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金 曜 ロ ー ド シ ョ ー {三三三三三三三}
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o _、ー‐~i
〉ゝ _r-‐ ヽ‐、
ハ ( 〉 GIRLS und COMMANDO
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※ガルパン×コマンドーのパロディSSです。
※配役はあんまり深く考えずにイメージで決めたので、温かい目で見てください。
※役者は西住流の特殊な訓練を受けています。
※死人が出ているようにも見えますが、このSSは特殊なカーボンコーティングによって安全に保たれています。死傷者はゼロです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1463745623
~住宅街を走るゴミ収集車~
清掃員1・2「…………」ブゥゥゥゥン
~ベッドで眠っていた2人~
ガタンゴトン
絹代「なっ、なんですか!?」ビクッ
ダージリン「ん……清掃車が来たんでしょう……?」ムニャ
絹代「火曜日にですか……?」
ダージリン「曜日が変わったのではなくて?」チュッ♡
絹代「はあ……」ガサゴソ
~外~
絹代「おーい! 待ってください! ちょっと! 待ってくださーい!」つ(ゴミ)
清掃員1「…………」
絹代「ふぅ……行ってしまったかと思いましたよ!」
清掃員1「……とんでもない」カチャ
アンチョビ「待っていたのさ!」つ銃
絹代「!?」
ズダダダダダダ ズダダダ
~とある戦車ショップ~
アッサム「戦車はイギリスで生まれました。ドイツの発明品ではありません。我が国のオリジナルです。しばし遅れをとりましたが、今や巻き返しの時です」
アンチョビ「重戦車は好きだぞ!」
アッサム「重戦車がお好き? 結構。ではますますお好きになります。さあ、どうぞ。チャーチルのニューモデルです。快適ではないでしょう? んああおっしゃらないで」
アッサム「シートは硬く、夏は暑いし、足は遅いわ紅茶は溢れるわ、ろくなことがありません。どうぞ回してみてください」
アンチョビ「…………」ブゥゥゥゥン
アッサム「良い音でしょう? 余裕の音です。馬力が違いますよ」
アンチョビ「一番気に入ってるのは」
アッサム「なんです?」
アンチョビ「値段だ!」ニヤ
ブゥゥゥゥン ギャギャギャギャ
アッサム「ああっ何を!? ここで動かしちゃ駄目ですよ! 待って! 止まって!」
ドガァ ガシャアアァ ブゥゥゥゥン
~とある漁港~
エリカ「おはよ、やってるわね」
ナカジマ「おはようエリちゃん。今朝も冷えるねぇ」
アリサ「…………」
アンチョビ「…………」
エリカ「…………」ニヤ
船に乗り込むエリカ
アンチョビ「…………」カチッ
ドォォォォォン
~茨城のクソど田舎の山奥~
丸太とチェーンソーを担いで森を闊歩するみほ
斧で薪を割るみほへ、背後から接近する影
みほは斧の反射で様子を伺う
みほ「わっ!」クルッ
愛里寿「きゃっ! みほ! ばれちゃった!」
みほ「あははっ、バレバレだよ♪」
愛里寿「驚かそうと思ったのに~。えいっ」コチョコチョ
みほ「あははっ! 降参! 降参だよ!」キャッキャッ
みほと愛里寿は、山奥の小屋で2人、仲睦まじく暮らしている
~朝ごはん~
愛里寿「はい朝ごはんお待ちどお様」つ(サンドイッチ)
みほ「なんでこのアニメ『ガールズアンドパンツァー』なのかな? 『ボーイズアンドパンツァー』の方が現実的なのに」
愛里寿「もう、みほったら古いんだ」
みほ「モグモグ……中身は何これ?」
愛里寿「知らないほうがいい」
みほ「あはは……ん?」チラッ
窓の外、山の稜線の向こうからヘリが飛んでくる
愛里寿「どうして黒森峰のヘリが来るの? みほはもう……」
みほ「……どこにも行かないよ」
愛里寿「本当に?」
みほ「約束する」ギュッ
庭にヘリが着陸、3人が降り立つ
まほ「阪口、澤、辺りを調べろ」
桂里奈「あいー!」スタスタ
まほ「みほ! 中に居るんだろう? みほ出てこい! お姉ちゃんだ!」
みほ「分かってるよ」スッ
まほの背後から表れ、彼女の腰に下がった拳銃を抜いて突きつけるみほ
まほ「っ!? 静かに素早くか……変わらないな」ニコッ
みほ「あははっ、お姉ちゃんに教わったんだよ」ニコッ
まほ「私も歳かな」
愛里寿「何しに来たの」
まほ「愛里寿! 元気か?」
愛里寿「まあね」
みほ「うふふっ」
まほ「愛里寿、私はみほと大事な話があるんだ」
愛里寿「そう。もっと早くからちゃんと話をしていれば、みほが出ていくことも無かったかもしれないのに」
まほ「う"……リアルにキツいジョークはやめてくれ……」ズキズキ
みほ「愛里寿ちゃん」
愛里寿「分かったわ」スタスタ…
まほ「……実は、問題が持ち上がった。昔の仲間が次々殺されている」
みほ「別人になりきったはずなのに……」
まほ「情報が漏れてるんだ。西、アッサム、エリカ……皆やられた」
みほ「……誰がやったの?」
まほ「お前達は世界中に敵を作ってきたからな。犯人は文科省か島田流か、それともガルパンおじさんか……次はみほの番だ」
みほ「ここで静かに暮らすつもりだったのに……」
まほ「暮らせるさ、心配ない。西住流とも協力して捜査を進めるつもりだ。犯人がみほに近づく前に捕まえてみせる」
まほ「それまであの阪口と澤を警護に付けておく」
みほ「……優秀なの?」
まほ「優秀だ。みほには及ばないが」
まほはヘリで帰還していった
愛里寿「……悪い話?」
みほ「どこへも行かないよ、愛里寿ちゃんを置いてはね」
愛里寿「ならいい」
みほ「……っ!」ピクッ
みほは西住流で鍛えられた直感で殺気を察知
即座に愛里寿を抱き上げてその場を離れた瞬間――
ズダダダダダダ
桂里奈「あいーっ!?」ドサッ
梓「桂里奈ちゃん! ……ぐぁっ!」
愛里寿を抱えたみほは家の中へ
銃撃を受けつつも辛うじて生き残った梓もなんとか後に続く
みほ「どこを撃たれました!?」
梓「う、腕だけです……! 大丈夫……」ゼェゼェ
みほ「物置からナイフを取ってこないと……しっかり見張っててください。奴らが来ます」
ズダダダダダダ
みほ「……いいですか、こちらが風下です。相手が近づけば分かります」
梓「どうやってです? 匂いを嗅げとでも?」
みほ「はいそうです」
梓(西住流はんぱない……)
みほ「愛里寿ちゃん、ベッドの下に隠れてて。出てきちゃ駄目だよ。すぐ戻るから」
愛里寿「うん……」タタタッ
みほは物置小屋へ走り、金庫のロックを解除(暗証番号は“13”の2ケタ)
銃を装備して家へ戻る
みほ(お願い……無事でいて愛里寿ちゃん……!)カチャ
梓「」死~ん ドサッ
みほ「……愛里寿ちゃんはどこ?」
アリサ「まあ落ち着きなさいな。銃を突きつけられてちゃ落ち着いて話も出来やしないわ」
みほ「…………」(銃を下ろさない)
アリサ「(怖っ)……愛里寿は無事よ。少なくとも今のところはね。この先どうなるかはあなた次第ってわけ。無事取り戻したければ――」
みほ「……!」
みほが窓の外を見ると、複数の車が走り去っていく
アリサ「私達に協力しなさい。OK?」
みほ「OK!」ズドン!
アリサ「ぐぎゃあ!」バタン
みほは戦車で追跡を試みるが、エンジンを破壊されていた
みほ「くっ……仕方ありません」
みほ「ふぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!」ズズズズ…
みほは西住流で鍛えられたパワーで戦車を斜面まで押し、位置エネルギーによって走らせ山を下る
ゴゴゴゴゴゴ
アンチョビ「あいづおっでぐるぞおおおお!」
アンチョビ「ぶつける気だあ……危ない!」
みほ「!」
ドガァァァァァン
しかし敵の車はみほの戦車の突撃を避け、戦車は崖下に転落してしまった
みほ「くっ……」
脱出したところを銃を構えた数人の敵に包囲されるみほ
何人かボコボコにするも、多勢に無勢で取り押さえられてしまう
ルクリリ「動くな! 殺されたいか!」
みほ「ぐっ……」
そこへ、1人の女が得意気な顔で姿を表す
エリカ「…………」ニヤ
みほ「エリカさん! 殺されたんじゃ……」
エリカ「残念だったわね、トリックよ。あなたが黒森峰を離れてから、ずっと復讐を想い続けてきたの。ようやくその日がやってきた」
みほ「そんな……」
エリカ「……長かったわ」パシュ
みほ「うっ……」ガクッ
~どっかの倉庫~
みほ「…………うーん……? あれっ、私撃たれたんじゃ……」
エリカ「麻酔弾よ」
みほ「そっか……」
ミカ「…………」ポロロン…
エリカ「本物の弾使いたかったわよ!」ガシッ
みほ「愛里寿ちゃんはどこ!?」ガバッ
エリカ「…………ふんっ」
ノンナ「私を覚えていますか、みほさん」
みほ「……忘れたことなんかありませんよ、ノンナさん」
みほ「拷問とも言える過剰な愛情表現で、どれだけのカチューシャさんがトラウマを負ったか……!」
ノンナ「みほさん、あなたにはプラウダのような学校の置かれた状況が、まったく理解出来ていないんですよ」
ノンナ「プラウダには厳正な規律で生徒を導く隊長が必要なのです」
みほ「……どうして私を?」
ノンナ「もう一度プラウダに戻ってもらいたいからですよ。あなた達が協力して隊長の座につけた女を殺し、カチューシャが返り咲く」
みほ「どうしてエリカさんにやらせないんですか? 彼女なら喜んで引き受けます」
ノンナ「それはニーナ隊長があなたを信頼しているからです。あなたを革命の英雄と呼ぶ程に。一方、エリカ副隊長は学外追放を受けた身です」
みほ「はい……任務をほったらかしてエリみほに励んでいたから……」
エリカ「ちょ……あの快楽を教えたのはあなたじゃない!」ジダンダフミフミ
ノンナ「あなたなら難なくニーナ隊長に近づき、奴を殺せます」
ノンナ「あなたを見つけ出すのにとても苦労しました。エリカさんを含め、かつてのあなたの仲間を殺していけば、まほさんがあなたの所へ案内してくれる」
ノンナ「結果は私の予測通りになりました。あとは、あなたの承諾を取り付けるだけです」
みほ「……くたばってください」
ノンナ「…………」
エリカ「…………」ニヤ
エリカは倉庫の扉を勢いよく開いた
そこには縛られた愛里寿の姿
愛里寿「みほ……」グスッ
みほ「愛里寿ちゃん!」
愛里寿の首筋に、エリカの武骨なナイフが突きつけられる
みほ「愛里寿ちゃんを放して!」
ノンナ「ニーナ隊長を殺せば、愛里寿さんは返します。もし裏切っておかしな真似をすれば……彼女のバラバラ死体が届きますよ」
みほ「…………」ギリッ
~みほのおうち~
まほ「みほは見つからないのか!」
ケイ「Yeah! 3人の死体だけよ。まだ他にもあるの?」
まほ「みほが生きていれば、まだ死体は増えるはずだ」
~茨城空港~
エリカ「乗り込むまではミカが見張ってる。飛行機の中ではルクリリが着陸まで一緒よ。2人からの連絡が途絶えたら、愛里寿は死ぬ」
みほ「……ノンナさんにいくら貰ったの?」
エリカ「10万ドルPONとくれたわ。だけどねみほ、あなたをブチ殺せと言われたら、タダでも喜んでやるわよ」
車に乗り込むエリカ
みほはその扉に手を掛ける
ルクリリ「よう待ちな!」ガシッ
みほ「必ず戻ってきます……!」バタン
エリカ「……みほ!」
みほ「…………」
エリカ「楽しみに待ってるわ」ニヤ
~空港内~
ミカ「エリカとは、戦車道で一緒だったそうだね。私とルクリリも戦車道をやっていたんだ」ポロン…
ミカ「戦車道というのは良いものだ。人生で大切なものがたくさん詰まっている」ポロロン…
ミカ「それじゃあ、私はここまでだ。道中の無事を祈ります。良い旅を」ポロロン…
ミカ「(ノンアルコール)ビールでも飲んでリラックスしたら良い。何事も休息は大切だからね」つ100円
ミカ「彼女の面倒は私がしっかり見ていてあげるよ」ポロロン…
ルクリリ「ぬふふ……」
みほ「……面白い人ですね。気に入りました。殺すのは最後にしてあげます」
ミカ「」ポロ…
ルクリリ「来い」ガシッ
ミカ「いってらっしゃい」ノシ
~機内~
優季「お席はファーストクラスのAですぅ♡」
みほ「ありがとうございます」
優季「同じく7列目のBですぅ♡」
ルクリリ「…………」
席を見つけ、ルクリリが窓際、みほが通路側に座る
優季「手荷物はございますかぁ?♡」
みほ「いえ、コレだけです」
コレ(ルクリリ)「今度余計なこと言うと口を縫い合わすぞ」
みほ「…………」ジロリ
優季「シートベルトをお締めくださぁい♡」
みほ「どうも。毛布と枕を取ってもらえますか?」
優季「はぁい♡」
飛行機の入口が閉まる
優季「はいどうぞぉ♡」
みほ「どうも」
優季『ご搭乗の皆さまぁ♡ 当機はこれより滑走路へ向かいますぅ♡ お荷物は上部の棚にお仕舞いになり、シートベルトをお締めのうえ、お煙草は今しばらくご遠慮くださいませぇ♡』
飛行機内が密室になり、みほの逃走が不可能になったことでいくらか気を抜いた様子のルクリリ
地上のミカは、タラップが離れ、滑走路へと移動していく飛行機を満足気に見つめている
優季『機が所定の高度に達しますと、お好みのお飲み物のサービスがございますぅ♡ しばらくいたしますとお食事、続いて機内映画を上映いたしますぅ♡』
みほ「……っ!」ガスゥ!
ルクリリ「ぅごっ……!」ガタン
すっかり油断して雑誌を読み始めたルクリリの顎に、みほはカチ上げの肘鉄を一発
ルクリリ「うぅ……」フラッ
みほ「…………」ガシッ ゴキッ
意識の朦朧としたルクリリの首を抱え込み、そのまま思い切り捻って息の根を止めた
優季『本日皆さまのお世話をさせていただくスチュワーデスは、宇津木優季でございますぅ♡ それでは空の旅をお楽しみくださいませぇ♡』
ルクリリ「」死~ん
みほ「…………」ゴソゴソ
動かなくなったルクリリの頭を枕に乗せ、毛布を掛け、帽子を顔に被せて、さも熟睡しているかのように偽装するみほ
西住流の修行を受けている彼女は、当然以上の行動を表情ひとつ変えずに淡々とこなした
みほ「すみません、どのくらいかかりますか?」
優季「飛行時間は11時間を予定しておりますぅ♡」
みほ「そうですか。あ、頼みがあるんですけど……連れを起こさないであげてください。死ぬほど疲れてるので」
滑走路をゆっくりと加速する飛行機
しかしみほは席を立ち、どこかへ向かう
優季「お客様ぁ♡ 危険ですぅ♡ お席へお戻りくださぁい♡」
みほ「すみません、気分が悪くて……」
スチュワーデスの静止を振り切り、トイレへ行くふりをして、貨物エリアへ侵入する
優花里「(U^ω^)<にしずみどのー」ワンワン!
