千秋(トレーナーさんの体調不良で急遽レッスンがなくなってモバＰさんにそれじゃあ今日はだらけるレッスンだって言われて休憩室に連れてこられたけど何をすればいいのかしら……)

千秋(ソファに座っているだけって退屈で案外難しいものね)

千秋(せっかくテレビがあるんだしなにか見ようかしら)ﾋﾟｯ

千秋(………あんまりテレビって面白くないわね)

千秋(この録画機器の中、何が入っているのかしら)ﾋﾟｯ

千秋(他の人のLIVEの映像とかが入っていれば参考になるのだけれど)ﾋﾟｯﾋﾟｯ

千秋(うちの事務所のアイドルが出ているテレビ番組ばっかりね、当たり前か)

千秋(とときら学園……そういえば佐城さんも出ていたわね)

千秋(…………ま、まぁ普段見ない番組を見ることで歌や演技の幅が広がるかもしれないわね、見てみましょう)ﾎﾟﾁｯ

愛梨『とときと〜』

きらり『きらりの〜』

『とときら学園〜』

千秋(佐城さんだけ猫耳と鈴をつけているから後ろにいてもなんだか目立つわね)

千秋(こういう同じ衣装でもアクセサリーを工夫して目立つ手法もプロデューサーが考えるのかしら)

千秋(勉強になるわ)

のあ(またお休みだけど特にすることもないからただでおやつが食べられてテレビが見られる事務所に来てしまったわ)

のあ(今日は先客がいるみたいね)

のあ(あれは、千秋さんかしら)

のあ(あんまり話したことがないからちょっと気まずいわね)

のあ(帰ろうかしら……)

千秋「……！？」

のあ「あっ」(やばいこっち見られた)

千秋「た、高峯さん？　こんにちは」

のあ「ど、どうも」

千秋(高峯さんって何考えてるかわからないのよね……)

のあ(千秋さんって何考えるかわからないのよね……)

((何を話せばいいのかしら……とにかくこの気まずい沈黙を打破しないと……！！))

千秋「あ、あの……」

のあ「……！？」

千秋(もしかして睨まれてる？　何か気に触るようなことをしてしまったのかしら)

のあ(まずい、千秋さんのほうが年下なのに気を使わせてしまったわ……ここは私から話すべきだったのに)

千秋「よ、よかったら隣どうですか？」

のあ「え、えぇ……失礼するわ」

千秋「…………」

のあ「…………」

のあ(隣に座ったのはいいけど何を話せばいいのかわからないわ……)

千秋(流れで隣に座ってもらったけれどどうすればいいのかしら……)

のあ(何かきっかけ……話のきっかけをつかまなければ……)

雪美『雪美と……』

小春『小春の』

『『しいくがかり〜』』

のあ「雪美……」

千秋「えっ？」

のあ「雪美……かわいいわね」

千秋「は、はい。　そうですね」

千秋(えっ？　もしかして私そんなに佐城さんばっかり見てたかしら？)

千秋(それってなんだか傍から見たら変な人じゃないかしら？　遠回しに指摘するぐらい食らいついて見てたの？)

のあ(つい口に出してしまったけどいきなりこんなこと言ったら変かしら。小さい娘が好きだと思われたりしないかしら？)

千秋(……そういえば高峯さんってにゃんにゃんにゃんっていうユニットを組んでたわよね。ただたんに猫好きだから佐城さんの話を出したのかしら？)

千秋(それなら猫の話をするのが自然よね)

千秋「(猫が)お好きなんですか？」

のあ(お好きなんですか？……どういうこと？小さい娘が好きというなの？　もしかしていま画面に写っている猫のこと？)

のあ(ここは曖昧に返事をしておこう)

のあ「そうね……」

千秋「そうなんですか…………」

のあ(どうしようまた会話が途切れてしまったわ……今度こそ私から行くべきね……)

のあ「猫……好きなの？」

千秋「猫ですか？　そうですね……どちらかといえば好きですよ。猫は優雅ですから」

のあ「いいわよね、猫は優雅で」

のあ(ちゃんと会話できたわね)

千秋「はい……」

のあ「……」

のあ(途切れてしまったわ……)

千秋(普段話さない人と話すってけっこう難しいのね)

