まず注意書き
・このスレは京太郎主人公の安価スレです
・いわゆる設定改変してるので上記の内容も含めて苦手な方は注意
・安価ですがバトルや成長要素はありません でも好感度はあるかも
・息抜き用のスレなので結構適当です
・ようやくエンディングに突入
過去スレ
京太郎「俺が三年生?」久「私が幼馴染じゃ不満?」
京太郎「俺が三年生?」久「私が幼馴染じゃ不満?」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」照「私が幼馴染……二番目だけど」
京太郎「俺が三年生?」照「私が幼馴染……二番目だけど」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」咲「私だって幼馴染だもん……一応」
京太郎「俺が三年生?」咲「私だって幼馴染だもん……一応」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」小蒔「初めては私です!」
京太郎「俺が三年生?」小蒔「初めては私です!」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」由暉子「ゆきみだいふく、食べませんか?」
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京太郎「俺が三年生?」咏「婿養子とかいいんじゃね? 知らんけど」
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京太郎「俺が三年生?」玄「私の、育ててほしいな」
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京太郎「俺が三年生?」恒子「ねぇねぇ、お姉さんの相方やってみない?」
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京太郎「俺が三年生?」エイスリン「ツキ、キレイ……」
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京太郎「俺が三年生?」誓子「えっちなこと……しても、いいよ?」
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京太郎「俺が三年生?」淡「えへへ、だーい好き!」
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エピソードを時系列順にまとめたwiki
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492788369
おひさー
もうちょっとしたら始めますゆえ
んじゃあ始めます
爽「帰ってきたね……」
誓子「帰ってきちゃったね……」
由暉子(卒業旅行からの帰り、空港で荷物を受け取った後、先輩たちが呟きました)
由暉子(……まるで、楽しい時間はこれで終わりとでも言うように)
揺杏「お土産どうする? ホワイトラバー?」
爽「白いゴム?」
誓子「白い恋人でしょ」
成香「定番ですね」
由暉子「もう少しインパクトがあってもいいと思いますけど」
誓子「一応向こうで買ったはずなんだけどね」
揺杏「外せないと思ったんだけどなー」
由暉子「……」
由暉子(買う必要のないお土産の話)
由暉子(その意図はなんとなく……いえ、痛いほどわかりました)
爽「よし、帰ろうか」
揺杏「……もうちょっと駄弁っててもいいんじゃね?」
成香「わ、私もそう思いますっ」
爽「そうは言ってもねー」
誓子「うん、もう遅いしさ」
成香「ですけどっ」
由暉子「帰りましょうか。心配かけちゃいますし」
揺杏「……まいったね、あんな泣いてたユキにそう言われたらさ」
誓子「あはは、それ言ったらみんな一緒なんだけどね。特になるかなんか」
成香「み、みんな同じぐらいでした!」
由暉子「そうでしたっけ?」クスッ
爽「さて、じゃあ最後にみんなで写真撮ろうか」
春眠暁を覚えず……!
ってほど眠ってもいませんが
とりあえず風呂に入ったらコンティニューします
んじゃ、始めます
由暉子(旅行が終われば、新しい生活への準備が始まります)
由暉子(出会いがあれば別れもあり……)
由暉子(だけど――)
爽「さ、みんなもっと寄って寄って」
由暉子(最後を笑顔で飾れたのは、とてもいい思い出になったと思います)
由暉子(だってそれは、きっといつまでも変わらないものですから)
爽「やぁやぁ、私が来た!」
揺杏「なに、また来たの?」
爽「塩対応が心にしみる……成香ー」
成香「えっと、暇なんですか?」
爽「はうっ! 今度は心をえぐられた!」
爽「こうなれば癒しはユキしか……ってあれ?」
成香「今日は掃除当番で遅れるみたいです」
爽「新入部員くんたちの姿もないね」
揺杏「そっちは買い出し。お菓子とか切れててさー」
爽「そうかそうか……しかし、感慨深いね」
揺杏「新入部員のこと? 成香部長のこと?」
爽「ここにチカがいないことがさ……」
揺杏「いや、本来なら爽もいない予定だったっしょ」
成香「チカちゃんからしっかり勉強させるようにって言われてます」
爽「この味方がいなさそうな感じ……」
由暉子「すみません、遅れました」
爽「おお、味方来たれり!」
由暉子「味方?」
爽「ちょっと揺杏たちにいじめられてて……」
由暉子「それはともかくとして」
爽「閑話休題!?」
由暉子「またいつものパターンかなと」
爽「昨日の味方は今日の敵だったか……」
由暉子(四月も後半、北海道にもようやく桜が咲き始めました)
由暉子(感動的なお別れはどこへやら、浪人した爽先輩は頻繁に部室に遊びに来ています)
由暉子(嬉しくもありますが、正直複雑な面もあります)
爽「ん?」ピロリン
揺杏「どした?」
爽「んー……それでさ、今度の歓迎会どうする?」
揺杏「歓迎会? 誰のさ」
爽「それはニューカマーの」
成香「この前やりましたけど」
爽「うん、そうだね。私抜きで」
揺杏「抜きでって……OBが出しゃばるってどうなのよ?」
由暉子「いいんじゃないですか?」
爽「そうだー、もっと言ってやれー」
成香「でも、さすがに指導も頼りきりというのは……」
由暉子「歓迎会のことですよ」
揺杏「部長さま、どーする?」
成香「えっと、一緒にご飯くらいならいいんじゃないですか?」
爽「よーし! そうと決まれば今度の日曜に成香の家ね」
成香「って、私の家ですか!?」
爽「庭が広いし、学校でやるなら私が来づらいしね」
由暉子「一応そこは気にしてたんですね」
由暉子(そうして二回目の歓迎会が開かれることになりました)
由暉子(なんだかんだでそれを心待ちにしている私がいます)
由暉子(後輩のみんなに、私の大好きな先輩のことをもっと知ってもらいたい)
由暉子(そう、思いましたから)
由暉子(誓子先輩はGWに帰ってくるので、その時に紹介すればいいでしょうか?)
由暉子(そして――)
由暉子「……」ギュッ
由暉子(ブレザーの内ポケットには、今もあの時にもらったボタンがあります)
由暉子(その感触を確かめると、私はあの人の顔を思い浮かべます)
由暉子(私の大好きな、あの人の顔を)
由暉子(今頃どこでなにをしているのでしょうか?)
『じゃ、今度の日曜に成香の家でねー』
京太郎「まぁたざっくりしてんな……たしかに行くとは言ったけどよ」
京太郎「日曜だったら夜でもいいのかってな」
京太郎「ま、いいか。行けばなんとかなるだろ」
京太郎「さて、なんて言えばいいかな」
京太郎「テンパったらカッコ悪いしなぁ」
京太郎「……でもその前に、あいつのとこに行かなきゃな」
爽「んー、おっそいなぁ」
揺杏「遅いってなにがさ」
爽「い、いやぁ、日が落ちるのが遅くなったなーってね」
揺杏「もう四月じゃん。そりゃそうでしょ」
爽「うんうん、まったくもってその通り」
爽(うーん……こんなことになるなら、またカムイに連れてきてもらえばよかったかなぁ)
成香「二人ともー、片付けるの手伝ってくださーい!」
爽「なんか、最近成香がしっかりしてきたような気がするね」
揺杏「爽もそう思う?」
爽「名は体を表すとは言うけど、肩書きに追いついてきたって感じかな?」
揺杏「部長の名は伊達じゃないってとこかぁ」
成香「もうっ、ちゃんと手伝ってくれないなら考えがありますから!」
爽「というと?」
成香「チカちゃんにサボって遊び呆けてるって連絡します」
爽「さ、ちゃちゃっと片付けよう!」
揺杏「うわ、すっげー変わり身の速さ」
由暉子「成香先輩、洗い物は片付きました」
成香「あ、お疲れ様です。ユキちゃんは休んでてもいいですよ」
由暉子「私だけですか?」
成香「あとは揺杏ちゃんたちに頑張ってもらいますから」
揺杏「ほどほどにねー」
爽「働かざる者食うべからず。逆に言うと食ったからには働けということだね」ウンウン
由暉子「……わかりました。お言葉に甘えちゃいます」
由暉子(実を言うと、片付けというのは苦手です)
由暉子(楽しい時間の終わりを感じてしまうからです)
由暉子(……正確に言うと、苦手になった、でしょうか)
由暉子(以前の私ならば、そんな風に気に留めることもなかったでしょうから)
由暉子「……楽しかったなぁ」
由暉子(外に出ると、空が色づいていました)
由暉子(昼と夜の境界、黄昏とか逢魔が時なんて言ったら少しかっこいいかもしれません)
由暉子(思いがけないものに出会う、そんな時間だとも言われています)
由暉子(それが指すのは不吉や悪いものの類で――)
京太郎「ここはストレートに……いや、でもやっぱ余裕は見せときたいというか」
由暉子(だとしたら、あれは幻なんでしょうか?)
由暉子(ずっと会いたかった人が、そこにいました)
京太郎「ちょっと気取ったふうに花束でも……って、んなもん持ってないっての」
京太郎「もういっそいきなりキスして……」
由暉子「あの」
京太郎「なんだ、今考え事――うおあっ!」
由暉子(飛び退かれちゃいました)
由暉子(よっぽど驚いたのか、素っ頓狂な声まで上げて)
由暉子(この人の余裕のない姿は珍しくて……)
由暉子「ふふっ」
京太郎「あー、人を驚かせるのは良くない。うん、実に良くないな」
由暉子「ごめんなさい、そうしようと思ったわけじゃないんですけど」
京太郎「うんまぁ、俺が勝手にテンパってただけだな」
由暉子(こうして言葉を交わすと、胸が暖かく、頬が熱くなっていくのを感じます)
由暉子(でも、まだです)
由暉子(ちゃんと触れるまで、幻ではないと断じることはできません)
由暉子「えいっ」ギュッ
京太郎「そんな掴まなくても逃げたりしないって」
由暉子「一応、幻じゃないか確認でもと」
京太郎「おいおい、そんなオカルト……ありそうだな」
由暉子(間違いありません。正真正銘本物です)
由暉子(……なんて、そんなのは建前で、本当はただくっつきたかっただけです)
京太郎「しかし……全部吹っ飛んでったな」
由暉子「吹っ飛んでった?」
京太郎「いや、こっちの話だ。それよりもちょっと時間いいか?」
由暉子「はい、あまり遠くに行かないなら。先輩たちに心配かけちゃいますから」
京太郎「よし、じゃあそこで雪見だいふく食べようぜ」
京太郎「……」モグモグ
由暉子「……」モグモグ
由暉子(ベンチに並んで座って、お互いに無言です)
由暉子(食べるのに夢中、というわけでもありません)
由暉子(でも、私はこんな時間が嫌いじゃなかったりします)
由暉子(こうして一緒に食べていると、あの時のことを思い出すからです)
由暉子(私の恋が始まった瞬間を)
京太郎「……」ソワソワ
由暉子「……」
由暉子(この人はどうなんでしょうか?)
由暉子(明らかにソワソワしています。居心地が悪いのかもしれません)
由暉子(もしかすると、私といるのが……)シュン
由暉子(想像するだけで落ち込んでしまいました)
由暉子(はっきりと言われたら泣いちゃうかもしれません)
京太郎「悪い、俺がしっかりしなきゃだよな」ポン
由暉子「あれ……」
由暉子(我ながら単純だと思います)
由暉子(頭に手を乗せられた……こんな些細なことで不安は和らいで)
由暉子(それと同時に、胸を突き上げるような思いが首をもたげました)
由暉子(こんなタイミングで言ったら、困らせてしまうかもしれないけれど)
由暉子(欲しいなら声に出して、少しぐらいわがままな方がかわいい)
由暉子(そういうことらしいので……)
由暉子「――んっ……」
由暉子(と思っていたのに、口より先に体が動いていました)
由暉子(唇と唇、マウストゥマウス)
由暉子(何回目かの一方的なキス)
由暉子(私が離れて、それで終わり)
由暉子(でも、今回は――)
由暉子「ん、んんっ……」
由暉子(すぐに終わるはずのキスが終わっていなくて)
由暉子(いつも私から引き寄せるだけのはずなのに、彼の手は肩に回っていて)
由暉子(軽く最長時間を更新して、離れたかと思うと)
京太郎「――好きだ」
由暉子(伝えようとしていた言葉さえも先回りされてしまいました)
由暉子「……ずるいです。私が言おうと思ってたのに」
京太郎「そっちこそ明らかなフライングがあっただろ」
由暉子「つい、体の方が先に動いちゃいました」
京太郎「ま、行動力があるってのは悪いことじゃないな」
京太郎「結局飾り気もなんもないけど、あれが俺の気持ちだ」
由暉子「私は……」
京太郎「言わなくてもわかるよ。前にも伝えてくれたし、さっき言ったようなもんだしな」
由暉子「……はい」
由暉子「それじゃあ、どうぞ」ゴロン
京太郎「それじゃあって……なに?」
由暉子「男の人は狼で、そういうことをしたがってると聞きました」
京太郎「……獅子原と岩館か」
由暉子「あと、雑誌にも似たようなことが書いてあって」
京太郎「わかった、もういい」
京太郎(なんだこれ、据え膳ってやつなのか?)
京太郎(たしかにしたいといえばしたい)
京太郎(そういう関係になるわけだから、問題はないし)
京太郎(しかし、なんか釈然としないというか……ん?)
由暉子「……しないんですか?」
京太郎「そうだな。だけどその前に――そこのお前ら!」
「「「――っ!!」」」ガタタッ
京太郎「覗きとか、あんまりいい趣味とはいえないよな」
爽「あはは……たまたまだって、たまたま」
揺杏「そーだって、いい雰囲気だし邪魔しちゃ悪いかなーって」
成香「好奇心に負けてしまいました……」
由暉子「……」カァァ
由暉子(見られていたのは予想外で、なんというか……すごく恥ずかしいです)
揺杏「お、ユキが赤くなってる」
爽「ホントだ。珍しいね」
成香「ご、ごめんなさいっ、私たちのせいで……」
爽「汝の意志するところをなせってどっかのだれかも言ってたからさ」
京太郎「好きなようにやれって言ってるわけじゃないと思うけどな」
揺杏「ま、そこは解釈次第ってことで一つ」
爽「そうしたら右の頬をぶたれたら云々のくだりも、とんだ欲しがりに聞こえる不思議」
成香「それは爽さんの方に問題があると思います」
爽「……みたいな感じで最近成香が手厳しいのさ」
京太郎「うん、まぁ……頑張れっ」
京太郎「さてと、じゃあ――」グイッ
由暉子「ひゃっ」
京太郎「ちょっとお姫様借りてくぞ」
京太郎「もう色々我慢することもないしな」
揺杏「うっわ、にーさんそれセクハラ?」
成香「ももももっ、もしかして大人の階段を!?」
爽「パウチいる? 今なら割り引いとくけど」
京太郎「いらねーよ」
爽「あらら……それでさ、先に向こう行ったの?」
京太郎「……まあな」
爽「そっか」
爽(チカ……)
爽「ユキ、いっぱい楽しんできなよ。人は人生を楽しむために生まれてくるみたいだからね」
由暉子「聖書の引用……じゃないですね」
爽「楽しんだ者勝ちとも言うね。まぁ、持論だよ」
爽「というわけで、ユキをちゃんとエスコートしてね」
京太郎「ああ、朝までには帰すよ」
成香「あ、あああっ、朝帰りまで!?」
揺杏「成香さぁ……」
京太郎「じゃーな、また今度」
由暉子「今日はありがとうございました」
由暉子(それから、私たちは世間一般に言うところのデートをしました)
由暉子(これまでも一緒に出かけたことはあります)
由暉子(けれど、決定的に違うところがひとつ)
由暉子(今は、思いが一方通行じゃありません)
由暉子(だけど、別れの時間というのはやってくるもので……)
由暉子「もう、遅いですね」
京太郎「そうだな」
由暉子「楽しかったです」
京太郎「なら良かった。俺も楽しかったから」
由暉子「……あの、最後にもう一回――んっ」
由暉子(言い終わる前に、唇を塞がれてしまいました)
由暉子(……私の思いが通じたみたいです)
京太郎「まだ最後にってのは言わせたくないな」ギュッ
由暉子「んんっ」
京太郎「もうちょっとだけさ、一緒にいてくれないか?」
由暉子「……私も、ちょっぴりそう思ってました」
京太郎「ちょっぴりなのか?」
由暉子「実を言うと、かなりです」
京太郎「はは、嬉しいこと言ってくれるな」
由暉子(手を引かれて、部屋の中で向かい合って、キスをして)
由暉子(それから――)
京太郎「由暉子……」
由暉子「京太郎さん……来て、ください」
由暉子(……やっぱり秘密です)
由暉子(ただ、朝帰りになったとだけ伝えておきましょうか)
『エンディング――ゆきが消えた後も』
というわけで終了
ユキのエンディングはシリアスとほのぼのと二つ考えてましたが
いろいろ考えた結果ほのぼのにしました
シリアスに舵切ると分量増えるし
それはともかく、安価取りたいんですけど人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣
桧森誓子 済
姉帯豊音
三尋木咏
神代小蒔
ネリー・ヴィルサラーゼ
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩
竹井久
福路美穂子
松実玄
薄墨初美
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
17分まで
締切
割ってきます
コンマ
咏:1-18
ネリー:19-36
竜華:37-45
小蒔:46-54
豊音:55-81
霞:82-90
衣:91-00
直下
うたたんということで
それにしても前スレ1000はどうしようか……
巷で言うところの掲示板形式になるんですかね?
正直、未知の領域です
というわけでおやすみなさい
おひさしー
もうちょっとしたら始めます
んじゃあ、そろそろ始めます
咏「はぁ……めんどくさ」
健夜「どしたの? ため息なんて珍しい」
咏「まぁねぃ、色々悩みがあんの」
健夜「悩みかぁ……今日の晩御飯とか?」
咏「小鍛冶さんは平和でいいなっと」
はやり「あ、ガールズトーク? まぜてまぜてー」
理沙「暇っ」プンスコ
咏「野依さんぶっちゃけてんねぃ」
健夜「空き時間だしね」
はやり「それよりそれより、なんの話してたのかな?」
健夜「悩み事だって」
咏「ま、小鍛冶さんのよりは深刻じゃね? 知らんけど」
健夜「わ、私のは置いといてもいいから」
理沙「私は気になるっ」グゥ
咏「お腹空いてるだけじゃね?」
はやり「ドーナツあるよ?」
理沙「いただきます!」
咏「あらら、味方いなくなっちゃったねぃ。どうする?」
健夜「だから晩御飯のことはいいってば!」
はやり「今はうたちゃんの話の方が気になるかなぁ」
咏「あたしの方もそんな大した話じゃないけどさ。親がお見合いしろってうるさいだけで」
理沙「……」ポロッ
健夜「それって……」
はやり「結婚するの!?」
理沙「抜けがけ!」プンスコ
咏「ドーナツ落ちてる落ちてる」
はやり「どんな手使ったの!?」ガシッ
咏「いや、知らんし」
健夜「け、けけけっ、結婚ってことは……初夜でベッドインで血痕で……!」アワアワ
咏「小鍛冶さんさぁ……」
咏(地雷踏んじゃったねぃ、こりゃ)
咏(ま、たしかに話題がちょーっとアレだったけどさっ)
咏「お三方、騒ぎすぎじゃね? お見合いなんて普通にある――」
理沙「は?」
はやり「あはは、久しぶりに切れちゃったゾ☆」
健夜「……ちょっと表出ようか」ゴゴゴゴ
咏(あらま、地雷はこっちだったか)
咏「うへぇ……」
えり「どうしたんですか、変な声上げて」
咏「あーもう、あの三人容赦なさ過ぎだっての!」
えり「あの三人……というと小鍛冶プロに瑞原プロ、それに野依プロですか?」
咏「正解! ま、賞品はないけどさっ」
えり「いりませんよ。それより、またなにか余計なことを言ったんじゃないですか?」
咏「まぁねぃ」
えり「やっぱり……」ハァ
咏「えりちゃん頭痛? 体大事にしないとダメだぜぃ?」
えり「根治は難しそうですけどね」
咏「うふっは! そりゃそうだ! あたしらすっかりコンビ扱いだしさっ」
えり「自覚があるんだったら改めなさい!」ギリギリ
咏「いひゃいいひゃいいひゃい!」
咏「あー、ほっぺたちぎれるかと思った……えりちゃん段々容赦なくなってきてね?」
えり「ええ、おかげさまで」
咏「そりゃどーも」
えり「はぁ……それで、明日の打ち合わせですけど」
咏「そういえば週末ってどうなってたっけ?」
えり「どうして明日のことを話そうというタイミングで週末の話になるんですか」
咏「目先の打ち合わせなんてどーせ無駄になるしねぃ」
えり「主に誰のせいだと思ってます?」
咏「さぁねぃ、わっかんねー」ケラケラ
えり「……」イラッ
咏「お、目元ひくついてんねぃ」
えり「だ、れ、の、せいですかっ!」グイィ
咏「いたっ、ちょっ、耳ちぎれるっての!」
咏「はぁ、はぁ……」
えり「ふぅ……」
咏「……二人して息荒くして、これって事後ってやつじゃね? 知らんけど」
えり「今度は右耳ですか?」
咏「えりちゃんは冗談が通じないねぃ」
えり「何事にも程度というものがあるでしょう。それで、週末の話でしたか」
咏「ああ、実家に帰るからさ」
えり「なにかあったんですか?」
咏「ちょっと親がうるさくてねぃ、直接文句言いに行くだけだぜぃ?」
えり「ご両親が……もしかして身を固めろとか?」
咏「そんなとこ。その話を小鍛冶さんたちにしたら酷い目あってさっ」
えり「それはそうでしょうね」
咏「そんなわけで、予定の調整お願いってわけ」
えり「……私はマネージャーではないんですけどね」
咏「ま、細かいことは気にしない方向で」
えり「まぁ、幸いというか珍しくというか、何の予定もありませんね」
咏「そう? じゃ、お土産は期待してくれてもいいぜぃ。お先ー」
えり「あっ、明日の打ち合わせがまだ――」
咏「おつかれー」
えり「……帰るも何も、チームの本拠地も神奈川でしょうに」
京太郎「ああ、週明けにはそっち帰るから」
京太郎「その後? まぁ、決めてはいるよ。相手がなんて言うかはわかんないけどさ」
京太郎「うん、わかってるよ。じゃあまたな、母さん」ピッ
京太郎「……気ままな一人旅ももうすぐ終わりか」
京太郎「なんだかんだであっという間だったな」
京太郎「名残惜しいけど、モラトリアムも終了だな」
京太郎「……覚悟決めろ。多分、これから行くのは他の道よりもずっと険しい道だ」
京太郎(当たり前だ。久ちゃんたちみたいに打ち込んでたわけでもないし、のめり込んでたわけでもない)
京太郎(他の奴からすれば馬鹿にされるくらい、心構えだってなっちゃいない)
京太郎(それでも――)
京太郎「――っと、考え事はあとにするか」
京太郎「今は観光を楽しんでだな……えっと、海軍カレーに家系ラーメン?」
京太郎「シュウマイに肉まんか。中華街あるもんな」
京太郎「迷うなぁ……ま、適当に入ればいいか」
京太郎「さーて、せっかくの一人旅だ。孤独にグルメと――」
咏「――♪」テクテク
京太郎「……よし、転身だ。向こうからまわろう」
京太郎「てかなんでこんなとこに……タイミングが悪いな」クイクイ
京太郎「はいはい、なんですか――」
咏「こんなとこでなにしてんのさ?」
京太郎「……一人旅」
咏「さーて、どこ行く?」
京太郎「……あのさ、一応一人旅の途中なんですけど」
咏「旅は道連れ世は情けって言うしねぃ」
京太郎「捕まったのが運の尽きか……」
咏「そもそもデフォルトで幸薄いんじゃね? 知らんけど」
京太郎「はぁ……で、あんたはこんなとこでなにしてんだよ」
咏「観光?」
京太郎「針生さんに確認取っていいか?」
咏「あららー? 気の早い蚊が!」ビシッ
京太郎「いって! いきなり叩くなよ!」
咏「刺されなくって良かったんじゃね?」ケラケラ
京太郎「そもそも蚊なんていないだろうがっ」
京太郎「それで、三尋木さんは神奈川でなにしてんだよ」
咏「……なにって、地元だぜぃ?」ムスッ
京太郎「あ、そうなの。そういやチームも横浜だったな」
咏「聞いといてその反応って失礼じゃね? 知らんけど」グリグリ
京太郎「知らんけどって言ってる割に痛い!」
咏「お兄さんは年上に対して口の利き方がなってないねぃ、お兄さんはっ」ビシビシ
京太郎「あーもう、なんで機嫌悪いんだよあんた!」
咏「さぁねぃ」
京太郎「さあねってな……」
京太郎(なんかまずいこと言ったか?)
京太郎(やっぱり針生さんのことが……いや、直後に笑ってたし)
京太郎(機嫌が悪くなったのは……)
京太郎「……咏さん?」
咏「うんうん、それで良し」
京太郎「もう少しはっきり言ってもらえたら助かるんだけどな」
咏「ま、そこらへんは面倒な女の心理ってやつじゃね?」
京太郎「なるほど、たしかに面倒――って叩くな!」
京太郎「お見合い?」
咏「そ、知らない男と顔合わせて食事してお話してきましたと」
京太郎「……へぇ、どうだったんだよ」
咏「どうだったと思う?」
京太郎「そうだな……いつもの調子でうやむやにしたとか?」
咏「不正解」
京太郎「じゃあ、普通に挨拶して飯食って歓談してきたってのか?」
咏「まぁねぃ」
京太郎「マジかよ、あんたにそんな社交性があったとは……」
咏「こう見えて社会人だっての」
京太郎「なるほど、自分の背丈に自覚が――あいたっ!」
京太郎「なら縁談は円満にいったのかよ」
咏「だったら?」
京太郎「そりゃあ諦めてもらうしかないな」
咏「理由は?」
京太郎「あんたはこの先、出来の悪い弟子にかかりっきりになるんだ。そんな暇はないって話」
咏「ふーん、で?」
京太郎「この前の誘い、受けるよ。俺を弟子にしてください」
咏「……ま、赤点ギリギリかね」
京太郎「辛いな」
咏「人を待たせすぎってのはもちろん、言葉遣いもなってないし誠意も足りないねぃ」
京太郎「反論はしづらいな……誠意ってのは?」
咏「色々あるけど、とりあえず理由ってとこ」
京太郎「あのさ、あんたから誘ってきたんだろうが」
咏「それはそれ。受けようと思った理由は別にあるでしょ、知らんけど」
京太郎「言わなきゃダメか?」
咏「知りたいねぃ」
京太郎「……仕方ないな」
京太郎「嬉しかったんだ」
京太郎「実感として、麻雀において俺は運って部分で他の奴に劣ってる」
京太郎「欲しい牌が来ないからほとんど和了れないし、まずい牌ばっかを握らされてやむなく振り込むことも多い」
京太郎「それは知識を増やしても場数を踏んでも覆らない」
京太郎「でも、あんたは俺に期待してくれた」
京太郎「それは俺の扱いにくい力を含めてかもしれないけど、とにかくそれが嬉しかったんだ」
京太郎「だから、あんたと一緒にやっていきたい」
京太郎「――以上」
咏「なるほど、それなら及第点をやってもいいかねぃ」
京太郎「あれだけ言わせといてか……それより、俺が言ったこと覚えてるか?」
咏「普通に打ちたいってやつ?」
京太郎「ああ、それでもいいなら」
咏「あえて茨の道を進むと。酔狂にも程があるっての」
咏「でもまぁ、そこまで言うなら認めてやらんでもないかね」
京太郎「よし、なら行くか」グイッ
咏「っとと、どこに連れてく気なのさ」
京太郎「あんたの家だよ。縁談は破談にしてこなきゃな」
咏「いや、それウソだし」
京太郎「はぁ? お見合いはしてないってのかよ」
咏「お見合いの話自体はあったけどねぃ。さっき実家に行って突っぱねてきたとこ」
京太郎「……やられた。まんまと言わされた」
咏「ま、そゆこと」ケラケラ
京太郎「くそ、いずれは言うつもりだったけどよ」
京太郎「まぁいいか。それじゃあなんかうまいものでも奢ってくれよ」
咏「一人旅は?」
京太郎「もう終わりかけだしな。それに、あんたと二人きりなら悪くない」
咏「……そういうのは最初に言っとけば点数もおまけするっての」
京太郎「……ぐふっ」
咏「快勝快勝♪」
京太郎「観光のはずがなんで雀荘でボコボコにされてんだよ……」
咏「んー? そりゃ弟子の力量は見とかないとねぃ」
京太郎「くそっ、ふざけんな! もう一回だ!」
咏「まだやんの?」
京太郎「勝つまでやる」
咏「あらま、根気強いことで」
京太郎「そりゃあ、俺の武器は諦めないことぐらいだからな」
咏「ま、それでいいんじゃね? 今のうちはさ」
京太郎「ほら、次だ次」
咏「はいはい、わかってるっての」
京太郎『ツモ、2000オール』
えり「決まりました。最終試合は須賀プロのツモで終局です」
咏「ま、最後は無難に締めたってとこかねぃ」
えり「今日の得点も加えれば須賀プロがトップ。プロ入り三年目にして初の大会優勝です」
咏「昨日の失点から持ち直したのは褒めてやってもいいかね」
えり「須賀プロといえば三尋木プロとの師弟関係が有名ですが、スタイルは全く異なりますね」
咏「人には向き不向きってもんがあるしねぃ。それ言ったらあいつは麻雀そのものに向いてないんだけどさっ」
えり「向いているかどうかはともかく、プロとしては変わった経歴があることは確かですね」
咏「まぁねぃ」
えり「それでは今大会の優勝者、須賀プロへのインタビューに移りましょう」
『優勝おめでとうございます』
京太郎『はは、さすがに優勝しろってせっつかれてますからね』
「おお、須賀プロが優勝か」
「まこちゃんも後輩として鼻が高いんじゃないのー?」
まこ「ええまあ、あの先輩がって驚きもありますがね」
「たしかになぁ。彼もここで打ってたけど大抵負けてたからな」
「竹井ちゃんに気の毒なぐらいボコボコにされてたりね」
まこ(まったく、懐かしいのぉ)
まこ(まさかあがぁな姿が見られるとは)
久「まこー、卒論キツーい」
まこ「まったく、来るなりなんじゃ」
久「なによー、息抜きに来たっていいでしょ」
まこ「はいはい、適当に座っとれ」
「お、竹井ちゃんいいとこに来たな」
「ちょうど彼氏のインタビューやってるよ」
久「やだもう、そんなんじゃないってば……って優勝したのあいつ!?」
まこ「まったく、衝撃じゃな」
久「ホントにね……でも、良かったじゃない」
まこ「同感じゃな」
「ご無礼、ツモりました」
「上がられたか……それにしても頑張ってるみたいだな、須賀」
「ククッ……もう四年前か。懐かしい」
「それでは、今の正直な気持ちをお願いします」
京太郎「あー、ちょっと個人的に言いたいことがあるんですけど、マイク借りますね」
「どうぞ。今回の大会についてですか?」
京太郎「ようやく優勝できたし、ちょっと師匠にプロポーズしようかと」
「え?」
京太郎「咏さーん、結婚しようぜー!」
京太郎『咏さーん、結婚しようぜー!』
えり「こ、これは……なんというか、コメントに困りますね」
咏「……」カァァ
えり「三尋木プロ?」
咏「え、あ……なにっ?」
えり「……ふふ、これは珍しいものが見れましたね」
咏「えりちゃん、生放送だぜぃ?」ジトッ
えり「ええ、まったく……それで、返事はしないんですか?」
咏「あーもう! とんだ放送事故だっての! 知らんけど!」
咏「このバカっ、バカ弟子っ」ビシビシ
京太郎「いてっ、いてっ」
咏「はぁ、はぁ……」
京太郎「ははっ、さすがの咏さんもびっくりしたってか」
咏「いや、知らんし」プイッ
京太郎「針生さんも顔真っ赤にしてたって言ってたぜ?」
咏「えりちゃんめ……」
京太郎「いやぁ、俺も見たかったなー」
咏「~~っ、このっ――」
京太郎「おっと」ガシッ
京太郎「これ以上叩かれちゃたまんないって」
咏「……動けないんだけど」
京太郎「さぁてね、俺がやられっぱなしで黙ってるようなやつじゃないってのは、よく知ってるよな?」
咏「さっさと放したらいいんじゃね? 知らんけど」
京太郎「とりあえず、返事から聞かせてもらおうかな」
咏「それは……まあ、頑張った弟子に対してのご褒美としてはやぶさかじゃないんじゃね?」
京太郎「咏さんも素直じゃないよな。それじゃ、早速……」
咏「指輪?」
京太郎「薄給の割には奮発したつもり。どうかな」
咏「……京太郎」
京太郎「ん?」
咏「ありがと……大事にする」
京太郎「……そりゃどーも」ポリポリ
『エンディング――あるプロの伝説の序章』
というわけで終了
安価取りたいんですけど、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣
桧森誓子 済
姉帯豊音
三尋木咏 済
神代小蒔
ネリー・ヴィルサラーゼ
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩
竹井久
福路美穂子
松実玄
薄墨初美
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
45分まで
締切
割ってきます
コンマ
ネリー:1-18
豊音:19-45
小蒔:46-54
久照:55-63
竜華:64-72
衣:73-81
霞:82-90
哩:91-00
直下
亜熱帯さんということで
それじゃあおやすみなさい
おひさし!