みほ「うわぁビックリした! ただの犬かぁ……」
貨物の隙間を抜け、壁を破って車輪の格納スペースへ到達
車輪に掴まり、離陸直後に飛び降りて、滑走路の先の湿原へ着地
西住流の修行を修めた彼女には、もちろん傷ひとつ無い
時計のアラームを11時間後にセット
飛行機がプラウダに到着し、みほが逃げたことが露見すれば愛里寿は殺される
そのタイムリミットを告げる時計が動き出した
~茨城空港内~
飛行機の離陸を見届け、みほが脱出したなどとは思ってもいないミカは、意気揚々とノンナへ公衆電話で報告
ミカ「“鳥は飛び立った”よ。“荷物”も一緒にね」
ノンナ『了解です。次は分かっていますね?』
ミカ「あなたの判断に従おう」ポロロン…
ノンナ『はいスパシーバ』カチャン
~どっかの港~
ノンナ「事は予定通り運んでいます。明日の今頃は、カチューシャはプラウダに帰っているでしょう。隊長として」
愛里寿「…………」
ノンナ「みほさんは協力的です。すぐにまた一緒になれますよ。嬉しいですか?」
愛里寿「……見てなさい。あなたなんてみほにボコボコにされるわ」
エリカ「…………」ニヤ
ノンナ「……キャビンに連れていきなさい」
~茨城空港内~
ミカ「さてと……おや?」
沙織「やだもー。乗る予定の飛行機が欠航だって!」
麻子「仕方ないな。旅行はキャンセルだ。朝が早かったから眠い。さっさと帰って寝させろ……」
沙織「えー……せっかく旅先のデートスポットを調べ尽くしたのに無駄になっちゃった……」
華「それは最初から無駄なのでは? それよりも、せっかくですから空港グルメを楽しんでいきましょう! 私、前から一度食べ歩きをしてみたかったんです!」
沙織「華はブレないよね……」
ミカ「やあ、可愛い人達。良ければ私と風に任せて歩かないかい?」ポロン…
麻子「な、なんだこいつは……」
沙織「こ、これってもしかして、私ナンパされちゃったの!? やだもー!」
華「見境なさすぎますよ沙織さん……。あ、いえ、私達だけで回りますので結構ですから……」
ミカ「あなた達がそんなに美しく生まれた意味を考えたことはあるのかな。もっと遊ぶことも必要さ」ポロロン…
麻子「しつこいな……構わないでくれ」
沙織「えー、断っちゃうの? 危険な香りがして結構かっこよくない?」
麻子「変な帽子を被って楽器を掻き鳴らしながら言い寄ってくる奴は、危険な香りじゃなくて危険な奴だ」
華「ほら行きますよ沙織さん」グイッ
沙織「えーそんなー……」ズリズリ
その場を立ち去ろうとする3人
しかしミカは微笑みを浮かべたままその後を着いてくる
~駐車場~
ミカ「待ちなよ。あなた達にいい夢を見させてあげる」
沙織「まだ着いてきてる! さすがに怖いよこの人!」
麻子「結構だと言っているだろう。見たくもない」
ミカ「絶対に後悔はさせないと誓うよ」ポロン…
華「どうせ碌でもない夢でしょう? これ以上しつこくするなら大声出しますよ」
ミカ「……そうかい。では仕方ないね。さようなら、アバズレさん達」ポロロン…
沙織「何あの人……最低だよ!」
華「だから言ったでしょう? 始めから胡散臭かったです」
麻子「本当に沙織は昔からこうなんだ」
沙織「でも今になって思えば、ちょっとあの人は私のタイプじゃなかったなー。もっとシュワちゃんみたく筋肉モリモリ、マッチョマンの(ガシッ)……へっ?」
みほ「動かないでください。私はこのままあなたの首をへし折れます」
沙織「ひっ……!」
華「ど、どなたですか……?」
みほ「抵抗しなければ何もしません。脇へどいてください」
麻子「で、でも今『動かないで』って……」
みほ「いいからどいてください。そのまま戦車に乗って」
沙織「ど、どうしよう……」
華「仕方ありません……ここは言われた通りに……」
麻子「そうするしかないか……」
みほの放つ殺気に怯えながら、Ⅳ号戦車に乗り込む3人
みほも続いて車長席に座る
みほ「私の言うとおりにしてください」
沙織「だ、だめだよ。7時半に戦車道の稽古があるの、付き合えないよ!」
みほ「今日は休んでください」
その時、ミカの乗り込んだBT-42が駐車場から勢いよく走り出していく
みほ「あれを付けてください」
麻子「そうくると思った……」ガチャ
ブゥゥゥゥン ギャギャギャギャ
~道路で追跡中~
華「……答えを聞くのが怖いのですが、後で私達を殺すおつもりなんですか?」
みほ「まさか、そんなことしません」
沙織「そりゃ殺すなんて言うわけないよね……」
みほ「何もしませんよ」
沙織「本当に?」
みほ「信じてください。……置いてかれますよ。もっと飛ばしてください」
麻子「あ、ああ」ブゥゥゥゥン
華「どうしてこのようなことを?」
みほ「……一口では言えません。とにかく私を信じてください」
沙織「無理だよそんなの……まだ知り合って5分も経ってないんだよ? ……えっと、私は武部沙織」
華「五十鈴華と申します」
麻子「冷泉麻子だ」
沙織「あなたは……?」
みほ「……みほです。西住みほ」
沙織「じゃあみぽりんって呼ぶね! ちょっとでも可愛い名前で呼んだ方が怖さが和らぐし……」
麻子「おい、BT-42がショッピングモールに入ってくぞ」
みほ「そのまま続いてください」
~ショッピングモール駐車場~
ミッコ「とうちゃーく!」
アキ「相変わらずミッコは駐車下手っぴだね」
ミカ「じゃあ2人はここで待っててね」
華「……あの人、店内へ入っていきますよ」
みほ「全員降りてください」
沙織「えっと……私達がいると足手まといじゃない?」
麻子「遠慮なく一人で行ってくれてもいいんだぞ」
みほ「もう少し付き合ってください」
~モール内~
店内を闊歩するミカから目を離さず、みほは話を切り出した
みほ「……訳を話します。一緒に住んでいる女の子が誘拐されてしまったんです」
麻子「私達も今まさに誘拐されている気がするが……」
みほ「あの女が唯一の手がかりなんです。でも私の姿を見られると、その子が殺されてしまうんです」
華「穏やかではない話ですね」
みほ「ここは皆さんに頼むしかないんです……奴を甘い言葉で誘って、ここへ連れてきてください。あとは私がやります。それで皆さんは自由です。いいですね?」
沙織「やだよ……怖いよもー……」
みほ「お願いします、助けてください! 皆さんだけが頼りなんです!」
みほ「残された時間は10時間だけ……それが過ぎれば、愛里寿ちゃんは殺されちゃうの……!」
沙織「わ、分かった! 分かったよ……やってみる……逆ナンは専門外だけどね」
華「専門分野なんて無いじゃないですか」
~レストラン~
館内のレストランへ入っていったミカ
続いて入った3人だが、真っ先に向かったのは入口に立っていた警備員のところ
沙織「すみません! 向こうにボコのシャツを着た女の子が居るんですけど、彼女まともじゃないんです!」
麻子「誘拐されかけた。助けてくれ」
あけび「分かりました! 見てきますね!」
華「ありがとうございます」
ミカ「戦車の修理が得意なんだって?」
スズキ「うん、そうだよ」つ【偽造パスポート】
ミカ「……これで直せるよ」
スズキ「よかったー」
あけび「キャプテン! 応答願いますキャプテン! 頭のイカれた女がいます! 一人では手に負えません!」
典子『よし! すぐ行く! 根性を見せるぞ!』
あけび「はいキャプテン! じゃあここに居てくださいね」
沙織「どうも……」
典子「全警備員へ! 3階で非常事態だ! 容疑者は女性! 160センチ! 髪は茶! 意外と着痩せする、ナイスバディのボコ狂いだ!」
ミカ「女性を引っかけるには良い場所だね。可愛いにゃんこ達がゴロゴロして……」チラッ
沙織「大丈夫かな……」
華「妙にやる気に満ち溢れた方々ですね」
麻子「まあ、これで安心だろう」
ミカ「……もう3人みつけた。では、私はこれで」ポロロン…
スズキ「またいつでもどうぞー」
あけび「ここで何をしてるんですか?」
みほ「……友人を待ってるんです」
沙織「…………」ハラハラ
ミカ「私をお探しかな? 可愛い人達」
麻子「げっ、また出た……」
みほ「っ!」
あけび「一緒に来なさい!」グイッ
みほ「ふんっ!」ゲシッ
あけび「ひゃっ!?」ドタッ
典子「佐々木! よくもー! 根性~!!」グワッ
みほ「邪魔です!」ドゴッ
典子「うげっ! 根、じょ……」ドサッ
ミカ「あれは……!」
みほ「えいっ!」ボゴッ
妙子「きゃあっ!」ドサッ
ミカ「西住みほ……!? 小銭だ! 小銭を出して!」ガサゴソ
沙織「きゃっ! エッチ!」
麻子「今どき携帯を持っていないのか」
ミカ「縛られるのは嫌いだからね」
電話ボックスに駆け込むミカ
根性で向かってくる警備員を蹴散らしたみほは一足飛びに詰め寄る
ミカ「くっ……!」つ【拳銃】バァン
みほ「西住流に銃は通じません!」スッ
みほは難なく銃弾をかわし、西住流で鍛え上げたパワーでミカの立てこもった電話ボックスごと持ち上げ、ぶん投げた
ミカ「うわぁ!?」
みほ「糞ったれぇ!」
典子「全員確保! 数と根性で取り押さえろ! 3枚ブロックだ!」
忍あけび妙子「はいキャプテン!」ガバァ
みほ「邪魔しないでください!」ドガァ
バレー部「うわぁ!」バターン
ミカ「今のうちに……」スタコラサッサ
みほ「待ちなさい!」ダダダッ
忍「こうなったら殺人スパイクで……!」つ【バレーボール】
沙織「だめぇ!」バッ
忍「うわぁ何を!」ドテッ
麻子「なんで警備員の邪魔するんだ沙織!」
沙織「みぽりんの必死な様子見てたら……なんかさっきの話を信じてもいい気がして……」
華「……実は私も」
麻子「正気か?」
華「それに、暴れまわる彼女の強さ、刺激的で憧れます……!」
麻子「……五十鈴さん、たまに沙織のこと言えないぞ」
沙織「それってどういう意味!?」
エレベーターで逃げるミカ
相変わらず根性で追いすがる警備員をちぎっては投げながら、西住流で鍛えられた跳躍力を発揮し大ジャンプで距離を詰めるみほ
ミカ「何でも西住流で片付けるのはいかがなものかな!」ダダダッ
みほ「待ちなさい!」ダダダッ
ミカ「はぁはぁ……でも戦車までたどり着けばこちらのものさ」
アキ「どうしたのミカ、そんなに息切らして」
ミカ「いいから、早く出してミッコ!」
ミッコ「あいよ!」ブルルルルル
ギュオオオオン
みほ「くっ……」ダダダッ
みほも急いでⅣ号戦車へ戻り、BT-42を追う
沙織「待って! 置いてかないでよ!」
みほ「あ! 助かりました! 私あんまり運転得意じゃないので……早く乗ってください!」
麻子「はぁ……また私があいつを追うのか……」
~追跡中~
沙織「もー! みぽりんは一体なんなの!? 戦車は盗む! 私達は拐う! 女の子を探すのを手伝ってなんて突然むちゃくちゃ言い出す! かと思えば人を殴り合いに巻き込んで大勢ぶっ飛ばす! 挙げ句は電話ボックスを持ち上げる! みぽりんは人間なの!? お次は八艘飛びときたよ! 警官があなたにスパイク打とうとしたんで助けたけど、そしたら私達まで追われる身だよ! 一体何があったのか教えてよ!」
みほ「駄目です」
沙織「駄目ぇ!? そんなー! やだもー!」
麻子「ちょっときつめにいくぞ」ギャギャギャギャ
沙織「うわぁ危ない!」
華「これがカーチェイス……! 一度やってみたかったんです!」キラキラ
沙織「今日は厄日だよもー!」
~茨城の山道~
みほ「横につけて、ぶつけででも止めてください」
麻子「もうどうにでもなれ」
ギャギャギャギャ ガッツンガッツン
ミッコ「うわっ! やりやがったなぁ!」
アキ「装填完了だよ!」
ミカ「トゥータ!」
ズドォォォォン
沙織「うわぁ撃ってきた! 反撃しようよ!」
華「砲弾なんて持ってきてませんよ!」
みほ「麻子さん今です!」
麻子「任せろ」グイッ
ドガッ グググッ
ミッコ「うわぁ! 横転する!」
アキ「あの片輪走行みたいのは!?」
ミッコ「さすがに無理!」
ドスゥゥン
麻子「やったぞ」
沙織「って麻子! 前! 木が!」
麻子「あ」
ズガァァァァン パラパラ…
華「うぅ……」
みほ「皆さん大丈夫ですか?」
沙織「死んでるんじゃない……?」
みほ「生きてます。ここで待っててください」スッ
ミカ「うぅ……」
みほ「…………」ガサゴソ つ【モーテルの鍵】
ガシッ ドンッ
ミカ「うわっ!」
みほ「愛里寿ちゃんはどこですか」
ミカ「あなたの行動に意味があるとは……」
みほ「どこですか! 答えなさい!」ボゴッ
ミカ「その命令には従えないよ……」
みほ「見上げた忠誠心ですねミカさん。ですがあなたの命を張るほど、値打ちのある相手ですか?」グイッ
みほ「さあ頭を冷やして、よく考えてみてください」
みほはミカの体を軽々と持ち上げると、崖っぷちで逆さ釣りにした
ミカ「ひぃぃぃ……!」ブラーン
みほ「支えているのは左手です。利き腕じゃないんですよ!」
ミカ「わ、私を殺したら、あの子は見つからないよ……?」
みほ「どこにいるんですか!」
ミカ「知らないよ! アンチョビが知っている! 彼女と会う約束をしていたのさ……!」
みほ「モーテルでですか?」
ミカ「ど、どうして……」
みほ「この鍵がそうですよね?」つ【鍵】
ミカ「あ……」
みほ「……あなたは最後に殺すと約束しましたね」
ミカ「そ、そうだよ西住さん……助け……!」
みほ「あれは嘘です」パッ
ミカ「うわあああああああああああああああああああああああああああ……!!」ヒュー…
みほ「…………」スタスタ
沙織「あ、みぽりんどうしよう……さっきの衝突で戦車が走行不能になっちゃって……」
みほ「………」ジロリ
ミッコ「ひっ……逃げるよアキ!」テテテッ
アキ「ま、待って!」テテテッ
みほ「…………」スタスタ
みほは横転したBT-42を、軽く押して元に戻した
みほ「これで出来ました」
沙織「みぽりん、ホント何者……?」
麻子「むちゃくちゃだな」
華「刺激的です……!」
沙織「そう言えば、さっきの人はどうしたの?」
みほ「放してあげました」
~茨城県内走行中~
麻子「これは初めて運転するがなかなか楽しいな」ウキウキ
華「ですが3人乗りの戦車に4人は少しきついですね……沙織さん少し太ったのでは?」ギュウギュウ
沙織「私的には華があれだけ食べてなんで太らないのか知りたいよ……」
みほ「皆さんを巻き込んでしまって、本当にごめんなさい……」
沙織「みぽりん、いい加減事情を話してくれるよね?」
みほ「……この子の為なの」つ【愛里寿の写真】
沙織「わぁ、可愛い! みぽりんの子供?」
華「そんなわけないでしょう」
みほ「私に汚い仕事をやらせたがっている人達がいるの。早く助けなきゃ愛里寿ちゃんは殺されちゃう」
麻子「その仕事をやったらいいんじゃないのか?」
みほ「ううん、どっちみち殺すつもりなのは分かってるの……裏切りに気付かれる前に愛里寿ちゃんを取り戻すしか手はありません」
みほ「私にとって愛里寿ちゃんは、全てなんです」
~革命的カチューシャ主義者同盟アジト・監禁部屋~
エリカ「ここに居なさい」ガチャ
愛里寿「うぅ……」
愛里寿(私、どうなっちゃうのかな……)
愛里寿(怖いよ……みほ……)
愛里寿「……や、やーってやる、やーってやる、やーってやるぜー……いーやな、あーいつを、ボーコボコにー……」ブルブル
☆☆☆プレゼントのおしらせ☆☆☆
今夜の「ガールズ&コマンドー」掲載を記念して、5月27日発売の劇場版ガールズ&パンツァーBlu-rayを100名様にプレゼント
応募方法はSSの最後で!
それでは引き続き「ガールズ&コマンドー」をお楽しみください
~茨城のとあるモーテル~
みほ(残り8時間弱……)
みほ「皆さんはもう大丈夫です」
沙織「何言ってるのみぽりん! 私達にも手伝わせてよ!」
麻子「ここまで来て知らんぷりなんて出来ん」
華「私達も、愛里寿さんを助けるために協力します!」
みほ「みんな……ありがとう……!」
4人はミカの持っていた鍵の部屋に入ったが、そこは無人だった
しかし室内を物色中、外からP40のエンジン音が響く……
コンコンコン!
みほ「! アンチョビさんだ……ベッドを乱して! 華さんはシャワーを出してください!」
沙織「う、うん!」グシャグシャ
華「それでこの後はどうするんです?」シャワー
みほ「えいっ」ビリッ
沙織「きゃっ! な、なにみぽりん突然私のシャツをはだけさせて……そんな……確かに命の危機ってそういうの燃え上がるっていうけど……!」
麻子「ふざけるのは後にしろ沙織」
みほ「沙織さんはミカさんと楽しんでたんです」
沙織「ああ、そういう……」
みほ「ではドアを開けて。あとの人はこっちに隠れて」
カチャ
沙織「ん……なぁにぃ?♡」クネンクネン
アンチョビ「…………あれ? ミカはどこだ?」
沙織「バスルームよぉ♡」アハン
アンチョビ「…………で、お前は誰だ?」
沙織「ルームサービスでぇ~す♡」ウッフン
麻子(酷いな)
華(目も当てられません……)
アンチョビ「えー……まったくあの色ボケめー。取り敢えずドアを開けろ」
沙織「は~い♡」キィ
アンチョビ「おーいミカ! この大事な時に女なんか連れ込んで! 明日のおやつは抜きだぞ!」
みほ「…………」チョンチョン
アンチョビ「ん?」クルッ
みほ「はぁっ!」ドゴォ
アンチョビ「ぶひぅ!?」ドサッ
みほ「まだです!」ブゥン
アンチョビ「そ、そうはいくか!」スッ ガシッ
みほ「くっ……!」
アンチョビ「ぬぬぬっ!」グググッ
みほ「えいっ!」ポイッ
アンチョビ「おっと!」スタッ
みほ「……!」
アンチョビ「はっはっはー! この私が怖いか! 当然だな! このドゥーチェ・アンチョビに勝てるものか!」
みほ「試してみますか? 私だって元黒森峰の副隊長です」
アンチョビ「どりゃ!」ブゥン
みほ「ふっ!」ガシッ ボカッ
アンチョビ「ぐぁあ!」ドサッ
華「いけっ! もう一発喰らわせてやりなさい!」キラキラ
麻子「五十鈴さんがなぜかどんどん元気になっていく……」
沙織「やだもー、夢なら醒めて……」
みほ「とぉりゃ!」ドギャン
アンチョビ「ぐわーっ!」ドゴォ
沙織「ああっ壁を破って隣の部屋に!」
ドッカンバリバリッ
カエサル「うわぁ!?」
カルパッチョ「きゃああああ!!」オッパイポロリン
アンチョビ「ぐぅ……くたばれ糞ったれが!」
みほ「くたばるのはあなたです」ボゴォ
アンチョビ「ぐげっ!」
カルパッチョ「ああっ! たかちゃん怖い……♡」ギュッ
カエサル「大丈夫だよひなちゃん、私が守るから……♡」ギュッ
麻子「あの辺は意外と余裕そうだな」
みほ「どりぁあ!」背負い投げ
アンチョビ「ぎゃあ!」
沙織「二人ともやりすぎだよ!」
華「いえもっと! もっとです!」キラキラ
みほ「ふんっ! えいっ!」ゴキッ ゴリッ ボカッ
アンチョビ「ごほぉ!」ドガァ
みほの砲撃のようなパンチで飛ばされたアンチョビは、折れた棒の上に落下
胸を貫かれ、苦しそうに呻く
アンチョビ「ぐぁぁ……」
みほ「愛里寿ちゃんはどこですか」
アンチョビ「ぐ……ぬひゃ……」ガクッ
みほ「アンチョビさん!」ガシッ
アンチョビ「」死~ん
みほ「……行きましょう」スック
沙織「え、あ、うん……」
外に出ると、駐車場にP40が停まっている
みほ「これがアンチョビさんのかな。みんな中を探して」
ガサゴソガサゴソ
麻子「なあ、こんなものを見つけたぞ」つ【紙】
みほ「これなんだろう……?」
華「飛行機専用の燃料会社の発送表……のようですね」
みほ「飛行機? 旅客機かな?」
華「いえ、個人用の小型機専門ですね」
沙織「なんで華そんなこと分かるの?」
華「西住流には及びませんが、五十鈴流もそれなりの家柄ですから。個人用の飛行機程度なら所有してます」
沙織「なんか今日だけで私の中の常識がどんどん崩れていくんだけど……」
みほ「この辺りの住所には倉庫が多かったはず……そのどこかに飛行機を隠してるのかも。行きましょう。この戦車を使います。アンチョビさんにはもう要らないものだし」
麻子「いろんな戦車を運転出来て楽しい日だな」
~怪しげな工場~
華「ここがそうですね」
みほ「ここ……私が捕らえられていた場所だ……!」
みほは門に巻かれた鎖を引きちぎり、工場の外壁をよじ登って壁を破って侵入
中を探したが、ノンナもエリカも、愛里寿もいなかった
しかし残された図面などから、大洗沖の小島に移ったこと、大洗港から水陸両用機で移動していることを探り当てる
みほ「島まで時間でいうとどのくらいかな」
麻子「約2時間といったところか」
沙織「大洗に行くの?」
みほ「いえ、まだです」
華「では、どこへ?」
みほ「買い物です」
沙織「……買い物?」
~戦車道放出品販売所~
ドガァァァガシャァァァガガガガガズズゥン……ポーン…
みほ「さあ、行きましょう」
沙織「まさか戦車のまま入口に突っ込むなんて……」
華「勇ましいです……!」キラキラ
麻子「乗り掛かった舟だ。こうなったらとことんやってやる」
4人はカートに様々な物品を放り込んでいく
華「しかしこれだけでは、敵と戦うにはいささか心許ないような……」
みほ「強力な対戦車道用品は、ロックの掛かった別室に保管されてるから……開けられるかな?」ポチポチ
レジに置かれた機械を操作するみほ
ビッ ブーッ ウィーン
沙織「開いた!」
麻子「すごいな……大量の重火器に弾薬だ」
華「これ全て本物なんですね! あら、これはもしや……!」
みほ「ロケットランチャーです。3人は取り敢えずこれを先に戦車に積み込んできて」
沙織「オッケー!」ガラガラ
みほ「さて……えーっと後はあれとこれと……ふふっ、目移りしちゃうなぁ。つい長居しちゃいそう」ガチャガチャ
そど子「動かないで! 武器を静かに下ろしなさい!」ガチャ
ゴモヨ「風紀委員です!」
みほ「あ……」
ウー ピーポーピーポー
パゾ美「さあ乗ってください」
沙織「ど、どうしよう! みぽりん捕まっちゃったよ!」
華「取り敢えずあの護送戦車を追いましょう!」
麻子「合点承知」
~護送戦車内~
みほ(あと5時間……どうしよう……)
みほ「あのっ、西住まほ隊長に連絡をとってくれませんか? 妹だって言えば分かりますから!」
そど子「隊長? 寝言いってんじゃないわよ!」
パゾ美「ぬへへ」
みほ(うう……本当なのに……)
その時、赤信号で停まった護送戦車の隣に、P40が停車
ハッチを開けて、3人が顔を出す
そど子「あらあら、女の子よ。悪かないわねぇ……」ニヤニヤ
麻子「なんて厭らしい笑みだ」
沙織「まあまあ」
華「ここは精一杯愛想を振り撒くんです」ニコニコ
青信号になりゆっくり走り出す護送戦車
一方停まったままのP40の上に、3人が上る
ゴモヨ「何する気なんでしょうか」
パゾ美「私達に何か見せたいんでしょう」
そど子「あんこう踊りかしら?」
ゴモヨ「ぬふふ」
パゾ美「ぬへへ」
沙織「はい華、これ!」つ【ロケットランチャー】
華「この重み! 一度撃ってみたかったんです!」スチャ
麻子「戦車の弾があれば良かったんだがな」
華「撃ちます!」カチ
ズドォォォォン!!
沙織「って華! 逆逆! 後ろ向きに撃ってる!」
華「あら……」
そど子「な、何よあれ!?」
パゾ美「なんだお!」
華「今度こそ……花を生けるときのように集中して……」スチャ
そど子「こっちを狙ってるわ!!」
華「今!」カチ
ズドォォォォン!!
風紀委員「ぎゃああああああ!!」
ロケットランチャーは護送戦車に見事命中
護送戦車は横転し炎上した
華「やりました! 快・感……!」
麻子「……おい、そう言えばまだ西住さんが中に……」
沙織「あっ」
ガサゴソ
みほ「げほっ! ごほっごほっ!」モゾモゾ
沙織「良かった! みぽりん生きてた!」
みほ「どこで使い方を習ったの?」
華「説明書を読んだんです」
麻子「まあ説明書を読めば大体なんとかなるよな」
沙織「この二人もおかしい」
~革命的カチューシャ主義者同盟アジト~
ノンナ「みほさんのプラウダ到着はいつですか?」
エリカ「えーっと……2時間後ね」
ノンナ「事が終わった後の彼女の始末は考えてありますか?」
エリカ「こっちには愛里寿という切り札があるわ。受け取りに来たところを、一緒に片付ける」ニヤ
~監禁部屋~
愛里寿(どこにも出口は無さそう……当然ドアは鍵かかってるし。窓は開いてるけど……)カチャ
愛里寿(外から板が打ち付けられてて出られない……今が昼か夜かすら分からない……)
愛里寿「みほ……」
~大洗港~
流れるように見張りをボコって気絶させるみほ
沙織「みぽりん、誰かに野蛮だって言われたことない? そんなんじゃ男の子にモテないよ?」
華「野蛮でなくてもモテない人が何を……?」
みほ「行きましょう」
華「無事飛行機が飛ばせればいいのですが……」
麻子「大丈夫だ。説明書さえあればなんとかなる」
ブゥゥゥン
みほ「見回りが来た……急ぎましょう」
沙織「……この飛行機に乗るの?」
華「どうかしました?」
沙織「こんなの飛行機じゃないよ! 羽の付いたカヌーだよ!」
みほ「だったら漕げばいいんです!」
沙織「そんな……」
桃「あっ! お前ら何やってるんだー!」ズダダダダダダッ
柚子「桃ちゃん全然当たってない……」
みほ「早くエンジンをかけて!」ズドンッ ズドンッ
麻子「やっぱり戦車とは勝手がまるっきり違うな……」ガチャガチャ
沙織「おかしいよー! 何度やってもエンジンがかからない!」
華「任せてください! 実家のテレビが映らない時に確かお母様はこうやって……動きなさいこのポンコツさん! 動きなさいと言っているのです!」ドカッ バキッ
ブルン…ブゥゥゥン!
華「この手に限ります」
沙織「華のお家ってまだブラウン管なの……?」
みほ「…………」ズドンッズドンッ
桃「ぎゃーっ! やられた!」ドカッ ボチャーン
麻子「よし、飛ぶぞ」ブゥゥゥン
みほ「停まってる船に注意して」
沙織「ああっ! 駄目! ぶつかる!」
麻子「落ち着け」ガチャ
ブゥゥゥン↑
沙織「おおぉ……やった! 浮いてる!」
みほ「麻子さんさすが!」
麻子「どうも」
~戦車道放出品販売所~
ケイ「みほがやったの?」
まほ「通信隊に連絡して、風紀委員と沿岸警備隊の無線を残らず傍受させろ」
ケイ「Why? 一体何が始まるっていうの?」
まほ「第三次大戦だ」
~羽の付いたカヌー~
みほ「繰り返します。こちらWX448。西住まほ隊長どうぞ。緊急事態発生」
ナオミ『――未確認航空機に告ぐ。こちらは沿岸警備艇ファイアフライ。君は、軍の演習空域を横切っている。侵入禁止空域だ。ただちにコースを変えないと撃墜する。聞こえるか?』
みほ「緊急! 繰り返します、緊急! ただちに西住隊長に連絡してください!」
ナオミ『まずコースを変えなさい。さもないと撃墜するよ。聞こえてる?』
沙織「脅しじゃないみたいだよ……どうしよう。撃墜されちゃうよ!」
みほ「……海面すれすれを飛べば波でカモフラージュされてレーダーをくぐり抜けられるかも……麻子さん出来る?」
麻子「任せろ」グゥゥゥゥゥン↓
ピッ…ピッ…ピッ…ピー…
ナオミ「レーダーから消えた……?」
~革命的カチューシャ主義者同盟アジト~
愛里寿(なんとか鍵開かないかな……)ガチャガチャ ガチャリ
愛里寿(! ドアノブが外れた! これを使って窓に打ち付けられた板を剥がせるかも……)
エルヴィン「腐るよなぁ」
左衛門佐「まったくだ。小娘一人にこれじゃ大袈裟すぎるのでは?」
エルヴィン「大将は何を怖がっているんだか……」
おりょう「小娘の喉を斬るのは……あったかいバターを切るようぜよ……」
エリカ「刀はしまっときなさい。その口も閉じておくのね」
おりょう「ぜよ……」
エリカ「口だけは達者なトーシロばかりよく揃えたものね。まったくお笑いよ。みほがいたら、あの子も笑うでしょうね」
ノンナ「エリカさん、私の兵士は皆、同志です」
エリカ「ただのカカシですよ。私達なら瞬きする間に(指パチン)皆殺しに出来る。忘れないことね」
ノンナ「エリカさん、あなたは私を……脅しているのですか?」
エリカ「事実を言ってるだけよ。仕事を終えたらみほは、愛里寿を取り戻しに来る。愛里寿が生きていようがいまいが、それは関係ない。あの子はあなたを追いかける」
エリカ「あなたをみほから守ることが出来るのは……私だけよ」
ノンナ「怖がっているのは、私ではなくあなたではないのですかエリカさん。あなたこそ、みほさんを怖れています」
エリカ「勿論よ、プロですから。でもこちらには、切り札があるわ」
~羽の付いたカヌー~
麻子「あれがそうか?」
みほ「はい、あの島です。着水してください。ここなら敵にも見つかりません」
麻子「分かった。下りるぞ」
ジャバァァァ
ゴムボートを浮かべ、ありったけの武器と共に一人乗り込むみほ
みほ「メッセージは覚えた?」
沙織「『戦車道、西住まほ、コードあんこう、座標』だよね? バッチリ!」
みほ「奴らが私を見つけるまでは、無線は使わないで」
華「どうすればそれがわかるのでしょうか?」
みほ「島がドンパチ、賑やかになったらかな」
華「まあ……!」キラキラ
沙織「ホントに気をつけてねみぽりん……!」
麻子「幸運を祈る」
みほ「……ありがとう」ニコッ
島へ向かい、ボートを漕ぎ出すみほ
浜辺に揚陸すると、装備を整えていく
ギュッ ガチャ ジィッ カチャ ガチャン スチャ キュッ スチャン チャキ ガチャリ シュッ ヌリヌリ ガチャン ガシャ ガッチャン
デェェェェェェェェェェン
ノシ…ノシ…
みほはアジトの様子を観察し、見張りを一人、また一人と黙らせながら爆薬を仕掛けていく
~革命的カチューシャ主義者同盟アジト内~
電話<ラスツヴィターリ ヤーブラニ イ グルーシ♪
カチャ
ノンナ「はい、ノンナ副隊長です。……そうですか。分かりました」カチャ
ノンナ「彼女は飛行機に乗っていなかったそうです。愛里寿さんを殺りなさい」
エリカ「…………」ニヤリ
みほ「…………」ズドン!
久保田「ぎゃああああああ!!」バタッ
池田「久保田の犠牲を無駄にするな! 突撃ィ!」ズダダ
みほ「…………」ズドン!
池田「ぐわあああああああ!!」バタッ
みほ「…………」ポチッ
ドカァァァァァァァァァァァァン
ズガァァァァァァァァァァァァン
ドォォォォォンボガァァァァァン
浜田「んぎゃあああああああ!!」ドサッ
寺本「小娘の居場所まだ分かってないのに建物爆破するとか正気かあいつ!?」
エリカ「……やっぱりやってきたわね! さすがねみほ」ニヤリ
~監禁部屋~
ドアノブを捻るエリカ
しかしドアは開かず、ノブはポロリと外れた
エリカ「小娘め……!」ドガァ
ドアを体当たりで破ったエリカ
その目に映ったのは空っぽの部屋と、窓を塞いでいた板が剥ぎ取られて開いた、子供一人が通れるほどの穴だった
エリカ「くそっ! 逃げたわね!」
穴から外を覗くと、愛里寿がまさに逃げていくところだった
エリカ「ぬおおおおおっ!」バキィ
獣のような唸り声を上げて板をぶち破ったエリカは、怒りの表情で愛里寿の後を追った
~羽の付いたカヌー~
華「本当にドンパチ賑やかになっていますね」
麻子「まさに大暴れだな」
沙織「戦車道! 繰り返します。戦車道! こちらはWXの448。西住まほ隊長に緊急のメッセージがあります。どうぞ。繰り返します。西住隊長です。どうぞ」
~黒森峰~
小梅「西住隊長、テレックスに緊急のメッセージが入っています」
まほ「!」
~アジト内~
門をロケットランチャーで吹き飛ばして邸内へ侵入したみほは、数十人の敵相手に一騎当千の戦いを見せていた
しかし一瞬の隙をつかれ、手榴弾の爆発を至近距離で受けてしまう
手負いのみほは、態勢の立て直しのために、近くにあった物置小屋に隠れた
しかし敵に包囲されてしまう
玉田「よし撃て!」
ズダダダダダダ
ドドドドドドドド
ダダダダダダダダ
たちまち蜂の巣になる物置小屋
玉田「撃ち方やめ! 見てこい福田!」
福田「了解であります! 突撃!」カチャ
みほ「ふっ!」ズシャッ
福田「ああああああっ!!」バタッ
小屋の天井に張り付くようにして弾幕を避けたみほは、熊手や丸ノコギリ、斧などでその場の敵を殲滅し、敵の機関銃を奪って片手で撃ちまくる
みほ「…………」ズダダダダダダ
名倉「うっ……ああああああ~っ!!」ドサッ
細見「んぎゃああああああ!!」バタッ
敵の弾はみほに当たらず、みほの弾は確実にカカシ達を薙ぎ倒していく
撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し
鉄の掟 鋼の心
みほの雄々しい姿は、これぞまさしく西住流の体現であった
そのままみほは、愛里寿を探して邸内へ入っていく
みほ「愛里寿ちゃん! 愛里寿ちゃんどこ!?」
ノンナ(ついにここまで来ましたか……仕方ありません。こうなれば私直々に――)カチャ
みほ「愛里寿ちゃん! いたら返事して!」
ノンナ「…………!」ズドン ダダダダダ
みほ「! ……ノンナさん!」ギロッ
ノンナ「くっ……」タタタッ
みほ「…………」タタタッ ズダダダダダダ
ノンナ「ぬぅ……!」ダダダダダダダダ
みほ「…………」ズドン ズドン
ノンナ「ぐぁっ!」ブシャァ
みほ「…………」ズドン ズドン ズドン
ノンナ「ぐぅぅ……ああああっ……!」ガシャァン ドスッ
みほ「…………」
ミホ……ミホ……!
みほ「愛里寿ちゃん!?」タタタッ
クーデターの首謀者・ノンナを撃退したみほは、微かな声を頼りに地下へ向かう
~地下~
みほ「愛里寿ちゃん! 愛里寿ちゃーん!」
愛里寿「みほ……? みほ……!」
みほ「愛里寿ちゃん!」
愛里寿「みほ!」テテテッ
ガバッ
愛里寿「きゃっ!?」
エリカ「悪かったわね、みほじゃなくて」ニヤ
愛里寿「うぅ……」
エリカ「さあ歩きなさい!」
みほ「愛里寿ちゃん……」キョロキョロ
愛里寿「みほ!」
みほ「!」クルッ
ズドン
みほ「ぐぁっ!」バタッ
エリカの銃弾がみほの右腕を抉った
みほは物陰に身を隠す
エリカ「みほ、腕はどんな感じ?」ニヤニヤ
みほ「こっちに来て確かめたらどうですか?」ゼェゼェ
エリカ「いえ結構。遠慮させてもらうわ」
愛里寿「ううっ……みほ……」グスッ
エリカ「みほ! 顔出してみなさい。一発で眉間をぶち抜いてわるわ。古い付き合いだし、苦しませたくないの」
みほ「……エリカさん、その子は関係ありません! 離してあげてください! 目的は私でしょう?」
エリカ「あっははははは!」ニヤニヤ
みほ「右手をやられました。エリカさんでも勝てます!」
エリカ「…………」ムッ
みほ「……来てくださいエリカさん。銃なんか捨てて、かかってきてください」ゼェゼェ
物陰から姿を現すみほ
みほ「楽に殺しちゃつまらないでしょう? ナイフを突き立てて、私が苦しみもがいて死んでいく様を見るのが望みだったんでしょう?」つ【ナイフ】スッ
みほ「そうじゃないの? エリカさん」
エリカ「……あなたを殺してやる……っ!」
みほ「さあ、愛里寿ちゃんを放して! 一対一だよ。楽しみをふいにしたくないよね?」
みほ「来なよエリカさん。怖いの?」
エリカ「ぶっ殺してやるわ……!」ワナワナ
愛里寿「いやっ……!」
エリカ「ガキなんて必要ないわ! うふふひひっ……ガキなんてもう用はない!」ブンッ
愛里寿「きゃっ!」ドサッ
エリカ「ははははっ……ハジキも必要ないわ……へへへっ……誰があなたなんか……あなたなんか怖かないわ!!」ポイッ
エリカ「野郎ぶっ殺してやぁぁぁぁぁる!!」グワッ
ナイフを構えてみほに飛びかかるエリカ
互いにナイフ一本のみの、命を懸けた殲滅戦が始まった
エリカ「ハッ! ヘァッ!」ヒュン ヒュン
みほ「…………」スッ ヒュン
気合いを発し、体を不気味に揺らしながら斬撃を放つエリカ
一方、みほは最低限の動きで攻撃をいなしながら反撃の機会を伺う
エリカ「タァッ!」ヒュン ザクッ
みほ「ぐっ……!」ガクッ
エリカの刃がみほの胴を切り裂いた
エリカ「はっはっははは……!」
愛里寿「みほ!」
エリカ「随分甘ったれになったわねみほ! あなたは甘ちゃんよ!」
みほ「……ふんっ! はぁっ!」ヒュンヒュン
エリカ「ハッ!」ヒュン
みほ「とりゃっ!」ヒュン ザクッ
エリカ「んぐっ……う"う"う"う"う"……!」
今度はみほのナイフがエリカの腕を捉えた
その後も互いに一進一退
ナイフ、そして共に武器を落とした後は打撃の応酬
かつて黒森峰で西住流を学んだ者同士、紙一重の攻防が続く
みほ「とりゃあ!」ブンッ
エリカ「ぐぁあ!」ガシャン
エリカが投げ込まれたのは、高圧電流の流れる電線
エリカ「ぅあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!! 」ビリビリ
エリカ(焦げる! 焼ける! ハンバーグになっちゃう! ハンバーグに! ハ、ハン、ハンバー、ハハンバーグに……ハンバーグ、ハ、ハンババー……)
エリカ「ハンバァァァァァァァァァグ!!」グァッ
何故か息を吹き返したように元気を取り戻したエリカは、みほを圧倒し始める
エリカ「フンッ! ハァッ!」ドスッ ボカッ
みほ「くはっ! がはぁ!」ガクッ
エリカ「気分が良いわぁ! 昔を思い出すわねぇ!」ドゴッ バキッ
みほ「ああっ! ぐぁあ!」ドサッ
エリカ「これから死ぬ気分はどうかしらみほぉ! あなたはもう終わりよぉ!」
みほ「……ふざけやがってぇ!!!」プッチーン
エリカ「えっ」
みほ「てぇっ! ふんっ!」ボカッバキッボゴォ
エリカ「ぐへぇ! ごはぁ! うげぇ!」
みほ「とりゃあ! うりゃ! ほぉ!」ボコボコ
エリカ「うがっ! どへぇ! うごぉ!」ガクガク
エリカ「ち、ちくしょー!」スチャ
隠し持っていた銃を取り出すエリカ
エリカ「眉間なんか撃ってやらないわ! ×××をふっ飛ばしてやる!」カチャ
みほ「これで終わりです!!」グワッ
みほは1歩でエリカとの間合いを詰めた
その距離、わずか数センチ
エリカ「なっ……!」
そして――
みほ「(エリみほ)地獄に堕ちてください、エリカさん……ちゅっ♡」チュパ
エリカ「~~~~!?!?」
みほ「ん……ちゅ……ぁむ……んっ……ちゅる……♡」
エリカ「んんっ……!? ん……んむ……!」ガクッ ポトッ
みほ「んふっ……♡ んむ……れぅ……ちゅっ……じゅるるるっ♡」
エリカ「ふうっ……んむぁ……っん……ぁぶ……んんんっ♡」ビクンビクン
みほ「ちゅる……ちゅるちゅる……れろ……♡ んふっ……♡」ツーッ
エリカ「っはぁ! はぁ……はぁ……みほぉ♡」トローン
みほ「ふふっ♡ 堕ちちゃったね♡」ナデナデ
愛里寿「みほ……!」
みほ「!」ニコッ
~浜辺~
沙織からの救援要請を受けたまほの率いる部隊が次々に上陸してくる
そこへ悠々と姿を現すのは、みほ、彼女に抱っこされた愛里寿、そしてみほの腕に抱き着いて幸せそうに微笑むエリカである
まほ「まだ誰か残っているか?」
みほ「死体だけだよ」
まほ「……で、そいつは?」チラリ
エリカ「みほぉ♡ しゅきしゅき♡」スリスリ
みほ「えへ、新しく飼うことになったエリちゃんだよ♡」ナデナデ
エリカ「わんわん! く~ん♡」
愛里寿「エリカ、お手」
エリカ「わんっ!」スッ
みほ「愛里寿ちゃんとも、もうこーんなに仲良しになったの♪」
まほ「そ、そうか……まあ当人達がそれで良いなら……うん。あ、それと、もう一度戦車道部隊を編成したい。みほさえ戻ってくれれば……」
みほ「今日が最後だよ」
まほ「そうか……また会おう、みほ」
みほ「……もう会うことはないでしょう」
まほ「えっ……ちょっと待ってそれは無いって。お姉ちゃん寂しい」
みほ「うふふっ、冗談だよ♪」
沙織「おーい! みぽりーん!」
華「その子が愛里寿さんですね。お話通り可愛らしい女の子です♪」
麻子「な、なんだそのベタベタしてる人……怖いぞ」
みほ「みんな! 本当にありがとう!」
エリカ「みほぉ♡ みほぉ♡」
愛里寿「めでたしめでたし」
♡おしまい♡
エリカ「――という西住流の宣伝PVを考えたのですが」
まほ「却下」
エリカ「ええっ!? なぜ!」
まほ「いやそもそも頼んでもいないのに何なんだ急に……」
優花里「ちょっと逸見殿!」ヒョコッ
エリカ「うひぃ!? なんでここに大洗のモジャモジャがいるのよ!」
優花里「ちょうどスパイ活動中でして……そんなことより! 私の出番が少な過ぎやしないでしょうか!」
エリカ「出てたじゃない飛行機のシーンで」
優花里「あれただの犬じゃないですか! あんこうチームの他の皆さんは活躍してるのに差がありすぎますよ!」
エリカ「演出上の都合による監督判断よ」
優花里「どなたですか監督は!」
エリカ「三ツ井かりヱ監督」
優花里「逸見殿ではないですか!」
まほ「しかも結末を自分の好みに勝手に変えて……」
エリカ「これが視聴者の求めるエンターテイメントというものです!」
まほ「とにかく却下だ。明日はみほと劇場版ガールズ&パンツァーの4DXを観に行くんだ。良質なエンターテイメントは事足りている」
エリカ「そんなぁ……私も行きたいですぅ……」
優花里「私も……」
みほ「こんなこともあろうかと、ちゃんと4人分のチケット取ってあるの」ヒョコッ
エリカ「みみみみほまで!?」
優花里「さっすが西住殿ですぅ!」
みほ「明日はみんなで、パワーアップした4DXを楽しもうね!」
3人「イャッホォォォォォウ!!」
~おしまい~
読んでくださった皆さまありがとうございました。
繰り返しますが、特殊なカーボンのおかげでこのSSでの死傷者はゼロです。
明日4DXの復活上映行ってきます。
プレゼントがあると言ったな
あれは嘘だ
今まで書いたガル&パン↓
エリカ「私のみほまほエロ同人誌が無い!?」
エリカ「私のみほまほエロ同人誌が無い!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454853305/)
優花里「同人誌を買いにイベント参戦であります!」
優花里「同人誌を買いにイベント参戦であります!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455100050/)
エリカ「隊長たちに手作りチョコを渡すわ!」
エリカ「隊長たちに手作りチョコを渡すわ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455451038/)
みほ「戦車に巣食う怨念」
みほ「戦車に巣食う怨念」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456578343/)
エリカ「私達が」みほ「プリキュアに!?」
エリカ「私達が」みほ「プリキュアに!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457443365/)
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みほ「ボコササイズです!」エリカ「は?」 - SSまとめ速報
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