美波(――目覚めたのは、轟々と炎が燃え盛る……暖炉を囲んだ部屋でした)
美波(――その場に寝ころんでいたのは、私とアーニャちゃん)
美波(――最後の記憶は、たしかアーニャちゃんの故郷の北海道でライブをした後の休憩時間)
美波(――着ていたものは、ピュアホワイトメモリーズ……アーニャちゃんとお揃いの、白い衣装)
美波(――襟と帽子は取り外されていて、壁に丁寧に掛けられていたのが見えました。つまり、肩から上は何も着ていません)
美波(――暖炉の他には、カーペットと、水の入ったお皿と、それから一枚の毛布)
美波(――部屋にはドアと窓が一つずつ取り付けられていて)
美波(――窓の外が真っ暗だったことから、今が夜だと言うことが分かりました)
美波(――そして、吹きすさぶ雪の音と微かに入って来るすきま風に頭を冷やされて……私は、大変なことに気付いたのです)
美波(――私も、アーニャちゃんも)
美波(――手を後ろに縛られていたのです)
――――――――――――――――――――
(――そして)
(――吹雪の音に掻き消されて、2人の耳には届きようも無かったことだが)
(――密室、拘束、2人きり)
(――そんな状況のラブライカが山小屋に居て、何も起きないはずがなく―――――)
ゴミクズ「ラブライカだああああ!! 3Pいくぞおおおおおっ!!!」
親衛隊「通すかあああああああああッ!!!」
(――ラブライカの現状を知り、自らも間に挟まらんとするゴミクズの群)
(――ラブライカを拘束した張本人であり、男の介入を決して許さない親衛隊)
(――二つの勢力が、今ぶつかろうとしていた―――――!!)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483100697
多分今年最後の拘束モノです。
ピックアップ終了ギリギリで森久保お迎え出来ました。
NNG以外のフェスはスルーしてるので、デレステ始めてから今年が終わるまでの総課金額は1.2ありすで終われそうです。
月末で一気にヘレンさん達3人が実装されるかもしんないし節約しないとね。
――――――――――
美波「アーニャちゃん。アーニャちゃんっ!」
アーニャ「……ミナミ? Доброе утро……おはよう、ございます……?」
美波「おはようアーニャちゃん。…と言っても、夜みたいだけど」
アーニャ「んー……本当です。Снег……雪、降ってます」
美波「そうなの。それで……」ハッ
美波(――待って。アーニャちゃんに今の状況を説明するとして……)
美波(――ドアも窓も、外側から鍵が掛かってた)
美波(――窓は体当たりすれば壊せるかもしれないけど、怪我をするかもしれない)
美波(――大体、こんな天気の中こんな薄着で飛び出すわけにはいかない)
美波(――縛られている私達に、今何かするべき事は……多分ない)
美波(――このままじゃ私達をさらった人たちが戻って来て、酷い目に遭わされるかも知れないけど)
美波(――それより、アーニャちゃんのためにもこの暖を棄てることはできない……!)
美波(――だから、何もしないで休むのが賢明なこの状況でアーニャちゃんを不安にさせることは……言わない方がいい)
美波(――それなら……)
アーニャ「ミナミ?」
美波「う、ううん! なんでもないよアーニャちゃん」
美波「……えっと。さっき現地の人にこの小屋で泊めてもらったの」
美波「そこで眠るアーニャちゃんを見て『拘束プレイしたいなー』なんて思って……さっきの人に縛ってもらって」
美波「朝になったら解きに来てくれる約束だから、それまで付き合ってくれないかなー……?」
アーニャ「……」
アーニャ「ミナミ」
美波「はい」
アーニャ「雪山は怖いです」
アーニャ「こんなすきま風が入ってくるような小屋で薄着になって拘束……プレイだなんて自分から動けなくなるようなことをして」
アーニャ「凍えて死にそうになっても何も出来なくなるようなことしないでください」
アーニャ「ミナミのしたいことなら付き合います」
アーニャ「でも雪山を侮らないでください。死にます」
美波「……はい」
美波(――予想以上に怒られちゃったけど)
美波(――これでアーニャちゃんの不安は取り除けたかな……)
美波(――自分でも頓珍漢なことを言ってる自覚はあったのよ……!)カアア
――――――――――
ゴミクズ「―――なぜだ!」
親衛隊「あん?」
ゴミクズ「なぜ我々の邪魔をする! 我々の邪魔をするくらいなら何故ラブライカの2人を縛った!?」
ゴミクズ「こんなクッソ寒い雪山に! 凍死させる気か!?」
ゴミクズ「おまえ達は自分勝手な百合妄想でアイドルを危険な状況において!」
ゴミクズ「俺達は自分勝手な性欲でアイドルを蹂躙する!」
ゴミクズ「そこになんの違いもありゃしねえだろうが!」
親衛隊「違うのだ!!」
親衛隊「……フッ。元から自分勝手なことをやっている自覚はある」
親衛隊「ただ、俺達が彼女たちをこの手で汚すのは違うってだけさ」
親衛隊「俺達には見たいものがある」
親衛隊「絶妙に凍える場所で、新田美波とアナスタシアを縛り、二人きりで転がして……」
親衛隊「そんな状況じゃないと見れないものがある……」
親衛隊「それをこの目で拝み、暖かい気持ちで逝くのが目的だ……!」
ゴミクズ「……( ゚д゚)ハァ?」
親衛隊「……なに、朝にはアーニャの親父さん達が迎えに来る。それくらいの時間に来れるよう、俺が仕向けた」
親衛隊「どっちみち俺達に明日はないが……もとより人生詰んだ身よ。この命惜しくはない」
親衛隊「最期だけは、尊いものを見ていたいじゃないか……」
ゴミクズ「ほざけ!」
――――――――――
美波「……ッ!」プルッ
アーニャ「ミナミ……寒い、ですか?」
美波「……うん、ごめんねアーニャちゃん。毛布、貸してもらってもいいかな?」
アーニャ「ダー。いっしょに、温め合いましょう♪」
美波「そうだね! ……本当にごめんね、こんな危険な真似して……」
アーニャ「ニェット。もう反省してくれましたから、怒りません」
アーニャ「それより、ちゃんとミナミが暖まってくれることが大事です」
アーニャ「知ってますか、ミナミ? 毛布と、二人のひとを使った、身体の温め方を……」
美波「? なあに、アーニャちゃん?」
アーニャ「それは……」
アーニャ「裸で抱き合う事、ですね?」
美波「」
美波「!?」
――――――――――
親衛隊下っ端「隊長! 奴ら強いです! あの数と質じゃ敵いません!」
親衛隊隊長「クソッ! サル共め、いきり立ちやがって……よし!」
隊長「あの連携はゴミクズ共のリーダーが優れた指示を出しているからだ」
隊長「よってこれより投擲を用いて奴らの頭を狙撃する!」
隊長「何か投げられるものはもっていないか!?」
下っ端「ダメです! シンデレラガールズのCDしか持ってません!」
隊長「よこせ!」
下っ端「やだ!」
隊長「一枚でいいんだ!」
下っ端「そんな事言って適当に取った一枚が大事なものだったりするんですよ!」
隊長「分かった! じゃあちゃんと選ぶから投げちゃダメなものか判定しろ!」
下っ端「それなら」
隊長「ソロ曲を投げれば間違いなく担当Pから顰蹙を買うから……『お願い!シンデレラ』投げていいか?」
下っ端「ダメです」
隊長「『輝く世界の魔法』」
下っ端「絶対ダメ」
隊長「『We're the friends!』」
下っ端「いいですよ」
隊長「『Absolute NIne』」
下っ端「……ダメです」
隊長「『Take me☆Take you』」
下っ端「投げたら頭カチ割るぞ」
隊長「おら! 喰らえウィアフレカッター!」ヒュッ
ゴミクズリーダー「グエー」スパッ
――――――――――
美波「は、は、は、裸!?」
アーニャ「ダー!」
美波「だ、駄目よアーニャちゃん。私達縛られてるから、服を脱ぐことなんて出来ないんじゃ……!」
アーニャ「できます。『ピュアホワイトメモリーズ』は、Рукава……袖のない衣装です」
アーニャ「下にめくれば、脱ぐことが出来ますね?」
美波「そ、それでも私達、縛られてるのに……!?」
アーニャ「口があります。足も、あります」
アーニャ「手を使わなくても、ミナミと二人なら衣装は脱げます!」
美波「あう……」
アーニャ「ね?」
美波「……うん、そうだね」
美波「お願いします……」
アーニャ「ハラショー! ……では、脱がせますね?」
アーニャ「……はぐ」
美波(――やや強引に私を言いくるめると)
美波(――アーニャちゃんはまず口を使って、腰の留め具を解きました)
美波(――腰の戒めが無くなれば、次は胸)
美波(――胸元の布を口に含んで、破けないように繊細に、少しずつおろしていきます)
美波(――その間ずっと、アーニャちゃんの温かな息が肌に噴きつけられて……)
美波(――その度に、紅潮した身体がふるえそうになるのを、理性で無理やり押さえつけていました)
美波(――決して小さくはないと思う私の胸が、完全に晒されてしまうと)
美波(――今度は膝で太ももを挟み、私の首に首を掛けて、ぴたりとくっついて)
美波(――耳元のすぐそばで、間隔の短い息遣いを続けながら)
美波(――ずりずりと、少しずつ、衣装を下にずらしていきました)
美波(――私が脱がされてしまえば、次はアーニャちゃんの番)
美波(――私達をさらった人たちが帰ってきたらどうしよう……とも考えたけど)
美波(――手足を除いて一糸纏わぬ身体では、もう考えても仕方のないこと)
美波(――それよりもアーニャちゃんを暖めることを第一に考えて、同じように衣装を解いてあげることにしました)
美波(――手順は、さっきアーニャちゃんが見せてくれた通り)
美波(――ただ、布にかぶりつく度に、目の前を滑らかに流れるものがあって)
美波(――アーニャちゃんの白い肌、暖炉にあてられてにじむ汗、首筋をなでる絹のような銀)
美波(――それを目に焼き付け、意図せずに頬や鼻先が触れ、体温や鼓動が伝わるたびに)
美波(――ああ、これだけでも十分温まるんじゃないかなってくらいに)
美波(――私の体温が上がっていくのを感じていました)
――――――――――
アーニャ「……ミナミ」
美波「……うん」
アーニャ「あたたかい、ですか?」
美波「うん。とっても」
美波(――抱きしめられない手の代わりに、離さないよう冷えた脚を絡み合わせ)
美波(――たった一枚の毛布の中、アーニャちゃんの柔らかい身体を私と重ね合わせると)
美波(――二人きりの世界に、暖かな気持ちが巡っていくのを感じます)
美波(――ああ)
美波(――どうか)
美波(――この温もりが、終わりませんように―――――)
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
ゴミクズ「んほーーーーー!!」
親衛隊「!?」
下っ端「な、なにが起きたんですか!?」
隊長「知らんのか? こんなクッソ寒い中で急に心拍数が上がればどうなるか」
隊長「冷えた血液が急激に身体を巡ってヤバいことになる」
下っ端「!」
隊長「お前も知っているだろう。今、縛られたラブライカの二人が裸で身を寄せ合った」
隊長「その光景を遠目からこうして観測し……」
隊長「あいつらはエレクトして自滅した」
隊長「俺達は穏やかな気持ちになった」
隊長「立派な違いだ。そうだろう?」
下っ端「はいっ!」
隊長「それと……軽く調べてはみたが」
隊長「『雪山で遭難した時裸で抱き合う』ってのは、必ずしも正しい行為じゃないらしいな」
隊長「有効なのは複数人いるときの一方が低体温症に陥って、服を着ても自分で体温を生み出せないとき、もしくは衣服が濡れているとき」
隊長「こういう時はゆっくりと体温を上げるという意味で有用らしい」
隊長「それ以外なら普通に服を着て抱き合うなり寝袋に二人で籠るなりしたほうがいいみたいだ」
隊長「そして抱き合ってるからって外気にマッパを晒すのはダメだぞ。せめて毛布被れよ」
隊長「……さて。ぶっちゃけ登山をしたことのない素人の言うことだから、自分でも情報の裏付けを取っておいて欲しい」
隊長「俺から何か言うのは、ここまでにしよう……」
隊長「今なら、暖かな気持ちで逝けそうだ……」ガクリ
(――密室、拘束、二人きり)
(――そんな状況下で、何も起きないはずがなく―――――)
(――二人の仲睦まじい少女達の周囲には、幾千もの男たちが屍となり散っていった――――――――――)
おしまい
ようやくラブライカで一本書けました。
昨年からデレマスで拘束モノを書き続け、これでようやくCPメンバーを網羅出来たことになります(*は登場させたかどうか微妙なとこけどね)。
思えば拘束モノばっかり長い事書き続けてきましたが、来年もネタが浮かんだらスレ立てしようと思いますので、その時はまた読んでいただけると嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それではよいお年を。
昨年の3月から書き続けた拘束モノシリーズ過去作一覧です。
卯月「事務所に」凛「入ったら」未央「手錠があった」
卯月「事務所に」凛「入ったら」未央「手錠があった」 - SSまとめ速報
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凛「事務所に」奈緒「入ったら」加蓮「手錠があった」凛「…また?」
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乃々「凛さんが縛られてるんですけど……」
乃々「凛さんが縛られてるんですけど……」 - SSまとめ速報
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同人のネタにしてくれてもいいのよ。
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