【艦これ】提督「高雄と愛宕と、俺」 (1000)


< しかいない >






高雄「なんてつまらないって最近思うことが」

提督「へぇ? 」

高雄「……もちろん、あなただけいれば十分ですけれど」

提督「……俺は、高雄だけじゃ生きていけない」

高雄「でしょうね……はぁ」

提督「…………高雄がそうしたいなら、俺も変わるけど」

高雄「それはもう私の好きなあなたじゃないの。……時々こうやって抱き締めてくれれば、それで」

提督「ん」





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< ある要港部 >




提督……北海道出身のウイスキー教スコッチ会ニッカ派。好きな色は赤、白、黒、水色

高雄……指輪持ち。ワインは赤派でチェスが得意

愛宕……指輪持ち。鰹のたたきが好きな自称享楽主義者

明石……技術者。指輪を始めとした諸所の問題の発生源。好きな酒はカルヴァドス

加賀……ワク。最近の悩みは赤城に会えないこと

雲龍……被虐主義者。最近つまみづくりがトレンド

天城……和をこよなく愛する空母。酒全般を飲み干す勢い

Littorio……享楽主義者に見えそうで見えない。割と天然で部屋は混沌

瑞穂……基地No.1お淑やか。でもお酒は好き

叢雲……強い。ハートも実力、それから酒にも。日本酒とウイスキーが好き

漣……好きなものは自由とゲーム。洋酒派

海風……料理好き。カシスよりピーチ派

江風……スポーツ全般が好き。缶ビールを好む


< 横須賀鎮守府 >




金剛……紅茶党として珈琲党に対抗している。酒より紅茶

霧島……実は割と珈琲が好き。霧島なら赤派

龍田……自称敗北者。酒は楽しむ為に飲む物

時雨……自称運頼み女。焼酎を飲んでいて驚かれるのが悩み事

春雨……スタイルが気になる。お酒はあまり飲まない

浜風……スタイルが気になる。ウイスキー挑戦中

鈴谷……イマドキ、になりたがる。あまりカシスやピーチは好きではない

扶桑……不幸では無くなってきたような気がしている。妹が好き

山城……姉が好き。不幸は酒の肴

鹿島……多忙の極み。割と天真爛漫気味

若葉……甘いものが好き。屋上同盟

GZ……珈琲と甘いものが手放せない。屋上同盟





あきつ丸……酒は酔う為に飲む物。別に嫌いではない


キャラ表はこんなもので大丈夫でしょうか?
こちらでもよろしくお願いします

ありがとうございました


< 嵐のような夜の後に >






提督「…………ん」

高雄「…………Zzz」

提督「…………あぁ、結構ヤってたな、うん」

高雄「…………Zzz」

提督「…………」

高雄「…………Zzz」

提督「…………シーツのアレさは兎も角床に酒零してグラス割れてるのは見なかったことにしたいなぁ」


< 今日も何でもない朝が来た >







提督「おはよう」

愛宕「ん、おはよ。高雄は? 」

提督「今シャワー浴びてる。……朝はコーヒーの香りがあると安心する」

愛宕「そうなの? 」

提督「穏やかな朝って感じ」

愛宕「ふーん……」

提督「……」

愛宕「……そのグラスどうしたの? 」

提督「……高雄と遊んでたら落としてね」

愛宕「馬鹿ね」

提督「馬鹿だよな。……とりあえずコーヒー飲んでから片付ける」

愛宕「はいはーい」


< この夜に名前を付けたい程に >







提督「今日のカクテルは……何がいい? 」

加賀「とりあえずハイボール」

提督「ん」

加賀「……よく平気で飲めるわね」

提督「え? 」

加賀「タフだとか頑丈だとかでは収まらないレベルだと思うけれど」

提督「そうかな。……そうかも。ん」

加賀「……ありがとう」

提督「いーえ。……いつ何時さ」

加賀「ええ」

提督「加賀みたいな子に巡り会えるか分からないから」

加賀「……」

提督「疲れてるなんて言えないよ」

加賀「そう。……ハイボールのカクテルワードをつくりたい気分ね」


< 比較 >






高雄「四月七日の誕生色は白百合。色言葉は“ 多才 ”、“ 内向性 ”、そして“ 創意工夫 ”」

漣「百合」

高雄「百合ですね」

漣「……ぶっちゃけ百合というかレズって結構いますよね」

高雄「まぁ、特殊な環境ですから」

漣「高雄さんもご主人様がいなかったら? 」

高雄「そうかもしれませんね。否定はできません」

漣「へぇ……」

高雄「それもあの人と愛宕の所為かもしれないけれど……というかその所為」

漣「はぁ。やっぱり愛宕さんってイメージ通りなんですか? 」

高雄「イメージ通りね」

漣「……凄そうですね」

高雄「あの人程では」







愛宕「……どういうイメージなのかしら。分からないでもないけど」

提督「……お前より凄い扱いされてる方が驚きだよ俺は」





< 仕掛けられた罠 >






雲龍「とりあえず今ヤりたい職業の女は? 衣装だけで考えると」

提督「え? うーん、キャビンアテンダント」

雲龍「ね? 」

天城「……本当に即答なんですね」

提督「え? 」

雲龍「仕方ないわよ」

天城「はぁ」

提督「……え? 」


< 生地で選んだ方がよかったりする >






雲龍「キャビンアテンダントの制服って買えるのかしら」

提督「まだその話続けるのかよ。……風のは買えるぞ。丈短かったりするけど」

雲龍「へぇ……」

天城「……また即答」

雲龍「仕方ないわよ」

天城「はぁ」

提督「あのさ……いや、俺も悪い気がするけどさ」


< 気分的な何か >






雲龍「キャビンアテンダントの衣装、実はあるのよね」

提督「なら訊かないでくんないかな」

雲龍「? 」

提督「ふぁっく」

雲龍「……いいのよ? 」

提督「……お前放置プレイ好きだろたぶん。マゾだし」

雲龍「宣言された放置なんてつまらないじゃない。燃えないわ」

提督「そうだな。……だが俺はそうする。悪いな」

雲龍「……そんな」


< 普通の女の子である、という奇跡 >







提督「今日のカクテルはスリップリーニプル、だ」

雲龍「すべすべ乳首? 」

提督「直訳だとそうだな。ぬらぬら乳首でもいいけど」

雲龍「下品ね」

提督「お前が言うんじゃねぇよ」

雲龍「私感覚は普通だと思うの。少し趣味が普通じゃないだけで」

提督「そうだけどさ」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……単純に眠いわ。どう? 」

提督「寝るだけな、寝るだけ」







< 考えているときが一番楽しい >






明石「……眠い」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………うどんかなぁ、ラーメンかなぁ。焼きそばでもいっか」



< 弱い心に寄り添って >






あきつ丸「……………………」

龍田「……何してるの? 」

あきつ丸「……………………」

龍田「…………ねぇ」

あきつ丸「…………自分は悪魔なのだろうか」

龍田「ん? ……悪魔ってずぶ濡れになるのね。避けられそうなのに」

あきつ丸「…………」

龍田「…………」

あきつ丸「…………人を殺しても海上で戦闘しても胸が痛まなくなったことに気付いた」

龍田「逆よりはマシじゃない? それで悩んでたなら笑ってあげたけれど」

あきつ丸「……笑えないが、そうでありますね」

龍田「……一緒に寝てあげましょうか? 」

あきつ丸「頼んでも、いいのか? 」

龍田「え? えーっとぉ……」


< 夜食。皆で食べれば怖くない >






明石「カップかレトルトで考えていたら予想以上にグレードアップしましたね」

瑞穂「はい? 」

明石「いえ……美味しいですよ、うどん」

瑞穂「簡単なもので申し訳ないですけれど」

明石「このレベルで文句言ってたら罰当たりますよ……当たる罰とか神様が私たちにあるのかは知りませんが」

瑞穂「あるのではないでしょうか」

明石「はぁ」

瑞穂「信じればそれは神様ですし……何かあれば責任も転嫁できますから。人の数だけいるんですよ」

明石「言いますね」

瑞穂「忘れてください。似合わないのは理解しています」

明石「…………」

瑞穂「…………」

明石「…………瑞穂さんは食べないんですか? 」

瑞穂「太ってもさすがにそれを神様の責任にはできませんから」


ありがとうございました


< 焼いて焼いて焼きまくれ >






漣「餃子ぱーちーだいぇーい」

提督「…………」

叢雲「黙々と餃子包むのはシュールね」

提督「…………」

漣「……無駄に上手ぇ。餃子職人かよ」

提督「…………」

叢雲「……私も」

漣「仕方ないなー、漣ちゃんもやりますよー」





提督「……なんだこれ」

叢雲「……食べてくれる人いるんだから大丈夫でしょ、たぶん」

漣「……焼いてないのにもう胃もたれしそう」


< パーリィ開幕 >






漣「へい、おまちー。餃子一人前のお客様ー」

加賀「ありがとう」

天城「……一人前? 」

瑞穂「……瑞穂はあんなに食べられませんよ」

叢雲「あれ、何人かでつまむ大皿のつもりだったんだけど」

漣「まぁまぁ。まだ沢山焼き続けてるしね? 」

瑞穂「ま、まだあるんですか」

漣「このお皿五枚分くらいは」

天城「何やってるんですかあの人は」

加賀「食べてしまえばいいのよ……美味しいわ、伝えておいて」


< 結局もう一皿 >






高雄「昼間から酒盛りですか」

加賀「あの人が悪いわ」

雲龍「餃子に占領されたテーブルというのも壮観ですね」

加賀「お酒に合うもの。餃子が悪いわ」

高雄「つまみになるものがあるからといって絶対に飲まなければいけないわけでは」

加賀「それに花金なのだし」

高雄「意味的には金曜の仕事終わりからが花金のような」

加賀「……ハイボール、頼むわ」

雲龍「はい」







提督「とりあえず最後の皿だぞ」

加賀「丁度良かったわ。酢胡椒を試そうと思っていたの」

提督「……まだ必要な感じじゃねぇか。俺なんてずっと何も食ってねぇんだけど」


< だってさぁ……仕方ないじゃん >






高雄「四月八日の誕生色は薄緑色。色言葉は“ 希望 ”、“ 敬愛 ”、そして“ 用意周到 ”」

提督「お前の赤城敬愛レベルも異常だよな」

加賀「否定はしません」

提督「できれば俺も敬愛してほしいんだが」

加賀「それは無理ね」

提督「……そうかい」

加賀「思慕と敬すことは違いますから」

提督「……」

加賀「……」

高雄「……そのニヤつきか無ければよかったのですけれど」


< それから数時間後の出来事 >






加賀「赤城さぁん……」

提督「僕は赤城さんではないんですよ、残念ながら」

加賀「知っています……赤城さん」

提督「いや、だからね」

Littorio「かなり珍しいですね、加賀がこうなるのは」

提督「そりゃ昼からずっと飲み続けてたしな」

加賀「はぁ……会いたい」

提督「……ほら、部屋行くぞ」

加賀「ん……待って」

提督「うん? 」

加賀「……今、にんにく臭いから。あまり顔を近付けないで」

提督「そんなの気にしねぇよ」

加賀「私がするのよ。……不覚だったわ、とても」

提督「じゃあ、首でも逸らしてろよ。抱っこしてやるから」

加賀「戻すじゃないそんなことしたら」

提督「…………なぁ」

Littorio「…………もうそのまま引き摺って行った方が早いと思いますよ」


< シンクロニシティ擬きな、餃子 >






赤城「む」

あきつ丸「? 」

赤城「加賀さんに呼ばれたような気が」

あきつ丸「そんなまさか。……そういえば」

赤城「はい? 」

あきつ丸「普段は然程あれのことについては言わないでありますね。
会う度にあちらは赤城赤城五月蝿いのに」

赤城「それは……そうかもしれませんね」

あきつ丸「そうだと思うが」

赤城「……加賀さんにはこれ以上甘えられませんから。
無意識に抑えているのかもしれません」

あきつ丸「はぁ」

赤城「…………なんとなく餃子を食べたい気分ですね」

あきつ丸「……脈絡が全く無いのはどういうことでありますか」


< レモンリキュールな夜に >






提督「今日の酒はリモンチェッロ、だ」

Littorio「胃に優しいですね。よく冷えていて美味しい」

提督「あぁ」

Littorio「……食べ過ぎました」

提督「……うん」

Littorio「加賀は化け物か何かなのですか? 人外という意味ではなくて」

提督「つくってもつくっても食べて飲んでたもんなぁ……腱鞘炎になりそう」

Littorio「……臭い、取れてますよね? 」

提督「あぁ。……風呂上がりのいい匂いしかしないよ」

Littorio「そう……よかった」


< まぁ、別に無くたってどうということもないけれど >






漣「どうでもいいことだけどさ」

叢雲「どうでもいいなら言わないで頂戴」

漣「ここだとご主人様以外皆Wikipediaに記事あるよね」

叢雲「本当にどうでもいいわね」

漣「本当にどうでもいいことだからね」

叢雲「……あいつの、無いの? 」

漣「名前で出るのはFacebookと柔道大会くらいだよ」

叢雲「ふーん……検索したのね」

漣「そりゃね。ご主人様の着任が決まった日にSNSは探したよ。馬鹿とか無能だったりしたら困るし」

叢雲「……知らなかったわ」

漣「言ってないもん。……ま、漣たちも元の艦艇のほうだけどね」


< 己の価値を理解しないという罪 >






赤城「弓、始めてみませんか? 」

あきつ丸「本当に全く脈絡が……そのうち気が向けば」

赤城「それは気が向かない人の常套句でしょう? 」

あきつ丸「……どうせ今更初めても上達しないであります」

赤城「いいじゃないですか。私はあきつ丸さんと的場に立ちたいです」

あきつ丸「…………」

赤城「……? 」

あきつ丸「……加賀に刺されたりするのは嫌なのだが」

赤城「加賀さぁん……この人が何を言ってるのか分かりません」


< 回復◯ >






加賀「赤城さんに呼ばれた気が」

提督「酔っ払いの戯言……とは言えねぇなお前らなら」

加賀「……赤城さんのことは好き? 」

提督「好きだぜ? 頭良いし喋ってると楽しいしな」

加賀「……私と比べて愛想も良いし笑顔が素敵だものね」

提督「でも赤城と寝ようとは思わないぜ? 」

加賀「それは赤城さんがそう思わないからでしょう……赤城さんに迫られれば」

提督「否定はできないけどさ。……俺の中ではお前の方が大事だよ。無意味な言葉かもしれないけど」

加賀「いえ……嬉しいわ」

提督「そうか」

加賀「……」

提督「……というかお前何でもう廊下歩いてんの? ちゃんと寝かせてきたよな? 」

加賀「食べてばかりだったから……半分くらい、食器を片付けてきたわ。たぶん油も全部落としたはず」

提督「気にしなくても、っていうかお前やっぱ化け物だろ」


< ド外道 >






提督「まだ厨房が餃子くせぇ」

愛宕「あれだけつくればそうよね」

提督「片付けめんどくせぇなぁ……半分以上消えてるけど」

愛宕「明日……じゃなくて今日の朝までに終わらせてね? 」

提督「そこまではかからないけどさ。……そういえば」

愛宕「なに? 」

提督「小学生の頃父親が中華鍋買ってきたんだよ。美味いエビチリつくってやるとか言って」

愛宕「ええ」

提督「それはまぁ美味かったんだけど段々汚れが目立ってきてさ」

愛宕「……なんとなくオチが読めたわ」

提督「父の日に手紙と一緒に中華鍋綺麗に洗っちゃってさ。あれは俺の食器洗いでも最上位の頑張りだったね」

愛宕「うわぁ……」

提督「あのときの父親の表情は未だに忘れられないね、うん」


< 夢を見る >






愛宕「それで思い出したわけじゃないけど」

提督「うん? 」

愛宕「もうそろそろ母の日でその後父の日よね」

提督「結構まだあるだろ」

愛宕「贈り物ってあんまり直前だと思い付かないじゃない? 」

提督「や、母親のはマロングラッセか酒って決めてるし。父親もそんな奇を衒ったやつにはしないつもりだから」

愛宕「ふーん……私に子供ができたら」

提督「あぁ」

愛宕「母の日にはやっぱりお酒とかかしらね」

提督「男の子か女の子かで変わると思うけど……ちいさいなら料理とかじゃないのか?
母親と一緒に母の日の料理とかいいじゃん? 」

愛宕「いいわね、それ。本当に」




< 天による帳尻合わせ、みたいな >






赤城「加賀さんのお陰なんです」

あきつ丸「は? 」

赤城「私がこうやって普通にしていられるのは」

あきつ丸「……普通は深夜に深鍋で袋麺など茹で始めないであります」

赤城「彼女が戦場以外の任務を受けてくれたから、私は戦場に集中できるんですよ」

あきつ丸「……どんぶりに入りきるわけがない」

赤城「鍋のまま食べますから。……加賀さんに好かれているなんて、幸せだと思っていますよ」

あきつ丸「……」

赤城「……」

あきつ丸「……せめて麺を茹でて目を輝かせていなければ格好が付いていたのでありますが、うーん」


< good-bye皆。これからは二人の時間だ >






愛宕「ん……」

提督「……やめとけ。今手冷たいから」

愛宕「これはこれで気持ちいいわ」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……ありがとう」

愛宕「え? 」

提督「俺の前に現れてくれて」

愛宕「なに? 何かのフラグ? 」

提督「いや、なんとなくありがとうって言いたくなって」

愛宕「……そ」

提督「……寝ようか、もう今日になっちゃったし」

愛宕「そうね。……手温めるためにお風呂もう一度入らない? シャワーだけでもいいけど」

提督「シャワーで終わるのかよそれ……ま、それもいいんだけどさ」


ありがとうございました


< まぁ、そういうことだよね >






雲龍「結局人は見た目が何割なのかしら」

天城「はい? 」

雲龍「九割なのか八割なのか七割なのか。六割なんてフレーズも見た気がするわ」

天城「……それは」

雲龍「それは? 」

天城「あまりにも上や下に振れ幅があると意味の無い指標でしょう、おそらく」

雲龍「ふーん? 」

天城「人並だからこそちょっとした違いが大きく見えるのです」

雲龍「確かにそうね」

天城「はい」

雲龍「…………でもそう考えると」

天城「? 」

雲龍「人は見た目が十割、が一番近いわね。最低なことに」

天城「……えーっと」


< judoもsexも世界共通語みたいなもの >






高雄「四月九日の誕生色は梔子色。色言葉は“ スポーツ感 ”と“ 流れる動作 ”」

Littorio「彼はjudoをしていたのですよね」

高雄「帝国軍人必須能力だとか」

Littorio「……だから上手いんでしょうか、寝技」

高雄「寝技……? 」

Littorio「それこそ流れる動作でしょう? ベッドでは」

高雄「……あの人以外を知りませんから。あれが平均かも」

Littorio「それならセックスレスなど生まれないような……少なくとも女性側では」

高雄「……」

Littorio「……」

高雄「……子供ができれば変わるかもしれませんよ」

Littorio「戯言を。……彼と寝れるなら、何もいらないくせに」


< アオザイとかカフタンも好き >






雲龍「雀卓があるならターンテーブルがあってもいいと思うの」

叢雲「それ全く関係無いわよね」

雲龍「どちらも欲と険悪さがありそうじゃない? ついでに油っぽそう」

叢雲「雀卓は兎も角ターンテーブルへのイメージどうにかしなさいよ」

雲龍「ターンテーブル=チャイナドレス=エロい」

叢雲「……それはさすがに酷いわね、あなたにしても」

雲龍「今更」


< 見つめ合う度唇に惹かれる >






提督「今日のカクテルはジン・トニック、だ」

愛宕「メジャーカクテルブームなの? 」

提督「そんなことないが……マイナーカクテル調べるのしんどいのはある」

愛宕「しんどいって関西地方発祥の方言らしいわよ」

提督「マジ? 」

愛宕「マジよ」

提督「マジかよ。……なんか無性にビーフィーター飲みたくなってさ」

愛宕「それでつまみがビーフジャーキー……beefなの? 」

提督「ロンドンタワーなんて関係無いけど」

愛宕「そ…………ん」

提督「ん……」


< お湯前ソースとかいう黒歴史 >






漣「倉庫でさ、ペヤング見つけた」

叢雲「それくらいあるでしょ、あいつのことだし」

漣「や、これ旧ペヤングだよ? 賞味期限切れてるよ? 」

叢雲「別に賞味期限くらいどうとでもなるでしょ、私たちなら」

漣「ご主人様に料理するときは物凄く気にするくせに」

叢雲「……あ、あいつは人間だから。即座に免疫上げられないでしょ? 」

漣「そーですね」

叢雲「……」

漣「……なんか久し振りに旧版食べたらだばぁしないそうで怖い」

叢雲「それこそシンクに零してもなんとかなるでしょ、身体的には」

漣「そうだけどさぁ……」



< あれはあれで悪くない気もするけど >






愛宕「んー……あったかくなったわねぇ」

提督「春もそろそろ終わりかな」

愛宕「もう朝起きて蒸し暑かったりするもの、夏ね」

提督「嫌だなぁ、夏」

愛宕「薄着の季節よ? 水着の季節よ? 」

提督「そうだけどさ……うーん」

愛宕「? 」

提督「鈴谷とか熊野がさ、扇風機前でスカートバサバサしてるの見ると」

愛宕「仕方ないじゃない……」

提督「や、気持ちは分かるけどさぁ」

愛宕「分かってあげて。……私はしたこと無いわよ? 」

提督「そう、願いたいね」


< あなただけでいい。他にはなにもいらない >






提督「ん……」

愛宕「っ、……ぁ……ゅる」

提督「……ん」

愛宕「はぅ…………ん」

提督「…………キス、好きだよな」

愛宕「…………相手に、よるけど? 」

提督「…………俺以外のキスなんて知らないだろうが」

愛宕「知らなくていいわよ。……それともそういう趣味でも? 」

提督「ねぇよ。……ん」

愛宕「はぅ……はっ…………んー」


ありがとうございました


< 心当たり >






提督「今日で今年も百一日目になったわけだが」

漣「はっや……ゲームしかしてねぇ」

提督「酒飲んでただけよりマシだぞ」

漣「ご主人様はヤってもいたじゃないですかー」

提督「だからどうしたんだよクズレベル上がったじゃねぇか」

漣「せめてお天道様には嘘吐いちゃ駄目でしょー。もう昼前ですよ」

提督「……」

漣「? 」

提督「……いや、またクズレベル上がったなって十段階くらい」

漣「それはさすがに上がり過ぎでしょ……」


< 微妙な立ち位置 >






高雄「四月十日の誕生色はパンプキン。色言葉は“ 清純 ”、“ 緻密 ”、そして“ 澄んだ瞳 ”」

漣「経験人数だけなら清純と言えないこともない皆さんですが」

愛宕「んー、なに? 」

高雄「はぁ」

天城「喧嘩を売られているような」

漣「ご主人様の性欲が減退したら、どうしますか? 」

愛宕「させないつもりだけど」

高雄「するんですか? あの人」

漣「するでしょー、さすがに。……え、マジ? 」






天城「……これ天城が答えていいものなんでしょうか」


< 笑い話にもならない >






提督「今日のカクテルはキッス・イン・ザ・ダーク。お手軽カクテルだね」

叢雲「私に出すようなもの? 」

提督「他意は無いよ。マティーニ系飲みたかっただけ」

叢雲「ふーん? その割にマティーニにプラスしてるのはチェリーブランデーね」

提督「チェ、チェリーって男にしか使わないし? 」

叢雲「……そういう意味じゃなくてあんまりチェリー好きじゃないでしょって意味なんだけど」

提督「……」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「……」

提督「……なんていうか俺たちさ」

叢雲「ええ」

提督「完璧に踏み込むタイミング失ったよな」

叢雲「そうね。……私は今の関係、嫌いじゃないけど」


< Kiss in the dark >






雲龍「今日は女性の日であり駅弁の日でもあるのよ」

提督「参政権と弁当の話だろうが」

雲龍「そうだったかしら」

提督「あぁ」

雲龍「……ねぇ」

提督「うん? 」

雲龍「……叢雲、いいの? 」

提督「駄目かもしれないけど今更、ね」

雲龍「……」

提督「……そのうち、そのうちどうにかするから」

雲龍「でもそう言、っ……ん、…………そうやって、誤魔化す」

提督「……嫌いじゃ、ないだろ? 」


ありがとうございました


< 気怠い朝の物憂い会話 >






提督「んー……はい」

高雄「はい」

提督「……これ用のファイル取ってきてくれない? 」

高雄「了解しました」

提督「ん、ゆっくりね」

高雄「それではついでにコーヒーでも淹れてきますね」

提督「おう」

加賀「…………」

提督「…………ふぅ」

加賀「…………進めないのかしら」

提督「や、なんかねー……滅茶苦茶やる気出ない。そういうこと無い? 」

加賀「あればこの国が大変なことになるわ」

提督「大袈裟な」

加賀「あなたもなのですが。……副腎皮質ホルモンを消費し過ぎなのでは」

提督「セックスし過ぎって言えよ分かりにくい。……こう、かなりエグい映画観た後とかみたいな」

加賀「……分からないわけではありませんけれど」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………お話しない? 冷蔵庫のレディボーデン食っていいから」

加賀「是非も無し、ですね。…………アイスにつられたわけではありませんが」


< 惚気より氷菓 >






提督「……そーいやな」

加賀「……」

提督「俺高雄と愛宕が泣いてるの殆ど見たこと無いんだ」

加賀「……」

提督「俺が関係していることではあるんだけどさ。他のことでは無い」

加賀「……」

提督「結構辛いこととかあるはずなんだけ……あのさ」

加賀「なに? 聞いているけれど。
滅多に泣かない女を泣かせる程想われている自慢? それとも強い女すら悲しませるクズ発言? 」

提督「」

加賀「……」

提督「……いや、うん、まぁいいや。俺にも少しくれ」


< 何故この国の女性は小尻を望むのか >






愛宕「しな? 」

漣「そうです。科、です」

愛宕「しながどうしたの? 」

漣「科、ってどうやってつくるのかなー、と」

愛宕「どうやって……どうやってね」

漣「はい」

愛宕「……何か質問してみて? できれば少しだけえっちぃ感じで」

漣「はぁ。……お尻おっきいね、何センチくらい? 測ってあげようか? 」

愛宕「さぁ? ……んー、今夜、空いてますか? 」

漣「あぁ……」

愛宕「こんな感じ? 」

漣「おっけーです。漣にはちょっと難しそうです」

愛宕「そう? ……それより」

漣「はい? 」

愛宕「お尻、大きいと思う? 」

漣「え、えーっと……」



< そうとしか言いようの無いこともある >






加賀「この際あなたでも、というかあなたもたまには来なさい」

提督「んー? 一応武道関係は一通りやってみたけどさぁ……」

加賀「あなたと的場に立ってみたいわ」

提督「今やる気がちょっとねー……それに俺下手だぞ」

加賀「私がおしえます。それに下手でもいいかと」

提督「しゃーねーな……昔さ」

加賀「ええ」

提督「下手でもいい、は上手いやつが言うと腹が立つだけだ、って言われたことある」

加賀「……本当に他意は無いんですよ? 」

提督「分かってるよ。ある意味俺が一番ね」


< 夜の戦い、得意だからね >






高雄「四月十一日の誕生色は蒸栗色。色言葉は“ 陽気”、“ 努力家 ”、そして“ 現実主義 ”」

愛宕「このマフィン美味しいわね」

高雄「Littorioにおしえてもらったの」

愛宕「へぇ、私も今度何かおしえてもらおうかしら」

明石「お邪魔しまー……あれ、提督は? 」

高雄「おそらく的場でしょうね、加賀さんも一緒に消えています」

愛宕「大穴で加賀さんの部屋か空き部屋だけど」

高雄「エンジン音は聞こえなかったので外には行ってないはずです」

明石「や、まぁ大した用でもなかったんですけどね」

愛宕「一緒に食べましょう? 美味しいわよ」

明石「あ、じゃあ一つだけ」

高雄「紅茶も淹れましょう」

愛宕「そういえば昨日珍しいお煎餅がーー」






明石「ではー。…………なんであの人たちあれで太らないんだろう」


< 楽観的に悲観するくらいが丁度良い >






龍田「また上が動き始めたみたいねぇ~ 」

鈴谷「士官ってのは大変だねー。……次も生き残れるかな? 」

龍田「さぁ? それはあなた次第」

鈴谷「うん。……でも正直さ」

龍田「ええ」

鈴谷「僚艦が無能だと困るよね、色んな意味でさ」

龍田「それは運でしょう? 運も含めて実力」

鈴谷「そーだけどさぁ」

龍田「『楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する』」

鈴谷「うん? 」

龍田「まだ存命の人の言葉らしいけど。それしかできないわよ、私たち程度には」

鈴谷「鈴谷たち程度かぁ……これは今どこ? 」

龍田「悲観的に駄弁ってるだけね、私たちにできるのは実行の部分だけだし」

鈴谷「ひえー……やってらんないね、本当に」



< 戯れに >






雲龍「ひゅーん」

天城「ね、姉様? 」

雲龍「紙飛行機」

天城「それは見れば分かりますけれども」

雲龍「……結構飛んだわね」

天城「あら本当」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……紙飛行機って戻ってこないのね、ふざけないでよ」

天城「いやいやいや……」


< 何事も塵が積もれば >






漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………む」

漣「…………なに? 」

叢雲「ゲームに集中しなさいよ、負けてるわよ」

漣「漣のキルは調子良いし? 味方が無能なんだよ。……なに? 」

叢雲「この本私の感性に合わないわ、そこそこ面白いけど」

漣「はーん? どーいう意味? 」

叢雲「単語とか構文が合わないの」

漣「たとえば? 」

叢雲「発音なら兎も角文章で「すいません」は無理。他にも何個か」

漣「い、でもみ、でも正しいって聞いたけど」

叢雲「だから好みよ。……でもあなた文中に「せんたっき」とかはさすがに嫌じゃない? それが口語の訛りだとしても 」

漣「なるほどね。……勝ったよ? 漣様のお陰でギリギリ」


< 手慰みに >






雲龍「あなたは? 」

天城「天城は猫ですね」

雲龍「そう……凄いわね」

天城「いえ、覚えれば誰でも」

雲龍「……別のも折ろうかしら」

天城「始めると楽しいですよね、折り紙」






雲龍「力士二つ折ったわ。……土俵はチョコの空き箱でいいか」

天城「シュールな……というか姉様ってちいさな子供に好かれそうなものばかり折りますね」


< 誘う仕草、纏う空気 >






提督「今日のカクテルはフランボワーズソーダ 。カクテルワードは“誘惑 ”」

高雄「飲みやすいですね」

Littorio「そんなに度数もありませんし」

提督「……怠いけど眠くない」

高雄「そういうとき、あなたは? 」

Littorio「高雄や提督をつかまえてお話したり……あとは」

提督「うん」

Littorio「自分を慰めたり? 」

高雄「……」

提督「……」

Littorio「……」

高雄「……なんだか、今日は私、変かもしれません」

Littorio「ふぇ? 」

提督「……眠くねぇしな。これは仕方ない」

高雄「……楽しい夜に、しましょうね」

提督「俺たちがいて楽しくないわけないだろ? 」

Littorio「え? ……えっ? 」



ありがとうございました


< 大盛り他人丼定食セットA+++くらいかな >






愛宕「もうついに姉妹丼とかなんとかそういう問題でもなくなってきたわね」

天城「そもそも丼でクズなのに二杯も食べているという」

雲龍「……Romaと以前何かあったみたいだけれど? 」

愛宕「さすがにあれは……単純に仲良くしただけでしょ、たぶん」

雲龍「どうだか」

愛宕「というかRomaより怪しいのがいるでしょう、一人」

雲龍「……これだからパッキンは」

愛宕「は? 」

天城「姉様もそうやって煽らない。……明石さんと加賀さんに姉妹がいなくてよかったですね」

愛宕「そうねぇ」

雲龍「……ま、皆棒姉妹なんだけれど」


< 敗者の運命 >






Littorio「……あの人は? 」

高雄「シャワー浴びて部屋に戻ったわ」

Littorio「そう。……起こしてくれればよかったのに」

高雄「でもあの人の手を掴んで離さなかったのよ」

Littorio「え? 」

高雄「……紅茶、淹れさせてもらったわ」

Littorio「ありがとう……ごめんなさい」

高雄「別に。……夜は楽しませてもらいましたから」

Littorio「あれはっ……」

高雄「あれは? 」

Littorio「……」

高雄「……」

Littorio「……紅茶、美味しいわ」

高雄「あなたの茶葉ですけれどね」



< 甘やかされたのが悪いとかいう開き直り >






叢雲「爛れ過ぎ」

提督「いやぁ」

叢雲「褒めてないんだけど」

提督「こんな俺は嫌い? 」

叢雲「あんたがあんたじゃなきゃね」

提督「……」

叢雲「……」

提督「……いやぁ」

叢雲「だから褒めてないってば、まったく」


< てくにしゃん >






高雄「四月十二日の誕生色は利休白茶。色言葉は“ 伝統 ”、“ 技巧 ”、そして“ 主張 ”」

Littorio「高雄も夜は技巧派なのですね」

愛宕「ふーん? 」

高雄「……なによ」

愛宕「技巧派だった? 」

Littorio「それはもう。随分と啼かされました」

高雄「……」

愛宕「……今度は私もお邪魔していい? 」

高雄「駄目です」

Littorio「駄目です」

愛宕「えー……」


< あなたにあえて、よかった >






提督「今日のカクテルはピンク・ジンです、お嬢さん」

雲龍「そう……強いわね」

提督「度数的には四十後半だからな」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……もうそろそろ一年ね」

提督「お前がここに来てから? 」

雲龍「あなたにもう一度会えてから」

提督「それは同じ、ではないか」

雲龍「ないわね。意味が全く違うもの」

提督「ん……敬語のお前はもう見れないのかな。あれはあれで好きだったけど」

雲龍「よそよそしい方がお好みですか? 提督」

提督「悪くないってだけだよ。……今の雲龍の方が好きだ」


< 守り通すまでが約束 >






提督「お前明日予定ある? 」

雲龍「いつも通りね」

提督「そ。……じゃあ、九時に正門な。粧し込んで来なくてもいいぞ」

雲龍「……分かったわ。期待しないでおいて」

提督「分かった。期待しておく」

雲龍「酷い矛盾ね」

提督「三秒前のことなんて覚えてないんだ」

雲龍「それなら明日の約束も? 」

提督「大事なことは覚えていられるんだよね」

雲龍「矛盾……でもないか」

提督「ないない。……早く寝ておけよな」


ありがとうございました


< 遊びの前の朝は >






提督「おはよ」

高雄「おはようございます。……朝は軽いものにしておきましたよ」

提督「できた嫁で困るね。ありがとう」

高雄「嫁がいる割に他の女と遊びにいくのですか」

提督「……まぁね」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……信じてますから」

提督「うん……じゃ、いただくよ」


< 最初からホテルとかデートじゃないし >






提督「よ」

雲龍「お待たせ……ってこの場合は言うもの? 」

提督「さぁね。……ま、とりあえず乗ってよ」

雲龍「ありがとう」

提督「いーえ、ドア開けるのなんて男の仕事だからね」

雲龍「……」

提督「……っと」

雲龍「どこ? 」

提督「適当に服とかアクセ見て昼食べて……その後はお前次第」

雲龍「昼からホテルでも? 」

提督「その場合ラブホな。予約のチェックイン18:00だし」



< ある意味楽観的 >







高雄「四月十三日の誕生色はフロスティグレイ。
色言葉は“ 楽観的 ”、“ 明るさ ”、そして“ 哲学的 ”」

Littorio「高雄にとって愛とは」

高雄「愛した人がどんな人であっても逃げられないこと、逃がさないこと」

Littorio「……」

高雄「……」

Littorio「……即答、ね」


< ジョーク、ジョークです。美少ジョーク >






提督『なぁ、海風』

海風『なにかしら』

提督『この画像お前だろう』

海風『? ……変態、です』

提督『いや、twitterで回ってきた変態女のハメ撮り流出画像見て俺への罵倒ってさぁ』

海風『……どうして海風だと? 』

提督『お前は気付いてないかもしれないけど乳首のここにちいさいホクロがあるんだよ』

海風『……』

提督『……気を付けろよな』

海風『……はい』

愛宕『それはこれからとして……どうしてそんなところのホクロをあなたが知っているの? 』

提督『』





漣「みたいな? 」

叢雲「……妙にリアルだけどあんまり色んな相手に喧嘩売らない方がいいわよ」


< 好み >






提督「いなり寿司と錦糸玉子とカレー」

雲龍「……ガキみたいな好みね」

提督「子供舌なんだよ、自覚はある」

雲龍「別に悪くは思わないけれど。簡単だけれど奥の深いものばかりだし」

提督「個性出るしな」

雲龍「……お母様のはさぞ美味しいのでしょうね」

提督「そりゃね。人間の好みなんてちいさい頃からの環境だし。父親母親の影響はデカいだろう」

雲龍「つまりお母様は高雄か愛宕に似ている……? 」

提督「や、俺親のこと好きだけどマザコンではないし……あいつらよりお前に似てるよ」

雲龍「? 」

提督「自分の言いたいこと怖がらずに俺に言ってくれるとことかね。
あいつらは結構あれで遠慮してるし」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……ずるいわね、本当」


