ランプの魔人「...願いを叶えてやろう」紅幼女「へ?」 (770)

前回までのあらすじ


もう誰も覚えてない


あらすじ終わり

ランプの魔人「...」カキカキ


ランプの魔人(はぁ、なぜ私がこんなめんどくさいことを)

ランプの魔人(もう私が復活して一年近く過ぎたから、今までどんなやつと知り合ったのかまとめろだと?学生の課題か)

ランプの魔人(というかどうせあいつ全部見てただろ...まったく、さっさと終わらせてネットでもするか)


ランプの魔人(まずは同居人達のことを書くとするか)カキカキ

ランプの魔人(ダーリン...私の封印を解いてくれた恩人だな)

ランプの魔人(よく「ふぇぇ...」と鳴くごく一般的な幼女、まあこれと言って特徴的なことはない)

ランプの魔人(一応、私と結婚してるという設定になってるがなぜかあまり触れられない。というか私が一方的に言ってるみたいな扱いになってる)カキカキ


ランプの魔人(元々はダーリンが言い出したお願いなのに酷い)


ランプの魔人(...少し物足りないな。ダーリンがどれだけ可愛いのか書いて文字を稼ぐか)

ランプの魔人(まずはあの愛くるしい鳴き声だ。「ふぇぇ...」実に素晴らしい、私はこれ以上に優れた言葉を知らない
最近は「ふぇぇ...」も使えないにわか幼女が増えてると聞く。まったく世も末、何を考えているのか
いいか?幼女というものは「ふぇぇ...」と鳴くのが仕事だ。つまり「ふぇぇ...」と言わないやつは全員ニートと同じクズ、ゴミ、社会的不適合者だ
...何だか全部自分に返ってくるので話を戻すとしよう
そもそも「ふぇぇ...」と言わないなら幼女である必要がない。はっきり言って他の方が色々都合がいいだろう
次にダーリンの素晴らしいところはあの...あれ?ダーリンって「ふぇぇ...」以外に特徴あったか?何だかずっと「ふぇぇ...」しか言ってないような...お、おかしいな
思い出せ...「ふぇぇ...」以外に何かあったはずだ...うーむ...
はっ!そうだ!あの性格だ!そうそう性格がいいんだよ!
変人やら変態やらにも優しく接する性格、私の時代にもあんな聖人は居なかったな
えーっと後はその...うん...「ふぇぇ...」っていいよね
「ふぇぇ...」が「ふぇぇ」してふえええええええええええええ!!!!!!
ふえええええええええええええ!!!!!!!ふぇぇ...?ふぇぇぇぇぇぇぇ!?ふぇぇぇぇぇ!!!!
Huee!Huee!Hueeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!)



ランプの魔人「はっ、しまった...何か後半が意味不明になってしまった」

ランプの魔人「「ふぇぇ...」の魔力は恐ろしいな...まあおかげでだいぶ埋まったし良しとするか」

ランプの魔人「次行くか」

ランプの魔人「次は...雪女か」

ランプの魔人「最初はダーリンがスイスかどっかの雪山で拾ってきたんだったな...」カキカキ

ランプの魔人「年齢は中学生ほど、性格良し容姿良し態度良し、まさに完璧な娘と言ったところか。少し天然なところがあるが男にとっては理想の嫁だな」

ランプの魔人「えーっと他は...あれないな」

ランプの魔人「あいつ一緒に住んでるわりに出番なかったからなー...少し惜しいことをしたか」

ランプの魔人「まあいい娘というのは確かだな。よし次だ」カキカキ


黒龍「ピギャー」パタパタ


ランプの魔人(クロちゃん...いや黒龍と書いておくか)

ランプの魔人(元は南極に封印されていた凶悪な龍、はっきり言って力だけなら神以上...この世で5本の指には入る最強の龍だ)

ランプの魔人(ただそんな設定も私の能力の前では無に等しい、今では記憶をなくし幼龍の姿になったある意味可哀想なやつだ)

黒龍「ピギャー?」

ランプの魔人「飯なら机の上に置いてるぞ」


黒龍「ピギャー」パタパタ

ランプの魔人(まあ本人も南極で封印されてるよりこっちの方が幸せだろう。知らんけど)


ランプの魔人(同居人は終わったし次は...少女辺りにしとくか)カキカキ

ランプの魔人(少女、またの名を神とも言う)

ランプの魔人(現代では珍しい封印前の私と知り合いの少女...いや実年齢は結構行ってるが)

ランプの魔人(基本的には神界でずっと仕事してる。よくもまあ飽きないものだ...私だったら耐えられんな)

ランプの魔人(性格は真面目、でも時々スケベなところがある)カキカキ

ランプの魔人(あとそのクローンの黒少女も居たか)

ランプの魔人(こっちも基本的にミスドでバイトしてる、性格は動物好きでホームレスや恵まれない人達に色々恵んでやるほどの聖人)

ランプの魔人(恐らくこの世で私の次に強い、でも2位なんて所詮1位のかませだからどうでもいいな)カキカキ

ランプの魔人(はっきり言って少女の完全上位互換...本人もその事を気にしてるらしく最近姉キャラを目指してるらしい)

ランプの魔人(本当何してるんだあいつ...いや本当に何してるんだ)


ランプの魔人(さて次は...おっと、もう書くスペースが少なくなって来てるな)

ランプの魔人(残りは全部一文でまとめて終わらせるか)


『犬娘 : 淫乱』

『兎娘 : 空気』

『機械男 : 筋肉モリモリマッチョマンの変態』

『プレデター : 世界観無視してるやつ』

『紅龍 : 三馬鹿幼女その1』

『蒼龍 : 三馬鹿幼女その2』

『碧龍 : 三馬鹿幼女その3』

『魔界神 : 魔界の神(仮)』

『その他魔界組 : 大した出番なし』


ランプの魔人「ふぅ、こんなところか」

ランプの魔人「最初からこういう風に簡単にまとめれば良かったな。無駄な時間を使ってしまった」

ランプの魔人「ということでクロちゃん、こいつをポストに届けておいてくれ」

黒龍「ピギャ」パクッ

ランプの魔人「途中で食べたりするなよー」

黒龍「ピギャー」パタパタ


ランプの魔人「まったく総集編みたいなことやらせやがって...面倒くさい」

ランプの魔人「さて、今日は何をして過ごすかな」

ランプの魔人「昨日までやってたソシャゲはアイテム増殖で遊んでたらBANされたしな...いつも通りネットサーフィンでいいか」カチカチ

ランプの魔人「あー私は今、世界で一番無駄な時を過ごしている...何と心地がいいことか...」ホカホカ



ピンポーン



ランプの魔人「...客か」

ランプの魔人「朝っぱらからまったく誰
だ。非常識なやつめ」

ランプの魔人「こういうパターンは大抵ろくでもない、無視だな無視」


ピンピンピンピンポーン


ランプの魔人「チッ...いい加減諦めろ、居留守中だ」


ガンガンガンッ!!!!ガンガンガンッ!!!!


ランプの魔人「ドアを叩くな...痛むだろうが...」イライラ


ガツンッ!!!ガツンッ!!!


ランプの魔人「あぁっ、クソが」スクッ


ガチャ


ランプの魔人「おい一体誰だ?うるさいぞ」




紅幼女「ラ、ランプの魔人んんんんんんんーーーーーーーーーっ!!!!!」ボロボロ

ランプの魔人「お前か...ん?何かすごく久しぶりに会った気がするな」

ランプの魔人「最後に会ったのはいつだ?夏の終わり頃だったか...?」


紅幼女「お、お前忘れたのかっ!?あの日のことを!」ボロボロ


ランプの魔人「あの日...?何のことだ、生理か」

ランプの魔人「というかお前何か汚いな...ちゃんと風呂に入ってるのか」


紅幼女「だ、誰のせいでこんなボロボロになって帰って来たと思ってるんだっ!!!!私がどんだけ苦労したことか!」ボロボロ


ランプの魔人「だから何のことだ...私は知らんぞ」


紅幼女「忘れるか普通っ!?いつか助けに来ると思って私はずっと待ってたんだぞ!!!!」

紅幼女「それなのにお前はずっと来なくて...おかげで一人で帰ってくるハメになったんだよぉ!」


.................................................
.................................................................

~~~~ 8月某日 ~~~~



紅幼女「夏休みなのにどこにも行ってない!」


ランプの魔人「...」ゴロゴロ


紅幼女「他のみんなは旅行とかどこか遠くに行ってるのに私だけずっとこの町にいる!」

紅幼女「もうすぐ学校の夏休みも終わるし私もどこかに連れて行ってくれよぉ!」ダキッ


ランプの魔人「やだ、離れろ暑苦しい」グイッ

紅幼女「ぐぐぐっ...」グイー

ランプの魔人「私はダーリン達との旅行の帰りで疲れてるんだ。この糞暑い期間はもう家で過ごすと決めている」

ランプの魔人「行きたきゃ勝手に一人で行け」

紅幼女「な、なんで私も連れて行ってくれなかったんだよぉ...」グイー

ランプの魔人「なぜお前を連れて行かなきゃならんのだ」グイッ

紅幼女「お、お願いだよぉ...どこでもいいから連れてってぇ...」


ランプの魔人(ん?どこでもいい?)

ランプの魔人「...ちょっと待ってろ」スタスタ


紅幼女「えっ!?どこかに行くのか!?」ワクワク



ランプの魔人「確かこの辺にしまったはずだが...」ガサゴソ

ランプの魔人「あっ、あった。まさかこんな時に役に立つとはな」



ランプの魔人「ほら、このボタンをやる」スッ

紅幼女「ボタン?」

ランプの魔人「それを押せば一瞬で海外に行けるぞ」

紅幼女「マジでっ!?」ポチッ



シュンッ

~~~~ 北極 ~~~~



紅幼女「...え?」

紅幼女「あ、あれ?ここどこ?」キョロキョロ


紅幼女「な、何か辺り一面氷だらけなんだが...というか寒っ!」ブルブル

紅幼女「ラ、ランプの魔人はどこに行ったんだ?おーーーーーーい!」



ヒュウウウウウウウウウウウウウウウ...



紅幼女「...えっ」

紅幼女「まさか私一人なのか?こんなどこかも分からない場所で...?」

紅幼女「ま、まあ一時間もすればランプの魔人も助けに来てくれるだろう!うん!」

紅幼女「...」


紅幼女「ふ、ふぇぇ...さむい...」ブルブル


..............................................
.................................................................

紅幼女「結局、お前は迎えに来ず私は一人で帰ってくるハメになった!帰ってくるのに3ヶ月もかかったわ!」


ランプの魔人「あー...そんなこともあったな。後で迎えに行ってやろうと思ってたが忘れてた」

ランプの魔人「というかお前よく北極から帰ってこれたな」


紅幼女「大変だったんだぞ!歩いて歩いてこっそり船に乗ったり飛行機に乗ったり!」

紅幼女「言葉も分からないし金もなかったし...世界旅行みたいでちょっと楽しかったけど!」


ランプの魔人「楽しかったならそれでいいな、じゃあ私は忙しいからこれで」クルッ

紅幼女「待てぃ!」


紅幼女「こんな酷い目に遭わされたんだ!詫びに>>16に連れて行け!」

はいということで再開です
半年以上も待たせてしまってごめんなさい
毎日更新は厳しいかもしれませんがぼちぼち進めて行きます

懐かしいな

紅幼女「私をトルコに連れて行け!」


ランプの魔人「えぇ...トルコなんて料理とアイスと風呂しかない国だろ...」

ランプの魔人「絶対つまらなさそうだからやだ」プイッ


紅幼女「私を島流しにした癖に何言ってるんだぁっ!!!!」

紅幼女「連れていかないと幼女にチクるからな!いいから早く連れてけ連れてけ!」ガシガシ



ランプの魔人(...めんどうだな、確かにこいつを放置したのは事実だし一理あるが...)

ランプの魔人(今日は出かける気分じゃない。というかここ最近はずっとそうだ)

ランプの魔人(適当にあしらって終わりにするか)



紅幼女「連れてけ連れてけ連れてけ...ん?」ムニュ

紅幼女「...ランプの魔人、お前少し太ったんじゃないか?」


ランプの魔人「」ピクッ

紅幼女「何か前と比べて腹の肉が付いてるぞ」ムニュムニュ

紅幼女「最近運動してないんじゃないか?」


ランプの魔人「...」


ランプの魔人(じ、自分でも最近少し太ったかと思ったことはあったが...でも誰も指摘しないし気のせいかと...まさか気を使われていたのか?)

ランプの魔人(クソッ!お願いで元の体型に戻すか?いや、すぐに戻ったらみんなにもバレる...それは何か恥ずかしい)

ランプの魔人(...少しずつこっそり戻すか)



ランプの魔人「...分かった。付き合ってやる」

紅幼女「え?いいのか?」

ランプの魔人「あぁ...今日だけ特別だ」

ランプの魔人「ただし条件が一つある」


紅幼女「へ?条件?」キョトン


ランプの魔人「今までお前のお願いでどこかに行っても、ろくなことにならなかったからな。お前一人だと護衛役が不安だ」

ランプの魔人「最低でも後一人、まともに戦えるやつを連れてこい」


紅幼女「んー...?別に護衛役が居なくてもお願いの力があれば十分じゃないか?」


ランプの魔人「アホ言え、確かにお願いは万能だが弱点がないわけじゃない」

ランプの魔人「用心に越したことはないからな。弾除けは出来るだけあった方がいい」


紅幼女「弾除けって、まあそんなに不安なら誰か連れてくるけど」

紅幼女「じゃあ急いで連れてくるから待ってろよ!」バサァ



ランプの魔人「...さて時間を稼ぐことに成功したか」

ランプの魔人「ちょっと腹筋でもやるか」フンッフンッ

バサッ バサッ


紅幼女「しかしあいつも意外と臆病だな、急にあんなこと言い出して」

紅幼女「でも戦えるやつって言われてもなー...どのくらいのやつならいいんだ?」

紅幼女「まあいざとなったら蒼龍や翠龍を連れて行けばいいか」



紅幼女「あっ」



紅幼女「そ、そうだった...私この3ヶ月ずっと学校休んでたんだ...」

紅幼女「運動会とか文化祭とか楽しみだったのに...くそー!トルコでその分も遊んでやる!」

紅幼女「...さ、さすがに夏休みの宿題はもう先生も忘れてるよな?」



>>22「」スタスタ



紅幼女「ん?あいつは...」

安価ミス...>>26

プレデター

プレデター「...」キョロキョロ





紅幼女「確かあいつは...バレンタインの時にもいた...」

紅幼女「名前はプレデターだったか?変な名前だな」

紅幼女「ガタイもいいし強そうだしあいつでいいかな。暇そうにしてるし」バサッ


紅幼女「...ん?」ピタッ


紅幼女「何か後ろからすごい勢いでバイクが...あのままだと激突するんじゃないか」




プレデター「はぁ...はぁ...何とか逃げ切ったぜ...」ハァハァ

プレデター「まさか光学迷彩装置を壊されるとは思わなかったが...また修理に出さないと」



ブーーーーーーーーーン!!!!!!!



プレデター「!?」ビクッ



バキュンッ!!!!!!

プレデター「ぐおおおおおおおおっっっ!?」ズサー

プレデター「で、出会い頭にショットガンぶちこむか普通...」ヨロッ



機械男「...外したか」クルンッ



機械男「プレデター、いい加減降伏したらどうだ?」

機械男「お前にはいくつもの賞金首がかけられている。出来ればこちらもあまり手荒な真似はしたくない」スチャ



プレデター「グレネードランチャー構えながら何言ってんだお前っ!?」



機械男「そうか、交渉決裂か。残念だ」キュポン



プレデター「糞がッ!絶対捕まるもんか!!!!」シュンッ



パカッ


ドッカアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!



機械男「...ディスクで空中の弾を撃ち落としたか」

機械男「ムカつく」

ドッカアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!


バッカアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!



紅幼女「うわぁ...何かハリウッド映画みたいにドンパチやってる...」

紅幼女「声をかけるのは止めた方がいいなこれ...とてもそんな雰囲気じゃない」

紅幼女「仕方ない。学校に行って蒼龍と翠龍に手伝って貰うか」バサッ







蒼幼女「...」



教師「えーここがこうなってこうなるとこうなります」



蒼幼女(退屈、ですね...)

蒼幼女(さすがに40分近くもずっと座り続けるというのは何とも言えない気分になります...休憩時間も10分少し)

蒼幼女(人間の子供はよく耐えられるものです。少し感心します)フワァー


蒼幼女(それにしても二学期から紅龍の姿が見えませんがどうしたのでしょうか)

蒼幼女(...別に心配とかそういうわけじゃありませんが、あの子がずっと学校を休むのは少し不自然ですね)

蒼幼女(あと翠龍も学校に来てませんが、あれは単なるサボりですね。あれに学校のシステムは合いません)

蒼幼女(はぁ...私も新技が完成すればこんな退屈なところ早く抜け出せるというのに)



ガラッ



紅幼女「蒼りゅっ...蒼幼女!!!!!」



クラス『』ビクッ



蒼幼女(...急に来たと思ったら今度は何ですか)


紅幼女「いた!ちょっと付き合え!」グイッ

蒼幼女「」ズズー


バタンッ


クラス『な、なんだあいつ...』

バサッ バサッ



蒼幼女「で、急に来たと思ったら今度は何ですか?」

紅幼女「これからトルコに行くぞ!」

蒼幼女「は?」


カクガクシカジカ



蒼幼女「ここ最近見ないと思ったらそういうことですか。というかよく北極から帰って来れましたね」

紅幼女「それほどでもないぞ!」ドヤァ

蒼幼女「褒めてないです」


蒼幼女(トルコ、ですか。普通は断るところですがランプの魔人も同行となると話は別です)

蒼幼女(前回の屈辱凌辱侮辱...一時も忘れたことはありません...今度こそ積年の怨みを晴らしてみせます)

蒼幼女(そのために新技を開発してるんですからね)ニヤァ


蒼幼女「ところでどうしてトルコなんですか?」

紅幼女「>>35だから!」

トルコライスとかいう食べ物があると聞いたから

紅幼女「トルコにはトルコライスって食べ物があるしい!」キラキラ

蒼幼女「...」

紅幼女「何でもとんでもなく美味いらしいぞ!」キラキラ

蒼幼女「あぁ...そうですか」






ランプの魔人「ぜぇ...ぜぇ...」ハァハァ

ランプの魔人「ま、まさか腹筋10回も出来ないとは...筋力がないってレベルじゃないぞ」

ランプの魔人「少し体を動かすのをサボりすぎたか」ゴキッ

ランプの魔人「あっ...やべ、何かゴキッって鳴っちゃ駄目なところがゴキッって」ピキーン

黒龍「ピギャー?」

ランプの魔人「ク、クロちゃん...ここ押してくれ。体が動かない」ピクピク

黒龍「ピギャー」グイッ


ランプの魔人「ふー...危うく筋トレで死ぬところだった」

紅幼女「ランプの魔人!連れてきたぞ!」バサッ

蒼幼女「」バサッ


ランプの魔人「...蒼龍か」


紅幼女「さあトルコに連れて行ってくれ!早くトルコライスが食べたいんだ!」


ランプの魔人「そいつと一緒に行くのはやだ」


紅幼女「はあっ!?」

蒼幼女「」イラッ


ランプの魔人「だってそいつ私のこと恨んでるし、前回も襲われたし」

ランプの魔人「そいつも一緒なら私は行かんぞ」


紅幼女「えぇ...なら最初からそう言ってよ...」

蒼幼女(チッ...やはり警戒されてますか)

ランプの魔人「ということでトルコに行きたいなら他のやつ連れてこい。蒼龍以外のな」


紅幼女「はぁ...また探すのか」

紅幼女「何かそういうことらしい。蒼龍、時間を取って悪かったな...」バサッ


蒼幼女「は?私も一緒にトルコ行きますよ?」


紅幼女「えっ」

ランプの魔人「」イラッ



蒼幼女「そこの腰抜けニートがただの龍に怯えてるのは分かりましたけど、それがどうしたんですか?」

蒼幼女「そんなに不安なら一緒に連れて行けば良いじゃないですか。私より強い人を」ニコッ


ランプの魔人(氷雪系最強のかませのくせに好き勝手いいやがって)イライラ

紅幼女「で、でもお前より強いやつなんて滅多に居ないぞ?龍以上の力を持つやつなんて同じ龍かそれより上の神ぐらいしか...」


蒼幼女「いるじゃないですか、ちょうど時間が余って暇そうな龍が」

~~~~ 翠龍の家 ~~~~



ピーヒョロロロロロ....ピーーーーー...



紅幼女「な、なにこれ...家というより森...」

ランプの魔人「ここがやつの家のはずだが...前に来たときよりだいぶ変わってるな...」

黒龍「ピギャー...」


紅幼女「ま、前はどういうところだったんだ?」

ランプの魔人「本人が人通りが少ない一軒家を希望したからプレゼントしてやったんだが...何か面積が三倍近く大きくなってる気がする」

紅幼女「人通りが少ないというより林の中じゃないのかここ?」キョロキョロ

ランプの魔人「...コンクリートジャングルから普通のジャングルになってるな」


蒼幼女「いいから入りますよ。呼び鈴が見つからないので勝手に上がらせて貰いましょう」ガチャ



ピカー



蒼幼女「...結界?」

蒼幼女「くっ...この!」ピカッ



シーン


ランプの魔人「ほう...かなり強力な結界だな。いや、結界というより聖域に近いか」

紅幼女「翠龍って私達より魔力あったからなー...多分戦闘もやり合ったら私達より強いと思うし」

ランプの魔人「こりゃ蒼龍が破るのは無理だな。自称氷雪系最強の龍(笑)」



蒼幼女「誰もそんなこと言ってませんよ!!!!」



ランプの魔人「仕方ない、私が破ってやるか。クロちゃんお願いよろしくぅ」

黒龍「ピギャー」


パキーン


ランプの魔人「ほらさっさと入るぞ」ガチャ


蒼幼女(...相変わらず能力だけは一人前ですね)

スタスタ スタスタ



ランプの魔人「...」ジー

黒龍「...」ジー

紅幼女「...」ジー

蒼幼女「...」ジー



猿「ウキ?」



ランプの魔人「...なんで家の中に猿が居るんだ」

紅幼女「ペットか...?」

蒼幼女「一匹や二匹ならペットと言えるかもしれませんが...」



ワニ「」アー

ライオン「」ゴロゴロ

トラ「」ゴロゴロ

カンガルー「」ピョンピョン

コアラ「」ノソノソ



ランプの魔人「なんだここ、サファリパークか」

黒龍「ピギャー...」

紅幼女「動物園みたい...」

蒼幼女「どうやら聖域の影響で動物が住み着いてるらしいですね。家の中も木が生えて天然の森になってますし」

ランプの魔人「まあ動物だけならまだマシなんだが」チラッ



巨大カブトムシ「」ブーン



ランプの魔人「なんだあのカブトムシ。見たことないデカさだぞ」

黒龍「ピギャー」キラキラ

紅幼女「図鑑でも見たことない...」

蒼幼女「聖域の影響で新種が発生したんでしょう。龍の聖域にはそういう報告がいくつかありますし」


ランプの魔人「とにかく先に進むか...どこにあいつが居るか分からんが」キョロキョロ

紅幼女「なあなあランプの魔人」チョイチョイ

ランプの魔人「つつくな」

紅幼女「あれ何の動物だ?それとも虫?」




>>44「」ジー

チュパカブラ

紅幼女「チュパチャップス?」


ランプの魔人「チュパカブラだアホ」

ランプの魔人「一度は聞いたことあるだろ。血を吸うグレイみたいなUMAのことだ」


紅幼女「...知らん」



チュパカブラ「チュパ?」キラキラ



紅幼女「」ドキッ

紅幼女「な、何か可愛いなアイツ...」


ランプの魔人「えぇ...どこが可愛いんだよ」

黒龍「ピギャー」

蒼幼女「何ですかあれ、気味が悪い...今すぐ凍らせましょうか」


紅幼女「やめろぉ!チュッパちゃんはを傷つけるなぁ!」バッ


ランプの魔人「名前を付けるな名前を」

紅幼女「ほら、おいでチュッパちゃん」チッチッチ


ランプの魔人「おい、さすがに触るのはやめとけ。血を吸われるぞ」


紅幼女「こんなに可愛い子が血を吸うはずないだろ!」

紅幼女「ほらーおいでー...」チッチッチ



チュパカブラ「チュパー」ノソノソ



ランプの魔人「うわ、寄ってきたぞ」

蒼幼女「こっちに近付けないでくださいよ、汚らわしい」



紅幼女「何だとコラ!」

紅幼女「まったく...ほら、あんな性格が悪いやつらなんて気にしないでいいから!おいでおいで」

チュパカブラ「チュパー」クンクン

紅幼女「よしよし...可愛いなぁ!もう!」サワサワ


ランプの魔人「あんなの触って大丈夫なのか...?何か放射能とか付いてそうだな」

チュパカブラ「チュパ!」ダキッ

紅幼女「お、おぉ!」

チュパカブラ「チュパチュパ」ギュッ

紅幼女「み、見ろ!私に抱きついてきたぞ!」



ランプの魔人「あっそ」



紅幼女「ちょっと誰か写真撮ってくれ!記念写真!」

チュパカブラ「チュパー」ギュー



蒼幼女「うるさいですね...これでいいですか」パシャ



紅幼女「あーもう可愛いなぁ...家に持って帰ってペットにしたい...」ギュー

チュパカブラ「」ガブッ

紅幼女「痛っ!?」ビクッ

紅幼女「ちょ、ちょっとチュッパちゃん...?痛いから噛みつくのはやめて...」

チュパカブラ「」チュー

紅幼女「!?」

紅幼女「す、吸われてる!何か血吸われてる!」バタバタ

チュパカブラ「」チュー

紅幼女「タ、タンマ!ちょっと待ってチュッパちゃん!吸うのはやめて!」バタバタ



ランプの魔人「なるほど、チュパカブラはああやって獲物の血を吸うのか」

黒龍「ピギャー...」

蒼幼女「獲物に媚びるなんて弱者の戦法ですね、あんな手に引っ掛かるマヌケもマヌケですが」



紅幼女「か、解説してないで誰か助けてくれええええええええええ!!!!意外と力が強くて逃げ出せないいいいいいいいいいい!!!!!」バタバタ

チュパカブラ「」チュー



ランプの魔人「抱きつかれるのは自分が望んだことだろ。後始末は自分で何とかしろ」スタスタ

蒼幼女「時間の無駄です」スタスタ



紅幼女「お、おいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」バタバタ

紅幼女「し、死ぬかと思った...」ゲッソリ

ランプの魔人「よく抜け出せたなお前」

紅幼女「な、何か体重が一気に減った気がする...」

ランプの魔人「さて...だいぶこの家を探索したわけだがどこにも翠龍の姿はなかったな」



巨大繭『』



ランプの魔人「あと探してないのはコレだけか」

黒龍「ピギャー」

蒼幼女「どう見てもコレが一番怪しいじゃないですか」

紅幼女「すごいフワフワしてる...何か気持ちいい」サワサワ


ランプの魔人「とりあえず燃やしてみるかコレ」

黒龍「ピギャッ!?」

紅幼女「はぁっ!?」


ランプの魔人「だってどう見たってこの中で寝てるだろ。なら燃やしたらすぐ出てくるはずだ」


蒼幼女「いきなり燃やしたら炎が家に燃え移る可能性があるでしょうが、そんなことも分からないんですか?この駄ニート」

ランプの魔人「」イラッ

蒼幼女「ここは>>52して起こすべきです」

燻す

蒼幼女「ここは燻しましょう」


ランプの魔人「結局燃やしてるじゃねえか!」


紅幼女「燻すってなんだ?」

黒龍「ピギャー」

紅幼女「へー...煙を出して燃やすことなのか」


蒼幼女「分かったらさっさと燃やしなさい、馬鹿と子龍」


紅幼女「えー私たちが燃やすのか...」ボゥ

黒龍「ピギャー」ボゥ


モクモク モクモク



巨大繭『』メラメラ



モクモク モクモク


ランプの魔人「煙が酷いな...」ゲホッ

モクモク モクモク


蒼幼女(フフフ...煙がだいぶ出て来ましたね。わざわざ燻した甲斐がありました)

蒼幼女(いくらランプの魔人でも、この数メートル先も見えない煙の中での不意打ちには対応出来ないはずです)

蒼幼女(私を辱しめたことを地獄で後悔しなさい!)



モクモク モクモク



ランプの魔人「煙たい...おいクロちゃん、どこか適当な場所に火球を撃ってくれ」

黒龍「ピギャ?」

ランプの魔人「火球で家に穴を開けて換気するんだ」

黒龍「ピギャー」コクッ


黒龍「ピギャー」ゴォォォ

黒龍「ピギャー!!!!!」ボンッ




蒼幼女(しかし凄い煙ですね...ランプの魔人がどこに居るのかも分かりません)キョロキョロ

ゴォォォォ

蒼幼女(ん?何の音...)クルッ



蒼幼女「げぼあっ!?」ドカーン

蒼幼女「な、何が起きて...」ヨロッ

蒼幼女「今の火球は一体何ですか...くっ、あまりの出来事に防御する暇がありませんでした...」




ランプの魔人「んー?おかしいな、穴が空かないぞ」

ランプの魔人「もしかしたら火力が足りなかったのか?クロちゃん、次はもっと強く撃ってくれ」


黒龍「ピギャー...」ゴゴゴゴ

黒龍「ピギャーーーーー!!!!!」ボンッ




蒼幼女「...まさかランプの魔人に計画がバレていて先に手を打たれた?」

蒼幼女「も、もしそうだとしたら厄介ですね...この煙の中だとこちらも不利」

蒼幼女「今のうちに魔法で防御を固めて...」


ゴォォォォォォォォォォ!!!!!!!!


蒼幼女「!?」



ドッカアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!

パラッ...パラッ...


紅幼女「な、なんだ今の音っ!?」

ランプの魔人「安心しろ、ただ換気のために穴を開けただけだ」


スゥー...


紅幼女「お、おう...あれ?煙はなくなったけど蒼龍が居ないぞ?」キョロキョロ

ランプの魔人「トイレにでも行ったんだろ」



翠龍「あっつーーーーーーー!?!?!?!?!?」バッ



ランプの魔人「おっ、やっと出てきたか」


翠龍「な、何!?火事!?地震雷火事親父!?」

翠龍「はっ!?わ、私のベットが燃えてる!!!!」


紅幼女「ベットだったのかそれ」

黒龍「ピギャー」

翠龍「み、水魔法!水魔法!」プシャー

翠龍「あぁ...せっかく1ヶ月かけて作らせた天然繭の特大ベットが...」


ランプの魔人「おい翠龍」


翠龍「また蚕達に作らせないと...あーもうめんどくさい...死にたい...」


ランプの魔人「無視すんなアホ」ゲシッ



翠龍「え?んん??...誰?」



ランプの魔人「」

紅幼女「」

黒龍「」



翠龍「どこかで会ったのは覚えてるんだけど...うーん」

翠龍「ごめんちょっと待って、今すぐ思い出すから」

翠龍「分かった!アキネーターだ!」



ランプの魔人「クロちゃん、雷を落とせ」

黒龍「ピギャ」


ゴロゴロゴロ ドッカアアアアアアアアン!!!!!!!


翠龍「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!」ビリビリ



ランプの魔人「まったく...名前だけじゃなく顔すら忘れるとは、こいつの記憶力は幼稚園児並みか」

紅幼女「こいつ昔から興味ないやつの名前は忘れる性格だったからなー...私も忘れてたし」



翠龍「お、思い...出した...ランプの魔人だ...」プスプス

翠龍「そのランプの魔人さんが私に何用で...」プスプス



ランプの魔人「単刀直入に言う、私達と一緒にトルコに行くぞ」



翠龍「は?」

カクガクシカジカ


翠龍「えー...えー...トルコ...?」

翠龍「私じゃなくて他の人じゃ駄目?」



ランプの魔人「いるっちゃいるが時間が余って暇なのはお前だけだ」



翠龍「私も暇じゃないんだけど...ごろごろしたり、だらだらしたり、ぐーたらしたり」

ランプの魔人「それを暇って言うんだろうが!」



翠龍(うーん...どうしよう行きたくない)

翠龍(というか人がせっかくフワフワに囲まれて気持ちよく寝てたのに、いきなり燃やされて起こされたら誰だって行きたくないよね)

翠龍(...まあ普通に起こされても行く気はないけど)


翠龍「悪いんだけど今回はお断りということで」



ランプの魔人「着いてきたら>>61をやる」

黄ばんだファミコン

ランプの魔人「この黄ばんだファミコンを...」



翠龍「いらない」



ランプの魔人「...」

紅幼女「どうしたんだそれ」

ランプの魔人「前に中古で購入したんだが、この黄ばみがどうしても気になって結局遊ばなかったファミコンだ」

紅幼女「在庫処分させるなよ...」



翠龍「じゃあ私はこれから新ベットの調達で忙しいのでこれで...」ズズズ



ランプの魔人「待てぃ」

翠龍「えっ、ちょ、離してよ」バタバタ

ランプの魔人「よく考えたらお前と一々交渉する必要なんて良かったな、着いてこないなら無理矢理連れていけばいい」

翠龍「はぁっ!?そんな無茶苦茶な!」

ランプの魔人「分かったらさっさと人の姿になって準備しろ、でないと家を吹っ飛ばすぞ」

翠龍「ふ、ふ、吹っ飛ばすっ!?」



紅幼女「あいつってやり方って何かヤクザみたいだよな...」

黒龍「ピギャー」



翠龍「分かったよ!行けばいいんでしょ!行けば!」ピカッ

翠幼女「あーもう、この格好動きにくくて嫌なんだよなぁ...そもそも動かないけど」ポキポキ


ランプの魔人「さて出発...って、蒼幼女はまだ戻ってきてないのか?」キョロキョロ

ランプの魔人「まああいつはどうでもいいから放っておいてもいいか」


ガラッ


蒼幼女「だ、誰がどうでもいいですか...」フラフラ

紅幼女「な、何でそんなにボロボロなんだ蒼龍」

蒼幼女「ちょっと下に落ちただけですよ...問題はないです」ボロボロ

紅幼女「お、おう」


ランプの魔人「チッ...じゃあトルコに行くぞ」

翠幼女「あ、ちょっと待って。お腹空いたから何か食べてくる」

ランプの魔人「食事なら向こうでも食べれるからそっちでいいだろ」

翠幼女「すぐ終わるから大丈夫だって~。あ、見つけた」バサッ


ランプの魔人「見つけた...?」



巨大カブトムシ「」ノソノソ

翠幼女「これでいっか、あむっ」パクッ



ランプの魔人「!?」

紅幼女「!?」

蒼幼女「!?」

黒龍「!?」

バリバリッ ガリガリッ


ランプの魔人「なっ...お、お前!何食ってんだ!?」

黒龍「ピギャー!」


翠幼女「何ってカブトムシだけど?」


紅幼女「カ、カブトムシってそれ食べれるやつじゃないだろ!?」


翠幼女「あぁ、これは私が品種改良した食べれるカブトムシだよ」

翠幼女「最初は買い物に行ってたんだけど、何かめんどくさくなっちゃってね。自家栽培で食べれる物を開発した結果がこのカブトムシってわけ」ペロッ


蒼幼女「な、なぜカブトムシである必要があるんですか...この家の中なら虫じゃなくても育てて食べられる物ならいくらでもあるでしょう」


翠幼女「だって他のやつは調理するのに骨とか血とかめんどくさいんだよねぇ...それに比べてカブトムシは一口サイズで食べれるから楽だし」


ランプの魔人「わ、私でも腹が空いたらさすがに買い物に行くぞ...怠け具合で言えば私以上かコイツ...」


翠幼女「あ、良かったら食べてみる?スジのところとか肉っぽくて美味しいよ?」



「「「「 いらんっ!!! 」」」」

翠幼女「味はいいのになぁ...もったいない」バリバリッ


ランプの魔人「も、もうやめろ...人前でそんなもん食うな」


翠幼女「でも以外と肉が詰まってて美味しいんだよ?お尻のところとかもう最高で」

蒼幼女「それ以上説明したら凍らせますよ」




ランプの魔人「くそっ...変なもん見せやがって...さっさと行くぞ」

黒龍「ピギャー...」

紅幼女「おぇぇ...何か気分悪くなってきた」

蒼幼女「気持ち悪い...」


翠幼女「えぇ、そんなにおかしい?」



ピカッ


シュンッ

~~~~ トルコ ~~~~


シュンッ


紅幼女「おぉ、ここがトルコかぁ...」キラキラ


ランプの魔人「黒海、エーゲ海、地中海に囲まれた国トルコ。
ヨーロッパとアジアの交わるところに位置するその地理的状況と同様に、文化的にもアジアとヨーロッパが交じり合う場所だ。
またこの地は文明発生以来、さまざまな民族が訪れ、去っていったところでもある。
それゆえこの国はさまざまな顔を持つ。
アジアとヨーロッパをつなぐ町イスタンブール、世界遺産に登録されている カッパドキア、世界で愛されるトルコ料理など、その魅力は尽きない...か」ポチポチ

ランプの魔人「まあ一般的には何か丸っこい建物がいっぱいある国という印象だな」


蒼幼女「それはアナタの感想でしょうが」


紅幼女「よし、さっそくトルコライスを食うぞ!」


ランプの魔人「...トルコライス?」

ランプの魔人「言っておくがトルコライスってトルコ料理じゃないぞ」


紅幼女「!?」

カクガクシカジカ


紅幼女「えっと...つまりトルコライスってのは日本が作って勝手にトルコの名前が付いてる料理ってことなのか?」

ランプの魔人「ナポリタンと同じだな。あれもイタリアのナポリの料理じゃない」


紅幼女「えぇ...マジか...ライスって付いてるからてっきり日本の寿司みたいな感じだと思ってたんだが...」ズズーン

ランプの魔人「お前は何でも寿司に変換するのはやめろ」

紅幼女「ならいいや...トルコライスが食べられないならトルコに来た意味ないし...」ズズーン

ランプの魔人「ならお前一人で帰れば?せっかくトルコに来たんだし私は観光してから帰るぞ」

紅幼女「えっ」


蒼幼女「私も本場のトルコ料理には少し興味があります」

蒼幼女(あとランプの魔人の命も)


翠幼女「帰るのっ!?なら私も...」

ランプの魔人「お前は護衛役だ」ガシッ

翠幼女「うぇぇ...」ズルズル

ランプの魔人「どうする?このまま一人で海を渡って帰るか、それとも私達に着いてくるか」

ランプの魔人「まあ私はどっちでもいいがな」

紅幼女「わ、分かった!着いて行く!行きますから!」

ランプの魔人「よし、なら最初はトルコ料理だな。近くの店にでも行くとしよう」




ランプの魔人「とりあえず近くの店に入ったが...」

紅幼女「メニューが読めないんだが...」

翠幼女「そりゃトルコなんだからトルコ語で書いてるよね、じゃあ帰ろっか」

ランプの魔人「まあ適当に頼めばいいだろ、不味い料理なんて滅多にないだろうしな」

ランプの魔人「HEY!come on!」


店員「?」スタスタ


ランプの魔人「これとこれとこれ、あとこれとこれも頼む」


店員「」コクッ

店員「」スタスタ

黒龍「ピギャー」コソッ

ランプの魔人「こらクロちゃん、お前は見つかったら面倒だから隠れてろ。料理は食わせてやるから」

黒龍「ピギャー」コソッ





店員「」スタスタ


ランプの魔人「おっ、料理が来たか。思ったより早いな」

翠幼女「ねぇ、もう帰っていい?」


ゴトッ


店員「」ペコリ

店員「」スタスタ


紅幼女「こ、これは...」

蒼幼女「見たところ>>72>>73>>74の料理でしょうか...?」

カブトムシ

セミの唐翌揚げ

すみません
唐翌揚げです
安価下でお願いします

カブトムシ『』ドーン

セミの唐揚げ『』ドーン

トルコアイス『』ドーン




翠幼女「あ、カブトムシだ」

ランプの魔人「...」

黒龍「ピギャー...」

紅幼女「な、なんだこれ...カブトムシとセミとアイス...?」

蒼幼女「何が不味い料理なんて滅多にないですか...三分の二が外れじゃないですか...」


ランプの魔人「さ、幸い他に頼んでおいた料理は普通の魚料理と肉料理だな。カブトムシとセミは翠龍が食べて、他は私達で食べるか」

翠幼女「えー、私ちょっと前にカブトムシ食べたから食べられても一品だけだよ?」



「「「「 !? 」」」」



翠幼女「ということでカブトムシは貰うからセミは自分達で片してね」ヒョイッ

ランプの魔人「...私は食べないぞ」

紅幼女「なっ!?私だって食べたくないぞ!」

蒼幼女「右に同じです」


ランプの魔人「クロちゃん食べるか?」

黒龍「ピ、ピギャッ!?ピギャー!ピギャー!」

ランプの魔人「食べたくないって...よく考えたらお前グンマーの時に生で虫食ってたじゃねえか!設定忘れてるぞ!」

黒龍「ピギャー!ピギャー!」


ランプの魔人「くっ!こうなったらジャンケンだ!ジャンケンで誰が食べるか決めるぞ!」

紅幼女「もう残した方がいいんじゃ...」

ランプの魔人「残したら何か悪いだろ!」

蒼幼女「そもそもアレを頼んだのはアナタでしょう。責任を持ってアナタ一人で食べればいいじゃないですか」

ランプの魔人「は?何で私がセミなんか食べなくちゃいけないんだ?嫌に決まってんだろ!」


紅幼女(ある意味正直者だなぁ...)

ランプの魔人「よし行くぞ、最初のグーはなしの一発勝負だからな」


紅幼女「...」ゴクリ

蒼幼女「...」

黒龍「ピギャー...」


ランプの魔人「じゃんけんポンッ!」






ランプの魔人「この肉美味いな、これが本場のケバブか」モグモグ

紅幼女「うん!魚も美味いぞ!」モグモグ

蒼幼女「...これがトルコアイスですか、何かネバネバしてますね」ネバー

翠幼女「もぐもぐ」バキバキッ



セミの唐揚げ『』

黒龍「ピギャー...」



ランプの魔人「ん?どうした?クロちゃん食べないのか?」

黒龍「ピギャー...」

ランプの魔人「安心しろ、店で出してる以上毒なんて入ってない」

ランプの魔人「それに万が一毒が入ってても、お前の胃袋なら大丈夫だろ」パクッ

黒龍「ピギャー...」クンクン

セミの唐揚げ『』

黒龍「ピギャー...」


黒龍「ピ、ピギャー!」パクッ

黒龍「ピギャッ...ピギャッ...」モグモグ

黒龍「...ピギャ?」ピタッ


黒龍「ピギャー」



ランプの魔人「そうか、意外と行けるのか。良かったな」

紅幼女「えぇ...」


???「すみません、ちょっといいですか?」


ランプの魔人「ん?何だ?」クルッ


>>82「わたしは外国から来た旅行者なんですが、どうもトルコ語が難しくてメニューが分かりません。助けてほしいのですが」


蒼幼女「やかましいです。向こうへ行きなさい」

紅幼女「おいおい蒼龍...まあいいじゃあないか」


ランプの魔人(どっかで見たなこんな展開)

雪男「」ドーン


ランプの魔人(...やけにでかいな)

蒼幼女(微弱ですが魔力を感じますね、こちら側でしょうか)


翠幼女(...)

翠幼女(...あんまりトルコのカブトムシって美味しくないな)


紅幼女「で、何を注文したいんだ?と言っても肉と魚の料理とトルコアイスくらいしか分からないけど」

雪男「ではそれと同じ物を」


蒼幼女「ずいぶんご立派な肉体ですね。どちらの種族ですか?」

ランプの魔人「...おい」



雪男「いいですよ、別に。こちらも隠すつもりはありませんから」

雪男「申し遅れました。私は雪男です」

ランプの魔人「雪...男か」

雪男「どうかしましたか?」

ランプの魔人「いや、少し知人に似たようなやつが居るだけだ。気にしないでくれ」


紅幼女「へー雪男なのか」ボケー

黒龍「ピギャー」


蒼幼女「雪男さんですか...トルコには似合わないですね。観光ですか?」

雪男「...はい。まあそんなところです」

蒼幼女「なら何日滞在の予定で?観光はどこに行く予定ですか?ホテルはどこに?」


ランプの魔人「おい、あまり質問攻めをするのはやめろ。尋問みたいになってるぞ」


蒼幼女「...まだ気付かないんですか」

蒼幼女「いくらトルコ語が分からないと言っても、ここで私達に話しかけるのはあまりに不自然です」

蒼幼女「自分達の姿をよく見てみなさい。いかにも悪人面の女に」

ランプの魔人「」グサッ


蒼幼女「顔に馬鹿と書いてある幼女」

紅幼女「」グサッ


蒼幼女「そしてさっきからカブトムシをバリバリ食ってるイカれた幼女」

翠幼女「ふぇ?」バリバリ


蒼幼女「唯一知性を感じられるのは私だけ...このメンバーにわざわざ話しかけるやつなんて頭がおかしいですよ」

蒼幼女「では本題に入りましょうか。アナタ、一体何が目的なんですか?」



雪男「...」ゴゴゴゴゴゴゴ

ランプの魔人(...確かに言われてみれば不自然だな)

紅幼女(普通の人から見たら大人と幼女の集団だもんな...しかも一人はカブトムシバリバリ食ってるし)

黒龍(ピギャー...)


翠幼女「」バリバリ



雪男「...鋭い、実に鋭いです」

雪男「確かに、私が貴女達に話しかけたのはメニューが分からないだけじゃありません」



店員「」スタスタ



雪男「...料理が来ましたか。続きは食べながら話しましょう」

雪男「そちらもまだ食事の途中のようですしね」

カチャカチャ...


雪男「...」モグモグ


ランプの魔人「...」

黒龍「...」

紅幼女「...」

蒼幼女「...」


翠幼女「」バリバリ


紅幼女(な、なんだこの空気...なんで誰も話そうとしないんだ)

紅幼女(えっと...結局のところこの男は私達にメニューが分からないだけじゃなくて、他の目的があって話しかけて来たんだよな?)

紅幼女(なら早くそれを聞いたらいいのに...なんでこんな重い空気になってるんだ)


ランプの魔人(わざわざこの店の中で私達を選んだ理由...か。色々考えられるが、もしかしたら私の力が目的かもしれんな)

ランプの魔人(一応警戒しとくか...何があるか分からんからな)


蒼幼女(雪...大男...あぁ、思い出したくない記憶が蘇りますね)

蒼幼女(以前、雪山で出会ったあの獣人のことを...)



雪男「ではお話しましょう。まず、私がトルコに来た本当の理由は>>90です」

ランプの魔人「生き別れの妹?」


雪男「話すと少し長くなるのですが...私には血が繋がっていない妹が居ました」

雪男「ある日、突然私達が住んでいた雪山で酷い雪崩がありました...それは文字通りに全てを流し、崩し、飲み込んでしまったんです」

雪男「その雪崩に妹は巻き込まれて...必死で探したのですが妹は見つかりませんでした」


蒼幼女「そんなに酷い雪崩なら妹さんはもう既に亡くなってるんじゃないですか?」

紅幼女「お、おい...そんな直球に言わなくても...」


雪男「...私もつい最近まではそう思っていました」

雪男「でも数日前、妹らしき人がこのトルコで目撃されたという噂を聞いたのです」


ランプの魔人「他人の空似じゃないのか?」


雪男「いえ...情報が正しければ間違いなく妹だと思います」

雪男「あいつは他の人とは違う...>>93があるんです」

うえ

雪男「もの凄いアホ毛があるんです」



ランプの魔人「...」

黒龍「...」

紅幼女「...」

蒼幼女「...」



翠龍「げぷっ...むにゃむにゃ...」スヤァ



ランプの魔人「さ、さすがに曖昧過ぎないか?」


雪男「間違いありません。あいつの第一印象はあの特徴的なアホ毛ですから」


蒼幼女「...アホ毛と言われてもどんなアホ毛なんですか」


雪男「グルングルンです。そりゃもう凄いカーブになってます」


紅幼女(...アホ毛ってなんだろう)

雪男「言葉だけだと少し分かりにくいでしょうね。スケッチしてみましょう」カキカキ

雪男「こんな感じです」



スケッチ『 ゝ 』ドンッ☆



ランプの魔人「分かりにくいわ!」


雪男「貴女達には妹を探すのを手伝ってもらいたいのです...私一人では少し心細いもので」


蒼幼女「自分一人で探せばいいでしょうが...わざわざ私達の力を借りなくても探すくらい一人でも出来るでしょう」


雪男「...それが目撃されたところが少し危険なところなんです」

雪男「私と違って貴女達は強い...何となくですがオーラで分かります」


紅幼女「いや~そんな私が強いなんて~」テレテレ

ランプの魔人「お前は入ってないと思うぞ」

蒼幼女「...で、その妹とやらはどこで見つかったんですか?」


雪男「このトルコの>>97です」

暗黒街

雪男「トルコの暗黒街と言われる「ネ・バーバー」です」


ランプの魔人「何かねばねばしてそうな名前だな...というかそんなところ聞いたことないぞ」

蒼幼女「...なるほど、ネ・バーバーですか」

紅幼女「知っているのか蒼龍?」


蒼幼女「ネ・バーバー...トルコで一番犯罪率が高い町。強盗殺人何でもありの無法地帯、国家も町の沈静化は不可能と判断し放置状態にあるとか」

蒼幼女「町の住民も大半が異形と化し、毎日悲鳴と肉を噛み千切る音が鳴りやまないらしいです」


黒龍「ピ、ピギャー...」ブルブル

紅幼女「な、何それ...こわい...」


ランプの魔人「...つまり町ごとこっち側に取り込まれたということか。何か似たようなところに住んでるだけに笑えないな」


雪男「なぜあいつがそんなところに居るかは分かりません...ですが、唯一あの町からの生存者の報告ではもの凄いアホ毛の少女を見たというのです」

雪男「お願いです。力を貸してください」ペコリ

ランプの魔人「...で、どうする?危険なところだが、私は別にまだ時間が余ってるから構わないが」

紅幼女「何か怖そうなところだけだけど困ってるみたいだし...い、一応こっちにはランプの魔人に龍が二人も居るから大丈夫だよな?」


黒龍「ピギャー!!!!!」プンプン


蒼幼女「まあ危険と言っても下級の雑魚共でしょう。龍である私に勝てるほどの者が居るとは思えません」

蒼幼女(危なければ危ないほどランプの魔人を始末しやすいでしょうからね...こちらとしては絶好の機会です)


翠龍「むにゃむにゃ...もうカブトムシはお腹いっぱい...」スヤスヤ


ランプの魔人「決まったな。いいぞ、付き合ってやる」


雪男「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!」


ランプの魔人「まあただ少し条件というか何というか...私達もある程度リスクを負うわけだから「無料で」というのは厳しいなぁ...」ニヤァ

雪男「いえ!こちらもある程度の謝礼は出すつもりでいましたから!」

雪男「雪山で出来た天然のダイヤです!こちらを市場で売れば時価数千万はするはずです!」


ダイヤ『』キラキラ


ランプの魔人(じ、時価数千万のダイヤ!?よっしゃああああああああ!!!)


紅幼女(うわぁ...こいつの金に対する執着は異常だな...)

黒龍(ピギャー...)


蒼幼女「...」


ランプの魔人「う、うむ!少し足りないがまあそれでいいだろう!」

ランプの魔人(うっひょー!思わぬ収穫だな!)


蒼幼女「ちょっと待ってください」

蒼幼女「報酬は要りませんよ。だって私達、無償で人助けをするのが大好きですから」ニッコリ


ランプの魔人「は?」

ランプの魔人「おいおいおいおい...何言ってんだお前?」

蒼幼女「何って、アナタも無償で人助けするの大好きじゃないですか」

ランプの魔人「は?頭大丈夫かお前?私がそんな非生産的なことするわけないだろ!!!!」バッ


蒼幼女「あまり大声をあげないでくださいよ。お店の中ですよ?」



ジーーーーーー



ランプの魔人「...チッ!」ガタン

ランプの魔人「おい...一体何のつもりだ?」

蒼幼女「別に?私は人助けがしたいだけですよ」

蒼幼女「まあしいて理由を言うなら「アナタがいい思いをするのがムカつく」...と言ったところでしょうか」ニコッ


ランプの魔人「ああん!?やんのかてめぇ!!!!」



雪男「あの」

紅幼女「今は何も言わない方がいいぞ...この二人の争いは止めたら怪我をする...」

黒龍「ピギャー」

ランプの魔人「いいか?私はごく当たり前のことをしてるだけだ」

ランプの魔人「妹を探すのを手伝う、その報酬としてダイヤを貰う。お前に邪魔をされる筋合いはない」


蒼幼女「労力と報酬があっていません、私達の力なら探すのにもそれほど困らないでしょう」

蒼幼女「そうですね...3000円くらいなら報酬として受け取ってもいいですよ?」


ランプの魔人「はあっ!?んなはした金いるか!!!!」

蒼幼女「ニートにはした金もクソもないでしょう」


ランプの魔人「とにかく私は報酬を貰うぞ!お前にとやかく言われる権限はない!」


蒼幼女「...幼女、○○町○○丁目×××学校△年□組」


ランプの魔人「!?」ビクッ

ランプの魔人「...お前なぜダーリンのことを...」

蒼幼女「知ってて当たり前じゃないですか、だって同じ学校の良き友人なんですから」ニコッ


ランプの魔人「...何を企んでいる」


蒼幼女「安心してください。こちらから危害を加えるつもりはありませんよ」

蒼幼女「ただ...もしアナタがダイヤを受け取ったら、このことは幼女さんに報告させてもらいます」


ランプの魔人「!?」ビクッ


蒼幼女「聞きましたよ、アナタ前にも悪どい方法でお金を手にした時があったそうですね」

蒼幼女「その時は「ワンオペ」なるものをさせられたとか」


ランプの魔人「うぷっ...!?」

ランプの魔人(や、やばっ...久しぶりにあの言葉を聞いたから吐き気が)


蒼幼女「心の優しい幼女さんがこの事を聞いたらどう思いますかねぇ...まあ私はどっちのパターンも面白そうなのでどうでもいいですけど」ププッ


ランプの魔人(こ、この野郎!ダーリンを人質に取りやがって...!)

ランプの魔人(くっ...どうするか...こっちには蒼龍を黙らせる”切り札”があるが)チラッ


紅幼女「?」キョトン


ランプの魔人(口の軽いこいつから漏れる可能性もある...何としてもダーリンにバレるのだけはマズい)

ランプの魔人(というかもうワンオベしたくない...)

ランプの魔人(...ここは大人しく引き下がってやるか。見てろよ蒼龍、借りは必ず返してやるからな...)メラメラ


ランプの魔人「チッ!分かった...報酬はナシだ。無償でやってやる」

蒼幼女「えーいいんですかー?数千万ですよー?」ニコニコ

ランプの魔人「いいつってんだろ!ぶっ飛ばすぞ!」



蒼幼女(勝った!ざまあみろランプの魔人!)



ランプの魔人(フン...喜んでいられるのも今のうちだ)

ランプの魔人(蒼龍、お前の心臓は私が握ってるんだからな...むしろ今、私が”アレ”をこの場で公開しなかったことを後で泣いて喜ぶといい)

蒼幼女「ということで雪男さん、報酬は結構ですよ」

ランプの魔人「...」


紅幼女「うそー...あのランプの魔人がただ働きするなんて...」

黒龍「ピギャー...」



翠龍「Zzz...ぐえー...な、何をするのランプの魔人...私の家を壊さないで...」スヤスヤ



雪男「えっ...ほ、本当によろしいんですか?」


蒼幼女「はい♪だって私達、無償で人を助けるのが大好きですから」

ランプの魔人(よく言うわこいつ)


雪男「ですが...あの危険なネ・バーバーに行くのに何もしないというのも...」

雪男「では少ないですがこれを受け取ってもらえませんか?私の全財産の>>107円です」

1000万

雪男「私の全財産の1000万円で...」


ランプの魔人「」パァ

蒼幼女「いらないです」


雪男「」シュン

ランプの魔人「」シュン


紅幼女(...どうして1000万も現金で持ち歩いてるんだろう)



ランプの魔人「はぁ...糞が付くほどめんどくさいが仕方ない...行くか」

ランプの魔人「ネバネバーだったか?いいからその町に飛ぶぞ」


雪男「飛ぶ?ネ・バーバーはここから三時間ほどの場所ですが...」


紅幼女「あぁ、言ってなかったっけ。こいつ何でも願いが叶えられるんだぞ」



雪男「!?」



ランプの魔人(めちゃくちゃ久しぶりに私の能力で驚かれた気がする)

雪男「そ、そのような力があるとは...私が思っていた以上に貴女達は凄いのですね...」


紅幼女「ん?ちょっと待て、そもそもネバネバの町に行かなくてもお願いでその妹をここに呼べばいいんじゃないか?」

蒼幼女(...確かに)

黒龍「ピギャー」


ランプの魔人「んー...まあ呼べる可能性もなくはないが...失敗すると色々めんどくさいんだよな」


紅幼女「失敗?」


ランプの魔人「私のお願いはあくまで私の能力が解釈した結果が反映される、つまり願いがそのまま叶えられるとは限らないわけだ」

ランプの魔人「例としては以前、何でも食材が出てくる冷蔵庫をお願いで出したら魔獣が出てくる冷蔵庫が出てきた」


紅幼女「...?つまりどういうことだ?」


ランプの魔人「今回の場合は雪男の実妹ならお願いの力で呼べたかもしれんが、血が繋がってない義理の妹なら話は別だ」

ランプの魔人「私の能力が義理の妹という存在をどう解釈するか...もしかしたら雪男が今まで出会った全ての年下の女の子を妹という存在と判断し、この場に呼ぶ可能性がある」

雪男「...」


ランプの魔人「あと私のお願いは基本的に取り消せないという弱点があるからな。これがどういう結果を生み出すかは私にも分からん」

ランプの魔人「ということでリスクがある方法を使うより、その妹を探した方が確実ということだ」

ランプの魔人(あー...何かすっごい久々に能力の説明したな...)



蒼幼女「要するにアナタのお願いの力は欠陥能力ということでしょ?」



ランプの魔人「」イラッ



蒼幼女「何ですかその能力、お願いと言っても実際はギャンブルじゃないですか」

蒼幼女「問題なく使えるのはどこかに移動する場合だけ...とんでもない見かけ倒しですね」


紅幼女「確かに...便利な能力だとは思っていたけどちょっと危ないんだな」

黒龍「ピギャー」コクコク



ランプの魔人(...最終的にはダーリンも移動用にしか使わなくなってたから何も言えない)

雪男「そうですか...やはりそんな簡単には行きませんよね」


ランプの魔人「い、いや!やっぱりさっきのは撤回だ!今なら行ける気がするぞ!ほらお願いしてみろ!」

蒼幼女「いいからさっさと連れて行きなさい。人型飛行機」

ランプの魔人「あぁん!?忘れてるかもしれんが今の私でもお前より強いんだからな!」



紅幼女「ほら翠龍、起きろ。行くぞ」ユサユサ

翠幼女「むにゃっ...え?何?帰るの?」

紅幼女「かくがくしかじか...ということでネバネバの町に行くことになった」


翠幼女「はぁっ!?」


翠幼女「い、いやいやちょっと待って!何でそんなめんどくさいことにっ!?」

翠幼女「私は嫌だからねっ!何でそんなところに行かなky」



黒龍「ピギャー」



ピカッ


シュンッ

~~~~ ネ・バーバー ~~~~


シュンッ



ヒュウウウウウウウウウ...



翠幼女「あーもう!文句すら言わせない気か!」


紅幼女「ここがネバネバ...何か町とは呼べないくらい荒廃してるな。それに何かくさい」クンクン

ランプの魔人「...久しぶりだな、この感じ。血と争いの臭いだ」

蒼幼女「汚いところですね、こんなところに本当に人が住んでるとは信じられません」

黒龍「ピギャー...」



雪男「ここにあいつが...」キョロキョロ


ランプの魔人「とりあえず人を探して話を聞くか...と言ってもこの町に住んでる人間がまともに話せるとは思わんが」




>>116「ヒャッハアアアアアアアアアアア!!!!!獲物だあああああああああああああ!!!!」




雪男「...どうやら向こうから来てくれたみたいですね」

犬娘

すみません...ちょっと更新に間が空きます
次は三が日過ぎ辺りになりそうです

犬娘「ヒャッハアアアアアアアアアアアアアアア!」


ランプの魔人「」ブンッ

犬娘「いてっ」ポコッ


犬娘「いてて...何するのご主人様!せっかく久しぶりに会ったのに」サスサス


ランプの魔人「...いやすまん。何かお前にずっと出番を取られてた気がしてたから」


ランプの魔人「というか何でお前ここに居るんだ?トルコだぞここ」

犬娘「いや~!元のご主人様と旅行に来てたんだけどはぐれちゃってね!」

犬娘「何か探してるうちに治安の悪そうな町に来て迷っちゃって、困ってたところでご主人様を見かけたってわけだよ!」


ランプの魔人「...元のご主人様って誰だよ」

犬娘「で、ご主人様もどうしてここに?」

ランプの魔人「実はかくがく...」


プルルルルルルルル...


犬娘「おっとごめんね。電話だ...あっ!ご主人様だ!」

犬娘『もしもしご主人様!?今一体どこに...えっ!?空港!?』

犬娘『も、もう帰るの!?私まだ迷子で...あと2時間で帰ってこいだなんてそんな無茶な!』


ランプの魔人(こいつの元のご主人様とやらも大変だな)


犬娘『わ、分かったから!あと2時間以内に合流するから待ってて!じゃ!』プツッ

犬娘「うおおおおおおおおお!早く帰らなくちゃ早く帰らなくちゃ!」ダッ

犬娘「ということでご主人様またねえええええええええええ!!!!!」ビューン



ランプの魔人「なんだあいつ」

紅幼女「誰だったんだあれ?知り合いか?」

ランプの魔人「うーん...まあそんなところだ」

ランプの魔人「そんなことより妹探しだ。他に人は居ないのか」キョロキョロ

雪男「...不気味ですね。人の気配はありますが姿は見えない...まるでゴーストタウンだ」


サッ


蒼幼女「」ピクッ

翠幼女「ん?今の影って...」

蒼幼女「翠龍、ちょっと黙っててください」ガシッ

翠幼女「ふがっ!?」

ランプの魔人「クロちゃん、飛んで空から人が居ないか確認できるか?」

黒龍「ピギャー」パタパタ

ランプの魔人「これで見つかればいいんだが...」


ササッ


ランプの魔人「ん?今何か動いたような」クルッ

殺人鬼「シャアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」ギラン

ランプの魔人「!?」ビクッ


ランプの魔人(なっ...こいついつの間に!しかも手に持ってるのはナイフ!)

ランプの魔人(刃が届くまで残り2秒といったところか!今の私の運動神経だと避けるのは不可能っ...)

ランプの魔人(くっ!一か八かだが、勘と今までの経験に体を任せる...!)クルンッ


ズサー


紅幼女「ラ、ランプの魔人っ!?」

ランプの魔人「な、何とか避けたか...危なかったな...」ハァハァ


殺人鬼「外したァ!外したァ!アハハハハハハハハハハ!!!!」

殺人鬼「もう一度ォ!」ダッ

雪男「」ガシッ

殺人鬼「アァン?なんだお前ェ...」クルッ


ドギャンッ!!!!!!!!!


殺人鬼「ギャッ!?」ビューン

殺人鬼「」クルクルクルー


ドンガラガッシャーン


殺人鬼「」バタッ


雪男「ふぅー...危ないところでしたね」

紅幼女「な、なんて怪力...ってそんなことより!大丈夫かランプの魔人!」

ランプの魔人「あぁ...怪我はない。何とかな」

ランプの魔人「だが今はそんなことはどうでもいい...おい蒼龍」


蒼幼女「はい?」


ランプの魔人「お前、あいつが私を狙ってることに気付いてただろ」


蒼幼女「何の...ことでしょうか?」


ランプの魔人「隠しても無駄だ。龍のお前があいつが接近したことに気付かないはずがないからな」

ランプの魔人「あと翠龍、お前もだ」


翠幼女「だ、だって蒼龍が黙ってろって...」ビクッ

蒼幼女「チッ...喋るなと言ったでしょうが」


ランプの魔人「どうやら本気で私のことを狙ってるらしいな...いいだろう」

ランプの魔人「ちょっとこっちに来い。お前に見せたい物がある」

ランプの魔人「安心しろ、何も手を出すつもりはない」


蒼幼女「...私がそんな安い罠に乗るとでも?」


ランプの魔人「なら二人きりで話そうじゃないか。これなら私はお願いを使えないただの一般人、何も怯える必要はないぞ」

ランプの魔人「まあ私としては...ここで話しても何も問題はないのだが、お前の立場がどうなっても知らんぞ」


蒼幼女「...」

蒼幼女(一体どういう意図があるのか...気になりますね)

蒼幼女(しかしこれは絶好のチャンス、逃す手はありません)

蒼幼女「...いいですよ、付き合いましょう」

ランプの魔人「じゃあちょっと蒼龍と話してくる、お前達付いて来るんじゃないぞ」スタスタ

蒼幼女「」スタスタ



雪男「...あの二人、大丈夫なんですか?」

紅幼女「うーん...多分平気だと思うぞ」

紅幼女「ランプの魔人のあの顔...あれは悪いことを考えてる顔だからな」

翠幼女「わかる」





蒼幼女「で、話とは何ですか?」

ランプの魔人「あぁ、まずはこれを見て...」

蒼幼女「...」ピキピキッ

ランプの魔人「おい、まずはその氷柱を出すのをやめろ」

蒼幼女「...残念ですがこれはアナタに撃つものではありません」クイッ


シュバババババ!!!!!!!!

食人鬼「ぐえっ!?」グサッ



蒼幼女「彼らに向かって撃ったものです。まあもっとも、今すぐアナタにも飛んでくるかも知れませんけどね」ニヤリ


ランプの魔人「ずいぶん頼もしいじゃないか。では本題だ」

ランプの魔人「これ、何だと思う?」スッ


蒼幼女「...カメラ?」


ランプの魔人「いや少し違うな。正確にはビデオカメラだ」

ランプの魔人「スイッチを押すだけで簡単に録画再生が出来る優れものだ...画質音質ともに素晴らしくよく撮れる」


蒼幼女「それがどうかしたんですか?」


ランプの魔人「ではここに録画されている映像を少し再生してみよう」ポチッ



『やっ...冷たっ!や、やめなさい!ランプの魔人!そんなところ!』



蒼幼女「」

蒼幼女「な...な...な...」プルプル


ランプの魔人「ん?どうした?もっと見たいのか?」


蒼幼女「ち、違いますよ!!!!ど、どうしてアナタがあの時の映像を...!!!!」


ランプの魔人「そう、お察しの通りこれは以前バレンタインの時にお前にかんty...辱しめた時の映像だ」

ランプの魔人「いい機会だと思ってカメラをこっそりセットしてな、よく撮れてるだろ?」


蒼幼女「...」


蒼龍「殺すッ!!!!!」グワッ


ピキピキッ...

ピキピキッ...



ランプの魔人「おいおい早まるなよ、私を殺したらこの映像が全世界に公開されるぞ?」


蒼龍「!?」

ランプの魔人「確かに私を殺してこのカメラを壊せばデータは消える...1785個ある内の一つはな」


蒼龍「はぁっ!?」


ランプの魔人「もうこの映像は既にPCに移してコピーしてある。警備は厳重だ、他人に見られることはない」

ランプの魔人「だが私が一日に一回16桁のパスワードを打たないと...映像が全世界の動画サイトでアップロードされるようにプログラムしてある」


蒼龍「」


ランプの魔人「まあ映像の中身がアレだし一瞬で削除されるとは思うがな、しかし一度でも公開されればネット上から消すのは不可能だ」

ランプの魔人「永遠にお前の醜態は電子の海をさ迷うことになる...これがどういうことになるかは賢いお前なら分かるはずだろ?」



蒼龍「そ、そんな...ば、馬鹿な...」プルプル

ランプの魔人「もし知り合いの龍に見られたら...あぁ、想像するだけで惨いな」


蒼龍「う、嘘です!そんなこと出来るわけ...!」プルプル


ランプの魔人「確かに私の言ってることが真実とは限らん。そんな都合がいいプログラムが作れるはずがないと思うのも無理はない」

ランプの魔人「だがお前にはそれを確かめる術はない...私を殺して試してみるなら止めはしないぞ」


蒼龍「...」プルプル


ランプの魔人「まあ落ち着け、何もこっちはこれを使ってお前を脅そうとするつもりはない」

ランプの魔人「ただ協力しろと言ってるだけだ。お前の態度次第ならデータを消してやってもいいと思ってる」


蒼龍「...ほ、本当ですか?」


ランプの魔人(いや嘘だけど)

ランプの魔人「あぁ本当だ。私を守ってくれさえすればな」


蒼龍「...」

蒼龍「...そ、そうだ」ブツ

蒼龍「ア、アナタが私を脅してると幼女に報告すれば...」ブツブツ


ランプの魔人「言い忘れたけどダーリンにチクっても無駄だぞ。お願いで記憶を消すからな」


蒼龍「...へ?」ポカーン


ランプの魔人「あまりこっちもこの手は使いたくないんだ。お願いとはいえダーリンの身体を弄るような真似はな」

ランプの魔人「さて、もう答えは決まったか?あまり時間はかけたくないんだが」


蒼龍「...」

...........................................................
...........................................


ランプの魔人「待たせて悪かったな」スタスタ

蒼幼女「...」スタスタ


紅幼女「一体何を話してたんだ?」


ランプの魔人「まあ色々だ。おい蒼龍」

蒼幼女「」ビクッ

ランプの魔人「近くにまた襲ってくるやつは居ないか探知魔法を使って調べろ」

蒼幼女「も、もう私の魔法で町全体の地面が微かに凍っています...」

蒼幼女「こ、これで接近してくる敵は地面の震動である程度は把握できるかと...」

ランプの魔人「そうか、ご苦労」



雪男(さっきまで仲が悪かったのに)

紅幼女(一体二人で何を話してたんだろう)

翠幼女(あーこわい...こわい...)

今日はここまで
間が空いてしまってごめんなさい安価は次回になります

黒龍「ピギャー」パタパタ


ランプの魔人「おっ、クロちゃん帰ってきたか」

ランプの魔人「どうだった?何か見つけたか?」

黒龍「ピギャーピギャー」


雪男「何と言ってるのですか?」


ランプの魔人「ふむふむ...」

ランプの魔人「どうやら北の方角に>>139の建物があったらしい。中に人の気配がいくつもあったそうだ」

ランプの魔人「他は...何か城みたいな巨大な豪邸があったそうだが、警備が厳重で近寄れなかったらしい」

黒龍「ピギャー」


ランプの魔人「まずは建物の方に行ってみるか。まともに話せるやつが居るかもしれん」

朽ちかけのショッピングモール

~~~~ 朽ちかけのショッピングモール ~~~~


ランプの魔人「何かゾンビが出てきそうな場所だな」

紅幼女「映画とかでよく見るアレか」

雪男「ショッピングモール...籠城にはうってつけの場所ですね」

黒龍「ピギャー」


翠幼女「あーもうだるい...早く帰りたい...」ダラーン

蒼幼女「...」


蒼幼女(ま、まさかこんなことになるなんて...あの時の映像を撮られてたなんて...)

蒼幼女(こ、こうなったらもう一生ランプの魔人に脅され続ける...な、何とか対抗策を考えないと...)

蒼幼女(催眠魔法で洗脳してプログラムを解除させる...いえ、とてもじゃないですがあのランプの魔人に精神系の魔法が効くビジョンが見えない)

蒼幼女(あの技も動きを止めるくらいしか使えませんし...一体どうすれば...)


紅幼女「蒼龍?顔色悪いけど大丈夫か?」

ランプの魔人「さてさっそく入ろうと思ったが」


バリケード『』ドーン


雪男「正面入り口が封鎖されてますね...まるで何かから身を守るためのように見えますが」

紅幼女「どうするんだ?」


ランプの魔人「壊してもいいが何か危ない気がするからな。回って裏口がないか調べてみるか」スタスタ

翠幼女「いや帰ろうよそこは」



ランプの魔人「しかしあのバリケードは何なんだろうな」

雪男「さっきの襲って来たやつらのような暴徒対策では?」

ランプの魔人「それにしては少しでかい気がしたんだが...」

紅幼女(このショッピングモール...何かあちこちの壁に血が付いてるけど何があったんだろ)

ツンツン

紅幼女「ん?どうした?」クルッ


ゾンビ「アアー」


紅幼女「...あ」



ギャアアアアアアアアアアアアデタアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!



ランプの魔人「おいなんだ、急に大声出すな」



紅幼女「た、助けてくれぇ!ゾンビに襲われるぅ!」ググッ

ゾンビ「アアー」ガシガシッ

紅幼女「や、やばいって!も、もうすぐ噛まれっ...」


蒼幼女「...」ピカッ

カチカチッ...

カチカチッ...


紅幼女「!?ゾ、ゾンビが凍って...」


ゾンビ「」カチーン


蒼幼女「...」

紅幼女「うわあああああああ!蒼龍ありがとおおおおおおおお!!!!」ダキッ

蒼幼女「...抱きつかないでください」


雪男「まさか本当にゾンビが出るとは...」

ランプの魔人「そらショッピングモールなんだからゾンビの一体や二体ぐらい出ても不思議じゃないな」

黒龍「ピギャー...」


翠幼女(...これ、正確にはゾンビじゃなくてマミーだよなぁ...あのミイラの仲間の)

翠幼女(こいつの製造法って確か生きた人間を魔法で腐らせて、催眠魔法で操るっていうエグいやり方だった気がするけど一体誰がそんなことしてるんだろ)

翠幼女(ま、どうでもいいけどね)

スタスタ スタスタ


ランプの魔人「ん?あれが裏口か?」


バリケード『』ドーン


雪男「こちらもバリケードで塞がれてますね...」

ランプの魔人「まあこの程度なら壊しても大丈夫だろ。後で適当にテープでも貼って直せば問題ない」

ランプの魔人「おい、誰かこれを壊せ」


蒼幼女「...翠龍、お願いします」

翠幼女「え?私?めんどいなぁ...ほいっと」ピカッ


ジュジュジュ...

ガラーン


ランプの魔人「よし崩れたか。では潜入するとしよう」スタスタ

バッ

>>146「動くな...床に向かって伏せろ」


ランプの魔人「...どうやら待ち伏せされてたみたいだな」

若々しいプレデター

プレデター「...」ブゥゥン


ランプの魔人「...光学迷彩か、どうりでいきなり目の前に現れたわけだ」

若プレデター「どうした早くしろ、頭を吹っ飛ばされたいか」

ランプの魔人「私達はお前の敵じゃない。ただ話を聞きに来ただけだ」

若プレデター「熱線を手から出したり、ゾンビを凍らせたりするやつらの言うことが信じられると思うか?」

ランプの魔人「...まあ確かに」



紅幼女「お、おいランプの魔人...そいつ誰なんだ?何かこの前バレンタインの時にいたやつと似てるけど...」

蒼幼女「...恐らくこの前居た個体と同種族の異星人でしょう。この個体は少し荒っぽい気がしますけどね」

紅幼女「つまりそっくりさんってことか」

ランプの魔人(さてどうするか...戦力的にはこっちの方が上だが今、私は銃を突き付けられてる状態)

ランプの魔人(下手なことをするとお願いを叶える暇もなく「バン!」だ)

ランプの魔人(ここは友好的に行くとするか)


ランプの魔人「私達は人を探しに来ただけだ。そこにいる雪男の妹をな」


雪男「...」ゴクリ


若プレデター「ならお前達が使った不思議な能力の正体はなんだ?」


ランプの魔人「簡単に言えば魔法...お前もこの星に来たのなら一度や二度は見たことあるだろう」

ランプの魔人「この星の生物は不思議な力が使えるんだ。お前達の科学力ようにな」


若プレデター「...お前、俺が何者なのか知ってるのか。それにどうして言葉が通じる」


ランプの魔人「知り合いにお前と同じ種族のやつがいるんだ。そいつから色々話は聞いている」

翠幼女「どうでもいいけどさぁ...ランプの魔人とあの宇宙人は何語を喋ってるの?」

蒼幼女「あの異星人の母国語...いえ、母星語でしょうね」

紅幼女「なんでそんな言葉を喋れるんだあいつ」



若プレデター「...いいだろう、お前はあいつらの仲間じゃないことは分かった」チャキッ


ランプの魔人「やっと信用してくれたか...」


若プレデター「勘違いするな、お前は俺を狙ってるあいつらの仲間じゃないことが分かっただけだ」チャキッ

若プレデター「完全に信用したわけじゃない。もっと詳しく話を聞かせてもらってから判断する」


若プレデター「着いてこい」クイッ

プレデター「それでは聞かせてもらおうか。まず魔法とは何か一から説明しろ」

ランプの魔人「そこからか...お前まだこの星に来てから日が浅いのか?私の知ってるプレデターは何となく理解してたぞ」

若プレデター「...俺はまだ成人ではない。初めてこの星に来たのは2週間前だ」

若プレデター「戦いの熱を感じて初狩りに来たのだが...この町はどうもおかしい」

ランプの魔人「なるほど、まだ人間でいう子供ということか」


若プレデター「子供ではない!!!!俺はもう立派な戦士だ!!!!」

若プレデター「いいから魔法とは何か説明しろ!」


ランプの魔人「はいはい...話すと長くなるぞ」



カクガクシカジカ

若プレデター「...なるほど、何となくは分かった」

ランプの魔人「じゃあ次は私からの質問だ」

ランプの魔人「お前この町に来て他に人は見たか?」


若プレデター「...人間か、正常なヒューマンはこの町では見てないな」

若プレデター「身体が黒かったり、手足が異形化してるやつらは数えきれないくらい戦ったぞ」


ランプの魔人「...この町にはもうまともなやつは残ってないということか」

雪男「...」

ランプの魔人「雪男、お前の妹の種族はなんだ?翼が生えてたり牙が生えてたりしてなかったか?」

雪男「私と一緒に暮らしていた頃は普通の人間だと思って接していましたが...今は分かりません」

雪男「今思えば色々人間離れしていましたからね...」

ランプの魔人「つまり特徴はアホ毛の少女だけということか。今となっては別人のように感じてきたぞ」

雪男「そんな!絶対に妹のはずです!」


若プレデター「...妹探しという話も本物らしいな」


ランプの魔人「んー...まあ無駄だとは思うが聞いてみるか」カキカキ

ランプの魔人「プレデター、こんな髪型のやつを見てないか?」


スケッチ『 ゝ 』ドンッ☆


若プレデター「...なんだこれは?リンボーダンスをしているミミズか?」

ランプの魔人「いや、違う。この雪男が探しているという妹の特徴だ」

ランプの魔人「他にハサミが生えてようが手が4つあってもいい、こんなアホ毛の少女を見なかったか?」

プレデター「...ふむ」

若プレデター「...どこか覚えがあるな」



雪男「!?」

雪男「み、見たのですか!?この髪型を!?」ガシッ


若プレデター「あ、あぁ...遠目からだが姿だけはな。戦闘はしなかったが」


雪男「お、教えてください!今あいつはどこに...!」

ランプの魔人「おい落ち着け雪男、そこまでは知らんと言っているだろう」

雪男「で、ですが...!やっとみつけた手がかりなんです!」


ランプの魔人「プレデター、髪型の他に何か特徴はなかったか?」


若プレデター「あまり覚えてはないが...確か>>155があった気がするな」

あっ...ごめんなさいミスです
>>149>>150の間にこれが入ります


スタスタ スタスタ


紅幼女「なぁ、なんでランプの魔人はあいつの言葉が分かるんだ?」

ランプの魔人「お願いの力で私はあいつらの言葉が分かるようになっているんだ」

紅幼女「なら私達にもそのお願いをした方がいいんじゃないか?色々便利そうだし」

ランプの魔人「...それもそうだな」


ピカッ


若プレデター「!?」ビクッ

若プレデター「おい貴様ら!今の光はなんだ!」チャキッ


ランプの魔人「今のは私の力だ。後ろのこいつらにもお前の言葉が分かるようにした」


紅幼女「ハ、ハロー」

雪男「...どうも」

蒼幼女「...ふん」

翠幼女「ふわぁ~ねみぃ」アー


若プレデター「...」

太ももに7つの傷

今日はここまで
これからは二日に一回投下のペースになりそうです

若プレデター「脚...太腿辺りに七つの傷があったように見えたな」


雪男「太ももに...」

ランプの魔人「七つの傷...?」


紅幼女「よく太ももの傷なんて見えたな」

翠幼女「きっとスケベ心が働いたんでしょ」


若プレデター「勘違いされる前に言っておくが、やつが脚を露出してる格好をしてたから見えただけだ」

若プレデター「俺はヒューマンのような猿には興奮なんてしないから安心しろ」


ランプの魔人(あれ?)

ランプの魔人(これが普通のプレデターの反応なら、私に付きまとってるプレデターはまさか人間で言うゲテモノ好きというやつなのか...?)

ランプの魔人(...何か無性にイラついて来たぞ)

ランプの魔人「で、どうなんだ?お前の妹に傷はあったのか?」

雪男「...私の記憶ではなかったと思うのですが...」

ランプの魔人「つまり別人か行方不明になった後につけたのか、まあこんな町だと傷の一つや二つはついてもおかしくはないけど」



紅幼女「なぁなぁ」ツンツン

若プレデター「...なんだ」

紅幼女「表にあるバリケードはお前が作ったのか?」

若プレデター「...いや、補強はしたが正確に言えば俺が作った物ではない」

若プレデター「あのバリケードは前からあった物だ。恐らく先客の人間がここで立て籠りでもしてたんだろう」

紅幼女「ならあのバリケード何のためにあるんだ?外にいたゾンビ対策?」

若プレデター「...お前達、外にいた"アレ"を見てないのか?」

紅幼女「あれ...?」



ズズーーーーーーーーーン...



黒龍「ピギャッ!?」ビクッ


ランプの魔人「な、なんだこの揺れは...まるで巨大な何かが突進してきたみたいだが」

若プレデター「チッ...もう来たか!」チャキッ

ランプの魔人「お、おい!なんだこれは!」

若プレデター「俺がここで篭城してるのはアレに追い詰められたからだ!アレはなぜか毎日ここを攻めてくる!」

蒼幼女「...一体何が攻めてくるのですか?」


若プレデター「>>164だ!」

黄龍

若プレデター「俺にも分からん!巨大な黄色いトカゲのような生物だ!」


黒龍「ピギャー」

紅幼女「トカゲ...」

蒼幼女「...」

翠幼女「へー食べられるのかな」ボケー


若プレデター「くっ!今度こそは狩ってやる!」ダッ


ランプの魔人「黄色いトカゲか...少し興味があるし見物するか」

ランプの魔人「プレデターのやつは屋上に行ったみたいだな。行ってみるか」スタスタ


黒龍「ピギャー」パタパタ

紅幼女「私も行こっと」

蒼幼女(黄色いトカゲ...まさか...)


翠幼女「めんどいから私はパス~ここのベッドで一休み一休みっと」ゴロン

雪男「私もここを確保しておきます」

ダダダダダダダダッ!!!!!!

バシューン...ドッカアアアアアアアアアアン!!!!!!!!




ランプの魔人「おぉ、やってるやってる」

黒龍「ピギャー」



若プレデター「そこだァッ!!!」∴

ビシューーーーン...

黄龍「グラァッ!!!!!」バシンッ 




ランプの魔人「ん?あれ龍じゃないのか?」

紅幼女「...黄龍!?なんでこんなところに!?」

蒼幼女「...やっぱり」

ランプの魔人「知り合いか?」

紅幼女「う、うん...あいつも私達と同期の龍だ...名前は黄龍」

ランプの魔人「また龍か」

紅幼女「性格は...ワガママ?とりあえず自分の気に入らないことは許さないタイプだな」

紅幼女「強さは私達に比べたら弱い方だ。あいつ元々戦闘向きじゃないし」

紅幼女「あとすっごいお金持ち、蒼龍が持ってた黄金郷みたいな建物をいくつも持ってる」


ランプの魔人「」ピクッ


蒼幼女「...黄龍は金を操る力を持っていますからね。あの龍にとってはお金なんてそこら辺に生えてる雑草と同じ扱いです」

ランプの魔人「...ほほう、それは是非お友達になりたいな」ニヤリ


ランプの魔人「とにかくお前らあの龍の知り合いならまずあの争いを止めてこい。なぜプレデターを狙ってるのかは知らんが話し合いで解決するかもしれん」


紅幼女「私は龍の姿になれないし...」チラッ

蒼龍「...また私ですか」グワッ

黄龍「グワアッッ!!!!!」ブンッ


若プレデター「くっ...なんて力だ...!まだこっちは万全ではないというのに!」



蒼龍「黄龍、そこまでです」バサッ



黄龍「グワアアアアアアアアアア!!!!!...ア?蒼...龍?」

黄龍「な、なぜ貴女がここに...」


蒼龍「話すと長くなります。とにかく戦闘をやめてください」


黄龍「はぁっ!?何言ってますの!」

黄龍「とにかくそこを退きなさい!わたくしはそこの異星人に用があるのよ!」


蒼龍「まったく...頑固な性格は相変わらずのようですね」

紅幼女「おーい!黄龍ー!戦いをやめろー!」ピョンピョン


黄龍「...そこのおチビ、馴れ馴れしく名前を呼ぶのはやめなさい。わたくしが誰かご存じで?」


蒼龍「...信じられないかもしれませんがそのチビは紅龍です。あの暴れ者の」


黄龍「ハァ?くだらない冗談はやめてくださる?あの野蛮で下品な紅龍がこんなちっこいわけないでしょうが」


ランプの魔人「お前酷い言われようだな」

紅幼女「や、野蛮って...下品って...」ズズーン


若プレデター「お、おい!急になんだ!戦いに割り込むな!」

若プレデター「これはヤツと俺のサシでの戦い!邪魔立ては許さんぞ!」

ランプの魔人「あぁ、すまん。私の連れがそのトカゲと知り合いなんだよ」

若プレデター「し、知り合い?お前らは一体...」



黄龍「退かない気なら貴女も、そこの異星人と一緒に死んでもらいますわっ!」シュゥゥ


蒼龍「...ずいぶん強気ですね。アナタ、はっきり言って私より弱いくせに」


黄龍「ハンッ!いつまでもわたくしが貴女に負けてると思ったら大違いですわよ!」

黄龍「貢げ金よッ!わたくしの元に集まれッ!」フシュウウウウウ



ランプの魔人「あーもうめんどくさい。クロちゃん、お願いであいつの動きを封じてくれ」

黒龍「ピギャ」


ピカッ


黄龍「 ガ ッ !?」ビリッ

黄龍「な、なんですの...動けッ...」ビリビリ

蒼龍「...最初からそうすれば良かったじゃないですか」


紅幼女「うん確かに」

若プレデター「な、なんだ...あのトカゲの動きが止まったぞ」



黄龍「グッ...これは神級の拘束魔法!?い、一体誰がこれほどの魔法を...!」ビリビリ


ランプの魔人「私だ」

ランプの魔人「おいそこの龍、貴様はなぜプレデターをつけ狙う?」


黄龍「ハァ?誰に向かって口を聞いて...わたくしは偉大な龍、貴女のような愚民が...」ビリビリ


ランプの魔人「...質問しているのは私だ。口答えするな」ギランッ


黄龍「」ビクッ

黄龍「な、なななななな...そ、そんなの決まっていますわ!そこの異星人がわたくしに>>173をしたからよ!」ダラダラ

セクハラ

今日はここまで
地味に紅幼女の方も最初に立ててから一年近く経ってたり...一応このスレで終わらせるですが時間がかかって申し訳ないですorz

黄龍「決まっていますわ!そこの異星人があろうことがこのわたくしにセクハラをしたからよっ!」


蒼龍「...」

紅幼女「...」

黒龍「...」


ランプの魔人「お、おう」

若プレデター「なんだ?やつは何と言っている?」

ランプの魔人「お前にセクハラ...つまり性的な嫌がらせをされたらしい」

若プレデター「は?」


黄龍「あぁ思い出すだけで汚らわしい...可憐で美しい私にあんなことをするなんて...」クラッ

黄龍「だからその異星人は私の手で殺すのですわ。自分の汚点は自分で消し去るのが一番よ」


ランプの魔人「とか言ってるが」

若プレデター「...冗談だよな?やつは本当は何と言っている?」

ランプの魔人「いや本当にそのままだ」

若プレデター「...くっ、頭が痛くなってくるな。性的な嫌がらせだと?あのトカゲに?」

若プレデター「ゼノモーフの方がまだマシというやつだ...」

ランプの魔人「つまり身に覚えがないと」

若プレデター「当たり前だ...」


ランプの魔人「と、こっちのプレデターは言ってるが」


黄龍「...わたくしにあんなことをして覚えがないと?」

黄龍「...もう怒りを抑えきれませんわっ!!!!そこの異星人を一刻も早くこちらに寄越しなさいっ!!!!」ブンブン


ランプの魔人「というかセクハラ自体具体的に何をさせられたんだ?勘違いという可能性もあるんじゃないのか」


黄龍「勘違い!?>>181までやって勘違いもクソもないでしょう!!!!」

地面に埋まって寝ているお腹の上で骨付き肉を焼かれた挙句、足の爪で武器を研がれた

黄龍「地面に埋まって寝ているお腹の上で骨付き肉を焼かれた挙句に足の爪で武器を研がれたのですわっ!!!!」


蒼龍「...」

紅幼女「...」

黒龍「...」


ランプの魔人「...とか言ってるが」

若プレデター「そういえば1週間ほど前、地面に柔らかいマットのような物があって一度そこで休憩したことがあったな」

若プレデター「生えてた金属の塊のような物で武器を研いだこともあったような」

若プレデター「...これは性的な嫌がらせなのか?」

ランプの魔人「知らん」


黄龍「こんな屈辱的なことをされたのは生まれて初めてですわ!」

蒼龍「...なぜ地面に埋まって寝ていたのですか?」


黄龍「よく寝れるからに決まっていますわ!外にベッドはありませんからね!」


紅幼女「肉焼かれて爪で武器研がれただけじゃん...何もそこまで怒らなくても」


黄龍「ハァ?大問題に決まっていますわ」

黄龍「わたくしは龍の中でも選ばれし龍、黄龍ですのよ?そのわたくしの身体の上に乗ったあげくに爪を削るなんて...決して許される行為ではないですわ!!!!」


黒龍「ピギャー...」

ランプの魔人「ワガママというか自意識過剰というか...性格に難があるのは本当のようだな」

ランプの魔人「どうするプレデター?あいつがお前を襲ってる理由はこんなくだらない理由だったわけだが」

若プレデター「...もうどうでも良くなってきた」

若プレデター「これは俺が謝ればあいつの気が晴れるのか?」

若プレデター「普段は絶対に謝らないと思うが...もう力が抜けてアホらしくなった。謝罪する、これでいいのか」

ランプの魔人「だって」


黄龍「許すわけないですわっ!!!!」


蒼龍「でしょうね」

紅幼女「やっぱり」


黄龍「貴方が許される唯一の方法は死のみっ!!!!いいから早くこの拘束魔法を解きなさい!」ブンブン


ランプの魔人「とかほざいてるが」

若プレデター「...こんなことで死んだら一族の恥どころか種の恥なんだが」

ランプの魔人「だろうな...一応お前には情報を教えて貰った借りがある。この場は私に任せておけ」

若プレデター「...助かる」

ランプの魔人「おい黄龍とやら」


黄龍「な、なんですの!魔法を解く気になりまして!?」


ランプの魔人「腹で休憩されて爪をちょっと傷つけられたくらいでそんなにキレるな。みっともない」

ランプの魔人「偉大な龍のクセにそんなちっちゃいことを気にするなんて、お前の器もしれたものだな」


黄龍「なっ...」ムッカチーン



蒼龍「...あー、逆効果ですね。あれは」

紅幼女「どういうこと?」

蒼龍「あの子は昔から自分の意見を真っ向から否定されるのが大嫌いですからね」

蒼龍「これから全方位に向けた八つ当たりが始まりますよ...あれは少し厄介です」

紅幼女「マジか...」

黄龍「も、もう許しませんわ...このわたくしに意見するなんて...」ゴゴゴゴゴ

黄龍「全員この場から消え失せないっ!!!!!」パァ



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...



ランプの魔人「なんだ?これは...何か悪い予感がするぞ」


蒼幼女「...あれは黄龍の技です」バサッ

蒼幼女「あの子、実は常に自分の身体から微量に金が出てるんです。その力を魔法で解放しようとしています」

蒼幼女「早く止めないと...この町が大変なことになりますよ」


ランプの魔人「チッ...拘束魔法にしたのは失敗だったな、魔法を使用不能にすれば良かったか」

ランプの魔人「なら暴れる前にこちらから止めるまでだ。クロちゃん」

黒龍「ピギャー」


ランプの魔人「黄龍を>>189にしろとお願いしてくれ」

全身金粉まみれの幼女

今日はここまで

ピカッ


黄龍「!?」



紅幼女「この光...一体なんてお願いしたんだ?」

ランプの魔人「お前と同じように幼女にした。黙らせるならこれが一番だからな」

紅幼女「む、むごい」


蒼幼女(初対面の時に幼女に変えられなくて良かった...)


シュゥゥゥゥ...


『な、なんですの...今の光は...?』

『ん?な、何か身体に違和感を感じるような...!?』


黄幼女(金粉)「な、なんですのこれは!?」ボフッ

ランプの魔人「ぷっ」

若プレデター「ぷっ」

紅幼女「ぷっ」

蒼幼女「...ぷっ」

黒龍「ピギャ」プッ



黄幼女(金粉)「な、なぜわたくしが人間の姿に...い、いやそんなことよりも!この金粉はなんですの!?」



ランプの魔人「ククッ...な、なんだあれ...金粉まみれになってるぞ...」クスクス

黒龍「ピギャー」ゲラゲラ

若プレデター「こ、滑稽な姿だな...宇宙でもあんな面白い物は中々ないぞ...」ププッ

蒼幼女「どうやら龍から幼女に変化したら身体から出てる微量の金が分かりやすくなったみたいですね...ぷっ」

紅幼女「...ミノムシみたい」


「「「「「 アーッハッハッハッハッハ!!!! 」」」」」



黄幼女(金粉)「なっ...なっ...なっ...」プルプル

黄幼女(金粉)「わ、笑うのをやめなさい!今すぐ全員殺しますわよ!」


ランプの魔人「いや無理!これを見て笑うなって言うのは無理!」ゲラゲラ

黒龍「ピギャギャギャギャギャ」

若プレデター「は、腹痛い...ここまで笑ったのは生まれて初めてだ...!」

蒼幼女「...ププッ...ククッ...」

紅幼女「あはははははは!あひひひひひひ!あくくくくくく!」ゲラゲラ



黄幼女(金粉)「このっ...全員死ねぇ!!!!」ブンッ


ゴォォォォォォォォォ


ランプの魔人「クロちゃんガード」

黒龍「ピギャー」


ピカッ


黄幼女「なっ!?か、完全に防がれた!?」

紅幼女「き、金粉投げて来た...あいつ自分の身体に付いてる金粉で攻撃してきた...」ププッ


アーッハッハッハッハッハ!!!!!!!


黄幼女「...」カッー

黄幼女「お、覚えてなさいーーーー!!!!」バサッ



ランプの魔人「あ、逃げた」

若プレデター「み、見ろ...あいつの飛んだところが金色に光ってるぞ...」プッ

蒼幼女「また金粉が出始めたみたいですね」

紅幼女「...虹みたい」



アーッハッハッハッハッハ!!!!!!!

ランプの魔人「あー笑った笑った。ここまで笑ったのは久しぶりだな」

黒龍「ピギャー」

若プレデター「す、すまない...やつを追い払ってくれて助かった」ククッ

若プレデター「これで俺も自分の星に帰れるというものだ」


紅幼女「もう帰るのか?」


若プレデター「あぁ、元からもっと早く帰還する予定だったがあのトカゲのせいで船が出せなくてな」

若プレデター「やはり俺にはまだ少し経験が足りなかったようだ。また一から訓練のやり直しだな」


ランプの魔人「そうか、頑張れよ」


若プレデター「お前には恩がある...そしてやつを追い払う力もだ」ガサゴソ

若プレデター「ぜひこの>>200を受け取って欲しい。敬意の証だ」

キングギドラの鱗

ランプの魔人「...なんだこれ」

若プレデター「キングギドラの鱗だ。俺が仕留めた獲物の中で一番の強敵だった」

ランプの魔人(...いらねぇ)


ランプの魔人「これっていくらで売れ...」

若プレデター「非売品だ。売るなよ」

ランプの魔人「チッ」


若プレデター「ではさらばだ。地球の民達よ、またいつか出会う時が来るかもな」ポチポチ



ゴォォォォォォォォォ



紅幼女「おぉ...すごい。生UFOだ」

蒼幼女「どうでもいいですけど魔法がある世界なのに普通に宇宙人が存在していいんですか?」

シュンッ


紅幼女「UFOって速いなぁ...もう姿が見えなくなった」

ランプの魔人「何かだいぶ本筋からズレてる気がするな...雪男達のところに戻るか」





翠幼女「Zzz...」スヤァ


雪男「お帰りなさい、どうでしたか?」

ランプの魔人「こっちは特に何も問題はなかったぞ。あとプレデターが自分の星に帰った」

雪男「そうですか...あの方には最後にお礼を言いたかったのですが」


ランプの魔人「さて...これからのことだが、とりあえずクロちゃんの報告にあった警備が厳重な建物とやらに行くか」

雪男「...警備が厳重とは具体的にどのようにですか?」

黒龍「ピギャー」

ランプの魔人「建物を囲むように亡者が大量にいるらしい。まあこちらの戦力なら正面突破で問題ないだろう」

雪男「...もしその建物に居なかったら」

ランプの魔人「あぁ、他のところに隠れてるかもしくは...だ。最後に町全体に聞こえるように音声を流しても見つからないようだったら諦めろ」


雪男「...分かっています。妹が見つからなくともここまで付き合ってくれただけで貴女方には感謝しきれません」

雪男「その時は私も...清く妹のことは諦めます」


ランプの魔人「まあ可能性の話だ。きっと妹も見つかるはずさ」

ランプの魔人「さてそろそろ行くか。こっちも晩飯までには帰りたいからな」

ランプの魔人「おい誰か、そこで寝てるアホを起こせ」



翠幼女「むにゃあ...Zzz...」スヤスヤ


紅幼女「おい起きろ翠龍、行くぞ」ユサユサ


翠幼女「あ、あと8時間...」ゴロン

紅幼女「長いわ!」

今日はここまで
短くてごめんなさい

............................................................
.................................................


スタスタ スタスタ


紅幼女「ところでさっきから気になってんたんだけどさ」

紅幼女「お願いで黄龍を私と同じように幼女にしてたじゃん?」


ランプの魔人「それがどうした」


紅幼女「でもさ、私は幼女にされて魔法が使えなくなったけど、黄龍は幼女になっても普通に金粉を魔法で操って攻撃して来たじゃん?」

紅幼女「なんで黄龍は幼女にされても力を失っていないんだ?」


ランプの魔人「そりゃ当たり前だろ。私は「幼女にしろ」と言っただけで「力を失え」とは一言も言ってないんだからな」


紅幼女「いやいやいや!なら私が力を失ってるのはおかしくないかっ!?」


ランプの魔人「...」ハッ

ランプの魔人「...言われてみれば確かに」


紅幼女「今気付いたんかい!!!」

ランプの魔人「いやなんでお前幼女になって急激に弱体化してるんだ...?」

紅幼女「こっちが聞きたいわ!」

ランプの魔人「うーん...考えられる理由としては、身体が幼女になった影響でお前の魔力が埋もれてしまったのかもしれん」

紅幼女「え?どういうこと?」


ランプの魔人「ようはお前の魔力のコントロールが下手で急激な身体の変化について行けなくなったということだ」

ランプの魔人「魔力の使い方が上手いやつや、普段から人間の身体になったりしてるやつは適応して問題なく魔法を使えるんだろう。知らんけど」

ランプの魔人「まあそのうちお前も幼女の身体に慣れて魔力も復活するだろ...多分」


紅幼女「...そのうちっていつ?」


ランプの魔人「軽く見て100年くらい」


紅幼女「長いわ!」

紅幼女「なあ蒼龍、私どうやったら力を取り戻せるんだ?」

蒼幼女「アナタの場合は魔法も炎以外ろくに使えない、しかも普段から龍の姿で人の姿になったことは一度もないの二重苦ですからね」

蒼幼女「数百年...下手をしたら一生使えないかもしれません」

紅幼女「!?」


紅幼女「え、えぇ...マジか...私ずっとこのままなのか...」ズズーン


蒼幼女(...そもそも龍なのに炎以外の魔法がろくに使えないというのは不自然なんですけどね)

蒼幼女(得意不得意関係なく、一種類しか魔法が使えないのは明らかに異常です...本人はあまり気にしてないようですが)

蒼幼女(まさか、あり得ないとは思いますが...私達が魔法だと思っていた紅龍の炎は本当は魔法ではなくランプの魔人のような能力だったという可能性も)


蒼幼女(...さすがにないですね。魔法抜きで私と同程度の強さなんて)

紅幼女「はぁ...どうすれば元に戻るんだろ」

黒龍「ピギャー」ポン

紅幼女「...励ましてくれるのか?」

黒龍「ピギャー」

紅幼女「自分の力を貸せば問題ないって...それ私の力じゃなくてお前の力じゃん」ズーン



蒼幼女(今までスルーしてきましたけどあの子龍は行方不明になってる黒龍...なんですよね?)

蒼幼女(一体どういう経歴で子龍に戻り、ランプの魔人の仲間になったかと思いましたけど...この流れを見ると大方の予想はつきました)



翠幼女「ふわぁぁ...ねむっ」ゴシゴシ

ランプの魔人「見えてきたな...あれが例の建物か」

雪男「建物というより要塞...ですね。現代にある建物とはとても見えませんよ」



亡者「ア゛ア゛ーーーーーーー!!!!!」ダッ


蒼幼女「」クイッ


シュバババババババ!!!!!


亡者「キ゛ャ゛ッ...」グサッ



ランプの魔人「...今までも何体か襲ってきたがあそこから近くなるにつれて増えてきてるな」

ランプの魔人「そろそろ奴らを一掃してから行くか、頼んだぞお前ら」


蒼幼女「...行きますよ翠龍」バサッ

翠幼女「えぇー私?」

バサッ バサッ


翠幼女「ねぇー!蒼龍一人で倒せばいいじゃん!私連れていく必要ないでしょ?」

蒼幼女「アナタと一緒にすれば効率がいいんですよ」

翠幼女「でも私の種はどちらかと言うと対人用だよ?あの大群相手だと役に立たないってばー」



亡者達「「「「 ア゛ア゛ッ... 」」」」ゾロゾロ



蒼幼女「種は今回は要りません。ただ上から水魔法で雨のように水を降らしてくれれば結構です」

蒼幼女「あとは私が凍らせますから」


翠幼女「あっ、そんな簡単なことでいいんだ。もう先に言ってよね」ピカッ

ザーザー...ザーザー...



亡者達「「「「 ア゛ッ゛? 」」」」ザパー



翠幼女「ほい、濡らしたよ?」

蒼幼女「どうも、これで凍りやすくなります」ピカッ


カチカチ...カチカチ...


亡者達「「「「 ア゛ア゛ア゛ア゛ッ... 」」」」ピキッ



翠幼女「おぉ、あの大群が一瞬で凍った」

翠幼女「...何か寒っ!冷気がこっちにまで来てるじゃん」ブルッ


蒼幼女「これで亡者の対策は完了です。さ、戻りますか」バサッ

ランプの魔人「...寒いな、少し」ブルッ

雪男「そうですか?私は別に気になりませんが」

紅幼女「あー...あったかい」ボォォ

黒龍「ピギャー」ゴォォ


蒼幼女「掃除して来ましたよ...これで正面から入れるはずです」バサッ

翠幼女「あーしんど」バサッ


ランプの魔人「よし、攻め込むとするか」




城門『』ドーン




ランプの魔人「...このでかい扉、結界が張ってあるな」コンコン

雪男「中に誰か居るのは確定...ということですか」

紅幼女「というかさ...この町を壊滅させたやつがこの城の持ち主なんじゃないのか?」

シーン


紅幼女「えっ何この空気」


蒼幼女「...少なくとも、これだけの魔獣を量産してるということはただ者ではなさそうですね」

翠幼女「というかやってることが悪趣味なんだよねぇーこういうのは魔界のやつらの仕業なんじゃないの?」


ランプの魔人「魔界のトップはもう既に改心しているが...それに嫌気がさしての反乱という線も否定は出来ないな」

ランプの魔人「どちらにしても入れば分かることだ。さっそく結界を壊して...ん?」


インターホン『』


ランプの魔人「...おい、ここインターホンがあるぞ」


雪男「罠でしょうか?」


ランプの魔人「いや分からん...普通の呼び鈴みたいだ」

ランプの魔人「...ここは>>220だな」

城をそのまま消す

ランプの魔人「城をそのまま消すか」

一同「「「 !? 」」」


雪男「なっ...本気ですか?」


ランプの魔人「このインターホンは多分押すと爆発する系のアレだ、つまりそういう系のトラップがこの先いっぱいあるということだろう」

ランプの魔人「わざわざ城に入って危険な目に遭うよりも、お願いで消した方が安全だし楽だ」

ランプの魔人「安心しろ。城自体を消すだけだから中にいる生物は消えないはずだ」

ランプの魔人「ということでクロちゃんよろしく」

黒龍「ピギャー」



ピカッ



城『』シュンッ



紅幼女「おぅ...本当に消えた」

蒼幼女「...何でもありですね」

城『』パッ




ランプの魔人「!?」

雪男「ど、どういうことだ...?消えたはずの城が...」

翠幼女「元に戻ってるねー」


ランプの魔人「んな馬鹿な!私のお願いは絶対だぞ!なぜ復活した!?」

紅幼女「こんなこと初めてだな...ランプの魔人のお願いが効かないなんて」

ランプの魔人「おいクロちゃん!もう一度だ!もう一度お願いをしてくれ!」

黒龍「ピギャー」




城『』シュンッ

城『』パッ




蒼幼女「...また元に戻りましたね」

ランプの魔人「...そうか、何となくだが分かったぞ」

ランプの魔人「雪男、そこにある小石をあの城に向かって投げてくれないか?」


雪男「この石ですか.. ?分かりました」スッ

雪男「どこか指定する位置はありますか?」


ランプの魔人「そうだな...なら真ん中辺りに投げてくれ」


雪男「了解です...」グッ

雪男「憤ッッッッ!!!!!!」ビュウン




スゥッ




紅幼女「!?い、石が城をすり抜けたぞ!」

蒼幼女「そういうことですか。つまりあの城は...」

翠幼女「幻覚、マボロシってことだねぇ」

ランプの魔人「やはり張りぼてか...一体何のためにこんなことを」

紅幼女「どうするんだこれ...城がないってことはもう探す当てもないってことだぞ」


雪男「...」


蒼幼女「そうとも言い切れないんじゃないですか?」

翠幼女「どういうこと?」

蒼幼女「簡単な話ですよ、城がまやかしだったら何のためにそんなことをする必要があったかという話です」

蒼幼女「まずは城門を突破して敷地内に入ってみましょうか。そうすれば答えはすぐ分かるはずです」



ドッカーン



ランプの魔人「お願いで城門をブッ飛ばしたがこれで何が分かるんだ?」

蒼幼女「まずあの城、アソコをもしまやかしだと気付かずに入ったらどうなると思いますか?」


紅幼女「うーん...どうなるんだ?」

雪男「仮にあの城がデコイの役割だとすると...何か罠のような物が作動するんじゃないですか?」


蒼幼女「その通りです。では次、どのような罠だと思いますか?」


翠幼女「ベターなやつだと何か飛んでくるとか?」

ランプの魔人「...この質問には何の意味があるんだ?」


蒼幼女「どういった意図で、どのような罠を仕掛けたかが分かれば相手の情報は自然と分かるものです」

蒼幼女「今回の場合は...城門に結界を張って城の幻を作った犯人がどこにいるのかが分かります」

紅幼女「えっ!?本当にそんなことが分かるのか!」


蒼幼女「まず罠というものは生け捕りが基本です。そのまま殺すよりも相手を捕らえて情報を聞き出してから殺した方が有益ですからね」

蒼幼女「ではこの幻にどのような罠が仕掛けられてたか...まあ落とし穴辺りが妥当なところでしょう」


ランプの魔人「お、落とし穴?」


蒼幼女「アレは容易に作れて一度引っ掛かれば簡単に脱出不能にすることが出来る優れものですからね。人は自然と地面から意識が外れますから成功率も高いですし」

蒼幼女「では試しにこの氷柱を城の入り口付近に落としてみましょうか」


カチカチッ...


ヒュー


ズブッ


雪男「!? 地面に穴が!」

蒼幼女「ビンゴ、次はこれを仕掛けた相手がどこに居るかですね」

蒼幼女「私なら...そうですね...」

蒼幼女「罠にかかったことがすぐに分かり、発見されにくい場所...つまり」トントン


蒼幼女「この下ですね」


ランプの魔人「地下ということか?」

翠幼女「あー何か分かる。地下ってジメジメしてて寝やすいんだよね」

紅幼女「それはちょっと違うと思う」


蒼幼女「私の推測が正しければこの近くに出入り口があると思いますが...翠龍、空気の動きでどこか空洞があるか分かりませんか?」


翠幼女「えーそんなこと言われたって見つかるわけな」ピクピクッ

翠幼女「あっ...あるね。そこの3メートル先の地面のところから僅かにだけど違和感を感じるような」

雪男「ここら辺ですか?」トントン

翠幼女「んーもうちょっと右...うんそこそこ」

雪男「では少し殴ってみますか...憤ッッッッ!!!!!」ブンッ


ドンッ!!!!!

ガラガラガラガラガラ......


紅幼女「じ、地面が崩れた...」

ランプの魔人「...どうやら当たりのようだな。確かに道のような空洞になってるぞ」


蒼幼女「どうです?見事に当たったでしょう」ドヤァ


ランプの魔人「...きっとこれを作ったやつは蒼龍と同じくらい性格が悪いんだろうな」

紅幼女「...同じ者同士考え方が似てるんだろうな」

翠幼女「普通分からないよねここまで、普通は」


蒼幼女「聞こえてますよ」イラッ

今日はここまで

スタスタ スタスタ


ランプの魔人「しかしこの道狭いな」

紅幼女「え?別に普通だけど」

ランプの魔人「そりゃお前が幼女だからだ。私や雪男の体格だと狭く感じるんだよ」


雪男「...窮屈です」キツキツ


ランプの魔人「おい蒼龍、ここから先がどうなってるかは推測出来るか?」

蒼幼女「詳しくは分かりませんが...私ならまず侵入者を排除するために無数のトラップを配置しますね」

紅幼女「黄金卿にあったやつみたいな?」

蒼幼女「あれはやさしいモードのトラップです。普段仕掛けてるのはもっと過激なハードモードですよ」

ランプの魔人「わざわざ切り替えてたのか...本当性格悪いなお前」

蒼幼女「...アナタにだけは言われたくないです」


翠幼女「ん?あそこの先、広い場所になってない?」

紅幼女「本当だ!もしかして出口か!」

雪男「出口に出たら駄目なような気がしますが...」



パァァ...



ランプの魔人「...なんだここは?ホテルのロビーのように見えるが」

紅幼女「エレベータもあるぞ...地下行きしかないけど」

翠幼女「おっ、ソファー発見っと」ゴロン


蒼幼女「ここがこの要塞の本当の入り口のようですね...」

雪男「なぜか不気味に感じるところですね。これは一見怖いくらいまで整っているこの空間のせいなのか、それとも...」


蒼幼女「皆さんこれからの行動は慎重にお願いします...トラップがあるとしたら確実にここからです」

蒼幼女「不審な物に触ったりするようなことは絶対にやめてください。...分かってますか?紅龍」


紅幼女「」ビクッ

紅幼女「な、なんで私だけ名指しなんだ」


ランプの魔人(...エレベーターは地下1階から地下50階まで、相当な深さだな)

ランプの魔人(見たところ奥に階段も見えるが...どちらで行くとするか)


翠幼女「すぴぃ...すぴぃ...」スヤァ


蒼幼女「翠龍、そのベッドから今すぐ離れてください。それが罠だったらどうするんですか」

雪男「階段とエレベーター、どちらで行きますか?」


ランプの魔人「普通なら楽に移動できるエレベーターだが...トラップがあったら脱出が困難だからな」

ランプの魔人「しかし階段も色々仕掛けやすい場所だし...うーむ」


紅幼女「お願いで一気に下まで行くのは駄目なのか?」


ランプの魔人「...地下50階までの位置には行けるかもしれんが、そこからが問題だ」

ランプの魔人「もし少しでもこの真下からずれていたら地面の中に埋まる可能性がある」


紅幼女「...お前のお願い本当に役にたたないな」


ランプの魔人「うっさいアホ、とりあえずここは>>238だ」

エレベーターに乗る

ランプの魔人「ここはエレベーターだ」

紅幼女「どして?」

ランプの魔人「だって楽だし」

紅幼女「おい!」


ランプの魔人「一応理由を言うなら、どんなトラップが来るか分かりやすいからだ。狭い空間だから音や匂いで発動前に察知することもできるかもしれない」

ランプの魔人「そしてトラップの発動と同時にお願いで対処する、我ながら完璧な作戦だ」ドヤァ


蒼幼女(単純ですがそれが一番...のようですね。離れて移動するよりも固まって移動した方が安全ですし)

蒼幼女(...いや少しシンプル過ぎますか。もう一度よく考えた方がいいですね)


蒼幼女(私がこの要塞の主なら...まず探知魔法か監視カメラで相手の情報を探ります)

蒼幼女(メンバーの中で誰が一番の戦力か...そしてどのような能力なのか)

蒼幼女(そこから罠で相手の戦力を削ぐ...出来るだけ確実に、決定的な戦力を)

蒼幼女(この場合はそうですね...私と翠龍はまず罠で仕留めるのは無理と見るべきでしょうか。あの亡者の流れを見ていたら私達の実力は分かってるでしょうし)

蒼幼女(次は...紅龍は論外ですね。会話的にも戦力として期待されてないことはバレてるでしょうし、同じ理由で黒龍もナシ)

蒼幼女(雪男はあの怪力は脅威ですから物理系の罠は効かないと見るべきでしょうか。ですがこのメンバーなら一番狙われる可能性がたか...)


ゾクッ


蒼幼女(!?)

蒼幼女(な、何か忘れてるような...致命的な何かを......ランプの魔人!)

蒼幼女(そ、そうです!あのお願いは確実に厄介!単純な戦闘力としてもこの中では一番!)

蒼幼女(もしお願いを叶える相手が居ないとただの無能だということが相手に知られていたら...)ゴクリ

ランプの魔人「ほら早くお前らもエレベーターに乗れ」

紅幼女「でも...何か危なくないか?」

黒龍「ピギャー...」

ランプの魔人「ならこれでどうだ、ほら私は一人で乗ったが何も起きないぞ」スタスタ



蒼幼女「ラ、ランプの魔人っ!今すぐこちらに戻ってっ...!」



ランプの魔人「なんだ突然、でかい声を出して」

パカッ

ランプの魔人「ん?今、下から音が...っ!?」



ヒュゥゥゥゥーーーー


バタン



紅幼女「...あれ?」

紅幼女「ラ、ランプの魔人が...落ちた?」

ズササササササササーーーーーーーー



ランプの魔人「うわああああああああああああああああ!!!!!!」ヒュー


ランプの魔人(な、何が起きた!?蒼龍に呼ばれたと思ったらいきなりエレベーターの床が開いてっ...)

ランプの魔人(まさか落とし穴に引っ掛かったのか!?いやこれ何か滑ってるけど!この場合は落とし滑り台だけど!)



ズササササササササーーーーーーーー



ランプの魔人(くっ...このままだと落ちる!まずは身体を止めないと!)グッ


ジュッ


ランプの魔人「痛ぁっ!?」


ランプの魔人(む、無理!この勢いを素手で止めるのは無理!手が持っていかれる!)

ランプの魔人「クソッ...うわああああああああああああああ!!!!!!」


ズササササササササーーーーーーーー


ランプの魔人「ちくしょおおおおおおおおおおおお止まれえええええええええええ!!!!!」バタバタ


ズササササササササーーーーーーーー


ランプの魔人「あああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」



ズササササササササーーーーーーーー



ランプの魔人「...落ちるのが長いな、いい加減慣れてきたぞ」


ポイッ


ランプの魔人(!?きゅ、急に終わるな!)


ランプの魔人「いでっ!」ドサッ

ランプの魔人「ち、ちくしょう...ここはどこだ?」サスサス


バタンッ


ランプの魔人「...見た感じ何もない白い部屋だな。本当に何もない」

ランプの魔人「出口も窓も...完全な密室だ...私一人だと脱出は不可能...」


ランプの魔人「...」ゾー


ランプの魔人「そ、そうだ!さっき滑った滑り台を逆走すれば!!」


シーン


ランプの魔人「な、ない...私がこの部屋に来たと同時に閉まったのか...」

ランプの魔人「これはつまりあれか...監禁状態というやつか」

ランプの魔人「くっ!完全な密室などこの世にはない!どうにかして脱出できるはずだ!」

ランプの魔人「とりあえず落ち着いて今の私の手持ちを確認してみよう...脱出に繋がるものがあるかもしれん」ガサゴソ


スマホ『』

鍵『』

ガム『』

キングギドラ鱗『』


ランプの魔人「ろくな物がない...!?そ、そうだ携帯があるじゃないか!」

ランプの魔人「これで助けを呼べばいいんだ!フハハハハハまさに文明の勝利だな!人間を舐めるなよ!」ポチポチ


スマホ『圏外』


ランプの魔人「」

ランプの魔人「...まあ冷静に考えたらそりゃそうだよな。ここ地下だし」

ランプの魔人「...そうだ、地下なら声も響くんじゃないのか?」


ランプの魔人「おい!私はここだあああああああああああああ!!!!!!助けろおおおおおおおおおおおお!!!!」ドンドン

ランプの魔人「誰かああああああああああ!!!!!居ないのかああああああああああ!!||」ドンドン



シーン



ランプの魔人「ぜぇ...ぜぇ...さ、さすがに無理があるか...無駄なエネルギーを消費するだけだな」ハァハァ

ランプの魔人「仕方ない...これだけは使いたくなかったが最終手段だ」


ランプの魔人(おい...創星神、見てるんだろ?私に魔力を返せ)


シーン


ランプの魔人「無視すんな!」

ランプの魔人「緊急事態だ!いいから早く私に魔力を戻せ!」


シーン


ランプの魔人「ク、クソが...あいつ絶対楽しんでるな...私が簡単に脱出したら面白くないから無視してるんだ...」

ランプの魔人「後で力が戻ったらただじゃおかないからな...覚えてろよ」メラメラ


ランプの魔人「仕方ない、救助が来るまで待つか」ゴロン

ランプの魔人「あいつらも私が居なくなったら困るから必死に探すはずだ...特に蒼龍が」

ランプの魔人「それまで一眠りでもして過ごそう...きっと1時間くらいでここから出られると思うからそれまで一休み一休みっと」


ランプの魔人「...」



ランプの魔人「なんて待てるかああああああああああああ!!!!!」ドンガラガッシャーン

ランプの魔人「誰かあああああああああ!!!!助けにこおおおおおおおいいいいいいいいいい!!!!!」

今日はここまで

紅幼女「ラ、ランプの魔人が...落ちた?」

黒龍「ピギャー!?」

翠幼女「おぉ、ボッシュートされた」

蒼幼女「クッ!間に合いませんでしたか!」


雪男「...少し下がっていてください」スタスタ

蒼幼女「ま、待ちなさい!今そのエレベーターに入るのは危険っ....」


雪男「覇ァッッッッッ!!!!!」ズドン


ベキィ!!!

パラパラパラッ...


雪男「落とし穴の形跡は...ない。物理的に消されたのか魔法で消したのかは分かりませんが、追うのは不可能のようですね...」

紅幼女「マジか...」


蒼幼女「私としたことが...こんな簡単なことに気付けなかったなんて」

蒼幼女(この状況でランプの魔人を奪われたのは痛すぎる...何だかんだであの能力は使えますからね...)

蒼幼女(救出...はほぼ不可能と言ってもいいでしょうか。この要塞でランプの魔人をピンポイントに探し出すのは時間がかかり過ぎる)

蒼幼女(探知魔法での捜索もあまり期待は出来そうにないですね...相手もそれを警戒して対策はしてあるでしょうし...)

蒼幼女(一番手っ取り早いのは犯人を見つけて直接叩いて居場所を吐かせる...それもなるべく素早く)

蒼幼女(もし...ランプの魔人に何かあったらあの動画は...)ゴクリ



紅幼女「ど、どうするんだ...こんなパターン初めてだぞ...ランプの魔人が居なくなるなんて」

黒龍「ピギャー...」

雪男「不覚...」

翠幼女「さすがに一度撤退した方がいいんじゃないの?このままだとジリ貧になりそうだけど」

蒼幼女「...行きますよ」

紅幼女「え?」


蒼幼女「このまま行くって言ってるんですよ。ここの主を見つけ出してランプの魔人を救出します」


翠幼女「えぇ...本気?」

蒼幼女「こちらには戦力として使える龍が二人+αも居ます。単純な力勝負ならまず負けません」

蒼幼女「ならここで引かずに攻めるべきです。そして出来るだけ素早くランプの魔人を連れ戻します」

翠幼女「...何か蒼龍らしくない作戦だね、どうかしたの?」

蒼幼女「何でもないですよ!!!!」


紅幼女「私は賛成だ!ここまで来たらランプの魔人を助け出して雪男の妹も見つける!」

黒龍「ピギャー!!!!」

雪男「私もです...!ここまでする奴だ、きっと妹の居場所も知っているはず!」


蒼幼女「決まりですね」

翠幼女「うへぇ、まじで...」


蒼幼女「では行きますか、肝心の敵の場所は恐らく最下階の地下50階です」

蒼幼女「そこまでは先程、雪男さんが開けたエレベーターの穴を降りて行きましょう。エレベーターの昇降路が一番罠が少ないでしょうからね」


紅幼女「なんで敵が地下50階に居るって分かるんだ?」

蒼幼女「勘です」

紅幼女「えっ」

蒼幼女「とにかくこういう場合は一番下か上にいるものです」


紅幼女「お、おう」

バサッ...バサッ...



蒼幼女「だいぶ深いですね、地下数百メートル近くはありますか」

翠幼女「ねーなんでわざわざ翼を使って飛びながら降りてるの?そのまま下に向かってジャンプすればよくない?」

蒼幼女「一応警戒のためです。何が起こるか分かりませんからね」



紅幼女「お、重い...」バサッバサッ

黒龍「ピギャー...」バサッバサッ

雪男「す、すみません...私飛べなくて...」



『ワーギャアアアアアアアアアア!!!!!!』



蒼幼女「」ピクッ

蒼幼女「この音、いや鳴き声は...」

翠幼女「どうやら下からお客さんのようだね...いやこの場合は私達がお客さんで向こうはお出迎えか」



>>257「ファアアアアアアアアアア!!!!!」

クローントルーパー

すみません今日はここまでです...

クローントルパー達「」ピョーン



蒼幼女「...何ですかあの如何にも雑魚っぽいモブキャラは」

蒼幼女「とりあえず敵っぽいですし打ち落としておきますか」クイッ


シュババババババババババ!!!!!!!


紅幼女「あっ!あれ映画に出てたやつだ!」

雪男「黒いアレは出てこないんですかね」キョロキョロ

黒龍「ピギャー」



蒼幼女「ふぅ、全部打ち落としましたか」

翠幼女「いやー何か蒼龍にばっかり戦闘させて悪いねぇ...おかげでこっちは楽にくつろげるよ」フワフワ

蒼幼女「大丈夫ですよ、ここのボスはアナタに譲りますから」

翠幼女「えぇっ!?」

翠幼女「蒼龍一人で戦えばいいじゃん!私、戦いなんてめんどくさいことするつもりはないよっ!?」

蒼幼女「今更何言ってるんですか。そもそもアナタは戦闘用として連れてこられたんですから、その仕事はしてもらいます」

翠幼女「なっ...じゃあ私このまま帰るからね!よく考えたらそもそもランプの魔人を助ける義理もないし!」バサッ


蒼幼女「...別にこのまま帰ってもいいですけど、後でどうなるか知りませんよ?」


翠幼女「」ゾクッ

翠幼女「えっ...どういうこと?」


蒼幼女「もしランプの魔人が無事に戻ってきたらどう思うんでしょうね...自分がピンチの時にアナタが一人だけ勝手に帰ったと知ったら」


翠幼女「」ゾー

蒼幼女「確実にキレてアナタに罰を与えるでしょうね...例えば家を爆発させるとか」


翠幼女「はぁっ!?」

翠幼女「ちょ、ちょちょちょちょ!そんなことあるわけな...!」


紅幼女「...ないとは言い切れないよなぁ。むしろそっちの可能性の方が高いかも」

黒龍「ピギャー」


翠幼女「ぐ、ぐぬぬ...」


蒼幼女「駄々こねてないでさっさと行きますよ。早く帰りたいでしょ?」


翠幼女「くそぉぅ!!!!!」バサッ

........................................................
..........................................


スタッ


蒼幼女「到着、ここが最下層のはずです」

翠幼女「あー...深かった...一体どれだけあるんだよぅ」


紅幼女「お、重かった...」バサバサ

黒龍「ピギャー...」バサバサ

雪男「ご、ごめんなさい...」


蒼幼女「とりあえずエレベーターの扉をぶち壊して外に出ます」

蒼幼女「...ここから先はこの階自体が罠だと思ってください。決して警戒を怠らないこと」

蒼幼女「翠龍、アナタが先陣です。私はその次、そして三人は私のあとに続いてください」

雪男「了解です...」ゴクリ

紅幼女「とうとうここまで来たのか...一体どんなやつがいるんだ...」

黒龍「ピギャー...」

翠幼女(あー早く帰ってカブトムシ食べたい)


蒼幼女「...行きます」ピカッ



ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!



翠幼女「よっと」ダッ

翠幼女(はぁ...私が最初か、めんどいな)

翠幼女(一応、何かないか見ておくかな、蒼龍に怒られそうだし)キョロキョロ



蒼幼女「...翠龍は行きましたか、次は私ですね」

蒼幼女「私の後にすぐ続いてください」ダッ

翠幼女「...」ボケー


蒼幼女「...ちょっと翠龍、なんでそこに突っ立てるんですか」

翠幼女「い、いやだってさ...」

蒼幼女「アナタ先陣がどういう役目か知ってるんですか?下手をしたら全滅もあり得るんですよ?」

翠幼女「あ、あそこ見てみてよ...」

蒼幼女「...?一体何が...」キョロッ



雪男「どうしたんですか...?こんなところで立ち止まって」

蒼幼女「...アソコを見てください、どうやら向こうは逃げも隠れもしなかったようですね」

雪男「...椅子に誰かが座って、いる?」



>>268「...」ニヤリ

ホッカイロ・レン

黒仮面『...』シュコー



蒼幼女「...なんですかあのどこかで見たことがあるような仮面と格好は」

雪男「...今話題の映画の敵のコスプレに見えますね」

翠幼女「ミーハーなやつだねぇ」


紅幼女「私あれまだ見てないんだけど」

黒龍「ピギャー」

紅幼女「や、やめろぉ!ネタバレするなぁ!」



蒼幼女「...で、そこにいるコスプレさん。アナタがここの主、この町を壊滅させた本人ですか?」


黒仮面『...ご名答』


蒼幼女「ランプの魔人を監禁してるのもアナタですか?」


黒仮面『...ご名答』

蒼幼女「なるほど、話が早くて助かります」

蒼幼女「なら早くランプの魔人をこっちに返してください。私達は人を探しているだけです」

蒼幼女「返してくれるなら特別にアナタの悪行と、失礼なおもてなしは見逃してあげます」


紅幼女「お、おい!やつは町一つを滅ぼした極悪人だぞ!それを逃がすのか!?」


蒼幼女「...私達はあくまでこの件とは関係ありません。わざわざ面倒ごとに首を突っ込む必要はないです」

蒼幼女「...ただ、帰ったら神界の方に通報はしますけどね」ボソッ

紅幼女「そ、そういうことか...」



黒仮面『残念ながらそれは無理な相談だな』

黒仮面『お前達の行動は見させてもらった...あの女は特別な能力を持っていることを知ってる』

黒仮面『あれはこの世を簡単に動かせるほどの力だ...我が野望を果たすためにあの力は使わせてもらう』



蒼幼女「...一応聞いておきましょうか。アナタの野望とは何ですか?」



黒仮面『そんなことは決まっている、世界をこの町と同じように死と絶望で塗り替えるのだ』



蒼幼女「...そうですか。それはこちらとしても見逃せませんね」

翠幼女「どーすんのあれ...?頭がイっちゃってることしか言ってないけど」

蒼幼女「やりますよ翠龍。一応、殺しはしないでください...ランプの魔人の居場所を聞き出さないといけませんからね」

翠幼女「了解...さすがに私もこの世界を滅ぼされるのは嫌だからね」


紅幼女「私もやるぞ!」


蒼幼女「アナタはここで子龍や雪男さんと大人しくしていてください」

紅幼女「えっ」

紅幼女「な、なんでっ!?私もクロちゃんの力を借りればそれなりには戦えるぞ!」

蒼幼女「アナタの炎は私の氷ごと溶かすから共闘だと相性が悪いんですよ」

紅幼女「え、えぇ...」


翠幼女「まっ、秘密兵器ってことでいいんじゃないの?ピンチになったら加勢すればいいじゃん」

蒼幼女「...そうですね。紅龍はとっておきの秘密兵器です」


紅幼女「私が...秘密兵器?」

紅幼女「し、仕方ないなぁ!私は待機してるから二人とも頑張ってな!もし負けても私がいるから!」ダッ


蒼幼女「...ふぅ、単純で助かりますね」

蒼幼女(秘密兵器...ですか。私達が負けると思えませんが何だか嫌な予感が...)



雪男「...」

雪男(あの仮面を被っているやつ、どこかがおかしい...一体なんだこれは...)

今日はここまで
ホッカイロ・レンさんはコスプレということになりました
まだ未見でごめんなさい...

蒼幼女「翠龍、まず私が仕掛けますのでアナタは隙があったら種をぶちこんでください」

翠幼女「いいの?蒼龍の氷ってどちらかというとサポート向けのような気がするけど」

蒼幼女「長いこと戦ってないアナタに前線を任せる...というのは少し不安ですからね」

翠幼女「ひどっ...まあ私もちょっと不安だったからいいけど」

蒼幼女「では行きます、援護は任せましたよ!」ダッ





黒仮面『』シュコォォ



蒼幼女(まずは様子見で氷柱を数本撃ってみますか)


シュババババババ!!!!!!!



黒仮面『...』クイッ


ピキーン

蒼幼女(本体に当たる前に何かに防がれた...バリアのような物を張っているのでしょうか?)

蒼幼女(ならそのバリアがどれだけ頑丈が試してあげましょう、氷柱に魔力を込めて貫通力を高める!)ピカッ


ギュリィィィィィ!!!!!!


蒼幼女(並みの者ならまず防ぐのは不可能!これで相手の実力がある程度分かるはず!)



黒仮面『』クイッ



ピタッ


蒼幼女(止まった...?)


クルンッ!!!!!


蒼幼女「!?」

蒼幼女(クッ!まさか跳ね返してくるとは!)ピカッ

ビシャー


黒仮面『ほう...貴様は氷を解凍することもできるのか』


蒼幼女「...」

蒼幼女(こいつの力...想像以上に未知数ですね、まさか私の氷柱を跳ね返すとは)


蒼幼女(ですが...少し余裕を持ちすぎです。もっと回りに注意を向けるべきですよ)



シュンッ


翠幼女「隙ありィ!」ブンッ

黒仮面『...!?』


ピカッ


黒仮面『...くっ』ブオン

翠幼女「ぶおっ!?」ビューン



ズサー



翠幼女「い、いてて...何か吹き飛ばされた」

蒼幼女「やりましたか?」

翠幼女「うん...返り討ちにはあったけど一応、種は植えたと思うよ」

蒼幼女「そうですか、よくやってくれました」



黒仮面『...なんだ?身体に何かの気配が』

黒仮面『貴様ら...我に何をした』



蒼幼女「なに、戦っていれば分かりますよ...今すぐにでもね!」ピカッ


シュババババババババババ!!!!!!!!


黒仮面『小細工を...』スッ



蒼幼女(またあのバリアのようなもので防ぐ気ですか...ですがこちらの狙いはそっちではない)ピカッ


ビシャー!!!!!!!

雪男「氷が水になり破裂した...?一体あのお二方は何を狙って...」

黒龍「ピギャー」


紅幼女「あれは多分、翠龍の種の芽を出そうとしてるんだと思うぞ」


雪男「種?」

黒龍「ピギャー」


紅幼女「翠龍は自分の魔力を種のようにして、相手に植えることが出来るんだ。そのためには相手を殴って直接触れる必要があるけど」

紅幼女「で、その種の芽が出るには条件がいくつかあって、それをクリアすると種が出るんだ」

紅幼女「条件は...うーんなんだっけ?現実と同じような気がするけど忘れた」


雪男「現実と同じなら酸素、温度、水の三つじゃないんですか?」


紅幼女「そう!それそれ!」

紅幼女「酸素って空気のことだろ?えっ違った?まあどうでもいいや。それは元々あるからもうクリア済み」

紅幼女「次に温度もあいつ極端じゃないところならわりとどこでもいいから、ここならクリア済み」

紅幼女「つまり最後の水をかけるだけで簡単に芽が出るというわけだ!ちなみに服の上からでも魔力がこもっていればOKらしい」


雪男「...もし発芽したらどうなるんですか?」


紅幼女「魔法が発動する、ちなみに防御することは無理に近いぞ」

紅幼女「なんたって身体の内側からの攻撃だからな...私が言うのもなんだけど相当エグい魔法だ」


雪男「...強力な魔法ですね。実質水を浴びせるだけで発動するなんて」

黒龍「ピギャー...」


紅幼女「翠龍は龍の中でも結構強い方だからなー...本人はあんまり戦わないから実戦には向いてないけど」

黒仮面(氷が溶けた?一体何を...)



蒼幼女「やはりバリアを張っていたのは自分の前だけでしたか。今度は回りもちゃんと守った方がいいですよ?」

蒼幼女「ほら...アナタの足元、破裂した水が集まって少し濡れています」



プルプル...プルプル...



黒仮面『!? 罠か!』グッ



翠幼女「もう気付いても遅いよ!」ピカッ



シュルルルルルル...


黒仮面『これは...』


グルグル...グルグル...



翠幼女「イバラ...これで君は動けない」

黒仮面『...』

茨『』グルグル



蒼幼女「イバラ...ですか。確か効果は動こうとすると神経に魔法が走り、激痛が走るというやつですね」

翠幼女「そそー。この魔法は発動するとまず相手は動けなくなるからねー」



黒仮面『...』



蒼幼女「どうです?動けないでしょう」

蒼幼女「私としてはこのまま動けない相手をリンチするというのも悪くないですが...どうしますか?喋る気になりましたか?」



黒仮面『...相手の動きを封じる、か』

黒仮面『冗談としては中々面白いな』フラフラ



蒼幼女「!?」

翠幼女「なっ!?」

蒼幼女「ど、どういうことですか!アイツ普通に動いてるじゃないですか!」

翠幼女「わ、私に言われても!ちゃんと魔法は発動してるはずだよ!?」

蒼幼女「じゃあなんで動けるんですか!不発したんじゃないんですかアレ!」ビシッ

翠幼女「いや確かに発動はしてるって!イバラも出てるし!」

蒼幼女「...ならどういうことですか?アイツには痛覚なんてないと?」

翠幼女「考えられる可能性はそれしかない...ね。だって普通はどんなに我慢強い人でも耐えられないほどの痛さだし」



黒仮面『漫才はそろそろ終わりか?そろそろこちらも攻撃を仕掛けたいところだが』



蒼幼女「...どうやらカラクリがありそうですが、今はそれを考えてる時間はないですね。次はイバラ以外の種をお願いしますよ」

翠幼女「うぅっ...これで終わると思ったんだけどなぁ」

.............................................................
..................................................



ランプの魔人「」クチャックチャッ

ランプの魔人「」プクー


パンッ


ランプの魔人「...」ベター


ランプの魔人「」クチャックチャッ

ランプの魔人「」プクー


パンッ


ランプの魔人「」ベター


ランプの魔人「...」


ランプの魔人「...ガム噛むの飽きた」

ランプの魔人「たかが数十分が何時間時間にも思える...ネットなら数秒の感覚で終わるのに」ゴロゴロ

ランプの魔人「あいつらは一体何をやってるんだよ...早く助けにこいよ...」ゴロゴロ


ランプの魔人「...やはり自力で脱出するしかないか」

ランプの魔人「しかしこの手持ちで一体何をすれば...」


鍵『』


ランプの魔人「」ピコーン

ランプの魔人「そうだ!この鍵で壁を掘ればいいんだ!」


ランプの魔人「よっしゃああああああああああ掘るぞおおおおおおおお!!!!」ガンガン

ランプの魔人「あはははははははは!絶対に脱出してやるからなああああああ!!!!」

ランプの魔人「私は何をやっているんだ」


ランプの魔人「鍵なんかで掘れるわけないだろ...馬鹿じゃねえの...」ドズーン

ランプの魔人「いかん...密室に閉じ込められて少し気が狂ってるな。ランプの中で数千年も過ごしたことがトラウマにでもなっているのか?」

ランプの魔人「はぁ、他に使えそうな物は」チラッ


キングギドラ鱗『』


ランプの魔人「...こんなことならプレデターにあのプラズマのやつとか、ディスクのやつとか貰っておけばよかった」

ランプの魔人「なにこれ?キングギドラの鱗?何に使えっていうんだよ!捨てるにしても燃えるゴミか燃えないゴミかも分からんわ!」

ランプの魔人「くそっ!いるかこんなもん!」ブンッ

ランプの魔人「やはり脱出は無理か、大人しくガムでも噛んで待つ...」


グサッ


ランプの魔人「...ん?なんだ今の音?」クルッ

ランプの魔人「何かが刺さったような音がしたが...気のせいか?」


キングギドラ鱗『』グサー


ランプの魔人「!?」

ランプの魔人「こっ...これは!いまさっき投げた鱗が壁に刺さってる!?」

ランプの魔人「い、いや待て...たまたま壁に亀裂があったのかもしれない...も、もう一度この鱗を壁に刺してみよう」グサッ


ガリッ...


ランプの魔人「ほ、掘れる!!!!よく触ってみたらこの鱗!とてつもなく固いじゃないか!」

ランプの魔人「ハハハハハハハハハ!脱出の光が見えて来たぞおおおおおおおおおお!!!!」ガリガリ

今日はここまで
ここから極端に安価が少なくなったりします

...............................................................
.................................................



黒仮面『ではこちらからも攻めさせてもらおうか』スゥー

シュンッ


蒼幼女(速いッ...!狙いは私!?それとも...)



翠幼女「ぐへぇっ!?」ガシッ

黒仮面『...』ガチガチ

翠幼女「く、くそっ...離せ...!」



蒼幼女「やはりそっちですか!」ピカッ


シュババババババババババ!!!!!!!!


黒仮面『...』スッ

ピキーーーーーーーーン...


氷柱『』フワフワ



蒼幼女(どうしても氷柱は止められるようですね...なら望み通り近距離戦に付き合ってあげますよ!)ダッ



翠幼女「は、離せぇ!!」ブンッ

黒仮面『...』サッ


翠幼女「げほっ...げほっ...お、おもいっきり首絞めやがってこの野郎...」



蒼幼女「ふんっ!」ブンッ

黒仮面『...』サッ


カチカチ...カチカチ...


黒仮面(これは...完全に避けたはずなのに凍っているだと?)

蒼幼女(やっと気付きましたか!私の拳と足は冷気を纏っています!つまり!)ブンッ

黒仮面『くっ...』ヒヤァ

蒼幼女(完全な防御や回避をしたとしても、接近しているだけで冷気がアナタを凍らせる!)


黒仮面『...やはり、中々厄介だな。この身体ではこれが限界と言ったところか』

黒仮面『なら...もう遊ぶのは止めだ』クイッ


ズドォォォォォォォォォン!!!!!!!


蒼幼女「ぐっ!?」ブオン

蒼幼女(何かに弾き飛ばされた!?まるでダンプカーにはねられたような衝撃!)


黒仮面『まだだ』クイッ


ギュィィィィィィィィィィィン!!!!!!!


蒼幼女(なっ...!?今度は引っ張られっ...)

黒仮面『』グッ

蒼幼女(マ、マズイ!この状況で一撃を食らうのは!氷で防御をッ...)

黒仮面『ハァァッ!!!!』ブオオンッ




翠幼女「あーあー...喉が変な感じ...」

翠幼女「あっ、そうだ。蒼龍のところに援護しに行かないと...」


ビシュゥゥゥゥン...


蒼幼女「ガハッ!!!」ズサー

翠幼女「蒼龍!?だ、大丈夫!?」


蒼幼女(ぐっ...な、何とか防御は間に合いましたか...)

蒼幼女「肋骨が何本か持っていかれましたね...治癒魔法をお願いします」

翠幼女「う、うん!」ピカッ



黒仮面『肉塊にするつもりで打ったが、細い体のわりに意外と頑丈なようだな』

蒼幼女(バリアにあの不可解な力...そして私の骨を簡単に折る身体能力、やつの能力は恐らく...)


蒼幼女「念力...ですね。それもかなり強力な」

翠幼女「え?念力?」

蒼幼女「あいつが使った魔法のことですよ。テレキネシスやサイコキネシスの類でしょう」

翠幼女「あー...確かに言われてみるとそれっぽい」

蒼幼女「厄介な能力ですねあれは...防御にも攻撃にも使えて、しかも遠距離近距離に対処可能、おまけに身体強化まで出来るんですから」

翠幼女「...何か話だけ聞いてるとヤバそうな相手だけど大丈夫?勝てるの?」


蒼幼女「...」


蒼幼女(一応やつを倒せる技を私は持っていますが、まだ未完成です)

蒼幼女(それにあまり人に見られるのは好ましくない...何しろ「とっておきの切り札」というやつですからね)

蒼幼女「よし、作戦を考えました」

蒼幼女「次は翠龍が前線です。何としてもアイツにヒマワリの種をぶちこんでください」

翠幼女「ヒマワリの種?...えぇっ!?私がやるの!?」

蒼幼女「私はすぐに発芽出来るように準備をします。頼みましたよ」バサッ

翠幼女「う、うそぉー...」




黒仮面『...今度は一人か』スタスタ




翠幼女「マ、マジか...戦闘慣れしてない私に一人で任せるのか...」

翠幼女「め、めんどくさいけど...やるしかないよね、うん」


翠幼女「...そうと決まったら先手必勝じゃあ!!!!」ダッ



黒仮面『...』

翠幼女(あいつは確か遠距離にも近距離にも対応出来るって蒼龍が言ってたっけ)

翠幼女(なら狙うは種のみ!何としても一発ぶち当てる!)ピカッ


フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!


黒仮面『...』



翠幼女(風魔法で突風を起こす!これであいつの弾き飛ばしもある程度は対応でき...)


ズドォォォォォォォォォン!!!!!!


翠幼女「へぶちっ!?」ズサー



黒仮面『...阿呆か』



翠幼女(そ、そうだった...あいつの能力は念力、風程度だとどうにもならない...)

黒仮面『言っておくが貴様を近付かせる気はない。面倒な能力らしいからな』



翠幼女(や、やっぱり私の種は警戒されてるか...この様子だと馬鹿真面目に突っ込んで何とかなりそうにないね)

翠幼女(あー...めんどくさいけどここは物量で押すか、これ使うとだいぶ魔力を消費するから嫌だったんだけど!)ピカッ




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ......




雪男「な、なんですかこの揺れは...!」

黒龍「ピギャー!!!」


紅幼女「こ、これは...翠龍のやつここであの魔法を使うのか!?」




翠幼女「種を植えるにはまず環境を整えないとね!」

パァァァァァァァ......


雪男「じ、地面から木のような物が生えた?」

黒龍「ピギャー...」


紅幼女「これは翠龍の技だ...自分の魔力を地面に流して木を大量に作って、その場所を魔力の森に変える...」

雪男「魔力の森とは一体なんですか?」

紅幼女「うーん...説明しにくいけど、自分の分身を大量に作ったって感じだと思う」




蒼幼女(翠龍が森化の魔法を使うなんて...珍しいですがナイスな判断です)

蒼幼女(この木は翠龍の魔力で出来ています。一つ一つが翠龍の意思で動き、行動する)

蒼幼女(そして成長し続ける...地下にある龍脈のエネルギーを吸い続けてより膨大に、より巨大に)

蒼幼女(いくら万能の念力でもあの森の猛攻を止めるのは無理ですよ)

黒仮面『...これは、木か?』



翠幼女「ぜぇ...ぜぇ...ここだと50本作るのが限界か」

翠幼女「まあでも充分!みんな!あの変なコスプレ野郎に一斉攻撃!」



木『』グキッ

木『』シュルルルルルルルルルル


黒仮面『クッ...邪魔くさい枝だ』クイッ


ズドォォォォォォォォォン!!!!!!


ギギギギギギギギギギ!!!!!!!


黒仮面『...ッ!何だとッ...』



翠幼女「へへーん!弾き飛ばせないでしょ!いくら無敵のバリアでも次から次に来る攻撃には追い付けないよ!」

翠幼女「おっと!言っておくけど逃げ道はないからね!もう君の回りは木で囲まれてるよ!」



黒仮面『...ならこれではどうだ』クイッ



ドドドドドドドドドォォォォォ!!!!!!!!



蒼幼女(念力の力を最大に上げて一気に木を消し飛ばすようですね...どうやら翠龍の作戦は上手く行ったようです)

蒼幼女(あとは私が...)チャキッ




黒仮面『所詮木は木だ。伐採すれば何も問題はない』

翠幼女「...そうだね。木はそれで問題ないと思うよ?でも今戦ってる相手は一体誰かな!」バッ

黒仮面『!?』


黒仮面(しまった...!一瞬やつから目を離してしまったか)

翠幼女「貰ったああああああああ!!!!」ブンッ

黒仮面『...』クイッ


ズドォォォォォォォォォン!!!!!!!



翠幼女「」ズサー



黒仮面『フン...一瞬遅かったな。もう少しで届くところだったが』

翠幼女「ううん、大丈夫だよ?あれ木の魔力で作った偽物だから」

黒仮面『!?』


ボコッ!!!


黒仮面『グッ...』フラッ

翠幼女「よっしゃあ!一発当てた!蒼龍!」ダッ

蒼幼女「なるほど...二重の囮ですか。よくやってくれましたよ翠龍」

蒼幼女「では最後に...種に水をあげるとしますか」チャキッ

蒼幼女「氷で作った特製の水鉄砲です。まあ普通の水鉄砲と比べて弾速がライフル並にあるんですけどね」カチッ



ズキューーーーーーーン!!!!!




黒仮面『しまっ...』ベチャー




翠幼女「ヒマワリの種!発動!」ピカッ





ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!





ビュウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!



雪男「なっ...これは爆風!?」

黒龍「ピギャアアアアアアアアアアーーーー」ガシッ

紅幼女「な、なんて威力の爆破魔法...翠龍のやつヒマワリの種を使ったのか...」



翠幼女「あ、危ない...もう少しでヒマワリの爆発に巻き込まれるところだった...」ハァハァ

蒼幼女「お手柄ですよ翠龍、おかげで上手く行きました」バサッ

翠幼女「...ねぇ、もしかして蒼龍が戦わずに離れてたのって」

蒼幼女「? 爆発に巻き込まれる可能性があったからですけど?」


翠幼女「ならそれを私にも教えてよ!!!!!」

紅幼女「おーーーーい!倒したのかーーーーー?」タッタッタ

蒼幼女「えぇ、あの爆発にはさすがに耐えられないでしょうからね」

翠幼女「やっと終わりか...早く家に帰って寝たい」

雪男「...ちょっといいですか?」

紅幼女「ん?どうしたんだ?」


雪男「あの爆発でやつは生きているんですか?体内からの爆発なら普通死ぬと思うんですけど」


蒼幼女「」ハッ

翠幼女「」ハッ


紅幼女「えっ?ま、まさか...」

黒龍「ピギャー...」

蒼幼女「し、しまった...わ、忘れてた...アイツを殺したらランプの魔人の場所が...」

翠幼女「ちょ、ちょっと蒼龍!?まさか考えてなかったの!?」

蒼幼女「くっ...私としたことがなんて失態...頭が自然とランプの魔人ことを忘れようとしてたなんて...」


紅幼女「え、えぇ...ならこれからどうするんだ」



ガラッ



雪男「」ピクッ

雪男「みなさん静かに!今、何か音が!」




ガラッ...ガラッ

ガララララララッ...




黒仮面『...』シュコォー

蒼幼女「..ま、まさかヒマワリを食らって生きているなんて...今回は助かりましたが恐ろしい生命力ですね...」

翠幼女「い、いやいや...ありえないよ?ヒマワリって火力だけなら私の種の中では一番だよ?」

紅幼女「こ、こいつ何者なんだ...」




黒仮面『...今のは危なかった』シュコォー

黒仮面『一つ判断を間違えたら...この身体は間違いなく粉微塵になっていた』

黒仮面『...貴様らは生きては帰さんぞ』




蒼幼女「無傷...というわけではなさそうですが、あまりダメージは負ってないようですね」

翠幼女「イバラも効かなくてヒマワリでも倒せないなんて...わ、私の種だと無理な気がしてきたよ」

紅幼女「龍の一撃を耐えるなんて...こいつの正体ってまさか神の一人なんじゃないか?」

蒼幼女「可能性は否定出来ませんが今はどうでもいいことです。まずはこいつを戦闘不能にしないとどうしようもないですからね...」


雪男「!?」ビクッ

雪男「ま、まさか...ありえなっ...そんな...」プルプル


紅幼女「ど、どうしたんだ雪男?」

雪男「や、やつの足を見てください...!爆風で服の一部が燃えて...」プルプル



7つの傷『』

黒仮面『...』シュコォー



蒼幼女「なっ...!?」

翠幼女「えっ?どういうこと?」

黒龍「ピギャッ!?」

紅幼女「つ、つまりこいつは...!」

今日はここまで

ごめんなさい...
今日の更新は休みです

雪男「あ、あの傷っ...太ももに7つの傷...」プルプル

紅幼女「ふ、太ももに7つも傷ということは...あの仮面の中身は...」

蒼幼女「雪男さんの妹、ということにねりますね...たまたま同じところに傷がある別人の可能性もありますが」

黒龍「ピギャー...」

翠幼女「あーそんな話もあったねぇ」


雪男「...みなさん、少し下がっていてください」グッ


紅幼女「な、何をするつもりなんだ?まさか一人で決着をつけようなんて...」

雪男「本当にあいつが妹なのか確かめてきます。仮面を叩き割って顔と髪を確認します」

蒼幼女「やめた方がいいですよ、龍二人がかりでも仕留められないほどのやつです。とてもじゃないですがアナタの手に負える者では...」

雪男「...大丈夫です。自分、力とスピードには自信があるので」ダッ


シュンッ...バァァァァァァァ!!!!!!!


紅幼女「速っ!?な、なんて足の力だ!」

蒼幼女「チッ...やはり言っても聞かないですか。翠龍、私達も行きますよ」

翠幼女「えー...ここで見てればいいんじゃないの?」

蒼幼女「ここであの仮面に殺されたら私達のせいみたいじゃないですか、目の前で死なれるのは色々迷惑なんですよ」バサッ




黒仮面『...今度は別のやつか』

雪男「覇ァァァァ!!!!!!!」ブンッ

黒仮面『どこを狙っているんだ?』


グシャアアアアアアアアアアン!!!!!!


紅幼女「惜しい!雪男の蹴りが外れた!もう少しずれてたら当たったのに!」

蒼幼女(...いえ、あれは意図的に外したように見えました)

蒼幼女(コスプレ野郎も外れることは分かっていたはずです。だってもし当たると分かっていたら、私達と同じように念力で吹き飛ばされていますからね)




黒仮面『あの二人と比べたらまるで素人だな。まさかこの程度の距離から蹴りを外すとは』

雪男「...オオオオオオオオオオオオ!!!!」グルンッ

黒仮面『だがそのパワーは厄介だ...貴様に使うのは過ぎた技だが大人しく寝てろ』クイッ


ズドォォォォォォォォォン!!!!!!


雪男「ぬぅっ...!!!!」グググッ

黒仮面『...なんだとっ!?』




紅幼女「ゆ、雪男が吹き飛ばされてない!?どういうことだ!?」

黒龍「ピギャー!!!!」

紅幼女「えっ?足を見ろ?...はっ!雪男の足が地面に埋まってる!?」


蒼幼女(...一発目の蹴りはわざと外したように見せ、相手に油断を与えたと同時に自分の位置を固定したということですか)

蒼幼女(しかし地面で足を支えてるとはいえ、あの弾き飛ばしを生身で耐えるなんて...とんでもない筋力ですね)


雪男「オオオオオオオオオオオオ!!!!!」ブオンッ

黒仮面『グッ...間に合わっ...』



バキィ!!!


黒仮面『ガッ...!?』メキメキメキィ


ゴロゴロゴロゴロゴロー!!!!!

ドッシャアアアアアアアアアアアアン!!!!!!



雪男「フゥー...フゥー...」ハァハァ



紅幼女「す、すごい吹っ飛んだ」

翠幼女「数十メートルは飛んだんじゃないのあれ...」

蒼幼女「どうですか?割れましたか?」バサッ

雪男「手応えはありました...出来ればこのまま倒れていることを願います」ズボッ

紅幼女「いや普通あんなパンチで顔殴られたら首の骨どころか頭が吹っ飛ぶぞ...」




ガラッ...

ガラララララララッ...



雪男「...どうやらそう上手くは行きませんでしたか」

翠幼女「やっぱりまだ立ってくるかぁ...しつこいやつだなぁ」

黒龍「ピギャー」

紅幼女「ん?あいつ仮面が...」




パリンッ


アホ毛少女「...」シュゥゥゥゥ

雪男「あのアホ毛...!」

蒼幼女「どうやら確定のようですね。まあ分かったところで状況が変わるわけでもないですが」

紅幼女「I am your fatherってやつか...」

黒龍「ピギャー」

翠幼女「確かにすんごいアホ毛だねぇ」




アホ毛少女「ぐっ...はっ...あぁっ...」クラクラ

アホ毛少女「か、身体が上手くコントロールできん...この肉体の限界ということか...」

アホ毛少女「もはや...なりふりかまっていられない...か!」




雪男「ぐっ...な、なぜだ!なぜお前がこんなことを!」

雪男「答えてくれ!お前は誰なんだ!本当に...そうなのかっ!?」

アホ毛少女「よくも...よくもここまでやってくれたな貴様ら!」ハァハァ

アホ毛少女「はぁはぁ...今すぐ...今すぐこの場で死ねェ!!!!」カッ




蒼幼女「!?」ミシッ


蒼幼女「な、なんですかっ...これは...!ぐっ...苦しっ」バタッ

蒼幼女(こ、これは...念力で直接私達をッ..まさかこんなことが...!)


雪男「ぐっ!?」バタッ

雪男「クッ...こ、ここまで来て...!!!」ミシミシッ


紅幼女「な、何かが首を絞めて...!息がッ!!」ミシミシッ

黒龍「ピ、ピギャー...!」ミシミシッ


翠幼女「ちょっ...さ、さすがに死ぬのはめんどくさくないん...だけど!」ミシミシッ

アホ毛少女「や、やはりこの力はこちらにも負担がかかるかっ!」ツー

アホ毛少女「だがそんなことはどうでもいいッ!今はこの場で...貴様らを殺すッ!!!!」




蒼幼女(ど、どうやらこの技は相手にもリスクがあるようですねっ...)ミシミシッ

蒼幼女(魔法を...どうにかして魔法を出して反撃しないと)

カチッ...カチッ...

蒼幼女(うっ!?だ、駄目ですか...氷を作る前にこちらが持たな)


雪男(ここまで...ここまで来たんだ...!あいつがなぜこんなことになってるのか...もう少しで分かるのに...!)ミシミシッ

雪男(ま、また俺はやつを救えなっ...)



ガシャーーーーーーーン!!!!!!



アホ毛少女「!?」クルッ

パッ


蒼幼女「!?」スゥ

蒼幼女「ゲホッゲホ!な、何が起こって...どうして急に...」


雪男「身体が楽になった?それに今、何か崩れるような音が...」スゥ


紅幼女「ぷはーーーーーーーーっ!?」スゥ

紅幼女「や、やばかった!マジでやばかったぞ今の!」

黒龍「ピギャーピギャー」スゥ


翠幼女「」シーン




アホ毛少女「こ、この感覚...まさか...!」




「...どうやらやっと正解の部屋を当てたみたいだな」

「まったく重労働させやがって...明日は筋肉痛確定じゃないかこの野郎」グルングルン



黒龍「ピギャー!!!!」

紅幼女「こ、この声は!」

蒼幼女(ほっ...良かった。これであのビデオは無事ですね)




ランプの魔人「ランプの魔人の帰還、というやつだな。あー腕痛い」グルングルン




雪男「ラ、ランプの魔人さん!?落とし穴に落ちたはずじゃ...!」


ランプの魔人「あぁ...何か密室に閉じ込められたが、プレデターから貰ったこの鱗で壁を掘って脱出した」

ランプの魔人「さてどこのどいつだ?私を罠に嵌めた怖い者知らずは」キョロキョロ


ランプの魔人「たっぷり仕返しさせてもらおうか...私は執念深いからな」ニヤァ

今日はここまで

アホ毛少女「ハァ...ハァ...」ダラダラ




ランプの魔人「む、そこにいるアホ毛は雪男の妹か?」

雪男「は、はい...ですがどうやらあいつが...」

ランプの魔人「なるほど、何となくだが状況は分かった」




アホ毛少女「また...また貴様は我らの邪魔を...」




ランプの魔人(また...?)

ランプの魔人「...まあいい。クロちゃん、やつに拘束魔法だ」




アホ毛少女「させるかァ!」ダッ

紅幼女「ランプの魔人!危ない!!」




アホ毛少女(お願いをされる前にこいつを殺すッ!)

蒼幼女「させませんよ!」バサッ

アホ毛少女「邪魔だァ!!!!」ブンッ


ズドォォォォォォォン!!!!!


蒼幼女「ぐっ...」ビューン



ランプの魔人「タンク役ご苦労だ、蒼龍」

黒龍「ピギャー」


ピカッ


アホ毛少女「ガッ...!」ビリビリ




ランプの魔人「これで身動きは取れなくなったはずだ。後は煮るなり焼くなり好きにすればいい」

アホ毛少女「...まだだァ!!!!」ダッ




ランプの魔人「!?」

ランプの魔人(私の拘束魔法を解いた!?)


アホ毛少女「貰ったァ!死ねぃ!!!」ブンッ

ガシッ

雪男「...!」ギチチ

アホ毛少女「なっ!?」

雪男(こ、この手の感触は...)


ランプの魔人「雪男ナイス!よく守ってくれた!」

ランプの魔人「クロちゃん!お願いでやつの魔力を全て奪え!これで何もできん!」


黒龍「ピギャー!!!」



ピカッ

アホ毛少女「ガッ...ガッ...ガッ...」シュゥゥ


ランプの魔人「おい翠龍!いつまでそこで寝てるんだ!さっさとやつに拘束魔法をかけろ!」ペシッ

翠幼女「むにゃむにゃ...」スヤァ

ランプの魔人「寝るな!起きろ!」ゲシッ


翠幼女「...はっ!え、なになに!?拘束魔法!?」

翠幼女「え、えいっ!」ピカッ



アホ毛少女「グ、クソがァ!」ビリビリ



ランプの魔人「ふぅ...これで一段落だな」

雪男「...ランプの魔人さん、少し気になることがあるんですが」

雪男「あいつの手を掴んだ時に感じたんですが...中がボロボロだったんです」

ランプの魔人「...ボロボロ?」

雪男「はい...恐らく中は骨までグチャグチャになっていると思います」

雪男「一応私達は戦闘で相当なダメージを与えていますが...ここまでになっても動けるものなのでしょうか?」

ランプの魔人「...そういうことか。仕掛けが分かってきたぞ」



蒼幼女「...向こうは動きを止めることに成功したみたいですね」ズキッ

蒼幼女「...っつ、吹き飛ばされた時に瓦礫の破片が刺さりましたか」


紅幼女「おーい!蒼龍大丈夫かー!」タッタッタ


蒼幼女「平気ですよ...さすがに何回も吹き飛ばされたら受け身も慣れます」

紅幼女「!? お前血が出てるじゃないか!全然大丈夫じゃないぞ!」

蒼幼女「かすり傷です。そんなに気にするほどじゃありません」

紅幼女「いやダメだ!ちゃんと手当てしないと!」

蒼幼女「うるさいですね...」ピカッ

蒼幼女「はい、治癒魔法をかけました。これでいいですか?」

紅幼女「うん!これで治ったな!」


蒼幼女(あーもう...アナタは本当に...)





ランプの魔人「翠龍、こいつと戦っていてどこか変なところなかったか?」

翠幼女「変なところ?」

ランプの魔人「あぁ、普通だとありえないことや違和感を感じたところだ」

翠幼女「うーん...どうだっけ...」


翠幼女「あっ、そういえば私のイバラが効かなかったね。普通はあれ一発で動けなくなるんだけど」


ランプの魔人「イバラ?」

翠幼女「私の魔法の一つなんだけどさ、動くと激痛が走って動けなくなるはずなのにまったく効果がなかったんだよね」

翠幼女「あとやけに強くてタフだったねぇ...私と蒼龍とそこの雪男の三人でもいい勝負してたし」


ランプの魔人「...なるほど、これで納得がいったぞ」

ランプの魔人「雪男、お前の妹の体は誰かに乗っ取られてる可能性がある」


雪男「ど、どういうことですかっ!?」


ランプの魔人「まず翠龍のイバラとやらが効かなかった理由だが、これは痛覚がないからだ」

ランプの魔人「しかし普通は痛覚をなくすことなんて出来ん。感覚を一つでも失うということは魔力のコントロールも難しくなるからな」

ランプの魔人「私の拘束魔法を解いたりやけにタフな理由も半分はこれだ」

ランプの魔人「恐らく拘束魔法は刃物のように魔力を放出して強引に断ち切ったんだろう...普通は自身を傷付ける自殺行為だが、こいつの場合は他人の身体だから関係ないからな」

雪男「...!」ギリッ


ランプの魔人「さて次の問題だ。一体誰がこいつの中に入ってるか」

ランプの魔人「私の推測では...幽霊だな」



アホ毛少女「」ビリビリ



雪男「ゆ、ゆう...?」

翠幼女「れい?」

黒龍「ピギャー?」


蒼幼女「...ちょっと待ってください。幽霊なんてこの世にいるわけないじゃないですか」バサッ

蒼幼女「私は生まれて数百年は経ちますが、今まで一度も幽霊なんて見たことないですよ」


ランプの魔人「まあそう思うのも無理はない。私達の世界でも幽霊という存在はかなりレアだからな」

ランプの魔人「まず幽霊は確実に存在するし、数もそれなりには居るんだが...それを見られるやつが極端に少ない」

ランプの魔人「魔力とはまた別の力が必要になるからな...これは才能だからどうにもならん。だからこっち側でも認知度が低いんだ」


蒼幼女「...つまり私はその才能がないと」


ランプの魔人「そういうことだ。幽霊を感知できる才能...まあいわゆる霊感というやつは元々は人間が持ってる力だからな」

ランプの魔人「お前達が見たことないのも無理はない、いやむしろそれが普通だ」

ランプの魔人「...話が逸れて来たな。まずは一度、引っ張り出してみるか」



アホ毛少女「!!!!」ビリビリ



ランプの魔人「...私にはこいつの正体に少し心当たりがある。クロちゃん、このアホ毛の身体を乗っ取っているやつを追い出してくれとお願いしてくれ」

今日はここまで
次の更新でトルコ編が終わる予定です

黒龍「ピギャー」



ピカッ



アホ毛少女「」ビクッ

アホ毛少女「」スゥ



アアアアア...



亡霊『アアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!』シュゥゥ




ランプの魔人「...ふん、やはりな」

黒龍「ピギャッ!?」

紅幼女「な、なんだっ!?アホ毛の中から人が出てきた!?」


雪男「私にはあいつの体が急に跳ねた後、意識を失っただけにしか見えませんでしたが...」

翠幼女「え?うそ、本当に幽霊いるの?どこどこ?」キョロキョロ

蒼幼女(...見えない)

ランプの魔人「見えるのはクロちゃんと紅幼女か、クロちゃんは別に不思議でもないがお前も本当に見えてるのか?」

紅幼女「あ、あぁ...何か半透明なやつがアホ毛の真上に浮いてる...でも足はあるぞ」

ランプの魔人「ふむ...馬鹿でも幽霊は見えるのか」

紅幼女「んだとコラ」




亡霊『グッ...貴様ァ!よくも我をここまで愚弄してくれたな!』

亡霊『一度ならず二度までも...!絶対に許さんぞ!』




ランプの魔人「まったく...またお前、いやお前達の顔を見るとはな」

ランプの魔人「これも運命というやつか?...まさか殺した相手と再会するとは」

紅幼女「ど、どういうことだ?向こうはお前のことを知ってるっぽいが知り合いなのか?」

ランプの魔人「...やつは以前、この世界を滅ぼそうとした"たけのこ"派の神の一人...>>353神だ」


紅幼女「え?たけのこ?」

香田

ランプの魔人「香田の神だ」

紅幼女「...香田って誰?」

ランプの魔人「んなことどうでもいいんだよ!」


蒼幼女「...一応聞いておきますけど、たけのこ派の神とはなんですか?」


ランプの魔人「うむ、話すと長くなるが説明してやろう。時は数千前、私がまだ普通に魔力を持っていてバリバリ言わせていた時代の話だ」

ランプの魔人「この時にあるお菓子が流行ってな...カカオの実をすり潰してミルクを加えて加熱し、それを冷やしてクラッカーに乗せるという今のチョコの原型のような菓子だ」

ランプの魔人「これが爆発的に流行ってなぁ...初めて食った時の衝撃は今でも覚えてる」


紅幼女「...それがどうかしたのか?」


ランプの魔人「問題はここからだ。物が広まるということは自然と派閥が出来る」

ランプの魔人「どちらがより優れているか...どちらがより美味しいか。最初は小さな争いだったが、やがてはこれは戦争に発展した」


紅幼女「えっ」

ランプの魔人「これが第一次きのこたけのこ戦争だ。神すらも巻き込む神話級の大戦がこの世界で起きた」


蒼幼女(...話についていけない)

雪男(ほ、本当にそんな馬鹿げた戦いがあったんでしょうか)

翠幼女(昔の人の考えることは分からんなぁ...)

黒龍(ピギャー...)

紅幼女「...その戦いはどっちが勝ったんだ?」


ランプの魔人「そりゃきのこに決まってるだろう。私が味方にいる方が勝つに決まっている」

ランプの魔人「これで戦争はきのこ派が勝ち、たけのこが敗れ、戦いは終わった...これが歴史に残されている結末。だがまだ続きがある」


紅幼女(まだあるのか...)

ランプの魔人「戦争からしばらく時が経ち、人々の記憶からきのこたけのこ戦争が消えようとしている時に事件が起きた」

ランプの魔人「ある日...とある村が丸ごとたけのこの里になってしまったんだ」


蒼幼女「...は?」

紅幼女「ど、どういう意味だそれ」


ランプの魔人「言葉の通りだ。村に住んでいる人や建物がたけのこの里になってしまったんだ」

ランプの魔人「私はその事件が気になり独自に調査した結果...ある恐ろしい計画にたどり着いた」

ランプの魔人「それが『人類たけのこ計画』!!!なんと隠れたけのこ信者の神々がこの世界をたけのこの里に変えようとしていたんだ!」


紅幼女「お、おう」

ランプの魔人「私は即座にこの事実を先代の神に報告した...だがたけのこ派のやつらは表面上は真面目で人々に慕われているやつらばかりだったんだ」

ランプの魔人「あのクソジジ...先代の神は私の言うことを信じなかった。それどころか私に罰を下そうとした」


翠幼女「誰でもそんなこと言われても信じないと思う」


ランプの魔人「このままだと人類がたけのこの里になってしまう...私はそれを防ぐためにある決心をした」

ランプの魔人「それが神殺しだ...私はたけのこ派の神々を全員殺害し、世界を守ることに成功した」

ランプの魔人「だがその事実を知る者は居ない...この事件がきっかけで私は封印され、罰として数千年ランプに閉じ込められていたんだ」


紅幼女「そんなことがあったのか...」

蒼幼女「あの、これ本当にあったんですか?いくら何でも酷すぎませんか?」

ランプの魔人「やつはその殺した神のうちの一人だ...まさか幽霊になってこの世に残っているとはな」




亡霊『我々たけのこは不滅だッ!!!!滅びはせん!!!!』

亡霊『まずはこの町をたけのこに変え、いずれは世界を変えるはずが...貴様のせいで全て台無しだッ!!!!』




ランプの魔人「誰が黙ってたけのこなんかに変えさせるか、アホかお前」

ランプの魔人「さてそろそろお前との感動の再会にも飽きてきた。今度こそ本当にこの世から消えてもらおうか」


雪男「ま、待ってください!」


ランプの魔人「...なんだ?」


雪男「そいつに一言聞きたいことがある...!なぜ妹の身体に憑いていたのか...!」

ランプの魔人「...お前の妹は雪山で雪崩に巻き込まれて行方不明になっていたんだったな」

ランプの魔人「確かになぜこいつがアホ毛の身体に乗り移っていたのかは謎だ」




亡霊『クックック...そうか、小僧...貴様あの時のガキか』




ランプの魔人「...まさかお前」




亡霊『そうだ...あの雪崩を起こしたのは他でもないこの我自身だ...!』

亡霊『偶然配下のゴーストが雪山であの女を見つけてな...アレは我ら幽霊にとっては極上の器だ』

亡霊『手っ取り早く身体を手に入れるために、雪崩を起こしたが...あれは失敗だったな。危うく殺すところだった』ニヤリ




紅幼女「こ、こいつ...!」

ランプの魔人「ということだ...全ての元凶はこいつだ」


雪男「...っ!」ギリッ

雪男「...姿が見えないのがこれほど悔しいとは!!!!」ブンッ


ドンッッ!!!!!


雪男「今すぐやつをこの壁のように粉々に砕いてやりたいですっ...!!」



ランプの魔人「安心しろ雪男、復讐は私がしてやる」

ランプの魔人「さて...これからお前を成仏させてやるが何か遺言はあるか?一つくらいなら聞いてやる」




亡霊『...ククク、これで終わりだと思っているのか?』

亡霊『まだ我らには同志と遺産が残っている...いつか必ずッ!この世界をッ!そしてランプの魔人ッ!貴様を殺すッ!』




ランプの魔人「フン...聞いて損したな。クロちゃん、やつを成仏させろ」

黒龍「ピギャー」




ピカッ

幽霊『グッ...消えるのか...!?まさか二度も貴様に殺されるとは....ッ』ピカァァ




ランプの魔人「殺す?馬鹿を言うな、お前はもう死んでるんだよ。この世にいていい存在じゃない」

ランプの魔人「あぁ、一つ言い忘れてたな。あの世では天国はないが地獄はあるぞ」

ランプの魔人「たっぷりと自分の罪を償ってこい...一万年ほどな」




亡霊『ク、クソがアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!!』ピカァ



シュンッ



紅幼女「消えた...」

ランプの魔人「完全に逝ったな...これでもう戻ってくることはない」

紅幼女「そうか...」


紅幼女(ランプの魔人の顔...一瞬だけどすごく怖い顔になってたな...今まで見たことないくらいに)

蒼幼女「終わったんですか...?」

ランプの魔人「あぁ、呆気ないがこれで終わりだ」

翠幼女「はうわぁ~やっと終わったか~」ゴロン



雪男「...はっ!そうだ!」ダッ



アホ毛少女「」

雪男「...良かった!息がある!」

雪男「ランプの魔人さん!妹の傷を治してもらえますか!?」


ランプの魔人「おっと忘れるところだったな、クロちゃん」

黒龍「ピギャー」


ピカッ


アホ毛少女「」シュゥゥ

雪男「良かった...!本当に良かった!」ギュッ

ランプの魔人「後は目を覚ますのを待つだけだが...少し時間がかかるかもな」

雪男「どのくらいですか?」

ランプの魔人「うーん...今までずっとやつに身体を奪われてたからな...一週間ほどはずっと寝たきりかもしれん」

雪男「そうですか...でも安心しました...」



ランプの魔人「とりあえずこの町から出て、元に居た町に戻るとするか」

ランプの魔人「クロちゃん、レストランがあった町に移動だ」



ピカッ



紅幼女「おぉ、もう外も暗くなってるなぁ」

蒼幼女「そりゃ色々ありましたからね」

翠幼女「あー...早く帰って寝たい」ウトウト

ランプの魔人「おいお前ら、今日の夕飯はここで食うから近くにレストランがないか探してこい」

紅幼女「んー?分かった!探してくる!」ダッ


ランプの魔人「雪男、お前はこれからどうするんだ?」


雪男「そうですね...とりあえずはこいつが目覚めるまでトルコに滞在しようと思います」チラッ

アホ毛少女「スゥ...スゥ...」

雪男「その後は...一緒に故郷の雪山にでも行こうかなと。今、一番必要なのは療養だと思いますしね」


ランプの魔人「そうか...これは私の電話番号だが何かあったらいつでも呼べ。料金次第で相談に乗ってやるぞ」


雪男「ははっ、どうもありがとうございます」

雪男「...あの本当に今回のお礼はいいんですか?私としては全財産を差し上げたいくらいなのですが」


ランプの魔人「いやもういいさ...1000万やダイヤは惜しいがそんな気分じゃなくなったからな」

雪男「そうですか...残念です」



紅幼女「おーい!ランプの魔人ー!夕飯のレストランが見つかったぞー!」ピョンピョン



ランプの魔人「そうか、今行く」

ランプの魔人「お前も一緒にどうだ?...って妹を抱えてはさすがに無理か」


雪男「はい...お気持ち嬉しいですがまずはこいつを病院に連れて行かないと」

雪男「ではまた...あの三人の幼女さん達にもお礼を言っておいてください。心から感謝します、ありがとうと」


ランプの魔人「あぁ伝えておく、達者でな」


雪男「はい...!今回は本当にありがとうございました!またどこかで」


ランプの魔人「じゃあな」

紅幼女「ん?雪男はどうしたんだ?」

ランプの魔人「もう別れたぞ。妹を病院に連れていくそうだ」

紅幼女「そっかぁ...最後に別れの挨拶ぐらいしときたかったんだが」

ランプの魔人「なに、生きてればまたいつか会えるだろ。あと雪男がお前達にありがとうだってさ」

紅幼女「...うん!そっか!そうだな!」






ランプの魔人「さてここが夕飯のレストラン...」

カブトムシ『』ドーン

ランプの魔人「...おい、どういうことだ」


蒼幼女「私は止めましたが翠龍が...」チラッ


翠幼女「いやー今日はいっぱい動いたからお腹空いちゃって」バリバリッ


ランプの魔人「はぁ...注文し直すか」

..............................................................
.................................................


紅幼女「ふぅー食った食ったー」ポンポン


ランプの魔人「」ポチポチ


紅幼女「ん?ランプの魔人、携帯で何をしてるんだ?」


ランプの魔人「ダーリンに帰りが遅れた謝罪メールと神界への報告だ」ポチポチ

ランプの魔人「ネ・バーバーにはまだ魔獣が何体も残っているだろうからな。外に漏れる前に神界に掃除してもらう」


紅幼女「へー」


ランプの魔人「さ、そろそろ帰るか。忘れ物はないな」


蒼幼女(はぁ...長い一日でしたね)

翠幼女「準備おっけー」

紅幼女「こっちもいいぞ!」


ランプの魔人「よし、クロちゃん頼む」

黒龍「ピギャー」


ピカッ

シュンッ



ランプの魔人「...む、だいぶ町外れに来てしまったか」キョロキョロ

ランプの魔人「私はお願いで家まで帰るが、お前らは飛んで帰れよ」


紅幼女「えぇっ!?お願いで送ってくれてもいいじゃん!」


ランプの魔人「やだよ、めんどくさい。じゃ」


ピカッ

シュンッ


紅幼女「ちょっ!待てぇ!」

紅幼女「い、行ってしまった...」


翠幼女「使えるのか使えないのか分かんない能力だなぁ」

翠幼女「じゃ、私は飛んで帰ることにするねーまたねー」バサッ

紅幼女「お、おうー」フリフリ

紅幼女「はぁ...私も飛んで帰ることにするか。蒼龍は?」


蒼幼女「私は家が近いので歩いて帰りますよ。飛んでる姿を見られたら色々めんどくさいですし」


紅幼女「そっか。じゃあここでお別れだな」バサッ

紅幼女「また明日学校でな!蒼龍!」バサッ


蒼幼女「えぇ...また明日」



バサッ バサッ



蒼幼女「...行きましたか」

蒼幼女「なんでしょうか...この別れる時の気持ちは...まるで胸に穴が開いたような」

蒼幼女「...もしかしてこれが寂しい?」

スタスタ スタスタ


蒼幼女「...今まで人と別れる時に寂しいなんて思ったこともなかったのに」

蒼幼女「これも...あの子の影響でしょうか」


スタスタ スタスタ


蒼幼女「...おかしな話ですね。龍である私が人の姿でいることで、まるで人のような感情を持つようになるなんて」

蒼幼女「ですが...それも悪くありませんような気もします」

蒼幼女「...難しいものですね。人というものは」


スタスタ スタスタ


蒼幼女「...さて、いい加減出てきたらどうですか?とっくにアナタの尾行には気付いてますよ」

蒼幼女「その溢れるような殺意にも...ね」




仮面『...』スゥー




蒼幼女「はぁ...また仮面ですか。流行ってるんですかそれ?」

今日はここまで
ここからは多分安価なしで一気に完結まで行くと思います
3月までには終わる...と思います

仮面『...』




蒼幼女「1つ質問...いえ、やっぱりいいです」

蒼幼女「どうみてもアナタは敵ですもんね。なら理由も動機も聞く必要はありません」




仮面『ッッッッッ!!!!』ダッ




蒼幼女「やれやれ...喧嘩を売るなら相手は選んだ方がいいですよ?」

蒼幼女「今回の授業料ということで...特別に半殺しで許してあげます。まあ加減できるかどうかは運次第ですけどね」スッ



シュババババババババババ!!!!!!!!



仮面『...!』ボッ

ジュッ...

ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!




蒼幼女(炎ッ!?それも私の氷をいとも簡単に溶かすとは)

蒼幼女(どうやらそれなりの自信はあって挑んできたようですね。ですが)


蒼幼女「...私がただ氷を撃つだけしか出来ないと思ったら大間違いですよ」クイッ



キューーーーーーーーーン


仮面『!?』ビシャッ




蒼幼女「氷を溶かすなら、蒸発させるほどの温度で溶かすのをオススメします。あっ、もう言っても遅いですか」

蒼幼女「今、どういう状況か分かりますか?溶けた水がアナタの服に付着しました」

蒼幼女「私の氷で溶けた水は特別製です。アナタが少しでも動けばその衝撃で水が凍り始め、コンマ数秒もしないうちに氷漬けになります」

蒼幼女「全身に水がかかってるということは...言わなくてもどういうことか分かりますよね」




仮面『...』ビチャビチャ




蒼幼女「今この場で身を引くというなら特別に、凍らせるのは右腕だけで勘弁してあげますが...どうします?」




仮面『...』

仮面『...!!!!』ボッ




蒼幼女「!?」




ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!

蒼幼女(なっ...!?自分に炎を放った!?)

蒼幼女(イ、イカれてますね...まさか自分から死にに行くなんて)



ボォォォォォォォォ...



蒼幼女「チッ...この炎では一瞬で丸焦げですか。一体何が目的で...」



ボォォォォォォォォ...

ダッ!!!

仮面『...』バッ



蒼幼女(なっ...気配!?)クルッ


仮面『...!!』ブンッ


蒼幼女(こ、こいつ!あの爆炎の中で生きてるなんて!)

蒼幼女(接近を許してしまいましたね...ここは防御!)グッ

ガシッ

仮面『...』ググッ

蒼幼女「ガッ...!?」ギシッ

蒼幼女(こ、こいつパンチじゃなくて首を...!くっ、息が...)


ギュインッ......ギュインッ......


蒼幼女「!?」ビクッ

蒼幼女「アッ...アナタ...!何を...!!!」


仮面『...』ググッ


蒼幼女(な、何か分かりませんがこのままでは非常にマズいッ!拘束を解かなければ!)クイッ


カチカチ...カチカチ...


仮面『!?』バッ

蒼幼女「このぉ!!!!」ブンッ


バキィ!!!!


仮面『』ビューン

蒼幼女「ゲホッゲホ!くっ...」クラッ

蒼幼女(た、助かった...念のために水を肌にくっつけて、即座に凍る氷の鎧を仕掛けて正解でしたね。もしあれがなかったら...)

蒼幼女(い、いや...今はそんなことよりも)チラッ


蒼幼女「...」グッ

蒼幼女「...魔力が...減っている?」


蒼幼女(い、いや...ただ減っているだけじゃない...まるで削られたかのように丸ごとゴッソリなくなっている...)

蒼幼女(アイツに掴まれたせい...ですよね、間違いなく)




仮面『...』フラッ




蒼幼女(さっきはとっさの不意打ちで何とかなりましたが...二度通用するとは思えない)

蒼幼女(次に捕まったらアウト、ですかね...)

蒼幼女(...どうやらかなりヤバいやつに喧嘩を売られたみたいですね...あーもう、今日は厄日です)

仮面『...』ダッ




蒼幼女「クッ!もう起きて来ましたか!」

蒼幼女(アイツがどんな能力かは分かりませんが、恐らく翠龍の種と同じように相手に触れると発動する!)

蒼幼女(なら...接近を許さなければ問題ありません!)ピカッ



カチカチッ...カチカチッ...



仮面『...ッ!』バッ




蒼幼女(凍った地面を見て空中に逃げましたか、賢い判断です)

蒼幼女(ですが計算通り!引っ掛かってくれましたね!)ピカッ



シュババババババババババ!!!!!!

蒼幼女「全方位からの氷柱...空中での逃げ道はありませんよ」




仮面『...ッ!』ボッ


ジュッ...

ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!




蒼幼女(炎をドーム状にして全て溶かす気ですか、70点ってところですかね)

蒼幼女(私の氷はそんな簡単に溶けません!)ピカッ




グサッ

グサッ


仮面『...ッッ!?』




蒼幼女「その氷柱は魔法で全て耐熱性に特化しています。いくらアナタの炎が強力と言っても、広範囲をカバーするのは無理なようですね」

仮面『...ッ!!』グラッ

バタッ

仮面『...!!』ハァハァ




蒼幼女(耐えられずに地面に落ちましたか、ですが手を緩めるほど私は優しくありません)ピカッ




ピキーーーーーーーーン!!!!!!

ガチンッ!!!ガチンッ!!!ガチンッ!!!


仮面『!?』




蒼幼女「氷の牢...と言ったところでしょうか」

蒼幼女「さて、ここからアナタはどうしますか?」




仮面『...ッ!』ボォ

ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!




蒼幼女「また炎で溶かすつもりですか...芸がないですね」

蒼幼女「その氷はどちらかと言うと水に近く出来ています。それにさっきの氷柱のように耐熱処理もバッチリです」

蒼幼女「だから...アナタの炎でも溶かすには4秒はかかる計算になるはず」




仮面『ッッッ!!!!』ゴォォ




蒼幼女「で、私は2秒もあればアナタを潰す程の氷の塊を作れます」ピカッ




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ......



仮面『!?』サッ




蒼幼女「潰れなさい」スッ

ドシーーーーーーーーーーン!!!!!!




蒼幼女「ダメ押しにもう二、三本氷柱をプレゼントです」ピカッ



グサッグサッ!!!

グサッグサッ!!!




シーーーーーーーーーン




蒼幼女「...終わりましたか」

蒼幼女「ふぅ...何とかなりましたね。魔力を削られたり、トルコの一件で少し魔力を使いすぎて最後は地味になってしまいました」

蒼幼女「炎使いとしては中々悪くなかったですが...まだあの子の炎の方が熱かったですね」




メラッ...

メラァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!




蒼幼女「っ...黒い炎!?」

仮面『...ッッッ!!!!』ゴォォ




蒼幼女(クッ...あの黒い炎が切り札ということですか!今までの炎とはレベルが違う...食らったら確実にヤバい!)

蒼幼女(今の私の魔力では...アレを防ぐのは無理ですね...全快状態なら話は別ですか)

蒼幼女(かと言って接近すれば終わり...万事休すというやつです)




仮面『...』スタスタ




蒼幼女「...」キョロキョロ

蒼幼女(一対一の決闘、回りに人の気配はナシ...誰かに見つかる心配はない)

蒼幼女(そしてこの状況...フフッ、あの技以外の選択はないですね)

蒼幼女(対ランプの魔人用に開発した技...今となったら無駄に思えますが、作って正解でしたね)

蒼幼女(何しろこれを撃ったら...相手の強弱に関係なく勝負が終わるんですからね)


蒼幼女「...先に謝っておきます。ごめんなさい」

蒼幼女「アナタを半殺しにすると言いましたが...もしかしたらこのまま意識が戻ることはないかもしれません」

蒼幼女「何しろ未完成の技なもんで」




仮面『...?』




蒼幼女「凍って凍えて凍てつくほどの苦痛を死ぬまで味わうことになっても...恨まないでくださいね。元々悪いのは襲ってきたアナタなんですから」スッ

蒼幼女「...フリーズ」ピカッ

今日はここまで

仮面『...』スタスタ

仮面『...ッ!?』ピタッ




蒼幼女(無事に発動したようですね。不発という最悪のパターンは回避出来ましたか)




仮面『...!?...!!!!』ピクピクッ




蒼幼女「どうしました?急に足が止まったようですが」




仮面『...ッッ!...ッッ!』バンバン




蒼幼女「無駄ですよ...いくら叩いたってアナタの脚は動きません」

蒼幼女「だってアナタは...見えない氷で凍ってるんですから」

仮面『...!?』ピクピクッ




蒼幼女「何も知らずにやられるというのは可哀想ですし、完全に凍る前にアナタに何が起こったのか説明してあげます」

蒼幼女「今、アナタにかけた魔法は特別なものでしてね。催眠魔法と氷魔法の複合魔法...凍結魔法とでも言っておきましょうか」

蒼幼女「この魔法は精神...魂を凍らせる魔法です。いかなる手段を用いても、物理的に解除することは不可能」

蒼幼女「アナタはあと十秒ほどで全身が動かなくなり、魂が完全に凍ります」




仮面『...ッッッ!!!!!』ピクピクッ




蒼幼女「いやいや...この魔法を開発するのは苦労しましたよ。何しろ"心"というものを理解する必要がありましたからね」

蒼幼女「わざわざ学校に毎日通って、感情の変化が激しい人間の子供を観察、研究してやっと出来たんですから」

蒼幼女「でも...まだいまいち解除の方法が分からないんですよね。これが未完成の理由です」

蒼幼女「...ん?」




仮面『』




蒼幼女「...もう聞いていませんか」

蒼幼女「では私はこれで。安心してください、一週間ほどしたら解除しに来ますすから」クルッ

蒼幼女「それまで飲まず食わずで肉体が生きている保証は...まあ頑張ってください」





仮面『』




仮面『』





ピキッ...

蒼幼女「チッ...余計な時間を使わせてくれましたね。もうこんな時間じゃないですか」スタスタ

蒼幼女「歩くのもめんどくさいですしワイバーンに迎えを頼みますか」ポチポチ


蒼幼女『もしもし?私です、実は今...』




ガシッ!!!!!





蒼幼女「ガッ!?」ギチギチ



『蒼龍様!?どうしましたかっ!?』



蒼幼女「ア、アナタは...どうやっ...て...」


ギュイン...ギュイン...


仮面『...ッ!』グイッ

蒼幼女(魔力が吸い取られっ...いや奪われてるっ...!?)

蒼幼女(コ、コイツどうやって私の凍結魔法を...)


ギュインッ...ギュインッ...


蒼幼女(ま、まさか...!この魔力を吸収する能力を使って...強制的に解除をっ...!!)

蒼幼女(一体コイツは何者...魔力を奪う能力なんて聞いたことも...ハッ!?)


蒼幼女「そ、そういうこと...ですか...!アナタはあのっ...!」

仮面『...まず、ひとり』グイッ


ギュインッ...ギュイン...


蒼幼女(ダ、ダメですっ...意識がもうっ...)

蒼幼女(...ごめんなさい紅龍、明日の学校は行けそうにないです)

~~~~ 翌日 ~~~~



キーンカーンコーン



紅幼女「はぁ...今日、蒼龍も翠龍も学校に来なかったなぁ」トボトボ

紅幼女「まあ翠龍が来ないのはいつものことだし別にいいけど...蒼龍が来ないのは珍しいな。昨日はあんなに元気だったのに」

紅幼女「風邪でもひいたのかな?一応、あいつの家に寄ってみるか」ダッ






ピンポーン


紅幼女「おーい!蒼龍ー?私だー!」


シーン


紅幼女「...あれ?誰も出ない」

紅幼女「おかしいな...蒼龍の家にはお手伝いのワイバーンがいっぱい居るはずなのに」

紅幼女「...もう一度押してみるか」



ピンポーン ピンポーン


シーン



紅幼女「ピンポンが壊れてる...てことはないよな?ちゃんと鳴ってるし」


ゾクッ


紅幼女「」ビクッ


紅幼女「...何か嫌な予感がする」ブルッ

紅幼女「...ラ、ランプの魔人なら何か知ってるかも!」ダッ

.............................................................
..............................................


ピンポーン



幼女「はぁい」ガチャ


紅幼女「あっ!お姉ちゃん!ランプの魔人いるっ!?」


幼女「あっ...紅幼女ちゃん...う、うん...居るにはいるんだけどぉ...今はちょっと」


紅幼女「...ど、どうしたの?」






ランプの魔人「...」ペタペタ

ランプの魔人「チッ...厄介だなこれは。一体どこの誰がこんなことを...」


蒼幼女「」

老紳士「...どうだ?」

ワイバーン娘「蒼龍様は助かるのですか!?」

ランプの魔人「結論から話す...こいつは...」


ダッダッダッダッ!!!!!!


紅幼女「ランプの魔人!!!!蒼龍が倒れたって本当かっ!?」バンッ


ランプの魔人「...お前か」



蒼幼女「」



紅幼女「蒼龍っ!?な、なんで!?昨日は元気だったのに!」

ランプの魔人「...私達と別れた後に誰かに襲われたそうだ」


紅幼女「お、襲われたっ!?誰にだ!」

ランプの魔人「分からん...蒼龍を倒すとはかなりの手練れだとは思うが、そこのワイバーンと電話をしている最中に襲われたようだしな」


老紳士「...」

ワイバーン娘「...」


紅幼女「お前達は...ランプの魔人にお爺さんに変えれたワイバーンと...」


ワイバーン娘「...初めまして、ワイバーン娘のワイ子です」


紅幼女「お、おう。よろしく...」

紅幼女「ってそんなことより!蒼龍は大丈夫なのか!?すぐ目を覚ますんだよなっ!?」


ランプの魔人「...それを今から説明しようとしていたところだ」

ランプの魔人「...結論から話すぞ、このままだと3日以内に蒼龍は死ぬ」


老紳士「!?」

ワイバーン娘「う...そ...」ガクッ

紅幼女「し、死ぬ!?なんでっ!?」


ランプの魔人「今のこいつは魔力を完全に失っている...恐らく襲ったやつに魔力を無理矢理に引き千切られたんだろう」

ランプの魔人「魔力というものは魂に近い存在だ。それを強引に離すということは...魂を肉体に留めることすらも難しくなる」

ランプの魔人「このまま何もしないと、3日で蒼龍の魂は肉体から離れ...こいつは死ぬ」


紅幼女「ちょ、ちょっと待て!ランプの魔人は魔力がなくても無事じゃないか!なら蒼龍だって...!」

ランプの魔人「厳密には違うんだよ。私の魔力は別のやつが管理しているだけで、あくまで所有権は私にある」

ランプの魔人「それに私の魔力はランプの中の特別な術式で、数百年近くの時間をかけて封印された...慎重に時間をかけてな」

ランプの魔人「だが蒼龍は違う...」

ランプの魔人「イメージとしては...私が切り取り線に合わせてゆっくりハサミで紙を切っているのに対して、蒼龍は乱暴に紙を手で破った感じだ」

ランプの魔人「.. しかし聞いたことないぞ。こんな短時間で魔力を完全に奪う力なんて...」



紅幼女「...?な、何か分かんないけど大変なことになってるのか」

ワイバーン娘「ど、どうすれば...このままだと蒼龍様が...」オロオロ

老紳士「...ランプの魔人殿、貴女の力で魔力を戻すことは出来ないか?」

ランプの魔人「無理だな...恐らく蒼龍の魔力は既に襲撃者の魔力と融合している。つまりもう蒼龍に所有権はないってことだ」

ランプの魔人「お願いを変えて蒼龍の魔力を元に戻すというのも無理だろう...魔力を一から作るということは命を生み出すのと同義、私のお願いの範囲外だ」


紅幼女「そ、そんな...」

老紳士「...」ギリッ


ランプの魔人「蒼龍の魔力を取り戻すには...やはり襲撃者を直接叩くのが一番の方法だ。やつを捕まえさえすれば、蒼龍の魔力を取り戻す方法はいくつかある」


紅幼女「!」ピコーン

紅幼女「ならお願いでそいつをここに呼べばいいじゃん!これなら即捕まえられるぞ!」


老紳士「その手があったか...!」

ワイバーン娘「ランプの魔人さん!」パァ

ランプの魔人「呼べるっちゃ呼べると思うが...かなり危険だぞ?」

ランプの魔人「やつは今、元々あった魔力と蒼龍の魔力を所持しているわけだからな...一筋縄ではいかない相手だ」


紅幼女「昨日の幽霊みたいに拘束魔法で動きを封じたあとに、魔力を0にすれば問題ないって!あのコンボならどんな相手でも負けないはずだ!」


ランプの魔人「...仕方ない。やってやるか」

ランプの魔人「おいワイバーン共、少し離れてろ。蒼龍を襲ったやつをここに呼ぶ」


老紳士「そんなことが...!」

ワイバーン娘「出来るのですかっ!?」


ランプの魔人「あぁ、多分行けるはずだ。クロちゃん」


黒龍「ピギャー!!!」パタパタ

ランプの魔人「いいかクロちゃん?蒼龍を襲ったやつをここに呼べとお願いした直後に、そいつの動きを封じろとお願いするんだ」

ランプの魔人「そして最後にやつの魔力を0にしろとお願いだ。連続で3つはきついと思うが行けるか?」


黒龍「ピギャー!!!」コクッ


ランプの魔人「よしいいぞ...行くぞ」


紅幼女「...」ゴクリ

老紳士「...」ゴクリ

ワイバーン娘「...!」ゴクリ



黒龍「ピギャー!!!!!」




シーーーーーーーーン

ランプの魔人「...えっ」

黒龍「...ピギャ?」


紅幼女「ど、どうしたんだ?お願いしないのか?」


ランプの魔人「いや...今したはずなんだが...クロちゃん?」

黒龍「ピギャー!!!ピギャー!!!」

ランプの魔人「だよな...お願いはちゃんとしてるよな...」


紅幼女「どういうことなんだ...?」


ランプの魔人「つまりあれだ...蒼龍を襲ったやつには...お願いが効かない?」

黒龍「ピギャー...」


紅幼女「えっ...ええええええええええええええええ!?なんでっ!?なんでっ!?」

ワイバーン娘「」フラッ

老紳士「ワ、ワイ子!?しっかりしろ!」ユサユサ


ランプの魔人「チッ!まるでわけが分からんぞ!一体何がどうなってるんだ!」

紅幼女「な、なぁ...お前のお願いが効かない相手なんているのか?」

ランプの魔人「...居るにはいる。私のお願いはある程度の力があれば無効化したり、取り消したり、対策することは出来るからな」

ランプの魔人「だが初見で防ぐのは限りなく不可能だ。あらかじめ、私が願いを叶える能力を持っていると認識していたら話は別だが...」

紅幼女「...それってつまりこういうことか?蒼龍を襲った相手はランプの魔人のことを知っていると」

ランプの魔人「う、うむ...そういうことになる」



幼女「ふ、ふぇぇ...あのぉ、お茶持ってきたんだけどぉ...」

今日はここまで
ちょっと説明パートが多かったかも
読みにくかったらごめんなさい

ランプの魔人「あぁ...すまんダーリン、そこに置いといてくれ」

幼女「ふ、ふぇぇ...分かったよぉ」ゴトッ

幼女「じゃ、じゃあ私はこれでぇ...どうぞごゆっくりぃ!」ダッ



紅幼女「...もしかして幼女に聞かれたのか?」

ランプの魔人「勘が鋭い子だからな、何かを察したのかもしれん」

ランプの魔人「とにかくだ...どうにかしてお願い抜きで襲撃者を見つけ出して、倒さなくてはならん」

ランプの魔人「そうでもしないと蒼龍は...」チラッ



蒼龍「」



紅幼女「蒼龍...」

ランプの魔人「おいワイバーン、確か他のワイバーン達は上空から奴を捜索してるんだったな?」


ワイバーン娘「」

老紳士「う、うむ...そうだ」


ランプの魔人「あんまり空を飛ばれると見つかって騒ぎになる可能性があるが...まあいい。お前達はそのまま捜索を続けてくれ」


老紳士「...分かった、蒼龍様はこちらの屋敷で面倒を見る」

老紳士「もし奴を見つけたら即座に使いのワイバーンをよこす。そこから先は任せたぞ」バサッ



ランプの魔人「あぁ、頼んだ」

ランプの魔人「...日が昇ってる内は見つからないと思うがな」


紅幼女「なんで見つからないって分かるんだ?」

ランプの魔人「魔力を吸収できる奴が蒼龍だけを狙うとはあまり考えにくい。...今後も犠牲者が出る可能性がある」

ランプの魔人「そして現れるとしたら蒼龍を襲った時と同じ夜、つまり今夜だ。その証拠に今日の朝も昼は現れてないからな」


紅幼女「ま、また魔力を吸収される人が.....」


ランプの魔人「さて問題は誰が奴を倒すか、だ」

ランプの魔人「少なくとも蒼龍二人分近くの力を持っているからな...並大抵のやつでは勝てない」


紅幼女「ランプの魔人のお願いで...」


ランプの魔人「駄目だ。どこまでお願いが効くのか分からん」

ランプの魔人「お願いの対象にならないのか、それともお願いの力自体が効かないのか、不確定要素が多すぎる。下手をしたら私も反撃を食らって最悪の事態になるぞ」


紅幼女「うーん...強いやつ強いやつ...あっ!翠龍は!?」


ランプの魔人「あいつは...駄目だな。いい線まで行くと思うが確実性がない。負けて魔力を吸収される状況も考えられる」

紅幼女「ならクロちゃんの力を借りた私ならどうだ!」


ランプの魔人「火力が足りない。それ以前に、もうあの力は使えないぞ」


紅幼女「えっ...」

紅幼女「ど、どういうことだっ!?なんで紅黒モードが使えないんだ!」


ランプの魔人「後から分かったことなんだが...あの力は少し、いやかなり危険な技だ」

ランプの魔人「私達はあの力をクロちゃんの潜在能力を移す技だと勘違いしていたんだが、本当はあれはクロちゃんの能力だったんだ」

ランプの魔人「正しくはクロちゃんの力...黒の力を他のやつに与える能力だ」


紅幼女「...それのどこが危険な技なんだ?」

ランプの魔人「黒の力というのはかなり危険なモノでな...これをある程度受けると、黒化してしまう」

黒龍「ピギャー...」


紅幼女「えっ?黒化ってなに?」


ランプの魔人「そこからか...簡単に言えば"悪"だな」

ランプの魔人「黒化した者は凶暴性が増し、まともな思考が出来なくなる。頭の中が殺意とか敵意とかでいっぱいになるんだよ」

ランプの魔人「まあそれと引き換えに絶大な力が手に入るが...大抵のやつは自分の力を過信して早死にする」


紅幼女「えっ...ちょっと待って...」

紅幼女「わ、私...何回か紅黒モードになってるんだけど...」ゾー

ランプの魔人「私の計算だと三回クロちゃんの力を借りたらアウト、魂が黒化する」

ランプの魔人「お前は確か...黒少女の時と、蒼龍の時になったから二回だな。うんギリギリセーフだ」


紅幼女「ちょ、ちょっと待てええええええええええええええ!!!!!!!」

紅幼女「いやギリギリセーフじゃないだろっ!?あと一回じゃん!マジで危ないじゃん!」


ランプの魔人「いいだろ別に、紅黒モードにならなきゃいいんだから」


紅幼女「よくないわっ!もう少しで私も黒化するとこだったわ!」

紅幼女「...ん?待てよ?だったらクロちゃんは...」チラッ

黒龍「ピギャー?」


ランプの魔人「あぁ、黒化してるぞ」


紅幼女「!?」

紅幼女「えっちょっ...大丈夫なのか?」


ランプの魔人「クロちゃんは黒の名を持つ龍だからな。元々が黒化してるみたいなもんだから、幼龍からちゃんと一から教育すれば問題ない」


紅幼女「黒の名を持つ龍って...まさか黒龍か!?あの化け物みたいに強い龍の中でもさらに化け物のっ!?」

紅幼女「で、でも黒龍は南極に封印されてるはずじゃ...!それになんでこんなに小さく...」


ランプの魔人「お前、今更クロちゃんの正体に気付いたのか」



カクガク シカジカ



紅幼女「...お前のお願いって本当に何でもありだな」

黒龍「ピギャー」

ランプの魔人「話が逸れてきたな...結論を言うと、お前の紅黒モードは使えないということだ」


紅幼女「うぅっ...マジかぁ」

紅幼女「でも他にどうすればいいんだ...?ランプの魔人の知り合いに倒せそうなやつがいるのか?」


ランプの魔人「...居るにはいるぞ。目の前に」


紅幼女「え?目の前?どこどこ?」キョロキョロ

紅幼女「どこにもいないじゃないか...この部屋には私とお前とクロちゃんしかいないぞ...はっ!?まさかクロちゃんを黒龍に戻して」


ランプの魔人「いや違う、お前が倒すんだよ。紅龍が本来持ってる力を使ってな」

紅幼女「は?」

紅幼女「い、いやいや...何言ってるんだよランプの魔人。私の力は幼女になったことで失われて...」


ランプの魔人「もう昨日の出来事も忘れたのか...黄龍のことがあっただろ」


紅幼女「黄龍...?」

紅幼女「...あー、そんなこともあったなー」


ランプの魔人「昨日から疑問に思っていてな。私の仮説が正しければお前の本当の力を引き出すことが出来るかもしれん」


紅幼女「...いやでも無理じゃないのか?私の元々の力は蒼龍と同等、とてもじゃないが勝ち目は...」


ランプの魔人「そう、問題はここからだ」

ランプの魔人「お前の元々の力は蒼龍と同じ...それが本当の力ならな」

ランプの魔人「紅幼女、試しに一度、炎を出してみろ」


紅幼女「えっ?なんで?」


ランプの魔人「いいから出してみろ。今から説明してやる」


紅幼女「わ、分かった」ボゥ

紅幼女「ほら、これでいいか?」


ランプの魔人「ふむ...やっぱりな」

ランプの魔人「では質問だ。なぜお前の力が失われているのに炎が出せると思う?」


紅幼女「...へ?」

紅幼女「なんでって...なんでだろ?」

ランプの魔人「次の質問、なぜお前は幼女になったのに筋力は人並み外れていると思う?」

紅幼女「えっ...」


ランプの魔人「この二つの質問がお前の本当の力の鍵だ」

ランプの魔人「まず一つ、お前が炎を出せる理由だが...これはお前の能力だからだ」


紅幼女「能力って...ランプの魔人のお願いや、クロちゃんの黒の力みたいな?」


ランプの魔人「そうだ、これらは魔力を消費することなく使える元々が持っている力」

ランプの魔人「つまり紅幼女、お前が今まで炎魔法だと思っていた炎は魔法じゃない」


紅幼女「!?」

紅幼女「は、はぁ!?」

紅幼女「す、すまん...話について行けないのは私の頭が悪いからか?」


ランプの魔人「ややこしい話だからな...頭がこんがらがるのも無理はない」

ランプの魔人「順を追って説明して行こう。お前は炎以外の魔法は使えるか?」


紅幼女「つ、使えない...」


ランプの魔人「まずここがおかしい、一つの魔法しか使えないやつなんて存在しないからな」

ランプの魔人「人間でも、獣人でも、龍でも、神でも...魔力があるなら複数の魔法は使えて当たり前だ」

ランプの魔人「お前は根本的に魔法というものを勘違いしているんだ」


紅幼女「で でも...さすがにそれは...もしかしたら本当に炎以外の魔法が使えないのかも...」

ランプの魔人「ではここで二つ目の質問の答え合わせだ。お前の常人離れした身体能力は龍の筋力だ」

ランプの魔人「なぜ人間の幼女が龍の筋力を持っているのか...それはお前が龍の力を失っていないという証明にもなる」


紅幼女「???」


ランプの魔人「分からんか?幼女の時のお前と龍のお前、変わっているようで根本的にはまったく変化はしてなかったんだ」

ランプの魔人「炎を吐ける能力も、その筋力も龍の時とまったく変わっていない」

ランプの魔人「炎の火力が弱いのは幼女の身体に変わったせいだ。身体が小さい分、吐ける炎も制限がかかっているんだろう」


紅幼女「...へ?」

ランプの魔人「言葉で言っても信じられないだろうな。なら実際に証明してやる」

ランプの魔人「お前、魔力を放出することは出来るか?」


紅幼女「魔力を出すって...こういう感じ?」ブワァッ


ランプの魔人「よし、ならそれを何かに変換して一つの魔法にしてみろ」

ランプの魔人「炎でも水でも氷でもいい、なんなら身体に取り込んで浮いてみてもいいぞ」


紅幼女「へ、へんかん...むぅっ!!!!!」グッ

紅幼女「むむむむむむむむっ!!!!!」


シーン


紅幼女「ぜぇ...ぜぇ...どうだ?」

ランプの魔人「何も出来てないぞ」

紅幼女「えっ」

ランプの魔人「な?お前は魔力を出すことは出来てもそれが使えない、つまり魔法の使い方を知らないんだよ」

ランプの魔人「信じられないことだがお前は...魔力が使えない状態で蒼龍と同レベルの強さだった、ということになる」


紅幼女「そ、それって...!」


ランプの魔人「...はっきり言ってお前のパワーは未知数だ。もしかしたら奴を倒せるほどの力があるかもしれん」

ランプの魔人「奴が現れるまでの間...どうにかしてお前の魔法を使えるようにしたら、蒼龍の敵討ちを出来るかもしれん」


紅幼女「ど、どうにかって...どうするんだ?」

ランプの魔人「方法はいくつかあるにはあるんだが...」

ランプの魔人「まず一つ、魔力を自由自在に扱えるように修業する」

ランプの魔人「ただ時間が圧倒的に足りない、だからそこはお願いの力でカバーする」

ランプの魔人「以前、お願いで1日が1年に感じられる部屋を作ったことがあってな...その要領で1時間を10年に感じる部屋を作る」


紅幼女「じゅっ...10年っ!?1時間でっ!?」


ランプの魔人「ただ...さすがに体感時間でも長過ぎる。下手をしたらお前の精神が壊れる可能性がある」


紅幼女「う、うん...それはちょっと怖い」

ランプの魔人「そして...これはあまりやりたくないんだが、お願いの力で強制的に魔力を扱えるようにする」


紅幼女「お願いでもできるのか?そんなこと」


ランプの魔人「不可能ではない...が、どんな副作用が出るか分からない」

ランプの魔人「下手をしたら魔力自体がオーバーヒートして、魔法が使えなくなるかもしれん」


紅幼女「...」


ランプの魔人「ただこれはあくまでお前が戦う場合の話だ。私は襲撃者を倒せそうなやつに、何人か心当たりがある」

ランプの魔人「やはり下手にリスクを犯すよりもそいつらに頼む方が...」


紅幼女「いや...私がやる」

紅幼女「蒼龍には...借りがいくつもあるんだ。あいつは私を何回も助けてくれた」

紅幼女「なら次は私の番だ!危険なんて百も承知!それでも私は蒼龍を助けたい!」


ランプの魔人「...決まりだな。方法はお前に任せる、好きな方を選べ」


紅幼女「...なら二番目の方で」


ランプの魔人「なぜだ?」


紅幼女「何十年も経ったら...幼女のことや学校での思い出を忘れるかもしれない」

紅幼女「私、馬鹿だから...ここで過ごした1年間のことは絶対に忘れたくないんだ」


ランプの魔人「...そうか」

ランプの魔人「まず、私の魔法に関する知識の一部をお前にやる」

ランプの魔人「次にお前の身体を魔力に慣れさせる...このお願いで少し意識を失うことになるが、数時間で目を覚ますだろう」

ランプの魔人「これで次に目が覚めた時、お前は魔法を自由自在に使えるようになっているはずだ」


紅幼女「...」ゴクリ


ランプの魔人「クロちゃん、頼む」

黒龍「ピギャー」


ピカッ


紅幼女(...蒼龍、待っててくれ)

紅幼女(私は必ずお前を...)


ピカッ


紅幼女(助けるっ!!!!)

............................................................
................................................



ランプの魔人「あれから8時間...夜の11時か」

黒龍「ピギャー...」

ランプの魔人「いつ奴が現れてもおかしくはない...もしワイバーンが来るまでに紅幼女が目覚めなかったら」

ランプの魔人「その時は黒...」



ガンッ!!!!!!!



ランプの魔人「」ビクッ

ランプの魔人「な、なんだっ!?何かが窓に...」


ガラッ


ワイバーン娘「み、見つけました!奴ですっ!間違いありません!」

ワイバーン「町の北西側で一匹のワイバーンが蒼龍様と同じ状態の人を発見!今は南に向かって移動中です!」


ランプの魔人「お前は昼の...チッ、間に合わなかったか」

ランプの魔人「ちょっと待ってろ...今、救援を呼ぶ」ポチポチ




「...」スクッ

「...南だな」バサッ




ビュンッ!!!!!!!!



ランプの魔人「!?」

ランプの魔人「なっ...今の声は...はっ!紅幼女はどこだ!?」キョロキョロ


ワイバーン娘「べ、紅龍様ならさっき起きて窓から...」


ランプの魔人「あいつ...どうやら間に合ったみたいだな」

ランプの魔人「後はお前の実力次第だ...頑張れよ」

...............................................................
..................................................


翠幼女「はぁっ!はぁっ!」バサバサッ

翠幼女「な、なんなのあいつ!?急に私の家を破壊して襲って来た!しかも恐ろしく強い!」



メラメラメラァァァァァァァァ!!!!!!



翠幼女「うわっ!?危なっ!」サッ

翠幼女「ク、クソ...やるか?でも勝てる気がしない...」






仮面『...』スタスタ

仮面『...』キョロキョロ






翠幼女(と、とりあえず隠れて身を潜めよう...逃げるのも立派な戦術だよね...)

仮面『...』ピクッ



翠幼女(...っ!?バレた!?い、いやこっちは完全に気配を消してる!見つかるわけが)



仮面『...ッ!!!!』ギョロッ




翠幼女「ぎゃあああああああああ!!!!バレてるうううううううううううう!!!!!」バサッ




仮面『...ッッッッ!!!!』ダッ




翠幼女(や、やばい!やられっ...!)




ゴォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!


仮面『.. ッッッ!?』サッ

翠幼女「えっ!?炎!?」


バサッ



真紅幼女「...」シュゥゥゥ



真紅幼女「...無事か?翠龍」


翠幼女「え、えっとあなたは一体どちら様で...」

真紅幼女「私だ。紅龍だ」

翠幼女「...はい?えっ...う、うそぉ...」

真紅幼女「なんだまた忘れたか?」

翠幼女「いやそういう意味じゃなくて...まるで気配が別人というか...本当に紅龍なの?」

真紅幼女「あぁ...私は私だ」




仮面『...』




真紅幼女「お前が...蒼龍を襲った...」ギリッ

仮面『ッッッッ!!!!』ダッ




翠幼女「あ、危ない紅龍!そいつメチャンコ強い!!!!」

真紅幼女「...」シュンッ



仮面『...ッッッ!?』キョロキョロ




翠幼女「あ、あれっ!?紅龍が消えた!?」




真紅幼女「...」シュンッ

真紅幼女「こっちだウスノロ」ブンッ

仮面『......!?』ドゴォ


ビューン!!!!!!!




翠幼女「なっ...!?」




真紅幼女「勝てんぜお前は...」

今日はここまで
はいどっかで見た展開ですねごめんなさい

翠幼女「今...何が...み、見えなかった」

翠幼女「本当にあれが紅龍...?」





パラパラッ...

仮面『...ッ」ヨロッ

仮面『ッッッッ!!!!!!』ボッ




真紅幼女「フン、お前も炎を使うのか。なら...火力比べと行こうじゃないか」ボッ

真紅幼女「真紅ノ炎ォ!!!!!(大トロ)」ゴォォ


翠幼女「技名ださっ」




ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!




仮面『...ッッ!?』

仮面『...ッ』サッ



グワッシャアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!



翠幼女「おぉ!紅龍の炎が押し勝った!」


真紅幼女「どうした?もう終わりか?」

真紅幼女「まだこっちは力が有り余ってるんだ...あまりガッカリさせないでくれよ!」ダッ



仮面『...ッッ!!!!』ダッ



真紅幼女「紅宝玉ァ!!!!(イクラ)」ボボボッ


ババババババババババババババッ!!!!!!!



翠幼女「火の玉が弾丸のように!まるで蒼龍の氷柱みたいだ!」

仮面『...ッッッ!!!!!』バシュンッ

ババババババババババババババッ!!!!!!

仮面『...ッッ!?』ドンッ



翠幼女「き、効いてる!これなら間違いなく勝てる!」



真紅幼女「まだこれで終わると思うなよ!月からの触手!!!!(うどん)」


ニュルニュル


翠幼女「召喚魔法...それもあんなに大量の触手を...」

翠幼女「...何かキモい」



ニュルニュルニュルニュルニュル!!!!!




仮面『...ッッ!?』ガシッ

仮面『...ッ!...ッ!』ググッ




真紅幼女「捕らえた!食らえ!」

真紅幼女「灼熱紅蓮猛火水炎!!!!!!(緑茶)」

ドバァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!



翠幼女「水がないところでこれほどの水魔法を...」

翠幼女「しかもただの水魔法じゃない...炎に勝る温度を持った熱湯の波、水でも破壊力は十分!」



ジュワァ...



真紅幼女「...」

翠幼女「うっひゃぁ...すごいね、辺り一体が溶けてるよ」

翠幼女「ところで気になってたんだけどさ、あいつ誰?何か蒼龍がどうたらって言ってたけど」

真紅幼女「...蒼龍がやつに魔力を奪われた。三日以内にやつを倒さないと、蒼龍の命が...」

翠幼女「...まじで?」

翠幼女「私が寝てる間にそんなことが...」

翠幼女「で、でもこれでもう終わったでしょ?さすがにあの魔法を食らったら...」



バサッ



真紅幼女「...っ!?上だ!」クイッ

翠幼女「えっ!?」



仮面『...ッッッッッッ!!!!!!』ピカッ


シュバババババババババババ!!!!!!!




翠幼女「つ、氷柱の雨!?あの技は蒼龍の...!」

真紅幼女「くっ...お前が...蒼龍の技を...」


真紅幼女「使うなぁ!!!!!!」ピカッ

ピキーーーーーーーーン

ジュジュッ...ジュジュッ...




真紅幼女「紅色大盾(エビ)...お前の氷程度では、この盾を突破することはできない」

真紅幼女「蒼龍の氷柱と違ってな!!!!」バサッ



仮面『...ッッッ!!!!!』バサッ




翠幼女「す、すごい。あの氷柱の雨...蒼龍の魔法よりは精度が落ちてたけど、かなりの魔力が込めてあったはず」

翠幼女「それを簡単に防げるほどの盾を作るなんて...私でも出来るかどうか」




ダダダダダダダダダダダダッ!!!!!!!!!!


真紅幼女「はぁぁぁ!!!!」ブンッ

仮面『ッッッ!!!!!』ブンッ


ガンッ!!!!

仮面『...ッッ!!!!』ググッ

真紅幼女「肉弾戦は得意のようだな!だが!」


真紅幼女「飛炎!(オーダー)」ボゥ

シュンッ

仮面『...ッ!?』




翠幼女「また消えた!?一瞬、紅龍の身体から炎が見えた気がしたけど...」




ボゥ


シュンッ

真紅幼女「ラァ!!!!」ブンッ

仮面『ッ!?』ドガァ


真紅幼女「いくらお前でも、私の飛炎の高速格闘術には着いてこれないみたいだな!」

真紅幼女「ほらどうした!私はこっちだぞ!」シュンッ

翠幼女「そういうことか!あの技、炎を転移魔法にして自分を飛ばしてるんだ!」

翠幼女「しっかし便利そうな魔法だなぁ...自分はあの炎に包まれたら一時的に消えるから攻守に使える、状況によっては相手に食らわして撹乱にも使えるもん」





シュンッ

真紅幼女「ララララララララァ!!!!!」ダダダッ

仮面『...ッ!』ボロボロ

仮面『...ッッ!!』ブンッ


シュンッ


真紅幼女「どこを狙っているんだ!」ブンッ

仮面『...ッ』ドゴォ

真紅幼女「お前...何回も私の首を掴もうとしてるな!どうやって蒼龍の力を奪ったのか分かったぞ!」

真紅幼女「力を奪う方法さえ分かれば、お前に負ける要素はない!そろそろフィニッシュと行かせてもらおうか!」バサッ

仮面『ッ...』ヨロッ




真紅幼女「はぁぁぁぁ!!!!」ボゥ


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォ!!!!!!!


真紅幼女「...終焉ノ炎(おあいそ)」

真紅幼女「この技は今まで使った炎の数だけ、威力が増す...これくらいならお前でもギリギリ死なないはずだ」




仮面『...ッ』ギリッ

仮面『...』チラッ




翠幼女「な、なにあの炎...まるで小さな太陽みたい...」

真紅幼女「これで...終わりだ」スッ


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォ!!!!!!!!!!




仮面『...ッッッ!!!!!』グッ

仮面『...』ニヤッ




ドッッッッカアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!




ビュウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!



翠幼女「ぐっ...すごい爆風...」グッ

翠幼女「...本当に終わったね、私のヒマワリ並みの火力だもん。これを食らってまともに動けるわけ...」

仮面『...』

翠幼女「えっ」


翠幼女(えっ嘘ちょっ...なんで私の目の前にこいつが)

ガシッ


翠幼女「ガッ!?」

仮面『...』ググッ


ギュインッ...ギュインッ...


翠幼女(ちょ、やばいっ...魔力がぁ!!!!)

翠幼女(何こいつ何こいつ何こいつ!!!!魔力が...コントロール出来ないっ)


翠幼女「ガッ...は、離せぇ...!!」バタバタ


仮面『...』


ギュインッ...ギュイン


翠幼女(も、もう無理...眠くなってきた...)

翠幼女(というか紅龍は何やってるんの!?...はや、く...助けに...)

真紅幼女「...」

真紅幼女(冷静に考えてみると...)


真紅幼女(今の私ってめちゃくちゃカッコよくね!?)


真紅幼女(だって友達の敵討ちのために覚醒したんだもん!まるで漫画やアニメのキャラみたいだ!)

真紅幼女(いやだって正直言うと、今回もまた負けるかもって思ってたからな!初めて紅黒モードになった時と同じパターンだし!)

真紅幼女(フフフ...私があいつを倒したって聞いたら、蒼龍やランプの魔人はどんな顔するんだろうな!)グフフ



バタバタッ バタバタッ




真紅幼女「ん?何か今、向こうから声が聞こえたような...」チラッ




仮面『...』シュゥゥゥ

翠幼女「」




真紅幼女「...へ?」ポカーン

今日はここまで

真紅幼女「えっ...ちょっ...えぇ...」ゴシゴシ

真紅幼女「翠龍...?そ、そんなところで寝てたら風邪ひくぞぉ」




翠幼女「」

仮面『...』




真紅幼女「...え?うそ...翠龍も吸収された?」

真紅幼女「じょ、冗談だろっ!?ちょっと目を離しただけなのに!!!!というかなんであいつ、私の終焉ノ炎(おあいそ)食らって立ってるんだ!?」




仮面『...』ボロボロ




真紅幼女「...よく見るとあいつの両手、焦げてボロボロになってる」

真紅幼女「まさか...両手を犠牲にして、炎の魔力を奪って威力を殺したのか?あ、ありえない...」

真紅幼女「頭おかしいんじゃないのかあいつ...いくら追い詰められたからって、簡単に両手を捨てるなんて...」




仮面『...』ピカッ

仮面『...』シュゥゥ




真紅幼女「!?」

真紅幼女「あ、あれだけの傷を一瞬で...治癒魔法の域を超えてるぞ!」

真紅幼女(あれ?もしかして翠龍の魔力を奪われたのってかなりヤバい?)




仮面『...ッッッ!!!!!』ダッ




真紅幼女「ク、クソッ!よくも翠龍をやってくれたな!」

真紅幼女「来い!今度こそ倒してやる!」

仮面『...ッッッ!!!!!』ボッ




真紅幼女「また炎か!火力では私の方が上だと何回やれば分かるんだ!」ボォ




ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!




真紅幼女「えっ!?押されてる!?」

真紅幼女「さ、さっきは私の方が圧倒的に上だったのに!や、やばい!押し負け...」



ボゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!




真紅幼女「はぁ...はぁ...ど、どうしよう...」

真紅幼女「予想以上に翠龍を奪われたのが痛い...多分あいつに7対3くらいで負けてる...」

真紅幼女「くっ!でもまだこっちにはランプの魔人の知識があるんだ!防戦に徹すればいつか勝機があるはず!」

真紅幼女「行け!月からの触手!(うどん)」




ニュルニュルニュルニュルゥ!!!!!


仮面『...』ブチッ

仮面『...』ポイッ




真紅幼女「」ポカーン

真紅幼女「う、うどんが簡単に引き千切られた...」


真紅幼女「こ、こうなったら飛炎で飛びながらチマチマ攻撃してやる!少し卑怯だが、確実にダメージは与えられるはずだ!」ボッ


ピキッ


真紅幼女「!?」ズキッ

真紅幼女「な、なんだ...今の痛みは...」

..............................................................
...............................................



ランプの魔人「あっ」

ランプの魔人「そういえばあいつに魔力痛のことを言ってなかったな...」


黒龍「ピギャー?」


ランプの魔人「うむ...魔力痛というのは簡単に言えば筋肉痛の魔力版だ」

ランプの魔人「久しぶりに激しい運動をしたら、翌日に足とか腕が痛くなってるだろ?魔力もそれと同じで普段から使っていないと身体に痛みが生じるんだ」

ランプの魔人「いくらお願いでやつの身体に魔力を慣れさせても、あいつの身体の限界が伸びるわけじゃないからな」

ランプの魔人「今のあいつだと魔法を使い過ぎたら、魔力痛に襲われる可能性が極めて高い...まあそれまでに決着がつけば関係のない話だがな」


黒龍「ピギャー」

真紅幼女(い、いたいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!)


真紅幼女(な、なんでこんなに身体が痛いんだ!?やつに何かされたのか!?)

真紅幼女(ま、まずい!この痛みが続いたら...勝負なんてところじゃない!)


仮面『...ッッ!!』ブンッ

真紅幼女「うわっ!?」シュンッ


ズキッ


真紅幼女(~~~っ痛ぅぅ!?避けるだけで精いっぱい...!とてもじゃないが反撃なんて無理だ!)

真紅幼女(仕方ない...こ、こうなったら...奥の手だ)




真紅幼女「黒炎幕!!!!!(イカ)」プシュー




仮面『...!?』

モクモクッ モクモクッ

モクモクッ モクモクッ


仮面『...』





バサッ


真紅幼女(逃げるんだよおおおおおおおおおお!!!!ランプの魔人のところに行って体勢を建て直す!)

真紅幼女(もしここでやつに負けて、私の魔力まで取られたら...確実にやばいことになる!それだけは避けないと!)




仮面『...』シュンッ




真紅幼女(私の黒炎幕は炎の性質も持ってる煙!どんなに五感が良くても追跡は不可能!)

真紅幼女(これなら逃げ切れる!)


仮面『...』バッ


真紅幼女「えっ」ピタッ

真紅幼女(な、なんで私の目の前に!?追ってくるなんて絶対無理...)

仮面『...ッッ!!』ブンッ


ガシッ


真紅幼女「ガッ!?」ガチッ


ギュインッ...ギュインッ...


真紅幼女(つ、捕まった...?まずい、何とかして脱出を...!)グッ

真紅幼女(魔法が出せない!?なっ、何がどうなって...くそぉ!)


真紅幼女「は...なせぇ...!」バタバタ


仮面『...』グイッ


真紅幼女(あっ...駄目だ。もう魔力を取られて...)ヘナッ


紅幼女(あぁ....や、やっぱりいつものパターンじゃないか...ごめん蒼龍、私は...お前を...)

バキューーーーーーーン!!!!!!!





仮面『!?』サッ

パッ

紅幼女「...へ?」


スゥー


紅幼女「痛っ!?」ドシン

紅幼女「な、なんだっ!?あいつなんで手を離したんだ!?」

紅幼女「もうほぼ魔力は残ってないけど...なぜ蒼龍や翠龍みたいに全部取らない?」





仮面『...』ジー





「...外したか」

仮面『...ッッ!!!!』バッ





『...』ピピピッ

『そこだ』チャキッ



バキューーーーーーーン



仮面『...ッッ!?』ドンッ




紅幼女「な、なんだ...?やつが...何かに撃たれて...」



「紅龍、いや今は紅幼女だったか。無事か?」ザッ



紅幼女「へ...?だ、誰だお前...」



機械男「何度か会ってるはずだが、覚えていないのも無理はないか」

機械男「ともかく、だ。死にたくなければついて来い」スッ


紅幼女「...は?」

今日はここまで
昨日更新出来なくてすみません...

紅幼女「よ、よく分からんが仲間でいいんだよな?」

機械男「あぁ、俺は幼女を守るようにインプットされてる。データではお前はその幼女の友達だ」

機械男「ならお前も保護対象だ。そう幼女に言われている」

機械男「...よろしくな」ニカッ

紅幼女「何か怖いその顔」




仮面『...ッ!!』フラッ





機械男「もう立ってくるか、しつこいやつだ」チャキッ

紅幼女「ちょっ!銃であいつに挑むつもりか!?」

紅幼女「無理だ!相手は魔法を使えるんだぞ?それもかなり強力なやつをだ!」

機械男「...確かに、ただの銃であっち側の住人に挑むのは無謀な行為だ。俺は機械で出来ているから魔法は使えんからな」

機械男「だが...使うことはできなくても扱うことはできる」

紅幼女「え?どういう意味...」




仮面『...ッッッ!!!!!』ダッ




紅幼女「うわぁ!来たぁ!」

機械男「耳を塞いでろ」チャキッ


バキューーーーーーーン!!!!!




仮面『...ッッ!!!』ピカッ


ピキーン


シュルッ...


仮面『...ッッ!?』ドンッ




紅幼女「うそっ!あ、当たった!?」

機械男「...」チャキッ


バキューーーーーーーン!!!!!!




仮面『...ッッ!?』ズサー

仮面『...ッッ!』ピクピクッ




機械男「...よし、逃げるぞ」ダッ

紅幼女「な、何がどうなって...」

機械男「早くしろ、そのうち起きてくる」

紅幼女「う、うん!」ダッ





仮面『...ッ!...ッ!』ダラダラ

ピカッ

仮面『...』シュゥゥ


仮面『...ッッッッ!!!!』ダッ

ブルルン...ブルルン...


機械男「しっかり掴まれ、飛ばすぞ」

紅幼女「バイクで来てたんだ...」



ブーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!



紅幼女「なぁ、さっきの銃はどういうことなんだ?あいつは銃弾が当たる前に、魔法の障壁を張ってたはずだ」

紅幼女「私の目には...銃弾が障壁を突破したように見えたんだが」


機械男「このショットガンは普通の銃とは少し違う。弾は銀の弾丸、銃身には刻印が掘ってあって魔力を持っている」


紅幼女「じゅ、銃が魔力を持っているのか!?」


機械男「お前達の世界ではそう珍しくないはずだ。魔力というものは物に宿しても効果を発揮するらしいからな」

機械男「これは知り合いのその筋に詳しいやつから貰ったものだ。他にも、あっち側対策の武器はいくつかある」

紅幼女「へ、へぇ...魔法がなくてもそんなことが出来るのか...」

機械男「...む」チラッ

機械男「もう追ってきたか、早いな」

紅幼女「えっ!?」




仮面『...ッッッッ!!!!!』バサッバサッ




紅幼女「ほ、本当だ!もう追ってきてる!」

紅幼女「ど、どうするんだ!?このままだと追い付かれるぞ!」

機械男「...」




仮面『...ッッッ!!』ピカッ



シュバババババババババババ!!!!!!!




紅幼女「つ、氷柱を撃ってきたぁ!?」

機械男「...」グイッ


キィィィィィィ!!!!!!!


紅幼女「まだまだ来るぞぉ!右...いや左だ!」

機械男「少し黙っててくれ」グイッ




仮面『...ッッッッ!!!!!』バサッ




紅幼女「や、やばい!あいつスピードを上げた!もうあと数秒で追い付いてっ...」

機械男「...そろそろか」ゴソゴソ

クイッ

ピンッ

機械男「目と耳を塞げ、あと1秒だ」ポイッ

紅幼女「へ?」




ヒューーーーーーー


仮面『...?』


ピカァッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!

仮面『...ッッッ!?!?!?!?』バタッ






機械男「上手くいったようだな」グイッ


ブーーーーーーーーーーーーン


紅幼女「...」ギュッ

紅幼女「...もう開けていいか?」チラッ


機械男「あぁ、いいぞ」


紅幼女「...あれ?あいつは...」キョロキョロ

機械男「撃退した。恐らく数分は平衡感覚を失ったはずだ」

紅幼女「何をしたんだ?何か目と耳を塞いでたのに、すごい音と光が見えたんだが...」

機械男「スタングレネードを使った。少し改造を加えて、一般的なものより威力が3倍近く上がっている」

紅幼女「スタン...何?」

機械男「激しい光と音を発する手榴弾。感覚への直接攻撃は魔法での防御は極めて難しくやつらに有効な武器の1つだ」

紅幼女「お、おう...とにかく凄そうだな」

機械男「このままランプの魔人のところに向かう。あと数分もすれば表通りに出るはずだ」

紅幼女「あぁ...そういえばここ林の中だな...翠龍の家の近くは森林化してるんだっけ」キョロキョロ




シュバババババババババババ!!!!!!!!




機械男「!?」ガバッ

紅幼女「ふぇっ!?」



ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!


ゴロゴロゴロゴロゴロー



紅幼女「な、なんだ!?何が起きて...」ヨロッ

機械男「無、事か...」ボロッ

紅幼女「お、お前...!体中に氷柱が刺さってるじゃないか!そっちこそ大丈夫なのか!?」

機械男「俺は問、題ない...しかし計算外だった。まさかまだ追跡してくるとは」ボロッ

紅幼女「まだって...まさか!」





仮面『...ッ!...ッ!』フラフラ





紅幼女「ど、どこまで追ってくるんだあいつは...いい加減しつこいぞ...」

機械男「どう、やら...聴覚と視力を一時的に失っても奴は動けるらしい。バイクを壊されたのは痛い、な」

紅幼女「くっ...ここまでか!ごめん...こんなボロボロになるまで守ってくれたのに...」

機械男「...いや、まだ手はある」

機械男「そこにある銃を拾ってくれ...少し、デカいやつだ」

紅幼女「デカいってこれか?」ヒョイッ

機械男「それだ、それでやつを...撃て」

紅幼女「撃つって...私がっ!?」

機械男「今の俺では銃を撃つこともできん。簡単だ、狙いをつけて引き金を引くだけでいい」

機械男「その銃の弾は特別製だ...清められた塩と聖水を混ぜて粉末状にしたものが入ってる。何でも悪の心を持ったやつにほど効くらしい」

紅幼女「悪の心...確かにあいつになら効きそうだけど...私には無理だって!銃なんか撃ったことないし!せめて説明書を見せてくれ!」




仮面『...ッ!...ッ!』フラフラ





機械男「今のあいつは数メートル先も見えていない、おまけに聴力もほぼ失っているはずだ」

機械男「だが第六感のようなもので我々の位置は分かっている...モタモタしていると本当にやられてしまうぞ」

紅幼女「...」グッ

紅幼女「わ、分かった...撃つ、引き金を引くだけでいいんだな」

機械男「ちゃんと狙いを付けないと当たらないぞ...やつとの距離は残り10メートルほどだ。当てるのはそう難しくはない」





仮面『...ッ!...ッ!』フラフラ





紅幼女「ね、狙いを...」グラッ

紅幼女「...」

紅幼女「そこだぁぁぁ!!!!!」カチッ


機械男「...む」ピクッ




バキューーーーーーーン!!!!!!!

カンッ


仮面『...ッ!...!』フラフラ





紅幼女「あっ」

紅幼女「う、うわあああああああああ!!!!ごめん!マジでごめん!外したあああああああ!!!!」ウルウル

機械男「貸せ」スッ

紅幼女「え?う、うん」


機械男「地獄で会おうぜ、ベイビー」カチッ




バキューーーーーーーン!!!!!




仮面『...ッ!?』ドンッ

仮面『...ッ!?...ッ!?』ビクビクッ

仮面『...ッッ!?...ッッ!?』グラグラッ




機械男「よし、効いてるな。今のうちに逃げるぞ」スクッ

紅幼女「えっちょっ...動けないんじゃなかったのか?」

機械男「予備電源のことを忘れていた。今なら少しは動ける」

紅幼女「お、おう...そうなのか...」




仮面『...ッッ!??!?!?』グラングラン

仮面『...』ピクピクッ




紅幼女「す、すごいな...さっきの銃の威力、やつがのたうち回ってるぞ。今なら倒せるんじゃないか?」

機械男「現在の武装ではやつを無力化できる可能性は4%だ。今は足止めをしているに過ぎん」

紅幼女「つまり無理なのか...くそぅ、私の力が取られてなかったら...」

.................................................................
....................................................


ピンポーン

ガチャ


ランプの魔人「今は真夜中だぞ、ピンポンピンポン鳴らすな...って」


機械男「...」ボロボロ

紅幼女「ラ、ランプの魔人...」ウルウル


ランプの魔人「機械男?いや、そんなことより」

ランプの魔人「その様子だと駄目だった...みたいだな」

黒龍「ピギャー...」


紅幼女「うぅ...ごめん...翠龍がぁ...」ポロポロ


ランプの魔人「とにかく中に入れ、お前達は少し目立つ」

ランプの魔人「さて、何があったか説明してもらおうか」

紅幼女「うぇっ...うぇっ...わだじが...わだじがぁ全部悪いんだぁ...」ポロポロ

ランプの魔人「...何言ってるか全然分からん。機械男、説明を頼めるか?」


機械男「俺が任務の帰りで自宅に帰還する途中に、ドンパチやっている音がした」

機械男「何が起こっているか確認したところ、そこの紅幼女が仮面を被ったやつに首を絞められていた」

機械男「それを救出、そしてやつを振り切って現段階に至る」


ランプの魔人「なるほどな...紅幼女が負けてピンチの時に、お前が助けてくれたということか」

ランプの魔人「よくやってくれた。感謝する」


機械男「」ピピッ

機械男「...もうすぐ予備電源が切れそうだ」

機械男「これから休止モードに入る。すまないが修理を頼めるか?」


ランプの魔人「あぁ、任せておけ。アップグレートして液体金属とかも使えるようにしてやるぞ」


機械男「それは助かる...電源が切れるまで残り5秒」

機械男「...I'll be back」


ランプの魔人「お前それ言いたいだけじゃないのか」


機械男「」プッツーン


紅幼女「だ、大丈夫なのか?死んでないんだよな?」


ランプの魔人「こいつは機械で出来ているから、チップを壊されない限りは大丈夫だ」

ランプの魔人「では次はお前が説明する番だ。機械男に助けられる前に何があった?」

カクガクシカジカ



ランプの魔人「...」


紅幼女「...」ビクビク


ランプの魔人「...はぁ」

ランプの魔人「まあ確かに...魔力痛のことを説明しなかった私も悪い」

ランプの魔人「だが...油断して翠龍の力を奪われた点に関してはまったく擁護出来んな」


紅幼女「ご、ごめんなさい...そこは本当に馬鹿だったと思ってる...」ビクビクッ


ランプの魔人「...よく魔力痛で身体中が痛いのに戻ってこれたな」


紅幼女「う、うん...多分興奮し過ぎて痛みを忘れてたんだと思う。今は痛くて仕方ない...」


ランプの魔人「...で、翠龍はどこなんだ?力を奪われても蒼龍と同じで肉体はまだ生きているはずだが」キョロキョロ


紅幼女「あっ...忘れてた」

今日はここまで

ランプの魔人「...私が言うのもなんだが、少し翠龍の扱いが酷くないか?忘れてたって」


紅幼女「い、色々なことが一気に起きて翠龍を回収する暇がなかったんだ。多分翠龍を背負ったままだと逃げ切れなかったし...」


ランプの魔人「まあ翠龍の身体は明日に回収するとして、これからどうするかだな」

ランプの魔人「どっかの馬鹿がしくじったせいで、やつは龍4匹近くの力を持っているわけだ。ここまで来ると勝てるやつが相当限られてくる」


紅幼女「...」


ランプの魔人「とりあえず今日は泊まってけ。夜も遅いし、奴が彷徨いてるかもしれないからな」

ランプの魔人「お前の出番は...これで終わりだ」


紅幼女「!?」

紅幼女「ちょ、ちょっと待て!これで終わりだなんて...まだ何かあるだろ!?」


ランプの魔人「だってもう魔力残ってないんだろ?逆に何をする気だったかこっちが聞きたいわ」


紅幼女「ぐ、ぐぬぬ...確かにそうだけど!」


ランプの魔人「お前が仇を取りたい気持ちは分かるが、もう無理だ。諦めろ」

ランプの魔人「後は全部、他のやつに任せておけ」


紅幼女「他のやつって誰だ!?今の奴に勝てるなんて...それこそ神くらいしかいないぞ!」


ランプの魔人「あぁ、ちょうどその神に頼もうとしていたところだ。正確には少し違うがな」


紅幼女「えっ」

~~~~ 翌朝 ~~~~



幼女「...」

雪女「...」




紅幼女「Zzz...」グースカ

機械男「」シーン




雪女「あ、朝目覚めたら居間が騒がしいことになっています...」

幼女「ふぇぇ...なにこれぇ」


幼女「ど、どうしよう?起こした方がいいのかなぁ...」

雪女「...ちょっとランプの魔人さんに聞いてきますね」スタスタ

コンコン


シーン


雪女「...やっぱりまだ寝てますか」ガチャ



ランプの魔人「Zzz...」スヤァ

雪女「ランプの魔人さん、起きてください」ユサユサ

ランプの魔人「...うーん...なに...?」ムニャムニャ

雪女「居間で筋肉ムキムキマッチョマンと、赤い幼女が寝てるんですが...どうすればいいんですか?」

ランプの魔人「あぁ...あの二人なら死ぬほど疲れてるから起こさないでやってくれ...Zzz...」スヤァ




雪女「死ぬほど疲れてるので起こさない方がいいらしいです」

幼女「ふぇぇ...」

..............................................................
.................................................



紅幼女「...ふぇ?」パチッ

紅幼女「ふわぁ...あれ?ここは...」キョロキョロ

紅幼女「あっ、そっか...昨日はランプの魔人の家に泊まったんだった」


紅幼女「...」


紅幼女「やっぱり...夢じゃなかったんだな」

紅幼女「...っぐ」ポロッ


紅幼女「な、情けなくて涙が出る...蒼龍を救えなかったどころか翠龍まで...しかも私の力で逆に相手を強くしてしまったなんて...」ポロポロ

紅幼女「こんなことなら...いっそのこと私の魔力も全部奪ってくれた方がよかった...」

紅幼女「...」


紅幼女「今...何時だろ」チラッ

紅幼女「なんだまだ10時か...今日は学校は休むとするか」

紅幼女「...もう一度寝よ、今度こそ本当に夢かも...」ゴロン


紅幼女「...あれ?なんで11時なのに外が暗いんだ?」

紅幼女「ま、まさか...もう夜の11時...」ゾー


紅幼女「ラ、ランプの魔人!!!!」ダッ






カンカン カンカン


ランプの魔人「えーっと...ここは...適当に釘でも打っとくか」

機械男「」

>>504
ミス

× 紅幼女「なんだまだ10時か...今日は学校は休むとするか」

○ 紅幼女「なんだまだ11時か...今日は学校は休むとするか」

ランプの魔人「後は...んん?腕はどうやってくっ付けたらいいんだ?」

ランプの魔人「...適当に木工用ボンドでも塗っとくか。どうせ最後は液体金属の中に落とすんだし」ヌリヌリ

黒龍「ピギャー...」


タッタッタ


紅幼女「ラ、ランプの魔人!私は何時間寝てたんだ!?」バッ


ランプの魔人「む、もう起きたのか。20時間近く眠ってたぞ」


紅幼女「20時間って...もう夜じゃないか!あいつが出る時間だぞ!」

紅幼女「今日は2日目の夜だ!明日にはもう蒼龍の命が...!」


ランプの魔人「安心しろ。今日の夜には方が付ける」

紅幼女「今日の夜って...なんでそんなことが言えるんだ!あと一日しかないんだぞ!」


ランプの魔人「だから昨日言っただろうが...何回言わせれば気が済むんだ」

ランプの魔人「あっ、そこにあるバール取ってくれ」


紅幼女「え?バール...はい」スッ

紅幼女「って...そうじゃない!!!こんな呑気にしてていいのか!」?


ランプの魔人「そんなこと言ったって私達には何も出来ないだろうが、全部あいつに任せればいいんだよ」

ランプの魔人「なんてったってこの世界で私の次に強いやつなんだからな。龍が数匹集まった程度では勝てる相手じゃないさ」


紅幼女「何かずいぶん自信がある言い方だけど...一体誰にあの仮面の相手を頼んだんだ?」


ランプの魔人「ん?言ってなかったか?お前も一度戦った相手じゃないか」

..............................................................
................................................



犬娘「て、店長ったら酷い...こんな時間まで残業させるなんて...」クタクタ

猫娘「し、仕方ないニャ...トルコ旅行で休んでた分、店の隅から隅まで掃除してたんだからニャ...」フラフラ

兎娘「ぜぇ...ぜぇ...草食動物にはきついよ...」クラクラ




仮面『...』スタスタ




ドンッ


猫娘「あっ...ごめんニャ」

猫娘(こんな時間に一人で歩いてるなんて珍しいニャ。しかも変なお面被ってるニャ)


ガシッ

犬娘「...あれ?猫ちゃんは?」キョロキョロ

兎娘「そういえば居ないね...あまりの疲労で気付かなかったよ...」

犬娘「あっ、後ろに居た...ん?何か様子がおかしいな」






猫娘「にゃ、ニャんだ...お前ェ...!!」バタバタ

仮面『...』グイッ

猫娘「ぐ、ぐにゃっ...」クタッ


猫娘「...」バタッ






犬娘「えっ...?ね、猫ちゃん...?」

兎娘「な、なにあれ...通り魔...?」

仮面『...ッ!』ギロッ




犬娘「ちょっ!ヤバい!こっち見てる!」

兎娘「ど、どうするの!?ていうか猫ちゃんまったく動いてないけど...あれって死んでるんじゃ...」




仮面『...ッ!』ダッ




犬娘「き、来た!こんな町中で堂々と襲ってくるなんて!」

犬娘「こ、こうなったら...こっちもやるしかないよ!正当防衛だからね!兎ちゃんは援護をお願い!」モヤモヤ


兎娘「が、合点承知!」


犬娘「最初から飛ばして行くよ...狂犬モード!」モヤァ

.............................................................
..................................................



犬娘(...と、意気込んではみたものの)



シュババババババババババ!!!!!!!



犬娘「うわぁ!!!!」バッ

犬娘(レ、レベルが違う...勝てる相手じゃない...)




仮面『...』スタスタ




犬娘(くそぅ...猫ちゃんの二股があれば...私の狂犬はこういう突然の戦いには向かないのに...)

グゥー

犬娘(お腹減ってきた...どうせなら最後にお肉いっぱい食べたかったな...)



兎娘「犬ちゃん!!!!危ない!!!!」

ガシッ


犬娘「ぐっ...」

仮面『...ッ!』グイッ


ギュインッ...ギュインッ...


犬娘(な、なにこれ...力が吸い取られて...)

犬娘(ご...しゅ...様...)


犬娘「」

仮面『...』ポイッ


仮面『...』ギロッ




兎娘「oh...犬ちゃんがやられちゃった」

兎娘「...犬も猫も敵わない。残るは兎一匹か」

兎娘「ふふふ...ふふふふふふ」

兎娘「アーハッハッハッハッハッハ!!!!」




仮面『...?』スタスタ




兎娘「ハハハハハハハハハハ!!...ん?何その目...まるで頭がおかしい人を見るような目だよ?」

兎娘「まさか...私が追い詰められた恐怖で気でも狂ったと思ってる?違うんだなぁ~これが...」


兎娘「ねぇ、こんな言葉知ってる?獅子は兎を狩るのにも全力を尽くす...これってちょっとおかしいと思わない?」


兎娘「だってさぁ!ライオンとウサギって圧倒的な種族の差があるわけじゃん?フリーザとチャオズくらいは差があるよ!」

兎娘「さすがのライオンでも...そんな兎相手に全力は出さないと思うんだよね。何か馬鹿みたいだし」

兎娘「ならさぁ...なんでライオンは兎を狩るのに全力を出すと思う?」




仮面『...ッ!』ダッ




兎娘「私が出した答えはね、ライオンは本当は怖いんじゃないのかなって思うんだ...ウサギが秘めてる真の力が」

兎娘「だから全力で兎を狩る、その力が目覚める前に」シュンッ




仮面『...ッ!?』キョロキョロ




兎娘「こっちこっちー」




仮面『...ッッッ!!!!』ギロリ




兎娘「本当は犬ちゃんにも見せたかったけど...やっぱり最後の一人になるって状況にしたかったんだよねぇ」

兎娘「...時代がやっとウサギに追いついた!今、ここで私がお前を倒して...ウサギが一番になる!」

兎娘「さあ見せてあげるよぉ!!!!犬や猫を超越した!!!!ウサギの本当の力をねぇ!!!!」

今日はここまで
2月中の完結すると言いましたがちょっとオーバーしそうです...

仮面『...ッッ!!!!』ダッ




兎娘「おぉ!いきなり飛びかかってくるとは元気がいいねぇ」

兎娘「まっ、ちょっとばかし速度が遅いけどね」シュンッ




仮面『...ッッ!?』ピタッ




「どう?すっごい速くて目じゃ追えないでしょ!」

「いやぁ...ここまで来るのは苦労したよ。1日感謝のうさぎ跳びを1万回して、ウサギの神様に認められてやっと会得したスピードだからね」




仮面『...』キョロキョロ

兎娘「残念、正解は後ろだよ!」ブンッ

仮面『...ッ!?』クルッ



バキィ!!!!!

仮面『...ッ!!!!』ググッ

兎娘「あちゃー...やっぱりいくら速くても、元々の筋肉があんまりないから蹴りの威力は微妙だな...」

仮面『...ッッ!!!!』ブンッ

兎娘「まあ元から期待はしてなかったけど」シュンッ



ヒュゥゥゥゥゥゥゥ...



仮面『...?』



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...



仮面『...ッッ!?』バッ



ドッカアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!




兎娘「なんと...こんなところに偶然に隕石が降ってきて直撃するとは...運が悪かったねぇ」

パラパラッ...パラパラッ...



仮面『...ッ!...ッ!』フーフー




兎娘「隕石に当たる確率ってどれくらいだっけ?確か...100億分の1だったかな」

兎娘「運がないねぇ...まさか100億分の1に当たるなんて」




仮面『...ッ!』ギロン




兎娘「ちょっとそんな睨まないでよ!私何にもしてないじゃん!」

兎娘「...私からはね♪」




仮面『...ッッ!!!!』ピカッ


ボォォォォォォォォォォォ!!!!!!!




兎娘「うわっ...すごい炎、こんなのまともに当たったら焼きウサギの完成だね」

兎娘「私の魔力じゃ防御しても無駄だし...ここは神頼みで当たらないことを祈るしか出来ないなぁ」

ビュウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!

ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!



仮面『...』ニヤリ




兎娘「あー危なかったー!あとちょっとで焼きウサギになるところだったよ!」




仮面『...ッ!?』




兎娘「私って運いいなぁ!まさか炎が当たる寸前に、後ろからもの凄い風が吹いて盾になってくれるなんて!」

兎娘「確率的にはどれくらいかな?10万分の1くらいかな?」

兎娘「何にしてもラッキーだね!ラッキークッキー八代亜紀~」




仮面『...』

仮面『...』ピカッ



シュババババババババババ!!!!!!!




兎娘「おっと、今度は氷柱か」

兎娘「これも私の魔力では防御は不可能だね...一か八か、全部完璧に避けるしかないよ」


シュババババババババババ!!!!!!


兎娘「ほっ!」サッ


シュババババババババババ!!!!!!

兎娘「はっ!」サッ


シュババババババババババ!!!!!!


兎娘「はいっ!」サッ

兎娘「うっひょおおおおおおお!ラッキィー!適当に避けたら、運良く氷柱の隙間をくぐり抜けられたよ!」




仮面『...』

兎娘「...なーんてね。そろそろこの不思議な現象に気付き始めた頃かな?」

兎娘「ではここで一つ、クイズを出しましょう...この世で一番重要なパラメーターってなんだと思う?」




仮面『...』




兎娘「顔?知力?体力?魔力?ブッブー、不正解」

兎娘「正解はね..."運"だよ」

兎娘「だって運さえ良ければ、他のパラメーターも必然的に上がるからね。運も実力のうちって言うし」




仮面『...ッッッ!!!!』ダッ




兎娘「それにこの世界は...死の危険が溢れ過ぎてるんだよ。運がないとすぐ死んじゃうからね」

ゴロゴロゴロゴロ...


仮面『...ッッ!?』バッ


ビリビリビリビリビリビリィィィィ!!!!!!!!




兎娘「ほら言ってるそばから雷が落ちた」

兎娘「ちなみに雷に当たる確率は1000万分の1らしいよ?おーこわこわ」




仮面『...ッ!...ッ!』プスプス




兎娘「さてお察しの通り、これは私の能力です!」

兎娘「ウサギの足が幸運の証だって話は知ってるよね?私も理屈はよく分からないんだけど、どうやらこの足が地下にある"ナニか"からエネルギーを吸い取ってるらしいんだよ」

兎娘「んでそのエネルギーが運という形になって私を守ってるってわけ」

兎娘「もちろん、私に対して幸運な現象が起きるって意味だからね。私に危害を加える相手には不幸が降りかかるってこと」

兎娘「いやぁ...自分で言うのもなんだけど、はっきり言って最強の能力ですわぁ...」ドヤァ

兎娘「運を極めたってことは絶対に負けないってことだからねぇ...常に勝利の女神から札束が送られてくるみたいなもんだし」

兎娘「結局、自然界でも運よく弱肉強食のピラミッドから抜け出した者が長く生きるからね!今の私は例えるなら、サバンナから保護されたウサギと言ったところかな!」

兎娘「ライオンに襲われる心配も...虫刺されの心配もいらない...毎日ぬくぬくとニンジンを食べられる生活を過ごせるよ!」




仮面『...ッッ!!!!』ピカッ




兎娘「おーっほっほっほっほ!無駄無駄ァ!どんな魔法も攻撃も、今の私には当たらなァい!!!」

兎娘「ではここで私の幸運と脚力の合体技を見せてあげよう!」

兎娘「レッツ!ぴょんぴょんWORLD!」ドンッ

シーーーン



仮面『』




兎娘「フフフ...私のスピードは奇跡で光速を超えた」

兎娘「そして魔法を加えることによって、この空間は時間が遅れてるのだよ...だが私だけは対応出来る」

兎娘「えっ?詳しい理論?知るか馬鹿!とにかく奇跡なんだよこれが!」




仮面『』




兎娘「普通の時間停止魔法と違って、私は一部物理的に時間を遅らせてるからね。どれだけ魔力があっても認識することは不可能」

兎娘「ウサギだけの時間だぜ...というやつだ」

兎娘「まあ私の魔力がしょぼいのは変わらないんだけどね。さっさと動かないと時間が動き始めちゃうよ」スタスタ

仮面『』


兎娘「まずは石を近くに置きます」チョコン

兎娘「そして偶然、道に落ちてたこの犬のウンコを設置します」

兎娘「最後に魔法でこの周囲に結界を張ります」ピカッ


兎娘「よし!準備完了!あとは離れた位置に移動してっと!」ダッ




ドンッ



仮面『...ッッ!?』キョロキョロ




兎娘「ヘーイ!どこ見てんだ!私はこっちだぜ!」




仮面『...ッッ!!!!』ダッ

ガツンッ


仮面『...ッ!?』フラッ

ベチャ

仮面『...ッ!!!』チラッ



ヒュゥゥゥゥゥゥゥ......



ドッッッッカアアアアアアアアアン!!!!!!!!




兎娘「普通ならつまずかないはずの石につまずく...運が悪いねぇ」

兎娘「そしてウンコを踏んで、一瞬気を取られた瞬間に隕石が降ってくる...普通だとどんくらいの確率なんだろ?」

兎娘「隕石の衝撃は結界である程度防げるけど...やっぱり町の中の戦闘だと小さい隕石しか落とせないのは不便だなぁ」

兎娘「さすがに巨大隕石を降らせたら町は100%は吹っ飛んじゃうからね、私の幸運でも何とかならないと思うし」

パラパラッ...パラパラッ...



仮面『...ッ...ッ』ボロボロ




兎娘「まだ立ってるのか...しつこいなぁ」

兎娘「じゃあ適当に雷でもいくつか落としてみるか」




ゴロゴロゴロゴロ...


仮面『...ッ!?』ビクッ

仮面『ッ!!!!』ピカッ


ピキーン


ドッッカアアアアアアアアアン!!!!!!




兎娘「あっ...障壁を張られたか。さすがに自然の雷だと、あの障壁を突破するのは無理だな」

兎娘「なら障壁内から攻めるか」

ドッカアアアアアアアアアン!!!!!!

ドッカアアアアアアアアアン!!!!!!



仮面『...ッ!!!!』グッ

カチッ

仮面『!?』クルッ



ドッッッッカアアアアアアアアアン!!!!!!!




兎娘「不発弾を踏むなんて...なんてツイてない...」

兎娘「というかこの町、不発弾が埋まってたの?こわっ!」




シュゥゥゥゥゥゥゥゥ......



仮面『...ッ!...ッ!』ボロボロ

仮面『...ッ!!!!』ガクガクッ



兎娘「さすがにもう立てないか...フフッ」

兎娘「これで...これで...ウサギが一番に...」

兎娘「長かった...実に長い道のりだった。ウサギなのに不幸なボロクソの扱い、まさに地獄のような日々だった」

兎娘「でも...私は今、犬と猫を倒した相手に勝ったんだ!ついにウサギがナンバーワンになったんだ!いや、ナンバーピョンだ!」

兎娘「えっ?勝利を確信するのは負けフラグ?ハッハッハッハッハ!今の私は絶好調!そんな古典的な手なんて効くわけないですよ!」




仮面『...ッッッ!』ピカッ


シュババババババババババ!!!!!!




兎娘「おおっと?苦し紛れに最後の攻撃か?」

兎娘「まったく見苦しいねぇ...負け犬の遠吠えというやつは」

兎娘「まっ、こんなもの軽く避けて最後のトドメと行きますか」サッ




グサッ




兎娘「...へ?」バタッ



兎娘(えっちょっまっ...何これ)

ダラー

兎娘(え?何、私避けたよね?なんで?え?なんで?)

兎娘(い、いや...今はそんなことよりも...)


ズキッ


兎娘(お腹痛えええええええええええええ!!!!!!何か刺さってるううううううううううう!!!!!)




仮面『...?』ポカーン




兎娘「な、なんじゃ...こりゃあ...」ダラダラ

兎娘(い、意味分かんない!なんで!?なんで幸運パワーが働かないの!?ラッキーマン状態じゃないの!?)

兎娘(よ、よく考えろ...ウサギ。前後の流れをちゃんと理解すれば、答えが分かるはずだ)


兎娘(えっと...最後に運があったのは...不発弾を爆発させた時だよね?)

兎娘(ということはここからおかしくなったんだ...原因は不発弾、なぜこいつのせいで幸運がなくなったのか...考えろ...)




『それにこの世界は...死の危険が溢れ過ぎてるんだよ。運がないとすぐ死んじゃうからね』

『ウサギの足が幸運の証だって話は知ってるよね?私も理屈はよく分からないんだけど、どうやらこの足が地下にある"ナニか"からエネルギーを吸い取ってるらしいんだよ』

『んでそのエネルギーが運という形になって私を守ってるってわけ』




兎娘「あっ」

兎娘(えっ...い、いやいや...さすがにこれはあり得ないでしょ...)

兎娘(で、でも...これ以外理由が考え付かないし、一応筋も通ってる)



『私も理屈はよく分からないんだけど、どうやらこの足が地下にある"ナニか"からエネルギーを吸い取ってるらしいんだよ』



兎娘(つまりだ...不発弾を爆発させたことによって、地下にある"ナニか"からのエネルギーが乱れて...エネルギーを吸い取れなくなった?)


兎娘(...ハハッ)



兎娘「いや笑えないんですけどおおおおおおおおおおおおお!?はあああああああああああああ??????」

兎娘「ちょっと待て!?アリ?そんなのってアリ?」

兎娘「いやマジで洒落になってないから!あまりに馬鹿馬鹿しくてくっそツマンねーんですけどおおおおお!?」




仮面『...』

兎娘「ゲボァッ!!!!」ベチャッ


兎娘(や、やべぇ...はしゃぎ過ぎた...今お腹に穴開いてるんだった...)

兎娘(ま、まさか...私の出番これで終わり?このままこいつにやられてフェードアウト?)

兎娘(ちょっと待てよ...ここまで来るのにどれだけ苦労したと思ってるんだよ...!)




仮面『...ッ』ヨロッ




兎娘(呪いで悪堕ちしかけたり!大した出番が与えられなかったり!過去では犬や猫に比べて、ボロ雑巾のような扱いだったんだぞ!)

兎娘(こ、こんな...まるでうさぎとかめみたいに油断して自滅なんてあるわけ...!?)


仮面『...』ユラァ


兎娘(...あぁ、そうか。結局私も敵わなかったんだ)

兎娘("お約束"という古くからの呪いに...)



ガシッ

.............................................................
...................................................



兎娘「」


仮面『...』ポキッポキッ

仮面『...っ』フゥ




「やれやれ...あなたが噂の仮面さんですか」




仮面『...ッ!!!』クルッ




黒少女「爆発音がしたので駆け付けてみれば...これは」


犬娘「」

猫娘「」

兎娘「」


黒少女「...この人達は私の行きつけの店のメイドさん達でしてね。みなさん個性的でとてもいい子だったのに」

黒少女「あなたには...きつめお仕置きが必要ですね。覚悟してください」スッ

今日はここまで

ごめんなさい今日は更新出来ません...
次は明日か明後日辺りになると思います...

仮面『...』ピカッ



ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!!




黒少女「噂通りの乱暴な性格ですね。しかしこの魔力...正直半信半疑でしたが、魔力を完全に奪う能力というのは真実のようです」

黒少女「ですが」ピカッ




ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!




仮面『...ッッ!?』サッ




黒少女「結局のところ...いくら魔力を奪っても、それを超える力をぶつければ問題はないですよね」

黒少女「井の中の蛙ということを教えてあげますよ、泥棒さん?」

仮面『...ッッッ!!!!!』ピカッ


シュババババババババババ!!!!!!




黒少女「次は氷の魔法、これも聞いた通りですね」ピカッ



ボロボロボロッ...



仮面『...ッッ!?』

仮面『...ッッッッ!!!!!』ピカッ



シュバババババババババババババババ!!!!!!!!




黒少女「ふーん...同じ技を二回も連続ですか」

黒少女「その氷の魔法の元の使い手は、高度な技を使うと聞きましたが...なるほど」グッ

ダッ...


仮面『...ッッッッ!!!!』ギロリ




黒少女(空中に飛んで誘ってみますか。恐らく魔力を奪う能力は私にも有効なはず、接近戦は極力避けます)

黒少女(相手を掴むことで発揮する能力らしいので、最悪の場合は手を吹き飛ばせば問題はないですけど)




仮面『ッッッッ!!!!』ボッ


ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!!




黒少女(次は最初に出した炎と同じですか。どうやら魔力を奪うと言っても完全に使いこなせるわけじゃないようですね)

黒少女(まあ当たり前と言ったら当たり前ですね...魔力は奪えても、技術と経験はまた別ですから)

黒少女(使えるのは最も得意な属性の魔法。それも初歩の初歩のレベルと言ったところでしょうか)

黒少女(何だか拍子抜けですね...立派なのは魔力だけですか)ヒラリ


スタッ


黒少女「...かなりの幸運の持ち主ですね。あなたは」

黒少女「はっきり言ってその魔力を奪う力、完全とは言い切れません。途中に何回も危ない場面があったはずです」

黒少女「今、ここにいることが奇跡と言ってもいいくらいですよ?せめてもう少し魔法の勉強をするべきです」




仮面『...ッ』イラッ




黒少女「動きを見る限り、戦闘の経験もかなり浅いようですしね。まだまだ未熟です」

黒少女(...逆に言えば、まだ未熟で安心したとも言えますが)

黒少女「さて、能力も見極めたことですし反撃といきますか」

黒少女「一応警告をしてあげます、全力で防御してください。私の魔法はほんのちょっぴり強力らしいので」ピカッ




ババババババババババババババッ!!!!!!



仮面『...ッッッ!?』



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


ガキッガキッガキッガキッガキッガキッ!!!!!!!


ズシーーーーーーーーン!!!!!



パラパラッ...パラパラッ...




黒少女「...やり過ぎました」

黒少女「出来る限り範囲を絞ったつもりでしたが...力が強すぎるというのも困りようですね」

黒少女「...殺したりしてたら面倒ですね。生け捕りにしろと言われてますし」



パラパラッ...パラパラッ...



仮面『...ーッ!...ーッ!』ダラダラ

仮面『...ッ!!!!』ボロッ




黒少女「あっ、良かった。大丈夫でしたか」

黒少女「どうでもいいですけど、頑丈な仮面ですね。足がもげて全身がボロボロになるほどでも壊れないなんて」


黒少女(そういえば...あの人は、自分のお願いが効かない相手だとも言ってましたね)

黒少女(この仮面さんは強いですが、お願いの力を無効化出来るほどの力はないですし...そうするとタネはあの仮面?)




仮面『...』シュゥゥ

仮面『...』フラッ

黒少女「治癒魔法、いえそのスピードは再生魔法ですか。まだ戦う気なら止めた方がいいですよ?ここは大人しく降伏するのが得策です」

黒少女「まあこちらも...本音を言うと、犬娘さん達の分をまだやり返してないので望むところですが」




仮面『...』クルッ

仮面『...ッッ!!!!』ダッ




黒少女「...結局逃げるんですか」





ダダダダダダダッ


仮面『...ッ!...ッ!』ハァハァ

仮面『...ッ』クルッ



シーーーーーーーーン



仮面『...』ホッ

黒少女「逃げ切れた...と思っていますか?」ピカッ



ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!



仮面『...ッ!?』ボゥ

仮面『...ッ!』ジュゥゥ




黒少女「それは犬娘さんの分です。どうです?熱いですか?」

黒少女「次は猫娘さんと兎娘さんの分...大丈夫です。全身が丸焼けになるくらいで済みますから」ボッ



仮面『...ッッッ!!!!』プシュー



モクモクッ...モクモクッ...



黒少女「これは...煙幕?」

ジュッ...


黒少女「あつっ」

黒少女「...炎の性質を持った煙幕ですか。ここで出したところを見ると、向こうも魔法の使い方を理解して来たようですね」フッ




ブワァァァァァァァァァッ!!!!!!




黒少女「煙を張った一瞬に逃げられましたか...全く面倒をかけさせてくれますよ」

黒少女「今から追うのもいいですが...まずは犬娘さん達の体をどこか安全な場所に運ぶのが先ですね」チラッ

黒少女「確か向こうの方に、力を奪われた人達を集めてる屋敷があったはず...まずはそこに行きますか」バサッ

.............................................................
..............................................



タッタッタッタッ


仮面『...ッ!...ッ!』ハァハァ

仮面『』フラッ


バタッ


仮面『...ッー!...ッー!』フーフー

仮面『...ッ』スッ


パカッ


「...ぷはっ」

「フーッ...フーッ...ぐっ」ズキッ

「つ、つよい...やつは...今まで出会った中でイチバンだ...!」

「だが...!われもこの力の真ずいを...!理解して来た...!」


「ここで負けるわけには...いかん!」

~~~~ 廃ビル前 ~~~~


ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...



黒少女「...」


黒少女(気配はこの中から...ですか。少し厄介ですね)

黒少女(このビルはよく野良猫が集まって集会をしていた場所、もし中に猫が残っていて戦いに巻き込まれたら...)


黒少女「...慎重に、かつ冷静に行きますか」スタスタ








仮面『...』ジー


仮面『...』ズキッ

仮面『...ッ!』スクッ

スタスタ スタスタ


黒少女「...」

黒少女(さすがに建物の中は探知魔法を妨害する障壁を張ってますか。姿を隠す点に関しては一流と言えますね)

黒少女(しかし奇襲と魔法の相性はあまりいいとは言えません...さてどう来るか)



スゥー


仮面『...』


黒少女「」スタスタ


仮面『...』ブンッ


黒少女「見事な奇襲です。完全に気配を消して、物音一つも立てずに私の後ろを取るなんて」ヒラリ


仮面『...ッッ!?』

黒少女「魔法だけに頼っていては、あなたを感知することは出来なかったでしょうね」

黒少女「でもごめんなさい。私も少しですが、武術の心得はありますので」シュンッ


仮面『...ッッ!?』ドゴォ


ビューーーーーン!!!!!!

ドシャアアアアアアアアアアン!!!!!


仮面『...ッ!!』メリィ




黒少女「チェックメイトですね...もうあなたに手はありません」スタスタ

黒少女「このまま少し眠ってもらいます。殺しはしないですから安心してください」

黒少女「ただ...お腹に穴が空いたり、頭を少し弄くらせてもらう可能性はありますが」

仮面『...ッ!!!!』ボゥ


シュンッ


黒少女(消えたっ...!?今度は転移魔法ですか!)


ボゥ


仮面『...ッッッ!!!!』ブンッ


黒少女「...驚きましたよ。まさかこの短時間に転移魔法まで使えるようになるなんて」ガシッ


仮面『...ッッ!?』ググッ

黒少女「このままだと...奪った力を自由自在に扱えるようになるまで、そう時間はかからないかもしれません」

黒少女「あなたの唯一の不運は...今、この場で私が相手だったということです。もし神を何人も取り込んでいたら、結果は変わったでしょう」ブンッ


ドシンッ!!!!!!!


仮面『...ッ!?』カハッ

黒少女「心臓への掌底、これでもう魔法を出すことは出来ません」

仮面『...ッ!...ッ!』ピクピクッ

黒少女「では、しばらく眠ってもらいます。さようなら」グッ



スリッ...



仮面『...』ハッ

黒少女「...えっ?」クルッ



子猫「ミャア」スリスリ




黒少女(こ、子猫っ!?なぜ今ここでっ...)

仮面『...ッ!』ニヤリ


ダッ

ガシッ


子猫「ミャッ!?」グイッ

黒少女「しまっ...!」



仮面『...』グイッ

子猫「ミャアミャア!!!」ガシガシ



黒少女「...!」ギリッ

黒少女「...人質のっ、つもりですか?」



仮面『...』ニヤリ

子猫「ミャアミャア!!!」ゲシゲシ



黒少女「ば、馬鹿らしい...猫を一匹取ったくらいで...」プルプル

黒少女(くっ...こらえないと...!ここで動揺を悟られるわけには...!)ギリッ



仮面『...』スゥー

子猫『ミャッ!?』ビクッ



黒少女「や、やめなさい!!!!」

仮面『...』クイクイッ



黒少女(跪け、ですか...!)

黒少女(どうにかして...あの子猫を救わないと...でもあの仮面は怪しい動きをすれば、一切のためらいもなく一瞬で...!)



仮面『...ッ!』クイクイッ



黒少女(拘束魔法...いえ、魔法を出す隙すらもないですね。なら反応を与える暇もなくすり潰して...)

黒少女(くっ!駄目です!子猫まで巻き込む可能性もある!)



仮面『...ッッッ!!!!』ドンッ



黒少女「...分かりました、従います。だからその子だけは...」スッ

黒少女(何とか...何とかして隙を...)

仮面『...』スタスタ

子猫「ミャアアア!!!!!」ジタバタ



黒少女(恐らく...油断するとしたら私に触れる直前、勝利を確信した時)

黒少女(その一瞬で...決着をつける!)



仮面『...』スタスタ

仮面『...』

仮面『...ッッッ!!!!』ブンッ



子猫『ミャッ!?』ブオン



黒少女「なっ!?」ビクッ

黒少女(子猫を放り投げて...!あのままだと壁にっ...!)


黒少女「ま、間に合えええ!!!!」ダッ



ガシッ

子猫『ミャッ...』グッ

黒少女「よっ、かった...間に...合って...」

仮面『...ッ!!』ニヤァ



ギュインッ...ギュインッ...



黒少女(これがっ...力を奪われるということですか...なるほど...)

黒少女(確かに...自分の魔力がまるでグチャグチャになっていく感覚がある...まともにコントロールするのは無理、ですね...!)


子猫『ミャアアア...』ビクビク


黒少女(あぁ...ごめんなさい。怖い思いをさせてしまいましたね...)パッ


子猫『ミャッ...ミャアアアアア!!!』ダッ


黒少女(も、もう...怪しい人に近付いたら駄目ですよ)

仮面『...ッッ!』グイッ

黒少女「ぐっ...」ギチギチ


黒少女(も、もうあと十秒も経たずに...全ての力を奪われる...)

黒少女(...ごめんなさい。私の力が奪われたら駄目なのは分かっていました。でも...)

黒少女(後は、あなたに任せます...!今、私の力を奪ったこの仮面さんを止められるのは...!世界中であなただけっ...)

黒少女(手を焼かせてしまって、本当にごめんなさっ...)


黒少女「」

仮面『...』ポイッ



仮面『...フハハ』

仮面『...ハハハッ、ハハハ』スッ


仮面『アハハハハハハハハハハ!!!!!!!ハハハハハハバハ!!!!』

仮面『この力ッ!最高だ!すばらしい!』


仮面『もはや全ての生物を超えた...!われはこの世でイチバンになった...!!!!』


仮面『敗北など...ありえない!この力があれば...!だれにも!!!!』

仮面『...もうこの仮面もいらない。おそれる者など何も』スッ


パリンッ


黒幼女「...」スゥゥ


黒幼女「...分かる。強者の感覚が」クンクン

黒幼女「この町の強者の力を全て手にすれば...あらわれるはずだ」

黒幼女「その時こそ、父上の復しゅうを果たす時...」



黒幼女「ランプの魔人を...この手で...ころすッッッ!!!!!」

~~~~ 魔界(ビル) ~~~~



魔界神「むむむ...今月も赤字...」ジュージュー

魔界神「嫌になっちゃうなぁ...もう。これだから資本主義の世界は...昔はもっと魔界もこの世界に影響を与えてたのになぁ」

魔界神「今では魔界も一つのビルに収まる程度に...昔は魔界、人間界、神界の三界って言われてたんだよ?」ジュージュー



四天王(水)「あの魔界神様」



魔界神「あっ、そこのお肉もう焼けてるね。ほら、みんなももっと食べていいんだよ?幹部会議だからって固くならなくても」モグモグ


四天王(水)「いやだから...なんで会議用の机が焼き肉プレートに改造されてるんですか?」


ジュー...ジュー...


魔界神「だってこの机、無駄に広いし何かもったいないじゃん」モグモグ

四天王(水)「...ちなみにその費用はいくらかかったんですか?」


魔界神「んー...ざっと100ま」


四天王(水)「火、焼いてください」

四天王(火)「あいよ」ボォ


ゴォォォォォォォォォォ!!!!!!!!


魔界神「ぎゃああああああああああ!!!!!!」ゴロゴロ


四天王(水)「そんなことしてるから赤字になるんですよ!!魔界のみなさんが汗水働いて稼いだお金をくだらないことに使わないでください!!!」

四天王(水)「あと魔王様も黙々と肉と野菜を焼かないでください!!!!仮にも魔王なんですから!!!!」


魔王「」ビクッ

魔王「で、でも野菜も一緒に食べないと胃もたれしちゃうし...」


四天王(水)「そういう意味じゃないですよ!!!!」

ゴーレム「オイシイ」モグモグ

堕天使「追加のお肉と野菜持ってきましたよぉ!」フラフラ



四天王(水)「あーもう...こんなんだから魔界は没落したんですよ...」ズーン

四天王(火)「そういえば風と土の四天王が見えないが、どこに行ったんだ?」


魔界神「あぁ、あの二人ならお酒とつまみを買い出しに行ってもらいました」モグモグ


四天王(水)「赤字なら少しは節約の「せ」の字でもしてくださいよ...!だから毎月赤字なんですよ...!」ガンガン



ブゥゥゥゥン!!!!ブゥゥゥゥン!!!!



四天王(水)「...なんですか?この警報は」

魔王「あっ...侵入者ですねこれ。しかも超緊急事態のcodeレッドです...」


四天王(水)「はぁっ!?」

四天王(火)「...侵入者だと?」


プルルルル...プルルルル...


魔界神『はい、もしもし?』モグモグ

魔界神『ふむ...了解。ご苦労』ガチャ


魔界神「Fエリアに侵入者が居るらしいね。ちょっとカメラ映せる?」


堕天使「えっと...えふえふ...あった!今映します!」



ドドドドドドドドドドドドド...!!!!!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...!!!!!!!



魔界神「おぉ、やってるやってる...ん?交戦中なのって四天王(風)と(土)君じゃないの?」

魔王「本当ですね...戻ってる途中に遭遇したんでしょうか」

ゴーレム「アッ...ヤラレタ」


四天王(水)「あの二人を簡単に倒すなんて...ただ者じゃないですね」

四天王(火)「...少し様子が変だったな。首を掴まれたら、まるで魂が抜けたように倒れたぞ」


堕天使「あぁ...えらいこっちゃ、えらいこっちゃ...」ポンポン


四天王(水)「堕天使さん、お手玉をするのを止めてください。うざいです」

四天王(水)「とにかく、ここは私と炎とゴーレムで現場に向かいます。魔界神様達はここで待っててくださ...」



魔界神「...いや、私が直々に行こう」

魔界神「あれはかなりの使い手だ。恐らく君達では敵わない」



四天王(水)「えっ...あっ、はい」

四天王(水)(な、なんでしょう...?急に魔界神様の雰囲気が変わった...?)


魔王「...出ましたか。魔界神様の"表"の人格が」


四天王(水)「お...表の人格?どういうことですか?」

魔王「魔界神様の元の性格はあまりに残虐で凶暴で凶悪なんです。日常性格に影響を及ぼすほどに」

魔王「だから...普段はその性格を抑えて、自分の数少ない善の心を全面に出しているんですよ。表の人格になった魔界神様は...やばいくらい強いです」

四天王(水)「そ、そうだったんですか...あれ?なら魔王様も...」

魔王「いえ、私のこれは素です」

四天王(水)「...そうですか」



魔界神「私の世界に土足で踏み入ることがどれだけ愚かか、思い知らせてやろうぞ...」ゴゴゴゴゴゴゴ

..............................................................
..................................................


プルルルル...プルルルル...


ランプの魔人「Zzz...むぅ?電話か...」スッ

ランプの魔人「もしもし...?今何時だと思っているんだ...かけ直せ...」ピッ


少女『もうそっちは朝の7時です。いい加減起きてください』


ランプの魔人『その声は...少女か?珍しいな...お前から電話をかけてくるなんて...神の仕事はいいのか?』

少女『...はい。今はそんなことをしてる場合じゃないですからね』

少女『一つ、聞いてもいいですか?あなたは...力を奪う謎の能力を持った怪人を知っていますか?』

ランプの魔人『あぁ...やつの件なら今頃は解決済みだろう...ん?なぜお前がそのことを知っているんだ?』

少女『そうですか...突然ですが、あなたに悪いニュースともっと悪いニュースがあります。どちらから聞きたいですか?』

ランプの魔人『...?よく分からんが...なら悪いニュースからで』


少女『では言います。昨日の晩...魔界が壊滅しました』


ランプの魔人「...は?」

今日はここまで
やっとラスボス戦...あと3回ほどの更新で最後まで行けたらいいなとか思ってます

ランプの魔人『...すまん、寝ぼけてよく聞こえなかった。もう一度言ってくれ』

少女『魔界が壊滅しました』

ランプの魔人『...魔界ってあのへっぽこ魔界のことか?』 

少女『はい、あのへっぽこ魔界がです』

ランプの魔人『...』


ランプの魔人『はぁっ!?どういうことだ!?』


少女『...いきなり大声をあげないでくださいよ』

ランプの魔人『いくらやつらがヘボいからって...魔界が壊滅なんて一国、いや一つの世界を滅ぼすのと同じことだぞ!?一体誰が...ハッ』

ランプの魔人『ま、まさか...奴、なのか...?』


少女『...はい。数時間ほど前に魔界からSOSの通信が入りました』

少女『力を奪う謎のやつに襲われている、至急応援を頼む...と』

少女『急いで偵察の天使さんを出したところ...もう既に手遅れでした。魔界の約9割近くの人は魔力を奪われ、意識不明の状態』

少女『魔界神を含む魔界のトップは...全員がやられました』


ランプの魔人『ちょっと待てよ!いくらなんでも魔界神がやられるのはおかしいだろ?』

ランプの魔人『一応、あいつは魔界の神を継ぐ者だぞ...単純な戦闘力ならお前とそう変わらないはずだ』

ランプの魔人『それに奴の退治は黒少女に任せたはずだ!今頃はもう捕まえて...そういえば黒少女はどこに行ってるんだ!?やつも魔界に属してるじゃないか!』


少女『...ではもっと悪いニュースを伝えます』

少女『黒少女もやられました』


ランプの魔人『なん...だと...』

ランプの魔人『い、いやいや...あり得ないぞ。あいつが私以外に負けるなんて...』


少女『どんな状況だったか私も知りたいくらいですよ...あの子が負けるなんて...』

少女『でも事実なんです。魔界から少し離れた廃ビルで、魔力を奪われた状態で発見されました』

少女『恐らく犯人は...黒少女の力を奪った後に魔界を壊滅させたと推測されます』


ランプの魔人『くっ...頭が追い付かんな...一体何があったんだ...』


少女『ではこちらも、あなたが知ってるその力を奪う相手について教えてください』

少女『何しろ、こちらが持ってる情報はほぼあなたに話した分だけですからね。私の方が混乱してるくらいです』


ランプの魔人『あぁ...あれは3日前の夜...』



カクガクシカジカ

少女『...』

ランプの魔人『...』


少女『マジ...ですか...』

ランプの魔人『あぁ...全部マジだ。半分くらいは運よくその仮面から逃れたやつがいて、分かったことだがな』


少女『手で首を掴むだけで魔の力を奪う...そしてその魔力を自分の物として扱うことが出来る...とても信じられない話ですね』

少女『ですが...今の状況と全て一致します』


ランプの魔人「私だって最初は驚いたさ。ただの魔力ならともかく、その器まで抜くなんて...普通は何十何百年の儀式が必要だからな」

ランプの魔人『ここまで特殊な能力を持っているのに、表舞台に今まで出てこなかったのが不思議なくらいだ』


少女『あなたでも神の代表でもある私でも知らない相手...謎は多いですね』

少女『って、雑談してる場合じゃなかったですね。そろそろ本題に入りますか』

少女『私がなぜあなたに電話したのか...分かりますか?』


ランプの魔人『...今の仮面に勝てるのは私しかいないということか』


少女『はい、話が早くて助かります』

少女『もう創星神様にはこちらから話を通してあります。特別にあなたの力を解放する許可も下りました』

少女『後は...頼みましたよ。冗談抜きで世界の危機なんですから』


ランプの魔人『...まさか私の番まで回ってくるとはな』

ランプの魔人『まだまだこの世界は私がいないと駄目ということか。情けない話だ』


少女『...』


ランプの魔人『なんだ急に黙って...私はこれから戦いの準備に入るんだぞ、励ましの言葉の一つでも送れ』

少女『...ごめんなさい』 


ランプの魔人『なぜ謝る』


少女『あなたは...いつかのたけのこの時も、一人で戦ってこの世界を救ったんですよね』

少女『そんなあなたを...私は...』


ランプの魔人『あーもういい、その話は聞き飽きた』

ランプの魔人『あれは私が勝手に行動してやっただけだ。今考えると、お前に相談しなかった私も悪い』


少女『...もしかして、あなたは分かってて一人でやったんじゃないですか?』

少女『神殺しは重罪です。もし誰かの力を借りたら、その人も罪に問われることになる...あなたはそれを分かってて...』


ランプの魔人『...あまり自惚れるな。お前や他の力なんて、私の力に比べたらカスみたいなモノだ』

ランプの魔人『わざわざそんな力を借りなくても...私一人で充分なんだからな。逆に邪魔なくらいだ』

ランプの魔人『それにあれは私個人がたけのこ派に引導を渡したかった。誰のためでもない、自分のためにやったんだ』

ランプの魔人『自分が進んでやったことに後悔するほど私もガキじゃない』


少女『...なら、今はどうなんですか?』

少女『今回のあなたは...誰のために世界を救うんですか?』


ランプの魔人『...』


少女『私は、あなたがこの世界に戻ってきてとても良かったと思います。今のあなたは数千年前よりも生き生きして見える』

少女『この世界に...守りたいものがいっぱい出来たのではないですか?』


ランプの魔人『...そろそろ切るぞ。創星神に会わなくちゃいけないからな』

少女『...そうですか。分かりました、私からの助言は一つです』

少女『頑張ってください』


ランプの魔人『...あぁ、またな』ピッ



ツーツー...ツーツー...



少女「『またな』...ですか」

少女「...頼みましたよ。あなたが負けるとは思えませんが、前代未聞の強さの相手です。油断はできません」

少女「情けない話ですね...神様が祈ることだけしかできないなんて」


天使「カミサマー!次の魔界の人達の診療お願いしますー!」


少女「...はい!今行きます!」


少女(願いを叶える能力...ですか。本当に無敵の能力ですね)

少女(だって...あなたを思う人がいるほど、強くなる能力なんですから)

ランプの魔人「...さて、行くか」スクッ

ランプの魔人「おい起きろ紅幼女」ゲシッ


紅幼女「ぐへっ」パチッ

紅幼女「な、なに...何かお腹踏まれた...」ゴシゴシ


ランプの魔人「私は少し出かける。ダーリンと雪女に明日の朝まで居ないと伝えといてくれ」


紅幼女「りょ、了解...」


ランプの魔人「よし、後は精霊界に行くだけだな」ゲシッ


ブワァァァン!!!!!


紅幼女「!? け、蹴りで空間に穴が...!」


ランプの魔人「んじゃ留守は任せたからな」スタスタ

~~~~ 精霊界 ~~~~



ランプの魔人「ふぅ、相変わらずここの空気は美味いな」

ランプの魔人「しかし鍵の開け方を知ってるだけで、魔力も使わずに移動出来る空間とは便利なものだな。どこでもドアみたいなもんか」




創星神「さすがに蹴りで扉を開けるのは、乱暴なので止めてくださいね」クスッ




ランプの魔人「そこにいたのか...話は聞いてるな、私の魔力を返してくれ」




創星神「力を奪う能力...まるであなたとは正反対の能力ですね」

創星神「...これも因果というやつです」クスッ

ランプの魔人「ん?何か言ったか?」




創星神「いえ...こちらの話ですよ」クスッ

創星神「では話を戻しましょうか、どれくらいの力で戦うつもりなんですか?」




ランプの魔人「100%MAXパワーの全力だが」




創星神「...全部、ですか。ちょっと予想外ですね」

創星神「あなたは毎回、力を借りる時にだいぶ余分に持って行ってますよね。今回でも倒すだけなら50%、多くても80%程で充分だと思いますが...なぜ?」




ランプの魔人「毎回余分に持って行くのは念のためだ。用心に越したことはないからな」

ランプの魔人「だが今回は...それだけじゃない」

ランプの魔人「最近...何だか体が渇くんだよ」




創星神「...欲求不満」




ランプの魔人「違うわアホ!!!!」


ランプの魔人「ゴホン...まああれだ。そろそろ体が魔力を求めてるんだよ」

ランプの魔人「この時代で暮らして一年近くが経ったが、やはり魔力がないというのは少し違和感がある」

ランプの魔人「最近はそれが酷くてな...喉が渇くと水が飲みたくなるように、私の体も魔力を求めて渇いてる」

ランプの魔人「ということでここら辺で一気に体を潤したいわけだ。ちょびっとなんてケチくさい量じゃなくて、腹が膨れるほどの魔力でな」



創星神「...事情は分かりました。ではあなたに貸す魔力の量ですが...」

創星神「10%ほどですね」クスッ




ランプの魔人「は?」

ランプの魔人「お前、私の話聞いてたか?桁が一つ足りないんだが」




創星神「実は私が管理してるあなたの魔力は50%、つまり半分だけなんです」

創星神「残りの半分は封印していて、誰も触れないようになっています」




ランプの魔人「はぁっ!?」




創星神「で、その封印を解くのには私だけの力だけじゃなく、あなたの魔力も必要なんです」

創星神「その量およそ40%...つまり今、あなたに貸せるのは10%ということになります」クスッ




ランプの魔人「ふざけてんのかテメェ!!!!」

創星神「まあそう怒らないでくださいよ...封印を解けば、貸してる魔力も含めて全部あなたに戻るんですから」



ランプの魔人「そうだ!その封印というのはいつ解けるんだ!?」

ランプの魔人「最初の犠牲者の蒼龍が襲われたのは3日前の夜の9時頃...つまり今日の夜9時頃がデッドラインということだ」

ランプの魔人「今は朝の7時...あと残り14時間しかないんだぞ!」




創星神「そのことなら大丈夫です。封印自体は一時間で解けますから」クスッ




ランプの魔人「な、なんだ...驚かせるなよ」ホッ




創星神「いえ、やっぱり数時間...半日...数日...数週間...」




ランプの魔人「おいっ!」

創星神「何しろ封印を解いた前例がないもんですからねぇ...まあ数日数週間というのは言い過ぎました」

創星神「最悪でも半日程度で解けると思います」クスッ

創星神「...数時間のズレがあるかもしれませんけどね」




ランプの魔人「...半日か。うん、ちょうどいいな」

ランプの魔人「ならお前はさっさと力を渡して封印を解け。私は少し、ここで準備運動でもしておく」ポキポキッ




創星神「今すぐ戦わないんですか?」




ランプの魔人「アホ言え、さすがに10%だと私でも勝てる可能性はほぼゼロだ」

ランプの魔人「それに久しぶりの本格的な戦闘だからな...身体を魔力に慣らして、勘を取り戻す必要もある」

ランプの魔人「こっちも半日、12時間ほどの時間は必要だ」




創星神「分かりました。ではまず10%の力をあなたに返します」クスッ



ピカッ



ランプの魔人「...」ズンッ

ランプの魔人「...ふむ、やはり魔力というものはいいな」グッ




創星神「私はこれから封印を解いてきますが...あまり暴れないでくださいね。直すの大変なんですから」クスッ




ランプの魔人「あー分かった分かった。さっさと行け」シッシ

創星神「封印が解けば即、あなたに魔力が戻るようになってます」

創星神「逆に言えば...力が戻らないようでしたら、まだ封印は解き終わってないということになります」

創星神「時間通りに終わるとは思わないでくださいね、不測の事態というものはいつでも起きるものですから」




ランプの魔人「...出来るだけ早く終わらせろよ。12時間経っても戻って来なかったら、私は10%の力で戦うことになるんだからな」




創星神「こちらも全力を尽くしますよ。私も自分の作った者達が壊されるのは嫌ですから」

創星神「では...幸運を祈ります」シュンッ




ランプの魔人「...行ったか」

ランプの魔人「久しぶりだな。この感覚...全身が軽く心地いい感じだ」スゥー

ランプの魔人「...身体を慣らすまで6時間、魔法を元に使えるようになるまで1時間、勘を取り戻すのに5時間といったところか」

ランプの魔人「面倒だが...悪くはない。自分の力を使うというのはな」

今日はここまで

..............................................................
...............................................



ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...


パラパラッ



ランプの魔人「...よし」

ランプの魔人「調整はこれで終わりだな。コンディションは完全に元に戻った」ノビー

ランプの魔人「現在時刻は...」チラッ


『19:00』


ランプの魔人「...夜の7時ジャスト、ぴったりだな」

ランプの魔人「後は封印が解けて力が戻るのを待つだけだ」ゴロン



シーーーーーーン



ランプの魔人「...来ない」

ランプの魔人「あいつ何してんだ...12時間で終わるって言っただろうが」

ランプの魔人「...もう向こうは完全に日が落ちてるはずだ。そして夜はやつの活動時間」

ランプの魔人「神の力を突然持ったやつがやることなんて大体は想像がつく...大規模な破壊、自分の力を試したくてウズウズしてるだろうな」

ランプの魔人「...そしてやつが少しでも本気を出せば、町は一瞬で塵になる」


ランプの魔人「...」


ランプの魔人「仕方ない...行くか」スクッ

ランプの魔人「単純な力勝負では敵わないが、時間稼ぎなら出来るはずだ。その間に力が完全に戻るのを待つ」

ランプの魔人「...まあ現段階でも倒す方法はないこともないからな」


ランプの魔人「さて、やつを誘き寄せる場所はどこにするか。やはり人気がない町外れの山辺り...あっ」


ランプの魔人「一度、家にアレを取りに戻る必要があるな」

シュンッ


ランプの魔人「ダーリン達は...居間で食事中か。アレがあるのは私の部屋だしちょうどいいな」スタスタ

ランプの魔人「特に理由はないが...気付かれないように行くか」



ソロソロ ソロソロ


ガチャ



ランプの魔人「えーっと確かこの辺に...」ガサゴソ



紅幼女「誰だっ!?泥棒か!」



ランプの魔人「」ビクッ

ランプの魔人「チッ...なんだお前か。びっくりさせるな」



紅幼女「へ...?ランプの魔人...?」

紅幼女「なんでここに...」


ランプの魔人「自分の部屋に居ちゃ悪いか...って、あったあったこれだ」ゴソッ


紅幼女「お、おい!今朝は寝ぼけて言い忘れてたが、今日は蒼龍が襲われてから三日目の夜だぞっ!?」

紅幼女「昨日は方が付いたって言ってたじゃないか!今日...蒼龍の屋敷に行ったらまだ蒼龍は目覚めてないし、犠牲者はまた増えてて...このままだと本当に蒼龍の命が...!」


ランプの魔人「安心しろ、これから私が直々に仮面を倒しに行く」


紅幼女「えっ...?ランプの魔人が?でもお前魔力が...」


ランプの魔人「もう戻ってる、まだ10%だがな。私が出る以上は勝ったも同然だ」


紅幼女「確かに...何か言葉で言い表せないけど、今までのランプの魔人と違う...」

紅幼女「な、なら私も連れて行ってくれ!魔力はほとんどないけど...囮くらいならなれるはずだ!」

ランプの魔人「いらん、はっきり言って邪魔だ。幼女は幼女らしく留守番でもしてろ」スタスタ


紅幼女「でも...!」


ランプの魔人「...ここから先は戦場だ。力がない者は歩み寄る資格もない」

ランプの魔人「それともお前は...今すぐ死にたいのか?」ギロリ


紅幼女「」ビクッ

紅幼女「わ、分かった...大人しくここに居る...」シュン


ランプの魔人「ふん、それでいい...あとこっちも言い忘れてたが、同じ屋根の下だからってダーリンに手を出したらぶっ飛ばすからな」

紅幼女「ラ、ランプの魔人!」ギュッ

ランプの魔人「なんだ...まだ何かあるのか」クルッ



紅幼女「頑張れ!絶対に勝って...みんなを救ってくれ!」

ランプの魔人「...」

ランプの魔人「...うっさい。言われなくても負けるか」スタスタ


紅幼女「ふぁ、ふぁいとぉー!」



ランプの魔人(あー、クソ...人がせっかく真面目に行こうと思ってたところを邪魔しやがって)

ランプの魔人(...はぁ、アホらし。少し肩の力を入れすぎてたな)



幼女「べ、紅幼女ちゃーん?大丈夫ー?」ソロー

雪女「わ、私でも泥棒を退治するくらいは...」ソロー


ランプの魔人「む?」


幼女「あっ...」

雪女「な、なんだ...ランプの魔人さんですか」ホッ

幼女「どうしたのぉ?朝まで帰らないって聞いてたけど」


ランプの魔人「いや、少し忘れ物をしただけだ。今からまだ出かける」


雪女(何でしょう...この感覚、まるでランプの魔人さんが別人のような...)


ランプの魔人「じゃあな、夜更かしするんじゃないぞ」スタスタ


幼女「んー」

雪女「...ランプの魔人さん、私達に何か隠してませんか?」


ランプの魔人「...別にしてないが」


雪女「そ、そうですか...ごめんなさい。変なこと言って」

雪女「あの!危ないことはしないでくださいね!」

雪女「ここ数日、この辺りで通り魔が出るらしいですし...」

幼女「えっ?通り魔なんて出るのぉ!?」


ランプの魔人「...なーに、私にかかれば通り魔なんて敵じゃない」

ランプの魔人「明日の朝までには帰るから、朝ご飯は準備しといてくれ...ではな」ガチャ



バタン



雪女「...ランプの魔人さん、大丈夫でしょうか。何かどこか遠いところに行ってしまうような気がします」

幼女「んー平気だと思うよぉ?前もそんなことあったけど、すぐ帰って来たしぃ」

雪女「...そうですよね。あの人なら...何があっても帰ってきますよね」

シュンッ


ランプの魔人「ここならやつが開幕で魔法をぶっぱなしても平気だな」キョロキョロ

ランプの魔人「...よし、さっそく呼んでやるか」グッ



ブワァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!



ランプの魔人(魔力を思いっきり放出する...町のどこに居ても察知出来るようにな)

ランプの魔人(さぁ来い!私はここにいるぞ!)



ブワァァァァァァァァァ!!!!!!!!






黒幼女「」ピクッ

黒幼女「きた...!この魔力の量はやつしかいない!」ニヤァ


黒幼女「アハハハハハハハハ!!!!やっと...やっとこの時がきた!」シュンッ

シュンッ


黒幼女「ッッッッ!!!!」バッ




ランプの魔人「...ほう、お前が噂の仮面か。もう仮面は取っているらしいがな」

ランプの魔人(ってまた幼女かい)




黒幼女「貴様が...ランプの魔人か」




ランプの魔人「ん?私のことを知っているのか?あぁ、そうだ。私はランプの魔人だ」

ランプの魔人「私もそれなりに有名人になっているらしいな。まあ行く先々で願いを叶えまくったら嫌でも有名になるか」




黒幼女「...ククク、クハハハハハハハハハハハ!!!!!」

黒幼女「この時をずっとまっていた!貴様に復しゅうする日を!!!!」

黒幼女「貴様はわれの父上を殺した...!だから今度はわれが...貴様をころすッッッ!!!!」




ランプの魔人「...私が殺しただと?言っておくが私は滅多なことじゃない限り、殺しはせんぞ」

ランプの魔人「お前は誰かと勘違いして...」ハッ



『まだ我らには同志と遺産が残っている...いつか必ずッ!この世界をッ!そしてランプの魔人ッ!貴様を殺すッ!』



ランプの魔人(...なるほど、トルコで会ったあのたけのこの亡霊が同志だの遺産だの言っていたが...こいつのことか)

ランプの魔人(どうやら過去というものは忘れたくても忘れられないらしいな...切っても切れない因縁というやつか)


ランプの魔人「...お前が何者かはよく分かった。だが一つだけ、ミスを犯したな」

ランプの魔人「私に喧嘩を売るとは...命がいくつあっても足りんぞ」

黒幼女「たわけが...!われの力は既に貴様をこえている...!」

黒幼女「今のわれが貴様に負ける可能性はむに等しいッッッ!!!!」




ランプの魔人(...確かに、今の私ではあいつには勝てんな)

ランプの魔人(とにかく時間稼ぎだ。力が戻るまでの間は...逃げて、逃げて、逃げまくる)




黒幼女「貴様だけは...ただではころさんぞ。父上が味わった苦痛を...何倍も合わせてやるッッッッ!!!!!」ダッ




ランプの魔(...よし、正面から殴って来たか!これは都合がいい!)

ランプの魔人(手のひらでやつのパンチを受けると思わせて...これを押させるっ!)


黒幼女「アアアアアアアアッッッッ!!!!!!」ブンッ


ランプの魔人「...今だ!」グッ



カチッ

~~~~ 北極 ~~~~



シュンッ



黒幼女「...ッ!?ここは...!」キョロキョロ




ランプの魔人「北極だ。ここならお前がいくら暴れても、町に被害はいかないからな」

ランプの魔人「少し寒いが...最終決戦の地としては悪くないだろう?」




黒幼女「北極...」

黒幼女「...どこまでもわれをぐろうするつもりか!!!!」クワッ

黒幼女「貴様には墓すら残さんぞ!この辺境の地でちりになるがいいッッッ!!!!」ダッ




ランプの魔人「...来い!」

今日はここまで
あと三回で終わると言いましたが嘘ですごめんなさい
もうちょっとだけ続きます

ランプの魔人(まずは様子見だ。やつの力量をはかる)

ランプの魔人(真っ向から来てくれる馬鹿で助かったな、飛んで火に入る夏のなんちゃらというやつだ!)ピカッ



ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!



黒幼女「アアアアアアアアッッッッ!!!!!」ガシッ



ギュインッ...ギュインッ...



ランプの魔人「なっ...!魔弾を掴んだだとっ!?」

ランプの魔人(いやただ掴んだだけじゃない...魔法の魔力を吸収してるのか!)



シュゥゥゥゥゥゥゥゥ



黒幼女「...」フゥー

ランプの魔人(驚いたな...紅幼女から魔法も吸い取られたと聞いた時は、やつの魔法が貧弱なだけかと思ったが...)

ランプの魔人(これだと直接魔力での攻撃はほぼ無意味と言ってもいい。炎や氷などに変えて物理的なダメージを与える必要がある)




黒幼女「クアアアアアアッッッッ!!!!」ダッ



ランプの魔人「...仕方ない。当初の予定通りに逃げの戦法を取るか」ピカッ




ブワァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!




黒幼女「...ッ!?」




ランプの魔人(北極の氷を巻き上げて、雪の煙幕を作る)

ランプの魔人(幸い、ここは大量の氷塊がゴロゴロ転がってるからな。気配を消せば見つけるのは困難だ)ダッ

モワモワッ...モワモワッ...



黒幼女「...」




ランプの魔人「ふぅ、上手くいったか」

ランプの魔人「あとはやつの様子を探りながら移動するだけだな。かくれんぼと行こうじゃないか」チラッ




黒幼女「...」ジー




ランプの魔人「」ビクッ

ランプの魔人「な、なんだ...あいつずっとこっちの方角を見てるが...まさか場所がバレてるのか?」

ランプの魔人「いやないない...完全に視界は奪ってたはずだ。いくら魔力があっても五感だけは変わらない」




黒幼女「...」ニヤァ

黒幼女「ッッッッ!!!!!」ピカッ



ゴォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!



ランプの魔人(....!?あいつこっちに向かって炎を!やはり見えていたのか!?)サッ


グシャアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!


ランプの魔人(くっ...どうなってる!物音は一つも立ててないし、探知魔法も感じなかった!つまりやつは魔法も使わずに見えない私がどこにいるか分かったわけだ!)

ランプの魔人(そんなこと出来るわけ...)


ランプの魔人(...っ!)ピコーン


ランプの魔人(能力...なのか?やつは魔力を奪う以外にも...探知系の能力を持っている...)




黒幼女「...」スタスタ

ランプの魔人(クッ、厄介だな...まさかもう一つの能力があったとは)

ランプの魔人(しかも探知系...これだと身を隠しても、すぐ居場所がバレてしまう)




黒幼女「...」スタスタ




ランプの魔人(鬼ごっこ...は無理だな。どうしても魔法の撃ち合いのレースになる)

ランプの魔人(そうなると私が圧倒的不利に...しかもやつは掴めば即魔力を奪える切り札持ちだ)

ランプの魔(まあ私にはあまり使いたくないだろうがな。やつはまず私を苦しめることが第一目標だろう...追い詰められた場合は話は別だが)




黒幼女「...」ニヤァ


ピカッ

シュババババババババババババババ!!!!!!!




ランプの魔(となると...中距離戦、魔法と格闘の中間の距離で対応するしかないか)

ランプの魔人(氷柱か...ではこちらは氷盾で対応する!)ピカッ



ズズーン...

ドドドドドドドドドドッッッ!!!!!!!!



ランプの魔人(下は海だからな。こちらに水はいくらでもある)

ランプの魔人(いくらやつの氷柱でも、何重にも重ねられた氷の壁を突破することは不可能だ)



ギュリィィィィィィィ!!!!!!!

ビュンッ!!!ビュンッ!!!ビュンッ!!!



ランプの魔人「はぁっ!?突破されたっ!?」サッ


ランプの魔人(な、何がどうなって...情報だと、あいつは普通の氷魔法で作った氷柱を連射することしか出来ない...あの壁を突破するには貫通力が圧倒的に足りないはずだ)

ランプの魔人(...まさか、やつは成長したのか?紅幼女や黒少女との戦いの中で...魔法の使い方を理解して来ている?)

ランプの魔人(ひ、非常にマズイ...私の想定だとやつの魔法の知識はゼロ、ただ魔力がデカいだけで使う魔法は単純なものばかりだと思っていたが...)

ランプの魔人(このまま時間を稼ぐとなると、やつがさらに成長する可能性がある。延ばした分の時間だけ...それに対し、私の魔力はいつ戻るか不明)

ランプの魔人(もし魔力が戻る前に、やつが奪った魔力を自由自在に使えるようになったら...)


ランプの魔人(...)


ランプの魔人(一か八か、この状態でやつを倒すしかないな)グッ




黒幼女「...今のはわざと外した。恐怖をうえつけるために」

黒幼女「次は外さない...あしを貫いてやるッッッ!!!!」ピカッ



シュバババババババババババババババ!!!!!!!!

ランプの魔人(まずは魔方陣作りだ。あの魔法は少し準備がいるからな)

ランプの魔人(やつに悟られないように...足で魔法陣を描きながら円の形で囲む。ちょうどいいことにやつは氷柱を撃って来てくれたか、これを利用させてもらう)ダッ




黒少女「にがすかァ!!!!」クイッ



シュバババババババババババババババ!!!!!!!!




ランプの魔人(追尾するなんて話、聞いてないぞ...やはり成長しているのか)

ランプの魔人(このままだと串刺しだな。撃墜するか)ピカッ




ピシャァァァン!!!!!!!




黒幼女「...水?」

ランプの魔人(あの貫通力ではどんな盾を作っても突破されるからな...だからまずは勢いを殺す)

ランプの魔人(巨大な水の玉を作って氷柱を覆う、そして水圧で...潰す)グッ



パリンッ...



黒幼女「チィッ!」




ランプの魔人(これなら少ない魔力でやつの氷柱に対応出来る。さて魔方陣は半分完成といったところか)キュッ

ランプの魔人(やつには私が逃げ回ってるようにしか見えないはずだ。魔方陣自体は氷の裏の水面に描いてるからな)

ランプの魔人(さあ次の攻撃をしてこい...どんなやつでも捌いてやるぞ)




黒幼女「...」ピカッ

ボゥ ボゥ ボゥ

黒幼女「焼きころしてやる....!」

ランプの魔人(大量の火の玉か...氷柱と同じく物量で攻める気だな)

ランプの魔人(そしてあの輝き、水を警戒して魔法で防水しているのか?)




黒幼女「ちれッッッ!!!!」クイッ



ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!



ランプの魔人(よし、まずは不自然に思われないように逃げ回って魔方陣作りだ)ダッ

ランプの魔人(あの火の玉...紅幼女が使えたとか言ってた魔法に似てるな。恐らく見て覚えたか)

ランプの魔人(あのアホが考えた魔法なら対処は簡単だな)クルッ


ランプの魔人「...」ポキポキッ


ゴォォォォォォォォォ!!!


ランプの魔人「...そこだ!」ブンッ

バチンッ!!!!



黒幼女「...ッ!?」




ランプの魔人(...思った通りだな)

ランプの魔人(大量の炎ということは一つ一つの精度は低いはず。つまり僅かな衝撃でも芯に攻撃すれば、簡単に弾けるということだ)

ランプの魔人(勘が戻ってる今の私なら...降りかかる火の粉には生身でも対処できる)



シュンシュンシュンシュンシュン!!!!!!!

バチンッ!!!バチンッ!!!バチンッ!!!



ランプの魔人「ふぅ...熱いな」




黒幼女「...見た、そしておぼえたぞ。その動きと知識を」

黒幼女「お前は...私の魔法を受けるたびに、着々と追いつめられている...」

ランプの魔人(これで外側の魔方陣は完成だ)キュッ

ランプの魔人(あとはやつの周囲に、もう一つの魔方陣を描いて...直接触れて魔法を発動させるだけか)

ランプの魔人(問題はここからだな。接近戦ということはやつの手には常に注意しなくては)

ランプの魔人(...とりあえず、最初は不意打ちで一発入れるか)ピカッ


シュンッ



黒幼女「...ッ!」

ランプの魔人(反応が早いな。やはり転移魔法を使っても、探知の能力でいち早く察知出来るのか)

ランプの魔人(だが...守に入る以上は一手遅れる!)ブンッ


ガシッ


ランプの魔人「!?」

黒幼女「...ッ!」ガシッ

ランプの魔人(わ、私の一撃を受けきっただと!?)

ランプの魔人(くっ...ならこれでどうだ!)ブンッ

黒幼女「...ッ!」サッ

ランプの魔人(なっ...!その姿勢から避けられるのか!?)


黒幼女「ッッッ!!!!」ブンッ


ランプの魔人(くっ...こちらが守になってしまったか。だがこの程度なら避けられ...)

ドゴォ!!!!!

ランプの魔人(えっ)


ヒューーーー


ランプの魔人(と、飛んでる...?一体何が起きた)

ランプの魔人(まさか...避けられなかったのか?)


ランプの魔人「ぐっ!!」グッ

ランプの魔人「...こ、この血は」ツー

ランプの魔人(やつは...何も小細工はしていなかったはずだ。ただの殴打を避けられなかった)

ランプの魔人(いつもは避けられたはずなのになぜ当たった...何か違和感のようなものがあったが...)

ランプの魔人(...もう一度やって試してみるか)ダッ



黒幼女「ッッッ!!!!」ブオンッ

ランプの魔人(蹴り...これはジャンプで避ける)グッ

ランプの魔人(そして空中からこちらも蹴りを...!)ブンッ


黒幼女「ッッッ!!!」ガシッ


ランプの魔人(受けられたか!なら身体を捻って脱出...)クルンッ

黒幼女「ッッッッ!!!!!」ブンッ

ランプの魔人(なにっ!?)



ドシーーーーーーン!!!!!!!!!!

ランプの魔人「ガハッ...!」

ランプの魔人(た、叩きつけてくるとは...読めなかった...)

ランプの魔人(ん?「読めなかった」...ハッ!そういうことか!!!!!)


黒幼女「ッッッッ!!!!」ブオンッ

ランプの魔人「ぐおっ...」ドゴォ



ビューーーーーーン!!!!!

ズサーーーーーーー



ランプの魔人(わ、分かったぞ...この違和感の正体が)

ランプの魔人(まさか...自分の強さが仇になるとはな...)




黒幼女「...よわい」




ランプの魔人(私は...どんな相手でもこの世界では最強だった。つまり常に攻の立場だった)

ランプの魔人(守の経験もないことはないが、結局のところ実力ではいつも攻の立場)

ランプの魔人(私は今、初めて自分より強い相手と対峙している...だから守の戦法を知らないんだ)

ランプの魔人(いつもの癖で攻の動きをした...その食い違いの矛盾が違和感の正体)


ランプの魔人「...まさかまだ私が知らないことがあったとはな」フラッ

ランプの魔人(問題は解決した...要は攻ではなく守の動きをすればいい。隙を消し、相手の様子を常に伺いながら攻撃を受け流す)

ランプの魔人「...こんな風にか!」ダッ




黒幼女「...ッッッ!!!!」ブオンッ

ランプの魔人「...」サッ

黒幼女(急に動きがよくなった...?)


ランプの魔人(気分がいいな、またこの感覚を味わえるとは)

ランプの魔人(もう戦闘で使える技術は全て修得したと思っていたが...奥が深いな)

ダダダダダダダダダダダダッッッ!!!!!!!


黒幼女「ッッッッ!!!!」ガンッ

ランプの魔人「...!!!!」ガンッ


ゴキッ


ランプの魔人(右の腕の骨が折れたか。治癒魔法で回復しつつ、左腕でカバーする)

ランプの魔人(やはり守の立場だとある程度の被弾は食らうか...しかし魔力の差を考えると、これだけで済むのは少しおかしい)


黒幼女「...ッッ!」ニヤァ


ランプの魔人(遊んでるなこいつ...屈辱的だが、その油断がお前の命取りとなる)キュイッ

ランプの魔人(よし、魔方陣は描き終わった。後は魔力を込めて...こいつを殴るだけだ!)ブンッ

黒幼女「ッ!」サッ


ランプの魔人(避けたと思っているのか?なぜ私が今まで肉弾戦で魔法を使わなかったと思っている)

ランプの魔人(この一撃を...確実に当てるためだ!)

シュンッ


黒幼女「ッッッ!?」


ランプの魔人(肉体の一部を転移魔法で飛ばす、腕は犠牲になるが後で治せばいいだけだ)


ボコォ!!!!!


黒幼女「...ッッッ!!」グッ



ランプの魔人「当たったな、これで準備は整った」

ランプの魔人「発動だ...龍殺しの魔法」ピカッ



キュィィィィィィィィィィン!!!!!!!!



黒幼女「...ッッッ!?」

黒幼女「...ッ!!!!」ダッ


ビキビキビキッ...


黒幼女「...なッッッ!?」ガクンッ

黒幼女「ぐがッ...な...んだ...これは...!!!!」ピクピクッ



ランプの魔人「動けないだろ?これは龍殺しの魔法と言ってな、準備は面倒だが龍に対して絶大な威力を発揮する魔法だ」

ランプの魔人「蒼龍達の力を取り込んだのは失敗だったな。おかげでお前にも龍の魔力が宿っている...この魔法の対象内だ」



黒幼女「こ、んなものッッ...!!!!」ピクピクッ



ランプの魔人「ムリムリ、その魔法は龍専用の絶対に解けない拘束魔法のようなものだ。お前に龍の魔力がある内は解除は不可能」

ランプの魔人「じきにお前はその魔法で意識を失う。お前の敗因は油断したことだな、本気を出せば今の私を倒せただろうに」



黒幼女「...ッ!...ッ!」ピクピクッ



ランプの魔人「ふぅ...10%の私でも中々行けるもんだな。やはり私がこの世界で最強ということか」

黒幼女「」



ランプの魔人「...終わったな。後はこいつを回収して、あいつらの魔力を解放させるだけだ」スタスタ

ランプの魔人「しかしどうやったら魔力を戻せるんだ?...腹に穴でも開けてみるか」

ランプの魔人「今まで疑問に思っていたが、こいつの魔力というか雰囲気というか...何か誰かに似てるんだよな」

ランプの魔人「だが思い出せん...まあ魔力を奪えるやつだしその影響か」



黒幼女「...」

ランプの魔人「よっと、幼女だから軽いな。あとは転移魔法で町まで帰って...」グイッ



黒幼女「ッッッッ!!!!」バッ




グチャッ

ランプの魔人「カッ...!?」

黒幼女「ィィィ...!!!!」ニヤァ


ランプの魔人(せ、背中を貫かれた...!今すぐ治癒魔法を...)フラッ

ランプの魔人(ぐっ...な、なぜ動けた...!龍殺しの魔法が不発したのか?いやそれだけは絶対にない!)


バタッ


ランプの魔人「ふーっ...ふーっ...」ダラダラ



黒幼女「カカカカ...アハハハハハハハハハハハ!!!!!」

黒幼女「どうだっ!?苦しいか?いたいか?」

黒幼女「もう終わりだなッ...!その傷ではまともにうごけない!」



ランプの魔人「...っ」ダラダラ

ランプの魔人(やつの魔法...能力...魔力を奪う...吸いとる...っ!?)

ランプの魔人(ま、まさか...体内にある龍殺しの魔法の魔力を奪ったのか...な、なんでもありだな)ズキッ

ランプの魔人(...致命傷だな。魔法も上手く出せん、回復には時間がかかる)



黒幼女「お前は...私のとっておきでじっくり焼きころしてやるッ...!皮ふも骨も細胞もな!!!!!」ピカッ




メラメラメラメラメラメラァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!


ジュジュッ...ジュジュッ...




ランプの魔人(なんて炎...北極の氷が全て溶ける勢いじゃないか...地球の海面が上昇しそうだな)

ランプの魔人(って、冗談を言ってる暇はないな...本格的にヤバい)

ランプの魔人(はぁ...マジか...私ここで死ぬのか)

ランプの魔人(まさかこんな小物くさいやつに殺されるとはな...我ながら恥ずかしい)

ランプの魔人(結局...私も油断をしたということか。よく考えたら、魔力を奪えるということは拘束系の魔法も例外じゃないしな...)


ランプの魔人(...後悔はない。短い間だったが...この一年はとても充実した時間だった)

ランプの魔人(ダーリンや雪女、その他のやつらと過ごした時間も...退屈はしなかった)

ランプの魔人(それに...私は早く死ぬべきだ。神殺しなんて生ぬるいものじゃない...この世のどんな生物でも敵わない罪を犯したのだからな...)




黒幼女「...死ね」ゴォォ





メラメラメラメラメラメラァァァァァァ!!!!!!!!!!!!





ピカッ

ランプの魔人「...」

メラメラメラメラメラメラァァァァァァ!!!!!!!!!!





黒幼女「アハハハハハハハハハハハ!!!!!ハハハハハハハハ!!!!!」

黒幼女「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!ククククククククク!!!!!」

黒幼女「ころしたころしたころしたァ!!われが...ランプの魔人を!」


黒幼女「...」


黒幼女「清々しい気分だ...心がはれるような...」スゥー

黒幼女「これからわれは...この世界を壊す。父上がのぞんだように」

黒幼女「今のわれは...誰にもまけない...最強だ...!!!!」










「...最強か。面白い言葉を使うな」

黒幼女「なッッ!?」クルッ




メラメラメラメラメラメラァァァァァァ!!!!!!!!!



「最強とは最も強いということ...この世もあの世関係なく、全ての世界で一番強いということだ」

「私より弱いお前が、その言葉を使うのおかしいとは思わないのか?」




黒幼女「な、なぜ...貴様ッ...!!!!」



メラメラメラメラメラメラァァァァァァ!!!!!!!!!


スタスタ スタスタ




ランプの魔人「...」スタスタ


ランプの魔人(まったく...本当にギリギリのところで力を返して来やがったな)

ランプの魔人(人がせっかく死ぬ覚悟をしたいうのに...本当は危なくなるまで待ってたんじゃないのか?)

ランプの魔人(だが...許してやる)

ランプの魔人(今の私はとても心地がいい気分だからな...これが100%...本来の私の力...)




黒幼女「あの傷でどうやってッ...!!!!」




ランプの魔人「魔法に決まっているだろうが。お前も何回も使っただろ」

ランプの魔人「魔法とは不可能を可能にすること、人が蘇っても何の不思議もない」




黒幼女「...どうやってあの傷をなおしたのかは知らん、がッ!」

黒幼女「何度も復活しても同じだッ!もう一度ちりにしてやる!!!!」




ランプの魔人「さて...第二ラウンド...いや違うな」

ランプの魔人「最終ラウンドと行こうじゃないか」

今日はここまで
予定だとあと2回か3回の更新で終わります...多分

ごめんなさい...今日は更新出来ないです
次は数日以内になると思います

黒幼女「けし炭になれぇぇッッッ!!!!!」ボゥ




ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!




ランプの魔人「...不思議だな。10%の時に見たお前の炎は大きく見えたが」

ランプの魔人「今は花火程度にしか見えん」スッ




メラメラメラメラメラメラァァァァァァ!!!!!!!!!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...




黒幼女「クハハッ!まともにあたったな!これで本当に死んだ!」



ランプの魔人「勝手に殺すなよ。ぶっ殺すぞ」

黒幼女「ッ!?」クルッ

黒幼女(い、いつのまに後ろに...!)



ランプの魔人「どうやらまだ力の差が分かっていないらしいな...いいだろう、お前にも分かりやすいように教えてやる」

ランプの魔人「今からほんの少し、私の100%の力で魔力を放出してやる。よく見ておけよ」グッ




バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!!!!!!




黒幼女「...ッ!?」ビクッ


黒幼女(なっ...なんだこれはッ...!これが魔力なのか...!?)ブルブル

黒幼女(なぜ...だッ!!!!町で感じた魔力とはまるで別もの...じ、次元が違う...!)ブルブル


黒幼女「ぐがッ...」ヘナッ




ランプの魔人「...ふっ」

.............................................................
................................................



少女「」ビクッ


少女「な、なんですか...この魔力は...まるで冷水をいきなりかけられたみたいな衝撃が...」

少女「あの人以外に...あり得ませんよね。こんな魔力は...」

少女「下界で戦ってるはずなのに...神界まで魔力を感じられるなんて聞いたことありません。それだけあの人の魔力が規格外ということでしょうか」


少女「...おかしいですね。あの人がここまでの魔力を出したのは初めてのはずなのに、どこかデジャヴを感じるような」








紅幼女「」ゾクッ

紅幼女「な、なんだっ!?この感じは...!」キョロキョロ

紅幼女「どこか遠くで...すごい魔力があるような...ま、まさかランプの魔人...?」

バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!!!!!!



黒幼女「カッ...!カッ...!」ハァハァ




ランプの魔人「あぁ...なんと気持ちがいいんだ...どんな性交での絶頂や薬を使っても、ここまでの快楽は存在しないだろう」

ランプの魔人「自分の身体の一部が戻るという絶対的な安心感。ふふっ、私は今...世界で一番幸福な人間だろうな」

ランプの魔人「それにこの魔力!なぜか数千年と比べてまた上がっている気がするぞ。私自身でもこの力の底はまだまだ見えん」

ランプの魔人「ハハハハハハハハッ...!今すぐ大声で歌を歌いながらダンスでも踊りたいくらいだ」


ランプの魔人「...ん?あぁ、そろそろ魔力を出すのは止めてやるか。威圧で死にそうになってるな」シュンッ




黒幼女「ハァー...!ハァー...!」グタッ

ランプの魔人「どうだ?理解したか?力の差というものを」

ランプの魔人「残念ながらお前、いやお前達と私では圧倒的な力の差があるんだよ。人間と虫のような次元の差がな」

ランプの魔人「む、だが虫でも毒があれば人間を殺せるな...ならなんだ?人間とマンボウか?」



黒幼女「こ、こんなこと..ありえない!われが圧倒的に有利だったのに...!!」



ランプの魔人「さっきまでの私は言わばパズルのピースの一つのようなものだ」

ランプの魔人「パズルは全部のピースが揃って初めて価値があるというもの、一つ一つのピースはゴミと同等だ」

ランプの魔人「まあお前はそのゴミ相手にも苦戦してたがな」



黒幼女「...ッッ!!!!」ピキッ



ランプの魔人「で、どうする?お前と私の力の差は歴然、このまま戦っても負けるのは目に見えてる」

ランプの魔人「尻尾でも巻いて逃げ出すか?」

黒幼女「...」

黒幼女「ガアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!!」ダッ



ランプの魔人「向かってくるか、お前みたいなタイプは好きだぞ」

ランプの魔人「私も...嫌いじゃないんだよ。弱者に自分の力を振るうのはな」スッ



ビシュンッ!!!!!!



黒幼女「...ッ!?」ボトン

黒幼女「あっ...グッ...!」ガクッ



ランプの魔人「まずは腕だ、私もお前のせいで腕を犠牲にしたからな。これでおあいこというやつだ」

ランプの魔人「さあどうした?もう終わりか?仇を取るんだろ?やってみろよ」クイクイッ

黒幼女「...ッッッ!!!!」シュゥゥ

黒幼女「ころ...ッす!ころして...やるッ!!!!」フラッ



ランプの魔人「再生魔法か。トカゲみたいなやつだな」



黒幼女「アアアアアアアアアッッ!!!!!」グッ

モヤモヤッ...モヤモヤッ...

黒幼女「ゴロ..ズッッッ!!!!」




ランプの魔人「その技は...珍しいな。狂犬の力か」

ランプの魔人「知ってるぞ、獣人の中でも忠誠心が強いやつが発病する魔力の変化、攻撃性と回復力が大幅に上昇するんだったな」

ランプの魔人「しかしこの時代にもまだあるとはな、確か発病の条件は...主人を失うことだったか?一体どこの誰から奪ったんだ」

黒幼女「シネエエエエエエエエエエエエエエッッッッ!!!!!」ダッ



ランプの魔人「スピードが上がったか、だがそれだけだ」

ランプの魔人「お前の攻撃なんて目を塞いだままでも避けられる」ヒラリ


黒幼女「...ッッッ!?」


ランプの魔人「ほら、避けろよ?死ぬぞ」ブンッ


ズドンッ!!!!!!


黒幼女「クガッ...!?」メリィ



ビューーーーーーン!!!!!!!!




ランプの魔人「おぉ、飛んだ飛んだ」

ランプの魔人「あの感触だと内臓がいくつもやられたな...だが私も背中を貫かれたんだ、これもおあいこだろ?」

黒幼女「グッ...グフッ」ベチャ

黒幼女「アッ...クッ...ガッ...」ピカッ


シュゥゥ


黒幼女「...ッッッ!!!」ズキッ




ランプの魔人「どうだ?そろそろ傷が癒えたか?」スタスタ

ランプの魔人「なら早く襲ってこいよ、こっちは力を持て余してるんだからなぁ」




黒幼女「...」ハァハァ

黒幼女「ッッッッ!!!!」ダッ




ランプの魔人「今度は生身で突っ込んでくるか、考える余裕すらもなくなったか?」

黒幼女「ッッッッ!!!!」ブンッ


ランプの魔人「無謀無策無駄...そんなただ拳を振っただけで私に勝てるわけないだろ」

ランプの魔人「...む?この感じは」ピクッ

ドゴォ

ランプの魔人「...」クラッ


黒幼女「...ッッッ!」パァ

黒幼女「...死ねッッ!!」ピカッ



ドッカアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!




黒幼女「ハ、ハハハ...あ、あたったぞ...」

黒幼女「えらそうなことを散々行っていたが...所詮この程度じゃないか!ハッハッハッハッハッハ!!!!」




ランプの魔人「面白い技だな。地下深くにある龍脈からエネルギーを吸い取って自分の物にしてるのか」

黒幼女「...ッ!?」バッ




ランプの魔人「そしてその吸い取ったエネルギーを自分の回りに纏う、龍脈のエネルギーというのは少し特別なものでな、俗に言う幸運というやつだ」

ランプの魔人「このエネルギーを使えば世界が自分の都合のいいように動く...願いを叶える力と少し似ているな」

ランプの魔人「その技も誰から奪ったんだ?はっきり言って神でも出来ない所業だぞ」




黒幼女「...ッッッッ!!!!」ピカッ




ヒュウウウウウウウウウウウウウウウ...




ランプの魔人「...隕石か、あの大きさだと北極どころか下手したら地球が危ないな」

ランプの魔人「だが、その技には致命的な弱点があるんだよ」ドンッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


黒幼女「なッ...!?」ユラユラ




ランプの魔人「地下からのエネルギーということは、それを遮断すればいい」

ランプの魔人「こうやって少しでも地層に衝撃を与えれば...簡単に龍脈のエネルギーは散る」

ランプの魔人「あっ、でも隕石はもう地球に降ってるから手遅れだな。破壊しとくか」ピカッ




ドッッッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!




黒幼女「ば、ばかなッ...!!!!」




ランプの魔人「知識があるやつなら誰でも思い付く対処方法だ。馬鹿には効果的な技だがな」

ランプの魔人「いやいや...中々面白い見世物だな。まるで技のデパートだ」

ランプの魔人「お前にばっかり魔法を使わせるのもなんだ、次は私から仕掛けてやる」




黒幼女「...ッッッ!」グッ




ランプの魔人「いいか?一瞬でも目を離すなよ」

ランプの魔人「その行動が死に繋がるからな」ピカッ



バンッ!!!!!!



黒幼女「...っ!?」バタッ




ランプの魔人「あーあ...だから目を離すなと言っただろう。右半身が吹き飛んでしまったじゃないか」

黒幼女「...っ...っ!」ピクピクッ




ランプの魔人「よくそんな状態になっても生きてるもんだ。ゴキブリ並の生命力だな」

ランプの魔人「それとも運がいいのか?まあいい、お前の運のよさに免じて、私からささやかなプレゼントをやろう」ピカッ




黒幼女「...」シュゥゥ

黒幼女「...ッ!?きずが...!」バッ




ランプの魔人「それは超再生魔法という魔法だ。治癒魔法の中では最上位と言ってもいいほどの回復力でな、どんな傷でも一瞬で完治する」

ランプの魔人「だが...本来の使い方は治癒とは違う。むしろその逆だ」

ランプの魔人「この魔法は燃費が悪いんだよ。馬鹿みたいに魔力を使うから、例え神々の魔力量でも一発使えば即ガス切れ」

ランプの魔人「だから戦闘用には使われない...ここまで言ったらお前でも分かるな?」

黒幼女「...ッッッッ!!!!」ハッ




ランプの魔人「死んだら都合が悪い...そう、拷問に使われる魔法だ」

ランプの魔人「と言っても、今の平和の世の中では使われない魔法だがな。私達の時代の血生臭い魔法だよ」

ランプの魔人「これでお前は死ぬ心配はなくなった...安心して私に挑んでこい」

ランプの魔人「何回、何十回、何百回でも殺してやるぞ」ニヤァ




黒幼女「...ッッ!」ピキッ

黒幼女「絶対にッ...ころすッ!!!!」ピカッ




シュババババババババババババババ!!!!!!

メラメラメラメラメラメメラメラメラァァァァァッッッッッッ!!!!!!




ランプの魔人「ハハハハハハハハハッ!そう来なくちゃ面白くない!魔法は派手なほど面白いからな!」ピカッ

ビリビリビリビリビリビリビリィィィィィィィ!!!!!!!




黒幼女(かみなりッ...炎と氷が打ち消されたッ!?)




ランプの魔人「魔法にも様々な属性があるが、私が特に気に入ってるのは電気、雷の魔法だ」

ランプの魔人「炎の肉を焦がす匂いも、水の中でもがき苦しむ姿も、氷で凍らされた間抜け面も悪くはない...が」

ランプの魔人「雷に撃たれて、相手の身体が跳ねてる姿が一番面白いんだよ...まるでダンスを踊っているようでな」




ビリビリビリビリビリビリビリィィィィィィィ!!!!!!!


黒幼女「アガッ...!!!!ガガッ...!!!ガキッ...!!!!」ビリビリ




ランプの魔人「はぁ~...愉快愉快。やはり私にはこっち側がよく合ってる...」

シュゥゥゥゥゥ...


黒幼女「」プスプス



ランプの魔人「ぷっ...文字通りの黒焦げだな、ジョーズを思い出したぞ」



黒幼女「アウッ...」フラッ

黒幼女「クソ...クソッ...!クソッッッ!!!!」



ランプの魔人「もう起き上がって来たか、さすが超再生魔法」

ランプの魔人「さて、お前が今考えてることを当ててやろう。『こんちくしょう舐めやがって!お前なんか首さえ掴めばこっちのもんなんだからな!』...とか思ってるんだろう?」



黒幼女「クッ...」ギリッ



ランプの魔人「実に安易な考え、負け犬の発想だな。だがこちらもお前に劣っているとは思われたくない」

ランプの魔人「そこで一つ、チャンスをやろう」

ランプの魔人「お前の次の攻撃...私はどんなことをされても反撃も防御もしない」




黒幼女「!?」




ランプの魔人「手で首を掴もうが、魔法で頭を吹っ飛ばそうがお前の自由だ。好きにしろ」

ランプの魔人「無抵抗の私でも殺せないと分かったら、お前の心も完全に折れるだろうからな」




黒幼女「防御も...反げきもしないだと...ッ」プルプル

黒幼女「なめるなあああああああああああ!!!!ガアッッッッ!!!!!!」ダッ




ランプの魔人「これがお前の最後の攻撃だ。精々頑張れよ」

黒幼女(確実にッ...確実にぶっころしてやるッ!!!!)

黒幼女(われの魔力を奪う力ならッ...触れさえすればやつに勝てるッ!!!!!)

黒幼女(お前は自分の強さを過信しすぎた!!!ゆえに敗北するのだ!!!)




ランプの魔人「...」


黒幼女「これで本当におわりだッ!!!!魔力を吸いとられて干からびろッ!!!」ブンッ



ガシッ



黒幼女(掴んだっ!後は魔力を奪うだけっ...)


ボンッ


黒幼女「ッッッ!?」ビクッ




ランプの魔人「おぉ、手が爆発したな。面白い手品だ」

黒幼女「ガッ...なっ...どうなって...」ヨロヨロ



ランプの魔人「お前、魔力を奪う量をコントロール出来ないだろ。他のやつらとは比にならない私の魔力を一気に取り込もうとした結果がこれだ」

ランプの魔人「お前の身体に収まりきらない魔力は、居場所を失って爆発したんだよ。ちなみに奪われた魔力は極々少ない量だから私はほぼノーダメージだ」



黒幼女「そんなことがッ...あるわけっ...!」



ランプの魔人「確かに、お前の潜在能力は素晴らしいものがある。それは認めよう」

ランプの魔人「だがお前程度の器では私の魔力を扱うことはできん...これが格の違い、次元の違いというやつだ」

ランプの魔人「説明タイム終わり、これでお前は私に絶対に勝てないと分かったな?」



黒幼女「...」ガクガクッ

ランプの魔人「お前の戦意も奪ったことだし、そろそろ元の場所に戻るか。ここは寒すぎる」ピカッ



黒幼女「...」ブルブルッ




シュンッ




ランプの魔人「ふー...外が寒い季節だが、あそこに比べたらまだマシだな」

ランプの魔人「...さて、お前は生かして連れて帰るつもりだったが気が変わった」

ランプの魔人「今、ここでお前を殺す」



黒幼女「...」



ランプの魔人「お前が私達を襲った理由は親の仇討ちだったな、復讐心というものは厄介なものだ」

ランプの魔人「目的を達成するまで本人の気が変わることは決してないのだからな...お前は私を、父親の仇を意地でも取ろうとするだろう」

ランプの魔人「そのたびにお前は誰かを傷付け、命を奪うことに躊躇はしないはずだ。そんな危険なやつを野放しにはしておけない」

ランプの魔人「あぁ、勘違いするなよ。お前の魔力を奪う能力自体はとても評価してるんだからな」

ランプの魔人「まさに弱肉強食を体現したかのような能力だ。獲物の肉を喰らい、その力を自分のものとするのは理にかなってる」

ランプの魔人「ただ今回は...お前も狩られる側の獲物だったということだな。最後に遺言はあるか?」



黒幼女「...」



ランプの魔人「...何もないか、その心意気は見事だ。生まれ変わったら今度こそ復讐を果たせるといいな」スタスタ

ランプの魔人「まあ私を倒すのは100万回生まれ変わっても無理だと思うが」


ガシッ


ランプの魔人「...何の真似だ?いや、なぜお前がここにいるんだ」

紅幼女「...!」ギュッ



紅幼女「ラ、ランプの魔人が...心配で...最後に魔力を感じた場所に行ってみたら...誰もいなくて...帰ろうと思ったら...」



ランプの魔人「...そういうことか、分かったから手を離せ」

ランプの魔人「私は今からあいつに止めを刺すんだからな」



黒幼女「...」



紅幼女「...っ」ビクッ

紅幼女「な、なんで殺すんだ...?別に殺さなくても...みんなの魔力が戻る方法はあるんだろ?」


ランプの魔人「お前も話は聞いてたはずだ。こいつは生きている限り、私を狙ってくる」

ランプの魔人「そんなやつを生かしておく意味はない。だからここで殺すんだよ」

紅幼女「で、でも...!それなら何回でも倒せば...!」


ランプの魔人「お前もトルコでの亡霊を見ただろう。復讐に取り憑かれたやつの末路がアレだ」

ランプの魔人「復讐のためなら他の命をゴミのように消費しても何も思わない...現にやつはその兆候が見えてるからな」


紅幼女「な、なら!私が襲ってくるたびにあいつを何回でも倒す!これならいいだろっ!?」


ランプの魔人「...油断して負けたお前がやつを倒す?寝言は寝て言え」

ランプの魔人「そもそもなぜお前がやつを庇う必要があるんだ?お前も被害者だろう、仲間を何人も傷付けたやつを許せるのか?」


紅幼女「...私はお前のために言ってるんだ」

紅幼女「このままやつを殺したら...お前は元に戻れなくなるぞ」


ランプの魔人「...は?」

紅幼女「自分の顔をよく見てみろ...!そんな顔をしたお前は初めて見るぞ!」

紅幼女「そのまま人を殺せば...お前はもう戻ってこれなくなる」


ランプの魔人「何を馬鹿げたことを...私が戻れなくなるだと?一体何にだ?」


紅幼女「お前自身にだ!幼女と一緒に暮らしてるお前や、いつものゲームしてるお前...」

紅幼女「ダルそうにしてるお前や金に目が眩んでるお前...この町で過ごしてるお前に戻れなくなる!」


ランプの魔人「...勘違いしてるようだが、これが元々の私だ。魔力を100%取り戻した本来のな」

ランプの魔人「お前が私の何を知っているんだ?このままやつを殺しても何も変わらん」



紅幼女「...お前は今、自分の力に飲み込まれてる。普段のお前ならあいつを殺すなんて絶対しないはずだ」

ランプの魔人「私が力に飲み込まれてるだと...?ハハッ」

ランプの魔人「ハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!これは面白い冗談だ!」ゲラゲラ


ランプの魔人「だが不愉快だ、さっさと離せ。でないとお前でもただでは済まさんぞ」ギロッ


紅幼女「...離さない!絶対に!」


ランプの魔人「そうか、お前がそこまで馬鹿だとは思わなかった。邪魔だ」ブオンッ


紅幼女「!?」ビューン



ズサーーーーーーーーー



ランプの魔人「これで邪魔者はいなくなった」スタスタ




黒幼女「...」

紅幼女「ぜぇ...ぜぇ...」ヨロヨロ

紅幼女「ぜ、絶対に...ここから先は通さない」バッ



ランプの魔人「...チッ、もう少し強めに吹き飛ばせば良かったか」

ランプの魔人「いい加減どけ、そいつを殺さないと他の人間が犠牲になるぞ。それでもいいのか?」



紅幼女「他に...他に解決法があるはずだ...!お前に殺させるわけにはいかない...!」



ランプの魔人「馬鹿が...だからお前は嫌いなんだよ」

ランプの魔人「もう少し頭を使えと言ってるんだ...他に解決法がある?ないな!これが一番、ベストな決着だ!」



紅幼女「今はお前の方が馬鹿だ!自分の力に飲み込まれるな!戻ってこいっ!!!!」

ランプの魔人「...好き勝手言いやがって、いくらお前でも私を侮辱するのは許さんぞ」

ランプの魔人「これが最後の警告だ。どけ」



紅幼女「...やだっ!!!!!」



ランプの魔人「...なら寝てろ」シュンッ



紅幼女「ぐえっっ!?」ドシンッ


バタッ


紅幼女「」



ランプの魔人「何が戻れなくなるだ...馬鹿馬鹿しい。本当にそうか今すぐ試してやる」スタスタ


ガシッ


紅幼女「行、くな...」ギュー

ランプの魔人(...まだ意識があるのか。今のこいつなら、確実に気絶するほどの一撃だったはずだが)


紅幼女「殺し...たら、だめだ...」


ランプの魔人「...地を這ってまで止めるか。何がお前をそこまで動かすのか分からんな」

ランプの魔人「ダーリンのためか?それとも見ず知らずのこの幼女に同情してるのか?」


紅幼女「お前の...ため、だ」


ランプの魔人「...私だと?」


紅幼女「お前は...間違った道を行こうとしてる...お前は私の友達だ...!」

紅幼女「なら...お前を止めるのが私の役目だ...!!」

ランプの魔人「...友達か。確かにお前と私はそういう関係だったな」

ランプの魔人「...」


紅幼女「分かって...くれたか...」


ランプの魔人「...あぁ、分かった。そして答えも決まった」スタスタ


紅幼女「ラ、ランプの魔人...!待て!」




黒幼女「...」


ランプの魔人「私の答えは...これだ」ブンッ



グチャッ




黒幼女「ガッ...」ベチャッ




紅幼女「そ、そんな...」




ランプの魔人「...」

今日はここまで
次の更新で完結する予定ですが少し長くなりそうなのでちょっと時間が空くかも
一週間以内には投下できると思います

一週間で終わると言ったなあれは嘘だ
はいマジでごめんなさい...完結までまだちょっと時間がかかります...
4月1日までには書き終わって投下できるます...できるといいな

紅幼女「な、なんでこんなことを...!」フラッ


ランプの魔人「...」


紅幼女「こ、答えろ...!これでお前は...!」グイグイッ


ランプの魔人「......」

ランプの魔人「...よく見てみろ



紅幼女「へ?み、見てみろって何を...」






黒幼女「」

黒幼女「」ピクッ





紅幼女「!?」

紅幼女「う、動いたっ!?ってことは...」

紅幼女「まだ生きてる...殺さなかったのかっ!?」


ランプの魔人「...ふん、勘違いするな」

ランプの魔人「やつを殺したら、食った魔力がそのまま消滅する可能性があったから生かしただけだ」


紅幼女「で、でもなんでわざわざあんな紛らわしいことを...」


ランプの魔人「やつの腹を貫く必要があったからな。そろそろ出てくるはずだ」




黒幼女「クッ...ゲホッゲホ!ゲホッ...オエッ」

黒幼女「ガハッ...」キラン




シュゥゥゥゥゥゥゥ......




紅幼女「なんだ?やつの体から光が漏れて...」

ランプの魔人「出てきたか、あれがやつが奪って蓄え続けた魔力だ」

紅幼女「あ、あの光が...魔力なのか...」





黒幼女「ガアッッッッッ!!!!!」パッ


ピカァァァァァァァァァァァァァァ


シュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッシュンッ!!!!!!!




紅幼女「ひ、光が雨みたいに散った!!」

ランプの魔人「これで魔力は元の主人に戻る...ギリギリだが間に合ったな」


キュインッ


紅幼女「!?」シュンッ

紅幼女「い、いま私の体の中に入ったのって...」


ランプの魔人「あぁ、お前の魔力だ」

...............................................................
................................................



蒼幼女「」


シュンッ


蒼幼女「」

蒼幼女「...っ!?」バッ


蒼幼女「はぁ...はぁ...くっ、ここは...」キョロキョロ

蒼幼女「私は確か...あの仮面に掴まれて...それから...」



ワイバーン娘「Zzz.........むにゃ?...蒼龍様っ!?」パチッ

ワイバーン娘「お、お目覚めになられたんですかっ!?よ、良かったぁ~...」



蒼幼女「ワイ子...私はずっと意識を失っていた...ということですか」

蒼幼女「...ふっ、少し疲れましたね」

犬娘「」

猫娘「」

兎娘「」



シュンッシュンッシュンッ



犬娘「わんっ!?」バッ

猫娘「にゃんっ!?」バッ

兎娘「ぴょんっ!?」バッ


犬娘「こ、ここはどこっ!?私は誰!?」キョロキョロ

猫娘「い、一体何があったニャ!?私は確か...はっ!そうニャ!いきなり首を掴まれたんだニャ!」


兎娘「クソがァァッッ!!!!ざけんなよ!!!!負ける要素なかっただろ私!」

兎娘「ご都合主義ってやつか!いくらなんでもあの負け方はないだろ!!そもそも幸運が働いてるなら、あんな状況になること自体おかしいわ!」


犬娘「ど、どうしたんだろ兎ちゃん...何かよく分かんないけど、すっごく怒ってるんだけど」

猫娘「きっと頭がおかしくなったんだニャ」

黒少女「」


シュンッ


黒少女「...っ!?」バッ

黒少女「...意識がある。夢じゃない、ということは」キョロキョロ


黒少女「ランプの魔人さん...やってくれたんですね。良かった...」


スリスリ


黒少女「ん?」クルッ


野良猫「「「「 ニャー!!!ニャー!!! 」」」」


黒少女「あなた達は...ずっと一緒にくっ付いててくれたんですか?」

黒少女「...ありがとうございます。心配をかけて、ごめんなさいね」




翠幼女「Zzz...Zzz...」グースカ

~~~~ 神界 ~~~~



魔界神「なーんか...私達って前もこんな感じになってましたよね」

魔王「あぁ...ランプの魔人さんに秒殺で壊滅させられた時ですか」

魔界神「あの時は不意打ちで、私もなすすべなくやられましたけど...今回は本気モードだったのに」シクシク

魔王「げ、元気出してくださいよ魔界神様...さすがに相手が悪かったです」

魔界神「それでも酷い...せっかく魔界の鎧とか伝説の魔剣とか使おうと思ってたのに」シクシク



四天王(火)「な、何がなんだか分からんが...とりあえず助かったのか?」

ゴーレム「ヨカッタ ヨカッタ」

四天王(土)「結局最後までまともな出番なかった」

四天王(風)「右に同じ」

堕天使「あぁっ!きっとランプの魔人さんが助けてくれたんだ...!」キラキラ



四天王(水)「...魔界やめて転職しようかな」

天使「カミサマー!魔界の人達が次々と目を覚めました!」



少女「えっ!?本当ですか!?」クルッ

ツルッ

少女「あっ」フラッ



ズデーン



天使「...大丈夫ですか?」



少女「い、いてて...へ、平気です」

少女(よ、良かった。万が一という可能性も考えましたが...無事に終わったみたいですね)

少女(後は私達の仕事...ですね)


少女「急いで天使さん達を召集してください!今回の事件の犯人を確保しに行きますよ!」

黒幼女「あグッ...ゲホッ!ゲホッ!」






ランプの魔人「これで全部だな。神界と蒼龍の屋敷の方向に多数の魔力が行ったところを見ると、無事に全員意識が戻ったはずだ」

紅幼女「ほっ...これで一件落着ってことなんだな」

ランプの魔人「あぁ、これで本当に終わりだ」




ギィィィィィィィィィィ......




紅幼女「!? なにあれっ!?空中にでっかい扉が現れたぞ!」

ランプの魔人「...神界の門か」




フワッ


少女「どうも」

ランプの魔人「早かったな。もう少し遅れて来ると思っていたが」



少女「善は急げってやつですよ。これくらいは私も仕事しないといけないですからね」



紅幼女(誰だっけこいつ...どっかで見たことあるような...)

紅幼女(というかこの状況にどこか見覚えがあるような)




黒幼女「くはっ...グウッ...」ピクピクッ




少女「...この子が一連の事件の犯人ですか」


ランプの魔人「あぁ、間違いない。魔力を奪う能力も、その力を使っていたのもこの目で確認した」

ランプの魔人「どうやらこいつは...私に復讐するために力を奪っていたようだ」

少女「復讐...まだ小さい子供じゃないですか。なんでこんな子が...」


ランプの魔人「子供と言っても人間の幼女に化けてるこっち側のやつだろ。実年齢はお前らと同じババアだ」


少女「」カチンッ

紅幼女「」イラッ


少女「ご、ごほんっ。とにかく、この子は神界で処遇を考えます」

少女「...ご協力ありがとうございました。ではまた」



天使「えいさっほいさっ」ガシッ

黒幼女「...」ズルズルー




ギィィィィィィィィィィ......


バタンッ

紅幼女「...なぁ、あいつは一体これからどうなるんだ?」

ランプの魔人「んーまあよくて終身刑、最悪死刑といったところか」

紅幼女「...そんなに重いのか」

ランプの魔人「そりゃ実質的には数えきれない程の命を奪いかけたやつだしな。そのくらいの刑が妥当だ」

ランプの魔人「だがもしかしたら...いやないか」

紅幼女「ん?何がないんだ?」


ランプの魔人「こっちの話だ。じゃあ私はもう帰るからな」スタスタ

ランプの魔人「お前も蒼龍の屋敷に行ってやれよ、もう意識は戻ってるはずだ」


紅幼女「う、うん!分かった!」

紅幼女「あっ!ランプの魔人!最後に一つ!」


ランプの魔人「...なんだ?」

紅幼女「今回はありがとうな!色々と!」

紅幼女「お前がいなかったら...多分みんなは助からなかった」


ランプの魔人「...アホが」


紅幼女「なっ!人がせっかく感謝してるのにアホってなに!?」


ランプの魔人「そもそも今回の事件はやつが私に対する復讐が目的で始めたことだ。私が居なかったら起こらなかった事件と言える」

ランプの魔人「非難されるのは分かるが、感謝をするのは筋違いというやつだ」


紅幼女「えっ...そ、そうだったのか...」

紅幼女「...」


紅幼女「それでも...私はお前が居てくれて良かったと思ってるぞ。だってお前がいなかったら私は...ずっと愚かで馬鹿なままだったからな」

紅幼女「お前が幼女にしてくれなかったら私は学校にも行けなかったし、魔法も使えなかったんだからな」

紅幼女「最初は私も本気でお前に復讐してやろうかと思ったが.. 今は逆に感謝してる。言葉じゃ言い表せないくらいに」


ランプの魔人「...」


紅幼女「じゃあ蒼龍達の様子が気になるから、お見舞いに行ってくる。またな!ランプの魔人!ありがと!」バサッ




ランプの魔人「...まったく、お前は本当に馬鹿なやつだな」

ランプの魔人「さて、私は疲れたし自分の部屋に戻ってすぐ寝るか」スタスタ


ズキッ


ランプの魔人「...ッ!」ピタッ

ランプの魔人「...持ってあと一日か」

~~~~ 翌日 ~~~~



幼女「ふわぁ...おはよぉ」ゴシゴシ


雪女「おはようございます。朝食はもう私が作っておきましたよ」


幼女「あぁごめんねぇ...今日の当番私だったのにぃ」


雪女「いえいえ。私、結構料理作るの好きですし」

雪女「...ランプの魔人さんはまだ帰って来てないんですね。朝には戻るって言ってましたけど」


幼女「ふぇ?一度帰って来てたんじゃないのぉ?」モグモグ


雪女「えっ?ど、どうしてですか?今朝は一度も姿を見てないですし、部屋にも居ませんでしたけど...」キョロキョロ


幼女「だって布団がちょっと乱れてたしぃ...それにクロちゃんもいつの間にかいなくなってるから、てっきり二人でどっかに出かけてると思ってたよぉ」


雪女「た、確かに今朝はクロちゃんが居ませんね...気付きませんでした」

~~~~ 神界 ~~~~



少女「珍しいですね。あなたがここに来るなんて」

ランプの魔人「あぁ、あいつの件でちょっと気になることがあってな」チラッ

少女「あいつ...例の黒い幼女のことですか」

ランプの魔人「一晩経って、お前達の会議も一段落したはずだ。やつの処分はどうなるんだ?」

少女「それが...意外な新事実が見つかりましてね」


少女「あの子...本当にまだ幼いみたいなんですよ。種族が生まれて100年未満の幼龍だということが分かりました」


ランプの魔人「...生まれて100年未満の幼龍か。普通の龍ならまだよちよち歩きしてるはずだな」


少女「はい...龍は生まれた直後に魔力の器を生成するために、100年近くの眠りにつきますからね」

少女「普通ならまだあそこまでの力は出せないはずなんですが...」

少女「会議の結果はそのことも踏まえて、今回は特例として刑を課すのではなく、更正するプログラムを与えることにしました」

少女「さすがにまだ精神的にも未成熟ですし...あの歳の龍だと、教育次第ではまだ更正できる可能性が高いですからね」


ランプの魔人「...本当に理由はそれだけか?」


少女「」ギクッ

少女「...す、鋭いですね。はい...他にもいくつか理由があります」


少女「まず一つ、あの子の能力です。あれはあまりにも強力な能力...ここでなくすのが惜しいくらいに」

少女「もしあの子が悪ではなく善になってくれたら...きっと私達の力になるという判断です」


ランプの魔人「ゲスい話だが、まあ分からんこともないな」

少女「そして二つ目、現在の神界の刑ではあの子を止められないという結論が出ました」


ランプの魔人「...どういうことだ?」


少女「これもあの子の能力が関係しているんですが...魔力を吸い取るということは拘束系の魔法や、封印系の魔法が一切効かない可能性があります」

少女「神界の掟で重い刑を執行する時は罪人を一度、聖水の滝で清める必要があるんですよね」

少女「この聖水の滝ってのが問題でして...実は神々の魔力が聖水の中に入ってるんですよねー」

少女「もし聖水の魔力を吸い取ったら...まあ今回の事件の二の舞になるんですよ」


ランプの魔人「ならその滝に入れなきゃいいだけの問題だと思うが」


少女「掟というのはあなたが考えているのより重いものなんですよ...特に神界の掟はね」

少女「私個人の独断ならともかく、会議でそれを決めるってなると...まあ誰も掟を破りたくないわけですよ」

少女「最悪先代の神々の天罰が下りますからねー...私も出来れば破りたくないですし」


ランプの魔人「つまり神界は優等生のチキンしかいないってことか」


少女「うっ...まあそう言われると返す言葉もないです」

少女「ということで、あの黒い幼女には私が直々に指名した教育担当の人が頑張って更正させるという結論になりました。これで一応めでたしめでたしですね」


ランプの魔人「...やつの私への復讐心が、その更正プログラムとやらで消えたらの話だがな」

ランプの魔人「直接戦った私から言わせてもらうと、やつの復讐心は尋常じゃなかったぞ。時間でも解決出来るとは思えん」

少女「...私もそのことは気になっていました」

少女「復讐心というものは簡単に消えるものではありませんからね。最悪の場合は記憶処理も検討に入れて...」


ランプの魔人「あぁ、それならいい。そのことを解決するために私が直々に来たんだからな」

ランプの魔人「あの幼女に面会させろ。これで本当に全てを終わらせてやる」


少女「...?会って何をするつもりなんですか?」


ランプの魔人「決まっているだろ。あいつは私に父親を殺されたと思って恨んでいるんだ」

ランプの魔人「ならその父親を復活させて...対面させてやればいい」


少女「...はい?」

コツコツ...コツコツ...



ランプの魔人「ずいぶん深いところに監禁してるんだな」

少女「そりゃそうですよ...相手が相手ですからね」ピッピッ


プシュー


ランプの魔人「電子ロックされた扉か、神界という名の場所には似合わん設備だな」

少女「何てったって魔法系の技が効かないんですからねー。動きを止めるには、こうやって物理的に何とかするしかないですよ」ピッピッ





黒幼女「...」





ランプの魔人「よくあいつを閉じ込めていられるな。素のままでも相当な怪力だと思うが」

少女「100トンの衝撃にも耐えられる特殊な素材で出来た鉄の檻です。これを数時間で仕上げるのは苦労したと聞いてます」

少女「では面会させますが...くれぐれも興奮させないでくださいよ。万が一、脱走なんてことがあったら私の立場すら危うくなるんですから」

ランプの魔人「安心しろ。もし脱走しそうになったら足を折ってでも止める」スタスタ





黒幼女「...」ピクッ



ランプの魔人「よっ、一晩ぶりだな。元気か?」



黒幼女「......ランプの......魔人......」

黒幼女「ころすッッッッッッ!!!!!!!」ガンッ




少女「ひぃっ!」ビクッ




ランプの魔人「まったく...私に負けた時はずいぶん大人しくなってたのに、ちょっと時間が空いただけでこれだ。少しは学習しろ」

ランプの魔人「挨拶はこれくらいにして本題に入るか...お前に一つ聞きたいことがある。お前の父親についてだ」

ランプの魔人「単刀直入に聞く、お前の父親は一体誰だ?名前を言ってみろ」



黒幼女「ころすッッッッ!!!!ころすッッッッ!!!!」ガンガンッ



ランプの魔人「聞く耳持たずか...ならこちらから言ってやる」

ランプの魔人「..."黒龍"という名前を知っているか?」



黒幼女「...ッッ!?」ピタッ

黒幼女「貴様がっ...気安くその名前を呼ぶなぁッッッッ!!!!!」ドンッ



グラグラ...グラグラ...



少女「あわわわわ...檻が...」プルプル




ランプの魔人「その反応...当たりか」

ランプの魔人「私が殺した人物、つまりお前の親はあの伝説の暴君の黒龍...でいいんだな?」

黒幼女「そうだッ...わが父は龍の中でも最強にして頂点!この世で一番強いあの黒龍だッ...!」

黒幼女「貴様はその父上をひ怯なふいうちでころしたッ...!事情は全て南極の巨人どもから聞いているッ!!!!」

黒幼女「だからわれは貴様をころすッ...!そして父上の敵をとるッッ!!!!」



ランプの魔人「ふむ...お前が黒龍の子供というのは分かった」

ランプの魔人「だが一つ、決定的な勘違いをしているな」



黒幼女「勘違いだとッ...?」



ランプの魔人「あぁ、私は黒龍を殺していない」

ランプの魔人「お前の父は生きているぞ。それも毎日よく食って寝て元気に飛び回ってる」



黒幼女「...は?」

黒幼女「こ、この期に及んでそんな嘘をッ...!われがだまされると思っているのか!!!!」



ランプの魔人「だって嘘じゃないし、私の言ったことは全て真実だ」

ランプの魔人「だから私は会いに来てやったんだよ。父親とお前を再会させてやるためにな」ゴソゴソ

ランプの魔人「ほら、クロちゃん出てこい」


黒龍「ピギャー」パタパタ


ランプの魔人「このちっこいのがお前の父親、黒龍だ。今はクロちゃんと呼んでいる」



少女「はいっ!?」



黒幼女「...は?」ピキッ

黒幼女「その子龍が...わが父だと...」プルプル

少女「ちょ、ちょっとどういうことですか!?あなたがいつも連れてるその龍が黒龍って...」



黒幼女「われをぐ弄するのもいい加減にしろッッッッ!!!!!死ねッッ!!!!」ドンッ


ミシィ!!!!!!!!



少女「うわぁっ!?ちょっ!壁が!壁が鳴ってはいけない音が鳴りましたよ、音が!」


ランプの魔人「まあ確かに信じられないだろうな。一見、姿自体はまったく面影がないように見える」

ランプの魔人「だが翼や頭、爪の形をよく見てみろ。ミニチュアサイズだがどこか見覚えがあるはずだ」


黒龍「ピ、ピギャー...」ブルブル



黒幼女「そんなもの他人のそら似だッ!!!!どこまでわれを馬
バカにすれば気がすむッ!!!!」

ランプの魔人「ならこれでどうだ、クロちゃん、魔力を出してみろ」

黒龍「ピギャー」ブワァ



黒幼女「...ッッッッッ!?」ピクッ

黒幼女「ま、まさか...そんな...」


少女「こ、この魔力は...」



ランプの魔人「微弱だが魔力自体の性質は変わらないはずだ。それにクロちゃんは黒の力を引き出す能力と、黒の感情を察知できる二つの能力を持っている」

ランプの魔人「相手に能力を分け与え、自分の色に染める能力と相手の色を自分に取り込み、その力を我が物とする能力」

ランプの魔人「どちらも侵略という黒の性質を持っているし、察知能力はそのままそっくりだ」

ランプの魔人「こいつは正真正銘、黒龍でお前の父親だ...少し若返ってはいるがな」



黒幼女「な、なぜそんな姿に...」プルプル

ランプの魔人「黒龍は私に敗北した、それだけだ。敗者は勝者に従うのが自然の摂理だろう?」

ランプの魔人「私の能力でこいつは若返り、今は一緒の家で暮らしている。もちろん黒龍だった時の記憶はない」

ランプの魔人「だが...紛れもなくクロちゃんはお前の父だ。そこだけは絶対に変わることはない」



黒幼女「...」



少女「ま、まさか黒龍に子供がいたなんて...それにあなたがいつも連れているその子龍が若返った黒龍..?」

少女「し、新事実が多すぎて頭が追い付きませんね...」



黒幼女「ふ...ふ...」



ランプの魔人「どうした?感動の再会で言葉もでないか?」



黒幼女「ふざけるなァァァァァッッッ!!!!!!!」ドンッ

ドギャアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!



少女「あぁっ!?檻がぶっ壊れたぁ!?」



黒幼女「仮に!そいつがわれの父上だったとしても記おくを持っていないのなら死んだも同然だ!!!!」

黒幼女「今すぐ父上の記おくを元に戻せッッ!!!!!」



ランプの魔人「...」


ランプの魔人(まあ確かに...記憶を持っていないなら性格も変わるし、態度も別人だ。納得はしてくれないか)

ランプの魔人(クロちゃんの記憶を取り戻す方法もないことはないが...黒龍は何を仕出かすか分からんからな。下手をしたら自分の娘と手を組んで、世界を滅ぼそうとする可能性もある)

ランプの魔人(...このまま黒龍の人格には眠ってもらう、永久にな)



ランプの魔人「悪いが記憶を復活させる方法はない。だがお前の父ということには変わらな...」

黒幼女「だまれッッッッ!!!!!何が父だ!われの父上はそんな弱々しくない!!!!」

黒幼女「絶対に...ッ!絶対にみとめん!!!!!!」



少女「ど、どうするんですか?納得してないようですけど...」ボソッ

ランプの魔人「んー...どうするか」

少女「えっ!?考えてないんですかっ!?」

ランプの魔人「だってこれ以上やりようがないからな。クロちゃんがやつの父ということは事実だが、記憶を持ってないなら別人と言われても仕方がない」

少女「え、えぇ...なら根本的なことは何も解決してないじゃないですか...」

ランプの魔人「...あとは本人達に任せてみるか」


ランプの魔人「ということでクロちゃん、行ってこい」

黒龍「ピギャッ!?ピギャー!!!!」

ランプの魔人「怖いのは分かるがやつはお前の娘なんだ。娘をしつけるのも父親の役目だぞ」

黒龍「ピ、ピギャー...」パタパタ


黒幼女「フーッ...フーッ...」ハァハァ

黒龍「ピ、ピギャー...?」

黒幼女「よるなッ!お前は父上じゃないッッ!!!!」ブンッ


黒龍「ピギャッ!?」ベシッ



黒幼女「...っ」



黒龍「ピ、ピギャー!!!!!ピギャー!!!!!」ヨロッ


黒幼女「何が役目を果たすだッ!記おくもないくせに父上ぶるなッ!!」


黒龍「ピギャッ...」カチン

黒龍「ピギャー!!!!!ピギャー!!!!!」ボンッ



黒幼女「...ッ!?」サッ

黒幼女「こ、この火球は...ち、父上の...」

黒幼女「う、うそだ...こんなことあるわけ...」


黒幼女「ピギャー」パタパタ


黒幼女「く、くるな...こっちにくるな...!」ジリジリ



ダキッ



黒龍「ピギャー」スリスリ

黒幼女「あうっ...あっ...」

黒龍「ピギャー...ピギャー...」ポンポン

黒幼女「あっ...あっ...」ポロッ


黒幼女「ち、ちち...うえ...」カクッ

黒幼女「」シーン




少女「あれ?」

ランプの魔人「気絶したか」

少女「き、気絶...?大丈夫なんですか?」

ランプの魔人「あの様子なら多分大丈夫だと思うぞ。頭の処理が追い付かなくなって爆発したところだろう」

ランプの魔人「ということはやつの中では半分クロちゃんを父と認めたということになる。後は今後のクロちゃんの態度次第だな」



黒龍「ピギャーピギャー」ポンポン

黒幼女「...」



ランプの魔人「...それも問題ないみたいだ。クロちゃんも母性に目覚めたと言ったところか」

少女「母性...変な話ですね。あの黒龍に情の心があったなんて」

ランプの魔人「黒龍ならともかく、あの龍はクロちゃんだ。中身はそこら辺の好奇心旺盛な子供と変わらんさ」

ランプの魔人「...まあ今回はそこに助けられたのかもな。普段暴君の父親が突然優しくなって、自分に接してきたわけだ」

ランプの魔人「動揺はすると思うが...今までよりはよっぽどいいと感じるはずだ」

少女「...皮肉な話ですね。黒龍が自分の子供に少しでも愛情を注いであげたら、あの子はずっと悪からぶれることはなかったのに」

ランプの魔人「あぁ...まったくだ...」クラッ


バタッ


少女「ちょっ!?大丈夫ですか!?」


ランプの魔人「...実は昨日から寝ていなくてな。少し疲れが溜まってるのかも」

ランプの魔人「クロちゃんはしばらくしたら私の家に帰してやってくれ。ずっとやつと一緒に居させるのはまだ早いからな」


少女「は、はい。分かりました」クルッ

少女「...あれ?ランプの魔人?」キョロキョロ


少女「いない...もう家に帰ったんでしょうか?」

..........................................................
...........................................



紅幼女「えっ!?あの仮面って黒龍...クロちゃんの子供か兄弟っ!?」

蒼幼女「私の推測ですけどね。血縁者なのは確定だと思います」モグモグ

紅幼女「なんでっ!?」


蒼幼女「黒龍の能力は黒の力を他人に与える...という能力でしたよね?あの仮面の能力の正反対の能力ともいえます」

蒼幼女「ですが...本質的にはまったく同じです」

蒼幼女「相手の色を染めるか、相手の色を自分に加えるか、どちらも黒には変わりないですからね」


紅幼女「...何かややこしい話だな」


蒼幼女「あとは夜の暗闇なのに、私を正確に捕らえられたことですね。黒龍も黒の感情を察知できる能力を持ってましたから、恐らくその類でしょう」モグモグ


紅幼女「た、確かに...私の目眩ましの技が効かなかったな」

紅幼女「というかよくそれだけで分かったな...私なんて考えもしなかったぞ」


蒼幼女「確信を持てたのはあいつに首を捕まれた時です」

蒼幼女「あの時、直接やつの魔力に触れて違和感を覚えましてね...アナタの魔力にとても似てたんです」


紅幼女「へ?私?」ポカーン


蒼幼女「正確には黒龍の力を借りたアナタ、紅黒なんちゃらでしたっけ?黒龍の力を借りた魔力と似ているということは...相手も同じ系統です」

蒼幼女「逆になぜ分からなかったんですか?アナタも魔力を吸い取られたなら、一番あの魔力に敏感だと思うんですけど」


紅幼女「へ...」ポカーン


蒼幼女「...ごめんなさい。私が悪かったです」

紅幼女「なんで謝った!?あとその可哀想なものを見る目はやめろぉ!」

蒼幼女「で、さっきから気になっていたんですけど、なんで私の家で一緒に朝食を食べているんですか」

紅幼女「昨日はもう帰るには遅かったからな。泊まらせてもらった」モグモグ

蒼幼女「はぁ...まあいいですけど」

紅幼女「いやー蒼龍の家の料理は美味しいなぁ...毎日食べたいくらいだ」

蒼幼女「食べたら早く帰ってくださいね。私は少しゆっくり休みたいので」


紅幼女「ん、身体の方は大丈夫なのか?」モグモグ


蒼幼女「少し違和感はありますが...1日も休めば本調子に戻るでしょう」

蒼幼女「魔法も問題なく使えますしね」


紅幼女「そうか!よかったよかった!」

紅幼女「じゃあ私はこれで帰るな!ゆっくり身体休めろよ!」ダッ

バサッ



蒼幼女「...はぁ、予想以上に大変なことになっていたようですね」

蒼幼女「もし本当に黒龍に関連する人物だったら...あの能力もありますし、神界はどうにかしてでも手駒にしたいはず」

蒼幼女「仕返しはまたの機会ということにしますか...次に会ったら私を襲ったことを後悔させてやります」ニヤァ


老紳士「蒼龍様」バサッ


蒼幼女「何ですか騒々しい、私はこれから休む予定なんですけど」

老紳士「申し訳ございません...お客様が一人帰ろうとしないのですが」

蒼幼女「客?...あぁ、魔力を奪われた内の一人ですか。まったく図々しい人ですね、一体どこの誰ですか」

老紳士「それが...翠龍様で...」


蒼幼女「除草剤でも撒いてつまみ出してください」

バサバサッ バサバサッ



紅幼女「これで一件落着だな!魔力を奪われた人もみんな元に戻ったし!」

紅幼女「それに私も魔法が使えるようになった!これでもう役立たずなんて言われないはずだ!」

紅幼女「...ん?」ピタッ



「...」


紅幼女「なんだ...あそこの道で誰か倒れてるぞ。行き倒れか」

紅幼女「いや酔っぱらい...?何か可哀想だし家に運んであげるか」バサッ


スタッ


紅幼女「おーい!そこで倒れてる人ー!こんなところで寝てたら風邪ひくぞー」



ランプの魔人「」グター



紅幼女「んんっ!?ラ、ランプの魔人んんっ!?」

紅幼女「お、おい...!なんでこんなところで倒れてるんだ!?」ベチャ

紅幼女「ん?これって...血ぃ!?」


ランプの魔人「ぐっ...」フラッ


紅幼女「一体どうしたんだ!?また誰かに襲われたのか!?」


ランプの魔人「...うるさい。少し黙れ」

ランプの魔人「私は...倒れたのか。というかなぜお前がここにいる」


紅幼女「飛んでたらランプの魔人が倒れてるのを見かけたんだ!その傷は誰にやられたんだ!?」


ランプの魔人「傷...あぁ、そうか。もう限界ということか」

ランプの魔人「最後は家でゆっくり寝ながら逝こうかと思っていたが...どうやら無理みたいだな」


紅幼女「え...最後...?」

紅幼女「さ、最後ってどういうことだ...?もう事件は解決したんじゃないのか?」


ランプの魔人「...お前達には黙っていたが、私の肉体はもう既に限界を迎えている」

ランプの魔人「想像以上に魔力を取り戻した負荷が大きかったんだ。まさか全盛期よりさらに魔力が上がっているとは思わなかった」


紅幼女「えっ...こ、このままだとどうなるんだ?」


ランプの魔人「...肉体が魔力に耐えられず崩壊する、いや消滅と言った方が正しいか」

ランプの魔人「後悔はない...私の役目は果たしたからな...後は全てお前達に任せたぞ」


紅幼女「な、何言ってるんだよ...ランプの魔人が消えるなんて...」ブルブル

ランプの魔人「ダーリン達には黙っててすまなかったと言っておいてくれ。あと部屋に機械男を置いてるんだが、私の代わりに電源を入れておいてくれると助かる」

ランプの魔人「一応、遺言書が私の部屋にあるが...やっぱりあれ燃やしといてくれ。深夜のテンションで書いたから今思うと恥ずかしい」


紅幼女「...なんでそんなに冷静なんだ...お前は...これから消えちゃうんだろ...」ブルブル


ランプの魔人「死の覚悟はもうしてたからな。出来ればダーリン達が大人になるのを見届けたかったが、仕方ない」

ランプの魔人「だが正直言うと少し不安が残るな...私が居なくなったら世界が簡単に滅びそうだ」


紅幼女「うっ...ぐえっ...」ポロポロ

ランプの魔人「...む、もう消えてきたか」シュゥゥ


紅幼女「...っ!! と、止める方法はないのか!?」


ランプの魔人「無理だ、内部からの消滅だからな。どんな治癒魔法でも止めることはできん」

ランプの魔人「...最後だから言ってやるが、お前との旅も悪くはなかったぞ。面倒なことばかりだったが退屈はしなかった」

ランプの魔人「もしダーリンが危険な目に遭ったら...今度はお前が守るんだ」


紅幼女「...うぅっ!」ポロポロ


ランプの魔人「そろそろ肉体を保てなくなる。ではさらばだ...紅龍、お前はもう少し賢くなれよ」


紅幼女「ラ、ランプの魔人っ...」

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!




紅幼女「...!」


紅幼女「ラ、ランプの魔人が...消えた...」


紅幼女「うっ...ぐすっ...こんなことって...」ポロポロ


紅幼女「なんで...なんでお前が消えるんだよ...せっかく誰も死なないで終わったのに...」ポロポロ


紅幼女「みんなになんて言えば...うぅ...」ポロポロ



紅幼女「うわああああああああああああああああああん!!!!!!」ポロポロ

紅幼女「ランプの魔人んんんんんんんんんん!!!!!!」ポロポロ

~~~~ 1週間後 ~~~~



ピピッ ピピッ

紅幼女「うーん...むにゃむにゃ...」スヤァ


ピピッ ピピッ


紅幼女「うるさいなぁ、今何時だ...」チラッ

紅幼女「...もう8時!?や、やばい!遅刻する!」ダッ


紅幼女(ランプの魔人が消えて一週間が経った)

紅幼女(最初は私もわんわん泣いてたけど...ふとあることに気が付いた)



紅幼女(あれ、こんな展開前にもなかったっけ)



紅幼女(とりあえず幼女達の家に行って、ランプの魔人達のことを報告してきたら...)

幼女『ふぇぇ...また消えたのぉ?』

雪女『困りましたね...明日のご飯の担当はランプの魔人さんなのに...』



紅幼女(結構あっさりしてた)

紅幼女(何でもランプの魔人が簡単に消えるわけがないらしい、そのうち絶対ひょっこり出てくるそうだ)

紅幼女(確かに言われれみればそうである)


紅幼女「...よし!準備終わり!学校まではダッシュだ!」ダッ


紅幼女(ランプの魔人は絶対に生きている...そして絶対に帰ってくる)

紅幼女(私達が信じる限り、あいつは死んだりしない...心の中で生き続けてるんだ!)






おわり

............................................................
................................................




















少女「さすがに二回目だとみんなも騙されませんよ」

ランプの魔人「うむ...」

少女「...で、今回はなんで生きてるんですか?」


ランプの魔人「それがだな...確かに私の身体が魔力の限界を超えたことで、傷付いたのは確かなんだが...それと肉体の消滅は関係なかったんだ」

ランプの魔人「ようは魔力痛の強化版と言ったところだな。おかげでまだちょっと間接が痛む」


少女「...ならなんで消えたんですか」


ランプの魔人「創星神のやつが、私の肉体の異常に気付いて呼び戻そうとしてたんだよ」

ランプの魔人「でも私の魔力が自然とそれに逆らってな...やつの転移魔法を無意識に防いでたわけだ」

ランプの魔人「ただでさえ魔力痛で全身が痛かった上に、その状態で防御魔法を使っていたんだからな。そりゃ全身から血が吹き出すわ」

ランプの魔人「おかげで私は大きな勘違いをしてとんだ恥をかいた...まったく余計なことしやがって」

少女「...呼び戻された後はどうしてたんですか?」


ランプの魔人「まず全身のケアだな。向こうで一日中マッサージを受けてた」

ランプの魔人「いやぁ...あれは気持ち良かったなぁ...最近肩こりに悩んでたんだが、それも一緒に治ってしまったほどだ」グルングルン

ランプの魔人「今度お前もやってみたらどうだ?どこかこってる場所は...あっ」


ランプの魔人「...すまん」


少女「ちょっと待ってください。今どこを見て謝ったんですか、ねぇ」


ランプの魔人「で、マッサージが終わったら魔力をまたやつに預ける作業に入った」

ランプの魔人「これがまた時間のかかる作業でな...封印を解くのには半日で終わったのに、かけ直すのは三日三晩もかかってしまったんだ」

ランプの魔人「まあこれでも早い方だとは思うがな。最初の封印は数百年はかかってたし」


少女「は、はぁ...そうですか」

ランプの魔人「こればっかりはあの黒龍の娘の能力が羨ましいな。魔力を一瞬で吸い取ることが出来るんだから」

ランプの魔人「あっ、そうだ。アイツの様子はどうだ?何か問題でも起こしてそうだか」


少女「...えぇ、問題ないですよ。今のところは」

少女「あなたがいなくなった後の数時間後に目を覚ましましたが、とりあえずファーストコンタクトは成功と言ってもいいでしょう」

少女「まだ戸惑ってはいるようですが...あの子龍を自分の父親と認めたようです。態度には出しませんが」


ランプの魔人「ふーん...それは朗報だな。で、今はどこにいるんだ?」


少女「今日から教育係のところで更正生活の始まりです。二人で衣食住を過ごして、少しでも善の心を呼び起こします」


ランプの魔人「...ん?教育係?それって大丈夫なのか?」

ランプの魔人「やつは素の強さは大したことないが...首を掴めば、まず私以外のやつには負けんぞ」


少女「んー...まあ大丈夫だと思いますよ?なんてったって私の妹なんですからね!」

................................................................
..................................................



黒少女「ということであなたの教育係になった黒少女です。よろしくお願いします」


黒幼女「...」


黒少女「ではさっそくですが、まずは勉強から入りましょうか」ガサゴソ

黒少女「はい、算数ドリル10冊です。やり方は書いてあると思うので、それを参考にしてください」

黒少女「どうしても分からなかったら聞いてくださいね。私はここで本を読んでますから」ペタン



黒幼女「...」



ガシンッッッッッッ!!!!!!!!!!!!



黒少女「何の真似ですか?私は算数ドリルをしてくださいと言ったはずですが」ググッ

黒幼女「ふざけるなッ...!なぜわれに負けたお前がここにいるッ...!」ググッ

黒少女「聞いてなかったんですか?今日からとある人物と共同生活をしてもらうと伝達があったはずですが」パッ


黒幼女「だからなぜお前なんだッッ!私にまけた雑魚のくせにッッ!」


黒少女「...心外ですね。あなたは本当に私に勝ったと思っているんですか?」

黒少女「ならもう一度、勝負してみますか。5秒で決着がつくと思いますけど」


黒幼女「のぞむところだアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!」ダッ




チッチッチッチッチッ......




黒少女「はい、ジャスト5秒ですね」

黒幼女「ぐぅっ...」グタッ

黒少女「あまり自分の力を過信するのはやめた方がいいです。あなたが強くなれたのは、あくまで能力のおかげなんですから」

黒少女「素のあなた相手なら、例え就寝中に襲われたとしても遅れを取ることはありません」



黒幼女「ぐぅぅ...父上にあわせろぉ...」



黒少女「次の面会は来週です。ただし課題をクリアしないと会うことも出来ませんよ?」

黒少女「...やはりあなたには、まず勉強の前に教えることがあるみたいですね」

黒少女「ドリルは中止です。代わりに道徳の勉強として、このDVDを一緒に見ましょう」ポチッ



『わんにゃん大王国! ~動物達の楽園~』



黒幼女「...カンベンしてくれ」

ランプの魔人「あぁ...黒少女か。やつならまあ安心だな」

ランプの魔人「というかどちらかと言うと、お前が妹に見えるけどな。素行的に」


少女「何言ってるんですか。私のクローンなら当然、私が姉に決まってるじゃないですか」


ランプの魔人(クローンなら自分の分身と同等なんだがな...やっぱりこいつは神としてどこか抜けてる)

ランプの魔人「ところでやつの件に関して、1つ分からないことがあるんだが」


少女「なんですか?」


ランプの魔人「私のお願いが効かなかった理由だ。やつはまだ力をあまり蓄えてない状態で、お願いの力を無効にしてたんだ」

ランプの魔人「紅幼女の証言を合わせると、やつが被っていた仮面とやらに秘密があると思うんだが...何か分からんか?」

少女「あー...そのことならもう既にこっちで解決済みです」

少女「あの子が被ってた仮面なんですけど、あれって黒龍が神界で暴れまわった時に盗まれた神具の一つなんですよ」

少女「仮面の効果は全ての呪いを跳ね返す...あなたの能力すらも無効にしたところを見ると、相当強力なアイテムだったみたいですね」

少女「...まあもう本人に壊されて、バラバラになってるのが発見されたんですけど」ズーン


ランプの魔人「呪いって...私の能力って呪いだったのかよ...」


少女「呪いの一部って解釈されたんじゃないんですかねー?そもそも願いを叶える力というのがかなり曖昧なものですし」

少女「人によっては奇跡、災厄、呪い、創造と応用力が半端ないですから」

少女「あとこちらも一つ、黒龍の件について分からなかったことが...」

少女「黒龍の妻、あの黒幼女の母親についてです」


ランプの魔人「...ふむ、私もそれは少し気になってた」


少女「黒龍の性格から考えて、まず普通の龍と子供を作るとは思えないんですよねぇ」

ランプの魔人「お前そんなに龍の交尾が気になるのか」

少女「違いますよ!!!!!!!」


少女「こほん...神界が総力をあげて、世界中を探し回ったんですが...それらしき龍は発見できませんでした」


ランプの魔人「ということは黒龍に殺されたか食われたか...まあどちらにしても、もうこの世にはもう居ないだろうな」

ランプの魔人「あいつが黒龍に依存してる理由もその一つなんじゃないのか?母親が居ない分、その愛を父親にも求めてる節がある」


少女「なんだか悲しい子ですね...一番慕っていた自分の父が、母を殺していたなんて」

ランプの魔人「運命というのは酷なものだ。決められた以上は従うしかない」

ランプの魔人「もしかしたら...私がやつに負けて、滅ぼされてた世界もあったわけだ」


少女「ちょっ...怖いこと言うのやめてくだださいよ」


ランプの魔人「何言ってるんだ、だから面白いんだろうが。決まっていた未来なんて何も面白くない」

ランプの魔人「私も少し違っていたら...ランプに閉じ込められた後でも自由に魔法が使えたり、お前と出会わなかった可能性もあったんだ」

ランプの魔人「いやいや...世界というのは奥深いものだな」


少女「...まあ私達が数千年経った今の時代でも、再会できたのは奇跡と言ってもいいですね」

少女「あっ、数千年前で思い出しました。もう一つ質問してもいいですか?」


ランプの魔人「なんだ?」



少女「私...いえ、この世界って...あなたに一度殺されたりしちゃってます?」

ランプの魔人「...」

ランプの魔人「...なぜ、そう思うんだ?」


少女「実は私って、あなたの全力の魔力を感知したことがないんですよねー...」

少女「でもあなたが北極で戦ってた時に、どこかでその魔力を感じたような気がしたんです」

少女「おかしいですよねぇ...あの量の魔力を持った別人というのは考えられませんし...つまり私はどこかであなたの魔力を感じていたはずなのに、その記憶をなくしているということになります」


ランプの魔人「...」


少女「なぜ記憶がなくなっているのか...それは後ろめたいことがあるから、バレたら大変なことになるから」

少女「で、考えてみたわけです。あなたが全力を出して魔力を放出した相手を」

少女「でも私の記憶だと、そんな個人の相手はいないんですよね。ここで一つの結論に辿り着きました」


少女「あなたが全力を出して殺した相手...それはこの世界そのものなんじゃないですか?」


ランプの魔人「...」

少女「これなら私の記憶がなくなっていることにも納得がいきます。だって私も殺されてるんですからね」

少女「どうですか?合ってますか?」


ランプの魔人「...はぁ、正解だ」

ランプの魔人「よくそんな断片的な情報で分かったな。お前はエスパーか」


少女「やっぱり...そうだったんですか...」

少女「なんでそんなことを...?」


ランプの魔人「...お前もご存じの通り、私はたけのこ派を殲滅した後に先代の神に罰を言い渡された」

ランプの魔人「で、私はそれを大人しく聞き入れて、数千年もランプに閉じ込められたという話だが...」


ランプの魔人「これは全部嘘だ」


少女「!?」

ランプの魔人「本当の歴史は違う、私は必死に抵抗した」

ランプの魔人「だって私は世界を救ったのに不当な扱いを受けたんだからな。当前の行動だ」

ランプの魔人「だが先代の神は私の言うことを信じようとしなかった...その時、私の中で何かが切れたんだ」


ランプの魔人「気が付いたら...地球はなくなっていた」


少女「えぇ...」


ランプの魔人「そこからの流れは簡単だ。私の目の前に創星神が現れて、事情を聞かされた」

ランプの魔人「普通は失った命を戻すことはできないんだがな...まさか星が丸ごと消えるとは上の連中も予想外だったらしい」

ランプの魔人「特例として、今回だけは星の生命を丸ごと私が破壊する前に戻すことが許されたんだ」

ランプの魔人「まあその罰で私が封印されることが決定したんだけどな。これが事の真相だ」

少女「...」

ランプの魔人「...この秘密だけは墓にまで持って行くつもりだったんだけどな。誰にも言うなよ」


少女「はぁ...まぁ...そのなんというか...」

少女「あまりにもスケールが大きすぎて話について行けませんよ...地球を丸ごと壊したってどんな魔法使ったんですか...」


ランプの魔人「うん、私にもよく分からん」

ランプの魔人「...何か反応が薄いな。怒らんのか?私はお前どころか、全人類を一度殺してるんだぞ」


少女「一応みんな生き返ったんだしいいんじゃないですか...?そもそもあまりに現実離れし過ぎて半信半疑ですし」


ランプの魔人「お、おう...そうか...」

プルルルルルル...プルルルルルル...


少女「あ、ごめんなさい。電話です」ピッ

少女『はい、もしもし...えっ!?またあの女神が脱走!?』

少女『あーもうっ!分かりました!どうせいつもの場所でしょう!私が直々に連れ戻します!』ピッ


少女「あいつめ...一体何度脱走したら気が済むんですか...!」


ランプの魔人「どうした?急用か?」


少女「はい...ちょっと急ぎの用事が入ってしまいました」

少女「では私はこれで失礼します。早くあなたも自分の家に帰ってくださいね、本当はみんな心配してると思いますから」


ランプの魔人「...あぁ、そうだな。帰るとするか」

ランプの魔人「あっ、そうだ。忘れるところだった」ガサゴソ

ランプの魔人「これを黒少女に返しておいてくれ」


少女「これは...ランプですか?どうしてこんなものを?」


ランプの魔人「それ多分、黒少女が黒龍を封印するために用意したランプだと思うぞ」


少女「はいっ!?」


ランプの魔人「あいつは無能なお前と違って勘が鋭いからな。もしかしたら黒龍が力を付けてきたのを察知して、暴走する前に封印するつもりだったのかもしれん」

ランプの魔人「まあ私がクロちゃんに変えたことで無駄骨に終わったがな。いつまでも借りパクしてたのを忘れてたから今返すぞ」


少女「は、はぁ...」

少女「...それにしてもこのランプ、何かカレー臭いですね」クンクン

ランプの魔人「そりゃランプなんだからカレーを中に入れたからな。よく洗ったつもりだったんだが、そんなに臭うか?」


少女「もう...私が後で洗って返しておきますよ」

少女「そろそろ本当に行きますね。あんまりモタモタしてると獲物に逃げられちゃいますから」


ランプの魔人「あぁ、さらばだ。無能で貧弱な神よ、次に会う時までせいぜい過労死するなよ」

少女「あなたもですよ。怠惰で傲慢なランプの魔人、せいぜい孤独死しないように気を付けてくださいね」



ランプの魔人「...ぷっ」


少女「...くすっ」

ランプの魔人「...今度オススメのゲームでも教えてやる。たまにはお前も休め」

少女「ではこちらは時給のいい仕事を紹介しましょう。たまにはあなたも身体を動かすべきです」


ランプの魔人「...それは勘弁願いたいな」


少女「...冗談ですよ!あなたが仕事嫌いなんは誰よりも知っていますからね!」

少女「ゲーム楽しみにしてます!出来れば簡単なやつにしてくださいよね!」シュンッ



ランプの魔人「...あぁ、任せておけ。とっておきのを教えてやるさ」

ランプの魔人「さっ、家に帰るか...ダーリン達も心配してるだろうからな」


ランプの魔人「あっ」


ランプの魔人「戻る前に...あいつのところに寄ってやるか。一つ、借りがあるからな」

..............................................................
................................................



紅幼女「うへぇ...学校疲れたぁ...頭を動かすのは体を動かすのより疲れるな」ゴロン

紅幼女「もうすぐ冬休みかぁ...どこに行こうかなぁ」


紅幼女「...」


紅幼女「...早く、ランプの魔人帰って来ないかなぁ」




ランプの魔人「呼んだか」




紅幼女「うん呼んだ...」

紅幼女「ってええええええ!?」ビクッ



ランプの魔人「急に驚くな、こっちがびっくりするわ」



紅幼女「ラ、ランプの魔人!?もう帰ってきたのか!?早くないっ!?」

ランプの魔人「さすがに二回目だからな。いい加減に帰らないと本気で怒られる」

紅幼女「お、おう...そうなのか...」

ランプの魔人「今日はお前に用事があってな、少し寄らせてもらった」

紅幼女「え?用事?」



ランプの魔人「...願いを叶えてやろう」

紅幼女「へ?」



紅幼女「きゅ、急にどうしたんだ?」

ランプの魔人「いいからさっさと願いを言え、私の気が変わらんうちにな」

紅幼女「えぇっ!?そんな急に言われたって...」


ランプの魔人「はいごーよんさん」


紅幼女「分かったから!よし決めた!」

紅幼女「私の願いは>>753だ!」

いろんなやつと友達になりたい

紅幼女「いろんなやつと友達になりたい!」

ランプの魔人「なれば?」



シーーーーン



紅幼女「...」

ランプの魔人「...」


紅幼女「いや...願い叶えてくれるって言ったじゃん...叶えてよ...」

ランプの魔人「願いというものは具体性があって初めて成立するんだよ。なんだそのお願い、ふざけてんのか」

紅幼女「えぇ...」



ランプの魔人「...はぁ、まあ仕方ない。叶えてやる」

紅幼女「えっ!?本当か!?」

ランプの魔人「ほら、この紙の住所に行ってこい。ここにお前と友達になる予定のやつがいるはずだ」ペラッ

紅幼女「なんだここ?一体誰が居るんだ?」

ランプの魔人「行ってみてからのお楽しみだ。行かないなら返してもらうぞ」


紅幼女「わーっ!分かった分かった!行ってくる!」バサッ




ランプの魔人「...行ったか」

ランプの魔人「まだ少しあいつと会わせるのは早いと思うが...紅幼女はクロちゃんの黒化を2回も受けてるからな。相性はそこまで悪くないはずだ」

ランプの魔人「あとは紅幼女の明るさと馬鹿加減が何とかしてくれるだろ...」

ランプの魔人「よし、これで借りは返したな。家に帰るか」スタスタ

スタスタ スタスタ



ランプの魔人「...」


ランプの魔人「この町に来てから色んなことがあったな」


ランプの魔人「ダーリンと出会ったり、少女と再会したり...雪女を見つけたり」

ランプの魔人「機械男やプレデター...あと魔界組とかいう世界観がよく分からんやつらもいたな」

ランプの魔人「犬娘といい兎娘といい、この世界の獣人は変なやつらしかいなかったな...」

ランプの魔人「黒少女が初めて出てきた時は驚いた...敵かと思ったらまさかの聖人だもな」

ランプの魔人「蒼翠紅...三色カラー幼女はどいつもこいつもめんどくさいやつだった。というかこの世界の龍はなぜ人間の幼女の姿しかしてないんだ...?」


ランプの魔人「だが...」


ランプの魔人「悪くないのかもな、このめちゃくちゃな町も」

ランプの魔人「さーて、今日も誰かの願いを叶えてやるか」

ランプの魔人「...もちろん有料だがな!」






ほんとのほんとにおわり

はい本当に終わりです
この酉でSS書くのはもうないと思います
糞長い長編になってしまいましたが最後まで読んでくれて本当にありがとうございました

あと最後に今まで書いたもの置いて行きます
微妙に繋がってる部分がいくつかあると思うのでよかったら読んでやってください


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おつおつー
そんなこと言わずに次は兎娘編でもやってくれよ!

ほんとに乙!
このシリーズ好きだなあ

もし小説家になろうやカクヨムにアカウントがあったら教えてください

>>760
兎の方は構想はあったんですが...どうしても犬猫メインになりがちなのでボツになってしまいました
自分も新年度が始まって書く時間が取れなくなってしまったのが残念です
>>761
他のところの垢は持ってないですねごめんなさい


ということで依頼出してきます
読み直して見ると誤字が多かったり、展開に無理があったり結構荒いところがいくつもありました
未完にならずに終われたのが奇跡だったと思います
1年以上も追ってくれた方やレスや安価をくれた方々、本当にありがとうございました

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