みほ「エリカさん、どうして私の制服着てるの……?」 (62)

~みほが出奔した後・西住邸~

まほ「わざわざ来てもらってすまない」

エリカ「いえ、当然のことです」

まほ「それで、改めて読みたい資料というのは……」

エリカ「高校戦車道で使用される、また近々使用可能となりそうな戦車のデータ。また西住流の所有する、古今東西あらゆる時代、カテゴリで行われた試合の戦術の記録……その全てを」

まほ「……エリカ、副隊長を請けてくれたのはいいが、少々気負い過ぎではないか?」

エリカ「いえ、そのようなことは……」

まほ「みほのことか」

エリカ「……今の私では、彼女には実力で大きく劣ります。しかし次の大会では、なんとしても王座を奪還しなくてはならない。道半ばで去らざるを得なかった彼女の為にも……」

まほ「…………」

エリカ「その為なら、私はどんなことでもするつもりです」

まほ「……そうか。分かった。資料のしまってある部屋はこっちだ。ついてこい」

エリカ「はい」

テクテクテク…

―――――――――――

※ガルパンのエリみほSS

※キャラ崩壊・ネタ被りがなんぼのもんじゃい

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1462360960

まほ「……確かにあなたは、みほがこんなことになって、繰り上がる形で副隊長になったけど――」

エリカ「……?」

まほ「私は、エリカの実力が、そこまでみほに大きく劣るとは思っていない」

まほ「自信を持て。お前は日本に冠たる黒森峰女学院戦車隊の副隊長だ」

エリカ「隊長……」

まほ「次は我々が勝つ。私達が勝たせるのだ。無理をするなとは言えないが、考えて無理をしろ――いいな?」

エリカ「はいっ!」

~数日前・黒森峰生徒寮 まほの部屋~

エリカ「なんで!? なんでみほが辞めなきゃいけないんですか!!」

まほ「落ち着けエリカ。転校はみほが望んだことだ……」

エリカ「ならどうして止めなかったんてすか! あの子、私達には何も言わずに……止められたのは事情を知っていた隊長だけだったのに!」

まほ「……それがみほにとって最善だと思ったからだ」

エリカ「最善……!? 西住流やOG会はどうだか知りませんけど、私達は誰もあの子を悪く言ったりしなかった! 危なっかしくて不器用なあの子を守れたのは私達しかいなかったんですよ!?」

エリカ「それなのに……戦車からも遠ざかって、ひとりぼっちで放り出すのが最善ですって……?」

エリカ「それでも隊長は、あの子の姉なん――」

まほ「それが出来ればそうしていた!!」

エリカ「――っ!」

まほ「だが問題は私の手の中でどうにか出来るような大きさじゃなかった……誰かが責任を取らなければ満足しない輩というのはどこにでもいるんだ」

まほ「私が辞めて、それで済むならどれだけ良かったか……でも私は国際強化選手だ。自分の去就を自分で決められる立場ではない」

まほ「それに間接的とはいえ、みほが敗戦の原因になったことは確かだ。その結果、私が辞めたとしたら、残されたみほはどう思う……?」

エリカ「……っ」

まほ「あの誰よりも優しいみほが、その責任に押し潰されて駄目になるところなど、見たくなかった……」

まほ「それならいっそ、面倒なしがらみから解き放たれて、西住流などではない、ただの“西住みほ”として、穏やかに過ごせればそれで良いと……」

エリカ「……すみませんでした、隊長」

まほ「いいんだ。何が正しかったのかなんて、もう誰にも分からない。私達は、ただ前に進むしかないんだ」

エリカ「――あの、隊長……」

まほ「なんだ」

エリカ「副隊長の辞令――私、請けます」

まほ「そうか……ありがとう」

~西住邸・書庫~

エリカ(もうみほは私達のことなんて気にもしていないかもしれない)

エリカ(それならそれで構わない。でも、もし……少しでも去ったことを気に病んでいるのなら――)

エリカ(圧倒的な勝利を見せつけて、そんな気負いは無用だと、ありがた迷惑だと突き放してあげる)

エリカ(常に重責を背負い、常勝を義務付けられて戦う辛さなんて忘れて、新しい土地で新しい生活をのんびり楽しめばいい)

エリカ(そうさせてやるのが、私達の――私の役目)

エリカ(みほを守れなかった……共に重荷を背負ってやれなかった私に出来る、ただ1つの償い――)

エリカ「あらっ……?」

エリカ「すみません隊長」

まほ「どうした?」

エリカ「ここ、いくつか資料が抜けてるみたいなんですが……」ペラッ

まほ「うん、確かに……あ、そういえばこれは――」

エリカ「なんです?」

まほ「大会前に、みほが読んでいたところだ」

~みほの部屋~

まほ「みほは戦車道関連のものを全て置いていったはずだ。資料もどこかに残っているだろう」

エリカ「いいんですか、勝手に……」

まほ「別にやましい理由があるわけじゃなし、構わないだろう。むしろ使った資料を元に戻さなかったみほの自業自得だ」

エリカ「まあそうですけど」

まほ「――む、もうこんな時間か……私はちょっと用があって外すが、暗くなる前に帰るんだぞ。資料は持ち帰っても構わない。何かあったら菊代さんに訊いてくれ」

エリカ「は、はい! お疲れ様です……」

エリカ(さて……探しますか。それにしてもボコと戦車しかない部屋ね)

エリカ(大丈夫なのかしら……戦車道も無い学校で、自力で友達出来るの?)

エリカ(こんなマイナーキャラも同好の士がいるとは思えないし……)

エリカ(……あっ)

つ【壁にかかった黒森峰女学院の制服】

エリカ(……もう、あなたがこれに袖を通すことは無いのね……)スッ

エリカ「――うぅ……う"っ……!」ポタ…ポタ…

エリカ「ごめん……ごめんなさい……っ! 私に……私にもっと……あなたが戦車を降りてもカバーできるだけの実力があれば……!」グズグズ…

エリカ「もっと頼りがいのある人間だったら……っ! あなたにばっかり背負わせることもなかったのに……っ!」ポロポロ…

エリカ「あなたが居なくなっちゃうことも……なかった……の、に……」グシュグシュ…


ヒグッ…グスッ…ウゥゥゥ…

ゴメン…ゴメンネ…ミホ…



エリカ「――――ん……はれ? 暗い?」ノソッ

エリカ(あのままみほのベッドで寝ちゃったのか……最近あんまり眠れなかったしね……さっさと帰らなきゃ――)

エリカ「って汚っ!? みほの制服が私の涙とよだれまみれに!」

エリカ(こ、これをそのままにしては帰れないわよね……仕方ない、持って帰って洗って返そう。あ、でも無くなってるのバレたらどうしよう……)

エリカ「――ええい背に腹は!」ヌギヌギ

――――――――――

エリカ「よし、サイズはぴったり。そういえばあの子と私って身長ほとんど同じだったわね」

エリカ「壁には私の制服を掛けておいて……折を見て交換に来ればいいわ」カチャ

エリカ「……見た目はまったく同じ格好なのに、なんか変な感じ」

エリカ(あの子の制服か……)

エリカ「(クンクン)……みほの薫り」グスッ

エリカ「ってああもう! これ以上汚してどうすんのよ!」グシグシ

エリカ(すぐ洗って返すから……ちょっとだけ、借りてくわね)

~しばらく後・エリカルーム~

エリカ(副隊長の仕事とプレッシャーがこんなにキツいなんて……)ドサッ

エリカ「…………」ゴソゴソ

つ【みほ制服】

エリカ「贔屓だの何だの言われながら、あなた、本当に頑張ってたのね……」ギュッ

エリカ(結果返すタイミングを見失ってしまった……どうしよう)

エリカ(もうちょっと……もうちょっとだけ、力を貸して……そばに、居させて――)

エリカ(私、もっと……もっと頑張るから……あなたと一緒なら、きっと――)zzz…

~もうちょっと後・黒森峰女学院更衣室~

エリカ「はあ……今日は暑かったわね」ヌギッ

小梅「あ、お疲れ様です副隊長。今日の模擬戦の指示バッチリでしたね! 隊長のチームをあそこまで追い詰められるなんて」

エリカ「でも結局負けたわ。やっぱり隊長は凄い。結局全部読まれてた」パサッ

小梅「そりゃあ西住隊長ですし。今の高校戦車道界最強の人を相手にあそこまでやれたんだから――」

エリカ「――あの子なら、きっともっと上手くやるでしょうね」

小梅「副隊長……ちょっと失礼します」お腹ピトッ

エリカ「ひゃぁう!? な、何よいきなり!」ビクゥ

小梅「……最近みんな話してたんですけど、やっぱり副隊長ずいぶん痩せましたよね」

エリカ「あら、ボクササイズの成果かしら」

小梅「いやむしろやつれたって感じで……今朝の朝食は?」

エリカ「10秒チャージ」

小梅「お昼は?」

エリカ「1本満足」

小梅「はぁぁぁ……そんなんじゃ本当に体調崩しま――ん?」

つ【エリカが着ようとしてる制服】

小梅(制服の裏地に刺繍が……“M. Nishizumi”って、隊長の? この人ついに隊長好き拗らせてそこまで……いや――)

小梅(隊長の制服ならもう少しサイズが大きいはず。ということは……)チラッ

エリカ「あそこで小隊を北に向かわせて挟撃……いや、ちょっと見え見え過ぎるかも……ならいっそ――こんな時あなたならどうするのかしら……(制服ギュッ)」ブツブツブツブツ…

小梅(ヤバい……体調より先に精神を……)

小梅「副隊長! この後、ご飯行きましょ! びっくりドンキー奢りますから!」グイッ

エリカ「ええっ!? いいわよ別に! お腹空いてないし……」

小梅「駄目です! ぶん殴ってでも連れていきます!」

エリカ「恐っ!? 分かったわよ! そんなに引っ張らないで! 制服が破けちゃうから!」

小梅「……大丈夫です。副隊長はよくやってますよ。みんなで頑張りましょう」

小梅「あの人が居なくなって……辛いのは、みんな同じなんですから」

エリカ「……ありがとう」

~しばし後~


エリカ「――副隊長? ああ、元でしたね(笑)」

エリカ「無様な戦い方をして、西住流の名を汚さないことね」



まほ「……エリカ」

エリカ「…………(顔面蒼白)」フルフル

まほ「その……」

エリカ「すみません、先にホテルに戻っています」スタスタ…

まほ「ああ……」

~ホテルの部屋~

エリカ「ああああああああああ!!!」ドタバタ

エリカ「私が……つ! 私が今日までどれだけ……どれだけっ――!」

エリカ「ぬ"うううううう……っ!」ヌギヌギ

つ【みほの制服】

エリカ「こんなものっ!」グッ

エリカ「こんな……もの……!」フルフル

エリカ「~~~~っ……!」ガクッ

エリカ「う"うっ……ううううぅ……っ」ギュッ

~決勝戦前夜~

エリカ「相手の射程が――ここは南方から回って――」ブツブツブツブツブツブツ…

小梅「……まだ起きてたんですか? 明日に響きますよ?」

エリカ「そうね。あなたはもう寝なさい。このポイントではこの稜線を利用して――」ブツブツ…

小梅「はあ……あの日からずっとそんな調子で……もう充分でしょう?」

エリカ「駄目よ。あいつは何をしてくるか分からない。いくら考えても考え過ぎということはないわ」

小梅「そうかもしれませんけど……」

エリカ「ここから南西に追い立てることが出来れば――いやそれだと――」ブツブツブツブツ…

小梅「…………」

~試合終了後~

エリカ(そう、あなたは――私の想像よりも、ずっと強かった)

エリカ(こんな有能な仲間が……友達がたくさん出来て、黒森峰に居た頃よりも、ずっとのびのびと――)

みほ「やっと見つけたよ、私の戦車道!」

まほ「うん」

エリカ(私は勘違いしていただけなのね)

エリカ「次は、負けないわよ」

みほ「はい!」

エリカ(結局あなたは、私達の助けなんて、必要としていなかった……)

エリカ(私なんて、最初からあなたにとって、その程度の存在でしかなかった)

エリカ(あなたは強い人間)

エリカ(私なんかとは、違う)

~しばらく後~

まほ「エリカ、さっきの指示はなんだ? あんな考え無しの突撃、捨て鉢としか言えないぞ。知波単じゃないんだからもう少し――」

エリカ「はい……すみません……」

まほ「……本当にどうしたんだ? 大会が終わってからというもの……その状態ではとても後を任せられないぞ」

エリカ「すみません……」

まほ「……もういい。帰って休め」

エリカ「はい……失礼します」

まほ(決勝戦の後、気丈にみほに対していたから、もう諸々の悩みは吹っ切れたのかと思っていたが……これでは――)

小梅「隊長! 大変です!」ドタタ

まほ「どうした?」

小梅「これ見てください!」つ新聞

まほ「何々……なっ!? 大洗が――」

~エリカルーム~

エリカ「…………」ボー

つ【みほ制服】ギュッ

ガチャッ!

まほ「エリカ!」

エリカ「うひゃぅ!? な、なんですか隊長いきなり!」

まほ「緊急だ。今すぐ遠征準備に入る。飛行船の準備。それから遠征部隊の編成と隊員の選抜。大至急だ」

エリカ「え、ちょ、な、何が起きてるんですか!」

小梅「はいこれ」つ新聞

エリカ「これは――っ!? 今すぐ全員叩き起こして準備開始します!」

~ちょっと後~

ダージリン『秋の日のビロロンがどうこう』

まほ「やはりどこも考えることは同じだったな」

エリカ「これもあの子の人望の為せる技ですね」

まほ「……良かったよ。エリカが立ち直ってくれて」

エリカ「……まだあの子にしてやれることがあるって分かりましたから」

エリカ(たとえあなたが私を見ていなくたって……ね)

~大学選抜戦~

「アズミ! メグミ! ルミ! バミューダアタックをかけるぞ!」

「誰だよお前! 」


エリカ「絶対に隊長達のところへは行かせない! 行かせるもんですか!」

ナカジマ『なんとか1台でも落としときたいね』

カチューシャ『……! 反転してくるわ!』

ナカジマ『あれ? エンジンが……』

エリカ「カチューシャ!」

カチューシャ『分かってる! 一撃で仕留めなさい!』

ガガガガガ ガツン!

ルミ「ぬぐっ!? 体当たり……!?」

カチューシャ『今よ!』

エリカ「フォイア!!」

ズガァァン! シュポ

アズミ「ルミ!」

メグミ「撃て!」

ズガァァン! ズガァァン! シュポ シュポ

エリカ「ぐっ……ここまでか……」

カチューシャ『あとは西住流に任せるしかないわね』

~戦車から降りて観戦中~

エリカ「なんで私が肩車しなくちゃいけないわけ?」

カチューシャ「仕方ないじゃない! そうじゃなきゃモニター見えないんだもの!」

エリカ「まったく……」

カチューシャ「……意外と普通なのね。ミホーシャ達のこと、心配じゃないの?」

エリカ「その質問、そのままお返しするわ」

カチューシャ「まあね、確かに相手は強敵だけど、あの2人が負けるところなんて想像出来ないわ」

エリカ「そういうこと。あの2人が組めば、敵なんていないわ」

カチューシャ「ま、カチューシャは勝ったけど?」

エリカ「アクシデントが無ければうちが勝ってたわよ!」

エリカ「あの人達は、私なんかとは違うんだから……」

カチューシャ「なにショボくれちゃってんのよエリーシャ!」

エリカ「エリーシャ……?」

カチューシャ「エリーチカの方がいい?」

エリカ「どっかのスクールアイドルと被ってるからエリーシャでいいわよ……」

カチューシャ「まあどっちでもいいわ。とにかく、自信持ちなさいよ。カチューシャ達があの副官の1人を落としたから良い勝負になってるのよ?」

エリカ「あれくらい……当然でしょ。むしろもっと落とせてれば2人の負担も――」

カチューシャ「馬鹿じゃないの? あの状況でそんなの西住流でも無理よ! エリーシャはあそこで最高の働きをしたの!」

カチューシャ「ずっと西住流のそばに居たんじゃ自分を過小評価しちゃうのも仕方ないかもしれないけど、もっと自分を誉めてあげてもいいんじゃない?」

カチューシャ「エリーシャの肩車、なかなか安定してて良いわよ。ま、ノンナほどじゃないけど」

エリカ「……まるで歳上みたい。驚いたわ」

カチューシャ「歳上よ!!」


『センチュリオン、戦闘不能!』

『大学選抜チーム、残存車輌無し!』

『よって、大洗女子学園の勝利!』

~劇場版エンディング・みほまほ会話~

みほ「――――! ――――」

まほ「――。――――……?」

みほ「……――――。――――――!」

まほ「――――。――――」

エリカ(今にして思えば、もし大洗が負けて廃校になったら、あなたはどうしてたのかしら)

エリカ(……もしかしたら、またあなたと一緒に戦う未来もあったのかもね)

エリカ(――ま、あり得ないか……)

まほ「――じゃあな、みほ。元気で」

みほ「うん、お姉ちゃん」

まほ「さて、行くぞ、エリカ」

エリカ「はい、隊長」

みほ「あ、あのっ! 待ってエリ……逸見さん!」

エリカ「っ……」

みほ「その、あの……ごめんなさい、ちょっとだけ、話を……」

エリカ「……私は、話すことなんて――」

まほ「私は先に戻っている。後でな」

エリカ「た、隊長!?」

ブロロロロ…

エリカ「うう……」

みほ「…………」

エリカ「……な、何よ、話って……」

みほ「えっと……きょ、今日は来てくれて、本当にありがとう」

エリカ「別に私は……」

みほ「その……ずっと話したかったんだけど、なんて話しかけたらいいか分からなくて……でも、今日を逃したらきっとずっと無理だと思うから……」

みほ「……あの時、黙って黒森峰を出ていって、本当にごめんなさい!」

エリカ「……!」

みほ「きっとみんな怒ってたよね……本当はちゃんと言いたかったんだけど、その……あの時は、もうどうしようもなくつって……」

みほ「だから、今日逸見さん達が来てくれて、本当に嬉しかったの。こんな、裏切り者の私なんかの為に……」

エリカ「馬鹿っ!!」

みほ「!」

エリカ「ほんっと馬鹿! 大馬鹿よあなた! あなたが出ていったことを悪く言う奴なんて誰もいなかったわよ! そりゃあ、確かにひょっこり大洗の隊長やってたのには色々思うところはあったけど……」

みほ「うぅ……」

エリカ「でも間違いなく、黒森峰のみんなはあなたの味方だった! もちろん私も……ずっと……ずっとあなたの為に――」

みほ「……エリカさん」

エリカ「――わ、私っ、あなたの役にたった……? 今度こそ、あなたを……みほを助けられた……?」ポロ…ポロ…

みほ「……うんっ! エリカさんがいなかったらと思うと……正直ゾッとしちゃう」

みほ「それに、エリカさんとまた同じチームで戦えて……あんな別れ方しちゃって、もう二度と出来ないと思ってたから……」

みほ「とっても嬉しかった! ありがとう!」

エリカ「そう……良かった……。やっと……やっと私は――」グスッ

みほ「……ところで、エリカさん」

エリカ「なに……?」

みほ「どうして私の制服を着てるの……?」

エリカ「………………ぇあ?」

みほ「その襟のほつれとか、袖の染みとか、それ私のだよね……?」

エリカ「」ダラダラダラダラ

エリカ「いや、その、これはね、違うのよ、そういうね、あれじゃね、なくってね――」アセアセ

みほ「…………」ジッ

エリカ「う、ううっ……」タジッ

エリカ「その、つい、出来心で……。あなたが居なくなってから色々大変で……なんか、力が貰える気がして……そのまま返すタイミングが……」

エリカ「あっ! べ、別にあなたが居なくなったことを責めてるわけじゃなくて……!」

みほ「お、落ち着いて! 私は別に怒ってるわけじゃないから。むしろ……」

エリカ「むしろ……?」

みほ「…………あ、今の嘘。やっぱり怒ってます」

エリカ「ええっ!?」

みほ「どうしましょう逸見さん。それって立派な窃盗ですよねぇ?」

エリカ「え、あ、ゆ、許して! お願いします!」

みほ「許してほしいの? うーん、じゃあ――」

エリカ「じゃ、じゃあ……?」

みほ「……エ、エリカさんが着てた大洗の制服をくれたら……ゆ、許してあげます……っ!////」

エリカ「……はい?」

みほ「っ……////」

エリカ「な、なんでそんな……?」

みほ「エリカさんと、お、同じ理由かな……////」

エリカ「……べ、別に、構わないけど……もう着ないし……////」

つ【エリカの大洗制服】

みほ「あ、ありがとうございます……////」

エリカ「…………」

みほ「…………」

エリカ「きょ、今日は助けてあげたけど、大会では絶対に負けないから!」

みほ「わ、私も! 次も勝ちます!」

エリカ「……たまには、顔見せなさいよ。みんな会いたがってるわ」

みほ「……はいっ!」

エリカ「じゃあね、みほ!」

みほ「またね、エリカさん!」

~???日後・みほルーム~

目覚まし時計「朝だぜ! 起きなきゃボコボコにしてや(べしっ)ぐはっ……いいパンチ持ってんじゃねえか……!」

みほ「むにゃ…………ってもうこんな時間!? 朝練に遅れちゃう!」

ヌギヌギ ポイッ ドタバタ

つ【制服】ゴソゴソ

みほ「……行ってきます♪」ニコッ

―おしまい―





読んでくださってありがとうございました。
エリカをまともに幸せにしてやりたかったんや……


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