逸見エリカと伝説の姉 (35)

亜美「大洗女子学園の勝利!」

ワァァァァァァ……!!

―――――――――――――――――――――

~夜・蝶野亜美の部屋~

亜美「というわけで凄かったんですよ!」

???『あー、その試合ならネットで動画観たよん。やるじゃん今の高校生諸君!』

亜美「大熱戦だったでしょう!? もう私観てて燃えちゃって燃えちゃって!」

???『おいおーい審判長~! 依怙贔屓は良くないぞ~!』

亜美「そんなことしてませんってー。公平ですよ公平」

???『ふーん。ところで君さー、もう夜だけど起きてていいのかい? 明日の仕事は?』

亜美「いいんですいいんです! 明日は久々の非番なんで! 実業団チームの訓練も無い完全オフなんていつ以来かなぁ。もう1日ゴロゴロしてようと――」

???『マジで? じゃーチョードイイや! 今から車頼むわ!』

亜美「……ふぇ?」

???『帰るから、日本。成田によろしく~! それじゃ! Tschüss♪』ブツッ

亜美「……え……マジですか……」

――――――――――――――――――――

※謎に包まれた逸見の姉に迫るガルパンSS

※ほぼオリキャラ、キャラ崩壊、矛盾点、独自設定その他もろもろ毒も薬も飲み込もう。

※明日有明に参戦する方は早めに寝ましょう。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1502355085

~翌日・熊本にあるのか?ってくらいオシャレな通り~

まほ「買ってしまったはいいが、うーん……やはりこんな服は私には派手すぎるような……」

エリカ「そんなことありませんよ隊長! 絶対に似合います!」

まほ「そうか……? まあエリカが言うなら、そうなのかもな」ニコッ

エリカ(貴重な休日に、隊長と2人でショッピングだなんて最高……っ! 幸せすぎてエリカは今にも昇天してしまいそうです隊長っ!)キラキラ

エリカ「さっ! 今日は隊長をトコトンコーディネートして差し上げます! 次は私がいつも服を買っているお店に行きましょう! 今着ているこれもそこで買ったんです♪」フリッフリ

まほ「いや……さすがにそんなレースたっぷりのロリータファッションは私には……」

エリカ「私が! 言うんだから! 間違いないですっ!」キラキラフリフリ

まほ「や、やめろエリカ! 今日のお前はテンションがおかしい!」

ブゥゥゥゥゥゥゥン…

まほ「ん? なんだあの車は。荒っぽい運転だな……」

エリカ「近づきたくないですね。危なっかしくて……って」

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

エリカ「こ、こっちに来ますよ!?」

まほ「危ないっ!」

ギャリッ! ガガッ! キキィーーーッ!

エリカ「ドリフトしてギリギリで止まった……」

まほ「何なんだ一体……」

ガチャ

???「いやー、遠目からフリフリのキャワユイお洋服が見えたからさ~。相変わらずちっちゃい頃のセンスまんまだねー」

まほ「あ……あなたは……!」

エリカ「お……お姉様!?」

逸見姉「エーリカちゃん♡ おっひさ~♪」ノシ

~その頃・大洗~

みほ「エリカさんのお姉さんですか?」

優花里「はいっ! お会いしたことはあるんですか?」

みほ「うーん、会ったことはないかなぁ。エリカさんからたまに話を聞いたくらいで」

優花里「そうなんですか……」

沙織「へー、逸見さんってお姉ちゃんいるんだ。勝手に一人っ子だと思ってたよ」

華「そのお姉様がどうかなさったのですか?」

優花里「逸見殿のお姉さんは、日本を代表する天才戦車乗りなんですよ! その伝説的英雄譚は数知れず……戦車道を志す者なら誰でも知っているスーパースターなんです!」

麻子「沙織、お前普段ニュース見てないのか」

沙織「馬鹿にしないでよ。ニュースくらい見てるって。イイ女は世情にも敏感じゃなきゃね♪」

華「おおかたワイドショーを見ただけで世の情勢を知った気になっているだけでは?」

麻子「スポーツニュースでよく名前聞くだろう。ドイツリーグで活躍してる逸見選手と」

沙織「え!? あの人がそうなの!? すっごく綺麗でファンも多いから、密かに憧れてたのに!」

優花里「ご存知でしたか」

麻子「常識だ」

華「野球で言うイチロー選手のような存在という感じでしょうか?」

優花里「まさにその通りなんです! 現在リーグトップを走り続けるチームの勝ち頭で、隊長として指揮した試合の勝率は驚愕の八割超え! 日本人初のMVP最有力! オールスターにも5年連続選出されている、名実共に世界最高レベルのトップスター! それが逸見選手なのです!」

