※ 艦これの『秋津洲』を主人公とした中編~長編ぐらいのSSになります
※ 過度なエロやグロは無し。秋津洲を襲う理不尽な不幸などはちょっとしかありません
※ キャラの性格や口調、お互いの呼称などはなるべくゲームに合わせていますが、筆者の独自解釈も多いです。そういうのが許せない方は読まないほうがよろしいかと思います。
それでは、お楽しみ下さい。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449319544
――――― 早朝 港
秋津洲「大艇ちゃんおかえりっ」
朝の哨戒を終えて帰ってきた大艇ちゃんをクレーンで釣り上げる。今日も何事もなく帰還できてよかったね!
秋津洲「さ、提督に報告にいくかも! 」
これが、わたし秋津洲の毎朝の日課。早起きして、大艇ちゃんに鎮守府周辺の海域をぐるっと哨戒してもらう。別にこんなことする必要は無い気がするかもだけど、提督からお願いされて毎日がんばってるかも!
秋津洲「でもなぁ……はぁ……元気でないかも……」
昨日のことが尾を引いて、ちっとも元気が出ないわたしは、重い足取りで提督執務室に向かったかも……
――――― 少し後 提督私室
コンコン
提督 「ふわー、どうぞー」
秋津洲「秋津洲、報告にきたかも…… 」
提督 「おう、おはよう秋津洲。なんだ、元気ないじゃないか。何か異常か? 」
秋津洲「ううん、今日も異常なしかも! 」
提督 「そうか。それじゃあどうして元気ないんだ? 珍しいじゃないか」
秋津洲「ぶー、失礼かもっ! 」
この鎮守府に迎えられて、はや半年くらいかな? 大勢の仲間たちや、ちょっといじわる言うけど基本的には優しい提督に囲まれて、それなりに楽しく暮らしてるかも……だけど……
提督 「ほんとに元気ないな。話してくれよ」
秋津洲「うー、話しても笑わない? 」
提督 「面白かった容赦なく笑うかな」
秋津洲「むー、優しくないかもっ。そんな提督には何も言わないかもっ」
提督 「冗談だよ。秋津洲的には深刻なんだろ? 頼むから話してくれよ」
どうやら本気で心配してるかも? ちょっと嬉しいからお話してもいいかも
秋津洲「絶対に笑わないでね? 実は昨日、漣ちゃんと秋雲ちゃんと話す機会があって……」
――――― 1日前 間宮さんのお店
今日はなぜか駆逐艦の秋雲ちゃんと漣ちゃんに誘われて間宮さんのところでお茶してるかも。突然のお誘いでびっくりしたけど、たまにはこういうのも嬉しいかも!
秋雲 「そんでそんで、最近秘書艦をやることが多い理由はどうしてなの? 」
秋津洲「うーんと……やっぱり朝の哨戒報告があるから、そのまま朝ごはんを作ってあげてっていう流れがあるからかも……? 」
漣 「うひょー、毎朝ご飯作ってあげてるんだ! 」
秋雲 「じゃあ……夜は、夜はどうなの? 」
秋津洲「最近は夜ご飯も作ってあげることが多いかもっ」
漣 「(゚∀゚)キタコレ!! 妻じゃん妻! 」
秋雲 「かーっ、うちの提督も秋津洲ちゃんのかわいさ全振りにやられたかぁ~」
秋津洲「?? 何の話かも? 」
漣 「ご主人様がぁ、妻……もしくは愛人として秋津洲さんを囲ってるって話ですよぉ」
な、なんの話をしてるかもーー!!
秋津洲「な、なにをいってるかも! そんなことは全然ないかも! 」
秋雲 「あ、わかってるよん。そういう設定設定」
秋津洲「設定って……何の話かも? 」
漣 「あー、秋津洲さん、同人誌ってわかります?」
秋津洲「? 知らないかも?」
秋雲 「通称薄い本って言うんっすけどね。まー、簡単なオリジナルストーリーを漫画とか小説にして、冊子にして売ってる人がいっぱいいるんすよ。あたしもその一人なんですけどね」
秋津洲「すごーい、小説家さんや漫画家さんみたいかも! 」
秋雲 「で、あたしは身近な人を題材にして漫画書いてるんすけどね」
秋津洲「すごーい、イラストが上手だって聞いてたけど、漫画家かも! 」
漣 「確かに秋雲は上手ですよー」
秋雲 「それで、次の作品のネタにするために、提督と秋津洲ちゃんの話を聞こうかなって思ったわけっすよ」
秋津洲「へー。わたしのことなんかで面白いお話になるのかも? 」
漣 「秋津洲さんは知らないでしょうけど、艦娘を題材にした同人誌界隈では、秋津洲さん大人気なんですよ」
秋雲 「そーそー。やっぱかわいい子は人気でますわ。で、あたしもあやかろうかなと」
秋津洲「え、えー! わ、わたしがかわいいとか……こ、困るかも!///」
秋雲 「おー、赤くなって照れる秋津洲ちゃんいいね! スケッチスケッチ」
秋津洲「でも、わたしが書いてある漫画かー。ちょっと見てみたいかも」
漣 「あ、えっとそれは……やめたほうが良いとオモイマス」
秋雲 「そうだねぇ、秋津洲ちゃんにはちょっと刺激が強すぎるかな」
秋津洲「へ……? どういうことかも? 」
漣 「あ、えっと……そ、それはですね」
秋雲 「うーん、なんと説明すべきかねぇ……」
秋津洲「?」
漣 「えっとですね、秋津洲さんって戦闘は苦手じゃないですか? 」
秋津洲「うん、わたしは後方支援担当だから、戦闘は苦手かも」
漣 「そういう特性を活かしてというかなんというかで……同人誌では、秋津洲さんは『すごくかわいいけど役立たず』みたいに書かれてることが多いんですよ」
秋津洲「や、役立たず……ショックかも……」
秋雲 「それで、戦闘以外のことで頑張る……みたいな話ばっかりだねぇ」
秋津洲「戦闘以外って……偵察とか、お料理とか、秘書仕事とか……あとなんだろ? 」
漣 「あ、あはは……ま、まぁ、そんな感じですね」
秋雲 「だからあたしも、戦闘が苦手な秋津洲ちゃんが、妻のように提督にいろいろご奉仕するお話でも書こうかなと思って、それで聞いてたわけなんすよ」
秋津洲「戦闘が苦手ってほんとにことだけど……役立たず……ほんとにショックかもー! 」
漣 (秋雲、秋津洲さんに薄い本は絶対見せちゃだめだからね。ほんとのこと知ったら気絶しちゃうよ、きっと)
秋雲 (わかってるよ。あーあ、こりゃオータムクラウド先生の新作は別のお話にしたほうがいいかねぇ)
――――― 場面は戻って提督私室
秋津洲「とまぁ、そんなことがあったかも。あれ提督、顔赤いけど大丈夫? 」
提督 「あ、あはは、寝起きだからかなー。いや、参った参った」
提督 (あいつら……後できつく言っておかないとな。身内を題材にした18禁同人とか何を考えてるんだ……)
秋津洲「もー、しゃきっとしてよね! とりあえず朝ごはん作るから、それまでにきちんとしておいてほしいかも! 」
提督 「へーい」
提督が身支度している間、あたしが朝ごはんを作る……。う、言われてみれば確かに妻っぽいかも……うわぁ、だめだめ、変なこと考えちゃ!
提督 「それじゃ、いただきます」
秋津洲「いただくかも」
モグモグ
提督 「でもさ、さっきの話だけど」
秋津洲「うん」
提督 「後方支援担当の船はみんな戦闘は苦手だろ? 明石だってそうだし、間宮さんや伊良湖ちゃんなんて戦闘に参加することすらできないしなぁ」
秋津洲「それはそうだけど……」
提督 「だから気にする必要は無いんじゃないか? 料理は上手だし。今日も美味いよ」
秋津洲「あ、ありがとう。だけどさ、同じ水上機母艦の子と較べて、遠征でも役に立たないし、明石さんみたいに工廠で活躍できるわけでもないかも……」
提督 「まー、確かに、目に見える活躍の場面があんまり無いよなぁ」
秋津洲「秋雲ちゃんや漣ちゃんに詳しく聞いたら、『役立たず』とか『何しにきたの?』とか『かわいいだけ』とか、ひどいこと言われてるみたいかも。やっぱりくやしいかも! 」
提督 「ふーむ……」
あ、珍しく真面目な顔かも
提督 「今はまだ詳しいことは言えないんだが、俺を含む一部の提督にとっては、秋津洲は代え難い、どうしても居てもらわないといけない存在なんだ」
秋津洲「えっ……それってどういうことかも……? 」
提督 「すまんが詳しいことはまだ言えないんだ。だが、俺がそう考えていることは知っておいてくれ。それで、ちょっとずつでいいから練度を上げて、是非大規模改装をするところまでは頑張ってくれ」
秋津洲「うう、すごく気になるかも……」
提督 「ま、おいおいな」
++++++++++
わたし秋津洲と提督の物語はこうしてはじまったかも! ……じゃなくて、はじまりました。
提督はこう言ってくれたけど……それでも、周りから役立たずって思われてるのはくやしいかも!
ということで、この日から秋津洲のチャレンジは始まったかも!
++++++++++
本日分は以上かも! ……以上です。
今回は秋津洲のお話です。のほほーんとしたアホな話を書くつもりでいます。
2日毎に更新ぐらいのペースで行くと思いますので、よろしければ是非またお越しくださいっ
乙
このノリならあんまり深刻にならずに見れるかな
青葉のスレ書いてた人ですね
期待
>>16
深刻どころか、アホな話になります。エログロ悲惨系は全然無いと思いますのでご安心を!
>>17
コテ覚えていて頂いて光栄です。が、今回は「短くアホな話を書く」というコンセプトなので、青葉のお話とは雰囲気が随分違うと思います。それでよろしければまた是非。
ルート固定は大切じゃん?
期待
E-4で第二が討ち漏らしたボスを討ち取るのは連合艦隊旗艦たる秋津洲の役目
乙
――――― 翌日
――――― 工廠
秋津洲「明石さん、ちょっと相談したいことがあるかも? 」
明石 「いいですよ。ちょっとこの装備を移動しちゃいますから、待っててください」
秋津洲「重そうだね。わたしも手伝うかも!」
明石 「助かります。秋津洲さんのクレーンは強力ですよねー。いっそ工作艦として一緒に働いて欲しいぐらいです! 」
秋津洲「えー、そんなことになったら大艇ちゃんが寂しがっちゃうかも」
大艇 (うんうん)
明石 「そうですねー。大艇ちゃんを運用できるのは秋津洲さんだけですもんね。あ、ここです。よいしょっと」
秋津洲「よいしょっと」
明石 「ふー、助かりました。それで、どうしたんです? 改まって相談なんて」
秋津洲「えっとね、実はかくかくしかじかなことがあったの」
明石 「あ……あはは……薄い本ですかー……。わたしも怪しげな道具や薬を作る役として良く登場するらしいですけど……」
秋津洲「それで、役立たずって言われるのはやっぱりくやしいかも! だから、しっかり艤装を整えて、戦闘でもがんばろうと思って……それで相談に乗って欲しいかも! 」
明石 「え~。だって、わたしもそうですけど、非戦闘艦ですから、火力も装甲も無いですよね……」
秋津洲「うう、それはそうかもだけど……」
明石 「あ、でもわたしも大規模改装するまでは、練度上げのために、がんばって戦闘に参加してたんですよ」
秋津洲「ええっ! 明石さんが戦闘してるところなんて見たことないかも! 」
明石 「大規模改装してからは一切参加してないですからねー、戦闘。それまでは、副砲を積んで旗艦として守ってもらいながらみたいな感じでしたねー」
秋津洲「ふむふむ……副砲ね……」
明石 「秋津洲さんはわたしと違って回避能力もすごく高いですし、結構何とかなると思いますよ! 」
――――― 昼 提督執務室
提督 「いただきます」
秋津洲「はい、どうぞー」
今日のお昼は焼きそばかも!
提督 「もぐもぐ。うん、今日も美味しいよ」
秋津洲「ありがと! でもね提督。秋津洲は料理だけじゃなく、ついに戦闘でも活躍するかも! 」
提督 「なんだ、昨日の話、まだ気にしてたのか」
秋津洲「当たり前かも! 明石さんのアドバイスを受けて、じゃーん! 三連装副砲をバッチリ装備したかも。これで戦闘もバッチリかも! 」
提督 「うーん、まぁ練度上げもしないとだからなぁ。じゃあ演習からはじめてみるか? 」
秋津洲「ううん、ちゃんと深海棲艦と戦うかも! 」
提督 「えー……」
秋津洲「えーじゃないかも! 駆逐艦の子だって戦ってるんだもん、わたしだって頑張るかも! 」
提督 (ふむ……キラ付けするのもいいか……)
提督 「秋津洲は実戦経験はほとんどないんだ。だから近海の一番戦いやすい敵。はぐれ駆逐艦1隻ぐらいなら許可してもいいぞ」
秋津洲「おおー! じゃあ午後はばっちり実戦してくるかも! 」
――――― 午後 提督執務室
秋津洲「なんとか倒したけど……結構やられたかも……」(ぼろっ)
提督 「うぉっ、中破してるじゃないか! 報告はいいから、早く明石のところに行って入渠してこい」
提督 (ただでさえ露出の多い服なのに、中破状態で俺の前に来ちゃダメだろっ! )
秋津洲「わかったかもー……。でもでも、ちゃんとやっつけたかも! ね、戦闘だってバッチリかも! 」
提督 「あ、ああ……よく頑張った。さ、治してもらってこい」
秋津洲「はーい、行ってくるかもー! 」
――――― ドック
秋津洲「はー、癒されるかもー」
朝潮 「失礼します!」
秋津洲「あれ、朝潮ちゃんも入渠なのー? おつかれさまかも!」
朝潮 「はい、不覚にも潜水艦の雷撃にやられました」
秋津洲「そっか。わたしはイ級だっけ? 鎮守府近くの駆逐艦にやられちゃったかも」
朝潮 「イ級に……ですか? 」
秋津洲「? なにか変かも? 」
朝潮 「いえ……近海のイ級といえば一番弱い深海棲艦で、LV1の駆逐艦が相手にするような敵ですから……中型艦の秋津洲さんがイ級相手に中破なんて、どうしたのかと思いまして」
秋津洲「!!! 」
朝潮 「近海にそのように強いイ級が出てきているとなれば由々しき問題です。早速司令官にご報告しないと」(ざばっ)
秋津洲「あああ、朝潮ちゃん、裸で提督のところに向かうのはダメかも! わたしはもう入渠終わりだから、わたしがちゃんと報告しておくかもー! 」
朝潮 「そうですか。それではよろしくお願い致します」
秋津洲「う、うん……わかったかも」
――――― 少し後 提督執務室
秋津洲「ていとくー! 」
提督 「おかえり。ちゃんと治ったようで良かったよ。まだ練度が低いから治るのもはやいな」
秋津洲「朝潮ちゃんから聞いたんだけど……今日戦った深海棲艦って一番弱い雑魚だってほんとかも……? 」
提督 「う……聞いてしまったか。そう、一番弱いやつだ」
秋津洲「ううー。朝潮ちゃんから、イ級相手に中破するなんておかしいって言われちゃったかも! 」
提督 「あはは。まぁ、イ級相手に中破とか、なかなか無いからな。今日は運が悪かったな」
秋津洲「ううー……くーやーしーいーかーもー! 」
提督 「そうは言ってもなぁ。練度が上がれば回避も上がるし……おとなしく演習で旗艦やればいいよ。ちゃんと組んでやるからさ」
秋津洲「それだと、やっぱり戦闘は苦手で守られてるだけかも……」
提督 「そう言われてもなぁ。実際苦手なんだし……」
秋津洲「そんなこと言わせないかも! 演習で、1vs1で勝って見せるかも! 」
提督 「うーん……そこまでやる気あるなら、演習を組んでやるけどさ。ただ、戦艦とか空母相手じゃさすがに難しいから、秋津洲と同程度かそれ以下サイズの相手だけだぞ」
秋津洲「う、確かに主砲ドーンとか艦載機バーンとかだと手も足もでないかも……わかった、大きさが変わらなければ戦えるって見せつけるかも! 」
――――― 夜 鳳翔さんのお店
秋津洲(ガツガツ、はむはむ)
衣笠 「へー、それで必勝を願ってカツ丼食べてるんだぁ」
秋津洲「(むぐむぐ) うん、これでバッチリかも! 」
青葉 「秋津洲ちゃんタイマンチャレンジかー。これは是非記事にしないとですねー! 」
古鷹 「でも大丈夫? 演習とはいえ、主砲とか魚雷が直撃すると、めちゃくちゃ痛いですよ? 」
秋津洲「(もぐもぐ) 提督が、わたしと同じかもっと小さいぐらいの相手しか選ばないって言ってたから、そのへんは大丈夫かも」
青葉 「おー、それなら連戦連勝の秋津洲ちゃんが見られますね。バッチリ取材しますからご安心を! 」
秋津洲「うん、まっかせて! いいとこ見せちゃうかもっ! 」
この時は……あんな悲惨なことになるなんて……夢にも思っていなかったのでした……
って、すごく不吉なナレーションが流れてるかもー!?
本日分は以上かも! 演習に向かうかもかもの運命やいかに! 続きはまた明日投下予定です。
>>23 >>24
ルート固定でひさしぶりに秋津洲の出番があった人がおおいかもですねー
うちでも頑張ってくれました。なお群を落とせたことは一度もなかった模様
――――― 翌日
――――― 演習海域
秋津洲「まずは初戦! 相手は軽巡クラスらしいから、良い勝負になるかも! 」
提督 「秋津洲、聞こえるかー? 」
秋津洲「聞こえるかも! どうしたの? 」
提督 「記念すべき第一戦だけど…………ガンバレヨ」
秋津洲「ど、どうしたのかも? なんか死地に送り出すみたいな雰囲気かも……? 」
提督 「なーに、演習だからスゴク痛いだけですむから、ガンバレヨ! じゃあ通信終わり」
秋津洲「なになになに? なんだか不安かもー! 」
北上改二「へー、秋津洲単艦なんて珍しい相手だねぇ」
秋津洲「あ、あれ……? 演習相手ってもしかして……? 」
北上改二「うん、あたしだよ。じゃあ開幕酸素魚雷、いっくよー! 」
秋津洲「え、えっと……まだ心の準備が……うぎゃー! すごい数の魚雷かもーー! 」
ドーンドーンドーン
提督 「おーい、秋津洲、生きてるかー」
秋津洲「超痛かったかも……何もする前にやられたかもー! 」
提督 「ちょっと相手が悪かったな。いくら軽巡クラスでも重雷装巡洋艦は無理だな、こりゃ」
秋津洲「うん、もうやりたくないかも……」
提督 「次の相手は軽巡洋艦の単艦だぞー」
秋津洲「それなら勝負になるかも! 今度こそこの副砲をぶっ放すかも! 」
大艇 (がんばれがんばれ)
阿武隈「あれー、秋津洲さんと1vs1なんて、珍しいですねー」
秋津洲「あ、あれ……軽巡って阿武隈(改二)ちゃんなのかも……? 」
阿武隈「はい、わたしですっ! よろしくお願いします。それじゃあ、開幕雷撃行きますねー! 」
秋津洲「ま、またこのパターン……回避回避ーー!」
ドーンドーンドーン
提督 「あー……痛そうだな? 」
秋津洲「超痛いかも! 」
提督 「開幕雷撃がある相手はやめたほうがいいな……」
秋津洲「うん……重雷装巡洋艦と阿武隈ちゃんは、もうこりごりかも……」
提督 「よし、今度は阿武隈じゃない軽巡洋艦が相手だぞ」
秋津洲「こ、今度こそ……頑張るかも……」
神通改二「秋津洲さんがお相手ですね。どうぞよろしくお願いいたします」
秋津洲「こ、こちらこそよろしくかも! 」
神通改二「お互い……全力で戦いましょう」
秋津洲「(すごい殺気!) あ、あの……お手柔らかにお願いするかも…… 」
ドーンドーンドーン
提督 「えっと……今回は副砲撃てたじゃないか……良かったな? 」
秋津洲「げほっげほっ……一発も当たらなかったかも! こっちはボロボロかもー! 」
提督 「秋津洲喜べ! 今度の相手は駆逐艦だっ」
秋津洲「さ、さすがに駆逐艦の子相手なら勝てるかもっ! 」
夕立 「あら? 今日の相手は秋津洲さん? なんか、めずらしいっぽい」
秋津洲「あ、夕立ちゃんが相手ですか。よろしくお願いします(あれ、この夕立ちゃん、うちの夕立ちゃんとはちょっと雰囲気が違うかも?)」
夕立(改二)「はい……それじゃあ、さいっこーに、素敵なパーティーしましょ? 」
秋津洲(な、なんだか怖いかもー!)
ドーンドーンドーン
提督 「あー……夕立改二は、駆逐艦離れした火力だから……」
秋津洲「うう、小さい子相手に一発撃沈(演習大破)されたかも……」
こうして、わたしの演習初チャレンジは、もうさんざんだったかも……。
戦闘が苦手なのは分かってたけど、ここまでこてんぱんにやられちゃうと……ほんとに落ち込んじゃうかもーー!
これを書くにあたって、ここ2日ほど当鎮守府の秋津洲改(LV45)も単艦秋津洲チャレンジをやったかも!
1勝5敗(買った相手はLV一桁の嵐さん)でさんざんだったかも!
というわけで短いですけど今日は以上です。秋津洲につきつけられた現実はやっぱり非情だったということで。
続きはまた明日かもー
――――― 昼 鳳翔さんのお店
提督 「秋津洲、ほら、ここは俺のおごりだから、元気出しておいしく食べろ。な? 」
秋津洲「ううー……元気でないかも……自信喪失かもー……」
提督 「今日はバリバリの武闘派ばかりが相手だったし、そもそも秋津洲はまだ練度が低い。あんな高練度な相手では手も足も出ないのは当然だよ」
秋津洲「そうかもだけど……やっぱり戦闘は苦手かもー……」
提督 「そうだよな。だからさ、明石の時みたいに、演習旗艦として戦闘に慣れて練度を上げていってくれよ。な? 」
秋津洲「うう……わかったかも……」
提督 (ほっ……。結果的に荒療治になっちゃったけど、分かってもらえて良かった。危ない実戦に飛び出しでもしたら命に関わるからなぁ)
提督 「何度も言うけどさ。それぞれ得意分野が違うんだ。秋津洲は、秋津洲の得意分野で活躍してくれればいいさ」
提督の言うことはもっともなんだけど……でもやっぱり、役立たずな自分はイヤかも……
提督 「俺はもう戻らないといけないけど、ゆっくり美味しいものでも食べて、少しでも元気出してくれな? 」
秋津洲「うん……ありがとうかも」
――――― 少し後 間宮さんのお店
元気を出すために甘いものを食べに来たかも
間宮 「はい、ジャンボパフェですよー。それにしても秋津洲さん、なんだか元気が無いですね」
秋津洲「パフェありがとうかも! うん、実は……かくかくしかじかな感じで元気が出ないかも」
間宮 「うーん、そんなこと言ったらわたしは、戦闘は出来ない上に亀に例えられるくらいの鈍足ですから……わたしも完全に役立たずですね」
秋津洲「でも、間宮さんはおいしいお菓子で戦意高揚っていう必殺技があるかも! 」
間宮 「それを言ったら、秋津洲さんには大艇ちゃんっていう必殺技(?)があるじゃないですか」
秋津洲「そうなんだけど……大艇ちゃんだからこそできる特別なことってなんだろうー」
間宮 「それに、秋津洲さんは料理やお菓子作りがとっても上手だと聞きましたよ」
秋津洲「あ、うん。わたしも間宮さんほどじゃないけど補給設備とかも持ってたから……そのおかげかも? 」
間宮 「でしたら、もし戦闘が嫌になったら、是非うちのお店を手伝って下さい。いつも人手不足ですから大歓迎ですよー」
秋津洲「うん……ありがとう。いろいろ考えて見るかも! 」
うーん……明石さんと工作艦仕事をするとか、間宮さんと給糧艦仕事をするとか……いろいろ考えちゃうけど……でも、わたしは大艇ちゃんと一心同体! やっぱり大艇ちゃんと一緒にできるお仕事がしたいかも!
パクパク
秋津洲「でもなぁ……大艇ちゃんと一緒のお仕事って偵察くらいだけど……ちゃんと役に立ってるのかな? 」
朝潮 「あ、見つけました、秋津洲さん」
秋津洲「あれ、朝潮ちゃん、わたしを探していたかも? 」
朝潮 「はい、昨日の強力なイ級の件はどうなったかと思いまして」
秋津洲「あ……あはは……それね、勘違いだったかも……」
朝潮 「勘違いですか……? それは一体どういう」
秋津洲「イ級は別に特別に強いやつじゃなかったかも……。ただわたしが弱っちくて、普通のイ級相手に苦戦しただけだったかも……(しょんぼり)」
朝潮 「あ……そ、そうだったのですか! それは、大変失礼しました! 朝潮、伏してお詫びいたします! 」
荒潮 「朝潮ちゃん、土下座なんかしたら秋津洲さんがこまっちゃうわー」
秋津洲「そうです、やめてほしいかも! 」
朝潮 「そ、それでは、どうお詫びしたら……」
秋津洲「お詫びなんていらないかも! だって……秋津洲が弱くてダメな子なのが原因かも……ぐす……」
朝潮 「そ、そんな……わたしはどうしたら……(おろおろ)」
荒潮 「あらぁ、秋津洲さんも朝潮ちゃんも落ち着いて。そんなに落ち込んで、一体どうしたのー? 」
荒潮 「そっかー、それは落ち込んじゃうわねぇ」
秋津洲「ぐすん、そうかも……」
朝潮 「わたしもまだまだ修行中の身ですが……役立たずなんてひどいことを言われたら、やっぱり落ち込みます」
荒潮 「確かにねー、そんなこと言われたらがっかりしちゃうわぁ」
秋津洲「でも、わたしは本当に役立たずなのかも。今日も演習で全然ダメだったかも……」
朝潮 「そんなことはありません! 戦闘で活躍するばかりが艦娘ではありませんからっ」
荒潮 「ていうか、秋津洲さん。そもそも毎日の偵察でご活躍じゃありませんか? 」
秋津洲「それはまぁ……毎日鎮守府周辺の偵察がんばってるかも。でも、それで役に立ってるのかなぁ……? 」
朝潮 「秋津洲さんが着任される前は、わたしたち駆逐艦が、毎日鎮守府周辺の哨戒を行なっていましたっ」
荒潮 「提督も苦労してたみたいで、空母の皆さんに偵察機を交代で飛ばしてもらったり、いろいろ試してたみたいよー」
秋津洲「そう……なんだ……わたしが着任したから偵察を始めたのかと思ってたけど、ずっと前からやってたかも? 」
朝潮 「はい。朝夕2回。かならず鎮守府周辺一帯の偵察を行なっていました。はぐれ潜水艦に出会うこともあって、結構危険だったんです」
荒潮 「秋津洲さんが偵察をしてくれるようになって、駆逐艦のわたしたちはとっても楽になったわー。だから、秋津洲さんが役立たずなんて言われても、なんだかピンと来ないわ」
朝潮 「駆逐艦みんなでやっていた哨戒を秋津洲さんお一人でこなしているんです。長距離広範囲の偵察ができる秋津洲さんと大艇ちゃんはすごいねって、朝潮型みんなで話してました」
秋津洲「……そ、そうなの? そっか! 大艇ちゃんにも伝えておくかも! きっと喜ぶかも! 」
荒潮 「秋津洲さんは立派にお役に立ってますよー。もっと自信をもってほしいわー」
朝潮 「わたしたちには出来ないような偵察や任務を是非よろしくお願いします! 」
秋津洲「うん……うん! なんだか自信が出てきたかも! ありがとう、すぐ大艇ちゃんのところに行ってくるかも! 」
わたしと大艇ちゃんが、ちゃんと誰かの役に立ってる! そういう実感ははじめてで……嬉しくて嬉しくて……。大艇ちゃんにお話して、一緒に乾杯したい気分でした……かも!
本日分は以上かも!
ゲーム内で目に見える活躍はあんまり出来てないけど、きっとこんな風に鎮守府で活躍してる……といいなぁと思います、はい。
それでは、続きはまた明日になります。良かったらまた見に来てほしいかもー
乙
大艇ちゃんと一緒に?…ならねんどろいどみたく合体して空飛べばいいかも!!
>>64
工廠裏
――――― 夕方 提督執務室
コンコンコン
秋津洲「秋津洲、報告に来たかも! 」
提督 「おお、おつかれさん。どうだった? 」
秋津洲「今日も異常なかったかも! 」
提督 「それなら良かった。偵察お疲れさま。じゃあ大淀、今日は終わりにするか」
大淀 「はい、今日も一日お疲れ様でした」
提督 「秋津洲、今日も晩飯頼んでいいのか? 」
秋津洲「うん、用意してあるから任せてほしいかも」
大淀 「うふふ……毎日仲良しですね」
秋津洲「ええっ! そ、そんなこと無いかも ///」
提督 「秋津洲の作ってくれるメシって、なんか実家を思い出すんだよ。それでついつい毎日頼んじゃってな」
大淀 「おふくろの味ですか……うらやましいですね」
提督 「おふくろの味っていうか……美味しいんだけどちょっと変わってるんだよ。シチューにちくわが入ってたりとかさ」
大淀 「……それはちょっと珍しいですね」
秋津洲「だ、だって、余らせたらもったいないし……味もあうかなって」
提督 「あはは。そういうさ、冷蔵庫のものを使い切るためにやりくりするのが家庭の味なのかもな。ま、今日も頼むよ」
秋津洲「むー、褒められてるんだかちょっと微妙かも。まぁいっか。先に行って作ってるから、遅くならずに帰ってきてほしいかも」
提督 「ほーい、片付けたらすぐ帰るよ」
――――― 夜 提督私室
今日の晩ごはんはロールキャベツかも!
提督 「うん、今日も美味いな(もぐもぐ)」
秋津洲「ちくわとか入れてないかも! 」
提督 「あはは、なんだ気にしてたのか。別に苦情を言ってるわけじゃないさ。うちの母も食べ物を粗末にしない人だったから慣れてるよ」
秋津洲「ふーん」
提督 「余った食材でおいしく料理を作るのって高度なスキルなんだぜ? だから、すごく褒めたんだよ」
秋津洲「そっかー。それなら素直に喜んでおくかも! 」
提督 「ま、どうせなら戦闘に役立つスキルが欲しいとか言われるかもだけどさ」
秋津洲「ううん、戦闘じゃなくても、ちゃんと誰かの役に立てるならいいかもっ」
提督 「お、なんか1日で意識が変わったか? もう落ち込んで無いみたいだしな」
秋津洲「うん、実はあの後、朝潮ちゃんと荒潮ちゃんと会ってね……」
提督 「そっか、感謝されて、役に立っている実感が湧いたか。それなら良かったよ」
秋津洲「大艇ちゃんも喜んでたよ。だから今日の偵察はすごく張り切ってたかも! 」
提督 「あはは、そういう話をもっとちゃんとすれば良かったのか。すまんな、俺としてもほんとに助かってるよ。毎日の偵察で駆逐艦のみんなに苦労かけてたからな」
秋津洲「そういえば、どうして毎日毎日偵察してるかも? 」
提督 「あー……そだな、専業でお願いしてるわけだし、ちゃんと話しておくか」
あ、また真面目な顔かも。いつもこの顔してれば少しはかっこいいかもなのにー
提督 「深海棲艦は、船や飛行機には積極的に攻撃してくるだろ? でも陸地には一切手を出してこないよな」
秋津洲「? うん? 」
提督 「でもな、これは多くの司令官が同じように考えていると思うが……奴らは、そのうち鎮守府に攻撃してくることもあるんじゃないだろうか? 」
秋津洲「そ、そんなぁ……まっさかー、そんなの聞いたことないかも! 」
提督 「傷つけて取り逃がしたヲ級に報復の空爆をされた鎮守府があるらしいとか、大規模作戦で手薄になった本土に深海棲艦の別動艦隊が接近してきたとか……いくつかそんな噂もあるんだよ」
こうして鎮守府で生活してる時に、突然警報がなって、空爆とか砲撃とかを受けたら……
秋津洲「うう、怖いかも……」
提督 「鎮守府にはちゃんと電探設備もあるけど……。今の電探性能だと、大艦隊の接近や空爆を察知しても迎撃が間に合わない。だから、避難や迎撃の時間が稼げる程度の範囲を偵察しておきたいのさ」
秋津洲「ほえー……なんか、難しいこと考えてるかも」
提督 「これでもみんなの命を預かる総責任者なんだぜ。そのぐらい考えるさ」
秋津洲「すごーい、ちょっと見なおしたかも」
提督 「あたりまえじゃないっ。いいのよ、もっとほめても? 」
秋津洲「似てないかも! 」
提督 「あはは……似てなかったか」
提督 「そういうわけで、秋津洲にやってもらっている偵察は万が一の備えなんだ。だから日常的には何の成果もなく『異常なし!』の報告が続くことになるな」
秋津洲「うん。異常なし以外の報告、まだしたこと無いかも! 」
提督 「だが、本当に万が一のことがあったとき、みんなの命を左右する事になる。だから、毎日のことで本当に面倒だとは思うが、頑張ってくれ」
秋津洲「うう、重い責任だったの分かってなかったかも……。うん、これからも一生懸命偵察するかも! 」
提督 「ああ。お前と大艇ちゃんがいてくれるから、毎日スムーズに偵察が行える。ほんとに感謝してるんだぜ? 」
秋津洲「あたりまえじゃないっ。いいのよ、もっとほめても? 」
提督 「あはは、俺よりは似てるな」
秋津洲「ふふーん、モノマネはちょっと自信あるかも! 」
………
Bismarck「くしゅんっ」
プリンツ「風邪ですか、ビスマルク姉さま? 」
Bismarck「どうかしら……日本では、うわさ話をされるとくしゃみが出るって言うらしいわよ。もしかしたら、どこかでわたしのことを褒め称えているのかもしれないわね」
プリンツ「すごいっ。さすがですビスマルク姉さま! 」
Bismarck「ふふんっ(ドヤ顔)」
……
…
提督 「あーでも、悪いけど大規模改装を受けられる練度までは、戦闘も頑張ってもらわないとなんだよなぁ。もう変なこだわりも無いみたいだし、おとなしく旗艦になって演習に参加してくれな? 」
秋津洲「うん……もうタイマン演習はこりごりかも……」
提督 「あはは、相手も悪かったしなぁ」
秋津洲「でも、ほんとに戦闘は苦手だよ? 改修しても大して戦闘力はあがらないかも」
提督 「ああ、それはいいんだよ。ただ大規模改修を受けて……2機目の大艇ちゃんを手に入れて、同時に運用できるようになって欲しいんだ」
秋津洲「そっかぁ、大規模改修できれば大艇ちゃんが増えるんだー! 」
提督 「うん。そうしたら改めていろいろお願いすることになると思う。だからしばらくがんばってくれ」
秋津洲「それって、前に言っていた、どうしてもわたしに居てもらわないとっていうことかも? 」
提督 「そうだ。でもまぁ慌ててる訳じゃない。ゆっくりでいいさ」
ニッコリ笑って言われたけど……。この人がこんな風に秘密にしたり言い淀んだりしたことってほとんどないから……これはきっと、すごく大事なことなんだなっていうことぐらいはわかるかも。
どんなお仕事かわからないけど……わたしと大艇ちゃんじゃないと出来ない大事なお仕事なのであれば、すごく頑張りたいかも!
そうすれば……この人はもっと喜んでくれる……かも?
本日分は以上かも!
ちなみにシチューにちくわが入っていると、ちょっと変わった歯ごたえになるけどそれなりに美味しいです。
続きはまた明日投下するかも!
>>65
そのアイディアいただきかも! 唯一の飛べる艦娘になれるか挑戦してみるかも!
――――― 2週間後
――――― 演習海域からの帰り道
葛城 「このレベルアップで、秋津洲さんも改修できるかな? 」
Roma 「いけそうね」
秋津洲「やったぁ。同期の中で一人遅れてたけど、やっとわたしも大規模改修かも! 」
Italia 「よかったですね~」
秋津洲「改修しても戦闘力はあんまりかわらないかもだけど……」
葛城 「わたしなんかは、服装も含めてうーんと変わったわ。秋津洲さんも変わるかもよ? 」
Italia 「わたしなんて名前までかわりましたから! 」
Roma 「姉さんは例外中の例外でしょ。でも、性能は良くなるといいわね」
秋津洲「あ、でも、戦闘力はあんまりあれでも、大艇ちゃんが増えるらしいから、それが楽しみかも~」
大艇 (うんうん)
秋津洲「そうそうItaliaさん、先日教えてもらったパスタのレシピ。早速作ってみたけど好評だったかもー」
Italia 「それは良かったです。ここは材料にいろいろ制限があるから、手に入る材料で美味しいパスタを作るのがなかなか大変なんです」
秋津洲「そうなのかも?」
Roma 「そうね、チーズがなかなか手に入らないのが一番困るわね」
葛城 「ほへー。毎日食べられるだけで大満足だったけど、美味しい料理を追求してる人たちもいるのね」
Italia 「手に入る食材で何とか美味しいものを作るのが楽しいんですよ」
秋津洲「わかるかも! 魚介類が豊富なのがせめてもの救いかもっ」
Italia 「あと、オリーブが栽培されているのが助かります。オリーブオイルは必須ですから」
Roma 「チーズとオリーブオイルが無いと、わたしたちの国の料理は成り立たないわね」
秋津洲「わたしもいろいろ工夫するかもっ。Italiaさん、またイタリア料理教えてね! 」
Italia 「うふふ……提督に喜んでもらうのも大変ですね? 」
秋津洲「りょ、料理が好きなだけかも! 提督は関係ない……かも…… ///」
Italia 「おいしく食べてもらってこそですからね。わたしもRomaに喜んでもらえるよう、もっと工夫しないとですねっ」
――――― 午後 工廠
明石 「はい、練度はこれでOKですね。では大規模改装前に色々サイズを測らせてくださいね。新艤装の準備です」
秋津洲「よろしくお願いするかも! 」
明石 「でもなー、わたしとしては、工作艦への改装をしてもらいたかったんですけど」
秋津洲「それはダメかも! わたしは大艇ちゃんと一緒に長距離偵察をするっていう大事なお仕事があるかもっ」
明石 「そうですよねー。でも、わたしも仲間がほしいんですっ! 」
夕張 「なあに、わたしじゃご不満? 」
明石 「夕張さんは、対潜水艦作戦で前線に出たりするじゃないですか。専業工作艦の仲間が欲しいんですよー」
秋津洲「なんとなく分かるかも。やっぱり自分だけ特殊な船っていうのはちょっと寂しいかもー」
明石 「ですよねー、やっぱり同じ境遇の仲間って欲しいですっ」
夕張 「ふーん、そんなもんなんだぁ」
明石さんみたいな他の人には真似できない特別な事ができる人だって、やっぱり孤独を感じたりするんだもん。わたしだって、そのうちそういうことを感じるようになるの……かも?
――――― 少し後 提督執務室と中庭
???「オーイ テイトクー」
提督 「ん? なんか呼ばれた気がするな」
???「テイトクー ソトソトー」
提督 「そと……? 窓の外か? ここ3階なんだけど」
ツカツカ バタン
秋津洲「あ、提督! ほら、みてみて、改装終わって新しい大艇ちゃん! 」
新しい大艇ちゃんを見せびらかしたくて、中庭から提督を呼んでみたかも!
大艇1(ぶんぶん)
大艇2(ぶんぶん)
提督 「おー、大規模改装終わったのか! 大艇ちゃんが無事2機になってよかったな」
秋津洲「うん、新しい大艇ちゃんもかわいいかも! 」
――――― 少し後 提督執務室
提督 「練度上げのためとはいえ、毎日毎日演習参加、ほんとにお疲れ様だったな」
秋津洲「へへー♪ がんばったかも! 」
提督 「これでもう演習には参加しなくて大丈夫だぞ。偵察に専念してもらえるな」
秋津洲「それなんだけどー……たまにはまた1vs1の勝負に参加してみたいかもっ」
提督 「ええっ。もう懲りたって言ってなかったっけ? 」
秋津洲「うん、全然勝てなくてガッカリだったんだけど……この間青葉さんがね…… 」
――――― 数日前 秋津洲と青葉の会話
青葉 「秋津洲さん、最近は全然タイマンしませんが、どうしちゃったんですか!? 」
秋津洲「あ、青葉さん。いやー、やっぱりわたしは戦闘向きじゃないから、おとなしく旗艦として守ってもらってるかも」
青葉 「そ……そんな…… 」
秋津洲「どうしたかも? 」
青葉 「いえ……確かに秋津洲さんは全然勝てませんでしたが……その姿に多くの人が感動してたんですっ」
秋津洲「えっ……感動……? 」
青葉 「そうですっ! かわいい秋津洲ちゃんが、非力にもかかわらず果敢に挑戦し……負けてもくじけないその姿が、悲劇のヒロインのようで大人気だったんです! 」
秋津洲「え……かわいい……ヒロイン……え、えへへ、それほどでもないかも ///」
青葉 「ファンたちの期待に応えるためにも……また挑戦してみてくれませんか? 」
秋津洲「そ、そっかぁ、期待されてるならしょうが無いかも! 大規模改装が無事終わったら……少しは強くなってるはずだし、そしたら提督に頼んでみるかもっ」
青葉 「はいっ! 是非お願いしますっ」
……
…
衣笠 「青葉~。あんな適当なこと言って平気なの? 」
青葉 「いえ、実際秋津洲さんの挑戦は大人気だったんですよ! まぁ、ちょぉっと誇張しましたけど、健気に頑張る秋津洲さんを応援してる人がいっぱいいるのは本当ですよ! 」
衣笠 「……面白がってる人もいっぱいいるのも本当だけどね…… 」
青葉 「あ、あはは……まぁ、それは否定しませんけど……やっぱり人気記事は大事にしないと……あはは」
秋津洲「そういうわけで、また1vs1に挑戦もしたいかも! 」
提督 「……青葉のやろー」
秋津洲「? 」
提督 「あ、いや……。うーん、そうだなぁ……。確かに、戦闘にはもうちょっと慣れてもらっても良いかなとは思うんだよ」
秋津洲「演習1vs1チャレンジとは関係なくかも? 」
提督 「ああ。大規模作戦みたいな未知の海域での戦いの時って、たまにだけど秋津洲の偵察力で強敵を避けたりできるらしいからさ。そうなると、秋津洲にも出撃をお願いすることもあるかもしれない」
秋津洲「わかった! じゃあタイマンがんばるかもっ! 」
提督 「えっと、別にタイマンじゃなくても……」
秋津洲「悲劇のヒロイン秋津洲の頑張りにご期待くださいかも! 」
提督 「えっと……まぁいいか。くじけたり飽きたりしたら言ってくれよな。また普通に旗艦で演習するようにするからさ」
秋津洲「だいじょーぶかも! 大規模改装で強くなったし、もしかしたら連戦連勝かもっ! 」
提督 「あ、あはは……はは…… 」
あ、そういえば、大規模改装したら頼みたい仕事があるって言ってたけど、そのお話をしなかったかも……。慌てないって言ってたから良いのかな! わたしはもう明日のタイマンチャレンジのことで頭がいっぱいだったかも!
本日分は以上かも!
続きは明日、悲劇の美少女ヒロイン秋津洲ちゃんの活躍を乞うご期待かも!
ちくわ大明神
というわけで本日分は以上となります。続きはまた明日になりますのでよろしければまた是非お越しください。
なお、当鎮守府の秋津洲改(LV46)は、本日は単艦放置の方に出会えずおやすみでした。
おつ
改修したしそろそろ姫級とのタイマンじゃないと物足りないかも!
ちょっと大変だけど秋津洲さんだけで5-3を攻略するのです!
――――― 翌日
――――― 演習海域
秋津洲「今回はすごく楽な相手だよって聞いたから……大丈夫かも……」
照月 「今日の演習は秋津洲さんなんですね! よろしくお願いしますっ」
秋津洲「よろしくかも! 」
照月 「わたしは対空戦闘が得意です! って、わぁ、長10cm砲ちゃん! まだ狙っちゃだめだよ~ 」
長10cm砲(うずうず……うずうず……)
大艇 (びくびく)
秋津洲「わわ、大艇ちゃん隠れてっ。うう、大艇ちゃんには隠れててもらって、わたしが砲で戦うかも! 」
照月 「それじゃあ、よろしくお願い致します! 」
秋津洲(大丈夫……改装で装備できる砲も増えたし、回避も増えたかも!)
照月 「発射! 」
秋津洲「秋津洲流戦闘航海術で回避するかもっ! 」
ヒューンヒューン
秋津洲「よしっ、では頑張って攻撃するかもー! 」
照月 「うわぁー」
照月 「うう、やられましたぁ……」
秋津洲「や、やった、初勝利かもー! 」
照月 「うう、次は負けませんっ」
提督 (さすがに未改装低レベルの駆逐艦相手なら何とか戦えるようになったか)
提督 「勝利おめでとう! どうする、他にも駆逐艦1隻の演習相手がいるけど、続けてやってみるか? 」
秋津洲「当然やるかもっ! 秋津洲流戦闘航海術は無敵かも! 」
提督 (ま、あんまり調子に乗りすぎて蛮勇を振るわれても困るから、やらせるか……)
提督 「ほいほい、じゃあ次いくぞー」
電 「秋津洲さんとタイマンですか! よろしくなのですっ」
秋津洲「電ちゃんが相手なんだっ。悪いけど手加減はできないかもっ」
電 「わたしも手加減は出来ないのですっ 」
秋津洲「望むところっ、いざ勝負かも! 」
電(LV150)「いいでしょう……電の本気を見るのですっ! 」
秋津洲「あ、あれ、全然当たらない……きゃーー」
ドーンドーンドーン
――――― 少し後 提督執務室
提督 「ほい、お疲れ様ー」
秋津洲「うう、完敗かも……照月ちゃんには楽に勝てたのに……」
提督 「あー、そりゃそうだな。秋津洲は練度35だろ? 」
秋津洲「うん、無事35になって大規模改装できたかも」
提督 「練度が高くなると、動きが早くなったり攻撃を当てる力が上がるんだけど、さっきの照月は練度14、電はなんと!練度150だったからなぁ」
秋津洲「150!! じゃあさっきの電ちゃんは歴戦の猛者だってことかも? 」
提督 「ああ、うちの鎮守府では、最高練度なのが加賀の93だからな。その数倍の経験を積んでるわけだ」
秋津洲「うわぁ……それじゃあ勝てないかも…… 」
秋津洲「でも……あれ? 練度って99までだって聞いたかも? 」
大淀 「それはですね……ケッコンカッコカリという制度をつかって、練度を100以上にしてるんです」
秋津洲「結婚って知ってるけど……カッコカリ? 」
大淀 「ええ。本当の結婚とは違いますが、結婚と似てるからカッコカリなんです」
提督 「おいおい大淀…… 」
秋津洲「提督と艦娘が結婚みたいなことを……どんな風かも? 」
大淀 「提督から指輪をプレゼントされて、それを左手の薬指にはめると、パワーアップする上に、練度を100以上にあげられるようになるんです。すばらしい恩恵ですよ」
秋津洲「す、すごいかもー! 」
提督 「あ、あはは……でもほら、そもそも練度99にならないと出来ないから、うちの鎮守府では当分先だろう、うん」
大淀 「くすくす……提督もそのうち悩むことになりますよ」
秋津洲「提督も……誰かと結婚しちゃうかも? 」
提督 「あ、いや……結婚っていってもあくまでカッコカリで、あくまでパワーアップの契約だから、一人にとらわれずだな…… 」
大淀 「鎮守府によってまちまちみたいですよ。戦闘力アップと割りきって、主力とどんどんケッコンカッコカリする提督もいれば、大事な一人とだけにするとか…… 」
秋津洲「そっか……でも、わたしは練度99なんてそもそも無理かも…… 」
提督 「あ、いやその、あくまでカッコカリな訳だし、特に気にしなくても……って、なんでこんな話になってるんだよっ。大淀ぉ~ 」
大淀 「うふふ……失礼しました。さ、お仕事の続きですね」
ケッコンカッコカリかぁ……。素敵な制度だなって憧れる気持ちもあったり、練度99とか絶対無理だなってすごく悲しい気持ちになったり……提督が誰かと……とか考えたり……なんだか複雑でちょっと悲しい気持ちになったかも……。
本日分は以上かも! 秋津洲初勝利おめでとうかもっ!
ちなみに照月さん相手の初勝利は当鎮守府での実話かもっ。
>>98 >>99
そんなの悲劇すぎるかもっ!
それでは、続きはまた明日となります。よろしければまた是非お越しください。
おつおつ
練度99は絶対無理だなんて、諦めんなよ秋津洲!!
ttp://i.imgur.com/c0c8Y8T.png
――――― 3日後 朝
秋津洲「ふたりともお帰り! 」
大艇1(ふりふり)
大艇2(こくこく)
大艇ちゃんが二人になって、偵察の時間も半分で済むようになったかも! おかげで楽ちんかも~
コンコンコン
提督 「ふぁーい」
秋津洲「今朝の報告かもっ。今日も異常なしかもっ! 」
提督 「毎朝ありがとな。了解だ」
秋津洲「じゃあ朝ごはん作るから、ちゃんと着替えておいてほしいかもー」
提督 「ふぁーい」
今朝はご飯とお味噌汁と目玉焼きかも!
提督 「いただきます(ズズー) おや、お味噌汁に素麺が入ってる」
秋津洲「うん、ほんの少しだけ残ってたから使っちゃおうかなって」
提督 「美味いよ、ありがとう。ほんと、食材使いきるの上手いなぁ」
秋津洲「えへー♪ 」
今日も褒められたかもっ。
この間ケッコンカッコカリの話を聞いて、練度のこととかで落ち込んだりしたけど……難しく考えず、毎日頑張ることにしたかもっ
こうして毎日料理をしていれば……ほら……事実上妻みたいかも……きゃーきゃー! ///
提督 「……なにを悶えてるんだ? 」
秋津洲「へ? あ、な、なんでもないかも! 」
提督 「変な奴……。あ、そうそう、偵察ってもう大艇ちゃん2機でやってるのか? 」
秋津洲「うん、そうだよ。時間が半分ですむんだもん、楽ちんかもー」
提督 「そっか、それなら良かった。2機運用も問題ないなら、そろそろ話しておくかな…… 」
!! いよいよ例のお話かもっ
提督 「今日は仕事を午前中で終わらせておくから、お昼食べたら執務室に来てくれ。きちんと説明する」
秋津洲「わかったかも! 忘れずに行くかもっ」
提督 「あはは、そんな気負わなくていいよ。難しいことを話すわけじゃないからさ」
とか言いつつ目がマジかも。意外と隠し事が下手な人だなって思うかも
――――― 午後 提督執務室
コンコンコン
秋津洲「秋津洲、入りますかも」
大淀 「大淀」
明石 「明石の」
大淀明石「鎮守府レディオ!! 」
大淀 「さて、すっかり寒くなってきた我が鎮守府から全国の艦娘にお届けします鎮守府レディオ! 放送開始からはや半年たちました」
明石 「はやいですね! すっかり寒くてこたつが恋しいです。でも、南方の泊地だと、今でも真夏みたいな感じなんでしょうねー」
大淀 「はー、うらやましいですね。わたしは明石と違って夜は一人寂しく寝ているので、暖かい泊地がうらやましいです」
明石 「/// ちょ! 大淀、何言ってるのラジオでっ! 」
大淀 「嘘は言ってませーん。寂しい独り身のひがみでーす」
明石 「ちょ、ちょっと、大淀。もう、ラジオだと人格変わりすぎっ。変なこと言われる前に歌に行きましょうっ。まず一曲目は『加賀岬』ですっ…………」
提督 「本土はもう冬かぁ。常夏の島にいると季節を忘れるなぁ。って秋津洲、来てくれたか。じゃあラジオは止めておくか」
秋津洲「大淀さんと明石さんのラジオ、まだ続いてるのかも? 」
提督 「ああ、はるか遠く本土の泊地から電波が届いてるよ。結構好きなんだよこれ。大淀さんの毒舌で明石さんが困るのが結構萌えなんだよー」
秋津洲「……(ジト目)」
提督 「はい、まじめにやります。あ、この看板をドアにかけといてくれ」
『会議中につき緊急時以外立ち入り禁止』
秋津洲「なんか本格的かもー! 」
提督 「いや一応、他のみんなには内緒な任務になるからさ」
大淀さんも抜きで二人きりというのは……本当に秘密任務なのかも……すっごい緊張してきたかも!
提督 「ほい、じゃあまず、任務の背景から話すよ。なるべく簡単に話すけど、分からなかったら質問してくれ」
秋津洲「は、はいっ。心して聞くかも! 」
提督 「ぷっ。緊張してガチガチな秋津洲って、なんか珍しいな」
秋津洲「むー! 真面目にやってるのに、失礼かもーっ! 」
提督 「すまんすまん、じゃあ真面目にな。じゃあ、話す前に」
あ、提督がいきなり真面目モードかも
提督 「分かっていると思うが、これから話すことは他言無用だ。身内にもだ」
秋津洲「わ、分かってる! 信用してほしいかもっ」
提督 「あはは、信用してるよ」
提督 「さて……そうだな、まず大前提から。俺たちは、大本営から命令を受けて、様々な作戦を行なってるよな」
秋津洲「うん? 偉い人から命令が来て、それで戦ってるんでしょ? 」
提督 「ああ。それでな、特定海域への侵攻作戦みたいなの以外はまぁ自由に戦ってるわけなんだけど、基本的なルールに関してはすごく厳しく命じられていて、違反への取り締まりとかすごいんだよ」
秋津洲「うんうん」
提督 「その基本的なルールっていうのがな、具体的には…… 」
◎ 大本営との連絡以外、外部との連絡は一切とってはいけない。
◎ 提督と艦娘は基本的には一切の外出禁止。鎮守府とその周辺の許可された場所のみ行動範囲とする。
提督 「こういう感じなんだ。これはつまり、友軍との情報交換や連携も一切禁止されてるってことだ」
秋津洲「ふーん……なんでなんだろ、不思議かも? 」
提督 「だよな。同じような艦隊で同じ敵と戦ってるのに、協力どころか会話すら一切禁止なわけだよ。だから皆、大本営からの数少ない情報をもとに手探りで戦ってるわけだ」
秋津洲「なんかもったいないかも? 」
提督 「うん、その通り。誰がどう考えてももったいない。だけどそういうルールになってる。理由は……俺たち提督と艦娘が、大本営や政府から恐れられてるからなんだ」
秋津洲「ほへ? 」
提督 「人類の持っている兵器は深海棲艦には一切通用しなかった。それであっという間に海と空を奪われた。それは知ってるだろ? 」
秋津洲「うん、知ってるかも」
提督 「で、その深海棲艦に唯一対抗できる艦娘と、その艦娘を指揮運用できる才能を持っている人間……俺たち提督だな。それで頑張って深海棲艦と戦ってるわけだが」
秋津洲「頑張って戦ってるかも! 」
提督 「でも、人類の兵器が通用しないっていう点では、深海棲艦だけでなく艦娘も同じだろ? だから大本営としては、提督が反乱を起こして大本営に襲い掛かってくるのを恐れているのさ。対抗手段が無いからさ」
秋津洲「ええー! だって、提督と艦娘がそんなことするはず無いかもっ」
提督 「そうは言い切れないかもな。大本営から理不尽な……そうだな、艦娘を全員自沈させろ、なんて命令がきたら、俺だって反乱を起こすだろうし……そもそも、権力が好きで命令されるのが嫌い! なんていう提督がいたら、何もなくても反乱するかもだしなぁ」
秋津洲「う……言われてみれば、そういうことがあってもおかしくないかも? 」
提督 「まー、そんなわけで、提督に徒党を組まれないよう、徹底的に交流を禁じてる訳だ。対深海棲艦との戦いという点では非効率的で馬鹿みたいだけど、大本営の気持ちも分からないでもないって感じだな。ここまではいいか? 」
秋津洲「う、うん……大体分かったかも? 」
提督 「でもさ、深海棲艦相手に有利に戦うために、できることなら提督同士で協力や情報交換はしたいわけだよ、俺達としてはさ」
秋津洲「そうだよね、やっぱり情報は大事かもっ」
提督 「でも大本営とケンカしたい訳じゃない。だから、大本営の監視に引っかからないような、上手な情報交換手段をあれこれ考えてるわけだ」
秋津洲「ふむふむ…… 」
提督 「いろんな手段が講じられてる。以前は集合ポイントを連絡しあって、なんとかしてそこに艦隊を送り込み、直接手渡しで情報交換とかをしてた。ただ、大本営に見つからないためには、深海棲艦の支配地域で邂逅する必要があって……凄まじく危険だったんだよ」
秋津洲「そっか……知らなかった……危なそうかも」
提督 「すごく危険だし、そもそも1か所に多くの艦隊で集まるのは漏洩のリスクも高い。だから今はそういう手段はとってない」
秋津洲「? じゃあ今はどうしてるの? 」
提督 「そこでお前の出番なんだ。大艇ちゃんに手紙を運んでもらってるのさ」
秋津洲「え! 大艇ちゃんに!? 」
提督 「そうそう。深海棲艦に攻撃を受けないぐらいの高度を超長距離飛行できるだろ? だから、大艇ちゃんに別の鎮守府に手紙や荷物を運んでもらうのさ」
秋津洲「そ、そっか! それが、わたしに頼みたいっていう大事なお仕事なんだね」
提督 「そういうこと。ただ、お前が大艇ちゃんと歩いてるのに、港に別の大艇ちゃんが着水した、みたいなのを監視者が見たら、どこからか大艇ちゃんがやってきたってバレちゃうだろ? 」
秋津洲「うん……そうかも? 」
提督 「同じように、お前に大艇ちゃんを遠くの鎮守府に飛ばしてもらった時……その間、大艇ちゃんが居ないと、やっぱり不審に思われるかもしれない」
秋津洲「……? あ、だから大規模改装して2機目の大艇ちゃんなんだ!? 」
提督 「お、察しが良いな。そういうこと。日常的に複数の大艇ちゃんを運用してれば、どこかの大艇ちゃんが来ても違和感を感じにくいし、お使いしてもらっても、もう1機が残っていれば同じく違和感は少ないよな」
秋津洲「なるほどー! 提督、すごい考えてるかも! 」
提督 「あはは。これは俺だけじゃない、多くの先達たちが知恵を絞って、そういう連絡網を作ってるのさ。お前の大規模改装も無事終わったから、俺達の鎮守府も、この大艇ちゃんを使った連絡ネットワークに参加しようと思う。同意してくれるか? 」
秘密の……でも本当に大事なお仕事かも……。たしかにわたしと大艇ちゃんじゃないと絶対に出来ないお仕事。あちこちの鎮守府で、多くのわたしと大艇ちゃんが、こうやって頑張ってるんだ……。も、燃えてきたかもー!
秋津洲「もちろんおっけーかも! 秘密のお仕事、がんばるかもっ! 」
提督 「そう言ってくれると思ったよ。俺たち鎮守府の発展と……未来のために、是非がんばってくれ」
秋津洲「はいっ、がんばるかも! 」
な、なんだか、秘密兵器っぽい! 大艇ちゃん、大変かもしれないけど一緒に頑張ろうね!
本日分は以上かも!
今日はちょっと長々と設定話になっちゃって申し訳なかったけれど、知的なわた……秋津洲にはお似合いかも!
>>111
とてもえらい提督かも。ご褒美にわた……秋津洲に指輪をプレゼントする権利をあげるかも
秋津洲と大艇ちゃんには、戦闘以外の特殊任務で大活躍……大艇ちゃん必須の遠征で資源とかいっぱいもらえるとか……そういうのが欲しい!
そんな筆者のささやかな夢を込めたお話になっています。でも「戦闘は苦手かも……」とか自信なげに言う秋津洲も萌えるのでそれはそれでよし!
続きはまた明日投下予定です。よろしければまた是非お越しくださいっ
――――― 1ヶ月後
――――― 朝 港
秋津洲「じゃあきみはいつもの偵察かも! 」
大艇1(こくこく)
秋津洲「それできみは○○泊地△△鎮守府ね。遠いけどがんばってほしいかも! 」
大艇2(うんうん)
秋津洲「それじゃあ行ってらっしゃい! 」
飛び立つ二人の大艇ちゃん。いつも一緒に頑張ってくれる、わたしの大切なパートナーたちかも!
――――― お昼 港
そろそろ来るはずなんだけど……あ、きっとあれかも!
ゆっくり着水して……
大艇 (ざざー)
秋津洲「お疲れ様かも! はい、確かに受け取りましたかもっ」
別鎮守府からのお手紙かも! 大切大切!
秋津洲「はい、じゃあ補給するかもっ。お腹いっぱい飲んでね! 」
大艇 「きゅー! 」
秋津洲「へー……きみのところのご主人様は練度99なんだぁ。すごいかも」
大艇 「きゅーきゅー」
秋津洲「ふんふん……ソナーとかつけて潜水艦と戦うのね。そっかーそういう手もあるかも」
大艇 (うんうん)
秋津洲「あ、もう大丈夫なの? それじゃあ帰りも気をつけてかもー」
こんな風に大艇ちゃんを迎えてお話するのもすっかり慣れたかも。
――――― 午後 演習海域
今日は忙しいかも! 今日も1件だけタイマン演習するかも!
提督 「あー、秋津洲、聞こえるかー」
秋津洲「聞こえるよ! 通信なんてめずらしいかも」
提督 「えっとな、一応言い訳しておくと、演習設定時は確かに駆逐艦1隻の艦隊だったんだよ」
秋津洲「???」
提督 「でもな、直前で編成替えっていう場合が稀にあってな……その……ごめん……通信終わり」
秋津洲「え、え、なんであやまるかも!? 不吉かもー! 」
明石 「秋津洲さんがお相手ですか! よろしくお願いします! 」
秋津洲「はいっ、どうぞよろしくかも!(明石さんが相手なら何とかなるかも!)」
武蔵 「おや、単艦とは随分と剛毅だねぇ」
大和 「まぁ! 単艦で勝負なんてすごいですね。演習よろしくお願いします」
秋津洲「あ、あれ……えっと……秋津洲の明日はないかもー! 」
ドーンドーンドーン
秋津洲「ちょ、超痛かったかも……ぼろぼろかも……」
青葉 「果敢に最強戦艦に挑戦して散った秋津洲さん……その表情すごくいいですねー! あ、目線こっちくださーい」
提督 「こういうこともある。ほんとゴメンな」
秋津洲「46cm砲は二度とごめんかもーーーー! 」
――――― 夕方 提督執務室
秋津洲「偵察は異常なしかも! それで、これが○○鎮守府からのお返事で、こっちが△△鎮守府からのお手紙かも」
提督 「ほい、今日もお疲れ。お、このレシピは助かるな。早速活用するか」
大淀 「こちらは大型建造のレシピですね。うちの鎮守府にはまだ早そうです」
提督 「まだそんな余裕ないよなー。秋津洲、明日は△△鎮守府に装備を一つ飛ばしてもらう事になりそうだ。大丈夫か? 」
秋津洲「また爆雷かも? 大丈夫かもー」
提督 「そだな。あとソナーを一つ。うちは資源不足で爆雷ソナーと観測機ばっかり作ってたからな。でもトレード品としては高く評価してもらえて助かるよ」
こんな風に、情報のやり取りだけじゃなく装備の交換なんかもしてるかも。実物だと艦載機を大艇ちゃんで運ぶなんて絶対無理だけど、艦娘装備なら楽に運べていいかもー
秋津洲「それじゃあ、報告はこれで終わりかも! 提督、今日は晩ごはんの後、特殊艦の会でお泊り会だから、早く帰ってきて欲しいかも」
大淀 「おや、今日は特殊艦の会ですか。明石をよろしくおねがいしますね」
提督 「おまえらマメに会合してるよなぁ。正規空母の会は食ってばっかりだけど、お前らは集まって何やってるんだ? 」
秋津洲「うーん、おしゃべりしてるだけかも? ほら、わたしたちは姉妹も同型艦もいないメンバーだから、そういうのが欲しくて集まってるかもー」
大淀 「そういうのも良さそうですね。わたしも軽巡の会でも作ろうかと思ったのですが、個性が強すぎで諦めました」
提督 「軽巡の会かぁ……それぞれ姉妹が集まるだけで大変なのに全員で集まろうものなら大変なことになりそうだな……」
えっと、川内型三姉妹、球磨型五姉妹、長良型六姉妹、阿賀野型四姉妹、それに大淀さんに夕張さんに……うわぁ、考えただけで大変そうかも!
――――― 少し後 提督私室
今日はパエリアかも!
提督 「今日の魚介の焼き飯はスパイシーで美味いなぁ」
秋津洲「これはパエリアっていう地中海地方の料理かも! Italiaさんに教えてもらったかもー」
提督 「ほほー。焼き飯も地域によって全然違うんだなぁ」
秋津洲「そうそう、Italiaさんといえば、チーズが沢山手に入るようになって感謝してますって」
提督 「お、ちゃんと増えたか。ていうか最近、秋津洲がみんなとの連絡役をやってくれて助かるなぁ」
秋津洲「うーん、生活のちょっとした不満とか要望って、やっぱり上申しにくいのかも? 良かったらさり気なく提督に言っておいて欲しいって頼まれたり……そういうのって困る? 」
提督 「いや、助かるって話。もっと気軽に言ってほしいんだけど、なかなか言い難いんだろうなぁ」
秋津洲「助けになっているなら嬉しいかもー」
秋津洲「はい、食後のコーヒーかも」
提督 「ありがと。そろそろ行かなくて良いのか? 」
秋津洲「あ、そうかも。えっと、パジャマは入れたし、お菓子もOK、ジュースも入れたし……」
提督 「お泊りに行くっていうのはそういうことか。あれだろ、女子会っていうんだろ、そういうの」
秋津洲「へへー、そうかも! 姉妹で同室だと、きっと毎晩こんな感じなんだろうね。ちょっとうらやましいかもー」
提督 「姉妹によりそうだけどなぁ。ま、楽しんでこいよ。何なら明日早朝の偵察はゆっくりで良いからさ」
秋津洲「それはダメかも! 大事なお仕事だから、公私混同せずちゃんとやるかも! 」
提督 「……そっか。助かるよ」
秋津洲「えへー♪ それじゃあ、行ってきまーす! 」
特殊艦の会は現在、わたし、明石さん、速吸ちゃん、あきつ丸さんの、合計4人かも!
すっかり仲良しなので、今日も楽しみかもー!
本日分は以上かも!演習の時、演習選択時と実際の編成が変わるのは、マジで勘弁してほしいかも! 大和武蔵に挑む秋津洲は勇者すぎるかもっ!
というわけで本日分は終わりになります。ほんと、装備のトレードとかできたら大艇ちゃんマジ神なんだけどなぁ。
続きはまた明日ですので、よろしければまた是非お越しください……かも!
だねー、あっと言うまにリアルマネーが横行してお上に目ぇ付けられるのがオチだろうね。むしろそう言うの無しに深く遊べるのが艦これの強みだし。
瑞穂とか大鯨は特殊艦に入らないのかな?
乙
武蔵を倒すまで帰れま10!
※10は10連勝しろの意
――――― 夜 あきつ丸の部屋
明石 「それでは、今回のホスト、あきつ丸さんから一言よろしくお願いしますー」
あきつ「えー、特殊艦の会もすっかりおなじみになったであります。自分もすっかりこの雰囲気に染まってしまって、もうこれでいいや的な感じであります」
速吸 「おー! 」
秋津洲「染まってるどころか先頭を走ってるかも! 」
あきつ「では今日も楽しむであります! それでは、第19回特殊艦の会、開催であります! 」
明石 「わー、ぱちぱちぱち」
ワイワイ
速吸 「でも、最近秋津洲さんはすごく忙しそうですね。わたしは暇だからうらやましいです」
あきつ「自分も、最近は作戦の時以外は全く出番が無くて退屈であります」
秋津洲「あはは、わたしも普通の出撃は全然呼ばれないかもっ」
明石 「わたしも毎日忙しいですけど、出撃は全然だなぁ。最後に出撃したのいつだっけ……」
速吸 「わたしも普段できることがあればいいんですけどねー」
あきつ「おや、この間提督殿に特製オムライスを振る舞って喜ばれたと聞いたでありますが ニヤリ」
速吸 「ギクッ ど、どうしてそれを! 」
明石 「うわー、抜け駆けですか」
秋津洲(なんだってー! )
速吸 「あの、違うんです秋津洲さん。別に提督さんをとっちゃおうとかじゃなくて、ただ自分にできることがあればなーって思っただけで! 」
明石 「いやー、提督がデレデレするのが悪いでしょっ。秋津洲さんというものがありながら、お昼は他の艦娘と仲良くしてることが多いですからねー」
あきつ「提督殿はなかなかのプレイボーイでありますな。秋津洲殿も大変でありますね ニヤリ」
秋津洲「ええっ! わ、わたしは別に……提督と特に何も無いし……」
明石 「またまたぁ。何を言ってるんですか! すっかり正妻じゃないですかっ」
速吸 「ですよね。毎日提督さんと一緒に……その……」
あきつ「毎晩毎晩ご一緒なのに、提督殿はお昼にさらに別の娘と……お盛んでありますな……」
秋津洲「ちょ、ちょっと! 本当になんでもないかも! なんでそんな話になってるかも! 」
あきつ「まぁまぁ、とりあえずこれを飲んで落ち着くであります」
秋津洲「ゴクゴク はぁはぁ」
明石 「えー、なんでもないってホントですかぁ」
速吸 「とても信じられないですよねー」
明石 「だって、毎晩提督のお部屋におじゃまして……ねぇ」
速吸 「今日だって、こちらに来てしまっているから、提督さん今日は一人寂しく寝てるかと思うと申し訳ない気もします」
あきつ「分からないでありますよ。野獣のような提督殿ですから、これを機会に別の娘と……」
秋津洲「何を言っているかもー! そもそも晩ごはんと朝ごはんを一緒に食べているだけかもっ! 」
明石 「まぁまぁ、叫ぶと喉が乾きますよ。さ、飲み物どうぞ」
秋津洲(ゴクゴク)
明石 「さ、程よく酔いも回ったところで! 本題と行きましょうかっ」
速吸 「そうですね、今日こそこの議題で! 」
秋津洲「ふぇー……ぎだいってなにかもー? 」
あきつ「決まっております! 秋津洲殿と提督殿は、どこまでいっているのか! でありますっ」
明石 「でもさっきの様子だと、やっぱりあんまり進んでないですよね。ほら、あきつ丸さん、わたしの言ったとおりでしょー」
あきつ「おかしいであります。提督殿の私室で毎晩夕食をともにして……それで何もないなんて考えられないであります」
秋津洲「ちょっ ///」
速吸 「ねー。もうすっかり、毎晩お泊りかと思ってたんですけど、わたしも」
明石 「提督はそんなケダモノじゃないですよ。秋津洲さんも実はすごいオクテっぽいし」
あきつ「ふーむ……。服装も派手ですし、もっと遊んでいるタイプかと思ったのでありますが……」
秋津洲「これは迷彩かも! 遊んでなんていないかもっ! 」
速吸 「でもでも、秋津洲さんは提督さんが好きなんでしょ? 提督さんも、毎日秋津洲さんにご飯をお願いしてるんだし、きっと好きなんだと思うけどなー」
秋津洲「ちょっ! な、なんでそんな話になるかも……わたしは別に……その…… 」
明石 「秋津洲さんの気持ちはもう十分わかってますけど、提督は何を考えてるんですかねー」
あきつ「難しいでありますね。好きならなぜ手を出さないのかが分からないでありますし、好きでないなら毎日指名して食事する意味が分からないであります」
速吸 「やっぱり提督さんはすごく真面目で、結婚するまではダメだ! みたいな古風な感じなんじゃないでしょうか? 」
明石 「やっぱりそうなんですかねー。確かに堅物ではありますけど」
秋津洲「ほんとに、提督とわたしは何でもないかも! こんなお話になるのおかしいかもっ」
速吸 「えー、おかしいのは秋津洲さんのほうですよー」
秋津洲「ほえ? 」
速吸 「じゃあ皆さんに質問ですっ。秋津洲さんが提督さんのことを好きだって思う人! 」
明石 「間違いないですね。ちなみに大淀も同意見だそうですよ」
あきつ「どう見ても好きでありますな」
速吸 「わたしもそう思います! てか、誰に聞いてもみんなそうだって言ってます! 」
秋津洲「/// えー、えー、ええーー! 」
速吸 「はい、なので隠せていません。とぼけても無駄です。ていうか特殊艦の会の仲間に隠し事なんて、いったいどういうことですかっ」
秋津洲(え、え、逆ギレかもっ!)
明石 「ま、隠せてませんけどね」
あきつ「隠す気があるのかも怪しいでありますね」
秋津洲「/// そ、そんなぁ……おかしいかも、心の奥底に秘めた乙女心を見抜かれたかも……」
明石 「だからですねー。問題は提督の気持ちの方なんですよ」
速吸 「全然進展してないのは、秋津洲さんの様子でよく分かりましたけど……」
秋津洲「う……うう……ほんとに何もないかも……」
あきつ「提督殿、こんな可愛らしい据え膳を食わないとは……おかしいであります。提督殿は不能なのでありましょうか……」
秋津洲「不能……? 」
明石 「/// あきつ丸さん、ストレートすぎっ」
速吸 「あきつ丸さん、実は相当酔っ払ってますね」
あきつ「ふははは……そんなことは全然無いでありますっ」
明石 「わたしはー、提督はただ堅物なだけだからー、秋津洲さんから積極的に落としに行くべきだと思いまーす」
速吸 「そうですねー、時には大胆になるのもいいですよねー」
秋津洲「もう、二人とも酔っぱらいかも! わたしはすっかり酔いが冷めちゃったかも! 」
あきつ「そうでありますよ、秋津洲どの。この本のように大胆になるべきであります」
秋津洲「なあに、この漫画……『秋津洲はかわいいだけじゃないかも! 作者)オータムクラウド』」
明石 「あああ、そ、それはまずいですっ」
速吸 「え、そういう本なんですか!? 」
秋津洲(パラッ パラッ)
秋津洲「…………」
あきつ「ね、参考になるでありますよ? 」
秋津洲「@!*##’%!+?#=&”%(’&”!!」
明石 「あーあ、読んじゃったかぁー」
秋津洲「/// こっ……こっ……これは何かもー! 秋津洲はこんなエッチな子じゃないかも!! 」
あきつ「いやぁ、今時はこのぐらい普通でありますよ。カップルなら当たり前でありますっ」
速吸 「次、次はわたしに見せてくださいっ! 」
明石 「あはは、秋津洲さん、これが薄い本ですよー。あくまでフィクションですよっ」
速吸 「うわぁーうわぁー///」
あきつ「この本のようなことをすれば、提督殿などイチコロでありますよ! 」
秋津洲「で、できるわけないかもぉぉぉ」
明石 「でもでも秋津洲さん。提督を落とすために、ちょぉっと積極的になるのは良いと思いますよ。そうでもしないと一歩も進まなさそうじゃないですか」
速吸 「そうですよー。こんな過激なのは流石にアレですけど……ちょっと迫ってみても良いんじゃないですか? 」
秋津洲「あうぅぅ」
この後も夜遅くまでからかわれたかも! 提督と仲良くは……したいけど……でもでも、この本みたいなことは絶対に無理かも!
あきつ丸さんに無理やり借りさせられたけど……この本、提督の顔とかお部屋の様子までなんだか似ていて……リアルすぎて変な気持ちになるかも……オータムクラウド先生……一体何者なのっ!?
本日分は以上かも!
>>146
瑞穂? 大鯨? ……いえ、知らない子ですね……かも!
>>153
神通さんみたいな人がいるかも! 鬼教官は勘弁かも!
というわけで本日分は以上になります。続きはまた明日です。
よろしければまた是非お越しくださいませー
――――― 翌朝 港
秋津洲「それじゃあ行ってらっしゃいかもー」
大艇1(ふりふり)
大艇2(ふりふり)
夜更かししたのに早く目が覚めちゃって……今日はいつもよりも早い偵察かも。
本土は真冬らしいけど、この赤道直下の島では早朝でもちっとも寒くないかも
秋津洲「もー、昨日はほんとびっくりしたかも……」
周りを見渡して、誰も居ないことを確認してからこっそりと例の薄い本を取り出す。じっくり読むと恥ずかしくて死にそうになるから、よそ見しながらパラパラとめくってみて……うわぁぁ……やっぱりこんなの読めないかも!
秋津洲「他の鎮守府のわたしは、ほんとにこんなことしてるのかなぁ……」
ううん、そんなこと無いかも! これはあくまでフィクションかも!
同時に、みんなに言われたことを思い出す。わたしが提督を好きなこと、みんな気づいてたかも
秋津洲「あーあ……でも肝心の提督が……気づいてないかも……? 」
毎日一緒にご飯を食べて、沢山おしゃべりして……これで十分幸せなんだけど……。でもやっぱり、もっと仲良く、もっと近くなれたら良いなっていう思いもあるかも。
でも、そう思い続けてはや半年以上。状況は1mmたりとも前進していないかも……
――――― 秋津洲の回想 着任直後
秋津洲「大艇ちゃんで毎日偵察するのかも? 」
提督 「そうなんだ。これが泊地周辺の地図。で、この黄色の部分が電探で確実に索敵できている部分。その外の、この青い部分を二式大艇でぐるっと偵察して欲しいんだ」
秋津洲「もー、ちゃんと大艇ちゃんって呼んでって言ってるでしょ! ちゃんと呼んでくれないと偵察なんてしてあげないかもっ」
提督 「わかったわかった。じゃあ大艇ちゃんにお願いしたい。それも、朝夕の1日2回だ。面倒かもしれないがお願いできないだろうか? 」
秋津洲「んー……長距離偵察は大艇ちゃんの得意分野だし……いいよ、がんばるかも! 」
提督 「そうか、やってくれるか! じゃあ早速明日からお願いしたい。朝の偵察が終わる時間はまだ勤務時間外だろうから、悪いけど俺の私室まで報告に来てくれ」
秋津洲「わかったかも! 」
秋津洲「はじめての朝偵察、異常なしかも! 」
提督 「ありがとう、おつかれさま(ぼー)」
秋津洲「もー、しゃっきりするかも! 朝ごはん作ってあげるから」
提督 「あー、いいのか? すまんな」
秋津洲「はい、冷蔵庫のもので適当につくったかも」
提督 「いただきます。……むむ、美味いな。冷蔵庫にはろくなものが無かったと思うが」
秋津洲「ほんとにろくなものが入っていなかったかも! 提督、ちゃんとお料理してるの? 」
提督 「自炊はしてるんだが、ちゃんとはしてないかな……あはは」
秋津洲「もー、大事な体なんだから栄養はちゃんと取らないとだめかも! 」
秋津洲「夕方の偵察も異常なしだったかも! 」
大淀 「偵察お疲れ様でした」
提督 「お疲れ様。すごいスムーズだな……やっぱり偵察はこのまま秋津洲に任せたい。悪いけど頼むよ」
秋津洲「了解したかも! 毎日がんばるかもっ」
大淀 「毎日のことで大変ですがよろしくおねがいしますね」
秋津洲「がってんかもっ。あ、そうそう提督、晩ごはんはどうするかも? 」
提督 「晩飯? うーん……部屋に帰って適当に作るつもりだけど……」
秋津洲「やっぱり! 食材は朝全部使っちゃったかも! もー、ほっとけ無いからわたしが作るかも。お仕事終わったらまっすぐ帰ってきて欲しいかも」
提督 「そこまでさせられないよ。ちゃんと自分で作るから」
秋津洲「信用できないかも! いいから任せるかもっ」
大淀 「そうですね。提督はいくら言っても食生活を改善してくれないので、秋津洲さんにお任せできるならわたしも安心です」
提督 「おいおい……」
秋津洲「はーい、わたしにおまかせかも! 」
――――― 回想終わり 場面は戻って早朝の港
秋津洲「はぁ……考えてみたら、着任直後から何も変わってないかも……」
ほおっておけなくて、毎日ご飯を作ってあげて……。毎日毎日、ありがとう、美味しいって律儀に言ってくる真面目で優しい人柄に惹かれちゃったのかも……。
秋津洲「でもなぁー、確かに毎日提督のお部屋で二人っきりな訳だし……何かあっても変じゃない……かも……? あの本みたいに……って、わぁぁぁ、そんなのダメかもーー! 」
ブーン
秋津洲「あ、大艇ちゃんたちお帰り! お疲れ様っ」
大艇S (こくこく)
秋津洲「じゃあ、報告に行ってくるかもー」
――――― 少し後 提督の部屋
秋津洲「寝てるかも……」
提督 (すーすー)
いつもより早く来ちゃったから、提督はまだ寝てるかも……
秋津洲「静かな寝顔……」
考えてみたら、提督はいつもちゃんと起きてるから、起こすのははじめてかも。
例の薄い本だと、ここでわたしがお布団の中に入り込んで……それで……
秋津洲(ちらっ)
秋津洲「ああああ゛! わたしはどこを見てるかもー! (がんがんがんがん)」
提督 「むにゃ……あ、秋津洲! 何を畳に頭を打ち付けてるんだっ。そんなことしなくても起きるから! 起きるから! 」
秋津洲「あ、提督……起こしちゃったかも? おはようかも」
提督 「あ、ああ、真横でガンガンされたら嫌でも起きるよ。おはよう」
秋津洲「あ、あはは、それはそうかも…… 」
提督 「今日ははやいな。どうした、何かあったか? 」
秋津洲「う、ううん! ちょっと早く目が覚めただけかも! 今朝も異常なしかも! 」
提督 「それなら良かった。今日もお疲れさん。ありがとな」
秋津洲「う、ううん! さ、朝ごはんつくってくるかもー! 」
うう、意識しちゃって、提督をちゃんと見れないし話せないし……どうしようかもー!
本日分はここまでかも!
短いお話にする予定がなんだか長くなってるかも。でもあと3回くらいで終わる(予定)かもっ。
それでは、続きはまた明日の予定です。よろしければまた是非お越しくださいかも
提督 「いただきます」
秋津洲「いただきますかも……」
モグモグ シーン
あぅぅ、なんか恥ずかしくて提督の顔が見れないし、何話したらいいかわかんなくなっちゃうし……困ったかも……
提督 「なぁ秋津洲」
秋津洲「! な、なにかも? 」
提督 「昨日の夜までは普通だったよな。特殊艦の会で何かあったのか? 」
秋津洲「え、えっと……ううん、ちょっと夜更かししたかも! 」
提督 「ふーむ……秋津洲ってとにかく嘘が下手というか、嘘付けないタイプだと思うんだよな。ごまかすのも苦手だし」
秋津洲「そう……かも? 」
提督 「だから直接聞いちゃうけど……どう見てもなにかあったよな。話してくれよ 」
あうう……どうしよう……。でも、本当は話しちゃって楽になりたい気もするかも……
秋津洲「え、えっとね……。その……昨日の特殊艦の会、議題がね……」
提督 「うんうん」
秋津洲「そ、その……『提督とわたしの仲がどこまで進んでるか!』だったかも! 」
提督 「ぶっ! 」
秋津洲「それでその……わたっ……わたっ……わたしがっ……その……提督が好きだっていうのはみんなにバレてたかも! 」
い、言っちゃった!
秋津洲「それでそれでね! 提督がわたしをどう思ってるのかとか、何で手を出さないのかみたいな、そんな話だったから、からかわれたり色々考えちゃったりしたかも!! 」
はぁはぁ
提督 「お……おう……それはあれだ、なんというか……大変だったな アセアセ」
秋津洲「ほんとにもう、みんな酔っ払って面白がっちゃって大変だったかも! 」
勢いで……全部言っちゃったかも……うう、黙ってられない性格がにくいかも!
シーン
沈黙が気まずいかも!
提督 「あっとさ、秋津洲……? 」
秋津洲「ひゃいっ! こちら秋津洲かも! 」
提督 「ぷっ……すごい緊張の仕方だな」
秋津洲「だ、だって……」
提督 「えっとさ。その、俺のことが好きだって……それは、男と女として、っていうのでいいんだよな? 」
す、ストレートに聞かれたかもぉぉぉ
秋津洲「そ……それはその……大艇ちゃんは大好きだけど、それはあくまでお仕事のパートナーとしてであって、恋愛じゃないと思うかも! 」
提督 「えっと、大艇ちゃんの話じゃなくて、俺の話なんだけど」
秋津洲「あぅ……その、提督のことは……毎日一緒にご飯たべて、いつも優しくておもしろくて……その……うう……大好き……かも……/// 」
うわぁぁ
提督 「ポリポリ えっと、ありがとう。なんというか、光栄だよ」
秋津洲「う、うん、感謝するといいかもっ! 」
なんかテンパッて訳がわからなくなってきてるかも! ちゃんと話せてるか心配かも!
提督 「あっと、それでだな」
秋津洲「かもっ! 」
提督 「俺も秋津洲のこと好きだよ」
秋津洲「!!! 」
提督 「最初は可愛いけどそれだけの子って感じだったけどさ」
秋津洲「失礼かもっ! 」
提督 「ぶはは、最初の感想だって。でもさ、面倒な任務でも家事でも、前向きに明るく一生懸命頑張るところとか……。みんなとの日々に幸せを感じてて、食事の度に嬉しそうにあれこれ話してくれるところとか」
秋津洲「あう…… 」
提督 「嘘がヘタというか、嘘やごまかしをする気が一切無いところとか……そういう素敵なところがいっぱい見えてきてなぁ……なんというかさ、好きになったよ」
秋津洲「/// きゅ、急にほめても何もでないかもっ! 」
提督 「俺さ、お前が来るまで、食事はずっと一人でしてたんだよ、この部屋でさ」
秋津洲「? うん、ひどい食生活だったのが想像できるかも! 」
提督 「ほんとだよ。でもさ、そうやって仕事と……みんなと……ちゃんと距離を取るためにやってたんだよ」
秋津洲「?? 」
提督 「でも、お前が入り込んできて……うん、俺の意識も変わった。きっとこれで良いんだと思う」
秋津洲「良く……わからないかも? 」
提督 「あはは、大丈夫、これは俺の気持ちの話だから。さて、じゃあ秋津洲」
秋津洲「ひゃい! 」
提督 「ひとつ……頼みがある。お前にしか出来ないことなんだが……任務ではなく、俺の個人的なお願いだ」
怖いくらい真剣だ……どうしたのかも……?
秋津洲「どんなお願い……かも? 」
提督 「お前が……というか大艇ちゃんがとても危険にさらされるかもしれない、そういう仕事になる。ただ、俺にとってはとても大切なことなんだ」
秋津洲「わたしと……大艇ちゃんにしかできないことかも? 」
提督 「ああ、そうだ」
それなら……迷うことは無いかも
秋津洲「まかせてほしいかも! 」
提督 「そっか……ありがとう。計画はもうできてるから今日いっぱいで準備をして……夜に具体的な内容を話すよ」
恋愛的な浮かれた気持ちは後回しになって……この人の頼み……この人にとって大切なことってなんだろう? どんなお仕事なんだろう? そんなことで頭がいっぱいになってしまいました。
あれ……なし崩しとはいえ告白しちゃって、なんか両想いっぽい感じだったのに……なんか、ごまかされたのかもー!
本日分は以上かも! やっぱり提督は秋津洲の可愛さにメロメロだったかも!(増長)
というわけで本日分は以上になります。続きはまた明日になります。よろしければまた是非お越しくださいっ
――――― お昼 鳳翔さんのお店
今日は演習も無いから、夕方まで特にやることもなく……午前中はずっと大艇ちゃんとボーッとしてたけど……悩みはあってもお腹はすくかも!
秋津洲「はぁ…… 」
明石 「どうしました、ため息なんてついて」
秋津洲「あ、明石さんかも」
明石 「寝不足だから元気でないんですか? わたしも眠くて眠くて…… 」
秋津洲「夜更かししたもんねー!」
明石 「昨夜の特殊艦の会はとても有意義でしたから、夜更かしもやむなしですけどね」
秋津洲「酔っ払ってわたしをからかってただけかも! 」
明石 「まー、そうとも言いますねっ。でも、みんな恋バナ大好きなのに、なにせ男性が提督だけですから……久しぶりに食いつける話題ですからねー」
秋津洲「わたしは着任から半年ちょっとだけど……そういえば、恋バナとか聞いたことなかったかも? 」
明石 「そうですねー……提督って、勤務時間外は大体お部屋にこもってしまって、個人的な関係って一切なかったんですよ。着任からずっと」
秋津洲(そういえば……提督が言ってたかも。みんなと距離を取るようにしてるって)
明石 「それが、秋津洲さんと毎朝毎晩ご一緒するようになって……新規着任の可愛い子に一瞬で提督を持ってかれた! って当時はすごい話題だったんですよー」
秋津洲「!!! 」
明石 「……以前、金剛さんが言っていました。秋津洲さんがうらやましいって」
秋津洲「あんなに強くて綺麗な人がっ!? そんなはずないかもっ」
明石 「ほんとですよ。自分はずっと提督にバーニングラブしてるのにどうしても距離を詰められなかった。でも秋津洲さんは一瞬で提督の家族のようになったって」
秋津洲「……そっか……そんな話してたんだ……」
明石 「ええ。提督がわたしたち艦娘と距離をとっていること……それでいつも孤独であること。みんな心配してたんです。だからみんな、秋津洲さんを応援してるんですよ。若干嫉妬もありますけどね! 」
秋津洲「そっかー……」
明石 「でも、すぐにイチャラブになると思ったら、その後は一切進展無しで……結構みんなやきもきしてるわけですよ。それで応援のために議題にしたわけですっ」
秋津洲「あ、あはは……昨夜のあれが応援なんだぁ……からかわれてただけかと思ったかも」
明石 「そんな……からかってるのなんて、95%程度ですよ」
秋津洲「ほとんどからかってるだけかも! 」
明石 「でもでも、みんなから炊きつけられて、少しは積極的にアタックしてみようかってなったでしょ? それが狙いなんですよっ」
秋津洲「それが……少しはどころか……今朝提督にね……(秋津洲説明中)……って感じでね……告白しちゃったかも……」
明石 「ちょっ! 秋津洲さん電光石火の速攻じゃないですか! 昨日の今日でもうそこまでっ。偉いですっ、偉いっ! 」
秋津洲「そ、そう? 秋津洲偉い? えへへ……がんばったかも! 」
明石 「でも、提督からの返事は少し微妙ですね……好きだけど……どうなんでしょ? 」
秋津洲「う、うん。わたしもそれが気になるかも。わたしのことが好きだよっていいつつ、お仕事を頼みたいなんて……」
明石 「うーん……どういうことなんでしょ……そのお仕事が、お二人の関係を進めるために必要なことなんでしょうか……」
秋津洲「よくわからないかも……」
明石 「もしかして……そのお仕事って……『とりあえず練度99まで上げてくれ』じゃないでしょうか? 結婚カッコカリするために……」
秋津洲「ええええ! 」
明石 「いや、きっとそうですよ。あの古風な提督のことですから……まずは結婚しないといけない、そのためには練度をあげないとということで……きっと地獄のような練度上げが提案されるんですよ! 」
秋津洲「そ、そんな……怖いかもー」
明石 「大丈夫ですよ、どれだけ大破しても、わたしがちゃーんと治しますから! 大丈夫、バケツぶっかければ、何度大破したって、いくらでも出撃できますよ♪ 」
秋津洲「そんなスパルタ怖いかもーー」
明石 「大丈夫大丈夫! 人によっては1日で練度99まであげちゃうらしいですからね。よゆーですよゆー! 」
秋津洲「ううう、そんなの無理かもー! 」
そりゃケッコンには憧れるけど……練度99ってどれだけ先なのかもー!
でも、大艇ちゃんでやりとりした他の鎮守府には、練度99のわたしがいたし……ほ、ほんとにスパルタなのかもっ。怖いかもーー!
本日分は以上かも! 続きはまた明日かもっ
地獄のようなスパルタ練度上げがまっているのかどうか……乞うご期待かも!
というわけで本日分は以上となります。続きはまた明日。よろしければまた是非お越しくださいかも
レべリングに最適なのはオリョクルだって提督が言ってたでち!
オリョクルするといいでち!
――――― 夕方 提督執務室
コンコンコン
秋津洲「秋津洲、来たかも! 」
提督 「お、来てくれたか。まず報告を聞こうか」
秋津洲「今日も異常なしかも! 」
提督 「了解だ。今日もおつかれさん。それじゃあ神通、明日からよろしく頼む」
神通 「はい、承知致しました」
提督 「……余計な苦労をさせて済まないな」
神通 「いえ……信頼して下さっていることが嬉しいです。それではわたしはこれで。秋津洲さん、明日からよろしくお願いしますね(にっこり)」
秋津洲「う、うん……よろしくかも」
特訓の代名詞の神通さんが……明日からよろしくって……。やっぱり明石さんの予想通りだったかも! 明日から地獄の特訓かも!
きっと……きっとこんな感じで……
神通 「艦隊帰投。みなさんお疲れ様でした」
秋津洲「うう、朝からずっと戦いっぱなしかも。もう疲れたかもー 」
神通 「それでは、秋津洲さん以外のメンバーは交代。すぐに出撃準備を」
秋津洲「ええー! わたしも疲労でクタクタかも! もう無理かもー! 」
神通 「大丈夫ですよ……それっ(ばしゃー)」
秋津洲「うわ、ぬるぬる……って、バケツ? 」
神通 「ええ、ほとんど損傷ありませんでしたがバケツを使いました。これで疲労も消えてますよね?(にっこり)」
秋津洲「え、えっとー…… 」
神通 「では、わたしも交代なので失礼しますね」
不知火「それでは秋津洲さん、すぐに出撃です」
こんなの死んじゃうかも! も、もう許してかもーー!
提督 「どうした秋津洲、青い顔してガタガタ震えて」
秋津洲「て、提督……そんな特訓したらわたし死んじゃうかも! 」
提督 「は? 」
秋津洲「だ、だって……わたしを練度99にするために、神通さんにスパルタを頼んでたかも? 」
提督 「なんだそりゃ。違うよ。朝話した秋津洲に頼みたい仕事。その護衛艦隊を神通に任せるから、その打ち合わせだ」
秋津洲「ほえ……? 仕事って、練度99にすることじゃないかも? 」
提督 「全然違うよ。どっからそんな話になったんだ? 」
秋津洲「明石さんが、ケッコンカッコカリするための練度上げに間違いないって言うから……きっとそうなのかなって思ったかも……」
提督 「ぶはは……気が早いな。そういうのの前に一つけじめが必要でな」
秋津洲「……けじめ? 」
提督 「ああ。それがお願いしたい仕事だ。とは言えもうこの時間だ。誰にも聞かれたく無いことだし……良かったらいつも通り俺の部屋で晩飯にしよう。食べながら話すよ」
秋津洲「うう、なんかじらされちゃうかも……でも分かったかも。素早く用意しちゃうかも」
提督 「おお、悪いけど頼むよ」
秋津洲「じゃあまた先に行って作っているかも。ちゃんとすぐ帰ってきてほしいかも! 」
提督 「りょーかい」
ううー、気になるところで切られたかも! けじめってなんなのかもー!
――――― 夜 提督私室
提督 「いただきます」
秋津洲「いただきますかも! 」
提督 「それじゃ早速、頼みたい仕事の話なんだが…… 」
秋津洲「う、うん……」
提督 「本土にいるある人に手紙を届けてもらいたい」
秋津洲「へ……? そんなことなのかも? 」
提督 「そんなことっていうけどな。前も話したとおり、俺は外部への連絡を一切禁じられている。そんな中、秘密裏に本土に大艇ちゃんを飛ばしてもらうことになる。見つかったら未確認機として撃墜されるかもしれない」
秋津洲「!!! 」
提督 「そういう危険な仕事なんだよ」
秋津洲「そうなんだ…… 」
提督 「この通信筒に手紙を入れて投下する形になる。届けてもらう先はN県の山沿いの小さな集落。詳細な地図を用意してあるから、後で一緒に渡すよ。玄関先あたりに投下してもらうのがベストかな」
秋津洲「……誰に……届けるかも? 」
提督 「届ける場所は俺の実家だよ。相手は俺の母だ」
秋津洲「え……? 」
提督 「通信筒に入れる手紙はこれだ。読んでもらって構わない。ただし! 俺の前では読まないでくれ。誰にも見られるわけにもいかないし、自室ででも読んで、それで通信筒に入れてもらえばいい」
秋津洲「! わたしが……読んでもいいのかも? 」
提督 「ああ。お前に……というか大艇ちゃんに命がけで運んでもらうことになるわけだからな。届ける手紙を読む権利ぐらいあるだろう。それに……お前にも関わる内容だからな」
秋津洲「わ、わたしにっ!? (がさっ)」
提督 「わー! ここでは読むなって言っただろ! いいから部屋で見ろっ」
秋津洲「ううー、気になるかも! 何で読んじゃダメなのかも! 」
提督 「俺が恥ずかしいからだっ! 」
提督 「手紙の内容は置いておいて……作戦としては、明日、お前と護衛艦隊で遠征にでるという名目で出港してもらう。ウェーク島北の指定海域に向かってもらって、そこから大艇ちゃんを飛ばしてもらうことになる」
秋津洲「そんな遠くまで行くのかも!? 」
提督 「いくら大艇ちゃんでも、ここから本土への往復は難しいし、不測の事態に備えて、距離は近いほうがいい。ただ、小笠原あたりまで行っちゃうと、今度はお前たちの方が見つかっちゃうかもしれないからな。その辺がギリギリだ」
秋津洲「わかったかも……でも、本当に大仕事かも……? 」
提督 「ああ。お前をはじめ護衛艦隊のみんなにも、俺の個人的な事情のために危険に晒すことになる。本当にすまない。どうかよろしく頼む(ぺこり)」
秋津洲「そ、そんな、頭を下げる必要なんてないかも! わたしが……その……提督のためにがんばりたいだけかも! だから気にしないでほしいかもー! 」
提督 「……そうか……。ありがと秋津洲(にっこり)」
うう……提督の雰囲気がちょっと違う……そんな様子を見せられたら、ますます手紙の中身が気になるかもっ
――――― 夜 秋津洲の部屋
さ、さて……読んじゃおうかな。
同型艦が居ないのはさみしいけど、おかげで一人部屋なのがこういう時には便利かもっ。
秋津洲「うう、提督がお母様宛に……どんな内容なんだろう。なになに……前略 母上様…………」
読み進めるうちに……自分が青ざめて行くのが良く分かったかも……
秋津洲「そんな……提督……うう……ぐす……うわーん 」
もう泣かずには読めなかったかも……
秋津洲「ぐすん……2枚目があるんだ……追伸かな……? 」
2枚目は……今度は自分がどんどん赤くなるのがわかったかも……
秋津洲「わ、わわわ……こんなの持ち上げすぎかもっ /// 」
青くなったり赤くなったり、泣いたり怒ったり喜んだり……。手紙を読むだけでヘトヘトだったかも……。
同時に……提督の置かれている状況……提督の言うけじめ……そしてわたしのこと。いろんなことがよく分かって……このお手紙を、なんとしても提督のお母様に届けないと! そういう決意で心がいっぱいになったかも!
本日分は以上かも!
>>209
あ、58先輩お疲れ様かも……今日も50周がんばって行ってらっしゃいかも……
というわけで本日分は以上です。明日は更新難しそうで、次は明後日更新になりそうです。よろしければまた是非お越しくださいかもっ!
――――― 2日後 早朝 ウェーク島北部洋上
神通 「指定地点はここで間違いなさそうです。周囲に敵影なし」
飛鷹 「周辺は彩雲で常時警戒しますっ」
妙高 「近場は水上偵察機でカバーできますので、その周辺部を是非お願いします」
飛鷹 「了解です」
綾波 「わたしたち駆逐艦は対潜哨戒を徹底します」
朝潮 「了解です! 絶対に潜水艦を見逃しませんっ」
秋津洲「わたしは大艇ちゃんの視界に集中しちゃうから、みなさんよろしくお願いしますかも! 」
神通 「お任せ下さい。秋津洲さんはどうぞ大事なお仕事を果たされますよう」
秋津洲「うん、がんばるかも! よし、大艇ちゃん、打ち合わせ通り……危険だけど頑張ろうね! 」
大艇 (ぶんぶん)
秋津洲「それじゃあ……二式大艇発進! 」
――――― 午後
秋津洲「ふぅ……緊張したけど、今のところ順調かもっ」
妙高 「何よりです。状況はいかがですか? 」
秋津洲「えっと、首都圏上空を無事抜けたところかも。一番対空警戒が厳しい場所だけど、流石に高高度を飛ぶ大艇ちゃんは見つからないみたいかも」
飛鷹 「提督も間違いなく大丈夫だろうって言ってたわね。大艇ちゃんは大きいとはいえ、大型の鳥ぐらいだし……」
神通 「そもそも現在は、深海棲艦のせいで飛行機はほぼ使われていないみたいですから、対空警戒なんかもあまりしてないんでしょうね」
綾波 「そっかー、船だけじゃなく飛行機も使えなくなってるなんて……みなさん大変ですね……」
朝潮 「我々が精進して、早く深海棲艦を追い出さないといけませんね! 」
妙高 「そうね……。でも今はまず任された任務に集中しましょう。秋津洲さん、状況報告ありがとうございました。こちらは引き続きお任せ下さい」
秋津洲「こちらこそ、守ってくれてありがとう! じゃあまた大艇ちゃんの方に意識飛ばすかも! 」
秋津洲(ふう……そろそろかも……この辺はもう一面の雪かも。泊地では雪が振ることなんてまず無いから、すごく新鮮かも……。みんなにも見せたいかもー)
……
秋津洲(よし、そろそろ目的地上空……詳細地図と較べて……あれが魚野川で間違いないかも……じゃあこの先の……見えた、あのへんかも! )
……
秋津洲(見えた! あの家だっ……。よし、危険だけど、なるべく低速低高度で……間違いなく玄関先に投下しないと……)
秋津洲(大艇ちゃん行くよ! コースそのまま……そう、あの家の前に落として! )
大艇 (こくこく! )
ブーーン ヒューーン
ドサ
秋津洲(よし、バッチリ! あれ……ちょうど人が出てきたかも! )
?? 「飛行機!? その割には小さいね……ん、これは……爆弾じゃなさそうだけど……」
秋津洲(あ! きっとあれが提督のお母様! お願い拾って!)
大艇 (ぶんぶん! ぶんぶん!)
?? 「飛行機がブンブンって……わたしに合図? これを……この筒、わたし宛……? 」
秋津洲(よし! 拾ってくれた! 大艇ちゃん急上昇! 見つかる前に高高度まで! )
大艇 (こくこく)
?? 「んー……開かない……(きゅぽっ) やっと開いた……中身は……手紙? 」
秋津洲(もう遠目であまり見えないけど、開けてくれたみたいかも……お母様、提督からの大切な手紙です……どうか是非……)
?? 「どれどれ……」
**********
前略 母上様
ご無沙汰しております。提督です。お元気でいらっしゃいますか? 今頃そちらは雪深い頃だと思いますが、雪下ろしは大丈夫でしょうか。
自分は赤道直下の基地に配属され、1年中ムシムシと暑い熱帯生活を送っております。
・
・
**********
?? 「おやおや……最近の天国は赤道直下にあるのかね……いや、地獄かな」
**********
1年ほど前になりますが、全軍人を対象とした提督適性検査というもので甲適正と判定されました。これはどうやら艦娘を率いる適性検査だったようです。その直後から、外部との接触をすべて禁じられ、即座に南方の泊地へと移動となり、そこで艦娘を率いる提督となりました。それ以降も一切の連絡を禁じられております。ですのでこの手紙は、非合法の手段でこっそりとお届けしたものです。どうか他言無用に願います。
これまでの経緯や現状から、自分は死んだということになっているのではないかと考えております。もしそのような通知が行っていたとしても、自分はこの通り元気に生きております。艦娘に関わる人間はすべてこのような扱いになっておりまして、機密保持や事後処理のための軍部の方針なのだろうと思います。
・
・
**********
?? 「ふん、案の定ね……。そんなことだろうと思ったよ。基地勤務だったあんたが、どうやって戦死するんだよって感じだったからね……」
**********
・
(略)
・
・
そのような感じで、艦娘というのは報道されているような生体兵器とは全く違う。普通の女性であり、みな喜びや悲しみを胸に、平和な世の中にするために命がけで戦っております。自分は彼女たちを率いる立場であることを誇りに感じております。
**********
?? 「ふふんっ。あんなむさ苦しい親父たちの軍隊にいるよりよっぽど良い暮らしみたいじゃないか。安心したよ」
**********
・
(略)
・
・
自分はおそらく二度と国には帰れません。もう覚悟を決めました。艦娘のみんなはもう自分の家族であり、彼女たちを見捨てて帰ることなど出来ませんし、もし望んでも許されないでしょう。自分はこのまま、彼女たちと運命を共にします。
ただ一つだけ心配があります。許嫁のことです。親同士が決めたもので子供の頃に会ったきりの相手ではありますが……。自分が死んでいることになっているならば縁も解消されているでしょうが、もしそうでないなら、どうか彼女を自由にしてあげて下さい。
**********
?? 「あたしの心配じゃなくてあの子の心配かいっ! まったく律儀だねぇ……。大丈夫だよ、あんたはもう死んだことになってるから、別の縁談が進んでるよ。ただ……あんたが戦死したって知らせが来た時、ほんとうにもう可哀想になるぐらい泣いて悲しんでくれてたよ……」
**********
この手紙を無事に届けられたら、けじめがついたということで、自分は艦娘の一人と結婚するつもりでおります。明るく、いつでも元気で前向きで、とても可愛らしい人です。彼女がいてくれたから、自分は艦娘のみんなと家族であることに気が付き、彼女たちと共に生き、共に死ぬことを決意できた……恩人です。戦う力は決して強くない人なのですが……優しさや明るさや元気さ、それもまたとても強い力だと教えてもらいました。
できることなら母上にも紹介したかったのですが、お連れ出来ないのが残念です。ただ、この手紙を届けてくれたのがその人です。自分のわがままのために危険な仕事を喜んで引き受けてくれました。そういう人です。
それでは、もうお会いできませんが、どうかいつまでもお元気で。
あなたの息子より
**********
?? 「ふんっ……男子一生の仕事を見つけて、かつベタぼれできる嫁さんまで捕まえたなんて……本当に幸せじゃないか……ぐす……しっかりね……」
――――― 夜 ウェーク島北部洋上
ブーン ザザザー
秋津洲「大艇ちゃんおかえり! よかった、無事帰ってこられたかも! 」
大艇 (うんうん)
神通 「秋津洲さん、大艇ちゃん、危険なお仕事ほんとうにお疲れ様でした。無事完了なによりです」
秋津洲「ありがとうかも! 守ってくれたみんなのおかげかも! 」
妙高 「それでは、早々に帰還しましょう。この辺りはまだ危険ですから」
朝潮 「了解です。それでは、先行対潜哨戒に入ります」
綾波 「了解っ。じゃあわたしと神通さんが側面警戒ですねっ」
飛鷹 「夜は彩雲が飛ばせなくて暇ね……。ね、秋津洲さん、この任務ってお手紙を届けたんでしょ? 秋津洲さんは詳細は知ってるの? 」
秋津洲「うん知ってるかも。それと……提督から、護衛してくれたみんなには、届け先と手紙の内容を話して良いって言われてるから、お話するかも」
綾波 「ええっ! お手紙の内容まで話しちゃっていいんですか? 」
秋津洲「うん。提督がね、自分の私事のために命をかけてくれてるみんなには、何に命をかけたのか、ちゃんと伝えたいかもって」
妙高 「生真面目な方ですね……」
朝潮 「しかし……正直気になります。お話いただけるのであれば是非」
秋津洲「うん……それじゃあ……お手紙は提督のお母様に届けたかも」
神通 「お母様に……」
秋津洲「手紙の内容は……もう二度と帰れない会えないっていう、お別れの……ぐす……ぐす……うわーん……」
みんなにポツポツとお話しながら……改めて届けた手紙の意味を噛み締めちゃって、わんわん泣いちゃったかも……。みんなもすっかり泣いちゃって……みんなで泣きながら帰還してびっくりされちゃったかも……。
本日分は以上かも!
やっぱり知的で美人なわた……秋津洲には、シリアスな展開が似合うかも!
というわけで、本日分は以上となります。おそらく次回で終わりです。長くなりすぎるようなら2回に分けるかもですが!
次回投下はまた1日あきまして明後日の予定です。よろしければ最後までお付き合い下さいませ。
――――― 2週間後
――――― 演習海域
秋津洲は今日もまたタイマンでがんばってるかも!
秋津洲「よしっ! お互い小破で砲撃戦終わり……今日こそS勝利を取るかも!」
???「やったぁ! 待ちに待った夜戦だぁ! 」
秋津洲「ぇ? 急に元気に……うわぁーー! 」
ドーンドーンドーン
秋津洲「うう、練度は上がってきてるんだけどなぁ……やっぱり戦闘はまだまだ苦手かも……」
青葉 「秋津洲さん、泥沼の7連敗っと……」
秋津洲「10連敗は何とか阻止するぞー! がんばるかもっ! 」
青葉 「10連敗回避に向けて頑張るというコメント……志は意外と低いらしいです……と。いい記事になりそうです、ありがとうございます! 」
秋津洲「うわーん、その記事、わたし的には良くないかも! 」
――――― 夜 提督私室
今日はシュニッツェルかも!
提督 「いただきます。今日のカツレツはなんか面白いなぁ」
秋津洲「これはドイツ料理のシュニッツェル! オイゲンちゃんに教えてもらったかもー」
提督 「ほほー。レモンをかけて食べるのか……うん、美味い。秋津洲の料理バリエーション、どんどん増えるなぁ」
秋津洲「うん、海外艦のみんなから知らない料理を教えてもらえるし……やっぱりお料理楽しいかも! 」
提督 「料理の方はどんどん上達するけど、タイマン勝負の方はイマイチだなぁ。もうタイマンはやめてそろそろ偵察とかに専念したらどうだ? 」
秋津洲「だ、大丈夫かも! 応援してくれる人もいっぱいいるから頑張るかも! 」
だってそうしないと練度が全然上がらないから、いつまでもケッコンカッコカリできないかも!
2週間前、提督の頼みを無事終えて帰ってきたわたしたち。提督はわたしのことを優しく抱きしめて……ああ思い出しちゃうかも(にへら)……ありがとう、ありがとうって涙ぐんでたかも。
で・も・!
その後、提督は前より自然に笑うようになって……。ほかの艦娘みんなにも個別にお手紙を出して、みんなとの関係をより良くしようと明るく頑張って……。
それなのに! わたしとの関係はその後……何の前進もないかもぉぉ。
お手紙にあった結婚するつもりの相手って……もしかしてわたしじゃないのかも……?
秋津洲「はぁ……」
提督 「なんだ、ため息なんて珍しい。この後はまた特殊艦の会なんだろ? なんか憂鬱なのか? 」
秋津洲「違うかも! まったく提督は分かってないかも! 」
提督 「そ、そうなのか……すまんすまん」
秋津洲「あ、でもほんとにもう時間だ! 急ぐかも! 」
提督 「俺も、今日は呑兵衛組から誘われてるんだよな」
秋津洲「あ……う……そうなんだ。じゃ、じゃあわたしも行ってくるかも! 」
提督からみんなへの個別のお手紙は……聞いたところによると、自分がこれまでみんなと距離を置いていたこと、これからはもうそういうのはやめてみんなと運命をともにするつもりだということ……そして、一人ひとりへの素敵だと思う点や感謝の気持ち……そういう内容だったとか。
これを受けて……提督の距離感を尊重して自重していたみんなが、積極的に提督を誘うようになって……秋津洲ピンチかも!
――――― 少し後 明石の部屋
明石 「それでは、ひさしぶりの特殊艦の会をはじめまーす」
速吸 「わーわー」
あきつ「では議題の方は」
速吸 「はいはいはーい! 前回の続きで『提督と秋津洲さんのその後』がいいですっ! 」
秋津洲「あうう……やっぱりかも……」
あきつ「正直、まじめに気になっているのであります。これでもうくっついただろうと考えていたのでありますが……」
速吸 「見るからに……何も変わってないですよね、お二人」
秋津洲「ふぇぇぇん、そうなのぉぉ」
あきつ「なるほどー……それじゃあ、もうプロポーズされて、ご実家への挨拶まで済ませた気分でありますね……」
速吸 「それなのに……その後何もお話がないと……」
明石 「そっかー、詳細はそんな感じだったんだ。秋津洲さんが頑張ったとは聞いていましたけど、大変だったんですね」
秋津洲「う、うん。秋津洲がんばったかも! 帰ってきた時は提督もすごくほめてくれたし……その、ぎゅってされて……」
あきつ「ひゅーひゅー! であります」
速吸 「うーん、それなら、そのまま一気に恋人ですよねぇ」
秋津洲「わたしも、きっとそうなんだろうなって思ってたのに……ずっと空振りかも! 晩ごはん作りに行く度にドキドキしてるわたしの身にもなって欲しいかも! 」
速吸 「きゃー! 大人発言ですっ! 」
あきつ「毎日勝負下着では大変でありますなぁ(にやにや)」
秋津洲「そ、そ、そういう意味じゃないかもっ ///」
秋津洲「そんな風に足踏みしてる間に……なんだかライバルたちの追い上げを感じて、ちょっと不安かも……」
あきつ「青葉さんが大喜びで取材して回ってるでありますよ。提督は、今日は金剛さんにティータイムに招待されて、あと夜もなにかあるとか? 」
秋津洲「うん、呑兵衛の会に呼ばれてるかも。提督もお酒が好きで前は部屋で一人で飲んでたらしいんだけど……」
速吸 「ははぁ……。呑兵衛の会といえば千歳さんがいますもんね。提督ラブだし、確かに危険な香りですね……」
明石 「それとこれとは別ですよー。秋津洲さん、慌てることはないですっ! ちゃんとすぐに提督からアプローチがありますよっ。具体的には、2日以内くらいには! 」
秋津洲「ほんと……? 」
明石 「ええ、間違いありません! 」
あきつ「……なんだか、具体的すぎるでありますね」
速吸 「そうですね」
明石 「そそそ、そんなことはないですよ! 」
あきつ「特殊艦の会では隠し事は厳禁でありますよ、明石殿? 」
速吸 「そーそー」
秋津洲「気になるかも! 」
明石 「え、えっとですね……わたしも職務上の守秘義務があるんですっ! だからダメですダメっ」
速吸 「守秘義務じゃしょうがないかぁー」
あきつ「くっ……それを言われてはしょうがないのであります」
明石 「でも、詳細はいえませんけど……ほんと、安心して下さい秋津洲さん! 提督はちゃんと秋津洲さんラブですからっ」
秋津洲「え……そ、そう……そうだよね! 愛されちゃってるかも! 」
うう、こういう時は仲間の暖かさが身にしみるかも! 落ち込んでたけど元気になりつつ……明石さんの隠し事が気になるかもぉぉ!
本日分は以上かも! やっぱりあの人相手に夜戦をしちゃだめだったかも!
というわけで、やっぱり今日では終わりませんでした。次回こそ終わりです。明日か遅くとも明後日には。
よろしければ最後も是非お越しくださいっ
――――― 翌朝 提督私室
朝食はパンとソーセージ……引き続きドイツ式かも!
提督 「今日は洋風かぁ。朝がパンなのは珍しいなぁ」
秋津洲「ドイツ艦のみんながパンとソーセージを大量に仕入れたからっておすそ分けもらったかも! 」
提督 「なるほど、ドイツ風なのか。たまにはいいなぁ(もぐもぐ)」
秋津洲「提督……昨日お酒沢山飲んだはずなのに、全然平気そうかも? 」
提督 「あー、俺は日本酒ならいくらでも呑めるからなぁ。あと、呑兵衛どもはペースが早すぎる! 俺はじっくり味わって飲むタイプだから意外と量は飲んでないんだよ」
秋津洲「そうなんだぁ。今朝、鳳翔さんのお店を通りかかったら、隼鷹さんと千歳さんと那智さんが突っ伏して寝てたから、きっとすごかったんだろうなぁって思ったかも」
提督 「あー、なんか俺に沢山飲ませようとしてたけど、だんだん自分が飲むのが楽しくなってきたみたいでなぁ。あと、めっちゃちゃんぽんしてたしなぁ。最後はみんな寝ちゃったから、毛布かけて帰ってきたんだよ」
秋津洲「ほへー。わたしはお酒飲めないけど、ちょっとうらやましいかも」
提督 「弱い酒から試してみるといい。良かったら一緒に飲もうぜ」
秋津洲「う、うん! 楽しみかも!」
提督 「特殊艦の会はどうだったんだ? 」
秋津洲「え、えっと……相変わらずだったというか……」
提督 「ふむ? 」
秋津洲「そ、そうそう! 明石さんが何か隠し事してるのが話題になったかも! どうしても教えられないって言われたけどっ 」
提督 「ぶほっ……。そ、そうか……きっと、どうしても隠さないといけない理由があるんだよ。明石を責めちゃいけないな」
秋津洲「……また隠し事かも? 」
提督 「ぐ……予定では今日のはずだから……今夜には話せると思う。それまで明石を責めてくれるな」
秋津洲「むー。何を隠してるのか……きーにーなーるーかーもー! 」
――――― 夕方 港
秋津洲「それじゃあ大艇ちゃんたち、今日も偵察よろしくかもー! 」
大艇1(うんうん)
大艇2(ふりふり)
輸送娘「では、納品物は以上です」
明石 「はい、確かに受領しました。遠くまでお疲れ様でした。これから帰国ですか? 」
輸送娘「はい! 近い順から泊地をめぐって……こちらが最後でしたので。それで遅くなってしまいまして申し訳ないです」
明石 「いえいえ、この辺りは深海棲艦がまだ多いですから、お帰りもくれぐれもお気をつけて」
輸送娘「護衛の皆さんががんばってくださいますから大丈夫です……ありがとうございます」
秋津洲「明石さん、補給品の受領? お疲れ様かもー」
明石 「ああ、秋津洲さんっ。偵察ですか、お疲れ様です。良かったです、間に合いました!」
秋津洲「? どうしたかも? 」
明石 「あ……い、いえ、こちらのことです。あはは……いえ、どうしても今日届いてくれないと困るものがやっと届きまして」
秋津洲「ふーん……良かったかも! 」
明石 「ほんとに良かったですよぉぉ……提督から懇願されましたけど、わたしが慌ててもどうにも出来ないですし」
秋津洲「あれ、提督の頼まれものかも? 」
明石 「ああああ! 忘れて下さいっ忘れて! 」
秋津洲「?? 変なのかも」
明石 「さ、急いで運ばなきゃ! じゃあ、わたしはこれで! 」
――――― 夜 提督私室
今夜はすき焼きかも!
提督 「いただきます。すき焼きとは豪勢だなぁ」
秋津洲「今夜は大事なお話をしてくれるっていうことだったから、ちょっと奮発してみたかも! 」
提督 「特別な日にすき焼きって、なんか日本的というか家庭的というかでいいなぁ」
秋津洲「むむ、何か文句があるかも? 」
提督 「ないないっ。すき焼き大好きだよ(もぐもぐ)」
秋津洲「あー、提督! お肉ばっかりごそっと食べないっ。ちゃんと春菊もしらたきも食べるかもっ」
提督 「へいへい」
提督 「ふー、やっぱりすき焼きの後は熱い日本茶だよなぁ」
秋津洲「お腹いっぱいかもー。やっぱりすき焼きだと食べ過ぎちゃうかもっ」
提督 「だよなぁ……」
秋津洲「……」
シーン
秋津洲「……」
提督 「……」
うう、お話まだかなぁ……なんか気まずいし早くはじめてほしいかもー!
提督 「あーっと……秋津洲? 」
秋津洲「ひっ……な、なにかもー? 」
提督 「えっとさ、俺が良く聞いてるラジオ知ってるだろ? 本土のどっかの鎮守府から、大淀と明石が流してるやつ」
むー、やっと本題かと思ったらまた雑談かも!
秋津洲「知ってるかも。てか、わたしも他のみんなも結構聞いてるかも。他に娯楽ないし……」
提督 「あはは、だよな。でな、あのラジオの明石って、そこの提督と結婚してるんだよ」
秋津洲「それも知ってるかもー。それで大淀さんにからかわれるんだよね」
提督 「そうそう。でも明石だから戦闘は苦手で、練度も99には全然届いて無いんだってさ」
秋津洲「そっかー。でもそれじゃあ、ケッコンカッコカリできないかも? 」
提督 「うん。それでさ、前にラジオで大淀が暴露してたんだけど、提督が手作りのペアリングを明石にプレゼントしてケッコンカッコカリの代わりにしてるんだってさ」
秋津洲「ほえー……そっかぁ、でもなんかそれいいかも! 練度とか関係なく、ちゃんと特別な存在にしてるかもっ」
提督 「そ、そうだよな。で、さ……俺は手先が器用じゃなくて手作りとか出来ないから、本土から取り寄せるしか無かったんだけど……これ」
提督が出した小さな箱……中にはお揃いの指輪が一組
秋津洲「これ……これって……もしかして……プロポーズ……かも? 」
提督 「……うん。知っての通り母上にはもう報告済みだし……どうだ、受けてくれるか? 」
秋津洲「はい……喜んで……かも」
提督 「あ……あはは……その……嬉しいよ。どうかこれからもずっと俺のご飯を作ってくれ」
秋津洲「頑張るかも! でも、その言い方だとご飯係みたいかもっ」
提督 「あはは……秋津洲はすごくかわいいよ。ご飯係なんかじゃないさ」
秋津洲「/// うー、嬉しいけど……今度はかわいいだけって言われてるみたいかも! 秋津洲はかわいいだけじゃないかもっ。お料理だって、お掃除だって、もちろん戦闘だって……それにその、他のことだって頑張るかも! 」
提督 「秋津洲が秋津洲らしくそばにいてくれるだけで、俺としては十分なんだけどな」
秋津洲「わたしだけじゃなくて大艇ちゃんも一緒かも! 」
提督 「……なんか子連れ結婚みたいだな」
秋津洲「むー、失礼かも! 」
ワイワイ
わたしは戦闘も他のことも一生懸命頑張ってきた……つもり……かも。確かに弱っちくて戦闘ではあんまり役に立たないけど……それでも、わたしの良い所を見つけて愛してくれた提督……すごく嬉しい……。どうかこれからも仲良くするかも!
――――― 扉の外
漣 「プロポーズktkr! やっと前進かー。長かった~ 」
青葉「プロポーズの様子がバッチリ取材出来てよかったです! これは明日は阿鼻叫喚ですねー! 」
漣 「取材っていうか盗み聞きだけどね……」
秋雲「熱いプロポーズから、そのまま絡みあうように倒れこむ二人……『わたしはかわいいだけじゃないところをちゃんと見せるかも』と、恥ずかしがりながらも積極的に……いいね、インスピレーション湧いてきたぁ! 次回作は『秋津洲はかわいいだけじゃないかも! 初夜編』で決まりだね!」
艦!
以上で終わりです。サラッと終わるアホな話を書く予定だったのですが、秋津洲がかわいくて思わず長くなってしまいました。長いことお付き合い頂きましてありがとうございました。
秋津洲と、あとは速吸が活躍できる場所が増えたらいいなぁという願いを込めてます。イベントのルート固定でたまに出番があるのが嬉しいけど。秋イベも(掘りにドハマリしたせいもあって)秋津洲に沢山出撃してもらえて良かったです。
さて、恒例の過去作一覧です。
なお、ラジオを流しているのは「工作艦 明石。がんばります!」の鎮守府です。そのラジオが大淀と明石じゃないと理解できない暗号を流していて、それが南方の新参提督が鎮守府間の連携に参加するスタートラインになっている、という設定です。
【艦これ】俺の鎮守府が修羅場…?
【艦これ】俺の鎮守府が修羅場…? - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425881502/)
【艦これ】俺の鎮守府が修羅場…? 龍驤END
【艦これ】俺の鎮守府が修羅場…? 龍驤END - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426422790/)
【艦これ】加賀「最近、皆との距離が近い」
【艦これ】加賀「最近、皆との距離が近い」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426947844/)
【艦これ】 工作艦 明石。がんばります!
【艦これ】 工作艦 明石。がんばります! - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428241231/)
【艦これ】 五月雨「パンダ提督とわたし」
【艦これ】 五月雨「パンダ提督とわたし」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429113386/)
大淀「駆逐艦の子たちはわたしが守ります!」
大淀「駆逐艦の子たちはわたしが守ります!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430662266/)
【艦これ】 葛城 「立派な正規空母になるんだからっ!」
【艦これ】 葛城 「立派な正規空母になるんだからっ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434466157/)
【艦これ】 青葉 「あなたを取材しちゃいます! 」
【艦これ】 青葉 「あなたを取材しちゃいます! 」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440502992/)
乙かも
過去スレの提督達が情報交換の相手って事でいいんかな?
乙
前言ってた通りならそろそろついに陸奥くるかも?
乙ありかも!
いつも読んでくださってる方が来てくださっているようなので、いくつか蛇足的な補足とかなどなどを。
>>269
陸奥さんのお話は難航しております……。
陸奥さんのお話を書く→書いているうちに曙の話になってしまった
という感じで曙の長編に化けてしまいました。陸奥さんのお話は改めて考えているところですが、上手くいけば次は陸奥さんになります(クリスマス企画の後になりますが)
>>266
えっとですね、初期の頃から着任している提督4人が協力して、情報収集や交流、戦後に向けての準備、などなどをしている設定になっています。それを他の提督にも広げたり、新規着任の提督にもアプローチするため段階に入ったのが1年前~半年前くらい。
問題は、このお話でもちょっと触れられていますが、大本営と敵対するつもりは全く無いので、大本営にバレずに、多くの鎮守府にメッセージを送るにはどうすればいいか?が悩みでした。
それで、過去作の明石さんの鎮守府で考えだされたアイディアが、ラジオで暗号を流すこと。とは言え、過去の戦争でもあったように、どれほど精密な暗号機を使っても、長期的な解読であったり、暗号表の物理的入手などのよってあっさり破られるのが常です。
それを解決するために考えられたアイディアが「艦娘の、すごくニッチな前世の記憶で解読する、暗号機も解読表もいらない暗号」です。
具体的には、流されているラジオのオープニングソングが大淀さんオリジナルの謎の電波ソング(大淀さんが泣きながら歌った) 支離滅裂な謎歌なのですが、大淀さんだけは、この歌を聞くとピンと来るようになってます。その支離滅裂な歌に散りばめられた各種単語が「前世の大淀の乗組員のアダ名」ばかり。
そのアダ名を本名に直して、頭文字を並べると、「各鎮守府の提督宛 内緒で鎮守府同士の連携をしている 詳細はポエムにて」みたいなメッセージになる。
で、ラジオ内の謎ポエムコーナーは明石さんと大淀さんで交互に対応してるんだけど、これも同じ暗号。そこで詳細な連絡方法や最新の対応方法などが流される感じです。
このラジオが暗号であるとまず気がつくのが大淀さん。で、大淀さんが「うちの提督になら話しても良い」と思えるような提督ならそのことを伝える。つまり、大淀さんに判断が委ねられてるシステムになってます。
長くなりましたが、実はこの内容で明石さん鎮守府の続編を書く予定だったんです……。でも、前作を読んでないと全く分からない上に、これはSSとしての需要はなさそうな内容だなぁということで没になりました。
ちなみに、ラジオの暗号以外にも、南鳥島に秘密基地を建設してることとか、戦後にすべての提督と艦娘、船娘が集まって生きる場所にするためにトラックとパラオに準備している(葛城や青葉のお話で出てくる船娘たちが街を作っているのはそのへんのお話です)、いろんな準備をしていて、そのへんのお話も機会があれば書きたいなーと思ってます。
クリスマス企画で短編を書きました。良かったらこちらもどうぞ!
【艦これ】 蒼龍 「提督、メリークリスマス……」
【艦これ】 蒼龍 「提督、メリークリスマス……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450956467/)
このSSまとめへのコメント
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