【艦これ】提督「俺と」高雄「私と」愛宕「私」 (1000)


< しかいない >





高雄「……ここ私たちの寝室のベッドの中ですからね」

提督「や、でも一応高雄と愛宕以外は誰も入れたことないぞ、寝室にすら」

高雄「それは割と当然の……」

愛宕「ね、私たちの寝室? 」

高雄「…………」

提督「俺たちの寝室だろ? 問題でも? 」

愛宕「ぜーんぜん。でも高雄も言うようになったなって。あの、高雄が」

提督「そりゃ俺とお前が、な? 」

愛宕「そうねぇ」

高雄「…………やれやれ。相変わらずですね。悪くはないのですけれど、はぁ」


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【艦これ】高雄「私と」愛宕「私と」提督「俺」
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こちらでもお願いします

ありがとうございました


< 横須賀より愛/哀を込めて >





金剛「あー……明日は愛宕の進す、誕生日デスカ」

金剛「…………」

金剛「…………」

金剛「…………」

金剛「…………」

金剛「複雑な気分ネー……」

金剛「…………」

金剛「…………」

金剛「…………」

金剛「…………」

金剛「……お祝いのLetterでも出しておきましょうかネー」


< 見る目、というかなんというか >





高雄「六月十五日の誕生石はレッドタイガーズアイ。
石言葉は“ 純粋 ”、“ 誠実 ”、そして“ 素直 ”」

提督「素直ってのも難しい話だよな」

Littorio「ただ従順で反抗しないだけでは素直とは言えませんものね」

提督「あぁ、かといってどこら辺をどうすれば素直、ってのも説明しにくいしな」

高雄「はぁ」

Littorio「しかしあなたの前での高雄はおそらく素直と言えるでしょうね」

提督「あぁん? 」

Littorio「Littorioの前とあまり変わりはないでしょうけど……でも素直と言えるでしょう。声音や調子を見れば、ね」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……納得した」


< この季節がやってきた >





提督「暑い」

高雄「ですね」

提督「暑い」

高雄「はい」

提督「……梅雨はどこ行った」

高雄「さぁ……判を待っている書類なら目の前にありますよ」

提督「ふぇ……」

高雄「加賀さんの提案なんですから。しっかり実弾演習の手配お願いしますね」

提督「くっそ……それやっても俺だけなんもできねぇじゃねぇか」

高雄「それなら的でもやります? 」

提督「あ、それはいいです、はい」


< 和気藹々ですよ? >





高雄「今日の誕生花は雛罌粟。花言葉は“ 浪費 ”」

加賀「あなたの見た目的に凄まじい浪費をしそうよね」

愛宕「ひっどーい、私はこの上なく主婦向けの女ですー」

加賀「……ふっ」

愛宕「むしろ加賀さんのほうがかかりそうよねぇ……主に食費で」

加賀「それを言えば天城も大概でしょう。酒代が酷いことに」

天城「こちらにも被弾とは……明石さんもなんだかんだと工具や図面、研究室に浪費しそうですが」

明石「はぁ、Littorioさんの場合はアレですね、あなたのために美しくありたいのー、みたいな。
エステや宝飾にかかりそうです」

Littorio「まさか。Littorioは素材がいいので」

雲龍「……私たちの給与とあの人の給与を無くすほどの浪費なんて逆に難しいと思うのだけれど」





提督「つーか、俺執務中……まぁ、いいや。楽しく喋っとけよ」


< 鈍感でも難聴でもないけれどクズ >





提督「今日のカクテルはプルミエフルール。
カクテルワードは“ 決して媚を売らない華麗な女性 ”、だ」

Littorio「あの、本命の男を誘惑するのは媚とは言いませんよね? 」

提督「この場合は惚れさせるような女、って意味だと思うが」

Littorio「はぁ」

提督「……まぁ、品があるかないかくらいのニュアンスだろ。少なくとも俺は媚びられた記憶はないね」

Littorio「…………」

提督「…………」

Littorio「……まさか誘われた気ですらなかったり? 」

提督「さぁ……どうだろうね」


< なんと >





加賀「がおー」

明石「……らしくないこと甚だしいです」

加賀「がおー、ばうー」

明石「いや、もういいですってば」

加賀「……そう? 」

明石「はい。今のを赤城さんに見せたいものですよ。
無表情で口開けて手を上げた加賀さん」

加賀「赤城さんはきっと笑ってくれるでしょうね」

明石「やけに自信ありますね……まぁ、赤城さんが見たらまずはその口の理由訊くと思いますけどね」

加賀「そう……これ味はただの飴なのね」

明石「まぁ、それはそうでしょう」





天城「あれ、何を食べてひぃっ…………ドラキュラ飴? 」


< ヤリに……言い逃げ >





愛宕「恋多き男」

提督「おう」

愛宕「ヤリ○ン」

提督「お、おう」

愛宕「誰にでも優しい」

提督「あぁ」

愛宕「どんな女の子にも優しい」

提督「あ、あぁ」

愛宕「逞しい身体」

提督「はい」

愛宕「フェロモンボディ」

提督「……うん? 」

愛宕「全部同じ人の評価なのよね〜 。観点ってこっわーいっ」

提督「…………」

愛宕「……あ、そうだ高雄ー」

高雄「はい? 」

提督「…………えっ、それだけ? なにこれ、俺……え? 」


< 病むに病まれぬ事情 >





明石「物理的にいえば絶対的に提督より強いですよね」

雲龍「まぁ……そうね」

明石「それなら一時でも押さえつけてなにもかも思い通りにしてみたいとは思いませんか? 」

雲龍「なかなか魅力的な提案だけれど……ダメね」

明石「はぁ」

雲龍「それはもうあの人じゃないし、私あの人に嫌われたらまともに生きていけないわ」

明石「高雄さんたちに殺されそうですもんねぇ」

雲龍「……それに私はそれされたい側だし」

明石「……そ、うですか」

雲龍「ええ」

明石「…………」

雲龍「…………」

明石(なーんかやっぱりディープ……)


< 宴の始まりは何の始まりか >





加賀「明日は」

明石「明日は? 」

加賀「素晴らしい日よ」

明石「あぁ、確かにいいもの食べられそうですもんね」

加賀「今日は……寝付けるかしら」

明石「そこまでですか」

加賀「当たり前よ」

明石「はぁ。……でも絶対にあの人と愛宕さんが何やるかわかる日ですよね」

加賀「…………」

明石「…………」

加賀「…………寝付けるわ、きっと」

明石「不貞寝ですねぇ……雲龍さんはどうなんでしょうか」


< 前夜 >





提督「そうだ」

愛宕「うん? 」

提督「明日行きたい場所とかあるか? 」

愛宕「あなたの実家? 」

提督「……あのさ」

愛宕「んー……お任せ、かしら」

提督「……そうか」

愛宕「ええ」

提督「…………」

愛宕「しっかり楽しい場所に連れていってくださいね? 」

提督「おう」


ありがとうございました


< 縛られろ、とは言わないがね >





高雄「六月十六日は重巡洋艦愛宕の進水日です」

提督「そうだな」

高雄「はい」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「……私のときもそうですけどこの身体で現れた、受肉というべきかはわかりませんが、その日は別ですよ? 」

提督「そっちにしてもいいけどさ」

高雄「はい」

提督「ルーツってのは大事だと思うよ、俺は」

高雄「……そう、ですか」

提督「おう」


< あなたを形作るものは >





愛宕「今日の誕生石はブルーオパール。
石言葉は“ 個性的 ”と“ 持ち味 ”」

提督「今日は愛宕か」

愛宕「六月十六日は私の日なのよ〜 」

提督「まぁ……そうだな」

愛宕「私の持ち味とわいえばっ」

提督「じゃじゃーん」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「? 」

提督「あ、自分では言わないのか」

愛宕「言ってもらいたいもの」

提督「はーん……色々あり過ぎて一言じゃ言えない、が」

愛宕「が? 」

提督「あえて挙げるなら……俺を好きになってくれたこと、かな」

愛宕「! くぅー……これは負けたぁ」

提督「…………お前は何と戦っているんだ」


< ピュア >





明石「昔からそうなんですがイベントって落ち着かないんですよ」

高雄「はぁ」

明石「自分が主役ってわけでもないのにそわそわしちゃって」

Littorio「なんとなくですがわかりますよ。期待感、といいますか」

明石「ですよね? ワクワクって程じゃないですけど非日常なんだなぁ、っていう」

高雄「…………」

Littorio「そうですね。……高雄? 」

高雄「は、はい? 」

Littorio「大丈夫? 」

高雄「少し考え事をしていただけだから。…………以外と純粋というかなんというか」


< 嵌れば永遠に抜け出せぬ >





愛宕「今日の誕生花はチューベローズ。花言葉は“ 危険な楽しみ ”」

提督「お前さ」

愛宕「うん」

提督「これ言いたかっただけだろ」

愛宕「どうかしらね〜 」

提督「…………」

愛宕「……うん? 」

提督「……いや、でもお前が言うとその……そそるのは確か、か」

愛宕「…………」

提督「…………うん」

愛宕「…………うふっ♪ 」


< ヒールを履いて、靴音立てて、 >





愛宕「どう? 」

提督「ん、完璧」

愛宕「そ、私もそう思う」

提督「そう? 」

愛宕「もう……どっちなの? 」

提督「いや……ま、俺の見たてが確かで安心したよ」

愛宕「私もあなたの見たてを着こなせて安心したわ」

提督「できないわかないだろ」

愛宕「そっちこそ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……行ってきな。夜からは俺が独占するんだから。今のうちだ」

愛宕「はーい……あなたもいつも通り似合ってるわよ、提督さん」

提督「ん」


< 上から下まで眺めた感想 >





高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………? 」

高雄「…………なるほど」

愛宕「なぁに? 」

高雄「別に。満足できたようで」

愛宕「全然よぉ」

高雄「へぇ……」

愛宕「だってまだ今日は終わってないから、ね? 」

高雄「なるほど……いかにもあなたらしい」


< ヌッと >





雲龍「…………」





明石「……相変わらずですねぇ、雲龍さんは」

天城「まぁ、仕方ないです。それより天城としては明石さんも姉様側に回ると思っていたのですが」

明石「どうしてです? 」

天城「それは……」

Littorio「あの人と寝たから? 」

天城「! …………まぁ、そうです」

明石「なるほど。……でも私にとってはあくまで副産物みたいなものですからね。
あの人と繋がっていられればそれでいいんですよ」

天城「はぁ……姉様にもおおしえしていただけませんか、その心持ち」

明石「おしえてどうなるものでも……私だってなにも思わないとは言えませんしね」


< 贈り物は? >





提督「ん? ブレスレットとアミュレットと……コサージュはおまけだ」

加賀「あなたのことだからアミュレットには洒落た意味でもあるんでしょうね」

提督「一応は」

加賀「へぇ」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……おしえてくれないのかしら」

提督「……意味をおしえると、なんてジンクスもあるんだが」

加賀「その程度のジンクスなら私が帳消しにします。どうぞ」

提督「はぁ……エメラルドは六月の誕生月石でさ。
石言葉は“ 夫婦愛 ”と“ 幸福 ”と」

加賀「ええ」

提督「“ 永遠に ”」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………こっちが気恥ずかしくなるわね」

提督「やめろ」


< 子供心を蘇らせに、外へ >





提督「今日のカクテルはプリンストン。
カクテルワードは“ 子供心と好奇心を持ち合わせた人 ”、だ」

加賀「あなたは飲まないのね」

提督「運転の予定があるもので」

加賀「……そう」

提督「あぁ」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……飲みに行くよりもあなたのステアの方が様になるし、美味しいわ」

提督「ありがと。……でもそういう問題じゃないんだよね」


< ある港のある部屋の >





金剛「My sister.お酒でも飲みませんカ」

霧島「ええ、構いませんよ」

金剛「比叡と榛名とも呼んで……いっそ扶桑と山城も呼びましょうかネー」

霧島「はぁ。大人数で、というと久し振りですね」

金剛「今日はちょっと騒ぎたい気分なのヨー……」

霧島「はぁ」

金剛「……比叡たちを呼んでくるネ」

霧島「…………あの」

金剛「ンー? 」

霧島「……相談なら、乗りますよ? 」

金剛「oh……」

霧島「……? 」

金剛「…………大丈夫」

霧島「でも」

金剛「Stop……これでも霧島のお姉さん、なんだからネ? 」

霧島「…………」

金剛「……ジャ、呼んできマース! 」

霧島「…………」





霧島「…………よくもあのように痛々しい笑い方をできますね」、我が姉ながら」


< とあるバーにて >





提督「で、そのときは高雄の厚顔無恥さに苛立ってしけこんだワケ」

愛宕「ふーん……それで手を掴まれたとかなんとか言ってたのね」

提督「俺の目の前で高雄に触るとはいい度胸だとは思ったね」

愛宕「高級軍人だものね〜。……中身は兎も角」

提督「それはお前もだろ」

愛宕「うん? 」

提督「男と二人でバーまで来るような、ねぇ」

愛宕「私はあなただけよ? 高雄はどうだか知らないけど」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………俺の斜め後ろのやつが見てる」

愛宕「知ってる。罪なーー」

提督「女だな、まったく」


< キャスト不在で上演 >





明石「今夜は帰ってこないんですよね? 」

加賀「当然でしょう」

明石「車で出掛けたのに行き先はお酒の飲めるところですもんねぇ」

加賀「仮に飲まなくても帰ってこないでしょうけど」

明石「はぁ」

加賀「それより」

明石「はい? 」

加賀「これを観ましょう。あの人の倉庫から見つけてきたわ」

明石「えーっと『仄暗い水の底から』? ……嫌な予感しかしないんですけど」


< ちょっとした幕間劇 >





「お姉さんお姉さん」

愛宕「うん? 」

「彼氏? 強そうだね」

愛宕「そうねぇ……でも、結構ヘタレなところもあるのよ」

「へぇ、そうは見えないけど……そういえばお姉さん名前は? オレはーー」

愛宕「秘密。簡単に名前をおしえるような女に見える? 」

「ははっ、どうだろう。そんなにオレが信用できないかい? 」

愛宕「んー……簡単に名前をおしえたら次がつまらないでしょ? 」

「ははん、次、次かぁ……」

愛宕「そ、次」





提督「…………ちょーっと試しに席を外してみればまったく……愉快な青年だな、おい」


< フィナーレまでもうしばらくお待ちください >





提督「ん、おまたせ」

愛宕「んーん。暇潰しできたから」

提督「そうか。……暇潰しとは酷いやつ」

愛宕「パートナーがいる相手に声をかけるような人に与える優しさなんてないわよ」

提督「……ふむ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……そろそろ疲れたかも」

提督「……部屋、行くか」


< お子様は外へお願いします >





雲龍「…………」

加賀「…………」

明石「…………」

天城「…………」

Littorio「…………ひぃっ」

雲龍「……いつの映画なんです」

加賀「2002年」

明石「だから嫌だって言ったのに……うわぁ」

天城「静かに」

雲龍「……あなたどんなジャンルでもお構い無しなのね」

加賀「自分の子が……いえ」

明石「年代の割にリアルな」

天城「…………」

Littorio「いやっ……………………もう寝るぅ」





高雄「? どうしたの? 」

Littorio「エレベーターが……赤ちゃんが……」

高雄「……? 」


< 幕が上がれば観客の有無に関わらず >





雲龍「Littorio脱落、と」

加賀「貧弱な」

明石「いや、でもこれいい気分じゃないですよ」

雲龍「私たちの方が強いわよ、きっと」

加賀「ええ」

明石「そういう問題じゃ」

雲龍「自分が殺せるものを怖がる気持ちはわからないわ」

明石「ほら、慢心で負けるところとか想像したり」

加賀「ふっ、慢心……ですって? 」

明石「加賀さんは地味に赤城さんのこと馬鹿にしてませんかね……」

天城「いいから静かにしてください。天城は楽しんでるんですからね」


< 人しれない閉幕、あるいは >





愛宕「それにしても……いい景色ね」

提督「あぁ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……今日が特別な日で、よかった」

提督「あぁ」

愛宕「……今日を、なんでもない日にしたい」

提督「……あぁ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………言葉なんて、いらないわよね? 」

提督「……………………おいで」


< さてさて舞台裏では >





「……高雄と姉妹で、よかった」

「本人に言ってやれよ」

「だーめ、あれで調子に乗っちゃうんだから」

「…………」

「……なんだか嘘みたい」

「ん? 」

「……雲龍が来て、なんとなく拗ねて、勝手に泣いて」

「……勝手ではないさ」

「…………」

「…………」

「たった数ヶ月なのに、ね」

「俺たちに残された時間がわからない以上、色んなことを楽しむべきだろ? 」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………そう、ね……ん」

「ん……」


< 人は皆何がしかの演目を演じねばならない >





自分は、知っている

姉が己よりも優秀で真面目な性格であることに劣等感を抱いていること

この国の人間らしくない風貌に気質が浮かないかどうかを常に気にしていること

身内に対する接し方と他人への接し方が実はとても違うこと

それが他者への恐怖や姉妹と比べられることへの苦しみからきていること



そこから逃げてくる場所が仲間たちのうちで、自分のところだけであるということ

彼女を支えてやれるのは自分しかいないという、こと

それを最大級の誇りとして自分が生きている、こと



「…………朝になったら」

「…………あぁ」

「……綺麗な砂浜を、見にいきたいな」

「……どこへでも。お前の望みなら」

「ふふ……」

「ん? 」

「んー……もう寝るっ」

「……そうか」

「ちゃんと抱き締めて寝てね? 」

「わかってる。……ほら」

「ん……またね、__さん」

「…………あぁ」



そして、彼女もまた同じだということ

自分と彼女は表裏の関係

彼女の胸の中が、自分の逃げることのできる場所であるということ

それがどれだけ幸せなことかを噛み締めながらーー



きっと朝になればこの夜は溶けてなくなってしまうけれど

でも、存在していたことだけは確かだから

いつか彼女と想い出として語るときまで

暫し、忘れたままでいようと、彼はーーーー


そんな印象ないですけどね……ゆっくりですし

ありがとうございました


< さらさらと髪がなびいて >





提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……砂浜ってこんなに綺麗だったんだな」

愛宕「……うん」

提督「……海ってこんなに穏やかだったんだな」

愛宕「……そうね」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………みうー」

愛宕「ふふ……なぁに、それ」


< それを知ってまた一歩 >





提督「なんていうかさ」

愛宕「うん」

提督「言葉はいらないなんて言うけど」

愛宕「…………」

提督「……それはとても幸せなことなんだなって」

愛宕「うん? 」

提督「……もう、色々伝わっちゃってるよな」

愛宕「そうねぇ……色々、ええ」

提督「伝わったかどうかは言葉でもわからない」

愛宕「…………」

提督「それをお互いに信じられるってのは……凄いことで、尊いことなんじゃないか」

愛宕「……むず痒いわ」

提督「まぁ、自覚はあるよ。変なこと言ってるなって」

愛宕「んーん、そうじゃなくて」

提督「あぁ」

愛宕「……私なんかより、きっとあなたなんかより幸せになるべき人がいるはずなのにって」

提督「……他人の悲劇は背負わないんじゃなかったか? 」

愛宕「いつでも割り切れるほど強くはないもの」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………幸せじゃないと言えない言葉だ」

愛宕「…………そうね」


< 雷はどうだろう >





高雄「…………ん」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………起きなさい、朝ですよ」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「はぁ、映画の怖い人外とは……しかも一緒に寝てほしいとは一体」

Littorio「……んふふ…………Zzz」


< そういう問題じゃない >





提督「おっはよーう」

高雄「おはようございます。……おかえりなさい」

提督「ん、ただいま」

愛宕「ふぁ……眠たい」

高雄「……はぁ、まぁわかりきったことですが」

提督「ヤり過ぎには注意したぞ」

愛宕「そうそう。ヒリヒリしないし」

高雄「…………はぁ」


< 続:そういう問題じゃない >





高雄「六月十七日の誕生石はアメジスト。
石言葉は“ 凝り性 ”、“ 芸達者 ”、“ 几帳面”、そして“ 着実 ”」

雲龍「明石の几帳面さは異常よ」

明石「はぁ、普段は変に遊ばせておくと危ない物を扱っているので」

雲龍「それにしたって割り箸割る時の慎重さといったら……」

明石「あ、それはですね」

雲龍「? 」

明石「……以前適当にしていたら思いっきり指に刺さりまして」

雲龍「? どうせ治るじゃない」

高雄「そんな大雑把な……普通に痛いでしょう」


< 全て理解したような目で >





高雄「今日の誕生花はホワイトクローバー。花言葉は“ 私のことを想って ”」

提督「想ってるぞ」

高雄「いや、私がどうとかじゃなく」

愛宕「私も好きよ? 高雄のこと」

高雄「だからこれは花言葉であって」

提督「いいから」

高雄「まったくよくな」

愛宕「でも、本当のことでしょう? 」

高雄「…………」

提督「…………? 」

高雄「…………なんでしょうこの敗北感」

愛宕「……ふふ」


< MajiでSizuむ五秒前 >





提督「今日のカクテルはミリオンダラー。
カクテルワードは“ 常に成長できる技量を持った敏腕家 ”、だ」

高雄「努力する才能とかそういう意味でしょうか」

提督「真面目に考えるならそういうことでいいんじゃない」

加賀「努力……ふむ」

提督「あん? 」

加賀「いえ……どうも努力というものをあまりしてこなかったように思えて。
戦場では必死さが先に立つ気がするし」

提督「……それ俺だからいいけどさぁ」

加賀「無論誰にでもは言わないわ」

高雄「努力なんて基本的に辛いだけですから。しなくていいのならしない方がいいはずですよ」

加賀「そう……そうね」

提督「まぁ、実らなかった努力なんて特にそうだな」

高雄「ええ」

加賀「あぁ……努力では絶対に覆せない戦況というものもあるものね……ふふ」

提督「うわーお……超ヘビィな話じゃんそれ」


< 待つ、ということ >





Littorio「雲龍や明石は兎も角として」

高雄「ええ」

Littorio「高雄はよく平然としていられますね」

高雄「別にどうということはありません」

Littorio「慣れ、ですか? 」

高雄「そういうわけでもありませんが……愛宕は雲龍さんたちとはまた別の話ですし」

Littorio「なるほど」

高雄「それに」

Littorio「はい? 」

高雄「あの人、女と共依存する才能は青天井ですからね。
……あの人自体がそもそも無意識に必要としているんですよ」

Littorio「はぁ」

高雄「……」

Littorio「……クズですねぇ」

高雄「まぎれもなく」


< だって、好きなんですもの >





雲龍「傷の舐め合いならまだわかるけれど」

天城「はぁ」

雲龍「余り者だけでホラー映画鑑賞というのもよくわからないわね。よく考えたら」

天城「別に誰かが傷ついていたわけではないですし。
姉様も多少ナイーヴになっていただけでしょう? 」

雲龍「ん……微妙なところだけれど、そうね」

天城「それよりも天城は真面目に観ない方が問題だと思います。
あんなに楽しいのに」

雲龍「…………あれが楽しいのはあなたくらいよ、ここでは」


< 欲望 >





雲龍「二人でいるときは私だけだって信じさせてくれるというかなんというか」

明石「瞳には勝てないというか、流されてしまうというか」

加賀「夢を見るための機械だとでも思っておけばいいのに」

Littorio「あんなに楽しませてくれそうな顔をしているんですもの」





高雄「なんとなくですが何を求めているかわかりますね」

天城「……姉様がまともに見えるとは……なんという」


< 6月17日@柱島 >





明石「むっ……」

愛宕「どしたの? 」

明石「あぁ、夕張が柱島の整備を終えたとかで暫く休暇らしいんですよ」

愛宕「へぇ、確か甲種卒業の秀才が着任するのよね」

明石「らしいですね」

愛宕「広島かぁ……なに? 」

明石「そりゃ海軍工廠ですね」

愛宕「他には? 」

明石「まぁ、普通に無難なものを言えば厳島とか牡蠣とかじゃ」

愛宕「そうよねぇ、普通そうよね」

明石「? ……そういえば戦艦の陸奥が沈んでますね、柱島」





提督「そんなもん江田島に決まってんだろ。他になんかあるのか? ん? 」

高雄「まるで他になにもないような……」

提督「そこしか記憶に無い。つーかさ、柱島って一応山口県だぜ? 広島湾にあるけど」


< 逢いたくていま、とか >





天城「……姉様がですね」

提督「おう」

天城「最近携帯音楽プレーヤを購入したのです」

提督「へぇ……もうそろそろカラオケ完成するしな。天城もなんとかしとけよ」

天城「はぁ」

提督「天城越え、おすすめだぞ」

天城「……それでですね」

提督「あぁ」

天城「聴いてる曲の殆どがバラードや悲恋なわけです」

提督「…………」

天城「ときどき重い溜息を吐いたり胸に手を当てたり……」

提督「…………」

天城「……天城、さすがに居た堪れない気持ちで一杯です」

提督「…………」

天城「…………今度優しくしてあげてくださいね」

提督「…………おう」


< Memoryとかもうね >






提督「そういやお前も持ってたな」

Littorio「はい? 」

提督「音楽プレーヤ。普段なに聴いてんの? 」

Littorio「エレイン・ペイジ」

提督「は? 」

Littorio「えーっと……キャッツやサンセット通りをご存知ない? 」

提督「いや、知ってるけどさ。斜め上過ぎんだよ……ポップスとか聴かないの? 」

Littorio「最近はこの国のを中心に聴いていますよ。カラオケ、というもののために」

提督「お、やるじゃん。楽しみにしとくよ」

Littorio「ええ。……まぁ、言語の学習にも役立ちますしね」


なお陸奥の爆発は6月8日
以外と近かったようです

ありがとうございました


< 自らのチャームポイントを理解してこそ >





提督「…………」

Littorio「……? 」

提督「……うん、うん」

Littorio「……あの」

提督「ん? 」

Littorio「そんなに不躾に見られると、その」

提督「あぁ、悪かっ」

Littorio「火照ってしまいます」

提督「……うん? 」

Littorio「まぁ、それはいつかに鎮めてもらうとして」

提督「……んー? 」

Littorio「その、なぜLittorioを見ていたの……? 」

提督「いや……女の子のミニネクタイの良さはさ」

Littorio「はい」

提督「おっぱいが大きいと映えるなって」

Littorio「なるほど……確かにそうです」

高雄「…………あなたはなぜそのまま同意するのかしら、Littorio」


< これ以上何を望めば >





高雄「六月十八日の誕生石はゴールドナゲット。
石言葉は“ 切れ者 ”、“ 精力的 ”、“ 貫禄 ”、“ 人気者 ”、そして“ 賢い ”」

提督「切れ者、賢い、うん」

天城「馬鹿ではない、位には評価しましょう」

提督「精力的」

加賀「精力なら抜群ね」

提督「それ違う意味だろ……人気者」

雲龍「肯定しておきましょうか」

提督「貫禄」

愛宕「無駄に図体だけは大きいものねぇ……無駄じゃないこともあるけど」

提督「結論」

高雄「はい」

提督「概ね俺は評価されている」

高雄「はぁ。……これで満足できるんですか? 」

提督「望み過ぎはよくないからね」


< 美人の幽霊と出逢えるならば >





高雄「今日の誕生花は柳。花言葉は“ 素直 ”、“ 愛の悲しみ ”、そして“ 憂い ”」

愛宕「枝垂れ柳の前で写真を撮ると〜 」

天城「心霊が写る? 」

愛宕「って言うわよねぇ」

高雄「それたまに聞きますけど何か根拠はあるんですかね」

愛宕「さぁ」

天城「天城も知りませんね」

愛宕「あれじゃない? 川辺とか山に生えてたりするし自殺に結び付けられてるとか」

高雄「“ 愛の悲しみ ”、なるほど」

天城「入水……天城には考えられませんね。あんなにも暗く冷たい場所なんて」

愛宕「それは天城が幸せだからよ。死ぬ人にとってはもとから暗いんだから」

天城「確かに……そうですね」


< 誰が為の願いか >





提督「今日のカクテルはランベスレモネード。
カクテルワードは“ 幸せを心から願える素敵な女性 ”、だ」

雲龍「…………」

提督「うん? 」

雲龍「……誰の幸せのことかしらね」

提督「そりゃ……自分じゃねぇの」

雲龍「……そう」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……誰かのこととか、自分のこととかを願えないなら」

雲龍「…………」

提督「……俺がお前の幸せ、願っといてやるから。しっかり幸せになっとけ」

雲龍「…………あなたに願われるというのも、複雑なものなのよ」

提督「…………わかれとは言わないけどさ、それしかできないんだよ」


< 定期的に食べたくなる >





愛宕「うまうま」

明石「……鰹のたたき」

愛宕「そうね」

明石「……金髪ロング」

愛宕「そうね」

明石「似合わないこと甚だしいですね」

愛宕「んー……美味しいわよ? 」

明石「知ってます。あぁ、私にもください」

天城(……でも明石さんも似合うわけじゃないですよね)


< その匂いもまた >





提督「んー……やわえろ」

高雄「ぁ……ん、離っ」

提督「だーめ」

高雄「やっ……ま、だ…………お風呂ぁ」

提督「ここのお風呂でもいいじゃん? 」

高雄「んっ……そういう問題じゃない、です」

提督「俺は気にしないぜ? 」

高雄「私が気にすッ……んぅ」

提督「クク……いい反応」


< 連山というかなんというか >





天城「ふぅ……お風呂はいいですねぇ」

明石「それ毎日言ってる気がしますね……まぁ、真理ですけど」

天城「毎日暑い寒いと言ってしまうような」

明石「なるほどわかります」

天城「…………」

明石「…………」

天城「…………」

明石「……相変わらず大きい」

天城「……明石さんも割と」

明石「そのはずなんですけど……ここにいると、ね? 」


< Dancer in the Dark >





Littorio「これはまともな映画なんでしょうね」

加賀「さぁ、私も観たことがないから」

Littorio「……観たところLittorioの祖国のものではないようです」

加賀「デンマークらしいわ。主演がビョークという女性なんだとか」

Littorio「ビョーク? アイスランド? 」

加賀「知らないわね……」

Littorio「…………」

加賀「…………」

Littorio「……あの人のチョイスを信じてみましょうか」

加賀「ええ、私はつまみを持ってくるわ」





愛宕「あーあ……私しーらない。別にホラーじゃないけど」


< どこかおかしいことでも? >





明石「聞いた話ですけど」

天城「はぁ」

明石「直立して計測すると若干垂れるので少しだけきつ目のサイズのブラを選びがちになるらしいです」

天城「なるほど……でも、それ正確に測るのは困難ってことじゃあ」

明石「らしいです。だからスタッフに訊くのがいいんだ、と」

天城「はぁ。でもなぜそれを天城に? 」

明石「や、きつくなってきてるんじゃないかなぁーっと」

天城「……どうでしょうね」

明石「…………」

天城「…………」

明石「…………」

天城「……待って、その話は誰に聞いたのです」

明石「そりゃあ……提督ですけど」

天城「やはり。……………………やはり? 」


< 腰がね >





提督「っと……風呂行く? 」

高雄「…………」

提督「高雄? 」

高雄「…………」

提督「ん? 」

高雄「……お願いします」

提督「あぁ……はい、腕回して」





愛宕「あっ、私もまーぜて」

提督「ん? だってさ」

高雄「う、うそでしょ……」


ありがとうございました


< まぁ、幸せは人それぞれだし >





Littorio「…………」

加賀「…………」

Littorio「…………」

加賀「…………」

Littorio「……暫く映画はいいです」

加賀「……そうね」

Littorio「…………」

加賀「…………」

Littorio「…………」

加賀「…………」

Littorio「……雲龍なら割とあれでも幸せを感じそうですけれど」

加賀「やめてあげなさい」


< いいところもあるからね >





高雄「六月十九日の誕生石はサファイア。
石言葉は“ 茶目 ”、“ 機転 ”、“ 積極的 ”、そして“ 人情 ”」

雲龍「積極的に行った方がいいの? 」

愛宕「そうでしょうね。あの人あれで自分からはあんまり誘ってこないのよ。傷付きたくないから」

明石「うわぁ……」

天城「……まったく」

雲龍「…………」

愛宕「でも誘ったときの成功率はかなり高いわよ? 据え膳は器ごとってタイプだし」

明石「うわぁ……か

天城「……まったく」

雲龍「…………」

高雄「…………なぜ、好きになってしまったのか疑問に思いますね。ここだけ聞くと」


< 相手によって >





高雄「今日の誕生花は赤薔薇。花言葉は“ 可愛らしさ ”」

提督「へぇ……真っ赤な薔薇には棘があるって言わない? 可愛らしさ? 」

高雄「当然薔薇には棘がありますよ。ただし」

提督「うん」

高雄「棘を仕舞う薔薇もいる、ということです」

提督「ふーん……なるほどね。高雄の棘はどこに仕舞ったんだ? 」

高雄「私の棘は……なくなってしまいました」

提督「ん? 」

高雄「……あなたに、全て抜かれてしまいましたからね」


< 訴え >





Littorio「あのですね」

提督「うん? 」

Littorio「私物をどのように置いておこうが勝手なのは理解しています」

提督「おう」

Littorio「ただですね……それにも限度があるでしょう? 」

提督「ん? 」

Littorio「そもそもあなたのセンスにはガッカリです」

提督「? 」

加賀「……Dancer in the Darkという映画を昨夜二人で観たのよ」

提督「はーん……馬鹿だろ? あらすじくらい調べてから観ろっての」

Littorio「……なにもかも加賀の所為です」

加賀「そんな理不尽な」


< 聴いて損はしないと思う >





提督「ってもさ。曲はなかなかよかっただろ? 」

Littorio「良過ぎるというかなんというか……心が掻き乱されました」

加賀「どうもあれを聴いてからは調子が出ませんね」

提督「なんなら出撃前とかに聴けばそれ以上テンション下がらないかもしれないぞ」

Littorio「……馬鹿なんですか? いえ、馬鹿ですよね? 」

加賀「これは賛同できませんね」

提督「あ、そう……なんにせよいい作品はこっちを躁鬱状態にさせるもんだからなぁ。アルバム探そうか? 」

Littorio「結構です」


< 心の壁を容易く >





加賀「演習では明石を上手く使うことが重要になると私は考えます」

提督「…………」

加賀「そこで今次の演習では明石がどちらか一方の味方だけである、
ということを盛り込んでいただきたい」

提督「…………」

加賀「なぜなら今まで遠洋に出たり中・長期の遠征に出る場合は母艦とする艦船での待機が常でしたが……」

提督「…………」

加賀「明石ら整備、修復班をローテーションで回し、効率を上げるためには彼女らの訓練も……あの」

提督「うん? 」

加賀「…………私の顔に、なにか付いていて? 」

提督「んーん、綺麗だなって」

加賀「ーーーー」

提督「 続けてよ。聞いてるから」

加賀「…………ッ、少し、席を外します。申し訳ありません」

提督「んー? 」


< それ以上突っ込めない >





提督「今日のカクテルはスカイコズモ。
カクテルワードは“ 流行に流されない教養深い識者 ”、だ」

明石「流行に流されないといえば聞こえはいいですけど」

提督「おう」

明石「単に乗れてないだけのような気がします」

提督「乗りたいのか? 」

明石「そりゃ乗った方がいいでしょう。
乗れば降りれますけど乗らないと降りるとかそういうところまでいけませんから」

提督「はーん……」

明石「…………」

提督「…………」

明石「……? 」

提督「……いや、至極真っ当な話だなと思って」


< 違和感 >





提督「んー……なんかもぞもぞする」

愛宕「もぞもぞ? 」

提督「ちょっと見てくんない? 耳なんだけど」

愛宕「はいはい。んー……見えない」

提督「俺の方が背高いし部屋暗いしな」

愛宕「ええ」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……膝枕だ、耳かきだ! 」

愛宕「はいはい」


< まーた原作を…… >





高雄「本? 」

明石「はい。ちょっと構築してた理論に穴が見つかってやる気が出ないので」

高雄「はぁ。本を勧めるのはなかなか難しいことなのですよ」

明石「まぁまぁ。ちなみにジャンルはなんでも大丈夫です」

高雄「なんでも……じゃあ、これで」

明石「『イニシエーション・ラブ』? 」

高雄「まずはなにも聞かずに読んでください。
そのうち映画を放映するとか聞きましたしあまり難しいことは書いてませんよ」

明石「ありがとうございます。頭空っぽにしたかったんですよねー」

高雄「いえ」

高雄(明石さんなら読み終わる前に理解してしまうかもしれませんね……それも楽しみの一つかもしれませんが)


< リスクと欲望を天秤に >





提督「ふぇ……気持ちいいですぅ」

愛宕「ちょっと、動かないでよ」

提督「これは寝てしまいそうですねぇ」

愛宕「いいけど……刺さるかもよ? 」

提督「それは勘弁」

愛宕「と、言いつつ太もも触らないでよ、んっ」

提督「お、ここがいいんですか? 」

愛宕「いいけどよくないっ」

提督「へっへっへ。……刺さんの怖いから黙るわ」

愛宕「そうして」


< 数合わせでも >





Littorio「バカラ」

高雄「BJ」

明石「大富豪」

雲龍「そこは大貧民でしょ」

天城「バカラで」

加賀「私は……大富豪で何をするか決めましょうか」


< な、なにがあった >





愛宕「んー……ちょっと硬い椅子ねぇ。安心感はあるけど」

提督「柔らかい……けど重い」

愛宕「失礼な」

提督「なに、心地よい重ささ」

愛宕「ん、んんー」

提督「っ、っと……これ以上刺激したらいじめるよ? 」

愛宕「望むところ? 」

提督「そう? ……バックで押し潰したい気分」

愛宕「やぁ……でも、感じられて好き」


< 勝った方がいいのかどうなのか >





加賀「結局、そのまま大富豪……何巡目? 」

天城「少なくとも天城は一度も大富豪にはなっていませんね」

雲龍「……都落ち四回目」

Littorio「はははっ……Littorioの敵ではありませんね」

明石「……革命で」

Littorio「へっ? 」

高雄「……私にはそれを覆せませんね。まぁ、貧民なのでどちらにせよ」

Littorio「…………」

加賀「あと三巡。最下位は提督と愛宕に特攻すること」

Littorio「お願いだからLittorioの甘い逢瀬を潰さないで」

加賀「勝ちなさい。それだけよ」


< 聖す……冷水 >





提督「あー……ミネラルウォーター」

愛宕「……ん」

提督「それ冷たくない……ぁふ」

愛宕「んー……満足」

提督「満足じゃねぇよ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……下から取り返してみる? 」

提督「馬鹿言うんじゃねぇよ」


ありがとうございました


< さすがに特攻できなかった>





提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……おはよう」

愛宕「ん、おはよう」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……なんか昨日の夜一瞬だけドアが開いた気がする」

愛宕「え、心霊的な? 」

提督「天城って死んだっけ? 」

愛宕「さぁ……生きてたと思うけど」


< しゃこしゃこ >





提督「そろそろこの歯ブラシも替え時かな」

愛宕「替えはいつものところよ」

提督「ん」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……歯磨き、してあげたことないわね」

提督「そんなんいるか」


< しゃこしゃこ >





提督「そろそろこの歯ブラシも替え時かな」

愛宕「替えはいつものところよ」

提督「ん」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……歯磨き、してあげたことないわね」

提督「そんなんいるか」


< 大盛りのような、並 >





高雄「六月二十日の誕生石はグリーンフローライト。
石言葉は“ 丁重 ”、“ 人を立てる ”、“ 質素 ”、“ 慎ましい ”」

提督「雲龍」

雲龍「なに? 」

提督「そういえばお前の質素病治ったみたいだな。
なにごともなく生活してるし」

雲龍「あぁ……そもそもこれまであまり豊かなものを見てなかったもの。
誰でも少しは戸惑うでしょう? 」

提督「少し? ……まぁ、並の生活ができるようになって嬉しいよ、俺は」

雲龍「並? 」

提督「…………」

雲龍「…………」

高雄「……二人とも自分基準のどんぶり勘定をやめたらどうです」


< ピロリン♪ >





提督「ん? はーん……」

愛宕「どしたの? 」

提督「再来月の同窓会に誘われた」

愛宕「どこで? 」

提督「地元で」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……行く? 」

提督「そんなわけ。確かにそれくらい行きたいけどな」


< だ、誰が嫁なんだ? >





提督「つーかさ」

愛宕「うん」

提督「俺の歳で同窓会行くと大体女か金か車の話しかしねぇんだよ」

愛宕「そ、そう」

提督「……俺が行ったらどうなると思う? 」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……仲のいいお友達以外とは喋らない方がいいかもしれないわねぇ」

提督「仲いいやつにもスマホの写真とか絶対見せられないしな」


< 断れない性格、みたいな >





高雄「今日の誕生花は鍬形草。花言葉は“ 忠誠心 ”、“ 頑固 ”、そして“ 人のよさ ”」

天城「人のよさも悪く作用することがあると天城は知りました」

提督「うん? 」

天城「……まぁ、単に意志が弱いだけかもしれませんけれど」

提督「なんだよそれ……あぁ、そういえば」

天城「はい? 」

提督「昨日の夜俺の部屋来なかったか? 」

天城「……さぁ、知りませんね」

提督「そうか。……惚けかな」

天城「きっとそうですよ。不摂生な生活をしているから」

提督「そうだなぁ……簡単にやめららたら苦労しないんだけど」


< 時々信じられない間違いを犯す >





提督「夜は多摩もネコなのかなぁ」

高雄「……知りませんよそんなこと」

愛宕「まーた、唐突な下ネタ。しかもここにいない人の」

提督「お前には文句言われたくないな」

高雄「私からすればどちらもおかしいのですが」

提督「そうだろうけど」

愛宕「あれじゃない? 高雄でも案外……だから、うん」

提督「あぁ……なるほどね」

高雄「にゃんで、す……と? 」

提督「ん? すっげぇ噛み方したな」

愛宕「ん? それともわざと? 」

高雄「…………コーヒー淹れてきます」


< 二輪のような夫婦、みたいな >





提督「は? 一輪車? 」

雲龍「ええ、買ったの」

提督「あ、そう。こっちの施設なら適当に使っていいぞ。
レクリエーション施設も一応あるし」

雲龍「そ、ありがとう」

提督「おう」

雲龍「……一人と一輪車の練習というのもなかなか」

提督「そのうち見に行くって。執務を片付けたら」


< 誰かの幸せの上に >





提督「今日のカクテルはシェカラート。
カクテルワードは“ 未来に夢を抱く感性豊かな人 ”、だ」

愛宕「未来」

高雄「……」

提督「……」

愛宕「……私たちも前線に出た方がいいのかしらね」

提督「それでもいいが仮に認められたとしてもどちらにせよ同じだけの戦力がここにいないとならない」

高雄「……しかし、その方たちの休息にはなるでしょう」

提督「俺、クズだからさ。正直そんなこと関係ないね」

愛宕「……自分たちが幸せであれば、か」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「……それが未来ってもんだ。未来ってのは自分だけのものなんだからな」


< 大皿がみるみる >





天城「……普通の軍施設にはビールサーバってあるものなのでしょうか」

雲龍「さぁ……これくらいなら普通にありそうだけれど」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「……一杯、いただきます」

雲龍「いいけどあなたビール苦手じゃ……はいはい」





明石「まぁ、そもそも普通はあれくらいの女性が二人してサーバの前で問答なんてしませんし」

加賀「あなたは何を言っているの? 食べないならそのマリネを」

Littorio「あ、Littorioもそれいただきたいです」

明石「ダメです。お二人は先ほどから食べっぱなしでしょう」


< 列挙 >





提督「愛宕は別になにも掴まなくてもいられるタイプ」

愛宕「うん? 」

提督「高雄は……時々背中が痛い」

高雄「…………」

提督「雲龍はむしろ好きあらば傷付けさせようとしてくる」

愛宕「へぇ……」

提督「加賀はよくわからん。機会が少ないし」

高雄「はぁ」

提督「明石は……明石も加賀と同じだけど割と普通な気がする」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「……いや、オチなんてねぇよ」


ありがとうございました


< 撫でる >





提督「……CMも多様化してるなぁ」

加賀「これは……度し難いわね」

提督「女の子から見ればゲームや漫画なんて大体そうだろうね」

加賀「現実でできないことを、ということかしら」

提督「たぶん」

加賀「そう」

提督「あぁ」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……しないのかしら」

提督「えっ、これ撫でる流れだったのかよ」


< 牽制のような違うような >





高雄「六月二十一日の誕生石はサーペンティン。
石言葉は“ 高潔 ”、“ 上品 ”、そして“ 淑やか ”」

提督「淑やか、とは違うかもしれないけど」

高雄「はい」

提督「女形の最高峰は女よりも女らしいとか言わない? 」

高雄「そう聞きますね」

提督「あれって女らしさを研究した証だろ?
それなら女が女らしさを研究してそうならないわけはないと思うんだよね」

高雄「はぁ……しかしですね」

提督「あぁ」

高雄「究極に女らしい女がいたとして自分がそれに値する男だと思いますか? 」

提督「……なかなか言うね」

高雄「それほどでも」


< 転生するとしたら >





愛宕「何になりたい? 」

提督「女の子」

愛宕「あっくしゅみー」

提督「何言ってんだ。記憶は新しい子だろ?
変なことはしないで普通に恋して普通に抱かれて普通に結婚したいの」

愛宕「そう。……その時は私がしっかり抱いてあげる」

提督「あ、そう」

愛宕「でもこのままだとしたら高雄兄さんと、3P? 」

提督「えぇ……お前は女の子に対する慈悲ってものがないの? 」

愛宕「結局気持ちよくなっちゃうくせに」

提督「……あのさぁ」

高雄「愛宕が弟……? 」

愛宕「うん」

高雄「…………提督の兄の方がマシですね」

愛宕「そんなぁ」

提督「当たり前だろ」


< 己を顧みて >






雲龍「え、既に兄弟だったりしないの? 」

提督「兄弟? 姉妹じゃなく? 」

雲龍「ええ」

提督「……? 」

雲龍「…………」

提督「……あ、もしかして俺が掘られるとかそういう? 」

雲龍「ええ。ないの? 」

提督「ねぇよ。さすがに俺のこと馬鹿に……」

雲龍「どうしたの? 」

提督「……いや、大概馬鹿にされても仕方ないな、と」


< 線香花火の様に >





高雄「今日の誕生花は皐月。花言葉は“ 節制 ”」

愛宕「もうその単語は馬の耳に念仏並の意味よね」

高雄「あの人にとっては」

愛宕「うん」

高雄「……きっと私たちの寿命を信じていないのよ。
私たちといつまでいられるかというものを悲観的にしか考えていない」

愛宕「……三笠さんですらあの人と同じくらいの年齢だものね」

高雄「外見はそのままに、ね」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「……今を楽しく生きる、か。とっても難しい」

高雄「だからこそ、今はそれを考えずにいたいものです」


< そんなとき >





提督「今日のカクテルはルジェカシスコラーダ。
カクテルワードは“ 愛想を振りまく愛くるしい人 ”、だ」

雲龍「ぶりっ子? 」

提督「お前はまたネガティブなことを」

天城「ぶりっ子はネガティブな評価なのでしょうか」

雲龍「どうせ不特定多数の男にコナかけまくるのよ。女の敵だし男の敵ね」

提督「……なにお前機嫌でも悪いの? 」

雲龍「別に」

天城「ぶりっ子……まぁ、特に思い浮かぶ方もいませんが」

提督(……愛くるしければ正義だと思う、とは言えない雰囲気だなぁ)


< 三人寄っても緩やかに >





加賀「月が隠れたわ」

明石「雲に透けた月明かりというのもなかなか」

天城「はふ……そうですね」

加賀「あなたは飲めればいいのじゃなくて? 」

天城「加賀さんこそ」

加賀「……彼が隣だとなおよかったのに」

明石「私でもそれなりに楽しいですよ、たぶん」

天城「女三人で屋上飲み」

加賀「…………」

明石「…………」

天城「風情もなにもありませんね。天城は構いませんが」


< どうせなら楽しく生きなきゃ >





提督「……」

雲龍「? ……っ」

提督「なんか嫌なことでもあった? 」

雲龍「べ、っつに」

提督「そう」

雲龍「……ん……ぅ…………! 」

提督「……ヘソ出すの好きなの? 」

雲龍「……ゃ」

提督「これも……愛想とか、媚じゃない? 」

雲龍「…………あ、なただけ、だからぁ」

提督「そ。……下から指入れられるって素晴らしい」


< 真面目な会話 >





高雄「次回の演習ではLittorioも参加するということらしいわね」

Littorio「ええ、ただ遊んでいるわけにもいきませんし」

愛宕「私たちにも降りかかってくる言葉ねぇ、それ」

高雄「一応執務補佐ではありますが」

愛宕「まぁね。……明石をどちらかの班につけるらしいけどどういう分け方なのかしら」

高雄「提督と加賀さんが意見を出し合って最終的には彼が決めるようですね」

Littorio「幾つかの班で演習を行って最適なものを決めるのでしょう。目的ごとに、ね」

高雄「ふむ……あなたの力、楽しみにしていますよ」

Littorio「ええ、祖国の恥とならぬよう、Littorioの名を落とさぬよう、力を尽くします」


< 気付く >





愛宕「バランスのいい分け方なら? 」

高雄「私と愛宕は離すでしょうね」

Littorio「それでは雲龍と天城も別々、と」

愛宕「加賀さんとLittorioが問題なのよね。制空をどの段階まで進めるのか、とか。
Littorioをどこまで近付けておくのか、とか」

高雄「なんにせよ雲龍さんか天城さんのどちらかを上手く守るのが重要でしょうか」

愛宕「そこで明石よね。ある程度特攻できる保険にもなる」

高雄「あぁ、確かに」

Littorio「……………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

Littorio「……………安心しました。ここって本当はこういう話をするところですものね」


ありがとうございました


< 自分ルールみたいな >





加賀「おはようございます」

提督「あぁ、おはよう」

加賀「ゆうべはおたのしみでしたね」

提督「おう」

加賀「……開き直られると複雑なのだけれど」

提督「隠せないのなんて知ってるし……俺から誘ったしな」

加賀「……そう」

提督「自分から誘って面白くありませんでした、じゃあクズレベルが上がってしまう」

加賀「今更な話だけれど……まぁ、いいわ」

提督「ん」


< 父の日 >





加賀「そういえば昨日はお父様にはなにか? 」

提督「ん、一応ね」

加賀「そう。あなたのお父様、会ってみたいわ」

提督「普通だぜ? 顔はまぁ似てるけど」

加賀「それはさぞかし女性と」

提督「いやぁ? 俺が言うと複雑だけど父親は超一途だぜ? 」

加賀「なるほど」

提督「あぁ」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……つまり完璧な男ね」

提督「そ、そっすね。ははは……」


< パブロフの男、と煙草 >





提督「あっ、そういえばさ」

加賀「…………」

提督「別に話題逸らしじゃないから、うん」

加賀「……はい」

提督「……お前の知り合いで喫煙者いないか? 」

加賀「あなたが」

提督「俺以外でさ」

加賀「あなた以外となると……まぁ、何人か心当たりはありますね。それがなにか」

提督「なーんか友達がガラムって煙草三カートンも送ってきてさ。
俺、基本的にはヤった日の朝に決めた銘柄しか吸わなくて」

加賀「それを譲りたいと? 」

提督「あぁ。そんなにあったら湿気っちゃうだろ」

加賀「……どうせなら毎日吸えばいいのでは」

提督「え、毎日ヤれってこと? 」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………今のは品のないジョークでいいのね。そうよね」

提督「ん? ……あ、え、普通に吸えと? 」

加賀「普通はそう思うでしょう」


< そう、こんな朝の一幕でした >





提督「で、でもさぁ……毎朝吸って肺痛めつけてブレスケア噛み砕くのはちょっとね」

加賀「それはお酒を減らしてから言ってちょうだい」

提督「それをお前に言われるのか」

加賀「あなたより強いもの」

提督「……まぁ、そうだけど」

加賀「…………私も、あなたには身体に気を付けてほしいのよ」

提督「……善処します」


< 包み隠さないということ >





高雄「六月二十二日の誕生石はサンストーン。
石言葉は“ 一生懸命 ”、“ 拘り ”、そして“ エリート ”」

天城「こんな人でもこの国のエリートなんですよね……」

高雄「そうですね」

天城「なにやら世の無常と理不尽を感じます」

高雄「お察しします」

天城「はぁ……」

提督「え、あのさ。俺目の前にいるよな? なにこれ、悪口大会かなんかなの? ねぇ」

天城「目の前にいるからこそ言ったのです。そういうことを言える関係でしょう? 天城たちは」

提督「ま、まぁそうかな」

天城「では、天城は姉様と約束がありますので」

提督「おう、またな」





提督「……なぁ、もしかしなくても煙に巻かれた? 」

高雄「明らかにそうでしょう……本音も混ざっていたと思いますけどね」


< ボウリングの日 >





天城「らしいです」

愛宕「そうなの? 」

天城「はい」

愛宕「ふーん……だって」

提督「え、俺? 」

愛宕「だってあなたしかやったことある人いないじゃない」

提督「確かに。……でも別に今から行けるわけじゃないし」

高雄「カラオケを増設してこの上そんなものまでつくるのは……」

提督「だよなぁ」


< 好きな人と同じ趣味を >





Littorio「あなたの趣味ってなんなのかしら、提督? 」

明石「女漁り? 」

提督「ひっでぇ」

雲龍「あ、じゃあ女遊び? 」

提督「……読書とか映画とかあるだろ。お前らも時々の俺の本読んだりしてるじゃねぇか」

Littorio「だってらしくないんですもの」

提督「あ? それならあと格と……やっぱいいや。読書と映画で」

明石「格闘技? 」

雲龍「寝技? 意味深? 」

提督「……だから途中で言うのやめたのに」

Littorio「えーっと、それはさすがに一緒にというわけにも……」

提督「しなくていい」


< 普段の行いから >





高雄「今日の誕生花は忘れ草。花言葉は“ 愛の絆 ”」

Littorio「色々と寄り道や迂回はしていますけれど」

高雄「ええ」

Littorio「あなたと彼、深い絆を持っていますね」

高雄「そう、でしょうか」

Littorio「あなたを見る目が、違うのです」

高雄「はぁ」

Littorio「何も優しそう、なんていう漠然としたものだけではありません。
高雄の足元を気にしたり、ドアは自分で開けたり、他の男性と会ったときにはきっと間に入ったりしているでしょう? 」

高雄「…………」

Littorio「…………」

高雄「…………」

Littorio「……えっと、違ったかしら? 」

高雄「……いえ、確かに思い当たる節はありますし大事にされているとは思うのですが」

Littorio「ええ」

高雄「…………どうも先入観なのか女好きの優男のようなイメージしか湧かなくて」


< 受けられぬ感謝を塞ぐには >





提督「今日のカクテルはヨーグルトストロベリーミルク。
カクテルワードは“ 人を助け、気配りのできる素直な人 ”、だ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……どうした」

高雄「……いえ、よく考えればあなたに助けられた、と言えることが思い出せないな、と」

提督「…………」

高雄「別にないわけではないと思うのです。
事実よく思い出せばあるのですが……印象に残らないというか」

提督「……高雄と一緒にいるときに長い間助けが必要な状態ではいたくないからさ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「……あぁ、やはり私はあなたのことが好ンーーーー」


< 甘く深く、そして >





愛宕「キス、したわね」

高雄「ぁ、ルージュが」

愛宕「それもあるけど……瞳が、ね」

高雄「…………」

愛宕「まー、なんていうの? そそる目をしてるっていうかね? 」

高雄「……私は、悪くない」

愛宕「そうねぇ……」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………ストロベリー味の甘いキスでした」

愛宕「そ……甘かったのは本当にストロベリーのおかげかしらね」


< だって苦い顔をしていたものだから >





明石「……唇」

提督「ん? 」

明石「……ルージュ、残ってますよ」

提督「あぁ、そういえば拭ってない……ん、これでいい? 」

明石「……はい」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……ニュー・シネマ・パラダイスでもどうかな」

明石「……映画、ですか? 」

提督「いや、それをイメージしたカクテル。そんなに強くないかな」

明石「……甘い、甘いカクテルなら、いただきましょう」


< 長いお別れには早すぎる >





提督「俺の憧れはフィリップ・マーロウだから。言ったっけ? 」

明石「……それあんまり威張れませんよね」

提督「まぁね。でもああいう男になりたかった」

明石「探偵? 」

提督「生きていけるだけの日銭と煙草と酒と、慰めてくれる女、口説ける女」

明石「はぁ」

提督「それだけで生きていけると思っていた時期がありました」

明石「あぁ、さすがに今は思ってないんですね」

提督「そりゃね。ま、マーロウだって所帯を持てば丸くな……なってねぇわ」


ありがとうございました


< 深夜テンション、延長で >





天城「…………ん」

雲龍「…………Zzz」

天城「…………」

雲龍「…………Zzz」

天城「…………え、姉様? 」

雲龍「…………Zzz」

天城「…………」

雲龍「…………Zzz」

天城(…………寝起きが悪いのは知っていましたが、
ベッドから落ちて枕を放り投げているのはさすがに初めてですね)

雲龍「…………Zzz」

天城(…………なにか嫌なことでも……それとも深夜テンション、というものでしょうか)


< アスリートは加速する >





愛宕「はーい、身体倒しましょうねー」

提督「おいふざけんな股割りなんてできるかおいやめひぃ」

愛宕「ふふ……きついのはここくらいですかー? 」

提督「きつきつもっと前か……ん? 」

愛宕「うん? 」

提督「……もっとイケるわ」

愛宕「んー? 」

提督「おおう……あれ、俺の身体能力上がってね? 」

愛宕「オリンピックでも目指しちゃう? 」

提督「遅咲きにも程があるな……さーて、外走ってくる。お前もくるか? 」

愛宕「おっぱい痛いから嫌」

提督「あ、そう……かき氷でも用意しといて」

愛宕「スポドリがけのでいい? 」

提督「なんだよそれ……」


< 乗り越えろ、予報は雨だ >





高雄「六月二十三日の誕生石はルビーインゾイサイト。
石言葉は“ 成功 ”、“ 学ぶ ”、そして“ 失敗を乗り越える ”」

Littorio「あー……よく走りますね」

高雄「最近は室内トレーニングとウォームランニングだけだったので」

Littorio「はぁ」

高雄「…………」

Littorio「…………」

高雄「…………」

Littorio「……暑い中走っている他人を見ながらエアコンとお菓子、というのはいいものですね」

高雄「まったくです」


< 汗の滴る >





提督「ふぅ……今の俺は好青年オーラムンムンだと思う」

愛宕「汗だくの三十代とかニッチ過ぎでしょ」

提督「えぇ……そう? 」

愛宕「……ごめん、ちょっと惹かれたかも」

提督「うへぇ、ドン引き」

愛宕「もうっ……さっさとシャワー浴びてきなさい」

提督「かき氷は? 」

愛宕「部屋に用意しとく」

提督「シロップは? 」

愛宕「イチゴ」

提督「よっしゃ、行ってくるぅ! 」

愛宕「はいはい」


< 何を始める気なんだ >





提督「つーか、明石が明らかな改造単車乗り回してたんだけど。あいつおかしいだろ」

愛宕「えーっと……結局研究捨てて遊びに走っちゃったのね」

提督「それは洒落か? 」

高雄「……将来の為に私も免許を持っていた方がいいのでしょうか」

愛宕「えー、でも女には運転させたくない男の人もいるじゃない? 」

提督「あぁ、運転が下手とかそういう……俺は別にねぇよ」

愛宕「そう? 」

提督「お前らの空間把握能力半端ないし。つーか、明石見てたら、ね」





明石「私ですか? 軍の特例ですけど大特も持ってますよ」

愛宕「え、えぇ……さすがにおかしくないそれ? 」


< 最近の悩み >





提督「周りが俺に対して酷いことを言う」

高雄「どうも寝付きが悪いような」

愛宕「買ったお味噌が自分には合わなかったこと」

雲龍「ベッドから落ちて頭が痛い」

天城「最近満足のゆくまでいいお酒を飲めていません」

明石「暇潰しで単車を買ったら同時にいい理論が浮かんでどちらも手につかなくなったこと。
さらに開き直って遊んでいたら思いの外楽しかったこと」

加賀「赤城さんと長く話していないこと。会って一緒に食事をしたいわ」

Littorio「祖国のパスタとこの国のパスタの何かが違うこと。美味しいことは美味しいのですが」





提督「皆贅沢な悩みだなぁ……」

明石「……あなたが一番贅沢というか自業自得ですけどね」


< 執務室前:廊下 >





提督「あぁぁぁ! 」

雲龍「な、なにどうしたの」

提督「父の日だったのに乳の日するの忘れてた」

雲龍「……馬鹿? 」

提督「馬鹿とかお前滅茶苦茶大事なことだろう」

雲龍「そうじゃなくていつでもできるでしょってこと」

提督「あぁ……いや、でもそれは乳の日では……うーん」

雲龍「……いつでも、いいのよ? 」

提督「……いや……こう、直球で言われるのも違うんだよ。旬を逃したというかなんというか」


< さぁ、舞台は整った >





高雄「今日の誕生花は都忘れ。花言葉は“ 慈悲 ”」

雲龍「そういえば」

高雄「はい」

雲龍「……あなたをゲームで攻撃し過ぎると恐ろしい目に遭うのを思い出したわ」

高雄「……あれはあなたが悪いでしょう。あんなに恥ずかしいことを言わさ」

提督「ん? 高雄が恥ずかしいことを頬を染めて恥じらいながら言うって? 」

高雄「…………どこから湧いたのですこの痴れ者は」

雲龍「お、お慈悲をー」

提督「? お慈悲をー」

高雄「…………」





愛宕「で、なぜに花札なわけ? 」

加賀「さぁ……私はLittorioに教えておくわ」


< 天才と秀才。そして分け方あるいは苦味 >





提督「に、分けてみると? 」

愛宕「あえて言うなら明石だけでしょ。その明石もきっと否定するわよ? 」

提督「そうかな、加賀とかは? 」

愛宕「赤城さんを天才と思ってるか秀才と思ってるかで変わりそう」

提督「はーん……確かに」

天城「……まぁ、提督と愛宕さんと姉様、他の方で分けることはできそうですけどね」

愛宕「…………」

提督「…………かき氷にっが」


< どうせならどこまでいけるのかを >





提督「寝技」

加賀「意味深」

高雄「寝る」

雲龍「意味深」

愛宕「工作」

明石「意味し、ちょっとぉ。それはおかしいんじゃないかなぁ? 」


< 第二幕 >





提督「今日のカクテルはヨーグルトストロベリーソーダ。
カクテルワードは“ 心地良い空間を愛するピュアな心の持ち主 ”、だ」

天城「疲れました……花合わせをしつつおいちょをして、さらにバカラとホールデムっておかしいですよね」

提督「ははは、どの数字をどれに使ってたのかわからなくなるよな」

天城「笑い事ではありませんが。……まぁ、最大で同時にするのは三つでしたけれどね」

提督「それに楽しいだろ? 」

天城「……否定はしません」

提督「な? 」

明石「提督ー、このゴールデンアイっての楽しいですかー? 」

提督「…………」

天城「…………」

明石「? 」

提督「……まったく、心地よ過ぎるのも考えものだぜ」


< この上なく真摯な >





雲龍「私、あなたの手つきが好き」

提督「ん……なんだ」

雲龍「壊れないように傷付けないように……優しい手つき」

提督「そういう生き方をしてきただけかもしれないぞ」

雲龍「それでも……今のあなたが全てだもの」

提督「…………」

雲龍「……傷」

提督「うん? 」

雲龍「付けても、いいのよ。私、あなたの付けた傷なら」

提督「…………」

雲龍「……きっとその傷だけ残しておくわ。治ってしまったら……自分で拡げてしまうかも」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………真っ直ぐ見るなよ。そんなに真っ直ぐ見られると……逸らしたくなくなるだろ? 」


< 堕ちた底には何があるのだろう >





雲龍「ふっ……相変わらずそんなことを」

提督「嘘じゃないからな」

雲龍「…………クズっぽくない生き方もできたでしょう? 」

提督「さぁ……楽しいことが好きだからね」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……クズはいつまでも、なのかしらね」

提督「そうだとして」

雲龍「ええ」

提督「クズが死ぬまで続く業だとしたら」

雲龍「……ええ」

提督「同じやつが愛情を抱き続けて死ぬことも、それなりに信用できるんじゃないかな」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………あなたには楽しく生きてほしいわ」

提督「そうか」

雲龍「……そして、苦しんで苦しんで、苦しみぬいて生き絶えてほしい」

提督「……そう、か」


< 瘴気でも生み出しているのか >





Littorio「この基地の窓という窓を数日開放して」

天城「はぁ」

Littorio「そうすると何故か世界が澱んでいくような気がします」

天城「それは……そうならないとは言えないのがなんとも」

Littorio「ええ」

天城「…………」

Littorio「……ねぇ、なぜLittorioを狙い撃つの? 」

天城「……あなたにしかまともに勝てないからですよ、天城が」

明石「ははは……」

加賀「…………見つけました」


< ヒトと魑魅の狭間で >





愛宕「うーん……」

高雄「どうしたの? 」

愛宕「なんというか」

高雄「ええ」

愛宕「欲求不満? 」

高雄「……今日はフリーだと思うけれど」

愛宕「そうじゃなくて……最近高雄と三人で寝てないなって」

高雄「はぁ」

愛宕「恋人愛と姉妹愛を合わせて家族愛も満たせるって考えたら凄いことじゃない? 」

高雄「そんなこと言われても……自分の精神構造を分析したことなんてないわよ」


< このままあなたが目覚めなくとも >





提督「…………Zzz」

愛宕「……やけに寝付くの早かったわねぇ」

高雄「久々に炎天下で長距離を走ったりしたから……疲れてしまったのでしょう」

愛宕「普通のトレーニングと実戦は違うってやつ? 」

高雄「あなたも演習と戦闘では違った疲れ方をしない? 」

愛宕「なるほど」

提督「…………Zzz」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「……このまま死んでしまいそうなくらい穏やかな眠りね」

愛宕「……そんなの嫌だけど……そのまま一緒に朽ちていけるなら、私は」


ありがとうございました


< 寝付き、その原因 >





高雄「…………」

提督「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

高雄「…………」

提督「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

高雄(そういえば最近でしたか。三人ではなく一人や二人で寝ることが自然になったのは)

提督「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

高雄「…………」

提督「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

高雄「…………今日はとても良い寝心地でしたね」


< だって楽しいから >





高雄「六月二十四日の誕生石はウォーターオパール。
石言葉は“ 器用 ”、“ 決断 ”、そして“ 豊かな教養 ”」

明石「工学って教養に入りますかね? 」

提督「入らない。工学は実学」

明石「でも、知ってることが多いと便利ですよ? 」

提督「個人的に実学は教養に入らないと思うんだ。
教養ってのは自分に余裕のあるやつが利益を考えないで収めるモノ」

明石「なるほど……まぁ、だからどうだってわけじゃないですけど」

提督「つまり俺が女の子と遊びたいのもだな」

高雄「それは教養ではありませからね。絶対に」


< なでしこ >





提督「なるほど……なるほど」

高雄「なんです」

提督「いや、つまんなくはないけど……つまんねぇ試合だなって」

高雄「私にはよくわかりませんが」

提督「……差別じゃねぇけど」

高雄「はい」

提督「……基本的に女の子の方が身体能力は低いだろ」

高雄「まぁ……そうですね。人間は」

提督「……それで男子と同じスポーツを同じルールでプレーしてるのを観ても、な? 」

高雄「…………あぁ」


< 女の子と恋は揃ってるけどね >





提督「つーか、梅雨はどうした梅雨は」

高雄「無い方が楽だと思いますけど」

提督「でもさぁ」

高雄「セットしたスタイルが崩れるだとか」

提督「んー……雨に透けたブラウスの女の子と青春したーい」

高雄「……女の子は兎も角あなたが青春に適していないでしょう。主に年齢が」

提督「青春なんて女の子と恋と運動があって楽しければそれは青春なんだよ」

高雄「…………本来部活のことでしょう? 恣意的過ぎません? 」


< 左手の魔術師 >





提督「あれ、リバウドまだやるのか」

愛宕「その人は知らないけど……スマホ貸して」

提督「ほい」

明石「提督もいつかは引退するんですよね」

提督「ま、そうだな」

愛宕「どうせ隠居してもこれまでと変わらない気がするけど」

明石「むしろ激しくなったり」

提督「いやいやいや……ま、とりあえず頑張るというより楽しんでほしいね、うん」

愛宕「あっ、愛称が“ 左足の魔術師 ”だったんですって」

提督「おう」

明石「へぇ……自分でスるときは利き手とは反対って……あっ」

提督「あっ、じゃねぇよ」


< 夜泣きみたいな >





高雄「今日の誕生花は弟切草。花言葉は“ 秘密 ”」

加賀「同じ名前の映画を提督の倉庫で見たことが」

Littorio「嫌です」

加賀「別に今から観るとは」

Littorio「イ・ヤ・で・す」

加賀「…………」

Littorio「あの人と加賀の映画センスはもう絶対に信用しませんからね」

高雄「…………そうしてください。夜中にドアを叩かれて一緒に寝るのはもう嫌ですから」


< 僚友としてか、それとも >





鈴谷「で、結局提督のこと好きなの? 」

金剛「んー……どうなんでしょうカ」

鈴谷「いやいやいや、え? 訊いた鈴谷が言うのもなんだけど好きでもない男にあれだけのことする? なくない? 」

金剛「好きではあるネー……でもその好きがlikeなのかloveなのカ。……そういえば最近会ってないデスネー」

鈴谷「ふーん……難しい? 」

金剛「very very very.ネ」

鈴谷「……そっかぁ」

金剛「鈴谷はそういうのはないんデスカ? 」

鈴谷「ん……鈴谷がまともに話したことある男って提督だけだからさ。しょーじきわかんない」

金剛「……そう、デスカ」

鈴谷「提督のことは好きだよ? カードとかゲームとかしてくれるし。
あと、結構面白い話もしてくれるもん」

金剛「…………」

鈴谷「でもさ……それ以上踏み込めなかったんだよね。
あんなに、ね? 仲いいとさ。……鈴谷の好きがどんな好きなのか確かめてみたかったなー」

金剛「…………」

鈴谷「…………」

金剛「…………あなたのこと、好きデス、ヨ? 」

鈴谷「……それはわかりやすい好き、だね」

金剛「…………」

鈴谷「あーあ……提督への好きもこれくらいわかりやすければよかったのになー」


< 天城越え♪ >





天城「…………♪ 」





提督「音楽プレーヤを持ちつつ黄昏る天城、か」

高雄「雲龍さんが使っているのを見て欲しくなったそうですよ」

提督「あれでまだ姉っ子だもんな……何聴いてんだろ」

高雄「……演歌とか? 」

提督「確かに似合いそうだけどさ。うーん……? 」


< 席を立ったので盗み見 >





提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………XのRusty Nailなんてどうやって予想すりゃいいんだ? 」

高雄「…………だから盗み見なんてよくないと言ったんです」


< 少なくとも正装ではない >





提督「今日のカクテルはブルーカイピリーニャ。
カクテルワードは“ 情熱的で無邪気ないたずら者 ”、だ」

愛宕「たちが悪いわね、それ」

提督「島風あたりかな、別に情熱的ではないけど」

愛宕「あの子割とダラけるところはダラけるわよね」

提督「あぁ。……お前島風の戦闘衣着れるか? 」

愛宕「えっと……普段着で? 」

提督「まさか。そんなわけ」

愛宕「それなら……うーん」

高雄「…………まるで普段着以外の使い方があるような言い方ですね」


< あなたの影から >





提督「うぁ……酔った」

天城「そうは見えませんが」

提督「だって今ビールサーバにホース繋げて直飲みしたいもん」

天城「あぁ……それは確かに酔ってますね」

提督「な」

天城「……」

提督「んー……黒が飲みたい。くれ」

高雄「ここに」ヌッ

提督「さんきゅ」

高雄「いえ」

天城「……………………さっきまでいませんでしたよね、高雄さん。しかも黒ビールなんてどこから」


< 寝台と寝間着と月明かりと >





提督「ふぁ……ねむねむ」

愛宕「おかえりー」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……まーた、エロい格好してさぁ。なに、襲ってほしいの? 」

愛宕「このまま寝てもいいのよ? 」

提督「はっ、冗談」

愛宕「ふふ」

提督「…………っと」

愛宕「……んー」

提督「ん」


< talk with >





愛宕「ん……くすぐったい」

提督「あぁ、悪い」

愛宕「ふふ……でも、撫でるのはやめないのね」

提督「髪、好きなんだよ」

愛宕「そ。やっぱり金がいいの? 」

提督「いいや? 普通に、というか綺麗だから好きなんだよ。触り心地がいい」

愛宕「ん……」

提督「まぁ、ゲルマン人を蔑んでたローマ人ですらゲルマン人の容姿は褒めてたし。
金髪は世界普遍の宝なんすねー」

愛宕「それなら宝の一つを独り占めしてるのはどんな気持ち? 」

提督「ん、最高」

愛宕「そう。よかったわね」

提督「…………寝るか」

愛宕「んー……もう少し、撫でてほしいんだけどぉ? 」

提督「あぁ……それならなにか、楽しい話でもしてみようかーー」


ありがとうございました


< どちらも好きですが、なにか? >





提督「いや、それはおかしい。ロングの方が足の捌き方とか技の出所が見えないだろ? 」

加賀「だからなんだと言うのです。そもそも短くなければまともに捌けないでしょう」

提督「違う、違うね。そのためのフットワークだろ」

加賀「格闘、戦闘においては体力を温存し一撃離脱が基本です。
ましてや海上での乱戦ともなればなおさら」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「……ロングだろ」

加賀「はっ……何を馬鹿な」





愛宕「……ロングスカート好きだったわよね」

高雄「まぁ、ミニワンピも好きだったり……あれはあれで真面目な論争なんですよ、きっと」

愛宕「格闘技は経験者だものねぇ……それよりミニ推す加賀さんが痴女みたい」


< 心が折れて手に付かない >





高雄「六月二十五日の誕生石はマラカイト。
石言葉は“ 親切 ”、“ 自立 ”、そして“ ユーモア ”」

提督「自立か……自立」

高雄「はい」

提督「お前がいる限りは自立できそうもねぇな」

高雄「数日程度会わないことは可能ですが」

提督「いやいや……別に自立する必要はないだろ」

高雄「……そうですね。はい、次の書類です」

提督「ん、さんきゅー。…………お前が数日でも消えたらこの国の防衛が疎かになるよ」


< え? 配管工ですって? 誰ですか? >





明石「Littorioさん」

Littorio「はい? 」

明石「私、あれが見たいです」

Littorio「あれ? あれとは一体……」

明石「それはもちろんピザ回しですよ、ピザ回し。
今日は外で飲むのでそろそろ本場のピザを」

Littorio「はぁ……? 」

明石「できるんですよね? ピザ回し」

Littorio「…………期待されているところ申し訳ないのですが、できません」

明石「え、えぇー……嘘ぉ」

Littorio「……あなたの中の我が祖国は少々おかしなもののようですね。非常に興味があります」


< 昼顔:“ 情事 ” >





高雄「今日の誕生花は昼があっ」

提督「丁度二人しかいない」

高雄「でも……まだ、陽がたかぁ」

提督「……クク」

高雄「ん……ゅる…………ちゅ」

提督「……ん」

高雄「……はぅ…………んっ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………やめてもいいよ? 」

高雄「ん…………いじわる」


< 流麗な立ち姿が >





加賀「あなたたち弓は嗜まないの? 」

天城「天城はしませんね」

雲龍「私も」

加賀「そう……それならいい機会だから始めましょう。
丁度射場を整備したところなの」

天城「でも天城も姉様もド素人ですよ? 」

加賀「構わないわ。私も気分転換したいところだったの。
それに先日ゴム弓を見つけて、ね」

雲龍「いいですけど……どうせなら」

加賀「? 」





明石「はぁ……私こういうのは」

Littorio「おお……これはまさしくサムラーイ」

加賀「いいじゃない。リフレッシュにも集中にも効くわよ。
……それとこれは侍ではありませんよ、Littorio」

愛宕「ん……胸当てがきつい」


< 遊びでこんなに熱くはならないから >





提督「今日のカクテルはブルーアイズブルー。
カクテルワードは“ おふざけな恋に陥らないロマンティスト ”、だ」

愛宕「随分とお楽しみだったようねぇ」

提督「おふざけじゃない、ね」

愛宕「ふーん……」

提督「ある意味で陥ったというかそんな感じだけど」

愛宕「わーお、しっもネタぁ」

提督「下ネタでいいだろ。ロマンティストだってリアリストだって最後は同じことするんだ。つまり」

愛宕「うん」

提督「楽しんだ者勝ちってことだ」

愛宕「そうねぇ。……いや、でもそれ下ネタ言ったことの説明にはなってないから」


< マンゴージュレとかいいよ >





雲龍「っく……ぅ……ぅ……っはぁ」

明石「よっ、さすが横綱っ」

加賀「ふむ……アルコールのかき氷というのも悪くない」

天城「外は暑いですしね。暑いところで冷たいものを、というのも昔からすれば贅沢なものですが」

雲龍「……よ、横綱ってなによ、太ってるっていいたいの? っえぇ」

明石「や、綾というかなんというか。他意はないです、はい」

Littorio「はーい、敗者が飲み切ったので次の勝負にいきまーす」

加賀「あなた妙にハイテンションね」

明石「あ、さっき間違って焼酎とレモンの量逆にしたやつ渡しました」

Littorio「ふふ……一杯では変わりませんよー。お外なのではしゃいじゃってるだけです」

天城「雲龍……横綱……土俵入り……ふふ」

雲龍「…………天城? 」


< Chaos >





提督「なんこつ揚げ持ってき……なんだこの混沌は」

明石「へへ……いいじゃないですかぁ」

雲龍「あなた馬鹿なの? それはこっちよ」

Littorio「はぁ、でも提督は確かにこちらだと」

天城「…………あら、もう空なのですね」

加賀「どうも。それはここに」

提督「あ、あぁどうぞ。……雲龍たちはなぜかあやとりしてるし天城は相変わらずだし、明石は椅子に話しかけてるし……なんだこれぇ」

愛宕「……ねぇ、明石、そろそろヤバイわよ、あれ」

高雄「……袋、用意しておきましょう」


< 病ンデレか、殺ンデレか >





提督「寝たら焼き鏝で何がしか刻印してきそうな女の子No.1は龍田なわけだが」

明石「いや、そんなこと言ったら笑顔で切り落としてきそうですけどね」

提督「だいじょぶだいじょぶ。俺龍田と仲いいもん。……お前は大丈夫か? 」

明石「いやいや……。はい、お水をいただいたら落ち着きました」

高雄「一応こちらに来てからも五月二十九日には欠かさず贈り物してますよ、この人」

明石「へぇ……今年は? 」

提督「バスソルト」

明石「入浴系ですか……」

提督「なんだ」

明石「らしいというかなんというか……まぁ、龍田さん喜びそうですね」

提督「ふっ……俺にも毎年プレゼントと手紙が送られてくるからな。舐めんなよ」

明石「なるほ……いやいやいや、なんでそんな相手に焼き鏝がどうとか言えるんですかね。酷すぎるでしょ」


< 宴の後、厨房にて >





愛宕「お風呂にする? ご飯にする? そ・れ・と・も」

提督「おう」

愛宕「ふふ……た・わ・し? 」

提督「あのね……それただの皿洗いじゃん。つーか、飯は食ったばっかだ」

愛宕「手伝って? 」

提督「えぇ……」

愛宕「…………お皿洗いのあとは人肌のたわし、どう? 」

提督「どっちかっていうとスポンジだろそれ。……でもしゃーねーなぁ、そっちの皿貸せ」


ありがとうございました


< 翌日:稀によくある >





明石「うえぇ……やっぱり二日酔っっっ」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石(……な、なんとか押しとどめました)

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………あ、あぅあ」

明石「…………」

明石「…………ゆっくり、そう赤子を抱く揺り籠の様な優しさで内臓を労わりつつ水を飲みっうぇ」


< この後なんとか持ち直しました >





Littorio「……? 」

明石「…………ぅ」

Littorio「二日酔い? 」

明石「……はい」

Littorio「ふーん……大変ね」

明石「それはもう」

Littorio「…………」

明石「…………」

Littorio「……戻すなら外か自室でお願いね」

明石「ひぃ……外は雨降ってますよ……」


< オイルの匂いが芳しく >





高雄「六月二十六日の誕生石はスペサルタイトガーネット。
石言葉は“ 独立 ”、“ 才能 ”、そして“ 努力家 ”」

提督「努力ねぇ……ほい」

愛宕「才能のない努力程虚しくて滑稽なものもないわよねぇ〜 、はい」

雲龍「……“ 誰もが才能を持っている。でも能力を得るには努力が必要だ ”……次」

加賀「その人物は間違った努力をしても間違った道筋で才能を開花させてしまう、とも言っているけれど。はい」

天城「人は誰しも天分を知らねばならない。……どうぞ」

Littorio「Littorioはその人物を知らないのですが……はい」

高雄「有名なバスケットボールの選手ですよ。……っと」

提督「だな。ほいよ」

愛宕「ぐらつかせないでよ。……はぁ、なーんで七人も集まってジェンガなんて、ん」





明石「うーん……一人で単車を改造するのはハブられているような気も。
でもツナギ着てると落ち着くんですよねー」


< いらない子扱いではないはず >





Littorio「言ってはなんですけれどこんなところに正規空母級を三人も遊ばせておくのはどうなのですか? 」

加賀「一応私は名目上、別の任を任されてはいるのだけれど」

雲龍「私たちは……なにかしら」

天城「演習もあまりありませんしね」

加賀「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

Littorio「……あ、あの別に責めているわけではなくてですね、ね? 」


< クローズドサークルという程でもないが >





天城「皆さんあの人に関わることばかり……他に話すことはないのですか? 」

雲龍「別に話そうと思えば話せるけど……ね? 」

加賀「そうね」

明石「はい」

雲龍「こんな閉ざされた空間で女ばかり集まれば男かファッションか陰口くらいの話しかできないものよ」

天城「はぁ」

雲龍「陰口というか愚痴になるけれど……する? 」

天城「あ、結構です。はい」


< 成就した者も多くはないがね >





高雄「今日の誕生花は華鬘草。花言葉は“ 失恋 ”」

明石「私もジェンガに参加すればよかったです」

提督「まぁ、そのうちまたやるって」

明石「はぁ。……さて、提督の失恋話でもしましょうか」

提督「嫌だよそんなの。つーか話題の変え方下手過ぎ」

明石「でも聞いてみたくありません? 」

高雄「そうですね……割と」

提督「……お前に話すのはもっと嫌だ」

高雄「はぁ」

提督「…………よく考えたら完全に失恋した経験あるやつが俺一人しかいないってのも凄いな」


< L:加=238m:238.5m >





Littorio「Littorioがヒールを履いても届かないというのはなかなか 」

高雄「誇ることのできる数少ない要素ですからね」

提督「おい。まるで俺が身長に頼ったのっぽみたいな」

愛宕「はいはい。しっかり鍛えていて偉いですねー」

提督「……」

Littorio「ここで一番背が低いのは明石ですけれど。高いのは? 」

高雄「あなたか加賀さんでしょう。私と愛宕も低いという程ではありませんが」

提督「体感では加賀だな。俺を見上げる角度が違う」





雲龍「……なぜかあなたが3.5mくらい大きい気がするわ」

天城「それは雲龍型空母の話です」

雲龍「いえ、こちらが。和服だと目立つわよね」

天城「はぁ……姉様の方が大きいように感じますが」


< 彼女はガテン系、みたいなことにはね? >





提督「今日のカクテルはブルーハワイ。
カクテルワードは“ 汗水垂らして前向きに働くしっかり者 ”、だ」

Littorio「アルバイト、というものをしたことはありますか? 」

提督「あるよ? 大体は日雇いとか短期だったけど」

Littorio「Littorioはあの土方というやつをやってみたいです」

提督「なんでだよ……まぁ、滅茶苦茶便利屋扱いされるだろうが」

Littorio「Littorioならばどれくらいの速度でできるのかな、と」

提督「物運ぶだけじゃねぇんだぞ。……待てよ? 明石がいればその辺はカバーできるような」

Littorio「先程も思いましたが色々と勿体無い集団ですよね、ここ」

提督「あぁ。……ヘルメット被ったLittorioか……うーん? 」


< 気紛れと憂鬱とそして >





提督「そこの癖っ毛こっちに来い」

雲龍「……私? 」

提督「お前以外に誰がいる」

雲龍「……で、なに? 」

提督「梳かしてやる。座れ」

雲龍「…………酒臭い」

提督「んー。気にすんな」

雲龍「…………こんなのでも嬉しいなんて…………はぁ」


< 最期に見るものがあなたであれば >





愛宕「結局演習っていつになるのかしら」

高雄「さぁ……今月中を予定はしていたようですがどうやら無理そうですね」

愛宕「そっかぁ……まぁ、いつでもきなさいって話よ」

高雄「そう……私は嫌よ」

愛宕「へぇ、あの真面目な高雄が」

高雄「任務だから、というわけではありません。
ただ、演習とはいえ海上での戦闘ですからね」

愛宕「うん」

高雄「もしかすると……あの人の目の前で死ねないかもしれませんから」

愛宕「……なるほど」

高雄「…………どうせなら、彼の記憶に一生刻まれるような別れ方をしたいです」

愛宕「ふふ…………順調に病んできてる気がするわぁ」


< たべちゃうぞ☆ >





愛宕「んー……」

明石「肘を突いてアヒル口……なるほど」

愛宕「? 」

明石「や、似合うなぁーっと」

愛宕「そう? ……ふふ」

明石「…………」

愛宕「…………」

明石(…………ちょーっと今のは、揺らいでしまいましたねぇ。そんな趣味は……いやいや)


< 背中を預けるならば、いっそ >





雲龍「相変わらず……」

提督「うん? 」

雲龍「……慣れた手付き」

提督「まぁ、そうだろうね」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……あ、おい俺に寄り掛かったらまともに梳けないだろうが」

雲龍「…………」

提督「雲龍」

雲龍「……少しだけ、少しだけこうさせて」

提督「……………………はぁ」ギュッ

雲龍「ぁ…………」


< 兵器は幸せを知らない >





天城「兵器に感情は必要なのか……何度も自問した命題ですね」

加賀「解は、得られたかしら? 」

天城「……いえ」

加賀「そう」

天城「…………」

加賀「……兵器には感情も意志も、幸福さえ不要よ」

天城「…………」

加賀「でも、兵士は最も兵器の近くにいるけれど……対極の存在なの」

天城「…………」

加賀「何気無い幸福を幸福であると噛みしめることの大切さを知ってこそ、兵器は、兵士は」

天城「加賀さん」

加賀「……なにかしら」

天城「…………あなたは幸せですか? 」

加賀「…………」

天城「…………」

加賀「…………この上なく、ね」


銘柄ですか……考えてませんね
まぁ、メンソやフレーバーではないと思います

ありがとうございました


< それなりにカッコいい >





提督「赤レンガといえば」

加賀「旧海軍省施設のことでしょう? 」

提督「そう、普通はそうだ」

加賀「……他になにか」

提督「あぁ、我が北海道の旧本庁舎も通称は赤れんがでな。1888年に建てられたこの建物はーー」

加賀「…………」





愛宕「なにあの行き過ぎた郷土愛」

高雄「まぁ……ポジティブな面ですし。多少は」

愛宕「大体旧海軍省もその庁舎も単に赤煉瓦でできてただけじゃない。それ以上の意味なんてないわよ」


< 酒好きの戯言 >





加賀「……なるほど」

提督「あぁ。それでこれも北海道ネタなんだけどさ」

加賀「……はい」

提督「単冠に泊地あるだろ? 」

加賀「はい」

提督「道民は占冠とかあるから冠は読めるんだよ」

加賀「はい」

提督「でもさぁ、どう考えてもあれワンカップって読まないか? 」

加賀「はい」

提督「…………もしかしてこの話つまらない? 」

加賀「はい」


< 移住 >





高雄「六月二十七日の誕生石はマルチカラートルマリン。
石言葉は“ ナイーヴ ”、“ 颯爽 ”、“ 感じ取る ”、“ きっぱり ”、そして“ 空想 ”」

提督「わ、我が故郷のトークがつまらないだと」

天城「……建物の歴史を喜ぶ人は珍しいと思いますが」

提督「そっかなぁ。地元愛だけで十分……あぁ」

高雄「そう、地元民はあなただけですよ」

提督「oh……」





愛宕「ま、私もそのうち地元民になるけれどね〜 」

雲龍「……同じく」

明石「ははは……そうなるのはいつのことやら」


< そこで真理の扉は見つかりましたか? >





提督「あぁ、そうか。今日は松本の」

加賀「……そうね」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「……俺クズだからさ」

加賀「知ってるわ」

提督「どうも他人の不幸せを親身になって考えるのは」

加賀「……大袈裟な偽善者より好感を持てるわ」

提督「……そうか」

加賀「ええ」


< カルチャーショック >





提督「そういう話はいいや。……今日はラフカディオ・ハーンの誕生日だぞ」

Littorio「はぁ」

加賀「小泉八雲ね」

Littorio「……どちらにせよわかりません」

提督「クラークみたいなもんか。日本人の方が知ってる外国人みたいな」

Littorio「……そういうことはあるかもしれませんね」

雲龍「クラーク? 」

提督「……もしかしてクラークも地元ネタなの? 嘘だろ? なぁ」

高雄「……いや、知りませんよそんなこと」


< この幸せに名を付けるならば >





高雄「今日の誕生花は時計草。花言葉は“ 聖なる愛 ”と“ 情熱 ”」

提督「いま聖女になって抱いてくれ」

高雄「は? 」

愛宕「遊女のように抱かれるのは嫌ねぇ」

高雄「あの」

提督「っても単にお互い気兼ねなくってことだろ? そんなもんお前」

愛宕「気分ってものがあるんですぅー」

高雄「…………」





高雄「なるほど。……“ 本当の幸せなんです? ”」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………なんでしょうね。そんなの私が知りたいくらいです」


< 公道は走れない >





明石「ふぅ……工廠は暑い。暑くて死にそう。当然だけど」





提督「よっ、調子いいかー? 」

明石「って、提督? 」

提督「おう。なになに? この単車まだ改造するわけ? 」

明石「あぁ、次はサスペンションをまともなのにしよ、じゃなくてっ」

提督「ん? 」

明石「あの……汗臭いですから、ね? あとで、その」

提督「あのさ」

明石「はい? 」

提督「俺がそんなこと気にすると思うの? 」

明石「で、ですよねー……ははは」

提督「むしろ女の子の汗ならばっちこいでぇっ」

高雄「……気持ち悪いこと言ってないで戻りますよ。遊ぶなら書類と戯れなさい」


< 化身♪ >





高雄「それならばですね」

提督「あぁ、わざわざ調べたのか……」

高雄「愛の化身というより性欲の権化でしょう。あなたは」

提督「えぇ……否定はしないけどさぁ」

愛宕「愛欲ってこと? 」

提督「ふぇ」

高雄「というより肉欲ね」

提督「……それはお前らもあんまり変わら」

高雄「はい? なにか」

提督「別に。……………………理不尽だろこれ」


< 社交辞令を言わないと思えば >





天城「か、買い物に付き合ってほしいだけです。で、デートなんかじゃ」

提督「あぁ」

愛宕「買い物に付き合ってほしいだけなのよね〜 。デートじゃないわよ? 」

提督「あぁ」

天城「…………」

愛宕「…………」

提督「な? 愛宕だとガチで言われてる気がするだろ? 」

明石「……そうですね」





愛宕「むっ……責められている気がする」


< カリフォルニアロールとか嫌いじゃないよ >





提督「今日のカクテルはブルーコラーダ。
カクテルワードは“ 足並みを揃えバランスの取れた名人肌 ”、だ」

Littorio「? よくわかりませんね」

提督「そうだな。……お前ピザ回せないんだって? 」

Littorio「あのですね……普通は回せません」

提督「マジかぁ」

Littorio「そもそもあなただってカタナを振り回したりはできないでしょう?
いくらなんでも国へのステレオタイプ的な見方がですね」

提督「お、おう」





加賀「……あの子にナポリタン食べさせたらどう思うのかしら」


< そのままでお願いします >





Littorio「眠く、ないかしら? 」

雲龍「どうして? 」

Littorio「だって眠そうな顔をしているんですもの」

雲龍「……こういう顔なのよ。特に眠くはないわ」

Littorio「そう」

雲龍「…………」

Littorio「…………」

雲龍「……ぱっちりしていた方があの人好きかしら」

Littorio「どうでしょうね」


6-3で雲龍出るそうなのでいない人は是非

ありがとうございました


< 当たり障りのないことしか >





提督「雲龍、クラークって有名らしいぞ」

雲龍「そう。……で、誰なの? 」

提督「誰と言われると割と困るが……札幌農学校の初代教頭でだな」

雲龍「あ」

提督「ん? 」

雲龍「あなたの地元トークはつまらないって聞いたから、いいわ」

提督「え、えぇ……酷くないかそれ」

雲龍「どうせならあなた自身の話が聞きたい」

提督「俺? 俺か……」

雲龍「ええ」

提督「あー……えー……」

雲龍「…………」

提督「……特に無し」

雲龍「なにそれ。……話せることが、特に無いだけじゃないの? 」

提督「……い、いや? 仕方ねぇなぁ。幼稚園のときの話でもしてやる」


< 本命と友しか渡したことがないけれど >





高雄「六月二十八日の誕生石はブルージルコン。
石言葉は“ 粘り強い ”、“ 堅い ”、“ 義理 ”、“ 責任感 ”、そして“ 努力家 ”」

提督「義理チョコ制度はやめよう」

高雄「なんですいきなり」

提督「や、だってさ、おかしいじゃん。
あげる方は金かかるし貰ったら返さなくちゃいけないし」

明石「貰えないと悲しいですもんね」

提督「そう。誰も得しないじゃん」

高雄「しかし、本命を紛れ込ませるための偽装にも使われたり」

提督「でもそれ大抵は暴露てるぜ? 」

高雄「……それでも、です。誰かに何かを贈るというのはそれだけで楽しいものですから。それが義理であれ、ね」


< どうでもいいこと >





提督「あのさ」

天城「はい」

提督「裸って漢字あるじゃん」

天城「? ありますね」

提督「あれ何も着てない筈なのになんでころもへんなんだろうな」

天城「さぁ。しかししめすへんは神事に関わることですし。そちらよりは近いのでは? 」

提督「そうだなぁ」

天城「…………」

提督「…………」

天城「……アイス、溶けてますよ」

提督「お、さんきゅ。……ほのぼのだなぁ。悪くないけど」


< なんとなく律儀 >





高雄「今日の誕生日花はベラゴニウム。花言葉は“ 切ない望み ”」

加賀「…………今日、借りるわね」

高雄「はい? 」

加賀「……じゃあ、そういうことだから」

高雄「…………」





高雄「……あぁ、なるほど」

提督「どした? 」

高雄「いえ、貸した代価には何を頂こうかと」

提督「はぁ? 」


< ただ己とあなただけを抱いて >





提督「皆さんにアンケートを取りました。もちろん匿名で」

高雄「……飽きませんね」

提督「まぁ、楽しいし。……お題は“ 神の存在を信じますか? ”」



Yes……0
No……7



提督「……正直訊かなくても知ってた」

高雄「あなたが信じないものを私が、私たちが信じるとでも? 」

提督「いや……まぁ、そうだね、うん」


< 自分を含まないかのような >





提督「今日のカクテルはブルーミングシティ。
カクテルワードは“ 自分の生き方を持って行動する切り込み隊長 ”、だ」

Littorio「それにしたってここの皆さんは自分というものが濃過ぎるのでは」

提督「そうか? 」

Littorio「あなたがその筆頭なのですが」

提督「いや、どう考えても俺なんて明石や加賀には及ばないって」

Littorio「本当に? 」

提督「おう」





愛宕「……あの子自覚とか皆無なのね」

高雄「……私としてはあなたたちと並ぶ個性というのも微妙な気分なのだけれど」


< 借りる、というかなんというか >





提督「……なんだ」

加賀「…………」

提督「…………袖掴みなんてどこで覚えたんだよ」

加賀「…………女が男を誘うのに本能以外のものが必要だと思っていて? 」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「……お前の泣きそうな顔、悪くないよ、加賀」

加賀「…………ひどい、男」


< 肉食子羊 >





愛宕「こうしてまた一人。迷える女がどこかへの落下を始めましたとさ」

高雄「……とうに始まっていたと思うのだけど」

愛宕「でも一回か二回ならまだなにかの過ちかもしれないじゃない? 」

高雄「あれほど欲していても? 」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「……ま、堕ちていくのもなかなかに心地良いことだしね」

高雄「…………開き直り」


< 非常に疑わしい >





雲龍「あの人勝手に使って満たされるなんて言ってるけど」

天城「はぁ」

雲龍「割とひどい強がりよね」

天城「……そうですね」

雲龍「私だってあんな、あんな切ない顔しないわよ」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「……なによ」

天城「いえ、別に」


< 承認欲求のようでいて代償行為のようでいて >





「ん……ぁ…………ふ、大きな赤ん坊みたいね」

「……赤ん坊に縋る母親ってのも……まぁ、有りがちっちゃ有りがちか」

「…………そんなに好きなの? 」

「お前のことが? 」

「…………」

「……母乳の吸い方でも思い出そうかなーっと」

「……いつか本当に出るようになるかもしれないわね」

「どうだろう、な」

「…………」

「…………」

「…………」

「……あぁ」

「…………? 」

「……お前のこと、ちゃんと好きだからな。安心しろ」


ありがとうございました


< なんでもない朝が愛おしく >





提督「ん……」

加賀「……起きたのね」

提督「…………何時だ」

加賀「五時少し前よ」

提督「…………もう少し寝てく」

加賀「それは構わないけれど」

提督「……」

加賀「……たまには緑茶を飲んで始まる一日があってもいいとは思わない? 」


< 涎でも垂らしているのだろうか >





愛宕「んー……おはよー」

高雄「おはようございます」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「……んぁ…………Zzz」

高雄「…………」

愛宕「…………Zzz」

高雄「…………」

愛宕「…………Zzz」

高雄(割と間抜け面で寝てるわね……あの人のスマホ、スマホ…………あった)


< 口ほどに物を語る貴女の綺麗な瞳 >





加賀「……どうぞ」

提督「ありがとう」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………美味いな」

加賀「……ありがとう」

提督「いや、馳走になったのは俺だからな。ありがとう」

加賀「……そう」

提督「あぁ」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………確かに、こんな日があっても悪くない」

加賀「…………そう」


< それはそれは幸せそうな寝姿で >





高雄「六月二十九日の誕生石はジャスパー。
石言葉は“ 理解力 ”、“ 忍耐 ”、“ 落ち着いた ”、“ 手厚い ”、そして“ 慎み ”」

提督「慎みですってよ、愛宕さん」

愛宕「…………そう」

提督「クク……折角着替えてきてもこれじゃあな」

高雄「撮っても起きないくらいには眠かったようで」

愛宕「……だってそれ無音カメラじゃない」

提督「そうだな。……ふっ」

愛宕「…………」

高雄「まぁ……可愛らしいのじゃない? 」

提督「そうそう。暫くホーム画面に設定し」

愛宕「やめて。お願いだから。撮るならもっといいの撮りましょ? ね? 」


< 食い気味に >





提督「今日はお前の誕生日なわけだが」

明石「私というより艦艇であってしかも進水……や、すみません」

提督「……ここではそれがルールなの」

明石「……了解です」

提督「あぁ」

明石「はい」

提督「……どこか行きたいなら訊」

明石「単車で」

提督「……最後まで言わせろ」

明石「単車で、あなたと、それだけで」


< そう考える自分には祝われる資格が無い気がして >





高雄「今日の誕生花は薊。花言葉は“ 君ありて幸福 ”」

明石「……私が言うとおかしいかもしれませんがいい花言葉ですね」

高雄「ええ。それになにもおかしくはありませんよ」

明石「そう、ですか」

高雄「はい」

明石「……」

高雄「……明石さんは艦娘と人間に種としての違いをあまり見ていないのでしたね」

明石「感覚としては、ですが。もちろん明確な違いはいくつもあります」

高雄「それなら」

明石「はぁ」

高雄「今日は自分の誕生日だと思ってもいいのでは?
人間とは、ヒトとは兎角誕生日を大切にするものですよ」

明石「…………」

高雄「それに……あの人が祝ってくれるというのですから、ね? 」


< 黄身有りて幸福 >





Littorio「なんだか最近ケーキばかり食べているような」

加賀「なかなかつまみにも向くでしょう? 」

Littorio「合わないとは言いませんが……向く? 」

加賀「……なにか」

Littorio「いえ……そういえばTKGというものを食べてみたいです」

加賀「やけに唐突ね」

Littorio「かき混ぜていたら思いつきました」

加賀「そう……シンプルなものも手をかけたものもあるわね。
どちらもいいものよ」

Littorio「そうですか」

加賀「ええ」

天城(……無表情でボウル持って淡々と……姉様早く、天城はこの状況辛いです)


< そも祝福とは病める者にこそ >





雲龍「おめでとう」

明石「ありがとう、ございます」

雲龍「どうしたの? 嬉しくない? 」

明石「や、そういうわけでは」

雲龍「ふーん……」

明石「……皆さんが祝ってくれるのは嬉しいんです」

雲龍「そう」

明石「ただ……今まで私にとってはなんでもない日でしたから。
言葉で祝われたりちょっとしたイベントはありましたけど」

雲龍「……なんでもない日でいいじゃない」

明石「はぁ」

雲龍「今日はあなたの日だけれど……あなたを大切に思う人がそれを理由に騒ぐ日でもあるのよ。
もちろんそれは私にとっても同じ」

明石「……」

雲龍「なんなら私やあの人が祝ってくれる日、とでも思いなさい。
別に誕生日という名前に拘らなくてもいいわよ」

明石「…………」

雲龍「…………」

明石「…………びっくりしました。雲龍さんでもまともなこと言えるんですね」

雲龍「失礼な」


< 飲酒運転ダメ。ゼッタイ >





提督「今日のカクテルはラズールリッキー。
カクテルワードは“ 愛情に満ち溢れた王女様 ”、だ」

明石「すみませんね、お酒、飲みたいでしょう? 」

提督「別に。これから飲める機会なんていくらでもあるさ」

明石「機会って……今日の? 」

提督「今日の」

明石「……やっぱり」

提督「さて……グレープフルーツジュース飲んだら単車だ。俺はキー取ってくる」

明石「や、これアルコールですって……弱いですけど」

提督「気にすんな。……高雄、後は任せた」

高雄「了解です」

明石「……………………いざ二人乗りとなると恥ずかしい気がしてきた……あぁ。汗臭くない? 私ってば大丈夫? 」


< それは見つめる方向が同じということで >





雲龍「駆動音? ……そう」

天城「単車、でしょうか」

雲龍「そのようね」

天城「天城にはどうもあの人や明石さんのように機械は好きにはなれませんが」

雲龍「普通でしょ」

天城「ですよね」

雲龍「ただ……好きなものが同じなのは羨ましいわ」

天城「……そうですね。天城もそれには同意、です」


< ある意味一番誕生日らしい >





加賀「結局一番ケーキを食べているのは私たちね」

Littorio「いいじゃないですか。いい酒請けになるのでしょう? 」

加賀「酒請け? ……まぁ、そうね」

Littorio「…………」

加賀「…………」

Littorio「……そのチーズケーキ取ってください」

加賀「これは私のものよ」

Littorio「むっ……」

加賀「あなたこそそのチョコレートを」





愛宕「……何ホールつくったのかしら。というか加賀さんってケーキもつくれたのね」

天城「……美味しいですけど……見てるだけで胸焼けしそうです」


< とある海辺で >





提督「……こんな近くでいいのか」

明石「距離じゃありませんから」

提督「…………」

明石「……あなたとあなたの単車に乗ったことが大事なんですよ」

提督「……そうか」

明石「ええ」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……お前らしくもない気がしないでもない」

明石「ふふ……私もそう思いますけど……あなたの所為ですからね? 」


< あなたがヒトで、私もヒトで >





明石「……ヒトは」

提督「あぁ」

明石「偏在しています。霊長の一種として考えればユビキタスと言ってもいい」

提督「……」

明石「でもその繋がりは配線や電波回線ではありません」

提督「……」

明石「……こう言うと科学の徒としては失格かもしれませんが」

提督「……」

明石「家族との繋がりであったり、恋人への献身であったり、あるいは見ず知らずの人への施しかもしれません。わかりますか? 」

提督「……霊長の長たる俺たち人間最高の霊長らしさが愛だと? 」

明石「そうです」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……お前のそれは退行か? それとも」

明石「進歩、と言っておきましょうか。
私は、私たちがヒューマンを超えたとは思っていません。
それに一個体の変化を進化とは呼びませんから」

提督「そうか。……俺はお前のその考え、好きだよ」

明石「そうですか。ふふ……高雄さんや雲龍さんや……あなたの所為、いえおかげなんですよ? 」


< そしてまたも駆動音 >





愛宕「あ、あれ? もしかして帰ってきたの? 」

高雄「……そのようね」

愛宕「今日は帰ってこないと思ってたんだけど……明石だから? 」

高雄「さぁ……その可能性が高そうだけれど」

愛宕「うーん……」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「……まぁ、基地に帰ってきたとして二人して彼女の部屋に行く可能性も高そうですが」


< 偏見、あるいは事実 >





雲龍「今頃単車の上でヤってるのかしら」

天城「……姉様じゃないのですから」

雲龍「でもあの人よ? 」

天城「明石さんですよ? 」

雲龍「……」

天城「……あれで相手のことを考えられる人ですから。最低限には」

雲龍「……最低限には、ね」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「……なんだか姉様の方が正しい気がしてきました」

雲龍「でしょ? 」


< ヒトは皆同じところへ行き着くから >





提督「ふぅ……キーは……別に置いてこなくてもいいか」

明石「え? 」

提督「ん? このまま別れるとでも? 」

明石「え、や……あー……」

提督「……結局今日は酒も飲めてないんだ。責任取れ」

明石「いや、まだ普通に飲める時間で」

提督「いいから。お前が欲しいんだよ。なによりも」

明石「ーーーー」

提督「……ん」

明石「っ……ま、待って引っ張らなくても、あのっ」

提督「んー……ごめん、ゆっくりしてられそうもないから、俺が」

明石「や、何言っあっ……ちょっといきなり持ち上げなんむっ」

提督「…………うるさいな。黙らないならここでもいいんだけど? 」

明石「…………シャ、シャワーは浴びさせてくれるんでしょうね」

提督「さぁ……お前次第だな、それは」


ありがとうございました


< 人ならざる者から見ても >





愛宕「またクズエピソードが増えたわねぇ」

提督「うん? 」

愛宕「女の部屋で起きてその夜に別の女と外に出てその女の部屋へ。
で、帰ってくるのは別の部屋、と」

提督「うわぁ……俺のことだけどうわぁ……」

高雄「……正直それが何か? という気分ですが」

愛宕「まぁ、倫理なんてどっかに置いてきたような性格だものね」

提督「…………よく考えなくてもお前らすげぇな。俺なら心折れるわ」

愛宕「まぁ……ねぇ? 」

高雄「……最初から割と予想できることでしたので。覚悟の上です」

提督「ははは……」


< 荒い吐息はどうしてですか? >





雲龍「…………」

提督「いや、執務中だから。袖引っ張るんじゃねぇよ」

雲龍「欲求不満なの、ねぇ」

提督「あぁ? ……ローターかバイブぶっこんで一日立たせるぞてめぇ」

雲龍「えっ……」

提督「あ、いや、そんな顔されても。顔赤くすんじゃねぇよ。引けよ」

雲龍「……スイッチは持ってくれるのよね? 」

提督「いや……いやいやいや。お前の姉貴どうなってんのマジで、なぁ」

天城「……天城に訊かないでください」


< それはそれで >





高雄「六月三十日の誕生石はユーレックサイトキャッツアイ。石言葉は“ 心眼 ”」

提督「ちいさい頃は透視能力が欲しかった」

高雄「はぁ」

提督「別にエロい話じゃないぞ? アイスを透視して当たりかどうかを見たりしたかった」

高雄「それ楽しいんですか? 」

提督「うん、今思えばああやって一喜一憂したりしてたのが楽しかったんだろうね。でもちいさい頃はなぁ。不粋だとはねぇ」

高雄「はぁ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……まぁ、今はエロい意味での透視能力の方が欲しいわ」

高雄「…………それは不粋ではないのですか」


< タイツ、あるいはスト >





提督「まぁ、肌色があればいいわけではないのは確かだね」

高雄「……」

提督「たとえばほら、今高雄が履いてるのは40デニールくらいのやつだろ? 」

高雄「……普通男性は見ただけでわかるものなのでしょうか」

提督「そういう微妙な透け感もいいし100デニール以上のも足が綺麗に見えて俺は好きだよ」

高雄「はぁ」

提督「なんというか気分で決まるんだよ、色々と」

高雄「…………」

提督「…………」

Littorio「気持ち悪いですね、非常に」

高雄「……まったくです」


< 認めてくれないことはないだろうが >





提督「摩耶ちゃんの誕生日だな」

高雄「そうですね」

愛宕「なんか送ってたわよね? 」

提督「まぁな。一応家族になりそうだし、こう……賄賂をね」

高雄「それなら“ ちゃん ”はやめてあげた方が」

提督「いやいや、だってあの子はなんとなくちゃん付けしたくなるだろ? 」

愛宕「そうね。その方が可愛いし」

提督「な」

高雄「はぁ……あなたたちはよくわかりませんね、相変わらず」


< 思わず漏れた >





高雄「今日の誕生花は蒲。花言葉は“ 予言 ”」

提督「……予言という花言葉は結局何を予言するんだ? 」

高雄「さぁ……そもそも花言葉は単体では存在できませんから。
手紙でも添えて誰かに渡すのでは」

提督「なるほど」

高雄「はい」

提督「…………」

高雄「…………」

提督(高雄はこの後コーヒーを淹れに行くだろう)

高雄「……コーヒーでも淹れてきますね」

提督「おう」





愛宕「はぁ、ファイル持ってき……何で気持ち悪い笑い方してるの」


< 流れ弾 >





提督「今日のカクテルはラズールロック。
カクテルワードは“ 社会を羽ばたき信用を集める品格者 ”、だ」

Littorio「信用を集める……? 」

提督「ん? ……や、この場合は能動的に集めてるわけじゃなくてだな」

高雄「この人は“ たらし ”という評価を様々な人から受けているでしょう?
多くの人から似たような評価を受けることを“ 集める ”、というのよ」

Littorio「なるほど……非常にわかりやすい解説でした」

高雄「いえ」

提督「…………は? なんでここで俺に飛び火すんの……」

天城「……普段の行いを顧みてはいかがでしょうか」


< 柳葉魚 >





加賀「あなたは尻尾から食べるのね」

雲龍「そうですね」

天城「天城も姉様も頭からですね、そういえば」

加賀「頭から食べると苦味が先にこないかしら」

雲龍「あんまり考えたことないですね……ただ頭を最初に食べた方が後味はいいような」

天城「ご飯と食べているのですしあまり変わらないような気も」

加賀「そうね。……伊佐美を頂戴」

提督「へい」


< お月様は見えずとも >





明石「雨……ですか」

天城「あまり強くならないといいのですが」

明石「予報では降らないはずだったので大丈夫でしょう」

天城「そうですか」

明石「ええ」

天城「…………」

明石「…………」

天城「……空きましたね、お注ぎしますよ」

明石「や、ありがとうございます」


< 忘却も逃避も神様からの贈り物だから >





天城「こうして雨音を聴いていると」

明石「はい」

天城「心が落ち着くと同時に、天城にも落ち着く心が存在するのだと思えます」

明石「……天城さんは殆ど人間のようなものですから。当然ですよ」

天城「……まだ生物としての分類も調査もままならない不完全な存在なのでしょう? 」

明石「そりゃ今の世界に私たちの一人でも実験動物にする余裕なんてないですから」

天城「…………天城は兵士、なのですよね」

明石「あるいはただの主婦やOLになるかもしれませんがね」

天城「…………」

明石「…………」

天城「…………落ち着き過ぎるとどうも後ろ向きになってしまいがちですね、飲みましょう」

明石「構いませんけど……程々にしてくださいね」


< 憂鬱の降りしきる夜には慰めを >





提督「天城も強情というか頑なというか」

高雄「……空になってますよ」

提督「さんきゅ。お前にも注いでやる」

高雄「ありがとう、ございます」

提督「っと。……俺にでもお前にでも相談したりすればいいのにな」

愛宕「託けてヤりたいだけじゃないの? 」

提督「あぁ? さすがにそこまで非道ではないはず」

高雄「……彼女にもプライドがあるのですよ。自らで答えを見つけたいという誇りが」

提督「…………」

愛宕「戦えずに沈んだことも、戦えるのに戦っていない今も。
似ているけど性格は全く反対だものね」

高雄「…………」

提督「…………」

愛宕「…………雨、強くなってきたわ」


ありがとうございました


< U >





提督「ん……五時十一分か」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「……あれくらい可愛いと将来捻じ曲がりそうだけどどうなんだろう」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「……あの子薄っすい身体だから壊れそうなんだよなぁ……ロリコンじゃなくてよかった」


< ハタハタとはためく >





愛宕「これだけ雨と風が強いと」

天城「お洗濯はなかなか難しいですね」

愛宕「室内でもいいけどやっぱり外で干したいわよねぇ」

天城「……他はともかくシーツは」

愛宕「普通に使っていれば一日くらいは我慢できるんだけど……」

天城「……はぁ」





提督「え、なに。俺がなんかしたか? 」

高雄「……お盛んですね、としか」


< 解決法 >





提督「でもさ、大体出してんのは高」

高雄「品が無いです」

提督「……ほとんどは汗だろ? な? 」

高雄「あなたがもう少し抑えることができれば回数自体は減らせるのですよ」

提督「……うーん」

高雄「……」

提督「……あっ」

高雄「非常に嫌な顔をしてますが……なんです」

提督「シーツが気になるなら全部外で青か」

高雄「馬ッッッ鹿じゃないですか」

提督「そうか? 」

愛宕「……? 」

高雄「本当に下半身でものを考える人は…………まったく」


< さらに解決法 >





愛宕「でもベッドに手を着いたり持ち上げたりヤりようはあると思うの」

高雄「……まだこの話続けるのね」

提督「いや、それお互いに辛すぎるだろ。しかも単調過ぎて面白くねぇ」

愛宕「んー……確かにそうね」

高雄「……普通に何もしなければいいのでは」

提督「は? それはないわ。ありえない」

愛宕「そんなことされたら死んじゃうわよ私」

高雄「……………………頭痛くなってきたわ」


< 振れ幅が大きいのだが >





提督「最近は貧乳のことをシンデレラバストと呼ぶらしい」

加賀「はぁ」

提督「AからAAAカップのことらしいぞ」

加賀「なるほど」

提督「おう」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……私は違うのですが。なぜ私に? 」

提督「なんでだろうな。なんか口をついて出てきたというか……お前空母じゃん? 」

加賀「そうですね」

提督「なーんか空母って聞くとおっぱい思い出すんだよなぁ……なんでだろ」


< 凝っているのは肩だけですか? >





高雄「七月一日の誕生石はグリーンタイガーズアイ。
石言葉は“ 働き者 ”、“ 凝り性 ”、“ 堅実 ”、そして“ 幸せ ”」

提督「……働き者とかまーじ意味わからんね」

愛宕「そうねぇ……こんなにお仕事が多いと肩が凝っちゃうわぁ」

提督「んー……揉んでやろうか? 」

愛宕「おねが」

高雄「やめなさい。それで終わらないでしょうがあなたたちは」


< 別に短パンは履かないがね >





雲龍「私、最近まで懐メロを夏メロだと思ってたわ」

天城「あー……まぁ、わかります」

雲龍「なぜ冬なのに夏の歌を放送するのかわからなかったわ」

天城「でも放送見ればわかりますよね? 」

雲龍「本当に最近まで歌にはあまり興味がなくて」

天城「はぁ。……でも夏メロって」

雲龍「……YO! SAY夏が? 」

天城「……あぁ、あの人好きですもんね、その人の曲」


< 本人に聞かれるとね>





高雄「今日の誕生花は芥子。花言葉は“ 慰め ”」

雲龍「芥子の花言葉が慰め……意味深ね」

高雄「なにも芥子はその芥子だけではありませんよ」

雲龍「……そんなものに頼らなくても慰めはあるのに」

高雄「聞いてない……」

雲龍「……たとえばオナ」



ガチャ



提督「ふぃー……なんで資料ファイルはこんな重……どうした」

雲龍「……別に」

提督「ん? なんだ顔赤くして。熱か? 」

高雄「…………非常に微妙な羞恥心ですね」


< 本人のあずかり知らぬところで >





提督「お前らってあんまり本読まないよな」

天城「まぁ……そうですね」

雲龍「でも嫌いじゃないわよ? 読書」

提督「それはわかる。でもさぁ……読書家トークしたいんだよ、トーク」

天城「なんですそれ」

提督「え? 谷崎潤一郎ならどれが好き? え? 『痴人の愛』? マジかよお前の趣味意味わかんねぇ……とかさ」

雲龍「……そんな会話誰とできるのよ」

提督「え、横須賀では龍田がノッてくれたんだけど」

天城「あ、あの人そういう人なんですね……」

提督「ちなみに今の会話も龍田とのやつだ。あいつにナオミズム語らせたらヤバイぞ」

天城「…………」

雲龍「…………ま、まぁ、本好きは悪いことじゃないわよね、ええ」


< 火遊びはいいけれど……誘爆はやめてね? >





提督「今日のカクテルはブルーラグーン。
カクテルワードは“ 安定した世界に魅力を感じる人 ”、だ」

Littorio「それに魅力を感じない人なんているのでしょうか」

提督「いるんじゃない? 冒険家とか」

Littorio「そんな少数の」

提督「つーかさ、お前って割とそっち側じゃないの? 火遊び上等じゃ」

Littorio「それは悪くないのですが……Littorioはあなたのような人といつまでも遊んでいたい」

提督「……ん? 」

Littorio「闇雲に遊ぶより……誰か一人と、遊んでいたいのです」

提督「…………」

Littorio「ま、Littorioも激しく遊びたいと思うことはありますけれどね? 」


最近マグロの酒盗にハマった模様

ありがとうございました


< 幸せを呼ぶという意味では >





提督「座敷童だってナイスバディでもいいはずだよな」

高雄「……一応童なわけですが」

提督「だって童っつーかガキだと酷いことしにくいじゃん? 」

高雄「まるでそうでなければしてもいいような言い草ですね」

提督「高雄にするようなことを例えば叢雲とかにできるかって話だよ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「……彼女のことをガキっぽいと思っているということでよろしいのですね? 」

提督「え、や……体型のことだぜ? ……それでも地雷踏んだような気がするけど」


< 発した言葉には責任を >





高雄「七月二日の誕生石はバリスサイト。
石言葉は“ 綿密 ”、“ 判断力 ”、“ 用意周到 ”、そして“ 責任感 ”」

提督「まーた……理想の上官ってやつかな」

高雄「……私はあなたを評価しますよ、部下としても、補佐を任された者としても」

提督「ありがと」

高雄「いえ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……まぁ、どうせなら上官としてじゃなくて男として評価してほしいな」

高雄「……ふふ、辛口と甘口がありますが? 」

提督「ふーん……どっちでもいいけど」

高雄「はい」

提督「嘘だと思ったら身体に直接訊くぜ? いいんだな? 」


< その瞬間を忘れぬように >





雲龍「初めては然程痛くない。そう思っていたときもあったわ」

提督「え……そんな痛かったか? 」

雲龍「とても。配慮していたのはわかったけれどね」

提督「そうか……悪かったな」

雲龍「別にあなたの所為ってわけじゃないけれど」

提督「あぁ……あれ、でも痛みなら遮断できるんじゃ」

雲龍「えーっと……痛みをオフにするといいよりは痛みを抑える機能をオンにする感じなのよね」

提督「んー? 」

雲龍「疲れるし……なによりあなたを感じたかったから」

提督「…………そうか」


< 身体が二つあっても足りない >





高雄「今日の誕生花はクレマチス。花言葉は“ 策略 ”」

Littorio「なかなかに物騒なお話ね」

高雄「はぁ」

Littorio「ここでは彼が然程堅くもないし……でもある意味で一途ですからね」

高雄「……策略をもってしてあの人を籠絡するのはなかなかに骨が折れますよ」

Littorio「確かに。あれで周囲には敏か」

高雄「欲の量が多過ぎてそれどころではないですし」

Littorio「…………高雄、Littorioは少しだけ彼に同情したくなりましたよ、本当に」


< 単車を侍らせるというか世話するというか >





提督「我が基地唯一の作業着女子こと明石くん」

明石「や、そんな妙な称号はいらないんだけど……」

提督「えぇ……じゃあ、Hellsteinとかでいい? 」

明石「なんでドイツ語なんです。しかも直訳……意味わかんないですよ」

提督「まぁまぁ。似合ってるから、な? 」

明石「……どう、も? 」

提督「うんうん」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………これ、乗りたいんですか? 」

提督「いや? 好きなことしてる明石を見ていたいだけだよ」

明石「気が散るのですが…………あ、そっち抑えてください、はい、そんな感じで」


< 平和の使者は平和的だろうか >





提督「今日のカクテルはマリブサーフ。
カクテルワードは“ 平和で未来を思う心の持ち主 ”、だ」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………割と強情だよな、天城って」

天城「…………」

提督「…………お前は兵士だよ。天城自身がどうあろうと、どう考えようとね」

天城「…………」

提督「……ま、存在意義なんかで悩めるだけ幸せなのかもしれないぜ?
それこそがただの兵器ではない証拠だもんな」

天城「……………………悩む前に、あなたに出会いたかった」

提督「…………そうだな。でも俺はただの女の子だ、と言える場面でも兵士だと言ってしまうくらいには優柔不断だよ」

天城「…………それでも、です。あなたは天城を天城として見てくださるから。……天城にもできないことを、容易く」


< 今日も平和を謳歌する >





愛宕「ふぅ……今日も何事もなく」

高雄「何もないに越したことは……はふ」

加賀「…………今日は酒盗の食べ比べをしたいわ。マグロとカツオの」

雲龍「またよくわからないことを……それなら食事時の方が」

明石「あれでパスタにも合いますよね〜 」

高雄「私はあなたが普通に食べることができて驚きですよ」

Littorio「そう? Littorioはナットーも食べられますし」

愛宕「アボカドとクリームチーズと……お酒はご自由に、ってことで」

加賀「ふむ……今夜も佳い日になりそうです」


< 空を見上げれば星たちが >





天城「…………」

提督「…………ん」

天城「ぁ、てい、とく」

提督「どうした。酒が足りなかったんじゃないのか? 」

天城「……そうでもありませんよ。お酒がなくても……皆さんといれば楽しいですから」

提督「そうか」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………提督は」

提督「あぁ」

天城「天城が欲しくはないのですか? 」

提督「……真面目な話? 」

天城「いえ……ただの戯言です。楽しい雰囲気に酔ってしまったのかも」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………天城は、あなたを拒めませんのに」


< 単車でGO >





明石「まぁ……後ろから手を回すのは……その、キュンときますよ」

雲龍「ふーん……いいわね」

明石「雲龍さんも頼めばいいのに。乗せてくれると思いますよ? 」

雲龍「彼が誘ってくれるまで待つの。たまには待つってこともしてみたいじゃない? 」

明石「はぁ。私にはわかりませんね。欲しいものはすぐに手に入れたくなりますから」

雲龍「…………私にとってあの人にいつでも甘えるってことは、
あの人をものにするってことなのよ」

明石「……それは」

雲龍「そ、きっとそれは無理なことだから。だから……いいの、これで」

明石「……………………注ぎましょう。これでも雲龍姉妹への酌経験はそれなりでしてね」

雲龍「ふっ…………天城ともどもお世話になるわね、ありがとう」

明石「いえ」


< そして明日へ >





提督「日本酒でよかったか? 」

天城「はい。……義侠、ですか」

提督「あぁ。別に名前に深い意味はないぞ」

天城「……ん」

提督「わーお、いい飲みっぷり」

天城「そんな気分なのです。……もう少し寄ってください」

提督「ん? 」

天城「……お注ぎしますと言っているのです」

提督「そうか。……ん」

天城「…………」

提督「…………」

天城「……あなたはずるい。ずるいです」

提督「…………」

天城「助けてくれると言いながら助けを求めること自体は天城がしなければならない」

提督「…………」

天城「……どうせなら、強引に、なにもかも忘れさせて、くれても」

提督「天城」

天城「…………はい? 」

提督「…………今月中に答えを見つけろ。もしくは自分を納得させろ」

天城「…………」

提督「……それができなければ」

天城「…………」

提督「俺がなんとかしてやる。その代わり……文句は言わせないけどな」


言い訳のしようもありませんが改めて
迷惑をかけたスレッドの>>1さんや楽しんでいた方には水を差してしまって本当に申し訳ない
申し訳ありませんでした

ありがとうございました


< 本当にごめんなさい >





提督「んぁ…………」

愛宕「おはよ」

提督「ん、おはよう……」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……ベッドにどうやって辿り着いたか覚えてないんだけど」

愛宕「深夜に廊下でぶっ倒れてたから持ってきたのよ、私が」

提督「え、マジ? 」

愛宕「マジ」

提督「…………ありがとう? 」

愛宕「重かったんだから。もうやめてよね」


< それでも朝はやってくる >





提督「ぅ……水とって」

愛宕「はい。そろそろ起きた方がいいわよ? 」

提督「うん……そうだね」

愛宕「一緒にシャワー浴びて身体洗ってあげましょうか? 」

提督「や、それ執務に影響出るやつじゃん……遠慮しとく」

愛宕「なーんだ。残念」

提督「ふぅ……カリカリのベーコンと目玉焼き頼む」

愛宕「はーい。高雄に言っとくわね」


< 今更覚えるというのも>





提督「…………頭痛ぇ」

高雄「途中でセーブするということをそろそろ覚えてはどうです」

提督「……天城が悪い。どんどん注いでくるんだもん」

高雄「……はぁ」

愛宕「でも久々よねぇ〜 。冬だったら風邪引いてたわよ」

提督「んー……天城に致命的なことしてないよな? 」

高雄「さすがにそこまではわかりませんね」

愛宕「もしなにかしてたとしたらその後放置して部屋から出てきたってことよね」

提督「あぁ……なんもしてないこと祈ろう。記憶が全く無い」


< 考えることは同じ >





雲龍「大丈夫? 」

天城「……はい」

雲龍「でも珍しいわね。あなたがそんなに酷い二日酔いなのも」

天城「変な飲み方をしたわけでもないと思うのですが……後半は記憶自体が」

雲龍「そう……」

天城「……姉様」

雲龍「なに? お水かしら」

天城「それはまだあります。……天城、あの人になにか酷いことを言ったりはしていませんよね? 」

雲龍「わからないわよ、私には」

天城「ベッドまで運んでいただいたような気はするのですが……」

雲龍「…………大丈夫じゃない? それで怒るような人でもないし。私ならそこで帰さないでしょうけど」


< それでも執務は待ってはくれぬ >





高雄「七月三日の誕生石はロッククリスタル。
石言葉は“ 手強い ”、“ 勇気 ”、“ 行動 ”、“ 独立 ”、そして“ 前進 ”」

加賀「なんだか凄まじい顔の青さだけれど」

高雄「あぁ、ただの二日酔いですから。問題ありません」

提督「……俺にとっては大問題なわけだが」

加賀「そんなに飲むなら私も呼んでください」

提督「お前がいたらもっと酷いことになるだろ」

加賀「させません。私があなたの分まで飲みます。あなたは私が守りますから」

提督「…………キュンとしかかったけど単にお前が飲みたいだけじゃねぇか」

高雄「加賀さん程手強い酒飲みもなかなかいませんからね」


< もしも魔法が使えたら >





提督「色んな体位開発できそうだよな」

愛宕「そうねぇ……身体の限界に挑戦した体勢とかかしら」

提督「こう……なにもない空間に身体を固定できたりしたら面白そうじゃん? 」

愛宕「なるほどぉ。壁が必要なかったりするのね」

提督「床もいらないかもな」

愛宕「……本当に面白そうね、できないけど」

提督「残念だな」





明石「ど、どうしたんです。頭痛ですか? 」

高雄「…………なぜ執務室の扉は私に試練を与えるのでしょうね」

明石「は、はぁ」


< 観光客はヒャッハーされそう(偏見) >





明石「へぇ……」

提督「んー……なんか面白い番組やってる? 」

明石「特には。提督はギリシャって行ったことあります? 」

提督「ロードス島戦記なら読んだことある」

明石「や、それ一応無関係でしょう」

提督「プラトンの考え方とか嫌いじゃないよ」

明石「それ超大昔じゃないですか」

提督「……レオニダスはあんま好きじゃない」

明石「それも大昔です」

提督「……ねぇよ。あぁ、ないさ。まさかこんなことになるとは思わずギリシャなんて行ってねぇよぉ」

明石「あ、そうですか。だと思いましたけど」

提督「…………色々回りたい観光地あったんだけどなぁ」

明石「そのうち行けますよ、そのうち」


< 忘れたい夜は忘れないものだが >





高雄「今日の誕生花は白芥子。花言葉は“ 忘却 ”と“ 眠り ”」

天城「……ご迷惑をお掛けしたようで」

高雄「別に。あの人が行き倒れたのはあの人自身の責任ですから」

天城「いえ、天城が立てなくなったので提督に運んでもらったのです。
それでベッドまで来たあとにお冷を一杯だけ飲んで帰ってしまわれて」

高雄「……変なところで紳士的ですね。紳士は普通立てない程女性に飲ませませんが」

天城「しかし……忘れられない夜になりました」

高雄「……? 」

天城「あれで普段もまともなら……いえ、それはそれで面白くない方になってしまうのでしょうか」

高雄「…………まぁ、あの人でも役に立ったのなら良いことです」


< 適確には程遠い >





提督「今日のカクテルはブルーハワイ。
カクテルワードは“ 自らの考えを適確に表現できる主役 ”、だ」

Littorio「持ち直しましたか? 」

提督「おう……なんとかな」

Littorio「あなたもなかなか苦労しますね」

提督「まぁ、俺が選んだ人生だからな」

Littorio「廊下で行き倒れて瀕死の状態で発見されたのでしょう? 」

提督「いやいや……普通に寝てたらしいぞ。誰だよそんな嘘吐いたやつ」

Littorio「天城が非常に申し訳なさそうだったのでそれくらいの状態だったのかと」

提督「それはあいつが謙虚過ぎるというかな……まぁ、ある意味で謙虚ってのは自分の考えを誇張しまくるタイプではあるのか」


< そんな認識 >





天城「昨夜は申し訳ありませんでした」

提督「や、別に……俺こそなんか変なことしなかったか? 」

天城「特に思い当たることは……ないです」

提督「そうか」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「……何飲みたい? 砂肝の生姜漬けならさっきつくったんだけど」

天城「では……剣菱を」

提督「はいよ。待ってな」





明石「あれでお酒を飲まないという選択肢が無いのは」

雲龍「あったらあったで怖いわよ。戦地か重病か……さもなければ槍が降るわね」


昨日誤って書き込んでしまったスレッドの方には本当に申し訳ないです
これで前科二犯……

ありがとうございました


俺の誕生花は白芥子だったのか
なんとも言えないな


< シェフを信頼しているからね >





提督「んー……久々にまともに起きた気がする」

高雄「私も久々にあなたが寝起きに自分でコーヒー淹れてるところを見た気がします」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……今日はトーストが食べたいな」

高雄「愛宕が今つくっているはずですが」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……あいつのつくったのならなんでもいいや」

高雄「同じくです」


< to arrange coffee and me >





高雄「あっ、カップは私が片付けます」

提督「ん」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……あの、手を離していただかないと」

提督「んー……」

高雄「……」

提督「……なんか足りないなーと。口の中が苦過ぎる」

高雄「それはあなたがブラックばかり……仕方ないですね」

提督「ん……」

高雄「っあ……ん…………ゅる、ちゅ……んぁ…………ぅる……」

提督「ん……」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「……っ、随分と、甘さが、足りなかったようで」

提督「あぁ。…………行っていいぞ」


< そしてひとりごちる >





提督「…………頭回り始めてきたな」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………行っていいぞ、か」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「……凄まじくクズレベルが上がった気がする」


< それはもうキラキラと >





高雄「七月四日の誕生石はスターグレイサファイア。
石言葉は“ 勇猛 ”、“ 緻密 ”、“ 人情 ”、“ 勇敢 ”、そして“ 素敵な笑顔 ”」

Littorio「あなたももう少し笑えばいいのに。折角素敵な笑顔なのですから」

加賀「笑いたいときには笑うけれど? 」

Littorio「Littorioはあまり見たことがありません」

加賀「そう。でも笑わないからといってつまらないというわけではないのよ」

Littorio「……これはお笑いというものに挑戦するべきなのでしょうか」

高雄「やめておきなさい」

加賀「そもそも私の表情程度、執着する程のものでもないでしょう」





提督「よう、シャーベット用意したから食おうぜ」

加賀「はいっ」

高雄「」

Littorio「」


< あるいは満足したのか >





提督「あー……落ち着く」

愛宕「うなじに顔埋めて言うセリフじゃないわねぇ」

提督「ばか。だからこそだろうが」

愛宕「っふ……舌出さないでよ」

提督「んー? 気のせい気のせい」

愛宕「そんなわけ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………? 」

提督「……なんか醒めたわ。仕事に戻る」

愛宕「はいはい。…………どこにスイッチあったのかしら。オフかオンか知らないけど」


< ふつふつと >





高雄「今日の誕生花はフロックス。花言葉は“ 同意 ”」

雲龍「同意があっても意味のないことはあるのよね」

高雄「はぁ」

雲龍「いつでも待っているのに」

提督「あのさ、俺にだって同意と拒否の選択はあるんだよ」

雲龍「……」

提督「そりゃお前と遊ぶのは楽しいけどさ……俺にだって仕事とか色々あんの」

雲龍「……随分とまともなことを」

高雄「まぁ、これで一応帝国でも有数の能力を持ってますからね。信じ難いことに」

提督「…………今お前らの同意をすっ飛ばしてしたいことが湧き上がってきたよ、おう」


< 確かに正しいのではあるけれど >





Littorio「七月四日は『不思議の国のアリス』が刊行された日のようです」

加賀「ごめんなさい。私、読んだことないの」

明石「私は鏡の方が好きですねぇ」

Littorio「そうですか……ちなみにその元となる“ 川遊び ”も今日です」

加賀「川遊び……私も提督と海辺で遊べば物語が始まる……? 」

明石「そのエピソードは知ってるんですね」

提督「ん? でもお前ロリじゃないじゃん。俺もロリコンじゃないし」





加賀「…………当然のことなのになにか負けたような気分になりました」

愛宕「わかるようなわからないような」


< もっと酷い >





提督「今日のカクテルはブルーミングシティ。
カクテルワードは“ 知識が充実した物知り博士 ”、だ」

明石「なんか馬鹿にされてるような感じですよね、物知り博士って」

提督「そうか? ガチの物知り博士は普通に凄いと思うが」

明石「そうでしょうけど……」

提督「ま、確かに俺も博士ってあだ名は嫌だけどさ 」

明石「でしょ? 」

提督「そもそも博士と呼ばれるほどの分野が……あぁ」

明石「? 」

提督「女体、とかかな」

天城「…………本当に博士って呼びますよこの変態」


< 梨の日 >





提督「あとは……梨のギムレット」

加賀「今日が七月四日だからかしら」

提督「そ、おろした梨の果汁入れてカットを差しただけだけど」

加賀「美味しいわ、とても」

提督「そうか」

加賀「あなたが手ずからつくってくれたものはなんであれ美味しいのだけれどね」

提督「……言うね」

加賀「これでも私、つまらない嘘は吐かないのよ」

提督「知ってる。……梨のカット増やしてやる」

加賀「やりました」


< 鬼の霍乱という程でもないが >





提督「今日は土曜日か」

愛宕「そうね」

提督「うん」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……寝るわ」

愛宕「えっ」

提督「ん? 」

愛宕「どうしたの? 調子でも悪いの? 熱測りましょうか? 」

提督「いや、誰にだってこういう日もあるだろ……おかしいだろその反応」


< 手首とかね >





明石「雲龍さんって髪長いですよねぇ」

雲龍「あなたもかなり長いと思うけれど」

明石「いやぁ、さすがに雲龍さん程では」

雲龍「そう……」

明石「邪魔だったりしません? 私これいつか工具かなんかに巻き込みそうで切ろう切ろうとは思ってたんですけど」

雲龍「そうでもないけど……思って、た? 」

明石「……ロングが好きな人がいるので」

雲龍「ふーん……」

明石「あ、あの雲龍さんの髪だと色々できそうですよね、結んだり編んだり」

雲龍「…………」

明石「…………」

雲龍「……自分の身体を自分で縛る。……なるほど」





天城「明石さん……姉様に余計なこと言わないでいただけますか? 」

明石「ははは……すみません。でもあんなこと予想するのはちょぉーと無理なんじゃないかなぁって」


< 愛さえあるなら >





高雄「早寝をすると深夜に起きてしまいそうですね」

提督「そしたら俺をオカズにしてもいいぞ」

愛宕「それなら勝手に脱がしちゃうわよぉ」

高雄「……私は起きても気付かないフリをしますからね」

提督「んー……でも俺が起きるかもしれないし」

高雄「……それ強姦と大差ないですよ」

愛宕「同意と愛があればいいのよ、特に愛が」

提督「そうそう」

高雄「同意は無いでしょうその場合」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「…………寝るか」


>>322
一日遅れですがおめでとうございます

ありがとうございました


< 雨音の優しさに包まれて >





提督「……案の定目が覚めたな」

高雄「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

提督「…………」

高雄「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

提督「…………や、別に何もしないけどさ。うん」


< ちゃんと部屋を明るくしようね >





提督「よう」

明石「提督? どうしたんですこんな時間に」

提督「それは俺が言いたいわけだが」

明石「私はこれですよこれ」

提督「ゲームか……まぁ、見りゃわかるけど」

明石「食堂のは画面大きいですしハードが食堂とあなたの部屋にしかないんですもん」

提督「あぁ」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………ゲームでも車かよ。好きだね、そういうの」

明石「……これあなたのですよね? そっくりそのままお返ししますよ」


< 誰にともなく >





高雄「…………」

愛宕「…………Zzz」

高雄「…………」

愛宕「…………Zzz」

高雄「…………いつの間にかいなくなっていますね」

愛宕「…………Zzz」

高雄「…………」

愛宕「…………Zzz」

高雄「…………」

愛宕「…………Zzz」

高雄「…………まぁ、いつの間にか枕を抱き締めていたのには全くなんの意味もありませんけれど? 」


< 車に変わりまして、スニーク >





提督「お前さ、レールガンとか機動兵器はつくれないの? 」

明石「前も言いましたけど、無理です。理論立て程度なら喜んでやりますけどね」

提督「ふーん……あぁ、また吐いてんじゃねぇか」

明石「どうもあまり思わしくないようで」

提督「他人事だなプレイヤー。……それにしても、眠い」

明石「寝てきたらどうです」

提督「や、お前とゲームしてるの楽しいし」

明石「プレイヤー私だけですけどね」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……現実にもツチノコいるといいなぁ」

明石「そうですね」


< 七時二十分の子守唄 >





Littorio「眠いのですか? 」

提督「あぁ」

Littorio「えーっと……子守唄でも歌いましょうか」

提督「……おう」

Littorio「では……Ninna nanna a sette e venti,il bambino s'addormenti」

提督「んー……ふぁ」

Littorio「s'addormenta e fa」

高雄「やめなさい」

Littorio「高雄……折角ノッてきましたのに」

高雄「だからです。それにその人もう寝てるじゃない」

Littorio「あぁ……」

提督「…………Zzz」

高雄「無駄に上手いのはわかりましたが……とりあえずそれは責任を持って起こしてください」

Littorio「はーい」


< まぁ、とりあえず揺すってから >





Littorio「責任を持って起こす……どんな方法でも良いのでしょうか」

高雄「どんな方法と言われても。普通に」

Littorio「Littorioの普通がキスだとしても? 」

高雄「……やれるものならやってみなさい」

Littorio「…………」

高雄「…………」

Littorio「…………やめておきます。最初の記憶がそれでは、ね」

高雄「賢明な判断です」


< お日様も上がってきた時間なのですが >





高雄「七月五日の誕生石はファントムクォーツ。
石言葉は“ 質素 ”、“ 和やか ”、“ 温和 ”、“ 素直 ”、そして“ 慎み深い ”」

提督「…………」

明石「…………」

高雄「……折角早く寝ましたのに」

提督「……俺が素直に寝てられるとでも? 」

高雄「そんな威張って言うことではありませんよ」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………単車弄ったりしにいかないの? 」

明石「……今すると手がミンチになったりしそうなので」

高雄「そもそもあなたには早く執務を再開させてほしいのですが。着いていこうとしないでください」


< 期待しない >





高雄「今日の誕生花はラベンダー。花言葉は“ 期待 ”、“ 疑惑 ”、“ 沈黙、 ”そして“ 豊香 ”」

提督「ラベンダーといえば我が北海道にもそれをアピールする町がだな」

雲龍「…………」

加賀「…………」

明石「ははは……」

提督「まぁ待て。実は俺、ラベンダーの香りがあまり好きじゃない。
だから別に地元トークは始まらないぞ」

雲龍「そう……よかったわ」

加賀「提督、そろそろ演習に参加する人員の選定と上申の準備を」

提督「はいよ。ペンはー……」

高雄「ここに」

提督「さんきゅ」

明石「……………………あなたはそれでいいんですか? 」


< 焼き鳥に罪は無い >





提督「今日のカクテルはエメラルドミスト。
カクテルワードは“ 未来の自分へ挑戦するチャレンジャー ”、だ」

愛宕「こういうのって普通は過去の自分に挑戦するものじゃないの? 」

提督「いいんじゃない? とりあえずなんかに挑戦しときゃ認められるだろ」

天城「今日はなにか適当な……」

雲龍「単に眠いだけでしょ」

加賀「過去の自分……私たちだと文字通りの意味ね」

天城「……考えたくない過去ですね、できれば」

雲龍「……同じく」

愛宕「私は……私はマシなのかしら」

加賀「……半分寝てない? 」

提督「いやぁ……」

加賀「……」

提督「つまみで焼き鳥食べない? 」

加賀「この流れでその単語を…………いただくわ」


< タオル持ってきただけですけどね >





提督「ふぁ……やっとまともに頭回り始めた気がする」

高雄「普段とあまり変わりませんでしたが」

提督「へぇ……そういうこと言っちゃう? 」

高雄「言われないようにすべきでは? 」

提督「……風呂はいいな」

高雄「……」

提督「……っ」

高雄「ぃ……ん、……ぁ…………ゅる」

提督「……ん」



ガラガラガラ



愛宕「排水孔詰まらせないようにしてね〜 。それじゃ」



提督「…………」

高雄「…………」

提督「……あいつなんでこのタイミングわかるんだよ」

高雄「……それだけわかりやすい行動パターンなのですよ、きっと」


ありがとうございました


< 2-5 >





提督「また、なんとも」

加賀「どうしようもありませんね」

高雄「……執務中にテレビ中継って」

愛宕「いいじゃない。後半なんてほとんど観てなかったし」

提督「とりあえずさ。黄金時代が過ぎてたのは知ってた」

加賀「驕れるもの久しからず、ね」

高雄「別にそんなこともなかったと思いますが」

愛宕「ま、四年経ったらまたあるし。新しい中心選手をどう育てるかよぉ」

提督「軍と同じだな」

加賀「……まったくね。心から同意したいわ」

高雄「中心が無能か時代遅れでは、確かに」


< この後美味しくいただきました >





高雄「七月六日の誕生石はオブシディアン。
石言葉は“ 勤勉 ”、“ 自然 ”、“ 物知り ”、“ 直感力 ”、そして“ 常識的 ”」

提督「こう見えて俺はドイツ語と英語なら相当できるわけだが」

天城「英語は必修でしょう、海軍では」

提督「まぁな。でもドイツ語というのは非常なアドバンテージなわけだよ」

天城「……まともなお料理が炒飯しかつくれないくせに」

提督「ふっ……つまみとその延長の小皿ならつくれるが? 」

天城「はっ……高雄さんや加賀さんにその程度で太刀打ちできるとでも? 」

提督「あぁ? なら炒飯つくって食わせんぞ? お? 腰抜かすぞ、おう」

天城「いただけるのならいただきますが」

提督「お、おう」

天城「はい」

提督「…………」

高雄「今日は私も楽をしたかったので。助かります」

天城「人数分、お願いしますね」

提督「…………めんどくせぇ」


< 他にもそんな人がちらほら >





提督「まぁ……インテリでいいんじゃない? 」

愛宕「そうかしら」

提督「だってお前らそもそもその辺の大学生とかよりは明らかに頭いいし」

愛宕「でもインテリ名乗るなら頭一つ抜けてないとねぇ」

提督「いやぁ……そんなもん雰囲気だけでいいんだよ、雰囲気だけで」

愛宕「うーん……」

提督「ほら、金剛型の誰かもそうだろ? 論理的思考の結果が拳での解決になっているだけでな」

愛宕「わかるようなわからないような」





高雄「何の話です? 」

提督「ん、お前の末妹の話」


< ゼロ戦の日 >





雲龍「らしいわ」

天城「はぁ」

加賀「そう」

雲龍「まぁ、それだけなのだけど」

天城「…………」

加賀「…………」

雲龍「…………」

天城「……姉様、何を考えました? 」

雲龍「……桜花の日、なんてものがなくてよかった」

加賀「それならばゼロ戦も……」

天城「…………」

雲龍「…………」

加賀「……いえ、詮無きこと、ですね」


< 儚いモノ程美しき >





高雄「今日の誕生花は朝顔。花言葉は“ 固い約束 ”、“ 愛情 ”、そして“ 儚い恋 ”」

愛宕「うわぁ……」

提督「なんだよ」

愛宕「固い約束だったのに〜、愛は確かだと思ったのに〜、あの男が〜 」

提督「いや、男がどうとか言ってないだろ、な? 」

高雄「そうですけど……身近なサンプルが、ね」

提督「いやいやいや……」

愛宕「……まぁ、別に真面目に言ってるわけじゃないけど」

提督「おう。あと俺は約束は守る方だぜ?
少しだけ愛と結んだ約束が多いだけで」





加賀「まるでそれは悪くないかのような……私には悪くないことだけれど」

雲龍「……そうですね」


< 雨が続くと思い出す >





提督『悪いな。傘持たせて』

龍田『いいえ〜。私が部下であなたが上官ですもの』

提督『ふーん……それだけ? 』

龍田『ふふ……それ以上が欲しいのかしらぁ? 』

提督『それ以上ってのがどんなものかは知らないが……お前は欲しいかな』

龍田『んー……嬉しいお言葉なのですけどぉ』

提督『……いいさ。言ってみただけだ』

龍田『…………』

提督『…………』

龍田『…………今は身も心も捧げるわけにはいかないけれど』

提督『…………』

龍田『……とうにこの刃は捧げていますから。きっとそれはいつまでも、だから……それで、許してくださいね? 』

提督『……………………あぁ。十分だよ、俺には』





提督「…………今日も雨か。どうも思い出すな。……悪い記憶でもないが」


< 会いたくないとは言わないけれど >





高雄「摩耶から手紙よ」

愛宕「んー、誕生日のお礼かしらね」

高雄「それにしては遅いような気も……あの子らしいですけど」

愛宕「鳥海に急かされてたりして」

高雄「そうね。それもあの子らしいわ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………最近会ってないわねぇ」

高雄「会わなくても良いということよ。私はあの子たちが同じ世界に生きているだけで十分」

愛宕「そう」

高雄「ええ。……それに今の私を見られるのにも少し抵抗が」

愛宕「……なるほど」


< 微笑みながら話を聞いてくれるのでしょうね >





提督「今日のカクテルはクールビューティー。
カクテルワードは“ 不幸な人を見過ごせない心優しい人”、だ」

加賀「不幸な者に依存することを見過ごせない優柔不断、の間違いじゃないかしら」

提督「や、俺のことじゃねぇし……つーか俺そんな感じなの? 」

加賀「いえ……不幸、ではなかったわ」

提督「……俺は離れていく子にまで執着はしないよ」

加賀「私はするわ」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「……赤城はどう思うかな」

加賀「こればかりは赤城さんにも……譲れません」


< Le Grand Bleuとかね >





提督「さて、映画でも観るか」

Littorio「…………」

提督「いや、今回はマジだから。世間的にも悪くないしなによりイタリア出るぞ」

Littorio「……はぁ」

明石(と、言いつつアクションとかではないんですね……意固地というかなんというか。
そんなに自分の趣味に賛同させたいんでしょうか)

提督「な? Littorioと観たいんだよ。頼む」

Littorio「仕方ない、ですね。今回だけですよ? 」

明石(チョロい……)





天城「…………」

提督「……へぇ、じゃあヴェネツィアには行ったことないんだな」

Littorio「ええ、Littorioは一応ジェノヴァ、北部生まれですから」

天城「…………」

明石「……真面目に観てるの天城さんだけじゃないですか……ま、今回は悪くなかったようですけど」


< 乾く間がもどかしい >





雲龍「最近」

明石「はぁ」

雲龍「あの人に抱かれてないわ」

明石「……ストレート過ぎませんか」

雲龍「欲求不満なの」

明石「そ、そうですか」

雲龍「ええ」

明石「…………」

雲龍「…………」

明石「……誘えば嬉々として着いてくるかと」

雲龍「今日は……今は映画観てるじゃない? 」

明石「あれならさっき終わりましたよ。たぶんまだ食堂にいると思います」

雲龍「……そう」

明石「はい」

雲龍「…………」

明石「…………」

雲龍「…………行ってくる」

明石「…………そうですか」


< 姉妹愛っていいと思う >





愛宕「高雄ちゃん」

高雄「なに、愛宕ちゃん」

愛宕「んー、なんでもないの」

高雄「そ」

愛宕「でも……今日はお姉ちゃんと寝たいかなーって」

高雄「いいわよ」

愛宕「そう? じゃあまずは一緒にお風呂、行きましょ? 」

高雄「……変なことをしないのなら、行きましょう」


< わかめが無いのはなんと呼ぶのか >





提督「うん? 」

雲龍「……今夜はお暇? 」

提督「まぁ……酒飲むだけかな。さっきまで映画観てて飲めてなかったから」

雲龍「……わかめ酒ってしたことある? 」

提督「ないな」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………そういえば私も無かったわ、今」

提督「おい」


ありがとうございました


< 発作的に >





高雄「七月七日の誕生石はスターローズクォーツ。
石言葉は“ 立派 ”、“ 熱心 ”、“ 義理堅い ”、そして“ さっぱり ”」

愛宕「立派。立派……なんだか最近どんな単語も卑猥に聞こえるように……」

高雄「……」

愛宕「あっ、ちょっとぉ、引かないでよ」

高雄「……当然のことだと思うけれど」

愛宕「でもでもぉ、高雄もちょっと思わない? 立派って単語で身体の奥が疼いたりしない? 」

高雄「しません。私はあなたと違って脳内真っピンクじゃないの」

愛宕「真っピンクなんて酷……真っピンク? 」

高雄「……」

愛宕「……今日のランジェリーピンクだったわ」

高雄「…………ねぇ、大丈夫? 本当に」


< 高笑い金剛とか見たことない気がする >





雲龍「ギリシャってどうなるのかしら。経済大丈夫? 」

明石「や、私にすらヤバいとしか……ただでさえ地中海が深海棲艦に抑えられて瀕死なのに」

雲龍「イタリアとは地中海関連の交換条件があったのよね。それでLittorioが来た」

明石「ええ。援助の代わりに、というやつですね。それだけが理由ではありませんが」

雲龍「……これ英国は高笑いしてるんじゃない? 」

明石「実情は兎も角内心ではそうかもしれませんね。
ドイツに加えて仇敵フランスが中心の出来事ですから」

雲龍「…………」

明石「…………」

雲龍「……おのれ金剛、酷いやつ」

明石「いやいやいや……どう突っ込めばいいんですこれ」


< 西の彼方、ジェノヴァより >





提督「今日はかの岩崎彌太郎が長崎造船局の払い下げを受けた日だ」

天城「それが長崎造船所になったのですね」

提督「あぁ」

天城「……まぁ、天城は呉からサルベージされたわけなので別に三菱長崎に思い入れはありませんけれど」

提督「でもお前長崎造船所出身だろ? 」

天城「はぁ」





高雄「重巡高雄は……横須賀海軍工廠」

雲龍「雲龍も」

愛宕「愛宕は呉工廠ね」

明石「明石は佐世保ですねー」

加賀「川崎なのか横須賀なのか……横須賀かしらね」

Littorio「アンサルドですけど……
なにやら疎外感のようなものが」


< ついでに艦名の由来など >





提督「今日は川の日でもあるわけだが……」

高雄「高雄山ですね」

愛宕「愛宕山でーす」

加賀「加賀国」

雲龍「空飛ぶ龍ね。漢成語」

天城「天城も山です」

明石「明石の裏……近いですけど海岸です」

提督「お前ら……誰一人川がいねぇ」





Littorio「命名方法そのものが違うのですね…………なぜこうも疎外感を感じねば」


< 勝ち取る価値のあるもの >





高雄「今日の誕生花はスグリ。花言葉は“ 期待感 ”」

提督「どれだけワクワクしても短冊とかはねぇぞ」

加賀「していませんが」

提督「そう? 」

加賀「願いは叶いましたから」

提督「それ以上のものを望みたいのが人情ってものだろ」

加賀「……それは決して得られないものですから」

提督「そっか」

加賀「ええ。それに……勝利は、平和は、私たちが自ら掴み取らねばなりませんから。
願いに書くほど堕落してはいないわ」


< 信じるということは尊いことだと思う >





提督「今日のカクテルはシャンパンブルース。
カクテルワードは“ 陽気で人や動物を元気付ける楽天家 ”、だ」

Littorio「動物を元気付けるというのもなかなかな誇大妄想ですね」

提督「辛辣だなおい」

Littorio「人間同士ですら何を考えているのかわからないのですよ? 元気付いたように見えるだけでしょう、きっと」

提督「まぁ、そうだが…………俺はお前のこと好きだぞ」

Littorio「……ありがとう? 」

提督「信じられるだろ? 俺はお前が俺を信じてるってことを信じられるよ」

Littorio「…………」

提督「それにほら。可愛いだろ? 猫とか」

Littorio「…………」

提督「…………」

Littorio「…………ふっ、Littorioは犬派ですから」

提督「そうかい」


< 織姫も彦星も騒げや騒げ >





提督「さて、当基地の第一回麻雀大会が始まったわけだが」

高雄「それはいいんですが、あの……」

愛宕「全員が商品を用意するってなんで? 交換パーティでもするの? 」

提督「Winner take all.……勝者が全てを得るのだ」

雲龍「でも毒にも薬にもならないもの、っていうレギュレーションはどうなのよ」

提督「ん? 商品を全員で見るのまでがお楽しみなんだよ」

加賀「お酒か茶請けでもあるといいのだけど」

天城「それだと薬に……百薬の長とか」

Littorio「でも楽しそうですね。Littorioも麻雀は提督のパソコンで練習しておきました」

明石「そこまでするのは……ま、七夕の馬鹿騒ぎとでも思っておきますか」


< さてさて、場が温まってきました >





提督「ふざけんなよ……ふざけんなよ……鳴きすぎだよ君ィ」

Littorio「あら……ようは戦い抜いて最後まで立っていればよいのでしょう? 」

提督「そうだけどさぁ」

愛宕「はーい、負け犬さんはあっちで順番待ちでーす」

提督「……」

雲龍「こっちに一緒にいましょう? 」

明石「はぁ……なんで麻雀って8人でできないんでしょう」

提督「……つーかあれだな。卓が一つなのが悪い」

雲龍「十分だと思うけれど……」

高雄「マグロの酒盗とバターポテトを持ってき……あら、愛宕に順番を飛ばされたような」


< 力説 >





提督「七夕ってどんなコス……仮装すればいいんだ? 」

高雄「……コスプレと言いかけましたよね」

提督「……織姫? 」

高雄「それ以外にどうしろと。よくわからない下品な衣装は嫌ですからね」

提督「うん? 」

高雄「あるじゃないですか。どんなイベントでも無駄に露出の高い申し訳程度の仮装が」

提督「あー……それは俺も苦手だ」

高雄「どうだか」

提督「何言ってんだ。衣装やプレイには本気を出すのが男ってもんだぞ」

高雄「…………」

提督「大体コスって言っても雰囲気と合ってればそれはコスを越えてんだよ。
夏祭りの浴衣をコスプレって言うか? 言わないだろ? 」

高雄「…………そうですね、はい」


< 勝者 >





加賀「…………熊の着ぐるみパジャマなど何に使えば」

提督「着て寝る」

加賀「……こういうのが趣味なの? 」

提督「まぁ……加賀が着てるのは見たいかな」

加賀「…………」





愛宕「あれ迷うところかしら」

明石「ですね。普通着な」

愛宕「さっさと着て遊んでもらえばいいのに」

明石「…………高雄さぁん」

高雄「……わかりきったことでしょう」


< このあと >





提督「一応屋上に来てはみたが」

愛宕「曇ってるわね」

高雄「雨は止みましたか」

提督「……これじゃ流れ星もなにもないな」

愛宕「なにか願いたいことでもあった? 」

提督「んー……お前らの幸せ? 」

高雄「それくらい願わずに自分で叶えたらどうです」

提督「おっと正論」

愛宕「そうねぇ……願うのは自由だけど。私も自分で叶えてほしいかな? 」

提督「……努力はしてるつもりだが」

高雄「足りません。足りなさ過ぎます」

提督「努力が? 幸せが? 」

高雄「どちらも、です。こう見えて私は欲張りですから」

提督「そう、だったな」

愛宕「その代わり私たちがあなたを幸せにするのよね? 」

高雄「当然。もちろんあなた次第ですけれど」

提督「そんなの……」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「…………今、星が見えた気がする」

愛宕「織姫と彦星が何かヤってるのかしら」

提督「どうかな」

高雄「…………私たちも戻りましょうか。少し、肌寒いです」


ありがとうございました


< 球磨じゃない >





加賀「…………ぁ」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………割と寝やすいわね、これ」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「侮り難いわ。クマパジャマ」


< ジョークグッズかと >





提督「おはよう」

加賀「ええ、おはようございます」

提督「……あと少しでできるとさ」

加賀「そう」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……あれ、寝やすかったわ」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「……えっ、マジで着たの? 」

加賀「……あなたは何故あれを選んだのかしら」


< どうせ収束するしね >





明石「そういえば七夕もなんとなく終わりましたね」

提督「うん? 」

明石「そういうイベントはもっとなにかするのかと思ってました」

提督「麻雀はダメ? 」

明石「あれは楽しかったですけどそっちじゃなくて」

提督「ん? 」

明石「ほら……クリスマスとかバレンタインみたいな方向性の」

提督「あぁ。……高校生の甘酸っぱい夏祭りとかじゃねぇんだからさ。あれぐらいでいいんだよ」

明石「そういうものですか」

提督「おう」


< 瘴気を吸い込んだのか >





提督「パスタだ」

Littorio「はい? 」

提督「パスタが食べたい」

Littorio「……仕方ないですね」

提督「さんきゅー」





天城「あぁ……Littorioさんが順調に染まっていく」

雲龍「悪いことじゃないでしょ? 」

天城「……あの人に染められたと考えるとあまり大丈夫じゃないです」


< Romaは妹じゃないか >





高雄「七月八日の誕生石はミルキーオパール。
石言葉は“ 憧れ ”、“ 熱心 ”、そして“ 一生懸命 ”」

雲龍「……何、やってるの」

Littorio「? 折り紙ですが。ご存知ない? 」

雲龍「それは知ってるけど……どうして? 」

Littorio「When in Rome do as the Romans do. When in Rome do as the Romans do、と言うでしょう? 」

高雄「それと郷に入りては、とは違うニュアンスだと思うのだけれど」





提督「……熱心に何かしていると思ったら」

愛宕「新聞でかぶとって似合わないこと甚だしいわね」


< 結構大きな紙が必要です >





明石「……凄いですね」

加賀「他愛もないことよ」

明石「私の知ってる折り紙で一番難しのってたぶん鶴とかですもん」

加賀「あれはあれで奥が深いものだけれど」

明石「嘴苦労する人とかいるって聞きますもんねぇ」

加賀「ええ」

明石「…………この般若どうするんです」

加賀「邪魔、ね」

明石「……折り紙って折った後は割とどうでもよくなりますよね」


< 連想ゲームが如く飛躍する会話 >





高雄「今日の誕生花は蓮。花言葉は“ 雄弁 ”」

提督「雄弁は銀、沈黙は金という言葉が」

高雄「カーライルですね」

提督「カーライルは蓮の花言葉鼻で笑いそうだな。あ、洒落じゃないぞ」

高雄「……逆に皮肉として用意するかもしれませんよ? 」

提督「かもな。……皮肉といえばエゲレスなわけだが」

高雄「はぁ」

提督「皮肉屋な金剛ってのも面白そうだよな」

高雄「……その方が霧島さんの苦労が減りそうというのがなんとも」


< 初めの始め方 >





明石「すっごく唐突ですけど」

愛宕「うん? 」

明石「羊のコスプレとかしたんですか? 」

愛宕「干支の? 」

明石「干支の」

愛宕「……高雄ぉ。姫始めはどんなだったかしらぁ」

高雄「…………なぜそんなことを言わなければならないのかしら」

愛宕「言わせたいから? 」

高雄「変態が」

愛宕「えぇ〜 ……そうね。普通に着物だったわ。着衣始ってのもあるのよ」

明石「なるほど」


< ぐっどたいみんぐ >





提督「今日のカクテルはブルーラグーン。
カクテルワードは“ 同じ星に生まれた仲間と共に歩む旅人 ”、だ」

明石「むしろ違う星の方と歩んでみたいんですけど」

提督「そうか? 美人ならウェルカムだが」

明石「……タコみたいなやつであることを祈ると今決めました」

提督「タコにも美人がいるかもしれないだろ? 」

明石「絶対私たちの美的センスとは相容れないですよ、タコ」

提督「いやぁ……どうかな」

天城「たこわさつくってきました。どうぞ」

提督「…………タコ、わさ」

明石「…………タコ、わさ、ですね」

天城「? 」


< あなたの故郷へ >





提督「美味いな」

天城「ありがとうございます」

提督「……天城はさ」

天城「はい」

提督「今ある蟠りを忘れてみて……仮に戦争が終わったら何をしたい? 」

天城「何を、ですか」

提督「小料理屋とかいいんじゃない。金は貯まってるだろ」

天城「…………」

提督「…………」

天城「……旅を、してみたいですね」

提督「ふーん……? 」

天城「天城の世界は狭過ぎます。それが悪いこととは思えませんが……一度世界を見てみたい」

提督「……そっか」

天城「そのときには、あなたのところにも必ず行きますね」

提督「そうか。……何もないだろうが、歓迎するよ」


変な時間ですが、はい
ちょっと忙しいので

ありがとうございました


< 割と首が辛い >





提督「ふぁ、くすぐったひ」

高雄「黙っていないと鼓膜突き破りますよ」

提督「いやいや。信頼しているからね」

高雄「それならふとももに息を吹きかけるのはやめていただけますか」

提督「やだ」

高雄「…………」

提督「耳かきの醍醐味だもんよ」

高雄「…………」

提督「……でも下乳が横目でしか見れないふぁぁぁっ」

高雄「……終わりました。それと息を吹きかけたくらいで声をあげないで」

提督「お前なぁ」

高雄「……ガキじゃないのですから、ね? あまり大きな声を出すと耳が実は弱いと聞こえてしまいますよ、雲龍さんたちに」


< 弓道女子を増やすため、ではない >





加賀「違うわ。そこはもっとこう……胸を張りなさい」

雲龍「ん……こう、ですか」

加賀「そう。それでも体幹が覚束ないけれど……まだ良くなったわ」

雲龍「…………」

Littorio「弓……Littorioもこれで艦載機を飛ばせるように」

天城「なりませんよ。それなら天城だって色々試してみたいことが」

明石「たとえば? 」

天城「主砲が欲しいです」

明石「あぁ……」

雲龍「……ッ…………外した」

加賀「そんなにすぐ当たるものではないわ。
そもそも的まで飛ぶのだから精進すればすぐ当たるようにはなるわよ」


< あ、特にここ凝ってますねぇ >





高雄「七月九日の誕生石はブラッククォーツ。
石言葉は“ 優雅 ”、“ 勇気 ”、“ 安らぎ ”、そして“ 理想を求める心 ”」

Littorio「安らぎといえばLittorio、マッサージエステというものに行ってみたいです」

高雄「なかなか今の状況だと難しいような……Littorioなら大丈夫な気もしますが」

Littorio「いちいち“ 国家間の友好を確認 ”なんて建前を付けていては面倒な手続きが多過ぎて」

高雄「そうですか」

Littorio「楽な生活、とはいいますが割と不便なこともありますよね」





提督「ん? なんだ俺がマッサージしてやろうか? 」

Littorio「はぁ」

提督「とりあえずオイル塗り込んで身体解せばいいんだろ? 」

天城「違います。絶対に」


< あとスポーツ放送が少ない >





提督「月曜日嫌い」

高雄「はぁ」

提督「別に俺の場合曜日なんて関係ねぇけどさ。金曜だからカレーってわけでもないし」

高雄「祝日も変わりないですからね」

提督「でもさぁ、なーんか嫌なんだよね。ガキの頃の記憶が染み付いてるっていうか」

愛宕「三つ子の魂百までみたいな」

提督「そうそれ」





明石「私たちにはそんなものないような」

雲龍「艦船時代? 」

明石「はぁ」

天城「……そんな三つ子は嫌です」


< 心と身を寄せ合わなければできないこと >





提督「髪を触るイチャイチャ、というかスキンシップってさ」

愛宕「うん」

提督「セックスの次の段階らしい。身を任せたとかなんとか」

愛宕「ふーん……女の命だから? 」

提督「かもね」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……ほい、できた」

愛宕「んー、ありがと。やっぱりしんせーん」

提督「あぁ。でも三つ編みなんてまた面倒なことを……」

愛宕「そういう気分だったのよぉ。触ってもらう理由になればなんでもよかったの」

提督「なるほど……………………なるほど」


< 欲しいものは欲しいと言う >





高雄「今日の誕生花は鬼灯。花言葉は“ 欺瞞 ”」

明石「欺瞞というと大袈裟ですけど軽い嘘を言わせたら敵う人いませんよね」

提督「え、俺? 」

高雄「他に誰がいるというんです」

提督「えぇ……そんなに嘘吐いてるかな」

明石「例えばほら……金剛さんにガチで告白されたときとか」

提督「されたことねぇけど。……まぁ、好きだけどね、ってのが返答になるんじゃない」

明石「優しい嘘? 」

提督「や、優しくしようとして失敗してる優しくない嘘だろ。
俺が言うのもおかしいけど」

高雄「…………」

明石「…………」

高雄「…………まぁ、欲望には嘘吐いてませんよね」

明石「ははは……」


< 単に美味しければいいだけかもしれない >





明石「格付けチェックってあるじゃないですか」

加賀「テレビの? 」

明石「テレビの」

加賀「それが、何? 」

明石「ここにいるメンツだと音楽とかは確実じゃないですけど食べ物系は誰でもいけそうですよね」

加賀「案外難しいと思うわ。食材は兎も角それなりに美味しければなかなかわからないものよ」

明石「そうですかね」

加賀「造作もない、と言いたいところだけど、ね」


< 宝石箱から飛び出しがちの >





提督「今日のカクテルはチャイナブルー。
カクテルワードは“ 自分自身を宝物だと思える自信家 ”、だ」

愛宕「あなたの宝物こと愛宕ちゃんでーす」

提督「なんだよ宝物」

愛宕「それだけだけど? 」

提督「そうか」

愛宕「うん。……ちょっと酸っぱいかも。グレープフルーツ? 」

提督「ライチとグレープフルーツ」

愛宕「そっか。でも私嫌いじゃないわ」

提督「俺もだよ」

愛宕「私が? カクテルが? 」

提督「どっちもだよ。言葉では言い表せないくらい、ね」


< うさぎでもつくりましょうか? >





提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………上手いもんだな」

雲龍「あなたもできるでしょう? これくらい」

提督「まぁな。でも女の子がやるのを見てるのがいいんだよ」

雲龍「そう……」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……リンゴの皮剥きって結構性格出るよな」

雲龍「そう? 」

明石「む、むむむ……私もこれくらいは」


< リンゴパーティ。あるいはメロン >





雲龍「あーん」

提督「ん……美味い」

雲龍「そう……」

天城「天城の目の前でそういうことを……」

提督「ん? 天城もやってくれるの? 」

天城「……やって、ほしいのですか? 」

提督「あぁ」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………あ、あーん」

提督「ん、美味い」

天城「そ、そうですか」

雲龍「私が剥いたんだけど……ねぇ、もう一つ食べましょう? 」


< 初恋の味がお好みかな? >





提督「この後暇? 」

明石「まぁ、特には」

提督「そうか」

明石「はい」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………? 」

提督「…………レモンとベリーどっちが好き? 」

明石「はぁ? ……レモンですかね」

提督「わかった。舐めてくる」

明石「はい? 」





天城「…………」

愛宕「あれで気付かない明石もなかなか鈍いわよねぇ〜 」

天城「……普通だと思いますけど」

雲龍「……でもあなた分かってるじゃない、天城」


ありがとうございました


< 水戸駅のイベントに行ってみたい >





高雄「七月十日の誕」

提督「今日は納豆の日か」

高雄「……遮らないで。しかも納豆で」

提督「まぁまぁ。納豆でも食べる? 」

高雄「まだ昼前ですよ」

提督「よく糸引いてるよぉ? ふぉふぉふぉ」

高雄「納豆の粘り気の如く面倒くさいですね……納豆業界の回し者かなにかですかあなたは」

提督「ふっふっふ」





愛宕「納豆業界……? どんな業界なのよそれ」

天城「こう……日々納得の品評を」

愛宕「話聞いてるだけで口の中粘ついてきそう」


< 異文化との邂逅 >





高雄「改めて。七月十日の誕生石はカリフォルニアンアイリス。
石言葉は“ 穏やかな心 ”、“ 和気藹々 ”、そして“ 温かみ ”」

愛宕「今日はやけに暑いわね」

高雄「昨日まで雨続きだったのもあいまって酷く暑いように感じるわね」

愛宕「もっと穏やかというか暖かい、くらいでお願いしたいわ」

高雄「お天気なんて誰に頼めば」

愛宕「てるてる坊主とずーぼるてるてを一緒に吊るすとか? 」

高雄「……よく分からない光景になりそうね」





Littorio「ひぃぃぃっ、だ、誰です。吊るしたい程憎む相手がいるのはっ」

天城「? な、なんです。いきなり叫び出して」


< 皆で並んで雨に勝て! >





高雄「今日の誕生花は蛍袋。花言葉は“ 感謝の気持ち ”」

Littorio「あ、ありがとうございます。あれはこの国の文化なのね」

高雄「ええ。本来はちいさい子供が主にするのですが」

愛宕「ふふー、この顔高雄に似てない? 」

加賀「……これは赤城さん。我ながらよく描けました」

天城「ちゃんとお酒まで備えて……雨が降れば首を飛ばすのですか? 」

愛宕「や、そこまでしないわよ」

Littorio「……これ、結構難しいですね」

高雄「上手く描けてると思いますが」

Littorio「ん……そうだと嬉しいです。ありがとう」





提督「……何個つくんだよ。軍人の執務室にあるまじき光景だなおい」


< 正直いきなりだと怖い >





提督「本当にどうでもいいんだけどさ」

愛宕「ええ」

提督「Autostrichって単語があるんだよ」

愛宕「まーたドイツ語シリーズなのね」

提督「まぁまぁ。で、カーセックス売春って意味なんだ」

愛宕「……あ、そう」

提督「こう……一番近いのはヒッチハイクとかだな。
郊外とか駐車場で呼び止められる」

愛宕「ふーん……」

提督「どう考えても主体は女の子なんだが……男性名詞なんだよね。ちょっと意味わからない」

愛宕「言語に疑問とか抱いても仕方ないわよ」

提督「そうだな」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……で、経験したことあるの? んー? 」

提督「……………………ちゃんと断りましたよ? 」


< 撃退。あるいは痛み分け >





明石「高雄さんって潔癖というかあっちの方は積極的には見えませんよね」

高雄「……人並の慎みを持っている、と言っておきましょうか」

明石「でも提督に連れ込まれたりして結構卑猥なこと言わされたりしてるんですよね? 」

高雄「…………」

明石「それ考えると本当にむっつりっていうのがピッタリですね」

高雄「…………明石さん」

明石「はい? 」

高雄「……あなたもあの人に連れ込まれたりしてますね。それにあの人が初めての相手ですよね」

明石「…………」

高雄「…………」

明石「…………」

高雄「…………」

明石「…………この話、やめましょうか」

高雄「ええ」


< 即堕ちなんとか >





雲龍「耳、弱いの? 」

提督「え、それ誰に聞いたんだ? 」

雲龍「あぁ、本当なのね」

提督「…………カマかよ。いい度胸してんな」

雲龍「たまには私が攻めてみてもいいかなって」

提督「はっ」

雲龍「……馬鹿にしないで」

提督「だってお前マゾじゃん」

雲龍「……面と向かって言われるとさすがに」

提督「ん? こんな格好して……ん? 」

雲龍「ッ……痛っ。先っぽつねらなっ、でっ」

提督「…………お前も耳、弱いよな」

雲龍「っ……ぁあっ…………っはい。弱、いです」

提督「俺だけじゃないな? わざわざ言う必要もないな? 」

雲龍「は、い…………ふわぁっ……んぅ」


< 目に見える地雷 >





愛宕「十分くらい目を離したらあなたのお姉様がメスの顔で部屋に戻ってたわ」

天城「……」

愛宕「すっごく切なそうに」

天城「……天城にどうしろと」

愛宕「慰めてあげたら? 」

天城「天城にその趣味はありませんから」

愛宕「やっぱり男がいい? 」

天城「…………」

愛宕「…………」

天城「…………」

愛宕「……うん? 」

天城「…………それに同意するのも危ない気がします」

愛宕「ふふ……そんなことないわよ? 」


< 主張 >





提督「今日のカクテルはコルコバード。
カクテルワードは“ 前向きに人の後ろ盾となる守護神 ”、だ」

Littorio「先程はどうしたんです。廊下で雲龍と話していましたが」

提督「あぁ。ちょっとね……怒ってた」

Littorio「なにか? 」

提督「脳内真っピンクなのはダメだぞって」

Littorio「それはあなたのことじゃあ」

提督「高雄に染まり過ぎだ。俺はそれなりに理性的だし」

Littorio「本当、ですか? 」

提督「ほんとほんと。マジほんと。なんな必要があれば途中でやめられるくらいには理性的」





雲龍「っ……ほ、うちって最悪じゃないッ……ーーーー」


< 収まらなくて >





明石「加賀さん」

加賀「なにかしら」

明石「地獄(天国)と天国(地獄)だとどちらが辛いでしょうか」

加賀「なに。究極の選択、というやつ? 」

明石「それでもいいですけど……そんなのどこで知ったんです」

加賀「あの人の私物の」

明石「あー……はいはい。それしかありませんね。本当あの人の私物は意味が……で、どっちでしょう? 」

加賀「私は後者だと思うわ。期待よりも酷いのは堪えるはず」

明石「あー、確かに」

雲龍「なんだかどちらもエロそうね」ヌッ

加賀「…………」

明石「…………」

雲龍「それだと前者の方が気持ち良さそう」

加賀「……確かに」

明石「ちょ、加賀さぁん、そっち側にいかないでくださいよぉ」


< 囁き吹き掛けさわさわと >





雲龍「……ねぇ」

提督「ん? 」

雲龍「…………お願い」

提督「なにが? 」

雲龍「収まらないの。だから……」

提督「……」

雲龍「ね? 」

提督「んー? 」

雲龍「……何でもしていいから。だから、付き合って」

提督「何でも、ね。何でも。ふーん……」

雲龍「…………今のあなた、いいか、っおしてるわ」

提督「クク……悲しいなぁ。ちょっと遊んだくらいでこんなに欲求溜めて……」

雲龍「あっ……ん…………ーーーー……! 」

提督「…………」

雲龍「っ……ハ……ッふ…………んんっ」

提督「……………………壊れるなよ? 」

雲龍「! ……み、耳は、……やめ、根に持ち、過ぎっ……」


ありがとうございました


< 発作マグナム >





提督「サーフィンをしよう」

高雄「ダメです」

提督「女の子の水着が見れればいいんだ。ちょっとだけだ」

高雄「執務の後ならネットサーフィンを楽しめますよ」

提督「画像だとちょっと……」

高雄「水着画像は確定なんですか……」

提督「今さ、なんていうの……サーファーっぽい子が着てそうな花とか南国っぽい水着をね」

愛宕「スイムブランドのやつよね。トライアングルトップで胸元抑えてるの」

提督「それそれ。それが見たいのよねー」

高雄「もう一度言いますがダメです」

提督「えぇ……」

愛宕「…………着るだけなら着てもいいわよ? 」

提督「いやぁ、海で見たいんだよ。ここだとなんか卑猥過ぎる」

高雄「何言ってるんですこの人は……」


< 代わりに >





提督「仕方ねぇな。流しそうめんで我慢してやる」

高雄「準備が無いでしょう」

提督「……こ、ここでできるぞ。サーフィンと違って」

高雄「それでもとりあえず今日はできませんね」

提督「…………チッ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「はっ、これはもしかしてそうめんがダメなら女体盛りをしろという啓示っ」

高雄「そんなわけ」


< まぁ、野菜炒めとか万能だよね >






提督「……なら何を食えばいいんだよ」

高雄「普通の料理ならそれなりに対応しますよ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「よし、龍田ラーメンにしよう」

高雄「はぁ」

提督「龍田揚げだけは俺がつくってやる。龍田直伝だぞ」

高雄「……味は何にしましょうか」

提督「塩。塩だな。塩な気分」





明石「なんか不思議なお昼ですね……結構美味しいですけど」

提督「我が母上と龍田の教えだぞ。
とりあえずラーメンに何かを載せる我が家と龍田揚げのな」


< 月を肴に >





高雄「七月十一日の誕生石はハーフムーンパール。
石言葉は“ 高貴 ”、“ 洗練 ”、“ 上品 ”、そして“ 気高い ”」

Littorio「確か二日前が下弦でしたね」

高雄「ええ」

Littorio「la luna……月といえば高貴なものというイメージですね」

高雄「あなたのお国でも? 」

Littorio「はい。むしろ月や太陽への信仰、というか見て楽しむ気風はこちらより」

高雄「なるほど。アニミズム的なものなのでしょうか」

加賀「つまり月見酒をせよ、と」

天城「そうですね」

Littorio「…………失礼ですけどことお酒のことになると物凄い馬鹿になりますよね、天城って」


< 月見酒が待ち切れなくてイライラしているのかも >





提督「俺のことクズクズ言うけど」

天城「否定できるとでも? 」

提督「俺はさ、少なくともお前らよりは長生きしてるわけだよ」

天城「だから何です」

提督「色んな経験してるわけ」

天城「それで? 色々な経験を積んだのならそれに見合った成長をすればよろしいだけでは? 」

提督「…………」

天城「そもそもですね。キリストだって
シッダールタだって若い頃から」

提督「いや、キリストなんて過激派ユダヤ教徒だし……あぁ、悪い謝るから」

天城「彼がどんな方かはこの際どうでもいいです。しかし、あなたはあまりにもーー」





提督「…………」

雲龍「どうしたの? 」

提督「…………お前の妹のスイッチって変なところにあるよな」

雲龍「……? 」


< それでも愛は不死だから >





高雄「今日の誕生花はアカンサス。花言葉は“ 不死 ”」

愛宕「紛れもなく私たちよね」

高雄「今のところは」

明石「まぁ、殺せば死にますけどね」

愛宕「外的要因はさすがにね。でも寿命はまだ誰にもきてないし」

明石「理論上、というか推定でもないとされていますね」

高雄「ふむ……まぁ、だからなんだという話ですが」

愛宕「そうね」

明石「ん、でも長生きだとそれだけ遊んだりできません? 」

愛宕「あの人が死んじゃったら意味ないじゃない」

高雄「まったくです」

明石「あ、そうですか」





明石「……ほんっと愛されてますよね」

提督「ん? 」

明石「まぁ……私も同じ考えですけど」

提督「……ん? なんだって? 」


< 考え直す >





提督「今日のカクテルはスカイダイビング。
カクテルワードは“ 人目につくのに控えめな人 ”、だ」

雲龍「カクテルと言葉が合わないこと甚だしいわね」

提督「そりゃ一人でスカイダイビングするのは危ないが」

雲龍「そもそも純粋にあれが好きな人っているのかしら。
誰かが見ていうからパフォーマンスとして、という印象なのだけれど」

提督「確かにな。言われてみれば……映像に残す意味もないし」

加賀「でも、あなたも何かやるときに提督に見てもらいたいとき、あるでしょう? 」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……スカイダイビング、しない? 」

提督「しねぇよ」


< オン/オフが上手いと言ってください >





加賀「こう……このように」

Littorio「凄いですね」

天城「うさぎタオルですか」

加賀「横須賀にいたときはあまりお酒など自由ではありませんでしたからね。
色々なことをしてみたものです」

Littorio「はぁ。しかしこれは……うん」

天城「? 」

Littorio「折り紙といいこれといい。加賀は実はなにかをつくることが好きなのですか? 」

加賀「悪くはないわね。集中力を鍛えることにもなるし」

天城「あぁ……さすがです」

Littorio「ただの酒飲みではなかったのですね」

加賀「失礼な」


< 嫌な光景かもしれない >





雲龍「……あぁぁぁぁぁ」

天城「はしたないですよ、姉様」

雲龍「だって暑いんだもの」

天城「だからといって扇風機の前でですね……」

雲龍「スカートをバサバサしないだけマシよ」

天城「そうですけど姉様普段からスカートじゃないじゃないですか」

雲龍「きっとやってるわよ明石とか」

天城「……してそうですけれども」

雲龍「でしょ? 」

明石「いやいやいや……思いっきり隣にいますからね? ここ浴場の脱衣所ですからね? 人のいる場所ですからね? 」

雲龍「でも……するでしょ? 」

天城「……」

明石「…………あ、私これからお風呂なんで」



ガラガラガラ



雲龍「……ね? 」

天城「明石さん…………」


< サイレント >





愛宕「そういえば食堂のお花、枯れそうだったわ」

高雄「ベッドに入ってから言われても」

提督「ふっ、しかし俺たちが咲かせた花は枯れないのであった」

高雄「あなたの頭は年中ピンクで常春ですからね」

提督「」

愛宕「ふふ……ま、朝になったら栄養剤でも差してみるわね」

高雄「ええ」

愛宕「はぁあ……それにしても段々暑くなってきたわねぇ」

高雄「お花もそれに耐え切れなかったのかもしれません」

愛宕「嫌ねぇ、暑いと着るものも考えなくちゃいけないし」

高雄「だからといってキャミを着ないのは」

愛宕「あれは身嗜みとしてダメよねぇ」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「…………Zzz」

高雄「ね、寝てる……」

愛宕「さすがに早過ぎよぉ……気付かなかったわ」


ありがとうございました

>誰かが見ていうからパフォーマンスとして、という印象なのだけれど」

知りもしないことを偉そうに
何様のつもりだスカポンタン


< いつもの >





雲龍「ふぁ…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………今日は寝癖が少ない」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………よし。まだ、寝れ」

天城「ません。姉様、いい加減起きてください。天城はもう着替えておりますよ」


< 浴室に押し込んでふと一人 >





天城「姉様最近とっても綺麗」

天城「…………」

天城「…………」

天城「…………」

天城「…………」

天城「……でもあの人のおかげで、あの人の為なんですよね」

天城「…………」

天城「…………」

天城「…………」

天城「…………」

天城「…………はぁ。これで相手が普通の方であれば」


< 何の/誰の為の努力か >





雲龍「……シャワー、終わったわ。乾かすの手伝って」

天城「……あ、はい。まずはタオルを……」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………天城」

天城「はい? 」

雲龍「最近、綺麗になったわね」

天城「ありがとうござ……はっ、そんな、でも、いや……天城は…………でも、天城だって本当は……」

雲龍「……? 」


< 何の/誰の為の努力か >





雲龍「……シャワー、終わったわ。乾かすの手伝って」

天城「……あ、はい。まずはタオルを……」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………天城」

天城「はい? 」

雲龍「最近、綺麗になったわね」

天城「ありがとうござ……はっ、そんな、でも、いや……天城は…………でも、天城だって本当は……」

雲龍「……? 」


< 自由人は気取るようなものではなく >





高雄「七月十二日の誕生石はビクスバイト。石言葉は“ 健康 ”、“ 自由人 ”、“ 前向き、 ”そして、“ のんびり ”」

天城「提督は割と前向きに後向きですよね」

愛宕「というかただの悲観主義者なのよ。それを大騒ぎしたりして誤魔化してるだけ」

天城「はぁ。悲観主義、ですか」

高雄「私は享楽主義というか快楽主義というか……目の前まで迫ってきているものに全力で背を向けているだけのように」

愛宕「それも当たらずとも遠からずね」

天城「なるほど……」





提督「……俺としてはのんびり自由人やってるつもりなんだけど」

雲龍「さすがにそれはないわね」

明石「ははは……」


< 不和の林檎。あるいは爆心地 >





高雄「今日の誕生花はトルコ桔梗。
花言葉は“ よい語らい ”.“ 希望 ”、“ 優美 ”、そして“ 変わらぬ美 ”」

加賀「女ばかりの所帯によい語らいというのも馬鹿馬鹿しい話よね」

Littorio「割とここは平和な方ですよね」

加賀「中心があるもの。それを中心にしていれば考え方のずれも少ないわ」

Littorio「そうですね」

加賀「ただ……もし仮に彼を嫌う存在が加われば」

Littorio「…………」

加賀「…………」

Littorio「…………ふふ」

加賀「…………ふふ」

高雄(…………非常にここにいたくなくなる雰囲気なのですが)


< プライドとか人間関係とか >





雲龍「私の次に職に就けそうもないのって誰かしら」

高雄「雲龍さんが就けないのは確定なんですか……」

雲龍「私、他人に頭下げるのって苦手なの」

提督「……え? 」

雲龍「あなたは別よ」

高雄「……まぁ、自分を称賛するようですが私はたぶんできますよ。
普段から事務処理はしてますから」

提督「MOSくらいなら余裕だよな。……あと愛宕も一応できるぞそれ」

雲龍「天城は小料理屋か旅館で働けそうね」

提督「そんなこと言ったらお前も和食は天城と遜色ないけどな」

雲龍「嬉しいわ。じゃあ、料理技術は考えないで」

高雄「うーん……Littorioはあれで順応性高いですし。人間への忌避が下がれば大丈夫でしょう。
手先も器用であまりプライドも邪魔しないでしょうし」

雲龍「明石は余裕ね。私たち関係のメンテ以外でも相当な高水準技術の持ち主だし」

提督「…………」

高雄「…………」

雲龍「…………」

提督「……もしかして加賀、なのか? 」


< 夜はお酒を飲める店に >





愛宕「ま、貯えもあるし。そもそも結婚ないし同居よね〜 」

加賀「それはあなたと高雄だけでしょう」

愛宕「それなら加賀さんも誰か見つければいいのに」

加賀「……いい度胸してるわね」

愛宕「女は度胸、女は愛嬌って言いますし? 」

加賀「言わないわよ。……そもそも私もそれなりに優秀だと思うのだけれど」

愛宕「皆高スペックですからね〜 。どうしても印象とかで決まっちゃうと思うわ」

加賀「…………いっそ全員で日替わり食堂でもやったらどうかしら」

愛宕「…………」

加賀「…………」

愛宕「…………割とイケる気が」

加賀「その場合提督はオーナーということで」


< ホールスタッフでお願いします >





愛宕「あれ、でも明石は……」

加賀「その曜日は定休日ね」

明石「ひっど。酷すぎませんかそれ……」

愛宕「じゃあ、まともにつくれるようになったものは? 」

明石「海老炒飯とおひたしとたこわさともつ煮と……えーっと」

加賀「おしえた人間の趣味が丸わかりね」

愛宕「これじゃあさすがに、ね」

明石「…………よく考えたらこれ提督の完全下位互換ですしね」


< そもそも何を相手に、ということではなく >






提督「つーか、世界には退役後、もしくは中途退役で傭兵になる人間は大量にいるぞ」

高雄「……今度は私にあなたの同族を殺せと言うのですか」

提督「お前の同族でもある」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……そもそも深海のやつらも生物種であることは確認されている」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「……あなたと、穏やかに暮らしたいです。何も傷付けない、殺めない」

提督「…………」

高雄「……それは、いけない、ことでしょうか」

提督「…………」

高雄「ヒトデ、ナシは……使役する、道具だと世界は、人々は」

提督「悪い。いじめ過ぎた。許してくれ。頼むからそんな顔しないでくれよ」


< グラスを包み込む手をさらに包むのは >





提督「今日のカクテルはフローズンブルーマルガリータ。
カクテルワードは“ 常にバランスを心掛ける熱血家 ”、だ」

高雄「……申し訳ありませんでした。少し、熱くなってしまって」

提督「いや、あれは俺の所為だしな」

高雄「…………」

提督「それに、高雄がベッド以外で感情表に出すのもなかなか珍しい」

高雄「……不覚、でした」

提督「ま、フローズンカクテルで頭冷やしとけ」

高雄「…………」

提督「……それとも」

高雄「……はい」

提督「自分が分からなくなるくらい熱くして、有耶無耶にしてやろうか? 」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………お願いしても? 」


>>443
配慮に欠けた内容でした
申し訳ありません
これからは気を付けます

ありがとうございました

主が謝る必要はないな

何事においても、全ての人に肯定的に捉えられる訳じゃない
スカイダイビングに否定的な人がいるのも事実だし、主はそれを「雲龍」というキャラを借りて表現しただけ
別に、主がスカイダイビング及びそれを好む人達を侮辱した訳では無い(加賀の台詞を読めば分かるはず)

そもそも、「批評は一切許さない」なんて考え方が何様レベルの傲慢な考えに他ならない
まして主は批判をした訳でもないので、頭の悪い野次に対して一々気にする必要無し

今日も乙でした

主が謝る必要はないな
何事においても、全ての人に肯定的に捉えられる訳じゃない
事実としてスカイダイビングに否定的な考えを持つ人はいるし、主はそれを「雲龍」というキャラを借りて表現しただけ
主はスカイダイビング及びそれを好む人達を侮辱した訳では無い(加賀の台詞を読めば分かるはず)

そもそも、「批評を一切許さない」という考え自体が何様レベルの傲慢に他ならない
まして主は批判をした訳では無いので、
頭の悪い野次に対して一々気に病む必要はない
本日も乙でした


< 良妻風賢(空)母 >





加賀「おはよう」

天城「あ、おはようございます」

加賀「今日の朝食はあなたなのね」

天城「ええ。明日は姉様ですね」

加賀「そう」

天城「…………」

加賀「…………」

天城「…………」

加賀「…………やけに似合うわね、割烹着」


< ポテンシャル >





雲龍「寝癖直ってないわよ」

明石「うそ、どこですどこです」

雲龍「右向いて、そう…………あら」

明石「どうしました? 」

雲龍「……どうも直らないわ。一回リボンを解いてみてくれる? 」

明石「いいですけど別にそこまで」

雲龍「女としてそれはどうなのよ」

明石「や、別に……はい、解きましたよ」

雲龍「ええ。……………………あなたたまには他のスタイルも試すべきよ、やっぱり」

明石「はい? 」


< 羞恥とは相手があって初めて >





高雄「七月十三日の誕生石はアリゲータークォーツ。
石言葉は“ 元気 ”、“ 没頭 ”、そして“ 好奇心 ”」

雲龍「……暑い」

明石「……ですね」

高雄「……テーブルに頬をつけるのはやめた方が」

雲龍「ちょっと冷たいんだもの」

明石「なんなら床に寝たいです……元気なんで無いですぅ」

高雄「……はぁ」





提督「ん? 変な寝方でもしてたか? 頬に痕付いてるぞ」

雲龍「! 」

明石「! 」

高雄「……わかりきっていたことでしょうに」


< 淑女……? >





提督「まぁ、でもヤバイくらい暑いな」

天城「ええ」

提督「……と、思ったけどやけに涼しい顔してるじゃねぇか」

天城「この程度耐えることができなくてどうします」

提督「はーん……感覚でも遮断してるのか」

天城「いいえ? 淑女の嗜みです」

提督「へぇ……」

天城「はい」

提督「…………」

天城「…………」

提督「……淑女って凄いんだな」

天城「だからこそ淑女なのです」


< この後結局引きませんでした >





加賀「弓を引きに行かない? 」

明石「今日はちょっと……」

雲龍「私も遠慮しておきます」

加賀「……続けていれば暑さも気にならなくなるかもしれないわよ」

明石「今日中にその境地には? 」

加賀「それは無理だけれど」

明石「じゃあいいです」

加賀「はぁ……」

雲龍「加賀さん一人でいいじゃないですか。一人の方が集中できますよ」

加賀「そうだけれど」

雲龍「なら」





愛宕「あれって単に寂しいだけじゃ……」

高雄「本人には言わない方がいいわよ」


< 価値の理由 >





高雄「今日の誕生花は鉄砲百合。花言葉は“ 純潔 ”と“ 偽れない ”」

愛宕「まぁ、偽れないわよね」

加賀「鈴谷のような子は」

愛宕「鈴谷は純情ビッチ風乙女だとして」

高雄「なんなのそれは……」

愛宕「仮に処女っぽい演技なんてしてても最後はわかっちゃうし」

加賀「なるほど。……しかし再生くらいはたぶんできるわね」

高雄「私は嫌ですけどね。戦傷とはまた別の痛みがあるので」

愛宕「それに一回だけだから意味のあることだものねぇ〜 」


< こもる >





提督「暑いな」

加賀「ええ」

提督「その服だと熱こもらないか? 」

加賀「そうね」

提督「なら匂いとかやば……なんでもねぇわ」

加賀「……そう」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「……今日は屋上で飲むか」

加賀「よい判断です。さすが私の提督ね」

提督「おう」


< 今日もお疲れ様でした >





提督「今日のカクテルはアペロールソーダ。
カクテルワードは“ 心酔わせる者に夢中になれる正直者 ”、だ」

Littorio「それは単に欲望に弱いだけのような」

提督「いいだろそれで。対象に心を鷲掴みされるくらいの魅力があるなら」

Littorio「まぁ、確かに」

提督「な」

Littorio「……蒸し暑いなか外で飲むビールは素晴らしいですね。身も心も酔ってしまいそう」

提督「いいことだ」

愛宕「えっだまめでーす! 」

明石「イエーイ! 」

雲龍「凄い盛り方……殻入れるお皿は……」

提督「うんうん。素晴らしいよ。本当に」


< あなたの影からこんにちは >





天城「えーっと……赤霧島っと」

加賀「あなたがビール苦手なのって本当だったのね」

天城「はい。どうも舌に残るようでいけませんね」

加賀「そう……私にもいただけるかしら」

天城「もちろん。えー……」

高雄「グラスです」

天城「あ、ありがとうございます」

加賀「氷はこっちにあるわ。ええ、そーめん用のものが」

天城「では、どうぞ」





雲龍「……本当に苦手な女がジョッキで三杯も空けるわけないじゃない」


< 歌い出したくなるこの心 >





提督「宝物の恋をしま鮮花ぁぁぁ! 」

明石「しまーす! 」

愛宕「というかしてまーすっ」

提督「せんきゅーうっ」

高雄「やれやれ……ここが基地以外他に何もないところでよかったですね」

雲龍「いつの間に明石は酔ったのよ」

天城「椅子に話しかけていた前回よりはマシですね」

Littorio「あれは酷かった。思わず目を背けたくなるくらい」

高雄「ほら、そんなことしてたら服が汚れますよ」

提督「んー? なんだ脱いでほしいならそうと早く」

高雄「違います。脱ぐならあちらで二人きりでお願いします」

愛宕「うわぁお、だいたーん」

明石「だいたーん」





加賀「一番後悔するのは高雄ね、きっと。…………刺身を追加してきますか」


ありがとうございました


< 疑惑 >





提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……普通に俺のベッドだな。寝ゲロもしてない」

高雄「そうですね」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……なんか最後高雄に脱がされそうになった気がす」

高雄「何記憶捏造してるんです! してませんよそんなことっ」


< 恐れ >





提督「……俺いつ寝た? 」

愛宕「ん……フタマルマルマルくらい」

提督「あぁ、時間は大したことないのか……なんも覚えてねぇや」

愛宕「今回はちゃんと一人でベッドまで歩いて沈んでたわ」

提督「そうか」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……なんも記憶ないんだけど。取り返しのつかないことしてそうだ」

愛宕「それは高……わかったから。ほら睨まないで、ね? 」

高雄「…………」


< 諦め >





高雄「七月十四日の誕生石はスリーカラーフローライト。
石言葉は“ 働き者 ”、“ 無邪気 ”、“ 素直 ”、そして“ 創造 ”」

愛宕「捏造? 」

高雄「…………」

愛宕「素直になればいいのに」

高雄「…………」

愛宕「ま、結局あの人が沈んで半裸で寝てたけど」

高雄「…………なぜあなたは意識がはっきりしていたのかしら」

愛宕「だって高雄よりお酒に強いし」

高雄「……はぁ」

愛宕「別に悪いことじゃないじゃない? 誰も変には思わないわよ」

高雄「…………あの人が覚えてないのはちょっと。いつもあのようにとはいかないのよ、私」

愛宕「そうねぇ……」

高雄「…………」

愛宕「……でも結局あの人より強いのがいけないんじゃない? 」

高雄「……それって私にはどうしようも」


< 雰囲気としか >





雲龍「あ、トンボ」

明石「トンボですね」

Littorio「もう蜻蛉の出る季節ですか」

雲龍「ちょっと早めね。……なんだかあなただけ妙に艶めかしくない? 」

明石「トンボ」

Littorio「蜻蛉? 」

雲龍「……カゲロウ」

明石「陽炎? 」

Littorio「蜉蝣? 」

雲龍「……なにかおかしい気がする。あなた本当にこの国出身じゃないのよね? それに明石は明石でなにか違うし」


< 自分にとっては新しい恋だから >





高雄「今日の誕生花はハイビスカス。
花言葉は“ 信頼 ”、“ 上品な美しさ ”、“ 繊細な美 ”、そして“ 新しい恋 ”」

Littorio「永遠の愛なんてもの、きっと存在しませんよね」

高雄「永遠だと感じさせてくれる恋はありますが」

Littorio「…………」

高雄「…………」

Littorio「……反論しようと思ったけれど高雄が言うと非常に重い言葉ですね」

高雄「それなら他人の男に色目を使うのはやめてちょうだい」

Littorio「ごめんなさい。それは無理」


< 失望か、諦念か >





雲龍「そういえばままごとってしたことないわね」

愛宕「それ普通だと思うけど」

提督「お前ら幼児期ないんだからさ……」

雲龍「でもプレイもままごととして考えれば」

提督「考えねぇよ」

愛宕「それは……」

雲龍「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

雲龍「……ばぶ? 」

愛宕「うわぁ……」

提督「…………ドン引きだよ脳内ピンク女」





天城「……一瞬眩暈がしたのですがこれは天城がおかしいのですか……姉様」

雲龍「忘れて。遊びだから、ね? ジョークよ、お願いだから絶望しないで」


< 褒めてない >





提督「今日のカクテルはカシスオレンジマティーニ。
カクテルワードは“ 人とのつながりを大切にする魂の師匠 ”、だ」

加賀「マティーニの酒言葉の一つに棘のある美しさがあったと思ったけれど」

提督「人とのつながりには棘だとか嫌悪もつき物だろ? 」

加賀「そうだけれど」

提督「それに……俺は棘のある美人を落とすの好きだぜ」

加賀「堕とす、の間違いじゃないかしら」

提督「棘があるな」

加賀「そういう女、好きなんでしょう? 」

提督「まぁな」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……棘の無さ過ぎる男なんて嫌いだと思っていたわ。あなたに会うまで」

提督「そりゃどうも」


< あなたという極上の >





提督「ん、ちょっと上向いて」

愛宕「? ん、ゅる……ぁ…………ちゅ……」

提督「…………昨日はここまでした気がする」

愛宕「ふふ……キスで記憶の更新でもできるの? 」

提督「感覚的にこんだけ気持ちいいこと忘れるわけないだろ。酔ってても」

愛宕「そ、ビール味のキスだったと思うけど」

提督「今は? 」

愛宕「……レモン。好きよね、キスの前の飴」

提督「あぁ。味がお前の味に変わるくらいまで続けるのが好きなんだ」

愛宕「その後も続けるくせに」

提督「止めてほしいのか? 」

愛宕「まさか。……もう一回」


< あなたが欲しくて >






雲龍「自分を自分で慰めるときってどうしてるの? 」

Littorio「……どう、とは」

雲龍「中かそれともク」

Littorio「あ、そういう」

雲龍「そういう」

Littorio「……雲龍はどうなのです」

雲龍「最近どちらでもイけるようになったわ」

Littorio「本当にどうでもいい情報をどうもありがとう」

雲龍「どういたしまして。それで? 」

Littorio「…………いや、Littorioは言いませんよ、絶対に」





明石「普通の女性なら慰めたことなんて無いと答えそうですけどね……結局普通じゃないですよ」


< 動きたくないとき、あるよね >





提督「悪い、ちょっと頼める、かな」

愛宕「どうせなら寝ちゃう? 」

提督「いや……楽になりたい」

愛宕「溜まってるの? 」

提督「なんか丁度酒と疲れが重なった気がする」

愛宕「ふーん……」

提督「……口で頼む」

愛宕「いいけど……乗ってもいい? 」

提督「……こちらこそ」


こう暑いとお酒が進みますね
飲み過ぎにはお気をつけください

ありがとうございました


< ホテらすネツタイヤ♪ >





提督「……くっそ暑いな」

愛宕「ん……そうね」

提督「やめろよな、こんななか密着するの」

愛宕「賢者タイム? 」

提督「……水、取ってくれ」

愛宕「もう温いわよこれ」

提督「…………アイス食べたい」

愛宕「取ってくれば? 私はなんでもいいわ」

提督「そんな気力ねぇわ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………次」

提督「ん? 」

愛宕「先にイッた方がアイスと飲み物取ってくる、ってのはどう? 」

提督「疲れてんだけど……ま、楽しみの為には仕方ないな」

愛宕「自信家ね、ふふ。……負けないんだから」


< 風呂上りに屋上で >





雲龍「…………」

明石「…………」

雲龍「…………」

明石「…………」

雲龍「…………物凄く間抜けな図よね」

明石「…………仕方ないですよ。それにこの暑いなかお風呂に誘ったの雲龍さんじゃないですか」

雲龍「入っている間は快適だったわ」

明石「入りつつ冷たいもの飲むのはよかったですねぇ」

雲龍「…………」

明石「…………」

雲龍「…………」

明石「…………」

雲龍「…………バケツの水に氷入れるのってありかしら」

明石「……雲龍さんときどき本当に天才になりますよね」


< 犬でなにか問題でも? >





提督「…………ほらよ」

愛宕「ありがと☆ 」

提督「…………腹立つ顔」

愛宕「ふふ……負け犬くんはおとなしくしていましょうね? 」

提督「…………」

愛宕「……んふ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………あっ、垂れてきた」

提督「カップにすればよかったかな」

愛宕「んー……」

提督「…………」

愛宕「…………舐める? 」

提督「俺は犬かよ。……………………ん」


< それはもうポニーじゃない >





天城「本当に暑いですね」

雲龍「そうね」

天城「あまりにも暑過ぎるのでポニーテールにしてみました。うなじが涼しいです」

雲龍「似合ってるわ」

天城「ありがとうございます」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……私もしてみようかしら」

天城「それは……似合うと思いますよ? 」


< 結論 >





愛宕「ポニテできそうもないのって高雄だけ? 」

高雄「そうね。結べないこともありませんがきっとみっともなくなりますから」

提督「でもまぁ、雲龍もできない部類だろ。ポニテにはならない」

愛宕「サラブレッドテールとか? 」

提督「そんな適当な」

高雄「そもそもサラブレッドよりも長そうですし」

愛宕「うーん……」

提督「まぁ、うなじが見えるのはいいことだ。隠れてるのもそれはそれでそそるけどな」


< 無表情でも感情は >





高雄「七月十五日の誕生石はローズアメジスト。
石言葉は“ 純粋 ”、“ 前向き ”、“ 向上心 ”、そして“ 美的感覚 ”」

加賀「あなたも弓、引かない? 」

提督「ん? 」

加賀「きっと様になります。それに筋力も十分です」

提督「弓、弓ね……引いたことは何回かあるぜ? 」

加賀「そうなの? 」

提督「学生時代に知り合いとちょっとな」

加賀「……是非、引きましょう」

提督「いや、いいよ。お前が引いてるの見てる方が楽しいし」

加賀「…………」

提督「……わかった、わかったよ。今度呼んでくれ。今日はまだ執務が終わってない」

加賀「ええ、楽しみにしていますから」


< 蠢く魔物 >





愛宕「今日のデザートでーす」

Littorio「チェリー……ですか」

提督「さくらんぼとも言う」

Littorio「Ciliegia、ですね。祖国だと」

提督「ふーん……」

愛宕「……ん、できた」

Littorio「? 」

愛宕「口の中で結べるのよぉ」

Littorio「Littorioもできますよ? 」

愛宕「え、そうなの? 」

Littorio「ええ。…………ほら」

愛宕「あ、ほんと」





提督「…………とりあえずキスが上手そうだと思ったよ、俺は」

高雄「知りませんよそんなこと」


< 温かい心で見守ってください >





高雄「今日の誕生花はローズピンク。
花言葉は“ 満足 ”、“ 愛らしい ”、そして“ 温かい心 ”」

提督「愛らしい」

高雄「はぁ」

愛宕「潮ちゃんとか? 」

提督「なるほど……お前はそういう路線か」

愛宕「路線? 」

提督「俺は鳳翔とかそういう方向を思い浮かべたから」

愛宕「なるほどねぇ〜 。それもわかるわ」

提督「な? あれで身長低いあたりヤバいよな」

愛宕「ヤバいわね」

高雄「…………ヤバいのはあなたたちの頭ですよ」


< それがこだわりだから >





提督「今日のカクテルはチナールコーラ。
カクテルワードは“ 人生にこだわりを持つアーティスト ”、だ」

Littorio「あなたは」

提督「あぁ」

Littorio「絵画や彫刻は嗜まないのですか? 」

提督「んー……そんなにだな。特に抽象芸術とかシュールレアリズムはわからないし。Littorioは? 」

Littorio「Littorioもそこまで造詣が深いというわけではありませんけれど」

提督「そっか。好きな画家は? 」

Littorio「ティツィアーノを」

提督「へぇ……」

Littorio「……」

提督「……ティツィアーノ、飲むかい。イタリア生まれのワインカクテル」

Littorio「ふふ……お酒の知識が豊富だこと。どこで覚えたのかしら? 」

提督「……問題あるか」

Littorio「いえ……もちろんいただきましょう」


< 風鈴の音が響く >





天城「蚊取り線香、ですか」

雲龍「今年もこの時期なのね」

Littorio「本当に効果があるのでしょうか」

天城「あると思うのも大事ですよ。それに天城はこの匂い、嫌いじゃないです」

雲龍「そうね。いい匂いではない気もするけど」

Littorio「はぁ」

天城「…………」

雲龍「…………」

Littorio「…………」





高雄「……なにしてるの、Littorio」

Littorio「いえ、蚊取り線香というものが効果的なのか観察していたのです」

高雄「は?

Littorio「……でも近くに蚊が来ないの」

高雄「…………馬鹿め……と言って差し上げますわ」


< 色か形かデザインか >





天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………姉様ってかなり過激な下着ですよね」

雲龍「……そう? 天城も結構エグいような……」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「……姉様程ではありませんよ。ええ」

雲龍「……でもあなたがそれを、と考えると一気に……その、そそるって言われそうよ? 」





明石「……私からすれば……いや、まぁ私もこっち来てからちょっと変わりましたけども」


< 柔らかな土の匂い >





加賀「虫の音を聴きつつお酒や西瓜を、というのも悪くない」

明石「や、そんなものなくても普段から飲んでるじゃないですか」

加賀「風流や趣を解すのとそれは矛盾しないわ」

明石「はぁ」

加賀「……明石も」

明石「あ、どうも」

加賀「…………」

明石「…………」

加賀「…………」

明石「…………」

加賀「…………雨、降るわよ」

明石「はい? 」


< 滑らかな髪の匂い >





提督「ん、いい匂い」

高雄「ゃ……シャンプー、ですよ」

提督「高雄の髪だからだよ。匂いがよくてもボサボサの汚い髪なら意味がない」

高雄「そう……んっ」

提督「……気にしてない? 」

高雄「……なにを」

提督「ポニテ」

高雄「あぁ……別に」

提督「そうか? 」

高雄「…………そんなこと。あなたが気にしないって知ってるから」

提督「そう」

高雄「ええ」

提督「……高雄の部屋、行きたいな」

高雄「…………お招き、いたしましょう」


ありがとうございました


< とある朝のひとこま >





提督「ん……」

高雄「ぁ……ちょっと、苦しいです」

提督「聞こえない」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……今日は蒸し暑そうだな」

高雄「……ええ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………もう少し、抱き締めさせて」

高雄「…………仕方、ないですね」


< そしてこれもまた >





加賀「……これ、どこに捨てればいいかしら」

愛宕「あら、壊れた傘? 」

加賀「おそらく昨夜の雨と風で飛んできたのでしょう。
基地の近くに落ちていたわ」

愛宕「ありがとうございまーす。ゴミは……そのまま廃棄だから……ちょっと待ってくださいね」

加賀「ええ」

雲龍「……おはよう」

天城「おはようございます」

加賀「おはよう。相変わらずね」

雲龍「昨日は風の音が煩くて寝付けなかったの」

天城「いつも通りじゃないですか」

雲龍「そう……? ……とりあえず眠いわ」

加賀「……相変わらずね、色々と」


< なぜ使い始めに壊れるのか >





提督「麦茶くれ」

愛宕「んー……はい」

提督「さんきゅ。……っはぁ」

愛宕「温度自体は下がったけど蒸し暑いわねぇ」

提督「あぁ。これは辛い。汗が書類に落ちる」

愛宕「タオルでも頭に巻く? 」

提督「嫌だなぁ、暑い暑い暑い」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……明石ー、クーラーまだ直らないの? 」

明石「あとちょっとあとちょっとですから。それより私にも麦茶……」


< 井戸ば……ガールズトーク >





天城「明石さんも大変ですね……」

雲龍「クーラーを直せるの彼女しかいないから」

高雄「まぁ、業者や陸軍を呼ばなくてもいいのは楽でいいです」

天城「? 」

高雄「……暑いですよね」

天城「まぁ……はい」

高雄「ブラウスの胸元を開けたり薄着するじゃないですか」

天城「してますね。高雄さんらしくもない」

雲龍「ボタン最初からなくてもいいわね、それ」

高雄「それで業者など呼ぶと……その、見られるんですよ」

天城「あー……なんとなくわかります」

雲龍「男ってそんなものよね」


< 避難所 >





加賀「と、言いつつ提督と愛宕と明石以外は全員談話室にいるのね」

Littorio「彼らは修理と監督だとして……Littorioたちが犠牲になる必要はありませんから」

雲龍「犠牲ってあなたね」

天城「麦茶のおかわりが欲しい方は? 」

雲龍「お願い」

Littorio「Littorioも」

加賀「私はいいわ」

高雄「私も一杯。……そろそろ終わるでしょうし。飲み終わったら戻って仕事でも再開しますか」


< 過度な露出 >





天城「……でも高雄さんブラウス直したりしていきませんでしたね」

加賀「業者も陸のも来てないじゃない」

天城「提督がいます」

雲龍「それ比べられると思うの? 」

天城「いえ、そうは言いませんけれど」

雲龍「そういうものよ。あれで高雄はむっつりだし。誘い受けというかなんというか」

天城「はぁ」

加賀「あなたが言うと説得力あるわね、とても」


< 暗黙の >





高雄「七月十六日の誕生石はミルキーアクアマリン。
石言葉は“ 健康 ”、“ 努力 ”、“ 素直 ”、“ 健全 ”、そして“ 優しさ ”」

提督「なんか面白みのない単語が並んでる感じだな」

高雄「石言葉は面白みなんて求めてないと思いますけど」

提督「でもさぁ、なんか欲しくない? 」

高雄「私は普通の生活で十分です」

提督「うーん……」

高雄「…………あなたが健康で、今まで通り優しくて、私があなたに素直であろうと努力する日々。十分じゃありませんか」

提督「……まぁな」

愛宕「…………そこで健全を抜くあたり実にここらしいわね」


< どちらが手を出したかはご想像に >





高雄「今日の誕生花はライラックホワイト。
花言葉は“ 若さ ”、“ 青春の歓び ”
、そして“ 美しい契り ”」

提督「美しい契りってなんだ? 」

愛宕「そりゃ……結婚でしょ」

提督「でも政略結婚とか」

高雄「そういうのって今の時代にもあるんでしょうか」

提督「政治上はさすがにないだろうけど社内で上司の娘と、とかはあるだろ。軍でもあるし」

愛宕「じゃああれよ。契りを結ぶ人が美しければいいのよ」

提督「借金の書類に判を捺す美人とかどうすんだよ」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「…………なんかエロいでっ」


< くノ一かなにかか >





Littorio「あなたって割と童顔ですよね」

愛宕「そう? 」

Littorio「ええ、ショートにしたらよくわかると思うの」

愛宕「うーん……今のところ切る予定はないんだけど」

Littorio「いえ、構いませんよ。切ってほしいわけではなくて」

愛宕「そ」

Littorio「ええ」

愛宕「…………あれ、でも私が童顔に見えるってことは高雄が老けて見え」

高雄「なにか? 」ヌッ

愛宕「……別に? 今日も大人っぽくて綺麗よ? 」

高雄「そう……ありがとう。あなたも愛らしくて自慢の妹よ。……ふふ」

愛宕「……ふふ」

高雄「……ふふ」

Littorio「……………………高雄は本当にどこからでも現れますね。はっ、もしやこれがニンジャ」


< それはこの世で最も尊き >





提督「今日のカクテルはサザンコーラ。
カクテルワードは“ 力を貸すことに歓びを感じる素直な人 ”、だ」

明石「これって普通の感覚じゃないです? 」

提督「ん? 」

明石「例えば今日なんかエアコン直したりしましたけど歓びというか悪くない気分でしたよ? 」

提督「そうか」

明石「あなたや高雄さんたちが喜んでくれると思えばどうということもないですし」

提督「……明石」

明石「なんです」

提督「お前さ……いいやつだよな。お前みたいなやつが沢山増えればいいのにって思うよ、俺は」

明石「はぁ。……? 」


ありがとうございました


< 幸せというのは幸せにしたい人がいるということである >





提督「あぁ……生卵美味い」

高雄「大丈夫ですか。それ割と危険水域だと思いますけれど」

提督「じゃあ、お前がもう少し自重しろよ」

高雄「……あなたが、__さんが自重すればいい話では」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……Please repeat.」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………あなた以外考えられない程に。高雄という女は、__さんなくして存在できませんよ」

提督「……………………あぁ、高雄。お前を幸せにしたい。お前は幸せか? 」

高雄「この上なく。幸せですよ」


< あつがなついからね >





愛宕「あら、もう変えるの? 」

高雄「ええ、さっき見たら枯れかけていたから」

愛宕「ふーん……やっぱりこの季節はお花もすぐ萎れちゃうわねぇ」

高雄「そうね」

愛宕「……そういえばお花を選ぶ基準ってなんなの? 」

高雄「基準、というか。割と気分ね」

愛宕「そうなの? 」

高雄「ええ。いつも同じ花だと面白くないかな、くらいよ」


< 本人は一生懸命なのかもしれないが >





高雄「七月十七日の誕生石はプラセールゴールド。
石言葉は“ 一途 ”、“ 熱心 ”、“ 一生懸命 ”、そして“ 真実を求める ”」

Littorio「一途というのも行き過ぎると考えものですよね」

高雄「まぁ……そうかしらね」

Littorio「お互いに満足しているならばいいけれど一方通行の一途さは恐ろしいわ」

高雄「ストーカーとかですね」

Littorio「ええ、Littorioはたぶんすっぱりとお断りしてしまうのでその後が怖いわ」

高雄「そう」

Littorio「…………」

高雄「…………」

Littorio「……でも、提督はそういうタイプじゃありませんね」

高雄「タイプというか一途になる理由がないというか……タイプもですけれど」



< 制服は似合うかな? >





加賀「大学生って大変ね」

明石「はぁ」

加賀「就職活動なんてストレス酷いでしょう」

明石「でも割とモラトリアムみたいなものだと思いますけど」

加賀「そうかしら。江田島に行ったことがあるけれどあれは楽しいとはあまり思えないわ」

明石「江田島と普通の大学はまた別ですよ。
帝大生だって殆どは軍じゃなくて就職か官僚でしょう?
いかに軍がそういう場所かわかるってもんです」

加賀「む……」

明石「まぁ、私は生まれ落ちてからずっと軍にいますから詳しくは知りませんけどね」

加賀「…………」

明石「…………」

加賀「……私も学生になりたいわ。いつかなってみたい」

明石「いいんじゃないです? きっとモテますよ、加賀さんなら」


< 誰のための >





雲龍「バスケタンクというのを試してみたの」

提督「見りゃわかるが……いいんじゃないの」

雲龍「あまりいい反応じゃないわね」

提督「……俺、ロンスカ好きなんだよ。ワンピースもロングがいい」

雲龍「……高雄は? 」

提督「あいつはまた別のな。……ミニの際どさも嫌いじゃないけどさ。

雲龍「そう……」

提督「まぁ、お前は似合ってると思うぜ? 背高いしおっぱいあるし足綺麗だしな」

雲龍「……あなたが好きじゃないと意味がないわ」

提督「嫌いではないぜ? 」

雲龍「意味が、意味がないのよ、それじゃあ」

加賀「…………難儀な性格ね。私もだけれど」


< あなたは愛に相応しく >





高雄「今日の誕生花はローズホワイト。
花言葉は“ 清らかな愛 ”、“ 尊敬 ”、そして“ 私はあなたに相応しい ”」

提督「へぇ……」

高雄「なんです」

提督「今朝から執務室の花瓶に差してある花は? 」

高雄「白い薔薇ですね」

提督「差したのは? 」

高雄「私ですが? 」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……俺もあげなきゃダメかな」

高雄「いえ、既に私のものですから。確認するほどのことでも」

提督「そう、か」

高雄「くださるのであればいただきますけれど、ね」


< どうなるのかな >





提督「国立競技場ねぇ」

愛宕「結局どうなるのかしら」

提督「一応明言してるし。さすがに今回の決定は撤回しないんじゃないの」

愛宕「他人事」

提督「他人事だからな。スポーツは好きだけど」

愛宕「でも野球はきっとやらないわよ? 」

提督「別に野球が特別好きなわけでもないし。
サッカーもテニスも同じくらい好きだよ」

愛宕「柔道は? 」

提督「見ててもどかしいもん。俺ならこうする、って感じでさ」

愛宕「テレビ観ながら身体動くタイプよね」

提督「子供の頃から直んなくてな」

愛宕「それ可愛いわね。お姉さん食べちゃいたいかも」

提督「そうか? 」

愛宕「写真とかないの? 」

提督「あるだろうけど……アルバムどこやったかなぁ」


< 非常に名誉な >





加賀「んっ、んっ……っはぁ」

雲龍「品位も誇りもあったもんじゃないですね」

加賀「それだけあなたたちを信頼しているということよ」

雲龍「……そ、そう、ですか」

加賀「でもここにきて初めてよ。赤身をビールで流し込むなんて食べ方覚えたの」

明石「……おじさん臭い」

提督「な、なんだって。俺がおじさんだと」

愛宕「フェロモンみたいなものよぉ〜 」

提督「なーんだ、安心だね」

高雄「そんなわけありますか」

加賀「……美味しいじゃない」





雲龍「……信頼、信頼……そう。私、明日も生きていけるわ」

天城「姉様……」


< 地政学上云々 >





提督「今日のカクテルはノルマンディコーヒー。
カクテルワードは“ 社会で人間関係を構築する勇者様 ”、だ」

雲龍「……これつくった人ってもしかしてニートなの? 」

提督「や、そんなことは……」

雲龍「でもそうとしか思えないんだけど」

提督「…………」

雲龍「せめて人格者とかにすればよかったのに」

提督「……ノルマンディだから勇者にしたのかもな」

雲龍「あぁ、なるほど……嫌なイメージね」

提督「っても中世のノルマンディ公国の成立過程からしてそんなもんだし」

雲龍「はぁ」

提督「しかもそのあとのノルマンコンクェストだって征服戦争であってだな」

雲龍「ふーん……焼酎が飲みたいわ」

提督「ウィリアムが……芋でいいか? 」

雲龍「ええ」





天城「……姉様、いい話の逸らし方でしたね」

雲龍「あまり歴史や戦争の話はしたくないもの。
それに本当に飲みたかったから許してほしいわ」


< どうかな >






提督「あー……谷間に指と舌挟み込みたい」

愛宕「いいけど……明石が目の前に」

明石「……いますね」

提督「明石のおっぱいも吸いたい揉みたいいじめたい」

明石「私は……愛宕さんとかよりちいさいですから」

愛宕「でも明石も大きい方よね〜 。たぶん挟めるし」

明石「……」

提督「おっぱいに貴賎はねぇよ。感じてくれればね」

明石「貴賤なんて大袈裟な」

提督「は? 俺が言ってんだぞ? 」

愛宕「相当説得力あるわね」

明石「……それはそれでどうなんです」


< 男女区別。差別にあらず >





提督「……青白い血管浮いたおっぱい吸いたい」

雲龍「……私もあなたのおちん」

提督「馬っ鹿じゃねぇの。女の子は品位を守ってください」

雲龍「えぇ……あなたも大概だと思うけれど」

提督「男はいいんだよ。皆変態だ」

雲龍「女だってまともな頭してれば好きな男に抱かれたいし奉仕してあげたいのよ」

提督「……マゾ女の意見はあんまり」

雲龍「ソフトサドの意見こそあんまり」

提督「…………おっぱい」

雲龍「おちん」

提督「ばーか」


ありがとうございました


< そのうち、ね >





明石「そういえば演習ってどうなったんです。なんか待機命令だけ出てますけど」

提督「あぁ、たぶん月末だ。横須賀とかから色々呼んだらずれた」

明石「はぁ。なるほど」

提督「最初はここの人員だけにしようと思ったんだが……そろそろ大規模な作戦があるらしくてな」

明石「へぇ……」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………それ凄い機密ですよね? 」

提督「おう。喋ったらただじゃ済まないぞ」

明石「えぇ……聞いたこと忘れたいんですけどそれ」

提督「気にすんな気にすんな。そのときは俺も一緒よ」

明石「全く嬉しくないです」


< 流行というか一時的な発作 >





高雄「七月十八日の誕生石はレインボームーンストーン。
石言葉は“ 優しい ”、“ 素敵な笑顔 ”、そして“ 流行に敏感 ”」

提督「いっぱい食べる君が好きー」

高雄「テンション高いですね」

提督「雨だとテンション上がらない? 」

高雄「わからなくもないですけど……」

提督「はー……このまま外で水遊びしてぇ」

高雄「ご勝手に」

提督「来ないの? 」

高雄「見ているだけなら」

提督「ばしゃばしゃしない? 」

高雄「しません。汚くなるじゃないですか」


< 自己嫌悪 >





高雄「今日の誕生花はモナルダ。花言葉は“ 安らぎ ”」

加賀「前線に出張っている方から見ればここはオアシスのようなものでしょうね」

天城「……そうですね」

加賀「彼ら彼女らこそ休息が必要なのかもしれないわ」

天城「…………そうですね」

加賀「私も、いつかはこの報いを受けるかもしれない」

天城「………………そうですね」

加賀「それでも……抜け出せないのが恐ろしい。自分も、彼も、ここも」

天城「……………………そう、ですね」

雲龍「……まったく安らげてない顔してるけれど大丈夫? 」


< 明石とLittorioの夏グラが >





愛宕「で、結局浴場で水遊びって」

提督「ふははは、今回は人数分の水鉄砲もあるぞぉっ」

高雄「……また、意味のわからないお金の使い方を」

雲龍「で? どうして隠してるの? 」

明石「だって恥ずかしいじゃないですか。雲龍さん恥ず、かしくないみたいですね、ええ」

天城「……Littorioさん。その……胸の下が」

Littorio「見せているのですけれど」

加賀「天城も割と……まぁ、ある程度大きいと隠そうとした場合逆に見苦しくなるものね、水際って」


< スケTは基本 >





提督「いえーい! すっけすけーいっ」

加賀「……頭にきました」

提督「へーい、艦載機の操作しかできないんじゃないのー? 」

雲龍「なんですって」

天城「……天城たちも敵に回しましたね」

Littorio「ふふ……ではLittorioは戦艦組として提督側に」

愛宕「重巡は……鉄砲ちーむ? 」

高雄「皆さん乗り気ですね……」

明石「仕方ないですねー……空母ちーむになりますかぁっ」


< 本日のハイライト >





雲龍「あんっ。水着の紐がぁん」

提督「お? 」

天城「余所見は禁物、ですよっ」

提督「あ? ぶへっ」

高雄「やれやれ……」

加賀「提督を狙いましょう」

明石「えーい! 」

Littorio「えーい! 」

提督「つっめた。つーかてめぇ仲間だったろうがよLittorioぉ! 」


< 終わった。何もかも >





提督「ふぅ……堪能した」

愛宕「ぷるっぷるのばいんばいんだったわねぇ」

提督「うん」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………びっしょびしょねぇ」

提督「…………なんで廊下に出てまでやったんだろ」


< そもそもいい大人は酒を飲むのか >





提督「今日のカクテルはソココーラ。
カクテルワードは“ 歓喜の爆発を覚醒させる行動派 ”、だ」

雲龍「本格的に意味がわからないんだけれど」

提督「ほら、あれだよあれ。この時期暑いしな。つくったひとも疲れてたんだよ」

雲龍「別に一つ一つ一日ごとに考えたわけじゃないと思うの」

提督「……ソココーラってのはサザンカンフォートの頭文字を取ってソコ。
それとコーラのカクテルなんだよね」

雲龍「……そう」

提督「意味がわからないことをそのままにしておける大人になりなさいってことだよ、うん」

雲龍「お酒を飲めるのは大人だけ、違う? 」

提督「いい大人とは言ってないだろ? 」

天城「まったくです」


高雄と愛宕はいつになったらボイスとかグラとか……

ありがとうございました


< あなたは私の世界そのものだから >





提督「……愛宕」

愛宕「なぁに? 」

提督「好きだよ。この世のなによりも」

愛宕「酔ってる。私のことそんなに好き? 」

提督「俺のことが信じられない? 」

愛宕「……大好き。あなたのこと、なによりも信じられる」

提督「…………」

愛宕「……死んでもいいし、殺してもいいのよ。あなたになら、私」

提督「お前は俺の幸せなんだ。幸せを自分で壊すか? 」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……ん……ゅる……ん…………ちゅ……」


< あなたは私の世界そのものだから >





提督「……愛宕」

愛宕「なぁに? 」

提督「好きだよ。この世のなによりも」

愛宕「酔ってる。私のことそんなに好き? 」

提督「俺のことが信じられない? 」

愛宕「……大好き。あなたのこと、なによりも信じられる」

提督「…………」

愛宕「……死んでもいいし、殺してもいいのよ。あなたになら、私」

提督「お前は俺の幸せなんだ。幸せを自分で壊すか? 」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……ん……ゅる……ん…………ちゅ……」


ミス
申し訳ない


< 本音が漏れてしまうほどには >





雲龍「……彼の部屋から雌の匂いがするわ」

高雄「愛宕、ですね」

加賀「今、乱入してもいい? 」

高雄「邪見にはされないでしょうけど……嬲られますよ」

加賀「愛宕に触られるのはちょっと」

雲龍「あの人の指や舌以外はダメよ」

天城「……天城は……正直に言えばあの人が一途なら、欲しいです」

雲龍「酔ってるわね。本音が出るくらいなら」

天城「……天城も女、ですから」


< 真っ赤な、真っ赤な…… >





提督「Littorio」

Littorio「お呼び? 」

提督「……昨日の水着」

Littorio「んー? 」

提督「悪くない、いや、実に好みだ」

Littorio「それはよかった。LittorioがLittorioらしさを出した甲斐があるというもの」

提督「実に地中海的な……」

Littorio「地中海的な? 」

提督「…………俺のこと好き? 」

Littorio「わからない? 」

提督「…………いつまでここにいるの? 」

Littorio「さぁ? 」


< 熱心に消極を守るという >





高雄「七月十九日の誕生石はロードクロサイト。
石言葉は“ 熱心 ”、“ 実力 ”、“ 責任感 ”、そして“ 創造的 ”」

明石「あれって口説いてるんでしょうか」

愛宕「口説くっていうか……お互いに踏み込んだ会話なんてしたくないけどなんとなく喋ってたいみたいな感じでしょ」

明石「はぁ」

高雄「あそこで押していかないあたりLittorioもよくわからないわね」

愛宕「…………」

明石「…………」

愛宕「……自分はなかなか見えないものよね。生きていると」

明石「……そうですね」


< 後悔の数だけ女性は >





高雄「今日の誕生花はトリカブト。
花言葉は“ 後悔 ”、“ 敵意 ”、そして“ 騎士道 ”」

雲龍「後悔、敵意、トリカブト……」

提督「や、別にそんなね。トリカブトの花って紫で綺麗じゃん」

雲龍「それで? 」

提督「なんも。綺麗であることに既にポジティブな意味があるからさ。
それに騎士道なんてなかなかイカした言葉だろ」

雲龍「……綺麗であることに意味、ねぇ」

提督「トリカブトは花だ。人間じゃねぇからな」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……真理ね」

提督「な」


< まだかなまだかな >





天城「梅雨明け、しました? 」

加賀「体感的には」

明石「例年はもう少しあとみたいですけどね」

天城「まぁ、これ以上酷くは降らないでしょう」

加賀「そうね。お酒の美味しくなる時期よ」

明石「私は何もツッコミませんからね……でも湿気が減ると楽でいいですね」

天城「髪のお手入れも……ええ」

明石「機械系は気を付けないとですからね」

加賀「食べ物も」

明石「…………本当そういうのばっかりですね加賀さん」


< 一夜の夢を見ませんか? >





提督「今日のカクテルはドランブイオレンジシェーク。
カクテルワードは“ 常に前向きな姿勢で臨むまっすぐな人 ”、だ」

雲龍「普通ね」

提督「最近がおかしかっただけだしな」

雲龍「……私、綺麗? 」

提督「あぁ。だけど俺がそれ以外の応え方すると思うか? 」

雲龍「…………」

提督「でもそうだな……お前の前向きになれない自分が嫌いで諦めつつ諦めきれないところ、綺麗だと思うぜ」

雲龍「ふふ……なにそれ」

提督「女の綺麗な理由なんて幸せか不幸せしかないからな。お前の綺麗は幸せだからこそ浮き上がる不幸せだ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……シェリー酒」

提督「なんなりと」


や、全然問題ないです、はい
>>1も連投とかしてますしね

ありがとうございました


< 廊下で合流 >





提督「っ……フ-…………」

愛宕「……目にしみるわ」

提督「離れてろよ。……服に臭いつくぞ」

愛宕「今日までの寝巻きだから」

提督「あっそ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……雲龍は? 」

提督「寝てた」


< 本日も平常運転 >





提督「海の日だな」

高雄「ですね」

提督「休日の筈だよな」

高雄「世間では」

提督「……水着の女の子と砂浜と太陽はどこだ? 」

高雄「そこらの浜辺にはいるのじゃないですか」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……不貞寝したい」

高雄「ダメです」


< 理解されないユーモア >





明石「そういえば山の日ってできましたよね」

加賀「八月の十一日ね」

明石「ええ。来年からですけど……必要だと思います? 」

加賀「休みは多い方がよいのじゃなくて? 私たちには殆ど関係ないとしても」

明石「そうですけどね。でも、それなら六月になにかつくるべきじゃないかなぁと」

加賀「……酷なことを言うようだけれど」

明石「はぁ」

加賀「五月病罹患者を淘汰するのに必要だと思うわ。今の六月」

明石「…………」

加賀「…………」

明石「……それ酷すぎませんかねさすがに」

加賀「……そこまでかしら。笑うところだと思ったのだけれど」


< ケアの具合とかね >





高雄「七月二十日の誕生石はアクアマリンキャッツアイ。
石言葉は“ 努力 ”、“ 素直 ”、“ 勇気 ”、“ 活発 ”、そして“ 前向き ”」

提督「…………」

愛宕「なんだかやけに真面目に執務してるわね」

高雄「ええ」

提督「…………」

愛宕「凄くない? これ重要なのは殆どもう終わらせてるし」

高雄「そうね」

提督「…………」

愛宕「……熱でもあるの? それともなにか」

高雄「…………今日は水着を見たいそうよ。二人分の」

提督「…………」

愛宕「あっ……」

高雄「…………」

提督「…………」

愛宕「…………ちょっと確認してくるわ」

高雄「そう」


< そんな代価があるのなら >





高雄「と、言っても先日着たばかりですよね。浴場でしたけど」

提督「わかってねぇな。全く違うんだよ」

高雄「はぁ」

提督「なにより触れるかどうか。これが大事だ」

高雄「…………」

提督「欲にまみれた男は強いぞ。今の俺は普段の数倍強い」

高雄「……ここで私がストリップショーでも始めたらそれでも触れずに夜まで待てますか? 」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………やんねぇの? 」

高雄「ふふ…………ダメです。夜まで待ってくださいね」


< 考えることは同じ >





高雄「今日の誕生花はフィソステギア。
花言葉は“ 素直さ ”、“ 達成 ”、そして“ 努力 ”」

提督「…………」

愛宕「ふぅ……大丈夫だったわ」

高雄「最近着たばかりでしょう? 」

提督「…………」

愛宕「それでも、よ。お腹はともかくヘアは気を抜くと危ないもの」

高雄「そう。まぁ……そうね」

提督「…………」

愛宕「……それにしてもやる気あるわね。よくやるわ」

高雄「欲望にまみれた男は強いらしいわよ」

愛宕「ふーん……? 」

提督「…………ニヤニヤすんじゃねぇよ。揺らぐから変なことすんな」


< まぁ、伝えられることじゃないから >





提督「今日のカクテルはイスラデピノス。
カクテルワードは“ 物事に手応えを感じる情熱家 ”、だ」

雲龍「訊いてみたかったのだけれど」

提督「ん? 」

雲龍「女を落とした、って思う手応えって? 」

提督「手応え、手応えね」

雲龍「ええ」

提督「…………俺が相手を見ていないときに俺を見ている視線があってそれの雰囲気が変わったときかな」

雲龍「……」

提督「たとえば背中を向けているときに勝手に追ってきているときとか」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……ありがとう。ちょっと気をつけようって思えたわ」


< ガワは置いといて >





提督「……さて」

高雄「なんです」

提督「なんだ、とは? 」

高雄「さて、とは? 」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……先に部屋に行ってる」

高雄「…………」





愛宕「勘違いしちゃいけないわね。かなりだっさい背中だわ」


< 理由はなんだって。君に触れたいだけなんだ >





高雄「…………ん」

提督「…………」

高雄「……ぁ……っ…………」

提督「……声、出してもいいじゃん」

高雄「…………」

提督「……ん? 」

高雄「…………愛宕が、まだ」

提督「それで? 」

高雄「二人が並んだところを、見たかったのでは? 」

提督「いつでもできるじゃん? 」

高雄「…………っ……たに、まだめっ……ーーーー」


ありがとうございました


< リップズ >





高雄「おはようございます」

提督「ん……早いな」

高雄「今日の朝食を」

提督「あぁ、頼む」

高雄「できる頃には来てくださいね」

提督「はいよ……暑いからシャワー浴びてくる」

高雄「身体ベトベトですしね。なかなか酷いものでした」

提督「俺は悪くない」

高雄「どうだか」


< 時間があればそれ以外で、ね >





提督「…………谷間に汗かいてるぞ」

愛宕「…………頭痛い」

提督「水かスポドリの口移しかと思ったらブランデーってお前」

愛宕「……ビキニと男と女にはお酒かと」

提督「間違っちゃいないけど偏見だぜそれ。……汗かいてる」

愛宕「…………何時? 」

提督「朝食四十分前くらい」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………特になにかできる時間じゃない、か。ティッシュ取ってくれる? 」


< そんなものを凝視するな >





提督「…………」

愛宕「……また谷間に鬱血痕。好きねぇ本当」

提督「…………」

愛宕「? ん…………どうしたの? 」

提督「……床に」

愛宕「床? 虫かなにか? 」

提督「いや、お前のビキニが」

愛宕「んー……パンツはあっちに……ってなんであんなとこまで飛んでるのかしら」

提督「ここにブラの方があるんだが」

愛宕「うん」

提督「白っぽい液体が右カップに溜まっいでぇっ」


< 以外と難しい。話題変え >





高雄「七月二十一日の誕生石はモスアゲート。
石言葉は“ 継続力 ”、“ 理解力 ”、“ 向上心 ”、そして“ 現実派 ”」

提督「現実がどうって話じゃないんだけどさ」

高雄「はい」

提督「友達が娘に桜花って付けてたんだよ」

高雄「……他意や悪意はないのでしょうけど。海軍に身を置く身としては複雑ですね」

提督「あぁ。栄え少女の方しか知らないみたいだったしな」

高雄「言わない方がよさそうです」

提督「つーかもう三歳だったかな、確か。今更言うのはそれこそ現実的じゃない」

高雄「ですね」

提督「あぁ」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……そういえば私も一度台湾の高雄だと思われていたことがありますよ」


< あれで自覚があるのはちょっと…… >





雲龍「今更だけれど」

明石「はい」

雲龍「この前水着を着ていたじゃない」

明石「水鉄砲大会のときですね」

雲龍「あなたどう考えても裸エプロンみたいだったわよ」

明石「えっ」

雲龍「違った? 」

明石「えっ、え? 」

雲龍「狙ったんじゃないの? 」

明石「違いますっっっ、もーうー……だって恥ずかしいじゃないですかぁ……。
もっと恥ずかしいことになってたみたいですけど」


< ああ言えばこう言う >





高雄「今日の誕生花はローズイエロー。
花言葉は“ 愛情 ”と“ 美 ”」

雲龍「愛情なんて容姿や言葉での洗脳よね」

高雄「またやさぐれたようなことを」

雲龍「……何かされたって思わないとやっていけないじゃない」

高雄「そうですか? 手の平で踊らされるのも悪くない気分かと」

雲龍「…………高雄だから言えるのよ。高雄はお互いに踊らせてる方だもの」

高雄「…………」


< まぁ、仕方ないよね >





提督「泳いでこようかな。暑い死ぬ」

高雄「構いませんけど」

提督「あ、お前も来るか? 」

高雄「いいですよ。訓練プールですよね」

提督「あぁ。丁度陸のやつらは練兵場にいるし」

高雄「では水着を用意してきます」

提督「おう」





提督「…………」

高雄「…………」

提督「……やっぱエロいわ。競泳水着」

高雄「……タオルでも持ってきましょうか。その状態だと泳ぎにくいでしょう」

提督「や、誰もいないしここは……ーーーー」


< 澱んだ世界、あるいはぬるま湯のような >





提督「今日のカクテルはラズールオレンジ。
カクテルワードは“ 人生という名の迷路を進む活発な人 ”、だ」

雲龍「活発だから脱けられるわけじゃないのだけれどね」

提督「そりゃな。ときには迷うことも止まってみることも重要だ」

雲龍「ええ」

提督「まぁ、でもさ。迷路なんて一人で入らなきゃいけないルールもないし。
一緒に入る人が楽しいやつだと嬉しいかな」

雲龍「楽しい、ね。そもそも迷路に入ったことなんてあるの? 」

提督「今も、さ。この迷路は脱けてしまってはいけない迷路なんだ」

雲龍「ふーん……? 」


< 一つ一つ積み重ねたものがあるからこそ >





提督「知ってるか? 異常な状況で結ばれると長続きしない」

愛宕「ふーん……ずっと異常な状況下にいるとどうなの? 」

提督「む……吊り橋効果が永続状態なんじゃない? 」

愛宕「つまりずっと異常でいればいいのね」

提督「それ心臓がもたねぇよ」

愛宕「もってるじゃない」

提督「…………もしかしなくても異常な状態か」

愛宕「これで普通ってのはさすがに私も……」


< あの発想には脱帽せざるを >





明石「あれ、何観てるんです」

Littorio「さぁ……Littorioも先程見始めたので」

明石「なるほど」

Littorio「ええ」

明石「…………」

Littorio「…………」

明石「……えぇ」

Littorio「……なんと」





提督「水着……男女……シャーク……あっ」


< アルコール高め >





明石「…………」

Littorio「…………」

加賀「泡盛ね」

愛宕「チャンプルーつくってきましたぁ〜 」

高雄「テビチやミミガーもありますよ」

加賀「安易な。悪くないけれど」

提督「シャーク映画を死んだ目で観る二人ってのも……取り皿くれ」

明石「…………あ、終わった」

Littorio「…………」

高雄「Littorio殆ど寝てるじゃない……ちょっと、お酒ありますよ」

加賀「起こさなくても。一人の取り分が減るわ」

愛宕「加賀さん……」


< 非現実という意味では >





天城「泡盛、初めてですね」

雲龍「そうね」

天城「思ったより飲みやすくてびっくりしました。
もっとクセがあるのかと」

雲龍「あなたの感覚は頼りにならないわよ? 」

天城「はぁ」

雲龍「私はそれよりもミミガーが好きね。気に入ったわ」

天城「天城も好きです、この味」





Littorio「…………なんだかんだ現実世界の方がまともですね」

高雄「なぜ少し考えたのよ……シャーク映画に比べられる私たちの生活とは一体」


< 今夜も、また >





提督「やっべ酔った」

愛宕「って言える位には大丈夫よね」

提督「や、許容範囲は越えた気がね……動きたくない」

愛宕「食堂で寝る? 」

提督「ベッド、ベッドじゃないと嫌」

愛宕「わがまま」

提督「お前程じゃ」

愛宕「……自力で辿り着いたら一緒にお風呂に入ってあげる」

提督「んー……」

愛宕「泳いできただけじゃないんでしょ? ずるいわよ」

提督「…………あと五分」

愛宕「はーい。お湯張ってくるわね」


ありがとうございました


< 冷たい水と珠の汗 >





Littorio「……ん、ん……んく」

高雄「……暑いわね」

Littorio「まさか深夜になってAcqua……お水を飲みにきたら」

高雄「会うとはね」

Littorio「……提督は? 」

高雄「今頃愛宕と盛っている頃よ」

Littorio「なるほど……あなたは? 」

高雄「そんな気分じゃないの。昼過ぎにはプールでシたし、ね」

Littorio「…………」

高雄「…………」

Littorio「……もしかしてLittorioと時化込むならオーケ」

高雄「そんなわけありますか」


< なんだか普段のあなたではなくて >





高雄「ちょっと待って。Littorioはもしかして、あー……同性愛者なの? 」

Littorio「いえ……この際だから言いますけれど……Littorioはあなたの男が好きです」

高雄「……」

Littorio「いいのよ。彼が高雄や愛宕のおまけで愛してくれるだけでも。
Littorioが二人分彼を愛するのです」

高雄「…………私、あなたのこと、友人だと思ってるわ」

Littorio「ありがとう。Littorioも同じです」

高雄「…………だけどその親友のために私はなにもしてあげられないわ」

Littorio「ええ。いいのです。慈悲や憐れみはかえって無用です」

高雄「…………」

Littorio「…………」

高雄「……だってLittorioは両刀、バイなので」

Littorio「違いますっっっ。なんだか顔が赤いと思ったら高雄酔ってますよね……」


< 珍しく深酔いとかかな >





加賀「…………ん」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………なぜ私の部屋で天城が寝てるのかしら」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………しかもなぜ私のクマパジャマを着ているの……? 」


< ま、貰い物だしね >





天城「あら……加賀さんが」

加賀「そうね」

天城「…………」

加賀「…………」

天城「……あの、何故天城は加賀さんの部屋に? 」

加賀「私が知りたいのだけど」

天城「…………」

加賀「…………」

天城「……これあの人のプレゼントでしょう? 麻雀大会の」

加賀「ええ。気に入ったのなら」

天城「いりませんよさすがに……」


< 部分的な真実が嘘を云々 >





提督「あれ、なんだこれ」

愛宕「どうしたの? 」

提督「あぁ、Twitterの背景がなんか変えられなくて……んー? 」

愛宕「ふーん……」

提督「愛宕の間抜け寝落ち面から変えられなくなってしまった」

愛宕「! うそうそうそ、ちょっとそれは洒落に、本当なってないから」

提督「や、残念だねぇ」

愛宕「そんな悠長な……いや、そもそもなんでそんなものを」





提督「で、あいつ暫くブツブツしてたと思ったらパソコンで調べてやっと嘘だって気付いたんだよ」

高雄「なにやってんですか……そんなだから抓られるんですよ」

愛宕「むっ……」


< 理由がなんであれ努力は良きもので >





高雄「七月二十二日の誕生石はブラックサファイア。
石言葉は“ 行動力 ”、“ 努力 ”、そして“ 前向き ”」

天城「Littorioさんが漢検のテキストを持っていたのですが」

高雄「いいんじゃないですか? 別に受検できなくても言語のテキストとしてそうおかしくは」

天城「これで新聞が読めますとか呟いてました」

高雄「あぁ見えてレベル高いですからね。ただの三日坊……乙女ではありません」

天城「天城もなにかやらねばと思いますね。あの努力を見ていると」




Littorio「ふふ……これでクロスワードの懸賞に応募できるようになれます」


< 仕草と振る舞いは微妙に違う >





高雄「今日の誕生花は撫子。花言葉は“ 才能 ”、“ 純愛 ”、そして“ 思慕 ”」

雲龍「忘れられがちだけど思慕だとかお慕いに一番近いというか様になるのは天城よね」

天城「忘れられがちって姉様」

雲龍「でも唯一の男が大酒飲みかつ毒舌の女を……ね? 」

天城「…………」

雲龍「天城の“ 女 ”はきっと別のものだと思ってるわよ」




提督「天城? まぁ、戦闘衣のギャップとかいいよな。
和服から開放感のある衣装に……え? そうじゃないってなにが? 」


< えんじぇりっく >





提督「今日のカクテルはマリブオレンジ。
カクテルワードは“ 穏やかな気質で愛情に満ちた天使 ”、だ」

天城「あなたに天使だなんだと言われるのも微妙ですけれど」

提督「ひでぇな。……で? 」

天城「天城はやはり貞淑な女、撫子を目指しているのです」

提督「あぁ」

天城「それに天城はあぁは言いましたけれどあなたのこともその、愛しております」

提督「……無理すんな」

天城「してません。……それに姉様も高雄さんたちも大好きです」

提督「分かってるよ。きっと雲龍は特にな」

天城「分かってません、分かってませんよ姉様はぁ……」

提督「……だから無理すんなって。酒のことだぞ」





愛宕「あれ物凄く気にしてるじゃない」

雲龍「…………」

愛宕「まぁ、それで深酒ってのも淑女らしさからはかけ離れてるけど」

雲龍「……私だって天城のことは……でも真面目な顔でそんなこと言うなんてできないのよ」

愛宕「んー……確かにあぁやってお酒の勢いで言うのって卑怯かもしれないわね」


< 鬼のいぬこのときに >





Littorio「数独……? 」

高雄「ええ、新聞の……クロスワードの近くにあったりしない? 」

Littorio「あぁ、あれのことでしょうか」

高雄「割とあれも楽しいわよ」

Littorio「んー……でもLittorioはあまり数字に強くないのですが」

高雄「いやいや……それならどうやって砲の弾道を」

Littorio「……? 」

高雄「……? 」

Littorio「感覚で覚えていますけど」

高雄「……感覚と数字の擦り合わせとか」

Littorio「? 」

高雄「…………長門さんですらしてたのに」

提督「いや、お前それ失礼だろ。あいつだって戦闘のことなら優秀なんだぞ」

明石「あなたも十分に失礼ですよ、それ」


< そもそもシチリア出身ではない >





提督「そういやさ」

Littorio「はい」

提督「Littorioってクスリやらないの? 」

Littorio「しませんけど」

提督「マジ? マフィアの情婦みたいな顔してるもんだからつい」

Littorio「……どんな顔ですかそれ」

提督「街中に小洒落た住居権小間物屋とかやってんのよ。
で、中庭付き。犬とかも飼ってるかも」

Littorio「提督は……Littorioにはそういったものをお望みですか? 」

提督「いや」

Littorio「…………」

提督「お前の家に遊びに行くのもいいけどお前とどっかに遊びに行く方が楽しそうだ」

Littorio「…………」

提督「…………」

Littorio「……あなたこそMafiaの跡取りのような軽さですね」


< 穿ち、疑い、信じた先を >





提督「無駄に発音がいいのは置いといて」

Littorio「一応祖国の言葉でして。……なにかしら」

提督「来月の今日が何の日かわかるか? 」

Littorio「さぁ……見当も」

提督「お前の誕生日だよ。進水日」

Littorio「あぁ……それがあなたの流儀でしたね。Littorioは、Littorioたちは構いませんのに」

提督「諦めろ。俺はお前たちを自分と区別しない」

Littorio「…………」

提督「……しないって思ってないと俺がダメになるんだ。頼む」

Littorio「……Littorio、あなたのそういうところが大好きで大嫌い」

提督「…………」

Littorio「自分の弱みを見せることは相手の信頼を得やすくする。
幼稚で簡単な戦術ですけれど……実に効果的ですね」

提督「…………」

Littorio「ふふ……でもLittorio、嬉しいです。
そんな風に人間と同じ戦術を、扱いをしてくれているということですもの、ね」


また変な時間ですけど、はい

ありがとうございました


< かたい心を解すのもいいけれどね >





高雄「七月二十三日の誕生石はウォーターメロントルマリン。
石言葉は“ 柔軟性 ”、“ 自由自在 ”
、そして“ 出たとこ勝負 ”」

提督「柔軟性は大事だよな」

愛宕「色んなエッチができるから? 」

提督「や、思考の話」

愛宕「なーんだ」

提督「なにそのガッカリ顏……」

愛宕「だって、ねぇ? 」

高雄「私があなたに同意するわけないでしょう」


< お尻の感覚とか、いいね >





高雄「今日の誕生花は女郎花。花言葉は“ 忍耐 ”」

加賀「忍耐、大事よね」

高雄「ですね」

加賀「肉体的な忍耐力、という耐久力を強化することは精神的にも強くなるわ」

高雄「はい」

加賀「…………」

高雄「…………」

加賀「…………Mだったかしら」

高雄「……試みにやってみたら思いのほか気に入ったとかなんとか」





愛宕「よんじゅーくー……ごーじゅー……ごじゅーいーちー」

提督「っ、ふっ、っと……」

明石「……女の人を乗せて腕立てなんて本当にする人いるんですね」


< 水吸って重くなりそう >





雲龍「水着ニーソってどうなのかしらね」

天城「……はい? 」

雲龍「そそる男の人がいるって言うじゃない? 」

天城「それ本当ですか? 」

雲龍「それがわからないのよ。……提督」

提督「ん? 書類運んでくれんの? 」

雲龍「それは嫌。ねぇ、水着ニーソってどう思う? 」

提督「あぁ? ……いいんじゃねぇの。それはそれで」

雲龍「なるほど」

天城「はぁ」

提督「たださ。どう考えても海とかプールではしないだろ。
ぜってぇパートナーと二人で楽しむ用だよな」

雲龍「なるほど」

天城「…………はぁ」


< 悲観主義よりはおおいに >





提督「今日のカクテルはサザンウィンド。
カクテルワードは“ 楽しい未来に向かう楽天家 ”、だ」

高雄「それって楽しい未来だと思っているだけのような」

提督「そう思うことは大切だろ」

高雄「そうですが」

提督「明日も高雄がいると思うことは大切だよ。
明日、高雄がメイドコスで給仕をしてくれると思うのは非現実的だけど」

高雄「言いたいことはわかりますけど例えが酷いです」

提督「着てくれないの? 」

高雄「当たり前です」

提督「……本当に? 」

高雄「…………あなたの部屋で、ならあなた次第かもしれませんね」


< それでいいのか >





提督「なんとなくザワークラウトとヴルスト各種とポテト類」

高雄「はぁ」

明石「ものすっごい量ですね」

提督「おう。食って酔って、寝ろ」

高雄「見てるだけで胃がもたれそうな」

提督「まぁ、加賀もいるし。なんとかなるだろ」

加賀「そうね」

高雄「…………」

明石「…………」


< 酒の途中に閃くこと、あるよね >





明石「……あっ」

提督「どした? 」

明石「……提督」

提督「ん? 」

明石「……もし、Littorioさんたちが強くなれるのなら」

提督「あぁ」

明石「あなたはどこまでできますか? 」

提督「どこまで? 」

明石「私たちは今のところ過去の艦船の性能と精神性の結合で生き、強化されています」

提督「強化じゃない。強くなる、だ」

明石「…………その強化には精神的になにかを克服したり過去と向き合うことが必要でした」

提督「……あぁ」

明石「……それを一定の水準までの鍛錬と、パートナーの存在で引き上げるのが私の指輪です」

提督「…………」

明石「その指輪に汎用性があるとしたら? あなたは高雄さんと愛宕さん以外にも渡せますか? 」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………悪い、冗談だな」

明石「………………………そう、ですか」


< Der Hauswein >





雲龍「ドイツワインもなかなか美味しいのね」

提督「ま、ハウスワインレベルのだけどな」

Littorio「それでもなかなか美味しいです。
少なくとも中程度以上のお店で出るレベルでしょう」

雲龍「ふーん……」

Littorio「それにハウスワインだからといって馬鹿にしたものではありませんよ。
美味しいものが安価で何が悪いのです」

雲龍「そうね」

加賀「提督、そちらのソーセージの大皿を」

提督「ヴルストな。……そっちの大皿もう空なのかよ」


< 洒落にならない >





加賀「……明石、お手洗いに行った方がいいわ」

明石「ふぇ? 」

雲龍「……土気色どころか死体みたいな顔してるじゃない」

明石「えへへー」

加賀「…………」

雲龍「…………」

天城「あっ、明石さんグラスが空いてま」

雲龍「天城ぃぃぃ! 」

明石「越え? ……うぁっふ……ぁぁぁ」


< まーじ……勘弁 >





明石「ごめ、んなさい……酔っうぁ」

提督「やめろ。吐瀉物女は受け付けられねぇよ。俺にはそんな趣味ない」

高雄「愛宕っ、袋を」

愛宕「えっと、袋はどこにやったかしら……」

提督「早くしろ。俺の胸元湿ってきてんだよぉ。これ絶対胃酸じゃーん……」

愛宕「エチケット袋なんて普段使わないから……」

高雄「と、トイレとか行ける余裕は」

明石「そんなのな・ぁっーーーー」

提督「」

愛宕「…………」

高雄「…………」

明石「……………………泣ぎだい」

提督「……俺のセリフだよ馬鹿…………私服でよかった。軍服とかだったらもう……」


< 惨事 >





明石「」

愛宕「し、死んでる」

高雄「……大切な相手の胸元に吐瀉……」

提督「」

愛宕「し、死んでる」

高雄「……御愁傷様です」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………執務室がゲロくさ」

高雄「やめなさい。掃除するやる気がなくなるから」


< 救い主 >





提督「…………風呂」

愛宕「勝手に入ってよもう」

提督「冷たいよあたごん……」

愛宕「自分の胸に訊いてみなさい」

提督「あ? 胸に……うげぇ」

愛宕「…………私もお風呂入って寝るわ。あなたとは別に」

提督「そ……明石は? 」

愛宕「高雄がお風呂まで引きずってったわよ」

提督「英雄だよたかおん……」


あんまり深くは考えてないんですよね
そのうちどうにかしてみたいですけど

ありがとうございました


< 心は乙女、顔色は真っ青 >





明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………死にたい」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………ゲロ女とか言われたら死ねる。というか死のう、うん」


< 工学系乙女 >





提督「立ってて大丈夫か? 寝ててもいいんだぞ」

明石「……よかった」

提督「あ? 」

明石「いえ……大丈夫です」

提督「そ、安心したよ。酷い顔色だったから」

明石「……ごめんなさい」

提督「や、別に。俺はシャツ一枚犠牲にしただけだし。
シャツ一枚と明石は比べらんねぇよ」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………ごめ」

提督「感謝なら受け取ってやる。ま、それも高雄にやっとくべきだろうが」


< 聖母……性母? >





明石「……昨夜は……夜はありがとうございました」

高雄「構いませんよ。明石さんを抑えられなかったのはあの人や私ですから」

明石「そんな母親みたいな……」

愛宕「母性を湧き上がらせる相手がいるもんねぇ〜 。
そのうち母乳でも出るんじゃない? 」

明石「あっ、愛宕さんも昨日は本当に……」

愛宕「いいのいいの。これからは気を付けてほしいけどね〜 」

高雄「母乳って……そんなわけ」

愛宕「まぁ、今のところは別のミルク飲んで」

高雄「バッカじゃないの? 」


< 心地よい疲れ >





高雄「七月二十四日の誕生石はスタールビー。
石言葉は“ 癒しを求めて ”と“ 貴重な存在 ”」

提督「癒しね……」

高雄「はぁ」

提督「俺の癒しは疲れるなーっと」

高雄「膝枕程度なら大丈夫じゃ」

提督「お前の膝枕エロいんだもん……」

高雄「……ではあなたが膝枕を」

提督「お前を自由したくなっちゃうもん……」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………まぁ、疲れること
は悪いことでもないですしね」


< ハーレム系主人公が如く >





高雄「今日の誕生花は大待宵草。花言葉は“ 仄かな恋 ”と“ 秘めた情熱 ”」

愛宕「切ない感じかしらねぇ〜 」

Littorio「でも、誰か想いを秘めたりしてます? 」

高雄「……私は秘める必要がありませんので」

愛宕「私も」

Littorio「それはそうでしょうけれど……」

提督「むしろ俺が一番秘めてる気がするな」

愛宕「……確かに」

高雄「はぁ」

Littorio「なるほ…………それただのクズじゃないですか」


< 責められて攻められて >





提督「今日のカクテルはアクアビットカイピリーニャ。
カクテルワードは“ 妄想と創造の世界へ向かう革命家 ”、だ」

愛宕「妄想と共に? 」

提督「ま、革命家なんて妄想ができないとやってらんねぇだろ」

加賀「withではなくandでしょう」

愛宕「どちらにせよダメな感じよね」

提督「革命なんてするやつは、な? 」

高雄「される側ですもんね」

愛宕「エッチの主導権は取れないくせに」

高雄「あ? 」

明石「こっわ、ゲロのときより怖いんですけど……」


遅れた……

ありがとうございました


< 同じことばかり言ってしまったり >





高雄「七月二十五日の誕生石はバンデッドアゲート。
石言葉は“ 努力 ”、“ 礼儀 ”、“ 思考力 ”、そして“ 社交的 ”」

明石「……思考が鈍っていけませんね」

加賀「敵は待ってくれないわよ。暑かろうと寒かろうと」

明石「私が戦う事態とかもう何もかも末期ですから。いいんですよそれで」

加賀「起死回生、なんて本当はないものね」

明石「あれって大体敵のミスとか偶発的要因が主ですし」

加賀「…………」

明石「…………」

加賀「……王手」

明石「……あぁ、もう。思考が鈍っていけませんね」


< 売ってはいないからね >





提督「改装? 」

明石「ええ、Littorioさんのですね」

提督「……練度や経験は演習でなんとかする予定だが」

明石「はい。そちらの方は十分です」

提督「…………」

明石「ただ、改装などのレベルアップには精神的なものの比重の方が思いのは知ってますよね? 」

提督「……あぁ」

明石「特殊な生まれ方、在り方をする私たちはこの世界に十分に定着できていません」

提督「その説はまだ仮説のはずだ」

明石「だからこそこの世界で誰かと、何かと結びつきを深めて、地に足着けるのが重要なのです」

提督「おい、聞けよ」

明石「……言ってしまえば。私たち艦娘にはここに存在する理由が必要なのです。わかりますね? 」

提督「…………俺はカウンセラーじゃねぇんだぞ」

明石「女衒はカウンセラーだってできないと」

提督「女衒じゃねぇよ馬鹿」


< How do I live on such a field? ♪ >






提督「高雄改、愛宕改、雲龍改、天城改、加賀改、明石改、ね……ふん」

高雄「どうしました? 」

提督「いや、人権屋に先んじて戸籍つくったり教育プログラム組んだわりに表記は完全に消耗品扱いだからな」

高雄「はぁ」

提督「一介の指揮官が国家レベルの話に首を突っ込むのも無理な話だが……不愉快な話だ」

高雄「……仕方ありません。あなたが私たちにヒトを見ようとするように」

提督「…………」

高雄「彼らは私たちにヒトを超えたヒトか、その逆のものを見るのです。
利用はするが必要以上には近付かない。
暖かい言葉をかける程の意味はないのでしょう」

提督「……冷静だよな。まるで」

高雄「興味がないみたいに? 」

提督「…………」

高雄「……あなた以外の人間には興味がありませんから。
これで私も彼らもおあいこ、ですよね? 」

提督「……………………チッ」


< だからこそ >





高雄「今日の誕生花はブーゲンビリア。
花言葉は“ 魅力溢れる ”と“ 薄情 ”」

天城「そういえば姉様はあの人にどこを気に入られていると思います? 」

雲龍「全部、と言いたいところだけれど……胸? 」

高雄「そんな直接的な……」

雲龍「じゃあ腰のラインとか、お尻? 」

天城「あの人はなんと答えるでしょうか」

高雄「……髪だと思いますよ。あの人変態ですけど女性の褒め方はまともですから」

雲龍「私や高雄の大きな違いだものね。褒め方が上手いわ、確かに」





提督「ん? そんなもん目に決まってんだろ。
雲龍の目は優しい。それだけで十分だ」

天城「…………姉様にはおしえないようにしますか。喜びそうですけれど」


< そんな急に用意できるものでは >





加賀「土用の丑が」

天城「過ぎましたね」

加賀「食べてないわ」

天城「そうですね」

加賀「…………」

天城「…………」

加賀「……直訴してくるわ」

天城「そんな大袈裟な」


< そんなものより私をトばせる熱情を >





明石「優秀な艦載機を差し上げますからー」

雲龍「イヤ。いくら明石でも無理」

明石「むぅ、嘘つきさんめ。……提督ー。ちょっと来てくださーい」

提督「あー?なんだ」

明石「あのですね……ーー、で、……を」

提督「……予算とか考えろよ」

明石「それは私が何とかしますから」

提督「…………雲龍」

雲龍「……何かしら」

提督「……どの艦載」

雲龍「今夜は暇? 」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……よかったな明石。このクソ暑い中テスターを確保したぞ、おう」


< 何の為に、誰が為に >





愛宕「愛宕改、ねぇ」

高雄「私は高雄改。なんだか人名みたいよね」

Littorio「…………」

高雄「あら、Littorio」

Littorio「どうも。……Littorioには変身、改造というやつはないのでしょうか」

高雄「ん……」

愛宕「私もわかんないわよ。イタリアの技術力だってわからないし」

Littorio「…………」

高雄「……確かBismarckさんのときは本国とこの国のチームが合同でカウンセリングをしつつ、
改装のための設計図をつくったはず」

Littorio「設計図? 」

高雄「ええ。と、言ってもバイタルとメンタル、虚数空間までの距離だとか面倒なことがあったはずだけれど」

愛宕「そのための練度を月末の演習でなんとかするんじゃないの? 」

Littorio「そうだと、嬉しいのですが」

愛宕「大丈夫よ。あれで色々考えてるんだから。馬鹿だけど」

高雄「ですね。馬鹿ですけど」

Littorio「…………ありがとう、高雄に愛宕。……それと、優しいお馬鹿さん」


< 予定調和 >





提督「今度な」

加賀「それならば今夜は提督の秘蔵のお酒を」

提督「あ? めんどくせぇなお前」

加賀「食べ物の恨みは深いのですよ。さ、それが無いなら鰻を」

提督「……あずきバーでぶん殴るぞてめぇ」

加賀「いただけるのですか? 」

提督「……そこの冷蔵庫から自由に取ってけ」

加賀「ありがとう。さすがは私の」

提督「限度を守れよ。俺も高雄たちも食うんだぞ。あと俺にもくれ」

加賀「もちろんです。……夜も期待しておきますね」





愛宕「ねー、アイス食べたの? 」

提督「あ? おう、執務中だがアイスくらいは」

愛宕「……一人で半分も? 」

提督「だと思ったよ加賀くぅん……冷蔵庫に鍵でも付けてやろうか」


< 艦載機の挙動がどうとか >





雲龍「…………暑い」

明石「いやー、雲龍さんのおかげでいいデータが取れましたよー」

雲龍「……暑い。でもこれで」

明石「聞いてないし」

雲龍「……………………これで提督と」

明石「あ、もしよければ夜の実験まで付き合」

雲龍「……そのデータ。マシンごと爆撃してもいいのよ」

明石「これで終わりですから。お風呂にでもどうぞー」

雲龍「…………そう、そうするわ。念入りにしないと」

明石「はいはーい。…………一人で実験というのもなんだか。天城さんでも呼んでお酒でも飲みますかねぇ」


< 満ちているのは滾る欲望で >





提督「今日のカクテルはミドリオレンジマティーニ。
カクテルワードは“ 慈愛に満ちた華麗な人 ”、だ」

明石「さっきはありがとうございました」

提督「別に。雲龍といてつまんねぇならともかくそうじゃないし」

明石「はぁ。でもこんなに暑いですよ? 」

提督「まぁな。でももしかしたら将棋をしたいだとか折り紙をおしえてほしいだとかかもしれないだろ」

明石「さっきお風呂でえっちぃ下着着てましたよ」

提督「い、いつもそうかもしれない」

明石「香水変えたのに気付いてくれるかしらって訊かれました」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……汗だくでヤるの気持ちいいだろうが! 」

明石「大声で言うことじゃないですよ……華麗さの欠片もない」


< 何もかも忘れる程の熱さを >





雲龍「お風呂、髪、下着、服、ヘア、部屋、ベッド」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………よし、問題はなにもないわね」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………待つのって、待てるのってこんなに楽しいことなのね」


お酒の消費が……

ありがとうございました


< 既に暑い朝に紫煙と君と >





雲龍「ねぇ……私と寝た後にそれ、吸うの初めてじゃない? 」

提督「ん? そんなことないと思うが」

雲龍「……汗が不快じゃないこともあるのね」

提督「そうかい」

雲龍「…………」

提督「…………ス-……ふぅ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……ごめんなさい、垂れてきたかも」

提督「ばーか。朝から汚い話だなおい……」


< あなたの近くにさえいれば >





提督「っと……」

雲龍「……」

提督「……シャワー浴びて着替えるか。そろそろ時間だ」

雲龍「……来る? 」

提督「来てほしいのか? 」

雲龍「……ええ」

提督「じゃあ……そうしようか」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………ん」

提督「……やめとけ。煙草の臭いが付いて」

雲龍「腕くらい組んでも変わらないわよ。近くにずっといたのだし」

提督「…………なにがいいのか」

雲龍「じゃあ、それのなにが悪いの? 」


< 一方で >





愛宕「コーヒー淹れたわぁ」

高雄「ありがとう」

愛宕「ふぁ……ねむねむ」

高雄「……戻ってこないわね」

愛宕「シャワーでも浴びてるんじゃない」

高雄「一時間くらい前に外にいたけれど」

愛宕「……二人で入ってるんでしょ」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「……暑い中料理していた自分が馬鹿らしくなるわね」

愛宕「精々いじめてあげなさい。夜でも、執務中でもね」


< 流れるもの全て足元へ >





提督「っ……」

雲龍「んっ……ぁ……っ…………! 」

提督「っは……っは……っは…………シた、かったのか? 」

雲龍「っなた、が、二人で入る、なんて」

提督「俺の所為? 」

雲龍「に決まっ〜〜〜〜…………っ」

提督「なーんかムラつくことあるよなぁ」

雲龍「そ、んなの、知らっっっ……」

提督「…………髪が張り付いた身体、エロいよ」

雲龍「ーーーー……っ」


< そこまでは冷えてない >





愛宕「ふーん……で、盛ってて朝食に遅れた、と」

提督「ま、そういうこともあるな」

愛宕「あるわね」

提督「おう」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……コーヒー冷めたじゃない」

提督「レンジあるだろ? 利器は使わないと」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……アイスコーヒーを飲みたかったんだよ、うん」


< そんな日だって >





高雄「七月二十六日の誕生石はアンバーオパール。
石言葉は“ 純粋 ”、“ 上品 ”、“ 前向き ”、そして“ 柔軟性 ”」

加賀「前向き過ぎるのもどうかと思うわ」

高雄「あの人はまぁ……そういう人ですから」

加賀「でも苛々させられることとかあるでしょう? 」

高雄「そういうのを含めてあの人ですから」

加賀「そう」

高雄「ええ」

加賀「……本当に前向きなのはあなたなのかもしれないわね」

高雄「いえ……私は彼が好きなだけ、ですから」

加賀「…………どうしたの? 」

高雄「えっ? 」

加賀「…………まぁ、センチメンタルになる日もある、かもしれないけれど」

高雄「…………」

加賀「……私も話くらいは聞けるのよ? 」


< ラブちゃんとかでよろしくね☆ >





愛宕「あたごん? 」

提督「そう、あたごん」

愛宕「……可愛くないあだ名ねぇ〜 」

提督「そうか? 着ぐるみ的な可愛さがある気がするんだけど」

愛宕「じゃあ、たかおん? 」

提督「あぁ、あとカカオ」

高雄「……明石さんたちはどうなんです」

提督「アキちゃんだな」

雲龍「私は? 」

提督「……雲龍、雲龍……雲龍? 」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………痴女? 」


< 飛行場の、あるいは飛行場から >





提督「うわぁ……大丈夫かよこれ」

天城「死者が出てますからね……大丈夫じゃないですよ」

提督「だな」

天城「…………」

提督「…………」

天城「……行ったことってあったりします? 」

提督「まぁ……うん」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………それにしてもぞっとする映像ですね。戦場ではもっと悲惨なものも見ているのに」

