつを監視します。連絡のために特殊レーダーを」スッ
ゆりあ「!?」
三夏「あぁ?お前話聞いてたのかよ。葛斎さんとの合流を目指すって……」
ゆりあ「そうですぞ!一人で監視など危険な役目……!」
四雫「……姉上は、私を見つけてくれた……暗殺者として育てられ、人を殺すことしか能のなかった私を、妹にしてくれた……誰かと笑う幸せを教えてくれたっ!」
四雫「私や他の妹達を戦いから遠ざけたいというその女神のような慈愛……いたみ入ります。ですがなればこそ!私はこの先も姉上と一緒にいたい……!姉上も同じように考えていてくれるのなら、どうかこのバトルロワイヤルで優勝することを第一に考えていただきたい!」
四雫「そのためにこの人数差を生かすにはどうすればいいか……私に、命令を」
ゆりあ「四雫……!」
ゆりあ(四雫は育ちのせいで、自分のことを軽く扱う癖があった……姉妹になったばかりの内は、大きな怪我も隠したりして、だからあたしは過保護と言われるくらいにこの子を甘やかして……)
ゆりあ(でも、今回のは違う。四雫は犠牲になりたくてこう言ってるんじゃない……四雫。あなたはもう、血の通わない暗殺者なんかじゃない。私達と未来を見てくれる、普通の女の子になれたんですな……!)
ゆりあ「……四雫!ここは任せましたぞ……必ず、現世で再会しましょうぞ!」ダッ
ゼーレ(監視……ですか。追ってくれるなら合流を阻止できて好都合だったのですが……やれやれ、狂人のお人形遊びの割にはかなりいやらしい手を打ってくる)
四雫「……」ザッザッ
ゼーレ(一定の距離を置いてぴったりついてきますね……残り一回きりの『支配者』を人形に使うのは早計……とはいえ能力なしでは互いに丸腰、無理に飛びつけばこちらが返り討ちになる可能性もある……やれるとしたら、やはりお話……無駄だとは思いますが、やれるだけやっておきますか)
ゼーレ「……四雫さん、でしたね?あなた達の願いはどうやら現実でも一緒に暮らすことのようですが……世界平和と比べればちっぽけなことだとは思いませんか!」
四雫「ふん……下手な芝居を打つなよ外道。昨日の死に際、お前があの軍服の女を裏切ったのを私は見ていた……私も少しは世界の裏という奴を知っていてな、お前のような小狡い小悪党の厄介さには幾分か覚えがある。だからこそ私はお前を監視するんだ」
ゼーレ(これは残念。なら別の切り口から……)
ゼーレ「……ほう、人形のくせに口が回りますね。私を嫌うのともかく、何故あの女のために動くのです?あの女はあなた達でお人形遊びをしているだけに過ぎない。記憶まで紛い物、勝手に妹だなんだと植え付けて……腹が立つでしょう。あの女に反抗しようとは思わないのですか?」
四雫「思わん」
ゼーレ「それこそが人形である証左だと何故気が付かないのです?あなたはあの女に敵対心を持てないように『設計』されているんですよ。もしあなたが自由な自我を持っていると証明したいなら、あの女を殺すことでしかそれはなりえません」
四雫「安い誘導だな。姉上が授かった能力は紛れもなく『命を創造する能力』だ。それはお前の言うような『設計』だとか俗な概念が割り込む余地のあるものではない」
四雫「私は姉上に救われた……これは紛い物の記憶なんかじゃない。私がこの記憶を持って生まれたからには、それは絶対にこの宇宙のどこかで存在していた時間なんだよ」
ゼーレ(やはり無駄でしたか……作者が狂人なら、人形も狂人ということですね……まぁ、彼女に関してはその内結衣さんと合流した際に処理を任せればいいでしょう)
ゼーレ(さて、そろそろ宝石配りの時間。一日目も二日目も当選しませんでしたし、最終日くらいは運に恵まれたい所ですが……?)
現状
1.柏手 葛斎
ポイント:1
M P:90
登 録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター、はさみ
ビル街・中央にて『姉帯ゆりあ』の到着を待つ。
2.イット
ポイント:0
M P:80
登 録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)
『ゼーレ・フォン・ロックウッド』から逃げて河川敷・南から移動している。
3.姉帯 ゆりあ
ポイント:1
M P:0
登 録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし
『柏手 葛斎』の所へ移動中。特殊レーダーを四雫に預けている。
4.善夜 小尋
ポイント:1
M P:140
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
モザイク状態で『姉帯ゆりあ』を尾行している。(気づかれていない)
5.後藤結衣
ポイント:1
M P:140
登 録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:分身一体(MP110)
『ゼーレ・フォン・ロックウッド』を追いかけている。
6.ゼーレ・フォン・ロックウッド
ポイント:1
M P:100
登 録:『イット』『後藤結衣』
持 ち 物:なし
『イット』を追いかけている。四雫に監視されている。
7.漆崎 夜留
ポイント:1
M P:150
登 録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
そんなこんなでついに午後零時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!
誰と誰だった!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)
ビル街・中央
天使「ほらよ。今日もお前が当たりだ」ポイッ
葛斎「ツいてますわ!」パシッ
葛斎(もう一つの宝石は……北に移動している?私から逃げてるようにも見えますが……?)
葛斎(……というかゆりあさんの反応がもう一つの宝石を追いかけてますわ!)
葛斎「ちょっ、先に合流する約束だったのではなくて……!?」
ゆりあ「到着しましたぞーっ!」キキーッ
葛斎「んわぁ!?ゆ、ゆりあさん!?レーダーの反応は別の場所にあるのに何故……?」
ゆりあ「特殊レーダーは四雫に預けてきたのですな!その反応がある所に四雫ともう一人、あのおっさんが居るんですぞ!」
葛斎「……!」
葛斎(ゆりあさん、あんなに妹を危険な目に遭わせることを嫌っていたのに……!三日目にして、腹をくくったというわけですわね。ならばこちらも応えなくては……!)
ゆりあ「四雫がマークしてくれてる相手をとっととぶっ殺しに行きますぞ!」ダッ
葛斎「えいえいおーですわ!」
図書館
天使「よっ、もっかい当たりだってよ、お前」
イット「おお……!」スッ
イット(これは……僥倖!宝石を持つことで、私の元に他の参加者が集まりやすくなる。そうなれば私を追っているゼーレと鉢合わせになる参加者も一人二人出てくるはず!)
イット(そいつにゼーレの相手をさせれば、『洗脳』を使わせれば、私がこうして逃げる必要はなくなる!)
イット(よし……丁度もう一つの宝石の反応がゼーレの方向へ向かっている……!)
イット「……場合によっては、私が直接殺すことはかなわんかもしれんが……もう一度奴の傀儡になるよりかは何倍もマシだ……!」
イット(頼む、誰かあいつを殺してくれ……!)ギュッ
河川敷・南
ゼーレ「天使さん、今日の宝石配りは……」
天使「ざんねーん」
ゼーレ「……そうですか」
四雫(……!葛斎さんと宝石の反応が重なっている!)
ゼーレ(あの女が駆けていった方向からして……向こうのチームに一つ宝石が渡りましたか)
四雫「くく……やはりお前は、神の力に手をかける器ではないということだ」
ゼーレ「……自分の創造主こそがそうだと?盲信甚だしいですね。哀れですらある」
ゼーレ(もう一つの宝石は……イットさんですか)
四雫(……?もう一つの宝石が私……いや、この男から遠ざかるように動いている?)
四雫(この男の足取りに迷いはない。昨日の少女と合流を目指しているものだと思っていたが……違うのか?しかしあの少女以外でこの男の位置を把握し、逃げる理由がある者といえば……)
四雫「……そうか、あの宝石の反応は軍服の女か」
ゼーレ「……」
ゼーレ(目ざとい人形ですね……こういうタイプは厄介、しかも本体のチームがそろそろ合流してこちらに来るはず)
ゼーレ(ここは……イットさんへのプレッシャーを弱めることになりますが、少しペースを下げて結衣さんとの合流を早めた方がいいですね)スッ…
商店街・東
結衣「あっ、なんかゼーレさんの動きが遅い……?」タッタッ
結衣Ⅱ「これでやっと合流できそうね」タッタッ
小尋(ゼーレ……って誰だ?……ダメだ。名前からじゃ男か女かも分からん。あのチームの女二人じゃないことは確かだろうけど)
小尋(ま、どちらにしろついていくしかないわな……宝石配りに外れたからには、どうにかして他の誰かから奪わねぇと……!)
交差点・c3
夜留「……おい天使」
天使「宝石なら外れだ」
夜留「……っかぁ、これで三回目だぞ……一回ぐらい当たってもよさそうなもんだが……」
夜留(初日に寺荒らしたからバチが当たってるのか……なんてな)
夜留「まぁ、肝心なところで幸運を当てにする勝負師は三流。不運なら不運なりに勝たなくっちゃあな」グッ
夜留(さて……宝石の反応は真逆、南東のは北西に上がる動き……北の方はそれから逃げている。バイクならどっちでもすぐだが……どっちの宝石に行こうかね)
夜留が取った行動は『下1』だった!
1.『葛斎・ゆりあチーム』のもとへ爆走!追いかける方から奪った方が後々楽だろう。
2.『イット』のもとへ爆走!逃げ腰の奴から奪う方が楽だろう。
どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!下1だよ!
天使(2回目当たったこと忘れてるな)
>>187
完全に勘違いしてました。申し訳ございません。
過去について言及する時はちゃんと確認を取りながら書くべきだと思います。
住宅街・北東
イット(他の参加者の位置にもよるが……後十数分で誰かがここに来るはず……)
ブオオオンッ!?
イット(……っ早い!余程近くに潜んでいたのか……いや、それよりこの音は……?)
夜留「よぉ……」!?
イット「バイク!?」!?
イット(馬鹿な……確かに街を探せばバイクなどいくらでもあるだろうが、それを動かす鍵が刺さっていなければ無意味……まさかたまたま鍵が刺さったままの不用心なバイクを見つけたとか……?いや、まさか別の能力で……?)
天使「んあー……これ説明しないのはギリ不公平か。説明する。あれはボーナスだ。お前らに配られた異能力によるものじゃない」
イット「ボーナス……!?」
夜留「そういうわけだ……それじゃあ行くぞ!」ブロンッ
イット(真っ直ぐ向かってくる……私を轢き殺すつもりか?)
夜留「それだけじゃない!」ギャリィンッ
イット「ぐっ……」ビスッ
イット(すれ違いざま、同時に射撃か……!体の正中線は軍刀でガードできても、それ以外の場所は……)バッ
夜留「バイクを避けながらどこまで持つかな……!?」ズザアッ
イット(あんな高スピード相手ではカウンターを狙うのも厳しいか……このままではジリ貧、ならば!)
イット「宝石なぞ……くれてやるっ!」カラァンッ
夜留「……どういうつもりだ?」
イット「ふん……お前は知らんだろうが、参加者唯一の0ポイントは私だ……自力で願いを叶えるには今日宝石を独占するか、それをできなければ敗北……流石にこの状況で自分が優勝できると考えるほど驕ってはいない」
イット「私はもう、自分の願いなどどうでもいいんだ……!私の狙いは復讐!ゼーレ・フォン・ロックウッドの優勝を、なんとしてでも妨害すること!」
イット「ここで死ぬわけにはいかん……宝石ならくれてやる。私を見逃せ」
イット(……とはいえ、あいつには私を見逃す理由などない。宝石を拾った上でもう一度私を殺しに来るだろう。そこを……)
夜留「……分かった。それじゃあな」ヒョイッ
イット「あ……?」
夜留(さて、後はこれで逃げ回るだけで勝ち……一応他の奴とは出くわさないようにもう一つの宝石の反応から遠い場所に逃げるか……)
イット「ま、待て貴様っ!」
夜留「ん?なんだよ。宝石なら返してやらんぞ」
イット「何故私を殺さん!私を見逃す理由などないだろう!」
夜留「理由ならある。一つ、お前に他の奴らと潰し合ってもらえれば、俺の逃げ切る確率が更に上がる」
夜留「……それにもう一つ。俺は勝負師、疑心暗鬼の坩堝をいくつ潜り抜けてきたか知らん。だからこそ嘘かどうかには鼻がよく利く……『私はもう、自分の願いなどどうでもいい』……だったか。あの言葉に嘘はなかった」
イット「なっ……」
夜留「ちなみに宝石に結んであった髪の毛はほどいておいた。これが罠だったんだろう?まぁ、こうなりゃ発動する理由もないだろうが……じゃあな」ブオオオオンッ
イット「私が……嘘をついていなかっただと……?」
イット(そんなはずはない。私は今でも、戦争が続くように願っている。それを叶えるつもりでいる。それが叶わなくてもいいだなんて、そんなこと……)
イット(私は、戦争が好きなんだ、人を切るのが好きなんだ……!今までずっと、私は……!)
河川敷・南
ゆりあ「四雫ーっ!」ダッ
四雫「……姉上!お待ちしておりました!」ダッ
ゼーレ(向こうのチームが戻ってきてしまいましたか……だがしかしこちらも)
結衣「ゼーレさん!」
ゼーレ「はい。よくぞ来てくれました」
四雫(向こうも揃ってしまったか……だが)
四雫「そこの少女……結衣、だな!そいつとのチームをやめろ!」
結衣「えっ……?」
ゼーレ「……」
四雫「そこの男は軍服の女を裏切った!自分の傷を女に押し付けたんだ!お前もいつ同じ裏切りに会うか分からんぞ!」
葛斎「そうですわよ!」
結衣「で、でも……二人は願いが同じだって言ってて、多分、イットさんも自分が死ぬことに納得してたはず……」
結衣(……それでも、なぜわざわざゼーレさんの方を優先して……しかもゼーレさんは、イットさんは自分をかばって死んだって……)
四雫「そう思うなら、あの軍服の女と直接話して確かめてみろ」
結衣(もしかして、私とイットさんにレーダー登録させなかったのもそのため……!?)
結衣「ゼ、ゼーレさん……」
ゼーレ「……見てください。イットさんの反応が止まっている……これは彼女が戦闘中だということ。今通話をかけることはできません」
ゼーレ「今その証明はできない……ですが、私は間違いなく無実です!信じてください、結衣さん!」
ゼーレ「あれは私達を攪乱するための嘘です。奴ら敵のことを信用してはいけません。百歩譲って私が裏切り者だったとしても、代わりにあの人達があなたの仲間になってくれるわけではないのですよ?」
結衣「……!」
結衣(そうだ……これでゼーレさんと喧嘩しちゃったら、また一人……!)
結衣が取った行動は『下1』だった!
1.協力するのをやめる!いくらなんでも怪しすぎるよね。
2.協力し続ける!一人ぼっちは寂しいもんな……。
どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!下1だよ!
結衣「……て、敵の言うことなんか聞きませんっ!」
ゼーレ「ええ……それでいいのです、結衣さん」
四雫「……そうか」
葛斎(説得失敗……となると、結局あの二人をチームとして相手取ることになりますわね……けれど!)
葛斎「こっちにだって頼りになる味方が居ますのよ!三夏さん!」
三夏「よし来た!」グッ
葛斎(運動神経抜群の三夏さんを強化すれば無敵!実際あの女の子の方は一度倒してますわ!)バッ
三夏「……あれ?今の私に『付喪神』使う流れじゃなかったの?」クルッ
葛斎「え?使いましたわよ?」
三夏「でも、あのグオォって来る感じなかったよ?」
葛斎(これはもしや……『一度でも付喪神を使用した物にはもう付喪神を使えない』という制約にひっかかってますの!?)
葛斎「一度亡くなって再度生み出されて……てっきり対象外になっているものかと……!」
ゆりあ「思いがけないところで、同一人物であることが証明できましたな」
葛斎「言うとる場合じゃありませんわ!」
四雫「であれば、私に使用することもできません、か……」
五樹「は、はい!じゃあ次は私が……」
四雫「いえ……あの少女は範囲内の相手に、自分の分身を重ねて出すことで相手に攻撃しています。そしてその範囲は部屋の外から内へ出せたことを考えると、2……いえ、3mは固いかと」
三夏「相手にタイミングを計らせず3mを一瞬で抜くスピードなんて、強化されたからってそう出せるもんじゃない。しかもあの子は一回私の蹴りを喰らって、反応も鋭くなってるはず。多分、私か四雫でギリ……他の人じゃまず返り討ちだ」
四雫「しかもあの男の方の能力も分かっていない……昨日一人だけ攻撃に参加していなかったり、さっきまで私を殺そうとしなかった所を見ると、そう易々と使えないのか、そもそも戦闘用のそれじゃないのか……なんにせよ軽侮はできません」
葛斎「と、とにかく強化した誰かに突っ込んでもらうのはできないってことですわね……?」
葛斎(突っ込むのが無理なら他の攻撃手段は道具の遠隔操作だけですが……あくまでそっちはおまけ能力ですので強化人間の攻撃より威力は劣る……『分身』一、二体の肉壁で防がれてしまいそうですわ)
葛斎(それでも相手のMPが削れるならアリですけど……あの子多分十歳くらいですわよね?こっちの一花ちゃんとか二葉ちゃんとか十歳の子をMP10で出せることを考えたら……向こうも同じくらいの消費量?だとしたら全然割に合いませんわ!)
葛斎「やっばいですわ!あの二人をやっつける策なんてありますの!?」
ゆりあ「ああ……あるぜ!」ドドド
葛斎「ええ!あるんですの!?」
ゆりあ「ああ……たったひとつだけのとっておきのヤツがな!こっちも足を使うんだ」バシ
葛斎「こっち『も』……?あっちは特に足使ってませんわよ……?」
ゆりあ「逃げるんだよォーッ!」シュゴォ
葛斎「やっつける策を聞いたのですが!?」ダッ
結衣「……」
ゼーレ「……追いますよ」
結衣「あ、はい」タッ
葛斎「ぜひーっ、ぜひーっ」ヨロヨロ
ゆりあ「肩で息するの早すぎですぞ!」ガビーンッ
結衣(行ける……このままなら追いついて……!)タッ
三夏「……!葛斎さん!宝石!」
葛斎「へ?」
三夏「いいから!宝石出して!」
葛斎「……!分かりましたわ。せめて、あなた達だけでも……!」スッ
三夏「どりゃあああっ!」ポーイッ
葛斎「!?」
ゼーレ(……!我々の頭上を越えて背後へ……時間稼ぎのつもりですね。ですが問題ない。こちらはチームなのですから)
ゼーレ「結衣さんは引き続きあの二人を!私は宝石を……!?」
パシッ
小尋「宝石ゲー……ット!」ダッ
結衣「っ、あの人いつの間に……!?」
小尋「どうだメスガキ!モザイクになれるだけでも強ぇだろが!はははは!」ピューッ
ゼーレ(結衣さんに聞いていた『モザイク化』の少年ですか!まずい、彼には加速状態がある……!)
ゼーレ「作戦変更です!二人であちらの少年を追いますよ!」
結衣「は、はい!」タッ
ゼーレ(あの二人はここで潰しておきたかったですが……そんな時間はない。今ここで彼と離れすぎれば、バトルロワイヤル終了まで逃げ切られる可能性がある!それだけは避けねば……!)
ゆりあ「ふー……咄嗟に他の参加者に渡すことで難を逃れるとは、ナイスでしたぞ三夏!」グッ
三夏「あいつに利用されたのはちょっとむかつくけど……これでとりあえずイベントまで望みを繋げられたよな」
葛斎「そ、そうですわね……」
三夏「……葛斎さん、さっき『あなた達だけでも』とか言ってたよな?……あたしが葛斎さん見捨てるような奴だって思われてたの……ちょっとショックなんだけど」
葛斎「あ、はい……まことにすいませんですわ……」
三夏「……でも、それだけ私達のこと心配してくれてたってことだもんな。ありがとう」
葛斎「ど、どういたしましてですわ……」テレテレ
ゆりあ(妹同士が仲良くしてるのを見るのは至福ですなぁ……)
葛斎「……私があなたの妹であると認めた覚えはありませんわよ?」
葛斎「さぁ、今頃宝石はどこを走っているのやら……!?」
一花「んー?どうしたの?」
葛斎「ふ、二つとも物凄いスピードで動いてますわーっ!?」
学校
小尋「うおおおっ!」ダダダッ
ゼーレ(くっ……なんてスピード、私と結衣さんの走力では視界の端にとどめておくことすら……!)
ゼーレ(ですが、相手は宝石を所持している。見失ってもレーダー頼りに追うことだけはできます。あとは相手のMPが切れるまで粘ることができれば……!)パカッ
ゼーレ「これは……!?」
結衣「すごいスピードで動く宝石が、逆方向にもう一つ……?」
結衣(おかしい……私はもう参加者七人の能力を全部知っているはずなのに、あの人以外に速く動ける人なんて……?)
ゼーレ(であればこれは……おそらく何らかのボーナスによるもの!レーダーの反応がイットさんではないということは、消去法であの『硬貨を発射する』男ですね……!)
ゼーレ「逃げ切り型の二人の手に宝石が……これは少し、まずい展開ですね……」
ゼーレ(全くもって不本意ですが……都合のいいイベントが来るのを待つしかない……!)ギリッ
現状
1.柏手 葛斎
ポイント:1
M P:90
登 録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター、はさみ
交差点・d4にて『姉帯ゆりあ』と共にイベントを待つ。
2.イット
ポイント:0
M P:80
登 録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)
住宅街・北東に居る。
3.姉帯 ゆりあ
ポイント:1
M P:0
登 録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし
交差点・d4にて『柏手葛斎』と共にイベントを待つ。
4.善夜 小尋
ポイント:1
M P:120
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
『心音零』を挟みつつ『後藤結衣』、『ゼーレ・フォン・ロックウッド』から逃走している。
5.後藤結衣
ポイント:1
M P:140
登 録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:分身一体(MP110)
『ゼーレ・フォン・ロックウッド』と共に『善夜 小尋』を追いかけている。
6.ゼーレ・フォン・ロックウッド
ポイント:1
M P:100
登 録:『イット』『後藤結衣』
持 ち 物:なし
『後藤 結衣』と共に『善夜 小尋』を追いかけている。
7.漆崎 夜留
ポイント:1
M P:145
登 録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
線路をバイクで爆走している。
そんなこんなでついに午後二時!『イベント』の時間に!『下1~3』のどれかが起こった!
(起こるイベントを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
近くを移動した者に襲いかかる強酸性のスライムモンスター(超素早い)があちこちに配置される
即死はしないが人体を溶かしてくる
>>200はゲームバランスが崩壊すると思うので、独断ですが除外させていただきます。ご了承ください。
天界・ルーレット
神様「もう二時か。天使くん。ルーレットとダーツを」
天使「はいはい」ガラガラガラ
天使「ほっ」ギュルンッ
神様「行くぞ~」
次のレスのコンマが
01~33で『宝石同士が強大な引力で引き寄せられる』
34~66で『フィールドが半径100mほどに固定される』
67~99で『死体の半径5メートル以内にいないとポイントが手に入らない』
00で全部
神様「てぇいっ!」トスッ
線路・中央
天使「というわけで今日のイベントは『死体の半径5メートル以内にいないとポイントが手に入らない』に決定だ」
夜留「なんだそりゃ……また宝石が役立たずになるってことかぁ?」
天使「いやそういうわけじゃない。『宝石の所持』、『死体の側』……両方の条件を満たした者にポイントを与える……そうでなければ、リーチしている六人でしていない一人を殺して終わり……六対一の構図になる。それは流石に見ててつまらんだろう」
夜留「俺からすれば、勝てれば面白いし、負ければつまらないけどな……」
夜留(さて、これであとは逃げ回るだけ、とは行かなくなった。どうにかして死体を調達しなきゃならんが、どうしたもんかね……)
学校
天使「……ってのが今回のイベントだ」
小尋「えー……めんどくっさ」
小尋(勝てそうになった瞬間これかよ……何か悪意を感じる)
小尋(死体……死体かぁ……俺が襲って倒せる奴なんて居るのか……?それができないからさっきまで逃げ回ってたわけだけど……)
小尋(まぁ……どうせ他の奴が誰か殺すでしょ!最後にそこに行けばいいや、俺はこのまま現状維持……)
ブオオオンッ!
小尋「!?」
夜留「よぉ……はじめまして、だな?」ザッ
小尋(この人、何か撃ってた人、っていうかバイク!?バイクなんで!?)
小尋「あの、何か……?」
夜留「あいにく、俺から居場所の分かる奴が宝石持ってるお前しかいなくてな……お前もさっき天使から説明されただろ?出会って早々悪いが、死体になってもらう」スッ
小尋「ぐっ……逃げる!『心音零』発動……からの解除っ!」ピロリロリンボヤァスッバビュンッ
夜留(点滅した後速くなった……反応を見て推測してはいたが、やはりスピード系の能力か……)
夜留「だが……ご愁傷様!速いだけじゃあ今の俺の下位互換だっ!」ブオンッ
小尋(ババババイク!追いかけてくる!振り切れない!ずりぃ!)
夜留「……『偽造通貨』!」ギャリィンッ
小尋「ぐあっ……」バシュッ
小尋(い、痛ぇ……肩?背中?う、撃たれた……ダメだ……)ズシャアッ
夜留(ん……完全に止めるには後二、三発はかかるかと思ったが……まぁ、少ない弾数でやれるならそれに越したことはない……か)
夜留「……とどめだ」ギャリィンッ
小尋「うぐっ……」ビチャッ
善夜 小尋:死亡
夜留「頭蓋に一発……天使、こいつは死んでるな?」
天使「いや……それを教えるのは過干渉だ。参加者であるお前が直々に確かめるか……不安ならもう何発か腹に撃ち込んどけ。どうせMPは有り余ってるだろ」
夜留「それもそうだな」ギャリィンッ
小尋「……」ドフッ
夜留(よし……これで後はこいつの側に立ってるだけ……いや、突っ立ってる必要すらないな。何かでこいつの死体を俺かバイクにくくりつけりゃあ、走りながら宝石獲得の条件を満たせる)
夜留「そうと決まれば早速くくりつける方法を……」
下1「……」ザッ
夜留「っと……それにゃ時間が足りねぇか……」
現れたのは『下1』だった!
1.『葛斎・ゆりあチーム』!宝石を渡してもらいますぞ!
2.『結衣・ゼーレチーム』!宝石を渡してもらいますよ。
どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!下1だよ!
ゼーレ「……こんにちは。初日ぶり、ですね」ザッ
夜留「あの時の男……」
夜留(……と、『分身』の嬢ちゃん。二人も前に悠長に死体をくくってる暇はない、か……)
ゼーレ「ご丁寧に、宝石二つに加えて死体まで用意していただき、誠にありがとうございます。ではその宝石、渡してもらいましょうか」
夜留「まぁ、俺は自分が優勝できればなんでもいいからな。一つまでなら融通してやってもいいんだが……?」
結衣「こっちはチームなんです。二つともいただきますよ!」
夜留(二対一……一旦逃げるか?いや、この場を離れた隙に死体を隠されると厳しい……応戦、だな)
夜留「このバイクを見て喧嘩売るとはいい度胸だ!轢き殺す!」ブオンッ
結衣(……突っ込んでくる!タイミングを合わせて『分身』を……)
夜留(あの嬢ちゃんの効果範囲がどんなもんか……分からんがとりあえず、能力使用の兆しを見せたら……)
結衣(今……!)スッ
夜留「今だっ!」バッ
ゼーレ(バイクから飛び降りた……!?まずい!運転手を失ったバイクだけがこちらに向かってくる!)
夜留(これでこのまま轢き殺せればそれでよし!それができなくとも、この範囲外から燃料タンクに『偽造通貨』を撃ち込めば大爆発だ……!)
結衣(3mより外でバイクから飛び降りた……)
結衣Ⅱ「けれど、残念ですがそこも間合いです……!『分身』!」ポンッ
結衣Ⅱ(確かに私の効果範囲ではあの人に届かない……ですが!)
結衣Ⅲ「さっきより3m近い場所に生み出された私なら届く!『分身』!」ポンッ
夜留「なっ、しまっ……」メキメキ
メシャアッ
漆崎 夜留:死亡
結衣(これで本体は倒した!向かってくるバイクは……!)ギャリギャリ
結衣Ⅲ「分身分身分身!」ポポポンッ
結衣Ⅲ~Ⅵ「「うぐぇっ」」ドシャアッ
結衣「ふぅ……肉壁でちゃんと防げましたね」
ゼーレ「流石ですね、結衣さん」
ゼーレ(これで宝石も死体も確保できた……イットさんはもう私の側には近寄らないでしょうし、残りの二人も、さっき私達から逃げるしかなかった……襲われても問題はない)
ゼーレ(勝った……!やはり最後に勝つのはこの私!他の凡夫共とは違う、私だけがスペシャルなのだ……!)
ゼーレ「さて宝石を拾って……?」モゾッ
ビル街・中央
七音「二つの宝石の反応が重なって、ちょっと動いてから……止まった」
二葉「場所もあの二人が走ってった所と一緒だし……やっぱりあの二人が持ってるってことなのかな?」
三夏「だとしたら、取り返すのは難しいな……けど、このままだとバトルロワイヤルは終わり……」
一花「うぅ……皆と離れ離れなんてやだよぉ……!」グスッ
ゆりあ「一花……」
葛斎「…………」
葛斎「……ふふっ、問題ありませんわ。仕込みは既に、終わっていましてよ!」バッ
ゆりあ「!?仕込み、とは……?」
葛斎「お忘れですの?私の『付喪神』の発動条件は『一度触れた物であること』……そして私はあの喉から手が出るほど欲しい物に、一度触れていましてよ!」
葛斎「これから奇跡を起こしますわ!『付喪神・宝石』!」
ゆりあ「……!」
葛斎(遠い……十秒間だけの操作じゃ届きませんわね……だったらガンガン重ね掛けするまでですわ!宝石を、ここまで持ってくるのですわ……!)ブワッ
カラァンッ
葛斎「……あら不思議、こんな所に宝石が。ですわ!」スッ
ゆりあ「おおおお!その手がありましたな!残り時間的に今からあの二人があたし達を捕らえることは不可能!これで私達の勝利ですな!」
葛斎「いいえ。私達、ではありませんわ」
四雫「持ってこれた宝石は、一個……触れた宝石も一個だけなのだから、当たり前ですね」
ゆりあ「なぬっ!これではチームで優勝はできませんぞ!」
五樹「けど、これで向こうも一個になっちゃったんだし、お互い上がれない……とりあえず今日は大丈夫ってことだよね?」
四雫「いえ……少女の方はどうか分かりませんが、あの男は絶対に相手を裏切る。それが成功するにしろ失敗するにしろ、宝石を手にした方がそのまま優勝……バトルロワイヤルが今日で終わることには変わりありません」
四雫(このことには葛斎殿も気付いていたはず……それでもここに宝石を持ってきたということは……!)
葛斎「MPが残っていますわね……丁度いいですわ。『付喪神・カッター』」ヴンッ
四雫「っ、皆!姉上をお守りし……!」サッ
三夏「……大丈夫だよ四雫。葛斎さんは、そんな人じゃない」
ドスッ
葛斎「がはっ……!」
四雫(自分で自分を、刺した……!?)
葛斎「……っ、死体までは持ってこれなかったので、私自身を使うとしますわ……」
三夏「……悪いな、葛斎さん。宝石もらって、痛い役まで押し付けちゃってさ」
四雫(この出血……助からない。バトルロワイヤル終了までにこの人は必ず死ぬ。では、この人は姉上を優勝させるためだけに……!?)
四雫「どうして……」
葛斎「……既に申し上げた通りですの。手品師のお仕事とは、人を騙すことではなく、人を驚かすことでもなく、人を笑顔にすることがお仕事なのですわ」
葛斎「あなた達を裏切って、一人で願い事を叶えたって……手品師失格。おじいちゃんに怒られてしまいますわ」
ゆりあ「か、葛斎殿ぉ……!私の願いのために自分をっ!感謝してもしきれんですぞ!」
葛斎「……あなただけではなく、あなた達のため、ですわ。一緒に過ごして、泣いたり笑ったり……とても作られた命だなんて、思えませんでしたの」
葛斎「おじいちゃんと会えないのは寂しいですけど……天界があるなら、多分天国もあるでしょう。そこで再会すればいいだけのことですわ」
ゆりあ「うおおおん……!来世もあたしの妹として生まれてきて欲しいですぞ……!」
葛斎「別に本当に死ぬわけじゃないですし、今世も妹じゃありませんわ……」ガクッ
柏手 葛斎:死亡
学校
スゥー……ッ
ゼーレ「宝石が……!」
結衣「どこかに飛んで……!」
ゼーレ(……あの女の能力ですか、小賢しい……!ですがまぁ、一つまでなら問題はありません)
結衣「宝石が、一つだけに……」
ゼーレ「……仕方がありません、この宝石はあなたに渡すとしましょう。結衣さん、手を」
結衣「えっ、でも、こういうのはちゃんと話し合って……」
ゼーレ「……いいのです。早く手を」
結衣「は、はい!」
結衣(やっぱり、ゼーレさんは優しい人……この人を信じてよかっ……)ギュッ
結衣「た?」スルッ
結衣(あれ……宝石、は……?なんで、返しちゃんたんだろう……?)
結衣Ⅱ「……?わた……」
ゼーレ「能力を解きなさい」
ボフンッ
ゼーレ「……よし。これで問題はない。やはり勝者はこの……」
イット「……使ったな。『洗脳』を」ザッ
ゼーレ「……おや、イットさん。また私に操られに来たのですか?」
イット「その人一人なんなく操る『洗脳』……消費MPも尋常ではあるまい。その少女にそれを使い、まだ私を操れるというのなら……やってみろ」
ゼーレ「……意外ですね。いかに合理的な結論を出そうとも、あなたは私への恐怖を優先すると思っていた」
イット「……認めるよ。確かに私はお前を恐れていた。だがな、お前のような奴の計算通りにことが進む方が、私は怖い」
ゼーレ「ふん……まぁいいでしょう。確かに私はMPを失ってしまいましたが……その代わりに優秀な駒を手に入れたのですから。あなたに、この少女を殺せますかっ!」
結衣「……」ダッ
イット「『分身』……確かに、私ではこの少女を殺すことはできない」
イット「だから、殺すのはお前だ……『一刀絶閃』」スッ
ズバッ!
ゼーレ「がはっ……!?」
ゼーレ(馬鹿な……っ!?何故私の体が裂ける!彼女の体、毛髪に触れてなど……!)
イット「さっき、宝石が一つ飛んでいったな……おそらくカッター使いが配られ、一度触れていた宝石だろう」
イット「つまり、今お前が持っているのは私に配られた宝石、私が一度舐めた宝石だ……毛髪のように分かりやすい目印はフェイク。乾いた唾液には気付けなかっただろう?」
ゼーレ「ぐっ……『支配者・ダメージ転移』!」
結衣「うぐっ……!?」ズバッ
イット「……私に傷を移したのはそれか……だが、今の状況では無意味な足掻きだ。MPを失い、これで優秀な駒を失った。そうやって生き延びたところで、哀れな支配者気取りのお前に何ができる……?」ニヤァッ
ゼーレ「ふっ、来れますか……?私がMPを失った?あなたを操ることができない?そんな証拠がどこにあるんです?」
イット「……」スタスタ
ゼーレ「そこで止まった方が良い。敗北が更に屈辱的なものになるだけですよ?」
イット「……」スタスタ
ゼーレ「あなたも知っているでしょう。操られている間、自我はなくとも記憶は残る。残り時間いっぱい、私はあなたを辱める。その時の記憶が現実に戻ったあなたを襲う……!」
イット「……」ダッ
ゼーレ「くっ……」ダッ
ズバッ!
ゼーレ「ぐはっ……!」
ゼーレ(う、嘘だ……私は、この世の全てを支配するんだ!このバトルロワイヤルも、全て思い通りにしてきた!それが、何故だ、何故……こんな、後一歩のところでぇぇ……!)
ゼーレ「……」ドシャッ
ゼーレ・フォン・ロックウッド:死亡
イット「ふぅ……これでようやく1ポイント……か」
イット(まぁ、どうせ向こうで二人のどちらかが優勝して、バトルロワイヤルは終わりだろうが……こいつを勝者にすることは免れたが、結局私も敗北者か……)
イット「殺し合いなど、私の独壇場だと思っていたのだがな……」
イット(結局戦場も、私の居場所ではなかったということか……それが何を意味するのかは分からんが、不思議と、悪くない気分だ……)
イット(あの男の言うことは本当だったのだな……久しぶりだった、殺し合う敵と対話するなど)
『イット』『姉帯 ゆりあ』が1ポイントずつ獲得!
異能力者七人のバトルロワイヤル!三日目が終了した!
そして同時に、2ポイント獲得した者がいるため、ゲームセット!
その後、参加者は参加前の現実世界へと戻って行く!
異能力者七人のバトルロワイヤル!これにて終了となる!
