猫娘「にゃーん...」幼女「捨て猫...?」 (772)

犬娘「くぅーん...」幼女「捨て犬...?」
犬娘「くぅーん...」幼女「捨て犬...?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420987358/)


の続編的な何か

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424882396

前回のあらすじ




犬娘「チクショオオオオオオ!くらえ兎ちゃん!新必殺音速火炎斬!」

兎娘「さあ来い犬ちゃん!私は実は一回刺されただけで死ぬよォォ!」


ザン


兎娘「グアアアアアア!こ、このザ・こころぴょんぴょんと呼ばれる四天王の兎が...こんな犬に...バ、バカなアアアアア!」



ドドドドドドド

グアアアアアアア


狐娘「兎がやられたようじゃな...」

狼男「フフフ...やつは四天王の中でも最弱でござる...」

狸娘「犬ごときに負けるとは四天王の面汚しやね...」


犬娘「くらえええええええ!」


ズサ


狐娘 狼男 兎娘 「「「グアアアアアアア!!!」」」


犬娘「やった...ついに四天王を倒したよ...これで猫ちゃんのいる猫タワーの扉が開かれる!!」

ギイイイイイイイイイ


『よく来たニャ犬...待っていたニャ...』

犬娘「!?」


犬娘(こ...ここが猫タワーだったんだ...!感じる...猫ちゃんの魔力を...!)


猫娘「犬よ...戦う前に1つ言っておくことがあるニャ」

猫娘「お前普通にコーヒーとかチョコとか食ってたけど」


猫娘「あれ犬には猛毒ニャ」

犬娘「な、何だって!?」


猫娘「まあ半分人間ということでセーフだとしてもそれだとネギが食えないのは色々おかしかったり...まあどうでもいいニャ」


猫娘「あとは私を倒すだけだニャ...クックック...」


犬娘「フ...上等だよ...私も1つ言っておくことがある」

犬娘「猫も普通は魚って体に悪いんだよ!」

猫娘「そうかニャ」


犬娘「ウオオオいくぞオオオ!」


猫娘「さあ来いニャ犬!」




犬娘の勇気が世界を救うと信じて...!




あらすじおわり

はいメチャクチャ遅れてごめんなさい
ちなみに今日の更新これだけです
マジでごめんなさい

幼女「...」スタスタ



幼女(...犬が家に来て1ヶ月近くが過ぎた)

幼女(最初はどうなるかと思ったけど意外とこの生活に慣れる...)



幼女(なんてことはなかった)



幼女(週一で狐狸コンビは来るわ...猫と兎が喧嘩を売りに来るわ...)

幼女(狼が来て徹夜でどんちゃん騒ぎのゲーム大会をしたときはマジでキレそうになった)


幼女(そして今は晩ごはんの買い物の帰り道...)

幼女(あいつ肉がないとうるさいからな...もうすぐ仕事から帰ってくる時間だしさっさと作らないと)



ニャー ニャー



幼女「ん?どこからか猫の鳴き声が...」

幼女「可哀想に...どこかで猫でも捨てられたのかな...」


幼女「」ゾクッ


幼女「な、なんだろう...捨てって言葉を聞くと何だか寒気が」

幼女「...絶対あいつのせいだ」



ニャー ニャー



幼女「...はぁ、探すか」スタスタ









ニャー ニャー



幼女「うーん...ここら辺から鳴き声が聞こえてるんだけど...」



ニャー ニャー



幼女「あっ!多分あそこの角を曲がったところだ!」ダッ

ニャー ニャー



幼女「あれ?いない...」キョロキョロ

幼女「ん?あそこの電柱の側...ダンボールみたいな物が見える...」

幼女「やっぱり捨て猫か、可哀想に」

幼女「まったく動物を捨てるやつは天国には行けないんだから...」


幼女「...」


幼女「それでこれからどうしよう...猫を飼うにしてもうちにはウザい犬が居るし...」

幼女「でもこのまま見捨てるのも...」


ニャー ニャー


幼女「...飼い主が見つかるまでの間ぐらいは飼ってもいいよね」ダッ


幼女(ふふっ...どんな猫なのかな?白猫?黒猫?)

幼女(ポヨみたいな丸猫もいいなぁ)

幼女(まあどんな猫でも可愛いんだけどね)バッ






猫娘「にゃーん...」





幼女「捨て猫...?」

猫娘「にゃーん...」



幼女(あ、あれ...猫ってもっと小さくて毛が生えてるんだけど...)

幼女(それにこいつ猫というよりもどちらかと言えば猫のコスプレをした人間...)

幼女(というかあの猫だよね?メイド喫茶とか無人島とかで一緒に居た)




猫娘「にゃー...ん?」ピクッ



幼女(や、やばい...気付かれた)

幼女(に、逃げよう!厄介なことに巻き込まれないうちに!)ダッ




猫娘「待てニャ」グイッ



幼女「ぐえっ」ググッ




猫娘「見つけた瞬間に逃げるなんて失礼ニャ」ギュー

幼女「ご、ごめんなさい!分かったら離して!首絞まる!」バンバン

幼女「ゲホッゲホッ...ち、力だけは強いやつらめ」

猫娘「何か言ったかニャ?」

幼女「な、何も」



幼女「あの...それで何でこんなところに?」

幼女「ダンボールの中に入って...まるで捨て猫みたい...」

猫娘「うむ、よくぞ聞いてくれたニャ」


猫娘「実は家をなくしてしまったんだニャ...今日から捨て猫生活ニャ...」ズーン


幼女「は?」

幼女「...確か家ってあの豪邸でお金持ちじゃなかったっけ?」


猫娘「脱法マタタビの所持がバレて警察に財産を没収されたんだニャ...」

猫娘「家も売り払われて生活に最低限の物しか持ってないないニャ...当然お金も無一文ニャ...」



幼女「...」


幼女(自業自得じゃん)

幼女「そ、そうなんだ。大変だね」

幼女「じ、じゃあ私は晩ごはんの準備があるから」スタスタ



猫娘「待てニャ」ガシッ



幼女「...離して」



猫娘「拾ってくれニャ」



幼女「...嫌」



猫娘「お金はバイトの給料を入れるニャ。食事と寝床を提供してくれれば文句はないニャ」



幼女「...ダメ」



猫娘「どうしても?」



幼女「...どうしても」



猫娘「...」



幼女「...」




猫娘「なぜニャ!!!!!お金はあげるって言ってるニャ!!!!!」


幼女「うちにはもうウザい犬が居るの!!!!猫を飼う余裕はありません!!!!」

猫娘「一人も二人も変わらないニャ!!!!」


幼女「変わるわ!!!!単純にストレスが二倍になるわ!!!!」


猫娘「そもそも元は拾う気で見にきたくせにズルいニャ!!!!最後まで責任取れニャ!!!!」


幼女「普通の猫だったらそうだけど獣人はもうお断り!!!!」


猫娘「あー!猫差別ニャ!!!!犬だけ優遇してズルいニャ!!!!」


幼女「私はどちらかと言うと猫派ですよーだ!!!!」



幼女「分かったら離して!」ダッ



猫娘「あっ!待てニャ!」




幼女「さようならぁ!!!いい飼い主を見つけてね!!!!」ダダダッ




猫娘「待てにゃあああああああああああああ!!!!見捨てるにゃあああああああああああああ!!!!」

.............................................................
..............................................


幼女「ぜぇ...ぜぇ...」

幼女「な、何とか逃げ切った...」


幼女「...」


幼女「...財産を没収されたのは可哀想だけど自業自得だし」

幼女「それにうちはもう犬が居るから猫を飼う余裕はないから仕方ないよね」


幼女「まあそのうち犬がやった手口みたいに勝手に飼い主を見つけるでしょ...私みたいに」

幼女「さ、早く帰ってご飯作ろ」スタスタ






猫娘「...」ポツーン






幼女「なぜあいつが家の前に...」

幼女「そ、そうだった...私の家を知ってたんだっけ」

幼女「どうしよう、帰れない...」

幼女「多分家を開けた瞬間に犬がやったみたいに帰巣魔法をぶちかます気なんだ...」


幼女「う、うぅ...どうしよう...」



幼女「...はっ!そうだ!」ガサゴソ

幼女「あ、あった!これを使えば!」











猫娘「ククク...家を特定してるのを忘れてもらっちゃ困るニャ」

猫娘「帰ってきた瞬間に帰巣魔法をぶちかましてやるニャ!」

猫娘「少し強引な手だけど仕方ないニャ。こっちも生活かかってるニャ」


猫娘「早く帰ってこないかニャー♪」






ポーン





猫娘「...ニャ?あそこに何か落ちてるニャ」

猫娘「さっきまでなかったのに...何か怪しいニャ」

猫娘「...でも気になるニャ。少し見てくるニャ」スタスタ


幼女(やった!釣れた!)



猫娘「一体何ニャこれ」ヒョイッ

猫娘「ニャッ!?こ、これは...!」



カニカマ『』ドーン



猫娘「にゃああああああああああ!!!!カニカマにゃああああああああああああ!!!!」ピョンピョン



幼女(やっぱり好物なんだ...)



猫娘「にゃああ、幸運ニャ。こんなところにカニカマが落ちてるなんて」クシャクシャ

猫娘「いただきますニャ!」パクッ

猫娘「ニャーン♪やっぱりカニカマは美味しいニャ♪」モグモグ




ダッ



ガチャ



カチッ



ガシャン




猫娘「...ニャ?」

猫娘「にゃ、にゃあああああああああああああ!!!!しまったにゃああああああああああああ!!!!」ガーン

猫娘「開けろおおおおおおおおお!!!!開けてくれにゃああああああああああああ!!!!」



ドンドン ドンドン



幼女「...ほっ」

幼女「カニカマに夢中になってる隙に家に帰る作戦成功...まさかこんなに上手く行くとは思わなかった」

幼女「おかげで今日のサラダに使うカニカマがなくなっちゃったけど...安いもんか」


幼女「後は犬にこのことを連絡して外に居る猫をなんとかしてもらおう」ポチポチ



ガチャ



犬娘「ご主人様ただいまー♪」


幼女「あっ、ちょうどいいところに...」




幼女「...えっ」

幼女「い、今帰ってきたの...?」

犬娘「うん、そうだよ!今日いっぱい働いて疲れちゃったよ!」

幼女「お、表に猫とか居なかった?」


犬娘「あぁ...それなら...」


猫娘「」ヒョコッ


犬娘「今日一緒に晩ごはんを食べるんでしょ?家の前に居たから連れてきたよー」


幼女「!?」


幼女「ち、違う!そんな約束してない!!!本当は...!」




猫娘「もう遅いニャ!!!!帰巣魔法発動!!!!」ピカッ




猫娘「はっはっはっは!やったニャ!これで私もこの家のファミリーニャ!」


幼女「あ、あぁぁぁぁ...」ガクッ




犬娘「...へ?」

今日はここまで

..........................................................
............................................


幼女「...」


犬娘「...」


猫娘「ニャ~ニャニャ~♪」ルンルン



犬娘「...つまりこういうこと?」

犬娘「猫ちゃんと晩ごはんを食べる約束は猫ちゃんの嘘でこれから猫ちゃんもこの家一緒に暮らす...と」


幼女「うん...」



犬娘「...」





犬娘「オラァ!!!!出てけや糞猫がァ!!!!!」

猫娘「出ていくわけねぇニャwwwwwwwお前が出てけニャwwwwwww」

犬娘「お前が居ると獣臭いんだよォ!!!!三味線にするぞッ!!!!」

猫娘「それお前の臭いニャwwwwwwwちゃんと風呂入れニャwwwwwww」



幼女「はぁ...」

犬娘「そもそもここは私の家なんだけど!?勝手に横取りするのやめてくれないかなっ!?」

猫娘「お前だって同じ手を使ったニャ。幼女も迷惑してるニャ」

犬娘「私がそんなことするわけないじゃん!!!!ご主人様はよろこんで私を受け入れてくれたよ!!!!」



犬娘「ねっ!?ご主人様!」


幼女「いえ、迷惑してます」



犬娘「」



猫娘「ほら見てみろニャ」



犬娘「ぐ、ぐぬぬ...で、でも!私は嘘はついてないよ!」

犬娘「嘘までついて家の中に入るなんて最低だよ!!!!」


猫娘「生きるためなら何だってやるニャ。それが自然界のルールニャ」フフン



幼女(...いやお前も最初は黙って猫被ってたじゃん)

犬娘「とにかく!私は猫ちゃんと暮らす気なんてないからね!」

犬娘「今すぐ出て行って!!!!」


猫娘「だってもう帰巣魔法はかけちゃったニャ~♪解除しない限りここは私の家ニャ~♪」


犬娘「く、くそがぁ...」バンバン


幼女「ねぇ...その帰巣魔法って無理矢理外すこととか出来ないの?」

犬娘「実力が上の人なら出来るけど私には無理...」

犬娘「魔力に関しては猫ちゃんの方が上だからね...力なら私の方が上なんだけど...」


犬娘「あぁ...こんなことならもっと魔法勉強すれば良かったぁ...」ズーン


猫娘「ニャハハハハハハハ!まあ新しい家が見つかったら出て行ってやるニャ!」



犬娘「くそぅ!こうなったら実力で追い出してやる!」

猫娘「お?やるかニャ?久しぶりにバトるかニャ?」



幼女「喧嘩はやめてよ...」

犬娘「オラァッ!炎魔法!」ボォォ

猫娘「ニャァッ!水魔法ニャ!」ジャー



幼女「やめろって言ってるだろうがぁっ!!!家がメチャクチャになる!!!」



ゴツン ゴツン



犬娘「い、痛い...何も殴らなくても」

猫娘「お、おうふ...効いたニャ...」


幼女「とにかく...なってしまったからには仕方ない...しばらくは家に住ませてあげる」


猫娘「ニャー!やったニャ!」

犬娘「う、うそっ!?ご主人様本気!?」


幼女「ただしあくまで居候だからね!家が見つかったらそこに住むこと!」


猫娘「ニャ~♪善処するニャ」

犬娘「ぐぬぬ...」

グゥー


猫娘「ニャ、安心したらお腹減ったニャ」

犬娘「...私も」


幼女「そういえば晩ごはん作る前だっけ...今から作るから待ってて」スタスタ


猫娘「ニャー!朝から何にも食べてないから楽しみニャ!」


犬娘(...デジャヴを感じる)









トントン ジュージュー



幼女「はいお待たs...」



犬娘「ちょっと!この時間は7チャンを見るって決まってるの!」ピッ

猫娘「そんな番組つまんねぇニャ!10にするニャ!」ピッ



幼女「今度はリモコン争奪戦か...」

犬娘「ここは私の家なんだよ!私の方がテレビを見る権利があるの!」ピッ

猫娘「お前も居候のくせに図々しいニャ!少しは遠慮しろニャ!」ピッ


幼女(それは言えてる)



幼女「はいはい、喧嘩するなら私が見るから」ピッ


TV『では次のニュースです。太平洋沖で行方不明だった黒人さんが漂流しているのが発見されました...』


犬娘「あっ!ご主人様ズルい!」

猫娘「NHKなんてつまんねぇニャ!バラエティにするニャ!」


幼女「受信料払ってるんだから文句言わないの」

幼女「はい晩ごはん出来たよ」ゴトッ



犬娘「おぉ!今日はハンバーグか!」

猫娘「...」


犬娘「いただきまーす!」ガツガツ

猫娘「...」


幼女「あれ?食べないの?」モグモグ


猫娘「魚がないニャ...」ズーン


幼女「えぇ...」

猫娘「魚がないと食欲がわかないニャ...食べる気しないニャ...」ズーン

幼女「えぇ...だって今日ハンバーグだし魚なんてないよ...」


犬娘「まったく猫ちゃんはワガママだねぇ」ズズー


幼女(お前も肉がないとうるさいだろ)


猫娘「魚が欲しいニャ...何でもいいニャ...」

幼女「でもカニカマはもう使っちゃったし...」


犬娘「ご主人様戸棚にアレがあったでしょ」

幼女「アレ?」



犬娘「鮭のふりかけ」



猫娘「ニャ!?」ピクッ


猫娘「それでいいニャ!今すぐちょうだいニャ!」フリフリ


幼女(ふりかけでいいのか...)

幼女「はいふりかけ」


猫娘「ニャ!サンクスニャ!」パッパ

猫娘「ニャーン♪やっぱり鮭は美味しいニャ♪」モグモグ


犬娘「猫ちゃんは単純だねぇ」ズズー


幼女(お前が言うな)


猫娘「ハンバーグにもふりかけをかけるニャ」パッパ

猫娘「ではいただくニャ!」パクッ



猫娘「...」モグモグ


猫娘「...」ゴクン


猫娘「...」



幼女「ん?どうしたの?」

猫娘「...」

幼女「もしかして口に合わなかった?」



猫娘「」バタッ



幼女「!?」ビクッ

幼女「た、倒れたっ!?」


犬娘「あーやっちゃったかー」モグモグ

幼女「や、やっちゃった!?何を!?」

犬娘「ご主人様私のハンバーグにだけタマネギ抜いたでしょ?」

幼女「う、うん...いつも通りにそうしたけど」

犬娘「猫も犬と同じでタマネギって食べちゃ駄目なんだよー」


幼女「う、うそっ!?」


犬娘「まあ仕方ないね。気付かなかった猫ちゃんも間抜けだし」モグモグ

幼女(...お前も最初タマネギ食って血吐いてただろ)



猫娘「ニャ、ニャアア...タマネギの存在を忘れてたニャ...」ピクピクッ

猫娘「し、死ぬぅ...赤血球が破壊されるニャ...」ピクピクッ



幼女「ど、どうしよう...救急車?それとも動物病院?」オロオロ

犬娘「そんなに慌てなくても大丈夫だよ?一晩寝たら治ると思うし」モグモグ

犬娘「あ、ご主人様ご飯おかわり」スッ


幼女(...結構呑気だな)

~~~~ 1時間後 ~~~~


猫娘「ニャ!治ったニャ!」


幼女「よ、良かった」ホッ

犬娘「チッ...一時間か。結構早かったね」


猫娘「これからは気を付けて欲しいニャ!最悪死んじゃうニャ!」

幼女「ご、ごめん」


幼女(...え?これ私が謝るの?)



猫娘「幼女にはもっと猫を知ってもらわなきゃいけないニャ!これを見るニャ!」バンッ



『チーズスイートホーム』 『ポヨポヨ観察日記』 『キジトラ猫の小梅さん』



幼女「...なにこれ」



猫娘「私がオススメする猫漫画ニャ!」

猫娘「これを見てもっと猫のことを勉強するニャ!」

幼女「...財産没収されたのにどうして漫画持ってるの?」

猫娘「これは布教用の教材なのでセーフニャ!」


猫娘「ちなみにチーズスイートホームとポヨポヨ観察日記はアニメ化もしてるニャ」スッ

猫娘「どちらも5分アニメで見やすいニャ!それにOPが癖になるニャ!」



幼女「...これってステm」



猫娘「違うニャ!宣伝ニャ!」

猫娘「いいから見るニャ!猫漫画はすごく面白いニャ!」


幼女「分かったよ...見ればいいんでしょ...」



犬娘「ちょっと!ご主人様に変な宗教紹介しないでよ!」

猫娘「うるせーニャ!早い者勝ちニャ!」

............................................................
...........................................


幼女「...」ペラペラ

幼女「...」ポン


幼女「ふぅ...見終わった」


猫娘「どうニャ?どうニャ?面白かったニャ?可愛かったニャ?」

幼女「うんまあ面白かったし可愛かったけど...」

猫娘「けど?」


幼女「...これ本物の猫だし、獣人ってどちらかというと人間だし」


猫娘「ニャッ!?」グサッ

猫娘「ひ、酷いニャ...気にしてたのに...」シクシク


犬娘「へへーんだ!やっぱり犬が一番だよね!」

犬娘「そうでしょ?ご主人様!」


幼女「いや私どちらかと言うと猫派」


犬娘「うそっ!?」グサッ

犬娘「う、うぅ...何となくそんな気してたけど...してたけどさ...」シクシク



幼女「あーあ、漫画読んでたらもうこんな時間だ...寝るか」スタスタ

幼女「じゃあおやすみ~」スタスタ



犬娘「...私も寝よっかな、明日も早いし」

猫娘「ニャ、私は明日も休みニャ」

犬娘「どうして?」

猫娘「店長に新しい家を探すから休みをくれと行ったら三日もくれたニャ」

犬娘「私は二日しか貰えなかったのに...」


猫娘「まあいいニャ。私もそろそろ寝るニャ」

猫娘「ところで私の部屋はどこニャ?」


犬娘「えっ?知らないよ?」


猫娘「...ニャ?」







幼女「え?部屋?」

猫娘「そうニャ、私の部屋はどこニャ?」

幼女「でももう飽きの部屋はないし...犬と一緒の部屋使ったら?」


猫娘「ニャッ!?」

猫娘「そ、そんなの嫌ニャ!私も自分専用の部屋が欲しいニャ!」

幼女「じゃあお風呂で寝る?」

猫娘「ニャ、ニャニャ...それは嫌ニャ」


幼女「ないもんは仕方ないからね。今度こそおやすみ」バタン


猫娘「にゃあ...」






犬娘「えぇ...猫ちゃん私の部屋で寝るの?」

猫娘「こっちだって嫌ニャ...でも部屋がないニャ...」

犬娘「リビングで寝ればいいじゃん」

猫娘「何か行儀が悪いニャ」


犬娘「一々細かいことを気にするんだから...」





犬娘「ここが境界線だからね!ここから先は入っちゃ駄目だよ!」

猫娘「それはこっちのセリフニャ」


犬娘「じゃあ電気消すからね」カチッ

...........................................................
............................................


チッ チッ チッ チッ チッ



猫娘「Zzz...」スヤスヤ


猫娘「ごろにゃあ...」スヤスヤ



ブンッ



猫娘「ぐえっ」ドスッ

猫娘「な、なんニャ!?何かに腹パンされたニャ!」ガバッ



犬娘「Zzz...」ノビー



猫娘「こいつかニャ...」

猫娘「寝相悪すぎニャ...境界線なんて関係なく踏み越えてるニャ」


猫娘「お返ししてやるニャ!」ブンッ



犬娘「Zzz...」サッ



猫娘「!?」



犬娘「Zzz...」ブオンッ



猫娘「ニャーーーーー!!!!」ボコッ


犬娘「Zzz...」スヤァ



猫娘「ニャ....カウンターなんてズルいニャ...」ピクピクッ

猫娘「だ、駄目ニャ...ここに居たら殺されるニャ...幼女の部屋に避難ニャ」ソロソロ



犬娘「Zzz...」ユラッ



猫娘「ニャッ!?」ビクッ



犬娘「Zzz...」ダッ



猫娘「ニャ、ニャーーーー!!!こっちに来るニャアアアアアアアアアア!!!!」ダッ


ガチャ


バタン


猫娘「ニャアアアア...!」グッ


ドンドン ドンドン


猫娘「な、なんで寝てる癖に起きたり走ったりドア叩いたり出来るニャ...!」グッ


シーン...


猫娘「にゃああ...やっと静かになったニャ」ホッ



ドンッ!!!!!



猫娘「」ビクッ

猫娘「は、早く幼女の部屋に避難するニャ!」ダッ

猫娘「幼女!開けてくれニャ!部屋に避難させてほしいニャ!」ドンドン


シーン


猫娘「にゃああ...起きないニャ」

猫娘「こうなったら無理矢理部屋に入らせて貰うニャ!」ガチャ


グッ


猫娘「...鍵がかかってるニャ」

猫娘「これ多分犬対策ニャ...自分だけズルいニャ...」


猫娘「ちょっと強引だけど一度ドアを外すニャ!後でくっ付ければ問題ないニャ!」



ドーン



猫娘「魔法でペタペタっと」ピカッ

猫娘「にゃっ...これで避難完了ニャ!」



幼女「Zzz...」



猫娘「布団が一個しかないニャ」

猫娘「仕方ないニャ。お邪魔させて貰うニャ」ゴソゴソ


猫娘「おやすみニャー♪」

..........................................................
.............................................


チュンチュン


幼女「うーん...うーん...」

幼女「はっ!」ガバッ


幼女「な、何だろう、胸がチクチクする夢を見た」ハァハァ



スースー スースー



幼女「ん?寝息?」



猫娘「にゃああ...」フミフミ



幼女「な、何で私の隣で寝てるんだろ」

幼女「...あっ、さては犬のやつまた暴れたな...鍵をかけておいて良かった」

幼女「言うの忘れてたな...これからは私の部屋で寝させないと」



幼女「は、起きるか」スタッ

幼女「えーっと今日の朝ごはんは...三人分作らないと。ネギ抜きで」ガチャ


ガタッ

グラッ


バターン


幼女「...どうしてドアが外れるんだ」

今日はここまで

............................................................
..............................................


犬娘「ふわぁ...おはよう...」ウトウト


幼女「ん」ジュージュー


犬娘「ねみぃ...何か寝たのに疲れた気分...」ウトウト


幼女「もうそろそろ朝ご飯が出来るから猫ちゃん起こしてきて」ジュージュー


犬娘「了解...あれ?猫ちゃんどこ?」キョロキョロ


幼女「私の部屋」


犬娘「!?」


犬娘「ご、ご主人様の部屋!?ど、どういうこと!?」

犬娘「ま、まさかご主人様...」



犬娘「猫ちゃんと寝たのっ!?」



幼女「その言い方やめろ」

犬娘「ちゃんと説明してよ!大事なことなんだから!」

幼女「いいから早く起こしてきて、朝からうるさい」

犬娘「駄目だよ!これは私達の問題なんだから!」

幼女「早く行かないと朝ご飯にこっそりネギ入れるぞ」


犬娘「いってきます!」ダッ






コンコン


犬娘「猫ちゃーん!朝だよー!朝ご飯だよー!」


シーン


犬娘「出てこない...仕方ない。直接起こすか」ガチャ


ガタッ


バターン


犬娘「...」

犬娘「わ、私が壊したんじゃないからね!」




犬娘「ほら猫ちゃん、朝だよ」ユサユサ

猫娘「Zzz...」

犬娘「いい加減起きろ」ユサユサ

猫娘「Zzz...」


犬娘「お、起きない」

犬娘「仕方ない...無理矢理起こすか」

犬娘「どんな起こし方にしよっかなー♪出来るだけインパクトが強いやつがいいなー♪」


犬娘「...そうだ!」


犬娘「猫ちゃんが大嫌いなアレで起こそう!」






犬娘「ご主人様ー!掃除機借りるねー!」

幼女「掃除機?掃除でもするの?」

犬娘「うんまあそんなところ」






犬娘「よいしょっと!」ガタッ

犬娘「ふぅ...準備完了!後はスイッチを入れるだけだね!」


猫娘「Zzz...」


犬娘「スイッチオン♪」カチッ



ブオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!

犬娘「オラオラァ!朝だぞ起きろォ!」



猫娘(...にゃああ、何かうるさいニャ)

猫娘(こっちは気持ちよく寝てるのに...一体何の音ニャ?)


ブオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!


猫娘「ニャッ!?」ビクッ

猫娘「こ、この音は掃除機かニャ!?」ガバッ


犬娘「フハハ!そうだよ猫ちゃん!猫ちゃんが大嫌いな掃除機の音だよ!」


猫娘「ニャ、ニャアア!!!!それを私に近付けるんじゃないニャアアアアアアアアアア!!!!」ビクビク


犬娘「ほらほら近付けちゃうぞぉ...」



ブオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!



猫娘「ニャアアアアアアアアアア!!!!怖いニャアアアアアアアアアア!!!!」ビクビク



犬娘「さあ怯えろ!絶望しろ!泣き喚け!フハハハハハハ!!!!」





幼女「アホなことやってるんじゃない」ボコッ

犬娘「いてっ」

犬娘「いたた...」サスサス


幼女「何か変な悲鳴が聞こえてきたと思ったら...一体何してるの?」

犬娘「い、いや...猫ちゃんの嫌いな掃除機の音を聞かせて起こしたらすぐに起きるかなと思って」


ボコッ


犬娘「痛っぁー!?」



幼女「変な起こし方するな」



猫娘「ニャアア!怖かったニャー!」ダキッ

幼女「可哀想に...よしよし」


犬娘「!?」

犬娘「ズ、ズルい!私もよしよしして!」



幼女「さあ、朝ご飯食べに行こうか」スタスタ

猫娘「にゃああ...」シクシク



犬娘「...」ポツーン

.............................................................
................................................


犬娘「あー食った食った!」

猫娘「ごちそうさまニャ」


犬娘「ご主人様!食後の散歩に行こうか!」


幼女「もう遅いからパス」


犬娘「えぇー遅いってまだそんな時間じゃ...」

犬娘「うそっ!?もうこんな時間!?」


犬娘「い、急いで準備しないと!」ダッ


ドタバタ ドタバタ


犬娘「じゃあご主人様いってきます!」ダッ




猫娘「騒がしいやつニャ」

幼女「...もう慣れた」

猫娘「幼女は学校に行かなくていいのかニャ?」

幼女「クラスで熱とかゆみが止まらない謎の病気が流行って学級閉鎖中」

猫娘「...何か怖い話ニャ」




猫娘「じゃあ犬も居なくなったことだし二人でゲームでもするニャ」

幼女「猫は散歩とかしないの?」

猫娘「朝っぱらから歩き回るなんてめんどいニャ」

幼女(...猫って楽だな)



猫娘「おぉ!すげぇニャ!最新のゲーム機ニャ!」キラキラ

幼女「一度壊れたから買い直したけどね...」

猫娘「ニャ!このソフトやりたいニャ!」

幼女「うん、じゃあこれにしようか」スッ




猫娘「うおおおおおおおおおお!!!!死ねニャアアアアアアアアアア!!!!」ポチポチ


幼女「くっ...この...」ポチポチ



幼女(あれ?何だかすごく楽しい...)

..........................................................
.........................................


猫娘「ニャッ!ニャッ!」ポチポチ


ボーン ボーン


猫娘「...ニャ?もうお昼ニャ」

幼女「え?あ、本当だ...」


幼女「ちょっと遊び過ぎちゃったね...今すぐお昼の準備するから」スタスタ


猫娘「ちょっと待ってくれニャ。どうせなら外食しないかニャ?」

幼女「外食?」

猫娘「私が奢るニャ!」

幼女「でもお金...」

猫娘「安心するニャ!ただで食べ放題の場所があるニャ!」

幼女「ただで食べ放題...?」












猫娘「ここニャ!」バーン


幼女「...もしかしてここって」


猫娘「そうニャ!川ニャ!」

今日はここまで

うぇぇごめんさない今日は更新できないです

幼女「川って...」

猫娘「ここは自然のパラダイスニャ!どれだけ食べても無料ニャ!」

幼女「まあ確かにそうだけどさ...」


猫娘「さあここで釣りをするニャ!」


幼女「...釣り竿は?」


猫娘「これを使うニャ」ガサゴソ

猫娘「じゃんじゃじゃーんニャ!伸縮自在釣り竿~!」


釣り竿『』ショボン


幼女「...すごく小さいんだけど」


猫娘「ニャ、これは伸ばすことが出来るニャ」

猫娘「それニャ!」グイッ


ビューン


幼女「おぉ、すごい伸びた」

猫娘「二つあるから幼女に一つ貸すニャ」

幼女「私釣りなんてしたことないんだけど...」

猫娘「簡単ニャ。私が全部教えてあげるニャ」

猫娘「まず餌を釣り竿に付けるニャ」

幼女「餌?」

猫娘「そこら辺に飛んでるやつを捕まえればいいニャ」ヒョイッ

猫娘「ほら捕まえたニャ」


ハエ『』バタバタ


幼女「!?」

幼女「む、無理!!!!絶対無理!!!!」ブンブン


猫娘「幼女は虫も触れないのかニャ?そんなんじゃ世の中生き残れないニャ」

幼女「生き残れなくていいよ!私人間だもん!」

猫娘「仕方ないにゃあ...私が付けてあげるニャ」



猫娘「次は釣り竿を川に向かって投げるニャ」ブンッ


ポーン


幼女「こ、こう?」ブンッ


ポーン


猫娘「後は獲物が引っかかるまで待つのみニャ」

幼女「...」

幼女「え?これずっと待つの?」

猫娘「そうニャ」

幼女「...どのくらいかかるの?」

猫娘「まあ運ニャ。すぐ釣れる日もあればずっと釣れない日もあるニャ」

幼女「...」




幼女「ところで気になってたんだけど...この釣り竿って結構高いよね?」


猫娘「大したことないニャ。ざっと30万くらいニャ」


幼女(30万っ...!)

幼女「...没収されなかったの?」

猫娘「これがないと生活出来ないニャ。警察もこれは許してくれたニャ」

幼女「そ、そうなんだ」




猫娘「中々来ないニャ~」

幼女「...退屈」

猫娘「まあ我慢するニャ。これが釣りの醍醐味ニャ」

幼女「魔法とかでぱぱっと出来ないの?」


猫娘「出来るけどそれがどうかしたニャ?」


幼女「おい」

猫娘「そもそもこの釣り竿は魔法道具ニャ。魔力を込めると自動で魚を釣ってくれるすごい道具ニャ」

幼女「なら最初からその機能使ってよ. ..虫とかいらないじゃん...」

猫娘「そんなので釣ってもつまんねぇニャ」

幼女「じゃあ私のだけでいいから魔法で...」



ググッ



猫娘「ニャッ!?幼女の竿引いてるニャ!」

幼女「えっ?」


ググッ


幼女「う、うわぁっ!?」

幼女「ど、どうすれば...!」アタフタ


猫娘「落ち着くニャ!竿を引きながら糸を巻くニャ!」


幼女「い、糸を巻くって何!?私、どう森くらいでしか釣りなんてしたことないから分からない!」アタフタ


猫娘「あぁ!このままだと逃げられるニャ!」

猫娘「仕方ない!魔法を使うニャ!」ピカッ


グイッ クルクル グイッ


幼女「さ、竿がひとりでに動いて...!」

ポーン



幼女「!?」


魚『』ピチピチ


幼女「つ、釣れた...」

猫娘「すごいニャ!大物ニャ!」

幼女「...これは私が釣ったと言えるのだろうか」


ググッ


猫娘「ニャッ!?こっちも来たニャ!」


ググッ


猫娘「こ、これは大物ニャ...!血が騒ぐニャ...!」

幼女「が、頑張れ!」


猫娘「にゃああ...負けてたまるかニャ!」グイッ


ポーン


猫娘「や、やったニャ!釣れたニャ!」



タイヤ『』



猫娘「」

幼女「...確かに大物だね」

猫娘「タ、タイヤって...どうして川にタイヤがあるニャ...」ガーン

幼女「誰かが捨てたのかな?」

猫娘「川に物を捨てるニャ...綺麗にしろニャ...」


ググッ


幼女「あ、また何か来た」

猫娘「きっとまたゴミニャ」



グイッ クルクル グイッ

ポーン



伊勢エビ『』ジタバタ



幼女「...蟹?」

猫娘「ど、どうして川で伊勢エビが釣れるニャ!!!!」


ググッ


猫娘「...はっ!こっちも来たニャ!」

猫娘「今度こそ本物の魚を釣ってやるニャ!」グイッ



ポーン



長靴『』


猫娘「」

幼女「長靴...」

猫娘「ど、どこのどいつニャ!川にタイヤや長靴を捨てたやつは!」

猫娘「今すぐぶっ殺してやるニャ!!!!」

幼女「まあまあ落ち着いて...」


ググッ


幼女「あ、また来た」

猫娘「こっちも来たニャ!」


ポーン


鯛『』ピチピチ

空き缶『』



幼女「おぉ...鯛だ...」

猫娘「またゴミニャ!!!!」



シーラカンス『』ピチピチ

タイヤ『』



幼女「雨の日にしか釣れないやつだ...」

猫娘「二回目っ!?」



スズキ『』ピチピチ

長靴『』



幼女「またお前かー!」

猫娘「...またお前かニャ」

魚の山『』ドーン


幼女「うわぁ...一時間でこんなに釣れた」



ゴミの山『』ドーン


猫娘「あははぁ...川の清掃をしてやったニャ...」


猫娘「うぅ...釣りの腕には自信があったのにこれじゃ恥ずかしいニャ...ビギナーズラックってレベルじゃないニャ...」シクシク

幼女「ま、まあ元気出して」ポン

猫娘「気休めはいいニャ...もう釣り女王の称号は幼女に譲るニャ...」シクシク

幼女(そんな称号いらない)


幼女「と、とりあえずもうお昼過ぎちゃってるしご飯食べようよ!釣った魚を料理して!」

猫娘「...でもそれは幼女が釣った魚ニャ」

幼女「そんなの関係ないよ!」

猫娘「うぅ...幼女は優しいニャ...」シクシク


幼女(何も泣かなくても)

ボォォ


猫娘「もうすぐ焼けるニャ!」

幼女(また焼き魚か...)


ボォォ


猫娘「焼けたニャ!」

猫娘「はい!最初の一口は幼女にあげるニャ!」

幼女「えっ?いいの?」

猫娘「当たり前ニャ!これは幼女が釣った魚ニャ!」

幼女「あ、ありがとう...」


幼女「ではいただきます」パクッ

幼女「...」パクパク


猫娘「美味しいかニャ?」


幼女「...」コクリ


猫娘「そうかニャ!良かったニャ!」

猫娘「じゃあ私も食べるニャ!」パクッ


猫娘「ニャ~♪やっぱり魚は美味しいニャ~♪」パクパク


幼女(...今やっと分かった)

幼女(私、犬より猫の方が向いてる...)

猫娘「ニャ~♪美味しかったニャ!」

幼女「結構量あったね...」ゲプ


猫娘「これからどうするニャ?まだお昼過ぎニャ!」

幼女「...一旦家に戻ろっか」

猫娘「ニャ!またゲームするニャ!」











猫娘「ニャ!ハッ!」ピコピコ

幼女「えいっ!ていっ!」ピコピコ

猫娘「ふぅ...クリアニャ!」

幼女「ハイスコア...犬とやった時よりもスコアが一回りも違う...」

猫娘「やっぱり私たち相性いいニャ!」



猫娘「ふわぁ...少し眠くなって来たニャ...」ウトウト

幼女「布団敷こうか?」

猫娘「お願いするニャ...」


バサァ


幼女「はい、布団」

猫娘「にゃああ...幼女も私と一緒に寝るニャ...」グイッ

幼女「えっ?ちょっ!」


バタッ

猫娘「にゃああ...」ギュー


幼女「ぐ、ぐるじい...」

幼女「ちょ、ちょっと少しだけ離して...」


猫娘「Zzz...」スヤァ


幼女「寝てるし...」

幼女「はぁ...このままだと動けないし私も少し寝よっかな」

幼女「おやすみ...」


ギュー


幼女「ね、寝にくい」












犬娘「あーあ...今日は遅くなっちゃった...」スタスタ

犬娘「猫ちゃんご主人様に変なことしてないかな...ちょっと心配」スタスタ


ガチャ


犬娘「ご主人様ー!ただいまー!」


シーン


犬娘「...あれ?」

犬娘「返事がない...はっ!」

犬娘「ご主人様ー!?どこー!?」ドタバタ


スゥー スゥー


犬娘「む!寝息の音が!」ダッ


犬娘「ご主人s...」



猫娘「Zzz...」ダキッ

幼女「Zzz...」ギュー



犬娘「」



犬娘「...」


犬娘「...」スタスタ


猫娘「Zzz...」


犬娘「...」ガシッ

犬娘「...」スタスタ


猫娘「Zzz...」ズルズル



ガチャ



犬娘「...」ポイッ



猫娘「Zzz...」ドサッ



バタン

幼女「Zzz...」


犬娘「ご主人様起きて!もう夜だよ!」ユサユサ


幼女「...ん」パチッ

幼女「よ...る...?」

幼女「嘘っ!?もうこんな時間!」


幼女「い、今すぐ晩ごはんの準備しないと!」

犬娘「大丈夫だよご主人様!私が作っておくから!」

幼女「え?でも...」

犬娘「今日ぐらい私が作るから!ご主人様はゆっくりしててね!」



トントン ジュージュー


犬娘「~♪~~♪」


幼女「あ、あいつが自分で料理を作るなんて珍しい」

幼女「ん?そういえば確か...」



幼女「ねぇ、猫がどこに居るか知らない?」

犬娘「」ピクッ


幼女「私と一緒に寝てたはずなんだけど...」キョロキョロ

犬娘「...何言ってるのご主人様?」



犬娘「最初から猫ちゃんなんて居ないよ?」



幼女「えっ」

犬娘「いやだなぁご主人様、怖いこと言わないでよ」

幼女「いやだって昨日の夜に」


犬娘「はい!晩ごはん出来たよ!冷めない内にどうぞ!」ゴトッ


幼女「...」

犬娘「いただきまーす!」


幼女「...もしかして追い出したの?」


犬娘「」ギクッ


犬娘「あ、あー!自分で作ったご飯は美味しいなー!」パクパク

幼女「やっぱり追い出したんだ...」


幼女「ちょっと探してくる」スタスタ


犬娘「ご、ご主人様!?ストップ!ヘルプミー!」



ガチャ



猫娘「Zzz...」



幼女「...」

犬娘「あっ...」

幼女「...どうして猫が外で寝てるの?」

犬娘「あ、あはは...何でだろう」チラッ

幼女「ちゃんと私の目を見て答えて」ギロッ

犬娘「うっ...」ビクッ


犬娘「ご、ごめんなさーい!!!!」ダッ








猫娘「...ニャ」パチッ

猫娘「ふわぁ~...よく寝たニャ」スタスタ


幼女「あ、起きた?ご飯準備出来てるから今温めるね」

猫娘「あれ?犬はどこに居るニャ?」

猫娘「この時間だともう帰って来てるはずニャ」キョロキョロ


幼女「あぁ...それなら...」






犬娘「うぇーん!ご主人様ー!もうしないから家に入れてよー!」

...........................................................
...............................................



ボーン ボーン



兎娘「...」



チッ チッ チッ チッ



兎娘「...」チラッ



ケーキ『兎娘!お誕生日おめでとう!』


『犬娘』

『猫娘』

『幼女』



兎娘「...結局誰も来なかったというわけか!」


コンコン


兎娘「あっ!」パァ


ガチャ


兎ショタ「あ、あの...お姉ちゃん」

兎娘「な、なんだ弟か...」ズーン

兎ショタ「こ、これ...今日の昼間に手紙が届いてたよ...」スッ

兎娘「手紙...?」



『ごめんね。今日は仕事だから誕生日パーティーは無理  犬娘』


『めんどくさいからパスニャ  猫娘』



兎娘「...」グシャ

兎娘「くそぅ...くそぅ...」グシャグシャ


兎娘「で、でも...幼女なら!」


ピロリン♪


兎娘「はっ!幼女からのメールだ!」

兎娘「き、きっと今から誕生日パーティーに来るに違いない!」




『ザンネンユケヌヨウジョ』



兎娘「」

兎娘「...」

兎娘「け、結局...誰も来なかった...」


『フフフ...』


兎娘「はっ!?誰!?」



オズマ『ハッピーバースディー!ハッハッハッハッハ!』


兎娘「誰だよお前!!!!!」




兎娘「うぅ...ちくしょう!!!」ドカーン

兎娘「こんな物!こんな物!」バコーン


兎ショタ「お、お姉ちゃん!誕生日パーティーに誰も来なかったからって暴れないで!」


兎娘「ちくしょう!ちくしょう!」バキッ

兎娘「ちくしょう!!!!」ケーキパクパク


兎娘「何が...何が...」



兎娘「何が誕生日じゃあい!!!!!」



兎娘「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

今日はここまで
3月3日は耳の日ということで兎の日らしいです
だからどうした

~~~~ 翌朝 ~~~~



猫娘「幼女が作るご飯は美味しいニャ」モグモグ

幼女「そりゃどうも」モグモグ


犬娘「...」

犬娘「あ、あの...ご主人様?」


幼女「何?」


犬娘「どうして私の朝ご飯がかまぼこ一個だけなの?」


かまぼこ『』チョビン


幼女「昨日の罰」モグモグ


犬娘「ば、罰って!かまぼこ一個だけじゃ持たないよ!」

犬娘「それに私そこまでかまぼこ好きじゃないし!」


猫娘「かまぼこ美味しいニャ。そんなに嫌いなら私が貰ってやるニャ」ヒョイッ


犬娘「あぁっ!?私の朝ご飯が!!!!」

猫娘「にゃああ、うんまいニャ」モグモグ



犬娘「やいてめぇ!私の貴重な朝ご飯を返せ!!!!」

猫娘「もう食べちゃったから無理ニャ~♪」



幼女(朝から騒がしいなぁ)

犬娘「オラァ!吐けやゴラァ!」

猫娘「ああん?やんのかニャ!」


ワーワー ギャーギャー



幼女「さ、お皿洗おっと」スタスタ



犬娘「ワンコキック!!!!」ビューン

猫娘「猫パンチ!!!!」ブンッ


TV『では今日の誕生日占いです』


犬娘「」ピタッ

猫娘「」ピタッ


TV『今日一番運勢がいい人は...』


犬娘「...」ゴクリ

猫娘「...」ゴクリ


TV『11月生まれのアナタ!』


犬娘「よっしゃああああああああああああああ!!!!!」ガッツポーズ

猫娘「ニャ...ニャアア」ガクッ


TV『今日は絶好調!仕事も学校も幸せな一日になるでしょう!近い内に願い事が叶うかも?』


犬娘「...勝った」ドヤァ


TV『ざんね~ん、今日一番運勢が悪いのは二月生まれのアナタ。家で大人しく過ごした方がいいかも』


猫娘「負けたニャ...」ズーン

犬娘「ふふん、やっぱり犬が一番だね!」

猫娘「ニャ!昨日は私が一位だったニャ!」



幼女「もう仕事と時間だけど行かなくていいの?」ガチャガチャ



犬娘「はっ!そうだ!」

犬娘「えぇっと...荷物...荷物...」キョロキョロ


犬娘「みっけ!いってきます!」ダッ



猫娘「にゃああ...今日は家でゆっくりするニャ」ゴロン

幼女(今日は...って)









犬娘「むーん...やっぱりご主人様のことが心配だな」スタスタ

犬娘「一応今日は誕生日占い一位だけど...何か問題が起きるかもしれないし」スタスタ

犬娘「まさか猫ちゃんと一夜の間違いが...?」


犬娘「あー!もう!どうすればいいのー!」


犬娘「...はっ!そうだ!監視を付けよう!」ピポパ


プルルルルルルルルルル


犬娘「もしもし?私だよー。実はお願いが...」

猫娘「ニャー...暇ニャ」ゴロゴロ

猫娘「幼女~、一緒にゲームやろうニャ~」


幼女「今勉強中だから駄目」カキカキ


猫娘「急に思い出したかのように勉強なんかして...今まではそんなことまったくしなかったのにニャ」

猫娘「あー...暇ニャ。誰か来ないかニャ~」ゴロゴロ


プルルルルルルルルルル


猫娘「ニャ?電話ニャ」

猫娘「もしもしー?誰ニャー?」



猫娘「...ニャッ!?お兄ちゃん!!!!」



幼女(...ん?お兄ちゃん?)ピタッ



猫娘「日本に帰って来たのかニャ!?』

猫娘『うん...うん...今わけあって別の家に住んでるニャ!」

猫娘「ニャ!分かったニャ!住所は...」


猫娘「じゃあ待ってるニャ!」ピッ



幼女(何か嫌な予感が...)ゾー

猫娘「ニャ~♪今日は運がいいニャ~♪」ルンルン

幼女「ね、ねぇ...誰だったの?」


猫娘「私のお兄ちゃんニャ!」


幼女「お、お兄ちゃん?」


幼女「...もしかしてそのお兄ちゃんって今からここに来たり」



猫娘「そうニャ!よく分かったニャ!」



幼女「」ズコー



幼女「な、なんでそういうことを私に言わないで勝手に約束しちゃうの!!!!」

猫娘「ニャ?何で幼女に言わなきゃいけないニャ?」

幼女「だってここ私の家だし!!!!」



猫娘「あ、そういえばそうだったニャ」



幼女「」ズコー

猫娘「まあ約束しちゃったもんは仕方ないニャ。幼女にも紹介するニャ」

幼女「わ、私の存在って一体...」



幼女「...はぁ、ところでそのお兄ちゃんって人はどんな人なの?」


猫娘「クールでカッコよくてユーモアがあって面白いニャ!」


幼女「...ん?」


幼女「クールで面白い?それっておかしくない?」

猫娘「ニャ?どこがおかしいニャ?」

幼女「...まさかそのお兄ちゃんってさ」



幼女「二人...いるの?」



猫娘「あれ?言ってなかったかニャ?」



幼女「」



幼女(ふ、二人...苦労も二倍...気遣いも二倍...)

幼女(というか二人組の来客って嫌な思い出しかない...)

~~~~ 空港 ~~~~



虎男『了解だ、今はそこにある家に住んでるんだな』

虎男『ではそちらに向かう。じゃあな』ガチャン


虎男「ふぅ...まさか家が変わってるなんてな」

虎男「あいつも色々苦労してそうだ...」


虎男「兄者、妹者と連絡が取れたぞ」


シーン


虎男「...兄者?」キョロキョロ






DQN「おいてめぇ!ぶつかったんなら謝れよ!」

獅子男「...ん?俺のことか?」

DQN「てめぇ以外に誰が居るってんだよ!このデクノボウ!」

獅子男「そうか、すまないな。小さくて気付かなかった」


DQN「...アアン?」ブチッ






虎男「兄者ー!」キョロキョロ

虎男「まったく...広い空港で迷子なんて笑えないぞ」



ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!



虎男「...む?向こうから叫び声が」

DQN「ぎゃあああああああああ!!!!は、離してくれええええええええ」バンバン

獅子男「お前それサバンナでも同じ事言えるの?」ググッ


DQN「ぎええええええええええええええ!!!!」バンバン



虎男「...兄者、何をしてるんだ」



獅子男「弟者か。今こいつにサバンナの恐ろしさを教えてるところだ」グッ

DQN「ガ、ガガッ...」ブクブク


虎男「はぁ...離してやれ兄者、騒ぎになったら困る」

獅子男「お前それサバンナでも同じこと言えるの?」

虎男「兄者、ここは日本だ」


獅子男「...それもそうか」パッ

DQN「ギャ...」ピクピクッ



虎男「さあ兄者、妹者の元に向かうぞ」

獅子男「OK、了解だ」

今日はここまで

うぇぇごめんなさい今日も更新できないです
もしかするとここ数日は更新できないかもごめんなさい

............................................................
..............................................


猫娘「それでお兄ちゃん達はサバンナに武者修行の旅に行っていたニャ!」

幼女「へー」

猫娘「何でも最近は象をだけで倒せるようになったらしいニャ!」

幼女「ふーん」


幼女(何か嘘くさい話だな...)



猫娘「あっ!今日のお昼は肉料理にしてほしいニャ!」

幼女「お肉?魚じゃなくていいの?」


猫娘「お兄ちゃん達の好物は肉なんだニャ!」

幼女(猫なのにお肉が好きなんだ)


ピンポーン


猫娘「ニャ!来たみたいだニャ!」ダッ

幼女(とうとうご対面か...)

ガチャ


猫娘「ニャー!お兄ちゃん久しぶりニャー!」ダキッ



獅子男「おいおい、いきなり飛び出してきたら危ないぞ」

虎男「久しぶりだな妹者、直接会うのは半年ぶりか」



猫娘「ニャ!もう修行は終わったのかニャ?」


獅子男「いや、少し用事があって戻ってきた」

虎男「明日にはもう一度戻る予定だ」


猫娘「にゃああ...残念ニャ」ショボン

猫娘「あっ!紹介するニャ!この家の主人の幼女ニャ!」



幼女「」



幼女(あ、あれ?思ってたのと違うんだけど...)

幼女(そもそも何で猫の兄がライオンと虎なの...)

幼女「ど、ども」


猫娘「幼女には色々世話になってるニャ!」


獅子男「それはすまないな。礼を言う」

虎男「妹者とこれからも仲良くしてやってくれ」


幼女「は、はぁ...」

幼女(...あんまり関わりたくないなぁ)


猫娘「ニャ!立ち話もなんだし家に入ってくれニャ!」

幼女(ここ私の家なんだけど)


獅子男「あぁ、そうさせてもらう」スタスタ

虎男「妹者、これはサバンナ土産のポンデライオンだ」スッ


猫娘「ニャッ!?ありがとうニャ!」

猫娘「さっそくみんなで食べるニャ!」


幼女(ミスド帰りか)

獅子男「...むぅ、この部屋は少し狭いな」

虎男「我慢しろ、兄者。俺達の体格が大きいだけだ」

猫娘「まあ確かに私の家よりは小さいニャ」


幼女(こいつら少しは遠慮しろよ)イライラ







猫娘「それで無人島ですごいキメラに会ったんだニャ!」


獅子男「ほう...それは興味深いな」

虎男「一度手合わせを願いたいものだ」


猫娘「でも私一人でぜんぶやっつけたニャ!あんなの敵じゃなかったニャ!」

猫娘「ニャハハハハハハハハハ!」


幼女(話盛ってるし...)


ボーン ボーン


猫娘「ニャ?もうお昼の時間ニャ」

猫娘「幼女!今すぐご飯作ってくれニャ!」


幼女「はいはい作りますよ...」スクッ



獅子男「ちょっと待て」

猫娘「どうしたニャ?」


獅子男「さすがに昼食まで作ってもらうのは悪い」

虎男「そうだな、兄者。妹者の面倒まで見てもらってるのに食事までご馳走になるとは」


幼女「別に私は平気ですけど」


獅子男「いや、こちら側の問題だ。今日はどこかで外食にしよう」

虎男「妹者のこともあるしな。今日は兄者が好きな物を奢ってくれるそうだ」

獅子男「!?」


幼女「そんな...悪いd」



猫娘「ニャ!!そういうことなら外食にするニャ!!」



幼女「...いいの?」ボソッ

猫娘「お兄ちゃん達がそうしたいならそうするべきニャ。それに久しぶりに美味しいご飯を食べさせてあげたいニャ」ボソボソ

幼女「...了解」


猫娘「じゃあ私のオススメのお店に行くニャ!きっとお兄ちゃん達も気に入るはずニャ!」


幼女(まさかまた川とかに行くつもりじゃ...)

~~~~ 回転寿司 ~~~~



猫娘「ここニャ!」


幼女「...回転寿司?」



虎男「妹者よ、ここはどういう店なんだ?」



猫娘「ご飯の上に色々な物が乗ってる食べ物が流れてくるお店だニャ!」

猫娘「肉に魚にその他これ寿司じゃねえだろっていう物までいっぱいあるニャ!」


獅子男「ね、値段は?」


猫娘「安心するニャ!基本的には一皿100円ニャ!」


獅子男「そうか!それは素晴らしい店だな!」



幼女「...どうして回転寿司なの?」

猫娘「ここは色んな物が食べれるニャ。安くて一番バランスがいいニャ」

猫娘「それにいっぱい魚が食べられるからニャ~♪」


幼女(結局目的はそれかい)



猫娘「さあお兄ちゃん達!さっそく入るニャ!」

短いけど今日はここまで
長い間さぼってごめんなさい
明日からは真面目にやります

~~~~ 店内 ~~~~


ザワザワ ザワザワ


店員「222でお待ちの方ー」


猫娘「はいはーい!私達ニャ!」


店員「22番の席へどうぞー」



猫娘「ささ!席に座るニャ!」


獅子男「ふむ、結構人が居るもんだな」

虎男「兄者、見てみろ。皿が流れてるぞ」


猫娘「あのお皿を取って料理を食べるんだニャ!」


獅子男「ほう、面白い仕組みだな」

虎男「料理を作って流すだけで運ぶ必要もない...実に効率的だ。俺達も見習わないとな」

獅子男「何かの技に組み込めそうだな」



幼女(何言ってんだこいつら)

スタッ


猫娘「さあ食べるニャー!」


幼女(...そういえば回転寿司なんて久しぶりだな)




獅子男「...おい弟者、これを見ろ」

虎男「どうしたんだ兄者?」


獅子男「ここに蛇口があるぞ」


虎男「...本当だな。しかしなぜこんなところにあるんだ?」

獅子男「きっと手洗い用だな。恐らくここで手を洗ってから食べるんだろう」

虎男「なるほど...さすが兄者、鋭い洞察力だ」

獅子男「ではさっそく手を洗うとするか」ポチッ


ジャー


幼女「えっと何食べよっかな...」ジー

幼女「...あっ、そういえばまだお茶入れてなかったっけ」

幼女「食べる前に準備しとこうかな」キョロッ



獅子男「ふむ、少し熱いな」ジャー

虎男「兄者、次は俺にやらせてくれ」



幼女「!?」

幼女「ちょ、ちょっとっ!?何やってるんですかぁ!!!!」


獅子男「何って手洗いだが」パッパ

虎男「次は俺の番だな」ジャー


幼女「そ、その蛇口は手洗い用じゃなくて!!!!お茶のお湯に使うものですっ!!!!」


獅子男「そうだったのか?」

虎男「しかしこの水は熱いぞ?殺菌用の水じゃないのか?」


幼女「と、とにかくっ!!!!そこで手を洗うのはやめてください!!!!」


獅子男「紛らわしい物だな...」

虎男「兄者、結局間違ってたじゃないか」


幼女(確かに紛らわしいけど本当に実行する人なんて居るの!?)

幼女(しかもノーリアクションで洗ってるし...熱くないのか)


猫娘「ニャー♪うまいニャー♪」モグモグ

幼女(こいつは寿司に夢中で気付いてないし...)

幼女「はぁ...私もお寿司食べよ...」


シーン


幼女「あ、あれ?お寿司が流れてこない」



獅子男「中々旨いじゃないか、たまには魚も良いものだな」モグモグ

虎男「おい兄者、次の皿が来たぞ」スッ



幼女「な、流れてくる皿を全部取ってる...」



幼女「あ、あの...流れてくる皿を全部取るのはやめた方が...」


獅子男「む?なぜだ?」

虎男「ルール違反なのか?」


幼女「い、いえ...別にルールとかそういうのじゃなくて...全部取っちゃうと他のお客さんも取れなくなるかなーって...」


獅子男「...確かにそうだな。盲点だった」

虎男「この皿は客全員で共同なのか...譲り合いの精神ということか?」



幼女(いや流れてくる寿司を全部食うなんて普通はあり得ないんですけど)

猫娘「ニャ~♪サーモンも飽きてきたし次はマグロを食べるニャ~」スッ



幼女(...既にサーモンだけで皿の山が積まれてる)



獅子男「このカルビ寿司というのは旨いな」モグモグ

虎男「兄者、このハンバーグ軍艦という寿司もイケるぞ」モグモグ



幼女(...こっちはもう山とかそういうレベルじゃない皿が積まれてる)



幼女「はぁ...あんまりお寿司も流れてこないし注文して頼もっと」ピッ

幼女「うどんとお寿司と...よし完了」ピッ



ガララララララララララ



幼女「おぉ、早いなぁ」



獅子男「...ん?その機械は何だ?」

幼女「え?これですか?」


獅子男「その機械を触ったら寿司が流れた来たように見えたんだが」


幼女「あぁ、これはお寿司を注文できる機械です」

幼女「自分が食べたいお寿司が流れてこなかったらこの機械を使って注文するんです」


獅子男「ほう...便利だな」

虎男「どうしたんだ兄者?」

獅子男「弟者、この機械を使えば食いたい物が来るらしいぞ」

虎男「それはハイテクだな。さっそく頼んでみるか」ピッ



幼女(まあ機械の使い方を教えるぐらいはいいよね)チュルチュル


猫娘「もぐもぐ...ニャ?幼女はうどんなんか食べてるのかニャ?」

幼女「だって安いし」チュルチュル


猫娘「駄目ニャ!!!!回転寿司にうどんは邪道ニャ!!!!」

猫娘「お寿司屋に来たんだから寿司を食うべきニャ!!!!」


幼女(うるさいなぁ)チュルチュル

猫娘「そもそもお寿司屋に来てるのになんでうどんニャ!寿司を食うべきニャ!寿司を!」

幼女「確かに高級寿司店なら高いお寿司を食べるべきだけど回転寿司だし、いいじゃん」チュルチュル


猫娘「いや駄目ニャ!寿司と名前が付いてる以上ここはお寿司屋ニャ!」


幼女「だって回転寿司ってもうファミレスみたいな感じだし」チュルチュル

幼女「天ぷらとかデザートとか増やしてる時点でお店側も分かってやってるでしょ」チュルチュル

幼女「そもそもレパートリーを増やさないとお客さんも飽きて潰れちゃうよ」チュルチュル


猫娘「ぐ、ぐぬぬ...」


幼女「それに回転寿司のうどんって美味しいしね。最近は昔に比べて量減ったけど」



獅子男「おい弟者、この茶碗蒸しとは何だ?」

虎男「一度頼んでみたらどうだ兄者?」

虎男「この醤油ラーメンというのも旨いぞ」チュルチュル


獅子男「ならとりあえず全部頼んでみるか」ピッ

ガララララララララララ



獅子男「来たか」スッ

獅子男「では一口...」パクッ


虎男「兄者、どうだ?」


獅子男「...」モグモグ


獅子男「...これは旨いな。肉とはまた違った味だ」


虎男「そうか。なら俺も同じのを頼んでみるとしよう」ピッ




幼女「...もうお腹いっぱい。デザート頼もっと」ピッ

猫娘「ニャ?もういいのかニャ?うどんとお寿司数皿しか食べてないニャ」

幼女「だって私幼女だし...普通の幼女はこれだけでお腹いっぱいだよ」


猫娘(そういえば確かに幼女だったニャ...口調が大人っぽいから忘れてたニャ)


幼女(...なんか久しぶりに幼女アピールした気がする)

今日はここまで

幼女「ふぅ...お腹いっぱい」ポンポン

幼女「...」チラッ



猫娘「ニャ~♪次はイクラを食べるニャ~♪」


幼女(よく食べるなぁ)


獅子男「弟者、次は海老天ぷらを5皿注文してくれ」モグモグ

虎男「自分でやれ、兄者」モグモグ


幼女(...本当よく食べるなぁ)



幼女「この様子だとまだ帰るには時間がかかりそうだな...」スクッ

猫娘「あれ?幼女どこに行くニャ」

幼女「お手洗い」

猫娘「あぁ、トイレかニャ」


幼女(...少しは気を遣え)スタスタ

..............................................................
...............................................


幼女「スッキリした」スタスタ

幼女「えーっと...席はどこだっけ?」キョロキョロ


ズラー


幼女「...多分あの皿タワーが出来てるところだな」

幼女「早く戻ろっと」ダッ


ドンッ


幼女「あっ、ごめんなさ」



チンピラ「あぁん!?」ピキッ


幼女「...ぃ」







猫娘「...幼女遅いニャ」

猫娘「もしかして何かあったのかニャ...?」


猫娘「...」


猫娘「人のトイレ事情はあまり詮索しない方がいいニャ」モグモグ

チンピラ「おいてめェ!ぶつかっておいて何だその態度はァ!」

幼女「ご、ごめんなさい...ごめんなさい...」ペコペコ


幼女(うぅ...めんどくさいタイプの人種にぶつかってしまった)


チンピラ「あーあ!さっきお前にぶつかったせいで腕の骨が折れたわ!」

チンピラ「慰謝料100万な!ギャハハハハハハハハハハ!!!!」

幼女(この...人が黙ってたら調子にのりやがって...)


幼女「よ、幼女相手にカツアゲとか恥ずかしくないんですか!」


チンピラ「あぁん!?なんだてめェ!」


幼女「そんなに元気で腕なんか折れてるわけないじゃないですか!」

幼女「ぶつかったのは謝りますけど変な因縁つけないでください!さようなら!」ダッ



チンピラ「」ブチッ

チンピラ「おいてめェ、こっち向け」

幼女「...はい?」クルッ



チンピラ「本当に腕が折れてるか試してやるよォ!!!!」ブンッ



幼女「ひっ!?」

幼女(な、殴られるっ!)ギュッ



ガシッ



幼女「...!」ギュー


シーン


幼女「...あれ?」パチッ


幼女「パ、パンチが飛んでこない...」キョロキョロ




チンピラ「は、離せやゴラァ....」



ググッ



獅子男「...」ガチッ




幼女「...へ?」

幼女「ね、猫のお兄さん...?」



獅子男「少しトイレに行こうと席を立ったんだが...どうやらいいタイミングだったみたいだな」

獅子男「怪我はないか?」


幼女「あ、はい...だ、大丈夫ですけど」


獅子男「そうか、それは良かった」

獅子男「君が怪我をしたら妹者に合わせる顔がないからな」グッ


ギチチッ


チンピラ「い、いてェーーーーーー!!!!」


幼女(て、手が腕にめり込んでる...痛そう...)



チンピラ「く、糞っ!は、離しやがれェ!!!」ブンッ

獅子男「おっと」スッ


パッ


チンピラ「な、なんだァ?てめェ......」ハァハァ

獅子男「避けるのに気を取られて手を離してしまった...悪い癖だな」

チンピラ(く、糞ッ!なんだこいつの握力は!?本当に手を折られるかと思ったぜ...)


獅子男「ところでこいつはなんだ?急に殴りかかろうとしていたが」

幼女「いや何か勝手に因縁つけられて...困ってたんです」

獅子男「そうか...頼む、どうか許してやってくれ。彼はゴリラなんだ」



チンピラ「...あ?」ブチッ



獅子男「サバンナにも時々居るんだよ。ゴリラ並の知能で後先考えずにあちこちに喧嘩を売るやつらが」

獅子男「まあそういうやつらは少し痛い目に遭うとすぐに小猿のように大人しくなる」


幼女「は、はぁ...」



チンピラ「てめェ...人のこと好き勝手言いやがって...」

チンピラ「俺は空手をやってるんだぞォ!お前なんか!」ブンッ


パリン


チンピラ「この皿みたいに粉々にしてるぜェ!!!!」



獅子男「ぶっ」

獅子男「武というよりは舞、舞踊だな」

獅子男「しかし何故皿を...?」


チンピラ「」ブチッ



チンピラ「死ねやゴラァァァァァァ!!!!!」ダッ



獅子男「ふんっ」ブオンッ


チンピラ「ぐへっ!?」ボコォ



バタッ



チンピラ「」ピクピクッ



幼女(弱っ!)

幼女(い、いやこのチンピラが弱いんじゃなくてお兄さんが強すぎるのか...?)


チンピラ「ぐ、ぐへっ...こ、こんなはずじゃ...」ピクピクッ



獅子男「...」スタスタ



チンピラ「ひっ!?」ビクッ

チンピラ「く、来るなァ!」



獅子男「...」スタスタ



チンピラ「お、俺が悪かったァ!許してくれェ!」



獅子男「...お前それ」




獅子男「サバンナでも言えんの?」




チンピラ「」



ボコッ バキッ グシャッ



チンピラ「」チーン


獅子男「これぐらいで勘弁してやるか」パッパ

幼女「こ、これ...まさか死んで...」

獅子男「俺も無益な殺生をするほど残酷ではない。死んではないはずだ」


獅子男「...多分な」スタスタ


幼女(...ライオンってすごい)

猫娘「ニャ~お兄ちゃんもトイレ遅いニャ」

虎男「...何かあったのかもしれないな」

虎男「少し様子を見てくるか」

猫娘「ニャ!私も行くニャ」



スタスタ


獅子男「すまないな。遅くなった」

幼女「はぁ...何か疲れた」


猫娘「二人とも遅かったニャ!どこに行ってたんだニャ?」

獅子男「少しゴリラを退治してただけだ」

猫娘「ニャ?ゴリラ?」


虎男(...まさかまた喧嘩をしたのか)


虎男「兄者、今すぐ店を出るぞ」スクッ

獅子男「なぜだ?まだデザートを食べてないぞ?」

虎男「騒ぎになったら面倒だ。早く勘定を済ませてここから離れるんだ」ポチッ

獅子男「おい待て弟者、まだデザートが」



猫娘「急にどうしたニャ?」

幼女(...うん、正しい判断だよね)

店員「お会計84000円になります」


獅子男「なん...だと...?」

獅子男「お、おいここは1皿100円じゃないのか?1万2万ならともかく8万なんてありえな...」


店員「確かです。伝票を確認してください」

獅子男「...」ジー


猫娘(ニャ、ニャ~...ちょっと食べ過ぎたかニャ?)

幼女(結構食べてたけどまさかそんなにかかるとは...)


獅子男「た、確かに計算は合ってるな」ダラダラ


獅子男「...弟者」

虎男「なんだ兄者」

獅子男「か、金を貸してくれ」

虎男「はぁ...なんとなくそんな気はしてたが」ガサゴソ


虎男「ほら兄者、これは貸しだぞ」ペラッ

獅子男「す、すまないな。礼を言う」



幼女(...さすがに百獣の王もお金の力には勝てないか)

猫娘「ニャ~♪お腹いっぱいニャ~♪」


虎男「腹八分目と言ったところだな兄者」

獅子男「あぁ...財布は空だがな...」


幼女(まだ食い足りないのか)



猫娘「お兄ちゃん達は今日どこに泊まる予定なんだニャ?」

虎男「近くのホテルに泊まろうと思ってる」

猫娘「ニャ!どうせならうちに泊まればいいニャ!」

獅子男「いや、さすがにそれは出来ない」

猫娘「にゃああ...残念ニャ...」



猫娘「じゃあ今日はいつも以上にいっぱい遊ぶニャ!今度は家でテレビゲームをするニャ!」

獅子男「テレビゲームか、最近のゲームは現実と変わらないほどリアルになったと聞く。楽しみだな弟者」

虎男「あぁ、まったくだ兄者」


幼女(また壊されないといいんだけど...)

猫娘「そうと決まったらさっそくダッシュニャ!早く家に帰るニャ!」ダッ


獅子男「おいおい、あんまり走ると危ないぞ」

猫娘「ニャー!そんなヘマしないニャ!」


ゴツンッ


猫娘「...ニャ?」クラッ



猫娘「」ズサー



幼女「...言わんこっちゃない」



猫娘「にゃ、にゃああ...痛いニャ....」ボロボロ

虎男「まったくドジだな妹者は...」

獅子男「幼女よ、俺達は妹者の傷を治してから行く。悪いが先に家に帰っててくれないか?」



幼女「分かりました」スタスタ



獅子男「さあ妹者、足を出せ治癒魔法で傷を治してやる」

猫娘「い、いや...お、お兄ちゃん達の治癒魔法はちょっと痛いから大丈夫ニャ...」ヨロヨロ

虎男「俺達も少しは魔法の使い方も上手くなったはずだ。だから大人しくするんだ妹者」ガシッ



猫娘「ニャ、ニャアアアアアアアアアアアア!!!!!!離してくれニャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」ジタバタ

ンニャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!


幼女「ん?何か猫の叫び声が聞こえたような...」ピクッ

幼女「...気のせいか、傷を治してるのに叫び声なんか出るはずないもんね」

幼女「さっさと帰ろっと」スタスタ




幼女「えーっと鍵鍵...あった」ガサゴソ


ガチャ


幼女「とりあえずゲームの準備しようかな」

幼女「猫のお兄ちゃん達はどんなゲームが好きなんだろ?」


幼女「...アフリカとか?」

幼女「い、いやさすがにそれはないか」



狐娘「ゲームがどうかしたのか?」


幼女「あぁ、今猫のお兄ちゃん達がどんなゲームが好きか考えてて...」

幼女「...え?」



幼女「な、ななななななな!!!何で狐様がここにっ!?」



狸娘「ウチもおるで~」



幼女「...へ?」ポカーン

今日はここまで

幼女「な、なんで...」


狸娘「犬ちゃんに今日遊びに来てって誘われたんよ?」

狐娘「もしかして聞いておらんかったのか?」


幼女「はは...はい全然...」

幼女(あ、あの犬め!何で勝手に呼ぶんだよ!)










犬娘「もうご主人様の家に狐様達が着いた頃かなー♪」

犬娘「フフフ...あの二人が居れば猫ちゃんもご主人様に手出し出来ないはず!」

犬娘「絶対にご主人様は渡さないんだからね!!!!」


熊男「犬娘、何をさぼってるんだ?早く仕事に戻れ」


犬娘「はいはーい♪分かってるよ店長♪」

狐娘「ということで今日も遊ぶのじゃ!」

幼女「え、えぇ...」


幼女(ど、どうしよう...早くしないと猫と猫のお兄ちゃん達が帰って...)

幼女(ん?猫?)

幼女(そういえば狐と狸って犬科...)


幼女(はっ!)


幼女(や、やばい!この状況ってすごくやばいんじゃないの!?)

幼女(犬と猫の仲が悪いってことは他の犬科猫科も仲が悪いはず!)

幼女(ま、万が一、会ったりなんかしたら...)


幼女「...」ゴクリ


幼女(町...いや国が大変なことに...)

幼女(ど、どうにかしないと!)

狸娘「ところでさっき言ってた猫のお兄ちゃんって誰のことなん?知り合い?」

幼女「い、いえ!何でもないんです!」アタフタ


狐娘「でもさっきげーむが何とかかんとかと言っておったぞ?」

幼女「た、ただの独り言です!本当にまったく何でもないんです!」


狸娘「...怪しいなぁ」チラッ


幼女(うっ...さすが狸...鋭い)


狐娘「コラ狸!幼女は何でもないと言っておろうが!」

狸娘「でも何か気にならへん?」

狐娘「人を疑うなんて最低じゃぞ!」



幼女(...狐が馬鹿で助かった)ホッ

狸娘「...まあそこまで狐ちゃんが言うならこれ以上追求するのは止めとくわ」

狸娘(...どうせそのうち分かりそうな気がするしな)ニヤァ


幼女(うわぁ...あの顔は悪いことを考えてる顔だ...)


狐娘「そんなことより早く遊ぶのじゃー!」


幼女(ど、どうしよう、今すぐ家から出てけなんて言えないし...)

幼女(でも早くしないと三人が帰ってきちゃう...どうすれば...)


幼女(...)

幼女(はっ!閃いた!)ピコーン


幼女「き、今日は外で遊びませんか!?」


狐娘「...外?」キョトン

幼女「えぇ!天気もいいですし外で遊んだ方が楽しいですよ!」

幼女(まずはこの二人を外に連れ出す!これなら猫達と出会うことはないはず!)


狐娘「いや、外はいいのじゃ」

狸娘「そうやね。うちも今日は外で遊ぶ気分やないわ」


幼女「」ズコー

幼女「ど、どうしてですか!?」


狐娘「屋外での遊びはもう飽きたのじゃ」

狸娘「もう二人で何万戦も勝負したからなぁ...まあトータルではウチの勝ちやけど」

狐娘「む!違うのじゃ!わらわの方が勝ってるのじゃ!」

狸娘「狐ちゃんボケてしまったん?」


狐娘「ぶち殺されたいのか貴様!!!!!」


幼女(...そうだった)

幼女(こいつら見た目の割りに年食ってるんだった...)

幼女「で、でも!体を動かすのはいいことですよ!」

幼女「ほら!バットとグローブ!野球でもしましょう!」


狐娘「野球は勝負がつかなくて飽きたのじゃ」

狸娘「消えるボールの対抗策に次元を切り裂いたら大変なことになったなぁ...」


幼女「サ、サッカーは!?」


狐娘「蹴球は宇宙から技を撃ったら大変なことになったのじゃ」

狸娘「ファイアトルネードし過ぎて足がちょっと焦げたわ」


幼女「テ、テニス!」


狐娘「波動球の撃ち合いで手が痛くなるのじゃ」

狸娘「そもそもラリーが長すぎて一点入れるのに三日かかってしまうんよ」


幼女「た、卓球は...?」


狐娘「あれ台が途中で壊れるから無理じゃ」

狸娘「全体的に小さいから加減が分からんねん」


幼女(...いや魔法使う前提じゃなくて普通に勝負しようよ)

狸娘「まあ結局スポーツでは勝負がつかんかったんよ」

狸娘「だからゲームみたいな魔力関係なし出来るやつが一番なんや」


幼女(理屈は一応通ってるけどなんか違う)


狐娘「嘘つけ!お主、隙あらば如何様をしてくるであろうが!」

狸娘「え?なんのこやろうなぁ」

狐娘「すっとぼけるでない!」


幼女(どうしよう...このままだと家で遊ぶことに...)

幼女「な、なら外でゲームを!」


狸娘「...さっきから外にしつこくこだわってるけど」



狸娘「もしかしてウチらが家に居ると不都合でもあるんか?」



幼女「」ギクッ

幼女「そ、そそそそそそ!そんなことないですよ!」


狸娘(この反応...図星やな)


幼女(む、無理だ、狸に気づかれた...)

幼女(もう狐狸コンビを家から追い出すのは無理...猫達をどうにかするしか...)

幼女(...)


幼女(はっ!そうだ!)ピコーン


幼女(猫達に電話すればいいんだ!家に来るのはちょっと待っててって!)

幼女(なんだ最初からこうすればいいじゃん!私って天才!)


幼女「すみません!ちょっと失礼します!」ダッ


ガチャ


狸娘「ん?誰か帰ってきたみたいやね」

狐娘「誰なのじゃ?」


幼女「」

今日はここまで
更新ペース遅くてごめんなさい

う、うぇぇ...4月3日まで書けそうにないです
何か全体的に遅れて本当にごめんなさい...

幼女(し、しまった...)

幼女(時間をかけ過ぎてしまった...もうおしまいだぁ...)ヘナァ



猫娘「ニャー!ただいまニャー!」バッ




狐娘「む?」キョトン

狸娘「...」




猫娘「...ニャ?」



獅子男「どうした、妹者。急に固まって」

虎男「何かあったのか?」



ゾロゾロ ゾロゾロ



幼女(終わりだ...)

幼女(第三次犬猫大戦の始まりだ...この世はまさに世紀末...)



猫娘「何か家に知らない人がいるニャ」


獅子男「知らない人だと?」

虎男「まさか泥棒か」

狐娘「...ん?」ピクッ

狐娘「おい、そこの図体のでかいやつら」

狐娘「...お主らまさか!」


狸娘(あーそういうことか)



獅子男「!?」ビクッ

虎男「あ、あなた方は...!」



幼女(か、核戦争が起きる。私もモヒカンと肩パット買わないと...)





狐娘「虎と獅子の小僧達ではないか!大きくなったな!」

狸娘「やっほー、久しぶりやね」フリフリ


獅子男「お、お久しぶりです。狐様、狸様」

虎男「あ、相変わらずお綺麗で...」





幼女「おわり...おわ」

幼女「...え?」

狐娘「なんだ!お主達そんなにでかくなったのか!」

狐娘「見違えたのじゃ!少し前まではこんなに小さな小僧だったのにな!」バンバン


獅子男「は、はい...おかげさまで」ビクビク


狸娘「今日は何しに来たん?」


虎男「い、妹がここでお世話になっていて...」ビクビク


狸娘「なーんや、やっぱりそういうことやったんやね」



猫娘「...お兄ちゃん達が子猫みたいに大人しくなってるニャ」

幼女「一体どうなってるの...」



狸娘「...幼女ちゃん、ウチら犬科と猫科が仲が悪いと思って会わせんようにしたんやろ?」ボソッ


幼女「」ビクッ

幼女「ど、どうしてそのことを...」


狸娘「全部顔に書いてあるで♪」

幼女「...実際犬と猫って仲悪いんじゃないんですか?」


狸娘「まあ確かに昔は仲悪かったのは確かやね」

狸娘「犬と猫と言ったらきのことたけのこ、エイリアンとプレデター、緑のアレと赤のアレみたいな関係やからなぁ」

狸娘「でも最近は大人しくなってきたんよ?」

幼女「どうしてですか?」


狸娘「だって犬も猫も可愛いんやもん♪」


幼女「は、はぁ...」


狸娘「そんな感じでここ百年で犬と猫は仲直りしたんよ」

狸娘「まあ今でも一部のアホは互いを嫌い合ってるのも事実やけどね」



幼女(一部のアホ...?)



???『ゲロ吐き魔!発情中の声がうるさい!家の壁をガリガリ削るな!』

???『糞放置!すれ違いに吠えるのやめろニャ!マーキングやめろニャ!』



幼女(あ、納得)

猫娘「よ、幼女、そこの人達は誰ニャ?」

猫娘(お兄ちゃん達がビビってるニャ...こいつら絶対ただ者ではないニャ...)


幼女「あーこの人はね」


狸娘「ウチは狸の狸娘やで♪」

狸娘「ほんでそこで馬鹿みたいな顔してるのが狐の狐娘ちゃんや♪」


猫娘「ニャッ!?狸っ!?狐っ!?」ビクッ


猫娘(た、狸と狐と言ったら獣人のくせに神の領域に入ったと言われる伝説の二人ニャ!)

猫娘(そんなやつらがどうしてここに居るニャ!?)


狸娘「ところでアナタは誰なん?ここの家に住んでるのは犬ちゃんと幼女ちゃんだけのはずなんやけど」


猫娘「ニャ、ニャ!私は数日前にこの家に居候することになった猫娘ですニャ!」

猫娘「以後お見知りおきをですニャ!」


幼女(あ、猫被ってる)

狸娘「なんや、そういうことやったんやね」

狸娘「ライオン君と虎君の妹ってのはアナタのことなん?」


猫娘「は、はいですニャ!」

猫娘「あっ!肩はこってないですかニャ?揉みますニャ!」モミモミ


狸娘「え?揉んでくれるん?悪いねぇ」


幼女(完全に手下になってるし...)



狐娘「ところでお主ら、魔法は上達したのか?」


獅子男「は、はぁ...実は全然」

虎男「昔に比べたらマシだとは思いますが...」


狐娘「むぅ、それは駄目なのじゃ」

狐娘「よし!わらわがまた稽古をつけてやるのじゃ!」



獅子虎男「「 !? 」」ビクッ



幼女(...こっちも狐に振り回されてる)

幼女(猫より犬の方が偉い?いや、あの二人が特別なだけか...)

短いけど今日はここまで
また更新できなくてごめんなさい
一応もう終わりまで流れは考えてる今度こそは早く出来ると思います
全部熟考と工夫が悪いんですごめんなさい

虎男「ど、どうするんだ兄者...なぜ狐様と狸様がここに居るんだ」ボソボソ

獅子男「お、俺に言われても分からん...まさかこんなところで再開するとは」

獅子男「くっ...あの人には昔、修行という名の拷問をされたからな。少しトラヒツジだ...」

虎男「兄者、それを言うならトラウマだ」



狐娘「どうかしたのかー?隅でコソコソして何をしておるのじゃー?」



獅子男「と、とにかくだ。ここは "アレ" を使って大人しくさせよう」

獅子男「そうでないとまたあの地獄を味わうことになる...」

虎男「...しかしこの家には恐らくないぞ?」

獅子男「弟者、俺が何とか時間を稼ぐから近くの店で "アレ" を大量に買ってきてくれ」

虎男「一人で平気か?」


獅子男「フッ、これでも俺は百獣の王だ...何も心配は要らない」


虎男「あ、兄者...」



狐娘「何を話しているのじゃー?」

獅子男「早く行け!俺がどうなっても知らんぞ!」

虎男「...分かった。兄者、無事でいてくれ」ダッ


ガチャ


バタン



狐娘「あれ?虎のやつはどこに行ったのじゃ?」

獅子男「べんj...トイレです」

狐娘「厠ならこの家にもあるのではないのか?」

獅子男「あいつは人の家のトイレには行けない体質でして」

狐娘「変わったやつじゃのう」



狐娘「では虎が帰ってくるまでわらわが魔法を見てやるぞ!」

獅子男(が、我慢だ俺。百獣の王に出来ないことはない...例え相手が神でも...)ゴクリ



幼女「あのー...」

狐娘「む?どうかしたか?」

幼女「ゲームするんじゃなかったんですか?」


狐娘「...そうじゃ!今日はげーむを摩るために来たんじゃった!」

狐娘「すまないな!獅子!今日はお主達に付き合ってる暇はなかったのじゃ!」


獅子男(た、助かった...)ホッ


狐娘「さあ!げーむをするのじゃ!」

猫娘「にゃあ...どうですかニャ?」モミモミ

狸娘「ん~♪気持ちええよ♪」


猫娘(ニャ、ここは媚びを売っておくニャ)

猫娘(仲良くなれば何かいいことがあるかもしれないニャ)ニヤァ




狐娘「早くげーむするのじゃ!げーむ!」ピョンピョン

幼女「今準備しますって」


獅子男(そういえば俺もゲームをするために戻って来たんだったな)

獅子男(こうなるなら弟者にアレを買いに行かせなくても別に良かったんじゃないか?)


狐娘「今日も勝つのじゃ!」

幼女(はぁ...接待プレイは疲れるんだよなぁ)

...............................................................
...................................................


狐娘「えいっ、そこじゃ!」ピコピコ

幼女「わーやられるー」ピコピコ


TV『K.O!』


狐娘「やった!また勝ったのじゃ!」

幼女「うわー負けちゃったー」

狐娘「わはは!もう誰にも負ける気はしないのじゃー!」



狸娘(まーた幼女ちゃんわざと負けてやってるんか)チュー

狸娘(ご機嫌とりとはいえ大変やなぁ、明らかな手抜きを見抜けない狐ちゃんもちょっとおかしいけど)

狸娘(...何かちょっかい入れたくなって来たわ)ニヤァ


狸娘「猫ちゃん、ジュースおかわり頼めるかー?」

猫娘「はいニャ!ただいま持ってくるニャ!」ダッ



狐娘「もう一戦!もう一戦するのじゃ!」

幼女「はいはい...」

幼女(あぁ、疲れるなぁ...手を抜くって案外難しいや)

狸娘「なぁ、ライオン君」

獅子男「なんですか?」

狸娘「ライオン君もゲームやりたくないんか?あれ面白いで」

獅子男「...確かに一度はやってみたいですが今はあの二人がやっているので」

狸娘「ならやってみたらええやん!幼女ちゃんなら快く譲ってくれると思うで!」


狸娘「おーい幼女ちゃん!ライオン君もやってみたいって言っとるからやらせてあげてくれんかー?」


幼女「え?」

幼女(よ、良かった...もうこれ以上やったら多分我慢出来ない)

幼女「いいですよ!どうぞ!」



狸娘「ほら幼女ちゃんもああ言っとるし行ってき」

獅子男「は、はい」



獅子男「すまないな。礼を言う」

幼女「いえいえ!あっ、操作方法教えますね」

獅子男「いや大丈夫だ。見て覚えた」カチカチ

獅子男「ここが攻撃、これが防御。ここで大技だろう?」


幼女(見て覚えたって...どんだけ目がいいの...)

狐娘「ぬっふっふ...次は獅子か」

狐娘「まあ初心者にはちょっと手加減してやるから安心するのじゃ!」


獅子男「お手柔らかにお願いします」カチカチ




狸娘「ふふふ...絶対面白いことになるわ」ニヤニヤ


幼女(また悪い顔してる...)

幼女(ライオンと私がゲームをするのを変わって何か変なことでもあるのかな?)

幼女(...)


幼女(あっ)


幼女(だ、大丈夫だよね?しょ、初心者だし)オロオロ



猫娘「ニャー!おかわりのジュースお持ちしましたニャー!」

狸娘「おおきにやで♪」




狐娘「さあ!げーむすたーとじゃ!」

獅子男「...」

TV『FIGHT!』


狐娘「ほらかかって来るのじゃ!いつでもいいぞ!」

獅子男「...」カチカチ


スタスタ スタスタ


狐娘「わはは!走ることも出来ないではないか!」

狐娘「ならこちらから行かせて貰うぞ!」カチカチ


ダッ


狐娘「先手必勝じゃ!」


ガッ


狐娘「!?」

狐娘「なっ...!止められたじゃとっ!?」


獅子男「...ふむ、どうやら防御これでいいみたいだな」

獅子男「なら次は攻撃だ」カチカチ


バキッ ボコッ ガッ


狐娘「!?」

狐娘「な、なんじゃこの連鎖攻撃っ!?ぼ、防御も回避も間に合わっ...」カチカチ

キュイーン


獅子男「ゲージが溜まったか、ならここを押せば大技が出るはずだな」カチッ


ギュイイイイイイイイイイイン!!!!!!


狐娘「!?」

狐娘「ちょ、ちょっと待つのじゃ!たいm...」



TV『K.O!』


狐娘「あぁっ!?」



獅子男「おぉ、勝ってしまったぞ」

狐娘「」




狸娘「お、お腹痛いわ...」ププッ

猫娘「ニャー!お兄ちゃん凄いニャー!」



幼女「これが狙いだったのか...」

狐娘「うぅ...うぅ...」ウルウル


幼女(...はっ!しまった!)


狐娘「うわあああああああああん!!!!負けたのじゃああああああああああ!!!!」シクシク

狐娘「しかも初心者にいいいいいいいいいいい!!!!!」シクシク



獅子男「」ビクッ

獅子男(し、しまった...狐様はこういう性格だった...)

獅子男(何だかやけに弱いと思ったが...幼女はこうならないように手を抜いていたのか?)



幼女「き、狐様落ち着いて!」


狐娘「うわああああああああああん!!!!!」シクシク


幼女「きっとまぐれですよ!次は狐様が勝つはずです!」

幼女「ねっ!」ギッ


獅子男「そ、そうだな。あれはまぐれだ」


狐娘「でも完敗したのじゃああああああああああああ!!!!!!」シクシク



ザーザー ザーザー


猫娘「あ、雨が降って来たニャ」

狸娘「よ、予想通り過ぎるわ...狐ちゃんはほんま期待を裏切らん...」ププッ

幼女(もう雨がっ!?は、早く泣くのを止めさせないと!)

幼女「そ、それも偶然ですよ!次はきっと狐様が勝つはずです!」


狐娘「...もしかしてわらわ本当は弱いんじゃ...」


幼女「」ギクッ


狐娘「うわあああああああああああん!!!!!図星じゃあああああああああ!!!!その反応は図星なのじゃあああああああああああ!!!!」シクシク


狸娘「い、今頃気が付いた...遅いわ...」ププッ


狐娘「幼女もきっと手を抜いていたのじゃああああああああああ!!!!!」シクシク


幼女(バ、バレた...)



ゴロゴロ ビュウウウウウウン



猫娘「あ、雷と風が吹いてきたニャ」


幼女(ま、まずい!本格的にどうにかしないと!)



ガチャ

虎男「あ、兄者!何があった!?急に嵐が...」



狐娘「びええええええええええん!!!!!!!!」シクシク

幼女「お、落ち着いて...」オロオロ



獅子男「何と言われてもこういう状況だ...狐様が泣き出してしまった...」

虎男「そういうことか...確かこの人、機嫌が悪くなると泣き出して雨が降るんだったな」

獅子男「このままだと大変なことになるぞ...どうにかして泣き止ませなければ」

虎男「安心しろ兄者、アレを買ってきたからもう安心だ」ガサゴソ


獅子男「そうか!そういえば弟者はアレを買いに行ってたんだったな!」



狐娘「わらわは弱いのじゃあああああああああああああああ!!!!!」シクシク

幼女(う、うぅ...下手に何か言うと逆効果な気がする。何とかしないと...)




獅子男「狐様!酒を買って参りました!一杯飲みませんか?」


狐娘「」ピタッ




幼女「お、お酒?」

今日はここまで

獅子男「さあ一杯やりましょう!」


狐娘「...今そんな気分ではないのじゃ」プイッ




幼女「なぜお酒...」

狸娘「おー、ライオン君も考えたなぁ」

幼女「ど、どういうことですか?」

狸娘「狐ちゃんな、赤いきつねと同じくらいめっちゃお酒大好きやねん」

幼女「...本当ですか?とてもそんな風には見えないですけど」

狸娘「まあ見た目だけは若いからね」




獅子男(くっ...さすがに簡単には飲んでくれないか!)

獅子男(なら無理矢理にでも!)


獅子男「いいから飲んでください!それで嫌なことは忘れましょう!」ダッ


狐娘「ちょっ!やめるのじゃ!今は飲みたくないのじゃー!」ジタバタ

獅子男「ほらほら!美味しいですよ!」ガッ

狐娘「離すのじゃー!やめるのじゃー!」ジタバタ




幼女(何か危ないことをしてるみたい)

獅子男「口を開けて!」ググッ

狐娘「い、嫌なの...じゃあ...」グッ


ポツンッ


獅子男(や、やった!一滴だけだが口の中に入ったぞ!)


狐娘「っ!?」ビクーン

狐娘「...」




幼女「何だか様子がおかしいような」

狸娘「あぁ、言い忘れとったな」

狸娘「狐ちゃんってお酒自体は大好きなんやけどな...」




狐娘「...」フラッ




狸娘「めっちゃ酔いやすいねん」

幼女「...はい?」




狐娘「いえーい!なのじゃあああああああああああ!!」

幼女「そ、それっていいことなんですか?」

狸娘「酔ってるいうことは多少のことをやられても気にしないってことやからな」

狸娘「酔った時の狐ちゃんはもう何をされても泣かへんくなるんよ」

幼女「へ、へぇ」


狸娘「まあ少しわがままになるんやけどね」



狐娘「おらぁ!獅子ぃ!お主も飲むのじゃあ!」フラフラ


獅子男「は、はい。いただきます」


獅子男(何とか飲ますことには成功したぞ...これでもう泣くことはないはず)

獅子男(後はひたすら耐えるのみ...)


虎男(兄者...もしかして忘れてるんだろうか)

虎男(自分も酒には弱いことを...)




狸娘「狐ちゃんも飲んでるしウチも飲もっかな」キュポン

幼女(どこから酒瓶を...)


狸娘「あっ、幼女ちゃんも飲むか?」

幼女「私未成年ですよ...」

...............................................................
....................................................



狐娘「うへへへ!おらぁもっと飲むのじゃあ!」フラフラ

獅子男「ひっひっひ、いただきやす」フラフラ


虎男(だ、駄目だ...兄者も完全に酔っぱらってる...)


獅子男「弟者ッ!お前も飲めぃ!」

虎男「あ、兄者...この後のこともあるし酒は控えた方が...」

獅子男「黙れぃ!実の兄の言うことが聞けんというのかぁ!」



狸娘「まったく酔っぱらいは情けないなぁ。こっちの酒もまずくなるわ」ゴクゴク

猫娘「本当にゃあ!酒に呑まれるなんて情けないにゃあ!」ヒック


幼女「おい」


猫娘「なんにゃあ?」ヒック

幼女「お前も未成年だろうが」

猫娘「安心するにゃあ!これはノンアルコールのまたたび酒にゃあ!」ヒック

猫娘「だからいくら飲んでも平気にゃあ」ゴクゴク



猫娘「んにゃあああああああああ!!!!酒は美味しいにゃあ!!!!」ビクンビクン



幼女(...普通のお酒より危ないんじゃないかそれ)

ちょいと短いけど今日はここまで

狸娘「猫ちゃん。何かおつまみあるか?」

猫娘「にゃあ!冷蔵庫に鮭があったはずだにゃあ~」フラフラ




狐娘「酒が飲める酒が飲める酒が飲めるのじゃ~!」ヨロヨロ

獅子男「酒が飲める飲めるぞ酒が飲めるぞォ!」ヨロヨロ




虎男「兄者...」



幼女「家の中が酒臭い...もう出てけよ酔っぱらい共...」




猫娘「にゃあ!おつまみだにゃあ~」フラフラ

狸娘「ん、ありがと♪」


狸娘「魚もたまにはええもんやなぁ...ウチは天ぷらの方が好きやけど」モグモグ

猫娘「にゃあ、天ぷらなら海老天が好きだにゃあ」モグモグ

狐娘「さ、酒が飲めるのじゃあ......Zzz」スヤァ

獅子男「さ、酒が飲めるぞ......Zzz」バタッ




狸娘「あーあ...二人ともとうとう酔い潰れてもうたわ。だからお酒はほどほどにしときって言ったのに」

幼女(んなこと言ってないと思うんですけど)


狸娘「なら二人も寝たことやし映画のDVDでも見よか?ウチちょうど持ってきとるねんけど」スッ


猫娘「にゃあ!見るにゃあ~!」フラフラ

虎男「う、うむ、兄者も起きないことだし俺も見るとしよう」


狸娘「決定やね~♪あ、幼女ちゃん、デッキ借りるで」

幼女「はいはいご自由にどうぞ...」


ウィーン


狸娘「やっぱり映画と言ったら洋画やね♪」

..............................................................
...............................................


TV『END』


狸娘「ふぅー!見終わったでー!」

狸娘「やっぱり三作連続は少しきつかったなぁ!でも達成感があるわ!」


幼女「...」

猫娘「...」

虎男「...」



狸娘「あれ?みんなどうしたん?」


幼女「い、いや一作目は面白かったんだけどさ...」

猫娘「二作目のオカルト路線にはちょっと驚いたニャ...」

虎男「三作目なんてただのゾンビ映画になってた気がするんだが」


狸娘「まあ最初がピークの作品なんて山ほどあるからなぁ」

狸娘「確かに三作目は方向性はかなり変わってたけどオチは悪くなかったと思うで?」

狸娘「でもやっぱりみんなでこうやって映画見るのは楽しいわ。最近はテレビやと全然やってくれんからなぁ」


猫娘「ニャ、確かにみんなで集まって映画を見たのは久しぶりだったニャ」

狸娘「たまにやってもバイオハザードとか邦画やからなぁ」

狸娘「もっとこう、ウチ的には血がいっぱい出るB級モンスターパニック系が見たいねん!」

狸娘「午後ローとかいう番組ではよくやってるらしいけどウチの住んでるところやとやってないもんなぁ...ほんま惜しいわ」


幼女(あの無人島紹介したら喜んで行きそうだな)


狸娘「はぁ、もう一度コマンドーを地上波で見たいわ」

狸娘「...って映画三本も見たから結構時間過ぎてるね。もう日が沈んでるわ」


幼女「あ、本当だ。もう夜の7時」

幼女(そろそろあいつが帰ってくる時間だな...)


虎男「もうこんな時間か...そろそろ俺達は出て行くとしようか」

猫娘「やっぱり泊まって行かないのかニャ?」

虎男「ああ、すまないな。今晩はホテルで過ごすとしよう」

虎男「...それにこれから少し用事もあるからな」


猫娘「ニャー!それなら明日は見送りに行くニャ!」



虎男「ほら兄者、起きろ。もう夜だぞ」ユサユサ

獅子男「Zzz......」スピー

虎男「駄目だな、完全に眠ってる...」

猫娘「どうするニャ?」

虎男「背負って途中で起こすとしよう。少し重いがな」スッ


獅子男「Zzz......」スピー


虎男「ではまた明日だ。妹者」

猫娘「また明日ニャー!」フリフリ


虎男「狸様もまたいつか。狐様にもよろしく言っておいてください」

狸娘「久しぶり会えて嬉しかったでー♪またいつかな♪」


ガチャ

バタン



狸娘「ほんなら虎君とライオン君も帰ったしウチも帰ろっかな、もう遅いし」

幼女「あの...狐様は...」チラッ



狐娘「Zzz......」スヤスヤ



狸娘「しゃあないなぁ...ウチが運んで行くわ」ヨッコラッセ

幼女(意外だな、てっきり狐は置いて自分一人で帰ると思ったんだけど)


狸娘「じゃあまたね♪幼女ちゃんに猫ちゃん♪」

狐娘「Zzz......」スヤスヤ


幼女「あ、はい。さようなら」

猫娘「さよならですニャー!」


猫娘(チッ...てっきり仲良くなったら何か貰えると思ったけど貰えなかったニャ)


狸娘「あ、そうそう」ガサゴソ

狸娘「はい猫ちゃん♪これお小遣い♪」スッ


札束「」ドーン


猫娘「ニャッ!?」ビクッ


狸娘「今日よくしてくれたお礼やで♪」

狸娘「ほなまたな♪」ガチャ


バタン


猫娘「あ、ありがとうございますニャ!」ペコー


幼女(またこの手口か)

猫娘「や、やったニャー!こんなに貰ったニャ!」ピョンピョン

猫娘「猫被り最高ニャ!やっぱり猫が正義ニャ!」


猫娘「ニャーッハッハッハッハ!!!!!」ゲラゲラ

幼女「...」


猫娘「あっ!幼女もこのお金欲しいのかニャ?」

猫娘「仕方ないにゃあ...少し分けてあげるニャ!」


幼女「...そのお金、もっとよく観察してみ」


猫娘「ニャ?どういうことニャ?」キョトン

幼女「いいから」


猫娘「観察って...意味が分からないニャ」

猫娘「よく見ればいいのかニャ?こんなお金なんか見て何も変わるわけ...」ジー


ボンッ


葉っぱ「」パラパラ


猫娘「ニ゛ャ゛ッ゛!?」


幼女「狸に化かされたね。私も一度やられた」

猫娘「ニャ、ニャアアアアアアアアア!!!!こんなの酷いニャアアアアアアアアアアアアアア!!!!」シクシク

..............................................................
............................................


スタスタ スタスタ


狸娘「今頃札束が葉っぱに化けた頃やろな」ニヤニヤ

狸娘「やっぱり人を化かすのは楽しいなぁ!止められんわ!」


狐娘「Zzz......」スヤスヤ


狸娘「おっと、あんまり大きい声は出したらあかんな」


狸娘「...」


狸娘「一体いつ頃やったかなぁ...狐ちゃんと勝負を始めたのは...」


狸娘「最初はただの縄張り争いやったけ?それでウチが化かして勝ったんやったな」

狸娘「ププッ...あの時の狐ちゃんの顔は傑作やったなぁ」

狸娘「それから毎日狐ちゃんが勝負仕掛けに来て...でもウチには勝てんくて泣いとったなぁ」


狸娘「狐ちゃんが初めて勝ったのは確か...ウチと同じ化かす術を覚えた時やったっけ」

狸娘「あの時は悔しかったなぁ。まさか自分より下やと思ってた狐ちゃんに負けるなんてあり得んかったもん」

狸娘「それから段々勝負がエスカレートして来て、最終的には勝負場所の国が滅んだんやったか」

狸娘「それで噂を聞いた神様がやってきて、めでたく神の仲間入り...」


狸娘「思えばウチの人生は狐ちゃんほぼ同じやな...」


狸娘「...」


狸娘「あの子達...幼女ちゃんと犬ちゃんには感謝せんとあかんな」


狸娘「ウチと狐ちゃんが小競り合いで済んでるのも犬ちゃんのおかげやし」

狸娘「幼女ちゃんのところで遊ぶようになってから喧嘩の回数も減ってるからなぁ」


狸娘「...もしかしてウチ、狐ちゃんと仲良くなりたいんかな?」


狸娘「よく男子が好きな子をいじめるって言うし...ウチが狐ちゃんをからかってるのも愛情の裏返し?」

狸娘「もしそうやとしたら何か恥ずかしいな...他の人も気付いてるんやろか」


狸娘「幼女ちゃん辺りは勘が鋭いもんなぁ」

狐娘「Zzz...」スヤスヤ


狸娘「ふふっ、自分のライバルの前でこんな気持ち良さそうに寝るなんて神失格やね」

狸娘「...いつか狐ちゃんと仲良くなれる日も来るんやろうか?」



狸娘「もしきたら...今よりもっと楽しいんかなぁ...」



狐娘「ん.........ん.........」モゾモゾ


狸娘「」ビクッ


狸娘「あ、あっー!狐ちゃん起きたかー!」アセアセ

狸娘(さ、さっきの独り言聞かれてへんかな?)



狐娘「...」モゾモゾ

狐娘「......お......お」ピクピクッ


狸娘「お?」




狐娘「おえええええええええええええええええ!!!!!!!!」ゲロゲロ




狸娘「」ビチャ

狐娘「おろろろろろろろ!!!!!おぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!!!!」ゲロゲロ



狸娘「」ビチャ



狐娘「おげええええええええええええええええ!!!!!おべえええええええええ!!!!!」ゲロゲロ



狸娘「」ビチャ



狐娘「...」ピタッ


狐娘「Zzz......」スヤァ



狸娘「」ビチャビチャ


狸娘「...人の背中で吐くなんてええ度胸してるやん」

狸娘「...狐ちゃんをおんぶして帰ろうとしたウチがアホやったわ」パッ


狐娘「Zzz...」ドサッ



狸娘「狐ちゃんは荷物と同じ扱いで充分や!」グッ



ズルズル



狐娘「うーん...うーん...」ズサー

今日はここまで

..............................................................
.................................................


スタスタ スタスタ


虎男「...ここら辺でいいか」ピタッ

虎男「おい兄者、いい加減起きろ」ユサユサ


獅子男「そんなこと言われてもウチポンデライオンやし......Zzz......」


虎男「どんな夢を見てるんだ兄者...」

虎男「...どうやら酒のせいで目が覚めないらしいな。まずは酔いを醒ますのが先か」

虎男「確か目覚めの魔法は...こうだったか?」ピカッ



獅子男「ッッッッッッ!?!?!?」ビクーン



虎男「起きたか」


獅子男「こ、ここは誰だ...?俺はどこ...?」キョロキョロ


虎男「兄者、寝ぼけてる場合じゃないぞ」


獅子男「くっ...一体何があった?頭がボーっとして...それに何だか体中が痛いんだが」

虎男「かくがくしかじか、兄者は酔い潰れて俺がここまで運んできたというわけだ」


獅子男「そんなことがあったのか...何も覚えないな」

獅子男「狐様に酒を飲ましたことまでは思い出せるんだが...むむむ」



獅子男「...ん?待てよ?ならこの痛みは何だ?」



虎男「そんなことより兄者、もう日が沈んで夜だ」

虎男「俺達がなぜ戻ってきたか忘れたのか?」


獅子男「...あぁ、そうだったな。そのために俺達はわざわざサバンナから帰って来たんだった」

獅子男「こんなところで立ち止まってる暇はないな...行くぞ弟者」クルッ


虎男「兄者、方向が逆だ。店はこっちだぞ」


獅子男「...どうやらまだ少し酔いが残ってるみたいだな」

............................................................
...................................................


アリガトウゴザイマシター


犬娘「あぁ...疲れたぁ...」グタッ

犬娘「も、もう無理。一歩も動けない...」



兎娘「まったく犬は情けないなぁ。こんなことでへばるなんて」

兎娘「やっぱり一番は兎だね!」ドヤァ



犬娘「...モップに向かって何言ってるの?兎ちゃん?」



兎娘「い、一番は兎...」フラッ

兎娘「」バタッ



犬娘「あーあ、とうとう倒れちゃったよ」


熊男「今日もご苦労だった。今から給料を配るぞ」

犬娘「店長!最近ちょっと厳しいよ!もっと人を増やすかお客さん減らして!」

熊男「最近は他の従業員の休みが多いからな。我慢してくれ」


犬娘「そんなこと言われてもキツいのはキツいよ!このままだと過労死しちゃうよ!」プンプン


熊男「その代わりに明後日の祝日は全員休みだ。もう少し頑張ってくれ」


犬娘「さすが店長!よっ!日本一!」クルッ

熊男「ほれ、今日の給料だ」スッ


犬娘「サンキュー!店長!」

犬娘「じゃあ私はもう帰るから!また明日!」ダッ


熊男「まったく...騒がしいやつだ」

熊男「ほら兎娘、お前も起きろ。もう閉店だぞ」


兎娘「...え?閉店?」パチッ


熊男「これが今日の分の給料だ。他のみんなはもう全員帰ったぞ」


兎娘「あ、あぁ...うん...終わったんだ」フラッ

兎娘「じゃ、じゃあ店長また明日...」フラフラ


熊男「ちょっと待て」


兎娘「なに?」


熊男「ほらこれ、北海道産の高級ニンジンだ」ポイッ


兎娘「ニンジン...ニンジン!?」

兎娘「し、しかも北海道産の高級ニンジン!?」

熊男「最近顔色が悪いからな。これでも食って元気を出せ」

熊男「あともう1つ、弟君の分だ」ポイッ


兎娘「て、店長...」ウルウル

兎娘「ありがとう!店長!もう店長の悪口をネットに書くなんて真似しないよ!」


熊男「おい、ちょっと待て。それはどういうことだ」


兎娘「給料はいいけど地下王国並に働かせる強制労働施設なんて絶対書かないから!」ダッ


熊男「まさか今日変な役所の人間が来たがお前の仕業か!ちょっと待て!」ダッ



兎娘「へへーんだ!いくら店長でも足では兎には勝てないよっ!」ダダダッ



熊男「逃げ足だけは速いやつめ...」

熊男「はぁ、まったくうちの店員にも困ったものだ」


狼男「店長殿!お先に失礼するでござる!」ビシッ


熊男「あぁ、狼男か。今日もご苦労だった」

熊男「さて...少し整理したら俺も帰るとするか」スタスタ


チリンチリン♪


熊男「む、こんな時間に客か?」

熊男「すまないがもう今日は閉店...」



???『........』バッ



熊男「ッ!?」



???『.........!!!』ビュンッ



熊男「フンッ!」パシッ



???『.........!!!』グググッ



熊男「甘いわァ!」グルンッ



???『.........!?』バタッ



熊男「一体誰だ?突然襲ってくるとは...」


ダダダダダッ!!!!!!


熊男「ッ!?もう一人居たのか!」

???「.........!!!」シュンシュンシュンッ


熊男「チッ...ちょこまかと素早い奴め...」


???「.........!!!」バッ



熊男「...見えた!そこだァ!!!」ブンッ



???「.........ガハッ!」ボコォ


バタッ



熊男「...これで終わりか」

熊男「まったくご丁寧に覆面なぞしやがって...どこのどいつだ」

熊男「...とりあえずまずはその顔を拝見するとしようか」


ヌギッ



獅子男「お、お久しぶりです。師匠」

虎男「だから返り討ちに遭うと言っただろ兄者...」



熊男「お前達は...」

熊男「それでどういうことだ?お前達は確かサバンナに修行に行ったんじゃないのか」


獅子男「じ、実はどれほど腕を上げたか気になり」セイザー

虎男「い、一度師匠に見てもらおうかと」セイザー


熊男「はぁ...まったく、そんな少しの期間で上達するわけないだろう」


獅子男「い、一年近くはサバンナで修行してたんですが」


熊男「それでもたった一年ぽっちだ。俺なんて若い時は山に十年は篭ったぞ?」


虎男「十年...ですか」


熊男「強さというものはそう簡単に手に入るものではない」

熊男「何十年も修行を積み重ね、切磋琢磨し、鍛錬して初めて手に入るものだ。お前達は少しせっかち過ぎるぞ」


獅子男「...返す言葉もない」

虎男「だから俺はもう少し待てと言っただろ兄者...」

熊男「...まあ焦る気持ちも分からんことはない」

熊男「ただ急ぎ過ぎるのは駄目だ。少しずつ、確実に修行を重ねれば自然と強さの方がついてくる」


獅子男「...」

虎男「...」


熊男「まあいい、せっかく帰ってきたんだ」

熊男「...どれほど腕を上げたか見てやろう」スッ



獅子男「...!」

虎男「い、いいんですか?」



熊男「あぁ、二人同時にかかってこい」

熊男「二人がかりだからって手を抜いたりなんかしたらぶっ殺すからな」



獅子男「...弟者」チラッ

虎男「...兄者」チラッ


ダンッ



獅子虎「「ウオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」」



熊男「ふん...」ニヤッ

..............................................................
.............................................

熊男「...こんなところか」パッパ



獅子男「く、くそぅ...」ボロボロ

虎男「や、やはりまだ早かったか...」ボロボロ



熊男「たった一年でよくここまで上達した...」

熊男「が、まだまだ二人とも甘いな」


熊男「まず獅子男、お前は二つの動作が出来ない癖を直せ」

熊男「攻撃、防御、回避、どれも1つに集中し過ぎだ」


獅子男「う、うむ...直そうとは思ってるんですが...」


熊男「次に虎男、お前は動きに反応し過ぎる」

熊男「フェイントに引っ掛かり過ぎだ。もっとよく相手を観察しろ」


虎男「精進します...」

熊男「それとお前達二人は魔法をもっと勉強しろ。戦闘の基礎中の基礎だぞ」


獅子男「し、しかしどうもあれは苦手で...」


熊男「俺だってまともに扱えるようになるには苦労はしたが、その分対価も大きい」

熊男「...まあ努力は認めてやる。この一年よく頑張った」


虎男「し、師匠!」


熊男「どうだ?せっかく帰って来たんだから久しぶりに一緒に飲まないか?」

熊男「いい店を知ってる。もちろん俺のおごりだ」


虎男「すみません、今日はもう酒は...」


獅子男「いいですね!飲みに行きましょう!」


熊男「そうか、決定だな。ではさっそく行くとしよう」


虎男(もう昼のことを忘れたのか兄者...はぁ、今度はホテルまで兄者を運ぶことになりそうだ)


獅子男「何をモタモタしてるんだ弟者?早く行くぞ」


虎男「あ、あぁ...分かってる」

虎男(兄の面倒を見るのも弟の役目...か)

...........................................................
............................................


犬娘「るん♪るん♪るん♪」スキップ

犬娘「明後日は祝日で休み~♪何をしよっかな~♪」


犬娘「まずはご主人様と買いm...」



猫娘『ニャッニャッニャッ...』フフフ



犬娘「チッ...全員だから猫ちゃんも休みか」

犬娘「そういえば今日は私が留守の間に何かあったのかな...一応狐様と狸様を見張りに行かせたから大丈夫だと思うけど」


犬娘「くっそー!何で猫ちゃんが家に来るんだよー!家がないなら保健所に引き取ってもらえよー!」

犬娘「そもそもご主人様に最初に目を付けたのは私だし...この泥棒猫め...」グチグチ


犬娘「...はっ!これってまさか嫉妬っ!?」


犬娘「だ、駄目だよ犬が嫉妬なんて!まるで猫みたいじゃん!」

犬娘「犬は明るく笑顔で元気で...よし!」


犬娘「さあ早く帰ろっと!あんまり遅いとご主人様も心配するからね!」ダッ

ガチャ



犬娘「ごっ主人様ただいま~!犬のご帰還だよ~!」



猫娘「にゃあ...マタタビ酒返してくれにゃあ」フラフラ

幼女「ダメ、こんなもの体に悪い」

猫娘「にゃあ...お願いにゃあ」ダキッ

幼女「くっつくな、暑苦しい」ググッ



犬娘「」



犬娘「」



犬娘「」



幼女「あ、帰ってきたんだ。今すぐ晩ごはんの準備するね」スタスタ

猫娘「にゃあ...待ってくれにゃあ...」ダキッ



犬娘「」

幼女「いただきます」

猫娘「いただきますニャ」



犬娘「」



猫娘「マタタビ酒返してくれニャー」モグモグ

幼女「駄目、お酒なんて毒にしかならないもん」モグモグ

猫娘「じゃあ一日一杯だけでもいいから飲ませてくれニャ~」

幼女「...じゃあ一杯だけなら」

猫娘「ニャー!やったニャ!」



犬娘「」モグモグ



幼女「ごちそうさまでした」

猫娘「ごちそうさまニャ」



犬娘「」



猫娘「洗い物手伝うニャ」

幼女「え?あ、ありがとう」



犬娘「」

TV『なんでやねん!』


猫娘「ニャハハハハハハ!!!」ゲラゲラ

幼女「プッ...」



犬娘「」



幼女「お風呂上がったよ」ホカホカ

猫娘「ニャ、じゃあ次は私が入ってくるニャ」スタスタ



犬娘「」



猫娘「ふにゃ~いいお湯だったニャ」ホカホカ

幼女「犬も早くパパっと入ってきてね。冷めちゃうから」



犬娘「」スタスタ



犬娘「」チャポン



犬娘「」

猫娘「ふわぁ~ニャ...もう眠くなってきたニャ」ウトウト

幼女「じゃあ布団敷いてくるね」スタスタ



犬娘「」



猫娘「歯磨きしてくるニャ~」

幼女「あ、歯磨き粉切れてたんだった。ちょっと待ってて、今出すから」



犬娘「」



猫娘「じゃあおやすみニャ~」スタスタ

幼女「寝る時には電気消してね」スタスタ



犬娘「」



シーン



犬娘「」



ポツーン



犬娘「」



犬娘「..........な」



犬娘「なんじゃこりゃあ!!!!!」ドンガラガッシャーン

犬娘「なんで猫ちゃんとご主人様がイチャイチャしてるんじゃゴラァ!!!!」ドンガラガッシャーン

犬娘「なんか顔赤かったよね!?何あれ媚薬!?」

犬娘「猫にマタタビの媚薬与えてイチャコラバッコンってなんのエロゲじゃゴラァ!!!!」ドンガラガッシャーン



犬娘「はぁ...はぁ...」


犬娘「や、やっぱり猫ちゃんは危険だ...」


犬娘「...」



犬娘「...封印してやる」ニヤッ









猫娘「ゴロニャー......ゴロニャー......Zzz ...」ゴロゴロ

幼女「Zzz...」スヤァ




犬娘「」コソッ

犬娘「くそがぁ...ご主人様の隣でゴロゴロ鳴きながら寝やがって...」

犬娘「へんだ...その幸せも今のうちだぜ」

猫娘「Zzz...」スヤスヤ



犬娘「」コソコソ


犬娘「」ガシッ


犬娘「」グイッ



猫娘「」ズルズルー



『トイレ』


ガチャ


犬娘「」ポイッ


猫娘「Zzz...」ドサッ


バタン


犬娘「ふふふ...まずは正方形の部屋に閉じ込める」

犬娘「そして用意するのはこの水が入ったペットボトル!」バーン


犬娘「これを部屋の前に置く!」ポン


犬娘「そして魔力を込めるっ!」ピカッ

キラキラ キラキラ


犬娘「あとは魔方陣を描いて...」カキカキ

犬娘「もう一度魔力を込める!」パンッ



ブワァ



犬娘「完成!猫科専用封印魔法!」

犬娘「ペットボトルの効果により猫科はこの部屋を出ることは出来ない!」

犬娘「ふははははははははは!哀れなり猫めっ!」


犬娘「ねぇ今どんな気持ち?犬に封印されてどんな気持ち?」

犬娘「これでご主人様と私の仲を邪魔する者は消えた!後は私がご主人様と一緒に寝れば全て解決!」

犬娘「犬大勝利!希望の未来へレディ...」




幼女「なにしてるの」




犬娘「ゴーッ!!」


犬娘「...へ?」クルッ

犬娘「ご、ご主人様...な、なんで...」ブルブル


幼女「夜中に馬鹿みたいな大声が聞こえたら誰だって起きる」


犬娘「あ、あはは...そうだよね...」ブルブル

犬娘(だ、大丈夫だよね?バレてないよね?)ダラダラ


幼女「で、なにしてたの」


犬娘「う、ううん、何も?ただ大声を上げてただけだよ?」ブルブル


幼女「ふーん、そうなんだ」

幼女「...なんか犬大勝利とか聞こえたけど」


犬娘「ちょ、ちょっと叫びたくなっただけだよ?」ブルブル

犬娘(良かった...最後の方しか聞かれてない...これならゴリ押しすれば行ける!)

幼女「このペットボトルは何?」


犬娘「ま、魔除けだよ!最近この家に悪霊を感じるから!」

犬娘(ヒュー!我ながらナイスな回答だ!)


幼女「この魔方陣は?」


犬娘「ま、魔除けその2!なんか凶暴なやつだから一個だと不安でさー!」

犬娘(イ、イケる!今日の私は冴えてるよ!)


幼女「...じゃあさ」

幼女「どうして私の隣で寝てた猫が居ないの?」


犬娘「」ギクッ


犬娘「さ、さあ?トイレじゃないのかなぁ?」


幼女「...トイレねぇ」チラッ



犬娘(あっ)


犬娘(し、しまったー!)

犬娘(猫ちゃんを封印したのはトイレだった!何やってんだよ私の馬鹿っ!)

幼女「...」スッ


犬娘「ご、ご主人様!?何しようとしてるの!?」


幼女「何ってトイレのドアを開けようとしてるんだけど」


犬娘「だ、駄目だよ!そんなことしたら!ト、トイレ中にドアを開けるなんて!」


幼女「...それもそうか」


犬娘(ほっ...あ、危ない危ない...)


幼女「...」

幼女「やっぱり開けよ」スッ



犬娘「はいっ!?」ビクッ

犬娘「ス、ストップご主人様!」ドンッ


幼女「痛っ」ドサッ


犬娘「あ、あわわ...ご、ごめん...」


幼女「...やっぱりこのトイレに何かあるな?」ギロッ


犬娘(う、うぅ、さすがご主人様。鋭い...)

犬娘「な、何もないよ?本当に何も」シラー


幼女「もっと私の目を見て答えて」ギロリ


犬娘「う、うぅ...」

犬娘(む、無理...目が怖い...名探偵の兎みたいな目になってる...)


幼女「...よし、開けよう」ガチ


犬娘「わっー!わっー!分かったよー!!!!」

犬娘「全部白状するから許してー!」シクシク


幼女「...」








幼女「...つまり最近私が猫と一緒に居るから嫉妬して猫を封印しようとしたと?」

犬娘「はい...」


幼女「何か言うことは?」

犬娘「ごめんなさい...」


幼女「それ私に言うの?」

犬娘「...猫ちゃんに言います」

犬娘「で、でも...」プルプル

幼女「なに?」


犬娘「ご主人様も悪いんだよっ!!!!」


幼女「は?」



犬娘「最近毎日毎日猫ちゃんと一緒!!!!」

犬娘「ご主人様のペッドは私なのに!!!!」

犬娘「もっと私のことも気にしてよ!!!!」



幼女「...」


犬娘(い、言ってしまった。つい本音が...)

犬娘(あ、あぁ...絶対怒られる、最悪嫌われる...)



幼女「...ごめん」



犬娘「ひぃ!ごめんなさい!言い過ぎました!」ペコッ

犬娘「...え?」



幼女「確かに最近犬のことをあんまりかまってなかった気がする...ごめん」



犬娘「...は?」

犬娘(ご、ご主人様が謝った...め、珍しい)

犬娘(これはもしかしてチャンス?)


犬娘「う、うん!ご主人様も分かればいいんだよ!」

犬娘「と、ところで明後日の祝日は仕事が休みなんだけどさ...」

犬娘「ど、どこかに行かない?ふ、二人っきりで」



幼女「...」



犬娘(い、言ってしまったー!)

犬娘(さ、さすがに二人っきりというのは厳しいかな?)

犬娘(まあご主人様が居るなら猫ちゃんと一緒でも)



幼女「...分かった。行こう」



犬娘「そうだよね...無理だよね...」ショボン


犬娘「...へ?」


犬娘「い、今なんて...」プルプル

幼女「だから...明後日行ってやる。二人でどこかに」


犬娘「え...嘘...」

犬娘「」ブワッ


幼女「はぁっ!?」

幼女「ちょっ!何で泣いてるの!?」



犬娘「う、うぅ...ご主人様ーーー!!!」ピョーン

幼女「!?」



ドサッ



犬娘「大好き!ご主人様大好き!」スリスリ

幼女「く、くっつくな!気持ち悪い!」

犬娘「もう封印魔法もいらない!私にはご主人様がいるもん!」ピカッ

幼女「や、やめろ!お前どこ触って...!」



ドタバタ ドタバタ



猫娘「...ニャ」パチッ

猫娘「あ、あれ?ここどこニャ」キョロキョロ

今日はここまで

~~~~ 翌日 ~~~~


チュン...チュン...



犬娘「ふんふんふーん♪」モグモグ


幼女「...」

猫娘「...」


犬娘「あっ!ご主人様!はいこれ目玉焼きに使う醤油!」スッ

幼女「あ、ありがとう...」


犬娘「猫ちゃんはケチャップだったよね?はい!」スッ

猫娘「お、おうニャ...」



犬娘「あーやっぱりご主人様が作る朝ご飯は美味しいなー♪」



猫娘「ど、どうしたニャ。犬のやつ何か様子が変ニャ...」ボソッ

幼女「さ、さあ?」


幼女(ちょっと出かけに行くだけでテンション上がりすぎだろあいつ)

犬娘「おっともうこんな時間だぁ!」

犬娘「では今日も頑張って仕事してくるね!ご主人様!」


幼女「が、頑張って」


犬娘「猫ちゃん!ご主人様のことは任せたよ!」


猫娘「お、おうニャ」


犬娘「じゃあいってきまーす!」ダッ


ガチャ

バタン


猫娘「...犬のやついつも以上にテンションが高いニャ」

幼女「...そうだね」


ガチャ


犬娘「あっ!忘れてた!」

犬娘「猫ちゃん!昨日はごめんね!」


猫娘「...ニャ?」


犬娘「今度こそ本当にいってきます!」


バタン

猫娘「昨日?どういうことニャ?」

猫娘「確か昨日は...そういえば変な夢を見たニャ」

猫娘「なぜかトイレの中で寝てたような」


幼女「そ、そんなことより!お兄さん達の見送りはいいの?もう今日で帰っちゃうんじゃなかった?」


猫娘「はっ!そうだったニャ!」

猫娘「さっそく空港にGOニャ!」


幼女「...わざわざ空港に行かなくても携帯で連絡取ればいいんじゃないの?」


猫娘「お兄ちゃん携帯持ってないから向こうから連絡が来ないと何も出来ないニャ」

猫娘「それに最近は公衆電話も減ってるから待つよりこっちから行った方が早いニャ」


幼女「でもいつの便かも分からないし下手したら何時間も待つことに...」


猫娘「その時はその時ニャ!また空港で時間を潰すニャ!」

猫娘「つべこべ言わずに出発ニャ!」ガシッ


ダッ


幼女「ひ、一人で歩けるから離せー!」バタバタ

~~~~ 空港 ~~~~



猫娘「お兄ちゃん達はどこニャ~?」キョロキョロ

幼女「さすがにまだ居ないいんじゃないの?お昼の便かもしれないし」


猫娘「...ニャッ!?あの大きい後ろ姿は!」ダッ


幼女「ちょっと!?どこ行くの!」



猫娘「お兄ちゃーん!!!!」バッ



ダキッ


虎男「誰だ...って妹者か?」クルッ

虎男「丁度今から電話をかけようとしたんだが...どうしてもうここに居るんだ?」


猫娘「ニャ!待ちきれなくて電話が来る前に空港に来たんだニャ!」


虎男「まったくせっかちだな、妹者は」



幼女(まさか本当にもう居るとは)

幼女(これって兄妹の繋がり的なアレ...?)

猫娘「あれ?獅子お兄ちゃんはどこニャ?」キョロキョロ

虎男「あぁ、兄者ならそこで...」



獅子男「」グッタリ



虎男「二日酔いだそうだ。気分が悪いらしい」

猫娘「相変わらず酒に弱いニャ」


幼女(昼間にあれだけ飲んでまた飲んだのか)


虎男「まあそっとしといてやれ。その内元気になるだろう」

猫娘「私、酒抜きの魔法使えるけどかけてあげた方がいいのかニャ?」

虎男「いや、これも一つの試練だ。兄者も少しは酒で痛い目を遭った方がいいからな」

猫娘「ニャ!了解ニャ!」



獅子男「」グッタリ



幼女(...頑張れライオン)

猫娘「あっ!そういえば飛行機はいつ出るんだニャ?」

虎男「確かあと二時間後に飛び立つ便だったと思うが」


猫娘「ニャッ!?それだとあんまり時間がないニャ!」


猫娘「早くお土産を買うニャ!私が案内してあげるニャ!」

虎男「...?サバンナに土産を渡す知り合いはいないぞ」


猫娘「お兄ちゃん達へのお土産ニャ!」

猫娘「空港で売ってる食べ物は結構美味しいから買った方がいいニャ!」


虎男「なるほど...確かに旨いというのは少し気になるな」

虎男「案内してくれ、妹者。少し見てみたい」


猫娘「ニャー!任せてくれニャ!」

猫娘「さあ!幼女も一緒に来るニャ!」


幼女「えっ?私も行くの?」


猫娘「当たり前ニャ!ここを一番詳しいのは幼女ニャ!」


幼女(め、めんどくせぇ...)

..................................................................
..................................................


虎男「これだけ買えば充分か」ドッサリ

猫娘「結構買ったニャー」


幼女(まんじゅうお菓子カップ麺その他色々...)

幼女(全部検査で引っ掛からない...とは思うけど、まあ引っ掛かっても私のせいじゃないよね?)


虎男「すまないな、手間をかけさせてしまって」

幼女「い、いえ。お気になさらず」


虎男「妹者は本当にいい友を持ったな...大切にしろよ?」

猫娘「ニャ!言われなくても分かってるニャ!」


獅子男「」グッタリ


虎男「さてもう少で搭乗の時間だが...そろそろ兄者を運ぶか」


猫娘「あっ!そういえばすっかり忘れてたニャ!」

猫娘「お兄ちゃん!見てもらいたい技があるニャ!」


虎男「...技だと?」ピクッ



幼女(...何かトイレに行きたくなってきたな)

猫娘「そうニャ!私が考えた新必殺技ニャ!」

虎男「...珍しいな。妹者が技を見てほしいと頼むとは」



幼女(二人は今何か話してるし、抜けても問題ないよね?)

幼女(さっさと済ませてこよっと)コソッ



猫娘「ニャ...実は少し前にちょっと自分の弱さを実感した時があったニャ...」

猫娘「だから空いてる時間に少しずつ修行したニャ!そしたら何かスゴい技が出来たっぽいニャ!」


虎男「ほう、妹者も弱さの壁に当たったか」

虎男「俺も経験がある...あの壁は高くて分厚い。乗り越えるのは難しいだろう」

虎男「俺に出来ることなら喜んでやる、見せてみろ」


猫娘「...では行くニャ」


猫娘「...ニャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」ゴゴゴゴ



パッ

..............................................................
.................................................


ジャー


幼女「ふぅ...スッキリした」フキフキ

幼女「さ、早く戻ろっと」ダッ







猫娘「はぁ...はぁ...ど、どうニャ?」


虎男「...」


虎男「...俺は魔法関連のことはあまり詳しくない」

虎男「だから直感、今までの経験から思ったことを言わせてもらう」


猫娘「...」ゴクリ



虎男「いい技だ。よくそんな技を考えた感心するほどな」



猫娘「や、やったニャー!お兄ちゃんに褒められたニャー!」ピョンピョン


虎男「その技は完成してるのか?」

猫娘「いや!まだ練習中ニャ!」

虎男「そうか。今の段階で何もしない状態だと何分持つ?」

猫娘「うーん...30分が限界ってところかニャ?」


虎男「それだと大体実践で使うと5分が限界だな」

猫娘「えぇーっ!?それだけしか持たないのかニャ?」

虎男「実際の戦闘ではそのぐらいのエネルギーの消費を覚悟した方がいい。あくまで目安だ」

猫娘「にゃあ...ちょっと自信なくしたニャ」ガーン


虎男(しかし妹者がこれほどまでに腕を上げるとは...俺達もうかうかしてられないぞ兄者)



幼女(到着っと)

幼女(あ、良かった。間に合ったみたい)



虎男「む、そろそろ時間だな」

虎男「じゃあな、妹者。母者と父者にもよろしく言っておいてくれ」

猫娘「ニャ!たまには二人にも顔見せた方がいいニャ!」


虎男「あと幼女、うちの妹者をよろしく頼む。一人だと危なっかしいやつだからな」

幼女「は、はい!」



虎男「さあ行くぞ兄者、いつまで寝てるんだ」スッ

獅子男「ぉぇ...」グッタリ

虎男「ではさらばだ、また会おう」スタスタ

獅子男「ぅぷっ...」グッタリ



猫娘「ニャー!お兄ちゃん達!元気でニャー!」フリフリ

幼女「お、お元気で」フリフリ



シーン



猫娘「...行っちゃったニャ」

幼女「...そうだね」


幼女(...あの二人は猫の家族、やっぱりまた別れるのは辛いのかな?)

幼女(こ、こうなったら私が励まして)


猫娘「さっ!お兄ちゃん達もいなくなったし今日も遊ぶニャー!」


幼女「」ズコー


猫娘「今日は店長から貰った休みの最終日ニャ!目一杯満喫しないと損ニャ!」

猫娘「ほら!幼女も早く来るニャ!時間は有限ニャ!」ダッ


幼女「ちょっ!?ま、待ってよ!」ダッ



猫娘(ニャ!やっぱりお兄ちゃん達と別れるのは少し寂しいニャ)

猫娘(...でも今は私の隣には幼女が居るニャ)


猫娘(ならこの状況を楽しまないと損だニャ!)

~~~~ 飛行機内 ~~~~



虎男「少しは楽になったか?兄者」

獅子男「あ、あぁ...少しだけな...」グッタリ


虎男「だから飲みすぎるなと言っただろう...正直、今の兄者は物凄くカッコ悪いぞ」

獅子男「う、うむ...次から気を付ける...」


虎男「せっかく妹者と幼女が見送りに来てくれたというのに...」


獅子男「何?二人が来てたのか?」

獅子男「それは惜しいことをしたな...別れの挨拶ぐらいしておくべきだった」


虎男「あと妹者だが、どうやらかなり強くなったみたいだぞ」

獅子男「...どういうことだ?」


虎男「技を見てほしいと頼まれてな、相当努力したみたいだ」

虎男「...もしかしたらそのうち追い付かれるかもな」


獅子男「そうか。妹者が...立派になったものだ」

獅子男「...俺達も負けてられんな、弟者」

虎男「あぁ、いつか俺達も師匠を超えてみせる」

虎男「...といいんだが、どうもあの人にはまだまだ勝てそうにもない」


獅子男「確かに...さすが地上最強の熊と言ったところか」

獅子男「神でもない普通の獣人なのに龍を倒したという伝説があるくらいだからな...」


虎男「龍と言えば兄者、サバンナでも最近龍が出るという噂があるみたいだぞ」

獅子男「ほう...何という龍だ?」


虎男「何と言ったか...紅しょうがみたいな名前だったと思うんだが」

虎男「どうやら各地を荒らし回ってるかなり強い龍らしい」


獅子男「...つまり腕試しには絶好の相手ということか」

虎男「どうする兄者?」

獅子男「決まってる、帰ったらさっそく龍退治だ!」

虎男「そう言うと思ったぞ」


獅子男「そうと決まったらさっそくトレーニングだ...1、2、3」ブンッ

獅子男「うぷっ...おろろろろろろろろろろろろろろろ!!!!!!」ゲロゲロ



虎男「兄者...さすがに今日はゆっくり休め」

今日はここまで

..............................................................
...................................................


猫娘「にゃん♪にゃん♪にゃ~ん♪」

幼女「...」トボトボ


猫娘「にゃにゃん♪にゃん♪にゃーん♪」

幼女「...ねぇ」

猫娘「ん?どうしたニャ?」

幼女「私達どこに向かってるの?」


猫娘「ニャ~♪行ってからのお楽しみニャ~♪」

幼女「えぇ...」






猫娘「着いたニャー!」

幼女「本当にここなの?」

猫娘「そうニャ!まずはここでやるこがあるニャ!」


幼女「でもここって...」



幼女「何もないただの空き地じゃん」

幼女「こんなところで何をするの?」

猫娘「まあ見てれば分かるニャ」


幼女(見てれば分かるって...本当に何もない空き地じゃん)キョロキョロ

幼女(一体何が起こるんだろ?)



猫娘「にゃ~ん!にゃ~ん!」

幼女「...?」


猫娘「にゃ~ん!にゃ~ん!」

幼女「な、何してるの?」


猫娘「にゃ~ん!にゃ~ん!」


幼女(と、とうとう頭がおかしくなったか...)



タッタッタ タッタッタ



幼女「!?」

幼女(な、何かが走ってくる音がする...それもたくさん...)

タッタッタ タッタッタ タッタッタ


猫娘「ニャ、やっと来たニャ」ニヤリ

幼女「き、来たって!だから何が来たの?」

猫娘「もう少し待てばみんな来るニャ」


幼女(みんな?)

幼女(つまりこの足音は全員猫の知り合い...?)


幼女(い、一体誰が来るんだ...!)ゴクリ



ヒョコッ



野良猫「ニャア」



幼女「...」

幼女「ね、猫?普通の...」



ゾロゾロ ゾロゾロ



野良猫A「ニャア」

野良猫B「ニャア」

野良猫C「ニャア」



幼女(多っ!?)ビクッ


猫娘「ニャー!みんな久しぶりニャー!」フリフリ

幼女「み、みんなってまさか...」

猫娘「そうニャ!この子達ニャ!」

幼女「えぇ...」


猫娘「紹介するニャ!この子がジョンでこの子がコナー!」

猫娘「ドクにマーティにビフ!オコーとネルにイムとホテップニャ!」


幼女「...」


猫娘「それからこの子は...」

幼女「も、もう紹介はいいから」



猫娘「ニャ!みんなにも紹介するニャ!この子は幼女ニャ!」

野良猫達「「「「 ニャア 」」」」


猫娘「今はこの幼女の住まわせてもらってるニャ!」

野良猫「「「「 ニャア 」」」」


猫娘「みんな仲良くしてやっくれニャー!」

野良猫「「「「 ニャア 」」」」



幼女(意味通じてるのかこれ)

猫娘「ニャニャニャ?ニャーニャーニャー」

野良猫「ニャア」

猫娘「ニャ~!ニャアニャア!」



幼女(さっきからずっと野良猫と話してる...)


子猫「ミャア」スリッ


幼女「ん?」チラッ


子猫「ミャアミャア」スリスリ


幼女「...子猫?」


子猫「ミャア」キラキラ


幼女「」キュン

幼女(か、可愛い...)



幼女「お、おいで」スッ


子猫「ミャア!?」ビクッ

子猫「」サーッ


幼女「あっ...逃げられちゃった」

幼女「やっぱり野良猫だから人間に慣れてないのかな?」

幼女「うぅ、でも触りたい...どうすれば...」


幼女「...ん?あっ!あれ使えるかも!」ダッ





子猫「ミャア」ゴロンゴロン


幼女「」ソロー


子猫「...ミャア?」ピクッ


幼女(ふっふっふ、これぞ対猫最強装備...)

幼女(そこら辺に生えてた猫じゃらし!正式名称エノコログサ!)


幼女「ほ、ほらぁ~、おいでぇ~」


フリフリ


子猫「ミャア!」

子猫「ミャア...」フリフリ

子猫「ミャア!!!」ダッ


ガシッ


幼女(食いついた!)

子猫「ミャア!ミャア!」ガシッ


幼女「ふふ~ん、こっちだよ~」フリフリ


子猫「ミャア!」ピョンピョン


幼女(...可愛い)

幼女(い、今ならちょっと触れるかな?)


子猫「ミャアミャア!」ガシッ


幼女「」ソロー


サワッ


幼女(や、やった!触れた!)


子猫「ミャッ!?」ビクッ

子猫「」サーッ


幼女「あっ...また逃げられちゃった」

幼女「でもふわふわで柔らかかったな...ぐへへ...」ニンマァ



猫娘「ニャ?何か幼女が気持ち悪い顔になってるニャ」

幼女(そういえば猫ってあの子猫ちゃんみたいに動く物に反応するんだっけ)

幼女(...一度試してみようかな)



幼女「ねぇ」

猫娘「ニャ?どうかしたニャ?」


幼女「ん」フリフリ


猫娘「...ニャ?」


幼女「ん!」フリフリ


猫娘「...何ニャ?」



幼女(あ、あれ?)



幼女「ど、どうして猫じゃらしに反応しないの?猫なのに」

猫娘「あーそういうことかニャ」


猫娘「フッ...」ヤレヤレ


幼女(何だその「やれやれこれだから幼女は」って顔は)

猫娘「猫じゃらしに反応するのはお子ちゃまの子猫だけニャ!」

猫娘「私みたいな大人な猫は猫じゃらし程度では反応しないニャ」ドヤァ



幼女「...」

幼女(大人ってお前高校生ぐらいだろ)



幼女「なーんだ、反応しないんだ」ポイッ


猫娘「...」ピクッ


幼女(あれ?今、一瞬体が動いたような)

幼女(...もしかして頑張れば食いつくんじゃ)


幼女「」スタスタ

幼女「」ブチッ


幼女「...」フリフリ


猫娘「なんニャ?また猫じゃらし取ってきたのかニャ?」

猫娘「だから無駄って言ってるニャ!もうそんなので遊ぶ年頃じゃないニャ!」


幼女「」フリフリ


猫娘「む、無駄...」ウズウズ


幼女「」ニヤリ

幼女「」ピタッ

猫娘「ニャッ...」ピクッ


幼女「」ヒラリヒラリ

猫娘「ニャニャニャ...」ウズウズ


幼女「」ファサァ

猫娘「ンニャア...」ピクピク


幼女(あともう一息かな、なら最後は.. )


幼女「おっと手が滑った」ポイッ


ヒュー


猫娘「ニャッ!?」


猫娘(だ、駄目ニャ!ここで動いたら私の威厳がなくなるニャ!)

猫娘(で、でももう我慢の限界ニャ...今すぐ飛び付きたいニャ!)


猫娘「...」



幼女(...勝ったな)



猫娘「んにゃあああああああああ!!!!我慢なんて無理にゃあああああああああ!!!!」ピョーン

猫娘「にゃははははははは!!!!捕まえたニャ!!!!」ガシッ

猫娘「オラァ!大人しくするニャ!いやもっと動けニャ!」ゲシゲシ

猫娘「にゃあああああああ!!!!ふさふさの部分を噛んでやるにゃああああああああ!!!!」カミカミ



幼女「フッ...」ニヤニヤ



猫娘「ニャッ...」ピタッ

猫娘「」カーッ


幼女「大人は猫じゃらしで遊んだりしないんじゃなかったの?」ニヤニヤ

猫娘「ニャ、ニャー!こ、これは何か間違いでっ...」


幼女「」フリフリ


猫娘「ニャッ!」ガシッ

猫娘「あっ」


幼女「」ニヤニヤ


猫娘「ニャ、ニャー!猫じゃらしを動かすのやめろニャ!」


幼女「」フリフリ


猫娘「ニャッ!」ガシッ

猫娘「あ...あ...」プルプル


猫娘「にゃ、にゃあああああああああああああああああああ!!!!!!」ガクッ


幼女(ちょっと面白い)

...............................................................
...............................................


スタスタ


幼女「もう空き地いいの?まだ野良猫がいっぱい居たけど」

猫娘「集会はいつでも出来るからいいニャ!」

幼女「もっとあの子猫と遊びたかったのに」


幼女「...」


幼女「ねぇ、こっち向いて」

猫娘「嫌ニャ!」

幼女「どうして?」

猫娘「また猫じゃらしでからかうつもりニャ!もうその手は食わないニャ!」


幼女「あ、空飛ぶマグロ」


猫娘「ニャッ!?どこニャ!?」クルッ



幼女「」フリフリ


猫娘「あ...あ...」プルプル


幼女「」ニヤッ



猫娘「にゃあああああああああああああああああ!!!!!!」

幼女「そういえばもうお昼だね。今日はどうする?」


猫娘「」ボロボロ


幼女「外食はお金かかるし...今日は家で作ろっか」

猫娘「ニャ、ニャ...なら私がとびっきりの場所に連れていくニャ」ヨロヨロ

幼女「えぇ...どうせまた川でしょ?」

猫娘「違うニャ。今度は違う場所ニャ」


幼女(何か不安だな...)








ザザー... ザザー...




幼女「...それでここは?」


猫娘「海ニャ!!!!」バーン


幼女(結局釣りじゃねえか)


猫娘「ニャッ!今結局ただの釣りだとか思ったかニャ?」

幼女「うん、思った」

猫娘「甘いニャ!海釣りと川釣りはまったく違うニャ!」

幼女(だから結局釣りじゃん)

猫娘「ふふふ...目指すはタマちゃんニャ!」


幼女(アザラシなんているわけねぇだろ)


幼女「...ん?」ピクッ

猫娘「どうしたニャ?」

幼女「いや...あそこに子供が集まってるなって」

猫娘「子供?」







ガキA「オラァ!この町から出てけやゴラァ!」ブンッ

ガキB「この町をアミティみたいにする気かぁ?この悪魔め!」ブンッ

ガキC「1は面白いけど続編は段々微妙になってるじゃねえかゴラァ!」ブンッ




鮫娘「しゃ、しゃーく!」ボコボコ







幼女「さ、鮫...?」

今日はここまで
久しぶりに猫要素出した気が

幼女「な、なんだあれ...ジョーズみたいなヒレが付いてる女の子が子供にいじめられてる...」

幼女「鮫のコスプレ...?あれ何かデジャヴを感じるような」


猫娘「ニャ?あそこでボカスカ殴られてるのって魚人じゃないかニャ?」


幼女「ぎょ、魚人?」

猫娘「ニャ。簡単に言えば獣人の魚バージョンニャ」

幼女「ということは普段は海の中に?」

猫娘「いや、最近は文明も発達してきて陸に上がってる魚が大半と聞いたニャ」


幼女「どうして?」


猫娘「簡単な話ニャ。水の中だと機械も動かないし火も使えないからニャ」

猫娘「一応魔法を使えば出来ないことはないけどそれならわざわざ魔法を使うより陸に上がった方が楽ニャ」


幼女「ふーん」

幼女「...って説明聞いてる暇じゃなかった。いじめられてるなら助けないと」ダッ

幼女「コ、コラ!そこの子供達!いじめは駄目!絶対!」



ガキA「あぁん?なんだテメェ!」

ガキB「幼女に子供なんて言われたくねぇよ!」

ガキC「ディープ・ブルーの生き残りメンバーはさすがに予想外だった」


幼女「う、うぅ...」


幼女(そ、そうだった。私一応幼女だった...)

幼女(ただの幼女が年上の子供のいじめを止めるって...何だこの状況)


猫娘「コラァ!いじめなんて駄目ニャー!」

幼女(おぉ!こういう時にだけは頼りになる!)


ガキA「お?やんのかやんのか?」


猫娘「おうやってやるニャ!かかってこいニャ!糞ガキ共!」クイッ


幼女(あ、あれ?)

幼女(そこは優しく子供達にいじめがどれだけ悪いことかを諭すところじゃないの?)


ガキA「生意気なアマだ!やっちまうぞ!」ダッ

ガキB「応ッ!」ダッ

ガキC「ジョーズな
オムレツの作り方を教えてやるッ!」ダッ



猫娘「...にゃはっ」ニヤッ




バキッ ドカッ ドンガラガッシャーン





猫娘「はい一丁あがりニャ」パッパ



ガキA「」

ガキB「」

ガキC「た、卵は3つじゃなくて2つ...」ガクッ



鮫娘「しゃ、しゃーく...」



幼女「えぇ...さすがに暴力は駄目でしょ...」

猫娘「ふんっ!力こそ正義!この世は弱肉強食ニャ!」

猫娘「弱いガキ共は家に帰ってママのミルクでも吸ってろニャ」シッシ



ガキA「く、くそっ!覚えてろよ!」ダッ

ガキB「次にあったら容赦しないからなっ!」ダッ

ガキC「し、素人はミルクを入れるけどあれは大きな間違い!」ダッ



猫娘「にゃーっはっはっはっはっは!負け犬の遠吠えが気持ちいいニャ!」

幼女「...」

猫娘「あれ?幼女、どうしたニャ?そんなゴミを見るような目をして」

幼女「いや別に」


幼女「それより...」



鮫娘「しゃーく...」ジー



幼女「あ、あの...大丈夫?」

幼女「け、怪我はしてない?」


鮫娘「...しゃーく」スッ


幼女「あっ...腕に擦り傷が」

猫娘「ニャ、治癒魔法で治してやるニャ」ピカッ


シュゥゥ


鮫娘「しゃーく...」

鮫娘「...」


鮫娘「た、助けてくれてありがとう」


幼女(喋れたんだ)


鮫娘「あ、あのっ!」



鮫娘「しゃーく!た、助けてくれたお礼に竜宮城に連れて行ってあげます!」



幼女「...は?」

猫娘「...ニャ?」

幼女「りゅ、竜宮城って浦島太郎のあれ?」

鮫娘「しゃーく!浦島太郎のあれです!」


猫娘「お前はその竜宮城から来たのかニャ?」

鮫娘「しゃーく!その通りです!」



幼女「...どうする?」ボソッ

猫娘「どうするって...誘われたからには行った方がいいんじゃないかニャ?」

幼女「でもさ...何か怪しくない?」

猫娘「ニャ?どうしてニャ?」


幼女「だってさ、いきなり竜宮城に来ませんかってちょっと変だよ」

幼女「それに普通は亀だけどあれ鮫だし」

猫娘「にゃーむ...確かに言われてみればそうニャ」


幼女「そもそも竜宮城って本当にあるの?」

猫娘「恐らく魚人達が暮らしてる町のことじゃないかニャ?」

猫娘「...でも今のご時世にわざわざ集団で海に住んでるなんてちょっと変わってるニャ」


幼女「...」

猫娘「...」


幼女「やっぱり怪しい」

猫娘「怪しいニャ」

鮫娘「しゃ、しゃーく...」オロオロ



幼女「...断る?」ボソッ

猫娘「ニャ、ここは断った方がいいニャ」

幼女「...だよね」



幼女「あのーご厚意は嬉しいんですけど、私達これから用事が...」


鮫娘「しゃ、しゃーく!お、美味しい魚料理や面白い見世物もあります!」



猫娘「」ピクッ

猫娘「魚料理...?」



幼女「いやでも私達これから用事が...」

猫娘「魚料理って具体的にはどんなのだニャ!?」

幼女「ちょっ!」


鮫娘「しゃーく!新鮮な海の幸を使ったお寿司やお刺身や天ぷら、その他色々あります!」



猫娘「よし決まりニャ!幼女!竜宮城に行くニャ!」

幼女「はぁっ!?」

幼女「さっき話したこと忘れたの!?」

猫娘「誘われたからには行くべきニャ!人の親切を踏みにじるなんて最低ニャ!」

幼女「お前魚料理食べたいだけだろうがぁ!」



鮫娘「しゃーく!決定ですね!」

鮫娘「さあ!あたしの背中の上に乗ってください!」ゴロン


幼女「ちょ、ちょっと待って!まだ決定したわけじゃ...」

猫娘「幼女!早く乗るニャ!」グイッ

幼女「うぇぇっ!?」


猫娘「出発してOKニャ!」グッ

幼女「お、押し付けるな...離せ...!」ググッ



鮫娘「しゃーく!では出発します!しっかり捕まっててください!」ブンッ


幼女(...あれ?海の中って息出来ないんじゃ...)




ザブーン

ブクブクブクッ



幼女『ごぽぽぽぽっ!!!!(お、溺れる!)』

猫娘『にゃごごごごごごっ!(し、しまったニャ!海の中では息が出来ないことを忘れてたニャ!)』



鮫娘「しゃ、しゃーく!?ご、ごめんなさいっ!水の加護魔法をかけるのを忘れてました!」ピカッ



キラキラ キラキラ



幼女「ごぽぽぽぽっ...あれ?息が出来る...」

猫娘「し、死ぬかと思ったニャ」


鮫娘「しゃーく。水の加護魔法は水の中でも息が出来たり会話が出来る魔法なんです」

鮫娘「本当は入る前にかけるのが普通なんですけど...ごめんなさい、忘れてました」


猫娘「何が忘れてたニャ。危うく死ぬところだったニャ」グイッ


鮫娘「い、いててっ!?ヒレを引っ張らないで下さいー!」

猫娘「まったくドジにも程があるニャ」


鮫娘「しゃーく...引きちぎられるかと思った...」


猫娘「そういえば聞き忘れてけどお前はどうしてあそこでいじめられてたんだニャ?」

猫娘「普段海に住んでるなら陸に上がる必要はないはずニャ」


鮫娘「」ギクッ

鮫娘「あ、あの...買い物を頼まれたんです」


猫娘「何を頼まれたんだニャ?」


鮫娘「...しゃーく。新鮮なお肉です」



猫娘「...」



猫娘「なんだ買い物かニャ。納得したニャ」


鮫娘「あ、あははっ...」


幼女(...買い物を頼まれたのに買ったものが見当たらないのはどうしてだろう)

猫娘「それにしても楽しみニャ~。一度海の世界に行って見たかったんだニャ!」

猫娘「海の町には黄色いスポンジ野郎がいるって本当かニャ?」


鮫娘「...しゃーく。いませんけど」


猫娘「じゃあ人魚は?」


鮫娘「しゃーく。魚人と人魚は少し違います」

鮫娘「普段、人魚は海ではなく魔法で人間の足を作って暮らしてます」


猫娘「ドロドロの恋愛劇は?」


鮫娘「ないです」


猫娘「...」

猫娘「なんニャ。あんまり陸と変わらないじゃないかニャ」



幼女(アニメの見過ぎだ)

猫娘「ところでいつまで海を潜っているのかニャ?」


鮫娘「しゃーく。あと一時間ほどです」


猫娘「にゃあ...そんなにかかるのかニャ」


鮫娘「あまり人に見つからないところにあるので」


猫娘「あー着くまで暇ニャー」

猫娘「...歌でも歌おうかニャ」



猫娘「パイナップルに住んでいる~♪黄色いスポンジ穴だらけ~♪」

幼女「...」


猫娘「いつも楽しく暮らしてる~♪魚はちょっと怖いけど~♪」

幼女「...」


猫娘「いくぞぉ!」

猫娘「スp」

幼女「やめろ」



鮫娘「スポンジ・ボブ!ズボンは四角!スポンジ・ボブ!ズボンは四角!」

幼女「おい」

今日はここまで

..............................................................
..................................................


猫娘「アンダーザシー♪アンダーザシー♪」

猫娘「...」

猫娘「まだ着かないのかニャ?もう一時間はとっくに過ぎてるニャ」


鮫娘「しゃーく。潮の流れで少し遅れてます」

鮫娘「あと本当にもう少しです」


猫娘「あぁ、暇ニャ...」 

猫娘「海の中でどうやって時間を潰せばいいニャ...」


幼女「」ツンツン


猫娘「幼女?何してるニャ?」

幼女「いや、小さい魚がつんつんしてきて」


魚『』ツンツン


猫娘「本当ニャ。くっついて来たのかニャ?」

幼女「可愛い...」ツンツン


魚『』ツンツン


猫娘「...」

猫娘(あっ!これ行けるかもしれないニャ!)ピコーン


猫娘「」バッ


幼女「何やってるの?急に手なんか広げて」

猫娘「ちょっと静かにしてほしいニャ。今集中してるところニャ」


幼女(どうせろくなことじゃないんだろうな)


猫娘「...」



猫娘「...ニャ!そこニャ!」ガシッ



魚『』ピチピチ


猫娘「やったニャー!上手く取れたニャー!」

幼女「えぇぇ...」

猫娘「ではさっそくいただきますニャ」パクッ


幼女(鮫が高速で泳いでるのに魚を取るってどういうことだよ)


猫娘「これで暇を潰せそうニャ」ガシッ

猫娘「ついでにお腹も膨れるし一石二鳥ニャ」モグモグ


幼女(一応魚の鮫の上に乗ってるんだし目の前で魚を食べるのは自重した方がいいんじゃ...)


鮫娘「しゃーく!猫さん!少し言いたいことがあります!」


猫娘「ニャ?なんニャ?」


幼女(ほら怒った)


鮫娘「しゃーく!私にも魚分けてください!泳ぎ疲れてお腹が空いてるんです!」


猫娘「ニャ、ほら食えニャ」



幼女(おい)

猫娘「ところで竜宮城ってどういうところなんだニャ?」モグモグ

幼女「...」モグモグ


鮫娘「しゃーく。普通のお城ですよ」モグモグ

鮫娘「お城以外にも城下町の竜宮町や遊園地のユニバーサル・リュウグーランドなどがあります」


猫娘「へー遊園地もあるのかニャ」

幼女(何か色々混じってるぞ)


猫娘「竜宮ってことはやっぱり乙姫はいるのかニャ?」


鮫娘「しゃーく。乙姫は居ません」

鮫娘「海王様という人が竜宮を治めています」



猫娘「海王...」



猫娘「2倍とか3倍とか4倍とか10倍とか20倍とか」

鮫娘「しゃーく。そっちじゃないです」


猫娘「オラに元気を分けt」

鮫娘「だから違いますってば」

............................................................
..............................................


鮫娘「しゃーく!見えてきましたよ!あれが竜宮です!」


猫娘「おぉ!結構大きいニャ!」

幼女(でかっ...普通の町と同じくらいあるじゃん)


猫娘「...ニャ?あの大きくて神々しい建物はなんニャ?」


鮫娘「...しゃーく。海龍様の祀る神殿です」

鮫娘「大昔に竜宮の主だった龍で今でも神殿の地下深くに居ると言われています」


猫娘「ふーん...龍がいるのかニャ」


鮫娘「しゃーく。まずは竜宮城の海王様に二人を紹介します」

鮫娘「しっかり捕まってください!」ブオン


猫娘「ヒャッハー!やっと美味しい魚料理が食べれるニャー!」

幼女(...何も起きないといいんだけどなぁ)

今日はここまで
また遅れてごめんなさい

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...



猫娘「おぉ...目の前で見るとすごくでかい城ニャ」

幼女「お、大きい城門...」


鮫娘「...」ポチッ


ピンポーン


『誰だ』


鮫娘「...しゃーく。鮫です、お客様をお連れしました」


『...よし、通れ』


ギィィィィィィィィィ...


鮫娘「しゃーく。では私に着いてきてください」スタスタ


猫娘「城なのにインターホンがあるのかニャ」

幼女「何か変なところは近代的だよね」

スタスタ スタスタ


猫娘「にゃああ...中も広いニャ」

幼女「このお城って何年くらい前に出来たの?」


鮫娘「しゃーく。今から数百年ほど前に出来たと聞いています」

鮫娘「でも新しい技術が伝わるたびに改装してるので原型はほとんどないですね」


猫娘「結構歴史があるのかニャ」

幼女(どうやって工事してるんだろ)



大階段『』ドーン



猫娘「大きい階段ニャ」

幼女「上るだけでも大変そう...」


鮫娘「しゃーく。そっちじゃなくてこっちですよ」

鮫娘「このエレベーターで一気に海王様のところまで行きます」ピッ


幼女(エレベーターで行くんかい)

ブゥゥゥゥゥン



猫娘「ニャー、外がすごい景色ニャ」

幼女「本当だ...水族館みたい...」


鮫娘「そりゃ海の中ですからね」


チーン


鮫娘「しゃーく、ここが海王様がいる階です」

鮫娘「竜宮で一番偉い人なのであまり失礼なことはしないようにお願いします!」


猫娘「ニャ!猫被りは得意ニャ!」

幼女(確かに猫被りだけは得意だったな)


鮫娘「しゃーく。では...海王様の部屋に向かいます」スタスタ


猫娘(海王って一体どんなやつニャ...やっぱりラオウっぽいやつなのかニャ)

幼女(海の王...カイオーガとか?)

鮫娘「しゃーく。海王様、失礼します」

鮫娘「お客様を連れて来ました...」



ニュルニュル ニュルニュル



海王「...」ドーン



ニュルニュル ニュルニュル



幼女(な、なんか触手がいっぱいある...)

幼女(それにすごく大きい...これってクラーケンってやつなのかな?)


猫娘(タコ?それともイカかニャ?)

猫娘(大きいタコ焼きが出来そうニャ...)ジュルリ



鮫娘「こ、この方達は私が海岸でいじめられているところを助けてくれた親切な方々です!」



海王「...そうか」

鮫娘「...猫さん、幼女さん。自己紹介をしてください」ボソッ

幼女「えっ?あぁ...うん」



幼女「は、初めまして。えーっと...さ、鮫を助けた幼女です」




海王「...」




幼女「ほ、ほらお前も自己紹介しろ」ボソッ

猫娘「はいはい、分かってるニャ」



猫娘「オッス!オラ猫娘!よろしくな!」ピッ




海王「...」




鮫娘「」ブー

幼女「」ブー

猫娘「そーいやオラ腹減っちまって!何か食いもんあるか?」



海王「...」



幼女「ちょ、ちょっとこっち来い!」グイッ

猫娘「ニャ?」


幼女「な、何てこと言ってるの!?失礼なこと言うなってさっき言われたでしょうがぁ!」

猫娘「だって相手は界王様ニャ」

鮫娘「しゃーく!だからそっちじゃないですってばぁっ!」




海王「...」

海王「...腹が減っておるのか。では少し遅いが昼食を準備させよう」




幼女「!?」

猫娘「サンキュー!界王様!」




海王「...陸の娘達よ、よく鮫を助けてくれた」

海王「慣れないところだと思うが歓迎しよう。ゆっくりしていってくれ」

猫娘「やったニャー!さっそくお昼ご飯を食べに行くニャー!」ダッ

幼女「ちょっ!?どこに行くの!」ダッ


鮫娘「しゃーく!二人とも待ってください!レストランは下の階です!」ダッ




海王「...待て、鮫よ」




鮫娘「...」ピタッ

鮫娘「な、なんでしょうか?」




海王「...よくぞやってくれた」




鮫娘「...しゃーく。ありがとうございます」

鮫娘「で、ではあたしは二人をレストランに案内したきますっ!」ダッ




海王「...」

~~~~ 竜宮レストラン ~~~~


猫娘「早く来ないかニャー♪このためにわざわざここに来たんだからニャー♪」フリフリ


幼女「た、高そうなレストランだな...何か雰囲気が高級っぽい...」

鮫娘「しゃーく。ここは竜宮でも一番の三ツ星レストランです」

鮫娘「...実はあたしも数年に一度しか来れないほど高いところです」


幼女(...本当に無料だよね?)



ガラガラ



鯵男「お待たせしました。こちら新鮮な海の幸を使った江戸前寿司でございます」

鯵男「他の料理も出来次第お持ちしますのでもうしばらくお待ちください」



猫娘「おぉっ!待ってましたニャー!」キラキラ

鮫娘「しゃ、しゃーく...こんなに高いお寿司見るの始めてです...」キラキラ



幼女(鯵だけにいいお味ってか)

幼女(というか昨日もお寿司食べた気がする)

猫娘「にゃああああああ!さすが本場の寿司ニャ!すごく美味しいニャ!」パクパク


幼女(本場ってなんだよ)


鮫娘「しゃ、しゃーく...成り行きであたしも食べてるけどいいんでしょうか...」パクパク


幼女(とか言いながらもう20貫近く食べてるじゃん)


ガラガラ


鯵男「お待たせしました。こちら新鮮な海の幸を使った天ぷらの盛り合わせとお刺身盛り合わせです」


猫娘「すごいニャ...お刺身が光ってるニャ...」キラキラ

鮫娘「しゃーく...天ぷらの衣が黄金色に見えます...」キラキラ


幼女(なんか居酒屋のメニューみたいだな)

猫娘「にゃああ...口の中で刺身がとろけるにゃあ...」トロォ

鮫娘「しゃーく...天ぷらも外はサクサク中はウマウマで美味しいです...」サクサク


幼女(お寿司何十貫も食ってるくせによく食えるな...)


ガラガラ



鯵男「こちらキャビアでございます」



猫娘「キャ、キャビアってあの世界三大珍味のキャビアかニャ?」

鮫娘「しゃ、しゃーく...そうですよ...あのチョウザメの卵で高級料理のキャビアです」



幼女(ちなみにチョウザメは鮫の仲間ではなくただ鮫に似てるだけなそうな)



猫娘「ではさっそくいただくニャ!」パクッ

鮫娘「しゃーくっ!」パクッ

猫娘「」ゴクン

鮫娘「」ゴクン


幼女(私も少し食べてみようかな)パクッ


猫娘「...」

鮫娘「...」


幼女(...)


猫娘「...なんか思ってた味と違うニャ」

鮫娘「しゃ、しゃーく...確かに」

猫娘「正直これ不味くないかニャ?」

鮫娘「マズイとまでは言いませんけど...イクラやたらこの方が美味しいですね」

猫娘「はぁ...世界三大珍味も大したことないニャ」



幼女(駄目だこいつら)


幼女(...まあ私も同じこと思ったけど)

今日はここまで
気が付いたらスレを立ててから2ヶ月近く経っていたり
マジでごめんなさいGWはなるべく毎日更新します

................................................................
.....................................................


猫娘「はぁ~食った食ったニャ」ポンポン

鮫娘「しゃーく。さすが高級レストラン、そこら辺のチェーンとは比べ物にならないほど美味しかったです」ポンポン


幼女(あれだけの量よく食ったな)


猫娘「さてニャ!お腹も膨れたことだし...」



猫娘「帰るかニャ」スタスタ

幼女「そうだね、もう帰ろっか」スタスタ



鮫娘「!?」

鮫娘「ちょ、ちょっとストップ!も、もう帰っちゃうんですか!?」


猫娘「当たり前ニャ。こちとら最初から料理目当てニャ」

猫娘「食うもん食ったらもう用済みニャ」


鮫娘「そ、そんな...」

鮫娘「ま、まだ昼間ですよ!もうちょっとここに居てくれませんか!?」

鮫娘「出来れば泊まって行ってほしいです!」


猫娘「えーさすがに泊まるのはキツいニャ」

幼女(...何か必死だな。まるで私達をここから出したくないみたい)


鮫娘「しゃーく!そうだ!ユニバーサル・リュウグーランドに行きましょう!」

鮫娘「楽しいですよ!スタジオと夢の国が一緒になった遊園地です!」


猫娘「スタジオと夢の国は行ったことあるからいいニャ」

幼女(行ったことあるんだ)


鮫娘「に、日本にはないアトラクションもありますよ!」


猫娘「...ん?」ピクッ



幼女(あっ、この流れは...)

猫娘「日本にはないアトラクションってどんなのニャ?」


鮫娘「古代エジプトにトランスフォームのアトラクション!それにコースター系もいっぱいあります!」


猫娘「よし!行くニャ!」


幼女「は?」


猫娘「外国の遊園地なんてめったに行けないニャ!ここは遊ぶことにするニャ!」

幼女「でも時間が」

猫娘「まだ数時間くらいは遊ぶ時間は残ってるはずニャ」

幼女「...夜になったらさすがに帰るからね」



鮫娘「ほっ...」

鮫娘「しゃーく!で、ではさっそく行きましょう!」

~~~~ ユニバーサル・リュウグーランド ~~~~


ワーワー ワーワー


鮫娘「しゃーく!ここです!」ピシッ



猫娘「うわぁ...本当に夢の国とスタジオが合体してるニャ」

幼女「あの地球儀って入り口付近にあるアレじゃ...」


鮫娘「しゃーく!竜宮なら陸の世界のめんどくさい法律は関係ないですからね!」

鮫娘「両方のいいところを取ったテーマパークが出来るんです!」ドヤァ


幼女(誇るところかそれ)


鮫娘「ちなみに今はお休み中ですが少し前は鈴鹿ひらかたスペイン村なんてものもありました」


猫娘「もう何でもありニャ」


鮫娘「しゃーく!さあ入りましょう!」

ワーワー ワーワー


猫娘「結構人がいるニャ」

鮫娘「しゃーく、この竜宮の人気スポットですからね。私も100回は来てます」

幼女「あれ?あそこに居るのって...」



○ッキー「ハハッ」



鮫娘「あっ!○ッキーだぁ!」パァ



幼女(はいアウトォ!)



鮫娘「しゃーく!写真いいですか?」

○ッキー「ハハッ」

鮫娘「ありがとうございます!猫さん、写真いいですか?はいカメラ」


猫娘「はいチーズニャ」パシャ


鮫娘「しゃーく!ありがとうございます!」

鮫娘「あっ!あっちにはウッディが!」ダッ



幼女(おいもうやめろ)

鮫娘「しゃーく...今日はマスコットといっぱい写真が取れました!」


猫娘「そんなことより早くアトラクションに乗るニャ」

幼女(早く帰りたい)


鮫娘「しゃーく。そうですね、では最初はジョーズに行きましょうか」


猫娘(そう来ると思ったニャ)

幼女(ジョーズのボートハウスの中の匂いってすごい好き。E.T.の森の中も好きだったなぁ)







ジョーズ『』ガバー




鮫娘「キャー!」キャッキャッ




猫娘(正直ジョーズは乗り飽きたニャ)

幼女(お土産で売ってるジョーズのぬいぐみるみってつい買っちゃうよね)

鮫娘「しゃーく!面白かったですね!次は何に乗りましょうか?」


猫娘「うーん...辺りを見回してみると中々カオスニャ」キョロキョロ

幼女「シンデレラ城に火山にホテル...あとジェットコースターが同じ風景にあるもんね」

猫娘「そういえば夢の国ってランドとシーで分かれてなかったかニャ?ここの遊園地の名前にはシーが入ってないニャ」


鮫娘「しゃーく!だってここは海ですからね!」


猫娘「...」

幼女「...」


鮫娘「あ、あれ?」


猫娘「次は魔法使いのアトラクションに行くニャ。実はあれ乗ったことないニャ」スタスタ

幼女「そうだね、私もあれ乗ったことないや」スタスタ



鮫娘「しゃーく!ジョーズジョークですよー!」

................................................................
.................................................


猫娘「ふーちょっと疲れたニャ」

幼女「結構色々乗ったね」


鮫娘「しゃ、しゃーく...ぜぇ...ぜぇ...」ハァハァ

鮫娘「うぅ...無理してジェットコースターに乗るんじゃなかった...気持ち悪い」


猫娘「もう酔いは治ったかニャ?」


鮫娘「...ちょっとトイレに行ってきます」ヨロヨロ


猫娘「まったくサメのくせに酔いやすいなんて変わったやつニャ」

幼女(お前もさっきゲロゲロ吐いてただろ)








鮫娘「えっとトイレはどこに...」キョロキョロ


ドンッ


鮫娘「あっ、ごめんなさ...」



鯱娘「チッ、いってーな」チラッ

鯱娘「...ん?なんだお前サメじゃん。こんなところで何してるんだよ」



鮫娘「しゃ、鯱さん...?」ビクッ

今日はここまで

鮫娘「しゃーく...お、お久しぶりです...」プルプル

鯱娘「久しぶりって一昨日会ったばかりだろうが」

鮫娘「あ、あはは...そうでしたね...」プルプル


鯱娘「それより今、あたい金がないんだよ。貸してくれるか?」


鮫娘「お、お金ですか?」

鮫娘「しゃーく...でも前に会ったときにも渡しましたよ...?」


鯱娘「もう使いきってないんだよ。いいからよこせ」


鮫娘「い、今手持ちがなくて」



鯱娘「ジャンプ!」


鮫娘「」ピョンピョン



チャリンチャリン



鮫娘「...」

鯱娘「じゃあこれは貰っていくからな。いつもサンキュー」スタスタ



鮫娘「しゃーく...」ショボン

鮫娘「...はぁ、あたしっていつもダメダメだな...またカツアゲされちゃった」


猫娘「本当ニャ。情けないニャ」


鮫娘「はい...自分でもそう思います...」

鮫娘「ん?」

鮫娘「しゃ、しゃーく!!!!猫さん!?どうしてここにっ!?」ビクッ


猫娘「私もトイレニャ」


鮫娘「い、いつからそこに?」


猫娘「ピョンピョンジャンプしてた時からニャ」


鮫娘「は、はは...ほぼ全部見られてましたか...」

鮫娘「しゃーく、あたしっていつもダメダメなんです。昔からいじめられやすい体質でして...」

鮫娘「昔から鯱さんや他の方々にいいように使われて...今では立派なATMです」


猫娘「反抗したりしないのかニャ?」


鮫娘「...怖いんです。鯱娘さんは強いし...逆らうと殴られたり蹴られたりすることもありました」

鮫娘「それなら大人しく従った方が痛い目に遭わないで済むかな...と」


猫娘「でもおかしいニャ。サメは普通は強いはずニャ」


鮫娘「しゃーく...確かにあたし以外の家族も、ご先祖様も、いとこも全員喧嘩には強いです」

鮫娘「でもあたしは別なんです。あたしは落ちこぼれだから...」



猫娘「...」

猫娘「私がどうしてカツアゲされてるお前を助けなかったか教えてやろうかニャ?」



鮫娘「えっ?」

鮫娘「や、やり返すって...何言ってるんですか?」

猫娘「お前は本当は強いはずニャ。力を出してないだけニャ」


鮫娘「あたしが強い...?そんなこと絶対ないですよ。昔から喧嘩に勝てたことなんて一回もないんですから」


猫娘「それは力の出し方をしらないだけニャ。お前にはあの鯱に勝てる力があるはずニャ」


鮫娘「しゃーく、何を根拠に...」


猫娘「私の回りには強い人がいっぱいいるニャ。だから強者のオーラは何となく分かるんだニャ」

猫娘「お前にはそのオーラがあるニャ!」


鮫娘「オ、オーラ...?」


猫娘「そのことを頭に入れとけニャ!」

猫娘「うぷっ...じゃ、じゃあ私はトイレに行ってくるニャ!」ダッ



鮫娘「あたしが...鯱さんに勝てる...?」

...............................................................
..................................................


幼女「...遅い」イライラ

幼女「まったくあの二人いつまで吐いてるんだよ。まさか胃の中全部吐いてるんじゃないんだろうな」



鮫娘「しゃーく!待たせてしまってごめんなさーい!」

幼女「猫はまだトイレ?」

鮫娘「しゃーく。多分そうだと思います」


幼女(強がってたら酔いが後から来て、いきなり気持ち悪いって言い出したと思ったらこれか)


鮫娘「しゃーく...あの幼女さん、1つ聞きたいことがあるんですけど」

幼女「なに?」

鮫娘「猫さんの回りには強い人がたくさんいるって本当ですか?」

幼女「強い人...」



熊男『』ドーン

獅子男『』バーン

虎男『』ドカーン



幼女「...うん、いるね」

>>326-327の間抜けてない?

鮫娘「そ、そうですか」

幼女「それがどうかしたの?」

鮫娘「いえ!何でもないです!」



猫娘「おーい!待たせて悪かったニャー!」タッタッタ


幼女「遅い!」

猫娘「さあ復活したことだし次は夢の国の方を制覇するニャ!」ビシッ


ボーン ボーン ボーン


幼女「...ん?時計の音?」

鮫娘「しゃーく。7時の合図ですね」


幼女「7時...夜の7時っ!?」


幼女「た、大変だ!もう帰らないと!」

猫娘「えーでもまだ遊びたいニャ」

幼女「駄目だよ!ご飯の準備とかしなくちゃいけないんだから!」

>>329
ありがとうございます
一文抜けてました


>>327の頭には



猫娘「お前がいつやり返すのか待ってたニャ」



が入りますごめんなさい

幼女「ということで鮫さん!もう帰るんで背中よろしくお願いします!」


鮫娘「あ、あれー?言ってませんでしたっけ?」

鮫娘「よ、夜は潮の流れが激しいので帰るのは無理ですよ」


幼女「...は?」


鮫娘「だから今日は泊まっていきましょう!ホテルと食事も用意しますよ!」

幼女「いや、そうじゃなくて帰りた...」


鮫娘「晩ごはんは美味しい魚料理です!」


猫娘「よっしゃ!泊まっていくニャ!」



幼女「えぇぇ....」

~~~~ 竜宮ホテル ~~~~



鮫娘「しゃーく、これが部屋の鍵です」

鮫娘「晩ごはんは時間になったら運ばれてくると思いますので」


幼女「...明日の朝一番には帰るからね」


鮫娘「...しゃーく。分かってます」

鮫娘「では明日の朝6時にここのロビーで集合ということで」


鮫娘「私はここで失礼します。お休みなさい」


猫娘「また明日ニャー」フリフリ

幼女「...」

猫娘「ニャ?どうしたニャ幼女、」

幼女「いや、何でもない。部屋に行こうか」

.............................................................
...............................................


猫娘「ご飯美味しかったニャー」

幼女「...そういえば犬に連絡しないで来ちゃったけど帰ってこなくて心配してるかな」

猫娘「子供じゃないんだから一晩くらい大丈夫ニャ。あいつも今頃、自分でご飯作って食べてるはずニャ」


幼女「一応携帯で連絡を...」ガサゴソ


猫娘「さすがにこんな海の底だと電話なんて通じないんじゃないのかニャ?」


幼女「...確かに」

幼女「はぁ、じゃあ私はもう寝るね。今日疲れたから」ゴロン


猫娘「ちょっと待つニャ。どうせなら映画を少し見ないかニャ?」


幼女「映画?」

猫娘「この部屋にあるテレビにレコーダーと映画のDVDが3本もあったニャ」

猫娘「どうせなら少し見ないかニャ?」


幼女「でも明日早いし...」


猫娘「少しだけなら大丈夫ニャ!」

猫娘「それにまだいつも寝る時間より少し早いから余裕があるニャ!」


幼女「一応聞くけど何の映画のDVDなの?」


猫娘「えーっとニャ...」



猫娘「殺人魚フライングキラー、深海からの物体X、シー・オブ・ザ・デッド...」



幼女「寝る」ゴロン

今日はここまで

.............................................................
...............................................


チッチッチ チッチッチ


幼女「Zzz...」スヤァ

猫娘「ごろにゃあ...ごろにゃあ...」スヤスヤ


モゾモゾ モゾモソ


幼女「Zzz...」

幼女「...ん」パチッ


幼女「ふわぁ~あ...今何時だ...」ゴシゴシ


時計『3:00』チッチッチ


幼女「まだ夜中の3時...6時の待ち合わせだからあと2時間は眠れるな...」

幼女「もう一眠りしよ」ゴロン


モゾモゾ モゾモゾ


幼女(...ん?今、何かモゾモゾした物が手に触れたような)

幼女(一体何が...)チラッ


ダイオウグソクムシ「♪」モゾモゾ


幼女「」

ウギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!



猫娘「...ニャ」パチッ

猫娘「ふわぁ...一体何ニャ?大声出して」ゴシゴシ


幼女「あ、あばばばばばb」ブルブル


猫娘「どうしたニャ?雨の日に捨てられた子猫みたいに震えてるニャ」


幼女「きょ、巨大ダンゴムシががが」ブルブル


猫娘「巨大ダンゴムシ?」



ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ



猫娘「あ、これテレビで見たことあるニャ」

猫娘「名前は確か...ダイオウグソクムシだったかニャ?」


幼女「そ、そんなことどうでもいいからそいつを追い出してぇ!!!!」ブルブル



猫娘「ほらこっちに来いニャ」チッチッチ


ダイオウグソクムシ「♪」ノソノソ

ダイオウグソクムシ「♪」スリスリ

猫娘「よしよし、人懐っこいやつニャ」


幼女「撫でてないで早く部屋から追い出せぇ!!!!!」


猫娘「どうしてニャ?こいつ可愛いニャ」


幼女「はああああああああ????可愛いいいい????」

幼女「よく見てみなよ!ただのでかいダンゴムシだよっ!?そんなもんが可愛いとか頭イカれてるんじゃないの!?」

猫娘「そ、そこまで言わなくても」


ダイオウグソクムシ「」ビクビク


猫娘「ほら、グソたんも怯えてるニャ」


幼女「きもっ!」

幼女「とにかくそのキモい生物を一刻も早くこの部屋から出して!」

ダイオウグソクムシ「」スリスリ

猫娘「よしよし、お前を追い出したりしないから安心するニャ」


幼女「きも!きも!きも!きも!きも!」

幼女「あんなのワラジムシとかフナムシと変わらないじゃん!よく触れるな!」


猫娘「ほら一緒に寝るニャ」スッ

ダイオウグソクムシ「♪」


幼女「む、無理!あんな生物と一緒の部屋で寝るなんて!」


猫娘「大丈夫ニャ。そっちには行かせないようにするニャ」

幼女「そ、そういう問題じゃない!」


猫娘「もううるさいにゃあ...ほいっ」ポイッ


ドサッ


幼女「...へ?」

幼女「い、今こっちに何投げて...」チラッ


ダイオウグソクムシ「」キューン



幼女「」



幼女「」フラッ

幼女「」ドサッ


猫娘「...まさか気絶するとは思わなかったニャ」

猫娘「まあ静かになったからいいニャ。おいでグソたん」


ダイオウグソクムシ「♪」モゾモゾ


猫娘「一緒に寝るニャ」

ダイオウグソクムシ「♪」スリスリ


猫娘「おやすみニャー......Zzz...」



幼女「」

~~~~ 翌朝 ~~~~


猫娘「幼女、もうそろそろ出発の時間ニャ」

猫娘「部屋の隅で震えてないで早く出てこいニャ」



幼女「そ、そいつどっかに捨てろぉ...」ブルブル



ダイオウグソクムシ「」クゥーン

猫娘「ちゃんと帰るときには逃がしてあげるニャ」


幼女「今すぐ捨てろぉ...」ブルブル


猫娘「さあロビーに向かうニャ」スタスタ

ダイオウグソクムシ「♪」ノソノソ



幼女「あ、あんなのと一緒にいるなんて信じられない」

幼女「マタタビの吸いすぎで頭がおかしくなった...?」

..............................................................
...................................................


ウロウロ ウロウロ


鮫娘「しゃーく...」

鮫娘「やっぱり断れば...でも海王様の命令だし...」

鮫娘「うぅ...ごめんなさい。猫さん、幼女さん...」



猫娘「おはようニャ」

鮫娘「」ビクッ



鮫娘「ね、ねねねねねね猫さんっ!?いつからそこに!?」

猫娘「さっきニャ」

鮫娘「...もしかしてさっきの独り言聞こえてましたか?」

猫娘「ニャ?何のことニャ?」

鮫娘「い、いえ。何でもないです」

ダイオウグソクムシ「」ノソノソ


鮫娘「しゃーく?そのダイオウグソクムシどうしたんですか?」

猫娘「なぜか部屋の中に居たんだニャ」

鮫娘「へぇ、変な話ですね」


鮫娘「しゃーく。ところで幼女さんはどこですか?姿が見えませんけど」キョロキョロ

猫娘「あぁ、幼女なら...」チラッ



幼女「ぐぬぬ...」ジー



猫娘「グソたんが苦手らしいニャ」

鮫娘「あそこまで苦手な人は珍しいですね」


鮫娘「...しゃーく。では出発しますか」

鮫娘「竜宮から出るには決められた場所からしか出れない規則なのでまずはそこまで行きます」


猫娘「何かめんどくさいニャ」

スタスタ スタスタ



猫娘「幼女~?いつまで離れて歩いてるつもりニャ~?」

ダイオウグソクムシ「?」ノソノソ



幼女「...」コソコソ



猫娘「まったくこんなに可愛いのに酷い反応ニャ」ヨシヨシ

ダイオウグソクムシ「♪」



鮫娘「しゃーく、そういえばダイオウグソクムシって食べられるそうですね」

鮫娘「何でも珍味らしいとか」



猫娘「」ピクッ


ダイオウグソクムシ「」ビクッ



幼女(あ、あれを食べる?)

幼女(やばいよマジでクレイジーだよ。人間じゃないよ)

鮫娘「...しゃーく。ここです」ピタッ


猫娘「ふぅ...結構歩いたニャ」

ダイオウグソクムシ「」ハァハァ


幼女(海の中のに歩くってのも変な話だな)



鮫娘「...猫さん、幼女さん。あたし1つだけ謝らなきゃいけないです」



猫娘「ニャ?」

幼女「謝る?」



鮫娘「しゃーく...本当にごめんなさい。でもこれも竜宮のためなんです」

鮫娘「許してもらえるとは思っていません...好きなだけ恨んでください」



猫娘「ニャ?一体何のことニャ?」

幼女「...嫌な予感が」



シュババババババババババ!!!!!!!



猫娘「ニャッ!?」ビクッ

猫娘「な、なんニャ!?何十...いや何百の何かがこっちに泳いでくる音がするニャ!」

猫娘「おい!何がどうなってるニャ!?説明しろニャ!」

ダイオウグソクムシ「」ビクビク



鮫娘「...」



幼女「ねぇ!早くここを離れよう!何か嫌な予感がする!」

猫娘「くっ...駄目ニャ。もう遅いニャ!」



ゾロゾロ ゾロゾロ



雑兵魚人A「...」スタッ

雑兵魚人B「...」スタッ

雑兵魚人C「...」スタッ



猫娘「こ、こいつら何者ニャ!?」

幼女「ねぇ、サメさん、まさかあなた私達を...」



幼女「騙してた...の?」



鮫娘「...」

今日はここまで
あともう少しで終われそうです

猫娘「黙ってないで何か言えニャ!こいつらは誰ニャ!」



鮫娘「...しゃーく、お願いします。今はこの人達に従って大人しくしてください」



猫娘「もし逃げようとしたらどうなるニャ?」



鮫娘「...怪我をするかもしれないです」



幼女「け、怪我...」


猫娘「オーケー、分かったニャ」

猫娘「幼女、少し下がってろニャ」

幼女「え?」

猫娘「ここは私に任せろニャ。幼女には指一本...いやヒレ1つ触れさせないニャ」

幼女「で、でもこの数だよ!?」


猫娘「ふん、数なんて関係ないニャ」

猫娘「いくら魚が集まっても所詮魚ニャ!!!!猫の力を思い知らせてやるニャ!!!!」

幼女「...分かった。気を付けてね」


猫娘「グソたん、お前も離れた方がいいニャ。巻き込まれたら危ないニャ」

ダイオウグソクムシ「」クゥーン

猫娘「幼女に踏み潰されないように気を付けろニャ」




鮫娘「しゃーく!お願いです!大人しくして...」


雑兵魚人A「ヒャッハー!面白いやつじゃねえか!アイツは俺が狩るぜ!」


鮫娘「ちょ、ちょっと待ってください!話せばまだ投降してくれるかも!」


雑兵魚人A「黙ってな腰抜け!お前の仕事はあいつらをここに連れてくることだ!」

雑兵魚人A「ここから先は俺達の仕事だぜ!」ジュルリ


鮫娘「しゃ、しゃーく...そんな...」

雑兵魚人A「オウラァ!まずは俺様が相手をしてやるぜェ!」ダッ



猫娘「...」



雑兵魚人A「上からなるべく無傷で連れてこいと言われたが抵抗されたら反撃は仕方ないよなァ!?」バッ



猫娘「...ニャ」ニヤリ



バキンッ!!!!!!!



雑兵魚人A「ぶへっ!?」ボコォ


ゴロゴロゴロ!!!!!


雑兵魚人A「」ピクピク




猫娘「こちとら毎日店長に死ぬほど働かされてるおかげで鍛えられてるニャ」

猫娘「雑魚一匹程度で勝てると思ったのかニャ?」ギロリ



雑兵魚人達「「「「「「 .........!!!! 」」」」」」



猫娘「かかってくるならもっと大勢で来いニャ!!!!一匹残らず倒してやるニャ!!!!」

バキッ!!!! ドンッ!!!! グシャン!!!




幼女「す、すごい、キメラの時よりも強くなってる」

幼女「...でも駄目だ。あの数を相手にするなんて無謀過ぎる」

ダイオウグソクムシ「」ウンウン

幼女「ひっ...ち、近付かないでよ!!!」






猫娘(くっ...一人一人は雑魚でもやっぱりこの数相手は少し厳しいニャ)

猫娘(それに海の中だから使える魔法も制限される...陸との戦闘とは全然違うニャ)


猫娘(...とうとう"あの技"使う時が来たかニャ)






鮫娘「しゃーく...どうして?」

鮫娘「あの数を相手になんか勝てるわけがない...ボロボロになるぐらいなら大人しくした方が痛くないのに...」


鮫娘「しゃーく...まさかあの状況でもまだ諦めてない...?」

猫娘(まずは風魔法で竜巻を作って回りの敵を吹っ飛ばすニャ!)ピカッ



ブオオオオオオオオオオオン!!!!!!!



雑兵魚人達「「「「「「 ! ? 」」」」」」ビューン



猫娘「これで風が治まるまでは時間が稼げるニャ」

猫娘「...よし!やるかニャ!」グッ







幼女「何あれ竜巻?いや海の中だから渦潮か」

幼女「一体何をして...」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ......



幼女「!?」ビクッ

幼女「空気...いや水が震えてる...」

ダイオウグソクムシ「」ビクビク

幼女「うわっ!くっつくな気持ち悪い!」

猫娘「にゃあああああああああああああ!!!!!」ゴゴゴゴ


パッ




シュゥゥゥゥゥゥゥゥ...




幼女「あ、渦潮が止まって行く」

幼女「一体あいつ渦潮の中で何をして...」




猫娘「...」キラキラ




幼女「!?」

幼女「な、何か光ってる!それに何か全体的に猫っぽくなってる!」

幼女「いや、そんなことよりも...」



幼女「...尻尾が二つになってるように見えるんだけど」

猫娘「...」キラキラ





「お、おい...何かあいつ少し変わってないか?」

「あ、あぁ...不気味だ」

「少し変わったぐらいで何だ!全員でかかればやれるはずだ!」





猫娘「...お前ら知ってるかニャ?」

猫娘「長生きした猫は尻尾が二つに別れて猫又という妖怪になるらしいニャ」

猫娘「この技は強制的にその猫又になる...つまり無理矢理、自分の潜在パワーを引き出す技ニャ」


猫娘「名付けて...」




猫娘「二股モードニャ!!!!!」ドーン




幼女「何か浮気してるみたいだな」

雑兵魚人F「何を馬鹿なことを!隙だらけだぜ!」ダッ



猫娘「...」


シュンッ


雑兵魚人F「...ガハッ!?」バタッ



猫娘「おっと、少しやり過ぎちまったニャ」




「おい...さっきの見えたか?」

「わ、分からん。いきなり消えたと思ったらFが倒れた...」

「これヤバイやつじゃ...」



鮫娘(これが...猫さんの本気...)




幼女(す、すごい!これなら勝てるかも!)




猫娘「...さあ来いニャ。雑魚共」

猫娘「格の違いってやつを見せてやるニャ!!!!」

................................................................
.................................................



海王「...」



コンコン



海王「...入れ」



ギィィィィィィィ



鮫娘「しゃーく、失礼します」



海王「...鮫か、何用だ」



鮫娘「報告に参りました」

鮫娘「...陸の二人を捕らえました。今は城の地下に幽閉しております」



海王「...そうか。よくやった」

鮫娘「しゃーく...しかし捕らえに向かった兵士さん達に予想以上の負傷者が出ています」



海王「...そうか。そこまであの娘達は抵抗したのか」



鮫娘「はい...主に暴れたのは猫さんですけど」

鮫娘「海王様、やっぱり止めませんか?こんなことしても解決するという確証は...」



海王「...もういい、下がれ鮫よ。よくやってくれた」



鮫娘「...はい」



バタン



海王「...あとは明日の儀式が成功すれば丸く収まる」

海王「...許せ、陸の娘達よ。これも竜宮の為なのだ」

~~~~ 竜宮城 地下牢屋 ~~~~



幼女「...ねぇ」


猫娘「...なんニャ」


幼女「格の違いを見せるんじゃなかったの?」

猫娘「...」


幼女「あの後3分も経たない内に元に戻ってボッコボコにされてたけどあれ何だったの?」

猫娘「...予想以上にエネルギーの消費が早かったニャ」

幼女「というか3分間遊んでたよね?10人も倒してないよね?」

猫娘「...だって実践で使うの初めてだったんだニャ。ちょっと調子に乗っちゃったニャ」



幼女「...」


猫娘「...」



ダイオウグソクムシ「...」



幼女「...私達どうなっちゃうんだろ」

今日はここまで

猫娘「まさかあの鮫に騙されてるとは思わなかったニャ...」

猫娘「今度会ったらフカヒレにしてやるニャ」


幼女「...私は最初から薄々気付いてたけどね」


猫娘「ニャ?」


幼女「そもそも最初のいきなり竜宮城に誘ってきた時点でおかしかったし」

幼女「その後も不自然に私達を帰らせたくなかった感じだった...」

幼女「こんなに怪しい点があったのに気付かない方が馬鹿だよ」


猫娘「...何が言いたいニャ?」イラッ


幼女「別に?ただ目先の料理に釣られるのはいいけど人を巻き込むのはやめて欲しいって思っただけだよ?」


猫娘「にゃっ...!」

猫娘「そ、そんな言い方しなくてもいいニャ!私だって色々考えて...!」


幼女「考える?食欲に負けたくせに?」

幼女「忘れてるかもしれないけど私は幼女なんだよ?まだか弱くて一桁の年齢しかない幼女なんだよ?」

幼女「そんな幼女を危険な目に遭わして色々考えました?馬鹿も休み休みに言ってほしいね」


猫娘「そ、そもそも幼女も分かってたなら私を無理にでも止めないのが悪いニャ!」


幼女「は?私のせい?」

幼女「あぁ、そうだったね。確かに馬鹿猫をぶん殴ってでも止めなかった私のせいだね」

幼女「はいはい私が全部悪うござんしたごめんなさい」ペコッ


幼女「はい?これでいい?満足した?馬鹿猫」


猫娘「ば、馬鹿馬鹿言うなニャ!」


幼女「ごめんごめん、馬と鹿に失礼だったね。アホなのは猫だけなんだから」


猫娘「ニャ...ニャんだと!!!!」



ダイオウグソクムシ「...!」オロオロ

幼女「...」


猫娘「...」



ダイオウグソクムシ「...!」オロオロ



幼女「...はぁ、こんなところで言い争っても仕方ないか」


猫娘「...ニャ、今は喧嘩してる場合じゃないニャ。早くここから脱出するニャ」



ダイオウグソクムシ「!?」パァ



幼女「それでどうする?見たところこの檻、簡単に壊せそうだけど」

猫娘「...駄目ニャ。この檻には障壁が張られてあるニャ」コンコン

幼女「障壁?」

猫娘「ニャ、魔力に反応する障壁が何百も張られてるニャ。この檻に魔法をぶつけても障壁で防がれるニャ」

猫娘「私の魔力ではこの檻を壊すことは不可能ニャ」

幼女「じゃあ魔力を使わずに壊すっていうのは?魔法にだけ反応するんでしょ?」

猫娘「...多分それも無理ニャ」


猫娘「魔法で障壁が張ってあるということは...ニャンッ!」グググッ


シーン


猫娘「ニャゴゴゴゴゴゴ...!!!!」グググッ


シーン


猫娘「...はぁ」パッ

猫娘「この通り、檻自体も魔法で強化されてるニャ。とてもじゃないけど私の筋力では壊すのは無理ニャ」

幼女「さっきの「二股モード」とかいうのを使って壊すのは?」

猫娘「あのモードは私の限界以上の力を引き出す技、どうしても全身から魔力が少し溢れてしまうニャ」

猫娘「そして魔力が出るということは...障壁が発動してしまうニャ」


幼女「つまりここからの脱出は不可能...」


猫娘「いや、そうでもないニャ」

幼女「えっ?でもこの檻を壊すのは無理なんでしょ?」

猫娘「ちょっと檻の外を見てみろニャ」

幼女「檻の外...?」ジー




蟹男「Zzz...」グースカ




幼女「人が寝てる...?」

猫娘「あれ多分看守ニャ。そして看守の腰辺りを見てみるニャ」

幼女「腰...」ジー




鍵『』キラン




幼女「あっ!あれって...!」


猫娘「そうニャ。多分この檻の鍵ニャ」

猫娘「幸い魔法を使わなければこの檻から手は伸ばせるニャ」

猫娘「どうにかしてあの鍵を取ればこの檻から脱出できるニャ」


幼女「何かテンプレみたいな展開だね」

猫娘「問題はどうやってあの鍵を取るかニャ」

幼女「確かに...この檻から5メートル以上は離れてるね」

猫娘「魔法を使わずにあの鍵を取る方法...かニャ」



幼女「...」


猫娘「...」



幼女「無理じゃない?」


猫娘「にゃ、にゃあ...」



幼女「どう考えても手を檻から出せる範囲じゃ届かないし...近くに棒みたいな長い物もないし」

猫娘「私がゴム人間だったら届くんだけどニャ」

幼女「あとは誰か一人が檻から抜け出して鍵を取ってくる...」

猫娘「この檻の隙間だとさすがの幼女でも無理ニャ。もっと小さくないと...」



猫娘「あっ」

猫娘「そうニャ!鍵を取れるやつがいるじゃないかニャ!」

幼女「え?誰?」キョロキョロ



猫娘「グソたんニャ!」ビシッ



ダイオウグソクムシ「!?」ビクッ



幼女「は?」



猫娘「グソたんならこの檻から抜け出して鍵を取ってこれるニャ!」

幼女「い、いやいや...さすがに無理でしょ」


猫娘「グソたん、あそこで寝てる蟹の腰にある鍵を取ってきてほしいニャ」

ダイオウグソクムシ「?」キョトン

猫娘「大丈夫ニャ!グソたんなら出来るニャ!」


幼女(いや無理だろ)

猫娘「グソたん、ゴー!キーゲット!カムバックニャ!」

ダイオウグソクムシ「...」


幼女「いくら何でもこのキモいやつはダンゴムシ程度の知能しかないんだよ?」

幼女「そんな犬みたいに人の命令が分かるわけが...」


ダイオウグソクムシ「...!...!」ウンウン


猫娘「おぉ!グソたん分かってくれたかニャ!」

幼女「んな馬鹿な」



ダイオウグソクムシ「...!」ノシノシ

ダイオウグソクムシ「...!!」ギュー

ダイオウグソクムシ「...!」スポッ



猫娘「やったニャ!檻を抜けたニャ!」

幼女「えぇぇ...」

ダイオウグソクムシ「...!」ノシノシ



猫娘「行けニャ!グソたん!全ては君にかかってるニャ!」

幼女「た、ただ檻から抜け出しただけでしょ?さすがに鍵を取るなんて芸当は...」



ダイオウグソクムシ「...!」ノシノシ


蟹男「Zzz...」グースカ


ダイオウグソクムシ「???」オロオロ



猫娘「ああっ!グソたんが腰にある鍵に届かなくて混乱してるニャ!」

幼女「なにこれ?はじめてのおつかい?」



ダイオウグソクムシ「!」ピコーン

ダイオウグソクムシ「...!」ウネウネ


蟹男「Zzz.......うーん......」



猫娘「さすがグソたんニャ!足を這い上がって進んだニャ!」

幼女「うわっ!きもっ!」

ダイオウグソクムシ「...!」グーッ



猫娘「グソたん!もう少しニャ!もう少しで鍵が取れるニャ!」

幼女「え、えぇぇ...」



チャリン♪

ダイオウグソクムシ「!」



猫娘「や、やったニャ!見事に鍵ゲットニャ!」

幼女「マジかよ...」



ダイオウグソクムシ「...!...!」ノソノソ



猫娘「グソたん!あとは帰ってくるだけニャ!頑張るニャ!」

幼女「おいおいマジで取って来ちゃったよ」



ダイオウグソクムシ「...!」トウチャクー



猫娘「グソたん!よくやったニャ!」

幼女「お、おう」

猫娘「あとはグソたんの持ってきた鍵を内から開けて...」カチャカチャ


ガチャ


猫娘「これで脱獄成功ニャー!」

幼女「本当に脱出しちゃったよ...」


猫娘「グソたんよくやったニャー!お前は世界で一番賢いダイオウグソクムシニャー!」ヨシヨシ

ダイオウグソクムシ「///」テレテレ

猫娘「ほら、幼女も撫でてやるニャ」



幼女「絶っっっっっっっっっ対に嫌!!!!!」



幼女「...で、出られたのはいいけどこれからどうするの?」

猫娘「どうするってこの町から逃げるしかないニャ」

幼女「でも帰り道はどうする?行きはサメの案内で来たけど私達帰り道知らないんだよ?」

猫娘「フッフッフ...安心するニャ!」

猫娘「こんな時のための帰巣魔法ニャ!家の場所!つまり町への方向は分かるからそこに向かって進めばいいニャ!」


幼女「おぉ!すっかり忘れてた!」



蟹男「Zzz......うん?」パチッ

蟹男「ふわぁぁぁ...よく寝た...」ゴシゴシ


蟹男「!?」


蟹男「おい貴様ら!どうやって牢屋から抜け出した!」



猫娘「ニャッ!」ダッ

猫娘「オラァ!死ね蟹ィ!猫パンチニャ!」ブンッ


蟹男「ぐぴっ」ボコォ


蟹男「」ズサー



猫娘「ふんっ!蟹はそこで寝てるのがお似合いニャ!この負け組め!」

猫娘「さあ!さっさとこんなところから脱出するニャ!」


幼女(こんなところでも蟹差別が)

今日はここまで

幼女「...」コソコソ

猫娘「...」コソコソ



スタスタ スタスタ



幼女「!?」ビクッ

猫娘「こっちの部屋に隠れるニャ!」クイッ


コソッ



スタスタ スタスタ



幼女「...行った?」

猫娘「...行ったみたいニャ」



幼女「地下から脱出できたのはいいけど一体お城の出口はどこにあるんだろ...」キョロキョロ

猫娘「ここ広すぎニャ。しかも人も結構多いし隠れながら探すのはちときついニャ」

幼女「あの気絶してる看守と空っぽの檻が見つかるのも時間の問題だしね...早く出口を見つけないと」

猫娘「...こうなったらこの城の人間に直接聞かせてもらうニャ」ニヤリ

幼女「というと?」

猫娘「次に来るやつを拉致して城の出口を教えてもらうニャ」

猫娘「少し荒っぽいけどこの方法が一番確実ニャ」

幼女「...それしか方法はなさそうだね」



スタスタ スタスタ



幼女「来た!」

猫娘「...よし、やってやるニャ」グッ



スタスタ スタスタ



猫娘「ニャア!!!!」ガシッ


???「しゃーくっ!?」ジタバタ


猫娘「オラァ!こっちに来いニャ!」ズルズル


???「しゃーく!な、何するんですか!離してください!」ジタバタ

猫娘「うるさいニャ!ちょっと黙れニャ!」グッ


???『モゴモゴッ...』


猫娘「よし!拉致完了ニャ!」

幼女「ね、ねぇ...この人よく見てみなよ」

猫娘「ニャ?」



鮫娘『モゴモゴっ...』ピチピチ



猫娘「あーっ!お前は私達を騙したサメニャ!」



鮫娘『モゴモゴっ!?モゴモゴモゴモゴ!』



猫娘「テメェ!よくも騙したニャ!ただじゃおかないニャ!」グッ

幼女「ス、ストップ!気絶させたら出口を聞き出せないよ!」


鮫娘『モゴモゴ...』

猫娘「とりあえず拘束魔法で体を縛ったから逃げられないはずニャ」


鮫娘『モゴモゴ...』


猫娘「いいかニャ?今から喋れるようにしてやるけどもし大声を出したらどうなるか分かってるかニャ?」


鮫娘『モゴ!モゴ!』ウンウン


パッ


鮫娘「ぶはあっ!」

鮫娘「はぁ...はぁ...」



猫娘「おいサメ、何でお前、私達を騙したニャ」


鮫娘「しゃ、しゃーく...ごめんなさい」


猫娘「誰が謝れって言ったニャ。理由を話せと言ったんだニャ」ゲシッ


鮫娘「い、痛い...」

幼女「あ、あんまり暴力的なことは...」

猫娘「何言ってるニャ?こいつは私達を裏切ったんだニャ」

猫娘「即フカヒレ料理にしないだけ優しいニャ」


鮫娘「...」


猫娘「さあ答えろニャ。お前はどうして私達を騙したニャ?私達を牢屋閉じ込めてどうするつもりだったニャ?」


鮫娘「...しゃーく。ここに来たときに見えた神殿は覚えてますか?」


猫娘「あぁ、あの神々しい建物かニャ」

幼女「確か海龍が居るっていう...」



鮫娘「しゃーく...結論から言うと二人を海龍様の生け贄にしようとしてました...」



猫娘「は?」

幼女「い、生け贄?」

猫娘「...おい、もっと詳しく教えろニャ」


鮫娘「しゃーく...あれは1ヶ月ほど前の出来事です」

鮫娘「あの神殿は海龍様を祀ると言っても形だけの物でした...実はあの神殿、中は大きな穴が空いてるだけなんです」


幼女「大きな穴...?」


鮫娘「伝説ではその大穴の奥に海龍様がいると言われていますが実際、中に入ってみても深いだけで最後は行き止まり...何も居なかったんです」

鮫娘「...あの日までは」


猫娘「あの日って何ニャ?」


鮫娘「しゃーく...突然海龍様が竜宮に帰ってきたんです。そして神殿の大穴の中に入って行きました」

鮫娘「私は見ていませんが大勢の人が目撃しています。話では全長100メートル近くあったとか」


猫娘「ちょっと待つニャ、それがどうして生け贄に繋がるんだニャ?」

鮫娘「海龍様が神殿に入って行って数日が過ぎた頃の話です。突然竜宮に地震が起きました」

鮫娘「被害は大したことなかったんですが...竜宮に地震なんて前例がないことなんです」

鮫娘「町は大騒ぎ...海龍様がお怒りになって地震が起きたと考える人が大多数でした」


猫娘「それだけで私達を生け贄しようとしたのかニャ?」


鮫娘「しゃーく...地震は一回きりではなかったんです」

鮫娘「日に日に大きくなってきて...三日前にはとうとう建物が崩れる程までに大きくなったんです」

鮫娘「このままだと竜宮が地震で滅びるかもしれない...そこで海王様は伝説にある海龍様を静めさせる方法を実行することに決めたんです」



鮫娘「陸の娘を二人、海龍様の生け贄にする...と」



猫娘「...お前は私達を生け贄にするために海岸で苛められてたのかニャ?」


鮫娘「...しゃーく、その通りです」

猫娘「はぁ...全部仕組まれてた罠だったというわけかニャ」

幼女「余計にこの町から出たくなったね...早くしないと生け贄にされちゃうよ...」


鮫娘「しゃーく...あの...どうやって地下牢から抜け出したんですか?あの檻には障壁があったはずですけど」


猫娘「ふん!あんな檻、私にかかればチョチョイのチョイニャ!」

ダイオウグソクムシ「...!」ウンウン



幼女(また話盛ってる)



鮫娘「しゃーく...そうでしたか...」

鮫娘「...余計なお世話でしたね」ボソッ



猫娘「さてこれが最後の質問ニャ、この城の出口はどこニャ?」


鮫娘「しゃーく。ここ真っ直ぐ行ったところを右に、そしてつきあたりを左に行ったあと真っ直ぐ行けば正面出入り口です」

鮫娘「...でも正面から出るのはオススメ出来ません。人の出入りが多いので見つかる可能性があります」

猫娘「ならどうすればいいニャ?」

鮫娘「しゃーく、人の出入りが少ない裏口があります。そこから出れば...」



ピー!!! ピー!!! ピー!!!



幼女「!?」ビクッ

猫娘「な、なんニャこの音!?」


鮫娘「しゃーく!不味いです!逃げたのがバレたんですよ!」



『地下牢から陸の娘が脱走した!見つけ次第ただちに捕らえよ!』

『命さえ無事ならどうなっても構わんッ!絶対に逃がすな!』




幼女「な、なにやら不穏な言葉が聞こえた気が...」

猫娘「おい!早く裏口を教えろニャ!」


鮫娘「しゃーく!駄目です!少し複雑な場所にあるので説明してる時間がないです!」

鮫娘「私が直接案内します!拘束魔法を解いてください!」

猫娘「ニャッ...拘束魔法を解けニャと!?」

猫娘「無理ニャ!裏切り者のお前なんて信用出来ないニャ!」


鮫娘「しゃーく!お願いします!早くしないと兵隊さんに見つかってしまいます!」


猫娘「ニャ、ニャムム...」

幼女「ねぇ、案内してもらおうよ」

猫娘「ニャッ!?正気なのかニャ幼女!」

幼女「今はこの人の力を借りないと脱出出来ない...それなら裏切らない方に賭けるしかないと思う」

猫娘「ぐ、ぐぬぬ...」



鮫娘「今度は裏切りません。約束します」



猫娘「...」

猫娘「仕方ないニャ、外してやるニャ」ピカッ

スゥー


鮫娘「しゃ、しゃーく...体が軽くなった...」

猫娘「ちょっとこっち向くニャ」

鮫娘「しゃーく?」クルッ



猫娘「オウラァ!!!!」ブンッ

鮫娘「ジョーズッ!?」ドコォ



鮫娘「」ズサー



猫娘「これで騙したことは許してやるニャ。早く案内しろニャ」

鮫娘「しゃ、しゃーく...ありがとうございます...」ウルウル


キラッ


幼女(...ん?殴られたサメから何か光った物が落ちた?なんだろうあれ...)


鍵『』キラン


幼女(!?)

幼女(あ、あれって私達が檻から出る時に使った鍵と同じやつじゃ...)

幼女(まさかあのサメ...私達をあの檻から逃がすつもりだったの?)



鮫娘「しゃーく!時間がありません!着いてきてください!」ダッ

今日はここまで

ダダダダダダッ!!!!!



鮫娘「しゃーく!この先を右です!」

猫娘「確かに口で説明するには難しい道ニャ。でも本当に裏口なんてあるのかニャ?」

鮫娘「しゃーく!裏口というより非常口ですね!普段は滅多に人が通りません!」



幼女「ちょ、ちょっと待ってぇ...」ハァハァ



猫娘「幼女、何してるニャ?早くしないと追っ手が来るニャ」



幼女「ふ、二人とも速すぎ...」ハァハァ



鮫娘「しゃーく...人間の幼女さんではあたし達のスピードだと少し速すぎますね」

猫娘「はぁ...仕方ないにゃあ」スタスタ


幼女「ぜ、ぜぇ...ぜぇ...」


猫娘「幼女、ほら」スッ

幼女「な、なに?」

猫娘「おぶってやるニャ。早く乗れニャ」

幼女「え?でも...」

猫娘「もうじれったいニャ!」グイッ

ドサッ


幼女「ちょ...」

猫娘「しっかり掴まってろニャ!」ダッ



幼女(...猫の背中ってこんなに大きかったっけ)

幼女(...やっぱりこういう時は頼りになるな)ギュッ


モゾモゾ


幼女「ん?」チラッ


ダイオウグソクムシ「♪」スリスリ


幼女「ひっ...」



ダダダダダダッ!!!!!



鮫娘「見えました!猫さん、幼女さん!あそこです!」

猫娘「おぉ!本当にあったニャ!」

ガチャ



猫娘「ここは...?」


鮫娘「しゃーく、城の裏側です」

鮫娘「まだ脱走がバレてあまり時間は経ってないので兵隊さん達は城の中しか探してないはず...」キョロキョロ


猫娘「つまり今のうちに竜宮から出られるってことかニャ?」


鮫娘「...いえ、今出るのは少し危険です」

鮫娘「いくら脱走直後と言っても既に竜宮にいない可能性もある...兵隊さん達が何十人も周囲を見張ってるはずです」


猫娘「ならどうするニャ?」


鮫娘「しゃーく...竜宮から出るとしたらベストなタイミングは人が一番少ない明日の明け方ですね」

鮫娘「魚でも睡眠時間はありますからね。探し疲れて一番気が緩んでるのはこの時間帯です」

鮫娘「あたしのスピードなら逃げ切れると思います」

猫娘「...ちょっと待てニャ、お前はどうなるニャ?」

猫娘「もし私達の脱走を手伝ったことなんてバレたりしたらお前は...」


鮫娘「...しゃーく、元々はあたしが二人を連れてきたんです」

鮫娘「二人を帰すのもあたしの役目、そうでしょ?」


猫娘「お前...」


鮫娘「しゃーく、明け方まではあたしの家に隠れていましょう」

鮫娘「今は竜宮城の中を探すのに精一杯...兵隊さん達が個々の家を1つ、1つ、探し回るにはだいぶ時間がかかりますからね」


猫娘「分かったニャ。お前を信じるニャ」

猫娘「幼女、聞いてたかニャ?これからサメの家に行くニャ。そろそろ降りるニャ」


幼女「」


猫娘「幼女?」ユサユサ

猫娘「...気絶してるニャ」


ダイオウグソクムシ「?」

~~~~ サメの家 ~~~~



鮫娘「しゃーく、ここが私の家です」


猫娘「だからごめんニャ~すっかりグソたんをポケットに入れてたの忘れてたんだニャ~」

幼女「絶対に許さない!!!!」プイッ


鮫娘「...聞いてますか?」




猫娘「へぇ、結構広いニャ」

幼女「他に誰か住んでるの?」


鮫娘「しゃーく。父と母、それに兄と姉の5人暮らしですね」

鮫娘「でも安心してください。今家族は狩りに行っています」


幼女「狩り?」


鮫娘「しゃーく、4人でちょっと遠くの海まで魚を狩りに出かけてるんです」

鮫娘「帰りは一週間後なので安心してください」


猫娘「お前は行かないのかニャ?」


鮫娘「...しゃーく、私は弱いので留守番です...」ズーン

猫娘「な、何か悪いこと聞いたかニャ」

鮫娘「いいんです...事実ですから...」シクシク


猫娘「そ、そういえばお腹が減ったニャ!もうお昼ニャ!」


鮫娘「...しゃーく、そうですね。ご飯にしましょうか」

鮫娘「二人とも朝ごはん食べてないですよね?大盛りでいいですか?」


猫娘「ニャー!大盛りで頼むニャ!」

幼女「私は普通で」


鮫娘「しゃーく!分かりました!腕によりをかけて作りますね!」




猫娘「ニャー♪ご飯楽しみニャー♪」ルンルン

ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ

猫娘「ニャ?お前もご飯食べたいのかニャ?」

猫娘「普通のダイオウグソクムシは餌は滅多に食べないと聞いたんだけどニャ...やっぱりお前は他のやつとはちょっと違うニャ」



幼女(なにそれこわい)

鮫娘「しゃーく!出来ましたよ!サメ特製海鮮チャーハンです!」ゴトッ


猫娘「おぉっ!うまそうニャ!」

幼女「確かに美味しそう」


鮫娘「冷めないうちにどうぞ!」

鮫娘「...サメだけに」



猫娘「ほらグソたん、チャーハン少し分けてやるニャ」

ダイオウグソクムシ「♪」モグモグ

猫娘「うまいかニャ?」


幼女「...」モグモグ



鮫娘「しゃ、しゃーく!無視しないでくださいよー!」





鮫娘「しゃーく。ところで作戦実行まであとだいぶありますが...どうしますか?」

猫娘「どうもこうもこっちは待つしかないニャ」

鮫娘「ですよね。なら...」ガサゴソ


鮫娘「一緒にサメ映画でも見ませんかっ!?」パァ


幼女(時間をドブに捨てるのか...)

...........................................................
..............................................


鮫娘「しゃーく!やっぱりこのシリーズは面白いですね!えっと次は...」ガサゴソ


猫娘「ちょ、ちょっとタイムニャ。もう夜ニャ...お腹が減ったニャ...」グゥー

幼女「み、右に同じ...」グゥー


鮫娘「しゃーく、本当ですね。では晩ご飯の準備を...」

鮫娘「...あ、そういえば冷蔵庫の中身は全部チャーハンに使っちゃったんでした」

鮫娘「ちょっと買い出しに出かけてきますね」


猫娘「外に出て大丈夫なのかニャ?」


鮫娘「しゃーく!大丈夫です!あたしは海王様に猫さん達の報告をした後は普通に帰る予定でしたから!」

鮫娘「今回の脱走の件ではまったく怪しまれてないはずです!」


猫娘「ならいいんニャけど...」

幼女「一応気を付けて行ってきてね」


鮫娘「しゃーく!任せてください!」

鮫娘「ではいってきます!」ガチャ

スタスタ スタスタ


鮫娘「...とは言ったものの」

鮫娘「しゃーく、やっぱり少し怖いですね...バレてないでしょうか」キョロキョロ

鮫娘「しゃーく!駄目です!平静を装わないと!」



雑兵魚人「おい、そこのサメ」



鮫娘「しゃーくっ!?」ビクッ

鮫娘「な、なんでしょうか...?」



雑兵魚人「ここら辺で陸の人間を見なかったか?獣人と幼女の二人組だ」



鮫娘「い、いえ...見てませんけど」



雑兵魚人「そうか、邪魔して悪かったな」

雑兵魚人「まったく...もう竜宮にはいないんじゃないのか?いつまで探せばいいんだよ」グチグチ



鮫娘「...ほっ」

鮫娘「しゃーく...やっぱりまだ探してるんだ...家の中を捜索されるのも時間の問題かな」

鮫娘「でももう夜だし...大丈夫ですよね?」

.............................................................
................................................


鮫娘「しゃーく...お肉に魚に野菜に...」

鮫娘「よし!全部買いましたね!あとは帰るだけです!」

鮫娘「しゃーく、早く帰って二人にご飯を作ってあげないと」スタスタ



「おい」



鮫娘「しゃーくっ!?」ビクッ

鮫娘「そ、その声は...」クルッ



鯱娘「こんな時間に何してるんだ?サメ」



鮫娘「あ、あはは...鯱さん...」ダラダラ


鯱娘「何してるのかって聞いてんだよ」


鮫娘「あ、あの...冷蔵庫空なので買い出しに...」


鯱娘「ふーん、買い出しか...」ジー

鯱娘「確かお前の作る料理結構うまかったな、あたい飯まだ食ってないんだよ。今から家に邪魔するわ」


鮫娘「しゃーくっ!?え、えぇっ!?」

鯱娘「なんだ文句あるのか?今、家に親居ないんだろ?」


鮫娘「あ、あの...その...」オロオロ

鮫娘(ど、どうしよう...鯱さんを家に入れたら猫さん達のことがバレる)

鮫娘(...ここはキッパリ断ろう!)



鮫娘「しゃ、しゃーく!だ、駄目です!今日は家に来ないでくださいっ!」



鯱娘「...あ゛?」ピキッ



鮫娘(ひぃ!や、やっぱり怖い!)

鮫娘(...で、でもあたしも鮫なんだ!いつまでも怖がってちゃいけないっ!)


鯱娘「どうして駄目なんだ?言ってみろよ」


鮫娘「だ、駄目なものは駄目なんですっ!今日は絶対に!」


鯱娘「...ふぅん、お前も言うようになったじゃん」


グイッ


鯱娘「また痛い目に遭いたいみたいだな」

鮫娘「ひ、ひぃぃぃぃぃ!!」ガクブル

鯱娘「歯ぁ食いしばれよ!」グッ

鮫娘「しゃ、しゃーくっ!」



鮫娘(あぁ、またあたし殴られるんだ...)

鮫娘(いっつもこんな役だな...きっとあたしの一生は鯱さんみたいな強い人にコバンザメみたいな生活をしながら暮らしていくんだろうな)



猫娘『お前は本当は強いはずニャ。力を出してないだけニャ』



鮫娘(ついに走馬灯まで出てきた...ん?これって走馬灯じゃなくて回想?)

鮫娘(しゃーく、まあどっちにしても同じです。このまま私は殴られて鯱さんは私の家に、そして猫さん達は通報され無事生け贄に...)


鮫娘(...って駄目ですよ!そんなこと!)


鮫娘(しゃーく!ここで抵抗しないとあたしだけじゃなくて猫さん達も危ない!)

鮫娘(あたしはどうなってもいい!だけどあの二人をもう一度裏切るようなことは出来ない!)


鮫娘(しゃーく...だってあの二人は...あたしなんかにでも優しくしてくれたから!)


鮫娘(手を...手を出せ!自分のためにも!あの二人のためにも!)

鮫娘(もうコバンザメみたいな人生から抜け出すんだ!だってあたしは...)


鮫娘(しゃーく!鮫だから!)

ガッ


鯱娘「...おい?何の真似だ?あたいのパンチを受け止めるなんて」


グググッ


鮫娘「しゃ、しゃーく...もう逃げません...!あたしは鮫だから...!」


鯱娘「何をわけのわからないことを...離せ!」グッ


鮫娘「嫌です!離しません!」ガチッ



鯱娘(くっ...腕が離せねぇ、こいつどこにこんな力が...!)


鮫娘(しゃーく!まだただパンチを受け止めただけ...これだと鯱さんは倒せない)

鮫娘(確実に鯱さんに勝つ...私の一番の武器を使って!)アーッ


ガブッ


鯱娘「い、痛っ!?テメェ離せ!噛みつくな!」グググッ


鮫娘(もっと!相手に反撃の隙も与えちゃ駄目だ!)

鮫娘「しゃーくっ!」ドンッ


鯱娘(押し倒された!?こいつ一体何を!)



鮫娘「うわああああああああ!!!!!ですろーるうううううううううううう!!!!!」ゴロゴロ


ゴロンゴロン


鯱娘「!?」

鯱娘(な、なんだこいつ!?私を噛みついたまま回りやがった!)


グルングルン


鯱娘(だ、駄目だ!あたいの体もこいつにつられて引っ張られて...このままだと腕の肉が...!)ズルズル



鮫娘「うわあああああああああ!!!!!」ブオン



ビューン



鯱娘(放り投げられた!?...いやチャンスだ!噛みつき攻撃から解放された!)

鯱娘(よくもあたしに反抗しやがったな!ギッタギッタにしてやる!)



ゴンッ!!!



鯱娘「 が っ ! ? 」

鯱娘(う、後ろに岩が...)バタッ

鮫娘「はぁ...はぁ...」



鯱娘「」



鮫娘「しゃーく!や、やったぁ!あたし鯱さんを倒したんだ!」

鮫娘「コバンザメ生活もさようなら!あたしも今日からホオジロザメの仲間入りだ!」



鯱娘「」



鮫娘「...しゃーく?あ、あれ?生きてますよね?」

鮫娘「ただ岩に頭ぶつけただけですし...気絶してるだけですよね?」



鯱娘「」



鮫娘「い、一応心臓が動いてるか確認しよう」ソー


ドクン ドクン


鮫娘「しゃーく...良かった、生きてた」ホッ

鮫娘「...」キョロキョロ

鮫娘「しゃ、しゃーく!さっさとここから立ち去りましょう!」ダッ



シーン



鮫娘「買い物袋忘れてた!」ダッ

ガチャ


鮫娘「しゃーく!ごめんなさい!遅くなりました!」


猫娘「遅いニャ~お腹減ったニャ~」グゥー

幼女「右に同じぃ...」グゥー


鮫娘「しゃーく!ごめんなさい!今から作りますね!」

鮫娘「あっ、あと猫さん!ありがとうございます!」


猫娘「ニャ?何のことニャ?」


鮫娘「しゃーく!猫さんがあたしは強いって言ってくれたおかげであたしはホオジロザメになれたんです!」


猫娘「あぁ...あれかニャ」



猫娘「あれ嘘ニャ」



鮫娘「しゃーくっ!?」



猫娘「さすがの私でも潜在的能力を見抜くなんて無理ニャ」

猫娘「まあ相手が戦闘態勢だったら話は別だけどニャ」


鮫娘「しゃーく...じゃああの言葉は何だったんですか?」

猫娘「あれはお前に自信を付けさせるためニャ」

猫娘「最初から負けると分かってたらいつまでも負け犬根性は抜けないからニャ」


鮫娘「しゃ、しゃーく!ならあたしが鯱さんに挑んでボコボコに負けたらどうするんですかっ!?」


猫娘「相手は完全に油断してたニャ。例えお前が弱くても油断してる相手に殴りかかれば一発くらいラッキーパンチがあるはずニャ」

猫娘「まあ問題は勝敗じゃないニャ。「いつでも復讐出来るぞ」という意思が相手に伝わればそれでOKニャ」


猫娘「で、それがどうかしたニャ?」


鮫娘「...」




鮫娘「しゃーく!」ガブッ

猫娘「痛っ!?お、お前何するニャ!離せニャ!」

鮫娘「嫌です!離しません!」ガブガブ

猫娘「ニャ、ニャー!やめろニャー!」




幼女「何してんだあいつら...」

.................................................................
......................................................



海王「...来たか」



ガチャ



???「...こんな時間に何用だ?海王よ」



海王「...陸の娘達が脱走したのは聞いているか?」



???「あぁ、生け贄用の小魚が二匹脱走したそうだな」

???「まったく貴様もマヌケだな海王よ。聞けば看守が鍵を奪われたそうではないか」



海王「...お前には脱走した二人の小娘を捕らえてほしい」



???「...口を慎め。貴様ごときが余に命令か?」



海王「...そうだ、命令だ。海王のな」



???「...ククッ、面白い。様になってきたではないか海王。父上よりも格が出てきたんじゃないか?」

???「仕方ない、海王様の命令なら余も従うしかないな」

???「それで逃げた小魚というのどんな奴だ?」



海王「...一人は猫の獣人、もう一人は人間の幼女だ」

海王「...獣人の方はかなりの手練れだ。並の兵士では歯が立たなかった」



???「所詮小魚、余の敵ではない」

???「しかし情けない話だな...そんな小魚共とかくれんぼをして負けているのか」

???「もう竜宮には居ないんじゃないのか?」



海王「...確かに居るはずだ。あんな短時間では竜宮を脱出する時間はないはずだからな」



???「まあいい...小魚共は余が直々に捕らえてやろう」



海王「...頼んだぞ、クジラよ」




鯨男「ふん...」

今日はここまで
も、もう少し...5月中には...

.................................................................
....................................................


鮫娘「しゃーく、夜食作ってきましたよー」



幼女「Zzz...」スースー



鮫娘「ってあれ?幼女さん寝ちゃったんですか?」

猫娘「ニャ、さすがに幼女だと徹夜はキツいから仮眠するそうニャ」

鮫娘「しゃーく...仮眠程度で済むのも少しおかしいですね」


鮫娘「あ、これ夜食の鮭おにぎりです」スッ

猫娘「イクラじゃないのかニャちくしょう!」




鮫娘「...」モグモグ

猫娘「...」モグモグ


鮫娘「しゃーく、あと出発まで数時間ですね」

猫娘「...ニャ」

鮫娘「無事に脱出出来るのでしょうか...」

猫娘「それはこっちのセリフニャ」

鮫娘「...それもそうですね」

鮫娘「...」


猫娘「...」



鮫娘(しゃ、しゃーく...会話が続かない...何か少し緊張でピリピリした空気になってますね)

鮫娘(こ、ここはあたしが流れを変えましょう!)


鮫娘「しゃーく!猫さん!暇潰しにサメしりとりしましょう!」

猫娘「なんニャそれ」

鮫娘「サメに関連する言葉でするしりとりです!まずは猫さんから!」


猫娘「...シャークマン」


鮫娘「...」


鮫娘「...いきなり「ん」が付いてるじゃないですか」

猫娘「じゃあシャークマンV3」

鮫娘「しゃーく!もういいです!あたしから始めます!」


鮫娘「えっと...ネプチューン!」


猫娘「...」


鮫娘「あっ」

鮫娘「しゃーく!い、今のナシ!今のナシです!」アタフタ


猫娘「...ぷっ」

猫娘「ニャ、ニャハハハハハハハ!!お前も「ん」が付いてるじゃないかニャ!」ゲラゲラ


鮫娘「だからナシですってば!」


猫娘「あー笑ったニャ!ちょっとスッキリしたニャ!」


鮫娘「...しゃーく?」


猫娘「色々考えても仕方ないニャ!今は成功を祈るしかないニャ!」

猫娘「サメ!ゲームを出せニャ!二人で対戦するニャ!」


鮫娘「しゃ、しゃーく!分かりました!」








幼女「Zzz...」スヤァ


ダイオウグソクムシ「♪」モゾモゾ

ダイオウグソクムシ「Zzz...」ピトッ


幼女「Zzz......う、うーん...うーん...」

...............................................................
..................................................


猫娘「幼女、起きろニャ」ユサユサ

幼女「...ん」パチッ

猫娘「時間ニャ。そろそろ出発の時間ニャ」

幼女「ふわぁぁ...了解...」ゴシゴシ






鮫娘「しゃーく、ではもう一度、作戦の確認です」

鮫娘「まずあたし達の家は地図だとここです。そして一番警備が手薄で脱出しやすいと思われる場所は...ここ、竜宮の東端です」トントン

鮫娘「距離にして約3㎞...決して近いとは言えない場所ですね」


猫娘「そこで私とサメの魔法の出番ニャ」


鮫娘「しゃーく、その通りです。万が一、兵隊さんに見つかった場合は猫さんが戦闘を開始します」


幼女「でもこんな明け方に魔法でドンパチしたら確実にバレる...」


鮫娘「そこであたしの防音魔法を使います」

鮫娘「周囲10メートル程の範囲しか効果がありませんが、これを使えば絶対に音は外に漏れません」

鮫娘「基本的にはあたしが防音魔法を張って猫さんが敵を排除...というスタイルになるはずです」


猫娘「でもサメの魔法は10メートルしか効果がない...つまり遠くから発見されたらアウトニャ」


鮫娘「一応、透明化の魔法をかけるのである程度は大丈夫だと思うんですけどね...」


猫娘「まあその時はその時ニャ。開き直って全力で逃げるニャ」

幼女「...何か色々、この作戦雑じゃない?」


鮫娘「しゃーく...半分賭けみたいなもんですからね。恐らく成功する確率は五分五分だと思います」

鮫娘「でもこうでもしないと、この竜宮から脱出なんて出来ません...」


猫娘「ニャ、兵隊が疲れきってる今が一番のチャンスニャ」


幼女「そうなんだ...」


鮫娘「...時間です。出発しましょう」

猫娘「ニャー!興奮してきたニャー!」


幼女(とうとうこの時が来たか...)

鮫娘「しゃーく。まず家から出たら兵隊さんが見えるか確認してください」

鮫娘「居ない場合は予定通りのルートで、居た場合は...猫さん、お願いします」


猫娘「任せろニャ!」


鮫娘「あと猫さん、これ使ってください」スッ

猫娘「ニャ?なんニャこれ?」

鮫娘「あたしのほぼ全魔力です。防音や透明化で使う以外の魔力は猫さんに預けますので使ってください」

猫娘「...いいのかニャ?」

鮫娘「しゃーく。あたしが持ってるよる猫さん持ってた方がいいですからね」

猫娘「分かったニャ!ありがたく貰うニャ!」


鮫娘「幼女さんはあたしから離れないでくださいね」


幼女「う、うん、了解」


鮫娘「しゃーく...では行きます」


猫娘「...」ゴクリ

幼女「...」ゴクリ



猫娘「あ、ちょっと待ってくれニャ」



鮫娘「」ガクッ

幼女「」ガクッ

鮫娘「な、何ですか!?こんな時に!」

猫娘「私と一緒に居るとグソたんが危ないからサメが預かっててくれニャ」スッ


ダイオウグソクムシ「」クゥーン


鮫娘「しゃーく...置いてくればいいじゃないですか」

猫娘「駄目ニャ!グソたんは最後まで一緒ニャ!」


鮫娘「はぁ...分かりましたよ。あたしの肩の上に乗せておきます」スッ


ダイオウグソクムシ「」ガシッ


鮫娘「しゃーく、しっかり掴まっててくださいね」


ダイオウグソクムシ「...!...!」ウンウン



幼女(きもっ!!!!!)



鮫娘「しゃーく...では今度こそ行きます」


猫娘「...」ゴクリ

幼女「...」ゴクリ


鮫娘「ゴーーーーー!!!!」



ガチャ

ダッ



猫娘(まずは...)キョロキョロ

幼女(敵の確認!)キョロキョロ



シーン



鮫娘(しゃーく...居ないみたいですね)

鮫娘(なら予定通りに防音魔法&透明化魔法、発動!)ピカッ



ピキーン



鮫娘(しゃーく...ここからは慎重に辺りを確認しながら進みます...)キョロキョロ


幼女(うぅ...これ本当に透明になってるのかな)

猫娘(出てくるならいつでも来いニャ!瞬殺でサイレントキルしてやるニャ!)



タッタッタ タッタッタ



鮫娘(しゃーく...おかしいですね)キョロキョロ

鮫娘(兵隊さんがまったくいない...一人や二人に見つかるぐらいは覚悟してたんですが)

鮫娘(買い物に出かけた時はこの辺りでも居たのに...他のところを集中的に探してるんでしょうか?)

..............................................................
..................................................


タッタッタ タッタッタ


鮫娘「しゃーく。ちょっとあそこの物陰で休憩しましょうか」クイッ


コソッ


猫娘「はぁ~...神経使うから疲れるニャ...」

幼女「でも運よく兵隊には全然会わないね。これなら上手く脱出できるかも」


鮫娘「そのことなんですけど...何か不自然だと思いませんか?」

猫娘「ニャ?どういうことニャ?」


鮫娘「しゃーく。まったく兵隊さんが居ないことです」

鮫娘「ルート的に絶対遭遇しそうな所がいくつか会ったんですけど...そこにもまったく居なかったんです」


幼女「つまりどういうこと?」


鮫娘「しゃーく、考えられるのは他のところを集中的に探してるか...」

鮫娘「...もう兵隊さんが撤退してるか」


猫娘「そんなことあり得るのかニャ?」


鮫娘「分かりません...でもどちらにしてもこちらには好機です」

鮫娘「目的の場所まで後もう少し、頑張りましょう」

タッタッタ タッタッタ



鮫娘「見えました!あそこです!」


猫娘「ついに到着かニャ!?」

幼女「な、長かった..」ホッ


鮫娘「はい!さあ二人共!あたしの背中に乗って...」





「ようやく来たか。遅かったな小魚共」





鮫娘「しゃーくっ!?」ビクッ

幼女「!?」バッ

猫娘「誰ニャ!?」クルッ




スー



鯨男「ふん、何時間も待たせおって...脱出するならもっと早く来い」スタッ





幼女「だ、誰...?」

今日はここまで

猫娘「お、おい、あいつ誰ニャ?透明化魔法がかかってるはずなのに簡単に見破られてるニャ」

鮫娘「しゃーく...分かりません、でも容姿から見るに恐らく魚人かと思います。見たことない人ですけど」

猫娘「まさかお前また裏切って...」

鮫娘「しゃ、しゃーく!本当に知らない人です!神様に誓って!」




鯨男「...む?二匹と聞いていたが一匹多いみたいだな」

鯨男「どうやらそこの魚人は裏切り者のようだな。ついでに捕らえてやるか」




幼女「...どうやら味方ではないみたいだね」

猫娘「おいそこのデカブツ!誰だか知らないけどそこをどけニャ!」




鯨男「それは出来ない相談だな。ここを通りたかったら余を倒してみろ」





猫娘「図体もデカイけど態度もデカイニャ!あいつ何様のつもりニャ!」

幼女「き、気を付けて、あいつ多分普通の兵士とは全然違う...」

鮫娘「しゃーく、幼女さんに同意です...あの人ちょっと危険な感じがします...」

猫娘「...分かってるニャ、あいつ雑魚とは全然違うニャ」

猫娘「幼女とサメは下がってろニャ。ここは危険ニャ」


鮫娘「え?でも防音魔法は...」


猫娘「必要ない。というより無理ニャ」

猫娘「お前は私とあいつの戦闘を10メートルも近くから見る度胸はあるのかニャ?」


鮫娘「...しゃーく、無理ですね...絶対巻き込まれます」


猫娘「ニャ、私もお前を気にかける暇はないと思うニャ」

猫娘「戦闘の音で兵隊が来ないことを祈るしかないニャ」




鯨男「そのことなら安心しろ小魚共。兵は余が城に帰した」

鯨男「100%無理だが余を倒せば貴様らは自由だ」




猫娘「とのことニャ。早く遠くに避難してろニャ」


鮫娘「しゃーく!分かりました!」ダッ

幼女「き、気を付けてね!」ダッ




鯨男「ふん...戦うのは一匹だけか。つまらんな」

猫娘「...1つ、聞きたいことがあるニャ」

猫娘「お前はどうして私達がここに来ることを分かっていたんだニャ?」




鯨男「簡単な話だ。まだ竜宮に潜伏してると考えれば、恐らく兵が捜索してない民家に潜んでいる」

鯨男「理想の脱出予定時刻は兵が一日中探し回って疲れている深夜から早朝にかけてだろうな。兵が民家に押し掛けるのも時間の問題、この時間が一番ベストだ」

鯨男「そして脱出場所は地形の問題から警備が少ないここ、東端」

鯨男「小魚の浅い考えなぞ手を取るように分かるわ」




猫娘「...そうかニャ、全部バレてたってことかニャ」

猫娘「なら話は早いニャ!」ゴゴゴゴ


パッ


猫娘「お前を倒せば全部解決ニャ、悪いけど最初から全力で行かせてもらうニャ」キラキラ




鯨男「ほう...いい魔力だ。これは久しぶりに楽しめそうだな」




幼女「最初から二股モード...」

鮫娘「しゃーく...猫さんも本気みたいですね」

猫娘「行くニャッ!!!!」ダッ


猫娘(まずはMAXスピードで先制攻撃ニャ!)

猫娘(二股モードの攻撃の速さは兎の本気のスピード以上!目が慣れていないとまず回避不可能ニャ!)




鯨男「...」フッ



猫娘(もらったニャ!)ギッ



ギュオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!



猫娘「ニャッ!?」ビューン


猫娘「」ズサー





幼女「...」

鮫娘「...」

幼女「な、何が起こったの...?」

鮫娘「しゃーく...ね、猫さんがとんでもないスピードであの人に向かって行って...」


鮫娘「は、弾き飛ばされたように見えました...」

猫娘「な、何が起こったニャ?」

猫娘「あ、ありのまま今起こったことを話すニャ!私はあのデカブツに向かって攻撃をしたのに弾き飛ばされていた...」

猫娘「バ、バリアか何かかニャ?でもあの感じは何か違うニャ。まるで激流に流されたかのような...」




鯨男「どうした?もう終わりか?」




猫娘「」ムカッ

猫娘(どんなネタを使ったかは分からないニャ...でも!)


ダッ


猫娘「そんなへなちょこバリアすぐ破ってやるニャ!!!!」キッ




鯨男「バリア、か」



猫娘「隙ありニャ!」ブオン



鯨男「貴様にはこれはバリアに見えるのか?」



ギュオオオオオオオオオオオオオオン!!!!



猫娘「ニャッ!?わ、私の拳が渦潮みたいな物に飲み込まれてるニャ!?」

猫娘「は、離せニャッ!!」ググッ

幼女「な、何あれ...渦潮みたいな物が猫のパンチを受け止めてる...」

幼女「さっきの謎のバリアといい、まるで海自体があの人を守ってるみたい...」


鮫娘「しゃーく...いえあれは海というより海流を操ってるように...」

鮫娘「...あれ?海流?」

鮫娘「ハッ!?まさかあの人の正体ってっ!!」






猫娘(は、離れないニャ!二股モードは筋力も上がってるはずなのに!)


鯨男「どうした?動けないのか?」

鯨男「なら余が手伝ってやろう」スッ



ギュルルルルルルルルルルル!!!!!!!!



猫娘「ニャ、ニャー!!!!!」ビューン



鯨男「おっと、また勢い余って吹き飛ばしてしまったか」





猫娘「」ズサー

猫娘「くっ...あ、あいつ何者ニャ。渦潮作ったり吹き飛ばしたり...」ヨロッ


鮫娘「猫さん!」バッ


猫娘「さ、鮫!?ここは危険ニャ!さっさと元の場所に帰れニャ!」

鮫娘「しゃーく!そんなこと言ってる場合じゃないです!早く降参してください!」

猫娘「は?降参?」

鮫娘「そうです!あの人には絶対勝てません!この竜宮...いえ!海の中では!」

猫娘「何言ってるニャ!意味が分からないニャ!」


鮫娘「しゃーく。あの人の名前はクジラ様、海の潮を自由自在に操れるという能力を持つと言われています」

鮫娘「先代海王様に勝負を挑み、負けはしましたが実力を認められて将軍にまでなった人です」

鮫娘「うぅ...顔を見たのは初めてでしたから気付きませんでした...まさかクジラ様とは...」


猫娘「なんだ、その先代海王に負けてるじゃないかニャ」


鮫娘「しゃーく!先代の海王様は歴代最強と言われた人!そんな人が認めるなんて相当強いですよ!」

鮫娘「現海王様でも勝てるかどうか分からないくらいなんですよっ!?」


猫娘「そもそも潮を操るってよく分からないニャ...あのバリアや渦潮だけじゃないのかニャ?」


鮫娘「バリアに見えたのは恐らく自分の回りの海流を高速回転させたものでしょうね...」

鮫娘「その気になればカッターのように相手を切ったり、ロープ状にして相手を縛ることも出来る思います」


鮫娘「...そして、その技全てが不可避の攻撃。だって海自体があの人の能力みたいなもんですから」

猫娘「...」ゴクリ

鮫娘「怪我をしないうちに降参しましょう!下手したら殺されちゃいますよ!」

猫娘「...いいから下がってろニャ」

鮫娘「猫さん!意地を張らないでください!あの人には絶対勝てな...」



猫娘「下がれと言ってるニャ。ここで負けたら幼女はどうなるニャ」ギロッ



鮫娘「」ビクッ



猫娘「お前は別に関係ないかもしれないけどこっちは命がかかってるニャ。下がらないとお前から食ってやろうかニャ?」


鮫娘「...」

鮫娘「しゃーく、分かりました」

鮫娘「...猫さん、負けないで下さい」ダッ



猫娘「...ちょっと言い過ぎたかニャ」



鯨男「安心しろ小魚。ここでお前は殺さない」

鯨男「貴様らは海龍の生け贄になってもらうからな」

猫娘「...聞いていたのかニャ?」



鯨男「生憎耳はいいのでな」



猫娘「まったく...魚の癖に化け物みたいなやつニャ」



鯨男「クジラは哺乳類だぞ?」



猫娘「ふん!どっちも似たようなもんニャ!」

猫娘「今すぐ竜田揚げにしてやるニャ!」グッ



鯨男「吠えるなよ小魚。貴様は余には勝てない」



猫娘「...それは駄洒落かニャ?」



鯨男「あぁ、洒落だ」




猫娘「寒いニャッ!!!!」ダッ


鯨男「センスのないやつめ」ダッ





ズドーン!!!!!!

今日はここまで

鮫娘「...」トボトボ

幼女「猫となに話してたの?」

鮫娘「しゃーく、ちょっと応援の言葉を」

鮫娘「猫さん...勝てますかね」

幼女「...今のままだと多分、無理だと思う」






シュババババババババッ!!!!!!

ダダダダダダダダダッ!!!!!!



猫娘「ニャアアアアア!!!!」ブンッ


鯨男「ふんっ」ブンッ



ドシンッ!!!!



猫娘「...どうして能力を使わないニャ。さっきから肉弾戦しかしてないニャ」ギリギリッ

鯨男「貴様ごとき能力を使うまでもない。素手で充分だ」ギリギリッ

猫娘「言ってくれるニャ!」ブオン


ガシッ


鯨男「鈍い蹴りだな」


猫娘「ニャ、ニャハハ...そんな簡単に受け止められるとちょっと自信なくすニャ...」

猫娘「くそっ!離せニャ!」ジタバタ

鯨男「分かった。離してやろう」グッ


ブオン!!!


猫娘「ニャッ!?それは離したじゃなくて放り投げるニャーーーー!」ビューン



猫娘「」ズサー



猫娘(ち、力に差があり過ぎるニャ!まったく歯が立たないニャ!)

猫娘(能力だけかと思ったらこいつ身体能力もとてつもない...お兄ちゃん、いや店長クラスはあるニャ!)

猫娘(...二股モードになってからもう3分くらいかニャ。サメの魔力を貰ったから後数分は持つけどそれでも意味がないニャ)

猫娘(...サメの魔力?)


猫娘(はっ!そうだ!その手があったニャ!)


フラッ


猫娘「...」




鯨男「まだ立つか、いい加減に負けを認めたらどうだ?」




猫娘(今の私に二股モードは負担が大きすぎる...他の魔法を使う余裕なんてないニャ)

猫娘(だからこの技は使えなかった...出したらすぐに魔力が切れてぶっ倒れてしまうからニャ)

猫娘(でも今の私はサメの魔力があるニャ!一つくらいなら余裕で出せるはずニャ!)



猫娘「...」ググッ

猫娘「...」パッ


ポンッ


球『』フワフワ




鯨男「...なんだそれは」





幼女「何あれ?光る玉?」

鮫娘「しゃーく。分かりません...でも」

鮫娘「この状況で猫さんが選択したのがあの玉です。何か策があると思います」





猫娘「行けニャ!」ブンッ



球『』ビューン

鯨男「くだらん、そんな玉程度で余を倒せると思っているのか」

鯨男「握り潰してやろう」スッ



球『』ビューン



球『』ピタッ


鯨男「...」


球『』フワフワ


鯨男「...攻撃かと思ったらただの浮かぶ玉か。貴様は何がしたいんだ?」




猫娘「...」




球『』フワフワ


鯨男「鬱陶しい」グシャッ


シュゥゥゥゥゥ

ポンッ


球『』フワフワ



鯨男「...修復しただと?」

鯨男「どうやら潰されると自動的に周囲に散らばった魔力が集まり修復するようだな」

鯨男「これで余をイラつかせる作戦か?愚策もいいところだな」


球『』ウロチョロ


鯨男「...興醒めだな、そろそろ終わらせるか」




シュンッ


ガリッ




鯨男「...」

鯨男「...」


ブシャァッ


鯨男「...血だと?」





幼女「...」

鮫娘「...」

幼女「な、何があったの?」

鮫娘「しゃーく...わ、分かりません...というより見えませんでした...」


鮫娘「ど、どうしてクジラ様の顔に傷が...」

鯨男「...この傷はなんだ、あの小魚がやったのか?」サワッ

鯨男「どうやって余に傷を...何も見えなかった」

鯨男「...あの小魚はどこだ」キョロキョロ




猫娘「ニャァァァァァ...」フリフリ




鯨男「...どういうことだ。余に傷を負わせた一瞬にあんなところにまで移動しただと?」

鯨男「一体何がどうなって...」


球『』フワフワ


鯨男「...そうか、この玉か」






鮫娘「しゃーく...猫さんはどうやってクジラ様に傷を...」

鮫娘「あの玉に何かあるんでしょうか?でもただフワフワして、クジラ様の回りをうろちょろしてるだけですし...」


幼女「玉...うろちょろ...猫...」


幼女「あっ」

幼女「そういうことか...あいつ意外と頭いいな」

鮫娘「しゃーく?どういうことですか?」

幼女「多分、あの玉は猫じゃらしの代わり...だと思う」

鮫娘「ね、猫じゃらしですか?」

幼女「うん、あいつはそれでリミッターを解除したんだと思う」

鮫娘「リ、リミッター?」


幼女「例えば自分が全速力で相手を殴ろうとしたら全力って出せる?」

鮫娘「しゃーく...出せるんじゃないですか?」


幼女「答えは出せない...なぜならその後ののことを考えてしまうから」

幼女「カウンターをされたらどうするか、避けられたらどうするか、殴った後どう行動するか」

幼女「そういう事を色々考えてる内に無意識に自分の力を制限しちゃうんだ。どんな出来事にも対処できるように」


鮫娘「しゃーく...でもそれと猫じゃらしがどう関係あるんですか?」


幼女「猫っていうのは動いてる物に体が反応する動物...」

幼女「あいつは猫じゃらしで自分の本能を呼び出したんだ...そしてMAXスピードであいつを襲った」

幼女「考える前に体が動いた。だからあのスピードが猫の本来の速さ、正真正銘100%の身体能力だと思う」

鮫娘「しゃーく...猫さんって本気だとあんなに速いんですか...」

幼女「あいつはあまりの速さに反応出来なかった...でもこれが通じるのは最初の一回だけ」

鮫娘「えっ!?」

幼女「問題は二回目以降、あいつが猫のスピードを一度見てからが本番」


幼女「この技には決定的な弱点がある」




鯨男「...面白い技だ。自分の弱点を逆に武器にするとは」

鯨男「ここまで速いやつは初めて見たぞ。海にこれだけのスピードを持つやつは恐らく居ないだろう」




猫娘「ニャァァァァァ...」フリフリ




鯨男「だか単純過ぎる技だ。潮を操れば防ぐのは簡単だろうな」

鯨男「...しかし余は能力を使わんと言った」

鯨男「...来い。その技、二度は通用せんぞ」クイッ


球『』ウロチョロ




猫娘「ニャアッ!!!!」シュンッ

シュンッ




鯨男(...確かにとてつもないスピードだ。一回や二回、見た程度では完全には見切れんな)

鯨男(...だが、どんな技にも弱点がある。貴様の場合は...)


球『』フワフワ


鯨男(この玉だ)


ブンッ!!!


猫娘「ニ゛ャ゛ッ゛!?」ボコォ



ビューン



猫娘「」ゴロゴロゴロ

猫娘「」ズサー





鮫娘「う、嘘...」

幼女「やっぱり...」





猫娘「ど、どうしてニャ...」ピクピクッ

猫娘「あんなに速かったら相手も避けられないし攻撃も当たらない...最高の技だったのにニャ...」ピクピクッ

鯨男「教えてやる。貴様の弱点はこの玉自体だ」

鯨男「貴様はこの玉の動きに合わせて余を襲ってきた...つまりこの玉の動きを見ればどこから攻撃が来るかは分かる」

鯨男「後はタイミングを合わせて、その場所に拳を叩き込めばいいだけだ」

鯨男「こんな簡単な事にも気付かなかったのか?」




猫娘「え、えぇ...マジかニャ...」ピクピクッ





鯨男「それに貴様、あまりのスピードに自分の目すら慣れてないだろう」

鯨男「カウンターに反応できんというのは致命的だ、はっきり言って欠陥技だな」




猫娘「ニャッ!」グサッ

猫娘「ち、ちくしょう...まだ練習が足りなかったニャ...」シクシク






鮫娘「...玉の動きを見て攻撃場所を予測って普通出来ないですよね?」

幼女「うん無理」

鯨男「だが余の顔に傷を付けたのは褒めてやる」

鯨男「その褒美として特別に余も一つ、技を見せてやろう」

鯨男「ここまでした相手に能力を一切使わんと言うのは失礼だからな」




猫娘「...は?」




鯨男「加減はしてやる。だが死ぬ気で防御しろ」

鯨男「でないと死ぬぞ?」



ギュルルルルルルルルル...



猫娘「」ゾクッ

猫娘(こ、これヤバイやつニャ!本気で防御しないとマジで死ぬニャ!)





幼女「な、なにあれ?あいつの回りの水が球体状に集まって行く」

幼女「それにあの球体の中...まるで嵐が起きてるみたい...」


鮫娘「しゃ、しゃーくっ!?あの技は!!!!」

鮫娘「ね、猫さん!早くあたしの後ろに!」

幼女「え?なんで?」

鮫娘「多分アレ噂に聞くクジラ様の潮噴きです!こちらも防御しないと巻き添えを食らいます!」

幼女「し、潮噴き?」

鯨男「行くぞ、準備はいいか?」




猫娘(ぜ、全魔力を防御に回すニャ!)ピカッ

猫娘(く、くそっ!いつでも来いニャ!これで防げなかったらもう何しても駄目ニャ!)




鮫娘「残り全魔力を防御魔法に!」ピカッ

幼女「ここからあそこまで結構遠いけど、別にそこまでしなくてもいいんじゃないの?」

鮫娘「しゃーく!これでも少し不安なくらいです!」






鯨男「...」スッ

鯨男「はぁっ!!!!」ビシュッ



ドドドドドドドドドドドドドド!!!!!



猫娘(き、来たニャ!)

猫娘(うおおおおおおおおお!!!!ファイトニャーーーーーー!!!!)



ピシュウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!

グワシャアアアアアアアアアアアン!!!!!!



鮫娘「しゃーく!来ました!幼女さん!しっかりあたしに掴まっててください!」

幼女「うん!」ガシッ



ドンッ



鮫娘「ぐっ!距離があるのに余波でさえこの威力...!」

鮫娘「魔力を全部、猫さんにあげないで少し残しておくべきでした!」


幼女(...こんなのが直撃したらひとたまりもない)

幼女(猫...大丈夫かな)





プシャアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!


猫娘「ウニャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」グググッ


ビッシャアアアアアアアアアン!!!!!!!!!


猫娘「ピニャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」グググッ


ポリャガアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!


猫娘「アアアアアアアアニャアアアアアアアアアアア!!!!!!」グググッ

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...



鮫娘「しゃ、しゃーく...何とか持ちました...」グタッ

幼女「ねこっ!」ダッ

鮫娘「幼女さんっ!?」







鯨男「...」




猫娘「はぁ...はぁ...」ボロボロ

猫娘「へ、へへっ...ぜ、全然効いて...」


猫娘「るニャ...もう無理」バタッ


スゥー




鯨男「...終わったか。加減したとはいえアレを正面から受けきるとはな」

鯨男「殺してしまったらどうするかと思ったが...要らぬ心配だったな」




幼女「ねこっ!?大丈夫!?」

鮫娘「しゃーく!猫さんっ!」



猫娘「」

今日はここまで
潮噴きで検索したらクジラじゃない方がいっぱい出てきてもうやだとか思ったり

...............................................................
..................................................



海王「...来たか」



ガチャ



鯨男「報告...と言っても既に知ってると思うが小魚共を捕らえた」

鯨男「もう看守を近くに置くなよ。また脱走されたら面倒だからな」



海王「...ご苦労だった」

海王「...その顔の傷はどうした?」



鯨男「戦闘で負った傷だがそれどうかしたか?」



海王「...まさかクジラに傷を負わせるとは...それほどの腕だったのか」



鯨男「勘違いするな。ただ少し油断しただけだ」

鯨男「勝負自体は完勝に近い、まあ少しは楽しめたがな」


鯨男「では約束の小魚共を捕らえた報酬だが、そうだな...」

鯨男「オキアミ100トンほどでいいぞ」



海王「...」

海王「...そんな約束、した覚えはないが」



鯨男「仕事をしたんだ。それに見合う対価を貰うの当然であろう」

鯨男「無理ならイワシ50トンでもいいぞ」



海王「...そういえばクジラよ、脱走した二人を捕まえるのに潮噴きを使ったらしいな」



鯨男「あぁ、使ったな」



海王「...町に被害の報告が多数来てる。少なくとも数億の損害だ」



鯨男「...」

鯨男「捕まえろと言ったのは貴様だろうが。余は言われた命令に従っただけだ」



海王「...確かに捕まえて欲しいとは言ったが町を破壊しろとは言ってない」

海王「...お前なら潮噴きを使わずとも捕らえるのは簡単だったはずだが」



鯨男「...」

鯨男「ならオキアミ10トンでいい。余は少し寝る」スタスタ



バタン



海王「...」

~~~~ 竜宮城 地下牢屋 ~~~~



猫娘「...はっ!?」ガバッ

猫娘「うっ、ここはどこニャ」


幼女「ねこっ!」ダキッ


猫娘「ニャ?幼女?」


鮫娘「しゃーくっ!?ね、猫さん!大丈夫ですか!?」

ダイオウグソクムシ「!!」


猫娘「...サメ?グソたん?」







猫娘「...そうかニャ、私はあのクジラに負けたのかニャ」


幼女「うん...あの技を食らった後、猫が倒れてそのまま檻に...」

鮫娘「しゃ、しゃーく。でも凄いですよ...あのクジラ様の潮噴きを食らって生きているなんて」


猫娘「潮噴き?」


鮫娘「しゃーく、クジラ様が一番得意とする水魔法と聞いています」

鮫娘「潮を球体状に集めてそこに魔力を与えて回転させるんです。潮は魔力を帯び回転し続け、エネルギーが膨らんで行く...」

鮫娘「限界まで膨らんだら球体の一点に穴を空けて、それを相手に射出するという技です」

鮫娘「まあ簡単に言えば、目一杯振った炭酸ジュースを相手にぶつける技ですね」


幼女「な、なんか凄そうな技だね」

鮫娘「しゃーく。過去、先代海王様と戦った時に出した潮噴きは竜宮の町の建物を全て吹き飛ばしたらしいです」


猫娘「...自分でもよく食らって生きてると思うニャ」

猫娘「多分、アイツ海だと店長より強いニャ」


幼女(...ヤバいなそれ)


猫娘「あれ?そういえばどうしてここにサメが居るニャ」

猫娘「あいつら狙ってたのは私と幼女じゃなかったかニャ?」


鮫娘「しゃーく...実は裏切り者として私も牢に閉じ込められました」

幼女「サメさんも最後まで庇ってくれたんだけどね...やっぱり私達は生け贄にされるみたい」


猫娘「...」

猫娘「...幼女、ごめんニャ。私がアイツに負けたからこんなことに...」

幼女「ね、猫のせいじゃないよ!あの店長さんでも勝てないぐらいなんだから!」

猫娘「...」



猫娘「確かによく考えたら私のせいじゃないニャ。こんなところに連れてきたサメが全部悪いニャ」クルッ



鮫娘「しゃーくっ!?」ビクッ



猫娘「あんなやつに勝つなんてどう考えても無理ニャ。そもそもあの脱出ルートはサメが考えたやつニャ」

猫娘「全部、一から十までサメのせいニャ」


鮫娘「えっ?ちょっ?ひ、酷くないですか?」オロオロ


猫娘「じゃあ何か反論があるのかニャ?」


鮫娘「い、いや確かにここに連れてきたのも、あのルートを考えたのもあたしですけど!」

鮫娘「しゃーく...な、何もそんな言い方しなくたって...」


猫娘「自分でも分かってるじゃないかニャ」

猫娘「ということでサメ、お前が何とかしろニャ」


鮫娘「しゃーく...何とかってどうすればいいんですか...」

鮫娘「檻には魔法の障壁と強化魔法がかかってるんですよ?」


猫娘「グソたんがやったみたいに看守から鍵を奪ってこいニャ」

ダイオウグソクムシ「」ウンウン


鮫娘「んな無茶な。どうやって檻から出るんですか」

鮫娘「しゃーく、それに外を見ても看守なんて居ませんよ?」キョロキョロ


猫娘「チッ...警戒されてるのかニャ。やっぱり同じ手は通用しないかニャ」

猫娘「ならお前、裸になってそこで立ってろニャ。そのうち人が来るだろうからそいつを誘惑して鍵を奪えニャ」


鮫娘「しゃーくっ!?な、何言ってるんですか!!」


猫娘「元はと言えばお前のせいニャ!!!責任取れニャ!!!」


鮫娘「そ、それとこれとは話が別ですよ!謝ったじゃないですか!!」


猫娘「あぁん!?謝って済むならポリスはいらねぇニャ!!!」

猫娘「おらっ!脱げニャ!!!」グイッ


鮫娘「しゃーく!やめてください!そ、それ以上やると噛みますよ!」ジタバタ

幼女「うるさいっ!!!!!!」



猫娘「」ビクッ

鮫娘「」ビクッ

ダイオウグソクムシ「」ビクッ



幼女「みんな冷静になりなよ!テンションちょっとおかしいよ!」

幼女「確かに元々の原因は全部サメさんにあるけどさ!」


鮫娘「うっ...」グサッ


幼女「それでも着いて行った猫も悪いし無理矢理止めなかった私も悪い!それでいいじゃん!」

幼女「というかこの話二回目!前も言った記憶があるよ!」

幼女「今は喧嘩してる場合じゃない!一刻も早くここから脱出する方法を考えよう!」


猫娘「...幼女の言う通りニャ。サメ、ごめんニャ」

鮫娘「しゃーく、別に気にしてませんよ。事実なんですし...」



猫娘「それでどうやって、またここから脱出するんだニャ?」



幼女「...」

幼女「え、えっとねぇ...」

幼女「ま、またそのキモい生物を使うとか?」


猫娘「あれは看守が近くに居たからグソたんでも鍵を取ってこれたんだニャ」

猫娘「さすがのグソたんでもこの地下から抜け出して、この檻の鍵を探してくるなんて無理ニャ」

猫娘「下手したら踏み潰されちゃうニャ。ねー?グソたん?」


ダイオウグソクムシ「!」ウンウン


幼女(くそっ、役立たずの...害虫?め!)


幼女「じゃ、じゃあサメさんがこの檻を噛み砕くとか...」

鮫娘「しゃーく。この強化魔法のかかった檻を魔法ナシで噛むのはさすがに無理です」


幼女「...」


猫娘「やっぱりサメを脱がして誘惑を...」ズリズリ

鮫娘「しゃーく!ち、近付かないでください!」



幼女(...本格的にどうしよう)

今日はここまで

................................................................
..................................................



幼女「...」

猫娘「...」

鮫娘「...」

ダイオウグソクムシ「...」



グゥゥゥゥーーーー



幼女「お、お腹減った...」

猫娘「にゃあ、今何時ニャ...」

鮫娘「しゃーく...脱出したのが明け方で、捕らえられて牢に入れられて」

鮫娘「大体数時間ぐらいで猫さんが起きて、あれからだいぶ経ちましたから」

鮫娘「腹時計的に、お昼ちょっと過ぎというところでしょうか?」


ダイオウグソクムシ「...」グゥー


猫娘「もうお昼かニャ...朝食べてないから腹減ったニャ」

幼女「まあ一食ぐらいなら我慢出来るけどね。ただ今日ずっと食べられないのはキツいかも」

鮫娘「しゃーく、まあ食事はそのうち来ると思いますよ。餓死されて困るのは向こうなんですから」

猫娘「生け贄っていつされるニャ?まさかそれまでずっと食べられないんじゃないかニャ...」

鮫娘「しゃーく。伝説通りだと陸が満月の日の丑三つ時、つまり」

鮫娘「...今日の夜中辺りだと思います」

猫娘「もうすぐじゃないかニャ。どうせ生け贄にされるなら最後は腹いっぱい魚を食べたいニャ」

幼女「縁起悪いこと言わないでよ...まるで最後の晩餐みたい」



猫娘「...」ズーン

幼女「...」ズーン



鮫娘(うっ、何だか空気が重く)

鮫娘(しゃーく...そりゃそうですもんね。あの二人は死刑宣告をされた死刑囚の気分)

鮫娘(...あたしだって覚悟は決めました。あとは時間が来るのを待つのみ)

鮫娘(今のあたしに出来ることは...)


鮫娘「しゃーく!暗くなっても仕方ありません!こういう時にやることと言えば一つ!」

鮫娘「レッツ!サメしりとり~~~!」パチパチ



幼女「...なにそれ」

猫娘「...またかニャ」

鮫娘「しゃーく!ルールは簡単です!サメに関する言葉でしりとりをするんです!」

鮫娘「最後が「ん」で終わったりサメに関係する言葉が出てこなかったら負けですよ~」

鮫娘(この空気を少しでも変えて二人を元気にさせないと!)




幼女「つまんなさそう」シラー

猫娘「飽きたニャ」シラー



鮫娘(反応薄っ!?)

鮫娘「しゃ、しゃーく!参加は強制ですよ!」

鮫娘「まず最初は猫さん!そして幼女さん!最後はあたしです!はいどうぞ!」


猫娘「えーマジでやるのかニャ?」


鮫娘「しゃーく!当たり前です、さあどうぞ!」


猫娘「はぁ...まあ暇潰しになるからいいかニャ」

猫娘「えーっと、サメサメ...」


猫娘「じゃあ適当にホオジロザメでいいニャ」


鮫娘「はい「メ」ですね!」

鮫娘「しゃーく!次は幼女さんです!どうぞ!」


幼女「えっ?メ?」

幼女「うーん...メ...メ...アレ?」



鮫娘(ククッ、気付いたようですね。このサメしりとりの罠に)

鮫娘(このゲームには必勝法がある!)

鮫娘(しゃーく!このサメしりとりはあたし以外は絶対勝てないようになってるんですよ!)


幼女「サメで関係するもので「メ」から始まる...うーん」


鮫娘(まずルールを思い出しましょう。このサメしりとりはサメ関係の言葉しか使ってはいけません)

鮫娘(では適当にサメを思い浮かべてください。チッチッチ...)


鮫娘(しゃーく!時間切れ!どんなサメを思い出しましたか?)


鮫娘(では当ててみましょう...その言葉は最終的には「ク」か「メ」か「ズ」で終わりますね!?)

鮫娘(え?違う?うるせぇ、大体の人は入ってるんですよバーカ!)


鮫娘(うわーすごーい!当たったーって人!どうして当たったか不思議ですよね?ね?)

鮫娘(しゃーく!ではネタばらしです。なぜ分かったのかと言うと...)


鮫娘(ずばり!サメに関係する言葉は大体「○○シャーク」「○○サメ」「○○ジョーズ」で終わるからです!)バーン

鮫娘(しゃーく!この法則を知っていれば勝ったも同然!)

鮫娘(「メ」か「ク」か「ズ」で始まる言葉を最低1つずつでも覚えてればいいんですからね!)

鮫娘(相手は当然答えられない...だってサメのことを全然知らないド素人ですもん!こっちが返せば勝ち確定です!)



鮫娘(あ、たまに「ジョーズ○○」や「シャーク○○」などが出てきますが、その時は相手が悪かったと思って降参してください)

鮫娘(あくまでこの手が通用するのは素人だけですので。現にあたしも全然知らないですし)

鮫娘(というかよく考えたら「メ」「ク」「ズ」で終わらない言葉が結構あるような...)


鮫娘(...)


鮫娘(しゃーく!さあみんなも明日からレッツサメしりとり!)



幼女「メ...?メ...?」


鮫娘(フフフ...悩んでますね。でも無駄です)

鮫娘(サメなんて一般人から見たらジョーズ程度の知識しかありませんy...)



幼女「あ、あった。メガシャーク」



鮫娘「しゃーくっ!?」ビクッ

鮫娘(こ、答えられただと...?)

鮫娘(クッ...中々やりますね。まさか答えられるとは)


鮫娘「はいっ!次は「ク」であたしですね!」

鮫娘(しゃーく!でもまだまだ甘いです!「ク」で終わらせたのは悪手でしたね!)




鮫娘「嚏!」




幼女「...?」

猫娘「...何ニャそれ?」


鮫娘「しゃーく!知らないんですか?くさめですよくさめ!」

鮫娘「くしゃみが出たときのまじないの言葉。くしゃみをすると早死にするという俗信があって、「くさめくさめ」と繰り返し言うと防げるといわれたアレですよ!」


幼女「...何かどっかから丸書きしたみたいな説明だね」

猫娘「というかもうサメ関係ないニャ」


鮫娘「あれ?いいませんでしたっけ?言葉の中に「さめ」という言葉が入ってれば鮫じゃなくてもOKなんですよ?」


幼女「何その新ルール」

猫娘「聞いてねぇニャ」


ダイオウグソクムシ「」ズルイ

鮫娘「しゃーく!次は猫さんですよ!」


猫娘「えーまた「メ」かニャ?」

猫娘「にゃむむ...メ...メ...」

猫娘「駄目ニャ。パスニャ」


鮫娘「しゃーく!これで猫さんは脱落ですね!次は幼女さんです!」

鮫娘(クククッ...これが普通の反応)

鮫娘(そして次の幼女さんは二回連続の「メ」攻め、これでチェックメイトです!)



幼女「めでサメが付く言葉かぁ...あっ」

幼女「めさめよわがたま」



鮫娘「...は?」



幼女「いやだから、めさめよわがたま」



鮫娘「な、なんですかそれ?」


幼女「イギリスの賛美歌の中で最も古い朝の歌だよ?イギリスの四大賛美歌の一つだね」

幼女「原作者は17世紀のイギリスの詩人のトマス・ケン司教」



鮫娘「」

猫娘「へぇ、幼女詳しいニャ」

幼女「音楽の授業で習ったからね」


鮫娘「」


猫娘「次はサメの番ニャ。早くしろニャ」


鮫娘「......あ」

鮫娘「ありません...」ガクッ


幼女(囲碁か)


猫娘「しりとりは幼女の勝ちニャ」

猫娘「...で、これからどうするニャ」


幼女「...」

鮫娘「...」

ダイオウグソクムシ「...」


猫娘「にゃあ、少しは気は紛れたけど状況は変わらないニャ」

猫娘「お腹も空いたしこれからどうすればいいニャ...」グゥ



フワフワ フワフワ



ダイオウグソクムシ「?」ピクッ

ダイオウグソクムシ「」ツンツン

猫娘「グソたんどうしたニャ?」

ダイオウグソクムシ「」クイックイッ

猫娘「ニャ?外?」チラッ



フワフワ フワフワ



猫娘「...ん?何かがこっちに来るニャ...」

鮫娘「しゃーく?どうしたんですか?」

猫娘「檻の外を見てみろニャ。変なものが何か浮かんでるニャ」

幼女「...あれ食べ物じゃないの?」



ご飯『』フワフワ



猫娘「おおっ!?本当ニャ!マジでご飯ニャ!」

鮫娘「しゃーく!多分、浮遊魔法でご飯を運んでるんですよ!」

幼女「早く!早く!」



ご飯『』ゴトンッ



猫娘「ニャー!やっと食べ物にありつけるニャ!」

鮫娘「しゃーく!早く食べましょう!」

幼女「...あれ?」


幼女「檻の外にあるご飯をどうやって食べるの?」

猫娘「え?」

鮫娘「はい?」


幼女「いやだってあのお皿、結構大きいから檻には入らないよ?」

幼女「そもそもお皿まで結構距離があるから手が届かないし」


猫娘「...」

鮫娘「...」


猫娘「ふざけんじゃねぇにゃあああああああああ!!!!!ここから出せにゃあああああああああ!!!!!」ガンガン

鮫娘「しゃーくぅぅぅぅ!!!!生殺しなんて酷いですよぉぉぉぉ!!!!!」ガンガン


シーン


猫娘「くそっ!誰か出てこいニャ!」

鮫娘「しゃーく!絶対に逃げませんからご飯を!」


シーン


幼女「...誰も来ないね」


猫娘「あ、あとちょっとなのにニャ...」ググッ

鮫娘「しゃーく...と、届かない...」ググッ

猫娘「うぅ...こんなのって酷いニャ...」シクシク

ダイオウグソクムシ「」ツンツン

猫娘「ニャ?グソたん?」

ダイオウグソクムシ「!」ビシッ


猫娘「そうだったニャ!グソたんが居たニャ!」

猫娘「グソたん!お皿を檻の前まで持ってきてほしいニャ!」


ダイオウグソクムシ「!」ウン

ダイオウグソクムシ「」ノソノソ



猫娘「行っけー!グソたん!」

鮫娘「しゃーく!頑張ってください!」

幼女(うげぇ...ばっちい。あんまりお皿に触らないでほしいな...)



ダイオウグソクムシ「...!」グッ

ご飯『』シーン

ダイオウグソクムシ「...!」ググッ

ご飯『』シーン



猫娘「くっ!お皿の重さが想像以上に重くて苦戦してるニャ!」

鮫娘「頑張れ、グソクムシ!お前がナンバーワンだ!」


幼女(あぁ...ご飯にちょっと体がくっついてる...)

ダイオウグソクムシ「...!...!」ググッ

ご飯『』ズリッ



猫娘「動いた!動いたニャ!」

鮫娘「ファイトー!いっぱーつ!」


幼女(当たってる!当たってるってば!)



ダイオウグソクムシ「...!!!」グググッ

ご飯『』ズルズルー



猫娘「やったニャー!見事成功したニャー!」

鮫娘「しゃーく!すごいです!」


ダイオウグソクムシ「///」テレテレ


幼女(うん、相変わらず気持ち悪い)



猫娘「さてさてどんなご飯かニャ♪」

鮫娘「魚のフライに唐揚げに...しゃーく!ウナギもありますよ!」

猫娘「ボリューミーで豪華ニャ!魔法を使って疲れたからちょうどいいニャ!」


幼女(フライ...唐揚げ...)

猫娘「少し意地汚いけど手掴み食べるニャ!状況が状況だし仕方ないニャ!」

鮫娘「しゃーく!仕方ないですね!」


猫娘「ではいっただきっますニャ~!」

鮫娘「いただきしゃーく!」


モグッ


猫娘「うーん!んまーーーーーいニャ!」

鮫娘「しゃーく!脂が乗ってて美味しいです!」

ダイオウグソクムシ「♪」モグモグ


幼女「...」


猫娘「ほら!幼女も食べるニャ!早くしないと全部食べちゃうニャー!」モグモグ


幼女「う、うん...食べるんだけどさ、ちょっとメニューが気になって」


鮫娘「しゃーく?毒なら入ってませんよ?ほら!何ともないです!」


幼女「い、いや毒じゃなくてさ、何か油っこい物が多いじゃん?」

幼女「これって私達を出来るだけ太らせて生け贄にするのかなー...って」



猫娘「」ピタッ

鮫娘「」ピタッ

ダイオウグソクムシ「」ピタッ

猫娘「お、おぅ...確かに油っこい物が多いニャ」

鮫娘「しゃ、しゃーく...なんて悪趣味な...」

ダイオウグソクムシ「」ブルブル


幼女「...まあこんなこと言っても結局は食べるんだけどね。気付いたからどうって話でもないし」ヒョイッ


猫娘「にゃ、にゃむ...少し味が不味くなった気がするニャ」モグモグ

鮫娘「まったく魚人の人達はろくでもないですね!残酷過ぎます!」モグモグ

猫娘「それお前が言うのかニャ」


ダイオウグソクムシ「♪」モグモグ



モグモグ


ガツガツ


ムシャムシャ



猫娘「ふぅ、これで完食ニャ」ゲフッ

鮫娘「しゃーく、満腹とは言いませんがお腹の足しにはなりましたね」

ダイオウグソクムシ「」ポンポン


幼女(えぇ...もうお腹いっぱいなんだけど)

猫娘「さて...腹も膨れたことだし...」

猫娘「寝るかニャ」ゴロン

鮫娘「しゃーく、そうですね」ゴロン



幼女「はあっ!?」

幼女「ちょっ!何で寝ちゃうの!?脱出の方法とか考えなくていいの!?」



猫娘「ニャ...多分ここから出るのは不可能ニャ」

鮫娘「しゃーく...幼女さんには分からないと思いますが、あたし達には何となく分かるんです。この檻に何をしても無駄ってことが」


幼女「で、でも...知恵を出しあえば解決法が...」


猫娘「絶対無理ニャ。これだけは断言出来るニャ」


幼女「でもそんなに簡単に諦めちゃうなんて!ここで諦めたら全部終わりなんだよ!?」


猫娘「...いや、まだ終わりじゃないニャ」

幼女「えっ?どういうこと?」


猫娘「続きは起きてから話すニャ。おやすみなさ~いニャ」

鮫娘「しゃーく.........Zzz」スヤァ

猫娘「ごろにゃあ.........Zzz」スヤァ



幼女「...」

幼女「本当に寝るんかい」

幼女「はぁ、まだ終わってないってどういうことだろ」

幼女「どう考えてもここから脱出できなきゃ龍の生け贄になっておしまいなのに...能天気なやつらめ」


幼女「...でもなんでだろう。あいつが言うなら希望が持てる気がする」


幼女「あーあ、私も寝よっと...早起きしたから十分寝れてないし」

幼女「おやすみなさい...」ゴロン



幼女「Zzz......」スヤァ







猫娘「...おい、サメ。起きてるかニャ」

鮫娘「...しゃーく、起きてます」

猫娘「お前...もしかして私達と一緒に生け贄になるつもりかニャ?」


鮫娘「...」


猫娘「いくらお前のせいと言っても、そこまでやれとは思ってないニャ」

猫娘「命を投げ捨てる用な真似はやめろニャ。幼女も同じことを言うはずニャ」


鮫娘「...しゃーく。猫さんだって海龍様を倒そうとか思ってるくせに」


猫娘「バレたかニャ」


鮫娘「猫さんが諦めるなんて真似は絶対にしないですからね」

鮫娘「...本気で海龍様に勝てると思ってるんですか?」


猫娘「当たり前ニャ。私の知り合いには獣人なのに龍を倒したという人がいるニャ」


鮫娘「しゃーく...海龍様は陸の龍とは違うんですよ?」

鮫娘「伝説では、海だとその力は神の領域にまで達すると言われてます。化け物ですよ化け物」


猫娘「それでもやってやるニャ。案外巨大なアナゴかもしれないニャ」


鮫娘「ぷっ...ア、アナゴって」クスクス

猫娘「ウナギ、ウミヘビの可能性だってあるニャ」


鮫娘「ウナギにウミヘビですか...確かに可能性はあるかもしれないですね」クスッ


猫娘「...本当について来る気かニャ?」


鮫娘「しゃーく。このままあたしだけが生き残っても一生後悔するだけです」

鮫娘「友人を裏切った挙げ句に見捨てたりしたら地獄行きですからね。どうせ行くなら天国がいいです」


猫娘「...ふん、馬鹿なやつニャ。死んだら全部終わりニャ」


鮫娘「死にませんよ?だって猫さんの計画だと倒す予定なんですから」

鮫娘「そのまま無事に帰ってハッピーエンドです!」


猫娘「...もう本当に寝るニャ。今のうちに魔力を完全回復しとくニャ」


鮫娘「しゃーく、そうですね。ではおやすみなさい」


猫娘「...サメ」


鮫娘「...なんですか?」


猫娘「今度、私が住んでる町でご飯奢ってやるニャ。楽しみにしとけニャ」


鮫娘「...しゃーく!楽しみにしてます!」

今日はここまで
ここからラストまで毎日更新する...予定です

..............................................................
................................................



幼女「Zzz.........ん?」パチッ

幼女「ふわぁぁ...よく寝た...今何時だ...」キョロキョロ



鮫娘「Zzz.........」スヤァ

猫娘「Zzz.........」スヤァ

ダイオウグソクムシ「Zzz.........」スヤァ



幼女「まだ寝てるし」

幼女「起こした方がいいのかな?いやでも気持ち良さそうに寝てるしそっとしておいた方がいいか」

幼女「...生け贄にされる時間は今日の丑三つ時だったっけ、あと何時間くらいだろ」

幼女「うーん...起きた時のスッキリ具合から見ると5時間ぐらい寝たのかな?」

幼女「...駄目だ、分からない。こんなことならずっと起きてれば良かったな」


幼女「...あっ!そうだ携帯!」ピコーン


幼女「携帯なら今の時間が分かるはず!海の中だけど多分陸と同じ時間だろうし!」ガサゴソ

幼女「あった!あとは電源を付けるだけ!」ポチッ


シーン


幼女「あれ?付かない」ポチポチ

幼女「どうして?もしかして壊れた?でもどこで...」


幼女「あっ」


幼女「そうか、初めてサメと会った時のアレだ」

幼女「加護魔法をかけ忘れて、溺れそうになった時に海水で壊れたんだ...」

幼女「あーもう!こんなことなら防水の携帯を買えばよかった!」

幼女「携帯も買い換えないと...あー余計な出費だなぁ」


幼女「...もしかしたら、もう二度と買い換えなくてもいいかもしれないけど」


幼女「はぁ、結局時間は分からないままか」ゴロン

幼女「...二度寝しよっかな、どうせまだ誰も起きてないし」

幼女「おやすみなさい...」



幼女「Zzz...」

...........................................................
...............................................


鮫娘「」パチッ

鮫娘「しゃーくぅ...よく寝ました」



猫娘「いっせのでーいち!」パッ

ダイオウグソクムシ「」パッ



鮫娘「猫さん先に起きてたんですか...って何やってるんですか」



猫娘「暇だからグソたんと遊んでたんだニャ」

ダイオウグソクムシ「」ウンウン


鮫娘「懐かしい遊びですね。あたしそのゲームのルール未だに分かんないです」

鮫娘「しゃーく、幼女さんはまだ寝ているんですか?」



幼女「Zzz...」スヤァ



猫娘「まだ寝てるニャ。きっと相当疲れたんだニャ」

鮫娘「しゃーく。幼女さんも寝てる時は普通の可愛い幼女ですね」

猫娘「...今何時くらいニャ?」

鮫娘「しゃーく、正確な時間は分かりませんけど生け贄まであと数時間ってところじゃないでしょうか?」

猫娘「もうそこまで来てるのかニャ」

鮫娘「...海龍様を倒す作戦はちゃんと考えてあるんですか?」

猫娘「一応あるにはあるニャ」

鮫娘「しゃーく!なら教えてください!あたしに出来ることなら何でもします!」



猫娘「まず私が二股モードになるニャ」

鮫娘「それでそれで?」



猫娘「二股モードのスピードで相手の目を攻撃するニャ」

鮫娘「それからそれから?」



猫娘「何だかんだあって大勝利ニャ!」

鮫娘「は?」



鮫娘「...ごめんなさい、何か1つか2つ抜けてませんか?」

猫娘「いやこれが作戦の全容ニャ」

鮫娘「は?」

鮫娘「しゃーく!いくら何でも雑過ぎますよ!何ですかそれ!」

猫娘「まあまあ落ち着けニャ。詳しく話してやるニャ」


猫娘「まずお前の魔力を猫邪羅死ができる位までまた借りさせてもらうニャ」

鮫娘「...何ですか猫邪羅死って」

猫娘「あの玉の名前ニャ。ちょっと必殺技っぽくしてみたニャ」

鮫娘「暴走族みたいなネーミングですね」


猫娘「そしてお前が囮になって龍を引きつけるニャ」

鮫娘「...はい?」


猫娘「龍がお前に夢中になってるうちにやつの目を攻撃するニャ。どんな生物でも目だけは柔らかいはずニャ」

猫娘「そして目が見えなくなってる隙にボコる...完璧な作戦ニャ!」


鮫娘「しゃーく...一つ質問いいですか?」


猫娘「どうぞニャ」


鮫娘「あたし、猫さんに魔力全部あげるんですよね?」

猫娘「全部とは言わないニャ。半分くらいニャ」

鮫娘「その状態で海龍様とタイマンするんですよね?」

猫娘「何も勝負しろとは言わないニャ。逃げても構わないニャ」



鮫娘「無理ですよっ!!!!」

鮫娘「しゃーく!魔力が半分しかない状態で海龍様と一対一!?」

鮫娘「例え魔力が全快でも3秒で殺されますよ!!!!」


猫娘「頑張れニャ」


鮫娘「しゃーくっ!頑張れとかそういう問題じゃないですよ!!!!」

鮫娘「それに他にもいくつかおかしな点があります!」


猫娘「えー?どこかニャ?完璧な作戦のはずなのに」


鮫娘「まず猫さんの二股モードで目を潰すというところ!」

鮫娘「これ出来るんですか!?相手は龍ですよ龍!」


猫娘「大丈夫ニャ!あのクジラでも初見では私の攻撃は見えなかったニャ!」


鮫娘「でも二回目は当てられたじゃないですか!」


猫娘「あれは玉の動きでバレただけニャ。絶対に一回目では避けられないはずニャ」


鮫娘「じゃあ目が潰れてるうちにボコるっていうのはどうなんですか!?絶対治癒魔法で治されますよ!」

猫娘「治癒してるうちにまた目を潰せばいいニャ」


鮫娘「しゃーく!クジラ様みたいにバリアを張ったらどうするんですか!?」


猫娘「あー...」

猫娘「...ねこはめ波でバリアを壊す?」


鮫娘「ネコマジンですか!少しネタが分かりにくいですよ!」

鮫娘「しゃーく...文字通り穴だらけの作戦じゃないですか...もうちょっと考えましょうよ...」


猫娘「ダメで元々ニャ!こうでもしないと勝てないニャ!」


鮫娘「でもさすがにこれはちょっと酷いですよ...あたしも考えますから、ね?」


猫娘「はぁ、仕方ないニャ。もう一度考えるニャ」






ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ

幼女「Zzz...」

ダイオウグソクムシ「♪」ピトッ

幼女「Zzz...」

~~~~ 数時間後 ~~~~



幼女「」パチッ

幼女「...あーよく寝た。やっぱり二度寝は気持ちいいな」



猫娘「ここをこうするニャ...」

鮫娘「いやでもそれだとここが...」



幼女「あ、もう二人とも起きたんだ」

幼女「ねぇ、何を話して...」



ダダダダダダダダッ!!!!!



幼女「」ビクッ


猫娘「ニャッ!?この音は!」

鮫娘「しゃーく!兵隊さんが来たんです
よ!」


幼女「うそー...もうそんな時間?」


猫娘「ニャ!幼女起きたのかニャ!ちょっと寝過ぎニャ!」


幼女「あぁ、うん、ごめん」

幼女(...誰のせいだ誰の)

雑兵魚人共「「「「.........」」」」ゾロゾロ




猫娘(ひーふーみー...五人かニャ)

猫娘(...ん?待てニャ、もしかしたら檻から出るときに脱出できるかもしれないニャ)チラッ

鮫娘(...しゃーく、分かってます。隙があれば逃げ出しましょう)チラッ


幼女(アイコンタクト...この檻を開けた時に脱出できるかもってことかな?)



雑兵魚人Ⅰ「おい、そこの幼女。まずはお前から出ろ」



幼女「...へ?私?」



雑兵魚人Ⅰ「そうだ!さっさとしろ!」



幼女「は、はいっ!分かりました!」ダッ



猫娘(...やっぱりそう上手くはいかないかニャ。あいつら幼女を人質にしやがったニャ)

鮫娘(しゃーく...もし変な動きをしたら幼女さんの身に危険が...)


ダイオウグソクムシ「...!...!」プンプン

雑兵魚人Ⅱ「おい獣人、次はお前だ」

雑兵魚人Ⅱ「もし逃げ出そうなんてしたら...分かってるな?」



幼女「うぅ...」



猫娘「...分かったニャ。大人しくするニャ」スタスタ



雑兵魚人Ⅲ「陸の娘二人、生け贄はこの二人だったな。行くぞ」スタスタ



鮫娘「しゃーく!!!!ちょっと待ってください!!!!」



雑兵魚人Ⅳ「...なんだ?裏切り者、こいつらと別れの挨拶でもするつもりか?」



鮫娘「しゃーく!違います!あたしも一緒に生け贄になります!神殿まで連れて行ってください!」

ダイオウグソクムシ「!!」ピシッ



幼女「サ、サメさんっ!?」

猫娘「...」



雑兵魚人Ⅴ「なんだと?お前も生け贄になるだと?」

鮫娘「生け贄は少ないより多い方がいいはずです!」

ダイオウグソクムシ「!」ウンウン




雑兵魚人Ⅰ「...おい、どうする。こんなこと言ってるが」

雑兵魚人Ⅱ「知らん、俺達は二人を海龍様の生け贄にしろと言われたんだ。ならこの二人でいいだろう」

雑兵魚人Ⅲ「だが多い方がいいというのも一理あるんじゃないか?」



鮫娘「しゃーく!あたしは鮫です!フカヒレなら海龍様も喜んで食べるはずです!」



雑兵魚人Ⅳ「おい、聞いたか?鮫だってよ。確かにフカヒレはうまいぞ」

雑兵魚人Ⅴ「...決まりだな。こいつも一緒に生け贄にしてやろう」



幼女「ちょ、ちょっと待って!ダメだよそんなこと!サメさんは関係ないのに!」

幼女「ねぇ、考え直して!もう怒ってないから!」

幼女「ね、猫から何か言って...」


猫娘「...あいつは自分でそうすると覚悟を決めてるニャ」

猫娘「その覚悟を否定するなんて私には出来ないニャ」


幼女「そ、そんな...」

雑兵魚人Ⅰ「おら、お前も檻から出ろ」



鮫娘「...幼女さん、あたしこのままだと駄目だと思うんです」

鮫娘「あたしが二人をここに連れて来たんですから、帰る時もあたしが二人を送ります!」


幼女「サメさん...」




ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ


猫娘「...ニャ?グソたんどうしたニャ?檻から出てきて」

猫娘「ごめんだけど私達はこれから用があるんだニャ。もうグソたんも自分の好きなところに行っていいんだニャ」


ダイオウグソクムシ「!」ブンブン

ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ


猫娘「グ、グソタン?どうして肩に乗るニャ?」


ダイオウグソクムシ「...!」ギリッ


猫娘「グ、グソたん...お前も着いてきてくれるのかニャ...」ウルウル

猫娘「...分かったニャ!グソたんのためにも頑張るニャ!」

~~~~ 海龍神殿 ~~~~



猫娘「こ、ここが神殿かニャ...」

幼女「大きい...」

鮫娘「しゃーく...ここはいつ来ても少し緊張します」

ダイオウグソクムシ「」プルプル



雑兵魚人Ⅰ「早く中に入れ、穴はこの先だ」



スタスタ スタスタ



幼女(...神殿の中も凄い。歴史の重みを空気で感じられる)

幼女(こんな神殿が作られるぐらいだもん...海龍ってどんなやつなんだろ...)



雑兵魚人Ⅱ「これが海龍様のところに繋がっている穴だ」




巨大な穴『』ゴォォォォォォォ




幼女「地下何メートルあるんだろ...先が見えない」

猫娘「想像以上にでかい穴ニャ...」

鮫娘「しゃ、しゃーく...あたしも見るのは初めてです」

ダイオウグソクムシ「」ブルブル

雑兵魚人Ⅲ「これからお前達には全員でこの穴に降りてもらう」

雑兵魚人Ⅳ「この穴には特殊な障壁が張ってある。一度通れば障壁が発動し、もう元に戻ることはない」

雑兵魚人Ⅴ「最後の警告だが逃げ出そうなんて考えるなよ?その幼女が大切ならな」




幼女「...だって」

猫娘「とうとうここまで来たかニャ...こうなったら最後のあの手にかけしかないニャ」

鮫娘「しゃーく、そうですね。勝率は低いと思いますが、二人で考えたあの作戦に賭けるしかないです」


幼女「ん?作戦?」

幼女「そういえば私、まだ例の話聞いてないんだけど」


猫娘「今は時間がないニャ。話はこの穴を降りたら説明するニャ」

幼女「えぇ...」




猫娘「さあ行くニャ。みんな覚悟は出来たかニャ?」

幼女「...うん」

鮫娘「...しゃーく」

ダイオウグソクムシ「!」グッ


猫娘「じゃあ一斉に飛び降りるニャ!せーっの!」




バッ

今日はここまで
グソクムシとアノマロカリスの可愛さは異常だと思います

.................................................................
......................................................


雑兵魚人Ⅰ「ご報告します。先ほど、捕らえた二人の陸の人間、それに裏切り者の魚人を生け贄として穴に捧げてきました」

雑兵魚人Ⅱ「これで伝説通りなら地震も止むはずです」


海王「...待て、裏切り者の魚人?それはもしや同じ地下牢に居たサメのことか?」


雑兵魚人Ⅲ「はっ、確かに自分はサメと名乗っていました」


海王「...我は陸の二人を生け贄に捧げろと命令したはずだ」

海王「...サメも生け贄にしろとは一言も言ってないぞ?」ゴゴゴゴ


雑兵魚人共「「「「「 ッッッッッ!? 」」」」」ビクッ


雑兵魚人Ⅳ「も、申し上げます!サメ自らが生け贄になると志願したんです!」


海王「...それは真実か?」


雑兵魚人Ⅴ「はっ!生け贄は多い方がいいと申しておりました!」



海王「...」

海王(...どういうことだ、サメ自らが生け贄を志願しただと?)

海王(...あの娘は精神的に少し弱いところがある...進んで自分の命を差し出すような性格ではないはずだ)

海王(...陸の娘達と出会って何かが変わったのか?自分の命を捧げてもいいと思うようなことが)


海王(...他に、やり方があったのかもしれぬな)

ブクブクブクッ...



幼女「まだ底が見えない...ずっと沈んで変な感覚になってきた」

猫娘「にゃあ、確かに長いニャ。もう10分近く同じ光景を見てる気がするニャ」

鮫娘「しゃーく...海龍様が居るところは龍の聖域、神聖な場所のため海底の奥深くにあるそうです」


ダイオウグソクムシ「...!」ツンツン

猫娘「ニャ?何ニャ?」

ダイオウグソクムシ「...!」ビシッ

猫娘「変な動物が泳いでる?どこニャ?」キョロキョロ




アノマロカリス「」ユラユラ




猫娘「ニャッ!?なんだあの不気味な生物!」

幼女「うわっ!あれアノマロカリスじゃん!」

鮫娘「しゃーく!マジじゃないですか!めちゃくちゃ珍しいですよ!」


猫娘「ア、アノマロカリス?とても現代の生物とは思えないニャ」

幼女「当たり前だよ!あれ、恐竜が生まれる前のもっと前、カンブリア記の生き物だもん!」

鮫娘「しゃーく!大体五億年ほど前ですよ!とっくに絶滅してるはずです!」


猫娘「ご、五億っ!?」

猫娘「ちょ、ちょっと待てニャ!何でそんな大昔の生物がここに居るニャ!?」


鮫娘「しゃーく...分かりません。もしかしたらこの先の聖域の影響かも」

鮫娘「この穴は元々、神殿を建てる前からあったそうです。何か不思議なエネルギーで守られているのかもしれませんね...」


幼女(す、すごい。図鑑でしか見たことないないけど実際はあんな感じなんだ)

幼女「...」チラッ


ダイオウグソクムシ「?」キョトン


幼女(...グソクムシよりよっぽど可愛いや)





幼女「ねぇ、まだ底に着かないしいい加減話してくれない?」

幼女「これから何をするつもりなの?」


猫娘「あぁ、そういえば幼女には話してなかったニャ」

猫娘「私達は龍を倒すつもりでいるニャ」


幼女「りゅ、龍を倒す...?」

幼女「そんなこと出来るの?」

猫娘「まあ作戦成功率は多く見ても5...いや1%ってところかニャ」

幼女「そんなに低いんだ...」


鮫娘「しゃーく、ただしこれはあくまで戦闘になった場合の確率です」

鮫娘「もしかしたら話し合いで解決するかもしれません」


幼女「話し合いって...相手は伝説だと生け贄を食ってる化け物なんでしょ?」

幼女「とても話が通じるような相手じゃないと思うけど」


猫娘「まずその前提が間違ってるんだニャ。龍は本来、そこまで凶暴ではないはずなのニャ」

猫娘「まあ一部の龍は土地を荒らしたり、神の世界を崩壊させたりしてるけど...大体は大人しいニャ」


幼女(それ結構凶暴だと思うんだけど)


鮫娘「しゃーく、伝説というものは尾びれ背びれが付いて大きくなってるものです」

鮫娘「もしかしたら海龍様に関する伝説は全て創作、本当は優しくて大人しい龍という可能性もあります」

鮫娘「...本当に凶暴な龍だったら終わりですけどね」


幼女「つまり最後は神様に祈るしかないってことね...」

幼女「ところで一つ疑問があるんだけど」

猫娘「何ニャ?」

幼女「万が一、龍を倒したとしてその後どうするの?」

猫娘「どうするって...そりゃもう生け贄になる必要はないからすぐ帰るニャ」

幼女「でもあの穴の入り口は障壁で通れないんだよね?」


猫娘「あっ」

鮫娘「あっ」


幼女「...まさか今気付いたの?」


猫娘「ニャ、ニャー!龍に障壁を破壊すさせればいいニャ!」

鮫娘「しゃーく!そ、そうですよ!手下にして命令すればいいんです!」


幼女「そんなにうまくいくかなぁ」


幼女「...ん?もしかしてあそこ地面じゃない?」


猫娘「あ、本当ニャ。もう底かニャ」

鮫娘「しゃーく、話してたらあっという間でしたね」



スタッ

幼女「ここが神殿の底、海龍がいるところか...」キョロキョロ

猫娘「辺りには居ないみたいニャ...でも油断はできないニャ」


鮫娘「しゃーく...この先は広い洞窟のような一本道になってるはずです」

鮫娘「いつ海龍が出てきてもおかしくありません...警戒は怠らないでください」


猫娘「念のために探知魔法を使うかニャ?」


鮫娘「いえ、探知魔法は逆にこちらの位置がバレる可能性があります」

鮫娘「大人しくここで待機して相手を待つという作戦もありますが...どうしますか?」


猫娘「...いや、体力があるうちに進んだ方がいいと思うニャ」

幼女「...私もそっちの方がいいと思う」


鮫娘「しゃーく、決まりですね」

猫娘「グソたん、一旦肩から降りてくれニャ」

ダイオウグソクムシ「?」

猫娘「この先はいつ龍と会ってもおかしくないニャ。危ないからグソたんには下がっててほしいニャ」

ダイオウグソクムシ「!」モゾモゾ

猫娘「よしよし、やっぱりお前は賢いニャ」


ダイオウグソクムシ「...」キョロキョロ

ダイオウグソクムシ「!」モゾモゾ


幼女「私の肩に乗ったら踏み潰すぞ」


ダイオウグソクムシ「」ビクッ

ダイオウグソクムシ「」シュン



鮫娘「...しゃーく。そろそろ行きましょうか」

鮫娘「猫さんは前、あたしは横、幼女さんは後ろを見張ってください」

鮫娘「相手は龍ですからね。どこから来てもおかしくないです」


幼女「うん了解」

猫娘「任せろニャ!」

猫娘「幼女、もし戦闘になったらすぐ私達を置いてすぐ逃げろニャ」


幼女「やだ」


猫娘「ニャッ!?ど、どうしてニャ!」


幼女「どうせ逃げたってここからは出られないもん、私も残る」

幼女「一人で死ぬなら二人と一緒に死んだ方がマシだよ」


猫娘「幼女...」

鮫娘「しゃーく...幼女とは思えない精神力です...」

猫娘「...分かったニャ。幼女がそう言うなら私も覚悟を決めるニャ」


猫娘「死ぬ気で幼女を無事に帰してやるニャ!私に任せろニャ!」

鮫娘「しゃーく!あたしもです!」

ダイオウグソクムシ「!」ブンブン



幼女「...うん、みんなで一緒にここから出よう」



猫娘「では出発ニャ!みんな絶対に離れちゃダメニャ!一緒に行動するニャ!」

鮫娘「しゃーく!分かりました!」

ダイオウグソクムシ「!」


幼女(どうしよう...空気的に絶対言えないけど)

幼女(...ダンゴムシとこんなに距離が近いのはちょっときつい!)

スタスタ スタスタ



猫娘「...」ジー

鮫娘「...」ジー

ダイオウグソクムシ「...」ジー

幼女「...」ジー



鮫娘「...しゃーく、まだ出てきませんね」

猫娘「ニャ、気は抜けないニャ。いきなり飛び出てくるかもしれないニャ」

幼女「...怖いこと言うのやめて」


猫娘「この洞窟はどのくらい続いているんだニャ?」

鮫娘「しゃーく。あたしも詳しくは知らないですが、奥の部屋には海龍様のお部屋があるらしいです」

鮫娘「道中に出てこないとすると、その奥のお部屋に居るのかもしれませんね」

猫娘「部屋かニャ...いかにもそれらしいニャ」


幼女(...何か前にもこんなことあった気が)


猫娘「幼女、今言うのも何だけど言っておきたいことがあるニャ」

幼女「な、なに?こんな時に」

猫娘「家の冷蔵庫に高級メロンがあったはずニャ」

幼女「う、うん、確かにあるよ。ご近所さんから貰ったやつで食べ頃がちょうど今日辺りだったと思うけど」



猫娘「ごめんニャ。あれ私が食べちゃったニャ」


幼女「はあああああああっ!?」

猫娘「昨日の夜に小腹が空いてつまんじゃったニャ」

幼女「えっ?う、うそ?本当に?」

猫娘「硬かったけど美味しかったニャ。許してほしいニャ」

幼女「えぇ...本当に食べちゃったの...楽しみにしてたのに...」


幼女「...」


幼女「ごめん、私も言っておくことがあったんだ」

猫娘「幼女もあるのかニャ?」

幼女「実はね...」



幼女「預かってたマタタビ酒、全部捨てちゃったの」


猫娘「ニャッ!?」



幼女「あんなの麻薬と変わらないし体に悪いと思ってね、ごめん」

猫娘「マ、マジなのかニャ...」

幼女「うん、やっぱり未成年にお酒はよくないよ」

猫娘「そ、それでも酷いニャ...帰ったら真っ先に飲もうとしたのに...」



幼女「...私のメロン」ズーン

猫娘「...にゃあ、マタタビ酒」ズーン



鮫娘(最後の告白のせいで余計に暗くなってるじゃないですかぁ!)

鮫娘「ふ、二人とも元気出してください!もう一生家に帰れないかもしれないんですから!」



幼女「」ズズーン

猫娘「」ズズーン



鮫娘(はっ!今のは禁句でした!)

ダイオウグソクムシ「」オイオイ





スタスタ スタスタ



猫娘「...もうだいぶ歩いたけど出てくる気配がないニャ」

鮫娘「しゃーく、やはり居るとしたら一番奥...ですかね」

幼女「まあ突然来るよりはマシじゃない?」


猫娘「私の見間違いだといいんだけど」

猫娘「もしかして...あの大きい門の先が海龍の部屋かニャ?」




門『』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




鮫娘「しゃ、しゃーく...た、多分あれですよ...」ブルブル

幼女「も、もう着いちゃったの...?」

ダイオウグソクムシ「」ブルブル

猫娘「...よし、開けるニャ」

鮫娘「しゃーく...慎重にお願いします」

幼女「壊したらダメだからね!」


猫娘「分かってるニャ...ふんっ」グッ



ギィィィィィィィィィ........



猫娘「...開いたニャ」

鮫娘「しゃーく、何か見えますか?」

猫娘「...いや、誰も居ないニャ」キョロキョロ

幼女「だ、誰も居ないの?」

猫娘「本当ニャ。見てみろニャ」


シーン


鮫娘「しゃーく...本当ですね。誰も居ません...」

幼女「ここが行き止まりなのに...」

猫娘「ちょっと中に入ってみるニャ」スタスタ




幼女「...居ないね」

猫娘「もしかして最初から海龍なんて居ないんじゃないかニャ?」

鮫娘「しゃーく、それだけはないですよ。何人もこの神殿に海龍様が入っていくのを見たんですから」

シュルルルルルルルル......




ダイオウグソクムシ「」ピクッ

幼女「」ピクッ


ダイオウグソクムシ「」ツンツン

猫娘「どうしたニャ?グソたん?」

ダイオウグソクムシ「」ピシッ


猫娘「何かが這う音がした?」


鮫娘「這う音...ですか?」

幼女「...今さっき私もその音聞いた」


猫娘「つ、つまりこの広い部屋の中のどこかに居るのかニャ...一体どこニャ」キョロキョロ




シュルルルルルルルル......




幼女「!!!!」バッ

幼女「上っ!!!!上に何か居るっ!!!!」ビシッ





海龍?「ブルアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」ビュンッ





猫娘「!?」

猫娘「み、みんな逃げろニャ!ここに降ってくるニャ!」ダッ

鮫娘「しゃーくっ!?」ダッ


幼女「くっ!」ダッ

ダイオウグソクムシ「」オロオロ

幼女「!? あ、危ないっ!」ガシッ




ドシーーーーーーン!!!!!!!




海龍?「ブルァァァァァァァァァァァ!!!!!!」




猫娘「こ、こいつが海龍かニャ!?」

鮫娘「しゃーくっ!多分そうですよ!」


幼女「あ、危なかった...あと一歩、掴むのが遅れてたらぺちゃんこになってた...」ホッ

ダイオウグソクムシ「」ブルブル


猫娘「う、海龍!少し話があるニャ!」



海龍「ブルァァァァァァァァァァ!!!!!




猫娘「だ、駄目ニャ!とても話が通じないニャ!」

鮫娘「ね、猫さんっ!」

猫娘「...分かってるニャ!やり合うしかないニャ!」グッ



海龍?「ブルァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

今日はここまで
実は最初にスレを立ててから3ヶ月近く経ってたり、ちなみに犬の方は1ヶ月近くで完結してたり
はいマジでごめんなさい

ごめんなさい
書いてたらまた予想以上に長くなってしまいました
あ、明日には竜宮が終わる予定です

猫娘「にゃあっ!」パッ

猫娘「二股モードニャ!」キラキラ


猫娘(...やっぱり強くなるには実戦が一番ニャ。もう溜めなしで二股モードになれるニャ)

ズキッ

猫娘(ぐっ!少し無理し過ぎたかニャ...体中が痛いニャ)

猫娘(でもここで負けるわけには行かないニャ!あともう少し持ってくれニャ!)




海龍「ブルアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」




鮫娘「しゃーく!来ます!」

猫娘「幼女達は少し離れてろニャ!」


幼女「う、うん!負けないで!」ダッ

ダイオウグソクムシ「...!」グッ


猫娘「行くニャッ!!!!」ダッ

鮫娘「しゃーくっ!!!!」ダッ



猫娘(まずは二手に分かれて!)


鮫娘(敵を誘います!)




海龍「ブルァッ!!!!」ビュンッ

幼女「二人共...頑張って」

幼女「でないと本当に食べらちゃう...」

ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ

幼女「ん?...ってうぇへっ!?」パッ


ダイオウグソクムシ「」ポトンッ


幼女「し、しまった...急いでてこいつを掴んでることを忘れてた...」

幼女「き、汚なっ!手を洗わないと!」


ダイオウグソクムシ「」スリスリ


幼女「ひぃっ!?ス、スリスリするな!別にお前を助けたわけじゃないからね!」

幼女「潰れたら余計に気持ち悪いと思っただけなんだから!」


ダイオウグソクムシ「♪」スリスリ







海龍?「ブルァッ!!!!」ブンッ


猫娘「ニャッ!?」スッ



グシャーーン!!!!!



猫娘「し、尻尾の一撃で大きい岩がまるで発砲スチロールみたいに粉々に...当たるとヤバそうニャ」

猫娘「こりゃ出し惜しみしてる暇はないニャ。一気に決めさせてもらうニャ!」

猫娘「サメ!やれニャ!」



鮫娘「えっ?もう出していいんですか!?」



猫娘「そうニャ!速攻でかたをつけてやるニャ!」



鮫娘「しゃーく!分かりました!」

鮫娘「むむむ...ふんっ!」ポンッ



球×50 『   』フワフワ




猫娘(今の私だとサメの力を借りないと二股モードで他の魔法を使うのは無理...容量が足りないニャ)

猫娘(でもサメに魔力を貰って一個だけ玉を作っても燃費も効率も悪いニャ。ということは...)



鮫娘(しゃーく!あたしが猫さんの代わりに猫じゃらしを作ります!)

猫娘(壊れても修復するような高性能な玉は作れませんが、ただフワフワする玉なら楽勝ですしそれなりの数も出せます!)


鮫娘「しゃーく!いっけえええええええ!!!!」ブンッ




球×50 『   』ビュンッ




海龍?「ブルアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!」バチンッ

鮫娘「しゃーく!猫さんっ!半分ほど尻尾で壊されました!」



猫娘「上出来ニャ!あれだけあれば充分ニャ!」

猫娘「にゃあああああ...」フリフリ




球 『   』ウロチョロ


海龍?「ブルアッッッッッ!!!!」バチンッ

海龍?「ブルァッッッッッ!!!!」バチンッ




鮫娘(しゃーく...やはり玉自体に攻撃力はなくても怪しまれて壊されますか)

鮫娘(でも最低限の場所には設置完了です!後は...)



シュンッ



猫娘「にゃあッ!!」ザクッ

海龍?「ブルアッッッッ!?」プシュー




鮫娘(しゃーく、猫さんの猫じゃらしにはクジラ様が言った弱点以外に2つ弱点があります)

鮫娘(まず1つ、威力不足。自分の爪で攻撃するのでどうしても決定力不足です)

鮫娘(一撃必殺の威力があれば恐らくクジラ様も倒せたはず...)

鮫娘(多分この技は本来、必殺技ではなく補助技として使うのが正解なんでしょうね)


鮫娘(そしてもう1つ...連続では出せない)

鮫娘(この技を使うには猫じゃらしを一度動かす必要がある。つまり一度、角度を調整してまた玉を動かすように念じないといけません)

鮫娘(この時に出来る一瞬の隙を狙われるのは致命的...はっきり言ってこれが一番の弱点です)

鮫娘(しゃーく!でもこの弱点は克服できます!そのためにあんなに玉を大量に作ったんですから!)





猫娘「ニャアッッ!!」ザクッ

海龍?「ブルアッ!?」ブシュッ

猫娘「ニャアッッ!!」ザクッ

海龍?「ブ、ブルアアアアアアアアアッッ!!!!」ブシュッ






幼女「な、なにあれ...玉が海龍の回りにいっぱいある...」

幼女「いや、それより気になるのは猫の方...何かすごい速く動いてて残像しか見えない」

幼女「海龍の傷が増えてるってことは...もしかして猫が優勢?」

ダイオウグソクムシ「...!...!」ピョンピョン







鮫娘(しゃーく!玉をいっぱい作って海龍様の上下左右あらゆる場所に設置!)

鮫娘(そして常に動かしておくことで猫さんはずっと玉に向かって攻撃できる!)

鮫娘(さらに威力不足の弱点も攻撃回数を増やすことである程度解消できます!小さな傷でも何十、何百もしたら大きな傷になりますからね!)

鮫娘「でもまだ海龍様を確実に倒すには足りません...一撃で大きなダメージを与えないと」

鮫娘「しゃーく!そこであたしの出番です!」ビュンッ



鮫娘(歯の回りの海水を渦状に回転させてっと)ギュルルルルル

鮫娘(これで思いっきり噛みついてやります!ドリルのように回転してる歯で噛み砕いたら海龍様の肉でも簡単に千切れるはず!)

鮫娘(そしてバランスを崩したところで猫さんがとどめの必殺技です!)


鮫娘(しゃーく!あたしの噛みつくところは唯一、玉がなくて猫さんが攻撃してない右足の太もも...ってあれ?)ピタッ


鮫娘(あ、足がない...?よく見たら手と翼もないです)

鮫娘(しゃーく...おかしいですね。龍は手足と翼があるはずなんですけど...細長くて手足がないなんてまるで...)

鮫娘(ええい!ないなら仕方がありません!他にバランスを崩しそうなところは...あった!体を支えてる左腹辺り!)


鮫娘(しゃーく!猫さんの攻撃に巻き込まれる可能性もありますがここは賭けです!行きます!)ビュンッ




海龍?「ブルアアアアアアアアアアアアア......」ボロボロ

鮫娘「しゃーくうううううううう!」ガブッ

海龍?「ブルアッッッ!?」ビクッ


ギュルルルルルルルルルルル!!!!!!!


鮫娘(肉を...食い千切るッ!!!!)ブチッ

海龍?「ブルアアアアアアアアアアアアアアアア......」ユラッ



ズシーーーーーン!!!!!!



鮫娘(しゃーく!やりました!海龍様が姿勢を崩して倒れました!)

鮫娘(ごめんなさい海龍様!肉を思いっきり食い千切ってしまって!今吐き出しますから!)ペッ

鮫娘(...ん?この味は...)

鮫娘(しゃ、しゃーく...おかしいです。この口に残る味...どこかで食べたことあるような...)ペロッ

鮫娘(あ、あたしはどこかで海龍様を食べたことがある...?)





猫娘「...ニャッ!海龍が倒れてるニャ!」ピタッ

猫娘「よくやったニャ!サメ!あとはとっておきの必殺技でとどめニャ!」ビュンッ



猫娘(二股モードでは魔法が使えない...でも!)

猫娘(モード解除覚悟で体の魔力を一気に放出することが出来るはずニャ!)ピタッ


猫娘(魔力を一気に拳に集めるニャ!)ピカッ

海龍?「ブ、ブルア......」ピクピクッ



猫娘(もしこれで仕留められなかったら私の魔力はスッカラカン...負け確定ニャ)

猫娘(私の全てをこの技にかけるニャ!)ピカッ


猫娘「ねこはめ波ーーーーーーーーッ!!!!!!」カッ




ズドドドドドドドドーーーーーーーン!!!!!!!!!!





海龍?「ブ、ブルアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!」ズンッ





ドッカアアアアアアアアアアアアンンンンン!!!!!!!!!







幼女「...」

ダイオウグソクムシ「...」

幼女「...パ」


幼女「パクリじゃねえかぁっ!!!!」

ダイオウグソクムシ「...」ェェェェ




鮫娘「しゃ、しゃーく...すごい威力です」

鮫娘「...パクリですけど」

ブクブクブクッ......


パラパラパラッ......




猫娘「はぁ...はぁ...」シュン

猫娘「ぜ、全魔力を出してやったニャ...お願いニャ...倒れててくれニャ...」


鮫娘「猫さんっ!」ダッ


幼女「猫っ!」ダッ

ダイオウグソクムシ「!」モゾモゾ


鮫娘「や、やったんですか?」

猫娘「わ、分からないニャ...でも手応えあったニャ」

幼女「泡や砂が舞っててよく見えない...一体どうなってるんだろ...」




シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ......




幼女「あ、止んできた..」

ダイオウグソクムシ「...」ビクビク

鮫娘「しゃーく...お願いです...神様...」

猫娘「にゃ、にゃあ...」ゴクリ





海龍?「ァ......ァ......」ピクピクッ





幼女「や、やった!倒れてる!倒れてるよ!!!!」

鮫娘「しゃ、しゃーく!!!!本当です!!!!や、やりました!!!!」

猫娘「う、うおおおおおおお!!!!マジニャ!!!!やったニャ!!!!」


ダイオウグソクムシ「...!...!」ウキウキ




海龍?「ァ......ァ......」ピクッ




猫娘「はっ!復活されたらマズいニャ!」

猫娘「サメ!拘束魔法で今すぐこいつを縛るニャ!」


鮫娘「しゃーく!了解ですっ!」ダッ



グサッ グサッ グサッ



鮫娘「ふぅ...関節に直接、拘束魔法を刺しました」

鮫娘「まず動けませんし、1㎜でも動こうとすると激痛走ります」


猫娘「OK、よくやったニャ」


幼女(結構エグいことするな...)

猫娘「さてサメ、私はこいつと闘って1つ疑問を感じたニャ」

鮫娘「しゃーく。あたしも多分同じこと思ってます」

幼女「え?なに?疑問って」



猫娘「こいつ海龍じゃないニャ。それどころか龍でもないニャ」


幼女「...えっ?」




海龍?「............」ビリリッ




幼女「ど、どういうことっ!?こいつ海龍じゃないのっ!?」


猫娘「まず龍というのはよほど馬鹿じゃない限り、人語話せるはずニャ」

猫娘「でもこいつはただ吠えるだけ...知性の欠片もないニャ」

猫娘「一番おかしいと思ったところは、こいつ自分の体や尻尾をぶつけるだけで魔法を全然使わないニャ」

猫娘「それどころか魔力をまったく感じない...さすがに私達相手で魔力を一切使わないのはおかしいニャ」


鮫娘「しゃーく。それに龍というのは手足と翼を持ってるはずなんです」

鮫娘「この海龍様もどきは手足も翼もない...まるで魚です」


幼女「な、なるほど...」

ダイオウグソクムシ「」ヘー

猫娘「サメ、お前はこいつの正体なんだと思うニャ?」

鮫娘「しゃーく、多分魚です。それも誰でも一度は食べたことがある魚ですね」

鮫娘「このもどきさんの肉を食い千切った時に、どこかで食べたことのある味がしました」

猫娘「そうか...魚かニャ」


猫娘「ならちょっと食べてみるニャ。私なら何の魚か分かるはずニャ」スタスタ

幼女「え、えぇっ!?食べるのっ!?」

猫娘「ちょっとだけニャ、心配ないニャ」

幼女(そういう問題か...?)




海龍?「.........」ビリリッ

猫娘「ちょっと尻尾の先貰うニャ」ザクッ

海龍?「ッッッッ!?!?!?」バタバタ




猫娘「あむっ...」モグモグ

鮫娘「しゃーく。分かりましたか?」

猫娘「この味は...」


猫娘「穴子ニャ」





巨大アナゴ「.........」ビリリッ

幼女「ア、アナゴ?」

猫娘「間違いないニャ。だから鳴き声が『ぶるあああ』とかだったんだニャ」

鮫娘「つまりこの生物は海龍様ではなく...」チラッ




巨大アナゴ「.........」ビリリッ




鮫娘「巨大なアナゴだったということですか...?」


猫娘「そういうことになるニャ」

幼女「...何そのオチ」

ダイオウグソクムシ「」ヤレヤレ



鮫娘「しゃーく!い、いやでもそれだとおかしいですよ!」

鮫娘「これが巨大アナゴだったら謎の地震は何だったんですか!?」


猫娘「さあ?偶然じゃないのかニャ?」

鮫娘「んなアホなっ!!」


幼女(...本当にアホみたい)


猫娘「こいつがただの巨大アナゴということは間違いないニャ。アナゴが地震を起こすなんて不可能ニャ」

鮫娘「そ、そりゃそうですけどっ!!」

猫娘「ならこのアナゴに直接聞いてみるニャ」

鮫娘「え、えぇ...相手はアナゴですよ?さすがに話すことなんて出来ませんよ」


猫娘「ふっふっふ...私を誰だと思ってるニャ?ありとあらゆる魚を食べ尽くし魚を極めた猫ニャ!」

猫娘「魚が出す微弱な超音波を使って会話するくらい楽勝ニャ!」


鮫娘「しゃ、しゃーく!なにそれ凄いです!」


幼女(突っ込んだら負けな気がする)

ダイオウグソクムシ「」ナニソレ



猫娘「じゃあ試しにやってるみるニャ...ゴホン」

猫娘「アアアアア...アアアアアアア?」



鮫娘「何か呪怨の伽椰子みたいな声出してますね」

幼女「あの声軽くトラウマだよ」



巨大アナゴ「...」チラッ

巨大アナゴ「ヨシキチーヨシキチ」



幼女「おぉ!反応した!」

鮫娘「猫さん!何て言ったんですか?」


猫娘「...どうやらこいつが海龍の正体で間違いないそうニャ」

猫娘「ちょうどいい穴を探しに来たらこの穴に迷いこんだらしいニャ」

鮫娘「地震の件は何て言ってるんですか?」

猫娘「地震は本当に知らないらしいニャ。やっぱり偶然なんじゃないのかニャ?」

鮫娘「えー...本当に偶然なんですか...」


猫娘「他に聞きたいことはあるかニャ?」


幼女「あ、じゃあこの部屋に抜け道みたいなのがあるか聞いてみて」

幼女「このままだと障壁が突破出来ないからずっと閉じ込められちゃうよ...」


猫娘「分かったニャ、聞いてみるニャ」

猫娘「アアアアアアア...アアアア?」



巨大アナゴ「...」チラッ

巨大アナゴ「ニイタンゼンカーバレスエサリナニイタンゼンカ」



猫娘「おぉっ!?マジかニャ!?」


幼女「ど、どうしたの?」


猫娘「喜べニャ!あそこの奥の壁が隠し通路になってるらしいニャ!」

猫娘「行き先は分からないけど多分この穴からは抜けられるそうニャ!


幼女「うっひゃああああああああ!!!!生きて帰れるんだああああああああ!!!!」

鮫娘「しゃーく...良かったです...本当に...」シクシク

ダイオウグソクムシ「♪」ピョンピョン

猫娘「ありがとうニャ!お前のおかげでここから脱出できそうニャ!」

猫娘「いきなりボコってごめんニャ!」



巨大アナゴ「ブルアアア...ブルアアア」




猫娘「え?拘束解いてほしい?」

猫娘「分かったニャ!おいサメ!今すぐ拘束を解いてやれニャ!」


鮫娘「しゃーく!了解です!」ピカッ


スゥゥゥゥ...


巨大アナゴ「...」


鮫娘「しゃーく!ついでにアナゴさん傷も治癒魔法で治してあげます!ごめんなさい!思いっきり噛んじゃって!」ピカッ


巨大アナゴ「...」キラキラ


鮫娘「あーすみません...予想以上に傷が酷いですね」

鮫娘「まあ当たり前ですよね...猫さんの猫じゃらし攻撃にあたしの噛みつき、それに猫さんの全魔力を食らってるんですから...」

鮫娘「しゃーく!ちょっと痛いと思いますけど魔力を全部流し込んで傷口を無理矢理塞ぎます!」グッ


巨大アナゴ「ブルアッッッッッ!?!?!?」バタバタ


鮫娘「はい!傷はこれで塞ぎました!本当にごめんなさい!」ペコリ

巨大アナゴ「ブルァァァ...ブルァァァ...」


猫娘「こちらこそ突然襲ってごめんと言ってるニャ」

猫娘「てっきり泥棒が来たと思ったそうニャ」


幼女(泥棒を警戒してんのか...ん?)

幼女(確かにこの部屋、お宝や宝石がいっぱあるな...これもこのアナゴが集めたのかな?)


鮫娘「しゃーく、あと最後に一つ聞きたいことが」

鮫娘「伝説にある、生け贄を食べる海龍様もアナゴさんのことなんですか?それとも別人?」


猫娘「ァァァァァ...アアアアアアア」



巨大アナゴ「...」チラッ

巨大アナゴ「タジーべヨエラワ」



猫娘「別人らしいニャ。そんな龍知らないそうニャ」

鮫娘「しゃーく!そうでしたか!」


猫娘「じゃあそろそろ私達は抜け道から帰るとするニャ」

猫娘「本当にボッコボコしてごめんニャ。許してにゃん」ペコリ

鮫娘「しゃーく...すみませんでした」ペコリ

幼女「許してやってください」ペコリ

ダイオウグソクムシ「」ペコリ



巨大アナゴ「ブルァァ...」



猫娘「よし!許してもらったニャ!」

猫娘「後は抜け道から脱出を...」グッ

猫娘「あ、あれ?この壁どうすれば隠し通路が出るニャ?」グッ


幼女「引いてみればいいんじゃない?」


ガチャ


猫娘「あ、開いたニャ」

猫娘「じゃあ本当にさよならニャー!元気でやれニャー!」フリフリ

鮫娘「しゃーく!さようならです!」

幼女「ご迷惑をおかけしました」

ダイオウグソクムシ「」フリフリ




巨大アナゴ「...」




バタン

~~~~ 隠し通路 ~~~~


スタスタ スタスタ


猫娘「はぁ~...何とか無事に竜宮から出られそうニャ」

猫娘「今回ばかりはマジでやばかったニャ」

鮫娘「しゃーく。でも海龍様がまさか巨大なアナゴだったなんてビックリですよね」

幼女「ビックリどころかマヌケ過ぎるよ、普通気づくでしょ」

猫娘「確かに普通はアナゴを龍なんて見間違うはずないニャ。どうしてあんなに騒いでたんだニャ?」

鮫娘「さあ?確か最終的に龍だと判断したのは海王様とクジラ様だって聞きましたけど」

猫娘「ならその二人がマヌケだったんだニャ。まったく人騒がせニャ」


猫娘「...ん?別れ道ニャ」



『←ブラジル    →出口』



猫娘「...出口ニャ」

鮫娘「...出口ですね」

幼女(ブラジルかぁ...一度行ってみたいなぁ)

ダイオウグソクムシ「」オイオイ

.................................................................
..................................................



巨大アナゴ「...」

巨大アナゴ「...」キョロキョロ

巨大アナゴ「ぶるぁ...ぶるぁ...」



『...行った?』



巨大アナゴ「ぶるぁ!ぶるぁ!」ウンウン



『はぁ、よっこらせっと』



ズズズズズズズ......



海龍「いやーまさかここに人が来るとはねー」

海龍「驚いて隠れちゃったけどそっちの方が良かったのかな?」

海龍「ごめんね、キミに相手させちゃって。痛かったでしょ」


巨大アナゴ「ぶるぁー!ぶるぁー!」


海龍「全然ヘッチャラ?まったく強がっちゃてー」

海龍「もう戻っていいよ。ゆっくり休んでね」


巨大アナゴ「ぶるぁー...」スゥー


海龍「うーむ...しっかし面倒なことになってるなー...」

海龍「あの人達が言ってる地震って...やっぱりこれだよね?」ドンッ



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!



海龍「あちゃー...やっぱり原因は床ドンか」

海龍「でもこうしないとご飯が上から降ってこないんだもんなー。せっかく久々に帰ってきたのに」

海龍「しかも伝説だとボクが人食いみたいになってるし...生け贄を勝手に持ってきたのはそっちだってのに酷いよね」

海龍「あの隠し通路だって生け贄の人達を逃がすために作ったのに!まったくこれだから魚人は!」

海龍「...もうここに居るのも限界、いや海自体が限界かな」

海龍「ボクもいい加減に陸に上がろっかなー。他の龍もみんな陸に居るらしいし」


海龍「そうと決まったらさっそく人に変化しないと!どの位の年齢がベストかな?」

海龍「うーん...うーん...はっ!そうだ!」ピコーン

海龍「幼女になろう!これなら怪しまれないし身体も軽いから動きやすいはず!」

海龍「じゃあさっそく変化っと」ボンッ



海幼女「さー!荷物まとめて出発する準備しよっと!」

海幼女「確か一番近くの陸の町はあっち系の人が多いって聞くからね!まずはそこだ!」

.................................................................
..................................................


ピカッ


猫娘「お?あそこが出口みたいニャ!」

鮫娘「しゃーく。意外と早く着きましたね」


幼女「つ、つかれたぁ...ぜぇ...ぜぇ...」

ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ

幼女「お前の手を貸してもらわなくても歩けるわい!」



ザッザッ ザッザッ



猫娘「無事脱出~...ってここどこニャ?」


鮫娘「しゃーく、どうやらここは竜宮の外みたいですね」

鮫娘「ほら見てください。あそこに竜宮の町があります」スッ


猫娘「うわ本当ニャ...結構歩いたみたいニャ」

幼女「あんなに町が小さく見える...」

猫娘「今思い返して見ると竜宮では散々な目に遭ったニャ...もう食べ物では釣られないようにするニャ...」

幼女「本当に引っ掛かっちゃ駄目だからね!」



鮫娘「...あーっ!しまった!忘れてました!」

猫娘「ニャッ!?どうしたニャ!」

幼女「ま、まだ何かあるのっ!?」


鮫娘「しゃーく!二人共!やっぱり今すぐ帰りますよねっ!?」


猫娘「正直もう竜宮は懲り懲りニャ。早く家に帰りたいニャ」

幼女「右に同じ」



鮫娘「しゃーく!なら待っててください!今すぐ買ってきますんで!」ビュンッ



猫娘「おい待てニャ!そっちは竜宮の方向...って行っちまったニャ」

猫娘「一体何を忘れたんだニャ?あいつ」

幼女「さあ?」







鮫娘「しゃーく!急いで買わないと!急いで買わないと!」

鮫娘「...あっ、今ってお店開いてましたっけ」ピタッ

鮫娘「まあいいです!無理にでも開けてもらいます!」

~~~~ 10分後 ~~~~



猫娘「あ、戻ってきたニャ」



鮫娘「しゃーく!ごめんなさい!遅れました!」スタッ



幼女「何しに行ってたの?」

鮫娘「これです!玉手箱!」

猫娘「た、玉手箱?」


鮫娘「しゃーく!竜宮に来た客人にはお土産として玉手箱をあげないと、不幸なことが起きるって言い伝えがあるんです!」

鮫娘「だから急いで買ってきました!」


幼女「...それ逆じゃないの?玉手箱を貰った浦島太郎は不幸になった気が...」

猫娘「というかその箱の中身は何ニャ?まさか開けたら歳をとったり...」


鮫娘「しゃーく!違いますよ!中身はただの魚の干物です!」

鮫娘「長持ちするのでお土産としては最適なんですよ!」


猫娘「おぉ!干物かニャ!ありがたく貰うニャ!」


幼女(おーい、さっそく魚に釣られてるぞー)

鮫娘「さあ!そろそろ出発しましょうか!二人ともあたしの上にどうぞ!」ゴロン

猫娘「ニャ...やっと帰れるニャ」

ダイオウグソクムシ「♪」スリスリ


幼女「ちょっと待て」


猫娘「ニャ?幼女どうしたニャ、忘れ物かニャ?」

ダイオウグソクムシ「?」キョトン


幼女「そのダンゴムシはどこまで連れていく気なの?もうそろそろ逃がしてもいいんじゃないの?」


猫娘「あーグソたんかニャ」



猫娘「グソたんは家に連れていって飼うことにしたニャ!これから私達の家族ニャ!」


幼女「は?」



幼女「い、意味分からないんだけど...えっ?そ、そのダンゴムシを家で飼う...?」

幼女「ばっ...ばっ...」


幼女「ば~~~っかじゃねえの!?」

幼女「今すぐ捨てて来なさい!そんなダンゴムシ家で飼うなんて絶対許さないからね!」


猫娘「やだニャ!グソたんはもう私達の家族ニャ!」ギュー

ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ


幼女「かっ...かっ...家族ぅ!?」

幼女「そんなダンゴムシが家族ぅ!?」

幼女「頭おかしいんじゃないのっ!?よく見てみなよ!巨大なワラジムシじゃん!」


猫娘「さっきまでダンゴムシって言ってたのに」


幼女「そもそも飼い方も知らないくせに生き物を飼うとか簡単に言っちゃいけません!」


猫娘「サメ、ダイオウグソクムシの飼い方教えてくれニャ」

鮫娘「しゃーく。いいですよ」



幼女「オイッ!!!!!」



猫娘「ということでサメに飼い方教えてもらうから大丈夫ニャ」

猫娘「いざとなったらGoogle先生に聞くニャ」


幼女「ぐ、ぐぬぬ...」

幼女「そ、そうだ!水槽はどうするの!?」

幼女「そいつ海の生き物だから水槽いるんでしょ!?言っておくけど家には水槽を置く場所もお金もないんだからね!」



鮫娘「しゃーく、大丈夫ですよ。竜宮産のダイオウグソクムシは陸でも活動可能です」


幼女「は?何そのご都合主義」



鮫娘「時々塩水に浸ければOKです。あと餌も雑食なので何でも食べます」

鮫娘「まあ基本的にグソクムシって餌食べないんですけど、その子は特別みたいですからね」


猫娘「おー、さすがグソたんニャ」ヨシヨシ

ダイオウグソクムシ「♪」ゴロゴロ


幼女「うぅ...ぜ、絶対やだぁ...そんな気色悪いやつが家の中に居るなんてぇ...」

幼女「どうせペットならもっと可愛いやつがいい...子龍とか鹿とか...」


猫娘「幼女!それは間違ってるニャ!」ビシッ

猫娘「どんなに格好が変でも心はピュアニャ!生き物を見た目で判断するのはよくないニャ!」

幼女「ぐっ...!」

幼女(こ、こいつ...こんな時だけ正論言いやがって!)


猫娘「それにグソたんは私達のピンチを何回も救ってくれたニャ!」

猫娘「グソたんを飼う理由は十二分にあるニャ!」ビシッ


幼女(べ、弁護士みたいにつきつけやがって!)


猫娘「ね~?面倒は私が全部見るからお願いニャ~」

幼女「それ絶対最終的に私が面倒見るパターンじゃん!全国のお母さんなら誰でも経験があるアレじゃん!」

猫娘「よし決まりニャ!グソたんはペット決定ニャ!」

幼女「ま、まだ決まってない!そもそもお前居候だろ!」

猫娘「そんな設定誰も覚えてないニャ~」



鮫娘「あのー...そろそろ出発しませんか?」

ダイオウグソクムシ「」ウンウン

幼女「と・に・か・く!私は絶対に嫌!」

猫娘「あーそんなにグソたんを飼うのに反対なのかニャ。ならこっちも切り札を出すしかないニャ」

幼女「き、切り札?」



猫娘「私は何回も幼女の命を救ってるニャ!!!!一度くらい私の言うことを聞いてくれもいいニャ!!!!」


幼女「そ、それはズルいでしょ!そもそも原因は全部そっち側...」


猫娘「往生際が悪いニャ!!!!ペットを飼うのと命、どっちが大切ニャ!!!!」


幼女「ぐ、ぐぬぬ...」

幼女(い、言ってることはめちゃくちゃなのに勢いで押されてる...)


猫娘「はい!グソたん家族入り決定ニャ!終わりっ!」


幼女(も、もう駄目だ...何言ってもこいつは折れない...)


幼女「わ、私の部屋には絶対入れちゃ駄目だからね!」

幼女「あと世話は全部猫が見ること!もしサボったりしたらすぐ捨てますからね!」



鮫娘「しゃ~く~終わりましたか~?」

ダイオウグソクムシ「?」

鮫娘「今度こそ上にどうぞ」ゴロン


幼女「私が前の方に乗る...」

猫娘「じゃあグソたんは私の肩の上ニャ」

ダイオウグソクムシ「♪」


幼女(うぅっ!後ろに居ると思っただけで寒気が...)ブルッ


鮫娘「しゃーく!では出発します!」ブオンッ




幼女(はぁ...色々あったけど竜宮ともお別れか)

幼女(ろくな思い出なかったな...裏切られるわ牢屋に入れられるわ...脱走するわまた捕まるわ、生け贄にされるわ...)

幼女(...お次は何だ?鬼ヶ島辺りか?)

幼女(もう絶対行かないよ!バーカ!)



猫娘(色々あったけど竜宮ともお別れかニャ)

猫娘(悪い方の思い出の方が多いけど一番の収穫は...)チラッ

ダイオウグソクムシ「?」キューン

猫娘(グソたんニャー♪)ギュッ

............................................................
............................................


鮫娘「しゃーく。今日は潮の流れがいいのであと30分ほどで着きますね」ビューン


幼女「結構早いね」

猫娘「ニャ、まだ乗ってから30分ほどしか経ってないニャ」


鮫娘「まあいつもはこんな感じですね。でも潮の流れが悪いと行きみたいに結構時間がかかっちゃいます」


幼女「へぇ...あれ?」

幼女「何かあそこ、虹色に光ってるけど何だろうあれ」



虹色の波『』キラキラ



鮫娘「...しゃーくっ!?こ、こんな時にアレが出るなんて!」

鮫娘「幼女さん!猫さん!しっかり掴まっててください!一気に抜けますので」ビュンッ



ザアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!



幼女(うっ...すごい波...)

幼女(しっかり掴まってないと飛ばされちゃうな)ギュッ


猫娘(海の中で波?何か変な話ニャ)

猫娘(まあ竜宮城だってあるんだしこの際何でも有りかニャ)

ザアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!




鮫娘「しゃーく...何とか抜けられましたね」

幼女「何だったの?あれ?」

鮫娘「あれはとk...」


猫娘「幼女!サメ!ちょっとあれ見てみろニャ!」



マンボウ「」ビターンビターン




猫娘「マンボウが寄生虫を落とすためにビターンビターンしてるニャ!」

鮫娘「しゃーく!本当だ!珍しい!」

幼女「...どっかで見た光景だな」




マンボウ「」シーン




猫娘「あ、死んじゃったニャ...」

鮫娘「しゃーく...どこか悲しいですね...」

幼女「あの話デマって聞いたんだけど」

ダイオウグソクムシ「...」ウルウル

...............................................................
..............................................


ザッパーン



鮫娘「しゃーく!到着です!」


猫娘「ニャー!やっと着いたニャー!」

幼女「太陽の光がないと思ったら外はもう夜だったんだね」キョロキョロ


ダイオウグソクムシ「...!」ウキウキ


猫娘「グソたんが初めての陸で興奮してるニャ」

鮫娘「しゃーく。何か可愛いですね」


幼女(どこが)


猫娘「それにしても久しぶりに陸に上がったら何か体が重い気がするニャ...」ズッシリ

幼女「た、確かに...それに何だかダルいような...」ズッシリ


鮫娘「しゃーく、海の生活に慣れてない人が長時間、水の中に居るとそういう状態になるらしいです」

鮫娘「宇宙飛行士が地球に帰ってきたら、立てなくなる現象と同じですね」

鮫娘「あ、ついでに加護魔法解除しときます」ピカッ


ズンッ


猫娘「うっ...余計にダルくなったニャ」

幼女「プールでめちゃくちゃ泳いだ後みたい...」

鮫娘「しゃーく。まあ数日したら元に戻ると思いますよ」

鮫娘「...ではあたしはそろそろこの辺で、竜宮のみんなにアナゴさんのことを知らせてきます」


猫娘「か、帰って平気なのかニャ?」


鮫娘「しゃーく、真実を伝えればみんなも納得するはずです」

鮫娘「現に生け贄にされたあたしが生きて脱出してるんですからね!」


幼女「でもあそこに帰るくらいならこの町に住んだ方が安全なんじゃないの...?」


鮫娘「しゃーく...一応、あそこはあたしの故郷です」

鮫娘「それなりに思い入れもありますし家族も居ますから」


猫娘「...そうかニャ」

猫娘「今度はお前がこっちに遊びに来いニャ。約束通りご飯奢ってやるニャ」


鮫娘「...しゃーく!色々落ち着いたら絶対に行きます!美味しいところ連れて行ってくださいね!」

鮫娘「あっ!これあたしのアドレスと番号です!お世話になる時はメールしますね!」スッ


猫娘「ニャ、なら私の携帯の番号も...」ガサゴソ

猫娘「ニャ...ニャ?」ポチポチ

猫娘「け、携帯が壊れてるニャ!なんでニャ!」


幼女(やっぱりそっちも壊れてるよね...)

鮫娘(あー...あの溺れた時に壊れてたんでしょうか)


猫娘「まあいいニャ。携帯を買い換えたらそっちのアドレスにメールするニャ」


鮫娘「しゃーく!了解です!」

鮫娘「では...二人ともお元気で!また会いましょう!」



ザップーン



幼女「...行っちゃったね」

猫娘「...行っちゃったねニャ」

ダイオウグソクムシ「...」ウルウル

鮫娘「あっ!1つ言い忘れてました!」ザッパーン



幼女「」ビクッ

猫娘「」ビクッ

ダイオウグソクムシ「」ビクッ



鮫娘「その玉手箱の中の干物!焼いて食べるとすごく美味しいんですよ!」

鮫娘「では本当にバイバイです!」ザップーン



幼女「...最後も結局、食べ物で終わったね」

猫娘「それだけ魚が美味しいってことニャ」

幼女「意味分からないんだけど」


幼女「はぁ...暗くなってるけど今何時だろ?というか何日だ」


猫娘「詳しくは分からないけど3,4日は経ってるはずニャ」

猫娘「ホテルで泊まったりサメの家に泊まったり牢屋で過ごしたりしてからニャ」


幼女「確かにそのぐらい居た気がするね...犬も心配してるだろうし早く帰らないと」


幼女「...あれ?犬?」

幼女「な、なんだろう...すごく大事なことを忘れてる気がする」

猫娘「ニャ?大事なことって何ニャ?」

幼女「う、うーん...思い出せない。多分犬に関係してたことなんだけど...」

猫娘「忘れるってことはそんなに大事なことじゃないんじゃないかニャ?」

幼女「そうなのかな...」


猫娘「さ、早く家に帰ろうニャ。久しぶりに家の布団で寝たいニャ」


幼女「...うん!帰ろうか!」


猫娘「っとその前に...」ガサゴソ

猫娘「ぐへへ...ちょっと小腹が空いたからこの玉手箱に入ってる干物を食べるとするニャ」


幼女「えー?もう食べちゃうの?」

幼女「別に食べてもいいけど犬の分も残してあげなよ。お土産の一個も渡さないと多分拗ねちゃうから」


猫娘「分かってるニャ!一枚くらいは残してやるニャ!」

猫娘「ではいただくとするニャ~」



パカッ

猫娘「ニャ?何ニャこの匂い...」クンクン

幼女「...匂い?」クンクン

ダイオウグソクムシ「?」クンクン



プーーーーーーーーーーーン



猫娘「お、おうえええええええええええ!!!!!!くっさああああああああああああ!!!!!!」

幼女「な、何この臭い!!!!は、鼻が曲がるううううううううううう!!!!」

ダイオウグソクムシ「」ピクピクッ



くさや『』プーン



猫娘「こ、この干物ニャ!この干物の臭いニャ!」

幼女「は、早く閉めて!!!!臭くて死ぬ!!!!」

ダイオウグソクムシ「」シーン



パタンッ



猫娘「く、くそがぁ...あのサメ野郎!腐った不良品押し付けやがったニャ!」

猫娘「こんなもん食えないニャ!全部犬にくれてやるニャ!」


幼女「さ、さすがの犬でもこんなに臭いの食べないよ...」


猫娘「もういいニャ!早く帰って寝るニャ!」プンプン

今日はここまで
もうちっとだけ続きます

はい急に止まってごめんなさい
あと二回ほどの更新で終わる予定なんですがまたちょっと長くなって書き溜めてます
次の更新は...に、2,3日後だと思いますごめんなさい

ご、ごめんなさぃぃぃ...まだ時間かかりそうですぅぅぅ...
しゅ、終末には必ずぅぅぅ...orz

はい最後投稿から二ヶ月近く、レスしたのが一ヶ月近くぶりでごめんなさい
やっと時間が空いたので一週間以内には更新出来ると思います
めちゃくちゃ待たせてしまって本当にごめんなさい

................................................................
...................................................


ガチャ


猫娘「ただいまニャー!」


シーン


猫娘「あ、あれ?誰も居ないニャ」キョロキョロ

幼女「...?誰も居ない?」

幼女「そんなはずないでしょ。さすがにもう犬も帰ってきてるはずだし」スタスタ


幼女「うっ!?」ビクッ


猫娘「どうしたニャ?」


幼女「な、何かすごい散らかってる...ゴミと臭いが酷い...」

猫娘「うわっ!?マジじゃないかニャ!」

ダイオウグソクムシ「」クサイ


猫娘「まったく犬のやつは何やってるニャ!片付けくらいしておけニャ!」

幼女「と、とりあえずリビングに行ってみようか。そこに多分犬も居るだろうし」

猫娘「犬~?どこニャ~」

幼女(す、すごいゴミの量だな。とても数日で溜まる量じゃないんだけど...) 


ガサガサ ゴソゴソ


猫娘「あっ、あそこで何か動いたニャ」

幼女「...ゴミで埋もれててあんまり見えないけどね」

猫娘「おい犬、いい加減出てこいニャ」


シーン


幼女「...出てこないね」

猫娘「いつまでいじけてる気ニャ、ちょっと引っ張り出してやるニャ」スタスタ


猫娘「まったく凄いゴミの量ニャ...どこに埋もれてるか分からないニャ」ポイポイッ


犬娘「...」モヤモヤ


猫娘「おっ、見つけたニャ」

猫娘「てめぇ馬鹿犬!どうしてこんなに散らかってるだニャ!さっさと掃除手伝えニャ!」

犬娘「...」モヤモヤ



猫娘「...犬?そのモヤモヤしてる霧みたいなものは何ニャ?」



犬娘「...アハッ♪」ビュンッ



猫娘「ニャァッ!?」ゾクッ

猫娘(さ、殺気っ!?)



ズドンッ



幼女「」ビクッ

幼女「な、なにっ!?」



犬娘「...!」グググッ


猫娘「は、離せニャ...!こ、このアホ!」グググッ


猫娘(な、なんて馬鹿力ニャ!このままだと押されっ...)

猫娘(こ、こうなったら二股モードに!)スカッ

猫娘(し、しまったニャ~!巨大アナゴ相手に全魔力を使ったから、まだ魔力が回復してないニャ!)

猫娘(マ、マジでやばっ...今まで一番、生命の危機を感じるニャ!)

犬娘「グルルルルルル......」ギラン


猫娘(く、首筋を狙われてるニャ...!)

猫娘(こいつマジで私を殺る気みたいだニャ!な、仲が悪いのは事実だけど殺されるまでの恨みを買った覚えはないニャ!)


猫娘(...いやあったかも)


犬娘「アアアアアアアアアアッ!!!!!!」ググッ


猫娘「ひ、ひぃっ!」



幼女「ふ、二人とも...な、何があったの?」コソッ



猫娘「幼女ぉ!!助けてくれニャ!こ、殺されるニャーーーー!!!!」



幼女「はぁっ!?」

幼女「ちょ、ちょっと犬!?何やってるの!」



犬娘「グルルルルルル...」キッ


猫娘「いにゃあああああああああ!!!!あ、当たる!というかちょっと当たってるにゃああああああああああ!!!!!」ギリギリ



幼女「あぁっ!もうっ!」

幼女「い、いい加減にしろおおおおおおおおおおおおお!!!!!」ブンッ



犬娘「ギャッ!?」ボコッ

犬娘「」ズサー



幼女「だ、大丈夫だった!?」

猫娘「あ、危なかったニャ...あと3㎜でぶっ刺さってたニャ...」ハァハァ

幼女「一体何がどうなって...」



犬娘「」スクッ



幼女「」ビクッ

猫娘「」ビクッ



犬娘「う、うーん...」クラクラ

犬娘「うぅ...な、何か頭痛い。思いっきりぶん殴られたような感触が...」


犬娘「あ、あれ?ここどこ?私は一体何をして...」キョロキョロ



幼女「元に...」

猫娘「戻ったのかニャ...?」



犬娘「あっ!ご主人様っ!」

犬娘「う、うわあああああああん!!!!!ご主人様ああああああああああああ!!!!!」ダキッ

幼女「」ビクッ

犬娘「どご行っでだのおおおおおおおおおおおおお!!!!!心配したんだよおおおおおおおおお!!!!!」シクシク

幼女「お、おう...」



猫娘「人のことをマジで殺しに来たくせに何ニャこいつ...」



幼女「ちょ、ちょっと落ちついて」

犬娘「うげぇっ...ぐすっ...し、心配したんだよぉ...」シクシク

犬娘「ず、ずっどずっど探じ回って...でも見つがらなぐでぇ...」シクシク

幼女「ずっとって、ちょっと数日家に居なかったくらいでそんな大袈裟な」



犬娘「...へ?な、何言ってるのご主人様...?ご主人様は一ヶ月も行方不明になってたんだよ?」



幼女「...は?」

猫娘「い、一ヶ月?」

~~~~ 竜宮城 ~~~~



鮫娘「かくがくしかじか、ということで海龍様の正体は巨大なアナゴさんでした」



海王「...」



海王(...一月前に急に神殿から海龍の反応が消えた思ったら一体何がどうなっておる)

海王(...本当に巨大なアナゴだったのか?いや、あの遠くからでも分かる存在感は確実に龍だった)

海王(...アナゴは影武者、そして本物の龍は確かに居たが既に竜宮から去っている...か。分からん...)



鮫娘「しゃーく...あ、あの...海王様?」



海王(...考えても仕方ないか、確かにこの一月は地震は起きなくなっている。間違いなく海龍の脅威は去ったと言えるだろう)

海王(...全てが我の勘違いだったのか、それともあの陸の娘達が何かを変えたのか、真実は海の底か...)



鮫娘「しゃーくー海王さまー」



海王「...あぁ、すまない。どこまで話した?」

鮫娘「しゃーく、海龍様がアナゴさんで猫さん達は無事に陸に帰ったところまでです」



海王「...うむ、そうか」

海王「...あの陸の娘達には悪いことをしたな。無理矢理こちらの事情に巻き込んでしまった」

海王「...今思えば架空かもしれぬ伝説に頼るなど...一歩間違えば竜宮の民、全員を危険にさらすところだった。余は王として失格だ」



鮫娘「...しゃーく。確かにやり方は間違っていたと思います」

鮫娘「でも...竜宮を守ろうとした海王様が間違っていたとは思いません」

鮫娘「どんな手を使っても国を守る...一国の王としては立派な判断だと思います。やり方は間違ってましたけど」



海王「...」



鮫娘「しゃーく、ではあたしはこれで失礼します」



海王「...待て、鮫よ」

鮫娘「しゃーく?何ですか?」クルッ



海王「...今回の件は苦労をかけたな。すまなかった」



鮫娘「しゃ、しゃーくっ!?そ、そんな海王様が謝るなんてことないですよ!!」

鮫娘「で、ではあたしはこれで!お体に気を付けてくださいね!」



バタン



海王「...」


海王「...我もまだ未熟だな。まさかまだ年端もいかぬ娘に慰められるなど」

海王「...父上から竜宮を任されて数年、やはり我には荷が重すぎるのだろうか」


海王「...」


海王「...考えるだけ無駄だな」

海王「...父上から預かったこの国、我は命を懸けてでもこの国を存続させるという義務がある」

海王「...荷が重いなら鍛えればいい、竜宮全ての人々を背負えるように。それが王である我の役目だ」


海王「...それに今、我が王でなくなったら次の王はクジラだ。それだけは絶対に阻止しなくては」

鮫娘「しゃーく、まさか海王様が謝るなんて...ちょっとビックリしました」スタスタ

鮫娘「これからはちょっと気まずくなりそうです。まあ話す機会なんてそんなにないんですけど」


鮫娘「しかしまさか帰って来たら一ヶ月も過ぎてるなんて...やっぱりあの時の"時の波"の影響ですよねぇ」

鮫娘「...何かややこしいですね」


鮫娘「時の波、竜宮の近くでたまに起きる時空の歪み」

鮫娘「もし巻き込まれてたら数時間から数日、時間が飛ぶ厄介な現象なんですけど...まさか1ヶ月も飛ばされるとは」

鮫娘「リアル浦島太郎状態ですね。猫さん達も同じ状況でしょうか」


鮫娘「...しゃーく、どうしてあたしは説明口調で独り言を言ってるんでしょう」



「おい、そこの小魚」



鮫娘「しゃ、しゃーくっ!?」ビクッ

鮫娘(こ、この声は...)クルッ

鯨男「今、海王と話してたことはまことか?」



鮫娘「ク、クジラ様...?」

鮫娘「しゃ、しゃーく...はい。確かに全部本当ですけど」



鯨男「ふん、つまらんな」

鯨男「上手く行けば龍とやり合えると思ったのだが、どうやら失敗したようだ」スタスタ



鮫娘「しゃ、しゃーく」ホッ

鮫娘「な、なんだったんでしょう...何かちょっと怖いこと言ってた気がしますけど」

鮫娘「...早くあたしも帰りますか。1ヶ月も過ぎてるんですから家族もみんな帰って来てるでしょうし」


鮫娘「あっ」


鮫娘「しゃーく...み、みんなにどう説明しましょう...留守番中に居なくなった挙げ句に1ヶ月も行方不明」

鮫娘「ぜ、絶対怒られる。外出禁止にお小遣い3ヶ月はナシになる...」

鮫娘「うぅ...あたしも陸に行こうかな」

幼女「い、1ヶ月って...本当?」

猫娘「んなアホニャ...これじゃリアル浦島太郎ニャ...」


犬娘「本当だよぉ!この1ヶ月ずっと探し回ってたんだからぁ!!!!」

犬娘「電話をかけても繋がらなくて...みんなと一緒にあちこちを探しても見つからなくて...」シクシク


幼女(そりゃ見つかるわけないよなー...だって深海だもん)


猫娘(ん?そういえばサメから携帯のアドレスを貰ったけど陸から竜宮は繋がるのかニャ?)

猫娘(携帯が繋がらなかったのは壊れてたからだし...もしかして壊れてなかったら連絡が取れてたんじゃないかニャ)

猫娘(今となってはあいつが狙って壊したのか...それとも天然だったのか分からないニャ)


犬娘「だからご主人様を見つけようと7つ集めると願いが叶う球を集めたり...何か願いが叶う的な聖杯を探したり...」

犬娘「契約すると1つ願いを叶えてくれる的な淫獣を探したり...ベタにランプの魔人を探したり...」

犬娘「もしかしたらご主人様が死んじゃったと思って人体錬成的な何かやったりもしたんだよぉ!」



幼女「お、おう」

犬娘「びええええええええん!!!!でも良かったああああああああ!!!!!帰って来てくれてえええええええええええ!!!!!」ダキッ

幼女「あ、暑い」

犬娘「本当に良かったよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」ギュー

幼女「い、痛い」



猫娘「...ちょっとあいつ忠誠心強すぎて怖いニャ」

ダイオウグソクムシ「」ネー

猫娘「あっ、グソたんのことすっかり忘れてたニャ」



幼女「そ、そろそろ離れて。暑痛い」

犬娘「やだぁ...もっとぉ...」ギュー

幼女「き、気持ち悪いからもう離れて...」

犬娘「」グサッ



犬娘「死のう」プラーン

幼女「!?」



猫娘「ロープが急に現れたニャ...」

ダイオウグソクムシ「」コワイ

幼女「ちょ、ちょっとぉ!?な、何してんの!」

犬娘「だってご主人様に気持ち悪いって言われたし...もう死ぬしかないよ...」プラーン

幼女「は、はぁっ!?頭大丈夫!?」




猫娘「絶対大丈夫じゃないニャ。異常ニャ」

ダイオウグソクムシ「」ウンウン

猫娘「これはあれかニャ、あまりに忠誠心が強過ぎてちょっと病んでしまったのかニャ」

猫娘「原因は一ヶ月も会えなかった反動...ここまで来るとホラーの域ニャ...」

ダイオウグソクムシ「なにそれこわい」

猫娘「ニャッ!?い、今喋らなかったかニャ!?」

ダイオウグソクムシ「」フリフリ




犬娘「もうやだ...ご主人様に気持ち悪いと思われるなら死んだ方がマシ...」プラーン


幼女(や、やばい...元々めんどくさかった性格が10倍くらいめんどくさくなってる)

幼女(どうしようこれ...)

幼女「と、とりあえず落ち着いて...」

犬娘「あぁ...天国のご先祖様...今、私も旅立ちます」プラーン


幼女「き、気持ち悪いって言ったのは嘘だから...全然気持ち悪くないから...」


犬娘「えっ!?本当っ!?」パァ


犬娘「ご先祖様!やっぱり旅立ちやめ!ご主人様ーーーーー!!!!」ダキッ

幼女「あぁ...うん。よしよし...」ヨシヨシ

犬娘「ご主人様大好きぃ♪」ギュー



猫娘「幼女も色々大変ニャ...多分これからしばらくはあんな調子ニャ」

ダイオウグソクムシ「」ウワー

猫娘「忠誠が強過ぎるってのも考えものニャ。やっぱりペットとして飼うなら猫ぐらいの距離感が一番ニャ」



犬娘「もうどこにも行かないでねご主人様...ずっと一緒だよぉ...」

幼女「え?それはちょっと」

犬娘「ふぇっ...」グサッ


幼女(う、うぜぇ...めんどくせぇ...)

猫娘「それにしてもお腹が減ったニャ...冷蔵庫に何かないかニャ」ガチャ


カラーン


猫娘「...見事に空っぽニャ」



犬娘「ご主人様ぁ...♪」ギュー

幼女(いい加減離れてくれないかな...部屋の掃除とかしたいんだけど...)

犬娘「...ん?」クンクン

犬娘「何かご主人様、すごく塩の匂いがするね。どうして?」

幼女「え?塩?」クンクン



猫娘「...」クンクン

猫娘「...まあそりゃ海に数日間も居たら体中から塩の匂いがするかニャ。お風呂も入る必要なかったんニャし」



幼女「本当だ...これお風呂で落ちるかな」

犬娘「お風呂っ!?」ピクッ

犬娘「ご主人様!お風呂に入るなら私も一緒に!」

幼女「は?一人で入るに決まってんだろ」

犬娘「」グサッ



犬娘「ご先祖様、今行きます」プラーン



幼女「...」


幼女「ね、ねぇ、これどうしたらいいの?」

猫娘「まあお風呂ぐらいなら一緒に入いればいいんじゃないニャ」

幼女「えぇ...でもあいつと一緒だよ?」

猫娘「いくらあいつでもいきなり襲うなんて獣みたいなことしないはずニャ」

幼女「...」


犬娘「ご先祖様ー今から逝くよー?逝っちゃうよー?」チラッチラッ


幼女「...変なことしたらぶっとばすからな」


犬娘「やったー!」

.............................................................
................................................


幼女「もうそろそろお湯沸いたかな」

犬娘「おっふろ♪おっふろ♪」

幼女「それじゃお先に失礼するね」


猫娘「ニャ、了解ニャ」

ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ


犬娘「さあご主人様!早くお風呂に入ろう!」グイッ

幼女「ちょっ!押さないでよ!」



ドタバタ ドタバタ



猫娘「...」

ダイオウグソクムシ「...」


猫娘「グソたん、陸での暮らしはどうニャ?」

ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ

猫娘「あんまり海と変わらなくて安心した?それは良かったニャ」

猫娘「...そういえばまだ犬にグソたんのこと紹介しなかったニャ。風呂から出てきたら紹介してあげるニャ」

猫娘「というか何で今まであいつはグソたんのことスルーしてたニャ。ちょっとはこっちにも興味持てニャ」

ダイオウグソクムシ「...?」

猫娘「まあ別に悪いやつってほどでもないニャ。生き物には優しくするはずニャ」

ダイオウグソクムシ「...!...!」ピョンピョン


猫娘「さて幼女達がお風呂から出てくるまでにちょっと部屋を片付けておくかニャ」スクッ



ゴツンッ!!!!!!!



猫娘「ニャ?今の音何ニャ?」

猫娘「お風呂場から聞こえてきた気がするけど...誰か滑って転んだのニャ」


ダイオウグソクムシ「?」


猫娘「まあいいニャ。今はそれより掃除ニャ」

猫娘「グソたん、床に散らばってる小さなゴミを集めておいくれニャ」


ダイオウグソクムシ「」ビシッ


猫娘「私は大きなゴミを片付けるニャ」グイッ

.................................................................
.................................................


猫娘「ふぅ、とりあえず部屋が見えるくらいは片付いたニャ」


ダイオウグソクムシ「」ハァハァ


猫娘「しかしとんでもないゴミの量ニャ...よくこれだけ溜めたもんニャ」

猫娘「こりゃゴミ捨て場に持っていくだけでも大変そうニャ」

猫娘「...あれ?そういえば掃除してからもう一時間近く経ってるけどまだ幼女はお風呂に入ってるのかニャ?」

猫娘「さすがにちょっと長過ぎニャ。例の音も何回も鳴ってたし...もしかして何かあったのかニャ?」



ガラッ



幼女「ふぅ...待たせてごめんね」ポカポカ

犬娘「」ボロボロ


猫娘「ニャ、出てくるのが遅くて心配したニャ」

幼女「匂いが何回洗っても落ちなくてね...まだちょっと残ってるくらい」クンクン

猫娘「うへぇ...マジかニャ。それはめんどくさいニャ」


犬娘「」ボロボロ

幼女「あ、掃除しててくれたんだ!ありがとう!」

猫娘「それでもまだこの部屋だけニャ...まだ家中にゴミがいっぱいあるニャ」

幼女「じゃあ後は私と犬がやっておくからゆっくりお風呂に入ってきなよ」


犬娘「」ボロボロ


猫娘「ニャ、また出たら手伝うニャ」スタスタ

猫娘「グソたん、お前も一緒に来るニャ。体洗ってやるニャ」


ダイオウグソクムシ「♪」ノソノソ



バタン



幼女「...さて」

幼女「あー...改めて見るとすごいゴミの量だな。今日中に終わるかどうか...」

幼女「まあ片付けるだけなら日が変わる前にまでは終わりそうかな。大変そうだけど」

幼女「オラ、いい加減正気に戻れ。掃除するぞ」ゲシッ


犬娘「」ピクッ


幼女「まったく...元はと言えばお前がこんなに汚くしたんだからな」グイッ

犬娘「ご、ご主人様最近口悪いぃ...」

~~~~ 風呂場 ~~~~



猫娘「にゃああ...いい湯にゃあ...」プカプカ

ダイオウグソクムシ「♪」プカプカ


猫娘「グソたんどうニャ?初めてのジャパニーズ風呂スタイルは?」

ダイオウグソクムシ「♪」プカプカ

猫娘「そうかにゃあ...気に入ったかにゃあ...」


猫娘「しかし幼女の言ってた通り中々匂いが落ちないニャ...」クンクン

猫娘「体に匂いが染み付いてるのかニャ?サメ辺りは陸だと臭そうニャ」

ダイオウグソクムシ「?」

猫娘「グソたんは多分元々の匂いだから問題ないはずニャ」

ダイオウグソクムシ「♪」


猫娘「...ところで気になってたけど」



パリッ...



猫娘「どうして風呂場の鏡が割れてるんだニャ?」

猫娘「この形は何かを叩きつけたように見えるけど...謎ニャ」


ダイオウグソクムシ「...?」ウーム

...............................................................
.................................................



幼女「や、やっと片付いた...」

猫娘「つ、疲れたニャ...もうへとへとニャ...」

犬娘「掃除してたらもういつの間にか0時過ぎだねぇ」

ダイオウグソクムシ「」ハァハァ


犬娘「あれ?その謎の生物は何?いつから居たの?」


猫娘「やっと気付いたかニャ!これはダイオウグソクムシのグソたんニャ!」

猫娘「今日から家のペットになるニャ!」


犬娘「へー、可愛いね。よろしくねグソくん♪」


ダイオウグソクムシ「」フリフリ


幼女(...世間的には可愛いのかこれ...?どう考えてもグロテスクな生物にしか見えないんだけど)

幼女(というか「グソくん」って...こいつオスなのかメスなのどっちだよ)

幼女「じゃあゴミ出しは明日にするとして...もう色々疲れたから寝る」スタスタ

猫娘「ニャ、考えてみたら竜宮から帰ってきて一日も過ぎてないニャ...ゆっくり布団で寝たいニャ」スタスタ



犬娘「ご主人様しゃまぁ...」ウルウル



幼女「...なに?」



犬娘「今日は一緒に寝てもいい...?というか寝かせて」



幼女「...ダメ」



犬娘「」プラーン



幼女「...」

猫娘「どんまいニャ」ポン

幼女「えぇ...マジで?」

猫娘「今日くらいは一緒に居てやれニャ」

幼女「...今日は厄日だわ」

幼女「はぁ...今日だけだからね」

犬娘「やったー!」ピョンピョン


幼女「猫は今日は犬の部屋で寝ることになるけど大丈夫?」

猫娘「ニャ、犬臭いのは我慢してやるニャ」スタスタ

猫娘「ほら、グソたん来いニャ」


ダイオウグソクムシ「」ノソノソ


犬娘「ごっ主人様と♪一緒に寝る♪」

犬娘(ぐふふ...こうなったらこっちの勝ちだよ!この流れで一夜の間違いもワンチャンあるはず!犬だけに!)


幼女「あ、1つ言い忘れてた」



幼女「...もし変なことしたぶっ殺すからな」ギロリ

犬娘「」ビクッ


幼女「さ、寝るとするか」スタスタ


犬娘「や、やっぱりご主人様怖くなってる...」ブルブル

~~~~ 幼女の部屋 ~~~~



幼女「あー...やっと横になれる」ゴロン

犬娘「さあご主人様!一緒に夜のお話をしよう!」

犬娘「怖い話?それとも面白い話?いやここは恋バナで行こうか!」

幼女「私真面目にめちゃくちゃ疲れてるからもうすぐ寝る」


犬娘「えぇ...」


犬娘「じゃ、じゃあご主人様!最後に1つだけ!」

犬娘「ご主人様がいなくなった前の日の夜に話したこと覚えてる?」

幼女「前の日の朝?うーん...」



幼女「...何か言ったっけ?」



犬娘「」

犬娘「そ、そんな...私あの言葉を信じて今まで生きてきたのに...」ガクッ

犬娘「...本当の本当に覚えてない?」


幼女(ここ数日こいつの存在を忘れるくらい大変な目にあったからなぁ...まったく覚えがない)

幼女「うん、分からない」


犬娘「デ......デ......」


幼女「で?」



犬娘「デートするって約束したじゃん!!!!二人でどこかに行こうって!!!!」



幼女「...はい?」

幼女「え?私が犬とデート?」


犬娘「ちゃんと約束したよ!よく思い出してみて!」


幼女「思い出せって言われても...うーん...」


『だから...明後日行ってやる。二人でどこかに』モワワーン


幼女「あっ」

犬娘「思い出したっ!?」

幼女「あーそんなこともあったっけ、すっかり忘れてた」

幼女「というか一緒に出掛けるって言っただけでデートとは一言も...」

犬娘「二人で外出するんだからデートだよ!」


犬娘「でさ!もちろん明日にでもデートしてくれるんだよねぇ!?」


幼女「えぇ...明日?」

幼女「別の日にしない?明日はゆっくり休みたいんだけど」

幼女「それに気付いたら1ヶ月も過ぎてたから学校の学級閉鎖も解けてると思うし...一応これでも学生だから学校に行かないと」


犬娘「」


幼女「って聞いてる?」



犬娘「うわああああああああああ!!!!!いやだあああああああああああああ!!!!!明日がいいいいいいいいいいいい!!!!!」ジタバタ

犬娘「ずっと我慢したんだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!!お願いだからああああああああああ!!!!!」ジタバタ



幼女(う、うるせぇ!)

幼女「な、ならせめて明後日に...」


犬娘「やだああああああああああああああ!!!!!明日がいい明日がいい明日がいいいいいいいいいいいい!!!!!」ジタバタ


幼女「そんな子供みたいに駄々こねないでよ...」


犬娘「だってずっと楽しみにしてたんだもおおおおおおおおおおん!!!!!もう待つのはいやあああああああああああああ!!!!!」ジタバタ


幼女「...」

幼女(...こいつ本当にずっと1ヶ月近くも私が来るのを待ってたんだ)

幼女(家の中がゴミだらけになっても気にならないくらい私のことを思って...)

幼女(はぁ、仕方ない。今回は負けてやるか)


幼女「...いいよ。明日行ってあげる」



犬娘「うわああああああああああああああああ!!!!!......へ?」

犬娘「い、今なんて...」プルプル


幼女「だから行ってあげるって、二度言わせんな」

犬娘「うひゃあああああああああああああ!!!!!やったあああああああああああああ!!!!!」


幼女(なーんかデジャヴを感じる)


犬娘「ありがとご主人様あああああああああああああああ!!!!!大好きいいいいいいいいいいい!!!!!」ギュー

幼女「離れろ」グイッ


犬娘「あー楽しみだなぁ!どこに行こうかなー!」ワクワク

幼女「もう遅いから私は寝るからね。犬も早く寝なよ」

犬娘「あっ!そうだね!早く寝て明日に備えないと!」ゴロン




ソロー


サワッ



幼女「ふんっ!」ブンッ

犬娘「おうふっ!?」ドスッ


幼女「次やったらさっきの話はナシだからな」


犬娘「い、いいところに入った...痛い...」ズキズキ

今日はここまで
久しぶりに更新しました、待たせてしまって本当にごめんなさい
運命に逆らってまた近日中に更新出来そうです

ちょっと生存報告
はいごめんなさい...近日とか言ってたのにいつの間にか夏が過ぎてしまいました
何か更新するする詐欺になって申し訳ありません
正直な話をするとあれからまったく書き溜めてないのでまだちょっと時間がかかりそうです...
こっちが終わったらすぐにランプの方も立てる予定なので気長に待ってもらえると有難いです...

~~~~ 翌朝 ~~~~


ピピッ ピピッ ピピッ


幼女「Zzz...」


ピピッ ピピッ ピピッ


幼女「Zzz...」


ピピッ ピピッ ピ...


幼女「うるさいっ!!!!」バシーン


ガシャーン


幼女「うぅ...ねみぃ...体がだるい...」ゴシゴシ

幼女「今日ずっと寝てたい...出かけたくない動きたくない...」ゴロゴロ

幼女「...」


シーン


幼女「...あれ?犬が居ない?」

幼女「...おかしいな。てっきり朝一番に起こしてくると思ったのに」

幼女「昨日の約束忘れてる?いやそれだけはないか」

幼女「はぁ、起きるか」ムクッ


目覚まし時計「」ボロッ


幼女「...これ私が壊したのか」

幼女「あいつらの暴力癖がうつったのかな...こわっ」




幼女「おはよー」


犬娘「Zzz...」スヤァ


幼女「なぜリビングで寝てる」

幼女「一緒に寝たはずなのに...あれ、パソコン付けながら寝てる?」

幼女「...もしかして夜中ずっと何か調べてた?」

幼女「一体何を調べて...」カチッ


犬娘「」ピクッ

犬娘「はっ!いつの間にか寝落ちしてた!」キョロキョロ

犬娘「あっ!ご主人様おはよー!」ダキッ


幼女「ぼふっ」


犬娘「あぁっ!やっぱり帰ってきたのは夢じゃなかったんだね。良かった~」ギュー

幼女「あ、暑苦しい」グイッ

犬娘「あぁん、もっと抱きつかせてよー」


幼女「で、どうでもいいけどなんでこんなところで寝てたの?しかもパソコン付けっぱなしで」


犬娘「いや~あまりも楽しみで寝付けなくてさ!ちょっとパソコンでデートコースを調べててね~」

犬娘「色々調べてたらいつの間にか寝ちゃってたよ!」

犬娘「あとちょっとメールを送ってたりしたしね」ボソッ

幼女「デートコース?」

幼女「...私にもちょっと見せて」カチッ

犬娘「あーっ!!駄目だよご主人様!!」バッ

幼女「どうして?」

犬娘「行ってからのお楽しみ!先にネタがバレたらつまんなくなっちゃうかもしれないからね!」

幼女(...こいつは一体私をどこに連れてく気だ)


犬娘「さ!そんなことより朝ご飯食べよっか!今日は私が作るよ!」

幼女「え?いいの?」

犬娘「うん!ご主人様が帰ってきた記念だからね!」

幼女「んーありがと。じゃあ猫起こしてくるね」スタスタ



犬娘「さて冷蔵庫には何が入ってるかなっと♪」パカッ

犬娘「...何もない」

犬娘「驚くほど何もないなぁ...私これでどうやって暮らしてたんだろ」

犬娘「でもご主人様に朝ご飯作るって言っちゃったからなぁ。これで作らないと私の株が落ちちゃうよ!」

犬娘「どっかに食べ物ないかなー。出来れば朝だし魚とか欲しいんだけど」キョロキョロ


犬娘「む、あの箱はなんだろう?」






幼女「ほら起きて、朝だよ」ユサユサ

猫娘「にゃあ...後5分ニャ...」ゴロン

幼女「早く起きないとご飯出来ちゃうよ」ユサユサ

猫娘「ふにゃあ...体がダルいニャ...起きたくないニャ...」ゴロゴロ

幼女「私だって疲れてるよ。出来れば今日一日は寝てたいよ」


猫娘「にゃむぅぅ...そういえば昨日、店長に無断欠勤の連絡入れるの忘れてたニャ...」ゴシゴシ

猫娘「にゃーない...起きるかニャ」ムクッ

猫娘「ほらグソたん、出てこいニャ」

ダイオウグソクムシ「」ノソノソ


幼女「うわっ...布団に入れて寝てたの?」

猫娘「ニャ、抱き心地が良かったニャ」

幼女「ぬいぐるみか」




猫娘「ふわぁ~ぁ...ねみぃニャ」スタスタ

幼女「ちゃんと顔洗ってきなよ」

猫娘「分かってるニャ...ん?」ピクッ


猫娘「...何か臭くないかニャ?」


幼女「えっ?別に何も...」クンクン

幼女「本当だ。何か臭い」


猫娘「あっちから匂ってくるニャ...一体何の匂いニャこれ...」

幼女「ゴミとはちょっと違う感じだけど...何かどっかで嗅いだことがあるような」


ダイオウグソクムシ「」クサイ

プーーーーーーーーーン


幼女「く、くさっ!?何これっ!?」

猫娘「ニャ、ニャアアアッ!?せ、生物兵器か何かかニャ!?じ、尋常じゃない臭さニャ!」

ダイオウグソクムシ「」ピクピクッ


幼女「ちょ、ちょっと犬!一体何をして...」ガチャ



犬娘「あっ!ご主人様!待っててねもうすぐ出来るから!」パタパタ



幼女「もうすぐって何が!?というか何この匂い!」


犬娘「何ってくさやを焼いてるんだよ!ご主人様が持ってきたんでしょこれ?」


幼女「く、くさや?」

猫娘「それ昨日、鮫に貰った腐った魚の干物ニャ!もう食べられないニャ!」


犬娘「えっ?知らないの?くさやっていうのは臭い食べ物なんだよ?」

カクガクシカジカ


幼女「へ、へぇ...そうなんだ。名前は聞いたことあったけどまさか実在してたなんて...」

猫娘「絶対嘘ニャ!そんな臭いもの食べられるわけないニャ!」


犬娘「なら食べてみれば?ちょうど焼きあがったよ?」ヒョイッ


猫娘「無理ニャ!絶対お腹壊すニャ!」

幼女「に、匂いがちょっと...食欲が失せる...」


犬娘「それならこれでどうかな?」ピカッ

犬娘「はい防臭魔法!これなら匂いは多少軽減出来るよ!」


幼女「...魔法って便利だね」


犬娘「便利にするのが魔法だからね」

猫娘「私は食べないニャ!そんなの魚と認めないニャ!」


犬娘「じゃあいいよ。猫ちゃんは食べなくて」

犬娘「はいご主人様♪一緒に食べようか♪」ヒョイッ

幼女「あぁ...うん...」

幼女(正直言うと私も食べたくないんだけどなぁ...まあ食べれないってことはないと思うし仕方ないか...)


幼女「あむっ!」パクッ


猫娘「た、食べたニャ!」

犬娘「んな大袈裟な」

猫娘「幼女!不味いなら早く吐き出せニャ!手遅れになるニャ!」


幼女「あ、意外とイケるかも」モグモグ


猫娘「にゃぁっ!?」

犬娘「ほらね♪」

犬娘「臭い物は大体美味しいからね~。納豆は朝ご飯の常連だしドリアンは果物の王様だし」モグモグ

犬娘「私も狸様に罰ゲームで食べされられるまでは苦手だったけどね~」モグモグ

幼女(あぁ、あの人だとやりそうだな)モグモグ


猫娘「ぜ、絶対嘘ニャ!私はそんなもの食べないニャ!」

猫娘「グソたんも食べないよニャ!?」クルッ


ダイオウグソクムシ「♪」モグモグ

猫娘「ニャアッ!?」



犬娘「うーんおいし♪」モグモグ

幼女「...イケる」モグモグ

ダイオウグソクムシ「♪♪」モグモグ



猫娘「ニャ...ニャ...わ、私は絶対食べないからニャッ!!!!!」

...........................................................
..............................................


猫娘「ん~~~♪うんまいニャ~~~♪」


幼女「なんだこの茶番」

犬娘「さ、ご主人様。アホは放っておいて出かける準備しよっか」

幼女「え?もう行くの?」

犬娘「行くならなるべく早い方がいいからね♪あとくさや食べたから歯は念入りに磨いた方がいいよ!」

幼女「ハァー」クンクン

幼女「...おえっ」



猫娘「あ、もう行くのかニャ?」

猫娘「ならこのくさやは全部、私が食べてもいいということかニャ!やったにゃああああああああ!!」

ダイオウグソクムシ「」ツンツン

猫娘「ははは!心配しなくてもグソたんにも半分やるニャ!」

ダイオウグソクムシ「!」ガッツポーズ

幼女「じゃあちょっと行ってくるね。夜までには帰るから」


猫娘「気をつけて行ってくるニャ~」

犬娘「ちょっと猫ちゃん」クイクイ

猫娘「何ニャ?」

犬娘「私達が家から出たらこの紙に書いてあることをやってほしいだけど」スッ

猫娘「紙?一体何が書いてあるニャ?というか私はこれから店長に無断欠勤のことについて報告に行かにゃいと...」

犬娘「あー大丈夫。店長にも話はつけてあるから」

猫娘「ニャ?それは一体どういう...」

犬娘「まあ全部この紙に書いてあるから!頼んだよ!あとゴミ出しよろしく~♪」ダッ


猫娘「一体どういうことニャ」ペラッ

猫娘「...あー、そういうことかニャ...あいつも粋なことするニャ」

猫娘「ってゴミ出しっ!?私一人であのゴミの山を運ぶのかニャ!?」

幼女「猫と何話してたの?」

犬娘「ううん!何でもないよ!さっ!早く行こうか!」

犬娘「今日はご主人様がいっぱい楽しめるようなデートを考えたから楽しみにしててね!」

幼女「あまり期待はしない」

犬娘「そんな酷いよ~」

幼女「で、これからどこに行くの?」

犬娘「まずは映画だよ!」

幼女(うわぁ、ありがちだなぁ)


スタスタ スタスタ


犬娘「あ、ご主人様覚えてる?ここの公園」

幼女「公園?あー最初に散歩した時に来たとこか」

犬娘「何だかだいぶ昔に感じるねー。時間的にはそんなに経ってないはずなのに」

幼女「...確かにそうだね。ここ最近は色んなことがあり過ぎて時間感覚がおかしくなってる」

犬娘「そういえばまだ聞いてなかったんだけどさ」

幼女「なに?」

犬娘「ご主人様は1ヶ月も猫ちゃんとどこに行ってたの?狐様達の探知魔法で探しても見つからなかったんだよ?」

幼女「...多分言っても信じないと思う」

犬娘「えーなにー?教えてよー」フリフリ


幼女「竜宮城に行ったら拉致されて戻ってきたら1ヶ月過ぎてた」

犬娘「...」


犬娘「あっははは!なにそれ面白い!で、本当はどこに行ってたの?」

幼女(まあそうなるわな)

犬娘「ねー教えてよー」フリフリ

幼女「だから言った通りだってば」

犬娘「そんなこと言わずにさー...ん?」ピクッ

おっさん「...」スタスタ

犬「ヘッヘッヘ」スタスタ



犬娘「あれはあの時の...」

幼女「あ、ケルベロスに捕まった人だ」



犬「」ブルッ

犬「」キョロキョロ

犬「」ブリブリ


おっさん「...チッ」



犬娘「あっ、ぶちかましたね」

幼女「あの人どう見ても手ぶらなんだけど...まさかね」



犬「ヘッヘッヘ」スタスタ

おっさん「」スタスタ



犬娘「やっぱりまったく反省してねぇ!」

幼女「あんな目に遭ったのにある意味すごいね」

犬娘「あったま来た!またケルベロス警察に通報してやる!」ポチポチ

犬娘『もしもしケルベロス警察っ!?今、犬の糞を放置してる人が...』

犬娘『えっ?定休日?ちょっ...警察のくせに定休日ってなn』プツッ


犬娘「...」ツーツー


幼女「定休日なんてあるんだ」

犬娘「警察のくせに定休日って意味分からないよ!!そんなのがあるなら警察は要らないよ!!」

幼女「それちょっと意味違うんだけど」

犬娘「くっ!仕方ない。こうなったらオルトロス警察に通報するか」ポチポチ

幼女「オルトロス?」


犬娘『あっ、もしもし?今ケルベロスにかけたら定休日で...はい...はい...場所は...』

犬娘『じゃ!そういうことでよろしくお願いします!』プツッ


犬娘「よし!通報完了だよ!」

幼女「...オルトロスって何?ケルベロスに似てるけど」

犬娘「オルトロスはケルベロスの兄弟だよ!ちなみにタコじゃなくて双頭の犬だよ!」

犬娘「あと勝利効果で手札を2枚ランダムに破壊するのがオルトロス」

幼女「ネタが分っかりにくいなおい」



バチバチバチッ!!!!!



オルトロス「ギャウッ!!!!」スタッ

おっさん「な、何だお前!?う、うわああああああああああああ!!!!!」



シュンッ



犬娘「これで少しは懲りればいいんだけどね」

幼女「...というかあれで懲りない方がおかしいと思うんだけど」

~~~~映画館~~~~


犬娘「到着!」

犬娘「うーんちょうど上映時間ピッタリ!さあご主人様、何見よっか?」

幼女「えっ?決めてないの?」

犬娘「見る映画はご主人様と決めた方がいいと思ってね!」

犬娘「えーっと...今やってる映画は...和ホラーとアクション映画...あとアニメ映画だね」

幼女「じゃあ和ホラーで」

犬娘「それまたどうして?」

幼女「一番つまんなさそうだから寝れる」スタスタ

犬娘「ひどーい」




犬娘「はいチケット買ってきたよ!ご主人様ポップコーンとジュースも買ってくるけど何飲む?」

幼女「じゃあコーラで」

犬娘「了解!」ダッ

犬娘「は~い...ご主人様~...買ってきたよ~...おっとっと」ユラユラ


幼女「何その山積みになったホットドック」


犬娘「あ、これは私が買ったやつだから気にしなくていいよ~...おっとっと」ユラユラ

幼女「そんなに食べるの?」

犬娘「うん...最近あんまり食べてなかったからすぐお腹空いちゃってね~...」ユラユラ

犬娘「ところでご主人様、どうしてホットドックがホットドックって言うか知ってる?」

幼女「ホットドックの由来?知らないけど」

犬娘「元はアメリカのどっかの肉屋が犬の肉をパンに挟んで売ってた商品から来てるんだよ~」

幼女「へー...そうなんだ」


犬娘「まあ嘘なんだけどね!」

幼女「」スタスタ


犬娘「うわーん!ご主人様待ってよー!」ユラユラ

..........................................................
............................................


犬娘「いやー!中々映画面白かったね!」

幼女「まあ寝ない程度には面白かった」

犬娘「終盤の工藤が鬼神兵化して鬼神兵に挑むシーンなんて最高だったね!Jホラーもまだまだ捨てたもんじゃないよ!」

幼女「...ホラー?まあそうだね」


犬娘「では映画の次はショッピングだよ!ご主人様!何か欲しいものがあれば私が買ってあげるよ!」

幼女「別に何もないけど」

犬娘「えぇ...」


犬娘「い、いやその歳なら何か欲しいものあるでしょ?ゲームとか本とか服とか...」

幼女「別に欲しいものがあったら自分で買うし、服もオシャレとかあんまり興味ないし」

犬娘(ご主人様って何か変なところで冷めてるよなぁ...そもそも幼女ってもっと「ふぇぇ...」とか鳴く生き物なのに)

犬娘(...よし!ここは私がご主人様にショッピングの楽しさというものを教えてあげよう!)


犬娘「じゃあご主人様!私がご主人様に合う服を買ってあげるよ!」

幼女「え、別にいいy」

犬娘「つべこべ言わない!決定事項だからね!」グイッ

幼女「えぇ...」ズルズル




犬娘「これとかどう?」スッ

幼女「派手」

犬娘「これは?」スッ

幼女「ダサい」

犬娘「ならこれはどうだ!」ドーン

幼女「キモい」


犬娘(...ファッションに興味ないくせに服にはうるさいんだね)

........................................................
...........................................


犬娘「...結局服買わなかったね」

幼女「だって今ある服で十分だし」

犬娘「...よく見てみればご主人様の私服って元から結構オシャレだね」

幼女「そりゃどうも」


犬娘「あ、もうお昼だね。何か食べたいものある?」

幼女「食べたい物?うーん...」

幼女「...魚以外かな」

犬娘「よし!なら豪勢にステーキを食べに行こう!」



犬娘「これとこれと...あとこのハンバーグとポテトとサラダと...」

犬娘「デザートはこれとこれください!」

店員「...」


幼女(よく考えたらデートにステーキハウスってのも変な話だな)

犬娘「ん~~~♪おいし♪」モグモグ

幼女「よ、よく食べるね。サイヤ人みたい」

犬娘「うん!本当に自分でもそう思うよ!いくら食べてもすぐお腹空いちゃうんだよね!」

幼女「そんなに食べて太らないの?」

犬娘「まあ大丈夫じゃないかな?お腹が空くってことは消化してるってことだろうし」モグモグ

幼女(どこが大丈夫なんだろ)


幼女「で、ご飯食べたら次はどこに行くの?」

犬娘「ちょっとブラブラしてからカラオケに行って遊園地に行こうと思ってるよー」

幼女「遊園地?そんなの近くにあったっけ?」

犬娘「うん、あんまり知られてないけど穴場的なやつが」モグモグ

幼女「へー」

犬娘「あー食べた食べたーごちそうさまでした」ポンポン

幼女「よ、よく食べたね。あれだけの量を...」

犬娘「腹八分目だけどね~。じゃあそろそろお店出よっか」

幼女「お、おう」



犬娘「食後と言えばやっぱりデザートだよね♪」

幼女「えっ...まだ食べるの?」

犬娘「おやつは別腹だからね!私いいドーナッツ屋さん知ってるから食べに行こっか!」

幼女「さすがに食べ過ぎじゃない?今日だけでくさやとホットドック山盛りとステーキその他色々食べてるんだけど...」

犬娘「なーに、運動すれば問題ないよ!ということでダッシュ!」ビュンッ


幼女「はえーよ」

~~~~ ドーナッツ屋 ~~~~


犬娘「ここだよ!」

幼女「チェーン店じゃん...」

犬娘「でもここすごく美味しいんだよ!他のお店とは明らかに味が違うし!」

幼女「どこの店も味は変わらないと思うんだけどなぁ」


ウィーン


犬娘「どうも~、店員さん!今日いつものあるかな?」

店員「あっ、犬さん!もう体調は大丈夫なんですか?」

犬娘「ごめんね~心配かけちゃって。もう大丈夫!お店にも明日から出るから!」

店員「そうですか...それは良かったです」

店員「はい、これいつものです。ちょうど出来立てですから美味しいと思いますよ」ニコッ

犬娘「うわぁ!ありがとう!美味しそうだよ!」

店員「またお店にも行きますね」

犬娘「うん!待ってるね~!」



犬娘「さ!ご主人様!そこのベンチで食べようか!」

幼女「どうでもいいけどさっきの店員さんとずいぶん親しげだったけど誰?」

犬娘「あの人は動物好きのメイド喫茶の常連の人だよ~。ちなみに私達の正体を知ってるこっち側の人だね」

幼女「えっ...どう見ても普通の人だったけど...」

犬娘「この町は特にこっち側の人が多いからね~。駅前のかき氷屋は氷鬼さんがやってるし、あとあそこのでっかいビルなんて丸々魔界っていう噂もあるぐらいだし」

幼女「...この町自体が既に魔界だよ」

~~~~ カラオケ ~~~~


犬娘『消してええええええええええええ!!!!』

幼女「」シャンシャン


犬娘『無限大なああああああああああああああああ!!!!』

幼女「」シャンシャン


犬娘『大人になれない僕らのおおおおおおおお!!!!』

幼女「」シャンシャン


犬娘「ふー!やっぱり歌うのって楽しいね!ご主人様も一曲どう?」

幼女「え、私はいいよ。別に」

犬娘「そんなこと言わないで!」

幼女「...じゃあ一曲だけ」


幼女『汚れちまった~悲しみに~』


犬娘「渋っ」

ウィーン


犬娘「あー歌った歌った!これで食べた分のカロリーは消化したはずだね!」

幼女「ないない」

犬娘「ラストは遊園地だよ!ちょっとここから遠いから電車で行こうか」

幼女「もう夕方だけど時間大丈夫?夜には帰るって猫に言ってるけど」

犬娘「へーきへーき!パッと行ってすぐ帰れるから!」

幼女(パッと行ってすぐ帰れる遊園地ってなんだ)



ガタンゴトン ガタンゴトン



犬娘「着いたー!」

幼女「...ここが遊園地?」

犬娘「うん!遊園地だよ!」

幼女「...でもさ、ここ...」

観覧車『』ポツーン



幼女「観覧車だけしかないんだけど」

犬娘「え?遊園地って観覧車が本体じゃないの?」

幼女「絶対違うと思う」

犬娘「まーいいじゃん!さぁ!早く乗ろう乗ろう!」グッ

幼女「ちょっ!」



ガタンッ... ガタンッ...



幼女「な、何か近くで見るとこの観覧車、すごく揺れてない?」

幼女「それに窓がなくて無人なんだけど...係の人はどこ?」キョロキョロ

犬娘「係の人なんて居ないよ?だって魔界製の観覧車だもん」

幼女「はぁっ!?」

犬娘「元々この辺りって魔界ワンダーランドっていう遊園地があったんだけど魔界の経営不振で潰れちゃってね」

幼女「魔界の経営不振...?」

犬娘「まあそれでアトラクションを撤去することになったんだけど、なぜかこの観覧車だけは残すことにしたらしいんだよ」

幼女「どうしてこの観覧車だけは残ったの?」

犬娘「残りの話は乗ってからね♪」

幼女「えぇ...これ乗っても大丈夫なの?安全面が不安なんだけど...」

犬娘「多分...大丈夫なはず」

幼女「おい」



ガタンッ...ガタンッ...



幼女「うわっ...乗ってみると揺れがすごいな...観覧車というより絶叫系のアトラクションみたい」

犬娘「それでさっきの話の続きなんだけどさ、この観覧車にはある噂があるんだよね♪」ハァハァ

幼女(な、何で息荒くなってんだこいつ)

犬娘「この観覧車に乗った男女はね...恋が実るらしいんだよ♪」ハァハァ

幼女「は?」

犬娘「今までも何百、何千人がこの観覧車に乗って全員がカップルになったらしくてね~♪」ハァハァ

犬娘「それで何か縁起がいいなーってことで、この観覧車だけ特別に残すことにしたんだよ♪」ハァハァ

幼女(乗るんじゃなかった...今すぐ降りたい)


ガタンッ... ガタンッ...


犬娘「ねぇ、ご主人様」ハァハァ

幼女「...」

犬娘「ご主人様ってば~♪」ハァハァ

幼女(降りるまでは黙っておこう。どうせろくなことじゃない)

犬娘「もうっ、返事してくれないなら勝手に言うからね」


犬娘「...私、ご主人様のこと大好きだよ?」


幼女「」

犬娘「ご主人様が居なくなって改めて気付いたんだ...この気持ちが本物だって...」ポッ

幼女(えぇ...)

犬娘「ご主人様は...私のことどう思ってる?」


幼女(あー...言っちゃった方がいいのかなこれ、でも言ったら100%傷付くよなー)

幼女(でも言わないと私の貞操もヤバそうだし...やっぱり正直に言った方がいいか)

幼女「ゴホンッ」


幼女「...これは私の推測だけどお前の私への想いは恋じゃないと思う」


犬娘「へ?」


幼女「お前の私への感情は犬が飼い主に尻尾を振る理由と同じ、つまり主従の感情だ」

幼女「断じて恋ではない」

犬娘「え、えぇっ!?どういう意味それ!?」

犬娘「わ、私は本気でご主人様のこと大好きだよっ!」


幼女「じゃあ説明してやる。まず一つ」

幼女「お前と一緒に暮らした期間は1ヶ月だけだ。その間に同性と恋に落ちるなんて絶対あり得ない」


犬娘「は、はいっ!?」ビクッ

犬娘「こ、恋に時間も性別も関係ないよ!そもそも私は最初から一目惚れ...」


幼女「それはお前の本能が私を主人と認めただけ...そもそもお前は私に惚れてなかった」

幼女「あくまで主人としての私が好き、最初から勘違いしてたんだ」

幼女「恐らくお前はいつか絶対、私以外のご主人様が出来るはず」


犬娘「うそっ!?」ガーン

犬娘「な、なんでそんなことがご主人様に分かるのっ!?私の感情は私にしか分からないよ!」

幼女「じゃあ次、お前私と出会う前はどっちの性別が好きだった?」

犬娘「どっちの性別?いやそんなこと言われても...私、恋愛なんてしたことなかったし」


幼女「そう、つまりお前は恋愛なんてしたことがない」

幼女「つまり!恋という感情そのものが分からないんだよ!」


犬娘「ハッ!?」ギクッ


幼女「ということで、恋愛未経験のお前は恋という感情が分からず私に間違って告白してしまったということでした」

幼女「もうこの話はこれで終わり、ちゃんちゃん」


犬娘「...」

犬娘「フ、フフフ...」ハァハァ

犬娘「フハハハハハハハハッッッ!!!!ハハハハハハハハハッ!!!!」


幼女「」ビクッ

幼女(な、なんだ急に...)


犬娘「クククッ...ご主人様、さっきからどうして私の息遣いが荒いのか分かる?」ハァハァ


幼女「えっ」


犬娘「教えてあげるよ...実は獣人にも発情期ってのがあるんだよね」ハァハァ

犬娘「まあ今は薬でコントロールできるからそこまで大したものじゃないんだけど...」ハァハァ


幼女(い、嫌な予感が...)ブルッ


犬娘「さてここからが本題...今の季節は絶賛、犬の獣人の発情期中で~す♪」ハァハァ

犬娘「そして私は観覧車に乗る直前に発情期を誘発する薬を飲みました~♪」ハァハァ


幼女「!?」ビクッ

犬娘「この意味...ご主人様ならもう分かるよね?」ハァハァ


幼女「ちょっ!ちょっ!ちょっと待て!」ゾッ

幼女「さ、さっきも言った通りお前は私に恋なんてしてないんだぞ!?」


犬娘「フフフ...例え恋愛感情じゃなくても私がご主人様を好きっていう感情は本物だよ」ハァハァ

犬娘「むしろそんなことは小さな問題、私がご主人様を襲わない理由にはならないよね~♪」ジリジリ


幼女(やばい...性欲で頭がおかしくなってる。言ってることが支離滅裂だ...)

幼女(に、逃げないと...!今すぐここから逃げないと本当に取り返しのつかないことに!)キョロキョロ


犬娘「探しても逃げ道なんてないよ♪だってここから地上までは数十メートルも離れてるんだからね♪」ハァハァ

犬娘「さあご主人様...私と一つになろう」ジリジリ


幼女(に、逃げ場がない...!)ゴクリ

犬娘「さあご主人様!私とバック・トゥ・ザ・フューチャーしようか!」ハァハァ

幼女「く、来るな!あっち行け!」ゲシゲシ

犬娘「ぶふふ...無駄無駄。どんなに抵抗したって逃れられないよ」ハァハァ


サワッ


幼女「ひっ...」ビクッ

犬娘「あぁ...ご主人様のお尻柔らかい♪」ハァハァ

幼女「い、いい加減にしろォ!!!!」ブンッ

ガシッ

犬娘「遅い遅い♪ただの人間の幼女のご主人様のパンチなんて目を瞑ってても避けれるよ♪」ペロッ

幼女「ひぃぃ...」ブルッ

犬娘「あはは...ご主人様のおてて美味しい...」ハァハァペロペロ

幼女「なっ、舐めるなァ!!!!」ジタバタ

犬娘「もうご主人様暴れないでよ♪上手く服を脱がせられないでしょ♪」ハァハァ

幼女「うわあああああああ!!!!やめろォ!!!!」ジタバタ



グランッ...グランッ...



幼女(...!)

幼女(そ、そうだ!ここは観覧車!逃げ道はなくてもこの状況を打破できる手がある!)



幼女「くっ!」クルッ

犬娘「あんっ♪ご主人様どこに行くの~♪」ハァハァ


幼女(身体を捻って何とか反対側には逃げられた!あとは...)

ピラッ

幼女「ね、ねぇ...どうせヤるなら...こ、こっち側がいいな♪」ヒラヒラー


犬娘「おっほーーーーーーーー!!!!」ダッ

幼女(作戦成功...扉があるこっち側にあいつを誘導する)

幼女(ついでに誘惑してこいつを理性を奪って、正常な思考ができないようにする)


犬娘「はぁはぁ!ご主人様!いっぱい気持ちよくしてあげるからね!」

幼女「...」


カチッ


犬娘「大丈夫!怖くないよ!私が一緒にいるんだから!」ハァハァ

幼女「...お前とはもう二度と観覧車に乗らない」


ドンッ


犬娘「...へ?」

犬娘「え、ちょっ、なんで落ち」


ヒュー



ギャアアアアアアアアアアアアアア



ドシンッ

幼女「...ふぅ、何とか成功した」ハァ

幼女「この観覧車は無人だから内側にも鍵がある...あいつに気付かれないようにこっそり鍵を外して扉を開けるのは苦労したな...」

幼女「あとは全体重をかけてあいつに蹴りを食らわせる、いくらあいつでも不意打ちで食らったら少しは吹っ飛ぶはず」

幼女「半分賭けだったけど何とか成功して良かった...魔法とか使われたら観覧車から身を投げ出そうかと思ったよ」

幼女「...あいつ大丈夫かな。頭からおもいっきり落ちたけど」チラッ

幼女「ま、どうでもいいか」


幼女「しかしこの観覧車...もうちょっと安全面をどうにかした方がいいな」








犬娘「」イヌガミケ

グランッ...グランッ...



幼女「よっと」スタッ

幼女「結構景色よくて2周もしちゃった。もう辺りも暗いし帰らないと」

幼女「あいつは放置でいいか」スタスタ


ブンブンブン!!!!ブンブンブーン!!!!


DQN1「おいおいお嬢ちャン!こんな夜に一人でお散歩かい!?」

DQN2「俺ラと一緒に遊ばねーか!?ウケケケケケケケ」



幼女「...」

幼女(な、なんだろう。最近こういう連中ばっかりに絡まれる気がする)



幼女「い、急いでるんで」ダッ

DQN1「チョマテヨ」ガシッ

DQN2「遊ぶだけって言ってるだろうがァ?僕ちゃん達子供が大好きなんだよねー。ウケケケケケケケ」


幼女(一難去ってまた一難、というやつか...)

幼女「は、離してください!」

DQN1「いいじゃン!いいじゃン!ぷっぷぷくー」

DQN2「ヘイ!ヘイヘイヘーイ!」


幼女(うっ...ちょっとまずいかも。ここら辺誰もいないから助けを呼べない)キョロキョロ

幼女(...犬を起こすしかないか)


幼女「きゃ、きゃー!助けてー!」


DQN1「無駄無駄無駄ァ!ここら辺は人通りが少ないから誰も来ないっつーの!」

DQN2「ラッシャイ!」


幼女「お、襲われるぅ!早く助けてぇ!」





犬娘「」

犬娘「」ピクッ

DQN1「ぐへへへ、さあお楽しみと行こうかベイベー」

DQN2「kill me baby」


幼女「お、おーい!いつまで寝てるんだよー!さっきのことは水に流してやるから早く助けにこーい!」


DQN1「あぁ?さっきから一体誰に助けを...」

シュンッ

DQN1「」バタッ



DQN2 幼女「「 !? 」」ビクッ



犬娘「グルルルルルルルルル...」モヤモヤ



DQN2「な、なんだァ?てめェ......」

幼女(ほっ、やっと来たか)


犬娘「グルアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」モヤモヤ


DQN2「や、やろうってのか!これでも俺は英検2級だぞッ!」

DQN2「うシャゴラァ!!!」ダッ

犬娘「」シュンッ

バキッ!!!!

DQN2「あうぅ...」バタッ



犬娘「アオーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!」モヤモヤ



幼女「おぉ...さすがに強いな」

幼女「というかあの黒いモヤモヤって何だろ?何か家で猫を襲ってた時もあんなのが出てた気がするけど」



犬娘「」フシュー

犬娘「...はっ!?ここはどこ!?」キョロキョロ


犬娘「私は一体何をして...確か観覧車の中でご主人様が誘惑してきて、ダイブしたらいつの間にか空にスカイダイビングしてて...」

幼女「勝手に記憶を捏造するな」

ゴツンッ

犬娘「いたーい!」

犬娘「えー、うそー?私がご主人を襲ったの?」

幼女「」ウンウン

犬娘「それでご主人様に観覧車から落とされたって?」

幼女「」ウンウン

犬娘「えー?覚えてないなー。観覧車に乗る前に発情剤を飲んだのは覚えてるんだけど」

幼女「全部覚えてるじゃねえか!!!!」


ボコボコッ


犬娘「うぅ、バレたか...」ズキズキ

幼女「...もう発情しないの?」

犬娘「は、発情剤の効果は一回の行為分の時間しかないから...一定時間を過ぎると元に戻るよ...」ズキズキ

幼女「まったく...次、変なことしたらケルベロスに突き出すからな」

犬娘「え?でもさっき許すとか言ってなかったっけ?」

幼女「あれは嘘だ」

犬娘「ひどーい...」

ガタンゴトンッ ガタンゴトンッ



幼女「えーっと今の時間は...7時か。晩ごはんはどうするの?」




犬娘「もちろん家で食べるよ!」




幼女「じゃあ色々買わないとね、冷蔵庫からっぽだし。スーパーまだやってるかなぁ」




犬娘「あーそれはいいよ、向こうでもう出来てると思うから」




幼女「...?それどういうこと?もう猫が作ってるの?」




犬娘「あ、しまった...」ボソッ

犬娘「ま、まあ行けば分かるよ!うん!」




幼女「?」キョトン

犬娘「ところでご主人様」




幼女「なに?」




犬娘「...離れて歩くのやめない?話しにくいよ」




幼女「は?やだよ」




犬娘「もう襲わないからぁ...」




幼女「お前と夜道を歩くだけでも嫌なんだからな。別々に帰らないだけありがたいと思え」




犬娘「ひ、酷い」

犬娘「私の発情期なんて軽い方なのに...兎ちゃんとかもっと酷いよ」




幼女(さらっととんでもないこと暴露した)

~~~~ 幼女家 ~~~~


幼女「到着っと、お腹も空いたしさっさと晩ご飯食べよ」ガty

犬娘「ちょっと待った」ガシッ

幼女「近寄るな触れるな通報するぞ」

犬娘「ご主人様、ちょっと外で待っててもらえるかな?本当にちょっとだけ」

幼女「やd」

犬娘「じゃあ待っててね!準備が出来たら呼ぶから!」


バタンッ


幼女「...一体なんなんだ」


チッチッチッ


幼女「...」


チッチッチ



幼女「遅い...」イライラ

幼女「もう10分以上も待たされてるんですけど...いい加減、家に入りたいんですけど」イライラ

幼女「というかあいつは家の中で何やっとるんだ?確か準備だどうとか言ってたけど」

幼女「...」

幼女「ちょっとドアにくっついて聞き耳立ててみよう」コソッ



犬娘「ごっ主人様お待たせーっ!!!」ドーン



幼女「ぶふっ!?」ゴンッ



犬娘「あれどうしたのご主人様?顔押さえてるけど」

幼女「な、何でもない...」ウルウル

犬娘「ほらほら!早く入って入って!」

幼女(お、おもいっきり顔面ぶつけた...いたい...)

ガチャ


幼女「中で何やってたの?」スタスタ

犬娘「いいからいいから♪」

幼女「そういえば猫が出迎えて来ないけど、どこにいるの?」

犬娘「すぐ分かるって~♪」

幼女「もういい加減説明して...」


パーン


幼女「...へ?」



猫娘「みんな行くニャ!せーのっ」


熊兎狼狐狸獅子虎ダイオウグソクムシ「「「「「 幼女!おかえりなさい! 」」」」」




幼女「...は?」

幼女「えっ?えっ?どういうこと?」オロオロ

犬娘「ふふふ...実は今日!サプライズパーティーを用意してたんだよ!」

幼女「サプライズパーティー...?」

犬娘「そう!ご主人様が帰ってきた記念のね!」

猫娘「おい、私もいるニャ」

犬娘「ここにいるみんなご主人様のことが心配で探し回ってくれたんだよ!」


幼女「そ、そうなんだ...みんなありがとう」


熊男「急にいなくなったと聞いた時は心配したが戻ってきてくれて何よりだ」

狐娘「うむ...本当なのじゃ。わらわの人探しの術でもどこにいるのか分からなかったんじゃぞ」

狸娘「まあ狐ちゃんの能力は脳筋やから最初から誰も期待してなかったけどな。ウチの術でも分からんかったのは変やけど」


狐娘「なっ...!?」

狼男「本当でござるよ。文字通り町の隅々まで探したのでござる」

獅子男「妹者と幼女が消えたとの一報を受け、俺達もサバンナから帰ってきたが何の役にも立てなかった...不覚だ」

虎男「兄者、それを言うならここにいる全員が役立たずということになるぞ」


兎娘「ウサギの嗅覚でもどこにいるのか分からなかったよ!」ピョンピョン

猫娘(そりゃウサギの嗅覚じゃ分からないニャ)

狸娘「で、結局どこにいたん?猫ちゃんに聞いても「幼女に聞いてくれニャ」としか教えてくれんかったけど」



幼女(ちょっと、みんなにまだ教えてなかったの?)ボソボソ

猫娘(だって竜宮城に行ってたなんて絶対信じてもらえないニャ。それどころかマタタビの吸いすぎで頭がおかしくなったと思われるかもしれないニャ)

幼女(確かに普通は信じてもらえないけど...1ヶ月も行方不明になってた言い訳なんて思いつかないよ)

幼女「え、えーっとその...あのですね...」

幼女「助けた鮫に連れられて竜宮城に行って帰ってきたら1ヶ月も過ぎてました~...みたいな?」


シーン


幼女(はい滑った、どうすればいいんだよもう)

猫娘(いっそのこと私がクジラや巨大アナゴと戦ったことも言ったらどうニャ?)ボソッ

幼女(余計嘘くさくなるわ)


犬娘「まあどこに行ってたかなんて今更どうでもいいんだけどね!そんなことより乾杯しようか乾杯!」

犬娘「ではご主人様の帰還を祝って...かーんぱーい!」



カンパーイ

幼女「うわぁ...すごい料理、これ誰が用意したの?」

犬娘「店長に頼んだら作ってくれたんだよ~」

幼女「あの人本当に何でも出来るな...あとでお礼言っておこう」

犬娘「このパーティーを企画した私にもお礼を言ってもいいんだよ?」フリフリ

幼女「はいはいどうもありがとう」



猫娘「お兄ちゃん達!どうも心配をかけてすまなかったニャ!」

獅子男「いや、無事で何よりだったぞ妹者」

虎男「あそこまで取り乱した兄者は初めて見たな。毎日妹者はどこだどこだと探していたぞ」

獅子男「お、おい弟者。余計なことを言うな」

猫娘「いやーすまなかったニャ...ところでお兄ちゃん達、その傷はどうしたんだニャ?かなりボロボロになってるニャ」


獅子男「...少し喧嘩を売る相手を間違っただけだ」ボロボロ

虎男「あ、あぁ...少しな」ボロボロ

狸娘「幼っ女ちゃ~ん♪」ダキッ

幼女「」ビクッ

狸娘「もう心配したで~?急に煙みたいに消えたんやもん」

幼女「は、はい...どうもご迷惑をおかけして」

狸娘「まあ戻ってきて何よりやけどな♪ところで...」


狸娘「竜宮城の話、ほんまにあったんやろ?」

幼女「!?」ギクッ


狸娘「あはっ♪分かりやすい反応やな~」

幼女「ど、どうしてそう思うんですか?」

狸娘「まあ単純にウチの探知でも見つからないところは海の中ぐらいしかないと思ってな~。まさかそんなとこにおるとは思わんかったし」

狸娘「今度色々話聞かせてね♪竜宮城がどんなところかちょっと興味あるから♪」


幼女(この人の前だと隠し事は無理だな...全部見透かされてる気がする)

狼男「...」


キャッキャッ キャッキャッ


狼男(考えてみれば拙者、幼女氏と猫氏とはあまり接点がなかったでござる)

狼男(というかどちらかと言うと襲ったりして恨まれてもおかしくない立場だったでござる)

狼男(ふっ...いいでござる。拙者は所詮一匹狼、一人ぼっちは慣れっ子でござる)

狼男(あ、今の拙者何かかっこいい)



幼女「あのー」



狼男「」ビクッ

狼男「な、なななななんでござるかっ!?」

幼女「何か今回は色々ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした」ペコリ

狼男「そ、そそそそそそそんな!気にしなくていいでござるよ!」

狼男「せ、せせせせせ拙者がしたことなんて他のみんなと比べたら些細なことでござる!」

幼女「いえ、店長さんから狼さんが毎日雨の日も風の日も休みの日も探していてくれたことを聞いて...」

狼男「い、いやややややや!ただ拙者は他の人と比べて暇人だっただけでござる!」


幼女「これ...と言っても店長さんが作ってくれた料理なんですけど、どうですか?あまり食べていないようですけど」

幼女「もしかして体調が悪かったり...?」

狼男「ぜ、ぜぜぜぜぜ全然元気でござるよ!ありがたくいただくでござる!」


幼女「あっ、なら良かったです」ニコッ


狼男「」ズキューン

幼女「私が言うのもなんですけどパーティー楽しんで行ってくださいね」ペコッ


タッタッタ


狼男「...」

狼男「あれが天使か」





熊男「ふむ、少し塩を入れすぎたか」パクッ

熊男「やはり洋食や和食はあまり上手く出来ないな。あいつのように中華の方が良かったか」

幼女「あの店長さん」

熊男「む、幼女君か。狼男へ礼は言ってくれたか?」

幼女「一応言いましたけど...あれだけで良かったんですか?話を聞く限りだいぶ頑張ってくれたみたいですし、お詫びの菓子折りでもあげた方が...」

熊男「あの男にはあれが一番の褒美だ。気にすることはない」

幼女「そ、そうですか」

幼女「あの何か色々心配かけてしまってごめんなさい。それにこんなパーティーまで用意していただいて」

熊男「いや、むしろ戻ってきてくれて感謝したいのはこっちの方だ」

熊男「君がいない間の犬娘は酷く荒れていたからな。あのままだと身を滅ぼしてしただろう」

幼女「...そんなに酷かったんですか?私も少し見ましたけどまるで別人のようでしたけど...」


狐娘「確かにあれは酷かったのじゃ」モグモグ

幼女「あっ、いたんですか」


熊男「まず最初の一週間は泣きながら町中を探し回っていたな」

狐娘「うむ、ろくに睡眠と休憩もとらずにな」モグモグ

熊男「そして2週目には町を飛び出し日本中を探し回っていたと聞く」

狐娘「ろくに睡眠と休憩とらずにな」モグモグ

熊男「そして三週目には日本を飛び出し世界へ」

狐娘「ろくに睡眠と休憩もとらずにな」モグモグ

熊男「最後は急にフラっと帰ってきたと思えば引きこもりを始めた」

狐娘「ろくに睡眠と休憩もとらずに」モグモグ


幼女「へ、へぇ...」


熊男「恐らく身も心も削り疲れたのだろう。しまいには身体から変な黒い霧のような物が出ていたな」

幼女「あ、それ私も見ました」

狐娘「...それは本当か?」

幼女「えっ?はい、何か襲ったりしてる時にぶわーっと霧みたいのがモヤモヤ出てましたけど」


狐娘「...まさかあいつも狂犬病に」ボソッ

幼女「?」

狐娘「...いや何でもないのじゃ」


狐娘「それより熊よ!料理の中に油揚げがないではないか!」

狐娘「狸が好きな天ぷらはあるのに!」ビシッ



狸娘「んー♪おいし♪」モグモグ



熊男「はい?あぁ、すみません。油揚げなんて食べるのは狐様ぐらいなので忘れていました」

狐娘「むきっー!あいつだけずるいのじゃあああああああ!」

幼女「なら私が作りましょうか?と言ってもインスタントの赤いきつねですけど」

狐娘「むっ!是非作ってほしいのじゃ!」


幼女「じゃあちょっと待ってくださいね」スタスタ

狐娘「むふっー♪幼女は気が利いて助かるのじゃ♪」

狐娘「どこかの熊と違ってな」チラッ

熊男「ははっ、これまた手厳しい」

狐娘「まったくお主も少しは鍛えるだけじゃなく幼女を見習うのじゃ。あそこまで出来た娘は中々おらんぞ」

熊男「確かに幼女はよく出来た子です。あれほど肝が据わって頭のいい子はいないでしょう」

熊男「...だがそれだけに、あの子がこっち側の世界にいることが少し不安に感じるところがある」


狐娘「...」


熊男「あの竜宮城の話も本当のことでしょう。俺、いや私も深海に魚人が住む都があるという話を聞いたことがあります」

熊男「これから先、あの子がこっち側のトラブルにまた巻き込まれるかも知れない」

熊男「今回が無事でもその次は怪我、最悪の場合は命に関わる可能性もある」

狐娘「...まあもうそんなこと言っても遅いじゃろ。今更すっぱり関係を切るというのも無理な話じゃ」

狐娘「今のわらわ達に出来るのは幼女を守ることぐらいじゃ。生憎、お主も含めて我ら達は力だけはあるからな」

狐娘「大人は子供の成長を見守る...それはどこの世界でも変わらないものじゃよ」


熊男「...」

熊男(狐様、その言葉は貴女の見た目と性格だと説得力がないです)





幼女「えーっと赤いきつねどこだっけ...あっ、あった」ガサゴソ

幼女「あとはお湯...あれ?ポットが付かない」カチカチ

幼女「壊れたのかな?仕方ない、コンロで沸かすか」カチッ


シュー


幼女「...火が点かないんだけど」

幼女「犬のやつ変なところ弄ったのか...?というかよく火が点かないのに店長さん料理作れたな」

幼女「...あー、あの人達は魔法使えばいいのか」

幼女「点かないなら仕方ない。私も火貰ってこよ」スタスタ






猫娘「それでニャ!それでニャ!私は見事にそのクジラを倒したんだニャ!」


獅子男「そ、そうか...」

虎男「それは凄いな...」


獅子男(お、おい弟者...妹者の話は本当だと思うか?)ボソッ

虎男(いや...さすがに真実か嘘かと言えば嘘だろう兄者、話が出来過ぎている)

獅子男(もしかしたらマタタビの吸い過ぎで頭がおかしくなったのかもしれないな...病院に連れて行った方がいいのではないか?)

虎男(まあ待て兄者...まだギリギリ大丈夫だ...怪獣と戦ったと言い出したら危ないが)

猫娘「これはその時に仲間になったダイオウグソクムシのグソたんニャ!」

ダイオウグソクムシ「」ペコリ


獅子男(な、なんと奇怪な生物だ...まるで巨大ダンゴムシだな...)

虎男(とてもこの世のものとは思えんな...サバンナにもあんな生物はいないぞ...)


猫娘「あとあと!もっとスゴいことがあったニャ!」

獅子男「ほ、ほう...」

虎男「どんなことがあったんだ?」


猫娘「なんと!巨大アナゴを見事に私が"一人"で倒したんだニャ!」


獅子男「...」

虎男「...」


猫娘「いやー!さすがの私もあれには骨が折れたニャ!まず二股モードになって猫じゃらしをいっぱい飛ばして...」

猫娘「あっ!獅子のお兄ちゃんにはまだ二股モードを見せてなかったニャ!まずこれが二股モード...」グッ

獅子男「もういい、もういいのだ妹者よ」ガシッ

猫娘「ニャ?」キョトン

虎男「妹者よ、今度俺達と病院へ行こう。頭の病院にな」

獅子男「風の噂で脱法マタタビというものが流行ったと聞く...その影響かもしれん」


猫娘「ニャ?ニャ?」オロオロ

猫娘「ちょ、ちょっと待ってくれニャー!」

犬娘「んんっー♪店長の料理は最高だね♪」パクパク

犬娘「もういくらでも食べれるね!今日は特にお腹が空いてるよ!」


幼女「...よく食べるね」


犬娘「あっ!ご主人様!もうみんなにお礼は言ってきたの?」

幼女「うん」モグモグ

犬娘「それはそれは、でも何か一人忘れてない?」

幼女「え?忘れてないけど」モグモグ

犬娘「ならいいや♪」








兎娘「おい」

.............................................................
................................................

チッチッチ チッチッチ


熊男「もうこんな時間か...ではそろそろお開きにするとするか」


狐娘「えぇっ!?まだ酒も飲んでないのじゃ!」

狸娘「そうや!夜はまだまだこれからやで!」


熊男「御二方、さすがに年端もいかない子供の前での酒は遠慮するべきです」

熊男「それに今から飲んでは確実に徹夜コースではないですか」


狐娘「ぐ、ぐぬぬ...仕方ない。今回は引いてやるのじゃ」

狸娘「ちぇっ...しゃーないか」


熊男「代わりと言ってはなんですがこれから二次会ということで"私達"が付き合いましょう。いい店を知ってます」


獅子男「」ビクッ

虎男「」ビクッ

獅子男「うっ!何だか急に腹が痛くなってきたぞォ!ぐあああああああああっ!!!!」ゴロゴロ

虎男「お、俺は目眩と頭痛が...」フラフラ


熊男「アホ共が、お前らにも付き合ってもらう」ガシッ

熊男「狼男、明日は少し遅れそうだ。先に店を開けといてくれるか?」


狼男「了解でござる!」ビシッ


熊男「よし、お前らこれも修行と思え」グイッ

獅子男「は、離してください師匠!俺は酒アレルギーでアルコールを飲むと全身の毛穴から胃液が出るんだ!」ズルズル

虎男「兄者!言ってる意味が分からんぞ!」ズルズル

狐娘「むひょっー!酒じゃ!酒じゃ!」

狸娘「今日はオールで行くで~!」

熊男「幼女君、騒がしくしてすまなかったな」


幼女「い、いえいえ!こんなパーティーを用意してくれて本当にありがとうございました!」


熊男「ではまた。そこで寝てる犬娘と猫娘のことをしっかり可愛がってやってくれ」

狐娘「また遊びに来るのじゃ!」

狸娘「じゃあまたね♪」

狼男「またでござる!」

獅子男「妹者をよろしく頼む...」ズルズル

虎男「右に同じだ...」ズルズル


『』シュンッ


バタン


幼女「...ふっー!疲れたぁ!」グタッ

幼女「まさか最後にパーティーが用意されてあるとは...楽しかったけど少し疲れたよ」

幼女「さてお風呂入って歯磨いて寝るとするかな。学校は明日も休もう、明日はもうずっと寝てたいよ」スタスタ


犬娘「Zzz...」スヤァ

猫娘「Zzz...」スヤスヤ


幼女「まったく犬は食い過ぎで猫は...この匂いはまたこっそりマタタビ酒飲んだな」クンクン

幼女「よく気付かれずに飲めたな、ある意味すごい」

幼女「仲良く二人で寝てるみたいだしこのままそっとしといてあげるか」スタスタ


幼女「...」ピタッ


幼女「...どうせだし私もここで寝よっかな」ボソッ


犬娘「Zzz...」スヤァ

猫娘「Zzz...」スヤスヤ

~~~~ 真夜中 ~~~~


猫娘「...ニャ?」パチッ

猫娘「あれ?今何時ニャ?電気が消えてるニャ」


幼女「Zzz...」スヤァ

犬娘「Zzz...」スヤスヤ


猫娘「あー...そういえば私と幼女のパーティーがあって...途中で寝てしまったのかニャ」

猫娘「...何かちょっと小腹が空いたニャ。早いけど朝ごはんを食べるニャ」ムクッ


ガサゴソ ガサゴソ


猫娘「んー...昨日買い出しに出かけたから色々あるけど何にするかニャ」ウトウト

猫娘「やっぱりカップ麺でいいかニャ、簡単に出来るし」ガサッ

猫娘「ポットポット...ってあれ?」カチカチ

猫娘「付かないニャ...まさか壊れてるのかニャ?」

猫娘「なら鍋で沸かすかニャ」カチッ

シュー

猫娘「...火が出ないニャ」

猫娘「壊れてるのかニャ?」カチカチ

シュー

猫娘「反応なしニャ、どうやら完全に逝ってるみたいニャ」

猫娘「んー...ポッドが壊れて火が出ないとなると...」


ポンッ ポンッ ポンッ ポンッ

チーン


猫娘「はっ!そうかニャ!」ピコーン

猫娘「もう火が使えないということニャ。カップ麺は諦めて寝るとするかニャ」ウトウト


ダイオウグソクムシ「...!」ガスガス



シュー


シュー


シュー
...................................................
....................................................................

~~~~ 翌朝 ~~~~


犬娘「」パチッ

犬娘「んー!よく寝たー!...ってあれ?」クンクン


ムワーン


犬娘「何か変な臭いがする...何だろうこれ?」

犬娘「どこかで嗅いだことあるんだけどなー...うーん...」

犬娘「ま、いっか♪」

ダイオウグソクムシ「...!」ガスガス

犬娘「おぉ、グソくん今日は元気だね。朝ご飯までちょっと待っててね~」


幼女「Zzz...」


犬娘「はっ!ご主人様がなぜか私の隣で寝てる!」

犬娘「これはもしかしてチャンス?」

犬娘「いや、やめておこう。今度手を出したら本気で捨てられちゃう気がする...」

犬娘「さーて朝だしご主人様を起こすけど...どんな起こし方がいっかなー♪」

犬娘「久しぶりだしちょっと刺激的な起こし方がいいよね!何かこう...ドドーンってなるような!」


犬娘「はっ!そうだ!」



幼女「Zzz...」



犬娘「ぐふふ!ご主人様もこの起こし方はビックリするだろうな!」

犬娘「名付けて早朝ダイナマイト!軽い爆破魔法でビックリさせちゃうよ!」

ダイオウグソクムシ「...!...!」ダメダメ

犬娘「じゃあ行くよー!せーのっ!」ピカッ






ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!

パラパラッ...パラパラッ...


犬娘「...へ?」

犬娘「あ、あれ?なんで?空が見える...」


ダイオウグソクムシ「」プシュー


犬娘「え?ちょっと待って、家はどこに行っちゃったの?」キョロキョロ

犬娘「お、おかしいな...急に家が消えた...」キョロキョロ


幼女「」ムクッ


犬娘「あっ...ご主人様」


幼女「なにこれ」

犬娘「な、何って言われても...急に家が消えて...」キョロキョロ

幼女「何かすごい爆発音がしたんだけど」

犬娘「い、いや私に言われても...私は軽い爆破魔法でご主人様を起こそうと...」

幼女「」キョロキョロ

幼女「」キョロキョロ


幼女「...は?ちょ、え?何これ?」

幼女「家爆発したんじゃないのこれ?」

犬娘「いやいやまさか~...家が爆発するわけないよ」

幼女「だって家ないじゃん、よく見たら私もお前も何か焦げてるじゃん」

犬娘「た、確かにご主人様の頭がアフロみたいになってるけど...爆発はないよさすがに。ただの寝癖だよ」


猫娘「お、おい!一体何がどうなってるニャ!」バッ

猫娘「何か凄い爆発音して目が覚めたら家がなくってたニャ!これどういうことニャ!」


幼女「ははっ...爆発?いやそんなまさか...」

幼女「あうっ」バタッ


犬娘「ご、ご主人様っ!?ご主人様ああああああああああああああ!!!!!!!」

今日はここまで
ごめんなさい少し長くなってしまったのでちょっと切ります
明日には最後まで投下出来そうです..本当に待たせてしまってごめんなさい
あと爆発オチでごめんなさい

.............................................................
..................................................



幼女「んっ...んん?」パチッ

幼女「...」


幼女「知らない天井だ」


幼女「ど、どこだここ...」ムクッ

幼女「た、確か私は...昨日はサプライズパーティーがあって...終わった後はすぐ寝て...その後どうしたんだっけ?」

幼女「マジでどこだここ?何か病室っぽいけど」キョロキョロ


ガラッ


犬娘「あっ!ご主人様ぁ!」ダッ

ダキッ

犬娘「良かったー!目が覚めたんだね!」ギュッ

幼女「い、犬?一体何がどうなって...」

犬娘「ここは病院だよ!ご主人様が急に倒れたから急いで運んで来たんだ!」

幼女「私が倒れた?」


幼女(あぁ...そういうことか。きっと最近は色々なことがあって体に無理をし過ぎたんだな)

幼女(まさか倒れるほど疲れてたなんて...ちょっと休んだ方がいいかな)


幼女「どのくらい私は寝てたの?」


犬娘「丸二日近くだねぇ...さすがにちょっと心配しちゃったよ」

犬娘「でも大した怪我がないのはまさに奇跡だね!やっぱりご主人様は運がいいよ!」


幼女「二日も...だいぶ疲れが溜まってたのかな」

幼女「...え?怪我?なんで倒れただけなのに怪我g」


犬娘「そうそう!今テレビが凄いことになってるんだよ!」ピッ

TV『ご覧ください!こちらがガス爆発で跡形もなくなった家です!』

幼女家だったもの『』



幼女「」ポカーン


犬娘「まさかこんなところでテレビに出れるとはねー!嬉しいけどちょっと恥ずかしいや///」


幼女「な、なにこれ...なんで私の家が木っ端微塵に...」プルプル

犬娘「何かね~猫ちゃんがガスの元栓を閉め忘れてたみたいさ~」

犬娘「で、ガスが家に充満してるところに私の爆破魔法が原因で家ごと吹っ飛んじゃったみたい」


幼女「なっなっなっ...」パクパク


犬娘「まあみんな大した怪我がなかったのは不幸中の幸いだったけどね!まるでギャグ漫画みたいだよ!」


幼女「」ポカーン

犬娘「あっ、これ店長達が持ってきたお見舞い」ムシャムシャ

幼女「...」

犬娘「メロンとその他の果物はご主人様が寝てたから先に全部食べちゃったけどね、でもバナナは余ってるから食べる?」ムシャムシャ

幼女「...貰う」ヒョイッ


幼女「」ペラッペラッ

幼女「」モグモグ


幼女「...」



幼女「ざけんじゃねえぞテメエラァ!!!!!!!」ドンガラガッシャーン


犬娘「」ビクッ


幼女「なんで家なくなったのにそんなに呑気してんだよッ!!!!殺すぞッ!!!!」

幼女「せめてもうちょっと申し訳なさそうにしろよッ!!!!なんだその態度!?」

幼女「あとまた私のメロン食いやがってェ!ざけんなボケ!!!!」ブンッ


犬娘「ぐへぇ!?」ボコォ

犬娘「お、落ち着いてご主人様!爆発事故でも火災保険が効くらしいから家はまた建て直せば!」


幼女「建て直して済むなら警察はいらねぇよ殺すぞッ!!!!!」ボコッ


犬娘「ぐはっ!」ボコォ


幼女「そもそも家建て直すまでの期間はどうすればいいんだよッ!野宿でもするつもりか!!!!」


犬娘「ア、アパートでも借りれば...」ビクビクッ


幼女「幼女に部屋貸すマヌケなんてどこにも居ねぇよ!!!!お前みたいな怪しいやつに貸すやつもな!!!!」ボコッ


犬娘「い、痛い!痛い!」ボコボコ



幼女「はぁ...はぁ...クソ、どうすればいいんだよもう...」ガクッ

幼女「家がなくなったなんて...親になんて説明すれば...」


犬娘「え?ご主人様両親いたの?」

幼女「当たり前だろ...二人とも海外にいるけど...」

犬娘「何か触れちゃいけない設定かと思ってたけど聞かなかったいたんだね...バーローみたいだけど」

幼女「あぁ...もうこれからどうすれば...」

犬娘「だ、大丈夫だよ!いざとなったら店長が住む場所探してくれるって!」


幼女「人頼ってんじゃねえぞボケェ!!!!散々迷惑かけてまた迷惑かけられるかぁ!!!!」ボコッ


犬娘「うぇっぷ!?」ボコォ

犬娘「ボ、ボディーは反則だよ...いいところに入った...」


幼女「...猫はどこだ?」


犬娘「ね、猫ちゃんなら薬の匂いは苦手とか言って屋上に行ったけど...」


幼女「他人事みたいにしやがって、一発ぶん殴ってきてやる」スタスタ


犬娘(絶対一発じゃ済まない)

...........................................................
..............................................


ガラッ


幼女「...」イライラ

猫娘「...」ボコボコ


ダイオウグソクムシ「」オロオロ


犬娘(やっぱり一発じゃすまなかった)



猫娘「よ、幼女ごめんニャ...もう二度とガス閉め忘れないニャ...」ビクビク

幼女「私だけじゃくて家にも謝れェ!!!!!」ボコッ

猫娘「んな無茶ニャ!?」ボコォ


ダイオウグソクムシ「」ビクッ



幼女「クソが...ファック...サノバビッチ...」イライラ



猫娘(お、おいどうするニャ...幼女、予想の10倍くらい怒ってるニャ)ボソボソ

犬娘(ど、どうするって言われても...どんだけ謝っても許される気配がないよ)ボソボソ

猫娘(何とかしろニャ...元々はお前が原因ニャ...)

犬娘(は?それはちょっと違うでしょ。原因は猫ちゃんじゃん)

猫娘(私はあくまでガスを充満させただけニャ!家を爆発させたのはお前ニャ!)

犬娘(私だって軽い爆破魔法を使っただけだよ!まさか家が爆発するなんて思わなかったし!)

猫娘(そもそも人を起こすのに爆破魔法を使うなんて非常識ニャ!普通に起こせニャ!)

犬娘(今それとこれは別問題でしょ!寝ぼけてガスを閉め忘れた猫ちゃんが悪いよ!)


猫娘「ニャんだと!?」

犬娘「やるかてめぇ!」



幼女「黙れ馬鹿共」



ボコボコッ バキバキッ



猫娘「」ボロボロ

犬娘「い、いたい...」ボロボロ



幼女「喧嘩してる暇があったら家でも見つけてこい。見つけてくるまで帰ってくるな」

スタスタ スタスタ



犬娘「...と、言われても」

猫娘「家なんてそう簡単に見つかるわけないニャ...捨て猫じゃあるまいし」

犬娘「そもそも私達、家がなくなったからご主人様の家に住み着いたんだよね...これだと元に逆戻りだよ」

猫娘「はぁ...よく考えたら幼女にはものすごく迷惑をかえたニャ...これで幼女も捨て幼女になってしまったニャ」

犬娘「何かエロい」


猫娘「ということで家探しニャ。頑張って住むところを見つけるニャ」

犬娘「もうこの際、魔法でパパッと家を作るってのはどう?」

猫娘「ダメニャ、あの爆発事故は目立ちすぎたニャ。また急にあそこに家が建ったら怪しまれるニャ」

猫娘「というか私達の魔法でずっと住めるような完成度が高い家なんて作れるわけないニャ」

犬娘「はぁ...駄目か。やっぱり家は大工さんに任せるしかないね」

猫娘「ところで犬、お前今は金いくらくらい持ってるニャ?」

犬娘「えっ?急に何?」

猫娘「アパートだってマンションだって借りるには金が必要ニャ、ちなみに私の財布は爆発で消えたから全財産0ニャ」

犬娘「...私だって0だよ。あの爆発で財布もへそくりも全部消えちゃったよ」

猫娘「ぎ、銀行に金は預けてないのかニャ?ちなみに私は預けてなかったニャ」

犬娘「何かめんどくさっかったから預けてないね。家に直接置いてたよ」


猫娘「...」

犬娘「...」


猫娘「...今の状況ちょっとやばくないかニャ?」

犬娘「う、うん...」



猫娘「な、なんで銀行に預けてないニャ!?普通貯金するニャ!」

犬娘「だってめんどくさかったんだもん!猫ちゃんだって貯金0じゃん!」

猫娘「私は招き猫だから自然と金が集まってくるニャ!そんなものに頼る必要ないニャ!」

犬娘「意味分かんないし!結局猫ちゃんもめんどくさかっただけじゃん!」


猫娘「このアホ犬!!!!」

犬娘「んだと馬鹿猫!!!!」


猫娘「はっ!そ、そうニャ!幼女ニャ!幼女の性格ならきっといっぱい貯金してるはずニャ!」

犬娘「...ご主人様に貯金貸してくださいってねだりに行くの?」

猫娘「...」

犬娘「んなことしたら今度こそ三味線とホットドックにされちゃうよ...」


猫娘「ぐぬぬ...どうしたら...」


テレレン♪テレレン♪


犬娘「あ、ごめん電話」ガサゴソ

猫娘「なんで爆発があったのに携帯は無事なんだニャ」

犬娘『もしもし?』

犬娘『はいはい...あーすみません』

犬娘『ごめんなさい...それやっぱりキャンセル...あっ!』

犬娘『いえ!なんでもありません!分かりました!すぐ行きます!』ピッ


猫娘「誰からの電話ニャ?」

犬娘「ぐふふ...見つけたよ猫ちゃん!」

猫娘「見つけたって何をニャ?」

犬娘「もちろん家!これから私達が住むところだよ!」






幼女「...バナナ食べるか」

幼女「あの馬鹿共め...バナナ以外全部食いやがって、普通メロン残すだろ」ムシャムシャ


ガラッ


犬娘「ごっ主人様ーーーー!!!!」

幼女「あぁん?」ギロッ

犬娘「見つけたよ!ご主人様と私達の家!」

幼女「...え?」

~~~~ 神社 ~~~~



犬娘「ここだよここ!」



幼女「ここって...」

猫娘「ただの神社ニャ」

幼女「まさかこの神社に住むとか言い出す気じゃ...」


犬娘「違う違う!ここじゃなくてその横だよ!」


幼女「横?」チラッ

猫娘「ニャ?」チラッ



犬小屋『』ポツーン



幼女「...は?」

猫娘「...ニャ?」

幼女「な、なにあれ?犬小屋?」

猫娘「そ、そうにしか見えないニャ...」

幼女「まさかあそこで住むとか言い出す気...?」

猫娘「とうとう気でも狂ったかニャ」


ダイオウグソクムシ「」エェ


犬娘「まあまあ入ってみれば分かるから!」グイッ

幼女「は、入るってどうやって...」

犬娘「えいっ」ドンッ

幼女「ちょっ!?押すなっ...」



ギューン



幼女「...」

幼女「...あれ?」

幼女「な、何ここ?どこかの部屋?」キョロキョロ

ギューン


犬娘「どうご主人様?気に入った?」

幼女「な、何なのこれ?犬小屋の前に居たのに急にどこかの部屋に...」キョロキョロ

犬娘「ここはあの犬小屋の中だよ?」

幼女「...はい?」


犬娘「簡単に言うとね!あの犬小屋の中は別の空間になっていてそれがこの空間ってわけ!」

犬娘「異次元っていうやつだね!」


猫娘「なるほど、魔法で作った空間というやつかニャ」

幼女「異次元って大丈夫なの?」


犬娘「大丈夫大丈夫!次元が崩壊することなんて滅多にないもん!」

犬娘「お金も既に私が支払ってるからただみたいなもんだよ!」

幼女「一応ここがどういうところか分かったけど...こんなところどうやって用意したの?とてもすぐに用意出来る代物とは思えないけど」


犬娘「実はここ、私が元々住む予定だったところなんだよね~」

犬娘「最初にご主人様と会った時に言ったでしょ?元々あった家が火事になったって」

犬娘「だから本当は元々ここに一人で住む予定で買ったんだけど次元が出来るまでに時間があってね~」

犬娘「その間、誰か飼ってくれる人を探してて見つけたのがご主人様ってわけ!」

犬娘「だからここのことは今の今まですっかり忘れてたって話なんだ♪」


幼女「あっそ...」

猫娘「普通忘れるかニャ」


ダイオウグソクムシ「」ウロチョロ


犬娘「でもいい部屋でしょ?三人と一匹で住むにはちょっと狭いかもしれないけどキッチンお風呂トイレ全部あるし!」

幼女「まあ悪くはないけど」

猫娘「ニャ、結構爪研ぎがいがある壁ニャ」ガリガリ


ダイオウグソクムシ「...!」ウンウン


犬娘「じゃあこの部屋で決定だね!新生活のスタートだよ!」

~~~~ 一ヶ月後 ~~~~


ピピッ ピピッ


幼女「...」パチッ

幼女「朝か...」ムクッ


犬娘「Zzz...」

猫娘「Zzz...」

ダイオウグソクムシ「Zzz...」


幼女「...さすがに三人で寝ると窮屈だな」


幼女(この部屋に住み始めて一ヶ月が経った。一ヶ月もあれば何だかんだで色々馴れるということで...)

ダイオウグソクムシ「」スリスリ

幼女「お前も起きたか、はい餌」ガラガラ

ダイオウグソクムシ「♪」ムシャムシャ


幼女(このダンゴムシにも餌をあげれるようになるなんて...人間の適応能力は恐ろしい)

幼女(というかあの猫がサボってるだけなんだけどね、やっぱり世話見てるの私じゃん)イラッ

犬娘「ふわぁ...おはよー」ゴシゴシ

猫娘「ニャ、まだ眠いニャ...」ウトウト


幼女「起きるの遅い、もう朝ごはん出来てるよ」ゴトッ

幼女(この二人は相変わらず色々だらしない、まったくもう少し年上らしい振る舞いをしてほしいよ)


幼女「じゃ、私はもう学校に行くから」ガタッ


犬娘「ちょっと猫ちゃん!私の魚取らないでよ!」

猫娘「にゃあん?お前残してたじゃないかニャ」モグモグ

犬娘「骨取るのがめんどくさかっただけだし!後で食べようと思ってたのに!」

猫娘「はんっ!骨を取るのがめんどうなら魚なんて食べるなニャ。魚の神に失礼ニャ」


グイッ


猫娘「ニャッ...!?な、何するニャ!尻尾を引っ張るなニャ!」

犬娘「先にやったのは猫ちゃんでしょ!」ググッ

幼女(毎日よくキャットファイトして飽きないもんだ)

幼女(いや、この場合はキャットドッグファイト?)



猫娘「オラァ!猫パンチ!」ギュイン

犬娘「食らうかワンコキック!」ギュギューン


幼女「アホらし、さっさと家出よ」

幼女「二人とも今日もバイトあるんでしょ?遅刻したら駄目だよ」ガチャ


犬娘「あっ!ご主人様ちょっと待って」


幼女「なに?」


犬娘「いってらっしゃい!」ググッ

猫娘「ニャ...!いってらっしゃいニャ!」グググッ


幼女「...いってきます」

幼女(...案外、いってらっしゃいと言って貰える生活も悪くなかったりする)

...........................................................
..........................................


教師「えー...ここの式がこうなって」



幼女(相変わらず学校は退屈、だって小学校の問題なんか簡単だし)

幼女(私は俗に言う天才というやつなのだと思う、だって他の子とは違うとよく言われるし)

幼女(まあ二十過ぎればただの人パターンなのかもしれないけど)


幼女(...どこかしら自分でもこんな生活に刺激を求めていたのかもしれない)


キーンコーンカーンコーン


海幼女「幼女ちゃん!休み時間だし外に行こうよ!」

幼女「あぁ、うん」


幼女(同級生と遊ぶのはそんなに悪く感じなかったり...こういうところはまだ子供なんだろうな)

幼女(それにしてもこの前、転校してきた海幼女ちゃん...他の子と違う感じがするのは気のせいなのかな?)

教師「じゃあ今日はここまで、お前ら気を付けて帰れよー」


サヨウナラー


幼女(今日もいつも通りに学校が終わった...とてもいいことなんだけど何か物足りなかったり)

幼女(いやいや!そんなことはない!もう無人島や竜宮城みたいなことはこりごりだよ!)


スタスタ スタスタ


幼女(...と思っててもやっぱり何か物足りなかったり)

幼女(あんな死ぬほどの出来事でもやっぱりどこか楽しかったんだなと思う、遊園地を楽しむ子供のような感覚が)

幼女(...そういえばあいつらを見つけたのもこの近くだったな)キョロキョロ

幼女(また鳴き声が聞こえてきたり...するわけないか)



ピョーン...ピョーン...



幼女「」

幼女「な、なんだこのマヌケな鳴き声...やる気あんのか」

幼女「というかピョーンピョーンって何の鳴き声だ...?そんな動物いたっけ?」



ピョーン...ピョーン...



幼女「...探してみるか」スタスタ







幼女「この辺から聞こえてきたような、どこだろ?」

幼女「鳴き声も止まったしどこにいるか分からないな...諦めるか」


ピョーンピョーン


幼女「ん?近いぞ」クルッ

幼女「あそこの角を曲がったところだな!よし!」ダッ


幼女(...時々思う)

幼女(ペットというものは人に飼われてるものだけど本当にそうなのかなって)

幼女(だって同じ家に住んで、一緒にご飯を食べたり一緒に寝たりしてるんだもん。それはもう家族と何にも変わらない)

幼女(一緒にいて楽しいのも家族と同じ、死んで悲しいのも家族と同じ)

幼女(でもこれは人間のエゴ...当の飼われてる本人達はもしかしたら飼われるのを嫌がってるのかもしれない)

幼女(難しい問題だと思う。本当に...でも)


幼女(私は...違う種族と一緒に生きていくのも悪くないと思う)


ピョーンピョーン


幼女(あっ!もうすぐそこだ!)

兎娘「ぴょ~ん...ぴょ~ん...」




幼女「」ズサー

幼女(お、お前かいいいいいいいいいいいい!)




兎娘「あっ!幼女だ!」パァ


幼女「こ、こんなところで何してるの...」


兎娘「いやーそれがさー!弟と喧嘩したら家追い出されちゃってさー!」

兎娘「ご丁寧に結界まで張られて家に入れなくなっちゃったんだよ」ハハハ


幼女「あ、あっそう...」


兎娘「そこでお願いなんだけどさ!少しの間...飼ってくれない?」


幼女「え、やだよ」キッパリ


兎娘「」

兎娘「お、おかしくない!?その流れなら普通飼う流れになるでしょ!?」


幼女「だってもう家に犬と猫がいるし3匹目はちょっと...」

幼女「それにウサギって犬や猫と比べて飼い方分かんないし臭そうだし、間違って踏んじゃいそうだし臭そうだし」

幼女「可愛がるのはいいけど飼うってなると...ねぇ」



兎娘「ふ..ふ...ふ」

兎娘「ふざけんじゃねぞォ!!!ゴラアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!」



幼女「」ビクッ


兎娘「それがエゴだって分かんないのかこの人間が!!!!お前らが犬や猫ばっかり可愛がるからウサギが差別されるんだよ!!!!」

兎娘「私の今回の出番どれだけあったか知ってる!?一人で誕生会やって、犬に淫乱だってバラされて、パーティーで一人だけ放置されて終わり!」

兎娘「これだけだよっ!?猫はメインになったのに私だけこれだけ!おかしいでしょ!!!!」


幼女「ひ、ひぇぇ...」

兎娘「いやこれだけじゃない!前回だって酷かったッ!」

兎娘「何かずっと勝負に負けてたし無人島では一人だけ不幸な目にあったし!ウサギって幸運キャラじゃないのっ!?なんで私だけ不幸なんだよ!!!!」


幼女「そ、そんなこと言われても...」


兎娘「私これから魔界の上級魔族に襲われて一人だけ呪いで寝込むんだよっ!?酷くない!?」


幼女「え、それどういう意m」


兎娘「どうでもいいんだよ!!!!それだけウサギが不当な扱いだってことだよ!!!!」

兎娘「うぅっ...なんだよ...なんでこんなにウサギだけ不幸なんだよ...誰か教えてよ...」シクシク


幼女「ぶっちゃけ犬と何か被ってるからじゃ...」


兎娘「それを言うなああああああああああァッッッッッッ!!!!!!!!!!!」

兎娘「ぶっちゃけ被ってるとは思うよ?でもどうすればいいの?」

兎娘「猫みたいに語尾にピョンでも付けるか?それってただの馬鹿みたいじゃん!!!!何か気持ち悪いよ!!!!」


幼女「う、うん...そうだね」


兎娘「で!こんな恵まれてない私を見たら少しは飼ってくれる気になったよね!?いやもちろん飼うよね!?」


幼女「えっ...」


兎娘「まさか飼わないなんて言わないよね?この流れで?まさかまさかー」

兎娘「もし飼わないって言ったらウサギでも本気でころ...狩る気になっちゃうよ?」


幼女「」ビクッ

幼女「あー...そうだね。うん...うん...本当に...」

幼女「さ、さよならっ!!!!」ダッ



兎娘「あんっ!?待てゴラァッ!!!!!!」ダッ

幼女(や、やっぱり今さっき言ったこと全部ナシ!)

幼女(ペットなんて飼うもんじゃない!トラブルばっかり運んできてろくなもんじゃない!)

幼女(や、やっぱり一人が一番だ!!!!)




兎娘「ウサギの足から逃げれるなんて思うなよォ!!!!すぐに追いついて...」ダッ


ガツッ


兎娘「あっ」ズサー

兎娘「な、なんでこんなところに石が...ク、クソがあああああああああああ!!!!!!」ジタバタ

兎娘「待ってろよ犬と猫!いつかお前らより強くなってやるからなああああああああああああ!!!!!!」




幼女「はぁっ...はぁ...」ダダッ

幼女「も、もう獣人なんていやあああああああああああああ!!!!」






おわり

はい終わりです
完結まで266日も経ってしまって申し訳ないです
しかも糞長くなってごめんなさい...最後まで付き合ってくれた方々本当にありがとうございました

ランプの魔人「...願いを叶えてやろう」紅幼女「へ?」
ランプの魔人「...願いを叶えてやろう」紅幼女「へ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448832507/)

今更ですがランプの方も立てました
何ヵ月も空いてしまってごめんなさい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom