神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」【安価】 (146)

天界




天使「どうしました神様」

神「暇じゃん」

天使「そうすか」

神「という訳で異能力者七人のバトルロワイヤルを企画したよ。これがルールだよ」パサッ



【ルール】

・参加者は七人。全員、異能力を一つだけ持っている。
・参加者の持ち物は普段の衣服と、特殊レーダー(後述)のみ。
・フィールドは参加者以外の人間が存在しない無人の街。武器の調達などは可能とする。
・毎日午前六時に、死んでいる参加者は生き返る。
・毎日午前七時に二つの宝石が、参加者七人の内二人に、ランダムに配布される。
・特殊レーダーには、宝石の位置、登録した参加者の位置が表示される。また、登録された参加者との通話も可能。
・特殊レーダーと宝石は、どんな能力を用いても、破壊、消失させる事はできない。
・午後七時に宝石を持っていた参加者は、宝石と引き換えに同じ個数のポイントを得る。
・最初に2ポイント獲得した参加者が勝者。願い事を一つ叶えられる。



天使「何故、これを私に?」

神「後は頼んだ」

天使「うっわめんどくせ」


・・・・・・


天使「ふぅ・・・フィールド、小道具、諸々の準備が終わったな。後は参加者とそいつの能力だけど・・・」

天使「こいつら(下1~下7)でいっか」



【キャラシート】

名前:

能力:
説明:

性別:

年齢:
誕生日:/

職業:

性格:

外見:

身体能力:

一人称と口調:

好きな物:

嫌いな物:

願い事

その他:(生い立ち、特技など)


キャラクターを安価してくださる時は上記のキャラシートを使っていただけると助かります。
また、【ルール】で分からない所があれば、いつでも質問してくださって構いません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1522944180

名前:サキ

能力:絶対防御
説明:破壊する事のできないシールドを展開できる。(オートでも発動する)攻撃能力は全くない

性別:女の子

年齢:8
誕生日:8/23

職業:小学生

性格:臆病

外見:制服を着たお嬢様

身体能力:足が速い

一人称と口調:わたし、穏やかな口調

好きな物:チョコ

嫌いな物:お化け

願い事:引っ越した友達とまた同じ学校に通いたい

その他:(生い立ち、特技)
裕福な家庭で育った女の子。かくれんぼが得意で足も速い



【キャラシート】

名前: 六東 秋――ろくとう しゅう――

能力:十文字変〈クロスワード〉
説明: ペンで書いた文字を実現させる能力。
刀と書けばその周囲から刀が出現し、炎と書けばその付近が燃える。
但し文字が消えれば能力も消え、文字を書いた場所から一メートル離れれば能力が消える。
一日に十文字しか書けず、最後の一文字を書いた瞬間から二十四時間立たなければ発動する事が出来ない。

性別: 男性

年齢: 18
誕生日:9/6

職業: 学生

性格: 状況によって、あるいは人物を変えて性格を変える。
厄介なのはその性格全てが彼の本心であり、まるで多重人格の様にも見えるが、あくまでも性格が変わるだけである。


外見: 赤に近い茶髪をした外見とは裏腹に筋肉質な男。ブレザー服の下に白色のパーカーを着込んでいる。

身体能力: 運動能力は高いが持久力は無い。

一人称と口調: 基本的な口調は「~だ」「~だと思う」で一人称は「俺」

好きな物: 石(珍しい形をした石をコレクションしている)

嫌いな物: ゴキブリ(足の毛みたいな所が苦手)

願い事:無い。もしくは願い事を探している。

その他:彼に経歴は無い、と言うか記憶が無い。
自分自身がどんな人間であるのかすら分からず、気が付けばこのバトルロワイヤルに選ばれていた。
なので自分の記憶を探す為に神が作り上げたこの舞台に参加する事を決意する。







一番主人公っぽい設定してるので『六東 秋』の視点から物語を始めます。



・・・



天使「どうも天使です。『六東 秋』お前は選ばれた」

秋「・・・は?」

秋(気が付くと、俺はビル(?)の一室で座っていた)

秋「どっ、どこだよここ」

天使「お前。いや、お前達には今から殺し合いをしてもらう」

秋「は?殺し合いって、何・・・」

天使「これがルールの紙、お前の能力について書かれた紙。そして特殊レーダーだ」

秋「話聞けよお前っ!」

天使「ぎゃあぎゃあうるさいなぁ・・・もっと静かな奴の担当になりたかったよ」

秋「・・・さっきから、何言ってんだ、お前」

天使「あーあー、分かったから。お前は特別頭が悪そうだから念入りに説明してやる」スイッ

秋「あっ・・・!?」

秋(目の前の天使(?)が指を振った途端、体が動かなくなった)

秋(口を動かす事すらできない。なんだこれ、超能力・・・!?)

天使「黙ってよく聞け・・・とある天界に、暇を持て余した一柱の神が居た」

秋(なんだそのモンスターエンジンのコントに出てきそうな神様は)

天使「そしてあんまりに暇だったもんで、こんな催しを企画なされたのさ」

秋(そこで天使が、さっき俺に手渡そうとしていた紙を俺に見せた。『異能力者七人のバトルロワイヤル』・・・などと書かれている)

天使「これの『参加者』にお前は選ばれたのさ。六東秋。そしてここは『参加者』と案内役の私しかいない無人の街だ」

天使「つまりお前はコロッセオの中の剣闘士。リングの中のプロレスラー。切り株の上の昆虫って事だ」

秋(虫扱いかよ)

天使「ここまでに何か質問は?」スイッ

秋「異能力者。・・・って、俺はお前みたいな超能力は持ってないぞ」

天使「ああ、『それ』はこっちで用意した。剣士には剣が、レスラーには覆面が、昆虫にはワックスが必要だからな」ピラッ

秋「『十文字変』・・・?」

天使「それがお前の命運を握る『能力』だ。よーく読んどけ。じゃあ私は寝るから。何か質問があれば・・・」

秋「あ、ちょっと待て!」

天使「・・・なんだよ」

秋「『俺の記憶が無い』・・・のも、お前の仕業なのか?」

天使「・・・はぁ?知らないよ。これに選ばれる前に頭ぶつけたんじゃねーの?」

天使「・・・いや、でもどうだろう。あの人も悪ふざけで色々やるからなぁ・・・そのせいかもしれん」

秋「あ、あの人、って神様の事か!?じゃあそいつに会わせてくれよ!何か・・・」

天使「ダメだ。それは天使の私でもできん・・・でも向こうは今こっちを見てるから、面白い事すりゃあ、会うぐらいはできるかもな」

秋(そして天使が説明を終えて姿を消してから、四十分が過ぎた。今の時間は六時四十分。ルールに書いてあった『宝石配り』まで後二十分)

秋(俺はとりあえず、ビル内を探索して『文字を書ける物』を探していた)

秋「鉛筆、シャーペン、ボールペン・・・こんなもんかな」

秋(初期位置がビルの中っていうのはラッキーだったな。俺の能力、『十文字変』は筆記用具がないと使えないからな)

秋(さて・・・こっからどうするかな。ビルを出て街を探索するか、宝石配りの時間まで待機するか・・・)

秋「はぁ・・・バトルロワイヤルかぁ・・・。ルールによると、最終的に死人は出ないようになってるけど・・・人を[ピーーー]なんて気が乗らないな・・・」

秋(それに、『勝者は願い事を叶えてもらえる』っていうルール。神様が言うんなら、世界平和だって可能なんだろうな)

秋(俺みたいなよく分かんない奴よりも、他にここに立つべき人間が居ると思うんだけどなぁ)

秋(俺は願い事なんてないし・・・)



天使『面白い事すりゃあ、会うぐらいはできるかもな』



秋「・・・よし、決めた。とりあえず大活躍しよう。そんで願い事は別の誰かに譲ろう。立派で、優しい奴に」

秋「そうと決まれば、ずっとビルの中っていうのは『つまんねぇ』よな。外に出てみるか」



秋「うおー・・・本当に無人の街だ。何か気味悪いな」

秋「今からここで、異能力で殺し合いなんて、現実感ねぇな・・・」

秋「そういや、他の参加者は今頃何を・・・お。噂をすれば」

秋「おーい!」ブンブン

下1「・・・」



1.ロリお嬢様『サキ』
2.メロンソーダ大好きJK『久遠寺七香』
3.オッスオラ『名無』
4.名は体を表す(物理)『山谷ゆたか』
5.二人目の戦闘狂『荒衣鉄雄』
6.復讐に燃える元警官『クラモト』

六東秋が出会ったのは誰!?1~6番の中から選んでね!下1だよ!

秋「おーい!」ブンブン

七香「!」バッ

七香(私以外の・・・『参加者』!)

七香(どうしよう・・・?逃げるか、近付くか、交戦か・・・)

七香(交戦はまずい。私の能力『気配遮断』は、一度使用すると二時間のクールタイムが必要になる)

七香(もうすぐ宝石配りの時間・・・能力の使用権は残しておかないと)

七香(それに、相手の能力が分かっていない以上、私の能力で勝てるかどうかも分からない。とにかく、今戦うのは得策じゃない)

七香(じゃあ逃げる・・・?駄目、見たところ、相手も私と歳の変わらない男子。多分逃げ切れない)

七香(かと言って、無策で近寄るのもリスキー・・・)



秋(なんだか随分警戒してるな・・・まぁそりゃそうか。あいつも殺し合いの説明を受けてきた所なんだから)

秋(何か制服着てるし、女子高生かな?よし、ここは『僕』で行くか)

秋「おーい!こっちに来て、僕とお話しませんかーっ!」

七香(とりあえず・・・あいつの言う通りにしてみましょう)

七香(もし私を殺すつもりなら・・・返り討ちにして殺す)

秋「どうも!僕、六東秋って言います!よろしく!」

七香「久遠寺七香・・・十七歳です。歳は、おいくつですか?」

秋「えっと多分・・・十八です」

七香「多分?」

秋「あはは。何か記憶ないんですよね。僕」

七香「じゃあ・・・願い事は『記憶を取り戻す』・・・ですか?」

秋「それも考えたんだけど・・・何かそれは願い事って感じじゃないなぁーって思って」

秋「そこで提案なんだけど、七香さん。僕と手を組みませんか?」

七香「・・・?」

秋「僕の目的は、神様に注目してもらう事だから・・・宝石とかポイントとかはあんまり要らないんだ」

秋「僕がもし宝石をゲットしたら、君にあげる。だから、君は僕の・・・サポート役?みたいな奴になってくれないか」

七香「・・・」

秋(そりゃ、まぁ、信用できないよま。何か俺の誠意を証明する物があればいいんだけど・・・)

秋「あ、証拠にほら」ゴソゴソピラッ

七香「能力が書かれた紙・・・」

秋「これをタダで君に見せよう。仲間になるかどうかは、これを見てから決めてくれ」

七香「天使さん。この紙は本物?」

天使「・・・ん、ああ、本物だよ。私が書いたものだ」

七香「そう・・・」

秋(天使に聞く・・・そういう確かめ方もあるのか。っていうかまだ疑ってやがったなこのアマ)

七香「分かりました。手を組みましょう、六東さん。私の紙もどうぞ」

七香(能力の良し悪しはそこまで問題じゃない。問題は従順であるかどうか。そうであれば、例え無能力だったとしても、宝石配りの当選確率を上げる事ができる)

七香(そして無償で能力の紙を私に渡した事を考えると、彼は信用するに値する)

七香(これで私が宝石配りで宝石をゲットする確率は2/7・・・他の参加者の二倍!)

七香「頑張りましょう。六東さん」

秋「うん!頑張ろう!」

現状


1.サキ
特になし。


2.久遠寺七香
登録:『六東秋』
情報:『六東秋』の存在。『六東秋』の能力『十文字変』の詳細。

現在『六東秋』と行動を共にしている。


3.六東秋
登録:『久遠寺七香』
持ち物:筆記用具色々
情報:『久遠寺七香』の存在。『久遠寺七香』の能力『気配遮断』の詳細。

現在『久遠寺七香』と行動を共にしている。


4.名無
特になし。


5.山谷ゆたか
特になし。


6.荒衣鉄雄
特になし。


7.クラモト
特になし。




一方その頃、『下1』と『下2』が出会っていた!

誰と誰が出会った!?1番、もしくは4~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)

鉄雄「で・・・ここが交差点か」

鉄雄(天使の説明が終わってから五十分。探索は順調。おそらく、この街を一番把握しているのは俺だな)

鉄雄「しかし・・・どこか実在する街がモデルになってると思っていたんだが・・・見覚えのねぇ道や建物ばっかりだ」

鉄雄「やっぱ歩き回るしかねぇな。それが今、俺にできる唯一の事だ」

鉄雄「こーしてりゃ、その内他の奴とも当たるだろ・・・」

名無「でぇりゃあっ!」ビュンッ

鉄雄「うおっ!?」ガキインッ

名無(んなっ!?おらのキックが!)

名無「て、鉄みてぇな腕に防がれたっ!いでぇ!なんだおめぇ!」

鉄雄「なんだおめぇ。って、そりゃこっちの台詞よ。いきなり蹴りかかってくるなんて随分ご機嫌じゃねーのよ・・・!」

鉄雄「ま、丁度俺も退屈してたところだ。今度はこっちから行くぜぇ!クソガキ!」グオッ

鉄雄(『硬度調整』!右腕をガチガチに固めてぇ・・・っ!)ガチガチ

鉄雄「右ストレートォ!」バゴンッ

名無「ほっ」ピョンッ

鉄雄(!?こんなチビが俺の拳を避けただと!?なんつー身のこなしだ!)

名無「だぁっ!」ゴインッ

鉄雄「ぐっ」ズサァッ

名無「や、やっぱいでぇ!けど、さっきより柔らかかったぞ!」

鉄雄(くそ・・・右腕に能力を集中させすぎて、頭部を硬くするのが遅れた・・・!)

名無「分かったぞ!おめぇ、体のどっかを硬くできるんだろ!」ビシッ

鉄雄「何か別の意味に聞こえるが・・・まぁ、半分正解だ」

鉄雄(そんでこいつの能力は、さっきの超人的なバネとパワーを見る限り、『身体能力強化』・・・って所か?)

鉄雄「お前も脳筋戦闘狂なのかよ・・・キャラ被りすぎだろ」

名無「?」

現状


1.サキ
特になし。


2.久遠寺七香
登録:『六東秋』
情報:『六東秋』の存在。『六東秋』の能力『十文字変』の詳細。

現在『六東秋』と行動を共にしている。


3.六東秋
登録:『久遠寺七香』
持ち物:筆記用具色々
情報:『久遠寺七香』の存在。『久遠寺七香』の能力『気配遮断』の詳細。

現在『久遠寺七香』と行動を共にしている。


4.名無
情報:『荒衣鉄雄』の能力を『体の一部を硬くする』だと解釈。

現在『荒衣鉄雄』と交戦中。


5.山谷ゆたか
特になし。


6.荒衣鉄雄
情報:『名無』の能力を『身体能力強化』だと解釈。

現在『名無』と交戦中。


7.クラモト
特になし。



そんなこんなでついに午前七時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!