みほ「ちなみに常勝・黒森峰の基礎を築いて、九連覇の最初の優勝した時の隊長もその人なの」

麻子「それでその時の副隊長が蝶野教官だ」

沙織「すっご……きっとモテモテなんだろうなぁ。どんな人なんだろう」

麻子「妹があんな感じだし、やはり同じく真面目な人なんじゃないか」

華「逸見さんがまほさんに憧れるのも、お姉様に似ているからなのかもしれませんね」

みほ「あはは……」

みほ(エリカさんの話だと、全然そんなことないんだけどね……)

~火の国・熊本~

エリカ「なぜここに!? ドイツにいるはずでは――」

逸見姉「今朝帰ったの。ちょっとエリカちゃんに会いたくなっちゃって♡」

エリカ「そんないきなり……実家の方には?」

逸見姉「言ってないよ~。またお母様が『家継げ~』ってうるさくなるじゃん? あ、これお土産のアイアシェッケ」

エリカ「あ、ありがとうございます」

逸見姉「おんや? そしてお隣の君は――」

まほ「ご、ご無沙汰しております!」ペコッ

逸見姉「やーやー久しぶりまほちゃん! 連勝止めちゃった隊長さん! あっはは、ドンマイドンマイ!」ベシベシ

まほ「うっ……」グサッ

エリカ「お姉様! 人の気持ち考えてください!」

逸見姉「まあまあ、連勝なんていつか止まるんだし。西住のおばはんは元気? 相変わらず?」

まほ「え、ええ……変わらず健勝です」

逸見姉「そっか~。いい加減老け込む年齢かと思ったけど、元気なら会うのやーめよ!」

エリカ「家元にも会わず実家にも帰らず……一体何しに日本へ?」

逸見姉「だ~からエリカちゃんに会いに来たって言ってるじゃん! そろそろお昼だよね? 美味しいお店予約してあるから2人とも連れてってやろう!」

エリカ「いや私はまだ隊長とデートが――」

逸見姉「遠慮しなくていいって~♪ 何でも奢っちゃうよん。なんたって年俸2000万ユーロだからね!」

ガチャ

逸見姉「蝶野ー、ほら起きて! お店まで運転ヨロシク!」

亜美「うぅ……ホント……もう勘弁してください……」ベソベソ

逸見姉「自衛官だろー? このくらいの強行軍で弱音吐いてて日本守れんのかー?」

亜美「いくらなんでも……徹夜で成田から熊本まで全速爆走とか無茶すぎますよ……自分で運転すればいいじゃないですか……」

逸見姉「仕方ないじゃん、私ドイツの免許しか持ってないんだから。なんか日本語翻訳文を事前にJAFで発行しとかないと運転しちゃダメらしいし?」

亜美「だったら事前に申請しといてくださいよ……」

逸見姉「しょーがないでしょー! 突然思い立ったんだからー!」

逸見姉「チームのイギリス遠征があってさー、私は隊長で出場する予定無かったのに帯同だけはしてくれって言われてさー」

逸見姉「めんどくせーって思いながらフランクフルト空港まで来たら、日本までの直通便の席が空いててね~」

逸見姉「よっしゃ、と思ってチケット買って乗っちゃった☆」

エリカ「何考えてるんですか!?」

まほ「これが……黒森峰伝説の隊長……」

逸見姉「ほれほれ! 2人とも乗って! 蝶野寝ない! 予約の時間に間に合わないよ!」

まほ「あの……運転は私がするので教官は後ろで休ませてあげては……」

逸見姉「マジ!? だんけだんけ! じゃあお願いね♪」

エリカ「隊長……なんかその、すみません……」

まほ「いいんだ……」

~熊本一美味い店~

亜美「ZZZZ……」

エリカ「箸を持ったまま寝ている……」

逸見姉「あー美味しかった! 向こうにいるとここの味が恋しくて恋しくて」

店員「あの、すみません逸見選手……店内に飾りたいので、宜しければサインをいただけませんか?」つ色紙とマジック

逸見姉「オッケオッケー♪」キュキュッ

まほ(緊張で味が分からなかった……)

逸見姉「そういえば観たよ~大学選抜戦! すげーじゃん!」

まほ「あ、ありがとうございます」

逸見姉「エリカちゃんもしっかり活躍してたじゃん! 全国大会の決勝と違って」

エリカ「一言余計よ!」

逸見姉「全国大会といえば、例の大洗女子ね! なんでこんな弱小校が、って思ったら、隊長があなたの妹なんだってね!」

まほ「……はい」

エリカ「お姉様……その話は――」

逸見姉「しかも元黒森峰の副隊長! 転校して西住流からも離れて、一からチームを立て直して優勝……ハングリー精神に溢れてて好きだわ~」

エリカ「お姉様――」

逸見姉「でもねぇ、追い出したトカゲのしっぽに負けちゃったんだから黒森峰も西住流もすっかり面目丸つぶれ――」

エリカ「やめてっていってるでしょ!?」バンッ!

亜美「っ!? にゃに!?」ビクッ

逸見姉「……」

エリカ「お姉様は昔からそう! 人の気持ちも考えずズケズケと踏みにじって! そんなんだから日本に居場所がなくなったんじゃない!」

まほ「――エリカ、やめろ」

エリカ「隊長が――私達がどれだけのものを背負って黒森峰の連覇に挑んだか……みほのことでどれだけ思い悩んだか……!」

逸見姉「……」

まほ「エリカ、やめろ」

エリカ「お姉様は天才すぎる。人間の気持ちが分からない! 化け物よ! 周囲を巻き込んで傷つけなければいられない! 絶対に相容れない化け物……!」

エリカ「人が血を流しながら努力に努力を重ねて築き上げたものを、鼻歌うたいながらぶち壊していく……そんな怪獣なのよッ!」

エリカ「あなたなんか顔も見たくないわ……! さっさとドイツに帰ればいいのよ!」

まほ「エリカ」

エリカ「……!」

まほ「やめろ」

エリカ「でも隊長!」

まほ「騒ぐと店に迷惑だ。それに……私はここまで言われても仕方がない」

エリカ「そんな……」

逸見姉「……」

エリカ「……もう、帰ります」ガタン

まほ「……また明日な」

エリカ「失礼しました――」

スタスタ…

逸見姉「……」

亜美「……なんだかよく分からないけど、多分先輩が悪いです」

逸見姉「……だよねー。はぁ……またやっちゃった……」ズゥゥン…

まほ「申し訳ありません……私から謝罪いたします」ペコリ

逸見姉「やめてよ。余計惨めになる」

まほ「……」

逸見姉「――昔っからこうでさ……。私的には普通のつもりなんだけど、いっつもエリカを怒らせちゃって……」

~輝かしき逸見家の想い出~

エリカ「みてみておかーさま! ルービックキューブが1面だけどそろいました!」

ママ逸見「あら、よく出来ましたね」ナデナデ

エリカ「えへへ~」

逸見姉「へ~、ちょっと貸して」ヒョイ

エリカ「あっ!」

逸見姉「~♪」ガチャガチャガチャガチャ

エリカ「あああ……!」ウルウル

逸見姉「よし6面完成! なーんだ簡単じゃ~ん」

エリカ「おねーさまのバカー!」ウワーン

エリカ「みてみておかーさま! ひとりでハンバーグつくってみました!」

ママ逸見「あら、よく出来ましたね」ナデナデ

エリカ「えへへ~」

逸見姉「へ~、ちょっと頂戴」ヒョイ

エリカ「あっ!」

逸見姉「うーん……ちょっと味が薄いし半生……そうだ!」

ガサッ ガチャガチャ グチャグチャグチャ パッパッ ジュウウウウウ

エリカ「あああ……!」ウルウル

逸見姉「よし完成! 一度ぐちゃぐちゃにしてから味付けし直してジャガイモと混ぜて衣つけて揚げれ~ば~コロッケだ~よ~♪」

逸見姉「うん、ずっと美味くなった♪ エリカちゃんも食べる~?」モグモグ

エリカ「おねーさまのバカー!」ウワーン

エリカ「みてみておかーさま! バイオリンのコンクールでトロフィーもらいました!」

ママ逸見「あら、よく出来ましたね」ナデナデ

エリカ「おねーさまもこれはもっていません! ねえねえおかーさま! わたしおねーさまにかちました!」ピョコピョコ

ママ逸見「そ、そうねえ」

逸見姉「お、なになにバイオリン?」ヒョコ

エリカ「おねーさま! みてください! これでもうわたしはおねーさまに――」

逸見姉「ちょっと貸して~」ヒョイ

エリカ「あっ!」

逸見姉「~♪」(バイオリンめっちゃ上手い)

エリカ「あああ……!」ウルウル

逸見姉「――うん! 飽きちゃってやめてからしばらく触ってなかったけど弾けるもんだね~♪」

エリカ「おねーさまのバカー!」ウワーン

逸見姉「よっ」ポチ

テレビ『えいっ! ファイヤー! アイスストーム! ダイアキュート! ブレインダムド! ジュゲム! ばよえ~ん! ばよえ~ん! ばよえ~ん! ばよえ~ん! ばよえ~ん! ばよえ~ん! ばよえ~ん! ばよえ~ん!』

エリカ「おねーさまのバカー!」ウワーン




逸見姉「――って感じでさ、昔から……」

まほ(大人げない……)

亜美(でも本当に1ミリも悪意無いんだろうなぁ……それが厄介)

逸見姉「歳の離れた妹だからホントに可愛くって構いたくてさ、でもそのたんびに泣かせちゃうの。でもなんでそうなっちゃうのか全然分からなかった。今なら少しは分かるけどさー」

まほ(今でも少ししか分からないのか……)

逸見姉「家以外でもそんな感じで……ついてきてくれたのは蝶野くらいだよ」

亜美「何回やめようかと思ったか分かりませんけどね」

逸見姉「そんなこんなで、流れ流れて遠い異国で独り戦いに身をやつしてるわけですよ」

亜美「さも苦労人みたいな言葉吐かないでくださいよ」

逸見姉「……私だってね、苦労してないわけじゃないんだよ?」

亜美「?」

逸見姉「確かに私は化け物かもしれないよ。でもね、世界には私程度の化け物ざっくざくいるんだよ」

逸見姉「そんな奴らに囲まれて毎日戦ってるとね……さすがに多少は、逃げ帰りたくもなるんだよ」

亜美「先輩……」

まほ「今回帰ってきたのは、もしかして――」

逸見姉「さぁね。分かんないよ。何しろ私は人の心が分からない人間だからさ」

逸見姉「さてまほちゃん、悪かったね無理やり連れてきて。あのババアには内緒にしといてね」

まほ「はあ……」

逸見姉「蝶野ももういいよ。休日にごめん。まだお昼だし、午後はゆっくりやすんでくれい」

亜美(今から東京に帰ったらもう夜中なんだけど……)

逸見姉「じゃ、私は軽く一杯ひっかけてから宿に向かうよ。またいつか会おうね♪」

~夜・エリカのお部屋~

エリカ「……もう寝よ」

バサッ カチッ

エリカ「――お姉様のバカ」ボソッ

……

…………

………………

ガチャ! バタン! ドタバタ!

エリカ「ヒッ!? 何!?」ビクッ

逸見姉「エリカひゃーん!」ピョーン

エリカ「お姉様!?」

逸見姉「ん~♪ フリフリネグリジェ姿のエリカちゃんもキャワユイィ~♡」ダキッ スリスリ

エリカ「ちょ……やめ……酒臭っ!」ガスッ

逸見姉「あいでっ! はう~、妹が反抗期だぉ……」

エリカ「酔うとキャラが痛い……なんでここに? というかどうやって寮に入り込んだのですか……」

逸見姉「しょれが~、飲み歩いてるうちに遅くなっちゃって~、もうどこの宿も満室でさ~。あ、寮は管理人さんが昔からいる人だから顔パスで」ヘヘヘ

エリカ「防犯体制ザルじゃないの……」

逸見姉「さ~てと、さっそく家探しといこうかにゃ~♪ エリカちゃんはどんなエッチな本を隠しているのか……」ワキワキ

エリカ「やめてください! 持ってませんからそんなもの!」ガシッ

逸見姉「あそっか、最近のトレンドは電子書籍か……」

エリカ「データでも持ってません! もういいから寝ますよ……ベッド使っていいですから」

逸見姉「え~、昔みたいに一緒におねんねしようよぉ~♡」

エリカ「バカじゃないんですか?」

逸見姉「あー、そういうこと言うんだ。だったらこっちにも考えがあるよ」

逸見姉「こんなこともあろうかといつも持ち歩いてる、エリカちゃんが3歳の時にお漏らしして泣いてる写真を学園艦中にばら蒔くもんね」ペラッ

エリカ「なっ!? やめてください!」バッ

逸見姉「おおっと渡さないよ! うへぇっへっへぇ……それに原本のデータは別に保存してあるもんね」

エリカ「くっ……分かりましたよ。でも半分からこっちに来ないでくださいよ」

逸見姉「えー抱き枕にしたかったのに……ま、仕方ない。お姉ちゃんは大人だからそこは譲歩してやろう」

エリカ「どこが大人ですかまったく……」

逸見姉「さてと……」ヌギヌギ

エリカ「なっ!? なんで脱いでるんですか!」

逸見姉「だって裸じゃないと眠れないんだもーん」スッポンポーン

エリカ「添い寝許可するんじゃなかった……」

逸見姉「んじゃお隣おじゃま~♪ パジャマでおじゃま~♪」ゴソゴソ

エリカ「パジャマ着てないでしょうが……。私明日早いのでもう寝ますからね。おやすみなさい」バサッ

逸見姉「え~冷たーい! 恋バナしようよ恋バナ~!」ツンツン

エリカ「…………グーグー」

逸見姉「ほ~らお姉ちゃんの生おっぱいだぞ~♪ あててんのよ♡つって」ムニムニ

エリカ「グーグー」

逸見姉「エ、エリカちゃん……ハァハァ……クンクン……いい匂いだなぁ……ハァハァ……んっ……あんっ……♡」ゴソゴソ

エリカ「グーグー」

逸見姉「…………」

エリカ「グー……」

逸見姉「…………」

エリカ「……スー……スー……」

逸見姉「…………」

エリカ「スー……スー……」

逸見姉「……今日はゴメンね」ゴロン

エリカ「スー……ピー……」

逸見姉「エリカちゃんが私のこと嫌いなのは知ってたけど、どうしても顔が見たくってさ」

エリカ「クー……カー……」

逸見姉「こんなにおっきくなっちゃって……ちょっと見ない間に、いろんなもの背負ってたんだね」ナデナデ

エリカ「ン……クカー……」

逸見姉「常勝・黒森峰の重責。西住流の誇り。まほちゃんの雪辱。友達との絆。ライバルとの勝負――全部無理して背負っちゃって……」

エリカ「スー……クー……」

逸見姉「……ぜーんぶ投げ捨てちゃった私なんかよりずっと強いよ、エリカちゃんは」

エリカ「スー……」

逸見姉「こんなお姉ちゃんでごめんね。私はただ、エリカちゃんに尊敬してもらえるお姉ちゃんになりたかっただけなのに……いっつもエリカちゃんを泣かせちゃって……」

エリカ「…………」

逸見姉「どんなに試合に勝っても……どんなにお金を稼いでも……こんなんじゃ…………エリカちゃんに嫌われたまんま……」

エリカ「…………」

逸見姉「……Zzzz……」

エリカ「……ホントに、お姉様は人の気持ちが分からないんですから」

逸見姉「Zzzz……」

エリカ「そんな格好で……風邪ひいちゃいますよ」ギュッ

逸見姉「ムニャ……エリカちゃん……ムニャムニャ……」

エリカ「おやすみなさい、お姉様……」

~翌朝~

エリカ「…………ん……おはようございます、お姉さ……」ムクッ

――がらーん――

エリカ「……見送りくらいさせてくれても……お姉様のバカ」

エリカ「……ん? これって置き手紙……」

♡愛しのエリカちゃんへ♡

ホントはエリカちゃんを、ドイツで一緒に戦車道しないかって誘いにきたんだけど、どうやらエリカちゃんにはまだ日本でやることがあるみたいなのでやめました。
また気が向いたら会いに来るから、その時はゆっくり姉妹の愛を確かめ合おうね♡

♡妹のことが世界一大好きな美しい姉より♡

P.S.
まほちゃんにはちゃんと謝っといたから大丈夫です。ドイツに戻ったらなんか謝罪の品を送ります。

P.S.
くれぐれも、くれぐれも家には私が帰ってたこと言わないでね。マジで。ホントお願い。なんでもするから。

P.S.
定期的にアイアシェッケ送るね。

P.S.
冷蔵庫にあった余り物で簡単だけど朝御飯作っておきました。起きたらチンして食べてね♡

P.S.
ついでに洗濯もしておきました。エリカちゃんがあんなセクシーな下着をつけるようになったなんて……お姉ちゃんは応援しているよ。ホントダヨ。

P.S.
ごめん、お腹空いててつい自分で朝御飯食べちゃった。愛情がたっぷりこもってて美味しかったです♡

P.S.
時間なくなっちゃった!
ゴメン! 食器洗いはやっといて! じゃ!




エリカ「……追伸の方が圧倒的に長い……。はぁ……まったく……お姉様はとことん相変わらずだったわね……」

エリカ「……今度は私がドイツに行って驚かしてあげようかしら」クスッ

~空港~

逸見姉「……」スタスタ

亜美「お早いお帰りですね」

逸見姉「蝶野!? なんでここに!? 今日仕事じゃないの!?」

亜美「仕方ないから休み取りました。どうせ先輩のことだし誰も来ないのは可哀想だと思って、お見送りに来たんです」

逸見姉「サボりかよ~。いーけないんだーいけないんだー」

亜美「あなたが言いますか……」

ピピピピ ピピピピ

逸見姉「ん? 私の携帯だ……」

【着信:西住のババア】

逸見姉「げっ! ババア! ふんっ!」ベキッ!

亜美「ええ……出たくないからってスマホをぶっ壊しますか普通……」

逸見姉「蝶野お前! 西住のババアに私のことチクったな!?」

亜美「私じゃありませんよ。先輩がバックレたからドイツの戦車道協会から日本の協会に連絡がいったんです。あっちもこっちも大騒ぎですよ」

逸見姉「やっべぇ……そういえばチームからも今度問題起こしたらクビにするぞって脅されてたんだった……そう言われたの12回目だけど」

亜美「はぁー……つくづくバカだこの人……」

逸見姉「いやぁ、それほどでも」エヘヘ

亜美「誉めてませんよ」

逸見姉「ま、私はどこまでいっても戦車バカで姉バカだからね。自分の好きなものには嘘つけないのよ」

亜美「……先輩、日本に帰ってくるつもりはありませんか?」

逸見姉「え? いや今帰っててこれからドイツに戻るんじゃん。何言ってんの?」

亜美「そうじゃなくて! ほら、今度日本にもプロリーグが出来るじゃないですか。私もとあるチームから誘われてて……先輩さえよければ、私から頼んで一緒に……」

逸見姉「うーん……申し訳ないけど、私はまだ向こうで戦車道やるよ」

亜美「……そうですよね。やっぱり海外リーグの方が年俸もいいですし……」

逸見姉「それもあるけどさー……私が目指してるのは、日本一じゃなくて、世界一の戦車乗りだからね」

逸見姉「私はエリカちゃんの、世界一のお姉ちゃんでいたいのよ」

亜美「そっか……」

亜美(……私の撃破率もまだまだね)

逸見姉「それじゃ、もう時間だから行くね!」

亜美「次に来る時はちゃんと前もって知らせてくださいよ?」

逸見姉「はいはーい。覚えてたらね。次はMVP取って国民栄誉賞貰いに来るから♪」ノシ

逸見姉(エリカちゃんには負けてられないからね♡)


~おしまい~

~おまけ~

エリカ「まったくお姉様は……」ゴソゴソ

逸見姉『エリカちゃんはどんなエッチな本を隠しているのか……』ワキワキ

エリカ「冷や冷やさせてホント……」ゴソゴソ


【西住流牝犬調教術~ドSみほまほのトロトロ作戦です!~】

【メスイヌさんチーム、訓練中!~みほ教官のイ・ケ・ナ・イ個人特訓~】

【劇場版西住サンド 4DX】

【ふたりはパンツァープリキュア!】

【ふたりはパンツァープリキュア!-MAX HEART-】

【ふたりはパンツァープリキュア!-これが最後の戦いです!-】


エリカ「良かった見つからなくって……」ホッ


~おしまい~

お付き合いいただきありがとうございました。
エリカと優花里のドチャクソエロSSの構想を練っていたはずなのに気づいたらこれを書いてました。

さて、ドゥーチェの弟はショタにしたり屈強な黒人男性にしたりしましたが、今回は二次創作でも殆ど語られないエリカの姉について考えてみました。

本編やフェイズエリカでも全く出てこないということはかなり歳が離れているのではないか、という情報しかないので、あとは全部独自設定です。

蝶野教官の出身は黒森峰説とサンダース説が囁かれているみたいですね。意外と知波単だったりすると面白いかもしれません。

最終章でこの辺の設定が明かされることはたぶんないと思いますが、それはそれで妄想の幅が広くて楽しいですね。

明日からコミケに参戦する方は健闘を期待します。
僕は行きませんけども。

今まで書いたガルパンSS↓
エリカ「私のみほまほエロ同人誌が無い!?」
エリカ「私のみほまほエロ同人誌が無い!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454853305/)

優花里「同人誌を買いにイベント参戦であります!」
優花里「同人誌を買いにイベント参戦であります!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455100050/)

エリカ「隊長たちに手作りチョコを渡すわ!」
エリカ「隊長たちに手作りチョコを渡すわ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455451038/)

みほ「戦車に巣食う怨念」
みほ「戦車に巣食う怨念」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456578343/)

エリカ「私達が」みほ「プリキュアに!?」
エリカ「私達が」みほ「プリキュアに!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457443365/)

みほ「ボコササイズです!」エリカ「は?」
みほ「ボコササイズです!」エリカ「は?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458641047/)

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エリカ「犬みたいなもんだからしょうがないわよね」 - SSまとめ速報
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みほ「エリカさん、どうして私の制服着てるの……?」 - SSまとめ速報
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エリカ「野郎ぶっ殺してやぁぁぁる!!」みほ「地獄に堕ちてください、エリカさん!」
エリカ「野郎ぶっ殺してやぁぁぁる!!」みほ「地獄に堕ちてください、エリカさん!」 - SSまとめ速報
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アズミ「隊長の満足するハンバーグを作るには……」エリカ「話は聞かせてもらったわ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465124833/)

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アリサ「なんでタカシとあの女が一緒にいるの……?」アンチョビ「♪」 - SSまとめ速報
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優花里「誘惑に打ち勝て!」華「戦車道ストイック暗記王ー!」
優花里「誘惑に打ち勝て!」華「戦車道ストイック暗記王ー!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482486298/)
(ガルパン×プリキュアクロスSSあり)

エリカ「同人作家な戦車女子の合同本?」
エリカ「同人作家な戦車女子の合同本?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1484825147/)

華「退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!」みほ「哀しい女よ、愛深きゆえに」
華「退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!」みほ「哀しい女よ、愛深きゆえに」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495600843/)

オレンジペコ「私の名は……アレンジペコです!」
オレンジペコ「私の名は……アレンジペコです!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1496140952/)

みほ「ふたりは!」エリカ「パンツァープリキュア!」
みほ「ふたりは!」エリカ「パンツァープリキュア!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498737749/)

エリカ「パンツァープリキュア!」みほ「これが最後の戦いです!」
エリカ「パンツァープリキュア!」みほ「これが最後の戦いです!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498908187/)

おつ
あの同人誌たちはリアルであったりするんすかね…

>>31
僕の過去作に出てきた同人誌です。
一体著者は誰なんだろう……

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