提督「日常のなかの惨事とはまた別だろうよ」


< ピシャッと小隊 >





提督「何やってんの? 」

明石「見た通りですよ」

提督「レモンティーとミルクティーだったか」

明石「そうです」

提督「ふーん……明石は? 」

明石「レモンティー」

提督「前と前は? 」

明石「たぬきとパン」

提督「……」

明石「……」

提督「……それわざとだろお前」

明石「はは……どうですかね。…………お、勝った」


< クサノオウ、“ 思い出 ” >





高雄『私は、私はあなたのことが』

提督『戦場でそういうこと言うと生き残れないって教わらなかった? 』

高雄『それで結局言えず仕舞いは嫌なのです』

提督『……で? 』

高雄『……一目見たときから。あなたのこと、素敵な方だと思っておりました』

提督『そ、俺もお前のこと好きだぜ? 』

高雄『…………』

提督『…………』

高雄『……もし、戦争が終わって私のことを覚えていれば。ヒトとヒトの狭間で』

提督『待て』

高雄『……私のことが気に入らないと? 』

提督『いや……俺って実は保守的でさ。まずは見つめ合うことから始めたいなって』

高雄『ふっ……私はもうあなたと同じ方向を見ているつもりでしたけれど』





高雄「…………私もヒトとヒトの可能性、なんてことを信じていた頃があったのでしたね」

提督「うん? 」

高雄「いえ……結局私の立てた作戦で切り抜けたのだったわね、と」

提督「…………ふん、お前を惚れさせた時点で俺の勝ちだからな。些細なことだ」


< 守護し守護され愛し合い >





提督「今日のカクテルはルキャドゥーダンアーンジュ。
カクテルワードは“ 心の奥底で感動できる守護天使 ”、だ」

高雄「守護天使? 」

提督「元の意味はローマ=カトリックで信じられていた考えだな。
神が個人に使わす御使いみたいな」

高雄「信じられている、ですよ」

提督「おっと失礼」

高雄「……一人に一柱、ですか」

提督「カトリックではな」

高雄「……一人で二人も占有するおしえなどどこにあったのです」

提督「……自分を天使扱いかよ」

高雄「何か問題でも? 」

提督「……いや…………なーんも」


ありがとうございました


ありがとうございました


< デスロードを行かねばならぬ >





加賀「スイカが届いたわ」

高雄「あぁ、大きいですね」

加賀「どう冷やすの? 」

高雄「冷蔵庫でもシンクでも。ネットはそちらに」

加賀「海が近いけれど」

高雄「食べる前にそれを取りに行く気力があるのなら是非」

加賀「……シンクにするわ」

高雄「それがよろしいかと」


< 相互理解には笑顔が大切 >





Littorio「お蕎麦や素麺の食べ方にも慣れました」

愛宕「この時期沢山食べるものね〜 」

Littorio「最初は汚い食べ方だと思っていたのですけれど」

愛宕「慣れない人もいるって話よね」

Littorio「ええ」

愛宕「……というかこの国の食べ物に適応してるわよね、あなた」

Littorio「ええ。それは幸運なことでした」

愛宕「私もイタリアン好きよ? 」

Littorio「Grazie.……やはり祖国を褒められると嬉しいものですね」


< 血液とか混ぜてないだろうな >





明石「私たちもインドやパキスタンに行けば手掴みで食べることに慣れるんでしょうか」

雲龍「慣れると思うわ。生きてゆくためだもの」

明石「でも」

雲龍「私たちだってお寿司とか手で食べたりするでしょう? 」

明石「む……手で捏ねたりするのがですね」

雲龍「私は彼にそれをやってほしいわ。
彼の一部が私の中にーー」





愛宕「ですってよ? 」

提督「…………あーん、くらいで許してくれよ、マジで」


< !!! >





明石「む……ないですね」

提督「ん? 」

明石「や、提督の個人用パソコンにもスマホにもピンクな画像や動画の類は無いなーっと」

提督「勝手にカタカタしてると思ったらお前な」

明石「もしかして本とかのアナログ派? 」

提督「ちげぇよ。単純に持ってねぇんだよ」

明石「えぇ……」

提督「必要だと思うのか? 」

明石「そうですけど……どんな趣味してるか分からないじゃないですかぁ」

提督「なんだそんなことか」

明石「はい? 」

提督「…………今度お前の身体に直接おしえてやるよ」

明石「! 」


< もちろんジョークですよ? ええ >





愛宕「でももしいつか私と高雄が妊娠したらどうするの? 」

提督「はぁ? 」

愛宕「安定期に入るまでは危ないことできないわよ? 」

提督「あのさ……我慢するという至極真っ当で簡単な選択肢が」

高雄「一度に二人は辛いでしょう、色々と。
順番に、ということでは」

明石「生々しい話ですね」

提督「や、だからさ」

雲龍「……私や明石で発散するという手も」

愛宕「うわぁ……サイッテー」

提督「ねぇ、酷くない? ねぇ」

天城「もしかしてお店とか……」

高雄「……さすがにそれは許されませんね。切り落としますよ? 」

提督「えぇ……理不尽過ぎるだろお前ら」


< 先輩と後輩、あるいは僚友 >





高雄「七月二十七日の誕生石はメレーダイヤモンド。
石言葉は“ 中立 ”、“ おおらか ”、“ 気まぐれ ”、そして“ 集中力 ”」

加賀「はい、これ」

雲龍「……? 」

加賀「わらび餅、つくってみたわ」

雲龍「はぁ」

加賀「……嫌いだった? 」

雲龍「い、いえっ。喜んでいただきます」

加賀「そう……口に合うといいのだけれど」

雲龍「…………」

加賀「…………」

雲龍「……美味しい、です。でもどうして私に? 」

加賀「仲間を、同胞を労うことに理由など必要あって? 」

雲龍「ーーーー」

高雄( 加賀さん……雲龍さんでなければ落ちていましたよ。今の )


< 皮肉でもなんでもなく >





提督「演習中、作戦中は敵性生物以外の対象にも警戒せよ、ねぇ」

高雄「そういえば例の反乱組の残党はまだ潜伏中でしたね」

提督「少将殿だけなら兎も角軽巡クラスと駆逐クラスの艦娘も行方知れずなのがな……」

高雄「八月の十日から大規模作戦、でしたね。
少将殿は何か仕掛けてくるのでしょうか」

提督「さぁね。そもそもリスクを犯してまで何かをできるほどの勝算があるかどうか」

高雄「そんなもの最初からなかったと思いますけれど」

提督「……あぁ。彼らには見えている、見えていたものがあるんだろうな」

高雄「彼らの蜂起に呼応する者が現れる、と」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………ま、自分を慕ってくれる部下を捨て駒扱いしたのは尊敬するよ。
例えそれが必要事項でも俺にはできないことだからな」

高雄「それでいいのです。そうせねばならないときは私が死にますから」

提督「……………………そんなこと言われたら何が何でも避けなきゃなんねぇだろうが」


< 世界とあなたのうちであなたを選んではならない >





明石「でも少将殿に着いていったであろう彼女たちや元要港部で捨て駒になった彼女たちは、
どうしてそんな判断をしたのでしょうか」

愛宕「うん? 」

明石「なんの見返りもないし。指揮官である少将殿だって無事にいられるとは思えないのに」

愛宕「……明石はあの人が同じことをしようとしたらどうする? 」

明石「全力で止めます」

愛宕「それができなければ? 」

明石「それなら……私が殺します。それが私の忠誠であり……愛ですから」

愛宕「ふーん……なるほどね。……ベクトルは違っても彼女たちも同じ気持ちだったと思うわ。想いの強さという意味では」


< 真に愛情を注がれたからこそ >





高雄「今日の誕生花はゼラニウム。花言葉は“ 育ちのよさ ”、“ 真の友情 ”、そして“ 愛情 ”」

天城「提督って実は割と育ちのよさが滲み出てますよね」

雲龍「そう? 」

天城「はい。箸の持ち方だとかテーブルマナー全般だとか。
椅子の座り方や歩き方も様になっていると思いませんか? 」

雲龍「まぁ……言われてみれば」

高雄「……あの人に言わせればモテるため、だそうですよ」

天城「それでも、です。意識してもできない方が多いのですし」


< 塩分不足にご注意ください >





明石「美味しいですねぇ」

天城「ええ」

明石「…………」

天城「…………」

明石「……横須賀にいたときはこんなに寛いでスイカ食べたりなんかできませんでしたもんねぇ」

天城「そうですね」

明石「…………」

天城「…………」

明石「……塩かけるのって普通なの? 」

天城「いえ、単なる好みかと。別にどちらでも」


< 無意識の >





提督「今日のカクテルはスコーピオン。
カクテルワードは“ 人を心の底から信じる心温まる人格者 ”、だ」

明石「正直ですね」

提督「おう」

明石「あなた程信頼される指揮官もいないと思うんです」

提督「……喜んで、いいのかな」

明石「栄えある一航戦加賀に連合艦隊所属の明石。
数々の戦闘に参加した愛宕に終戦まで残存した高雄。
むしろ誇ってくださいよ」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「……どうせね。特攻兵器を積む予定だった雲龍型なんて格下よね」

天城「……僻み過ぎですよ、姉様」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「……実は割とショックでしょう」

天城「…………割と、はい」


< なけなしの羞恥心 >





雲龍「暑い……裸女になりたい」

天城「部屋に戻りましょうよ、姉様。クーラーも扇風機もありますよ」

雲龍「時々吹いてるそよ風が気持ちいい……」

天城「そうですけど……」

雲龍「…………どうせなら部屋の窓前回で全裸オナ」

天城「姉様っ」

雲龍「……なに? 」

天城「あまりにも、その」

雲龍「…………」

天城「……そもそもこの際だから言いますけれど時々提督の名前を呼びながら深夜に一人でシ」

雲龍「! ストップ。やめるから。私が悪かったから。お願い、ね? 」


< 大切なことはすべて君が教えてくれた >





提督「うん」

愛宕「これまでの恋は? 」

提督「お前より大切なものなんてないよ」

愛宕「ふーん……」

提督「信じてない? 」

愛宕「私、馬鹿だから言葉だけじゃわからないの」

提督「…………」

愛宕「……とびきり優しいキスを。心を込めて名前を呼んで、抱き締めてくれないと」

提督「それだけで信じられるのかよ」

愛宕「心の音が聴こえれば。鼓動の音で十分よ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……………………この世界のなによりもーーーー」


本当暑いですね。熱中症などにご注意を

ありがとうございました


< 夜が明けて、涼しい顔で >





愛宕「……どう? 気晴らしになった? 」

提督「別に気晴らしで抱いたわけじゃないが」

愛宕「演習は兎も角また大きな作戦があるからイライラしてたでしょ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……ま、気晴らしは軽過ぎるとして。
守るべきものの存在を再認識するくらいはできた? 」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………さて、私は一眠りするわね。頭も身体も疲れちゃった」

提督「……………………」


< それはまさしく妻のような >





高雄「辛気臭い顔してますね」

提督「お前の妹の所為だぞ」

高雄「と、いうことは愚妹ながら役には立ったのですね」

提督「…………」

高雄「…………ふふ」

提督「……嫌な顔。お前らのことなんて」

高雄「嫌いになれたらこんなこと思い悩まなかったでしょうね」

提督「…………本っ当に嫌な顔」

高雄「ふふ……あなたはとても良い表情をしていますよ。最近で一番の」


< 誰も否定しなかったから >





高雄「七月二十八日の誕生石はピンクスピネル。
石言葉は“ 信念 ”、“ 知的 ”、“ 優しい ”、そして“ 現実主義 ”」

雲量「知的ね。一番反対なのは誰かしら」

天城「提督、と言いたいところですけれど」

提督「はっ、俺の兵学校卒業席次を見てから物を言うんだな」

雲龍「これだものね。黙っていれば様になるし…………私か愛宕? 」

愛宕「えぇっ。どうして私なのよぉ。高雄と殆ど同じよ? 」

高雄「普段の行いの違い」

愛宕「むぅ……納得いかなーい」

提督「はっはっは」

明石「微妙に入りにくいお話ですねこれ」

加賀「あなたは仕方ないわよ。それに入りたい? 」

Littorio「最下位決定戦ですものね」

天城「……………………姉様、ですかね」


< 殺戮するのは食事だけ >





提督「残酷な天使と殺戮の天使ならどっちになりたい? 」

加賀「は? 質問の意図がよくわかりませんが」

提督「いいからさ。他愛ないお話だと思って」

加賀「……残酷な、ですね」

提督「なんで? 」

加賀「残酷、というよりは非情になるべきでしょう、軍人は。
しかも殺戮など倫理的にも政治的にも、コスト的にも割に合いませんから」

提督「なるほどな」

加賀「それに個人の考えを否定するつもりはありませんが……」

提督「あぁ」

加賀「敵は敵です。救わなければならない対象ではありません。
惨たらしく殺す意味もありませんが」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………お前カッコいいな」

加賀「は? 」


< 突然疲れが襲う >





高雄「今日の誕生花は虫取撫子。花言葉は“ 罠 ”」

提督「罠ね。罠。お前のことだぞ」

愛宕「んふっ? 」

提督「……どうしてこんな顔できるのこの子」

愛宕「セクシーってことでしょ? 」

提督「や、抜け出せないって意味だが……まぁ、意味は同じか」

愛宕「食べちゃったのも同じよね〜。私も食べられちゃったけど」

高雄「…………」

提督「…………そっすね」


< ポンポコリンよりもオトナな >





提督「ジャンプしろジャンプ」

天城「はぁ? 何故です」

提督「おっぱいが踊る。俺の心も踊る」

天城「……そう言われて天城が言うことをきくとでも」

提督「きいてくれないの?」

天城「……姉様にでも頼んでください。
姉様なら喜んでなさるでしょうし……殆ど同じサイズですから」

提督「え? 」

天城「は? ……あ」

提督「ふーん……雲龍と同じくらいの……へぇ」

天城「……ニヤニヤしないでくださいっ。視線がいやらしいですっ。この変態がぁぁぁっ」


< 空を自由に飛べたなら >





提督「あー……飛行機乗りたい。乗りたくなることない? 」

高雄「あぁ、馬鹿は高いところが」

提督「違う」

愛宕「ときどきけむけむしてるしね〜 」

提督「けむけむってお前な」

高雄「なんなら加賀さんあたりに乗せてもらえばよろしいのでは」

提督「や、あいつらのは乗れないだろ」





加賀「私に、乗りたい? いつでも……いいのよ。あなたなら」

提督「違うそうじゃない。乗りたくないわけじゃないけど」


< 金槌で叩く。え、叩かない? >





提督「今日のカクテルはレッドライオン。
カクテルワードは“ 鋭さと温かさで夢中になれる一途な人 ”、だ」

明石「はむはむ」

Littorio「はむはむ」

天城「積丹干し、ですか。カクテルに合わないこと甚だしいですね」

提督「悪いな。我が母上殿が送ってきたのは他に鮭とばと酒だけだ」

天城「……提督のお母様らしいですね」

提督「あぁ」

明石「はむはむ。……美味しいです。夢中になっちゃいます」

Littorio「はむはむ。……Littorioの適応力は褒められるべきです」


< アダムやイヴは何を思ったのだろうか >





加賀「この調子だとそのうちメロンや昆布も送られてきそうね」

高雄「去年はいただきましたね」

加賀「……そう。楽しみだわ」

愛宕「今回もだけど荷物だけじゃなくてお手紙付きなのよね〜 。
適当なこと言ってるけどきっとあの人も嬉しかったはず」

加賀「男は幾つになっても」

愛宕「親離れできない? 」

加賀「ええ」

高雄「まぁ、親離れする必要もないですからね。
むしろ適度な距離が理想的です」

愛宕「私たちにはいないもの、ね」

高雄「…………」

加賀「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………お義母様とお義父様ならできそうですけど」


< 一方こちらは >





明石「ふぁーあ……あ、月だぁ」

Littorio「月、ですね」

明石「…………」

Littorio「…………」

明石「……口が干物くさいですね」

Littorio「ですね」

明石「…………」

Littorio「…………」

明石「……まぁ、でもよく考えたらいつも酒くさいですもんね。こんなものなのかも」

Littorio「酔ってない分わかりやすいだけなのかも。……お風呂、行きましょうか」

明石「ですね」


ありがとうございました


< この世全ての真理 >





高雄「七月二十九日の誕生石はブラックオパール。
石言葉は“ 自信”、“ 実践 ”、“ 向上心 ”、そして“ 哲学的 ”」

提督「おっぱいとは何か。それを考えた頃もあった」

高雄「まさかそれが哲学的とは言いませんよね」

提督「何を言う。あるだけで幸せ。無いのにある。それでも幸せ。
おっぱいとは世界の真理の一端かもしれぬ」

高雄「……」

提督「わからないか? ほらこうやって谷間から手を入れてもブラウスの間から揉みほぐしてもいい。
なんと奥深いことか」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「……お話はそれだけですか」

提督「もとより真理は究める途中だ」

高雄「…………手を、そろそろ離してはいただけませんか。そろそろ怒りますよ」


< ある意味……? >





明石「私たちの年齢ってアレですけど」

愛宕「アレ? 」

明石「見た目に反比例する年齢というか……年齢だけならロリというか」

愛宕「あぁ、そういうこと」

明石「もし愛宕さんに子供ができたら提督捕まらないんでしょうか」

愛宕「…………」

明石「…………」

愛宕「……まぁ、超法規的措置なんていつものことよ」

明石「……ですね。ある意味既に犯罪的な生活ですし」


< 言いたいことが沢山 >





愛宕「あっ」

明石「はい? 」

愛宕「私に子供ができたらその子は高雄のことって“ 高雄おばさん ”って呼ぶのかしら」

明石「そうかもで……もしかして私も」

高雄「……私にできればあなたも呼ばれるのよ」

愛宕「私は大丈夫よぉ。きょ・う・い・く、するもの」

明石「……加賀さんとかは無表情でキレそうですね……。
天城さんは……天城さんも怖いですね、きっと」

高雄「それこそ捕まるわよ愛宕」

愛宕「えぇ……ぐんじんさーん、どうにかならない? 」

提督「ならねぇし俺の目の前で微妙な話すんじゃねぇあと俺の子供でもあるんだぞマジでやめろ」


< 言いたいことが沢山 >





愛宕「あっ」

明石「はい? 」

愛宕「私に子供ができたらその子は高雄のことって“ 高雄おばさん ”って呼ぶのかしら」

明石「そうかもで……もしかして私も」

高雄「……私にできればあなたも呼ばれるのよ」

愛宕「私は大丈夫よぉ。きょ・う・い・く、するもの」

明石「……加賀さんとかは無表情でキレそうですね……。
天城さんは……天城さんも怖いですね、きっと」

高雄「それこそ捕まるわよ愛宕」

愛宕「えぇ……ぐんじんさーん、どうにかならない? 」

提督「ならねぇし俺の目の前で微妙な話すんじゃねぇあと俺の子供でもあるんだぞマジでやめろ」


< 皆料理が得意だからね >





愛宕「今日は福神漬の日だそうでーす」

加賀「だからカレーなのね」

明石「2、9神漬? 」

愛宕「んーん、7、2、9。七福が理由なんですって」

提督「つーか福神漬の日であってカレー日ではないだろ……このクソ暑いときに」

愛宕「ん? 捨ててきてもいいのよ? アイスでも食べる? 私はずっと目の前にいるけど」

提督「ひでぇ精神攻撃だな……別に悪いとは言ってないよ。相変わらず美味い」

愛宕「そ」

加賀「福神漬は混ぜても混ぜなくても美味しい……やりますね」

明石「加賀さんが不味いって言ってるの見たことありませんけど」


< さてそのヒトは人間か、それとも >





高雄「今日の誕生花はヒヨス。花言葉は“ 不完全 ”」

明石「あぁ、嫌なこと思い出しましたよ私」

高雄「はぁ」

明石「不完全とね、未完成は違うわけですよ」

高雄「まぁ……そうでしょうね」

明石「私はね、ヒトは誰しも未完成で自分で成長していくものだと思ってます」

高雄「……」

明石「それが人間であれ艦娘であれね。それを不完全な存在だと自分をーー」

提督「自分を? 」

明石「…………なんでも、ないです」

高雄「……提督」

提督「あ? タイミングなんて知らないよ……まったく」

明石「……………………あなたは自分を卑下しないでくださいね。あまつさえそのまま帰ってこなかったりは」


< これでも繊細なのだが >





提督「今日のカクテルはヨーグリートパイン。
カクテルワードは“ センチメンタルでナイーヴな女神様 ”、だ」

愛宕「ナイーヴ明石をいじめたって本当? 」

天城「うわぁ……」

提督「違う。完璧に水差したかもしれないけどさ」

愛宕「ふーん……? 」

天城「……でも珍しいですね、あなたがタイミングを見計らい損ねるなんて」

愛宕「適当な割に空気を読めるものね。壊していい空気も理解してるし」

提督「やけに褒めるな」

愛宕「単に女慣れ、場慣れしてるって言いたいのよ」

天城「うわぁ……」

提督「いや、本当なんだよお前ら。天城なんて最初褒める感じだったろうが」


< 敬すべき、そして愛すべき >





雲龍「あの……」

加賀「何かしら」

雲龍「梅かんてん、つくってきました。どうぞ」

加賀「ありがとう。美味しそうね」

雲龍「……」

加賀「……」

雲龍「あ、あの抹茶アイスと餡は出来合いですけど白玉は一応自分でつくってて、その割と自信あったり」

加賀「雲龍」

雲龍「は、はい」

加賀「……美味しいわ。ありがとう。あなたも食べなさい」

雲龍「はいっ、いただきます」

加賀「ふふ……あなたがつくったものでしょう」





天城「……妙にこう、心がざわつくというか……初々しい姉様もいいのですけれど」


< さらには友でもあり >





Littorio「あの二人の関係がよくわからないのですが」

高雄「なんと言えばいいか……前進の空母の話というか」

Littorio「はぁ」

高雄「それに加賀さんはここにくるまでこの国を最前線で守っていたのよ」

Littorio「それは知ってますけれど」

高雄「言葉は悪いですが雲龍さん、の前進は加賀さんの後継扱いの部分がありましたからね。
その名誉の分だけ実際の状態が後ろめたいのかもしれないわ」

Littorio「……桜花、ですか」

高雄「ええ。……まぁ、憧れ、でしょうね。一番分かりやすい言葉だと」

Littorio「はぁ」

高雄「私やLittorioにはわからない部分なのかもしれないわ。
一航戦加賀や、蘇った護国の鬼加賀への憧憬は」

Littorio「…………なるほど」


< 権力は使うもの >





愛宕「花火見に行きたいわぁ。見に行きたくない? 」

提督「こんなこともあろうかと倉庫に大量の花火があるぞ」

愛宕「それもいいけど……見に行きたいの」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……仕方ねぇな」

愛宕「さっすがー。だから好きなのよ」

提督「はいはい。……暑いから抱き付くなばか」





高雄「……職権濫用にも程がありますよね。基地の前で花火ですって? 」

提督「知事だって言ってただろ。市民との交流をしてほしいって。
あくまでこれは軍民交流の一環だぞ」

高雄「…………何も言いませんけど程々にしておきましょうね」

提督「はいよ」


私事ですが今日足柄提督を見かけました
音漏れしてました。お気を付けください

ありがとうございました


< 執務中のある一幕 >






提督「……暑い」

高雄「はい」

提督「麦茶くれ」

高雄「いいですけど……氷ありませんよ」

提督「いいよそれで」

高雄「はぁ」

提督「…………ぬるい」

高雄「だから言ったのに」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……お前の氷くれ」

高雄「嫌です」

提督「あっ、口に入れるんじゃ……ん? 」

高雄「ふぁい? 」

提督「キスしようキス」

高雄「いはっ、ふぁん……ぅ……ゅる…………あっ」


< それをするまで行かせません >






高雄「……暑くなったではないですか」

提督「俺は少しだけ冷たくなったぞ」

高雄「…………」

提督「……返そうか? 」

高雄「……ほとんど氷なんて」

提督「確かめてみるか? 」

高雄「結構です。氷、取ってきますから」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………行かねぇの? 」

高雄「……あなたがコップを返してくれないからですよ」


< 何度お世話になっただろうか >






明石「そうめんも案外飽きませんね」

雲龍「これだけ薬味試していればね」

明石「天かすが一番好きですねぇ、私は」

雲龍「そう……私はミョウガかしらね」

明石「あぁ、いいですねぇ……」

雲龍「ええ」

明石「…………」

雲龍「…………」

天城「柚子胡椒と大根おろし持ってきましたよー」

明石「やった! 」


< 若気の至り >







雲龍「最高で何回くらい連続で出せるの? 」

提督「出すってお前はしたない」

雲龍「そういう女好きでしょ? 」

提督「エロいのと下品なのは違うんだが……ソロプレイなら」

雲龍「ええ」

提督「……学生時代に狙ってた子が引っ越してイラついたときに」

雲龍「ん? ……ええ」

提督「11回くらいいったかな。その後ティッシュ無くなってたからやめたな」

雲龍「……動機は兎も角凄まじいわね」

提督「うん? 」

雲龍「三日くらい水さえあればずっとできるんじゃないの? 」

提督「まぁ……でも相手がいるのといないのじゃ違うからなぁ」


< 不安な始まり >






高雄「七月三十日の誕生石はヘリオドール。
石言葉は“ 清潔 ”、“ 思いやり ”、“ 優しさ ”、そして“ 心配性 ”」

愛宕「ねぇ、演習は? 」

提督「あぁ、来週に延期になった」

愛宕「はぁ……? 」

提督「や、俺もさっき通達見てさ……加賀とかにも伝えといて」

愛宕「いいけど……どうしたのかしら」

提督「その後の作戦の準備が整わない」

愛宕「へぇ」

提督「ってのはたぶん嘘だ」

愛宕「んー? 」

提督「……少将殿の居場所がわかったか泳がせるのをやめるんだろ。
最後の炙り出しというか罠だな」

愛宕「なるほどね」

高雄「……大丈夫でしょうか」

提督「俺が? お前らが? 」

高雄「どちらもです」

提督「大丈夫だろ。特に命令もきてないし。……………………今のところは」


< とどのつまりはちょっと違う >






Littorio「鳥も直さないってどういうことでしょうか」

高雄「……はい? 」

Littorio「鳥が何かを直す名手だとかそういう」

高雄「待って。ちょっと待って。それはもしかして取りも直さずのことかしら」

Littorio「ええ、だから鳥も直さずと先程から」

高雄「はぁ」

Littorio「? 」

高雄「……まぁ、確かにそう聞こえますけど意味は要するにですねーー」



< 子は鎹とは言うけれど >






雲龍「でもお腹にもういるのに次の子を仕込みそうではあるわね」

提督「でも、ってなんだよ」

雲龍「そんなに急がなくても……私でいいのよ? 」

提督「や、話きけよ」

雲龍「正直遊んで暮らせるくらいには貯蓄もあるし……手切れ金も要らないし」

提督「あのさ」

雲龍「なんならあなたの子供だけ欲しい人も」

提督「や、だからさ。あいつら以外にそれするのは違うだろ、な? 」

雲龍「……………………チッ」

提督「チッ、って。今こいつ舌打ちしたよ……なんなのなの」


< 名声を継ぐ者として >






高雄「今日の誕生花は火焔木。花言葉は“ 名声 ”」

天城「反乱を起こそうとした方たちは名声を手にいれようとしていたのでしょうか」

加賀「名声、というよりは名誉でしょう。あるいは究極の自己完結ね」

天城「……自己完結、ですか」

加賀「ええ。そうありながら周囲の変革を望んでいたのよ。
失敗したのも当然のこと」

天城「…………」

加賀「彼らがそんなもの望まなければ傷付くひとは少なかったのに。彼らに同情の余地はないわ」

天城「でも……それは結果論では」

加賀「ええ。でも結果が全てなのよ。生か死か、という場面では。
私たちは軍人で、彼らは自分で戦場を作り出そうとしたのだから」

天城「…………そう、ですか」

加賀「……戦場において栄光、なんて名誉は紙屑未満なのよ。……私はそう思います」


< 気にして日和るのは一人だけ >






雲龍「伊佐美、でいいわね。三人分」

愛宕「はーい」

天城「あ、天城はえいひれも」

明石「私も枝豆お願いします」

愛宕「……チョイスが皆おじさん臭いわねぇ。他には? 」

雲龍「……砂肝」

天城「では刺身の盛り合わせを」

明石「ち、チーズの盛り合わせとシーザーサラダ」

愛宕「はーい」


< いっぱい食べる君が好き、とは言うけれど >






高雄「トマトはそちらです」

Littorio「あぁ、ありがとう」

高雄「……それにしてもあの人たちよく食べますね」

Littorio「まぁ、並の人間よりは元々……それに提督がいませんから」

高雄「加賀さんと隅の方に行ってましたね」

Littorio「やはり気にするものでしょう。
意中の男性が目の前にいるときはあまり沢山は」

高雄「加賀さん、は別ですか」

Littorio「別ですね」


< それはカクテルイリュージョン >






提督「今日のカクテルはミドリイリュージョン。
カクテルワードは“ 一つのことに夢中になる優雅で無邪気な人 ”、だ」

加賀「……あなたには似合わない言葉ね」

提督「まぁ、優雅ではないな」

加賀「いえ……一途かどうかということよ」

提督「んー……女の子というものにはずっと夢中だけど」

加賀「可愛い、でしょう? 」

提督「問題あるのか? 加賀みたいな娘が好きにならない理由ってなんだよ」

加賀「…………」

提督「照れんなよ」

加賀「……照れてなんて、ないわ」

提督「そう? 」

加賀「ええ。お酒で赤いのよ」

提督「…………そ、別に顔が赤いなんて言ってねぇけど」


< 夜色の花よ……花婿とか >






雲龍「あぁ……課金したい」

明石「はぁ、何にです? 」

雲龍「あの人……提督に」

明石「あ、ゲームとかじゃないんですか」

雲龍「スマホないし……それに私飽きっぽいから」

明石「でも提督のことは横須賀のときから」

雲龍「私執着心強いから」

明石「それ矛盾……はしませんけど」

雲龍「はぁ……課金してSレアとか当たらないかしら」

明石「それは一体何ができるんですか……」


< セーラーの方が好き >






明石「んあー」

愛宕「ちょっと……私そんなに濃くつくってないわよ」

天城「最近弱くなってきてませんか明石さん」

雲龍「そういうことあるわよね。気を付ければ付けるほど弱く、みたいな」

愛宕「プラシーボ? 」

明石「ブラジャーの? 」

雲龍「プラセボじゃないの? 」

明石「ブルセラ? 」

天城「明石さん……」


< 色という色も無く >






提督「……ん」

加賀「ぁ……ん…………ちゅ……ゅる……んぅ」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「……綺麗な身体だ」

加賀「そう……」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……っ……ん、……この身体のいいところは傷が綺麗に消えてしまうところね」

提督「そう、かな」

加賀「あなたの守備範囲のことではなくて……あなたに汚れた身体なんて見せられないもの」

提督「汚れた、ね。……俺こそ色んな物まみれで」

加賀「淫水焼け? 」

提督「っふ……ムードねぇなぁ……間違ってないけど」

加賀「ムードはあなたがつくって。私は……あなたの色に染まれればそれで満足だから」

提督「ん…………っと、お任せを」


ありがとうございました


テスト


< 無邪気というよりは無視 >






高雄「七月三十一日の誕生石はレッドジルコン。
石言葉は“ 無邪気 ”、“ 都会的 ”、“ 清らか ”、そして“ ロマンティック ”」

雲龍「清らか……清らかね。別に含むところはないけれど」

天城「……天城は」

雲龍「天城はいつなの? 」

天城「……は? 」

雲龍「いつあの人にヤら」

天城「いやいやいや……姉様、さすがにそれは姉様でもですね……」

雲龍「……別に頭数は少ない方がいいけれど」

天城「…………」

雲龍「…………」

高雄「……………………私が言いたいというかなんというか。もう慣れましたけれど」


< >





高雄「今日の誕生花はルドベキア。花言葉は“ あなた次第 ”」

Littorio「Littorioも愛していただけるでしょうか」

高雄「……オブラートに包んでいるようで雲龍さんよりある意味酷い表現よね」

Littorio「そんな間柄でもないですし」

高雄「親しき仲にも礼儀あり、という言葉がですね」

Littorio「目の前で自分の男と他の女が寝る空間になんの礼儀が」

高雄「でもあなたはまだでしょう? 」

Littorio「ええ。まだ、ですよ、まだ」

高雄「…………」

Littorio「ふふ……今は彼も忙しそうですから自重しますけれど、ね」


< 勿論軽いジョーク。クーボジョーク >






提督「今日のカクテルはマンゴヤンココパイン。
カクテルワードは“ 奇想天外なパワーを発揮する先駆者 ”、だ」

雲龍「マン」

提督「やめろ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……マン」

提督「や・め・ろ」

雲龍「…………これが雲龍型の奇想天外パワ」

天城「ち・が・い・ま・す」

雲龍「…………なんで私だけこんなに」

提督「あのさ……」

天城「おかしいですよね、おかしいのは姉様ですからね? 」


変な時間ですけど、はい
昨日はトリップを忘ましたけどあんまり関係なかったですね

ありがとうございました


< もうできない初めてもあるけれど >






提督「八月か……通りで暑い」

愛宕「あなたの地元は涼しそうだものね」

提督「こっちよりはな。出る前は普通に辛かったし割と暑いぞ」

愛宕「そうなの? 」

提督「寒さにも大して強くないしな。
暖房ガンガンだよ。他県からきた人が炬燵だけで凌ごうとしたりするけど死ぬって、下手したら」

愛宕「ふーん……」

提督「ま、人肌で温めるのも乙な……おっと」

愛宕「別に気にしないけど?」

提督「ん……うん、まぁ」

愛宕「これから私ともできることだしね? 」

提督「……あぁ、そうだな」


< 人とヒトと、そして >





高雄「八月一日の誕生石はシトリン。
石言葉は“ 努力 ”、“ 前向き ”、“ 実践力 ”、そして“ 行動力 ”」

Littorio「食事には慣れましたけれど……こちらの暑さは未だに不快ですね」

高雄「好きな人はいないでしょう」

愛宕「でもイタリアも暑いんじゃないの?
この時期は平均30℃とか」

Littorio「ローマなどは30℃を越えますが……湿度が違うのです。
雨も殆ど降りませんし」

愛宕「へぇ……」

高雄「住みやすそうですね」

Littorio「……………………」

高雄「…………Littorio? 」

Littorio「…………気候は、ね。確かに素晴らしい」



< 住めば都 >






高雄「今日の誕生花は都忘れ。花言葉は“ 望郷 ”」

愛宕「……このタイミングで訊くのもなんだけれど」

Littorio「はい」

愛宕「帰りたくない理由でもあるの? 邦の話してるときに時々変な顔するけど」

Littorio「……提督から離れたくないだけですが」

愛宕「……」

高雄「……人とヒト、ですか」

Littorio「…………」

愛宕「…………」

Littorio「……ヨーロッパ、というのはこの国よりも人権というやつには敏感なのです」

高雄「ええ」

Littorio「それで軍縮条約にLittorioたちを含むのはおかしい、と」

高雄「……」

Littorio「……どの国もLittorioたちの“ 建造 ”を急増させました」

愛宕「……」

Littorio「……でも急造されたLittorioたちを歓迎する者は少なかった。
少ないからこそ、価値が高いからこそ、蝶よ花よ、と」

高雄「…………」

愛宕「…………」

Littorio「Littorioはそれしか知りませんから。
ここで彼にあって愛を刷り込まれ、高雄たちに友というものをおしえられて……暴挙、ですって? 」

高雄「……………………」

愛宕「……………………」

Littorio「…………Littorio、あちらへ行きますね。空気を悪くしてしまいました。それで嫌われたというのに……ふふ」






< 楽しいのかな >






提督「今日のカクテルはボッチボール。
カクテルワードは“ 自分の意見を主張できる一匹狼 ”、だ」

雲龍「ぼっち? 」

提督「や、一匹狼は孤高って感じ? 」

雲龍「でもカクテルネーム」

提督「……Littorio」

雲龍「Littorio? どうして? 」

Littorio「boccie……ボッチとは祖国発祥のスポーツなのです。
それで祖国ではアマレットを少なく、オレンジを多くするのです」

提督「名前もスプラッシュだしな」

雲龍「ふーん……なるほど」

Littorio「boccieは二、三人のチーム二つでやる……ペタンクみたいなものですね。やってみます? 」


>>740
暴挙→ 望郷
大事なところで……

ありがとうございました


< 悼むことすら自らのものではなく。……ん? >






加賀「富山大空襲の日、か」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「……私に言えることはないわね。思いすらも本来は私のものでは……」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………鱒寿司が食べたいわ」



< あなたは中破、見る者の心は大破 >






提督「おはよう」

天城「おはようございます」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………? 」

提督「……天城が傷付いた夢を見たんだよ。物理的に」

天城「はぁ? ……戦場の夢、でしょうか」

提督「前も見たんだが……今回のはなんか異様にエロかった」

天城「…………」

提督「…………」

天城「……そういう趣味でも? 」

提督「や、違うけどさ、たぶん」


< な、何をしようとしたんだ >






高雄「八月二日の誕生石はブルーカルセドニー。
石言葉は“ プラス思考 ”、“ 保守的 ”、そして“ 勇気 ”」

雲龍「夜は保守的よね、彼」

高雄「……雲龍さんが革新的過ぎるのでは」

天城「……あの人で保守的なら保守とは一体ということに」

雲龍「高雄は兎も角天城はあの人と寝たことないんだからわからないでしょう? 」

天城「…………」

高雄「…………そういえば」

雲龍「なに? 」

高雄「この前あの人が私と高雄の部屋で……やめときます」

雲龍「? 」

天城「……」

高雄「…………本当にあの人を越えてるってことを一度くらい恥じた方がいいと思いますよ、雲龍さん」


< 想いに白粉、あなたに笑みを >






高雄「今日の誕生花は白粉花。花言葉は“ あなたを想う心 ”」

愛宕「……昨日は刷り込みがどうのって言ってたじゃない、Littorio」

高雄「そうね」

愛宕「最初に出会った優しい男があの人じゃなければその人に惚れていたかしら」

高雄「本当の意味でインプリンティングではないと思うけれど……」

愛宕「でもやっぱり最初の男って大事じゃない。
下手したらその後の全部を決めるようなものだし」

高雄「……まぁ、一定のレベルなら。
Littorioってきっと誰かの為に生きたいタイプでしょう? 」

愛宕「それをあなたが言うの? 」

高雄「悪い? 」

愛宕「悪くないけど……」

高雄「ま、私の初めての男がそれを決めたのだから、仕方ないのよ。もちろんLittorioも」

愛宕「仕方ないの? 」

高雄「そう、仕方ないの」

愛宕「…………そう」

高雄「……ええ」


< 少しくらい垂れていてもそれはそれで >





愛宕「んー……蒸れて暑いわぁ」

高雄「……そうね」

明石「胸が大きいとその分カップの大きさとかで暑そうですね。小さいとまだマシですけど」

提督「や、お前は大きい方だろ、明らかに」

明石「何を根拠に」

提督「そんなもん経験に決まってる」

明石「……偉そうに言うことじゃない」

愛宕「ノーブラ……ノーブラデーが欲しい」

提督「つくれよ。俺は歓迎するぞ」

高雄「喜ぶのたぶんあなただけじゃ……」

愛宕「それに習慣になりそうだものねぇ……いざとなれば修復はできるけど……うーん……」


< あなたを想えばこその嫌悪 >






提督「今日のカクテルはディスカバリー。
カクテルワードは“ 多くの人の役に立てる心の大黒柱 ”、だ」

Littorio「有名なカクテルですね」

提督「俺はジンジャーエールあんまり好きじゃないんだが……」

Littorio「あら、そうだったの? 」

提督「ま、アドヴォカートで中和されるけどな」

Littorio「…………Littorio、あなたに逢わなければ人の役に立つことが嫌いになるところでした」

提督「……いいだろ別に。他人の役に立つなんてのは自己満足だよ」

Littorio「でも、Littorioは他人の欲望、野望の為だけのために生まれたのです」

提督「…………」

Littorio「ま、愛も自己満足と言われればそれまでですけれど……少しだけ綺麗な名前の陶酔を味わえますからね。ここでは」

提督「…………」

Littorio「…………」

提督「…………」

Littorio「…………Littorioの為にそんな顔をしてくれるのは、あなたしかいませんよ。嬉しいわ」

提督「……………………それを幸運だと一瞬でも思った自分が嫌だよ、俺は」


ありがとうございました



< 割とまとも >





明石「歳をとったと思ったとき」

提督「自分より若いアスリートとかアイドルが活躍し始めたとき」

明石「あー……それは確かに」

提督「まぁ、最近の低年齢化は基準にならないけど」

明石「はぁ。下手すると十代前半とかですもんね」

提督「あぁ。で、生物学的にはどうなんだよ」

明石「どうなんだと言われましても……細胞がトレースしかしなくなる頃なんじゃないですか」

提督「それって何歳くらい? 」

明石「個人差ありますけど十八歳くらい、かな」

提督「……あぁ、高校生くらい……まぁ、大人になり始める時期だし。妥当だな」

明石「提督はその頃何してました? 」

提督「んー……友達と海行ったり女の子の尻追っかけてたよ」

明石「ガキですねぇ……」


< 使者 >






提督「でもアレだな。夏なんて遊び切れるものじゃなかったよ」

明石「はぁ」

提督「今の方が幸せだって確信してるけどさ、できることならあの頃に戻りたいくらいには未練があるんだ」

明石「いいですねぇ……私たちには青春なんてないから」

提督「そうだなぁ……戦争が終われば学生にでも」

明石「や、あなたのいない学生時代なんて今更満足できませんって」

提督「そっかぁ」

明石「ですよ」





高雄「……クーラー下で涼んでないで早く仕事を」

明石「私は関係な」

高雄「明石さんも設備増設の上申書がまだですが」

提督「…………しゃーねーな」

明石「…………しゃーねーですね」




< 末期、あるいは始まり >





高雄「八月三日の誕生石はクリソベルキャッツアイ。
石言葉は“ 純粋 ”、“ 高潔 ”、“ 冷静沈着 ”、 “ 親切 ”、そして“ 女性的 ”」

提督「女性的……? 」

高雄「ええ」

提督「……エロいな」

明石「えぇ……」

提督「ムラつき過ぎてなんでもエロく聞こえる」

高雄「そんな言葉初めて聞きましたよ」

明石「まぁ、提督ですし」

高雄「そうですけど」

提督「うーん……純粋とか親切もなんだかエロく……あるぇ? 」




< 本年も折り返し……どころではない >






加賀「今日で年末まで150日ですね」

提督「そうか、今年もあと五ヶ月なんだな」

加賀「ええ」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「……え、それで? 」

加賀「別に」

提督「別にってお前……干されるぞ、業界に」





明石「業界って……意味わかんないですよそれ」



< この後滅茶苦茶見られた >






Littorio「この冷えピタというものは素晴らしいですね」

天城「……そうですね」

Littorio「額を冷やすとこんなにも快適だったとは」

天城「……はい」

Littorio「…………」

天城「…………」

Littorio「……見た目は言わない約束、ですよ。天城」

天城「……はい。殿方と姉様には特に見せられません」


< ここぞとばかりに >






雲龍「ないわね」

加賀「ええ、ないわ」

天城「はぁ……天城はそうは思えませんが」

提督「ん? どうした」

雲龍「丁度良かった」

提督「お? 」

雲龍「高雄か愛宕……そうね、愛宕の好きなところをぱっと一つ」

提督「髪」

天城「! 」

雲龍「ね? 」

加賀「やはり」

天城「む……」

提督「……で、これはなんなんだ」

雲龍「あなたが女の子のどこを一番に見ているかで、
天城だけ卑猥な妄想をしてたって話」

提督「へぇ」

天城「ち、ちがっ、そもそもあなたの普段が普段だから天城はっ」

提督「や、まさか天城がねぇ……」

雲龍「こんなね」

加賀「ええ。まさかの事態でした」

提督「好き者姉妹だったんだな。やっぱり」

天城「……………………もうイヤ、この人たち」


< で、好きなところは? >





提督「じゃあ逆に訊くけど俺の好きなところってどこだよ」

雲龍「顔」

加賀「身体」

提督「……最低なのはこいつらだろ。なぁ」

天城「……天城もあなたの顔、嫌いじゃないですけれど」

提督「あ、ありがとう……」

雲龍「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

天城「……どうして天城があなたを好きだという風潮に……もうっ」


< 違った反応 >






高雄「今日の誕生花は白い日々草。
花言葉は“ 友情 ”と“ 仲良し ”」

Littorio「Littorioの友があなたでよかった」

高雄「……そう」

Littorio「でもRomaはどうなのでしょう……どうなのでしょう」

高雄「Romaさんは横須賀でしたっけ」

Littorio「ええ、あの子取っ付きにくいから。大丈夫か心配なの」

高雄「大丈夫でしょう。横須賀の皆さんはいい人たちばかりよ」

Littorio「そうだといいのだけれど」





提督「Roma? 大丈夫だろ。友達なんていなくても。
あいつはそういう女だ」

高雄「そ、そうですか」


< 好きな自覚はある >






高雄「そういえば今日は蜂蜜の日だそうですよ。
蜂蜜クッキーでもつくりましょうか」

提督「なに? はみちつ? 」

高雄「……ハサミの日でもあるんですが。切り落とされたいようですね」

提督「それだとお前も困るだろうが」

高雄「は? 」

提督「対面座位で足絡ませてキスできなくなるぞいでぇっ」

高雄「…………時と場所と表現に気を付けて」

提督「痛い……」

高雄「……仏の顔も三度と言うでしょう。いい加減にしないと」

提督「仏を名乗るなら四度目を許す度量をだな……つーか顔赤いぞ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……蜂蜜クッキー、もらおうか」

高雄「……了解です。楽しみにしておいてくださいね」



< ネットリしてそう。色々と >





雲龍「学生は休みなのね」

天城「はぁ」

雲龍「さっき海の方に何人か見えたわ」

天城「それ学生とは限らないんじゃ」

雲龍「そうだけど……クルーザーに中年男性と若い女の子だったからつい」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「……偏見ですよね。OLとかかもしれません。会社の慰安旅行とか」

雲龍「そうは見えなかったけど……そうね」



< そして強引に話の方向を >






雲龍「と、いうのは嘘で」

天城「はぁ……本当ですかそれ」

雲龍「テレビで見たのよ。ビーチで遊ぶ高校生とか大学生」

天城「なるほど? 」

雲龍「カップルで海に行くのって一般的なのかしら。異様に沢山いたけれど」

天城「提督にきけばいいんじゃないですか?
きっとあの人は行ったことありますよ」

雲龍「嫌よ。高雄たちなら兎も角どうして他人の物だったあの人の話なんて」

天城「えぇ……天城、姉様の基準がよくわかりません……」


< 少なくとも邪気は無い >






提督「今日のカクテルはゴールデンデイズ。
カクテルワードは“ 優雅で無邪気な感性の持ち主 ”、だ」

明石「無邪気……夕立ちゃんとか? 」

提督「そうかな。あいつも割と色々考えてそうだが」

明石「あれで? 」

提督「あれで」

明石「……でも時雨ちゃんとかが提督と話したそうなときにも遠慮なくまとわり付いたり」

提督「あれがあるから自然に時雨や浜風に話振れるんだぞ」

明石「なるほど」

提督「……まぁ、それを考えてやってるかって言われたら違うかもしれないが……やっぱり無邪気でいいのかもな」


< 横須賀ぱーりーないと >






龍田「んー……やっぱりワインは赤よねぇ」

金剛「カシスカクテルの方が美味しいデース」

時雨「日本酒、かな。提督と飲んだお酒は美味しかった」

霧島「……霧島をよろしくお願いします。ちなみに赤を」

龍田「うーん……? 時雨ちゃんあの人と飲んだの? 」

時雨「あぁ。彼のところだと毎日がこうだったからね」

龍田「ふーん……そう」

時雨「飲みたいかい? 彼と」

龍田「どうかしらね~……飲んだだけで終わるかどうか」

時雨「終わるさ。龍田はそこまで踏み込めないよ、絶対に」

龍田「へぇ……言うじゃない」

時雨「ガキなのは見た目だけさ。なんなら君の……いや」

龍田「…………」

時雨「…………」

龍田「…………」

時雨「…………」

龍田「…………ふぅ、ボトル取ってくれる? 」

時雨「あぁ、いや。僕が注ぐよ、グラスを 」

龍田「そう? ありがと……ふふ」


< 今頃大きなクシャミでも >






浜風「なぜこんな急に外でお酒や食事なんかを」

山城「大規模な作戦があるからでしょう。
今までやらなかったような催しが開かれるくらいには不幸な」

浜風「はぁ」

扶桑「……やめなさい山城。今を楽しめる、それだけでいいじゃない」

山城「今を楽しむことしかできない、が正しいのですけれどね。忌々しい」

扶桑「……山城は私とお食事するの楽しくない? 」

山城「そういうわけでは。……ですが大きな楽しみよりもちいさな幸せを集める方が私は好きです」

扶桑「そう……」

山城「姉さまがいて、時々お洒落をして、お酒があって、浜風のような仲間がいて……私はそれで、いえそれこそが欲しい」

扶桑「…………」

浜風「…………」

山城「…………これならあの男のところにいた方がマシね。遊んでいるだけだもの」


< まるで自分が褒められたような >





提督「なんかどこかで失礼なこと言われた気がする」

愛宕「んー? 」

提督「心当たり多過ぎて誰かは知らねぇけど」

愛宕「悪い噂じゃないといいわね……ふふ」

提督「どうした愛ちゃん。笑ったりして」

愛宕「愛ちゃん? 」

提督「そ、愛ちゃん」

愛宕「あたごんじゃないの? 」

提督「あだ名が一つじゃなきゃダメな理由はないよ」

愛宕「そう……あのね。あなたのことを考えてるヒトが沢山いると思うと嬉しいじゃない? 」

提督「そうか? 」

愛宕「ええ。だって好きな人のことは自慢したくなるものでしょう? 」

提督「そうか。…………そうだな」

愛宕「ね? 」


< 恋と幸福は別のものだからこそ >






龍田「私にとっては運命の人だったのよ。運命を信じてしまう程には」

時雨「へぇ……でもさ」

龍田「わかってる。わかってるわ。……必ずしも運命の人と運命の出会いをできるとは限らないってこと」

時雨「……随分と彼に都合のいい話だね」

龍田「都合のいい女にはなりたくないけれど……でも、心地いいんだもの、私にとってもね」

時雨「…………」

龍田「…………」

時雨「…………龍田ってさ」

龍田「……ええ」

時雨「……提督のこと嫌いだろう? 今」

龍田「ふふ……どうかしら。でもそう思うくらいの想いが私にはあるかもしれないわね」


< 他人の愛を笑うな >





提督「つーか大変なことに気付いたぞ俺は」

愛宕「なになに? 」

提督「浮気そのものはどうかと思うがまぁ、俺は開き直ったクズなわけだろ」

愛宕「最っ高にね」

提督「でもお前らが寛大過ぎて背徳感が全く楽しめてない」

愛宕「別に寛大ってわけじゃないんだけど……本当はずっと私のことだけ見ていてほしいのよ? 」


< お姉様と呼んでもいいのよ? >






龍田「それに……誰かに好きになってもらうのって嬉しいことでしょう? 」

時雨「まぁね。でも彼に好かれている自信なんてあるんだ」

龍田「もちろん。私、高雄と愛宕の代理を務めたこともあるのよ? 」

時雨「へぇ……知らなかった」

龍田「だから……うん。好かれて舞い上がって好きになっちゃうことだって」

時雨「…………」

龍田「…………」

時雨「……他の男、つくれるといいね」

龍田「そう、ね。なんなら時雨ちゃんでもいいけど。可愛がってあげるわよぉ? 」

時雨「馬鹿なことを……傷を舐め合ってるだけじゃないか。
せめて君のお姉さんでも相手にしなよ。それに僕は生憎レズじゃない」


< そんな日はありません >





提督「ハミパイ、ハミパイの日だ」

愛宕「んー……」

提督「つーか、昨日はバニーの日だった……忘れたたミスった死のう」

愛宕「その程度のことで何言ってんのよ」

提督「……夏って暑いじゃん? ムラムラしない? 前の日ヤらないと損した気分にならない? 」

愛宕「私は万年発情期だから」

提督「や、さらにってことでね……こっち」

愛宕「ん……ゃ」

提督「クク……いいなぁ、この柔らかさ」

愛宕「~~~~…………いいわ、ね、この硬さ」

提督「もっとなるよ、硬く」

愛宕「ふふ……知ってる」

提督「…………元気出た」

愛宕「たんじゅーん」

提督「知ってるだろ? お前がいればそれだけで元気になるんだよ」

愛宕「えっちければなおよし? 」

提督「わかってんじゃん……ん」


< 触れられるのは嫌だけれど >





天城「……完全に夏バテしました」

雲龍「そんなに変わったようには見えないけど」

天城「天城の目標は」

雲龍「撫子」

天城「……はい」

雲龍「……我が妹ながら誇らしいわ」

天城「嬉しいです姉様。ただですね」

雲龍「なに? 」

天城「……いくら自室でも何も着ずにアイスとはさすがに」

雲龍「いいじゃない。それとも興奮しちゃう? 」

天城「そんなわけ」

雲龍「本当に? 」

天城「あのですね…………天城は頭が痛いです。もちろんアイスの所為ではなくて」



< さぁ、燃え上がるようなパーティだ! >






高雄「んっ……つよ、すぎ」

提督「強くしてんだよ、な」

愛宕「ね」

高雄「…………ん」

提督「んー」

愛宕「イイ蕩け顔……でもこっちがお留守ね」

高雄「! ……っ……ったご」

提督「ほら、足りないよ、キスが」

高雄「そ、ん~~~~……ぁっ」

愛宕「んふ……まだまだ夜は始まったばかりなんだから。
体力は残しておかないと大変よ? 」


ありがとうございました


< 寂しさを埋めてくれるヒト >





龍田「ん…………」

龍田「…………」

龍田「…………」

龍田「…………」

龍田「…………」

龍田「…………一人、か。まぁ、当然なんだけど」

龍田「…………」

龍田「…………」

龍田「…………」

龍田「…………」

龍田「…………天龍ちゃんはどこかしらぁ~ 。天龍ちゃーん」



< 人口過多ベッド >






提督「…………暑いぞ」

愛宕「んー……そう? 」

提督「汗だらだらだろ……くっ付くな風呂入るぞ風呂」

愛宕「はーい……高雄ぉ」

高雄「……起きてるから。肩胛骨を触るのはやめて」

愛宕「ふふ……すべすべー」

提督「スケベ? 」

愛宕「それもー」

高雄「違いますから。……お風呂行きましょう、朝食もつくらないと」



< 場の雰囲気を変えたくて >






高雄「八月四日の誕生石はモスオパール。
石言葉は“ 平和 ”、“ 没頭 ”、“ 文才 "、“ 思想家 ”、そして“ 好奇心 ”」

明石「平和の為に戦うってのもなかなかにおかしいですよね」

加賀「そうかしら」

明石「だって戦わなければ平和なわけでしょう? 」

加賀「いいえ、戦いというのはなにも戦争だけではないわ。
経済だってなんだって全て戦いなの。
そもそも存在が認められないだけのこともあるのだし」

明石「…………」

高雄「……焼肉みたいな? 」

加賀「そうね、あとは……すき焼きだとかお鍋だとか」

明石「…………一気にほんわかした……ま、この方がいいですが」



< えへっ >






高雄「今日の誕生花は柳唐綿。花言葉は“ 信頼 ”と“ 人の輪 ”」

愛宕「なんだかんだいって信頼されてるし人の輪の中心よね~ 」

高雄「まぁ……そうね」

愛宕「高級軍人として当然のことかもしれないけど」

高雄「ええ。……ただ贔屓をするのなら」

愛宕「うん」

高雄「カリスマを感じさせないカリスマ、そんな感じなのじゃないかしら。
軍人らしさが少ない軍人というか」

愛宕「そうねぇ……」

高雄「ええ」

愛宕「でも、高雄にしては褒めるわね」

高雄「……本人がいませんから。そもそもそれだけ評価していなければ、ね。
心も身体も許しませんよ」

愛宕「ふーん……だって? 」

高雄「はっ……こ、これはちがっ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「うっそでしたぁ☆ 」

高雄「…………まったく。本当に……まったく……………………よかった」



< いちご柄のTバック見たときは軽く絶望した、世界に >





明石「そういえば先日いちごパンツの日が」

提督「あ? あぁ」

明石「あれ、そこまで興味ない? 」

提督「や、並の男程度にはあるけど」

明石「はぁ」

提督「俺って大人の女が大人の格好してる方が好きなんだよ。
ギャップとか羞恥心とかももちろん好きだけど」

明石「なる、ほど? 」

提督「高雄がいちごパンツ履いててるのより、
いつものガーターだけにさせる方がいい、みたいな感じ」

明石「理解はできます」

提督「な? まぁ、正直バニーとかいちごパンツとか忘れたもの多過ぎて今更ってだけなんだけどさ」


< 飽くなき探究心 >





提督「今日のカクテルはグランマルニエレッドライオン。
カクテルワードは“ いつも刺激や感動を求める活発な人 ”、だ」

雲龍「初めて中でイッたときは感動したわ」

提督「……俺はそれにどう反応すればいいんだよ」

雲龍「別に。なんでもいいわよ」

提督「なんでもって言われてもな……なんなら乳首イキでも仕込むか? 」

雲龍「できるの? 」

提督「舐めんな。女体開発において俺よりできるやつもなかなか。レパートリーもな」

雲龍「ふーん……じゃあ、今度首絞め」

提督「は、しない。お前の趣味はどうなってんだ」


< メダルおめでとう! >






提督「今年もこの季節か」

明石「ultra soulですか……」

提督「ロシアだと深夜とかじゃなくて楽だな。観やすい」

明石「お酒飲みながらぼんやり観てられますもんね」

提督「水泳って間が空くじゃん? その間に駄弁ってられるってのは大事だと思うんだ」

明石「ですね」

提督「いつの間にか高雄と愛宕は寝たし」

明石「昨日疲れさせたんでしょ、あなたが」

提督「まぁ、うん」

明石「むしろなんでこっちは起きてられるのかわからないです」

提督「そこはほら……絶倫だから」

明石「はぁ…………でも、間違いとは言えないのがなんとも」


< どう考えてもよろしくない >





Littorio「水泳……? 」

加賀「ええ、あなたも泳ぐの? 」

Littorio「もちろん泳げないなんてことはありませんけれど……特に好きというわけではありませんね」

加賀「そう……」

Littorio「競泳水着ってあまり可愛らしくないでしょう?
Littorioは水着を着て浜辺でゆったりカクテルでも嗜む方が」

加賀「なるほど」

明石「それでナンパされたり? 」

Littorio「なんて地中海的な……でも悪く無いですね」

提督「は? ちょっと待て競泳水着が好きじゃないだと? なに言ってんだ」

Littorio「あなたの趣味は知りませんよ」

提督「ったく……ならさ」

Littorio「ええ」

提督「……スクール水着はどうだ? 」


< さっぱりとしたものが好まれる時期ですので >





提督「今日はビヤホールの日だぜぇ! 騒げ飲め、そして飲め! 」

雲龍「いぇー……暑い」

加賀「ふむ……なるほど」

Littorio「フルーツビール、フランボワーズなんてあるんですね」

天城「ビールは苦手です……姉様、胡瓜ください」

明石「それでも飲むあたり……水泳終わっちゃいましたね」

提督「今日は……じゃなくて昨日はな。つーかバニーがいねぇぞビアなのに。バニーがよぉ」

明石「知りませんよ。……はぁ、私もそろそろ寝ようかな……」

提督「待て待て、このニュートンってやつは青リンゴ果汁のだぞー」

明石「もうっ、リンゴで釣れると思って……いただきますけど」



< 酒が進む進む進む。火傷に注意 >






天城「ししとう持ってきました」

提督「お、さんきゅー」

天城「これくらいはお返ししないと。美味しいお酒、いただいてますし」

提督「その割には遠慮が無いが……お、美味いじゃん」

天城「ししとう味噌をつくっておいたので明日から胡瓜にでも付けて食べてくださいね」

提督「おう」

天城「…………ん、まずまずです」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………いい嫁だなぁ」

天城「嫁ではありませんよ。……賛辞だけ、受け取っておきましょう」



< 尊敬や親愛が前提だがね >





加賀「いいもの食べてるわね」

提督「出たな食べ物妖怪」

加賀「妖怪? ……美味しいわ」

天城「ありがとうございます」

提督「これでただの食っちゃ寝なら兎も角……滅茶苦茶料理上手いからな」

加賀「当然のこと。自分ができないことを要求するのはよくないわ」

提督「理想はそうだが」

天城「あの……」

加賀「なに? 」

天城「……ししとう味噌と胡瓜、持ってきましょうか? 」

加賀「そんなものが。お願いしていいかしら」

天城「はい。では取ってきますね」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………先輩って便利な立場だな」

加賀「……あなただって大して変わらないでしょう」


最近サボり気味でしたし
バランス取り、という程のものでもありませんが

ありがとうございました


< 別に邪魔でもないけれど >





加賀「北海道まで30℃越えばかりのようね」

提督「札幌で34℃だもんなぁ。耐性付いてない分あれはきついぞ」

加賀「そう」

提督「まぁ、慣れてるからこっちだと大丈夫ってわけでもないが……ワンピース似合ってるぞ」

加賀「ありがとう」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「……何故隣に座ってるんだ。対面に座れよ」

加賀「嫌? 」

提督「そういう問題じゃ……せめてなんか喋っとけよ。圧迫感がヤベぇ」



< 誰が無垢かは、さて >





金剛「暑いデース……」

霧島「……はしたないですよ。バサバサしたりしたら」

鈴谷「でもさー、仕方ないって。鈴谷だって」

霧島「だって? 」

鈴谷「バサバサはさすがにしないけどさ。ちょーっとショーツとか変えてるよ? 」

金剛「Tバック? 」

鈴谷「それはおしえなーい」

金剛「むぅ……テレビでもビーチとか沢山出てますネー。こっちも水着になりたいデース」

霧島「ですね」

金剛「これが……素人さんってやつデスカ? 」

霧島「…………」

鈴谷「…………」

金剛「…………」

霧島「…………」

鈴谷「……うわぁ」

霧島「……さすがにその表現はどうかと」

金剛「Whats? 」


< あなたの喋る姿が >





加賀「あなたの隣だと考え事が進むのよ」

提督「あ? それは俺と会話するのがつまらないから考え事に集中できるとかそういう」

加賀「まさか。地元のよくわからない話以外は楽しいわ」

提督「あぁ、それはやっぱつまらないのか……」

加賀「そうではなくて……落ち着くのよ。安心感、とでもいうような」

提督「ふーん……」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……喋らないの? 」

提督「落ち着くんじゃねぇのかよ……」


< ここで笑い話を一つ >






提督「まぁ、いいや。俺の一族、というか親戚の話だ」

加賀「ええ」

提督「何故か知らんが集合写真で中央に映る人はすぐに死ぬとかいう言い伝えがあるんだ」

加賀「なるほど」

提督「で、それを一番信じてる俺の婆ちゃんがいつも中央なわけだ。
自分はもう死んでもいいとかなんとか」

加賀「……」

提督「でもさ、その婆ちゃん今年で90過ぎたんだぜ? その割に未だに言い伝え信じてるけど」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………ふっ」

提督「…………小笑、ゲット」




< 花火をOne moreとは言えないが >






提督「可哀想に。折角花火見てもケチついちまったな」

雲龍「いい気味よ。どうせこの後部屋だかホテルだか知らないけど盛るだけなんだから」

愛宕「……雲龍は何故童貞ボーイみたいな僻みをしてるのよ」

天城「……花火、提督と行きたいとか言ってましたものね」

雲龍「…………」

提督「つーか桜木町だろ? 桜木町といえば山崎まさよしだな」

雲龍「…………? 」

愛宕「…………? 」

天城「…………? 」

提督「……はぁ? すべてかけて抱きしめてみせるんだぞ、おいー」


< おかえりなさい、そう言える日まで >





Littorio「三笠……? 」

加賀「知らない? 」

Littorio「横須賀で会いましたよ? あの三笠の前身ですよね? 」

加賀「そう、その三笠ね」

Littorio「……長い時間離れていたのですね」

加賀「ええ」

Littorio「…………」

加賀「…………」

Littorio「……沈まぬということは何もかも見てきた、ということなのでしょうか」

加賀「さぁ……高雄はまた別の感想を言うと思うけれど」



< 優しくしますよ、ふふ >





高雄「八月五日の誕生石はサンストーンキャッツアイ。
石言葉は“ 愛情 ”、“ 敏感 ”、“ 優しい ”、そして“ 感じやすい ”」

雲龍「正直私より天城の方が感じやすそうよね」

高雄「はぁ」

雲龍「腰のくびれだとか背中だとかが弱そう」

高雄「なんとも言えませんが……それは姉妹として同じ部分がという? 」

雲龍「別に……なんとなく弱そうだなって」

高雄「……はぁ」

雲龍「……暑いわ。ムラつく」

高雄「…………でも、天城さんをベッドに引きずり込もうとはしないんですね」

雲龍「そういう趣味はないもの。あなたもそうでしょう? 」

高雄「私、ですか……? 」

雲龍「…………」

高雄「……………………ふふ」

雲龍「…………え……? 」


< 大事な恋人 >





明石「単車で丘まで行ってきていいですか? 暑くて暑くて」

提督「あ? お前の改造車で? 」

明石「改造車で」

提督「……車検通してないだろうが」

明石「や、大丈夫大丈夫」

提督「事故らなければってわけじゃな……仕方ねぇな、ほら」

明石「キー? 」

提督「貸してやるよ。傷一つ付けんなよ」

明石「え、提督の単車貸してくれるんですか? 」

提督「ちょっとでも傷あったら三日ベッドから解放しないからな。
心して涼んでこい」

明石「へ……了解です」





雲龍「……つまりわざとこすれば」

天城「……たぶん本当に話もきいてくれなくなりますよ、それ」


< こどくとはなにか >





高雄「今日の誕生花はエリカ。花言葉は“ 孤独 ”」





龍田「なんだか最近時雨ちゃんと沢山お話してる気がするわぁ~ 」

時雨「そうかな。天龍が留守にしてるわけでもないだろうに」

龍田「天龍ちゃんも色んな子とお話したいだろうしねぇ~ 。
私ばっかり独り占めしちゃうのもよくないから」

時雨「……そう」

龍田「ええ」

時雨「…………」

龍田「…………」

時雨「……孤独、っていうのは心の蓋がなくなってしまうことなのかもしれないね」

龍田「うん? 」

時雨「いや……どれだけ友や姉妹で埋めてもそれを閉じ込めておける力がないと、ってさ」

龍田「…………」

時雨「…………」

龍田「……煙草でも始めてみようかしら」

時雨「やめときなよ。女の喫煙ってあんまり好まれないらしいしさ」

龍田「あの人は気にしないけれど、ね。……ま、冗談だけれどぉ」






提督「…………蠱毒? 中国の蠱を使った呪術のことか? 」

高雄「……面白くない。十点」

提督「厳しいなぁ。たかおーん」


< 全力でかこつける >





提督「鹿児島デイだ! 」

愛宕「いぇーい! 」

提督「森伊蔵も魔王も村尾も霧島もその他各種も用意した! 」

加賀「さすがに気分が高揚します」

提督「さつま揚げも地鶏もゴーヤのおひたしもあるぜぇ! 」

天城「天城、感激です! 」





明石「……なんです、この馬鹿騒ぎ」

雲龍「明日の甲子園、一試合目、わかる? 」

明石「あぁ……相手を食べる、みたいな? 」

雲龍「知らないけれど……たぶん」


< どれ程の屈辱? >





提督「今日のカクテルはグランマルニエオレンジ。
カクテルワードは“ 動きとリズムで自分を表現する精霊 ”、だ」

愛宕「腰の動きとリズムで? 」

提督「自分を表現しちゃう? 」

高雄「……馬鹿ですね。精霊などとは烏滸がましい」

愛宕「高雄ー、ノリわるーい」

高雄「悪くて結構。頭の中が真っピンクのあなたにはわからないでしょうが」

提督「むっつりめ」

高雄「……は? 」

愛宕「ほら……高雄ちゃんってば総受けだから」

提督「なるほど……ヤられるまでは堅いんだな? 」

愛宕「でも剥かれた後はー? 」

提督「剥かれた後はー? 」

高雄「…………あなたたちがおかしいのよ。何故私があれ程の屈辱を」

愛宕「いぇーい! 」

提督「いぇーい! 」


< 等価かはさておき >





明石「これ、さんきゅーです」

提督「おう、どうだった」

明石「やっぱり高いところだと風もありますね。
乗ってるときは気持ちいいし最高でした」

提督「そうか。よかったな」

明石「ええ」

提督「……傷はないだろうな」

明石「そりゃあもう。細心の注意でですね」

提督「よし」

明石「…………なぜ、手首を掴むんです。寝たいんですけれど」

提督「貸した対価を貰わないとは言ってないな」

明石「そんな……おーぼーですよ、おーぼー」

提督「嫌じゃないくせに。ん」

明石「ぁ…………ふふ……なーんで許しちゃうのかなぁ。…………あぁ、急過ぎですってば」




< あなたが私を望むとしても >






愛宕「愛を知る者と知らない者では見える世界がまるで違うように」

高雄「ええ」

愛宕「気持ちいいのを知る者も知らない者ではまるで世界が違うわよね? 」

高雄「……そうね。変な意味でなくあの人を感じる一つの手ではあるわ」

Littorio「なるほど? 」

愛宕「Littorioもあの人に迫っちゃえばいいのに。断らないわよ? 」

Littorio「ふふ……そうね」

高雄「積極的に浮気を推奨、と」

愛宕「そういうわけじゃないけど……気にならない? 」

高雄「…………」

Littorio「……彼と会ってまだ然程経っていないのだし……まだ積み重ねるものがあると思うのです。
Littorioには圧倒的に生への実感がありません」

愛宕「……それを埋めるのが、まぁ陳腐だけれど愛じゃないの? 」

Littorio「そうなのでしょうね、一般的には」

愛宕「…………」

Littorio「……Littorioも所詮は怖がりのちいさな女、そういうことなのかもしれません。
世界の変化が、きっといつまでも恐ろしい」


ありがとうございました


< 1945/8/6/08:15 >






提督「これも他人の悲劇か? 」

愛宕「そうでしょ。死者の数で考えを変えるの? 」

提督「まぁ、そうだが」

愛宕「……今年も式典には呼ばれず? 」

提督「あぁ。こういうことは大本営と帝都の役回りでな。それに軍人はあんまり大きくは」

愛宕「ふーん……まぁ、呉の日だものね」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……執務始めるか。野球もあるし」

愛宕「そうね」


< まぁ、色んな意味で類を見ない >






提督「イタリアだと野球なんて大したことないんだったな」

Littorio「そうですね。でも名前を知っている人は増えていると思いますよ」

提督「そうか。まぁ、ヨーロッパリーグ構想もあるし選手もこの国来たりしてるしなぁ」

Littorio「Littorioは特にルールも知りませんけど」

提督「うーん……名前はわかるがよく知らない。こっちからするとペタンクとかか? 」

Littorio「ペタンクの規模は然程……クリケット? 」


< 4-18 >






天城「……野球ってこういう点差になるものでした? 」

高雄「まぁ……こういうこともあるんじゃないですか」

天城「はぁ」

高雄「で、あるんですか? 」

提督「あるんじゃないです? 」

天城「…………」

高雄「…………」

提督「……いや、ちょっとテンション下がったくらいだから。
そんな可哀想なものを見る目で見るんじゃねぇよ。別に発狂したりしないから」


< 好きな娘を贔屓するのは悪いことだろうか >






高雄「八月六日の誕生石はダークグリーンジルコン。
石言葉は“ 繊細 ”、“ 教養 ”、“ 積極性 "、そして“ 落ち着き ”」

Littorio「歌唱は……? 」

高雄「教養では? 」

愛宕「ジャンルにもよるんじゃない?
ポップスは教養ではないと思うわ」

Littorio「なるほど……そういえばカラオケ? というものがここにはあると聞いたのですが」

高雄「ありますね。完成して以来一度も稼働してませんけど」

愛宕「無駄にレパートリーが増えてくわねぇ」





明石「改装して満足してません? 」

提督「ん? そんなことは」

明石「……ブラウザゲーとかでグラフィックコンプで満足して放置みたいな」

提督「おいやめろ馬鹿」


< 無意識的水差し。悪気は無い >






高雄「今日の誕生花は凌霄花。花言葉は“ 名声 ”と“ 栄光 ”」

愛宕「いつか歳を取ったら今の日々を懐かしむこととかあるのかしら」

高雄「それはもちろんあるでしょうね。
栄光の日々、というか充実した日ではあるのだし」

愛宕「……もしかしたら没落して六畳一間で生活してたり」

高雄「非現実的な話だけれど……もしそうだとするなら」

愛宕「ええ」

高雄「……あの人が死んだ場合でしょうね。
私はそうなると何もやる気が起きなくなるかもしれません」

愛宕「ふーん……? 」

高雄「死ぬのが怖いのではなくて。あの人と暮らした日々を忘れたくなくて」

愛宕「死なないって? 」

高雄「死ねない、のよ」

愛宕「……生者を死者が縛る、か。ありそうだけど」

高雄「…………」

愛宕「…………」

雲龍「……どうしたの? 緊縛の話? 」

高雄「…………」

愛宕「…………栄光の日々? 」

高雄「……言わないで」


< つーか、BBA……おっと >





雲龍「えーっと……それで緊縛の話だけれど」

愛宕「あっ、その話続けるのね」

雲龍「私自分で縛れるわよ? 」

愛宕「え、えぇ……困るわぁ、そんなこと言われても」

高雄「……そういえば縛られたことありませんね」

雲龍「手首縛られたりとかは? 」

愛宕「それはあるわね。スカーフとか」

雲龍「スカーフ……? 」

愛宕「CAとかエステティシャンとか……女子校生とか? 」

高雄「割とディープよね……ブレザーもセーラーも着たことがあるというのも珍しいような」

雲龍「女子高生? 」

愛宕「んーん、女子校生」

雲龍「……? 」

愛宕「……? 」

高雄「……教師と女生徒、女教師と生徒……どっちが背徳的なのかしら」


< たんきゅーしん >






提督「今日のカクテルはマンゴヤンマンゴーマティーニ。
カクテルワードは“ 自分の意見を譲ろうとしない一途な人 ”、だ」

雲龍「それは単に頑固なだけじゃ……」

提督「頑固も裏を返せば一途ってことだな」

雲龍「それなら性倒錯と娯楽も」

提督「どっちも大して変わらないぞ変態」

雲龍「うるさいわねド変態」

提督「…………俺は女の子殴ったりしねぇぞ」

雲龍「私だって……私……私だって…………? 」

提督「…………」

雲龍「……私の身体開発したくせにっ」

提督「…………あのさ、反則だろそれ。楽しむならいけるとこまで……違う? 」


< 行きたいところ >






愛宕「京都? 」

高雄「京都」

愛宕「まぁ、一応? 私たちのルーツだものね」

高雄「舞鶴ならありますけどね。ただ、観光はしたことないですから」

愛宕「……北海道も行ってみたいけれど」

高雄「そこは必ず行けますから。絶対に。心配には及びません」

愛宕「戦争は終わる? 」

高雄「終わらせなければならない。私はそう思うわ」

愛宕「……前線の膠着と消耗は」

高雄「それを言われると弱いですが」

愛宕「…………京都ね」

高雄「……純粋に観光を、と」

愛宕「…………私はヒトであって人ではないから。
享楽に生きても、快楽に溺れても」

高雄「……………………詭弁を。それは逃げであって」

愛宕「…………酒、お酒に溺れたい」

高雄「悪いことですよ、目を背けるのは……仕方のないことですが」


< 旅をするなら >





雲龍「ローマとか」

Littorio「あなたが訪れるのなら……道案内くらいならしますけれど」

加賀「ピザ、パスタ、ワイン、オリーブ……」

雲龍「コロッセオとかガール水道とかも」

Littorio「それフランスです」

雲龍「そうだったかしら」

加賀「……ピッツァ、やはりピッツァ」

Littorio「……Littorioは逆に東大寺とか行きたいですけど」

加賀「加賀に行きなさい。何もないけれどいいところよ」

雲龍「……何もないんですか」

加賀「ないわ。いいところだけれど」

Littorio「……よくわからないのでとりあえず北海道へ。
宿泊先は決まっていますしね」


< これ以上堕ちてゆくことを望むのか >






提督「無理ってわかってるけどさぁ」

天城「はい」

提督「高雄と愛宕連れて旅行に行きたい。
なんなら一日デートでもいい」

天城「行けばいいじゃないですか」

提督「本気で言ってる? 」

天城「……いえ」

提督「まぁね? ちょちょっと権力ってやつ使えばどうとでもなるよ? 」

天城「でもしないんでしょう? 」

提督「これでも軍人として、ね。高雄たちに嫌われるのも嫌だし」

天城「今更その程度で嫌われないでしょう」

提督「や、男と女ってね、些細な積み重ねで破綻するものなんだよ、天城ちゃん」

天城「……はぁ」

提督「……俺馬鹿だしクズだから。誰かに依存してないと死んじゃうし」

天城「…………そのときはいくらでも代わりがいるじゃないですか。姉様でも加賀さんでも。
明石さんでもLittorioさんでも……龍田さんとかでも」

提督「い、……、やそれはダメだろ」

天城「……………………今、誰で迷いました? 」

提督「」


< 彼女の声はどんな色を帯びていただろうか >






提督「……まぁ、いいや。じゃあ逆に俺が天城を欲しいって言ったらどうする?
高雄も愛宕も、皆俺を見放すか死んでしまったとして」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「……天城は…………あなたを拒めませんよ」

提督「……そうか」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………本当に、顔も性格も立場もいいのに」

提督「あぁ? 」

天城「……まったく。性根が腐っているというか。
これで本当のクズなら兎も角無駄にラインは守っていて」

提督「…………褒め言葉として受けと」

天城「馬鹿ですよね? 貶してるんですよ? 」

提督「……………………ごめんな」

天城「…………そこで謝るからあなたはっ……」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………ま、好きと嫌いは矛盾しませんよね、ええ」


ありがとうございました


< 帰れるのならば何を捧げてでも >






高雄「八月七日の誕生石はイエローアパタイト。
石言葉は“ 幼き心 ”、“ 優雅 ”、“ 個性 ”、そして“ 話し好き ”」

愛宕「童心に帰って、って言うじゃない」

高雄「ええ」

愛宕「わざわざ帰らなければならない心って何かしらね」

高雄「なんでもないことにはしゃぐとか」

愛宕「じゃああの人はいつも童心なの? 」

高雄「あれはただの馬鹿でしょう」

愛宕「ベッドではおっきな赤ちゃんだしねぇ……」

高雄「……幼い、というと違うような。……童心? 」

愛宕「童心」

高雄「…………なんのことでしょうね」

愛宕「まぁ、わざわざ帰りたいって気持ちが重要よね。
きっと帰ろうとしても帰れないから戻ろうとする人がいるのよ」


< さぁ、空へゆこう >






提督「ユキカゼっていいよな」

明石「え、雪風、ですか」

提督「そう、ユキカゼ」

明石「……ま、まぁ可愛らしいですよね、ええ」

提督「可愛らしい? んー、明石みたいな機械屋にはそう見えるのか」

明石「……は? 」

提督「……は? 」


< あなたさえいれば他は何も >






提督「俺の地元じゃあ今日が七夕だったな」

高雄「そういう地域があるとは聞きますね。月遅れ七夕」

提督「あぁ」

高雄「はい」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……でも七夕って何か食べるイベントでもないしな。
精々ミルク系の……シチューとかじゃねぇかな」

高雄「ここに張り付いていると食べ物くらいしか参加できませんものね」

提督「……七月は屋上で空だけ見た気がする」

高雄「…………私はそれで十分かと」

提督「……そうか」

高雄「はい」


< 着せるということはつまり >





提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……浴衣」

雲龍「え? 」

提督「お前浴衣じゃなかったじゃん。七月七日」

雲龍「持ってないもの」

提督「だろうね」

雲龍「…………」

提督「……金魚柄の浴衣、着てほしいな」

雲龍「あるの? 」

提督「あるの」

雲龍「…………夜、楽しみにしてて」

提督「おう」


< 黙らせる:言論(で)封殺 >





雲龍「あの人のミルキーウェ」

天城「姉様」

雲龍「ん? 」

天城「…………」

雲龍「……まぁ、そんなに出ないものね」

天城「……はぁ」

雲龍「でも私が最後まで耐えられたら……どれだけ出るのかしら」

明石「……会話の内容が酷過ぎませんか」

天城「……会話じゃないです。姉様が一方的にお話になっているだけで」

雲龍「酷いこと言うのね」

天城「…………」

明石「…………」

雲龍「……今日はきっと遊んでくれるから。七月は仕方ないけど八月くらいは、私も」


< 勝者として、というか >





提督「振り逃げってヤり逃げに似てない? 」

高雄「……そうですね」

提督「別に? 俺は? 逃げたことなんてないけど」

高雄「きいてませんよそんなこと」

提督「あ、そう」

高雄「この際だから言っておきますけれど」

提督「うん」

高雄「私はあなたの過去のパートナーにさして興味はありません。
私にとってあなたが最初で最後、それだけが重要だから」

提督「……そ、そうか」

高雄「…………気にならないと言えば嘘になりますけれど、ね」


< 困惑を通り越して驚愕の空気 >





高雄「今日の誕生花は黒種草。花言葉は“ 当惑 ”と“ 困惑 ”」

Littorio「Littorio、何故か餡子などもスムーズに食べられましたね」

高雄「ええ。こちらが当惑するくらいには順応が早かった」

Littorio「普通に美味しいと感じたのですけれど……Littorioが艦娘だから? 」

高雄「さぁ……私にだって好みはありますし天城さんはビールが苦手ですからね。あなたの個性というか」

Littorio「…………まぁ、ここの雰囲気に慣れたことに比べれば食事のことなど」

高雄「そうね」



< はつこひ >





愛宕「もちろんこの人」

高雄「同じく」

加賀「他に誰がいて? 」

雲龍「言うまでもなく」

天城「…………」

提督「…………幼稚園の先生。今でも顔と名前覚えてる」

明石「一人だけ生々しい……」

提督「そんなもんだ。生々しいっていうけど生きてるんだから当たり前だろ」

Littorio「…………そんなことより初恋は実らないという言葉をLittorioは……まぁ、二人実ってますけど」

明石「……他の人も実っているといえば実っていますしね」


< あれは何のCMだったか >





提督「今日のカクテルはマンゴヤンオレンジマティーニ。
カクテルワードは“ 心身共に磨かれた女性 ”、だ」

愛宕「もし私の鼻が少しだけ高かったら」

提督「別に」

愛宕「もし私の胸が少しだけちいさかったら」

提督「別に」

愛宕「もし私の身長が少しだけ低かったら」

提督「別に。結果は変わらず」

愛宕「変わらず? 」

提督「俺のモノだろ。多少の差があっても磨いたものは美しいさ」

愛宕「……そ」

提督「ま、俺は今のお前が一番好みだけど」

愛宕「…………そ。よかったわね」

提督「あぁ」


< バナナの日らしいので >





明石「バナナチップス? 」

加賀「ええ」

明石「美味しいですよね。沢山入っているのとかでもすぐなくなっちゃったり」

加賀「そうね」

明石「…………別に奪とらないですから。そんなパックを抱えなくても」

加賀「これに深い意味はないわ」

明石「…………」

加賀「…………」

明石「……あの、やっぱり少しだけ」

加賀「仕方ないわね」


< 無意識に溜め込んだものを >





提督「最近お前の品の無さが目立つと思うんだ」

雲龍「気の所為よ」

提督「そんなわけあるか」

雲龍「……だとしたらどうなの? 」

提督「ぶっちゃけ俺品の無い女ってあんまり好きじゃ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………そう。折角浴衣着たのに」

提督「……いや、まぁ限度がだな……そんな顔するなよ、な? 似合ってるし? 」

雲龍「……それならこのままで」

提督「はダメです」

雲龍「…………」

提督「…………勝負を、しようか」

雲龍「? 」

提督「……お前が俺を参らせたら……何でもしてやるよ。言動だって全部許してやる」

雲龍「……いいの? 」

提督「あぁ、だって俺負けねぇもん」

雲龍「…………そう」

提督「今夜は満足いくまで付き合ってやるよ」


< 恥ずかしいこと、いっぱい言わされたり >





明石「他人をノせるのが上手いですねぇ」

天城「まぁ、姉様もそれはわかっていてノっているのでしょうけれど」

明石「ノってもノらなくてもあまり変わりはないですしね」

天城「……あれでいっそ多少はしおらしくなるくらいいじめられれば」

明石「お、言いますね」

天城「あれでも本音ではないと思うのです、姉様は」

明石「はぁ」

天城「なんとなく舞い上がって自分を見失っているような……。
あの人や明石さんのような信頼できる人しかいないところにいるのは初めてのことですし」

明石「可愛い妹も」

天城「そうだと嬉しいですけれど…………きっと、明日から姉様、元に戻りますよ」

明石「……それってただの願望じゃあ」

天城「どうでしょうね……そこは私たちの提督様が事実にしてくれることを祈っておりますよ」


ありがとうございました


< 効果 >






提督「おはようございますお姉さん」

雲龍「ん…………おはようございますお兄さん」

提督「……や、楽しい夜でしたね」

雲龍「……途中から記憶が途切れ途切れなんだけれど」

提督「だって失神したりしてたし」

雲龍「……それでも続けたのね」

提督「失神から覚醒した後は雲龍も楽しそうだったし」

雲龍「楽しそう……? 」

提督「そう。あーんな顔して嬉々としてあんなこと口走ってる女が楽しくなかったとかどんな冗談だよ」

雲龍「…………言わないで。今になって恥ずかしくなってきたわ」

提督「ふん、これに懲りて多少は天城とかの話も聞いてやれ。
俺ならいつでも、とは言わないが相手はしてやる」

雲龍「……………………なんだかそれも恥ずかしいわ」


< バスルームからは水音が >






提督「…………卑猥な言葉より愛の言葉の方が恥ずかしいのか」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………ディープというかずれてるというか……」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「……ま、エロいからいいか。俺も楽しいし。…………でもこの浴衣は残念だけどもう使えないなぁ」


< 縮こまるというか >






天城「うっ……なにこのケダモノ臭さ」

提督「あっ……お邪魔してます? 」

天城「…………姉様はシャワー、ですか」

提督「そうですね」

天城「…………」

提督「……天城さんは昨日どちらで? 」

天城「加賀さんの部屋で寝させていただきました。
あなたと姉様が、そのそういうときは加賀さんか明石さんの部屋で」

提督「そうですか」

天城「…………なぜ敬語なのです」

提督「や、えーっと……姉と寝た後にその妹と会うというのはですね」

天城「…………天城は気にしませんよ。慣れましたし」

提督「そういう問題じゃないんですよね……」


< 救いってエロい? え、違うの? >





提督「つーかさ部屋戻ってくるの早くない? 」

天城「……着物に合わせる帯を間違えましたので。これでは着物の色と合わないでしょう? 」

提督「ん、まぁ」

天城「天城だってここに来たくはありませんでした」

提督「……悪いな」

天城「構いませんけど……臭いだけなんとかしてくれませんか」

提督「や、でも洗濯機は風呂側だし。まさかこのべっとべとの浴衣とシーツを共用に持ってくか? 」

天城「……一晩中、ですか」

提督「あぁ、寝てないし水分足りてないし頭痛い」

天城「…………救いようのない変態ですね」

提督「返す言葉もございません」

天城「……………………まぁ、救う価値もない間抜けよりはマシですけれど」


< 不満という程のものではないが >





Littorio「はふ……ご馳走様でした」

高雄「はい」

Littorio「高雄」

高雄「? 」

Littorio「今度Littorioの祖国のお料理、一緒にしましょうね」

高雄「ええ。楽しみにしておきます」





高雄「…………何か気に入らないことでもあったのでしょうか」

愛宕「うん? 」

高雄「いえ……そのうち私のパスタが地中海的になるかも、という話です」

愛宕「……うん? 」


< 確定、でいいのかな >






高雄「伊402、ですか」

愛宕「なんだかやけに最近見つかるわね」

高雄「技術の発達なのかそういう流れなのか」

明石「サルベージ技術はもちろん上がっているはずですけど……やっぱり探そうとしないと探せませんよ? 」

愛宕「今回はメディアが見つけたみたいだけど。ダイバーで十分見つかられるの? 」

高雄「引き揚げ、できるのでしょうか。
カタパルトが見えているかどうか、という状況なのでしょう? 」

明石「まぁ、場所は大まかに特定されてましたし。
……技術的には可能だろう、程度の話ですね。実際に引き揚げるかどうかは、さて」


< ぷんすか >






加賀「昨日は橘花が初飛行した日だったようね」

愛宕「ふーん……やっぱり興味あるんですか? そういうの」

加賀「人並よりは、という程度だけれど。
提督風に言えば浪漫やワクワクという程度の」

愛宕「なるほど? 私は砲とか機銃には興味湧かないんだけど……」

加賀「当たり前よ。飛行機と砲、隔絶した差があるわ」

愛宕「はぁ」

加賀「絶対に埋められない差が、ね。あるのよ、この世には」





天城「……まぁ、空母にとっての砲というのは……その程度でしょうね」

明石「何を他人事な。私にとってはどれも宝物ですし。ワクワクの塊ですし」

Littorio「…………パスタ砲などと呼ばれるよりは。なんですあれは」


< 黒とか水色とか赤とか、それからアルファベットもいいね >






提督「なんかテレビでフリルの付いた水着が人気だって言ってた」

愛宕「人気? 」

提督「ま、流行らせようランキングの一位」

愛宕「……でも別に悪くないじゃない? 」

提督「あれならワンピースタイプの方がいい。谷間を寄越せ谷間を。汗の滴る柔肌を見せなさい」

愛宕「どうせその後剥いちゃうのに」

提督「ビーチで跳ねてる女の子を見たいの。
それに自分の女見せびらかしたい」

愛宕「……そんな男ばかりだからフレアとかフリルが流行るんじゃ」

提督「高身長でもなかなか似合わないハイウェストもか? 」

愛宕「あれは……あれは別ね。最近はもうあんまり聞かないわ」

提督「別にスリングショットとか言わないしさ、普通でいいのよ。
たぷたぷしてどたぷーんしてくれればね」


< 好きであることに悔いはない >






高雄「八月八日の誕生石はダイヤモンド。
石言葉は“ 一途 ”、“ 情熱的 ”、そして“ 親分肌 ”」

愛宕「あの人自分のことを一途だって言ってたわ」

高雄「はっ、何を馬鹿な」

愛宕「ただ進みたい道が多過ぎるだけだって」

高雄「……一途? 」

愛宕「進んだ道は自分から戻ったり外れたりはしないんですって」

高雄「…………言語に挑戦でもする気なのかしら。意味がわからないのですが」

愛宕「なんとなく無意識にお前だけだからって言われた気がすると言ったらおめでたいかしら」

高雄「別に。そんなことはないと思うけれど。……きっと端から見れば私も十分以上におめでたい馬鹿女ですし」


< 焼肉臭い女の子とか嫌でしょう? >





提督「飴、飴」

天城「フルーツ系の飴好きですよね」

提督「え? まぁ、そうかな。意識したことないけど」

天城「大体いつもベリーだとかレモンなような……その飴どうするんです」

提督「車の飴入れに入れてくんの。定期的に入れ替えとかないと」

天城「飴入れ? 」

提督「別名灰皿とも言う」

天城「あぁ。……使わないんですか? 喫煙者なのに」

提督「車内は全面禁煙でな。小銭入れは必要ないし」

天城「はぁ」

提督「女の子の服に煙の臭い付いてるの嫌だからな」

天城「ですが喫煙する女性は」

提督「嫌いじゃないよ? キスしたときの感覚と服はまた別さ」


< きっぱりと >






雲龍「デブの日、らしいわ」

明石「はぁ。それって一体」

雲龍「大日本肥満者連盟が制定したとかなんとか」

明石「なんなのそれ……」

雲龍「肥満型こそ水着が似合うというのが彼らの主張だとか」

明石「えぇ……」

雲龍「ジョークとか自虐とかの類だと思うけれど……どうなのかしらね」

明石「うーん……」

雲龍「……これって私や明石も入れるのかしら」

明石「その全力で喧嘩売りにいくスタイルはなんなんです」

雲龍「でもスポーツだとかはプレイヤーなら誰でも登録できるじゃない。
いつか太る可能性があればいいと思うのだけれど」

明石「道理ですけど……入りたいんですか? 」

雲龍「いいえ、全く」


< 興味というか自己防衛というか >






高雄「今日の誕生花はピンクの日々草。花言葉は“ 甘い想い出 ”」

愛宕「どうだった? 」

雲龍「どう、とは」

愛宕「んもぉ……あれよあれ。激しくってよりはらぶらぶしてたでしょ? 」

雲龍「…………」

愛宕「甘い想いというよりは甘過ぎてくどい位かもしらないけどぉ」

高雄「……今度はこっちですか」

愛宕「……ふふ」

雲龍「…………初めてあなたたちが羨ましいと思ったわ。
二人いれば片方は少し休めるのよね」

高雄「それは……まぁ、よくわかります。どちらも経験していれば」

愛宕「私はどっちも好きだけどね~ 。高雄と遊ぶのも楽しいし」

高雄「…………よく考えると私の場合は敵が二人いるような」

雲龍「…………天城なら……いえ、でも明石なら……うーん」


< 無い、なんてことは言わない >





雲龍「……愛とは何色なのか」

加賀「頭でもぶつけたの? 」

雲龍「酷い……なんとなく、思っただけです」

加賀「あなたは間違いなくピンクでしょうね。紫も欲望の色と聞くわ」

雲龍「…………」

加賀「……つれないのね。ジョークに付き合ってくらないなんて」

雲龍「……愛を囁かれると、一日ぼんやりしてしまうんです」

加賀「……はぁ」

雲龍「…………」

加賀「……それはあなたが決めることよ。
あなたの大切なものを他人に決めさせてはいけないわ」

雲龍「…………はぁ」

加賀「……個人的な考えを言ってもいいのなら」

雲龍「はい」

加賀「愛とは見えないものよ。信じた色であるかもしれないし、そうではないかもしれない。
もしかすると色なんてないかもしれない。
それでも信じていれば愛はあると、そう思えるの」

雲龍「……詩人ですね、加賀さん」

加賀「あなたに当てられてしまったのかも。……なんにせよ、愛に囚われているのは私も同じということよ」


< 生かされていれば >






提督「今日のカクテルはアンダルシア。
カクテルワードは“ 自分の才能を磨き続ける実践者 ”、だ」

明石「まぁ、才能って磨くのも大事ですけどまず見つけないと話になりませんよね」

提督「そうだな」

明石「提督は自分の中での才能ってどんなものだと思います?
それはいつ頃自覚しました? 」

提督「才能? えーっと……」

明石「女の子関係のは無しで」

提督「や、最初から考えてねぇよ……一つのこと続けてても苦じゃないとことかじゃない」

明石「というと? 」

提督「化学とか筋トレとか。大して好きでもないことを続けていてもストレスも感じたことはないからな。
小学生のときに苦手な英語を無理矢理続けようとしたら割と簡単に克服できたときに気付いたぞ」

明石「なるほど」

提督「おう」

明石「……本当まともですよね。どうしてその性格がもう少し反映されなかったのか」

提督「そりゃ……天性のものと努力で形成されたものは違うからな」

明石「天性の才能で形成したんじゃ…………でも磨き続けただけマシなんですかねぇ」


< クマー >





提督「球磨焼酎の日らしいので」

愛宕「球磨? 」

提督「球磨。熊本だぞ」

愛宕「それはさすがに知ってるわよぉ」

提督「どんなものかよくわからなかったからとりあえず目ぼしいのを幾つか集めた」

加賀「私たちが飲んで次に生かすのね? 」

提督「や、暫く買わない予定だったんだが……まぁ、気に入ったのがあったら言え」

Littorio「これは鳥飼と読むの? 愉快なパッケージね」

高雄「愉快? 愉快……愉快ね。Littorioのセンスがよくわかりません」

天城「ふふ……美味しい」

雲龍「するめ、はい」

明石「あ、どうも。……当基地は本日も平和です、っと」


ありがとうございました


< 時々起こして怒られる >





提督「ふぁ……ねむ」

高雄「猛暑なんてものともしない熟睡っぷりでしたね」

提督「寝付いてしまえばな。寝付きはあんまりよくない方なんだが」

愛宕「だから手慰みに身体弄ったりするの? 」

提督「え? や……うーん……そうか、な? 」

高雄「……起きたときに妙に服が乱れたりしているのは」

愛宕「ふふっ、それでも起きない高雄もなかなか」

高雄「…………」

提督「…………ねむねむ。ヤってから疲れて寝ないと眠りが深くないからなぁ」


< 危険な恋ならいくらでも >





提督「今日は長崎の方か」

高雄「そうですね」

提督「……何も言えねぇ」

高雄「何か言う必要などそもそもありません」

提督「そうだが」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「……ある意味で」

提督「あ? 」

高雄「核などより余程扱いにくく危険ですよ、私たちは」

提督「……俺はそう思わないが。まぁ……そういうことにしといてやる」


< 天城さんと飲むのも楽しいけれど >





提督「……千歳おねぇと飲みたい」

天城「…………」

提督「千歳おねぇと飲んで耳元で“ あはっ ”って囁いてほしい。“ うふっ ”でもいいや」

天城「……何故二度言ったのです。気持ち悪い」

提督「おふぅ……や、千歳姉妹って結構面白いんだよ。洋酒はあんまり飲まないけど」

天城「はぁ」

提督「それにまぁ……なんだ」

天城「? 」

提督「……恋愛感情絡まないからな。純粋に大人として飲める相手は貴重なんだ」

天城「……発言がクズ過ぎる」

提督「知ってるだろ? 」

天城「それでもですね…………あれ、ということはここでの全員のことをそのように思って」

提督「……………………ノーコメント」


< 純粋な興味を >





高雄「八月九日の誕生石はゴールドルチルクォーツ。
石言葉は“ 純粋 ”、“ 直感 ”、“ 無邪気 ”、そして“ センス ”」

愛宕「やっと明日から演習ね」

高雄「そうね。基地のバックアップまで派遣される程大規模なものは久し振りの」

愛宕「加賀さんの上申だったはずだけれど……そうでもなくなった? 」

高雄「帝都と横須賀の都合に合致したような感じね」

愛宕「ふーん……バックアップって誰? 」

高雄「さぁ……あの人は知っているでしょうけれど一応軍機ですし」

愛宕「そ」

高雄「それに自分の演習とその後の作戦で手一杯なので。
こちらのことを考える程の余裕は」

愛宕「そうねぇ……ま、あの人なら上手くやるでしょうけど」


< 好意を向ける方法は >





高雄「今日の誕生花はチョウセンアサガオ。
花言葉は“ 愛嬌 ”と“ 偽りの魅力 ”」

雲龍「媚びみたいな汚れた愛嬌は偽りってことね」

高雄「まぁ……そうでしょうか」

雲龍「……他人への文句じゃないわよ? 自己嫌悪みたいなもの」

高雄「媚びを売っているところなんて見たことありませんけど」

雲龍「しないようにしてるの。気を抜いたらしてしまいそうだから」

高雄「はぁ」

雲龍「……取り入って愛してもらいたくなってしまうことがあるから。
でもそれだけはやってはいけないと思うから」

高雄「……なるほど」

雲龍「…………取り入れるものなら取り入るけれど。それをしてしまえば嫌われてしまう」

高雄「…………」

雲龍「……それに、取り入れてしまえるなら。
こんなにも焦がれることはきっと無かったはず」

高雄「…………」

雲龍「……………………はぁ」


< キャンディKiss >





愛宕「んっ……だめ」

提督「夕食前に少しだけ、ね」

愛宕「少しで終、るの? 」

提督「それは愛宕ちゃん次第」

愛宕「や……終わらせる気あるのかしらぁ? 」

提督「ん……」

愛宕「ん……ゅる……っ…………ちゅ……」

提督「…………っん」

愛宕「…………珍しいわね、グレープ? 」

提督「……たまにはこんなキスの味もいいだろう? 」


< こんなにも弱い私を許してください >





明石「高雄さんよりも愛宕さんの方がお魚食べるの上手いですよね」

高雄「……それを私に言いますか」

明石「や、ある意味では褒めてるつもりなんですよ?
それくらい高雄さんって色々なことできるじゃないですか」

高雄「実際は愛宕と殆ど変わらないスペックですけどね」

明石「二人とも出来過ぎますから。
お料理も執務補佐も戦闘も、それから夜戦も」

高雄「それは……やけに褒めますね」

明石「別に深い意味はありません。単に……羨ましいな、と」

高雄「はぁ」

明石「……私は、私は殆ど役に立ちませんから。皆さんと肩を並べることができればいいのに」

高雄「…………」

明石「…………」

高雄「…………あなたがいればこそ。無茶なこともできるのですよ」

明石「それは十分以上の余剰であって戦闘における十分条件では」

高雄「…………それがなんです。私も、愛宕も、あの人も。
あなたとともにあることを誇りに思っていますよ」

明石「……………………私、カッコ悪いですね。こんなこと言えばそう言ってくださるのは分かり切っているのに」

高雄「そんな関係、私は信頼している方としかつくれませんよ」

明石「っ…………」

高雄「…………」

明石「…………」

高雄「……ふふ、お酒でも出しましょうか。そろそろそんなお時間ですよ」


< ディジェスティフ重点 >





Littorio「アペリティフ、なんて考えないのでしょうね」

高雄「あの人がそうですから。上がそうであれば自然とそのように」

Littorio「まぁ、ベルモットやマデイラも頼めばいただけるでしょうけど」

高雄「それにアペリティフって食欲を増進させるためのものでしょう? 」

Littorio「ええ」

高雄「……増進させる必要あると思います? 」



加賀「デザートは別腹、お酒も別腹、なんなら前菜や主菜も全て別ね」

天城「……加賀さんは牛か何かですか。反芻でもするんです? 」

提督「……ゲロ女は勘弁だぞ」



Littorio「……いらない、ですね」

高雄「ええ」


< 冷とか小まめに飲もうね >





明石「ちくわってすげーよな」

天城「はぁ」

明石「だって最後まで胡瓜たっぷりだもん」

天城「チーズもありますよ」

明石「あ、どうも」

天城「……そのテンションはなんです」

明石「え? トッポをご存知ない」

天城「や、知っていますけれど。そういうわけでは」

明石「ほらぁ……ちくわゲーム、しましょ? 」

天城「会話が成り立……あか、明石さっ、酔ってるぅ……天城はちくわじゃなくてお酒だけでいいんですってばぁ」

明石「ふふ……口移しでもします? 」


< 楊貴妃が好んだとか聞く >





提督「今日のカクテルはベルエール。
カクテルワードは“ 周囲の人を活気付ける豊かな人 ”、だ」

愛宕「あっちで活気溢れてるわね」

提督「明石は何をやってるんだ……百合? 百合なのあれは」

愛宕「天城は迷惑そうだけれどね~ 」

提督「そりゃちくわ咥えた女が迫ってきたら誰でも嫌だよ」

愛宕「そうねぇ……んー」

提督「それ茘枝。棒状ですら……ったく」

愛宕「うふっ……ん、はぁっ……ゅる……」


< どういった経緯だろうか >





加賀「……耳の形、綺麗ね」

雲龍「そう、ですか? 」

加賀「ええ。……それにこの耳かき、可愛らしいわ」

雲龍「天城に、貰ったんです」

加賀「……そう」

雲龍「…………」

加賀「…………」

雲龍「…………」

加賀「……終わったわ」

雲龍「……ありがとう、ございます」

加賀「…………ふうっ」

雲龍「っ! 」





Littorio「…………よく飲酒しながらあんなことできますね」

高雄「でも加賀さんですし……強いて言えば飲酒中に耳かきをしてあげてるところは酔っている証拠かもしれませんが」


< スーパーとかだと隣同士で売ってたり >





Littorio「茘枝酒美味しいですね」

高雄「そうね」

Littorio「……漢字って難しい」

高雄「茘枝なんて普通見ませんよ。こちらの人間でも読めなくて不思議はないわ」

Littorio「でも高雄は読めるでしょう? 」

高雄「まぁ……私はあの人とそれなりにいますから。
お酒の銘柄って結構難しい漢字も使うのよ」

Littorio「Littorioもお酒の名前くらいは読めるようになりたいの」

高雄「そう……お酒の銘柄なんてあまり日常で使えないと思うけれど」

Littorio「Littorioにとっての日常はここが基準ですよ? 」

高雄「あぁ……それならば大活躍でしょうね、きっと」

Littorio「ええ。……杏子酒もいいですね。なぜキョウコじゃないのかはわかりませんけれど」


ハグの日だったような……

ありがとうございました


< ヨーソロー♪ >





提督「じゃ、よろしく」

愛宕「承りましたー」

提督「適当な……会敵可能性が低くてもだな」

加賀「索敵は私に万事お任せを」

提督「む……頼む」

雲龍「私にも」

天城「天城もいます」

提督「……そうか」

高雄「……愛宕のカバーは私に」

愛宕「ちょっとぉ。一応旗艦は私なんですけどぉ? 」

提督「…………Littorioと明石の護衛最優先な。特に観戦武官を安全海域でロストとか洒落にならない」

愛宕「ねーえー? 」

高雄「了解です」

提督「…………ま、何事もないだろうが。
精々合流地点の艦に到着するまで怠るなよ」

高雄「しかと、承りました」

愛宕「もうっ、失礼しちゃう」


< さて、それからすぐのこと >





提督「と、いうわけだ」

叢雲「なにが“ と、いうわけだ ”、よ。そんなので話が伝わると思ってるの? 」

漣「まぁまぁ。考えは割とまともな割に性格と話し方は適当なのは昔からですもんね? 」

提督「俺がそれに同意するわけないだろ」

叢雲「ま、とりあえず私と漣しかいないのは分かったわ」

漣「そんなの来たときから分かってましたけどね」

叢雲「でもどうせ私たちは演習と作戦のバックアップだし。執務は当然あんたが全部するのよね? 」

提督「えっ」

漣「えっ」

叢雲「……はぁ? 」


< 蒼い足跡を残すべき日なのかもしれない >





提督「八月十日の誕生石はアイオライト。
石言葉は“ 純粋 ”、“ 優雅 ”、“ 優しさ ”、で“ 女性的 ”だってよ」

漣「唐突ですねぇ、ご主人様」

叢雲「なんで始末付けられる書類を放り出すのよ……」

提督「休憩だよ。叢雲もファイリングとか疲れただろ? 」

叢雲「こんなんで疲れるわけないじゃない」

漣「漣は疲れましたよ? テレビ付けていいですか? 」

提督「いいぞ」

叢雲「……はぁ」

提督「普段からこうなんだ。高雄ですら諦めたんだから叢雲も、な? 」

叢雲「……仕方、ないわね。でも夕食までには終わらせるのよ? 突然のアクシデントがあるかもしれないのだし」

提督「母親みたいだなおい」

叢雲「母親ァ? 単に私の夕食が遅くなるのが嫌なのよッ! 」

漣「…………食事くらい別にすればいいのに。
一緒に食べたいと思ってるあたり叢雲ちゃんも素直じゃ……はいはーい、睨まない睨まない」


< それでも最後までいてくれるという安心が >





提督「続いてだな」

叢雲「ねぇ、あんたまともに執務進める気ないの? 全ッ然進んでないじゃない」

提督「この後この後」

叢雲「……はぁ。よくこれで少将まで昇れるわね。この国大丈夫なのかしら」

提督「今日の誕生花は」

叢雲「聞いてないし。……男って馬鹿ね、やっぱり」

提督「あ? そりゃ馬鹿だよ。俺が言うんだから間違いない」

漣「最高のサンプルが近くにいますしねー」

叢雲「…………でもこんな男を助けなきゃいけないと思う女、ううん私が一番馬鹿なのよね。嫌になるわ」


< マイナスの信頼というものもある >





愛宕「ねぇ」

高雄「なに? 」

愛宕「そういえばなにも食事置いてこなかったけど大丈夫かしら」

高雄「あっ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「……まぁ、死にはしないでしょうけど」

高雄「……あの人よりもバックアップの方が心配ですね。料理のできる方だといいのですが」

愛宕「そうね」

高雄「……しかし、つまみとお酒だけで生きていける人ですからね。毎食炒飯とかしかねません」

愛宕「そこは派遣された人に期待ね」


< 本人が成長と思わなければ >





提督「つーか言いたいことなら俺にもあるぞ」

叢雲「なによ」

提督「……お前そんなにモコモコしてた? 」

叢雲「モコモコってあんたねぇ……」

提督「や、俺は今の方が好きだぜ? 大人になったな」

叢雲「っ……艦娘は成長しない。精神と結びついてなにか急速な変化はあるにせよね」

提督「変化って成長じゃねぇの」

叢雲「…………目おかしいんじゃないの? それとも頭? 」

提督「そんなことはないと思うが。今も昔も同じくらい可愛い見えてる」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………あっそ」

提督「あぁ」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………まぁ、太腿とかこんなエロかったかなとかね。ちなみに俺はロリコンじゃないぞ? 」

叢雲「…………馬鹿というよりただの変態じゃない。私は兎も角あんたは全く成長してないわ」

提督「あとさ、タイツ、暑くないか? 」


< 茶化さなければならない程度には嬉しく >





提督「改めまして今日の誕生花は木槿。
花言葉は“ 新しい美 ”と“ 繊細美 ”、だ」

漣「あれで叢雲ちゃんも嬉しいと思いますよ? ご主人様のこと気に入ってますし」

提督「そうか」

漣「はい」

提督「……半年前までシーレーンのためにあっちにいたんだろ? 」

漣「ですね。いやぁ、ネットが思うように使えなくて困りましたよ~ 」

提督「あ、そう」

漣「やん、つれない。……ご主人様がドイツに行ってからも何度か本土には帰って来てますけど」

提督「あぁ」

漣「叢雲ちゃんが新しいお洒落のために服を楽しそうに買ったのなんて漣初めて見ました」

提督「…………」

漣「並の女の子くらいのお洒落ならいつもですけど……気合入れてましたよ? 」

提督「…………お前もだろ? 」

漣「どーでしょーね。ま、漣も久し振りに会えて嬉しいですよ、ご主人様? 」

提督「そうか。俺も嬉しいよ、漣に会えて。昔を、思い出す」

漣「…………」

提督「…………」

漣「昔?……あっ、それは漣がBBAになったと遠回しに」

提督「そんなわけ」


< 書類に麦茶が >





漣「土下座でもします? 」

提督「あのさ、誰が女の子の土下座なんて見たいんだよ。
少なくとも俺にそんな特殊な趣味はない」

漣「いえ、土下座をするのはもちろんご主人様です」

提督「はぁ? 」

漣「…………」

提督「…………」

漣「でもご主人様じゃないですか、零したの」

提督「いや、表面張力とか言って巫山戯てたお前が悪い」

提督「…………」

漣「…………」

提督「……お前はどっちが悪いと思う? 叢雲」

叢雲「両方に決まってるじゃない。馬ッ鹿じゃないのあんたたち」

漣「デスヨネー……」

叢雲「さっさとその書類どうにかしてきなさい。デスクは私が綺麗にしておくから」

提督「へい」


< 麻婆を不味くつくるの難しいと思う >





叢雲「美味しくないわね。不味くもないけど」

提督「お前が昼と夜炒飯は嫌だって言うから」

叢雲「当たり前じゃない。どこの誰がそんなもの好んで食べるのよ」

提督「学生とか」

叢雲「誰が例を出せと言ったのよ。……そもそも麻婆豆腐ってどうなのよ。この暑い中」

提督「この世の中には暑気払いというものが」

叢雲「……埒明かないわね。とりあえず明日の朝は私がつくるわ」

漣「あ、じゃあ漣はカリカリのベーコンと玉子が食べたい! 」

提督「いいね! 叢雲のご飯美味しいし」

叢雲「……し、仕方ないわね。明日だけよ、明日だけ」


< 酌婦というと品がないか >





提督「今日のカクテルはボールパーク。
カクテルワードは“ 夢を求め人生を駆け上がる期待の星 ”、だ」

漣「相変わらず身体に悪そうな生活ですね」

提督「仕方ない。酒と女の子の無い生活は考えられないからな」

漣「あぁ、漣もそう思います」

提督「そう? 」

漣「女の子とお酒飲んでヤニ下がってないご主人様とか考えられませんもん」

提督「……ヤニ下がるとか女の子が言うんじゃねぇよ。つーか別にそんな」

叢雲「…………」

提督「…………なんだよ」

叢雲「……別に」



ありがとうございました


< この後滅茶苦茶手伝わされた >





漣「…………ん……もう朝? 」

叢雲「まだ寝てていいわよ」

漣「そ、う……ふぁ…………でも叢雲ちゃんは着替えてる」

叢雲「朝食つくらないといけないでしょ? 」

漣「あぁ……約束、してたもんね」

叢雲「ええ」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………ここへの派遣、よかったね」

叢雲「…………」

漣「…………本当は暫く横須賀で休暇にもできたのに。わざわざ願い出て」

叢雲「……別に。どうせここでも休暇みたいなものでしょ。あんたこそ私に着いてこなくても」

漣「漣は叢雲ちゃんと一緒がよかったからいいの。……こんな朝早くから朝食の用意があるのに? 休暇? 」

叢雲「…………漣の朝食は無し、と」

漣「ひっどーい……それはないですよ奥さーんっ」

叢雲「誰が奥さんよ、誰が」


< そして愉快な朝食 >





提督「相変わらず美味いな」

叢雲「……そう」

提督「や、本当だぜ? 」

叢雲「当然でしょ? 私がつくったものが美味しくないなんてことないわ」

漣「自信ありますねー」

叢雲「自信というか……まともにつくれないなら最初からつくるなんて言わないわよ」

漣「ご主人様にゲロマズなんて思われたくないですもんね」

叢雲「はぁ? そんなこ……そうね」

漣「お? 」

提督「お? 」

叢雲「変な意味じゃなくて。あんたにそんなこと言われたら情けなさ過ぎて凹むから」

提督「あ、そう……思っても言わねぇけど? 」

叢雲「私、憐れまれるのはもっと嫌なの。知らなかった? 」


< 影、日向に >





提督「叢雲」

叢雲「なによ」

提督「君には休憩中の誕生石、誕生花の発表代理を任せる」

叢雲「はぁ? そんなのあんたが勝手にやりなさいよ」

提督「……」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「……なによ」

提督「……いや、漣に頼もうかと」

叢雲「……そ、そうしなさい」

提督「…………やっぱりやってくれない? 」

叢雲「……………………仕方ないわね、ええ、仕方ない、から私がしてあげるわ」





漣「…………別に漣でも……ま、最初に話がいくのが大抵叢雲ちゃんだとしても漣は待ってますよー」


< 素直ではないという素直 >





叢雲「……八月十一日の誕生石はイエローサファイヤ。
石言葉は“ 素直 ”、“ 純粋 ”、“ 穏やか ”、“ マイペース ”」

提督「おう」

漣「なるほどー」

叢雲「……で? 発表してやったわよ」

提督「ありがとう。高雄のいない間は頼むな」

叢雲「いいけど……発表したからなんだってわけ? 」

提督「別に。日課というかなんというかお話しようぜっていう」

叢雲「そ」

提督「あぁ」

漣「マイペースですねぇ……穏やかなのはいいことですけど」


< 出発から一夜明け >





龍田「あらぁ、お久し振り~ 」

愛宕「そうねぇ。あの人が横須賀から異動して以来? 」

龍田「あの人? 」

愛宕「あの人」

龍田「……相変わらずべったべたなのね~ 」

愛宕「そりゃあもう」

龍田「…………」

愛宕「…………」

龍田「…………うふふ」

愛宕「…………ふふ」





時雨「……井戸端会議みたいだ、とか言える雰囲気じゃないね」

浜風「天龍さんと高雄さんは和やかなのに」


< 恩師、というかなんというか >





提督「今日は山の日か」

漣「と言っても来年からですけどね」

提督「つーか俺にとっては祝日とか関係ないし」

叢雲「関係なく弛んでいるものね」

提督「はーん? 」

叢雲「文句あるの? 本当のことじゃない」

提督「叢雲ちゃんは俺の筋肉見たことあるんですかぁ? 」

叢雲「あるわよ。さっきまでトレーニング見てたんだから」

漣「ご主人様、麦茶なくなってます。お注ぎしますねー」

叢雲「筋肉とかなんとかよりさっさと書類を片付けなさいよね。
これじゃあ書類が山の日じゃない」

提督「……へーい。あとさんきゅー」

漣「どうぞ……どうも叢雲ちゃんには勝てませんねぇ、ご主人様」


< ちょっとだけメシマズー…… >





叢雲「今日の誕生花は紅花。花言葉は“ 装い ”、“ 化粧 ”、“ 特別な人 ”、よ」

漣「新作のチークを試してみたいんですよね」

提督「うん? いいんじゃないの」

漣「ただですね、こう……先立つ物が」

提督「嘘つけ。その辺のリーマンより貰ってるだろ」

漣「や、実は叢雲ちゃんにお金貸してるんですよぉ~ 」

提督「はぁ? 」

叢雲「…………」

漣「…………」

提督「ほら見ろ、嘘じゃねぇか」

漣「まぁ、嘘なんですけどね。…………でもどこでそれ判断したのか漣すっごい気になります、ええ」


< 最後はどんな顔をしていたでしょうか? >





提督「んあ? 」

漣「んあー? 」

提督「なんだ? ……正式に要港部になるんだってよ」

漣「この基地が? 」

提督「この基地が」

漣「よかったじゃないですか。昇進ですよ、昇進」

提督「……人数増えるのはいいけど責任も増えるからなぁ」

漣「今だってそれなりに重いんですから。で、誰が来るんです」

提督「……新人、だろうね」

漣「へぇ……? 」

提督「なーんか嫌な感じだなぁ。サルベージが成功するかもわからないやつをってのは。
取らぬ狸の皮算用、な気もする」

漣「でも女の子が増える可能性ですよ? 」

提督「…………そうか。そうだな、うん」


< 染み入るように、認めたくない言葉 >





明石「当然ですけどお酒はでませんね」

山城「そんなのは当然でしょう。演習と作戦行動の前なのよ? 」

明石「や、そうなんですけどね。あっちだと酒断ちなんてことはまったくないので」

山城「……明石、あなたまであの男の考え方に染まっているのね」

明石「まぁ……そう言われても仕方ないですねぇ」

山城「……嫌じゃないの? 」

明石「別に」

山城「…………なんでよ。あの男のどこがそんなに」

明石「……山城さんと同じですよ」

山城「……は? 」

明石「単に私や高雄さんや、他の人たちは山城さんが嫌うあの人の部分を許せるだけです」

山城「…………」

明石「……誰かに好かれる部分なんて、そんなに変わらないんですよ、見る側が何人いてもね」


< 伊艦によるマフィア講座はお休み >





提督「今日のカクテルはアルカポネ。
カクテルワードは“ 自然や植物を育て喜びを知る清らかな人 ”、だ」

叢雲「ねぇ、禁酒法って知ってる? 」

提督「もちろん。厳しく取り締まるとかえって危険なことも」

叢雲「……アルカポネ、ね」

提督「結構新しいカクテルだけどな。この国でできた新カクテル」

叢雲「もっと甘い方が好きね、私は」

提督「そうか。オレンジジュースでもいれようか? 」

叢雲「なんでも。あんたが私にくれるものなら間違いないわ」

提督「……褒めるね」

叢雲「…………酔ってるのよ」

提督「……そっか」


< ラモスジンフィズは感謝を表す >






叢雲「これは? 」

提督「それは飲んでから」

叢雲「……ん……甘い、けど甘過ぎない」

提督「結構いいだろ? ジンベースだけどシロップとかレモンをシェイクしててな。
五分もシェイクするだけの価値はあるはずだ」

叢雲「そう……美味しいわ、さすがねバーテンダー」

提督「それはどうも。光栄ですよ、お嬢様」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「……感謝、してるんだ。俺が今の俺であれるのは叢雲がいたからだし」

叢雲「感謝なんていらないわよ。私は私がしたいことをしただけ」

提督「本当にお前は……いい女だな。どうして一人なんだ? 」

叢雲「ばか。……あんたがいたからじゃない」

提督「…………」

叢雲「……………………ばか」


ありがとうございました


< 朝、一人独白 >





叢雲「ん…………まぁまぁ、か」

叢雲「…………」

叢雲「…………」

叢雲「…………」

叢雲「…………」

叢雲「……食材は豊富で整理済み。出汁も各種取り揃え。やるわね。さすが高雄さんと愛宕さん」

叢雲「…………」

叢雲「…………」

叢雲「…………」

叢雲「…………」

叢雲「…………他人のキッチンってのも悪くは……こんな状況が嬉しいわけじゃないけど? 」


< 心は既にストール中 >





加賀「御巣鷹の日だから、というわけではないけれど」

雲龍「…………」

天城「…………」

加賀「……フラッターなんてもの、すすんで見たくはないでしょう? 」

雲龍「……当然」

天城「…………」

加賀「…………」

雲龍「…………でも、暑い」

加賀「……我慢なさい。私たちが装備の整備確認をすることが私たちの先を拓くのよ」

天城「そうですよ、姉様」


< 対極にある存在 >





叢雲「八月十二日の誕生石はコンシャアゲート。
石言葉は“ 一途 ”、“ 行動力 ”、“ 思いやり ”、ね」

漣「一途であることって良く思われますけど」

提督「あぁ」

漣「それって一途な方が辛いからですよね。
辛いことを我慢している人を悪く言うわけにはいかないから」

叢雲「……それは穿ち過ぎよ。他人っていうのは耐えているところだけを見ているだけじゃないし」

漣「し? 」

叢雲「いくら努力や忍耐が美徳でも絶対に叶いそうもないことへのそれは、嘲笑の対象よ」

漣「……そう。そう言われると漣には、なにも言えないけど」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「……で、ご主人様はどう思います? 」

提督「え? 俺? や……一途っていいことだね、うん」


< ヒモ適性有り >





叢雲「今日の誕生花は夾竹桃。花言葉は“ 信用を大切に ”と“ 恵まれた人 ”、よ」

漣「まさにご主人様に相応しいお花ですね。どんなお花なんです? 」

叢雲「夾竹桃はこの国原産のものとヨーロッパ原産、パキスタン原産と幾つか種類があるわ」

漣「ふむふむ」

叢雲「基本的には赤や白の花を咲かせる花木ね。
大気汚染だとかに強いから街路樹にも使われたりしてる」

漣「へぇ……」

提督「やるな」

叢雲「いい機会だから自分がいかに恵まれているかを自覚なさい」

提督「してるよ。してないとこんなに甘えられない」

叢雲「…………」

漣「……それを意識して言うあたり悪い人ですよねぇ、ご主人様」

提督「ん? 」

漣「…………その笑い方、魅力的なクズを体現してると思ったり思わなかったり」


< 外に吸殻がね >





提督「んー……」

漣「あのあの」

提督「んー? 」

漣「飴、好きですよね。あっちでも大抵舐めてましたけど」

提督「まぁ……そうかな」

漣「それってもしかして煙草の代わりですか? 口寂しいみたいな」

提督「え……」

漣「……? 」

提督「考えたことなかったなぁ……でも飴好きになったのって吸い始めた時期と被るかもしれない」

漣「なるほど? まぁ、漣は喫煙中のご主人様見たことありませんけど」

提督「ん? だよな。あっちでお前らといるときに吸った覚えは……」

漣「…………別に漁ったわけじゃありませんよ? 漣もそこまで堕ちてはいません」

提督「や、そんなの疑ってないって」


< 感謝感激雨あられ >





漣「冷麦、ですか」

提督「おう。冷麦だぞ」

漣「まぁ、夏なんてこんなものだしあまり重いものなのも嫌ですけどね」

提督「俺がまともにつくれるのは薬味程度だからな。茹でるだけの冷麦はいいぞ! 」

漣「自慢できねぇ……ダメ男過ぎますよそれ」

叢雲「……一応幾つか小皿はつくっておいたわよ」

提督「マジ? やったぜ」

漣「やったー! 適当過ぎる夕食からの解放だー! 」

叢雲「大袈裟な……そんなに言うならたまには漣もなんかつくりなさいよね」


< 反撃の巨……巨……乳? >





加賀「よく考えればSN作戦に私がいるというのも因果というか」

愛宕「私や高雄は……雪辱戦? 」

高雄「そう考えることもできないことはないですね」

雲龍「……入れない会話」

天城「仕方ないです。天城たちはあくまで天城たち。旧艦艇とは違いますけれど」

Littorio「…………Littorioたちも大概蚊帳の外ですよね」

明石「まぁ、Littorioさんはそもそも別の……私、というか工作艦だってこんなところには」

時雨「今がどうとか前がどうとかナンセンスだね。目の前にいる敵を陥とす。それだけさ」

浜風「……そうだね。そう……なんだけど時雨が言うのもなにか違うような」


< 死に場所は、遥か遠く、平穏に >





愛宕「ねぇ」

高雄「なに? 」

愛宕「もしこの作戦で私たちが沈んだとして」

高雄「ええ」

愛宕「あの人はどうするのかしら」

高雄「……さて」

愛宕「一時悲しんで別のパートナーを探す? それとも愛に殉じる? 」

高雄「私としてはそのまま特に変化もなく生きてほしいですが」

愛宕「そ」

高雄「……それより作戦前にあまり愉快じゃないことを言うのは」

愛宕「だって沈まないもの。これは単に女二人の他愛もないお話」

高雄「……そう」

愛宕「ええ、そろそろ寝ましょうか。……明日からは未来を掴む戦いが始まるんだから」

高雄「……遅参は許されず、早駆けは法度。決められた刻、定められた場所で、ね」

愛宕「……私はまだやり残したことが沢山あるもの。絶対に、笑顔で帰って見せるわ」

高雄「あの人以外の指揮下で墜ちることはしたくないものです」


< あとはフライトシミュレータとか >






提督「FS」

漣「ファミリーソフト? 」

叢雲「フランス領南方海域? 」

提督「いや、どう考えてもフィギュアスケートだろ。知名度的に」

漣「そんなこと言われても」

叢雲「ノッてあげただけで本来ならFS作戦よね。フィジー・サモア」

提督「そうだけども。せめて我が北海道の野球チームの略称とか言っ」

漣「あ、それはいいです。なんかつまらなさそうなんで」

提督「えぇ……お前もかよ漣ィ」


< あたたかい心、という果物言葉 >





提督「デザートは黄金桃だぜ」

漣「いぇーい」

叢雲「無駄にカットと盛り付け上手いわね」

提督「まぁ、一人暮らしの学生でもフルーツは食べるし。
フルーツ好きなんだよね、俺」

叢雲「……そう」

漣「はーい、ご主人様あーん」

提督「あーん」

叢雲「好きね、そういうの。私の前ではやってほしくないけど」

提督「ん? はい、あーん」

叢雲「っ……イヤ」

提督「んー? 」

叢雲「……だから」

漣「叢雲ちゃん、あーん」

提督「あ? 俺が先だぞ漣」

漣「先とか後とか関係ないですー。叢雲ちゃんが選ぶんですー」

提督「あぁ? 」

漣「はいー? 」

叢雲「何やってんのよ、本当馬ッ鹿みたい」

提督「大体叢雲とは俺の方がだな」

漣「はい? 漣の方が長い付き合いでですね」

叢雲「……………………でも、悪くないわ、ええ……悪く、ない」


< 夢、とは思わぬ近さに >





叢雲「…………」

漣「ほーら、ご主人様、おしぼりでつくったヒヨコさんですよー」

提督「あ? 俺なんてほら便器つくったぞー」

漣「ははははは、ここで下ネタとかやりますねー」

提督「まぁな」

叢雲「なにが“ まぁな ”よ」

漣「叢雲ちゃんは兎ですか。やりますねー」

叢雲「戯れよ。大して上手くもないわ」

提督「や、それすげぇな。つくり方おしえてくれ」

漣「漣も知りたーい」

叢雲「……仕方ないわね。とりあえずまずは耳は最後でーー」


< ま、然程酔っているというわけでもない >





提督「今日のカクテルはヴァイオレットギムレット。
カクテルワードは“ 何事も楽しめるセンスの塊の自由人 ”、だ」

漣「昨日は叢雲ちゃんと飲んでたんです? 」

提督「まぁな」

漣「それでその後は? 」

提督「何も。さすがに俺から手出したりしねぇよ」

漣「本当に? 」

提督「あぁ。俺と叢雲の過ごした時間全てに賭けて」

漣「……それガチなやつじゃないですかー」

提督「ガチだからな。クズにも倫理観とかボーダーはあるんだよ」

漣「…………叢雲ちゃんや漣が迫っても、ですか? 」

提督「さてね。据え膳食わぬは、は座右の銘だが……試してみるか? 」

漣「いえ……漣の心は弱いですから。そんな無駄なことはしません」

提督「そう? 」

漣「それに……わたしはあなたと」

提督「口調」

漣「おっと……漣はご主人様とお話したり遊ぶだけで十分に幸せですから。
何もヒトの繋がりは恋愛だけじゃ、ないです」


< ブルームーン。味は悪くないが >






提督「ま、無難にカルーアで締めとくか」

漣「ふぁ……添い寝、添い寝要員が」

提督「叢雲のベッドにでも入っとけよ」

漣「や、叢雲ちゃんに朝になって怒られるの嫌ですし」

提督「なるほど」

漣「ご主人様ぁ」

提督「やめとけ……カルーアじゃなくてブルームーンにでもしておこうか? 」

漣「そんな“ できない相談 ”とか言わないで」

提督「“ お断り ”の意味もあるが」

漣「…………」

提督「カルーアのカクテルワードは“ 悪戯好き ”と“ 臆病 ”。
まさにお前らしい。嵌り過ぎれば深みに嵌るところも含めて」

漣「……それなら深みに嵌ってみてくださいよ」

提督「…………また明日。漣とは今のままでいたいよ、俺は」

漣「…………………………ええ、また明日、です。ご主人様」


ありがとうございました


< まるで母親の如き >





漣「ふぁ……頭、いったい……」

叢雲「ゆうべはおたのしみでしたね、と言うべき? 」

漣「お酒飲んだだけ……痛」

叢雲「……唐辛子スープでもつくりましょうか」

漣「お願い……はう」

叢雲「とりあえずシャワーで頭冷やしてきなさいよね」

漣「そうする……はぁ、飲み過ぎた」


< 生命の水 >





提督「なるほど、それでスープが……」

漣「んん……なんでご主人様はそんな余裕でいられるんですかぁ」

提督「まぁ、慣れってやつじゃない。昨日はセーブしてたし」

漣「あれで、ですか」

叢雲「長生きできないわよ」

提督「それは困る。困るが」

漣「お酒がないと? 」

提督「もっと困る」

叢雲「やれやれ……」

漣「らしいっちゃらしいけど……うーん、叢雲ちゃんの優しさが身に沁みるぅ」


< さすがに指の長さとかは足りないかな >





提督「ノーノー? マジ? 」

漣「はぁ」

叢雲「よくわからないけど凄いことなんでしょ? 」

提督「あぁ。俺がまともに見てないからかもしれないけど久し振りにこの国の選手が達成した気がする」

叢雲「へぇ……」

漣「でもでもっ。漣もストレートくらいなら越えられそうですよ? 」

叢雲「コントロールは捨てるの? 」

提督「あのさ……そういう話してるんじゃないから。張り合う必要ないし」

漣「や、でも美少女ピッチャーとか最高にイカすじゃないですか」

提督「そうだけどさぁ」

叢雲「……否定はしないのね」


< あくまで経験則みたいな >





漣「まぁ、それは冗談として」

提督「当然だけどな」

漣「指の長さ、と言えば? 」

提督「言えば? 」

漣「性格診断ですよ、性格診断! 」

提督「はぁ、そう……」

漣「興味なさそうですね」

提督「血液も星座も統計学的なものならさ、良い結果くらいは信用しとくけど。指の長さ? 」

叢雲「あら、一応学術的に指の長さは幼児期のホルモン分泌に関係しているのよ」

提督「ほう……? 」

漣「男性は薬指が人差し指より長い傾向、女性はその逆、とかですね」

提督「で、薬指の長い女の子はエロいとかそういうのだろ? それは聞いたことある」

漣「はい。ご主人様の経験的にはどうです。
統計を信じるならサンプルを沢山知ってそうなご主人様はなかなかですよね」

提督「はぁ……」

叢雲「……」

提督「…………あんまり関係ないと思うぞ。それなりに付き合いあればまぁ……心の開き具合と同じくらいだし」


< 通販とか楽しいしね >





漣「ね、ご主人様」

提督「うん? 」

漣「なにか無いと思ったらネットが無いです。漣、パソコンが欲しいです。横須賀に置いてきちゃいまして」

提督「いいんじゃない? 」

漣「はい」

提督「…………」

漣「…………」

提督「……なに? 」

漣「や、回線とかその辺どうすればいいのかなーっと。
勝手に購入して接続してもいいんですか? 」

提督「あ? あー……いいぞ。書類上のやつとかは俺がやっとくから」

漣「わお、さんきゅーです! 」

提督「ん」





漣「だって、叢雲ちゃん」

叢雲「そう」

漣「これで漣のネットライフが捗りますー」

叢雲「よかったわね。……でもそんなに必要なものなの? 」


< ポーカフェイス >





叢雲「八月十三日の誕生石はイエロージルコン。
石言葉は“ 多彩 ”、“ 情熱 ”、“ 負けず嫌い ”、“ 直観力 ”、よ」

提督「負けず嫌い? 」

叢雲「まぁ……そうね」

漣「……なぜババ抜き」

提督「人数少ないし大富豪ってのもな。バカラとかBJも、うん」

叢雲「あら……これで終わりよ、私」

提督「つえーな……叢雲の最後の一枚っと」

漣「……パンツ? 」

叢雲「何言ってんのよ」

提督「あ、俺もこれで終わりだ。すまんな漣」

漣「うへぇ……マジですか」

叢雲「さて、じゃあ負け犬さんには人数分の麦茶、持ってきてもらおうかしらね」

提督「茶請けも頼む。何かしらあるはずだから」

漣「はーい。……叢雲ちゃんは無表情だしご主人様はずっとニヤついてるし……はたから見たら異様な雰囲気、だよね」


< 涙色のドレスなんて、見たくないからね >





叢雲「今日の誕生花は松虫草。花言葉は“ 悲しみの花嫁 ”」

提督「えーっと……なんだ、政略結婚とかか」

漣「年の差婚とかだと悲劇度上がりますよねー」

提督「まぁ、恋愛婚なら兎も角無理矢理で年の差だとな」

叢雲「……あんた、いい夫にはなりそうよね」

提督「え、マジ? 叢雲のお墨付きとか」

叢雲「いい父親にはならなさそうだけど」

漣「あぁ……」

提督「…………」

叢雲「……いい父親の定義にもよるけど……ちゃんと将来のこと考えてるならなんとかしときなさいよね」


< なんとはなしに口をついて >





提督「ホテルでさ」

叢雲「ええ」

提督「コスチューム貸し出しサービスとかやってるとこあるんだよね」

叢雲「……私一度も宿泊したことないけど……明らかに普通のホテルじゃないわね」

提督「まぁ、ラブホの話だし」

叢雲「…………」

提督「あれ誰が着て、その、プレイしたかわからないのによく着れるよな」

叢雲「…………」

提督「あれ借りてヤる熱意があるなら買って持ち込むくらいできるだろ」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「……なぜ、それを今私に言おうと思ったの? 」

提督「なぜ、なぜか。……漣がご主人様とか言ってくるから、つい」

叢雲「自分のつまらない考えを話す前につい、で変態的な話をされる側のことを考えてほしかったわ」


< 策士 >





提督「で、コスチューム繋がりなんだけど」

叢雲「……だから」

提督「最近ミニの浴衣とか巫女服もなんだかんだよく見えてきたよ」

叢雲「はぁ……」

提督「最初はさ。ロング最高なのになんだあれとか、様式美を知らないな、とか思ってた」

叢雲「…………」

提督「でもね、よくわからない衣装着て恥じらってる女の子とか。
あと結構よく見たら露出だけじゃないよさとかあるんだよ」

叢雲「……ねぇ、ちょっといい? 」

提督「ん? ミニ浴衣着る? 」

叢雲「着ないわよ。……そうじゃなくてもしかしなくても暇でしょう」

提督「まぁね。執務は終わらせたし」

叢雲「それならそうね……一緒にお料理でもしましょう。あんたにもまともな料理がつくれるようにしてあげる」

提督「えぇ……叢雲と駄弁ってたいなぁ」

叢雲「あんたが私につまんない話ダラダラしてるだけでしょうが。……戦場から帰ってきてあんたが料理つくってあげたら……喜ぶと思わない? 」

提督「! 」


< お口の恋人はどこのメーカーだったか >





漣「今日は国際左利きの日らしいですよ」

提督「へぇ……俺、右だよ」

叢雲「私も右ね」

漣「漣もですけど」

提督「だよな」

漣「です。……それはそうとご主人様の恋人ってどっちですか? 」

叢雲「…………」

提督「…………」

漣「ん? 」

叢雲「…………言わなくていいわよ」

提督「……言わねぇよ。恋人を自分の手に求める必要もないし」


< 汚れ、とは何かにもよるけれど >





提督「今日のカクテルはブラートニック。
カクテルワードは“ 汚れを知らないピュアな精神の持ち主 ”、だ」

叢雲「そんな人いるのかしらね」

提督「お前は自分がそうだとは思わないのか? 」

叢雲「酒は飲む、口はよくない、そもそも戦場に立つ女が汚れを知らないなんて笑い話にもならないわ」

提督「口は別に……そんなもんじゃねぇの」

叢雲「あんたは単に付き合いが短くないからそう思うだけよ。
外行きの話し方をしたときには特に自覚するわ」

提督「……ま、別にピュアである必要もない」

叢雲「そうね」

漣「ピュア……汚れ…………陵辱? 」

提督「そんなわけあるか。それでも女子かよお前は」


< ハイヒールにカルピスを注いで……? >





漣「ひひひっ」

提督「えぇ……何その笑い方」

叢雲「今朝二日酔いが酷いって騒いでたのに」

漣「ひゃあ……っふ……カルピスハイヒールくーださい」

提督「ハイボールだよそれ。つーかカルピスだけでいいじゃん」

漣「やーです。お酒が飲みたいんですー」

提督「まぁ、つくるけどさ……薄めで」

叢雲「そうした方がい……何? 」

漣「へへっ、お嬢ちゃん下着の色何色? 」

叢雲「……さっき浴場一緒に行ったんだからわかるでしょ」

提督「ほいハイボール」

漣「アリアトアッシター」

叢雲「なんでこんな酔い方するのよ……」

提督「おう。……で、何色? 」

叢雲「ばーか。言うわけないでしょ」


ありがとうございました


< 寝起き。一人分のコーヒーを淹れながら >





提督「あいつらが出発して四日目か」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「……なんとかなるものだな。少なくとも生きてはいるし。……叢雲がいなかったらヤバかったけど」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………ただまぁ……普通に寂しいな。もしひと月とかになったら発狂しそうだ」


< 青い血でも、血は血ですから >





叢雲「八月十四日の誕生石はファイアオパール。
石言葉は“ 個性 ”、“ 活発 ”、“ 判断力 ”、“ 第六感 ”、よ」

漣「んー、やっぱり第六感の判断って頼りになりますよね」

提督「そうだな」

叢雲「あんたの場合女をこますことにしか使われない判断だけど」

提督「失礼な」

漣「幻滅されないラインの見極めにも使ってますもんねー? 」

叢雲「なるほど? 」

提督「ヒエー……普通に酷い。血も涙もないのかお前らは」


< 25℃以上は全部酷暑に思える >





叢雲「今日の誕生花は鹿子草。
花言葉は“ 適応力 ”、“ 親切 ”、“ 真実の愛 ”、よ」

提督「……適応力あるやつが羨ましい。Littorioとか順応し過ぎだろ」

叢雲「その人は知らないけど……あんたが貧弱過ぎるのよ」

提督「せめて繊細と言ってもらいたいね」

叢雲「ふん、繊細だとしてもあんた、軍人に向いてないわよ」

提督「はっ、そんなものに向くくらいなら俺はニートでもやるね」

叢雲「……最低限やるなら私は文句言わないんだけど? 」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「……や、だって暑いじゃん? 書類の文字がゲシュタルト崩壊しまくるレベルで頭働かない」


< 肉欲主義 >





提督「今日のカクテルはバーボネラ。
カクテルワードは“ 理想を追い求めるロマンティスト ”、だ」

叢雲「…………」

漣「…………」

提督「……なんだ、黙ったりして」

叢雲「……ロマンティスト、ね」

提督「うん? 」

漣「……漣、覚えてますよ。泥酔してご主人様が言った一言」

提督「おう? 」

叢雲「…………I’m a soulful or amorous idealist.」

提督「俺がそれ言ったのか? 」

叢雲「ええ。俺は魂の篭った愛の理想主義者だ、とかなんとか」

提督「あぁ」

漣「まぁ、そこまでならよかったんですけど」

提督「? 」

漣「……ま、訳を間違えると俺はソウルフル、あるいは好色な理想を持つ」

叢雲「とか言ったと思ったら見事にぶっ倒れて次の日は記憶を失ってたわ」

提督「…………すみませんでした」

漣「まぁ、酔い潰れるのなんて珍しかったので愉快なものを見れたと思いましたけど」

叢雲「よく考えれば泥酔した男って最低に詰まらないわよね。暫くちょっとしたトラウマになってあんたの酒、嫌いだったわ」

提督「……や、あの…………もう、無いよ? 多分、うん」


< 憂いの戦姫 >





山城「おのれ忌々しい……私の前に立っていいのは笑顔の扶桑姉さまだけよ」

時雨「ふふ、はははっ……実にいいじゃないか。僕たちは最低の状況でいつも戦ってきたんだから」

山城「戦いたくて戦っているわけじゃないわよ。
これしか知らない、これしか許されないから。
姉さまと生きていく為には戦い続けるしかないからっ! 」

時雨「あぁ、そうさ。そうだとも」

山城「…………」

時雨「…………」

山城「……消炭にしてやるわ。私の姉さまを大破させた報いは死しかない」

時雨「……山城」

山城「……なに」

時雨「……敵の、あの一番鬱陶しいやつさ、僕たちと、あと後ろの雲龍たちだけで勝てると思うかい? 」

山城「勝つのよ、私には勝利しか許されない、私が許さない」

時雨「そうか。……あぁ、僕の僚艦が山城でよかった」


< 怒りの戦鬼 >





山城「……時雨、いいこと教えてあげる」

時雨「あぁ」

山城「互角、という言葉は戦っている最中にしか使えない言葉なの」

時雨「ふぅん……」

山城「勝ち負けが決してしまえばそれは意味をなさないわ。
勝者と敗者には隔絶した差がある。結果が出た時点で差は天地」

時雨「なるほど。それで? 」

山城「それだけよ。私はこれまで勝者を積み重ねてきた。前の山城には考えられない程」

時雨「…………」

山城「……弱い私は要らない。必要なのは、」

時雨「扶桑と扶桑の幸せだけ、そうだろ? 」

山城「…………ふん、ついでなら、時雨や姉妹の幸せも祈ってあげるわ」

時雨「ふっ、ふふ……そうか。ついででも山城が祈ってくれるなら、僕もここで震えてはいられないね」

山城「当然。…………休憩は終わりよ。やつらが来たわ」

時雨「……そう、だね」

山城「……雲龍たちの戦果も、無駄にはできないわ」

時雨「あぁ。準備はできてる。……いつでも、どんな命令でもこなしてみせるさ」


< この世で最も汚いレインボウ >






提督「うぁっ……ぉぉぉ…………っげほっ……」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………もう、収まっげぇっ」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………は、は、は。折角叢雲がつくっ、のに、げほっ………へっ、酒もまぁ酷い色になって」





叢雲「……………………」


< 元部下は見た >





叢雲「…………」

漣「どうだった? というかまぁ、叢雲ちゃん見ればわかるけど」

叢雲「…………相変わらず汚いことやってたわ。上着を脱いでるあたりしっかり教育されてる気もするけど」

漣「はは……真白な上に洗いにくい生地だもんねぇ」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「……ま、余裕ぶってるあいつがこれから寂しく一人で掃除しなくちゃいけないと思えば清々するわ」

漣「…………説得力さんはどこですか」

叢雲「…………」

漣「それにしても……これで三晩連続、かぁ」


< 戦わないと戦えない、きっとそれは大きな違いだから >





漣「……あれでもう少し図太いか野心でもあれば」

叢雲「そうなら? 」

漣「三晩も連続で吐き散らかさないんだろうけど」

叢雲「……もしそんなやつならここで燻ることに満足なんてしてないわよ」

漣「そうだけど。……どうにかできないものですかねぇ」

叢雲「無理ね。私たちに話してくれてもどうしようもないのは本人も理解してるでしょ」

漣「……戦えない境遇、なんてものは漣たちには分からないもんね」

叢雲「それはあいつだけの苦しみよ。で、あいつだけが持てる優しさでもある」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………漣たちは、それをどうにかできるポジションまではいけなかったんだよ、ね」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………寝ましょうか。作戦が終わらないとどうにもならないわ。良くなるか、悪くなるかはわからないけど」


< The mistress of the night >





愛宕「……星に手は届かない」

高雄「ええ」

愛宕「でも星よりも得難いモノは手に入れた」

高雄「そう、ね」

愛宕「……僚艦が皆沈んでいった、なんてハンデよね。愛の前には」

高雄「さぁ……」

愛宕「…………私たち二人、愛の力ってやつを見せるときじゃない? 」

高雄「ま、正確には明石さんの技術とか指環、というものですが」

愛宕「ふふ、高雄は堅いわねぇ」

高雄「戦場で、他に何もない海上で隙を見せるよりはまともかと」

愛宕「あぁら、そう? 」

高雄「私が何度突出するあなたをカバーしたか」

愛宕「だってぇ……邪魔なものは早く消してしまいたいじゃない」

高雄「……そう」

愛宕「……ええ。…………ふふ、私、夜の戦い得意なのだけど……あっちは知らないみたいねぇ~ 」

高雄「それは僥倖。私たちとの夜戦において慢心してくれるならば……素敵なパーティーでも催いてあげましょう」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………今だけはあの人の為でも、ましてや国の為でもなくて」

高雄「ええ」

愛宕「沈んでいった娘の為に戦ってもいいわよね? 」

高雄「ご随意に。……もとより、私はそのつもりですが」


ありがとうございました


< 恋って、気付いたら走り出してるものなんだ >





明石「これはまた派手に……」

愛宕「服なんて飾りよぉ」

山城「…………」

明石「……ま、然程ダメージの方は酷くないようで」

山城「私やこの淫乱女はいいのよ。姉さまのダメージはちゃんと回復したんでしょうね」

明石「しましたよ。じゃないと今山城さんと入れ替わりで出撃してません」

愛宕「ねぇ、淫乱女って、ねぇ」

山城「……あの男に尻振って媚びてるじゃない」

愛宕「あれはラブラブしてるだけですぅ」

山城「チッ…………そういえば明石もだったわね」

明石「ははは……」

愛宕「なんならあの人の友達でも紹介してもらいましょうか? 姉離れ、できるかもだし」

山城「結構よ。姉さまが至高にして唯一なの。大体あの男の友人なんて同じ穴の狢でーー」


< 8/15 >





提督「まぁ……俺の立場としては微妙かもしれんが」

叢雲「終戦、ねぇ」

漣「別にいいじゃないですか。ご主人様が何かしたわけではありませんし」

提督「そうだが」

叢雲「……身に過ぎた感情は身を滅ぼすわ。もちろん適度な感情の揺れは必要なものだけど」

提督「含みがありそうなこと言うね君。
……少なくとも今日は全国の軍人が振る舞いには気を付けなきゃならない日ではあるだろ」

叢雲「いや、確かにそうだけどあんたは普段から気を付けなさいよ。今日だけじゃなく」

漣「まぁ、それができるんなら、ねぇ? 」

提督「なぁ? 」

叢雲「……漣は兎も角あんたはそれじゃあ駄目じゃない」


< 癒しを求める >





叢雲「八月十五日の誕生石はブラックルチルクォーツ。
石言葉は“ 健全 ”、“ 感性 ”、“ 優しさ ”、“ 癒しを求める ”、よ」

提督「叢雲ちゃーん」

叢雲「なによ」

提督「執務を早く終わらせた俺に何かないのー? 」

叢雲「何かって何よ」

提督「えぇ……膝枕とか? 」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」





漣「はぁ……本当暑さって慣れな……はい? 」

提督「……ふぃー」

叢雲「動くな。鼓膜突き破っても知らないわよ」

漣「……………………数分席を外したらいつの間にかツンツンの同僚が上官の耳をツンツンしてた件について」


< 二番底 >





漣「んー……海に行きたーい」

叢雲「目の前にあるわよ」

提督「だなぁ」

漣「違いますー。浜辺で、水着で、ご主人様を、首以外、埋めたいっ」

提督「やめろよ。俺が楽しめないだろうが」

叢雲「……作戦が終わればね」

提督「…………」

漣「…………わっかりやすいテンションの落ち方ですねぇ」

提督「あぁ? 」

叢雲「……あんたにはあんたにしかできないことがあるでしょ。
とりあえずは書類の始末をなんとかなさい」

提督「…………へーい」

漣「…………さらにわっかりやすいテンションの落ち方ですねぇ」


< そろそろいい歳、ということでもないが >





叢雲「今日の誕生花は向日葵。
花言葉は“ 憧れ ”、“ 熱愛 ”、“ 愛慕 ”、“ 光輝 ”、“ 敬慕 ”、よ」

提督「……瑞穂、ね」

叢雲「瑞穂? 」

提督「SNの方のサルベージだ。……たぶん、ここに来る」

叢雲「ふーん……? 」

提督「……海風と江風もまぁ、サルベージされればな」

叢雲「そ、よかったわね」

提督「何言ってんだ。お前も関係あるぞ」

叢雲「は? 」

提督「俺が海大出る前からからシーレーン出突っ張りだろ、そろそろ休暇、とは言わずとも育成くらいしとけ」

叢雲「…………」

提督「新要港部の発足だからな。……俺を助けろ。きっと駆逐の育成に追われるだろうが」

叢雲「…………側にいてもいいの? 邪魔じゃない? 」

提督「はっ、お前らしくもないことを言う」

叢雲「……私、文句ばかり言うわ」

提督「言えよ。俺はそれで育ったんだ」

叢雲「ーーーー」

提督「…………」

叢雲「……………………よろしく? 」

提督「こちらこそ」


< 思わぬ姿 >





提督「あぁ? 冷房入れたら、なに、キュルキュルするぅ? 」

叢雲「…………」

提督「そんなのJAFなりなんなりどうにかしてもらえよ」

叢雲「…………」

提督「考えなかった? それでもなんで俺に電話なんだよ……」

叢雲「…………」

提督「あと、二十分で目的地だから大丈夫? ……あぁ、わかったから。
……あれだろトランクルーム見てみろ。焦げ臭くないか」

叢雲「…………」

提督「な? たぶんそれプーリーのベルトが固着して空回りしてんだよ。エンジン吹かせてみ」

叢雲「…………」

提督「とりあえず冷房動かさないで走れ。で、そのベルトなんとかして切断しよう。
たぶん父さんの工具とか載せてるだろ? あ? いや、今は俺の話はしてないから。だからーー」

叢雲「…………」





提督「ーー……悪いな執務中にアホの母親が」

叢雲「別に。…………それよりあんた」

提督「うん? 」

叢雲「……カッコいいわね」

提督「へ? なんで? 」


< 何はともあれ夕食後が >





提督「今日は刺身の日だぞ」

叢雲「ふーん……初耳ね」

提督「なので今日は刺身だ! 用意から片付けまで楽でいいな! 」

漣「わーお、ご主人様相変わらず包丁捌き上手いですね」

提督「まぁ、中学生になる前から我が家では刺身とかは俺の担当だったからな。年季よ年季」

叢雲「あんたの中学生時代とか想像できないわ」

漣「きっとこのままだよ、ずっと」

提督「どうだろうな。……鮪とかハマチは柵以外殆ど買ったことなかったなぁ」

叢雲「……食べましょうか。いただきます」

漣「いっただきまーす」

提督「へい、いただきます」


< 偏見 >





漣「そんなどうでもいいことよりですね」

提督「どうでもいいってお前な」

漣「今日はU.C.0069年、ジオン公国の建国記念日なんですよ! 」

提督「はーん? ……俺、ガンダムわかんねぇよ」

漣「えーっ! 」

提督「や、そんな驚くとこかな」

漣「だって、ねぇ? 」

叢雲「知らないわよ。私も観たことないし」

漣「あぁ、でもアニメだってことは分かるんだ」

叢雲「だって」

漣「うん」

叢雲「漣ってあれでしょ? 他のメディアミックスまでは手を伸ばさない、えーっと……ほら、に、にわ」

提督「にわか? 」

漣「やめて! 」


< 芋 >





提督「なんだなんだ、噴火? 」

漣「最近続きますねー」

提督「これは天の怒りだ。怒りを鎮める為にも」

漣「為にも? 」

提督「桜島を飲んで天に赦しを乞おう」

漣「それ本当に鎮める気あるんですかね……」

叢雲「ネギ焼きつくってきたわよ」

提督「わーい。サンキュー叢雲」

叢雲「ふふ…………ガキねぇ」

漣「……ま、楽しいならいっか」


< 離れてみると、よりあなたを感じる >





高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「……寂しい? 」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「……ええ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………共依存、してるわねぇ」

高雄「…………こんなことなら愛など」

愛宕「知らなければよかった? 」

高雄「…………いえ、愛を知らなければ生きている価値もありませんから。これで、いいはずよ」


< せめてあなたの最期だけは >





提督「今日のカクテルはバーボンサワー。
カクテルワードは“ 思いやりに満ちたキュートな人柄 ”、だ」

叢雲「私はその反対だから言うけど」

提督「あぁ」

叢雲「それに……煩く言えるお墨付きも貰ったし」

提督「……あぁ」

叢雲「それだけ苦しむなら女連れて逃げるのも一つの選択肢よ」

提督「うん? 」

叢雲「彼女たちなら、それとも他の何人かも、あんたに着いていくでしょ」

提督「……反逆行為の教唆は兎も角それのどこが優しくないんだ? 」

叢雲「私は絶対に着いていかないからよ。あんたがそれを実行する前に殺してあげる。あんたを知る存在として」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「……どうしようもないことで苦しむなら、せめて私や漣には共有させなさい。
一緒に苦しんであげるのなんて滅多にないわよ」

提督「…………ふっ、やっぱり優しいじゃねぇか。最高にキュートだしな」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………悪いな。もう少し、苦しませてくれよ。悲劇に酔ってないと、もたないんだ」


とりあえず瑞穂と出会えてよかったです

ありがとうございました


< ニヤつく金髪の顔が想像できる >





扶桑「ふぅ…………扶桑型一番艦扶桑、帰投致しました」

明石「おかえりです」

扶桑「ええ。……ただいま」

明石「早速ですけどね? 聞いてほしいことがあるんです」

扶桑「? 」

明石「山城さんが私をいじめてくるんですよ。淫乱ピンクだとか尻軽だとかー」

扶桑「山城? 」

山城「…………」

明石「修復中も入渠中も愛宕さんと一緒にずぅーっと話かけてきましたからね」

扶桑「へぇ……」

山城「…………」

扶桑「…………」

山城「…………」

扶桑「……山城」

山城「姉、さま……」

扶桑「…………寂しかったの? 」

山城「ね、姉さま? えっと、姉さまは何を……」

明石「ま、友人であるところの私は華麗にスルーしてましたけどねー」



< 褒めてる >





叢雲「八月十六日の誕生石はラブラドライト。
石言葉は“ 欲求 ”、“ 素直 ”、“ 優雅 ”、“ 社交的 ”、よ」

漣「社交能力だけなら半端ないですよね。社交能力だけなら」

提督「だけなのかよ」

叢雲「ま、高級軍人で政治力皆無ってのも嫌じゃない。
自分の上官が無能だと物資が不足したりするかもしれないし」

漣「そうだね、うん」

提督「もっといいとこあるだろ。有能ポイント」

叢雲「…………顔? 」

漣「…………筋肉? 」

提督「…………いや、嬉しくなくはないけども。もっと判断力とかそういうのをさぁ……」


< 暑い、暑い、ひたすら暑い >





提督「俺さ、昔きぐるみのバイトしたことあるんだよ」

漣「夢の国とか? 」

提督「キャストではないね。……地元のモールがオープンしたときに風船配ったりしたんだ」

漣「なるほど」

提督「あれやってるとわかるけどガキって結構面倒なんだよな。
こっちにやたらフェイント仕掛けてきたり風船で後ろから首締めてきたり」

漣「や、それ駄目でしょう、さすがに」

提督「っても首に引っ掛けたりな。腕に巻かれたりもしたなぁ」

漣「…………」

提督「…………」

漣「……え、ただの思い出話ですか? 」

提督「ん、今度ここでやる花火の縁日にぬいぐるみの提案が」

漣「ぜっっっっったい漣はやりませんからね。漣は勝手に楽しみたいので」

提督「さすがにお前にやらせはしないが……まぁ、住民か陸軍にやってもらおうか」


< ある戦場、ある姉妹が >





天城「姉様、生きてますか? 」

雲龍「…………」

天城「……姉様? 」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………加賀さんにも、赤城さんにも、二航戦にも、五航戦にも全く届かない。足元にも、及ばないわ」

天城「…………それは」

雲龍「…………ねぇ、私がここにいる意味は? 替えの効く消耗品なんかじゃ、私は、私は……ねぇ、天城っ」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………天城は」

雲龍「…………」

天城「天城は、あると思っていますよ。
天城や姉様の価値、皆さん分かってくれていると思っています」

雲龍「…………」

天城「それに誰もが姉様に背を向けても、天城は、あの人は、絶対に共にありますから」

雲龍「…………ふっ、天城にあの人の心がわかるの? 」

天城「それでは、反対にお訊きしますが、姉様の心に決めた殿方はその程度の方なのですか? 」

雲龍「ーーーー」

天城「…………姉様自身があの人の価値を貶めることは、絶対にやってはなりませんよ。姉様が姉様であるためにはね」

雲龍「…………」

天城「……退きましょうか。これからは天城たち、足手まといですから。
次の戦闘まで、考える時間もありましょう」


< 愛を向ける、ということ >





叢雲「今日の誕生花は待宵草。
誕生花は“ 仄かな恋 ”、“ 静かな恋 ”、“ 移り気 ”よ」

漣「……仄かな恋」

叢雲「そうね」

漣「仄かな恋? 」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「……恋と愛って似てるけど違うものなのよ。愛だって色々あるし」

漣「……でも、敬愛だって保護欲だってすぐ愛に」

叢雲「なることがあるからって絶対にそうなるわけじゃないわ。
……目移りを移り気って言うけど、気持ちの変化も移り気なのかもしれないわ」

漣「…………」

叢雲「愛の色が変わるってことは、対象を、あいつを見る目が変わるってことだもの」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………難しいね、愛って、ヒトって」

叢雲「……本当にそう、ね。戦闘なら只管に攻め立てるのに」


< チャームの魔法 >





提督「今日のカクテルはバーボンバック。
カクテルワードは“ 知ることを求めるチャーミングな探検家 ”、だ」

漣「じゃあですね」

提督「何がじゃあなのかはわからないが……なんだ」

漣「漣や叢雲ちゃんがご主人様の評価をするのは何度かしましたけど」

提督「あぁ。俺がすればいいのか? 」

漣「とりあえず……一番チャーミングなとこってどこでしょ? 」

提督「チャーミング……? 」

漣「ドキドキ。ドキドキ」

叢雲「…………」

提督「……こういうこと訊くくせに手が震えてるところかな。あんまり握り締めんなよ」

漣「ーーーー」

叢雲「ふっ、ふ、ふ、ふ」

漣「…………わ、笑いたいなら笑ってよ。そこでそういう目される方が恥ずかしいってわかんないかなぁっ」


< そっぽを向くその姿こそが >





漣「…………」

提督「……そうだな」

叢雲「言わなくて、いいわよ? 」

提督「なんで? 」

叢雲「この流れで言われたら意識しちゃうじゃない」

提督「いいじゃん。駄目? 」

叢雲「駄目」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………そのさ、やっぱり言ってくれないの? ってとこ、キュートだぜ。
伏し目っていうか上目遣いっていうか」

叢雲「! 」

提督「自分に自信あるんだろ? でもそんな叢雲が俺の前でだけ不安になってくれるところ、好きだよ」

叢雲「っ」

提督「うん? 」

叢雲「ふっ…………はぁ……………………もうっ」

提督「クク……いい顔だ」


< 一息おきまして >





提督「まぁ、普段目を惹かれるのは瞳なんだけどな」

叢雲「あ、続けるのね」

提督「漣のやつはプルプルしながら部屋に引っ込んだし」

叢雲「だからといって私を標的にされるのも」

提督「褒めてんだぜ? 」

叢雲「だからよ、だから」

提督「……ふーん」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「……もしキスをするなら、ずっと見つめていたいね、叢雲の瞳」

叢雲「…………ばーか」


< テイスティングには信頼を >





提督「…………叢雲、ワイン派だったよな」

叢雲「まぁ、そうね。苦手なお酒があるわけじゃないけど」

提督「普段ならドイツワインなんだが……たまには北海道のワインにしようか」

叢雲「そ」

提督「ま、北海道ワインって言ってもドイツ系のケルナー使ってんだが」

叢雲「……ありがと」

提督「ん。基本的に男が注ぐものだからな。それだけだ」

叢雲「…………さっぱりしてる。嫌な甘みもないし」

提督「味もそんなに落ちないだろ? コスパも悪くない」

叢雲「…………つまむものも要らないわね」

提督「お前が最高のつまみ、というか。話を聞いてるだけで楽しいさ」

叢雲「そ。…………悪くないわね。お酒も、あんたと飲むお酒も」


気付いたらいたというか……
増えるかどうかはわかりませんが少なくとも次にはいきます

ありがとうございました


< 芸術とは本人だけが理解していればそれで >





叢雲「八月十七日の誕生石はレインボウパイライト。
石言葉は“ 芸術 ”、“ 叡智 ”、“ 素直 ”、“ 経営力 ”、“ バランス ”、よ」

漣「叢雲ちゃんは戦争が終わったらしたいことってある? 」

叢雲「したいこと? 」

漣「小料理屋を始めるとか、旅をしたいとか、モデルになりたいとか」

叢雲「随分振れ幅あるわね……漣は? 」

漣「漣はとりあえず姉妹で全員集まって騒いでみるかなー。実はそんなにしたいこともないんだよね」

叢雲「私もそんなものよ。……今までの私が絶対にしなかったことをするのはいいかもしれないわ」

漣「絵を描くとか? 」

叢雲「いいわね。眺めのいいところに家を建てたりしてもいいし」

漣「建てたら漣も呼んでね。…………叢雲ちゃんの絵、下手そう」

叢雲「やってみなきゃわからないじゃない、失礼ね」


< 歓喜の氷 >






叢雲「今日の誕生花は合歓の木。花言葉は“ 夢想 ”、“ 歓喜 ”、“ 創造力 ”、よ」

提督「眠の気? 」

漣「合っているようで絶対に合ってないですよね。アクセント」

提督「……眠い。八月病だ」

叢雲「あんたの場合いつでも五月病でしょうね」

漣「まぁ、でも……確かに怠いですねぇ」

叢雲「…………」

提督「…………かき氷でも食べるか」

漣「……電動? 」

提督「いや、手動」

叢雲「…………」

漣「…………」

提督「…………一勝負の時間だな。トランプはーっと」


< デース! >






叢雲「…………」

漣「…………」

提督「…………他人の苦労で涼む時間は楽しいかな、君たち」

漣「最高に楽しいですよー。ありがとデース」

叢雲「ふふ……漣、似てるわそれ」

漣「HEY、提督ぅー! Burning Love! な、Kakigori持ってきたヨ-! 」

叢雲「ふっ、ふふ、ひっど、ひど」

提督「バーニングしてんのは俺の筋肉だよ、まったく」

漣「でもご主人様も食べてるじゃないですか」

提督「そりゃな。……練乳もっかいかけよ」

叢雲「私も頂戴」

漣「あ、漣も欲しいデース」

提督「はいよ。……それ気に入ったのか? 」


< さすれば走馬灯は美しき >






提督『今日のカクテルはブランデーミスト。
カクテルワードは“ 粘り強く人生に立ち向かう忍耐力のある人 ”、だ』



Littorio「だとか言っているのでしょうか」

高雄「そうね。恐らくは」

Littorio「……戦場で思い出すものではありませんね。恋しくなってしまいます」

高雄「…………」

Littorio「恐れを抱く者こそが最も強い、とは言いますけれど」

高雄「……Littorio」

Littorio「はい? 」

高雄「私は絶対にここで勝ってあの人の許へ帰らねばなりません」

Littorio「え、ええ」

高雄「ですからあなたのカバーに力を割くのにも限度があります。
もし、自分とあなたを天秤に掛けねばならないときは、私は」

Littorio「当然。そこまでしてもらわなければならないのなら、Littorioの存在がそもそも不必要だったということ」

高雄「…………そう」

Littorio「ええ」

高雄「………………ふっ……最も強いのは、愛、なのかもしれません。私らしくもありませんが」


ありがとうございました

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