誰と誰だった!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)

公園



天使「サキちゃーん。・・・って、まだ公園じゃん。ここから動かなかったの?」

サキ「うん・・・だって怖いし・・・」

天使「いや、君の能力なら・・・まぁ、好きにすればいいけどさ」

サキ「それより天使さん。どうしたの?」

天使「いや、七時でしょ」

サキ「あ、そっか。もう『宝石配り』の時間なんだ・・・ってことは」

天使「はい、どうぞ。今日の初期保持者はサキちゃんだよ」スッ

サキ「やったぁ・・・!これを、後十二時間持ってればいいんだよね?」

天使「うん。そうすれば、1ポイント。優勝にリーチがかかる・・・持っていられるならね」

サキ「そうだ・・・もう一つの宝石は、誰が・・・あっ」レーダーパカッ

天使「もう一つの宝石がこっちに来てるね」

サキ「これって・・・誰かが私の宝石を、取りに来てるって事だよね・・・」ブルブル

天使「そう見るのが妥当だろうね」

サキ「ああっ、じゃあ逃げなきゃ。でも宝石持ってるから見つかっちゃう・・・この公園に隠れるとか・・・でもそれでも見つかっちゃったらどうしよう・・・」ブルブル

天使「あの・・・ちゃんと能力の紙読んだ?」

秋「午前七時になっても、何もないって事は・・・」

七香「天使?」

天使「うん。今日の初期保持者は、君達のどちらでもない。運が悪かったな」

七香「・・・ちっ」

秋「レーダーには動かない宝石が一つ。そこに向かってる宝石が一つ。どうしようか。僕としては、戦禍の渦中へ突撃したいなって思ってるけど」

秋「あ、いや、武器調達の方が先かな」

七香「いえ、武器なら調達済みです」シャキーン

秋「包丁・・・」

七香「初期位置が家屋でして。そこから拝借してきたんです。六東さんにも一丁貸します」

秋「おお、ありがとう」

七香「それから、六東さんに賛成です。そこに行きましょう」

七香「私の『気配遮断』は五分のタイムリミットがありますから・・・一度の発動で、多くの敵を殺しておきたい所です」

秋「・・・物騒だねぇ。まぁとりあえず、行くとしますか!」スタスタ

交差点



名無「だぁっ!とぉっ!だりゃりゃりゃっ!」

鉄雄「ふっ、ほっ、おらぁっ!」

鉄雄(時計塔・・・七時を指している・・・!)チラッ

鉄雄(けど、何もねぇって事は、俺達二人共ハズレたって事か・・・?)

鉄雄(レーダーを確認したいところだが・・・)

名無「はぁっ!」ボゴッ

鉄雄「うぐぅっ!」

名無「よそ見してんじゃねぇ!」シュタッ

鉄雄「ま・・・どっちか倒れるまでやめれんわなぁ・・・!」ザッ

商店街



ゆたか「えーと、投げたら痛い物・・・やっぱりナイフかな!それとおやつのバナナとー・・・」ガサゴソ

ゆたか「後、目潰し用にペイントボールとかも欲しいなぁ。どこに売ってるんだろ?」

ゆたか「あっ!そういえばもう七時じゃない!?天使さーん!」

天使「お前はハズレだったよ」

ゆたか「えー?運悪いなぁ。えっと、レーダーは・・・」

ゆたか「おっ、丁度二つ共集まろうとしてるじゃーん!」

ゆたか「とりあえず動かない方の宝石の所に行って、二つごっそり頂いちゃいますか!」テッテコテッテコ

駅前



倉本「・・・天使。宝石は」

天使「良かったね。おめでとう。一つは君の物だ」ポイッ

倉本「ふーん・・・まぁいいけどな。どうせ全員殺すつもりだったし」パシッ

倉本「もう一つは・・・あっちか。武器調達もさっき済ませたし、行くか」スタスタ

倉本(悪いな、神様。ルールを読む限り、あんたはこのゲームを何日かかけて楽しもうとしてるみたいだが・・・)

倉本(俺が全員殺して、今日一日で終わらせる・・・!)

現状


1.サキ
持ち物:宝石一つ

現在、公園で隠れる場所を探している。


2.久遠寺七香
登録:『六東秋』
持ち物:包丁数丁
情報:『六東秋』の存在。『六東秋』の能力『十文字変』の詳細。

現在『六東秋』と共に、『サキ』が所持する宝石へ移動中。


3.六東秋
登録:『久遠寺七香』
持ち物:筆記用具色々・包丁一丁
情報:『久遠寺七香』の存在。『久遠寺七香』の能力『気配遮断』の詳細。

現在『久遠寺七香』と共に、『サキ』が所持する宝石へ移動中。


4.名無
情報:『荒衣鉄雄』の能力を『体の一部を硬くする』だと解釈。

現在『荒衣鉄雄』と交戦中。


5.山谷ゆたか
持ち物:ナイフ数丁・バナナ数本・ペイントボール数個

現在『サキ』が所持する宝石へ移動中。


6.荒衣鉄雄
情報:『名無』の能力を『身体能力強化』だと解釈。

現在『名無』と交戦中。


7.クラモト
持ち物:宝石一つ・ナイフ一丁

現在『サキ』が所持する宝石へ移動中。



そして『サキ』が居る公園に真っ先に辿り着いたのは『下1』だった!

1.主人公っぽいコンビ『秋・七香』
2.商店街で盗人『山谷ゆたか』
3.危ない奴『クラモト』

誰が辿り着いた!?1~3番から選んでね!下1だよ!

公園



秋「反応はあそこの公園だけど・・・」

秋(人影は見えない。どこかに隠れてるのか?それか、七香ちゃんみたいな能力で、俺達には視認できないのか・・・)

秋「何か不気味だね・・・どうする?七香さん」

七香「六東さんが先に行ってください。私はここで見ています」

秋(ようは捨て駒んなれってこったなぁ?)

秋「・・・ピンチになったらちゃんと助けてくれる?」

七香「もちろん。私の能力は横槍を入れるのに向いてますから。それでこの役割分担です」

秋「・・・まぁ、僕の目的は注目してもらう事だし、それでいいけどね」スッ

秋(一応『盾』が書かれた紙を用意して・・・と)スタスタ

秋「おーい!誰かー!」

秋(ここら辺に居るのは間違いないんだが・・・)

七香『とりあえず、その公園内を探し回ってください』

秋(やっぱ俺の事捨て駒だと思ってるよなこいつ)

交差点



名無「ふぅ・・・ふぅ・・・強えな、おめえ」

鉄雄「ああ・・・お前もな・・・」

鉄雄「けど、悪いがお前一人に時間をかけてらんねえんだ。ここいらで本気を出して、ぶっとばさせてもらうぜ!」グォッ

名無「なんだと!返り討ちだぁ!」シュバッ

名無(完璧に避けたっ!さらに脇腹ががら空きだぁ!)

名無「だぁ・・・っ!?」

鉄雄(『硬度調整』!)グニュウッ

名無「ごふっ・・・」ドゴォッ

名無(何だこいつ、体がすげぇ曲がっておらのキックが当たらねぇ!しかも避けたパンチも伸びて曲がって、おらの顔に!)

鉄雄「言っただろ?『体の一部を硬くする』じゃあ『半分正解』だってな」

鉄雄「満点解答は『体の一部を硬くしたり軟らかくしたりできる』だ!」

鉄雄「柔よく剛を制し、剛よく柔を絶つ!その両立!それが俺のぉっ!」バッゴーンッ

名無「がはっ・・・」ドサッ

鉄雄「能力『硬度調整』なのさ」



名無:死亡

ゆたか「おー。今のすごいなぁ。おじさん」

鉄雄「お、なんだ嬢ちゃん。お前が次の挑戦者かぁ?」

ゆたか「んーん。ウチ、宝石取りに行く所やから。別におじさんと戦うつもりはあらへんで」

鉄雄「そおかい・・・」ユラァッ

ゆたか「?」

鉄雄(肩肘ぷるんっ!拳ガッチィン!)

鉄雄「鉄塊遠心力パンチィ!」バクォッ

ゆたか「うわわわぁっ!?」シュッ

鉄雄「お。いい反応だねぇ、嬢ちゃん」

ゆたか「野球やってるから・・・じゃなくて!何すんねんおじさん!ウチまだ宝石持っとらんで!?」

鉄雄「能力を知られたからにゃあ生かしておけねぇ!」

鉄雄「安心しな。おじさんは男女平等主義だから、お前がおれよりぷるぷるしてるからって、加減はしねえよ」

ゆたか「ぷっ、ぷるぷる・・・!?人が気にしてる事をー!」プルン

ゆたか「もう許せへん!けちょんけちょんにしたるぅ!」ジャラッ

鉄雄(!ナイフ!?)

ゆたか「『一球入魂』!」ビュビュビュン

鉄雄「・・・なんだぁ?肩はいいが、狙いがてんで駄目だな・・・?」

ゆたか「当たれっ!」

鉄雄(!ナイフが急に、俺の方に!)

鉄雄「くっ」バババシッ

鉄雄(ちっ!一本掠った!あいつの能力・・・、名前からして、『投げた物を当てる』か?)

ゆたか「なっ、今のを防ぐんかいな!?ほんならしゃーない、第二投目や!」

ゆたか「『一球入魂』!」ババババッ

鉄雄(次はペイントボールか・・・!っていうかさっきから全然一球じゃねぇ!)

鉄雄(目潰しはまずい!なんとか目には飛ばないように・・・)ズルッ

鉄雄「・・・ずるっ?」

鉄雄(あ、足元にバナナの皮が!いつの間に!)

ゆたか「バナナ隠すならナイフの中作戦成功や!加えてペイントボールに気ぃ取られて気付かんかったやろ!」

ゆたか「そんで後はズルってなった足をガシッと持ってぇ!」ガシッ

鉄雄「ヘッドスライディング!?」

ゆたか「ポイっとするだけやぁ!」ポイッ

鉄雄「うおおっ!?」グワン

鉄雄(投げた物を当てる能力!それで一体、俺をどこに・・・!?)

鉄雄「・・・はっ!この機動、影の位置!・・・『太陽』か!」

ゆたか「・・・場外ホームラン」ビシッ

鉄雄「お前ピッチャーじゃねぇのかよおおおお・・・」キラーン

ゆたか「ふうっ。決まった!」

ゆたか「ああ・・・せやけど、今のでペイントボールがいくつか割れてもーた。また商店街から貰わんと・・・」テッテコテッテコ



鉄雄:太陽へ吸い込まれる

公園



秋「・・・全然見つかんない・・・」

秋「七香さん。これ何かの能力だよ。そうじゃなきゃこうも・・・」

七香『六東さんの捜索が甘いんです。もっと真剣に探してください』

秋(様子見に俺を使いやがって・・・!)

七香『!・・・六東さん、気を付けてください。もう一つの宝石が、すぐ近くまで来てます』

秋「!」

秋(捜索に時間をかけ過ぎたか・・・!)

七香『私が居るのがばれたらまずいので通話切りますね』

秋「んなっ・・・」

秋(くそ・・・いよいよ、バトルの時間か・・・)

倉本「・・・お前が、宝石の保持者か」ザッ

秋(来た!)

秋「いや・・・違うけど」

秋(そうか・・・後から来る奴からはそう見えるのか。そうやって無駄に争わせるのが目的だったりするのか?だったら賢いな)

サキ(早くどこかに行って・・・!)ブルブル

倉本「まぁいいや・・・どうせ、全員殺すんだからな」

秋(・・・なんだ?指先が赤く・・・?)

倉本「『鮮血の弾丸』」ドンッ

秋「うおっ!?」

秋(危ねえ・・・。赤い弾丸・・・『血を弾丸にして飛ばす能力』か・・・?)

倉本「・・・ちっ。避け・・・」



バキィン!



倉本「ばきぃん?」

秋(後ろから音が・・・さっきの弾丸が当たったのか?・・・何に?)

サキ「きゃっ、きゃああああっ!」ガサガサッ

秋「なっ!」

秋(あの子が・・・)

七香(保持者!)ダッ

秋「あっ、七香さん!?」

七香『あの子を追いかけます!六東さんは時間を稼いで!』ダダダッ

秋「また適当な事を・・・!」

倉本「・・・」ドンッ

秋「うわぁっ!あんたはあの子追いかけなくていいのかよ!レーダー見たら分かるだろ!宝石持ってんのは俺じゃなくてあの子!」

倉本「どうせ全員殺すつもりだしな・・・レーダーで居場所が分かる奴より、目の前のお前を今ここで殺した方が効率的だろう?」

秋「・・・そうかよ!」

秋(ならこっちだって・・・『十文字変』!)

秋「『盾』!」ズギャン

倉本「!?」

倉本(何もない所から盾が!)

秋「おおおっ!」ダッ

倉本「おらっ!」ドンッドンッ

秋「ぐぅっ!」バギッバギッ

秋(すげえ威力・・・盾が壊れそうだ!けど、後二三発は持つ!それだけ耐えれば、距離を詰められる!)

秋(相手の能力は弾丸!距離を詰めればこっちが有利なはず!)

倉本「ちっ・・・いきなり『奥の手』を使う事になるとはな・・・まぁ、誰も見てないしいいか」

秋(なんだ・・・?何か、企んでいる・・・?)

倉本「『鮮血の弾丸』!」グワッ

秋「なぁ・・・っ!?」ズバシュッ

秋(俺の指が・・・『弾け飛んだ』!)

秋(まさか!『相手の血も弾丸にできる』のか!?)ズササッ

倉本「くそ・・・指一本か・・・対人間に使うのは初めてだからな・・・」

秋(後一歩踏み出していたら、全身が弾け飛んでたんじゃねーか・・・?)

秋(遠い敵には弾丸。近付く奴は消し飛んで相手の弾薬になる・・・なんだこいつ!強すぎるだろ!)

秋(ここは逃げるしかない・・・!)ダッ

倉本「・・・逃がすかよ」ドンッ

秋「がっ・・・」ズサァッ

秋(足が・・・!)

