旬を完全に逃した気がするカンピオーネ!×FateSSです。
*注意事項
・>>1はSS初執筆
・不定期更新
・カンピオーネ!は原作既読推奨
・護堂無双にはならない予定
では始めていきます。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404980933
11月20日
ーー聖杯戦争
7人の魔術師が太古の英霊を使役し、聖杯を賭けて行われる争い。
聖杯を手にした者はあらゆる願いを叶えられるという。
その儀式に注目した一人の老人が居た。
老いを感じさせない、狼の様な鋭い相貌。
欧州の神殺しデヤンスタール・ヴォバンその人である。
ヴォバン「聖杯戦争……開催地は日本か」
最近神殺しとなったばかりのあの少年の出身地も日本だったか
なれば、前回の借りを返すのも頃合いだろう
ヴォバン「それでは、すぐに準備に取りかかるとしよう」
ーーさあ、狩りの時間だ。
闘いに餓えた獣が闇の中で嗤った。
1月15日
草薙護堂、日本人、十六歳、男性。
ルックスは中の上。造りは悪くないが、カリスマ性と威厳に欠ける。
というのは彼の愛人、もとい友人のエリカ・ブランデッリの弁である。
一見すると普通の高校生にも見えるが、彼こそが世界に七人しかいない神殺しの魔王、カンピオーネなのだ。
その日護堂一行は男装の麗人、沙耶宮家別邸を訪れていた。
エリカ「突然私達を呼び出して何の用かしら?」
薫「まあそう焦らないで下さい。まず、皆さんは聖杯戦争と呼ばれる儀式をご存知でしょうか?」
護堂「聖杯戦争…?なんですか、それ」
祐里「聞いたことがあります。確か七人の魔術師が何でも望みが叶うという聖杯を賭けて争うものでしたよね?」
恵那「恵那も師匠から聞いたことあるよ。七人の魔術師がそれぞれ英霊を召喚して戦うんだっけ。場所は……たしか冬木市だっけ」
リリアナ「英霊を召喚だと!?そんなもの個人でできる規模の魔術行使ではないぞ」
エリカ「それに、あらゆる願いを叶える聖杯だなんて。随分と眉唾ものの話ね」
甘粕「まあ、随分と怪しい話なのは否定しませんがね
どうやら英霊を召喚できるというのは本当の話らしいですよ。」
リリアナ「証拠はあるのか?」
薫「ええ、この聖杯戦争という儀式は既に4度行われているようです。そして、いづれも英霊の召喚自体には成功しているみたいですね」
護堂「なあ、さっきから話に出てる英霊ってのなんなんだ?」
エリカ「ああ、ごめんなさい。護堂。あなたは知らなくても無理は無いわね。
英霊っていうのは過去に偉業を成し、英霊の座つまり不死の領域へと昇華したものよ。」
護堂「不死の領域って、つまりそいつらは『まつろわぬ神』ってことか?」
恵那「うーん、似てるけどちょっと違うかな。この間の二郎真君みたいなのを想像してくれたらいいと思う。」
護堂「それにしたって、あんな奴らが7人も出て来たら大変なことになるだろ!」
薫「まあ、聖杯戦争でサーヴァントとして呼ばれる英霊はクラスによる縛りを受けている上に現界のための魔力はマスターが出しているらしいですし、普通の魔術師がマスターなら『まつろわぬ神』程の脅威ではありませんが
それでもその気になれば街一つ位なら平気で壊滅できるでしょう。
そして、今までの話を統括した上でこの手紙をみて欲しいのです。」
薫が差し出したのは一通の手紙だった。
ーーー拝啓、草薙護堂
日本には手紙を書く時の所作が色々あるらしいが
貴様と私にはそのようなものは不要だろう。
端的に言おう。聖杯戦争を開催する。
参加者は貴様と私を含む7人のカンピオーネ全員だ。
私は『まつろわぬ神』とも違う太古の英霊との闘争を望む。
私の呼びかけに他のカンピオーネも集まる事だろう。
止めたいのならば春の時のように狩りで応じようではないか。
それでは冬木で会おう。
デヤンスタール・ヴォバンーーー
護堂「……まさか、あの爺さんこれと似たようなのを他の奴らにも送ってるんですか?」
甘粕「そのようです。各地のカンピオーネから参加の旨が続々と寄せられています。
まだ連絡が入っていないのは隠居中のアイーシャ夫人とアメリカのJPSだけですね」
護堂「7人のカンピオーネに7人のサーヴァントってことか……ったく、あの爺さんはなんでこんなことを」
薫「先程、サーヴァントの現界を支えているのはマスターと言いましたね?
