【艦これ】加賀「最近、皆との距離が近い」 (208)


提督と加賀のラブ話です。おそらく程々長くなります。数日かけてのんびり完成させる予定です。
ラブコメが嫌いな方や、加賀は常にクールビューティーであるべき!などのこだわりのある方には向きません。ご注意下さい。


【ご注意】
筆者なりのキャラ解釈や設定が出てきます。キャラの性格や言動に関して、強いこだわりがあったり、自分の解釈以外は認めない!という方は読まないことをおすすめします。

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――――― 朝 鳳翔さんのお店

瑞鳳「あ、加賀さん、今日も秘書艦なんですかー?」

加賀「瑞鳳。まずは挨拶からよ。おはよう」

瑞鳳「わわ! おはようございますっ」

祥鳳「おはようございます」

加賀「祥鳳もおはよう」

赤城「二人ともおはよう」

祥鳳「それで、今日も加賀さんが秘書艦なんですか?」

加賀「? ええ、今日も秘書艦です」

瑞鳳「きゃぁ、やっぱり! がんばってくださいね!」

祥鳳「応援してますっ!」

加賀「?? あ、ありがとう」

瑞鳳「じゃあ、わたしたちは整備にいってきま~す!」

赤城「朝から感心ね。がんばってらっしゃーい」


加賀「………」

赤城「どうされました?」

加賀「いえ、最近……みんなとの距離が近くなったというか……」

赤城「はぁ」

加賀「以前は、特に歳下の子たちから、緊張されたり怖がられたりすることが多かった気がするのですが……。最近は、先ほどのように、とても親しげに声をかけられます」

赤城「それは、とても良いことですね!」

加賀「はい、それは喜ぶべきことだと思います。ただ……なぜ突然そんなことになったか気になってしまいます。まさか提督から命令された、などということは無いと思いますが」

赤城「え?」

加賀「え?」

赤城「あの……心当たりが無いんですか?」

加賀「はい、これといって……」

瑞鶴「ぶほっ………げほげほ」

翔鶴「ず、瑞鶴、大丈夫……?」

加賀「五航戦がやかましいわ」

瑞鶴「聞こえちゃって吹き出したのよ! 加賀さん、それ本気で言ってるの?」

加賀「??」

瑞鶴「心当たりが無いって話よ!」

加賀「ええ、特には。あなたは何か知ってるの?」


赤城「驚きました……、加賀さん、ほんとに気づいてないんですね」

加賀「? 赤城さんも何か心当たりが?」

瑞鶴「ぷぷ………あはははははは! 加賀さん、いつも嫌味な人だと思ってたけど、かわいいところあるじゃん!」抱きつきっ

加賀「じゃ、じゃれつかないで……。一体何の話なの?」

翔鶴「わたしも驚きました。まさか自覚が無いなんて」

加賀「何かわたしの知らないところで、みんな知っているようね。不愉快だわ」

赤城「いえ、内緒話とかでは無くですね……加賀さんが無自覚というか……」

加賀「赤城さん、詳しく教えていただけますか?」

瑞鶴「てか、どうやったら気が付かないのが不思議よね。ね、加賀さん、昨日、わたしが提督室に報告行ったの、覚えてる?」

加賀「わたしは赤城さんのお話を聞こうとしているのに……。ちゃんと覚えているわ」


―――――― 前日 提督執務室(加賀の回想)

コンコンコン

提督「どうぞー」

瑞鶴「失礼します! 報告。第四艦隊、無事帰還」

加賀「報告書、受け取ります」

瑞鶴「こちらです。なお、ざっと報告しますと、全体的に軽度の損害、伊58のみ小破です」

提督「そうか、入渠どうするか……。加賀、報告書を俺にも見せてくれ」

加賀「はい、こちらです」

提督「ふむ……伊58のみ入渠で、もう一戦行けるか……、どう思う?」

加賀「提督のお考え通りでよろしいかと」

提督「そうか。信頼してくれてありがとう」

提督「よし、じゃあ伊58には休んでもらって、伊168を加えてもう一戦。瑞鶴、大丈夫か?」

瑞鶴「了解です。早速準備に入ります」


加賀「こんな感じだったわね」

瑞鶴「ぷ………ぷぷぷ………、あはははは! 加賀さん、ほんとかわいい! 自分的にはそういう風に変換されてるんだ!」

加賀「じゃ、じゃれつかないでって! もう、何なのですか……」

赤城「なるほど、謎がとけました」

翔鶴「でも、何故そんな変換がされているのかが謎ですね……」

加賀「?」

赤城「きっと、あまりにも急激に変化しすぎて、感覚がついていけて無いんじゃないでしょうか?」

加賀「話が飲み込めないわ」

赤城「えっとですね、実際に行われている会話や行動と、加賀さんの認識が、ずいぶん違っているみたいです……」

加賀「ばかばかしい、そんなはずはありません」

瑞鶴「もー、ほんとおかしい! いーい? 昨日の実際の感じはこうよ!」


―――――― 前日 提督執務室(瑞鶴の回想)

コンコンコン

提督「どうぞー」

瑞鶴「ただいまー! 第四艦隊、無事帰還」

加賀「報告書、受け取ります」

瑞鶴「はい、これねー。ざっと報告すると、損害はごーやちゃんが小破ね」

提督「そうか、入渠どうするか……。加賀、報告書を俺にも見せてくれ」

加賀「は、はいっ!(裏声) こ、こ、こちらです…… ///」

提督「あ、ああ。って、そんな遠くだと取れないぞ、もっと近くに来てくれ」

加賀「ち、近くに……。わ、わかりました……///」

提督「ふむ……ごーやのみ入渠で、もう一戦行けるか……、どう思う?」

加賀「て、提督のお考えなら大丈夫だと思います!///」

提督「そ、そっか。信頼してくれてありがとう」

加賀(は、はうー)←ゆでダコ

提督「よし、じゃあごーやには休んでもらって、いむやを加えてもう一戦。瑞鶴、大丈夫か?」

瑞鶴「もー、人使いが荒いなぁ。りょーかい、行ってくる」


加賀「ば、ばかばかしい……わたしがそんな行動を取るわけ……意味がわかりません」

加賀(でもすごい動悸が……何故なのっ)

瑞鶴「提督への、恋する乙女全開の対応が、もうすごいよね。見てて恥ずかしくなっちゃうもん」

加賀「な……何をばかなっ!」

赤城「まぁまぁ、加賀さん、落ち着いて下さい」

翔鶴「わたしたちも、瑞鶴が説明したような場面に何度も遭遇してましてますから……」

加賀「そんな……いえ、これは何かの間違いです。五航戦がわたしをからかおうとは良い度胸です!」

瑞鶴「あははー、執務室でのあんな態度見ちゃうと、もう怖く無くなっちゃったわ」

赤城「他の子たちも、そんな様子を見て、加賀さんに親しみを持ったんでしょうね」

翔鶴「でしょうね。正直、わたしも加賀さんのイメージがすごく変わりました」

加賀「そ、そんな……。信じられない、本当にわたしがそんなことを……?」

青葉「しょうが無いですね。じゃあ証拠をお見せしないと」


瑞鶴「わっ、青葉が生えた!」

青葉「生えたってひどい! 加賀さんは今、時の人ですからね! マークしてたんですよっ。そしたら面白い会話が聞こえてきたのでっ」

加賀「わたしは全く面白く無いわ……」

赤城「証拠って何かあるんですか?」

青葉「それはもう、執務室の隠しカメラで録画されたいろんな動画が!」

加賀「後ではずしに行きましょう(にっこり)」

青葉「しまった!」

翔鶴「カメラは感心できませんが、映像で見れば、加賀さんも納得できるかもしれませんね」

赤城「すごいショックを受けるかもですけど……」

加賀「(ごくり) ……そんなに……変でしたか……?」

赤城「変ではないですよ。ただ、普段とのギャップがすごくてびっくりしますよ」

青葉「じゃあ、時間も無いでしょうから、すぐ映写室に行きましょう」


――――― 少し後 映写室


……
………

加賀「その……お茶が入りました」

加賀「お、おしいですか……、そ、そうですか…… ///」


加賀「素晴らしい作戦ですね。提督はほんとに……その……とても一生懸命で素晴らしいと思います///」


加賀「え、お昼をご一緒にですか……は、はい……その……お供させていただきます///」


加賀「明日もわたしを秘書艦に……は、はい、しっかり勤めさせて頂きます! ///」

………
……



青葉「時間もないので、ほんの一部ですけど、加賀さんの提督とのやりとりでした」

加賀(プルプル…)「こ、この女は誰っ」

赤城「どう見ても加賀さんですよ……」

瑞鶴「あはは、二人っきりの時もこんななんだ。もう、加賀さんずっと真っ赤で見てて大変そう~」

翔鶴「提督もさすがに意識してしまって、すごいギクシャクしてますね。なんだか、可愛らしいわ」

加賀「こ、これは夢ね。こんなリアルな夢を見るなんて、わたしも疲れているのかしら」

赤城「そ、そんなに否定しなくても……。提督への愛があふれていて、とても可愛らしいと思いますよ?」

加賀「あ、ああああーーー、いっそ殺して!」ガンガンガン

瑞鶴「ちょ、ちょっと! 壁に頭打ち付けないでーーーー」

赤城「加賀さん、落ち着いて!落ち着いてー!」

青葉(加賀さんおもしろいなぁ)


本日投下分は以上となります。
できれば毎日投下していきたいと思っていますので、よろしければまたお越しください(o_ _)oペコリ

龍驤提督か


本日分、これより投下致します。あまり進展無いですがご勘弁を。


加賀「はっ、もう時間です。執務室に行きます」

赤城「え、加賀さん、まって、落ち着いてー!」

加賀「いえ、秘書艦が遅刻するなど許されることではありません。赤城さん、続きはまた夜に聞かせて下さい」

瑞鶴「え、このまま行くつもり? ちょ、ちょっと待って、出血が……」

加賀「本当に時間がありません」ダダダダ

翔鶴「どうしよう……ほんとに行ってしまったわ……」

赤城「提督、びっくりするでしょうね……」


加賀「ハァハァ、何とか間に合いそうです」

加賀(先ほどの映像が、万が一、真実だとしたら……。きょ、今日はそのようなことが無いよう、心して秘書艦を勤めなくては……)

コンコンコン

加賀「提督、遅くなりました」ガチャリ

提督「時間ピッタリだよ。全然気にしなくて……って、加賀どうしたぁぁぁ!」

加賀「? わたしの顔に、なにかついていて?」

提督「おでこから血! 血が出てる!」

加賀「えっ……? (あ、さっき壁にガンガンした時に?)」

提督「とにかく消毒しないと。ここ、ここ座って!(椅子)」

加賀「は、はいっ……」


提督「ふう、消毒薬と絆創膏があった。これで何とかなる程度だといいが」

加賀(平常心、平常心……)

提督「すまんが、傷が見えないから少し前髪上げるぞ。ん、傷は大したことなさそうだ。とりあえず消毒して……」

加賀(!!!! お、おでこ……)

提督「うわ、すごい勢いで真っ赤に! 傷にしみたか? 大丈夫だったか?」

加賀「/// (裏声)は、はい! 加賀は大丈夫です!」

提督(榛名の真似……なのか……?)

提督「とりあえず絆創膏な。できれば後で救護室でちゃんと見てもらってくれ」

加賀「(へ、平常……心……) いえ、お気遣いなく。問題ありません」

提督「きれいな顔に傷でも残ったらどうする。いいから、しっかり見てもらってくれ」

加賀「/// ふぁ、ふぁい! 後ほど、か、必ず!」


――――― 同時刻 映写室

青葉「よし、とりあえず撤収完了です」

瑞鶴「盗撮はほんとにダメだけど、面白かったわ! あの加賀さんが……変わるものだねー」

翔鶴「青葉さん、ほんとにやめてくださいね。悪趣味では済まされませんよ?」

青葉「う、ぐぬぬ……。やむを得ません。カメラは外しておきます。趣味の提督観察ができなくなっちゃうなー」

赤城「憲兵さんに引き渡すべきかもしれませんね……」

青葉「いえ、もうホント、悔い改めました。もうしませんから~~」


翔鶴「でも、加賀さん、割れた額で執務室に突撃して……どうなったでしょう?」

瑞鶴「廊下で誰とも会ってないといいね……。駆逐艦の子が見たら、きっと泣いちゃうよ」

赤城「うーん、心配ですね。提督と相談することもあるので、後でちょっと様子を見てきます」

翔鶴「わたしと瑞鶴は出撃予定があるので……赤城さん、よろしくお願いします」

青葉「じゃあ、わたしは一緒に!」

赤城「来なくていいですっ」

青葉「はーい。ちぇー」


―――――― 提督執務室

提督「と、聞き忘れていた。加賀、なんでまたおでこに怪我を?」

加賀「そ、それは(い、言えない!)」

提督「いや、何かトラブルだったら対処させて欲しい。言いにくいことだったら無理には聞かないが……」

加賀「いえ、あの……そ、そうです。青葉が、この部屋に隠しカメラを仕掛けていることがわかりまして」

提督「あいつはまた……取材の名のもとに犯罪行為を……厳しく言ってきかせないとな」

加賀「そ、それが原因で怪我をしましたが、問題ありません!」

提督(頭突きで! 頭突きで制裁したのか!)

提督「あ、ああ。それなら良いか……。ありがとう、俺がやるべきことを代わりにやってくれていたんだな」

加賀「/// ひ、秘書艦の努めです! 今後もしっかり対応しますっ!」

提督(今後も何かあると頭突きするのか……。でもそのたびに額を切るのもなぁ……)

提督「いや、でも俺も自分がやるべきことを人任せにしたくはないから、今後は俺の方に回してもらって大丈夫だ」

加賀「そ、そうですか……(しゅん)」

提督「あ、いや! 加賀ならば安心して任せられるから、加賀が対応したいときは、しっかりやってくれていい。報告さえしてもらえれば大丈夫だ」

加賀「(ぱあああ) はい、お任せ下さい!」

提督(そんなに頭突きしたいのかな……。やっぱストレスたまってるのか……?)


コンコンコン

赤城「赤城です、今よろしいでしょうか?」

提督「問題ないぞー。はいってくれー」

赤城「失礼します (加賀さん……おでこに絆創膏)」

提督「どした、何かあったか?」

赤城「急ぎでは無いのですが、艦載機編成のご相談をと思いまして。加賀さんとも関係しますし」

提督「よし、じゃあ今やってしまおう。加賀も大丈夫か?」

加賀「はい、問題ありません。わたしも意見がありましたので」

赤城(おお、加賀さんちゃんと仕事モードですね。映像を見たのが良い方に転んだみたいです)



……

赤城「それで、えーっと、何でしたっけ、新しい艦戦の子を大きなスロットに」

提督「烈風だよ、いい加減覚えてくれ」

加賀「制空のために、艦戦重視で編成するのですね」

提督「となると、赤城の一番大きなスロットには烈風を。後、流星と彗星。最後に偵察機の彩雲で……」

赤城「えっと、流星が艦攻で、彗星が艦爆……ぶつぶつ……」

加賀「強い艦戦は赤城さんに積まれるのですか………わたしでは………いけませんか?(ウルウル)」

提督「いや、加賀のスロットは最大だ。だから1編成しかない最強の艦戦、烈風改を君に任せたい。やってくれるか?」

加賀「そんな貴重なものを……わたしに……? わかりました、必ず……必ずご期待に応えてみせます(ウルウル)」

提督「頼む……。だが、この間みたいなことは御免だ。確かに戦果は期待しているが、絶対に帰ってきてくれ(見つめ)」

加賀「/// は、はい。約束しましたから。必ず帰ってきます……」

赤城(あれ、わたし……蚊帳の外……。加賀さんやっぱりダメみたいですね……)


――――― 夜 赤城と加賀の部屋

加賀「戻りました。ごめんなさい、救護室に寄っていて遅くなってしまいました」

赤城「おかえりなさい。救護室はおでこの怪我で?」

加賀「はい、しっかり診てもらうようにと、提督のご指示で。ただの擦り傷で、お風呂に入ればすぐ治るそうです」

赤城「大したこと無くて良かったですね」

加賀「それから、先ほどの艦載機編成打ち合わせの件、提督からお礼を伝えてほしいと」

赤城「いえ、相談できて良かったです。最近は、制空だ索敵だと、考えることが多いですからね」

加賀「そうですね。そういえば、今日はしっかり平常心だったので、赤城さんに失態を見せずにすんでホッとしました」

赤城「えっ?」

加賀「えっ?」

赤城「えっと……わたし視点では、とても微笑ましいラブオーラというか、入り込めない二人の世界というか……そんな感じでしたが……」

加賀「そ、そんなはずは。今日はしっかりと……」

赤城「加賀さん、そんな記憶齟齬を続けていては良くないです。よーーく思い出してみてください」

加賀「そ、そうですね。まさか記憶違いとかは無いと思いますが……」

加賀「……………」

赤城「……………」

加賀「/// あ………ああ………ああああああ!」

がばっ

赤城「加賀さん、加賀さん、布団に潜り込まないでっ!」

加賀「わたしは、わたしはーーー(バタバタバタ)」


赤城「いえ、でも……自分で思い出すことができたというのは、大きな前進だと思います」

加賀「(しょんぼり) ありがとう……ほんとうに恥ずかしいわ」

赤城「……とはいえ加賀さん、この状況はちょっと心配しています」

加賀「そうね。大切なことを間違って記憶していたりして……それが戦闘に大きく影響したりしては取り返しがつかないわ」

赤城「加賀さんに限ってそんなことは無いとは思いますが……。というか、記憶齟齬はそもそも提督がらみだけですし……」

加賀「……」

赤城「そもそも原因は、加賀さんの、提督への恋心。これで間違いないと思います。どうですか?」

加賀「そ、そんな……ことは……」

赤城「それがこんなに大きくなった理由は、この間の、大破進軍から帰還した時の事件。そうですよね?」

加賀「そ、それは……」

赤城「ふふっ……。ちなみに、皆さん同じ考えだと思いますよ。わかってないのは、加賀さんと提督だけですねっ」

加賀「……」


加賀「わたしは………わたしは…………」

赤城「はい」

加賀「その……よく分からないんです……」

赤城「……」

加賀「わたしは赤城さんのことは好きです。仲間たちの事も…あのうるさい五航戦も……好きなんだと思います。命を預け合う大切な仲間です」

赤城「そうですね、それは分かります」

加賀「もちろん提督もとても大切です。でも、すごく複雑で……。これは実は以前からそうなのですが……。すっごく腹が立って憎くなったり、何を考えているのか全然わからなくなったり」

赤城「それは提督だけですか?」

加賀「そうです。そもそもあの人が悪いんです。わたしのことを特別だって言ったと思ったら、その後すぐに駆逐艦の子たちと仲良くしたり、急に仕事に夢中になって、わたしのことを全然見なくなったり。

赤城「ふむふむ、それはひどいですね」

加賀「そうです、ひどいんです。瑞鳳の玉子焼きを美味しいって食べたり、瑞鶴と楽しそうに冗談言ったり、金剛に好き好き言われて嬉しそうに……それから……」

赤城「はぁ~。ね、加賀さん?」

加賀「はっ。ごめんなさい、つい興奮してしまいました」

赤城「わたしが保証します。あなたはずっと前から提督に恋してます」

加賀「………」

赤城「わたしも実はそういう経験があるわけでは無いです。それでも外から見ると、誰でもわかっちゃうんですね」

加賀「そう……そうなのですか………。ふふ、おかしいですね、自分がそんな感情を持つなんて、夢にも思っていませんでした……そっか、恋してるんですか……わたしは……」

赤城「ええ、とっても素敵なことだと思います」


本日分は以上になります。続きはまた明日予定です。よろしければまたお越しください(o_ _)oペコリ

>>18
はい。龍驤提督なのですが加賀LOVE話を書いています。加賀さんも大好きです。
書いていると、艦これから龍驤の放置ボイスが僕を責め立てまして、何かに目覚めてしまいそうです。


こんばんは、これより投下致します。
書いていてもちっとも話が進みません。が、気長にお付き合いいただければと思います。


赤城「元々恋していたとは言え、燃え上がったきっかけは、この間のアレですよね?」

加賀「そう……だと思います。あの時は、本当に驚いてしまって……」

赤城「ええ、わたしも驚きました……」


――――― 回想 2週間ほど前 戦場

加賀「このまま夜戦に突入します」

赤城「加賀さん待って下さい! あなたは大破してるじゃないですか、危険です!」

榛名「そうです、ここは撤退すべきです!」

加賀「ここで勝利できれば、この海域を突破できます。これまでの努力を無駄にしないためにも、ここは強行します」

青葉「でも、万が一のことがあったら!」

加賀「残敵は旗艦のみで、中破まで追い込んでいます。わたしが轟沈する確率は本当に万が一。夜戦になれば、川内、あなたがやってくれるわね?」

川内「わ、わかった……その覚悟受け取った! 必ずやってみせる!」

雪風「わたしの幸運で、絶対加賀さんを沈ませたりしませんっ」

加賀「行きましょう!」


――――― 回想 2週間ほど前 港

赤城「本当に肝を冷やしました。無事だったから良かったようなものの」

加賀「ご心配かけました。でもこれで、総力を上げて挑んでいた作戦も完了です。ほっとしました」

青葉「もう資源もバケツも限界でしたもんね。無事突破できて感慨深いです」

榛名「結果的に、やっぱり加賀さんの判断は正しかったのですね……」

川内「ふっ、夜戦なら任せろ!」」

雪風「幸運ならおまかせです!」


提督「皆、ご苦労だった。過酷な戦いを勝利して、無事帰ってきてくれて良かった」

雪風「あ、しれぇ! 雪風また生還しましたっ」

青葉「きつかったですよー」

川内「わたしがMVPだよっ! 夜戦ならお任せっ!」

加賀(敬礼)「提督、無事帰還しました。ついに海域突破です」

提督(敬礼)「ありがとう、みな本当にお疲れ様。ただ……、加賀、一つ聞かせてくれ。何故大破状態で夜戦に突入した? 大破が一人でもいたら撤退というルールのはずだ」(ギロリ)

赤城(あの顔、あんな鋭い目つき……て、提督、もしかしてすごく怒ってるんじゃ……?)

加賀「状況的に、万が一でも起こらない限り轟沈は無いと考えました。これまで消費した資源、皆の頑張りを無駄にしないためには、ここでリスクを負うべきだと」

榛名「て、提督! 艦隊みんな加賀さんの提案に賛成しました、責められるなら全員ですっ」

赤城「そ、そうです。わたしも最後は了解して進軍しました。同罪です」

提督「みな、黙ってくれ。今は加賀と話している」

青葉(ま、まずい。提督が本気で怒ってるのなんて初めてかもです……)

提督「加賀、大破しているのが自分でなかったら、夜戦突入したか?」

加賀「…………。いいえ、おそらく撤退しました」

提督「そうだろうな……」


提督「加賀、君は俺が定めた絶対のルールを破った。誰も沈めないためのルールだ」

加賀「申し訳ありません。しかし、この場合、沈む可能性があるのは自分です。自分の決断で自分の命を晒すのですから、轟沈してもしかたがないかと」

提督「君の命は君だけのものではない!!!!」


抱きしめっ


加賀(えっ……)

一同(!!!)

提督「君が沈んだら、後に残された皆は……。友人たる赤城は……。そして、俺はどうやって生きていけばいいんだ!」

提督「俺が……どれほど恐怖したか……、見ていることしかできない俺が……」(ぎゅー)

加賀(……え……まさか……泣いてる……?)

赤城(提督が泣いてるの……初めて見ました……)

加賀(わたしは……わたしは……)(ぎゅっ)


……

加賀「て、提督。そ、その……わたしが間違っていました。これからは、たとえ自分の命でも、勝手に危険に晒したりしません」

提督「わかってくれて嬉しい。約束してくれ、これからも絶対に生きて帰ってくると……」(ぎゅっ)

加賀「は、はい……約束……します………」(ぎゅっ)


青葉(夕日をバックに抱き合う二人……まさか、二人がこんなにまで情熱的な関係だったなんて!)

榛名(提督は、加賀さんのことが……)

川内(加賀さんいいなー)

雪風(加賀さん、うらやましいです)


加賀「ああああああ、思い出すと、思い出すともう死にたく……(バタバタ)」

赤城「加賀さーん、お布団から出てきてくださいねー」

加賀「………」

赤城「恥ずかしがること無いじゃないですか。すぐそばで見ていたわけですが……本当に素敵でした。わたしも、ついもらい泣きしちゃいました」

加賀(布団から出てきた)「泣く……。提督が泣いたの、初めて見ました」

赤城「わたしもです。それほど加賀さんが大切で、本当に心配されたんですね」

加賀「そうですね……その、不謹慎だとは思うのですが、提督が涙されるほど自分を心配してくれていたと知って……とても嬉しかったんです」

赤城「それは当然ですよ。わたしだってきっと嬉しいです」

赤城「そ・れ・に・♪ ぎゅーって抱きしめられてましたね! 最後は加賀さんも抱き返したりして……ふふふ」

加賀「/// あ、あ、あ、あああああーーーー!」

赤城「加賀さーん、お布団から出てきてくださいねー」


赤城「でも……、わたしはあの時、お二人はもう恋人になったと思っていたのですが、その後を見てるととても不思議です」

加賀「/// こっ、恋人なんてそんな……。これまでどおり秘書艦としてご一緒させてもらってるだけです」

赤城「でも、提督のあれは、もう告白のようなものだと思ったのに……。提督からはその後、特になにも?」

加賀「……はい。ことあるごとに、無茶な進軍はダメだって蒸し返されるぐらいで……」

赤城「うーん、提督はどうお考えなんでしょうね」

加賀「……わかりません」

赤城「提督の行動は、やっぱり加賀さんに特別な感情があってのことのように見えたのですが……」

加賀「提督は、大切な部下としてわたしを見ているだけなんだと。この間の件はそういう意味だったんだと……、そんな風に考えてしまいます……(しょぼん)」


加賀「不思議ですね。噂によると、恋というのは甘美で幸せなものらしいのに……。わたしの恋は不良品なのかしら」

赤城「その表現はちょっと……。でも、恋は切ないものだったりもするらしいですよ」

加賀「切ない……、か。そうですね、それは感じます」

赤城「遠くから好きな人を見つめて、届かぬ想いにため息したり、好きな人が他の子と楽しいそうにしているのを見て、落ち込んで泣きそうになったり……」

加賀「な、なんだか身につまされる話です。赤城さんの経験ですか?」

赤城「ぅ……。いえ、恥ずかしながらわたしも恋愛経験は特になくて……。今のは少女マンガの受け売りです」

加賀「少女マンガ……知らないですね、マンガの一種なのですか?」

赤城「ええ、若い女性向けに描かれたマンガで、恋愛のお話が多いみたいです……わたしもちょっとしか読んでませんが」

加賀「なるほど。マンガというのは娯楽だと思っていましたが、教材でもあるのですね」

赤城「教材と言って良いものか……。加賀さん、ここは恋愛経験豊富な方に相談されたらどうでしょう?」

加賀「相談ですか……、相談が必要なのでしょうか?」


赤城「必要だと思います。だって、加賀さんは提督に恋してるわけですよね?」

加賀「/// こっ……。ど、どうやらそのようです」

赤城「となると、提督を射止める戦いに勝利しなければならないですよね。ライバルが多いですから」

加賀「/// い、射止めるっ……。そ、そうですね、そうなるわけですね」

赤城「では、勝利するために何からはじめましょうか!」

加賀「そ、そうですね。しっかり補給した上で……まずは偵察機をたくさん飛ばしで、しっかり索敵しないと」

赤城「そうですね、慢心せず、まずは索敵ですね」

加賀「敵を発見したら、すぐに先制ですね」

赤城「敵に合わせて、装備換装を急がせましょう!」

加賀「大丈夫、優秀な子たちですから、きっと沈めて来てくれます」

赤城「………」

加賀「………」

赤城「わたしたちで考えていても、やはり限界がありそうですね」


加賀「でも、相談と言っても、誰に……?」

赤城「う~~ん、恋愛経験豊富そうな人ですよね。何人か思い浮かびますが。愛宕さんとか鈴谷さんとか」

加賀「でも、相談しにくいですね……。なんというか、上級者すぎて世界が違いそうです」

赤城「そうですよねー。わたしもちょっと、どういう風に相談すればいいか、イメージできないです……」

加賀「身近で相談しやすそうな人がいいですね」

赤城「あ、それなら飛龍さんが良いかもしれないですね!」

加賀「確かに身近ですが……彼女は恋愛に詳しいのですか?」

赤城「確か、多聞丸さんとラブラブだったはずですから、きっといろいろ聞けると思います!」

加賀「そうですね、では早速参りましょう」


――――― 少し後 飛龍と蒼龍の部屋

赤城「というわけなのです」

加賀「///」

飛龍「え、えっと……」

加賀「恥を忍んでの相談です。是非、あなたの経験を聞かせて頂きたいわ」

飛龍「え、えっとですね、わたしは確かに多聞丸と仲良しでしたが……」

蒼龍(ぷ、ぷぷぷ……)

赤城「ええ、いつもおっしゃってますもんね!」

飛龍「でも、それは前世のお話で……。前世で多聞丸がわたしの艦長で、とても好きで仲良しでした」

加賀「はい、そこでの恋愛エピソードを!」

飛龍「でも、前世のわたしは、なにせ艦娘ではなく空母でしたから、恋愛をしていたわけでは……」

赤城・加賀「あ……」

蒼龍(笑っちゃダメよ蒼龍……でも……ぷぷぷ………ダメ、苦しい……)


飛龍「ご期待に添えなくてごめんなさい。わたしも恋愛経験はからっきしで……」

加賀「いえ、わたしこそごめんなさい。もうちょっと考えるべきでした」

蒼龍「でも、そういう相談をするっていうことは、いよいよ告白ですかっ!」

飛龍「え、そうなんですか! わくわくわくわく!」

加賀(な、なに、この食いつきはっ)「い、いえ、そういうわけでは」

蒼龍「でも、先日の大破進軍事件。あの様子を見る限りでは、提督も絶対、加賀さんラブだと思うんですけどねー」

赤城「あれ、蒼龍さんは居なかったのにどうして……?」

飛龍「青葉さん作の再現VTRがありますからっ。ちなみに、加賀さん役はわたしが務めたんですよ! 提督役は長門さんでした……。すごいドキドキしたなぁ……」

加賀(青葉、後悔させてあげるわ……)

蒼龍「告白しちゃえば一発だと思うですけど、しないんですか……?」

加賀「………。提督の気持ちなんてわかりません。もし勘違いだったら……告白なんて、できるはずありません」

飛龍「立場もあるし、かぁ。気にしなくてもいいと思うけどなぁー」


蒼龍「となると、提督のほうから告白させるのが目的ですね!」

加賀「/// そ、そんなわけでは……」

赤城「それができれば一番かもしれないですね」

飛龍「でも、告白させる、なんて、そんな上手くいくの?」

蒼龍「そうねえ。とりあえずいつもと違う雰囲気でドキッとさせるか……。いっそデートに誘って……でも加賀さんのほうが緊張して上手く行かなそうかぁ……(ブツブツ)」

赤城「あ、あれ、なんか蒼龍さんがすごい頼りになるような……」

飛龍「蒼龍は普段から、女性向け雑誌とかテレビ番組とか、すごいしっかり見てますから」

蒼龍「あはは。せっかく女の子に転生したんですから、いろいろ楽しみたいじゃないですかっ」

加賀「以前ならくだらないと言っていたところだけど……どうやらわたしの視野が狭かったようね」

蒼龍「そうですよ! 女の子なら、おしゃれしたり恋したりしたいじゃないですか! そのためには女子力を高めないとっ。日々勉強ですっ」

赤城「女子力……火力とは違うのですか?」

蒼龍「敵を殲滅するのが火力なら……好きな男をメロメロにするのが女子力です!」

加賀「そ、そんなパラメータがあったなんて……。勉強不足でした」

赤城「あとで明石さんに数値化してもらいましょう」

飛龍「……あんまりおすすめしませんよ。わたしは、自分の数字見て泣きそうになりましたから……」

加賀・赤城(ご、ごくり……)


蒼龍「とりえあず状況は把握しました。そこで加賀さんに質問です」

加賀「はい」

蒼龍「きわどい事を言って、提督の様子を見る……そうですね、鈴谷さんみたいな感じです。それってできそうですか?」

加賀「……。戦う前に諦めるような言い方で残念ですが……全く自信がありません」

蒼龍「そうですよね……加賀さんが上手に立ちまわって、みたいな作戦は、そもそも無理がありそうですね」

赤城(そ、蒼龍さんが輝いてる!)

飛龍(蒼龍、ノリノリだなぁ。恋バナ、大好きだもんね。わたしも好きだけど)

蒼龍「では、こうしましょう。服装なんかの雰囲気をちょっとだけ変えるんです。それで、さり気なく提督に意識させましょう!」

加賀「……その、意味がわかりません」

飛龍「ははーん、なるほどね」

赤城「分かるんですか?」

飛龍「他の人の前では見せない服装や仕草を、『提督の前でだけ』見せる。それでアピールするってことでしょ?」

蒼龍「正解っ!」

加賀「そんなことで、アピールになるのでしょうか……?」

赤城「もっとこう……雷撃のようなパンチの効いたアピールのほうが……」

蒼龍「ふふん、まぁ見ていて下さい。では具体的な作戦ですが………」


本日分は以上になります。続きはまた明日予定です。よろしければまた是非お越しください(o_ _)oペコリ


こんばんは、本日分これから投下致しますが、改めて……

【ご注意】
 このSSは長くなります! 『SSは短くあるべき!』とお考えの方は、どうぞ読まないようにお願い致します。


筆者は登場人物を多く、会話や掛け合いがたくさん、というのが好きなようでして、そこを省くと自分で読んでいてつまらないのです……。
ですから、長くなってしまいますが、それでも良いという方にお付き合いいただけたら幸いです。


―――――― 同じ頃 工廠開発室

提督「おじゃまするぞー」

明石「あ、提督。いらっしゃい。どうしました?」

提督「また開発のデータをチェックさせて貰いたくて。すまんがこっちの端末使わせてくれ」

明石「どうぞー。提督も熱心ですねぇ」

提督「資源も装備も足りてないからなぁ。せめて知恵ぐらいは絞るさ」

明石「最後は妖精さんの機嫌次第ですけどね」

提督「知恵絞るより、妖精さんにご挨拶でもしたほうが良いだろうか……」

明石「あはは、それで良い物ができるなら苦労はしないんですけどねー」

提督「まったくだ」


カタカタカタ
カチカチカチ

カーン、カーン

提督「うーん、良い電探が……ブツブツ」

明石「提督、お茶どーぞ」

提督「ああ、ありがとう。ふー、一息いれるかー」

明石「そうですね、わたしも一休み」


明石「ね、提督?」

提督「んー?」

明石「その後、加賀さんとはどうなんですかっ?」

提督「ぶっ……。明石までそんなこと聞くのか」

明石「いやー、もう、どこに行ってもその話で持ちきりですから、気になりますっ」

提督「どうって言われてもなぁ。別にいつもどおり、秘書艦として頑張ってもらってるよ」

明石「と言いつつ、目が泳いじゃうあたりが、提督の嘘が下手なところですよねー」


てくてくてく ガチャリ てくてくてく


提督「え、なにごと……?」

明石「ガッチリ施錠してきました。ここは開発機密とかもあるんでセキュリティもバッチリ。青葉の目も届きません」

提督「えー。青葉、いつの間にか俺の部屋にもカメラつけてたし、わからんぞー?」

明石「いえ、以前にカメラ取り付けようとしていたのを発見して、今度やったら解体するって言っておきましたから。怯えて近づきません」

提督「……だからあいつ、改修の時に泣いて怖がってたのか……」

明石「さ、という訳で、間違いなくここだけの話になります」

提督「そこまでして聞き出そうってか」

明石「……実はちょっと心配してます。提督って、弱音も悩みも、なーんにも口にしないじゃないですか?」

提督「ま、まぁ……。司令官であり、男だからな。そうそう弱音も吐いてられん」

明石「それで、一人で悩んでるんじゃないかって。差し出がましいとは思うのですが……」

提督「……」

明石「普段なら、相談事は加賀さんとできると思うんですけど、なにせ今回は、その加賀さんとの話ですし」

提督「そうだな……。いや、悩んだり迷ったりしてるのは事実だ。相談できる相手が居ないのもその通りだ。よく見てるな、明石」

明石「い、いえ。ここにいるみんなを元気に修理するのがわたしの仕事ですから……///」

提督「あはは、俺は修理できないけどなっ」


明石「しらふだと話しにくければ、一杯いきますか! 実は菊正宗があるんですよ……」

提督「お、それは嬉しいな。じゃあ頂くか」

トクトクトク

明石「ん~~~、やっぱ美味しい!」

提督「ふー、ゆっくり酒を飲むのもひさしぶりだ」

明石「それでー、聞かせて下さいっ」

提督「あー、何から話せばいいかな」

明石「んー、じゃあ、わたしだけじゃなく、おそらくみんなが一番に確認したいことからにしましょうっ」

提督「予想つくなぁ」

明石「加賀さんの事、好きなんですよねっ?」

提督「そう思う根拠は?」

明石「だって、ずーっっと前から秘書艦はほぼ加賀さんですよね。それに、なんといいますか、加賀さんにかける言葉とか、すごく優しいし……」

明石「極めつけは、先日の大破進軍事件ですよね! もう、情熱的でドッキドキでしたよ!」

提督「ほんとにみんな知ってるんだな、青葉のやつめ……」

明石「青葉さんの再現VTR見て、自分の淡い恋心は諦めて、加賀さんを応援しようって子が一気に増えましたよ。それはそれで良かったのかも」

提督「うーん……あの時は頭に血が登っちゃってなぁ……失敗した……」


明石「それで、どうなんですかっ!」

提督「(ゴクゴク)……。うーん……、そうだな、恋愛云々はともかくとして、加賀を特別に思っていることは認める」

明石「特別ですかー」

提督「ああ……。あの、完璧主義で強くて、頑張り屋で、そのくせ不器用で弱くて……。あの子を俺が支えたいと、ずっと思っている。ははは、本人には絶対言えないけどな」

明石「それってもう愛しちゃってるじゃないですかっ!」

提督「恋愛的な感情は一切持たないように封印しちゃってるのさ。だからそういうのは無しだ」

明石「えー! なんですかそれっ。なんで恋愛はダメなんですかっ?」

提督「うーん……だって俺は司令官で、みんなは……加賀は艦娘だからな……」

明石「え! ……それって艦娘なんか恋愛対象にできないってことですか……?」

提督「まさか。みんな魅力的で素敵な女性だ。少しでも自制心が緩むと、すぐ女として見ちゃうよ」

明石「……そうなんですか……。じゃあ、上官と部下だから?」

提督「うーん、もう少し複雑だけどな」


明石「じゃあ、提督は、加賀さんのことが大好きだけど、恋愛感情は押さえて、大切な部下としてだけ接するようにがんばってる……みたいな感じなんですか?」

提督「……そうだな、概ねそんな感じだ。最近はそれも大変だけどなぁ(ごくごく)」

明石「(ぐびぐび) お、自制心も崩れそうなんですか。崩れちゃえ崩れちゃえっ」

提督「気軽に言ってくれるなよ。最近、というかこの間のアレ以来、加賀がなー」

明石「加賀さんが……?」

提督「なんかな、榛名と羽黒を足したみたいになっちゃってなー」

明石「あははははは!」

提督「あんなに、恥ずかしそうに、でも積極的に尽くされちゃうと、鉄の自制心も揺さぶられちゃうよ」

明石「加賀さん、やるじゃないですかっ」

提督「考えても見てくれよ、あの加賀がだよ」

明石「はいはい」

提督「頬染めて、上目遣いで、『今日はお役にたてましたか?』とか言ってくるわけだよ」

明石「うっわー、46cm砲も真っ青の破壊力ですねー」

提督「もうさ、こっちは抱きしめるのを我慢するだけで必死だよ(ごくごく)」

明石「(ぐびぐび)うわー、ノロケ来ましたよノロケ!」


明石「……そんなに好きあってるのに、どーしても恋人になるのはダメなんですか?」

提督「ああ」

明石「納得できないなー。好きならそれでいいと思うんだけど……」

提督「今だけを見るならそれもいいとは思うけどな。でも俺はそうしたく無いのさ」

明石「でも、未来のために今を捨てるのもおかしいですよっ」

提督「……もちろん、言いたいことはわかるよ。ただ、俺は加賀のことをずっと見てきた。その上での結論なんだよ」

明石「……」

提督「今、俺と加賀が恋人になるとしたら……、二人で、一つ覚悟をする必要がある。俺はそう考えてるんだよ。そして、俺はあいつにそんな覚悟を押し付けたくないのさ」

明石「……その、覚悟って……なんですか?」

提督「ま、この話は終わりだ。良い酒につられてしゃべりすぎちゃったな」

明石「もー、肝心なところで逃げるんですからっ」

提督「あはは! いや、でも良い酒に、愚痴まで聞いてもらってスッキリしたよ。俺は幸せものだな(ナデナデ)」

明石「/// ……はぅ……こんなことで、お役に立てましたか?」

提督「ああ。自分が悩んでることに気がついてくれる人がいること。何とかしようと行動しようとしてくれる人がいること。それはすごい素敵なことさ」

明石「はい……ささやかではありますが///」

提督「ふー、今日はありがとう。後日、良い酒を手に入れてお返しするよ。おやすみ」

明石「はい、おやすみなさい……」


明石(恋愛を封印する理由……司令官と艦娘……二人でする覚悟……、提督もいろいろ悩んでるんだなぁ。わたしじゃよくわからないや)

明石(でも、お二人はきっとお似合いだと思うんだけどなー。できたら、幸せになってほしい……)


――――― 翌朝 提督執務室

提督(ほんと、最近は加賀が可愛すぎて自制するのが大変なんだよな。明石にあんなカッコつけたこと言った手前もあるし、しっかり自制せねばな)

コンコンコン

加賀「提督、おはようございます」

提督「おお、おはよ……う……………」

加賀「///」

提督(なん……だと……? 髪を結んでないのか。さらさらロングヘアーの加賀だと……)

提督(そ、そんな、真っ赤になって『髪型違うんですけどどうですか』見たいな目で見られたら、俺の自制心が……)

加賀「あ、あの! 今日は少し気分を変えて髪型を変えてみました…… ///」

提督(なんというか、すごく幼く見える……違う、いつも張り詰めているから年上に見えているだけで、こっちが素なんだよな)

提督「ああ、驚いた。その……とても可愛い」

加賀「かっ、かわっ、かわっ……///」

提督(あ、しまった。大人の女性に可愛いとか言ってしまった。ここは綺麗が正しかったのか……?)

提督(……いや、ここは正直に言えばいいか……。しかし、これは今日はいつも以上に自制が大変そうだ……)

提督「ああ。大人の女性相手に失礼かも知れないが、とても可愛いと思う。朝から元気になったよ(変な意味じゃないぞ)」

加賀「/// ありっ、ありがとうございます!」


――――― 同時刻 執務室前廊下

蒼龍(大成功!)

赤城(奇襲に成功セリ!って感じですね!)

飛龍(蒼龍、やるわね……)



本日投下分は以上となります。続きはまた明日投下予定です。よろしければまたお越しください(o_ _)oペコリ
加賀さんがどんどん崩壊してますが、話の流れ上やむを得ず……どうかご勘弁を!


女子力は……加賀さんはおっぱいパワーで結構高くなりそうな予感もしますが。でも、実際に男に好まれるかどうかは女子力とか関係ないですよね。胸がなくても料理ができなくて龍驤はかわいいし……。


こんばんは、今日もなかなか話が進まない投下の時間がやってまいりました。
今夜もお付き合いいただけますと幸いです(o_ _)oペコリ


――――― 夜 飛龍と蒼龍の部屋

飛龍「それでそれでっ! 戦果はいかがでしたかっ!」

加賀「///」

赤城「ふふ、加賀さん幸せそう」

蒼龍「今後の計画にも関わりますので、正直に教えて下さい」

加賀「/// ……可愛いって3回、綺麗って2回言ってもらえました」

飛龍「わお!」

赤城「素敵ですね~」

蒼龍「…………甘いわ」

加賀「え?」

蒼龍「何ですかその戦果は! 駆逐艦でももっと進んでます!」

加賀(ガーン)

赤城「そ、そうなのですか?」

飛龍「うーん、確かにちょっと物足りない気もするけど、甘酸っぱくてわたしは好きだけどなー」

蒼龍「甘いっ!甘いわっ」


蒼龍「考えても見てよ。ライバルいるんだよ」

加賀「あ……」

飛龍「そうだね、全員が諦めたわけじゃないか」

赤城「金剛さんみたいな、提督大好き!って人、いっぱいいますからね……」

蒼龍「この間のアレで、さすがに意気消沈してたみたいだけど……。でも、その後進展がないとなれば、また積極的なアタックが始まりますよっ」

飛龍「負けてられないってことだね」

蒼龍「加賀さん、想像してみてください。誰か別の人が提督の『特別』になって、秘書艦の座を奪われた上に、その人と提督が恋人として仲良く……」

加賀「……………(ウルウル)」

赤城「加賀さん泣かないでっ。そうならないように頑張りましょう!」

飛龍「そ、そうです、勝てばいいんですっ!」

加賀「(ぐす)がんばります」

蒼龍「そうです。目指すのは勝利! そのために、早速次の手を打ちましょう」

赤城「もう作戦があるのですかっ!」

蒼龍「はい、明日は『お昼ごはん作ってきました』で行きましょう」


蒼龍「高い女子力を持つ、瑞鳳ちゃんの得意技ですが、今回は真似させてもらいましょう」

加賀「で、でもわたしは料理は全然できないわ」

蒼龍「ふっふっふ。そこはアイディアがあるのです」

飛龍(蒼龍、もうノリノリだなぁ……)

蒼龍「まず、だれでも簡単にできるオニギリです! それから、玉子焼きは難易度が高いですが……ゆでたまごなら、全く料理の技術は必要ありません!」

赤城「な、なるほど! 技術はいらないけれど美味しく食べられるものだけで……蒼龍さんすごいです!」

蒼龍「不慣れな加賀さんが握った、ちょっと形が整っていないオニギリというのは、逆に強いアピールになります!」

飛龍「なるほどー、慣れないことだけど、あなたのために一生懸命がんばりました的な?」

蒼龍「そうそう! さ、今から厨房に行きましょうっ!」

加賀「蒼龍さん、あなたは本当に頼りになるわ。どこぞの五航戦とは大違いです。本当にお世話になります」

………

瑞鶴「ぶへっくしょんー」

翔鶴「瑞鶴……くしゃみはもう少しおしとやかにね……」

瑞鶴「えっへっへ、ごめんごめん。翔鶴姉、おなかすいたよー」

翔鶴「はいはい、もうすぐご飯できますから」

翔鶴(この子、先々大丈夫かしら……)


――――― 同時刻 金剛の部屋 テラス

金剛「ふふふ~ん♪ 夜のお茶会も乙なものネー」

比叡「お誘い嬉しいですっ」

霧島「夜風が気持ちいいですね」

榛名「そうですね………はぁ……」

金剛「今日は、榛名に悩みを打ち明けてもらって、元気になってもらうネー」

榛名「えっ!! は、榛名は大丈夫です、元気です!」

比叡「1分ごとにため息をついてしょんぼりしてるのは、元気とは言わないよっ」

霧島「榛名姉さま、よかったら悩みを聞かせてください」

榛名「……」

金剛「まあ、聞かせてもらうまでもないけどネー。提督が加賀とLoveなのでしょんぼりネ!」

榛名「う……」

霧島「わたしも、提督は尊敬していますけど……。榛名姉さまは、提督を男性としてお慕いしていたんでしょう?」

比叡「わたしだって、金剛姉さまが誰かと……ってなったら、きっと落ち込むもの……」

榛名「う……うう………(ぽろぽろ)」

霧島「姉さま、よしよし………(ぎゅっ)」


金剛「榛名、悲しむことはないネ!」

榛名「(ぐすぐす…)金剛姉さま、どうして……。姉さまだって提督のことが……」

金剛「イエース! わたしも提督Loveネ! だから、提督が加賀とLoveLoveなのは悲しいネ」

比叡(金剛姉さまは、わたしが念入りに慰めるのに!)

榛名「なら……」

金剛「でも、提督と加賀は、ちっともLoveLoveじゃないネ!」

霧島「そういえば、すぐに恋人同士になるかと思いましたけど、関係は変わってないみたいですね」

比叡「でも、加賀さんの態度はすごく変わったよね?」

金剛「それデース! 加賀が提督Loveなのははっきりしましたけれど、提督の加賀への態度は変わってません。だから、わたしはちっとも落ち込んでないデース!」

霧島「そうですね……、それなら、提督への片思いが一人増えただけで……状況はあまり変わらないような?」

榛名「でも……あの時、提督から加賀さんへの強い愛情を感じました……」

金剛「それなのに恋人になっていないなら、Family loveなのかもしれないネ! 比叡がわたしを好きっていうのと同じデース!」

比叡(ち、違うのに~~~)


榛名「じゃあ……金剛姉さまは変わらず提督に……?」

金剛「Sure! それに、もし提督が加賀Loveだとしても、わたしは変わらないネ!」

榛名「そうなのですか……?」

金剛「だって、わたしは提督Loveネ! 提督が誰を好きであっても、それは変わらないネ! この気持が消えない限り、提督に振り向いてもらえるよう、頑張るネー!」

比叡「あは……金剛姉さまらしいですっ」

霧島「ほんとですね、金剛姉さまらしいです」

金剛「榛名、提督が誰が好きか、気になるのはよく分かるネ! でも、まずは自分の気持ちを大事にするネ!」

榛名「わたしの……気持ち………」

金剛「提督のことが好きなら、遠慮する必要なんてないネ! 良かったら明日は一緒に提督のところに遊びに行くネー! ティーセットもってネ!」

榛名「……………はい、ぜひご一緒させてください!」

霧島(さすが金剛姉さま。榛名姉さま、少し元気が出たみたい)


――――― 同時刻 鈴谷の部屋

熊野「この続きはどこにあるのかしら?」

鈴谷「んーと、確かこのへんに……(ごそごそ)」

熊野「もう、本ぐらいちゃんとしまってくださいまし!」

鈴谷「えー、なんか寝転がって読んでて、眠くなったらその辺に置いて寝ちゃうから……えへへ」

熊野「ほんと、困った子ですわね」

鈴谷「あったあった、はいこれ! でも珍しいね、くまのんが、わたしの部屋でマンガなんて」

熊野「くまのんって呼ばないで下さいまし! たまにはと思って来ましたが、マンガというのは意外と面白くて、ついハマってしまいますわね」

鈴谷「でしょー、それおすすめなんだー!」

熊野「戦うために改造された少女が、ペアを組む男性と共に……なんだか、少し共感してしまいますわね」

鈴谷「まー、わたしたちは提督一人だけだけどね!」

熊野「………。わたくしはそれでも構わないのですが……、あなたは寂しいのではなくて?」

鈴谷「えー。そりゃまぁ、素敵なパートナーがいれば嬉しいけど、提督じゃねぇ……あはは」

熊野「そうですか……では最近ずっと空元気なのは、提督と加賀さんの件とは関係が無いのですね」

鈴谷「えっ………」


熊野「姉妹ですからね、あなたのことはわかっているつもりだったのですが……わたくしの勘違いでしたか」

鈴谷「あ、えっとーー」

熊野「えっと、なんですの?」

鈴谷「ごめん……勘違いじゃない……かも」

熊野「ええ、そうでしょうね。最初から素直にお話なさいな」

鈴谷「……ごめん」

熊野「それで。どうしてしょんぼりなさってるの?」

鈴谷「……よくわかんない」

熊野「やれやれですわねー。さ、思ってることをバンバン話して下さいな」

鈴谷「えー。思ってる事っていってもなー。元々、提督は加賀さんが本命だと思ってたけど、ほんとにそうだったんだなー。加賀さんもその気だなー、とか?」

熊野「それから?」

鈴谷「つ、続き……? えーと、そのうち付き合い始めるんだろうなーとか、ラブラブするなーとか、そしたら………わたしは………どうしようかな…………とか……」

熊野「それで?」

鈴谷「そ、それで……? え、そ、それで…………。その、提督が遠くなっちゃうなー……寂しいな……いやだな…………(ぽろぽろ)」

熊野「はい、よく言えました。よしよし(なでなで)」


熊野「落ち着きまして?」

鈴谷「(ぐす)……うん………」

熊野「それで、どうなさるの?」

鈴谷「どうって……?」

熊野「わたくしは恋愛には詳しくありませんが、こういう場合、諦めて泣くか、戦うか、のどちらかですわよね?」

鈴谷「戦うって……加賀さんと? わたしの瑞雲じゃ数が足りないよー」

熊野「馬鹿な事を言わないの。わかってるんでしょ?」

鈴谷「うーん……、でも、提督が加賀さんを好きなんじゃ、もうどうしようも……」

熊野「あら、でもその割には、お二人はあれ以来も特に変わらない関係ですわね」

鈴谷「……そうなんだよね。もう2週間経つのに、変わらず仕事してるだけだもんね」

熊野「諦めるのはまだ早いのではなくて? それに、どうせなら、ちゃんと戦って、それなら負けてもすっきりしますわ」

鈴谷「……そうだね。うん、そうだね。とりあえず逃げまわるのはやめて、できることをやってみようかな……」

熊野「あら、連日部屋にこもってマンガ三昧なのは、やっぱり逃げていたんですのね?」

鈴谷「あ、あは、あはは。なんか元気でなくて~」

熊野「最上さんも三隈さんも心配されていたのですよ? もちろんわたくしも。姉妹なんですから、もっと頼ってくださいまし」

鈴谷「(うるうる)うわーーーん、くまのん、ありがとう!(抱きつき)」

熊野「こらっ……、もう、くまのんって呼ばないでって言ってますのに(なでなで)」


―――――― 厨房

加賀「……何故かしら、鉄球みたいなおにぎりになってしまいました」

蒼龍「加賀さん、入れるのは力じゃなくて愛情です! どんだけ力をいれたら、こんな圧縮されたライスボールになるんですかっ!」

飛龍「蒼龍ー、卵ってどのくらい茹でてればいいのー?」

蒼龍「あ、もう火を止めて。で、2分後にそっちの冷水に移動してねー」

飛龍「はーい」

赤城「味見はちゃんとしないと……。この御飯も、この玉子も……」

蒼龍「うわー、明日大丈夫かなぁ」


――――― 金剛の部屋

榛名「このティーセット、とても素敵ですね」

金剛「榛名は華やかなのより落ち着いたのが好きなのネー。明日はそれを持って行きましょう!」

榛名「……突然押しかけて、お邪魔じゃないでしょうか……?」

金剛「Tea Timeはとっても大切ネ! それでお仕事が遅れたら、一緒にお手伝いすればいいネ!」

榛名「そっか……。そしたらその後も一緒にいられますね」

金剛「Nice ideaデショー?」

榛名「あははは……はい、なんだか楽しくなってきました!」


――――― アイテム屋

鈴谷「うーん、こんなものかな?」

明石「お菓子、ずいぶん買い込むんですね」

鈴谷「あははは。そろそろ在庫が無くて……。あ、そだ明石さん、提督が好きなおやつって知りませんか?」

明石「そうですねー、芋ようかんとか干し芋を良く買って行かれますが……」

鈴谷「しぶっ! おじいちゃんかっ! でもまぁ、わたしも好きだけど。じゃあ、芋ようかんもひとついただけますか?」

明石「あら、提督に差し入れですか?」

鈴谷「あはははは! いやぁ、まぁ、たまにはねっ」

明石(鈴谷さんも諦めないことにしたのかぁ。この明るさや積極性は、とっても眩しい……。加賀さんも油断できませんね)

漫画はガンスリかな?
あと霧島って榛名呼びじゃなかったっけ?


本日投下分は以上となります。

続きはまた明日予定です。亀の歩みで申し訳ありませんが、よろしければまた是非お越しください(o_ _)oペコリ

>>88
マンガは……ご想像にお任せしますっ。
霧島さんは、図鑑コメントでは「榛名には負けません」と言っていますが、ポジション的に、姉たちに振り回されて苦労する末妹というイメージで捉えていますので、呼び捨てはやめておきました。イメージが崩れてしまったようでしたら申し訳ない。

なんか金剛の口調に違和感が、気のせいだったらすまん

>>91
口調の問題では、前に別のスレでも問題にされて、未だに悩み中なところです。

金剛の言葉といえば、末尾が「デース!」のイメージが強いですが、これは提督に対する丁寧語「です」なんですよね。
じゃあ、金剛が、自分の妹との日常会話で、「ですます」口調で話すかというと……筆者的には違和感がありまして。
ですので、ここは話している相手と場面(姉妹だけでのプライベートな会話)という補完で見ていただけると嬉しいです。


いろいろアドバイスありがとうございます。しかしながら……、あくまで二次創作でありまして、>>1で書きましたように、口調やキャラ設定などはオリジナルどおりとは行かない点が多々あるのはどうぞご了承下さい。

筆者はゲームでは遊んでおりますが、アニメやCDなどは残念ながら楽しんでおりませんで、それらの情報を前提にした書き方は難しいのです。

自分で書きたいから&少しでも楽しんでくれる人がいたら、と思って書いているわけですが、投下すると、乙をいただけるどころかひたすら添削的なレスがつくと元気がなくなり申す……。ちょっと元気出るまで続きはお休みです。申し訳なし。

先日は失礼しました。
これの前のスレでもひたすら口調に関する指摘ばかりでうんざりしていたところで、ちょっと感情的に……。

始めた以上は終わらせる! ということで、少しペースは落ちますが続けます。


――――― 翌日

蒼龍「こちらポイントA、敵影未だ確認できず。どうぞ」

赤城「ポイントBも敵影無し。引き続き監視任務に当たります、どうぞ」

蒼龍「了解、それぞれ持ち場を死守で行きましょう、どうぞ」

赤城「了解、お腹がすきましたが耐えます!」


飛龍「どちらから来るか……どのくらい来るか……」

蒼龍「ちょっと予想がつかないけど、死守しなくちゃ!」

飛龍「もう少し仲間がいれば……偵察範囲も拡大できるんだけど」

蒼龍「しょうが無いよ。でも、重要なポイントはおさえているから、索敵漏れで突破されることは無いはず……」


――――― 提督執務室

提督「ふー、もう昼か。仕事が多いと時間が立つのも早いな」

加賀「そうですね。と、と、ところで、もうお昼なのですが」

提督「? あ、ああ。お昼だよな」

加賀「お昼ですね!」

提督「?? ……お昼がどうした?」

加賀「…………これを……よろしければご一緒に……」

提督(お弁当……だと……? まて、落ち着け俺……。加賀は料理できるのか……いや、何が出てきても……比叡カレー並だとして……食べる!)

提督「すまんな、わざわざ用意してくれたのか。もちろん頂こう」

加賀「で、ではお茶を入れますので少しお待ちください! (いそいそ)」

提督(かわええなぁ……。俺もう我慢するの無理かも……)


――――― 同時刻

タマゴヤキー タマゴヤキー

赤城「!!! こちらポイントB! ターゲットZが接近中! どうぞ」


カレーダヨ カレーダヨ

蒼龍「!!! ポイントAには、ターゲットH来襲! 戦艦クラスですのでこちら二人で当たります、どうぞ」

赤城「了解! こちらは軽空母単艦と思われます、わたしの方で対処します!」


オソバ オソバ

飛龍「!! 蒼龍、こっちからはターゲットMがっ」

蒼龍「そっちは任せるね。くっ、この戦力で防ぎきれるか……」


赤城「瑞鳳ちゃん、実は今日はごにょごにょごにょ……」

瑞鳳「えー、それなら言ってくれれば協力したのにー。あ、じゃあ赤城さん、玉子焼き、かわりに食べますか?」

赤城「たべりゅ~~~」


比叡「えー、せっかくカレー作ってきたのに……」

蒼龍「ごめんなさい、大事な執務で今は誰も入れちゃダメだそうなので……(嘘だけど)」

比叡「じゃあ、蒼龍さん、代わりに食べない?」

蒼龍「!!!! (この色……この匂い……) え、えっと、わたし、任務があるから……(ダラダラ)」

比叡「ちぇー」


飛龍「そういうわけで、提督はいそがしいの。ごめんね、メロンちゃん」

夕張「だれがメロンちゃんですか! せっかく提督にお蕎麦おごってもらおうと思ったのに残念っ。今日は一人で天ぷらそばしてきます!」

飛龍「うん、いってらっしゃーい」


蒼龍「なんとか……死守しないと……」


――――― 同時刻 提督執務室

提督「ゆでたまごなんてひさしぶりだな。美味い!」

加賀「ありがとうございます/// おにぎりもどうぞ」

提督「あはは、やっぱり加賀は料理はまだ練習中なんだな。形がバラバラだ」

加賀「(むっ) ふん。それなら食べなくて良いです」

提督「わははは、むくれるなって。お弁当作るために、がんばって練習してくれたんだろ。ありがたく頂くよ」

加賀「/// 味は保証できません」

提督「ん、うまいうまい(ちょっと握りすぎだけど)」

加賀「良かった……、こちらは鮭で、こちらがこんぶです」

提督「ああ、じゃあひと通り食べていこうかな。加賀もどうぞ……って作ってもらった身で偉そうだけどな」

加賀「い、いただきます……(二人で一緒にお弁当……しあわせ)」

提督「昼になると誰かが突撃してくることが多いんだが、今日は静かでいいな(もぐもぐ)」

加賀「そうですね……二人っきりなんて嬉しいです……って! 何でもありませんっ///」

提督(うっわー、真っ赤。破壊力あるなぁ……)


――――― 同時刻 廊下

蒼龍「こちらポイントA、そろそろ時間です、撤収します。予定地点で合流しましょう。どうぞ」

赤城「ふ、ふぁい(もぐもぐ)。撤収了解。こちらもすぐに向かいます」

飛龍「ふー、何とか凌げたね。お疲れ様!」

蒼龍「こうやって見ると、ライバルやっぱり多いね。加賀さん、よっぽど頑張らないと」


飛龍「あ、赤城さん、お疲れ様でした。って、あれ、瑞鳳ちゃんも?」

瑞鳳「こんにちは! 赤城さんから事情うかがいました。わたしも応援するのに~~」

蒼龍「おお、仲間が増えた! じゃあ、是非協力してねっ」

赤城「瑞鳳ちゃんの玉子焼き、すごく美味しいです。是非、加賀さんに教えてもらわないと!」

瑞鳳「えへへ~ ///」

蒼龍「じゃあ、今夜のお弁当作りには是非参加してね!」

瑞鳳「はい、喜んでっ!」


――――― 少し後 提督執務室

提督「ふー、食べた食べた、ごちそうさま!」

加賀「はい、お茶です、提督」

提督「ありがとう(ずずー)」


ホーホケキョ ケキョケキョ

加賀「穏やかですね……」

提督「ああ。いつも賑やかだから、なおさら静かに感じるな」

加賀「そうですね……わたしはどちらかと言えば、静かなほうが好きです」

提督「俺は賑やかなのも好きだけど……加賀との静かな時間は心地よくていいな」

加賀「/// そ、そうですか?」

提督「ああ。緊張したり、無理にしゃべらなきゃ!みたいなプレッシャーが無くてな。無言でも静かで穏やかな感じがする」

加賀(な、長年連れ添った夫婦みたいな……)

提督「これからも、こういう時間が持てたらいいな。これも加賀のお弁当のおかげだ。ありがとう」

加賀「/// あ、明日も作ってきます!」

提督「はは、無理しない程度でな」


――――― 15:00 提督執務室

加賀(むす~~~~~~)

榛名「提督、今日のティーセットは榛名が選びました……いかがですか?」

金剛「chicで素敵デース!」

提督「あ、ああ。上品でいいな」

榛名(ぱぁぁ)「そ、そうですか。榛名嬉しいです」

加賀(イライライラ)

金剛「紅茶は、わたし秘蔵のF&Mのアールグレイデース! 提督ー? 美味しいでショー?」

提督「うん、これは良い香りだ」

榛名「素敵です!」

加賀(ムカムカムカムカ)

提督「でも珍しいな、二人でお茶持ってくるなんて」

榛名「昨夜、金剛姉さまのテラスで姉妹でお茶しまして。そこで、明日一緒に提督のところに行こうって……」

金剛「榛名がネー。提督ともっと仲良くしたいのにモジモジしてるから、応援するのデース! もちろん、わたしの仲良くしたいネ!」

榛名「そ、そんな……榛名は………(もじもじ)」

提督「あ、あはは、そっか……(ダラダラ)」

加賀(怒)

榛名「提督、金剛姉さまのテラス、すごく素敵なんですよ。アフタヌーンティーセットも素敵ですし」

提督「そ、そうか。さすが金剛だな」

金剛「是非提督にも来て欲しいデース! 是非是非っ」

提督「そ、そうだな、そのうちおじゃましようかな……」

加賀(イライライライラムカムカムカムカ)


―――――― 18:00 提督執務室

加賀「…………」

提督「空気が……重いなー……どうしたのかなー………」

加賀「おかしいですね、わたしとの静かな時間は心地良いのではなかったのですか?」

提督「そ、そうなんだけど、なんだろう、いつもと違って空気が重いなー……とか(ビクビク)」

加賀「それは、もしかしたら提督にやましいところがあるからかもしれないですね」

提督(怖い~~)


コンコンコン

鈴谷「提督ー、ちーっす!」

提督「お、おう鈴谷。どうした?」

鈴谷「そろそろお仕事終わりだろうから、お疲れ様の差し入れだよー」

提督「……雨でも降るのか?」

鈴谷「あー、失礼しちゃうっ。ほら、芋ようかん」

提督「おおお、とらやの芋ようかんじゃないか。大好きなんだよー」

鈴谷「お、提督の好物だったんだ。なら良かったよー(明石さんせんきゅっ)」

加賀(ムカムカ)

提督「うん、うまいっ」

鈴谷「へー、美味しい。おじいちゃんっぽい食べ物だと思ったけど、こんな美味しいんだね」

提督「失礼なっ! さ、加賀もせっかくだから頂こうぜ」

加賀「……(もぐもぐ)」

鈴谷「提督、美味しく食べたね?」

提督「? ああ、うまかった、ありがとう」

鈴谷「さ、じゃあお返しは間宮さんのお店かな。期待しちゃうなー(ちらっ)」

提督「ぐ、ぬぬ……。食べてしまったからには仕方ない。今度な」

鈴谷「わーい! 楽しみにしてるよっ」

加賀(怒)


――――― 少し後 提督執務室

加賀「……………………………………………」

提督(沈黙が……重い……)

提督「な、なあ、加賀……?」

加賀「明日は、金剛さんのところでお茶を飲んで、鈴谷さんと間宮さんのお店にお出かけですか。執務が滞ってしまいますね。大変です大変です」

提督「い、いや、まぁ、また今度という話をしただけだから! 仕事をほっぽったりはしないぞ。うん」

加賀「あら? モテモテの提督は、デートのお約束をなさっていたように見えましたが?」

提督「そんなわけじゃない、ほんと。なぁ、機嫌直してくれよー」

加賀「わたしはいつも通りですが。提督に何かやましいことがあるのでは?」

提督(そんな、敵を睨むような目で見られても……はぁ、仕方ない。ここはポリシーを曲げてでもなんとかするか……)

提督「なんだか機嫌損ねちゃったみたいだし、お詫びに、夕食をごちそうするよ。とは言え今日は会議があるから、明日な」

加賀「夕食……ですか……?」

提督「ああ。俺は一応上官だから、誘われたら断りにくいだろ? だから、プライベートで夕食を誰かと食べたこととか無いんだよ。でも、加賀なら許してくれるかなと」

加賀「………」

提督「あ、あれ?」

加賀(夕食……二人きりで……デートのお誘い………はじめての………)

加賀(し、しかも大人同士で夕食をっていうことは……そ、その後も………)

提督「あのー、加賀さん……? もしかして、まずかった?」

加賀「い、い、いいえ! はい、明日の夕食ですね。よ、喜んで ///」

提督「あ、ああ。じゃあ明日はそういうことでよろしくな。今日もお疲れ様でした!」


今日はここまでとなります。次は日曜日か月曜日あたりに更新予定です。


――――― 夜 飛龍と蒼龍の部屋

飛龍「やった! デートのお誘いじゃないですかっ!」

赤城「加賀さん、おめでとう!」

加賀「/// あ、ありがとう……さすがに気分が高揚……ゴニョゴニュ」

蒼龍「ブツブツ……ブツブツ……」

赤城「提督が夕食を誰かに誘うのって、わたしは聞いたこと無いですね」

加賀「え、ええ。上官に誘われると断りにくいだろうから、誰も誘わないようにしていたと言っていました」

飛龍「うわっ! じゃあ、特別なんだ~。進展してるなー、いいなー」

加賀「と、とは言え、きっと鳳翔さんのお店でしょうから、まわりにみんな居て、二人っきりみたいな感じにはならないわ!」

蒼龍「あまいっっっ!!!」

飛龍「うわっ、びっくりした!」

加賀「な、何かダメでしたか?」

蒼龍「あの堅物提督がデートに誘うなんて、千載一遇のチャンスですよ! それをみすみす潰すなんて、あってはならないことです!」

飛龍「確かにすごいチャンスだよね。うんうん」

赤城「チャンスというのは……もしかして……」

蒼龍「そうです! ここで一気に恋人になるんですっ。明日の夜が決戦です!」

加賀「!!! ……決戦……!」

蒼龍「そうです、ここが天王山です。ニイタカヤマノボレです、MI作戦です!」


蒼龍「まず、夕食は二人っきりで、誰も邪魔が入らない場所にしましょう」

赤城「えっと、とはいえ鎮守府内で食事といえば鳳翔さんのお店になってしまいますね」

蒼龍「いえ、二人きりになれる場所はたくさんあります。そこで食事です!」

飛龍「あ、じゃあ、鳳翔さんのお店で良いお弁当を作ってもらって、どこか外で食べるとかいいんじゃない?」

赤城「それなら、高台のテラスとかいかがですか?」

蒼龍「それいいですね! 採用っ。では、飛龍、早速ですが、鳳翔さんのところに行って、明日のお弁当の手配をっ」

飛龍「らじゃ! 行ってきますっ」

蒼龍「赤城さんは、現地に行って、様子を確認してきて下さい。灯りが必要かどうかなどなどを」

赤城「はい! 偵察任務に向かいますっ」

蒼龍「わたしは加賀さんと、明石さんのお店に行ってきますので、後ほどまたここで!」

加賀(て、展開が早すぎてついていけないわ……蒼龍さん、これほどまでとは……)

加賀「あ、あの。夕食はそれで素敵だと思うのですが、なぜ明石さんのところに」

蒼龍「お洋服の手配に決まってるじゃないですか! 加賀さん、勝負服とか持ってないですよね?」

加賀「え……この服装ではダメなのですか?」

蒼龍「ダメに決まってます! さ、行きましょうっ」


――――― 明石さんのアイテムショップ

蒼龍「というわけで、加賀さん用のパーティードレス一式を、何とか明日までに作れませんか?」

明石「えっと、採寸さえしてしまえば、あとは装備と同じように妖精さんに作ってもらえると思いますが……」

蒼龍「では早速お願いします!」

加賀「よろしくお願いします」

蒼龍「時間かかるでしょうから、わたしは先に戻って、作戦をねっておきます!」

明石「では、あちらで採寸しますねー。あとデザインの希望とかも詳しく」

加賀「わたしはそういうのは全くわかりませんので、おまかせします」

明石「えー、わたしも詳しくないんですよねー。後で蒼龍さんにアドバイスいただきますか」

加賀「そうして下さい。彼女はわたしよりずっと女子力が高そうです」

明石「あはは、加賀さんから女子力なんて言葉が出てくるなんて! 数値測定しますか?」

加賀「……遠慮しておきます……明日に向けて自信が無くなってはこまりますし……」

明石(加賀さん、明日はデートかぁ。でも、告白できても、提督はきっと……)

明石「はい、では両腕をちょっと上げてくださいねー。うわ、思ったより大きい!普段は胸当てでおさえてるんですね」

加賀「///」

明石(どうしよう……。わたしには提督の苦悩がなんだかわからなかった……。でも加賀さんなら、わかるんじゃないかな……)

明石「加賀さん、ハイヒールは履いたことありますか?」

加賀「いえ、まったく」

明石「うーん、それじゃあ突然ハイヒールは危ないかな。じゃあ、ローヒールのパンプスにしましょう」

加賀「どういうものかわかりませんがお任せします(夕食を食べるだけでこんなに難しい話になるなんて……)」


明石(提督のこと、勝手に話すのはルール違反だけど……知らずに告白したら、悲しい終わりになるのは目に見てる……)

明石(提督は……孤独だ。鎮守府でただ一人の男性、ただ一人の人間。それを乗り越えて彼を救えるのは……今は加賀さんしか居ないと思う)

明石(……提督、ごめんなさい)

明石「加賀さん、わたし、これからちょっと独り言を言います」

加賀「??? 独り言ですか?」

明石「はい、ですので、聞こえちゃったら知らないふりをしていただけますか?」

加賀(明石さんがいきなりこんなことを言うなんて……きっと大切なこと)

加賀「はい、聞こえないふりをしておきますね」

明石「あはは、ありがとうございます」


明石「この間、提督に無理やり飲ませて聞き出した話、いろいろ考えちゃうなー」

明石「加賀さんのことを特別に思っている。本当に深く理解して、大切に思ってるっていうのが伝わって素敵だったなー」

加賀「!!!」

明石「それなのに、恋愛感情を封印して、上官と部下の関係に徹しようとする気持ちは。全然理解できなかったなー」

加賀「………」

明石「最近、加賀さんが魅力的すぎて、その自制心も危ないって言ってたけど」

加賀「/// (えへへ)」

明石「でも……それでも提督は、きっと自分をおさえちゃうんだろうなー」

加賀「………」

明石「加賀さんともし恋人になれるとしたら、二人で一つ覚悟をする必要があるって言ってたなー。それが鍵だと思うんだけど、難しくてわからないやー」

加賀(覚悟……)

明石「はっ! 絶対に誰にも言わない約束の話をうっかり口に出していました(棒)。加賀さん、聞こえてませんでしたよね?」

加賀「はい、わたしには何も聞こえていません」

明石「あは♪ ありがとうございます」

加賀(明石さんありがとう……。約束を破らせてしまってごめんなさい……。きっと無駄にしません)


――――― 少し後 廊下

加賀(やっぱり……提督はわざと距離を置いていたのね)

加賀(わたしを特別に見てくれている……大切に思ってくれている。それはすごく嬉しい……)

加賀(でも距離を置く。提督のことだから、その理由はきっと、自分のためではなく、わたしのため。あの人はほんとにバカなんだから)

加賀(恋愛関係になることで、わたしが悲しむ、苦しむようなことが起こる、きっとそういう理由だ。それは一体何……?)

加賀(他の鎮守府では、提督と艦娘が男女の関係になるなんてよくあることだと聞くから……艦娘とは愛し合えないという話ではないわよね)

加賀(きっとわたしの問題だ。わたしはどんな時に悲しんだり苦しんだりするか……それを乗り越えるための覚悟……)

加賀(すぐに答えは出そうにないけれど、必ず……!)


加賀「もどりました」

赤城「加賀さん、おかえりなさい」

蒼龍「おかえりなさい、お洋服はいかがでしたか?」

加賀「採寸は完了とのことです。あとはデザインをどうするか、蒼龍さんの意見がほしいとのことです」

蒼龍「了解です! 後ほど明石さんのところにうかがいますね。ではこちらの報告を!」

飛龍「はいっ。明日の夕食は、鳳翔さんが、お重箱でとっても美味しいお花見弁当を作ってくれるそうです!」

赤城「高台のテラスからはちょうど桜も見えて、素敵でした! ですので、お花見を兼ねた夕食という感じでお誘いすればバッチリかと!」

加賀「素敵です。何から何までありがとうございます(ぺこり)」

蒼龍「段取りとしては、執務終了後、提督にお弁当を取りに行ってもらって、そのままテラスに運んでもらいます。その間に加賀さんは着替えて、現地で落ち合う……っていう感じで!」

加賀「りょ、了解です。もう緊張してきました……」


――――― 少し後 厨房

瑞鳳「で、これが玉子焼き専用のフライパンです」

飛龍「おー!これは便利だね!」

加賀(しゃかしゃかしゃかしゃか)←かき混ぜ中

赤城「いろいろ工夫があるんですねー……」


……

瑞鳳「うんっ。形はちょっとアレになってしまいましたが、おいしいです!」

加賀「瑞鳳、ありがとう。こんなにうまくできるなんて……」

瑞鳳「加賀さん、すごく上手です。すぐに追いつかれちゃいそうですよー。わたしもがんばらなきゃっ」

飛龍「師匠のお墨付きですね!」

赤城「瑞鳳ちゃん、わたしにも今度教えてね」

瑞鳳「はい、よろこんで!」


潮「あれ、みなさん、こんな時間にどうされたんですか?」

瑞鳳「あ、潮ちゃんこんばんは~」

飛龍「加賀さんがね、提督に食べてもらうお弁当を作っていて、みんなでお手伝いしてるんです」

加賀「手伝ってもらっています」

潮「……それなら是非わたしにも手伝わせて下さい。おにぎりならわたしでもできますからっ」

瑞鳳「わーい、じゃあこっちで一緒にやろ~」

加賀「ありがとう」


……

潮「あの、加賀さん……?」(にぎっにぎっ)

加賀「なあに?」(にぎっにぎっ)

潮「わたしは……その……恥ずかしがりで……いろんなことが上手くできなくて、自信が無くて……」

加賀「そんなことはないですよ」

潮「いえ……そうなんです。それで、強い人、自信をもって生きてる人……加賀さんみたいな。そういう人たちが羨ましくて」

加賀「……」

潮「でも、わたしはそういう人たちとは違うから仕方ないんだって思ってたんです。でも……」

加賀「でも……?」

潮「加賀さんが、提督が好きで、すごく恥ずかしがったり、がんばったりしてるの見て……。加賀さんも実はそういう弱いところがあって、でも凛々しく戦ってたんだってわかって……」

加賀「……(こんな小さな子にまで……泣きたい……)」

潮「わたしも、もっと成長して……恥ずかしがりな性格でも強くなれるかなって……上手く言えないんですが……」

加賀「………」


加賀「わたしは……自分のことが好きではないです。感情表現が苦手で、周りを困らせたり怖がらせたりします」

潮「!!! そ、そんなっ」

加賀「正直に言えば、明るくて誰とでも仲良く出来る人に憧れます。そうですね、金剛さんのような。あんな風になれたらどれほどいいか、そんなふうに思ったりします」

潮「……加賀さんも、コンプレックスをもったり、誰かに憧れたりするんですね……」

加賀「もちろんです。提督とのことも……いざ好きになってしまったら、ちっとも上手く立ち回れず……これなら深海棲艦を相手にしている方がよほど楽です」

潮「あは」

加賀「でも……。今回の件で、あなたや瑞鳳みたいな、これまでほとんど話もできていなかった人たちと仲良く出来て……それはとても嬉しいです」

潮「そんな……わたしの方こそ、すごくすごく嬉しいです」

加賀「ありがとう。こうして、これまでできなかったことができて……少し自分のことが好きになれそうです」

潮「わた、わたしもです。思い切って加賀さんとお話出来て……少し自信が持てそうです!」

飛龍「お二人さーん、良いお話してるところに水をさして申し訳ないけどー。お話に夢中で、おにぎりがすごい数になってるよー」

潮「ひゃあ! 手が機械的に動いてました……作りすぎですね」

加賀「これはさすがに多すぎます」

赤城「じゃあ、みんなで少し食べちゃいましょうっ」

瑞鳳「さんせーい。お夜食お夜食!」

加賀「ふふふ……。そうですね、ではお夜食にしましょうか」


――――― 廊下

瑞鳳「それじゃあ、おやすみなさい!」

潮「おやすみなさーい」

飛龍「おやすみー!」

加賀「おやすみなさい」

赤城「おやすみなさい」

蒼龍「あ、加賀さん、最後にちょっとだけお話が。みなさんおやすみなさい」

加賀「はい、なんでしょう」

蒼龍「明日の服のことで、ちょっと二人で。デザインはお任せ頂くとして……」

加賀「はい、他に何か?」

蒼龍「加賀さん、勝負下着ってお持ちです?」

加賀「!!!」←ゆでダコ

蒼龍「大事なことですよっ」

加賀「も、も、も……持ってません」

蒼龍「ですよね。ではドレスと一緒に作ってもらいます。ご希望とかありますか?」

加賀「い、いえ……というより、必要ないようなっ」

蒼龍「加・賀・さ・ん・?」

加賀「は、はい」

蒼龍「大人同士なんですよ? 当然ありえるどころか……そこまで持って行ってこそ勝利ですよ!」

加賀「え、え、え?」

蒼龍「提督は堅物です……既成事実さえあれば……」

加賀(ごくり)

蒼龍「それに……加賀さんだって、できれば抱かれたいでしょ……?」

加賀「/// そ、そんなことは……」

蒼龍「正直に!」

加賀「//// (コクリ)」

蒼龍「それならば、きっちり装備を整えて勝利をもぎ取りに行きましょうっ。明日はそのつもりで!」

加賀「は、はいっ!」

加賀(考えることが多すぎて……きゅう~~)


本日投下分は以上となります。また近々続きを。よろしければまたお越しください(o_ _)oペコリ


――――― 深夜 加賀の布団

提督「加賀……、とても綺麗だ。ドレス似合ってるよ」

加賀「/// あ、ありがとうございます。嬉しいです」

提督「そんな素敵なドレスを用意しているということは、きっと素敵な下着も用意したんだろうね?」

加賀「そ、それは……///」

提督「さ、見せてもらおう……」

加賀「い、いやぁ……恥ずかしいです……」

提督「大人っぽい素敵な下着姿だ……。素敵だよ」

加賀「/// あう……」

提督「でも、その下着よりもっと素敵なものが隠れてしまってるね。さ、下着も取らせてもらうよ」

加賀「そ、そんな……まだ心の準備が……」

提督「待てないよ……ああ、やっぱり思った通り。なんて素敵な体なんだ……」

加賀「いやぁ……見ないで下さい……///」

提督「ふふふ……見るだけじゃ済まないよ……。これからじっくり加賀を頂くんだから……」

加賀「ああ………。はい、提督……もらって下さい……」


加賀「あああああーーーー(ばたばた)」

加賀(わ、わたしは何を考えているのっ。お、落ち着くのよ加賀。今考えるべきことはこんなことじゃないのに……)

赤城(加賀さん、明日のこと想像してバタバタしてるのね。友達のよしみです。気がつかないふりをしてあげないと)←同室なので隣で寝てる


加賀(もう、蒼龍さんがあんなことを言うから……いろいろ考えてしまいます……)


……

提督「素敵な下着だね……俺に見られたくて用意したのかい?」

加賀「わ、わたしはそんな……」

提督「だって、いつもは下着も和装じゃないか。でも今日はこんなに可愛いフリルの洋装下着だ…」

加賀「そ、それは……」

提督「さ、正直に言ってごらん? 俺に見られて、脱がされる事を期待して、着てきたんだね?」

加賀「は、はい……。その通りです……」

提督「加賀はエッチで悪い子だな……。これはお仕置きしなくては……」

加賀「はい……お仕置きして下さい……」

……


加賀「って、わあああああああああ!!!(ばたばたばたばたばた)」

加賀(何を考えてるの! これじゃ変な女よ。落ち着くのよ加賀。まずは深呼吸……すーはーすーはー)

加賀(今考えるべきことは、蒼龍さんの話じゃなくて、明石さんのお話。本当に大事なこと……真面目に真面目に……すーはーすーはー)


加賀(あの明石さんが、おそらくは絶対に秘密! という約束を破ってまで伝えてくれたこと。浮ついていないでちゃんと考えなくては……)

加賀(まず大前提として、提督は、わたしの事を特別に大切に思っている………にへへ…………)

加賀(にやけている場合ではありませんでした。おほん。それなのに、恋愛感情を封印して、あくまで上官と部下の関係に徹しようとしている)

加賀(でも、最近はわたしが魅力的すぎて自制心があぶないとか………にへらぁ………)

加賀(はっ! それはいいのです。そこまでして何故自制しないといけないのか? )

加賀(さっき考えたとおり……。あの人のことです。絶対に、利己的な理由ではなく、わたしのために自制している……)

加賀(あの人とわたしが……こ、恋人になったとして……。毎日一緒にいて、一緒にご飯を食べて、一緒の部屋に帰って、そして一緒の……お、お、お布団で…………ドキドキ)

加賀(また脱線しました。恋人関係になることで、わたしが苦しんだり悲しんだりすると思っているから自制している……?)

加賀(……あの人と恋人になることで、苦しんだり悲しんだり……もちろん、そういうことはあるかもしれませんが、どう考えても幸せのほうが大きいはず)

加賀(…………)


加賀「やっぱり……わたしのこと好きじゃないのかもしれない……(しょぼん)」

赤城(か、加賀さん、バタバタしてたと思ったら急にネガティブに! ど、どうしよう、声かけたほうがいいのかしら)


加賀(いえ、落ち着きましょう。明石さんが嘘をつくはずが無いです。大前提として、あの人はわたしのことを……あ、あ、あ、愛してるのです!)


加賀「にへへへーーー(ばたばたばた)」

赤城(あ、大丈夫みたいですね)


加賀(でも、恋人になったらわたしが悲しむと考えている……。別の視点で考えてみましょう。どんな状況であればわたしは悲しむか……)


……

提督「加賀、俺の恋人になってくれ……」

加賀「は、はい。よ、喜んで……」

提督「それじゃあ、加賀は俺の13人目の恋人だ」

加賀「……はい?」

提督「紹介しよう、まずは第1の恋人の金剛だ」

金剛「加賀が13人目ネー! わたしが1人目だから、わたしのことを一番に尊重するデース! 」

提督「第2恋人の愛宕だ」

愛宕「ぱんぱかぱーん! 2人目でーす! 加賀さんよりずっと愛されてるのよ~」

提督「第3恋人は………」

……


加賀「………………殺す」

赤城(ひぃぃぃ、今度は何事ですかー)


加賀(はっ! お、落ち着くのよ加賀。あの人がそんな器用な真似をするはずが無いでしょ。それにいつだってわたしを秘書にして、いつだって側に居たんですから)


加賀「そう……大丈夫……わたしが1番のはず………にへへ………」

赤城(お、落ち着きません……)


加賀(うーん……。恋人になって、わたしが悲しんだり苦しんだりすることを、あの人がするっていうのは、違う気がします)

加賀(あの人はそんな人じゃない……。女の子にとにかく甘いのが玉に瑕だけど……、決して裏切ったりする人じゃない)

加賀(裏切る……? 恋人になった後、幸せな時間を過ごして……それで裏切られたら……わたしはきっと絶望する……そうだ、きっとこれだ。恋人になった後の、裏切り、別れ……。それを避けるために最初から恋人にならないように自制してる)

加賀(でもあの人が裏切るはずが……いえ、もしかしたら、わたしの知らない事情があって……裏切りや別れが訪れる。それがわかっているから……? )

加賀(恋人になるために必要な『覚悟』というのは、じゃあ、別れの覚悟……? )

加賀(…………イヤ。別れるなんて絶対にイヤ。恋人の幸せを味わった後なら、きっと、もっとイヤでしょう)

加賀(でも、その覚悟がなければ……ダメなのでしょうか……)

加賀(いえ、最初から諦めてはダメ。一緒ならきっと……)

加賀(あの人だって……きっと迷っている。明日は、別れを恐れるより、一緒に乗り越える。そんな話ができたら良いのかもしれない……)

加賀(…………)

加賀(提督……愛しています…………)

加賀(zzzzz)


赤城(加賀さんがやっと大人しく……。明日は大切な日になるでしょうから、ゆっくり眠ってくださいね……応援してます………zzzzz)


本日分は以上になります。ひたすら加賀さんの脳内展開なので、ちょっと加賀さん乙女モード全開ですが、脳内ということでご勘弁を。


――――― 翌日 正午 鎮守府廊下

蒼龍「それでは、本日も、二人っきりの昼食防衛作戦を実施します!」

赤城「はいっ!」

飛龍「がんばろう!」

蒼龍「また、本日は心強い援軍も参戦です」

瑞鳳「がんばりまーす!」

潮「よろしく……おねがいいたします!」

蒼龍「配置は先ほどの打ち合わせ通りにっ。強敵の戦艦Kさんや重巡Sさんが来襲した時は、すみやかに援軍を要請すること! 特にKさんの突破力はすさまじいです。数で対抗しましょうっ」

全員「はいっ!」

蒼龍「それでは、作戦開始!!」


――――― 同時刻 提督執務室

提督「ふー、そろそろ昼にするか」

加賀「お疲れ様です。きょ、今日もお弁当があります」

提督「おお、毎日すまんな。ありがたく頂こう」

加賀「お茶、入れますね(うきうき)」


提督「今日はおにぎりがずいぶん多いな(もぐもぐ)。それに玉子焼きも美味い(もぐもぐ)」

加賀「おにぎりは潮さんが、玉子焼きは瑞鳳が手伝ってくれました(にこにこ)」

提督「ほう、そうか。加賀……それは嬉しいな?」

加賀「え……?」

提督「加賀はさ、口には出していなかったけど、小さい子たちから怖がられてるのを気にしてただろ? だから、仲良く出来てよかったな」

加賀「は、はい…… (よ、よく見てる……わたしのことを……)」

提督「最近さ、加賀はすごく感情表現が豊かになって、親しみやすくなってるからな。元々、表に出さないだけで、とても優しい心を持ってるんだ。きっとこれから、もっと多くの子たちと仲良くなれるよ(なでなで)」

加賀「/// (そ、そんな優しい笑顔でナデナデされたら……はぅ~~)」


ホーホケキョ

提督「今日も穏やかだな……」

加賀「ほんとうに……」

提督「そうだ、今日の夕食だが、何か希望はあるか?」

加賀「/// そ、その件ですが……カクカクシカジカ」

提督「おお、花見とはなかなか乙だな。じゃあ俺も秘蔵の酒でも持って行くかな」

加賀「では、1900に現地集合でお願いします」

提督「ああ、今日は天気もいい。夜桜見物には持って来いだ。良い提案ありがとう」

加賀「あの……提督?」

提督「ん?」

加賀「…………いえ、その……」

提督「どうした?」

加賀「か、覚悟しておいて下さい! じゃなくて、楽しみにしています!」

提督「お、おう……」

提督(加賀から強い決意を感じるな……。これは俺も腹を括るしかないかもなー)


――――― 1500 提督執務室

金剛「今日は気分を変えてミルクティデース!」

榛名「葉はアッサムです!」

提督「わざわざ持ってきてくれてありがとう。うん、うまいうまい」

金剛「お口にあってよかったデース!」

榛名「デース! ……です」

加賀「確かに、これは美味しいわ。二人ともありがとう(にっこり)」

金剛「WoW! 加賀に紅茶褒められたのは初めてデース!」

榛名「ミルクティがお口に合いましたか?」

加賀「……いえ、これまでの紅茶もとても美味しかったのだけど……感想を言うことまで思いが至らなくて……。ごちそうして頂いているのに失礼だったわ」

金剛「気にすること無いデース! こうやって美味しいって言ってもらえたから十分デース!」

榛名「良かったら、またご一緒してくださいね」

金剛「それに、加賀は日本茶が得意デスネ。わたしは日本茶の上手な入れ方は知らないので、今度是非教えて欲しいデース!」

加賀「ええ、わたしで良ければ喜んで。その代わり、紅茶のことをもっと教えてね」

榛名「榛名は両方勉強しないとです……」

提督(ああ、今日は和やかだ……。加賀、今日は機嫌がいいみたいだな)


――――― 1700 提督執務室

鈴谷「提督、ちーっす!」

加賀「入室する前はノックしなさい」

鈴谷「あはは、いーじゃんいーじゃん!」

加賀「良くありません」

鈴谷(むむ、加賀さんが通常モードに戻ってる)

提督「おう、鈴谷、どうした」

鈴谷「くっくっく……ツケの取り立てにきたぜ……」

提督「なんじゃそりゃ」

鈴谷「芋ようかんのおかえしー、間宮さんのお店ー」

提督「ああ、はいはい、その件ね」

鈴谷「今日のお仕事終了後にどうよっ」

加賀「…………」

提督「ああ、すまん、今日は先約があってな。また次の機会だ」

鈴谷「えー、残念。お仕事ー?」

提督「いや、今日は加賀と一緒に夕食に出る予定でな」

加賀(い、言っちゃうの? は、はずかしい…… /// )

鈴谷(え……加賀さんとデート! やっぱり二人は進んでるんだ……むぅ)

鈴谷「あ、あはは……そ、そっか。いやいや、それはそれは……。そ、それじゃあ、またの機会に!」

提督「おー」


――――― 18:00 提督執務室

提督「よし、今日はこのぐらいで終わりにしよう」

加賀「はい、お疲れ様でした」

提督「それじゃあ、1900に高台のテラスで待ち合わせだな」

加賀「/// は、はい!」

提督「それじゃあ、着替えていくよ。またあとで」

加賀「は、はいっ」

加賀(い、いよいよね……。お弁当は赤城さんが運んでくれるから、わたしは明石さんのところに行かないと)


――――― 少し後 工廠

明石「あ、加賀さん来ましたね! できてますよー」

加賀「ありがとう、1900集合なので、急がないと」

明石「了解です! 手伝いますのでこちらでどうぞっ」

加賀「え! いえ、着替えで手伝いはちょっと……」

明石「そんなこと言って、ドレスの着かたなんてご存知ないですよね?」

加賀「ぐぐ……。その通りです。では、お手伝いお願いします」

明石「はい、喜んで♪」


加賀「こ、こ、こ……こんな下着……」

明石「ドレスが白基調なので、透けないように白なんですが……装飾にはこだわりましたっ」

加賀「こ、こんな薄いレースでは……その、あまり隠れて居ません……」

明石「この下着姿を見て……我慢できる殿方は居ないと思いますよ……ふふふ」

加賀(ごくり……)

蒼龍「あ、ここでしたか」

明石「蒼龍さん、お疲れ様です」

蒼龍「さ、わたしは髪を担当しますね。今日はハーフアップにしますよー」

加賀「ハーフ……? 半分??」

蒼龍「はいはい、お任せ下さい!」

加賀(もうお任せしよう……)

蒼龍「♪~~」


明石・蒼龍「完成です!」

蒼龍「さ、鏡どうぞ」

加賀「…………驚きました」

明石「なんというか、全然雰囲気が違いますね……びっくりです」

蒼龍「ドレスといっても、すごいドレスだと加賀さんが転びそうなので、膝丈程度で。イメージカラーの白と青を基調にしてますっ」

明石「簡単なアクセサリも用意しました」

蒼龍「用意しておいてなんですけど、加賀さん羨ましいなー。すごい綺麗です。わたしも着たい~~」

加賀「///」

明石「蒼龍さんのドレスも作りましょうか?」

蒼龍「……着ていく場所も……見せる相手もいないっていうね……」

明石「あ、あは、あははは(汗)」

加賀「お二人ともありがとう……。この装備なら自信を持って挑めそうですっ!」

蒼龍「みんなも、邪魔が入らないように防衛作戦を実施してます! どうぞ安心してがんばって!」

加賀「蒼龍さんありがとう。みんなにもお礼を伝えて下さい。それから、明石さん」

明石「はい」

加賀「昨日のアドバイス、本当にありがとう。わたしなりに考えたことを……提督にぶつけてみるつもりです」

明石「はい……是非、がんばってください!」

加賀「ありがとう、行ってきます!」

蒼龍「いざ決戦です! さ、誰かに見られるといろいろ突っ込まれそうですから、ここから港にでて、そっち経由で行きましょうっ」

加賀(いよいよね……。ドレス……すごく素敵だと思うけど……提督は喜んでくれるかしら……)


――――― 同時刻 鎮守府入り口

赤城「それでは、加賀さんデート防衛作戦を開始いたします」

赤城「まずわたし、赤城は、この入口を警戒。夜に外にでる人は滅多に居ませんが、5500t級など、夜に外に出たがる人たちを押しとどめます」

赤城「飛龍さんは、金剛さんを警戒! 『Oh! 二人でお花見なんてずるいデース! わたしも参加するデース!』なんてことにならないよう、十分に注意して下さい」

飛龍「最重点対象をお任せいただき光栄です! 二航戦の誇りにかけて、必ず!」

赤城「五航戦のお二人は青葉さんをお任せします。突撃インタビューや隠し撮りなどが考えられます。ある意味最も警戒すべき相手です」

瑞鶴「確かに一番たちが悪いわね。任せて!」

翔鶴「まずいことに、現在位置がつかめません。早速、索敵に入ります」

赤城「瑞鳳ちゃん、潮ちゃんは、鈴谷さんを警戒して下さい」

瑞鳳「鈴谷さんですかー。なんだか邪魔しそうなイメージじゃないですが……?」

赤城「それがね、提督が鈴谷さんに、今夜加賀さんとデートだって話しちゃったみたいなんです」

潮「提督、オープンですね……」

赤城「ですので、念のため警戒です。よろしくお願いします」

瑞鳳・潮「はいっ!」

赤城「それでは作戦開始! 是非、加賀さんの恋愛成就を実現しましょうっ」

全員「了解!」


――――― 1900 高台テラス

提督(お弁当も受け取ったし、桜も綺麗だし……良いなぁ)

提督(お、人影が。加賀が来たか……今日はゆっくり話をしよう)


提督(え……あれが……加賀か…………?)

加賀(てくてくてく 慣れない靴で歩きにくい……)


提督(満開の桜の下、まるで俺の知らないような……。ちょっと頬を赤らめた、とても凛々しく綺麗な女性が歩いてくる……。もちろん加賀だってわかってるけど……)

加賀「提督、お待たせしました」

提督「あ、ああ……」

加賀(提督が……驚いた顔で見てる……恥ずかしい……)


提督「加賀……」

加賀「ひゃ、ひゃい!」

提督「驚いたよ……。本当に綺麗だ。いつも側に居るキミが……もちろん普段から素敵な人だとは思っていたけど…………こんなに綺麗だったなんて、知らなかった」

加賀「!!!! ///」

加賀(こ、こ、こんな風に褒められたの初めてです。ど、ど、どうしよう)

蒼龍(よしっ! 大成功っ!)←茂みの裏に隠れてます


本日投下分は以上となります。
亀の歩みでなかなか進みませんが、いよいよ決戦です! 続きはまた明日にでも。


提督「加賀がこんな素敵な服装で来てくれるなら、俺もちゃんと気を使うべきだったな。略装じゃなくて第一種を着てくるべきだった」

加賀「いえ……。いつもの軍服がとてもお似合いです///」

提督「ははは、ありがとう。でも今の加賀と並ぶと、王女様と従者って感じだけどな」

加賀「そ、そんな……///」

提督「でも、ほんとに驚いたよ。ドレス姿どころか、洋装を見たのも初めてだもんな」

加賀「実は、明石さんに作っていただいたんです」

提督「明石はドレスまで作れるのか……すごいな……」

加賀「デザインは蒼龍さんが考えて下さいました。とても感謝しています」

提督「蒼龍はそういうの好きそうだもんな。でも、本当によく似あってる。明石と蒼龍にはほんとに感謝だな。俺も目の保養ができた」

加賀「///」

提督(明石が一枚噛んでるのか……こりゃ、話が伝わってるんだろうなぁ……。ま、このかわいいドレスに免じて、目をつぶるか)


そよそよそよそよ

提督「お弁当も美味しいな。桜もちょうど満開で、最高だ」

加賀「はい……幸せです……」

提督「俺は写真って全く撮らないんだが、今日ばかりはカメラが欲しくなるな」

加賀「桜、残して置きたいですか?」

提督「いや、この桜の下に居る加賀を撮りたい。なんかな、夢の景色みたいだから、証拠を残しておきたいと思ってさ」

加賀「/// 夢……ですか?」

提督「ああ、びっくりするほど綺麗な満開の桜に、見たこともない綺麗な加賀だろ。幻想的でさ。なんか夢みたいな気がするのさ」

提督(ちなみに、ドレスからいまにもこぼれそうなおっぱいを写真におさめたいという気持ちもある)

加賀「もう! あまりお世辞を言っても何もでませんよ♪」

提督「あはは、慣れない褒め言葉を使っても世辞にしか聞こえないか。俺も修行が足りないな」

加賀「ふふふ…………」

提督「そうそう、酒持ってきたんだ。小ビンだけどな。加賀は天狗舞が好きだと聞いたけど、今日は俺の好みの方で」

加賀「久保田ですか。新潟のお酒ですね」

提督「しかも萬寿だぞー」

加賀「素敵ですね。では少しだけ……」


提督「じゃあ、乾杯」カチャン

加賀「口当たりがなめらかで、とても美味しいですね」

提督「ああ。ちびちび飲むには最高の酒だと思うぞ」


そよそよそよそよ


提督「昼と同じ話になってしまうが……静かだな……」

加賀「ええ、本当に……」


そよそよ


提督(俺は……加賀を愛してる。加賀も俺を愛してくれてる。この不器用な子が、みんなの力を借りてまで、一生懸命アピールしてくれているのは、本当に心から嬉しい……)

提督(俺はどうすべきだ……初志貫徹すべきなのか……流されるべきなのか……)

加賀(て、提督……じっと見過ぎです……ど、どうしよう……こんな時はどうしたら……)

提督(いや……まずはちゃんと話をしよう。明石からきっと話を聞いてるだろうが、俺の口からしっかりと話して、その上で、加賀の気持ちを聞けばいいんだ)

加賀(……違う。とても真剣で……悲しそうな目だ……。多分、今、提督は苦悩してる……。それこそがわたしが聞きたいこと、話したいこと……)


提督「加賀」

加賀「はい、提督(ドキドキ)」

提督「明石から、どこまで聞いた?」

加賀「!!! な、何のことですか。わたしにはさっぱり」

提督「あはは、嘘が下手だな。まぁ、おおまかに聞いたぐらいの感じかな」

加賀(しょぼん)

提督「さて、俺もちょっと腹を括る」

加賀「??」

提督「加賀……。俺の勘違いじゃなければだが……。君は、俺のことを一人の男として愛してくれている。それで、俺にがんばってアタックしてくれている。そう考えていいか?」

加賀「!!!!」

蒼龍(き、きたーーー!)

青葉(き、きたきたきたきた!)←盗聴中


加賀(し、舌が動かない……心臓が飛び出そう……、お、落ち着かないと……)

提督「…………」

加賀(提督が待ってる……。穏やかに微笑んで……。余裕たっぷりなのが憎たらしい……)

加賀(よし、落ち着いて……落ち着いて……)


加賀「はい……。提督、愛しています」

蒼龍(うはーーー、きたきたーーー!)

青葉(おお、ド直球! これは決まった!)


提督「そうか……。ありがとう、とても嬉しい……。だが……、この返事は予想済みかと思うが……」

加賀「……」

提督「俺は、恋愛感情は封印している。加賀のことはとても大切に思っているが、あくまで部下としか見ていない。すまない……」

加賀「……(わかっていたけど……それでも目の前が真っ暗に……)」

蒼龍(そ、そんなバカな!! 絶対うまくいくはずなのにっ)

青葉(えええええ! そんな、予想外ですよ~~~)


加賀(……加賀、落ち着くのよ。ここまでは予想通り。わたしは、ここからさらに踏み込むために、ここに来ているのよ)

加賀(応援してくれた皆さんのためにも……こんな程度でくじけるわけにはいかない!)

加賀「提督、確かにそのお返事は予想通りです。でも、今日はその先まで聞かせて下さい」

提督「……その先というと?」

加賀「提督は、わたしのことを一人の女として愛しているはずです。それを、何らかの理由で押さえつけている……。そうですよね? 」

蒼龍(!!! 加賀さん、なんていう自信! 強い! がんばれ!)

提督「…………」

加賀「わたしは、その気持ちを押さえつける理由が知りたいのです」


提督「仮に……君の考えが正しいとして……。理由を知ってどうする?」

加賀「どんな理由であろうと乗り越えてみせます」

提督「なぜそんなに一生懸命に…………って、ははは、聞くまでもないか。俺も幸せものだな」

加賀「その通りです。あなたを愛しているからです」

提督「…………」

加賀「…………」

蒼龍(ハラハラ)

青葉(ドキドキ)

提督「……あははは。明石の援護があったとはいえ、さすが加賀だな。傷つくことを恐れず、まっすぐ迷いなく切り込んでくるその強さ。見事だ」

加賀「……ありがとうございます。お話していただけますね?」

提督「ああ、もう逃げないよ。ただ、この先は君以外には絶対に聞かせるわけにはいかない。だから場所を変えよう」

加賀「……?」

提督「さっきから、悪いやつらが、盗み聞きとか盗聴とかに勤しんでるみたいだからな」

加賀「なっ!!! ///」

提督「加賀の、さっきの『愛してる』って言葉も、バッチリ録音されてるかもだぞー」

加賀(わなわなわな)

提督「では、俺達はこれから場所を帰るが、盗み聞きは上官反逆罪になると思え。なお青葉は明日午後、執務室に出頭すること」

蒼龍(うう、バレていたとは……加賀さん、わたしはここまでです、がんばって…!)

青葉(せっかくのスクープだと思ったのに……それどころか人生最大のピンチかも……)


――――― 少し後 港 埠頭

ザザーン ザザーン ←波の音

提督「寒くないか?」

加賀「いえ、大丈夫です」

提督「そうか」

加賀「…………」

提督「ここなら、さすがに誰も聞いてないな。誰か近づいてきてもすぐわかるし」

加賀「そうですね。ここなら大丈夫だと思います」

提督「長い話になると思う。そのつもりで聞いて欲しい」

加賀「はい」

提督「さて……では、何から話すべきだろうか……」

加賀「……」

提督「そうだな、一番大事なところからにするか。加賀……?」

加賀「はい」

提督「君の言うとおりだ。俺は君を愛してる。ずっと前からだ」

加賀「!!! (一瞬でゆでダコ)」

加賀(うわうわうわうわ……大切な話がこれから始まるのに……ふわふわする……どちらが下でどちらが上かわからないくらい……)


提督「君がうちの鎮守府に着任して……。無愛想でいつもツーンとしてて、瑞鶴とは喧嘩する、他の子たちは怯える……最初は大変だったよな」

加賀「(むっ)……愛想の無い女で悪うございましたね!」

提督「あはは、愛想が無いっていうのは弁護できないなー。でもな、俺は最初のそんな頃から、君がまぶしかったよ」

加賀「……まぶしい……ですか?」

提督「ああ。そうだな……上手く説明できるかわからないが……。人ってそんなに強くないだろ? だから、何かを頑張ろうとしても……なかなか頑張りきれないよな」

提督「必要なラインまで頑張って、そこで力を抜いたり、周りに許してもらえるところまで頑張って、それでやめてしまったり」

提督「でも、たまにさ、高い目標に向かって黙々と頑張る。そういう人っているよな。人から理解されなくても、『そんなに頑張る必要なんて無いのに』なんて陰口叩かれても、自分の決めた目標に向かってひたすら頑張って」

提督「それで、他人との間に軋轢が起きて、つらい思いをしたりしても、泣き言も言わずに黙々とがんばる。そういう、職人気質というか頑固者というか」

加賀「…………」

提督「そういうさ、不器用だけど誰よりも頑張る。そういう生き方が出来る人が、俺にはすごくまぶしいのさ」

提督「まして、命がけの戦いの中で、みんなで生き延びる、そして勝利するために、油断せず慢心せず、ひたすら高みを目指す人は、とても尊敬する」

提督「加賀、君のことだ」

加賀「……わたしは、そんなに立派ではありません……」

提督「俺は立派だと思う。でもな……同時に、とても心配だった」

加賀「……」

提督「高みを目指す人もいろいろでさ。上手に息抜きしたり、周りに理解を広げたり、愚痴や弱音をはける相手を見つけたり……。そんな風に、器用に高みを目指す人もいれば」

提督「ひたすら無言で頑張って……いつか疲れてしまったり、折れてしまったり……。そんな風に、とことん不器用な人もいる。俺は、君がこういうタイプだと思った」

加賀「……不器用なのは……自覚してます……」

提督「あはは、わかっていても器用になれないよな」


提督「高みを目指す強さと、いつか折れてしまいそうな繊細さ。俺から見た君はそういう人だった」

提督「そのまぶしい生き方を応援したいと思った。不器用なところを補って支えたいと思った。そうして近くにいるうちに……」

提督「その不器用に頑張る生き方をとても愛おしく思って……気がつけば君のとりこになっていたよ」

加賀「不器用さを愛されたっていうのは……複雑な気持ちです……」

提督「がむしゃらに頑張る生き方と不器用さのセットに惹かれるのさ。瑞鳳や潮との距離も、それで縮まったんだろ? 」

加賀「あ……そうです、確かにそうです……」

提督「俺はそれを、ずっと前から先取りしてたってわけさ」

加賀「それでも、やっぱり複雑です……」

提督「照れくさい言い方をするなら、その美しい姿と、美しい生き方と……でも不器用で繊細な裏の姿……。そういうすべてを……その………好きになったのさ」

加賀「///」

加賀「ぐす……嬉しいです……はじめて……あなたがわたしの心に踏み込んできてくれた……そんな気がします……ぐすんぐすん……」

提督「ぐは、慣れない事を言うものじゃない……こんなこと、こういう空気じゃないと言えないからなっ」

加賀「うふふ……。でも……それほど愛してくださっていて……それなのに何故……?」

提督「…………」


提督「説明するには、ちょっと話が回り道になるけど、我慢してくれ」

加賀「はい」

提督「……んーっとさ……、君は艦娘で、深海棲艦と戦っているわけだが」

加賀「? はい、そうですね」

提督「俺達は……深海棲艦のこと、艦娘のこと、全然わかってないんだよ」

加賀「……?」

提督「突然、深海棲艦なる存在が海に現れて、人類は海と空を奪われた。その代わり、妖精さんの力で艦娘を生み出せるようになり、奴らに対抗できる力を得た」

加賀「はい……そうですね」

提督「深海棲艦とは何者か? どうやって生まれるのか? どれほどの数がいるのか? 寿命はあるのか? そして……いつか滅ぼして戦いが終わるのか? 何もかもわかってない」

加賀「……」

提督「艦娘にしてもそうさ……。そうだな、例えば、俺がここに来て、もう1年以上経つけれど」

加賀「はい、そうですね」

提督「育ち盛りの駆逐艦娘たちも、身体的には成長してない。それどころか、みんな、髪なんかも一切伸びないだろ?」

加賀「……」

提督「これだけ見ると、艦娘は不老の存在なんだろうって思うよな。でもさ、最初の艦娘が生まれてからまだ数年。寿命を迎えた艦娘がいないから、何年くらい生きられるのか、それすらもわからないんだよ」


加賀(ドキドキドキドキ…………わたしはきっと今、青ざめてる……怖い……)

提督「艦娘は過去の戦闘船の魂と記憶を持って生まれる。生まれた鎮守府と提督に所属し、主を変えたりすることはできない。海から離れると元気がなくなり、動けなくなる」

提督「そういう、短期的に観測できることしかわかっていない。君たちはそういう存在なんだ。未来のことは……おそらく誰もわかっていない」

加賀(確かにわたしは艦娘……人間じゃない……)

加賀「…………提督は…………艦娘が……わたしが人間じゃないから…………恋人にできないんですか?」

提督「いや、それは違うな」

加賀「そ、それでは……?」

提督「むしろ逆だ。俺が、君の恋人になる資格がないんじゃないか? という話なんだよ」

加賀「そ、そんな!」

提督「まぁ、続きを聞いてくれ」

加賀「……」

提督「深海棲艦のことも艦娘の事も何もわかっていない。それは理解してもらえたと思う。だから、この戦いの未来も、まったくわからないんだ」

提督「あと何年、何十年と続くのか、それとも、遠からぬうちに深海棲艦を根絶やしにできるのか……」

提督「では仮に深海棲艦を運良く全滅させられたとしよう。そうしたら、その後艦娘はどうなるんだろうな」

加賀「……というと?」

提督「深海棲艦と艦娘は、普通の兵器では傷つけることができない。艦娘は、命令には従ってくれるが、自分の所属する提督の命令を最優先する」

提督「さて、深海棲艦が滅びました。各地には大勢の提督と艦娘が残っています。この最強の存在たる艦娘は提督の命令しか聞きません。何が起こるだろうな? 」

加賀「それは……想像でしかありませんが……悪い予感しかしません……」

提督「同感だ。では、もっと身近なところで……。深海棲艦を倒すために大規模な作戦が行われる事になった。敵は強くて大半の艦娘が轟沈するような作戦だ。しかし、本営からの命令で、俺に拒否権は無い」

提督「命令に従えば、君や他の子たちを死なせるだろう。では命令を拒否したら……おそらく、反乱罪で俺が拘束されるか、他の鎮守府の艦娘から攻撃されてうちの鎮守府は終わりだろう」

加賀「……………………」

提督「わかってもらえたと思う。俺はね、君を守るどころか、君と一緒に居ること、君を死なせないこと……。そんな大切な事を何一つ約束できないどころか……。高い確率で、君だけでなく鎮守府のみんなを悲惨な結末に導くことになる」


加賀(これが……この人の苦悩…………)

加賀(艦娘のみんなの幸せに心を配り、絶対に轟沈しないように慎重に慎重に戦い……。わたしにはわかる。この人はみんなをとても愛してる……)

加賀(それなのに、おそらくいつかは、皆が逃れられない悲惨な運命に……それを一人で抱えて……いつも微笑んでいたんだ)


提督「な? いつかみんなを悲惨な運命に導く俺が、そのうちの誰かと愛し合うなんて、何か間違ってる。そう思ってるんだよ」

加賀「バカ!!!!」

だだだだ―――――ぎゅーーー


提督「……」

加賀「バカバカ! あなたは大馬鹿です。あなたのほうがずっと不器用です。そんな悩みを一人で抱えて、『悩みなんてありません』みたいな顔でいつもニコニコして」

加賀「あなたはわかってない。わたしが……みんなが……どれだけあなたを大切に思っているかを。それなのに……あなたは……」(ぎゅっ)

提督「……」(ぎゅっ)

加賀「あなたが、わたしたちの幸せのために、必死に頑張っていることぐらいわかってる。あなたは悲惨な運命を導くんじゃない。それを防ぐために……」

加賀「だから、自分がみんなを悲惨な運命に導いているなんて……そんなバカな嘘は言わないでっ!」

加賀「そして、もし、どれほど頑張っても逃れられないような、別れや死の運命が訪れたときには……」

提督「うん……」

加賀「その時は、一緒に死にましょう」


加賀「あなたの苦悩は、わたしやみんなとの、別れの運命や、死の命令を防げないこと。でも、わたしの望みは、あなたと幸せな時間を過ごして……できることなら共に死ねること」

提督「……」

加賀「おそらくは他の子たちも同じ。みんなで……あなたも一緒に……死ねるなら、そんな終わりも素敵です」

提督「……君たちの死は轟沈だ……。海へと還っていくんだ……。その時……俺を連れて行ってくれるか?」

加賀「約束します……。わたしたちはもう運命共同体。わたしは艦娘で、あなたは人間です。でも……死ぬときは一緒です。一緒に海に還りましょう」

提督(ぎゅーー)「ああ、約束だ……」


提督「加賀……愛してる……死ぬその時まで、一緒に居てくれ……」

加賀「ぐす…………はい、喜んで……ぐすん……」

ぎゅー

提督「今までずっと自分を押さえて我慢してきたんだ。だから、歯止めが無くなったらどうなるかわからんぞ」

加賀「……///」

提督「ちゅっ」

加賀「ん…………」


……

加賀「はふ~、はぁはぁ……。提督、情熱的すぎます……(ぼー)」

提督「君が悪い。そもそも、今日の君は綺麗すぎるし可愛すぎる」

加賀「/// そ、そんな……」

提督「真剣に話しながらも、こぼれそうなおっぱいとか、押し付けられるおっぱいで、理性が飛びそうで大変だったんだ」

加賀「……………………スケベ」

提督「スケベで結構。さ、行こう」

加賀「? どちらへ?」

提督「俺の部屋に決まってるだろ」

加賀「!!! そ、そ、そ、それって……///」

提督「そ。君の想像通りだよ」

加賀「そ、想像なんてしてませんっ!(真っ赤)」


提督「ま、何はともあれ、行こう。さ、手出して」

加賀「わ、わたしはまだ承諾していませんっ」(といいつつ手を出す)

提督「長い付き合いなのに、手をつなぐのすら初めてだな。なんか新鮮だ」

加賀「……/// はい……なんだか嬉しいです。舞い上がってしまいます」

提督「せっかくだし、桜の下を通って行くか」

加賀「……はい」


――――― 高台テラス

提督「これからは……桜を見るたびに、今日のことを思い出すかもしれないな」

加賀「ふふ……そうですね」

提督「…………君に辛い覚悟をさせたく無いと思っていた。『そのうち悲惨な死や別れが来るから、その時は俺を道連れに死んでくれ』なんて言うようなものだからな」

加賀「ふふふ……そんな言い方だと身も蓋もありませんね」

提督「でもな……もし君が『わたしが死ぬときは共に死んで欲しい』って言ってくれたら、俺はとても嬉しい。不思議だな、きっと同じ気持ちなんだな」

加賀「提督、人を愛するっていうのはそういうことなんですよ。知りませんでしたか?」

提督「ああ、不勉強にも知らなかったよ。君はよく知ってるな」

加賀「ええ。それはもう。つい先程、あなたに教えて頂きましたから♪」


――――― 提督の部屋

提督「さて、部屋についちゃったぞ」

加賀(バクバクバクバクバクバク き、緊張してきました……)

提督「加賀?」

加賀「ひゃぁい!」

提督「ぷっ……いやー、そこまで緊張されるとおかしいな」

加賀「し、し、し、失礼ですね!」

提督「俺、そんなに怖いかな? 別に変なことはしないぞー……エロいことはするけど」

加賀「え、エロ……!」

提督「って、冗談だよ」 (ぎゅー)

加賀「はうっ」

提督「別に嫌ならしないから。ただ……一緒に居たいだけなんだ。こんな日が来るなんて思ってもいなかったから……。ほんとにな……(ずずっ)」

加賀(!!! 泣いてる……の……?)

提督「俺の悩みを受け止めてくれて、理解してくれて、救ってくれる人がいるなんてな……。もしいるとしたら君しか居ないと思っていた……」

加賀「わたしも、ずっとあなたに支えられて、救われてきました……」

提督「愛してる……(ちゅっ)」

加賀「はふ……ちゅぱ……ちゅっちゅ……わたしも、愛しています」(ぎゅっ)

加賀(あう……お腹に……あたってる……)

加賀「提督、あの……か、硬いものがあたっています」

提督「あ、あははは。いやー、そのへんはもう男の悲しさというやつで、ぎゅって抱きしめてキスとかしちゃうと、それはもう……おっぱい柔らかいし……」

加賀「/// そ、その……提督……?」

提督「ん?」

加賀「ど、どうぞ……その……わたしを提督のものに……シテクダサイ ///」


本日分は以上になります。次回で終わりです。
長々とお付き合いいただきましたが、あと1日、お付き合い下さい(o_ _)oペコリ


――――― 翌朝 赤城と加賀の部屋

加賀(そーっと……そーっと……)

ガチャリ ギー

赤城「おかえりなさい」

蒼龍「おかえりなさい!」

飛龍「朝帰り朝帰り!」

加賀「わあ! な、なんでこんな早朝に……」

赤城「それはもう、気になるからに決まってるじゃないですか!」

蒼龍「あの後、一体どうなったんですかっっ!」

飛龍「朝帰りなんだもん、うまくいったんですよね!?」

加賀「/// その……提督と……恋人にナリマシタ……」

赤城「や、やりました!」

飛龍「やった!」

蒼龍「やりましたね!! 一時はどうなることかとっ!!!」

加賀「みんなのお陰です。本当にありがとう」

赤城「と、いうことは………」

飛龍「やっぱり……提督の部屋から……朝帰り?」

加賀「///」

蒼龍「あーん、うらやましい~~~」

赤城「そ、それで……ど、どんな感じでしたか……?」

飛龍「気になります! 気になります! 」

加賀「そんなこと言えませんっ!! ///」


――――― 少し後 提督執務室

加賀「おはようございます」

提督「ふぁぁぁーーーあ。おはよう~~」

加賀「なんですか、朝から大あくびなんて。たるんでいます」

提督「だってなー。明け方までしてたから、もう眠くてだるくて……。君は元気だなー。もっと激しくしても良かったか……」

加賀「/// ちょっ! し、執務室で何を言っているんですかっ。もうっ!」

提督「あははは。さ、こっちおいで。まだちゃんと朝の挨拶してないからな」

加賀「な、なんですか……?」

提督「おはよう(ちゅっ)」

加賀「/// お、おはようございマス……」

提督「(ぎゅっ) 朝、寝てて、出て行くの気が付かなかったよ。ごめんな(ちゅっちゅっ)」

加賀「あふ……ちゅ……んむ…………ダメです、執務室でこんな……」


――――― 同時刻 執務室扉前

飛龍(う、うひゃー……なんかすごいことになってるみたい)

赤城(よく聞こえませんが……こ、これは……)

蒼龍(うわー、もう、ラブラブ全開だね。あーん、わたしも恋したいよー)

飛龍(う、うわ……更にエスカレート……!)

蒼龍(うわぁ……昨日の今日でもうこんなことになっちゃうんだ……)

赤城(ごくり……加賀さんがこんな声を出すなんて……)

飛龍(これは、絶対誰も近づけられないね!)


――――― 少し後 提督執務室

提督「痛い、痛い、痛いーーー。耳、ちぎれる、許してくれーー」

加賀「悪い人には、このぐらいのお仕置きでちょうどいいのです!! 神聖な執務室でなんてことを……/// 」

提督「いやいやいや、すまんすまん。抑えが効かなくてな。反省したから! (加賀だってノリノリだったのになぁ) 」

加賀「ギロリ」

提督「ハイ……ほんとに反省しました……もうしません」

加賀「結構です。節度を持っていきましょう」

提督「ほんじゃ、気を取り直して執務始めるか……」

加賀「わたしは、誰かさんのせいで汚れてしまいましたので、シャワーを浴びて戻ってきます。しっかりお仕事しましょうね? 」

提督「ハイ……しっかりやっときます……」


ガチャリ

どたどたどたどた

加賀(あの逃げていく後ろ姿は、赤城さんと二航戦の二人……。ま、まさか……聞かれてた!!!)

加賀(ど、ど、ど、ど……どうしよう~~~///)


―――――― お昼前 提督執務室

提督「よし、今日はもう執務片付いたな。おつかれ様」

加賀(/// もくもくもくもく)

提督「加賀ー。機嫌直してくれよー。聞かれてたってしょうが無いじゃないか」

加賀「しょうがなくありません! よりによってこの場所で、あ、あ、あんなことをしているのを聞かれるなんて……ああああーーーー(ガンガン)」

提督「落ち着けって……。次からはちゃんと、扉の外にも気を配るからさ」

加賀「反省の方向が違います!!! 」

提督「あはははは」


提督「ま、それはともかく。今日の執務もあらかた片付いたし、午後は執務お休みにするぞー」

加賀「え……? 」

提督「ちと片付ける用もあってな」

加賀「そ、そうですか……(しゅん)」

提督「夕方、そうだな、1800にまた来てくれ。夕飯一緒に食べよう。さすがに毎日花見とは行かないから、鳳翔さんのお店になっちゃうけどな」

加賀「は、はい! 」


――――― お昼 鳳翔さんのお店

加賀「///」

赤城「ほ、ほんとに、ほとんど聞こえてませんでしたよ(あたふた)」

蒼龍「そうそう。あ、もしかしたら? ぐらいで、ほんとです、ほんと」

飛龍「そうそう、さすがに他の人が来たらまずいから、扉前で防衛してただけなんです」

赤城「そ、そうなんです。さすがにあんな声を、他の人に聞かれたら、加賀さんも恥ずかしいと思いまして……」

蒼龍「あ」

飛龍「あ」

加賀「や、やっぱり聞こえてたんですねーーー! あああああーーー(がんがんがん)」

赤城「し、失敗しました……」

飛龍「ま、まぁまぁ……。でも、正直羨ましかったですよー。恋人と愛しあうのって素敵です……」

蒼龍「いやもう、ほんとに羨ましいです! 」

加賀(うう、どうフォローされても、恥ずかしい……消えてしまいたい……。それもこれもあの人のせい! )


瑞鶴「あ、いたいた。加賀さーん(ぶんぶん)」

翔鶴「こんにちは」

瑞鳳「こんにちはーー!」

潮「こ、こんにちは」

飛龍「こんにちわ。みんな昨夜はお疲れ様! 」

加賀「みんな、昨夜は協力してくださったそうで、ありがとう」

翔鶴「いえいえ、好きでやらせて頂いたことですから」

瑞鶴「それでそれでっ! どうだったのどうだったの!」

瑞鳳「気になる気になる~~」

蒼龍「にっひっひー」

加賀「……無事……その……、提督の恋人にナリマシタ……///」

瑞鶴「うわーーー! やったね、おめでとうっ!!」(抱きつきっ)

潮「加賀さん、頑張ったんですね……。すごいです」

瑞鳳「うわぁぁぁ、おめでとうございますぅ!」

翔鶴「加賀さん、本当に良かったですね。おめでとうございます」

加賀「/// あ、ありがとう」


加賀「で、でもでも。その、あくまで私的なことですし、どうか内密にお願いします」

赤城「え?」

加賀「え?」

飛龍「えっと、それはもう無理だと思います……」

蒼龍「すっごい手遅れだよね……」

加賀「ま、まさか青葉がまた何か! 」

潮「いえ……その……青葉さんはあまり関係無いと思います」

赤城「加賀さん……ちょっと落ち着いて、周りを見渡してみて……」

加賀「え……って、なんでこんな大勢、こんなに近くでご飯を食べてるんですかっ!」

ワーニゲロー ザワザワザワザワ

翔鶴「戦艦から駆逐艦、潜水艦に至るまで、あらゆる層が聞いてましたね……」

瑞鶴「明日にはもう、全員が知ってるね、この感じだと」

瑞鳳「きっと、みんなに冷やかされちゃいますね♪」

加賀「ああああ、うわぁぁぁぁん(がんがんがん)」

飛龍「加賀さん、おちついてー、机が壊れる~~」


――――― 1700 工廠

加賀「明石さんのお話のお陰で、何とか無事に……恋人になれました ///」

明石「はい、うかがいました。ほんと、おめでとうございますっ!」

加賀「ただその……明石さんの独り言を聞いてしまった件、提督が気づいてしまったみたいです。それで、明石さんにご迷惑がかからないか心配です」

明石「その件でしたら、先ほど提督がお見えになって、笑って許してもらえました。ちょっとだけ叱られましたけど♪」

加賀「!! そ、そうでしたか……。良かったです……」

明石「……詳しくはお聞きしませんが……提督の言葉の意味、加賀さんはちゃんとわかったんですね」

加賀「はい……でも、明石さんから事前にお話を聞いていなかったら、きっと答えにはたどり着けませんでした。ほんとうにありがとう……」

明石「あは♪ それなら独り言をがんばったかいがありました! 」


明石「加賀さん、あのですね……」

加賀「はい」

明石「提督は、この鎮守府で、ただ一人の男性で、ただ一人の人間です。それで……、きっと誰にも言えない悩みを抱えているんじゃないかって思っていたんです」

加賀「……そうですね、そのとおりです」

明石「わたしも、ただ一人の工作艦で、皆さんとは役目が異なります。そのことで孤独を感じたり、悩むこともあるんです、実は(ぺろっ)」

加賀「そうだったんですか……意外な感じがします。気が付かなくてごめんなさい 」

明石「あ、いえいえいえいえ! そういうお話ではなくて……、わたしですらそうなんですから、提督の孤独は、すごく大きいんだろうなって、遠くから見ていて思っていたんです」

加賀「……」

明石「わたしでは……その孤独を埋めることはできなかったけど……加賀さんにはきっとそれができるんですね。どうか……提督をよろしくお願いします」

加賀「……大丈夫です、提督を孤独になんてしません。というより、提督も、あなたも、みんな孤独じゃありません。みんな……仲間です」

明石「…………はいっ! ありがとうございますっ」

加賀「それでは、わたしはもう行かないと。明石さん、またゆっくりお話させて下さい」

明石「わざわざ来て頂いてありがとうございました。行ってらっしゃい! 」

明石(いよいよこの後なんだー。加賀さん羨ましいな……。本音を言えば、わたしだって提督と……)


――――― 1800 提督執務室

加賀「失礼します」

提督「おー、来てくれたか。さ、近くに近くに」

加賀「な、なんですか……?(警戒)」

提督「朝みたいなことはしないって。ほい、目の前に来てくれ」

加賀「?」

提督「はい、左手出して」

加賀「は、はい??」

提督「確か薬指だよな。よいしょよいしょ。入った!」

加賀「!!!」

加賀(こ、これって……もしかして!!!)

提督「断られると嫌だから、黙ってはめてみたよ。いいよな?」

加賀「だめですっ」

提督「えー」

加賀「/// い、一生の大事なんですから、もっとちゃんとして下さいっ ///」

提督「照れくさいんだよなー。わかったわかった」

加賀「ま・じ・め・に・!」


提督「加賀……」

加賀(きゅ、急に真面目な顔に……)

加賀「/// は、はい……」

提督「あくまでカッコカリではあるが……俺の伴侶は君しかいない」

加賀「/// は、はい」

提督「どうか、俺とケッコンしてくれ……」

加賀「/// ふ、ふ、不束者ではありますが……よ、よろしくお願い致します!! 」

提督「ありがとう……君と出会えて良かった……」(ぎゅっ)

加賀「わた、わたしもです……。あなたと出会えて……ぐすっぐすっ」

提督「加賀は最近、すっかり泣き虫になったな……ふふふ」

加賀「/// …………あ、あなたのせいですっ。もう知りませんっ」

提督「ははは、ごめんごめん」


提督「実際の結婚式ではな、夫婦が誓いをたてるらしいぞ」

加賀「誓い……ですか?」

提督「そ。病めるときも健やかなるときも、互いを愛することを誓うんだよ……死が二人を分かつまで、ね」

加賀「ふふふ……わたしたちはその誓いはできませんね」

提督「ああ、俺達の誓いは、もっともっと大切なものだ」



加賀「病めるときも、健やかなるときも……」

加賀「あなたを愛することを誓います……」

加賀「共に死ねるその日まで……」



おわり


以上で完結となります。長い話にお付き合い頂いた皆様に感謝です。

筆者的には、書ききれていないことがたくさんあって残念なのですが、どこまでも長くするべきではないという判断であちこち端折ってしまいました。ごめんなさい。

次はおそらく明石さんのお話を書くと思います。もし目につく機会がありましたら、また是非お読みいただければと思います。


またSSをはじめました。明石さんのお話です。
ちょっと雰囲気が違う書き方に挑戦していますので、お好みに合うかわかりませんが、とりあえず貼っておきます。

【艦これ】 工作艦 明石。がんばります!
【艦これ】 工作艦 明石。がんばります! - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428241231/)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月22日 (日) 03:31:50   ID: qdETOk1h

ああ、まともだ…

2 :  SS好きの774さん   2015年04月04日 (土) 12:41:48   ID: G8vrCCRU

ビミョー

3 :  SS好きの774さん   2016年07月27日 (水) 07:50:02   ID: BYX19krD

うむ!

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