最近は熱した金属板の上で延々と屈み込むという作業のおかげで熟睡状態でした!
本当は昨日やろうと思ってたけど見事にスヤッてたし
というわけで風呂入ったら始めます
そんじゃあ始めます
塞「そっち片付いたー?」
胡桃「こっちはバッチリだよ」
白望「ダル……」
塞「あはは、こき使われたって感じだね」
胡桃「目を離したらすぐサボろうとするんだから!」
白望「適度な休憩は作業の効率を良くするっていうし」
胡桃「休憩の方に比率が偏りすぎなの!」
塞「シロは腰を上げるまで時間がかかるからね。やり始めたらしっかりしてるんだけど」
白望「やらないでいられるのが一番いいんだけどね」
胡桃「できるのにやらないのはもっと悪いよっ!」
白望「元気だなぁ」
塞「それで、エイスリンたちの方は……」
豊音「みてみて、これみんなで海に行った時のやつだよー」
エイスリン「Oh、ナツイ!」
塞「あ、片付けの時に起こりがちなアレだ」
胡桃「もうっ、注意してくる」
胡桃「こらっ、そんなことしてたらいつまでも終わらないよっ」
エイスリン「クルミ、Take a look at this!」
胡桃「ダメダメ、その手には……わぁ、綺麗! こんな写真あったんだ」
豊音「えへへ、私が撮ったんだよ?」
塞「即落ち……」
白望「ゆっくり休めてなにより」
塞「まぁ、まだ時間はあるしね」
白望「できれば、このまま私を見失ってくれると助かるんだけど」
塞「多分それ無理だよ」
白望「だよね」
トシ「みんな、そろそろお昼にしないかい?」
塞「あ、先生」
トシ「ほら、罠に引っかかって作業進んでないみたいだし」
胡桃「こ、これはちょっと確認というか……」
白望「堂々とサボリとはやるね」
胡桃「シロに言われたくないよっ」
エイスリン「センセ、コレ」
豊音「ちょー懐かしいんですよ」
トシ「はいはい、それはご飯を食べながらにしようかね」
胡桃「これで片付いたね」
塞「うん、私物はもう残ってないね」
エイスリン「ピカピカ!」
豊音「そうだね、まるで誰も使ってなかったみたいに……」ポロッ
白望「トヨネ?」
豊音「あれ、なんで涙が……」
塞「……しょうがないよ。私だってちょっと我慢してるし」
胡桃「この部屋でも色々あったもんね……」
エイスリン「ン……」カキカキ
エイスリン「トヨネ、コレミテ」
豊音「これって……この部屋?」
塞「と私たちだね」
白望「胡桃に押しつぶされてる……」
胡桃「そんなに重くないよっ、これは充電!」
塞「うわ、先生に麻雀でボコボコにされてる……」
白望「それでクタクタのところをさらにエネルギー取られて……」
塞「この絵……そっか、全部ここであったことだ」
エイスリン「オモイデ、キエナイカラ」
豊音「うん、うん……」
白望「……」ゴソゴソ
胡桃「シロ、なにしてるの?」
白望「自分の名前でも彫っておこうかなって。ここなら目立たないし」
豊音「わぁ、ちょー素敵かも」
塞「いいね、私もやろうかな」
エイスリン「ワタシモ!」
胡桃「みんな、ストップ!」
塞「胡桃、こんな時にかたいこと言わなくても……」
胡桃「一番槍は私!」サッ
塞「あ、はい」
白望「もう彫っちゃったけど」
胡桃「なんでこんな時だけ早いの!?」
トシ「終わったのかい? それなら――」ガラッ
塞「あ……」
白望「やばっ」
エイスリン「Hmm……Look out the window! Shooting star!」
豊音「わ、わっ……」アタフタ
胡桃「せ、先生、これは……」
トシ「ふむ……」
トシ「おや、いけないねぇ。忘れ物をしてきたみたいだよ」
トシ「ちょっと取りに戻るから、その間に帰り支度をしとくんだよ?」
白望「見逃してもらったね」
豊音「ビックリしたよー」
エイスリン「ナントカナッタ……」ホッ
塞「まだ明るいのに流れ星はどうかと思ったけどね」
エイスリン「Hmm……It's a slight mistake」カァァ
塞「あはは、みんな焦ってたもんね」
胡桃「次こそ私が彫るよっ」
白望「どーぞどーぞ」
豊音「じゃあ私はその次で」
エイスリン「トヨネニツヅク」
塞「私はトリだね」
塞「できたっ」
胡桃「なんか寄せ書きみたいになったね」
白望「今後の抱負とかも加えたからだと思うけど」
エイスリン「モクヒョウ、ダイジ」
豊音「みんな一緒って感じがして、ちょーいいと思うよ」
塞「うん、じゃあそろそろこの部屋ともお別れだね」
エイスリン「オセワニナリマシタ」
胡桃「私たちがいなくなったらどうなるんだろうね、ここ」
白望「また麻雀部が入るんじゃない? 自動雀卓あるし」
豊音「私たちの活躍を見てくれて、それでまた麻雀部を始めてくれるなら……うん、ちょー嬉しいよー」
トシ「もうお別れは済ませたかい?」
豊音「はい、もう大丈夫です」
トシ「さ、それじゃあちょっと早いけど、晩御飯食べに行こうかね」
白望「歩くのダル……おぶって」
胡桃「自分で歩くの!」
エイスリン「オンブ、ギャク?」
塞「たしかに。体型的には反対だね」
胡桃「おんぶとか楽勝だよ!」
白望「なら早速……」ノシッ
胡桃「ぐえっ」
トシ「ほら、遊んでないで行くよ」
トシ「それじゃあ、気をつけて帰るんだよ」
塞「はい、先生も」
白望「ん、さよなら」
胡桃「合格したらいの一番に伝えに行きますっ」
エイスリン「ゴチニナリマシタ」
豊音「……」
豊音「あのっ、ちょっとお時間もらってもいいですか?」
トシ「私かい?」
豊音「はい、少しだけお話できたらいいかなーって」
トシ「私は構わないよ」
塞「じゃあ私たちは向こうで待ってる?」
豊音「うーん、待たせるのは申し訳ないよ」
白望「適当なとこに入ってるから。時間かかるの?」
豊音「そんなにはかからないかな、多分」
胡桃「決まりだね。じゃ、また後でね、トヨネ!」
エイスリン「Catch you later!」
豊音「わわっ、待っててくれるなんてちょー嬉しいよー」
トシ「何か飲むかい?」
豊音「あ、おかまいなく」
トシ「ホットの緑茶でいいかね」ピッ
トシ「ほら、冷めないうちに飲んじゃいな」
豊音「わっ、ありがたくいただきます」
トシ「押し付けたようなものだからね、そこまでかしこまらなくてもいいんじゃないかい?」
豊音「えへへ、実はあったかいものがほしいかなーって思ってました」
トシ「ふふ、そうかい」
豊音「実は、先生にお礼を言いたくて」
トシ「お礼かい? あらたまってなんだい」
豊音「みんなに出会えたのは、先生のおかげなんです……だから、ありがとうございましたっ」
トシ「そこまで言ってもらえるなんて、あそこまでスカウトしに行ったかいがあるってものさね」
豊音「あと、その……」
トシ「遠慮せずに言っていいんだよ」
豊音「私、昔からぼっ、友達が少なくて」
トシ「今は塞たちがいるじゃないのさ」
豊音「それだけじゃなくて、一人っ子だし家族も……」
トシ「お父さんと二人だったね」
豊音「お母さんのお母さんには会ったことないし、お父さんのお母さんはあまり会ってくれないし……」
豊音「だから……お、おばあちゃんって呼んじゃダメかなー、とかとか」
トシ「おばあちゃん……私が?」
豊音「あ……イヤだったら別にいいですからっ」
トシ「ぷっ、ふふ……そんな風に呼ばれたのは初めてだよ」
豊音「わわっ、もしかして失礼なこと言っちゃったんじゃ……」
トシ「そうさねぇ……ここ一年、孫が五人できたようなものだったのかもしれないね」
トシ「だから構わないよ。好きなように呼んどくれ」
豊音「えっと、おばあちゃんって呼んでも?」
トシ「そう言ってるじゃないか」
豊音「おばあちゃんっ……えへへ」ギュッ
トシ「これからもみんなで仲良くやるんだよ」
豊音「はい!」
京太郎「岐阜に到着っと」
京太郎「ようやくって感じだけど、まだ長野から出たばっかなんだよな」
京太郎「ま、そんな急いでるわけじゃないし、いいか」
京太郎「さしあたっては……飛騨牛だな」グゥ
京太郎「えっと、高山?」
京太郎「ってことは北上しなきゃか……着くのは昼ぐらいかな」
京太郎「朝飯早かったからなぁ。それまで我慢できるといいけど……」プルルル
『姉帯豊音』
京太郎「姉帯か。携帯にかけてくるの珍しいな」
京太郎「もしもし――」
豊音『――ってことがあったんだ』
京太郎「熊倉さんがね……まぁ、家族が増えてよかったんじゃないか?」
豊音『京太郎くんだったらそう言ってくれると思った』
京太郎「ああ。そういや四月から大学生なんだってな」
豊音『うん、みんなも一緒なんだよ?』
京太郎「そりゃあいいな。エイスリンももうしばらくこっちにいるってことだな」
豊音『ちょー嬉しいよー』
京太郎「ま、それにこしたことはないってな」
京太郎「それはそうと、みんなして家を出るんだって?」
豊音『私はもう出てるようなものだけど』
京太郎「それを聞いたらおじさん泣くぞ」
豊音『そ、そんなつもりで言ったわけじゃないんだよ?』
京太郎「わかってるって。チクらないよ」
豊音『む~、京太郎くん面白がってる?』
京太郎「はは、少しな」
豊音『やっぱり!』
豊音『京太郎くんは意地悪さんだよー』
京太郎「まあ、今度埋め合わせするから許してくれ」
豊音『じゃ、じゃあ……デート、とかどうかなーって』
京太郎「デートね……」
京太郎(そうだな、もうはっきりさせとかないとな)
京太郎「よし、じゃあゴールデンウィークでいいか?」
豊音『も、もしかして……デートかな?』
京太郎「自分で言ったんだろ」
豊音『わっ、信じられないよー』
京太郎「信じられなくてももう約束はしたからな。ゴールデンウィークは実家に戻るのか?」
豊音『うん、お父さんにずっと会えないのも寂しいし』
京太郎「じゃあそれに合わせて顔出すよ」
豊音『待ってるね』
京太郎「ああ、それまでには俺の用事も済ませとくから」
豊音『あ、そういえば京太郎くんは今何してるのかな?』
京太郎「絶賛旅行中だ。今は岐阜だな」
豊音『卒業旅行かな?』
京太郎「それとはちょっと違うな。まぁ、一人旅だよ」
豊音『一人旅かぁ、私はやっぱり誰かと一緒の方がいいなぁ』
京太郎「ぼっち歴長いもんな」
豊音『も、もうぼっちじゃないよっ』
京太郎「わかってるって。俺が第一号だしな」
豊音『……そうだね、京太郎くんがいたからだよ』
豊音『初めてお姫様抱っこされて、初めて一緒に麻雀をして、初めてお友達になってくれた』
豊音『初めて村を出て遊びに行ったのも京太郎くんのところだし、初めての学校祭も一緒に回ってくれた』
豊音『私の初めては京太郎くんがいっぱいもらっていったけど……うん、それがちょー嬉しいよー』
豊音『だからね、もっと一緒にいろんなことがしたいなーって』
豊音『お出かけしたり、ご飯食べたり、あとは……うん、色々』
京太郎「……そうか、色々な」
豊音『えへへ、そんなに付き合ってもらったら迷惑かな?』
京太郎「まあ、友達じゃなくなるのはちょっと惜しいけど、俺も――」
豊音『……え?』
京太郎「ん?」
豊音『お友達じゃ、なくなるの……?』
京太郎「ああ、電話口で言うのはちょっとしまらないけど――」
豊音『ご、ごめん!』
豊音『私、用事思い出したから……』
京太郎「おい、ちょっと待て――」プツッ
豊音「……うぅ」グスッ
「豊音? 泣いているのか?」
豊音「お、お父さん……」
「どうした、なにかあったのか?」
豊音「京太郎くんに、京太郎くんに……」
「彼が……彼がどうした」
豊音「私、京太郎くんに嫌われちゃったぁ……」ポロポロ
京太郎「……」プルルル
京太郎「ああくそっ、出ない!」
『お友達じゃ、なくなるの……?』
京太郎「あいつ、勘違いしていいとこで切りやがって……」
京太郎「電話に出ないならメールで……ああ、メンドくせぇ!」
京太郎「飛騨牛食いに行こうかと思ったけど、進路変更だ」
京太郎「わんこそば食いに行くぞ、わんこそば!」
豊音「……」
『私には、なんの理由もなく彼がそんなことを言うようには思えないな』
『もう一度話してみたらどうだ?』
豊音「……でも、怖いよ」
豊音「聞いてみて、本当にその通りだったら……」
『一つ言っとくけど、外に行っても友達には会えないぞ』
『だって友達ってのはそれ以前に知り合ってなきゃいけないからな』
『つまり、俺だったらその条件を満たしてるってことだ』
『一緒になんかしよーぜ。まずはそれからだろ』
豊音「京太郎くん……」
京太郎「ごめんくださーい!」
「君は……」
京太郎「お久しぶりです。娘さんに会いに来たんですけど」
「あいにくだが、今は出ている」
京太郎「どこに?」
「そう遠くへは行っていないと思うが、そろそろ暗くなる。ちょうど探しに行こうと思っていたところだ」
京太郎「それ、俺も手伝ってもいいですか?」
「……豊音は、君に嫌われたと泣いていた」
京太郎「そうですか……」
「だが、君がここに来たということは、やっぱり何かの間違いだったんだな」
京太郎「姉帯さん……」
京太郎「――娘さんを俺にくださいっ!」
「ふざけるな!」バキッ
京太郎「ぐっ」
「……と言いたいところだが、あの子を泣かせたことはそれでチャラにしておこう」
京太郎「そ、そりゃありがたい……」
「立てるか?」
京太郎「平気ですよ」
「すまなかったな。どうも父親というものは、娘のことになると我を忘れることがあるらしくてな」
京太郎「それはなんというか……身にしみてます」
「あの子を探しに行こう。手伝ってくれ」
京太郎「もちろん」
豊音「……もう暗くなっちゃった」
豊音「この駅、誰も降りないなぁ」
豊音「京太郎くんも、電車を間違えなかったら……」
豊音「……帰ろうかな。きっとお父さんも心配してるよね」
豊音「首なしのお地蔵さん……」
豊音「お母さんは、どんな気持ちでお父さんを追いかけて行ったのかな」
豊音「私も、もっと勇気があればなぁ……あうっ」ズシャ
豊音「いたたた……暗くて足元ちょー見づらいよー……いたっ」ズキン
豊音「足、ひねっちゃった……」
「立てるか?」スッ
豊音「わっ、どうもありがとうございます」ギュッ
「歩くのきつかったらちゃんと言えよ?」
豊音「あ、ご親切にどうも……あれ?」
「どうした?」
豊音(暗くてよく見えなかったけど、この声……)
豊音「……京太郎くん?」
京太郎「なんだよ、気づいてなかったのか」
豊音「だって、岐阜にいるって……それに」
『まあ、友達じゃなくなるのはちょっと惜しいけど、俺も――』
豊音「……もう、お友達じゃないって」
京太郎「まず、人の話は最後まで聞け」ピシッ
豊音「あうっ」
京太郎「次に、電話にはちゃんと出ろ……ってのは俺が言うのもアレだけど」
豊音「だ、だって……嫌われたって思ったら……」
京太郎「嫌いなやつに会いにいくほど俺は暇じゃないっての」
豊音「じゃあ、お友達じゃなくなるっていうのは……ウソ、なんだよね?」
京太郎「……それはウソじゃないな」
豊音「えっ……じゃあ、冗談かなーって」
京太郎「冗談でもない」
豊音「そ、そんなぁ……」ジワッ
京太郎「あーもう、だから人の話は最後まで聞けっての……!」グイッ
豊音「んんっ――」
京太郎「――最後に一つ。よくよく考えたら、友達でこういうことするのもおかしいしな」
豊音「い、今の……」
京太郎「この前こっち来た時は、たしかそっちからしてきたよな」
豊音「だけど、えっと……その、つまり?」
京太郎「なんつーか……友達から恋人にならないか、みたいな?」
豊音「きょ、京太郎くん……」プルプル
京太郎(あ、これ絞め落とされるパターンだ)
豊音「ちょー嬉しい――あうっ」グラッ
京太郎「おっと」ガシッ
豊音「あ、ありがと、京太郎くん」
京太郎「気にすんな。気絶してたら家まで送れないしな」
豊音「うぅ……京太郎くんの意地悪」
京太郎「好きな子ほどいじめたくなるってな……よっと」
豊音「わっ」
京太郎「さて、帰るか」
豊音「お姫様抱っこ……なんだか初めて会った時みたいだね」
京太郎「あの時も足に怪我してたな。呪われてるんじゃないか、ここ?」
豊音「そんなことないよ。だって、京太郎くんとの思い出の場所だし」
京太郎「だな」
豊音「えへへ……私もお母さんとお父さんみたいに素敵な出会いがあったんだなーって」
京太郎「……」
京太郎(どんな物語も見方を変えたら、か)
京太郎(出会って引き裂かれて、それでも結ばれて)
京太郎(なんだ、大したラブストーリーじゃないか)
京太郎「まあ、俺たちも子供に惚気話を聞かせる側になるんだろうな」
豊音「わっ、子供なんて気が早いよー」カァァ
京太郎「ま、そうだな」
豊音「ま、まだそういうこともしてないのに……とかとか」モジモジ
京太郎「でも、そういう関係になったし俺はもう我慢しないからな」
豊音「えっと……優しくしてくれるとありがたいなーって」
京太郎「ははっ、わかってるって!」
「あいつら、家には俺がいるのを忘れてるんじゃないか?」
「……仕方ない、今夜は家を空けておこう」
「しかし……」
『えっと……優しくしてくれるとありがたいなーって』
『ははっ、わかってるって!』
「……これが娘を取られた父親の気持ちか」
「後でもう一回殴ってもバチは当たらないかもしれないな」
『エンディング――そんなありふれたフェアリーテイル』
というわけで終了
続いて安価取りたいけど、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔
ネリー・ヴィルサラーゼ
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩
竹井久
福路美穂子
松実玄
薄墨初美
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
48分まで
締切
割ってきます
コンマ
ネリー:1-37
玄:38-63
哩:64-75
霞:76-87
衣:88-00
直下
ゾロ目の無駄使い……
というわけで次は東欧の妖精(内木一太称)に決定です
んじゃ、おやすみなさい
おひさー
というわけで今夜はやろうかと
とりあえずもうちょっとしたらで
んじゃ、スタートします
ネリー「うーん、なんかちょっと物足りないよね」
ハオ「なにが?」
明華「梱包材ですか? それならいくつかありますけど」
ハオ「それはあなたの暇つぶし道具でしょう」
明華「じゃあお寿司食べに行きます? イクラとか数の子とか飛っ子とか」
ハオ「魚卵ばかり……自分が食べに行きたいだけですね」
ネリー「あ、それいいかも」
ハオ「え、魚卵が?」
明華「おやぁ?」
ネリー「別にお寿司じゃなくてもいいけど。お腹すいちゃったかも」
ハオ「それなら油條でも食べに行く?」
ネリー「中華? か、辛いのはやだよ?」
明華「なら間をとって海ぶどうでも」
ハオ「それはどことどこの間をとったんですか」
智葉「ああ、ここにいたのか」
明華「智葉さん、終わったんですか?」
智葉「これで晴れて卒業だ」
メグ「マサカ、この国でハイスクールを出ることになるトハ……」シミジミ
ハオ「恭喜。あなたたちと共にあったこの一年、とても貴重な経験になりました」
智葉「それはお互い様だよ。一筋気なお前の気性、結構気に入っていたんだ」
ネリー「ねぇねぇ、せっかくだしお祝いにご飯食べに行こうよ」グゥ
智葉「そうだな。本音がどこにあるにせよ、もういい時間だ」
明華「お寿司ですね」
ハオ「まぁ、この際なにを食べるかはともかくとして」
メグ「ラーメンデスネ」
智葉「お前は相変わらずだな……」
ネリー「うん、それでいいよ。メグのおごりなら」
明華「珍しいですねぇ。いつもならいくつか文句を言ってるところなのに」
メグ「それより、私の奢りトハ一体……」
智葉「なら行くか。メグ、オススメの店はあるか?」
メグ「オススメ……この前見つけた辛味噌のラーメンが一押しデスネ」
ハオ「辛味噌……興味がありますね」
ネリー「ダメ! それは絶対ダメっ!」
ネリー「うぅ、食べるんじゃなかった……」ヒリヒリ
ハオ「たった一口だけなのに……」
智葉「そもそもなんで一口食べたいなんて言い出したんだ」
ネリー「……だって、みんなあんな美味しそうに食べてるから」
メグ「フフフ、チャーハンに逃げようともラーメンの魅力からは逃れられマセン!」
明華「ところで、味が一種類だけというのは珍しかったりしません?」
メグ「イエイエ、こだわる店はトコトンこだわるものデス」
明華「はぁ、それが日本の職人というものですか」
智葉「そういう気概は好きだな。……後でうちの連中にも教えてやろう」
ハオ「しかし、これだけの味なら監督も誘っておけばよかったですね」
明華「監督も忙しそうですからねぇ」
ネリー「サトハー、お水ー」
智葉「ほら。監督はどうなるかな」
メグ「契約更新の時期デスネ」
ネリー「そっか、この国では年度末だもんね」
智葉「さて……そろそろ出るか」
メグ「そしてシメのラーメンといきマスカ」
明華「ラーメンの後にもう一杯ラーメンですか?」
ハオ「さすがにもう一杯は入りませんね」
メグ「心配いりマセン! ハーフサイズもありマス」
智葉「そもそもラーメンの締めにラーメンというのがおかしい」
ネリー「ネリーは別にいいよ? ラーメン食べられなかったし」
メグ「ガッテン承知の助! 今度はアッサリ系を攻めマショウ!」
明華「おやぁ? なにやらもう一件の流れになってますねぇ」
ハオ「どうします?」
智葉「夜は夜でどんちゃん騒ぎだ。それまでは付き合うよ」
明華「わかりました。じゃあ私も」
智葉「別にお前たちまで無理に付き合う必要は――」
ハオ「今日の主役は智葉とメガン、そうですよね?」
智葉「……すまないな、無粋なことを言った」
ネリー「うぅ、食べ過ぎたぁ……」
ハオ「ハーフにしておけばいいのに」
ネリー「だって、メグがお代出してくれるって言うから……」
智葉「メグ、あまりネリーを甘やかすな」
メグ「思いマシタ……ラーメンを広めるための出費……むしろ本望だと!」
明華「なら私の分もお願いしますね♪」
ハオ「明華、ふざけすぎですね」
明華「ほんのフレンチジョークですよ」
智葉「さすがにそろそろ帰らないとな」
明華「まだまだ明るいですよ?」
智葉「よくよく考えたら、着付けやらなにやらで時間がかかりそうだからな」
メグ「オオ、さすがはお嬢」
智葉「その呼び方はやめろ」
ハオ「ではこれで解散ですね」
明華「智葉さんたちは広い世界に飛び立ちますか」
メグ「久しぶりデスネ……心が滾りマス」
智葉「とは言っても私はひとまず大学だがな」
明華「錆びつかせないでくださいね?」
智葉「インターカレッジがある。そうそう退屈はしないさ」
ネリー「さよならは言わないよ。だって今度は世界で卓を囲むんだから」
ハオ「ネリー……」
ネリー「……うぷっ」
ハオ(苦しいなら黙っていればいいのに……)
京太郎「でさ、今度そっちに行くからなんかうまい店紹介してくれよ」
智葉『卒業旅行か?』
京太郎「にしてはちょっと長くなると思うけどな」
智葉『結局大学には行かないのか』
京太郎「ま、最後まで迷ってたけどな」
智葉『……竹井のことは辛かったな』
京太郎「久ちゃんに聞いたのか?」
智葉『ちょっと前にな』
京太郎「そうか……なら気を使う相手が違うだろ」
智葉『向こうには散々気を使ったさ』
京太郎「俺は気楽なもんさ。今だってこうやってプラプラしてるしな」
智葉『ウソを言うな。今だってケジメをつけるために回っているんだろう?』
京太郎「ついでな、ついで」
智葉「せいぜい刺されないようにな」
京太郎「うっ……」
京太郎(そんなことはない、と信じたい……)
智葉『まぁいいさ。そうだな……ラーメンでも食べに行くか?』
京太郎「いい店知ってるのか?」
智葉『ああ、でも最近は一緒に行く相手がいなくてな』
京太郎「わかったよ。じゃあ付き合う」
智葉『付き合うのはこっちだ』
京太郎「はは、たしかな」
智葉『じゃあ、東京に着いたら教えてくれ』
京太郎「迎えに行くよ」
智葉『余計な火種を持ち込むな。うちの連中が騒ぐ』
京太郎「あ、はい」
智葉『それと、ネリーのことも忘れるなよ』
京太郎「……わかってるよ」
智葉『余計なことを言ったか』
京太郎「いや、たしかにその通りだ」
智葉『そうか。じゃあ、またな』
京太郎「ああ」プツッ
京太郎「ま、こんなもの用意してみたんだけどな」
京太郎「さて、あの守銭奴のお気に召すかな?」
明華「今日はいい天気ですねぇ」
ハオ「あなたの日傘も大活躍、といったところですか」
ネリー「暑……まだ四月だよね?」
ハオ「春は気温の浮き沈みが激しいそうだけど」
ネリー「昨日は寒かったのに……へくちっ」
明華「暖かいのにくしゃみ?」
ハオ「風邪?」
ネリー「どうだろ……へくちっ」
明華「一緒にお昼でもって思ってたんですけど」
ハオ「寝てたほうがいいね」
ネリー「うん……そうしようかな」
アレク「なんだ、風邪?」
ネリー「監督」
アレク「や、体調管理は自己責任だよ?」
ネリー「わかってるってば」ムスッ
明華「ところで、今年はどうですか?」
アレク「結構粒ぞろいだと思うよ。ま、サトハクラスとなると中々いないんだけどね」
ハオ「楽しみですね」
アレク「他の国からも有望そうなの引っ張ってきたからね。あんたらも頑張んなよ」
ネリー「ま、ネリーにはかなわな……へくちっ」
アレク「っと、これ以上体調悪くされても困るね」
ハオ「歩ける?」
ネリー「うん……」フラフラ
明華(これは具合悪そうですねぇ)
明華(さてさて、元気を出してもらうには……)
京太郎「風邪?」
明華『ほら、大好きな相手の顔見れば元気出ません? 恋は特効薬って』
京太郎「なにそれ、経験則?」
明華『さて、どうでしょうか?』
京太郎「ミステリアスだな」
明華『謎多き女ということで』
京太郎「ま、ちょうどよかったな。今東京だからさ」
明華『おやぁ? もしやこちらの大学に?』
京太郎「いいや、ラーメン食べに」
明華『メグちゃんがいたら嬉々として一緒に行ったんですかね』
京太郎「だろうな」
京太郎「まあ、じゃあこれから顔出すよ」
明華『はい、そうしてあげてください』
京太郎「一応プレゼントもあるしな」
明華『愛の告白も添えて?』
京太郎「からかうな」
明華『ふふ、人にエロいんですなんて言わせたのは誰でしたっけ?』
京太郎「わ、若気の至りだから……」
明華『そういえば、ハンドボールをやってたとか』
京太郎「ん? 話したっけ?」
明華『いえ、前に智葉さんから少し。そこから麻雀に転向というのは珍しくありません?』
京太郎「怪我の後遺症ってやつだ。ま、よくある話だろ」
明華『残念ですねぇ、実は結構好きなんですけど』
京太郎「え、俺のこと?」
明華『さあ、どうでしょうか?』
京太郎「わかってるよ。ハンドボールが、だろ?」
明華『それはもちろん。でも、あなたが怪我をしなければどうだったでしょうか?』
京太郎「さぁね。怪我をしなくてもハンド続けてたかどうかはわからないしな」
明華『もしもの話というやつですね』
京太郎「そういうことだ。気にしたってしかたない」
京太郎(そう、気にしたってな)
京太郎「そろそろいいか?」
明華『もしかして誰かをお待たせとか?』
京太郎「ガイトと一緒にラーメン食べてたからな」
明華『まあ、まさかそんな関係だったとは……!』
京太郎「どんな関係だ」
明華『一緒にラーメンを食べる仲……よくよく考えたら、あまりロマンチックじゃありませんねぇ』
京太郎「そういうことだ」
明華『では……待ってますね、ネリーちゃんが』
京太郎「はいよ」プツッ
京太郎「というわけだ」
智葉「お前の声だけで全部把握できたと思うな」
京太郎「ちょっとお前の母校の方に行ってくるって話だ」
智葉「そうか……明華からか?」
京太郎「ネリーが風邪ひいたんだと。お前も来るか?」
智葉「いや、邪魔はしないさ」
京太郎「なんだ、お見通しかよ」
智葉「さて、な……なんにしても、ケジメをつけてくるのはわかっているつもりだ」
京太郎「せいぜい玉砕しないように祈っててくれ」
ネリー「だるいや……風邪なんて久しぶりかも」
ハオ「何か買ってこようか?」
ネリー「甘いもの。クレープとか食べたら良くなるかも」
ハオ「汗をかくと良くなるらしいし、辛いものとか」
ネリー「人でなしっ!」
ハオ「冗談だから」
ネリー「ホントに? ホントのホントのホントに?」
ハオ「警戒しすぎだと思うよ?」
ネリー「もう、慰謝料請求していい?」
ハオ「そうだね、クレープ一つなら」
ネリー「妥当だね」
ハオ「じゃあ、安静にね」
ネリー「……他人に甘えるなんてなぁ」
ネリー「ううん、他人っていうには長く一緒にいすぎたかな」
ネリー「ライバル、チームメイト、仲間……」
ネリー「……こっちに来て手に入ったものって、お金だけじゃないのかも」
ネリー「それに……」トクン
『冗談だ。年上には甘えとけ』
ネリー「絶対、ネリーのものにしてやるんだから」
――コンコン
ネリー(ハオ? それにしては早いし……ミョンファか監督?)
ネリー「いいよ、入って」
京太郎「――そんじゃ、おかまいなく」ガチャ
ネリー「……なんで?」
京太郎「ん? お見舞いだけど」
ネリー「そうじゃなくって!」
京太郎「ああ、どうやって入ったかだったら、入口のとこでハオと鉢合わせてな」
ネリー「そうでもなくて――へくちっ」
京太郎「あー、おとなしくしとけって」
京太郎「――そんなわけで、たまたまタイミングが良かったってのもあるんだけどな」
ネリー「ミョンファが……」
京太郎「あいつもお前のこと心配してたんだろ」
ネリー「みんな、将来は敵同士なのにね」
京太郎「とか言ってるけど、満更でもないだろ」
ネリー「知らない」プイッ
ネリー「そもそも、サトハと一緒にお昼食べてたってなにさ」
京太郎「こっち来たからおすすめの店を紹介してもらったんだ」
ネリー「ネリーには連絡してくれなかったのに!」
京太郎「んー、それにはいくつか理由があるけど……そもそもお前の連絡先知らないし」
ネリー「あっ、たしかに」
京太郎「それと、一番後回しにしようって思ってたからな。色々ケジメ案件があってだな」
ネリー「ケジメ?」
京太郎「そうしないとほら……」グイッ
ネリー「んんっ――」
京太郎「――こういうことも、心おきなくできないだろ」
ネリー「風邪、うつっちゃうよ?」
京太郎「散々待たせた慰謝料だ。引き取ってやるよ」
ネリー「ダメ、全然足りない……もっと、甘えさせてよ」
京太郎「望むところだ」ギシッ
ネリー「キョウタロウ……」シュル
京太郎「ネリー……」
――ドサッ
京太郎「ん?」
ネリー「……どうしたの?」
京太郎「今、ドアの方から――」
ハオ「あ、あなたたちは……」カァァ
明華「あぁ、いいところだったのに……」
ネリー「は、ハオにミョンファ!?」
ハオ「ん、んんっ……そういうことをするのなら、せめてドアを閉めたほうが」
明華「ささ、私たちにかまわずヤっちゃってください」
京太郎「無茶言うな!」
京太郎「なんか、すっごい疲れた……」
ネリー「ネリーも……」
京太郎「あのフランス人っぽくない名前のフランス人め……!」
ネリー「はぁ……もうなんだかそういう気分じゃなくなっちゃった」
京太郎「でも、かえってよかったかもな。体に負担かけても良くないし」
ネリー「する気満々だったくせに」
京太郎「そりゃあ、今まで色々と我慢してきたし」
京太郎「だけど、順序は守らないとな」ゴソゴソ
京太郎「ほら、生涯賃金の半分どころか、給料の三ヶ月分にも全然届かないけどな」
ネリー「これ……髪飾り?」
京太郎「後ろで纏めてるだろ。そこに着ければいい感じかと思ってさ」
ネリー「……」
京太郎「ネリー、好きだ。お前が行くなら、故郷にだって世界の果てにだってついて行ってやるよ」
ネリー「キョウタロウ……」コツン
ネリー「順序守るとか言ってたのに、キスの方が先なんだ」
京太郎「え、ダメ出し?」
ネリー「でも、許してあげる。だって、この髪飾りもキョウタロウも、もうネリーのものだもん」
京太郎「そうか……ならちゃんと言葉にしてもらわないとな」
ネリー「え?」
京太郎「俺は言ったのに、お前は言わないとか不公平だからな」
ネリー「で、でも、キョウタロウはネリーのことが好きで、ネリーのものだから……」
京太郎「こんな関係なのに気持ちは一方通行かー、悲しいなー」
ネリー「~~っ」
ネリー「――す、すき……」ボソッ
京太郎「ん? 時期外れの蚊でも出たか?」
ネリー「好きっ! ネリーもキョウタロウのことが好き!」
京太郎「よく言えたな、えらいぞ」ナデナデ
ネリー「うぅ~」カァァ
京太郎「なにか言いたそうだな」
ネリー「慰謝料、絶対払ってもらうんだから」
京太郎「また手でもつなぐか?」
ネリー「それよりも……ギュってしてほしいな」
京太郎「お安い御用だ」ギュッ
ネリー「……ねえ、キョウタロウ?」
京太郎「なんだ?」
ネリー「これからもずっと一緒にいてね」
京太郎「ああ」
ネリー「そうしたら、きっと自由に――」
『エンディング――空も飛べるはず』
というわけで終了
続けて安価取りたいけど、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩
竹井久
福路美穂子
松実玄
薄墨初美
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
あ、29分までで
締切
割ってきます
コンマ
初美:8の倍数
美穂子:8で割って余りが1
怜:8で割って余りが2
小蒔:8で割って余りが3
エイスリン:8で割って余りが4
玄:8で割って余りが5
哩:8で割って余りが6
衣:8で割って余りが7
直下
姫様ということで
では、おやすみなさい
おひさし!
明日は休みだからやりますとも
んじゃ、もうちょっと後で
したらば、始めます
小蒔「春ですねぇ」
初美「なのですよ」
春「呼んだ?」
小蒔「あ、別に春を呼んだわけじゃなくて」
春「知ってる」
初美「この時期になるとはるるも有名人ですねー」
春「よく来い来いって言われるし。人気者は辛い」
小蒔「はーるよこい、はーやくこい……でしたっけ?」
春「どこぞのまんがまつりは置いとくとして……これ」
小蒔「お手紙ですか?」
春「うん、あの人から」
小蒔「――! 見せてくださいっ」
『――前略』
『――中略』
『――後略』
小蒔「あ、あれ……?」
初美「全部略してるから中身がすっからかんなのですよ」
春「ある意味斬新」
小蒔「一体どういうことなんでしょうか?」
春「暗号文?」
初美「火で炙ってみますかー?」
小蒔「マッチですね、持ってきます!」
巴「どうかしたんですか?」
小蒔「はい。お手紙が来たのでちょっとマッチを」
巴「そうですか、マッチを……えっ?」
春「姫様、それじゃ手紙を燃やそうとしてるようにしか聞こえない」
小蒔「あ、うっかりしてました」
巴「燃やそうとしてるわけじゃないみたいですけど、それにしても火が必要なんですか?」
初美「これを見るのですよ」スッ
巴「ええっと……なにこれ?」
初美「きっと隠された文章があるに違いないのですよ」
巴「だから火であぶり出しを?」
春「私の見立てでは高度な暗号文」
巴「うーん……そもそも誰からなんです?」
小蒔「京太郎様です!」
巴「あ、そうですよね」
巴(でも、暗号文なんて面倒なことはやらないだろうし……)
巴(危ないから火を使わせるようなこともさせないと思うんだけど)ハラッ
巴「あれ?」
小蒔「なにかわかりました?」
巴「もう一枚あるみたいなんですけど」
春「重なってた?」
初美「なるほど、あぶり出しや暗号文と疑わせることで二枚目から注意をそらす計略なのですよ」
巴「ただの冗談だと思うよ?」
小蒔「えっと……」
『――という冗談はさておいて』
小蒔「本当に冗談でした」
巴「あはは、ですよね」
春「してやられた……」
初美「裏をかかれたのですよ……」
巴「ただの考えすぎだね」
小蒔「……」モクモク
『――近況の報告はさっきした通りだ。色々あって書ききれなかった分はまた今度』
『この手紙が届いてる頃には日本のどこかでプラプラしてると思うけど、必ずそっちにも行くつもりだ』
『小蒔のかわいい声もしばらく聞いてないしな』
小蒔「もう……」テレテレ
初美「顔がフニャフニャなのですよ」
巴「そんな恥ずかしいこと書いてあったのかな?」
春「きっとかわいいだとかそんなとこ」
初美「しばらく戻ってこないかもしれませんねー」
巴「じゃあそれまでおやつはお預けかな?」
初美「なんと! もうそんな時間でしたか!」
春「大丈夫、黒糖はある」スッ
巴「あんまり食べ過ぎると、また取り上げられちゃうよ?」
春「それ以上はいけない。噂をしたら影がさしちゃう」
初美「おやつの時間なら、霞ちゃんたちも呼ばないといけませんねー」
巴「滝の方にいるみたいだから、呼んできてもらってもいいかな? 二人も一緒だと思うから」
初美「三人して滝行ですか?」
巴「霞さんがね。二人は付き添い」
初美「はぁ、修行熱心いいますか」
巴「……なにか振り切りたいことがあるのかもね」
初美「……そうですねー」
初美(ホント、バカなのですよ……)
初美「では、ちゃちゃっと呼んできちゃいますねー」タタッ
春「それじゃあ、私は姫様を見守ってるから」
巴「私たちはお茶とおやつの準備だね」
春「……しかたないなぁ」
良子「ぐっもーにん」
京太郎「あれ、仕事ですか?」
良子「東京から愛媛に帰る途中ですね」
京太郎「……なんで京都に?」
良子「なんとなく抹茶的なサムシングが食べたくなって」
京太郎「なるほど、ありますね」
良子「新幹線を途中下車しましたが、ノープロブレムです」
京太郎「いや、あんた新幹線の料金どんだけかかると思ってんだよ!」
良子「ふふ、マネーの力は偉大ですね」
京太郎「くそっ、プロ野球選手並の年棒かよぉ!」
良子「それで、あなたは旅行中ですか」
京太郎「気楽な一人旅ですね」
良子「ええ、春たちから聞いてはいます」
京太郎「また鹿児島に?」
良子「春から黒糖を取り上げてきましたよ」
京太郎「そりゃまた……」
京太郎(その光景が目に浮かぶな)
良子「……あなたは姫様を選びましたか」
京太郎「ん? 俺そんなこと言いましたっけ?」
良子「なんとなくわかりますよ」
京太郎「すげぇ……さすがは元中東の傭兵にしてイタコ」
良子「ノーウェイノーウェイ……まあ、口寄せぐらいならできますが」
京太郎「できるのかよっ」
良子「別に今更そのぐらい、大したサプライズでもないでしょうに」
京太郎「ソロモン王を呼び出したり?」
良子「どれ……えっと、暗い未来が見えますね」
京太郎「いきなり不穏なこと言うのやめません?」
良子「王がサモンする悪魔には未来を見るのもいますからね」
京太郎「普通に悪魔とか言っちゃったよ……」
良子「まぁ、暗い未来というのはジョークですよ」
良子(半分は、ですけどね)
京太郎「ならせめてうまくいくように声援お願いしますよ」
良子「ふぁいと」
京太郎「……なんか気が抜けるなぁ」
良子「さて、行きましょうか」
京太郎「抹茶的ななにかですか?」
良子「オフコース」
京太郎「いいっすね、付き合いますよ」
良子「ついでに積もりに積もったリベンジも果たしておきたいですね」
京太郎「あんた根に持ちすぎだろ!」
小蒔「……」
小蒔(今朝は早くに目が覚めました)
小蒔(でも、みんなが目を丸くして驚いていたのは心外です)
小蒔(私、そんなにねぼすけじゃないと思いますっ)
小蒔(……って、そうじゃなくて)
小蒔(今日はなんだかいい予感がするんです)
小蒔(ずっと待ち望んでいたものが来てくれるような……)
小蒔「う~~」
小蒔(待っていたほうがいいような気がするけど、ジッとしてるのも我慢できなくて)
小蒔(階段を降りようかと迷い中です)
初美「姫様ー? おでかけですかー?」
小蒔「ひゃっ」ビクッ
初美「むむっ、なにかやましいことがあると見たのですよ」
小蒔「もうっ、そんなんじゃありませんったら!」
初美「姫様はすぐ顔に出るのですよ。黙って下に降りようとしたとかですかね?」
小蒔「そ、それは……」
初美「ビンゴ! もう、しょうがないですねー」
初美「しょうがないから、一緒に降りるのですよ」
小蒔「え、いいんですか?」
初美「黙っていくのがいけないだけで、私がついていれば問題なしですねー」
小蒔「それなら早速――あうっ」
京太郎「っと、こんなとこではしゃいでたら危ないだろ」
小蒔「あ、ごめんなさ……京太郎様?」
京太郎「言ったとおり、ちゃんと来たぞ」
小蒔「ずっと……ずっとお待ちしてました」
京太郎「大げさ、って言うには待たせすぎたな」
小蒔「イヤです、もっとちゃんと言ってくれないと」
京太郎「そうだな……小蒔」
小蒔「はい」
京太郎「随分待たせたけど、俺は――」
初美「ストップストップストーーップ!!」バッ
初美「なにいきなりおっぱじめてるのですか!」
京太郎「いたのか。陰になってて見えなかった」
初美「そんなミニマムなわけがありますかっ」
小蒔「ごめんなさい、私もちょっと初美ちゃんのことが頭から抜けてて……」
初美「まったくもう、なのですよ!」プンプン
小蒔「わっ、初美ちゃん、落ち着いてっ」
京太郎「なんつーか、そんな雰囲気じゃなくなったな」
春「騒がしいと思ったら」
巴「お久しぶりです」
京太郎「よう、また取り上げられたんだって?」
春「……姉さんは悪魔」
初美「ふんっ」プイッ
巴「あの、それではっちゃんはなんであんなことに?」
京太郎「まあ、自分の存在のちっぽけさに思うところがあったんだろ」
巴「えっと、いまいち話が見えないかなと」
小蒔「私がちゃんと気づいてあげられてたなら……」
巴「え、思ったより深刻そう……」
京太郎「後で機嫌を取ればどうにかなる程度には深刻かもな」
初美「私をなんだと思っているのですか!」
明星「お兄様!」
湧「ど、どうも……」
明星「来るなら言ってくれれば……」
京太郎「悪いな、いつ頃になるかは正確にはわからなかったからな」
明星「じゃあ、お兄様のお話が聞きたいです! ……ダメですか?」
京太郎「いいぞ。我ながらネタには困らない人生だからな」
湧「あ、あのっ」
京太郎「ん?」
湧「わ、私もご一緒できたら……その、できればで――」
京太郎「遠慮すんなっ」ワシャワシャ
湧「わ、ちょっ――あ、明星っ」サッ
明星「また私を盾にして……」
京太郎「……やりすぎたか?」
明星「照れてるだけですよ」
京太郎(それで、最後の一人は姿を見せずと)
小蒔「京太郎様?」
京太郎「石戸は出かけてるのか?」
小蒔「えっと、この時間ならお昼の用意だと思います」
京太郎「そっか、なら挨拶してくるかな」
霞「……ダメね」
霞(なんだかいつもより味が薄いわ)
霞(まだまだ精進しなくちゃ)
霞(そうしたら……)
京太郎「んー、ちょっと薄味だな」
霞「――っ」
霞「……せめて一言声をかけてくれないかしら」
京太郎「悪い悪い、驚かせるつもりだったから」
霞「なら、十分驚かされたわ」
京太郎「飛び上がってくれれば完璧だったんだけどな」
霞「ご飯を作ってる最中は危ないじゃない」
京太郎「それもそうだな、悪かったよ」
霞「あなたの分も用意するわ。小蒔ちゃん達と待っててくれる?」
京太郎「そうだな、だけど一つだけ」
京太郎「……俺は小蒔と一緒に生きていくことにした」
霞「……」
京太郎「お前にだけは言っとかなきゃいけないと思ったから」
霞「……そう」
京太郎「……さぁ、ここでサービスタイムだ。恨み言でも罵倒でも、なんだったら包丁まではギリオーケーだ」
霞「自惚れすぎよ……」
霞(――大丈夫、こうなることなんてわかってた)
霞(――大丈夫、あの時だって耐えられたんだから)
霞(――大丈夫、だってそれが私のお役目だから)
霞(……なら、どうして)ポロッ
霞「――好き、好きなの」
霞(こんな、言葉が溢れるの?)
霞「あなたが欲しい、小蒔ちゃんに渡したくなんてない……!」
霞「ずっと蓋をしておけばよかったのに、どうしてあなたから揺さぶりにくるのよ!」
霞「バカ、バカバカバカ……!」
京太郎「……」
霞「もう、あっち行って……」
京太郎「ああ、邪魔したな」
京太郎「……これでよかったなんて思えないけど」
京太郎「とりあえず、今んとこは大丈夫そうか」
京太郎「だれかの泣いてる顔なんて見たいわけないんだよな」
京太郎「まぁ、それが報いって話ならしょうがないんだけどさ」
小蒔「お話、終わったんですか?」
京太郎「ああ。でも昼飯はちょっと遅れるかも」
小蒔「一大事じゃないですか!」
京太郎「悪いな、邪魔しちゃってさ」
小蒔「こうなったら私も手伝っちゃいますね」
京太郎「いや、それはやめといたほうがいいな」
小蒔「かえって邪魔になっちゃうでしょうか……」
京太郎「でも、そうだな……少し時間を置いて様子を見るくらいならいいんじゃないか?」
小蒔「あまり邪魔にならないように、ですか?」
京太郎「ま、そんなとこだ」
霞「……お昼御飯、作らなきゃ」
霞(泣いて泣いて泣いて……こんなに涙が出るのかというほど泣いて)
霞(なにかする気力はなくて、それでもお腹は減って)
霞(そして料理途中だというのに気がついて)
霞「目、充血してるかしら」
霞(なにかあったのかと尋ねられるのは目に見えている)
霞(せめて、気持ちだけは落ち着けないと……)
霞(今のままじゃ、小蒔ちゃんにだって――)
小蒔「霞ちゃん、大丈夫ですか?」
霞「……小蒔ちゃん」
小蒔「あれ、目が……」
霞「こ、これはね……ちょっとあくびのしすぎで」
小蒔「もしかして、さっき京太郎様と……」
霞「――っ」ギリッ
小蒔「霞ちゃん、もし困ったことがあるなら――」
霞「――うんざりなの!」
霞「こんなお役目なんてもううんざり!」
霞「なにかにつけて我慢して、欲しいものも諦めて……」
霞「初恋だったのよ……でも、それだって……!」
霞「全部、全部あなたのせいじゃない!」
小蒔「……」
霞「……あ、こ、これは違うのっ」
小蒔「霞ちゃん……」
小蒔「ありがとうございます」ギュッ
霞「……え?」
小蒔「本当の霞ちゃんを私に打ち明けてくれて、嬉しいです」
霞「あれは、弾みで……」
小蒔「その弾みでやっと聞きたいことが聞けたんです」
霞「……バカ言わないで、あんなに酷いことを言ったのよ?」
小蒔「ちょっぴりショックでした。でも、だれだって思うような事なんだと思います」
小蒔「私だって、ちょっぴりイヤだなって思ってることはあります」
小蒔「夜ふかしさせてくれないし、おやつだってお腹いっぱいは食べさせてもらえないし」
小蒔「でも、霞ちゃんはやっぱり私の大事な人なんです」
小蒔「だから、霞ちゃんが重いものを背負っているなら、少しだけでもわけてください」
小蒔「これでも、自分では成長したなって思ってるんです」
霞「……そう、なのね」
霞(本当に、強くなったのね……)
霞「……じゃあ、お昼御飯作るの、手伝ってもらってもいい?」
小蒔「――っ、はい!」
京太郎「……気まずい昼飯だった」
京太郎「まあ、あんなことがあったあとじゃ当たり前だけどさ」
京太郎(でも、小蒔と石戸はいい雰囲気だったな)
京太郎(そこはうまくいったみたいで良かった……)
小蒔「お昼寝ですか?」
京太郎「このまま横になってたらそうなるかもな」
小蒔「じゃあご一緒しますね」
京太郎「おう、好きなとこに寝っ転がれ」
小蒔「じゃあ――」
京太郎「……いや、好きなとことは言ったけどな」
小蒔「ダメですか?」ムニュ
京太郎「まさか俺の上に乗っかってくるとは……しかもうつ伏せで」
小蒔「……たしかに顔は近いかもしれませんけど」
京太郎「近い、というか近すぎるだな」
小蒔「はい、すぐにキスできそうなぐらい……」
京太郎「……」
小蒔「……」
京太郎「正直、何事もなくてホッとしてる」
小蒔「……霞ちゃんのことですか?」
京太郎「ああ、酷いこと言ったからな」
小蒔「でも、京太郎様も辛かったと思いますから」
京太郎「ホントにお前は優しいな」
小蒔「それに、本音を聞けたのはきっとそのおかげですから」
京太郎「……もしあそこで暴走してたら、こんなのほほんとはしてられなかっただろうな」
小蒔「そうなっていたら、どうするつもりでしたか?」
京太郎「どうにかしてたさ。最悪俺が引き受ければ――いてっ」
小蒔「それはいけないと思います」
京太郎「小蒔にほっぺた抓られるとはな」
小蒔「だって、独りよがりじゃないですか。それでもし京太郎様がいなくなったら……」
京太郎「……そうか、たしかにそれはマズイな」
京太郎「悪かったよ。なんかお詫びさせてもらってもいいか?」
小蒔「それなら……んっ」
小蒔「えへへ、これで何回目でしょうか」
京太郎「……四回目ぐらいか?」
小蒔「はい、覚えています……全部、大切な思い出ですから」
京太郎「また忘れても思い出させてやるさ」
小蒔「大丈夫です。もう忘れませんから」
京太郎「そうだな、保護者に大丈夫だってところを見せてやってくれ」
小蒔「保護者ですか?」
京太郎「とびっきり過保護なのがついてるからな」
京太郎(とか言ってるのも聞いてるんだろうな)
京太郎「それと、あと一つ」
小蒔「はい」
京太郎(好き、じゃ足りないな。大好きでも……)
京太郎「さっき言いそびれたけど……愛してるよ、小蒔」
小蒔「私も……愛しています、京太郎様」
『エンディング――契りを交わして』
というわけで終了
思ったよりも長くなった……
ちなみにこの話のどこかから分岐してあるエンディングに行くという設定
安価は明日に放り投げておやすみなさい
こんばんはー
今回は安価だけですけども、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩
竹井久
福路美穂子
松実玄
薄墨初美
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
22分まで
はっちゃんギリアウト……とりあえず割ってきます
コンマ判定
竜華:1-17
哩:18-34
エイスリン:35-51
玄:52-68
霞:69-00
直下
マイル・シローズということで
んじゃ、明日は早いからおやすみなさい
おひさしー
というわけでもうちょっとしたら始めます
んじゃ、そろそろ始めます
「来たねぇ、東京。夢ん国!」
「千葉やなかった? 東京言うとーけども」
「ん、たしかに。政治上ん理由?」
哩「なして政治ば引き合いに出すかね」
「そいもこいも――」
「政治は悪くなかね」
「……」
哩「とりあえずチェックインやね」
「しかし、鶴田のふくれっ面も中々やったねぇ」
哩「そいはしょんなかね」
「相変わらず哩先輩ラブだから。ついてくっとか言うかと思った」
「こん時期は春の大会もあるし、無理やと思う」
哩「姫子なら心配いらん。花田もいるし」
「ま、なら私らは卒業旅行ば楽しまんとね」
「ランドとシー、どっち先行くと?」
「迷うな……美子はどげん思う?」
「質問に質問で返されても……哩は?」
哩「ざっとなか問題やね……」
「しゃーない、ここはとっておきば……」ゴソゴソ
「しんどうくん鉛筆!」
哩「なっ! そがんグッズあったと!?」
「いんや、自作のシールでデコっただけ」
「シール作ったんだ」
「もちろん、各種ヴァージョンも揃えとっとよ」
「……どれがどれ?」
「ニュートラルはしんどうくんで、首に蝶ネクタイが父、頭にリボンが母」
「相変わらず書き分けがなっとらんね」
哩「……」
哩(ほ、ほしい……!)
哩「そ、そいでなんばすっとね?」
「転がしてどっち行くか決めようかと」
「神頼み?」
「テストもこいで乗り切った」
哩「すごいな」
「色んな意味で」
「じゃ、早速」コロコロ
京太郎「来たな、夢の国」
京太郎「なんで千葉なのに東京を名乗っているかはともかくとして」
京太郎「さて、ランドとシー、どっちに入る?」
京太郎「この日だけでどっちもっていうのはさすがにきついだろうし」
京太郎「いや待て、そもそも一人で入って大丈夫なのか?」
京太郎「今は卒業旅行シーズン……大抵はグループだろうし、中にはカップルも……」
京太郎「……やばい、勇気がしぼんできた」
京太郎「……少しベンチで休むか」
「さ、シーに行こう」
「あげな決め方で……」ハァ
哩「まぁ、迷って中々決められんのよりはよかて思う」
「うーん、やっぱり混んでる」
哩「同じように卒業旅行かね?」
「カップルもいっぱい……」
「お、ベンチでイチャついとるね」
哩「あっちは一人で……」
「くそっ、カップル多い……!」ダンッ
「やっぱり一人じゃハードル高ぇよ……」
哩「……あれ?」
「ん? どげんしたと?」
哩「なんか……見間違いやろか?」
「あそこのベンチの人? なんやろ、具合悪いとか?」
「やってらんねぇ……もう寝るか」ゴロン
哩「……」
『それじゃ、お近づきの印にこれどーぞ』
「横になったね」
「彼女に振られたか……なんもかんも政治が悪い」
「もう言いたいだけやね」
哩「……ちょっと、飲み物ば買ってくる」
京太郎「くそっ、カップル多い……!」ダンッ
京太郎「やっぱり一人じゃハードル高ぇよ……」
京太郎「やってらんねぇ……もう寝るか」ゴロン
京太郎(……どっかのだれかもそう言って寝ようとしてたな)
京太郎(今頃何してるかな。卒業旅行でどこか行ってるかもな)
京太郎(ま、ゴールデンウィークには実家に帰るだろうし、その時にでも……)
哩「お、お近づきの印に……こいっ、どうぞ!」
京太郎「いいんだ、俺はどうせ独り者さ……」
哩「ええい、なんば言っとーと!」ピトッ
京太郎「うわ、熱っ」ビクッ
京太郎「……どうしてここに?」
哩「卒業旅行」
京太郎「なるほど」
京太郎(それがまさかここだとは……)
哩「そっちも?」
京太郎「ま、そんなとこ」
哩「一人で?」
京太郎「ひ、一人旅だから……」
哩「竹井さんは?」
京太郎「さぁな。友達と卒業旅行ってとこか?」
哩「そう……」
京太郎「それより、これもらってもいいのか?」
哩「どうぞ」
京太郎「はは、いつかとは逆だな」
哩「お返しやけん」
京太郎「の割には緊張してたな」
哩「べ、別に緊張は――」
「で、知り合いと?」
「そろそろ説明が欲しいとこやね」
京太郎「そっちの二人は……たしかインハイで見たな」
哩「江崎仁美に安河内美子」
仁美「よろしくー」
美子「よろしく」
哩「そいで、こん人は――」
仁美「いや、知ってる知ってる」
美子「須賀京太郎さん、ですよね」
京太郎「わぁ、俺有名人」
仁美「まぁ、スレでも外人と一緒に避妊具買ってたとか、幼馴染と同棲してるとか」
美子「た、爛れてる……」ドンビキ
京太郎「待てや! 確実に誤情報混じってんぞ!」
哩「ひ、避妊……同棲まで……」プルプル
京太郎「……わかった、この話はやめよう。ハイ!! やめやめ」
京太郎「いやぁ、助かった。一人でここ入るのキツかったからさ」
仁美「そもそも一人旅やろ」
美子「じゃあなんでここに来たんですか」
京太郎「うぐっ、言葉の針が……」グサッ
哩「ま、まぁ……人には事情ちいうもんがあっけん」
京太郎「そ、そうそう、色々あるんだよ」
仁美「……」
美子「……」
仁美「哩と鶴田の相手って……」ヒソヒソ
美子「うん、だと思う」ヒソヒソ
京太郎「さ、せっかくだし楽しもうぜ」
哩「そうやね」
京太郎「今ならカップルも怖くないな。腕組みでもしてみるか?」
哩「なっ……!」カァァ
京太郎「冗談冗談。おーい二人ともー、行こうぜー」
哩「つ、疲れた……」
哩(京太郎といると、不必要に心拍数が……)
哩(周りがカップルばかりなのも……)モンモン
京太郎「なに頭抱えてんだ?」
哩「ち、ちかっと考え事」
京太郎「そうか? まぁ、とりあえずこれでも飲んどけ」
哩「ありがと……」
哩「……二人は?」
京太郎「さっきのアトラクション、もっかい行ってくるってよ。そんな並んでないしな」
哩「そう……すまんね、足取り乱して」
京太郎「気にすんなよ、無理したって楽しめないし、そもそも俺は乱入者だぞ?」
哩「……たしかにペースは乱されっぱなしやね」
京太郎「お、あそこのカップル、キスしてるな」
哩「――っ」ピクッ
京太郎「――みたいな感じか?」
哩「もう……なんね。今日はいつもより――」
京太郎「意地悪だってか?」
哩「あ……うん、おーどーか」
哩(顔、近っ)
京太郎「なあ、男子にとって意地悪したくなる相手って、どんなやつだと思う?」
哩「い、いっちょんわからん」
京太郎「そうか、なら――」グイッ
哩「――んんっ」
京太郎「――ってのはどうだ?」
哩「あ、え……あぅあぅ」プシュー
京太郎「あらら、前はそっちからしてきたのにな」
仁美「哩ー、大丈夫かー?」
美子「うわ、ゆでダコ?」
京太郎「ちょうど良かった。俺はそろそろ行くから、こいつ頼むわ」
仁美「りょーかい……って、もう帰ると?」
京太郎「これから宿探しだし、明日は朝から移動なんだ」
美子「他にも行くとこが?」
京太郎「気楽な一人旅だからな。色々まわってるんだ」
京太郎「じゃ、そういうわけで」
美子「行っちゃった……」
仁美「哩、哩ー?」ペシペシ
美子「いっちょん起きる気配なし」
仁美「うーむ、なんもかんも――」
美子「悪いのはあの人かもね」
仁美「……たしかに」
哩「……」
哩(あれから一ヶ月とちょっと)
哩(ゴールデンウィークに入って佐賀ん実家に帰って)
哩(ばってん、京太郎からの連絡は一つもなし)
『なあ、男子にとって意地悪したくなる相手って、どんなやつだと思う?』
哩「なんね、あいは……」モンモン
哩「それに……」スッ
哩(キス、された……)
姫子「まーいる先輩っ」
哩「うひゃあっ」
姫子「ちょっ、そがんたまがらんでも」
哩「ご、ごめん」
姫子「なんば考ゆっとですか」
哩「んー……」
『なあ、男子にとって――』
哩「~~っ」カァァ
姫子「うわっ、大丈夫ですか!?」
哩「大丈夫、大丈夫やけん……」
姫子「どこがですかっ」
京太郎「お、いたいた」
姫子「あれ、先輩?」
哩「――っ」
京太郎「見つけられたのはラッキーだったな」
姫子「なんですか? あ、もしかして……私に会いに来たとか?」
京太郎「まぁ、それもあるか……哩、ちょっとこいつ借りてくぞ」グイッ
哩「あ……う、うん」
姫子「もう、そがん引っ張らなくてもついてきますってば」
京太郎「そうか?」パッ
姫子「むぅ、どーして手ぇはなしちゃうんですか!」
京太郎「はいはい、いいからさっさと来いよ」
哩「……」ソワソワ
哩(二人はまだやろか)
哩(そもそも、二人でなんば話とーと?)