雪美『ふふっ……猫……かわいい……』ﾆｺｯ

千秋(佐城さんかわいい」

のあ(雪美かわいい」

千秋(しまった！　つい声……高峯さんも今可愛いって言ったわよね？)

千秋「た、高峯さんも佐城さん好きなんですか？」

のあ「好きというわけではないわ、この前モバＰがにゃんにゃんにゃんに雪美も入れようかって話をしてたから気になっただけよ」

千秋「でも今可愛いと仰りましたよね？」

のあ「あっ……」

千秋(高峯さんって怖い人かと思ったけど意外とおちゃめなのかしら)

千秋「だ、大丈夫ですよ。　私もそうですから」

のあ「そう……」

のあ(千秋さんってもっと怖い人かと思ったけど案外優しい人みたいね。　正直敬語を使ってるところ見たことがなかったから誰に対してもあんな感じなのかと思ったけどそういうわけじゃないみたい)

千秋「佐城さん、いいですよね」

のあ「えぇ、いいわね……」

千秋「佐城さんとはこの前メイドのお仕事で一緒になったのですけど私のことをお姉ちゃんって呼んでくれてちょっと嬉しかったですね」

のあ「素晴らしいことね。　私も雪美が猫耳つけてこれでにゃんにゃんにゃんに入れる？って聞いてきた時はみくを追い出して代わりに雪美を入れようかと思ったわ」

千秋「えっ、前川さんをですか！？」

のあ「ふふっ、冗談よ。　彼女は私の大切な仲間だから、脱退なんてさせないわ」

千秋「そ、そうですよね」

千秋(高峯さんって実はものすごく気さくな方なのかしら)

のあ「あなたは翠さんのことどう思ってるの？」

千秋「最高の仲間でもあり、最大のライバル……でしょうか」

のあ「素敵ね」

千秋「私も、翠さんが私のことを姉と呼んでくれるのなら雪美ちゃんとノワール三姉妹を気取るのも悪くないかもしれませんね」

のあ「ふふっ」

千秋(あっ……どうしよう私かなり変なこと言ってしまったわ)

のあ「いいわね」ﾆｺｯ

千秋(高峯さん的にはよかったのかしら……)

のあ「いつか雪美をかけてブリアントノワールとにゃんにゃんにゃんで勝負しましょ」

千秋「面白そうですね、それ」

のあ「あら、意外と好戦的なのね」

千秋「この前お芝居で騎士の役をやったからかもしれませんね」

のあ「なるほどね……」

ちひろ（いいことを聞きました）

ちひろ（ブリヤントノワールとにゃんにゃんにゃん、なかなかおもしろそうですね）

ちひろ（モバPさんに提案して見ましょう）

――――――――――

瑞樹「さぁやってまいりました。　Liveバトルのお時間です」

瑞樹「司会は私、川島瑞樹でお送りします」

瑞樹「今回対戦カードはブリヤントノワール対にゃんにゃんにゃんです」

瑞樹「なんと今回は佐城雪美ちゃんをかけた闘いです」

瑞樹「勝った方のチームが雪美ちゃんとユニットを組んでLiveを行います」

瑞樹「見事Liveバトルを勝ち雪美ちゃんとドリームユニットを組めるのはどちらか？」

瑞樹「さぁ、Liveバトルの始まりです！」

――――――

モバP「なかなか盛り上がってますね」

ちひろ「大成功ですね」

モバP「しかしよく思いつきましたね」

ちひろ「はい、なんとなくぴーんときました」

モバP「流石、一番よくアイドルを見てるだけありますね」

ちひろ「これで給料アップ間違いなしですね」

モバP「かもしれませんね」

――――――

瑞樹「勝ったのは……僅差でにゃんにゃんにゃんです！」

みく「みく達の勝利にゃ！」

千秋「流石ね……」

翠「惜しかったですね」

瑞樹「それではのあ・アナスタシア・雪美によるクールなにゃんにゃんにゃんのエキシビジョンLIVEをご覧ください！」

のあ「アナスタシア、行くわよ」

アナスタシア「ダー、行きましょう」

みく「にゃー！　なんでさらっとみくをハブってるにゃー！」

終わり