倉本「お前、さっき走ってった女の仲間だろ。あいつの能力を教えろ。そしたら生かしてやる」

秋(絶対嘘だな・・・)

秋「なぁ・・・『画竜点睛』って言葉、知ってるか・・・?」

倉本「・・・それがどうした」

秋「はは・・俺が何もせず、ただダラダラと公園を捜索していたと思うか・・・?」

倉本(・・・何だ?あいつが転んで足元にできた線が、何か別の物に繋がっている)

倉本(そうだ。大きな文字で『高層』という単語が俺の足元まで来ている)

倉本(後ろに振り返ると、今度は『ビル』という単語が、これまた大きな文字で続いている)

倉本(俺は今、『高層ビル』の真上に居た)

倉本「おいお前、この文字は・・・」

秋「そして今!『画竜点睛』!最後の一画は記されたっ!」シュバッ

秋「『十文字変』!『高層ビル』!」ズギャン

倉本「うっ、うおおっ!?」ゴゴゴゴ

倉本(急に、足元から高層ビルが出てきた・・・!今上空何メートルだここ・・・!)

倉本「あいつの能力・・・『単語を具現化する能力』・・・か?」

倉本(何にしろ、結局ただの時間稼ぎだ・・・さっさと降りて・・・)フッ

倉本(・・・・・・消えた・・・?)

秋「文字から一メートル離れると、具現化した物体は消える・・・」

倉本(ちょ・・・高・・・落ち・・・死・・・)



ベシャアッ



秋「宝石を回収して・・・と。さぁ、あの二人の所へ行こう」スッ

秋「・・・足いてえ」ズッズッ



クラモト:死亡

路地裏



秋「・・・お、居た。おーい」

七香「・・・って・・・でしょ・・・っ!」

サキ「・・・っ!・・・っ!」

秋(何か、様子が変だな)

七香「宝石を渡しなさいって言ってるでしょ!」ゲシッ

サキ「うっ!」ズサァッ

秋「お、おい!」

秋(七香があの子を『蹴り飛ばした』。それが何度繰り返されたのか、女の子はすっかり怯えて体を丸めている)

七香「ああ・・・六東さん。宝石持ってるって事は、勝ったんですね」

秋「うん・・・じゃなくて、やりすぎだよ!七香さん!こんな小さい子相手に・・・」

秋「大丈夫?怪我はない?」ギュッ

秋(女の子を抱きかかえる。女の子は震えながらも、小さく頷いた)

七香「何言ってるんですか・・・。殺し合いですよ、これは」

秋「そりゃっ・・・まぁ、そうだけどさぁ」

秋「平和的に行ける時は平和的に行こうよ・・・特にこんな小さい子相手は。えっと、君、名前は?」

サキ「サキ・・・です」

秋「そっかぁ。サキちゃんか。サキちゃんは・・・どんな願い事を叶えて欲しいの?」

サキ「お友達が引っ越して・・・また一緒に、同じ学校に行きたいの・・・」

秋「・・・そっか」

七香「くだらない・・・!」ギリッ

秋「なっ・・・さっきから酷いよ七香さん!サキちゃん、本当に大丈夫だった?本当に怪我無い?」

七香「・・・それは心配ないですよ。その子の能力、多分『絶対防御』ですから」

秋「絶対防御?」

七香「ほら」カラン

秋(七香が包丁を一丁、地面に捨てた。その包丁は、歪に刃がこぼれていて)

秋「それを向けたのか・・・この子に・・・!」

秋「君の願い事は、何だ。何が君をそうさせる!」

七香「・・・『死にたくない』」

七香「『不老不死』それが私の願い・・・死にたくない・・・死にたくないっ!」

ドゴオォンッ!



秋「!?」

秋(七香が台詞を言い終えた瞬間、一人の男が降ってきた)

鉄雄「あいつが投げたのが『ズボン』で良かった・・・俺の能力が『硬度調整』で良かった・・・」

鉄雄「そうでなければ、あの状態からの生還はなかったっ!」

秋(何だこのズボン履いてないムキムキの変態は!?)

鉄雄「ところでお嬢ちゃん・・・願い事が『不老不死』だって?俺とキャラ被ってる奴多すぎじゃねぇ?」

鉄雄「なんとなく気に食わねぇし、お嬢ちゃんからぶっ飛ばそうかぁ!」ギュオッ

七香「・・・っ『気配遮断』!」スウゥッ

鉄雄「!?消えた・・・!?」

鉄雄(瞬間移動・・・いや、透明化か?・・・どちらにせよ、俺にダメージを与える事はできんだろう)

鉄雄「計画変更っ!見えてる奴からぶっ飛ばぁす!」グルンッ

秋「どわぁっ!」ゴロォンッ

サキ「きゃあっ」

秋(『高層ビル』・・・駄目だな。この距離だと俺もビルに乗っちまう。それに、こいつは高い所から落ちても平気みたいだし・・・)

サキ「わっ、腕が勝手に・・・」グイッ

サキ(宝石が・・・)

秋「なっ、くそっ!」グイッ

秋「サキちゃん!大丈夫!?」ダダッ

サキ「う、うん。取られなかった」

七香(・・・惜しい)

秋(危ない・・・『気配遮断』は『絶対防御』をすり抜けるのか・・・!)

秋(っていうかあいつ迷わずサキちゃん攻撃しやがって!あのおっさんが先だろ!)

秋(ムキムキのおっさん・『気配遮断』を同時に相手取るのは、『残り五文字』じゃきつい!)

秋「逃げるしかないっ!」ダダダッ

鉄雄「待てぇい!」

秋「はぁっ・・・おいおっさん。キャラ被ってるって言ってたな・・・あんたの願い事も『不老不死』なのか?」

鉄雄「ん?あぁ・・・そうだよ。不死になって、永遠に戦場に立つのが俺の夢なのさ」

秋「このっ、あーもう!」ピタッ

鉄雄「?」

秋「お前らなぁ!贅沢なんだよ!死ぬのなんてまだまだ先だろうが!」

秋「その時が来てもない癖に!怖えだのなんだの!ぐだぐだ言ってる暇があるなら精一杯生きろ!」

秋「おい!七香!見えねえけど、どうせどっかで聞いてんだろ!お前とのコンビは解消だ!」

秋「『俺』は!お前らみたいな贅沢じゃなくて、『友達と一緒に居るために』、『失った物を取り戻す』ために立つ女の子に協力する!」

鉄雄「はん!協力する、だぁ!?あんなに逃げ回っておいて、俺に勝つつもりかぁ!?」ダッ

秋「いや、勝てない・・・だから『逃げる』」

鉄雄「そんなのさっきから・・・っ!?」

秋「残り五文字全消費!『東京タワー』!」ズギャンッ

鉄雄「うおおおっ!?」

鉄雄(目の前に東京タワーが!?)ズドドド



サキ「わぁ・・・すごい・・・高い」

秋「へへ、流石にここまでは来れないだろ。サキちゃん、これどうぞ」スッ

サキ「宝石・・・!いいの?」

秋「うん。これで君の手に宝石が二つ。後はここに座ってるだけで、君の勝ちだ、サキちゃん」

サキ「あ、ありがとう・・・えっと」

秋「六東秋」

サキ「ありがとう。秋さん」

秋「・・・どういたしまして」

秋(これで十文字全部消費した・・・もう明日のこの時間まで丸腰だ。けど、このままバトルは終わりだし、大丈夫だよな?)

七香「・・・まずい」スウゥッ

鉄雄「東京タワーの次は・・・何だ、さっきの嬢ちゃんか」

七香「あの二人はおそらく天辺に居るはず・・・あなた、これ登れますか」

鉄雄「ん?おっさんを舐めるなよ?今午前八時だろ?残り十一時間もあれば、登り切れるさ」

七香「・・・東京タワー、全長333メートルの内、全部が階段で繋がってる訳ではないんですよ」

鉄雄「・・・だったらちょいと厳しいかも・・・ん?いや、あいつの能力なら・・・」

七香「登る方法に心当たりがあるんですか!?なら、私も連れて行くべきです」

鉄雄「は?」

七香「天辺に居る、二人・・・宝石を持っているのはその内の一人、小さい女の子方です」

鉄雄「あの抱えられてたちびっ子か」

七香「さらに、その子の能力はおそらく『絶対防御』。いかなる攻撃も通用しません」

七香「ですが、私の能力ならば宝石を奪う事ができます。このままではあの女の子の勝利でゲームセット。それはあなたも嫌でしょう?もし可能なら、私を連れて行くべきです」

鉄雄「ふぅん・・・確かにその通りだな」

鉄雄「あんたの言っている事が本当なら、な。適当言って、ただ乗りしてぇだけじゃねぇの?」

七香「・・・!」

鉄雄(さて・・・どうしたもんか)



鉄雄が取った行動は『下1』だった!

1.『久遠寺七香』を信じる!一緒に『あいつ』の下へ!
2.『久遠寺七香』を信じない!危険因子は今すぐ殺す!

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!

鉄雄「ふん・・・いいだろうとりあえずは嬢ちゃんを信用してやる」

七香「・・・ありがとうございます」

鉄雄「そうと決まればレーダー登録だ」スッ

七香「はい・・・っ?」

鉄雄「どおらぁっ!」ズゴッ

七香「かはっ・・・!」

七香(こいつ・・・騙し・・・)ドサッ

鉄雄「まぁ、殺せる奴は殺しておかねーとな。さて・・・行くか」



七香:死亡

カツ丼屋



ゆたか「天使さーん!カツ丼おかわり!」

天使「いや君、何杯目だよ・・・そろそろ」

ゆたか「おかわり!」

天使「ああもう、もっと普通の奴の担当になりたかった・・・」ジュー

鉄雄「・・・何やってんだお前ら」

ゆたか「あん!?さっきのおじさんやんけ!何で生きとんねん!」

鉄雄「ズボン脱いだのさ・・・」

ゆたか「あ・・・あー!しもたぁ!もっと足首んとこガシッてするんやったぁ!」

ゆたか「くっ・・・や、やるかぁ!?もっかい投げ飛ばしたらぁ!」

鉄雄「まぁまぁ、今はてめえと戦り合うつもりはねーさ・・・レーダーを見てみな」

ゆたか「うわっ!二つ共同じ所にあるやんけ!誰かがもう二つ集めたって事か!?」

ゆたか「くそっ早いとこウチも行かな・・・」サッ

ゆたか「どわー!何か東京タワー出来とるやんけ!さっきまであんなん無かったぞ!」

鉄雄「宝石は二つ共、東京タワーの天辺にある」

ゆたか「そ、そんなら手出しできんやんけ!どないすんねん!」

鉄雄「そこで質問だ。お前の能力・・・『一球入魂』で、お前自身を投げる事はできるか?」

ゆたか「お・・・?おお!おじさん頭ええな!東京タワーの天辺に『私を投げて当てれば』ええんやな!」

ゆたか「ほな、おっさきー!」グイッピョンッビューンッ

鉄雄「ほいっ」ガシッ

ゆたか「ぬおっ!?何おぶさっとんねんおじさん!?」

鉄雄「俺も連れてってもらうぜ・・・!」

東京タワー頂上



サキ「ねぇ、秋さん・・・さっき、急に喋り方変わったよね。何で?」

秋「ああ・・・その、大人は皆演技して生きていくんだよ」

秋(俺は・・・何でだろう。『俺』を『使い分ける』事ができる)

秋(記憶を失う前からできたのか・・・それとも、記憶を失ったからこうなったのか。それは分からない)

秋「・・・怖かった?」

サキ「ううん・・・。どっちも『秋さん』って感じだったから・・・」

秋「・・・そっか」



ズダァンッ!



秋(俺が台詞を言い終わらない内に、一人の男が降り立った)

鉄雄「さぁ・・・さっきの続きを始めよう・・・!」

秋「さ、さっきのおっさん!?どうしてここに!?」

ゆたか「すまん!連れて来てもうた!」

秋「誰!」

鉄雄「そらっ!」グワアアンッ

秋「うおっ!」

サキ「きゃっ!」

秋(東京タワーが・・・揺れる・・・!)

秋(どうなる!?俺と、今来た女の子が死んだら!)

秋(俺の能力による『東京タワー』の消失し、サキちゃんとおっさんが転落!)

秋(333メートル!それだけの距離を落下して、サキちゃんは意識を保てるか!?いや、多分無理!)

秋(頑丈なおっさんだけが無事!気絶したサキちゃんと二人きり!このままだとそうなる!それはまずい!)

秋(どうにかしないと・・・でも、どうやって!?サキちゃんの能力は自分を守るだけだし、俺はもう十文字使い果たして丸腰!)

秋(くそっ・・・このままじゃ・・・)

ゆたか「あんちゃん!ウチに考えがある!宝石を一個ウチに渡して!」

秋「なっ、宝石を!?」

ゆたか「このままやとあのおじさんの一人勝ちやぞ!ええんか!」

秋「くっ・・・サキちゃん!」

サキ「は、はいっ!」ポイッ

ゆたか「っしゃあっ!」パシッ

ゆたか「そんでそのまま太陽まで飛んでけーっ!」ブンッ

鉄雄(それはまずいっ!)

鉄雄「どおりゃっ!」パシッ

鉄雄「・・・お?おおおっ!?」

鉄雄(この宝石、取っても止まらない!?)グイッ

鉄雄「くそっ!今日は一個で勘弁してやる。明日覚えてろよぉー・・・」キラーン

ゆたか「ふぅっ。危機は去った!」ビシッ

秋「あ、ありがとう・・・けど、残り一個は渡さないぞ!」サッ

サキ「・・・」ギュッ

ゆたか「ふん・・・そんな脅しに屈するウチやあらへんで・・・」

秋「これを見ろ」ピラッ

ゆたか「ん、なんやその紙。最初にもろた紙か?」

ゆたか「何々・・・?『十文字変』・・・『一メートル離れると具現化した物体は消える』・・・?」

秋「この東京タワーは俺が能力で生み出した物。何か妙な動きを見せたら、俺はこの東京タワーから『離れる』」

ゆたか「・・・あっ!そんな事されたらこの東京タワー消えて、ウチ落ちて死んでまうやん!」

秋「それが嫌なら、おとなしくしてろ」

ゆたか「むむむ・・・しゃーない!明日もあるしな、今日は宝石一個で我慢したろ!」

秋「はぁ・・・?宝石なら、さっき投げ飛ばして・・・」

ゆたか「なんや、あんたも気付かんかったんか?さっき投げたんは、商店街から適当にかっぱらって来たパチモンやで?」

秋「・・・えっ」

ゆたか「ふふん、ええ手やったやろ?おじさんを追っ払いつつ、あんたらからは、宝石一個貰える」

秋(この子・・・思ってたよりしたたかだ)

ゆたか「さぁて、喉渇いたし牛乳でも飲もかな!」ゴソゴソ

秋(さて・・・明日もこのゲームが続く・・・となれば)

秋「サキちゃん、お互いにレーダーを登録しておこう」スッ

サキ「あ、はい」スッ

ゆたか「おっ!そやな!」スッ

秋「・・・いや、君は敵・・・だろう?」

ゆたか「えー!?仲間外れなんか嫌やぁ!」

秋「って言っても・・・」

サキ「あの・・・どうぞ」ピッ

ゆたか「お、あんがとー!」

秋「サキちゃん!?」

サキ「仲間外れはダメ・・・だから」

ゆたか「お、偉いなー!歳いくつ?」

秋「くっ、じゃあお前も能力の紙見せろ!」

ゆたか「おお、あんたにも見せてもろたからええで」ピラッ

サキ「あ、じゃあ私も・・・」ピラッ



そして三人で歓談、情報交換しつつ、午後七時を迎える!