とある国
部下「イットさん!やっぱり和平でほぼ決定ですって……」タッ
イット「ん……まぁそうだろうな」
部下「これで長い内戦も終わり……ようやく我が国にも平和が訪れますね」
イット「それは違うな。平和とは民の手足を縛ることを指すのではない。真の平和を築くなら、ここからが正念場だろう……」
イット「……まぁ、一兵士に過ぎん私には関係のないことだが」
部下「関係ないって……じゃあイットさんはこの先どうするんですか?」
イット「私は……この内戦で些か活躍しすぎた。この時代で軍刀を獲物にしていたのも悪目立ちしただろう。裁判でスケープゴートにされては敵わんからな、その前にこの国を出る……出たあとは、そうだな、旅でもしながら戦場以外の居場所を探してみる。見つかればそれでよし、見つからなければ……まぁ適当に死ぬだろう」
部下「その旅……私もついていっていいですか」
イット「……いや、お前はこの国を出る理由がないだろう。お前は敵兵を誰一人殺さなかった……どころか、隠れて何人か救っていたのを私は知っているぞ。お前は残れ、お前のような者が残るべきだ」
部下「……っ、私が敵兵を殺せなかったのは、私が引き金を引く前に、全員代わりにあなたが殺したからです!あなたは結局、私に何も背負わせてはくれなかった……!だから、今度こそあなたの側に居たい!その旅の先で何があっても、あなたの言う通り死ぬんだとしても……全部、一緒に受け止めたい……!」
イット「…………ふん。今日中にこの国を出る。ついてくる気なら死ぬ気で支度を終わらせろ」
部下「は、はい!」
コンビニ
小尋(終わり終わり終わりあと一分一分一分バイト終わりバイト終わり)
店長「……あれ、善夜君。これおでんのつゆ変えてないでしょ」カパッ
小尋「アッ…」
店長「ちゃんとこまめに水足してって言ったよね?最後に水足したのいつ?もしかして最初にやり方教えた時からずっと忘れてた?」
小尋「アの……すいません、もバイト終わりなんで……」
店長「いや、その前にさぁ。これ何人くらいに売った?今日寒かったから結構居たでしょ」
小尋「スいません、本当……しませんお疲れ様です……」ソソクサ
店長「あっ……はぁ……」
小尋(あーつらい。俺ばっかりがつらい。なんで誰も俺を助けてくれないんだろう)
小尋「あのバトルロワイヤルで優勝してれば、今頃異世界でモテモテだったのに……」
小尋(いや……待てよ。少なくともああいう神様が居るってことは分かったんだ。だったら、トラックに轢かれてみたら本当に異世界転生できるんじゃ……!?)
小尋(行ける……!バトルロワイヤルに選ばれるくらいなんだから、何かで死ねば異世界行ける……!)
ブロロロロ……
小尋「まぁ……別に焦らなくてもいっか」
小尋(俺が何かしなくてもその内向こうから来るだろ……それまでは現状維持、現状維持……)
とある地下
立会人「……それで、負けちゃったんですかぁ?」コツコツ
夜留「あぁ……」コツコツ
立会人「まったく、縁起の悪い夢ですねぇ。今から大勝負だっていうのに……それで、もし勝ってたら漆崎さんは何を願うつもりだったんです?やっぱり今日の勝負で勝たせてって感じですか」
夜留「馬鹿、そんな無粋なことするかよ、勝負師が。神様に立会人をやってもらうつもりだった」
立会人「うわっ、ひっどいですねぇ……私という者がありながら!今まで敵味方問わず色んな方のイカサマを見抜いてきたのに!」
夜留「敵味方問わずってところが迷惑だが……まぁお前の眼は信頼してる。ただ保険はあった方がいいだろ。相手はこれまで墜としてきた奴らの誰より狡猾なんだからな」
立会人「ふんっ!今日は夜留さんの方ばっかり見ちゃお」
夜留「くくっ……」
夜留(見てるか親友……お前の仇討ちも今日で終わりだ。途中から俺が個人的に楽しんでる場面も多かったが……)
立会人「……到着しました。この扉の向こうに、今夜の対戦相手がいらっしゃっています」
夜留(とにかく、天界があるならあの世もあるんだろう。俺が逝くまで河の縁で待っててくれ。必ずこいつのしゃれこうべを盃に、勝利の美酒でいっぱいにして持って行く)
ギィィ……
とある部屋
ゼーレ「ふぅ……」
秘書「……今日は溜息が多いようですが、どうかなされましたか?」
ゼーレ「いや……なんでもないですよ」
ゼーレ(どうせ信じないでしょう。神様に選ばれ、願いをかけてバトルロワイヤル……など。私自身、あれが夢だったのかどうか判然としない)
ゼーレ(優勝していれば、簡単に確かめられたのですが……)ギリッ
秘書「……次は歯軋り、ですか。やはり今日ばかりはゼーレ様でも緊張が窺えますね」
ゼーレ「緊張……?そうかもしれませんね。今夜の相手に勝てば、地球の裏側にもう一つの世界を興すだけの金が手に入る……今まで墜として来た相手とは格が違いますからね」
秘書「……お相手が到着したようです」
ゼーレ「……扉を開けてください」
ギィィ……
夜留「……!ふっ、はははっ!どうやら、夢じゃなかったみたいだな」
ゼーレ「ええ……そのようで」
立会人・秘書「?」
夜留「リベンジの機会をくれるとは……懐の広い神様だ」ドカッ
ゼーレ「えぇ……こんな形で願いを叶えさせてくれるとは、本当に」ニヤッ
ギィィ……バタンッ
小学校
結衣「はぁ……学校、行きたくないなぁ」
結衣(バトルロワイヤルで優勝して、あの子の顔の傷を治せてたら……何にも気にせずあの子と喋れるのに)
結衣(心細くてもちゃんと考えて、ゼーレさんを信じたりしなければ……あの子を怪我させた時も同じだ)
結衣(あの時……寂しがらずに『一緒に帰って』なんて言わなかったら……私のせいで、あの子は)
結衣(私は……誰かと一緒に居たい、なんて考えちゃダメなんだ……寂しくたって自分とお話して気を紛らわせて……ずっと一人で生きて行かなくちゃいけないんだ……)
友達「えーいっ」ボフッ
結衣「わわわっ、な、何するのっ」
友達「……だって、最近お話してくれないんだもん。えーいってしちゃった」
結衣「私のこと……嫌いにならないの?」
友達「どうして?」
結衣「だって、私なんかかばったから……あなたの顔、すごく綺麗だったのに……!」
友達「……じゃあ今は、綺麗じゃないの?」
結衣「えっ……」
友達「私、この顔の傷が好き。結衣ちゃんを守ってくれたから……勲章って言い方だと男の子みたいだけど……そんな風に思ってるの。だから、他の人には何て言われても気にしない……だけど結衣ちゃんにだけは、今の私の顔、この傷のこと、好きって言って欲しい。じゃないと私、寂しいよ……」
結衣「……っごめんなさい!」ムギュッ
友達「結衣ちゃん……」
結衣「大好き、大好きよ!あなたのことも、あなたの傷も……!」
友達「ありがとう……ありがとう、結衣ちゃん……」ムギュッ
ショーステージ
葛斎「では!今から手のひらから鳩を出しますわ!」
葛斎「3、2、1……はいっ!」ビリッ
鳩「ポポーッ!」バッサァ
葛斎「ぎょえーっ!ポケットから出ちゃいましたわーっ!?」
「ワハハ!」「面白ーい!」「良いケツしてるなぁ……」
葛斎(皆の視線がお尻に向いてる間に……)シュババッ
葛斎「こほんっ、気を取り直して……はい!」
ハート「ぐわはーっ!!」パァァン
葛斎「ぎょえーっ!鳩と間違えてハート様出しちゃいましたわーっ!?」
「ダジャレかよ!」「でもあの巨漢が一瞬で……」「いつの間に仕込んだんだ?」
葛斎(う、上手く行きましたわ!スランプを脱却できましたわよ!)
葛斎(……おじいちゃんは、もうこの世にいない。しばらくは、もしかしたらもう二度と会えない……でも、大丈夫)
葛斎(手品師は人を笑顔にするのが使命。いくらスランプでも私は、そのことだけは忘れなかった)
葛斎(それを忘れない限り大丈夫。人を笑顔にする手品を目指す限り、その中におじいちゃんは居る。おじいちゃんが教えてくれた、手品の中に……)
葛斎「では次はトランプマジックをやりますわ!客席の誰かにステージへ上がって来て欲しいのですけど……ではそこのあなた!ここまで上がって来てくださる?」
三夏「え?あたし?」
葛斎「……!?」
葛斎(み、三夏さんがどうしてここに!?)
三夏「行ってきていい?」
ゆりあ「いいですぞ。最後にこのゆりあの横におればよい!」
百桃「それユリアの台詞じゃないよね?」
楽屋
葛斎「ど、どえりゃー驚きましたわ……来るなら来るといってくださらないと」
三夏「そう言われても……葛斎さんの連絡先知らなかったしなぁ」
八代「私達なんか顔も知らなかったけどね」
百桃「ねっ」
葛斎「……なんか増えてますわーっ!?」
ゆりあ「新たな妹が心の内から出るわ出るわで……MPも毎日回復しますし、とりあえずパパンママンの稼ぎで扶養できる限りは生み出していくことにしたんですな!」
八代「葛斎さんのおかげだよ……はじめましてだけど、本当にありがと!」
葛斎「は、はぁ……」
葛斎(まぁ……少子化を防いでるので、セーフでしょう!)
スタッフ「柏手さん、そろそろ……」
葛斎「あっ、はいですわ!」
三夏「休憩時間にわざわざごめんな。それじゃあ後半も客席から見てるから、いっぱい笑わせてくれよな!」
葛斎「……もちろんですわ!」
ショーステージ・客席
葛斎「そぉれぃっ!」ドジャーンッ
「すげー!」「どうやってあんな……」「良いケツしてるなぁ……」
三夏「おー!すげぇ!」
四雫「……」スーン
ゆりあ「退屈ですかな、四雫」
四雫「いえ、先程から驚いたり、楽しくなったりはしているのですが……笑顔など、昔は一度もしていなかったので、この歳になってもあまり正の感情が表情に出にくいのです」モニモニ
ゆりあ「……暗殺者として、育てられていた時のことですな……ごめんなさい、四雫」
四雫「……姉上?」
ゆりあ「あたしの『妄想姉妹』で生み出せるのは私の『理想の妹』……つまり、四雫の辛い過去を望んだのはあたしなのです……自分の魂に、理想に嘘をつけなかった。生み出す命が偽物になってしまうから」
ゆりあ「とにかく、あたしは四雫に辛い過去をアイデンティティとすることを望んでしまったのです。それを愛おしいと思ってしまった……紛れもない、醜いあたしのエゴです」
ゆりあ「ごめんなさい。私を、恨んでください……四雫」
四雫「……その命令を聞くことはできません。姉上……確かに、なんの傷みもない、三夏のような存在を羨ましく思うこともあります。私は彼女のように、何の苦もなく笑える幸せを知らない……」
四雫「けれど、彼女達も知らない……大切な人に自分の暗闇を半分背負ってもらう幸せを。私だけが知っている幸せを」
四雫「姉上が私にくれたものならば、傷すらも愛おしい……だから、醜いエゴだと言わずに姉上も愛してください。私は姉上の全てを許します。姉上を、愛しています」ニコッ
ゆりあ「し、四雫ぅ……」ポロポロ
ゆりあ「お姉ちゃんは四雫が大好きですぞ!ずっとずっと大好きですぞーっ!」ムギューッ
四雫「……はい。幸せです、姉上……」ギュッ
天界
神様「創造物に許しを乞う創造主……か」
天使「ん、また下界覗いてるんですか神様」
神様「あぁ、この前のバトルロワイヤルに参加してくれた奴らのその後をね」
神様「いやぁ……ちょっと懐かしくなったな。神に上がりたての頃には、僕もあんな風に悩んだもんだよ……まぁ、今となっては人間なんて出来の良い玩具にしか見えないけど」
天使「あの頃はもう少し私達の扱いもマシでしたね」
神様「さて、バトルロワイヤルもこれで四回目かぁ……」
天使「願いを叶えた人間……優勝者も六人になりましたね」
神様「……七?」
天使「いえ、六人です」
神様「七人……そういえば丁度七人でやる催しごとがあったよね?」
天使「ですから、六人ですってば」
神様「というわけで開催!異能力者七人のバトルロワイヤルエクストラ!今までのシリーズの優勝者達でもっかいバトルロワイヤルするよ!」
天使「あの……ですから六人だと……」
神様「そうなんだよなぁ……三回目に一人しか優勝者が出なかったから、こりゃ四回目で良い感じに七人になるぞと思ってたのに……まさか四回目も一人だけとは……」
天使「まぁ六人でバトルロワイヤルさせればいいでしょう」
神様「七人じゃなきゃヤダ!というわけで今までの奴らから適当に一人選んで参加させるよ!」
選ばれたのは『下1』だった!
「1」より
2.不死目指す女子『久遠寺七香』
3.記憶喪失の青年『六東秋』
6.全身剛柔自在男『荒衣鉄雄』
7.元警官の復讐鬼『クラモト』
「2」より
2.中性金髪ロング『ディーヴァ・ラムダ』
3.臆病女子中学生『リカ』
4.男勝女子小学生『犬木心』
6.ボーカル中二病『アッシュ』
7.くたびれ三十代『加賀七音』
「3」より
1.西部劇大好き女『サイキ・エナツ』
2.人類悪白衣美人『セレナ・ド・モンフォール』
4.情欲全開オタク『ジョー・パナソー』
5.ポジティブバカ『ロイエナル・ロスチャイルド』
6.寡黙なる殺し屋『フェイス』
7.意思を持つ肉塊『No.006』
「4」より
1.祖父っ子手品師『柏手 葛斎』
2.黒づくめ辻斬り『イット』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』
誰だった!?1-2~4-7番から選んでね!
(各シリーズ優勝者とオリジナルでない既存のキャラクターを強く連想させるキャラクターは>>1の判断で除外しました)
3-2
あれ?これ下1で一人だけでは?
>>235
はい。『下1』と指定させていただきましたので、>>230の『3-2.セレナ・ド・モンフォール』のみの採用とさせていただきます。
また、この先過去キャラが出てきますがあんまり説明しません。この先を読んでくださる場合は、先に前シリーズを読んでおくことを推奨します。
神様「はい、というわけで以下の七名でバトルロワイヤルするよ」
1.絶対防御系ロリ『サキ』
2.名は体を表さん『山谷 ゆたか』
3.くたびれ三十代『番井蝶』
4.元病弱の俺っ娘『田中星児』
5.人類悪白衣美人『セレナ・ド・モンフォール』
6.ただの和風美人『四谷 祥子』
7.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
神様「女性率たっか……全員女の子じゃん」
天使「やはり皆さん女子供に優しいということなんでしょうか」
神様「じゃあこれに勝ったらキングオブ女の子ってことだね」
天使「クイーンでは?」
神様「それから、エクストラということでルールに一点変更を加えるよ!ずばり、『・最初に1ポイント獲得した参加者が勝者。願い事を一つ叶えられる。』!」
天使「いわば全員リーチ状態で始めるようなもの……余程のことがないかぎり一日目で終了するでしょうね」
神様「今からまた三日間もやってられないしね。疲れたし」
天使(疲れる役回りは大体私なのだが?)
神様「それじゃあ、全員フィールドに転送!」シュンッ
『山谷 ゆたか』の視点から物語を始めます。
・・・
天使「……はい。『山谷 ゆたか』お前は選ばれた」
ゆたか「……んおっ!?」
ゆたか(なんやここは……ウチはさっきまで球場におったはず……)
天使「よぉ、久しぶり」
ゆたか「あっ!?天使さんやん!またバトルロワイヤルか!?」
天使「やっぱり二度目ともなると話が早いな。ほい、これがルールだ」ピラッ
ゆたか「いや……ウチもう願い叶えとるんやけど?やのになんでまた……」ペターンッ
天使「知ってるよ。これまでの優勝者を集めるって趣旨なんだから」
ゆたか「これまでの優勝者……ってことはサキちゃんも来てるん?」
天使「ああ。今この街のどこかでお前と同じ説明を受けてるはずだ」
ゆたか「懐かしなぁ……ほなサキちゃんと会うために参加しよかな。もう願いごととか興味ないけど」
天使「まぁそもそもお前に拒否権なんかないけどな。ほら、お前がやった時から結構ルール変わってるからちゃんと読んどけ」
ゆたか「ふむふむ……?ほんまや、時間が短くなったり、イベントが追加されてたり……ん?」
ゆたか「天使さん、このMPって何?ウチがやってた頃にはなかったけど、これウチも関係あんの?」
天使(……やっべ、設定しなおすの忘れてた)
天使「ちょっと待ってろ、今決めるから」
ゆたか「雑なんは相変わらずやな……」
名前:山谷 ゆたか
能力:一球入魂
説明:視認出来る物に投げた物を確実に当てられる
発動条件:発動時に対象を視認していること。
消費MP:『下1』
効果範囲:無限
持続時間:投げた物が対象に当たるまで。
名前:サキ
能力:絶対防御
説明:破壊する事のできないシールドを展開できる。(オートでも発動する)攻撃能力は全くない
発動条件:なし
消費MP:『下2』
効果範囲:半径1m
持続時間:『下3』秒
「1」の二人の能力の詳細を安価で決めるよ!
『下1』と『下2』は各能力の消費MPを!『下3』は『絶対防御』の持続時間を決めてね!下1~3の三人に安価を取るよ!
ゆたか「ほーん……消費MP20……ってことはウチこれ五回しか使われへんの?」
天使「そういうことになるな」
ゆたか(ウチおっさん一人倒すのに十回くらい能力使てた気がするんやけど……まぁええか。どうせ優勝は目指さんのやし)
天使「お、他の奴らへの説明はもう終わってるみたいだ……やっぱり経験者は早いな」
天使「ってことで、はい!スタート!」
ゆたか「おー、その雑スタートも懐かしな。さて早速、サキちゃん探しと行きますか!」テクテク
ゆたか「サキちゃーん、どこやー」テクテク
ゆたか(……こんな感じでサキちゃん以外の参加者と会ったらどないしよ。出会い頭に襲ってくるような人おったらめんどくさいなぁー……)
ゆたか(まぁでも、今回のバトルロワイヤルに参加してるんは全員優勝者ってことは……願い事に必死になってる人はおらんはず。大丈夫やろ)
ゆたか「お、そんなこと考えとったら人影が……」
下1「……」
1.絶対防御系ロリ『サキ』
3.くたびれ三十代『番井蝶』
4.元病弱の俺っ娘『田中星児』
5.人類悪白衣美人『セレナ・ド・モンフォール』
6.ただの和風美人『四谷 祥子』
7.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
『山谷 ゆたか』が出会ったのは誰!?1、3~7番の中から選んでね!(ゆたかの2番は除外)下1だよ!
ゆりあ「お……早速他の参加者と出会いましたな」
ゆたか(目の前にウチ以外の参加者が……)
一花「他の参加者……戦う!?」
二葉「待ってよ一花、少し様子を見た方が……」
三夏「葛斎さんみたいに話の分かる人かもしれないしな」
四雫「……まぁ、もちろんそうではない場合も考慮しなければならないが」
五樹「こ、今度は私も頑張るからね!」
六夢「むにゃむにゃ……」
七音「もーっ、自分で歩いてよ六夢っ!」
ゆたか「いっぱいおるー!?」ガビーン
ゆたか「天使さーん!?こいつら皆優勝者か!?何回バトルロワイヤル開催しとんねん!」
天使「……いや、参加者の数はこれまでと同じ七人だ……つまり八、九……最低でもあいつらの内二人は参加者じゃない。なんらかの能力で生み出された存在って考えるのが妥当だろうな」
ゆたか(そんな能力の奴もおるんやな……ほんなら真ん中の人以外は全員参加者とはちゃうって考えた方がええか)
一花「どうする?戦う?」コソコソ
五樹「でも、そもそも……」コソコソ
ゆりあ「うーん……」
ゆたか(なんか話し合っとる……とりあえず、出会い頭に襲ってくるような人(達)ではないみたいやな……)
ゆたか(というか、なんかピリピリした感じせぇへん。もしかして……)
ゆたか「おーい!あんたらも特に願いごとないクチかー?」
ゆりあ「……微妙な所ですぞーっ!」
ゆたか「微妙な所ってなんやの」テクテク
四雫「……近づいてくるか」
三夏「まぁ、近付かせてもいいんじゃない?『あんたらも』って言ってたし、多分あの子も本気でやってる人じゃないと思うよ」
ゆりあ「実はですな……あたしが参加していたバトルロワイヤルでは、あたしとチームを組んでくれた人がいてですな。そのお人のおかげであたしは優勝できたのですが……」
ゆたか「その協力相手は負けてもうたってことか」
ゆりあ「それで、今回のバトルロワイヤルであたしが代わりに願いを……とも思ったのですが、協力相手さんはなんか吹っ切れた感じになってまして……今さらあたしが願いを叶えるのも野暮かなと……」
ゆたか「ふーん……ほなまぁ、とりあえずウチと一緒に行動しようや」
ゆりあ「む?」
ゆたか「ウチは特に願いごとないから……一緒に参加してた子と久しぶりに会いたいだけなんよ。あんたらと一緒に大人数で探せたら心強いわぁ」
ゆたか「そんで、願い叶えたくなったらそん時はウチも協力したるわ。宝石当たっても全部譲るし。それでどうや?」
四雫「……我々が願いを叶えない、と決めた時は?」
ゆたか「そん時はそん時であんたらどうせ暇やろ。手伝ってぇな」
ゆりあ「ふむ……分かりましたぞ!チーム結成ですな!」ガシッ
ゆたか「よっしゃあ!よろしゅうな!」ガシッ
三夏「いやぁ、いきなり良い人と会えてよかったな」
四雫「あぁ……」
四雫(……いや、この少女が特別人が良かったというわけではないのではないか?優勝者は皆既に願いを叶えた者……程度の差こそあれどモチベーションは低くなるはず)
四雫(しかし、戦いに積極的な者がいなければバトルロワイヤルは成り立たなくなる。それは最初に天使が言っていた神の目的と矛盾する)
四雫(なのに、なんの対処もなされていないのはどうしてだ……?否、既にそれがなされていると考えるべきか)
四雫「……嫌な予感がする」
三夏「四雫はいっつもむつかしいこと考えてるな」
一方その頃、『下1』と『下2』が出会っていた!
1.絶対防御系ロリ『サキ』
3.くたびれ三十代『番井蝶』
4.元病弱の俺っ娘『田中星児』
5.人類悪白衣美人『セレナ・ド・モンフォール』
6.ただの和風美人『四谷 祥子』
誰と誰が出会った!?1番、もしくは3~6番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)
住宅街・北西
セレナ「……ん」パチ
セレナ(……どこだここは。記憶がない……拉致されたか。どこの仕業だ?政府かマフィアか、あるいは別の組織か……)
天使「おっ、起きたな」
セレナ「……!お前、天使か」
天使「覚えてるのか、まぁ忘れないよな普通」
セレナ「ということは、また願いをかけたバトルロワイヤルか……?」
天使「話が早いな。その通りだ」
セレナ「くふふ……ふふっ、あっはははは!なんったる僥倖!」
セレナ「まさかまた人類滅亡のチャンスが巡ってくるとは……!神はどうやら自分の作った世界をリセットしたいらしいな!」
天使「……別にそういうわけじゃないと思うが」
セレナ「何にせよ、今度こそ私が勝つ!何万年と続いたヒトの歴史に、私が終止符を打つ……!」
天使「おはよう、『番井 蝶』お前は選ばれた」
蝶「……久しぶりね。天使さん。もう一度ここに呼ばれたってことは……もう一つ願いを叶えてくれる気になったってこと?」
天使「まぁ、お前がこのバトルロワイヤルで優勝すればそういうことになるな」
蝶「……うふっ、私ね、実を言うと後悔してたのよ。あの時、最後に『お金』か『時間』か迫られて……『お金』を選んじゃったこと」
蝶「もちろん、仕事も辞めて、素敵なお家に住んで、色んな贅沢をして……願いを叶える前より幸せになれたのは間違いないんだけど……」
蝶「……お金を持って、自分の人生を振り返る余裕ができて……痛感したわ。若いってどういうことか、老いるってどういうことか」
蝶「人生で最も輝かしい時間を失ってしまった事実を覆すことはできない……けど、私は、私だけは!それを覆してもいいのね……!?」
蝶「ああ……!ようやく始まるのね!私の人生が……!」
天使「……勝てたらの話だからな」
蝶「懐かしいわね……この無人の街も」スタスタ
蝶(与えられた能力は前回と同じ『どこでもドア』……宝石配りに当選さえすればあとは逃げ回るだけで勝てそうね……)
蝶(当たらなかったら奪いにいく必要があるけど……それもまぁなんとかなるでしょう)
蝶(さて……宝石配りまでは暇だし、そこらをぶらぶらしながら願いが叶った後の予定でも考えて……)
セレナ「……む」バッタリ
蝶「あっ」バッタリ
セレナ(他の参加者!できれば終盤まで出会いたくなかったが……)ザッ
蝶(宝石配りの前に会っちゃった……めんどくさいわね)
蝶(ここで一人減らしておこうかしら。宝石は死体にも配られる、ものね)
蝶(でもここでMPを減らしちゃうのも考えものよね……じゃあ逃げる?それとも、柄じゃないけどそれ『以外』か……)
蝶(今回のバトルロワイヤルは多分一日で終わり……慎重に考えないとね、ここは……)
蝶が取った行動は『下1』だった!