< 先手撃滅 >






江風「なンか割と楽だな」

海風「叢雲ちゃんの訓練の方が辛かったよね」

江風「なンてったって、当たらない」

海風「当たらなければどうということはない式訓練のお陰? 」

江風「その所為で消耗早い気もするンだけど」

海風「それにたぶん艦隊が壊滅して一人だけ生き残っても終わりだよね」

江風「連携命だしなぁ」

海風「まぁ、普通一人だけ残ったらどんな場合でもそうな気もするけど」

江風「うン。……村雨の姉貴のとこでも行くか」

海風「またお菓子たかりに行くの? ……海風も行くけどさ」


< 恋愛なんてまぁ無くてもね >






GZ「政府関係のことを抜きにしても……彼の男の女の練度とは」

若葉「彼の為なら練度など鼻歌交じりに吹き飛ばす猛者だ」

GZ「……は? 」

若葉「彼を馬鹿にした他の基地の艦娘と中将の話でもしようか? そのとき彼は大佐だったが」

GZ「……いや、もういい」

若葉「それは残念」

GZ「……若葉は」

若葉「あぁ」

GZ「Admiralのこと、好きか? 」

若葉「もちろん。甘いものを食べさせてくれる人に悪い人はいない、あなた然り」

GZ「なるほど……ま、確かに明確で簡単な判断だが」


< ストレートな思いをぶつけてもいいがね >






提督「今日のカクテルはジンバック、か」

雲龍「あなたのじゃないカクテルなんて新鮮ね」

提督「自分でつくったりしないのか? 」

雲龍「無いとは言わないけれど……加賀さんや天城と飲むことが多いですから」

提督「はーん、ロックかストレートばっかなやつらだな」

雲龍「あなたも頼まれなければそうだけれど」

提督「まぁね」

雲龍「……あなたをロック、だとどう? 」

提督「一晩お喋り、かな」


< 酒と泪と男と女♪ >






愛宕「そういえばどっちで行ったの? 」

高雄「FTO。エンジン音の感じでは」

愛宕「ふーん? よく分かるわね」

高雄「乗せてもらえば分かるでしょう? 」

愛宕「私、車に興味無いから」

高雄「そう」

愛宕「……あなたって健気よね」

高雄「あなた程では」


< 年増だって悪くないけれど >






雲龍「セーラーとブレザーは? 」

提督「難しい質問だけど……ま、セーラーかな」

雲龍「どうして? 」

提督「十代じゃなくてもなんとなく似合うから。ブレザーはさすがにAV臭が酷い」

雲龍「酷い話」

提督「お前が振ったんだろうが」

雲龍「……セーラー、無いわね」

提督「デートにそんなもん持参する歳でもねぇしラブホじゃねぇんだから無ぇよ」

雲龍「……年増だものね、私」

提督「被害妄想だろ……お前でババアとか世の中の女性に死ねってのと同じだよ」


ありがとうございました


< 稀によくある >






雲龍「……? 」

提督「…………Zzz」

雲龍「……」

提督「…………Zzz」

雲龍「……まだ三時間しか寝てないじゃない、どうして起きたのかしら」

提督「…………Zzz」

雲龍「…………」

提督「……ん…………Zzz」

雲龍「……いつか、この幸せも過去の想い出になるのね」

提督「…………んあ、Zzz」

雲龍「…………」

提督「…………Zzz」

雲龍「…………寝よ」


< 仕方のないこと >







提督「ルームサービスのワイン残ってるじゃねぇか」

雲龍「……飲めば? 」

提督「だれが運転して帰るんだよ……飲まない? 」

雲龍「ぬるいワインとかゴミ未満じゃない」

提督「同意するけどそんなもん勧めんな」

雲龍「ワクなんだからいいでしょう」

提督「お前それ加賀に言ったら機嫌悪くする発言だぞ」

雲龍「あなた加賀さんなの? 」

提督「……仕方無い、放置か、うーん」


< 想え想われ思い遣り >






高雄「四月十四日の誕生色は鼠色。色言葉は“ 美貌 ”、“ しなやか ”、そして“ 思い遣り ”」

叢雲「はい」

提督「んー? 」

叢雲「たまには私の淹れたコーヒーでも思い出しなさい」

提督「さんきゅ」

高雄「私にも……ありがとうございます」

叢雲「別に、自分のついでよついで」

提督「……美味い、腹に沁みる」

叢雲「あんたの方がいい味出すわよ」

提督「そうじゃねぇんだけど……ま、そうかもな」


< ほんもー >






愛宕「問題、あの人が一番痛めつけているのは? 」

高雄「愛宕か……私? 」

愛宕「ぶー」

高雄「それなら……雲龍さん? 」

愛宕「違うと思うわ」

高雄「……なに? 」

愛宕「正解は腎臓と肝臓でーす」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……つまり、自分? 」


< まーじ……大丈夫? >







提督「今日のカクテルは……お? 」

叢雲「……揺れたわね」

提督「……」

叢雲「……」

提督「……嫌な予感しない? 」

叢雲「……そうね」

提督「……」

叢雲「……」

提督「テレビ付けるか……ギムレットでいい? 」

叢雲「なんでもいいわ。……行きましょ」



地震で久々に霧島と川内が……大丈夫なんでしょうか

ありがとうございました


< テレビでエンジンなんて見ないけどね >






金剛「テレビに霧島が出てマース」

霧島「……お酒かこういうことのときしか出ませんね」

龍田「お姉さんなんて力士像だけど? 」

金剛「む、ダイヤモンドも入れるべきデース」

時雨「僕たちは割と頻繁かもね」

浜風「自然現象ですから」

春雨「春雨……春雨は」

龍田「食べ物チーム組みましょう? 」





GZ「……私は一体」

若葉「GZエンジンだな」

GZ「……は? 」


< 伝統的一般人の心 >






高雄「四月十五日の誕生色はペールミストホワイト。
色言葉は“ 中立普遍 ”、“ 保守的 ”、そして“ 伝統 ”」

愛宕「そういえば大丈夫なの? 」

Littorio「? 」

愛宕「地震。あっちの人からすればこの世の終わりみたいなものなんじゃないの? 」

Littorio「あぁ。……祖国でも時々ありますしこの世なんて終わっても構いませんから」

愛宕「なるほど? 」

高雄「私は困るのだけれど……」

Littorio「もちろんLittorioもですよ。……ただどちらも嘘ではないの」

愛宕「深そう……で深くないわね」


< その場合は逆を知りたいと >






提督「今日の酒は霧島各種でございます」

加賀「飲んで鎮める? 」

提督「そんな大層なことでもない。熊本地震だしな」

加賀「そう」

提督「……熊本っていうと球磨か」

加賀「あの子の場合何をしても噴火なんてしそうもないわね」

提督「お姉ちゃんだからな。お姉ちゃんは強い」

加賀「……姉妹ってどんなものなのかしら」

提督「さぁね。俺もそんなの知りたいくらいだよ」


ありがとうございました


< 姉妹の認識 >






提督「なんか知らないけど大学通ってる夢見た」

高雄「はぁ」

提督「キャンパスライフってやつだな。実際はよく分からないけど」

高雄「兵学校や海大は少し違いますものね」

提督「で、母親が同期だったり教授が瑞穂だったりした」

高雄「夢らしい夢というか……私は? 」

提督「教授の奥さんだったな」

高雄「……瑞穂さんなら色々と信頼できますね」

提督「悪いな。……愛宕がさ」

高雄「ええ」

提督「犬だった。飼ってた」

高雄「……今と変わらないのでは? 」

提督「そ、そうか? 」


< 欲しい、無性に欲しい >






高雄「ま、それはいいのですが」

提督「いいのか」

高雄「私じゃありませんし愛宕ですし」

提督「そうだな」

高雄「……エプロンの紐を弄らないでいただけますか」

提督「えー」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……お皿にレタスとトマトを」

提督「抜かり無し、人数分盛ってる。……いいよな? 」

高雄「……まったく」


< このまま >






高雄「ん……」

提督「ん? 」

高雄「いえ」

提督「そう」

高雄「どうぞ」

提督「ん」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……だからやめっ、んー……」


< カレシの匂い >






鈴谷「若葉ってブレザー着崩してるよね、結構真面目なのに」

若葉「その割に煙草が似合うと言われるが」

鈴谷「それはまぁ……うん。嫌い? 」

若葉「提督にせがんだがくれなかった」

鈴谷「……よくやった、提督」

若葉「……」

鈴谷「あー、なんていうかな、鈴谷たち身体の代謝とかある程度操作できるし問題無いけどさ」

若葉「あぁ」

鈴谷「やっぱ女の子の服から煙草の臭い漂うのは駄目だと思うよ、男的に」

若葉「若葉に欲情するような男はどの道駄目だ、たぶん」

鈴谷「そうだけどさぁ……」

若葉「ま、若葉に欲情する男の煙草かもしれないが」

鈴谷「いやいやいや……」


< まるでテレパス >






赤城「なにか雰囲気的に」

龍田「はい」

赤城「提督か加賀さんが泥酔していますね、これは」

龍田「雰囲気、雰囲気とは一体」

赤城「いえ……これは早朝まで人事不省で今はもう大丈夫なような」

龍田「えぇ……」

赤城「そういうこと、ありませんか? 」

龍田「さすがに天龍ちゃん相手でもそれは……」

赤城「……おかしいですね」



< 穏健派の攻勢 >






高雄「四月十六日の誕生色はスカイグレイ。色言葉は“ 穏健 ”、“ 快活 ”、そして“ 謙遜 ”」

提督「明日は何色? 」

高雄「今日は知ってますものね……久し振りな」

提督「そうかな? そうかも」

高雄「……別におしえてもいいですけれど」

提督「うん」

高雄「自分の目で、確かめてみたりしません? 」


< ストレート豪速球 >






愛宕「ねむ……」

雲龍「あまり夜遅くまでシない方がいいわよ」

愛宕「違うけど? 」

雲龍「……つまり一人で慰めていた、と」

愛宕「だからえっちぃことじゃなくて……本読んでたの」

雲龍「読書? 」

愛宕「私が本読むのは変? 」

雲龍「そうね。槍でも降りそうだし瑞鶴の胸が成長しそうだわ」

愛宕「……」


< そんなことよりも、私を >






提督「たーかお」

高雄「はい? 」

提督「お腹のライン相変わらずいいね」

高雄「また微妙なところを……あなたは」

提督「あぁ」

高雄「左の顎に剃り残しがあります」

提督「マジ? 」

高雄「ええ」

提督「……剃ってこようかな」

高雄「だめ。……ん」



< 似る >






Littorio「最近まで間違っていたシリーズなのですけれど」

瑞穂「……提督のようなことを」

Littorio「一晩でも過ごせば似るものなんですよ、男女って。……シリーズなのですけれど」

瑞穂「はぁ」

Littorio「煎餅を煎兵衛だと思っていました」

瑞穂「ある意味高度な」

Littorio「このなんとなく似ている問題はどうにかしてほしいですね」

瑞穂「はい」

Littorio「…………」

瑞穂「…………オチが無いのもそっくりですか」



< 本当に学んできたのか >






赤城『何故か最近海外の方に麻雀を挑まれますね』

GZ『役一名の我が同輩だと思うが』

赤城『それにくっついてもう一人から三人いますよ』

GZ『……何故だろうか』

赤城『原因は分かるのですが、弱い。加賀さんや提督に鍛えられた私の敵ではありませんね』

GZ『ほう……』






GZ「これで貴方にも勝てるはずだ、麻雀をしよう」

赤城「構いませんけど……二人で? 」


< いつもそうあれるのなら >






提督「このまま寝たい」

高雄「……だめ」

提督「ふーん? ……今日のカクテルは、高雄かな」

高雄「お酒なんてどうでもいいじゃないですか」

提督「んー……」

高雄「ん……ゅる…………っゅ」

提督「……っ」

高雄「……ぁ」

提督「……」

高雄「……」

提督「……確かに、どうでもいいかもな」



< イチャイチャなんて大体くだらないもの >






提督「なんで酒の味好きになっちゃったんだろう」

高雄「業、としか」

提督「ぶどうジュースとか好きなら良かったのに」

高雄「お嫌いでしたっけ」

提督「好きだよ? ……ワインの方な好きだけど」

高雄「……ワイン味の身体にはなれませんね」

提督「つまらないことを。……高雄の方がずっと好きだよ、比べられない」

高雄「高々アルコールには負けていられませんからね……ん」


少し休憩

ありがとうございました


< これっきりでお願いしたい横須賀ストーリー >






あきつ丸「……風が」

龍田「小田急なんて一部運休してるらしいわねぇ」

あきつ丸「……雨も酷くなってきた」

龍田「南関東だけじゃなくて九州から北海道まで強風らしいけれど」

あきつ丸「……太陽は出ているのに」

赤城「まるで私たちのようですね。幸せなようでいてその実、と」

あきつ丸「……珍しいな」

赤城「屋上に来ることが? それともネガティヴなことを言うのが? 」

あきつ丸「どちらも」

赤城「私だって生きているんですよ。女ですし」

龍田「……ようこそ屋上組へ? 」


< あながちはずれでもない >






高雄「四月十七日の誕生色はバトルシップグレイ。色言葉は“ 実直 ”、“ 責任感 ”、そして“ 客観的 ”」

愛宕「楽しかった? 昼前からしけこんで」

高雄「あなたと同じよ」

愛宕「……最近欲求不満気味なの」

高雄「そ、あなたと同じだったのよ、私」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……なんだか溜めて溜めて解放する為に我慢しているみたい」


< 照れる場所 >







提督「今日のカクテルはカリモーチョ、だ」

愛宕「……私ダイエットコーラってあんまり好きじゃないわ」

提督「まぁ、俺もそうだ」

愛宕「どこが違うとは言えないけど」

提督「なんとなく違うよな」

愛宕「うん」

提督「……ダイエットするなら飲むなって話だろうけどよく分からないものだし」

愛宕「そうねぇ……でもあなたお酒やめられるの? 」

提督「お前に言われればやめる。一生飲まなくてもいい」

愛宕「…………そ、そう」


誤字がいつになっても減らないのはなんなのか

ありがとうございました


< とりあえずノってみる >






愛宕「はーい、少将閣下ぁ」

提督「なんだね愛宕くん」

愛宕「んー、呼んだだけ? 」

提督「そうか……時々さ」

愛宕「ええ」

提督「無職になったらとか考えるんだけど」

愛宕「なったら私と会えないじゃない」

提督「まさにそれが最後のラインなんだよ。いい加減少将とかそういう肩書きで呼ばれんのもね、硬過ぎる」

愛宕「実際そこまで呼ばれる? 基本的に私たちは使わないでしょ」

提督「まぁな。……仕事するか」


< 欠ける誇り、賭ける夜 >






高雄「四月十八日の誕生色はスレートグレイ。色言葉は“ 既知 ”、“ 誇り ”、そして“ 良心 ”」

加賀「あなたには良心というものが無いのかしら」

雲龍「大富豪で良心なんてもの、使い物になりませんよ」

天城「七渡しのときにいいカードを渡してあがるとか? 」

瑞穂「いらぬ恨みを買うとやり返されますしね」

加賀「……仕方ないわね」

高雄「……そもそもですね」

加賀「ええ」

高雄「良心があるのなら提督に黙って夜の権利なんて賭けないと思いますよ」

瑞穂「み、瑞穂はお酒ですから」


< 調べてみると別名が沢山 >






提督「今日のカクテルはエックス・ワイ・ズィーだ」

明石「ズィー? 」

提督「ゼット。XYZ」

明石「あぁ」

提督「ツェットでもいいかな」

明石「それドイツ語……そういえば」

提督「ん」

明石「Examine your zipperもXYZですね」

提督「……開いてないか確かめてくれない? 今手が離せなくてさ」

明石「開けてくれの間違いでしょ……あと一杯飲んだら、確かめに行きましょうか」


ありがとうございました


< ストレートに >






浜風「今日も今日とて暇ですね」

時雨「暇でいいじゃないか。戦闘なんかより余程いい」

浜風「そうですが」

時雨「夕立ですらそうなんだからね」

浜風「言いますね」

時雨「大体の人が戦闘狂のぽいぽい扱いだろう? むしろ僕みたいに理解している方が少ない」

浜風「悪意は無い、と」

時雨「当たり前さ。僕が生きている限りあの子を嫌いになることなんて無い」

浜風「……」

時雨「……」

浜風「……夕立や若葉でも呼んで何かしますか」


< ストレート馬鹿二人 >






愛宕「はい、あーん」

提督「あのさ」

愛宕「うん? 」

提督「お前のあーんネタはなんなの? 馬鹿なの? 」

愛宕「単に席三つ分離れたところから箸伸ばしてるだけだけど? 」

提督「伸ばしてるっていうか摘んでるだけじゃねぇか」

愛宕「だって腕伸ばし過ぎたら行儀悪いじゃない」

提督「俺にそっちまで行けと? 」

愛宕「来ないの? 」

提督「……しゃーねーな」

愛宕「ふふ、どーぞ」


< 温厚だから楽な相手、というわけでもない >






高雄「四月二十一日の誕生色は若菜色。色言葉は“ 温厚 ”、“ 誠意 ”、そして“ 感傷的 ”」

雲龍「そういえば陸奥はどうだったかしら」

江風「陸奥さンか……あー」

雲龍「どうしたの? 」

江風「海風の姉貴が会わないようにしてたからなぁ」

雲龍「はい? 」

江風「何言うか分からないからってさ」

雲龍「……海風が? 陸奥が? 」

江風「姉貴的にはどっちも。……なンか口走る人? 」

雲龍「いいえ。会話も楽しいし性格もいいわ。かなり頭も回るし理性的よ」

江風「……」

雲龍「……ま、次回会うとき私に同じ態度見せてくれるかは知らないけれど」


< 割と洒落にならないと思う >






天城「姉様牛蒡を取ってください」

雲龍「はい。……牛蒡より胡瓜の方が好きね、ズッキーニとか」

天城「二言余計ですね」

雲龍「全部じゃない」

天城「全部と言ったほうがよかったですか? 」

雲龍「……単純に味の話よ」

天城「そ、そうですか……申し訳ありません」

雲龍「ええ。……試したことがないから分からないし」

天城「た、試さないでくださいね? 」



< どないして発音しはるんどす? >






提督「方言、方言が聞きたい」

雲龍「へっぺこいたー」

提督「そんなもん俺聞いたこと無いし使わないだろ……」

雲龍「そうなの? 」

提督「つーかヤりたくてもそんなこと言う女の子嫌だよ俺。北海道そこまであれじゃないから」

雲龍「くさる、とかは? 」

提督「栃木県民に訊け。……濡れるっていっても雨とかは使うのかな」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……ぁナょナニy@⊇ー⊂カゞ女子キ」

提督「!? 」


< リョナはさすがに…… >






提督「……あのさ」

愛宕「んー? 」

高雄「なんでしょうか」

提督「別に戦闘訓練するなとか傷一つ許さないとか言うつもりはないぜ? 」

愛宕「ええ」

提督「でもさ、地上で格闘戦した挙句そのまま入渠の為に出歩くのとかやめてくんねぇかな」

高雄「時々全身を使った運動をしないと鈍るんですよ。身体は治りますし」

提督「そういう問題じゃないっていうか自分の嫁が前歯折ったり腕だらーんしてるのなんて見たくない」

高雄「だそうだけれど」

愛宕「…………とりあえずお話の前に肩貸して? そろそろ膝下の感覚が無いの」

提督「はぁ……」


< 一回増やすのも命取りになりかねない >






提督「……足は治ったか? 」

愛宕「ええ。……あなたがやる? 」

提督「俺を殺す気か」

愛宕「筋力は抑えるし艤装も出さないわよ? 」

提督「……嫁に手上げたくない」

愛宕「ふーん……ストレス解消の意味もあるんだけど」

提督「……頼む」

愛宕「そうねぇ」

提督「せめて俺に気付かれないようにやってくれ」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「それなら一晩のアレの数は倍にして頂だーー」

提督「お前やっぱ俺のこと殺す気だろう」



< 気持ちのいい酔いには良き酒を >






叢雲「あんな顔もできるのね、あんた」

提督「……悪かったな、しけた顔見せて」

叢雲「別に。私たちの前でいつも笑っていられるメンタルを褒めてるのよ」

提督「上官がしけた顔してるのは駄目だろう」

叢雲「そうだけど」

提督「……今だけクソみたいな平和主義者に共感できそう」

叢雲「大切にしなさい、その考え方」

提督「あ? どっちのことだよ」

叢雲「甘々の偽善的で日和見な平和主義を厭うのもそれに越したことはないことも」

提督「……」

叢雲「……」

提督「……酒でも飲むか、少し高めのやつ」

叢雲「鶴の17年がいいわ」

提督「へーい」


< そんな顔も好きだけれど >






あきつ丸「…………ス-……ふぅ」

龍田「こーんばんは」

あきつ丸「……あぁ」

龍田「……」

あきつ丸「……」

龍田「……佐世保で少将が一人死んだみたいね」

あきつ丸「地震の影響か? 」

龍田「またまた……知ってるでしょう? 」

あきつ丸「……」

龍田「……」

あきつ丸「……真実などどうでもいい。犠牲者が、供物が必要だった」

龍田「……あなた、そんな顔ばかりね」

あきつ丸「こんな感傷捨てたいのでありますが、ね」


< 静かな夜に一声響く >






山城「こんなに静かな雨が降る夜には」

扶桑「ええ」

山城「あとは姉さまの声さえ聴ければ他には何も要りません」

扶桑「そう」

山城「ええ」

扶桑「……」

山城「……」

扶桑「……」

山城「……」

扶桑「……」

山城「……」

扶桑「……たまには一緒に寝てみない? 」

山城「は、はい! 是非に」


< ーーーーーー >






提督「変なこと言うけど」

高雄「いつも通りですね」

提督「ここ数日の記憶が曖昧なんだよね」

高雄「はぁ」

提督「なんかいつの間にか海風たち帰ってきてるし」

高雄「一緒に門まで迎えに行きましたよね? 」

提督「ん、んー……そんな気もするし違う気もする」

高雄「……若年性健忘症か何かでしょうか」

提督「……いや」

高雄「はい? 」

提督「なんかこれ思い出さない方がいいと思うわ、なんとなくだけど」

高雄「は、はぁ」


失踪はもう二度としない、たぶん

ありがとうございました


< 色々な意味でそういう人 >






若葉「なんだ……いや、なんですか、それは」

赤城「加賀さんからいただいたプレゼントです、一応進水日でして」

若葉「それはおめでとうございます」

赤城「いえいえ。それに敬語なんていらないです」

若葉「ありがとう。……それは? 」

赤城「これは提督から、こちらのは高雄姉妹の上二人から」

若葉「あー、じゃあ」

赤城「左から今佐世保の夕張さん、鳥海さん、呉の陸奥さんに伊勢さん、それからーー」






赤城「ーーですかね」

若葉「……凄い数だ、さすがだな」

赤城「いえ……嬉しいことですけれど」

若葉「昼から誕生日会もあるし……だがこの圧倒的食べ物率はなんというか」


< まぁ、補って余りある美人だしね >






提督「お前なにあげたの? 」

加賀「あなたは? 」

提督「ヴルストとブラウネベルガー・ユッファー……ま、白ワインのケース」

加賀「そう……私も欲しいわ」

提督「そう言うと思ってこっちの分も用意してある」

加賀「さすがね」

提督「ん、お前は? 」

加賀「私は十四代とあわびの塩辛」

提督「そうか」

加賀「ええ」

提督「……」

加賀「……」

提督「……あれ、俺たちちょっと食べるのが好きなうら若い乙女に贈り物したんだよな? その辺のおっさんじゃないよな? 」

加賀「……そのはずですが」


< 暇を持て余した神々のーー >






漣「おーぷんざぷらいすっ」

江風「いち、じゅう、ひゃく……さんびゃくえんっ」

海風「……なにしてるの」

漣「札幌に三百円って居酒屋があるんだって。商品が三百円の」

海風「ふーん」

江風「らしい」

海風「そうなんだ」

漣「そうそう。あ、そういえば海風ちゃんさーー」






海風「……で、結局あれはなんだったんだろう」


< 仕方ないね >






提督「いや、それはさすがに女の子でも少ないだろ。
そんなに沢山のサンプル知ってるわけじゃないけどさ」

愛宕「えっ」

明石「えっ」

提督「……うん、さすがに今のは俺も無いなと思った」


< 誕生日 >






高雄「四月二十二日の誕生色は鸚緑。色言葉は“ リーダーシップ ”と“ 指導者 ”」

愛宕「明日ね」

高雄「そうね」

愛宕「……今年はなににしたの? 」

高雄「秘密。明日、分かるわよ」

愛宕「むー……センスが悪くても知らないから」

高雄「去年は二人でプレゼントしたものね……どちらにせよ今更変えられないわ」

愛宕「そうだけど」

高雄「あなたこそ、どうなの? 」

愛宕「つまんないわよ。ものはつまんなくないと思うけど」

高雄「普通でいいのよ、普通で。あなただってあの人が選んでくれれば普通のものでも嬉しいでしょう? 」

愛宕「……そうね」


< さりとて消せてしまう程の想いなのならば >






愛宕「海風って好きな人のメール全部保護してたりしそうね」

海風「悪いですか? 」

愛宕「んーん、そのうち容量オーバーになっちゃうねって」

海風「……」

愛宕「想いは溢れても問題無いけれど」

海風「……無いですか? 」

愛宕「自分で分かっているうちはね」

海風「……」

愛宕「……」

海風「……牽制? 」

愛宕「まさか、ただの忠告よ。……私が負けると思う? 」

海風「…………」


< 惚気みたいなものかな >






提督「今日の酒は……ま、さっき言ってたワインだ」

加賀「ん……甘いわね、相変わらず」

提督「そりゃあドイツワインだし」

加賀「……」

提督「……」

加賀「……期待通り、なんてことは殆ど無かったわ」

提督「うん? 」

加賀「常に期待以上、それが赤城さんだった」

提督「……」

加賀「もちろん私も人並以上ではあると自負しています。それでも、赤城さんには……」

提督「……お前の敬愛はどう足掻いても勝てない嫉妬からきてるって? 」

加賀「それが無いとは言えないのよ。……もっとあなた好みで私も望む答えもあるけれど」

提督「へぇ? 」

加賀「……赤城さんが赤城さんだから、どうやっても嫌いになれないの。嫌いになりたくもないですが」

提督「……いいね、俺はそっちの方がお前ららしいと思うよ」


< あんなBBAがいるか! >






提督「赤城と寝たいとは思わないのか? 」

加賀「赤城さんにそんな趣味は無いでしょう」

提督「赤城の感覚じゃなくてさ」

加賀「……興味は、あります」

提督「それなら誘ってみろよ。失敗しても赤城なら次の日もいつも通りだろう?」

加賀「……それはあなたが男性だから」

提督「男になりたい? 」

加賀「そうしたらあなたと寝れないわ」

提督「そうだけど」

加賀「……身体の方はあなただけ、というと変に聞こえるけれどそれでいいのよ、私は」

提督「……そ」

加賀「ええ。……明日は、楽しみにしていなさい」

提督「はいよ。……まーたおっさんになるだけなんだけどなぁ」

加賀「それはつまり赤城さんが今日さらに老婆になったということかしら」

提督「いやいやいや……」



毎日と言っても一月分くらいのストックはあるので
三、四個の書き込みの日は三分くらいで終わりなんですよね

ありがとうございました


< 意味深な笑みを一花 >






扶桑「……Zzz」

山城「……Zzz」

GZ「……なんだ、これは」

赤城「あら、おはようございます」

GZ「あぁ、おはよう。……彼女たちは何故食堂の椅子で、寝ているんだ」

赤城「夜まで飲んでいたじゃないですか」

GZ「貴方の誕生日パーティーが恐ろしいものだということは分かった」

赤城「騒ぎましたねぇ。……それで潰れた人は順次生者が送還していたのですが」

GZ「ですが? 」

赤城「山城さんが扶桑さんと離れたくないのでここで寝させてほしいと五月蝿くて」

GZ「……私がマックスを連れ帰ったときは山城が扶桑を膝枕していたはずだが、手酌で酒を飲みながら」

赤城「山城さんの方が圧倒的に扶桑さんより強いですからねー」

GZ「……」

赤城「……? 」

GZ「…………姉妹や、それに準ずるものは、いいものなのか? 」

赤城「ふふ……どうでしょうね、それは」


< ID:夢では前日の情報を整理するとも言うが >







提督「ふぁっ……」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………203高地にひたすら突撃する夢で起きる誕生日ってなんだよ」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………叢雲に慰めてもらいにでも行くか」


< 馬鹿でありバカでありばか >






提督「おはよう」

叢雲「ん、おはよう」

提督「……楽しみだなー」

叢雲「なにがよ」

提督「叢雲のプレゼント」

叢雲「蹴りでも贈りましょうか? 」

提督「おおう、いい笑顔」

叢雲「……ま、そこそこいいものだし、期待しときなさい」

提督「せんきゅー、愛してるよ叢雲ちゃん」

叢雲「何言ってんのよ、ばーか」


< なんであれ順応すれば調和が生まれる >






高雄「四月二十三日の誕生色は葦葉色。色言葉は“ 調和 ”、“ 順応 ”、そして“ 人間関係 ”」

雲龍「そういえば呉から帰ってきて」

江風「ン? 」

雲龍「あなたの戦闘衣やたら無駄にかっこよくなったわね」

江風「まぁな。これもやっぱ江風様の普段からの」

雲龍「あと海風の視線が危なくなった気がするわ」

江風「聞けよ。……やっぱり? 」

雲龍「元々あなたとあの人に依存気味だったけれど……あれ出撃以外はやめた方がいいわよ」

江風「つーかあれ私服にはなンないけどな。でかいし」

雲龍「……いっそあなたもレズになって堕ちていけば幸せよね、皆」

江風「……それ主に姉貴がテートク諦めるからだろ、江風はどーすンだよ」

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< 夢語り >






提督「誕生日になるとさ」

瑞穂「はい」

提督「会員登録してる居酒屋とか焼肉屋から割引のお知らせくるんだよ」

瑞穂「行けませんね」

提督「あぁ。なんとかなんねぇかなあれ」

瑞穂「こちらのお店だとか」

提督「その場合個室だよな、この面子だと」

瑞穂「そうでしょうね」

提督「……そーいや瑞穂は何もかも終わったらどうしたい? 」

瑞穂「……特には考えて、いませんね」

提督「ふーん? 」

瑞穂「……だって、寿退役なんてできませんし」

提督「そ、そうだね。……本当その辺どうなるんだろう」

瑞穂「どうもならなくても瑞穂は……天城さんと旅でもしましょうか」


< ひしょ >






雲龍「今日はあの人の誕生日なわけだけれど」

天城「そうですね」

雲龍「他にもあるのよ、記念日が」

天城「えーっと、確か世界本の日でしたよね。サン・ジョルディにちなんで」

雲龍「他にも」

天城「……確か提督は地ビールの日でドイツだとビールの日だとか何とか言っていたような」

雲龍「そう、知らなかったわ」

天城「…………ゴロだとシジミとかありそうですね」

雲龍「そうね。……秘所の日、なのよ」

天城「秘書? 避暑? 」

雲龍「だから、秘所よ」


< 花も花言葉も想いも難しい >






提督「まぁ、戦争が終わって即時海保ってのもありえなさそうだしな」

瑞穂「ええ。……提督」

提督「うん? 」

瑞穂「他意はありませんけれど……想いは込めていますから」

提督「ん、ありがとな、花束」

瑞穂「あなたはそれ以上のものを瑞穂にくださいました」

提督「何もしてないと思うけどな。……ま、今日は大いに騒いでくれ」

瑞穂「はい、それではまた後で。……お誕生日、おめでとうございます」

提督「あぁ」






愛宕「チューリップにガーベラに、これはアイリス? ……ふーん」

高雄「? 」

愛宕「別に。……嫌われるよりマシよね、って」

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< 気を付けようが >






江風「今日のカクテルはエル・ディアブロ。カクテルワードは“ 気を付けて ”」

提督「かっけぇなお前、バーテンダー」

江風「サンキュー、テートクも一段とな」

提督「そりゃまぁ誕生日くらい気合い入れないと」

江風「……お互い気を付けようぜ」

提督「俺はまぁ……クズだから」

江風「別にテートクが抱ける踏ン切りつくならいいけどさ」

提督「違う違う。言葉で傷付ける覚悟はあるってこと」

江風「うわぁ……」

提督「……それにあれだろ、お前がなんとかすればいい。クズの魔の手から助けてやれよ、イケメン」

江風「……なーンで皆同じこと言うかな」


< きっと同じ月を眺めている >






龍田「今頃」

あきつ丸「ん? 」

龍田「今頃屋上で月でも見ながらイチャついているのかしら」

あきつ丸「……はて、そんなこと自分には」

龍田「私はあなたとぼんやり煙草ふかしてるだけなのに」

あきつ丸「嫌なら自分の姉にでも甘えればいいであります」

龍田「嫌じゃないわよ? あなたのこと好きだし」

あきつ丸「……」

龍田「……ふぅ」

あきつ丸「…………自分の誕生日くらい、期待していればいい」

龍田「でも五月末はちょっと遠いかなぁって、ね? 」

あきつ丸「だからといってそんな目を寄越すな……揺れるだろうが」


< まったくもってその通り >






愛宕「去年の誕生日は何してたかしらね」

提督「さぁ? 」

高雄「雲龍さんたちはもういましたか」

提督「さてね、そんなこと、どうでもいいだろ」

高雄「まぁ、そうですが」

愛宕「気になるじゃない? 段々人口増えてきてるし」

提督「お前らとの時間は減ったけどな」

高雄「あなたの所為では? 」

愛宕「普通夜の時間とかは減らないわよね~ 」

提督「…………」


< どんちゃん >






明石「日本酒が無いなら焼酎を飲めばいいじゃない! 」

加賀「そうね」

天城「特に間違ってもいませんしアントワネットも何もありませんね」

雲龍「……あれ割と現代人みたいな問題よね、背景とか捏造とか捻じ曲げとか」

叢雲「フランス革命の意義が近現代の夜明けなんだから間違ってないでしょ」

Littorio「光と闇は同時に生まれるものですから」

瑞穂「最近辛くなってきたらお酒とおつまみを追加するばいいことに気付きました」

漣「いれば飲まされますもんねー」

江風「ン…………Zzz」

海風「…………よし」

加賀「何をしてもいいけれど……後悔だけは無いようにすることね」

海風「…………」

江風「…………Zzz」


< 何も考えず、何も飾らず >






愛宕「好き」

高雄「いつまでも」

提督「……ん」

愛宕「どんなにクズでも私が自分の意志で選んだ人で、選択だから」

高雄「例え戦うことがこの魂に刻まれた刷り込みでも、あなたへの気持ちは私のもの」

提督「……あぁ」

愛宕「……」

高雄「……」

提督「……なんで俺だけ歳取るんだろう、なんで俺だけ成長しないんだろう」


ありがとうございました


< 自分すら騙せない嘘は >







提督「ん……」

高雄「……Zzz」

愛宕「……Zzz」

提督「……誕生日後に女二人侍らせるってまるでクズ……クズだな」

高雄「……Zzz」

愛宕「……Zzz」

提督「…………結局三日くらい殆ど一緒だったけど誕生日だもんな、仕方ない仕方ない」


< どこからかプレッシャーが >






海風「海風はまだなのでしょうか」

提督「うん? 」

海風「その、江風に置いていかれるのは、嫌です」

提督「あぁ……どうだろうね」

海風「……」

提督「海風の練度的には大丈夫だろうし、あとは技術者の能力に祈りでも捧げるしかない」

海風「明石さんに毎日差し入れでもすればいいのかな」

提督「喜ぶんじゃないか? 」

海風「……」







明石「ちょ、ちょ……なんで工具が綺麗に並んですかね」

江風「……ほ、ホラーかもな、ははは」


< 馬鹿は見るよりなればいい >






高雄「四月二十六日の誕生色はディープピーグリーン。
色言葉は“ 向上心 ”、“ 人の為 ”、そして“ 完成 ”」

漣「精神的に向上心のない者はばかだ? 」

明石「ここの人は皆ばかってことですね」

Littorio「ですね」

高雄「ま、同意せざるをえませんね」

天城「……来たばかりのときはこうではなかったような気がするのですけれど」

雲龍「それなら、頑張って戻ってみれば? 」

天城「嫌ですよ。……ばかな方が幸せなこと、多いですからね」


< 花咲くように >






提督「今日のカクテルはラムトニック。……レモンとライムなら? 」

雲龍「当ててみて」

提督「……レモンかな」

雲龍「どうして? 」

提督「レモンの花言葉は“ 香気 ”。なんかエロい匂いするし」

雲龍「ふーん……ライムなら? 」

提督「確か“ 美しさの象徴 ”、かな」

雲龍「美しくはない? 」

提督「陰のある女とかテンション低い女好きだけどね、一番とは思わない。笑っていなくちゃ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………次はライムで。そしたらどびきりの笑顔、見せてあげる」


< 雰囲気よりもぬくもりを >






提督「気付いちゃったわ」

雲龍「どうせどうでも……聞くけれど」

提督「ここいると裸エプロンお帰りなさいまセックスできない」

雲龍「……外には出るじゃない? 」

提督「死ぬ程疲れてるかセックスしてきた後じゃん? 」

雲龍「そういうときに抱けないと性の不一致だとか言われるみたいよ」

提督「俺で不一致とかむしろヤり過ぎってことだろ、我ながら」

雲龍「足りないけれど」

提督「まーじ……」

雲龍「……三日も構いっきりで」

提督「嫁構って何が悪……分かったから話してる途中にまさぐるんじゃねぇよ」


< 絶対に無いからこその即答 >






明石「あの人と別れたとして」

愛宕「別れたとして? 」

明石「次の男性を探す中で一番重視するところは? 」

愛宕「……む」

明石「……」

愛宕「……お金、ルックス、セックス、地位とかってこと? 」

明石「まぁ、大別するとそんなものですね」

愛宕「……」

明石「……」

愛宕「難しい……高雄は? 」

高雄「私以外に女をつくらないこと」

愛宕「……あぁ」

明石「……それしかありませんね、ええ」


失踪しないとはなんだったのか

ありがとうございました


< ま、事後トークなんて落ち着く為のものだしね >






雲龍「戦争は終わる? 」

提督「いつかそのうちね」

雲龍「……『そのうち結婚』する、って感じの信頼度ね」

提督「まったくもってその通り」

雲龍「……いつ沈むかも分からないのに」

提督「……ごめん」

雲龍「別にあなたに謝らせたいわけではないわ」

提督「俺の仕事なんてお前らが傷付く順番と程度を決めるだけだからな」

雲龍「……私たちができうる限り傷付かないように、そして損害を最小にする、でしょう」

提督「最大限好意的に解釈すればね。
……でもつまりそれってさ、俺が傷付かないように、責められないようにしたいってことでもあると思うんだ」

雲龍「……」

提督「試算で成果が大きいものをあえて外す、リスクリターンを理由にね。
それで損害を抑えた気になってる無能が俺」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……ごめんなさい。寝起きでする話ではないわね」

提督「別に。……コーヒー淹れるか」


< そう見られているように思えてしまう >






雲龍「ま、それは置いといて実際」

提督「うん? 」

雲龍「お金はあるし女には困らない、地位と名誉もそこそこでしょう」

提督「まぁ、そうかな」

雲龍「あくまで冗談だけど……何もかも捨てて退役しようとは思わないの? 」

提督「……」

雲龍「……仮に高雄と愛宕が沈めば私や明石なんていつでも捨てて逃げ」

提督「怒らせたいのか? ん? 」

雲龍「……割と本音よ? 」

提督「……」

雲龍「……」

提督「……チッ」


< 冷えたコーヒーを流し込む朝を >






雲龍「そう怒らないの」

提督「……本気でお前に優しい声出されると気持ち悪いな」

雲龍「酷いわね」

提督「……本音なのか冗談なのかはっきりしろよ」

雲龍「どちらでもあるもの」

提督「……」

雲龍「……」

提督「……お前と真面目な話するのって大体ベッドの中だよな」

雲龍「こんなつまらない話頭が冴えてないときっ、ん、しか」

提督「ん……なら、今から風呂で覚まさせてやるよ」


< 大事なこと >






龍田「ふぅ……風が気持ちいいわぁ」

あきつ丸「……朝から姉妹で剣戟ごっこか」

龍田「ごっこでも当たれば切れるのよ? 」

あきつ丸「簡単に治るでありますが」

龍田「しかも税金で。愉快な話よね」

あきつ丸「ふん……」

龍田「……」

あきつ丸「……」

龍田「……最近私とばかりつるんでないかしら」

あきつ丸「そちらが勝手に絡んでくるだけだ。……別にぼっちなわけではないでありますよ? 」



< なんとなく不思議な感覚 >






あきつ丸「あぁ、そういえば」

龍田「なにかしら」

あきつ丸「風邪を、引いた」

龍田「……え? 」

あきつ丸「生きている、そう証明した気がする」

龍田「死んではいないでしょう? 」

あきつ丸「死んでいないだけだ。生きていないのと矛盾はしない」

龍田「そう? 」

あきつ丸「少なくとも自分にとっくちゅっ」

龍田「……」

あきつ丸「……」

龍田「……随分可愛らしいくしゃみねぇ

あきつ丸「言うな」


< 人生に必要な本はどれだけあるだろうか >






高雄「四月二十七日の誕生色はエメラルドグリーン。
色言葉は“ 人生 ”、“ 経験 ”、そして“ 鍛錬 ”」

提督「いい加減本が邪魔だな」

愛宕「捨てるの? 」

提督「んー……ま、そうだな。どう足掻いても結局捨てるか売るかしかない、嫌だけど」

愛宕「こういうのお金を払ったら電子書籍化したりしてくれないのかしら」

提督「さぁね。……もしそうなったら本棚無くして酒置き場にするか」

高雄「相変わらず。むしろ倉庫のお酒を減らした方がいいのでは」

提督「中毒だから……仕方ないね」


< この藪には蛇が多過ぎる >






明石「や、電子化してくれるなら絶対その方がいいですよ。場所取らないし劣化しないし」

瑞穂「世の中には紙媒体でなくては雰囲気を楽しめないという方も多いようですけれど」

明石「それは想像力とか没入が足りないか内容がつまんないかですね、極論ですけど」

瑞穂「はぁ」

明石「私は基本的に小説なんて読まないので別かもしれませんが……所詮その程度なんじゃないですか? 」

瑞穂「瑞穂もよくは」

明石「……映画館で観ても部屋で観ても、というか。もちろん迫力は違いましたけれど楽しいことには変わりないです。
むしろ映画館みたいにたまの贅沢になるのも悪くないと思いますよ、紙媒体での読書」

瑞穂「そういう考えも……明石さん? 」

明石「はい? 」

瑞穂「……提督と、何を観てきたんですか? 」

明石「…………」



< そもそも他に誰とも >






愛宕「やっぱり筋肉あると瞬発力とか持続力違うのかしら」

高雄「それはそうでしょう。その為の最適化ですし」

愛宕「そっかぁ」

高雄「ええ」

愛宕「……ま、ぶよぶよで地黒の毛深いおじさんとなんてヤる気も無いからどうでもいいけど」

高雄「そうね」


< あなたの胸で眠りたい >






高雄「私も大分あの人に毒さ……染められてきたと思うけれど」

愛宕「言い直さなくても。……なぁに? 」

高雄「帰る場所がだけが違ってきっと永遠に違うのよね」

愛宕「あの世的な? 故郷的な? 」

高雄「故郷的な。無神論者でも無いけれど信じる神も持っていないわ」

愛宕「……私は明日にでも骨埋められるわよ? 」

高雄「長くあの人そのものが私の帰る場所だったから……変えられるかしら」

愛宕「大丈夫なんじゃない? それに変える必要も無いし」


< 一番とか二番とかではなくて >






天城「加賀さんも大概赤城さんのこと好きですよね」

加賀「この世で最も大切な人だもの」

天城「提督は? 」

加賀「この世で唯一何もかも捧げられる人」

天城「は、はぁ」

加賀「……あなたは雲龍や葛城とあの人を比べられるの? 」

天城「……」

加賀「……」

天城「……失礼なことを言いましたね、ごめんなさい」

加賀「構わないわ。……答えは本音だし」



< いい意味で >






江風「ふぃー……風呂はいいねぇ、風呂は」

雲龍「……あなた」

江風「ン? 」

雲龍「大きくなったように見えるわ」

江風「……だよなだよな? 」

雲龍「微々たるものだけれど」

江風「そりゃ雲龍さンに比べれば」

雲龍「海風とは? 」

江風「え……」

雲龍「……あなたそんなことで傷付いた顔とかできるのね」

江風「いや、江風一応女の子なンだけど……」


< 安酒を呷るのもまたいいものだけれど >






提督「今日の酒はシーバスリーガルの21年だ」

明石「スコッチ? 」

提督「そ、一万円くらいのだから割とリーズナブル」

明石「私が言うのもなんですけどリーズナブル……? 」

提督「可愛い女の子とゆっくり一杯傾けるためのお供としてはね」

明石「……」

提督「それともキュートなカクテルが好き? 」

明石「私の好みなんて知ってるじゃないですか」

提督「酒ならカルヴァドス。カクテルならニコラシカ」

明石「どちらにせよブランデー。あなたの言う可愛らしい女の子の好みではありません」

提督「……俺は可愛いと思うけど」

明石「あなただけです。……それだけで、満足ですけど」



< 酒の朱と何かの赤が >






提督「なんかあった? 」

明石「……ごめんなさい。ちょっと無性に寂しくて」

提督「気にするな。その程度受け止められない男じゃない」

明石「……」

提督「……あー、ほら、ゲロ掛け合った仲だろう? 」

明石「それ私だけです。……忘れてください、デリカシーありませんよ」

提督「男に自分預けてくれないのも傷付くよ」

明石「……ごめんなさい」

提督「酔ってる? 」

明石「もちろん、こんなに顔赤いでしょう? 」

提督「いや、もっと近付かないと、分からないかな」

明石「そんっ、な、はぁ、……ゼロ距離だとなにも、見えないですよ、ん……」


ありがとうございました


< ゆーわく >






明石「んん……眠い」

提督「寝ててもいいんだぞ、空き部屋だし」

明石「ヤり部屋の間違いじゃあ 」

提督「……ここで休んでいくか? 休むなら軽くつくってやるけど」

明石「何をいただけるんです? 」

提督「カリカリのベーコンとスクランブルエッグ、トーストと熱いコーヒーなら。サラダは無い」

明石「……休んでいきます」

提督「ん」


< どこが弱いとかそういう >






高雄「四月二十八日の誕生色はターコイズグリーン。
色言葉は“ 成熟 ”、“ 創意 ”、そして“ バランス ”」

愛宕「バランスがとれた重武装ボディ? 」

高雄「……高雄型重巡洋艦二番艦愛宕の話よね? 」

愛宕「私もいいと思わない? 」

高雄「どうかしらね」

愛宕「成熟ボディなのよー、艦も私も男好きするのよー」

高雄「……あなたを褒めると自分も褒めているようでちょっと」

愛宕「そんなに似てるかしら……どうなの? 」

提督「……言おうと思えば細かく言えるけどキモいだけだろそれ。俺は嫌だぞ」



< 上目遣いで顔上下させたりすると、結構見れるよね >






提督「それ」

天城「? 」

提督「その髪クイってやるのもう一回」

天城「言われてするとぃやっ」

提督「……ほら、これで」

天城「……セットを掻き回されるのは」

提督「悪い悪い、この後風呂行くだろ? その後三つ編みするから許してよ」

天城「……今から? 」

提督「今から。できれば酒飲む前に風呂入りたい」

天城「…………着替え、取りに行ってきますね」

提督「おう、先に行って…………結局横髪見せてもらってないし」


< 冷酒のごとき透明感 >






提督「今日のカクテルは清流。日本酒カクテルだな」

天城「……変じゃありませんか? 」

提督「それ訊くのもう四度目だぞ」

天城「……」

提督「……俺が女の子のヘアスタイルミスると思うのか? 」

天城「……どれだけ経験を積んだのでしょうね、美容師でもないのに」

提督「さぁ? ……流れるように綺麗な髪に生まれた自分を恨むんだな」

天城「恨めませんよ、そのお蔭であなたの心を分けてもらえるのですから」

提督「健気? 」

天城「いえ……ただ馬鹿な女であるだけです」

提督「馬鹿でいいじゃん。……なに飲む? 」

天城「これ菊正宗ですよね。……そのままで」


< 土日出て平日休みとかそんな感じのような違うような >






愛宕「世間的にはGWじゃない」

高雄「ええ」

愛宕「でも私たちはそれに向かって作戦準備中、と」

高雄「どうせ普段から気儘に生活するか演習か、ですし」

愛宕「そうは言ってもね~ 」

高雄「……去年はこの後からLittorioが来たのだったかしら」

愛宕「少し寄り道してたけど、そうね」

高雄「誰かまた来ると思う? 」

愛宕「さぁ……あの人的にはもう限界な気もするけど」

高雄「限界? 」

愛宕「海風に手出さないのって精神的にも肉体的にも辛いからでしょ、もう心を分けられないっていう」

高雄「……あぁ」

愛宕「仮に手出したら離れていかない限り最後まで気にかけるタイプだし……あの人からは増強なんて願わないと思う」

高雄「…………むしろ減る方がありえるかもしれませんね」

愛宕「ええ」




< ここをこう、こうやって、出来上がりです。……次からは、こうお願いしますね >






鹿島「ピーチフィズいいですよね。甘くて美味しいです」

鈴谷「そ、そうだね」

鹿島「? 」

鈴谷「や、なんか鈴谷の周りおじさんみたいな趣味してる人ばっかりだから新鮮で」

鹿島「提督さんの所為? 」

鈴谷「それもあるしその前からのも」

鹿島「……私としてはサンドウィッチとコーヒーを味わっていただきたいのですが」

鈴谷「鈴谷好きだよ、このサンドウィッチ」

鹿島「ありがとうございます」

鈴谷「うん。……赤城さん来たよ、ほら」

鹿島「はい。……あの人のお蔭であまりお酒は飲まないのに何故かおつまみのレパートリーだけが増えていきますね」


ありがとうございました


< 抱き締めて撫で見守ることしかできないけれど >






天城「…………っ……はぁ」

提督「…………どうした」

天城「…………起こして、しまいましたか」

提督「魘されていたからな。……どんな夢だった? 」

天城「さぁ……覚えていません。不快感で言えば酷い悪酔いに近いかも」

提督「そ……水飲む? 」

天城「いただきま……随分飲んでますね」

提督「嫌か? 」

天城「別にいいですけど……喉渇いてたんですか? 」

提督「まぁね。……シャワー、浴びてくるよ」

天城「ご自由に」




< rrrrrrrrrrrrrrr……! >







愛宕「こんな早朝から内線って……陸の方も暇ねぇ」

高雄「なにか問題かもしれないでしょう……はいこちら…………」

愛宕「……? 」

高雄「……すぐ行きます、愛宕に代わりますね」

愛宕「うん? 」

高雄「天城さんの部屋から出られなくなったそうなので私はここに連れてきます」

愛宕「は? ……私だけどなに? 天城ヤンデレ化でもしたの? 」



< コンコンコン >






高雄「天城さん」

天城「はい……なんでしょう? 」

高雄「あの人がシャワールームから出てきませんね? 」

天城「そういえば、遅いですね」

高雄「体調を崩して出てこられなくなったそうなので回収に来ました」

天城「えっ……」

高雄「先程スマホから内線にかけてきまして」

天城「だから水を……はい、開けますね」






高雄「……馬鹿ですね」

提督「悪い……せめてシャワーだけ浴びて帰ろうと思ったんだが」

高雄「天城さん責任感じてましたよ」

提督「今度謝っとくよ。……肩、貸してくれ」



< ニヤニヤ >






叢雲「ノロ、か」

漣「陸軍の方で結構広がってたらしいですね。それもらってきたみたいな」

明石「あれで結構貧弱なんですよね、提督」

叢雲「割と定期的に死に体になるわよね、あいつ」

漣「で、その度に看病してた、と」

叢雲「……早く回復させないと私たちが困るでしょう? 」

漣「はいはい」

明石「そうですねー」

叢雲「…………」


< 病床にて >







提督「……悪いな」

高雄「別に」

提督「……でも来月じゃなくてよかった」

高雄「は? 」

提督「お前の、誕生日だから」

高雄「……ばか」

提督「うん」

高雄「…………本当、ばか」

提督「そうだね」

高雄「…………何もなくて、よかった」

提督「…………ん」


ありがとうございました


< そう見えてしまうものは仕方がない >






提督「んあー……体調悪い」

愛宕「熱が38.9°Cもあればそうよね」

提督「……おっぱいミルク飲めばすぐ治る気がする」

愛宕「五十鈴でも連れてくる? 」

提督「え、あいつ出るの? 」

愛宕「出ないと思うけど」

提督「……お前の五十鈴への印象って」

愛宕「大体あなたが巫山戯て言ってたことよ? 」

提督「まーじ? そんなこと……言ってたわ」

愛宕「……大して仲良くもないのに」

提督「や、だって、ねぇ……? 」


< 這い寄る…… >






漣「はえー、笑点オリジナルメンバーゼロになるんですね」

江風「マジかよ……江風今のメンバーしか知らないけど」

漣「うーむ……整いました」

江風「どーぞ」

漣「江風さんの好きなものとかけて赤城さんと解きます」

江風「その心は」

漣「どちらもやせん」

江風「……江風は兎も角喧嘩売り過ぎじゃねーかな」

加賀「……なにか不穏な言葉が聞こえたのだけれど」

漣「ひえっ」

叢雲「……江風くん、漣さんの座布団全部持って行って。しばらくいらないし」

江風「はーい」




< むしろ断酒の方が身体に悪い >






提督「今日のカクテルは」

高雄「カクテル? 」

提督「……一杯、一杯だけ」

高雄「……」

提督「百薬の長だよたかおーん」

高雄「……お粥を食べきるのも苦労していた人が何を」

提督「頼む」

高雄「……」

提督「……」

高雄「はぁ……なに、飲みますか? 」

提督「さんきゅ」


ありがとうございました


< 生涯現役とかそういう >






愛宕「おはよー」

提督「ん、おはよう」

愛宕「大丈夫? 」

提督「二日もぶっ倒れてたし、さすがにこれ以上はヤバい」

愛宕「大規模な作戦の直前だものね」

提督「本当な」

愛宕「いける? 」

提督「いけないと思うのか? 」

愛宕「んー……ま、私がいればどんなになってもイけるわよね? うん」

提督「おう。……おう? 」


< あなたの為が私の為でありそして >






高雄「五月一日の誕生色はターコイズ。色言葉は“ 機敏 ”と“ 叙情性 ”」

明石「ときどき思うんですよ」

Littorio「? 」

明石「女が化粧を止めればその時間が浮く分生の生産性が上がるんじゃないかって」

Littorio「時間的には……そうかもしれませんね」

明石「でしょう? 私でさえそんなに上手くありませんけどしますからね。
その時間が無ければ他のことできたんじゃないかなって」

Littorio「なるほど……逆に」

明石「はい」

Littorio「提督がくれた幸せのお陰で仕事が捗ったりアイディアが浮かんだりしたのではないですか? 」

明石「……自賛ではないつもりですが提督は仮に私がメイクに力を入れなくても」

Littorio「それは分かりませんよ。……兎も角幸せって、なんでもないようなちいさな努力の積み重ねから生まれるものです。それは確か」

明石「……」

高雄「それが地中海の女的な考え方? 」

Littorio「さぁ? ……こんな打算的な考えがなくてもLittorioは美しくありたいですけれどね」


< 白樺花粉がついてくるが >






提督「メーデーだな」

高雄「私たちは……あなたに抗議すればいいのでしょうか」

提督「さぁ? 俺も上に抗議したいくらいだけど」

高雄「……メイデー、というか五月祭の日でもありますね」

提督「モミとかシラカバ集める? シラカバなんて北海道に腐る程あるよ」

高雄「いっそ五月の女王でも決めるとか」

提督「うわきつ……って程でもねぇな」

高雄「それはそれでなんとも言えませんが」

提督「メイク変えればギリ少女っぽくなるだろ。ボンデージ系の女王様ファッションとか」

高雄「愛宕に頼んでくださいね。……というか皐月さんがいますよね、五月なら」

提督「あの子こそ女王ってよりプリンセスだけど……五月祭ってそういやそういうイベントだったな」


< 愛と良酒と病人に優しい >






加賀「あなたを心配していた所為で何も喉を通らなかったわ」

提督「嘘つけ倉庫の酒減ってたぞ」

加賀「そんなの誤差みたいなものよ、ゼロ近似の」

提督「誤差ねぇ……」

加賀「……で、それは? 」

提督「今日の酒」

加賀「……ボウモア25年」

提督「セルフ快気祝いだな、高い酒飲んでいい気分で酔って寝たいんだ。……ま、付き合え」

加賀「ありがとう。……私にも注がせて」


ありがとうございました


< 情熱的というよりは黒く濁った >






高雄「五月二日の誕生色はマラカイトグリーン。
色言葉は“ 静寂 ”、“ 情熱的 ”、そして“ ユーモア ”」

漣「情熱的な恋がしてみたーい」

江風「本当かよ」

海風「海風は静かに燃えるような恋の方が」

漣「だってねー? ご主人様が近くにいれば求めれることの幸せってよく分かりますもん」

江風「結構まともな意見だな」

漣「だって漣まともだし」

海風「……でも提督ってそんなに情熱的でした? 」

高雄「……まぁ、欲しくなったものに対しての諦めは悪いですし。
私としては私自身の方が執着し続けているように感じますけれど」




< マッチとかコーラではないと思う >







提督「今日のカクテルはカサブランカ。カクテルワードは“ 甘く切ない想い出 ”」

愛宕「たとえば? 」

提督「学生時代の彼女に振られたこととか」

愛宕「ふーん? 」

提督「お互い謝るとかもう学生のときしか無いだろうね。
成人してからだとどうしてもどっちかが悪いようになっちゃうから」

愛宕「……謝ったの? 」

提督「まぁ、ね。……なんつーかカルピスみたいな感じかな。青春の味」

愛宕「カルピスって青春味なの? 」

提督「え、違う? ……違う気もするけど緑茶とかよりは合ってるだろ」

愛宕「だって私青春なんて知らないし……カルピスサワーお願い」

提督「ん。……一番青春っぽいと思うんだけどなぁ」


< 誰だ苦虫突っ込んだやつ >






愛宕「帰省したりしないの? 」

提督「してほしいのか? 」

愛宕「ええ」

提督「ふーん……」

愛宕「もう三年くらいご両親に会ってないじゃない? 」

提督「まぁな」

愛宕「私に両親がいないからかもしれないけど……いつか喪うものなのよ? 」

提督「……まだ、大丈夫だろ」

愛宕「それにこれ、私や高雄にも言えることよ? 」

提督「……お前らは沈まない、俺が沈ませない」

愛宕「何があるか分からない。特に戦場においては」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………カルピスってこんなに苦かったっけ? 」



皆さん備蓄は十分ですか? >>1は明らかに足りません

ありがとうございました


< まぁ、待つのが嫌いとも言わないけれど >






高雄「そろそろ辞令が下りないとまずいと思うのだけれど」

愛宕「んー……きてないの? 」

高雄「あの人が隠していない限りは」

愛宕「ふーん……隠すメリットなんて無いわよね」

高雄「ええ。体調を崩したのも一人で誰かと会うためかと少しは思っていたわ」

愛宕「本気で死に掛けてただけだったわよ、あれ」

高雄「そうよね……はぁ」

愛宕「……まぁ、待つの得意じゃない? 何の所為とは言わないけど」

高雄「慣れたからといって得意なわけでも好きなわけでもないのですが、ね」


< おめでとう! >






江風「おーう優勝したのか」

提督「したなー」

江風「……生え際」

提督「やめろ馬鹿」

江風「だってさぁ……」

提督「いいだろ別にハゲでも」

江風「や、江風ハゲまで言ってないけど」

提督「……」

江風「……」

提督「……優勝したなー」

江風「ン」


< どう頼んだものか >






高雄「五月三日の誕生色はティールグリーン。
色言葉は“ 大地 ”、“ 情緒的 ”、そして“ 牧歌的 ”」

明石「いやぁ……あっついですねぇ」

高雄「そうですね」

明石「ここだとエアコンありますしお菓子ありますし飲み物ありますけど……うーん」

高雄「工廠だと辛いでしょうね」

明石「はい。……ただ」

高雄「ええ」

明石「なんか最近海風ちゃんがやたら差し入れしたりお喋り付き合ってくれるんですよね」

高雄「……あぁ」

明石「なんなんですかねー、そんなに好かれるようなことした覚え無いんですが」






高雄「……直球で改二の研究を頼んだ方が早いように思うのですが」

江風「そンなこと江風に言われても」


< しょっちゅう熱ッチュー >






提督「暑くなってきたな」

愛宕「そうねぇ」

提督「熱中症になる程外行かないけど」

愛宕「トレーニングで出るじゃない」

提督「常に身体のこと考えてるし逆に、な」

愛宕「そうかしら」

提督「あぁ。……ねっチューしよう? 」

愛宕「言い方と持っていき方が気持ち悪いから嫌」

提督「えぇ……」



< 気付くと沈んでるとかやめてくんねぇかな…… >






提督「今日の酒はビールと麦酒とビーアとビヤと麦芽酒だぜ! 」

叢雲「大体同じじゃない」

提督「分かってないねー、叢雲ちゃんはー」

叢雲「あぁん? 」

提督「クソ暑い中肉でも焼いて外で飲むときはビールサーバ持ち出してバカスカ飲むけどな、これは違う」

叢雲「……」

提督「微妙に曇ってて蒸し暑いこんなときには世界のビールを飲み比べて大きな作戦に備えるのだよ」

叢雲「……あ、そう」

提督「そう」

叢雲「…………あそこでヴルストを瓶口に突っ込もうとしてる酔っ払いがいるけど」

提督「あぁん? ……ちょっとあれ俺には無理だわ、頼む」

叢雲「仕ッ方無いわね。貸し一つよ? 」

提督「へい」






瑞穂「ふふふふふ……なーんで入らないのでしょうねー……あれー? 」

明石「……私もこんなことしてるんでしょうか、泥酔したとき。いや、でもゲロよりはマシな」

Littorio「勝手にダメージ受けてないで止めた方が…」


ありがとうございました


< 大体冗談 >






提督「なんか知らねぇけどまたイタリアから誰か来てるな」

Littorio「Polaですね」

提督「……お前ら暇なの? 」

Littorio「むしろ手詰まりといいますかできることが少ないといいますか」

提督「だから外で戦闘に参加して恩売ったり情報買ってるのか」

Littorio「忌憚も隠し事も無く言えば、そうなります」

提督「……」

Littorio「……」

提督「……つまり、暇なんだろ? 」

Littorio「……暴露ましたか」


< 誰が為に、誰が所為で >






叢雲「ラバウルの方は酷いみたいね」

提督「んー、そうかもな」

叢雲「……かも、ね」

提督「辞令下りないしなんとも言えないだろう。
俺だけなら兎も角苦戦中にお前らすら召集されないのはよく分からないが」

叢雲「基地航空の戦力をあれだけガタガタにしていいのかしら」

提督「その戦力だって殆どが今回の作戦で編成されたものなんだけどな」

叢雲「……遠いと帝都の言うこと聞かなくなってくるものね」

提督「だから無茶な作戦命じた上に海軍中枢からの支援も出し渋ってるって? 」

叢雲「あり得なくはないじゃない」

提督「……俺はむしろ帝都の言うことを聞き過ぎている、と横須賀の君たちが考えている、と思うね」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「……私たちが投入される頃には、地獄ね」

提督「……かもね」


< その程度の真摯さ >






高雄「五月四日の誕生色は小鴨色。色言葉は“ 経営力 ”、“ 刷新力 ”、そして“ 再生能力 ”」

明石「腐った帝国でも立て直しますか? 」

提督「どこぞの反乱者じゃねぇか。……俺はそんなことしないよ面倒くせぇ」

明石「全部揃ってると思いますけどねぇ」

提督「さぁね。……つーかそこまでこの帝国も海軍も腐ってない。横須賀の君もいるしな」

明石「随分と買っているんですね」

提督「上官を信頼するのは当然だろう? 」

明石「はっ……よく言えますね」

提督「……」

明石「……」

高雄「……よくデスクに突っ伏しながらそんな真面目な雰囲気出せますね」


< 金すら溶かす熱を >






提督「今日のカクテルはアディントン。カクテルワードは“ 沈黙 ”」

愛宕「沈黙は」

提督「金、という程でもない」

愛宕「……ん」

提督「……グラス、落とすだろ」

愛宕「いいじゃない、そんなの」

提督「…………ん」

愛宕「っ…………ぁ……んぅ」

提督「…………」

愛宕「…………舌だけが雄弁ね」

提督「銀製、という程の価値も無いけどな」




< 修羅ならば地獄がお似合い >






龍田「洒落にならないわね~ 」

鈴谷「その割に楽しそうだけど? 」

龍田「そう? 」

鈴谷「……頬の血くらい拭いなよ」

龍田「僚艦の最期のよすがを? 」

鈴谷「い、いやそれは……それは」

龍田「ふふ……ま、あの女最初からいけ好かなかったし? 気付いてなかっただけよぉ」

鈴谷「……熊野と天龍が帰ってきたら、行かないと」

龍田「そうね」

鈴谷「…………」

龍田「…………」

鈴谷「…………無理に突出するな、犠牲を強いてまで作戦の即時成功は目指さない、だっけ」

龍田「さぁ? 忘れちゃったわぁ~ 」



ありがとうございました


< いつか、という気休めなんて >






浜風「濡れ濡れですね」

時雨「……言い方に不穏なものを感じるんだけど」

浜風「き、気のせいです」

時雨「本当? ……提督や呉の戦力は来ないのかな」

浜風「今の所そんな気配は無いと思いますよ」

時雨「……申し訳程度に横須賀と佐世保、隷下の基地の戦力、これだけ」

浜風「……こちらにある基地航空の立て直しが軌道に乗りさえすればどうとでもなるのですが」

時雨「…………」

浜風「…………」

時雨「…………止まない雨は無い、はずだから」

浜風「…………そう、ですね」


< 掌に吸い付くような >






提督「どうもこの待機ってのが苦手でね」

愛宕「うん? 」

提督「いつまで待て、ならいいんだが」

愛宕「でも待つってそういうものでしょう? 時間が分かっていたら待つって感じじゃないわ」

提督「ごもっとも、ごもっともなんだけどな」

愛宕「……ん、ほら」

提督「あん? 」

愛宕「耳、綺麗にしてあげる」

提督「さんきゅ……生か」

愛宕「息かけないでよ? 」



< めーいざふぉーす >






漣「昨日はstar wars dayでしたねー」

明石「はい」

漣「……なんかしました? 」

明石「エピソード5だけぼんやり観ましたよ」

漣「あー……朝からずっとしてたやつ」

明石「ええ。……今回の収穫は見切れてたIG-88を確認できたことですね」

漣「何ですそれ……フォースの覚醒届いてるんで観ません? 」

明石「いいですよー。もう一回くらい観たかったですし」

漣「……そうか、あの女衒と外出てたのか」

明石「ですねー」






提督「……なんか謂れの無い罵倒を受けた気が」

愛宕「謂れなんて数え切れないでしょ。……はい、はんたーい」

提督「ん」


< この上増えたらどうしろと >






高雄「五月五日の誕生色は水色。色言葉は“ 奔放 ”、“ 洞察 ”、そして“ 主役 ”」

Littorio「奔放、といえば」

高雄「ええ」

Littorio「Polaは大丈夫でしょうか、今回の作戦に参加しているはずなのですけれど」

高雄「……むしろイタリアからきた方の中で普通な方がいるんですか」

Littorio「Littorioが」

高雄「酔っ払いの酔ってない宣言並の自称ね」

Littorio「酔っていなくても否定はするでしょう」

高雄「まぁ。……一言で、どんな? 」

Littorio「アル中ですね」

高雄「あぁ……ここに来ないことを祈っておきましょう」


< なんとなく自分でも否定しにくい >






愛宕「こどもの日ね」

提督「だーかーら、子供つくる日じゃねぇっての。去年もこの話したぞ」

雲龍「ここだとそんな常識通用しないでしょう」

提督「それなら殆どの日がこどもの日じゃねぇか」

愛宕「その話も去年したわよ? 」

提督「そうだな。……お前らってどっちが強いんだ? もちろんそういう意味で」

愛宕「えーっと……」

雲龍「そんなの愛宕に決まってるじゃない」

提督「そうだな、うん。……否定しないのか? 」

愛宕「……お互いのこと知ってる人に言われたらなんとも言えないわよぉ」


< 葉桜の季節に君と想い合うということ >






雲龍「今日のカクテルはバーボネラ。カクテルワードは“ 野生的 ”」

高雄「今日は雲龍さんですか」

雲龍「いいえ、さっきあの人が愛宕に言っていたのを真似しただけ」

高雄「はぁ……二人は? 」

雲龍「外。葉桜でも見に行こうとかなんとか」

高雄「……」

雲龍「お手々繋いで、ね」

高雄「……なるほど」

雲龍「今屋上から見下ろせば面白いものが見れるかもしれないわ」

高雄「そこまで趣味悪くありませんよ。……あなたこそ見に行ったらどうです」

雲龍「そんな惨めな女になりたくないもの」

高雄「……“ 野生的 ”」

雲龍「まだ外は寒めだけれど……どうかしらね」


ありがとうございました

一応
■ 【重要】 エロいSSは新天地に移転します
■ 【重要】 エロいSSは新天地に移転します - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462374938/)


< 日和るのは仕方ないね、怖いからね >






雲龍「to be or not to be」

天城「……that is the question? 」

雲龍「……生きるべきか死ぬべきか。スるべきかシないべきか」

天城「シてもいいですけれどまだ昼間ですよ」

雲龍「そんなこと言って優柔不断だからハムレットもオフィーリアも不幸になったじゃない」

天城「優柔不断はあまり関係無いような。……天城がお相手しましょうか? 」

雲龍「私を満足させられるの? 」

天城「雲龍姉様こそ天城を見くびらないほうがよいかと」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……まだ昼よ? 」

天城「……姉様」


< 反論されてこそ誇れる >






高雄「五月六日の誕生色はフォゲットミーナットブルー。
色言葉は“ 直感 ”、“ 優しさ ”、そして“ アイディア ”」

加賀「赤城さんが勝ったわ」

提督「なんなの、テレパスかなんかなの? 」

加賀「ふ……私と赤城さんの絆ね」

提督「マジかよ……まぁ、ありそうだが」

加賀「ええ」

提督「……」

高雄「……」

加賀「……」

提督「……いや、反論しようねぇから、むしろ誇れよなんで不満げなんだよ」


< ガチで土下座でも土下寝でもしたいこと >






提督「……イく直前にヤバくなって抜いてトイレ駆け込んで戻したこと」

明石「えぇ……」

漣「そんなの誰も勝てないですよー……」

提督「あのときは……うん、もうテンションヤバかったね」

高雄「……私は最初自分が悪いと思って死にたくなりましたが」

提督「…………悪い、悪かった」

漣「……大の大人のガチ土下座」

明石「……うわぁ」

高雄「……今更怒る程のことでもないですから、頭なんてそう下げるものではありませんよ」


< あなたと私とあなたの私 >






提督「…………」

高雄「……別に怒ってませんけど」

提督「……俺の問題だよ、こういうの」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……」

提督「……お前がいて、よかった」

高雄「……私こそ言いたいですよ、あなたがいてくれればこその私です」


< 朱く染まった柔肌にさらに紅を >






高雄「ゃ、ダメッ……です」

提督「……ん? 」

高雄「まだ、……執務、が」

提督「……世界なんて捨てちゃいなよ、どうせ高雄を蔑むか好奇でしか見ない世界だ」

高雄「私の世界は、あなたですから」

提督「……高級将校の離職率、なんてデータは無いのかな」

高雄「ふ……離職よりも病死か事故の方が多そうです」

提督「だろうね。……痕付けたい」

高雄「ッ……付け、たいなら、ご勝手に」

提督「うん……ん」

高雄「ッ……! 」


< お互いにツゴウノイイ関係で >






提督「今日のカクテルはランベス・レモネード、だ」

高雄「……襟でも隠せません、包帯でも巻かないと」

提督「駄目。見せびらかしとけよ」

高雄「……」

提督「痕付けてもいいって言っただろう? 」

高雄「……でも、こんなに、真っ赤になるまでだなんて」

提督「お前も俺の胸板真っ赤にしただろうが」

高雄「それは見えませんし……まぁ」

提督「ん? 」

高雄「あなたのものにされる気分、悪くありません」

提督「……」

高雄「……」

提督「……なんでお前そんな佳い女なんだ? 」

高雄「さぁ? 」


< 性GO >






雲龍「ゴムの日なのよね、今日」

天城「コロッケの日だったりもしますけれど」

雲龍「……ゴムってどんな感じなのかしら」

天城「さぁ……どうでしょうね」

雲龍「子供ができないといっても全く避妊しないっていうのもあれよね」

天城「……今更というかなんというか」

雲龍「……あなた割と凄いわね」

天城「姉様の妹ですからね」

雲龍「……我ながら説得力があり過ぎるわ」



< 美味い酒が悪い間違いない >






加賀「ボトルキープが必要だと思うのだけれど」

天城「同意致します」

愛宕「……あの人のボトルを消費する人上位二人が言うと説得力がありますね」

加賀「あの人のコレクションが悪いわ」

天城「全くです」

愛宕「えぇ……さすがに理不尽過ぎでしょうそれは」


< 弱ったあなたも悪くない >







提督「なぁ、高雄」

高雄「……はい」

提督「今すぐ俺を殺せ」

高雄「……は? 」

提督「この先お前を苦しめるしかない男だ、消せ」

高雄「承服しかねます」

提督「……高雄」

高雄「……承服しかねる、と言ったはずです」

提督「……」

高雄「……」

提督「……なんでお前と逢ってしまったんだろう」

高雄「今日は何故何故繰り返しますね」

提督「ガキみたい、だよな」

高雄「構いません。……女はカッコつけのガキを好むものですから」


>>279
これやっぱり引っかかるんでしょうかね……

ありがとうございました


< あなたの声がただ聞きたい朝も >






愛宕「おはよう? 」

提督「おはよう」

愛宕「コーヒー? 」

提督「もちろん」

愛宕「ブラック? 」

提督「おう」

愛宕「ゆうべはおたのしみでしたね? 」

提督「あぁ」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……おはよ」

提督「ん……おはよう、愛宕」



< 吸えば吸う程 >






提督「まぁ、それは置いといて……ポニテ? 」

愛宕「どう? 」

提督「もふもふしたい」

愛宕「やっ……んー」

提督「髪に手かけられない女の子は相手にできない」

愛宕「クーズ」

提督「それだけ目が肥えてるってことさ」

愛宕「……そのお眼鏡に? 」

提督「お前程佳い女はそういねぇよ。……甘い唇なんてそういないんだぜ」

愛宕「……クーズ」

提督「ん……甘い」


< 辛きを耐える辛抱立ち役であればこそ >






高雄「五月七日の誕生色は群青。色言葉は“ 丁寧 ”、“ 辛抱 ”、そして“ 謙遜 ”」

提督「ようやくですが我々も現在進行中の作戦に参戦致します」

高雄「明日からですか? 」

提督「そ、横須賀の後詰と合流して南へ」

高雄「全員?」

提督「まさか。……お前は居残り」

高雄「えっ……」

提督「俺が連れて行くのは加賀、雲龍、天城、瑞穂、江風、海風だ」

高雄「……また中途半端というか」

提督「お前と愛宕レベルの火力で暴れられたら困る理由でもあるんだろう」

高雄「成功ラインギリギリを通りたい、と」

提督「あぁ。……お前、愛宕、叢雲、漣、Littorio、明石が居残りだ、任せたぞ」

高雄「はい。……あの」

提督「勝手に死んだりなんてしないさ。美味い飯でもつくって待っててくれよ」

高雄「……はい」



< 可愛いからね、仕方ないね >





提督「…………ふっ」

叢雲「なによ」

提督「うん? 」

叢雲「唐突にスマホ見ながらニヤつかれると気色悪くて仕方ないわ」

提督「悪いな。……母上が定期的に我が家の猫動画像送ってくるんだよ、ほら」

叢雲「いいの? 」

提督「見られて困るものなんて昔から入ってない」

叢雲「ふーん……」

提督「……」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「…………ふふ」

提督「んー? 」

叢雲「」


< あっ、そこまではさすがに…… >






瑞穂「お天気あまりよくありませんね」

漣「わんわーん、お散歩行きたいわーん」

瑞穂「叢雲さん、呼びましょうか? 」

漣「いやいやいや、そんなことしたら本気で海のお散歩コースじゃないですか」

瑞穂「……首輪に興味がありそうな顔を」

漣「それ雲龍さんと海風ですよー」






雲龍「……ある? 」

海風「……雲龍さんと同じですよ、先輩」

雲龍「…………チョーカーで首締め落とされたいのね」

海風「えぇ……さすがにドン引きですよそれ」


< 至言 >






加賀「私たちが人型であることの最大のメリットは」

Littorio「ええ」

加賀「軽い整備で作戦に投入できること」

Littorio「明日と言わず一時間後には万全ですものね」

加賀「……だからこそいつでもお酒を飲めているかもしれない」

Littorio「……生命の水があればこそ、ですか」

加賀「お酒の無い人生なんて死んだも同然よ」


< 大切なもの >






愛宕「んー……相変わらず刺身包丁の扱いだけは上手いわねぇ」

高雄「女の扱いも」

愛宕「調理器具だけよ。……上手い? 」

高雄「下手であれば数人の女を同時に囲えないかと」

愛宕「ま、そうなんだけど……うーん」

高雄「……あれで一途であればその寵を得る女はどんなに幸せか」

愛宕「……譲らないわよ? 」

高雄「こっちこそ。……あの人の愛が無ければこの世に価値などありません」

愛宕「お酒よりも? 」

高雄「……あなたはお金と生命を天秤にかけるのかしら? 」



< 将の器 >






GZ「あなたの食欲は化け物レベルなのか」

赤城「? よく食べよく戦う兵士であり続けたいだけです」

GZ「……いや、言いたいことは分かるし立派だとも思うのだが」

赤城「はぁ」

GZ「…………」

赤城「? 」

GZ「……あなたのそういうところが敬される理由なのだな、あぁ」

赤城「……? 」


< やりたくないとは言わない>






提督「ひっでぇ会話」

明石「ひっでぇ人間なのは誰なんですかね」

提督「……悪い」

明石「謝られても困りますけど」

提督「……」

明石「……」

提督「……もうじゃあ誰か俺拉致して辺境でも逃げてくれよ、大人しく拉致られるから」

明石「そんな業深いことできませんよ……他の人に殺されますし」



< 才能という消費対象 >






明石「いやー……これ結構面倒ですね」

提督「そうなの? 」

明石「私ハード屋なんですよ。ソフトはさっぱりです」

提督「面倒だと分かる時点でさっぱりではないと思うが」

明石「まぁ、そりゃあ人並よりはできますけど」

提督「そうか」

明石「ええ」

提督「……」

明石「……」

提督「……」

明石「……で、なんで陸軍の回線補強しなきゃならないんです? 」

提督「さぁ? 」


< それは決して矛盾ではなくて >






提督「今日の酒は……ザ・ニッカ40年だ」

加賀「……いいの? 」

天城「……嘘」

高雄「……凄いもの出してきましたね」

明石「……あぁ」

Littorio「……これは」

愛宕「……そんな、レベルなの」

雲龍「……本気ね」

叢雲「……こんな、死地に向かうみたいな」

提督「シングルロック一杯だけだからな? また飲みたかったらもう一度戻ってきて、またこの面子で飲もう」

加賀「これは帰ってこなければなりませんね……乾杯」

天城「乾杯」

高雄「私たち、また揃うことを」

愛宕「願いましょう」

明石「また」

Littorio「皆で笑えることを」

雲龍「魂と、あなたと皆への愛に賭けて」

叢雲「……本当、全員帰ってきなさいよね」

提督「ん、乾杯。……お前らが俺の全てだ、一人として欠けるのは許さない、死んでも生きて帰ってこい」


ってことは暫く>>1は何もしなくてもいいのかな
アナウンスはされるでしょうし

ありがとうございました


< 一人くらいは >






提督「じゃ」

高雄「お気を付けて」

愛宕「浮気はしないでよねー」

加賀「生命に代えても彼だけは帰すわ」

天城「はい、必ず」

雲龍「ええ」

高雄「お任せ、致します」

愛宕「それ持って消えないでくださいねー」

提督「……いやいやいや、そんなことしなくていいし高雄は真面目に返さなくていいし愛宕は馬鹿なの馬鹿だろなんだお前」


< 誰の男で誰の相棒か >






漣「いやー……士気高過ぎでしょ」

叢雲「一人お天気頭がいるみたいだけど」

漣「あれで考えてるような」

叢雲「割と本音に聞こえるけど」

漣「そりゃね。叢雲ちゃんだってご主人様誰かに独占されたら嫌でしょ」

叢雲「……」

漣「……」

叢雲「……別に」

漣「ふーん……? 」



< 女神の口付け >






提督「いい子ちゃんにしとけよ? 」

高雄「普段から“ いい子 ”、だと思いますが」

提督「そうだっけ」

高雄「あなたの前では常に」

提督「……留守は任せたぞ」

高雄「はい。……ご武運を」

提督「ん……唇で分けてくれ」


< 外堀 >






高雄「一応この場の最高責任者はわたしなわけですが」

愛宕「納得いかなーい」

高雄「姉として? 諦めなさい」

愛宕「むぅ……」

高雄「……母の日ね」

愛宕「お母様に何か送った方がいいのかしら」

高雄「私とあなたの連名で送られても困惑でしょう」

愛宕「私だけの名前で送ってもいいのよ? 」

高雄「そんなこと許すはずが」




< 新幹線ヴァージョンとか売ってる >






高雄「五月八日の誕生色は千歳緑。色言葉は“ 丁寧 ”、“ 辛抱 ”、そして“ 謙遜 ”」

愛宕「千歳……千歳? 」

高雄「あの人なら新千歳空港か南千歳でしょうね

愛宕「あれで千歳姉妹とはまずまずだったはずだけど」

高雄「単に飲み仲間のような関係だった気が」

愛宕「それ結構いい関係でしょ」

高雄「まぁ」

愛宕「……千歳鶴のボトルでも開ける? 」

高雄「そうね、そうしましょう」




< 別に嫌いではない >






漣「五月八日……ごーや……伊58の日? 」

叢雲「それで? 」

漣「酷使する日かなーって」

叢雲「……休ませてあげなさいよせめて」

漣「なんで? 」

叢雲「……本気? 」

漣「だって特に仲いいわけでもないし」

叢雲「…………大概あなたの方が冷たいというかドライよね」


< 酔えないのならあなたを飲ませて >






提督「今日のカクテルは……無し」

雲龍「さすがにあなたでも船上では飲まないのね」

提督「無駄に目付けられたくないし」

雲龍「もう遅いでしょう? それは」

提督「はっ、俺がイケメンだからかな? 」

雲龍「上官にも部下にも好かれるという意味ではそうかも」

提督「……ここで誉めんなよ」

雲龍「私があなたの敵になるのは精々カードか賭けのときくらいなの」

提督「……たまには突っ掛かれよ」

雲龍「あなたに染められたもの……仕方ないわ」


色々とありがとうございます
理解できたかは怪しいですけど

ありがとうございました


< 誰が為の闘争か >






雲龍「飛行機で戦地に向かったりはできないのかしら」

天城「それができるなら天城たちは要りませんね」

雲龍「……どうせヘリや飛行機が落ちたところで死にそうも無いし」

天城「それなら誰かが操縦できないといけません」

雲龍「明石あたりできるでしょう、たぶん」

天城「確かにできそうですけど」

雲龍「というかヘリの操縦士くらいいるじゃない、人間で。それくらいのリスクは背負ってほしいわよね」

天城「……ノーコメントで」




< 語呂 >






江風「コキュの日? 」

提督「そんなわけ……つーかそんな言葉よく知ってんな」

江風「まぁね。江風もテートクの部下だし」

提督「いやいや……コキュか」

江風「テートクは心配じゃないン? 」

提督「別に」

江風「ふーン? 随分と、あれだね」

提督「いや、こういうのは自惚れとか自信じゃなくてさ、幸福感なんだよ。
帰れば自分の女が温かく迎えてくれるっていうね」

江風「……なるほど」


< アラブとかだとどう数えるんだろう…… >






漣「ご主人様は相変わらずお酒とおつまみ送ったんですかねー」

叢雲「母の日? 」

漣「そうそう。漣たちと下っ端やってたときからあれだったけどいいのかなあれで」

叢雲「本人がいいならいいでしょ、あいつにしてもお母様にしても」

漣「まーねー。……お母様」

叢雲「……なんか文句あるの? 」

漣「べっつにー? 叢雲ちゃんがご主人様とパートナーになってたら義理の姉妹沢山だなーって」

叢雲「そうね。……あいつだと義理の姉妹は三人? 二人? 」


< 現在はある意味調和が取れている、のかもしれない >






高雄「五月九日の誕生色はパラキートグリーン。色言葉は“ 調和 ”と“ バランス ”」

明石「提督が明日死んだとして」

愛宕「ええ」

明石「葬式参列者の面子が物凄いことになりそうですよね」

愛宕「……」

明石「……」

愛宕「……どういう意味で? 」

高雄「……随分とと難しい話ですね」


< たぶんきっと無い >






提督「今日の飲み物は美味くも不味くもないコーヒーです」

加賀「はい」

提督「はい」

加賀「……」

提督「……」

加賀「……船上だとどうもつまらないわね」

提督「あぁ。……赤城は? 」

加賀「赤城さんはもう前線ですよ」

提督「そうだったかな。……これ愛情とかそういうのが足りないな」

加賀「淹れてきましょうか? 」

提督「んー……」

加賀「血液でも毛髪でも十分に」

提督「そんな趣味無ぇよ」



< どうだろうね、本当 >






愛宕「今日は奄美黒糖焼酎の日でーす」

高雄「前々から準備して楽しみにしていた人がいないという」

明石「ですねぇ……そういえば」

高雄「? 」

明石「高雄さんの誕生日近いですね」

愛宕「あ……」

高雄「……」

明石「……? 」

愛宕「……あの人帰ってこれるか微妙だから」

明石「……」

高雄「……」

明石「……すみません、考え無しでした」

高雄「……いえ」


ありがとうございました


< 遅れても気持ちは >






提督『happy birthday……高雄』

高雄『……遅いです』

提督『……悪いな、基地まで辿り着けなかった』

高雄『……ご飯、冷めてしまいました』

提督『……あぁ』

高雄『……私の心が冷めないうちに、帰ってきて』

提督『……そうだな』

高雄『……』

提督『……』

高雄『……では、誰も欠けずに』

提督『……ん』

高雄『…………いつまでも、待ってますから』

提督『…………頼むよ、高雄』


< 電話越しでも冗句は >






提督『……あぁ、そうだ』

高雄『はい? 』

提督『……忘れてたんだけどさ』

高雄『はい』

提督『……誕生日おめでとう、愛してる』

高雄『…………ばか、知ってますよ、それくらい』



< いや、やっぱ冗句じゃない >







高雄『……あぁ、そういえば』

提督『うん? 』

高雄『私も忘れていたことが』

提督『……あぁ』

高雄『……愛してます、__さん、早く帰ってきてください』

提督『……ばーか、当たり前だろ、高雄』



< 気になりだすと >






漣「……ルータの光が」

叢雲「…………Zzz」

漣「叢雲ちゃん寝てるしゲームもなー」

叢雲「…………Zzz」

漣「…………あーもうピッコピコピッコピコ目障りだなぁ」

叢雲「…………Zzz」

漣「…………」

叢雲「…………Zzz」

漣「…………ラーメンでも食べてこよ」




< 分かり合えば喜色は少しだけでもいい >






加賀「改めてお久し振りです、赤城さん」

赤城「こちらこそ、加賀さん。その後お変わりなく? 」

加賀「ええ。……赤城さんの誕生日に直接お祝いできず申し訳ありません」

赤城「そんなこと……私は加賀さんのお気持ちだけで十分ですよ」

加賀「そう言っていただけると。……終わりましたね」

赤城「ええ、ひとまずはまたお休みです」

加賀「…………」

赤城「…………」

加賀「…………ま、今は作戦が成功したことを素直に祝っておきましょうか」

赤城「そう、ですね」


< キャラ >






提督「で、お前らはなに? 他人同士なの? 」

加賀「は? 」

提督「いや、敬語にも程があるだろうお前ら。いつまでそうなんだよ」

赤城「……加賀はどう思う? 」

加賀「これが馬鹿なだけね」

赤城「私もそう思うわ」

加賀「赤城から見れば全てが馬鹿でも仕方ないけど」

赤城「……」

加賀「……」

提督「……」

赤城「……まだ続けます? 」


< そちらの方がむしろ >






高雄「五月十三日の誕生色は枯草色。色言葉は“ 理解力 ”と“ アイディア ”」

愛宕「今回の作戦も恙なく」

高雄「……最初から横須賀の主力や私たちが出ていれば早期に終わっていたはずなのに」

愛宕「損害も少なくね」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……私ももう少しまともな気分だったはずですし」