秋「おわっ」ボフッ

秋(午前七時になった途端、別の部屋に瞬間移動した)

天使「とりあえず、一日目お疲れ様。明日の朝六時になれば、また同じ街の、別の場所に配置される。それまでゆっくり体を休めとくんだな」

天使「それじゃ、私は街の修復作業に行ってくる。お前が無理矢理東京タワー建てるから、路地裏がボロボロだ」

秋「しょうがないだろ・・・」

秋(あ・・・すげー眠い・・・)

秋「ぐぅ」



『サキ』、『山谷ゆたか』が1ポイントずつ獲得!

異能力者七人のバトルロワイヤル!一日目が終了した!

現状



1.サキ

ポイント:1
登  録:『六東秋』『山谷ゆたか』
持 ち 物:なし



2.久遠寺七香

ポイント:0
登  録:『六東秋』
持 ち 物:包丁



3.六東秋

ポイント:0
登  録:『久遠寺七香』『サキ』『山谷ゆたか』
持 ち 物:筆記用具色々・包丁



4.名無

ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:なし



5.山谷ゆたか

ポイント:1
登  録:『サキ』『六東秋』
持 ち 物:ナイフ・バナナ・ペイントボール・偽宝石



6.荒衣鉄雄
ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:偽宝石



7.クラモト
ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:ナイフ



(情報表記は長くなるので割愛)

神様「自力で宝石を取る事ができない『サキ』と、戦闘向きじゃない能力の『山谷ゆたか』が一日目の獲得者か」

天使「逆にバリバリ戦闘系の能力の『名無』『荒衣鉄雄』『クラモト』は全員死亡。という結果になりましたね」

神様「序盤に『鉄雄』と『名無』が潰し合ったり、『クラモト』の最初の相手が『秋』じゃなければ、もうちょいバイオレンスな展開になったかのう」



天使「明日は誰が勝つと思いますか?」

神様「うーん。明日も『サキ』『秋』『ゆたか』が強いと思うのう」

神様「『秋』が『気配遮断』『鮮血の弾丸』」

神様「『ゆたか』が『硬度調整』と『名無の身体能力』」

神様「そして自身らの三つの能力を加え、全七つの能力の詳細を、情報交換によって得とるんじゃからのう」

神様「バトルロワイヤルでは、情報はとても重要じゃからな」

天使「さらに相互登録しているから、戦況が把握しやすいですもんね」

神様「逆に戦闘系三人は登録0で笑えるぞい」

天使「そうですね・・・中でも、序盤に死んだ『名無』『クラモト』は持っている情報が少ないから明日も厳しいですかね」

神様「それは見てからのお楽しみじゃぞい」

神様「おっ、もう午前六時じゃ。転送開始!」バッ

天使「・・・って神様。『下1』と『下2』の初期位置がもろ被りじゃないですか」



1.仲間外れはダメ『サキ』
2.二回裏切られた『久遠寺七香』
3.ロリのため戦う『六東秋』
4.持て余している『名無』
5.牛乳が美味しい『山谷ゆたか』
6.二回太陽へ飛ぶ『荒衣鉄雄』
7.全員殺す(笑)『クラモト』

誰と誰の位置が被った!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)

ビル街



倉本「・・・」

倉本「!!」バッ

倉本(何だ!?確かさっき、俺は落ちて・・・)

倉本(・・・そうか、死んで『生き返った』のか・・・つまり今日は二日目)

倉本「現在のポイントは・・・『1番』と『5番』が1ポイントずつか」

倉本(まだゲームは続いているらしいな・・・)

名無「だあああっ!」ビュンッ

倉本「!?」ゲシッ

倉本「いっっってぇ!何だクソガキ!」

名無「とぉっ!」ピョンッ

倉本(!?なんだこいつの跳躍力は!さっきキックしてきたばっかだってのに、もう次の攻撃が来る!でたらめだ!)

倉本「『鮮血の弾丸』!」

名無「ばっ」バシュッ

名無「・・・」ベチャッ

倉本「危ねぇ・・・あと少し、こいつを弾丸にするのが遅れていたら、頭蓋骨割られてたかもしれねぇ・・・」

倉本(くそっ。どうせならもっとでけえ奴と当たりたかったぜ)

倉本「こんな小っちゃいガキじゃ、大した『弾量』にならねえぞ・・・。それでも、ないよりはマシだが」

倉本「おい!天使!『宝石は死体にも配られる』んだよな!」

天使「ああ、そうだよ」

倉本(って事は、こいつの横にいるだけで獲得率は二倍。宝石配りの時間になるまで、ここでおとなしくしてるか・・・)スッ

倉本「あー・・・腕いてえ。折れてねぇだろうな、これ・・・」ズキズキ



名無:死亡

交差点



秋「うおっ転送された!」ヒュンッ

秋(昨日持ってた筆記用具とかはある・・・持ち物はそのままなのか)

秋「でも場所は交差点・・・サキちゃんと離れ離れになっちゃったな。まずは合流しないと」

秋(レーダーで位置を確認して・・・)

秋「もしもし、サキちゃん?」

サキ『あ、秋さん』

秋「そこ、商店街だよね?今からそっち行くから、昨日みたいにどこかに隠れてて」タッ

サキ『はい。頑張ります・・・!』

秋(もっかいレーダー確認。『久遠寺七香』はレーダーに映り続けてる。まだ『気配遮断』は使ってないみたいだな)

秋(何故か『山谷ゆたか』のレーダーも、商店街に向かってるんだが・・・まぁいいや)

秋「とりあえず、他の能力者に出会わないようにして。サキちゃんの下へ急ごう!」

路地裏



鉄雄「おいっ!天使!宝石がポイントに換算されてねーぞ!どーなってやがる!」

天使「でもお前宝石持ってないじゃん」

鉄雄「こっ、じゃあこれはなんだ!俺が午後七時になるまで必死にしがみついてたこれは!」

天使「偽物だよ」

鉄雄「なっ・・・!?」

鉄雄「あんのロリ巨乳~・・・っ!」

鉄雄「二回も俺をおちょくりやがって!許せねぇ!ぶっ飛ばす!」プンスコ

公園



七香「『六東秋』のレーダーがとある場所に、一直線に向かっている・・・あの子が居る所かな」

七香(昨日、六東さんが『十文字変』を使い切ったのは八時くらいだから・・・今から二時間、あの人は無能力)

七香(また、私のレーダーを登録してるって意味でも、さっさと殺しておきたい相手だけど・・・)

七香(私の能力を今ここで使うのは危険・・・『宝石配り』の時間には、使用権を残しておかないと)

七香(でなければ、もし私に宝石が配られた時、丸腰で自分の位置を晒す事になる・・・)

七香(けど、やっぱり六東さんが能力を使えない内に、殺しておきたい)

七香「・・・協力者を探そう。『六東秋は今、無能力』この情報を餌に、誰か・・・」スタスタ

現状



1.サキ

ポイント:1
登  録:『六東秋』『山谷ゆたか』
持 ち 物:なし

商店街にて隠れながら『六東秋』を待っている。



2.久遠寺七香

ポイント:0
登  録:『六東秋』
持 ち 物:包丁

『六東秋』を殺してくれる協力者を探している。



3.六東秋

ポイント:0
登  録:『久遠寺七香』『サキ』『山谷ゆたか』
持 ち 物:筆記用具色々・包丁

『サキ』と合流するため、商店街へ移動中。



4.名無

ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:なし

死亡。



5.山谷ゆたか

ポイント:1
登  録:『サキ』『六東秋』
持 ち 物:ナイフ・バナナの皮・ペイントボール・偽宝石

お腹が減ったので商店街へ移動中。



6.荒衣鉄雄
ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:偽宝石

『山谷ゆたか』をぶっ飛ばすために街を探索中。



7.クラモト
ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:ナイフ・『名無』の血液

『宝石配り』の時間までビル街で待機。



そしてついに『久遠寺七香』が『下1』と出会う!

誰と出会った!?5~7番の中から選んでね!下1だよ!
(レーダーに映っている『六東秋』と、その進行方向に居る『サキ』は避けているので除外。『名無』も死んでいるので除外)

路地裏



七香「・・・!あの人は!」

鉄雄「お?昨日の嬢ちゃんか」

鉄雄(昨日、殺したからな・・・俺への復讐をしに来たか・・・?)

鉄雄(多分、嬢ちゃんの能力は『透明化』だ。俺の『硬度調整』じゃ、防御することはできても攻撃することはできねぇ・・・どうする)

七香「・・・お願いがあります。私と協力して『六東秋』を殺してくれませんか」

鉄雄「・・・はぁ?俺と協力ぅ?お前、昨日自分が何で死んだか覚えてねえのか?」

七香「いえ。覚えています。『貴方に信じてもらえなかったから』・・・ですが、今日は信じてもらえる『証拠』が有りますので」パカッ

鉄雄(証拠・・・レーダー?)

七香「ここに映っているのは『六東秋』のレーダーです。私は昨日あなたが現れるまで、『六東秋』と協力関係にありました」

鉄雄「確かに・・・昨日、『コンビ解消』とか言ってたな、あいつ」

七香「故に私はあの人の能力を知っています。『十文字変』書いた文字を具現化する能力」

七香「ですが、十文字までという制約があり、一度十文字全て消費すると、それから24時間のインターバルが必要になります」

七香「『盾』『高層ビル』『東京タワー』の順に、彼は昨日、十文字消費しました」

鉄雄「確かに・・・天辺の最終戦で、あいつ何もしてなかったもんな・・・って事はあいつ、今は無能力か」

七香「はい。ですので、貴方にとっても参加者を減らすチャンスになります・・・今度は信じてもらえますよね?レーダーの登録があるんですから」

鉄雄「おう!いいぜ。信用してやる。何より、一回殺された相手と手を組もうっていう、その胆力が気に入った!」

鉄雄(何より、昨日のポイント獲得の結果を見る限り『野球女』と『六東秋』は手を組んでいる可能性が高い!)

鉄雄(あいつに復讐するために『六東秋』の居場所を知れるのは美味しい!)

鉄雄「そいじゃあ行こうか!不老不死願望コンビ結成だ!」

七香「語呂悪いですね・・・」

商店街



秋「おーい!サキちゃーん!」

サキ「秋さん・・・」ヒョコ

秋「よし!合流成功!」

秋(さて・・・次は時間稼ぎだ。とにかく俺が能力を使えるようになるまで。八時まで他の参加者と出会わないようにしないと)

ゆたか「おっ!二人共おはよー!」

秋「・・・お前と合流するつもりはなかったんだけど」

ゆたか「いやー、よう考えたら、ウチら全部の能力知っとるやん?やったらウチら三人で組んだほうが強いんちゃうかなーと思って」

秋「お前も叶えたい事があるんだろ?だったら強力はできないだろ」

秋(ある意味、不老不死より贅沢な望みだ)

ゆたか「分かってへんなぁお兄さん。ウチもサキちゃんも、欲しいのは残り1ポイントだけ。そんで一日に配られる宝石は二個!」プルンッ

ゆたか「ほんでお兄さんは別に願い事とかないんやろ?つまりウチらは『分け合える』事ができんねん」

秋「二人同時に優勝・・・?そんな事できるのか?」

天使「うん。まぁ、上手く行けば、そういう事もあり得るかもな」

ゆたか「お兄さんも、八時まで無能力なんやから、その間代わりに戦える仲間が居った方がええやろ?」

秋「ぐ・・・確かに」

ゆたか「っちゅー訳で、ウチらは三人で一人!おーけい?」グッ

サキ「うん・・・三人で一人・・・!」グッ

秋「まぁ、サキちゃんが言うなら・・・」

ズゴォンッ!



秋「!?」

秋(横の壁が・・・!)

鉄雄「みーつけたぁ・・・!」

秋「毎回派手に登場しなきゃいけない決まりでもあんのかおっさん!」

秋(どうしてここが分かった!?『久遠寺七香』のレーダーは近くにない・・・って事は)

秋(通話による遠隔オペレートか!登録したのか・・・俺以外の奴と・・・!)

ゆたか「サキちゃん!お兄さん!飛んでけぇっ!」ブンッ

秋「うおっ」

秋(体が空に!方向は・・・ビルか!)

ゆたか「逃げるが勝ち!後で落ち合おう!」ダッ

鉄雄「ちっ!お前だけは逃がすかよぉっ!」

ゆたか「ふん!飛べるもんなら飛んでみい!ほいっ!」グイッピョンッビューンッ

鉄雄「・・・ふっ!それを待ってたぜぇ!お前が空中に浮き、身動きが取れなくなるのを!」ジャラッ

ゆたか(あれは・・・昨日投げた宝石のパチモン!)

ゆたか「まずっ・・・」

鉄雄「返すぜ野球女ぁ!」

鉄雄(関節軟化!全身駆動!しなりとスピードとパワー!この一撃だけなら、あの猿ガキの『身体能力強化』をも遥かに上回るぅっ!)ボッ

ゆたか「くはっ・・・!」ドシュッ

鉄雄「ピッチャーフライ・・・!」ビシッ

七香『ちょっと荒衣さん!どうして先に女の子の方を狙ったんですか!』

鉄雄「あん?男の方に投げても、ちびっ子が盾になるだろ?それに、あの野球女には借りが有ったからな」

七香『・・・分かりました。では、もう一度彼の居場所へ案内しますから・・・』

鉄雄「まぁ、待て。もうすぐ宝石配りの時間だろう?野球女は今ので死んだが・・・能力はそのままで、死体はビルに向かって飛び続けてる」

鉄雄「もしかしたらあいつの死体に宝石が配られるかもしれないからな。俺は一度あっちのビルに向かうよ」ブツッ

七香「あっ、切っ・・・もう!」

現状



1.サキ

ポイント:1
登  録:『六東秋』『山谷ゆたか』
持 ち 物:なし

『六東秋』と共にビル街の一棟へ飛行中。



2.久遠寺七香

ポイント:0
登  録:『六東秋』『荒衣鉄雄』
持 ち 物:包丁

他の参加者と出会わないように『荒衣鉄雄』を『六東秋』の下へオペレート中。



3.六東秋

ポイント:0
登  録:『久遠寺七香』『サキ』『山谷ゆたか』
持 ち 物:筆記用具色々・包丁

『サキ』と共にビル街の一棟へ飛行中。



4.名無

ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:なし

死亡。



5.山谷ゆたか

ポイント:1
登  録:『サキ』『六東秋』
持 ち 物:ナイフ・バナナの皮・ペイントボール・偽宝石

『六東秋』『サキ』とは別のビルへ飛行中。



6.荒衣鉄雄
ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:なし

宝石獲得のため『山谷ゆたか』の空飛ぶ死体を追いかける



7.クラモト
ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:ナイフ・『名無』の血液

『宝石配り』の時間までビル街で待機。



そんなこんなでついに午前七時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!

誰と誰だった!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(死んでる奴が居るけど、除外しないよ!)
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)

ビル街上空



天使「おい」ビューンッ

秋「何?」ビューンッ

天使「『宝石配り』だ。ほらやるよ」ビューンッ

秋「う、受け取りづらい!」ビューンッ

秋「んで・・・もう一つの宝石はどこだ?」パカッ



ビル街



天使「ほら、今日もお前だ」ポイッ

倉本「また俺か・・・今度は、死なないようにしないとな」

倉本「さて・・・もう一つは・・・?」パカッ



秋「真下!?」

倉本「真上!?」

ビル頂上



秋「到着・・・っ!」ズササッ

秋(ヤバい!宝石のせいで、下の参加者にここに居る事がばれた!)

秋(今の俺は無能力、サキちゃんの能力じゃ敵を退ける事はできないし、このままじゃ俺、死ぬ!)



倉本「真上に反応・・・殺す」ザッザッ



秋(いや、待て!『硬度調整』のおっさんはまだ商店街付近だろうし『気配遮断』の七香は、レーダーが遠い!)

秋(って事は、下の能力者は『身体能力強化』か『鮮血の弾丸』!一か八か『鮮血の弾丸』なら・・・)

秋「サキちゃん・・・ちょっと怖いけど、協力してくれるかい?」

サキ「・・・うん!」コクッ

ビル頂上



倉本「・・・」ガチャッ

秋「・・・ああ、昨日の人か」

倉本「お前は・・・」サッ

倉本「『鮮血の弾丸』!」ドンッ

サキ「・・・っ」バキィンッ

倉本「!?弾丸が通じないだと・・・?」

秋「この子の能力は『絶対防御』お前の弾丸は、俺の所まで届かない」

倉本(なら近付いて、あいつの血液を弾丸に・・・いや)

秋「近付けないよな・・・!俺には『高層ビル』があるんだから・・・!」

秋「とはいえ、こんなに高い所で、上に『高層ビル』を出せば、俺も押し潰されちまう。俺も攻撃できない」

秋「引き分けだ。ここは退くのが、賢明だと思うぜ?」

倉本「・・・」ジリッ

秋「・・・!」

倉本「・・・勘違いするなよ。いつか殺す」クルッ

倉本「・・・」ザッザッ

秋「ふぅぅ・・・危ねぇぇ・・・」ドサッ

秋(あいつに俺の能力が全部ばれてなくて良かった・・・今俺が無能力である事がばれてたら、完全に殺されてた・・・)

秋「ごめんね、サキちゃん。盾みたいに扱っちゃって・・・」

サキ「ううん・・・三人で一人、だから」

秋「・・・うん」

秋(さっきの人がどっかに行ったのを確認したら、硬いおっさんとの鬼ごっこ再開だな)

秋「あ、宝石渡しとくね」スッ

サキ「でも・・・さっき、ゆたかさんと分け合うって・・・」

秋「それでも、サキちゃんが持ってた方が安全だから」

サキ「うん・・・じゃあ、持ってます」スッ

秋「さて・・・さっきの人は今どこかな?」パカッ

秋(・・・?このビルを出てちょっとした所で、動きが止まってる・・・?)

倉本「『鮮血の弾丸』・・・連続発射」



ズダダダダンッ!



秋「・・・えっ」ボボボッ

サキ「・・・えっ?」

秋「かふっ・・・」ベチャッ

サキ「え?・・・え?え?秋さん?秋さん!?」

倉本「やっぱりな。『絶対防御』は周辺にバリアを張る能力じゃなくて、自分の体の表面にのみ、バリアを張る能力だった」ザッ

倉本「後は射線が通るのを待つだけ・・・」

サキ「何で、まだここにっ!」

倉本「さっきのは降りたフリだよ。バレないように、宝石はそこらに投げ捨てた」スタスタ

サキ「秋さん!秋さんっ!」ユサユサ

倉本「無駄だ。反撃のチャンスは与えない。即死だよ。そのために貴重な血液を消費して連続発射なんて使ったんだ」

倉本「ま、すぐに補充できるがな・・・」ズクンズクン

サキ(秋さんの血が・・・!)

サキ「酷い、酷い・・・何で・・・っ」キッ

倉本「・・・ふん。ルールの紙読んでないのか?どうせ最後には全員生き返るんだから、別にいいだろ?」

サキ「そんな言い方・・・!」

倉本「ああ・・・でも、そうだよな。大事な人が死ぬのは辛いよな・・・」

サキ「・・・?」

倉本「さぁ、お前の宝石を渡せ」

サキ「い・・・嫌です」ギュッ

倉本(『絶対防御』が相手じゃ。ただいたずらに血を消費するだけだな・・・)

倉本(こいつをどうにかできる参加者を探すことにするか・・・)

倉本「ほら、付いて来い」ガシッ

サキ「あっ、やだっ!秋さん!秋さんっ!」ズルズル



秋:死亡

路地裏




七香「『六東秋』の反応が・・・消えた・・・?」

七香「他の誰かに殺されたか・・・」

七香(となると『荒衣鉄雄』は用済み。むしろ、私の位置を知る、厄介な敵)

七香(・・・死んでもらおう)



商店街



鉄雄「あーあ。宝石の反応があっちに固まってるって事は、俺でも野球女でもなかったか」

七香『荒衣さん』

鉄雄「ああ、確認できたし、今すぐあの男の方に行くよ。で、どっち行けばいい?」

七香『まず、そこからビル街の方に・・・』

七香(『六東秋』を殺した奴と鉢合わせさせる・・・!)

ビル街



サキ「・・・ねぇ。おじさん」

倉本「・・・クラモトだ。なんだよ」

サキ「クラモトさんの、願い事は、何?」

倉本「どうでもいいだろ。そんなこと」

サキ「どうでも・・・良くない・・・!秋さん、秋さんが・・・」

倉本「どうせ生き返るっつってんだろ・・・」

倉本「・・・とある奴の情報が欲しい。そいつがどこで、何をして、どんな風に生きてるのか」

サキ「・・・おうして?」

倉本「そいつに殺されたんだ。・・・俺の妻と娘が。娘はちょうどお前くらいの年齢だったよ」

倉本「あいつは・・・まだ生きている・・・何の報いも受けず・・・だからぁっ!」

サキ「・・・ひっ」

倉本「俺がっ!裁きを与えるんだ!あいつが最も恐怖し、苦しむ罰で、俺自身の手で!あいつらの・・・仇を!」

サキ「・・・そう、なんだ」

倉本「どうだ・・・同情して、宝石を渡すつもりになったか?」

サキ「・・・やだ」ギュッ

倉本「まぁ、そうだろうな」

サキ「・・・でも、クラモトさんの事、かわいそうだな。って、思う」

倉本「・・・そうかよ」

鉄雄「おいおい・・・ちびっ子の隣が変わってるじゃねぇか・・・」ザッ

倉本(!新手か!)サッ

鉄雄「おい、あんた。そいつの隣に居た奴はどうした?」

倉本「殺した・・・それがどうかしたか?」

鉄雄「じゃあレーダーも消えるはずだよなぁ・・・おい七香ちゃんよぉ。話が違うぜ?」

七香『・・・あなたにも一度裏切られましたし、これでおあいこ。という事で』ブツッ

鉄雄「あんのアマ・・・っ!ぶっ飛ばす!」

鉄雄「けど、まぁ、目の前の奴からやっていこうか」グッ

倉本(来る・・・!)

鉄雄(まだあいつの能力が分かってねぇし・・・初手は『下1』だ!)



1.足首を軟らかくして『ダッシュ』!一気に片を付ける!
2.今の間合いのまま『岩石を投げる』!様子見だ!

鉄雄の行動はどっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!

書き込み先間違えましたごめんなさい

>>78

このスレを見ていてくださっているのか分かりませんし、わざわざ文にする必要もなさそうですが、
僕は気にしてませんという事を、ここに明記しておきます。

↓から本編を再開します。

鉄雄「足首を思いっ切り曲げてぇ・・・っ!」グググッ

鉄雄「だあああっ!」ズダンッ

鉄雄(相手の能力が分からねぇなら素早く距離を詰めて、発動する前にぶっ飛ばす!)

鉄雄(それに相手の能力が何だろうと『硬度調整』の防御力なら、ちょっとやそっとじゃ負けねぇ!)ガチガチ

鉄雄「先手必勝!」グワッ

倉本「!」ギュッ

サキ「わぷっ」ボフッ

鉄雄「はあっ!」グオンッ

倉本「『鮮血の弾丸』!」カッ

鉄雄「ばっ・・・」バシュンッ

倉本「・・・ふん」

倉本(考え無しの馬鹿で良かったぜ)ズクンズクン



鉄雄:死亡

サキ「あの・・・クラモトさん」

倉本「あ?何だよ」

サキ「何でさっき私の事、ぎゅってしたんですか?」

倉本「・・・は?」

サキ「あの人が襲って来た時、こう、私の顔がクラモトさんのお腹に付くように、ぎゅって」ポスン

倉本「・・・」

サキ「クラモトさん?」

倉本「・・・うるせぇ。行くぞ」グイッ

サキ「あっ・・・」

倉本(・・・どうせ、咄嗟の事だったから体が強張った。とか、そんなどうでもいい理由のはずだ)

倉本(まさか、こいつに『人を殺す所を見せたくなかった』なんて、情けない理由のはずがない)

倉本「・・・そういや、お前の願い事はなんなんだ」

サキ「私は・・・『引っ越しちゃった友達と、また同じ学校に通いたい』・・・って思ってました」

倉本「ました?」

サキ「でも、今は『秋さんが、私達の事を忘れませんように』ってお願いしたいです」

倉本「秋さん・・・『文字を具現化する能力』の奴か」

サキ「秋さん、記憶喪失なんだ。って言ってました。何で記憶が無くなったのかも覚えてないって」

サキ「せっかく友達になれたのに、もし同じ事があって私達の事忘れちゃったら、嫌だな。って思ったんです」

サキ「たとえ離れ離れになっても、お互いがお互いの事を覚えていれば、またいつか出会えるはず・・・だから」

倉本「・・・」

サキ「クラモトさんは・・・忘れたくない人や、忘れて欲しくない人。居ますか?」

倉本(忘れたくない人・・・)

倉本(いつからだろう。俺が思い出すあいつらは、いつも死んだ時の顔だ・・・)

倉本(あんなにも、三人で笑い合った時間があるのに・・・)

倉本(いつでもその時間を思い出せたはずなのに、俺はこいつに言われるまで思い出せなかった)

倉本「・・・居たよ。いや、今も俺の中に・・・居る」

サキ「・・・そう、ですか」

倉本(そう言うと、サキは少し嬉しそうな顔をした)

倉本(・・・何なんだ。こいつは)

午後六時五十分 路地裏



倉本「・・・全然残りの参加者と出会わねぇな」

倉本(俺が殺したのは三人。他に誰も殺し合っていないのなら、この街にあと二人の参加者が居るはずだ)

倉本(最後に殺したおっさんがレーダーを使って通話してたから・・・少なくともあと一人どこかに居るはずなんだが・・・)

倉本(考えられるパターンは三つ)

倉本(1.残り二人が相討ちになった)

倉本(2.残りの参加者の能力では俺に勝てないので、今日は諦めて明日頑張る事にした)

倉本(3.残り時間の数分に、勝負をかけようとしている)

倉本(十分に注意しないとな・・・)



七香(行ける・・・!)

七香(『六東秋』『山谷ゆたか』『荒衣鉄雄』は既に死んだ!残り一人も、この時間まで出て来ないという事は、死んだか関わる気がないかどちらかでしょう)

七香(つまり、もう邪魔者は居ない!)

七香(残り五分。『気配遮断』で奇襲、宝石を奪取。そのまま誰にも捉えられる事無く逃げおおせる!)

七香(このゲーム・・・勝つのは私だ!)

七香(『気配遮断』・・・発動!)スウゥッ

七香(まずは・・・『サキ』の宝石から!)ダッ

サキ「・・・」グッ

サキ(あれ、何か、腕が勝手に・・・もしかして、これ・・・!)

サキ「あっ、宝石が!」スゥッ

倉本「あ?」

倉本(何だ?宝石が、こいつの手から宙へ離れて、消えた?)

七香(次にこいつを刺して・・・っ!)

倉本「!?」ブシュッ

倉本(血がっ、今何をされた!?何だ、何が起こってる・・・っ!?)フラッ

倉本「ぐっ!?」

倉本(今度は、勝手に腕が宝石を放して・・・っ!)

七香(宝石二つ奪取完了!後は、このまま逃げるだけ!)ダッ

七香(『気配遮断』が発動中の今、この宝石さえもレーダーに映らない!私を捉えられる者は居ない!)

七香(勝っ・・・)サァッ

七香「・・・?何、これ・・・」サラッ

七香「砂・・・?」

七香「っ!」ブワァッ

七香(砂嵐!?馬鹿な、こんな都会の街で!)

ゆたか「おらおらおらおらぁ!」ブワァッブワァッ

ゆたか(公園の砂場から持って来たバケツいっぱいの砂!その砂、一粒一粒に『一球入魂』!)

ゆたか「向こうの道まで飛んで行け!簡易砂嵐やぁ!」ブワアアアッ

七香(馬鹿な・・・っ!どうして『山谷ゆたか』が生きている!?)

七香(あいつ・・・何か胸に妙な膨らみが・・・あの形は、レーダー?)

七香(まさか!『特殊レーダーは、どんな能力を用いても、破壊、消失させる事はできない』・・・この特性を利用して、レーダーを防弾に!?)

ゆたか「あのおじさん、ええコントロールしとったで!真っ直ぐウチの心臓狙って来たわ!」

ゆたか「ま、球筋読まれるようじゃ、ええピッチャーにはなれへんけどな!」

七香(ま、まずい?早くここから離れなければ・・・っ!)

ゆたか「どうせそこら辺に居るんやろ『久遠寺七香』!あんたがどんだけ透明になって、見えなくなってもかまへん!」

ゆたか「砂粒が『透明』に輪郭を付けるっ!この砂嵐の中なら『見えない』が見えるぅっ!」

ゆたか「そこやぁ!『一球入魂』千本ナイフバージョンっ!」ビュビュビュン

七香(あの数のナイフっ!『身体能力強化』も『硬度調整』もない私じゃ、防ぎ切れな・・・)

七香「がはっ・・・」ザザザシュッ

七香「くっ・・・」スウゥッ

ゆたか「完封試合!」ビシッ

ゆたか「さてと。後は宝石を拾って、サキちゃんに一個渡すだけ・・・」スッ



カカァンッ!



ゆたか「!?」ビクッ

ゆたか(地べたの宝石が『撃ち抜かれた』!?)

倉本「・・・そこを動くな」

ゆたか「っ、サキちゃん!そいつを・・・」

サキ「・・・!」バッ

倉本「邪魔だ。退け」グイッ

サキ「きゃあっ」バタッ

ゆたか(・・・おかしいやろ!あの『久遠寺七香』の事や、一刺しだけとは言え、間違いなく急所を狙ったはず!やのに、何であいつはあんなにピンピンしとるねん!)

ゆたか「血だって、ドバドバ流れとったはず・・・」

倉本「あの血は俺のじゃない。あれは『荒衣鉄雄』の血だ」

ゆたか(血糊代わり・・・!?『鮮血の弾丸』にはそんな使い方もあるんか!)

ゆたか(まずいっ!こうなったら、あの宝石もぶん投げて・・・)ダッ

倉本「『鮮血の弾丸』!」ドンッ

ゆたか「ぐぅっ・・・」ドシャッ

ゆたか(足が・・・!)

倉本「動くなって言っただろうが・・・」スタスタ

ゆたか(うぅ、動けない。もう投げる物もない。万策尽きた・・・何もでけへんっ・・・!)グッ

倉本「・・・」スタスタ

サキ「あ・・・」

サキ(宝石、二つ取られちゃう)

サキ(ゆたかさんが倒れちゃった。秋さんも居ない。私じゃ何もできない)

サキ(終わっちゃう。このまま・・・私の願い事も、ゆたかさんの願い事も叶わないまま・・・!)

サキ(やだ、やだよ)

サキ「やだよぉ・・・」ポロッ

サキ「う、うううっ、うあああああっ!」ダッ

倉本「ああ・・・?」

サキ「やだ、やめてよぉ!クラモトさんっ!やめて!」ギュッ

ゆたか「サキちゃん・・・」

倉本「・・・邪魔だって言ってるだろ」

サキ「やだっ、やだぁっ!クラモトさんがやめるまで放さないっ!」ギューッ

倉本「・・・黙れっ」バッ

サキ「きゃっ」ドタッ

倉本「俺は・・・あいつらの仇を・・・!」スッ

サキ「うぅ・・・っ」

倉本「・・・・・・っ!」

倉本「・・・くそっ!」カァンッ

サキ「!」

ゆたか(宝石を一個、蹴り飛ばした・・・?)

倉本「・・・お前の姿が、どうしても娘と被る!あいつのための復讐なのに、お前が泣いてちゃ、何がなんだか分からねえ!」

倉本「宝石は一個しか取らねえ。これで俺もお前も1ポイントだ。明日二つの宝石を独占して、俺とお前が願いを叶える!これでいいだろ!」

サキ「・・・うん!ありがとう!クラモトさんっ!」

倉本「・・・ふん」

ゆたか「おぉ・・・良かっ・・・」

ゆたか「ったない!良かったないで!それやとウチの願い事はどないなんねんっ!」

倉本「・・・おら、明日に備えてレーダー登録するぞ」ピッ

ゆたか「無視すなぁっ!」



『クラモト』が1ポイント獲得!

異能力者七人のバトルロワイヤル!二日目が終了した!

現状



1.サキ

ポイント:1
登  録:『六東秋』『山谷ゆたか』『クラモト』
持 ち 物:なし



2.久遠寺七香

ポイント:0
登  録:『六東秋』『荒衣鉄雄』
持 ち 物:包丁



3.六東秋

ポイント:0
登  録:『久遠寺七香』『サキ』『山谷ゆたか』
持 ち 物:筆記用具色々・包丁



4.名無

ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:なし



5.山谷ゆたか

ポイント:1
登  録:『サキ』『六東秋』『クラモト』
持 ち 物:ナイフ・バナナ・ペイントボール・偽宝石



6.荒衣鉄雄
ポイント:0
登  録:『久遠寺七香』
持 ち 物:なし



7.クラモト
ポイント:1
登  録:『サキ』『山谷ゆたか』
持 ち 物:ナイフ

神様「強かったのー・・・『クラモト』」

天使「『名無』『六東秋』『荒衣鉄雄』の三人をぶっ殺しています。一人で過半数を倒した事になります」

天使「『絶対防御』の『サキ』は除くとして。もう少しタイミングや情報が良ければ全キルも有りえたでしょう」

神様「やっぱり、能力が回復する前に『秋』と当たれたのがラッキーだったかの」

天使「『クラモト』に真っ向勝負で何かできるとしたら、彼くらいですからね。そう考えると『秋』にとって宝石を配られたのはまずかったでしょうね。あれで居場所がばれてしまいましたから」

神様「あと『七香』は惜しかったのう」

天使「自分と標的以外の参加者がすでに脱落。相手は自分の能力を知らない、対策できない。最高の状況でしたね」

天使「もし『荒衣鉄雄』が狙いを別にしていたら。もしくは『ゆたか』が死んだと勘違いしていなければ、あのままハイエナ戦法が成功。『七香』の一人勝ちで終わっていたでしょう」

神様「ちょっと行動で全員の動きと結果が変わる。バトルロワイヤルっぽいのう」



天使「明日は誰が勝つと思いますか?」

神様「ふむ・・・もう三日目という事もあって、全員が全員の能力を知っているからのう」

天使「『名無』は二日とも即死しているので、二人の能力しか知りませんが」

天使「・・・っていうか『名無』は全部0ですね・・・ヤバい」

神様「ふむ・・・そういう意味では『名無』がジョーカーになり得る事もあるかの」

神様「とにかく、戦闘にせよ合流にせよ。序盤にどれだけ上手く動けるかが重要になるじゃろう」

天使「今日は前みたいに転送位置被らせたりしないでくださいよ」

神様「分かっとるわい・・・おっ、もう午前六時じゃ。転送開始!」バッ

天使「・・・って神様。また『下1』と『下2』の初期位置がもろ被りじゃないですか」



1.父性をくすぐる『サキ』
2.許すまじ野球女『久遠寺七香』
3.十文字回復完了『六東秋』
4.持て余している『名無』
5.谷間にレーダー『山谷ゆたか』
6.巨乳が倒せない『荒衣鉄雄』
7.家族の影を求め『クラモト』

誰と誰の位置が被った!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)

7

今のでサキ2ポイント貯まってないんか?

>>91

二日目の宝石は『クラモト』が片方を獲得。もう片方は同じく『クラモト』の足で誰もいない場所に蹴飛ばされ、誰のポイントにも換算されませんでした。

上記のつもりで書いていたのですが、本文を見るとクラモトがサキに向かって宝石を蹴ったようにも読めますね・・・。紛らわしくてすいません。

他にも『このシーンよく分からない』という方が居れば、いつでも質問してくださって構いません。

↓から本編を再開します。

路地裏



倉本「ここは・・・路地裏か」ヒュンッ

倉本(まずはサキと合流・・・)パカッ

サキ「あ、クラモトさん」

倉本「・・・すぐそこじゃねぇか。レーダー登録意味なかったな」

倉本(ま、楽でいい)

サキ「あ・・・通話・・・」ピロピロ

秋『サキちゃん!』

サキ「秋さん」

秋『ごめん、すぐにやられちゃって・・・あの後、大丈夫だった?』

サキ「うん。大丈夫だったよ」

秋『そっか・・・。今度は俺、最初から戦えるから!とりあえず、サキちゃんはそこ動かないで。俺がそっちに行くよ』ブツッ

サキ「うん。待ってる、ね」

倉本(・・・あいつか)

倉本「その『秋』って奴の願い事は、何なんだ?」

サキ「特にない。って言ってました。だから私やゆたかさんに協力してくれてて・・・」

倉本(そういや、あの関西弁とも・・・)ピロピロ

ゆたか『おい!血液おじさん!そこ動くなよ!先にチーム組んでたのはウチなんやからな!まだおじさんの加入は認めとらんで!そこ行くから待っとれ!』ブツッ

倉本「・・・」

サキ「二人を・・・待ちましょう」

公園



鉄雄「うおっ!?」ヒュンッ

鉄雄(さ、さっき俺は、あいつをぶん殴ろうとして・・・時間が午前六時。俺は死んで、転送されたって事か?)

鉄雄(とにかく・・・またあいつに会ったら、無闇に接近するのだけはやめよう)

鉄雄「お?通話?」ピロピロ

七香『荒衣鉄雄さん。私と組みましょう』

鉄雄「・・・裏切り裏切られ、これで三回目だぞ?よくもまぁ、飽きないな」

七香『聞いてください。私達は今大ピンチです。理由は『六東秋』と『山谷ゆたか』が組んでいて、なおかつ、『六東秋』が能力を使える状況にあるから』

七香『あなたも知っているはずです。『東京タワー』による逃亡に対して対抗できるのは『一球入魂』だけ。あの二人が手を組むと、私達は手出しができない』

七香『このままあのチームが合流し、宝石が彼ら三人に二つとも配られた場合、その時点で私達の負けが確定します』

鉄雄「そいつぁ・・・まずいな」

七香『ですから。協力しましょう。今日はお互い宝石一つで我慢するという事で』

鉄雄「ふん・・・じゃあ、三度目の正直と行こうか。んで、どうする?」

七香『はい・・・『六東秋』のレーダーの動きから、おおよその合流地点が分かります。奴らが合流する前に・・・殺しましょう』

交差点



名無「つええ奴探すぞ!」テクテク

現状



1.サキ

ポイント:1
登  録:『六東秋』『山谷ゆたか』『クラモト』
持 ち 物:なし

路地裏にて『クラモト』と共に『六東秋』『山谷ゆたか』を待っている。



2.久遠寺七香

ポイント:0
登  録:『六東秋』『荒衣鉄雄』
持 ち 物:包丁

『サキ』チームの合流を阻止するために、路地裏周辺へ移動中。



3.六東秋

ポイント:0
登  録:『久遠寺七香』『サキ』『山谷ゆたか』
持 ち 物:筆記用具色々・包丁

『サキ』と合流するため、路地裏へ移動中。



4.名無

ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:なし

つええ奴を探している。



5.山谷ゆたか

ポイント:1
登  録:『サキ』『六東秋』『クラモト』
持 ち 物:ナイフ・バナナ・ペイントボール・偽宝石

『サキ』と合流するため、路地裏へ移動中。



6.荒衣鉄雄
ポイント:0
登  録:『久遠寺七香』
持 ち 物:なし

『サキ』チームの合流を阻止するために、路地裏周辺へ移動中。



7.クラモト
ポイント:1
登  録:『サキ』『山谷ゆたか』
持 ち 物:ナイフ

路地裏にて『サキ』と共に『六東秋』『山谷ゆたか』を待っている。

ゆたか「くそっ!早よ行ってあのおじさんにガツンと言うたらな・・・」タッタッ

ゆたか「・・・ん?あいつは・・・」

下1「・・・」



2.透き通るような『久遠寺七香』
4.無知無知の無知『名無』
6.鋼鉄のおじさん『荒衣鉄雄』

『山谷ゆたか』が出会ったのは誰!?2、4、6番の中から選んでね!下1だよ!
(待機中の『サキ』『クラモト』と、別方向に居る『六東秋』は除外)

4
もう半数以上が協力しあちゃっうなら全員でクリアする方法でも探してしまえ(暴論)
2日目の蹴飛ばされた宝石は残ってるの?

>>99

残っていません。日が変わるごとに、街はゲームが始める前の状態にリセットされます。

また、各参加者の持ち物は翌日に持ち越されますが、宝石だけは強制的にポイントに換算されますので、翌日に持ち越せません。

↓から本編を再開します。

ゆたか「えーと、あんたは一日目に鋼鉄のおじさんと戦っとった・・・」

名無「でやぁっ!」ブンッ

ゆたか「うおわあああっ!」スッ

ゆたか(こいついきなり・・・)

名無「はぁっ!そらぁっ!」ブンッブンッ

ゆたか(くっ。攻撃の手が速すぎる、何か投げる暇もない。防戦一方や・・・!)

ゆたか「なんてなぁ!足元がお留守やでぇ!」

名無「うわっ!?」ズルンッ

ゆたか「ははっ!既にバナナを仕掛けさせてもろた!後はおじさんの時と同じようにガシッと・・・」

名無「ほっ!」グルンッ

ゆたか「なっ!?」

名無「だらぁっ!」バシィッ

ゆたか「あいたぁ!?」

ゆたか(思いっ切りすっころんどったのに、空中で立て直してそのままウチの手を蹴り飛ばした!?)

ゆたか(しかも不十分な形の蹴りでこの威力・・・なんちゅう身のこなしとパワーや!)ジンジン

ゆたか(あかん!ウチの必勝パターンは投げナイフでめった刺しか、太陽に投げるしかあらへん!このチビさん相手じゃどっちも無理や!)

ゆたか「ここは・・・逃げる!」グイッピョンッビューンッ

名無「と、飛んだぁ!?」

名無「く・・・くっそー・・・。別の奴探しに行くか・・・」トボトボ



ゆたか「ふぅ、あいつが何も投げるもん持ってなくてよかったわ」ビューンッ

ゆたか「でも、結果的に合流地点から離れることになってしもうたな・・・」ピロピロ

サキ『あの、ゆたかさん?レーダーが・・・』

ゆたか「すまん!合流ちょっと遅れるわ!あと、そっちに『身体能力強化』が行くかも知れん!気ぃ付けてな!」



ゆたか:ビル街へ飛行中

名無:そこら辺を歩く

路地裏



サキ「ゆたかさん。ちょっと遅れるみたいです・・・あと『身体能力強化』の人がこっちに来るかもしれないって・・・」

倉本「『身体能力強化』・・・。昨日のあいつか。俺の能力ならば楽勝だが・・・」



ザッ・・・



倉本「!来たか!」

鉄雄「お?あいつの言う通りだな。合流地点、ビンゴだぜ」ザッ

倉本「『身体能力強化』じゃない・・・?」

鉄雄「ちびっ子と即死攻撃野郎・・・昨日も一緒だったな。何だお前ら?組んだのか?」

倉本(馬鹿正直に答える必要はないな)

倉本「・・・さぁ、どっちだろうな」

サキ「えっ?」

倉本「・・・」

サキ「・・・えっ?」

倉本「・・・嘘だよ。実は組んでる」

サキ「よかったぁ」ホッ

鉄雄「って事は、4人チーム・・・このゲームの過半数じゃねえか。こりゃますます合流させる訳にはいかねぇなぁ」

鉄雄「幸い、他の二人はまだらしいし、ここで昨日のリベンジと行こうか!」ボゴオッ

倉本(?側の壁を殴った・・・いや、砕いたのか)

鉄雄「石ころピッチング!」ボッ

倉本「『鮮血の弾丸』!」ドンッ

鉄雄「防がれたか・・・だが、弾の石ころはまだまだあるぜぇ!」ボッボッ

鉄雄「あいつに聞いたぜぇ!お前の能力、血を使ってるんだろぉ!?いつまで俺の石ころピッチングに耐えられるかなぁ!?」

倉本「ふんっ・・・」ドンッドンッ

倉本「・・・なら、お前の弾幕を上回れば良いだけの事!」ギュルルッ

倉本「『鮮血の弾丸』連続発射!」ズダダダダンッ

鉄雄「はぁっ!『硬度調整』!硬度マックス!」バババキィンッ

倉本「なっ・・・!?」

倉本(『鮮血の弾丸』が弾かれた・・・!?)

鉄雄「ふん!相性最高だな!」

倉本(まずい・・・!このままじゃジリ貧。いずれ俺の血が尽きる・・・!)

鉄雄「おらっ!石ころピッチング再開!」ボッ

倉本(くそっ!それでも防御するしか・・・)

サキ「クラモトさんっ!」バッ

倉本「サキ!」

サキ「・・・っ!」バキィンッ

鉄雄「『絶対防御』・・・相性最悪だな!」

サキ「クラモトさん・・・私が盾になります!だから、一人で無茶しないで・・・」

倉本「・・・あぁ。分かった、ありがとう」

鉄雄(この距離。お互いにお互いを破る方法が無い。膠着状態だ)

倉本(膠着状態なら、増援を期待できる俺達の方が有利だ。それを見越して逃げられたとしても、合流しやすくなるから良し)

倉本(とりあえず、俺達はここでにらめっこしてりゃ良い・・・)

鉄雄「・・・」

交差点



秋(よし・・・もうすぐで合流地点に到達できる。なんとか『宝石配り』までに間に合・・・)パカッ

秋「!」

秋(『久遠寺七香』のレーダーが、俺と合流地点の真ん中付近に!)

秋(俺の進行方向に行って、合流を阻害するつもりか?)

秋(いや、けど『宝石配り』の時間までもう時間がない。つまり・・・)



交差点―路地裏



七香「今『久遠寺七香』は『気配遮断』を使えない・・・。そんな風に思ってる頃かな」

七香「だとしたら・・・やっぱりあなた甘いです。秋さん・・・」

七香(『気配遮断』・・・発動!)スウゥッ

交差点



秋「!?」

秋(『久遠寺七香』のレーダーが消えた!まさか!もうこの段階で能力を発動したのか!)

秋「くっ・・・サキちゃん!」ピロピロ

サキ『秋さん・・・?』

秋「『久遠寺七香』が俺とサキちゃんの間で能力を発動した!俺とサキちゃん、どっちを狙うか分からない!」



路地裏



サキ「クラモトさん・・・『気配遮断』の人も、こっちに来るかもしれないって・・・」

倉本「・・・!」

倉本(あいつと組んでたのか!)

鉄雄「へへっ。どうやら、俺の増援の方が早そうだな」

倉本(駄目だ・・・あいつが能力を使ってこっちに来るなら、俺達に防御する手段はない・・・!)

倉本「ここを離れるぞ!サキ!」ダッ

サキ「っはい!」ダッ



鉄雄「・・・よし。あいつら、お前の予想と同じ方角へ逃げたぜ」

七香『そうですか。『六東秋』のレーダーも、逆方向に逃げています。計算通り、孤立させる事に成功しました』

七香『では『六東秋』の位置をオペレートしますので、殺しに行ってください』

鉄雄「でもあいつ、昨日とは違って能力使えるんだろ?上手く行くかね」

七香『あなたの能力なら、大抵の攻撃は耐えられるでしょう。『十文字変』には使用回数に制限がありますから、ゴリ押しで行けるはずです』

七香『それに、彼が『東京タワーで逃げる』という選択肢を持っている以上、いずれは殺さねばなりません。殺すなら彼が孤立している今以上の好機はないと思います』

鉄雄「ま、あいつが居なけりゃ、相手チームも逃げ切りが簡単じゃなくなるしな。そいじゃあ、いっちょやりますか!」ダッ

七香『私も途中で合流します。まずはそのまま真っ直ぐ・・・』

現状



1.サキ

ポイント:1
登  録:『六東秋』『山谷ゆたか』『クラモト』
持 ち 物:なし

『クラモト』と共に路地裏から逃走中。



2.久遠寺七香

ポイント:0
登  録:『六東秋』『荒衣鉄雄』
持 ち 物:包丁

『荒衣鉄雄』を『六東秋』へオペレートしつつ、そのルートへ移動中。



3.六東秋

ポイント:0
登  録:『久遠寺七香』『サキ』『山谷ゆたか』
持 ち 物:筆記用具色々・包丁

能力を発動した『久遠寺七香』から逃走中。



4.名無

ポイント:0
登  録:なし
持 ち 物:なし

つええ奴を探している。



5.山谷ゆたか

ポイント:1
登  録:『サキ』『六東秋』『クラモト』
持 ち 物:ナイフ・バナナ・ペイントボール・偽宝石

ビル街へ飛行中。



6.荒衣鉄雄
ポイント:0
登  録:『久遠寺七香』
持 ち 物:石ころ

『久遠寺七香』にオペレートされ『六東秋』を追跡中。


7.クラモト
ポイント:1
登  録:『サキ』『山谷ゆたか』
持 ち 物:ナイフ

『サキ』と共に路地裏から逃走中。



そんなこんなでついに午前七時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!

誰と誰だった!?1~7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)

公園



七香「・・・合流成功ですね」スウゥッ

鉄雄「うおっ!?・・・ああ、お前か。びっくりさせるなよ」

天使「ほい。宝石だ」ポイッ

鉄雄「お?今日は俺か・・・嬢ちゃんどうする?どっちが持っておく?」

七香「あと二時間。私は能力が使えません。居場所がバレるとまずいので、荒衣さんが持っていてください」

鉄雄「お前、あいつと登録してるんだろ?なら一緒じゃねぇか?」

七香「彼が通話する暇もないほど、荒衣さんが追いかけまわしてくれれば、問題ありません」

鉄雄「・・・なるほど。じゃあこれは持っておくぜ」

鉄雄「もう一つの位置はビル街か・・・距離的にちびっ子と血液の奴はありえないから、クソガキか野球女だな」

七香「どちらにしろ、作戦には影響ありません。荒衣さんが秋さんを追い詰めて、私は二時間後まで生き延びる」

七香「合流したばっかりですが・・・ここで別れましょう」タッ

鉄雄「おう!グッドラック!」

ビル街



ゆたか「ストーップ!」ズサササ

ゆたか「くう・・・結構遠くまで来てもうた!」

ゆたか「ていうか、チーム全体が結構離れ離れやな・・・こんなんじゃチーム組んでる意味ないで」

天使「ほい。今日はお前だ」ポイッ

ゆたか「おお!やったで!」パシッ

ゆたか「・・・ん?」

ゆたか(この宝石持ったままお空飛んでれば、ウチ、勝ち確定ちゃう?)

ゆたか「・・・」

ゆたか「いや!サキちゃんと約束したしな!あの血液おじさんには渡さんとしても、サキちゃんと協力するっていう約束は守らな!」

ゆたか「山谷ゆたかは人情に熱いなにわの女やでぇ!」

ゆたか「・・・って言うても、今ウチにできることあんまないな」

路地裏



ゆたか『サキちゃん!とりあえず、ウチの事はほっといてええで!『東京タワー』さえ建ったら、いつでも合流できるしな!』

ゆたか『せやから、秋さん助けに行ってあげて!多分鋼鉄のおじさんと鬼ごっこしとるから!』

サキ「う、うん!分かりました!」

倉本(五分経った・・・クールタイム中の『気配遮断』を殺しに行きたい所だが・・・唯一あいつの居場所が分かる奴が鬼ごっこ中となれば・・・)

倉本「・・・とりあえず、言う通りにしてみるか」

倉本(宝石も奪わないといけないしな)

住宅地



秋「よしっ!五分経った!」

秋(これであいつの攻撃を恐れる必要はない!むしろ、今度はこっちがクールタイム中のあいつを・・・)



ボボボッ!



秋「うわっ!?」

秋(石ころが弾丸みたいに飛んできた!?)

鉄雄「ちっ・・・やっぱり物陰からじゃ狙いづらいな・・・!」

鉄雄「真正面からじゃねえと!」ボボボッ

秋「くっ、今度はあんたかよ!」ダッ

秋(このままじゃ、また何もできないで死ぬ!ここは能力を消費してでも、この状況をどうにかしないと!)

秋(ここは・・・『下1』を具現化だ!)ササッ



六東秋が具現化した物は何!?『五文字以内』で答えてね!下1だよ!
(『東京タワー』分の文字を残しておきたいので『五文字以内』だよ!)

サキ

ダメならベジータ召喚

>>114 >>116

このゲームに参加している人物、または架空の物体、生物、人物はなしでお願いします。

(『サキ』の他の参加者もなしです)

(例えば『オリハルコン』『ペガサス』『サンタクロース』などもなしです)


後出しの要項ですみません・・・。ご了承ください。


引き続き下1に安価を取ります。

秋(えっと・・・移動ができて、強くて、攻撃できる『五文字以内』の何か・・・)

秋「!」ピコーン

秋「『戦車』だ!」ズギャンッ

鉄雄「!?せ、戦車だと!?」

秋(いくらあいつが鋼鉄だろうと、戦車の徹甲弾なら倒せるはず!)

鉄雄「っていうかお前戦車動かせんのかよ!」

秋「説明書を読んだんだよ!」ズゴゴゴ

鉄雄(砲塔がこっちに!)

秋「ファイ・・・」

秋(待てよ?俺の能力『十文字変』で具現化した物体は『俺から1メートル離れると消える』んだよな・・・)

秋(この能力で、弾、撃てるのか?)

秋「とっ、とにかくファイアー!」ドンッ



結果は『下1』だった!

1.戦車本体からは1メートル離れてないし問題なし!ファイヤー!
2.いや発射されたら別々に判定しないといかんでしょ。消えるぜ、ソレ。

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!
(本来は>>2さんに詳細を伺いたい所ですが、今もスレを見てくださっているか分からないので安価で決定します)

秋「ファイヤー!」ドウンッ

秋(よっしゃ行けた!)

鉄雄「どうする・・・!?」



鉄雄が取った行動は『下1』だった!

1.硬度マックスで防御!悲しいぜオレは。たかが戦車と同じ評価かよ。
2.体を軟らかくして跳ね返す!効かないねえっ!ゴムだから。

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!



また、行動の結果も『下1』のコンマで決定します。

『1』の場合

00~33で成功。無傷。
34~66でちょっと成功。死にはしないものの、あと2、3発喰らうとまずい。
67~99で失敗。体に風穴が空く。

『2』の場合

00~49で成功。徹甲弾を跳ね返す。
50~99で失敗。体に風穴が空く。

鉄雄「硬度マックス!」ガイインッ

鉄雄「・・・っ!」ヨロッ

秋(嘘だ!徹甲弾を耐えただと!?)

鉄雄「俺ぁ、鋼鉄を名乗った覚えはねーぜ・・・俺の体は、鋼鉄なんざとっくに超越してるのさ!」

秋「くっ・・・」

秋(けど、あの反応。ノーダメージではなかったはず!)

鉄雄(ちっ・・・あと2、3発。って所か)

秋(どうする!?この距離、戦うか!?)

秋(あいつがここまで到達するか、その前に倒せるか・・・微妙な距離だ)

鉄雄(ここで勝負をかけるか、安全に逃亡するか・・・)

秋(あいつはどう出る・・・?)

鉄雄「・・・俺の辞書に『逃亡』はないっ!」ダッ

秋「くっそ脳筋め!」グリン

秋(こっちとしては、まだ博打を打つわけにはいかない!戦車で逃げる!)ズゴゴゴ

鉄雄「鬼ごっこ再開だぁ!」

一方その頃



名無「つええ奴どこに居んだ?」テクテク

名無「・・・お?」

下1「・・・」



1.『サキ』
2.『久遠寺七香』
7.『クラモト』

『名無』が出会ったのは誰!?1、2、7番の中から選んでね!下1だよ!
(別方向で鬼ごっこ中の『六東秋』『荒衣鉄雄』と、ビル街にぶっ飛んだ『山谷ゆたか』は除外)

名無「あいつは昨日の・・・」

倉本「!『身体能力強化』か!」

名無「うおおっ!」ダッ

名無「おーっと!」ピタッ

名無(あいつには近づいちゃいけねーんだった!)

名無「なら・・・」バゴンッ

名無「これでどうだっ!」ボッ

倉本「お前も石ころピッチングかよ!」サッ

サキ「クラモトさんっ!」バキィンッ

名無「なっ・・・石ころも効かねえ!?」

倉本「次はこっちから行くぞ・・・!」

倉本(相手は『身体能力強化』だ。どうせ単発じゃ当たらんだろう。ここは初っ端から・・・)

倉本「『鮮血の弾丸』連続発・・・」クラッ

サキ「わっ、クラモトさん!?」ガシッ

倉本「くっ・・・さっきのおっさんに血を使い過ぎた・・・連続発射には血が足りねえ・・・!」ヨロッ

名無「えーと、近づくのもダメで、投げるのもダメなら・・・」ウーン

倉本(幸い、相手もこちらを攻撃する方法はないようだが・・・)

倉本(貧血の俺と子供のサキじゃ、逃げる事もできないだろう)

倉本「くそ・・・!また脳筋とにらめっこか・・・!」

住宅地



秋「うおおおっ!」ズゴゴゴ

鉄雄「待て待てーい!」ダダッ

秋(くそ!戦車自体は速いけど広い道しか走れないから、逃走経路が限られて、結局逃げきれない!)

鉄雄「待て待てーい!」ダダッ

秋(おっさんの体力も半端ないし!)

秋(あれからどれくらいの時間が経った!?戦況はどうなってる!?初めての戦車操縦で、レーダーを開く暇もない!)

秋(このままじゃ、いずれ戦車の燃料が尽きる!『気配遮断』のクールタイムが終わる!)

秋(これ以上時間をかけるのは悪手だ・・・!)

秋「くそっ!一か八か、やるしかないっ!」グリンッ

鉄雄「おっ、やるかい!?」サッ

秋「おらっ!」ドウンッドウンッ

鉄雄「がっ・・・ぐっ・・・」ビキィンッ

秋(行ける!このまま後一発・・・!)

鉄雄(ここだ!関節軟化!)

鉄雄「・・・はぁっ!」グニャアァンッ

秋「・・・なんっだその動き!」

秋(体をトリックアートみたいにしならせながら、それでいて勢いが落ちてない!いや、それどころか速くなってる!)

鉄雄「とらえたぁ!」ダンッ

秋(まずい!次の発射が間に合わない!このまま戦車の真上に乗られたら、操縦室の俺はなすすべがない!)

秋「・・・っ!」グッ

路地裏



倉本「・・・そう言えば、お前の願い事はなんなんだ」

名無「願い事?んなもんねーぞ」

倉本「はぁ?じゃなんで・・・」

名無「おら、つええ奴と戦いてえんだっ!」グッ

倉本(・・・こんな奴も居るのか・・・なら)

倉本「俺なんかよりもっと強い奴と、戦わせてやろうか」

住宅地



名無「どりゃああーっ!」ズダンッ

鉄雄「・・・っ!?」ドカッ

鉄雄「ぐおっ!」ゴロンッ

鉄雄(こいつ、一昨日のクソガキ!何故ここに!?)

鉄雄「くっ、退けぇ!」バシッ

名無「うわっ」

鉄雄(まずい、一歩遅れた!早く起き上がらねぇと・・・!)サッ

秋「・・・とらえた!」バッ

鉄雄(・・・駄目だ!この距離じゃ戦車に乗るどころか、回避も間に合わねえ!)

鉄雄「仕方ねえ・・・ここで使うつもりはなかったんだが・・・奥の手だっ!」ボッ

秋(何だ!?何か投げた!今さら石ころ攻撃か!?)

秋「そんなんで徹甲弾を相殺できるかよ!」ドウンッ



バキィンッ!



秋「な・・・っ」

秋(こいつ、今何を投げたんだ!?)

名無「とおっ!」バッ

鉄雄「くっ・・・!」ガッ

鉄雄(とりあえず一発防いだが・・・こいつと戦車を同時に相手するのは流石に無理だ!むかつくが、次の弾が来る前に撤退するしかねえ!)ダダッ

名無「あっ、待て!」ダダッ

秋「・・・なんだったんだ、あいつは・・・」

倉本「どうやら、間に合ったみてぇだな・・・」

サキ「秋さん!」ダッ

秋「サキちゃん!」スッ

サキ「良かったぁ・・・!」ギュッ

秋「サキちゃんは?あいつに何かされなかった?」

サキ「え?」

秋(一緒に居た・・・って事は、おそらくサキちゃんを盾代わりにしていたのだろう)

秋(何故今サキちゃんを解放したのか分からんが・・・とにかく!)

秋「サキちゃん!逃げよう!」スッ

サキ「だ、誰から?」

秋「誰って、あいつから!」ビシッ

倉本「・・・ん?」

サキ「え?」

秋「・・・え?」



秋「あいつと・・・協力!?」

倉本「言ってなかったのかよ・・・」

サキ「だ、大丈夫だよ!昨日の途中までは悪い人だったけど、途中で良い人になったから!」

秋「え、えー・・・?」

サキ「ク、クラモトさんも秋さんに謝ってください!連続発射してごめんなさい。って・・・」

倉本「・・・殺した殺されたで言うなら、先に殺されたのは俺なんだが」

サキ「あ、そっか・・・じゃあ秋さん、先に謝ろ?」

秋「ええ!?・・・その、殺して、ごめんなさい?」ペコリ

倉本「こちらこそ・・・すまなかった」ペコ

サキ「うん。仲良し!」ニコッ

サキ「・・・あれ。これって・・・」スッ

秋「!宝石!」

秋(おっさんがさっき投げたのはこれか・・・!どうりで徹甲弾も防げるはずだ)

倉本「残りは『山谷ゆたか』が持っている。じゃあ六東。早いとこ『東京タワー』を出してくれ」

倉本「あいつの能力なら、東京タワーの天辺で合流できる。そうすれば俺達四人だけで、誰が宝石を得るか決められる」

秋「は、はい。けどその前に・・・」パカッ

秋(レーダーを確認・・・よし。『久遠寺七香』のレーダーはちゃんとここから遠い)

秋(クールタイムはおそらく終わっているけれど、これなら透明になって俺達に紛れているという事もなさそうだ)

秋「じゃあ、行きます!『東京タワー・・・」

秋(その台詞を言い終えるが早いか、どこからか『やっぱりあなた甘いです』と、聞こえたような気がした)

秋(次の瞬間、俺とクラモトさんは突き飛ばされていた)

秋「ぐっ・・・!」ドカッ

倉本「がっ・・・!?」ドカッ

秋(そして、サキちゃんしか乗っていない内に『東京タワー』が具現化した)

秋(いや違う。目には見えないけれど、もう二人が乗っているはずだ)

倉本「『気配遮断』か・・・!」

秋「そんなっ!ちゃんとレーダーで確認したはずだ!『久遠寺七香』のレーダーは、さっきから動いてすら・・・」

秋(・・・動いて、ない・・・?)

秋「まさか、レーダーを捨てたのか!?」

倉本(さっきの蹴りの感触・・・おそらく『硬度調整』のあいつだ。『気配遮断』を背負って、あいつも透明になっているんだ)

倉本「おい六東!『東京タワー』からもっと離れろ!『東京タワー』を消して、あいつらを落とせ!」

秋「・・・駄目だ!『東京タワー』という安全地帯を失うのはまずい!俺の能力は残り三文字!もう『東京タワー』は出せない!」

秋「おっさんと『久遠寺七香』が組んでるなら、今度はおっさんが七香さんを背負って落ちて来るだろう」

秋「二人が無傷で落ちてきて、安全地帯も無くなったとしたら、もう勝てる気がしない!」

倉本「・・・詰みか・・・!」

東京タワー頂上



七香「・・・時間切れです」スウゥッ

鉄雄「よっと」スウゥッ

サキ「あ・・・」

サキ(どうしよう・・・一人になっちゃった)

サキ「・・・っ」ギュウッ

鉄雄「あらら、やっぱり素直に渡してくれそうもないな」

七香「大丈夫ですよ。あと二時間待てばいいだけです」

サキ(このままじゃ、宝石取られちゃう・・・それならいっそ!)

鉄雄「おっと。下に放り投げようなんて思うなよ。おじさんの瞬発力知ってるだろう。すぐに取っちゃうんだからな」

サキ「・・・!」

サキ(なら、私ごと落ちれば・・・)スッ



ヒュオオォォ・・・



サキ「・・・ひっ」ガクッ

七香「ああ・・・そうだよね」

七香「死ぬの、怖いよね」

七香(『絶対防御』だからとか、どうせ生き返るからとか、そんな簡単に割り切れることじゃない。ましてやこの子はまだ小学生なんだ)

七香(自ら死ぬなんて、できるものか)

七香「・・・私の気持ち、分かってくれたかな。私もどうしても死にたくないの。だから・・・」

サキ「・・・ない・・・っ」

七香「・・・え?」

サキ「死んじゃうなんて、怖くないっ!」

サキ「友達に忘れられて、会えなくなっちゃう方がずっと怖いもんっ!」ダッ

七香「なっ・・・!?」

サキ「・・・っ!」ピョンッ

鉄雄(駄目だっ、間に合わねえ・・・っ!)スカッ

東京タワー麓



倉本「おい、何だあれ・・・」

秋「あの服・・・サキちゃんっ!?」

サキ(ダメだ・・・気を失っちゃダメ・・・!)ヒュウウウ

秋「っ、『マット』!」ズギャンッ

サキ「きゃああああっ!」ボフッ

秋「サ、サキちゃん!?大丈夫!?」

サキ「うん・・・大丈夫・・・」

サキ「私『絶対防御』なのに、どうして『マット』・・・?」

秋「だ、だってやっぱり怖いじゃんか!」

サキ「そっか・・・えへへ、秋さんありがとう」ムクッ

秋「怖くなかった?」

サキ「本当はちょっと怖かった・・・けど、秋さんに忘れられちゃう方がもっと怖いって思ったから・・・」

秋「え?」

サキ「私、この宝石で『秋さんが私達の事を忘れませんように』ってお願いする事にしたの」

秋「え、ええ!?俺!?友達はいいの!?」

サキ「うん・・・友達も私も、どっちも覚えてたら、きっとまたいつか、会えると思うから・・・」

サキ「だから秋さんも、もう記憶喪失になったらダメだよ?」

秋「うん、うん・・・!約束するよ、サキちゃんの事、忘れない・・・!」

倉本(忘れられるのは、怖い。か・・・)

倉本「・・・サキ。誰かに思い出してもらう時、笑顔と泣き顔。どっちがいい」

サキ「え?・・・やっぱり笑顔、かな」

倉本「・・・そうか」

ゆたか「おーい!ウチが来たでー!」トコトコ

秋「あっ、ゆたかちゃん」

ゆたか「なんや、折角合流できたのに、もうなんか勝ちムードやな。後はウチとおじさん。どっちが宝石ゲットするか決めるだけやな」

ゆたか「そこでおじさん。考えてきたんやけど、じゃんけんで勝負せえへんか?なぁに心配はいらん。イカサマなしの公平な・・・」

倉本「いいよ。お前にやる」

ゆたか「よーし、そう来なくっちゃな!それじゃさーいしょーはえええ!?」クルッ

倉本(・・・復讐心がなくなった訳じゃない。でももう、そればかりの人生はやめよう)

倉本(私刑もやめて、また警官に戻って、公平な法であいつは裁いてもらおう)

倉本(・・・ごめんな。もうお前達の笑顔を忘れたりしない。これからは、お前達と過ごした日々を、何度も思い返しながら生きよう・・・)



ゆたか「なんや・・・拍子抜けやなぁ。まぁ、ウチがナイスボディになれるんやったら何でもええけど!」

名無「あれー?あいつどこ行ったー?」テクテク

ゆたか「おっ、あのチビさんはいつぞやの・・・せや!」

七香「そんな・・・嘘だ・・・あんな小さい子が・・・」

七香(あの狂う程の恐怖に、打ち克つだなんて・・・!)

鉄雄「・・・むしろ、子供だから。じゃねぇかなぁ」

七香「は・・・?」

鉄雄「俺達は、余計なもんばっかり覚えちまって、肝心な事を忘れてたんだ」

七香「・・・と、とにかく!鉄雄さん、私を背負って降りて、一か八か・・・」

鉄雄「無駄だ。時間をかけすぎた。もう野球女があいつらに合流している頃だろう。俺らが落ちればあいつらはここに飛ぶ。それで終わりだ」

七香「で、でも、何かあるんじゃ、何か・・・」

鉄雄「悪いなお嬢ちゃん!不老不死願望コンビは、今日で三度目の解散だ!そして四度目の結成はない!」

七香「えっ」

鉄雄「俺はな!今回のゲームのおかげで思い出したよ!本当に死にそうになる怖さ、恐ろしさ、そして熱さを!」

鉄雄「勝っても何も得られないが、負けたらボコボコになって死ぬ!それが最高なんだ!喧嘩好きなんて奴にはな!」

名無「ほっ!」ビューンッスタッ

鉄雄「お?野球女に投げられて来たか!」

名無「だあああっ!」ダッ

鉄雄「殴り合いだあああっ!」ダッ



七香(・・・目の前で殴り合いが始まった。鈍い音の応酬が、東京タワーの頂上で延々と続く)

七香(隅の方で体育座りになって、下を見る。気が遠くなりそうな距離に、身が竦む)

七香(これが、あの子と私の距離なんだ。上と下が逆だけど)

七香(さっきのあの子のジャンプを思い出す。そして、少しだけ考えを改める)

七香「私に必要だった物は、不死の魂なんかじゃなくて・・・これのためなら恐怖に打ち克ち、命を賭けられる。そんな何かだったのかもしれない」

七香「・・・はぁ・・・」



参加者達がそれぞれの想いを馳せる中、時はついに午後七時を迎える!

『サキ』、『山谷ゆたか』が1ポイントずつ獲得!

異能力者七人のバトルロワイヤル!一人の死者も出すことなく、三日目が終了した!

そして同時に、2ポイント獲得した者がいるため、ゲームセット!

その後、参加者は参加前の現実世界へと戻って行く!

異能力者七人のバトルロワイヤル!これにて終了となる!

秋「・・・ん・・・」

秋「ここ、どこだ・・・?」パチクリ

神様「起きたか」

秋「え・・・誰」

神様「神様」

秋「・・・神様!?」

神様「どうやらワシに会いたがってたらしいからの。宣言通りゲームを盛り上げてくれたし、ちょっとしたご褒美じゃ」

秋(そういやそんな事言ってたわ俺)

神様「そんでお前の記憶喪失について調査したが・・・わしの力や、他の超常もノータッチ。完全にお前さんらの事件じゃ」

秋「そう・・・ですか」

神様「選択肢をやろう。どうする?今ならご褒美で、その記憶喪失を治してやらん事もないぞ」

秋「いや、いいです。神様のせいじゃないって言うなら、俺が解決しないといけないと思うし、それに・・・」

神様「・・・ほう?」

秋「俺は、サキちゃんを・・・この三日間を絶対に忘れない。それだけで、俺は『俺』らしく居られると思うから」



    =終=

以上になります。

まずは、ここまで読んでくれてありがとうございました。

書いていてとても楽しかったです。読んでくれた皆様も、同じくらい楽しんでいただけていたなら幸いです。

もしよろしければ、ここが良かった、もしくは駄目だったという感想をください。次回への参考、励みになります。
(個人的には、最後が駆け足になってしまったのが心残りです)

いつかまた同じタイトルの安価SSを書こうと思います。
(ルールは何点か変えるかもしれませんが)



前々作
アルティメット寿司じゃんけん【安価】
アルティメット寿司じゃんけん【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492523010/)

前作
アルティメット寿司じゃんけん 2【安価】
アルティメット寿司じゃんけん 2【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1512467358/)



↑こちらは過去作になります。こっちもいつかまたやりたいと思っているので、もしどちらか見かけた時は気軽に安価して行ってくださいね。

最後にもう一度、ここまで読んでくれてありがとうございました。

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