普通の魔術師なら魔翌力切れもありますし、一度に出せる出力にも限界があります。
ですが、それが神殺しの君ならば……」
祐里「召喚される英霊は『まつろわぬ神』と同レベルの力を持つ。という訳ですね」
薫「祐里、視えたのかい?」
祐里「ええ、確実にあっているとは限りませんが。恐らく、ヴォバン様の狙いは『まつろわぬ神』と同等の力を持つ英霊と闘い、さらには聖杯の力で『まつろわぬ神』を召喚することです」
エリカ「……やっぱり護堂の同族ね。私ならそんなこと絶対に思いつかないし、思いついてもやろうなんて絶対に思わないもの」
護堂「だから、俺をあいつらと一緒にするのは辞めてくれって」
エリカ「それで?どうするの護堂」
護堂「止めるしかないだろ。このままじゃ、その冬木市どころか日本中が焦土になりかねないし」
祐里「やっぱり護堂さんならそう仰いますよね。私も一緒にいきます。いざという時に護堂さんをお止めするのは私の役目ですし」
エリカ「騎士として、いくら魔王様のお望みでもそんな狼藉を許す訳にはいかないわ。もちろん私もついて行くわよ」
リリアナ「私も侍従長としてこのような大事には着いていかなければなりませんね。もとよりあなたと私は比翼の鳥、離れるはずがありません」
恵那「あ、恵那も行くよ。薫さん達とサポートにまわるより王様と一緒の方が楽しそうだし」
護堂「じゃあ、決まりだな。ヴォバンの爺さんを止めるぞ!」
薫「ふふ、分かりました。それでは甘粕さん、手配をお願いします。」
甘粕「わかりました。はぁ、今回の後処理の事を考えると今から憂鬱ですよ」
そう言って部屋から出て行く彼の顔は諦観したかの様に暗かった。
1月23日
どうしてこうなったのか
草薙護堂はそう思う。
目前には尻餅をついている赤髪の少年、そして彼を守るように一歩前に出ている時代錯誤的な鎧を纏った金髪の女騎士
体が勝手に戦闘態勢を整えていく
なるほど、この感覚は確かに『まつろわぬ神』と同じものだ
???「問う、貴方は一体何者だ」
金髪の騎士が尋ねる。
当然だ。彼女からしたらサーヴァントと同ランク以上の力を持った何者かが目の前にいるのだから
護堂は再び思う
ーーああ、どうしてこうなったのか
時間は数時間前に遡る
エリカ「地方都市と言うから日光みたいな所を想像していたのだけれど、案外普通なのね。」
祐里「事実でもあまりそういうことを現地で言う物ではありませんよ、エリカさん」
リリアナ「万里谷祐里の言う通りだぞ、エリカ。それにこの街には世界中のカンピオーネが集まっているんだ。気を引き締めた方がいい」
恵那「流石に真っ昼間からしかけてくるような人は居ないと思うけどね」
護堂「本当、また厄介なことになったよなぁ」
ヴォバンからの手紙を受け取ってから1週間
護堂達はようやく聖杯戦争の開催地、冬木市を訪れていた
ヴォバンは今回の件を相当秘密裏に進めていたらしく、急な事件で住民の避難にも手間取っているようだ。
因みに学校には甘粕さんの配慮で学校間交流で短期研修に抜擢された、ということになっている。
名波や反町は何故か「どうして草薙ばかり!」と悔しがっていたが
逆にどうして自分ばかりこんな神様絡みの揉め事に巻き込まれるのか
三馬鹿の絶望するような声を聞いていた護堂本人はそう思っていた
護堂「それにしても、俺達甘粕さん…というか正史編纂委員会の人達にはとんでもない迷惑かけてるよなあ」
春のアテナ襲来から日光の聖天大成にランスロットとの因縁それにこの間のクリスマスの一件やキルケーと戦うための遠征
日本国内で起きた事件だけでこれだ
しかも今回の聖杯戦争は護堂以外の神殺しが何人もこの街に来ているのだ
戦争が終わった時ここ一帯が更地になっている姿は想像に難くない
リリアナ「草薙護堂、常々申し上げていることですが、貴方は王なのですからもっとどっしりと構えている位で丁度良いのです。
それに、その……私達も貴方の力になりたくて側にいるのですから」
護堂「うっ、ま、まあそうは言うけどさ、やっぱり俺はそういう力の使い方をしたくはないんだよ」
リリアナ「貴方がそう言うのならそれでもいいでしょう
ですが、貴方はいつも一人で先走り過ぎです。力をそう言う風に使いたくないと言うのならあまり無茶はしないで下さい。」
恵那「まあ、そこが王様のいい所でもあるんだけどねえ。
でも、今回は恵那も最初から王様の助けになれるから頼りにしてね?」
護堂「分かった。頼りにしてるよ。」
とはいえ今回は今まで以上に厳しい戦いになるだろう
味方となるサーヴァントはいる。だが、敵は6人の神殺し達とそれに連なる英霊だ
バトルロイヤル故の闇討ち、不意打ちも考えられる
これまでの様に仲間を守れるとは限らない
むしろ喪ってしまう可能性の方が高いだろう
そうなった時自分は……
護堂「ま、今までみたいに今回もなんとかなるか」
エリカ「うん?今何か言ったかしら」
護堂「ああ、いや何でもない。それより召喚するサーヴァントは決まったのか?」
祐里「そういえばエリカさんとリリアナさんにお任せしていたんでしたっけ」
リリアナ「うむ。今回の聖杯戦争で呼べる英霊は基本的に西洋の英霊のみだからな」
恵那「祐里も恵那も西洋の歴史はそこまで詳しくないもんね」
護堂「それで、結局どんな英霊を呼ぶんだ?」
エリカ「まず、どうせ護堂の毒牙にかかっちゃうから女性の英霊は除外でしょ?」
護堂「待て、人を色欲魔みたいに言うのはやめろ」
エリカ「だって事実じゃない。このエリカ・ブランデッリが貴方の愛人として付き従っていたっていうのに、護堂ときたらあれよあれよという間にこんなにハーレムを大きくするんですもの」
護堂「うぐっ」(返す言葉も無い)
恵那「もうエリカさんってば、そういうのは言いっこ無しだってばー」
エリカ「うふふ、そうだったわね。それじゃあ話を続けるわよ?
