千秋「それにしても最低ですね」

千秋「本当の家族ではないなんて」

春香「…」

千秋「黙っているほうも最悪です」

春香「…黙りなさい、千秋」

千秋「…えっ？」

夏奈「…」

千秋「春香ねえさ」

春香「いいから！」ﾄﾞﾝｯ

千秋「ひっ」

春香「…お願いよ…」

夏奈「…」

千秋「ごめんなさい…」

春香「いいのよ…」

夏奈「…」

春香「夏奈、ちょっとお使いいいかしら」

夏奈「…うん」

夏奈「…いってきます」

春香「…ごめんね」

ﾊﾞﾀﾝ

千秋「あの…」

春香「千秋、よく聞いて」

春香「家族っていうのはね…」

千秋「…」

春香「血の繋がりじゃないの…」

千秋「それって…どういう…」

春香「夏奈は家族よ、わかるわね」

千秋「…はい…」

春香「じゃ、この話はおわり」

春香「ケーキ食べましょう」

千秋「あ、はい」

春香「…」

千秋「…」

学校

千秋「ということがあったんだ」

内田「へぇ～。ケーキ何だったの？」

千秋「カスタードレモンだ」

内田「うらやまし～」

吉野「…ちょっといいかな」

千秋「ん？ケーキか？」

吉野「いやいや、なんかおかしいよ」

内田「え～美味しそうじゃん」

吉野「ちょっと黙って」

内田「ほえ？」

吉野「DNA検査って事は…つまり」

誠「おっす、千秋！」ﾄﾝｯ

千秋「相変わらずうるさい奴だ」

吉野「ちっ」

内田「ほぇぇ～」

吉野「あっ、千秋、髪少し頂戴」

千秋「なんでだ？」

吉野「千秋の髪綺麗だから」

千秋「まあ、別にいいが」

内田「え～じゃ私も欲しいー」

吉野「ありがと、うふ」

内田「やった～1本もらったよ～」

千秋「やれやれ」

誠「おれも…くっ」

吉野「今日、千秋ん家いっていい？」

千秋「いいぞー」

吉野「夏奈ちゃんいるよね？」

千秋「ああ、いるさ」

吉野「やった、にひ」

内田「ケーキ！」

南家

吉野「お邪魔しまーす」

夏奈「おー吉野、上がれよ」

吉野「はーい」

千秋「はぁ」

内田「ケーキ！ケーキ！」

夏奈「ん？どうした吉野、私を見て」

吉野「夏奈ちゃんって綺麗だなって」

夏奈「おだてても何もでんぞ」

吉野「私の本心だよ？」

夏奈「…いいからケーキ食え」

内田「わーい」

吉野「夏奈ちゃんがお姉さんだったら…私」

夏奈「…」

吉野「どれほどいいかなって」

夏奈「…」

内田「うめ～」

吉野「夏奈ちゃん、髪頂戴？」

夏奈「なんでだよ」

吉野「…欲しいの、だめ？」

夏奈「…あとで渡してやるから…」

内田「世は満足じゃ！」

千秋「じゃーまた明日」

内田「じゃーねーアリガトー」

吉野「夏奈ちゃん、ありがと」

夏奈「ああ、気をつけて…」

夏奈「…」

ﾃｸﾃｸ

吉野「あ、はい、この3つのDNAで」

吉野「150万ですね、今から振り込みます」

吉野「はい」

吉野「では、よろしくお願いいたします。」


ｶﾞﾁｬ

吉野「ふぅ」

数ヶ月後

吉野「はぁ、届いちゃった…」

吉野「開けるのは勇気いるな…」

吉野「とりあえず学校に持って行ってから…」


吉野「いってきますー」

学校

内田「バルサミコ酢がさ～」

千秋「はぁ～」

吉野「おはよー」

千秋「おーす」

内田「はよー」

吉野「体育やだね～」

内田「うー」

吉野「千秋ー先いってるね」

千秋「ああ、すまんな」

千秋「はぁー、ん？」

千秋「なんだ、この封筒？」

千秋「吉野の鞄か…」

千秋「…あれ、私の名前？」

千秋「え？なにこれ？…」

千秋「…」ｷｮﾛｷｮﾛ

千秋「ちょっとだけ…」

千秋「…ん、夏奈？」

千秋「夏奈と私の間に×？」

千秋「吉野との間に○？」

千秋「…ゲームか…？」

千秋「まあ、いいや、遅れちゃう」

ｶﾞｻｺﾞｿ

ﾀﾞｯ

吉野「疲れたね～」

内田「はひー」

千秋「まったくだ」


吉野「…ねえ、千秋」


千秋「ん？どした」

吉野「これ、触った？」ｻｯ

千秋「私がそんなことするわけないだろ」

吉野「…だよねー…」

内田「はあーやっぱポカリだよね～」ｺﾞｸｺﾞｸ

吉野「嘘つきは遺伝だよね」ﾎﾞｿｯ

千秋「なんかいったか？」

吉野「ううん、なんにもー」

ﾊﾞｻｯ

吉野「はあー、やっぱそっか…」

吉野「お姉ちゃん…」

吉野「夏奈お姉ちゃん…」ｳｯ

吉野「うわぁぁぁー」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

翌日

千秋「夏奈どこいったんだ？」

春香「ちょっとお使いよ…」

千秋「一泊で？」

春香「…」

千秋「そういえば、吉野が家の都合で急に引越しを…」

春香「…」

千秋「さよならもいわずに」

春香「言えなかったんじゃ、ないかな…」

千秋「えっ？」

春香「私もいえないし、言わない」

千秋「えっ」

千秋「どういう事ですか？」

春香「…ねぇ、カッコゥって鳥知ってる？」

千秋「名前だけは…」

春香「そう、千秋、愛してるわ」

千秋「なんで、泣いているのですか？」

春香「お願い、もう、夏奈のことは口にださないで」

千秋「お使いは？」

春香「…お願いよ…」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

千秋「…」


end