哩(まさか……姫子と)
姫子『もうっ、先輩がっつきすぎですってばぁ♪』
京太郎『うるせぇな、黙って抱かれてろよ』
姫子『あぁん、先輩のケダモノぉ♪』
哩「……」モンモン
京太郎「またボーッとしてんのか」
哩「うひゃあっ」
京太郎「おわっ」
哩「な、なんね?」
京太郎「なんね、じゃねーよ。びっくりしただろうがっ」
哩「ごめん……姫子は?」
京太郎「あー……帰るって言ってたな」
哩「そう……ん? そん傷、どがんしたと?」
京太郎「いや、まぁ……さっきちょっと引っ掻かれてな」
哩「まさか姫子に?」
京太郎「まぁな……ま、このぐらいはしかたないよな」
哩「……」
哩(そっか、姫子と話って……)
哩(そいで、次は私ん番……)グッ
京太郎「さて、暗い話はここまでにするか」
哩「か、覚悟はできとっけん」
京太郎「そうか? なら場所移すか。もうちょっと人目につかないとこにさ」
京太郎「それでさ、この前話したことなんだけど」
哩「……」ギュッ
京太郎「こら、なに防御体勢取ってんだ」
哩「だ、大丈夫やけん……いつでも来っとよかよ」
京太郎「……とりあえず腕は下げる」グイッ
哩「あっ」
京太郎「顔を上げる」クイッ
哩「ちょっ」
京太郎「目は……閉じたままでもいいか」ギュッ
哩「えっ――んむっ」
哩(また、キス……?)
京太郎「それで、この前聞いたことの答え、わかったか?」
哩「……い、いっちょんわからん」
京太郎「……そうか、なら――」
哩「んんっ――」
京太郎「どうだ?」
哩「ま、まだ……」
京太郎「しかたないな……」
哩「んっ――」
京太郎「さすがにわかっただろ」
哩「ううん……」トロン
京太郎「……お前わざとだろ」
哩「そがんこつ、なかよ……?」
京太郎「なら、わかるまでするしかないな」
哩「うん……じっくり、たっぷり」
京太郎「言われなくてもしてやるさ」
哩「京太郎……んんっ――」
『エンディング――君が満足するまで』
というわけで終了
安価取りたいんですけど、人いますかね
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩 済
竹井久
福路美穂子
松実玄
薄墨初美
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
19分まで
締切
とりあえず割ってきます
コンマ判定
衣:1-18
怜:19-27
玄:28-36
竜華:37-45
美穂子:46-54
春:55-63
霞:64-81
エイスリン:82-90
初美:91-00
直下
ころたんで了解
そんじゃ、おやすみなさい
こんばんはー
もうちょっとしたら始めます
んじゃあ、始めます
一「京太郎くん、終わった?」
京太郎「あらかたな」
一「相変わらず仕事が早いね」
京太郎「まぁな」
一「もう上がりだね」
京太郎「明日は朝早いしな」
一「ホントに一人で行くの?」
京太郎「なんだ、ついてきたいのか?」
一「そうだね、って言いたいとこだけど、邪魔しちゃ悪いかな」
京太郎「邪魔ってわけじゃないけど、一人旅って名目だからな」
一「お詫び行脚みたいな?」
京太郎「そうそう……ってちげーよ。人を政治家みたいに言うな」
一「あはは、なにしたのさ。汚職?」
京太郎「お食事券だったらほしいとこだけどな」
一「とにかく気をつけてね。雪もまだ残ってるところあるし」
京太郎「そんぐらい大丈夫だって。パラシュートなしのスカイダイビングに比べればな」
一「……なにしたらそんなことになるのさ」
京太郎「俺が聞きてぇよ」
京太郎(妖怪ならぬカムイのしわざだからな)
京太郎(あれは本当に死ぬかと思った……)
一「……ねえ、京太郎くん?」
京太郎「なんだ? 恋愛相談か?」
一「……なんで恋愛相談が出てくるのかな」
京太郎「適当に言っただけだって。それで?」
一「あー……やっぱりいいや」
京太郎「なんだよ、気になるなぁ」
一「旅行の荷物増やすのもどうかと思うし」
京太郎「お土産か? 希望あれば言えよ」
一「ボクは土産話だけで十分かな」
京太郎「そうか。ま、適当に選んでくるさ」
一「うん、そうしてよ」
純「須賀ー、上がり?」
京太郎「そういうお前はもう着替え済みか」
純「ラーメン食べにいかないか? 今日夕飯早かったから小腹空いちゃって」
京太郎「いいな、それ」
一「明日朝早いんじゃないの?」
京太郎「それはそれ」
純「これはこれって感じ?」
一「仲いいよね、二人とも」
ハギヨシ「それならば、いい店を知っていますよ」
一「うわっ、いつの間に」
ハギヨシ「ちょうど通りがかったので」
京太郎「ハギヨシさんもフリーですか?」
ハギヨシ「衣様がお休みになったので」
純「早いなぁ。寝る子は育つってやつ?」
一「聞かれてたら噛み付かれるね」
京太郎「出る前に話しとこうと思ったんだけどな」
一「用事あったの? よければ伝えとくよ?」
京太郎「ま、別に帰ってきてからでもいいんだけどさ。とりあえず龍門渕に先に話しとくか」
一「あ、透華ももう寝たよ。今日は疲れたって」
京太郎「また良いタイミングで……」
純「ちなみに智紀は電子の海に沈み込んだな」
京太郎「つまりネットサーフィンな」
ハギヨシ「どうしますか?」
京太郎「ハギヨシさんのおすすめなら食べたいですね」
純「たしかに。完璧執事が認める味だもんな」
一「行ってらっしゃい。ハギヨシさんが一緒なら滅多なことにはならないよね」
京太郎「俺らの信用はなさそうだな」
純「ひどいな、国広くん」
ハギヨシ「では、車を回してきましょうか」
純「そんなに遠いと?」
ハギヨシ「そんなには。峠を一つ越えたところですね」
京太郎「……」チラッ
純「……」コクッ
京太郎(マズイぞ)
純(ああ、ヤバイ)
京太郎(夜の峠でハギヨシさんが我慢できるとは思えない)
純(となれば)
京太郎(選択肢は一つか)
「「タクシーを呼ぼう」」
ハギヨシ「……」シュン
一「あちゃー」
衣「む~!」
智紀「……何事?」
透華「悪いのは全てあの須賀京太郎ですわ!」
智紀「今日から旅行だって聞いたけど」
衣「衣に何も言わないで旅立った!」
透華「あまつさえ、私に黙ってラーメンを食べに行って!」
衣「まったくもう!」
透華「ですわ!」
智紀「……はぁ」
一「あはは、賑やかだね」
智紀「原因がいないから生贄に差し出すこともできない」
一「ラーメン食べに行ったのは純くんもハギヨシさんも一緒だけどね」
一「二人とも、落ち着きなよ」
衣「……一はきょうたろーと話したの?」
一「そうだね。二人と話したかったって言ってたよ」
透華「ならばなぜ!」
一「いや、二人とも寝てたからさ」
衣「あ……」
透華「たしかに……」
一「これでちょっと落ち着くんじゃないかな?」
智紀「さすが」グッ
一「透華も衣も、京太郎くんのこと好きすぎだよね」
智紀「ブーメラン、帰ってくるよ」
一「大丈夫だよ、ちゃんとキャッチするから」
歩「先輩は卒業旅行かぁ」
メイド「一人旅なんだってね」
歩「私もついていけたら……」
歩(先輩と二人きりで旅行……)
歩(一緒にいるうちに距離が縮まっていくのは当たり前で……)
歩(はうぅ……考えただけでドキドキしてくる)
メイド「こらっ」
歩「ひゃいっ」
メイド「妄想は程々にしておかないと、こわーい執事さんが来ちゃうぞ」
ハギヨシ「ところで、その執事というのは誰のことでしょうか」ニコッ
メイド「あ、ハギヨシくん。いたんだ」
ハギヨシ「たまたま通りがかっただけですが」
メイド「そうだ! まだお掃除残ってたなぁ、そういうわけで……」ソソクサ
ハギヨシ「やれやれ……さて」
歩「――っ」ビクッ
ハギヨシ「そこまで怯えられると、さすがにショックですね……」
衣『何故、衣に黙って行っちゃったの!』
京太郎「もう寝てたし、朝も早かったからな」
衣『衣も共に行きたかったのに!』
京太郎「連れてったら一人旅じゃなくなるだろ」
衣『む~、衣は邪魔者?』
京太郎「まさか」
衣『なら!』
京太郎「それでも、一人になりたい時ってのはあるもんなんだよ」
衣『……それが家族でも?』
京太郎「そうだ。そしてそれを察してやるのが大人ってやつだな」
衣『なるほど……うん、衣も察したよ』
京太郎「また熱い手のひら返しだ」
京太郎「でもまぁ、帰ったらイヤってほど一緒にいてやるよ」
衣『それは真実?』
京太郎「そんなことでウソは言わないっての」
衣『そっか……うん、やっぱり家族は一緒にいるべきだ』
京太郎「ま、これで半分ってとこだな」
衣『半分?』
京太郎「ああ、残りは帰ってからにしとくよ」
衣『気になる……けど、待ってる。それがいい女というものらしいから』
京太郎「お、わかってるじゃないか」
衣『ふふん、衣はもう大人だからな』
京太郎「そういうのは好き嫌いをなくしてから言おうな」
衣『こ、衣に好き嫌いなんて……ないよ?』
京太郎「はいはい。そこらへんは帰った時の楽しみにしとくよ」
衣『う、うん……ハギヨシに相談しなきゃっ』ピッ
京太郎「さて、どうするかな、残り半分」
京太郎「今更愛の告白なんて恥ずかしいしな」
京太郎「……ま、おいおい考えるか」プルルル
『龍門渕透華』
京太郎「……まためんどそうな」
衣「……」ソワソワ
純「お、チビッ子がなんかソワソワしてるな」
一「今日ね、京太郎くんが帰ってくるんだって」
純「なるほどね、それで国広くんも」
一「なに?」
純「いーや、なんでも?」
京太郎「ただいまー」
衣「きょうたろー!」
京太郎「って、お前らだけ? 寂しいなぁ」
純「お勤めごくろーさん」
京太郎「遊び歩いてただけだっての」
一「おかえり。無事帰ってきたね」
京太郎「そんな滅多なことがあってたまるか」
一「じゃ、透華たちも呼んでくるね」
京太郎「ああ、頼むわ。お土産渡したいし」
衣「ね、残り半分って?」クイクイ
京太郎「うっ……きっちり覚えてたか」
京太郎(おいおい考えようと思ってたけど、結局なんも考えてない……)
純「お、土産話? オレも聞こうかな」
京太郎「それは後だ、後。今は……とりあえずこいつ借りてくぞ」ヒョイ
衣「わっ」
純「……あ、そういう感じね」
京太郎「そういうことだ」
純「ま、頑張ってきな」
京太郎「声援どーも」
衣「きょうたろー、どこ行くの?」
京太郎「邪魔が入らない場所かな」
京太郎「……」
衣「?」
京太郎「うーむ……」
衣「憂い事?」
京太郎「そうだな……」
京太郎(ここはシンプルに……いや、変化球で攻めるか?)
京太郎(でも、こいつにはそういうのはあんまり効かなさそうだよな)
京太郎(ええい、なんでもいいから一言――)
衣「よしよし」ギュッ
京太郎「……なんか珍しいことされてるな」
衣「衣もこどもの時は、こうやって母上に抱かれてたから」
京太郎「そうか……」
京太郎(よりにもよって子供扱いか……)
京太郎(いや、つまらない意地の方がよっぽど子供か)
京太郎「衣……俺と家族にならないか」
衣「もう、そうじゃないの?」
京太郎「そうだけど、そうじゃない。お前が言うところの……赤縄の契だっけ?」
衣「夫婦になるということ?」
京太郎「単刀直入に言えばな……って、なんか驚きが少ないな」
衣「だって、衣はずっとそう思っていたから」
衣「でも、きょうたろーからそう言ってくれたのは……うん、心嬉しいことだ」
京太郎「……衣」
衣「なに?」
京太郎「前からしたいって言ってたアレ、してみるか?」
衣「ちゅーのこと?」
京太郎「今度はおでこじゃなくて、こっちにさ」
衣「うん……したい」
京太郎「じゃあ、こっち向いて目つぶって」
衣「むっ、またおでこにしたりしない?」
京太郎「しねーって。これはまぁ、大人の作法みたいなもんだ」
衣「大人の……うん、わかったよ」
京太郎「それじゃあ――」
衣「んんっ――」
京太郎「――どうだった?」
衣「……タルタルソースの味がした」
京太郎「ははっ、そりゃこっち来る前にエビフライ食べたからな」
衣「エビフライ!」
京太郎「色気より食い気って感じか、しょうがないな」
京太郎「よし、せっかくだから全員でファミレスでも行くか!」
京太郎(――なんてことがあってからもう数年)
京太郎「うわぁ……もう死にそう」
ハギヨシ「そう言えるうちはまだ大丈夫ですよ」ドサッ
京太郎「この書類の山は……」
ハギヨシ「昼までに目を通しておいてください。相手の会社の資料です」
京太郎「もう全部かなぐり捨てたい……」
ハギヨシ「大丈夫、君はたった一日で岩を砕けるようになったじゃないですか」
京太郎「今だにそれをできるようになったってのが信じられませんよ」
ハギヨシ「不可能だと思えることを乗り越えるのは人の意思です。つまりは気合」
京太郎「根性出してやれってことですね」
ハギヨシ「ええ、君ならできますよ。社長」
京太郎「ホント、どうしてこうなった……」
京太郎『……俺に会社を一つ任せると?』
透華『その通りですわ』
京太郎『失礼ですが、お嬢様はアホでいらっしゃいますか?』
透華『……喧嘩なら買いますわよ?』
京太郎『だってお前、いきなり執事に社長やれってバカだろ』
透華『アホとバカはそちらですわ』
京太郎『……喧嘩なら買うぞ?』
透華『ともかく、これはもう決定事項ですわ』
京太郎『マジかよ……何考えてんだよ』
透華『衣の伴侶たるあなたは、我が龍門渕家に名を連ねる者。それなりの立場と責任を負ってもらいますわ』
京太郎『名門こわい……』
透華『心配せずとも、ハギヨシを秘書につけます』
京太郎『やばいな、それだけでなんとかなりそうな気がしてきた』
京太郎(これでハギヨシさんがいなかったら、どんな酷いことになってたか……)
京太郎(ハギヨシさんもハギヨシさんでスパルタ気味だけど)
衣「きょうたろー!」
ハギヨシ「衣様、おはようございます」
衣「うむ、おはようハギヨシ」
京太郎「また遊びに来たのか?」
衣「ううん、今日は忘れ物を届けに来たよ。はい」
京太郎「携帯? あ、置きっぱなしだったか」
衣「まったく、きょうたろーは衣がいないとダメだな」
京太郎「はいはい、どーも」グニグニ
衣「ふみゅ」
ハギヨシ「少し休憩にしましょうか。お茶を入れてきます」
衣「衣はすぐ帰るから」
ハギヨシ「そうですか……かしこまりました」
衣「きょうたろー、耳貸して」
京太郎「なんだ?」
衣「あのね――」
衣「……ちゃった」
京太郎「……そうか」
衣「それじゃ」
ハギヨシ「下までお送りします」
衣「ううん、衣は一人で大丈夫だから。じゃあ、また後に」
京太郎「……資料、取ってもらっていいですか?」
ハギヨシ「おや、やる気が出ましたね」
京太郎「どうも家族が増えたみたいで」
衣『きょうたろーのこども、できちゃった』
京太郎「それはもう、頑張っとかないと格好がつかないですからね」
ハギヨシ「そうですか……なにはともあれ、おめでとう」
京太郎「さて、やりますか!」
『エンディング――家族が増えた日』
っちゅーわけで終了
安価取りたいんですけど、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣 済
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩 済
竹井久
福路美穂子
松実玄
薄墨初美
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
27分まで
締切
割ってきます
コンマ判定
怜:1-10
玄:11-30
美穂子:31-50
竜華:51-60
エイスリン:61-70
初美:71-90
春:91-00
直下
はっさんで了解
それじゃ、おやすみなさい
おひさし!
もうちょっとしたら始めます
んじゃ、そろそろ始めます
初美「大変なのですよ」
春「いきなりなに?」
初美「近々大掃除の予定ありだとか」
春「はぁ、年末にやったような気がするけど」
初美「その時は上手く隠しおおせたんですけどねー、霞ちゃんに見つかったらマズいあれやこれや」
春「ガサ入れ?」
初美「そうなのですよ! 卒業したから……とか色々理由をつけて強行する気満々なのですよ!」
春「そう……(無関心)」
初美「むむっ、一大事なのははるるも一緒かもしれないのですよ?」
春「見つかって困るものは特にないから」
初美「……先日、霞ちゃんと戒能さんの密会があったとか」
春「まさか……」
初美「ええ、その可能性も十分あり得るのですよ」
春「くっ……!」
春「わかった、協力する」
初美「その言葉を待っていたのですよ」ガシッ
春「背に腹は変えられない」ガシッ
初美(まぁ、実際は霞ちゃんを連れ回してただけみたいですけどねー)
初美(その時にはるるの黒糖について触れたかもしれませんし)
初美(ウソはついてないのですよ、うん)
春「それで、具体的にどうするの?」
初美「とにもかくにも隠し場所ですねー」
春「山のどこかに埋める?」
初美「まるでサスペンスの一場面なのですよ」
春「共犯」
初美「だけど、土の中となると漫画の類は湿気っちゃいそうですねー」
春「じゃあ、だれかに預けるとか」
初美「ふーむ、それも一つの手ですかね?」
「というわけで、うちで預かることになったから、受け取りに行ってくれない?」
京太郎「バカじゃねぇの?」
「ひどいっ、実の母親に向かってバカだなんて!」
京太郎「いや、ダンボール箱抱えて山を下れって方がひどいだろ」
「大丈夫よ、お父さんも協力してくれるらしいし。ね?」
京太郎「そうなの?」
「いや、初耳」
京太郎「って言ってるけど」
「ダメ……?」
「……しょうがないなぁ」
京太郎(うわー、母さんに甘いなぁ)
「というわけだ。二人で行くぞ」
京太郎「はぁ……わかったよ。それで、いつ取りに行けばいいのさ」
「これからね」
京太郎「ちょっと急すぎない!?」
「こりゃ、断られることは想定してなかったな」
「もちろんよ。だって、二人のこと信じてたもの!」
京太郎「……バカじゃねぇの?」
「ひどいっ」
初美「んしょ……ふぅ、ここまで来たら後は一人でも大丈夫なのですよ」
春「私が行ってもいいけど」
初美「いえいえ、厳正なジャンケンの結果なのですよ」
春「どうしてもと言うなら代わってもいい」
初美「そもそも代わってほしいとは言ってないですねー」
春「私も行きたい」
初美「キレイさっぱり諦めるのですよ」
春「くっ……」グヌヌ
春「……わかった。陽動は任せて」
初美「お願いするのですよ。ブツを運び終わる前に感づかれたら厄介ですからねー」
春「そっちも、黒糖は任せたから」
初美「まさかダンボール箱二つ分も備蓄があるとは……」
春「買い出しに行く前でよかった」
初美「買い足す必要性がまったく見当たらないのですよ」
京太郎「うおっと……まだまだ山は雪あるな」
「気をつけろよ? 荷物受け取る前にダウンなんてカッコつかないからな」
京太郎「わかってるってば」
「案外近くまで車で登ってこられたのはラッキーだったな」
京太郎「というか、俺一人で来てたらどんなことになってたんだよ……」
「面白いことになってたんじゃないか?」
京太郎「笑えないっての」
初美「あ、やっと来た! こっちですよ、こっちー!」
京太郎「待たせたか?」
初美「んーと、五分ぐらいですかね?」
京太郎「具体的な時間指定もなかったのにジャストだな」
初美「ですねー」
「運ぶのはそこのダンボールでいいのかな?」
初美「あ、お久しぶりなのですよ」
「こっちこそね。さ、冷えるから早く運び込んじゃおうか」
初美「お願いするのですよ」
京太郎「ふぅ……一個だけやたら重かったな」
初美「私のやつですねー。漫画類がぎっしりなのですよ」
京太郎「どうりで……」
「あとの二つは他の人の分かな?」
初美「はるるのですね。主に黒糖」
京太郎「……二箱分も?」
初美「近いうちに買い足す予定だったとか」
京太郎「尋常じゃねーな」
「ははは、よっぽど好きなんだな」
京太郎「本当だよな……黒糖を隠すってことは、戒能さんとなんかあったのか?」
初美「さぁ、どうでしょうねー」
京太郎「まぁ、それはいつものことか」
京太郎「そんで、お前はすぐ戻るのか?」
初美「おやおや? そっちからお誘いとは珍しいのですよ」
京太郎「別に誘ってるわけじゃないから。いつもはなにかと理由つけて押しかけてくるだろ」
初美「あまり長く不在にしてると怪しまれちゃいますから」
京太郎「そうか? じゃ、気をつけて帰れよ」
初美「むぅ、素っ気なさすぎなのですよ」
京太郎「なんだ、高い高いでもしてやろうか?」
初美「蹴られたいのならやってみるといいのですよ」
京太郎「ははっ、冗談だって」
初美「もうっ、ちょっとこっちに来るのですよ!」グイグイ
「どこ行くんだー? って、聞こえてないか」
「仕方ないな、俺も一服するか」シュボッ
初美「……えいっ」ギュッ
京太郎「相変わらず軽いなー」
初美「年頃の女の子に抱きつかれてその反応はなんですかっ」
京太郎「色々と物足りないんじゃないか?」
初美「どういう意味ですかっ!」
京太郎「さぁてね」
初美「こうなったら……んっ」チュッ
初美「こ、これで……参りましたかー?」
京太郎「ぎゃふん……って言えばいいのか?」
初美「バカにしてるのが見え見えなのですよ!」
京太郎「まぁ、ほっぺたぐらいで参ったとは言えないよな」
初美「じゃあ、今度は……」グイッ
初美「……」
京太郎「……」ジー
初美「うぅ……」モジモジ
京太郎「なんだ、なにもしないのか?」
初美「ど、どうしてジッと見てるですか」
京太郎「なにされるか気になるからな」
初美「気になってできないのですよ……」
京太郎「この前は馬乗りになってしてきたくせにな」
初美「あれは! ……ヤケになってたというかですね」
京太郎「それとも――こっちからしようか?」クイッ
初美「ひゃわ!」
初美「な、なんのつもりなのですか?」
京太郎「お前もしようとしてただろ」
初美「……本気なのですか?」
京太郎「良い機会だから言っておくけど――」
「うわっ」ズシャ
京太郎「……親父?」
「まいったな、気をつけろって言った俺が雪に足を取られるなんてな」
初美「はわわ……」カァァ
「お構いなくって雰囲気でもないな……写真撮ったけど見るか?」
京太郎「写真?」
「ほら、見つめあった二人の」
京太郎「あっ、いつの間に撮ったんだよ!」
「呼びに来たらいい雰囲気だったから、記念だな」
京太郎「今すぐ消してくれ」
「お、そうだ。初美ちゃん、一枚いるかい?」
京太郎「聞けよっ」
初美「あ、欲しいのですよ」
京太郎「もらうのかよ!」
「じゃあ、コンビニに寄りがてらお茶でもどうかな? 一息入れるぐらいだったら、時間も大丈夫だと思うよ」
初美「うーん、そういうことならお言葉に甘えちゃいますねー」
京太郎「あーもう、勝手にしてくれ……」
「さて、見送りも終わったし俺らも帰るか?」
京太郎「だな」
「ところで、言わなくて良かったのか?」
京太郎「何の話さ」
「神境の子達の中じゃ、初美ちゃんが一番母さんに似てるよな、性格的に」
京太郎「だから何の話だっての」
「お前って意外とマザコンだったのかって話」
京太郎「親父」
「なんだ?」
京太郎「叩いていいかな?」
「ダメだ」
京太郎「……まぁ、伝えたいことはあったけど、やっぱり俺が向こう行くときでいいかなって」
「そういうことならいいんだけどな。出発は週末だったな」
京太郎「気ままに楽しんでくるよ」
「お土産に期待しておこうか」
京太郎「んじゃ、蜂の子でも買って帰ってくる」
「そこに売ってるのじゃないか」
京太郎「じゃあおやきで」
「せめて県外の物にしろよ」
京太郎「逆にさ、お土産に買うようなものって普段は食べなくない?」
「たしかにな」
京太郎「というわけで、信州そばでも」
「やっぱり県外の買ってこい」
初美「さ、大掃除なのですよ♪」
霞「……なんだか楽しそうね」
春「うん」
霞「いつもは多少面倒そうにしているのに」
春「たしかに」ポリポリ
春(マズい、つい二袋目を食べてしまった)
春(霞さんと姉さんは結託してる)
春(このままじゃ、取り上げられちゃう……!)
霞「それじゃあ、私は上から埃を落としていくから、窓拭きをお願いね」
春「……あれ?」
霞「どうしたの?」
春「姉さんに頼まれてたんじゃ……」
霞「戒能さんに? たしかにこの前、連れ回され……じゃなくて、一緒にお買い物はしたけれど」
春「それだけなの?」
霞「それだけね。戒能さんに用事でもあった?」
春「……はっちゃんに騙された」
初美「ふんふふーん♪」
霞「初美ちゃん、ちょっとお話があるのだけど」
初美「なんですかー? 私には隠してるものなんてないのですよ」
霞「ここには、でしょ?」
初美「ちょっとなんのことかわかりませんねー」
霞「春ちゃんから事情は聞かせてもらったわ」
初美「まさか……」
春「よくも騙してくれた」
初美「はるる、裏切ったのですか!」
春「お互い様」
霞「なにを誰に預けたのか、全部聞いたわ」
初美「くっ……だ、大体、霞ちゃんが取り上げようとするのがいけないのですよ!」
霞「あんな……は、破廉恥な漫画を隠し持っているのが問題なのよ!」
初美「なにが破廉恥ですか! あんなの少女漫画じゃ普通なのですよ!」
霞「……とにかく、小蒔ちゃんに悪い影響があるといけないわ」
初美「……」
初美(今でも時々貸してるなんて言ったら、もっと怒られちゃいますかね?)
初美「と、とりあえず、ここはお掃除の方を優先して……」ソロー
霞「待ちなさいっ」ガシッ
初美「あっ」ポロッ
春「写真?」
霞「……これは、どういうこと?」
初美「見られちゃいましたか……」
霞「初美ちゃん、答えて」
初美「……見ての通りなのですよ」
霞「これが許されると思っているの? 私たちは――」
初美「それは、霞ちゃんの考えなのですよ」
初美「たしかに私たちは姫様に仕える六女仙……」
初美「でも、その前に私たちは私たちなのですよ」
初美「自分の気持ちを偽り続けて、そんなの耐え切れなくなるに決まっているのですよ……!」
春「はっちゃん……」
霞「……」グッ
初美「あ……」
初美(マジギレの予兆ですねー)
初美(……私もついつい熱くなっちゃいましたか)
初美(しかし、どうしましょうか)
初美(正直、逃げたいのですよ)
初美(でも、確実に禍根は残っちゃいますねー)
初美(うーん……)
『とにかく、逃げたきゃ逃げればいいさ』
『それで首が回らなくなったら、俺がなんとかしてやるよ』
初美(……なんとかしてもらっちゃいますか)
初美(責任、取ってもらうのですよ)
初美「というわけで、今から修行に行ってくるのですよ」ダッ
霞「――っ、待ちなさい!」
京太郎「いい朝……ってほど早くもないか」
京太郎「まぁ、とりあえず晴れて良かったよ」
京太郎「さっさと山抜けて……えっと、どこ向かってんだっけ?」
京太郎「……地図見るか」
京太郎「現在地は……ここら辺か?」
京太郎「うーん、ナビでも付けときゃよかったな」
京太郎「このまま進んでったら……」
――ガサガサッ
京太郎「あん?」
初美「わ、わっ、どけるのですよっ」ガサッ
京太郎「うおっ」ガシッ
京太郎「っと、危ないな。いきなり飛び出してくるなんて野生のポケモンかよ」
初美「う~……って、あれ? どうしてあなたが……」
京太郎「今度はなんだよ。鬼ごっこでもしてんのか?」
初美「そうなのですよっ、鬼が来るのですよ!」
京太郎「はぁ?」
初美「わ、私は隠れるからなんとかお願いするのですよっ」ソソクサ
京太郎「おい、まったく話が――」
霞「初美ちゃん、今日という今日は……! あら?」
京太郎「よう、久しぶり。鬼ごっこか?」
霞「ど、どうしてあなたがここに……」
京太郎「そりゃこっちのセリフだ。まぁ、俺はただの通りすがりだけどな」
霞「そう……初美ちゃんを見なかった?」
京太郎「さあ、見てないな」
霞「ごめんなさいね、煩わせてしまって。それじゃあ――」
京太郎「ちょっと待て。どこ行く気だ?」ガシッ
霞「初美ちゃんを探しに行くわ」
京太郎「お前ら、まさかとは思うけど、神境から追いかけっこしてるんじゃないだろうな?」
霞「……初美ちゃんが逃げるからよ」
京太郎「……まぁいいや。とりあえずお前は戻れよ」
霞「いいえ、初美ちゃんを捕まえるまでは――」
京太郎「ていっ」ビシッ
霞「いたっ……ちょっと、どういうつもりなのかしら?」
京太郎「頭冷やせって言ってるんだよ。何があったかは知らんけど、自分が冷静じゃないってのはわかってるよな?」
霞「……」
京太郎「あいつは俺が見つけておく。ちゃんと帰すから安心しろ」
霞「そう、ね……お願いしてもいいかしら?」
京太郎「任せとけ」
初美「……終わりましたかー?」ソロー
京太郎「とりあえずは帰ったみたいだな」
初美「ふぅ、今日という今日はダメかと思ったのですよ」
京太郎「というか、お前らけっこう私用でワープしてくるな」
初美「使わないともったいないのですよ」
京太郎「それもそうだ。で、またトラブルか?」
初美「それは……私が熱くなって、つい霞ちゃんの逆鱗に触れちゃった感じですねー」
京太郎「逆鱗、ねぇ」
『あなたにそれを言われたら、私は……』
京太郎「それで逃げてきたってところか」
初美「マジギレの予兆があったのですよ……今戻ったらどうなるか」
京太郎「……しょうがないな、一回うちに戻るか」
「あら、いらっしゃい初美ちゃん」
初美「お久しぶりなのですよ」
京太郎「母さん、ちょっとの間でいいから泊めてやってくれないかな」
「なになに、駆け落ち?」
京太郎「ちがうわっ。なんか向こうでトラブったみたいでさ、そのほとぼりが冷めるまで」
「ふーん、なるほど……ちょっと待っててね」
「はい、これが着替えで、こっちが――」
京太郎「ちょっと待った! なにこの荷物」
「初美ちゃんのよ」
初美「私のですか?」
京太郎「……つまり、俺に送ってけってことか」
「だって、やっぱり一人で卒業旅行なんて寂しいじゃない」
京太郎「そういう問題じゃないだろ……」
「旅は道連れ世は情けって言うじゃない? それに――」
「初美ちゃんを選んだんでしょ?」ボソッ
「せっかくだから楽しんできちゃいなさいよ」
京太郎「はぁ……抵抗しても無駄か」
「はい、これ軍資金ね」
初美「わっ、こんなに……」
京太郎「ほら、行くぞ」
初美「ついていってもいいのですか?」
京太郎「ま、お前とだったら楽しめるんじゃないか?」
初美「まずはどこからですかね?」
京太郎「とりあえず西だな。そうしてりゃそのうち鹿児島だ」
初美「うーん、今更ながら怖いのですよ……」
京太郎「ま、なるようになるってな」
初美「そういえば、あの時はなにを言おうとしてたのですか?」
京太郎「そりゃあ……あれだ、むこう着いたら教える」
初美「ぶぅ、もったいぶっちゃって!」
京太郎「もったいぶりたくもなるっての」
初美「もう……責任、取ってもらうのですよ」
京太郎「そうだな。まぁ、さしあたっては神境に着いた時か」
初美「そう、ですね……」ギュッ
京太郎「……傍にいてやるよ」
初美「え?」
京太郎「前になんとかしてやるって言ったしな」
初美「……やっぱり、あなたの傍にいたいのですよ」
京太郎「好きにしろよ」
初美「あなたは、どうなのですか?」
京太郎「俺はな……これだ」グイッ
初美「んんっ」
京太郎「――いやって言っても、はなしてやらないからな」
初美「……はい」
京太郎「あ、しまった」
初美「どうかしたのですか?」
京太郎「向こうで伝える予定だったのに……悪い、さっきの忘れてくれ」
初美「むぅ、なんですかそれっ!」
京太郎「いてっ、暴れんな!」
初美「ぜったいに、ぜーったいに忘れてなんか上げないのですよ!」
京太郎「わかった、わかったから暴れんなって!」
『エンディング――あなたの傍で』
というわけで終了
明日は朝一で映画なんで寝ます
安価はまた今度
こんばんはー
寝る前に安価取りたいんですけど、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣 済
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩 済
竹井久
福路美穂子
松実玄
薄墨初美 済
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
1分まで
そういや日をまたいでた……
とりあえず割ってきます
コンマ判定
美穂子:1-23
玄:24-53
竜華:54-61
エイスリン:62-76
姫子:77-84
霞:85-92
春:93-00
直下
キャップで了解
じゃ、スヤッてきます
お久!
お盆はFF12やったり墓参り行ったりFF12クリアしたりで大忙しでした
というわけで、もうちょっとしたらスタートします
んじゃ、始めます
貴子「おう、福路。遊びに来たのか?」
美穂子「ちょっと差し入れでもと。コーチもどうですか?」
貴子「随分たくさん作ってきたな……ひと切れもらうぞ」
華菜「あ、先輩!」
美穂子「お邪魔してるわ」
華菜「全然邪魔じゃないし、むしろコーチと入れ替わって――」
貴子「入れ替わって、なんだ?」
華菜「げっ、コーチ……そ、その、入れ替わってじゃなくて……」
貴子「じゃなくて、なんだ?」
華菜「えっと……そう! 『コーチ、トイレ代わって』!」
貴子「……」
華菜「――なんちゃって、あはははー……」
貴子「……」
貴子「池田ァァッ!!」
華菜「ひぃっ!」ダッ
美穂子「相変わらず仲がいいのね」
未春「華菜ちゃんとしてはたまったものじゃないと思いますけどね」
美穂子「吉留さん、ひと切れどうかしら?」
未春「サンドイッチですか。おいしそうだなぁ」
『今日という今日は徹底的にしごいてやるからな!』
『ぎゃぁぁああああ!!』
純代「む、決着がついた」
星子「休憩にします?」
美穂子「二人とも、サンドイッチはいかが?」
純代「いただきます」
星子「あ、私も」
華菜「し、死ぬかと思ったし……」
美穂子「お疲れ様。華菜も食べる?」
華菜「いただきます!」
貴子「ったく、池田のやつめ」
美穂子「コーチには、華菜が頼りなく見えますか?」
貴子「……たしかに一つ前の主将さんと比べたら拙い部分も目立つな」
美穂子「だけど、私にはなかったものがあると思います」
「最近、あまり戦績が……」
華菜「伸び悩んでる感じかー。うーん……なら、いっそ勝ち負けは気にしないでやればいいんじゃないか?」
「はい?」
華菜「勝つことより、どれだけ本気だったかが重要だし。諦めないで食らいついていれば、そのうちなんとかなる!」
「は、はぁ」
華菜「もしコーチに何か言われたら私がなんとかするし。ほら、早速打つぞー」
貴子「あいつめ、聞こえてるぞ……」
美穂子「なんとかしてくれそうだと思いません?」
貴子「まぁ、勢いだけは一級品だな」
美穂子「きっと大丈夫ですよ、華菜なら」
貴子「元主将のお墨付きか」
美穂子「太鼓判も押しちゃいます」
貴子「はっ、大した期待だな」
美穂子「コーチだって同じですよね?」
貴子「見所はある。それだけだ」
貴子「それよりも福路、お前はどうなんだ?」
美穂子「私ですか?」
貴子「清澄の竹井も同じ大学だったな」
美穂子「そうですね。正直、まだ実感がわかないんですけど」
美穂子(かつての憧れで、今は友人で――)
貴子「インハイのライバル同士がインカレで肩を並べるか……中々面白いと思うけどな」
美穂子「ええ、私も楽しみなんです」
貴子「それと、あっちの方もな。そっちでもライバルなんだろ?」
美穂子「あの、それは――」
貴子「男だよ、男。竹井と須賀のやつを取り合ってるって聞いたぞ」
美穂子「……」
美穂子(実際のところ、どうなのかしら?)
美穂子(間違いというわけじゃないけれど、他の人たちも……)
貴子「ああいう強がってるのは、きっと包容力ってやつに弱いぞ」
美穂子「強がってる、ですか?」
貴子「まぁ、かっこつけたがりって言えばわかりやすいか」
美穂子「強がり……かっこつけたがり……」
『俺ってどんなやつだと思ってる?』
貴子「いるんだよ、弱音を吐き出せないやつって。適度に抜いておかなきゃパンクするってのに」
美穂子「あの、コーチはどうしてそれを?」
貴子「なんとなくだな。やんちゃしてた学生時代の経験ともいう」
美穂子「やんちゃ?」
貴子「別に隠してるわけでもないけどよ、元ヤンってやつだ」
美穂子「雨の日に子犬に傘を差してるという?」
貴子「うーん? まぁ、そういうのもある……のか?」
美穂子「……わかりました」
美穂子(久は、背中を押してるだけじゃない)
美穂子(きっと、ずっと支えていたのね……)
美穂子(でも、私は……)
美穂子(あの時の京太郎さんは、弱々しく見えていたはずなのに)
美穂子「そろそろ、帰ります」
貴子「ん、そうか。気をつけてな」
京太郎「今日も今日とてお仕事お仕事」
京太郎「しかしなぁ……大学、どうしよう」
京太郎「受かったのはいいけど、久ちゃんにあんなこと言った手前な……」
京太郎「……ん?」
美穂子「……」
京太郎「みほっちゃん、浮かない顔してんな」
京太郎「……ま、バイトとどっちが大切かって言ったらな」
こんばんはー
いやぁ、昨日はゆっくり休ませてもらいました
というわけで、もう少ししたらコンティニューします
んじゃ、続きから始めます
美穂子(やっぱり、久にはかなわないのかしら)
美穂子(わかってはいたけれど、やっぱり積み重ねてきたものが大きいのね)
美穂子(もし、私がもっと早く出会えていたなら――)
京太郎「なーにやってんだ?」
美穂子「――っ」ビクッ
美穂子「きょ、京太郎さん? どうしてここに……」
京太郎「どうしてもこうしても、俺の生活圏内だからな」
美穂子「あれ、ここって」
京太郎「遊びに来たって感じでもなさそうだな」
美穂子「ずっと考え事をしていて……」
京太郎「それでフラフラしてたってのか。いつぞやの俺みたいだな」
美穂子「……本当のあなたは、どんな人なんですか?」
美穂子「あの日のあなたは、きっと私が見たことのない顔をしていた」
美穂子「でも私は、見逃してしまった……」
美穂子「自分の中にあるイメージだけで満足して、安心して」
美穂子「私では、ダメですか? 久のように、あなたのことを支えてあげられませんか?」
京太郎「みほっちゃんはさ、久ちゃんの代わりにはなれないよ」
美穂子「……」
京太郎「そして、そんなことをしてほしくはないな」
美穂子「じゃあ、私は……」
京太郎「本当の俺なんて、本人でさえロクに把握してないんだぞ?」
京太郎「それにさ、気になる子の前での強がりやカッコつけなんて、男からしたら当たり前だしな」
京太郎「この際だし、伝えておく」ガシッ
美穂子「あっ……」
京太郎「好きだ」ギュッ
京太郎「みほっちゃんはどう思ってるかわからないけど、しっかり俺を支えてくれたろ」
美穂子「私はそんなこと……」
京太郎「一年の時、久ちゃんに挑もうとする俺に麻雀を教えてくれた」
美穂子「あれは、京太郎さんが頼んだからで……」
京太郎「それに、もしあの時対局に割り込んでくれなかったら、きっと俺は久ちゃんと一緒にいることなんてできなかった」
美穂子「あそこで介入したのは、私の個人的な事情ですから」
京太郎「どうだっていいんだよ。俺がそれで救われたことに変わりはないんだから」
京太郎「それでさ、返答はどうなんだ? イエスかノーか保留か」
美穂子「でも、私は……」
京太郎「……よし、わかった」グイッ
美穂子「え、あっ……あの、どこに行くんですか?」
京太郎「みほっちゃんがネガってるみたいだから、俺の家に場所を移す」
美穂子「……え?」
京太郎「心配しなくてもいいぞ? 今日はうちの親いないし」
美穂子「ん、んんっ……」モゾモゾ
京太郎「……zzz」
美穂子「……寝顔はこんなに無防備なのね」
美穂子「京太郎さん……」チュッ
京太郎「ん……みほっちゃん?」
美穂子「起こしちゃいました?」
京太郎「まだ夢の中かも」
美穂子「それじゃあ、キスはお預けですね」
京太郎「起きた起きた」
京太郎「さて、それで返事のことなんだけど」
美穂子「……あれだけやっておいて、今更聞きます?」
京太郎「それもそうか。ま、体を張ったかいがあったかな」
美穂子「はい。おかげで京太郎さんの弱そうなところも一個見つけちゃいましたし」
美穂子(寝顔、とか)
京太郎「え、マジで? ……なんだよそれ」
美穂子「ヒミツです……ふふっ」
久「そう、そうなんだ」
美穂子「久、ごめんなさい」
久「まったく……謝ることないわよ。遅かれ早かれこうなってただろうしね」
『だから久ちゃん、ごめんな』
『美穂子か……まぁ、納得できない相手じゃないわね』
久「あ、それはそうとさ、あいつ大学どうするつもりか知らない?」
美穂子「合格したとは聞いたけれど」
久「バイトにかかりっきりで連絡取れないのよね」
美穂子「そうね……」
久「まぁ、とりあえず御飯食べにいかない? いい時間だし、失恋の慰安とカップル誕生のお祝いを兼ねてさ」
美穂子「久、それは……」
久「冗談よ、冗談。そんな顔しない」
京太郎「よし、これで大体まとまったか?」
「京太郎? もうそろそろお父さん戻って来るって」
京太郎「わかった。後は運び込むだけだから」
「……本当に大丈夫? 寂しくない?」
京太郎「いや、心配してくれるのはありがたいんだけどさ……何回目だよ」
「だって! いきなり家を出るとか言うから!」
京太郎「進学を機に一人暮らしって、よくある話だろ」
「ここからでも通えるのに……」
京太郎「気が向いたら顔見せるからさ」
「準備いいかー? 荷物積み込むぞー?」
京太郎「っと、さっさと運んじゃうか」
「コンパクトにまとめたな」
京太郎「なるべく一回で済ませたいし」
「たしかに行ったり来たりは面倒だ」
「もういっそここで荷解きしちゃえば?」
京太郎「はいはい、またの機会があればね」
「ぞんざいな扱い……うぅ、息子が冷たい!」
京太郎(……めんどくさっ)
「こんなもんでいいのか?」
京太郎「あとは自分でやるよ」
「土壇場で部屋見つけてやったんだ。感謝しろよ?」
京太郎「わかってるよ。ホント助かった」
「しかし一人暮らしか……女の子連れ込み放題じゃないか?」
京太郎「ものすごい勢いで感謝の気持ちがしぼんでくんだけど」
「マンション暮らしなんだから、するときはあんまり声上げすぎるなよ?」
京太郎「あのさ、もっと他に心配するとこないのかよ」
「おお、そうだ。避妊はしっかりしとけよ」
京太郎「いや、もうホント黙れよ!」
「ははは、それはそうとこの前、家に女の子連れ込んだろ」
京太郎「なんであんたらそんなとこばっか鋭いんだよ!」
「今ので確定か。お前もやるようになったなぁ」
京太郎「いや、本当に勘弁してください……」
「まぁ、落ち着いたら紹介しに来い。母さん喜ぶぞ」
京太郎「……目に浮かぶな」
「じゃあ、俺はそろそろ帰るぞ」
京太郎「親父、今日は本当にありがとな」
「俺もお前をからかって楽しんでるから気にするな」
京太郎「やっぱさっさと帰れ」
京太郎「まぁ、こんなもんかぁ?」
京太郎「荷解きは大体終わったけど、晩御飯どうするかな」
京太郎「……コンビニだな。面倒だし」
京太郎「しかし、いい加減連絡しとかないとな」
京太郎「忙しかったから全然返信できてないし」
――ピンポーン
京太郎「何だこんな時間に。新聞の勧誘か?」
京太郎「はいはーい」ガチャ
「こんばんは、今日から隣に引っ越してきた――」
美穂子「――京太郎、さん?」
京太郎「奇遇だな。俺も引っ越してきたばっかなんだ」
美穂子「……どうして言ってくれなかったんですか?」
京太郎「バイトやら引越しの準備で忙しくて」
美穂子「本当にそれだけですか?」
京太郎「……後は、サプライズになるかなって思って」
美穂子「もう、久も私も心配していたのに……」
京太郎「ご、ごめんって。悪かったよ」
美穂子「そう思うなら、私のお願い一つ、聞いてくれます?」
京太郎「ああ、もちろん」
美穂子「じゃあ、お買い物に付き合ってください」
京太郎「悪いな、作ってもらっちゃって」
美穂子「荷物運んでもらいましたから」
美穂子「それに、こうやってあなたにご飯を作ってあげたいなって、ずっと思っていたんですよ?」
京太郎「……結婚しよう」ガシッ
美穂子「はい、喜んで」
京太郎「え、即答?」
美穂子「ウソだったんですか?」
京太郎「思わず心の声が漏れたみたいだ」
美穂子「ふふっ、初めて会った時もそうだったんですか?」
京太郎「……あれは若気の至りだって。忘れてくれ」
美穂子「本当にビックリしたんですよ? 男の人に、そういう目的で話しかけられてるって思って」
京太郎「……」
京太郎(ナンパな気持ちがなかったとは言えないんだよなぁ)
美穂子「京太郎さん?」
京太郎「あー、あれだな。みほっちゃんが俺の好みにどストライクだったのが悪い」
美穂子「そ、そうだったんですか……」
京太郎「ああ、よくよく考えてみれば一目惚れみたいなもんだな」
美穂子「も、もう……からかわないでください」
京太郎「からかってるけど、本当のことしか言ってないからな」
美穂子「……今日、泊まっていってもいいですか? 私の部屋、まだ片付いていなくて」
京太郎「俺の部屋は寝床が一つしかないぞ?」
美穂子「京太郎さんの意地悪……」
京太郎「わかってるよ。俺もそんな気分だしな」
京太郎「ごちそーさん。今日もうまかった」
美穂子「お粗末さまです」
久「……」
京太郎「午後の講義を乗り切れるのも、みほっちゃんの弁当のおかげだな」
美穂子「口にソースついてますよ? ちょっとじっとしててください」
久「……」
美穂子「はい、これできれいになりました」
京太郎「じゃあ俺もお返しに」ギュッ
久「……」
京太郎「あれ、これ虫刺されか?」
美穂子「そ、それは昨日の……」
京太郎「あ、そうか」
久「決めたわ、もうあんたらとはご飯食べない」
京太郎「いきなりなんだよ久ちゃん」
久「どの口で言ってんのよ!」
美穂子「ご、ごめんなさい……ちょっと周りが見えなくなってたかもしれないわ」
久「まったく……色々通り越して無我の境地に突入したらどうしてくれるのよ」
京太郎「You still have lots more to work on……みたいな?」
久「五感奪うわよ?」
京太郎「テニスってなんだっけ?」
久「はぁ……これがいわゆる、末永く爆発しろってやつなのね」
ゆみ「ため息が深いな」
久「あの二人と一緒にご飯食べるのをやめようって決心したとこ」
ゆみ「随分気づくのが遅かったな」
久「おかげで無我の境地に至りそうだわ」
ゆみ「悟りを開くほどか」
久「いい修行になるわよ?」
ゆみ「私を巻き込むのはよせ」
久「バレちゃった?」
ゆみ「私たちは生暖かく見守るぐらいしかできないさ」
久「たまに毒吐くぐらいいいじゃない。ほら見てよ」
京太郎「今日帰りちょっと遅くなるわ」
美穂子「なにかありましたっけ?」
京太郎「課題、こっちで片付けてこうかなって」
美穂子「家じゃ出来ないんですか?」
京太郎「出来ると思うか? 昨日だってああなったし」
美穂子「……」カァァ
久「……どう?」
ゆみ「ああ、これは……」
「「末永く爆発しろ!」」
『エンディング――甘い日々』
というわけで終了
さて、安価取りたいんですけど、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣 済
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩 済
竹井久
福路美穂子 済
松実玄
薄墨初美 済
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
23分まで
締切
割ってきます
コンマ判定
怜:1-22
玄:23-44
竜華:45-55
春:56-77
霞:78-88
哩姫:88-00
直下
クロチャーということで了解
哩姫微妙に間違ったけど問題なかったぜ……!
睡魔が這い寄ってきたので眠ります
・どこかの未来、不機嫌な彼女の宥め方
玄「むぅ」プクッ
京太郎「なに膨れてんだ?」
玄「なんでもないのです」プイッ
京太郎「なんでもないって態度じゃないだろ」
玄「じゃあ京太郎くんには関係ないのです」
京太郎「じゃあってなんだ、じゃあって」
玄「とにかく、私は怒ってなんかないのです!」
京太郎「えぇ……」
京太郎(明らかに怒ってますっていう口ぶりじゃん)
京太郎「……秘蔵のはやりんグラビア写真集」
玄「そ、そそそ、そんな揺さぶりには……」
京太郎「希少な戒能プロとの水着ツーショット」
玄「――っ!」
京太郎「さて、打ち明けてくれたら提供するのもやぶさかじゃあないんだけどな」
玄「お、おもち……」プルプル
玄「~~っ、その手には乗らないよっ」
京太郎「ちっ、正気に戻ったか」
玄「ふふん、それぐらいで私の口は割れないのです」
京太郎「つまり、割るに足る口があるってことか」
玄「あ……ないよっ、ないったらないよ!」
京太郎「よし、もう面倒だから最終手段と行こう」
玄「さ、最終手段?」ビクッ
京太郎「体に直接聞くってやつだ」
玄「それってまさか……」ドキドキ
京太郎「徹底的にやってやる。覚悟しろよ?」
玄「ま、負けないのですっ」
玄「――あはっ、あははははっ」
京太郎「さぁ、とっとと吐けっ」
玄「しょこっ、しょこらめぇっ」
京太郎「このままだと腹筋が筋肉痛で酷い目にあうぞ!」
玄「しょ、しょんな――あははははっ」
玄「ぅあ……」ビクンビクン
京太郎「やばい、やりすぎた……玄、大丈夫か?」
玄「きょう、たろうくん?」
京太郎「ごめんな、つい熱くなって」
玄「うん、すごかったぁ……」
京太郎「……お前、なんでちょっと満足気なんだよ」
玄「そ、そんなことないよっ」
玄(でも、ちょっとだけ漏らしちゃった……)モジモジ
京太郎「まぁ、濡れてたら気持ち悪いだろうし、風呂でも入るか?」
玄「あっ……」カァァ
京太郎「もちろん、汗でだけどな」
玄「むぅ……わかってて言ってるでしょ。意地悪っ」
京太郎「さぁて、なんのことやら」
玄「ふぅ……気持ちいいなぁ」
京太郎「お疲れだな。忙しかったのか?」
玄「京太郎くんにくすぐられたせいだよっ」
京太郎「そりゃそうだけどさ、お前が不機嫌そうにしてて気にならないわけないだろ」
玄「そ、そうかな? ……えへへ」ポワポワ
京太郎「まぁ、それはそれとして」ギュッ
玄「んっ……」
京太郎「そろそろ我慢の限界だな……いいか?」
玄「うん……」
京太郎「それじゃ早速……あれ?」
玄「どうしたの?」
京太郎「ゴム持ってきてねーや。悪い、ちょっと待って――」
玄「しなくても、いいよ?」
京太郎「いや、ダメだろ」
玄「この前、お姉ちゃんとはそのまましたんだよね? それも二回も」
京太郎「……お前、まさかそれで不機嫌ってわけじゃないよな?」
玄「それだけじゃないよ! 私に黙ってお姉ちゃんのおもちを楽しむなんてずるいのです!」
京太郎「……アホかっ」ビシッ
玄「あいたっ」
――カラカラ
宥「あ、やっぱりここにいた。私もまぜて~」
玄「お、お姉ちゃん!?」
宥「私もあったかくなりたいなぁ」
玄「ダメなのです! 今は私の番なのっ」
宥「えー?」
京太郎(なんかめんどくさそうなことになってんな……)
京太郎(……今のうちに退散しようかな)ソロー
「「京太郎くん、どこ行くの?」」ガシッ
京太郎「ですよねー」
続かないとか言って続いちゃったけどもう続きません
というわけで気が向いたので投下
『どこかの未来、あったか家族計画』の続きになります
エンディング? 今はドラクエで忙しいから……
それじゃあ、サラダバー
おハロー
そろそろやっとこうかなと
というわけでもうちょっとしたら
んじゃ、そろそろ始めます
玄「うーん……こうかなぁ?」モミモミ
玄「やっぱりなんか違う……自分でしてるからかな?」モミモミ
玄「京太郎くんにしてもらった時は……んっ」ゾクゾク
玄「あ、あれ……なんだか変な気分に――」
憧「玄ー? 来週のことなんだけど――」ガラッ
玄「ん……憧ちゃん?」モミモミ
憧「ご、ごめん! まさか真っ最中だったなんて」
玄「え?」
憧「そうだよね、玄だって持て余すことあるよね……」
玄「あ、あのね、これは――」
憧「と、とにかくまた後で!」ピシャッ
玄「……もしかしてなんか誤解されちゃった?」
憧「ふぅ……」
灼「あれ、玄は?」
憧「玄はオナ……じゃなくて、自分を高めてる最中だから」
灼「ふーん」
玄「憧ちゃーん、待ってよぉ!」
憧「玄……さっきのはその、気にしなくてもいいから」
玄「や、やっぱりなんか勘違いしてるよね?」
憧「ううん、何も言わなくてもいいから、ね?」ポン
玄「だ、だから! 私はただ自分のおっぱいを揉んでただけで……!」
憧「ちょっ、そんな大声でカミングアウトしなくても」
灼「玄」
玄「なにかな?」
灼「淫乱?」
玄「なんで!?」
憧「えー、話をまとめます」
灼「どうぞ」
憧「玄が自分の胸を揉んでいたのは間違いないわよね?」
玄「うん、おっきくなるかなぁって」
憧「じゃあ、なんであんな……その、顔赤くしてたのよ」
玄「それは……きょ、京太郎くんに揉んでもらったときのことを思い出しちゃって……」
憧「……灼さん」
灼「これはクロ。玄だけに」
玄「えぇ!?」
憧「実際はどうあれ、あんな顔してあんなことしてたら、その……オナニーしてたようにしか見えなかったし」ゴニョゴニョ
玄「え? 憧ちゃん今なんて言ったの?」
憧「あぁもう! とにかくあんな紛らわしい真似するんじゃないってこと!」
玄「そんなっ、じゃあどうやって揉んだらいいの!?」
憧「好きな人にでも頼めばいいでしょ! きっとまた喜んで揉んでくれるわよ!」
玄「きょ、京太郎くんに……」カァァ
穏乃「灼さん、この話いつ終わるんですかね?」
灼「さぁ」
穏乃「時間かかるならひとっ走りいってこようかな?」
憧「え、しず? い、いつからいたのよ」
穏乃「さっきから。で、なんの話してたの?」
憧「……まぁ、どうでもいいことだから」
玄「どうしたらおもちになれるのか、とか?」
灼「それは違う」
憧「違うわね」
玄「そ、そうかな?」
穏乃「そっかー……ところでさ、おなにーってなに?」
憧「なんでそんなとこはしっかり聞いてるの!?」
憧「う~」バタバタ
灼「えー、そこで悶えてる憧に代わって話を進めます」
穏乃「結局なんの話でしたっけ」
玄「おもちの話?」
灼「だから違うって。あえて言えば玄が淫乱という話」
穏乃「いんらん?」
灼「いやらしいということ」
玄「いやらしくないよっ」
穏乃「なるほど、玄さんはいやらしいんですね!」
玄「いやらしくないってば!」
灼「玄、こっち」チョイチョイ
玄「灼ちゃんひどいよっ、あんなこと言うなんて!」
灼「いやらしい、つまり女性ホルモンが活発化している状態」
玄「じょ、女性ホルモン?」
灼「女性ホルモンが胸を大きくしたりする……かも」
玄「おおっ」
玄「私、頑張っていやらしくなるよ!」
穏乃「ファイトですよ、玄さん!」
憧「……なにこれ?」
灼「とりあえずこれで話を進められるでしょ」
憧「今日集まってもらったのは、ハルエのプロ入りと宥姉の卒業祝いの準備のためよ」
穏乃「おー、そんな話だったね」
灼「本題に入るまで時間かかったけど」
玄「うぅ……ごめんなさい」
憧「それはもういいから。で、場所なんだけど」
灼「いつも通りでいいと思……」
穏乃「ですね」
憧「まぁ、鉄板ね」
玄「後でお父さんに聞いてみるね」
穏乃「それで後は?」
憧「もちろん食べるものと――」
穏乃「ケーキ! あとお菓子も!」
憧「じゃあしず、そっちは調達任せた」
穏乃「任された!」
灼「ついでに飲み物も。私も一緒に行くから」
穏乃「なら早速!」グイッ
灼「ちょっ」
憧「お菓子や飲み物はともかく、ケーキは当日にしてほしいんだけど……」
玄「き、きっと大丈夫だよ。灼ちゃんがついてるし」
憧「そうね、灼さんにぶん投げ……じゃなくて任せますか」
憧「それじゃあ私は……料理担当?」
玄「一緒にする?」
憧「そうね、そこらへんは玄の方が上手だし」
玄「うん、お任せあれ!」
憧「……お姉ちゃんに手伝ってもらおうかな?」
玄「どういう意味!?」
憧「あはは、冗談だってば」
宥「先生」
晴絵「宥? 珍しいね」
宥「ちょっと不安で。神頼みしてみようかなって」
晴絵「あー、わかるわかる。社会に出るってなるとね」
宥「私は今までやってたことの延長なんですけどね」
晴絵「それでもだよ。立場が変わればってやつだね」
宥「先生は不安じゃないんですか?」
晴絵「全然不安じゃない……って言えたらいいんだけどね」
宥「じゃあ一緒ですね。あったかぁい」
晴絵「赤信号もみんなで渡ればってやつかぁ」
宥「ふふ、それじゃ轢かれちゃいますよ?」
晴絵「なら轢かれないようにお賽銭奮発しとこうかな」ピラッ
宥「わっ、千円札」
晴絵「これぞ大人の経済力ってやつだ」
宥「私は……五円玉で」
晴絵「ご縁がありますようにって?」
宥「安直かもしれないですけど」
晴絵「……私も五円玉入れようかな?」
憧「あれ、宥姉にハルエ?」
晴絵「や、お邪魔してるよ」
宥「こんにちは、憧ちゃん」
憧「二人して……お参り?」
晴絵「来月から新生活だからね」
宥「私はあんまり変わらないかもしれないけど」
憧「ま、うちにお賽銭落としていってくれるなら大歓迎よ」
晴絵「望いる? ちょっと話してきたいんだけど」
憧「今は上にいるから。勝手に上がってって」
晴絵「ん、わかったよ」スッ
晴絵「それじゃあ、時間までにはあっち行くから」
宥「それじゃあ、私も」チャリン
憧「宥姉も上がってく? 今は玄と料理の真っ最中だけど」
宥「うーん、一度中に入ったら出たくなくなるから、やめとこうかな」
憧「そう? なら準備できるまで向こうでゆっくりしててよ」
宥「うん、楽しみにしてるから」
憧「うわ、ハードル上がった」
京太郎「ところでさ、おもちってどう思う?」
一太「藪から棒になんだよ」
京太郎「忌憚ない意見を聞かせてくれ」
一太「おもちか……僕はどちらかというと煎餅の方が好きかな?」
京太郎「やはり……ロリコンか」
一太「どうしてそうなる!」
一太「まったく……久しぶりに会ったと思ったら」
京太郎「おう、幼女ウォッチングか?」
一太「失礼な! 買い物の帰りだよ」
京太郎「奇遇だな。俺も同じだ」
一太「その格好、アルバイト中かな」
京太郎「まぁな。旅行するから金貯めないとな」
一太「そういえば、大学は?」
京太郎「行かないけど?」
一太「あっさり答えるな……竹井さんがかわいそうじゃないか」
京太郎「久ちゃんの話はやめてくれ……」
一太「まぁ、なにあったとかは聞かないけど」
京太郎「そうしてくれると助かる」
一太「ところでさ、宮永照って君の知り合いだったよね? プロ入り前で話題になってるね」
京太郎「お前わざとか!? ピンポイントでデリケートゾーンえぐりやがって!」
一太「無茶言うな! こっちは世間話のつもりだったんだぞ!」
京太郎「あぁ、わかったわかった悪かった。たしかにちょっと神経質だった」
京太郎「お前さ、そういえば久ちゃんと同じ大学だよな」
一太「まあね。風越の福路さんや鶴賀の加治木さんもいるみたいだけど」
京太郎「それ聞いて安心した」
一太「君がいなくなったぐらいでどうにかなるわけないだろ。竹井さんはもっとしっかりしてるよ」
京太郎「だろうな。でも、三年間一緒だったからさ」
一太「自分がいない光景が想像できないとか?」
京太郎「俺の傍に久ちゃんがいないのもな」
京太郎(照ちゃんがいなくなった時も、同じだったな)
京太郎「さて、そろそろ戻らないとな」
一太「さっきのおもちがどうとかはなんだったんだよ」
京太郎「気にすんな。そこらへんは多分、お前とは相容れないから」
一太「はぁ?」
京太郎「ざっくり言えば……おもち好きのやつにお前もおもちだって口説きに行こうって思ってたんだよ」
一太「ますますわけがわからない」
京太郎「だろ?」
宥『へぇ、じゃあ今は九州にいるんだね』
京太郎「ああ、とりあえず安直にとんこつラーメン食いに行こうと思ってる」
宥『わぁ、あったかそう』
京太郎「ラーメン苦手な女子っているけど、宥は大丈夫なのか?」
宥『あったかくておいしいよね。熱くて舌ヤケドしちゃうことあるけど』
京太郎(熱さでヤケドはするのな)
宥『そういえば、赤土先生この前雑誌に載ってたよ』
京太郎「赤土さんな。俺もラジオで名前聞いた」
宥『灼ちゃんなんか記事を切り抜いてたんだから』
京太郎「あぁ、あいつならやりそうだな」
宥『……会いたいなぁ』
京太郎「プロ入りしたてだから忙しそうだよな」
宥『先生もだけど、京太郎くんにも』
京太郎「ゴールデンウィーク前には行くよ。長野に帰りがてらさ」
宥『そうなんだ。じゃあ、待ってるね』
京太郎「ああ、ちょっとした用事もあるしな」
宥『クロちゃんのこと?』
京太郎「よくわかったな」
宥『エスパーなのかも』
京太郎「女の勘ってやつかもな」
宥『……京太郎くん』
京太郎「ん?」
宥『私も、話したいことあるんだ。クロちゃんと話す前にいいかな?』
京太郎「別にいいけど、あらたまってどうしたんだよ」
宥『気になる? でも、ヒミツだよ』
京太郎「わかった、楽しみにしとくよ」
宥『うん……』
玄「お姉ちゃん、電話してたの?」
宥「うん。京太郎くん、ゴールデンウィーク前にこっち来るって」
玄「そうなんだぁ……えへへ、楽しみだね」
宥「……うん、そうだね」
玄「お姉ちゃん?」
宥「なぁに?」
玄「えいっ」ムギュッ
宥「わっ」
玄「あったかいかな?」
宥「うん、あったかいけど……どうしたの?」
玄「ちょっとどんよりしてたから、寒いのかなって」
宥「……たしかにそうかも」ギュッ
玄「うんうん、これならお姉ちゃんのおもちも堪能できて一石二鳥なのです」
宥「ごめんね、クロちゃん」
宥(本当に、ごめんね……)
宥「いらっしゃいませ」
京太郎「ああ、なんかここは久しぶりだな」
宥「私たちは二月に会ってるもんね」
京太郎「あの時は死にそうになってたけどな……」
宥「受験勉強、大変そうだったね」
京太郎「まぁ、いい経験になったよ」
京太郎「とりあえず腹減ったな。食い物調達しないとな」
宥「じゃあお部屋に案内するね。お料理もするから」
京太郎「マジで? 助かるよ」
宥「はい、あーん」
京太郎「いや、あのさ……」
宥「これ、おいしいよ?」
京太郎「箸さえもらえれば自分で食べられるんだけど」
宥「大丈夫だよ。私、今日お休みもらってるし」
京太郎「そういう問題じゃなくてだな」
宥「いや、なのかな?」
京太郎「いやというより……こういうこと、しないほうがいいと思ってさ」
宥「……やっぱり、クロちゃんなんだ」
京太郎「……そうなるな」
宥「そっか、じゃあ仕方ないね」
京太郎「ああ、だから――んむっ」
宥「んっ……京太郎くん、好き」
京太郎「お前、なにやって……うっ」
宥「どうかな? 体、ポカポカしてこない?」
京太郎「なんか、飲ませたのか……?」
宥「うん。えっちな気分になるんだって」
京太郎「やめろよ……お前の気持ちには、応えられない」
宥「でも、京太郎くんはきっと責任取ってくれるよね?」ムニュ
京太郎「くっ……」
宥「私のことを好きじゃなくても、傍にいてくれるよね?」
京太郎「バカなこと、言うなよ……」
宥「他の人たちにはここに近づかないでってお願いしてあるから……ね?」
京太郎「宥……」
宥「京太郎くん、あったかくして……?」
玄「えっと、京太郎くんの部屋は……奥の部屋だね」
玄「……か、髪型変じゃないかな? 下着も……」ピラッ
玄「学校から帰ってきたばかりだし、シャワーも……」
玄「うーん……今のところは顔見るだけにしとこうかな?」
玄「もしよかったら、その後一緒にお風呂入って……えへへ」
『そっか、じゃあ仕方ないね』
玄「お姉ちゃん? そっか、お出迎えしてたんだもんね」
玄「なに話してるのかな? ……あれ、ちょっとドアが――」
宥『んっ……京太郎くん、好き』
玄「……お姉、ちゃん?」
玄「京太郎くんと、キスして……」
玄「あれ……なんで、どうして」
玄「……そっか、そうだよね」
玄「お姉ちゃんも、京太郎くんのこと好きだったんだ……」
玄「……」
『んっ……京太郎くん、好き』
玄「……どうしたらいいのかな」
玄「私、今までお姉ちゃんに……」
玄「それに……お姉ちゃんと私じゃ……」
宥「クロちゃん?」
玄「……お姉ちゃん」
宥「お部屋にいたんだ」
玄「……」
宥「……さっきの、見てた?」
玄「……うん」
宥「今まで黙っててごめんね」
玄「もうちょっと、早く言って欲しかったのです……」
宥「うん、そうだね……でも、ふられちゃった」
玄「……え?」
宥「あんなに苦しそうにしてたのに、他に好きな子がいるからって」
玄「好きな子……そっか、じゃあしょうがないよね」
宥「だから、今度はクロちゃんの番」
玄「わ、私?」
宥「そうだよ、私だけなんて不公平だもん」
玄「こ、怖いよ……だって、お姉ちゃんも」
宥「んー、こういう時、なんて言えばいいんだっけ? たしか灼ちゃんが……あ、そうだ」
宥「行ってこないと、クロちゃんの大事な本、全部燃やしちゃうよ?」
玄「行ってくるよ!」
玄(とは言っちゃったけど……)
玄(ダメ……勇気出ないよ)
玄(だって、お姉ちゃんでもダメだったのに、私なんか……)
京太郎「お前、人の部屋の前でなにやってんだよ」
玄「うひゃっ!」
玄「きょ、きょっ、京太郎くん?」
京太郎「ま、いいや。とりあえず中入れよ」
玄「……」
京太郎「借りてきた猫かよ」
玄「だ、だって……」
京太郎「そんなに縮こまってたら話しにくいんだけど」
玄「ご、ごめんなさい」
京太郎「あぁもう……ちょっとこっち来い!」グイッ
玄「わわっ」
玄「……京太郎くん?」
京太郎「お前のってさ、お前が思ってる以上にデカいんだよ」
玄「?」
京太郎「身近にもっとデカいのがいるからかもしれないけど、俺から見たらお前のも十分だ」
玄「えっと、なんの話?」
京太郎「つまりだ……その」
京太郎「俺はお前のおもちが、お前が好きだってことだよ!」
玄「……」
京太郎「……おい、聞いてんのか?」
玄「……」
京太郎「固まってる……ショック療法でも試してみるか?」
玄「ふぇっ」
京太郎「笛?」
玄「ふぇぇええええ!?」
京太郎「――っ、いきなり耳元で叫ぶな!」
玄「だ、だって京太郎くんが私のこと……」
京太郎「好きだ」
玄「はうっ」
京太郎「返事、聞いてもいいか?」
玄「そ、それは……」ギュッ
京太郎「……他の誰かの気持ちを考えてるなら、それは一旦無視しろ」
玄「でも、お姉ちゃんは――」
京太郎「お前の気持ちだけ、それだけでいいから」
玄「……そんなの、前にもう言ったよ」
玄「好き、京太郎くんが好き……!」
京太郎「そうか、よかった……」ギュッ
玄「京太郎くん……」
京太郎「これで、もう我慢しなくていいな」グイッ
玄「えっ?」
玄「あ、あの、これって……」
京太郎「悪いけどさ、さっきからもう我慢の限界なんだよ」
玄「お、おふとんは?」
京太郎「用意してる余裕はない」
玄「そんなっ――んむっ」
玄「ね、今日はなに食べたい?」
京太郎「お前」
玄「そ、それはお風呂入ってからだよ」
京太郎「じゃあ、煮物とか」
玄「うん、お任せあれっ」
憧「ふーん、あの人こっちで暮らすんだ」
宥「当面はうちでアルバイトしながらね」
憧「それで、めでたく玄とくっつきましたと」
宥「うん、あったかいね」
憧「こっちもあれこれ言ってきた甲斐があるというかね」
宥「ホント、よかったねぇ」
憧「……でも、宥姉は大丈夫?」
宥「どうして?」
憧「なんとなく、そんな気がしただけ」
宥「私は平気だよ」
憧「そう? ならいいんだけど」
宥「うん」
宥(だって、近くにいたら色々チャンスはありそうだし)
宥「……なんちゃって」
玄「手、つなぎたいな」
京太郎「タイミングのいいことに、今日は片方手が空いてるんだ」
玄「じゃあ、えいっ」ギュッ
京太郎「一回五百円な」
玄「え!?」
京太郎「もしくはキス」
玄「か、帰ってからでお願いします……」
京太郎「利率はトイチな。十分で一割」
玄「そんな暴利聞いたことないよっ」
京太郎「ははっ、二割冗談だから気にすんな」
玄「それほとんど本気だよねっ?」
京太郎「さて、帰ってからが楽しみだな」
玄「もう……」ギュッ
京太郎「とか言いながら手ははなさないんだよな」
玄「……京太郎くんのえっち」
『エンディング――恋愛サーキュレーション』
というわけで終了
なんか想定よりも長くなった……
具体的に言うと三割増
眠いんで安価はまた今度
おやすみなさい
こんばんはー
今回は安価だけですけども、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣 済
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩 済
竹井久
福路美穂子 済
松実玄 済
薄墨初美 済
滝見春
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
9分まで
締切
割ってきます
コンマ判定
春:1-33
竜華:34-44
姫子:45-55
怜:56-77
エイスリン:78-88
哩姫:89-00
直下
はるるということで
これで永水のは三人目ですね
あとの二つはまぁ……シリアス気味ですよね
というわけで寝ます
こんちゃっす
湯上りほかほかなんで、もうちょっとしたら始めます
湯冷めで寝そうになった……
そんじゃあ、始めます
初美「ブツは詰め終わりましたかー?」
春「バッチリ」
初美「それじゃあ、これを運び込んで……っと、その前に」
春「……」コク
初美「ブツを向こうに届ける役と、霞ちゃんたちへの陽動役、決めなきゃなのですよ」
春「ブツの運搬は任せて。はっちゃんはすばしっこいから陽動向き」
初美「いえいえ、運搬をちゃちゃっと済ませちゃえば、感づかれる危険性も少ないですからねー」
春「いやいや」
初美「いえいえいえ」
春「……」
初美「……」
初美「恨みっこなしのジャンケン三本勝負なのですよ」
春「待ったはあり?」
初美「あるわけないのですよ。将棋や囲碁じゃあるまいし」
春「じゃあ特別ルールとして、私は二回までありということで」
初美「三本勝負で二回までとか、勝ち確定ですねー」
春「大丈夫、はっちゃんも一回だけ使えるから」
初美「なんで私は一回だけなのですか?」
春「なんでって……大きさとか?」
初美「ほ、ほほう?」ヒクッ
春「ちなみに霞さんクラスだと三回使える」
初美「やっぱりそこですかっ」
初美「こうなったら、ジャンケン(物理)も辞さないのですよ!」
春「ジャン拳?」
初美「チョキ!(と言いながらチョップ)」シュバッ
春「ふっ」ハシッ
初美「挟んで受け止めた!?」
春「パーにチョキだから、まずは一勝」
初美「ぐぬぬ……!」
初美「お次はグー!」
春「甘い」スッ
初美「と見せかけて目潰し!」
春「――っ!」
春「……間一髪」
初美「防いだところで出したのはパー……私の勝ちなのですよ!」
春「くっ」
初美「これで一勝一敗ですねー」
春「次ですべてが決まる」
初美「そういうことなのですよ」
春「……」
初美「……」
初美「ジャン――」
春「ケン――」
「「ポンッ!!」」
春「というわけで私が来た」
京太郎「お前ら楽しそうだなー」
春「あれは壮絶な戦いだった……」
「ははは、健気だなぁ」
京太郎「親父、今のがどう健気につながるんだよ」
「このにぶちんめ」
京太郎「はぁ? まさか俺に会いたいからってわけじゃ……」
春「ダメ?」
京太郎「そ、そうか」
春「はい、黒糖」
京太郎「後ろのダンボールにしまってたんじゃないのか?」
春「何袋かは携帯してるから」
京太郎「そうだったな……」
春「じゃあ、あーん」
京太郎「やめろよ、こんなとこで」
春「別の場所だったらいいんだ」
京太郎「そういうわけじゃ……っておい」
「俺には構わず続けていいぞ」
京太郎「なんでカメラ構えてんだよ」
「母さんへのいい土産になるんじゃないかってな」
京太郎「いいから運転に専念しろよ!」
「あら、いらっしゃい」
春「こんにちは」
「初美ちゃんの漫画と春ちゃんの黒糖ね。しっかり預かっておくから」
春「お願いします」ペコッ
「あがってあがって。春ちゃん来るって聞いて黒糖買ってきたんだから」
春「お邪魔します」
京太郎「やっぱ女の子家に上げると、母さんのテンション上がるな」
「もしかすると娘が欲しかったのかもな」
京太郎「頑張れよ、親父」
「俺が頑張っても確率は二分の一だ。お前が嫁さんもらうほうが確実なんじゃないか?」
京太郎「結婚とかまだ全然想像できないな」
「ははは、だろうな」
京太郎「ダンボール、運び込んじゃおうぜ」
「そうだな」
京太郎「ところで、この漫画がぎっしり入った方、どっちが持つ?」
「俺は運転したぞ」
京太郎「俺は雪道に足を取られながら車まで運んだから」
「……しょうがないな、恨みっこなしのジャンケンといくか」
京太郎「望むところだ」
春「……」ポリポリ
「ふふ、おいしい?」
春「はい」
「ね、京太郎の好み、知りたくない?」
春「好み、ですか?」
「もちろん、女の子のね」
春「是非っ」
「とは言っても、色々あるんだけどね」
春「例えば?」
「おっぱいが大きいだとか、家庭的だとか、友達思いだとか」
春「ふむふむ」
「母性が強かったり、自分を引っ張ってくれる子もいいんじゃないかしら?」
春「意外」
「あと、好きなものをおいしそうに食べる子、とかね」
春「え……」ポロッ
京太郎「ダンボール、奥の部屋に突っ込んどいたぞー」
「お疲れ様」
京太郎「親父は部屋で休んでるってさ」
「疲れてたのかしら?」
京太郎「重いの運んでたからな」
「じゃあ、私は様子見てくるから」チラッ
春「……」
「後は若い二人で、ね?」
春「……」
京太郎「食わないのか?」
春「だ、ダイエット中だから」
京太郎「嘘つけ、車の中では食べてただろ」
春「あれは……その、今日はこれだけって決めてたの」
京太郎「ひと袋と、三分の一ぐらいか? 随分中途半端だったな」
春「よ、よく見てる……」
京太郎「ま、戒能さんには黙っててやるから安心して食えよ」
春「それはありがた……じゃなくて!」ガタッ
『あと、好きなものをおいしそうに食べる子、とかね』
春「……そんなに、見たいの?」
京太郎「なんか話が飛んでんな」
春「私の食べてるとこ」
京太郎「見るもなにも、四六時中食べてないか?」
春「……今はダイエット中」
京太郎「おっと、今度は話が戻ったな」
京太郎「……まぁ、なにを気にしてるのかはともかく、あんま無理すんなよ」
京太郎「前も言ったけど、おいしそうに食ってるとこ見るのは嫌いじゃないからさ」
春「……じゃあ、はい」
京太郎「なんだ、くれんのか?」
春「食べさせて」
京太郎「は?」
春「口移しでなら、食べてあげないこともない」ドキドキ
京太郎「なんで上から目線なんだよっ」ビシッ
春「あうっ」
京太郎「まったく……」
京太郎(だけど、いい機会かもな)
京太郎「春」
春「いたい……なに?」
京太郎「いつうちの両親が顔出すかわからないから、手短に済ませるぞ」
春「なんの話――んんっ!?」
春(え、なにこれ)
春(私、キスされて……)
京太郎「――これで、リクエスト通りか?」
春「黒糖味……」
京太郎「そりゃあな」
春「……もう一回。味、わからなかったし」
京太郎「思いっきり黒糖味って言ってただろうが」
春「気のせい」
京太郎「あのな、こっちだって平気でしてるわけじゃないんだぞ」
春「じゃあ、どんな気持ちだったの?」
京太郎「好きだ」
春「~~っ、も、もう一回っ」
京太郎「だから……っと、時間切れだ」
「京太郎ー? おつかい行ってきてくれない?」
京太郎「わかった、なに買ってこればいいのさ」
春「……」カァァ
「……ね、なにか進展あった? 進展あった?」
京太郎「……なに買ってこればいいんだ?」
「あったでしょ、あったわよね!?」
京太郎「あーもう、うっさい!」
巴「はるる、どこいったのかなぁ?」
霞「そういえば、見かけないわ」
小蒔「黒糖の買い足しにいったんでしょうか?」
初美「……」
初美(はるる、遅すぎるのですよ!)
初美「みんなー、ちょっと相談いいですかー?」
小蒔「なんですか?」
霞「初美ちゃん、春ちゃん知らない?」
初美「さぁ? 私も見てないのですよ」
巴「そっか、どうしたのかな?」
小蒔「やっぱり黒糖の買い出しとか」
初美「うん、きっとそうなのですよ」
巴「うーん……何も言わないで出てくなんて」
霞「やっぱり心配ね……」
初美「……実はですね、それは今から話すことと関係があるのですよ」
霞「何か知ってるの?」
初美「はい。何を隠そう、今度の巴ちゃんの誕生日のことなのですよ」
巴「え?」
小蒔「そうですね、そろそろ準備しなきゃって思ってました」
初美「サプライズの企画やらなにやらを相談しようと思っていたのですよ」
霞「なるほど、春ちゃんはその下準備ね」
初美「その通り!」
巴「……」
巴(普通、そういうのって本人の前で話さないんじゃ……)
明星「あれ、みなさん集まってどうしたんですか?」
湧「春さんはいないみたいだけど……」
初美「二人もこっちに来るのですよ」チョイチョイ
明星「巴さんの誕生日の企画、ですか?」
初美「なのですよ」
湧「あの」
初美「なんですか?」
湧「そういうのって、本人には秘密にしておくものじゃ……」
巴「うん、そうだよね」
小蒔「言われてみれば……」
霞「……初美ちゃん、なにか隠してない?」
初美「な、なんで疑われてるんですかねー?」
初美(はるるっ、早く戻ってくるのですよ……!)
春「……」
小蒔「あ、春が帰ってきました」
巴「どこ行ってたの?」
霞「心配してたのよ?」
初美「はるるっ、ちょっとこっち!」グイッ
初美「遅すぎなのですよ!」
春「うん……」
初美「とにかく、私とうまく話を合わせるのですよ」
春「うん……」
初美「……はるる?」
春「うん……」
春「……」
『好きだ』
春「~~っ」バタバタ
良子「軽く挙動不審ですね」
春「ね、姉さん?」
良子「グッドアフタヌーン、黒糖はちゃんと控えていますか?」
春「こ、ここに備蓄はないから」
良子「そんなことは聞いてないですよ」
春「そう……」
良子「それで、実際に備蓄は?」
春「……」プイッ
良子「まぁ、それはネクストチャンスに問いただすとして」
春「くっ……」
良子「なにやら青春ライクな煩悶ですか?」
春「うーん……ここじゃちょっと」
良子「オーケー、ならショッピングでもしながら聞きましょうか」
良子「なるほど……ひとまず、おめでとう」
春「どうも」
良子「しかし解せませんね。とっととくっついてカップルになればいいのでは?」
春「これだから恋愛経験ゼロの成人は……」ヤレヤレ
良子「ケンカなら買いますよ」
良子「それで、どうしたいのですか?」
春「それは……」
良子「姫様や、他の人たちですか」
春「うん……」
良子「そうですね……」
春「嬉しかった……けど、どうしたらいいかわからなくなった」
良子「贅沢な悩みだと言ってしまえばそこまでですが」
春「もういっそ、神境を出ちゃえばとも思った」
良子「禍根は残りますが、それも一つのプランですね」
良子「ですが、向き合うのならば……」
良子「――という手もあるとは思いますよ」
春「……それ、できるのかな?」
良子「心情的にはともかく、あそこならば可能でしょう」
春「でも、私の気持ちは」
良子「どちらにしても、ゲインもあればロスもあるでしょう」
春「……」
良子「私は所詮、アウトサイドの人間ですからね。なにを言っても無責任に聞こえるとは思いますが」
春「……ううん、ありがと」
良子「春が素直にお礼を言うのはまた珍しい」
春「やっぱ取り消す」
京太郎「着いたな、神境」
京太郎「……正直、気が重い」
京太郎「でも、いい加減はっきりさせとかなきゃいけないしな」
京太郎「あいつからも答えを聞いとかないといけないし……」
京太郎「……やっぱり気が重い」
小蒔「京太郎様、ですか?」
京太郎「ああ、小蒔。今日は学校休みか」
小蒔「ちょっとみんなに内緒でおやつを……あの、言わないでくださいね?」
京太郎「わかってるよ。じゃ、行こうか」
小蒔「いいんですか?」
京太郎「ああ……ちょっと、二人きりで話したいこともあるしな」
小蒔「そう、ですか」
京太郎「悪いな……」
小蒔「そんな顔、しないでください」
京太郎「まぁ、たしかに俺が暗い顔するのは筋違いだな」
小蒔「すごく、すっごく残念でしたけど、ちょっと嬉しいんです」
京太郎「嬉しい?」
小蒔「京太郎様は、私の大事な人を好きになってくれたんだなって」
京太郎「……そうか」
小蒔「それに、私はあの時に感じた運命を信じてますから」
京太郎「悪いけど、応援してやれないぞ」
小蒔「大丈夫です。私には心強い味方がたくさんいるんです」
京太郎「だろうな」
京太郎(過保護な神様とかな)
小蒔「もう帰らないとさすがに心配されちゃいますね」
京太郎「ああ、じゃあそろそろ上がるか」
小蒔「はい……あ、ちょっと買い忘れちゃいました。先に行っててください」
京太郎「ん、わかった。じゃあまた後でな」
春「……」
『どちらにしても、ゲインもあればロスもあるでしょう』
春「……何かを選ぶって、つらいなぁ」
京太郎「珍しくたそがれてるな」
春「……人を脳天気みたいに言わないで」
京太郎「さて、土産に数量限定の黒糖を買ってきたんだけど――」
春「いただきますっ」
京太郎「わかりやすいやつめ」
春「おいしかった」ホクホク
京太郎「そりゃよかった」
春「もうないの?」
京太郎「残念ながらひと袋だけだ」
春「そうなんだ……」
京太郎「それでさ、本題入っていいか?」
春「……」コクッ
京太郎「この前、その……告白しただろ?」
春「うん、私も好き」
京太郎「オッケーってことでいいのか?」
春「それは……」
『ですが、向き合うのならば……』
『彼をあなたたちで囲ってしまう――という手もあるとは思いますよ』
春「私から、提案したいことがある」
京太郎「それってつまり……小蒔たちにも手を出せってことか?」
春「わかりやすく言えば」
京太郎「いわゆるハーレムってやつか……やばい、男の夢じゃん」
春「そうなの? なら――」
京太郎「無理だろ」
春「……なんで?」
京太郎「俺はそこまで器がでかい人間じゃないってのが一つ」
春「……あんなに誑し込んどいて?」
京太郎「人聞きの悪いことを。そもそも、やろうと思ってやったことじゃないからな」
春「……」ジトッ
京太郎「あー……それで第二に、それを望まないやつだっているだろ」
春「それはない」キッパリ
京太郎「断言かよ」
京太郎「なんにしても、そんな簡単にいくもんじゃないと思うぞ」
春「ならお試しだけでも」
京太郎「お試し?」
春「とりあえずここに住んで」
京太郎「神境に? 近くで仕事探す予定だったから、都合はいいけど」
春「姫様たちはここにいても構わないって」
京太郎「根回し済みかよ」
春「私は一緒にいたい……ダメ?」
京太郎「まあ、ここに引っ越すぐらいだったらな」
京太郎「でも、一個聞いておくぞ?」
春「なに?」
京太郎「仮に俺が小蒔たちとそういうことしてて、お前は平気なのか?」
春「……一番は私がいい」
京太郎「やっぱり気にしてるじゃねーか」
春「ごめんね、私が言いだしたことなのに」
京太郎「いや、そんなとこが最高に可愛い」
春「バカ……」
京太郎「――zzz」
小蒔「ずるいですっ、私も膝枕してみたいです!」
春「ダメ、京太郎はまだ私だけのだから」
小蒔「む~!」
巴「なんだか賑やかになったね」
初美「ですねー」
霞「……なんでこんなことに」
初美「姫様がいいと言えばまかり通っちゃうのですよ」
巴「でも正直、前より明るい雰囲気になったかな」
霞「ふ、ふふふ……こうなったらもう、いっそ私が彼を……」ブツブツ
巴「か、霞さん?」
初美「わっ、ダークサイドに堕ちかけてるのですよ」
京太郎「ん……騒がしいな」
春「起こしちゃった?」
京太郎「そりゃあな」
春「じゃあ、お詫びに……んっ」チュッ
小蒔「あ~~っ!!」
霞「……ちょっと、ヤってくるわ」
巴「霞さん!? お、落ち着いて!」ガシッ
初美「目がイっちゃってるのですよ!」ガシッ
明星「いいなぁ、私もしたいなぁ」
湧「私はちょっと……でも、手をつなぐぐらいなら」
小蒔「春ばっかりずるいです!」
春「ずるくない。正当な権利」
小蒔「む~!」
『エンディング――少し騒がしい神境の日常』
というわけで終了
これが永水関連では一番明るいエンディングじゃないかと
予想通りまた予定の三割増しになりましたね
そのうち二倍とかに膨れ上がってくんじゃないですかね?(適当)
超眠いので安価はまた今度で
永水の残り二つは、全員と仲良くってのができなくなるエンディングです
それよりも安価取りたいんですけど、人いますかね
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣 済
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩 済
竹井久
福路美穂子 済
松実玄 済
薄墨初美 済
滝見春 済
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
53分まで
締切
割ってきます
コンマ判定
怜:1-13
姫子:14-26
竜華:27-34
霞:35-58
エイスリン:59-76
久美穂子:77-84
久:85-92
哩姫:93-00
直下
リザべでえらいことになってる姫子さんということで
それじゃあ、ブルーマンデーにむけて寝ます
こんちゃっす
そろそろやっておこうかと
てなわけでもう少ししたら
んじゃあ、そろそろ始めます
姫子「あ~、とぜんなかー」
煌「姫子がだれてる……」
「部長? なんば見とーと……って姫子先輩?」
姫子「あ、友清ー」
「先輩、大丈夫ですか?」
姫子「もうダメー」
煌「もうダメときましたか」
「具合悪いとですか?」
煌「あー、それは多分ですね」
姫子「哩先輩、なして行っちゃったとですかぁ……」
煌「ということですね」
「なるほど、卒業旅行でしたっけ」
煌「ええ、きっと夢の国ですばらな思い出を作っていることでしょう」ウンウン
姫子「私も行きたかった!」
「えぇ……春の大会どげんすっとですか!?」
煌「せっかくの卒業旅行だし、邪魔をするのはすばらくないかなぁ」
姫子「むぅ……」
煌「それに、この前二人で奈良に行ってたような」
姫子「そいはそいとして」
煌「あらら、横に置いちゃった」
「そいは初耳です。どげん経緯か気になりますっ」
姫子「まぁ、色々?」
「色々? よ、余計気になりますって」
煌「色々も何も、姫子のわがままとしか」
姫子「まさかの一言!?」
「ああ、いつものやつですね」
姫子「納得された!?」
煌「さ、そろそろ部活の準備をしますか」
「ですね」
煌「ほら、姫子も」
姫子「はいはーい」
姫子『ということがあったんですけど』
京太郎「お前は相変わらずだなってことはよくわかった」
姫子『え? 相変わらずやぁらしかって?』
京太郎「お前の根性がやらしいってのは認めるよ」
姫子『つまり、すいとーと?』
京太郎「お前の耳はどんなフィルターかかってるんだ」
姫子『いつものは?』
京太郎「はぁ……寝言は寝て言えよ」
姫子『はい♪』
姫子『ところで、今どこいます? ずいぶんうるさか雰囲気ですけど』
京太郎「ホテルのロビーだな。一応卒業旅行中だ」
姫子『ふむ、先輩もですか。……ちなみにだれと?』
京太郎「いや、一人だけど」
姫子『え?』
京太郎「気ままな一人旅だって」
姫子『なんか、その……ごめんなさい』
京太郎「なんだその反応」
姫子『先輩、今まで友情ば犠牲にして女の子口説きよったんですね』
京太郎「俺を一緒に行くやつがいないぼっちあつかいするな! あと口説いてもいねーよ!」
姫子『ばってん、問題なかとですよ! もし先輩が孤独でも、私が一緒にいてあげますから』
京太郎「だから孤独じゃないっての」
姫子『そいはもう、鎖でがんじがらめにしてでも』
京太郎「おっと、不穏な発言いただきました」
姫子『やけん……はい、どーぞ』
京太郎「どうしろと?」
姫子『え、ここは告白の流れやないですかぁ』
京太郎「不思議だなぁ、文脈も行間もまったく読み取れなかった」
京太郎「つーか、切っていいですかね?」
姫子『またまたぁ、先輩ってすいとー子には素直になれないタイプですよね』
京太郎「はい、おつかれ、また今度ー」
姫子『もうっ、せめてなんか一言ぐらいあってもよかて思います!』
京太郎「一言ってな……」
姫子『むぅ、せっかく年に一度のわがままが言える日なのに……』
京太郎「年に一度? あれ、おかしいな。いつも言われてる気がするぞ」
姫子『そいは置いといて』
京太郎「置いとくのかよ」
京太郎(わがままが言える日ね……前も言ってたよな)
京太郎「とりあえず、誕生日おめでとう……で、いいのか?」
姫子『ダメです。いっちょん足りません』
京太郎「これ以上俺にどうしろと?」
姫子『例えば、例えばですよ? 例えばなんですけどね?』
京太郎「その例えばからものすごい圧力を感じるのは気のせいか?」
姫子『やですよぉ、気のせいですってば』
京太郎「そうか?」
姫子『というわけで、プレゼント期待してます』
京太郎「例えることすら投げ出したか」
姫子『ちなみに哩先輩は旅行に行く前に買ってくれました』
京太郎「あー、そういや昨日会ったな」
姫子『なんですと?』
京太郎「友達と一緒だったから挨拶しただけだけどな」
姫子『ホントにそいだけですか?』
京太郎「お前はなにを疑ってるんだ」
姫子『卒業旅行のテンションで一夜の過ち的な?』
京太郎「んな雰囲気にはなってないっての。それに俺は――」
京太郎「いや、やっぱまた今度だな」
姫子『今年は来てくれないとですか?』
京太郎「さすがにキツイな。でもまぁ、絶対そっちには行くから、その時に色々ひっくるめて渡してやるよ」
姫子『んー、わかりました。こいは貸しにしときますね』
京太郎「すっげー納得いかないな、おい」
姫子『あはは、冗談です』
京太郎「んじゃ、そろそろ切るぞ」
姫子『じゃあ、最後に私んこつ、呼んでみてください』
京太郎「つる――」
姫子『むっ』
京太郎「……姫子?」
姫子『疑問形なのが気になりますけど、まあよかです』
京太郎「そこまで上からだと逆に清々しいな」
姫子『先輩、告白だったらいつでも受け付けてますよ?』
京太郎「はいはい、また今度な」ピッ
京太郎(そう、また今度だ)
京太郎(俺から言うのは負けた気がして非常に気に食わないけど)
京太郎「言わないわけには、いかないよなぁ」
姫子「~~♪」
「今日は機嫌よさげですね」
煌「ええ、すばらなことです」
「なんかあったんですかね?」
煌「そういえば今朝、誰かと電話してましたね」
「白水先輩とか?」
煌「そんな感じじゃなさそうでしたねぇ」
「じゃあ、彼氏さんとか」
煌「姫子にそんな相手は……ああ、なるほどなるほど」
「知っとーとですか?」
煌「心当たりなら一つだけ」
姫子「あ、花田に友清」
煌「今日は調子が良さそうで、すばらですね」
姫子「んー? 別にいつもと同じやない?」
「か、彼氏さんですか? 今朝電話してたとか」
姫子「彼氏かぁ……ま、そがん感じ?」
煌「姫子ー? ウソを言うのはすばらくないでしょ」
姫子「あはは、ちかっと盛っただけやけん」
「え、結局どげんこつなんですか?」
煌「姫子の片思いですね」
姫子「先輩も満更やなかて思うけど。こん前キスしたし、それ以上いきそうになったし」
煌「いつの間にそこまで!?」
「お、大人……」
「あれ……でも、そげんしてもまだ付き合ってるわけやないんですよね?」
姫子「そいは、まぁ」
煌「白水先輩のこともありますしねぇ」
「二股!? ……大丈夫ですかね、その人」
姫子「うーん……」
煌「ま、まあ……悪い人じゃないですよ?」
「えぇ……」
姫子「……」
姫子(次で勝負ば決めんと……!)
姫子『次、こっち来っていつですか!』
京太郎「いきなりなんだよ。なんかいいことでもあったのか?」
姫子『先輩があっちこっちで女の子ばたぶらかしとーと思い出しました』
京太郎「言い方っ!」
京太郎「そりゃ、事実の一端を含んでないことも無きにしも非ずだけどな?」
姫子『大半真実やないですか。私とも哩先輩ともキスしたくせに』
京太郎「あ、やめて。それ持ち出されたら反論できなくなる」
姫子『ほら、やっぱし』
京太郎「……まぁ、自分でもそういうのはいい加減なんとかしようとは思ってるんだよ」
姫子『そいって、本命ば決めるってこつですか?』
京太郎「うわぁ、その言い方やだなぁ」
姫子『そがん言うても事実やないですか』
京太郎「うぐっ」
姫子『なら、今ここで返事を――あ、やっぱいいです』
京太郎「頼まれても言わねーよ。電話口でなんて失礼だしな」
姫子『――もしダメでも最悪鎖で縛って既成事実を……』ブツブツ
京太郎「うおーい、なんか不穏当な言葉が聞こえるんですけどっ」
姫子『とにかく、いつ来っかちゃんと教えてください』
姫子「というわけで、なんかよか提案ある?」
煌「と、言われても……」
「正直、経験不足で」
姫子「うーん、たしかに人選ミスったかも」
煌「呼び出しといてその言い草!?」
「う、すみません……」
姫子「ま、大体のプランは考えとーけど」
煌「はぁ……まずはそれをたたき台にしたら?」
姫子「そいぎ、早速……」
姫子「こがん感じでどう?」
煌「うーん……却下」
姫子「いきなしバッサリと……どこらへんが?」
煌「それはもう、全体的に」
姫子「具体的に。そいじゃ参考にならんね」
煌「じゃあ……外見に気を使うのはすばらだけど、ここ」
「スカート、ですか?」
煌「短すぎない? 下手したら歩いてるだけで見えちゃうでしょ」
姫子「花田……こん世界の神にケンカ売っとーと?」
「割とこまかスカートはいつものことやなかとですか」
煌「なんでもいいからここは直すこと!」
姫子「えー?」
煌「次は……この飲み物なんだけど」
姫子「アイスティーが問題あっと?」
煌「アイスティー自体は別に。だけど、この眠くなるってなに?」
姫子「読んで字のごとく」
煌「いや、ダメでしょう、これは」
「あの、こいってなんに使うんですかね?」
姫子「そいはもう、先輩が寝とー間に色々と」
「色々……あ、あだるてぃ」
煌「却下、断固却下です」
煌「それで、この手錠やら鎖は?」
姫子「もちろん、先輩ば逃がさんように」
煌「ダメ、アウト。持ってくのはすばらくない」
姫子「なんね! さっきから文句ばっかつけて」
煌「どうしてそう強引に事を運ぼうとするのかって話でしょ!」
姫子「恋愛はヤったもん勝ち!」
「な、なるほど、ヤったもん勝ち……」
煌「友清さん、姫子は基本反面教師にしてください!」
姫子「どがん意味!?」
姫子「……つまり、普通にかわいい格好して普通にデートして普通にカップルになれと」
煌「すばらでしょ?」
姫子「……しけとーね」
「普通じゃダメですかね?」
姫子「普通にやってどーにかなる人やったらねぇ」
姫子(でも、そいが一番なんはわかっとる)
姫子(もう、全部先輩のせいだ……)
姫子(哩先輩と一緒なら……って、こいはダメやね)
煌「姫子」
姫子「なんね」
煌「これでも、私たちは応援してるから」
「そうですよ! デート、頑張ってください!」
姫子「まぁ、なるようになる、か」
姫子(なるようにしかならんって意味でもあっけども)
姫子「せーんぱい」
京太郎「お、やっと来たか」
姫子「待ちました?」
京太郎「五分ぐらいな」
姫子「もう、そこは定型句ってもんがあるでしょ」
京太郎「ああ、俺も今来たとこ、みたいな?」
姫子「そうです、そいですよ」
京太郎「リテイクはしないぞ」
姫子「じゃあ罰として……はい、腕貸してください」
京太郎「なんで待たされた方が罰を喰らうんだ……ほら、ちゃんと返せよ?」スッ
姫子「先輩がちゃんとしてくれたら、ですね」ギュッ
姫子「先輩先輩、こいかわいくないですか?」
京太郎「ん? キモカワイイってやつだな」
姫子「もう、そこはお前の方が、とかなんかないんですか?」
京太郎「……お前の方がかわいいんじゃないか?」
姫子「や、キモカワイイと比較されても」
京太郎「よし、ちょっと前に自分がなんて言ったかを思い出そうか」
姫子「はい、あーん」
京太郎「……これ、スプーン一本しかないのかよ」
姫子「だってカップル用のメニューですよ?」
京太郎「マジかよ……お前に決めさせるんじゃなかった」
姫子「さ、早よう口開けてくださいよぉ」
京太郎「わかったよ……あむっ」
姫子「じゃあ私も……ん、おいし」
京太郎「ほら、クリーム付いてるぞ」フキフキ
姫子「……先輩、リテイクで」
京太郎「はぁ?」
姫子「今のって、明らか指で取って舐めるとこやないですか!」
京太郎「めんどくさっ」
姫子「どっちの服がよかて思います?」
京太郎「どっちもいいんじゃないか?」
姫子「もう、はっきり決めんとダメですよ!」
京太郎「んー……ところで、暖色と寒色、どっちが好きなんだ?」
姫子「どっちかといえば暖色ですけど」
京太郎「じゃあこっちだな」
姫子「じゃあってなんですか」
京太郎「自分の好きな方を当ててってパターンかと思って」
姫子「……まぁ、当たってますけど」
京太郎「買うんだったら払うぞ。誕生日には何にもしてやれなかったしな」
姫子「あ、じゃあ……こいとこいと、あっちのも――」
京太郎「おいこら待てや」
京太郎「ふぅ……」
姫子「先輩、お疲れですか?」
京太郎「この荷物いっぱいの様を見てどう思う?」
姫子「えっと、頑張ってるな?」
京太郎「頑張らせてる奴が傍観者目線なのはどうなんだよ」
京太郎「……ま、それに誰かに振り回されるってのも久しぶりだからな」
姫子「しょんなかですねぇ。じゃ、休憩しましょうか」
京太郎「じゃあやっぱり、花田は頑張ってるんだな」
姫子「私も頑張ってますよ?」
京太郎「なぜだろう、お前が花田に迷惑かける光景が思い浮かぶ」
姫子「先輩の妄想です」
京太郎「ま、お前も頑張ってることは間違いないだろうけどな」
姫子「……やっぱし」
京太郎「ん?」
姫子「先輩、いつもより優しか……やけん、私、ダメなんですかね?」
京太郎「ダメってなんだよ?」
姫子「ほら、葬る前にせめて優しくしてやる、みたいな」
京太郎「……」
姫子「あはは……ばってん、私諦め悪かとこありますから、先輩も覚悟してください」
京太郎「……お前ってさ、あれこれとわざとやってるよな」
姫子「もう、なんですか、人が決意表明しよる時に」
京太郎「いいから聞けよ」
京太郎「思わせぶりな言動とかもさ、こっちを揺さぶるようなこと言ったり」
京太郎「そんなお前にこれを言うのはすっごく癪で悔しいけど、言うぞ」
京太郎「そうしなきゃ先に進めないからな」
姫子「……」ギュッ
京太郎「姫子、お前が好きだ」
姫子「……え?」
京太郎「なに呆けてるんだよ」
姫子「あ、え……ほ、ほら、やっぱし先輩は私ばすいとーって」ポロッ
京太郎「……なんで泣いてるんだよ」
姫子「こ、こいは……もう、全部先輩んせいですよぉ」
京太郎「そりゃ悪かったな」
姫子「じゃあ、胸貸してください」
京太郎「ああ、ほら」ギュッ
姫子「それと、耳元で好きだって囁いてください。百回くらい」
京太郎「バーカ、寝言は寝て言えよ」
姫子「……はい♪」
姫子「ばってん、寝言ば聞かれるのちゃーがついんで、先輩も一緒にどーぞ」
京太郎「一緒にって、いいのか?」
姫子「はい、もちろんそがんこつもありです」
京太郎「――zzz」
姫子「――」スゥスゥ
京太郎「――姫子ぉ」
姫子「ん……先輩?」
京太郎「――zzz」
姫子「なぁんだ、寝言か」
京太郎「――寝言は寝て……zzz」
姫子「あは、寝言は先輩の方やないですか」
『エンディング――寝言』
ねむし……
安価はまた今度で寝ます
寝る前にこんばんは
安価取りたいんですけど、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣 済
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩 済
竹井久
福路美穂子 済
松実玄 済
薄墨初美 済
滝見春 済
石戸霞
園城寺怜
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子 済
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
12分まで
締切
割ってきます
798は多分霞さんとして……
コンマ判定
怜:1-44
竜華:45-55
エイスリン:56-66
霞:67-77
哩姫:78-88
久:89-00
直下
スピンオフの主人公こと園城寺怜さんで
まぁ、確率的には妥当ですね
というわけでおやすみなさい
おいっす
土曜の夜なんでやろうかと
それじゃ、もうちょっとしたら始めます
んじゃあ、スタートします
怜「人多いー、帰るー」
竜華「こーら、帰るんならきちんと見るもん見てから」
怜「あっ、急に立ちくらみが……」
竜華「はいはい。それにしても、全然見えへんなぁ」
怜「見えぬなら、帰ってしまおう、ホトトギス」
竜華「せやから帰らへんって」
怜「園城寺怜、辞世の句」
竜華「こらこら、死なへんから」
怜「死ぬ死ぬ、精神的に」
竜華「心配せんでも大丈夫」
怜「竜華……」
竜華「うちら、なにがあっても親友やん?」
怜「うわー、心配になってきたー」
竜華「な、なんで!?」
――バスガデルデー
竜華「あ、セーラ戻ってきた」
怜「なんやねん今の」
セーラ「ただいまーっと。バッチリ見てきたで!」
竜華「先行偵察ご苦労さま。うちら人多くて全然近寄れへんかったから」
セーラ「ま、朝飯前やな」
怜「英語で言うと?」
セーラ「朝飯前……なんやったっけ? たしか、ぴ、ぴ、ぴーす……」
セーラ「そや……レストインピース!」
怜「ご臨終やん……やっぱ帰る」
竜華「ちょっ、まだ結果聞いてへんから!」
怜「もう家に帰って安らかに眠るわ……」
竜華「せ、セーラ、どうだったん?」
セーラ「あー、それな」
怜「言いよどんだ! やっぱり……」
セーラ「言いにくいんやけど……」
竜華「そんな……」
セーラ「番号、きっちりあったで?」
怜「……へ?」
セーラ「せやから、番号あったって」
怜「っちゅーことは……」
竜華「合格……?」
セーラ「いやぁ、自分の目で確かめたほうがええかなーって思ったんやけど」
怜「……」ポケー
竜華「セーラのアホっ、心臓止まるかと思ったわ!」
セーラ「うぇっ!?」
怜「う、うち……」
怜「ちょっと、夕日に向かって走ってくる……!」ダッ
竜華「怜ー! まだ日ぃ沈んでへんよー!」
セーラ「走ってんなー」
怜「いやー、ついに本当の力が目覚めちゃった的な?」トン
竜華「本番で覚醒とかえらい都合ええなぁ」トン
「なんか漫画みたいですね」トン
怜「千里山編、みたいな? あ、それロンね、7700」
「ひぇっ、ハコ割れ……」
泉「先輩方、世間話感覚で後輩いじめるのやめません?」
泉「なんですか、暇人ですか」
怜「泉が冷たい……うち、悲しい」オヨヨ
竜華「よしよし」
泉「お二人はなにかやることとかないんですかね?」
怜「もう卒業旅行は済んでもうたし」
竜華「新生活のスタートまでは、泉の言うとおり暇人やね」
泉「はぁ……まぁ、練習相手つとめてくれるのはありがたいですね」
怜「泉も昔はかわいかったのに……」
泉「はい、やめやめ。次打ちましょうか!」
怜「麻雀したいからって、水ぶっかけてきたり」
竜華「あー、あったあった」
泉「あー、あー! 聞こえなーい!」
怜「もうすっかり黒歴史やんな」
竜華「ふふ、そっとしとこか」
「先輩方、お疲れ様です」
怜「フナQもお疲れさん」
竜華「春の大会、いけそう?」
「自信はありますね」
怜「ま、程々に頑張ってなー」
竜華「無理はせぇへんようにね」
「大丈夫ですよ。おばちゃ――やなくて、監督の目もありますし」
泉「なんだったら私もいますからね」
竜華「頼もしいなぁ」
怜「さすが元ヴァグラピードの凶星――」
泉「あー、あー!」
「しかし、そういうのって誰が考えて付けるんでしょうね? 雑誌とかで見かけますけど」
怜「うちもそういうのあるわ。誰が呼んだかフューチャリスティックプレイヤー」
竜華「うちはなんか無極点だかなんだかって言われとったな」
怜「無極点て?」
竜華「ようわからんなぁ」
泉「と、とにかくですね……誰にでもなにかしらあるんですよ、そういうの!」
怜「よっ、浪速の凶星」
泉「ヴァグラピード! 和訳はダメ、絶対!」
怜『以上、桜の開花状況をお伝えしました』
京太郎「まぁ、なんつーかおめでとう?」
怜『あの地獄の勉強会には意味があったんやな』
京太郎「まったくだよ」
怜『ところで、そっちはどない感じ?』
京太郎「俺も受かったよ」
怜『おお!』
京太郎「ま、行かないんだけどな」
怜『もったいな!』
京太郎「いいんだよ、元々記念受験みたいなもんだし」
怜『つまり、うちらのあの時間は遊びだったんやね……』
京太郎「違う! 俺は本気で君のことを……!」
怜『さよなら、ダーリン……』
京太郎「待ってくれ! 怜……怜ぃぃいいいい!!」
京太郎「とまぁ、寸劇はここまでにしとくか」
怜『えー? 物足りへんなぁ』
京太郎「いつまでもやってたら話が進まないからな」
怜『進めるような話、あったっけ?』
京太郎「ないなぁ」
怜『ならうちにできることは一つ……』
京太郎「と言うと?」
怜『イチャイチャ長電話する!』
京太郎「通話料金がかさむから切るな!」
怜『ちょいちょいちょーい!』
怜『うちらに必要なのは頭を冷やすこと……ちゃう?』
京太郎「その通りだな。さしあたっては電話を切ってクールダウンを――」
怜『と言うと?』
京太郎「頭を冷やすには、やっぱひとりの時間が必要なんじゃないか?」
怜『と言うと?』
京太郎「だから……って、さっきからなんだよ」
怜『と言うとを繰り返せばあら不思議、会話が永遠に続きます』
京太郎「なるほど……と言うと?」
怜『イチャイチャ長電話ができます』
京太郎「と言うと?」
怜『二人の愛が深まります』
京太郎「と言うと?」
怜『えっと、次は……子供が出来ちゃう?』
京太郎「おい、ものすごい飛躍があったぞ」
京太郎「と言うとの乱用はイジメっぽくなるからやめような」
怜『人を散々言葉責めしといて』
京太郎「と言うと?」
怜『今まさにこの状況やな』
京太郎「とまぁ、こんな感じだな」
怜『うちの心は深く深ーく傷つきました』
京太郎「お前と話してるのは正直楽しいんだけどな」
怜『ならなんで……まさか、他に女ができた……?』
京太郎「いやいやいやいや」
怜『よよよ……うちとのことは――』
京太郎「遊びじゃないから。俺は……」
京太郎「……やっぱり言うつもりがないことまで言いそうになるな」
怜『……と言うと?』
京太郎「終わりだ終わり。続きは直接会った時だな」
怜『しゃあないなぁ……うん、また今度やな』
京太郎「園城寺、素敵な未来ってのは見つけられそうか?」
怜『さぁ……でも、今がそうなのかも』
京太郎「そうか。なら、俺はもうちょっと先まで頑張ってみるよ」
怜『と言うと?』
京太郎「お互い、元気でいようなってことだよ」
竜華「怜ー? もうそろ時間やでー?」
怜「あと二時間ー」
竜華「長すぎ。ほら、起きた起きた」バッ
怜「あぁん!」
怜「竜華の鬼畜……」
竜華「今日はセーラが久しぶりにこっち来るんやから」
怜「せやな。雑誌見せてどないな反応するか楽しみやわ」
竜華「セーラのプロ入り初の特集やからなぁ」
怜「愛宕の洋榎と記事並んどる言うたら怒るかな?」
竜華「なんでこっちがページ後なんや! とか喧嘩しそうやな」
怜「あの二人は並べたらおもろいわな」
竜華「さ、そうと決まったら準備準備」
怜「ふわぁ……ねむ」
セーラ「こっちこっちー!」
竜華「久しぶり」
怜「聞くまでもなく元気そうやなぁ」
セーラ「おう、食うもん食っとるからな!」
竜華「この前の試合、テレビで見たよ」
セーラ「あー、カッコ悪いとこ見せてもうたなぁ」
怜「あないなとこに新人がポッと放り込まれて、よう頑張ったと思ったけど」
セーラ「気合で負けたつもりはなかったんやけどな」
竜華「ゴールデンウィークはゆっくりできるん?」
セーラ「まぁな、せっかくやからどっか行って打ちまくろうかな」
怜「ゆっくりとは一体……」
竜華「あはは、とりあえずお昼にせぇへん?」
京太郎「問題は、あの雰囲気をどうするかだよな」
京太郎「あいつと話してると、どうもコントじみた空気になるし」
京太郎「もういっそ話さないで、いきなりいってみるか?」
京太郎「……ありかもな」
怜「もし、そこのお方」
京太郎「いや、すいません。今ちょっと自分のことで手一杯で」
怜「ほほう? 私で良ければご相談に乗りましょうか?」
京太郎「旅の恥はかきすてか……実はこれから告白ってやつをするんですけど」
怜「こくはくとな? 残酷で薄情なあれですかな?」
京太郎「いやいや、そっちの酷薄じゃなくて――」クルッ
京太郎「っておいっ、お前だったのかよ!」
怜「やっほやっほー、この前の電話ぶりー」
京太郎「この出だしから躓いた感……」
怜「で、なんやったっけ? 告白?」
京太郎「……お前、いま一人?」
怜「うん。言うても竜華たちを待っとる状態やけど」
京太郎「じゃあさ、ちょっと――」
怜「キスもーらい……んっ」
京太郎「……お前さ、なにしてくれてんの?」
怜「え? 流れ的にそうかなーって」
京太郎「そうだけど、そうだけどさっ」
怜「はい、ここで一言」
京太郎「好きでした」
怜「過去形!?」
京太郎「済まない、俺の心はもう……」
怜「待って、行かないで!」
京太郎「やめてくれ、そんなことをしても俺は……」
怜「あなたをつなぎとめられるなら……かまへんから」
京太郎「怜……」ギュッ
怜「京太郎……」ギュッ
京太郎「……あーあ、やっぱりこんな雰囲気になった」
怜「それで、本当のとこはどうなん?」
京太郎「言わなきゃダメか?」
怜「また変な雰囲気になりそうやなぁ」
怜「というわけで、どうぞ」
京太郎「それじゃあ、失礼します」クイッ
怜「んっ……」
セーラ「うわぁ……」
竜華「……」
竜華(須賀くん……そっか、怜と……)
セーラ「あー……竜華、ラーメンでもおごろうか?」
竜華「ううん、大丈夫」
セーラ「そか」
竜華「そや、ジュースでも買いにいかへん? 須賀くんの分も」
怜「もう病院やだー」
竜華「もうちょっとやん。頑張って」
怜「うぅ、体重い……」
竜華「こら、おとなしくしてる」
怜「これが産みの苦しみなんやな……」
竜華「怜がお母さん……なんか感慨深いわぁ」
怜「おっぱいは竜華の方がそれっぽいんやけど」モミモミ
竜華「こ、こらぁっ」
怜「あ、やば……なんか来た」
竜華「もしかして陣痛? な、ナースコール!」
京太郎「生まれそうって聞いたから飛んできてみれば……」
怜「見事なフェイントやったなぁ」
京太郎「まぁ、元気そうな顔見れただけでも良しとするよ」
怜「やん、うちの旦那優しい」
京太郎「俺の嫁さんはお茶目だな」
怜「チャームポイントやん」
京太郎「そういえば、清水谷は?」
怜「他の女の名前……浮気の兆候!?」
京太郎「どうしてそうなるかなぁ……ずっとついててくれたんだろ?」
怜「大事ないってわかったら帰ったわ。竜華も忙しいんやろな」
京太郎「なら余計に感謝しとかないとな」
怜「うんうん、感謝感謝」
怜「ところで……名前、もう考えとる?」
京太郎「ああ……男だったら望で、女だったら希とかいいんじゃないか?」
怜「そらまた希望に溢れとるなぁ」
京太郎「まだ全然膨らんでないのに気が早いかな?」
怜「今から未来でパンパンになるんやな、うちのお腹」
京太郎「まぁ、そうだな」
怜「目一杯パンパンされた結果やな」
京太郎「怜……もうちょっと言い方ないのか?」
怜「じゃあ、まぐわったとか?」
京太郎「また直球だな」
怜「ええやん。ともかくヤってデキちゃったんやから認知してな、ダーリン」
京太郎「結婚してるのに認知もなにもないだろうが……」
怜「ふふ、せやな」
京太郎「……」
怜「どしたん?」
京太郎「ようやく素敵な未来ってやつに追いついたみたいだなって思ってさ」
怜「もしかしてあの時の? どんだけ遠い未来見とんねん。どっと疲れるのも当たり前やわ」
京太郎「ネガティブなだれかさんをどうにかしようと必死だったんだよ」
怜「やだ、うち愛されすぎ?」
京太郎「わかってるなら無理するなよ?」
怜「無理するのが無理やなぁ。竜華に後で怒られそうやし」
京太郎「ま、明日はうちの母親が見張りに来るからよろしくな」
怜「お義母さんが?」
京太郎「相当張り切ってたから、覚悟しとけよ」
怜「アルバム持ってきてもらお」
京太郎「おい、人の昔の写真を掘り返すんじゃない」
怜「温故知新?」
京太郎「そこはそっとしておこうぜ」
怜「あのアルバムさえあれば……うち、きっと乗り越えられるから」
京太郎「お前、それ卑怯だなぁ」
怜「なんだかんだで折れてくれるダーリン大好き」
京太郎「尻に敷かれそうで怖いわ」
怜「なに言うとんの? いっつも組み敷かれてるのはこっちやねん」
京太郎「はいはいはいはい、そういうのはできるようになってからな」
怜「はーい」
京太郎「そういえばさ」
怜「なに?」
京太郎「今ってさ、お前にとって素敵な未来ってことでいいのか?」
怜「うーん……まぁ、妊娠は想像以上に辛いけども、概ね?」
京太郎「一概にはいえないよな、そりゃ」
怜「でも、幸せなんかなー、とは思う」
京太郎「そうか」
怜「そっちは?」
京太郎「言うまでもないだろ」
京太郎「だってここは、あの日見た未来の続きなんだからさ」
『エンディング――いつか見た未来の続き』
というわけで終了
いつもこのぐらいの長さにとどめたい所存
さて、安価取りたいんでこんな時間ですけど人いますかね
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣 済
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩 済
竹井久
福路美穂子 済
松実玄 済
薄墨初美 済
滝見春 済
石戸霞
園城寺怜 済
真屋由暉子 済
清水谷竜華
鶴田姫子 済
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
51分まで
締切
割ってきます
コンマ判定
竜華:1-25
霞:26-50
哩姫:51-75
エイスリン:76-00
直下
園城寺さんに引き続いて清水谷さんで
それじゃ、眠いので寝ます
おひさし!
先週は残業地獄で糞忙しかったですね!
というわけで風呂上がったら始めます
んじゃあ、そろそろ開始します
京太郎「実際さ、自分に気があるって子に返事する時って、どうすればいいんだろうな」
誠「それってイエスとノー、どっちなんすか?」
京太郎「そりゃあ――」
誠「待った待った! やっぱ言わないで!」
京太郎「んだよ、これからって時に」
誠「それどっちのパターンでもダメージ喰らうんですよっ」
京太郎「お前さ、合コンの時のあの子とはどうなったんだよ」
誠「この前DVD借りました」
京太郎「なるほど」
誠「それとCD借りました」
京太郎「そうか」
誠「あと漫画も借りました」
京太郎「一緒に出掛けたりは?」
誠「ま、まだですけど」
京太郎「まぁ……頑張れ?」
誠「えぇ!? もっとなんかこう、アドバイスとかはないんすか!?」
京太郎「そんなもん俺が聞きたいっての」
誠「……ところでさっきの質問、答えはどっちなんですかね?」
京太郎「……両方だよ」
誠「ちくしょー! この女誑しっ」
京太郎「って言われてもよ、俺だってその気があってそうなったわけじゃないんだけどな」
一太「自分がそうだっていう自覚はありと」
京太郎「……色々と状況証拠を突きつけられればな」
一太「それでその気がないって言うなら、ある意味存在自体が罪だね」
京太郎「ゲームのラスボスか主人公のキャッチフレーズだな」
一太「いい加減なんとかしなよ」
京太郎「言われなくても」
一太「そうだろうね」
京太郎「わかってるなら聞くなよ」
一太「ぼくなりの老婆心かな。下手したら刺されそうだし」
京太郎「はは、そんなわけない……と思いたい」
一太「思いっきり不安なんじゃないか」
京太郎「だってよ、答えを出すってことは、白黒はっきりさせるってことだぞ?」
一太「本当に決めたのか」
京太郎「残念ながらお前の好みとは正反対だけどな」
一太「ということは……君の好みにピッタリってことだ」
京太郎「実は三尋木プロが好みなんだ」
一太「ウソ言うな! はやりんが好きって言ってたろ!」
京太郎「そうだ。俺は巨乳が好きだ。そしてその正反対ってことは……」
一太「……違うよ? ロリコンとかじゃないから」
京太郎「俺はまだ何も言ってないからな」
ハギヨシ「そういうことならば、まずは余計な修飾を省くべきですね」
京太郎「ド真ん中ストレートってことですか?」
ハギヨシ「そういった言葉にこそ気持ちが乗る。私はそう思います」
京太郎「なるほど」
ハギヨシ「とは言っても、君には無用なアドバイスかもしれませんが」
京太郎「いいや、参考になりますよ。いい追い風になりました」
ハギヨシ「君の考えの後押しができたのなら、結構なことです」
京太郎「だって色々考えたけど、結局そうなるんですよね」
ハギヨシ「あるいは、行動で示すとか」
京太郎「なるほど……って、一歩間違えたらセクハラになりません?」
ハギヨシ「それを君が言うのは今更ですね」
京太郎「ちょっ、ひどいな!」
ハギヨシ「冗談ですよ。ですが、案ずるより産むが易しという言葉もあります」
京太郎「あれこれ心配するよりやってみろってことですね」
ハギヨシ「私にも経験があります。君と出会う前の話ですが」
京太郎「ハギヨシさんにも?」
ハギヨシ「難所のカーブを前にして相手と横並び。そこで思い切ってアクセルを踏んだ結果、私は勝ちました」
京太郎「……」
京太郎(俺と出会う前って、まだ免許持ってないんじゃ……)
京太郎(いや、深く考えるのはよそう)
ハギヨシ「そうだ、今度またドライブに行きませんか?」
京太郎「いいですけど、その時は俺が運転します」
ハギヨシ「……そうですか」シュン
竜華「う~ん、これどない思う?」
怜「ちょい派手すぎ? 装飾多いっちゅーか」
竜華「そう? じゃあ色の方で調整してみよか」
怜「あ、せやったらこっちがええんとちゃう?」
竜華「たしかに。じゃあ早速試着やな、セーラ」
セーラ「……まだ続くの?」
竜華「だって、ねぇ?」
怜「せっかくの晴れ舞台やし?」
セーラ「もうなんでもええやんか……」
竜華「良くない!」
セーラ「うわっ」
怜「せやせや、何事も初めては一回きりなんやで?」
竜華「怜、なんか言い方やらしい」
怜「逆説、そこに思いいたる竜華の方がやらしいと」
竜華「や、やらしくないっ」
セーラ「なんでそないな話になるねん」
セーラ「なぁ、今日はこれぐらいにしてもう――」
竜華「なんか用事あった?」
セーラ「ま、まあ……」
怜「そか、残念やな……」
セーラ「あ、明日ならまだ時間取れたかもしれへんけど」
怜「おお、せやったらフナQ来れるって言っとったわ」
セーラ「はぁ!?」
竜華「なら明日みんなでまた来る?」
セーラ「う、うぅ……」
怜「さて、どないする?」
セーラ「……わかった、もう好きにしたらええやん」
怜「ほな、買い物続行やな」
竜華「あれ、セーラ用事は?」
怜「たった今キャンセルになりましたと」
セーラ「……」グッタリ
竜華「うん、ええんやない?」
怜「本人死にそうやなぁ」
竜華「ちょい張り切りすぎたかな?」
怜「まぁ、フナQよりは良かったんやない?」
セーラ「……ともかく、これでもう終わりやな」
竜華「お疲れ様」
怜「疲れたー、どっか寄ってかへん?」
セーラ「雀荘とか!」
怜「却下ー」
セーラ「なんでや!」
怜「疲れたとこにさらに疲れに行ってどないすんねん」
竜華「麻雀打ったら甘いもん欲しくなるし」
セーラ「じゃあラーメンでも」
怜「年頃の女三人でラーメンてどない思う?」
竜華「うーん、今は気分やないかな。お昼の後やし」
セーラ「じゃあカツ丼」
怜「ジューシーやなぁ、衣にタレが染み込んどるわぁ……考えるだけで満腹」
竜華「ちょっと重いなぁ」
セーラ「わかった! ステーキ!」
怜「せやから昼済ませたばっかやっちゅーねん」
怜「ともかく、ガッツリ系は×」
セーラ「しゃあないなぁ……お好み焼き」
竜華「もろ炭水化物やない?」
怜「というわけで次」
セーラ「……もうファミレス行こか」
竜華「ん~、つっかれたぁ」
怜「結局雀荘来てもうた……」
セーラ「いやぁ、楽しかった!」
竜華「セーラ絶好調だったやん」
怜「おかげでえらい目あった……」
セーラ「気合が足りないんやろ、気合」
怜「体育会系、もしくは戦闘民族やな」
竜華「うちも楽しかったけど」
怜「ここでのまさかの裏切り!?」
セーラ「今まで散々打ってきたやん。今更一度や二度変わらへんって」
怜「せやろか?」
セーラ「せやせや」
セーラ「ま、これでしばらく打ちおさめやからな」
竜華「そか、セーラもプロ入りしたら、もうおいそれと打たれへんね」
怜「……プレミア付くかな? もっぺん打っとく?」
セーラ「おう!」
セーラ「ほな、そろそろ帰るわー」
怜「そう言って彼女は二度と……」
竜華「こらこら、変なモノローグ入れない」
怜「愛宕の洋榎に負けんようになー」
セーラ「誰が負けるかっ」
竜華「活躍、楽しみにしてるから」
セーラ「任せとけ!」
竜華「……元気でね」
怜「って、これで最後っちゅーわけでもなし、変な雰囲気やめよか」
セーラ「せやせや、今生の別れでもなし」
怜「竜華雰囲気出しすぎ」
竜華「そ、そう?」
セーラ「ま、二人も頑張ってや」
竜華「せやな、四月から大学生やし」
セーラ「そっちもやけど、あと一つ」
怜「というと?」
セーラ「須賀」
竜華「――っ」
怜「あー、なるなる」
セーラ「いてこましたれ!」
セーラ「んじゃ」
竜華「……んじゃって、なんやねん」
怜「最後にえらい爆弾投げ込んできたなぁ」
竜華「しかもいてこますって……」
怜「二人でやっちゃう?」
竜華「やっちゃうって、なにを?」
怜「須賀くんと三人でらんこ――むがっ」
竜華「こ、こらっ」
怜「むー、むー!」
怜「はぁ、はぁ……竜華に殺される」
竜華「ごめん、つい……」
怜「お詫びに金一封」
竜華「膝枕でええかな?」
怜「許す」
怜「あ~、これやこれ」スリスリ
竜華「そのまんま寝んといてな」
怜「無理かもー」
竜華「せやったら向こう半年お預けやな」
怜「鬼畜ー」
怜「……竜華」
竜華「なに?」
怜「須賀くんがどうするかはわからへんけど、竜華やったら納得できる……かも」
竜華「……」
怜「なーんて、後出しのうちがなに言うてんねんっちゅー話やけど」
竜華「……関係あらへんよ」
怜「そか」
竜華「うん」
怜『須賀くんがどうするかはわからへんけど、竜華やったら納得できる……かも』
竜華「……うちも同じなんかな?」
竜華「怜と須賀くんなら……」ジワッ
竜華「あかん、やめよ。泣きそうになってきた……」
竜華「はぁ……会いたいなぁ」
竜華「一緒に出かけて、手ぇつないで、ご飯食べて、服見たり」
竜華「あと、この前の続き……え、えっちなこととか」
竜華「……」カァァ
竜華「ううぅ~~」ゴロゴロ
怜「はぁ~、ようやっと黄金週間!」
竜華「あっという間やったなぁ」
怜「軽ーく一ヶ月ぐらい時間飛んだような気ぃするわ」
竜華「光陰矢の如し?」
怜「気づいたらお婆ちゃんやで。孫に囲まれて大往生みたいな」
竜華「人生設計バッチリやん」
怜「明るい未来が見えたとこで、明日どないする?」
竜華「久しぶりにセーラ帰ってくるし、フナQたちも夕方から予定空けとるって」
怜「ならうちらは一足先に合流しよか」
竜華「こっち着くのは昼前やから……朝起きれる?」
怜「……前向きに善処します」メソラシ
竜華「もう、連休入ったからって生活習慣乱したらあかんよ?」
怜「うわー、竜華がおかんみたいなこと言うー……って、割といつものことかも」
怜「さて、そろそろおつやの時間やけど」
竜華「お通夜やなくておやつね」
怜「残念なことにこれから病院やねん」
竜華「うちは夕方から家族でお出かけかな?」
怜「お婆ちゃんと?」
竜華「お母さんも。珍しく時間取れたって」
怜「ええやん。たまには甘えてこれば?」
竜華「迷惑やないかなぁ」
怜「かまへんかまへん。竜華そっくりで胸大きいし」
竜華「それ関係あらへんから」
怜「じゃあ、竜華によく似てエロいし?」
竜華「もっと違うからっ」
怜「あ、なるほど。竜華がお母さんに似とるっちゅーことやな」
竜華「せやから違うって!」
竜華「……そないエロいかなぁ?」
竜華「自分やとようわからへんけど……」
竜華「須賀くんにやらしいて思われへんかな?」
竜華「でも、やらしいほうが好きなら……」
「竜華ー?」
竜華「な、なにっ!?」ビクッ
「そろそろ行くよー」
竜華「うんっ、すぐ行くから!」
京太郎「やってきてしまったぜ……」
京太郎「会うまでの流れはともかく、伝えることはシンプルに」
京太郎「……好き、付き合ってください、愛してる、俺のものになれよ……って、俺は一体何様だよ」
京太郎「ハギヨシさんの言うとおり、ちょっとアクションを起こしてみるとか」
京太郎「抱きしめる……まではいかなくても、手ぐらい握ってみるか?」
京太郎「あとはしっかりと目を合わせて……」
京太郎「なーんてシミュレーションしても、今すぐってわけでもないからな」
京太郎「もういい時間だし、飯食って宿探して、それからでいいだろ」
京太郎「そうと決まれば――ん?」
「……」
京太郎「あれ、もしかして清水谷か?」
京太郎「マジかよ……どんなエンカウント率だ」
京太郎「……いや、いい機会だろ」
京太郎「よし、行くか!」
京太郎「よう、久しぶり」
「ええっと……私?」
京太郎「なんかいつもと雰囲気違うけど、清水谷だよな?」
「ええまあ、はい」
京太郎「早速で悪いけどさ」ギュッ
「あら?」
京太郎「好きだ」
「あはは、もしかしてナンパ?」
京太郎「俺はそんな軽い気持ちじゃなくて――」
竜華「須賀、くん?」
「あ、竜華」
京太郎「ん?」
竜華「なんで、お母さんと……」
京太郎「え?」
「あはは、ナンパされちゃった」
竜華「な、ナンパ!?」
京太郎「……マジかよ」
竜華「……」ムスッ
京太郎「……あのさ」
竜華「……お母さんを口説くなんて」ジトッ
京太郎「いや、それ誤解な」
竜華「手、握ってた」
京太郎「だから、間違ったんだってば」
竜華「須賀くん、色んな子と仲良しやん……」
京太郎「それはちが……うとは言えないな」
竜華「せやから、やっぱお母さんをナンパしとったんやなって……」
京太郎「あーもう……なんでそんな似てるんだか」
京太郎(伝えることを伝える前に、誤解をなんとかしないとな)
京太郎「清水谷」
竜華「……なに」
京太郎「悪かった、さっきはさ」
竜華「ええよ、もう」
京太郎「良くない。だって勘違いしてるだろ」
竜華「勘違いもなにも……」
京太郎「お前と間違った」
竜華「……え?」
京太郎「あんまり似てるもんだから、間違って声かけたんだよ」
竜華「それって……うちをナンパしようとしたってこと?」
京太郎「いや、そんな軽い気持ちじゃなくってさ」
京太郎「……好きだ」
竜華「隙間?」
京太郎「……」ガシッ
竜華「えっ」
京太郎「す・き・だ! 英語で言うとI love you!」
竜華「わ、発音ええなぁ」
京太郎「そりゃあ、はとこに鍛えられて……って違う!」
竜華「せやけど、いきなりそない言われたら……」モジモジ
京太郎「今更かっ」
京太郎「……というわけで、好きです」
竜華「ほ、ほんまに?」
京太郎「本当の本当に、本気も本気で」
竜華「うちでええの? 竹井さんとか、福路さんとか……怜も」
京太郎「お前がいいんだ」
竜華「そか……」ギュッ
竜華「もうちょい、こうしててもええかな?」
京太郎「いいけど、俺が我慢できなくなるまでな」
竜華「我慢?」
京太郎「色々あたって、柔らかいから」
竜華「色々、柔らかい……あっ」カァァ
竜華「え、えっちな気分になっちゃった?」
京太郎「なりそう、ってかなる」
竜華「……ええよ、別に」
京太郎「それは嬉しいけど、家族と出かけてたんじゃないのか?」
竜華「あ……そうやった」ブーブー
京太郎「メールじゃないか?」
竜華「ん……お母さん?」
京太郎「戻ってこいって?」
竜華「そうやなくて……外泊、許可されちゃった」
京太郎「マジかー」
京太郎「……」
竜華「……」
京太郎「なぁ」
竜華「な、なに?」
京太郎「これから泊まる場所探すんだけど、一緒にどう?」
竜華「あわわ……ぜ、是非っ」
竜華「えへへ……ね、気持ちええかな?」
京太郎「んー、胸で顔見えない」
竜華「もう、せっかく膝枕しとんのに……京くん」
京太郎「……京くん?」
竜華「うん。色々してもうたし……」モジモジ
京太郎「それに、そういう関係だしってか」
竜華「竜ちゃんって呼んでもええよ?」
京太郎「……竜ちゃん?」
竜華「ダメ?」
京太郎「なんつーか、どっかの芸人みたい」
竜華「そうかな? 竹井さんとか羨ましかったんやけど」
京太郎「久ちゃんが?」
竜華「そう、それ」
京太郎「……」
京太郎(思えば、俺の中でちゃん付けって結構特別だよな)
京太郎(どういう基準で呼んでるのかはよくわかんないけど)
京太郎「竜ちゃん」
竜華「なぁに、京くん」
京太郎「竜ちゃん」
竜華「なぁに、京くん」
京太郎「……やっぱしっくりこないな」
竜華「えぇー!?」
竜華「も、もっかい! もっかいだけでええからぁ!」
京太郎「そういうのって大抵一回じゃ済まないよな」
竜華「むぅ……こうなったら」
竜華「京くん……」ムニュッ
京太郎「うっ……」
竜華「竜ちゃんって呼んでくれるなら、好きにしてもええから……」
京太郎「……いただきますっ」ガバッ
竜華「きゃっ♪」
『エンディング――バカップル入門編』
というわけで終了
安価は後日でおやすみなさい
こんばんはー
今夜は時間がないのでちょっと早めに安価取りたいんですけど、人いますかね?
それじゃ、この中からお好きなのをどうぞ
済がついてるのは選べません
個別
大星淡 済
天江衣 済
桧森誓子 済
姉帯豊音 済
三尋木咏 済
神代小蒔 済
ネリー・ヴィルサラーゼ 済
宮永照 済
エイスリン・ウィッシュアート
白水哩 済
竹井久
福路美穂子 済
松実玄 済
薄墨初美 済
滝見春 済
石戸霞
園城寺怜 済
真屋由暉子 済
清水谷竜華 済
鶴田姫子 済
特殊
久照
久美穂子
小蒔霞
哩姫
怜竜
37分まで
締切
それじゃ割ってきます
コンマ判定
エイスリン:1-37
霞:38-74
久:74-87
哩姫:88-00
直下
エイちゃんということで
次あたりはエンディング以外のものをやるかもしれません
それじゃ、出勤してきます
・インハイで見かけた伝説の男――黎明編
誠(突然だけど高久田誠だ)
誠(ひと夏の過ちという言葉からは縁が遠そうな夏休みのある日)
誠(暇を持て余してつけたテレビで、俺は伝説の始まりを目にしたんだ)
――インハイ実況スレより
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
前半戦終了
今のとこ臨海がトップか
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
新参校も一人沈みとかかわいそうにな
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
一回戦はそこから逆転できてたけど今回はどうなるかね?
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
有珠山の副将の子かわいいな
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
衣装結構凝ってるね
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:BlackDora
おもちも大きいのです!
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
おもち?
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
そんなことより後半戦はよ
はやりんの実況ボイスが聞きたいんじゃ~
『さて、後半戦の開始です……ところで瑞原プロ、その男子生徒は一体』
はやり『えー? 須賀京太郎くん。地方のイベントで手伝ってくれたことがあるんだよ?』
『は、はぁ……』
はやり『大丈夫、京太郎くんはタレント性あるから☆』
『そういう問題ではないんですけど……』
京太郎『……』ガッチガチ
はやり『さ、ここ座って?』
京太郎『は、はいっ』
誠「あれ、この人たしか……」
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:14.24 ID:???
なんぞこいつ
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:14.24 ID:???
だれこいつ
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:14.24 ID:???
なにこれ
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
みなの心が一つになった瞬間であった……
はやり『えっとぉ、じゃあまずは簡単に自己紹介お願いね☆』
京太郎『す、須賀京太郎ですっ』
誠(須賀京太郎、その名前には大いに聞き覚えがあった)
誠(というか、うちの学校の有名人だった)
誠(それがまさか全国ネットに姿を見せるだなんて……)
誠「マジぱねぇ」
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
目撃情報
某S糸台のO星と試合前デート
さっきお菓子一緒に選んでたの見たわ
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
今日の話か?
病院で見かけたけど、S里山のS水谷と一緒にいたぞ?
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
それなら路上で某ドラゴンロードの胸揉んでたって噂だけど
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
どれが本当なんだ……
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
逆にかんがえよう
どれも本当なんだと
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
つまり……どういうことだってばよ?
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
それが本当なら、やつはまぎれもない伝説ということになるな
:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
これ以上この話題続けるならスレ立てたほうがいいと思う
誠(実況スレを覗いてみたら案の定、結構な盛り上がりっぷり)
誠(というか、女子とどうこうとかそういう目撃情報ばっかだった)
誠「だけどまぁ、たしかにスレチだよな」
誠「先輩の情報は確かに気になるとこだけど……ん?」
【神か悪魔か】インハイで見かけた伝説の男
1:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
インハイの解説席に突如として現れた謎の男子高校生について語るスレです
彼に関する話題や目撃情報はこちらへどうぞ
2:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
現状判明してる情報
・名前はS賀K太郎(一応プライバシーのため伏せておく)
・S糸台のO星とデート
・S里山のS水谷と一緒に病院にいた
・路上でA知賀のドラゴンロードの胸を揉んでいた
・上の三つが全て同じ日に行われたらしい
などなど
3:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
本当に立てたのかよw
4:名無しの雀士 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
早すぎw
誠「うわ、もうスレ立ってる」
というわけで黎明編終了
続きは未定
ほな、おやすみなさい
お久しぶりでこんばんはー
風呂入ったらやろうかと
んじゃ、そろそろ始めます
豊音「あと一枚、リーチだよー」
エイスリン「トヨネ、ドウゾ」
豊音「ぼっちじゃないよー」スッ
豊音「あ、来た来た。これでアガリだね」
塞「トヨネが二位抜けかぁ、うかうかしてられないね」
胡桃「頑張ってー」
白望「重い……」
塞「一位抜けは特等席で充電中と」
エイスリン「サエ、ツギ」
塞「あ、ごめん。どうぞ」
エイスリン「ン……アガリ!」
塞「え、うそっ」
胡桃「シロと塞で最下位争いだね」
豊音「白熱だよー」
エイスリン「Dead heat!」
胡桃「ビリのデッドヒートってなんか悲しいね……」
塞「うるさいよ」
白望「いいよ、引きなよ」
塞「どっちかがジョーカー……こっち!」
白望「残念」
塞「うわ、そっちだった」
白望「それじゃあ早速」スッ
塞「待った! 今シャッフルするから」
白望「どうせ二枚だけだから、そんなに変わらないと思うけど」
塞「こっちの気持ち的な問題だから……はい、どうぞ」
白望「……ちょいタンマ」
塞「げっ、それずるくない?」
白望「ちょっと考えてるだけ」
塞「いや、それもう使う気満々じゃん」
白望「麻雀以外ではどうなるかわからないし……こっち、かな?」
塞「アタリ……はぁ、最下位かぁ」
豊音「ねぇねぇ、次どうする? またババ抜きかな?」
胡桃「もう何回かやったし、そろそろゲーム変える?」
塞「いっそセブンブリッジとか?」
白望「ほとんど麻雀だね」
胡桃「エイちゃんはなんかやりたいのある?」
エイスリン「Hmm……Poker?」
塞「ポーカーね、一応ルールはわかるかな」
豊音「はいはいっ、初心者だよー」
胡桃「簡単に説明してからやってみる?」
塞「そうだね」
胡桃「それじゃあシロ、お願い」
白望「……なんで?」
胡桃「実は私もルールよくわからなかったり」
白望「塞、パス」
塞「しょうがないなぁ……エイスリン、役の図説任せた」
エイスリン「ン、カシコマリ」
エイスリン「Seven quads!」
エイスリン「Tens full!」
エイスリン「Jack high straight!」
胡桃「うわ、エイちゃん強すぎ……」
塞「そりゃ役を作るって点だったら強いよね……」
白望「ダル……」
豊音「わぁ、ちょーやばいよー」
塞「……」スチャ
胡桃「あれ、モノクル?」
塞「塞ぐよ」
エイスリン「Come on、カカッテキナサイ」クイクイ
豊音「みんなでトランプちょー楽しいよー」
白望「沖縄に来てまでって思わなくはないけど、ダルくないからいいかな」
豊音「海に入れなかったのは残念だったね」
白望「ちょっと遠出すれば、開いてるとこあるみたいだね」
豊音「じゃあ明日はそこだね」
白望「おんぶして連れてって」
豊音「えっと、おとといきやがれ?」
白望「ダル……」
塞「うわ、意外に寒いね」
豊音「潮風ビュービューだよー」
胡桃「海の水もちょっと冷たいね」
白望「とりあえず休憩求む。ここまで来るのにエネルギー使ったから」
胡桃「バスに乗ってただけでしょ」
エイスリン「……」グリグリ
豊音「砂の中になにかあるのかな?」
エイスリン「ン、Clam」
豊音「わっ、それ貝?」
塞「アサリだね」
エイスリン「Clam digging、ケッコウタノシイ」
胡桃「潮干狩りだね」
塞「いっぱい採れたらご飯になるかな?」
豊音「うんうん、ちょー楽しそうかも」
胡桃「ちょっと待って!」
塞「え、なに?」
胡桃「勝手に採ったら怒られないかな?」
塞「あ、確かに」
エイスリン「ショバダイ、イル?」
豊音「世知辛いよー」
白望「別に構わないみたいだよ」
塞「そうなの?」
白望「海の家の人に聞いておいたよ。こんなこともあろうかと」
胡桃「槍が降るね」
エイスリン「What's got into you!」
豊音「熱あるの? 大丈夫? 休む?」
白望「ダル……」
塞「まぁまぁ、たまにはこんなこともあるよ」
塞「それより、潮干狩るんだったら砂を掘るものもあったほうがいいんじゃない?」
胡桃「ちっちゃいスコップとか?」
白望「要りそうなものは借りてきたよ。こんなこともあろうかと」
豊音「ちゃんと人数分あるね。ぼっちじゃなくてよかったよー」
塞「本当に用意いいね」
白望「あと、あんまり人来ないから調理場も貸してくれるって」
エイスリン「Oh、ミンナデオリョウリ?」
塞「それも聞いてみたの?」
白望「そんなこともあろうかと」
塞「……シロ、それ言いたいだけでしょ」
豊音「大漁だよー!」
塞「思ってたより……てか、さすがに採りすぎたかな」
エイスリン「イレグイ!」
塞「別に貝の方から来てるわけじゃないから」
胡桃「どうするの? ちょっと食べきれない量だよね」
白望「余分なのは戻せばいいんじゃない? まだ生きてるし」
エイスリン「No more ムエキナセッショウ」
塞「そうだね、ここの人たちにも申し訳ないし」
白望「じゃ、戻すのは任せた」
胡桃「むむっ、サボりだね」
白望「しゃがみすぎて足がもうダルい」
胡桃「じゃあバケツ持ってるだけでいいから、ほら」
白望「ダル……」
豊音「貝さんたち、元気でねー」
エイスリン「マルマルフトレヨー」
胡桃「というわけで、今回のMVPは……エイちゃんです!」
エイスリン「ドーモドーモ」
塞「賞の内容は?」
胡桃「一番大きなのを引き当てたで賞」
豊音「この貝、ちょー大きいよー」
白望「ハマグリかな? 10センチはあるね……こんなの沖縄にいるんだ」
エイスリン「What's the prize?」
胡桃「私の特等席、どうぞ」
白望「え、私?」
エイスリン「オジャマシマス」
白望「重……」
豊音「私も後でやりたいなーって」
白望「ちょっ、さすがに潰れるって」
豊音「えぇー!?」
塞「さ、今回のMVPと椅子には休んでてもらおうか」
白望「椅子扱いとか……」
胡桃「じゃあ私たちは……えっと、貝の砂抜きから?」
塞「そうだね。やり方も教えてくれるみたいだから、やってみようか」
豊音「うぅ、この悲しみはお料理で発散しまくるよー」
エイスリン「ハッサン? セイケンヅキ?」
塞「いやいや、腰は深く落とさないから」
エイスリン「~~♪」
白望「なに描いてるの?」
エイスリン「Today's topics」
白望「それ、さっきの?」
エイスリン「シオヒガッタカラ」
白望「お昼ご飯、楽しみだね」
エイスリン「ハマグリ、タノシミ」
白望「ここの人たちも驚いてたね」ムニュ
エイスリン「……シロ、オッキイ」
白望「豊音ほどじゃないよ」
エイスリン「キョータロ、オッキイノスキ」
白望「……そっちか」
「京太郎ー、お土産来てるぞー」
京太郎「お土産? どこからだよ」
「沖縄だな」
京太郎「沖縄……ああ、エイスリンたちね」
「簡単に当てられるとつまらないな」
京太郎「なに送ってきたのさ」
「色々だ、色々。自分で見てみろよ」
京太郎「わかったよ」
「泡盛は俺が貰っておいたからな」
京太郎「どうせまだ飲めないっての」
「大抵は隠れて飲んでるもんだけどな」
京太郎「大体それ、親父にって送ってきたんじゃないの?」
「そういうことだ」
京太郎「黒糖ちんすこうに黒糖ショコラ、黒糖カステラに黒糖紅芋タルト……」
京太郎「いや、これ絶対送る相手間違えてるだろ」
京太郎「あとは……ん?」ペラッ
京太郎「この絵、貝でも食ってきたのか? いや、シャベル持ってるから……そうか、潮干狩りってやつだな」
京太郎「二枚目……んー、『Huge clam』? でかい貝ってことか」
京太郎「んで次は……炊き込みご飯? まぁ、食うよなそりゃ」
京太郎「なんにしても楽しそうでなによりだ」
京太郎「いや、てかホント楽しそうだな。やっぱ誰かと行っときゃよかったかな、卒業旅行」
京太郎「……よし、もうちょっと暖かくなったら俺も潮干狩ろう」
京太郎「その時はあいつも一緒に……って、今回散々やっただろうし、いやがるかな」
京太郎「ま、その前にやること済ませとかないとな」
京太郎「エイスリンにもきちんと――」
「お、告白の算段がついたか?」
京太郎「うおわっ!」
「なんだなんだ、面白いぐらい飛び上がって」
京太郎「いつの間にか後ろにいるのやめろよ!」
「別に忍び寄ったわけじゃないぞ?」
京太郎「せめて声かけてくれよ……」
「ちゃんとかけただろ、こうやって」
京太郎「おおよそ最悪のタイミングでなっ」
「で、いつ告白するんだ? お膳立てぐらいならしてやるぞ」
京太郎「あーもう!」
胡桃「おはよー」
エイスリン「ハヨー」
白望「よー」
豊音「えっとえっと……長音だけ表現するとかちょーむずかしいよー」
塞「普通におはようでよくない?」
胡桃「さて、今日集まってもらったのはなんだけど」
塞「なにもなければ大抵集まってると思うんだけど」
白望「ダル……帰っていい?」
胡桃「ダメ!」
エイスリン「シロ、クチダケ」
豊音「うんうん、なんだかんだで一緒にいてくれるんだよねー」
エイスリン「ネー」
白望「……ダル」プイッ
塞「それで、何の話だっけ?」
胡桃「ゴールデンウィーク、みんなはどうするのかな?」
塞「そういえばもうすぐだね」
白望「もちろん家でゴロゴロする」
塞「なにもなければ、私も家でおとなしくしてようかな」
豊音「とりあえずお父さんのところに帰ろうかなーって」
エイスリン「ワタシモ、チョットデカケル」
胡桃「そっか、予定が合えば先生のところに遊びに行こうかと思ったんだけど」
塞「先生のとこに? たしかにいいかもね」
豊音「会いたいなぁ、おばあちゃん」
白望「おばあちゃん?」
豊音「あ、トシ先生がそう呼んでもいいって」
塞「でもせっかくならみんなで行きたいよね。エイスリンもトヨネも全部埋まっちゃってるの?」
豊音「お休み長いから、後半だったら多分大丈夫かな?」
エイスリン「ワタシモ」
胡桃「そういえば、エイちゃんはどこ行くの?」
白望「……」
エイスリン「ナガノ!」
京太郎「長野に行ったぁ?」
白望「そうだね」
京太郎「ってことは俺の家か……入れ違いだな」
白望「どうせこのあと帰るんでしょ?」
京太郎「まぁ、そうだけどよ」
京太郎(親父たちのやろう、わざと知らせなかったな……!)
京太郎「でも、お前は行かなかったんだな」
白望「別に、呼ばれてないし」
京太郎「いいや、うちの親だったらお前も呼んでるはずだ」
白望「はぁ……察しがいいのはダルいね」
京太郎「ま、無理に来いとは言わないけどさ。うちの両親はやかましいからな」
白望「……行きたくなかったわけでもないんだけどね」
白望「でも、多分一緒にいたら辛くなるから」
京太郎「エイスリンとか?」
白望「それと……」
京太郎「そうか……悪いな」
白望「謝ることでもないでしょ」
京太郎「俺が言いたいだけだよ」
白望「そう、なら仕方ないね」
「おう、おかえり。意外と遅かったな」
京太郎「外でなにしてんだよ」
「お前を待ってたに決まってるだろ」
京太郎「うわ、気持ち悪っ」
「冗談だ。晩御飯の後の一服だ」
京太郎「喫煙者は肩身狭いな」
「わかったような口きくな。ほら、愛しの彼女が待ってるぞ」
京太郎「やっぱりわざと知らせなかったんだな」
「サプライズな。あと、お膳立てしてやるとも言ったしな」
京太郎「小さな親切大きなお世話って知ってるよな」
「ははは、俺のはほとんど悪戯心だから気にするな」
京太郎「余計タチ悪いっての!」
エイスリン「キョータロ?」
京太郎「あ、ああ……久しぶり」
「ひゅーひゅー、照れてやがるぜこいつぁ」
京太郎「ぶっとばすぞこの野郎!」
「邪魔者は消えるよ。後は若い二人でな」
京太郎「くそっ、言いたいこと言って引っ込みやがった……!」
エイスリン「キョータロ」クイクイ
京太郎「悪いな、いきなり騒いで」
エイスリン「ンッ」ギュッ
京太郎「なんだ、むこうで言うところの挨拶か?」
エイスリン「ニホンノコイビト、コウスルッテ」
京太郎「恋人ね……」
エイスリン「コウシタカッタ、キョータロト」
京太郎「うん、まぁ、なんつーか……俺も、かな」
エイスリン「Really?」
京太郎「本当だ」
エイスリン「Are you sure?」
京太郎「本気だ」
エイスリン「Are you really sure?」
京太郎「本当も本当、本気も本気だ」
京太郎(直球なら好きだ。英語ならI love you)
京太郎(んでもって、どこぞの文豪が言ったとされる言葉を借りるなら――)
京太郎「月、綺麗だよな」
エイスリン「……」
京太郎(やばい、外したか? キザすぎたか?)
京太郎(てか、いくら直球が恥ずかしいからって、伝わんなきゃ意味ねーじゃん!)
京太郎「いや、あのさ、これはなんつーか……」
エイスリン「キョータロ」グイッ
京太郎「んっ――」
エイスリン「――ツキ、マエカラズットキレイ」
京太郎「……そうだな」
「終わったかー?」
京太郎「うおわっ!」
エイスリン「――っ!」
「ははは、相変わらずの飛び上がりっぷりだ」
京太郎「お、親父……怒りのボルテージが上がってきたんだけど」
「おっと、攻撃力が上がる前にこれ」ピラッ
エイスリン「What?」
「お買い物リストだ。せっかくだから二人で行ってこいよ」
京太郎「まったく、あのクソ親父め」
エイスリン「ケンカスルホドナカヨシ?」
京太郎「その言葉はなんにでも当てはまるわけじゃないからな?」
エイスリン「?」
京太郎「首傾げんな。わかってくれ」
エイスリン「キョータロ、スナオジャナイッテ」
京太郎「それも親父か?」
エイスリン「Nah、オカアサン」
京太郎「……母さんが?」
エイスリン「ワタシモ、オカアサンッテヨンデイイッテ」
京太郎「……気が早すぎだっての」
エイスリン「イコ?」
京太郎「ああ、まあのんびり歩こうぜ」
京太郎「大体そろったか?」
エイスリン「ン……アレ?」
京太郎「どした?」
エイスリン「……」カァァ
京太郎「え、いきなりそんな反応されても」
エイスリン「コ、コンビニ、イク?」
京太郎「別に構わない……ってちょっと待て」
『コンビニか薬局で売ってるゴム、1000円ぐらいの』
京太郎「またか、またなのか親父……!」
エイスリン「……カウ?」
京太郎「いや、親父の思惑に乗るのは……」
エイスリン「……」ギュッ
京太郎「……千円使っても三千円は余るな」
京太郎「少し寄り道してくか」
エイスリン「ドコイクノ?」
京太郎「まあ、俺も一回しか入ったことないけど、お城みたいな建物だな」
『寄り道するから帰り遅くなる』
「寄り道だってさ」
「遅くなるのね」
「残金はせいぜい三千円だろうから、二時間ぐらいか?」
「赤飯炊いておこうかしら?」
「祝杯の準備だな」
「楽しみねぇ」
「全くだよ」
エイスリン「キョータロ、こっちこっち!」
京太郎「エイスリン、まって」
エイスリン「バス、もうすぐ来ちゃうから」
京太郎「わかってるって」
京太郎(今は八月の半ば。大学は夏休みだそうだ)
京太郎(しかしながら、ニュージーランドは冬)
京太郎(だから寒い。でも、体の強張りはきっと寒さのせいだけじゃない)
エイスリン「英語上手くなったね」
京太郎「まだけっこうカタコトだけど」
エイスリン「頑張りました」
京太郎「せんせいがよかったんだ」
エイスリン「本当? 嬉しい」
京太郎「へんなこといってたらおしえてくれ」
エイスリン「任せて」
京太郎(誰かと一緒になる上で避けられないイベント)
京太郎(つまりは、ご両親への挨拶)
京太郎(強張るどころか震えまで併発しそうだ)
京太郎「……」
エイスリン「緊張してる?」
京太郎「ちょっと……いや、かなり」
エイスリン「私がついてるから」ギュッ
京太郎「……そりゃこころづよいな」
京太郎(でも、こうやってハグされたらなんとかなりそうって思ってしまうのは、自分でも単純だとは思う)
京太郎「よし、いくか!」
エイスリン「うん」
『エンディング――月が綺麗の訳し方』
というわけで終了
んでもって新スレ
久「あんたが三年生で良かった」京太郎「……お別れだな」
久「あんたが三年生で良かった」京太郎「……お別れだな」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511719827/)
1000に関してはいつも通りで
何らかの数値に影響を及ぼすものもありといえばありです
それじゃ、煮るなり焼くなり埋めるなり好きにしちゃってください
眠いので安価は後日
このSSまとめへのコメント
エレ速もう一週間も書き込みできないわ
早く規制解除しろやクソ管理人
俺が何したんだよ
↑このレスだけでだいたいわかるぞ