愛宕「そうね」



< 全て終わったという始まり >






提督「いい加減酒を飲みたい」

雲龍「飲めばいいじゃない。祝勝みたいなものでしょう」

提督「訂正。なんの気兼ねなく飲んで眠りたい」

雲龍「できるでしょう? 」

提督「一応責任者として色々回らなきゃいけないから」

雲龍「わざわざあなたが行くことも。ただでさえ嫌な相手もいるのに」

提督「嫌われてる相手にこそ、ね。……相手にとっては十三日の金曜日かもしれないけど」

雲龍「…………嫌になったら私の部屋、開けとくから」

提督「天城もいるだろうが。…………さんきゅ」


ありがとうございました


< 台所を預かるものとして >






愛宕「暑いわねぇ」

高雄「そうね」

愛宕「そろそろ素麺出す? 」

高雄「……薬味を沢山用意する方が主菜を変えるより面倒なのですが」

愛宕「頼めば皆自分でつくるわよ? 」

高雄「それはそれでなにか負けたような感じに」

愛宕「うーん……分かるような分からないような」


< 選ぶ方を選ぶのか選ばない方を選ぶのか >






漣「ここは選挙なんかと無縁でいいですねー」

明石「はい? 」

漣「ご主人様がダントツかご主人様が選ぶ相手だけですもん。争いようないですし」

明石「あぁ、確かに」

漣「……まぁ、ガチで高雄さんか愛宕さんかって迫られたご主人様にも興味ありますけど」

明石「……それは」


< 優しさだけ受け取ることができればどんなにか >






高雄「五月十四日の誕生色はオリーヴ。色言葉は“ 自然 ”と“ 優しさ ”」

Littorio「真面目な忠告ですけれど」

高雄「ええ」

Littorio「外になんて行かない方がいいですよ、きっと」

高雄「はぁ」

Littorio「彼やLittorioたちがいさえすればそれでいいじゃないですか、他に何か必要? 」

高雄「私に要らなくても彼には必要でしょう」

Littorio「……彼もそんな優しさは要らないはずです」

高雄「私もそんな優しさなら要りませんね、外が怖いから逃げるなんて流儀にも反しますし」

Littorio「…………」

高雄「…………紅茶のお代わり、注ぎますね」


< そういうことじゃない >






提督「今日のお茶は緑茶です」

雲龍「ええ」

提督「まーた可もなく不可もなくだな。……さっきさ」

雲龍「? 」

提督「基地航空隊の責任者に会いに行ったらアニマルビデオ観てた」

雲龍「……溜まることもあるでしょう、特に最近は忙しかったし」

提督「いや、そうじゃなくてアニマルビデオ」

雲龍「……え? 」

提督「画面に向かってニャーニャー言ってたぞ」

雲龍「…………世の中疲れることもあるわよ、ええ、そっちのアニマルビデオでも差し入れてあげれば」

提督「いやいやいや……俺の趣味と合うかどうかなんて分からねぇし」


ありがとうございました


< 諦め >






江風「ンー……眠い」

瑞穂「寝ていても構わないのでは? 本土へ帰還中ですし索敵も十分以上です」

江風「姉貴がね、そういうの厳しいンだ」

瑞穂「はぁ」

江風「そういうの瑞穂さンもだと思ってたけど? 」

瑞穂「まぁ……なんというかですね」

江風「ン」

瑞穂「提督の側にいるとこう、引き摺られるといいますかどうでもよくなるといいますか」

江風「あー……」


< それくらいなら敵の方がまだ >






高雄「五月十五日の誕生色はコロニアルイエロー。
色言葉は“ 良心 ”、“ 向上心 ”、そして“ 体系化 ”」

漣「信じて送り出したご主人様が新しい部下の女の子を侍らせて戻ってくるなんて」

叢雲「その可能性馬鹿にできないわよね」

漣「やー、どうかな。漣は別に面倒な相手じゃなかったら来てもいいんだけど」

叢雲「面倒? 」

漣「アル中とかバトルジャンキーとか」

叢雲「……あぁ」

漣「せめてこう、ここのバランスを保てる人でお願いしたいね」

高雄「……私は変にバランスをとってまた情婦が増えるのはもう嫌ですが」


< 敵か味方か >






GZ「……おや」

提督「ん? おう、久し振りー」

GZ「あぁ、久方振りだ。……会いにきてくれてもよかったのではないか? 」

提督「まぁ、色々と忙しくてさ、悪いな」

GZ「……いないのか? 」

提督「え? 誰が? 」

GZ「高雄でも愛宕でもいいし、雲龍や加賀でも」

提督「……俺そんな侍らせてる印象なの? 」

GZ「いや、気を悪くしたのなら謝るが……しかし」

提督「んー? 」

GZ「…………狙われたりはしないのか? 空き部屋のドアに注意は? 背後への警戒は? 」

提督「…………は? 」


< 負けても勝ち、勝っても勝ち >






提督「酒が無いのに何故か普段より身体に悪い気がする」

天城「女性と同衾もしていませんのにね」

提督「いやぁ…………露骨なエロもいいものだよな、うん」

天城「天城に言われましても」

提督「そりゃあチラリズムとか着衣とか最高だけどね、エグいくらい誘ってるのも悪くない」

天城「はぁ」

提督「うん」

天城「……」

提督「……」

天城「で、どうやってエグいくらいの姉様を振り切ってきたんです」

提督「……帰った後のデートの約束してきた」

天城「はぁ……はぁ? 」



< 八方塞がり >






江風「つまり無理矢理迫ればデートくらいはできるってことだな」

海風「それは……海風だとたぶんあしらわれて終わりだよ」

江風「そーか? 江風から見ても姉貴悪くないと思うけどな」

海風「それはたとえば高雄さんや愛宕さんに並べるもの? 」

江風「レ、レベルなら」

海風「ふーん? 」

江風「……」

海風「……テートクももう少しロリコン気味だとよかったのに」

江風「ま、それだと海風の姉貴は惹かれなかっただろ、たぶン」



< 愛があるからこそという言い訳 >






愛宕「あの人がいないと手抜きしていけないわ」

高雄「カクテルも簡単なものだけですしね」

愛宕「カクテルなだけマシよ。私なんてストレートかロックしかないわ」

高雄「まぁ、そもそもあの人もそうなのだけれどね、頼まない限りは」

愛宕「結局他人がいないと誰だって多少雑になるのは仕方ないってこと? 」

高雄「それも相手によりますが」

愛宕「へぇ……私にもそれつくって? 」

高雄「面倒な……これとこれをステアするだけよ」

愛宕「……あ、そ」


< 酒が無い分追求が緩いかもしれない >






雲龍「あのね、大切に深く愛されるのが嫌なわけないじゃない」

江風「はぁ」

雲龍「単にそれと同じくらい酷く重く可愛がられたいだけなの」

海風「海風は分かりますよ」

江風「マジかよ……」

雲龍「あら、それならあなたはどう愛されたいの? この際だから聞いてみたいわ」

海風「海風も興味あるかな」

江風「え、えーっと、そりゃあ」

雲龍「? 」

海風「? 」

江風「……こういうことしない、意地悪じゃない人が好きだよ、別にテートクのこと嫌いじゃないけどさ」


< ふとしたときに引っ張り出す >







愛宕「直近のだと花見のときのなのね」

高雄「アルバム、ですか」

愛宕「最初は私たちばかりで、明石や加賀さんが入ってきて、扶桑や山城や時雨、段々増えていって」

高雄「一時期私たちだけになってそれから雲龍さんたちが入って、という感じね」

愛宕「昔のは少し画質が悪いけど……でもこんなものよね」

高雄「……これ」

愛宕「ん? 心霊写真とか? 」

高雄「まさか。……誰が撮ったのかしら、この写真」

愛宕「雨の紫陽花なんていいじゃな……盗撮じゃないこれ」

高雄「ええ」

愛宕「龍田があの人に傘差し出してるところねぇ……私じゃないわよこれ」

高雄「何故龍田さんだけずぶ濡れに……日付は? 」

愛宕「ここにくる半年くらい前ね」

高雄「あの人と龍田さんがほぼ盗撮されていて私とあなたではない……? 」

愛宕「でもここに入ってるってことはあの人は誰が撮ったか知ってるのよね? 」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……ある意味この写真そのものがホラーね」


ありがとうございました


< 他人事っぽいなにか >







時雨「僕の妹たち、どうだい? 」

提督「どう、って言われてもな。むしろ俺のことなんか言ってなかった? 」

時雨「それは自意識過剰ってものだよ、提督」

提督「厳しいなぁ」

時雨「まぁ、冗談だけどさ。……海風のこと、どうするつもり? 」

提督「どうも」

時雨「どうも? 」

提督「どうしようもない。俺になにかできるか? 」

時雨「抱いてやりなよ、それで終わるかもしれない」

提督「……お前が海風だとしてそれで終われるのか? 」

時雨「まさか。そんなわけないだろう? 責任くらいとってもらうさ」

提督「…………」


< 愛、変わらず >







提督「……ま、時雨が心配する程でもないさ」

時雨「僕は海風を心配しているんだけど」

提督「あいつにとっても同じだろう。あれで本当にガキってわけでもない」

時雨「ガキじゃなければ傷付かないとでも? 」

提督「傷付いても押し殺せるのが大人だろ? 」

時雨「……相変わらず」

提督「クズだって? 」

時雨「そうだね。…………ま、恋に苦しむこと程幸せなこともないし、僕は結局なにも言えないさ」

提督「…………随分と心篭ってますね」

時雨「当たり前でしょ? 僕の提督、だった人」

提督「…………」



< とーっむっとじぇりー >






山城「そんなやつと真面目に話すだけ無駄よ、時雨」

提督「ん? 山城か」

時雨「こんな人、だからだよ山城」

提督「どう? 最近元気? 」

山城「どこかの誰かが近くで盛っていない分平穏ね」

提督「俺が誰かとヤってると嫌なことでも? 」

山城「……潰すわよ」

提督「こっわーい。……で、元気? 」

山城「なにも変わらず。使い潰されて磨り減ってるわ」

提督「ふーん……ま、俺からはなんとも言えないが」

山城「言われても困るわよ」

時雨「…………君たち本当仲良いよね」


< 愛、愛ってなんだ >







提督「そりゃまぁ俺と山城の仲だからな」

山城「へぇ? どんな仲だったかしらね」

提督「共に扶桑を愛で愛し語り合った仲? 」

山城「扶桑姉さまは私の、私だけのものですが」

提督「扶桑大事にする割にお前の勝手にするのか」

山城「当たり前でしょう? 愛ってそういう身勝手さの塊であるはずよ」

提督「……そうだが」

山城「ええ」

時雨「…………君たちやっぱり仲いいだろう? 」



< 生命=髪=神秘=女 >






雲龍「……クロワッサン」

天城「好きでしたっけ? 」

雲龍「別に。……あれ」

天城「? ……春風さんですか」

雲龍「……凄いわね」

天城「姉様がそれ言うんですか……」

雲龍「こんなの編んでるだけじゃない」

天城「“ だけ ”? 」

雲龍「時間と難易度は兎も角できるし。あれはどうやればできるの? 」

天城「……」

雲龍「……」

天城「……由良さんとかもいますし、ええ」


< 別に不快な沈黙でもないが >






赤城「加賀さんは最近どうです」

加賀「普通、としか。……あなたは? 」

GZ「普通、だな。赤城は? 」

赤城「普通、ですね」

加賀「……」

GZ「……」

赤城「……」

加賀「……蒼龍か飛龍あたりがいないと会話が」


< まぁ、この国にもそんな人いるけどね >






高雄「五月十六日の誕生色はペールマスタード。色言葉は“ 実直 ”、“ 細心 ”、そして“ 強情 ”」

愛宕「玉子焼きパーティーでーす」

叢雲「いいけど……これだし巻き卵じゃ」

Littorio「まぁ、卵は卵ですし」

愛宕「なんとなーく皆で遊ぶので各自焼いてくださーい」

明石「……味は兎も角焦げなければなんとか」

漣「……目標低すぎじゃないですかね」






高雄「……玉子ばかりの中にエッグノッグだとさすがに重いですね」

Littorio「そうかしら? これからでしょう、夜は」

高雄「…………このイタリアンめ、と言ってさしあげますわ」


< 本人なりの遠慮 >






提督「今日の銘柄は……これなんだ? 」

GZ「CANDLE LIGHT。安物のミニ葉巻だ」

提督「へぇ? ……煙強くねぇかな」

GZ「そうかもしれない。ちなみに廃止銘柄だ」

提督「まーじ? 」

GZ「何故か手に入れてしまってな。わざわざ購入してまで喫煙するタイプでもないのだが」

提督「なるほど。消費に付き合えって? 」

GZ「横須賀だとあきつ丸くらいしか付き合ってくれないんだ」

提督「龍田は? 」

GZ「不思議と寄り付かないというかな」

提督「はーん? 」



< 狭いベッドで絡まるのも悪くない >






雲龍「啼かぬなら、啼かせてみしょう、不如帰」

提督「……飽かぬなら、飽かせてみしょう、雲龍を」

雲龍「飽きる程抱いてくれるの? 」

提督「いや、いい加減くだらない話するのを。眠いんだけど俺」

雲龍「……そうね」

提督「と、言いつつ入ってくんなよ……くんなよ」

雲龍「……愛人扱いされても私は構わないわ」

提督「構えよ。……また明日」

雲龍「ん。……明日もその言葉、聞きたいわ」


たぶんいい子なので大切にしてあげてくたさいね……たぶん

ありがとうございました


< ベッドの中の密室遊戯 >






提督「ん……おはよ」

雲龍「……おはよう」

提督「……起きたんなら起きろよ」

雲龍「…………もう少し、抱き締めなさいよ。冷たいわね」

提督「……お前の身体はあったかいけどな」

雲龍「……あなたと寝てるから、火照るのよ」



< 風呂いいねー >






漣「ガラガラガラーっと……あれ? 」

愛宕「あら、今日も早いのね」

漣「ご主人様がいないとお酒減りますからねー、お隣失礼しまーす」

愛宕「はーい」

漣「……」

愛宕「……」

漣「……高雄さんとかいないんですね」

愛宕「そんなにお風呂好きって程でもないもの。あの人が誘わないとあんまり朝からは来ないのよ」

漣「はぁ」

愛宕「……そのままヤって戻ってこなかったりね」

漣「……あぁ」


< マジ泣きそう >






加賀「そろそろ横須賀ですか」

赤城「加賀さんはすぐにあの要港部へ? 」

加賀「おそらくは」

赤城「寂しくなりますね」

加賀「…………」

赤城「……? 」

加賀「……本当に」

赤城「はい? 」

加賀「……寂しく思ってくださいますか? 」

赤城「……加賀さん」

加賀「はい」

赤城「あなたに疑われると、私悲しいです」

加賀「…………」

赤城「…………」

加賀「…………胸、貸していただけますか」



< コーヒーとかいちごでも可 >






漣「ふわぁ……風呂上がりのフルーツ牛乳は格別ですねぇ」

愛宕「わざわざ用意してるのね」

漣「用意しません? 」

愛宕「高雄なら用意してくれるんだけど」

漣「……もう一瓶、ありますよ」

愛宕「ありがとー」



< 嫌な洞察>






高雄「五月十七日の誕生色はゴールデンオーカー。
色言葉は“ 明敏 ”、“ 洞察 ”、そして“ 抜け目なさ ”」

愛宕「明日くらい、帰ってくるかしらね」

高雄「……期待なんて」

愛宕「しなさいよ、帰ってきたら高雄オンリーじゃない? 」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……それで幸せになれそうな私が嫌ですね」


< 特務 >






鹿島「このままでいいのでしょうか」

あきつ丸「なんのことでありますか」

鹿島「私たち、前線にも出ず後方で訓練しかしてません」

あきつ丸「自分は後進の訓練すら任されていないでありますが」

鹿島「……あきつ丸さんはまた別の」

あきつ丸「別の? 」

鹿島「……いえ、なんでもありません」


< 話の広がりも無いくらい >






提督「なんかPolaと喋ってたら泥酔セックスしてぇなって思ったんだけどさ」

加賀「ええ」

雲龍「いいわね」

提督「俺と加賀と雲龍が全員泥酔するってヤバくね? 全員スポドリ割でもする? 」

加賀「……要港部が終わるわね」


< 勘弁 >






提督「ヤり中のゲロを回避してもゲロキス、ゲロキスを回避しても寝ゲロ、寝ゲロを回避しても翌朝トイレ占領みたいな」

加賀「失礼ね。部屋にくらい帰れるわ」

提督「いや、お前の部屋だと俺はどうすれば」

雲龍「私の部屋? 」

提督「お前の部屋駄目なら? 」

加賀「私の部屋? 」

提督「ループ? ……つーか俺の部屋帰らせてくれね? 」




ありがとうございました


< こーげきされるさだめ >







高雄「五月十八日の誕生色はオリーヴブラウン。
色言葉は“ 学識 ”、“ 保守 ”、そして“ 的確な発言 ”」

愛宕「夜は保守的よね」

高雄「……あなたと雲龍さん以外は」

愛宕「雲龍と同じにされるのはちょっと……」

高雄「え? 」

愛宕「え? 」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……本人の所為よね」

愛宕「……ガチね」



< 口調も忘れようというもの >






金剛「……嬉しかったデース? 」

時雨「……まぁ、うん」

金剛「……」

時雨「……」

金剛「……高雄や愛宕と三人で選んで」

時雨「……楽しんで選んだプレゼントだよね」

金剛「……これで嬉しかった私は馬鹿? 」

時雨「……馬鹿かもね、僕もだけど」

金剛「…………女なんてやってらんねー、デース」

時雨「…………惹かれたら、負けだよ、うん」




< プレゼント >






加賀「よく用意できましたね」

提督「ん? 」

加賀「作戦がいつ終わるのかも、いつ横須賀に帰還できるのかも予測できなかった筈なのに」

提督「あぁ。……あきつ丸にさ」

加賀「はい」

提督「プレゼント置かせてもらってたのさ、半月前から」

加賀「それはまた」

提督「文句言われたよ、邪魔なのは許すとして侘しくなるって」

加賀「そうでしょうね。……報酬は? 」

提督「個人的な貸しを一つ」

加賀「……高く付きましたね」

提督「いや? あいつらの喜ぶ顔見れたなら俺が得しただけだよ、掛け値無しに」



< ヘリの駆動音って独特で好き >






雲龍「…………Zzz」

海風「よく寝れますね」

天城「雲龍姉様は良くも悪くも自分を強く持っている方ですから」

海風「…………強く」

天城「…………はい」

江風「…………二人ともガチな顔し過ぎだろ、分かるけどさ」


< 茶会の続きはまた次に >






高雄「五月十九日の誕生色は千歳茶。色言葉は“ 中立”、“ 公平 ”、そして……」

Littorio「高雄? 」

高雄「失礼、バランスよ。……行ってきます、夜は自分でなんとかするか愛宕にでもどうぞ」

Littorio「は、はぁ」

叢雲「……今まで何回もヘリなんて来てたわよね? 」

漣「そりゃアホ司令官の城だとしても一応軍事拠点だし」

叢雲「……帰ってきたと思う? 」

漣「叢雲ちゃんが分からないのに漣に分かるわけ。……漣冷製パスタがいいなー」

Littorio「え? まぁ、構いませんけれど」






叢雲「…………ま、いっか。第六感なんかより信頼できる感覚だし」


< 笑顔で迎えたいと思っても >







提督「よう」

高雄「……おかえりなさい? 」

提督「ただいま。……気付かれないように着替えてこい」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……おかえりなさい、__さん」

提督「ん、ただいま」




< エンジン音鳴り響き >






愛宕「? ……そっか、帰ってきてたんだ」

明石「さっきのヘリ陸軍のじゃなかったんですねー」

愛宕「……高雄連れていくのはいいけど顔くらい見せてもくれてもいいと思わない? 」

明石「まぁ、ですね」

愛宕「……今日こそ本当に一人ね」

明石「私と寝ます? 」

愛宕「いいけど早寝するわよ? 」

明石「はぁ」

愛宕「……ま、本気で挑戦したいなら受けて立つけど? 本気で天国見せてあげる」

明石「や、いいでーす……マジで」


< 何を? >






瑞穂「あの」

明石「あ、瑞穂さんじゃないですか。他の人も帰ってきてるんですか? 」

瑞穂「はい。皆さん自室に戻っているはずです」

愛宕「なにこのサイレント帰還」

瑞穂「提督が無理矢理予定を早めて横須賀から飛んできましたので。……明石さん? 」

明石「なんですか? 」

瑞穂「瑞穂のベッドの上にこれ置きました? 」

明石「? いや、私じゃないですね、というか今日の昼までありませんでしたよ、そんな箱」

瑞穂「はぁ」

愛宕「誕生日プレゼントでしょう? あの人が置いて行ったのよ、カードとか入ってるんじゃない? 」

明石「なるほど……合鍵渡してますしね、私が」

瑞穂「なるほど。……あれ? 」

明石「? 」

瑞穂「……ということはあぁ、あれとか見られたんでしょうか」

愛宕「? 」

瑞穂「……………………はぁ」


< 台無し >







瑞穂「というかよく覚えてましたよね」

雲龍「うん? 」

瑞穂「瑞穂の進水日なんて私自身忘れていましたし」

雲龍「そういう人なのよ」

瑞穂「はぁ。……そういうところが凄」

雲龍「女衒や店付きの運転手というのは女の子のプロフィールを覚えておくものらしいわ、商品スペックみたいなものね」

瑞穂「…………」


< これ以上無き >







提督「今日のカクテルは……ま、なんでもいいか」

高雄「色々と、飲みましたし」

提督「あぁ。……な」

高雄「なんでしょう」

提督「つまんなくない? 外出ても基本的に最後は酒飲むか景色見に行くだけの男といて」

高雄「他に知りませんし」

提督「知らないだけさ」

高雄「かもしれませんね。……でも」

提督「うん? 」

高雄「デートの最後、他に何をします? 」

提督「……」

高雄「なんでもないようなことを素晴らしく魅せる男性は素敵だと思いますよ」

提督「……そ」


< いつまでもは続かないからこその幸せ >






高雄「お注ぎします」

提督「……うん」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………あなたが無事でよかった」

提督「あぁ。……まだ気持ち変わらない? 」

高雄「はい? 」

提督「俺が死んだ後も生きてよ、他の奴らとたまに想い出話でもすればいい」

高雄「嫌です」

提督「……」

高雄「……私がもし人間並の寿命を得ればそれも悪くありませんが」

提督「うん? 」

高雄「永遠に生きる可能性を背負ったまま生に怯え続けるには今が幸せ過ぎますから」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………ハッピーバースデー、高雄。遅れてごめん」

高雄「そんなこと。……この一晩で誤魔化してください、寂しさも、恐れも、涙も、つまらないことは全て」


ありがとうございました


< いっそ清々しい >






高雄「今日はどこまで? 」

提督「んー……まぁ、一応何パターンか考えてはいる」

高雄「なるほど、さすがですね」

提督「さすがたらし、とか? 」

高雄「ええ」

提督「否定しておけよ。……たらし? 」

高雄「否定してほしいならこれ以上私の心労をですね」

提督「それは無理」

高雄「…………」


< オコトワリ >






愛宕「はぁ……そうですか」

加賀「ええ、何か無い限り明日まで帰らないそうよ」

愛宕「……まったく」

加賀「これならあなたのときも留守の方がいいかしらね」

愛宕「まさか。その日二人で、っていうのが理想なのは変わらないですよぉ」

加賀「その分の今日だものね」

愛宕「ええ」

加賀「……お酒を飲」

愛宕「それは結構です。お一人でどうぞ」


< あなたのことだけを >







高雄「愛宕が何か言っていませんでしたか? 」

提督「え、なんで? 」

高雄「なんで、と言われましても」

提督「昨日は会ってないし電話もメールも無いから知らないよ、俺」

高雄「……スマホは? 」

提督「持ってるけど電源落としてるし」

高雄「はぁ。別に私は」

提督「俺が構うんだよ。ずっとこうしてるんだから今更変えられないし」

高雄「……」

提督「緊急用の電話も持ってるしなぁ……デート中にメールとか気にするの馬鹿らしいだろう? 」


< 君の瞳にとかなんとか >






提督「今夜は酒、無し」

高雄「はぁ」

提督「たまには雰囲気だけで酔えるかなって」

高雄「……足りますか? 」

提督「俺の趣味は最高にハイだから」

高雄「本当でしょうか」

提督「単に俺が無趣味なだけかもしれないけど本ッ当酒で終わるしなんかね」

高雄「読書だとか映画だとか」

提督「そんなのぼんやりしてないだけの状態だしなぁ」

高雄「車、は私が全く分かりませんね」

提督「だよな」

高雄「……まぁ女が一番金の掛かる趣味、なんて言葉もありますし」

提督「……」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……それに」

提督「うん? 」

高雄「お酒を飲んだだけで、終わるつもりなんてないでしょう? 」


ありがとうございました

年表
15/03/03 高雄「私と」愛宕「私と」提督「俺」開始
15/03/04 誕生石・誕生花・誕生カクテル紹介始まる
15/03/06 加賀が流れ着く・バーテンダーセット届く
15/03/12 加賀が横須賀へ帰る
15/03/17 明石・雲龍・天城着任
15/03/19 高雄・愛宕とケッコンカッコカリ
15/03/27 提督風邪をひく
15/03/29 雲龍との初H
15/03/30 近隣市町村の首長と陸軍側とホテルで会食
15/03/31 雲龍の箍が外れ始める
15/04/01 提督と高雄ホテルから帰宅
15/04/09 雲龍と二度目

15/04/13 愛宕「私と」高雄「私と」提督「俺」開始
15/04/23 提督の誕生日(艦これ二周年)
15/04/30 横須賀より加賀来訪 漂着の真相や要港部の少将捕縛作戦の概要説明
15/05/02 横須賀・呉から扶桑・山城・霧島・伊勢・時雨・浜風・春雨等が一時的に提督の指揮下に
15/05/03 要港部の少将捕縛作戦決行 少将・軽巡二人・駆逐数人を取り逃がす Littorio来訪
15/05/04 祝勝会
15/05/05 Littorioの歓迎会
15/05/12 高雄の誕生日
16/05/18 金剛の誕生日
15/05/21 提督が少将に昇進 明石・雲龍・天城が正式に基地所属となった
15/05/24 横須賀呉組帰還 明石・雲龍・天城が横須賀に出発
15/06/03 明石基地に帰還
15/06/04 雲龍・天城・Littorio基地に帰還 明石との初H
15/06/09 提督風邪をひく
15/06/11 加賀着任
15/06/12 加賀との初H

15/06/14 提督「俺と」高雄「私と」愛宕「私」開始
15/06/16 愛宕の誕生日
15/06/28 加賀と二度目
15/06/29 明石の誕生日 明石と二度目
15/07/07 第一回麻雀大会  
15/07/23 明石やらかす
15/08/10 高雄・愛宕・加賀・明石・雲龍・天城・Littorio演習・大規模作戦へ 叢雲・漣がバックアップとして着任
15/08/11 提督のいた基地が正式に要港部に

15/08/17 提督「俺と」愛宕「私と」高雄「私」開始
15/08/20 大規模作戦参加組帰還 瑞穂・江風・海風着任 元少将達による襲撃により愛宕負傷 元少将と腹心の身柄は陸軍へ
15/08/22 元少将と腹心と面会 Littorio誕生日 Littorioとの初H
15/08/23 瑞穂・海風・江風の歓迎会と大規模作戦の祝勝会
15/08/24 叢雲が海風・江風・漣の教育係りに
15/08/25 元少将と腹心が帝都に送られた
15/08/30 海風が落ち始める
15/09/01 提督が「今月はヤるのを月の半分にする」という目標を立てた
15/09/06 花火大会の企画会議
15/09/10 今月の目標達成できず
15/09/13 花火大会 提督が陸の数人を〆た
15/09/14 海風が落ちた Littorioと二度目
15/09/25 雲龍の誕生日
15/09/27 元少将が処刑される 叢雲の誕生日
15/10/01 Littorioにイタリアへの帰還命令がくだる
15/10/02 海風・江風の実弾演習が始まる
15/10/12 第一回今日の童話・寓話(シンデレラ)
15/10/13 瑞穂と明石が同室になる
15/10/15 Littorioが基地に帰還 天城の誕生日 天城との初H


>>413 続き

15/10/22 高雄「私と」提督「俺と」愛宕「私」開始
15/10/30 あきつ丸と密談
15/10/31 ハロウィンコスパーティ
15/11/01 江風の誕生日
15/11/03 山城の誕生日
15/11/14 海風の雲龍化が着々と進む
15/11/16 要港部組が演習・大規模作戦の為横須賀へ
15/11/17 加賀の誕生日 作戦海域目前での演習開始
15/11/20 提督と鹿島邂逅
15/11/21頃 Littorioの強化改造が行われた
15/11/22 いい夫婦の日 大規模作戦決行
15/11/27 海風の誕生日
15/12/08 提督とGraf Zeppelin邂逅 GZの誕生日
15/12/12 横須賀に帰還
15/12/13 大規模作戦の祝勝会
15/12/23 要港部に帰還
15/12/24 三人でデート
15/12/25 クリスマスパーティ
15/12/30 餅つき
16/01/04 天城と二度目

16/01/07 愛宕「私と」提督「俺と」高雄「私」開始
16/01/09 駆逐艦組が抜き打ち筆記試験(提督制作) 陸軍の方で新年の会食
16/01/12 提督・高雄・愛宕・加賀・明石が横須賀へ
16/01/13 提督・加賀が帝都へ
16/01/15 提督・加賀がデートその後横須賀へ帰ってくる
16/01/16 要港部に帰還
16/01/19 葛城の誕生日
16/01/23 加賀・雲龍・天城・瑞穂が特別筆記試験(提督制作、叢雲監修)
16/01/24 横須賀にて屋上同盟 結成
16/01/25 雲龍と二人でカラオケ
16/01/31 雲龍・天城と3P
16/02/03 提督が特別筆記試験(製作加賀・雲龍・天城) 豆撒き
16/02/05 提督風邪をひきダウン
16/02/06 提督死に体 陸軍の方から医者を呼ぶ
16/02/07 提督一応復帰
16/02/11 紀元節祝賀 高雄と加賀が提督の名代として帝都へ Littorioも出席
16/02/12 あきつ丸と密談
16/02/14 バレンタインパーティ
16/02/21 ブリッジ大会→第二回麻雀大会
16/02/28 提督・加賀が外泊
16/03/02 早朝訓練
16/03/03 雛祭り(一周年)
16/03/05 提督の好きな銘柄紹介始まる
16/03/07 誕生色紹介始まる
16/03/11 知事と会食 そのまま高雄と外泊
16/03/21 江風・海風・叢雲・漣外出 あきつ丸経由で呉の大将閣下からの書状が届く
16/03/28 扶桑の誕生日
16/03/31 お花見
16/04/04 提督・明石が外泊
16/04/05 江風・海風が呉へ

16/04/05 提督「高雄と愛宕と、俺」開始
16/04/08 餃子パーリィ開幕
16/04/11 高雄・Littorioと3P
16/04/13 雲龍とお泊りデート
16/04/19・20 江風・海風が要港部に帰還
16/04/22 赤城の誕生日
16/04/23 提督の誕生日(艦これ三周年)
16/04/30 提督ノロウイルス感染症に
16/05/01 提督復帰
16/05/08 提督・加賀・雲龍・天城・瑞穂・江風・海風が大規模作戦に参加
16/05/13 一日遅れで高雄の誕生日を祝う
16/05/16 瑞穂の誕生日
16/05/17 作戦参加組横須賀へ帰還
16/05/18 金剛・時雨の誕生日
16/05/19 要港部に帰還 高雄の誕生日の埋め合わせ
16/05/20 提督・高雄が外泊


< 割とそんなものだよね。なんとなく許してしまうというか >






提督『おはよー』

愛宕『こんにちは。……お昼過ぎですよ? 』

提督『うん。はいこれお土産』

愛宕『どうも』

提督『ん。……悪かったな、勝手に消えて』

愛宕『そうねぇ……ま、私のとき期待してるから、いいわ』

提督『あぁ、期待しとけ』

愛宕『はいはーい。……あ、そうだ』

提督『? 』

愛宕『おかえりなさい、__さん』



< 主婦の浮気先の割合とかなんとか >







提督「おはよう」

愛宕「ん、おはよー」

提督「なにやってんの? 」

愛宕「就活情報誌ってやつを見てるの」

提督「……するの? 」

愛宕「いつかするかもしれないじゃない? 」

提督「……まぁ、そうだね」

愛宕「養いたい? 」

提督「いや別に。つーかお前らの貯金も大概だしな」

愛宕「ふーん……? 」

提督「……た、他意はねぇよ? 全くもって」




< 愚痴 >






山城「あの男まだいたのね」

時雨「うん? 」

山城「龍田口説こうとして引かれてた男よ」

時雨「あぁ……理想主義者の彼ね」

山城「上からも下からも煙たがられてあきつ丸あたりに消されたかと思ったのに」

時雨「士官にも艦娘にも支持者がいるみたいだよ」

山城「……」

時雨「……」

山城「……そもそも女の趣味が悪いんだから支持する方も馬鹿に決まってるわよね、ええ」



< だけ >







龍田「あらあらぁ、人の悪口は感心しませんね~ 」

山城「私は口に出したもので終わりだけ。あなたが溜め込んだものより数段軽いわよ」

龍田「溜め込む? 」

山城「餓狼飼ってるみたいなものじゃない」

龍田「そうかなぁ」

山城「……あの男は最近どうなのよ」

龍田「さぁ? 時々廊下とか工廠でお話はするけどぉ」

時雨「一応話は聞いてるんだね」

山城「どうせ聞いてるフリで内心嘲笑してるのよ、この女は」

龍田「そんなことしないよぉ。ただ聞いてるだけだもん」

山城「そう。…………聞いてる、だけ」

龍田「そ、聞いてるだけ」

時雨「……聞いてるだけ、ね」


< 口が裂けても >






提督「今日のカクテルはカシスソーダ。カクテルワードは“ 貴方は魅力的 ”、だ」

愛宕「これまで何人に言ってきたの? 」

提督「さぁ? 覚えてないよ、そんなこと」

高雄「真面目に考えれば思い出せるでしょう? 」

提督「いや……まぁ」

愛宕「わくわく」

高雄「興味ありますね」

提督「…………」

愛宕「わくわく」

高雄「……」

提督「…………これ言えねぇわ、うん」




とてもありがたいです
最近どんな流れだったか思い出せなかったりするので
ありがとうございます

なのでまとめたのは>>1じゃないです


ありがとうございました



< 約束 >







提督「いつにする? 」

雲龍「? 」

提督「いつ、デート行く? 」

雲龍「本当に行ってくれるの? 」

提督「嘘も吐くし性格も捻くれてるけど女の子に酷いことはしないよ」

雲龍「……そういう嘘? 」

提督「いやいやいや……」

雲龍「……あなたの楽な日でいいわ」

提督「ん。……三日くらい前には言うから、期待してるよ」




< 機嫌 >







雲龍「♪ 」






明石「雲龍さん露骨に優しい顔しますよね」

天城「まぁ……普段分かりにくい分といいますか」

愛宕「私露骨に不機嫌な顔するわよね」

天城「……まぁ」

明石「……そうかもですね」

天城「……」

明石「……」

愛宕「……別に? 今更だけど? ええ」


< 赤リップとかいう魔術、褒めるとかいう魔法 >







提督「その真っ赤なルージュ好き」

愛宕「うん、知ってる」

提督「そんな露骨だった? 」

愛宕「おっぱいより視線感じるし」

提督「マジかよ。……うーん」

愛宕「? 」

提督「薄い白ブラウスに真っ赤とかヤバいわ。誘ってんの? 」

愛宕「今は別に。……ま、そっちが誘ってくるなら、いいけど? 」


< 汗だく、ベタベタ、ドロドロ >







高雄「五月二十四日の誕生色はサイプレスグリーン。
色言葉は“ 調和 ”、“ 気配り ”、そして“ まとめ役 ”」

明石「この暑いときによくヤりますね」

雲龍「だからでしょう? 」

明石「……そうなんですか? 」

高雄「……」

明石「……」

雲龍「……沈黙は解なり、と」



< まぁ、結局、うん >







提督「今日のカクテルは」

愛宕「そんなこといいからお風呂行きましょう? 」

提督「やだよそのまままただもん」

愛宕「嫌なの? 」

提督「暑くて体力が」

愛宕「軟弱ねぇ」

提督「えぇ……さっき五回もヤったんだけど」



< 自分がそうではないわけでもない >







雲龍「どうして膜は再生しないのかしらね」

明石「またどストレートな」

雲龍「だってそうでしょう? 傷や怪我ならすぐに治る身体じゃない」

明石「部位を意識すればそこを集中して治したりできますしね」

雲龍「たぶん意識すれば治るとは思うけど……不思議よね」

明石「そうですか? 」

雲龍「違う? 」

明石「……」

雲龍「……? 」

明石「……雲龍さんも私も傷なんかだと思ってないからでしょう、治らないのって」

雲龍「なるほど。…………実に乙女らしい答えね」


< 愉快な友と >







鹿島「来月は六月ですね」

龍田「……頭でも打ったの? 今は五月よ? 」

山城「四月や七月は来ないわね、絶対に」

鹿島「つまりジューンブライドですね、ってことです。全女の子の憧れでしょう? 」

龍田「つまり……? 」

山城「憧れ……? 」

鹿島「六月といったらジューンブライドじゃないですか」

龍田「……そうなの? 」

山城「……さぁ。私は女の子じゃないみたいだから」

鈴谷「……この人たちに期待するのが間違ってると思うよ、鈴谷は」

鹿島「…………捻過ぎですよぉ、二人とも」



< つまり誰じゃなければいいのかな? >







龍田「そもそも」

鹿島「……はい」

龍田「今は相手がいないとかそういうのは置いておいたとするわよ? 」

山城「それが一番重要だと思うけれど」

龍田「いいから。……私たちってある意味箱入りみたいなものだしどんなレベルなら満足できるの? 」

山城「……」

鹿島「……」

龍田「……」

山城「軍人ではなくて成金ではなくてお金持ちでイケメンでクズでもなくて女衒しゃないーー」


< もうヤダ…… >






鹿島「さすがに要求が……す、鈴谷さんはどうですか? 憧れません? 」

鈴谷「んー、まぁちょっとくらいは」

鹿島「ですよね? うん、これが普通なんですよ、これが、ね? 」

龍田「……そ」

山城「……よかったわね」

鈴谷「……その半笑いと苦笑いやめてあげなよ。なんか泣きそうになってるじゃん」




ありがとうございました


< 機能美とかなんとか >






高雄「五月二十五日の誕生色はネープルズイエロー。色言葉は“ 朗らか ”と“ 順風満帆 ”」

瑞穂「瑞穂たちには帆、ありませんよね」

明石「や、だってスタイリッシュじゃないじゃないですか。桃太郎の旗みたいな感じになりますよ」

瑞穂「でももし使えるなら」

提督「ねぇわ」

明石「ないです」

瑞穂「……非常時においては」

提督「ねぇって。非常時とかさせねぇから」

明石「そんなものつくるなら艤装の軽量化でも研究しますよ」

瑞穂「……はぁ」

高雄「……ことこういうことにかけては明石さんも馬鹿ですね」


< 目覚め >






提督「今日のカクテルはブラー・ミストだ」

明石「カルヴァドス? 」

提督「うん」

明石「……これカルヴァドスですか? 」

提督「あぁ」

明石「…………本当にですか? 」

提督「…………ニッカのX.Oです。だってカルヴァドス見当たらなかったんだよ」

明石「知りませんよそんなの。期待させないでくださいよ馬鹿」

提督「悪かったって。……なぁ」

明石「はい? 」

提督「……もっと、罵ってみてくれないか? 」

明石「……」



ありがとうございました


< 二兎を得る者は三兎をも得る >







雲龍「みたいな」

天城「お金はお金持ちのところに集まる、みたいなことですか? 」

雲龍「そうね、高雄と愛宕は兎も角一気に歯止めが効かなくなったのは私の所為だと思うわ」

天城「……天城は四兎目? 」

雲龍「かもしれないわね」

天城「……狼って怖いんですね」

雲龍「お腹を空かせていればとくにね」








提督「……羊のくせに怖過ぎる気がするんだが」


< 興を削がれる、とも違うか >






雲龍「動物繋がりだけれど」

天城「ええ」

雲龍「高雄は忠犬として愛宕は? 」

天城「……牝犬? 」

愛宕「なんですって? 」

天城「ひっ」

雲龍「牝犬は私でしょう」

愛宕「……」

天城「……」

雲龍「……? 」


< 仕方ないね >






時雨「山城は扶桑が好きだよね」

山城「そうね」

時雨「扶桑の為ならなんでもする? 」

山城「当たり前よ」

時雨「じゃあ、扶桑にとって運命の人が現れたら応援するかい? 」

山城「当然。私じゃあ姉さまを本当の意味で幸せにはできないもの」

時雨「そっか」

山城「ええ」

時雨「…………じゃあ提と」

山城「あんなクズに姉さまを任せられるわけないじゃない」

時雨「…………」


< 何故こんなにもラーメンには情熱を注げるのだろう >







高雄「五月二十六日の誕生色はマリーゴールドイエロー。
色言葉は“ 生命力 ”、“ 情緒的 ”、そして“ 情熱 ”」

提督「ラーメン食いてぇな」

高雄「ご自由に。今夜食べられるなら」

提督「今夜の当番高雄? 」

高雄「今夜は新しいレシピのコロッケです」

提督「……半チャー無しでいくわ」

高雄「お願いしますね」


< 待ち合わせには愛と恥じらいを >






提督「おーい、加賀ー」

加賀「なんでしょう」

提督「ラーメン食いに行くぞラーメン」

加賀「先程昼食を食べたばかりですが」

提督「それで? 」

加賀「……着替えてきます、少々お待ちを」

提督「ん、単車出してくるから正門あたりな」



< パートナーの親とかいう化け物 >






Littorio「なにやら最近はよく外出しますね」

高雄「いい加減息苦しくなってきたのよ、きっと」

Littorio「……こんなにも幸せなのに」

高雄「最初から檻に囲われた動物なのよ、私たちは」

Littorio「……彼の両親にも? 」

高雄「会っていませんね。そもそもこの関係になってから彼がまともに帰省していません」

Littorio「……」

高雄「……」

Littorio「……会いたい? 」

高雄「もちろん。打算的な意味でも恐れ的な意味でも、愛でも」


< そのくらい余裕だろ的若さが欲しい >








加賀「半チャーと餃子とネギサラダでいいですね」

提督「……や、今回は遠慮しとくわ」

加賀「え……」

提督「なにその驚愕の表情」

加賀「大丈夫? 身体が悪いならこのまま帰っても」

提督「ちげぇよ。高雄に腹そこそこにしてこいって言われてるの」

加賀「……」

提督「……」

加賀「……帰りましょう? 」

提督「いやいやいや……」


< また鳥羽水族館行きたいなぁ >







漣「ここにある要港部の駆逐サミットを開催しまーす」

叢雲「何話すのよ」

漣「我らが提督の今後の方針について? 」

江風「まともに夜戦させてほしいンだけど」

海風「少しくらい歳下もいいと思います」

漣「……そうだね」

叢雲「……配置転換願い出て他の男探しなさいな」


< 酒より甘く、キスよりエロく >







提督「今日のカクテルは、お前」

加賀「は? 」

提督「酔わせてくれよ、お前で」

加賀「……シャワーくらい」

提督「気にしない。お前ならな」

加賀「…………んっ」

提督「…………口移しなら何がいい? フォアローゼスとシーガスリーバルしか無いけど」

加賀「っ…………そんなもの、要らないわ。私も、あなたに酔わせてもらえれば、それで」



ありがとうございました



< 重要なこと >







高雄「五月二十七日の誕生色は山吹色。色言葉は“ 叡智 ”、“ 解放 ”、そして“ 逞しさ ”」

Littorio「提督の腕、いいですよね逞しくて」

高雄「暴飲やその他の酷使の中よく維持しているとは思うわね」

Littorio「さらっと抱かれるなんて中々」

高雄「中々? 」

Littorio「キュンとくる? ……軽くもないLittorioを簡単に持ち上げて歩けるなんて凄いな、と」

高雄「そこまで重くもないでしょう」

Littorio「まぁ。……あぁいうのを肌で感じていると」

高雄「ええ」

Littorio「乱暴にされてみたいと思うことがありますよ、雲龍ではありませんが」

高雄「…………ま、分かりますよその気持ち。雲龍さんではありませんが」


< 唐突に >






天城「でも長身で筋肉質なのはポイント高いですよね」

愛宕「そうねぇ。あの性格で貧弱なのもそれはそれで遊び甲斐はあるけど」

天城「それは愛宕さんだけでは」

愛宕「そう? 高雄と加賀さんあたりならそれも好きそうだけど」

天城「はぁ」

愛宕「雲龍は押し潰されたいとか言いそうだしLittorioはヨーロピアンな感じに強い男が好きそうかしら」

天城「明石さんは? 」

愛宕「明石は……天城と同じ匂いがするわね」

天城「……同じ」

愛宕「同じ」

天城「…………」






愛宕「あなた筋肉好きなのね」

明石「えっ……え? 」


< 噂をすればなんとか >







金剛「今日は日本海海戦記念式典の日デース」

霧島「海軍記念日ですね」

龍田「あぁ、戦艦金剛が参戦して大活躍したあの」

金剛「ババア扱いするなデース。まだ進水どころか起工もしてまセーン」

霧島「自分じゃないのですから」

龍田「あらあら、そうだったかしらぁ」

金剛「まったく……大体三笠や敷島がいるんだからババア扱いなら私以外に」

浜風「金剛さん? 三笠さんが紅茶を一緒に飲まないか、と」

金剛「」

龍田「あらぁ」

霧島「こんなの偶然でしょう……偶然ですよね? 」


< 汚染されるツッコミ >






海風「ふふ……提督の為ならなんでもできますよ、海風」

江風「マジかよ……知ってたけど」

雲龍「それなら具体的にどこまでできるの? 」

江風「余計な人まで湧き出てくるし」

海風「死ねます」

雲龍「ふーん? でも死ぬくらいなら誰でもできるし」

江風「や、さすがに江風テートクの為に死ねるかって言われると。テートクの為に戦うのはできるけどさ」

海風「それなら……うーん」

雲龍「分からないわよね」

海風「? 」

雲龍「なんでもできる気がするけれどあの人全然求めてくれないから……だからなんでもできる気がしてしまうのよ」

海風「あぁ」

雲龍「……いっそ既成事実でもつくった方が早いわよ、きっと」

海風「それでは駄目なんですよ、それでは」

雲龍「そ」






江風「……なンであそこから真面目な話に繋げられるンだ? おかしいだろ」

叢雲「あれが真面目な話に聞こえるあなたも十分おかしいから安心しなさい」



< そんなこと言われても >







江風「つーかよく考えなくても同僚と上官の情事の話とかなンで聞いてンだろ」

瑞穂「それは……私たちが少数派ですし」

江風「抱かれてない的な? 」

瑞穂「それもありますし彼をそういう目では見ていないという意味でも」

江風「ふーン? とか言いつつ瑞穂さンも堕ちそうだけど」

瑞穂「まぁ、断言はできませんね、彼とこの場の澱んだ空気が相手では」

海風「駄目です」

瑞穂「え? 」

海風「駄目です、瑞穂さんは」

瑞穂「は、はぁ。それはまた何故ですか? 」

海風「……だって」

瑞穂「はい」

海風「だって瑞穂さんが相手なら提督普通に相手しそうですもん」

江風「…………確かに」

瑞穂「…………」


< 口は正直じゃないな、とかなんとか >






Littorio「……ねむ」

高雄「寝ても、いいのよ」

Littorio「今日は珍しく提督の日ですから」

高雄「どうせ炒飯とサラダとスープよ。唐揚げくらいは付くかしら」

Littorio「どうせ、なんて言うなら高雄も一緒に寝ましょう? 」

高雄「嫌です」

Littorio「あらつれない」

高雄「なんでもないことの幸せをおしえていただきましたので」

Littorio「そう。……そろそろいただきに行きましょうか、なんでもない幸せを」


< 襲われるのもまた狼 >






提督「今日のカクテルはロングアイランドアイスティー、だ」

愛宕「レディキラーで有名なカクテルよね」

提督「よく知ってんな」

愛宕「あなたが言ってたのよ? 」

提督「あ、そう……お前なんて酒で落とそうと思ったら俺が潰れた方がまだ可能性あるよな」

愛宕「私より先に潰れちゃう人なんて介抱してあげないわ」

提督「タクシーくらい呼んでやれ。……次はルシアンにするか」

愛宕「負けないわよ? 」

提督「へぇ? 狼には気を付けないと」

愛宕「当然よぉ。……狼二匹だものね、ハードになりがちだし」


< 嗚呼…… >







高雄「……で、なんですこの惨状は」

愛宕「……Zzz」

提督「いや、なんだ……飲み過ぎた? 」

高雄「それは見れば分かりますが……ベッドに何零したんですか? 」

提督「ウォッカを半分程……でも零したんじゃなくて愛宕がわかめ酒をしようとか言い出してだな」

高雄「馬鹿、馬鹿ですね、まったく。寝落ちしてないくらい平気なら止めてください」

提督「いやー……一回ヤった後で頭動いてなくてさ」

高雄「……はぁ」

提督「……」

高雄「……はい」

提督「ん? 」

高雄「私の部屋に行きましょう? お風呂も入らないと」

提督「片付けとこいつは? 」

高雄「もうここまできたら朝で構わないです。…………ね? 私も酔ってるんです」

提督「そっか……じゃ、お邪魔しようかな」



< ! >







山城「姉さま? 」

扶桑「? 」

山城「この時間のお夜食は、少し」

扶桑「これくらいなら大丈夫だと思うの。お豆腐がメインだし」

山城「そうですが」

扶桑「それに今日は山城とお昼が一緒じゃなかったから」

山城「! ……ですね、私も何か軽いお酒を用意してきます」

扶桑「ええ、お願いね」


< 忘れたころに現れる >






山城「あぁ、なんて幸せな」

扶桑「そう? 」

山城「ええ。それにしてもこの豆乳スープに豆腐は分かりますけれどチーズも合うものなんですね」

扶桑「私も初めてつくってみたのだけれど」

山城「さすが扶桑姉さまです、こんなに美味しいレシピを自ぶ」

扶桑「いえ、私が考えたのではなくて……提督がおしえてくれたのよ」

山城「そ、そうでしたか。…………またあの男なのね、なんて忌々しい」


< 泥酔後って割と早く起きてしまう >






愛宕「ん……ん? 」

愛宕「……」

愛宕「……」

愛宕「……」

愛宕「……」

愛宕「……お漏らし、じゃあないみたいだけど、お酒? 」

愛宕「……」

愛宕「……」

愛宕「……」

愛宕「……」

愛宕「……高雄あたりに掻っ攫われたっぽいわねぇ、これは」


ありがとうございました


< 売り上げ的な >







愛宕「……Zzz」

高雄「……そのまま寝てたのね」

提督「俺だって一回起きてもそこで掃除する気なんて起きないし。ひっでぇなこれ」

高雄「……あなたがやったはずですが」

提督「愛宕の所為だろ、大体は」

高雄「そもそも人外相手に飲み比べで勝たないでください」

提督「違うから。単に俺が男女関係無く飲ませるの上手いだけだから」

高雄「余計酷いような」

提督「ほら、雰囲気酔いしやすいやつだし多少はね」

高雄「はぁ」

提督「うん」

高雄「…………私たちってシーツのメーカーに感謝されそうですよね」

提督「そ、そうだな」


< 悪いとは言わないけどね >







愛宕「んー……つめたぁい」

提督「そりゃアイスコーヒーだし。……服着ねぇの? 」

愛宕「もう少し裸ワイがいいでーす」

提督「あ、そ」

愛宕「あなたも見てて目の保養になるでしょう? 」

提督「軍服の方が萌える」

愛宕「あれはちょっと暑いし……」

提督「……そうかい」



< あくまで自己申告なので >







漣「よく考えなくてもこの人数の女がいて表向き何の問題も無いって異常ですよねー」

江風「それ物凄い定期な話題だよな」

雲龍「あの人がいるから、というのは当然だけれど」

加賀「言い方は悪いけれど扱いやすい子やイエスマン、ウーマン? を集めているのよね」

雲龍「山城や陸奥とまではいかなくても険悪だったり明らさまに嫌悪されてる相手はいますからね」

漣「なるほどなるほどー……加賀さん? 」

加賀「? 」

漣「扱いやすい子って、誰ですか? 」

加賀「……私? 」

江風「えぇ……」


ありがとうございました


< 贈る言葉など無くとも >






あきつ丸「……ん」

龍田「なぁに? 」

あきつ丸「幣物、進物、プレゼント……ま、なんということも無いが」

龍田「イヤリング? 」

あきつ丸「付けなくてもいい。自分が押し付けただけであります」

龍田「…………ありがと、大切にするから」

あきつ丸「…………ふん」

龍田「…………嬉しい、あなたには嫌われていると思ってた」

あきつ丸「馬鹿な。嫌っている相手に話しかける程自分は器用ではないであります」

龍田「…………九月二十四日」

あきつ丸「…………忘れろ、自分はそれまで生きているかも分からない身でーー」


< 誰の為の私か >







龍田「カッコ、付けないで」

あきつ丸「……贈り物の渡し主を引っ叩くとは、中々の」

龍田「私の大切な人が不幸だと決めつけないで」

あきつ丸「……自分の不幸を皮肉ることくらい」

龍田「それは勝手よ? あなたなんてどうでもいい、私の誕生日から一日遅れる相手なんて」

あきつ丸「…………」

龍田「…………でも、一日遅れたとしても、私を思い続けてくれる友人のことくらい、私だって大切にするんだから」

あきつ丸「ハンッ、クズがクズを憐れむようなことをーー」

龍田「ッ………………………馬鹿に、しないでよ、そこまで言うこと」

あきつ丸「……………………悪い」



< 心の穴を埋める >






山城「麗しき友情だこと」

扶桑「山城」

山城「分かっていますよ、これは嫉妬でなんです」

扶桑「嫉妬? 」

山城「私には姉さましかいませんから、友人なんていないのです」

扶桑「……私よりいると思うけれど」

山城「姉さま? 」

扶桑「別に。…………だからこそ、彼が欲しいのかもしれないわね、私」


< 監視の監視 >







時雨「悪趣味な」

春雨「自分だって隠れて見てるのに」

時雨「……不器用な友の行動くらい、不安で覗いてみたくなるものだろう? 」

春雨「親しき中にも」

時雨「礼儀よりも友情、さ」

春雨「…………そう」

時雨「あぁ。……僕はまだあそこまで行けないけどね」



< だんまりも致し方 >







提督「あれでよかったかな」

愛宕「なんでも喜ぶでしょう、あなたが贈れば」

提督「それじゃあ俺の名が廃る」

愛宕「……私と高雄にもおしえずに選んだんだから大丈夫でしょ」

提督「ん、妬いてる? 」

愛宕「当たり前でしょう? 龍田と山城とBismarckくらいじゃない、自分だけで選ぶの」

提督「叢雲と漣もな。……お前のプレゼントを高雄に相談したことだって無いぜ? 」

愛宕「…………」

提督「…………コーヒーでも、淹れるか」



< 推参しました。よろしくお願いしますね >







提督「あのクールドライな雲龍はどこに行ったのか」

雲龍「あなたが殺したのよ」

提督「いやいや……」

天城「天城もそう思いますが。姉様がこんなになるのはあなたがいるときだけですから」

提督「……」

雲龍「……」

天城「……」

提督「……そ」



< デウスエクス…… >






山城「そういえばあの男」

龍田「うん? 」

山城「理想主義者の話よ」

龍田「あぁ」

山城「あなたの意見聞きたいみたいだったけれど? 」

龍田「私議論って好きじゃないの。特に議論する為の議論は」

山城「好かれるって面倒なことなのね」

龍田「扶桑に訊いてみなさいよ。……どうせなら神学論争でもしていた方がマシ」

山城「神は科学を否定できないし、科学は神を否定できない」

時雨「そもそも神が科学を造ったんじゃないかい? 」

山城「私に神はいないから」

龍田「ふーん? ……化物の神、なんてのも悪くないものだけれど、ね」


< 叢雲 >






提督「今日の酒はSUMMIT BEER 2016、だぞ」

叢雲「伊勢は元気かしらね」

提督「疲労困憊しつつ楽しんでるんじゃねぇの」

叢雲「……呉には十一駆がいたわね」

提督「楽な相手だろ、お前に比べれば」

叢雲「ハッ……あんたの前以外では借りてきた猫みたいなものよ、私なんて」

提督「あ? 俺の前ではなんだってんだよ。狼とか言うつもりかよ」

叢雲「……叢雲よ、叢雲。それ以外の何者でもなく私」


< 剣 >







提督「まぁ、俺の剣ではあるが」

叢雲「……あんたが柄を握るのなら、何があろうと従うわ」

提督「さんきゅ。……そんなこと、無いことを祈るけどな」


< 忌々しい >







あきつ丸「機嫌の良い龍田というのも」

山城「気持ち悪いわね」

あきつ丸「そこまでは」

山城「思っているくせに」

あきつ丸「別に自分は」

山城「元はと言えばあなたの所為……ま、私も姉妹に祝われることの嬉しさは分かるつもりですけれど? 」

あきつ丸「……提督殿から贈り物を受け取る気持ちも? 」

山城「……」

あきつ丸「……」

山城「……まぁ、分からないとは言わないわよ。センスだけはあるし」



< 愛を渇望する理由は >






龍田「♪ 」

時雨「僕が言うのもなんだけど、気色悪いね」

龍田「天龍ちゃんにも言われたわぁ」

浜風「昨日は事情あって祝えなかったとはいえ」

龍田「誰に祝われても嬉しいものよね? 化物の祝い事なんて」

時雨「いや、仮に僕らがまともな人間だとしても嬉しいはずだけど」

龍田「そう? 」

時雨「そうだよ。……僕らが僕らであるが故に、ね」


< 友とは >







あきつ丸「龍田」

龍田「なぁに? 」

あきつ丸「貴様が対等だと思う存在などいないのだな」

龍田「んー? 」

あきつ丸「圧倒的に上の存在、下の存在、つまらないゴミの様な存在、それしか貴様の世界にはいない」

龍田「……」

あきつ丸「世界を単純に見るからこそ貴様の世界は複雑に絡み合う」

龍田「……それで? 」

あきつ丸「なに、自分を対等な存在だと思ってほしいだけでありますよ」

龍田「…………」

あきつ丸「…………」

龍田「…………本当に? 」

あきつ丸「嘘は……ま、吐いてばかりではありますがね」


ありがとうこざいました


< アルコールって怖いね >







提督「どうも昨日は適当なことしか言わなかった気がする」

愛宕「いつもじゃない」

高雄「ええ」

提督「いや、なんか酔った勢いっていうかさ」

愛宕「というか昨日って? 」

提督「? 昨日は昨日だろう」

高雄「昨日……昨日? 」

愛宕「ま、いいけど。……これ私が酔い過ぎて記憶無いのかしら」

高雄「……私もあまり」

提督「? ……今日はそうめんがいいなぁ、クッソ暑いし」


< プレゼントは贈る方も貰う方も難しい >







山城「結局あの男からは何を? 」

龍田「どの男? 」

山城「どこぞの女誑し少将よ」

龍田「あぁ……名入れ万年筆と、お酒」

山城「……らしいわね。年寄りくさい」

龍田「去年はバスソルトだったんだけれどね」

山城「そう。……どの男か迷うということはあの勘違い男からも? 」

龍田「ええ。……髪飾りを」

山城「…………」

龍田「…………ガチっぽそうで困るのよねぇ」


< 物差し >






鹿島「どんな殿方でも贈り物は嬉しいものですよね」

山城「……」

龍田「……」

金剛「……どうでもいい男から身の回りの物を贈られても気持ち悪いだけデース」

山城「不本意だけれどまったくね」

龍田「あなたに同意することがあるなんて」

鹿島「お二人が金剛さんに同意する程なんですね。鹿島が間違っていたみたい」

金剛「…………は? 怒ってもいいデース? 」



< 戻る必要も無い >






春雨「春雨たちを救いたいんだって」

時雨「ふーん……」

春雨「帝国軍人として、男として、ある女を愛する者として……世界を変えるとかなんとか」

時雨「是非ともそれが成功することを願いたいね」

春雨「……そうだね」

時雨「……」

春雨「……時雨ちゃんは、行かないの? 」

時雨「いかない。春雨が仮にその理想を受け入れたとしてもね」

春雨「そ……別に春雨も訊いてみただけだけど」

時雨「そっか。……今更戻れないんだよ、僕は。殺し過ぎたし、仲間を殺され過ぎた」


< そんな雰囲気もそれはそれで >






雲龍「ポッキーゲーム、ポッキーゲームを」

提督「……ん、んんっ」

雲龍「! っ、……っぁ……っふ」

提督「…………馬ッ鹿じゃねぇの」

雲龍「…………いただきました」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………俺が言うのもなんだけどもっと雰囲気ってやつをだな」


< 割と心に >






雲龍「どんな? 」

提督「…………はぁ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………もう酒飲んだんだけど」

雲龍「車か景色しか無い男とかつまらないと思うわ」

提督「…………………………すみません」


< ただでは起き上がらない >






提督「…………」

雲龍「……ガチ凹みされても」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………覚えとけよ」

雲龍「は? 」

提督「…………約束のデート、プラン考え直すから」

雲龍「あ、そう…………別にそのままでも嬉しいんだけれど」


ありがとうございました


< 遊びは皆でやった方が楽しいから >







提督「雲龍くーん」

雲龍「なに? 」

提督「あーそびーましょ」

雲龍「いいですけど……なにで? 」

提督「明石で」

雲龍「あ、いいわね」

明石「や、いいわけないでしょ馬ッ鹿じゃないですかあなたたち。なにさも普通かのような会話してるんです」



< 薄馬鹿下郎たち >







提督「えー」

雲龍「えー」

愛宕「えー」

明石「なんか増えてるし」

提督「明石で遊びたいよな? 」

雲龍「ええ」

愛宕「いい声で啼きそうよね~ 」

明石「いや、遠慮しとき……遠慮してるって言ってるじゃないですかー、引っ張らないでくださいよ」

提督「ん? 」

雲龍「え? 」

愛宕「大丈夫大丈夫」

明石「いーやー……いーやー!誰かー! 誰でもいいですからー! 」


< 真理というか自明な >






高雄「六月三日の誕生色はプルプル。色言葉は“ のんき”、“ 真理 ”、そして“ 孤独 ”」

Littorio「明石が引き摺られていったのですが」

高雄「色魔に魅入られる隙を見せるのが悪いのよ」

Littorio「一応あなたのパートナーと妹でしょう」

高雄「そんな理由でフォローできる程楽な相手ではないので」

Littorio「……つまり自分が引き込まれないために無視せた、と」

高雄「人聞きの悪い。まぁ、そうですけど」

Littorio「はぁ。……ま、Littorioも正直嫌ですけどね、素面だと」


< 腕枕には一本足りないが >






提督「今年もここで花火やりたい? 」

愛宕「見たいわね」

提督「そうか。……うん」

愛宕「嫌なの? 面倒なら去年の書類真似してサインだけ貰うけど」

提督「や、別にそんな大した労力じゃないけどさ、自分の嫁化け物呼ばわりされるのが嫌」

愛宕「私は気にしない、って言っても無駄よね」

提督「無駄だね。……ま、俺も花火自体は好きだし」

愛宕「ん、お願いね」

提督「あぁ。…………今の滅茶苦茶ピロートークっぽくない? 」

愛宕「……隣で雲龍と明石爆睡してるけど、そうね」



< 疲れることばかりすると、ね >






提督「今日のカクテルは……あぁー……頭ふらっふらする」

瑞穂「そんなに飲んでいたようには見えませんでしたけれど」

提督「んー、体調悪いのかもな」

瑞穂「……高雄さんか愛宕さん呼びます? 」

提督「頼む。……なぁ瑞穂」

瑞穂「はい? 」

提督「瑞穂は介抱してくれないのか? 」

瑞穂「それがご命令なら。……友人としてのお願いなら謹んで遠慮致します」

提督「そう、それが正解だろうよ。……たぶん高雄がLittorioの部屋いるのが近い、頼んだ」

瑞穂「はい、少々お待ちを」



ありがとうございました


< 昼からビールでも飲みたくなるような味だった >






天城「今日はローメンの日、ということでローメンです」

雲龍「ラーメン? 」

天城「ローメンですよ、姉様」

雲龍「……なに? このラーメンと焼きそばの合いの子擬きみたいなものは」

天城「天城も詳しくは知りませんが長野の伊那名物らしいです」

雲龍「そう……ま、いただきましょうか」

天城「はいっ」






叢雲「……いや、でもなんでスープ有りヴァージョンと無しヴァージョン両方つくったのよ、おかしいでしょ」

瑞穂「今更、ですよそれは」

Littorio「まったくです」



< そもそも他の女の話で刺激されないわけも無く >







高雄「六月四日の誕生色はペールホワイトリリー。
色言葉は“ 無邪気 ”、“ 刺激 ”、そして“ 豊かな才能 ”」

提督「そーいやむっちゃんの誕生日また過ぎてったなー」

愛宕「そうね」

提督「……過ぎたなぁ」

愛宕「あなたにとっては全く関係無い日じゃない」

提督「いやぁ……一人のファンとしてね」

愛宕「ストーカーにでもなりそうな」

提督「いやいや」

愛宕「……まぁ、あなたがこんなじゃなくて彼女だけを見ていたとしたら」

提督「したら? 」

愛宕「んー……それでも性格合わない気もするわねぇ~ 」

提督「……」


< 他言無用な >






提督「ま、実際割とどうでも……工廠行ってくる」

愛宕「はいはーい」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……でも山城さん程度には好かれてもおかしくないわよね、スペック的には」

愛宕「陸奥が山城レベルに好いてくれるなら万々歳じゃない」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……山城さんには聞かせられませんね」

愛宕「それは、ね」



< マジかよ、が馬鹿に聞こえるとかマジかよ、みたいな >






提督「モハメド・アリが亡くなったってマジ? 」

江風「マジマジ」

提督「マジかよ」

江風「マジだぜ、マジ」

提督「嘘だろまーじ……」

江風「……」

提督「……」

江風「……なンでこンな馬鹿っぽい話続けてンの? 」

提督「いや、お前がやめないからつい……」



< 割と楽しんではいる >






鈴谷「ボウリング場とカラオケつくるんだって」

龍田「この鎮守府に? 」

鈴谷「この鎮守府に」

山城「そう……とうとう本格的に籠の鳥扱いするのも隠さなくなってきたのね」

あきつ丸「ま、どうせ逃げられないのならその方が娯楽のある分マシでありますよ」

龍田「そうね~、天龍ちゃんは喜びそう」

時雨「あぁ、確かにその方がいいさ、大多数にとってはね」

鈴谷「……」







鈴谷「なんであの人たちってああいう話すると寄ってくるんだろう」

鹿島「……むしろ私が訊きたいのですが」



ありがとうございました


< 一応訊いてみる >






加賀「今日は天気があまりよくないわね」

雲龍「そうですね……こういうときは寝ましょう」

加賀「いつも……でもないか。あなた寝起きは絶望的だけれど起きればあまり寝ないものね」

雲龍「まぁ」

加賀「……」

雲龍「……」

加賀「……」

雲龍「……加賀さんが寝ないなら部屋に戻って一人で寝ますけれど」

加賀「……あなたらしいわね」



< 師弟というかなんというかそんな感じの >







雲龍「嘘、嘘です。……ミッドウェイの日ですね」

加賀「昨日でしょう、それは」

雲龍「あぁ……そうでしたっけ」

加賀「ええ。……あなた」

雲龍「はい」

加賀「赤城さんとは別の意味で凄いわよね」

雲龍「はぁ」

加賀「もちろんいい意味でだけれど……羨ましいわ」

雲龍「……」

加賀「……」

雲龍「……」

加賀「……」

雲龍「……Zzz」

加賀「…………まったく、仕方ないわね、この子は」



< れっつぱーりぃ >






提督「たこパでございまーす」

叢雲「タコの数が狂気染みてるのは相変わらずね」

提督「そりゃね」

叢雲「……それホットケーキじゃない」

提督「たこ焼きの後はとりあえずデザートだろ」

叢雲「意味わかんないわよ。……ん」

提督「ほい」

叢雲「まったく」

提督「おう」






瑞穂「……ここで一番甘くないのが瑞穂というのも大概酷いですよね、きっと」



< たこ焼きのたこ以外に入れても割となんとかなるもの >






明石「あー、チーズとか? 」

雲龍「わさび? 」

江風「ロシアンルーレットじゃねーか。……イカだろ」

海風「明太子とか」

天城「海老ですね、間違いありません」

漣「餅でしょ、餅」

瑞穂「キャ、キャベツとか」

愛宕「だしに本気出して具無しでもいいわよお~ 」






提督「割と全部美味そうだし、材料はあるな、うん」

Littorio「胃が大丈夫では無いのですけれど……もうっ」


< 割と理不尽な気がする >







雲龍「男の胸元への視線は大体分かるって言うじゃない? 」

天城「まぁ……分かりますし」

雲龍「でも大体の女って別に視線が吸い寄せられるような体型してないわよね」

天城「はぁ」

雲龍「どの口が言ってるのかしら。吸い寄せられる程ありますよ、っていう主張ってこと? 」

天城「知りませんよ天城は」

加賀「……どう? 」

提督「……何言ってもフルボッコじゃねぇか。言わねぇよ馬鹿」


< 誕生日 >






提督「なんか欲しい? 」

漣「ご主人様以外ならなんでも受け取りますよ」

提督「謙虚だなぁ。……ん」

漣「謙虚? ……さんきゅーです、提督殿」

提督「こういうときだけだな」

漣「そりゃまぁ……この方がいいんですか? 少将閣下」

提督「……いや」

漣「でしょ? ……ま、漣は漣のままですから、ね」

提督「そ。……happybirthday、漣」



< そういう仲 >






漣「まぁ、漣たち姉妹の中で一番が漣だとして」

提督「付き合いの年季が違うしな」

漣「その次は? 」

提督「いや、なんでそんな誰かに喧嘩売りそうなこと言わなきゃいけないんだよ」

漣「えー、そんなの漣が楽しいからに決まってるじゃないですかー」

提督「知らねぇよ。それならせめて加賀型で一番とかにしとけ」

漣「つまんな」

提督「それで結構。……なんならクオカードとかでもよかったんだぞ」

漣「ヤ。……ご主人様のセンスだけは信じてますからね、漣。まだ開けてませんけどこれでいいです」

提督「……ふん」


< 気を取り直して >







提督「今日の酒はたこ酒、だ」

加賀「ふかひれ酒やふぐひれ酒は聞いたことがありますが」

提督「広島の三原で考案されたんだとさ、まぁ三分待とう」

加賀「そうね、何事も経験ですし……安易ですが」

提督「……」

加賀「……」

提督「……ふぅ」

加賀「……何をあげても喜ぶでしょう、彼女なら」

提督「……それでも、な。あれに嫌われたらやっていけないんだよ、俺は」




< ある誤魔化し >






加賀「ん……」

提督「……」

加賀「…………熱燗のままでよくなっ、ん」

提督「…………駄目。それ以上は」

加賀「……火傷、しますよ」

提督「舌の熱さで? 」

加賀「舌が、熱さで」

提督「…………ん」

加賀「っ、ん、っは…………」


ありがとうございました


< 貰ったのはきっと想いだから、訊かない >







叢雲「で、なんだったの? 」

漣「気になる? 」

叢雲「……別に」

漣「ふーん……じゃあ言わない。秘密だよ」

叢雲「……そ」

漣「漣にだってご主人様と二人だけの秘密あってもいいじゃーん? 」

叢雲「別に興味なんて無いわよ」

漣「あっそ。……あ、叢雲ちゃんのプレゼントも誰にも言ってないから安心して? 」

叢雲「……なーにを安心すればいいのよ馬鹿」



< 割とよくある >







提督「今日は竹鶴25年開けたいと思いまーす」

加賀「……何か嫌なことがあったのなら聞くけれど」

提督「あ? 」

天城「無理に戯けて振る舞わなくてもいいのですよ」

提督「え? 」

雲龍「大丈夫? ゆっくり寝れてる? 最近相手してもらってばかりだったし」

提督「いや……えぇ? 」






愛宕「まぁ、いいお酒飲むのなんてよっぽど嬉しいときか嫌なことあったときよねぇ~ 」

高雄「……しかし最初から悪い方に考えられるというのも中々」


ありがとうございました


< 大体、ヤケ ≒ 支離滅裂な馬鹿 >







雲龍「はぁ……五月びょ」

天城「いつものことですね」

雲龍「……」

天城「そもそも六月ですし」

雲龍「……梅雨って何の為にあるのかしら」

天城「水不足の回避だとか農作物の成長だとか」

雲龍「…………コンビニでも行ってゴムでも買って来ようかしら。この数だけヤられます、みたいな」

天城「…………意味が分かりませんしそれ最低ですよ姉様」


< 割と納得できそうだと思った時点で考えるのをやめた >






明石「でも梅雨とか絶対要らない期間ですよね」

天城「花粉の季節にも同じことを」

明石「だってそうでしょう? 嫌われてる期間なんて梅雨と花粉くらいですよ。嫌いな季節とかなら兎も角」

雲龍「まったくよ」

明石「大体花粉で車体にシミができるとかもう意味分かりませんよ巫山戯ないでください」

天城「ペクチンがどうとか……明石さんの方が分かるでしょう」

明石「理解と納得っていうか……天城さんはどうせ妊娠しないからゴムしないとか言われて納得できるんですか? 」

天城「…………」



< 世の中ってやつはぁ >






提督「まぁ……なんだ」

愛宕「うん? 」

提督「一応この歳で将官クラスなわけだ」

愛宕「そうね。戦時じゃなければありえないことよ」

提督「ん。…………あのさ」

愛宕「お見合い? 」

提督「……よく分かったな」

愛宕「ルックスもそのレベルなら引く手数多でしょう、あなた」

提督「…………」

愛宕「…………ん」

提督「ん。…………ま、適当にお断りしてくるから」

愛宕「はいはい。……こんなので安心する自分が嫌ねぇ」



< 反論を許さぬ >






江風「ふぃーっ……昼酒は効くなぁ」

加賀「誰? これに日が高いうちから飲ませたのは」

Littorio「Littorioですが」

江風「まぁまぁどーせ誰も困ンないしさー」

加賀「……まったく」

Littorio「と、言いつつ加賀も飲むのですね」

加賀「何か問題でも? 」

Littorio「……いえ」


< いや、そういうことでもない >






江風「乳>生命じゃね? 」

海風「……え? 」

叢雲「……ついに汚染されたのね。酔っただけかもしれないけど」

江風「いや、エロい意味じゃなくてさ、生命維持ってかなり進歩してるのにクーパー靭帯は再生できないンだぜ? 」

海風「……」

叢雲「……」

瑞穂「……瑞穂たちの場合医学とはまた別ですからね」


< 妙に納得するお方 >






霧島「あなたが料理できるのは分かります」

龍田「そ」

霧島「あざといとかそういうのは抜きにしてあなたも」

鹿島「……あざとい、あざとい」

霧島「あなたもまぁ……はい」

GZ「不味く作るのはとても美味くつくるのと同じくらい、難しい」

霧島「……何故あなたはこんなに綺麗にオムライスを? 」

若葉「練習したからだ。文句でも? 」







金剛「……練習、そう練習が必要なのデース。愛や勇気、customよりもまずは、練習」



< 主張するところ >






浜風「ホワイトシチュー、食べたいです」

霧島「は? 」

浜風「ビーフでも構いませんが」

霧島「……」

浜風「はい」

霧島「……仕方ありませんね」







春雨「……なんであれで太らないんだろう」

時雨「……貯まるところがあるから」

金剛「オウ、霧島を本気にさせるとは中々やるデース」

扶桑「……主張するところは主張するのね、あの子」


< 嫌いではないというなにか >







提督「知ってる? 今日って戦艦陸奥が爆発四散した日なんだぜ」

高雄「知りませんよそんなの」

提督「いや、爆発四散は言い過ぎか……まぁ、兎も角沈んだ日だな」

高雄「……春雨や足柄が沈んだ日でもあるはずですが」

提督「へぇ」

高雄「……好きなんですか? 」

提督「まぁね」

高雄「……愛してる? 」

提督「さぁ? 」




< 三人がいいから三人でヤりたいと言うのも難しい >






提督「今日のカクテルはキッス・イン・ザ・ダーク。カクテルワードは“ 刺激的な恋 ”」

愛宕「揉ませろ、これでもいけそうじゃない」

高雄「まぁ……あなたならそうな気が」

愛宕「高雄もでしょう? 」

高雄「……私は」

愛宕「ほら、あれよ、イケボなら……ね? 」

提督「…………I would have threesomes」

高雄「……最低な誘い方ですね」

愛宕「……赤点ね」

提督「……左様ですか」


< 瞳と語気と気持ちと >







提督「雲龍」

雲龍「なに? 」

提督「揉ませろ」

雲龍「……」







愛宕「……いや、あれ私でも無理よ、本当無理」

高雄「……雲龍さんはいつも通り引っ張っていったけれど」

愛宕「…………負けた」

高雄「何に? 」



< ばーい、またあとで >







提督「タイツもタダじゃないんだぞ」

雲龍「それ私が言うものだと思うけれど」

提督「俺が悪いとこあったか? 」

雲龍「……魅力? 」

提督「全国の女の子がそれで許してくれればいいけどな。……寝よ」

雲龍「そうね」

提督「……お前とヤってまともなピロートークした覚えねぇな」

雲龍「そんなのいらないわよ。……あなたが抱いてくれるならね」


ありがとうございました


< 私は私の為に生きているからこそ >







高雄「六月十一日の誕生色は黄水仙。色言葉は“ 学問 ”、“ 企画力 ”、そして“ 研究開発 ”」

雲龍「学問ねぇ」

明石「? 」

雲龍「……虚しいものよね」

明石「まぁ……殆どの人は誰かが完成させたものを追うだけなわけですから」

雲龍「そういう意味じゃなくて……本人の為にはならないのにってこと」

明石「や、研究すること自体が目的なんですよ」

雲龍「名誉や金の為ではなくて? 」

明石「……少なくとも私にとっては。研究内容も自分たちの為ですしね」

雲龍「そ」

明石「ええ。……きっとかなり幸せなことなんですけどね、これって」


< 一応旧知ってやつ >







提督「そーいやRomaには何を? 」

Littorio「秘密です。あなたは? 」

提督「秘密かな」

Littorio「何故? 」

提督「なんとなく。お前は? 」

Littorio「なんとなく? 」

提督「……」

Littorio「……」

提督「……ワインだよ。なんでこんなバカップルみたいなことやってんだろう」

Littorio「楽しいじゃないですか、ね? 」



< 逆の場合は……まぁ、場合によるかな >







提督「や、テンション高いときなら兎も角仕事立て込んでやっと終わった後だし」

Littorio「フラストレーションの溜まった顔も素敵ですよ」

提督「そりゃどうも。……どんな顔だよ」

Littorio「鏡でも見てください」

提督「自分の顔なんて毎朝見るっての。ここ二日は不機嫌そうな男が苛ついてただけだったぞ」

Littorio「でしょうね」

提督「あぁ? 」

Littorio「そういう顔も好きになってしまうんですよ、女って」

提督「……そ」







< プラマイ >






提督「今日のカクテルはブルドッグっすね」

愛宕「ソルティドッグが面倒だったのね」

提督「スノースタイルとか考えたやつ馬鹿だろ本当」

愛宕「なんでそんなに適当になってるのよ……」

提督「眠い」

愛宕「そう」

提督「…………ある意味常に仕事持ち帰ってるみたいなものだよな、俺って」

愛宕「その代わり仕事にプライベート持ち込めてるじゃない」


< 朝に時間があるっていうのは、なんて >







提督「……冷たいお前か」

愛宕「嫌い? 」

提督「いや、普通にドライな女の方が好きだけど……んー」

愛宕「ん? 」

提督「…………髪切らないのか? 」

愛宕「もっと伸ばしてみたいから、今は」

提督「そうか。……風呂行くぞ」

愛宕「ん」

提督「明日の朝は早起きしろよ。久々に編みたい気分だから」


ありがとうございました


< 余罪が >







提督「痒いところはございませんか? 」

愛宕「ん、ないでーす」

提督「そう。……常々思ってるんだけど」

愛宕「? 」

提督「髪コキとか意味分からないね。
綺麗だからこそ征服感あるのかもしれないけど俺にはこんなに綺麗なもの汚せないよ」

愛宕「そうねぇ」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……本当? 」

提督「あ、あぁ、本当だよ、うん」



< 金糸の >






愛宕「どうしてくれるの? 」

提督「さぁね。……とりあえず編んでみてかな」

愛宕「そ」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……ずっと触っていたいなぁ」

愛宕「……………………いいけど」


< 触れてくれるこの時間こそが >







提督「そーいやさ」

愛宕「んー? 」

提督「なんで伸ばすの? ショートでも可愛いと思うけど」

愛宕「……分からないわ」

提督「ん? 」

愛宕「そっちの方が可愛いかなって思うけど……理由なんて無いの」

提督「……そっか」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……ま、強いて言うならあなたがケアしてくれる時間が長いからかもしれないわね」



< ある日薄曇りの屋上にて >







GZ「これが、梅雨」

若葉「梅雨だな」

GZ「……暑い」

若葉「暑いな」

GZ「しかも雨ばかりだ」

若葉「これはこれで悪くないが」

GZ「……」

若葉「……」

GZ「……これではたまの屋上で吹かす煙草から離れられないではないか」

若葉「悪くない。若葉はあなたの匂いも沈黙も、嫌いじゃないからな」


< 雨の匂い香る朝に >






GZ「……」

若葉「……」

GZ「……しかし、汗で服が身体に張り付くな」

若葉「……むぅ」

GZ「? 」

若葉「……若葉もいつか女らしい身体になるだろうか」

GZ「さぁな。……だが」

若葉「? 」

GZ「どんな若葉でも私は好きだよ。今も、そのいつかも」

若葉「…………そうか」



< ドキリとするあなたのその笑顔が報酬 >






提督「ん、こんなものでどうでしょうかお客様」

愛宕「いいんじゃない? ありがと」

提督「いーえ」

愛宕「編むの好きよね、あなた」

提督「そりゃ普段見ない女の子見るのは男ならね」

愛宕「……編んでアップにしてピン? 」

提督「編むだけなのもつまんねぇなって」

愛宕「…………高雄には渡せない特権よね、これ。時間もスタイルも」

提督「かもな」


< 唯一絶対の基準 >






高雄「六月十二日の誕生色はサフランイエロー。
色言葉は“ 体力 ”と“ 容姿端麗 ”」

加賀「ここでは無意味な言葉ね」

高雄「体力が? 」

加賀「そんなもの化け物のそれと回復力からすれば無意味でしょう。……容姿のことよ」

高雄「……そうでしょうか」

加賀「あなたが優れていると? それとも他が優れていると? 」

高雄「さぁ? ……まぁ、端から見れば」

加賀「ええ」

高雄「あの人に選んでもらえた時点でルックスでは勝っているのかもしれませんね、ルックスでは」

加賀「……そうね。確かにここではそれが最大にして唯一の基準かもしれない」







高雄「……ま、性格でも負けているなんてありえませんけれど、ね」




< 本当に怖いもの >






江風「怪談、怪談が必要だと思うんだ」

海風「怪談? 」

叢雲「怪談を怖がる化け物、ね」

江風「や、でもユーレイの設定だと物理ダメージは効きそうもないじゃン? 」

叢雲「まぁ……確かにそうね」

海風「今の時点で設定とか言っちゃってるけど」

江風「ンなこと言ったら小説とか映画なンて全部そうじゃン? 江風が言いたいのは楽しもうぜってことだよ、うン」







漣「……素直で笑顔でベッタベタな叢雲ちゃんとか? 」

江風「ひぃぃぃぃぃぃ……! 」

海風「……」

叢雲「……本ッ当いい度胸してるわね、あなたたち」


< 愛を知ればこそ分からなくなる >






提督「今日のカクテルはヘア・オブ・ザ、ドッグ、だ」

愛宕「ん……あま」

提督「生クリームと蜂蜜だからな、スコッチベースだけど」

愛宕「……あなたにとって最高の女って? 」

提督「最高の意味による」

愛宕「最高に好みで抱きたくて愛したい女」

提督「お前。……と言いたいが」

愛宕「んー? 高雄? それとも好きになった女が好みの女? 」

提督「いや……」

愛宕「……」

提督「……こんなに好きになったことなんて無いから、分からない」

愛宕「……そ」





ありがとうございました


< 仮にショートが好きだとしても >






愛宕「おはよー」

高雄「おはよう。……ゆうべは」

愛宕「おたのしみでした。……コーヒー」

高雄「はい」

愛宕「……高雄も髪伸ばせば? 」

高雄「どうして? 」

愛宕「ロングが好みみたいだけど」

高雄「そう……でも、いいのよ。ショートでも好いてくれるんだから、今の私で」

愛宕「ふーん……」


< 割とマジにヤバい >






提督「よう」

叢雲「ひっどい顔ねあんた」

提督の「絞られたからなぁ」

叢雲「……ふん」

提督「まぁ、体力がヤバいから顔もヤバいだろ、多分」

叢雲「大丈夫なの? 」

提督「なんとか。……年中こんな感じだしな」




< 生きとし生けるもの >







叢雲「ねぇ、あんた本当に大丈夫? 」

提督「お、叢雲ちゃん珍しい」

叢雲「茶化すな。……人間はその人生で大体三分の一を睡眠に当てるらしいわ」

提督「八時間睡眠ね」

叢雲「歳を経て短くなった分は乳幼児期と高齢期で釣り合いを取るって」

提督「……ま、四分の一くらいでもなんとかなるだろ、多分」

叢雲「…………そうであってほしいわね、本当に」

提督「もし何かあれば花くらい手向けてくれよな」

叢雲「嫌よ。…………私の墓に手向けるくらいの気持ちでいなさい」


< いい加減ヨーロッパ無双かイスラム無双をだね >







漣「もういっそ漣たち無双つくりましょうよ」

明石「キャラ立ち難しくないですかそれ。性格は兎も角モーションとかどうするんです」

漣「一つの艦種にモーション二つか三つであとはキャラ着せ替えとか」

明石「はぁ。……敵の一般兵は? 」

漣「そりゃあ……イ級? 」

明石「海上戦ですか」

漣「だって陸上だと人間くらいしか……」



< 唐突に真面目な話 >






雲龍「何が欲しいとかは無いの? 」

愛宕「うん? 」

雲龍「誕生日」

愛宕「あぁ。……無いわねぇ~ 」

雲龍「そう」

愛宕「ええ」

雲龍「…………こう見えてあなたのこと、好きなのよ? 」

愛宕「ありがと。その言葉だけで十分よ」


< 敵は本能である >







雲龍「もえてるんだーろーかー」

天城「……恐ろしく似合いませんね」

雲龍「じゃあ私に合う曲ってなによ」

天城「……LOVER SOULとか? 」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……そうね」

天城「……馬鹿にしているのでもなく割とそうですよ、姉様歌上手いですし」


< ただあなたの温もりを肌で感じてる夜明け♪ >







雲龍「いいものね」

天城「……はい」

雲龍「…………今夜一緒に寝ない? 」

天城「姉様が素直に眠るのなら、天城も喜んで」


< さて、誰の勘違いかな >







提督「今日のカクテルはスクリュードライバー、だ」

瑞穂「メジャーカクテルですね」

提督「レディキラーカクテルでもある」

瑞穂「……ここにいると」

提督「あぁ」

瑞穂「レディキラーなんていうのはただのぶりっ子に思えますね。
男女で然程アルコール耐性に違いがあるとも思えません」

提督「……そうだな」

瑞穂「……」

提督「……酔わせたい女の子って中々いないし、うん」


ジュディマリみたいな人たちはもう出てこないんですかね……

ありがとうございました


< イメチェン(髪) >







提督「ん……」

愛宕「どう? 中々イケてない? 」

雲龍「若作りに見えるわ、好みじゃない」

天城「軽そうですね」

明石「クズレベルが上がっただけですねぇ、嫌いとは言いませんが」

Littorio「単純に、嫌いです」

愛宕「そう? ……うーん、次は高雄で」

高雄「はい」







提督「なんで俺が罵倒されてるんだろう……」

高雄「頭を下げないで」

提督「はいはい。……まぁ、お前らが楽しそうで何よりだよ、うん」


< そして >







高雄「はい」

愛宕「……はい」

提督「あ? ……ん」

明石「おお……」

天城「これは中々」

Littorio「頭、良さそうです」

雲龍「眼鏡だけでこれだけ変わるものなのね」

提督「普段から知的だと思うんだが」

加賀「それは痴的でしょう」

瑞穂「そうですね」

提督「……」






漣「……瑞穂さんにすらそう思われているんですね、ご主人様」

叢雲「当然じゃないそんなの」


< 友達にはできない性格 >







天城「ぶりっ子はちょっと……」

雲龍「えっ」

天城「え? 」

雲龍「……丑三つ時……ですね、提督。少し、怖いかって?
いえ、ぜんぜん……もんだい……な……く? ……て、提督? どこ……ひゃぁっ!? 」

天城「……」

雲龍「提督、あの……冗談とかやめて欲しいです。天城、本当にびっくりしました……べっ、別に怖くはないです……」

天城「……」

雲龍「……どう? 」

天城「……端から見るとぶりっ子に見えるな、というのは置いておいてモノマネ上手いですね、姉様」



< リアルオレっ娘とかよりはまぁ >







提督「せめてあざといって言ってやれよ」

天城「あまり変わってないような」

雲龍「まぁ、男はぶりっ子嫌いじゃないものね」

提督「いや、そんな一概に……男でぶりっ子好きなやつがそれなりにいるのはさ」

天城「はい」

提督「オラオラしてる男とかが結構人気なのと似た感じだよ、男からすれば」

天城「……なるほど」

雲龍「……そういうこと」







愛宕「……だからといってぶりっ子を好きになれるかって話よね」

高雄「……まぁ」



< 涼しくないので >







提督「今日のカクテルは涼だ。日本酒な気分だし」

漣「あまーい」

提督「ピーチツリー使ってるからな」

漣「ピーチフィズの? 」

提督「そう」

漣「へぇ。……暑いっすね」

提督「そっすね」

漣「……なんか食べたいなー、漣」

提督「しゃーねーな。待っとけ」

漣「わーい、だから好きなんですよ、ご主人様」




< 遊びは本気で >







提督「あー……焼き鳥でも食うか、高雄」

高雄「ここに」

江風「忍者かよ」

提督「ねぎまとむねでいいや、用意しといて」

高雄「はい」

提督「ふぅ……着替えてこよ」

江風「は? 」

提督「ん? だって焼くんなら臭いとか汚れ付いてもいいやつの方がいいだろう? それとも高雄に焼かせろって? 」

江風「そうだけど……そこまでやンのかよ」

提督「うん? 」



< え? >







加賀「焼き鳥と日本酒がいただけると聞いて」

天城「美味しいお酒が飲めると聞いて」

雲龍「Tシャツ越しの筋肉を見れると聞いて」

江風「……なンだこの人たち」

海風「はい、お猪口」

江風「ン? ありがと」

加賀「あなたたち結婚したら? 」

海風「江風が嫌がりますから」

加賀「そう、残念ね」

海風「はい」

江風「そうそう、江風は嫌…………江風は? 」



< 大体そんな感じの今日この頃 >







天城「いつの間にかかわとなんこつが」

提督「酔い過ぎだろ、さっき愛宕が持ってきたぞ」

天城「はぁ」

高雄「持ってきたのは私ですが」

提督「あれ? 」

天城「提督? 」

愛宕「いやいや、私よ? 」

高雄「え? 」

提督「うん? 」

天城「? 」






叢雲「……私なんだけど、なにあれ」



< 独り言 >







提督「うそうそ、ジョーダンジョーダン」

叢雲「本当かしらね」

提督「本当本当。……団扇取って」

叢雲「はい」

提督「さんきゅ。……ふぅ、暑い」

叢雲「お疲れ様」

提督「ん」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「……なんでこんな性格に生まれたのかしらね」

提督「さぁ? 俺は好きだけど」

叢雲「私もよ。…………時々あと少しくらいは弱くてもよかったんじゃないかって思うけど」


ありがとうございました


< どことなくそら寒い >






雲龍「……おはよう」

瑞穂「おはようございます、天城さんは? 」

雲龍「さぁ…………あの人は? 」

瑞穂「愛宕さんと、はい」

雲龍「まだ朝、というかどこも開いてない時間じゃない」

瑞穂「ですね」

雲龍「…………」

瑞穂「…………」

雲龍「…………ご飯食べたら寝るわね」

瑞穂「はい」



< 永遠に降参しなければ負けもしないとかなんとか >







雲龍「まぁ、私もそのうち連れて行ってもらう約束してるし」

天城「何を張り合ってるんです」

雲龍「女ってそういうものでしょう? 」

天城「勝てない戦いなんて惨めなものですよ」

雲龍「……負けたわけでもないもの」

天城「それは…………まぁ、姉様の勝手ではありますけれどね」


< よくできた妹 >






雲龍「でもどこ行ったのかしらね」

天城「さぁ、天城はあまり外に出たことがありませんから」

雲龍「ねだってみなさい。……どうせ高雄と釣り合わせるために三日くらいでしょう? 」

天城「そんなアラブの一夫多妻制みたいな……みたいな感じですね」

雲龍「ええ。……上海とか? 」

天城「ああいったキャラクターものはあまり好みではないような」

雲龍「そうね、寝るわ。……あの人が帰ってきたら起こして」

天城「はい。お昼前には起こしますね」


< 十三年振りの巨大さらしい >






高雄「六月十六日の誕生色は黄土色。色言葉は“ 評価 ”と“ 粘り強さ ”」

明石「あー、地震ですか」

瑞穂「大丈夫でしょうか」

明石「さぁ、津波は無いみたいですけど」

瑞穂「いえ、提督のご家族が」

明石「なるほど……どうなんです? 」

高雄「函館辺りに親類がいると聞いたことはありませんね」

瑞穂「そうですか」

高雄「はい」

明石「……さらっと答えられるんですね、今更不思議でもありませんけど」


< 何か心の一番柔らかいところを温めるもの >






提督「今日の酒は……うーん、飲み過ぎた」

愛宕「大丈夫? 」

提督「ん」

愛宕「……こんなに遠くまで来たの初めて」

提督「海の上とか。それに横須賀の方が遠いさ」

愛宕「それは下らない理由があって、でしょ? 」

提督「……護国も防衛も無いな」

愛宕「仕方ないわ、見つけてしまったもの」

提督「何を? 」

愛宕「分からない。でもとても大きな何か」

提督「……そ」



< 償いをこれからたっぷりと >







提督「まぁ、でも……悪いな」

愛宕「それこそ、何が? 」

提督「車が長かったこととか」

愛宕「あなたとお話してたから、別に」

提督「高雄たちと祝えなかったこととか」

愛宕「いつでもいいじゃない。高雄たちの気持ちだって分かるわよ、普段で」

提督「プレゼントを今渡せないこととか」

愛宕「物より気持ちと想い出、でしょ? 」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……こんな言い訳がましいこととか」

愛宕「ふふ……それは確かに」


< おめでとう、そしてありがとう、またよろしく >






提督「……明日もそこそこ早いよ」

愛宕「ええ」

提督「……だからといって早く寝かせもできないだろうけど」

愛宕「そう、楽しみね」

提督「…………あぁ、あとーー」

愛宕「ね……もう、よくない? 」

提督「…………ん」


ありがとうございました


< あなたの隣で車窓から >







愛宕「んー……いい風ね」

提督「あぁ」

愛宕「そろそろ帰るの? 」

提督「帰りたい? 」

愛宕「そうね」

提督「帰るか」

愛宕「ん」

提督「……ひっさし振りに車回して楽しかったなぁ」

愛宕「それだけ? 」

提督「……恥ずかしいんだよ、素面のときに言わせるな」



< いっそクズらしく >







愛宕「ふーん? ……帰りたくない、あそこから逃げたいって言ったらどうするの? 」

提督「そりゃあ逃げるよ、地の果てまででもね」

愛宕「高雄を捨てて? 」

提督「捨てて」

愛宕「捨てられるの? 」

提督「罪の意識も業も一緒に背負ってくれるんだろ? 」

愛宕「……そうね」

提督「お前か高雄が一緒に逃げてくれ、って言うのを待ってるのかもしれないしな、俺」

愛宕「最低」

提督「あぁ。……帰るか」


< より大切なモノならある >







龍田「そういえばあの子って今どこだったかしら」

時雨「あの子? 」

龍田「響ちゃん。愛宕と同じ誕生日だから覚えてたの」

時雨「あぁ、確か今は佐世保じゃないかな」

龍田「ふーん……」

時雨「どうしたんだい? 珍しいね」

龍田「どうして? 」

時雨「世界に自分と親友と他人しかいないクセに、ってことさ」

龍田「あらぁ~ 、そんなこと無いわよぉ」

時雨「本当かな」

龍田「それはもう、失礼しちゃーう」

時雨「失言だったかな、ごめんよ」






龍田「……まず天龍ちゃんがいるしね~、ふふ」


< 戦友か悪友か >







漣「まったく……ご主人様は」

叢雲「パートナーの誕生日を祝っているだけで呆れられるっておかしいわね」

漣「パートナーが複数いる方がおかしいけどね」

叢雲「本当よ」

漣「……ま、でもそんなご主人様といるのが居心地良いってのがね」

叢雲「結局類は友を呼ぶ、ってことよね、きっと」



< さて権利の話か権力の話か >







GZ「この国の男性は女性を虐げると聞いたがそうでもないな」

山城「いつの時代よ……クズは多いけれどそんなことはないわ」

GZ「そうか。山城がそう言うのならそうなのだろう」

山城「ええ。……まぁ、でも王様面するクズもどこかにいたわね」

GZ「彼は周りがあれだからな、ある程度は仕方ないさ」

山城「あれが仕方ないならどんな男もまともじゃない」

GZ「それにしたって王様というのは」

龍田「あらぁ? でも王様でいいんじゃない? 」

山城「は? 」

GZ「そうか? 」

龍田「だって公式には立憲君主制国家よ? この国」


< どのレベルまでなら揉み消せるだろうか >







雲龍「痴漢? 」

天城「万引きなら簡単そうですね」

海風「贈収賄ならもうしてそうですけど」

江風「えぇ……もうちょっと司法とか世論とか信じようよ」

雲龍「だからあの人やその上が司法側だって話でしょう? 」

天城「自分の女の為に県単位で巻き込んだ上に市民交流にかこつけて花火まで上げてましたし」

江風「…………よく考えるとそれってヤバくね? 」

海風「やっと気付いたの? 」


< ラインって大体歪んでいるもの >






江風「でも贈収賄が発覚する可能性よりさ」

海風「うん」

江風「上官の奥さン寝取ったり娘傷物にする方がありそうじゃね? 」

雲龍「無いわぁ」

天城「考えられませんね」

海風「擁護できないよ、江風」

江風「えぇ……? 」


< 殉じることすらも >







天城「あれ、でも私的なお金の使い方を」

高雄「カラオケもバーも倉庫改修も自費ですよ、彼の」

天城「は、はぁ」

雲龍「……本当忍者よね、あの人絡みだと」

高雄「忍者も暇なんですよ、主人がいないので」






江風「……husbandってよりmasterみたいなニュアンスに聞こえるンだけど」

海風「似たようなものでしょ、きっと」

江風「えぇ…………やっぱ姉貴もそっち側なのかぁ、そっかぁ」


< 真面目に生きると疲れる >






雲龍「EUはもういいゆー」

叢雲「…………は? 」

天城「……はぁ」

雲龍「銃使用もじゆー」

叢雲「……」

天城「……」

加賀「…………あなた顔と性格で物凄く得してるわよね」



< 理由なんて無いけれど >







雲龍「加賀さんが止めろ、と言うなら金輪際こんなことは言いません」

加賀「別にいいわ、私他人に意識押し付けるの嫌いなの」

雲龍「そうですか」

天城「……何故こう加賀さんには素直なのか」

叢雲「……別に赤城に対してはここまででもないのよね」

天城「……姉様に命令できるのは何故か提督と加賀さんだけなんですよ」

叢雲「……」

天城「……」

叢雲「……共通点は、酒好き? 」

雲龍「それなら天城の言うことも逐一聞かなければならないわね」

天城「……はぁ」



< そろそろ外で飲みたい季節 >






叢雲「クーラー付けて冷酒飲んで鍋って」

明石「環境にも国民にも喧嘩売ってますよね、ついでに女子力とかにも」

漣「いやぁ、最高ですねこれ。たまには人外も悪くない」

叢雲「逆に人外じゃないときっていつよ」

漣「……ゲーム? 」



< 割と挨拶的なもの >






山城「あなた英国がどうのとかほざくならあれどうにかしなさいよ、あれ」

扶桑「山城? 」

金剛「oh……もう意味わからないくらいの理不尽ネ」

山城「また円が理不尽な動きするなら私はあなたに理不尽を投げつけるわ」

金剛「あれー? 私仲間デース? 僚友デース? 」

山城「ならなおさらね。仲間なら仲間の私を助けなさい」

扶桑「……投資でもしてるの? 山城。それなら色々な意味でやめた方がいいと思うわ」



< 三つ子の魂百なんとか >






若葉「生まれ持った性格は変えられない」

金剛「ンー? 」

山城「若葉」

若葉「こう見えてこの人は」

山城「やめなさい」

扶桑「待って、どう見えて? 」

若葉「あなた以外には全て毒突くように見えて、だ。……愛宕さんに誕生日プレゼントを贈るような人だ」

金剛「へぇ? 」

山城「……」

若葉「しかもわざわざ自分で取り寄せてラッピングまで」

金剛「へぇぇぇぇ? 」

山城「……これ以上言うなら私の不幸移すわよあなた」

若葉「あぁ、それが仲間の為ならその痛みも、悪くない」

金剛「ワーオ」

山城「…………ふん」




< クソったれなこんな世の中に >






加賀「肉」

天城「お魚が」

雲龍「肉で」

江風「肉だろ」

海風「……お肉で」

明石「赤飲んでるんですよねぇ、今」

Littorio「こういうときは長いものに巻かれるべき? 」

漣「知らないですよそんなの」

叢雲「…………どうせこれ私でしょ? 刺身の方が楽だから刺身にするわね」


< 相性がいいという可能性も僅かに >






Littorio「オーウ、この国は民主主義国家だと思ってたデース」

天城「恐ろしい程に似合いませんね」

加賀「民主主義は今までで最も機能しているだけであって他よりマシなだけよ」

高雄「現代社会の否定でもする気ですか加賀さんは」

瑞穂「まぁ、ある種王政みたいなものですしね、ここ」

明石「……だから女ばかりでも喧嘩が無いんですよね、たぶん」


< 獏って結構愛嬌あると思う >






雲龍「牛乳は牛のミルクじゃない」

天城「はい」

雲龍「それならバクのミルクは爆乳? 」

天城「……」

雲龍「……」

天城「……姉様ってバクだったんですね」

雲龍「夢でお腹は膨れないけれど、ね」



ありがとうございました


< 三日ぶりの >







提督「よ、ただいま」

高雄「おかえりなさい」

提督「とりあえず寝るわ。昼になったら起こして」

高雄「はい。……起きたらキリキリ働いてくださいね」

提督「おう」

高雄「…………寂しかったんですからね」

提督「ん……悪かったよ」


< 戦い >







愛宕「逃げたいって言えば逃げてくれるって」

高雄「そう」

愛宕「逃げないの? 」

高雄「何から? 」

愛宕「戦闘とか、使命とか、私とか」

高雄「私は沈まない。それに使命なんてものを感じたこともないし」

愛宕「ないし? 」

高雄「あなたに負けた覚えが無いので逃げる、なんてことをする必要はないわ」

愛宕「ふーん……? 」


< なんとなく違う気がして >






高雄「それに……ふふ、あなたこそ、逃げてもいいのよ」

愛宕「嫌よ。なんだか私が負けたみたいじゃない」

高雄「そう」

愛宕「それに高雄ならそれこそあの世でも追ってきそうだし」

高雄「あの世というものがあるのなら、当然」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……なんで三人で逃げないのかしら」

高雄「さぁ? 」





< 不完全燃焼 >






加賀「気付いたのだけれど」

愛宕「はい? 」

加賀「あなたが外に連れ出されてしまった所為でここでは何も無かったのよ」

愛宕「は、はぁ」

加賀「折角誕生日だったのにケーキを食べていないの」

愛宕「いや、一応十六日は私の」

加賀「食べていないのよ」

愛宕「……」






提督「あぁ? 材料とかなにも揃えてねぇよ。コンビニのでいいか? 」

高雄「……適当にお酒でも開けましょう、それでいいじゃないですか」



< そして結局 >






加賀「ま、悪くはないわね」

提督「お前ら自分で回せよ……俺より体力あるんだから」

漣「女性に力仕事をさせるのは感心しませんよ」

提督「お前が言うと余計腹立つ、クソガキめ」

漣「えー、差別ですよ差別ー」

天城「というか何故このかき氷機は手動なんです」

雲龍「今の時代電動よね、普通」

高雄「デザインが好きだとかなんとか」

愛宕「子供の頃のと似てるって言ってたわねぇ~」



< 平常運転 >







時雨「暑いね」

山城「クーラー付いてるじゃない」

時雨「でも食堂自体が広過ぎてあんまり風が届かない」

山城「そう? 」

時雨「そうじゃない? ね、扶桑」

扶桑「……昨日私たちの部屋のクーラー故障したのよ」

山城「だからここが物凄く涼しく思えるのよね」

時雨「あ、そう……っていうか直してもらいなよ。すぐ直してくれるんだからさ」


< 黙って肩を並べるのも、悪くない >







鈴谷「どしたの? 」

あきつ丸「ん? ……いや、たまには散歩でもしてみようかと」

鈴谷「こんな暑いときに? 」

あきつ丸「時々吹く風が中々に爽快でありますよ」

鈴谷「ふーん? ベタベタするぅ、って感じなんだけど」

あきつ丸「……」

鈴谷「……」

あきつ丸「……何故ここまで? 」

鈴谷「部屋から見えたから。嫌だった? 」

あきつ丸「別に。…………悪くも、ないが」


< 海の上は知っているけれど >






雲龍「父の日ね、そういえば」

提督「揉ませてくれんの? 」

雲龍「いいわよ」

提督「って言われるとなんか嫌なんだよなぁ」

雲龍「理不尽な」

提督「どっちが。……今度さ」

雲龍「? 」

提督「水族館でも行こう」

雲龍「いいけど……水族館? 」

提督「学生っぽいデートも悪くないかなって。……嫌? 」

雲龍「断ると思うの? 」

提督「いや、思わない」

雲龍「酷い男ね……その後は? 」

提督「さぁ? お前次第だよ、それは」



< 今日とか明日とか、下らないよね >






提督「じゃ、また明日」

雲龍「明日なの? 」

提督「今日ももう終わる」

雲龍「寝るまでが今日、そうでしょう? 」

提督「……朝起きて最初にお前の顔見るの好きだけどな、俺は」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………また、明日。好きよ、あなたのこと」

提督「ありがと、俺もだぜ。……じゃ」


ありがとうございました


< 梅雨、梅雨ってなんだ >






提督「うーん……お」

明石「? 」

提督「万札以外の端数が千八十五円だ」

明石「いい箱つくろう、ですね」

提督「あぁ。……何飲む? 」

明石「じゃあ、アップルティーで」

提督「はいよ。……くっそ暑いな」

明石「ですねー……あ、どうも」



< 結構それって大事 >






提督「いや、それにしてもやけに暑いな」

明石「熱とかじゃないんですか? そりゃ暑いですけど」

提督「そんな感じはしないんだよね」

明石「気を付けてくださいよー」

提督「おう。…………シャネルの五番で寝たい気持ちもよく分かる」

明石「でも形が」

提督「修復できるだろう? 」

明石「そこはまぁ……なけなしの女子力ってやつですよ」


< 魅惑の谷間と雫 >






雲龍「……蒸れる」

愛宕「そうねぇ……」

高雄「汗疹には気を付けないと」

雲龍「……」

愛宕「……」

高雄「……」

雲龍「……オチは? 」

愛宕「……発端のあなたがオチ求めるの? 」

高雄「というか会話にオチなんていらないじゃないですか……」


< 散歩中の犬すら目が死に始める季節っていかがなものか >






高雄「六月二十日の誕生色はサンライトイエロー。
色言葉は“ 社交的 ”、“ 友人 ”、そして“ エネルギー ”」

雲龍「……無理。エネルギーなんて残ってないわ」

高雄「雲龍さんって暑さに弱い方でしたっけ」

雲龍「強くはないわね。……あれよりマシだけれど」






Littorio「」

漣「し、死んでる……」



< 上には上が >






江風「村雨の姉貴も誕生日だなぁ」

海風「そうだね」

江風「信じられるか? あれで八十一のババァなンだぜ? 」

海風「それブーメラン酷いよ」

江風「まぁ、そうなンだけどさ……あれでババァって笑える、よ……な、うン」

海風「ん? ……あっ」

愛宕「私は八十六ねぇ……敬老の日は楽しみにしてるから、ふふ」


< ヤマアラシのジレンマ、とも少し違う >







提督「全く気にしてないだろうが」

愛宕「そうでもないのよ? 人外だって思い知らされる基準ではあるし」

提督「……俺がそうは思わないって言うだけじゃ駄目なのか」

愛宕「言うだけでしょう? 自分がそういう人間だって思わない為の自己暗示」

提督「……」

愛宕「それにあなたがいるからこそ気にするのよ? 」

提督「…………」


< 暑さから逃げたいのも一つの理由 >






叢雲「大丈夫? 」

Littorio「……なんとか」

瑞穂「お風呂で溺れたりはしないでくださいね」

Littorio「ええ……はふ」

叢雲「こっちで生活するなら慣れないと」

Littorio「そもそもLittorio祖国でも暑さに強いわけではないんですよね」

叢雲「私も強くはないけど」

瑞穂「瑞穂もですよ……忠告しておいて溺れたりはしたくありませんね」






漣「…………お酒には溺れている人ばっかだよね、でも」


< なんでもないことのように >






雲龍「ごめんなさいね」

提督「あ? 」

雲龍「いつも求めるだけで」

提督「そう思うなら減らせば? 」

雲龍「それは無理。死ぬわ」

提督「…………ま、可愛い女の子に求められるのなんて男としては最高だからいいけど」

雲龍「……そう」

提督「あぁ。……お前のこと好きだからな、俺」

雲龍「……そ、そう」


< 今更 >







提督「今日のカクテルは

天城「あまり姉様を調子に乗らせないでくださいね」

提督「嫉妬? 」

天城「かもしれません」

提督「……まぁ、真面目な話さ」

天城「はい」

提督「あそこまで俺のこと求めてくれるのって雲龍だけなんだよ、今までずっとだぜ? 」

天城「そうは思えませんが」

提督「世間的にクズなのは置いといて」

天城「ええ」

提督「既にパートナーつくってる相手にここまで迫れるってのは中々にクるものがあるんだよ。少なくとも俺にとっては」

天城「はぁ……ま、その意味では天城もあまり言えるわけではありません」

提督「ん。……お前は誰かいいやつ見つけろよな」

天城「……ばか」


ありがとうございました


< おーきさってやつ >







高雄「六月二十一日の誕生色はゴールドブラウン。
色言葉は“ 芸術 ”、“ グルメ ”、そして“ スポーツ ”」

加賀「アーチェリーをやってみたいわ」

高雄「いいのじゃないでしょうか」

加賀「でもわざわざ用意してもらうくらいなら今まで通り弓を引くだけでいいのよね」

高雄「はぁ。……バレーがいいですね、私は」

加賀「どうして? 」

高雄「ハードでかつ走ったりすることがあまり無いので」

加賀「……確かに走るのは嫌ね」

高雄「痛いですしどうしても庇ってしまいますから」

漣「確かに」






江風「……揺れるのと擦れるのって大分違うよな、たぶン」


< 何が問題なのか >







愛宕「割と最近思うのは」

高雄「? 」

愛宕「よくあれだけ口説き文句のヴァリエーションあるわね、ってこと」

高雄「……あぁ」

愛宕「しかも表情とか声音とかで雰囲気変えるのまで入れると、うん」

高雄「経験が多いから」

愛宕「……それだけ? 」

高雄「え? 」

愛宕「……実は既婚者だったとか。もう亡くなったけど」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………でもそれでもいいわよね、別に」

愛宕「うん。……うん? 」



< 甘く強く抱き締めて >







提督「今日のカクテルはアコーダンス。二十年位前にこの国でできたカクテルだな」

天城「甘いですね、少し強めですけれど」

提督「最近チェリーで飾りつくるのに凝ってるんだ」

天城「なるほど……そうだ」

提督「うん? 」

天城「天城もどこか連れていってくださいね」

提督「いいけど……なんで? 」

天城「釣り上げた魚にも餌が必要ですよ」

提督「そうじゃなくてさ、勝手な話外に行きたい風には見えなかったし」

天城「思っていませんから」

提督「はぁ? 」

天城「…………あなたと、本当の意味で二人きりになるなら外に出るしかないでしょう? 」

提督「…………そう、だね、うん。期待しといて」


ありがとうございました


< 格が違う >






提督「……ん」

叢雲「はいはい」

提督「…………さんきゅ」

叢雲「間接的に臣民の為だもの」

提督「左様で。……でもさ」

叢雲「なに? 」

提督「俺が書類片付けたからどうだって話だよな」

叢雲「そんなこと言ったらたかが麦茶で捗るあんたもおかしいじゃない」

提督「んー……ま、叢雲の麦茶だしなぁ」


< つまり >







提督「つーかお前臣民のこととか考えてるのか? 」

叢雲「あんたと同じよ」

提督「……へぇ」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「……文句でも? 」

提督「いや、まったく。俺と同じなんだろ? 」



< ばとるふろんと >







漣「デンガーって……」

明石「カルリジアンさんは分かりますけどねー」

漣「ターキンとかいるでしょ……」

明石「結構変わりましたね」

漣「はい」

明石「……」

漣「……」

明石「……」

漣「……まだ漣の部屋いるんですか? 」

明石「分かりましたよ……インしてきます」


ありがとうございました


< 正直遠い >







明石「釧路ってどういうところなんです? 」

提督「霧と柳葉魚」

明石「他は? 」

提督「根釧台地かな、それだけ」

明石「……酷くないです? 」

提督「俺一回しか行ったことねぇし。母親の話聞いてる限りそんな感じだってだけだ」

明石「釧路出身? 」

提督「お祖父様が転勤族だったんだよ。……少なくとも普段は平和だと思うが」

明石「や、別に深い意味なんてありませんけどね? 」


< 大体そんなもの >







明石「というか北海道って大きいですよね」

提督「まぁ、言うまでもないな」

明石「どこまで行ったことあるんですか? 」

提督「知床には世界遺産になる前に行ったぞ」

明石「へぇ」

提督「あとは釧路とか稚内とか帯広とかだな。何故か函館は通過しただけだけど」

明石「札幌出身でしたっけ」

提督「あぁ。そもそも北海道なんて何も無いんだ」

明石「……はぁ」

提督「他県のやつに言われると腹立つけど自分で言う分にはやっぱり何も無いからな。愛着しか無い」


< 希望する >






高雄「六月二十三日の誕生色は海老茶。色言葉は“ 希望 ”、“ 向上心 ”、そして“ 指導力 ”」

漣「発揮してくださいよー」

提督「面倒臭ぇな叢雲か加賀に頼め」

叢雲「イヤ」

加賀「嫌です」

漣「だそうですが」

提督「……直接身体に指導してやろうか? 」







雲龍「……ね』

提督「呼んでねぇよ馬鹿」


< 風無き小夜に溺れよう >







提督「今日のカクテルはアビエイション。カクテルワードは“ そよ風に吹かれて ”」

加賀「実際にはそよとも吹かないわね」

提督「願掛けみたいなものさ、暑さなんて忘れたい」

加賀「……」

提督「……」

加賀「……aviation? 」

提督「たぶんね。航空機って意味だからお前って訳でもないけど」

加賀「そう。…………三十分くらいしたら来て」

提督「…………ん」




ありがとうございました


< 誘惑に負けることの幸せを >







提督「かったる」

加賀「いつもでしょう」

提督「そうでもないと思うが」

加賀「酒と車と女以外に興味のあるものは何? 」

提督「……」

加賀「クズでいいじゃない。私あなたのこと、好きよ。これ以上の贅沢がある? 」

提督「……」

加賀「……昼前までここにいてもいいのよ。何かあればサイレン位鳴るわ」

提督「…………本ッ当俺ってクズだな」


< 享楽主義こそ最高の >






山城「ほら見なさい、あなたが無能だから離脱じゃない」

金剛「だからそれ理不尽過ぎるデース」

龍田「Bismarckの意見でもきいてみる? 」

山城「ガチトークか馬鹿話しかできない女呼んでどうするのよ」

龍田「女四人で馬鹿な話してればいいじゃない」

山城「嫌よ面倒臭い……あの女といえば」

龍田「なぁに? 」

山城「あのクズ男は喜んでそうね、この結果」

龍田「どうして? 」

金剛「どちらかというと行き過ぎたドイツ贔屓だった気がしマース」

山城「この国の通貨が上がればとりあえず輸入物の酒類は安くなるとか言いそうだからよ」

龍田「……あぁ」

金剛「……そういえばそういう人でしたネー」


<質問に質問で返すのは嫌? という質問 >







提督「……おはよう」

加賀「昼は過ぎたわよ」

提督「……マジ? 」

加賀「テレビ見てみなさい」

提督「…………うわぁ」

加賀「どうなの? 」

提督「あ? 知らない」

加賀「何故? 」

提督「何故って……じゃあなんで訊くんだよ」


< 誤魔化せる程のキスならば喜んで >







加賀「語らないのね。ドイツ贔屓だと思っていたけれど」

提督「いや、だって賢しらに語るの俺嫌いだし」

加賀「……そう」

提督「そりゃ人間どんなものだとしても考えって持ってるものだけどさ。俺は面倒だし楽しい方向のこと以外話さないよ」

加賀「……」

提督「……つーか聞きたいか? 俺素人だぜ経済とか」

加賀「女こましのプロだものね」

提督「……」

加賀「……」

提督「……キスがどうして甘いのかでも考えない? 」


< 失格 >







高雄「六月二十四日の誕生色はライトオーキッドピンク。
色言葉は“ 微笑み ”、“ 優しさ ”、そして“ 永遠 ”」

提督「……コーヒーうま」

高雄「……加賀さんは淹れてくれないんですか? 」

提督「言えば出してくれるんじゃないの。緑茶ばっかだけど」

高雄「はぁ」

提督「高雄だからコーヒー頼めるんだぜ? これが一番美味い」

高雄「……愛宕は? 」

提督「最高が二つあっちゃ駄目か? 」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……駄目、と言うべきなんでしょうね、女としては」



< 言葉遊びこそ人生のカクテル >






提督「今日のカクテルはレッド・ライオン。甘い方かな」

愛宕「意味は? 」

提督「そんなもの無い、無いが」

愛宕「ええ」

提督「千九百三十三年のブリティッシュ・エンパイア・カクテル・コンペの入賞作ではあるな」

愛宕「へぇ? 」

提督「……それだけだぜ? 」

愛宕「そうね、あなたにとっては」

提督「……お前にとっては違うのか? 」

愛宕「んーん、あなたのことしか見えてないし見ないわよ、ずっとね」



ありがとうございました


< 毎年この季節が一番辛いと言いつつこの後が >







高雄「六月二十五日の誕生色はペールチェリーピンク。
色言葉は“ 勇気 ”、“ 優雅 ”、そして“ 安らぎ ”」

Littorio「……暑い」

高雄「そうね」

Littorio「……」

高雄「……」

Littorio「……優雅、とはなんでしょう」

高雄「さぁ? ……少なくとも机に張り付いて麦茶を飲んでばかりな状態ではないでしょうね」


< 噛み潰すなら苦虫よりソラマメ >







提督「あっっっっっっつ。台風来ないだけマシだけどそれだけじゃねぇか」

明石「ですね」

提督「こんなの酒飲まないとやってられないだろう」

明石「……まだ三時のおやつ過ぎたばっかですが」

提督「あ? 喫緊のお仕事ってやつは終わらせたからな。問題無い」

明石「うそぉ」

高雄「こういうときは無駄に有能なんですよこの人。……ソラマメの唐揚げです」

提督「へーい、愛してるよ高雄」

高雄「それはどうも。私もですよ」

明石「……ビールに合いますねぇ、これ、はははっ」



< 功労者とは >







漣「漣たちが海面の反射と日射しの間で訓練してる間お酒飲んでる上官と技術者かぁ」

叢雲「あんなの責任取るのが役目だと思ってなさいよ」

漣「明石さんは? 」

叢雲「あなたあの人より働いてる自信ある? 」

漣「……」

叢雲「……」

漣「……今度美味しいお菓子でも渡してくるね」

叢雲「そうしなさい」


< 創作物全否定 >







提督「今日のカクテルはパパダブル、だ」

愛宕「冷たくていいわねぇ、フローズンカクテル」

提督「ちなみにヘミングウェイが好んだカクテルらしいぞ」

愛宕「ふぅん? 」

提督「……興味無い? 」

愛宕「他人の妄想で楽しめる程プアじゃないし余裕はある方なの」

提督「……左様で」


< 本当にヤバいな、と思う出来事 >







提督「高雄と愛宕が笑わない」

高雄「この人と愛宕が笑わない」

愛宕「この人と高雄が笑わない」

提督「……」

高雄「……」

愛宕「……」

提督「……俺たちずっと笑ってた方が皆安心か? 」

高雄「……かもしれませんね」

愛宕「うわぁ……」


< じゃあ別の面子で >






加賀「赤城さんが笑えない」

雲龍「加賀さんが笑えない」

天城「姉様が提督に求められない」

加賀「……」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……何か申し訳ないわね、これ」


< もういいや、さらに別で >







海風「提督が夜にそのまま一人で寝るとき? 」

叢雲「あいつが酒飲まないときでしょ」

漣「ご主人様がお酒避けるとき? あ、洒落じゃないですよ」

海風「……」

叢雲「……」

漣「……」

江風「……姉貴、これが差ってやつじゃないのかな、なンのとは言わないけど」


< ……はい >






Littorio「Littorioが本国に帰らねばならないとき」

提督「……ディープだな」

叢雲「……考えたくもないわね」

瑞穂「……案外いい方向だとかは」

Littorio「無いですね。……何を賭ければ? 」



ありがとうございました


< ハーレムとかそういうレベルではない >







提督「海だな」

高雄「はい? 」

提督「海が必要だ」

高雄「……目の前にうんざりする程ありますが」

提督「いや、ビーチかせめてプールで遊びたいな、と」

高雄「はぁ」

提督「行きたくない? 」

高雄「楽しそうですけど……あなたは他人からどう見られるでしょうね」



< 嫌いでもレベルというものが >







江風「江風はむしろ山とか行きたいンだけど」

海風「いいよそんなの。虫嫌いだし」

江風「や、海でも虫いるし海特有の気色悪いの結構いるじゃン? 」

海風「……? 」

江風「いや、なンで疑問なンだよ」

海風「提督いないよ? 」

江風「ン? 」

海風「普通に殺しても問題ないよね? 」

江風「……」

海風「……」

江風「……え、あぁ、江風そンな風に虫とか見たことなかったから分からなかったよ、うン」


< 嘘ではない >







雲龍「そういえば本籍って何処なの? 」

提督「え、そりゃあ実家だけど」

雲龍「と、いうことは住民票も? 」

提督「あぁ、家買っても住めないし」

雲龍「……紙の上だとその歳で実家暮らしの未婚独身なのね」

愛宕「うわぁ」

明石「ひっど」

高雄「……」

加賀「クズどころかゴミクズね」

提督「いや…………どこからでも罵倒に繋げるの止めよう? 」





< あまりにも唐突に >







提督「今日のカクテルはオペレーター。ま、殆ど白みたいなものだが」

Littorio「美味しい。……Littorioは赤の方が好みなのですが」

提督「俺もだよ。ワインは赤」

Littorio「はぁ」

提督「でもほら、本当に好きなものがあっても時々他の味も欲しくなるだろう? 」

Littorio「女も? 」

提督「」

Littorio「…………ふふ、冗談ですよ、冗談」



ありがとうございました


< 暑い暑い暑い暑い暑い…… >







提督「背中綺麗だね」

天城「それはどうも」

提督「……」

天城「……」

提督「……ん? 」

天城「そ、それだけですか? 」

提督「うーん? 」



< 禁断の林檎を差し出す蛇の図 >







天城「……なんだったんでしょうあれ」

雲龍「あそこで少し押せばそのままベッドだったのに」

天城「や、別に天城は」

雲龍「本当に? 」

天城「……」

雲龍「暫く振りに彼と寝て、暑い中火傷する程触れられたり堕ちていったりしたくないの? 」

天城「……」

雲龍「……」

天城「…………まだ間に合うと思います? 」


< 割とありがち >






「んっ……ゃ」

「ん? 」

「っ……ふ、ん…………ッ」

「…………ここ? 」

「やぁっ…………だめ、だめで、す」

「…………ふーん」

「…………! 」







漣「みたいなのを執務室の壁越しに聞いたとして」

高雄「は、はぁ」

漣「肩揉みとか耳掻きだと思い直して普通にノックして入ったら本当にヤってるのがご主人様ですよね」

高雄「ま、まぁ……………………まさか聞かれたのかと」


< サイレント勝ち気 >







高雄「六月二十七日の誕生色はローズピンク。色言葉は“ 外交的 ”と“ 激しい気性 ”」

雲龍「選択間違ったかしら」

高雄「? 」

雲龍「揶揄うつもりで天城嗾けたら本当にあの人としけ込んでたわ」

高雄「……なんなら海風さんでも嗾ければよかったのに」

雲龍「自分の男がロリコンになって嬉しい? 」

高雄「海風さんはそんな感じでもないでしょう? それに……私のところに帰ってくる自信がありますから」

雲龍「……言うわね」


< 着崩した和服の、なんと >






提督「今日の酒は」

天城「……いつの間に天城の部屋に持ち込んだんです」

提督「天城が寝落ちしてる間にな、すぐ起きそうだったし」

天城「……はぁ」

提督「天鷹吟翔。……つまみは酒盗と白米だけだが」

天城「十分です。……いいですね」

提督「ん? あぁ、香り抑えられてて食中にもいいだろう? 」

天城「……いえ」

提督「あん? 」

天城「……殿方が選んだお酒を飲んで、その方の選んだ肴で月を見るなんて」

提督「……大した選択でもないさ、俺がつくったわけでもない」

天城「それでも、です。…………天城も十分あなたにイカれているってことですよ」

提督「…………そ」


ありがとうございました


< 暑くならないうちに熱い風呂を楽しむ >






雲龍「……あら」

天城「おはようございます、姉様」

雲龍「おはよう。……ゆうべは」

天城「おたのしみでしたよ、姉様のお陰ですね」

雲龍「……そう」

天城「ええ。……隣、失礼します」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……お風呂に垂らさないでね? 」

天城「身体は洗いましたよ……それにそこまで、はい」




< 痛切に >






天城「……雲龍姉様」

雲龍「……なに? 」

天城「…………」

雲龍「…………なに? 」

天城「…………どうして天城は遅かったのでしょうね」

雲龍「? 」

天城「提督ともっと早くお会いしたかった。お会いできてそれで駄目なら諦めもついたのに」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「…………本当、そうよね」

天城「…………はい」



< 愛ってなんだ、想いってなんだ >






加賀「人間それで諦めが付く程簡単じゃないわ。……人間でもないけれど」

天城「はぁ」

雲龍「……後ろで死んでると思っていたのに」

加賀「それなら助けなさいよ。ただ考え事をしていただけ」

雲龍「死人には優しくするのが流儀なんですよ」

加賀「……天城」

天城「はい」

加賀「……私は高雄や愛宕と同時期に彼と会ってそれからずっと繋がっているけれど」

天城「ええ」

加賀「それで諦められる程彼の価値は低くないわ。私の気持ちもそんなに低レベルじゃない」

天城「……」

加賀「諦めるって簡単で浅いことなのよ。本当に欲しいものは諦めきれない」

天城「……」

加賀「……」

雲龍「…………至言、ですね」



< 昼過ぎには真面目に >






愛宕「どーぞ」

提督「さんきゅ。……あぁ、やっぱり朝は熱いブラックだなぁ」

愛宕「この死ぬ程熱い時期に。あなた暑いの苦手でしょう」

提督「それはそれ、これはこれ。暑いときのセックスとか最高だろ? 」

愛宕「その後のお風呂もね。……どう? 」

提督「仕事……は、まぁいいか、行こうか」




< ピュア≠澄んだ心≠純潔 >







高雄「六月二十八日の誕生色はペッパーレッド。色言葉は“ エネルギー ”と“ 澄んだ心 ”」

Littorio「……瑞穂? 」

高雄「でしょうかね」

漣「や、でも処女的な意味なら漣もですよ? おとめ」

叢雲「……」

明石「……」

海風「……」

加賀「……そうね」

漣「…………」





< 愛を、感謝を、尊敬を >






叢雲「ねぇ、あんた」

提督「うん? 」

叢雲「いい相手見つけろよ、なんて言ってたみたいだけど」

提督「天城にか。……なんで漏れてんの? 」

叢雲「ここに本当のプライベートなんてあるわけないじゃない。女社会よ? 」

提督「うっそぉ」

叢雲「……あんた本当に手放せるの? 」

提督「あ? 手放せるわけないだろうが、お前も漣も瑞穂もな。寝たからとかそういうものじゃねぇよ」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「ふん……ま、そうでなくちゃね、私が認めた男だもの」

提督「さんきゅ。……………………本当に、掛け値なしに、心から」



< お姉さんのお料理教室 >







雲龍「それ、その手が危ないのよ。手を庇って切り方も汚くなる」

江風「ン……意識はしてるンだけど」

雲龍「続けて。普通はそんなものよ」

江風「はーい」

雲龍「……」

江風「……」

雲龍「……」

江風「……」







海風「……なんでこんなにお刺身があるの? 」

漣「しかもこれ切り方……や、漣もあんまり他人のこと言えないですけどね」



< なんとも言えないライン >






加賀「……なんとも言えないわね」

雲龍「でも不器用なわけではありませんし。そのうちなんとかなりますよ」

加賀「そう、あなたがそう言うなら」

雲龍「本人が真面目なだけです」

加賀「……あなたっていい子? 雲龍」

雲龍「知らなかったんですか? 」

加賀「寡聞にして」

雲龍「…………優等生だからこそ、ああいう男に堕とされるんですよ? 先輩」


< シーツなんていらない、あなたの肌を感じたい >






提督「今日のカクテルはビトウィーン・ザ・シーツ」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……好き、大好き」

提督「……ま、結構美味いカクテルだよな、あぁ」


ありがとうございました


< それは言わない約束 >






明石『……で、なんで私はお人形さんしてるんです? 』

愛宕『もう、分かってるくせに。私も六月だし忘れないわよー』

明石『……』

愛宕『ちゃんとしないとダメよ? 後悔なんて嫌でしょう? 』

明石『私が後悔するようなことを選ぶとでも? 』

愛宕『あらあら……ま、でも普段あまりしないお洒落も楽しいじゃない? 』

明石『ええ。……いつもいつもすみませんね、私が自分でできればいいんですけど』

愛宕『別にー。他の子のセットするの楽しいし』

明石『はぁ。……………………妾のセットをする妃、みたいなのってもう意味わかりませんよね』

愛宕『ん? 』

明石『いえ……なんでもありませんよ、はい』


< 一度棘が刺されば抜いてもそこは痛むもの >






漣『なーんであそこまではしゃげるんですかねー、愛宕さん』

叢雲『開き直りじゃないの? 』

漣『分かんないけどさ。……自分より愛されてる人間が自分がいないと何もできないっていう劣等感とかなら分か』

叢雲『やめときなさい』

漣『……』

叢雲『……そんなこと考えてなんの意味があるの? 』

漣『無いよ? 無いけどさ…………こんな気持ち、一生分からないといいね、叢雲ちゃんは』





< 月に一度よりも年に一度を >







加賀『肉、肉の日なのに』

高雄『明石さんはお魚の方がお好きなので』

加賀『でも殆ど食べずに二人で消えたじゃない』

高雄『加賀さんも嫌でしょう、ベッドでぽっこりしてるの』

加賀『そうだけれど……このマリネおいしいわね』

高雄『明石さんがつくったんですよ、それ』

加賀『へぇ? ……あなた本当に味方いなくなるわよ』

江風『余計なお世話っすよパイセーン……』


< 林檎の様に綺麗な頬 >






提督『今日はま、当然カルヴァドスで。おめでとう』

明石『ふぁ……ふふ』

提督『……大丈夫か? ペース』

明石『私だって成長するんですよ、大丈夫』

提督『ふーん? 』

明石『それに万が一起きれなくても明日は遅くまで寝ててもいいでしょう? 』

提督『駄目』

明石『え? 』

提督『買い物して買い物して買い物するから』

明石『……』

提督『まぁ、嫌なら寝ててもいいぞ』

明石『嫌なわけ……あ、それなら』

提督『ん? 」

明石『単車のパーツ見に行きたいところあるんですけど』

提督『いいよ。…………いいけど、うーん? 』


< 何故こうまで堕ちたのだろう >







明石『そうですね……私があなたを同類だと思ってるからかもしれません』

提督『似てるか? 俺たち』

明石『あなたと私が逆で、あなたが技術者になったり、私が責任を持つ立場なら』

提督『あぁ』

明石『私は誰にも嫌われたくなくて、でもそれは無理だから切り捨てて諦めた人たちの分まで好きな人に依存するんです、きっと』

提督『じゃあ俺が技術者になれば誰かの為に身を削って誰にも辛さを味わわせないとでも? 』

明石『私がそうだとは思いませんが……そう思います』

提督『……』

明石『……それに、誰かの為じゃあありません。好きな人たちの為、ですから』

提督『はぁ…………参るね、本当』



< そんなある日の、夢 >







明石『ふふ……男の人の仕事は女に困らされることでしょう? 』

提督『そうだな……あぁ』

明石『……』

提督『……』

明石『……ま、それとですね』

提督『うん? 』

明石『女の仕事は、男の人を甘えさせることだと思いますから、私でよければいつでも
大丈夫ですよ』

提督『……』

明石『……』

提督『……ありがと、お前がお前でよかった』

明石『……私もです』


ありがとうございました


< さて、どんな衣装で飾ろう >







明石「む……」

提督「……ブレーキパッド選ぶのにそこまで悩む女の子って」

明石「趣味に性別でもの言うなんてナンセンスじゃないですか」

提督「そうだけど」

明石「…………そもそも男の人の趣味よりは」

提督「うん? 」

明石「あんなっ、あんなっ……あんな」

提督「……よく似合うと思うけどなぁ」


< ままならない >






明石「大体提督も同じじゃないですか」

提督「あ? 」

明石「プレゼントしていただけるのは嬉しいですけどね、いい加減着せ替え人形にされるのは疲れましたよ」

提督「……ブスになれよじゃあ」

明石「……それ愛してくれないってことじゃないですか」


< 空について >






赤城「空は高いですねぇ」

GZ「? ……そうだろうな」

赤城「あの綺麗な青の中で食べるご飯は美味しいんだろうなぁ」

GZ「空が青く見えるのは波長が影響しているから」

赤城「そういうことでは……空気が美味しいかな、みたいな」

GZ「むしろ酸素が少ないように思うが」

赤城「ですね。……でも空気の薄いところでのご飯にも興味が」

GZ「いや、おそらく肺への負担で味わう余裕がーー」






浜風「……どちらも真面目そうなのがなんとも」

若葉「それがいいところだからな」


< ただいーま >






海風「あれ? 帰ってきてたんですね」

提督「ん? ただいま」

明石「……」

海風「……何やってるんですか? 」

提督「単車のチューン」

海風「……え? 」

提督「帰ってきて車から降ろしてずっとこうだぞ」

海風「……いいんですか? 」

提督「なんで? 」

海風「なんでって言われても」

提督「明石は楽しそうだし俺も楽しいよ、結構」

海風「…………」


< どこからどこまで? >






提督「陸奥さんと奥さんって似てない? 」

海風「……海風と奥さんって似てません? 」

提督「や、似てねぇと思うけど」

海風「じゃあ、似てませんね」

提督「そうか」

海風「……」

提督「……」

海風「……」

提督「……冗談なんだけど」




ありがとうございました


< 女心ジャンケンでもまぁいいと思う >







漣「さーて、当基地恒例夏の男気カキ氷の時間がやって参りました! 」

叢雲「男なんてあいつしかいないじゃない」

漣「だから一人でジャンケンやって一人で全員分の氷削るんだよ? 」

叢雲「そ、頑張ってね」

提督「ふざけんなよ死ぬぞ俺」



< 一人勝ちは許されない >







高雄「七月二日の誕生色はコバルトブルー。色言葉は“ 繊細 ”と“ 手際よい ”」

雲龍「……手首痛い」

天城「姉様ジャンケン弱いですよね」

雲龍「そうね……どうしてかしら」

天城「動体視力とか」

雲龍「私相手の手元なんて見てないんだけど見るものなの? 」

天城「……いえ」

高雄「見ませんね。……今度からはいっそカードやチェスで勝負して最下位の一人負けにしますか? 」

雲龍「……それ多分回を重ねるごとに恨まれる相手が回っていって誰かがハメられると思うわ」


< アルコールの虜 >






提督「鶴の17年か……いいね」

加賀「ええ、ストレートでは強過ぎるけれど」

提督「ロックにしとけよロックに」

加賀「最初から料理に調味料を掛けたりはしたくないの」

提督「酒はまた別だろう」

加賀「ま、冗談ですからね」

提督「そ。……竹鶴政孝の手掛けた最後の銘柄だぞ」

加賀「……」

提督「……」

加賀「……で、なんだったかしら。注いでたら聞き逃したわ」

提督「……それが冗談ならいいんだけどなぁ」



< 逃げるが勝ち >






明石「ここだけで希少なお酒どんどん消費してますよね」

天城「消費するものですから」

明石「や、速度がおかしいって言いたいんですよ」

天城「でも、味の分かる人間が楽しむために空けるなら時間なんて些末ですし」

明石「味の分かる? 」

天城「それくらいは自負していますよ」

明石「ん……私も自信持って言ってみたいですねぇ、そんなこと。あ、加賀さーん、一緒に飲みましょー」






Littorio「……Littorioは部屋に戻りますね」

瑞穂「……瑞穂も」



< 満身創痍ながら、生還 >






提督「……ごめん、ちょっとごめん」

高雄「はい? 」

提督「トイレ行きたい」

高雄「……その歳で介護が必要なんですか? 」

提督「違うしそういうプレイでもない…………吐きそう」

高雄「はぁ…………ゆっくり立ち上がって」

提督「悪い」

高雄「ん……」

提督「…………あぁー、フラッフラする」

高雄「何やってたんですか私が来るまで」

提督「ウィスキースポドリ割大会」

高雄「……馬鹿ですね」

提督「うん……今度経口補水液でも買ってみようか」

高雄「馬鹿、というか死にますよそれ」



< 張っ倒したい、この笑顔 >






提督「浸透圧の関係で吸収されやすいとか言われてるけど」

高雄「ええ」

提督「実際そこまで関係無いとも言われてるんだぜ」

高雄「でも実際に悪酔いしてますからね。プラセボかもしれませんが」

提督「あぁ」

高雄「……着きましたよ」

提督「さんきゅ。…………この後風呂一緒に入って」

高雄「もう私は……ま、いいですけど」

提督「……キス」

高雄「嫌ですよ……ちゃんと出すもの出しきってしっかり綺麗にしてください」

提督「んー」

高雄「……馬ッ鹿じゃないですか? 」


< 所構わず、唇と言わず >






高雄「……ん? 」

海風「……ほら、ちゃんと歩いて」

江風「ンー? ふへへー……あーねきぃ」

海風「……酔った相手を襲わない理性がある海風に感謝してね」

江風「さンきゅーさンきゅーさンきゅー! へーい! 」

海風「……」

高雄「大丈夫ですか、それ」

海風「高雄さん……代わってください」

高雄「いえ、私も今一案件抱えていますので」

海風「提督? 」

高雄「ええ。……今なら」

海風「はい」

高雄「所構わずキスを要求してますね」

海風「へぇ? 」

高雄「その代わりいつ戻すか分かりませんが」

海風「……」

江風「へっへー……江風様のお通りだー」



< 討ち死した人たち >






明石「」

天城「」

加賀「…………」

愛宕「…………床で寝たい」

加賀「…………明石頼める? 」

愛宕「えぇ……まぁ、いいですけど」

加賀「じゃあ、頼んだわね」

愛宕「はーい」


ありがとうございました


< このあと滅茶苦茶説教された、かもしれない >






提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「馬鹿め、と言って差し上げますわ」

提督「……うん」

愛宕「……そうねぇ」

高雄「いい歳した大人がいてどうしてあの惨状が生まれるんですか」

提督「や、だって気付いたら明石と天城死んでるんだもん」

高雄「その辺り見ておくのがですね」

愛宕「高雄」

高雄「なに? 」

愛宕「頭に響くからもう少し声抑えて」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「…………馬鹿め、と言って差し上げますわ」


< 稀によくあるおねーさんな彼女 >






天城「…………」

雲龍「あなた馬鹿なの? 」

天城「……はい」

雲龍「あの人と加賀さんが辛うじて生き残った場で飲み過ぎるなんて自殺行為じゃない」

天城「愛宕さんもいたはずですが」

雲龍「…………私でも軽蔑するわよその発言」

天城「すみません…………ちょっ、と、席、外します」


< 真・保護者 >







漣「電子の世界で戦って現実に凱旋したら住人の半分が死に体になっていた件について」

叢雲「貧弱よね」

Littorio「あれは仕方無いかと」

加賀「途中で逃げたのによく言えるわね。あなたと瑞穂がいれば私たちが明石と天城を運ばなくてもよかったのに」

Littorio「理不尽な」

叢雲「……でもあいつ、久々に遅くまで寝てたわよね。仕事も少なめにしそうだしよかったわ」

漣「叢雲ママーン……」



< 正論どストライク >







提督「あれ、そういやお前だけ謎だな。何してたんだ? 」

雲龍「屋上のハンモックで星見てたら寝落ち」

提督「……お前が一番まともっていうか優雅とか世も末だな」

雲龍「酷いわね……私もそう思うくらいあなたたちが酷かっただけだと思うけれど」




< 素の状態で言ってみてほしい >






提督「まぁ、そうなんだけどさ」

雲龍「ええ」

提督「そーいやお前敬語使わないの? 加賀以外で」

雲龍「使って欲しいなら使いますよ、少将閣下」

提督「……やっぱいいや」

雲龍「そう」

提督「……まぁ、俺的に別にどっちでも好きだけど」

雲龍「……そ」





提督「…………雲龍の敬語とか中々よかったんだけどな、今更今の雲龍よりいいとは思わないけど」


< 事実は野球漫画よりも奇なり的な何か >







江風「……? 」

提督「……? 」

江風「……今何回だっけ? 」

提督「……七回くらいじゃねぇかな、いいホームランだった、あぁ」

江風「……」

提督「……」

江風「……滅茶苦茶凄いもの見た気がするンだけどさ」

提督「あぁ」

江風「この気持ち分かち合えるのがテートクしかいないのが悲しいよ」

提督「まぁ……いるだけマシだろ、うん」



< そんなことはどうでもいい人たち >







雲龍「ホームランなんて年間で何本出てるのよ」

海風「さぁ……百本くらい? 五百本くらい? 」

雲龍「よくこの暑い中そんなものであれだけ盛り上がれるわね」

海風「ですね」

高雄「はい、お仕事の時間ですよ」

提督「え……え? ここで? 」

高雄「ここで」

提督「病み上がりみたいなもんだしさぁ」

高雄「自業自得ですしただでさえ明日に回した分が多いんですから」

提督「…………仕方ねぇなぁ、はぁ」



< ドイツだとガチでこれだった >







GZ「野球……? 」

赤城「ほら、あのクリケットの兄弟の」

GZ「いや、それがどういうものかは分かるが……野球? 」

赤城「野球ですね」

GZ「……Fußballは? 」

赤城「さぁ? 」


< 透けていると嬉しいけど透けているのは馬鹿にしたりする >







鈴谷「いやー、あっついねー」

龍田「そうねぇ」

鈴谷「ブラ透けて困るんだよねー」

龍田「誰も見てないというか女の子ばっかよね」

鈴谷「それでもね、男に見られるより女に馬鹿にされる方が嫌だし」

龍田「健全ね」

鈴谷「え? 」

龍田「? 」

鈴谷「…………聞かなかったことにしたいなぁ」

龍田「…………してほしいわね」


< 毒される、ということ >






扶桑「クーラーがあるって幸せなことね」

山城「そうですね、姉さま」

時雨「一夏に二度も故障するのがおかしいだけだと思うよ」

扶桑「……そうね」

山城「……」

春雨「……えぇ」






春雨「……いっつもこんな感じなの? 」

時雨「そうだよ」

春雨「……」

時雨「僕は結構楽しいけど……え、そうでもない? 」


< 本来なら涼やかで気持ちいい >






提督「今日のカクテルはミモザ。とりあえず俺は寝るぞ」

叢雲「明日はキリキリ働きなさいね」

提督「おうよ、じゃ」

叢雲「ん」

漣「しっかり休んでくださーい」

叢雲「……」

漣「……? 」

叢雲「…………不味い」

漣「え? …………なにこれ」






江風「……スパークリングワインとシャンパン九割とかなンだこれ」

海風「オレンジ風味のゴミ、かなこれ」


< あらゆる意味で意味が分からないけれどなんとなく理解できる >






雲龍「私のこと色狂いとか言うけれど」

明石「否定できるんですかね……」

雲龍「あの人じゃなきゃ嫌よ、私」

明石「本当に? 」

雲龍「あの人が大きくてテクニシャンなのもあるけど別にそれだけ求めて異人種とヤりたいわけじゃないわ」

明石「はぁ」

雲龍「あのね、フィット感があってそれよりも大きいくらいが丁度いいのよ」

明石「そうですか。……訊きますけど」

雲龍「なに? 」

明石「あの人意外に経験あって言ってるんですか? それ」

雲龍「そんなわけないじゃない、馬鹿なの? 」

明石「…………」


ありがとうございました


< 愉快な素直系クズども >







提督「へーい、炒飯イェーイ」

漣「へーい、唐揚げイェーイ」

江風「へーい、餃子イェーイ」

叢雲「五月蝿いッわよそこの馬鹿ども」

提督「……ごめん」

漣「めんご」

江風「悪ィ」

叢雲「…………」


< できる人がいるならば >







明石「美味しいですけど……重い」

愛宕「こんなのお酒ありきのメニューよねぇ」

高雄「と、言いつつサラダと付け合わせはあなたじゃない」

愛宕「ささやかな抵抗ってやつよ。……ま、美味しいけど」

高雄「何故これができて他は雑な味なのかしら」

愛宕「私たちがつくるから成長しないとか」

高雄「ありそうね。……だからといって雑にはできないけれど」

明石「美味しければいいんですよ美味しければ。……美味しければ、ね、ははっ」


< 中途半端よりはまぁ >







高雄「七月四日の誕生色はアクア。色言葉は“ 静穏 ”、“ 崇高 ”、そして“ 自己発展 ”」

愛宕「いつだかの少将かっかって一応崇高な理念があったのよね」

高雄「本人や周囲からすれば」

愛宕「私たちも外から見ればそう見える? 」

高雄「彼に殉じる者という意味ではそうかもしれないわね」

愛宕「それは高雄だけでしょう」

高雄「本当に? 本当にそう言える? 」

愛宕「……」

加賀「……彼を好く者は殉教者、彼を嫌う者は敵。ある種、はっきりしてるわね」




< 割と学生時代から好きとか言えない >






加賀「……」

雲龍「胡瓜の浅漬け……貰いますけれど」

加賀「中々馬鹿にできないものよ」

雲龍「……おじさん臭い」

加賀「提督がおじさんではないと? 」

雲龍「おじさんかもしれませんがおじさんではないですよ、彼は」

加賀「……そ」

雲龍「はい。…………一本漬けでも用意してきますか」


< 面倒くせぇ、お前を飲ませろオラァ >






提督「今日はとりあえず生飲みてぇな、暑いし」

叢雲「サーバー吹っ飛んだわよ」

提督「は? 」

叢雲「明石的にはパーツが無いから今日は無理だって」

提督「……は? 」

叢雲「私は伝えたわよ」

提督「…………口と喉が生なんだけど」

叢雲「知らないわよそんなの。コンビニでも行けば? 」

提督「…………誰かー、誰か飲んでない明石いない? 」







明石「……すみません」

提督「……」

明石「……本当に飲みたいなら代謝励起して買ってきますけど」


ありがとうございました


< ただ、揺蕩うだけの水面、あるいは心 >







提督「フ-……」

Littorio「あら、早起きはしてみるものですね」

提督「……早起きして大事な肌にヤニ付けるの喜ぶのか」

Littorio「そんなものよりも朝一であなたの顔を見る方がずっと大事ですから」

提督「…………」

Littorio「…………海、何かありますか? 」

提督「何も。……お前らさ」

Littorio「ええ」

提督「皆それ訊くけど、なんかあると思うか? 」

Littorio「あるでしょう? 怨嗟、苦しみ、恐怖、他にも色々」

提督「……勝利や喜び、って言ってほしいところだがね」

Littorio「自分が全く信じていないものを語るのは止めた方がよろしいかと」

提督「…………フ-」


< これくらいの自賛は許してください >






雲龍「…………Zzz」

加賀「よく食べながら寝れるわね」

天城「まったくです」

加賀「……よし」

天城「……まぁ、姉様も食べ物にはあまり執着していませんし、いいでしょう」

加賀「朝は食べないと。……でも」

天城「はい? 」

加賀「これをほぼ毎朝起こしてシャワー浴びさせてセットさせて食堂まで連れてこさせるなんてあなた凄いわね」

天城「……言われてみると、確かに」


< ふらいはーい >







高雄「七月五日の誕生色はペールサックスブルー。
色言葉は“ 感性 ”、“ 自由 ”、そして“ 秘めた情熱 ”」

Littorio「自由ってなんでしょうね」

高雄「自由は自由でしょう」

Littorio「高雄は今自由? 」

高雄「いいえ」

Littorio「幸せ? 」

高雄「ええ」

Littorio「自由が欲しいとは思わない? 」

高雄「それを拒絶するのも自由というやつですから……実は自由なのかもしれないわね」




< 時々ある >







提督「今日のカクテルはアペロール・ソーダ、だ」

愛宕「んー」

提督「んー? 」

愛宕「にがーい」

提督「好きだろ? 苦いの」

愛宕「え……」

提督「え? 」

愛宕「ひわーい」

提督「えぇ……変な酔い方するなぁ」



ありがとうございました


< 世の中ってやつは >







明石「うわぁ……」

漣「えげつなー……」

雲龍「なにそれ」

明石「提督の通帳です」

雲龍「ふーん」

漣「……結構高いお酒とか食材買ったりしてますよね? 」

明石「カラオケとかの増築も自費らしいですけど」

漣「……」

明石「……」

雲龍「私たちも大概高給取りでしょう…………高利貸しでもしなさいよこれもう」




< 大は小を兼ねるとかそんな感じで >






提督「なんで通帳貸したらそんなこと言われなきゃいけないんだよおかしいだろ」

明石「おかしいのは残高だと思いますが」

提督「いや、だって……ねぇ? 」

愛宕「ま、パートナーが高給取りなのはいいことよね」

高雄「ヒモよりは明らかに」

提督「ほらぁ」

明石「……そういう最低限の話以前の問題と言いたいんですけどね」


< 偏見、ひたすら偏見 >






雲龍「ヒモでもいいわよ、私は」

天城「……こういう人に限って」

雲龍「は? 」

加賀「そういうこと、あるわね」

天城「姉様だって夜が楽しければいいというわけでも……」

加賀「……」

天城「……」

加賀「……いいかもしれないわね、ヒモなら適度に暴力もありそうだし」

雲龍「…………さすがに泣きたいんですけれど」



< 何も言わないのが正解 >






漣「じゃあ、一番駄目な男に捕まりそうなのは? 」

愛宕「叢雲」

高雄「叢雲さん」

明石「叢雲さん」

加賀「叢雲」

天城「叢雲さんですね」

Littorio「ごめんなさいね……叢雲」

雲龍「そんなの叢雲しかいないじゃない」






叢雲「……あんたの所為よ馬鹿」

提督「いや、割とこれは……うーん、色々と微妙な話だなこれ」


< ヤりたいサイン >







愛宕「飴の味選ばせてくるとき」

高雄「目が合ってすぐに逸らすとき」

愛宕「まだ酔ってないのにグラスとボトル片付け始めたとき」

高雄「手持ち無沙汰に手が動くとき」

愛宕「次の日の予定訊いてくるとき」

高雄「お酒を全然飲まないとき」

愛宕「車が単車のキーをーー」







天城「……つまりお猿さんです、と」

提督「身も蓋もねぇな、おい」


< サンプルが少ないとか言ってはいけない >







あきつ丸「まったく……女というやつは陰湿でありますなぁ、影でこそこそと」

龍田「うん? 」

あきつ丸「ヤニ女ヤニ女と。どうせ身体的には問題が無いというのに」

龍田「そうねぇ、人外だし」

あきつ丸「肌や髪の臭いも傷として修復されるのに。非合理であります」

龍田「それでもすぐには治せないし嫌いな人は嫌いなんでしょうね」

あきつ丸「……フ-」

龍田「……」

あきつ丸「……」

龍田「……ちなみに男は? 」

あきつ丸「クズ」


ありがとうございました


< 本日の理不尽 >







雲龍「今日は晴れそう? 」

提督「ん? たぶんな。夜は曇るかもしれないけど」

雲龍「……そう」

提督「うん? 」

雲龍「……今年は牽牛織女とかいうのが乳繰り合えるのね、勘弁してほしいわ」

提督「いや…………さすがに斜め上過ぎんだろ」



< 暑過ぎるのさえ無ければ最高 >







提督「夏は薄着の女の子多くていいなぁ」

愛宕「冬はアウターが可愛いくていいんでしょう? 」

提督「そりゃね、男の子だから可愛い女の子には勝てないよ」

愛宕「でも強いて言うなら? 」

提督「どうでもいい子まで含めると夏、かな」

愛宕「ふーん……? 」


< チャンスなど、無い >






高雄「七月七日の誕生色はブルーカナール。色言葉は“ 聡明 ”、 “ 大望 ”、そして“ チャンス ”」

加賀「望みは? 」

Littorio「とりあえずこの暑さをどうにかしてください」

加賀「低い望みね」

Littorio「Littorioはまだこの国に慣れていないのですよ」

加賀「……餡子もお刺身も生卵もイケるあなたが? 説得力無いわよ」

Littorio「まぁ、自分でもそう思いますけどね……どうしようも無いです」


<結局正解は何? >







提督「今日のカクテルはピーチグレープフルーツ。とりあえず飲もうか」

愛宕「ん……七夕って何食べれば正解だったのかしら。普段通りにしちゃったけど」

提督「牛乳的にシチューとか。……次カルーアでも飲む? 」

愛宕「うん」

提督「俺の実家じゃあちらし寿司とかだったけどな、八月七日は」

愛宕「する? 」

提督「いいぜ? ……別にしなくてもいい程度ではあるけど」


< どうせ叶わないならいっそ >






漣「笹も短冊も無しかー」

叢雲「あったとして何願うのよ」

漣「そりゃあ護国の優等兵器漣ちゃんは帝国の繁栄と世界平和っすね」

叢雲「そ。ゲームジャンキー漣は? 」

漣「七十インチ以上のゲーム用モニタ」

叢雲「その方が簡単だしまともね。あいつにねだりなさい」






江風「いや、七夕はクリスマスじゃねーから。あいつら空の上で自分勝手してるから」


< 浴衣の裾をヒラヒラ、はにかんで >







海風「……? …………? 」

提督「ん? 可愛いよ」

海風「……そう、ですか」

提督「あぁ」







提督「……あれ喜んでたのか? マイナスか? 」

愛宕「さぁ……知らないわよそんなの」


< なんて応えれば? >






瑞穂「どこぞの航空会社では七夕フライトなど企画しているとか」

加賀「そう」

瑞穂「提督は好きそうですよね」

加賀「たぶんフライトアテンダントのコスプレ持ってるわよあれ」

瑞穂「はぁ」

加賀「そもそも私や雲龍姉妹がいる時点である意味航空機には乗ってるようなものだし、今日は知らないけれど」

瑞穂「…………」


< 分かりましたから、はい。終わり >







雲龍「あの人のミルキーウ」

天城「はいはい」



ありがとうございました


< 割と本音のような何か >







愛宕「親、ねぇ」

高雄「? 」

愛宕「あの人がお母様と電話してたから」

高雄「そう」

愛宕「……私がどうにかなってたかは別としてね」

高雄「ええ」

愛宕「親とか親戚が全くいない女との結婚認めてくれる? 普通」

高雄「……さぁ」

愛宕「…………できるならば、このまま沈まずにここで生きていたいわ。少なくとも彼が生きているうちは」

高雄「…………」


< もちろん冗談、たぶん >







愛宕「……まぁ、でも」

高雄「はい? 」

愛宕「実家に帰って親から花嫁姿がどうとか孫がどうとか言われないのはメリットかもね」

高雄「……そう? 」

愛宕「うん? 」

高雄「正直捕まえるだけならなんとかなる気がするのだけれど」

愛宕「傲慢ねぇ」

高雄「…………そう? 」

愛宕「…………そうでもないかも」



< これだからいい女ってやつは >






叢雲「司令官? 」

提督「なんだ」

叢雲「呼んでみただけよ」

提督「へぇ、可愛いこと言うね」

叢雲「ばーか、あんたがだらしなさ過ぎて本当に司令官だって忘れそうだから呼んだのよ」

提督「左様で」

叢雲「ええ」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………どっちにしろ可愛くね? 」

叢雲「気の所為よ、気の所為」



< ふざけんなアル中(ブーメラン) >







提督「今日はもう面倒だから好きなの飲んでいいぞじゃーな」

加賀「マッカランの25年でも余市20年でも空けていいそうよ。コレクションも」

天城「伊佐美でも平安でも獺祭でも? 」

加賀「OKよ」

瑞穂「……へぇ」

Littorio「なるほど」

提督「ウェイウェイウェーイ! 馬鹿だろお前ら加減考えろふざけんな」


< 地を這おうとも美しく気高いからこそ >







鈴谷「心の折れたエンジェール♪ 」

赤城「みんな翔べないエンジェル。……翼じゃありません? 」

鈴谷「そだっけ? でもまぁ大して変わんないでしょ」

赤城「余計ダメージを受けているように聞こえますけれど」

鈴谷「まぁまぁ。心折れたから翔べないのかもしれないし」

赤城「そうですけど……あ」

鈴谷「あ? 」

赤城「もしかしてミッドウェイがどうとかそうい嫌味だったりしちゃったり」

鈴谷「しないから。なんで鈴谷鼻歌で嫌味呟く女扱いなのさ」



ありがとうございました


< カレーかカツかそれとも両方か >







扶桑「……多い」

春雨「多いですね」

扶桑「山城がいれば分けるのだけれど」

春雨「時雨ちゃんとか白露ちゃんとかも。……あと浜風ちゃん」

扶桑「……」

春雨「……」

扶桑「……赤城が来たわ」

春雨「来ましたね」



< 続々と >







鈴谷「あれ、すっごい珍しいメンツじゃない? 」

赤城「そうですか? 」

鈴谷「や、まぁ赤城さんなら誰といても分かるけどさ」

扶桑「足柄が猛威を振るっていったのよ」

鈴谷「あぁ……どこ行ったの? 」

扶桑「よく分からないけれど勝利に呼ばれてどこかへ行ったわ」

鈴谷「はぁ……いいや、鈴谷ももーらお」

赤城「麦茶がよく合いますねぇ」






春雨「浜風ちゃん連れてきました」

浜風「もうお昼は済ませ……いただきますけど」


< 誰に、何の、どんな? >







高雄「七月九日の誕生色はパールホワイト。色言葉は“ 秘密 ”、“ 孤独 ”、そして“ 正義感 ”」

提督「俺には無いものだな」

高雄「正義感? それとも孤独? 」

提督「秘密」

高雄「…………本当に? 」

提督「本当に。誓って高雄に秘密は無いよ」

高雄「……」

提督「高雄との時間全てに賭けて」

高雄「…………」



< 良いか悪いか極端な存在 >







明石「今日は鷗外の亡くなった日だとか」

漣「あぁ、脚気おじさん」

明石「実際そんなに悪いこともないんですけどね」

漣「イメージってそういうものですし」

提督「いや、悪くていいよあれ。海軍カレーおじさん批難してんだぞ」

明石「そっちはそっちで批判されてるじゃないですかー」

漣「イメージですねぇ」

提督「いやいやいや……いや」







愛宕「あなたがイメージなんて語れるの? 」

高雄「ある意味イメージの被害者であり加害者ですものね」

提督「……敵しかいねぇな」


< “ たとえ ” >







提督「今日のカクテルはブラッシング・ウルフ、だ」

Littorio「狼」

提督「狼だな」

Littorio「……愛宕? 」

提督「何で? 」

Littorio「餓狼のようなときが……雲龍は大きな兎みたいなものですし、欲望的に」

提督「ふーん? ……お前は? 」

Littorio「人間ですね」

提督「いや、お前そもそも人げ……ん、だろう」

Littorio「…………ふふ」

提督「…………そうか」

Littorio「ええ」



ありがとうございました


< えんじんおん >







愛宕「ん……うるさいわね」

高雄「二人で出掛けたようで」

愛宕「……誰? 」

高雄「天城さん」

愛宕「…………雲龍の機嫌悪いんじゃないの? 」

高雄「さぁ? ただ加賀さんが早速朝酒を勧めていたわね」

愛宕「ふーん」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……………………あなたじゃないの? 不機嫌なのは」


< なんて楽しい >






加賀「茄子の揚げ浸しよ」

雲龍「あ、どうも」

明石「これ完璧に泥酔コースじゃないですかー」

加賀「駄目なの? 」

明石「や、別に悪くはないですけど」

瑞穂「悪いと思いますけど」

Littorio「まだ朝食後……おも」

加賀「それなら食べたり飲んだりしなければいいじゃない」

瑞穂「いや、それとこれとは」

Littorio「どちらにせよ後悔するのなら、ね」

雲龍「……ん、美味しいです」


< どちらを選んでもどちらとも損をしない >







天城「……どちらが? 」

提督「どっちでも。天城のセンス、好きだよ」

天城「…………む」

提督「お前は? 」

天城「こちらが。色が淡い方が好きなので」

提督「そ……じゃあ俺がそっち買うから天城は違う方な」

天城「それは」

提督「お前が着たいものを俺が買う、俺が見たいものをお前が買う。問題でも? 」

天城「…………」


< なんかそういうエア >







加賀「そもそも」

明石「はい? 」

加賀「余り者同士傷を舐め合う会なのこれは」

Littorio「はぁ」

瑞穂「いや、瑞穂は別に提督のことを」

加賀「想い人がいさえしないのね」

雲龍「元気出して」

Littorio「ご愁傷? 」

瑞穂「だからですね……」



< キャラ被り、とは違うが >






雲龍「去年の天城見てるみたいですね」

加賀「あぁ……そうね」

瑞穂「…………」


< また、ライバルが増える >






瑞穂「……ま、独り身プラス余り者だと言うなら」

雲龍「頑なね」

瑞穂「うるさい。……提督のコレクションでも開けますか? 」

加賀「……ほう」

雲龍「……いいわよあなた」

Littorio「……なるほど、それは素晴らしい」







高雄「……瑞穂さんを焚きつけるのはやめていただけませんか」

加賀「? 」

雲龍「だって」

Littorio「ねぇ? 」

高雄「コレクションが減ってて当たられるのは私なんですよ……」

明石「……というかあれでオシオキとかなんとか言って紆余曲折あって抱くのがあの人ですけどいいんですかねそれは」




< それだけは言いたい >






雲龍「んあぁ……ぁ? 」

加賀「そもそもあなた」

雲龍「ふぁ」

加賀「酔った? 」

雲龍「ほー……」

明石「そりゃあ朝から飲み続けていれば」

加賀「……たまにNOを出せば襲ってくれるのじゃなくて? 」

雲龍「それなら苦労しませんよ」

明石「即答」

加賀「……酔ってないの? 」

雲龍「ほあーん? 」


< ラインってやつ >






瑞穂「散々惚れさせて依存させてから振るのを楽しみそうなのが嫌です」

漣「や、さすがにそこまで」

瑞穂「そうでしょうか」

叢雲「そうかもしれないわね」

漣「え? 」

叢雲「ん? 」

漣「……ちょーっとそれは許せないかもだよ叢雲ちゃん? 」

叢雲「ふーん? 」

漣「叢雲だからこそ提督に言っちゃいけないことってあるでしょう? 」

叢雲「口調口調。……勘違いしないで、ノっちゃっただけよ」

漣「へぇ? 本当? 」

叢雲「そんなことあいつでもしないと思うわよ、ええ。……そんな男ならそもそも、ね」


< 今までで何故か楽しかったちょっとしたこと >







雲龍「足首掴まれてベッドの端から奥まで引き摺られたこと」

愛宕「……」

高雄「……」

雲龍「……悪代官ごっこ、みたいな? 」

愛宕「……うわぁ」

高雄「……はぁ」

雲龍「…………なに? 」


< 細めた目と、笑む唇と >






提督「こんなもんだけど」

天城「はい? 」

提督「俺と遊びに行くってことが」

天城「あぁ……また連れてきてくださいね」

提督「もちろん。天城が楽しいなら」

天城「……キープボトルまで開けていただいて」

提督「もっと大切なもの貰ってるから」

天城「へぇ? 」

提督「その顔やめ……なくていいや。意地悪い女の子の顔好きだし」



< 時々真面目いつも不真面目 >






あきつ丸「反乱を起こそうとした彼らは許されたのだろうか」

龍田「そうじゃない? 一応死者を貶さないのがこの国の建前でしょう」

あきつ丸「……本当に? 」

龍田「もちろん人間のことを本質的には知らないけど」

あきつ丸「……許される、ということはイコール元に戻る、ということではないように思う」

龍田「そうね。……許してあげたいの? 」

あきつ丸「分からない、分からないであります。今の自分には、まだ」

龍田「そ。…………まぁ、どんな気持ちでも忘れない存在が一人はいるんだし。十分弔いになってるはずよ、きっと」




ありがとうございました


< なんというか一番無防備ではあると思う >






高雄「ん……」

提督「お、起きたか」

高雄「…………はい」

提督「おはよう」

高雄「おはようございます……あの」

提督「ん? 」

高雄「大体私より先に起きてますよね。その後また寝たりしますけど」

提督「うん」

高雄「どこでもそうなんですか? 」

提督「まぁ、眠り浅いタイプではあるかな。……水でも飲む? 酒もあるけど」

高雄「お水で。……ふぅ」

提督「やっぱ寝起きの瞬間の顔って見たいものだし……さーて、今日も頑張りますかーっと」


< 無防備返し >






高雄「あ、でも」

提督「ん? 」

高雄「目が覚めてすぐあなたの優しい顔を見るの、好きですよ」

提督「……そ」


< 大きなクシャミでもしているかな >







明石「あれ、提督は? 」

高雄「あぁ……寝室で手紙を。急用ですか? 」

明石「いえ、ちょっと工廠の改築許可を貰おうかなーと」

高雄「またですか」

明石「時代とニーズは進むんですよ。あ、この書類渡しておいていただけます? 」

高雄「いいですよ」

明石「どうも、……手紙? 」

高雄「Bismarckさんへの返信ですね」

明石「はえー……ドイツ語? 」

高雄「おそらく」

明石「あの人一応語学は得意ですもんね」

高雄「一応は、ええ」

明石「はぁ……さぞ役に立ったでしょうね、こますときとか」


< ノリツッコミツッコミ >






江風「よっ」

提督「ん? おう」

江風「十五連勝じゃン? 凄くね? 」

提督「え、勝ったの? 」

江風「は? なンで知らねぇンだよ」

提督「いや、お前女の子と遊びに行ってスポーツニュース見る馬鹿がどこにいるんだよ」

江風「ここにいろよテートクさーン。……つーかもう何日か前じゃねーか! 」

提督「つまりそれ話に出したお前がおかしいんだろ……なんなのこれ」


< まぁ、つまりこれが女の子ってやつかもしれない >





江風「いや、でもテートクくらいは江風と話すためにスポーツ観ててほしいね」

提督「それは女の子より大事なものなのか? 」

江風「江風も女だけど」

提督「おう。……あぁ、お前と行けばそれでもいいのか、観戦したりニュース観たり」

江風「あ? 」

提督「うん? 」

江風「江風だけそれはやめろよ全力で楽しませろって」

提督「え……」

江風「あぁン? 」

提督「……いや、それが普通なんだろうけどこの状況の江風に言われるとは思わなかったなって」


< あなたとこんな時間を >






提督「俺チェスより将棋の方が得意なんだよなぁ」

高雄「それはまた次回に。……どちらを? 」

提督「トス、はしないのか。まぁ、レディファーストで黒」

高雄「そんなものいりませんが。……はい」

提督「なんで? 」

高雄「レディファーストというのは女性が男性を立てなければいけない時代のものでしょう? 」

提督「騎士道とかもそうだな」

高雄「無理矢理立てる気はありませんから、施しだけ受けるのは嫌です」

提督「施しって程考えてもいねぇけど」

高雄「だから好きなんですよ。……マッカランでも? 」

提督「最高。……ん」


< 長考 >






提督「今日のカクテルはロブ・ロイ。シングルモルトでやるのは贅沢な気もする」

高雄「……」

提督「贅沢じゃない? 」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……」

提督「……ちなみにベルモットとウイスキー変えるとマンハッタンになるぞ」

高雄「はぁ」

提督「……」

高雄「……」

提督「……俺に負けるのそんなに嫌? 」


< 好きなカクテルの作り方 >






提督「ステア」

高雄「…………」

愛宕「……シェイク? 」

高雄「…………」

提督「…………もうお前代わりにやれよ」

愛宕「嫌よ私チェスとか弱いし」

提督「高雄が長考するレベルまで追い詰めてるんだからなんとかなるだろ」

愛宕「それでも負けるの。Littorioでも呼んでくれば? 」

提督「あいつ自分が勝たないと嫌とか言うし」

愛宕「私もそれ嫌だけど」

高雄「……あの」

提督「ん? やっと俺のこと思い出してくれーー」

高雄「うるさいです」

提督「」



< フェチ >






提督「……ロングとうなじとおっぱい? 」

雲龍「まともね」

明石「まとも? 」

愛宕「自分が少なくとも二つ以上入るからでしょう」

加賀「愛宕もそうだけれど」

愛宕「そんなこと言ったら明石もじゃないですかぁ」

天城「むしろ高雄さんと加賀さんが凄いのでは」

加賀「そんなこと言われても……それが重要なら私は少なくとも愛宕の位置にいてもいいじゃない」






海風「…………むぅ」

江風「……ほら、江風よりはあるし、うン」


< まぁ、割と稀によくあったりなかったり >






海風「江風と比べてもね」

江風「あぁン? 」

海風「なに? 」

江風「さすがに悲しいンだけど? 」

海風「あっそ」

江風「」







漣「なんでこんな全体的に荒れてるの? 」

叢雲「……被ってんじゃないの、アレの日」

漣「最低過ぎる……全体的に荒れてるんじゃなくて皆おかしいだけかなこれ」



< 負けず嫌い極まれり >






高雄「何故…………………………………………リザイン」

提督「……ほら、ビギナーズラックとか」

高雄「あなたビギナーじゃないでしょう、Bismarckさんとかいますし」

提督「でも俺あいつに勝ったことないぞ」

高雄「それは彼女が強いだけです」

提督「いや」

高雄「は? 」

提督「…………寝よう」

高雄「は? …………チッ」

提督「怖ぇよ高雄ぉん」



< 試合にも勝負にも >






高雄「……ごめんなさい」

提督「うん? 」

高雄「見苦しいところを」

提督「ま、そうかもな」

高雄「……」

提督「……高雄さ、俺がお前に負けてキレたら嫌いになるか? 」

高雄「…………そんな慰め」

提督「…………レモンとグレープ、どっちにする? 」

高雄「…………」

提督「…………ん? 」

高雄「レモンを。……………………今夜は完敗ですよ、あなた」


ありがとうございました


< 黙っていれば、のなんと多いことか >







加賀「蝸牛」

雲龍「はい? 」

加賀「美味しいのかしら」

雲龍「さすがにエスカルゴは食べたことありません」

加賀「でしょうね。……あそこ、紫陽花の下にいるわ」

雲龍「大きいですね」

加賀「そうね」

雲龍「…………取ってきますか? 」







瑞穂「…………窓辺のあの二人なんてとても絵になるのに」

Littorio「それは言わない約束、というやつです。Littorioは最近とてもそれを感じますよ」


< ものは言いよう >







高雄「七月十五日の誕生色はペールモーベット。色言葉は“ 繊細 ”、“ 暗示 ”、そして“ 慎み深さ ”」

漣「豆腐メンタルと刷り込みと内気ですよね」

叢雲「内気が一番マシ」

高雄「逆に言うとそれらも綺麗に言えるということですね」

漣「世の中オセロですから」

叢雲「オセロって結構真ん中に磁石入ったりしてるのあるわよね」

漣「それがグレー? 」

叢雲「逃避じゃない? 」

高雄「信念かと。……これも言い換えでしょうか」




< 皆特殊なら逆に普通なような >







提督「今日のカクテルはマイタイ。ま、そこそこ甘いかな」

愛宕「そうねぇ。……花火は? 」

提督「んー、八月末か九月かな」

愛宕「そ」

提督「忘れてねぇよ? 」

愛宕「分かってるわよ」

提督「ふーん? ……陸奥って花火どうなんだろう」

愛宕「さすがに嫌いじゃないでしょう」

提督「や、でも火遊びだし」

愛宕「そんなみみっちいよく分からない拘り無いわよ普通。それが陸奥でもね」

提督「まぁな。…………普通? 」



ありがとうございました


< トルコといえば >






提督「そりゃお前アイスだろうよ、酒ならラク」

雲龍「トルコ風呂」

愛宕「チャイかデミタスじゃないの? 」

江風「イスタンブールの奇跡」

明石「トルコGPはどうなってんですかね」






天城「姉様……ま、皆さん相変わらずで安心できますか」

瑞穂「今日も一日普段通り、でしょうからね」


< そこで反論できない程度の不満 >






提督「お前は相変わらず」

雲龍「ハマム風呂のことかも」

提督「だとしても割とあれだろうが」

雲龍「そう? 」

提督「お前が存在すればその場所はどこだってそういう空間になるんだよ」

雲龍「…………」



< もうそんな季節に >







高雄「七月十六日の誕生色はファウンテンブルー。
色言葉は“ 自由 ”、“ 個性 ”、そして“ 踊りと音楽 ”」

江風「盆踊りでも練習しとけばいいのか? 」

海風「そんなに難しくないと思うけど」

江風「まぁね」

叢雲「やってみなさいよ、結構難しいわよ」

江風「ンー? 」

漣「はい! 大江戸助六音頭の音源持ってきましたー」

江風「ほーン? やってやろうじゃないの」

叢雲「早いわね……まぁ、いいわ」

海風「海風はドリンクでも用意してくるね」

高雄「個性は大事ですし、自由なのもいいことですね」







明石「なーんか違うと思うんですけどねぇ」


< 怖がって、傷付いて、また立ち上がって >







提督「今日のカクテルはアイスブレイカー。カクテルワードは“ 高ぶる心を静めて ”」

加賀「…………ねぇ」

提督「ん? 」

加賀「次の大規模作戦、どこだと思っているのかしら」

提督「さぁね、俺の与り知らぬところだし」

加賀「…………」

提督「……何? 」

加賀「……あなた、というか私も含めてあなたの周辺は」

提督「あぁ」

加賀「横須賀派、体制派だと思われているわけよね」

提督「そうだな、狗と言ってもいいだろうさ」

加賀「…………危ういわ」

提督「まぁな。…………怖いか? 」

加賀「まさか、と言いたいところだけど、そうね」

提督「それならよかった。…………怖がってくれないと、癒せないからな」


ありがとうございました


< 粘つく汗から逃げ出して >







加賀「……………………? 」

提督「あぁ、悪い。起こしたな」

加賀「…………何時かしら」

提督「マルサンマルマル少し過ぎ」

加賀「…………」

提督「…………寝直せよ、まだ早い」

加賀「…………何、していたの? 」

提督「ん、煙草」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………車、出せる? 」



< 歳かなこれは >







雲龍「…………」

海風「眠いんですか? 」

雲龍「眠いわね」

海風「天城さんもいませんし寝ては? 」

雲龍「別にあれは母親じゃあ……そこまで眠くないというか普段通りの眠さなのよ」

海風「はぁ」

雲龍「こう……ずっとシた後の怠さが続くというか」

海風「大丈夫ですか? それ」

雲龍「死なないわ。欲求不満で死ぬならとっくに死んでるもの」






天城「……もういっそ寝てくれた方がマシかもしれませんね」


< 汗でもかいたのかなぁ…… >






高雄「七月十七日の誕生色はサルビアブルー。色言葉は“ 洗練 ”、“ 機知 ”、そして“ 経営力 ”」

提督「よう、おはよう」

高雄「もう昼を過ぎてますが」

提督「昼はいらないって書き置きはしただろう? 」

高雄「そちらは何を? 」

提督「パスタとピザ。ま、適当に開いてる店にな」

高雄「はぁ。……加賀さんは? 」

提督「着替えでもしてるんじゃないかな」

高雄「着替え」

提督「着替え」

高雄「……なるほど? 」


< 昨日の友はきっと明日も >






漣「別に悪い意味じゃないけどさ」

叢雲「ええ」

漣「加賀さん乙女にさせるって相当凄いと思うんだよね」

叢雲「まぁ……そうね」

漣「ついでに叢雲ちゃんも」

叢雲「あ? 」

漣「こっわーい。……否定できるの? 心の一番柔らかいところまで許した存在って意味で」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………あなたと同じくらいよ? 」

漣「それは漣がご主人様に許したかどうか? それとも叢雲ちゃんが漣に許したかどうか? 」

叢雲「さぁ? 少なくともそれくらいなんとなく分かる関係ではあるんじゃない? 」



< 本当に機嫌が悪い時に酒を飲ませて迫れば >







雲龍「多少酷いことしてくれるかしら」

愛宕「たぶんノってこないわね」

高雄「寝ますね。精々抱き枕程度で」

雲龍「……駄目か」

愛宕「あなたも諦めないわねぇ」

雲龍「最近はどう誘い受けするか考えるのも楽しくなってきたわ」

愛宕「楽しい? それ」

雲龍「割と」

高雄「…………遊びに行く前の日にあれこれ考えるのが一番楽しい、なんてことになりそうですけどね」


< 化け物と天使ではきっと釣り合わないから >







提督「今日のカクテルはエンジェルフェイス。カクテルワードは“ 移り気な心”」

Littorio「faccia d'angelo? 」

提督「Engels Gesicht」

Littorio「堕天使みたいな男のくせに」

提督「それでも元は天使だから」

Littorio「ふっ……」

提督「あん? 」

Littorio「いえ、あなたにもそんな頃があったと思うと」

提督「おかしいか? 」

Littorio「ええ、それはもう」

提督「……悪魔みたいな男で悪かったな」

Littorio「悪魔ではなく堕天使ですよ。……神学論争を始めたいわけではありませんけれど、ね」



< 色取り取り選り取り見取り >






提督「金、銀、黒、茶……明石は何色だあれ」

雲龍「? 」

提督「なんだと思う? 」

雲龍「髪色でしょう? 」

提督「あぁ」

雲龍「……髪でシてほしいの? 」

提督「いや、俺あれはちょっといいや。……そうじゃなくてなんていうかさ」

雲龍「ええ」

提督「騎乗位でキスしたりしてると簾みたいになるじゃん、あれってそういや髪色で雰囲気変わるなぁって」

雲龍「へぇ…………染めたりしないの? 」

提督「一応俺高級軍人だしなぁ……違ってもしないけどさ」


ありがとうございました


< 昨日の出来事 >






江風「結局これどういうことなンだろう……」

明石「さぁ? しっかし私なんて連れてきても面白くないと思いますけどねー」

江風「明石さンなんでも真面目に話してくれるじゃン? それだけで嬉しいし」

明石「……まぁ、愛宕さんとか雲龍さんなんて、興味無いと目に入れもしませんからね」







提督『江風ー』

江風『ン? 』

提督『都市対抗でも観てこない? 』

江風『は? なンで? 』

提督『何故かチケットあるからさ、今から行ってあっち泊まってこい』

江風『無料で観れるじゃん……っていうかはぁ? 』

提督『明石あたり引っ張ってけよ』

江風『なンでプロじゃなくてノンプロ? 』

提督『暫くあっちいてもいいぞ、誤魔化してやる』

江風『えぇ……』

提督『じゃ、そういうことで』

江風『はぁ』



< 今回は、違う >







江風『いや、でも割となンで? 意味分かンねぇンだけど』

提督『ほら……俺って色んなところから色々貰えるから』

江風『えっ』

提督『はっはっは』

江風『……え? 』

提督『……信じるなよ? 賄賂ならもっと高価で見つかりにくいものだっての、安心しろ』

江風『全く安心できないンだけど……』


< 他に望むことなんて >






明石「……気になります? 」

江風「そりゃまぁ。ふっつーにここより近いところでプロの試合なンてやってるし」

明石「…………江風さんはバーターというか理由付けみたいなものですよ、おそらく」

江風「ン? 」

明石「工廠に誰か入れるんじゃないかな。昨日の朝加賀さんと提督どっか行ってたでしょう? 」

江風「でもあれただ遊びに行ってたンじゃ」

明石「そりゃそうでしょうけど……仮にコソコソしたい用事があってターゲットが外出したらそっちで会いません? 」

江風「……」

明石「まぁ、これはただの推測で本当にただの気まぐれかもしれませんけどね」

江風「……………………なンで平然としてンの? 自分だけの城だろ? 」

明石「信頼してますから」

江風「……」

明石「それにもう魂も身も尊厳も預けてますしね、今更それより大切なものなんてありません」



< 神秘というか不思議的な >






高雄「七月十八日の誕生色はロイヤルパープル。色言葉は“ 知性 ”、“ 香り ”、そして“ 神秘性 ”」

Littorio「神秘的? 瑞穂? 」

瑞穂「瑞穂からすればLittorioさんの方が」

Littorio「そう? 提督に靡くか嫌うかせずに友好的なのはとても神秘的ですが」

瑞穂「……和だとかそういうのではないんですね」

Littorio「まぁ、一応天城もいますし」

瑞穂「はぁ」

高雄「…………単に瑞穂さんにまともな知性があるだけだと思うわ」


< ここでダイレクト札幌市マーケティング >







江風「なンか知らないけど勝ったし」

明石「勝ちましたねぇ、次は二十三日ですか」

江風「……どうする? 」

明石「私は別に……おまけですし」

江風「おまけ二人ね。……酒? 」

明石「プロは? 」

江風「別に今日はいいや、どうせまた今度来れそうだし純粋に楽しみたいから、さ」




< パーソナル >






提督「まったく……海の日になんねぇぞお前の所為で」

あきつ丸「そんなことを言われても困るであります」

提督「本来なら今頃砂浜でキャッキャウフフだったのに」

加賀「そんなわけないでしょう、夢を見過ぎです」

あきつ丸「その通りですな、親王殿下第一の走狗殿」

提督「ハンッ…………明石がデータをイタリアに流してるって? 」

あきつ丸「と、帝都では考えられているのでありますよ、帝都では」

提督「…………俺に喧嘩売るってのがどういうことか分かってるんだろうな」

あきつ丸「さぁて、自分はあくまで殿下の駒でありますからなぁ、とんと」




< フロッピーとかどこに廃棄されたんだろう >







提督「……それの複製だけでいいのか」

あきつ丸「ええ、どうせ海軍の無能共に彼女のウォールは崩せますまい」

加賀「というか見つけられないでしょうね、当たり障りの無い、そこそこに有益な情報を得て終わり」

あきつ丸「それで彼らも満足でしょう……自分には当たらないでほしいであります」

提督「あ? 」

あきつ丸「…………」

加賀「…………」

提督「…………明石悲しませるのは俺なんだぞ馬鹿」

あきつ丸「…………それくらい彼女も察してくれ」

提督「だから? それで? 頭沸いてるんじゃないのか? お前も帝都も」

あきつ丸「…………」

提督「俺の心と明石の信頼が傷付くんだぜ? この場合」



< 釘は刺して打って捩込むもの >






あきつ丸「……」

提督「……」

加賀「…………有りがちな三文芝居なんてやめたら? 」

あきつ丸「は? 」

提督「割と上手くない? 」

あきつ丸「……は? 」

加賀「あなたまさか信じてたの? 」

提督「馬っ鹿だなぁ、俺と結構付き合いあるのに」

あきつ丸「まったく……」

加賀「……撤収しましょうか、さすがに本人が察していても他人の棲家に長居は気分が悪いわ」

提督「おう。…………………………言ってることは本気だからな」

あきつ丸「……無論」


< なんとなくダラダラしたい夜には >






提督「今日のカクテルはイェーガー・シューター」

加賀「狩人? 意味深ね」

提督「……」

加賀「……今頃明石たちの監視も解けたかしらね」

提督「さぁな、明日帰ってくるまでは続きそうだが」

加賀「…………明石がLittorioと通じているという噂を流したのってあなたと横須賀の君でしょう」

提督「俺は察しがいいだけさ。……次、何飲む? 」


ありがとうございました


< 訊いてもいないし興味も無い >







愛宕「私たちって怪我だとか病気は異常として治せるじゃない? 」

明石「ええ」

愛宕「それに異様に代謝もいいわよね」

明石「励起できますからね」

愛宕「じゃあ、短期間で異様に肥満体になってもそれは異常として治せるの? 」

明石「えーっと……たぶん、きっとおそらく」

愛宕「ふーん? …………なるほど」







愛宕「らしいわよ? 」

提督「…………俺デブ専じゃないし、なんなんだ? 」


< 仮定の話ですよ? >






提督「いや、でもちょっと待てよ? 」

愛宕「うん? 」

提督「染めたり整形したりしても元に戻るのか? 」

愛宕「……どうなの? 」

明石「もうそれ怪我とかじゃないじゃないですか」

提督「でも結局は精神的にっていうか修復しないと、っていう意識が判断基準なわけだろう? 」

明石「まぁ」

提督「実際はどうでもいいんだけどさ、それなら」

明石「はい」

提督「滅茶苦茶短期間で潜入任務とかできそうだよな」

明石「あぁ、確かに結構便利かもですね、整形したり太った後にすぐ治せるわけですから」

提督「な? 」

愛宕「…………私ならそんな風に女も自分もなけなしの人間性も捨てたくないんだけど」



< 今この瞬間も躍動するメイク術 >







高雄「七月二十日の誕生色はハバナローズ。
色言葉は“ 躍動 ”、“ 母性 ”、そして“ 奥ゆかしさ ”」

提督「や、別にやれなんて絶対言わないけど」

愛宕「当たり前じゃないそんなの」

提督「ん。……その辺にいるかもなって話」

高雄「その場合愛宕は違うでしょうね」

提督「なんで? 」

高雄「あなたの眼の前で派手に腕が吹き飛んでなりふり構わず自己再生励起したのは愛宕だけですし」

愛宕「戦場での負傷なら軍が主導している内偵の場合誤魔化すのなんて楽だものね」

提督「なるほどなぁ」

高雄「ええ」

愛宕「……あれ、でも私がその後殺されて私の顔に整形してる場合は? 」

提督「さすがにそこまで整形技術は進歩してないだろ……してないよな? 」

高雄「さぁ? ……メイクもありますからね、女には」


< つまり割と嫌いではない >







提督「今日のカクテルはセプテンバー・モーン。
カクテルワードは“ あなたの心はどこに ”」

愛宕「九月でも朝でもないけど? 」

提督「俺の心が分からないだろう? 」

愛宕「確かに。……そういう意味? 」

提督「でいいんじゃない? バーとかでキメ顔の男に頼まれるよりマシだろ」

愛宕「…………」

提督「……ん? 」

愛宕「…………いや、もう物凄くブーメランよね、って」


ありがとうございました


< まだ暗い海辺にて >






海風「お散歩ですか? 」

加賀「……ええ」

海風「……涼しいですね」

加賀「そうね」

海風「……」

加賀「……」

海風「……」

加賀「……」

海風「……誰かを好きになるのって、怖いことなんですね」

加賀「……それができなければもっと恐ろしい何かに苛まれるのよ。しかもそれと気付かずに」


< 苦虫さんもたまには噛み潰される前に逃げてほしい >






提督「よう、二人で逢い引きかなんかか? 」

加賀「…………」

海風「…………」

加賀「…………あなた」

提督「うん? 」

加賀「……普段は空気読めるんだから今も読みなさいよ、馬鹿」

提督「……は? 」



< ダラダラとニュースでも観つつ >






明石「就活生は本当凄いですねぇ」

愛宕「この時期にスーツ完全装備なんておかしいものね」

明石「まったくです。こんな日はクーラーつけつつアイスに限りますよ」

提督「……俺は仕事中なんだが」

愛宕「だって私にサインする裁量無いし? 」

明石「提督の許可待ってるだけですし」

提督「…………」

愛宕「いっそ近場のコンビニでバイトでもする? 」

明石「接客はちょっと……カー用品とか板金塗装ならいいですけど」

愛宕「んー……駄目? 」

提督「当たり前だろ一応国家公務……員かお前ら? なんにせよバイトなんてさせられねぇけど」


< さり気無く自分も含む >






提督「まぁ、いいや……お前らの中で一番就活楽そうなのって明石だよな」

明石「あぁ……正直私もそう思いますね」

愛宕「私も人並以上の能力はあると思うけど? 」

提督「理系の推薦とか舐めない方がいいぞ、友達からの又聞きだけど」

愛宕「ふーん? 」

明石「…………どうせここの人たちは最悪顔採用されそうですけどね」


< 事故とかには気を付けて >






叢雲「あれ? ここにもいないの? 」

提督「漣か? 」

叢雲「ええ、部屋が異様に汚いから掃除させたいんだけど」

提督「俺のスマホ持って江風とGOしてるぞ」

明石「えぇ……自分で買えばいいのに」

愛宕「まぁ、契約とか軍機とかで上が面倒なのよ」

提督「いや、普通に誤魔化せるから面倒だし買いたいのに何故かそれは拒否しやがるんだけどな」

叢雲「そ。……私もここで涼んでいくわ」

提督「おう。……俺と叢雲の麦茶」

愛宕「はーい」


< 闇の中から見れば外は明るいし >







漣「いやー、さらっと誤魔化せるとか言っちゃうご主人様のスマホは定期的に検閲しないとなーって」

提督「スマホに軍機なんて入れないが」

漣「とかなんとか言ってメールしちゃうんでしょう? 機密情報」

叢雲「どっかにいたわね、そんなの」

提督「だとしても検閲後に分かっても遅いだろうさ」






明石「……誰一人誤魔化すとかそういう職権の濫用には突っ込まないんですね」

愛宕「今更でしょう? はい、お菓子先に運んじゃって」


< 向上心の無い者はばかだ>






高雄「七月二十二日の誕生色は臙脂色。色言葉は“ 支持 ”、“ 向上心 ”、そして“ 弾力的 ”」

雲龍「……おはよう」

高雄「おはようございます。朝食ぶりですね」

雲龍「ええ。…………ふぁ」

高雄「……ストレートでも? 」

雲龍「お願い」

高雄「……」

雲龍「……」

高雄「……」

雲龍「……紅茶の淹れ方でも覚えようかしら」



< 軍人でなければの話 >







提督「今日のカクテルはジン・リッキー。暑いと思い付きやすいのばっかになるな」

Littorio「フィッツジェラルドも好んだくらいですし。支持されるだけおいしいですから」

提督「俺グレート・ギャツビーあんまり好きじゃないんだよね」

Littorio「そう? ……ギャツビーは確かドイツ系でしたね」

提督「そうだっけ? 」

Littorio「ええ」

提督「……そういや俺文豪なら太宰とか言われたことあるぞ」

Littorio「何故? 」

提督「女こまして自殺して自分だけ生き残って酒飲んでまた自殺しそうだから」

Littorio「」


ありがとうございました


< 何の為の常識 >







天城「姉様ってあらゆる意味でやる気が偏っているのに」

雲龍「酷いわね」

天城「身嗜みはしっかりしてますよね、歯磨きから爪切りまで」

雲龍「常識的な範囲でそれくらいは当然のことだと思うけれど」

天城「姉様がそれを言うからおかしく思えるんですよ」

雲龍「あのね……というか」

天城「はい」

雲龍「男の為にしか美しくなれないような女、あの人が好きになってくれると思うの? 」



< モンスターを集めるって割と怖い >






提督「そういや」

漣「はい? 」

提督「我が要港部にはどんなモンスターが棲息してたんだ? 」

漣「あぁ、女の子こます言語オタクとか性獣ですね」

提督「いや、それはまだ三次元世界だろうが」

海風「……そもそも否定しましょうよ」


< あればある程にも限度が >






提督「あ、そうだ俺はもうスマホ貸さないぞ」

漣「えっ」

提督「その代わりスマホ人数分都合するから」

漣「は? 」

提督「貸してるときに母親から電話とか洒落にならないし」

漣「機種とかは? 」

提督「あとでアンケ出す」

漣「お金は? 」

提督「そりゃまぁ軍がね」

漣「許可は? 」

提督「他の軍関係者に持たせる体で、な」

漣「万全っすねー…………別にそこまで欲しくもないんですけど」


< アルコールで勃たなくなるとか嘘だと思う >






高雄「七月二十三日の誕生色は茜色。色言葉は“ 厳格 ”、“ 可能性 ”、そして“ 積極性 ”」

雲龍「つまりこれからは自撮り後唐突に送りつけてもいいのね」

江風「発想が酷過ぎる……」

雲龍「別にSNSにあげるわけでもないしいいでしょう」

江風「いやいやいや」

高雄「厳格にはしないようですけどくれぐれもあの人に迷惑がかからないようにお願いしますね」

雲龍「ええ」

高雄「私たちの存在そのものが秘匿事項なんですから」

雲龍「分かってるわよ」

江風「でもテートクもすげぇよな、あれだけ酒飲んでて変なことしないとか、SNSに限らずさ」

高雄「…………」

雲龍「…………」

江風「…………え? 」


< 掌で包み込んだグラスの冷たさすら覚えている、あの夜 >






高雄「今日はカシスの日らしいですよ」

提督「んー、カシス系のでも飲む? 」

高雄「ではエル・ディアブロを」

提督「ん」

高雄「……覚えてますか? あなたが最初にバーで頼んでくれたカクテル」

提督「もちろん。ウイスキー・サイドカーだろ? 」

高雄「ええ、あれってどうして? 」

提督「俺の好みと高雄が好きそうなのの妥協点。
好みが似てないと先に進めなさそうだし、でもそれで離れられるのも嫌だったし」

高雄「……なるほど」

提督「あぁ」

高雄「……あなたでもあるんですね、女の顔色伺ってお酒考えるなんて」

提督「むしろ怖がりだよ、俺は。……女の子って特に怖いものだし」


< 世界の中心 >







叢雲「正直」

愛宕「ん? 」

叢雲「意外だったわ、あいつが一人の女に絞れないなんて」

愛宕「そう? 今から考えるとそうでもないと思うけど」

叢雲「それは箍が外れたからでしょう? そうじゃなくて」

愛宕「んー……」

叢雲「あいつってあれで冷たいやつだから二人目の女なんて抱いたとしても綺麗に切り捨てるものだと思ってた」

愛宕「抱いてみたら情が湧いたとか」

叢雲「そんな男でいいの? 」

愛宕「クズだからクズを好きになったのよ、というか」

叢雲「? 」

愛宕「私が二人目なわけないじゃない? だからいいの」

叢雲「そ…………本ッ当いい性格してるわね、あいつの女なだけあるわ」


< こーいーしちゃったんだー >







提督「今日のカクテルはメリー・ウィドウ。カクテルワードは“ もう一度素敵な恋を ”」

高雄「そもそも恋と言えるのでしょうか」

提督「ん? 」

高雄「いつの間にか好きになって、いつの間にか落ち着いてしまって」

提督「そりゃあ、恋だろうさ」

高雄「はぁ」

提督「今までのこと、忘れたいか? 」

高雄「いいえ。それは死ぬのと同じですから」

提督「なら恋だろう。……忘れたくない日々くらいの価値があるなら、きっとね」


ありがとうございました


< 文句無しに美味い >







叢雲「それ何本目? 」

提督「ん? 五本目」

叢雲「あんた大丈夫なのそれ」

提督「これで死ぬならもう遅い」

叢雲「……さぞ気分がいいんでしょうね」

提督「あぁ。始まりから盛り上がり、そのままヒートアップから緩やかな下りまで最高に」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「……セクハラよね」

提督「今ならどっちかっていうとスモハラじゃねぇの? 」


< それさえあるのならば >







高雄「七月二十四日の誕生色はキューピッドピンク。
色言葉は“ 良識 ”、“ 質素 ”、そして“ 微笑み ”」

愛宕「良識って何? 」

高雄「ここの常識の反対 」

愛宕「質素は? 」

高雄「ここの生活の反対」

愛宕「微笑みは? 」

高雄「一番幸せなときにする笑み」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……良識も質素も要らないわね」

高雄「そうね」


< それでいいのか >







提督「今日のカクテルは」

雲龍「ブラッディ&サンドで」

提督「あぁん? 」

雲龍「スコッチ、スイートベルモット、チェリーブランデー、オレンジジュースを20ずつ」

提督「ショート? 」

雲龍「そう」

提督「承りました」

雲龍「ええ」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………なんで? 」

雲龍「“ 切なさが止まらない ”から」

提督「…………」


< 一万年と二千年前から~ ♪ >







漣「一万二千年前って地球では織姫あたりの星が北極星だった時代よね」

瑞穂「はい? 」

漣「ってこの前カラオケ中に叢雲ちゃんが」

瑞穂「……相変らず彼女もよく分かりませんね」

漣「ご主人様と仲良いくらいですから」

瑞穂「では漣さんは」

漣「ご主人様と仲良いと思いますよ。……瑞穂さんも大概ですけどね、マイク離さないタイプですし」

瑞穂「提督との仲も悪くはありませんし」

漣「ですか」





Littorio「……さすがにこれは彼が可哀想では」

高雄「……割と納得できるような」


ありがとうございました


< スマホアンケの件につきまして >







提督「全員何でもいいってなんだよこれ」

高雄「そもそも特に欲しいわけではありませんからね」

提督「それにしてもさ」

高雄「もちろんあれば便利でしょうけど。というかあなたも別にそこまでいらないでしょう」

提督「えー、ほら、エロ画像とか」

高雄「探しているところなんて見たことありませんね……それとも撮りますか? 」

提督「うーん……」


< 童心と言えないこともない >







愛宕「はい、誰かのツイートきたわよ」

漣「漣には貸してくれないのに愛宕さんには貸してるじゃないですかー。差別よくなーい」

提督「お前馬鹿? 自分の女と同僚同じ扱いするわけねぇだろ」

漣「むぅ……」

提督「つーか自分のスマホ持てるんだから……えぇ」

愛宕「ん? 」

提督「……友達が息子と利根川にGOしててさ」

愛宕「うん」

提督「コイキングしかいねぇ利根川無能とか言ってる」

愛宕「……」

漣「…………こ、この程度では吾輩は沈まん! 」


< 途端に歯切れが >







漣「利根川でも獲れるんですねー」

愛宕「獲る、ってあなたね」

漣「ってことは千葉なんだか東京なんだか分からないところにある夢の国にも棲息してるんでしょうか」

提督「……さぁな」

愛宕「……二番じゃ駄目なの? 世界で二番目の鼠でいいじゃない」




< 大体貰っている >







高雄「七月二十五日の誕生色はロータスピンク。色言葉は“ 永久不変 ”、“ 献身と抵抗 ”」

Littorio「献身と抵抗……? 」

高雄「自分の中のラインを理解しているのか、とか」

Littorio「はぁ。……時々貰ってもよく分からないのがありますよね、色でもお花でも」

加賀「そもそも贈られるような存在が少ないからいいのよ」

Littoro「なるほど……至言ですね」

高雄「…………」


< オープンかそうでないかの違い >







漣「上は痴女、下は痴女。これってだーれだ? 」

叢雲「本当誰よ」

明石「候補が多過ぎる……」

Littorio「提督が悪いんですよ、提督が」







江風「え、雲龍さンじゃないの? 」

提督「ベッドで女開けない男なんて無能なだけだぞ」

雲龍「そうね」


< “ そよ風に吹かれて ” >







提督「今日のカクテルはアビエイション。……いい風だ」

加賀「ええ」

提督「こんな夜には」

加賀「酷いことをしてみたい? 」

提督「は? お前の頭雲龍? 」

加賀「まさか。もっと酷いわ」

提督「…………してほしい? 」

加賀「別に。単にあなたが酷いことをすればする程私に深く刻み込まれてあなたを感じるだけ」

提督「……」

加賀「優しさよりも感じやすいから分かりやすいものを欲しがるのよ、彼女も、私も」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………そんなに優しい顔で言われても説得力ねぇよ」


運動して早朝にチェーンは自分にはちょっと……

ありがとうございました


< こーむいん >






高雄「七月二十六日の誕生色はローズマダー。色言葉は“ 愛嬌 ”、“ 優雅 ”、そして“ ユーモア ”」

明石「殺人? 」

高雄「それはmurderですね。これはmadder……茜です」

明石「はぁ」

高雄「ローズマダーといえばスティーヴン・キングの小説にありますね」

明石「あぁ……なんであちらの小説だと警官ってクズなんでしょうか」

高雄「むしろこちらの警官が優等生なのでは? 」

明石「その割に無能に描かれたりしますけど」

高雄「ですね」

明石「……」






叢雲「ま、どちらにしろ官憲なんて嫌われ者なの、私たちも含めて体制側なんてそんなものよ」

瑞穂「……穿ち過ぎと言えないところがなんとも」


< 私を酔わせて! >






提督「今日のカクテルは……まぁ、グレープサワーでいいだろ」

天城「カクテル……? 」

提督「とりあえずなんか混ぜとけばカクテルだろう」

天城「…………」

提督「…………獺祭でいい? 」

天城「…………イヤ」

提督「…………」

天城「…………__さんが、欲しい、かなって」


< ポン酒を舐めて、傷も舐めて >







雲龍「……蜘蛛の巣張りそう」

加賀「蜘蛛の方が逃げて行くわよ、淫水焼けして死にそうだし」

雲龍「……あれアルカリ? 酸? 」

加賀「さぁ……明石でも呼ぶ? 」

雲龍「いえ…………この際加賀さんでも」

加賀「いいの? 」

雲龍「どうせ今夜は駄目そうですし」

加賀「今夜は天城、ね…………黒龍でいい? 」

雲龍「私雲りゅ……いや、そんな目で見なくても」


< それは誰にも分からない >






加賀「ふぅ…………暇ね」

雲龍「カードが麻雀でもしますか? 」

加賀「二人だとつまらないわ。……スマホがきたらこの暇も無くなるのかしら」

雲龍「かもしれません。……でも加賀さんって機械苦手そう」

加賀「は? 」

雲龍「いや、完全なイメージですけど」

加賀「……タイピング程度ならまともにできるけれど」

雲龍「私と同じですね」

加賀「……」

雲龍「……」

加賀「……高雄と愛宕って凄いのね」

雲龍「……何を間違ったんでしょうか、本当」



ありがとうございました


< シーツに沈むくぐもった声を背に >







提督「背中、綺麗だよね」

天城「んっ……ありがとう、ございます? 」

提督「あぁ…………っと」

天城「? 」

提督「コーヒー。飲む? 」

天城「天城が淹れますよ」

提督「いいっていいって、寝ておきな」

天城「でも」

提督「俺が淹れたいんだ」

天城「……天城も淹れたいです」

提督「今度な……うん、今度」


< 普段と作戦時の差が >







漣「……あれ」

叢雲「? 」

漣「ほら、あの正門のところにいる集団」

叢雲「四人いるわね」

漣「あれ絶対GOしてるよ」

叢雲「モジュール? でも使ったの? 」

漣「いや、まだスマホきてないし漣はしてないよ……暇人だね」

叢雲「ええ。でも私たちがそれ言える? 」

漣「えーっと……」


< 何も言えない >






高雄「七月二十七日の誕生色はクリムソン。色言葉は“ 経験 ”、“ 才能 ”、そして“ 行動力 ”」

海風「提督って案外行動力ありませんよね。一人で外出とか殆どしないし」

加賀「え? 」

海風「え? 」

高雄「……」

加賀「…………ま、暗躍とかそういうのを行動力に含めるのは違うかもしれないわね」

海風「暗躍? 」

高雄「…………」



< グラサンとコートとポルシェ356Aは無いがね >






加賀「あなた彼と仮に寝たとして」

海風「はい」

加賀「雰囲気だけは読みなさいよ、嫌な雰囲気のときは絶対部屋から外について行かないこと」

海風「はぁ」

加賀「もし黒づくめの陸軍女の臭いを感じたら特に」

海風「臭い? 」

加賀「……」

高雄「……紅茶のおかわりでも? 」

加賀「貰うわ」

海風「……もうっ」


< それはそれこれはこれ >







提督「今日のカクテルはアンジェロ。カクテルワードは“ 好奇心 ”」

雲龍「ロングで巨乳で背が高い女。……つまらないわね」

提督「好みなんてぶっ飛んでない方がいいだろうが」

雲龍「そうだけど」

提督「大体さ、もし仮に低身長でロリっぽくてぺったんこでショートな子が好きだったらどうするんだよ」

雲龍「通報」

提督「えぇ……」


ありがとうございました


< 相手が悪い >







龍田「あの呉から来た少佐さん」

鈴谷「イケメンだったねー」

山城「ふん、どうせ理想論語る甘ちゃんか女と酒しか見えないメクラよ」

赤城「後者の方とは割と仲良くなれそうですね。おかわり」

山城「……」

鈴谷「はいはい、なーんで鈴谷が盛ってんのかなこれ」

龍田「あなたが言い返せない相手って赤城さんくらい? 」

山城「ね、姉様が」

龍田「それは言い返さないだけでしょ? ……ま、大体同じことかもしれないけど」




< 間 >







鹿島「えっと……でもカッコいい方は何か安心できないですよね」

鈴谷「イケメンは裏がありそうって? 」

鹿島「はい」

鈴谷「そ。……でもそうじゃない人は表が壊滅してたりするけどそれはいいのかな」

鹿島「……もちろんです」

鈴谷「……」

鹿島「……」

若葉「これが語るに落ちる、というやつか」



< 人間ってやつは >







高雄「七月二十八日の誕生色は黒柿色。色言葉は“ 繊細 ”、“ 英知 ”、そして“ ユーモア ”」

漣「繊細ってつまり豆腐メンタルですよね」

提督「悪かったな、豆腐野郎で」

雲龍「アソコは硬いわよ」

高雄「…………ユーモアとか英知とは程遠い面子ですね」


< 自他共に >







明石「かなり凄いですよね、筋肉」

提督「まぁ、一応軍人だし」

漣「ご主人様の身体でだらしないのは鼻の下と下半身だけ! 」

提督「あぁん? 鼻の下は兎も角下半身もちゃんと鍛えてるぞ」

明石「そういうことじゃ……いやそもそも鼻の下も否定しましょうよ」

提督「否定できると思ってんのかよ」

漣「そんなわけないでしょ」

明石「……」


< 嬲嫐嬲嫐嬲嫐…… >






雲龍「嬲るって二つあったのね、知らなかったわ」

天城「音読みは違いますけどね。……何故今更こんなこと知ったんです」

雲龍「作戦展開中以外はお酒飲んでるかヤってるかだし漢検でも受けようかなって」

天城「姉様にしては建設的ですね」

雲龍「でしょう? 」

天城「……はぁ」


< 越える、というより乗り乗られ >






雲龍「そうそう、暫く振りに天城越えされた感想は? 」

天城「はい? 」

雲龍「この界隈では天城とセックスするのを天城越えって言うのよ」

天城「どこの界隈ですかそれは、そんなこと言いません」

雲龍「えっ」

明石「えー」

江風「えー」

天城「…………姉様は兎も角明石さんと江風さんにノられるのはなんとも言えないのですが」


< 幸福追求の権利がどうたら >







雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………葛城は元気かしら」

天城「…………葛城が本当の姉様を知ったらどうなるでしょうね」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………私は幸せよ? 天城は? 」

天城「…………」


< 誘惑に打ち勝て >






愛宕「んー……」

提督「…………」

愛宕「…………暇」

提督「…………寝ろ」

愛宕「眠くはないのよね」

提督「…………明石が麻雀するって言ってたぞ」

愛宕「麻雀もいいわ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………俺本読んでんだけど」

愛宕「私膝の上に座ってるんだけど? この私が」


< でも結局 >






提督「いや、それでも俺は読むぞ」

愛宕「そ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………ね? 誘惑に負けたくなったでしょう? 」

提督「…………男に生まれたことを呪うね、今だけは」


ありがとうございました


< この世で一番怖いものがなんとか >







高雄「七月二十九日の誕生色はセルリアンブルー。色言葉は“ 誠実 ”、“ 霊感 ”、そして“ 思い遣り ”」

愛宕「霊感ねぇ……」

高雄「化け物が幽霊を視るのは霊感と言うのかしら」

愛宕「言うんじゃない? 霊的存在って意味でしょう」

高雄「一応私たちもそんな感じだった気が」

愛宕「そうかも。……ま、私は視たことないわよ? それよりもっと醜いものは見たことあるけど、ね」



< ココロシェイカー >







提督「今日のカクテルはカルーソー。カクテルワードは“ 透明 ”」

高雄「中々凄いものですね」

提督「ん? シェイクが? 」

高雄「ええ」

提督「まぁ、前から結構やってたしな。シェイカーあるだけでヴァリエイション増えるし」

高雄「大切な方に御馳走したのでしょうね」

提督「そりゃ、ね。……あぁ、でも」

高雄「はい? 」

提督「そういう意味で、シェイクする人はもう増えない予定だよ」

高雄「……そう、ですか」


< てれ >







提督「あぁ、そうか。女の子って一生おっぱい揉み放題なのか……」

高雄「……台無し過ぎる」

提督「うん? なんか言った? 」

高雄「いえ。……そんなに触りませんよ」

提督「ふーん……そんなに」

高雄「そんなには。……というか」

提督「ん? 」

高雄「あなたも、その、……し放題では? 」

提督「いや、なんか違うんだよそれ……それでいいんだけどさ」


ありがとうございました


< 深層心理 >







海風「江風ってさ」

江風「ン」

海風「中二? 」

江風「え? 」

海風「だってほら、戦闘衣とか、ね? 」

江風「ね? って言われてもあれ江風はどうしようもないし」

海風「でも戦闘衣って結構精神的なものからくるって聞いたけど」

江風「ンー…………まぁ、否定はできないのかなぁ、アレ気に入ってるし」

海風「別に悪いと思ってるんじゃないよ、カッコいいし」

江風「さンきゅ。…………ってことは明石さンって学生にでもなりたいンだろうか」


< ツッこめないと >






漣「高雄>雲龍>明石>叢雲>漣」

叢雲「ん? 」

漣「こちら忠犬度ランキングでございます」

叢雲「……割とそんな感じよね」

漣「うん」

叢雲「……」

漣「……」

叢雲「……穴が無いと会話にならないわよ」


< 分かるラインと同じだ >






江風「いや、え? 納得なのこれ」

叢雲「精々私と漣が逆になるかならないかね」

漣「だねー。残念ながら新参の江風や海風は入らないのです」

江風「江風はいいンだよ別に、真面目でもないし。……雲龍さン? 」

漣「あの人ベッド外でも忠犬わんこだよ、絶対」

江風「えぇ? 」

漣「明石さんはどっちかっていうと真面目入ってるのが強いかもだけど」

叢雲「私も」

漣「いやいやいや」

叢雲「あぁん? 」

高雄「というか私に疑問とか解説は無いんですか……」

叢雲「いる? 」

漣「いらないよね」

高雄「…………」

江風「…………江風がおかしいのかよこれ」



< 本心からの >






海風「つまり雲龍さんはベッドの内外どちらでも犬、と」

雲龍「時々猫にも狼にもなるわよ」

海風「……よくパッとそんなこと言えますね」

雲龍「年季が違うもの」


< 土用丑の日 >







加賀「いつまで鰻、食べられるのかしら」

天城「無くなる無くなると言うものに限って無くなりそうもありませんけれどね」

加賀「たとえば? 」

天城「化石燃料、マグロ、クジラ……まぁ、天城は素人なのでよくは知りませんが」

加賀「あぁ」

天城「そんなものより天城はお酒が無くなる方が怖いですよ。時間は遡れませんし」

加賀「確かに。……はい、注ぐわ」



< 季節は、夏真っ盛りへ >







提督「今日のカクテルはシャーリー・テンプル。ま、たまにはノンアルカクテルでもな」

高雄「シャーリー? 」

提督「あぁ、結構歳いってる女優がモデルなんだよ。四月二十三日生まれ」

愛宕「同じ日? 奇遇ね」

提督「シェイクスピアとかナボコフも同じだぞ」

高雄「……もう八月ですか」

提督「そうだな」

愛宕「四季くらいよね、私たちが時間感じるのって」

高雄「……」

提督「……」

愛宕「……」

提督「…………いいだろ、それで。色々なものを捨てて踏み躙って、それで手に入れたものを後生大事にするって決めたんだから」



次の

【艦これ】提督「愛宕と高雄と、俺」
【艦これ】提督「愛宕と高雄と、俺」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469859102/)


ありがとうございました
次の方でもよろしくお願いします


< ある過去 >







雲龍『ありがとうございます』

提督『ん? 』

雲龍『私を使ってくれたことです』

提督『あぁ……死にたいの? 』

雲龍『は? 』

提督『俺は甘ちゃんだからさ、雲龍みたいに可愛い子が死ぬのは嫌だね』

雲龍『…………そういうことですか? 』

提督『あ? 』

雲龍『私が、身体を捧げた分だけ使ってくれると? 』

提督『かもな。……それならどうするの? 』

雲龍『…………今夜でも、構いませんよ』

提督『んー、今夜は先約がいるから無理だね』

雲龍『ではいつなら』

提督『お前が死にに行きたくなくなってそれでも俺に感謝するなら、いつでも待ってるよ』

雲龍『……………………』









< それから少しして >






雲龍『やはりそういうことなのではないですか』

提督『はぁ? 何が』

雲龍『今回の作戦で私はバックアップ要員としてただ突っ立っていただけでした』

提督『そりゃお前じゃ役に耐えないと思ったからな』

雲龍『っ…………高雄や愛宕はどれだけ酷い要求でも飲』

提督『雲龍』

雲龍『……なんですか? 図星ですか? 』

提督『…………そんなに死にたいなら、それとも死にたいならそう言え』

雲龍『は? ……ついに言語中枢も色欲にやられましたか? 』

提督『前線でゴミクズのように死にたいならそう言え、俺の女を侮辱して殺されたいならそう言え』

雲龍『あなた程度が私を殺せますか? 』

提督『殺せるね、お前、後ろ見てみろよ』

雲龍『は? …………チッ、売女が』

提督『……………………愛宕、そいつを部屋まで送ってやれ』

雲龍『…………』

提督『…………もう二度と俺の前に来なくていいぞ、そんなに前線出たいなら出してやるから』


< そしてさらに >







雲龍『…………ねぇ』

提督『あ? 俺の前に来るなと言ったはずだが。……ヤニ着くぞ』

雲龍『謝るわ。……私が悪かったですから』

提督『前線出してやった程度でそれか。馬鹿にされたもんだな』

雲龍『…………』

提督『…………』

雲龍『…………聞きました、提督が以前から私の為に配置転換の上申をしていたこと』

提督『俺の為だぞ、お前なんて早く死ねばいい』

雲龍『…………』

提督『…………』

雲龍『…………どうしたら、許してくれますか? 』

提督『…………取り消せ』

雲龍『……はい? 』

提督『高雄と愛宕を売女呼ばわりしたことを取り消せ、それで十分だ。そうしたらどこへなりとも失せろ』

雲龍『それでは意味がありません。……私はあなたとまともな会話がしたい、仲を深めたい』

提督『…………』

雲龍『…………』

提督『…………加賀か? 龍田か? それとも時雨か? 余計なことを言ったのは』

雲龍『さぁ? …………あなたを信じてみたくなっただけです。ただ、それだけのこと』

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