さっきも言ったけど女性の英霊は選択肢から除外。その上でカンピオーネの方々とも戦える強靭な英霊となる訳なのだけれど」
リリアナ「サーヴァントの強さというのは”現界を支えるマスターの魔翌力量”、”英霊本人の強さ”、”召喚地での知名度”に左右されるそうだ」
エリカ「例えば『世界を一撃で滅ぼした』なんていう伝承があったとしても、それが日本で一切知られていなければ再現されることはないということね」
護堂(なるほど『まつろわぬ神』との違いも結構あるんだな)
『まつろわぬ神』の強さの差は伝承の中での強さや知名度ではなく”我の強さ”による
というのはアメリカの神殺しジョン・プルートゥ・スミスの言葉だったか
彼は自分から闘いを求めるような性格ではなかったような気がするのだが
彼も今回の聖杯戦争には来ているのだろうか
エリカ「そういう訳でインドにおける施しの英雄カルナとかも除外
こうなると選択肢は限られてくる訳だけど…
護堂って負けず嫌いというか、他のカンピオーネの方々とかには割と対抗心むき出しじゃない?
だから最終的な選択肢にゆとりを持てるようにって思って選んだのがこれ、『アーサー王の円卓の欠片』よ。」
祐里「それはつまりアーサー王に仕えた円卓の騎士の中から護堂さんと相性の良いサーヴァントが選ばれるということでしょうか」
リリアナ「そういうことだな。もしかするとアーサーの妻グィネヴィアやド・モルガン、それに湖の乙女ヴィヴィアンが出るなんてこともあるかもしれないが」
護堂「円卓の騎士ってことはランスロットもあり得るのか」
湖の騎士ランスロット・デュ・ラック。重厚な白銀の甲冑を纏った可憐な女騎士であり、草薙護堂がかつて戦った強敵だ
逸話の影響を大きく受ける聖杯戦争で彼女が召喚されることは無いだろうがそれでも感慨深いものがある
エリカ「……そういえばランスロットの例があったわね」
リリアナ「……私も失念していた。言われてみれば周囲に女であることを隠していた英雄などという伝承は一人位はどの国にもいるものだな」
恵那「さ、流石の王様でもそんな低い確率を引き当てはしないんじゃないかな……?」
祐里「ですが、護堂さんは護堂さんですし……」
恵那「まあ、やっぱりそうだよね」
護堂「?皆どうしたんだよいきなり」
急に深刻そうな表情になった女性陣の意図にはまるで気づかない護堂だった
少し短いですが、ひとまず今日はこれで終わりです。
どこか見苦しい所があったらバンバン指摘お願いします。
世界観すり合わせるのか
そこは護堂を異世界から召喚する方が良かったような
世界観すり合わせの方が上手くいった時は面白いから歓迎
>>16
それも考えたんですけどね
・護堂がサーヴァントだと嫁sが来れない
・嫁sが居ない護堂って、一人で突っ走って野たれ死にするイメージしかない
・でも流石に召喚宝具はちょっと
・というか、教授役居ないやん
などなどの理由から
もういっそマスター全員カンピオーネにしたら良くね?となりましたまる
>>17-18
頑張ります
では、投下していきたいと思います
Interlude
彼らの聖杯戦争 サルバトーレ・ドニの場合
ランサー「召喚に応じ参上した。テメェが俺のマスターか?」
ドニ「うん、そうだ。僕が君のマスター、サルバトーレ・ドニだ。君はクーフーリンで良いんだよね。召喚して早々だけど君の願いを聞いていいかな?」
ランサー「俺の願いだァ? そんなもん聞いて何になんだよ」
ドニ「まあいいから、教えてよ。」
ランサー「ケッ、仕方ねぇ。俺の願いは出来るだけ多くの奴と戦う事。聖杯にかける望み自体は無えよ。文句あるか?」
ドニ「いや、良かった。それならすぐにでも叶うよ!」
ランサー「あァ?どういう意味だ」
ドニ「すぐに分かるよ。……令呪を以って命ずーー」
ハイアットホテル新館
護堂「ふう、やっとホテルに着いたな。じゃあ、早速サーヴァントを召喚するか」
エリカ「護堂が珍しくやる気を出しているのは嬉しいのだけれど、先に行ってもらいたい所があるの。サーヴァントの召喚はそれからにしましょう」
護堂「俺が行く所?」
リリアナ「ええ、この聖杯戦争の監督役と冬木の土地の管理者にアポをとってあります」
護堂「監督役って確か聖堂教会の神父さんがやるんだっけ?」
エリカ「ええ、教会としては贋作とはいえ聖杯の名を冠した物を監視しない訳にはいかないもの」
祐里「それと、その管理者の方はこの聖杯戦争を始めた御三家の人間。聖杯戦争についてもより詳しい話を伺えると思います」
護堂「分かった。なら先にそっちに行くか」
恵那「なら早速出かけよっか」
教会
凛「お待ちしていました。冬木の管理者、遠坂凛です。よろしくお願いするわ」
幼馴染の明日香を彷彿とさせる少女だ
この土地の管理者と聞いて、何と無く髭を生やしたような中年男性を想像していたのだが
おそらく彼女も彼女で色々あるのだろう
言峰「お待ちしておりました。神殺しの魔王よ。今回の監督役、言峰綺礼と申します」
一方こちらは……なんというか、不穏な男だった。
言葉には言い表しづらいが、『まつろわぬ神』や神祖達とはまた違った意味で厄介な物を感じる。
少なくともただの敬虔な神父という訳ではないだろう
護堂「あ、いいですよ。そんなかしこまった態度じゃなくて。俺の方が年下なんですし」
凛「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかしら?貴方が日本に現れた神殺し、草薙護堂ね?」
護堂「……やっぱり、俺ってそんなに有名なのか?」
凛「ええ、悪名ならたくさん聞いてるわよ。ローマのコロッセオに東京タワー、それに日光東照宮よくもまあこんな短期間で観光名所を壊せるものね」
護堂「お、俺だって壊したくて壊したわけじゃないぞ」
凛「それ位分かるわよ」
護堂「え?」
エリカ(ふうん…)
凛「だってあなた達ときたら普通の人間や魔術師のことなんてまるで考えてないんですもの。
どうせさっきの被害も、誰かと戦ってた時に巻き添えにしちゃったってだけでしょ?」
図星である。
エリカ「確かにそれはそうなのだけれど、どうしてそう思ったのか、教えてもらってもいいかしら?」
凛「今回の件で私ももう何人か神殺しの方と会っちゃったしね。確かに、よく言われてる通りのTHE戦闘民族って感じ。
デヤンスタール卿も『まつろわぬ神』を喚ぶ為に聖杯を使うなんて仰ってたし
まあ、最初にあなたの噂を聞いた時は私も大変なことになったとは思ったけどね」
言峰「だが、噂というのも案外馬鹿にできるものではないな。確かに戦闘狂というのは外れていたが、もう片方は当たっていたようだ」
護堂「いや、確かにあいつらは大事な仲間ですけど、そういう関係じゃないんです!よくそういうような勘違いはされますけど」
言峰「おや、私はまだ女性関係の噂だとは言っていないはずだが?そういう風に言うということは、やはり何かやましいことでもあるのかね?