1.『セレナ』と戦闘する!私のやることは変わらない。
2.『セレナ』から逃亡する!触らぬ神に祟りなし、よね。
3.『セレナ』をチームに誘う!前回からの学びを活かしましょう。
どれだった!?1~3番から選んでね!下1だよ!
蝶「……」ダッ
セレナ(……逃げた!?)
蝶(まぁ、戦わないと決めたら、あとは逃げるしかないわよね)ピューッ
セレナ(どうやら慎重な性格のようだな……それはそれで厄介だが、まぁここで襲い掛かってこられるよりはおおいにマシだな。私の能力は早期の一対一に絶望的に向いてない。向こうから逃げてくれるならそれを見送るまでだ)スッ
蝶(追いかけてこない……どうやら能力を使わなくても逃げれそうね)
蝶(もしかして本気じゃない……一度優勝してもう願いがないとか……?)
蝶(……いや、それはなさそうね。あの眼を見れば分かる。あれは酷い欠乏の中にある眼……私も人のことは言えないけれど)
蝶「人の欲って、果てしないものよね……」
現状
1.サキ
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:なし
2.山谷 ゆたか
M P:100
登 録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:なし
『姉帯 ゆりあ』と一緒にビル街をうろうろ。
3.番井 蝶
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:なし
住宅街から別の場所へ逃走。
4.田中星児
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
5.セレナ・ド・モンフォール
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:なし
住宅街に居る。
6.四谷祥子
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:なし
7.姉帯 ゆりあ
M P:0
登 録:『山谷 ゆたか』
持 ち 物:なし
『山谷 ゆたか』と一緒にビル街をうろうろ。
そんなこんなでついに午後零時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!
誰と誰だった!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)
寺
天使「ほい、当たりはお前だ、サキ」
サキ「……やったぁ」
サキ(特にお願い事はないけど……この宝石は目印になるんだもんね)
サキ「ねっ、天使さん。ゆたかさんもここに来てるんでしょ?」
天使「あぁ、あいつも一応優勝者だからな」
サキ「じゃあ多分……会いにきてくれるよね」ギュッ
河川敷・北
天使「はいよ、大当たり~」ポイッ
祥子「よし……後はこれを持ち続けていれば……!」パシッ
天使「……ん、お前はまだ願い事あるんだな」
祥子「……まぁ、子供一人、不自由なく育てられるぐらいのお金は必要だと思って」
祥子「私の職も安定したものじゃないし……折角もう一度生まれてきてくれたんですもの。私にはあの子を真っ当に育てる義務があるわ」
天使「……涙ぐましいね」
天使(まぁ、バトルロワイヤルに精力的なのはありがたことだが)
祥子「とりあえずはここで待機ね……」
公園
蝶「天使さん、そろそろ……」
天使「あぁ……宝石か。外れだよ、お前は」
蝶「チッ」
蝶(前回から含めてやっぱり一度も当たらなかったわね……まぁそれでも勝てるからいいけど)
蝶「早速宝石の所に行きましょうか……」
蝶(二つとも動いてない……どっちもその場に待機してるってことかしら?)
蝶「どっちに行こうかしら……」
住宅街・北西
セレナ「天使、今日の宝石配りは」
天使「はっずれー」
セレナ「……よし、それでいいんだ」
セレナ(私の能力では、下手に宝石に当選して位置がバレる方がまずいからな)
セレナ「さて、宝石のもとへ行くか。二か所共に動きが無いようだが……」
セレナ(その場で待機しているのか、私のように位置がバレるのを嫌ってその場に捨てていったか……どちらにしろ、行ってみねば分からんか)スッ
セレナ「さぁ、どちらにするか……」
ビル街・中央
ゆりあ「天使殿、今日の宝石は……」
天使「あぁ、お前ら両方外れだ」
ゆたか「うーん、まぁ両方当たって危険なことになるよりはええか」
ゆたか「ほんじゃまぁ……一旦宝石ん所行ってみよか。サキちゃんが当たってたら二分の一で会えるし、サキちゃんも同じ理由で宝石ん所行ってるかもしれんしな」
ゆりあ「というかそれ以外にすることないですしな」
五樹「じゃあ……どっちの宝石に行く?」
ゆたかが取った行動は『下1』、蝶が取った行動は『下2』、セレナが取った行動は『下3』だった!
1.寺(『サキ』が居る場所)の宝石へ行く。
2.河川敷・北(『四谷 祥子』が居る場所)の宝石へ行く。
どっちだった!?1、2番から選んでね!下1~3の三人に安価を取るよ!
河川敷・北
祥子(宝石が配られてから数分……他の参加者が来るとしたら、後数十分はかか……)
バビュンッ!
星児「到着……っと」キキーッ
祥子(目の前に猛スピードの少女が!加速する能力かしら……?)
星児「……居ない、か」キョロキョロ
祥子(……?)
祥子「とにかく、私の宝石は渡さないわよ!」
星児「ん……じゃあ、そうだな。あんた、願い事は?」
祥子「……養育費よ。生活がかかってるの」
星児「ならOKだ。そのままあんたが持ってていいよ、宝石」
祥子「え……?」
星児「俺はもう願い事なんてねぇんだ。あんたも知ってるだろうけど、一回優勝してるからな」
祥子(女の子なのに『俺』……)
祥子「じゃあ、どうしてここに?」
星児「人探しだよ。ちょっと会いたい奴が居てさ。宝石がある所に来ると思ってたんだが……ちょっと早く着き過ぎたな。これじゃまだ来てないだけか別の宝石に行ったか分からん」
祥子「人探し……?」
祥子(……とにかく、宝石が狙いじゃないのは間違いなさそうね)ホッ
星児「……」ジーッ
祥子「……?」
星児「あんたさぁ、ちょっと俺と組まねぇ?」
祥子「はぁ?どうしてそんな……」
星児「いや、俺としてはもう一個の宝石の様子を見に行きたいけど、その間に目標の奴とすれ違いになってもめんどくさい。でもあんたが俺について来てくれればその心配はなくなる」
星児「その代わり、あんたの宝石を俺が守ってやるよ。……ほら、それが俺の能力だ。結構役に立つぜ」
天使「ほい」ピラッ
祥子(『時間操作』……)
祥子「……この紙は、本物?」
天使「もちろん」
祥子(確かに……かなり有用な能力だわ。それに、自分の能力を見せてきた彼女は信頼できる。ここから移動するデメリットより、彼女とチームを組めるメリットの方が大きい……わね)
祥子「……分かったわ。あなたと行動を共にしましょう……四谷祥子よ。よろしく」
星児「よぉっし、俺は田中星児、よろしくな」
寺
ザッ……
サキ(……足音!誰か来た、もしかしてゆたかさん……)スッ
ゆたか「んおーい!サーキちゃーん!」ペターンッ
サキ「誰……っ!?」
ゆたか「え?忘れてもーたん?ゆたかよゆたか、山谷ゆたか!」
サキ「でも、私の知ってるゆたかさんはもっとこう、おっぱいが……」
ゆたか「あーそっか、願い叶える前しか知らんのやもんな。ウチ神様にお願いして胸取ってもろてん」ペターンッ
三夏「スポーツする時邪魔だもんなー」
サキ「そっか……ってことは本物のゆたかさん……っ!」ギュッ
ゆたか「ひっさしぶりー!元気しとったぁ?」ギュッ
サキ「うん……!ゆたかさんこそ……」
ゆりあ(とりあえず、再会は果たせたみたいですな)
サキ「……ゆたかさん。そっちの人達は……」
ゆたか「ああ、ゆりあさんと愉快な妹さん達やで」
ゆりあ「どうもよろしくですぞ!ところで……その宝石は譲っていただけるのですかな?」
サキ「えっ……だ、ダメです……」サッ
ゆたか「なんかお願い事あるん?」
サキ「うん……秋さん達とも会いたいなって思って……」
ゆたか「そっかぁ……ほなもう一個取りに行こか!な!」クルッ
四雫「少し、話が違うぞ……」
ゆりあ「まぁまぁ、あたし達はまだ願いを叶えるかどうか決まってもないわけですしな……」
蝶(さて……宝石の反応の場所まで来てみたけれど……)コソッ
サキ・ゆたか・ゆりあ・妹s「~」
蝶「いっぱい居るわね……」
蝶(おそらくあの中の誰かが『分身』の能力を持っているのでしょう……あれを『分身』と呼ぶのが適当なのかどうかは分からないけど)
蝶(本体を殺せば他も消えるかしら……いえ、そもそもあの人数から本体を確定させることは不可能ね。多数からお姉ちゃん呼びされてる子が怪しいけど……ブラフの可能性もあるものね)
蝶(その上、あれらの中の何人が人形かすらも分からない。バトルロワイヤル開始から一時間半ほど経っているのだし、もう一人別の能力を持った参加者が居ても不思議じゃない……し、それがどいつかも分からない)
蝶(私の『どこでもドア』じゃ倒すのは無理ね……宝石は一個でいいんだし、もう一個の宝石の所に行きましょうか)スタスタ
サキ・ゆたか・ゆりあ・妹s「~」
セレナ「いっぱい居るな……」コソッ
セレナ「……おい天使。バトルロワイヤルの参加人数は七人。間違いないな?」
天使「ああ。神と天使は嘘をつかない」
セレナ(だとすればあいつらの内の大半、少なくとも四人以上は何らかの能力で生み出された物……)
セレナ(流石に私以外の六人があそこに集結しているとは考え難いが……二人以上の参加者が紛れていてもおかしくはない)
セレナ(とりあえず、まだこの段階で『絶滅波動』を使うわけにはいかないな……奴らの動向を探りつつ、イベントを待つことになるか……)
セレナ(このまま何事もなければ、終了間際に全滅させて終わりで楽なのだが……)
交差点・c3
蝶(この先から宝石の反応が……)
星児「……おっ」ザッ
蝶「……あら。やっぱりあなたも来てたの」ザッ
星児「よぉ……久しぶりだなぁ」
祥子「この人が……あなたの会いたかった人?」
星児「あぁ、そうだ」
蝶「へぇ、私のこと探してたの。どうして?」
星児「お前には散々世話になったからな……殺されたり宝石奪われたり、それでちゃっかり優勝しやがってよぉ……!お前のせいでこっちは現実世界でも死ぬかもしれなかったんだぞ」
蝶「それでも今はちゃんとこうして生きてるわけだし、いいじゃない?」
星児「悪いが、そんなんじゃ収まらねぇ……今回のバトルロワイヤル、お前を徹底的に妨害する!絶対に優勝なんかさせない!」
蝶(……厄介ね。確かあの子の能力は『加速』……私の能力は避けられちゃう。とはいえ、向こうの宝石も奪えないし、ここは……)
蝶「そこの人!多分、宝石を持ってるのはあなたよね!」
祥子「……?だったら、何だっていうのかしら」
蝶「私と組まない?」
星児「……あぁ?」
蝶「宝石を狙うのは私だけじゃないのよ?参加者は他に四人も居るんだから。ここは戦うよりも身を寄せ合って他の参加者に対抗するのが賢明じゃないかしら?」
星児(……どうしよう。祥子さんがチームに応じたら……あのおばさんを倒すと裏切り行為になっちまう)
祥子「……」
蝶(あと一押しって感じかしら)
蝶「協力してくれるなら、情報提供もしてあげられるわよ。例えば、さっき会った白衣の女の子の話とか……」
祥子「白衣の女……!?」
蝶「え?」
星児「……そいつ同期か?」
祥子「えぇ……でも、私の回の優勝者は、私だけだったはず……」
星児(白衣を着てるだけで別の奴ってことか……?いやでも白衣なんか被るか普通)
星児「おい天使!このバトルロワイヤルは過去の優勝者しか居ないんだよな!」
天使「……それが趣旨だとは言ったが、その通りになったとは言っていない……具体的には、優勝者が六人しか居なかったから適当に一人埋め合わせた」
星児「はぁ!?なんだそりゃ!?」
祥子「……ということは、やはりあの女がこの戦場に……」
蝶(あの子、優勝者じゃなかったのね……道理でギラギラしてるはずだわ。これは嬉しい誤算ね、あの子をダシに出任せでもなんでも言って押し切っちゃいましょう)
蝶「ほら、他にも優勝に固執してる参加者が居るって思うと、やっぱり協力しあった方がいいでしょう?」
星児「相手もこっちも欲しいのは1ポイントだけなんだ。お前と協力しても無駄な奪い合いが増えるだけだろ」
蝶「……そうかしら。例えばその子が人類滅亡なんか願ってたらどう?協力してでもその子の優勝を阻止すべきでしょう?」
蝶「……そうよね。優勝者ばっかりだと争いが起こりづらいし、神様側はそうならないような起爆剤を置くはず……でもそうなるようなルールは聞かされてないし、他に神様が介入したのはその七人目の人選だけ……やっぱりあの白衣の子、そのままにしてたらまずいんじゃ……」
蝶(……出任せのつもりだったのに、なんか真実味が出てきたわね……?)
星児「そいつ対他の六人。を狙ってるってことかぁ?けど、人類滅亡なんて願う奴なんか……」
祥子「あり得るわね……あの女の能力、性格を思えば」
星児「……マジ?」
祥子(エナツは西部劇が好きで、保安官に変身する能力を与えられていた。ジョーもフィギュアが好きだったらしいし……全員に当てはまる法則ではないみたいだけど、おそらく参加者と参加者が受け取る能力には関連性がある)
祥子(そしてあの女は、周囲の人間を問答無用で爆殺する能力を受け取っていた……多対一に向いていて、なおかつ邪知暴虐な能力。彼女が偶然、補欠に選ばれたとは思えない……)
星児「チッ……どうやら本気で一時休戦しねぇとまずいみてぇだな。その女を探そう」
星児(ようやく人生が楽しくなってきたんだ。ここで滅亡なんてしてたまるか)
祥子「彼女の能力は『絶滅波動』……周囲の人間を一瞬で殺す能力よ。けれどおそらく一度しか使えない。そこを突いて、ここは別れて行動するべきよ。私の時もそうしたわ」
星児「だったら……」
『星児・祥子』が取った行動は『下1』だった!
1.星児のみでもう一つの宝石へ!
2.祥子のみでもう一つの宝石へ!
3.二人でもう一つの宝石へ!
どれだった!?1~3番から選んでね!下1だよ!
星児「……お前行けよ、おばさん。あんたの能力が一番向いてるだろ」
蝶「おばっ……嫌よ。あなた達のどっちかが行ったらいいじゃない」
星児「あぁ?今はこんな言い争いしてる場合じゃねーだろ。誰かが行かなきゃ全滅かもしれねぇんだぞ?」
蝶「ええそうね。『だから行かない』……私がここから動かなければ、あなた達が代わりに行ってくれる、行かざるをえないでしょう?」
星児(マジかこいつこんな時に……!どんだけがめついんだ)
星児(じゃあ代わりに俺が行くか……?いやこのおばさんと祥子さんを二人っきりにするわけには……)
祥子「……私が行くわ。私の能力は、あの女の天敵だし」スッ
星児「じゃあ、任せたよ。祥子さん」
蝶「……行ったわね」
星児「……言っとくけどな。祥子さんのこと追いかけようとしても無駄だぞ。俺の能力があればお前のことも追いかけ……」
蝶「ふぅん……本当にそうかしら?『前方500m』」ボワンッ
星児「んな……っんだお前!ここから動かないんじゃねーのかよ!」ダッ
蝶「そんなこと言ったかしら?ばいば~い」フリフリ
バタンッ
星児「マッッッジかあのばばあ……!」
星児(すぐさま追いかけて……!)ピタッ
星児(……いや、ダメだ。追いかけられねぇ。追いかけて一か所にまとまったら、白衣の女の『絶滅波動』で一網打尽にされる可能性がある!)
星児(だから俺だけはここで待機してなきゃならねぇ……!クソッ、やられた……!)
商店街・西
ゆたか「……お、もう一個の宝石がこっちに来とる。もうすぐ鉢会うな」
サキ「……なんでだろ?」
四雫「サキ殿……一つ質問なのだが、君はどうやってバトルロワイヤルに優勝したんだ?」
四雫(『絶対防御』という、能動的に宝石を奪いにいけない能力でどうやって……?)
サキ「いろんな人が手伝ってくれて……私、良い人かどうか見分けるのには、自信があるんです」
ゆりあ「……なるほど、それは一番大事な能力かもしれませんな」
ゆたか「説得力あるわぁ……ん?」
ゆたか(宝石の反応が……)
祥子「……あなた達ね」ザッ
ゆたか「おっ、あんたがもう一個の宝石持っとるんか」ピタッ
祥子(人が大勢……おそらくジョーのような人形を使役する能力ね)
祥子「……少し話を聞いてもらえるかしら。あなた達、白衣の女性を見なかった?」
ゆりあ「……?見てないですぞ」
祥子「その、実は……」カクカクシカジカ
ゆりあ「ほほう……?人類滅亡を願っている参加者が居るかも知れない……と」
祥子(自分で説明してて苦しくなって来たわね……憶測に過ぎない箇所が多いし、彼女達は直接あの女を知っているわけではないし……)
ゆたか「……どうする?この話、一から十まで真っ赤な嘘かもしれへんで」
サキ「私は……この人嘘ついてないと思う」
ゆたか「そか!ならウチも信じるわ!サキちゃんが言うことやもんな!」
ゆりあ「なら、あたしもそうしますぞ」
四雫「些か軽率では……」
三夏「まぁでも、ちっちゃい子のお願いとか、養育費とか切実なの聞くとなー……葛斎さんも、そういうの蹴落としてまで叶えて欲しくないだろ。一度吹っ切った願いをさ」
祥子「……ありがとう。恩に着るわ」
ゆたか「そんで、その白衣の人をとっちめればええんやな?」
祥子「ええ。ここに宝石が二つ集まっているのだし……必ず近くに潜んでいるはずよ」
ゆりあ「となると、それを炙り出すことから始めねばなりませぬな……」
ゆたか「それやったらええ方法があるで」
セレナ(……!あいつは確か……そうか、あの後あの女が優勝したのか)
セレナ(それで……そうか、この私の優勝を阻止するために……)
セレナ(よくぞあの少ないヒントで私の願いまで推測したものだな……ここに来る前に他の参加者と話していたようだし、三人寄ればなんとやら、だな)
セレナ(さて……あの人形共を使って周辺を捜索されると流石にここに潜んでいるのがバレるか……)
セレナ(なら離れるまでだ。なに、『絶滅波動』の効果範囲は半径200mに及ぶ。視認できない距離まで離れても、宝石の位置と距離をレーダーで把握していれば……)スッ
ゆたか「そぉ……れっ!」ブンッ
セレナ(宝石を投げた……?一体何を……)
セレナ(……、……!?宝石が、落ちてこない……!)
ゆたか「こうすれば誰も願いを叶えることはできん。ウチらも、その白衣の人も」
セレナ(あの少女の能力……!宝石を戦場から除外するつもりか……!)
ゆたか「さぁて、もう一個ぉ!」ググッ
セレナ「……っ、待て!」バッ
ゆたか「ふふん……まんまと出てきよったな、悪い人!」ニヤッ
セレナ(やはり、私をおびき寄せるのが狙いか)
セレナ「だが少し、タイミングが悪かったな……?」
ゆたか「あん?」
天使「……もうすぐ午前二時、だな」
ゆたか「……そういやなんか追加した言うとったな!」
カチッ
現状
1.サキ
M P:100
登 録:『山谷 ゆたか』『姉帯ゆりあ』
持 ち 物:なし
『山谷 ゆたか』『四谷祥子』『姉帯ゆりあ』と一緒に商店街・西で『セレナ・ド・モンフォール』と会敵。
2.山谷 ゆたか
M P:80
登 録:『サキ』『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:なし
『サキ』『四谷祥子』『姉帯ゆりあ』と一緒に商店街・西で『セレナ・ド・モンフォール』と会敵。
3.番井 蝶
M P:80
登 録:なし
持 ち 物:なし
『四谷祥子』のもとへ追走。
4.田中星児
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:ナイフ
河川敷・北で待機。
5.セレナ・ド・モンフォール
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:なし
商店街・西で『サキ』『山谷 ゆたか』『四谷祥子』『姉帯ゆりあ』と会敵。
6.四谷祥子
M P:100
登 録:なし
持 ち 物:なし
『サキ』『山谷 ゆたか』『姉帯ゆりあ』と一緒に商店街・西で『セレナ・ド・モンフォール』と会敵。
7.姉帯 ゆりあ
M P:0
登 録:『サキ』『山谷 ゆたか』
持 ち 物:なし
『サキ』『山谷 ゆたか』『四谷祥子』と一緒に商店街・西で『セレナ・ド・モンフォール』と会敵。
そんなこんなでついに午後二時!『イベント』の時間に!『下1~3』のどれかが起こった!
(起こるイベントを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
全員の見た目(肉体・服装)が天使と同じになる(妹たち含む)+場所シャッフル
誰かを殺した者は見た目が元に戻る
天界・ルーレット
神様「もう二時……これがラストイベントか。天使くん。ルーレットとダーツを」
天使「はいはい」ガラガラガラ
天使「ほっ」ギュルンッ
神様「行くぞ~」
次のレスのコンマが
01~33で『全参加者がフィールド端にワープさせられ宝石はフィールド中心に配置される』
34~66で『参加者全員が今いる場所同士で場所シャッフル』
67~99で『宝石が地面にへばりついて離れなくなる』
00で全部
神様「てぇいっ!」トスッ
>>282は描写が困難なので、独断ですが除外させていただきました。ご了承ください。
天使「はい。今日のイベントは『全参加者がフィールド端にワープさせられ宝石はフィールド中心に配置される』……ってことで、それっ!」
セレナ「……っ!」
バシュンッ
セレナ「っ、ととっ」スタッ
セレナ(全く別の場所へ転送された……とりあえずこれで、窮地は脱することができたな)
セレナ(さて、早速宝石のもとへ戻らねば……?)
セレナ(……!一つの宝石が、上空へ移動している……!?)
セレナ(再配置されても、宝石にかかった能力が解けるわけではないということか……!あの少女の能力……物体に一定のベクトルの斥力を与え続ける能力か?何にせよ、もう一個の宝石も同じように上空に投げ飛ばされるとまずいな……)
セレナ(二日目になれば、MPの回復、情報の交換……奴らの総合力が増す。ただでさえ奴らに結束されて苦しいんだ。勝てるとしたら初日の残り二時間、宝石が誰の手にもない、この場面しかない)
セレナ(誰かに拾われる前に、私が宝石を拾う……!)ダッ
工事現場・北
ゆたか「うおっ、と、飛ばされたぁっ!」ワタワタ
ゆたか「んぐっ、サキちゃん!ゆりあさん!」プルルルル
ゆたか「とりあえず全員で宝石の所にダッシュや!ええな!」
サキ『う、うん、分かった……!』
ゆりあ『了解ですぞ!』
ゆたか(あの白衣の人の能力考えたらバラバラに行った方がええんやろうけど……サキちゃんはちっちゃいし、ゆりあさん達も集団行動で遅なるやろし、全員全力疾走で丁度ええやろ!多分!)
ゆたか(ただもし……万が一、あの白衣の人が優勝することになったら……)
ゆたか(人類滅亡なんてふざけたこと、願わんでくれることを願うしかないな……)
線路・北
蝶「おっと」スタッ
蝶(飛ばされちゃったわね……どうせこうなるなら能力使わない方がよかったわね)
蝶(まぁいいわ。他に瞬間移動の能力者がいなければ……中央の宝石は私が手に入れることができる……あとは器用に逃げてれば勝ち……)
蝶「ん……?」
蝶(なんか、片方の宝石が空の方に飛んでいくのだけど……他の参加者の能力ね)
蝶「……ねぇ、天使さん。宝石って、バトルロワイヤルが終わる瞬間に触れてさえいれば、ポイントにできるのよね?」
天使「あぁ」
蝶(じゃあ上空の宝石に『どこでもドア』で移動してタッチすれば……タイミングが厳しいかしら……?いえ、腕力には自信があるし、数十秒はしがみついていられるはず。きちんとタイマーを見てれば不可能じゃない)
蝶(それができるなら、地上の宝石を拾って逃げ続けるよりずっと安全ね)
蝶(でもそれだとあの白衣の子の優勝を阻止できないけど……)
蝶(まぁ、他の人達がどうにかするでしょう。そもそも白衣の子が『人類滅亡』なんてふざけた願い事するっていうのもなんだか怪しいし。私の出任せが偶然はまっちゃっただけよね、あんなの)ケロッ
蝶「というわけで、あとは終了間際までここでゆっくりしてましょうか……うふふ、勝ったわ」
路地裏・東
星児「うおっ」スタッ
星児(飛ばされた……!これで全員宝石との距離がイーブン!)
