サウザー「渋谷凛人質作戦」 (68)


☆注意☆
・このSSは「アイドルマスターシンデレラガールズ」
と「北斗の拳イチゴ味」要素を含みます
・キャラ崩壊

★注意★
※「アイドルマスターシンデレラガールズ」の原作ゲーム及びアニメの設定を一部流用していますが、厳密に沿う物ではありません。
※「北斗の拳」の要素に関しては、「北斗の拳」より、「北斗の拳イチゴ味」の世界観や設定やキャラ付けを重視し採り入れています。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440072183


聖帝サウザー
http://i.imgur.com/URkpNsw.jpg

渋谷凛
http://i.imgur.com/vCIotYG.jpg

今回登場する二人(上2コマ)
http://i.imgur.com/vES8qEl.jpg


★聖帝サウザーと愉快な六聖拳★


『南斗鳳凰拳 将星サウザー』
 南斗最強にして自らを聖帝と名乗り、大観衆が見守る中「愛などいらぬ!」と叫んだ不器用な人。心臓が左右逆の位置にあり、北斗神拳が通用しなかったけど、ケンにバレて有情拳をお見舞いされた不器用な人

『南斗白鷺拳 仁星シュウ』
 かつてケンの命を救うために両目を失った損する人。サウザー打倒のため、レジスタンスを指揮するもサウザーのやりたい放題で最も被害を被った損する人

『南斗水鳥拳 義星レイ』
 ジャギにさらわれた妹を探す波のある人。最初は悪そうだったし不器用だったけど、ケンと心を通わし好プレーを連発するもラオウに触れる事なくやられた波のある人。そこから頑張ってカッコよかったので結果オーライです

『南斗紅鶴拳 妖星ユダ』
 自分の美しさを自負する南斗随一のサプライズキャラクター。マミヤさんをさらったり、女好きをアピールして周りをホッとさせるも、レイの必殺技をくらい観衆が見守る中、盛大にカミングアウトしたサプライズキャラクター

『南斗孤鷲拳 殉星レイ』
 ケンの胸に七つの傷をつけユリアさんをさらった張本人。サウザーに負けず劣らず不器用さを存分に発揮する人。一番周りが見えなくなり空回りする不器用な人

『南斗最後の将』
 五車星にその身と正体をまもられている謎な人。でも多分不器用。彼女の名前が出た場合、即再安価は必定


★過去作①↓
サウザー「シンデレラガールズ 7610プロ」
サウザー「シンデレラガールズ 7610プロ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430637631/)
サウザー「渋谷凛奪還作戦」
サウザー「渋谷凛奪還計画」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430726692/)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて制圧前進あるのみ!」
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて制圧前進あるのみ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430813563/)
サウザー「白菊ほたるの死兆星と拳王ラオウ」
サウザー「白菊ほたるの死兆星と拳王ラオウ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432024586/)

‐‐‐‐‐‐
★過去作②↓
サウザー「神谷奈緒、北条加蓮……?」
サウザー「神谷奈緒、北条加蓮……?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432210425/)
サウザー「渋谷凛籠絡計画」
サウザー「渋谷凛籠絡計画」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432292638/)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて更に圧前進あるのみ!」
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて更に圧前進あるのみ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432384858/)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて更に制圧前進あるのみ!」【延長戦】
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて更に制圧前進あるのみ!」【延長戦】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433149601/)
サウザー「愛のエプロンと橘ありすのサークル活動記」
サウザー「愛のエプロンと橘ありすのサークル活動記」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433841706/)

‐‐‐‐‐‐
★過去作③↓
サウザー「祝ッ! アニメ化ッ!!」
サウザー「祝ッ! アニメ化ッ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434780862/)
サウザー「渋谷凛偽装計画」
サウザー「渋谷凛偽装計画」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434969458/)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて果敢に制圧前進あるのみ!」
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて果敢に制圧前進あるのみ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435052601/l50)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて果敢に制圧前進あるのみ!」【延長戦
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて果敢に制圧前進あるのみ!」【延長戦 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435921531/)
サウザー「もし、モバマスアニメに北斗勢を各シーンで投入したら…」
サウザー「もし、モバマスアニメに北斗勢を各場面で投入したら…」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438696642/)

‐‐‐‐‐‐
★過去作④↓
サウザー「7610プロダクション内、アイドル事情調査」
【安価】サウザー「7610プロダクション内、アイドル事情調査」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439042623/)


======
~~某日~~
(7610プロダクション 会議室)


サウザー「渋谷凛欲しいなぁ…」

サウザー「南斗に来ないかなぁ…」

サウザー「ハァ……」

シン「……」

ユダ「開幕直球なボヤきだな」

シュウ「少しは前フリに気を割くとか出来んのか?」

サウザー「アイツの鉄壁具合は何なの? 鉄のパンツでも穿いてるの?」

サウザー「いい加減に南斗に靡いても良い頃じゃない?」

シン「靡くも何も、マイナスの印象しか与えていないではないか、我々は」

サウザー「それは一理あるな」

ユダ「……一理も何も、全ての元凶だろう」

シュウ「下手な策を打ち過ぎて、返ってドツボに嵌っている印象しか感じんな」




※7610……「ナント」、つまり南斗と読む。このSSは、『北斗の拳イチゴ味』と『アイドルマスターシンデレラガールズ』の益々のご健勝とご清栄をお祈りしています by聖帝サウザー


サウザー「と、言うと?」

シン「いや、もう諦めろよ…」

サウザー「それは却下だ」

シン「……」

サウザー「島村卯月、本田未央…」

サウザー「北条加蓮、神谷奈緒……」

シュウ「……」

サウザー「ここまで揃って、何故渋谷凛が居ないのだッ!?」バン!

サウザー「何故、ケンシロウのような凡愚があの下民を従えているのだ…!!」

ユダ「腐っても『リン』だしな」

シュウ「ああ、そういう理由か…」

サウザー「そんな安直な設定が、我らの活動の妨げになっているなぞ、断じて認めん!」


シン「大の男が、一人の女に執着し尻を追い続けるとは、見下げたものだな…」

ユダ「それ、お前が偉そうに言える台詞では無いよな?」

シン「俺は女の尻を追った事など無い!」

ユダ「……ああ、そうだったな…」

シュウ「その話題はよそうか。軌道修正する気も失せる」

サウザー「何故だッ…!」

サウザー「何故ダブルリーチが掛かった好機にも関わらず、最後の一手が決まらんのだ!」

シュウ「……」

シュウ「だが、あの4人も順調に成績を伸ばしているではないか」

シュウ「特にこれと言って差し障りも無いであろう?」

サウザー「渋谷凛が奴らのユニットに加入しなければ、奴らもフルに実力が発揮出来んのだ!」

ユダ「…言い切ったな」

シン「何を根拠に…」


サウザー「まずはニュージェネレーションだ!」

シン「卯月と未央だな」

サウザー「何が『新世代』だ! あの程度の実力で新世代を名乗るとは、おこがましいにも程があるッ!」

サウザー「今後は奴ら二人のユニットは『ニュー』に……」

サウザー「………いや、締りが悪いな」

サウザー「ならば『NEWS』に変更だッ!」

ユダ「どっかで聞いた名前だが…、それ怒られないか?」

シュウ「ふ、二人に確認取った方が良いんじゃないか?」


サウザー「次はトライアドプリムスだ!」

シュウ「……」

サウザー「もう『トライ』じゃないだろ! ダブルじゃん!?」

ユダ「それは……、確かに」

サウザー「頑なにトライの名を掲げてるのは、アレか…?」

サウザー「この俺に加入して欲しいと言う遠回しな意志表示か……?」

サウザー「ツンデレ共め…、フフフ…!」

シン「お前がそこに加入するのなら、南斗DE5MENは解散で良いな?」

サウザー「……」

サウザー「…今日から、加蓮と奈緒のユニットは『2000万パワーズ』に改名だ」

シュウ「名残も何も、跡形も無く消滅したな」

ユダ「まあ神谷奈緒はバッファローマンっぽいしな」

シン「北条加蓮はどちらかと言えば、ラーメンマンだな。病弱というか、再起不能まで陥ったと言う事で」


サウザー「島村卯月は?」

シン「奴はスグルだ。無難な所で」

サウザー「じゃあ本田未央はテリーマンだな。色もそれっぽいし」

ユダ「大和亜季は…、まあブロッケンJrで満場一致だろう」

サウザー「レイラァか…、まあ良いだろう」

シン「高垣楓はどうする?」

ユダ「奴は…、悩むな……。フェニックスで良いんじゃないのか?」

サウザー「成程、ラスボスか…。バリアフリーマンも過ったが…、まあ悪くは無いな」

ユダ「輿水幸子は?」

シン「アイツはステカセかな…。髪型はスカーフェイスっぽいが…」

ユダ「いや、レオパルドンだろう」

サウザー「名案だ。よし、決定!」

シン「高森藍子は何だ?」

サウザー「高森藍子はジャンクマンだ。色々な意味で」

ユダ「クラッシュされた後と言いたいのか?」

シュウ「おい! どこまでこのネタ引っ張るんだッ!?」バン!


ガチャ


レイ「戻ったぞ」

サウザー「ああ、来たか…!」

ユダ「?」

シュウ「レイ、何処で油を売っていた?」

レイ「大した用事では無い。ケンの社宅から、この2人を連れて来ただけだ」スッ


「……!」

「れ、レイっ…! 私達を騙したの!?」


シン「!」

ユダ「感覚が麻痺してるせいか……、随分と久し振りな気がするぞ」

サウザー「フフフ……、貴様らがここに来るのは、販売促進会議依頼ではないか?」

シュウ「……何を始めるつもりだ、一体……」


・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
======
~~10分後~~


サウザー「では、議題に入りますが…」

サウザー「何か質問がある人は?」

リン「はいっ!」バッ!

サウザー「どうぞ」

リン「もう帰って良いかしら?」

バット「レイを信用した俺達が馬鹿だった…!」


リン
http://i.imgur.com/Fy978Jb.jpg
http://i.imgur.com/YJceqZU.jpg

バット
http://i.imgur.com/EYiXRiD.jpg(大人版)
http://i.imgur.com/7QS45LJ.jpg



サウザー「無論、ダメだ」

サウザー「今回は渋谷凛を我が南斗聖拳に入門させるため、貴様らにも知恵を絞って貰おうか」

バット「い、いい加減諦めろよ!」バン!

バット「いい年した大人が、毎回毎回姑息な作戦ばっかで、恥ずかしくないのかよ!?」

サウザー「フフフ……!」

リン「……!」

サウザー「別に恥ずかしく無いですが、何か?」ニヤリ

リン「ひ…、開き直ったわ!」

バット「ダメだ! コイツ屈折してやがる!」

シュウ「アイツに限って言えば、『いい年した大人』の定義に当て嵌まるかどうかも微妙なラインだからな」


レイ「兎も角…」

レイ「今回の狙いも、渋谷凛の勧誘なのだな?」

リン「ちょ、ちょっと…、レイまで…!」

バット「レイ、お前も何とか言ってやれよ!」

レイ「既に俺は前科があるからな……。済まないが、もう後戻りは出来ん」

リン「自暴自棄にならないで! まだ救いの道はある筈よ!」

サウザー「……」

サウザー「っていうかさぁ…」

バット「な、なんだよ…」

サウザー「販促の時みたいに、早く馴染んでくれない? そういう設定なんだから…」

シン「会議が進まないんですが…?」ジロッ

ユダ「空気読めよ」ペッ

リン「っ…!」

バット「だ、駄目だリン…! この場じゃ、俺達の方が劣勢だ…」

バット「レイもシュウも既に奴の手に堕ちてる。切り替えが大事ってヤツかもしれないぜ…」


バット「……」

バット「つ、つーかよぉ…」

バット「俺とリンは、少なくとも今のケンの仕事に水を差す事はしたく無いんだけどな…」

ユダ「…まあ、我らが渋谷凛に対して行動を起こせば、担当である奴にも影響を及ぼす事は少なからずあるだろう」

レイ「渋谷凛を我らが奪い取れば、尚更だな」

リン「ケンの自主的な社会奉仕の邪魔にならないかしら…」

サウザー「なに、お前ら……本当にケンシロウの保護者か何か?」

シュウ「奴単体で現代の街中に放り出せば、たちまちパニックになりそうだ」

レイ「この2人がケンの両サイドにポジショニングする事によって、ある種の兄弟の様な柔らかい雰囲気を醸し出すワケか…」

シン「つまり、相乗効果というヤツだな?」

ユダ「アイツ1人だったら、ただの不審者だからな」

バット「血は繋がってないけど、親子より深い絆で結ばれているからな!」

サウザー「……」


サウザー「……ならば…」

サウザー「渋谷凛の代わりにだ……」

サウザー「リンよ。貴様がケンシロウの元へ、アイドルとして参上すれば済む話ではないか?」

リン「!」

サウザー「元々…、気心知れた仲で、貴様も奴の近くで思う存分世話が焼ける」

サウザー「ケンシロウもスムーズにプロデュースが捗る。そうすれば丸く収まるだろう? 寧ろ状況は今より好転するではないか!」

リン「そ、それは……た、確かに…!」

サウザー「フフフ……、ならば、我らに協力を惜しむ道理はあるまい…!」

リン「そ、そうね……、で、でも私が、あ、アイドルなんて……///」モジモジ

サウザー「お前位の年齢のアイドルなんて然程珍しくも無い。むしろ気立ても良く、根性もある。素晴らしい逸材ではないか…!」

バット「!!」

バット「お、おいリンっ! 正気に戻れ! サウザーの口車に乗せられるな!」

リン「だとしたら…」

リン「…やっぱり渋谷凛さんの存在がネックね…。自然な形で、彼女とケンを引き離す口実を……」ブツブツ

バット「リーンッ!!! そっちに行くな! 戻って来いッ!!」


・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
======
~~10分後~~


サウザー「えー、以上のように…」

サウザー「変装、泣き落とし、擬態…」

サウザー「我々は三度、彼女の勧誘を試みていますが…」

サウザー「全て失敗に終わっています」

リン「……至極普通な疑問だけど、それって勧誘と胸を張って言えるのかしら?」

バット「悪質な詐欺だよな」

シュウ「……」


サウザー「フン…、そもそもヘッドハンティングなど、胸を張る様な誇らしくも無い略奪行為だと言う事は、百も承知の上で行っているのだ」

リン「まあ、それなら……いいのかしら?」

バット「そもそも真っ当なスカウトを行った事ってあるのかよ…」

サウザー「無論、ある!」

サウザー「だが今は語る場では無い。話を戻そう」

サウザー「前回までの失敗を踏まえて、何か意見がある人は?」

リン「じゃあ、私から…」

サウザー「良かろう。話せ」


リン「色々と画策するのは、もうどうでもイイけど…」

リン「そもそも、真摯に自分達の意志を彼女に伝えた前提で、彼女に付き纏っているのよね?」

シュウ「!」

レイ「!!」

シン「!!!」

ユダ「……言われてみれば、盲点という程でも無いが、的確なツッコミだな」

サウザー「……」

リン「そうでなければ、今後勧誘と称した悪戯を繰り返しても、何も知らない彼女を困惑させて、傷つけるだけだと思うわ」

リン「まずは、彼女の現状の意向を伺ってからでも、慎重過ぎると言う事はないんじゃないかしら…」

サウザー「……成る程」

サウザー「なら、お前がやれば?」

リン「え!?」

バット「お、おい! 本当に上司にしたくないタイプだなコイツ!」


サウザー「第一…」

サウザー「奴の意向を伺い知ったからとて、我らが為す事は変わらんではないか」

リン「じ、じゃあ……もし…」

リン「もしも、彼女の気が南斗に向いてて、でもサウザー達のワンパクな行動で、返って見放されてしまう事があったら?」

サウザー「我らの行動で好奇心を引く事はあっても、大概だとゲンナリさせる振る舞いは行ってないと、強く自負していますので」ニヤリ

バット「だからそれはただの自負だろ!? 彼女、絶対嫌がってると思うぞ!」

リン「だめよバット! サウザーに他人の心を分からせると言うのが間違いだったわ!」


バット「はぁ…、じゃあよう…」

バット「彼女の気を引くと言っても、今までの活動を振り返ってみれば…」

バット「何一つ、南斗聖拳の魅力をアピール出来ていない風に感じるぜ?」

ユダ「……」

サウザー「……」

シュウ「……」

レイ「……」

シン「……」

バット「具体的に言わせて貰えば…」

バット「1回目は、ケンと渋谷凛って子を仲違いさせるために、彼女の対外的なイメージを崩壊させる悪質な変装」

バット「2回目は、1回目のあるトラブルをダシに、彼女の罪悪感を浮き彫りにした陰険な精神攻撃…」

バット「3回目は、勝手に容姿をコピーさせた紛い物を見せつけて、南斗聖拳の不審っぷりをアピール…」

バット「……寧ろ、悪い部分をこれでもかと見せ付けてる印象なんだけど…」


レイ「……」

シュウ「……」

シン「……」

ユダ「……」

バット「……え…、えっ…??」

バット「な、何でみんな無反応…?」

サウザー「……」

サウザー「だって…、そんなの知ってるし」ヒソヒソ

シン「今回の冒頭で真っ先に挙げたしな」ヒソヒソ

バット「承知の上で改めないのかよ!? クレイジーだなお前ら!!」バン!


サウザー「……フン、面白い…」

サウザー「ゴーグルのガキ…、続けてみろ」

バット「あ、ああ…」

バット「今更お前らに、他人に対して心配りをしろとは言わないケドよ…」

バット「南斗聖拳……、いや、7610プロダクションだっけか?」

バット「その魅力を真っ直ぐに伝える方法を考えた方が、良い案も浮かぶんじゃねえか?」

バット「少なくとも、渋谷凛の周りであれこれ小細工をするよりは…」


サウザー「……ふむ?」

サウザー「即ち、貴様ら二人の案を要約すると…」


①南斗聖拳の魅力を渋谷凛に伝える
②渋谷凛に嫌がらせ紛いの事をしない
③ケンシロウのためになる行動を心掛ける


サウザー「この様な事になるが?」

リン「まあ、概ね合ってるわ」

バット「けどよう…、これを全部満たしたうえで渋谷凛って子を勧誘するのは、ちょっと無理っぽくないか?」

サウザー「……」

サウザー「……」

サウザー「………よし、快刀乱麻の名作戦が浮かんだぞ…!」


サウザー「まずはその意見全て、オール却下っ!」ビシッ!

リン「ッ!?」

バット「お、オイッ! じゃあこの会議は何だったんだよ!?」

サウザー「ユダ、シン! 聖帝十字稜の付近を掃除しておけ!」

サウザー「シュウ様は博士を呼んで来い! レイはケンシロウと何時でもコンタクトを取れる算段を整えろ! 言伝の内容は追って知らせよう」

リン「き、聞いて無い! 都合の悪い事は全部無視するつもり!?」

バット「汚ェ…! 汚ぇよ! これが大人ってヤツかよ…!」

レイ「……」

シュウ「……」

ユダ「……」

シン「……」

サウザー「フフフ…! ケンシロウ、今度こそ雌雄を決しようではないか…ッ!」



・・・・・
・・・

今日はここまで。また次回


・・・
・・・・・
======
~~翌日~~
(聖帝十字稜)


サウザー「皆さん、おはようございます」

リン「おはよう」

バット「くぁ…」

シュウ「ああ」

晶葉「おはよう!」

Rin「おはようございます♪」

サウザー「本日はお日柄もよく、絶好の決闘日和ですね」

リン「前置きは良いから、早く始めましょう」

バット「というか、結局俺達はサウザー側なんだな…」

リン「今回は特別よ」


池袋晶葉(科学研究部兼、軍事攻略部)
http://i.imgur.com/XzTI2BY.jpg

Rin(渋谷凛型半有機ヒューマノイド)
http://i.imgur.com/60xHZFM.jpg(イメージ)


バット「……」ジロジロ

Rin「…??」キョトン

バット「……コイツが、ロボットの渋谷凛か……? 本当に瓜二つだな」

リン「この技術をもっと世のため人のために流用すれば、何も文句は無いのに」

晶葉「いいんだ。私個人が楽しんでやっているんだから」

バット「……というか、何でメイド服を着てるんだ?」

Rin「えへへ…、か、可愛い…、ですか?」

晶葉「彼女は現在、私のラボの小間使いだからだ。以前の計画の時、最後に言ったろう?」

バット「知らねえよ」


リン「これ、結構な名誉棄損よね」

晶葉「三原則と言って貰おうか。私はこれは表現の自由の範疇と捉えているが…」

バット「ロボット三原則ってヤツか?」

晶葉「聖帝機巧三原則だ」

Rin「第一条。ロボットは人間に危害を加えてはならないが、TPOで臨機応変に。自己を尊重し、自由を謳歌せよ♪」

Rin「第二条。ロボットは聖帝様と創造主の命令には絶対服従。自発的にその二者のために行動すると尚良し♪」

Rin「第三条。カレーとイチゴは元気の源♪」

リン「えっ、そうなの?」

晶葉「いや、電気分解した水素と酸素の化学反応によって電気を作る燃料電池搭載だ」

バット「つーかこのロボット、可愛い顔してなかなかエグイ事言ってるぞ…」


サウザー「下らん話はそこまでにしておけ」

サウザー「作戦の全容を説明するぞ」

サウザー「まず、渋谷凛に偽装したRinを人質と見立て、ケンシロウをおびき出す」

サウザー「既にレイが奴に連絡を入れた。もうじき、のこのことやってくるだろう」

サウザー「『①渋谷凛に嫌がらせ紛いの事をしない』、クリアです」

バット「間接的に被害を被ってるけどな」

サウザー「そして渋谷凛を賭け、この聖帝が勝利するッ!」

サウザー「そうすればこのRinを餌に、本物の渋谷凛が手に入ると言う寸法だ!」

リン「(卑怯臭い…)」

サウザー「今日こそケンシロウに引導を渡してくれるわッ!」

サウザー「実にシンプルッ! 力こそが正義…!」

サウザー「『③ケンシロウのためになる行動を心掛ける』……これもクリアだ!」

サウザー「これは即ち、イチゴ味の原点に立ち返り、俺と奴の死闘をこの十字稜で繰り広げ、奴に現実を直視させるという項目である」

サウザー「プロデューサーなんて奴には向いていないんだから…」

リン「人間ってここまで己を省みずに生きられるのね」

バット「寧ろ清々しい程の傲慢っぷりだな」


サウザー「まずはガキ二人。貴様らは遥か彼方で待機だ。ケンシロウの末路を見届けろ」

リン「…」

バット「はいはい…」

サウザー「Rinとシュウ様は気絶した後、頂上に吊るされて貰います」

Rin「了解です♪」

シュウ「ハ?」

サウザー「シュウ様はケンシロウを本気にさせるための踏み台だ」

シュウ「いやいや……何言ってるの?」

サウザー「博士はお茶でも飲んでてね」

晶葉「うむ」

サウザー「ケンシロウが来るまであと2時間。早速準備に取り掛かろう」


・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
======
~~2時間後~~


バット「!」



ケンシロウ「……」スタスタ…

バット「け、ケン…、本当に来やがった…」

ケンシロウ「!! リン、バット…?」

ケンシロウ「な、何故ここに二人がいるのだ…?」

リン「何でこんな分かりやすい挑発に引っかかっちゃうの…、ケン…」

リン「貴方は何てピエロなの…?」

バット「まず渋谷凛本人に連絡して安否確認なり、色々とあるだろケン…!」

リン「…………愚っ直だけど、そこがケンの良い所なのよ。バット…」


サウザー「フフフフ…」

ケンシロウ「サウザー!!」

サウザー「来たなケンシロウ…」

ケンシロウ「貴様っ…。凛を人質を取るとは、卑劣な…!」

サウザー「フハハハハ…、十字稜の頂上を見ろ!」

ケンシロウ「ッ!」




Rin「すやすや……」

シュウ「」



ケンシロウ「凛ッ!!」

シュウ「」ボロッ…

ケンシロウ「と……、し、シュウ………?」


サウザー「ケンシロウ…、渋谷凛を大人しく我が南斗に引き渡せ。さすればシュウ様は解放しよう」

ケンシロウ「…!」

サウザー「もし条件が飲めんなら、シュウ様に括りつけてあるダイナマイトに着火し、シュウ様を木っ端微塵に吹き飛ばす」

ケンシロウ「な、何っ……!?」

サウザー「貴様のようなコミュ障のウドの大木が、癖のあるタレント達の管理など務まらん性分なのは、当に気付いておろう」

サウザー「目を覚ませ、ケンシロウ! 貴様は所詮、殺戮の螺旋の中でしか生を感じる事が出来ん血に塗れた男なのだ…」

サウザー「平穏な日常に身を置き、それを痛感しただろう。貴様とあの娘達は、住む世界が違うのだ!!」

ケンシロウ「くっ……!」




バット「まーた自分の事を棚に置いて何か言ってるぞ、サウザーの奴…」

リン「ちょっと無理があるわね」

バット「寧ろアイツの方が分不相応だろ。子供を労働力の奴隷にしてた奴が、ああも平静を装ってアイドル達と接してる方が驚きだぜ?」

リン「きっとサウザーは人間じゃないのよ」


ケンシロウ「……」

ケンシロウ「確かに貴様の言う通り、既に俺の手は血で染まっている」

ケンシロウ「純粋で無垢な彼女達と向き合うに相応しく無い人間なのかもしれん」

ケンシロウ「何食わぬ顔で彼女達と過ごす中で、罪悪感と後ろめたさに苛まれる時が無かったかと問われれば、嘘になる……」

サウザー「フフフ…、そうだ。貴様の居場所は最早無い」

ケンシロウ「しかし、それでも…、如何なる理由でも、目の前で虐げられようとしている子供を見捨てずにはおけん…!」

ケンシロウ「サウザー! 凛を解放しろッ!」



リン「ケン…! 何て真面目なの…、仕組まれた茶番と露も知らず…」

バット「滑稽を通り越して悲しくなってきたぞ…」

リン「ケン! もうとにかく早くサウザーをやっつけて!」

バット「俺も応援するぞケン! 早く終わらせて帰ろうぜ!」


サウザー「ほう、やはり貴様は闘争を望むか…」

サウザー「フフフ…、所詮我らは拳でしか語れん宿命なのだ」

サウザー「ならば…、言った筈だ。シュウの命は無いと」ポチッ

シュウ「」

ケンシロウ「シっ……!!!」

              「l ̄!i|  |! i! |
          _ __i!|  |!_ L__!i__i|
         i!| _     _ __|i|!                     __i| ̄|i_   |!´i!゙`|
           ̄ ̄`゙!|i  i!                         i!| ̄ ̄   _ ̄L__!i__i|
          /`゙≫|i!  !|<´\                       ̄`゙i!|  |i ̄i!  !|i!
         < /  |i!_i|  ヾ__≫            i            ̄ ̄  |i!  i|
                         !         |i! |                ̄
                         '         |::i i!|
                         iヽ   _ _ノ从メ#ヾ'人ヾ:;:ー- ...、
              \     ヽ  __ノ;;;ヾ=二三 :;:;: :;:;:;;・  ,`゙ヾ:;:;:;:;::;:;:ヾ
               `丶     》:;:;;#ノ彡三二三 」── 二=≡≡=ヾ:;:;:.,ゝ ── ─ i!二二二`7
                 \丶 ヾ,:;'゙´'人i从'※'iミ彡∠゙´       `ヾ:;:; ;:;:レ'         /7∠/
                  \ヾ人'゙´;:'´川彡/r-三゙´           `゙ヾ;:; ;:/       〈_/
                    >:;: :; :;:#i!彡/´゙                ゙:;川;;;;;;;;/'
                   .:i!|'゙´  ,イ'゙´   :    .;: ::.         i|!i《:;:;:/
                   i|#i///`゙                       |《巛<´ ゙
                   川//`                           ゙!|i!i|ヾゝi!二二二`7
          ─ = 二  て:.》                             |i:;:#i!`i'|!i /7∠/
                 !i゙´i!|                 \'    人゙-─∠ ゙`    〈_/
         \      `i!゙´     .,人-ーノ:;i|!ヾ      >ヾ'゙´ ::::::::::::;;;:#i|! i|ヾ
           ヾ、     ゞ'゙´ `゙ ::;:;´ ヾ》:: ::;:;ヾ   .r'゙´;;;;;;《'ミ゙´i三二=ヾ ゙ヾ

                \\  ,:;'゙´:;:;:.、`・/;;;;;;彡三三三ヾ 丶i|!# i!i゙´       `゙ヾ:; :;て
                \ヾミミi!#゙─<#i!`|゙´三二=─-.,.、\ ;:;!ii  .::'゙`   ゙::.、 i|!ミ  /
                   ヾ:;i!i゙´'゙´:::;;;:》i|!i゙`       ヾ;:そi|:;:;., :     :    ヾ:;.、て
             ─=二て 人从#ヾ|\/人从/  / \ヾ // #i∧ノ/《ヾノ!  ノ/人从/


ドゴォォォォン……

パラパラ…




ケンシロウ「シ……、シュウーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

サウザー「フハハハハハハハ! さあケンシロウ、今日こそ南斗と北斗の因縁に幕を下ろそうぞ!」バサッ!

ケンシロウ「……」

ケンシロウ「俺の中で生きろ、仁星のシュウ…!」

ケンシロウ「サウザー、貴様の髪の毛一本すらこの世には残さぬッ…!!」ザッ

サウザー「その遠吠えが貴様の最後の遺言となる、ケンシロウ…!」

サウザー「さあ階段を上がって来いケンシロウ!! そのまま天まで送ってくれるわ!!」






バット「」

リン「」

バット「あ、あぁっ! し、シュウ…!」ガタガタ

リン「ケ…、ケンを炊きつけるためにあそこまでする必要があったの!?」

バット「つ、つーかケンもあっさりシュウの命より渋谷凛の命を取ったぞ!?」

リン「ケーン! その子は実は凛さんの偽物なのっ! シュウは完全に無駄死によ!」


ケンシロウ「貴様を倒すのは乱世の拳、北斗神拳!」

ケンシロウ「覚悟しろ、サウザー…!」

サウザー「フン、威勢だけは褒めてやる。しかし渋谷凛は我らも譲れんな」

ケンシロウ「なに…?」

サウザー「我が南斗聖拳は幾度となく渋谷凛にアプローチを掛けて来た! だが憎たらしいことに、奴は我らなど見向きもせず…」

サウザー「この聖帝の厚意を無碍にする、それ即ち死に値する不敬である!」

サウザー「しかしそれは貴様の死をもって免じてやろう。貴様の命、ここで尽きるのだ!」

ケンシロウ「……」

ケンシロウ「……?」



バット「ホントに無茶苦茶だぜ、アイツ!」

リン「理不尽過ぎて腹が立ってくるわ…!」

バット「で、でもきっとケンは分かってないぜ、あの様子じゃあ…」

リン「いえ、いいのよケン! それが自然の反応よ!」



ドカッ!


サウザー「ぬぐぅ!?」ガクッ

ケンシロウ「!?」

バット「!?」

リン「!?」

サウザー「ば……馬鹿な…、貴様ッ…、ま、まさか…!?」



ターバンのガキ「……」プルプル

サウザー「な…、何故ここにッ!?」

サウザー「ま、またしても寸分違わず同じ箇所を刺しおって…ッ!」フラフラ

ケンシロウ「この子供は…!」





バット「ま、マズイ!! こんな時に出やがった!! あのガキだ!!!」

リン「あのフレキシブルな子…、どうやってこの場所を嗅ぎつけたのかしら?」

バット「サウザーの奴が原点回帰とか言って十字稜にこのメンバーを集めたからか!?」

バット「あのガキの召喚条件を、きっと無意識のうちに満たしちまったんだッ!!」

リン「もう強迫観念に近い使命感でも持っているんじゃないかしら、あのターバンの子…」


ターバンのガキ(ターバン少年)
http://i.imgur.com/vew9K8z.jpg


サウザー「ぐっ…、くく……!」ガタガタ

ターバンのガキ「……」フルフル…



バット「あ、あのサウザーが震えてやがる…! やべえ、やべえよ!」

リン「け、ケン! その場は危険よ! その二人から離れてーっ!!」




ケンシロウ「……!」ハッ

ケンシロウ「……」キョロキョロ




リン「け、ケーン! 私達の事は別に気にしなくていいから、とにかくターバンのガキから距離を取るの! もし亜種だったら貴方も刺される危険大だわ!!」

バット「まずいぜリン! 俺達の存在がかえってケンの集中力を乱しちまってるぞ!」





サウザー「ま、毎度毎度この俺とケンシロウの闘いを察知し、ハイエナの如く俺の脚を狙うその執念、そしてマシーンのような刺突の正確さ……!!!」

サウザー「最も警戒すべきはケンシロウではなく、き、貴様であったか……」ガクガク


サウザー「非常事態だ…、兎に角…!」

サウザー「り、Rinッ! 助太刀を要請する、即刻このガキを捕えろ!」

ケンシロウ「な…、何を……?」



バキッ!

Rin「了解っ! 推定捕縛時間、17秒です!」バサッ

スタッ



ケンシロウ「なッ…!?」

ターバンのガキ「…!!」

サウザー「フハハハハ! 南斗聖拳の技術を余す事無く叩きこんだあの戦闘兵器から逃れる術は無い!」

サウザー「逃げるだけ無駄だ、大人しく捕まるが良い!!」








バット&リン「!!?」

リン「う…、嘘でしょうっ!? 彼女、磔の丸太を腹筋と腕力でへし折るなんて…!」

バット「メイドなんてトンデモねえッ! 蓋を開けたらただの戦闘マシーンじゃねえか!!」

リン「け、ケン! もう帰りましょう! こんな不毛な戦いで傷付くのはサウザーだけで充分だわ!」

バット「た、闘うメイドってヤツか……ロアナプラにでも観光に来た気分だぜ…!」


ギュッ!


Rin「聖帝様、捕まえましたっ♪」ググッ

ターバンのガキ「~~~~っ!」バタバタ

サウザー「よ、よし。そのまま拘束しておけ。亜種や双子がいないか周囲の警戒も怠るな…」

ケンシロウ「……」

ケンシロウ「凛は…、一体何を…?」

サウザー「貴様には関係の無い。この凛を返して欲しくば、俺を倒す事だ」

ケンシロウ「……」

ケンシロウ「無論、そのつもりだ。そしてシュウの仇も打たせて貰う」スッ

ケンシロウ「脚を刺されたとて、慈悲の心は毛頭無い。貴様はそれだけの事をしたのだ」

ケンシロウ「前置きはこれまでだ。そろそろ全力で行かせて貰うぞ……!」





リン「違うっ、違うの…! 気付いてケン、その子は渋谷凛じゃないの…!」プルプル

バット「こんな不毛の闘い、いつまで続ける気だ、サウザー…」


サウザー「フフフ…、でかい口を叩くのも精々今の内だ、ケンシロウ!」

サウザー「貴様の北斗神拳を封じる秘策を用意した!! 喰らうが良いッ!」ポチッ!


パカッ! パカッ! パカッ!

ザバァー!
ドドドドドドドド…!


ケンシロウ「こ、これは…?」


ドバァー!


ケンシロウ「!」

ケンシロウ「ローション…!?」ヌル…


バット「ハァ!?」

リン「また!? 凝りもせずまたローションの濁流なの!?」

バット「い…、嫌だぜ!? もう2時間以上もヌルヌルの二人を見守るのは!!」




サウザー「フハハハハ! 気付いた所でもう遅い!」バシャバシャ!

サウザー「貴様は既に聖帝という蜘蛛の巣に堕ちた蝶も同然!!」バシャバシャ!

ケンシロウ「抜かせ! あたぁッ!!」ブン!


ヌルン

ケンシロウ「ッ!?」

サウザー「フフフ……北斗神拳破れたり!」ニヤリ

ヌルヌル…


ケンシロウ「こ、拳が、滑って…!」ヌルン

サウザー「フハハハハハ! 体表をローションで覆えば摩擦は限りなく少なくなる! これだけ滑れば自慢の北斗神拳などゴミクズ同然っ!!」ヌルヌル

サウザー「さあ塗りは充分だ! 行くぞケンシロウッ!」ギュオッ!

ケンシロウ「くっ…!」

サウザー「喰らえッッ!」ピチッ


ヌルン

ケンシロウ「……!」

サウザー「?」ヌル…





バット「ああもう! やっぱりバカだぜアイツッ!!」

バット「何でローションで自分も同じ末路を辿るって計算をして無いんだよ!!」

リン「……」

リン「(帰りたい……)」


ツルッ

ビターン!


サウザー「おぅふっ!?」ガクン

ケンシロウ「ぬぐっ…!?」バタッ

Rin「っ…!」

サウザー「り、Rin!? 貴様、何を…ッ!?」

Rin「お、お二人とも…、も、申し訳ありませんっ…!」バタバタ

Rin「そ…、その、足を滑らせて、あ、あ、ああぁーーっ!!」ズルッ!

サウザー「お、おおお!?」ズルズルズル

ケンシロウ「ぐおっ…!!!」ズルルルル



ズルルルーーーー!

サウザー「ぬ、ぬおおおーーーーーっ!!!」ザバーッ!

ケンシロウ「ぐおおおッ!?」ズルルルルー!

Rin「いやあああーーーーーっ!!」ズルルッ!


ズルルルルルルルルーーーーーー!


  ヌオオオオオオオオオ!?
     イヤァァァァァァァ!






バット「………」

リン「……………」

バット「……ローションスライダー?」

リン「知らない、もう」


・・・・・
・・・



・・・
・・・・・
~~同時刻~~
======
(7610プロダクション レッスンルーム)



卯月「ここがウチのレッスンルームですよ♪」

凛「へえ…。なんていうか、無駄に広いね」

奈緒「狭いよりは良いだろ?」

凛「まあ、そうかもね」

卯月「設備は本当に凄いんですよ! スパやエステルームのリラクゼーション施設も併設してますし」

奈緒「要望を出せば、サークルの設立も検討してくれるしな」

凛「へえ…」


島村卯月
http://i.imgur.com/afZmJsw.jpg
神谷奈緒
http://i.imgur.com/LIQHyQq.jpg
渋谷凛(本物)
http://i.imgur.com/vCIotYG.jpg


凛「でも、前のトークイベントで言ってた程のトンデモプロダクションじゃないね」

卯月「あ、あれは…、まあ流石に誇張しすぎた感は否めませんが…」

奈緒「誇張? 卯月達、何か言ったのか?」

卯月「は、はい。このプロダクションに色々とトンデモ無い設備と設定を盛りました……」

凛「まあ、逆にホッとしたよ」

凛「そんなプロダクションじゃあ敷居が高くて、今ここに居るのもちょっと気が引けるもん」

凛「親近感…、というよりは、まあ今まで謎に包まれてたから、安心したかな」

凛「以前は名前も聞いた事の無い事務所だったのに、最近では大躍進だよね。ウチでももっぱら噂の的だよ」

奈緒「そうだな。美城さんには劣るけど、あたし達も負けない様に頑張ってるんだぞ?」


凛「…うん」

凛「それは前回のLIVEバトルで感じたよ。なんていうのかな…」

卯月「?」

凛「初めてちゃんと対面して、初めてLIVEした相手の筈なのに、それが初めてじゃない様な…」

奈緒「既視感?」

凛「ううん…、それこそ親近感かな」

奈緒「ふーん…?」

凛「すごい努力が伝わってきた。だから、気になったんだ。アンタ達のこと」


卯月「…不思議ですね」

凛「うん?」

卯月「私達も、あのRin…、い、いえ…」

卯月「凛ちゃんと似た子、居たじゃないですか?」

凛「ああ。あの時のLIVEの?」

卯月「あの子と練習で合わせて踊った時、奇妙な一体感があったんです」

凛「…」

卯月「もしかしたら私達、どこかで既に会っていたとか…」

凛「それ、ちょっとホラーだね…」

卯月「あ、あはは…。そ、そうですね」


凛「そいうえば、今の話に出て来た、私にそっくりな子はどうしたの?」

奈緒「ああ、アイツか?」

卯月「晶葉ちゃんのラボじゃないですかね…?」

凛「ら、ラボ?」




シン「!!」ギクッ

凛「あ」

卯月「お疲れ様です!」

奈緒「お疲れ様。何してんの?」

シン「Rin…!? い、いや、渋谷凛か?」


シン「サウザーの奴…、勧誘に成功したのか?」

卯月「勧誘?」

奈緒「何言ってるんだ? この子は今日遊びに来てるだけだぞ?」

卯月「私達が誘ったんですよ♪」

凛「お邪魔しています」ペコリ

奈緒「言っただろ? 連絡先交換したって」

シン「あ、ああ。そんな事、言ってたか……」

凛「色々と346プロでも噂になっていて、少し私も興味を持ったので、今日は卯月達に掛けあって見学に来ました」

シン「う、うん…、それは良いことだ。心ゆく迄、存分に見学して行くが良い」

シン「で、ではな…」


スタスタ…


凛「…?」

卯月&奈緒「??」


凛「何か慌ててたけど、何かあったの?」

卯月「うーん…。思い当たり過ぎて、一つに絞るのは難しいですね…」

凛「そ、そうなんだ…。いつも賑やかなんだね」

奈緒「退屈はしないけど、体力も持たないんだよな、ホントさ…」



ドゴォォォォォン…





凛「……」

卯月「……」

奈緒「……」

凛「今の、爆発音…?」

凛「近く無かった? 外で何やってるの?」

卯月「さあ…?」

奈緒「建物や人が吹っ飛ばなかっただけ、まだマシだよ」

凛「へえ…。面白いね」

奈緒「入った身としては、そんな悠長な事言ってられないぞ」

卯月「あ、あははは……」



【●南斗聖拳の魅力を渋谷凛に伝える → 聖帝の知らぬ間にクリア】









続かない。


以上です。
ありがとうございました。
またいつの日かこのシリーズを見る事があれば、読んでいただけると幸いです。
では

このSSまとめへのコメント

1 :  ドスマッカォ   2016年09月08日 (木) 21:13:20   ID: f2U7GbUo

リンとバットのツッコミが最高でした。後ローションw

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom