飛鳥「ねぇ、P。人はどうして愛するのだろう?」
P「どうした急に?」
飛鳥「いや、ふと思ったのでね………人を愛するというのがどういうものなのだろうかって………」
飛鳥「生憎、ボクにはそういう風に思った相手もいないから全然わからなくてね」
飛鳥「キミは理解しているのかい?」
P「う~ん………そうだな………」
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飛鳥「マンガやアニメでも、よく愛について述べる場面があるけれど、どれを見てもイマイチ理解できなくてね」
飛鳥「普通の人間なら、言葉で説明することはできなくても、感覚で理解できるらしいし」
飛鳥「このように愛を理解できないボクは………とても悲しい存在なのだろうか?」
P「まぁ、焦らなくてもいいんじゃないか? その内飛鳥にもわかる時が来るだろうし」
飛鳥「その内?」
P「ああ。飛鳥が成長して大人になれば、なんとなくわかるようになるよ。愛ってのはそういうものだって俺は思うし」
飛鳥「………そうやってボクを子供扱いするのはやめて欲しいな」
P「実際子供だろう? まだ14歳なんだし」
飛鳥「むぅ………」
ターボレンジャーとか誰が元ネタ分かるんですかね…
P「そう遠くない未来に、飛鳥にも好きな男が出来る日が来るかもしれない。その時に今言った疑問が解けるはずだよ」
飛鳥「………ボクにそんな人ができるだろうか?」
P「ああ、きっとできるさ」
飛鳥「とてもそうは思えないね………ボク自身、恋愛なんかしたいとも思ってないし」
P「まぁ、今はそうかもな。でも時が経てばそう思える人間ができるはずだよ。俺が保障する」
飛鳥「フッ………キミに保障されてもね」クスッ
P「な、なぜ笑う?」
飛鳥「だってキミ自身、現在進行形で恋人なんていないじゃないか」
飛鳥「一人寂しい孤独の道を歩んでいる。いや、嫌いじゃよ? そういうスタンスもね………フフッ♪」
P「じゃかあしい!! 遠回しにバカにするんじゃねぇ!!」
P「だ、だいたい俺もう孤独じゃないし!」
P「いるしー!彼女の一人ぐらいもういるしー!」
P「つい最近いい感じで交際してる彼女できたもーん! もう孤独じゃないもーん!」
飛鳥「――は?」ギロッ
P「えっ」ビクッ!
飛鳥「すまないP………今何て言ったんだい?」
P「えっ、えっと、だから俺に付き合ってる女性がry」
飛鳥「は?」
P「えっ、だから彼女がいry」
飛鳥「は?」
P「だ、だから彼女がry」
飛鳥「はぁぁッッ!!??」バンッ!!
P「ひぃ!?」ビクッ!
P「あ、あの………飛鳥?」
飛鳥「おかしい………こんなこと許されない………」ブツブツ
P「ど、どうしたんだ? お、俺何かやらかしちゃったか?」
飛鳥「あっ、そうか………そういうことか………」
飛鳥「ククク………アーハハハハッッ!」
P「えっ? えっ?」
飛鳥「P、その彼女とやらはキミを騙してるんだ!」
P「はい!?」
飛鳥「きっと何らかの目論みがあって、キミに接触したんだ。うん、そうに違いないよ」
P「な、何言ってんだ………?」
飛鳥「キミはプロデューサーだ。だからこの346プロの社内情報の多くに精通している。だからその情報を引きだすために偽りの恋人を装って接近したのさ」
飛鳥「だから今すぐ別れた方がいい。それがキミのためだよ。うん、そうだ。これはキミのために言ってるんだ」
P「いや、あの飛鳥………」
飛鳥「さぁ、何をグズグズしてるんだい。早く彼女に連絡するんだ」
P「いや、だから」
飛鳥「さぁ、早く。別れるんだ」
P「お、落ちついてry」
飛鳥「別 れ る ん だ !!」
P「」
P「お、落ちつけ飛鳥! 実は―――」
飛鳥「何を言ってるんだい。ボクは冷静だよ。そう、氷の精神を宿してるかの如くクールな状態だ」
飛鳥「落ちつくべきはキミの方だよP。さぁ、深呼吸するんだ。そして気持ちが静まったのなら彼女へ別れの挨拶をするんだ。なに、罪悪感など感じる必要はない。これも全部キミを騙した向こうに非がある。むしろ感じるべきはその彼女の方さ。もし、キミが切り出しにくいというのなら、代わりにボクから話をしてもいい。なに、安心してくれていい。二度とキミに近づけないよう徹底的に言っておくから。さぁ、彼女の電話番号を教えてくれ。今すぐにでも連絡をしようじゃないか。二度とPと会話するなってきつく言っておくよ。さぁ、早く―――」
P「だから落ちつけぇッッ!!!!!」
P「落ちついてくれ飛鳥! 実はその………これは全て嘘なんだ!」
飛鳥「えっ………?」
P「彼女がいるって話は全部嘘なんだ!」
P「その………この歳で彼女居ないなんて恥ずかしかったから、つい見栄張って………」
飛鳥「………」
P「そういうわけだからその………ご、ごめんな? 嘘ついて………」
飛鳥「………」
P「あ、飛鳥?」
飛鳥「フフッ♪ なんだ………そういうことか。やれやれ、まったくしょうがないね」
飛鳥「見栄張っての虚勢………オトナの悪い癖だね」
P「ご、ごめん………お前を惑わすようなこと言っちゃって………」
飛鳥「別に惑わされてなんかいないさ。そもそも、キミに交際してる彼女がいたところで、なぜボクが動揺するんだ?」
飛鳥「キミとボクの関係は仕事上でのパートナーに過ぎない。だからキミに恋人が居たところで、ボクのセカイにさほど影響などない」
飛鳥「そうだろう?」
P「えっ、あっ、う、うん………?」
飛鳥「でも、このような自分を高く見せるような行動はしないで欲しい。仕事する上で嘘でも突かれたらたまらないしね」
P「は、はい………本当に悪かったよ」
飛鳥「わかったのならいいよ」
飛鳥「それで………一応確認するけど、本当にいないの?」
P「う、うん。いないよ」
飛鳥「本当に?」
P「ああ、本当だよ」
飛鳥「ボクに気を遣って嘘を言ってるのでは?」
P「い、言ってないって!」
飛鳥「付き合ってはいないけど、気になってる女性はいるとか?」
P「いや、それもいないよ」
飛鳥「だが、実際キミぐらいの年齢で恋人がいないってのは珍しいと思うけど?」
P「さ、最近はそうじゃないし………」
飛鳥「だから本当はいるのでは?」
P「いや、いないって!」
飛鳥「付き合いまでいかずとも、何回か連絡して一緒に遊ぶ女性がいるってことは?」
P「それもいないから!」
P「だ本当にいないんだよぉぉぉ~~~!!!!!」
ちひろ「これはアカンやつですね………」
>×P「だ本当にいないんだよぉぉぉ~~~!!!!!」
>○P「だから本当にいないんだよぉぉぉ~~~!!!!!」
打ち間違えました。申し訳ございません。
―――――――――――
―――――――
―――
飛鳥「なぜ人は愛ゆえに争い合うのかな………?」
P「なんだまた急に?」
飛鳥「いや、さっきテレビで流れていたドラマで、一人の男を巡って二人の女が争い合うシーンがあったから、ふとね」
P「ああ、昼ドラだろそれ」
飛鳥「ボクには理解できなくてね。たかだか一人の男の心を得るために、その女性達は互いに傷つけ争い合うんだ」
飛鳥「男と別れろと強要したり、悪い噂を流しあったりしてね………実に醜悪だ。いや、むしろ滑稽にすら思えるよ」
ちひろ「前に飛鳥ちゃんも似たような事をやろうとしていたような………」
飛鳥「えっ、何か言ったかい? ちひろさん?」
ちひろ「いえ、なにも」
飛鳥「???」キョトン
飛鳥「こんなの実に割に合わないよ。女性達は争い合う事で互いに疲弊していき、どん底に落ちて行くし。好かれている男性自身だって不幸になっている」
飛鳥「誰も幸せにならないじゃないか。人を愛してしまったが故にみんな不幸になってしまったんだ」
飛鳥「こんなことが起こるぐらいなら、愛なんて必要ない………そう思えてしまうね」
P「そんなどこぞのサウザーみたいなこと言わんでも」
P「まぁ、確かに割があわないと思うかもな」
P「でも、その女性達は、その男性のことが本当に好きだからこそ、そういう行動をとっちゃったんじゃないかな」
P「好きで好きでどうしようもなかったから、傍から見ればバカな行為をもしてしまった」
P「ある意味それは、何よりも純粋な物とも言えるんじゃないかな」
飛鳥「………ふむ。やはりボクには実感できないな。そんな強い想いを抱いたこともないしね」
P「まぁ、恋愛は人を狂わせるとも言うしなぁ」
飛鳥「狂気………か。ふむ、それは実に興味深いね。狂気はボクが表現したいものの一つだから」
飛鳥「でもまぁ、いずれにしろ現時点でのボクには縁遠いセカイの話だね」
ガチャリ
光「ただいまー! P、レッスン終わったよ!」
P「おう、おかえり光。お疲れ様」
飛鳥「やぁ、光。レッスン御苦労だったね」
光「うん、ありがとう飛鳥! いや~もうクタクタだよ~!」
P「お疲れだったな。何か飲み物でも用意しようか?」
光「いや、それよりもP! 約束はちゃんと覚えてる?」
飛鳥「ん? 約束………?」
P「ああ、もちろん。お前がレッスン受けてる間に前売り券はちゃんと買っておいたよ」
光「わーい! やった―――♪」
飛鳥「前売り券……? 一体なんのことだい?」
光「来月公開される映画『仮面ライダー1号』のことだよ。3月になったら一緒に観ようって約束をしたんだ」
光「Pと二人でね♪」
飛鳥「――は?」ギロッ
P「ひっ!」ビクッ
ちひろ「あっ………(察し)」
飛鳥「………………光、どういうことなんだい?」
P「いやその飛鳥! ちょっと待―――」
光「どうもこうも言った通りだよ。3月になったらPと映画観に行く約束したんだ」
光「二人でね♪」
飛鳥「………………へぇ」
P「いやあのちょry」
光「あと、同時期に公開される『劇場版ウルトラマンX 来たぞ我らのウルトラマン』も一緒に観る約束したんだ!」
光「これも二人でね。えへへ………♪」
飛鳥「………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
P「いや、あの! ちょっと!!」
P「あ、飛鳥! 別にこれは深い意味はないんだぞ!? ただ一緒に映画を見るだけで―――」
光「そうだよ。全然珍しいことじゃないし」
光「Pとはこれまで何回も一緒に映画を観に行ってるし。今年の初めにはニンニンVSトッキュウも観たしさ」
飛鳥「ほう………」
P「いや、だからね飛鳥! これはその―――」
光「Pはアタシが映画観れるよう、毎回スケジュールを調整してくれるんだ♪」
光「おかげでアタシはどんなに忙しくても、大好きな特撮映画を見逃すってことはないんだ!」
光「流石はアタシのプロデューサーだよね! アタシのことを何でも理解してくれる」
光「本当、Pはアタシにとってなくてはならない最高の相棒だよ♪」
飛鳥「………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
光「あれ? どうしたの飛鳥? なんか怒ってる?」
飛鳥「………………いや、別に」
P「あわわわわわわわ」
ちひろ「わかりやすいですねぇ~」
P「あ、飛鳥? い、言っておくけど、別に変な意味はないんだ!」
P「俺も特撮好きだから、光と話が合ってそれで観に行く流れになって!!」
P「つまり兄妹的なノリで観に行ってるだけなんだ!! 御両親の許可も得てるし!」
P「それ以上の関係などあろうはずがございません!!」
P「だから誤解しないで! ね?」
ちひろ(プロデューサーさんも必死ですね………)
飛鳥「………ねぇ、P」
P「は、はい! なんでしょう?」
飛鳥「そういえば今度の休日、ボクはオフだったよね?」
P「えっ、あっ、うん………そうだけど………」
飛鳥「その日、ボクは何も予定がないんだ」
P「は、はぁ………?」
飛鳥「フリ―ってことさ。文字通りこのままだと暇を弄ぶ事になる」
P「う、うん………」
飛鳥「暇を弄ぶんだ」
P「え、えっと………」
飛鳥「何も、予定が、ないんだ」
P「あ、あの………」
飛鳥「………………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
P「よ、よかったら一緒に映画でも観に行かない? その日、俺も休むからさ!」
飛鳥「フフッ、二人で映画か………アイドルとプロデューサーという関係でそれは、あまり勧められてことじゃないのではないかい?」
飛鳥「でも、折角のお誘いだ。断るのも無粋だね。いいよ、ぜひボクを退屈な休日から連れ出してくれ」
P「お、おう………あ、ありがとう?」
飛鳥「それで。何の映画を観に行く気だい?」
P「え~と、そうだな………」
飛鳥「ボクの気にいりそうなものをチョイスしてくれるよね?」
P「えっ」
飛鳥「もちろん、キミなら理解してるだろう?」
P「え、えっと………そ、そうだな………」アセアセアセ
P「『劇場版・ペルソナ3』もしくは『傷物語』なんてどうだ?」
飛鳥「………『ペルソナ3』に『傷物語』か………うん、悪くないね」
飛鳥「流石はボクの担当だ。ちゃんとボクのことを理解してるよ」
P「………ホッ」
飛鳥「フフッ、見たかい光!」
光「えっ?」
飛鳥「この通り、Pはボクの事も理解してくれている。キミに限ったことじゃないんだ」
光「は、はぁ………?」
飛鳥「キミはPを唯一無二の相棒と言ってたけど、それは間違っている」
光「そこまで言ったけ………?」
飛鳥「見ての通り、彼は仕事を休んでまでボクと映画を観に行く選択肢を選んだんだ」
飛鳥「キミの時にそこまでしてくれたことはあったかい?」
光「な、ないけど………」
飛鳥「フフッ、つまりはそういうことさ」
飛鳥「ボクとPはキミ以上に繋がっている。目には見えないけれど、確かな物でリンクしあっている」
飛鳥「人はそれを……キズナと呼ぶらしいね。クククク………♪」
光「???」
ちひろ「露骨に張り合ってますね。飛鳥ちゃん」
P「飛鳥ェ………」
―――――――――――
―――――
―――
P「ふぅ、この前の飛鳥との映画観賞は色々な意味で冷や冷やしたな」
P「飛鳥のやつ、意識してたかどうかわからんが、やたら俺に密接しようとしてたしなぁ」
P「おかげで俺は周りにパパラッチがいないどうか気になって、映画にちっとも集中できんかった」
P「………これってやっぱりアレだよなぁ~………」
P「本人に自覚はないみたいだけど、あいつは俺の事を―――」
P「う~む………今は経過を見守る事しかできないかなぁ~………」
光「あれ? どうしたんだP、浮かない顔してるけど?」
P「あっ、光………いや、なんでもないよ」
光「ふ~ん、そっか………あっ、それはそうとこの前のジュウオウジャーは観た?」
P「ああ、観たよ。かっこよかったな」
光「うん、そうだよね! アクションもさることながら、ロボ戦の特撮もよくできてたよね!
P「確かになぁ~、
光「うん、今年も期待できそうだよね! あっ、そうそう。ネットですでにジュウオウジャー六人目のバレ情報来てたけど、それがね―――」
P「あははっ、そうなのかー」
P(光はまだまだ子供だな。本当、飛鳥と同じ歳とは思えないほどにね)
P(まぁその分、飛鳥の時みたいに気を揉む必要がないから助かるけど)
光「あっ………P、ほっぺに米粒がついてるよ」
P「えっ………あっ、昼に食べたおにぎりのがついちゃったか」
光「動かないで。アタシがとるよ」スッ
光「あむっ………」チュ♪
P「!?
光「よし、これでとれた!」
P「ひ、光おま!? 何してんの!?」
光「ん? どうかしたの?」
P「いや、だって………えええぇぇぇっ?」
光「なにかおかしいの? ウチでは父さん母さんもこうしてとったりするけど………」
P「い、いや、それでもさ! 仮にも家族でない男相手にさ――」
光「何言ってるんだ。Pはもうアタシにとって家族当然の存在さ!」
P「いや、そう言ってくれるのは嬉しいけど………」
光「?」キョトン
P「ちょ、ちょっと無頓着すぎない………? 仮にもアイドルなんだしさ………」
P「こんなとこ飛鳥に見られでもしたら………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
P「………ん? な、なんだ!? 後ろから猛烈なプレッシャーが………!?」
P「ま、まさか―――」チラッ
飛鳥「………………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
P「」
P「あ、飛鳥………い、いつの間に!?」
飛鳥「………」ゴゴゴゴゴ
P「ま、待ってくれ飛鳥!! これは誤解なんだ!!」
飛鳥「………」
P「光は俺の顔についた米粒を取ろうとしただけなんだ! ほかに他意はなかったんだ!
飛鳥「………」
P「だ、だからその………」
飛鳥「………」
P「む、無言が怖い………なんか喋れよぉぉ~~!!」
P「ほら、光!! お前からも言ってやってくれ!!」
シ―――ン
P「――ってあれ? 光? ど、どこに………?」キョロキョロ
ちひろ「光ちゃんならレッスンがあるからと行っちゃいましたよ」
P「ダニィ!?」
飛鳥「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
P「お、落ちつくんだ飛鳥! い、怒りを静めて!!」
飛鳥「何を勘違いしてるだい………?」
P「ひょ?」
飛鳥「別にボクは怒ってなどいないよ………」
P「ほ、本当に?」
飛鳥「そうだよ。何も怒る理由などないじゃないか」
飛鳥「たかだかキミと光がキスをしただけ。それでなぜボクが怒ると思ったのやら」
P「ま、まぁ……キスじゃないけどね。念のため」
飛鳥「だいたい、ボクはキスなんてくだらないと思っている」
飛鳥「あんなのただ口を合わせて唾液を交換し合ってるだけじゃないか。それがなんで愛情表現になるのだかまるで理解できない」
P「そ、そんな言い方しなくても………」
飛鳥「なんで世の中のカップルが、あんなのを進んでやるのかまったく理解不能だよ」
飛鳥「そして何より理解できないのは―――」ギロッ
飛鳥「キミと光がなんでキスをしたってことだ………!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
P「やっぱり怒ってるじゃないか!!」
P「ま、待って飛鳥! お前は勘違いしてるんだ!!」
P「ほっぺ! ほっぺだから! 光がしたのはほっぺチューだけだから!!」
P「それに光は顔についてた食べかすをとっただけだから! 恋愛的な意味なんて欠片もございません!」
飛鳥「そんな嘘、セカイは欺けても、ボクは騙されない………」
P「いや本当だから!! 本当にそのとおりだったんだよ!」
飛鳥「ボクの知る真実はたった一つ――」
飛鳥「キミが光とキスをした………ただそれだけだ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
P「だ、ダメだ………話が通じねぇ!!」
P「ちひろさん! お助け下さい!」
ちひろ「そんなこと知るか」
P「アハァ!?☆」
P「本当に違うんだ! 信じてくれ!!」
P「ほら、光ってそういうの無頓着じゃない? だから全然そんなこと意識せずやったんだって!」
P「それに正確に言えば光がしていたのキスじゃない! 頬の米粒を口でとっただけ! ほら、チューしてない! パクッとしただけ!! パクッとしただけだから!!」
P「だから信じて下さい! なんでもしますから!!」
ちひろ「必死ですねぇwww」
P「黙れ!」
飛鳥「………」
飛鳥「………そうか。わかったよ」
飛鳥「キミを信じるとしよう」
P「おおっ!」
P「よ、よかった………ありがとうな飛鳥。俺を信じてくれて………」
飛鳥「………P。顔にまだ米粒がついてるよ」
P「えっ、まだついてたの!? どこどこ?」
飛鳥「………ボクがとるよ」スッ
抱きッ
P「えっ、飛鳥?」
飛鳥「………」
P「なんで抱きついて………?」
飛鳥「んっ………///」チュ♪
P「!?」
飛鳥「んっ………/// あっ………///」チュチュチュチュ♪
P「んおっ………あ、飛鳥………ふおおおおっ!?」
チュチュチュチュチュチュチュチュパチュパ♪
ちひろ「うわぁ、口の中に舌を入れてる………ディープキスってやつですね」」
飛鳥「んっ……/// P……/// Pぃ………///」チュチュチュチュ
P「んおおっ………!?」
飛鳥「んっ…んっ………んっ///」
P「や、やめ………飛鳥………ぐおおおっ!?」
チュチュチュチュチュチュパ♪
ちひろ「しかも長い!!」
P「ぷはぁ! あ、飛鳥おま―――」
飛鳥「………///」カァァァァッ
P「な、なんでこんなこと………!?」
飛鳥「く、口の中に、米粒が見えた気がしたんだ///」
P「それ色々な意味で無理あるだろ!?」
飛鳥「これがキスか………まだドキドキしてる………///」
飛鳥「百聞は一見にしかずだね………うん、悪くない///」
P「あ、あの………飛鳥………?」
飛鳥「ちなみにP………ボクはこれが―――」
飛鳥「………初めてだよ///」
P「」
飛鳥「そ、それじゃ………ボクもレッスンに行って来る///」
タッタタタタ
ちひろ「あらあら、顔を真っ赤にして行っちゃいましたね」
P「」
ちひろ「プロデューサーさん、こりゃどちらにしても覚悟を決めないといけませんよ?」
P「………はい」
―――――――――――
―――――――
―――
飛鳥「ねぇ、ちひろさん。Pを知らないかい?」
ちひろ「プロデューサーさんなら常務と打ち合わせに行ってるわね。もうすぐ帰ってくると思うけど」
飛鳥「そうか………なら、適当に待つとしよう」
ちひろ「飛鳥ちゃん、もう今日の予定はないのでしょう? プロデューサーさんには私から言っておきますし、先に帰ってもいいのよ?」
飛鳥「いや………彼とまだ話す事もあるし、それには及ばないよ」
ちひろ「ふふっ♪ わざわざ待ってあげるなんて、本当にプロデューサーさんのことが好きなのね」
飛鳥「………よしてくれちひろさん。ボクとPはそんな関係じゃないよ」
ちひろ「でも飛鳥ちゃんはプロデューサーさんのこと好きでしょう?」
飛鳥「そんなことないよ。彼はせいぜい、ボクにとっての理解者どまりだよ。それ以上もそれ以下の感情はないよ」
ちひろ「理解者ってのもずいぶん親密だと思うけど………本当は好きなんでしょう?」
飛鳥「やめてくれないか。そう子供みたいにからかおうとするのは」
飛鳥「実にくだらない………」
ちひろ「ふふっ、ごめんなさいね。でも、素直に認めるってのも大人のすることじゃない?」
飛鳥「ボクは常に真実のみを話しているよ。それがこの偽りだらけのセカイへの唯一の反抗だからね」
飛鳥「確かにボクとPは付き合いも長いし、仲がいいか悪いかと聞かれれば、いいと答えるだろう」
飛鳥「だが、それだけだ」
飛鳥「彼とは歳も離れているし、所々感性が合わない部分もある」
飛鳥「だから悪いけど、とてもそういった感情を持つ対象には選べないよ」
ちひろ「この前ベろチューしたくせに、よくもまぁぬけぬけと言えますねぇ」
飛鳥「キスなんてしてないよ。口の中の米粒を取ってあげただけさ」
ちひろ「色々と苦し過ぎィ!!」
ちひろ「もういい加減に認めたら? プロデューサーさんのことが好きだって」
飛鳥「しつこいなもう………まるで学校のクラスメイトの女子のようだ」
飛鳥「他人の色恋に野次馬のごとく干渉してこようとする。ちひろさんの方こそコドモみたいだ」
飛鳥「キミはもう25歳のオトナなのだろう? そういう未熟な中学生みたいな思考で動くのはみっともないと思わないのかい?」
飛鳥「いや……みっともないと言うよりか『痛い』だね………フフフッ♪」
ちひろ「………」イラッ
ちひろ(流石にちょっとムカっと来ましたね………よし、それなら少しからかっちゃおうかしら♪)
ちひろ「ふ~ん………じゃあ飛鳥ちゃんはプロデューサーさんのこと好きじゃないのね?」
飛鳥「その通り。彼に限らず、ボクがそんな恋愛感情を持ち合わせた事は一度も無いよ」
ちひろ「………それじゃ、あのことを言っても構わないかしら」
飛鳥「あのこと?」
ちひろ「実は隠していたんだけど、私―――」
ちひろ「プロデューサーさんと付き合ってるんです♪」
飛鳥「―――」
―――――――――
―――――――
―――
P「ふぅ、やっと打ち合わせが終わったぜ………常務と会話するのはいつも神経使うなぁ~」
P「飛鳥とも色々と打ち合わせしたいけど………まだ事務所にいるかな?」
ガチャリ
P「飛鳥いるか? CDデビューの件で―――」
その時Pは絶句した。
なぜなら事務所のルーム内が、まるで牛の大群が通ったかのように滅茶苦茶に荒らされていたからだ。
飛鳥「ハァ……! ハァ………!」
ちひろ「」ピクピク
P「な、なんだこれは………!?」
P「一体どうなってやがるんだ!? なんでこんな事務所が滅茶苦茶に!?」
飛鳥「このっ………!! このっ!!」ポイガシャーン!!
ちひろ「ひぃぃぃぃぃぃ!!??」
P「こ、こら飛鳥!! 俺がコインで買ったルームアイテムを投げるんじゃない!!」
飛鳥「ぐうぅぅぅ!! ふぅぅぅぅッッ!!」
P「やめるんだ飛鳥!! 一体何があったてんだ!?」
ちひろ「ぷ、プロデューサーさん………た、助けて………!」
P「ちひろさん! これ一体どういうことなんですか!? なんで飛鳥はこんなに怒ってるんです!?」
ちひろ「実はかくかくじかじかで………」
P「なんでそんなしょうもない嘘を………」
ちひろ「ちょっとからかおうとしただけなんですぅ~! でも飛鳥ちゃん、滅茶苦茶キレて暴れ出して………」
ちひろ「事務所の備品やらグッズやらスタドリを私に向けて投げ飛ばしたりして来たんですよぉ………」ボロッ
P「全部あんたのせいじゃないですか!!」
飛鳥「このっ!!」ポイガシャーン!!
ちひろ「ぎゃああああぁぁぁッッ!!?」
P「うわぁぁぁぁッッ!! 俺のパソコンを投げるなぁぁッッ!!!」
P「ほら飛鳥! 落ち着くんだ!」ガシッ
飛鳥「ぐううううッッッ!!! ふううぅぅぅぅ!!!」
P「ちひろさんの言ったことは全て嘘だから!!」
飛鳥「はぁ………! はぁ……!」
P「俺はちひろさんどころか、現在進行形で誰とも付き合ってなんかないから!!」
飛鳥「ふぅ………! ふぅ………!」
P「だからもう暴れるのはやめて………な?」
飛鳥「………」
P「あ、飛鳥………?」
飛鳥「………」
飛鳥「うっ……うえぇ………」ポロポロポロ
P「!!」
飛鳥「ダメ………ダメなんだ………キミに恋人なんて………いちゃ………だめ………」ポロポロ
P「飛鳥………」
飛鳥「それがセカイの理なんだ………キミはボクのプロデューサーなんだから………ううっ………うえっ………」ポロポロ
飛鳥「そうじゃないと………エッグ………ボクの……セカイは……ヒック………コワレテしまうんだ………ううっ」ポロポロポロ
P「ああ、飛鳥………!」
P「大丈夫、大丈夫だよ飛鳥。俺に彼女なんていないから!」抱きッ
飛鳥「ほ、本当………?」
P「ああ、本当だよ。恥ずかしながらこの歳になって異性との交際経験も無いんだ、俺」
飛鳥「じゃ、じゃあ………これからも作らない………?」
P「うん……いいよ。飛鳥が嫌だと言うなら絶対につくらない」
P「俺はお前の担当プロデューサーだから………それでいいだろう?」
飛鳥「うん………うん………」ギュウウウウ
ちひろ「………やれやれ。ありゃどう見ても恋人同士じゃないですか」
ちひろ「でもまぁ、どうやら収まってくれたようね………はぁ~~~死ぬかと思った」
ガチャリ
光「ただいま―――ってなんだこれは!? 事務所が滅茶苦茶になってる!?」
ちひろ「あっ、光ちゃん………」
光「ショッカーの襲撃にでもあったのか!? それとも眼魔か!? もしくはデスガリアンの仕業なのか!?」
ちひろ「あ、あはははは………」
――――――――
――――――
―――
飛鳥「恋愛か………やはりボクにまだ理解できそうにはないな」
飛鳥「それはまだボクが未熟なコドモだからだろうか? キミの言うようにオトナになればわかるようになるのかな」
P「ああ、きっとそうだよ。だから無理に焦る事なんてないさ」
飛鳥「そうだね………フフッ、ボクにはまだ時間がたくさんあるのだから………」
P「それはそうと飛鳥」
飛鳥「なんだい?」
P「そろそろ俺の膝の上からどいてくれないか? 仕事出来ないし」
飛鳥「もう少しだけ………ね///」ギュウウウウ
P「やれやれ………しょうがねぇな」
飛鳥「フフッ………♪」
ちひろ「愛を知らないとは一体………うごごごご………」
ちひろ「やれやれ。まぁプロデューサーさんも覚悟決めてくれたみたいですし」
ちひろ「なにはともあれ、これで一件落着ね」
光「ねぇ、ちひろさん。飛鳥はなんでPに抱きついてるの?」
ちひろ「ふふっ、それはね。飛鳥ちゃんがプロデューサーさんのことが大好きだからよ」
光「Pのことが好き………?」
光「つまり飛鳥とPは、アランとマコト兄ちゃんみたいな関係だってこと?」
ちひろ「………光ちゃんの方がよっぽど愛を理解してないわね」
光「???」
終わり
お・ま・け
※さっきまでのPとは別人でお願いします。
美城「忙しい所を急に呼びだしてすまなかったな」
P「いえ………しかし、何かあったのですか?」
晴「もしかして、オレに新しい仕事か何かか? 常務のとる仕事ならカッコ良さそうなのになりそうだ。へへっ♪」
美城「今日君達に気てもらったのはほかでもない」
美城「これはとあるカメラマンから押収したものだが―――」
つ Pと晴がラブ○テルから出てくるとこの写真
P「!?」
晴「あっ、これこの前行った時の―――」
美城「どういうことか説明してもらおうか」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
P「」
P「じょ、常務! こ、これは―――」
晴「どうもこうも、Pが居残りレッスン(意味深)するからと言って………」
晴「それで―――」
晴「ううっ………///」カァァァ!
美城「ほほう………色々と察せられるな」
P「あばばばばばばばばばば!!」
美城「で? 何か弁明することは?」ギロッ
P「ひ、ひひひひ………」
P「避難するだぁぁぁぁぁぁ!!!」タッタタタタタッ!!
ちひろ「どこに行くんだぁ~?」ガシッ
P「シュワット!?」
ちひろ「クズがぁ………今すぐこの場で血祭りにあげてやる………」
P「あわわわわわ!」
美城「待て千川さん。殺す前に一応遺言だけでも言わせてやろう」
P「殺すの確定ですか………」
美城「さぁ、最後に言いたいことはないかね?」
P「………」
P「常務、ちひろさん………この度は本当に申し訳ございませんでした」
P「でも………後悔はしていません!!」
美城「なにぃ!?」
P「俺は晴のことを本気なんです! ただムラムラと欲情して衝動的に連れ込んだんじゃない!!」
P「本気の本気で愛しているんですッ!!」
晴「P………///」キュン
ちひろ「うわぁ………(ドン引き)」
美城「イカれてる………12歳の少女に恋をするななんて………正気じゃない!!」
P「確かに、世間一般でこれは異常なことです。普通ならここで身を引くのが一般常識ってものでしょう!」
P「しかし、俺はそれでも………それでも晴と愛し合う道をとりました!!」
P「自分の気持ちに正直になったんです! つまりこれは偽りなき愛……」
P「純愛なんです!!」
美城「!!」
ちひろ「えっ、何言ってんのこの人」
P「敢えて声高らかに叫ぼう! 俺は晴が好きだ! 大好きだ!!」
P「愛してるッ!! もうお前なしじゃ生きていけないんだ!!!」
P「晴の――――ッ!!! 王子は―――ッ!!!!」
P「この俺だああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――ッッ!!!!」
晴「P………///」
晴「こ、この変態が!! 常務の言った通り、頭どうかしてるよ!」
晴「で、でも………」
晴「お、オレも………あ、愛して………///」カァァァッ
P「は、晴………!」ウルッ
ちひろ「えっ、なにこれは?」
ちひろ「常務、もうさっさと殺しましょうよ! 時間の無駄です! こいつは救いようのない変態だ!!」
美城「純愛………そういうことか」
ちひろ「えっ、常務?」
美城「やっと能天気な私でも飲み込めたよ」
美城「そうか………これが………」
―――愛か―――
ちひろ「ええええええええぇぇぇぇぇぇッッッ!!!???」
終わり
これで終わりです。クソSSを長々と失礼しました。
今更ながら飛鳥キュンのボイス実装に、本能覚醒したので書きました。
飛鳥キュンのセリフ選び………個人的に蘭子ちゃんよりも難しかったと思いました。
おい運営! さっさとデレステにもボイスを実装させんだよ! あくしろよ!!
ダニィ!? >>1のクソSSだとぉ!?
モバP「加蓮が再び病弱になってしまった」
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モバP「早速デレステでリセマラしに出かける! 後に続くんだど―――ッ!!」
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スレタイがいいの思い浮かばなかったので
>>3さんの言う通り、ターボレンジャーのOPから拝借しました。
ってかなぜ気づいたし………絶対に誰にもわかるまいと思ったのになぁ~
クソSS失礼しましたぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!
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