生憎、私は主に仕える身だ。神を[ピーーー]などと言う不届き者に与えられる救いなど一つもありはしないが話ぐらいなら聞こうではないか」
護堂「~~~ッ」
凛「……そこらへんにしときなさい。コイツに性格の悪さで勝てる奴なんて居ないもの」
言峰「凛、兄弟子に対してそのような言い草はあまり優雅ではないと思うが」
恵那「ん?兄弟子?」
凛「ええ、コイツは父の弟子だったの。その父も前回の聖杯戦争で亡くなったんだけどね」
言峰「時臣師には私も良くしてもらっていた。だが今は関係あるまい。問題は目前に控えている聖杯戦争だ」
リリアナ「うむ。では遠坂凛、先程あなたは何人かの神殺しと対面したと言ったがデヤンスタール卿以外にはどなたと話したのだ?」
凛「そうね……サルバトーレ卿とは直接お話したわね。それと中国の羅濠教主やアレクサンドリア卿とは使い魔越しだったかしら」
護堂「じゃあ少なくともドニのバカはもうこの街に来てるってことか」
それに義理の姉、羅翠蓮。クリスマスの時も彼女は(恐らく)よかれと思って『まつろわぬ神』を差し向けてきた。
もしかすると今回も似たような理由で参戦しているのかもしれない。
鷹化にはそれとなく確認をとってもらっているが果たして……
エリカ「結局アイーシャ夫人とJPSの同行は掴めず、か。参加していないのならそれで構わないのだけれど」
言峰「なんにせよ、参加している神殺しの方々はデヤンスタール卿と似たような考えなのだろうな。つまり、その勝者の手で冬木の地は蹂躙されるという訳だ。
少年、君が勝利しない限りはな」
護堂「ええ、分かってます。こんな馬鹿げた闘いを止めさせる為に俺は来たんですから」
凛「へえ、正史編纂委員会の人から話は聞いてたけど、本当に止めるつもりなんだ」
護堂「? ああ、あいつらのやることの尻拭いができるのなんて俺位だし。この国でそんなことさせるわけにはいかない」
凛「そう、分かったわ。なら、私は始まりの御三家、遠坂の当主として貴方を支援するわ」
護堂「え?」
凛「だから、あなたに協力するって言ってるの。私だってこの土地が滅茶苦茶になるのは嫌だし、あなたってあの中では大分マトモそうだもの」
護堂「本当か!ありがとう遠坂」
聖杯戦争についての知識は御三家の内二つが海外にあったのもあり、正史編纂委員会では詳しいことまでは把握できていなかったのだ。
前回までの聖杯戦争でも神秘の秘匿自体はできていたこともあり、そこまで問題視はされていなかったらしい
凛「ま、まあ協力なんて言っても情報提供位しかできることなんて無いけどね」
リリアナ「……はぁ。やはりあなたはそうやって着実にドンファンへの道を歩んでいくのですね」
凛「へ?」
護堂「え?」
凛「ぷっ…あは、あはははは。そ、そういうことね。安心していいわよリリアナさん。私があなた達の仲間入りすることなんて無いから」
エリカ「へえ、随分言い切るじゃない。」
凛「だって私、草薙君はタイプじゃないもの。それにしても草薙君、あなた気をつけないと本当にいつか刺されるわよ?」
護堂「そうやって面と向かってタイプじゃないって言われるのは中々応えるけど、まあ刺されても仕方ないことしてるってのは自覚してるよ」
恵那「王様は刺された位じゃ死んだりしないけどね」
遠坂や言峰から聖杯戦争の経緯などを聞いていたらもう大分暗くなってしまっていた。
凛「あら、もうこんな時間?あなた達もそろそろサーヴァントの召喚をした方がいいんじゃない?」
エリカ「それもそうね。興味深い話だったわ。また今度続きを聞いてもよろしいかしら?」
凛「もちろん。……と言いたい所だけど、これ以上となると間桐やアインツベルンにも話を聞いた方がいいと思うわ。
遠坂は所詮土地を提供しただけ。令呪や聖杯そのもののシステムまでは伝わってないもの。
基本的には御三家同士は不干渉ってことになってるし」
祐里「間桐?始まりの御三家は遠坂、マキリ、アインツベルンと聞いていますが」
凛「ああ、マキリは日本に来てからこの街に溶け込む為に名前を変えたの。ほら間桐って読みを変えればマキリとも読めるでしょ?
でも、彼らの魔術回路はこの土地には合わなかったみたい。代を重ねる毎に零落していって今では魔術回路なんて一本も残ってないわ」
エリカ「……そんなのでこの聖杯戦争大丈夫なの?」
凛「言いたいことは分かるけどね。これまでだってちゃんと聖杯戦争は起こってるし、知識自体はまだ残ってるわ。
さて、私もそろそろ帰るわね。それじゃあまた今度」スタスタ
護堂「よし、俺たちもそろそろ帰るか」
言峰「……最後に一ついいかな?少年」
護堂「ん?なんですか」
言峰「君は先程戦いを止める為にここに来たと言ったな。ならば止める為には勝ち続けなければなない。
そうして最終的にその手に聖杯を勝ち取った時、君は何を願う?」
護堂「それはその時に決めますよ。大体万能の願望機なんて俺には過ぎたものですし」
言峰「ほう。それでは君に願いは無いと?」
護堂「強いて言うなら平穏な日常を過ごすことですかね。この体になってからずっと戦い続きですし」
言峰「フッ、少年、残念ながら君の願いは一生叶わん。それに、そんなものは君の願いではなかろう」
護堂「……分かってますよ、そんなこと。それじゃあ、俺たちもこれで」
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ーーー
ー
???「……ようやく行ったか」
言峰「なんだ、見ていたのかギルガメッシュ」
ギル「まあな。これが神殺し共の宴だというのならば我が参加しない訳にもいくまい。
だが、流石に状況が早過ぎる。主役とは万を辞して登場する物だからな」
言峰「好きにしろ。正史編纂委員会の目がある以上私は表立って動くことはできない。出来ることと言えば大聖杯が破壊されないことを祈るのみだ」
ギル「随分と殊勝なことだな言峰。お前らしくもない」
言峰「なに、私が動くまでもないというだけだ。神殺し達の望みが『まつろわぬ神』の召喚だというのなら”アレ”は必ず誕生する。その後の事は私が関与することではない」
ギル「フハハハハハハ!なるほどなァ、考えたものよ。ならば我も今しばらくこの喜劇を見ていることとしよう。待っていろよ、現代の魔王共!」
今日はここまで
おかしい……一体いつになったら士郎が出てくるんだ
どんな相手でも勝ち方見つける神殺し相手に慢心してていいんですかねギルは…
7巻読み返してたら、護堂にまつろわぬ神の強さがアイデンティティの強さで決まるって教えたのは姐さんだったことに気づきました
しかもプルートゥじゃなくてプルートーだし
>>12の所は脳内補完お願いします……
>>36-37
>>1にも書いてますが護堂無双にはしない方針です
やっぱり護堂さんは苦戦してこそ輝くと思うので
次回は金曜あたりの予定
遅れました
これからは週一更新位に落ち着くと思います
酉無しで何をやっているのかと
投下していきます
海浜公園
祐里「ようやくサーヴァントの召喚ですね。少し緊張します。」
恵那「大変なのはその後なんだけどねー」
リリアナ「そうだな。私達が全員と相手取る必要がある訳ではないが、この闘いはバトルロイヤルだ。草薙護堂の権能とは相性が悪い」
確かに護堂はウルスラグナから奪った権能で10の化身の力を使うことができる。だが、それぞれの化身は1日に1回ずつしか使えない。
場合によっては連戦を強いられるこの闘いでは不利な場面も多そうだ。
エリカ「それじゃあ早速召喚陣を作るわよ」
そう言ったエリカはテキパキと魔法陣を書き上げていく
護堂「今更だけど俺が召喚なんかして失敗しないのか?俺って魔術のセンスはからっきしなんだろ?」
護堂が魔術を使いこなせない事はエリカからお墨付きをもらっている。
それに、前はマッチ棒を折ろうとして家の外の木を折ってしまった事もある。
大砲では一人を狙い撃つ事はできないようなものか
要するに、馬鹿みたいに魔翌力があっても使いこなせていないのだ。魔術なんて習う気も無いし、いつもなら気にすることでも無いのだが今回に限っては心配もする。
エリカ「それは大丈夫じゃないかしら。魔翌力を注ぐだけで結構簡単に召喚出来るようになってるみたいだし、もしかしたら魔術を知らない一般人でも召喚できちゃうかも」
護堂「そんなもんなのか」
その時、祐里がハッと気付いたように顔を上げる
祐里「! 護堂さん、後ろです!」
万里谷に言われて気づく。
ーー何かがこちらに近づいてくる!
今から振り向いたのでは間に合わない、そう判断しとっさに横に飛び退く。無様な形になってしまったがこれでいい。
自分の立っていた場所を見やると、刺さっていたのは鎖に繋がれた……
護堂「釘?」
???「今のを避けますか。やはり神殺しというのは生き残ることにかけて抜群に長けているようですね。」
声のした方バイザーで目を隠し、ボディコンに身を包んだ妖艶な女性がいた。
……こんな季節にそんな格好をして寒く無いのだろうか?
そんな的外れな感想を抱く護堂である。
エリカ「護堂、サーヴァントよ!」
護堂「ああ」
エリカにそう言われて身体が臨戦態勢に入っていることに気付く。
やはりこの体はサーヴァントであっても『まつろわぬ神』と同じく反応するらしい。
リリアナ「万里谷祐里、あのサーヴァントの真名は見えるか?」
祐里「残念ながら。ですがあの目隠し……でしょうか? あれが彼女の能力を封じているようです。その封じている物が見れれば分かるかもしれません」
ライダー「マスターから聞いてはいましたが、その娘は厄介な能力を持っているようですね。
私はライダー。マスターの命によりあなたと戦いに来ました。今日はほんの小手調べですが以後お見知り置きを」
そう言いながらライダーはとてつもない速さでこちらに向かってくる。
この戦争の中で初めての戦闘の幕が開いた。
士郎「参ったな。ほんの手伝いのつもりだったのに三万も貰ってしまった」
来られる人は来てねなんて程度では確かに来る人も少ないだろうが、まさか自分一人とは……
それとしても三万はもらい過ぎたかもしれない。
士郎「やっと橋までついたか。……ん?」
遠くから何か音がする。
ガキンガキンと鳴り響くこれは……金属同士がぶつかり合う音だろうか?
士郎「なんだ?誰かが喧嘩でもしてるのか?」
止めた方がいいかもしれない。
誰か関係ない人が怪我するかもしれないし。
子供の頃にみた、親父のあの背中にはまだまだ届かない。それでも正義の味方として自分に出来ることはしたい。
士郎「音は……公園の方からか、仕方ない行ってみるか」
海浜公園
士郎「なんだ……アレ」
居たのは男1人と女5人か
4人がかりで女の人一人を襲っているのだろうか
多勢に無勢、しかも襲われているのは女性。本来だったらすぐに助けに入っていた。
だが、実際の展開としてはその女性が始終圧倒していたのだった。
目にも留まらぬ速さで木々を飛び移り、相手の死角から釘を穿つ。
それを剣を持っている少女や薙刀を持った少女がなんとか防いでいるといった状況だ。
この際、少女たちが持っている日本刀や剣はどうでもいい。
だがアレだけは、あの女性だけはまずい。アレは人間ではない!
ここにいては間違いなく生きてはいられない。頭ではなく本能で理解した。
士郎「ーーーっ」
今すぐ逃げなくては、だが身体は動かない。呼吸さえもままならない。
逃げなくてはーーー
ーーー逃げたら気付かれる
頭の中で延々と続く二律背反。
だが人間の集中力はそう長く続く物ではない。
足元の小枝を踏みつける。
パキリ。本来なら誰も気に留めない様な小さな音。だがそれは、彼女の注意をこちらに向けるには十分過ぎた。
???「誰です!」
逃げろ。逃げろ。今すぐだ。新都の方、人のいる所まで行ければアイツだってては出せない!
そうして振り上げた脚が地に着くよりも先に、彼女の釘は衛宮士郎を貫いていた。
士郎「ぁっーーー」
???「ただの目撃者でしたか。運が悪かったですね。こんな所を見ていなければもう少し生きていられた物を」
刺さっていたモノが引き抜かれる。
痛みで視界が歪む。何か大事な物が流れ出ていく。
???「おい!ライダー、何も[ピーーー]ことは無いだろ!」
誰かが遠くで叫んでいる。
殺される?そうだ、このままだと俺は死ぬ。
ーーーふざけるな。
ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな!
こんな所で俺は[ピーーー]ない。
死ぬ訳にはいかない!
その時だ。近くにあった魔法陣が朱く光り、眩い光の中から金髪の少女が現れる。
???「な、サーヴァントの召喚だと!?」
遠くの方で銀髪の少女が驚いている。
士郎「ーーー」
声が、でない。
突然の事に驚いたわけでも無い。
ただ目の前の少女に目を奪われた。
???「問おう。貴方が私のマスターか」
士郎「マス……ター?」
痛みはいつの間にか消えていた。
だが彼女の言っていることは理解できない。
彼女があの蛇のような女性と同じモノだということ以外、理解できない。
???「サーヴァント・セイバー。召喚に従い参上した。マスター、指示を」
その瞬間、左手に焼きごてを押されたような痛みが走る。
それを見た少女は納得した様に頷き口を開いた。
セイバー「これより我が剣は貴方と共にあり、貴方の運命は私と共にある。
ここに契約は完了した」
士郎「ちょ、契約ってどういう」
セイバーと名乗った少女は士郎の話も聞かず、紫髪の女性に向き直る
セイバー「私が召喚されたからにはマスターに指一本触れさせはしない。ライダーのサーヴァントよ、かかって来るがいい」
ライダー「最優のセイバーに神殺しですか。流石にこれは分が悪い。マスターへの報告もありますし、今日は引かせていただきましょう。ふふっ、貴方とはまた縁がありそうです」
ライダーと呼ばれた女性は意味ありげに黒髪の少年に笑いかけると、闇の中に溶ける様に去って行った。
セイバー「逃げましたか。あなた方はどうするのです。マスターに危害を加えるというのなら容赦無く剣の錆にしますが」
士郎「ま、待ってくれセイバー……でいいんだよな? その人達はさっきの奴と戦ってた。多分敵じゃないと思う」
セイバー「ですがマスター。あの男はサーヴァントでこそありませんが、途轍もない力を感じます。」
士郎「その前に、さっきからマスターとかサーヴァントとかってなんなんだ。俺にはなんのことだかさっぱり」
セイバー「その話は後にして下さい、マスター。そこの黒髪の少年、問う。貴方は一体何者だ」
襲撃して来たサーヴァントの相手をしていたらいつの間にか目撃していた一般人がサーヴァントを召喚していた。何を言っているのか分からないと思うが俺にも分からない。
……いや、これってすごくマズいことなんじゃないか
確か、マスターじゃない人物に令呪の譲渡はできないとあの言峰神父は言っていた。
そして、召喚されていないサーヴァントはあと一騎だ、とも。
そして極めつけはこの混乱しきった状況。
あの様子ではセイバーを召喚した彼も状況を理解していないのだろう。
こんな時、いつも場を引っ張ってくれるのは……
エリカ「その前に少し情報の整理をしましょう、セイバーさん。貴方のマスターも混乱しているようですもの」
そうエリカ・ブランデッリだ。
例え何もしていなくとも、いつの間にか場の主役になっている。そんな彼女の特技にここまで感謝したことはなかった。
今日はここまで
青王は犠牲となったのだ。露骨なバランス調整……その犠牲に
というか何故必要な時に限ってsaga外れてるし……
正しくは
???「おい!ライダー、何も殺すことは無いだろ!」
誰かが遠くで叫んでいる。
殺される?そうだ、このままだと俺は死ぬ。
ーーーふざけるな。
ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな!
こんな所で俺は死ねない。
死ぬ訳にはいかない!
です。
万里谷祐“理”では?
薫ってのは、沙耶宮“馨”のことでしょうか?
>>61
うわああああ
祐理です。馨さんです。
これも全て予測変換ってやつのせいなんだ!
すいません。以後気をつけます。
>>64
アレクなら興味持ちそうだけどほかのカンピはそれでどうこうするとは思えないな
いやあ、週一更新安定とか言った途端に休んでしまって申し訳ありません
ここ数日P4GAに影響を受けてメガテンシリーズにハマってしまったのと、リアルの忙しさで書き溜めが進行していないので多分明日も更新できません
来週は投下できる予定です
>>65
アレクは……どうなんですかね?
偽悪的な彼なら
「魔術をロクに知らない半人前から盗んでも俺の名が汚れるだけだ」
なんて言って結局持っていくことはないのではないでしょうか
まあ、アヴァロンもセイバーとの契約が無ければただの聖遺物ですし
アレクからすればわざわざ士郎から引っこ抜いてまで持っていく程の価値は無い……かも?
昨日鯖メンテだったみたいですけでセーフなんですかね?これ
まあ保守ついでに投下していきます
ー衛宮邸ー
士郎「で、なんで俺の家に全員集合してるのさ」
恵那「うわ、衛宮君の家って結構大きいんだねえ」
護堂「こういう日本家屋ってのも結構味があって案外良い物だな」
エリカ「私は少し苦手ね……。ベッドじゃないとよく眠れないもの」
リリアナ「エリカの言うことにも一理あるな。郷に入っては郷に従えとはとは言うが、そういった生活環境を変えるのは中々難しい。それにしてもエリカは少々寝坊が過ぎるが」
護堂「布団もあれはあれで寝心地いいんだけどなぁ。今度見てまわってみるか?」
エリカ「そうねえ、護堂が一緒の布団で寝てくれるって言うなら良いわよ」
護堂「なっ、お前こんな所で何いってんだよ」
士郎「……だれも聞いてないし」
凛「まあ、仕方ないんじゃない? 貴方がサーヴァントを、しかも最優のセイバーなんて召喚するんだもの。それに外で話せるようなことでもないし」←家に帰ってすぐまた呼び出された人
甘粕「そうですよ、衛宮さん。自覚はないかもしれませんが、貴方がしでかした事は結構重大な事なんです」←休憩中に呼び出された人
士郎「えーっと、遠坂……だよな? いつも学年上位で優等生の。なんでここに? それにそちらの方は?」
甘粕「申し遅れました。正史編纂委員会所属の甘粕冬馬と申します。以後、お見知りおきを」
士郎「は、はあ」
セイバー「そろそろ本題に入っていただいていいだろうか。マスターに状況を理解して欲しいのもあるが、私も状況を把握したい」
エリカ「それもそうね。甘粕さん、お願いしてもいいかしら?」
甘粕「では僭越ながら私めがセイバーさんと衛宮さんに現状の説明をさせていただきます」
~説明中~
甘粕「とまあ、こんな所ですかね」
士郎「あらゆる願いを叶える聖杯に7人の神殺し……? なんだかスケールが大き過ぎて現実感が湧かないな」
セイバー「気持ちは分かりますが、既に貴方は私のマスターです。自覚を持っていただけなければ困ります」
士郎「ああ、セイバーの事を信用してないわけじゃないんだ。ただ俺が親父から聞いた話だと、カンピオーネは世界に4人しかいないって聞いてたからさ」
祐理「お父様から……? そういえば、こちらのお家にも結界が張られていましたね。衛宮さんは魔術関係者なのですか?」
士郎「一応…な。半人前も良い所な魔術師未満だけど」
凛「ちょっと待って、それじゃあ貴方は父親から魔術を習ってたってこと?」
士郎「ああ。とは言っても親父も何年か前に死んじまったから、教えてもらってたのなんてごく短期間だけど」
甘粕「おや、その様子ですと遠坂さんは衛宮さんの事を把握してなかったんですか?」
凛「ええ。衛宮君からは隠してるんじゃなくて、存在しないとしか言えない程度の魔翌力しか感じられなかったし」
リリアナ「確かに魔術師というにはあまり魔翌力を感じられないな。衛宮士郎はなんの魔術を専門にしているんだ?」
士郎「強化だ。あと投影を少し。まあ、成功することなんてほとんどないんだけどな」
エリカ「それはまた……随分と地味なのを選んだわね」
護堂「魔術に地味も派手もあるのか?」
エリカ「別にケチをつけるつもりじゃないのだけれど、強化の魔術は文字通り対象を強化する魔術なの。
物を丈夫にしたりするのが主な使い方かしら。それで、投影はその応用。魔翌力で物を生み出す魔術なのだけれど……。
私はいつもクオレ・ディ・レオーネを彫金の魔術で色々な物に変えてるじゃない?そういう風に投影の魔術は他の魔術で代用できることが多いのよ。
儀式で使う触媒を作るにしても本物を用意する方が簡単なことも多いし」
凛「それで? 衛宮君。結局あなたはどうするつもりなの? 私のオススメとしては今すぐセイバーのマスターを辞めて聖杯戦争から身を引く事だけど」
士郎「いいや遠坂、俺は引く気は無いよ。」
凛「貴方ねえ、本当に人の話聞いてたの?」
士郎「もちろん危ない事だっていうのも、カンピオーネもサーヴァントも俺じゃ歯が立たないのも分かってる。でも、カンピオーネっていうのは普通の人間の事なんか気にもしない奴らばっかりなんだろ?」
エリカ(言われてるわよ、護堂)
護堂(お、俺は戦う前は色々壊さないように気をつけてるぞ)
祐理(ですが、いざという時にはほとんど躊躇われませんよね)
護堂(そこはほら、躊躇してる間にやられたら元も子もないだろ?だからこう、臨機応変にだな)
凛「そこ!人が真面目な話してるんだから無駄話しない!」
凛「衛宮君。あなたの言いたい事は分かったわ。それで、衛宮君。百歩いえ一万歩ゆずって、貴方がマスターになったとして、何ができるの」
士郎「それは……ッ!」
その時だ
カラカラカラカラと結界が異常を知らせる
次いで地響きが鳴る
エリカ「とりあえず話は戦いが終わってからにしましょう? 行くわよ護堂、リリィ!」
リリアナ「ああ!」
護堂「おう!」
セイバー「マスター、私達も行きましょう」
士郎「あ、ああ」
ふと見た若きカンピオーネの顔
これから行われるのは命をかけた闘いだというのに
その顔は、確かに、獰猛な笑みで歪んでいた
投下はここまでです
ちょっと泣きたくなるくらい少ないですね
リアルが忙しくて時間がとれませんで……
ちょっとギャグっぽい雰囲気だったので完全台本形式にしてみました
どうでしたかね?
それでh
ーーーNow Hacking
………
……
…
Complete!
i i ! / j l
j l | / / / !
ト、 ! ! ! / / / j
∧ ヽ{ | j / イ / / ィ
∧ ヾ ! / / ,ィz, ィ ´ イ // /
∧ \ ', / // /  ̄´ / /
ー、 ヽ ヽ ', / イ/ /ィュ-―― イ / ,
ヽ`ヽ ゝ、\ ヽ /レ' ´⌒ヾミ ̄ __ ´ ///
\ ト`゙`ー' / アー-r ‐、 / /
\ハ / ミl/ ハ Y /
ヽ! ,,ィ、-ャ'ア ' j j } イイ7
`ヽ、 ,xイz' ゝ-' ^ )ソ / / /
r‐ぅト、 jイ /
ハ` ‐' 、 __j }_ /
∧ l i|三三 ̄l!ヽ
i三ヘ | j|三三 ! ヽ
i!三ニヽ` 、` _ -' lL三三_! ハ_
L三三ニ>.  ̄ / _!__ _x入
\ / j ≦/>イ ヽ ,, <
ヽ__ ィ _/イニ> ´ ゝ゚´
,,z≠⌒ハ ,,イ/// ィ´
-‐==ュ。、 /イ/__ ノ ノ/// z/
, -<´ ≧=ュ>=イ/イ三三三>、ェイ/ソ イ/
GG「久方ぶりだな!雑種共よ」
GG「ムーンセル裏側からスレ全域に向けて放送するGGチャンネルの時間だ」
GG「ここは、ごく少数ではあるがいるかもしれないカンピオーネ!原作未読者、及びFate/staynaight未プレイ者の為の解説コーナーだ」
GG「何? お前は劇中でもう出ているのに何故お前が解説役なのだ。だと?」
GG「ええい、我をあのように欲に塗れた汚物と一緒にするでない!」
GG「本来であれば王の威光を以って裁きを下す所だが……如何に我といえどもここから貴様らに手を出す事は出来ない。命拾いしたな、雑種よ」
GG「だが、確かに我に解説などという雑多な役割を押し付けるとは、あやつはつくづく厚顔なスレ主よな」ハァ
GG「まあ良い。本題に入るぞ」
GG「今回のテーマは神殺しそのものについてだ」
GG「神殺しは太古の昔から様々な呼称をされてきた」
GG「エピメテウスの落とし子、魔王、羅刹の君、そしてカンピオーネ」
GG「その中でもエピメテウス(後から考える者)の落とし子というのはあやつらの気性を端的に表している良い例だ」
GG「一部の例外もいるが、その性根は粗暴。だが一角の戦士としては一流」
GG「その実態は神を殺め、神の権能を簒奪した勝利者」
GG「後先を考えず、ただ闘争に浸るのも特徴と言えるだろう」
GG「一言で纏めるとなれば『傍迷惑』というのが一番手っ取り早いであろうな」
GG「しかし、『生き残る』という最も人間らしい渇望を持った者が最も人間から遠ざかるというのは何とも皮肉な話よな」
GG「おっと、我としたことが話が横道にそれたな。話を戻そう」
GG「現在生存している神殺しの人数は7人だ」
『魔狼侯爵』ヴォバン・デヤンスタール
『五嶽聖教教主』羅濠
『妖しき洞穴の女王』アイーシャ夫人
『黒王子』アレクサンドリア・ガスコイン
『ロサンゼルスの守護聖人』ジョン・プルートー・スミスことアニー・チャールトン
『剣の王』サルバトーレ・ドニ
ーーーそして草薙護堂
/ `ヽ
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GG「それぞれの紹介はまた別の機会とするが……」
GG「人の身で神に挑まんとする気概は認めるが、一体どれだけの人間が挑んだ内のこの7人なのであろうな?」
GG「ふむ、そろそろ時間か。それではまた会おうぞ、雑種共よ!」
はい、というわけで茶番でした
思えばアニメででたカンピオーネって護堂、ドニ、ヴォバンだけですもんね
解説しきれる気がしないので別に解説コーナーを構えることにしました
なお、このコーナーで出てくるGGとは作中のギルガメッシュ及び現実の人物とは一切関係がありません(定型文)
では、待て次回
カンピオーネ新刊に間に合えばいいな……
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