星児「……祥子さん!」プルルルル
祥子「田中さん」
星児「他の奴らとレーダー登録したか!?」
祥子「……ごめんなさい。その暇もないままイベントに……」
星児「そうか……」
星児(他の奴らの動向が分からないってなると、俺ら二人ともで宝石の所に行くわけにはいかねぇ。どっちかがその場で待機しとかねぇと……またこの二択か)
『星児・祥子』が取った行動は『下1』だった!
1.星児がもう一つの宝石へ!
2.祥子がもう一つの宝石へ!
どっちだった!?1、2番から選んでね!下1だよ!
1
星児「ここは……俺が宝石を取りに行く!祥子さんはそこで待機しといてくれ!」
星児(俺の能力なら他の誰より早く宝石を取りに行ける!あのおばさんも取りに来たら分からんけど……その時も色々動き回れる俺が行った方が良いだろう)
祥子「分かったわ」
星児「行くぜっ!」ダッ
交差点・c3
星児「……っと」キキーッ
星児(よし……やっぱり俺が一番乗りだ)スッ
星児(さて、宝石も拾えたことだし、次は白衣の女から遠ざかりたい所だが……あいつの居場所が分かってない内は、逃げるべき方向も分からない)
星児(ここで待つか……その内、白衣の女か、祥子さんから事情を聞いてる奴らがここに来るはず)
ゆたか「うおおおっ」ダダダッ
星児「お……来たな」
ゆたか「ふぅ……あんたは?」
星児「祥子さんの仲間の田中星児だ。お前らと同じ目的で動いてる。この宝石も白衣の女をぶっ倒した後、適当な奴に譲るつもりだ」
星児「そんで、早速だがお前の仲間の位置を教えてくれ」
ゆたか「オッケーや。サキちゃんがあっちで、ゆりあさんがこっち……」
星児「それで俺がこっち、祥子さんがそこ、お前がそっちから来たから……」
星児(天使は『それぞれ一定距離になるようワープさせる』って言ってた。だから俺達がどこに飛ばされたかを知ればあいつがどこに飛ばされたかも逆算できる!あいつは多分西側に飛ばされた!)
星児「よぉし……俺は今から東に走る!多分白衣の女はそれを追いかけてくるから、お前はそこを捕まえろっ!」ダッ
ゆたか「全部あんたが決めとるのが癪やけど……まぁ了解や!任しときん!」
ゆりあ「うおおおっ」ダダダッ
サキ「あっ、ゆりあさん……」ヒョコッ
ゆりあ「おっ、転送位置が隣だったのは記憶しておりますが、まさか我々に追いつくとは……」
三夏「やるな!サキちゃん!」
サキ「うん、私足速いから……あっ」
ゆりあ「む、前方に人影が……」
星児(おっ、あのいっぱい居る奴らは多分ゆたかって奴の仲間だな)
星児「おーい!、お前、ら……」
セレナ「待っていたよ……愚民ども」ザッ
星児(白衣の女……!どうしてこっちに!?)
セレナ(位置を逆算したまでは良かったが……足りないな。私がそれを読んで行動する場合を考えていない)
セレナ(こちらに逃げられるとあらかじめ予測しておけば、戦場の中央を迂回して潜んでおけばいいだけのこと!)
星児(そいつが今わざわざ顔出したってことは……!)クルッ
セレナ「全ては私の計算通り!お前自身はもちろん、お前を追いかける少女、こちらに走ってくる集団!全員ここから範囲内だっ!『絶滅波動』!」カッ
星児「しまっ……!」
ドサドサッ
セレナ「……よし、これで全員死んだ……ん?」
サキ「あれ……ゆ、ゆりあさん!?ゆたかさんも……電話に出ない……」
セレナ(少女が一人生き残っている……?あの球状に少女を覆っている物は……シールドか。私の『絶滅波動』を防げる能力があるとはな……)
セレナ(だが、それだけの防御能力を有するからには、相対的に攻撃手段は乏しいだろう。あいつ一人生き残った所で無意味……!)
セレナ「さっさと失せろ」
サキ「うぅ……っ!」ダッ
セレナ(さて、和服の女が来なかったということは、あの女が待機役だったということか……徹底した私への対策。だがそれも、私を再度追い詰める時間ありきの作戦!)
セレナ(イベント発生から更に時間が経ち、バトルロワイヤルの終了まで残り一時間を切った!それだけの時間ならば、逃げ切るのは可能だ……!)
セレナ(更にあの女がどこに転送されたのかも逆算できる。他の奴らがどの方角から現れたかを思い出せば……完璧だ。最早誰も私を捉えることはできない!)ダッ
祥子(……!田中さんの反応が消えた!あの女が能力を使ったということ……!後は私があの女を捕まえれば!)ダッ
祥子(……!?宝石の反応が、私から遠ざかっていく!?私の位置がバレている……まずい!このままだと……!)
線路・北
蝶「さぁ……もうそろそろバトルロワイヤルも終わりね。後はタイミングを見計らって空の宝石の所へドアを繋げば……」
蝶(……ん?宝石の反応が……上昇を止めた。落ちていく……?)
蝶(誰かの能力がここで解除された!?どうして……いやそれよりも、あの落下地点に他の参加者が居たらまずい……回収しに行かなくちゃ!)ボワンッ
交差点・c3
サキ(ゆたかさんが言ってた……)
ゆたか『サキちゃん。ウチは宝石をどこに投げたと思う?』
サキ『前みたいに太陽……じゃないの?』
ゆたか『ブブー。正解は「雲」や。むざむざ宝石捨てるんももったいないしな。せやからあの宝石は雲に当たった後……ウチの計算が正しければバトルロワイヤル終了直前に……「落ちてくる」』
蝶「……っ、やっぱり居たわね」ガチャッ
サキ「っ!?」
蝶「そこをどきなさいガキ!落ちてくる宝石を受け取る私よっ!」バッ
サキ「ぜ、『絶対防御』!」ガキンッ
蝶「……っ!?」
蝶(シールド……!?)
蝶「こっ、このっ!このぉっ!」ガンガン
蝶(ダメ……びくともしない。押すこともできない。完全に固定されてる……!ああ!あそこに立つだけで宝石が降ってくるのに!あそこに立っているだけでいいのに……っ!)
ヒュウウウウッ
天使「……宝石はちゃんとシールドをすり抜けるようにしておいた。あと、直接キャッチしようとしたら死ぬから、一旦地面に落ちるのを待て」
サキ「わ、分かりました……!」ドキドキ
ドゴッ
天使「今だ!拾え!」
サキ「は、はい!」スッ
『サキ』、『セレナ・ド・モンフォール』が1ポイントずつ獲得!
異能力者七人のバトルロワイヤル!一日目が終了した!
そして同時に、1ポイント獲得した者がいるため、ゲームセット!
その後、参加者は参加前の現実世界へと戻って行く!
異能力者七人のバトルロワイヤル!これにて終了となる!
天界
セレナ「……!ここは……?」シュンッ
神様「お・め・で・とう!君達が今回の優勝者だ。いいバトルロワイヤルだったよ」
セレナ「もしかして……お前が神か」
神様「ご明察。ここは君達の願いを叶えるための場所」
セレナ「なるほどな……だが、しかし、ならば、どうして!ここに私以外の人間が居るっ!」ビッ
サキ「……!」
神様「……彼女が優勝者だからだよ」
セレナ(最後にあった宝石の落下……!一体何が起きていたのだ!?どの時点に、どんな仕掛けが……!)
神様「さて、番号の早い順に願いを叶えていくよ。『1.サキ』。なんでも言いたまえ」
セレナ(まずい!この少女は私の願いに気付いて……)
サキ「……この人の願い事を、なかったことにしてください!」
セレナ「……っ!」ギリッ
神様「……わかった。現世でも元気でね」
サキ「はい!」シュンッ
神様「よし。じゃあ次は君の番だ。願いを言いたまえ」
セレナ「どうせなかったことにされるのにか……!?」
神様「……そうだね」
セレナ「っ、おい天使!『天使と神は嘘をつかない』んじゃなかったのか!?この状況は『優勝者の願いを叶える』というルールと矛盾するぞ!」
天使「あぁ……そうだな。この人は今からルールを破ることになる。だから……神の座を失う」
セレナ「……だから何だと言うのだ!お前の立場など知ったことか!いいから私の願いを叶えろ!どうせ約束を違えるなら、あの少女との約束を違えればいいだろう!何故……っ!」
神様「そこは好みだね。まぁ、なんだ。神様にも神様なりの、愛着ってもんがあるのさ……さぁ、さっさと願いを言ってくれ。それを聞き流すのが、僕の最後のお仕事だ」
セレナ「ぐっ……おおお……っ!こんなっ、ことがあぁぁ……っ!」
とある街
秋(サキちゃん元気にしてるかな……)スタスタ
男「あいてっ」ドンッ
秋「あっ、すいません」ペコッ
男「いえ、こちらこそ……」
秋「……あれ?どこかで会ったこと……あります?」
男(……!こいつ、僕の姿を覚えてるのか……?知っている全員の記憶から削除されるはずだが……)
男(そうか、こいつだけは『出会った人間を忘れない能力』を持っているから……人間になったことで僕もそれの対象になったということか……)
秋「……?」
男(この様子を見る限り、それも完璧じゃないようだが……まぁ出会った時は人間じゃなかったしね)
男「人違いじゃないですか?」
秋「そうですか……すいません、変なこと言って」
男「いえ……それでは」スッ
天使(馬鹿な神様だ……ただの催しで神の資格を手放し、人間に戻るとは……)
天使(これでこき使われることもないと思うと清々するが……)
天使「……確かに、退屈はしなかったよ。神様」フヨフヨ
天界
神様Ⅱ「これからよろしくお願いしますッ!」ビシッ
天使「あー……新しい神様ですか。ここの仕事は楽ですし、そんなに肩肘張らなくていいですよ。あと立場はこっちが下なので、敬語もいいです」
神様Ⅱ「はいッ!頑張りますッ!」
数百年後
神様Ⅱ「暇だ……」
神様Ⅱ(なんだこの下界は……知的生命体が居ることには居るが、進化が遅すぎてやることが何もない……)
神様Ⅱ(前任はどうやってこの暇をしのいでたんだろう……ん?なんだこの紙。『異能力者七人のバトルロワイヤル』?)ペラッ
神様Ⅱ「見たいな……」
=終=
以上になります。
これにて異能力者七人のバトルロワイヤルシリーズ完全完結です。
まずは、ここまで読んでくれてありがとうございました。
書いていてとても楽しかったです。読んでくれた皆様も、同じくらい楽しんでいただけていたなら幸いです。
他のシリーズは全て二週間以内に終わっているのですが今作だけ丸々一か月かかってしまいました。遅筆で申し訳ございませんでした。
>>290、>>291
↑ここの安価が最後の、物語全体の終わりを分ける安価でした。
もしここで『四谷 祥子』が宝石を取りに行っていれば、身体能力が高いセレナが先に宝石を取ることで後手に回ることになり、最終的に『サキ』と『山谷 ゆたか』が揃って優勝するという「1」のセルフオマージュで締める予定でした。
こちらをトゥルーエンドに据えていたたのですが、いざ別の方を書いてみるとこっちもトゥルーっぽくなったので良かったです。
もし「シリーズが終わるのが寂しい」「もっと異能力者七人のバトルロワイヤルが見たい」という奇特な方が居れば、スレ主になることをおすすめします。それかワールドトリガーとかハンターハンターとか読めばいいと思います。
別シリーズ
アルティメット寿司じゃんけん【安価】
アルティメット寿司じゃんけん【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492523010/)
アルティメット寿司じゃんけん 2【安価】
アルティメット寿司じゃんけん 2【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1512467358/)
アルティメット寿司じゃんけん 3【安価】
アルティメット寿司じゃんけん 3【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1531324990/)
アルティメット寿司じゃんけん 4【安価】
アルティメット寿司じゃんけん 4【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549010780/)
アルティメット寿司じゃんけん 5【安価】
アルティメット寿司じゃんけん 5【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1568454824/)
↑こちらは同作者の別シリーズになります。ふざけた名前ですがどうかこちらもよろしくお願いいたします。
最後にもう一度、ここまで読んでくれてありがとうございました。
乙 勝手な予測だけど病気を治す能力で被曝を治すと思ってたわ
>>304
それが可能ならセレナに勝ち筋がなさすぎるので……その作戦は不可能ということで進行させていただきました。
私も「2」のラストを回収する所を想像して「ふーんエモいじゃん」とほくそ笑んでいたのでそれが実現できずに少し残念です。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません