サウザー「もし、モバマスアニメに北斗勢を各場面で投入したら…」 (107)


☆注意☆
・このSSは「アイドルマスターシンデレラガールズ」
及び「北斗の拳イチゴ味」要素を含みます
・キャラ崩壊


★注意★
※「アイドルマスターシンデレラガールズ」の原作ゲーム及びアニメの設定を一部流用していますが、厳密に沿う物ではありません。
※「北斗の拳」の要素に関しては、「北斗の拳」より、「北斗の拳イチゴ味」の世界観や設定やキャラ付けを重視し採り入れています。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1438696642


聖帝サウザー
http://i.imgur.com/URkpNsw.jpg

南斗DE5MEN(世紀末アイドルユニット)
http://i.imgur.com/vzWxJM6.jpg


過去作①↓
サウザー「シンデレラガールズ 7610プロ」
サウザー「シンデレラガールズ 7610プロ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430637631/)
サウザー「渋谷凛奪還作戦」
サウザー「渋谷凛奪還計画」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430726692/)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて制圧前進あるのみ!」
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて制圧前進あるのみ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430813563/)
サウザー「白菊ほたるの死兆星と拳王ラオウ」
サウザー「白菊ほたるの死兆星と拳王ラオウ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432024586/)

‐‐‐‐‐‐
過去作②↓
サウザー「神谷奈緒、北条加蓮……?」
サウザー「神谷奈緒、北条加蓮……?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432210425/)
サウザー「渋谷凛籠絡計画」
サウザー「渋谷凛籠絡計画」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432292638/)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて更に圧前進あるのみ!」
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて更に圧前進あるのみ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432384858/)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて更に制圧前進あるのみ!」【延長戦】
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて更に制圧前進あるのみ!」【延長戦】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433149601/)
サウザー「愛のエプロンと橘ありすのサークル活動記」
サウザー「愛のエプロンと橘ありすのサークル活動記」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433841706/)

‐‐‐‐‐‐
過去作③↓
サウザー「祝ッ! アニメ化ッ!!」
サウザー「祝ッ! アニメ化ッ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434780862/)
サウザー「渋谷凛偽装計画」
サウザー「渋谷凛偽装計画」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434969458/)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて果敢に制圧前進あるのみ!」
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて果敢に制圧前進あるのみ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435052601/l50)
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて果敢に制圧前進あるのみ!」【延長戦
【安価】サウザー「モバマスアイドル獲得に向けて果敢に制圧前進あるのみ!」【延長戦 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435921531/)


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(7610プロダクション 会議室)


サウザー「…どうなると思う?」

レイ「……」

シン「また壮絶に下らん事を言いだしたぞ、コイツ…」

シュウ「どうあがいても世紀末にしかならんな」

サウザー「だが、如何せん……、未成年のアイドルは未熟さを考慮し、さて置き、だ……」

サウザー「アニメの某プロデューサーも美城常務も……」

サウザー「俺から言わせればダメでしかない!」ドヤッ!

シン「……」

ユダ「断じて、お前が言える台詞では無いぞ! ソレ!」


http://i.imgur.com/kIN6Ae2.jpg



※7610……「ナント」、つまり南斗と読む。美城常務が現場軽視のデータ型成果主義であるならば、サウザーは現場軽視の制圧前進型実力主義という、微妙に相容れ無さそうで相容れる関係だった


レイ「だが、あの常務のヒールっぷりは見ていて清々しいじゃないか」

サウザー「フン……、ここであの常務に、何処ぞのプロダクションの腹黒社長の様に、『実は良い奴だった!』的な回想をされたら、もうお笑いだな」

サウザー「ヒール役とは憎まれてこそ本分なのだ。中途半端では誰もが煮え切らんだろう」

ユダ「……」

ユダ「な…、何それ。自虐ネタ?」

シン「若干、自分の事を棚に上げてるぞ…、コイツ」

シュウ「きっとあの常務もお前の様に、愛故に葛藤し苦しんだ過去があると言いたいのか?」

サウザー「違うッ! そうなればヒールとしては三流だと言っているのだッ!」

サウザー「この俺の様に、年端も無い子供を劣悪な労働環境で日々酷使させ、憎しみを一身に浴びながらも気にも留めず、覇道を突き進むくらいのカリスマ性を見せて貰わねばな…!」

レイ「それはそれで、色々な団体から苦情の嵐だと思うがな」


シン「兎も角……、無能の上司、プロデューサーも含めて、だ……」

シン「あのアニメは、誰もが完璧な人間などでは無く、共に成長していく懸命な様相を描くからこそ、視聴者も感情移入が出来るんだろう」

ユダ「細かい描写の数々も実に見事だぞ。俺が一番感心したのは、無能プロデューサーに対する不安を、エゾギクの花言葉でこっそりと表現していた所だな」

ユダ「他にも、BGMや天気、顔の陰影や姿の大小でキャラのテンションの移り変わりを表現している点も、趣深く、スタッフの有能さが伺える」

シュウ「……」

シュウ「お前らさ……」

シュウ「あんまり…、あのプロデューサーを『ダメ』だの『無能』だの言うと、コアな層のファンから大バッシングを浴びても知らんぞ?」

レイ「今や彼はトップアイドル並みの支持を得ているからな。名前を出すのも慎重にならねば…」

シュウ「まあ、彼は不器用なだけであって、無能では断じて無いからな」

サウザー「フン……」

サウザー「そこでだ…、想像してみろ…!」

サウザー「完璧全能を体現した我らと、オマケで北斗一派の、所謂『北斗勢』が……」

サウザー「もし、あの無能なキャラ達の代わりに出演を果たした場合、どうなるか…」

シュウ「……」

サウザー「まずは小手調べだ。第15話の一場面を例に見て行こうか?」


【EX.produce THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRL ANIMATION】

・・・・・
・・・


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【注意】
以下、『アイドルマスターシンデレラガールズ』のアニメのシーンを幾つか、
そして誰かが、『北斗の拳(イチゴ味)』のキャラと入れ替わった状態で展開します。
なので、キャラ崩壊、展開改変が多数見受けられます。
そういった話が苦手な方は、閲覧を控える事をお勧めします。

ご了承ください。

★━━━━━━━━━━━━━━━━


以下、南斗六聖拳の逞しい妄想の数々を御覧ください。

http://i.imgur.com/ebhznsB.jpg



・・・
・・・・・
【CASE0 第15話より】


P「プロジェクトにはそれぞれ方針があり、その中でアイドル達は成長し、個性を伸ばしていると思うのですが…!」

P「一人一人歩み方は違います! それを無視して笑顔を失ってしまうようなやり方は、自分には、出来ません!」

羅将ハン「ほう……」

羅将ハン「………笑顔とな…?」

P「…!」

羅将ハン「貴様……」

P「……っ」

羅将ハン「さては、童貞だな?」

P「っ!?」


http://i.imgur.com/fNEuxXi.jpg


P「お…」

P「仰る意味が…、よく分かりませんが…」

羅将ハン「この程度の意味を察する技量すら無いとは、まさしく童貞そのものではないか…」

P「…?」

羅将ハン「女子の恥辱に塗れた恍惚の破顔を妄想し、あまつさえ独りよがりのソレを押し付け…」

羅将ハン「さながら貴様の態度は、マスター○ーションの法悦しかしらぬ童貞といったところか……」

P「じ、常務……?」

P「…失礼ですが、話を戻させて頂きます…」

羅将ハン「貴様の手淫の話など聞く価値は無い」

羅将ハン「座りたまえ」

P「し、しかし…!」

羅将ハン「このまま続けるとあらば、この部屋にいる者全員の連帯責任として、全員を童貞認定するが…」

羅将ハン「良いのだな?」

P「なっ…!」


今西部長「P君…」ポン

P「部長…」

今西部長「ここは引きなさい」

今西部長「童貞で無いのであれば、男ならば、余裕と品性を持ちなさい」

P「……っ」

P「……」スッ

羅将ハン「……よろしい」

羅将ハン「少なくとも、今西君はただの童貞ではない様だな…」

今西部長「はは……」

羅将ハン「さて、では話を戻そう」

羅将ハン「今後の経営方針に関して、いかにアイドル達の童貞臭さを払拭していくかと言う、大人の階段計画だが……」


【CASE0 終了】
・・・・・
・・・


・・・
・・・・・


レイ「だ…!!」

レイ「ダメだって! だから武○Pのネタはダメだってッ!!」ガタッ!

シュウ「もうこの際だから名前出すけど、○内Pの印象を悪化させる様な物は危険だって!!」

サウザー「……」

サウザー「フン……、何を恐れているのだ、貴様ら…」

ユダ「そんなに腐○子が怖いか? 六聖拳ともあろう者が無様だな…」

シュウ「ど…、どうなっても知らんぞ……」

シン「しかし、初っ端から濃い奴が出て来たな」

ユダ「北斗の拳イチゴ味第4巻にて初登場したが、1ページあたり平均2.1回も童貞発言するトンデモ無い野郎だからな」

シン「あんなパワハラとセクハラを兼ね備えた上司は御免だぞ」

サウザー「さあて、では肩慣らしはこの程度だ」

サウザー「これよりは、ほぼ時系列順に展開を追って行こうではないか」

サウザー「まずは第1話からだ!」


・・・・・
・・・



・・・
・・・・・
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【CASE1 第1話より】


警察「少し、話を聞かせて貰えるかな?」

凛「…別に、何もしてないよ」

警察「何でも無いって事は……っ!」

子供「うっ…うううっ……!」

警察「!」

凛「!」


ザワザワ…

ザワザワザワ…



ケンシロウ「………」ピタッ


凛「何もしてないって…」

警察「じゃあ、どうしてこの子はこんなに脅えてるんだ!」



ザワザワ…

ケンシロウ「……」

ケンシロウ「…道をあけろ…」グイッ


サァーッ!

バタバタバタバタ!
ザワザワザワザワザワザワ!
ヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソ!



警察「……一旦、署の方へ来て貰えるかな?」

凛「えっ! ちょっと…ッ!」

ケンシロウ「おい…、そこのお前…」

警察「……ん?」

凛「(うっ!?)」ビクッ

警察「ッ!?」

ケンシロウ「お前だ、このデク野郎…」

警察「な、何ですか、貴方はッ!?」


ケンシロウ「ほぉぅッ!」ビシィ!

警察「アひィ?!」ピキィン!

警察「」


ザワザワザワザワ…!!


凛「……!?」

凛「ちょ、ちょっと! 何したの!?」

ケンシロウ「…頭顳と呼ばれる秘孔を突いた」

凛「ひ、ひこう……?」

ケンシロウ「この者の脳を一時的に麻痺させ、記憶を消し飛ばした」

ケンシロウ「俺の目には、お前は何か、その子供に愚行を働いた様には映らなかった」

凛「え、あ、え……え?」

ケンシロウ「権力を盾に民衆の言動を抑制し、言葉でしか真実を見測れぬ………この国の公僕の眼は腐りきっている…」

ケンシロウ「……さあ、行くがいい」

凛「あ、ありがとう……」

ケンシロウ「……」スタスタ

凛「………」

凛「…?」



【CASE1 終了】
・・・・・
・・・


・・・
・・・・・


シン「……」

ユダ「ちょっと待て、色々と待て……」

レイ「ツッコミ所しかないぞ」

サウザー「何が?」

シュウ「ケンシロウって、あんなに口悪かったか? 『デク野郎』って………」

シン「いや、確か初期だと『ハゲヤロー』とか言って、敵を幼稚に煽ってた事もあったな…」

サウザー「初期は奴の性格設定も若干曖昧だしな。バットの里親に敬語を使ったり、バーの店主を理不尽に殺そうとしたり」

レイ「まあしかし……、秘孔を突いて暴漢から窮地を救うのは、実に奴らしい行動だが…」

ユダ「いや……、というかさ…」

ユダ「何? あの後、普通に渋谷凛と別れちゃうワケ?」

サウザー「結論を述べれば、あのコミュ障のウドの大木は、アイドルのプロデュースはおろか、まともな会話すら出来んという事だ」

ユダ「腰巾着のガキ二人が不在だと、アイツは何も出来んのか……」

シュウ「所詮、我らは肉体言語でしか扱えぬ運命なのか…?」

レイ「……ケンには悪いが、一緒にしないでくれ」


・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
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【CASE2 第1話より】


講師「さっきのって…、この間のライブの写真?」

卯月「はいっ! 私も、早くステージに立ちたいなって…!」

講師「そうね…、この間のシンデレラオーディション、惜しかったじゃない?」

卯月「えへへ…」

卯月「他にも色々受けてるんですけど、難しいです…」

講師「んー……でも、卯月ちゃん、頑張ってるわよ?」

講師「同期の子、皆どんどん辞めていっちゃったのに…」

卯月「……」

卯月「よし…っ!」

卯月「わたしっ! もっと頑張りまーっすッ!」

ビキッ!

卯月「あ、ててて……!」

講師「こらこら…」


講師「頑張るのは良いけど、無茶はダメよ?」

卯月「えへへへ…、ご、ごめんなさい」



ガチャ!


卯月&講師「…?」


ガチャガチャ!

ガチャガチャガチャ!

ガチャガチャガチャガチャガチャ!


卯月&講師「!?」



講師「ど、何方でしょうか?」




ガチャチャ!

ガチャチャチャ、ガチャチャ

ガチャ、ガチャ、ガチャ…、ガチャ、チャ!

ガチャッチャー!



卯月「(り、リズム刻んでる…!?)」

講師「(…卯月ちゃん、このモップ持って、私の後ろに控えてて)」

卯月「(は、はい……)」ササッ

講師「……」コソコソ

卯月「…」


講師「(開けるわよ……)」チラッ

卯月「…」コクン

講師「……」

卯月「……っ」ドキドキ



ガチャ!


講師「っ!」

卯月「!」








サウザー「……」ニヤリ



http://i.imgur.com/DDWAu3V.jpg

http://i.imgur.com/vb03YRK.jpg




サウザー「……」モジモジ

講師「…」

卯月「……」

サウザー「フフフ…!」ニヤニヤ

講師「…」

卯月「……」

講師「……」スッ


バタン

カチッ



講師「…」

卯月「……」

講師「……レッスン、続けましょうか」

卯月「はい」


【CASE2 終了】
・・・・・
・・・



・・・
・・・・・


サウザー「どうだった?」

サウザー「あの某プロデューサーを遥かに超えるインパクトでしたね?」

サウザー「北斗の拳イチゴ味の読者なら、扉を開けた瞬間、悠々と構える俺の姿を想像出来たのではないでしょうか?」

シュウ「地獄の蓋を開けた瞬間だな」

シン「嫌悪感を抱くしかない展開だ」

ユダ「何で…、普通の登場が出来んのだ?」

サウザー「普通はつまらんだろう?」ニヤリ

レイ「通報されなかっただけ、まだマシなレベルだな」

サウザー「何事も第一印象、掴みが肝心と言うではないか!」

シン「悲しい事だが、我らの場合は、全てが出オチにしかならんのだ…」


・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
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【CASE3 第2話より】


美波「新田美波です。よろしくおねがいします」

シュウ「うむ」

ユダ「ふぅん…」

美波「メンバーでは私が最年長だと思いましたが、年上の方が居て安心しました」

美波「私も至らない点が多くありますが、同じプロジェクトの一員として頑張ります」

サウザー「フフフ…、精々、足を引っ張らぬ事だ」

アーニャ「…」スッ

ユダ「!」

サウザー「ほう…、外国人か?」

アーニャ「ミーニャ、ザヴート…、アナスタシア」

サウザー「……はあ?」

アーニャ「えっと…、アーニャと、呼んで下さい」

シュウ「…!」ピクッ

シュウ「アナスタシア…………、アーニャ……??」

美波「?」

サウザー「うん? シュウ様、何かあるのか?」


シュウ「ちょっと、いいか……、ついでに聞きたい事があるのだが…」

アーニャ「はい…?」

シュウ「Анастасия……、『アナスタシア』をロシアでの愛称、短縮系としたら…」

シュウ「『ナスチャ』や『スターシャ』、『アーシャ』と言った方が正しいのではないか?」

アーニャ「!!」

美波「!」

ユダ「!」

サウザー「!」

シュウ「……」

アーニャ「そ、それは……」


シュウ「そもそもアーニャって…、『アンナ』や『アン』の愛称だし……」

シュウ「……うん、別にいいんだけど…」

アーニャ「」

サウザー「……」

美波「あ、ええっと…」オロオロ

ユダ「……」

サウザー「し…!」

サウザー「シンデレラプロジェクトの下郎の皆さ~~~んッ!!」バッ!

サウザー「コイツ、ヤバイぞぉ~~~!」


ヒソヒソヒソヒソ…

アーニャ「……」

アーニャ「…………」

アーニャ「……ぅっ」グスッ

シュウ「!」

ユダ「あーあ…」

サウザー「……」

美波「あ、アーニャちゃん!?」


http://i.imgur.com/OFuygy7.jpg



アーニャ「ご、ごめんな、さ、いっ…!」グスッ

アーニャ「私が、ま、間違っていました…」

アーニャ「は…、母親が、付けてくれた愛称が、ま、間違っていたなんて……、ゆ、夢にも思わず……!」

アーニャ「な、情け、ないです………、これからは、別の名前を、名乗る事に……」ウルウル…

美波「アーニャちゃん落ち着いて!? 別に愛称なんだから、深く考えずに…!」

サウザー「……」

シュウ「……」

ユダ「……」

サウザー「おい…」

サウザー「謝れよ。ウダ」

ユダ「ッ!?」

シュウ「似た者同士、何か通ずるものがあるだろう。お前が適役だ、ウダ」

ユダ「は!?」

ユダ「き、貴様らが原因であろう!? シュウが4割、サウザーが6割!」

ユダ「責任を擦り付けるな! 俺はノータッチだ!」

シュウ「いいから……ホラ」

サウザー「顔合わせで泣かせるとか、大人の風上にも置けないな」

ユダ「き、貴様らァ…!」


ユダ「……」スッ

ユダ「……」

ユダ「おい……」

アーニャ「は、はい……」

ユダ「まあ、その…、アレだ」

ユダ「少し略称にミスがあったからと言って、落ち込む事はあるまい」

美波「ゆ、ユダ……さん…?」

ユダ「俺なんざ…、見ろ…」スッ

美波「?」

美波「その腕のマークは…?」

アーニャ「…?」

アーニャ「…『UDA』??」


http://i.imgur.com/lyp8v5v.jpg



ユダ「自分のトレードマークをこれ見よがしに民衆や奴隷にアピールしていたが…」

ユダ「痛恨のスペルミスをしていたのに、長年気付かなかったのだ」

アーニャ「!!」

美波「!!!」

ユダ「俺の名前…、正しくは『JUDA』、またはローマ字表記で『YUDA』ならば、まだ弁解の余地はあったのだろうが…」

ユダ「『UDA』だぞ? 何なのだ、これは…。『ウダ』、百歩譲っても『ユーダ』としか読めんではないか」

美波「……」

ユダ「だが、俺は恥じる事はせん。自分の象徴を誇りに思っているからな」

ユダ「だから……、お前も気に病むな。『アーニャ』、実に美しいニックネームじゃないか」

ユダ「母親が折角付けてくれたのだ。大切にするといい」

アーニャ「あっ……」

ユダ「……」

アーニャ「ありがとうございます、励まして頂いて…」

アーニャ「…あの、これからも、一緒に………、頑張りましょう」

ユダ「……うん」

シュウ「……」

サウザー「……」



【CASE3 終了】
・・・・・
・・・


・・・
・・・・・


シン「……」

レイ「これは……流石にシュウとサウザーがクズ過ぎる」

シュウ「ま…、待てッ!」ガタッ

シュウ「実際と空想を一緒くたにするな! 私も初対面の幼子相手に、あんな非道なツッコミはせんぞ!?」

サウザー「なんか丸く収まったけど、結局はただの傷の舐め合いか?」

ユダ「つまり、理解したか? 俺のこの『UD』も、愛称の様な物なのだ」

ユダ「決して間違えた訳でも誤記でも無い。このマークも俺の誇る力の象徴だ」

シン「成る程…」

シュウ「確かに、そう言う事情ならば、軽んじて侮蔑するワケにはいかんな……」

サウザー「では今後はそれを尊重し、ウダで呼称を統一しようではないか」

レイ「よろしく、ウダ」

ウダ「い、いや……、名前は以前のままで良いから…」


・・・・・
・・・

今日はここまで。いつになるかわからんがまた次回


・・・
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【CASE4 第2話より】


未央「プロになっても、やっぱり最初はレッスンなんだね~…」

未央「厳しいなぁ…」

卯月「レッスンは大事ですよ? どんどん上達していくのは楽しいですし♪」

卯月「一緒に頑張りましょう?」

未央「そうだね!」

未央「!」ピタッ

未央「ああっ!」

凛「?」

卯月「!」


スタスタ…


ユダ「次は、どこを攻めるのだ?」

サウザー「帝都の後は、やはり修羅の国に討ち入るのが展開的には望ましい」

シュウ「しかし、我らだけでは如何せん心許無いな」

シン「カイオウはさて置き、羅将ハンならば話が通りそうではあるが…」

レイ「PV撮影も良いが、そろそろ各メディアにも露出を増やさねばならん」

ユダ「……となると?」

サウザー「無論、グラビア撮影だな」

シン「!?」


http://i.imgur.com/vzWxJM6.jpg




シュウ「ぐ、グラビアッ!?」

シン「キワド過ぎるだろ! 何故真っ先にそれが挙がるのだ!?」

サウザー「普通、アイドルの代名詞はグラビアであろう?」

サウザー「水着回がなければ、ファンのテンションもだだ下がりではないか」

レイ「俺達の水着回なんぞ、誰が望むのだ!?」

ユダ「なんだ貴様ら…、今更裸体を衆目に晒すのに抵抗があると言うのか?」

サウザー「男の癖に、揃いも揃って情けない…」

シン「羞恥の前に、矜持があるだろ!?」

サウザー「そんな下らんプライド、犬にでも食わせておけィ…」


ギャーギャーギャーギャー!


スタスタスタ…




卯月「……」

未央「……」

凛「……」


卯月「な……!」

卯月「南斗DE5MENですよっ!」

凛「……!」

未央「う、うん…!」

卯月「全員、変なタンクトップ着てましたね!」

未央「……」

凛「あれ…、彼等って美城所属のアイドルユニットだっけ…?」

卯月「いえ、確か違ったような…」

未央「なんか前半、物騒な事言って無かった?」

凛「言ってたね…。攻めるとか討ち入るとか…」

凛「……抗争?」

卯月「き、きっと撮影の話ですよっ!」

卯月「い…、一流のアイドルと会えるなんて、光栄です…!」

凛「そうだね……」

未央「うん……」

卯月「……」


【CASE4 終了】
・・・・・
・・・


・・・
・・・・・


サウザー「…あの下郎共……、テンションだだ下がって無かったか?」

シン「ああ」

レイ「急速に熱が冷めてたな」

ユダ「一線で活躍する先輩アイドルを目の当たりにしてテンション下げるとか、アイツらの目はビー玉か何かなんじゃないか?」

サウザー「無礼にも程がある! 普通はあそこで挨拶の一つでも後輩からする物が常識だが…」

シュウ「礼儀は兎も角、マッシブな男達が前方から迫ってきたら、流石に驚くだろう」

レイ「聖帝タンクトップを着用した面々を見たら、それこそ夢なんぞ打ち砕かれた気分だろ」

ユダ「……」

シン「グラビアとか、実際どうなの?」

サウザー「別に良いんじゃない?」

レイ「物による」

シュウ「あの時代の男達に羞恥心があるとは思えん。むしろ嬉々として受け入れそうだが…」

サウザー「じゃあ、シュウ様はセミヌードで行ってみようか?」

シン「い、一児の父がセミヌードか…。かなり前衛的だな」


・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
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【CASE5 第3話より】


スタッフ「スタンバイ、お願いします!」

卯月「っ!」

卯月「も、もうですかっ!」

スタッフ「ハイ、お願いします!」

未央「……」

卯月「……」

未央「………」

卯月「………」



バシィ!

未央「ッ!」

シン「行くぞ」

未央「! ……う、うん…」

シン「卯月も立て」

卯月「えっ! あ、ハ、ハイッ!」


シン「案ずるな。本番は成功させるぞ」

卯月「はいっ!」

未央「うん…!」

シン「……」

美嘉「よしっ! じゃあ行こっか!」

「「はいっ!」」



『皆さーんッ!!』

「!」

茜「どうですかっ! 元気ですかーっ!!」

美穂「出る時の掛け声は、決まってますか?」

卯月「か、掛け声……、ですか?」

美穂「あったほうがイイですよっ」

茜「好きな食べ物とかどうですっ! 私なら、『ホカホカごはーん!』ですねッ!!」

シン「成る程…、好きな物か……」


卯月「な、生ハムメロンっ!」

未央「フライドチキン!」

シン「け、ケンシロウっ!」

「「……」」

「「じゃんけん、ポンっ!」

「「……っ!」」コクン

美嘉「おっけーっ!」クルッ

美嘉「じゃあ、楽しくやろうねっ!」


スタッフ「全員、スタンバイオッケーです!」



卯月「…っ」コクン

未央「…うんっ」コクッ

シン「…」ドキドキ

スタッフ「行きます!」

スタッフ「5秒前!」

スタッフ「4…、3…!」

「「ケンっ!」」

「「シロ…!」」

「「ウッ!!」」


バッ!


シン「っ!」スタッ

ドタ、ドタッ…


http://i.imgur.com/HIFAUZE.jpg



【CASE5 終了】
・・・・・
・・・



・・・
・・・・・


シン「完全な風評被害だろ!! いい加減にしろッ!!」バン!

サウザー「好きな『食べ物』って言ってるだろうが…」

レイ「しかもお前以外、着地失敗してるじゃん」

ユダ「無能だな」

シン「ふざけるなッ! な…、何故あそこで俺が入るのだ!」

シン「仮にだッ! 仮に俺だったとしても、ケンシロウの名など挙げんわ!」

シュウ「このSSでは、お前の性癖はもう周知だから隠すのは無駄だ。諦めろ」

シン「そういう意味では無い! 流石に俺も空気を読んで、無難な食い物を言うぞ!?」

レイ「疑わしいな…」

シン「で、では…、もし貴様らがあの立場だったらどう切り抜けるのだ!?」

サウザー「俺は緊張感など、生まれてこの方感じた事は無い!」

ユダ「右に同じだ」

シュウ「まず、あの場に私が立つなど考えられん」

レイ「『アイリ』『アイリ』『トトキィ!』だな」

シン「く、クソ共がっ…」

・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
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【CASE6 第4話より】


李衣菜「んー…、気付いたらロックに身を任せちゃってたって言うか…」

李衣菜「やっぱ、ロックなアイドルの性ってヤツかな…」

バット「へぇ…」

リン「ふぅん…」

李衣菜「…♪」

李衣菜「ま、私がデビューしたら、スターになっちゃうから…」

李衣菜「この動画、御宝モノだね…!」ビシッ

バット「スター?」

リン「……」


李衣菜「目指すはクールでロックなアイドル!」

李衣菜「武道館とか万人で…、そして、ライブで伝説を残すっ!」

リン「……」

バット「……」

リン「(バット…、この人、アレだわ…)」ヒソヒソ

リン「(目標が大きすぎて途中でパンクする、典型的な駄目パターンだわ…)」ヒソヒソ

バット「(ロックなのにパンクか……笑えないな…)」ヒソヒソ

リン「(大きすぎる目標は、感覚が掴めないし、集中力も持続しない。すぐ投げ出しがちになるのよ)」

バット「(ああ。まさにサウザーみたいな感じだな)」

リン「(この子…、サウザーと逢わせたら意気投合するんじゃないかしら?)」

バット「(まさか……流石にアイツはロックすぎるだろ)」


李衣菜「まあ…、そういうワケだから…」

李衣菜「私の事、注目しといた方がいいかもね!」

リン「ええっと…、じゃあ、今後の活動の方針とか、伸ばす長所、活かす自身の強みとかを教えて貰っていいかしら?」

李衣菜「ほ、方針…?」

リン「ええ。最終的な目標とかは置いておいて、短期的なスパンでの指標と課題とか…」

李衣菜「こ、このビデオって、そういうのも聞くの?」

バット「そりゃあ一応。決意表明って意味も込めて」


李衣菜「そーだね…、ギターを今よりもっと上達して、それで…」

バット「ん? じゃあ、ちょっと弾いて貰おうかな?」

李衣菜「うえっ!?」

リン「私も聴きたいわ♪ これこそ、後でこのビデオを見返した時に、自身の成長の度合いを確認出来るじゃない!」

李衣菜「あ、え……、で、でも!」

李衣菜「今、ギターが無くて………あ、あはは…!」

リン「はい、コレ」スッ

李衣菜「!!」

李衣菜「な、何で持ってるの?!」

バット「ホラホラ、早く聴かせてくれよ!」

李衣菜「う、ああ…あ…!」オロオロ


リン「……」

李衣菜「い、今…、ちょっと指、怪我してて……」

バット「……」

李衣菜「……っ」

リン「……」

バット「……」

李衣菜「………」ダラダラ

バット「……リンよう…」

リン「…何かしら」

バット「ひょっとして、俺達、残酷な事してるんじゃねえかな…?」

リン「早い段階で挫折させて現状を自覚させるのも、彼女自身のためなの!」

李衣菜「……」

リン「頑張って李衣菜さん! 辛くてもギターを弾くの! ロックなアイドルでしょう!?」

バット「そうだぜ! イキなトコ、俺達に見せてくれよ!」

李衣菜「あ、ああ………、は、ハイ…」



【CASE6 終了】
・・・・・
・・・


・・・
・・・・・


レイ「……」

レイ「あの二人って、意外に辛辣な部分あるよな…」

シン「辛辣と言うか、若干鬼畜要素が入ってないか?」

サウザー「あれくらいの平常心とブレない感性を持ち合わせんと、ケンシロウのお付きとしては務まらんのだろう」

シュウ「ある種、達観してると言うか、捻くれてると言うか…」

シン「考えている事自体はマトモなのだが、容赦が無いな」

シュウ「そこは良い意味でも悪い意味でも、子供として純粋なのだろう」

サウザー「さて…」

サウザー「次は、前川某の株を爆上げした、例の5話だな」

レイ「アニメ効果で総選挙2位まで浮上するとはたまげたな、正直」

ユダ「放送以降、彼女をネタキャラとして扱うと、何故か周囲からバッシングされる傾向にあるのは気のせいか?」

シュウ「声優の方の発言を重く捉え過ぎた、一部の層の意向だろう。あまり関わらん方がいい」

シン「下手に人気が出るとロクな目に合わんな……」


・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
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【CASE7 第5話より】


かな子「おめでとうございますっ!」

みりあ「すごーいっ! CDデビューだぁ!」

李衣菜「おぉー……」

美波「どうしよう…! いきなり過ぎて…!」

アーニャ「C、D…?」

莉嘉「ずるーいっ!」バッ!

莉嘉「アタシは!? アタシもCD出したいっ!」

卯月「…!」

凛「……!」

みく「………ぁ…っ!」

みく「そ、そうにゃ! みく達は…、どうなるにゃ?」

ジャギ「んん~…?」

みく「……」

ジャギ「残りのメンバーの処遇だとぉ…?」


みく「何で……卯月チャン達やあーにゃん達が出来て、みく達が出来ないのにゃ…?」

みく「何か、違いとか…、足りない点が、あ…、あったら…」

ジャギ「んんん~~?」

李衣菜「まさか…、また企画検討中ってヤツ?」

莉嘉「どうなの! Pくん…!」

ジャギ「……」

ジャギ「そんなに知りたいのかぁ~~??」

ジャギ「知っても、後悔せんなぁ~??」

きらり「う、うぅ~…」

かな子「し、知りたいですっ!」

蘭子「パンドラの箱に手を伸ばす所以は、我らの持つ浅はかな業故であるが……しかし………(き、興味はあるけど、聞くのも少し気が引けます…)」

智絵里「こ、怖いです…」


ジャギ「知れば、貴様らは不満を言うかもしれんぞぉ?」

ジャギ「今より辛い心境で活動に臨まねばならなくなるかもなぁ~…!」

みく「っ…」

みく「それでも…、何も先行きが分からず、もやもやした不安を抱えて過ごすよりはマシにゃ…」

みく「ダメならダメで、諦め………ううん、これからもっともっと頑張ろうって気にもなるし…」

ジャギ「良いだろう……、貴様らはなぁ……」

みく「……」

ジャギ「……」

ジャギ「………」

ジャギ「近々、順番にCDデビューに向けて活動を展開する予定だが…」

ジャギ「選別した順番は実力等で決めたワケじゃねえ。要するに、タイミングの問題だなあ!」

みく「……」

智絵里「…!」

みく「え……!」

莉嘉「ほ、ホントにっ!?」

みく「み、みくも、で……、デビュー出来るにゃ?」


みりあ「やったぁ! みりあ達もデビュー出来るんだっ♪」

智絵里「よ、良かった…」

ジャギ「まだ決定事項じゃねえ! いいか、ダメ元で体裁を整えた企画書が通るとは限らねェ!」

ジャギ「これを貴様らに言うと、浮かれてレッスンにも身が入らんから伏せていたが…」

ジャギ「貴様らがあんまりにも……アレだぁ…」

きらり「…? ジャギちゃん、どうしたにぃ?」

ジャギ「辛そうな表情をしていたからなァ…、口を滑らせちまったじゃねえか…」

みく「…!」

李衣菜「な、なにそれ。素直じゃないね…、全く」


みりあ「わーいっ♪ プロデューサー、ありがとうっ♪」ダキッ

かな子「ありがとうございます! プロデューサー…!」

ジャギ「寄るんじゃねえ! 暑苦しいだろうがッ!」

莉嘉「よ~し、アタシ、これからも頑張るぞ~っ!」

ジャギ「そうだ! 貴様らはまだ知名度も貢献度も足りねえ! 地道な活動を蔑ろにしていると、デビューなんぞ出来んと思えッ!」

きらり「じゃあじゃあ! これからもい~っぱいお仕事こなさなきゃねぇ☆」

蘭子「全て遠き理想郷と成るにはまだ早いという事か…、見果てぬ夢へ身を委ねようではないかっ!(これからも、諦めないで夢を追いかけて頑張りましょうっ!)」

ジャギ「全く…、ガキは都合が勝手過ぎる…」

ジャギ「勝手にイメージを膨らませ、勝手に期待を押し付け、そして勝手に意気消沈しやがる……」

ジャギ「だから…、ガキは好かねえんだ…」

みく「ぷ、プロデューサー…!」

ジャギ「アァン…?」

みく「その………、あ、ありがとう…ございます…」

ジャギ「ハァン? 何故礼を言う? まだデビュー出来るとは決まってねェのに…」

みく「そ、それでも一応…。色々と私達の事、考えててくれてて…」

ジャギ「……」

ジャギ「フン……精々、名を挙げてこの俺の役に立つ事だなァ……んん~?」

みく「も、もうっ! 本当に素直じゃないのにゃ…!」

みく「でも、良かったにゃ~♪ これで仕事にも活路を見出せるにゃ♪」

ジャギ「へへ……」

ジャギ「俺も新しい人生を歩むからには…、他人から心から感謝されるようなマトモな人間にならねぇと…」

ジャギ「何としてでも、貴様らをデビューまで導かんといかんなぁ…!」


http://i.imgur.com/3fx0w86.jpg




【CASE7 終了】
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・・・
・・・・・


サウザー「…猛烈にイラっとくるな」

シン「割と本気で寒気がした」

シュウ「と、トリハダが……っ!」ブルッ

レイ「あの悪党めが……、何を改心した気でいるのだ?」

ユダ「誰かが死で償わせてやれば良いのに、いつまでも放置するから付け上がるのだ…」

シュウ「……待て、レイ。その台詞はここの面子にも当て嵌まるぞ」

サウザー「……」

サウザー「それより……、『生まれ変わった』………って何?」

シュウ「ああ…、人生を取り戻すとか言って、無性に良い事がしてみたいと部下に語っていたそうだ」(※北斗の拳イチゴ味 46話『お泊りサウザーの巻』)

レイ「クソだな」

シン「自分の人生より、奪ってきた他人の人生を省みて欲しいものだな」

ユダ「これ…、イチゴ味を未読な人から見たら、不愉快極まりないんじゃないか?」

シュウ「いや、寧ろ不愉快と言うか、不可解と言うか…」

サウザー「そこはギャグ漫画と言う事で、割りきって貰おうではないか!」


・・・・・
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【CASE8 第5話より】


みく「なんで、何でダメなの…? みく達も頑張ってるのに、なんで……?」

みく「………」

みく「…シンデレラプロジェクトのオーディション受かって、すごく嬉しかった……」

みく「レッスン頑張って、小さいお仕事も頑張ってやってたら……、いつか、デビュー出来るって信じてた…」

みく「でもっ、どんどん置いていかれて…、ほっとかれて……!」

みく「何が違うの…」

みく「もっと頑張れば良いの? もっとってどれくらい!?」

みく「みく、全然分かんないっ…! このままはイヤ! みくもアイドルになりたい、デビューしたいっ!!」

凛「……っ」

未央「……」

卯月「(みくちゃん…)」

ラオウ「……」

ラオウ「………」

ラオウ「前川よ…」スッ

みく「…!」


ラオウ「周囲に置いていかれる焦燥、努力が実らぬ無力、そして絶望……」

ラオウ「貴様が抱いた不安…、この拳王、今しかと受け止めた」

みく「ぷ、プロデューサー…」

ラオウ「……貴様のその想いを察する事が遅れ、このような事態を招いたのは俺の不覚だった。その責、咎める事はせん」

ラオウ「だが前川よ。そこでお前が駄々をこねていても、現状に変わりは有るまい」

みく「……っ」


チュンチュン…


みく「…」

凛「…?」

卯月「……?」

未央「(な、何の音…?)」


ラオウ「今後の方針はまだ社外秘の未確定事項故に…」

ラオウ「貴様らに中途半端な期待を寄せられても、些か活動に支障が出る事を危惧していたが………こうなっては致し方あるまい」

みく「えっ……?」


バサーッ

未央「!」

凛「(と、鳥…?)」

卯月「(ラオウさんの頭上に…)」

ラオウ「CDデビューの一件だが、実の所を言えば…」



ブスッ!

http://i.imgur.com/hNeJCGv.jpg



みく「っ!?」

ラオウ「既に全員分のデビュー構想は完成しているのだ。あとはその企画が、上層部に承認され費用の確保と目処が立てば…」

卯月「(も、百舌鳥がっ…! 百舌鳥がラオウさんの兜に虫を突き刺した!!)」ドキドキ

凛「(百舌鳥の早贄! 初めて見た…!)」ドキドキ

未央「(な、なんでラオウさんの兜に百舌鳥が…!)」ドキドキ


ラオウ「貴様らが日々邁進しているのは当然把握しておる。だが、取るに足らんとばかり考え、今回は貴様の心情を…」

みく「(何で……本人は気付いてないんだろう…??)」ドキドキ


チチチチチチチチ!

未央「!!!」

みく「(も、もう一羽来たにゃあ!?)」

ラオウ「考えを改めねばならんな…。信頼が無ければ成り立たん業界だ。ましてや意志疎通など初歩で不覚を取るとは…」


ブスッ

卯月「…!!」

凛「(また、刺してった……)」


バサーッ

未央「……」

卯月「………」

みく「…………」

ラオウ「……そう言う事だ、前川よ」

みく「あっ! えっ!?」ビクッ

未央「(…おかげで、全然話が頭に入ってこなかった…)」

凛「(何を話していたんだろう…)」

みく「え、ええっと………」

みく「……」

みく「取り敢えず、ここから出るにゃ…」

みく「ご、ごめんなさい………」

ラオウ「……うむ」


【CASE8 終了】
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・・・
・・・・・


シュウ「こ、これは良い例か? それとも悪い例か?」

ユダ「……」

レイ「ラオウのあの刺々しい兜は、すっかり百舌鳥の溜まり場だな」

シン「集中力が削がれるのも、アレばかりは納得だ」

レイ「あれほど無骨なラオウと百舌鳥とのギャップが激しいな。どんな頭があればこんな構図が浮かぶのか、イチゴ味のシナリオ担当に聞いてみたいものだ」

サウザー「まあ、結果的には前川某も出てきてくれたし、良かったんじゃないか?」

シュウ「筋道が壊滅的だがな…」

ユダ「怖ろしいまでのギャグ補正だな」

サウザー「不満か?」

サウザー「ならば、もう一人くらい別パターンを見てみようか?」


・・・・・
・・・


・・・
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【CASE9 第5話より】


きらり「みくちゃん! もうやめよう~…?」

かな子「デビューの事、プロデューサーさんに相談してみよう?」



タタタタ…

トキ「はあ…、はあっ…」

美波「あっ…、プロデューサー…!」

トキ「こ、これは……一体……!」

アーニャ「みく、達が……」

トキ「はぁ…、げほっ……!」


みく「……したにゃ…」

トキ「ぜー…、はぁっ…」フラッ

みく「何度も……、でもダメだった…!」

みく「なんで、何でダメなの…? みく達も頑張ってるのに、なんで……?」

トキ「はぁ…、はぁ…っ!」

みく「…シンデレラプロジェクトのオーディション受かって、すごく嬉しかった……」

みく「レッスン頑張って、小さいお仕事も頑張ってやってたら……、いつか、デビュー出来るって信じてた…」

トキ「ゴホッ、ゴホッ…、ま、まえか…、ゲホッ…!」

みく「でもっ、どんどん置いていかれて…、ほっとかれて……!」

みく「何が違うの…」

みく「もっと頑張れば良いの? もっとってどれくらい!?」

みく「みく、全然分かんないっ…! このままはイヤ! みくもアイドルになりたい、デビューしたいっ!!」

トキ「ぜぇ…、はぁっ…!」

トキ「ま…、まえ…か……」ヨロッ

トキ「ぐッ?」ガクッ

トキ「がはぁッ!」


ビシャビシャ!

美波「!!!」

アーニャ「?!」

みく「ぴ、Pチャン!?」


トキ「き…、気に、するな…。私の吐血は、平常運転だ………」

美波「吐血は平常じゃありません! 異常ですっ!」

トキ「私の事はいい…、そ、それよりも、ま…、前川よ……」

美波「喋らないで下さいっ! すぐに救急車を呼びますから!!」

アーニャ「プロデューサーっ!」

みく「…ッ!」バッ


タタタッ…

みく「Pチャン! しっかりして…!」

トキ「ごほっ………、デビューの件だが、何も伝えてやれず、すまなかった…」

トキ「こ、今後は、機を見計らい、順番にう、売りだす、計画………だったの、だ…」

トキ「本当に、すまん……」

みく「う、ううん…!」

みく「みくこそ、少し大人げなかった…、ごめんなさいっ! 余計な心労を掛けさせて…!」

トキ「………げほっ!」

トキ「た…、たった今、上層部に承認を得てきた所だ…、こ、これで…、君達も……ようやく日の目を見っ……」

トキ「………ッ」ガクッ

みく「ぴ、P、チャン……?」

美波「プロデューサー!!」

みく「う、うわああっ! Pチャン! しっかりしてぇっ!」

トキ「……」


【CASE9 終了】
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・・・


・・・
・・・・・


サウザー「とんだ茶番だな」

レイ「ん?」

サウザー「あの病人はこの程度で死ぬタマではあるまい。なにしろ、北斗の拳ACで凶悪的な性能で暴れまわている位だからな」

サウザー「詰まる所、あの下郎共は騙されているのだ! やってる事は単なる泣き落としに近いではないか!!」

サウザー「病弱を盾に取り、何もかもが情で押し通ると思い上がりおって…!!」

レイ「まあ……、別にいいんじゃないか?」

サウザー「……」

サウザー「あぁん…?」←【北斗の拳AC、紙防御】

レイ「展開を見るに、デビュー案件は既に整っていて、企画も承認済みだ。充分敏腕じゃないか」←【北斗の拳AC、トキと並ぶ最凶性能】

ユダ「そうだな。完全無欠に見えるトキでこそ、ああいう脆く不器用な一面があり、それでこそ未熟なアイドルと足並みを揃える事が出来ると言う物だ」←【北斗の拳AC、理論値最強候補】

シン「真正面から向き合うのを是とせず、自分の領域に引き込んで前川みくを籠絡させる……実に見事な手腕じゃあないか」←【北斗の拳AC、高水準操作性キャラ】

サウザー「し、しかし…、所詮はただの死に芸であろう!」

シュウ「……」←【北斗の拳AC、目立った出番無し】

サウザー「今の所、俺以外に誰一人としてマトモな有能っぷりを見せ付けてはいないではないか!?」

サウザー「そろそろ、我ら北斗勢の快刀乱麻の活躍をだな…!」

シュウ「お前…、それ本気で言ってる?」


http://i.imgur.com/4SXebnS.jpg



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・・・



・・・
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【CASE10 第6話より】


未央「なんで………?」

サウザー「ハア?」

未央「お客さん、メチャクチャ少ないじゃんッ!!」

未央「何でっ!?」

サウザー「……」

サウザー「え、ちょ……、え?」

未央「……」

サウザー「君…、何言ってるの??」

未央「何って…!」

未央「前のライブより、全然お客さんが…!」

サウザー「前の? ああ、姉ヶ崎のバーターの時?」

美嘉「あっ…!」

サウザー「確かに超満員の見事なライブだったな。貴様達の活躍も素晴らしかったが…」

サウザー「だってそれ、『本田未央』のライブじゃ無いよね?」

未央「!」

サウザー「ましてや、貴様があの大勢の客を集めた訳でも無い」

未央「で、でも…!」


サウザー「何? 勘違いしちゃった? そんなカンジ? んん??」

未央「くっ………!」

美嘉「ちょ、ちょっと!」バッ!

サウザー「ん?」

未央「………」

美嘉「もう少し言い方があるでしょ! 彼女の気持ちだって…!」

サウザー「ああ、では貴様に聞こうか。城ヶ崎よ」

美嘉「な、何よ……」

サウザー「今やカリスマと謳われ、名声を欲しい儘にする城ヶ崎美嘉の、昔の…」

サウザー「貴様のデビュー時の規模と集客数だ」

美嘉「!」

サウザー「ええ? どうなんだ?」

美嘉「そ、それは……」

サウザー「もっとみすぼらしいハコで、少ない客の前で…」

サウザー「それでも貴様は同じく愚痴を溢したか? んー?」

美嘉「…」

サウザー「違うだろう? それは、実力に見合った結果に他ならんからだ」


サウザー「デビューライブ、今日の盛況具合は…」

サウザー「新人としては破格の待遇、そして上々の盛り上がりだと感じたが…」

サウザー「何が不満なのだ? 本田未央よ…」

サウザー「ラブライブの二人の満足具合を見るに、俺の見解は正しいと思うが?」

美波「『ラブライカ』です……」

未央「……っ」

サウザー「アイドルとしての第一歩となる初ライブ…」

サウザー「少ない客の前で全力のパフォーマンスを披露し、まばらに送られた拍手に涙ぐみながら満面の笑顔で礼に応じたラブライカと…」

サウザー「なまじ大舞台を知ってしまったが故に、客の少なさに意気消沈し、クラスメイトの応援にもこたえられず、逃げるように退場した本田未央」

未央「………」

サウザー「フン……、貴様は分不相応な幻想を抱き、そして当然の現実に勝手に辟易している」

サウザー「ただの我儘で哀れなガキに過ぎん。フハハハ…!」


http://i.imgur.com/fHpx4Rq.jpg




未央「っ!」

未央「もういい……、もういいよッ!」

サウザー「はぁん?」

未央「私が馬鹿だった…、そうだよ、私の実力なんて…、この程度だよ!」

未央「だったら、アイドルなんて、元から向いて無いんだよ……!」

サウザー「!?」

サウザー「お、おい…、ソレとコレとはまた違う問題…」

未央「私…、アイドル辞めるっ!」バッ!


タタタタタタ…




卯月「み、未央ちゃんっ!」タタタ…

凛「…」ドカッ

サウザー「!?」ガクン


タタタタ…



サウザー「……」

サウザー「……えっ??」


美嘉「…」

美嘉「あの、さ…」

サウザー「……」

美嘉「アンタの言ってる事は全部正しいよ。間違って無い」

サウザー「だろう?」

美嘉「でもさ…、彼女、まだ15歳だよ?」

美嘉「正論を翳されて、現実を見せられても……、納得出来ない時だってあるんじゃないかな」

美嘉「もう少し、彼女の気持ち…、分かってあげなよ…」

サウザー「フン…、奴の気持ちだと?」

サウザー「充分に察してはいるが、俺からは、これ以上何も奴に対し施す事は無い」

美嘉「!」

美嘉「なに、それっ…」


サウザー「俺は、奴のプロデューサーであり、上司だ。友達でも何でもない」

美嘉「……?」

サウザー「上に立つ者は、下の者の気持ちこそ汲むが……」

サウザー「顔色を伺い、同調し、媚び諂う事だけは絶対にしないのだ」

サウザー「そうしなければ牽引する示しが付かず、また、緩慢な環境では奴自身の成長に繋がらん」

美嘉「……難儀だね」

サウザー「此度の問題は、奴自身の心境の変化を待つばかりだな。簡単に他者を頼る、今の餓鬼共の馴れ合いこそ、脆弱で恥ずべき行為なのだ」

サウザー「人間という生き物は、挫折と絶望の中、自問自答をする事によって、一つの真理に辿り着き、屈強な精神を育む」

サウザー「これが、俺の自論なのだ」

美嘉「……」

美嘉「それも間違って無いと思うけど…、私は、もっと他のやり方もあるんじゃないか……って言いたいよ」

美嘉「自分のスタイルを通すのも大事だけど、時には周りを省みて柔軟に対応するのも、良いんじゃないかな?」

サウザー「…フン」

美嘉「私も、アンタの事がよく分からないよ…」



【CASE10 終了】
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・・・
・・・・・


ユダ「(……大人げ無い)」

シュウ「(な、何だこの精神年齢が低い馬鹿は……)」

サウザー「俺の自論は、『人間という生き物は、挫折と絶望の中、自問自答をする事によって、一つの真理に辿り着き、屈強な精神を育む』」

サウザー「…その果てに俺が辿り着いた答えは、愛の淘汰だ」

シン「…」

シン「完全に独りよがりの暴論を形成するって意味じゃないのか……、その自論…?」

レイ「世紀末の思想を現代っ子に当て嵌めるのは流石に厳しいな」

シュウ「間違った考えを諭し矯正してあげるのも、上司…、いや、プロデューサーの大事な役目だろう」

ユダ「いや…、だが、厳しい環境に身を置かせることで自発的な成長を促すと言うのも、納得は出来なくもないがな」

サウザー「おお! なかなか分かっているじゃあないか、ウダ!」

シン「ふむ…」

シン「要は、教育方針の違いと言うやつか…」

シュウ「待て…、しかしだな…」

シュウ「社会の一端に身を置く以上は、仕事に支障を出さんためにも、そういった意地を通さずに形振り構わず、是正の行動を取るのも一つの方法だろう」

レイ「……それは、城ヶ崎美嘉の言っていた事だな?」

シュウ「…ああ。つまりは……『言い過ぎ』だ」

シン「……確かに」

シュウ「城ヶ崎の意見が、私は社会人としては正しい在り方だと思うぞ」

サウザー「フフフ…! 『退かぬ、媚びぬ、省みぬ!』だ!」

サウザー「己の考えを突き通せずして、何が聖帝だッ!」

ユダ「……」

シュウ「だが、結局はアニメと変わらん鬱展開になってしまったじゃあないか…」

レイ「無能だな…」


・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
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【CASE11 第6話より】


未央「なんで………?」

レイ「ん?」

未央「お客さん、メチャクチャ少ないじゃんッ!!」

未央「何でっ!?」

レイ「……」

レイ「無名アイドルとしては、充分な客入りだったが……」

未央「む、無名………、でもっ、私達…」

未央「美嘉ねえのバックダンサーも務めて…、だから、あれ程まではいかずとも…」

未央「もう少しお客さんが入るんじゃないかって……」

美嘉「!」

美嘉「私の、ライブ……」

レイ「……」

レイ「よし…」パンパン

レイ「他の者は解散だ。ニュージュネレーションズと、あと、ラブライブの二人だけ残れ」

美波「…『ラブライカ』です……」



‐‐‐‐‐‐



未央「……」

凛「……」

卯月「(未央ちゃん…)」

レイ「ラブライカは見事な出来だった。まだ完成された美しさとは程遠いが、懸命さが感じられて心を打たれるモノがあった」

アーニャ「ダー、ありがとうございます」

レイ「一方…」

レイ「ニュージェネレーションズは本懐の10%程の力しか発揮出来てはいなかったな」

レイ「お粗末な動きで、連携も取れておらず、注意されていたミスを繰り返し……」

レイ「……これが大舞台だったら非難轟々だったぞ。言い方は悪いが、小さい規模のライブで良かったな」

未央「……っ」

レイ「それとも、何か?」

レイ「お前らは、こんなゴミのようなステージではなく、以前の様な客入りの大舞台では無いと、本領が発揮出来ないか?」

未央「!」

未央「それは違っ…!」

レイ「違うのか? ならば、失敗した理由は他にもあるのか?」

未央「……っ」


レイ「プロは、客の人数に関わらず、自分の最大限出来る演技を全力で披露し、ファンを楽しませるが…」

レイ「それを、動員数の良し悪しを言い訳にするとは…」

レイ「お前らも、随分偉くなったものだな」

レイ「少ない人数のファンも笑顔に出来ず、大勢の観衆の前で満足のいくライブが出来ると思っているのか?」

未央「…!」

凛「……ねえ」

レイ「うん?」

凛「私も、同じだよ。以前のライブと余りに差の開きがあったから、少し動揺しちゃったんだよね」

凛「未央はそれを代弁してくれただけで……、多分3人とも同じ事を少なからず思ってたんじゃないかな」

未央「…しぶりん……」

レイ「成る程……、つまり…」

レイ「お前らの心中を察し勘違いを正せなかった俺にも責任があると言う事か…?」

凛「い、いや……別にそこまでは……」

レイ「だが、それも一因だろう」

未央「……」

レイ「…すまなかった。確かに、そこは配慮不足だったのかもしれん」

卯月「……いいえ、私達も悪いんです。リーダーの未央ちゃん一人に、負担を押し付けて…」

未央「しまむー……」


未央「…っ!」

未央「ごめんなさい…っ!」バッ!

アーニャ「!」

美波「未央ちゃん…?」

未央「私…、ちょっと馬鹿だった。自分の事ばかり考えてて…」

未央「デビューライブだったのに、他のみんなの足引っ張って、嫌な思いさせて…」

未央「その上、ファンの人に、笑顔を向けることすら出来なかった…!」

未央「私………、やっぱり、アイドルなんて……」

レイ「……」

レイ「なら、次は上手くやれると良いな」

未央「えっ?」

レイ「お前達全員、素質はあるんだ。ただ今回お前達3人は、少しミスをしただけの事」

レイ「新人なのだから、ミスの一つや二つは当然だろう?」

レイ「それを自覚出来ただけ、収穫だろう」

未央「プロデューサー…」


卯月「そうですよ! 次は3人とも笑顔で、頑張りましょう?」

凛「うん。今度はしっかり、ファンの人達も、そして私達も楽しめる様なライブにしよう」

レイ「……そうだ。自分達が楽しんでいれば、自ずとファンも惹きつけられる」

美波「まだ先は長いんだから、これからも諦めないでやって行けば、結果は自然に付いて来る…よね?」

アーニャ「ダー、その通り、です…!」

未央「み、みんな……!」

未央「ごめん…、本当に……!」

レイ「まだ無名の新人なんだ。辛いかもしれないが、この現実は受け入れるしかない」

レイ「一歩一歩、確実に歩んで行こう。そうすれば、以前の様なライブもいつか、必ず出来るようになる」

未央「うん…!」

レイ「…」

レイ「例えだが…」

レイ「今日のお前達のライブの客の人数をリンゴ10個として……、以前お前達が関わった城ヶ崎美嘉を含めた上位アイドルのライブの客の人数をリンゴ1000個としよう」

アーニャ「……」

未央「…」

凛「?」

卯月「?」

未央「?」

アーニャ「……??」

美波「?」


レイ「リンゴが10個だとしても1000個だとしても、同じリンゴには変わりが無い」

凛「う、うん…」

美波「は…はい……」

レイ「故にだ…」

レイ「お前達はリンゴをひとつひとつ、大切にしなければならない。まだお前達はリンゴの価値を分かっていないんだ」

未央「(リンゴ…)」

卯月「(り、リンゴ……??)」

レイ「まずは少しでも多くのリンゴ……いや、ファンを笑顔にしてやる事だ。それが出来なければ、大規模なライブなど到底望めまい」

凛「…?」

卯月「??」

アーニャ「プロデューサー? その例え、ちょっと…」

美波「アーニャちゃん! しーっ!」ガバッ

アーニャ「むぐっ……」

未央「…???」


http://i.imgur.com/sBJaEDT.jpg


【CASE11 終了】
・・・・・
・・・



・・・
・・・・・

レイ「何故にこんな微妙な例しか挙げられんキャラになっているのだ!?」

シュウ「途中までは、まあ良かったが…」

ユダ「最後の最後であさっての方向に展開が飛んでしまったな」

シン「締まらない幕切れだ」

レイ「くっ…!」

レイ「こ、今回はかなり分かりやすい例えじゃないか?」

レイ「人数に差はあっても、それは自分達を応援している者に変わりは無い…、量より質でも無く、質より量でも無い…」

レイ「人数にばかり目を囚われず、一人一人に目を向けて大切にして行くという気構えをだな…」

サウザー「良く分からん。次だ、次」

レイ「……」

サウザー「真にちゃんみおを救える者は、一体誰になるのかな??」


・・・・・
・・・

明日完結(予定)
今日はここまで。


・・・
・・・・・
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【CASE12 第6話より】


シン「なんで………?」

P「えっ…?」

シン「お客さん、メチャクチャ少ないじゃんッ!!」

シン「何でっ!?」

P「じ…、充分です」

シン「あれで!?」バン!

シン「前のライブと、全然違うじゃん!!」バキィ!

P「前の………?」

シン「すっごいライブやるからって、ケンシロウに自信満々でメールしたのに…」

シン「早く来ないと、拳王軍と場所取りの戦争になるって……」

シン「俺…!」

シン「馬鹿みたいじゃんっ!」

P「…」

P「……???」


シン「盛況ぶりを見せ付ければ、ケンシロウも認めてくれると思ったのに…!」

P「……」

P「それで、そのメールの受取人……ケンシロウさんは…」

P「今日、いらっしゃっていた……と言う事ですか…」

シン「!」

シン「そ、それは……」

P「……」

P「確かに、貴方の予想より客数は下回り、落胆させてしまったかもしれません」

P「……申し訳ありません」

P「…ですが、今日の結果は、当然の物です」

シン「!?」

P「……ライブとは、特定の個人のために開催されるものではありません」

P「ましてや、そういった思惑を前提に、甘い気構えでライブに臨んでいたのであれば…」

P「他のファンの失礼になります」

シン「き、貴様…っ!!」


シン「ケンシロウとて、俺のファンに変わりは無い…!」

シン「それを貴様は、ファンでは無いと言い切り、侮蔑したな…!?」バキバキ…

P「そ、そういうワケでは……ありません…」

P「その方だけに囚われ、他のファンを蔑ろにする様な事はあってはならないと言いたかった訳でして…」

P「……そのケンシロウと言う方も、それを望んではいないでしょう」

シン「…?」

P「……」

P「私は…」

P「ライブを手段ではなく、目的として見て欲しいのです」

P「邪な事には触れず、ただ単純にファンの皆様と……なにより、そして貴方達に、ライブを純粋に楽しんで欲しい」

P「そうすれば自然とファンも増え、その方も…」

シン「他のファンがどうだというのだ! 他のファンが楽しんだから何が起きるというのだ?!」

シン「ケンシロウが意に介さなければ、俺が客の前で歌い踊る意味は無いではないか!? とんだピエロだな!!」バサッ

P「……」

シン「下らん……、アイドルなんぞ、今日限りでヤメだ」スタスタ

P「…………」


【CASE12 終了】
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・・・


・・・
・・・・・

シュウ「……」

レイ「……」

ユダ「……」

サウザー「……」

シン「そ、そんな目で俺を見るな!!!」

シン「というか、何故俺の時だけ毎回毎回アイドル視点で展開されるのだ!!」

サウザー「お前、南斗DE5MENのアイドルじゃん」

シン「そ…、それはそうだが………、俺もプロデューサーとして少しは良い所を…!!」

レイ「いや……」

レイ「このプロデューサー、良い事言うじゃん」

ユダ「シンがクズなだけかもな」

シュウ「余計な邪念は捨てて、ライブを楽しんでいれば、ファンも増え、自ずとケンシロウも振り向いてくれると……」

シュウ「お前の戯言に真面目に付き合って、アドバイスしてくれているのに…」

シン「クソがッ……!」

サウザー「良い奴じゃん。だが、まだ有能と決まった訳でも無い」

サウザー「あのプロデューサーは本来はあのシーンで、言葉足らずで本田未央を切って捨てた唐変朴だ」

サウザー「誤解を招かず、不信感を払拭し解決に導くのは……」

サウザー「やっぱり、さっきの俺のパターンが一番だったんじゃないか? ええ?」

シュウ「一番無いだろッ!」

レイ「俺は?」

ユダ「お前も変な例えで全員を混乱させただろうが」


・・・・・
・・・


・・・
・・・・・
【CASE13 第6話より】



未央「なんで………?」

「……」

未央「お客さん、メチャクチャ少ないじゃんッ!!」

未央「何でっ!?」

「……」

未央「前のライブと、全然違うじゃん!」

未央「すっごいライブやるからって…。友達に言ったのに、早く来ないから良い場所とれないからって……!」

未央「私、馬鹿みたいじゃん!!」

「……」

未央「…何で…、何で黙ってるの!?」

未央「何とか言ってよ! ねえ!!」

「……」


「……ごめんなさい」

未央「…!」

「私はアイドルじゃないから、貴方が何に悩み、何に苦しみ、何に憤るのか………、その気持ちを真に汲む事は出来ない」

未央「じゃあ、もういいよ…!」

「……」

「そうね…、ステージに立つのは貴方であって、私では無い」

「もっと、貴方の言葉に耳を傾けるべきだったわ…」

「ごめんなさい…」

未央「……」

「でも…」

「お客さんは…、とても楽しそうに貴方達を見ていたわ」

「その笑顔を『少ない』と切って捨てて、本当にそれで良いの? 貴方は…」

「……」

未央「……だって…」

未央「少ないより、多い方が良いに決まってる…」

「……」


「私は……違うわ。少なくても、構わないの」

未央「…?」

「たった一人でも、寄り添ってくれる人が居れば……充分力が湧いてくるわ」

「他者に愛されると言う実感は、一人だけでも充分重く、そして温かい物なの」

未央「…」

未央「そんなの……人それぞれだと…、思う」

「…そうね。それはそうだわ」

「信頼出来る人達や応援してくれる人達は、多い方が嬉しいわよね。それは当り前よね?」

未央「うん……」

「じゃあ…、そうね…」

「お客さんが多いライブと少ないライブの違いって、何かしら?」

未央「違い?」

「出演陣の実力? 広報宣伝の質や量? 開催場所の優劣?」

未央「それは……」

未央「……実力に決まってるじゃん」


「それも、少し違うと思うわ」

「実力とは、経験を伴う物。つまり重要なのは『経験』」

「最初から実力がある人なんていないし、ましてや実力が高くても評価されないなんて事は、絶対無い」

未央「何で、そんな事言い切れるの……?」

「誰かが必ず、その人を見ていてくれているからよ」

未央「…!」

「貴方達も同じ。今日のライブがお客さんが少なかったのは、実力不足が最大の理由では無い。誰もまだ貴方達の事を知らないからよ」

「でも、今日、何人かは貴方達を知ったわ」

「例えそれが少なくても……、何度も繰り返していれば、どんどん見てくれる人も増えるわ」

「いつか、前回の様なライブが出来る日が来る筈よ」

未央「……っ」

未央「分からないよ……、そんな先の事……!」

未央「努力や経験が実らず、夢を諦める人は大勢いるよ! 何でそんな事が分かるの!?」

「……それは…」


「貴方達がプロと遜色無く、笑顔で楽しく踊れる事を知っているからよ」

未央「!」

「言ったでしょう? 貴方達には底知れない実力が眠っているの。足りないのは、経験だけ」

「今日は……、ちょっと良く無かったけど、それでも良い『経験』になったでしょ?」

未央「……」

「……」

未央「…………っ」

未央「あのっ……!」

「…謝るなら、私じゃないハズよ」

未央「……はい」

未央「私、少し間違ってた。お客さんの事、何も考えないで……自分の事ばっかり……」

「誰にだって、間違いはある。そんなに落ち込む事は無いわ」スッ

「貴方が誰に劣っている訳でも無いの。これから頑張れば、結果は必ず付いて来るわ」ナデナデ

未央「うん………、ありがとう」

「……」



【CASE13 終了】
・・・・・
・・・


・・・
・・・・・


サウザー「ストップ!!」

シン「……」

サウザー「だ、誰だこの女はッ!?」

ユダ「生意気な事をペラペラ言いおって……、一体どこのどいつだ!?」

シュウ「し、しかし……少なくともサウザーやレイの場合と比べたら、有能…」

サウザー「…」ギロリ

シュウ「ぐっ……!」

レイ「の…、ノーカンだ!」

サウザー「そ、そうだ! こんな得体の知れない、どこの馬の骨とも分からん奴が出しゃばって良い場面では無い!」

ユダ「よ、よし! ノーカンにしよう! 少なくともコイツは有能じゃないと言う事で…!」

シュウ「い、いいのか……それで…」

シン「……異議なし」

シン「………」


サウザー「……」

レイ「……」

シュウ「……」

ユダ「……」

シン「……」

シュウ「ひょっとして……」

ユダ「ん?」

シュウ「散々、あのプロデューサーや常務を無能無能とこき下ろしてきたが…」

レイ「……」

シュウ「……私達って、それ以下の無能なんじゃないのか? ことプロデュース業に関しては……」

シュウ「何一つ、有能っぽい事をやれた奴はいなかったぞ……」

シン「……」

サウザー「……」

サウザー「………」

サウザー「……違うし……。俺は認めんし……」







続かない。



以上です。
アニメ観ていない人は置いてけぼりだったかもしれん。
これを機にシンデレラガールズのアニメか、北斗の拳イチゴ味を是非見てみて下さい。

以下、オマケ。 


【オマケ】


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(7610プロダクション 図書室)


サウザー「フフフ…」

サウザー「鷺沢文香さん?」

文香「……」パタン

文香「?」

文香「どうしました……、そんなに改まって……?」

サウザー「フフフ……、俺って有能でしょうか?」

文香「ゆ、有能……?」

サウザー「……」

文香「そ…、そうですね……」

文香「有能という定義は……適切な能力や資格を有していたり、何かに秀でた才能を持っていたりする事が一般的な意味合いですが…」

文香「……」

サウザー「……」

文香「………」


文香「ゆ…」

文香「有能と胸を張って言える人物なんて、居ません。誰しもが欠点を内包して…」

サウザー「そんな建前や屁理屈はいいから」

文香「…」

サウザー「……どうなの?」

文香「(……)」

文香「また、強く健康な肉体を持っていたりすると言う意味を含むのも『有能』であり…」

サウザー「おお…!」

文香「役に立つ、奉仕という用途でも『有能』という言葉は使われます」

サウザー「成る程…!」


文香「その観点からしたら、非常に有能なのではないのでしょうか…」

サウザー「フフフ…! そうかそうか…!」

サウザー「では、何か役に立つ事でもしてやろうではないか…!」

文香「は、はい?」

サウザー「お前の願い事を一つだけ叶えてやろう! この有能の俺が…!」

文香「い、いえ……特には、何も……」

サウザー「有能ですから!」ズイッ

文香「(ウッ…!)」

文香「……」

サウザー「……」

文香「では……」

文香「長時間の読書で肩が凝ったので…、少しマッサージでもお願いします」

サウザー「フフフ…、了解した!」ガタッ!


グイッ!

文香「ッ!?」ビターン!

サウザー「まあ肩だけと言わず、全身隈なく、まずは足裏からやってやろうではないか!」バキバキ!

文香「!?」

文香「か、肩だけで充分です! あ、足の裏は……よ、弱いので……!」

サウザー「案ずるな。昔はお師さんにも請われてやっていたものだ…!」ボキボキッ!

文香「ひっ……!」


・・・・・
・・・









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(執務室)


ありす「……?」ピタッ

ありす「………」

ありす「…いま、文香さんの悲鳴が聞こえた気がしたのですが……」

ありす「…気のせいでしょうか…?」




終わり。






鷺沢文香(雑用兼、司書兼、サウザーの暇つぶし相手兼、アイドル見習い)
http://i.imgur.com/4EOjybj.jpg
橘ありす(商品企画課兼、宣伝広報課兼、調理課兼、北斗の拳イチゴ味販売促進課)
http://i.imgur.com/En1BRFH.jpg

以上です。
またいつかお会いしましょう。
では。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月10日 (月) 00:52:31   ID: IaGFfYPt

こんなシンデレラガールズ本当に見てみたいです^o^!!個人的にはジャギ様がお気に入りでした!!!
これからも頑張ってください!

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